広島県議会 2008-12-05
平成20年12月定例会(第5日) 本文
審査の結果、県第九七号議案、追県第一五号議案及び追県第二四号議案は賛成多数をもって、また、その他の各案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、職員給与に係る地域手当の改定については、人事委員会勧告等を尊重する必要があり、これまでの長期にわたる給与カットへの協力を考えれば、増額はやむを得ないものであるが、財政健全化に向けた新たな具体化方策の取り組みにより県民の理解が得られるよう、さらなる努力が必要であること。
一方で、昨今の経済情勢を考えれば、職員給与の改定による歳出の増額及び実質的な給与単価の増となると考えられる来年度実施予定の勤務時間の短縮については、県民の理解は得られないとの意見がありました。
第二に、県の病院事業における地方公営企業法の全部適用については、経営責任の明確化や事務処理の迅速化などの効果があるとされているが、制度を変更するほどの必要性は感じられないこと。
また、経営コストの削減という観点からは、必ずしも十分な対応であるとは言えず、むしろ早急に地方独立行政法人とすべきであるとの意見がありました。
第三に、地方公共団体が厳しい財政運営を余儀なくされている要因は、ひとえに国の一方的な締めつけにあり、地方みずからの努力には限界があるため、地方の置かれている窮状を広く訴えて世論の喚起を図るなど、地方分権による地方の裁量拡大に向けた積極的な取り組みが強く求められていること。
このほか、地域事務所の再編における費用対効果、給与改定に係る議会への説明時期などについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、総務委員会の報告といたします。(拍手)
8:
◯議長(林
正夫君) 次は、生活福祉保健委員会の報告を求めます。生活福祉保健委員長
日下美香君。
【生活福祉保健委員長
日下美香君登壇】
9:
◯生活福祉保健委員長(
日下美香君) 生活福祉保健委員会における付託議案及び請願の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算四件、条例案三件、その他の議決案件七件の合計十四件であります。
審査の結果、県第九五号議案及び県第九七号議案は、いずれも賛成少数で否決すべきものと決定し、また、追県第一五号議案及び追県第一九号議案は賛成多数をもって、その他の各案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、病院事業における地方公営企業法の全部適用については、抜本的な経営改善を図るには、より自律的かつ機動的な病院運営が可能となる地方独立行政法人化が適当であること、また、政策医療を円滑に推進していくためには、現行の一部適用を継続すべきであるとの意見がありました。
一方、病院改革を推進していくためには、全部適用後の具体的な病院運営が重要であることから、現在策定中の次期経営計画の中で明確な経営目標を掲げ、その成果を検証していくことが必要であるとの意見がありました。
第二に、自然公園等の公の施設については、指定管理者によるサービスの向上を通じて、より多くの人に利用されることにより地域の活性化につながることが重要であるため、県においては指定管理者の運営状況を的確に把握しながら必要な措置を講じるなど、よりよい指定管理者制度の運用に努められたいこと。
第三に、五日市廃棄物積み出し施設の設置については、地域住民への説明がおくれたことなどを踏まえ、住民の意見を十分聞くとともに現地の状況も把握するなど、慎重な対応が求められること。
このほか、瀬戸田病院と神石三和病院の移管に係る支援の考え方、緊急医療支援市町交付金の継続、後期高齢者医療制度における滞納状況などについて問いただされたところであります。
次に、請願の審査につきましては、お手元に配付されております「請願の審査結果表」のとおり決定いたしました。
以上、審査の概要を申し述べ、生活福祉保健委員会の報告といたします。(拍手)
10:
◯議長(林
正夫君) 次は、農林水産委員会の報告を求めます。農林水産委員長宮 政利君。
【農林水産委員長宮 政利君登壇】
11:
◯農林水産委員長(宮 政利君) 農林水産委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算三件、その他の議決案件一件の合計四件であります。
審査の結果、追県第一五号議案及び追県第一六号議案は、可否同数となったため、委員会条例に基づき、委員長裁決により、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定し、また、追県第一五号議案及び追県第一六号議案を除くその他の付託議案二件は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、県において財政健全化に取り組む中、世界的な経済危機が県民生活に大きな影響を与え、また、大幅な税収の減少が予想される状況下では、地域手当の引き上げに伴う職員給与費の増額について、県民の理解を得ることは困難であること。
第二に、低コスト林業団地推進事業は、従来の森林組合が主体の森林整備と異なり、民間事業者の取り組みに対する支援として大変意義があることと評価するものであり、今後とも、さらなる取り組みを推進する必要があること。
第三に、五日市漁港フィッシャリーナ施設については、入艇率の向上に努めるとともに、本来の設置目的である不法係留の解消に一層の対策を講じる必要があること。
第四に、県産材の安定供給体制の構築は、林業の再生のみならず、中山間地域の振興につながる取り組みであり、森林所有者や森林組合などと連携のもと、計画的な推進を図る必要があること。
第五に、農地法改正に係る検討の中で、企業の農業参入を促進する方向が示されているが、参入の仕方によっては地域の農業経営に大きな打撃を与えることが懸念されるため、農地制度のあり方について十分な議論がなされるよう求められたいこと。
このほか、職員給与費に係る補正予算の提案時期、県立農業技術大学校の専修学校化、再編後の畜産行政の推進、貨物船によるカキいかだの被害への支援などについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、農林水産委員会の報告といたします。(拍手)
12:
◯議長(林
正夫君) 次は、建設委員会の報告を求めます。建設委員長
松岡宏道君。
【建設委員長
松岡宏道君登壇】
13:
◯建設委員長(
松岡宏道君) 建設委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算八件、条例案一件、その他の議決案件十三件の合計二十二件であります。
審査の結果、地域手当の改定に係る追県第一五号議案など六件は賛成多数をもって、また、その他の各案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のち、その主要なものを申し上げますと
第一に、財政健全化に向けた具体化方策に基づく公共事業予算の計画的な削減や建設事業者の倒産件数の急増といった状況の中で、人事委員会勧告の実施に伴う地域手当の改定による職員給与費の増額については、県民の理解が得られないこと。
第二に、現下の厳しい経済状況を踏まえて、来年度当初予算の編成に当たっては、地域経済や県民の安全な暮らしを守るための公共事業予算の積極的な確保に努める必要があること。
第三に、指定管理者制度については、非公募型の募集形態についても適切な管理経費の縮減が図られるよう、公正な制度の運用を図るとともに、引き続き、行政サービスの向上に向けて積極的に取り組まれたいこと。
第四に、土地造成事業については、産業団地のすべてのインフラ整備をして分譲する手法だけでなく、誘致企業が土地造成を行うなどの新たな整備手法についても検討されたいこと。
このほか、職員給与費に係る補正予算の提案時期、入札制度改革のための建設工事コスト調査の進捗状況、広島港五日市地区の臨海土地造成工事の見通し、県の緊急雇用対策事業の早急な実施などについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、建設委員長の報告といたします。(拍手)
14:
◯議長(林
正夫君) 次は、文教委員会の報告を求めます。文教委員長
緒方直之君。
【文教委員長
緒方直之君登壇】
15:
◯文教委員長(
緒方直之君) 文教委員会における付託議案及び請願の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算二件、条例案三件、その他の議決案件六件の合計十一件であります。
審査の結果、追県第一五号議案は賛成多数をもって、また、その他の各案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決並びに承認すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、主幹教諭及び指導教諭については、学校教育法の改正に伴い設置されるものであるが、今後、こうした国の制度の導入に当たっては、地方の財政的負担にも配慮するよう国に対して意見具申を行うなどの対応が必要であること。
また、これらの職が学校運営において有効に機能するよう、任用のあり方についても十分に検討を行う必要があること。
第二に、教育事務所の再編に伴い、本庁が所管することとなる福山市についても、県内の教育水準の均衡を保つため、これまでと同様に他市町との連携や情報共有が図られるよう十分配慮する必要があること。
第三に、指定管理者の指定に当たっては、公共施設としてのサービス向上を図るため、県としても指定管理者における人材確保について留意する必要があること。
第四に、学校における温室効果ガス排出量について、市町立学校も含めて状況の把握を行い、目標を設定するなど、削減に取り組む必要があるとともに、児童生徒が、排出量の削減は国を挙げて取り組んでいる課題であることが理解できるよう指導する必要があること。
なお、職員給与に係る地域手当の改定については、本委員会での賛否を問うため、分離して採決をする旨の要求がありました。
このほか、小学校元校長の自死に関する名誉毀損等の事案に係る上告受理の申し立ての理由などについて問いただされたところであります。
次に、請願の審査につきましては、お手元に配付されております「請願の審査結果表」のとおり決定いたしました。
以上、審査の概要を申し述べ、文教委員会の報告といたします。(拍手)
16:
◯議長(林
正夫君) 次は、警察・商工労働委員会の報告を求めます。警察・
商工労働委員長東 保幸君。
【警察・
商工労働委員長東 保幸君登壇】
17:
◯警察・
商工労働委員長(東 保幸君) 警察・商工労働委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、補正予算一件、条例案二件の合計三件であります。
審査の結果、追県第一五号議案は賛成多数をもって、また、その他の各案は全会一致をもって、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、警察署の再編・統廃合は、行政区域と警察署の管轄区域の整合性を図る上で重要であるが、その際には、安全・安心を県民とともに築くという観点からも、地域住民の不安の解消と利便性の確保に配慮した措置を講じられたいこと。
また、管轄区域等の変更について、住民の誤解を生じないように十分な広報に努められたいこと。
さらに、県境付近で発生する事件・事故への対応に当たっては、今後とも、他県との連携を密にして協力体制の強化に努められたいこと。
第二に、新たな法律の制定に伴うオウム真理教による犯罪行為の被害者等に対する給付金については、犯罪被害者等への周知に努めるとともに、早期に給付がされるよう適切に事務処理に当たられたいこと。
第三に、中小・零細企業を取り巻く経営環境は一段と厳しさを増しており、引き続き、迅速な金融支援に努めるとともに、企業の資金需要に対応する十分な融資枠の確保と信用保証の弾力的な運用により、県の融資制度等が有効に活用されるよう、中小企業金融の円滑化に向けた取り組みを推進されたいこと。
第四に、広島県産業・雇用対策本部においては、厳しい産業・雇用情勢に的確に対応した緊急的な対策を実施するとともに、国の経済対策に呼応した施策の推進を積極的に図り、実効性のある取り組みとなるよう努められたいこと。
第五に、職員給与に係る地域手当の改定については、人事委員会勧告を尊重する必要があること。
一方で、厳しい経済状況下において、職員給与費を増額することについては県民の理解が得られないとの意見がありました。
このほか、通信指令の強化、二〇〇九年問題への対応、雇いどめ派遣労働者のためのミニ企業交流会の開催、人材派遣会社の経営状況の把握などについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、警察・商工労働委員会の報告といたします。(拍手)
18:
◯議長(林
正夫君) 以上をもちまして各常任委員長の報告は終わりました。
これより採決に入ります。上程中の各案中、まず、公の施設の指定管理者の指定に係る県第一二五号議案及び県第一三一号議案の二件を分離して一括して採決いたします。
右各案は、常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
19:
◯議長(林
正夫君) 起立総員であります。よって、右各案は、いずれも常任委員長報告のとおり決しました。
次は、県第九五号議案及び県第九七号議案の二件を採決いたします。
県第九五号議案に対する生活福祉保健委員長の報告は否決、また、県第九七号議案に対する総務委員長の報告は可決、生活福祉保健委員長の報告は否決でありますので、いずれも原案について一括して採決いたします。
右各案は、原案のとおり可決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
20:
◯議長(林
正夫君) 起立多数であります。よって、右各案は、いずれも原案のとおり可決いたしました。
次は、追県第一五号議案から追県第二二号議案まで及び追県第二四号議案の九件を一括して採決いたします。
右各案は、常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
21:
◯議長(林
正夫君) 起立多数であります。よって、右各案は、いずれも常任委員長報告のとおり決しました。
次は、ただいま分離議決いたしました十三件を除く各案並びに請願を一括して採決いたします。
右各案並びに請願は、各常任委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
22:
◯議長(林
正夫君) 起立多数であります。よって、右各案並びに請願は、いずれも各常任委員長報告のとおり決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第五十六 県第九八号議案
第五十七 県第九九号議案
23:
◯議長(林
正夫君) 次は、日程第五十六、県第九八号議案 広島県行政機関設置条例の一部を改正する条例案及び日程第五十七、県第九九号議案 広島県の事務を市町が処理する特例を定める条例の一部を改正する条例案を一括上程議題といたします。
地方分権改革推進特別委員長報告
24:
◯議長(林
正夫君) ただいま上程の各案は、地方分権改革推進特別委員会に審査を付託しておりますので、この際、審査の経過並びに結果について地方分権改革推進特別委員会の報告を求めます。地方分権改革推進特別委員長渡壁正徳君。
【地方分権改革推進特別委員長渡壁正徳君登壇】
25: ◯地方分権改革推進特別委員長(渡壁正徳君) 地方分権改革推進特別委員会における付託議案の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会に審査を付託されました議案は、条例案二件であります。
審査の結果、付託議案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程におきまして各委員から指摘された事項のうち、その主要なものを申し上げますと
第一に、市町への事務・権限移譲に当たっては、過疎地域などの市町は体制が極めて脆弱であり、県としての十分な配慮が求められること。
また、市町への移譲に伴い、産業廃棄物の取り締まりなどの権限の執行に支障が生ずることのないよう、市町との連携に努める必要があること。
なお、不法・不当な行為に対し、法令にのっとった毅然とした対応がなされるよう、職員の意識の醸成に、より一層努められたいこと。
第二に、地域事務所の再編においては相当の経費を要しており、適切な人役計算に基づく職員数の削減等を確実に実施すること。
また、再編後においても不断の見直しを行い、行政ニーズや執行上の課題などが生じた場合は、適切に対応していく必要があることなどについて問いただされたところであります。
以上、審査の概要を申し述べ、地方分権改革推進特別委員会の報告といたします。(拍手)
26:
◯議長(林
正夫君) 委員長の報告は終わりました。
直ちに一括して採決いたします。上程中の各案は、委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
27:
◯議長(林
正夫君) 起立多数であります。よって、右各案は、いずれも委員長報告のとおり決しました。
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第五十八 平成十九年度広島県歳入歳出決算認定の件
第五十九 平成十九年度広島県公営企業決算認定の件
28:
◯議長(林
正夫君) 次は、日程第五十八、平成十九年度広島県歳入歳出決算認定の件及び日程第五十九、平成十九年度広島県公営企業決算認定の件を一括上程議題といたします。
決算特別委員長報告
29:
◯議長(林
正夫君) 右決算認定の件は、本年九
月定例会において決算特別委員会に審査を付託し、閉会中の継続審査といたしておりますので、この際、審査の経過並びに結果について決算特別委員会の報告を求めます。決算特別委員長松浦幸男君。
【決算特別委員長松浦幸男君登壇】
30: ◯決算特別委員長(松浦幸男君) 決算特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
本委員会は、去る九
月定例会において設置され、平成十九年度広島県歳入歳出決算及び広島県公営企業決算認定の件について審査の付託を受けました。以来、局別審査に加え、知事の出席を得て総括審査を行うなど、九回にわたり委員会を開催してまいりました。特に、今回からは代表監査委員の出席を得るとともに、財政健全化法に基づく健全化判断比率等について説明を求めるなど、慎重かつ厳正な審査が行われたところであります。
さて、平成十九年度は厳しい財政状況にかんがみ、財政健全化に向けた新たな具体化方策に基づき歳出・歳入を徹底的に見直し、財源不足額を圧縮するとともに、基金の取り崩しや行政改革推進債の発行などの財源対策を講じる一方で、「元気挑戦プラン」に掲げる事業に財源を重点配分し、積極的な事業展開が図られたところであります。
平成十九年度決算の概要でありますが、まず一般会計の決算額は、合計で、歳入決算額九千六百四十五億円余に対し、歳出決算額九千六百九億円余で、歳入・歳出決算額ともに平成十一年度以降九年連続での減少となりました。歳入歳出差引額は三十六億円余で、翌年度への繰越財源を控除した実質収支は二十二億円余の黒字となり、単年度収支は一億円余の赤字となっております。
次に、特別会計は、証紙等特別会計など十二会計で、歳入決算額二千八百十億円余に対し、歳出決算額二千七百六十六億円余で、歳入歳出差引額は四十三億円余となっております。翌年度への繰越財源はないため、実質収支は四十三億円余の黒字となりましたが、単年度収支は十億円余の赤字となっております。
次に、企業会計でありますが、まず病院事業では、広島病院での七対一看護体制の導入や地域医療支援病院の承認などによる診療収入の確保に努めたこともあり、当年度の純損失は七億円余と、前年度に比べると三億円余り改善しております。この結果、未処理欠損金は二百六十四億円余となっております。
工業用水道事業では、当年度は二億円余の純利益となり、この結果、十五億円余の未処分利益剰余金を計上しております。
土地造成事業では、土地売却収益が土地売却原価を下回っていることもあり、当年度は七億円余の純損失となり、この結果、百四十五億円余の未処理欠損金を計上いたしております。
水道用供給事業では、当年度は純利益が二十二億円余となり、この結果、四十億円余の未処分利益剰余金を計上しております。
本委員会といたしましては、予算執行の適否や行政効果等について今後の県政に反映できるよう慎重な審査を行いました。その結果、各会計いずれも、その執行はおおむね所期の目的を達しているものと認めましたので、平成十九年度広島県歳入歳出決算及び広島県公営企業決算認定の件については、全会一致でこれを認定すべきものと決定いたしました。
なお、審査の過程において各委員から指摘された事項のうち、その主なものを申し上げ、これに対する当局の適切かつ積極的な対応を強く要請するものであります。
第一に、本県は依然として厳しい財政状況にあるため、元気挑戦枠などの重点投資をする分野は事業効果を最大限に発揮させるとともに、全会計における資金管理の徹底により公金の効率的な運用を図るなど、より一層厳しい財政運営を行う必要があること。
さらに、人件費の抑制により歳出削減に努める必要があるという意見もありました。
また一方、財政健全化に当たっては、地方独自での努力には限界があり、国に対し、地方税財源の充実強化を強力に働きかける必要があること。
第二に、職員の資質向上に向けては、県の人員削減が進む中で、採用区分のあり方を検討するとともに、職員の適性・能力に基づく人事管理を徹底するほか、メンタル面でのケアにも十分配慮する必要があること。
また、いじめや不登校対策における教員の指導力向上や、警察官の捜査能力向上などが求められていることから、教員研修の充実や、技能伝承のため、退職警察官の活用等により人材育成を行う必要があること。
第三に、病院事業は、来年度から地方公営企業法の全部適用への移行を予定しているが、これを経営改善に結びつけるためには、事業管理者の強力なリーダーシップにより職員の意識改革を図り、自律性の向上を生かした具体的な取り組みを推進していく必要があること。
また、経営責任の明確化や戦略的経営を徹底した形で進めるため、より自律性、機動性を確保できる地方独立行政法人化についても早急に検討されたいこと。
なお、地元移管される神石三和病院と瀬戸田病院については、医療従事者の確保など十分な支援に努められたいこと。
第四に、予測しがたい局地的豪雨などによる被害を最小限に抑えるためには、自主防災組織の組織率の向上とその活性化が重要であり、組織の中心となって活動することが期待される防災士の積極的な養成に取り組む必要があること。
第五に、食の安全・安心に対する消費者の不安を解消するため、食品を扱う事業者や農業者などの食品表示制度に対する理解促進を図るとともに、偽装表示に対する監視・指導を強化すること。
また、地産地消に対する機運の高まりを踏まえ、その普及・定着のために県が主体的に取り組まれたいこと。
第六に、森林の適正な整備・保全を図るため、その推進に不可欠な林道の効果的・効率的な整備を促進することが必要であること。
また、県民全体で森林を守り育てるためのひろしまの森づくり事業について、制度の十分な周知に努め、幅広い県民が参加していただけるよう機運の醸成に努められたいこと。
第七に、広島港が特定重要港湾としての中枢性、国際性をより一層向上させるため、引き続きポートセールスなどに積極的に取り組むとともに、国際フェリーポートからの旅客便の就航やコンテナ貨物取扱量の増加に努める必要があること。
第八に、土地造成事業会計については、百四十ヘクタールの未分譲地に加え、二百ヘクタール近い未着手用地を抱えるなど、経営状況は極めて厳しいことから、長期的な視点に立った新しい事業手法を含めた今後のあり方について検討する必要があること。
第九に、教員の指導力向上のためには、教員研修や授業研究も重要であるが、県及び各市町の指導主事が果たす役割が大きいことから、教育事務所の再編後にあっても、指導主事による各市町への支援体制を充実させる必要があること。
第十に、社会問題化している児童生徒の携帯電話、インターネットを通じた書き込みによるいじめや家庭の事情等から生じる不登校に対しては、問題を抱える子供への指導や不登校児童生徒への支援など、より一層の取り組みが必要であること。
第十一に、企業誘致を促進させるためには、企業のニーズや要望を十分に把握して造成や環境整備を行うことが重要であること。
また、市町や民間事業者が事業主体となる手法や、計画中の土地については最低限の整備により売却することを検討するなど、引き続き、積極的かつ戦略的な企業誘致に取り組まれたいこと。
第十二に、なりすまし詐欺や還付金詐欺などのいわゆる振り込め詐欺による被害が依然として多発していることから、具体的な手口や防止策に係る情報発信の手法などにさらに工夫を加え、未然防止対策の強化に努められたいこと。
このほか、監査方針と指摘事項に対する対応、情報公開制度のあり方、指定管理者制度における課題、財政健全化判断比率の他県との比較、他県において不適正とされた国庫補助金の経理の状況、産科オープンシステムの推進、医師及び看護師の確保対策、介護施設の整備、アスベスト対策の今後の取り組み、水道事業に係る資金管理のあり方、アセットマネジメントの導入に向けた準備と予算への反映、広島空港の機能強化、農業外企業の参入促進、集落法人の経営高度化、農商工連携の促進、農林漁業団体に対する指導強化、学校耐震化の取り組み、教職員定数の削減計画の達成見込みと見直し、本県教育の基本的な方向と新職設置、道徳教育の推進、県内留学生を活用した産業人材の確保、外国人観光客の誘致、飲酒運転による交通事故の防止対策、薬物取り締まり対策の推進などが議論されたところであります。
これらのほか、本委員会において指摘された事項については、当局においては真摯に受けとめられ、来年度予算に反映されるなど、今後の事業の執行に当たって十分留意されるよう要請し、決算特別委員会の報告といたします。(拍手)
31:
◯議長(林
正夫君) 委員長の報告は終わりました。
直ちに一括して採決いたします。右決算認定の件は、委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
32:
◯議長(林
正夫君) 起立多数であります。よって、右決算認定の件は、いずれも委員長報告のとおり決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第六十 広島県選挙管理委員及び補充員の選挙
33:
◯議長(林
正夫君) 次は、日程第六十、広島県選挙管理委員及び補充員の選挙を行います。
お諮りいたします。この選挙は、地方自治法第百十八条第二項の規定により、指名推選によることとし、議長において指名するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
34:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。
それでは、まず選挙管理委員を指名いたします。
選挙管理委員
橋 本 宗 利 君
広島市佐伯区吉見園十一番十号
椎 木 タ カ 君
広島市東区光が丘七番二十三号
国 政 道 明 君
広島市東区牛田旭二丁目三番十八号
田 邊 誠 君
東広島市高屋高美が丘四丁目四番十三号
以上四人の諸君を指名いたします。
お諮りいたします。ただいま指名いたしました四人の諸君を選挙管理委員の当選人と決するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
35:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました四人の諸君が広島県選挙管理委員に当選されました。
次いで、補充員を指名いたします。
補 充 員
佐 藤 崇 文 君
広島市佐伯区海老園三丁目九番十五号
片 木 晴 彦 君
広島市東区牛田旭一丁目二番八-五〇一号
水 中 誠 三 君
廿日市市桜尾本町十二番五十三号
折 登 美 紀 君
広島市東区光が丘十一番一-五号
以上四人の諸君を指名いたします。
お諮りいたします。ただいま指名いたしました四人の諸君を補充員の当選人と決するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
36:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま指名いたしました四人の諸君が広島県選挙管理委員の補充員に当選されました。
なお、この場合、お諮りいたします。補充員の補充の順位は指名の順とするに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
37:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
ただいま当選されました諸君の当選受託手続については、後刻、事務局をして処理いたさせますので、御了承願います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
意見書案(真の地方分権改革に向けた国の真摯な対応を求める意見書外四件)
38:
◯議長(林
正夫君) この場合、意見書案の提出がありますので、書記をして朗読いたさせます。
【書 記 朗 読】
発議第十七号
発 議 書
真の地方分権改革に向けた国の真摯な対応を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する
平成二十年十二月十六日
県議会議員 中 津 信 義
外十一人
県議会議長 林 正 夫 殿
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
発議議十八号
発 議 書
迅速かつ積極的な経済対策を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する
平成二十年十二月十六日
県議会議員 中 津 信 義
外十一人
県議会議長 林 正 夫 殿
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発議第十九号
発 議 書
安心の介護サービスの確保を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する
平成二十年十二月十六日
県議会議員 中 津 信 義
外十一人
県議会議長 林 正 夫 殿
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発議第二十号
発 議 書
森林整備の着実な推進を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する。
平成二十年十二月十六日
県議会議員 中 津 信 義
外十一人
県議会議長 林 正 夫 殿
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発議第二十一号
発 議 書
私立学校施設の耐震化に係る補助制度の拡充を求める意見書
右別紙意見書の通り発議する。
平成二十年十二月十六日
県議会議員 中 津 信 義
外十一人
県議会議長 林 正 夫 殿
39:
◯議長(林
正夫君) 別紙はお手元に配付しておりますので、朗読は省略いたします。
お諮りいたします。ただいま朗読の意見書案五件を本日の日程に追加するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
40:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
それでは、発議第十七号 真の地方分権改革に向けた国の真摯な対応を求める意見書から発議第二十一号 私立学校施設の耐震化に係る補助制度の拡充を求める意見書までの五件を一括上程議題といたします。
お諮りいたします。この際、提案理由の説明は省略するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
41:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。質疑の通告はありません。
お諮りいたします。右意見書案五件は、この際、委員会への審査の付託を省略するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
42:
◯議長(林
正夫君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
直ちに一括して採決いたします。右意見書案五件は、原案のとおり可決するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛成者起立】
43:
◯議長(林
正夫君) 起立総員であります。よって、右各案は、いずれも原案のとおり可決いたしました。
【議長林
正夫君起立】
44:
◯議長(林
正夫君) 以上をもちまして、今次定例会に提出されました議案は、ここにすべて議了いたしました。
各位におかれましては、会期を通じ格段の御精励を賜り、各案いずれも適切な結論を得られましたことは、県民福祉の向上と県勢伸展のため、まことに御同慶にたえません。
さて、政府は先週末、雇用対策を初めとする生活防衛のための緊急対策を発表いたしました。世界的な金融危機により景気が急速に悪化する中、大企業の経営見通しの下方修正や派遣労働者の大量削減が相次ぐなど、国民生活や地域経済への深刻な影響が拡大しております。国においては、こうした状況を真摯に受けとめ、補正予算並びに来年度当初予算の早期成立はもとより、可能な対策を一日も早く実行に移されるよう強く念願する次第であります。
本年も残すところわずかとなりました。各位におかれましては、何とぞ一層御自愛の上、新たな年の御活躍を心から祈念いたす次第であります。
これをもちまして十二
月定例会を閉会いたします。
午後零時五十四分閉会
発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...