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2004-03-15 平成15年度予算特別委員会(第2日) 本文
2004-03-15 平成15年度予算特別委員会(第2日) 名簿

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  1. 広島県議会 2004-03-15
    2004-03-15 平成15年度予算特別委員会(第2日) 本文


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    2004年03月15日:平成15年度予算特別委員会(第2日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1 6 会議の概要  (1) 開会  午前10時31分  (2) 記録署名委員の指名  (3) 理事会決定事項の報告    1) 総括審査の日程    2) 配席について    3) 発言時間の計測  ア 委員長席及び質問席の残時間表示計により、持ち時間が終了すると、質問席のランプが点滅する。  イ 原則として、ランプが点滅したときをもって、発言を中止する。  ウ 持ち時間を超過した時間については、理事会に諮って、翌日以降の同一会派の持ち時間から差し引く。    4) パネルや資料等の使用は、事前に申し出て理事会で了承を得ること。    5) 参考人の発言順位  (4) 各常任委員会に調査を依頼した各会計予算の調査結果  (5) 休憩  午前10時34分   (再開に先立ち、委員長が、参考人に対し、あいさつを行った。)  (6) 再開  午前10時36分  (7) 参考人意見 ◯藻谷参考人 おはようございます。日本政策投資銀行地域企画部参事役の藻谷と申します。きょうは、こういう席に参考人としてお呼びいただきまして、まことにありがとうございます。  私は、政府系の特殊法人の部下なし課長で、さまざまな地域に出向いて地域振興に向けた知恵出しをお手伝いする職務にあります。最近の広島でも、半月ほど前には広島市役所、昨年末には広島大学や学会の中四国支部でお話をさせていただきました。ただ、地方議会というような政治の場において意見を述べることは、私ども政策銀行の分を完全に超えた事項であります。そこで本日は、私個人が考えます広島県の選択と集中の方向性について、一学識経験者として申し述べさせていただきます。政策銀行という組織の見解とは全然無関係に、地域振興に携わる一私人としての見方・意見をお話いたしますので、その点をどうかご了解ください。  お手元の資料は、前の画面にお写しするものと同じですが、私が日ごろ講演で使っておりますものの中から、御参考になりそうなところを抜き出したものでございます。主としてデータ、数字でして、選択と集中の戦略について具体的に列挙してはございませんし、題名もつけておりませんが、もしお気に召すところがあれば御自由にお使いいただければと思います。出所の明確な、世の中に普通に出回っているデータを切り取ってお示ししているもので、私の主観は混じっていませんが、ちょっと御覧いただくだけでも、この5年ばかりの間に世の中がいかに大きく変わりつつあるかがおわかりいただけると思います。
     最初の紙はクイズ形式です。お手元の紙には答えが書いてあるのですが、答えを見ずに画面だけを御覧になってお考えいただくと、御興味が増すかと思います。  まずここに示した県、広島を含めた10都府県の中で、1995~2000年の間に人口が流れ出した県はどれでしょう。県というのは人口が流れ込んでいる方が多いか、流れ出している方が多いか、どちらかなのですが、広島はどちらでしょうか。  ちなみに、これは人口増減とは違います。人口増減ということになりますと、引っ越しの出入りに加えて、生まれた方、亡くなった方が加わるわけでございまして、また違った数字になるのですが、出生死亡を除きまして、県の足元の経済状況によく連動する人の出入りだけを見ますと、経済状態の診断がより明確にできるのです。  この中で人が出ていってしまっている方が多い県は5つですが、残念ながら広島もそのうちの一つです。しかもこの5年間の間にさらに流出傾向が強まっています。驚いたことに、交通の要衝で平野も広い岡山県も同じく流出超過です。日本で2番目の大都市である大阪府も同じです。そして、日本の全都道府県で一番戦後の産業振興に成功したとも言える茨城県からも人口が流出しています。皆様余りイメージがないかもしれませんが、茨城県といえば鹿島臨海工業地帯は水島より好調ですし、筑波研究学園都市でも研究所がふえ続けています。日立製作所の本拠地も茨城です。にもかかわらず全体では人口が流出しているという、恐ろしい変化がこの5年間に起きております。  片や高知県に人口が流入しているという、驚天動地と言うと高知県に失礼ですが、そういう事態が起きております。高知県は、交通が不便、人口も少なく、非常に高齢化が進んでいます。この5年の間に人口当たりの工業出荷額も沖縄に抜かれて、日本で一番工場のない県になってしまったのですが、実はその一方で人口が流入していたのです。あとは、長野県ですとか、仙台のある宮城県、あるいは御存じかと思うのですが福岡県でも人口は流入基調です。福岡都市圏の成長が北九州、大牟田、筑豊の衰退を補って余りある状態なのです。対して、広島都市圏はそれ自体も人口流出基調であり、もちろん備後や県北の衰退を補えていません。  中国地方の中だけを見ておりますと、岡山と広島の争いに目が向きがちです。「地の利の岡山」に対して「人の和の広島」と私はよく言うのですが、交通の便や平野の広さだけで言えば岡山が圧倒的に中四国地方の中心になるはずのところ、平地に恵まれない広島県、これは安芸も備後も両方ですが、もっぱら人の力で地域づくりを頑張られ、産業興しを頑張られた結果、強力な産業セクターを持つに至った。戦前は軍需産業があったという追い風もあったのでしょうが、戦後は軍需ではなく、平和の力と民生産業の力によって中国地方の中心としての力を得ている。街も岡山より格段に賑やかになり、中国地方における中枢性を確立してきたわけです。しかるに今起きていることというのは、そういった岡山や広島を含む山陽筋が丸ごと陥没しまして、福岡県だとか高知県の方にむしろ人が流れ込んでいるわけです。都市圏単位で見ますと、広島、福山、岡山いずれも人口流出超過だというのに、福岡や、あろうことか高知には人が流れ込んでいるという現実があるのです。4両編成あるいは6両編成で、お盆でも座れるこだまに乗っていますと、皆さんも寂しいものをお感じになると思いますが、これが如実に今の山陽筋の力の凋落をあらわしております。  さて第2問です。私も昨年12月まで今からお示しするような事実を知りませんでしたし、皆様もほとんどの方が正解されることはないでしょう。これは日本の7大都市圏─札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡です。中心の市にその通勤圏である周辺市町村を足してしまいまして、都市圏という形で把握しているのですが、そうすると横浜や千葉やさいたまなどは東京都市圏に入ってしまいます。広島都市圏には東広島や呉も含まれます。神戸や京都は大阪都市圏には入っていないのですが、これらは大阪に比べると格段に小さい都市圏なので省略してしまいました。ということで、この札仙広福プラス東名阪を日本の7大都市圏として並べたわけですが、その中で1995~2000年の間に、雇用がふえた都市圏はどれでしょうか。あらゆる統計で最も数字に疑念の余地がない国勢調査において、職業欄に「職業あり」と記入された方は、一体どこでふえ、どこで減ったのかという問題です。  ほとんどの方が「東京では雇用はふえているだろう」、あるいは「トヨタグループが日の出の勢いの名古屋でもふえているでしょう」とお考えになります。あに図らんや、国勢調査の数字を足してみると、何と雇用がふえているのは札幌、仙台、福岡の3都市圏だけでして、東名阪及び広島では雇用が減っているわけです。産業が不況の広島で雇用が減っているというのは、広島の方は大体御存じです。ですが、まさか同じ基準で見て東京や名古屋でも雇用が減っているということは、まず御存じない。国勢調査でそう出ている以上、自分の先入観よりも数字の方を信じるしかないのですが、多くの人が数字を見ずに先入観だけに従ってしまうのです。  それに対して、何で札幌、仙台、福岡では雇用がふえているのか。皮肉な話ですが、いまだに公共投資が多めのところ、あるいはサービス産業が主力のところは国際競争に余りさらされていない分、雇用がまだふえているわけです。ところが、御存じのとおり広島は、安芸、備後両方ですけれども、国際競争の中で戦う産業が雇用の主力になっている質実剛健な地域です。まじめに企業の生き残りを目指す限り、人件費の高い日本人の雇用をどんどんふやしていくという趨勢にはなりません。  そこへもってきて、定年退職をされる方が新卒採用の若者よりも多くなってきています。決してリストラで生首を切っているということではなく、定年退職した人よりも新規採用を抑え目にするという方式が企業社会で当たり前になってきているため、年々自然に雇用が減っていくという状況にあるのです。世の中では、景気次第では幾らでも雇用はふえるはずだというお考えもあると思うのですが、実際の企業の行動ということから申しますと、どこの企業でも当然ながら新卒採用を減らすことによって生産性を上げていって、国際競争に勝ち残っているわけであります。そのことによって、企業の経営が黒字化し、そして景気がよくなっているという皮肉な現実がございます。したがって、景気がよくなったのに雇用は余りふえません。その結果「景気がよくなっている」と報じられるのはうそだろうというふうに一般の方はお感じになるわけです。決して広島だけではなく、東京も名古屋も大阪も同じだというところが大変なわけです。広島は、東京や名古屋や大阪と同様に、まじめに国際競争をしている地域であるがゆえに雇用減少に直面しているわけです。  それでは第3問です。日本の全市区町村、東京都千代田区から南海の孤島まで3500ほどの中で、2000年から2020年の間に70歳以上のお年寄りが一番ふえるのはどこと予測されているか。これは総務省系の財団が最近の人口移動トレンドを前提に機械的につくった予測ですから、数字の正確さについて議論の余地はありますが、だれがやっても大づかみな方向性は変わりません。  彼らの予測によれば、千葉市美浜区、幕張新都心や検見川浜のある場所で一番高齢者がふえる。団塊の世代が大量に流れ込んで家を買った地区だからです。逆に広島の中でも特に高齢化している作木村や島根県の羽須美村あたりでは、既にお年寄りが多く団塊の世代は都会に出ていってしまっているものですから、今後はむしろお年寄りはふえていかない。一番日本でこれからお年寄りがふえるのは、実は団塊の世代の集中した大都会なのですよということが、今まで全く想定されていない事態として立ち上がってまいります。  今、財政制約といえば地方の方が深刻と考えられがちです。既に過疎化したところを中心にお金がないという話ですが、今後15年くらいを視野に入れますと、これから空前の財政制約に直面しますのは、むしろこれから高齢者が激増する大都市地域なのです。広島県というのは、大都市と過疎地をあわせ持つ県でございまして、悪くするとその両方のインパクトを受けることになるということになります。  長々とクイズ形式で、日本の足元の潮流変化と広島県の状況を見てきました。マスコミ報道などでつくられている世の先入観を崩すために、端的に切り取ったお話をしてきたわけですが、ここからは、広島県の状況を中心にややしっかりと幾つかの数字を御紹介します。  2枚目の画面は、日本の都道府県の90年代後半の人口の動き(広島県だけは過去20年間)を、自然増減(出生-死亡)と社会増減(転入-転出)に分解して示したものです。細かい説明はしませんが、広島県では人口がずっと社会減少を続けております。特に、最近5年間、その傾向が加速しています。その一方で高齢化が進み亡くなる方がふえてきているため、人口自然増加水準は年々低下しています。その結果、御覧のとおり人口全体も減少し始めました。  そのはるか先には、とうの昔から人口社会減少と自然減少の両方に見舞われている山口県があります。ちなみに、私は周南市(徳山)の出身ですが、周南で以前から起きていることが広島の瀬戸内沿いの工業都市でも同じように起き始めております。すなわち、地場企業が新卒の採用を絞る。そのことによって、企業は工場をリストラせずに運営を続けているわけでありますが、若者は大学を出ても帰る先がなく東京に流れてしまう。その結果、次の世代に生まれてくる子供が少なくなるということで、どんどん人口縮小のステージに入っていくわけです。他方、福岡県は右側にいるわけですが、国際競争を直接やっていない産業が雇用を吸収していて、たくさん若者が戻ってきているという状態にあります。一体、国際競争を直接しない産業とは何なのか。それは、3枚のちの紙に出てまいります。  以上は県の話でしたが、都市圏単位で見ると、より問題が明確に見えてきます。都市圏というのは、先ほども申しましたとおり、中心的な市を周辺の市町村と合算したものです。市町村合併をするしないに一切関係なく、通勤通学でつながり経済的に一体となった市町村を足してみると、一番大きいのは東京都市圏2,900万人、それから大阪都市圏1,200万人、名古屋都市圏500万人ときまして、広島都市圏が180万人、岡山都市圏140万人、福岡都市圏は240万人というようなことになります。その広島都市圏の中には東広島や呉、廿日市なども入るわけですが、その全体で何が起きているかと申しますと、人口が都市圏の外へ流出しております。  90年代の前半、平成バブル崩壊後しばらくのころには、広島都市圏でもむしろ人口が流入しておりまして、全国でも上の方から数えた方が早いほど成長しておりました。ところが、1995~2000年の5年間で見ますと、大きく人口が流出する方に転じまして、日本の主要160都市圏の中で下から5番目、ワースト5に入ってしまったわけであります。同じような流出仲間には北九州都市圏があり、そして岡山都市圏も決していい方ではない、下から数えた方が断然早いというところに入ってきております。繰り返しますが、これは人口の流出入でございまして増減ではございません。出生、死亡を除いてみると、本当の経済状況に対応した流れがわかるわけですが、それでいいますと広島市周辺からもどんどん人が出ていっているということです。東広島が成長しているのを入れても都市圏全体ではこういう数字でございまして、その理由というのは先ほど申したとおり、国際競争をしている産業の採用自然減が一番大きな要因です。  さらに、広島都市圏だけではなく、福山あるいは尾道、三原、三次といった広島以外の都市圏はどうなっているかということなのですが、詳しい説明は省きますが、福山都市圏はまだ、生まれる方が亡くなる方より多いので自然増をしていますが、流出が余りに多いので残念ながら全体では人口減少です。なお、この福山都市圏には、府中とか尾道がダブルカウントで入っております。笠岡、井原も計算に入っております。それに対して、三原、尾道、三次、あるいはグラフの外に出てしまっていますが因島といったところは、人口が流出を続けているのみならず、既に生まれる方より亡くなる方の方が多い。もし仮に人口が流出しなくても自動的に人口が減っていくという、いわゆる自然減少の状態に入っております。むしろ交通の極めて不便な松江とか出雲、新幹線が永遠に来ない松山とか高知、そういうところの方が自然増、社会増になっているというのと極めて好対照であります。山陰の方が人口が流入している都市圏が多いという事実は、山陽筋や中国道沿線の人にとっては、余り受け入れたくない現実だと思います。  このような人口流出入の裏側にはやはり雇用の増減という理由があるはずです。そこで広島県と福岡県での過去15年間の就業者の増減を見てみますと、広島県では95年までふえてきたものが2000年までの5年間には減り始めています。それに対して、福岡県はまだ横ばいにとどまっている。何が違うのか、産業別の内訳を見てみますと、製造業の就業者数が減っているのは福岡も広島も同じでございます。建設業が減っているのも同じだし、商業が減っているのも実は同じ。違いは1点しかありませんで、サービス業の伸び方が違うのです。福岡の方が、ややサービス業の伸びが大きい、広島の方がやや小さい、この微妙な違いが県全体の雇用の増減に直結しております。  サービス業とは一体何なのか。サービス業というのは、物ではなく労力や頭を売るすべての産業です。弁護士や会計士、先生、医者といった方々、ホテル、旅館やクリーニング屋さん、人材派遣というような業種ですが、そういうものの伸びが、広島では福岡に比べてやや低いわけです。つまり広島にはせっかく製造業が集積しているのに、それに伴って生じる事業所回りのさまざまなサービス需要、例えばコンサルティングとか設計、法務、財務、あるいはマーケティング、商品開発、そういったところのニーズが、県内から東京や福岡に出ていってしまっているということが推測されます。  図にはありませんが、備後だけを見ますと、この傾向がさらに激しくなります。全国に販路を広げた地場企業の本社の多い地域ですが、やはり中堅の会社が多いもので、会社内でいろいろなサービス部門を抱え込むわけにいかずに、県外の企業に発注しているわけです。そこのところが実は、広島県で本来発生すべき潜在的な雇用を県外に取られているというところにつながっています。  さて、就業者が減っていくという状態は、実は景気に関係なくまだまだ続きます。その理由をこの製造業、いわゆるメーカーさんで働いていらっしゃる方の人口ピラミッドで御覧ください。国勢調査からとったもので、広島だけの数字ではなくて全国の数字で恐縮ですが、広島だけ見ても同じ傾向が出ます。製造業就業者には50代が特に多い、いわゆる終戦直後生まれの団塊の世代が多いという傾向です。  この方々がちょうど就職をされたころ、特に高卒、中卒で就職されたころ、日本は高度成長の真っただ中でした。折しも、例えば福山にNKKができたり、あるいは三菱重工が大量採用をしたりといったことで、他県からも団塊の世代が広島県内に流れ込んだわけです。ところがメーカーは、第1次、第2次石油ショックのころから雇用を大幅に絞るようになりました。ですから、今でいえば、40代から30代にかけては人数が少ないのです。20代は少し多めですが、この中には若いうちに他に転職する方も多いわけで、基本的には今の40代の従業者数の水準で操業を維持できる体制ができ上がっています。あと10年余りの間に、今突出して人数の多い50代が退職されていく。今後の景気の上下に関係なく、その分で製造業の雇用は自動的に今より2割近く減るわけです。これによってさらなるコストダウンが図れるということを、メーカーはもう経営計画に折り込んでいます。広島のように製造業の比率の高いところでは、就業者の総数もこの影響でさらに減ることになるのです。  もちろん、この団塊の世代の熟練工がお持ちの技術をどう若手に継承させるかという重要な問題はあります。これについてはいろいろ施策がありまして、広島県もとうに取り組まれていると思います。ですが、その問題解決のために、退職していく団塊の世代並みの数の新卒採用をするということは、景気が仮に上向いたとしても、事実、上向いているそうですが、あり得ません。団塊の世代の退職をいい機会に、さらに生産性の高い設備やシステムを導入して、中国などとの国際競争に勝ち抜くということが、メーカー各位の当然の戦略だからです。  先ほどより課題ばかり述べていて恐縮ですが、もう一つだけ最も深刻な課題をつけ加えさせていただきます。これは日本の人口の長期的な推移のグラフです。私は、各地でいろいろなテーマで年間300回以上講演をして歩いているのですが、そのときにテーマにかかわらず必ずと言っていいほど、これをお見せします。なぜそうするかといいますと、ついこの間までの私を含めてほとんどの方が、「日本で一番人口がふえた時期はいつなのか」ということを明確には御存じないからです。  私自身は最近まで、日本で一番人口がふえたのは明治時代だと思っておりました。山口県人なもので、やはり維新のおかげで日本は栄えたと、こういうふうに考えがちなのでしょうか。ですが、国のホームページからとってきたこの数字を見る限り、日本で一番人口がふえたのは、明らかに戦後の50年間です。この間に日本人は7,200万人から1億2,700万人に、何と5,500万人もふえた。何となく戦争のときに既に日本人は1億人いたような気になっていたのですが、これは実は朝鮮、台湾の方を入れた数字でした。8月15日の時点では日本人は7,200万人しかおらず、そこから50年間に8割もふえたのです。  ここで申し上げたいのは、戦後に起きた経済発展を「景気」や「産業」という要素だけで語る向きは、実は重要なポイントを見落としているのではないかということです。エコノミストは当然ものごとを景気でしか語りませんし、企業人は自分達の努力がすべてだったとお感じかもしれませんが、戦後の日本の発展は相当程度、人口が8割もふえたという事実に下支えされていたのです。例えば住宅が非常によく売れた、車がたくさん売れた、あるいは携帯電話がたくさん売れたということは、実は人口増加を下支えにしていたのです。  ところが、甘いと批判されがちな国立社会保障・人口問題研究所の中位推計を見ても、日本人はこれからの50年間に3,000万人近く減っていくと予測されています。過去50年間に8割ふえたところが今後50年間では2割以上の減少に転じるというのですから、大変なマイナスの加速度がかかるわけです。過去の売上増を景気だけで説明していると、逆にこれから人口が減っていく時代にも景気次第では同じような売上増が続くという、安易な想定をしてしまいがちになります。事実、エコノミストによっては、そういうことを平然と語るかもしれません。ですが、本当にそうでしょうか。例えば人口が減るので住宅団地が売れないということを、人口ではなく景気のせいだけにしているということが、果たして正しいのだろうか、そういう問題が起きてくるわけです。  思えば、広島というのは、私ども山口の人間から見ても空前の人口増加県でした。たしか、私が小学校低学年のころ、1970年代前半には、広島市の人口は50万人台の半ばでした。今は当時に比べてほぼ倍増です。合併があったにせよ、都市圏全体としても大変成長しました。この間山口県の人口は結局一人もふえなかったことを考えますと、広島がいかに巨大な成長を遂げたかがわかります。であるがゆえに、実は人口減少のインパクトは山口よりも広島をより大きく襲うのです。そして広島よりもさらに深刻な状況に直面するのが首都圏です。皆様の常識に反するようですが、どうしてそうなのかを見てまいりましょう。  これは、2000年から2020年までの高齢者の増加予測を都道府県別に見たものです。  総務省系の財団が行った予測をグラフ化したものですが、例えば東京都市圏、神奈川、千葉、埼玉の主要部分を合計し、秩父だとか房総など田舎は除いた人口3,000万人の大都市圏全体を指しますが、そこで何が起きるか。2020年には人口の5人に1人近く、19%が70歳以上になると予測されています。広島県は、さらに3ポイントアップで22%が70歳以上という予測になっています。今の全国平均が12%ですから、団塊の世代が70歳以上になることのインパクトがいかに大きいかわかります。それでも山口などは25%まで行くのですから、山口に比べれば広島、ましてや首都圏はまだましに見えます。  ですがそうではないのです。東京都市圏では、2020年には2000年に比べて、70歳以上の方が120%ふえるという数字になっています。2.2倍にふえるということです。つまり、今東京周辺に70歳以上の方が100人いらっしゃるとすると、2020年には、何と220人になっているのです。広島県ですと、この数字は6割増、今の100人が2020年には160人になります。山口では4割増ですから、高齢化の加速度という意味では首都圏が一番大変で、広島、山口と事態がましになっていくことがわかります。  最近、私は各方面で申し上げているのですが、この後期高齢者の増加こそ、日本や各地域の計画に十分織り込まれていない大問題なのです。実は、田舎ほどこれからお年寄りがふえない。既に多いからです。そして、故郷に親を置いて大都市に出てきた団塊の世代が、これから大都市で高齢化する分、大都市でお年寄りの激増が起きるのです。  そもそも東京都市圏の70歳以上人口は2020年でもまだ5人に1人、山口の4人に1人よりましだから高齢化社会ではないと言えるかといえば、そんなわけはありません。5人に1人が70歳以上というのは、今の広島県内でいえば江田島や因島の水準で、非常に高齢化が進んだ社会なのです。  人口177万人の広島都市圏について見てみましょう。広島周辺の20市町の合計です。棒グラフが国勢調査による2000年の人口ピラミッド。それに対して、この赤い折れ線グラフが2020年の予測人口のピラミッドです。この間に皆様は20歳ずつ年をとって、右に20歳ずつずれるわけです。そこに若干出入りもありますが、今の幼児が若者になり、今の若者が中年になると、何と15歳から34歳で見れば14万人、3割近くの減少が起きます。今の20代後半の人数が多いのに比べて、少子化で赤ん坊が少ないために、どうしても自動的にそうなってしまうのです。これに対して、今の50代前半、団塊の世代が70歳代前半になるため、70歳以上は16万人、8割の増加です。そして20歳から59歳の間の人口、つまり普通に住民税を払って勤労する方々は15%減少します。その結果、70代以上の総人口に占める比率は20%、今の千代田町並みという数字が出てまいります。  福山都市圏は人口約70万人、府中、尾道、笠岡、井原などが入りますが、ここでは何が起きるか。15歳から34歳の若者が34%減、70歳以上のお年寄りが55%増、20歳から59歳は21%減、そして70歳以上の比率は今の御調町並みの23%、4人に1人になります。  前述の東京都市圏も、引き続き全国から若者を集めたとして、何と15歳から34歳が250万人、3割の減少。70歳以上は320万人、2.2倍の増加。そして、20歳から59歳は1割減。70歳以上の比率19%、今の江田島町並みになります。この話は、決して冗談ではございません。私がつくった数字を話しているのでもありません。だれがやっても予測結果は大同小異です。  事態を冷静に眺めれば、さして産業もない首都圏の多くのベッドタウンが、高齢者激増に伴う負担増で財政逼迫するのは必然です。彼らは、今まではほとんど受け取っていない地方交付税をもらう側に回ります。地方と都会で地方交付税の取り合いになるわけですが、実は首都圏も広島もほとんど高齢化率が変わらないという状況になってまいりますので、地方だから、高齢化しているから優先的に交付税を寄こせ、とは言えないという状況になるのです。仮にそれでも地方優遇を続ければ、逆に首都圏の福祉施策が劣化するので、広島出身の首都圏住民が大量にUターンされることになるでしょう。何にしましても、今までのような地方対都会の単純な図式は解体されざるを得ません。  さて、延々と述べてまいりましたが、以上のような見通しを前提にすれば、広島県は今後、さらに真剣に「選択と集中」を進める必要があろうと思うわけです。  市町村合併を推し進めた総務省に、果たして以上のような事実の認識があったかどうかわかりませんが、広島県は私が見るところ、全国の中でも市町村合併の先進県です。そして、安芸高田のように、高齢化時代の地方自治という意味で全国のモデルになるような例が出てきているわけです。つまり、集落ごとの自治を合併と同時に強化する方向によって、コストダウンと同時に地域の底力のアップを図ろうという取り組みです。これも一つの選択と集中です。しかるに私が危惧しますのは、東京周辺では市町村合併の動きがほとんどないということです。近い将来の必然的な高齢化を、首都圏の首長さん初め、ほとんどの方は認識していらっしゃいません。住民も企業もマスコミも何も考えていません。要するにやるべき選択と集中を今やっていないのです。ですから、高齢化の衝撃は、東京において、より深刻に出てくる。広島としては、そのような東京のクラッシュに自分まで巻き込まれないように、今のうちから備えなくてはいけないということです。  では具体的にどうしたらいいか、何を選択して集中するべきかということですが、ここから先は客観的な数字ばかりお話しするわけにもいかないので、私見を3つ申し上げます。  第1は、国際競争に直面しない、地域内、国内の相手に商売をする小さな産業をもっと振興すべきだということです。ハイテク産業よりもサービス業や食品加工業などが対象の中心になります。  もちろん広島には、中国との競争にも勝ち残っていくであろう優れた製造業企業がたくさんあります。特に備後地域には国際競争力のあるユニークな会社が多いですね。ですがその一方で、国際競争に負けてどんどん納入先を減らしている中小企業もたくさんあります。そういうところで失われていく雇用をどうやって他に移して、県全体として維持していくかというと、結論だけお聞きになるとなかなか御納得していただけないかもしれませんが、福岡や東京でふえているような小さなサービス業の会社、例えば福祉関係ですとか、あるいはメーカー周りのさまざまなサービス関係の企業をふやすことしかないのです。県外に流れている潜在的なサービス需要を全部地域内で拾えるように、規模は小さいがノウハウは高度な、対事業所支援サービス産業を興していく必要があるのです。  既にやっていらっしゃることですが、地産地消の推進といった施策も雇用維持の意味では決してばかになりません。実際、特産品振興で雇用がふえている市町村というのは、全国に出始めています。既に県北地域ではかなり特産品開発が盛んでございまして、全国でも先進地域の一つだと思いますが、より一層、地産地消の県内南北連携を進めていくことが重要です。広島都市圏の方々も、よそから安いものばかり買わず、少々高くても品質がよく素性が明らかな県北地域のものをもっとお買いになるということが必要なのです。それが広島都市圏の商圏人口の維持にもつながるのですから。  こうしたサービス業や食品加工業の振興のかぎとなるのは、ものづくり技術ではなくマーケティングの支援です。細かいことは、紙に書きましたので御覧ください。  第2に、人口が急速に高齢化していく中で、必ずやらなくてはいけないこととして、開発面積の抑制があります。上下水道や街路が引かれている土地を今以上にいたずらにふやすことは無用です。既に上下水道や街路が引かれている区域の中で、人口密度、事業所密度をふやしていくということに真剣に取り組むべきなのです。つまり、人口増加の広島県から人口成熟の広島県への政策転換が必要であると、私は考えます。  そのように市街地の有効利用を図ろうとする場合、絶対に考えなくてはならないことは、今市街地に建っている建築物の多くが、実は戦後の復興投資物件であって、そろそろ建築として寿命が来ているということです。当然建て替えを進めていかなければいけないのですが、これは相手が多いだけに幾ら税金を投下しても進まない話でして、民間の建てかえを促進する手段を何か講じていかなくてはなりません。そうしないと、建物の劣化・取り壊しに伴ってどんどん更地や駐車場がふえていく傾向となり、次の代の固定資産税収に大きく響きます。だからといって道路拡幅や区画整理で建て替えを促進するというのはなかなかうまくいきません。これらは人口増加の時代に機能するよう設計された制度で、人口が減少していく時代には逆に更地をふやしてしまう副作用が大きいのです。  第3に、そのような拠点集中を実施する前提として、拠点間の交通基盤についてもさらに整備の重要性が増すと思われます。例えば、一般的な山間部の道路全部ということではなく、拠点と拠点を結ぶ幹線について、平野部ではきちんと歩道をつける、山間の上り坂にはすべてきちんと登坂車線をつけておくというようなことをさらに進めるべきです。あるいは、主要な駅と主要な幹線国道や高速道路を結ぶ、間をつなぐ動線が非常に弱いという現状があります。これは備後にも安芸にも共通に言えることだと思いますが、もちろん営々と努力していらっしゃるわけでございますけれども、なかなか改善が進みません。例えば、きょうも広島空港からのバスがジャスコの開業予定地のところで延々と渋滞して10分ほどノロノロ運転しました。これで開業したらどうなるのだろうと思うのですが、つまりは広島東ICと広島市街の連結が弱いわけです。中筋経由で来てももっと時間がかかります。そういうところの改良をすることによって、拠点から拠点への実質的な到達時間を削減することが必要です。  さらに、道州制をにらんで考えなくてはならない問題は、広島は山陰、特に鳥取よりも松江との連携が非常に弱いということです。やはり三次から松江の間の高速アクセスを早急に改善せねばなりません。尾道-三次間も大事ですが、広島の岡山に対する競争力強化のためには、広島県内部分は少ないのでしょうけれども、三次から北こそが極めて重要であると考えます。冒頭申しましたとおり述べているのは私の意見でございまして、私の会社がそういうことに意見を持っているわけではないのですが。さらに広島の場合、すぐ間近まで高速アクセスはあるのですが、そこから一番肝心な市の中心部まで30分から1時間かかってしまう。福山も実は似ていますが、そこの改善を進めていくことが極めて重要です。  以上3点、私個人が、これが戦略的な集中分野だと思うものを申し上げました。よく世間には「ハード整備の時代は終わった」というようなことを言う方がいらっしゃいますが、私は、拠点間の実際の所要時間を短くする交通網の高度化や市街地における老朽物件の建てかえ促進といった点で、むしろこれから一層ハード整備も大事ではないかと思っています。それと同時にソフト面では、大企業のものづくり技術ではなく、むしろ小さいサービス企業や食品加工業の販路開拓、マーケティングへのきめ細かな支援というのが非常に重要になってくると考えております。  最後の戦略に御納得いただけない方でも、前半の数字のところだけは客観的な事実ですので、ぜひ御参考にしていただければと思います。本日はこういう機会をいただきまして、まことにありがとうございました。なお、以上申し上げたことは、しつこいのですがすべて私の個人の意見でございまして、問い合わせなどございましたら、ぜひ私個人の方にいただければと思います。ありがとうございました。(拍手) 2 ◯佐々木参考人 加計町長の佐々木でございます。県議会の予算特別委員会で発言の機会をお与えをいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。  現在、私どもの地域、加計町、筒賀村、戸河内町の3町村で今、合併協議が進んでおります。17日、第12回目の合併協議会を開催しまして、新しい町章を決定することにいたしておりますが、2月10日の第11回協議会で、すべての協定項目の確認が終わりました。17日の最終協議会で町章を決定した後、今の予定では22日の午後4時から3町村長によります協定書の調印をし、知事さんにもお越しをいただきまして、その後、祝賀会を開催し、そして3月23日に3町村のいずれの議会においても関連の議案を提出し、いずれも23日か24日には議決をし、4月1日か2日、あるいは5日、6日になるかもわかりませんが、今のところ、1日か2日ごろには、合併の議決をいただいたものを県の方に届け出をするという状況になっております。  これまで山県郡におきましては、平成12年から研究会を設置しまして、協議をいたしてまいりましたけれども、その中で、県が示されました第1案が西部の4カ町村と東部の3町、それで第2案が山県郡が一つということであったわけですが、いろいろと協議をする中で、一つになってやっていくには、求心力というものが高まらずに、むしろ遠心力の方が働くのではないか。と申しますのも、要するに水平の関係にありまして、同業種が多い。垂直の関係ですと異業種が多いわけですから、補完をするということがあるわけですが、その補完をし合うものがないと引っ張り合いになる。同時に、例えば安芸高田市におきましては吉田という核になる町がございますが、山県郡だと、それが千代田と加計ということで、二重の意味で一つになっていくのが難しいのではないか。もっとも楕円は中心が2つありますから、楕円ということを考えれば2つの中心があってもおかしくはないわけですけれども、新しいまちづくりをしていくについては、そのことが障害になるおそれがあるということもありまして、結局、2つに分かれました。  芸北町は広域行政であるとか、あるいは警察行政であるとか、変な話ですけれども、電話番号の市外局番も加計、戸河内、筒賀と一緒ということで、大朝、千代田、豊平とはほとんどそういう面では余りつながりがなかったわけですが、農業という基盤が一緒だということで、向こうと一緒になられました。加計、筒賀、戸河内というのは太田川流域にありまして、かつて明治時代、市町村制施行以前、太田十カ村と呼ばれておりました。それまでは、太田十二カ村ということで、長笹村と戸谷村が加わっていたわけですが、明治になりまして太田十カ村、これが、今回合併する安芸太田町になるわけでございまして、そういう意味におきましては産業構造も似通っていますし、地形あるいは気質、それから生活の様式等々、いろいろな意味で共通のものがございます。ただ、面積が3町村合わせまして342km2ということで、人口の割に広いということと同時に、山と山との間を、大小ありますけれどもすべて川が流れておりまして、その流域のほとんどのところに人が住んでいらっしゃるということで、真ん中をずっと巡回できる道路等というのが難しい、要するにトンネルを掘ればいいわけですが、それは非常に効率も悪いということで、そういう意味からこれまで合併がなされておりませんでしたけれども、むしろ、そういうものを無視するならば、この3カ町村というのはもう少し早く合併ができていても不思議ではなかったと思えるような新しい町でもあるわけです。  しかしながら、非常に大きな課題もございました。先ほどの藻谷さんの話ではございませんが、非常に少子・高齢化が進んでおりまして、新しい安芸太田町は、高齢化率が40%近い状況になります。加計町が一番低いわけですが、それでも39%ぐらいということで、非常に高齢化率も高くなっております。ということは同時に、高齢者の方々のいろいろな生活をどう支援していくかということで大きな課題があります。  また一方では、少子化というのが非常に進んでおりまして、学校の再編・統合といいますか、適正配置の問題というのが、これも非常に大きな課題になってまいります。中学校もそうですけれども、特に小学校というのが、地域における文化の中心を担っていたと住民の方々は思っておられます。ですから、子供の教育を最優先することも当然意識の中にはあるわけですが、それ以上に、地域から学校が消えるということの寂しさといいますか、そういうものに対する抵抗感というのが非常に強い地域でございまして、現在、文部科学省の方でも教育費のいろいろな問題、非常にシビアなことが示されておりますので、今後、数年を経ずして、子供たちの教育をどのように供給していったらいいだろうかということが、大きな課題になってまいります。  しかしながら、学校の再編・統合を進めないと大変なことになるということで、例えば安野小学校と修道小学校というのは、昭和31年に合併した旧安野村にありますけれども、ついこの間、来年4月1日からは、安野小学校を休校にして修道小学校へ一緒になってもらうというのは、本当に2週間ぐらいで話をしまして、大きな抵抗もありましたが、実態を申し上げて理解いただいたというようなことがございます。中学校の統合に関しては10年かかりまして、これも来年4月1日から新しい安芸太田町立加計中学校ということになりますが、この安野小学校、安野中学校が、旧安野村の中心地域で、村役場もありましたし、旧制の高等小学校もあったというようなところが、平成17年4月1日には一挙に小学校も中学校もなくなることを余儀なくされているという状況がありますし、これは加計だけではなくて、戸河内町の山間僻地の小規模小学校というのをこれからどう再編していくかというのも、これから数年の大きな課題であります。  合併するに際しまして、住民の方々に対するアンケート調査をしたわけですが、その中で、住民の方々の希望で一番多かったのが、保健、福祉、医療、介護の充実した町ということと、もう一つは交通対策、要するに移動手段をどのように確保するかということが大きな課題でした。  また、大きなものはやはり雇用の場、若い人たちが働ける場所をどう確保するか、これは定住には欠かせない大きな要件でもありますけれども、現在のところ、それは非常に厳しい状況にあります。ほとんどの産業がリストラあるいはアジアへの拠点の移動ということもあるかとは思いますけれども、新しい産業が進出してくるということはほとんどありませんで、むしろ出ていっているというのが多くて、それによって働く場所が失われる。また、そうなると若い人たちも都市へ流出する。じゃ、どういう人が残れるのかというと、公共機関での雇用、役場であるとか農協、あるいは病院であるとか高齢者の施設、あるいは建設業というようなものがあるわけですけれども、建設業は御存じのような状況で、非常に厳しいものがございますので、今後これをどう転換していくかというのは大きな課題ですけれども、町村合併というものが公的な雇用の場をだんだん少なくしていく、効率化を図るということですから、当然そうなるわけですけれども、それにかわるものをどう整備するかということになりますと、先ほど申し上げました高齢者対策というのがやはり大きな比重を占めてまいります。そういうことが、住民の皆様方の意識の中にもあるのか、保健、医療、福祉、介護の充実ということが、両方の側面で求められているのではないかと思っております。  少子化のことは、先ほど学校のことで申し上げましたが、もう一つがやはり、現在、政府の方では、少子化対策として幼保一元化ということをいろいろ言っておられますが、これがどのように進んでいくかということですが、現実に、もう私どもの地域では、幼保の一元化を早急にしていかなければ保育所の存続もできないし、当然のことながら幼稚園も設置ができないということで、子育ての支援もできなければ、幼児の教育もできないということですから、両方をやっていくということで、やはり幼保の一元化を一日も早く進めなければいけないという課題があります。  それから、先ほど申し上げました、交通体系をどのように整備するか。可部線も昨年11月30日に廃止になりまして、その後、バス転換をいたしましたけれども、これは最初から、バス転換をした場合のデメリットの中で、定時性が確保できないということがありましたが、今冬の積雪等の影響でバスが2時間ぐらい遅れるということがありまして、高校生は学校に遅れて喜んでいるかもわかりませんけれども、大幅な遅刻等も生じてきたということもございます。この問題もございますし、また一方では、都市との交流を促進していくということで、可部線廃止後の地域をどのようなものにしていくか。当然、可部線があろうがなかろうが地域の振興というものはやっていかなければならない重要な課題ですけれども、これを契機にもう一遍、都市との交流、連携をどのように進めるべきであるかということで、今、これは湯来町も含めた4町村で協議を進めているさなかでもございまして、これをぜひとも実らせなければならない。仮称ですけれども、「太田川清流塾」というものをどのように構築していくかということを、今、進めているさなかでございます。  また、もう一方で、当然のことながら、広いなだらかな面積のある地域ではありませんので、情報化ということが非常に難しい地域になっております。そのために、例えばインターネットでも、現在はフレッツのISDNが入っておりますが、これを一日も早くフレッツのADSLを入れようということで、これはもうじき入るかと思いますけれども、これが供給される地域というのは非常に限られてまいりますし、また、これをやっていかないと、私の長男もよく言っておりますが、情報化がちゃんと進んで、インターネットの時間を短縮して容量の大きいものでやらないと、若い者は帰ってこないと言いますけれども、まさにそうなのかなと。まさに情報ハイウェイという言葉が言われておりますように、人間とか物流のハイウェイも必要なんでしょうが、情報ハイウェイというものが、これからのインフラ整備では欠かせない条件になるのではないか。同時にそのことが、先ほどの藻谷さんの話にもありましたような小さい産業の起業につながっていくのではないか。SOHOということが言われておりますけれども、そのように空気のいい、環境のいい地域に住んで、そして、そこでできる起業というのをどのように育てていくかということも非常に大きな課題でもございますし、また、私どもの方では大規模な農業はできませんので、小規模でも多品目の生産をやって、地産地消等を通じながら都市との交流、連携をどう深めていくかというようなことが大きな課題であります。  先ほど、これは合併のみについての話ではなかったわけですが、合併をするに際しましても、まず第一に行政防災無線を統合しなければなりません。1市町村1周波数と決まっておりますので、これを早急に整えなければなりませんが、これをやるだけでも大変な金が要ります。これをデジタル化しようかということで検討していったわけですが、固定系の各家庭にあるものは、双方向の機械になっておりませんので、デジタル化しても余り意味がない。移動系ですとデジタル化してもいいわけですけれども、そういう意味でもまだ、新しい通信体系に移行できないのではないか。  それから、3町村の公共施設はすべて光ファイバーで結びました。ですから公共施設間では、インターネット等いろいろな情報のやりとりはできるわけですけれども、これを各家庭に延ばしていくことが、果たして早い時期に達成できるのだろうかというのが非常に大きな課題です。政府の方では、e-Japanということで、いろいろとやっていらっしゃるようですが、本当に山の高い切り立ったような地域における情報化の推進ということを、どれほど実際に実地でおわかりになっているのか、机上で考えられているだけではなかろうかという気もいたすわけでございます。そういうことから、いろいろと課題があると。  広島県は合併の先進県として、トップランナーとして走ってこられたところでございますが、最初、住民の皆さんにも合併の効果ということをいろいろと申し上げて、この合併に邁進してきたわけで、その点では夢を与えるということはいろいろあったわけですが、しかしながら、ここ1~2年の動き、あるいは来年、再来年へ向けてもそうですけれども、政府のやっていらっしゃることを見ると、切り捨てにつながっているのではないか。せっかく合併をしても、夢がある合併ができるのだろうか。むしろ、これは私どもも2~3年前から思っていましたけれども、そうはいいながらも、これはもう効率化というか、国の財政も破綻状況にあるのだから、恐らくそうなるとどんどん財源は減らしてくるんじゃないかと思っておりましたが、案に相違せずそのようになっておりまして、今回の平成の大合併というのは、地方分権だとか、いろいろいいことは言われておりますけれども、国の財政の破綻状況をどうやって、回避するというのはおかしいんですけれども、地方に押しつけるのかということの方が何となく強いんじゃないかというような気もいたしておりまして、そのことが住民の皆さんに対する不安を与えるということになっております。そういうことから、合併に際しまして、どのように不安を取り除いていくかということが、非常に大きな課題になります。  まず第1には、県の合併支援措置への不安ということで、県も、知事もおっしゃっておりますように410億円の財源不足が生じたということで、いろいろな取り組みをされております。そういうことから、例えば県内の道路整備等につきましても、2車線のものから1.5車線とか、交通量によって小さくなっておりますけれども、それも仕方ないとは思いますが、それがさらに絞られてくるのではないかということがございますし、先ほど言いましたように、新町建設計画をもう確認しましたけれども、これを実施するに際して、県事業も当然入っておりますが、これが本当に履行されるのであろうかという不安、それから、財政措置への不安ということで、先ほど申し上げましたように地方財政、どんどんしわ寄せがいっている。地方交付税の大幅な削減と臨時財政対策債の削減、ことしは地域再生事業債という何かよくわからない地方債を発行されて、それを何とか取り込んで平成16年度の予算が組めた。同時に、可部線の廃止に伴うJR西日本からの協力金が、私の町で言いますと約4億1,500万円あったので、交通対策はそれをちょっと使ってということで、予算編成が可能だったわけですけれども、もし合併をしないとするならば、もう17年度からは予算は組めないであろうというような状況にあります。  それが、合併したからどうなのかといいますと、合併をしても減るのはほんのわずかです。首長が1人になるとか、たくさんいたのが少なくなるという部分はあるわけですが、それだけでは済まないであろう。同時に、県でも今、権限移譲というのを検討しておられますけれども、これをするについて、県の方からこの権限にあわせた財源の移譲が本当にされるのであろうかということも非常に大きな不安を持っております。そういうことから、先ほど申し上げましたように3月22日には協定書の調印をし、そして、6月県議会での議決をいただいた後に、10月1日の総務大臣告示に至るわけですけれども、不安に思っているものを今度、安心できるような状況にどうやって変えていただけるのであろうか、このことがやはり合併した町村の住民の方々の大きな望みでもあるし、希望にもなるわけでございます。  ちょっと不安の中で言いませんでしたけれども、合併というのが大変なのは、総論はいいわけですが、各論に入ってくると、各町村ともそれぞれ自分の町の特徴を出すための施策をしております。それに対する重点的な予算配分等もしておりますし、住民へのサービスもしておりますが、合併するとなると、それぞれの町村のいいところをみんな取り上げるようになるわけです。ですから、総花的になって、あれもこれもになるわけです。あれかこれかではなくて、あれもこれもになるわけで、高度経済成長期にはあれもこれもでよかったんでしょうが、今後はあれかこれかでなければいけない時期に、合併ということを契機にあれもこれもになってしまう。これはもうむしろ効率化ができないのではないか、持続可能な制度にはとてもならないのではないかという不安を持っております。私もそのことを強く申してきましたが、議会の議員の皆様方もなかなかそういうところに至らない方も中にはいらっしゃいまして、どうしても水増しのようなことになってくる。それが非常に不安に思っております。そういうことから、約束したことをやっていかなければならないことについての県の支援、また、トップランナーとして走っていただいている広島県ですから、国に対してそのことを強く申していただいて、法律も1年延びたり、あるいは1年じゃなくて何年か延びようとしておりますが、トップランナーとして走ってきたところの町村は、延びてそれと同じようになるならば、何やあれはと、苦労した甲斐はないじゃないかと、それならのんびり構えていればいいじゃないかということになりますが、構えていると、先ほど言いましたようなムチの部分で、17年度の予算も組めないということになるような状況にありますので、そうも言っておられないわけですが、国も県も一緒になって進めていらっしゃったこの町村合併についての支援措置を確実に実施していただきたいということをお願いしたいと思います。  また、建設計画でも、国、県、町と一緒になって協働体制でもって進めていただきたい。そのために道路とか防災とか交通対策とか、あるいは包括ケアシステム、これは保健、医療、福祉、介護を一緒にしてやっていこうということですけれども、こういうものに対する重点投資をお願いしたいということ、また、権限移譲につきましては、先ほど申し上げました財源の移譲はあるのだろうかどうなんだろうか、できないんじゃないかという不安を除くように、今国が進めております三位一体改革、知事さんはまやかしだとおっしゃっておりますが、私どももまやかしのようなものではないかと思いますけれども、こういうまやかしの体制を組むのではなくて、県自身も実態に沿った、県独自のシステムでもって進めていただきたい。  「貧すれば鈍する」という言葉がございますが、国は今、貧すれば鈍する状況に陥っているのかと、県はそういうことから、貧すれば鈍するになっていただかなくて、貧しても、広島県の今後の、特に中山間地域の町々が、私どもも当然のことながら自分の地域の自立のために一生懸命やってまいりますけれども、県もそのための支援措置をぜひとも実施していただいて、安心して合併ができる、住民の皆さんに安心してくださいと言えるような措置をぜひともお願いしたいということで、私の意見の発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)  (8) 休憩  午前11時37分  (9) 再開  午後1時2分 3 ◯古川参考人 地方分権の問題につきまして、特にその中における県の役割につきまして意見を申し上げる機会を得まして、大変光栄に存じております。  この地方制度の問題は、私自身の生涯にわたるテーマといいますか、単に研究テーマというだけではなく、私自身の言うならば人生の価値観あるいは生き方とも関連した問題として、実はとらえております。その理由の一つは、私自身が九州の離島の出身で、先ほど午前中に人口減少、あるいは高齢化についてのお話などがございましたけれども、それを身をもって経験してきたので、この地方制度の問題、行政のあり方の問題は私自身の生活の一部でもあるからでございます。  本日は、たまたま私が最近かかわりました静岡県の内政改革に関します研究会の報告書の内容もふまえながら、若干私見を述べたいと存ずる次第でございます。  まず第1に、お手元に資料が3つございます。1つ目は、1枚紙の私の名前の入りましたメモでございます。2つ目が、静岡県内政改革研究会の報告書で、これは資料集も一緒にとじ込んでございます。3つ目が、それを受けまして、静岡県当局でまとめられた政令県構想に係る資料でございます。これは最新のもので、平成16年3月、たしか先週か先々週に改定されたものだと存じます。適宜、それを参照していただくことがあると思いますので、よろしくお願いします。  私の基本的な考え方を5点まとめておりますけれども、第1に、地方分権の進展というのは世の中の流れ、これは日本の流れというだけではなくて、国際的な流れでもあるかと存じますが、なお不十分なものがあると思います。それは、牢固として抜きがたい日本の近代化の呪縛があるんじゃないか、すなわち、まとめて国が、お上が保護的に、拡張的にお世話することが望ましいのだという日本人の価値観にかかわる問題で、これを私は「近代化の呪縛」と言っているのですけれども、なかなかこの呪縛から抜け出せない。国が最も偉くて、県がその次で、市町村はその次で、その下が民間だと、こういう誤った序列意識がどうもあるんじゃないか。  2番目の論点は、日本の国家目標というのは何だろうかと。財政が破綻しない程度での福祉国家を目指しているんだろうかとも思うわけですけれども、これが、余りはっきりしない。  3点目に、結局、日本はモデルを失ったんじゃないだろうか。1990年代以降の世界の経済、あるいは政治の変化に乗りおくれたんじゃないだろうか。これは、政治と行政が特にそうだと私は思いますけれども、これは民間でよく「失われた10年」と言われますけど、政治や行政もそうじゃないだろうかということを、国際比較をする中で痛感しております。  第4点目は、現代福祉国家というのをどうとらえるかということと関連するのでございますが、この現代福祉国家という意味でございますけれども、いわゆるGDPの1割前後を広い意味での福祉支出に使っているような国のことを福祉国家と言うのですけれども、特に、現代というのをつけましたのは、これが欧州だけではなくて、アジアの国でもこの現象がだんだん進んできて、日本が今やまさに、現代福祉国家の仲間入りをしている。現代福祉国家になると、どういうことが問題かといいますと、まず、高度成長が期待できない。したがって、国のあり方、統治のあり方、政策のあり方を変えなきゃいけないのだけれども、それが、税制も含めまして、十分変化に適応していない。これである程度今、対応しているのは、旧英連邦国家がさまざまな試み、実験をして、何とか切り抜けてやっている。英連邦国家は英国等を中心にして、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、あるいはシンガポール、マレーシアなど旧植民地を含めた国家でございますけれども、これは大体似たようなやり方で、一方で経営の効率化をしながら、他方で住民、国民の参加を得ながらこうやってやろうと、これが新しいんだと。北欧の場合には、ある程度基礎自治体を拡大していきながらそこに権限を与えて、財源も与えて、そこで福祉国家を成り立たしめている、あるいは持続可能なものにしている。こういう点で私は注目すべきものがあると思うのですけれども、日本は非常に安易な、安易なというのは表面的なと言った方がいいんですけれども、民営化すればいいんだとか、民間に任せればいいんだと、単純に言うようなことがどうも多いのではないか、行政や政治の本質を十分に見ていないのではないかという気がいたします。  5番目には、基本的に、中央政府は縮減をしていくべきであり、基礎自治体は権限を強化すべきだと私は思いますけれども、そういった場合に、本来の広域行政体としての都道府県の役割は変質していくと思います。よく一部の学者、評論家、というよりも大多数のと言った方がいいんですけれども、基礎的自治体としての市町村を強化すべきだと、そうすると都道府県というのは要らなくなるんだという非常に単純化した議論がございます。これは学会などに行きますと、大体こういう人が多数派でございまして。じゃ、国はどうなるんだと言うと、国も縮小していく、大体市町村が行政をやればいいと。ところが、市町村のできる行政と、本来の広域的な行政の部分と、それから国の役割はそれぞれ違うわけです。  世界各国の制度や運営を見ておりまして、ある意味で日本の特徴というのは、広域行政体としての都道府県が内政の中で今まで果たしてきた役割を、私は評価をしているわけです。それは、どういうことかというと、具体例を挙げますと、広域行政のところがうまくいっていないところはさまざまな問題を抱える。よくアメリカの地方自治はすばらしいと言いますけれども、広域行政体がちょっと弱いんです。したがいまして、州によって違いますけれども、州と市町村の間を埋めるべき役割が弱いものですから、これを民間が一部代行する。民間が一部代行いたしますけれども、これは市場ベースでやりますので、下手をしますと低所得者の人はそのサービスを買えない。そうすると、大きな不公平が生じる。こういう問題が今出てきているわけでございます。ですから、単純に民営化すればいいというものではないと思うのでございます。  第2の政令県構想に参りますけれども、ちょうど昨年の1月中旬でございましたけれども、静岡県知事の石川嘉延氏が、たしか定例記者会見だったと思いますが、御自分の意見としての政令県構想というものをお述べになりました。これは、翌日の全国紙の一部に報道されましたので、私もなかなかおもしろい意見だと思って見ておりましたら、その直後に知事から連絡がありまして、自分としての考えを披露したけれども、まだ十分細かいところまで詰めていない点がある。ついては、これを対外的に自信を持って提案していくために、専門家を集めてたたいてくれないか、検討してくれないかと、こういう御依頼がございました。たまたま、3番のところに書いておりますけれども、2002年度に行政改革会議というのが静岡県でありまして、私はそのメンバーの一員でもございまして、その中で既に市町村合併後の県のあり方について議論をしておりました。そういう関係で、座長というよりはお世話役のような形で、このメンバーを集めたのでございます。  メンバーは、お手元の報告書の目次をあけていただきますと、目次はページ数がふっておりませんけれども、3枚目ですか、目次の一番最後に書いてございます。行政法、行政学あるいは財政学の専門家であり、また、このうちの半分は実務経験も持った研究者という形でございます。実際に、この中で都道府県の課長あるいは部長を経験した人もおりますし、内閣法制局で働いた方もいらっしゃいます。それから、木村陽子さんなどは、現に地方財政審議会の委員として、現下の地方財政の問題について、極めて直接かかわっているということでございまして、いずれも御快諾をいただいたのでございます。したがいまして、わずか一月余りで第1回を開くことができまして、10回程度行いまして、11月にこの報告書を出すことができたのでございます。  これは、基本的には、静岡県内政改革研究会という題名にもあらわれておりますように、静岡県の現状、実情を踏まえて制度設計の考え方を述べようということで、必ずしも一般的、普遍的に体系化をするというつもりではございませんでした。一般化、体系化するのは、学者として個々人のレベルで行おうということで、この報告書には静岡県のベースで考えるということでございました。しかし、その内容については後でお話をいたしますけれども、私は、何らかの抽出された要素があるべきだろうと思いまして、実は11月に知事にこの報告書をお渡しするときに、また、その後の記者会見の中でも、3つの戦略と3つの展望というお話をいたしました。すなわち、ここにおける内政改革の戦略は何か、そして、それによって得られる展望は何かということでございます。  私個人の見解として申し述べたのでございますが、3つの戦略というのは、まず最初に、国のなすべきことの選択と集中による実効性の確保でございます。そして2番目に、地方の広域的内政機能の充実と狭域行政の保障ということでございます。3番目に、経営手法を取り入れた生産性の高い公共部門をつくるということでございます。そうすると、こういう3つの戦略を実行することについて、どういう展望が開けるだろうか。第1には、自治の精神の涵養であり、2番目には創意工夫による競争と成功体験を生み出すということであり、3番目に少子・高齢化社会は現実の問題で、この展望を開く明るい未来をつくっていくのだと、こういうものでございました。  報告書をあけていただきますと、一番最初にページがふっていない要旨というものをつけております。すなわち、この見開きの要旨を見ていただきますと、この報告書のポイントがわかるようになっておりますので、時間の関係上これをまず見ていただいた方がいいと思いますけれども、5つの提言を行っているのでございます。  第1章は、国の統治の在り方でありまして、これは一般的に言われていることかもしれませんけれども、本来国が担うべき役割として、例えば監視・監査機能の強化、防衛体制の整備、外交機能の強化などに取り組むとともに、徴税の一元化、国の地方支分部局の見直しなどについて触れております。  それから2番目に、新型指定都市と広域連合についてでございます。ここで新型指定都市といいますのは、旧来の政令指定都市が、いわゆる都市型の政令指定都市というものを想定しているのでございますけれども、この新型指定都市というのはそうではなくて、いわゆる農村型のものも一定条件を満たせば、現在の指定都市と同様な権限を持つと同時に、県の事務を相当移譲されるということを想定しております。したがって、新型という名前をつけております。静岡県の事情につきましては資料等を見ていただければいいのでございますけれども、静岡市と清水市の合併、それから近々、浜松市を中心としました西部の合併が実現しますと、これは恐らく政令指定都市を構成するだろう。報告書の7ページに図がございますけれども、指定都市が県の真ん中と西の方に形成される。残りの地域は、広域連合でもって新型指定都市と同様な仕事を行えるような体制にする、それを通じて、あたかも県内のすべての地域が指定都市で構成されるかのような県内構造を構築するというアイデアでございます。  ちょっと戻っていただきまして、3番目に政令県と道という考え方でございます。この政令県という名前自体は、先ほど申しましたように、石川静岡県知事の発案に係るものでございますけれども、これのアイデアの基礎というのは、県だって指定都市と同様に一定程度の規模、基盤、能力を持っているのであれば、国の一定の権限移譲を認めてもいいのではないかという発想でございます。この政令県の制度について、具体的に静岡県として、この報告書を受けて政府の方に提出したのは新聞等で御存じのことかと思います。ただし、地域再生本部ではこれ自身は認められることはなかったのでございますけれども、道州制との関係はどうなんだとか、いろいろな議論があったようでございます。  それから、政令県はある意味では通過的な意味合いもございまして、報告書の16ページをあけていただきますと、都道府県の自主的な合併による場合と、政策的・制度的にこれを再編していくという国の方針があると仮定した場合の2つについて考察しております。  いずれにしても、後の段階では、政令県あるいは現在の府県、いずれも道という形になる。すなわち、現在の国の出先機関の機能を吸収した新しい形の広域の地方公共団体となるということを想定しているのでございます。  また、要旨の方に戻っていただきまして、しからば大都市圏はどうなんだということが大変議論になりました。首都圏及び近畿圏については、それぞれ検討されておりますし、私も一部かかわったことがございますけれども、首都圏の特殊性、近畿圏の意味合いを考えますと、これを道と同じような取り扱いにすることが今の時点で結論づけられるか。これは、実は委員の間でも相当意見の違いがございました。したがって、報告書の中では、検討課題として残しているところでございまして、これは提言というよりは、注書きのような感じでございます。  第5番目の提言というのは、行政経営のあり方についてでございます。  2002年度の行政改革会議における議論は、地域の経営あるいは県庁という組織の経営、県と市町村を含んだ全体の行政の経営について議論をいたしましたけれども、私も含めまして、あるいは静岡県当局も含めまして、再編をすると規模が大きくなる、規模が大きくなるということは大きな政府だと。大きな政府というのは、どうしても効率の問題が出てくる、あるいは官僚制が肥大化いたしまして、変化に対応した迅速・効果的な行政が実現できないおそれがある。したがって、そのままで合併・再編をしていくということになるのでは、本来の行政改革あるいは地方分権の趣旨から言っても問題である。したがって、これはやや静岡県の方の御自慢でもあるかもしれませんけれども、静岡県は新公共経営(NPM)というものをやっている。  この説明は、報告書の4ページを見ていただきますと、若干書いておりますけれども、成果志向で行政を経営する、恐らく広島県でもこれは実行しておられるかと思うのですが、数値目標の設定あるいは評価を通じて効率で質の高い行政サービス。それで、効率的で質が高いということが生産性が高いということでございまして、政策内容や業務のあり方を見直して、改善・再構築する。積極的に外部化や民営化を進める。不断に行政のスリム化を図る。こういうことを言っているのでございます。  私のレジュメの7番目に入りたいと思いますけれども、3つ目の資料の静岡政令県構想自体の作成には私はタッチしておりません。この報告書をつくる際に、これは大変まれな例かもしれませんけれども、県知事、担当部長、担当課長も含めまして、すべての会議に漏れなく欠席をせずに出席をされて、大体1回2時間ないし3時間議論いたしました。  したがって、県知事ないし幹部の方で、十分にこの議論の内容も踏まえた多面的な検討を理解され、また、それぞれの御意見も述べられたので、後は県当局で自主的におつくりになる。その自信が十分おありになったんだと思うのでございます。
     通常、審議会とか研究会というのは、私もいろいろ出ますけれども、国の場合ですと大臣はあいさつだけで、すぐ退室、局長もときどきしか来ないとか、あるいは県の場合も県知事も出てこない会議がたくさんあるわけです。  広島県がそうだと言っているわけではないのですけれども、ほかの県の例でございますが、それに比べると極めて力が入っているわけでございまして、石川知事のお話では静岡県をベースにしながら、地方分権の一つの大きな起爆剤にしたい。地方分権の次のステップとして、どうしても市町村合併の後には都道府県の問題が出てくるから、そのときに提案といいますか、情報発信をきちんとして、ほかの都道府県の方々とも連携しながら、この名前にはこだわらないんだけれども、アイデアを生かしてほしいという非常に強い情熱、御意向があったのでございます。したがいまして、この報告書に書かれていることをさらにわかりやすく書いております。  例えば3ページをあけていただきますと、先ほどの分権の取り組み、政令県から道に至るシナリオを静岡県の場合はどうか、あるいは北海道の場合にはどうなのかということを書いているのでございます。  そして、4ページ以降は、どちらかというと、半分、静岡県の宣伝と言ってはあれですけれども、御主張のようなことで、人口は全国で10位で、シンガポール、ニュージーランドなどに匹敵する、自治能力も十分、行政改革を通じて効率的にやっている、あるいは製造品出荷額や、農業等についても十分な力があるということで、具体的にこの案を進めていくと、どんな効果があるかということをるる述べておられます。  例えば9ページなどは、国の地方支分部局が行っております事務について、これが都道府県に移譲されると、この表の右にあるような効果がもたらされるといったことを主張しておられるのでございます。  ちょうど地方制度調査会などの中でも、道州制の問題、あるいは都道府県の合併の問題について本格的に議論され、また、制度化されるような機運になっているのでございますけれども、私自身は、そういう中で、都道府県の広域的な対応、あるいは国との関係における分権の強化にかかわりを持ったということに大変幸せを感じている者の一人でございます。  また、本日は、広島県の県議会の皆様、また執行部の皆様の前で、概略ではございましたけれども、考え方なり背景について御説明申し上げることができましたことを大変幸せに感じている次第でございます。  以上で私の意見陳述を終わりたいと存じます。どうもありがとうございました。(拍手) 4 ◯山下参考人 御紹介いただきました廿日市市長の山下でございます。きょうは、こうした広島県議会の予算特別委員会にお招きをいただきまして、大変光栄に存じております。  平素は、議会の先生方、そして知事さんを初め、御当局におかれましては、廿日市市政のためにいろいろと御指導賜りまして大変ありがとうございます。特に、昨年3月1日の佐伯町、吉和村との広域合併におきましては、大変お世話になったことを厚くお礼申し上げます。  それでは、座らせていただきます。  さて、私が選ばせていただきました題は、「地方分権型社会における魅力あるまちづくり」でございます。これは、すべての自治体の行政上のキーワードであろうかと思いますが、中でも重要な点を3点ほど挙げさせていただいております。  この画面は廿日市市役所の正面でございますが、「暮らしやすく安心して子育てができるまちづくり」、「三位一体の改革」、「地方分権・合併関連」というテーマをきょうは掲げさせていただいております。  ちょうど私の方も予算編成期でありましたし、一般質問も17人が登壇しましたので、そのことや大野町、宮島町との合併問題、いろいろありまして、資料が十分精査できませんでしたので、今まで市政報告で使ったようなものをピックアップしてやらせていただきますことをお許しいただきたいと思います。  まず、自己紹介でございますが、私は昭和30年の統一地方選挙で合併前の宮内村会議員に当選させていただいて、昭和31年の合併で町会議員、それから市制で市会議員と10期ほど議員を務めさせていただき、途中から市長に出させていただいて、今、4期目を頑張っているところでございます。  特に、私は、今回の4期目の選挙では、今日の少子社会によって大変な時代が来るなということを強く感じておりましたので、「子育て安心」ということを中心に、政策を立案させていただいたわけでございます。  特に、市長に当選させていただいたころは、平成3年でございますから、ちょうどバブルが最盛期から崩壊へ向けての時代で、当時は銭があれば土地を買っておけという風潮でございまして、大変な時代に市長にさせていただいたと思っているわけでございます。  そして、4期目の選挙でございますが、こういう「暮らしいきいき子育て安心はつかいち」というマニフェストをつくらせていただいて、これを選挙の公約にして、できるものは全部、年限も入れさせていただきましたが、政治家がこんなことをすると自分の首を絞めるようなものだと思いながらつくったわけですが、そんなことでやっていきたいと思います。  この中で市政の柱に据えましたのが、「環境にやさしいまちづくり」、「人にやさしいまちづくり」、「次代をはぐくむ教育・文化を創造するまちづくり」、「広島県西部の拠点都市づくり」、「行財政改革によるまちづくり」という5つの行政の柱を立てまして、選挙戦に臨んだわけですが、これは私の12年間行政に携わらせていただいた集約としての政策であったわけでございます。  それでは、次ですが、特に人口問題に非常に関心がありましたので、世界の将来人口は平成13年に61億3,000万人と言われておりましたが、50年後には中位の推計でも93億人ということでございますが、これがこのまま進めば世界の食料や水問題は大変なことになるだろう。  しかし、その反面、日本の人口はもう皆さん御承知のとおりでございますが、江戸時代は3,000万人の人口でずっと推移して、大正9年が5,500万人、昭和42年に初めて1億人を超して、今、1億2,600万人。こういう人口がもう少し続くだろうと言われておりますが、この下にありますように、100年後には半分の6,400万人。これは中位推計でそういう数字が出ておりますが、半分の6,400万人になるだろうという推計がございます。これは私が書いたわけではなく、100年後に生きておられる人はいないので違っていたぞと言われる人はいないと思いますが、これは国の統計でございます。  そういう中で、廿日市市が将来どういう推計人口になるかと申しますと、この表のとおりで、これは吉和村、佐伯町と合併したものを含んでおりますが、1965年ですから、昭和40年に3万5,000人だったのが今8万7,000人ということで、ピークが8万9,000人。30年後には大体8万3,000人に減るだろうという全国の人口推計を、先般、県の方から送っていただきましたが、そういう状況で、まだ廿日市市あたりは人口が急減しないということでございます。  これにありますように、廿日市市が3,900人減るわけです。これは佐伯町と吉和村が一緒になっておりませんが、宮島町あたりは2,193人が793人になる。こういう数字が具体的に全国統計に出ている中で、一番の問題は子供が生まれないということだと思います。  これは日本の高齢化速度の国際比較でございますが、フランスは7%から14%になるのに115年かかった。スウェーデンが85年、アメリカが70年、ドイツ、イギリスが45年という中で、日本はわずか24年で急激に高齢化社会から高齢社会になった。  これは24年で急激になったという表でございますが、そういう中で1950年(昭和25年)は高齢化率4.9%、子供が35.4%。これだけいた子供がどんどん減ってきて、2000年には逆転をして高齢者がふえてきた。30年後にはこういうことになるという図です。  これはいろいろな統計の中でつくったわけでございますが、そういうふうに30年後にはこういうことになるということですから、日本に少子社会という大変な時代が来るという中で一番心配したのが、廿日市市は今、高齢化率が15.9%ですが、合併をした吉和村は39.6%と、40%が高齢者であるという状況です。  廿日市市に団地があります。四季が丘、宮園、ふじタウンのうち、四季が丘団地が昭和62~63年から張りついて、宮園団地がその2年前、ふじタウンは昭和50年にできた団地で、廿日市市のJR阿品駅の上、県がつくった阿品台の下で、一番便利のいい、一番景色のいいあの団地ができて27年たっているわけですが、行ってみましてびっくりしたのは、この表にあるとおり、子供が9.7%しかいない。それで、高齢化率が32.7%になっている。私も知らなかったのですが、選挙のときに講演に行ってびっくりしたのですが、わずか27~28年の新しいと思っていた団地がこんな状況になっているということでございますから、これからの行政というのは、そういう実態の中でどんどんやっていかなければならないだろうということを考えているわけでございます。  そういうことで、少子化対策として、本市では子育てに対する施策を以前からいろいろ実施してまいりましたが、福祉・保健の充実、放課後の児童クラブや小学校児童会の設置、乳児・延長・障害児保育等の特別保育の充実等をやってまいりました。  今、廿日市市では合併後、保育園が15ありますが、延長保育が6カ所、0歳児保育がやはり6カ所、それから障害児保育は全保育園でやっているということでございます。こういうことでこれから保育園を中心に、子育てができるような状況をどんどんつくっていかなければならないと思っております。  特に最近では、働く女性が大変ふえてきましたので、こうした子供を育てやすい状況をどんどんつくっていくということが極めて大事であるということで、廿日市市では保育園は3人目からは無料ということもやっているわけでございます。  さらに、学校教育においては、平成16年9月から全小学校で外国人英語助手による英語活動を実施したいと考えており、経済、教育面などのあらゆる支援を行うことにより、子供を持ちたいと考えている人が安心して住めるようなまちづくりをしていきたい。これをまちづくりの大きな柱にしたわけでございまして、特に国がやらないのであれば、地方がやらなければならないだろう。国がエンゼルプランを発表してもう数年になりますが、何ら少子化対策は前進をしていない、ますます激しくなるということで、こういう子供を育てやすいような自治体をつくっていくことに、今、力を注いでいるところでございます。  次に、コミュニティの問題でございますが、暮らしやすいまちづくりにとって忘れてはならないのが、住民とのパートナーシップであります。本市もコミュニティには早くから着目し、地域活動を進めておりますが、特に行政上、こうした運動が進んだのは、平成11年6月29日のあの集中豪雨が西部を襲ったときでございます。  多くの市民の皆さん方から電話がかかってきて、救助等いろいろありましたが、総力を挙げてやってもなかなか救援活動ができないという中で、地域の皆さん方がそれぞれ組織をしながら、多くの皆さんが援助に駆けつけて、そういう災害救助をやったという現実の問題をとらえて、こういうときにこそコミュニティを進めていかなければならないだろうということで、防災活動等をいろいろ組織化してやってきたわけでございます。  しかし、今の財政難の時代、地方自治体、あるいは国の財政だけでは持てないわけですから、どうしても地域の皆さんが力を出し合って、そういう災害活動もやっていこうということで、平成11年6月29日のあの災害では幸い廿日市市は死亡事故はございませんでしたが、これがコミュニティ活動の大きな働きをするようになったということでございます。  こうした状況の中で、廿日市市では、市民ワーキングと市の協働によるコミュニティ推進プランを平成13年に策定し、豪雨災害をきっかけとして住民のコミュニティが非常に高くなったということで、これからはそういった住民のエネルギーを出していただきながら、行政をしていこうと考えているわけでございます。  こうして実施してきた事業の一つが、廿日市市の循環バスでございますが、廿日市市は桜がまちの木でございますから、「さくらバス」として進めておりますが、このきっかけは、阿品台団地のおばあちゃんから市役所もできた、図書館もできた、文化ホールもスポーツセンターもできたが、我々車を運転しない者は今のバスの体系ではなかなか行かれない、タクシーの利用しかないということを聞いて、これはやっぱり循環バスを走らせるべきだということで、障害者の皆さんも、お年寄りにも乗りやすいバスをと低床バスを3台購入して、今、走らせて3年目になるわけでございます。  すべての公共機関、駅、市のいろいろな公共施設、それらを結んで西と東の循環バスがありますが、そのバスを全部、広島総合病院の正門につけるようにして、障害がある人、病弱の人たちが利用できるように、1区間100円で今やらせていただいておりますが、平成16年1月末までで36万人。ですから、年間12万人が利用されている。このバスは、合併した吉和村もことしは予算化いたしておりますので、これからの行政というのは身近な福祉の問題、ソフト問題を中心的にやっていかなければならないだろうと考えて、進めているところでございます。  その他、行政にも環境問題、防災問題、経済活性化の問題等多くの課題がございますが、もう一つPRをさせていただきますと、本年2月9日の「日経ビジネス」に、廿日市市の事業所数の増加率が全国の都市で1番というのが紹介されたわけでございます。私はそんなものはとっていないので、見ていなかったのですが、前知事の竹下さんが、いいものがあったと言って持ってきてくださったのです。これによりますと年間の増加率が18.3%、全国の事業所数はマイナス5.5%、全国的には事業所が減少しているという中で、廿日市市は事業所数が18.3%ふえております。こういうふうに紹介をされたわけでございます。  その中に、市長が企業誘致に熱心と書いてあったのですが、私はそんなに褒められるようなことをしたということはないわけですが、廿日市市が一番厳しいときに、マツダ関連企業から団地をつくってほしいということでつくったのが、あのようなバブル崩壊で、関連企業が1社も入らないということで全部市が販売いたしました。おかげで今、78.8%の売却が終わったわけでございますが、事業所数がふえるというのはいろいろな会社が来ているのではなかろうかと思います。  特に、広島県につくっていただいた木材貯木場あたりは、最近、木材関連企業が大変厳しゅうございますので、用途地域の変更等でどんどん、またいろいろな企業が入ってくるという状況でございまして、おかげで平成16年度の予算編成も法人税は伸びている。こういう状況であったことを非常に喜んでいるところでございます。  次に、2つ目の項でございますが、三位一体の改革でございます。  三位一体の改革は、地方分権推進のための手段の一つであることは御承知のとおりでありますが、これは国庫補助負担金の見直し、税源移譲、地方交付税の見直しを行うことにより国の地方への関与をできるだけなくして、地方に自由と責任を持たせるという地方自治本来の姿を実現する手段であると思いますが、本市では市町村合併を最重点課題と位置づけて推進いたしておりますが、この三位一体の今回の改正で、広島県でも410億円少なくなったと発表されております。  一つのいい例でございますが、これだけ子育てが大変な時期に保育園の国・県の補助金が全部削減されて、税源移譲された。これは廿日市市の例ですが、16億4,100万円が廿日市市の15保育園の年間経費でございます。保護者負担が3億6,500万円、一般財源8億8,200万円、国と県の負担金、これはほとんど国ですが、3億5,700万円、これだけ保育園の一般運営費を国からいただいていたわけですけれども、これが全部削減されて、所得譲与税が1億4,600万円入ったわけでございますが、差し引き2億1,100万円の不足でございますから、一般財源でそれを補てんしなければならないという状況で、具体的に今のこういう少子社会で保育園は非常に重要な役割を果たすのに、これを減らしていくというのは、国の政策に大きな誤りがあるだろうと私は指摘せざるを得ないわけでございます。  特に、廿日市市におきましては、今回の改革で14億円ぐらいの減収になるわけでございまして、322億円の一般会計予算の中で14億円というのは大変なことでございます。  そのため、平成16年度当初予算は普通建設事業費約8億5,000万円で、これは対前年度比12%減でございますが、これを削減して、さらに事務事業の効率化によって対応できなかった財源不足は、財政調整基金を取り崩して当初予算を編成せざるを得なかったという状況でございます。  国では、平成16年度から18年度までの3年間におおむね4兆円の国庫補助負担金の廃止・縮減による地方への税源移譲が計画されておりますが、その内容が今回のような不十分な内容となれば、住民サービスも低下する状況になるのではなかろうかと思います。  そこで、3つのことを国に要求したいと思います。  1つ目は、税源移譲が事業内容に応じた配分となっていないということでございます。これは、所得譲与税が単に人口割で配分されることになっていることについて、必ずしも人口規模と都市の実態が一致していない状況を考慮し、実態に即応した配分となるよう改善を求めるものでございます。このたびの措置で言えば、本市のように、少子化対策に本気で取り組んで、多くの保育園を運営している市とそうでない市を比べると、非常に不利になる。こういう実態が一つにあります。  2つ目には、早期に三位一体の改革の具体像を明確にしてほしいということでございます。それは市町村合併を積極的に進める上で、この改革を明確にしない限り、住民への将来的財政の見通しの報告ができないし、また、長いスパンの計画も立てられないというものでございます。  3つ目は、地方の自治を踏まえ、財源保障等に地方の意見を反映させた改革としてほしいということでございます。  これらの内容については、県御当局もいろいろ頑張っていただいておりますが、こうしたことについてもひとつ、地方と県と一緒になって頑張っていきたいと思います。  これは、生活排水処理施設のことでございますが、合併して初めて私も知ったわけで、廿日市市は農村集落はないわけですが、佐伯町でやる場合、どういうことになるのか調べてみますと、総事業費が20億円、戸数が305戸です。305戸へ農村集落の排水をつくるのに20億円かかる。そうすると割ってみると、1戸当たり660万円かかるのです。できた施設は全部、市が将来とも維持管理していかなければならない。これを合併浄化槽でやれば、維持管理費は少し高くなるけれども、一般的には1戸当たり110万円で合併浄化槽はできるではないかと。今の合併浄化槽はかなり性能もいいので、十分それでいけるのではないか。その辺が、農水省あたりは農村集落排水をやりなさい、やりなさいと勧める。  現実にそういうものは、今の財政の中で、公共下水も含めて地方ではそんなにできない。それだったら、合併浄化槽のようなものをどんどん進めていけば、これは最後まで個人持ちですから、財政も助かる。そんなことで地方自治体のそういう行政の改革をどんどん進めていかないと大変だと思います。これは、合併をして初めて私も知ったことですが、そういう数字でございます。  それから、次でございますが、地方分権の推進ということで、地方分権と合併関連についてでございます。  平成12年4月1日施行の地方分権一括法により、国と市町村の関係については機関委任事務の廃止、国の地方公共団体に対する関与の法制化、権限移譲の推進、そして規制緩和の4点がありますが、現在、推進されようとしている地方分権の真意は、住民に身近な行政はすべて、市民に一番近い市町村、つまり基礎的自治体が責任を持って実施するというのが基本であると思います。  これから県から市町村へいろいろ事務移譲があろうかと思いますが、先日、新聞でごらんになった方もおられると思いますが、ある団体が新潟県の事業を事業費ベースで調査した結果を紹介しておりました。不要なものが4%、民間で実施すべきものが8%、国で実施すべきものが7%、市町村で実施すべきものが23%、県で実施すべきものが58%というのが示されておりました。そのほか、7つの県でもこういう調査がされておりましたが、大体、皆同じような数値が出ていると思います。  こういうことから、県から市町村に移譲できる事務は、事業費ベースでかなりあるということが言えると思うわけでございます。  私は、広島県分権改革推進審議会に委員として参加させていただいておりますが、ここでも県と市町村の事務、権限の役割分担の議論が進められております。  一つ、提案でございますが、合併先進県の広島県として、県及び市町村間の合意を前提に、国が実施しております構造改革特別区や地域再生計画のような形で、まちづくり特例市といった制度を独自で設け、一部市町村に対して権限移譲を実際に行ってみてはどうでしょうか。そういう実例をつくってやられたらどうかと思います。  ただし、この場合、権限・人・財源をセットで移譲することが必須条件となります。こうした思い切ったことを目に見える形で行うことが、地方分権の起爆剤になるものと思うわけでございます。  次に、県の役割でございますが、広域的機能でございますが、住民の顧客満足度等は県よりも市町村の方がより得られると思います。これは、市町村の方が住民と接する機会や事務が多いわけですから、当然だと思いますが、市町村にとりまして直接の顧客、パートナーであるのは住民でございます。  県はどうかと申しますと、県のパートナーは我々市町村であると思っておりますので、県が県民を意識して行政を実施しようとする場合、県民、つまり住民とのかかわりが深い市町村を抜きにしては無理であると思うわけでございます。  県と市町村は対等・協働関係なのですから、今後、市町村の事務に関する条例・規則あるいは制度等を新設・変更しようとする際には、利害を持つ自治体からあらかじめ意見を聞いていただければと思うわけでございます。  最近の事例といたしましては、乳幼児医療費助成がありました。県内で一体的に実施する意義は大変評価いたしておりますし、廿日市市にとりましても大きな財政の助けになるわけでございますが、本市では既に未就学の児童に実施しておりますので、県の状況をそのままいくと、福祉の大きな後退だと言われるので非常に苦慮していますが、県の状態を追って、我々廿日市市も県内的に統一をしたいと考えておりますが、そういうことで議会でも先般来、かなり批判をいただき、住民にこれからどう説明したらいいのかということがあるわけでございます。  次に、先導的機能についてでございます。  少子化対策を例に話をさせていただきますと、以前、欧米における少子化対策の調査資料を見ましたが、少子化対策の効果があらわれた国と、そうでない国が大きく今隔たっているわけでございます。  紹介させていただきますと、フランスでは1人の女性が生涯に持つ子供の数は、1960年代から1970年代半ばにかけて大きく低下した後、1.8人前後で安定推移しましたが、近年では上昇して1.89人になっているという状況です。フランスは人口減で苦い経験を持った国ですから、国の政治の中で少子化対策を進めてきて、こういうことが現実に世界にはあるわけです。この少子化対策を今やらなければどうにもならないようになることは目に見えているわけですから、その辺について一つ県御当局も中心になってやっていただきたいし、また、我々もやっていかなければならないと考えているところでございます。  これは、廿日市市の現在の地域の状況でございます。廿日市市の海岸線はこれだけしかないわけですが、面積は合併で8倍に膨れ上がりまして、388km2でございます。  ただ、幸いなことは、いつも言っているんですが、スキーができて、海水浴ができると言ったら、廿日市市はどこで海水浴ができるのかと住民から電話がありまして、今は海水浴とは言わずに、スキーができて、マリーンスポーツができるというように言いかえておりますが、そのような非常にユニークなまちができたと思います。  その点、特に県御当局は無医村の吉和へ医師を派遣していただきまして、合併と同時に医師が来たということで、アンケートをとってみますと、吉和は33%がよくなったという評価でございました。なかなか評価していただけないのですが、現実の政策の中で進めていけば、住民には理解していただけると思っております。  今、大野町との合併の話がございますけれども、海岸線が倍になって、非常に地形のいいまちになるのではなかろうか、11万8,000人ぐらいの都市になるということで、うまくいけば県内で6番目でございます。ついでに宮島町が来てくれれば一番いいんですが、いろいろあるようでございます。  私は、平成9年に雑誌へ「宮島市構想」というのを発表したことがあるわけですが、ほかからは非常に反響があったんですけれども、一番反響がなかったのは宮島町です。宮島町からは一つも反響がなくて、よそからものすごい反響がありまして、いいことだ、やったらどうかと。そういう経過があるわけですが、宮島町も一緒になれば、県御当局が御提示された合併パターンがうまくいくのではなかろうかというふうにも思っておりますし、また、私どもも西部の拠点都市をつくりたいということで、全力を挙げて頑張っていきますので、今後の御支援・御協力をお願い申し上げて、私からの意見発表にさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯古賀参考人 ただいま御紹介いただきました東京都高齢者研究・福祉振興財団の古賀と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  きょうはこういった広島県議会の参考人招致という場にお招きいただきまして、少し戸惑いも感じておりますけれども、最後までどうぞよろしくお願いしたいと思います。  私からは、今、福祉の中で措置から契約へと、福祉サービスの仕組みが非常に大きく転換する中で注目されております第三者評価につきまして、東京都の取り組みを御紹介させていただきたいと考えております。  きょうお話しさせていただきます点ですけれども、ポイントとして大きく3つございます。  一つは、東京都の現在の福祉施策における第三者評価事業の位置づけについての御説明をさせていただきたいと思います。その後、第三者評価制度の概要と、これまでの実績について触れさせていただきまして、最後、既に幾つかの課題が見えてきておりますので、その課題と今後への対応、方向性についてお話しさせていただきたいと思います。  現在、東京都では、近年、行き詰まりを見せていると言われております既存の福祉のシステムを改めるために、福祉改革と銘打って推進しております。  その目的でございますが、少子・高齢化の急速な進展、あるいは社会経済状況の変化、利用者ニーズの多様化といった福祉サービスを取り巻く状況が大きく変化しておりまして、そういった背景があるというところがございます。  そのために、利用者一人一人がそれぞれの生活の実態に合わせまして、必要なサービスを安心して選択できるようにするといったことで、利用者本位を徹底する新しいシステムを考えていかなければいけないというところを、一番大きな目的として掲げております。  そのためのキーワードといたしまして、3つ掲げております。選択・競い合い・地域でございます。  利用者が多様な選択肢の中から、自分に最も適したサービスを選択して、それを利用することができる。さらには、東京都という大都市の特性を生かして、民間企業とかNPOなど多様な事業主体の参入を図る。そして、その競い合いによってサービスの質の向上を実現していく。さらには、グループホームとか住まいを重視した、だれもが地域の中で暮らし続けることができるような施策ということで、地域を重視していく。こういった3つのキーワードをもとに、東京都の取り組みは行われております。  このような理念をベースといたしまして、平成12年12月に「東京都福祉改革推進プラン」を策定いたしました。  例えば、この中では、認証保育所という国の認可保育の基準には満たないのですが、一定の基準を満たすところを保護者の方のニーズに合わせて、東京都が独自に認証するというシステムの認証保育所の創設を初めといたしまして、12の戦略的なプロジェクトに取り組んでまいりました。  そこで明らかにいたしました改革のコンセプトをさらに発展して、具体化させたものとして、「TOKYO福祉改革STEP2」を平成14年2月に策定しております。  この中で最も重要な事業の一つとして掲げられましたのが、福祉サービス第三者評価事業でございます。その位置づけといたしましては、介護保険制度が始まり、障害の分野では支援費制度が導入されるという、先ほども申し上げましたけれども、措置制度から契約制度へと大きく転換していく中で、利用者の支援の仕組みづくりの重要な施策の一つとして位置づけられております。  さらに、東京都全体で30指定しております重点事業のうちの一つにも選ばれておりまして、予算規模も来年度の要求ベースで約1億6,000万円に上っております。  それでは、実際の第三者評価を、どういった目的で展開していくべきなのかということですが、これはいずれも利用者本位の福祉の実現を目指すということを一番大きな目的として考えております。  その具体的な内容といたしましては、サービス内容の透明性の確保、特に措置施設などにおいても、サービスの内容を利用者に見えるようにしていくことが必要であろうと。  さらに、利用者のサービス選択のための情報提供、これは第三者の目から見た評価結果を、幅広く利用者に情報提供していく、そのことで、利用者がサービスを選択するための役に立っていくものにしなければならないということでございます。  大きな2点目といたしましては、こちらは事業者の競い合いによりますサービスの質の向上に向けた事業者自身の取り組みを促していくということ、この大きな2点を具体的な目的として考えております。  こういったことは社会福祉法にも若干規定がございまして、第78条に、経営者が定期的に自己評価を行っていくという努力規定がございます。そして、その中でサービスの内容あるいは経営上の課題などを把握しながら、事業とか組織のあり方を考えていくべきだという法上の努力規定もございます。  東京都における第三者評価事業ですけれども、これまでの検討経緯をさかのぼりますと、平成11年度に至ります。このときには、高齢者分野においてサービス評価事業の検討を開始してきたわけでございます。  そして、平成12年度には、その対象を障害あるいは児童の分野に拡大いたしまして、新たに地域福祉サービス評価システム検討会というものを立ち上げております。  そして、平成13年度になりますけれども、対象となるサービスを12に拡大いたしまして、さらにその評価事業導入の具体的な検討を重ねてまいっております。  その翌年になりますけれども、平成14年度に東京都福祉サービス評価推進機構を開設いたしました。さらには、その検討の中でも対象のサービスを23分野に大きく広げまして、そのうちの保育所とかの4サービスについて、90事業所において評価の試行を実施してまいりました。  そして、今年度になりますけれども、昨年の4月に本格的な実施ということで、35サービスに評価の対象を拡大いたしまして、福祉サービス分野の全般を対象としたシステムがスタートしたということになります。  なお、来年度も乳児院とか重症心身障害児施設等、10のサービスをさらに追加して、評価の対象に加えていく予定でございます。  実際の東京都の第三者評価の特徴ですけれども、東京スタイルということで幾つか御紹介をさせていただきます。
     多様な評価機関でございますが、多様な評価機関を参入させることによりまして、多角的な視点からサービスの内容を把握していこうということを考えております。  利用者調査と事業評価がこの手法の大きな2つの柱となっております。また、特に社会福祉法人などにおきましては、「運営あって経営がない」といったようなことも言われておりました中で、経営や組織マネジメントの力も評価の対象としていくという考えでございます。  さらには、評価の結果を利用者が相互に比較して選択できるようにするために、共通の尺度となる共通評価項目を設定して実施しているところでございます。  その評価の過程の中では、事業者が自分たちで評価する自己評価を実施したり、その結果を評価機関から事業者にフィードバックしていくという過程を経まして、事業者みずからが改善点に気づいていくという「気づき」の効果も持たせております。あくまでも事業者の自発的な意思に基づいて、この評価というものは行われるべきだろうというのが基本的な考えでございます。そして、その結果は、インターネット上のサイトで公表されることになっております。  評価の実施主体となります評価機関と評価者でございますけれども、これは評価の信頼性確保のために、一定の要件を満たすことを条件としております。  主たる要件といたしましては、評価機関については3つございます。  一つは法人格を有すること、これは評価機関の責任の所在を明確にするためでございます。  福祉サービスを実際には提供していないということ、これは事業者でもない、利用者でもないという第三者性を確保するためでございます。  そして、評価者が3人以上所属していること、これは評価の質を担保していくには、3人以上の評価者が一貫して評価を実施することが望ましいという手法の考え方でございます。  一方、評価者についても一定の専門性を求めております。  福祉・医療・保健業務での現場経験を3年以上経験していること。組織運営管理等業務を3年以上経験していること、これは例えば、大企業等における管理職等の経験を3年以上されている方でございます。さらには、調査業務あるいは経営相談、シンクタンクとかコンサル業務を3年以上経験された方、こういった方を評価者として選んで、評価の実際の現場に出ていっていただいているという状況でございます。  手法の大きな2つ目は、利用者調査と事業評価でございます。  利用者調査は利用者のサービスに対する意向あるいは満足度を把握することが目的でございます。調査項目は、35のサービスの種別ごとに設定しております。調査の対象は、全員を原則として考えております。さらには、その方法もサービスの種別に応じまして3つのパターンを用意しております。  この利用者調査ですけれども、これを導入した一番大きなポイントといたしましては、今まで最も福祉の世界に欠けていたと言われております利用者の視点を取り入れていくことに非常に大きな意味があるだろうということで、非常にコストもかかるわけですけれども、利用者調査を導入しております。  一方、事業評価でございますが、こちらの目的としては、事業者が提供している福祉サービスの内容が今どのような状態になっているのか、あるいは理念や方針と比較して、現状は今どういうことになっているのかということを明らかにするのが目的でございます。  調査の項目は、やはりサービス種別ごとに設定してございます。  そして、サービスの提供部分ではなくて、マネジメント力もあわせて評価をしていくということでございます。  さらには、現地視察を兼ねた訪問調査と、その前に評価機関が事前に分析をするということが、非常に重要な過程となっております。  その評価結果ですけれども、こちらは1から5の5段階評価を付しまして、評点とその評点の根拠となるコメントとあわせて示されることになっております。  そして、その評価結果は、評価機関から評価を受けた事業者に対して報告、フィードバックという形で説明を受けることになります。そこでは、なぜこのような評価になったのかといったことを事業者の方に理解と納得をしっかりと得ていただくこと、いわゆる合意形成が非常に重要なポイントとなってまいります。  その結果を、先ほど申し上げました評価推進機構に提出していただきまして、最終的な要件などを確認した後、インターネット上のサイトで公表という形になっております。  実際のスキームですけれども、事業者の方と評価機関が公表を前提に評価契約を行っていただき、推進機構といたしましては評価機関の認証、あるいは評価者を養成するための研修、さらには評価の項目になります共通評価項目の策定といった第三者評価のサポートをしていく役割を務めております。  サービス評価推進機構ですけれども、こちらはこの評価制度の普及・定着を図るために、中立的な組織として、東京都の監理団体としております東京都高齢者研究・福祉振興財団の中に設置されております。そして、業務を公正に行うために、学識経験者から成ります外部の委員をお招きして二つの委員会を設置して、運営しているという状況でございます。  そのうちの認証・公表委員会ですけれども、こちらは評価機関の認証、さらにはその認証の基準をつくったり、あるいは改定する。そして、評価システム全体をチェックするというのが、主な役割となっております。  実際に今、どの程度の評価機関が存在しているのか、あるいは評価者がいらっしゃるのかということですが、今年度に入りまして4回の認証・公表委員会を今まで開催してまいりました。先月末現在になりますけれども、実際に認証されたのが104の評価機関が誕生しております。  当初、システムを開始する際には、本当に評価機関として手を挙げてくださるところがあるのかという非常に不安なところからスタートしたのですけれども、結果としては杞憂に終わりまして、予想をはるかに上回る評価機関がこのシステムに参入していただいております。  実際の評価者については、現在登録されているのが669名という状況でございます。  評価機関の属性といたしましても、株式会社ですとかNPO、公益法人など、多岐にわたっているという状況でございます。  一方、評価・研究委員会でございますが、こちらは共通評価項目の見直しあるいは策定が最も大きな役割となっております。  そして、評価者の養成につきましても、昨年の7月から12月にかけまして600名程度の評価者を養成してまいりまして、来年度もさらに400名の評価者を養成する予定になっております。さらに、評価の質を確保していくために、スキルアップのための研修も評価者に毎年義務づけているという状況でございます。  では、実際の評価ですけれども、実績として、今どの程度出てきているのかというところでございますが、報告書という形で、今、私どもの方に上がってきているものとしては、264件という数字に達しております。主なところといたしましては、特別養護老人ホームが71件、痴呆性高齢者グループホーム36件といったところでございます。そのうち、実際にインターネット上で公表に至っているのが161件という状況でございます。  この先、今年度末あるいは年度をまたぐ形で、まだ今年度の実績はふえるであろうという予測を立てております。最終的には600件程度に達するのではないかという見込みをしております。  先ほど264件ということで、評価実績がある程度上がってきたということをお伝えしたのですけれども、ただ、東京都の中では、評価の対象となる事業所の数といたしましては、約1万事業所あると言われておりまして、その総体から見ますと、わずか3%にも満たないような状況になっておりまして、これではとても満足できるような状況ではないと考えております。  そういう意味で、さらなる制度の信頼性の向上に向けて、利用者あるいは事業者の方から、今の制度につきまして意見を積極的にいただこうではないかということで、幾つか実施してまいったことがございます。  実際に評価を受けられた方、事業者へのアンケートを実施してきております。さらには、在宅系のサービスなどについての窓口になっております区市町村へのアンケートを実施いたしました。あと、広く一般の都民の方から第三者評価の意見ということで、パブリックコメントというものを昨年11月に実施してまいりました。  この中から、現場の状況をしっかり把握していくこととしております。そこで、将来に向かいまして、改善すべき事項をきっちり洗い出していかなければいけない、現場の声をしっかり受けとめる必要があろうかということで、今まで幾つかの努力をしてまいりました。  では、実際、その利用者の方あるいは評価を受けられた方からどういった声が上がってきたのかということですが、問題点や課題の認識が明確になった、例えば問題点や課題を、早速、来年度の事業計画に盛り込んでいったといった御意見、強み・弱みを把握することができた、自分たちの提供しているサービスで、自信を持って胸を張れるところはこういうことがあった、あるいは一方で、こういったところは改善していくべきだろうと、今まで気づかなかったことがそれぞれ「気づき」を得られて、非常に有用であった。さらには、利用者の意向、職員の意識を再認識できた。利用者の希望を今後の業務の見直しにつなげていきたい。そのために、全職員で創意工夫を重ねていきたいといった、いわゆる評価の有効性というものを御認識いただいて、結果を積極的に活用していただいているという事業者も幾つか出てきております。  ただ、一方で、制度に対する不満といった声も数多くいただいているのが現状でございます。評価機関の評価というものが必要なのではないか。評価の結果が、例えば評価機関によってばらつき、まちまちになっているのではないか。あるいは少し勉強不足だなと思われる評価者もいましたよといった声。さらには、評価項目が非常に難解で、さらに書き込むような作業が非常に多くて、自己評価にかかる労力が非常に大きい。特に、職員数が少ない小規模の事業所に対しましては、そもそも日常業務を運営していくのに手いっぱいで、その中で、さらにこういう負担感の大きい評価を受ける余裕がないのが実態で、項目を減らすなど負担軽減につながる手法改善にぜひ努めてもらいたいといった切実な御意見をいただいております。  こういったところで具体的な課題も幾つか見えてきておりまして、そういった寄せられました貴重な御意見を、私どもも真摯に分析していかなければならないということで、具体的にはその評価結果がばらついているという点、評価を受ける際の負担感、さらにはかかる費用が非常に高い、どういう評価機関を選べばいいのかよくわからないといった点など多々ございますけれども、それらに対してどういうふうに改善していくか。例えば今考えていることといたしましては、評価結果のばらつきについては、提供されているサービスの標準的な水準を示して、評価の基準などをすぐに見直していこうといった客観性の向上に努めていくということ。  さらには、評価にかかわる人数をサービスの規模によって少し緩和したり、あるいは評価の項目を再整理するといったことで、事業者の方にとって負担感を減らして、さらには評価の費用を低減していくようなことにつながる見直しをしていこうということでございます。  情報の非対称性などとよく言われていますけれども、利用者の方に対する福祉サービスの情報はまだまだ少ないと思います。事業者、行政サイドにそれが偏在しているのではないかと思います。それが今、評価機関と事業者との間にまさに同様のことが発生しているのではなかろうか、そういったことを解消していくためにも、評価推進機構としてのサポート力、バックアップ体制を強化していかなければいけないという点がございます。  そして、こういった改善に向けた取り組みに当たりまして、第三者評価制度の信頼性をさらに向上させていく、そして、より多くの事業者の方に、この評価を実施していただくことを促していく。最終的には、利用者の方に、サービスの結果情報を少しでも多く提供していくことに努めなければいけないだろうと考えております。  そのためにも、利用者に対しましては、事業者も含めて、都内の区市町村との連携が非常に重要になってくるであろうと考えております。やはり理解促進を図って、制度の普及・定着を進めていくということが重要だろうと考えております。  最後になりますけれども、この福祉サービス第三者評価制度ですが、これは先ほども申し上げましたけれども、この評価を実施することによって事業者の順位づけを行ったり、あるいは格付を行うということが本来の目的ではないと考えております。やはりこの制度の目的といたしましては、サービスの利用者に対してより多くの情報を提供していくこと、そして事業者のサービスの質を少しでも高めていくこと、これを車の両輪として考えて、利用者本位の福祉の実現のために実施していくことが最も大切ではなかろうかと考えております。  まだ本格的にスタートしたばかりの制度ですけれども、このシステム自体には完成型というものはないのではないかと考えております。日々見直しをかけて、よりよいものにしていくという努力が必要であろうと考えておりますし、より多くの方々に活用してもらえる制度となるように、さらなる努力をしていきたいと考えている所存でございます。  僣越ながら、こういった取り組みが全国に広がっていくことを期待いたしまして、私からの発表とさせていただきたいと思います。  最後まで御清聴いただきまして、どうもありがとうございました。(拍手)   (閉会に当たり、委員長が、お礼のあいさつを行った。) (10) 閉会  午後2時35分 広島県議会...