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  1. 広島県議会 2002-02-06
    平成14年2月定例会(第6日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成14年2月定例会(第6日) 本文 2002-03-01 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 56 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯副議長神川正紀君) 選択 2 : ◯副議長神川正紀君) 選択 3 : ◯副議長神川正紀君) 選択 4 : ◯辻 恒雄君 選択 5 : ◯副議長神川正紀君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯副議長神川正紀君) 選択 8 : ◯商工労働部長玉川博幸君) 選択 9 : ◯副議長神川正紀君) 選択 10 : ◯土木建築部長吉野清文君) 選択 11 : ◯副議長神川正紀君) 選択 12 : ◯都市局長坂井重信君) 選択 13 : ◯副議長神川正紀君) 選択 14 : ◯福祉保健部長三浦公嗣君選択 15 : ◯副議長神川正紀君) 選択 16 : ◯環境局長藤賀 卓君) 選択 17 : ◯副議長神川正紀君) 選択 18 : ◯農林水産部長金丸康夫君) 選択 19 : ◯副議長神川正紀君) 選択 20 : ◯環境生活部長(竹本一壽君) 選択 21 : ◯副議長神川正紀君) 選択 22 : ◯総務企画部長(阪本博臣君) 選択 23 : ◯副議長神川正紀君) 選択 24 : ◯教育長(常盤 豊君) 選択 25 : ◯辻 恒雄君 選択 26 : ◯副議長神川正紀君) 選択 27 : ◯辻 恒雄君 選択 28 : ◯副議長神川正紀君) 選択 29 : ◯地域振興部長(廣津忠雄君) 選択 30 : ◯副議長神川正紀君) 選択 31 : ◯環境生活部長(竹本一壽君) 選択 32 : ◯副議長神川正紀君) 選択 33 : ◯教育長(常盤 豊君) 選択 34 : ◯辻 恒雄君 選択 35 : ◯副議長神川正紀君) 選択 36 : ◯辻 恒雄君 選択 37 : ◯副議長神川正紀君) 選択 38 : ◯環境生活部長(竹本一壽君) 選択 39 : ◯副議長神川正紀君) 選択 40 : ◯教育長(常盤 豊君) 選択 41 : ◯副議長神川正紀君) 選択 42 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 43 : ◯城戸常太君 選択 44 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 45 : ◯知事藤田雄山君) 選択 46 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 47 : ◯地域振興部長(廣津忠雄君) 選択 48 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 49 : ◯福祉保健部長三浦公嗣君選択 50 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 51 : ◯環境生活部長(竹本一壽君) 選択 52 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 53 : ◯総務企画部長(阪本博臣君) 選択 54 : ◯議長(檜山俊宏君) 選択 55 : ◯教育長(常盤 豊君) 選択 56 : ◯議長(檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯副議長神川正紀君) 出席議員六十名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯副議長神川正紀君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一号議案         至第七十六 報 第 五 号 3: ◯副議長神川正紀君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成十四年度広島県一般会計予算から日程第七十六、報第五号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。辻 恒雄君。         【辻 恒雄君登壇】 4: ◯辻 恒雄君 日本共産党の辻 恒雄です。質問に入ります。  まず、長引く不況のもと、雇用と地域経済を守る問題について質問します。  昨年のサラリーマン一世帯当たりの月平均消費支出は、前年比〇・八%減少し、四年続けてのマイナス、設備投資、中小企業の倒産、経済成長率、どれをとっても日本経済は極めて深刻な事態であります。完全失業率は五・六%を記録し、三百三十七万人、このうちリストラなどの非自発的離職者は百二十五万人で、過去最多を更新しました。  我が党の春名直章議員は、衆議院予算委員会で、昨年八月からことし一月末までの大企業の人減らし計画は百九十七社、約五十五万人に達することを明らかにし、規制強化を求めています。マツダの二千二百人に及ぶリストラで再就職できたのは、たった七百六十人です。大企業のリストラ競争は地域経済に重大な影響を与え、雇用に深刻な状況をつくり出しています。知事、あなたはこのことをどう受けとめ、どのように解決しようとされているのか、お答えください。  県として、マツダの宇品工場閉鎖やリストラなどに見られるように、大企業の身勝手なあり方を規制するために、大企業の地域からの撤退、リストラには事前に協議を義務づけ、身勝手なリストラを規制する条例を県独自につくるべきであると考えるものでありますが、御所見を伺います。  企業の一方的なリストラを許さず、県民の雇用と暮らしを守るために、最高裁で認められた整理解雇の四要件などを内容とする解雇規制法を制定することと、広島市の生活保護基準より下回っている地方最低賃金の大幅引き上げと、違法行為である不払い、サービス残業を一掃する法的規制を強化するよう、あわせて国に働きかけることを求めるものであります。お尋ねいたします。  整理解雇の四要件とは、一、整理解雇の必要性、二、解雇回避の努力、三、人選の合理性、四、労働者側との協議の四要件を具備することを求め、その一つでも欠いた場合、解雇を容認しない原則であります。  また、お尋ねしますが、緊急地域雇用創出特別交付金事業は、地域の雇用創出はもちろん、地場産業の振興、住民の生活改善の契機ととらえ、積極的に事業を進めるために県独自に基金の上乗せを行い、事業の拡大を求めるものであります。
     県の金融対策についてお尋ねします。  金融庁の金融マニュアルによる厳しい査定は、信用金庫や信用組合などを相次いで破綻に追い込んでいます。また、四月からのペイオフ解禁を前に、金融機関の貸し渋りや貸しはがしは厳しさを増し、県下の中小零細業者の経営に重大な影響を与えています。県費預託融資制度の利用は現在約三万件に上り、まさに中小企業の命綱の役割を果たしています。中小業者の経営はもとより、地域経済、地域金融を支えるかけがえのない県費預託融資制度を二〇〇二年度以降も存続させ、返済期間の延長や金利の引き下げなど、制度の拡充を求めるものであります。  また、売り上げ減少などにより返済困難な業者に対する県融資返済凍結制度を緊急に実施すること、取引金融機関が破綻した場合にも、引き続き融資が受けられる仕組みづくりをしてはどうですか、お聞きいたします。  私は、これまで一貫して、公共事業はむだな大型開発中心ではなく、県民生活に密着した生活・福祉型へ転換することを求めてきました。それが雇用の拡大につながることは、今では明らかであります。知事も、二〇〇〇年九月議会で、下水道、公園や地域幹線道路など地域生活に密着した施設のほか、河川や急傾斜地崩壊施設整備、治山・治水及び防災対策施設整備の必要性の認識を示しました。  そこで、その一つ、急傾斜地崩壊危険箇所の整備について伺います。  九八年九月に日本一危険箇所が多いことを指摘して、整備を求めてきました。以来、二〇〇一年の四年間で二百五十二カ所整備されましたが、年間わずか六十三カ所の整備にとどまっています。危険箇所の多さでは全国一位のままであります。なぜ整備が進まないのか明らかにし、直ちに整備箇所をふやす計画を立て、促進を図るべきだと考えます。お答えください。  これに関連し、災害に強い県土づくりについてお尋ねします。  阪神・淡路大震災の教訓の一つに、地震で倒れない建物に改修することがあります。その点で、公共施設や県営を初めとする住宅の耐震診断と改修を支援することを求めるものであります。例えば公立学校の耐震診断は、高校で七・三%、中学校では三五%、小学校では四四%、体育館は三一%と極めておくれています。そのうち改修が必要なのは、高校で八五%、小中は九五%となっております。子供たちの通う学校の安全対策が放棄され、おざなりですが、直ちに対策をとるべきです。  住宅への耐震改修支援として、静岡県では、新年度から個人住宅の耐震補強工事に一律三十万円を補助することを決めました。全国では十二府県が耐震診断、改修関連の助成制度を実施しています。広島県には残念ながらございません。独自対策をつくるべきですが、御見解をお示しください。  また、芸予地震において、呉市では急傾斜地に建てられた住宅の被害が多数発生し、その多くは個人で修復しなくてはなりませんでした。大災害の復旧には、地域を守る立場から、個人補償を含めた住宅再建事業の創設を図るべきです。御所見を伺います。  将来の社会不安をなくし、持続可能な社会保障制度をつくり上げることも緊急の課題であります。ところが、小泉内閣は、医療保険制度について高齢者の一割負担の徹底、サラリーマンの三割負担の引き上げなど、患者の窓口負担を引き上げることで医療費の抑制を図ろうとしています。これ以上医療費の負担がふえたら病院に行けないとの声が寄せられています。厳しさを増す県民生活に追い打ちをかけることは明白です。県民の命と健康を守るため、国の医療保険制度の改悪にきっぱりとした反対の意思を示し、患者の窓口負担と高過ぎる薬価の引き下げを国に求めるべきです。お答えください。  私は、福祉・医療への投資は、粗付加価値誘発効果でも、雇用誘発効果でも、公共事業以上の効果があることをこれまで明らかにしてきました。今、宮城県では、二〇〇三年度に八十八床を開設し、二〇〇五年度には百六十床になる県立子供病院を建設しています。愛知県も二百床の子供専門病院を建設中で、二〇〇三年度に全館完成を目指しています。大きな県で、県立子供病院がないのは広島県ぐらいであります。知事は所信表明で、「生き生きとした少子・高齢社会の仕組みづくりに取り組む」と胸を張りました。もっともなことですが、知事の言う元気な広島県をつくるのは、次の世代を担う子供たちでもあります。県が進める小児救急体制を支援する基幹病院としての役割も果たす県立子供病院を建設すべきですが、明快な答弁を期待するものであります。  次に、乳幼児医療費助成制度の拡充を求めるものであります。  広島県の対象年齢は、乳幼児を持つ親の運動や関係者の努力で、入院が四歳未満、入・通院が三歳未満へと引き上げられてきました。しかし、全国では、対象を就学前まで引き上げているのが十二都府県、六歳未満までは十八道府県に及んでいます。対象年齢を就学前まで引き上げて、子育て支援の拡充を図るべきです。御所見を伺います。  国保問題についてお聞きします。  中央社会保障協議会の調査では、昨年十月一日現在、国保世帯の資格証明書の発行数は広島県で一万六千五百二十九世帯、五年前の十・二倍であります。率では岡山の十二・三倍であり、中国地方で群を抜いています。資格証明書では、治療費をその場で全額払わなくてはなりません。そのお金がないため、脳梗塞で手おくれになった事例も起きています。知事は、こうした状況をどのように考えていますか。命にかかわる重大な問題です。単に、滞納を理由とした資格証明書や短期被保険者証の発行はやめるよう指導するとともに、滞納者を減らすためにも県独自の市町村国保への助成を求めるものであります。  高齢社会を支える介護施設整備についてお尋ねします。  二〇〇〇年十二月に実施した介護保険利用者実態調査では、特養ホームへの入所希望者は二千二十九人、そのうち四百人は直ちに入所が必要な人です。入所が必要な希望者の実態を調査し、特養ホームの増設に取り組むべきです。同時に、低所得者に対して保険料と利用料の減免を求めるものですが、あわせてお聞きいたします。  保育行政についてであります。  今、出生率の低下、少子化が進む一方で、保育所への入所を求める県民の声も大きくなっています。保育現場では、保育基準の弾力化や規制緩和による定員を超えた詰め込みが行われ、また、安上がりの民間委託や企業参入などの保育の市場化も進められています。こうした事態が広がれば、保育水準や質の低下により子供の発達保障が脅かされます。  そこで、二点お尋ねしますが、市場原理を持ち込む営利企業の参入に歯どめをかける仕組みづくりと、待機児解消に貢献し、子供の発達をはぐくむ良心的な保育を実施している認可外保育施設の認可化への指導・援助と早期認可を求めるものであります。知事の見解を伺います。  私が提案したことの実現には、厳しい県財政のもと、それなりの財源が必要です。それは、これまでたびたび指摘してきたむだな大型開発事業を転換すれば可能だと考えるものであります。例えば広島港出島地区整備計画は、今後一千二百億円余を投資することになっていますが、採算の見通しは立っていません。また、これまで二百七十二億円使い、さらに二百七十八億円投資する広島中央フライトロード建設は、利用する交通量などを考えると、過大な投資になることは明らかです。この際、これらの事業をやめて、その財源を私が申し上げたような事業へ振りかえることを求めるものであります。御所見を伺います。  道路・環境行政についてお尋ねいたします。  その第一は、鞆港埋め立て架橋問題であります。  昨年十月、世界文化遺産財団は、鞆の浦を崩壊や消失の危機に瀕している人類遺産「ワールド・モニュメントウォッチ」の二〇〇二年選定地区に決めました。理由に、歴史的・文化的意義を強調し、「現代世界の要求にこたえて、さまざまなものを失った日本の他の町とは異なる鞆が、埋め立て架橋計画によって脅かされている」としています。  本年二月八日、芸備地方史研究会が、四十八の史学会や歴史研究会と連名で、「鞆町全体の姿の根本的な改変を加え、鞆の浦の港湾施設群を破壊して、それらの機能を奪い、かつ海と町並みの双方向からの眺望を妨げることは、日本列島の文化性、地域性をみずから葬り去ることにほかならない」と、白紙撤回の要望書を国土交通大臣と文化庁長官あてに提出しました。  地元鞆町でも、水際線の同意さえ一〇〇%とれていません。この際、鞆港の埋め立て架橋計画は白紙撤回し、世界に誇れる歴史的・文化的遺産を保存し、それと共存した埋め立て架橋でない、鞆町のまちづくりこそ立案すべきであると考えますが、御所見を伺います。  福山道路、福山西環状線整備についてお尋ねします。  これらの道路建設は、いずれも関係住民の十分な合意と納得が得られないまま、都市計画決定がされました。福山道路は住宅密集地を分断する高架道路で、計画に反対する意見書は十六万五千通に及び、昨年、「福山バイパスと区画整理を考える会」が行ったアンケート調査では、回答した人の八五%が建設に反対の意思を表明しています。また、環境アセスメントでは、呼吸不全や発がん性物質が指摘される浮遊粒子状物質が基準を超えると予測しています。関係住民の不安と不満は募るばかりで、住民を納得させる説明と具体的な対策が明らかでありません。  また、福山西環状線は、津之郷町での地元説明会が実施されていないのに、同意を得られた地域のみを対象に、事業実施を前提として設計・測量調査の入札が行われました。談合情報でそのことが明らかになりましたが、余りにも強引で、住民無視であります。道路建設は、関係住民の合意なしに強行しないことを求めるものでありますが、お答えください。  福山リサイクル発電所については、これまで技術的な面、ダイオキシン対策、ごみを固形化し燃やすことで二重投資になるなど懸念される問題を指摘し、計画の撤回を求めてきました。既に発電所の起工式が行われ、事業は進められていますが、指摘してきた懸念は解消されていません。今後、関係住民への理解と納得を得る対策をどのように考えているのか、お示しください。  市町村合併問題について伺います。  今進められている市町村合併は、個々の自治体や住民の提唱によるものでありません。国から地方への財政支出の削減と自治体再編、すなわち自治体リストラが目的です。そして、合併の強引な押しつけは、自治体間と住民の間で深刻な対立や矛盾をつくり出しています。農山村や離島の合併は過疎化を進め、農林漁業の衰退、県土の荒廃を進める心配があり、多くの町村長が、「合併しなければ、それにこしたことはない」と語っています。全国町村会は、再三にわたって「合併の押しつけには反対」と決議しています。ところが、知事は、昨年九月議会で、「合併は、今後の本県の発展にとって極めて重要である、今年度中に基本的な方向を明らかにされるよう働きかける」と答弁しています。一方では、「市町村の自主的な取り組みとして進められるべきもの」と言いながら、県という立場を使って、「合併が必要」という県の価値観を強引に押しつけているのが、広島県の姿ではありませんか。市町村の自主的な取り組みを尊重するというなら、今年度中に結論を出せと迫り、市町村へ合併を働きかけることはやめるべきであります。お答えください。  市町村の合併は、市町村そのものがなくなる重要な決定ですから、最終的には住民投票で決めることが地方自治のあり方だと考えますが、御所見を伺います。  昨年十一月の全国町村長大会は、市町村合併の強制を意図した地方交付税算定の見直しは絶対にしないことを決議しました。合併の財政支援の中心に地方交付税が置かれ、小規模自治体の交付税を削減して、合併の圧力に利用したり、国の財政危機を口実に地方交付税がなくなるかもしれない、額の減少は避けられないなどと合併を促進する道具にされています。地方交付税法は、経済的・財政的条件が弱い自治体に対して財政的保障を行うことで、憲法の言う「地方自治の本旨」を実現するものであります。地方自治法、地方財政法と並ぶ地方自治の基本法の一つです。地方交付税制度を合併推進に利用することをやめ、国に対して申し入れることを求めるものであります。さらに、地方交付税の削減に反対し、自主財源の拡充を国に求めるべきですが、見解をお伺いいたします。  BSE問題について伺います。  全国の農家や関連業者の受けた損害額は、昨年、BSEが発生して以来、十二月末までで約二千二百億円に及んでいると農林水産省は試算しています。肥育牛や子牛の価格暴落、廃用牛の滞留や牛肉の消費が激減しています。私の住んでいる福山市の例ですが、廃業に追い込まれた焼き肉店、その危機に瀕している店など、事態は目を覆いたくなるほどひどい状況です。その責任は、挙げて政府にあります。  今、政府にBSE被害補償を求める運動が、農民連を中心に全国的に行われています。経営の危機に直面している農家や関連業者への損失補償は緊急の課題となっています。二月十三日の衆議院予算委員会で、我が党の中林よし子議員は、農家、関連業者への被害補償を政府に求めました。小泉首相は、有効な手だてがあるか検討中と答えています。国による被害補償を農家や関連業者へ行うことを政府に対し要求することを、知事、あなたに求めますが、お答えください。  被害農家の支援措置として、大家畜経営維持資金の金利負担はなくなりました。同じ措置を倒産防止等特別資金にも行い、食肉販売業者や焼き肉店などへの支援を図るべきですが、お答えください。  教育行政についてお尋ねいたします。  広島県が今年度から、一人でも障害児学級設置を実現したことに、関係者らは大変喜んでいます。ところが、まず過疎地域から始め、三カ年で全県実施を図るとしています。そのために、広島市や福山市などの都市部は新年度、その対象から外されています。広島市のある保護者は、「地元の小学校ならお兄ちゃんと一緒に行けるので安心だが、お兄ちゃんと別にひとりだけで遠くの学校へ行かすのは不安です。兄と別の方向へひとりで歩く子供の姿を考えただけで涙が出る。」と改善を訴えています。こんな不公平は直ちに解消し、都市部でも新年度から実現を図るべきだと考えますが、御所見を伺います。  県立高校の中途退学者の問題について伺います。  私は、二〇〇〇年九月議会でこの問題を取り上げて、改善を求めました。ところが、二〇〇〇年度の退学率は三・七%と、前年度より〇・六ポイントふえ、全国平均より一・二ポイントも上回っています。九六年度から二〇〇〇年度の中途退学者の推移は、全国平均が二・五から二・六%と横ばいなのに比べて、広島県では二・五%から三・七%と毎年のようにふえています。私は、県立高校の一年入学時の生徒数が、三年に進学したときにどのくらい減っているかを調べた全広島教職員組合の資料を見て驚きました。二割以上やめた学校が二十五校、そのうち半数以上減少している学校が三校もあります。大量の中途退学は、義務教育段階での学力問題やミスマッチ、生徒の意欲に解消できない問題があると思います。文部省の是正指導以降、高校の入試制度が変えられ、一部の有名大学への進学競争の強まりとあわせて、高校間の格差、序列化が進んでいます。また、学校現場では、教師や生徒の自主性を抑えつける管理が強められています。私は、中途退学者の増加は、是正指導以降のこのような本県教育のあり方に大きな原因があると考えますが、御所見を伺います。  また、この一年間、大量の中途退学の防止対策を講じてきた効果はどのようであったのか、お答えください。  小中学校において三十人以下学級で行き届いた教育が全国的に広がっています。本県も進めていますが、正規職員による一層の拡充を求めるものであります。  広島県人権教育・啓発指針についてお尋ねします。  現在、広島県人権教育・啓発指針策定懇話会において人権教育・啓発指針が審議されており、知事は、提言を受けた後、今年度中に指針を策定する予定と聞いていますが、いつごろをめどに策定されるのか、お伺いします。  なお、指針策定に当たっては、県民から意見を聞くこととされていたはずです。広島県男女共同参画推進条例や県政中期ビジョン策定に当たり、意見公募をしています。この指針においても、提言をまとめる過程で県民に公表し、県民的討論を呼びかけ、意見公募を行うべきですが、御所見を伺います。  また、今後策定される予定の人権教育推進プランや人権啓発推進プランが本来の趣旨を逸脱しないよう、何らかの歯どめも盛り込むことを求めるものでありますが、お答えください。  同和行政・同和教育の終結についてお聞きします。  昨年十二月県議会で、同和対策事業について藤田知事は、「経過措置を講ずるものを除き、平成十三年度末をもって廃止する」と宣言しました。我が党や全国部落解放運動連合会や他の民主的団体などが長年主張してきたことがやっと実現の運びになったところであります。これに伴い、特別対策は終了しますが、本県の同和行政・同和教育のどこにどのような問題があったのか、また、どう総括しているのか、お尋ねします。  また、県は、同和対策の見直しを公表し、来年度予算を提案しています。広島県同和対策基本方針と同和教育行政施策の方針は、当然、破棄されるものと考えるものでありますが、あわせて知事及び教育長にお伺いいたします。  最後に、平和行政について伺います。  テロも核もない平和な日本と世界を築くことに、被爆県広島は特別重要な役割があります。今、小泉内閣は、今国会で有事法制を成立させ、アメリカの行う戦争に日本が協力する体制をつくり上げようとしています。有事法制は、憲法が放棄した戦争を行うことを前提にしている点でも、また、国民の人権や自由を侵害する点でも、日本国憲法の平和的、民主的諸原則に反するもので、断じて許すことはできません。有事法制について反対の意思を、知事、あなたが表明されることを願うものでありますが、お答えください。  広島県は一九八六年三月に、「核兵器廃絶に関する広島県宣言」で「核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現に努力すること」、そして「非核三原則を県是とすること」を宣言しています。知事、あなたはこの認識で県政運営を行っていると思うものでありますが、そうであるならば、核を搭載している艦船の広島港への寄港は認められないと私は考えます。お答えください。  県是である非核三原則を現実のものとし、日本と世界の平和に貢献する広島県を築くために、非核神戸方式を広島県でも実現することを、私は今ほど求められているときはないと考えるものであります。県民の安全と平和を守る立場から、知事、あなたの賢明で平和を願う県民を励ます明快な答弁を求めまして、私の質問を終えるものであります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯副議長神川正紀君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 辻議員の御質問にお答えをいたします。  まず、大企業のリストラの与える影響についてお尋ねがございました。企業の経営合理化に伴う事業の縮小や撤退、人員削減等は、企業活動の根幹にかかわる厳しい判断の結果ではありますが、従業員の雇用問題や関連企業との取引など、雇用面や地域へ及ぼす影響には大きいものがございます。このため、県といたしましては、企業の動向把握に努めるとともに、国、市町村、関係団体等との連携を図りながら、合同企業面接会の開催による就業機会の創出や経営環境変化対策資金等の融資制度の拡充など、雇用・金融両面におけるセーフティーネットを構築し、県民生活の安定の確保に努めてまいります。  次に、自治体の自主的な判断による合併推進についてお尋ねがございました。市町村合併は、住民に身近な市町村が社会・経済環境の変化、多様化・広域化する行政課題に的確に対応し、主体的に施策を展開することができる行政体制の整備を図ろうとするものであり、住民の理解のもとに市町村の自主的・主体的取り組みによって進められるべきであります。今後の分権型社会を展望したとき、住民政府としての市町村の行財政基盤を強化していくことが、県にとっても将来の発展方向を左右する重要な課題であり、合併への取り組みを積極的に支援してまいります。なお、合併特例法の期限が平成十七年三月であることから、できるだけ早い時期に、それぞれの地域において基本的方向を明らかにしていただきたいと考えております。  また、現行の地方自治制度のもとでは、市町村合併についての最終的な意思決定は、市町村議会の議決によって行われることとなっておりますが、地域の将来にかかわる重要な課題であり、住民の意向を十分把握しながら進めていくことが必要であると考えております。  次に、地方交付税の合併推進への利用についてお尋ねがございました。交付税は、平成十四年度の総額二十兆円のうち、約七兆円が借入金等で賄われ、また、特別会計の借入金残高が十四年度末で四十六兆円に達するなど、非常に厳しい状況となっております。このため、平成十四年度は、地方みずからの選択と財源で施策を推進するという観点から、地方債の償還費を後年度に交付税措置する事業費補正や、団体の規模に応じて配分調整を行う段階補正の見直しが行われる予定となっております。交付税の見直しに当たっては、その財源調整機能や財源保障機能を通じて、地方自治の基盤の強化という観点から行われるべきであり、交付税総額の削減のためだけの見直しは行うべきではないと考えております。今後とも、こうしたことを地方の声として国に要請してまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯副議長神川正紀君) 商工労働部長玉川博幸君。         【商工労働部長玉川博幸君登壇】 8: ◯商工労働部長玉川博幸君) 四点についてお答えを申し上げます。  まず、リストラを規制する条例の制定等についてでございます。国におきましては、雇用対策法を改正し、昨年十月から再就職援助計画の作成を事業主に義務づけるなど、解雇の抑制につながる取り組みが行われております。さらに、現在、整理解雇の要件やルールなどの法制化について検討されており、県といたしましては国の動向を見守ることとし、県独自の条例の制定は考えておりません。  広島県の最低賃金については広島労働局で定められており、賃金の不払いなどについても労働基準監督署で対応されております。県としましては、この最低賃金や労働基準法が遵守されるよう、講座・講習会や労働相談を通じまして一層の普及・啓発に努めてまいります。  次に、緊急雇用創出基金への単県費上乗せについてでございますが、緊急雇用創出基金事業は、県や市町村の創意工夫に基づいた事業の実施によりまして、緊急かつ臨時的な雇用の創出を目的としております。この基金事業は国の緊急地域雇用創出特別交付金を財源としておりますが、県といたしましては、そのほかに離職者支援資金の融資など、県民生活の安定を確保するセーフティーネットの整備や県内産業の活性化と新たな産業づくりにより、継続的な雇用につながる施策に取り組んでおります。厳しい財政状況ではありますが、雇用の維持・創出に向けた施策を幅広く推進し、基金事業との相乗効果が上がるよう努めているところでございます。  次に、県費預託融資制度の拡充についてお答えいたします。今年の一月から、売り上げが減少しております中小企業を対象に実施しております償還期間の延長措置を来年度も引き続き実施するとともに、融資対象の緩和や融資限度額の引き上げを行い、制度の充実を図ることとしております。金利につきましては、今後の長期金利の動向を注視しながら適切な設定を行ってまいります。また、売り上げの減少により、一時的に返済が困難な場合の返済猶予につきましては、償還期間の延長措置を活用していただきたいと考えております。さらに、金融情勢の大幅な変動によりまして資金調達に支障を来す中小企業に対しましては、経営環境変化対策資金の融資対象を拡充して支援を行うこととしております。今後とも、長期で低利の制度融資の存続は必要であるとの認識に立って、ペイオフ解禁後の公金保護と両立する制度のあり方について検討してまいります。  四点目の倒産防止等特別資金の金利負担についてでございます。BSEの影響によりまして売り上げが減少した食肉販売業者や焼き肉店などへの金融支援といたしましては、昨年十月十一日から県費預託融資制度の関連倒産防止資金の扱いを開始しております。また、今年一月から、この資金の貸出金利を融資制度の中で最も低利な一・六%に引き下げており、無利子による融資につきましては全体の均衡から見て困難であると考えております。 9: ◯副議長神川正紀君) 土木建築部長吉野清文君。         【土木建築部長吉野清文君登壇】 10: ◯土木建築部長吉野清文君) 四点についてお答えを申し上げます。  まず、急傾斜地崩壊危険箇所の整備についてでございます。本県は、崩壊を起こしやすい花崗岩が広く分布し、また、山々が海岸線まで迫り、平坦地が少ないことから、多くの急傾斜地崩壊危険箇所を抱えております。土砂災害から県民の生命・財産を守る急傾斜地崩壊対策事業は、県政の重要施策の一つであると認識しております。このため、平成十年度を初年度といたします国の第四次急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画に基づき、過去に災害の発生した箇所あるいは社会福祉施設等災害弱者関連施設を保全対象に含む箇所など、重要度の高い箇所から計画的かつ積極的に整備を進めております。国の計画の最終年度であります平成十四年度末の本県の整備率は、国の目標整備率三三%を八ポイント上回る四一%となる見込みであります。今後とも、安全な県土づくりを推進するため、急傾斜地崩壊対策事業を積極的に推進してまいります。  続きまして、大型開発事業への投資についてでございます。  まず、広島港出島地区の整備につきましては、県内のコンテナ貨物の多くが、広島港の施設整備のおくれから他県の港湾を利用せざるを得ない状況であり、県経済にマイナスの影響を与えております。このため、現在、平成十四年度末の供用開始を目指し、水深十四メートル岸壁を備えた国際海上コンテナターミナルの整備を進めております。新たな施設整備については、今後の港湾の利用状況等社会情勢の変化を見きわめながら段階的に進めてまいります。  次に、広島中央フライトロードは、山陽自動車道、広島空港及び中国横断自動車道尾道松江線を結び、広島臨空都市圏の大動脈として圏域内外の連携強化、交流促進を図るものでございます。現在、全体約三十キロメートルのうち、整備区間となっております約十キロメートルについて、早期完成に向けて工事を進めております。これらの事業につきましては、本県経済の活性化、中枢拠点性の向上のために極めて重要な事業であり、引き続き整備促進を図ってまいります。  次に、鞆港の埋め立て架橋計画についてでございます。鞆地区の埋め立て架橋計画については、鞆地区の歴史的町並み保存と整合を図り、景観形成や文化財の保存にも十分配慮しているところであります。今年度は、事業計画について地元の理解や協力を得るため、再度、説明会を実施し、公有水面埋め立て申請手続の準備を進めております。この埋め立て架橋計画は、歴史的港湾の保全に努めながら、地域防災の向上、生活環境の改善並びに広域観光ルート形成を図る上で、早期に整備する必要があると考えております。引き続き、福山市と連携し、地元の理解や協力を得ながら、早期に事業着手できるよう努力してまいります。  続きまして、福山道路、福山西環状線の整備についてでございます。福山道路、福山西環状線は、福山都市圏の外郭環状軸を形成する主要幹線道路であり、福山市内の交通渋滞を緩和し、地域の連携の強化を図るものです。これらの路線は昨年三月に都市計画決定され、その後も国や福山市と協力して地区の要望による勉強会を持つなど、住民の一層の理解が得られるよう努めてきたところであります。また、昨年八月からは、地区ごとに順次、現地立ち入りのための事業説明会を行ってきており、同意が得られた地域については今年度末から現地調査に入ることといたしております。引き続き、国や福山市と連携して、地域住民の理解と協力が得られるよう努力し、早期整備を図ってまいります。 11: ◯副議長神川正紀君) 都市局長坂井重信君。         【都市局長坂井重信君登壇】 12: ◯都市局長坂井重信君) 二点についてお答えいたします。  まず、住宅の耐震改修への支援についてでございます。本県におきましては、大きな被害が想定されます密集市街地における木造住宅の耐震改修の補助制度の創設について、国に対し要望してまいりました。その結果、国においては、防災性向上など公共性の観点から、平成十四年度より密集市街地における住宅の耐震改修補助制度が創設される予定でございます。県といたしましては、今後、事業主体である市町村と連携し、既存の国の耐震診断補助制度や今回創設予定の耐震改修補助制度の活用について促進が図られるよう努めてまいります。  次に、住宅再建事業の創設についてでございます。住宅再建の支援策につきましては、住宅金融公庫による災害復興住宅融資制度を最大限利用していただくことを基本といたしまして、県としては、再建時の負担を軽減する観点から、利子相当額に対する一括助成の制度などを実施したところでございます。なお、被災の規模によっては、現行の支援制度だけでは住宅再建がなかなか進まないという状況も考えられますことから、全国知事会として、住宅の災害共済制度の創設に関する法的整備等を国に対して要望しております。 13: ◯副議長神川正紀君) 福祉保健部長三浦公嗣君。         【福祉保健部長三浦公嗣君登壇】 14: ◯福祉保健部長三浦公嗣君) 福祉・医療制度について、お尋ねのございました六点についてお答え申し上げます。  まず、医療費の窓口負担及び薬価基準の引き下げについてでございます。高齢化の進展や医療技術の高度化などに伴う社会全体の医療費負担の増嵩の中で、医療保険制度を健全に維持していくため、国では健康づくり運動の推進を含めた抜本的な改革に着手されているところであります。このような中で、一部負担のあり方や薬価の設定につきましても、適正な負担と給付を確保する観点から、国において十分な検討がなされるべきと考えております。県といたしましては、今後とも医療保険制度が少子・高齢社会に対応して適切に運営されますよう国に要望してまいります。  次に、県立子供病院の建設についてお答え申し上げます。子供病院につきましては、県立広島病院の母子総合医療センターが、総合病院に併設された小児病棟型の子供病院として子供病院の全国的な団体に加入しており、周産期医療を含めて、高度で専門的な小児医療を提供する中核的な施設として位置づけられております。  また、小児救急医療体制につきましては、保護者の育児不安等に迅速に対応するため、地域に密着した体制の整備が重要であります。このため、十四年度におきましては、新たに県西部地域を対象として、広島市立舟入病院における小児救急患者の二十四時間受け入れ体制の整備を支援するなど、地域の実情に応じた小児救急医療体制の充実に努めてまいります。  次に、乳幼児医療費助成事業の拡充についてお答え申し上げます。乳幼児医療費公費負担事業は、児童が健やかに生まれ育つための環境づくりの一環として、実施主体である市町村に対し県が補助金を交付しているものであり、少子化対策の重要な施策であります。このため、厳しい財政状況の中で今年度に所得制限の緩和や対象年齢の引き上げを行い、制度の拡充を図ったところであります。この事業のさらなる拡充につきましては、市町村の財政負担を伴うことから、その意向や本県の福祉・医療費全体の動向などを勘案しながら検討してまいりたいと考えております。  国保制度について二点のお尋ねがございました。  まず、第一点目の資格証明書及び短期被保険者証の交付につきましては、いずれも保険料の滞納者に対する措置であり、特に資格証明書の交付は、災害などの特別な事情がない長期滞納の場合に、法に基づき平成十二年度から一定の要件のもとに義務づけられております。これらの措置は、保険料を規定どおり支払っている方との負担の公平性の確保や国保制度に対する信頼感の維持を図る観点からも必要であると考えております。しかしながら、これらの交付に当たっては、滞納者と面会し、十分な納付相談を行うなど、個々の事情を把握しながら、慎重かつ適切に対応するよう市町村に求めてきたところであり、今後とも適正な運用がなされるよう努めてまいります。  第二点目の県独自の市町村国保への補助制度の創設につきましては、現在、国において、医療保険制度の安定的な運営を確保し、あわせて給付と負担の公平性を図る観点から、医療制度改革への取り組みを進めているところでございます。県といたしましては、この動向を注視することとし、国保制度を含め、医療保険制度全般の見直しを早期に実施するよう国に要望してまいりたいと考えております。  続きまして、介護保険制度について二点のお尋ねがございました。  まず、第一点目の特別養護老人ホームの整備につきましては、計画的に整備を進め、当初の目標をほぼ達成しつつあります。また、県の実態調査では、直ちに入所が必要な方は入所希望者の約二割であることなどから、当面の施設ニーズに対応するため、特別養護老人ホームのみならず、グループホーム、ケアハウスなど多様な住まいを整備するとともに、各種の在宅サービスの活用に努めてきたところであります。平成十四年度に見直しを行う介護保険事業支援計画におきましては、入所希望者の状況を把握するとともに、在宅サービスとの整合等を図りながら、国の示す基準に基づき、特別養護老人ホームなどの施設整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、第二点目の保険料と利用料の減免制度につきましては、介護保険制度では負担と給付の関係が明確な社会保険方式が採用されており、高齢者も応分の負担をしていただくこととなっております。この負担が所得の低い方に過大とならないよう、制度上、高齢者の保険料については所得に応じて五段階に設定されることとされ、さらに市町村の判断によって、よりきめ細かな設定ができることとされております。また、利用料につきましても、所得が低い方には一部負担の上限額が低く設定されており、さらに社会福祉法人等による訪問介護などのサービスを利用される方に対しては、利用者負担の軽減措置などの施策が講じられているところであります。引き続き、これらの制度が十分活用されるよう、市町村や社会福祉法人等に積極的な取り組みを指導してまいります。
     次に、保育水準の維持・確保についてお答え申し上げます。保育所は、子育てと仕事の両立を支援するための重要な役割を担う施設として、利用者の立場に立って多様な保育ニーズに対応できる機能の拡充が求められております。こうした中で、平成十年四月の児童福祉法の改正により利用者によって施設を選択できる仕組みとなり、また、平成十二年四月からの規制緩和により設置主体がNPO法人や株式会社等に拡大されるなど、保育制度は大きく変化しております。このため、市町村との連携を図った上で、保育計画や地域の保育ニーズ等を十分に勘案しながら、民間活力の導入も含めて、多様で良質な保育サービスが柔軟に提供できる体制を整えてまいりたいと考えております。  次に、認可外保育施設の認可化につきましては、一定水準以上の人的配置や設備等が整えられた施設において、保育が適切に行われるよう、国の施策と呼応しながら、引き続き認可保育所への移行を推進してまいりたいと考えております。 15: ◯副議長神川正紀君) 環境局長藤賀 卓君。         【環境局長藤賀 卓君登壇】 16: ◯環境局長藤賀 卓君) 福山リサイクル発電所につきまして御答弁いたします。  この事業は、連続燃焼方式による最新の焼却発電施設を採用することによりまして、福山市を初めとする十六の参画市町村が焼却施設を更新する場合と比較いたしまして、全体で、例えばダイオキシンは約二十分の一に、ごみ処理コストは約二割削減できるなど、技術面、環境面、コスト面などから極めて有効なシステムとして検討してまいりました。  また、事業の実施に当たりましては、平成十二年一月から約二年間にわたって実施いたしました環境アセスメントの手続を通じて事業計画を公表するとともに、機会をとらえて説明会を開催し、関係住民などから提出されました環境保全上の意見を適切に反映させた上で、去る二月五日に起工式を行い、プラント建設に着手したところであります。今後は、平成十六年四月の操業開始に向けた施設建設を進めるとともに、ダイオキシンなど必要な調査やその結果の公表などを通して適切な事業運営を図ってまいります。 17: ◯副議長神川正紀君) 農林水産部長金丸康夫君。         【農林水産部長金丸康夫君登壇】 18: ◯農林水産部長金丸康夫君) 国による損失補償についてお答えいたします。  BSEの発生が畜産農家や関連業者に及ぼした影響は、深刻なものと受けとめております。現在の課題は、一日も早く牛肉の消費を回復させ、畜産農家や関連業者の経営を安定させることであります。国においては、被害対策を含め、有効な手だてがあるか検討している段階であり、県としては、今後、適時適切な対策が講じられるよう国に対して要望してまいります。 19: ◯副議長神川正紀君) 環境生活部長竹本一壽君。         【環境生活部長竹本一壽君登壇】 20: ◯環境生活部長(竹本一壽君) 二点についてお答えいたします。  まず、人権教育・啓発指針の策定についてであります。人権教育・啓発に関する指針の策定に当たりましては、昨年十月に設置された懇話会において、指針についての提言に向け、現在、審議をいただいております。提言への意見反映の方策につきましては、懇話会において検討されることとなっております。できるだけ早い機会に提言をいただき、年度内を目途に指針を策定したいと考えております。  推進プランにつきましては、人権教育・啓発法に基づく国の基本計画を参考に、また、今後策定する予定の指針の趣旨に沿い、策定したいと考えております。  次に、同和行政・同和教育の終結についてであります。同和対策は、同和問題解決のため、同和対策事業特別措置法が制定されて以来、現在のいわゆる地対財特法までの特別法に基づき、約三十年間にわたり、国、県、市町村等により取り組まれてまいりました。国におきましては、特別対策の実施により生活環境の改善等、おおむねその目的を達成できる状況に至ったと判断し、法期限後の平成十四年度以降は、施策ニーズに対しては、他の地域と同様に所要の一般対策によって対応することとされました。  本県における同和対策事業につきましては、これまで関係法令等に基づき、実施してまいりました。その結果、一定の成果を得たものと判断し、特別対策事業の見直しを行ったところでございます。また、広島県同和対策基本方針につきましても、特別対策事業と同様に、見直しが必要と考えております。 21: ◯副議長神川正紀君) 総務企画部長阪本博臣君。         【総務企画部長阪本博臣君登壇】 22: ◯総務企画部長(阪本博臣君) 二点についてお答えいたします。  初めに、有事法制についてお答えいたします。いわゆる有事法制につきましては、その具体的な内容が明らかになっておりませんので、現段階ではコメントすることは困難でございます。なお、有事法制の内容によりましては、県民の日常生活や地域の経済活動に関連する事項が含まれることも想定されますので、法制化に向けた国の動向に注意しながら、必要に応じ、全国知事会などを通じて地方公共団体としての意見を申し述べたいと考えております。  次に、非核神戸方式に関する御質問にお答えいたします。外国の軍艦に対し、我が国の港への入港を認めるかどうかについては、あらかじめ国が外交上の問題としてその是非を決定する必要があります。その際、国におきましては、非核三原則という国是を踏まえて、適切な判断のもとに処理されているものと理解しております。したがいまして、外国の軍艦の入港に際し、非核証明書の提出を求めるといった、いわゆる神戸方式などの新たな制度は必要ないものと考えております。 23: ◯副議長神川正紀君) 教育長常盤 豊君。         【教育長常盤 豊君登壇】 24: ◯教育長(常盤 豊君) 五点についてお答え申し上げます。  公立学校の耐震対策についてお答え申し上げます。県内の学校施設に係る耐震診断の状況につきましては、御指摘のとおり、全体の学校校舎等の建物のうち、昭和五十六年以前の建物が約六五%で、このうち約三割について診断したところ、九割は改修が必要との結果が出ているところであります。しかしながら、これは新耐震基準に基づいて、旧基準により建築された建物を診断した結果であり、このことは報道によると他県でもほぼ同様の状況と承知しております。  本県では、平成七年の阪神・淡路大震災の後、法律に基づく地震防災緊急事業五カ年計画を策定し、防災上の重点箇所の整備に取り組んでおります。学校関係では、避難所に指定された学校や障害児学校などを中心に取り組んできており、十二年度末の段階で八十六校のうち六十九校で耐震診断を実施し、そのうち五十六校について補強あるいは改修を行っております。しかし、全国的にも計画全体の進捗率が低位にあることから、昨年三月には地震防災対策特別措置法の計画期間が延長され、平成十三年度からの第二次五カ年計画に取り組んでいるところであり、事業が計画的に進むよう市町村に対しても指導してまいります。  次に、都市部における一人でも障害児学級の実現についてお答え申し上げます。障害児学級の設置につきましては、従来、人数要件があるために、市町村によっては障害児学級が一つも設置できないという状況がありましたので、本年度から障害児学級設置を一名からでも認めることとし、特に対応が急がれる過疎地域から段階的に適用範囲を拡大していくこととしております。来年度につきましては、過疎地域に加え、中山間地域及び離島振興対策実施地域を新たに対象とすることとしております。なお、広島市など都市部については、引き続き計画的に対応してまいりたいと考えております。  次に、中途退学防止対策についてお答え申し上げます。中途退学については、県教育委員会としてもこれまでさまざまな対策を講じ、減少に努めてまいりましたが、公立高校の中途退学率はここ数年増加を続けており、新たな対策が必要となっていると考えております。中途退学の要因は、生徒の学力や進路選択の課題から、生徒が充実した高校生活を送ることができていないことにあるものと考えております。このため、今年度、生徒指導主事研修を初めて実施するなど、組織的な生徒指導を行うための取り組みを進めてまいりましたが、さらに来年度からは高校の担任と中学校時の担任との連携、高校入学時のオリエンテーションの充実などに取り組むとともに、中途退学者の多い高等学校を生徒指導重点校に指定し、重点的に指導・支援することを計画しております。  また、是正指導についての御指摘ですが、本県が進める是正指導の徹底や入試改革等の教育改革は、学校が特色ある教育活動を行い、生徒がみずからの能力、適性や興味、関心等に応じて学校を選択できるようにすること、また、学校の組織力と教員の指導力を向上し、日々の授業を改善することを目指すものであります。このような取り組みをさらに進めることによって、高校生が生き生きとして学校生活を送れるよう努めてまいります。  次に、小中学校の三十人以下学級の拡充についてお答え申し上げます。今年度から実施されている国の教職員定数改善五カ年計画では、学級規模を四十人未満に引き下げるための特別な定数は措置されておりません。しかしながら、限られた定数を工夫して、今年度、学校生活の初年度である小学校一年生について、三十五人以下の少人数での指導ができるよう、「小学校一年生はばたきプラン」を実施したところであります。新年度では「はばたきプラン」を二年生へ拡充することとし、必要な定数を措置することとしております。また、中学校一年生については、特定教科で三十人以下の少人数授業ができるよう非常勤講師を配置する「中学校一年生はつらつプラン」を実施する予定としております。  最後に、同和行政・同和教育の終結についてお答え申し上げます。文部省是正指導以前の広島県におきましては、同和教育の一部に特定の運動団体の理論や方針の影響が色濃く見られ、教育の主体性や中立性の確保という観点から問題がございました。この背景につきましては、平成十三年に文部科学省へ提出いたしました是正指導報告書の中で、県教育委員会自身がかつて施策の円滑な推進を図るため、さまざまな外部団体と対応する中で幾多の妥協を重ねてきたことが一因であった旨の整理をしているところでございます。県教育委員会といたしましては、こうした過去の経緯を十分に踏まえ、今後とも、教育の中立性と主体性を確保し、信頼される公教育の実現に努めてまいります。  なお、「同和教育行政施策の方針」についてでございますが、「広島県同和対策基本方針」と同様に見直しが必要と考えております。 25: ◯辻 恒雄君 議長……。 26: ◯副議長神川正紀君) 再質問を許します。辻 恒雄君。 27: ◯辻 恒雄君 四点について再質問いたします。  まず、合併問題ですが、江能四町では新しい市の名称や合併協議会の運営をめぐって混乱し、また、神石郡でも役場の位置をめぐって油木町長が辞職しています。これらは、自主的と県は言っていますけれども、県が強引に合併を押しつけているという反映ではございませんか、お答えください。  次に、人権教育・啓発指針の答弁がございました。環境生活部長は懇話会において検討されるということで、意見公募についてはそのような答弁となっていますが、その方法をどのようにお考えになっているのか、私は、この段階においても意見公募をして、よりよいものにしていくということを求めるものでありますけれども、お答え願いたいと思います。  そしてもう一つ、同和施策のこれまでの方針について見直しということでしたけれども、これは破棄も含むと考えていいのでしょうか。  三点目は、障害児学級開設の問題についてお聞きします。  無条件で一人でも障害児学級を開設しているのは、全国で何県あって何校なのか、個別に教えていただきたいと思います。  それから、都市部においては、引き続き計画的に実施していくということでありましたが、三カ年計画で完全実施すると確認していいでしょうか、お答えください。  福山市と広島市で、新年度、一人でも障害児学級の新設を要望しているのは小中学校でそれぞれ何校なのか、お答えください。  中途退学の問題についてお聞きいたします。  福山市のある県立学校の三カ年の中途退学の推移を見ますと、例えばある高校ですけれども、九九年度には三十九人、二〇〇〇年度百九人、二〇〇一年度は十二月末で九十五人と、急増しています。この事態は、県がさまざまな未然防止対策を行ってきましたが、私は効果は上がっていないというふうに考えるものです。この急増の原因は一体何なのか、お示し願いたいと思います。  また、大量の中途退学の多い学校は生徒指導重点校として指定するということで、事前にお聞きした段階では、新年度、五校で教員配置するということにしているようですけれども、なぜ五校なのか、そのことをお聞きしたいと思います。  そして、先ほど中途退学の多い福山の高校の例を出しましたけれども、この背景に生徒指導上の管理強化が強められている、これも大きな原因の一つじゃないかというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。 28: ◯副議長神川正紀君) 当局の答弁を求めます。地域振興部長廣津忠雄君。         【地域振興部長廣津忠雄君登壇】 29: ◯地域振興部長(廣津忠雄君) 江能地域や神石郡における今回の動きは、県が強引に合併を押しつけている反映ではないかとの御質問に対してお答えを申し上げます。  市町村合併は、先ほど知事が御答弁申し上げましたように、住民の理解のもとに市町村の自主的・主体的取り組みによって進められるべきものと考えており、県といたしましては、市町村合併を進めやすいような条件整備を図ってきたところでございます。今回の動きにつきましても、合併協議の過程で新しい町の名称や庁舎の位置、建設計画など、合併協議における重要な課題に対するそれぞれの地域の強い思いから生じたことだと受けとめております。合併はそれぞれの地域の思いを一つにまとめていく大変困難な取り組みでございますが、これを解決するためにはお互いの理解と歩み寄りが必要でございます。合併の実現という大きな目標を見失うことなく議論を尽くしていただいて、合意形成を図っていただきたいと考えております。県としても、そうした取り組みに対しまして、引き続き最大限の支援を行ってまいりたいと考えております。 30: ◯副議長神川正紀君) 環境生活部長竹本一壽君。         【環境生活部長竹本一壽君登壇】 31: ◯環境生活部長(竹本一壽君) 二点についてお答えいたします。  まず、啓発指針の策定に関する意見の反映についてでございます。最終の提言までにタイトなスケジュールとなっておりますが、その中でどのような方法で反映をさせるのかということについて、懇話会において検討をいただくことになっております。  次に、広島県同和対策基本方針の破棄等についてでございますが、見直しにかかわりましては、すべての選択肢を含むものと考えております。 32: ◯副議長神川正紀君) 教育長常盤 豊君。         【教育長常盤 豊君登壇】 33: ◯教育長(常盤 豊君) 二点についてお答え申し上げます。  まず、「一人でも障害児学級開設を」との問いについてお答え申し上げます。昨年度、本県から照会いたしましたところ、一名でも障害児学級新設を認めている都道府県は、北海道、神奈川県、山梨県、大阪府、香川県、高知県、宮崎県の七道府県であります。本県の今後の計画については、予算と関連する問題であり、現時点で確定的にお答えはできませんが、計画的に進めているところであり、何らかの条件は必要かと考えますが、広島市や福山市などについても対象とする方向で調整したいと考えております。  また、福山市と広島市が新年度、学級新設を希望している学校数については、福山市では小学校が十校、中学校が三校、広島市では小学校が七校、中学校が二校となっております。  また、中途退学対策についてお答え申し上げます。御指摘の高等学校におきましては、学力や生活面で課題を抱えた生徒が多数入学してくる中で、学校としても、一方で校内の規律を確保するための指導を行っておりますが、他方、単に厳しい指導だけではなく、教員が分担して校内を巡回し、生徒に授業に取り組むよう指導することや、学習がおくれがちな生徒に対して放課後に特別な補充指導をするなどしております。こうした中で、課題の大きさに必ずしも十分対応できず、現在の状況に至っております。学校では現在も生徒指導部を中心として、さらなる取り組みを行っているところでありますので、教育委員会としても重点的な支援をさらに強化してまいります。また、近隣の課題を抱える中学校への支援もあわせて進めてまいります。  次に、中途退学対策についてですが、県教育委員会としても、その重要性にかんがみ、特に課題の多い学校に対し、これまでも生徒指導体制の充実や体験活動の実施など、人的措置も含めて学校を支援してまいりました。今回の生徒指導重点校においては、これまでの措置に加え、中でも特に状況が厳しい学校に対して重点的に教員を配置するため、中退率が高く、かつ中退者数も多い五校に支援することとしたものでございます。  なお、管理強化との御指摘でございますが、県教育委員会といたしましては、生徒指導の充実を図るとともに、生徒の多様化する個性に応じて学校の特色づくりを進めているところでございます。 34: ◯辻 恒雄君 議長、再々質問……。 35: ◯副議長神川正紀君) 再々質問を許します。辻 恒雄君。 36: ◯辻 恒雄君 まず、指針の策定に当たって、どのような手だてか、今後、懇話会で検討されるということですけれども、ここは、これまでの本県の同和教育・同和行政の反省点に立って、極めて大きな批判も寄せられてきたということも考え合わせると、この段階でもきちっと県民から意見を聞く、あわせて、今後つくられる推進プランの段階でも意見公募を図るということが私は大事だと思うのです。  それから、それをやっていく上で、これまでの県の同和行政に対する方針はきっぱりと破棄をする、明確な決別を図ることが、私は広島県に求められていると思うのですが、いかがですか。  それから、障害児学級の問題ですけれども、先ほど答弁がありましたように、福山市でも、あるいは広島市でも、一人でという需要があることが明らかになりました。述べられた理由の中で、いろいろと言われましたけれども、結局は財政的な問題だということじゃございませんか。そして、教職員二千八百人の削減計画もある。こういうことを考え合わせると、結局、三年計画というのは県の財政状況、都合によって行われている。障害者の立場に立っての即実施という形にはなっていないじゃないですか。本当に障害者の立場で教育行政を進めるのであれば、前倒しをしてでもその実施を図るべきだと思うのです。御所見を伺いたいと思います。  中途退学の問題でありますけれども、中途退学率三・七%というのは、人数でいきますと二千四百九十六人、学級数では、四十人学級で割りますと約六十二クラスになる。大規模校の数校分が一年にして退学している。これは大変な事態ではございませんか。こういう事態が一体どうあらわれているのか、いま少し分析しますと、一部の高等学校に集中しているということも見られています。そういう点では、先ほど五校に重点的に人員配置するということを言われましたけれども、五校でいいんでしょうか。私は、当初の質問で、二割も減っている高校が二十五校もあると指摘しました。もっとふやすべきではございませんか。なぜ五校でとどめているのか。私は、もっとふやすことが県の立場だと思います。  一方では、高等学校の学力向上対策事業、新年度、二十一校指定するため、三億八千万円の予算が計上されています。これは、よく見ますと、退学率も非常に低く、学力あるいは進学率も高いと言われているようなところが多く入っています。このことを考えましたら、本当に退学が多いところに手厚い手だてを講ずることが必要である、このように思います。  そして、今、広島県が大量の高校生の中途退学者を生み出しているということ自身、多様で個性に合う学校づくり、あるいは自分で選ぶ方向性ということで高校改革が進められていますけれども、これは、私は広島県の高校改革の破綻を示している、この転換を図らなくてはならない、このことを申し上げて再々質問といたします。 37: ◯副議長神川正紀君) 当局の答弁を求めます。環境生活部長竹本一壽君。         【環境生活部長竹本一壽君登壇】 38: ◯環境生活部長(竹本一壽君) 二点についてお答えいたします。  まず、一点目の同和対策事業につきましては、御案内のとおり、その根拠となります特別措置法の廃止に伴いまして、昨年の十二月に、県の事業としては四十事業に係り見直しをいたしました。その結果につきましては、御承知のとおり、既に公表させていただいておりますし、平成十四年度当初予算についても、その方向で整理されております。  次に、二点目の意見の反映についてでありますが、この意見につきましても、懇話会においてその方法論について議論をいただくことになっております。 39: ◯副議長神川正紀君) 教育長常盤 豊君。         【教育長常盤 豊君登壇】 40: ◯教育長(常盤 豊君) 二点お答え申し上げます。  障害児学級の一名からの認可の件でございますが、学級の設置につきましては、本来、複数の児童生徒で編制し、集団で学ぶことが教育上より好ましいと考えられます。一名では、児童生徒の転校などにより学級の継続性が不安定であるという問題もございます。このため、私どもの調査でございますが、半数以上の都道府県では、障害児学級の編制基準を原則として二名または三名以上とした上で、同一市町村内の障害児学級の有無や地理的条件などの地域事情等を考慮して、一名でも認めるという運用をしているところでございます。また、一度に拡大すると、必要な教員の確保や計画的な配置などの点で問題が生じると考えますので、計画的に実施することとしております。  次に、中途退学の問題でございますが、中途退学の対策といたしまして、学力や生活面で課題を抱えた生徒が充実感を持って生き生きと学校で学ぶために、特色ある学校づくりを進めるとともに、学習の面でも生徒が成就感を得られるような指導であるとか、受け身で授業を聞くだけでなく、体験的な学習を取り入れるなど達成感が得られる指導、あるいは朝の読書活動など教育内容の工夫ということも必要であると考えておりまして、こういうことを進めることによって中途退学の減少にもつながるものと考えております。  また、生徒指導重点校の件でございますけれども、先ほど申しましたように、県教育委員会といたしましては、これまでも特に課題の多い学校に対し、生徒指導体制の充実や体験活動の実施など、人的措置も含めて学校を支援してまいりました。今回の生徒指導重点校につきましては、特に状況の厳しい学校に重点的に措置することによりまして、効果を期待するものでございます。また、教員配置のみならず、指導主事による継続的、重点的指導も行うこととしております。このようなことから、多くの学校で行うのではなく、焦点を絞った対応として来年度から五校で実施したいと考えております。  なお、高等学校の学力向上対策事業について三億八千万円という御指摘があったかと思いますが、その大半の部分は、外国人の外国語教育指導助手の旅費とか報酬、そういうものが含まれているということをお答え申し上げておきます。 41: ◯副議長神川正紀君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午後零時一分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時三分開議 42: ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。城戸常太君。         【城戸常太君登壇】 43: ◯城戸常太君 「我々は、これまでも、ともすれば現実を正視する勇気に欠けていた。望まぬ現実には目を覆い、望む方向に現実を曲げようとしてきた。日本の現実は単に、人間の体に例えれば、骨折したとかいう問題ではない。もっと生理学的な面、血液に毒が回ったとか、内分泌腺の機能が損なわれたといった問題である。政府は、このような現実を率直に国民と分かち合って、国を挙げて、再建復興に取り組まなければならない。」、実はこの言葉は、今からちょうど五十年前、さきの大戦で焦土と化した日本の復興に向けシナリオを描いた、日本で最初の経済白書の結語であります。  明治維新や戦後に匹敵する大変革期である現在、私どもはこの結語を深くかみしめなければならないと思います。現実を直視する勇気を持っているか、都合のよい解釈で問題を先送りにしていないか、改革を国任せ、人任せにしようとしていないか、小手先の改革で済まそうとしていないか。現実を正視し、問題を発見し、処方せんを書き、それを実行していかなければなりません。そういった気概を持った当局の答弁を期待いたします。  質問の第一は、地方分権時代における県境を超えた広域連携のあり方についてであります。  明治以来、我が国では、全国画一の統一性と公平性が過度に重視され、地域の諸条件の多様性が軽視されてきた結果、経済・社会面、文化面、さらには行政面にわたって地域の個性が失われ、我が国全体としての活力に陰りが見られるようになっております。このような状態を打破し、国際的な競争力と魅力を高め、発展していくためには、個性ある地域が互いに競い合うという考えに立って、地域が主体となって地域の資源を有効活用し、潜在力を最大限に発揮していく必要があります。このため、中央政府である国は、外交、防衛など国家の存立にかかわる政策を限定的に遂行し、住民や地域にかかわる施策は、原則として地方公共団体で担う地方分権改革を推進し、地方公共団体の自主性と自立性を高めていくことが強く求められております。  これからの都道府県は、国や市町村と対等な協力関係を築くとともに、現行の都道府県が持つ機能や権限のうち、福祉やまちづくりなど住民に身近なものをできるだけ市町村に移譲した上で、広域的な社会基盤の整備と管理、総合的な産業、運輸・交通政策の推進などを担う広域地方公共団体に純化していくことが必要であります。さらには、中国地方、あるいは中国・四国地方、西日本といった広域ブロック全体の視点に立って、瀬戸内海地域の総合整備、産業廃棄物対策などの広域的課題について、関係府県が連携して総合的な地域政策を展開することが求められております。  道州制や連邦制といった議論はありますが、まずは県境を超えた広域連携事業に関係県が協力して取り組む、あるいは関係県が自主的・主体的に連携・協力してブロック計画を策定する、こうした地道な取り組みが必要であると考えられます。市町村段階では既に県境を超えた広域連携の取り組みが始まっておりますが、県段階での取り組みも求められております。そこで、将来を見据えた、県境を超えた広域連携のあり方についてどのように考えておられるのか、知事の所見をお伺いします。  質問の第二は、市町村合併支援における公共事業のあり方についてであります。  市町村行政を取り巻く社会・経済環境が大きく変化している中で、国は行政サービスを維持する観点から、全国約三千二百の市町村を千に統合することを目標に、市町村合併に強力に取り組んでおります。国では、平成十三年八月に「市町村合併支援プラン」を策定し、合併を支援する道路整備、合併重点支援地域において市町村が行う行政施設の整備や都道府県が行う交通基盤施設の整備について特例地方債を認めるなど、さまざまなハード面での支援策を打ち出しております。合併を検討している市町村では、この支援制度を活用した道路や下水道などの公共施設の重点整備に大きな期待を寄せており、合併建設計画の策定に際しては、数多くのハードプロジェクトが盛り込まれるのではないかと思われます。
     一方、国においては、平成十四年度当初予算編成において、公共事業や地方単独事業を対前年度比マイナス九・五%、額にして二兆五千七百億円削減することとしております。また、本年一月に閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」では、今後五年間で国・地方を通じた公共投資を、景気対策のための大幅な追加が行われていた以前、ほぼ十年前の水準、すなわち現在の七〇%の水準にまで大幅に削減する方針を打ち出しております。先週の衆議院予算委員会では、塩川財務大臣が公共投資を十年後に半減するとの考えを明らかにしております。  市町村では合併支援のための公共事業に格段の期待を寄せているところでありますが、県内の半分を超える十地域、五十市町村が合併重点支援地域に指定され、県下全般に広がる現状では、国による合併支援のための公共事業については、真に必要なものに重点化するしかないと思われます。国の公共事業の大幅な削減方針のもとで、県内全域に広がる合併重点支援地域における公共事業の重点投資について、国の配分が対応できるかどうか懸念しております。県としてどのように対処していこうとしているのか、知事の考えをお伺いします。  質問の第三は、国の地方交付税改革への対応についてであります。  本年三月末の国と地方の借金残高は約六百六十八兆円、我が国のGDP五百兆円の一・三倍にもなります。平成十二年度の地方交付税総額二十一兆四千億円のうち、法律上、国税五税から地方交付税に配分される総額は十三兆円しかなく、差額の八兆円は地方交付税特別会計の借入金で賄われており、この借り入れ残高は本年三月末には四十二兆六千億円に達すると言われております。平成十四年度の地方財政全体の財源不足額は十四兆円に達しております。国も赤字、地方も赤字、企業も家計も赤字という厳しい経済環境の中で市町村合併の旗を振る国の真のねらいは、合併によって市町村の行財政の徹底的な簡素化・効率化を進め、財源不足をもとから絶つことにあるものと、私は考えております。昨年六月の新聞報道によると、総務省の試算では、約三千二百の市町村が各県の策定した標準モデルによって合併した場合、全市町村の歳出は年間で四兆円から五兆円削減されるとしております。実際、地方交付税額を出口ベースで見ると、平成十二年度に二十一兆四千億円であったのが、平成十四年度予算案では十九兆五千四百億円と、この二年間で約一〇%、二兆円のカットという厳しい事態になっております。  本県におきましても、平成十三年度分の市町村への交付額は十二年度に比べて百五十五億円のマイナスとなっております。さらに、国は、人口規模の少ない市町村に地方交付税の配分率を割り増しする人口の段階補正や財政力の弱い市町村に有利な事業費補正の削減、留保財源率の見直しなど、小規模市町村に対する交付税配分の優遇措置を削減する方針を打ち出し、平成十四年度から実行するとしております。国は、これまで合併促進策として、合併する市町村には手厚く支援することとしてきましたが、ここに来て、合併しない市町村には財政面で兵糧攻めという厳しい姿勢で臨むことに方針転換したのではないかと思われます。  合併する市町村は、後年度に交付税措置される合併特例債を利用しての新たな箱ものの建設などに強い期待感を持っておりますが、その一方で、県内市町村の平成十一年度末累積起債残高は一兆六千八百八十七億円と、年間予算を上回る大きな借金を抱えております。国が地方交付税を大幅に削減する方針の中、市町村が体力を超えて合併特例債で事業を行えば、さらに借金を積み重ねることになり、合併後の自治体が財政危機に陥るのではないかと危惧するものであります。私は、厳しい財政環境の中、今回の市町村合併の真の目的は、合併によって行財政をスリム化し、そこで捻出した財源を行政サービスの維持、あるいはこれまでの借金の返済に充てることにあると考えます。  今般の国のこのような厳しい地方交付税改革について、市町村への影響をどのように認識しているのか、県として必要となる対策をどのように講じようとしているのか、知事の率直な考えを伺うものであります。  質問の第四は、市町村合併した場合の行政コストの削減効果についてであります。  経済の長期停滞や国と地方を通じた構造改革の嵐の中で、今後とも地方税の減収傾向は避けられず、その一方で、国においては財政再建のため、地方交付税や公共事業を減らす方向を強く打ち出しております。地方税収入が減少する中、地方交付税の削減によって、基礎的自治体としての行政サービスの提供ができなくなるのを危惧するのであります。小さな町村は合併して規模を大きくし、行財政の効率化によって住民サービス水準を維持することを真剣に考えざるを得ないのであります。例えば、五町程度が合併して三万人の市になった場合をモデルに財政上の合併効果を試算してみますと、現在の五町を合わせた財政規模は約二百十億円、このうち地方税が三十三億円、一五%で、地方交付税が八十五億円、四〇%を占めているのに対して、人口三万人程度の竹原市や大竹市の財政規模は百三十億円から百四十億円で、地方交付税は二十億円から三十億円、二〇%程度であります。地方交付税が今後大幅に減少するとしても、それに匹敵する年間七十億円から八十億円程度の大変大きな行政コストの削減効果が期待できるのであります。  住民が、自分の住んでいる町村が今後とも単独でやっていけるのか、それとも合併するしかないのか、真剣に議論し、進むべき方向を早急に決定できるよう、検討に必要なデータを提供すべきだと思いますが、知事の所見をお伺いします。  加えて、人口一万人未満のある町の例では、年間予算二十四億円のうち、地方税が一億二千七百万円、五%であるのに対して、地方交付税は十三億円、五四%と、歳入の半分以上を占めております。交付税比率がより高い人口一万人未満の小さな町村は、果たして単独で生き残れるのか、それとも合併するしかないのか、これら町村の今後の財政運営見通しについて知事の率直な見解を伺うものであります。  質問の第五は、コミュニティー活動の拠点として公民館の活用についてであります。  公民館は、社会教育の中核を担う施設であります。現在では全国の市町村の九〇%以上が公民館を設置しており、本県にも四百七十二館が設置されております。期待されている役割や機能が多面的であることから、各市町村に設置されている公民館の活動内容は、名称は同じ公民館でも、それぞれ地域の実態に応じてかなり異なっております。私は、そこに公民館の特色があると思っております。多くの市町村では、小中学校単位で公民館を設置しており、住民の自治活動も小学校区を一つのコミュニティー単位としていることから、公民館が自治活動の拠点として利用されている実態がたくさんあります。  そこで、私は、市町村合併に伴うサービス低下への住民の不安や懸念を解消するため、住民に身近な存在である公民館を地域の自治活動や行政サービスの拠点と位置づけることを提案します。  公民館に行けば、住民票や戸籍などの書類ももらえるし、住民の声も行政に届けられる、あるいは伝統文化の継承活動なども行えるようにすべきと思うのであります。埼玉県川口市では、四月からこうしたサービスを行うこととされているようでございます。こうした機能を公民館が持つためには、人的な体制を強化する必要がありますが、教職員の余剰人員や合併による職員定数削減などの一部を振りかえる形で地域社会と密接な関係を持ち、経験豊富な人材を有効に活用することもできると思います。現状では、公民館の設置と運営については、国によって詳細な基準が定められていることから柔軟な運営は困難でありますが、コミュニティー活動や行政情報の受信・発信、行政サービス提供の拠点として、住民が利用しやすくするために国の基準を見直し、運用を弾力化していく必要があると思います。  市町村合併に伴う住民の不安や懸念を解消する観点からも、公民館の幅広い活用方策と再編整備についてどのようにお考えか、教育長の所見をお伺いします。  質問の第六は、医療制度改革への対応についてであります。  我が国の医療保険制度を取り巻く環境は、大きく変化しております。高齢化の進行と制度の拡充によって老人医療費が急激に増加したため、昭和四十五年度に二兆円であった社会保障給付費の医療費が三十年後の平成十二年度には二十四兆円へと、十二倍に拡大しております。この間の国民所得の伸びが六倍であったのに対して、著しく高い伸び率であります。このため、医療保険制度全体で毎年約八千億円の赤字が発生し、政府管掌健康保険では平成十四年度には積立金が枯渇するまでになって、医療保険制度は既に破綻状態になっております。  今後も国民医療費は年々大幅に拡大するものと見込まれます。平成十二年の厚生省試算では、平成二十二年度には国民医療費が四十六兆円にまで拡大し、これに伴い、医療関係給付費も四十兆円と、十二年度の一・六倍に拡大します。試算では、この間に国民所得が一・三倍になるため、国民所得に対する医療関係給付費の負担率は平成十二年の六・五%に対して二十二年には八%と、一・五ポイントの伸びにとどまるものと推計しております。しかし、この試算は二・五%の経済成長率を前提に行われているものであり、バブル経済崩壊後、〇・九%の成長率にとどまっている我が国の現状からすれば、かなり高めのものであります。国では、この高めの経済成長率をベースにした上で医療保険制度の収支バランスをとるため、老人医療の対象を七十歳から七十五歳に、サラリーマンの自己負担を二割から三割に引き上げるなど、国民の負担を大幅にふやす医療制度改革を実行しようとしているのでありますが、この成長率の見通しが狂うと、さらに国民負担率が高くなることに注意する必要があります。  確かに、医療保険制度の設計は国の仕事ではありますが、国民健康保険の事務は市町村が担っており、平成十二年の公費負担のうち、地方が五兆円を負担していること、今後さらに高齢化が進むことなどからすれば、県や市町村の財政運営に及ぼす影響は極めて大きなものであります。また、医療保険制度は、介護保険など地域の保健・医療・福祉施策とも密接不可分の関係にあります。加えて、国では、医療保険制度の一元化も課題として、都道府県が保険者になる可能性も含めての議論がなされており、地方としても国だけに任せてはおけない問題と考えます。  医療制度改革については、老人医療制度のあり方や医療費の適正化の問題を含めた抜本的な制度改革に向けて、地方からも大いに声を上げ、国と地方とが協力して、よりよい制度をつくっていく必要があるものと考えます。そこで、県として、今回の医療制度改革をどのように評価し、国に対してどのような主張をしようとしているのか、知事の考えを伺うものであります。  質問の第七は、県立大学の抜本改革についてであります。  高等学校の生徒数が急激に減少する中、国では昨年六月に「大学構造改革の方針」を公表し、この方針を受け、各国立大学で再編・統合に向けた動きが加速しております。我が広島県においても、平成十三年三月に「県立大学改革連携ビジョン」を策定し、改革に取り組んでおりますが、残念ながら具体的な改革の動きは見えてこないのであります。このままでは、県立三大学は県民から見捨てられるのではないかと危惧するものであります。三大学の再編・統合や民間的な経営手法の導入、独立行政法人への移行などについて真剣に考えなければならない時期に来ております。加えて、学部・学科の再編も必要と思われます。  県立大学の改革に当たっては、私学が担わない新しい分野、例えばアメリカのコミュニティーカレッジのようなものを目指していくのも一つの方向と思われます。アメリカのコミュニティーカレッジは、百年の歴史の中で失業者や社会人の再教育、企業と密接に連携しての職業訓練、地域振興への貢献、生涯学習機会の提供など、地域に欠かせない重要な役割を担うものに発展しております。失業率が上昇している我が国や本県において、公立の大学のあり方として大変参考になる事例であります。  大学生の数が減少する中で、今後、私立大学と競合せずに県立大学が担うべき分野は、本県の産業再生に貢献する実践的な人材育成であり、職業能力開発と大学教育との総合的な推進体制の整備が望まれます。また、大学院を活用し、社会人の再教育、再訓練、生涯を通じたキャリア形成のための教育訓練にも貢献することが望まれます。スピード感を持って抜本的な改革を進め、真に県民の期待にこたえられる大学に生まれ変わることが求められていると考えますが、このような県立大学の抜本的な改革について知事はどのようにお考えか、所見をお伺いするものであります。  質問の最後は、国際貢献への取り組みについてであります。  本県では、平成八年六月に「広島国際貢献構想」を発表し、本県の持つ資源やノウハウを活用したプロジェクトの具体化を目指す中で、平成九年四月にはひろしま国際プラザを開設し、アジア地域を中心とした人材養成などを進めております。  こうした中、国際貢献における初の試みとして、国連の主要な自立機関の一つである国連訓練調査研究所・ユニタールとの共同事業を進めております。昨年五月、本県との調印のため来広したユニタールのボイザード本部長は、平和実現のポイントとして「平和創造」、「平和維持」、「平和構築」の三点を掲げております。この三点は、二十一世紀の国連の大目標である「人間の安全保障」という、より大きな枠組みでとらえられており、本県がユニタールと協力する意味合いをここに見出すことができるのであります。  昨年九月の同時多発テロ発生後におけるアメリカなどの軍事行動に伴って、紛争後のアフガニスタンでの平和構築が国際社会における大きな課題となっております。アフガニスタンの紛争は二十七年間続き、二百八十万人の死者と千四百万人の難民を生んだと言われております。現在、世界じゅうから注目されている映画「カンダハル」の制作者は、「空から爆弾を与えるかわりに教科書を、地雷のかわりに麦の種をまいていれば、今のアフガニスタンの子供たちはこうはならなかった」と言っております。前の国連難民高等弁務官の緒方貞子さんは、「世界は、二十七年間アフガニスタンを見放していた」と言っております。  国連の掲げる今世紀のテーマ「人間の安全保障」という考え方は、グローバル化する世界の新しい平和の概念であるということを、被爆県広島は十二分に理解しなくてはなりません。アフガニスタンは、今、復興した広島を目指しております。原爆の廃墟の中から立ち上がった広島は、今、廃墟の中であえいでいるアフガニスタンに力強い希望を与えることができるのであります。人類の歴史における平和創造の貴重なあかしとして、広島県にはアフガニスタンの未来にこたえていく責務があるのではないでしょうか。国連機関とパートナーシップを組んでいる本県がアフガニスタンの復興支援に携わることは、平和創造における本県の役割を再認識し、アジア・太平洋地域における地域紛争について何ができるかを探る第一歩になるものであります。  ユニタールとの共同事業の中で、アフガニスタンへのアプローチについてどのように考え、また、どのような方策をとろうとしているのか、平成十四年度の共同事業も踏まえて、知事の所見をお伺いします。  国際貢献の二点目は、ユニタールのアジア・太平洋センターの設立についてであります。  禅僧の道元の有名な言葉の一つに、「指間の月」という言葉があります。月を指差しているとき、周りの人たちは月を見ず、指を見ているという意味であります。アフガニスタン復興支援東京会議におけるNGO排除問題での外務省の対応などは、まさにこの「指間の月」ではないでしょうか。「言った言わない」が問題ではなく、アフガニスタンへの支援はどうあるべきか、日本の役割は何かといった本質の議論こそが重要ではなかったかと私は考えます。月は何であるかを忘れてはなりません。ユニタールとの共同事業における月は何でしょうか。私は、ユニタールのアジア・太平洋センターの県内設立という、その一点であると考えております。特に、数多い国連機関の中で、国連総会から干渉されず、自立した自治権を持つ機関は、ユニタールと国連大学だと伺っております。アジア・太平洋センターの設立に向けた知事の意欲、熱意についてお伺いし、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 44: ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 45: ◯知事藤田雄山君) 城戸議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、県境を超えた広域連携のあり方についてお尋ねがございました。市町村合併特例法の期限まで約三年となった現在、市町村合併が済んだ後の都道府県の果たすべき役割・機能について真剣に検討する時期に来ているものと考えております。国では、国と地方公共団体の役割分担や市町村合併後の都道府県制度のあり方について検討が始められ、広域計画のあり方についても、従来、国が策定していた広域ブロック計画を、地域の各主体が参加、協議して原案を作成するという地方分権の観点からの仕組みが検討されております。本県では、これまで中山間地域や瀬戸内しまなみ海道周辺地域振興、弥栄ダム周辺地域活性化対策など、隣県との特定の共通課題に取り組んでまいりましたが、今後とも、県境を超えた広域的な視点に立って、自主的な広域連携を積極的に進めることが重要であると認識いたしております。こうした自主的な取り組みが、課題ごとの近隣県等との広域連携から全般的な広域ブロック計画策定に向けた協議につながり、さらには、その次に来るであろう都道府県合併や道州制等の議論に向けての先駆的な取り組みになるものと考えておりまして、今後とも、中国地方知事会などの場を通じて、関係県との連携をさらに深めてまいりたいと考えております。  次に、市町村合併支援に係る公共事業についてのお尋ねがございました。本県では、市町村合併を推進し、自立した地域づくりを進めるため、来年度当初予算において合併支援を最重点五分野の一つに位置づけ、思い切った予算配分を行うことといたしております。  また、国においても、財政構造改革の取り組みが進められ、公共事業を大幅に削減する中で、合併重点支援地域に対する市町村合併支援道路事業が創設され、あわせて県の合併特例債が認められるなど、合併支援のための財政措置がなされております。  県といたしましては、現在、十地域、五十市町村を合併重点支援地域に指定しており、これらの地域における合併支援に係る公共事業の実施に当たっては、国庫補助事業の優先的配分の獲得に努めるほか、県独自の支援策として、合併支援緊急道路整備事業等による重点投資を行うことといたしております。また、地域の生活環境基盤の整備促進を図るため、市町村が実施する単独公共下水道の整備や合併処理浄化槽の整備に対する財政支援も重点的に行ってまいります。公共事業を取り巻く状況は今後ますます厳しくなるものと見込まれており、さらなる選択と集中を図りながら、市町村合併支援プランに基づき、地域の連携強化や生活環境基盤の整備など、合併市町村の新しいまちづくりに対する重点的な支援を行ってまいります。  次に、国の地方交付税改革についてお尋ねがございました。地方交付税については、二年連続して配分額が減少し、交付税特別会計の借り入れ残高が四十六兆円と、法定分の三年分に達するなど、かつてない厳しい状況となっております。このため、地方交付税のあり方についての見直しが検討されており、今後、個別市町村への配分額にも大きな影響が予想され、小規模町村を多く抱える本県においては、ますます厳しい財政環境になるものと考えております。本県といたしましては、市町村合併を通じてその行財政基盤を強化し、財政のスリム化、効率化を図ることによって、今後予想されるこのような厳しい財政環境に対応することが必要であると認識いたしております。こうした視点からも、引き続き、市町村合併の取り組みに対し、最大限の支援を行ってまいります。  次に、ユニタールアジア・太平洋センターの設立についてお尋ねがございました。ユニタールは、国際社会の平和と安全の維持を目的として人材育成や調査研究を行う国連機関であり、そのセンターは研究成果の世界への発信、世界の平和と安全に貢献する人材の育成など、二十一世紀の国際社会へ大きな役割を果たすことが期待できると考えております。このセンターの設立につきましては、三回目の共同プロジェクト終了後、地元側と国連側で構成する評価委員会において、二年間にわたる共同プロジェクトの成果を総合的に評価するとともに、実現に向けて事業内容や経費負担などについて多角的な検討を行ってまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 46: ◯議長(檜山俊宏君) 地域振興部長廣津忠雄君。         【地域振興部長廣津忠雄君登壇】 47: ◯地域振興部長(廣津忠雄君) 市町村財政の課題と今後の見通しについてお答え申し上げます。  現在の市町村財政の状況につきましては、地方税収や地方交付税など歳入の確保が困難となる一方で、公債費の増加により経常収支比率が著しく高くなるなど、財政構造が極端に悪化し、非常に厳しいものとなっております。このような厳しい財政状況の中にあって、今後、交付税額の伸びが見込めないことから、交付税に依存する割合の高い小規模町村は現在のままでは、多様化し、高度化する今後の行政需要に対応していくことが難しくなっていくのではないかと考えております。  また、合併による行政コストの削減効果につきましては、大きなものがあると考えておりますが、一律に人口規模だけではかれるものではなく、地理的条件等さまざまな観点で検討してみることも必要ではないかと考えております。これまで合併の検討に必要な情報につきましては積極的に提供してまいりましたが、今後、合併協議の進展に伴い必要となる具体の財政見通しに関するデータの作成等に当たっても、できる限りの協力を行ってまいります。 48: ◯議長(檜山俊宏君) 福祉保健部長三浦公嗣君。         【福祉保健部長三浦公嗣君登壇】 49: ◯福祉保健部長三浦公嗣君) 医療制度改革についてお答え申し上げます。  国民の生命と健康を支える医療制度は、将来にわたり安心して良質な医療サービスが利用できる制度として、維持していくことが極めて重要な課題であると認識しております。このたびの医療制度改革の動向につきましては、なお不透明な部分が残されておりますが、現時点で明らかにされている内容に基づいて申し上げれば、まず、少子・高齢社会における適正な負担と給付という観点から、三歳未満児の負担を二割に軽減したことや高齢者医療の対象年齢を七十歳以上から七十五歳以上に段階的に引き上げること、健康増進による疾病予防の観点を明確にしたこと、小児医療の診療報酬を手厚くすることなどにつきましては評価できるものと考えております。国に対しましては、今後とも、医療制度の抜本改革に当たり地方が過度の財政負担を強いられることなく、持続可能で安定した制度となるよう強く要望してまいります。 50: ◯議長(檜山俊宏君) 環境生活部長竹本一壽君。         【環境生活部長竹本一壽君登壇】 51: ◯環境生活部長(竹本一壽君) 県立大学の改革についてお答えいたします。  昨年十二月に県立大学運営協議会から、大学にとって喫緊の課題であります改革に係る地域貢献、産官学連携などについて提言をいただきました。現在、県立三大学では改革に向け、各方策の推進体制の整備など、具体的な取り組みに入っております。主なものといたしましては、一点目、地域貢献事業として教養教育の見直し、地域政策提言機能の強化、マネージメントスクール及びITスクール設置のための調査・検討、二点目として、保健・医療・福祉連携事業として女子大学と保健福祉大学が共同して実施いたします痴呆性老人のコミュニケーションケア事業、学習障害、注意欠陥多動性障害児の支援事業、三点目として、産官学連携を推進するための三大学統一の窓口設置、四点目として、大学の活動を評価する客観的評価システムの構築に先立ちます財務分析の実施などに取り組んでまいります。あわせて、地域に開かれた大学として最大限、大学が持つ人材、機能、施設などを活用していただけるシステムを構築してまいります。これらの事業等を推進することにより、御指摘の学部・学科や設置運営形態のあり方の議論につながっていくものと考えております。  国立大学を初めとする大学改革が急速に進んでおります。県民や社会のニーズに的確にこたえるため、県立大学の抜本的な改革は急務であります。引き続き、県立大学運営協議会の御意見もいただきながら、格段に進度を早め、取り組んでまいります。 52: ◯議長(檜山俊宏君) 総務企画部長阪本博臣君。         【総務企画部長阪本博臣君登壇】 53: ◯総務企画部長(阪本博臣君) アフガニスタンへの復興支援についてお答えいたします。  現在、本県の新たな平和政策のあり方などを検討するために設置した平和政策研究会において、「つくり出す平和」に貢献する地方自治体の役割などについて検討いただいております。その中において、広島の被爆からの復興の経験を生かした支援や貢献策のあり方といったことも議論されており、先日、この研究会の現地調査として、委員長である明石 康元国連事務次長がアフガニスタンを訪問し、その実情を調査してきたところでございます。本年度中に、その成果も踏まえ、広島の特性を生かした貢献策を含んだ御提言がいただけるものと考えております。  一方、ユニタールは、国際社会の平和と安全の維持を目的として、アフガニスタンを初めとする開発途上国の人材育成等を行っている国連機関でございますので、今後、平和政策研究会の提言等も踏まえ、アフガニスタンの復興に向けたユニタールのプログラムとの連携についても検討してまいりたいと考えております。 54: ◯議長(檜山俊宏君) 教育長常盤 豊君。         【教育長常盤 豊君登壇】 55: ◯教育長(常盤 豊君) 公民館の活用方策と再編整備についてお答え申し上げます。  公民館は、住民が学び、集い、交流する場として重要な役割を果たしております。近年では、御指摘のとおり、公民館が地域づくりやボランティア活動などの拠点として活用されたり、その一部が行政サービス提供の場として転用されるなどの動きも出てきているところであります。また、国の制度の面でも、国庫補助金により整備された公民館の一部を庁舎等公的施設として転用するための承認手続等が簡素化されたところであります。  県教育委員会といたしましては、地域住民へのサービス向上という観点から、公民館が社会教育施設としての機能を堅持しつつも、身近な行政の窓口としての機能も含め、コミュニティー活動の拠点として活用されることは、今後のあり方として適切な方向であると考えております。現在、国の地方分権改革推進会議において、生涯学習、社会教育の分野での規制緩和に関する議論が行われておりますので、こうした動向等も踏まえながら市町村に対して助言してまいりたいと考えております。  また、公民館が多様化・高度化する住民の学習ニーズに必ずしも十分にこたえ切れていない状況もあることから、御提案も踏まえて、その組織体制の充実を市町村に対し働きかけてまいりたいと考えております。 56: ◯議長(檜山俊宏君) 次回の本会議は三月四日午前十時三十分から会議を開き、引き続いて質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。         午後一時四十九分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...