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  1. 広島県議会 2001-02-02
    平成13年2月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    2001年02月26日:平成13年2月定例会(第2日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1        午前十時三十三分開議 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十六名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。        【「異議なし」と言う者あり】 2 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。        【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 3 ◯議長(檜山俊宏君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。        【書 記 朗 読】                                平成13年2月22日 広島県議会議長 檜 山 俊 宏 殿                                広島県人事委員会委員長 丸 山  明           条例案に係る意見について  平成13年2月22日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定に基づく意見を求められた次の条例案については,適当と考えます。  県第25号議案 職員の給与に関する条例及び職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例案  県第26号議案 職員の旅費に関する条例及び特別職の職員等の給与,旅費及び費用弁償に関する条例の一部を改          正する条例案中職員に関する部分              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        自第  一 県第一号議案        至第五十五 報 第 三 号
    4 ◯議長(檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成十三年度広島県一般会計予算から日程第五十五、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。宇田 伸君。        【宇田 伸君登壇】 5 ◯宇田 伸君 自由民主党広島県議会議員会の宇田 伸でございます。  本年最初の定例県議会において質問の機会をいただき、まことに光栄であり、議長を初め、議員各位に感謝しながら質問に入ります。  私は、まず、二十一世紀を見通した社会のあり方、政治・行政のあり方について知事の理念、哲学をお尋ねし、その上で来年度の県政運営上の重要な諸課題について明快な答弁を求めたいと考えております。  質問の第一は、二十一世紀における社会のあり方についてであります。  新世紀の扉が開いた今、これからの社会、我が国、広島県、私たちが暮らしている地域がどうあるべきか、そのために国、地方の行政は何をなすべきなのか、政治に何が求められているのか、私たち一人一人が真摯に考えてみることが必要であります。  基本的に、政治・行政は「税を通じた所得の再配分」であります。すなわち、国や県は税金を集め、その使い道について国会や議会で審議・決定し、福祉や社会資本の整備など、さまざまな分野へ配分するというものであります。その過程において国民・県民のニーズにこたえ、所得をいかに最適に分配するかということが政治の最大の命題であると思うのであります。こうしたことから、原資となる税の徴収は、最大の権力として認められているのであります。  平成十年、特定非営利活動促進法が成立し、NPOなど、いわゆる非営利、非政府組織と呼ばれる団体の活動が支援されることとなりました。また、遅きに失した感もありますが、本県においても、新年度、NPO・ボランティア総合支援センターに係る予算が新規に措置されたところであります。これは、政府に頼らず、民間団体が直接的に公共の福祉の向上に取り組むものであり、例えば、ある人が自分の価値観において老人の介護が社会的に求められていると判断すれば、国や県でなく、そうした介護活動を行う団体に使途を指定して寄附をすることによって目的を達成するものであります。先ほど申し上げました「税を通じた所得の再配分」の対極として、これまでの近代国会を支えてきたシステムを大きく変える兆しであると思います。我が国におけるこうしたNPO活動に対する寄附金は千五百億円にすぎませんが、ボランティア活動の盛んなアメリカ合衆国では、寄附金は十六兆四千億円に上り、その経済規模は連邦政府予算の四〇%に達しております。  成熟した二十一世紀の社会においては、現在、国や県が行っているさまざまな社会政策のうち、かなりの部分を国民や県民が自己の責任と判断に基づき直接負担し、実施する社会が生まれると思います。その結果、たとえ国民・県民としての負担総額は変わらなくても、税での負担は小さくなるのが必然であります。  このような中、最近、全国の地方自治体において水源税やホテル税など、新税構想が叫ばれております。しかしながら、地方分権を進める観点からは、何よりも地方と国の税源の再配分を進めることが大切であり、課税自主権の名のもとに税を強化することは、長期的に私たちの目指すところではないと思うのであります。本県において時折耳にする環境税は、徴収対象者を限定するもので、財源確保としての効果もせいぜい数億円のものだと聞いております。この課税は公平性の観点からも大いに問題があり、先ほど述べた成熟社会における税のあり方としても間違っていると思うのであります。自主課税権の行使は慎重に行うべきと考えます。知事は、二十一世紀の社会のあり方をどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、県政の運営方針についてであります。先ほど述べました二十一世紀の社会のあり方を念頭に置き、平成十三年度の県政運営の基本方針についてお伺いいたします。  その第一点目は、新年度当初予算編成の基本方針についてであります。昨年、知事は、県政中期ビジョン「ひろしま夢未来宣言」を策定され、広く県民に今後十年間の本県の進むべき道を明らかにされました。新年度は記念すべき大切な第一歩であり、ビジョンに掲げた重点施策に思い切った措置がなされなければなりません。県民の将来に対する不安が払拭されるよう、わかりやすく提示することが知事に求められております。  我々自由民主党議員会は、当初予算編成に当たって、少子・高齢社会への円滑な移行、循環型社会システムの構築、また、教育県広島の再生と産業の再生による活力の創造などについて、知事の積極的な対応を要望したところであります。県政中期ビジョンの実施初年度に当たり、県経済の活性化や雇用確保対策といった緊急的な課題への対応も含め、知事はどのように財源を生み出し、また、その財源をどこにどの程度重点配分されたのか、平成十三年度の予算編成に当たっての知事の基本的な姿勢についてお伺いいたします。  質問の第二点目は、地方分権についてであります。  その一点目は、市町村合併と権限移譲についてお尋ねいたします。昨年四月に地方分権一括法が施行され、地方分権が具体的に進む中、日本国憲法第八章に規定されている地方自治は、憲法制定後五十五年を経て、いよいよ新しい段階に入ったのではないかと考えます。本県においても、昨年十一月に市町村合併推進要綱が示されて以来、県内市町村における合併への取り組みが本格化し、県も補助金等の財政支援や人的支援を創設し、平成十六年度末に向けた市町村合併を積極的に推進されております。しかしながら、県の推進要綱に示す合併パターンは、県内八十六市町村を十七市町村にまとめるものでありますが、これは短期的な実現可能性を考慮した結果であり、実効ある地方分権のためにはさらなる広域合併が必要であると考えます。市町村の適正規模については、市町村の担う役割をどのように考えるかによるところもあり、単純には言えません。例えば、昭和の大合併は、新憲法下において、新制中学校の運営等の担い手として必要な規模を基準として合併が行われたのであります。  我が国の三千余りある市町村について、人口規模と歳出額や職員数の関係を分析すると、住民一人当たりの歳出額が最も低くなるのは人口十五万人程度であり、住民一人当たりの職員数が最も少なく、効率的なのは人口二十五万人前後の市であると言われております。効率性の面から言えば、本県においては将来的には八つの広域行政圏程度のまとまりが必要であり、今回の合併への動きがそうした大きなうねりへとつながっていく可能性は十分にあると思います。また、昨年十一月に話題となりました本県の因島市と愛媛県の四町村との合併構想のように、県境を超えた合併については、さまざまな課題があるものの、ぜひとも検討しなければならないことであり、こうした動きは今後ともふえていくものと考えます。今回示された合併パターンでは排除されている、県境を超えた市町村の対等合併については特別法の制定が必要であり、そのため、憲法第九十五条に定める住民投票の規定が発動されることになります。暗中模索といった状況が予想されますが、こうした圏域にとらわれない、住民に真に必要な合併を積極的に推進することが重要であると考えます。  総務省は、この四月から検討に着手する都道府県と市町村から成る地方自治制度の見直しの中で、合併ができず、孤立した小規模町村の権限を戸籍事務などの窓口業務に縮小し、保健・福祉や公共事業などは都道府県が事業を代行するという小規模町村制度の導入も検討されると伺っております。  こうした状況の中で、広域合併について知事はいかにお考えでしょうか。現在の市町村における合併に向けた機運、動向や総務省の動きを踏まえた県の取り組み方針とあわせ、御見解をお伺いいたします。  また、市町村合併の推進とあわせて、県から市町村への県独自の権限移譲について、今年度研究されてきました。合併、権限移譲、市町村の行政能力の向上は、基礎的公共団体の充実強化のためにはセットで必要不可欠なものと考えます。ついては、これら権限移譲と市町村の行政能力の向上に係る検討状況と方向性について、御所見をお伺いいたします。  二点目は、道州制についてであります。今回の分権への取り組みに当たっては、当面、現行の市町村、都道府県という二層性の地方制度の存続を前提として検討されてきましたが、今後は、広域市町村合併が具体的に進み、基礎的公共団体である市町村が地域住民に係る行政サービスのかなりの部分を分担できるようになれば、いわゆる道州制への移行は必然性を増し、極めて現実味を帯びてくるものと考えます。近い将来、県の役割は環境保全や地域労働・雇用対策、災害復旧、広域的な社会資本の整備等に純化され、その事務量は極めて小さくなることが予想されますが、そのとき、中国地方に五つもの県が存在する理由はなくなるのではないでしょうか。昨年の四月には、自民党の衆参国会議員八十人余りから成る「道州制を実現する会」も結成され、総務省においても新年度、道州制に関する研究調査費が措置されたと伺っております。  道州制に関するこれまでの多くの提言は千差万別でありますが、基本的には全国を八から十二程度に分け、中間政府である道州政府を置き、国は外交、国際調整業務、市町村は地域住民にかかわる業務を分担し、道州政府は市町村、地域間の調整業務を行うといったものであります。そして、それは言うまでもなく、地方分権の進展した一つの形であるというものであります。  しかし、本当にこのまま自然な形で、私たちの望む地方分権が達成されるのでしょうか。古くは昭和三十二年に第四次地方制度調査会が府県を廃止し、全国を七ないし九のブロックに分けるという「地方制」を提言しました。しかし、これは国が首長を任命するというものでありました。当然ながら地方自治の本旨に反するということで、多くの反対が出されたという歴史もございます。  私は、地方分権のあるべき姿、あるべき地方自治のシステムは、地方公共団体が本質的に中央集権化に流れがちな国と闘って初めて、勝ち取れるものだと考えます。また、全国で三百程度の市町村となれば、こうした道州制を超えて一気に国と都市という二層性になだれ込むことも予想されます。地方自治は民主主義の学校であると言われておりますが、こうした地方分権の理念が未成熟なまま二層性の時代となれば、逆に今以上に中央が支配する政治・行政システムとなる可能性が極めて高いと考えるものであります。大きくなった都市について、国が横の政治的連携を遮断し、個別に管理する二層性を貫いた場合、現在の県は、それこそ地方自治が完結できない小さな市町村のみを管理する組織にすぎなくなることになります。憲法第九十二条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と規定しております。地方分権一括法の制定に始まるこのたびの地方分権に向けての動きは、まさしく国との闘いの始まりであり、決して楽観する状況ではないと考えるのであります。  去る二月九日、北海道の諮問機関である道州制検討懇話会は最終報告をまとめ、北海道が道州制のパイロット的役割を担い、分権型社会のモデル構想を全国に発信すべきだと提言しております。また、東北地方においても、昨年末、近隣の県に対して、岩手県知事が道州制の研究会への参加を呼びかけております。  知事は、これからの社会における地方自治のあり方、その本旨についてどのようにお考えでしょうか。また、知事のお考えになる道州制はいかなるものでしょうか。他県のように研究に向けて取り組むお考えはあるのかどうか、あわせて御所見をお伺いいたします。  質問の第三点目は、行政改革についてであります。本県において地方分権が進展する中、新しい自治体の構築を目指して、昨年三月に行政システム改革推進計画が策定されました。試験研究機関やその他の地方機関については引き続き検討されるものの、今年度、本庁の再編を行い、いよいよこの四月からは七つの地域事務所がスタートすることになっております。しかしながら、真に県民の期待にこたえて効率的な行政を行おうとするならば、こうした組織や制度の見直しとともに、そこに働く職員の意識改革と育成による内からの活性化が極めて重要であると考えます。  昨年十二月、国においても、これまでの国・地方を通じた行政の組織・制度のあり方を見直すため、行政改革大綱が閣議決定されました。注目すべきは、その中で国家公務員、地方公務員制度について抜本的改革の必要性をうたっていることであります。社会経済システムが大きく変革する中において、公務員をめぐっては前例主義やリスク回避的な行動、また、スピード、戦略性、革新性の点での政策企画立案能力の低下、そのほか、いわゆる縦割り行政等による機動的・総合的対応の欠如、さらに年功序列による昇進や処遇等がもたらす職員の士気の低下など、さまざまな課題がクローズアップされております。本県においても、こうした課題が解決されないまま、幾ら組織・機構の見直しを図っても、それこそ絵にかいたもちに終わるのではないでしょうか。  そこで、知事は本県の状況を踏まえ、公務員制度についてその課題や原因を含めどのように認識し、改革の方向性についてどのように考えておられるのか、まず御所見をお伺いいたします。  また、本県における公務員制度の改革において、とりわけ職員の能力開発と給与・任用制度等の見直しは、知事が英断をもって早急に取り組む課題であります。「仏つくって魂入れず」とならないためには、職員が強い使命感のもと、さまざまな課題に果敢に挑戦するといった気概を持つことが大切であり、そのため、行政の総合性、個人の適性、志向を重視した能力開発を充実強化することが必要であります。職場における業務遂行を通じた訓練に加え、研修、人事配置、人事交流を組み合わせた計画的な能力開発を行うとともに、自主的な努力を支援する仕組みが必要であります。さらに、こうした能力開発の成果を評価するため、一定の時期に試験を行うなどの取り組みも検討する必要があると考えます。また、こうしたことに加え、能力・実績に応じた昇進や給与となるよう見直しを行うことが何より大切であると考えます。すなわち、組織の活性化にとって、これまでの年功序列的昇進や年齢給的な処遇を改め、成果や能力に基づいた、減点主義から加点主義への人事管理を行うことが必要だと考えるのであります。  そのためには、まず、若年、女性の登用を積極的に進めることが大切であります。また、実績を重視した昇進の一方、その昇進が既得権とならないよう降格の導入も必要と考えます。さらに重要なことは、こうした明確な人事管理方針を内外に公表し、断固とした人事政策を実施することであります。その上で、職務、職責に応じた給与制度についても、給与体系の抜本的改革に向けて、当面、特別昇給、勤勉手当等において能力・実績に応じた運用の一層の推進を図ることが必要であると考えます。現在取り組んでいる行政改革を実のあるものにするためには、こうした人事制度の導入が不可欠であります。そこで、これまでの人事政策の評価と今後の取り組みについて知事の決意と御所見をお伺いいたします。  新たな人事政策を実施するためには、その基盤となる人事評価制度が整備される必要があります。現行の人事評価制度は、旧態依然として、今日の県職員を取り巻く環境を的確に反映させているとは言えないのではないでしょうか。きちんと評価できてこそ、適材適所の配置という人事の基本も可能になり、職員の意欲も高まるものと考えます。今後、職責と給与がより完全に一致することになれば、ますます評価の透明性も要求されることとなります。行政システム改革推進計画によれば、今年度、新しい人事評価制度を検討することとなっておりますが、現在の検討方向及び評価者への評価研修など、導入・実施に当たっての今後の課題についてお伺いいたします。  行政改革に関する最後は、組織のフラット化についてであります。この四月から、いわゆる組織のフラット化を図ることとされております。この組織改正は、迅速な意思決定と県民ニーズにより柔軟に対応するためのものでありますが、実施に当たり幾つかの解決すべき懸念があると考えます。  第一に、かねてから自民党議員会として申し入れてきた、ふえ続ける人件費への危機感であります。行財政改革に逆行することのないよう、引き続き、職員数の削減や給与費の抑制に取り組むことが肝要であります。  第二に、いわゆる縦割り行政が強化されるのではないかという懸念であります。横の連携の確保・強化や総合事案における窓口の明確化など、県民に対するサービスの低下をもたらさないことが必要であります。  第三に、さきに申し上げました職員の士気にかかわる意識の問題であります。新しい組織においては職場の体制が大幅に変わるため、職員全体としてどう士気を保ち、高めていくのかが重要な課題であります。  知事は、このたびの組織のフラット化に係る問題点をどのように認識し、どう対応されるのか、御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、産業政策についてであります。昨年末からことしにかけて、世界経済を牽引してきたアメリカ経済の減速が伝えられ、我が国においても株安傾向により景気の後退感が伝えられております。特に、輸出に依存している本県産業への影響は、一層深刻になるのではと懸念されているところであります。バブル崩壊後、本県においても緊急雇用対策基金の造成や融資制度の拡充など、各種の経済対策が講じられましたが、なかなか明るい兆しが見えないのであります。ここ十年の製造品出荷額等の年平均伸び率は、全国平均が一・七二%であるのに対し、広島県は〇・八一%と、地方圏では最も低い水準にとどまっております。危機的な状況にある本県経済の活性化や雇用の確保を図るためには、産業の再生対策を最重点課題として取り組み、他県に先駆け、一日も早く不況からの脱出を図るべきではないかと思うのであります。現在、本県では、産業の再生を重点項目と掲げた県政中期ビジョンのもと、「21ひろしま国際産業拠点構想」を策定されておりますが、この中間取りまとめによりますと、主要な経済指標が全国十位以内と、広島県経済が最も活力を持っていた昭和五十年ごろの状況の復活を目指して、その数値目標を挙げておられます。  そこで、今後の産業政策について、二点お伺いいたします。  まず、既存産業の再生についてであります。御案内のとおり、本県の基幹産業である自動車産業の頂点であるマツダが、本社工場の一部閉鎖と千八百人の人員削減などを柱とする合理化計画を発表しました。これは、地元の自動車部品を初め、関連産業にとって今後の経営を左右すると思われるほど非常にショッキングな事態であります。この自動車関連産業に限らず、これまで本県経済を支えてきた鉄鋼、造船、繊維、化学など、規制緩和や海外との競争激化などにより、押しなべて厳しい経営を迫られております。ものづくり県を標榜する広島県としては、まず、これらの既存産業の立て直しが急務と考えますが、知事は本県産業の現状をどのように認識され、どういった再生策を考えておられるのか、お伺いいたします。  二点目は、新たな企業誘致についてであります。昨年は、先ほど申し上げましたマツダの問題やそごうの破綻など暗い話題が多かった中で、年末にはエルピーダ・メモリ、シノブフーズ、前川製作所と、新たな工場立地が相次いで決定し、本県にとって久々の明るいニュースとなったのであります。新たな企業誘致は本県の製造品出荷額等を押し上げるのみならず、雇用の確保に大変大きな効果があり、さきの三社だけで将来的には二千人を超える雇用が生まれると言われております。このことは昨年実施されました工業団地の価格見直しや企業立地促進優遇制度の改善に加え、粘り強い誘致活動によるところが大きいものと認識しております。本県産業のさらなる発展と即効的な雇用拡大を図るためには、今後とも知事を先頭に、より強力な体制で企業誘致活動に取り組む必要があると考えますが、今後の企業誘致に対する取り組み姿勢と具体的な展開方策について、知事のお考えをお伺いいたします。  質問の第四は、環境問題についてであります。幕をあけた二十一世紀は、自然環境と共存できる社会経済システムの構築を目指す「環境の世紀」と言われております。環境問題は、高度経済成長期までの産業公害などを中心としたものから、現在では地球温暖化や廃棄物問題などのように、通常の事業活動や県民の日常生活に起因するものへと変化しております。これに伴い、環境への影響という面ではみんなが原因者であり、同時にみんながその被害者であるという状況にあります。二十一世紀の環境政策の中心的課題は、県民や事業者における社会経済活動のあり方やライフスタイルを、環境への影響の少ないものに転換していくこと、すなわち、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会から持続可能な社会への転換を図ることにあります。本県の豊かな環境を保全・活用し、これを将来に継承していくとともに、持続可能な社会を構築するには、県民、関係者すべての参画を求めて、それぞれの取り組みの連携を強化していくことが必要であります。  新年度からは、自然保護、野生生物、自然公園等の事務を農林水産部から環境生活部へ移管し、環境行政を一体的に推進する体制を整備し、また、環境問題への対応を強化するため、環境局を新設するとのことであります。本県の二十一世紀が環境に優しく、豊かで、県民が安心して生活できる時代となるよう、県民、NPO、事業者、行政と、県を挙げた環境保全活動への自発的な参画と適切な役割分担の構築などについて、環境局の機能をどのように発揮して、どのように取り組んでいこうとされているのか、御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、社会保障についてであります。国民の所得、福祉、医療に係るセーフティネットの役割を担っております社会保障の理念は、従来は最低限度の生活の保障でありましたが、現在では社会の成熟に伴って健やかで安心できる生活の保障に移っております。また、近年、終身雇用制度が崩壊しつつあること、生活形態が世帯単位から個人単位になりつつあることなどを背景として、社会保障が国民生活の中で果たす役割はますます大きなものとなっております。社会保障の分野における本県の重要な政策課題であります少子化対策に関しては、乳幼児医療費の公費負担について、我が会派としても、対象年齢を引き上げるよう強く要望し、知事は新年度から対象年齢を一歳引き上げる方針を示されたところであります。  また、がん対策については、本県議会において「ホスピス設置を求める請願」を採択し、その早期実現を求めてきたところであり、このたびの予算案において、がん予防に関する推進計画を策定し、緩和ケア支援センターの整備の検討を行うとされたところであります。知事は、昨年九月定例会においてがんセンター整備構想を凍結するとの方針を表明されたところでありますが、がんは働き盛りの死亡原因の約四割を占め、がん医療の充実に対する県民の期待は切実なものがあります。がんセンター整備構想のように検討に長い時間をかけ、結局はその間の状況変化のために実現を見ないといったことのないよう、事業を計画的かつ着実に進めなければなりません。そして、在宅と入院との一環したケアを行う緩和ケアセンターが全国に先駆けた取り組みの成果を上げ、広島県のがん対策が前進したと県民が実感できる形で示すことが必要であると考えるものであります。知事の御所見と決意をお伺いいたします。  質問の第六は、教育問題であります。  その一点目は、卒業式における国旗・国歌の実施についてお尋ねいたします。今週木曜日、三月一日は県内のほとんどの県立学校において卒業式が行われます。平成十年五月、学習指導要領から逸脱した教育が行われているとして、文部省から極めて異例の是正指導を受けて以来、三回目の卒業式であります。この卒業式は、是正指導後、教育正常化の取り組みの中で、高校三年間を過ごした子供たちを新世紀最初の本県高等教育の修了者として世に送る式典でもあります。  校長が教育委員会に、また、教員が校長の職務命令に従うことは、公務員として当然の義務であります。国旗・国歌の尊重は法的拘束力がある学習指導要領に明示されており、また、法律にも「国旗は日の丸、国歌は君が代」と定められております。卒業式における国旗・国歌の適切な実施に対する妨害行為を、校長や一般教員、子供たちに強制するとか、掲揚された国旗を引きずりおろす、あるいは、国歌斉唱の際、わざと起立しないなどの行為はあってはならないのであります。日の丸を生徒から見えないようにカーテンで隠したり式場の片隅に立てたり、自国の象徴である国旗をないがしろにする教育を行う権利が公立学校にあるわけがありません。卒業式の主役はもちろん卒業生であります。同時に、卒業式は校長の名において出される卒業証書を授与する厳粛なる式典であり、子供たちの新たな旅立ちを、教職員、保護者、在校生、その他関係者により祝福する重要な学校行事であります。  去る十二月定例会において、我が会派の平末議員の質問に対し、辰野教育長は、卒業式、入学式における国旗・国歌の実施を是正指導達成のあかしと位置づけ、国歌斉唱が未実施であった府中市及び新市町への個別指導、国歌斉唱の際、教職員が起立しないなどの場合への適正な対処など、強い決意が示されたところであります。  平成十一年二月二十八日、県立世羅高等学校の校長先生が卒業式の前日、みずからの死をもって本県公教育の病める実態を示されました。これまでの卒業式、入学式における国旗・国歌の実施をめぐる、不毛で非教育的な混乱を、税金で賄われている公立学校から一日も早く一掃し、県民の信頼にこたえ得る公教育の揺るぎない基盤を築く必要があります。卒業式を数日後に控えた現在、これまでの取り組み状況、見通し、課題等について、教育長にお伺いいたします。  第二点目は、教育の再生についてお尋ねいたします。心の教育の重要性が叫ばれておりますが、心あるほとんどすべての日本人は、これからの日本はどうなるのだろう、このままで大丈夫かといった不安を抱いております。学級崩壊、学力低下、凶暴化・粗暴化する少年犯罪、荒れる成人式のニュースなどに接するにつけ、私たちの中に何とかしなければならない、教育は今のままでいいのかといった危機感が募ってくるのであります。  先月末、千代田町において玉川大学の山極教授による「新しい学校教育の創造」というテーマでの講演会がありました。その講演記録を拝見しましたが、その中に、東京都品川区で実施されている公立小学校の自由選択について述べてありました。我が子の学校を選択するに当たって、親は二つの観点で学校を選んだそうであります。一つは、その学校が基礎学力を身につける学校かどうかであります。できない子がいたときに、すべての先生が真剣になってその子のために努力する学校かという観点であります。いま一つは、生徒指導がしっかりしているかどうかであります。問題が起きたときに、校長先生を初め、先生が一致団結して、そういう子に全力で取り組む学校かということであります。深刻な危機と課題を抱えた教育の改革・再生は焦眉の急であります。新世紀の本県教育の目指す方向について、学校のあり方を含め、教育長の見解をお尋ねします。  既に新世紀の幕は開き、私たちはその入り口に立っております。そこから見渡せる二十一世紀はどのような風景でありましょうか。子供たちに輝きと笑顔があふれていることを願わずにはいられません。  最後に、本県教育の再生に向けた藤田知事の力強い決意をお伺いし、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。        【知事藤田雄山君登壇】 7 ◯知事(藤田雄山君) 宇田議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、二十一世紀の社会のあり方についてお尋ねがございました。我が国は今、地方分権の推進、高度情報通信基盤の整備、少子・高齢化の進行など、二十世紀の終わりから続く社会経済システム全体にわたる急速な変化の中にございます。すべての面でこれまでの枠組みにとらわれることなく、新たな仕組みを考える改革の時代にあると認識いたしております。私は、その改革の基本に、例えば、地域のあり方について地域の構成員がみずから選択する、行政サービスの水準と税負担については住民が選択するといった自己責任の原則、言いかえれば自助・自立の精神が据えられる社会に向かうものと存じます。  そして、これまで専ら行政が担ってきた公益、公共という公の部分を、NPO・ボランティアなど、県民の皆様の自発的な参加で担っていこうという自助の仕組みが大きく育っていき、その分、行政はよりスリムになり、機能を特化して、質の高いサービスを提供していかなければならないものと考えております。また、所得、消費、資産を通じた抜本的な税体系の見直しを行う中で、分権時代における望ましい国と地方の役割分担と財政需要に応じた国税、都道府県税、市町村税の思い切った再整理や、新たな再配分のシステムを構築する必要があると考えております。固有の財源確保や地域の実情に応じた行政目的の実現などを図るため、地域の課税自主権の充実強化が必要と考えられておりますが、住民の方々に新たな負担をお願いする場合には、十分な理解が得られるものであることがその前提になるものと考えております。変革の先にある、県民の皆様が真の豊かさを実感しながら生活していただける社会の実現に向かって、新たな取り組みに果敢に挑戦する意気込みを持ち、みずから先頭に立って努力を重ねてまいりたいと考えております。  次に、平成十三年度当初予算編成に当たっての私の基本的な姿勢についてお尋ねがございました。平成十三年度当初予算は、昨年十一月、二〇一〇年の広島県の将来像を展望して策定した県政中期ビジョンの具体化を図る初年度の予算でございます。また、一方では、中期財政運営方針に基づく財政健全化計画の二年目に当たることから、財政構造改革を軌道に乗せていくための節目となる極めて重要な予算であると考えております。この命題にこたえ、活力と安心がある元気な広島県を実現することを基本として、当初予算の編成に当たりました。  具体的には、弾力的な財政構造の確立に向けて、中期財政運営方針に基づき、前年度を上回る人件費の抑制や単独公共事業の縮減に計画的に取り組むと同時に、事務事業について徹底した見直しを行い、財源不足額の圧縮と重点施策への財源確保を図ったところでございます。こうした見直しにより捻出した財源を、県政中期ビジョンを実現するための施策に重点配分いたしました。特に、本県産業を支えてきた製造業を中心に、産業再生のためのソフト事業や産業基盤整備の強化、地域特性を生かした新規成長産業の育成などの産業再生予算と、新たな教育県ひろしまの創造に向けて、学力の定着と向上対策、開かれた学校づくりを中心とした教育改革予算について、重点を置いて予算配分を行ったところでございます。また、現下の経済・雇用情勢を踏まえ、地域経済の自律的な回復を図るために、普通建設事業につきましては補助公共事業を中心に前年度並みの事業量を確保するとともに、中小企業金融対策の拡充や雇用対策事業などに取り組むことといたしております。平成十三年度当初予算に盛り込んだ施策を着実かつ計画的に推進し、県政中期ビジョンに描く「元気な広島県」の実現に向けて、全力で取り組んでまいる決意でございます。  次に、広域合併に対する私の考えについてお尋ねがございました。市町村合併は、地方分権の担い手にふさわしい市町村の行政体制を整備する上で避けて通れない課題であり、また、県の将来の発展方向を左右する極めて重要な問題でもあり、県としても積極的に取り組む必要があると考えております。このため、市町村はもとより、地域において幅広くその将来のあり方を検討していただくための指針として、合併パターンや県の支援策等を盛り込んだ合併推進要綱を策定したところでございます。この要綱をもとに、各市町村において本年度中に合併についての幅広い議論を開始し、平成十三年度中には基本的な方向を明らかにしていただくよう働きかけを行っているところであり、具体的な議論が各地域で行われるようになってまいりました。また、国においては、現在、住民投票制度に係る合併特例法の改正や、重点支援地域を指定する新たな合併推進指針の策定などが検討されております。県といたしましては、こうした動向もにらみながら、合併に向けての機運の醸成を初め、関係市町村の自主的な取り組みを積極的に支援してまいる所存でございます。今後、合併の進展状況によっては、合併効果を高めるためのより広域的な枠組みを検討していくことも重要な課題であると認識いたしております。また、県境を超える合併についても、関係市町村における議論を尊重しながら対応していきたいと考えております。  次に、道州制についてお尋ねがございました。地方自治の本旨は、住民みずからがみずからの地域のことを考え、みずからの力でおさめていくこと、地域のことは地方公共団体が自主性、主体性を持って、みずからの判断と責任のもとに、地域の実情に沿った行政を行っていくことであると考えております。このため、中央政府である国は、外交、防衛など国家の存立にかかわる政策を限定的に遂行し、住民や地域にかかわる施策は原則として地方公共団体が担っていく必要がございます。今後、地方分権の一層の進展や合併による市町村の規模拡大により、近い将来、都道府県と市町村のあり方や相互の関係など、地方自治制度の枠組みについて抜本的な見直しが必要になると認識いたしております。その際、基本的には、現行の都道府県が持つ機能や権限のうち、福祉やまちづくりなど住民に身近なものをできるだけ住民政府である市町村に移譲するとともに、都道府県合併を行い、道州制あるいは連邦制の導入により、広域的な自治体としての地域政府を整備していく、そして、この地域政府は、現在、国、すなわち中央政府が行っている公共事業や産業、運輸、交通政策などを含め、広域自治体としてふさわしい権限とその実行に必要な財源を有している、そのような姿をイメージいたしております。  最近、各方面で道州制や連邦制をめぐる議論が活発に行われており、中長期的に国を挙げて取り組むべき大きな課題であると考えております。このため、本県といたしましても、基礎的自治体である住民政府のあり方や広域自治体である地域政府のあり方、さらには中央政府との関係のあり方などについて、しっかりと研究してまいりたいと考えております。  次に、公務員制度改革の方向性についてお尋ねがございました。新しい世紀を迎えた今、社会経済情勢が著しい変化を続ける中で、地方分権の進展とも相まって行政需要はますます増大し、複雑・多様化いたしております。こうした中で、県民の負託にこたえて夢の持てる県政を推進するためには、新たな行政需要等に的確かつ機敏に対応できるスリムで効率的な組織を構築する必要がございます。また、何よりも県政を担う職員一人一人の意識改革が重要であり、全体の奉仕者であることを改めて自覚し、県民の視点に立った政策形成力や問題解決力を高めるとともに、柔軟な発想と困難な課題に果敢に挑戦していく姿勢が強く求められております。今後は、これまで以上にこうした問題意識を強く持って、行政サービスの一層の充実と組織の活性化や職員の士気の高揚につながる人事制度の改革を、強力に推進してまいります。  本年四月に予定しております、迅速な意思決定等をねらいとする本庁組織のフラット化や地域振興施策を総合的に推進するための地域事務所の設置などの抜本的な組織改革は、こうした取り組みの第一歩となるものと考えております。また、スピード、コスト、成果を重視する生産性の高い組織づくりとプロ意識やモラールの高い人づくりを目指して、若手職員の登用や専門職員の育成・活用など、職員のやる気を引き出す人事管理制度の整備を進めてまいります。あわせて、現在、国において検討されている公務員制度改革についても動向を注視し、適宜適切に対処してまいりたいと考えております。  次に、新たな人事政策への取り組みについてお尋ねがございました。職員の士気を高め、組織を活性化していくためには、職員一人一人に能力を開発する機会が与えられ、これを最大に発揮できる場が提供されること、組織目標を共有し、県政への参画意識を持って仕事に取り組めること、仕事の成果を適切に評価すること、それらが何よりも重要なことであると認識しており、本庁組織のフラット化もこうした観点を踏まえて実施するものでございます。人事政策面においては、より一層、職員の能力や意欲が引き出せるよう、組織再編の目標に適合した成果志向型の人事配置、職員の能力、実績、適性等を公正、客観的に評価できるシステムの整備、従来の年功序列的な運用から、より一層、能力、実績を重視した任用・給与制度への転換、女性職員の能力の積極的活用、専門性の向上を目指した計画的な人材の育成など、御指摘の点も踏まえて、新たな人事管理制度の構築に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、既存産業の再生策についてお尋ねがございました。県内企業を取り巻く環境は、国際競争の激化や景気の停滞などにより、依然として厳しい状況にあると認識いたしております。その中にあって、鉄鋼や化学、電気、機械などの企業に見られる生産施設の県内工場への集約化や、世界最適調達に対応した自動車部品の製造技術の高度化、さらに、環境ビジネスを初めとする新しい分野への進出など、国際競争力の強化と経営革新に向けた意欲的な取り組みも行われております。県といたしましては、これまで県経済の発展や雇用を支えてきた既存産業を活性化するため、このような産業界の取り組みを積極的に支援していく必要があると考えております。このため、ものづくり広島リノベーション事業を引き続き推進するとともに、緊急物流基盤等整備事業の創設などにより物流コストの低減につながる基盤づくりを進め、県内産業の国際競争力強化を支援してまいります。また、ものづくり技術の一層の高度化を図るため、自動車部品メーカーによる共同開発へ助成するほか、ものづくり技術のデジタル化によるIT化の推進などへの支援を行ってまいります。さらに、福祉や環境、IT関連などの新規成長分野において、既存の技術集積を生かした新製品の開発や事業化を進めるため、県内はもとより、国内外のリーディング企業が連携・協力した産業群の形成を目指してまいります。このような取り組みを通じて既存産業の国際競争力の強化や新分野への展開を促進し、本県産業の再生を図ってまいりたいと考えております。  次に、今後の企業誘致に対する取り組みと具体的な展開方策についてお尋ねがございました。企業立地の促進は、本県経済の発展を担う産業の集積や雇用の創出などにつながる重要な施策と考えており、最重点の課題として取り組んでおります。昨年来、民間の設備投資の意欲にも一部明るい兆しがあらわれており、こうした潮目を逃がさないため、企業立地促進優遇制度の拡充や全国に先駆けた事業用定期借地制度の導入など、新たな誘致促進策を打ち出したところでございます。今後も、成長が見込まれる情報通信や環境関連分野を初め、研究開発力のすぐれた海外企業などの集積を図るため、国内外の企業に対し積極的な誘致活動を展開してまいります。  新年度においては、私自身、引き続き先頭に立って有望企業のトップに働きかけるとともに、商社、金融機関など専門家の意見を踏まえた新たな立地促進策の検討や、県内企業と海外企業との提携などを目指した交流の仕組みづくり、さらに首都圏でのセールス活動を強化するための専任職員の配置など、新たな方策を講じるとともに、関係市町村と一層連携して強力な誘致活動を推進することといたしております。  また、企業誘致に当たっては、環境問題への対応を初め、道路、港湾、上下水道などのインフラや人材確保など、さまざまな課題に対処していく必要があり、県を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、環境局新設による環境問題への取り組みについてお尋ねがございました。環境問題は人類共通の課題であり、我々は恵み豊かな環境を守り、育て、将来の世代に引き継いでいく使命があると認識いたしております。そのためには、これまでの社会経済システムを根底から変え、循環型社会への一大転換を図る必要がございます。県政中期ビジョンにおきましても、環境への負荷が少なく、資源を有効に利用する循環型社会システムの構築と、瀬戸内海や中国山地など、貴重な環境資源の保全と活用を施策の柱に位置づけて重点的に取り組むことといたしております。来年度新たに設置する環境局は、これらの施策を総合的に推進するとともに、県民、事業者などの環境に対する意識の高まりが、環境の保全・創造に向けた具体的な行動につながっていくような仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、がん対策における緩和ケアの推進についてお尋ねがございました。県内における緩和ケアを推進する方策の一環として、平成十三年度から緩和ケア支援センター整備の検討に入ることといたしております。このセンターは、県民の皆様から強い要望のある緩和ケア病棟を有し、在宅と施設との一体的な緩和ケア体制を支援する中核施設として県立広島病院に整備するものでございます。具体的には、第一に、二十五床程度の専門病棟における緩和ケアの実践、第二に、在宅における緩和ケアが円滑に実施できる支援システムの開発と普及、第三に、県内で緩和ケアに従事する医師、看護職員、医療ソーシャルワーカーなど、専門スタッフの養成や実践的な研修、第四に、緩和ケアに関する最新情報の収集と県民や医療関係者への提供、第五に、緩和ケアに関する相談などの多元的な機能を持った施設にしたいと考えており、平成十六年度の開設を目指して準備を進めてまいります。  次に、本県教育の再生に向けた私の決意についてお尋ねがございました。新たな世紀を迎え、本県において活力ある産業の育成と豊かな県民生活を実現するためには、新しい時代や社会の変化に挑戦する心と力を備えた元気な人づくりが重要でございます。このため、昨年十一月に「元気な広島県」を目標にまとめました県政中期ビジョンにおきましても、新たな教育県ひろしまの創造を最も大きな柱の一つとしているところでございます。平成十年に国の是正指導を受けて以降の取り組みにより、本県の公教育の基盤づくりが整いつつある今が、教育改革を進める絶好の機会ととらえております。そのため、未来への先行投資として、ただいま提案させていただいております平成十三年度当初予算案におきましても、教育改革を最重点施策として位置づけ、関係予算を倍増させているところでございます。今後とも、県民の期待にこたえ、安心して子供を託せる教育を一日も早く実現し、内外から選ばれる広島県づくりを進めるためにも、二十一世紀を担う人づくりに向けて最大限の努力をしてまいる所存でございます。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 8 ◯議長(檜山俊宏君) 地域振興部長岩井猛彦君。        【地域振興部長岩井猛彦君登壇】 9 ◯地域振興部長(岩井猛彦君) 市町村への権限移譲と市町村の行政能力向上についてお答えいたします。  地方分権を推進するためには、合併などによる行政体制の整備にあわせて、権限移譲や職員の人材育成などを積極的に進めていくことが重要であると考えております。このため、県や市町村などで構成する研究会を設置し、権限移譲や人材育成を図るための具体的な方策について検討しているところでございます。権限移譲につきましては、分権時代における県と市町村の新たな役割分担のもとに、住民生活に密接に関連する行政サービスの提供やまちづくりなど、住民に身近な行政は市町村で完結して行えるよう、思い切った権限移譲を進めようと考えております。現在、こうした考えに基づき、具体的な移譲項目や移譲に伴って必要となる財源措置、人的支援策などについて整理しているところでございます。また、人材育成につきましては、市町村が共同して多様な人材の確保や交流の拡大、効果的な研修体制の確立などに総合的に取り組むことができるよう、新たな人材開発機構のあり方について構想を取りまとめているところであり、平成十三年度にはこの構想の具体化を図ってまいります。こうした取り組みを着実に進めることにより、基礎的地方公共団体、すなわち、住民政府である市町村の行政能力の向上が図られるよう支援してまいります。 10 ◯議長(檜山俊宏君) 総務企画部長渕上俊則君。        【総務企画部長渕上俊則君登壇】 11 ◯総務企画部長(渕上俊則君) 二点についてお答え申し上げます。  まず、新しい人事評価制度についてでございます。一職一級制や組織のフラット化など、新しい人事管理制度への転換と適切な運用を図りますため、平成十三年度からの実施を目途に、職員の能力、実績や適性、意欲などを公正、客観的に評価するシステムの整備に向けた検討を現在進めているところでございます。その検討方法といたしましては、現行の定期勤務評定制度の評定内容や評定基準を、公正性、透明性などの観点から抜本的に見直しを行うこと、一年間の業務目標やその達成度を自己申告、自己評価する目標管理制度や上司や部下との面接の実施など、近年、民間などで広く活用されております新しい手法も積極的に導入することなどでございます。人事評価制度につきましては、職員の正しい理解と信頼感の確保が必要不可欠であり、職員に制度の周知を十分行いますとともに、評価者の意識や評価技術の向上を目的とする研修の実施などにより、その円滑な導入と早期定着を図ってまいりたいと考えております。  次に、組織のフラット化に伴う諸課題についてでございます。来年度から実施いたします本庁組織のフラット化は、課長補佐などの中間職の廃止、小規模な室制への移行と施策のまとまりに応じた総室の設置などにより、意思決定の迅速化や専門性の向上を図るとともに、庁内組織の権限と責任を明確化し、職員の総戦力化を行おうとするものでございます。今回の再編はこれまでの仕事の進め方を大きく変革しようとするものであり、定着するまでには一定の時間を要するものと考えております。また、御指摘のような諸課題があることも認識いたしております。  まず、職員数の見直しについてでございますが、室の編成は時代の要請に対応し、毎年柔軟に見直していくべきものと考えており、フラット化による組織全体の生産性の向上や、毎年行います組織・事務事業の見直しなどを通じまして、職員数の削減を計画的かつ着実に実施してまいります。  次に、施策目的別に室を編成することにより、より縦割り的な面が強くなるのではないかという点につきましては、部局長会議などを活用し、部局横断的な政策課題に対する調整機能を強化すること、新たに設置する総室により室間の連携強化や他部局との調整を図ることなどにより、迅速かつ総合的な行政を推進し、県民サービスの向上に努めてまいります。  次に、職員の士気につきましては、これまで以上に職員一人一人が担当する業務の実質的な責任者として行政への参画意識を高めていくこと、各職員の能力と実績を適正に評価し、能力が発揮できる職へ任用することなどにより適切な処遇を確保していくこと、これらにより職員のやる気を喚起してまいります。  これらの諸課題を着実に解決しながら、本県の実情に合った組織のフラット化に取り組んでまいります。 12 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。        【教育長辰野裕一君登壇】 13 ◯教育長(辰野裕一君) 教育問題について、二点お答え申し上げます。  初めに、卒業式における国旗掲揚・国歌斉唱の実施見通しについてお尋ねがございました。本県におきましては、三年前に文部省の是正指導を受けて以来、県民の願いと信頼にこたえる公教育の基盤の確立のため、さまざまな取り組みを進めてまいりましたが、今春の卒業式、入学式における国旗・国歌の実施につきましては、今日における達成状況を示す一つのあかしとなるものととらえております。このことに関しましては、関係者の格段の取り組みにより、これまで一定の成果を上げてまいりましたが、国歌斉唱時に教職員が着席するなど、その内容面において、なお県民の信頼を損なうような状況も一部に見られました。このような状況を踏まえ、今春の卒業式、入学式においては、学習指導要領にのっとって子供たちに国旗・国歌の意義を理解し尊重する態度を養い、また、儀式的行事としてふさわしい式を実施するという趣旨がより明確となるよう、市町村教育委員会や学校長を指導しているところであります。  具体的には、昨年十二月に市町村教育長会議及び県立校長会議を臨時に開催し、国旗掲揚は正面掲揚が望ましいこと、国歌斉唱に際しては教職員は起立することなどを含め、その適正実施について改めて指導するとともに、教育長ホームページや広報紙「くりっぷ」などを通じ、これらについて周知を図ったところであります。とりわけ、昨年の入学式におきまして国歌斉唱が未実施であった府中市及び新市町については、これまで教育長及び校長ヒアリングを個別に繰り返し行い、それぞれの権限と責任において確実に実施するよう強く指導を行っているところであります。これらを通じ、全県的に国旗・国歌の適正実施が行われる状況にあるととらえておりますが、新世紀最初となる今春の卒業式、入学式が県下のすべての学校で学習指導要領にのっとって厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われ、県民の信頼にこたえるものとなるよう万全を期してまいりたいと存じます。  次に、新世紀の本県教育の目指す方向についてお尋ねがございました。新しい世紀の幕あけを迎え、国においては昨年十二月の教育改革国民会議の最終報告を踏まえ、本年を「教育新生元年」と位置づけ、「二十一世紀教育新生プラン」が公表されました。本県においては、県政中期ビジョン「ひろしま夢未来宣言」に掲げられた「新たな教育県ひろしまの創造」に向け、本年度から義務教育及び高校教育を一体とした教育改革に取り組んでいるところであります。これらを進めていくに際しては、御指摘のように、保護者・県民の公教育に対する期待や願いを真正面から受けとめ、その実現を期することが大切であると考えます。  このため、本県の教育改革については、県民の声を幅広くお聞きする中で、二十一世紀を担う人づくりに向けて、「確かな学力」、「豊かな心」、「信頼される学校」の三点を柱として、明確なビジョンのもとに県民の実感を伴うような改革を進めてまいりたいと存じます。とりわけ、御指摘のように、子供たちにしっかりとした学力を身につけることは、保護者・県民の公教育に対する最も切実な願いであるととらえております。そのため、義務教育段階においては、小学校一年生を対象とした少人数指導の実施を初め、学習の基礎となる読み・書き・計算の徹底を通して基礎・基本の定着を図ることに力を注ぐとともに、高等学校においては学力向上重点支援校を大幅に拡充するなど、県下全体での学力向上のための取り組みを積極的に支援していくことといたしております。  次に、豊かな心をはぐくむため、奉仕活動や自然体験など子供に感動を与える活動の一層の充実を図ることとしており、また、これらの体験活動により、集団生活の中で規律を身につけさせるとともに、たくましく生きる力の育成を図ってまいりたいと考えております。  また、信頼される学校づくりを推進するため、「学校へ行こう週間」の拡充、学校評議員の導入、学校の評価システムの確立などにより、開かれた学校づくりを進めてまいります。  また、教職員が一致協力し、児童生徒に対する適切かつ充実した指導ができるよう学校体制の確立を図るとともに、一人一人の教職員の資質や指導力の向上を図るため、研修体制の再構築に取り組むこととしております。
     さらに、県民参加による教育改革を進めるための一つの方策として、ひろしまこども夢財団に、新たに「広島県こども夢基金」を設置し、県民の皆様の幅広い御支援をいただきつつ、本県の将来を担う子供たちの健全な育成を期してまいりたいと存じます。  現在、本県の公教育の基盤づくりは、是正指導の取り組みなどを通して着実に進みつつあるものと考えておりますが、今後は、この基盤の上に各学校や一人一人の教職員が持てる力を伸び伸びと発揮するための環境づくりを進め、新たな教育県ひろしまの創造に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 14 ◯議長(檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。        午前十一時五十六分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午後二時二分開議 15 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十四名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。小島逸雄君。        【小島逸雄君登壇】 16 ◯小島逸雄君 私は、広島県議会県民連合を代表して、当面する幾つかの重要課題について藤田知事に質問いたします。役人が書いた優等生の答案よりも、知事の心がにじみ出た答弁を期待いたします。  さて、過ぎ去った二十世紀は、前半を国家間の対立と戦争の歴史で埋め、後半は人間社会にとってかつてない繁栄をもたらした百年だったと言えます。その繁栄はコンピューターに象徴される技術革新であり、コンピューターは当初、大量計算を目的として生まれたものですが、やがて情報処理システムという情報化時代への扉をあけました。今日ではインターネットに支えられた社会へと進化しています。今、そのインターネットが物すごい勢いで拡大しており、一人一人がパソコンを持つ時代へと移行しています。パソコンで互いにつながっていき、インターネットで世界のだれとでもダイレクトに情報をやり取りできる時代の到来は現実のものとなっています。政治も経済も社会も、そして個人も、世の中すべてを革命的に変える手段がITであり、そのIT革命の立役者はインターネットだと言えます。  インターネットに欠かせないのは光ファイバー網であり、光ファイバー通信は大量の情報を高速で送ることが可能とされています。もともとこの光ファイバー通信の発想は、ITの先進国であるアメリカではなく、また、ヨーロッパでもありません。ほかならぬ我が国が発祥の地であります。それは当時の電電公社が持っていたのです。ところが、当時、郵政省は電電公社と分離・分割問題で対立関係にあり、郵政省として、電電公社、後のNTT構想を国策にできない状況で、大きく欧米におくれをとったのが現実であります。九三年にアメリカがNII構想を発表して初めて、我が国は事の重大さに気がつき、慌てて日本版NIIと言われる高度情報通信基盤整備計画を発表した経緯があります。  こうして二十一世紀、日本の幕あけはIT革命のスタートと言えます。国は、アメリカ経済の成長を押し上げた原動力はIT関連であると認識し、そのアメリカを追い抜いて、我が国は世界一のIT国家を目指すこととしており、本県でも積極的な対応が必要であります。一方、インターネットを造作もなく巧みに操る若者もいれば、パソコンのキーすら触れたことのない、機械に一定の距離を置くお年寄りもいるなど県民はさまざまですが、IT社会はすべての人々を区別することなく一様にのみ込んでしまいます。  さて、そこで、IT社会の構築に向けた県行政の役割とはいかなるものと知事は認識されているのか、ITに抵抗を感じる人への対応も含めてお尋ねいたします。  いま一つ、具体的質問の前に、知事の御意思をぜひ伺っておきたいと思います。  藤田知事は、間もなく二期八年の任期の満了を迎えられようとしています。新年度予算編成に向けて新たな組織改革に精力的に着手されておりますが、二期八年を締めくくるものであるのか、それとも、さらに三期目の継続を展望した位置づけなのか、伺いたいのであります。あと九カ月の任期しか持たない藤田知事として、一年間の重要方針を定めるこの議会でこそ、県民に所信を示されるのが適当だと考えます。  さて、分権、地方の時代と言われながらも、県や市町村の予算編成は自主権が乏しく、国の方針や施策に大きく左右され、国の拘束や国の誘導支配が厳然として存在しています。地方は中央集権からいまだ解放されることなく、地方財政は危機的状況にあります。新年度の国の予算を決める第百五十一回通常国会は、スキャンダル国会と酷評されているごとく、依然として政・官・業のもたれ合い体質が改められることなく、KSD汚職事件、外務省機密費横領事件、法曹界の情報漏洩事件などを引き起こし、疑惑は日増しに深まり、その上、アメリカ原子力潜水艦による実習船「えひめ丸」衝突事故では首相の危機管理能力の欠如が問われ、さらにはゴルフ場会員権問題で公私のけじめのなさが露呈するなど、国民は、このようにとどまることを知らない数々のスキャンダルにふんまんやる方なく、政治不信は極度に高まり、国民の怒りは頂点に達していると思います。速やかに、しかも国民が納得する形で、全容の解明と的確な措置を県民とともに強く求めます。  さて、今、県政最大の課題である財政運営方針について質問します。国と地方を合わせた借金は平成十三年度末に六百六十六兆円に上り、日本列島が膨大な借金地獄の中で、広島県も二十一世紀最初の予算編成が行われました。県の平成十三年度一般会計の予算規模は約一兆一千四百億円で、構造的な財源不足の解消に向けて、内部努力、投資的経費の削減や施策の見直しなど、努力の跡がうかがえます。また、我が会派がその対応を強く求めておりました乳幼児医療費公費負担の年齢引き上げや介護サービスの充実へ向けた取り組み、緩和ケア支援センターの検討、さらには小・中・高での三十五人学級への足がかりとも言えるすべての小学校一年生を対象とした少人数授業の導入など、藤田知事が「元気再生予算」と名づけ、県民生活、県内経済、そして県行政の活力を取り戻して、元気な広島県を築いていこうとする知事の姿勢は高く評価されます。  しかし、財政状況に目を転じると、県債の大幅な増加や基金の取り崩しをもって収支のバランスを合わせるなど、極めて厳しい財政環境にあります。税収について見ると、昨年とことしは過去の高金利で預けられた郵便局の定額貯金が集中して満期となります。このため、預金者が納めた利子の五%に当たる県民税利子割が増収となり、当初予算ベースで比較すると平成十二年度が二百四十四億円、平成十三年度が三百十一億円と、通常の年度に比べ膨大な金額となっています。本来ならば、預金者が汗して預けた預貯金から生じた特別な収入であり、別枠としてこれまでの借金返済に充てることが至当と考えますが、実際には地方の収入となるというのは単なる形式的なものであって、それだけ国は交付税を減らすという今の仕組みの中では、結果として県の財布は潤わないのであります。このため、県民税利子割の増収があっても、平成十三年度末の県債残高、いわゆる県の借金額は年間の予算額を三千億円も上回る約一兆四千四百億円となっており、これは県民一人当たりにすれば五十万円の借金ということになります。  また、県債の大幅な増加の要因には、国の景気回復をかけたたび重なる大型経済対策のツケや、これまで地方の財源不足を交付税で穴埋めしていたものを、国は新しく臨時財政対策債なるものを制度化して、赤字地方債の発行に踏み切ったことが挙げられます。これは、地方分権の自己決定、自己責任に名をかりた国の赤字借金の押しつけとしか言えません。今回の国の地方財政対策は地方の借金の増加に拍車をかけるものであり、さらには、それが赤字地方債であることを考えると、今までとは違う心構えで県は財政運営を行う必要があるのではないでしょうか。また、地方分権の時代にあって自主・自立的な財政運営の確立を目指す観点から、赤字地方債の発行については、それが将来交付税の措置があるとしても、歳出を厳しく削減し、その発行を抑制していく努力をしていく必要があると考えます。今後の財政運営に臨む知事の基本的な考え方について御所見を伺います。  この際、情報公開について付言いたします。いよいよ国の情報公開法がこの四月一日から施行され、おくれていた日本の情報公開もやっと先進国の仲間入りをすることができるわけであります。どちらかといえば閉鎖的で秘密主義が横行すると言われる日本の政治や行政のあり方を変えるためには、情報の公開は不可欠と言わなければなりません。広島県においても平成二年から広島県公文書公開条例、いわゆる情報公開条例が施行され、今日までこれが実施されたことにより、県民の県政に対する理解と信頼は間違いなく深まったと言えます。  しかし、御承知のとおり、この条例の適用について、県議会と県警察については情報を公開しなくてもよいとされてきました。これは時代の流れにそぐわぬものであり、到底県民の理解を得ることはできないと思います。県民の県政への参加をより一層促進し、公平で開かれた県政を推進するためには、この二つの機関が一日も早く情報公開に踏み切ることが肝要であると考えます。このような情勢の中にあって、この二月定例県議会には県警察と公安委員会を情報公開の適用にすべく提案がなされていることは、まことに時宜を得た措置で、評価すべき決断だと思います。県議会も公開準備の努力のさなかではありますが、惜しむらくは、この際、おくれをとることなく情報公開に踏み切る決断ができなかったものか残念でなりません。県議会に籍を置く者の一人として、自戒を込めて、県議会の情報公開実施のために、引き続き最善の努力をすることを表明しておきたいと思います。  次は、教育問題について質問いたします。毎日の新聞、テレビを見るたびに子供たちの現実に暗たんたる思いを抱き、その将来を憂うのは私だけではないと思います。愛知での中学生五千四百万円恐喝事件、新潟での十年間余にわたる少女誘拐監禁事件、佐賀と愛知での十七歳の少年によるバスジャックと主婦殺害事件など、心が痛む恐怖の事件が相次いでいます。これは二十世紀を通じて蓄積されてきた、子育ての矛盾と社会のひずみが一気に噴き出したものだと考えます。私たちの周りには、いつでもどこでも恐怖の問題行動が引き起こされる可能性があります。広島の子供たちを取り巻く問題も、不登校、いじめ、暴力、学級崩壊、少年犯罪の続発などで深刻化しています。しかも、子供の成長の危機は個々の家庭の問題を超えて、学校、地域を問わずすべての分野でその成長を阻害する要因が根を張り、一方では消費を刺激する退廃商品が洪水のように開発・販売され、社会的モラルを著しく破綻させています。このような子供の現実を見るとき、今、大人社会にとって最大の課題は、このゆがんだ子供たちの成長の現実を直視することだと思います。さらに、この子供たちの危機的な非人間的成長の根本原因を責任転嫁するのではなく、冷静に見きわめることにあると考えます。  今、子供たちは、家でも学校でも地域においても孤立したひとりぼっちの存在となっています。楽しいはずの学校では激しい受験戦争によって友を失い、人として学ぶ喜びは失われています。家庭では家族という人間のぬくもりや助け合いの心が果たして培われているでしょうか。親子、兄弟の間では対話、くつろぎもゆとりも、喜びも悲しみも分かち合うことが少なくなっております。地域では、言葉を交わし合う場も機会もほとんど見られません。このように人が人として育つための対話、ふれあい、労働、ゆとりなど人間として成長の機会が失われ、子供たちは人間性の枯れた教育砂漠の中に、ひとりぼっちで寂しく立ちすくんでいるのではないでしょうか。すばらしい人間の価値を花開かせるために、限りなく多くの可能性を持つ子供たちが、人として育つことの感動を日々共有し得る条件と環境をどうつくるのか、子供を守り育てる県民運動を提唱したいと考えます。  そこで、具体的問題について質問します。  第一に、二十一世紀を開く子育てシステムづくりについてであります。一九八九年、「こどもの権利条約」が国連で採択され、国際的な提言がなされたところでございますが、今まで述べてきたような子育ての矛盾に対して市民共同の力で対処し、子育て相談事業、児童虐待防止、遊び場づくり、文化活動などを進める子育てサークルやネットワークづくりなどの子育てシステムづくりが先進地では始まっております。これは子供の人としての権利を守り、実現するための公的責任を明らかにし、市民的立場からも子育てシステムの展望を開こうとする活動です。川崎市において子供の権利に関する条例が昨年制定されました。国際的視野に立った理念と今日の子供の成長阻害を克服しようとする歴史的な条例制定だと言えます。本県における新しい時代を開く子育てシステムづくりについて、知事の御見解を伺います。  第二に、本県教育の再生のために対話と協調体制をどうつくるのか、教育長にお伺いします。新時代に向けて熱い教育論争は避けて通れませんが、広島県教育をめぐる鋭い対立は県民のひんしゅくを招いていると言えます。教育関係団体との敵対的、感情的せめぎ合いは、教育にとって百害あって一利なしと言わざるを得ません。いつの場合でも責任の転嫁や対立と憎悪に終始するのではなく、学校現場、行政が、それぞれ冷静に批判や意見を受けとめ合い、壮大な教育再生に向けて子供たちの危機的実態を克服する英知と努力を重ねなければなりません。そのため、本県教育に見られる対立と不信を克服して、対話と協調の時代をつくることこそが本県にとって喫緊の課題と言えます。教育長は当事者としてその努力が求められていますが、教育長の決意のほどをお尋ねします。  第三点は、今日まで県教育委員会は、学校長を中心とした学校経営と体制づくりに力を入れてこられました。校長は、教育専門職の教育実践リーダーとして教育的識見が高く、学校の中心的存在としての人格の持ち主であることを視点に人選してこられたと思います。ところが、このほど突如として、経済界の推薦者数名を校長として登用する方針を打ち出されました。教育的理念や教育的道筋が全く見えてきません。教育現場では大きな拒絶反応が起きており、教育の情熱を損ねかねない懸念が強く見られます。経済界から登用する校長は、果たして学校経営の教育実践のリーダーとして、教職員の信任と信頼をつなぎとめられるのか、すぐれた企業のリーダーであったとしても、それが直ちに教育専門組織の中心者たり得るのか、また、任用・採用の手続を具体的にどのように行われようとしているのか、教育長の御答弁を求めます。  次に、平和行政について質問いたします。二十一世紀、私たちは二十世紀の深い反省に立って、核も戦争もない地球社会を構築しなければなりません。とりわけ、人類史上最初の原爆の犠牲となった被爆県広島の責任は重いと考えます。私も、一人の生き残った被爆者として責任の一端を担っています。御承知のように、二十世紀最後の年、二〇〇〇年には、二十世紀から二十一世紀への希望をつなぐために、核廃絶に向けての多様な行動が国際的に行われました。ハーグにおけるNGO軍縮会議においては、核を初めとする軍縮を世界に呼びかけ、憲法第九条の宣言を普遍化することを決議しました。また、国連総会においては核兵器廃絶の努力を約束するなど、核廃絶の世論の高まりを見せてまいりましたが、結局は二十世紀で核を廃絶するに至らず、二十一世紀に課題を残したことは、まことに遺憾であります。被爆県として二十一世紀、核廃絶に向けて、いかなる具体的な行動を展開されようとしているのか、知事の決意についてお伺いします。  今、広島県内では、本県の「核兵器廃絶に関する広島県宣言」を初め、八十六市町村が二〇〇〇年までにこぞって、いわゆる非核自治体宣言を行っています。被爆県広島にふさわしい行動であると評価するものであります。ところで、この非核自治体宣言をただの宣言に終わらせないために、地域住民の非核意識の啓発活動、戦争被爆体験の継承や被爆資料の集積活動、被爆建物や戦争遺跡の保存、諸外国との自治体友好提携の推進など、独創的な行動を全国に先駆けて進めることが被爆県として求められていますが、いかがでしょうか、知事の御見解を伺います。  また、自治体の平和行政に活力をもたらすために、県と市町村が一堂に会して広島県平和会議を開いてはどうかと考えますが、知事、いかがでしょうか。  次に、安芸郡蒲刈町では、英語学習のために中学生をイギリスへ一カ月間留学させ、語学力の向上のみならず国際理解を深める上でも大きな効果を上げていると聞いております。国際平和に貢献する児童生徒を育てていくためには、このように国際理解の教育の機会を積極的につくることが極めて有益であり、こうした事業を県は積極的に進めていくべきだと思いますが、教育長の御見解を伺います。  次は、環境問題について質問します。環境問題とは、身近な家庭のごみに始まり、公害問題、そして地球温暖化、オゾン層の破壊と地球規模の問題まで、人間を初め、あらゆる生物に大きな影響を与えるものであります。自然界は本来、復元能力を有しているものと言われ、人々が資源を採取し、日常生活や事業活動を営み、不用物を排出しても、それが環境の復元能力、自然界の環境機能の範囲であれば、生態系は壊れることなく良好な環境が保たれるとされています。  ところが、今日の経済活動が資源環境の配慮に欠けた大量生産、大量消費、大量廃棄と、余りにも利潤追求の生産と消費の拡大に走り、経済発展と利便性の追求を優先させたため、有害な化学物質や汚染物質の大量のはんらんを招き、さまざまな環境問題を起こしていると言えます。国は遅まきながら、環境に配慮した対応に踏み出しています。環境基本法の制定を初め、循環型社会形成推進基本法や各種リサイクル法の制定などの法律整備や、省庁再編ではこれまでの環境庁から環境省への昇格などの措置がなされています。それに引きかえ、環境省関係の予算が旧態依然の状態に据え置かれていることには理解できません。これでは、新しい世紀が環境の時代であるという認識にはほど遠いと言わざるを得ません。金に余裕があれば環境関連の予算をつけるが、金に余裕がないときには、まず環境とか文化関係の予算を削るのが予算編成の常套手段と非難されても、反論の余地はないと思います。  そこで、お尋ねします。その一つは、採石場跡地の緑化整備についてであります。現在、広島県は県内八十八カ所に約三百万平方メートルに及ぶ広範な掘削面積の採石認可をいたしております。広島県採石法施行事務取扱要領では、採掘終了時には採石場の緑化整備を求めておりますが、残念ながら守られていない場所があります。先般、私たち県民連合議員会は、河原会長を初め、全員が蒲刈町周辺を現地調査いたしたところ、かつては美しい緑の山々であったものが、今では跡形もなく無残に緑がはぎ取られ、風光明媚な瀬戸内海の景観は著しく損なわれていると言わざるを得ません。現在、むき出しのままとなったがけ地を含めて、業者によって採掘中でありますが、早い時期の緑化整備は望めない現状にあり、地元の町長も緑化を強く求めております。そこで、この採石場における環境破壊の早急な改善について知事の御見解をお尋ねいたします。  環境改善のその二は、人工干潟についてお尋ねいたします。広島港五日市地区に港湾整備事業として百五十四ヘクタール、四十七万坪の土地造成を行い、広島港の新流通拠点としての整備が進められているところであります。この埋立地に隣接する八幡川河口は古くから良好な干潟として知られ、広島県でも有数の水鳥の飛来地となっていました。そこで、港湾整備事業によって消滅する自然を単に回復させるだけではなく、二十一世紀を見据えた環境づくりを目的に、飛来してくる鳥類のためにより豊かな自然を創造しようと、四十二億円の大金を投じて二十四ヘクタール、七万坪の人工干潟が平成二年末に完成しているわけであります。人工干潟造成後、ごくわずかな期間でカニやゴカイやアサリなど干潟の生物が回復し、造成の一年後には、早くも造成前を上回る鳥類が飛来し、多くの人々の心にも安らぎを与えてくれていました。言うまでもなく、干潟は野鳥の楽園だけではなく、赤潮など海の汚染を防ぎ、水を浄化するすぐれた能力を持ち合わせており、瀬戸内に生きるものにとってかけがえのないものであります。  ところが、この人工干潟のほとんどの砂が、時を経ずして海中に沈んでしまっています。干潟全体が地盤沈下を起こし、部分的には最大で二メートル六十センチに及び、干潮時には露出する部分が約八ヘクタールあった干潟は、現在、その半分以下になっているわけでございます。最善の工法だと信じ、事業の実施がなされたはずなのに、わずかな期間で施策の効力を失ったことについては、何らの反省もなく、疑問にたえないところであります。この件のみならず、常に一つ一つの事業の効果を的確に把握し、責任の所在を明らかにする県政の姿勢を強く求めます。干潟は生物にとって、まさに命の源とも言えます。失われた人工干潟の早期の修復が待たれるところですが、どのように対処されるのか、知事の見解をお尋ねします。  質問の最後は、県の組織再編についてであります。組織・機構は、予算や人事と相まって、政策遂行の最も重要な手段の一つであります。その設置目的は、知事が調整し議会が議決した政策を効果的に実施するための手段とも言えます。部の設置などは議会の議決要件ですが、それ以外の事項は、基本的には知事の裁量権の範疇であり、知事が円滑な施策の展開を図るべきものであります。以上の認識に立ちながらも、組織再編が県政遂行に重大な役割と影響を与えるだけに、私見を交えながら知事の真意を伺いたいと思います。  今日、社会経済情勢は急速に変化しています。国は一府二十二省庁から一府十二省庁へと省庁再編を行い、二十一世紀をスタートしています。県行政も時代の変化に対応して変わっていくのは当然のことと認識しており、今回の改革のねらいについては基本的には理解できますし、改革しようとする知事の姿勢も評価したいと考えます。ただし、組織の改正、再編成の前提は、何はさておき、職員にやる気を起こさせるものでなければなりません。  まず一つには、施策の遂行を円滑かつ効率的に行うという視点が必要であると考えます。行政ニーズに素早く対応するために意思決定の手順を簡素化していくという側面から見れば、中間職を廃止するという今回の本庁組織のフラット化は有効と思いますが、同時に、複雑・多様化する行政ニーズに対応するためには、いわゆる縦割り行政の弊害もあわせて解消していかなければならないと考えます。今回の再編案では、これまでの課を細分化することになっており、いわば縦糸がふえる形になっていますが、同時に横糸を充実させる必要があります。部局を超えた横断組織、いわゆるマトリックス組織を、これまでのような形式的なものではなく実質的なものとするなど、縦割り行政の弊害を排除しなければならないと考えますが、いかがですか。  第二点は、組織は簡素でわかりやすいものであることが重要な要件であります。今回の本庁組織再編案は、これまでの部・課・係を基本単位とする組織から、長年、親しみ呼ばれ続けてきました課・係制度を廃止して、部・総室・室・グループを単位とする新たな組織へ移行する全面的な改正となっています。とりわけ、室の数はこれまでの課に比較して大幅に増加しています。室の業務を明確にし、市町村やその関係団体、県民にわかりやすい業務執行が行われなければなりません。また、組織の名称も簡素でわかりやすいものを工夫すべきと考えますが、いかがですか。  三つ目には、組織の再編は地方分権の推進と整合性のあるものでなければなりません。合併特例法の改正に基づき、市町村の合併はさまざまな動きを見せています。四年後の特例法期間終了後は、現在の八十六市町村も大きくさま変わりしているのではないかと思われます。住民に身近な行政が住民に最も身近な市町村で行われる状況が、確実に到来するのは間違いありません。地方分権が進めば県と市町村の行政の守備範囲も変わり、市町村の体制は充実強化され、その分だけ県はスリムになっていかなくてはならないと思います。特に、県の地方機関の業務の多くが市町村に移譲・移管されると考えられますが、このような点を、今回の再編・見直しではどのように反映させていこうとしているのか、伺います。  その四つ目は、職員の育成と適正な人事管理についてであります。組織の改革を実のあるものとするためには、職員の意識改革、人材育成が必須条件であると考えます。単に総室長、室長のポストがふえ、だれでも簡単に年功序列でポストにつける、また、人材不足のときには安易に天下りに依存するといったのでは改革とは言えません。今回の改革がこれまでの人事の反省に立って、一職一級制と組織のフラット化を柱とする改革であるとすれば、職員の情熱、職員のやる気を引き出し、県政の推進力としての存在感と責任感が強く求められていると言えます。地方公共団体にとって激動の時代であるだけに、今後の広島県の発展を担う政策を企画・立案し、実行していく組織の責任者を自前で養成していくことが問われている時代と言えます。他力本願の天下り人事から、自分の県で生み育てることを優先する人事への移行が求められています。二十一世紀のスタートに当たって、人事に臨む知事の基本姿勢と組織再編に対応した人材育成をどのように考えているのか、あわせて明らかにされたいと思います。  以上で質問を終わりますが、最後に一言述べさせていただきます。一九六七年、三十四年前に、私はアメリカ国務省の招きでアメリカを訪れましたが、そのとき、マイアミで当時のジョンソン大統領にお会いしました。その席でジョンソン大統領は、責任ということの大切さについて、ことわざを引用して話をされました。それは「エブリバディーズビジネス・イズ・ノーバディーズビジネス」という内容で、それは、仕事の責任がはっきりしないと、だれかがやるだろうと考えて、結果、だれもやらないことになる、言いかえれば、連帯責任は無責任という意味であります。二十一世紀は一人一人が責任を持つ時代であり、一人一人に責任を持たせる時代でもあると思います。せっかくの組織再編、県民に責任を持ってこたえる県組織になることを心から期待して、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 17 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。        【知事藤田雄山君登壇】 18 ◯知事(藤田雄山君) 小島議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、IT社会構築に向けた県行政の役割についてお尋ねがございました。高度情報化の推進に当たりましては、県・市町村・民間事業者等が、それぞれの役割を分担しながら一体となって取り組むことが重要でございます。県の役割といたしましては、県民生活のさまざまな分野でITの活用促進が図られるよう地域間の情報格差を是正するとともに、県民の皆さんのIT活用環境の整備や電子県庁の構築等により行政サービスの向上を進めるなど、IT施策を重点的、総合的に展開することであると認識いたしております。高齢者などITに抵抗感のある県民の皆様への対応につきましても、本人の希望に応じて受講できるIT基礎技能の講習会を実施するとともに、簡単な操作で利用できるバリアフリー機能を持つ公衆端末システムの検討など、活用環境の整備に努めているところでございます。今後とも、ITの飛躍的な発展に対応して、IT施策を迅速かつ的確に展開し、県民の皆様がITの恩恵を最大限に享受できる高度情報化社会の実現に向けて、全力を挙げて取り組んでまいります。  次に、この秋に私の二期目の任期を迎えるということで、県政に対する所信についてお尋ねがございました。今日、県行政を取り巻く環境は厳しく、また、大きくかつ急速に変化いたしております。このため、新たな活力のある広島県づくりに早急に取り組むべく、県政中期ビジョンの策定や組織改革を実行してまいりました。このビジョンを実現するための施策を盛り込んだ予算案を提出し、ただいま御審議をいただいているところでございます。現時点におきましては、予算案の御議決をいただき、広島県の元気再生のために、迅速かつ適切に執行していくことが私の責務であると考えております。何とぞ御理解を賜りたいと存じます。  次に、財政運営の基本的な考え方についてお尋ねがございました。本県の財政状況は、県税収入の低迷や公債費の急増などにより、抜本的な財政構造改革に取り組まなければ、毎年度多額の財源不足が構造的に発生する状況にございます。このため、平成十三年度当初予算編成に当たっては、まず本県が抱える構造的な財源不足を早期に解消するために、可能な限り財源不足額の圧縮に努めること、さらに、限られた財源の中で活力と安心がある元気な広島県を実現するために、必要な施策に重点配分を行うことを基本として予算編成に取り組んだところでございます。この結果、財源不足額を平成十二年度の四百五十五億円から三百九十八億円に圧縮するとともに、施策の重点化により、産業再生や教育改革を初めとする県政の重要課題に対応するための施策に一定の方向づけができたものと考えております。  一方、平成十三年度の地方財政対策で、財源不足の補てん措置として新たに臨時財政対策債が創設されたこともあり、県債の発行額は前年度に比べ一四・一%増加いたしました。臨時財政対策債は、地方交付税特別会計の借り入れによる地方交付税の増額措置にかえて、国の一般会計からの繰り入れと地方団体の赤字地方債の発行による方式に見直されたことに伴い創設されたものであります。国、地方を通ずる厳しい財政状況のもとではやむを得ないものと考えておりますが、今後、国から地方への抜本的な税財源移譲が必要であると考えております。平成十三年度末の県債残高は一兆四千億円を上回る見込みであり、今後の財政運営に当たっては、内部努力の徹底や施策の見直しなど、県みずからの財政健全化策を着実に進め、財源不足額の圧縮に取り組む中で県債発行の抑制に努め、弾力的な財政構造を確立してまいりたいと考えております。  次に、子育てシステムづくりについてお尋ねがございました。子供が夢を持ち、子育てに夢が持てる社会づくりを基本理念として、昨年四月に策定した「こども夢プラン21」に基づき、子供の個性や権利が尊重され、健やかに育つことのできる環境づくりを総合的に推進しているところでございます。とりわけ、来年度は保育所などを活用して、子育て家庭へ情報提供や相談・指導などを行う地域子育て支援センターの拡充を図るほか、ひろしまこども夢財団を通じて子育てサークルの育成や支援にも引き続き取り組むことといたしております。また、社会問題となっております児童虐待などへの対策を強化するとともに、子供と家庭に関する総合的かつ専門的な相談や支援を行うため、中央児童相談所等の機能を統合する児童家庭相談支援センターのあり方についても検討することといたしております。今後とも、市町村など関係機関と連携しながら、二十一世紀を担う子供たちを、家庭のみではなく社会全体で育てていくためのシステムづくりに努めてまいります。  次に、核廃絶に向けた具体的行動についてお尋ねがございました。人類史上最初の原子爆弾による惨禍を経験した本県が、核兵器の廃絶に向けて果たす役割は非常に大きなものがあると考えております。核兵器の廃絶を希求する国際世論や県民の願いに反して、今もなお核兵器廃絶は達成されておらず、二十一世紀の課題として残らざるを得なかったことは、私もまことに残念に思っております。この二十一世紀が核兵器のない平和な世紀となるよう、引き続き、核実験や臨界前核実験に対する厳重な抗議や、国連や核兵器保有国に対して核軍縮への一層の努力を要請するなどの取り組みを行ってまいりたいと考えております。  次に、組織再編と地方分権の推進についてお尋ねがございました。分権型社会の実現に向けた改革が本格化する中で、住民政府である市町村においては高度化、広域化する住民ニーズに的確に対応するため、行政体制の整備が急務となっております。このため、このたびの組織再編に当たり、本庁については市町村分権総室を設置し、市町村分権システム推進計画や合併推進要綱に基づき、市町村合併や広域行政を推進することといたしております。また、地域事務所においては、各行政分野の所管区域を広域行政圏と一致させる形で整合を図り、分権の担い手である市町村の取り組みを総合的に支援する体制を整えてまいります。こうした取り組みの中で、今後、市町村合併や市町村への権限移譲が進展し、県と市町村の役割分担も変わってくるものと考えており、その状況に応じて、さらに地方機関のあり方などの検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、職員の育成と人事管理についてお尋ねがございました。来年度からスタートさせる本庁の新たな組織においては、職員の担当業務にかかわる責任の範囲が明確化され、これまで以上に職員の政策形成能力や課題処理能力の向上が求められることになると考えております。また、室・総室の責任者には、室員を適切にリードする指導力、統率力や、みずから課題に取り組む積極的な行動力と責任感が強く求められるものと考えております。こうした観点から、適材適所を基本に、意欲と行動力のある若手職員や女性職員の登用も積極的に行い、新しい時代にふさわしい活力にあふれた県政の運営体制の整備に努めるとともに、柔軟な発想を持ち、困難な課題に果敢に挑戦していく人材の育成に努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 19 ◯議長(檜山俊宏君) 総務企画部長渕上俊則君。        【総務企画部長渕上俊則君登壇】 20 ◯総務企画部長(渕上俊則君) 三点についてお答えいたします。  まず、平和行政の推進についてでございます。県といたしましては、「核兵器廃絶広島県宣言」を基本として、核兵器の廃絶と世界の恒久平和の実現を、さまざまな機会を通じて国の内外に訴えてまいりました。このほか、国際社会の平和・安定のためには、積極的に平和をつくり出していく、いわゆるつくり出す平和への取り組みが重要であると考えております。こうした観点から、ひろしま国際プラザを核として開発途上国の人づくりへの貢献を行っておりますほか、新たに国連機関である国連訓練調査研究所・ユニタールとの連携により、アジア・太平洋地域の平和、社会開発を促進するための研修プログラムを実施するなど、広島からの平和の発信、創出につながる取り組みを積極的に進めてまいる考えでございます。  また、広島県平和会議の御提案がございましたが、平和行政の推進につきましては、各自治体においてさまざまな意見や取り組みの経緯がございますことから、それぞれの特色を生かしながら取り組むことが望ましいのではないかと考えております。  次に、組織再編に伴う縦割り行政の弊害排除などについてでございます。今回の組織のフラット化に当たりましては、業務目的の類似性や共通性に基づき、複数の室をまとめた総室を置き、総室内の横の連携を図ることなどにより、関連施策を迅速かつ効果的に実施してまいります。また、部局横断的な政策課題につきましては、関係部局長で構成いたします推進本部やマトリックス組織などを適切に活用し、施策の総合調整や事業の推進を図ってまいりたいと考えております。  次に、簡素でわかりやすい組織についてでございます。新しい室につきましては、組織目的を明確にいたしますとともに、担当する業務内容などについて各種広報やホームページなどを積極的に活用し、県民の皆様方や市町村に十分周知してまいります。また、室の名称につきましても、室の業務内容を的確に表現したわかりやすい簡素な名称となるよう工夫してまいりたいと考えております。 21 ◯議長(檜山俊宏君) 土木建築部長渡辺孝則君。        【土木建築部長渡辺孝則君登壇】 22 ◯土木建築部長(渡辺孝則君) 採石場の緑化整備についてお答えいたします。  採石跡地の整備につきましては、広島県採石法施行事務取扱要領に基づき、採石認可に当たり跡地整備や緑化の方法などの計画書の提出を求めるとともに、跡地整備が適正に行われるよう指導に努めているところでございます。蒲刈町にある採石場のがけ地修復と修景緑化につきましては、採石業者が順次、階段状に掘削して修復する計画を、現在、蒲刈町を含めた関係者で協議しております。県としましては、この計画を早急に策定させ、がけ地修復に着手できるよう指導してまいります。また、県内の採石場における跡地整備を一層実効あるものにするため、指導・監督の充実強化や、採石業者みずからが跡地対策に要する費用を基金として積み立てる制度の創設などを内容とする取扱要領の見直しにも着手しております。これらの対策を通じて、蒲刈町にある採石場のがけ地修復と修景緑化を図り、瀬戸内海の自然環境や景観保全に努めてまいります。 23 ◯議長(檜山俊宏君) 空港港湾局長藤田郁夫君。        【空港港湾局長藤田郁夫君登壇】 24 ◯空港港湾局長(藤田郁夫君) 広島港五日市地区の人工干潟についてお答えいたします。  人工干潟のございます八幡川河口部の土質は軟弱地盤でございます。そのため、計画時点で、地盤改良で早期に沈下を終息させる工法と、地盤改良をせずに自然沈下させる工法を比較検討いたしております。その結果、自然沈下させる工法は、竣工後ある程度の沈下を許容すれば、補充のための盛土工事を実施してもトータルの費用面ですぐれていると判断いたしました。平成二年度の竣工後、時の経過とともに沈下による干潟の減少が生じてまいりましたので、平成八年度に試験的に部分盛土を行い、盛土材料、生物の生息環境などの調査や工事手法等の検討を行ってきたところでございます。これを踏まえまして、本年度、実施設計を行い、平成十三年度から国の補助事業を活用し、盛土工事に着手したいと考えております。実施に当たりましては、現在、生息しております生物等への影響も勘案し、段階的に施工していくのが適当と考え、三年後の完成を目指しているところでございます。今後とも、地球環境における干潟の重要性や五日市人工干潟に寄せられます地域の期待等を踏まえまして、干潟の状況把握に努めるなど適切に対処してまいります。 25 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。        【教育長辰野裕一君登壇】 26 ◯教育長(辰野裕一君) 教育問題について、三点お答え申し上げます。  初めに、教育再生のための対話と協調についてお尋ねがございました。教育行政を進めるに当たって、保護者や地域住民の方々を初め、広く教育関係者や教育関係団体から、さまざまな御意見や御提言をいただくことは極めて意義あることであり、御指摘のように、建設的な対話や協調は信頼される学校づくりを進める上からも大切なことと考えております。その一つとして、平成十年度から教育長ホームページを開設し、教育行政の情報を提供するとともに、教育に関し広く県民や関係者の方々から御意見や御提言をいただく場を提供し、これを通じ活発な議論が行われるようになってきているところです。  教育関係団体について御指摘がありましたが、各団体はそれぞれに、設立ないし結成の趣旨や目的を有しており、また、それぞれにさまざまな考え方や御意見等を有していようかと存じます。もとより、県教育委員会は法令にのっとった公正・中立な教育行政を進める立場にあり、教育関係団体のうち特定の団体とことさらに対立したり、あるいは癒着したりすることなく、事柄や状況に応じ適切に対応していくことが重要と考えており、今後とも、幅広く教育に関する御意見や御提言をいただきつつ、県民に信頼される公教育の確立に努めてまいりたいと存じます。  次に、経済界からの校長登用についてお尋ねがございました。校長には、教育に関する理念や識見を有し、地域や学校の状況、課題を的確に把握するとともに、責任あるリーダーシップを発揮し、職員の意欲を引き出し、組織的、機動的な学校運営を行うことができる幅広い資質が求められます。このような観点から、特に、組織運営に関する経験、力量という点に着目し、地域や学校の実情に応じ広く人材を確保できるよう、国において平成十二年度より教員免許を有しなくとも校長としての任用が可能となるよう制度改正が行われたところであります。  県教育委員会としては、この新たな制度を活用し、民間で培われた幅広い社会経験や人間理解、マネジメントやリーダーシップの力を備えた人材を学校現場に迎えることにより、学校経営に新しい発想や組織運営の方法を生かし、学校の活力を高めるとともに、一人一人の教職員の力を十分に発揮させ、教育の専門機関としての学校の総合力を発揮するようにしていくことを期待しているところでございます。現在、地元企業等から校長候補者の推薦をいただき適任者の選考を進めているところであり、本年四月からの任用に向けて、今後、教育委員会会議に諮り、決定していきたいと考えております。  最後に、国際理解を深める教育等の推進についてお尋ねがございました。国際化がますます進展する中、次代を担う子供たちに国際交流や海外での生活を体験させることは、広い視野から国際理解を深め、国際社会に生きる日本人としての自覚を高めるとともに、国際協調の精神を養う上で非常に有意義なことと考えております。県内における国際化の取り組みについては、御指摘のように、現在、蒲刈町を初め、県内約四十市町村で国際社会を担う人材の育成を目指し、小・中・高校生を海外に派遣し、交流活動や英語学習、ホームステイなどさまざまな事業が実施されているところです。また、近年、海外への修学旅行も増加しており、平成十二年度におきましては二十一校が実施しております。さらに、外国青年語学指導者を活用しての英語学習や交流活動の実施、新たに設けられます総合的な学習の時間の中での留学生との交流、インターネットを活用しての海外の学校との日常的な国際交流など、国際理解を深めるさまざまな取り組みが進められているところであります。  本県においては、現在、県政中期ビジョンに基づき、二十一世紀の国際社会に通用する魅力と活力ある広島県づくりのため、新年度に向けて新たな国際化推進プランの策定を進めているところであります。今後、このプランに基づき、各学校での国際理解を深める取り組みを一層充実していくとともに、小学生が地域の外国人と触れ合ったり、外国語学習を地域で進める子供外国語学習の推進事業への支援など、地域において児童生徒が積極的に国際交流活動へ参加できるような環境づくりに努めてまいりたいと存じます。 27 ◯議長(檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。        午後三時六分散会 広島県議会...