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  1. 広島県議会 2000-06-03
    平成12年6月定例会(第3日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    2000年06月28日:平成12年6月定例会(第3日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1        午前十時三十四分開議 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十五名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。        【「異議なし」と言う者あり】 2 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。        【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        自第  一 県第六〇号議案        至第二十七 報 第 一 六 号 3 ◯議長(檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第六〇号議案 過疎地域自立促進特別措置法に規定する過疎地域における県税の課税免除に関する条例案から日程第二十七、報第一六号 平成十一年度広島県水道用水供給事業会計予算繰越計算書までの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。中田 選君。        【中田 選君登壇】 4 ◯中田 選君 質問に入ります前に、先日御逝去なさいました新田俊哉議員に対しまして、重ねて、心からの哀悼の意を表させていただきたいと思います。  また、このたび行われました衆議院総選挙におきまして、県民の多くの皆様から、公明党に対しまして御支援、御声援をいただきまして、心から感謝申し上げますとともに、その御期待にこたえるため、今まで以上に、庶民の党・公明党、大衆の党・公明党として、頑張らせていただくことを重ねてお誓い申し上げまして、質問に入らせていただきたいと思います。  本県は、今、重く、しかし、解決していかなければならない多くの課題を抱えております。県経済の本格的な回復、少子・高齢化の問題、地方分権時代にふさわしい地方自治体のあり方、情報通信の発展がもたらす影響、それは地域経済、福祉、医療などさまざまな分野でありますけれども、総体として、いかに県民生活の向上に結びつけるか、環境問題における循環型社会の確立等々であります。こうした諸課題に立ち向かっていくに当たってのキーワードは、私は、民衆だと思います。国民、県民が、どう自分の問題として理解し、政治や行政に携わる者と一緒になって推進していくのかが問題解決のかぎになると申し上げたいのでございます。民衆とともに歩む、このことを申し上げて、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、人口問題について、数点お伺いをいたします。人口問題については、地球的規模で考えた場合には、発展途上国などを中心とした急激な人口増加が問題となっております。宇宙船地球号がいずれ満杯になるとともに、食料を含め、資源が枯渇するおそれがあると言われております。一方、我が国に関して見ると、将来的な人口減少が危惧されております。人口の減少は労働人口の減少による経済活動への悪影響、そして、高齢化が進展する中で、社会保障に関する国民負担の増加など、将来に向けて国家レベルで深刻な問題となっております。平成九年に国が推計した我が国の人口は、二〇〇七年をピークに減少となり、二〇二五年には、一九九五年の国勢調査人口に比べ、三・七%の減となる見込みであります。この推計によりますと、本県に関しては、二〇〇五年以降減少となり、二〇二五年には、一九九五年国調人口比で五・九%と、全国を上回る人口減が見込まれております。ざっと十七万人の県民人口が減少するということになります。そして、広島県人口移動統計調査による平成十一年の推計人口が自然増よりも社会減が上回ったことにより、昭和四十年の調査開始以来、初めて人口減となったことは、御承知のとおりでございます。平成十一年のみの人口減であれば、単なる杞憂で終わるのでありますけれども、現実は厳しいのであります。昭和六十年までは一万人台以上の人口増加であったものが、昭和六十一年には一万人を割り、平成七年以降は五千人を割り込む状態になっております。昭和六十年から平成十一年までの間の本県の人口動態の内容を見てみると、出生数が約二割減となっているとともに、社会減がほとんど毎年続いていることがわかります。私は、広島県の将来に大きな危機感を持っております。人口が減っていく、人口の集積がなくなっていく、そうした県が今後の地域間競争の中で、果たして生き抜いていけるのだろうか。  そこで、人口減について二つの観点から質問をいたします。  まず第一点は、自然減に関して、出生数の減、すなわち少子化問題についてであります。少子化問題については、国を挙げて取り組んでいる課題であり、国は、平成十二年度から五カ年の少子化対策の実施計画である新エンゼルプランを策定し、具体の目標値を掲げ、今後、重点的に推進していくこととしております。本県においても、本年四月に「こども夢プラン21」を策定され、その中で、保育サービスなどの各種子育て支援策について目標値を掲げ、推進することとしております。こうした取り組みについては評価するものでありますが、気になる点がございます。例えば保育サービスの推進について、延長保育、多機能保育など七項目について平成十六年度の目標値が掲げられていますが、こうした数値には、広島市や福山市分がほとんど入っておりません。政令市である広島市や中核市である福山市が、保育サービスについて、県と同等あるいは準じる権限を持っていることから、県が直接目標値を設定することができないことはわかりますけれども、広島市と福山市の目標値が入っていないプランでは、期待度が半減をいたします。県民の半数以上が広島市民、福山市民であります。県民に対して示すプランであれば、本来は、県、広島市、福山市が共同で策定し、目標数値も両市を含めたものにすべきだったと思うのであります。  次に、実施計画の中に、平成十六年度時点の目標に向けて、年次別の計画がないため、その実現性がどうなのか、定かでありません。また、都市部を中心とする待機児童数等は解消するのかという点も定かでありません。  そこで、広島市及び福山市の保育サービス整備計画はどうなっているのか、県としては両市との連携をどう図っていく方針なのか、また、今回のプランの目標値達成に向け、今年度からどう具体的に取り組んでいくのか、そして、目標を達成した場合には、待機児童問題は解消するのかなど、具体的な点も含め、県全体の保育サービスの向上に向けての取り組み方針について県当局の御所見をお伺いいたします。
     少子化に関する質問の二点目は、乳幼児医療費の無料化についてであります。総理府が行った男女共同参画社会に関する世論調査によりますと、出生数の減少について、子供の教育にお金がかかるから、また、経済的に余裕がないからという理由が過半数を占めております。少子化対策を推進する上では、いわゆる子育て世帯の経済的負担を軽減することが極めて重要なのであり、国・地方を通じて、総合的に取り組むことが必要であります。国においては、公明党の提言を受けて、児童手当法を改正し、児童手当制度の拡充を実施しました。まだまだ制度拡充の余地はあると思いますけれども、一定の前進を見たのであります。都道府県レベルでは、全国的に乳幼児の医療費に対する助成が行われております。乳幼児を抱える若い世帯にとって、その医療費負担が重くのしかかっているからであります。しかしながら、医療費の無料化への取り組みは、各県によって大きく異なっております。我が会派は、これまで本県の乳幼児医療費の無料化制度の拡充、具体的には、現在の通院二歳未満、入院三歳未満という年齢要件を、当面、それぞれ一歳ずつ引き上げることを訴えてきました。本県が他県に比べて大きくおくれているとは申しませんけれども、既に本県の制度を上回っている県も多く、隣の山口県では、本年から、入院については小学校就学前までの無料化を実施いたしております。人口減少に直面している本県としては、積極的に制度拡充に取り組むべきではないでしょうか。乳幼児医療費の無料化の拡充について、来年度に向けてどう取り組んでいくのか、県としての方針をお伺いいたします。  少子化に関する質問の第三点は、教育費の負担問題に関してであります。教育費の負担軽減もまた、少子化対策の重要な柱であります。国は、平成十一年度から日本育英会の奨学金制度を大幅に拡充いたしました。大学、短大、専門学校を対象とする有利子の奨学金制度である第二種奨学金を「きぼう21プラン奨学金」に変え、それまであった成績要件を大幅に緩和し、学習意欲のある生徒を対象にするとともに、世帯の所得制限の緩和、貸与月額のメニュー化等を実施し、借りやすい制度にいたしました。また、無利子貸与制度として、家計維持者の失業等により家計が急変した場合に貸与する緊急採用奨学金制度を創設いたしました。平成十二年度では一万人分が予算措置されており、大変に喜ばれていると伺っております。国においては、大学等を中心にいろいろと制度拡充が図られておりますが、そういった中で、高校の教育費の負担軽減の取り組みが課題として残ってきております。高校への進学がほぼ一〇〇%近くにある実態を考えると、高校教育費の負担軽減は、多くの世帯が切望する問題であります。国において、高校関係の奨学金制度の拡充が望まれているところでありますけれども、私としては、国の奨学金制度を補完するため、本県独自に、まずは県立高校等を対象とした奨学金制度を創設すべきと思うのでありますが、いかがでありましょうか、教育長の御所見をお伺いいたします。  人口減問題に関する二つ目の観点として、社会減について質問をいたします。本県では、昭和五十年代以降、社会減が基調となっておりますけれども、高度経済成長期が続いた昭和四十年代は、社会増で推移しておりました。昭和四十年代、既に農村部では過疎化が進行しておりましたが、広島、呉、福山を中心とする都市部においてダム効果を発揮し、県全体としては社会減を食いとめていたのだと思います。広島、呉、福山には、それだけの産業力、経済力があり、労働吸収力があったのであります。しかし、二度にわたるオイルショックを経て、そしてバブル崩壊後の経済構造の変革の中で、これら三市とも、産業力、経済力が低下し、労働吸収力が弱体化したのであります。その結果として、人口のダム効果が発揮されず、本県人口は社会減が基調になったと考えられます。こうした社会減を食いとめるには、企業立地促進策を積極的に進め、新たに企業を県外、さらには海外から誘致すること、また、産業基盤強化や技術支援など、ハード、ソフトにわたって企業活動環境を一層整備し、現にある県内企業が県外に転出あるいは廃業となることを食いとめること、また、新たな企業等の設立を支援するとともに、設立後もきめ細かくフォローすることにより県内企業として定着させることなど、本県産業活力の再生、経済力の復興を図り、雇用の場を確保・創出することは、当然のことながら、必要不可欠であります。しかし、経済構造の変革が進行し、雇用形態が多様化していることを考えれば、産業面のみの取り組みだけでは人口の社会減を食いとめることはできないと思うのであります。平成十一年の広島県人口移動統計調査による年齢別の県外との移動者の数は、十五歳から十九歳の年齢層で総数マイナス千四百七十九人となっておりますが、このうち、就学を理由とする移動はマイナス千九百九十六人にも上っております。進学のため県外に出る若者が県内に来る若者よりも約二千人も多いのであります。例えば、広島には音楽を初めとする芸術系の大学が極めて少なく、大阪や東京へ行かざるを得ない実態があります。多種多様な教育機関があれば、状況は変わるのであります。若者は文化を求め、大都市へ出ていきます。人々を引きつける文化があれば、人々は集まります。もちろん、文化は若者だけのものではありません。万人のものであります。多様で多彩な文化があれば、状況は変わると思います。文化の掘り起こし、文化振興により、人の流れは変化すると、私どもは確信いたしております。教育立県広島、文化立県広島の確立が強く望まれるのであります。  さらに、高齢化の進展に伴い、企業をリタイアした人々にとっても、第二の人生、人生の総仕上げをどこで過ごすかということが問題になってまいります。そうした場合、福祉、医療、生涯学習、自然環境などが充実しているかどうか、人生の総仕上げをする場所を決めるに当たっての主な判断基準になってきているのであります。現に、EU統合のヨーロッパにおいては、都市間は当然のこと、国家間で社会保障や環境面などの拡充、充実度によって、人口移動が生じていると言われております。人口の大幅な増が望めない中では、人の取り込みをめぐって地域間競争が激しくなってまいります。そうした競争に本県が勝ち残っていくためには、産業活力の活性化だけでは、どうしても不足であります。教育、文化、福祉、医療、環境など総合的な力を高めていき、人を広島に引き寄せることが重要であり、そのための施策を総合的に展開していくことが必要であると思うのであります。  そこで、人口の社会減問題について、どう認識され、今後、どう取り組んでいこうとされるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、中山間地域問題についてであります。人口減少と急速な高齢化、そして、これらを背景とする集落の崩壊、これが今、本県の中山間地域に起こっている現象であります。集落の崩壊は、いずれ、市町村規模での崩壊へとつながっていく危惧もあるのであります。県土の大半を占める中山間地域が崩れ去っていっては、本県の発展などとても望めません。それどころか、本県そのものが崩れ去っていくことになるかもしれないと思っております。県においては、これまで中山間地域対策について組織もつくり、いろいろと取り組んでこられました。どうも、その成果がいまだ、もう一つ見えてこないと思うのであります。もちろん、中山間地域対策は抱えている問題が多種多様であり、しかも、いずれも深く重たい問題であるだけに、短期間でどうこうなるものではありません。しかし、これから十年先を見据えて、総合的、重点的に中山間地域対策に取り組んでいかないと、本県は大変なことになると思っております。私は、今後、中山間地域対策を進めていくに当たっては、もちろん中山間地域そのものを考えることも重要でありますけれども、都市部との関係で中山間地域を考えていくことも同様に重要であると考えております。一つには、経済構造の変革が進む中で、都市部における雇用の場が質的、量的に変わってきており、その結果としての都市部の余剰労働人口の受け皿として、中山間地域を位置づけて、どう整備していくか、二つには、定年などにより職をリタイアした人たちが、自然の安らぎの少ない都市部から自然豊かで生活費も安い地域へと移り住むことを希望する場合の受け皿としての中山間地域の位置づけ、そのための環境づくりをどう行っていくか、三つ目には、殺伐としたコンクリートジャングルに住む都市部の子供たちに命の大切さ、自然の大切さを教える場として、中山間地域をどう位置づけ、そのための条件整備をどうやっていくか、四つ目には、趣味なども含めて、都市部ではなかなか困難な文化・芸術活動の場、スポーツを行う場として中山間地域を位置づけ、ソフト面を含め、どう整備していくか、以上のような観点を持って、具体の施策を総合的に実施していく必要があると思うのであります。  そこで、まず、中山間地域に対する基本認識と今後の対策に関する基本的な取り組み方針について、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、中山間地域の主要産業である農業問題について質問をさせていただきます。  第一点目は、中山間地域の農地に対する直接支払制度、いわゆるデカップリングについてであります。昨年七月、農業基本法が抜本的に見直され、新たに食料・農業・農村基本法が制定されました。旧農業基本法は昭和三十六年に制定されましたが、その後の社会経済情勢の大幅な変化の中で、我が国の食料・農業・農村をめぐる状況も大きく変わってくるとともに、幾つかの問題が生じてきました。食料自給率の低下、農業者の高齢化や農地面積の減少、耕作放棄地の増大、農村の活力の低下などであります。こうした諸問題に対処するため、新基本法が制定されたわけであります。この新基本法の基本理念として、食料の安定供給の確保、農業の持続的な発展、農村の振興とともに、多面的機能の発展が掲げられました。すなわち、国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な環境の形成、文化の伝承等、農村で農業生産活動を行われることにより生ずる食料その他の農産物の供給の機能以外の多面にわたる機能については、国民生活及び国民経済の安定に果たす役割にかんがみ、将来にわたって適正かつ十分に発揮されなければならないと規定したのであります。農業が持つ国土保全の多面的な機能について、初めて法的に位置づけるとともに、その機能の適切かつ十分な発揮にまで言及したのであります。この新基本法の理念を受けて、本年度から、条件不利地域の農地を維持管理するための国の制度として、デカップリングが始まりました。農地を荒廃させず、地域資源として保全していくものであり、農村を崩壊させないための一つの手法として大いに期待するものであります。この制度では、基本的には、集落単位で集落協定を締結し、集落として農地を維持管理していく場合に、その集落に対し交付金を交付することもできることとなっております。問題は、この制度が本当に機能するかであります。まず、集落単位で農地を管理することが前提となっていますが、中山間地域の急激な高齢化の中で、集落の中で担い手が確保できるのでしょうか。もちろん、農業生産法人なども農地を管理受託する場合は対象となりますが、こうした法人も数的にも十分ではないでしょうし、法人そのものも高齢化が心配されております。また、中山間地域の農地約四万八千ヘクタール余りのうち、本年度は約二万二千ヘクタールを支払いの対象として想定していると聞いておりますが、この制度の対象が傾斜度二十分の一以上の農地となっていることから、実は、本県の中山間地域の農地の大部分が対象になるのではないかと思っております。私は、対象が幅広であり、本来、この制度で残すべき棚田などの農地は、管理費用がかかるだけに、結果的に、だれも管理せずに荒廃したということになるのではないかと心配しております。  そこで、中山間地域農地の直接支払制度が本来の目的に沿って機能していくために、県としてどう取り組んでいこうとされているのか、お伺いいたします。  農業問題の二点目は、企業的農家の育成について質問をいたします。企業的農家の育成というのは、これまで何度も言われてきました。県としても長年にわたって取り組んでこられた課題であります。企業的農家の育成については、規模拡大によるスケールメリットを生かした経営ということがよく言われてきました。しかし、中山間地域では、規模拡大はなかなか困難であります。規模は大きくなくても、投資も含め、生産・流通コストを最小限にするとともに、消費者ニーズに迅速に対応した生産出荷体制がとれれば、経営として成り立っていくと言われております。問題は、そうした経営管理手法をどれだけ農家が熟知しているかであり、さらには、そうした経営管理手法を普及所や農協がどれだけ農家に援助指導できるかであります。新規に就農するような場合、初期投資を最小限にするとともに、その投資をできるだけ短期間に回収できるかが成功のかぎを握っていると言われております。それだけに、準備段階において、経営管理手法を十分習得しておく必要があります。私は、例えば、都会で会社を退職したり、あるいはリストラに遭ったような人たちで、経営管理にたけている人をヘッドハンティングし、営農指導を行う普及所や農協の補助として活躍してもらうような仕組みがとれないものだろうか、そのようなことも思っております。中山間地域の振興のためには、農業の振興は不可欠であります。そのためには、業として成り立つ農業の確立が絶対に必要であります。企業的農家の育成は極めて重要であるわけでありまして、企業的農家の育成について、新たな手法を検討されているのかどうかも含めて、県としての具体的な取り組みについてお伺いいたします。  中山間地域に関する最後の質問は、市町村合併についてであります。過疎化、そして急激な高齢化が進む中山間地域の市町村にとって、地方分権の受け皿という意味だけではなく、二十一世紀に生き残っていくという意味で、市町村合併は避けて通れない緊急の課題であると、私は思っております。しかし、今年四月に賀茂北部四町から広域連携型の中山間地域対策モデル事業の選定辞退がありましたように、複数の市町村がまとまるのは、簡単ではありません。また、さきに県が市町村合併に関して行ったアンケートによりますと、県民向けのアンケートで、合併が必要、どちらかといえば必要は合計四七・三%に対し、合併は必要でない、どちらかといえば必要でないは合計三九・六%に上っております。県民の意識は、必ずしも合併で固まっているのではないのであります。合併に否定的な理由としては、行政と住民の結びつきが薄れる、行政サービスの低下や公共料金の値上げなどが挙げられております。県では、今年度、合併パターンなどをつくり、合併を推進することとしておりますけれども、住民の意識が合併の方向に傾いていないと、現実の合併は進まないのであります。一方では、特に、中山間地域の市町村の合併は待ったなしだと思います。合併特例法も平成十七年三月で期限切れになります。私は、早期に合併を推進するためには、市町村の首長や議会はもちろんのこと、住民の理解、機運の盛り上がりが不可欠だと思っております。住民とともに歩まなければ進まないのであります。このため、例えば住民に合併の必要性を具体的に示すとともに、合併した場合の行政サービスを低下させないための具体案も含め、合併後の市町村の姿をイメージ化して提示するなどの取り組みが必要ではないかと思います。こうした取り組みは、一義的には市町村がみずから実施すべきことでありますけれども、県としても市町村と一体となった実施なり、支援を行うべきではないかと思うのであります。市町村合併の早期実現に向け、住民の機運醸成も含め、県としてどう取り組もうとされているのか、お伺いいたします。  質問の最後に、前広島県知事でございました竹下知事は、私に、こう教えてくださったことがあります。総合的な県行政というものは、何の指数にあらわれるか、それは人口動態にあらわれる、いろいろなさまざまな県行政を各部、課、係や外郭団体がやるけれども、すべての総合政策の成果は人口動態に出るのだと、何回も私は教えられました。確かにいろいろ考えてみますと、本当にそのとおりだと、最近、つくづく思うようになりました。今、人口減が叫ばれていく、非常に厳しい時代の大きな激動期、転換期でありますけれども、その一点、もう一度最後に申し上げて、県知事のさらなる御努力を期待するものでございます。  以上で私の質問を終わります。御清聴に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。        【知事藤田雄山君登壇】 6 ◯知事(藤田雄山君) 中田議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、本県における人口の社会減問題についてお尋ねがございました。本県の人口は、昭和五十年代から社会減少の状態が続き、特に近年、それが拡大の傾向にあることから、大変厳しく受けとめております。その主な要因として、一つは、従来、本県の社会増加に寄与してきた就職・転勤という就業関連の転入者数が企業のリストラや事業所の統廃合などにより大きく減少していること、二つには、議員御指摘のとおり、大学進学など就学による県外への転出超過が依然として大きいことなどが考えられます。このため、県といたしましては、これまで県内企業のニーズを踏まえた産業基盤の整備や環境、情報・通信関連産業などの新産業の創出支援、県立三大学など高等教育機能の充実、広島、福山都市圏など高次都市機能の強化などに取り組んできたところであります。最近では、広島市や福山市への新たな商業集積や、複数のIT関連企業のラインの増設や研究所の設置決定など、明るい動きもございます。今後とも、県内外の人々や企業から選ばれ、人口が集積する魅力あふれる広島県となるよう瀬戸内海や中国産地などの豊かな自然、歴史、文化を生かした交流空間づくり、新たな魅力やにぎわいを生み出す都市部の再生や、観光を初めとする雇用吸収力の大きい産業の振興などに重点的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、中山間地域対策についてのお尋ねがございました。中山間地域の活性化は、県政の最重要課題であり、これまで生活環境の改善、生産基盤の整備などに取り組んできたところでございます。今後、中山間地域の活性化を進めていくためには、これまで取り組んできた居住環境の向上のための施策などに加え、都市では得られない豊かな自然環境や多様な文化を生かし、都市との交流の拡大、共生などの視点に立った施策が必要であると考えております。その方向としては、地域におけるコミュニティーの再生強化、情報通信基盤を活用した医療、福祉などの住民サービスの充実、団塊世代のUIターンの推進やこれらの方々の知識、経験を活用した地域の活性化、豊かな自然環境や文化を活用した生涯学習や環境教育の充実などにより、中山間地域の魅力を拡充していくことが必要であると考えております。今後、こうした方向で施策を具体化し、中山間地域と都市地域がそれぞれの魅力を高め、相互に補完・連携することにより、「元気な広島県」の実現に努めてまいります。  次に、市町村合併についてお尋ねがございました。地方分権の受け皿となる市町村の行政体制を整備し、住民サービスの維持向上を図るためにも、市町村の広域化が重要な課題となっております。とりわけ、中山間地域においては過疎化の進行に加えて、少子・高齢化の進展が著しく、また、増大する福祉サービスや広域的な行政課題に的確に対応するためにも、市町村の行財政基盤を強化することが重要であります。また、集落の崩壊やコミュニティーの再生などの課題に対応しながら、地域の個性や魅力を生かし、特色を持った町づくりを行うという視点も求められております。こうした点を踏まえ、市町村においては、将来の町づくりの方向、また、きめ細かな行政サービスの維持やコミュニティーの育成への取り組み、あるいは、合併前の市町村単位の住民の声を施策に反映させる仕組みづくりなどを具体的に示し、積極的な住民参加のもとで議論を深めていただくことが必要であります。県といたしましては、市町村が行う地域の将来像の検討や住民に対する啓発事業を支援するとともに、この秋には、合併パターンを含む市町村合併推進要綱を策定することにより、機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7 ◯議長(檜山俊宏君) 福祉保健部長阪本博臣君。        【福祉保健部長阪本博臣君登壇】 8 ◯福祉保健部長(阪本博臣君) 保育サービスの向上についてお答えいたします。  広島市及び福山市における保育サービスの整備計画の状況でございますが、広島市は平成十年度から十六年度までを期間とし、また、福山市は平成九年度から十七年度までを期間として、それぞれ児童育成計画を策定されております。この中では、低年齢児保育などの多様な保育サービスの充実を図ることとされておりますが、県の計画に掲げているような延長保育などの具体的な数値目標は設定されておりません。このようなことから、県の計画の中では、保育事業に関しましては、両市を含めた数値目標を設定することができなかったものでありますが、各種施策の推進に当たっては、両市との緊密な連携を図ることとしております。具体的には、広域保育の拡充など保育事業を中心とする児童福祉施策について、適宜、情報や意見の交換を行う場を設けることとしております。また、今回の計画に掲げた低年齢児保育や延長保育などの数値目標を達成するため、市町村に対する支援を行うとともに、児童福祉審議会において、計画に掲げた施策の執行状況とその成果を評価するなど、定期的に点検を行うこととしております。こうした取り組みを行うことにより、待機児童の解消を初め、県全体の保育サービスの向上に努めてまいります。  次に、乳幼児医療費の無料化についてお答えいたします。乳幼児医療費の公費負担につきましては、乳幼児の健康保持と子育て家庭の経済的負担の軽減を図るものであり、少子化対策の重要な施策の一つであると考えております。このため、平成十年度には、対象年齢を入院、通院とも、それぞれ一歳ずつ引き上げ、その充実を図ったところであります。今後は、事業実施主体であります市町村の意向や福祉医療費全体の動向などを考慮しながら、前向きに検討してまいりたいと考えております。 9 ◯議長(檜山俊宏君) 農林水産部長中尾昭弘君。        【農林水産部長中尾昭弘君登壇】 10 ◯農林水産部長(中尾昭弘君) 農業問題について、二点お答えを申し上げます。  まず、中山間地域直接支払制度についてでございます。中山間地域における農業生産活動の維持を通じて、農地の公益的機能を確保するという直接支払制度の本来の目的を達成するためには、対象となる農地を管理する担い手及び農業の採算性の確保が不可欠であります。しかしながら、棚田などの中山間地域の農地は、平地の農地に比べ、農作業効率が低いことなどから、高齢化、過疎化が進行しております。このため、農業生産法人の設立など集落を単位とした農業生産の枠組みを構築することにより、農業機械投資負担の軽減、農作業の共同化による効率的な営農、さらには、新規就農者の受け入れ、雇用労働力の活用による人材確保などの取り組みを地域の実態に応じて行っていく必要があります。このような取り組みと直接支払交付金による生産性格差の補正が相まって、農地の管理が適正に行われるよう、集落協定の締結について市町村を通じて指導に努めてまいります。  次に、企業的農家の育成についてお答えを申し上げます。産業として自立できる農業経営を行っていく方法としては、規模拡大によりスケールメリットを追求する方法や、消費者ニーズに的確に対応した高付加価値型農業に取り組む方法などがありますが、企業的経営体を育成する上で重要なことは、企業家マインドを持った経営感覚を身につけることであると考えております。近年、他産業を離職して就農する人々がふえておりますが、このような人々が一般企業で働いていたときの企業経営や営業活動などの知識や経験を生かして、農業経営に参画し、すぐれた経営を行っている事例も見られます。県といたしましては、アグリカレッジ設置事業や新規就農者育成センター等を利用して、農業を営む意欲のある人を幅広く育成しており、経営感覚のすぐれたさまざまな人々が農業経営に参入することにより、企業的経営体をふやしていきたいと考えております。 11 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。        【教育長辰野裕一君登壇】 12 ◯教育長(辰野裕一君) 県立高校の奨学金制度についてお答えを申し上げます。  経済的理由により修学が困難な高校生に対し、経済的支援を行うことにより高校生の修学希望にこたえていくことは、大変重要な課題と認識しております。現在、多くの高校生が利用している日本育英会の奨学金につきましては、御指摘のように、従来に比べ収入状況等の貸付要件が緩和されるとともに、近年の厳しい経済状況に対応し、失業などに伴い家計が急変した場合を対象とした無利息の緊急採用奨学金の制度も創設されております。さらに、民間の財団法人による奨学金や市町村が実施主体の奨学金も県内の各高等学校において広く活用されているところであります。御提案の本県独自の制度創設につきましては、これらの活用状況などを十分に踏まえつつ、その必要性について検討してまいりたいと存じます。今日の社会的状況の中で、奨学金制度をめぐっても極めて厳しい状況にありますが、その一層の拡充について国や関係方面に要望していくとともに、こうした制度の周知徹底を図り、経済的理由により修学を断念せざるを得ないといったことのないよう、引き続き努めてまいりたいと存じます。 13 ◯中田 選君 議長……。 14 ◯議長(檜山俊宏君) 再質問を許します。中田 選君。 15 ◯中田 選君 若干、再質問させていただくことをお許しいただきたいと思います。  先ほど乳幼児医療費の無料化について御答弁をいただきましたけれども、私どもは、質問でも申し上げましたけれども、もう一歳ずつ当面引き上げるべきではないか、今、三歳未満の入院、二歳未満の通院ということになっておりますが、山口は、入院については県として全体的に就学前の児童まで無料になりました。わずか県境を境にして、大竹市と岩国市の子供を抱えるお母さん方にとっては、大変な差が出るのです。地域の中で、人口動態のことで申し上げた、そういうものを一層充実していかなければいけないということを、我が公明党としては申し上げてきているわけです。そして、広島県内でも、広島市は入院が四歳未満、通院が三歳未満と、県の提示しているレベルから一歳上に、もうなっているのです。人口三分の一を超える広島市民は、その待遇を受ける、助成を受ける。ところが、広島市から外れた、例えば府中町とか海田町とか坂町、廿日市市の人とか、本当にちょっと外れたところの人たちは受けられないのです。そして、救急体制などで、広島市内の病院に来ても、広島市民の人は、三歳の子供であれば、要するに「無料で結構です」となりますが、周辺の方は、「あなたは、広島市外に住んでいますから、お金をいただきます」と、こうなるのです。それが、本当に許されるのですか。できるだけレベルを平準化していく。大都市や大都市周辺の人というのは、みんな広島市の中で生活しているようなものでありまして、本当に、私はこういうことは許されないのだろうと思うのです。だから、その辺を十分勘案して、なぜ、一歳だけでも引き上げられないのかと申し上げているのです。ことしの二月定例会でも、我が会派の箱上議員から、同じ趣旨の質問をしました。今後、検討しますとはおっしゃるが、まだ一つの大きな成果につながっていかない。このことが、私は非常に不満であり、再質問をさせていただいたところです。子供を抱えた若いお母さん方にとっては、近くの地域間格差というのは納得できないのです。その辺について、代表的に申し上げているわけです。再質問しますので、御答弁を、できれば知事にお願いしたいところでありますが、部長が手を挙げていますので、部長、同じ答弁ではだめですよ。 16 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。福祉保健部長阪本博臣君。        【福祉保健部長阪本博臣君登壇】 17 ◯福祉保健部長(阪本博臣君) お答えいたします。  御指摘のように、現在、広島市など県の基準を上回っている市町村もございますが、また一方、県の示している現在の基準と同一基準で実施している市町村も、数で言いますと、四十九市町村ございます。こういう市町村にとりましては、年齢を引き上げるということは、新たな負担の増加を伴うものでありまして、そのような市町村の意向に十分配慮することも、今後の検討の上で必要でございます。そういうことも含めまして、今後検討してまいりたいというように考えております。 18 ◯議長(檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。        午前十一時二十二分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午後二時二分開議 19 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。門田峻徳君。        【門田峻徳君登壇】 20 ◯門田峻徳君 私は、自由民主党広島県議会議員会の門田峻徳であります。  昨年春、福山市沼隈郡選挙区から地元の皆様方の温かい御支援によりまして、伝統ある広島県議会議員に当選させていただきました。さらに、本日、今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきましたことを、議長を初め、先輩、同僚議員各位に対して心から感謝申し上げます。  なお、質問に先立ちまして、故新田俊哉議員の御逝去に対し、謹んで哀悼の意を表します。  さて、地方分権推進一括法がスタートし、国・県・市町村の関係は、これまでの上下関係から、対等・協力関係へと大きく転換いたしました。このことは、大きな時代背景があるとは申せ、日本国憲法第九十二条以下で定めている地方自治の精神が具体的に進展を見ることができるという意味で、画期的なことでございます。日本における民主主義の根幹の一つは、憲法上、地方自治にあります。その意味は、一つには団体の自治であり、これは国に対して、県や市町村の自治を意味し、また、各地方自治体内部においては、住民の自治によって成り立つということであります。今回、さまざまな権限が地方自治体へ移譲され、それに伴い責任も増してまいりますが、こういった時代の転換期に当たっては、地方自治の精神からいっても、国はもとより、県と市町村の役割分担の明確化が重要になってまいります。また、行政課題の解決に向けては、特に行政の間の緊密な連携は欠かせないものであり、住民の側に立ち、住民に支えられた行政運営が求められるのであります。私は、こういった観点を踏まえながら、質問に入ります。  教育問題から質問に入ります。まず、小中学校における教科書採択地区についてお伺いします。教育委員会では、現在、教育改革に精力的に取り組んでおられるところであります。しかし、いかなる教育改革であれ、結果として学校教育の基本である授業の改善につながらなければ、その成果は十分とは言えません。その授業は多くの場合、教科書を中心に進められているわけであり、どのような教科書を使用するかは、教育を行う上で、大きな意味を持つものであります。私自身も、教科書から多くのものを学び、大きな影響を受けた一人であります。中学時代の国語の教科書にあった「コペル君への手紙」は、父親の思いをさまざまな形で伝えていました。大変に感銘を受け、今でもその感激を大事にしております。  さて、このように影響の大きい教科書については、その内容の適正さを確保するために検定制度があります。しかし、どの教科書を使用するかについては採択地区が設けられ、その地区では同一の教科書を使用するということになっております。本県では、県内を、六つの教育事務所管内と広島市及び呉市の合計八つの採択地区に分けております。具体例を申しますと、福山地区では二市七町一村で構成され、百四校の小学校が同じ教科書を使っております。これは、この制度が発足した当初から、四十年近く固定されたままであります。教育内容の基本である教科書の採択は、子供たちがどの小中学校に入学するかを指定する権限を持つ市町村教育委員会が、名実ともに責任を有すべきであります。教育委員会において学校の特色化を強く推し進められていることと考え合わせてみるとき、教科書の採択も学校単位でとは申しませんが、せめて市町村教育委員会単位での採択を考えるべきではないでしょうか。教科書の採択は、少なくとも現行の採択地区の範囲をもっと小さくしていくことが、これからの方向であると考えます。とりわけ、福山市は全体のバランスからして、独立した地区とする必要があると考えます。  そこで、小中学校の教科書の採択地区について、どのように考えておられるのか、また、見直しを検討されるのであれば、その具体的なスケジュール等について教育長にお伺いします。  二点目は、県立高校の通学区域の見直しについてであります。教育委員会では、来年度の高校入試の改善を決定されました。その要点は、生徒の自主的な進路選択を促すこと、生徒の個性や能力を多面的に評価すること、校長の判断で特色ある入試が実施できるようにするということです。このことにより、各高校では、内容の特色づくりに加え、入試においても独自性を発揮できるようになり、よい意味での競争が生まれ、その結果、質的な向上が図られるのではないかと期待しております。また、受験する生徒にとっては、学科を問わず自由に推薦入試を受けることが可能になる、あるいは、自分の得意な科目で挑戦できる傾斜配点の制度が導入され、自分の努力がより報われる入試制度になってきたものと評価できます。しかしながら、通学区域が依然として、今までどおり十四の学区制として維持されていることは、改革もいまだ道半ばと言わざるを得ません。生徒の自主的な進路選択は、魅力ある学校、行きたい学校に自由に挑戦できる機会があって初めて、実現できるのであります。各高校は特色化に取り組み、学校の数だけカラーがあるとしても、現実には、限定された学区にある学校の中からしか高校を選択できないのであります。通学区域は、法令上、制度そのものをなくすることはできないと聞いておりますが、私は、通学区域をもっと広くする、すなわち、現行の学区の数をできるだけ少なくすることはできると考えます。例えば、岡山県は昨年度入試から二十一の学区が六つになっていますし、山口県も十四年度入試から二十六の学区を七つにするということであります。本県においても、生徒の多様な個性や能力を発揮できるよう通学区域の見直しを行うべきだと思いますが、今後のスケジュールも含めて、教育長の見解をお伺いします。  三点目は、指導力の不足した教員の対策など、人事管理上の諸課題への対応についてであります。たとえ学校を選択する幅がふえても、現状では教員を選択することはできないので、すべての教員に豊かな指導力を期待するしかないのであります。昨年十二月に出された国の教育職員養成審議会の答申では、教員としての必要な資質能力を掲げております。教育者としての使命感、人間の成長・発達についての深い理解、教育的愛情、専門的知識、広く豊かな教養、そして、これらを基盤とした実践的指導力などです。本県でも、子供の教育を安心して託せるよう豊かな指導力を養成するため、教員の個性を生かし、意欲を引き出すことのできる人事評価制度に見直すなど、具体的な対策が必要であると思います。  そこで、教育長にお尋ねします。教育委員会としては、指導力不足教員対策を初め、教職員の人事管理上の諸課題に対して、どのように取り組もうとしておられるのか、お考えを伺います。  四点目は、同和教育の見直しについてであります。広島県教育は、文部省による是正指導を平成十年に受けました。教育委員会では、それを契機として、県民に信頼される公教育を確立するため、懸命の努力を積み重ね、今年度は、その総仕上げの年であると位置づけられております。そして、教育長は、卒業式・入学式において、学習指導要領に基づき、国旗・国歌を適正に実施することが本県教育の基盤づくりのあかしであるとして、先頭に立って指導されてきております。しかしながら、ある地域の校長会から、国旗・国歌の実施と同和教育との整合性を示すようにという要望が教育委員会に出されたと聞いております。同和教育に矛盾するから、法令等に定める事柄に反対するという論理になっています。いまだに学校の場で、法令等より同和教育が優先するかのような論理が展開されている背景には、「同和教育をあらゆる教育活動の基底に据える」という考え方を教育委員会自体が認めていたことがあると思います。このような例があります。一部の県立学校の教育目標や方針に、「すべての教育活動の基盤に解放教育の思想を据える」、あるいは、「解放教育をすべての教育の基底に置き」と掲げております。教科指導も特別活動も、解放教育の観点で行うことを絶対視しているのであります。また、学校で起きた生徒の発言等にかかわり、「部落解放運動と連携を図る」としていますが、学校でのことは、あくまで教育指導上の課題として学校の責任で解決するのが原則であります。これからの同和教育を進めるに当たっては、国の同和対策審議会の答申で示されておりますように、政治運動や社会運動との関係を明確に区分すべきであり、運動そのものも教育であるといった考えは避け、教育の中立性を守るべきであります。  そこで、県としても、これまでの同和教育を抜本的に見直し、新たな指針を策定すべきであると考えますが、今後、どのように対処し、教育の中立性を守っていかれるのか、教育長の見解をお伺いします。  第二の質問に入ります。国際的な芸術・文化施設の誘致についてであります。県民の価値観が多様化してきた近年、多くの文化施設が整備され、活発な文化活動が展開されております。しかしながら、一方で、企画内容のマンネリ化、特色の乏しさなどから、十分に利活用が図られていない施設があるのも事実であります。こうしたときこそ、芸術・文化活動の魅力を向上させ、将来に夢を与えるダイナミックな動きが求められていると考えております。昨年、世界的な美術作品を一堂に紹介する「オランジュリー美術館展」が県立美術館で開催されました。これまでで最高の十七万人もの入館者があったと聞いております。つまり、海外の高いレベルの芸術作品は、我々の生活に潤いを与え、県民を初め、国内外から多くの人々を引きつける可能性を持っているということであります。このことから、本県の魅力を向上させ、今揺らいでいる中四国地域における中枢性を確保するためにも、世界的レベルの芸術・文化施設の整備などについて広い視野から検討をすることがぜひとも必要であります。こういった国際的な施設・機能の誘致は、交流人口の増大、広域的観光、地域振興などの観点からも、将来に向けて極めて重要な要素であると考えられます。  そこで、県は昨年度、文化施設の活性化事業に取り組まれた中で、海外の有名美術館の調査を行ったとお聞きしておりますが、調査の結果と、それを踏まえ、今後、新たな魅力づくりにつながる国際的な芸術・文化施設の誘致等の方向性について、どう考えておられるのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三は、男女共同参画社会の形成に向けての取り組みについてであります。昨年四月、募集、採用、昇進に関する男女差別の禁止などを盛り込んだ改正男女雇用機会均等法が施行され、また、六月には男女共同参画社会基本法が制定されるなど、男女が対等に社会のあらゆる分野の活動に参画するための法律や制度は整備されつつあります。しかしながら、現状は女性の政策や方針決定の場への参画は十分ではありません。また、家事や育児、介護においても、女性が多く担っているなどの課題があります。この基本法では、県などの地方公共団体は、男女共同参画社会を形成するための施策をつくり、実施することを求めております。また、国民に対しても協力を求めております。他の県では、既に取り組みとして条例を制定しているところもあります。  そこで、だれもが真の豊かさを実感できる、活力に満ちた地域社会の実現のため、男女共同参画社会の形成について、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いします。  質問の第四は、国際港を抱える地域における治安の維持についてであります。昨年、全国の警察が摘発した外国人の刑法犯罪は、過去最高の約三万四千四百件と、十年前の六倍という激増ぶりであると、警察庁がことし四月に発表しました。また、二年前と比較すると、東京・関東管区ではやや減少しておりますが、四国管区では二・七倍、中国管区では一・三倍などと、外国人犯罪が地方へ広がる傾向も目立ってきております。本県でも、昨年は三百二十九件を摘発し、百五十三人を検挙しておりまして、検挙人員は五年前の一・五倍となっております。本県には、広島港と福山港という海外定期航路を持つ港湾があります。しかし、昨年、福山港で発生した集団密航事件や福山港に向かう積み荷の中で摘発された韓国における偽コイン事件などに見られるように、今後、海外との交易がさらに発展しますと、外国との玄関口であるこれらの地域では、犯罪が増加するのではないかと危惧するのであります。なお、福山東署管内の刑法犯の認知件数を見ても、平成十一年は六千七百件余りと、二年前より千件以上も増加しております。  そこで、このように来日外国人にかかわる犯罪などが増加する中で、特に国際港を抱える地域における取り締まり体制は十分なのか、その状況について警察本部長の御所見をお伺いします。  質問の第五は、福山港内港地区の埋め立てについてであります。福山港内港地区、いわゆる入り江の埋め立て事業は、日本化薬福山工場のPCB汚染土の浄化対策と、あわせて、魅力的なウォーターフロント空間を創造する目的で、三工区に分けて整備するよう計画されたものであり、平成六年度から事業が実施されました。一工区は平成十年七月に完成し、駐車場用地として、二工区は昨年十一月に竣工し、公園緑地として、それぞれ整備が進められております。しかし、問題は三工区であります。三工区は、交流拠点用地、埠頭用地、交通機能用地となっておりますが、この計画が一向に進んでいない、むしろ、後退しているということであります。この三工区の事業着手については、さきの予算特別委員会において、県は、福山市と交流拠点用地や埠頭用地の具体的な土地利用計画について現在協議中であり、この計画が明らかになった段階で、埋め立て事業の採算性などを検討すると答弁されました。このような状況では、実際に着手されるのはいつのことになるのか、全く見通しがつきません。ここで、もう一つ忘れてはならないのが、三工区の東の端に計画されている都市計画道路の福山港洗谷線の整備であります。この道路を整備することは、実は、県道水呑手城線の入江大橋における異常な交通渋滞の緩和につながる大きな意味を持っております。慢性的に起きている大変な交通混雑を一刻も早く解消することが、地元住民の悲願となっているのであります。また、この県道水呑手城線は、広島県の活力の担い手として位置づけられる福山港の貴重なアクセス道路であるだけでなく、「びんごエコタウン構想」の中心部分として、福山市箕沖リサイクルプラザや生ごみをRDF化した福山リサイクル発電施設などが設置されようとしている箕沖町につながる、これまた重要なアクセス道路でもあります。それだけに、入江大橋のある県道水呑手城線の交通渋滞の緩和に向けて、三工区の埋め立て事業に取り組む広島県の姿勢が、今、大きく問われようとしております。県の全体を見据えながら、県と市町村、あるいは県の各部局間の連携など、二十一世紀の総合プロデューサーを目指されている藤田知事には、その取り組みを大いに期待するものであります。特に、県と市は、行政体が違うとしても、行政間の事情によって住民へのサービスがおくれ、低下することがあることは、断じてあってはならないことだと考えております。ついては、福山市との協議に当たって、県が積極的なリーダーシップをとり、早期に三工区の事業着手をすべきと考えますが、現状と今後のスケジュールについてお伺いします。  質問の最後は、県と市町村の連携についてであります。広島県が中四国地方の中枢県としてさらに発展していくためには、冒頭に申しましたように、さまざまな行政課題の解決に向けて、県と市町村の緊密な連携が欠かせないものと考えております。しかし、地方分権の推進により、ともすれば、お互いが主義主張を通し、課題解決の糸口さえ見えなくなるといったことも考えられるのであります。例えば現在、県では中期ビジョンの策定を進められておりますが、このビジョンについても、策定段階から市町村と十分協議し、県と市町村が共通認識の上に立ったものでなければ計画の実現には至らないと思うのであります。  そこで、社会が今まで以上に急激に変化する二十一世紀を目前に、県政運営に当たり、藤田知事は、県と市町村の役割と連携について、どのようなお考えをお持ちなのか、お尋ねします。  最後に、広島県の将来的な方向としての県庁中枢機能の分散について提案いたします。この六月定例会で、県政を取り巻くさまざまな問題が取り上げられましたが、目指すところは、県民一人一人が誇りと愛着を持つことができ、住んでよかったと言える元気で豊かな地域を持った広島県をつくっていくことであります。現在が先行き不透明な時代だからこそ、元気な広島県づくりに向けて、明るいメッセージが必要であります。そこで、県内の各地域がそれぞれ個性を生かして、自立した生活圏を形成していく中で、県土が全体として発展することが極めて大切であると考えておりますので、そのための一方策として、具体的な提言をさせていただきます。  さて、これからの時代を考えるとき、この時代を引っ張っていく、基本的な原動力は、情報技術革命、いわゆるIT革命に象徴されるように、すさまじいばかりの情報化の進展であります。情報化は、わずか数ミリの半導体のチップが、我々の今まで築いてきた経済社会システムを根本から変え、我々の価値観までにも転換を迫る二十一世紀の大変革につながります。将来を見通すすべてのビジョンは、このことを前提に考えなければなりません。そのとき、県庁の姿はどうなるのか、想像していただきたいのであります。現在、ここ広島市中区基町に、知事部局を初め、教育委員会、警察本部などの行政委員会事務局などが一団の建物に集積し、本庁としての中枢機能を発揮しております。確かに現在は、行政の意思決定を確実に、迅速に行おうとすれば、近いことが必要条件であるかもしれません。しかし、二十一世紀を想像してみるとき、果たして同じ場所にすべての本庁機能が集まっていなければならないのでしょうか。将来、映像を含め、大容量のデータを即座に送ることができ、情報伝達の時間距離はゼロに近づきます。まさに、リアルタイムであります。そして、すべての職員が県内どこからでも簡単に情報のやりとりができるようになれば、県の本庁が一カ所に集積していなければならない理由はなくなるのではないでしょうか。もちろん、県組織の情報化だけではなく、社会全体としてデータ通信できるようなシステムの構築が必要であります。しかし、我々の常識を超えたスピードで変化している現在の社会情勢を見ますと、社会全体がそのように変わるのも、そう遠くない将来だと思うのであります。そうなると、もちろん知事を中心とした総合調整役としての機能は、まさに広島市内の県庁にあるべきでしょう。しかし、例えば、教育の中枢機関としての教育委員会は備北地区に置く、広島大学や産業科学技術研究所などの研究機関が集積している東広島市には、科学技術、産業振興部門である商工労働部門を置く、また、エコタウン構想に取り組んでいる福山には、世界に発信できるような環境対策の中枢機能を置く、さらには、中四国の中軸たる尾道・三原地域には観光の中枢拠点を置く、そして、情報機能は世羅台地に集約するなどというように、県内の地域特性に合わせ、いろいろな県庁の中枢機能を分散することが可能であります。そして、分散した県の中枢組織機能を起爆剤に、各地域では、地域の特色、個性をさらに発揮し、人が住み、人が働く地域づくりに取り組むわけであります。自立生活圏の形成による県土の一体的発展は、言葉の上では簡単であります。大切なことは、具体的に何をどのようにするかであります。しかも、地方分権を進めようとする今こそ、県として何をどのようにするかが問われているのであります。私の提案は、中山間地域など各地に住み、必死で頑張っている県民の方々にとって、県としての積極的かつ具体的、また、強烈なメッセージになり得ると思うのであります。この私の提案を、今後、個性ある地域づくりを通じた県全体の発展及び県庁の将来像についての検討を行われる際、ぜひとも取り入れていただくことをお願いいたしまして、私のすべての発言を終わります。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 21 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。        【知事藤田雄山君登壇】 22 ◯知事(藤田雄山君) 門田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、国際的な芸術・文化施設の誘致についてのお尋ねがございました。昨年度、県立美術館で開催いたしました「パリ・オランジュリー美術館展」につきましては、多くの皆様の好評を博し、成功裏に終了したところでございます。また、昨年度、美術館活性化事業の一環として、過去に企画展示の実績があるロシアのエルミタージュ美術館を初め、フランスのルーブル美術館、オルセー美術館などの海外美術館を調査いたしましたが、改めて海外有名美術館の作品コレクションのすばらしさと集客効果を再認識したところでございます。これらの経験から、県立美術館が西日本有数の芸術・文化の拠点施設として発展するためにも、こうした世界的視野で価値の高い作品を展示することができるよう、海外有名美術館の所蔵作品展の開催などについて、今後、十分検討していきたいと考えております。  また、中・長期的な視点から、国際交流拠点としての本県の魅力づくりを考えていく中で、国内外から注目される国際的な芸術・文化拠点機能の集積についても、その可能性を検討してまいりたいと考えております。  次に、男女共同参画社会の形成に向けての取り組みについてお尋ねがございました。男女共同参画社会の実現は県政の最重要課題の一つであると認識しており、広島県男女共同参画プランに基づき、意識啓発や女性の人材養成など各種施策に取り組んできたところでございます。国においても、二十一世紀の我が国社会を決定する重要課題であると位置づけており、昨年六月に男女共同参画社会基本法が制定され、本年中に基本計画が策定される予定となっております。しかしながら、本年二月の国の世論調査によりますと、男女の固定的役割分担意識は依然として根強く残っております。また、女性が社会進出するための条件整備についても、十分とは言えない状況にあるなど、御指摘のとおり、多くの課題がございます。これらの課題を解決するため、女性の参画に関して目標値を設定する積極的改善措置、いわゆるポジティブアクションの導入を含め、プランの見直しを行うなど、より積極的に取り組んでまいります。また、男女共同参画社会の実現に向けた基本的な条例の制定については、その必要性、内容、効果などについて検討してまいりたいと考えております。  次に、県と市町村の連携についてのお尋ねがございました。来るべき分権型社会にあっては、県と市町村は対等・協力の関係に立ちながら、市町村は基礎的自治体として地域特性を生かし、総合的かつ自主的に行政サービスを提供する役割を担っております。一方、県は、広域的自治体として、市町村の区域を超える施策を推進するとともに、専門性を必要とする事務などに関して、市町村を補完する役割を担うものであります。こうした観点から、県と市町村で行われている施策を、いま一度見直し、新たな役割分担のもとで緊密な連携を図りながら、効率的かつ効果的な行政を推進することが必要となっております。これまでも県行政の推進に当たっては、市町村長との会談を初め、地方機関における地元意見の聴取など、さまざまな機会を通じて意見交換を行い、市町村と緊密な連携を図ってまいりました。御指摘の県政中期ビジョンについても、市町村の御意見をお聞きしながら策定することといたしております。また、今後、地域発展プランを策定する際にも、市町村と共同でそれぞれの地域の発展や振興方策を考えるなど、その意向を十分に反映したいと考えております。今後とも、県と市町村が地方自治を担うよきパートナーとして、相互理解のもとに、それぞれの施策を効果的かつ円滑に進められるよう努めてまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 23 ◯議長(檜山俊宏君) 空港港湾局長藤田郁夫君。        【空港港湾局長藤田郁夫君登壇】 24 ◯空港港湾局長(藤田郁夫君) 福山港内港地区の埋め立てについてお答えをいたします。  福山港の港湾計画におきましては、福山内港地区の第三工区は、交流拠点用地、埠頭用地、交通機能用地などを一体的に整備することとしております。御指摘の福山市が整備する都市計画道路福山港洗谷線の必要性についても十分理解しているところでございます。しかしながら、第三工区の整備につきましては、社会経済情勢の変化を踏まえ、交流拠点用地及び埠頭用地について現行の利用計画を見直すとともに、採算性確保のための事業手法の検討などを通じて、この事業の熟度を高めていくことが必要でございます。このため、現在、埠頭用地につきましては、旅客船クルーズ基地の整備計画を見直し、実現可能な利用計画の策定に向け、再検討を行っているところであります。また、福山市におかれましても、交流拠点用地について、都市部における貴重な親水空間として認識をされ、新たな利用計画を、ことし秋までにはまとめることとされております。今後、県・市が連携して、本年度中に事業計画が策定できますよう努めてまいります。その上で、国との調整や、必要とあれば港湾計画の変更も行い、できる限り早い時期に、都市計画道路も含めた各事業に着手ができるよう努力をしてまいります。 25 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。        【教育長辰野裕一君登壇】 26 ◯教育長(辰野裕一君) 教育問題について、四点お答えを申し上げます。  まず、小中学校における教科書採択地区についてお尋ねがございました。公立の小中学校における教科書の採択地区につきましては、法令により、市もしくは郡の区域、または、これらの区域を合わせた地域を単位として都道府県教育委員会が設定することとされており、現在、全国平均が一県当たり十地区のところ、本県においては八地区となっております。本県の採択地区をめぐる状況といたしましては、一つには、設定後四十年近く経過しており、地区内の人口の大幅な変化等が生じていること、二つには、国の行政改革委員会においても、学校教育における多様化・個性化という観点から、採択地区の小規模化について提言がなされていること、三つには、来年度、平成十三年度が新教育課程に基づく新しい教科書を採択する年となっていることなどから、その見直しについて検討すべき時期に来ていると考えております。このため、県教育委員会といたしましては、本年度、文部省から教科書改善のための採択モデル地区調査研究事業の委嘱を受け、近々に学識経験者等による採択地区検討会議を設置し、検討を開始することといたしております。その際には、市町村教育委員会の意向なども十分にお聞きするとともに、既に独立した採択地区となっている広島市や呉市と並び、中核市である福山市を一つの採択地区とすることなども含めて検討し、今年度中には見直しの方向を示したいと考えております。  次に、県立高校の通学区域の見直しについてお尋ねがございました。公立高等学校の通学区域につきましては、生徒の居住地により高等学校受検の機会が大きく異なることのないようにすることや、生徒が多様な学校選択ができるようにすることとの調和を図るなどの観点から、教育委員会において校区を指定する制度であります。本県においては、現行の通学区域の原形を制定してから二十年以上経過し、その後、生活圏域や交通事情等がかなり変化していることや、御指摘のように、近年各学校の特色づくりが進み、普通科においても、その特色が明確になりつつあることなどから、通学区域を本格的に見直す時期に来ていると考えております。  また、本年三月に中学校二年生の保護者を対象に実施した高等学校に関するアンケート調査結果においても、通学区域につきましては現状よりも拡大し、選択できる学校の数をふやしてほしいとする意見が最も多かったところでございます。こうしたことから、学校関係者や学識経験者等で構成する検討会議を近く設置し、今後の高等学校のあり方や入試制度のあり方について幅広く検討していく中で、通学区域の見直しについても御検討いただき、高等学校の新教育課程が実施される平成十五年度からの実施を目指して取り組みを進めてまいりたいと考えております。  なお、通学区域の見直しに当たりましては、御指摘のように、学校・学科の配置や特色づくりにあわせ、生徒がみずからの希望や適性等に応じて幅広く学校選択ができるような方向が望ましいものと考えており、検討会議への諮問に際しましては、そうした観点での検討をお願いしたいと考えております。  次に、指導力不足教員対策など、人事管理上の諸課題への対応についてお尋ねがございました。学校において豊かで充実した教育活動が行われていくためには、教員一人一人がその資質や力量を高め、意欲を持って取り組んでいただくことが重要であり、そのためには、中長期的な計画に基づき、各種研修の充実や広域的な適材適所の人事配置などにより、適切な人事管理を行っていくことが必要であります。その際、子供との信頼関係を築くことができないなど、著しく指導力を欠く教員、御指摘の、いわゆる指導力不足教員については、継続的な研修を行い、指導力の向上を図る一方、子供の指導に直接当たることのないような人事上の措置を講じたり、ケースによりましては、地方公務員法に定める休職、免職などの分限制度の的確な運用を図ることも必要であると考えております。県教育委員会といたしましては、今後、こうした課題への対応を初め、人事評価制度の見直しや人事管理のシステム化、あるいは、学校の経営管理や多様な人事交流のあり方など、教職員の人事管理上の諸課題に対し、総合的に対策を講じてまいりたいと考えております。このため、本年度から三年間、文部省の委嘱を受け、これらの諸課題の改善に向けて、調査研究事業に着手することといたしております。今後、早々に行政、民間、学識経験者等で構成する研究会を設置して、実践的な研究事業を行い、成案を得られたものから逐次、実施あるいは制度化を図ってまいりたいと考えております。  最後に、同和教育の見直しについてお尋ねがございました。同和教育の推進は、本県教育における重要な課題の一つでありますが、公教育における同和教育は、もとより関係法令にのっとり、教育活動全体を通して適正に行われることが必要であります。この場合、御指摘のように、「同和教育をあらゆる教育の基底に据える」ということにより、同和教育がすべての教育活動や法令に優先するとするのは、誤った考え方であると考えます。また、このような、いわゆる「同和教育基底論」により、一部の地域や学校において、同和教育にさえ熱心に取り組んでいればよいといった風潮や、「総括」などの名のもとに、同和教育の視点から学校教育活動全体を点検評価することなどの状況が見られることについては、公教育のあり方から見て問題があると認識しております。同和教育も、他の教育活動と同様、公教育の基本である憲法、教育基本法、学校教育法、学習指導要領等に基づいて行われるべきことは当然であり、県教育委員会といたしましては、このような考え方に基づき、必要な指導を行ってまいりたいと考えております。  次に、学校での生徒の発言等に関する運動団体との連携についてでございます。御指摘のように、このようなことは、あくまで教育指導上の課題として、学校の責任で解決するのが基本であると考えます。その際、保護者や関係者の意見を適切に受けとめるのは大切なことですが、連携の名のもとに、運動団体が学校に運動論を持ち込んだり、みずからの主張を受け入れるよう一方的に働きかけたり、また、校長の権限を侵すような要望を学校が受け入れたりするようなことは、決してあってはならないことであり、そのような場合には、運動団体との対応は行うべきではないと考えます。中立公正の原則が厳しく求められる公教育の場にあっては、教育と政治運動や社会運動との関係は明確に区別されるべきものであり、県教育委員会といたしましては、今後このような観点に立って、いわゆる教育介入の排除を初め、各学校における教育の中立性の確保に特段の意を払ってまいりたいと存じます。  最後に、同和教育の今後のあり方についてでございます。人権教育のための国連十年に関する国内行動計画や人権擁護推進審議会の答申でも示されているように、国においては、今後、同和問題のみならず、さまざまな人権問題に取り組むことの必要性が強調されているところであります。このことを踏まえ、県教育委員会といたしましても、庁内に人権教育推進プロジェクトチーム検討会議を組織し、新たに学校における人権教育にかかわる指針について検討を進めているところであり、今後、その検討に基づき、具体的な方針を明らかにしてまいりたいと考えております。 27 ◯議長(檜山俊宏君) 警察本部長小田村初男君。        【警察本部長小田村初男君登壇】 28 ◯警察本部長(小田村初男君) 国際港を抱える地域における治安の維持についてお答えいたします。
     近年、外国の犯罪組織が我が国に進出してきており、その犯行形態は巧妙化、多様化いたしますとともに、都道府県境を越えて、広域化、スピード化してきております。本県におきましても、ここ数年、検挙人員は増加しております。また、犯行後、直ちに他府県あるいは国外に逃走するといったように、広範囲に、しかも素早く移動するため、捜査は困難化しております。警察といたしましては、このような来日外国人犯罪が治安維持上の最重要課題の一つであると認識いたしまして、昨年の九月一日に広島県警察国際組織犯罪対策本部を設置し、体制の整備を図ったところであります。昨年から本年にかけまして、県下では三件の集団密航事件が発生しておりますが、このような集団密航事件等の発生時には、発生地のいかんを問わず、同本部を核として統制のとれた捜査指揮を行うなど、来日外国人犯罪に関する諸施策を推進しているところであります。また、海上保安庁、入国管理局、税関など関係機関との連携強化や、地元企業、住民、関係団体などによる沿岸協力会を結成し、水際対策を推進しているところであります。来日外国人犯罪は、治安維持上、予断を許さない状況にありますことから、今後とも、事件検挙を中心に、地域と一体となって諸対策を強力に推進していく所存でありますので、御理解と御支援をお願いいたします。 29 ◯議長(檜山俊宏君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第七五号議案 広島県公安委員会委員の任命の同意については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。        【「異議なし」と言う者あり】 30 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。  それでは、県第七五号議案 広島県公安委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。        【賛 成 者 起 立】 31 ◯議長(檜山俊宏君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会へ審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元へ配付いたします。  お諮りいたします。明二十九日及び三十日は、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。        【「異議なし」と言う者あり】 32 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は七月三日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。        午後二時五十四分散会 広島県議会...