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  1. 広島県議会 1999-06-02
    平成11年6月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成11年6月定例会(第2日) 本文 1999-06-28 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 26 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯平 浩介選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 8 : ◯福祉保健部長谷口 隆君) 選択 9 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 10 : ◯教育長辰野裕一君) 選択 11 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 12 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 13 : ◯河原実俊選択 14 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 15 : ◯知事藤田雄山君) 選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯福祉保健部長谷口 隆君) 選択 18 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 19 : ◯県民生活部長阪本博臣君) 選択 20 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 21 : ◯総務部長渕上俊則君) 選択 22 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 23 : ◯企業局長(河野二六夫君) 選択 24 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 25 : ◯教育長辰野裕一君) 選択 26 : ◯議長檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第六〇号議案         至第三十七 報第一四号 3: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第六〇号議案 広島県介護保険審査会の公益を代表する委員の定数を定める条例案から日程第三十七、報第一四号 平成十年度広島県水道用水供給事業会計予算繰越計算書までの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。平 浩介君。         【平 浩介君登壇】 4: ◯平 浩介君 自由民主党広島県議会議員会の平 浩介でございます。  改選後、最初の質問者としての機会を与えていただき、感謝をいたします。我々議員の今任期中に、いよいよ二十一世紀を迎えることになり、時代は大きな節目を迎えようとしていますが、それと時を合わすかのように、国においては中央省庁の改革が進められ、地方では国からの分権が実行されようとしております。国・地方を通じて、新時代にふさわしい簡素で効率的な行政システムを実現するためには、国と地方の適切な役割分担が必要であり、中央集権型から分権型社会への大変革が、今強く求められています。  こうした中、現在、国会で審議中の「地方分権推進一括法案」は、近日中に成立するものと見込まれ、地方分権もいよいよ新たな局面を迎えようとしております。このたびの地方への分権は、明治以来形成されてきた、国・都道府県・市町村という縦の関係を対等・協力の横の関係に転換する大改革であると政府は説明しております。確かに、今回の目玉とも言われている機関委任事務の廃止は、中央による地方支配という構図の代表的事例とも言われてきた制度を取りやめるものであり、画期的な改革と言える一面を持っております。しかし、機関委任事務を廃止し、自治事務と法定受託事務とに再編成するという今回の取り組みも、地方分権推進委員会の勧告では、全体の八割を自治事務にするはずであったものが、五五%に後退し、各省大臣が自治事務について是正要求ができるようになったことなどを見ると、本当に国と地方が対等・協力の関係になると思っていいのか、疑問に感じる部分もあります。  さらに、地方分権を推進する上で、避けて通ることのできない財源の問題については、地方税財源の確保や国庫補助負担金の整理・統合化といった重大課題の検討が不十分なままであり、地方分権は、緒についたに過ぎないと受けとめた方がよいと考えます。地方分権を進めていくことは、中央にとってみれば、省庁組織、人員、補助金の削減を意味し、それは既得権を手放すことにつながり、具体的な実行となると、中央・地方の利害がぶつかり合う場面が多いというのが実情であります。  また、分権の進行に伴い、豊かな地域とそうでない地域とで差が出てくる可能性がありますが、地方として、こうした格差はなくすべきものと考えるのではなく、むしろ、地域の個性、多様性として受けとめる覚悟が必要であり、地方もその姿勢を問われております。こうしたことから、地方においては、待ちの姿勢ではなく、みずからの自治能力を高めるための自己改革を遂げ、分権を勝ち取るという強い意志が欠かせないと考えます。地方議会の果たす役割も、当然見直さなければならず、我々議員は、みずからの見識を高める研さんの努力を怠らず、時代の潮流を乗り切り、地方分権にふさわしい新たな県議会のあり方を追求していく必要があります。  そこで、質問の第一は、地方分権とそれに伴う行政改革についてであります。地方分権の新たな展開が期待される中で、国と地方が真の意味で対等・協力の関係に近づいていくためには、県としても、事業のあり方や体制を根本的に見直し、市町村への事務の移譲が円滑に進むよう最大限の努力を払う必要があります。本年度、広島県版の地方分権推進計画を策定することになっていますが、どのような考え方のもとに計画策定を進めていくのか、まずお伺いいたします。  第二点は、地方分権における、いわゆる受け皿論の問題であります。地方に権限を任せ、財源を持たせても、公正で効率的な執行ができるのかという地方への根強い不信感は、今もって払拭されておりません。中央は、分権を進めると言いながらも、地方自治体の統治能力に、なお疑問を持っているようでありますが、私自身は、十数年、本県の職員と接してみて、能力的には、今議論されている地方分権の内容に十分こたえ得るものがあると確信しております。  今般、久保副知事が自治省に帰られるとお聞きしております。久保副知事は自治省からの派遣とはいえ、本県での勤務が十三年余りに及び、半分は広島県人とも感じています。優秀な人材を失うことになり、残念でありますが、この際、長年にわたる御労苦に感謝し、今後の御活躍をお祈りするものであります。
     さて、後任の副知事は自治省から迎えると言われています。自治省に限らず、中央から来ておられる幹部職員は、いずれも有能な人材であり、中央との人事交流の意義を否定するものではありませんが、その一方で、本県採用、いわゆる生え抜きの人材が副知事に登用されていい時期が来ているとの思いが、私にはあります。地方分権を唱えるなら、地元の人材が副知事を務めるぐらいの気概を地方は持つべきという個人の意見を述べておきます。  ところで、受け皿として問題にされているのは、県よりも、むしろ市町村であると考えます。老人福祉の問題でも、規模の小さい自治体では、その能力に限界があり、効率的で質のいい行政サービスを行うには、おのずと自治体の適正規模があると思われます。地方分権が成果を上げていくためには、市町村の自治能力を高めていくことが不可欠であり、自治体の体質を強化するには、市町村合併が有効な手段と考えます。国や県は、これまで合併に対して大胆な働きかけは控えてきましたが、市町村の自主的判断や盛り上がりに任せるだけでは、なかなか合併は実現しないというのが実態であります。地方分権が根づくためには、市町村合併の成否がかぎを握っていると言っても過言ではなく、明治の大合併、昭和の大合併に続く、平成の大合併とも言うべき流れをつくっていくためには、国や県がより踏み込んで思い切った役割を果たすことが強く求められています。  とりわけ、県は国よりも各地の実情に通じていることから、市町村合併に対する県の役割は非常に重要であります。二十一世紀の広島県のあるべき姿を考えるとき、県も市町村と一体となって分権の受け皿としての市町村の体制整備を今こそ真剣に検討すべきであります。自治省の市町村合併研究会は、先月、報告書をまとめましたが、それは、具体的な市町村合併パターンを盛り込んだ要綱を来年中につくるよう全都道府県に求める内容となっています。私見ではありますが、県が策定中の地方分権推進計画の中に、この報告書にある合併パターンを先取りして提示し、合併の議論の風を起こしてはいかがでしょうか。また、市町村合併に対する県独自の財政的支援を検討するお考えはないでしょうか。この際、地方分権という大義のもとに、批判を恐れず、大局に立って、市町村合併に関する具体的な県の考えを示して、積極的に合併を促進すべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いします。  第三点は、地方分権に伴う県の行政改革についてであります。地方分権に引き続き、二十一世紀初頭には、国も一府十二省庁の体制となることがほぼ固まり、ここ二年足らずの間に国・地方の行政システムは、大きな変貌を遂げようとしております。こうした変革に対応するため、今、新たな視点からの県の行政改革が求められています。地方分権も自治とか分権というだけでは、行政関係者だけの関心事にとどまり、県民の興味を引かない側面を持ちます。地方分権と県の行政改革により簡素で効率的な県行政が実現することを、わかりやすい形で県民に提示する必要があります。このたびの地方分権一括法案では、地方の自主性を縛ってきた必置規制の廃止・緩和を推進することとされています。今までは、本当に必要かと疑問に思えるものでも、法令等で義務づけられていれば、県が弾力的に対応することが難しかっただけに、必置規制の廃止・緩和は、地方の自主組織権をより尊重するものであると評価しております。本県では、これを先取りする形で、保健所と福祉事務所の統合等に取り組んできた実績があるだけに、必置規制の廃止・緩和を好機ととらえ、さらにこれを有効に生かした行政システムに改善していくことが必要と思いますが、その具体的方策をどのようにお考えでしょうか。  また、昨今の厳しい経済状況下で行われている民間企業のリストラを見聞きすると、本県のリストラは、まだまだ手ぬるいと言わざるを得ない面があります。現在、五年間で職員数を三%減らす計画が進められていますが、この際、最低でも一〇%削減するという上方修正した新たな目標を掲げ、そのためには、どのような改革が必要であるかという視点に立つべきと考えますが、いかがでしょうか。  本県では、現在、新しい行政システム改善推進計画の策定が進められていますが、大きな時代の変化の中で進められる行政改革だけに、対症療法的なものではなく、知事の英断により抜本的な改善計画がつくられ、それが実施されることを強く願っております。  そこで、新しい行政システム改善推進計画においては、地方分権と県の行政システムとのかかわりをどのようにとらえて策定するのか、先ほど指摘した点も含め、これからの行政改革への知事の姿勢を具体的にお示しいただきたいと思います。  質問の第二は、介護保険制度の導入についてであります。来年四月からの介護保険制度の実施を目前に控え、この十月からは要介護認定の作業がスタートするなど、その準備は、まさに待ったなしの段階を迎えたと言えます。しかしながら、この時期に至って、なお、保険者である市町村の体制整備のおくれや保険財政悪化への懸念など、さまざまな問題が指摘されています。このたびの介護保険制度は、準備期間が短いことに加え、そもそも一定規模の人口を有する地域でなければ、公平で安定的かつ効率的な運営が困難な仕組みになっております。そのため、人口の少ない自治体では、単独の準備には限界があり、複数の市町村による広域的対応が望まれています。厚生省の調査によれば、保険財政も含めた広域運営は、三月現在、全国で五十九地域四百四十二市町村に及び、昨年十月時点に比べ、地域数では倍以上になっております。  一方、本県では、保険財政まで含めての広域化を決定した地域は、今のところなく、広域での取り組みは、介護保険認定審査会の設置にとどまっております。また、全国では三十六の広域連合が介護保険の事務を処理することとしていますが、本県では、広域連合は一つも発足していません。そればかりか、認定審査会の共同設置ですら、構成市町村がなかなか固まらない地域もありました。島根県では、独自の交付金制度を設け、広域化を財政面で支援しておりますし、三重県では、県内四地域に専任の県職員を配置し、実務面で広域運営を支援しています。当事者である市町村同士では、広域化のメリットや必要性を感じながらも、利害が必ずしも一致せず、話し合いが困難な場面が多々あったのではないかと思います。まさに、こういうときこそ、県の役割が求められるのであり、広域化について、県はもっと明確な調整力を発揮すべきではなかったでしょうか。介護保険は実施後において、さまざまな改善が図られる必要が生ずるものと思われます。保険財政も含めたさらなる広域化が検討される可能性もありますが、県とすれば、介護保険の広域運営について、今後どのような体制で、どう対処していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  介護保険に関する第二点は、介護サービスを提供する各事業の整備状況についてであります。要介護認定を受けても、果たして希望するサービスを受けられるのかといった不安を耳にします。介護保険を提供する各事業の整備状況は、どうなっているのでしょうか、整備進捗率の見込みを老人保健福祉計画との比較でお示しいただきたいと思います。  また、老人保健福祉計画は、介護保険制度のサービス水準を想定したものではないため、計画を上回る整備がなされていても、事業によってはサービス提供量が不足する可能性があります。そこで、老人保健福祉計画との対比ではなく、介護保険の導入を踏まえて判断した場合、どの事業の整備が心配されるのか、その見通しと、この問題に対する今後の方針をあわせてお伺いします。  また、施設整備の一つに療養型病床群がありますが、その費用は、厚生省の算定によると、十年度価格で一人月額四十六万円とされ、特別養護老人ホームの約一・五倍となっております。このことは、療養型病床群を過剰に介護保険適用の対象とすると、保険料が高くなる結果につながることを意味します。こうしたことから、安易に療養型病床群をふやすべきでないとの声がありますが、その一方で、安定収入が見込まれるため、療養型病床群に転換する病院が急増していると言われています。整備目標に対する本県の病床数は、他県に比べて多いと聞きますが、さらにこれがふえるとすれば、市町村の保険財政や保険料への影響が懸念されます。本県では、どのような方針のもとに療養型病床群の整備が進められてきたのか、整備目標に対する現在の状況はどうなのか、また、他県と比較した場合、それはいかに判断されるべきものなのでありましょうか。厚生省は介護保険適用の療養型病床群を抑制したいという考えを持っているようですが、県としては、増加の見込みをどのように把握し、介護保険事業計画において療養型病床群をどう位置づけていくお考えか、御所見をお伺いします。  第三点は、要介護認定から外れた高齢者への対応についてであります。例えば現在、デイサービスを利用している人が、審査の結果、自立と判定されれば、デイサービスに通えなくなります。今のサービスが過剰であると言ってしまえば、それまでですが、デイサービスを利用している人からすれば、新たに保険料を払うことになったのに、今までのサービスが受けられない。つまり、負担はふえたのに、サービスは悪くなったということになります。それだけに、認定から外れた人々への対応が市町村の一つの悩みとなっています。県とすればこの問題をどのようにとらえ、市町村への助言あるいは支援をしていく方針か、お伺いいたします。  質問の第三は、教育をめぐる問題についてであります。昨年五月の文部省による是正指導を受けて、県教育委員会は、鋭意その改善に取り組んでこられました。その結果、まだ課題は残り、不十分な部分はあるものの、一定の成果をおさめつつあると評価しております。例えば入学式における国歌斉唱の指導について見ると、昨年度に比べて本年度の実施率は、小学校で三六・三%から八八・九%、中学校は三五・八%から八七・四%、高等学校全日制課程は二二・〇%から九八・〇%へと大幅にアップしました。しかしながら、その過程において、世羅高校石川校長が、みずから命を絶つという痛ましい事件があり、改めて哀悼の意を表するものであります。  ところで、実施率は上がったものの、学校によっては、その内容にまだ大きな問題があります。指導したといっても、ある学校ではメロディーが流されただけで、だれも歌わなかったと聞きます。また、別な学校では、新入生や保護者のほとんどが起立したのに、管理職以外の教職員は着席し、無言だったとの報道もありました。県内には、小学生が大きな声で国歌「君が代」を歌う学校もあれば、「君が代」は悪い歌だから歌ってはいけないと教え、国旗すら掲揚されていない学校があるなど、同じ広島県にあっても、地域間の差は非常に大きいものがあります。  そこで、まず、国旗・国歌の法制化についてお尋ねします。読売新聞が行った最近の世論調査によると、入学式、卒業式での掲揚、斉唱を「望ましい」とする人は、「日の丸」で八〇%、「君が代」で六七%という結果が出るなど、高い支持があります。過去に不幸な関係にあった韓国も、「日の丸」、「君が代」を、我が国の国旗・国歌として扱っており、「日の丸」、「君が代」は、国の内外で定着していると言えます。強制はいけないと反対する人たちもいますが、今の教育現場は、少数による反対の押しつけになってはいないでしょうか。現在、国会で「国旗及び国歌に関する法案」が審議されております。「日の丸」、「君が代」は、長年の慣行で、広く国民に定着していますが、成文化されていないことが、しばしば教育現場での混乱を招いていることを考慮すると、この際、法制化すべきであります。国旗・国歌の法制化に関する知事のお考えをお聞かせください。  申すまでもなく、法令に基づいて行われる公教育にあって、卒業式・入学式の内容は、学校長が学習指導要領により実施すべきものであり、外部の不当な圧力があってはなりません。国旗・国歌の実施内容の問題や地域による偏りを、どうお考えでしょうか。さらに、世羅高校校長の自殺という大きな犠牲を無に帰さないためにも、広島県教育の正常化に向け、さらなる努力を願うものですが、是正指導について、今後どのような問題意識のもとに、いかなる取り組みをしていくのか、教育長の決意をお伺いします。  次は、学力低下の問題についてであります。今の教育に、ゆとりを求める声がある一方で、最近、大学生の学力低下を懸念する声が強まっています。大学入試センターが、昨年十二月に実施した調査によると、ここ数年の新入生の学力について、全国立大学の学部長のうち約五割が学力の低下を認めております。また、学力低下が大学教育の障害になっているかとの問いに対し、八割を超える回答が何らかの支障が生じているというものでありました。東大大学院の苅谷助教授は、「健全な市民社会を維持していくためには、個人の判断力が重要であり、人間の判断力には基本的な学力が必要だ、歴史にしても、社会の仕組みにしても、知識の有無が判断を大きく作用する」と述べ、「学力低下は学校現場の問題だけでなく、将来の国民生活全体の問題になる」と警鐘を鳴らしています。これまで、学力というと、ともすれば知識偏重や詰め込み教育への反省につながることが多かったわけですが、受験教育批判にとらわれ過ぎた結果、勉強することの価値を過度におとしめたのではないかという主張に、今、我々はもっと耳を傾けるべきではないでしょうか。そうした点からすると、ことしの大学入試センター試験の結果が、業者調べによると、全国四十位から四十一位に低迷している本県は、他県以上に学力の低下を深刻に受けとめる必要があります。もちろん、学力は人間の一側面に過ぎず、学力以外で評価されるべき面が多いことは論をまちませんが、学力低下のつけは、ひいては社会に回されるとの指摘を冷静に吟味すべき時期に差しかかっていると考えます。このような学力低下に関する問題提起に対し、教育長はどのような見解をお持ちでしょうか。  また、広島県の学力不振の原因がどこにあるのか、そして、それをどのように改善していこうとされているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  教育をめぐる問題の最後は、定時制高校の見直しについてであります。戦後、定時制高校は勤労青少年に高校教育の機会を保障する場として、その役割を果たしてきました。しかし、社会経済情勢の急激な変化に伴い、近年では、勤労青少年だけでなく、中高年の社会人や全日制課程の中途退学者など、入学の動機や年齢、目的意識などの点において幅広い生徒が入学しております。こうした生徒の実態に合わせ、さまざまなニーズにこたえていけるよう、県教育委員会は、定時制課程の機能を充実していく考えを示しておられますが、そのためには、定時制高校の一定規模の確保が不可欠であります。しかしながら、定時制高校の中には、生徒数がわずかな学校がありますし、在校生はある程度確保されてはいても、休学者が多いことから、実際の授業はわずかな生徒で行われている学校も少なくなく、今の規模のままでは効果的な対策は難しいと思われます。  また、先ほど行政改革に触れましたが、教育の分野も聖域と考えるべきではありません。内容の充実のためにも、また、効率的な学校運営のためにも、定時制の統合を真剣に検討する必要があります。今定例会に戸手高校校舎建設の設計変更が専決処分として報告されています。これは、第十学区にある定時制四校を統合しようとすることから生じた変更と聞いております。この際、他の地域における定時制高校の統合あるいは適正配置のモデルになるような、生涯学習にも配慮した新しいタイプの定時制高校を設置していただきたいと考えますが、十学区の定時制の統合をどのように検討されているのか、お尋ねします。  定時制高校だからこそ、できる教育とは何か、そのために必要な学校数や規模、教育指導法はいかにあるべきか、それらを県民に明らかにし、県民に支えられる定時制高校に再編されることを強く要請いたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 平議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、広島県地方分権推進計画の策定についてお尋ねがございました。地方分権の推進は分権の受け皿となる地方団体の自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現するために行われるものでございます。本県といたしましても、県行政のシステム改善を進め、県と市町村との対等・協力の関係を築くとともに、市町村における体制の整備を図り、住民に身近な市町村の自立性を一層高めていくための支援が必要であると考えております。このため、現在、県と市町村間における分権推進のための行動指針となる広島県地方分権推進計画の策定に取り組んでおります。計画の視点として、一点目は、県と市町村との役割分担を見直し、市町村の主体的なまちづくりに必要な事務に関する権限の移譲を推進するなど、県と市町村の新しい関係を構築すること、二点目は、市町村の行財政改革や人材育成など、拡大する権限や事務を処理できる行政体制を確立すること、三点目は、住民の生活圏の広がりに機動的に対応できるよう、合併を含む広域行政の推進方策と支援策について検討することなどであると考えております。この計画の策定を通じて、県と市町村がともに分権型社会の担い手となり、地方分権が現実のものとなるよう努めてまいります。  次に、市町村合併の推進についてのお尋ねがございました。市町村行政につきましては、社会経済情勢の変化に伴い、生活圏・経済圏の広がりに対応したまちづくりの推進が求められる一方で、効率性を考慮したシステムへの思い切った見直しが迫られております。加えて、地方分権に対応した行財政基盤の充実、介護保険や廃棄物処理など、新たな広域行政需要への対応、少子・高齢化に伴い地域活力が低下する中での行政サービスの確保などのため、広域行政の推進が強く要請されております。このような状況の中で、都道府県の積極的な関与を求めた自治省の市町村合併研究会の報告書が出され、今後、合併パターンの策定などを内容とする県の要綱の作成について、国の指針が具体的に示されるものと思われます。このため、県といたしましては、市町村合併を重要課題の一つとしてとらえ、広島県地方分権推進計画の策定を通じて、合併についての基本的な考え方を明らかにしてまいります。  さらに、国の指針に基づいて県が策定する要綱の中で、市町村との議論を積み重ね、地域の実態に応じた合併への枠組みを明らかにするとともに、過去の合併の取り組みも参考にしながら、合併市町村の行政運営が円滑に進むための効果的な支援策を検討してまいります。  次に、地方分権に伴う県の行政改革についてのお尋ねがございました。国の策定した地方分権推進計画及びそれを実施するための一括法案は、新憲法下における五十年余にわたる国と地方の関係を上下の関係から、対等・協力の関係に変え、地方の自主性・自立性の強化を目指した大改革を行うためのものでございます。地方分権の推進により地方公共団体の自己決定権が拡充されると同時に、自己責任の拡大を伴うこととなります。その結果、地域の課題については、基本的にその地域がみずから決定し、みずからの責任により対処していくことがより強く求められるものと考えております。  県におきましても、既存の行政システム全般の見直しを引き続き行い、本格的な地方分権時代の到来に向けて、厳しく自己改革を行っていくことが必要不可欠であると認識しております。このため、民間の活力や自主性を生かす観点からの行政の役割や地方分権時代における国・県・市町村の役割分担などを踏まえ、県の担うべき事務事業の範囲や、これに伴う組織機構等のあり方などの見直しを進め、簡素で効率的な行政システムを構築してまいりたいと考えております。  また、必置規制の廃止などが行われることにより、組織や職員配置についてみずからの判断により決定できる範囲が広がることになりますので、交通・情報通信網の発達や産業構造の変化などの社会経済情勢に応じた行政需要の動向などを踏まえ、見直しを行ってまいります。職員数につきましても、県の行う事務事業の範囲や県と市町村の役割分担などを踏まえまして、抜本的に見直し、県全体にかかわる新しい職員数の見直し計画を策定してまいります。今後、行政システム改革計画の策定を急ぎ、改革目標、実施内容やスケジュールなどを県民の皆様に具体的にお示しするとともに、その実現に向け、最大限の努力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、介護保険の広域運営についてのお尋ねがございました。介護保険の保険者は市町村とされておりますが、小規模な町村にあっては、事業の安定的な運営の面で、さまざまな課題がございます。このため、制度の円滑な推進に向け、要介護認定事務はもちろんのこと、サービス基盤の整備や保険財政の運営を含め、広域化への取り組みが重要であると考えております。こうした考えのもとに、特に中山間地域の市町村を中心に広域的な対応を強く働きかけているところでございます。その結果、現在までに十五地域六十五市町村が要介護認定事務を中心に広域的な取り組みを進めているところでございます。しかしながら、現時点では、認定事務の広域化にとどまっている地域が多く、それ以上の広域化には至っていないのが実情でございます。こうした状況を踏まえ、市町村におけるさらなる広域的取り組みを推進するため、県を挙げて人的・財政的支援策を検討しているところであり、十月からの要介護認定に向けて、より一層積極的な指導・支援をしてまいる所存でございます。  次に、国旗・国歌の法制化についてのお尋ねがございました。議員御案内のとおり、政府は、国旗及び国歌に関する法案を、今月十一日に閣議決定し、国会に提出したところでございます。私も「日の丸」が国旗で、「君が代」が国歌であることは、長年の慣行であり、広く国民の間に定着していると認識をいたしております。  しかしながら、議員御指摘のごとく、成文化されていないことが、しばしば混乱を招いており、国旗・国歌の位置づけを明確化するという観点から、法制化されることが望ましいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 8: ◯福祉保健部長谷口 隆君) 三点について御答弁申し上げます。  まず、介護サービスを提供する事業の整備状況についてでございます。介護サービスの平成十一年度末における整備見込みについてでございますが、介護保険施設となる特別養護老人ホーム及び老人保健施設は、老人保健福祉計画の整備目標を上回る見込みでございます。居宅サービス関係では、ショートステイ専用ベッド数及び老人保健施設等のデイケアを含めたデイサービスは整備目標を超えておりますが、ホームヘルパーは八〇%と目標を下回る見込みとなっております。  次に、介護保険の導入を踏まえた整備状況についてでございます。まず、施設サービスにつきましては、特別養護老人ホーム入所待機者の状況等を考慮いたしますと、老人保健施設や療養型病床群を含めて対応するとしても、引き続き整備を要するものと考えております。  また、在宅サービスにつきましては、介護保険制度の実施によりまして、現行の整備見込みや老人保健福祉計画の目標値を大幅に上回る需要が生ずるものと予測しており、民間事業者の参入意向等も踏まえて、積極的な取り組みが必要と考えております。このため、現在、全国の市町村で一斉に行われております介護サービスの需給見込み量調査の本県における取りまとめを急ぎ、早急に新たな整備目標を設定の上、計画的な施設整備や民間事業者の参入促進を進め、必要な介護サービス提供量の確保に努めてまいります。  次に、療養型病床群についてでございます。本来、療養型病床群は、慢性期の患者さんが長期にわたって入院・療養できる病床として整備が進められてきた経緯がございます。昨年九月には、県の保健医療計画におきまして、国の指導に基づき、要介護者のための当面の整備目標として、四千八百三十九床を定めたところでございます。本年四月現在、療養型病床群全体の数が八千五百四十九床となっており、他県に比べ整備目標数に対する比率は高くなっておりますが、これらは、介護保険制度の施行後におきましては、介護保険の適用を受けるものと医療保険の適用を受けるものとに区分されます。このうち、介護保険の適用を受ける療養型病床群につきましては、特別養護老人ホーム、老人保健施設に比べまして、特に医療ケアの必要性の高い要介護者の受け皿として位置づけられます。  介護保険事業計画における具体的な整備目標につきましては、地域の施設整備の状況や施設間のバランス等地域特性も考慮するとともに、単価の高い療養型病床群が保険料水準へ及ぼす影響の大きさなども勘案する必要がございます。このため、介護保険の運営主体であります市町村とも十分協議をし、適切な療養型病床群の整備計画を策定してまいりたいと考えております。  次に、要介護の認定がなされなかった高齢者への対応についてでございます。デイサービスなど在宅サービスの利用者で要介護または要支援と認定をされなかった高齢者につきましては、市町村において寝たきり予防や健康づくり等の見地から、例えば生きがい対応型デイサービスやひとり暮らし高齢者などへの生活支援型ホームヘルプサービスなどの事業を推進することにより、これまでのサービス水準を低下させないことが大切であると考えております。国におきましても、こうした高齢者の生きがい対策や健康づくり対策など介護保険制度の周辺施策への市町村の取り組みを促進するために、本年度、新たに在宅高齢者保健福祉推進支援事業を実施いたしておりますので、この活用を図っていくほか、国の制度の対象にならない事業につきましても、県独自のトータルケア推進交付金制度により、地域の高齢者の実情を踏まえた市町村の取り組みを積極的に支援してまいります。 9: ◯議長檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。         【教育長辰野裕一君登壇】 10: ◯教育長辰野裕一君) 三点についてお答え申し上げます。  初めに、文部省の是正指導についてでございます。昨年五月に行われた文部省是正指導につきましては、この一年間、信頼される公教育の基盤の確立を目指し、関係者の特段の努力と取り組みによって一定の成果を上げてきたところであります。しかしながら、今春の卒業式・入学式における国旗及び国歌の取り扱いにつきましては、御指摘のとおり、一部の学校でその実施内容が学習指導要領の趣旨に照らして、必ずしも十分でなかったり、県東部の一市一町で国旗及び国歌がともに実施されないなど、地域的な偏りが見られたことも事実であり、まことに遺憾に思っております。  このように、是正指導の実施に関しましては、国旗及び国歌の取り扱いを初め、依然として是正が満足に行われていなかったり、実態を十分に伴っていないものがあるなど、いまだに幾多の課題があると認識をいたしております。このため、是正指導二年目となる今年度におきましては、基本方針である「公教育は法令にのっとって、適正に実施すべきものである」ということを踏まえ、一つには、責任と権限のある学校態勢の確立を図り、主体的な学校運営の実現を図ること、二つには、保護者・県民に、学校教育の取り組みや内容、成果、課題等の情報を積極的に提供し、広く県民の理解と協力を得て、風通しのよい開かれた学校づくりを推進することなどに特に重点を置いて進めてまいりたいと考えております。  二十一世紀を間近に控えた今日、教育は大きな変革期に入っており、新しい学習指導要領による豊かな教育を創造していくことが求められております。次代を担う子供たちの教育をより一層充実させ、県民に信頼される公教育の確立を目指し、今後とも各学校長や市町村教育委員会とも緊密な連携を図りつつ、新たな決意で是正指導の着実な実施に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、学力低下問題についてお尋ねがございました。大学生の学力低下の問題につきましては、今日、全国的にも大きな課題となっているところですが、県内の大学からも授業が成り立たないなど、大学教育に支障が生じているとの声を聞いているところであります。また、御指摘のような各種のデータを見ましても、現時点における本県高等学校生徒の学力は、残念ながら、全国的にかなり低位に位置していると認識しており、本県の県立高等学校において、日々の学習指導を充実させ、生徒の教科学力を高める取り組みが必ずしも十分ではなかったと率直に反省しなければならないと考えております。  こうした状況を生み出した背景としましては、一つには、学校間格差を生じさせないようにするという考え方から、教育課程について、教育内容、時間割などを画一化する傾向があったことが挙げられます。さらには、受験競争をあおるとの考え方から、生徒一人一人の進路希望を実現するために、教科学力を最大限に伸長するという取り組みが必ずしも十分に行われてこなかったこともあると考えております。言うまでもなく、生徒に確かな学力をつけ、それぞれの進路希望の実現を図ることは、高等学校の担うべき基本的な責務であり、教育委員会といたしましては、教科指導や進路指導にかかわる教員の指導力の向上を図るとともに、これらに向けた各学校の体制づくりに努めてまいりたいと考えております。  また、いわゆる難関校への挑戦をも含め、生徒の進学への希望を可能な限りかなえることができるように努めることも、県立高等学校の果たすべき重要な役割の一つであると考えており、今後、高等学校の特色づくりの一環として、このような面における各学校の取り組みについても積極的に支援してまいりたいと存じます。  最後に、定時制高校の見直しについてお尋ねがございました。定時制課程につきましては、平成九年七月に、いわゆる定時制・通信制ビジョンを示したところでありますが、中学校卒業者数の減少や入学者数の状況、さらには財政事情などを踏まえ、定時制教育の充実を図る観点から、統合を含めた適正配置について検討を進めているところでございます。御指摘の第十学区に所在する府中高校、自彊高校、神辺高校、戸手高校の四校の定時制課程につきましては、平成十二年度に戸手高校戸手校舎の場所に統合し、定時制課程のみの独立した新設校を設置することにより、内容の充実を図る方向で、現在、検討しているところでございます。その際には、御指摘のようなさまざまな学習ニーズを持つ生徒に対し、多様な教育内容を提供する場として、充実を図っていく必要があるものと考えております。このため、生涯学習の観点も含め、一部の科目だけを履修することができる制度や、生徒の主体的な科目選択を促す単位制の活用などの柔軟なシステムの導入、さらには授業形態についても検討を行っているところでございます。  また、開かれた学校づくりの観点に立って、地域社会に貢献でき、地域に支えられる学校として整備する必要があると考えております。今後、これらの教育内容及び制度の整備等について早急に整理を行うとともに、施設の整備につきましても、あわせて検討を進めてまいる所存でございます。 11: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時二十五分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時二分開議 12: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。河原実俊君。         【河原実俊君登壇】 13: ◯河原実俊君 県議会県民連合の河原でございます。  私たち県民連合は、去る四月の県議会改選後、民主県政会、社民党議員団を中心に、民主党、無所属の方々とともに結成をいたしました県議会第二の会派でございます。私たち県民連合は、幅広い県民の皆様方の声や願いを県政に反映し、是は是としてこれを進め、非は非としてこれを正すという立場を貫き、公正・公平にして民主的な県政の推進に努めてまいります。県民の皆様方の格別の御支援を心からお願いを申し上げまして、質問に入ります。  質問の第一は、雇用対策についてであります。経済企画庁が発表した六月の月例経済報告によりますと、景気の現状は、依然として厳しい状況にあるが、各種の政策効果に下支えされて、下げどまり、おおむね横ばいで推移しているとし、従来の評価を三カ月ぶりに上方修正いたしました。また、今月十日、経済企画庁は本年一月から三月期の実質国内総生産が前期比で一・九%増加したと発表いたしました。これを年率換算いたしますと、七・九%の成長という大方の予想を超える数字となり、市場もこれに大きく反応いたしました。しかし、実態から見る限り、私の印象では、何かぴんとこないものがあります。堺屋経済企画庁長官が、思わず「ほんまかいな」と言ったそうでありますが、私も、「ほんまかいな」という気がいたしております。  一方、産業界では、企業のリストラが進み、ある大手企業では、社員の四分の一に当たる千人を減らすなど、大手、中小を問わず、人減らしの大波はあらゆる層に及んでいます。男性の完全失業率五%、女性を含めた全体の率が四・八%と過去最悪の数字となり、我が国は厳しい高失業時代を迎えました。今日、新たな職探しに苦闘する失業者三百四十二万人、そのうち、リストラ、倒産による失業者百十五万人と、これもまた、過去最悪であります。  こうした中で、広島公共職業安定所と広島東公共職業安定所の四月における相談件数は、合わせて一万件を超える状況となっており、相談までに二時間近く待たなければならないこともあると聞いております。また、来年三月卒の新規学卒者の採用も依然厳しく、いまだに氷河期から抜け出せない状況であります。リストラは、日本経済や企業が世界の経済環境に対応していくための避けられない痛みという側面はあるものの、個々の失業者にとりましては、まさに死活問題であり、ひいてはそれが経済の活力を失わせることにもなるのであります。将来につながる雇用の創出、人材の流動化を進める労働市場づくり、新規産業の育成や雇用保険などの安全ネットの整備が急がれます。このような雇用・失業情勢に対応するため、政府は、去る十一日、七十万人を超える雇用創出を図るため、緊急雇用対策及び産業競争力強化対策を打ち出しましたが、この対策が、画餅に帰することのないように願っております。本県としても、さらに悪化する雇用状況に対し、政府の施策に呼応し、あるいは県独自の雇用対策を急がなければならないと思うのであります。現在の取り組み状況と今後の対応について、知事にお伺いいたします。  第二に、広域行政にかかわる課題について、幾つか質問いたします。御承知のとおり、現在、国会において地方分権推進計画に基づく四百七十五本の「地方分権一括法案」が審議されており、近く成立する見通しであります。改正法律の大半は、来年四月から施行されることになり、来る二〇〇〇年は、いよいよ名実ともに地方の時代となります。主役である地方自治体は、住民の自己決定・自己責任の原則のもとで、国・県・市町村の新しい関係が構築されることになります。したがいまして、市町村の果たす役割が質・量ともに飛躍的に増大し、新たな広域行政の必要性が生じてくると思われるのであります。  そこで、関連して、まず介護保険についてお尋ねいたします。申すまでもなく、介護保険制度の大きな目的は、介護の社会化であり、また、介護サービスを措置から契約へ転換して、利用者による選択の幅を広げることであります。この制度をめぐっては、先月来、保険料徴収の先送りや制度の実施そのものを延期する案が取りざたされ、最近は、制度を運営する市町村の財政負担をいかにして軽減できるかという議論が活発になるなど、来年四月からの導入を前に、まだまだ課題が山積している状況であります。介護保険制度は迫り来る超高齢社会に備えて、高齢者介護の切り札とも言える重要な施策であり、また、大きな時代の流れである地方分権の柱とも言えるのであります。単独の自治体で、処理が困難と判断しているところでは、近隣の市町村と組んで、広域的に要介護認定、サービス提供や保険料徴収を行う体制づくりも進んでおり、既に全国で三千近い市町村が積極的な取り組みを表明しています。  また、国においては、先月下旬、厚生大臣が、市町村が保険財政まで含めた広域化を進めることについては積極的にこれを支援する旨の発言をするなど、広域化の支援体制が鮮明になりつつあります。本県においても、中山間地域を中心に、介護保険の広域的な取り組みが検討されており、一部事務組合による対応や介護認定審査会の共同設置など、広域化を図る方針を決定した市町村は、現在検討中の七市町合わせて六十五となり、全市町村の七六%を占めています。介護保険制度をめぐる広域連携についての基本的な考え方と、支援策も含めた今後の方針についてお伺いいたします。  二点目は、一般廃棄物の広域処理についてであります。環境問題は、二十一世紀の重要なテーマと言われています。今日の大量生産・大量消費型の社会システムは、人々に多くの恵みを与えましたが、一方で、自然やオゾン層の破壊、地球温暖化、廃棄物処理、海洋汚染、ダイオキシンなど、環境への悪影響を増大させ、人間の暮らしや命、健康を大きく脅かしつつあります。国民の健康を守るため、国が定めた二〇〇二年十二月適用のダイオキシン類の排出基準をクリアするためには、これまでのシステムでは到底対処できなくなり、従来の枠組みを超えた対策が必要となってまいりました。このため、本県では、平成十年、広島県一般廃棄物広域処理計画を策定し、ごみ処理の広域化を推進しておりますが、その進捗状況と、二〇〇二年までに基準をクリアできるのか、今後の見通し、問題点などについてお伺いいたします。  第三は、広域市町村圏の見直しについてであります。本県では昭和二十八年の町村合併促進法などにより、それまでの六市三百二十三町村から、昭和六十三年には、約四分の一の十三市七十三町村になり、現在に至っております。経済成長が鈍化するなど、厳しい社会経済環境の中で、今回、地方分権一括法の施行に伴い、多くの事務事業が市町村に移譲されると、規模の小さな市町村では対応が不可能になるおそれが多分にあります。このような状況に対処するためには、午前中の質問にもありましたように、近い将来、市町村合併は避けて通ることのできない課題であると考えます。しかし、現実は、直ちに合併に向けて動き出す状況にはないと思われるのであります。市町村においても、国や県の主導による合併促進に懸念もあり、去る二十三日、全国町村会は、合併問題は地域住民の意思と市町村の自主的判断を尊重するように求めています。  そこで、私は、将来の市町村合併に向けての前段階として、まず広域市町村圏を効果的に見直すことを提案いたしたいと思います。広域市町村圏とは、都市及び農山漁村地域を一体とした日常社会生活圏としてとらえ、その総合的な振興を図るものであり、本県では、昭和四十四年以降、十の圏域を設定しているものであります。この圏域では、市町村が一部事務組合を組織し、消防やごみ処理などで広域行政を推進しており、一定の役割を果たしてまいりました。しかし、設定から既に三十年が経過し、今日の社会経済の変化や地域住民のニーズに必ずしもこたえ切れていないのではないかと思われます。介護保険の広域的な取り組みにおきましても、佐伯郡吉和村や賀茂郡黒瀬町などは、広域市町村圏を超える形で連携を図ろうとする動きも出ております。  そこで、県当局は、将来の市町村合併を視野に入れ、広域市町村圏がさらに機能を発揮するよう見直すべきであると考えますが、いかがでございましょうか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドライン関連法についてであります。周辺事態に際して、我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律などガイドライン関連法が先月二十四日、成立いたしました。この法律は、日本周辺の武力紛争など周辺事態が発生した場合に、後方地域で自衛隊が米軍を支援することを初めて可能としたほか、国が地方自治体や民間企業などに協力要請することができるということになっており、地方自治体にとって、看過できない問題を含んでおります。しかも、自治体の協力については、その内容が不明確であり、場合によっては、県民生活に大きな影響を及ぼすおそれがあるのであります。今月上旬に地方自治体などの協力のあり方について説明したマニュアル案が報道されました。それによると、これまで政府が示していた港湾・空港使用など十一項目の協力例のほかに、消防法に基づく負傷兵の救急搬送、自治体が管理する港湾・空港施設の使用に関する民間会社の協力例などが追加されております。また、自治体の協力拒否については、使用内容が施設の能力を超えるなど、正当な理由がある場合と限定し、実質的には拒否できないものとなっております。したがって、いざ戦闘状態になれば、地方自治体の意見は抑えられ、米軍への協力によって、相手国からは戦争当事者としてみなされる、つまり、戦争に巻き込まれることになるおそれがあるのであります。政府は、これから米軍基地周辺の自治体の意見を聞き、七月中にはマニュアルとして完成させる方針であると聞いております。  そこで、県内の米軍関係施設について見ますと、東広島市、呉市及び安芸郡江田島町にそれぞれ弾薬庫があり、中でも東広島市の施設は、極東最大級の弾薬庫と位置づけられています。周辺事態が発生した場合、ここから全国の米軍基地に弾薬が供給される重要な役割を果たすことになるのであります。知事は、その重要拠点がある本県の代表として、現在まで政府に対して、どのような意見を述べてこられたのか、また、これまでに示されている地方自治体の協力例をどう受けとめ、今後いかに対応されようとしているのか、お伺いいたします。  質問の第四は、県出資法人の見直し計画についてであります。今次定例会に県が資本金の二分の一以上を出資等している二十五法人の経営状況説明書が提出されております。これによりますと、単年度での赤字の団体が八法人、累積で赤字が二法人あります。昨年度、県は、出資している六十三法人の見直しに着手し、去る二月に具体的な見直し計画を発表いたしました。それによると、一定の目的を達した法人は統廃合する、民間と競合する事業は縮小・撤退する、職員派遣や財政支援は必要最小限にとどめることを基本方針としています。そして、具体的には、四法人の統廃合、二十八法人に派遣している県職員を平成十六年四月までに一〇%程度削減するとともに、十一年度における財政支援を十年度より約七億三千万円減少して、約三十二億七千万円にするとしております。これまでにない視点からの見直し内容であると、一定の評価をすべきだと思います。しかし、県出資法人のうち、特に第三セクターの多くは、バブル経済期に設立され、その後の社会経済情勢の変化に対応できなかったことによって経営が悪化しているものが数多く見られます。民間企業がリストラを進め、不採算部門から撤退したり、採算の悪い子会社を別の子会社に吸収させるなど、生き残りをかけて必死の努力をしているとき、県の出資法人においても、法人の統廃合、リストラ、合理化に向けて、もっと大胆に大なたを振るう必要があると考えます。県出資法人のさらなる統廃合と合理化策について知事の思い切った対策を求めるものでありますが、そのお考えをお伺いいたします。  次に、企業局の土地造成事業についてお尋ねいたします。平成十年度末現在における県の産業団地の在庫は、約百六十九ヘクタールであります。これは、広島市民球場のグラウンドが約百四十つくれる面積であります。分譲が促進された時代の平成三年度初めの在庫が六十五ヘクタールであったのに対し、現在は約三倍の在庫を抱えているという状況であります。一方、年間の分譲量は、平成元年度から四年度の平均が四十二ヘクタールであったのに対し、五年度から十年度までの平均は十三ヘクタールと急減をしております。そして、それを裏づけるように、土地造成事業会計は、平成十年度決算で赤字を計上する見込みのようであります。産業団地は、雇用や税収の増加、投資の創出など地域や県経済に波及効果をもたらすものであり、ある程度長期的スパンで見ていく必要があることは理解いたします。しかし、景気の低迷があるとはいえ、これだけの在庫を抱え、赤字経営に陥った土地造成事業の今後に対して、私は大きな危惧を抱いているものであります。こうした土地造成事業の現状をどう認識されているのか、また、厳しい経営状況を踏まえて、分譲促進対策を初め、どのように経営の健全化を進めようとされているのか、明確な答弁を求めます。  質問の第五は、「ひろしま国際平和祈念がんセンター」についてであります。去る三月二十三日、知事の諮問を受けて整備基本計画を検討していた「がんセンター整備推進委員会」から最終報告が提出されました。この報告では、昨年の中間報告どおり、立地場所として、安芸郡坂町の広島港坂地区開発区域が推薦されており、地元としても、大変歓迎いたしております。計画されているがんセンターは、全国で初めての機能分担型として、地域の医療機関と提携し、高度な放射線治療や化学療法などが実施されるものであり、大きな期待が寄せられております。  そこで、最終報告を受けられた知事は、がんセンター整備に向けて、今後、どのように進めていかれるのか、お伺いいたします。  質問の第六は、教育問題についてであります。  まず、基礎学力の充実についてお尋ねいたします。全米科学財団が昨年、主要十四カ国の大学生の科学テストを行ったところ、日本人の平均点は百点満点の三十六点、下から二番目だったという報告がございます。また、東大工学部が定期的に行う数学の学力調査によると、平均点が、八〇年代は五十点ありましたが、それから十点も下がっており、苅谷助教授は、「日本の大学は、教育の国際競争力を失っている」と述べています。新入生の学力低下が深刻になり、特に自主的・主体的に取り組む意欲が低い、理論的な思考力、それを表現する力が不足し、三〇%の大学で高校の補習授業を行っていると言われています。その原因は、幾つかあると思いますが、教育関係者は、誤った「ゆとり教育」や個性重視の教育にその原因があると指摘し、また、少子化に伴う定員確保のため、経営上の観点から入試科目を減らして、いわゆる一芸入試や推薦入学の拡大にあると言います。生徒を送り出す高校においても、かつての偏差値重視の反省から個性やゆとり重視に転換したことに、一定の評価を受けたのは事実であります。しかし、それが必ずしも大学の活性化につながっていない。個性的なのはファッションだけで、発想は横並び、基礎学力を備えていないため、専門知識の習得も、高度な研究能力もおぼつかないと言われております。今回の学習指導要領の改訂で、教科内容がさらに三割削減されると聞いています。今後、「ゆとり教育」という聞こえのよい名のもとに、ゆとりが怠けを招き、授業がより易しく安易な方向へ流れるとすれば、我が国の教育はまさに危機的な状況に陥ると懸念せざるを得ません。  そこで、教育長にお伺いいたしますが、本県の児童生徒の基礎的な学力の現状をどう認識しておられるのか、他府県との比較もあわせて示していただきたい。  次に、今日の高等学校における学力の問題は、当然、小・中学校の学力充実の取り組みと連携しなければ、その成果は上がりません。一貫した方策を講じることが重要であると考えますが、教育長の御所見を伺います。  また、児童生徒のゆとりや個性重視と学力充実という一見矛盾した難しい取り組みについてどのように考えておられるのか、基礎学力の充実についての有効な方策はあるのか、お尋ねをいたします。  最後に、「学級崩壊」についてお尋ねいたします。今日、子供たちが学校で教師の指示に従わず、授業が成り立たない、いわゆる学級崩壊と呼ばれる現象、また、学校全体が機能しない「学校崩壊」が高校の中で起きています。しかも、それは高校から中学、小学校へと低年齢化し、大きな問題となっています。にもかかわらず、県教育委員会は、学級崩壊の定義が定まっていないことがその理由からか、学校現場の実情を十分に把握していないようであります。教育の基本にかかわるこのような状態が起きるのは、学校の取り組み姿勢、教師の指導力、子供の自己抑制の欠如、社会的風潮や家庭の教育力、高校における学校間格差など、さまざまな要因が絡み合っていると思います。私の知人で、県内のある小学校へ転任した教師が、この四月から受け持ったクラスが、学級崩壊で全く授業にならず、正常化するまで、これから一年近くかかるだろうと話しています。不思議なことに、事前に校長からも同僚からも、そうした実態を全く知らされず、教室へ出て、初めてその事実に直面したというのであります。前任の教師が自分の力量不足を知られたくないためか、だれにも相談せずに一人で問題を抱え込んでいたのでありますが、こうした例は、他にも数多くあると思うのであります。その教師は、自分の体験から、「教員同士が話し合い、協力し、まとまりのある学校は絶対に学級崩壊は起きない」と話していました。中国の古典に、「子を養いて教えざるは父母の過ちなり、訓導して厳ならざるは師の怠りなり」という言葉があります。家庭のしつけ、教師としての厳しい指導の大切さを教えたものであると思います。今日の学級崩壊の実態をどう把握し、今後いかなる取り組みを行っていくのか、教育長にお伺いをいたします。  県教育委員会におかれましては、学校週五日制、新学習指導要領、文部省の是正指導など、教育をめぐる問題が山積する中で、本県教育の再生を目指し、教職員団体や保護者との話し合いを深め、努力を続けていかれるよう強く要望いたします。  終わりに、このたび、久保副知事が自治省に帰られるということであります。久保副知事は、昭和六十年に税務課長として本県に赴任されて以来、通算で十三年間余り、この間、総務部長、教育長などの要職を歴任され、本県に多大の御貢献をされました。改めまして、長年にわたる御労苦に深く感謝し、今後ますますの御活躍を心からお祈りをいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 14: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 15: ◯知事藤田雄山君) 河原議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、雇用対策についてのお尋ねがございました。本県の雇用情勢につきましては、大変厳しい状況にあると認識をいたしております。このため、県といたしましては、雇用対策として、雇用の場の拡大を図るために、中小企業に対する雇用促進のための融資、ベンチャー企業の育成支援、地域産業活性化推進会議の設置等による既存産業の事業展開に対する支援などを実施するとともに、労働者の就職を支援するために、新規学卒者などを対象とした各種合同面接会の開催、障害者を多数雇用する事業所に対する融資、企業の行う中高年齢者の教育訓練への助成などを実施をしているところでございます。  先般、国においては、中高年齢者を中心とした非自発的失業者と学卒未就職者に重点を置いた緊急雇用対策をまとめられました。その内容は、民間企業における雇用機会を創出するとともに、失業なき労働移動を支援すること、国・地方公共団体において、臨時応急の雇用、就業機会を創出することなどが中心となっております。県といたしましては、現在進めております雇用対策を着実に実施するとともに、国の補正予算等で具体化する施策と連携を図りながら、今後とも、より実効ある雇用対策を推進してまいります。  次に、広域市町村圏の見直しについてのお尋ねがございました。広域市町村圏については、設定後約三十年を経過し、住民生活の実態や社会経済情勢も変化する中で、新しい行政ニーズに対し、的確な対応が困難な状況も出ております。また、広域市町村圏計画の多くが、平成十二年度が終期になっていることもあり、見直すべき時期に来ていると考えております。見直しに当たりましては、これまで進められてきた各行政分野の広域的取り組みの検証と少子・高齢化の進展など、これからの行政ニーズに対応できるものであること、地方分権の進展により、合併を含めた広域行政の枠組みの変化などに対応できるものであること、県の行政システムの整合性を図ることなどの視点が重要であると考えております。今後、これらのことを念頭に置きながら、人口規模など圏域の要件にも柔軟に対応し、これから広域行政を展開する上で、真に機能的な圏域となるよう検討してまいります。  次に、「ガイドライン関連法」について御質問がございました。いわゆるガイドライン関連法につきましては、国会で議論された結果、成立したものであり、県といたしましては、これを尊重する立場にあると考えております。御指摘の地方公共団体の協力につきましては、その内容いかんによっては、県民生活や地域経済活動に少なからぬ影響を及ぼすことが考えられますことから、これまで渉外知事会や全国知事会などを通じまして、国に対して、具体的な情報を適時、的確に提供するとともに、事前に地方公共団体の意見を十分聴取し、その意向を尊重するよう要請してきたところでございます。こうした要請を受け、地方公共団体の協力事例が示されておりますが、依然として、その具体的内容は明らかになったとは言えず、また、地方公共団体の協力については、示されている事例に限られるものでないことなど、協力要請を受ける側の懸念は完全に払拭されているとは言えない状況にございます。したがいまして、今後とも、県民の生活と安全を守るという観点から、国に対し、政令の制定やマニュアルの作成、さらには法律の運用に関して、あらかじめ地方公共団体の意見を十分に聴取し、その意向を尊重するよう引き続き要請してまいる所存でございます。  次に、「ひろしま国際平和祈念がんセンター」についてお尋ねがございました。昨年度、整備推進委員会から基本計画の最終報告をいただきましたので、今年度は基本コンセプトを具体化するための実施計画の策定に着手いたしております。このがんセンター計画には、県民だれもが高度で先進的な医療を受けることが可能となる環境をつくり、県全体のがん医療システムを構築することにより、本県のがん医療水準の向上を図るという新しい考え方が取り入れられております。したがって、今後の少子・高齢化社会や医療環境の変化に対応したがんセンターの実現に向けて、着実に取り組んでまいりたいと考えております。実施計画の具体的な検討に当たりましては、がん医療や医療制度の専門家から御意見をいただきながら、施設の概要などについてさらに詳細な検討をいたします。今後とも、県民の皆様の期待に十分こたえられるようながんセンターの整備に向け、着実に計画を進めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 16: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長谷口 隆君。
            【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 17: ◯福祉保健部長谷口 隆君) 介護保険につきまして御答弁申し上げます。  介護保険の広域化につきましては、要介護認定事務のほか、サービスの基盤整備、介護保険財政の広域化があり、それぞれ事務の効率化や専門的な人材の確保、施設の共同利用による効率化、安定的な財政運営といったメリットがございます。このため、本県におきましても、これまで市町村の広域的取り組みを促進し、その結果、現在までに十五地域六十五市町村が要介護認定事務を中心に広域的な取り組みを進めているところでございます。今後、各市町村におきまして、要介護認定事務はもちろんのこと、サービス基盤の整備や保険財政の運営を含め、一層の広域化への取り組みが推進されるよう関係各部の連携のもとに県としての人的・財政的支援策を検討しているところであり、十月からの要介護認定に向けて、より一層積極的な指導、支援をしてまいる所存でございます。 18: ◯議長檜山俊宏君) 県民生活部長阪本博臣君。         【県民生活部長阪本博臣君登壇】 19: ◯県民生活部長阪本博臣君) 一般廃棄物の広域処理についてお答えを申し上げます。  昨年度策定いたしました広島県一般廃棄物広域処理計画に基づき、三年後からさらに厳しくなるダイオキシンの排出基準をクリアすべく、県内八つの広域ブロックに設置された市町村による協議会が実施計画の策定を進めているところであります。特に、焼却施設の新設や大型化のため、緊急に対策を講じる必要がある広島、呉及び福山・府中の三ブロックは、今年三月に実施計画を策定したところであり、残りの五ブロックも今年度中に策定することとしております。なお、県といたしましては、この計画策定に係る財政支援を行っているところであります。  今後、各ブロックにおいて、実施計画に基づく施設整備を行うに当たっては、地域住民の理解と財源の確保が特に重要となります。さらに、ごみの分別やリサイクルを含めたごみ処理方策、市町村間の役割分担や広域輸送の方法など、具体的に検討していく必要があります。こうした各ブロックにおける広域処理を円滑に推進するため、県として、できる限りの支援を行うとともに、引き続き、国に対して財政支援措置を要望してまいります。 20: ◯議長檜山俊宏君) 総務部長渕上俊則君。         【総務部長渕上俊則君登壇】 21: ◯総務部長渕上俊則君) 県出資法人の見直し計画についてお答えをいたします。  本年二月に策定いたしましたこの計画におきましては、県が出資しております六十三法人すべてを対象といたしております。見直しに当たりましては、法人ごとに業務の性格や経営環境などを踏まえ、四法人の統廃合を初め、業務の外部委託や事業見直しなどによる職員数の一〇%から三〇%の削減など、考え得るすべての具体的な経営健全化や事業運営の効率化などの方策を盛り込んだところでございます。この内容を着実に実施してまいりたいと考えております。  また、個別の法人につきまして、その後の経営環境がより厳しくなった場合や見直しの前提条件に変化が生じた場合などにおきましては、その動向などを逐次見きわめながら、さらなる経営改善策や統廃合の可能性などを個別に検討してまいりたいと考えております。 22: ◯議長檜山俊宏君) 企業局長河野二六夫君。         【企業局長河野二六夫君登壇】 23: ◯企業局長(河野二六夫君) 企業局土地造成事業について御答弁を申し上げます。  産業団地につきましては、産業の活性化や地域振興などの施策に沿って県勢発展の拠点として整備を進めてきたところであります。しかし、結果として、多くの未分譲地を抱えていることにつきましては、景気の長期低迷などの要因はあるものの、企業の立地動向などの把握が十分でなかった面もあると厳しく受けとめております。こうした状況の中で、経営面においては、分譲収入の減少などにより収支状況が悪化しており、平成十年度決算では、赤字を計上する見込みであります。また、今後、分譲が進まない状況が続けば、資金状況も厳しくなっていくことが予想されます。このため、分譲促進は喫緊の課題であると認識をし、立地を希望する企業に対しては、土地の面積、形状などの違いをできる限り価格に反映させることや、支払い方法について、分割納入やリース方式を適用するなど、個々の要望に沿った対応を行っているところであります。  また、今年度から新たに分譲促進室を設置し、分譲体制の強化を図ったところであり、商工労働部との密接な連携のもと、金融機関等からの情報の収集や分析を行い、投資意欲のある企業への訪問を強化するなど、これまで以上に重点的、効果的な分譲活動に努めることとしております。  さらに、今後の経営につきましては、分譲促進による収益向上とともに、企業の立地動向を踏まえた事業の選択や進度調整、人件費の削減を初めとした経常経費の縮減、企業債償還負担の抑制や年度間の平準化など、事業執行や費用面からの見直しを行い、より一層の健全化に努めてまいります。本県経済の活性化を図るためには、企業立地の果たす役割は大きく、今後とも公営企業としての特性を発揮できるよう一層の経営努力に努め、県勢発展に貢献してまいりたいと考えております。 24: ◯議長檜山俊宏君) 教育長辰野裕一君。         【教育長辰野裕一君登壇】 25: ◯教育長辰野裕一君) まず基礎学力の充実について三点、お尋ねがございました。  初めに、基礎的な学力の現状についてでございますが、本県児童生徒の基礎的な学力の現状については、昨年十月に行った小学校・中学校を対象とした学力の定着状況に関する調査、あるいは高等学校入学者選抜における学力検査の結果の分析などにより、その現状把握に努めているところでございます。これらによりますと、知識・理解の面ではかなりの定着が見られる一方、思考力・判断力・表現力などについて、やや不足しているという結果が出ております。また、現在進めております義務教育改革推進協議会における委員の方々からも、本県児童生徒の基礎学力の現状は必ずしも十分なものとは言えないとの御意見をいただいているところでございます。基礎学力の現状について、都道府県ごとに比較した公表資料はございませんが、これらのことから考えますと、児童生徒に基礎学力をしっかりと身につけさせることは、本県教育にとって、極めて重要な課題であるととらえているところでございます。  次に、学力充実のための小・中・高等学校が一貫した取り組みについてお尋ねでございました。御指摘のように、基礎学力の確実な定着を図っていくためには、小学校・中学校・高等学校における教育内容を一貫したものとしてとらえ、小・中・高等学校を通じた計画的・継続的な教育を推進していくことが重要であると認識をいたしております。このため、県教育委員会といたしましては、本年度、四地域の中学校、高等学校合わせて八校を指定し、中高一貫教育のあり方等について調査研究を進めているところでございます。  また、新学習指導要領の趣旨を生かし、小・中各学校段階における基礎的・基本的な事項の定着を図る目的で、小・中学校合わせて十二校をニュースクールモデル校に指定し、実践研究に取り組んでいるところでございます。今後、このような小・中学校及び中・高等学校の間で授業研究を中心とした相互交流を積極的に推進する中で、それぞれの学校段階の児童生徒の学習の状況やつまずき等を明らかにし、指導内容、方法の工夫改善を行うなど、子供一人一人に確かな学力の定着を図っていきたいと考えております。  次に、個性の重視と基礎学力の充実についてお尋ねがございました。これからの学校教育におきましては、社会の激しい変化に柔軟に対応できるよう、みずから考え、判断し、行動できる資質や能力、いわゆる生きる力の育成を重視していく必要がございます。このためには、児童生徒に基礎・基本を確実に身につけさせ、その土台の上に立って、それぞれの個性を生かす教育を充実していくことが大切であります。すなわち、一人一人の児童生徒の個性を重視し、その可能性や創造性を最大限に伸ばしていくためには、基礎・基本の確実な習得が不可欠の前提であり、豊かで多様な個性は、このような基礎・基本のしっかりとした基盤の上に開花するものであると考えております。このため、新学習指導要領では、多くの知識を未消化のまま、一方的に教え込むのではなく、教育内容を基礎的、基本的なものに厳選し、これらの内容については、繰り返し学習させたり、体験を通じて学習させるなどして、一人一人の児童生徒に確実にその力として身につけさせることをねらいとしているところでございます。県教育委員会といたしましても、こうした考え方に立って、複数の教員で指導するチームティーチングの導入や学ぶ意欲を高めるためのコンピューターの活用、児童生徒の学力の実態、進路希望等に応じた少人数の授業クラスの編成によるきめ細かい学習指導の充実を通して、子供たちに基礎学力の確実な定着を図るよう努めてまいりたいと考えております。  また、現在進めております義務教育改革推進協議会においても、これらの具体策について検討を行っているところであり、今夏に予定される提言を今後の義務教育改革ビジョンの中に生かしていきたいと存じます。  次に、「学級崩壊」についてお尋ねがございました。子供たちが教室内で教師の指導に従わず、授業が成立しないという、いわゆる学級崩壊につきましては、県教育委員会といたしましても、教育指導の基本にかかわる新たな課題として受けとめ、対応を検討していくことが必要と考えております。そのため、今年度から新たに教育センターにおいて学級崩壊に関する講座を開設し、児童生徒への対応などについての研修を充実することといたしました。  また、ことし四月に開かれた義務教育改革推進協議会において、学級崩壊について集中的に論議がなされ、この問題を単に学校だけの問題としてとらえるのではなく、就学前からの教育の充実を図る必要があること、また、学校においては、学級担任が一人で抱え込むのではなく、学校全体として家庭や地域の協力を得て取り組まなければならないことなどが指摘されております。いわゆる学級崩壊の実態につきましては、現時点では授業の成立が困難となっている幾つかの実例を各地域の教育事務所を通じて把握しているところでありますが、県教育委員会といたしましては、今後、小・中学校を対象とした全県的な調査を行い、広範な実態把握に努めた上で、これらの原因や背景を分析し、適切な対応策を検討してまいりたいと考えております。さらに、この問題を義務教育改革ビジョンにおける課題の一つとして位置づけ、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。 26: ◯議長檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十三分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...