質問の第四は、瀬戸内海の水産資源の保護についてであります。先日発表された平成八年の県内海面漁業・養殖業生産量によりますと、本県の漁獲量は全体で十四万五千三百トンで、前年比一一%の減となっており、昭和六十三年をピークに八年連続の減少となっております。さらに、養殖を除いた海面漁業生産量は一万九千トン余りで、前年比二二%の減と、魚種によってばらつきはあるものの、総じて厳しい状況が続いております。最近は、カキの大量へい死の原因となった平成七年の赤潮の発生を初めとして、原因の特定が困難な事象もあり、水産資源はこのままでは枯渇してしまうのではないかと危惧しているところであります。県においては、種苗生産や放流などの体制整備や漁場環境の保全などに取り組まれておりますが、私は、これらの施策と同時に、一定の期間、禁漁とする保護区域を設定するなど、資源の培養を図るべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。
質問の第五は、交流型の高齢者福祉施設の整備推進についてであります。私は、先般、県議会の海外行政視察においてフィンランドの首都ヘルシンキを訪れました。ヘルシンキ市では、市内に七カ所の高齢者サービスセンターを設置・運営しており、そのうちの一つを訪問してまいりました。この施設は、高齢者向けの入居施設が併設されているほか、低額の利用料金で、ミシンを使った洋裁教室やダンス教室、陶芸、木工、絵画教室、健康相談などが利用できるようになっておりますとともに、入浴施設や明るい食堂、ビリヤードを初めとする遊技施設なども整備しておりました。各教室や施設には、それぞれ指導員がおり、この施設の入居者はもちろんのこと、地域のお年寄りも一緒になって楽しそうに遊び、また、学んでおられました。うらやましく感じると同時に、本県においても、こういう施設をぜひとも整備する必要があると感じたところであります。そこで、広島県として新しい観点から、市町村に助成金を出して、ぜひ、この高齢者サービスセンターのような交流型の福祉施設の設置を推進していくべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。
質問の第六は、交通違反の取り締まりについてであります。交通死亡事故の増加が、社会的問題として十数年前に持ち上がって以来、さまざまな対策が講じられているわけでありますが、いまだ死亡事故の減少は見られません。本県におきましても、毎年三百人近い方が犠牲となられており、平成八年一年間で、二百六十六人の交通死亡事故者のうち、六十四人の方がスピードの出し過ぎが原因で亡くなられております。こうした状況の中で、現在、県警察では速度違反に重点を置き、取り締まりを強化されており、昨年においても、交通違反総検挙件数約二十九万件のうち、四万二千件の速度違反を検挙されております。こうした交通死亡事故につながる悪質な違反の取り締まりは、今後一層強化してほしいと思うのであります。今後とも、県民に不信感を与えないことを前提として、取り締まり方法などに工夫を凝らし、さらに感謝され、信頼を得る取り締まりを推進されますことを要望いたします。
交通取り締まりに関連いたしまして、現在、県民が県警察に対して最も望んでおりますのが、一部の若者による暴走行為の取り締まりです。深夜、大きな騒音を上げてうるさいばかりではなく、信号無視や蛇行運転など非常に危険であり、このような行為がなぜ迅速に取り締まれないのか、疑問に感じております。そこでお尋ねしますが、若者による暴走行為の現状及びこれに対する取り締まりの実態はどうなっているのでしょうか。また、その効果をどのように評価されているのか、さらに、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、警察本部長に御所見をお伺いいたします。
質問の第七は、広島西飛行場の今後のあり方についてであります。地域間競争の一層の激化が予想される中で、広島は中四国地方の中枢都市として、一層その拠点性を高めていく必要があります。しかしながら、都市機能相互を結ぶ交通基盤の現状は、他の政令都市などと比較して見劣りすると感じているのは、私だけではないと思います。このような状況を考えるとき、市の中心部から至近距離に位置する広島西飛行場の活用を真剣に考える必要があるのではないでしょうか。幸い、広島空港の利用実績も順調に伸びており、先月には開港以来三年九カ月で乗降客が一千万人を突破したところであります。開港当初は利用率の低迷などさまざまな問題がありましたものの、その後、関係者の努力により、新規路線の開設や滑走路三千メートル化の着手など、中四国地方の拠点空港として着実に発展してきております。また、広島西飛行場もコミューター路線の拠点として着実に路線開拓を進めてきており、十月には広島西-鹿児島線のコミューター便の就航も予定されているなど、順調に推移しております。ところで、既に島根県や鳥取県では二空港体制となっており、そう遠くない将来に一県二空港時代がやってくるはずであります。そのときに備えて、また、中四国地方の中枢都市として広島市がその拠点性を高めていくためにも、私は、西飛行場の沖出しを行い、コミューター路線に限らず、航空路線網の充実・強化に取り組むべきだと考えます。今後の広島西飛行場のあり方についてどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いいたします。
質問の第八は、広島市東部地域の交通問題についてであります。
一点目は、広島駅新幹線口から祇園新橋へ直結する二葉山、牛田山トンネルの整備についてであります。広島駅新幹線口周辺の道路は一日じゅう渋滞しており、中四国地方の中枢拠点都市を標榜しながら、その陸の玄関である駅周辺の渋滞をいつまでも放置することは許されないことであります。この抜本的な解決策として、私は、広島駅新幹線口から祇園新橋を直結し、二葉山、牛田山を通過するトンネルを整備すべきであると考えております。これまでにも本会議で幾度となく質問してまいりましたが、その間、地域の交通渋滞は一向に解消されることなく、今日に至っております。この際、広島市など関係者と早急に調整を図り、この実現に向けて踏み出すべき時期であると考えますが、どのような見通しをお持ちでしょうか、お伺いいたします。
二点目は、中山踏切の立体交差化についてであります。広島市東区の芸備線中山踏切は、朝夕の通勤時間帯の交通混雑が激しく、交通事故も多発しております。この解消のためには、立体交差化するのが最善であると思います。県においても、道路管理者である広島市やJR西日本など関係者と早急に調整を図るなど、この実現に向けて御尽力をお願いしたいと考えるところでありますが、その見通しについてお尋ねいたします。
最後に、学校教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の問題について要望しておきます。先般、一部マスコミにより、平成四年度に県教育長名及び県教委名で、公立学校の入学式、卒業式での国旗や国歌の取り扱いについて、誤解を与えるような内容の
文書が出されていることが報道されました。もし、これが事実とすれば、県民の公教育に対する信頼を裏切る憂慮すべき事態であります。県教育委員会には、学習指導要領にのっとって毅然とした姿勢で学校を指導されるよう強く要望して、私の質問は終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
5: ◯副
議長(
滝口次郎君) 当局の答弁を求めます。知事
藤田雄山君。
【知事
藤田雄山君登壇】
6:
◯知事(
藤田雄山君) 斎木議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、地方機関の再編整備についてのお尋ねがございました。現在の厳しい財政状況の中で、簡素で効率的な行政を実現していくためには、単に職員数を削減するだけではなく、御指摘のような行政組織の見直しも不可欠であると考えております。さきの行政システム改善推進懇話会の御提言を踏まえ、現行の行政システム改善推進計画における重点取り組み項目を再構築いたしましたが、このような観点から、「組織・機構の見直し」を柱の一つに位置づけ、時代の変化に即応した機能的な組織づくりに取り組むことといたしております。具体の内容につきましては、今後検討していくことになりますが、道路網や情報通信網の整備、あるいは行政客体の減少や市町村への権限移譲等、行政組織見直しの前提となる各種の条件が大きく変化をしております。したがいまして、今後、地方機関の再編を含め、全体としてバランスのとれた行政組織を構築してまいりたいと考えております。
次に、広島西飛行場の今後のあり方についてのお尋ねがございました。広島西飛行場につきましては、平成四年、県内各界から幅広く意見を聞くため、現空港跡地問題協議会が設置され、その存続問題が議論されたところであります。その中で、広島西飛行場は当面、コミューター、小型機の就航を図るという結論が出され、地元住民の御理解も得て飛行場を残した経緯がございます。一方、平成五年十月に開港した広島空港は、開港以来、国内線、国際線の充実とともに、利用も順調に推移しており、中国・四国地方の拠点空港として重要な役割を果たしてきております。現在は、さらに滑走路の三千メートル化の推進や空港ターミナル機能の整備検討など、中枢性を高めるための取り組みを進めているところでございます。したがいまして、広島西飛行場につきましては、広島空港との機能分担を図りながら、引き続き、コミューター航空専用飛行場として利用を推進してまいりたいと考えております。このため、御指摘の広島西飛行場の滑走路の沖出しやコミューター航空路線以外での運用につきましては、ただいまのところ、検討する環境にはないものと考えております。
その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。
7: ◯副
議長(
滝口次郎君) 商工労働部長
高見貞四郎君。
【商工労働部長
高見貞四郎君登壇】
8:
◯商工労働部長(
高見貞四郎君) 既存商店街の活性化、空き店舗対策についてお答えいたします。
中小小売業を取り巻く環境は、車社会の進展や消費者の行動パターンの変化などの社会情勢の変化に加え、大型店等の進出による競争の激化や経営者の高齢化と後継者不足などによりまして、既存の商店街に空き店舗が増加するなど、非常に厳しい状況にあります。こうした状況に適切に対応していくためには、既存商店街の活性化や空き店舗対策は極めて重要であると認識しております。このため、商店街活性化対策としましては、アーケード、カラー舗装などの商業基盤施設の整備に対し、助成や融資を実施するとともに、広島県産業振興公社に設置しております基金の運用益による商店街活性化計画の策定やイベントの実施などへの助成、さらに、本年度は高齢者への宅配サービスや都市部と中山間地域との連携強化などの先進的な取り組みに対し助成を行っているところでございます。また、空き店舗対策につきましては、商店街の空き店舗を活用したFMサテライトによる地域情報の発信や、新規開業者向けの貸し店舗などのモデル事業に対して、昨年度に引き続き、助成を実施しているところでございます。
なお、国におきましては、平成十年度に向けまして、中心市街地活性化のための総合的な対策が検討されております。県といたしましても、国の動向も踏まえながら、街づくりの観点から、各地域の実情に応じた商店街活性化対策を実施してまいりたいと考えております。
9: ◯副
議長(
滝口次郎君) 農政部長
山川雅典君。
【農政部長
山川雅典君登壇】
10:
◯農政部長(
山川雅典君) 三点、御答弁申し上げます。
まず、農協の監査体制の強化についてでございます。近年の農協を取り巻く厳しい情勢の変化に対応して、御指摘のように、昨年末、農業協同組合法が改正されたところであり、今後の農協運営に当たっては、経営基盤の強化と役員の資質の向上が、これまで以上に重要になってくるものと考えております。このため、県としては、経営基盤の安定した農協となるよう合併を強力に推進、指導するとともに、公認会計士や税理士など専門的知識を備えた、組合員以外のいわゆる員外監事や学識経験を有する理事が登用されますよう、農協を指導しているところでございます。しかしながら、小規模な農協においては、専門的知識のある員外監事などの人材を得ることが難しい面もございますので、来年四月から農協中央会に設置されます公認会計士を活用するなど、農協監査の充実を図るよう指導してまいります。今後とも、あらゆる機会を通じて農協の役員研修の充実など人材育成に努め、経営責任能力の向上を図ってまいりたいと考えております。
次に、農協の合併推進について御答弁申し上げます。農協系統組織では、平成十二年度を目途として全国連と単協のいわゆる系統二段階制への移行が進められており、本県の農協組織においても、昨年、JA改革本部委員会を設置しまして、現在あります十八農協構想を見直すべく、鋭意検討されているところでございます。この見直しに当たりましては、県としても、農協の事業活動の効率的な範囲や地域における経済圏あるいは生活圏など、組合員サービスが行き届く範囲での合併の考え方を基本としまして構想を策定するよう指導しており、現在の十八農協構想がおおむね半分以下となるよう、系統内部で話し合いが進められているところでございます。合併構想の具体的推進に当たりましては、農協間相互の理解と合意のもとに、農協中央会や地元市町村との連携を密にして、早期実現に向けて積極的に指導してまいる所存でございます。
最後に、瀬戸内海の水産資源の保護について御答弁申し上げます。瀬戸内海は、好漁場に恵まれていることから、多数の漁船が小型底びき網でありますとか、あるいは刺し網など、さまざまな漁法により、多くの種類の魚を漁獲いたしております。このため、従来から漁業調整規則などに基づきます操業禁止区域でありますとか、あるいは網目制限などによりまして、漁業秩序の維持を図っているところでございます。また、これらの規制に加えて、本県では、すべての漁業を周年操業禁止とする保護水面でありますとか、ガザミ、クルマエビなど特定の魚種を一定期間操業禁止とする育成水面といったものを、一部の海域ではございますが、関係漁業者の理解を得ながら設定するなど、幼稚魚の保護育成にも努めているところでございます。こういった取り組みによりまして、あるいは、稚魚の放流といった栽培漁業の推進によりまして、マダイ、ガザミ、ナマコなどといった魚種につきましては、徐々にではございますが、その効果もあらわれております。しかしながら、漁業資源全体としてみれば、御指摘のとおり、十分とは言えない状況でございます。このため、今後は、これらの取り組みとあわせまして、漁業者みずからが操業禁止区域や禁止期間を定める、そういったことによりまして、限られた資源を有効利用する、いわゆる資源管理型漁業をより一層推進して、水産資源の保護・増大に取り組んでまいりたいと考えております。
11: ◯副
議長(
滝口次郎君) 福祉保健部長谷口 隆君。
【福祉保健部長谷口 隆君登壇】
12:
◯福祉保健部長(谷口 隆君) 交流型の高齢者福祉施設の整備推進について御答弁申し上げます。
高齢者の方々のレクリエーション、教養の向上、創作・生産活動、あるいは健康づくり等を促進し、支援することは、大変重要でございます。このため、本県におきましては、高齢者の方々が身近に利用できる交流や文化活動などの場として、おのおのの市町村において、老人福祉センター、老人集会所やふれあいプラザなどの整備を進めてまいりました。現状では、老人福祉センター四十九カ所、老人集会所やふれあいプラザは六百カ所以上整備をされてきております。このほか、公民館などの類似の施設も相当整備されており、このような施設をベースに、地域における高齢者の活動・交流が展開をされております。したがいまして、当面は、これらの既存施設の有効活用が一層図られ、高齢者の社会参加、生きがいづくり、相互交流、健康づくりなどがますます活発に行われるよう、市町村や関係団体を支援してまいりたいと考えております。御指摘のフィンランドなど諸外国の事例につきましては、今後研究し、可能なものにつきましては施策に反映させてまいりたいと存じます。
13: ◯副
議長(
滝口次郎君) 都市局長
渡辺孝則君。
【都市局長
渡辺孝則君登壇】
14:
◯都市局長(
渡辺孝則君) 広島市東部地域の交通問題について、二点お答えを申し上げます。
初めに、二葉山、牛田山を通過するトンネルの整備についてでございます。広島駅新幹線口周辺の交通混雑を緩和するためには、幹線道路網の効率的な整備により、交通を分散させる必要があると考えております。このため、指定都市高速道路として、安芸府中道路や府中仁保道路の整備に今年度から着手し、安芸府中道路と広島駅付近を結ぶ東部線についても、ルート等の検討を進めているところでございます。また、幹線街路として安佐南区中筋と東区温品を結ぶ中筋温品線、及び、東区矢賀と南区大州を結ぶ矢賀大州線については既に事業着手されております。これらの路線が整備されますと、新幹線口付近の交通混雑は、ある程度、緩和されるものと考えています。したがいまして、当面は、これら計画路線の整備の推進に重点を置き、二葉山、牛田山を通過するトンネルにつきましては、これらの道路の整備状況や交通状況、地域の動向等を見ながら検討していく必要があると考えております。
次に、中山踏切の立体交差化についてお答えいたします。先ほど申し上げましたが、現在、安芸府中道路と広島駅付近を結ぶ路線として、指定都市高速道路の東部線が広島市において検討されております。この東部線は、中山踏切付近を通過するルートが考えられますことから、中山踏切の立体交差化についても、この計画策定とあわせて検討がなされているところでございます。今後は、できるだけ早い時期にこの計画が確定するよう、広島市と調整を図っていきたいと考えております。
15: ◯副
議長(
滝口次郎君) 警察本部長
小池登一君。
【警察本部長
小池登一君登壇】
16:
◯警察本部長(
小池登一君) お答えを申し上げます。
まず、暴走族の現況でありますが、県内の暴走族は、八月末現在で二十六グループ、約二百五十人を把握しております。構成員の大半は十六歳から十八歳までの少年で、広島市や福山市内において土曜日の深夜を中心に暴走行為を繰り返しております。
そこで、暴走族の取り締まりでありますが、県警は暴走族対策室を中心に、警察署との連携を強化し、集中取り締まりを実施しております。暴走行為に対しましては、道交法に規定する共同危険行為等の禁止違反を初め、あらゆる法令を駆使して厳しく対応しております。本年に入り、五十四名の逮捕者を含む百五人を検挙し、十七グループを解散させております。また、取り締まりにあわせて、暴走族追放の啓発活動や、道路管理者に対する道路環境の整備を要請しております。
このような結果、暴走行為に関する一一〇番受理状況を見ますと、本年は八月末現在で約二千四百八十件であり、昨年に比較し、約四百九十件、一七%の減少を見ております。しかしながら、暴走族の壊滅のためには、警察の取り締まりだけでは十分ではなく、家庭、学校、行政等、関係分野の方々の協力が不可欠であります。警察といたしましては、今後とも暴走族取り締まりを一層強化してまいる所存であります。
17:
◯斎木貞暁君
議長……。
18: ◯副
議長(
滝口次郎君) 再質問を許します。斎木貞暁君。
19:
◯斎木貞暁君 私は、過去十年間、農協監査体制の強化について質問してまいりました。歴代の農政部長が、その都度、善処すると答えてきておられますが、一向に改善の兆しが見られないのですが、先ほどの農政部長の答弁にもありますように、少し前進したと思います。全国に先駆けて、独自の強力な指導がなぜできないのでありましょうか。公認会計士、税理士について、せめて全農協に対して事業年度の決算監査だけでも導入することはできないのでしょうか。また、合併についても遅々として進んでおりません。通り一遍の指導では事態が進展しないのではないかと思いますので、再度、農政部長の決意のほどをお伺いいたします。
20: ◯副
議長(
滝口次郎君) 農政部長
山川雅典君。
【農政部長
山川雅典君登壇】
21:
◯農政部長(
山川雅典君) 御答弁申し上げます。
これまでも、公認会計士や税理士などの専門的知識を有する者を監事に登用するよう、常例検査のたびごとに指導しておりますが、農協関係者の経営管理意識そのものが低いというようなことにより、このような農協は全体の三分の一程度の農協にとどまっているのが現状でございます。御指摘のとおり、専門的知識を有する第三者によります監査は、農協経営の健全性確保のためには何よりも重要でございます。県としても、まずは、改正され、農協の中央会に置かれることになっております公認会計士を講師として、農協の監査の特別研修を行うというようなこと、あるいは、監査事務について指導・助言を受けるといったような活用をしながら、農協の監査体制の充実が図られるよう指導してまいりたいと考えております。
次に、合併の推進についてでございますが、農協をめぐる金融・経済情勢が激変する中におきまして、広域合併は避けて通れないという農協の役職員の認識改革が重要であろうと考えております。私も、JA改革本部委員会におきまして、合併は農協みずからの問題であり、系統組織の存亡をかけて取り組むよう強く指導するとともに、具体的に、それぞれの地域におきましても、おおむね農林事務所ごとに関係者が協議するような場を設けてまいりたいと考えております。広域合併の実現には、乗り越えなければならない課題もございますが、合併助成法の期限は平成十二年までということになっておりますので、この期間内に広域合併がなされるよう精いっぱい指導してまいります。
22: ◯副
議長(
滝口次郎君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。
午前十一時二十分休憩
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
午後一時三分開議
23: ◯
議長(檜山俊宏君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。
引き続いて質問を行います。石橋良三君。
【石橋良三君登壇】
24: ◯石橋良三君 私は、自由民主党如水会の石橋良三でございます。今次
定例会におきまして質問の機会を与えていただきましたことを、お礼申し上げます。
質問に先立ちまして、故堀友議員の御逝去に謹んで哀悼の意を表するものであります。
さて、戦後五十二年が経過した今、私は、何ゆえに、この国は自信を失い、夢を失い、希望を失い、誇りを失ったのか。同じ日本人が、どうしてみずからの国を辱めるのか。世界は、このような日本をどのように見ているのだろうか。彼らは、心のどこかで、この国をあざ笑っているのではないかと思えてならないのであります。自虐的な歴史教育により、自分の親や祖父が犯罪者なんだと、繰り返し繰り返し教え込まれた若者たちの心は今や完全にむしばまれ、言いかえれば、それは日本の将来がむしばまれていくということでもあります。国民が誇りを失えば、国は必ず滅びていくのは世の常であります。今こそ、我々は、日本民族にとり、歴史の真実とは何であったのかを、先人並びに子孫のために明らかにしなければならないのであります。
かつて福沢諭吉は、「政治上の失策は影響は大きいが、それに気づいて改めれば、鏡面の曇りをぬぐうのと同じで痕跡は残らない。しかし、教育の場合は、阿片のように全身に毒が回って、表面にあらわれるまでには歳月を要し、回復には幾多の歳月を要する」とも言っております。今の日本も、広島県も、まさに教育においては死に至る病にかかっていると思うのであります。極言すれば、これは子供に対する虐待であり、自国の歴史を虐待するということは、自国民を虐待し、ひいては日本を虐待する行為と断じざるを得ないのであります。私は、この現状を憂い、広島県の教育の将来のため、また、広島で育ちゆく子供たちのために、あえてこの質問をするものであります。
質問の第一は、新聞報道等による国旗・国歌の自粛
文書についてであります。
去る八月三十一日の産経新聞の一面に大変ショッキングな報道がなされました。すなわち、本県教育委員会が平成四年に、入学式・卒業式の国旗掲揚、国歌斉唱にブレーキをかけるような
文書を、当時の菅川教育長名で県高等学校教職員組合に提示していたというものであります。その
文書は、「二・二八確認書」とか「菅川確認書」などと呼ばれているようですが、内容は、日の丸を「侵略や植民地支配に援用された」などと敵視し、君が代の歌詞についても、「憲法になじまない」、「差別につながる」などと批判しており、国旗・国歌の尊重を求めた現行学習指導要領を逸脱するようなものとなっているのであります。さらに、この
文書の趣旨を徹底させるために、県教育委員会から「文理解釈」が出され、現状のままでは、国旗の掲揚も、国歌の斉唱もできないと思わせるような内容になっております。我が国の国旗・国歌については、過去に戦争などの不幸な経緯があったことは事実ですし、これについて一部の人たちが反対する意見を持っていることも、全く理解できないわけではありませんが、過去の戦争に対する反省は必要だとしても、日の丸・君が代自体に問題があったわけではないのであります。旗や歌には責任はないのであります。「二・二八確認書」について、菅川氏は、新聞の中で「広島県高教組に提示したものだ。反対運動の考えも
文書に盛り込み、それを説得材料とすることによって、日の丸・君が代教育を推進したかった」と説明しており、また、学習指導要領との関係については、「学習指導要領に書かれていることが、すべて国民のコンセンサスを得ているとは限らない。しかも、指導要領は時々の為政者の考えによって変わり得るものだ。国旗・国歌の取り扱いは、地域の実情に即したものであってもいいのではないか」と述べております。そもそも、日の丸・君が代教育については、臨時教育審議会などでの審議を経て、教育課程審議会で入学式・卒業式などの儀式における国旗掲揚・国歌斉唱の明確化を求める答申が出されたものであり、その答申に基づき、平成元年からの新学習指導要領に盛り込まれたものであります。国会においても、歴代の内閣総理大臣や文部大臣は、長年の慣行により、日の丸が国旗、君が代が国歌であると認識しており、子供たちが将来、国際社会に生きていくため、国民として必要な基礎的、基本的資質として、我が国の国旗・国歌はもとより、諸外国の国旗・国歌に対する正しい認識と、それらを尊重する態度を育てるために指導する意義を認めております。
本年八月の文教委員会での「学習指導要領は法的拘束力を持つか」との私の質問に対し、教育長は、「学習指導要領は法的拘束力を持つ」と明確に答えられました。その学習指導要領で「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」と規定している限り、日本国内すべての地域で遵守すべきことは明白であります。明らかに間違った認識を持った菅川氏という教育長により作られた「二・二八確認書」は、何ら法的拘束力もなく、直ちに破棄すべきものと考えるものであります。また、先ほどの産経新聞には、木曽教育長の見解として、「実際の教育現場で学習指導要領に逸脱して極端な反日の丸・君が代教育が行われているのであれば、是正しなければならない」とありました。そこで、この確認書による恐るべき弊害を提示したいと思います。
先日、私は一九九五年度版の「加茂の教育」という福山市立加茂中学校の冊子を入手いたしましたが、この中の人権学習指導案のねらいとして、このように書かれております。「日の丸・君が代が、現在学校の入学式・卒業式に強制されている現実を知らせる。」、「日の丸・君が代の歴史を簡単に学習する中で、日の丸は国旗ではないし、君が代も国歌ではないことを知らせ、日の丸・君が代の強制に対してどう思うか、考えを交流しあう。」、このように、「日の丸は国旗ではないし、君が代も国歌ではない」ことを知らせるという、明らかに学習指導要領を逸脱した授業が歴然として行われているのであります。全く常軌を逸した恐ろしい教育が、「二・二八確認書」により加茂中学校では行われている。実は、こんなことは加茂中学校だけで行われているのではなく、私の調査では数校既に見つかっているのであります。
そこで、第一点目として、四項目についてお伺いをいたします。
その一として、広島県教育では、日の丸は国旗、君が代は国歌ではないのか。
その二として、この加茂中学校の例は、教育長の言う学習指導要領を逸脱した極端な反日の丸・君が代教育ではないのか。
その三として、この「加茂の教育」という冊子による指導は、法的拘束力を持つ学習指導要領に明らかに抵触しているが、この現実に対して、どのように対応されていくつもりか。
その四として、今後、この学習指導要領に逸脱した極端な反日の丸・君が代教育をどのように是正していかれるのか、教育長にあわせてお伺いをいたします。
次に、今月、産経新聞社から発行された「正論」十月号に掲載されました広島県教育の実態についてお伺いいたします。それによりますと、本年二月、福山市立城北中学校で、日の丸・君が代を攻撃する内容のビデオを鑑賞するとともに、「天皇制」から「元号」についての問題点を学習するという人権学習指導案が検討されたが、一人の勇気ある教諭が、反日の丸・反君が代・反天皇教育に対して賛否両論を紹介し、その判断は生徒に任せるという方針で中立の授業をしたところ、差別授業であると決めつけられ、学年職員会で批判されたということであります。さらには、この教諭は本年四月から別の中学校に転任し、転任すると連日のように福山市教育委員会に出頭を命ぜられ、事情聴取と糾弾を受けた。そして、四月七日の始業式より四月十七日までの授業停止処分を受けたとのことであります。私は、この教諭と実際に会って直接話を聞いたところ、意外な事実が判明をいたしました。それは、福山市教育委員会による事情聴取の過程で、福山市教育委員会学校教育部長は、その教諭が、同和対策審議会答申にもある教育の中立性に従って授業を行ったと主張し、その
文書を提示したところ、その
文書と主張を退けさせ、かわりに「二・二八確認書」を示し、「日の丸・君が代についての県教育委員会の解釈がここにある。県のトップがこういう確認書を出しており、君も行政の一員であるならば、これを守らねばならない」と、反日の丸・反君が代・反天皇教育をしなかったことを厳しく指摘したとのことであります。また、この教諭が間違ったことをしていないという強い信念を持っていたため、福山市教育委員会同和教育指導課長が、「一人で反省文を書くのは大変だろう」ということで、「日の丸」「君が代」等に関する授業の反省という課長自身が作成した
文書を、本人が同意していないにもかかわらず、その教諭の謝罪文として謝罪を促そうとしたとのことであります。本来、法を守るよう指導すべき立場の行政が、このような指導をすることは、学習指導要領を著しく逸脱するものであります。さらに、九月十七日に発行された解放新聞広島県版には、課長が作成した謝罪文が、本人のものとして引用されているのであります。このことは、明らかに行政と運動団体が一体となって違法な教育を行っていると言わざるを得ないと思うのであります。私は、この授業をさせなかったことは職権乱用であり、また、停止された授業が補われていないとすれば、憲法第二十六条で保障された国民の教育を受ける権利及び学校教育法施行規則第五十三条により教育課程で必修とされている科目についての生徒の学習権の侵害であると思います。
そこで、第二点目として、より具体的に四項目についてお伺いをいたします。
その一として、十日間授業をさせなかったのは教育委員会か、あるいは、校長の行った処分なのか。
その二として、生徒は十日間、この教諭の担当する社会科だけ外されて授業を受けているが、なぜ社会科だけを時間割から外すという異例の処置をとったのか。
その三として、その後、生徒にどのように、この十日間の社会科の授業を補ったのか。
その四として、学習指導要領に何ら違反していないにもかかわらず、十日間も授業をさせず、連日、市教委に呼び出して謝罪するよう指導したことは、教育基本法第十条に違反していると思うが、どうなのか。これらについて教育長の御所見をお伺いいたします。
質問の第二は、教育権をめぐる親と教師の立場に関連して、違法な教育への対応についてであります。憲法の規定による、国民の教育を受ける権利に対しては、民法第八百二十条で「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と規定されております。つまり、教育をする権利は、教師ではなく親にあるわけであります。その親の権利を具現化するために、我々は国会議員を選び、その構成された国会において討議、議決された上で文教政策が決定されます。その議決によって、文部省が各県の教育委員会を指導しながら、教育をするための学校を建て、教育をするための教師を雇い入れて、親の教育権にこたえる形になっております。公立学校の教師は公務員でありますから、憲法及びそれに基づく法律に従うことは当然であります。また、教師は、地方公務員法第三十一条の規定に基づき、その職につくとき、日本国憲法を尊重し、全体の奉仕者として公正に職務を執行するよう誓約することが義務づけられております。次に、学校教育法第二十八条では、「校長は校務をつかさどり、所属職員を監督する。」となっており、教師は、校長の指導に従って教育活動をすることになっております。また、県民は皆、憲法及びそれに基づく法令によって社会生活を送っており、これに違反すれば刑罰が科せられるのは当然であります。しかしながら、本県教育界では、憲法に基づく学校教育法や学校教育法に基づく学習指導要領を否定し、さらには、教師がみずから行った誓約までも否定するなど、いわば違法な教育が実施されているのであります。福山市では、その教育に大きな影響を持つ団体として福山市同和教育研究協議会があり、その活動方針では、「臨教審や学習指導要領は、日の丸・君が代の強制や天皇美化を柱とするなど、今日まで自分たちが進めてきた同和教育や人権確立に逆行する中身を多く持っている」とか、「学習指導要領に抗する教育内容の創造と一人一人を大切にする教育実践を進めるために組織的な取り組みを進める」などとうたっております。驚いたことに、この団体の会長には福山市中学校校長会会長が、副会長には福山市小学校校長会会長と福山市教育委員会の職員などがなっており、そこでは自主教材「とうげ実践集」が市教育委員会と共同で作成されており、「日の丸は戦争の旗なんだ……ということを少しでも感じてもらうような教育をする」などと指導しております。このように、学校現場で違法な教育が行われていることは明らかであり、その現状に至った原因が「二・二八確認書」及びその「文理解釈」にあるとしたら、直ちにそれを破棄するとともに、運動団体の介入を排除し、違法な教育を実施している教師及び地方教育委員会を処罰するなどの是正措置をとる必要があると考えますが、教育委員長の御所見をお伺いいたします。
質問の第三は、私の地元の祇園北高校での出来事についてであります。昨年十一月、PTA主催の研修会として性教育講演会を実施した際、講師である医師の
発言の中に差別的表現があったというものであります。私は、先月及び今月の文教委員会で、この出来事の内容と現段階までの事実関係を
文書で文教委員会に提出するよう求めましたが、一定の整理が済むまではできないということで、いまだに資料の提出もないのであります。聞くところによりますと、今日に至るまで数度にわたり確認会や糾弾会を、事もあろうに学校内で実施しているのであります。その確認会には、これまでの多くの確認会や糾弾会がそうであったように、部落解放同盟のメンバーが多数出席し、県教育委員会の担当者も出席したと伺っております。運動団体たる部落解放同盟は、この出来事の事実関係を既に十分把握しているのに、何ゆえに県民の代表たる議会の文教委員会には、一定の整理が済むまで資料さえ出せないのか、全く理解に苦しむとともに、到底納得のできないことであります。昭和六十二年三月、総務庁から通知された「地域改善対策啓発推進指針」では、「差別事件に限らず、どのような場合にも教育の場へ民間運動団体の圧力等を持ち込まないよう、団体は自粛することが望ましい。団体の自粛がない場合には、教育委員会及び学校は、断固その圧力を排除すべきである」とされており、教育の中立性から言っても、当然のことであります。同和問題を解決するためには、自由な意見交換のできる環境を確立し、プライバシーの問題がない範囲で第三者に公開される中で議論を進めるべきであり、また、差別事件の疑いがあるならば、法務局の人権擁護委員会に依頼すべきであります。閉鎖された学校内で、集団の力を背景に大勢で個人あるいは少数を追及し、結果として行政職員が立ち会いのもとで確認書をとるという方法は、極めて違法性が強く、行政の中立性を著しく逸脱していると言わざるを得ないのであります。このようなことでは、広島県教育委員会はますます県民の信頼を失い、真の同和教育への啓発は難しくなると思いますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
質問の第四は、本県教育に対する知事の認識と決意についてであります。親の教育権にこたえる形で負託を受けた教師の一部が、県民の血税から給料を取り、このような偏向教育を、学校という閉鎖性の強い社会の中で白昼堂々と日本の将来を担う純真な子供たちに行っているのであります。教育委員会がみずから出した確認書を根拠として、運動団体が教育に介入し、違法な教育が実施されているのであります。私は、もはや、県教育委員会自身による本県教育の再生は望めないかもしれないと思うのであります。この実態が、産経新聞、「正論」十月号等で国民、県民の大いに知るところとなった今、私は、広島県教育の実態を正直に県民の前に明らかにし、県民の幸福のため、恐ろしい偏向教育の是正を図ることが、知事を中心に県民一体となって深刻な危機感を持って取り組むべき県政緊急の課題であると考えますが、知事の認識と決意をお伺いいたします。
最後に、私たちは、来るべき二十一世紀の国際社会に生きる子供たちに、我々が失いかけている日本人としての誇りをもう一度取り戻す教育を、社会を、国家を創造する責任を、私も含め、一人一人が負っているのではないかと思うのであります。以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
25: ◯
議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事
藤田雄山君。
【知事
藤田雄山君登壇】
26:
◯知事(
藤田雄山君) 石橋議員の質問にお答えを申し上げます。
本県教育に対する私の認識と決意についてというお尋ねがございました。二十一世紀を生きる子供たちに、豊かな心を持ち、たくましく生き抜いていく資質や能力を培うための教育を進め、人材を育成していくことは、本県活性化の基盤をなすものと認識をいたしております。本県教育に対する県民の皆様の期待にこたえる教育行政の推進につきましては、教育委員会において主体的に取り組んでいただけるものと思っております。私といたしましては、そういった教育委員会の取り組みに対し、支援をしてまいりたいと考えております。
27: ◯
議長(檜山俊宏君) 教育委員会委員長平田嘉三君。
【教育委員会委員長平田嘉三君登壇】
28: ◯教育委員会委員長(平田嘉三君) 石橋議員の御質問にお答えいたします。
御指摘のとおり、教育は憲法を尊重し、法律を遵守して行われるべきものでございます。したがって、当然のことでありますが、日本国憲法の精神にのっとり、教育基本法の前文に示されております教育の理念のもとに、教育基本法第八条の政治教育に関する規定及び第十条の教育への不当な支配の排除に関する規定に基づきまして、現実的かつ毅然たる態度で指導すべきものと考えます。
29: ◯
議長(檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。
【教育長木曽 功君登壇】
30: ◯教育長(木曽 功君) まず、国旗・国歌の認識及びその指導方針についての御質問にお答えいたします。日の丸・君が代につきましては、法令上の規定はございませんが、長年の慣行により、我が国の国旗・国歌として国民の間に定着していると認識しております。加茂中学校の事案につきましては、現在、把握することができておりませんので、福山市教育委員会の報告を受けて、事実関係を詳細に検討し、対処したいと考えております。教育委員会といたしましては、加茂中学校に限らず、学習指導要領を逸脱している事実があれば、関係市町村教育委員会を適切に指導し、是正を図りたいと考えております。
次に、「正論」十月号に掲載された広島県教育の実態についての御質問にお答えいたします。授業をさせなかったというお尋ねでございますが、福山市教育委員会からの報告によりますと、これは、いわゆる処分でなく、加茂中学校の校長が、当該教諭の授業にかかわる保護者の不安に配慮して、福山市教育委員会と協議の上、校長の判断で、当該教諭に授業を待つよう指示したということでございます。また、教科の授業が始まった四月十五日から三日間の当該教諭の授業につきましては、他教科の授業に振りかえをし、その振りかえられた授業は既に一学期の間に補われていると聞いております。
次に、福山市教育委員会が行った当該教諭に対する指導についてでございます。福山市教育委員会からは、校長の了解のもとに、城北中学校での授業内容等に係る課題整理についての相談や助言を行ったものと聞いております。こうした学習指導や教育課程等に関する指導・助言は、福山市教育委員会の主体的な判断に基づく対応であったものと受けとめております。
最後に、祇園北高校での出来事についての御質問にお答えいたします。一般的に学校で差別
発言があった場合でございますが、その解決に当たっては、
発言をめぐる問題点等を明らかにし、学校が主体的に取り組むことが基本であると考えております。差別を受けた同和地区児童生徒の心の痛みは深刻なものがあり、児童生徒の保護者や関係者の同和問題解決に対する願いを受けとめることも大切であります。そのために関係団体と協議することが必要な場合もあると考えております。ただ、その際、教育の中立性に留意する必要があり、御指摘の件につきましては、この観点に立って、県教育委員会として、今後、適切な対処をしてまいる所存であります。
31: ◯
議長(檜山俊宏君) 引き続いて質問を行います。山田利明君。
【山田利明君登壇】
32: ◯山田利明君 私は、自民党議員団の山田でございます。これまで我が党の佐藤議員をトップに、九人の議員がいろいろな角度から質問をされて、いよいよ最後となったわけでございますが、今回の県会は、何といいましても、厳しい財政であるということと、教育問題をどうするか、こういうことが熱い論議になったようでございます。思えば、二十年前になりますが、私が初当選したころはオイルショック直後のときでございました。宮澤県政の時代で、当時はコミュニティーという言葉がはやり、何でもかんでもコミュニティーでございました。えたいの知れない県政で戸惑ったものであり、結局は余り金を使わずにといった、いわゆる緊縮財政のときでございました。ちなみに、そのときの予算を拾ってみましたら、二千七百億円ほどでした。そして今、平成九年の予算は約四倍の一兆六百億円ほどに膨れ上がっております。ところが反面、借金もかさんできており、本年の県債残高は一兆四百七十億円となる見込みで、ちょうど一年分の予算に匹敵するものとなっております。その返済に当てる公債費は、今年一千五十億円ほどを要しております。そして、これがあと五年後の平成十四年度には、一千五百億円余になると推測されております。ちなみに、一年の土日を除いてみたとき、日ごとに何と五億円ほどを要することにもなるということでございます。こうした結果になるであろうということは、以前からわかっておりましたが、バブル時代の現象と申しましょうか、国も地方も借金を重ねながら流れてきたのが今日の状況であり、次第に利子分を含め、借金返済額が大きくなり、身動きができない状態になろうとしております。しかし、こうした厳しい財政状況にあっても、必要なものは必要なものとして、また、見直しが可能なものについては見直しするといった慎重な取り組みがなされなくてはならないと思います。中でも、教育については、県政上不変のものであってほしいと思います。子供は国の宝と申しますが、特に少子化時代を迎え、日本の将来を考えるとき、その感は強く、心身ともに健全でたくましい青少年を育成することは、県政に課せられた大きな責務であると思います。私は、その教育問題に焦点を当てて、過去を振り返りながら質問をしたいと思います。
先ほどもございましたが、現在、本県の教育現場は、やや落ち着いた感がありますが、主任制度や国旗・国歌の問題、元号使用等の見解については、いまだ底流に平行したまま流れているものがございます。しかしながら、今日では、文部省と日教組が和解し、同じテーブルに着き、「子供を中心とした、二十一世紀に向けての国際化、情報化、科学技術の発展等に対応できる思い切った学校教育の実現を」という共同見解を、たびたび見るようになりました。こうした穏やか現象の影響を受けてか、広島県の教育改革も実現に向け、動き始めたようであります。国における高校教育改革の推進については、昭和六十二年の臨教審の答申に始まり、学習指導要領の改定、また、単位制高校や総合学科の創設など、種々の制度改正にあらわれていることは言うまでもありません。本県においても、平成二年の「魅力ある高校づくり懇談会」の提言に始まり、入試制度改善検討会議からの答申、そして一昨年には、今後十年間を展望した高等学校中長期ビジョンを策定するなど、検討が重ねられてまいりました。また、このような背景としては、国際化や情報化の進展など教育を取り巻く社会変化とともに、高校への進学率の向上、偏差値偏重の是正などといったことがございます。本県の高校進学率は、昭和三十年代の終わりには八〇%台に乗り、今日では九八・二%という、いわゆる高校全入時代となりました。これは全国第三位だということであり、高校に行きたい子は全員受け入れるという方法を取り入れたわけで、これがよいのか悪いのかは、いろいろと論のあるところでありますが、本県はその道を
選択したところであり、それが、これからの高校教育改革実施に当たって、多様な生徒一人一人の進路の方向づけをするということにつながってまいるわけです。さらに、もう一つの偏差値偏重教育の是正についてでありますが、現実は、学校から帰ると、あの子もこの子もすぐに身支度を変え、塾に行く姿が見られ、そして、塾に着くなり鉢巻を締めて頑張りの時間が始まるのであります。「それがいかぬ。ゆとりもなく受験戦争に追い詰められている姿だ」というような反論がありますが、学力向上は基本的な課題であり、最近は大学への飛び級入学すら具体化が検討されており、いわゆる、次の大学進学、そして将来に備えるためにはと、親も子も切実な願望のもとに頑張る姿があるのではないでしょうか。これは見方によっては、学校教育では間に合わないので、やむなく塾で補填するのだと、学校教育に対する無言の抵抗であるようにも見えます。学校においては、一人一人の持つ能力をどこまでもしっかりと伸ばし、健康で明るい子供を育成していかねばなりません。こうしたことを背景に、本年四月には、長年の懸案であった高校入試における総合選抜制度の廃止が正式に決定されたところでございます。その後、これに関連する入試制度の改革の中で、中学を指定して、その中学の生徒数に応じ推薦枠を決めるという、新しい形の推薦制度を教育委員会が発表したところ、中学校側から、「具体的な推薦基準がない中で数を決められ、それに合わせて推薦することは困難であるとともに、推薦の段階で既に合格が決まることにもなる」と反論されたことがありましたが、このような言いわけはもってのほかではないでしょうか。中学校の三年間でそれぞれの子供が学び、成長する姿を見ながら、次の高校を選ぶとき、生徒の能力・適性・特技等々については先生が一番よく知っており、また、生徒も先生を信頼しているところであり、そうした信頼関係のもとに、先生が愛情と自信を持って生徒の指導を行い、推薦にするか、または一般の試験を選ぶかを決めてやればよいのであります。このことは、先生本来の仕事であり、責任逃れは許されるべきではありません。
さて、入試制度の改善だけでなく、今回の改革の大きな柱になっているのが、特色ある学校づくりとして、多くの高校に総合学科と自由
選択制を取り入れたことであります。私自身、総合学科や自由
選択制については、その全容がつかめておらず、総合学科八校、自由
選択制四校もが同時にスタートされるのは、いささか冒険ぎみにすら思え、正直なところ、心配しないでもありません。しかし、今、私たちは長年の懸案であった広島県教育の改革を進めようとされる県教委の熱意を信頼し、ここで私たち議員の立場として、ぜひともこれを成功させたい、そして、昔の教育県広島を取り戻すために頑張ろうと、全会一致での合い言葉で今回の改革が動き始めたものと思います。このことに知事は呼応されるごとく、今次
定例会に、そのための施設整備設計予算を計上されており、財政状況が厳しい中においても教育改革への熱意がうかがわれるものであり、引き続き、積極的な取り組みを要望するものでございます。
ところが、現在の高校を総合学科や自由
選択制に変え、施設整備を行ったとしても、中身が変わらなければ何にもならないわけでございます。その中身を充実させ、本県教育の改革・改善につなげるためには、とりわけ、教員の人材の確保と資質の向上が、何よりも大切なことだと思います。総合学科や自由
選択制高校においては、生徒のニーズや時代の変化に応じた教育課程で、それに見合う科目を用意すると伺っております。このことに伴い、教える側も時代に即応し、しかも、より専門的な指導が求められますが、科目によっては、それに適合する指導書や教科書が間に合うのか心配であり、専門的な教育課程を提供するための専門分野の教員の確保はどうされるのか。さらに、最も大切な教員の資質の向上と意識改革については、今後、どのように取り組まれるのでしょうか。県内公立学校の二万人を超える先生方が、教育の使命感に立ち、汗を流し、生徒と先生がともに躍動し始めるという姿が見えることこそが、改革のかぎであり、県民のひとしく望んでいるところであります。
さらに、こうした中で、広島市内の第四学区において、広島市教委の動きを見るとき、広島市は県とは少し違った独自の道を歩んでいるようで、総合選抜を実施していた市内六校のうちの市立高校、すなわち舟入、基町の二校で合わせて二百億円にも及ぶ施設整備を行い、教育内容においても、舟入高校には国際コミュニケーションコース、また、基町高校には創造表現コースを設置して、国際学部や芸術学部を持つ広島市立大学も視野に入れるという、市の特色を出そうとしているところが見受けられます。高校で学んだことが地元の大学で生かされるといった、卒業後の進路を踏まえ、まさに高校・大学一貫教育を進めようとしているようであります。ある意味では、県よりも一歩進んだ取り組みのようであり、このままでは広島市におくれをとるのではないかとの心配をいたしております。県も、県立大学を三校有しており、大学と連携を図りながら、卒業後の進路も視野に入れた取り組みを進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。以上三点について教育長の御所見をお伺いいたします。
さて、昭和四十年代から五十年代にかけて、実に十四校もの県立高校が新設され、私学との連携のもとに生徒を受け入れてまいりました。しかしながら、中学校卒業者は今後ほぼ一貫して減少すると予測されており、今後も学校の統合はやむを得ないものだと考えますが、これに当たっては地域関係者の理解と協力を得るよう万全を期すとともに、統合によって、これまで以上に学校が盛り上がることを期待しております。そして、去る七月には「定時制・通信制課程における教育のあり方」をまとめておられますが、漸次、着実にこれらの具体化を推進していくことが、総合的教育改革として求められるのではないでしょうか。私は、定時制課程について、地域バランスを踏まえた学校数の見直しが必要だと思いますが、いかがでしょうか。また、これまで述べてきた、これら一連の高校教育改革推進に取り組む教育長の決意のほどについても、あわせお聞かせください。
さて、最後に、選挙を間近に控えておられます知事の教育観についてお伺いいたします。知事は、教育行政については、教育委員会の専管事項ということもあり、これまでは、ややもすると、遠慮がちであったように思いますが、今や教育は県民の最大関心事の一つでありますし、本県教育の今後の方向づけがなされようとしている時期でもあります。教育委員会制度は尊重しながらも、県民の先頭に立って、積極的に教育に対するお考えを述べられるべきだと思いますが、知事の教育観と教育改革に取り組まれる決意のほどについてお聞かせください。
以上で、私の質問の要旨は大体済むわけでございますが、ここで一言、締めを申し上げさせてもらいたいと思うわけでございます。今朝、私は九時に家を出ました。少々渋滞ぎみな矢野安浦線を西に向かいます。間もなく広島熊野道路千二百三十八メートルのトンネルを音もなく下るのでございます。二百円の有料ゲートを通ります。すると、標高二百メートルくらいのところでしょうか、ぱっと前方に百万都市・広島市圏が一望でき、朝の目覚めを感じるものであります。やがて高度ゼロ地帯まで下がり、東部流通センターを通り、広島ベイブリッジの百円ゲートを通り、全長約二千メートルのライトアップで話題の橋、海上四十メートルのすばらしいアーチ型の橋の上を走るときは、十階建てのビルの上をはやるような気持ちで進むわけでございます。やがて、左下にほとんど完成した坂開発の埋立新地を眺めながら、そんなとき、胸が次第に膨らむ思いがするものであります。
そして、左に広島呉道路の広島大橋。これも立派だ。そのはるか向こうに広島プリンスホテル、そして、橋も下りにかかるころ、広島南道路の高架交差が急ピッチに動き出しました。都市高速道路公社の事業が本格的になったものと元気づけられます。そして、丹那でございます。マツダ工場の前に来ました。以前、社員駐車場は閑散としていたのが、今や景気を取り戻したかに満杯状態であります。そういえば、暗い思いもありまして、先般のキリンビール撤退は、私たちに電撃的なショックを与えたものであります。そして、やがて二百億円かかったと言われる広島女子大のベージュ色の図書館、威容を誇る新築本館、続いて県立広島病院のモニュメントが目に入る。八階建ての病院らしいタイルの色、大きな病院は私たちの頼りがいのあるものである。これが三百億円。
続いて、皆実町専売公社、広島ガス会社、そして比治山トンネル口に差しかかるとき、そのトンネル口の東口の女子商跡地に、あさって大型店「サティ広島」と十九階の巨大ビルが並んでオープンするという。そして、左を見れば百メートル道路の緑、それに並ぶワシントンホテル、三井ガーデンホテル、ブルーのクリスタルビル、全日空ホテル、NHKビル、はるか西に中電ビル、いずれも二十階建て以上の建物でございます。そして、広島駅前に出ました。ここには三本の巨大クレーンが動いていて、その足元に駅前開発事業のビルの姿も見え始めています。城南通りはいつも渋滞ぎみだが、あえて選んで通ります。百五十億円かけた自慢の県立美術館が見えるからでございます。
そして、やがて毛利元就の旗に囲まれた広島城、その向こうに雄大な黒い褐色の大屋根の三百六十億円の体育館、そして最後にカーブを曲がると、そびえ建つリーガロイヤルホテル、そして到着点は小じんまりとした県庁に着くのであります。この所要時間、約三十分。今は定刻に着けるときがやってきました。今、申しました姿は、十年前には見られなかった姿であり、まさに急激なテンポで発展を遂げたわけですが、それなりに財政負担を重ねたゆえんでもあります。
こうした流れは、国も県も、市も町も村も同じ道をたどったわけでして、いわばバブル時代の冒険の時代であったかもしれませんが、広島アジア大会、全国植樹祭、また、二回目の国民体育大会など、大イベントを成功させるという、それなりの評価もしっかりと認めなければなりません。そして今、危機感に追い詰められ、だれもが考えることでございますが、ここで急激なダイエットはいけません。目まいを起こし、倒れるようなことにならないよう、二百八十万県民の体調に合わせた、スリムな、しかも、やがて筋肉隆々たる広島県を構築されることが、藤田県政二期目に大きく期待されるものでございます。今、厳しい時代を迎えておりますが、こうした状況はいつまでも続くものではなく、必ずや、過去の日本の歴史と同じように立ち直り、二十一世紀に向けて大きく花開くことを期待いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
33: ◯
議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事
藤田雄山君。
【知事
藤田雄山君登壇】
34:
◯知事(
藤田雄山君) 山田議員の御質問にお答えを申し上げます。
私の教育観と教育改革に取り組む決意についてのお尋ねがございました。議員御指摘のとおり、心身ともに健全で、たくましい青少年を育成することは、県政の重要な課題であると認識をいたしております。創造性豊かで意欲的な人間の育成は、活力ある広島県づくりの基盤となるものであります。そのため、広島県の将来を担う子供たちが、夢と希望を持って学び、その可能性を最大限に伸ばすことができるよう、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たしていこくとが大切であると思っております。現在、教育委員会が進めております教育改革は、子供たちの持つ可能性や能力を最大限に伸ばし、一人一人の個性の確立を目指すものであり、こうした取り組みは、豊かさと活力を創造し、日本で一番住みやすい生活県の実現につながるものとして、私といたしましても積極的に支援してまいりたいと考えております。
35: ◯
議長(檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。
【教育長木曽 功君登壇】
36: ◯教育長(木曽 功君) まず、総合学科や自由
選択制導入校における教員の人材確保についての御質問にお答えいたします。総合学科の設置校や自由
選択制の導入校では、生徒のニーズや時代の変化に対応した教育を実現するよう、教科書の検討や教科書のない科目の教材づくりについて、現在、計画的に取り組んでいるところでございます。また、多様な科目を開設し、その指導の充実を図っていくためには、基本的には常勤の教員が専門性を広げ、高めていくことが大切であります。あわせて、特別な知識や特別な技術を必要とする内容の指導を行う場合、例えば、専門的な介護技術を必要とする社会福祉実習などには、外部の専門家を講師として活用することも必要であると考えております。教育委員会といたしましては、専門的な知識・技術を持っている人材の活用について積極的に支援いたします。また、専門家の確保につきましては、データベースを作成し、各学校が利用できるようなシステムの導入について検討してまいりたいと考えております。
次に、教員の資質向上と意識改革についての御質問にお答えいたします。教員の資質の向上と意識改革が、教育改革が成功するか否かのかぎとなることについては、まさに御指摘のとおりと考えております。このため、それぞれの学校においては、いわゆる新しい学力観に立った教育を推進する研修や諸課題に対応できる具体的・実践的な研修の充実に努め、教育的情熱を持った教員の育成に努めているところでございます。また、各高等学校においては、校長がリーダーシップを発揮して、教員と一体となって新しい学校づくりに取り組んでいるところでございます。こうした中で、教員一人一人が教育のあり方を再認識し、意欲を持って教育に当たる姿が見られるようになってまいりました。教育委員会といたしましては、子供一人一人が光る学校づくりを目指して、教員が変わり、学校が変わっていく取り組みを積極的に進めてまいる所存であります。
次に、大学と連携し、高校卒業後の進路も視野に入れた取り組みについての御質問にお答えいたします。御指摘のとおり、地元の大学へ進路が開けるよう、高校での教育内容を検討することは重要な視点であると考えております。このたびの高校教育改革における総合学科や自由
選択制の教育課程では、県立三大学の学部・学科の教育内容も視野に入れて、例えば、生物工学基礎や社会福祉基礎などの
選択科目を設定することとしております。また、県立の大学との連携の中で、高校教育改革についての理解を求めてまいりました。その結果、総合学科や専門学科の卒業生に対し、推薦入学の枠が設定されてきておりますし、今後、さらに拡充の要望を行っていきたいと考えております。今後とも、高校での学習を生かして県立三大学へ進学できるように、関係高校の教育内容づくりの充実を図ってまいります。
次に、定時制高校の見直しについての御質問にお答えいたします。定時制課程につきましては、勤労青少年に高校教育を保障する教育機関として、制度創設以来、その機能を果たしてきたところであります。近年におきましては、入学動機や年齢、目的意識などの点で非常に幅広い生徒が入学してきている状況もございます。一方、中学校卒業者数が今後も減少していくことから、定時制課程への進学者数も減少することが見込まれております。こうした中で、これからの定時制課程につきましては、引き続き、勤労青少年に高校教育を保障するとともに、生涯学習ニーズの高まりを踏まえ、生徒のさまざまなニーズに対応した教育内容を提供する場として充実させる必要があると考えております。こうした観点に立って、今後の定時制課程における教育のあり方について、個別に検討してまいりたいと考えております。
最後に、高校教育改革に取り組む決意についての御質問でございます。このたびの高校教育改革を真に実効あるものにするためには、御指摘のように、教育内容の改善・充実とともに、生徒と直接かかわる教職員一人一人の教育への情熱や教育活動への真摯な取り組みに負うところが大きいものと考えております。このため、教育委員会といたしましては、必要となる教育条件の整備や教職員の資質の向上等に努めるとともに、学校と一体となって高校教育改革に取り組み、県民の皆様方の期待にこたえられる高校教育の実現に努めてまいる所存でございます。
37: ◯
議長(檜山俊宏君) これをもって質問を終結いたします。
お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第七一号議案 広島県教育委員会委員の任命の同意については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
38: ◯
議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。
それでは、県第七一号議案 広島県教育委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛 成 者 起 立】
39: ◯
議長(檜山俊宏君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
普通会計決算特別委員会の設置
40: ◯
議長(檜山俊宏君) 次に、お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、平成八年度広島県歳入歳出決算認定の件については、委員十五人をもって構成する普通会計決算特別委員会を設置し、これに審査を付託の上、議会閉会中の継続審査とするに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
41: ◯
議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
普通会計決算特別委員会委員の選任
42: ◯
議長(檜山俊宏君) それでは、ただいまの決定により、直ちに委員会条例第五条の規定に基づき、普通会計決算特別委員会委員の選任を行います。
まず、選任する委員の氏名を書記をして朗読いたさせます。
【書 記 朗 読】
普通会計決算特別委員会委員
吉 岡 広 小 路 君
佐 々 木 弘 司 君
宮 本 新 八 君
中 本 和 成 君
石 橋 良 三 君
田 辺 直 史 君
斎 木 貞 暁 君
犬 童 英 徳 君
間 所 了 君
平 田 修 己 君
渡 壁 正 徳 君
奥 原 信 也 君
松 井 幹 君
大 山 広 司 君
中 村 良 三 君
43: ◯
議長(檜山俊宏君) お諮りいたします。ただいま朗読いたしました十五人の諸君を、普通会計決算特別委員会委員に指名するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛 成 者 起 立】
44: ◯
議長(檜山俊宏君) 起立多数であります。よって、普通会計決算特別委員会委員は指名のとおり選任するに決しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
普通会計決算特別委員会委員長並びに副委員長の選任
45: ◯
議長(檜山俊宏君) 続いて、委員会条例第七条の規定に基づき、普通会計決算特別委員会委員長並びに副委員長の選任を行います。
お諮りいたします。
委員長に
間 所 了 君
副委員長は二人とし、副委員長に
犬 童 英 徳 君
宮 本 新 八 君
を指名するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛 成 者 起 立】
46: ◯
議長(檜山俊宏君) 起立多数であります。よって、普通会計決算特別委員会委員長並びに副委員長は、いずれも指名のとおり選任するに決しました。
この場合、普通会計決算特別委員長を御紹介いたします。間所 了君。
【間所 了君登壇】
47: ◯間所 了君 ただいまは、普通会計決算特別委員長に御選任をいただきまして、まことに光栄に存じますとともに、その責任の重大さを痛感いたしております。
御承知のように、平成八年度の一般会計及び特別会計の歳出決算額は一兆一千四百億円余となっておりますが、県当局におかれましては、景気の動向も依然として不透明感の続く厳しい財政状況の中で、財源の重点配分、経費の節減合理化と事業の効率的執行に取り組まれたところであります。
微力ではありますが、委員各位並びに関係当局の御協力を賜りながら、予算の執行の適否、行政効果等について慎重な審査を行い、今後の県政に反映できるよう、精力的に職務を遂行する所存であります。関係各位の格段の御支援をお願い申し上げまして、まことに簡単ではございますが、就任のごあいさつといたします。(拍手)
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企業会計決算特別委員会の設置
48: ◯
議長(檜山俊宏君) 続いて、お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、平成八年度広島県公営企業決算認定の件については、委員十五人をもって構成する企業会計決算特別委員会を設置し、これに審査を付託の上、議会閉会中の継続審査とするに御異議ありませんか。
【「異議なし」と言う者あり】
49: ◯
議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。
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企業会計決算特別委員会委員の選任
50: ◯
議長(檜山俊宏君) それでは、ただいまの決定により、直ちに委員会条例第五条の規定に基づき、企業会計決算特別委員会委員の選任を行います。
まず、選任する委員の氏名を書記をして朗読いたさせます。
【書 記 朗 読】
企業会計決算特別委員会委員
木 山 耕 三 君
冨 野 井 利 明 君
辻 恒 雄 君
佐 藤 秀 毅 君
沖 井 修 君
福 岡 康 夫 君
多 賀 五 朗 君
石 田 幹 雄 君
大 曽 根 哲 夫 君
林 正 夫 君
窪 田 泰 三 君
住 川 征 一 君
新 田 篤 実 君
上 迫 邦 彦 君
小 島 逸 雄 君
51: ◯
議長(檜山俊宏君) お諮りいたします。ただいま朗読いたしました十五人の諸君を、企業会計決算特別委員会委員に指名するに賛成の諸君は御起立願います。
【賛 成 者 起 立】