ツイート シェア
  1. 広島県議会 1997-09-04
    平成9年9月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成9年9月定例会(第4日) 本文 1997-09-26 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 30 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯沖井 修君 選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 8 : ◯農政部長山川雅典君) 選択 9 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 10 : ◯福祉保健部長(谷口 隆君) 選択 11 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 12 : ◯土木建築部長中村俊行君) 選択 13 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 14 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 15 : ◯岡崎哲夫選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯知事藤田雄山君) 選択 18 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 19 : ◯商工労働部長高見貞四郎君) 選択 20 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 21 : ◯土木建築部長中村俊行君) 選択 22 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 23 : ◯田中信一君 選択 24 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 25 : ◯知事藤田雄山君) 選択 26 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 27 : ◯副知事(久保信保君) 選択 28 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 29 : ◯空港港湾局長(上田 寛君) 選択 30 : ◯議長檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十三分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十二名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第 一 県第五七号議案         至第二十 報第一五号 3: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第五七号議案 平成九年度広島県一般会計補正予算から日程第二十、報第一五号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。沖井 修君。         【沖井 修君登壇】 4: ◯沖井 修君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員団の沖井 修でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、議長を初め、議員各位に対し、心よりお礼を申し上げます。  私は、自立再生へ向けた中山間地域の活性化問題や農水産業問題などを中心に質問いたしますので、当局の積極的な答弁をお願いいたします。  質問の第一は、中山間地域の活性化対策についてであります。  我が県は、中国山地や瀬戸内海という、世界にも誇り得る大変豊かな自然を有しておりますが、同時に、深刻な中山間地域問題を抱えております。現在、広島県の中山間地域は、面積で県土の四分の三を占め、人口はわずか県の四分の一にすぎません。しかも、この人口は、最近の五年間でさらに三%近くも減少しております。将来、集落として維持していくことが困難と予想されるものが六割を占めているのであります。市町村の財政力も脆弱で、加えて、高齢化比率は約二四%にも上っており、実に四人に一人が高齢者なのであります。二〇一五年ごろに本県が迎えるであろう超高齢社会が、既に中山間地域においては現実の問題となっているのであります。  戦後、我が国は、世界に類を見ない高度経済成長を遂げてまいりました。その過程で、農山村や地方は、労働力を供給し続けることで、その発展を支えてきたのであります。昭和四十四年に策定された新全国総合開発計画において、既に過疎過密や地域格差の解消が課題とされており、その後、第三次の全総計画では、過疎問題解決のため定住構想が提案され、第四次計画では、多極分散型国土の構築が目標とされております。しかし、この間、中山間地域問題は、具体的な解決策を見ることなく、今日に至っているのは御承知のとおりであります。あえて言えば、中山間地域問題は、戦後五十年のひずみとツケの集積であり、政府の六大改革に劣らぬ、戦後の我が国の社会構造問題であると私は認識しております。広島県においても、知事が中山間地域問題の重要性を認識され、本年二月に「中山間地域活性化対策基本方針」を策定され、四月からは専管組織として「中山間地域対策総室」を創設され、全庁を挙げた取り組みに着手されました。その英断を高く評価するとともに、この取り組みが実効あるものになるよう、我々も最大限の協力をしていかなければならないと考えております。  さて、平成九年度の中山間地域活性化対策の中心となる事業が、「集落・生活拠点整備モデル事業」であります。市町村が行う定住促進対策や産業対策などの中山間地域の自立再生へ向けた取り組みを支援し、活性化につなげるものであります。本年度十億円の予算が措置され、この事業に対する関係市町村の意欲と期待は高いものがあります。先般六月、実施要領の制定と市町村への説明がなされ、現在、この九月末を目途に多くの市町村において基本計画の策定が積極的に進められていると伺っております。中山間地域問題は、市町村の将来を決する問題であり、みずからが地域の特性と住民の意向をしっかり把握し、市町村を挙げた取り組みがなされなければなりません。このため、市町村が基本計画をしっかり定めることが大前提でありますが、一方で、県においても、広域行政の視点を踏まえて適切な助言と支援を行うことが不可欠であると考えます。今回のモデル事業の基本計画づくりに対する県の基本的な考え方と、計画が目指すべき方向性についてどのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  また、広島県のこのモデル事業が、中山間地域問題に悩む全国の都道府県の先進事例となるよう、県と市町村と地域が連携して全力で取り組んでいかなければなりませんが、その前提として、この事業に対する予算措置が十年度以降も十分確保されなければなりません。厳しい財政状況ではありますが、それ以上に厳しい中山間地域の現状を打ち破っていくために、来年度以降も積極的に取り組むべきと考えますが、知事の決意のほどをお聞かせください。  質問の第二は、中山間地域の生活の根幹と基盤の確立にかかわる本県農水産業の活性化についてであります。
     第一点目は、農業施策の展開方向についてであります。平成五年十二月に、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が終了し、農業分野においては、米市場の部分開放や輸入制限品目の関税化など、我が国農業にとってまことに厳しいものとなりました。また、平成七年十二月には食糧法が施行され、米価には市場原理が導入されるなど、我が国の農業はまさに競争の時代に突入しております。一方、本県は、農山漁村地域の大半が条件不利地域と言われる中山間地域に属していることなど、全国的に見ても農業の経営環境が厳しい県の一つであります。そのような中で、昭和六十年に三十九産地あった園芸作物の、いわゆる一億円団地が平成八年には五十一まで増加するなど、熱意と努力により、全国にも誇り得る産地が着実に育っております。今後さらに激化する産地間競争に打ち勝ち、来るべき二十一世紀においても生き残れる力強い農業経営体を育成し、県民に新鮮で安全な食糧を供給することは、県政の重要な政策課題であります。  私は、この課題の解決に向けて、まず地域の農業振興目標を明確にすることから始めるべきだと考えます。その上で、財政環境が厳しい中ではありますが、農業を生業とする人、さらには企業的な経営感覚を持った担い手を核として、重点的・戦略的に施策を展開することが必要であると考えます。これまで行われてきた施策を顧みますと、ややもすれば、水稲、野菜、果樹、畜産など品目別に縦割りに行われてきた嫌いがあります。今後は、地域を一つの経営体としてとらえ、産地育成対策をより総合化させ、農家の横の連携による営農システムの構築が必要であると考えます。そのためには、農林事務所、地域農業改良普及センター、家畜保健衛生所、試験研究機関における指導体制のあり方に関する検討、また、それら県の機関と市町村及び農協との役割分担のあり方に関する検討、さらには、企業的感覚を持った担い手を核とする特色ある地域農業を育成するための総合的な支援対策の構築が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。  第二点目は、栽培漁業の推進についてであります。本県の漁業は、海域が狭いにもかかわらず、多くの島々と天然の岩礁や瀬に恵まれた好漁場を有し、すぐれた漁業技術によって高い生産性を維持してまいりました。また、栽培漁業センターで生産された稚魚の放流によって、クロダイ、ガザミ、ヨシエビなどの漁獲量は上昇傾向にあり、クロダイは全国一位の生産量を誇るとともに、先般は、瀬戸内海の小魚として人気の高いメバルの種苗生産技術の開発に成功したと聞き及んでいます。これも、県が推進している「つくり育てる漁業」の一定の成果ではないかと思います。しかし、近年、全国的に見ても、漁業資源の減少、輸入水産物の増加、漁業就業者の高齢化などにより、漁業経営は一段と厳しい環境にさらされており、本県も例外ではなく、漁業資源の管理及び栽培漁業の推進が、より一層重要と考える次第であります。そこで、栽培漁業を推進するに当たり、現在、生産・放流している魚種の増大とともに、新たな魚種の種苗生産技術の開発並びに放流された稚魚の生育場所の確保が今後の課題と考えますが、御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、公的介護保険の導入に伴う県の役割についてであります。先ごろ、総務庁が発表した「敬老の日」現在における我が国の高齢者人口の推計値によりますと、六十五歳以上の高齢者は、昨年より七十三万人多い一千九百七十三万人で、総人口の一五・六%を占め、人数、割合とも過去最高を記録しました。また、国立社会保障研究所・人口問題研究所の推計によりますと、六十五歳以上の人口は今後とも増え続け、二〇一五年には三千百八十八万人で、総人口の二五・二%となり、四人に一人が高齢者という超高齢社会を迎えることが見込まれております。今日、このような急速な高齢化の進行に伴い、高齢者介護の問題が社会全体にとって大きな問題となっております。介護を必要とする状態になっても、生きる喜びと人間としての尊厳を全うできるような新たな社会的支援体制の確立は、国民共通の切実な願いであります。このため、医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険に続く、我が国五番目の社会保険である公的介護保険の創設へ向けて、現在、国会において介護保険法案の審議が続けられているところであります。順調に審議が進めば、この秋の臨時国会で成立し、平成十二年度から導入される予定であります。  御承知のとおり、この介護保険法案については賛否両論あり、制度への不満や実施してみないとわからない部分への危惧、さらには、ホームヘルパーなどの介護基盤の不足を指摘する声など、多くの批判も寄せられておりますが、最近のある新聞の世論調査によりますと、この制度の導入に賛成する意見は七六%にも達しております。私は、現行の老人福祉や老人医療制度による介護問題への対応の限界などを考えますと、可能な限り円滑な導入を図り、柔軟に制度の改善を行いながら、安定的な運営を図っていくことが肝要ではないかと考えております。平成十二年度の導入まで、残された準備期間はわずか二年余りであります。一義的には、保険者である市町村が主体的に取り組まなければならないことは言うまでもありませんが、市町村の広域的な取り組みの促進など、県の強力なリーダーシップとともに、積極的な支援が望まれるところであります。そこでお伺いしますが、県は、制度の円滑な導入に向けて、県の役割をどのように認識しておられるのでしょうか、知事のお考えをお聞かせください。  質問の第四は、広島湾架橋構想についてであります。間近に迫った二十一世紀において、本県がより飛躍・発展していくためには、広島都市圏の中枢拠点性の向上が重要であり、それには何よりも交通基盤の整備を促進し、広域交流圏の拡大を図る必要があると考えます。そこで、今一番の課題は、国において現在策定中の新しい全国総合開発計画において位置づけが期待されている、中国・四国南北方向の地域連携軸の実現であると言えます。ところが、今日、国においては財政構造改革の推進が最大の課題となっており、新しい全総計画の最終の取りまとめがおくれていることは御承知のとおりであります。しかしながら、今まで関係各県と相互に連携を図って盛り上げてきた機運を後退させてはなりません。その意味で、地域連携軸形成の先駆けとして先導的役割を担う重点プロジェクトの一つである「広島湾架橋」を積極的に推進していく必要があると思うのであります。確かに、国、地方を取り巻く経済あるいは財政環境が厳しいことは承知しておりますが、私は、こうした状況がいつまでも続くとは思っておりません。こういうときではありますが、次の時代に向けて着々と準備を進めておく必要があると思うのであります。広島都市圏の南方面への都市軸発展の起爆剤となるこの架橋は、広島県の将来にとって大いに夢のある事業であると確信しております。県においては、昨年度から二カ年の予定で瀬戸内海ネットワーク基礎調査を実施し、県内島しょ部における多くの架橋構想を体系的に整理していると聞いております。調査の中では、この架橋構想についても、いろいろな検討がなされていることと思いますが、現在の調査の状況と広島湾架橋に対する取り組みについてお伺いいたします。  質問の第五は、道路整備の問題についてであります。広島都市圏の強化のためには、周辺地域から広島市の中心部への交通アクセスの整備が大きな課題であることは、これまでたびたび論議されているところであります。  その第一点目は、国道四百八十七号の整備についてであります。広島湾架橋を経て南からの重点ルートが、平成五年四月に国道に昇格した本ルートであります。本路線は、江能・倉橋地域と呉市、広島市を結ぶ幹線道路であり、地域の活性化にとっても、生活道路としても、極めて重要な道路であります。しかし、島しょ地域ということもあって、地形的に困難なこともあり、幅員が狭隘で、歩行者の安全が脅かされる交通の難所も多く、整備の促進が強く望まれているところであります。また、津久茂瀬戸をまたぐ津久茂大橋は、地域にとって前々からの悲願であり、その計画の実現が期待されております。江能・倉橋地域にとって動脈とも言うべき四百八十七号の整備について、津久茂大橋も含め、取り組み状況をお伺いいたします。  第二点目は、県立もみのき森林公園や広島の奥座敷である湯来温泉などを抱える県北西部方面から広島市へのアクセスについてであります。私は、もみのき森林公園から湯来温泉を結ぶ国道四百八十八号、さらに、湯来町から広島市西区に至る主要地方道広島湯来線は、県北西部から広島市へ通じる主要ルートとして積極的な整備の促進が必要であると考えます。このルートは、広島市の中心部から西風新都までを結ぶ指定都市高速道路の「広島高速四号線」の延長線上にあり、将来、重要なルートとして見直されるのは間違いないと思うのであります。西中国山地の有力な観光資源を生かしながら、周辺中山間地域の活性化を図る上でも、また、広島都市圏の充実・強化にとっても、はかり知れない効果が期待できると考えられます。こうした将来展望のもとに、二路線の当面の整備についてお尋ねします。  まず、国道四百八十八号でありますが、本路線は、水内川の渓流に沿ったすばらしい景観の保全を考慮して、現道はそのままに残し、バイパスによる整備が進められております。しかし、何分にも大規模なバイパス計画であり、なかなか思うに任せませんが、ぜひとも強力な推進方をお願いしたいと思うのであります。  また、主要地方道広島湯来線については、広島市域部分がほとんどでありますが、県としても積極的に広島市と調整をして、全線の整備が早期に完了するよう望むものであります。県北西部から広島市へのアクセス道として、将来、重要な役割を担う国道四百八十八号及び主要地方道広島湯来線の整備促進について御所見をお伺いいたします。  最後に、ダイオキシン排出規制に伴う一般廃棄物の広域処理計画について要望したいと思います。この問題は既に昨日の本会議でも議論が行われたところでありますが、市町村は、広域化に伴うごみの運搬の問題など、大変な戸惑いを覚えているところであります。知事におかれましても、この問題が市町村に与える財政的負担など、その影響の大きさや課題を認識され、国に対する要望活動など積極的な対応を図られているところでありますが、今後とも、地域の実情を十分配慮の上、広域処理計画の策定と実施に当たられるよう、強く要望いたしておきます。  以上をもちまして私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 沖井議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、集落・生活拠点整備モデル事業の基本計画についてのお尋ねがございました。本県の中山間地域は、過疎化・高齢化が依然として進行するなど、厳しい状況に置かれ、新たな対策が求められていることは御指摘のとおりでございます。国においては、次期全国総合開発計画の検討の中で、中山間地域を新たな生活様式の実現を可能とする「国土のフロンティア」と位置づけ、多自然居住地域として地域特性に応じた整備を図っていくこととされております。県といたしましても、課題の重要性を認識し、その解決に向けて各種施策を推進しております。中でも、中山間地域の自立再生を支援するため、新たな集落・生活拠点整備モデル事業を創設し、現在、鋭意取り組んでいるところでございます。お尋ねのモデル事業の基本計画づくりについては、県が一定の理想的な地域の姿を示して、市町村がそれを目指すといった手法ではなく、まず、それぞれの市町村において住民の意向を反映させた自主的な取り組みに重点を置いているところでございます。その上で、基本計画をより実効性のあるものとするため、市町村と連携を図りながら、御指摘の広域行政の視点も踏まえ、総合的な支援策を講ずることといたしております。また、この計画の目指すべき方向は、生活環境整備や産業対策等の総合的な定住促進対策の推進により、いずれの地域においても、県民だれもが快適な生活を享受できる地域社会の実現にあると考えております。  次に、集落・生活拠点整備モデル事業の今後の取り組みについてのお尋ねがございました。本年度の実施状況を踏まえ、事業内容等について検証を加えながら制度の充実を図ってまいりたいと考えております。御承知のとおり、中山間地域の活性化は、さまざまな行政分野で対処すべき緊急の課題であることから、このモデル事業の積極的な推進はもとより、全庁的な視点から総合的かつ効率的な行政施策をより一層推進してまいる所存でございます。  次に、広島湾架橋構想についてのお尋ねがございました。広島湾架橋構想は、本県が新しい全国総合開発計画への位置づけを積極的に要望してまいりました中四国地域連携軸構想に関連する大規模プロジェクトでございます。昨年度から実施しております瀬戸内海ネットワーク基礎調査におきまして、本県の瀬戸内海島しょ部地域の交流・連携を支援するネットワークの策定を行い、その中で、広島湾架橋を初めとする各架橋構想を整備することといたしております。昨年度は、学識経験者、経済界、行政で組織する調査委員会を開催しながら、島しょ部地域の現況や課題の整理と将来像の検討等を行いました。また、島しょ部地域の町村長で組織される「アイランドサミット」を本年六月までに二回開催をし、そこで出された各種の意見や提言は、今後の調査に反映させてまいりたいと考えております。さらに、今年度は、各交通機関の役割分担や地域整備の方向と調整を行った上で、島しょ部地域の幹線道路ネットワークを策定いたします。このネットワークに組み込まれた各架橋について、需要予測、概算事業費の算定等を行い、整備効果、整備の緊急性、整備手法等、多方面からの比較検討を行うことといたしております。今後、広島湾架橋構想につきましては、この調査結果等を踏まえて、広島市を初めとする関係市町と連絡を図りながら、対応してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯議長檜山俊宏君) 農政部長山川雅典君。         【農政部長山川雅典君登壇】 8: ◯農政部長山川雅典君) 農水産業の活性化について、二点御答弁申し上げます。  まず、農業施策の展開についてでございます。来るべき二十一世紀に生き残れる力強い農業を展開していくためには、徹底したコスト低下と高付加価値化を進め、すぐれた経営感覚を有する担い手を中心に、地域の特性を生かした営農システムを構築していくことが重要であると考えております。具体的には、経営規模の拡大やハウス栽培などの施設化に加えまして、耕種農家と畜産農家の連携による稲わらや堆肥などの地域資源の高度利用と有機栽培などの環境保全型農業の展開、さらには、消費者ニーズに対応した、生産から加工・販売までを一体的に行う農業の六次産業化の促進など、地域の創意と工夫を生かした多様な産地づくりが行われますよう、施策を展開していく必要があるわけでございます。このため、県の農業関係機関の総力を挙げた指導はもとより、市町村、農協などの関係団体とそれぞれの役割分担のもとに一致協力し、従来の作物別の施策を総合化した特色ある産地育成対策や産地のニーズに即応した実践的な技術開発と迅速な技術移転、さらには、農業者の意識改革を含めた普及啓発活動など、ハードからソフトまでの総合支援策が講じられますよう、新たな視点に立った施策を検討してまいりたいと考えております。  次に、栽培漁業の推進について御答弁申し上げます。漁業資源の増大を図るため、広島県栽培漁業基本計画に基づき、栽培漁業センターにおいて、マダイ、クロダイ、ヒラメ、アユなど七種類の種苗生産を行っております。また、その放流効果が高まりますよう、漁業者みずからが稚魚の中間育成を行い、一定の大きさに育てたものを放流いたしております。今後とも、漁獲量を拡大させるためには、御指摘のとおり種苗放流量を増加させる必要があり、引き続き、種苗生産能力の向上と中間育成技術の一層の改良に取り組んでまいります。  また、本県の水産試験場が、全国に先駆けて種苗生産技術を開発いたしましたメバルについては、近い将来、大量生産を可能にし、本県の栽培漁業の重要な魚種にしてまいりたいと考えております。このほかにも、定着性の強い、いわゆる地先型の魚種でございますオコゼなどの生産技術の開発にも取り組んでまいります。  さらに、稚魚の育成場所の確保につきましては、マダイ、クロダイなどを対象に、これまで魚礁の設置など増殖場の造成を進めてきたところでございますが、本年度からは漁場環境の維持・修復を図り、稚魚の成育の場として極めて重要な藻場、干潟を造成するなどの技術開発や計画策定を行うこととしており、今後、これに基づき実証事業を展開するなど、「つくり育てる漁業」の振興を図ってまいりたいと考えております。 9: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長谷口 隆君。         【福祉保健部長谷口 隆君登壇】 10: ◯福祉保健部長(谷口 隆君) 公的介護保険の導入に伴う県の役割について御答弁申し上げます。  介護保険制度につきましては、平成十二年四月の施行が予定をされておりますが、制度が円滑に導入されるためには、提供すべき介護サービスの絶対量の確保、制度を支える人材の養成、市町村の制度運営体制の確立などが重要な課題と考えております。このため、県の基本的な役割としては、これらの課題の解決に向けて、保険者である市町村を支援していくことと考えており、次の三つの視点から取り組んでまいります。  まず、介護サービスの絶対量の確保についてでございますが、特に整備がおくれておりますホームヘルプサービスなど、在宅サービスの充実に市町村とともに重点的に取り組んでまいります。  二点目は、必要な人材の養成など、制度導入に向けた条件整備でございますが、個人ごとの適切な介護プランを作成する専門家の養成や、介護の必要度を適正に認定していくための市町村モデル事業などに積極的に取り組んでまいります。  三点目は、市町村の運営体制を確立するため、制度の創設に伴う新たな事務につきまして、市町村長などへの説明会を通じて、各市町村に十分な理解を求めてまいります。また、単独での事務の執行などが困難な場合も予想されますので、介護認定事務の共同化を積極的に進めるほか、地域の実情に応じまして、新たな公的介護保険制度の円滑な導入に向けた市町村支援に取り組んでまいります。 11: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 12: ◯土木建築部長中村俊行君) 道路整備問題について御答弁申し上げます。  初めに、国道四百八十七号の整備についてでございます。国道四百八十七号は、江能・倉橋島地域の豊かな自然環境を生かした観光リゾートの開発や、産業の振興を促進し、呉地方拠点都市地域の一体的発展と広島都市圏との連携に大きく寄与する路線であります。本路線の整備につきましては、警固屋音戸バイパスを初め、線形の悪い箇所や歩道幅員が不足している箇所など、八カ所で事業や調査を進めております。このうち、江田島町においては、地方港湾小用港の改修事業と整合を図りながら、江田島町中郷地区から小用地区に至る約二・五キロメートルの区間についてバイパス計画を進めております。  さらに、第二音戸大橋を含む警固屋音戸バイパスにつきましては、平成七年度から補助事業により事業着手しており、現在、用地買収に向け、詳細設計及び関係機関との調整を行っております。残る箇所についても、それぞれ用地買収や工事を順次進めております。  津久茂架橋につきましては、大規模架橋となるため、瀬戸内海ネットワーク基礎調査において、地域の現況把握を行っており、整備効果及び整備手法などについて検討することとしております。  続きまして、国道四百八十八号及び広島湯来線の整備についてお答えいたします。国道四百八十八号につきましては、現在、二カ所で整備を進めております。このうち、吉和村のもみのき森林公園から湯来町志井に至る約六キロメートルにつきましては、用地買収がほぼ完了し、工事促進に努めておりますが、地形上の制約から、完成までにまだ相当の期間を要するものと考えております。また、湯来温泉の前後約二キロメートルにつきましても、現在、用地買収と工事を進めております。  次に、県道広島湯来線は、広島市西区を起点とし、湯来町の国道四百三十三号に至る延長約三十五キロメートルで、このうち、県の管理延長は四・六キロメートルの路線でございます。本路線の整備につきましては、現在、湯来町麦谷地区の約二キロメートルの実施設計を進めております。また、これに続く広島市沼田町阿戸に至る約六キロメートルの峠越えの区間につきましても、できるだけ早期にルートを決定するため、現在、広島市と調整を進めております。さらに、沼田町桜ヶ峠付近においても、広島市により整備が進められております。今後とも、これらの路線につきまして整備促進に努めてまいりたいと考えております。 13: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時十一分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時二分開議 14: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員五十七名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。岡崎哲夫君。         【岡崎哲夫君登壇】 15: ◯岡崎哲夫君 私は、自由民主党広島県議会議員団の岡崎哲夫でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきましたことを、議長を初め、先輩、同僚議員各位に対して心から感謝申し上げます。  さて、世界経済は、アジアを含めた大競争時代に入っており、国においては、二十一世紀へ向けての喫緊の課題として経済構造など六つの改革への取り組みを強化しており、本県においても、こうした新しい時代に対応できるような経済・産業の構造改革、活性化に対する戦略が必要であります。そこで、私は、県経済の活性化につながる産業振興策や産業基盤である道路整備などについて質問したいと思います。知事初め、県当局の明快かつ積極的な答弁をお願いします。  本県は、自動車、造船や一般機械などの基幹産業を中心に、製造業の高い集積を有する西日本有数の工業県として発展してまいりました。しかしながら、いわゆるバブル経済の崩壊後、本県の製造品出荷額は、平成三年から四年連続して減少し、平成八年には若干の増加に転じたものの、深刻な状況が続いており、私の地元である備後地区では、平成八年の企業倒産件数が、ここ十年間で最高を記録しております。経済企画庁は、景気の拡大が四十七カ月続いているとの報告を出しておりますが、全く実感がありません。こうした中で、先般、キリンビールが広島工場を閉鎖するとの報道がありました。昭和十三年に操業を始めてから六十年、広島からビール工場の灯が消えようとしています。地域経済のシンボルが消えるということは、単に県経済や雇用への懸念だけでなく、広島の中枢性への影響、イメージダウンが一番心配されるところであり、地盤沈下を防ぐため、行政としても何をなすべきか、真剣に考える必要があります。二十一世紀へ向けて県政の取り組むべき重要課題は山積しておりますが、将来の本県経済・産業の発展を考えたとき、税収の増加という視点からも、商工労働施策は極めて重要な役割を担っていると言っても過言ではありません。地方分権が進み、本当の意味で地方の時代が幕を開ければ、全国一律の産業政策ではなく、国はマクロ経済、地方自治体はみずからその地域に適したきめ細かい経済政策といった住み分けが必要であります。そこで、知事は、広島県の地域産業の現状をどう把握し、今後の産業をどのように展望しておられるのか、まず、お伺いいたします。  質問の第二は、広島県の発展を支えてきた物づくりの伝統と、その基盤となった技術力の蓄積を生かした製造業の再構築についてであります。本県の歴史は、とりもなおさず、製造業とともに発展してきた歴史であります。戦後、本県は、それまで培ってきた技術力や熟練技能を生かしながら、自動車や造船、鉄鋼などの産業を中心とする高度経済成長時代の優等生となりました。しかし、今日、世界経済がグローバル化し、円高の進行や東アジア地域の急速な経済発展、さらには、我が国の高コスト構造などから、生産拠点の海外移転が進み、かねてから懸念されていた産業の空洞化が現実のものとなっております。多くの技術や技能が蓄積されているのは中小企業にほかなりませんが、今日の製造技術の急激な情報革命の波に乗り切れず、技術や技能、そして雇用すら失われかねない状況となり、広島県の製造業を支えてきた基盤が崩壊し、地域経済の灯が消えてしまうのではないかと、大変危惧しております。  こうした中で、本県も、これまでの産業構造をいかに改革していくのかが大きな命題となっております。私は、この改革を進めていく上で忘れてならないのは、本県には古くから蓄積された物づくりのすばらしい技術があり、その基地であるという大きな地の利を生かすことであると考えます。世界最適生産、世界最適調達という大きな潮流のもとで、本県の高度な生産技術力をどう生かしていくのかということが、これからの本県の産業を展望する上での重要課題であり、いかに国際競争力のある産地づくりに取り組んでいくのかが厳しく問われております。一国の繁栄は、その国のすぐれた生産力にかかっていると言われておりますが、本県でも「日本一住みやすい生活県」を構築できるかどうかは、製造業の再生にかかっていると思います。本県の産業の歴史を振り返るとき、これからの発展も製造業を抜きには語れないのではないでしょうか。財政環境が厳しい時代こそ、行政が手腕を発揮すべきときであり、こうした将来の雇用や自治体財政に直結する施策には大いに知恵も金も出すべきであります。こうした中、幸い、先月末には、広島と周辺二市八町が、この基盤的技術の維持・発展を目的とする地域産業集積活性化法の地域指定として、第一次の指定を受けました。いよいよ、この法律に基づく国の助成制度を活用した具体的なプロジェクトが進められることになりますが、知事は、本県に蓄積された技術力をどう評価し、今回の地域指定により、これからどのような施策を展開しようとされているのか、御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、地域産業の国際化支援についてであります。県内の自動車部品産業と韓国・慶尚南道との産業交流について、ジェトロの「ローカル・トゥ・ローカル産業交流事業」に採択され、連携して事業実施すると伺いました。タイムリーな施策であり、大変結構なことだと思っております。韓国・慶尚南道地域には、韓国自動車トップの現代自動車や第三位の大宇自動車の工場などが操業し、年間生産台数は百六十万台を超えております。しかしながら、技術力のある中小企業が少なく、提携している日本の部品メーカーから輸入するケースが多いと伺っております。韓国から見れば、本県の自動車部品産業の集積は、いずれの分野でもすそ野が広く、かつ、技術的にも高度で、提携するメリットは大変大きいと思います。また、本県においても、中小企業が新製品を開発し、新分野へ進出するといっても簡単なことではありません。中長期的には新規事業展開は大切なことではありますが、人材や資金、時間もかかり、リスクも伴います。中小企業の現状と経済環境を考えたとき、蓄積している技術・技能で取引を拡大していくことが、短期的には厳しい競争に勝つための最良の方策ではないかと思います。さらに、韓国の総領事館が本年一月に広島市に開設されたことや、定期航空路の機材の大型化など、今後、距離的に近い韓国との産業交流の重要性は増すばかりでなく、相互にメリットのある交流や投資が可能であると考えます。この事業を通じて、韓国企業との間で系列や国籍を超えた協力関係を築き、製品の相互融通や技術提携、資本参加などが実現すれば、十分な国際競争力を持つことができ、ビジネスチャンスも広がるのではないでしょうか。そこで、この事業の今後のスケジュールと、県内の自動車部品産業の国際的な取引拡大に対する取り組みについて知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、企業誘致対策についてであります。本県の産業・経済の発展に欠かせない、もう一つの大事な柱が県外企業の誘致であります。日本の製造業は、その生産拠点を国内からアジア諸国に移行させており、企業誘致を進める地方自治体にとっては、大変厳しい時代となっております。しかしながら、立地政策は、本県に集積の少ない産業分野や新技術を持つ企業を誘致し、地域産業の高度化の推進や雇用の創出を図るという点から非常に重要なものであります。過去に誘致された企業により、電気機械等の製造品出荷額が飛躍的に伸び、本県経済の発展に寄与していることは御承知のとおりであります。私は、企業誘致の今後の視点としては、外資系企業誘致とトップセールスではないかと思っております。高成長が続くアジアの企業は、日本の研究開発力や技術力、さらには市場規模の大きさに着目しており、対日直接投資額も飛躍的に伸びております。また、将来、広島-ロサンゼルス間の定期航空路が開設されれば、中四国地方の拠点として米国企業にもアピールできます。今後、政府が進めている六分野の構造改革により、高コスト構造の是正や規制緩和が進み、外資系企業のサポート体制が充実すれば、外資参入はまだまだ進むものと思われます。住環境のすぐれた地方都市こそ、外資系企業の誘致に適しているのであります。今後、広島の中枢機能の強化はもちろんのこと、みずからの個性・特色を生かした国際的にも魅力ある立地環境を整備し、企業のニーズにこたえる必要があると思います。さらに、教育環境の整備・充実も不可欠であります。現在進められている高校教育改革はもちろんのこと、学力の向上も視野に入れた義務教育の改善・充実などにも積極的に取り組んでいただきたいと思います。  次に、トップセールスに関しては、地元の熱意を示すということで、企業誘致の重要な要素であります。誘致ではありませんが、キリンビールの工場閉鎖についても、県としてベストを尽くされたこととは思いますが、存続へ向けての熱意がいま一つ伝わらなかったのではないかと感じる次第であります。知事は、企業立地セミナーを開催され、トップセールスを実行されており、高く評価するものでありますが、今後も、知事御自身や県幹部の人脈によるトップセールスなど、全庁的な取り組みが必要ではないかと考えます。また、外資系企業誘致のための海外ミッションなども、先頭に立って推進していただきたいと考えます。今後の企業誘致施策をどのように進められようとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、広島県産業科学技術研究所の整備についてであります。来年四月開所予定のこの研究所は、西中・四国スーパー・テクノ・ゾーン計画の広域研究開発基盤施設として位置づけられるとともに、本県の次世代産業の創出や既存産業の高度化を推進するための基礎的・先導的な研究開発を実施されると伺っており、大いに期待するものであります。しかし、その研究内容や運営方法等について、いま一つわかりにくいものがあります。科学技術は、我々の生活を便利で快適なものにし、新産業を生み出し、経済を成長させてきました。今後、その重要性は増すばかりでありますが、研究開発を行うという性格上、公開できない部分が多いことや、使われている言葉が理解できないなど、県民からは見えにくいものとなっております。御承知のように、県内には、三つの工業技術センターや広島テクノプラザなど、多くの公設試験研究機関や民間の研究機関があります。しかし、組織を超えた研究者の交流や連携が行われているという話は余り聞いておりません。私は、研究設備が不足している中堅・中小企業が、研究所と身近にネットワークをつくることにより、新製品に挑戦する環境を整えることが最も重要であると考えます。そうした中で、今、建設されている研究所はどういった位置づけになるのか、また、具体的な研究開発プロジェクトはどのようなものが予定されているのか、さらに、その運営はどのように考えられているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の最後は、備後地域の道路問題についてであります。  私の地元であります府中市は、古くから製造業の盛んな有数の地域であり、平成八年の製造品出荷額は約三千四百億円で、県内五番目の水準にあり、備後地域の工業の中核的な都市であります。しかし、残念ながら、高速交通時代に乗り遅れ、県内十三都市の中で、唯一、高速道路が通っていない市であります。また、高速道路のインターチェンジにも遠く、四十分から五十分も要しております。さらに、福山市へのアクセスも不十分で、府中地域における道路事情は極めて貧困と言わざるを得ません。今後、府中市の産業が発展するためには、産業基盤である道路の整備が不可欠であります。そこで、こうした道路事情の改善について二点お伺いいたします。  一点目は、府中市から高速道路へのアクセスの強化についてであります。中国横断自動車道尾道松江線の早期実現は、沿線地域はもとより、府中地域の我々としても大いに期待しているところであります。というのも、このルートには御調町にインターチェンジが計画されており、これが開通すれば、府中地域にとって高速道路への最短のアクセスとなります。府中から御調間は国道四百八十六号で結ばれており、一定の改良は完了しておりますが、高速道路と直結し、その効果が十分発揮できる道路として一層の整備を望むものであります。そこでまず、尾道松江線の御調インターチェンジに至る、府中地域からのアクセス道路の強化について御所見をお伺いいたします。  あわせて、現在、山陽自動車道への一番のアクセスである主要地方道府中松永線についてお尋ねいたします。この路線は、府中市と山陽自動車道福山西インター、さらに、松永地区とを結ぶ幹線道路であり、備後地域西部における南北軸の機能強化路線として重点的に整備が図られることとなっております。全線約二十一キロメートルのうち、未改良区間が約三・五キロメートルと、あと一歩のところまで整備が進んでまいりました。一日も早い完成を願うものでありますが、現在の取り組み状況と整備見通しについてお伺いいたします。  二点目は、府中市から福山市中心部に直結する道路網の整備についてであります。現在、福山市と府中市を結ぶ動脈は、何といっても国道四百八十六号と、それにつながる国道百八十二号、三百十三号のルートであります。しかし、これらの道路は、朝夕のラッシュ時はもちろんのこと、常に相当の交通量があり、慢性的な交通渋滞路線と言っても過言ではありません。それに、このルートは福山市の東側から中心部に入って行くことになり、府中市方面からは大きく迂回することになります。私としては、福山市の北西側から直接福山駅周辺に至る道路を整備すべきと考えます。そこで、府中市方面から福山市中心部への動脈となる幹線道路の強化の取り組みについてお伺いいたします。  以上で私の質問を終わりますが、最後に、閉塞感に包まれている本県経済が一日も早く景気回復し、明るさが取り戻されるよう、施策の着実な実行をお願いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 16: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 17: ◯知事藤田雄山君) 岡崎議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、地域産業の現状と今後の産業の展望についてのお尋ねがございました。本県産業は、これまで自動車、造船、機械、鉄鋼等の製造業を中心に発展し、これに付随する卸売業やサービス業等の集積も進んでまいりました。近年、サービス業等のウエートが高まる傾向が見られますものの、依然として製造業が県内総生産の約四分の一を占める最大の産業となっております。しかしながら、基幹産業である自動車関連産業の不振等により、工業製品出荷額は減少傾向にあり、これに伴い、県内総生産の伸びも国を下回る低い水準で推移するなど、厳しい状況が続いております。一方、昨今の本県産業を取り巻く国内外の社会・経済情勢は、国内市場の成熟化や国際競争の激化など、さらに激しさを増しており、先行き不透明な状況にございます。こうした激動する状況の中で、今後の本県の産業を展望・予測することは困難ではありますが、基本的な方向で申し上げますと、第一に、本県産業の最大の強みは、全国有数規模の物づくりに関する産業群と技術力の集積であり、今後とも、この強みを生かして製造業が本県経済の牽引役を果たしていくこと。第二に、社会・経済状況や消費者ニーズの変化等に対応して、既存の産業分野に加え、情報、環境、福祉関連等の新しい分野の成長や、産業支援サービス業、観光関連産業等の進展により、多彩で重層的な産業群が形成されていくこと。第三に、経済構造改革や規制緩和などにより、県内産業の多くの分野で再構築の流れが加速していくことなどの動きが進むものと考えております。このような展望を踏まえ、県といたしましては、本県の強みである物づくりの一層の基盤強化や活性化を基本としつつ、新しい時代の潮流に対応した多彩で重層的な産業構造の構築に向けまして、引き続き、金融面や技術開発、人材育成などの支援施策の推進に努めてまいります。  次に、製造業の再構築についてのお尋ねがございました。本県の製造業におきましては、これまでの発展の歴史の中で、層の厚い多様な技術力が蓄積をされてまいりました。特に、金型、鋳鍛造、ゴム成型、板金など、製造業の基盤となる分野における技術力は、国際的にも高い評価を受けているものと認識をいたしております。しかしながら、本格的な大競争時代を迎え、いわゆる産業空洞化も懸念される中で、本県製造業が引き続き優位性を保っていくためには、県内企業は、これまで以上に技術の高度化やコストの削減などを図ることが求められております。県といたしましては、こうした取り組みを支援するため、御指摘のとおり、先般、地域産業集積活性化法に基づく対象地域の指定を受け、今後五カ年にわたり、総合的な活性化対策を講ずることといたしました。今回の施策は、全国で画一的な事業を行うものではなく、県が独自の事業を盛り込んで策定した計画を国が支援する形となっていることが特徴であり、従来にない地域の実態に即した施策が展開できるものと考えております。具体的な施策につきましては、県内企業のニーズを十分踏まえるとともに、国の支援制度も最大限に活用いたしまして、物づくりの基盤を支える技術の高度化を支援するための施設・機器の整備、製造工程の縮減や品質の向上につながる加工技術やシステムの研究・開発支援、設計から量産までのデジタル化などの新しい動きに対応できる技術者等の養成、集積地域内の道路の整備など、地域内の自治体や関係団体等とも一体となって積極的な支援策を講じてまいりたいと考えております。  次に、企業誘致対策についてのお尋ねがございました。今後の企業誘致の方向といたしましては、御指摘のとおり、外資系企業の誘致やトップセールスが極めて重要であると認識をいたしております。まず、外資系企業の誘致についてでありますが、これまでも誘致活動を積極的に行っているところであり、現在、数社から引き合いがございます。また、今年度から新たに、ロスアンゼルス広島事務所において、現地のジェトロや日本開発銀行、日系のコンサルタントなどで構成する米国企業の広島立地推進会議を設置し、誘致体制づくりを進めております。このほか、本年十月に韓国ソウルで開催されます商談会において、本県の立地環境や工業団地の紹介を行うことといたしております。このような取り組みを着実に推進する中で、海外ミッション等の派遣についても実現してまいりたいと考えております。  次に、トップセールスについてでありますが、東京と大阪において毎年交互に立地セミナーを開催し、団地の所在する市長や町長、県内の特色ある企業の参加を得て、今後、本県への集積が求められる電機、電子、医療品、物流、住宅関係の企業や在外公館などに対し、広島への立地を要請しているところでございます。また、県の幹部が出席して行う誘致活動としては、東京、大阪での企業用地説明会や、県内の支店長、工場長を対象とした支店長会議を開催しておりますが、本年度はさらに、千代田流通団地の現地視察会を実施することといたしております。今後とも、本県出身の企業経営者等の人脈を活用するなど、機会あるごとに積極的に誘致活動を行ってまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 18: ◯議長檜山俊宏君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 19: ◯商工労働部長高見貞四郎君) 二点についてお答えをいたします。  まず、地域産業の国際化支援についてでございます。ジェトロは、平成八年度から、地方自治体と連携して、国内と海外との地域間の産業交流を積極的に支援することにより、新規産業の創出や地場産業の多角化・高度化を図りますために、いわゆる「ローカル・トゥ・ローカル産業交流事業」を推進しております。本県におきましては、御指摘のとおり、韓国・慶尚南道の自動車部品産業との間で、今後三年間にわたって、この交流事業が実施される運びとなりました。そのスケジュールでございますが、今年度は、県内企業や韓国・慶尚南道の企業のニーズ調査を踏まえました事業計画を策定します。そして、来年度は、産業交流団の相互派遣による商談会を開催し、最終年度は、両国の自動車関連産業の総合的な交流事業を展開していくこととしております。なお、計画策定と並行しまして、今年十月に韓国ソウルで開催されます、韓国から部品を輸入するための商談会へ参加をいたします。  次に、県内企業の国際的な取引拡大に対する支援についてでございますが、これまで広島県国際経済交流協会を通じまして、海外取引情報の収集・提供等を実施しているところでございます。特に、昨年秋、開設しましたインターネットのホームページの中で、海外取引バンクとして、県内企業の取引希望情報を発信しておりまして、本年八月までのアクセス件数は二千八百件に達しております。また、平成三年度から、広島県産業振興公社を通じまして、海外取引に関心のある中小企業と、マレーシア、シンガポール、ベトナムなど東南アジア諸国の企業との海外技術交流事業を実施しておりまして、本年度は十二月に韓国の主要自動車メーカーを訪問して商談会を実施することといたしております。今後とも、こうした事業を活用いたしまして、県内中小企業の国際的な展開に対して積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  次に、広島県産業科学技術研究所の整備についてお答えをします。研究開発の流れには、基礎から応用・実用化、さらには起業化・事業化に至る三つの段階がありますが、産業科学技術研究所では、基礎的な研究開発を実施することといたしております。なお、応用・実用化研究は、工業技術センターやテクノプラザにおいて実施をします。起業化・事業化については、起業化センターあるいは工業技術センターで支援をしてまいります。  次に、研究開発プロジェクトについてでございますが、本県産業界のニーズや社会経済環境等を踏まえました研究開発課題を設定の上、その課題に対応する研究開発テーマを公募します。そして、採択されましたテーマについて産・学・官で共同研究体制を組みまして、三年から五年の期間で研究開発を進める、いわゆる公募方式を基本と考えております。また、具体的なプロジェクトとしましては、三つの分野を設定しております。情報・知能分野としまして、高度情報化等に対応した知能センサー、マイクロマシンなどの研究、材料・エコシステム分野として、環境を視点とした各種機能性材料やクリーン・エネルギー、廃棄物処理システムなどの研究、バイオ・健康・ライフ分野として、バイオテクノロジーの活用による生命科学、医療機器等の研究を進めることといたしております。  次に、研究所の運営でございますが、自由で柔軟な研究運営体制を確保しますために、管理運営については財団法人広島県産業技術振興機構に委託することといたしております。運営体制といたしましては、研究所の運営全般にわたり助言を行う顧問、研究開発テーマの公正な選定・評価を行う企画評価委員会、さらに、県内の企業や大学等のニーズ、シーズを十分把握するための企画部門を設置することといたしております。研究方法は、プロジェクトリーダーを中心として、県内企業や工業技術センターの研究員も含め、国内外の人材を活用した産・学・官の研究開発プロジェクトを組織してまいりたいと考えております。また、研究開発機器等の開放、あるいは研究成果の県内企業への積極的な公表・移転、さらに、研究機関相互の交流・連携の視点から、研究所を核としまして、中小企業を含めた県内研究機関を網羅するネットワークを構築するなど、産・学・官一体となった特色ある運営を行ってまいりたいと考えております。 20: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長中村俊行君。         【土木建築部長中村俊行君登壇】 21: ◯土木建築部長中村俊行君) 備後地域の道路問題について御答弁申し上げます。  初めに、中国横断自動車道尾道松江線の御調インターチェンジに至る、府中地域からのアクセス道路の強化についてでございます。福山市から府中市を経て御調町に至る国道四百八十六号につきましては、福山地方拠点都市地域における東西交通の重要な幹線道路であり、二車線での一次改築は完了しております。しかしながら、交通混雑を解消するため、府中地域から御調インターチェンジに至る区間のうち、府中市域につきましては、平成八年度に、交通のネックとなっている福塩線との踏み切りを含む、新市町戸手から府中市篠根町までの約九キロメートルの区間を都市計画決定したところでございます。このうち、新市町戸手から府中市中須町までの約三キロメートルの区間については、今年度から新規事業着手いたしました。さらに、御調町までの区間については、線形の悪い箇所や幅員の狭い箇所について、順次、整備していきたいと考えております。  続きまして、主要地方道府中松永線の整備についてでございます。主要地方道府中松永線は、備後地域西部の府中市と福山市松永町を結ぶ延長二一・三キロメートルの幹線道路であります。現在、福山市芦田町、尾道市原田町、福山市本郷町の未改良区間において事業を進めております。このうち、福山市芦田町一・三キロメートルにつきましては、本年十月末に供用開始することとしております。残る尾道市原田町の一・七キロメートル及び福山市本郷町の〇・五キロメートルにつきましても、現在、用地買収を進めているところでございます。今後とも、全線の早期完成に向けて努力してまいりたいと考えております。  次に、府中市から福山市中心部に直結する道路網の整備についてでございます。福山市及び周辺地域の幹線道路の整備につきましては、パーソントリップ調査を踏まえて平成五年度に策定した「備後・笠岡都市圏将来道路網計画」に基づき進めることとなっております。道路網は、放射型と環状型の幹線道路により構成されており、府中市方面と福山市中心部とを連絡する路線としては、放射型の大渡橋加茂線及び三吉大渡橋線、また、環状型の福山西環状線などが計画されております。現在、大渡橋加茂線については、森脇橋、石原トンネル、大渡橋などの大規模構造物を含めて、平成十二年度末の完成供用を目途として事業を進めております。さらに、大渡橋から福山市三吉町の国道二号に至る三吉大渡橋線は、交通需要に応じて四車線から六車線で計画しており、現在、関係機関と協議・調整を行っております。また、福山西環状線は、福山市駅家町で国道四百八十六号と分岐し、赤坂町で国道二号バイパスの福山道路と連結する四車線の自動車専用道路として計画しており、現在、関係機関との協議や整備手法等の検討を行っております。これら二路線につきましては、平成十年度には都市計画決定できるよう準備を進めており、その後は、速やかに事業に着手できるよう努めてまいります。 22: ◯議長檜山俊宏君) 引き続いて質問を行います。田中信一君。         【田中信一君登壇】 23: ◯田中信一君 県民同志会の田中でございます。  私は、質問に入ります前に、次期知事選に出馬を表明しておられる藤田知事に、ぜひとも、引き続き「住みやすい生活県ひろしま」づくりに邁進していただき、国の六大改革や地方分権など激動する諸情勢の中で広島県政のかじ取りを担っていただきたいと念願する次第であります。先ほどまでの本会議の議論の中でも、いろいろの論議がありましたように、我が広島県は大変な転換期に直面をしております。一歩かじ取りを誤れば、全国の各拠点都市間のサバイバル競争におくれをとることになり、県経済の失速や中山間地域の活力の低下などをもたらしかねない状況であります。この苦難の時期にこそ、若さと行動力でもって県政発展に着実な取り組みをしてまいりました藤田知事に、その手腕を遺憾なく発揮していただきたいとの私の熱い期待を表明いたしまして、質問に入りたいと思います。  質問の第一は、東部リムジンバス問題についてであります。平成五年に開港した広島空港は、県当局及び関係者の皆さんの大変な御尽力のおかげをもちまして、開港当時の定期路線は、国際線二路線の週八便、国内線で五路線の週百十九便でありましたが、現在では、国際線五路線の週二十三便、国内線では十路線の週百三十七便に拡大し、先月は開港以来の利用者数が、わずか三年九カ月で一千万人を超えるなど、中四国地方の拠点空港として順調に発展を続けております。しかしながら、順風満帆で発展を遂げるかのごとく見える広島空港にも、足元から暗雲が立ち込めていると言わざるを得ません。それは、空港の生命線とも言うべき公共交通機関によるアクセスが、重大な危機的局面を迎えているわけであります。広島空港への公共交通機関はリムジンバスが担っており、とりわけ東部地域からのリムジンバスは、既に乗合タクシーへと転換をいたしました竹原を除いて、現在、福山と尾道・三原から運行されております。しかし、いずれも乗降人員が当初計画を大きく下回り、これによる赤字額は運行している二社の合計で、単年度で八千万円を超え、累積では三億円にも上り、民間バス会社の経営努力による対応のみでは困難となり、この九月末には運行廃止の決定をするという状況になっているところであります。つまり、東部リムジンバスは、福山から一日二十便、尾道からの八便を含めて、三原から十三便が運行されておりますが、東部地域の人口規模を考えると十分に採算確保は望めるであろうという予測のもとに、広島県バス協会の当初計画では、平成八年度の利用人員を一日当たり一千七百四十三人と見込んでいましたが、実績は一日当たり、わずかに四百七人で、四分の一以下にとどまっているのが現状であります。これは、広島空港の周辺開発が当初計画どおりに進んでいないことや、県東部、特に福山地域におきましては、JRを初め、近隣の岡山空港との競合が要因ではないかと言われておりますが、せっかくの広島空港利用者が、JRや岡山空港に流れるというのが事実であれば、まことにゆゆしき事態であり、これを放置しては広島空港の拠点性を著しく損なうものであります。また、バス運行会社の立場からしても、極めて公共性の高い路線とはいえ、厳しい経営環境の中、全社を挙げてリストラにリストラを重ねて、やっと経営が成り立っているという状況の中で、利用人員がこれほど低迷している路線を、みずからの経営努力だけで維持するのは到底困難であるという悲痛な叫びも十分に理解ができるところであります。  一方、東部地域の中心都市である福山市は、平成十年四月に中核市へ移行することとなっておりますが、福山市も含めた全国二十一の中核市または中核市への移行を予定している市の中で、当該県に空港のない市やJRでの直接乗り入れが可能な市を除けば、すべて空港リムジンバスが直行で運行されております。私は、福山市の拠点性あるいは三原の臨空港都市圏を考えるとき、福山や三原から空港直行便のアクセスがなくなるとすれば、まことに残念であり、欠陥空港のそしりを免れないと思うのであります。もとより、私は、東部リムジンバスのすべてを市場原理に反してまで、政策的支援により存続すべきという主張を行うつもりは毛頭ありませんが、少なくとも福山線など、もう一歩の効果的な利用促進策などの支援があれば市場原理での自立が可能であるという路線については、みすみす指をくわえて路線廃止に追いやってはならないと思うわけであります。そこで、拠点空港としての広島空港そのものの利用促進を図るための利便性確保の観点から、少なくとも平成十二年度末の三千メートル化により国際空港としての一層の利用客増が見込まれるまでの間だけでも、県が先頭に立って地元市などと十分に協議をされて、東部リムジンバスを存続させるべく、官民挙げての利用促進に向けての支援を行うなど、ぜひとも英断を持って取り組んでいただきたいと思いますので、知事の御所見をお伺いしたいと思います。  質問の第二は、海砂利採取の問題であります。これについては、昨日の本会議で副知事が答弁をされましたが、海砂利は公共工事の貴重な建設資材として大変重要な役割を果たしておりますが、水産資源の保護培養と自然環境の保全を図る観点から、平成二年十一月に「海砂利採取に関する基本方針」を改正し、平成三年当時の採取量五百万立方メートルから毎年五十万立方メートルずつ採取量を逓減し、平成十年末で全面的に採取禁止にするという八年間のリードタイムを設けた現在の方針を決定されたところであります。もちろん、この方針は、海砂利の採取禁止後に備えて、山砂などの代替材への転換は不可欠であり、建設業界など関係業界の代替材転換への積極的な取り組みを促進することで関係者の合意を取りつけて、そして決定されたところであります。私は、海砂利の採取場所が、水産動植物の産卵や生育にとって極めて重要な場所であることから、他県に先駆けたこの県の方針は大変な英断であると高く評価をしてきたところであります。ところが、先日来からの報道や、昨日の本会議における答弁によりますと、一つには、代替材への転換が十分進んでいないこと、二点目として、海外からの輸入や他県からの持ち込みが安定的に見込めないこと、さらに、建設用砂の急激な逼迫によって建設市場の混乱による公共工事のコストアップの懸念があることなどが挙げられております。八年間ものリードタイムがありながら、いずれも公共事業への配慮が必要という理由で、激変緩和措置として採取禁止期間の延伸の論議が、環境問題への十分な検証がないまま、進められております。私は、海砂利採取禁止の公共事業に及ぼす影響を無視してよい、こういう主張をするものではありません。しかし、海砂利採取禁止措置を決定されたときの理念は、公共事業への影響よりも、むしろ、後世の世代に豊かな瀬戸内海の自然環境や水産資源を引き継がなければならないという我々の世代に課せられた責務というものを優先すべきだという崇高な選択であったと思うわけであります。特に、私の地元の三原市沖や竹原市沖にも採取区域がありますが、この付近にはスナメリの回遊海面があり、自然保護団体の方から、海砂利採取が終わればスナメリが帰ってくるのではと期待をしているという声がありますし、ナメクジウオの希少な生息地でもあります。また、漁業関係者の率直な声を聞きましても、海砂利採取で漁獲量が年々落ちているが、採取禁止後は回復するのではないかと大きな期待を寄せているとのことであります。  そこで、お伺いいたしますが、今回、激変緩和措置として、海砂利の採取を平成十一年以降も認めざるを得ないとしても、海砂利採取の水産業や環境面への影響を考えると、平成二年に決定された海砂利採取の基本方針である将来的な海砂利採取の禁止の方針はぜひとも堅持すべきであると思いますが、県当局の考えはいかがでありましょうか。  また、平成三年以降、八年間のリードタイムがありながら、海砂利から代替材への転換が十分に行われなかったことを踏まえ、今後の延長期間の中で代替材への転換を進めるためには、今までどおりの対応では不十分と考えますので、県としても、ぜひとも取り組まなければならない課題でありますから、代替材への転換の取り組みについて強く要望をいたしておきます。  質問の第三は、尾道糸崎港の整備についてであります。昨今の公共事業をめぐる情勢は、政府が財政構造改革会議で財政構造改革期間中の公共投資総額の抑制の方針を打ち出し、さらには、これを踏まえた国の来年度の概算要求では、物流効率化や生活関連公共投資などの特別枠を設けて、公共事業そのものの重点化が推進されているところであります。港湾整備事業においても例外ではなく、今後は、運輸省が建設省と連携して重点的な整備を推進しております国際交流インフラ推進事業、これの整備地区として広島港や福山港が指定されるなど、物流効率化基盤として重点的整備が推進されるものと思われます。しかし、広島港や福山港だけではなく、県管理の重要港湾の一つである尾道糸崎港は、現在、貝野地区と松浜地区の二つの新規重点整備地区を擁し、これらの地区は県東部地域の振興や経済基盤の拡充に重大な役割を担っており、緊急に重点的に整備すべきものであります。貝野、松浜地区とも、かねてから懸案であった漁業補償も、県当局の地道な努力と関係漁協の御理解、御協力により、この五月に円満解決を見たところであり、これからの本格的な整備促進が望まれておりますので、これらの地区の今後の整備方針について、提言を含めて質問をしたいと思います。  まず、貝野地区でありますが、三原市和田沖町地先の沼田川河口に、全体計画二五・二ヘクタールを県東部地域の港湾事業から発生する港湾しゅんせつ土の受け皿として整備をするものであります。したがって、この貝野地区の整備が進まなければ、東部地域の港湾工事により大量に発生するしゅんせつ土の受け皿がなく、港湾整備事業そのものの事業凍結に直結するため、公共事業の予算額抑制基調の中ではありますが、ぜひとも積極的に推進していただかなければならないと考えております。この貝野地区は、今年度事業着手し、平成十年代の後半に向けて整備が進められる予定と聞いており、竣工後の土地の利用計画が最大の課題となっております。この地域は、これから需要増が見込まれる航空機関連機材など最先端の機械類を製造する我が国有数の基幹産業たる三菱重工業や、また、その対岸には、地球環境に影響を及ぼすフロンの年間千トンもの処理能力を持つ帝人三原製作所が展開をいたしております。この貝野地区の竣工後の土地利用計画は、これらの企業と有機的な連携を図ることが可能であり、かつ、あわせて整備されるマイナス七・五メートルの岸壁や三ヘクタールの埠頭用地を有効に活用できる臨海型の工業用地として活用すべきであり、今の時点から地元三原市や経済界などと土地利用計画の入念な詰めを行うべきと私は考えております。尾道糸崎港には、臨海型の企業が新規に展開できる適地がほかには少ないのが実情でありますので、三原地域だけではなく、県東部地域全体の振興を図る観点からも、ぜひとも有効活用すべきであると思います。そこで、この貝野地区の将来的な土地利用計画について、県当局はどのように考えておられるのか、また、その具体的な実現に向けて、地元とどのような調整を行っておられるのか、お伺いしたいと思います。  次に、松浜地区についてでありますが、これは、三原市松浜地区地先を埋め立て、臨港道路用地や住宅用地、さらには、これらの整備に関連する移転企業用地など全体計画一〇・三ヘクタールを整備するものであります。特に臨港道路は、港湾物流の円滑化を図るとともに、国道二号の臨海部のバイパス機能を期待されているものでありますし、住宅用地は、現在、西側から整備をされている三原バイパスの中之町ランプから糸崎町ランプの本線とアクセス道路用地の移転代替地として計画をされております。したがって、この松浜地区の整備が順調に進まなければ、ほかにまとまった住宅適地がないこともあり、県東部地域の国道二号の最大の渋滞箇所の緩和のために進められている三原バイパスそのものの進捗に大きな影響があるだけではなく、新たな住宅適地の開発が地理的に制約される三原市域のさらなる振興というものは望めないのであります。そこで、港湾整備事業の総予算額そのものが縮小され、整備箇所も重点化基調の中で、来年度の国の概算要求を踏まえて、松浜地区全体の整備スケジュールについて、県当局はどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 24: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。
            【知事藤田雄山君登壇】 25: ◯知事藤田雄山君) 田中議員の御質問にお答えを申し上げます。  東部リムジンバス問題についてのお尋ねがございました。議員御指摘のとおり、リムジンバス等の空港アクセス手段の維持・充実は、航空路線の拡充とともに、広島空港が中国・四国地方の拠点空港として、さらなる発展を遂げるためには極めて重要な課題であると認識をいたしております。しかしながら、県東部からのリムジンバスにつきましては、バス事業者を初め、関係者の御努力にもかかわらず、利用が低迷し、赤字の累積から、もはやバス事業者の経営努力のみでは路線維持が極めて困難な状況にあると伺っております。このため、県はこれまでも地元関係者と一体となって利用促進対策を進めてまいりましたが、今後はさらに、路線ごとに効果的なアクセス確保対策を講じる必要があると考えております。  まず、福山線につきましては、年間九万人を超える利用客があり、いま少しの努力で採算ラインへ到達も可能と考えております。福山市は、商工会議所を初め地元関係団体と連携して、福山リムジンバスの存続に向けた取り組みを進めており、昨日も、県に対して、存続に向けての支援要請がございました。県といたしましても、こうした要請にこたえ、地元が中心となって実施する路線維持対策に対して、財政的支援の可能性も含めた存続のための方策を検討してまいりたいと考えております。  また、尾道・三原線につきましては、現在、バス事業者を初め、地元市町村等と協議・調整を進めているところでありますが、その存続は厳しい状況にあると受けとめております。このため、これらの地域からのアクセスにつきましては、高速バスとの乗り継ぎや乗合タクシーの活用などの代替アクセス手段の確保を含め、地元の意見を十分に踏まえつつ、具体的な対応策を検討してまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 26: ◯議長檜山俊宏君) 副知事久保信保君。         【副知事久保信保君登壇】 27: ◯副知事(久保信保君) 海砂利の採取について御答弁申し上げます。  海砂利につきましては、現時点で採取禁止した場合、砂が不足して建設工事に支障が生じることや、建設コストが高騰する懸念があることなど、県民生活に多大な影響を及ぼすことが考えられます。こうした影響を最小限にとどめるため、公共事業などにおける代替砂の利用拡大等を行うことによりまして、代替材への転換をより一層計画的に進めていく必要があると考えております。昨日も御答弁申し上げましたように、現在、期間の延長を含めた激変緩和措置を検討しているところでございますが、この措置は、あくまでも暫定措置でございまして、海砂利の採取を禁止するという基本方針は堅持いたします。この方針を変えるつもりは全くございません。 28: ◯議長檜山俊宏君) 空港港湾局長上田 寛君。         【空港港湾局長上田 寛君登壇】 29: ◯空港港湾局長(上田 寛君) 尾道糸崎港の整備についてお答えいたします。  最初は、尾道糸崎港貝野地区の土地利用計画についてでございます。貝野地区の整備につきましては、本年八月に埋め立て願書の出願を行ったところであり、年度内には免許を取得し、工事に着手したいと考えております。貝野地区の土地利用計画につきましては、平成五年八月に策定した港湾計画により、埠頭用地、港湾関連用地及び都市再開発用地等として、全体で約二五・二ヘクタールを整備することとしております。埠頭用地及び港湾関連用地は、三原市背後の工業団地や、隣接背後地から発生する機械類等の貨物を取り扱うための用地として計画しております。都市再開発用地は、三原市域の公共事業に伴う移転用地として計画しております。今後、この土地利用計画につきましては、御提言いただきました趣旨をも念頭に入れ、社会情勢の変化や地域の要請を踏まえ、地域振興に寄与する土地利用となるよう、地元関係者と十分調整してまいる所存でございます。  次に、尾道糸崎港松浜地区の整備スケジュールについてでございます。松浜地区の整備につきましては、貝野地区と同様に年度内には工事に着手する予定であり、平成十四年度の埋め立ての完了を目標に整備を進めていく所存でございます。御指摘のとおり、松浜地区は三原バイパスの整備に伴う移転用地として位置づけられており、三原市域の再開発を促進するためには早期に整備する必要があると認識をしております。港湾事業の予算確保が非常に厳しい状況ではございますが、今後も引き続き予算確保を図り、早期実現に向け努力をしてまいりたいと思います。 30: ◯議長檜山俊宏君) 次回の本会議は九月二十九日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時九分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...