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  1. 広島県議会 1997-02-06
    平成9年2月定例会(第6日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成9年2月定例会(第6日) 本文 1997-03-04 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 28 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯中本隆志選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 8 : ◯空港港湾局長鈴木博史君) 選択 9 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 10 : ◯商工労働部長高見貞四郎君) 選択 11 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 12 : ◯都市局長渡辺孝則君) 選択 13 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 14 : ◯土木建築部長日月俊昭君) 選択 15 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 16 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 17 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 18 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 19 : ◯堀友頼一君 選択 20 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 21 : ◯知事藤田雄山君) 選択 22 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 23 : ◯商工労働部長高見貞四郎君) 選択 24 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 25 : ◯土木建築部長日月俊昭君) 選択 26 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 27 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 28 : ◯副議長窪田泰三君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十三分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員五十八名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一号議案         至第五十五 報第三号 3: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成九年度広島県一般会計予算から日程第五十五、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。中本隆志君。         【中本隆志君登壇】 4: ◯中本隆志君 皆さん、おはようございます。(「おはようございます。」と言う者あり)私は、自由民主党広島県議会議員団の中本隆志でございます。  一昨年の春、広島市南区より、地元の皆様方の温かい御支援によりまして、伝統ある広島県議会議員に当選をさせていただきました。さらに、本日、新年度予算を審議する重要な二月定例会において、質問の機会を与えていただきましたことに対し、議長を初め、先輩議員各位に心より感謝を申し上げる次第でございます。  私は、ハワイ州との交流、広島空港及び広島西飛行場の強化、二十一世紀の日本経済に大きく貢献するであろう観光産業の振興対策、広島市の中枢性・拠点性を高めるための都市開発などについて質問を行いますので、知事並びに当局の明快かつ積極的な御答弁をよろしくお願いいたします。  質問の第一は、ハワイ州との交流についてであります。地方の国際化が叫ばれて久しい今日、本県においても、四川省との友好提携を初めとし、さまざまな施策を積極的に展開してまいりました。こうした中で、地方における国際化の内容も、国際交流から国際協力へと質的に転換するとともに、NGOなど住民が主体となっての国際交流・協力活動への参画など、国際社会とのかかわりも、広範に、かつ、多様化してまいりました。これからの地方行政施策の展開についても、おのずと国際社会の動向を視野に入れながら、あくまで自治体としての主体性を発揮していくことが必要ではないかと考えております。いずれにいたしましても、国際交流における大事な視点は、国際的な視野に立った地域政策の確立と推進であり、その意味において国内外の地域との交流と、それに連動した地域間の役割分担や協力体制の確立がますます求められてきているのではないでしょうか。本県では、来年度、ハワイ州との友好提携締結の運びと伺っておりますが、まさに本県とハワイ州との百年余という長年にわたり培われた交流の歴史に思いをはせるとき、意義深いものを感じるとともに、大いに歓迎するものであります。そして、この友好提携が単なる相互訪問、公式行事等にとどまることなく、これを契機として、両地域の住民も一体となった末長い交流への拡大と、両地域の振興への寄与、さらには、この交流が国際社会の発展の一助になることをも期待するものであります。そこで、ハワイ州との交流について、どのようなビジョンのもとに、どのような交流を展開されようとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、広島空港の強化についてであります。  広島空港は、平成五年の開港から四年目を迎え、路線の充実とともに利用も好調に推移しており、中国四国地方の拠点空港として着実に発展を遂げております。現在、広島空港に就航している路線数は、国際線四路線、国内線十路線に上っており、開港から三年間のうちに、実に、海外二路線、国内五路線が新規開設されたわけで、全国的にも路線の拡充が最もハイペースで進んでいる地方空港であることは注目に値することであり、関係者の御努力に敬意を表する次第であります。さらに加えて、国際チャーター便の運航も驚くほど順調で、その運航実績は、平成五年度の百六十五便から七年度には三百六十五便へと大きく伸びております。しかも、この実績は、平成五年度から全国の地方空港の中でトップの座を確保しております。今後、平成十一年に西瀬戸自動車道が開通すれば、四国方面からの利用がふえるのは明らかでありますし、中国横断道尾道松江線の整備など、高速道路網のネットワークが充実するにつれて、広島空港の中枢性・拠点性が一層強固なものになることは間違いありません。こうした状況を見ますと、私は、本県飛躍の戦略の一つとして、広島空港を西日本一の空港に充実発展させることが重要であり、また、実現も十分可能であると信じております。現在、関西以西で最も多くの国際線を有しているのは福岡空港で、広島の約四倍に当たる十八路線であります。しかし、その路線は、広島でも既に路線開設が具体化している、あるいは、取り組みを始めているところが、ほとんどであります。また、福岡空港の機能そのものも既に限界に近づきつつあると言われております。こうした状況の中で、広島空港の現在の勢い、発展可能性からすれば、福岡空港に対抗して負けないだけの空港になることは、決して無理なことではありません。二十一世紀の広島空港の目指すべき方向は、滑走路の三千メートル化を早急に実現させ、国内線のさらなる充実を図り、アメリカ西海岸やヨーロッパ直行便を視野に入れた地域拠点空港、いわゆるリージョナルハブを目指すべきであると考えます。海外出張のビジネスマン、日本を訪れる外国人、欧米やアジアなどの国々に出発や帰国する人々で活気あふれる空港にしなくてはなりません。このように、広島空港の将来には夢があります。この夢の実現には、当面、滑走路の三千メートル延伸が大きなかぎを握っていると言えます。計画では平成十三年の春完成ということでありますが、一日も早い完成が望まれるのであります。幸い、河内、本郷両町や地元地区との協力体制も整ったところであり、県といたしましても、最大限の取り組みをして、早期実現に努力する必要があると考えます。そこで、三千メートル延伸事業の早期完成に向けて、知事の決意をお伺いいたします。  また、将来、広島空港がリージョナルハブとして発展するよう積極的な施策を講ずるべきと思いますが、国際線、国内線の路線展開も含めて、今後の取り組みについてお伺いいたします。  関連して、広島西飛行場のコミューターについてお尋ねいたします。広島西飛行場を拠点とするコミューター航空路線は、昨年の出雲線、鳥取線の相次ぐ開設に続き、本年一月からは南紀白浜線が新たに加わり、現在八路線が展開されており、その拡充ぶりが注目されております。しかし、利用状況は必ずしも好調とは言えません。平成八年の四月から十二月までの搭乗率を見ますと、全路線で四七・九%と、前年同時期に比較して、わずか一%程度しか伸びていません。昭和六十二年のスタート当初に比べれば随分と利用が向上していることは間違いありませんが、採算の目安の六五%ラインに達していないことは、大きな課題であると思います。関係県やジェイ・エアと連携を図って利用促進により一層取り組む必要があります。広島からの利用者の増大も当然でありますが、各路線の相手方から広島へ来てもらう努力を、今までにも増して推進する必要があると考えます。路線によっては、鳥取の六二%や小松の六三%など、好調な路線もあります。好調路線と不調路線について、その原因を分析し、それぞれの路線ごとに、きめ細かい対策を講じることが重要です。さらに、新規路線の検討に当たっても、そうした分析も踏まえて、利用客も多く見込め、採算性のとれる路線の開設に努力していただきたいと思います。私は、広島の中枢性、拠点性を高める上で大きな役割を果たしつつあるコミューター航空のさらなる発展を望むものであります。今後のコミューター航空の展開について知事の御所見をお伺いいたします。
     質問の第三は、観光振興について三点ほどお尋ねいたします。近年、国民生活は経済的に豊かになるとともに、自由時間も増大し、レジャー・余暇活動に対する関心がますます高まっており、観光は、ゆとりや豊かさを実感する上で必要不可欠なものとなっております。平成七年の国内観光は、宿泊・観光旅行をした延べ人数が約一億八千七百万人と推計され、国際観光も、円高の影響などもあり、海外旅行者数が千五百三十万人と史上最高を記録いたしました。運輸省の調査によれば、観光産業の総生産額は約二十兆円で、国内総生産の五%を占めており、総従業員数は約百九十万人と試算されております。経済波及効果を考えますと、日本経済への貢献度はさらに大きなものとなるわけであります。また、観光振興は、地域の経済発展を促すだけでなく、地域の文化・歴史を発見・創造する契機ともなり、地域振興にも大きく寄与するものであります。本年一月から始まりましたNHKの大河ドラマ「毛利元就」は、なかなか評判で、視聴率三〇%を超える高視聴率であると伺っており、民間の調査によると、その経済的波及効果は四百二十六億円に及ぶと言われ、さきに開催されたアジア大会、国民体育大会の経済的波及効果を大きく上回ると推計されており、私も地元の者の一人として大変うれしく思っております。過去に大河ドラマの舞台となった地域では、放送に伴い、観光ブームが起こり、県外からの観光客が総じて増加しております。また、昨年十二月には、「原爆ドーム」と「厳島神社」が世界遺産に同時に登録されました。このような観光資源の拡充は、本県の観光にとって絶好のチャンスであり、こうした追い風を逃すことなく、ぜひとも有効に活用していただきたいと思います。観光行政は、行政と民間との守備範囲が極めて不明確で、どこまで支援すればよいのか、判断しにくい面があることは承知しております。しかし、観光産業は、二十一世紀の経済を牽引する基幹産業になり得るといった視点に立って、総合的な観光振興対策を進めるべきだと考えます。知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、東京情報センターの整備についてお伺いいたします。現在の東京情報センターの機能を拡充・強化し、首都圏における広島情報の発信や首都圏の生活・経済情報の収集拠点として、複合的な機能を有するアンテナショップを新宿に整備することとされております。私は、本県において取り組みがおくれている観光客誘致対策や、ふるさと産品の販売等を通じた市町村の活性化に役立つものと大いに期待しております。自治体のアンテナショップは、単なる物産販売から、飲食部門などを設けることにより、特産品への関心を高め、これをきっかけに観光客の増加に結びつけるなど、変化してきております。また、全国ブランド化へと育ちつつある特産品を持つショップの出現や、都市と農村との交流を促す効果も発揮されているようであります。設置を予定されている新宿駅周辺は、一日三百万人の乗降客があり、集客面での利点は大きく、アンテナとしての役割は十分果たせるものと思いますが、このセンターにどのような機能を持たせ、どのように活用していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  三点目は、「広島ベイブリッジ」の愛称で親しまれている海田大橋のライトアップを活用した観光振興についてであります。広島の新しい観光名所としてクローズアップされてきたのが、夜の広島湾に彩りを添える、美しくライトアップされた広島ベイブリッジであります。中央部の橋脚の間隔は、このタイプの橋では日本一と言われ、橋げたの流麗なデザインとスケールの大きさは、人々を魅了するものであります。現在、このライトアップを生かした観光としては、民間企業によるディナークルーズや屋形船などがあるだけで、せっかくの観光資源が生かされておらず、中途半端なものとなっております。都市のシンボルとなる橋のライトアップとしては、東京湾のレインボーブリッジ、横浜港の横浜ベイブリッジなどが有名であります。東京、横浜では、広島と同じようにクルーズ事業が行われておりますが、そのほかにも、展望施設や美しい橋の雄姿を楽しめる観光スポットを整備して多くの人々に愛されております。広島ベイブリッジも、これらの橋に勝るとも劣らない見事な橋であります。瀬戸内海を背景に、この橋の魅力をもっともっと生かすべきと考えます。そこで、広島ベイブリッジのライトアップを活用した観光振興の取り組みについてお伺いいたします。  質問の第四は、広島市の都市開発についてであります。広島の中枢性、拠点性については、常に札幌、仙台、福岡と並んで比較議論されているところであり、これらの都市に比較して魅力と快適性に欠けるといった指摘があることも事実であります。また、次期全国総合開発計画の策定に向けた国土審議会においても、「広島は経済的な活力の面で格差がある」との指摘があったと聞いております。現に、人口の伸びを平成七年の国勢調査で見ましても、五年前に比べて、札幌五・一%、仙台五・八%、福岡三・九%の伸びに対して、広島は二・一%と、伸びが鈍いのであります。さらに、先般の二〇〇二年ワールドカップサッカーの開催地落選は、中四国の中枢都市として暗い影を落としたと感じるのは、私一人だけでしょうか。その要因はいろいろあると思いますが、都市基盤整備の面でおくれをとっていることを率直に認めなければならないと思います。その中には、紙屋町の地下街開発、広島大学の跡地利用、ドーム球場構想など、県としても積極的に関与すべきものも多くあります。今後は、広島市と連携して、いかに早く都市基盤の強化に取り組むかが問われており、大きな課題であると思います。こうした中で、指定都市高速道路の建設が着手されることは、広島市の交通基盤整備の面で大きな期待が寄せられているところであります。また、都市開発の面で新しい動きが出てきたことも、今後の広島の中枢性・拠点性にとって喜ばしいものであります。そこで、広島駅南口の市街地再開発についてお伺いいたします。  長年の苦労の末、やっと広島駅南口の市街地再開発が動き始めました。広島市が再開発計画を決定してから十五年、Aブロックは、昨年の十月に大型商業施設の起工式が行われ、総事業費五百十二億円のビッグプロジェクトとしての工事が始まりました。平成十一年三月には、市の玄関口として、生まれ変わった姿を見せてくれることを期待しております。南口には、さらにBブロック、Cブロックの計画もあります。Aブロックの東側に位置するBブロックは、Aブロックに先行する形でスタートいたしましたが、バブル崩壊を背景に核テナントの西武が撤退し、白紙に近い状態に戻っておりました。幸い、昨年末、新たな核テナントが決まり、Aブロックよりほぼ三年おくれで開業を目指す努力が続けられていると聞いております。集客力アップのためには両ブロックの相乗効果が必要であり、その意味でも、Bブロックの計画推進が重要であると考えます。また、駅前のすぐ東側に位置しているCブロックも、高度利用が求められている地区でありますが、A、Bブロックに比べて具体的な動きが聞こえてこないのが現状であります。Aブロックの着工を弾みにして、再開発の機運が高まることを期待しているものであります。いずれにいたしましても、広島駅前は市の玄関口であります。中枢性・拠点性をアピールする上でも、一刻も早くイメージアップを図る必要があります。そこで、B、Cブロックの現状と今後の見通し、さらに、県としてどのように促進していくのか、お伺いいたします。  次に、広島市域に関連して、急傾斜地の指定並びに対策工事の推進について要望いたします。阪神・淡路大震災では、私たちは数多くのことを学びました。中でも特に、災害を完全に防止することは不可能でありますが、被害を少しでも少なくすることの大切さは学んだと思います。災害は忘れたころにやってくるのではなく、災害は忘れずにやってくるのであります。これは、我が国の持つ厳しい地形条件、脆弱な地質条件に加え、台風、梅雨前線等に伴う集中豪雨や地震などによるものであります。特に本県は、大部分が山地で占められ、そのほとんどが花崗岩に覆われる地形・地質の特性を持つという背景の上に多くの県民が生活しております。その結果、土石流危険渓流や急傾斜地崩壊危険箇所が全国で一番多いという現状になっているわけであります。最近でも、昭和六十三年の加計の土砂災害により、尊い人命が失われたことは、記憶に新しいところであります。災害は発生してから対応するのではなく、事前に対策を立てること、つまり、予防が大切であり、また基本でもあります。砂防ダムや急傾斜の施設整備により、多くの人命が助かっていることと思いますが、残念ながら、その整備率は、他県に比較して低位にあると聞いております。がけ崩れは、直接人命にかかわる災害であるとともに、都市部においては、その規模により、都市機能の一部に大きなダメージを与えることもあり得ます。このような観点から見ますと、開発が進んでいる黄金山周辺等の市内のがけ対策は、人命のみでなく、都市を災害から守る根幹の対策ではないかと考えます。急傾斜の区域指定等課題が多いことは承知しておりますが、事業の重要性にかんがみ、黄金山地域の指定の促進並びに対策工事の推進を要望いたします。  質問の第五は、広島湾架橋についてであります。広島都市圏の発展・拡大にとって重要なポイントの一つは、広島湾地域の強化・充実であり、中でも、重要なプロジェクトが広島湾の架橋であります。架橋によって広島市と江能・倉橋地域がダイレクトに結ばれ、交通条件が格段に改善されることはもとより、地域の生活環境や経済環境が飛躍的に向上することになると思います。さらに重要な点は、広島都市圏が南に向かって拡大していく受け皿として、江能・倉橋地域の果たす役割が大きくなるということであります。つまり、現在の広島都市圏の生産活動は、その大部分が海岸線沿いに展開されていることを考えれば、江能・倉橋地域が橋で結ばれることの意義は、はかり知れないものがあるのです。さらに、四国松山市とを直接的に結ぶ広島・松山ルートの先導的なプロジェクトとしての位置づけもまた、大いに期待できるのであります。県においては、本年度から、島しょ部のネットワークの構築を目的に、建設省とも連携して、瀬戸内海ネットワーク調査に取り組まれております。その中には、この架橋構想も含まれていると伺っており、その調査の動向が大変気になるところであります。私は、何といたしましても、この調査において、真っ先に広島湾架橋の具体的な推進方策をまとめていただきたいと願うものであります。多大な建設事業費、技術的な問題等々いろいろ課題はあると思いますが、広島都市圏の将来に向けて、積極的な取り組みをしていただき、ぜひとも、この架橋の早期実現を望むものであります。そこで、瀬戸内海ネットワーク調査の状況と、広島湾架橋の今後の見通しについてお伺いいたします。  質問の最後は、広島県美術展についてであります。広島県美術展、通称「県美展」は、戦後間もない昭和二十四年に創設され、県民の美術創作活動にこたえるなど、本県の芸術文化の振興に一定の成果を果たしてまいりました。しかし反面、四十八年という長い歴史の中で、これまで幾度となく審査の公正さをめぐって課題が表面化し、その都度、部分的な見直しをされてきたところでありますが、いずれも抜本的な改革には至っておりません。このため、教育委員会では、生涯学習社会の進展に対応するとともに、将来に向けた新しい県美展に改革していくため、昨年十月に広島県美術展基本構想懇話会を設置し、新しい美術展のあり方について各方面からの検討や協議を重ね、本年一月に教育長に答申が提出されたところであります。答申の中身を見ますと、広く県民が参加できる県民総参加型の美術展を目指すことを基本理念とし、審査の公正を期すための審査員制度や、現状に合った美術部門の設定、三回入賞すると無審査で出品できるといった制度の廃止、入選数や各種の賞の見直しなど、多くの改革の方向性が示されています。これを受けて、現在、教育委員会では、平成九年度から新しい県美展をスタートさせる予定で、改革の具体化に向けて要綱等の検討をされていると伺っております。私は、何といっても、新しい県美展を実施するためには、少なくとも作品応募者が納得するような審査の公正さを確保していくことが重要であると考えます。審査に「不正があるのでは」という疑問を持たれることなど、あってはなりません。まさに「李下に冠を正さず」であるべきだと思います。いずれにいたしましても、時代に対応した、先見性のある県美展にしていただきたいと願うものでありますが、新しい県美展では、特に審査制度をどのようにされようとしているのか、具体化への方針について教育長にお伺いいたします。  以上で私の質問は終わりますが、ライトアップされた向こうに本県の明るい将来が見えるような、明快な御答弁をよろしくお願いいたします。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 中本議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、ハワイ州との交流についてのお尋ねがございました。広島県とハワイ州は、本年五月下旬に友好提携の締結を行い、さらに交流を促進していくことで基本的な合意に達しております。今後の交流の基本的方向については、双方に設置された交流企画委員会において御議論をいただき、その結果を踏まえて具体の交流事業を推進していくことといたしております。県といたしましては、現在のところ、交流の基本的方向として、単なる親善にとどまることなく、教育、経済、観光、福祉、医療といった、それぞれのすぐれた分野について交流や協力を行い、相互の発展につなげていくこと、また、地域や県民レベルでの交流が中心となるよう、民間団体、経済界、大学などの自主的な交流について協力をすることにより、交流の一層の促進を図っていくことを考えております。このような方針のもとで、来年度は、青少年の相互派遣、女性団体の交流、日本語教師の受け入れなどを行うとともに、商工会議所同士の友好交流の推進に対して協力を行うなど、必要に応じて民間団体などと連携してまいる所存でございます。この友好提携により、広島県とハワイ州の一層の発展が促進されるだけではなく、日米の相互の理解が増すように努めてまいりたいと考えております。  次に、広島空港の強化についてお尋ねがございました。滑走路延長事業につきましては、平成八年十一月に起工式が行われ、平成九年度から本格的な用地造成工事が行われることとなっており、平成十二年度末の供用開始を目指し、工事は順調に進んでいるところでございます。今後とも、県といたしましても、本事業の推進に積極的に協力をしてまいります。  次に、広島空港の路線展開の取り組みについてでございますが、国際線は、引き続き、ホノルル線の早期定期化、バンコク線の早期就航や、マレーシア、インドネシア、オーストラリア方面などへの新規路線の開設を図るとともに、滑走路三千メートル化をにらんだ長距離チャーターを促進してまいります。国内線についても、北海道、東北方面などへの路線開設に取り組んでまいります。また、広島空港の拠点性をさらに強化していくためには、路線展開と並んで集客圏の拡大や利便性の向上が重要な課題であります。このため、高速交通網などのハード面の整備や広島空港の知名度アップなどの集客圏拡大のための対策を講じることといたしております。さらに、駐車場収容能力の拡大、このたび実現します山口県東部からの空港連絡バスの運行などのアクセス面の充実、既設路線の増便、機材の大型化などによる利便性の向上を図り、広島空港が名実ともに地域拠点空港としてさらに発展するように努力してまいりたいと考えております。  次に、総合的な観光振興対策についてのお尋ねがございました。観光産業は、交通産業、宿泊業、飲食産業などの幅広い分野にわたる産業であり、御指摘のとおり、その総生産額や雇用規模から大きな経済波及効果を持つものであると認識をしております。国においては、観光産業を二十一世紀の経済を牽引する基幹産業の一つに位置づけ、新しい日本の観光イメージづくりを行い、日本を訪れる外国人観光客の倍増を目指した「ウエルカムプラン21」計画が進められているところでございます。このプランの地方における施策といたしましては、国際観光テーマ地区を指定して、外国からの観光客の誘致を重点的に進めることとし、新たな法律の制定が新年度で予定をされております。本県におきましても、中四国の関係県と連携して、ストーリー性のある広域観光ルートの設定や、広島と備後に国際観光モデル地区の整備を進めるなど、県内の観光資源の開発・整備と広域的な観光振興へ向けた施策に取り組んでいるところでございます。こうした中で、厳島神社と原爆ドームの世界遺産への登録や大河ドラマ「毛利元就」の放送開始など、本県の観光振興に弾みをつける絶好の機会を得ました。今後は、このブームを一過性に終わらせないよう、新たな観光資源の掘り起こしや観光地のネットワーク化を進めるなど、関係の県や市町村、団体との連携を図りながら、広域観光の推進を図ってまいります。また、国の「ウエルカムプラン21」計画にも積極的に呼応して、国の内外からの観光客の誘致を図り、県内の観光産業の振興にもつながるような観光施策の展開に努めてまいりたいと考えております。  次に、東京情報センターの整備についてのお尋ねがございました。近年、地域間競争が厳しさを増していく中で、活力ある県勢を維持・発展していくためには、広島の魅力を積極的に発信するとともに、地域活性化に向けた県内の市町村等の取り組みを支援していくことが重要であると認識しております。現在、東京情報センターは、首都圏における本県の観光情報の提供や就職相談等の業務を行っておりますが、広島の魅力の一層のPRと地域活性化への支援という観点から、新たな情報機能や交流機能を持つ新しい情報センターを整備してまいりたいと考えております。新たな機能といたしましては、イベントの開催、特産品の販売、飲食部門の三つの機能を考えております。具体的には、イベントスペースでは、市町村や商工団体、農協等によるイベントを開催し、広島にはない新たな視点から、地域みずからが活性化へのアイデアあるいはヒントを収集できる拠点といたします。また、中山間地域で開発された「ふるさと産品」など県内製品の販売を行い、首都圏の消費者ニーズを把握し、広島産品の開発、販路拡大を図るとともに、広島の味を提供しながら都市との交流ができる場として、広島ファンの拡大や人的交流を一層推進するため、飲食部門を設けることといたしております。東京情報センターを、こうした新しい機能を持つ複合的でにぎわいのある情報交流拠点として整備し、地域の活性化につながるような事業を展開してまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯議長檜山俊宏君) 空港港湾局長鈴木博史君。         【空港港湾局長鈴木博史君登壇】 8: ◯空港港湾局長鈴木博史君) 広島西飛行場のコミューター航空について御答弁申し上げます。  広島西飛行場のコミューター航空につきましては、平成八年六月から四機体制に増強され、現在、八路線十六便が就航しておりますが、今年度開設された新規路線はいずれも好調に推移しております。利用率につきましては、平成八年四月から本年一月までの実績で四七・三%にとどまっておりますが、利用の好調な路線がふえたこともあり、平成九年度の通年の利用率は五〇%を超えるのではないかと考えております。コミューター航空は、広島都市圏の中枢機能を充実させ、かつ、各地域との交流の促進のため重要であり、今後の展開につきましては、地域連携軸などの広域交流圏構想を念頭に置いて、関係地方公共団体や航空会社の意向等を見きわめながら、検討を行いたいと考えております。また、その一方で、現在の広島西飛行場のコミューター航空が抱える最大の課題は、御指摘のとおり、ジェイ・エアの将来の自立化に向けました路線ごとのきめ細かな利用促進対策の推進であると考えております。そのため、来年度も引き続き、就航先の県などと連携したキャンペーン活動や、路線ごとの利用客層に応じたPR活動等を経済界や航空会社などと連携して積極的に行ってまいりたいと考えております。 9: ◯議長檜山俊宏君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 10: ◯商工労働部長高見貞四郎君) 海田大橋のライトアップを活用した観光振興についてお答えします。  海田大橋は、平成二年十二月に完成し、ライトアップはアジア大会が開催されました平成六年の七月から実施をしております。これを活用しました観光事業といたしましては、民間による海田大橋や広島湾の夜景を観賞するクルーズ船が運航されております。この海田大橋は、全長二千九百三十メートルで、横浜ベイブリッジや東京湾レインボーブリッジと比べて三倍以上の長さがありまして、美しいデザインを誇る長大橋という点からも、観光資源として、その活用を図っていく必要があると考えております。現在、広島港坂地区において、開発事業の一環として海田大橋を望む地点に遊歩道や親水テラス等の施設の整備が進められているところでもありまして、完成後は海田大橋の新たな観光スポットになると考えております。今後は、こうした観光スポットに加えまして、周辺の観光資源を発掘し、これらを一体的に結びつけ、より魅力のある観光名所となるような施策について研究してまいりたいと考えております。 11: ◯議長檜山俊宏君) 都市局長渡辺孝則君。         【都市局長渡辺孝則君登壇】 12: ◯都市局長渡辺孝則君) 広島駅南口の市街地再開発についてお答えを申し上げます。  広島駅南口Bブロックの市街地再開発につきましては、予定していた核テナントの西武百貨店が撤退したため、新たに、株式会社ジャルホテルズと、昨年十二月、基本合意書が締結されたところでございます。現在は、再開発組合において、資金計画や商業部分の施設計画等の見直しとともに、株式会社ジャルホテルズと運営計画等の具体的事項について協議を進めております。今後の見通しでございますが、平成九年度には基本設計の見直し等を実施し、平成十一年度に再開発ビルの建設工事に着手、平成十三年度の完成を目指しております。この広島駅南口は、広島中枢都市圏の陸の玄関口であり、広域拠点にふさわしい商業・交流施設等の集積を図ることは、本県や中国四国地方の発展に寄与していくものと期待をしております。このため、県といたしましても、広島市と緊密に連携しながら、本事業の円滑な推進に努めてまいります。  また、Cブロックにつきましては、昭和六十三年二月に、地元住民により広島駅前市場街活性化対策協議会が組織され、現在の市場機能を生かした市民でにぎわうまちづくりに向けて調査研究を進められている状況でありまして、現時点では再開発を進める機運までには至っておりません。県としては、今後の地元の状況や広島市の方針等を踏まえ、対応を考えてまいります。 13: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長日月俊昭君。         【土木建築部長日月俊昭君登壇】 14: ◯土木建築部長日月俊昭君) 広島湾架橋について御答弁申し上げます。  本県の瀬戸内海島しょ部地域には、現在建設中の安芸灘架橋を初め、今までに数多くの大規模な架橋構想が提案されております。瀬戸内海ネットワーク基礎調査につきましては、学識経験者、経済界、行政で組織する調査委員会を設置し、本年度から二カ年の予定で実施しております。本調査は、本県の瀬戸内海島しょ部地域の現況把握や将来像の検討などを行い、地域振興や周辺地域との交流連携を支援する幹線道路ネットワークの策定を行うとともに、広島湾架橋を含む各渡海橋について、整備効果、整備の緊急性、整備手法など多方面からの比較検討を行うこととしております。広島湾架橋は、平成五年度に策定しました広島県広域道路整備基本計画において、将来の広域ネットワークを構成する路線の一つとして、今後検討する区間に位置づけており、中四国地域連携軸構想における広島-松山ルートの構築をリードする先導的なプロジェクトでございます。さらに、平成七年十二月には、内閣総理大臣の承認を受けて改訂された江能倉橋島地域半島振興計画にも位置づけられており、当地域の振興にとって重要な計画となっております。本架橋計画につきましては、今までに概略ルート案、概算工事費、社会経済効果などについて検討が行われておりますが、各渡海橋構想を含めた瀬戸内海ネットワーク全体の中で整備の位置づけを検討してまいります。また、広島湾架橋は、大規模なプロジェクトであることから、構想を具体化していくためには、広島市を初めとする関係市町と連携を図っていく必要があると考えております。 15: ◯議長檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 16: ◯教育長(木曽 功君) 広島県美術展の審査制度についての御質問にお答えいたします。  新しい広島県美術展の審査制度のあり方につきましては、県美展基本構想懇話会から、ことし一月に答申をいただいたところであります。教育委員会といたしましては、この答申を踏まえ、新しい美術展の審査員には、審査の公正さを保つため、原則として広島県外の評論家、大学教授、美術館の館長、学芸員などの美術関係者にお願いするとともに、特定の個人に限定しないよう、毎年開催する美術展ごとに審査員を選任したいと考えております。また、審査は公開で行う予定にしております。県民の皆様方の多様な分野にわたる創作意欲にこたえるとともに、多くの皆様に鑑賞の機会を提供できるよう、新しい広島県美術展を実施してまいりたいと考えております。 17: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十五分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時四分開議 18: ◯副議長窪田泰三君) 出席議員五十八名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。堀友頼一君。         【堀友頼一君登壇】 19: ◯堀友頼一君 私は、自由民主党広島県議会県民会の堀友頼一でございます。質問の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。  私は、知事の県政に対する姿勢、容器包装リサイクル法の施行に伴う県の対応を初め、教育問題、企業誘致の促進、労働時間の短縮、そして最後に道路網の整備促進について質問をいたしますので、知事並びに関係当局の積極的な御答弁をお願いいたします。  質問の第一は、知事の県政に対する姿勢についてお伺いいたします。  今日、国における政治が硬直化し、政治に対する関心が薄れつつある中で、行政に対しては、懇談会に係る食糧費や旅費の支出をめぐり、情報公開への要求が高まっております。こうした状況の中で、山口県では平成九年度の予算編成に当たり、県民から意見を募るため、「“しっかり聞いて”キャンペーン」を実施し、集まった四百七十六項目の意見・提案の中から、八項目、一億四千百万円を新規事業として予算措置されたと聞いております。県民に身近な行政を実現する上では、確かに情報公開も必要でしょうが、行政に県民の意見を生かす方策こそ、まさに県民総ぐるみとなって県政に参加する意識の向上に役立つのではないでしょうか。今回、山口県で取り上げられた事業の中には、福祉の問題を初め、県内にある文化・スポーツ施設を県内の児童生徒に無料開放するということがございます。二十一世紀に生きる子供に文化性といった素養を身につけさせるとか、児童生徒をスポーツに親しませることによって競技力の向上やスポーツの底辺を拡大することに役立つことになり、将来、大きく期待が持たれることとなるでありましょう。ちなみに、この提案は七十一歳になる老人からのものであったそうでございます。藤田知事も、御就任の際、広く県民の声を聞いて県政に反映する旨の政治姿勢を表明され、今日まで御努力されていることに対し、心から敬意を表するものでありますが、本県におきましても、このような新しい手法による県政参加への道を開いてはいかがかと存じます。知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、容器包装リサイクル法の施行に伴う県の対応についてお伺いいたします。  近年における経済活動の進展や生活様式の多様化に伴い、一般廃棄物の発生量は年々増加の一途をたどり、内容物も多様にわたり、その処理に要する経費も市町村に大きな負担となってきているのが現状であります。こうした現況を背景として、国においては、一般廃棄物の中で約六割を占めている瓶、缶、紙パックやペットボトルなどの容器包装廃棄物のリサイクルシステムを確立し、ゴミの減量化を促進するため、「容器包装に係る分別収集及び再生商品化の促進等に関する法律」、通称「容器包装リサイクル法」を平成七年六月に公布し、本年四月一日より、この法に基づく分別収集が開始されることになっております。この法律の施行に対応して、県におかれては、平成八年十一月に容器包装リサイクル法に基づく分別収集促進計画を策定されております。その内容によりますと、県内市町村の平成九年度の容器包装廃棄物排出見込み量は十八万九千二百トン、このうち、収集見込み量は五万二千二百トンであり、回収率は二八%となっております。この収集促進計画の中では、分別収集の促進方策について定めてありますが、実施段階では、住民等への意識啓発、あるいは、今後さらに増加する容器包装廃棄物について、いかに効率的に回収していくかなど、種々の課題が生じると考えます。この新しいシステムを導入することによって、少しでもゴミの減量と限りある資源のリサイクルが図られるよう期待するものでありますが、今後、県として、どのように市町村を指導していかれるのか、御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、教育問題についてお伺いいたします。  第一点は、いじめ対策でありますが、この問題は古くて、また、新しい問題であります。今日まで、学校はもとより、家庭、地域社会を挙げて、さまざまな取り組みによって、いじめの根絶を図ってきたところであります。しかしながら、依然として、いじめは後を絶たず、全国的にいじめられる子供の自殺が新聞あるいはテレビ等で報道されるのを見るにつけ、まことに胸の痛むのを覚えるのでございます。最近では、このような不幸な行動を利用する行為が新たに台頭してきております。自殺予告をてこに、自分勝手な思いを強行しようとする行為であります。「試験をやめないと死ぬ」、「体育祭をやめなければ自殺する」、こんな予告電話や手紙が中国地方の中学、高校で起きております。行事を中止した学校、予定どおり実施した学校と、その対応は分かれており、本当に生徒からの深刻なSOSなのか、いたずらなのか、よくわからないようでありますが、いずれにしても、新たな問題として注目しなければなりません。昨年一月、当時の文部大臣が、学校、家庭における対応策について、「いじめられる子供が学校を休むのはやむを得ない。」、つまり、不登校容認論を示したことがあります。しかし、いじめられる子供が登校できなくなる中で、いじめた子供が引き続き学校で教育を受けているということは、ひとしく保障されている教育を受ける権利とのかかわりからも、許されないことと考えます。一方で、いじめた子供を転校させたり退学させるなど、排除の論理だけでも教育は成り立たないと思うのであります。私は、今日、道徳意識、信賞必罰主義が薄れ、いじめられる側が、いかにみじめな立場に立たされているかに思いをいたすとき、いじめる子供に対しては、別の教育施設で「いじめは人間として絶対に許されない」という認識を植えつけ、仲間を大切にし、生きるすばらしさ、苦しみも喜びも分かち合える、そのような円満な人間教育をすべきであると思うのであります。今こそ、行政として何をすべきか、勇断を持った対策を講じるべきだと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  第二点は、高校教育改革に係る高校選抜制度並びに高校中途退学者対策等についてであります。来年度から、生徒の個性を伸ばす特色ある学校づくりのため、現在の総合選抜制から単独選抜制に移行するということでございますが、その理由として、現状では、生徒の一部を第一志望以外の学校に振り分けるため、教育内容をほぼ同じにしなければならないことから、特色ある学校づくりは困難ということであります。そもそも、総合選抜制は昭和三十一年にスタートしたものでありますが、その当時の総選導入は過度の受験競争を緩和することを目的としたもので、進学希望が特定校に集中する弊害を和らげる面で、今日まで一定の役割を果たしてきました。これを単独選抜制にして、それぞれの学校に特色を持たせれば、生徒にとっては希望校の選択ができるメリットはあると思います。入学者選抜制度は、総合にしろ、単独にしろ、それぞれ一長一短はありましょうが、学校現場、保護者等の声にも耳を傾ける必要があると考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。  次に、選抜制度の改革が高校教育全体をどうするのかという視点に立って行われるのであれば、約八割の生徒が通う総選校以外の高校にも目を向けることを忘れてはなりません。現在、高校教育の現場では、総選校も含めてさまざまな問題が山積しております。すなわち、中途退学者の問題、私立学校志向の問題などであります。学力のおくれ等が原因で公立高校を中途退学する生徒は、現在でも後を絶たない状態で、平成七年度では千五百人に上っております。また、平成八年の県内中学卒業者のうち、約三〇%が私立高校に進学しておりますが、私学希望は年々増加傾向にあるようであります。これは、一つには、公立高校ではストレートで大学に進学することが困難であるということが原因と聞いております。教育長は、先日の本会議で、「本格的な生徒減少期を迎えるに当たり、公私比率も含めた今後の公私立高等学校のあり方について検討する。」と答弁されましたが、これ以上、私立高校志向が増加すると、公立高校は早晩維持できなくなる学校ができると思います。そこで、今回の公立高校教育改革の中で、中途退学者対策、また、増加する私立高校志向について教育長はどのようにお考えか、お伺いいたします。  質問の第四は、企業誘致の促進についてお伺いいたします。  本県は、空港や高速道路網による高速交通体系の整備にあわせて、産業立地による県勢活性化に向けて、工業、流通団地等の開発を進め、産業技術集積拠点の整備を進めているところであります。そこで、県内各地に工業、流通、住宅団地の造成事業が行われ、それぞれ計画的に分譲処分が進んでおりますが、とりわけ工業団地の造成分譲については、県は、昭和三十三年よりこの事業を開始し、既に二十三団地の分譲を終え、地域の活性化に大きく貢献しているところであります。平成九年一月末現在、十団地が分譲中でありますが、分譲面積二百二十八万平方メートルに対し、分譲済み面積は百十万平方メートルで、約四八%、残りの約百十八万平方メートル、約五二%が未分譲地として残っております。今日の経済情勢は、引き続き厳しい状況でありますが、新しい産業構造の構築、地域産業の育成など本県産業の安定的発展の実現のためにも、一層、企業誘致に努める必要があろうかと存じます。こうした中、昨年十月末、大阪市において、知事を初め、県、関係市町が、企業を初め在日外国公館等百二十三機関に対して企業立地セミナーを開催されたと聞いておりますが、これらに対する企業の反応はどのようであったのか、また、自後の対応はどのようにされているのか、お伺いいたします。  あわせまして、このセミナー以外に、今日までどのように誘致に取り組んでこられたのか、また、今後の立地の見通しはどうなのか、お伺いいたします。  次に、個々の団地に着目いたしますと、それぞれ団地に見合った分譲促進策というのがあろうと思います。例えば、私の地元にあります竹原工業・流通団地は、広島空港及び山陽自動車道に最も近接した位置という好条件を生かして複合産業団地を造成したものでありますが、残念ながら、完成後一年を経過した現在まで企業の進出が実現しておりません。その理由の一つとして、流通団地として重要なアクセス道路が未整備であることがございます。もとより、竹原工業・流通団地は、臨空タウンの拠点形成と、この地域の活性化を図ることが大きく期待されている団地であります。山陽自動車道河内インターチェンジからのアクセス道路として期待される主要地方道東広島本郷忠海線の早期整備を図るとともに、この地域のさらなる発展のために一層の分譲促進策を講じていただくことを強く要望するものであります。  質問の第五は、労働時間の短縮についてお伺いいたします。  労働時間の短縮は、かつて貿易黒字を続けていた日本に対して、欧米先進諸国より、日本は働き過ぎ、もうけ過ぎとの批判が強まり、我が国としても「世界とともに生きる日本」として、進むべき道を定め、欧米諸国並みの労働時間に合わせて目標設定をしてきたところであります。労働時間の短縮は、ゆとりあるライフスタイルを定着させ、真に豊かな国民生活を実現するのみならず、生産性の向上を通して、産業の活性化、個人消費の拡大などによる内需の拡大、経済の調和ある発展に貢献するものであります。また、労働時間短縮は、労働力を安定基調させる上で、魅力ある職場づくり、人材確保などに不可欠の要素であり、さらには、高年齢者や女性の職場進出に対して就労場所を提供するものと言えるものであります。法定労働時間は、昭和二十二年に労働基準法が制定されて以来、週四十八時間とされておりましたが、昭和六十三年四月以降、段階的に短縮され、平成六年四月からは週四十時間となったわけであります。しかし、大半の中小企業については三年間の猶予措置が講じられ、週四十四時間とされているところでありますが、本年四月一日からは、予定どおり、一部の零細企業を除いて週四十時間の法定労働時間が全面的に適用されることとなっております。労働省の平成八年度労働時間等総合調査結果によりますと、週四十時間労働制を実現できるとする企業は五六%にとどまっており、現状のままでは四割以上の企業が週四十時間制に移行できない可能性があるのではないかと考えます。この事務は、主に国の事務であろうかとも思いますが、中小企業にとって重要な問題であり、県としても長期総合計画で「労働時間短縮の促進」として掲げられており、県内の中小企業に対して完全実施できるよう環境を整える必要があると存じますが、今までの取り組み経過と今後の見通しについて当局の御所見をお伺いいたします。  質問の第六は、道路網の整備促進についてであります。  道路網の整備は、県土の均衡ある発展と人口の定住化を促進し、また、地域社会を有機的に連結し、交通ネットワークづくりによって産業の振興と地域の活性化をもたらすものであります。そこで、今回、私は、県道の整備についてお伺いいたします。現在、竹原市には、北部を中心に数本の県道が存在し、これが漸次計画的に改良されているところでありますが、市内南部地域、とりわけ沿岸部における県道の建設整備はおくれており、本地域を取り巻く社会環境の変化に伴い、新たな道路網の整備が不可欠となってまいりました。近年、地方港湾竹原港を取り巻く環境は大きく変わりつつあり、従来からの港湾機能の充実とあわせて、新たに港湾空間の質の向上を図るとともに、臨海部の開発を積極的に展開する機運が高まっているところであります。具体的には、竹原港掛浦地区はある程度まとまった規模の貴重な開発空間で、新浜地区の貨物埠頭機能や現在の中四国フェリー埠頭機能の総合移転空間として整備し、さらには、この背後地の空間に産業用地、港湾関連用地等の新たな機能の導入を図るなど、新広島空港の海の玄関口としての機能整備に対する要請が一段と高まってまいっております。このことは、平成六年、国、県、市及び港湾関係者による調査委員会の調査により、地方港湾竹原忠海港臨海部開発構想として大きく提言がなされているところであります。これらの構想が将来的に実現することを前提として、背後地の基幹道路としての整備は必然的に起きてくる問題であります。現在、竹原港を起点として海岸線を通過し、吉名町に至る道路は、延長約八キロメートルで、県道吉名停車場線に接続する一車線の市道であります。この道路につきましては、既に将来の県道予定路線として計画され、線引きもされているところであり、本格的に改良整備すべき時期に来ているものと考えます。また、現在の国道百八十五号の市街地の交通量が一日約一万四千台で、早晩、この交通緩和対策を検討する時期が来るものと考えられるわけでありますが、竹原、吉名沿岸部の県道整備が行われることによって、将来、国道のバイパスとしての役割も果たすことができるものと考えるのであります。既に、竹原市においても、県道予定地を想定して、町内の一部に延長約四百三十メートル、幅員十六メートルを道路用地として先行取得をしております。以上のとおり、来るべき二十一世紀に向けた、にぎわいのある港町としての沿岸部の一大開発に合わせて、早期に県道竹原吉名線として積極的な対応を求めるものであります。当局の御所見をお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 20: ◯副議長窪田泰三君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 21: ◯知事藤田雄山君) 堀友議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、私自身の県政に対する姿勢についてのお尋ねがございました。私は、知事に就任して以来、県政運営の基本方針として「開かれた県政」を掲げ、「日本で一番住みやすい生活県」の実現に向けて努力をしているところでございます。また、就任当初より知事室に専用ファクスを設け、県民の皆様から、直接、御意見をいただいております。当然のことでございますけれども、議員の皆様からも、機会あるごとに御示唆、御提言をいただいておりますし、さらに、県政についての率直な御意見・御要望を聞く機会として県内の各地域の女性の皆様との意見交換を行う「お好み焼き談義」や、県内外で活動されておられる経済界の方々などから提言を受ける県政懇談会を実施をしております。こうした場を通じて寄せられた提言につきましては、国民文化祭の開催、景観や環境に配慮した自然石による護岸の整備、団地内にある県立高校の音楽室に騒音対策の措置をとることなど、具体的に県の施策に反映してきたところでございます。さらに、来年度からは、県の主要施策について県民の皆様がファクスを通していつでも情報を取り出すことができ、また、県に対する意見や提言を行うことができる双方向型のシステムを整備することといたしております。今後とも、さまざまな手法を活用して県民の皆様の声を幅広くお聞きし、行政施策に反映できるように積極的に努力してまいります。  次に、容器包装リサイクル法の施行に伴う県の対応についてのお尋ねがございました。容器包装リサイクル法は、容積で一般廃棄物の六割以上を占める容器包装廃棄物について、消費者は分別して排出し、市町村は分別収集、事業者はリサイクルするという役割分担のもとに、相互に協力して廃棄物の減量化と資源のリサイクルを推進しようとするものであります。この新しいシステムの中では、住民啓発や分別収集を行う市町村の役割が特に重要であるため、市町村を指導するとともに、その基本的方向を示す分別収集促進計画を策定いたしました。その結果、平成九年度から七十市町村が、また、平成十年度から八市町村が、それぞれ新法に基づく分別収集を開始いたします。市町村における今後の課題としては、住民の意識啓発、収集体制の見直し、選別施設の整備などが挙げられます。このため、県民の皆さんに対する啓発活動、選別施設など施設整備の指導、広域的処理を推進するための協議会の設置、リサイクル事業者と市町村の間の調整などを行い、市町村を支援してまいります。これらの対応を総合的に推進することにより、この新しいシステムを定着させ、資源循環型社会の構築に向けて、さらに努力してまいります。  そのほかの御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 22: ◯副議長窪田泰三君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 23: ◯商工労働部長高見貞四郎君) 二点お答えいたします。  まず、企業誘致の促進についてお答えします。企業誘致の推進は、経済変動に柔軟に対応できる、バランスのとれた本県産業の構築を進める上で極めて重要であると認識しております。ということで、県の重点施策の一つとして取り組んでいるところでございます。その一環といたしまして、今年度は、大阪において企業立地セミナーを、また、東京で企業用地説明会を開催いたしました。セミナー及び説明会には、今後、本県への集積が求められております電機、住宅、医薬品、ソフトウェア関係の企業や、企業立地情報の収集・提供を行います金融機関、総合商社、在外公館など約百七十の企業と機関の参加がありました。また、広島県からは公的団地を有する七市九町の市長、町長のほか、今年度、新たに本県の高度な技術力を紹介するため、全国ナンバーワン・シェアを持つ県内企業十四社にも出席をいただきました。参加企業からは、さらに詳細な資料提供を求められ、また、将来の事業展開に当たって広島県も視野に入れて検討するといった反応もあり、本県の熱意を多くの企業に御理解をいただいたものと考えております。その後、セミナーの参加企業などに対しまして、工業団地視察会を開催し、二十社の参加を得たのを初めといたしまして、引き続き、企業訪問や情報提供と収集を積極的に行っているところでございます。  次に、これまでの取り組みと今後の企業立地の見通しについてでございますが、昨年十月に企業誘致施策を大幅に見直し、拡充強化を図りました。具体的には、県と市町村の協力組織として広島県企業立地推進協議会を設けるなど、誘致体制を強化いたしますとともに、県営工業団地への立地対象業種を拡大あるいは助成金の上限額の引き上げなどを行ったところでございます。そして、関係機関と連携した積極的な誘致活動に取り組んでおります。なお、本年二月末現在で立地協定件数は十件と、ほぼ昨年並みで推移しておりますが、景気が緩やかに回復し、設備投資の動きも広がりを見せていることもございまして、企業からの照会や引き合いが徐々に増加してきておりまして、今後も大いに期待をいたしているところでございます。今後とも、本県の立地環境の優位性や立地促進助成をPRしながら、引き続き企業訪問や情報収集を進めまして、企業誘致の一層の促進を図ってまいりたいと考えております。  次に、労働時間の短縮についてお答えします。本年四月から全面実施されます週四十時間労働制につきましては、これまで、その実現に向けて法定労働時間を段階的に短縮したり、中小企業に対して一定期間の猶予期間を設けるなど、計画的な取り組みが進められてきたところでございます。県といたしましても、関係機関と連携を図りながら、「ゆとり創造シンポジウム」や「時短推進セミナー」の開催、パンフレットや広報紙等による普及啓発、さらには、運転資金や省力化・合理化投資に対する融資制度を設けるなど、労働時間短縮への支援に努めているところでございます。しかしながら、最近の経済情勢の著しい変化に伴いまして経営基盤の脆弱な中小企業におきましては、週四十時間労働制への移行に当たって困難な事態が生じていることも、御指摘のとおりでございます。このため、こうした未達成企業に対しましては、ただ単に罰則のみに頼る施策では十分な効果が期待できないことから、国においては、本年四月より二年間にわたる指導期間を設け、きめ細かい指導や援助等を積極的に行うことといたしております。週四十時間労働制の定着に当たりましては、労使の真摯な取り組みが基本でありますが、県といたしましても、積極的な普及啓発を図るなど、その実現に向けまして努力してまいる所存でございます。 24: ◯副議長窪田泰三君) 土木建築部長日月俊昭君。         【土木建築部長日月俊昭君登壇】 25: ◯土木建築部長日月俊昭君) 道路網の整備促進についてお答え申し上げます。  御質問の県道竹原吉名線は、竹原市竹原町と吉名町を結ぶ路線であります。このうち、吉名町のJR吉名駅から国道百八十五号に接続する区間につきましては、国道や駅へのアクセス性の向上を図るため、延長約一・三キロメートルのバイパス事業を進めております。今年度は用地買収及び橋梁工事を行っており、早期完成に努めてまいります。また、吉名駅から竹原町に至る区間につきましては、掛浦地区港湾整備構想、さらに吉崎新開の宅地開発構想があり、今後、これらに対応した交通機能の向上が必要であると考えております。このため、構想の具体化に応じ、関連する市道整備との連携を図りながら計画調整を行ってまいりたいと思っております。 26: ◯副議長窪田泰三君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 27: ◯教育長(木曽 功君) まず、いじめ対策の御質問にお答えいたします。いじめは、児童生徒の心身に大きな影響を及ぼす深刻な問題であり、命をも奪ってしまう許されない行為であります。したがいまして、児童生徒に対し、いじめは絶対に許されない行為であることを理解させ、傍観している児童生徒を含め、すべての児童生徒にかかわる問題として毅然とした態度で取り組むことが重要であります。いじめの問題は、学歴偏重や偏差値重視の社会的風潮や物質的な豊かさと便利さを求める大人社会の価値観など、現代社会のあり方そのものが問われている問題であり、社会全体としてその解決を図る必要があると考えております。家庭や地域に対していじめ問題にかかわる啓発等を行うとともに、各学校において教職員と保護者で組織するいじめ問題協議会の活動などを通して、学校、家庭及び地域が一体となって取り組みを進めているところであり、今後とも相互の連携を強め、それぞれの総力を結集していじめの解消に努めてまいります。  次に、高校選抜制度の改革についての御質問にお答えいたします。総合選抜制度につきましては、御指摘のように、一部の学校への志願者集中から来る過度の受験競争を緩和することなどについて、これまで一定の役割を果たしてきたものと考えております。しかし、今日、生徒一人一人のニーズに応じることができる教育が求められる中で、その制度の性格上、例えば、総合学科の設置や自由選択制の導入等により、学校の特色づくりが難しいなどの問題があるため、単独選抜への移行を図ってまいりたいと考えております。また、単独選抜への移行に当たっては、総合学科の設置や自由選択制の導入など特色ある学校づくりを推進するとともに、当面、現行の十四学区制を基本的に維持することなどによりまして、受験競争の過熱化の防止に努めてまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、多くの県民の方々の御理解と御協力をいただきながら、高校教育改革を推進していきたいと考えており、学校やPTAを初め、各関係者の方々に対しまして御意見や御要望をお聞きしたり、広報活動等により御理解を深めていただくための取り組みを、今後、積極的に行っていく所存でございます。  最後に、高校中途退学者対策や私学希望の増加についての御質問にお答えいたします。中途退学は、さまざまな要因が複雑に絡んでおりますが、その背景の一つといたしましては、高校の教育内容が生徒のニーズに合っていないため、授業などに興味が持てず、学習に熱意が持てなかったりして、学校生活に適応できないことがあると思っております。現在取り組んでおります高校教育改革は、生徒一人一人が充実した学校生活を送れるようにしていくとともに、生徒のニーズに合った教育内容を提供することによって、生徒の持つ可能性や能力を最大限に伸ばし、個性を確立していくことを目標としております。  また、御指摘のような、私学希望が増加しているという声が県民の間にあることは承知しております。ちなみに、平成八年度公立高等学校全日制普通科の卒業生の五五・九%は現役で大学に進学しているところでございます。今後とも、生徒や保護者を初め、県民の皆様方の期待にこたえられるように、教育内容や指導方法の工夫改善を図り、学力向上に努めるとともに、生徒の進路希望の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。 28: ◯副議長窪田泰三君) 明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後一時五十一分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...