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  1. 広島県議会 1997-02-05
    平成9年2月定例会(第5日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成9年2月定例会(第5日) 本文 1997-03-03 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 28 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 2 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 3 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 4 : ◯江草恭子選択 5 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 8 : ◯福祉保健部長中谷比呂樹君) 選択 9 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 10 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 11 : ◯副議長窪田泰三君) 選択 12 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 13 : ◯河原実俊選択 14 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 15 : ◯知事藤田雄山君) 選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯福祉保健部長中谷比呂樹君) 選択 18 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 19 : ◯商工労働部長高見貞四郎君) 選択 20 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 21 : ◯企画振興部長菅原良郎君) 選択 22 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 23 : ◯土木建築部長(日月俊昭君) 選択 24 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 25 : ◯空港港湾局長(鈴木博史君) 選択 26 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 27 : ◯教育長(木曽 功君) 選択 28 : ◯議長檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十四分開議 ◯副議長窪田泰三君) 出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯副議長窪田泰三君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一号議案         至第五十五 報第三号 3: ◯副議長窪田泰三君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成九年度広島県一般会計予算から日程第五十五、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  前会に引き続いて質問を行います。江草恭子君。         【江草恭子君登壇】 4: ◯江草恭子君 社会民主党の江草でございます。我が党の犬童議員の代表質問に続き、質問させていただきます。  私たちは、過日、ネパール、インド、カンボジア、ベトナムの経済、教育、文化、女性の実態等について調査させていただきました。いずれも封建社会を思わせる男尊女卑の厳しい社会の中で、女性の「人」としての権利が余りにも保障されていない実態に驚きました。就学率、識字率ともに女性の方が低く、女性たちは農業中心の社会の中で懸命に働き、支えてはいても、その地位は評価されず、人としての市民権も認められていません。このような社会構造の中で、いまだに女の子が生まれると生き埋めをして間引くというのです。しかも、その処理を仕事にしているのは女性なのだと聞きました。信じがたい現実に悲しみと怒りを覚えました。こうした男尊女卑の社会構造が、それぞれの国の民主化と発展を阻害しています。男女平等、人権の保障が、いかに社会の進展にとって大切か、改めて痛感いたしました。私は、こうした調査を踏まえた新たな自覚に立って、県政における女性問題、教育問題、生命と人権にかかわる問題について質問をさせていただきます。知事並びに執行部の積極的な御答弁をお願いいたします。  質問の第一は、女性の自立と社会参画の推進についてであります。  まず、広島県女性プランについてお伺いいたします。一九八五年のナイロビでの第三回世界女性会議では、「結果の平等」、「実質的な平等」の目標を設定し、その実現のために、女性が意思決定の場に参画すること、公務員職や国・地方議会に女性が多数参画し、女性自身も責任を持ちながら政治課題を変えていくことなどが提起されました。それから十年、一九九五年、北京で開かれた第四回の会議は、五万人という史上最大の会議となりました。この会議で行動綱領──政府がとるべき戦略目標が採択され、国際社会において要請される新たな課題が示されました。我が国においては、この十年、確かに、男女雇用機会均等法や育児休業法の制定、子どもの権利条約の採択などはあったものの、いずれも不十分な内容と取り組みで終わり、「結果の平等」、「実質的な平等」とはほど遠い状況にとどまっています。また、平等の基本である仕事の分野でも、一九九五年の雇用労働総数に占める女性の割合は、わずか三八・九%と四割に満たない状況です。女性労働者の待遇や賃金も、一九九四年で男性賃金の六二%にすぎません。さらに、昨年及び本年の大卒女子学生の就職に見られるように、その機会すら均等に与えられていないばかりか、契約上の差別は、その後の賃金、昇進、昇格のすべてにわたって拡大・固定化し、改められる気配もありません。また、一昨年の県政調査では、「男女共同参画社会という言葉を見たり聞いたりしたことがあるか」という問いに対して、「ある」と答えた人は三七・九%しかいないという結果が出ています。また、昨年の県政世論調査でも、「男女の地位は平等になっていると思いますか」という問いに、「男性の方が優遇」というのが七八・七%と圧倒的に多くなっています。これは、社会通念、慣習、行政、政治、職場など、ほとんどすべての場で平等な実態がいまだつくられていないことを物語っています。本来、女性差別を撤廃し、男女共同参画を進めるためには、あらゆる領域において制度、慣行を改め、これを見直すことが必要と考えます。国では、北京会議を受けて、一九九六年十二月十三日、男女共同参画推進本部が「男女共同参画二〇〇〇年プラン」、国内行動計画を策定し、同日の閣議に報告、決定しました。この計画に基づき、男女共同参画社会の実現に向け、努力することとなったわけです。今回は、重点目標として、初めて「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し」、「女性に対するあらゆる暴力の根絶」、「メディアにおける女性の人権の尊重」、「生涯を通じた女性の健康支援」などを取り上げています。本県では、一九八八年に「広島県女性プラン」を策定し、一九九二年には第一次改定をされ、推進されてきました。しかし、一定の成果は見たものの、各市町村では、独自プランをつくったのは、わずか五市町にすぎず、推進実態はまだまだ十分ではありません。新年度は第二次改定の時期になっていますが、実質的な平等が市町村等では特に進まない実態があります。各地で「お好み焼き談義」を持たれ、多くの県民女性の声にも接してこられました知事は、「広島県女性プラン」の第一次改定の総括をどのように把握しておられるのか、お伺いをいたします。  また、第二次改定に当たり、その実効を上げるため、目的、指針、重点施策について、どのような視点で取り組まれるのか、あわせお伺いいたします。  第二は、審議会等への女性登用と女性課の設置であります。本県では各審議会等への女性の登用が進み、一九九一年の一二・七%に比し、一九九六年では二百二十九人、二〇・四%、五十九審議会中、五十六と向上しました。御努力に敬意を表します。しかし、各部局の審議会のあり方も根本的に考え直さねば、真に男女共同参画になり得ないと考えます。現在の参加のシステムは、団体に依頼し、多くはその長と名のつく方が代表して入っておられます。これでは、重複も起こり、形のみで、男性・女性を含めて真の意識改革につながりません。また、公聴会等において形だけ女性を加えるといった意識のもとでの参加状態は、参加の一歩ではあれ、男女協働にはなり得ないと考えます。全国各地では、公募などを取り入れたり、審議会のメンバーのあり方を工夫するなど、積極的な取り組みが既に行われています。私は、真の意味の協働型参加(パートナーシップ)こそ大切であり、広く市民、県民の参加を促すことが必要と考えます。そのためには、まずクオータ制(割当制)を実施し、一方では公募制を採用して、幅広い県民の参加を求める必要があります。そのことによってのみ、対等の形での参加となり、県民の声や議論がほうはいと生まれるのではないでしょうか。各種審議会への女性の登用を、今後どのように進められるのか、そのあり方を含め、お伺いいたします。  また、女性対策を進め、実効を上げるためには、庁内に独立した女性課を設置すべきと考えます。現在、本県においては県民生活部の青少年女性課で事業の実施やその推進を図っておられますが、国では、男女共同参画推進本部が今回強化され、また、都道府県でも既に十九県が独立した女性課を置いています。一方、県内八十六市町村において、女性行政の専管窓口があるのは、わずか六市町村にすぎません。その格差は大きく、その推進に疑問を感じます。幅広い取り組みを進めるため、まず、県みずからが女性施策の先進的役割を果たすため、独立した女性課を設置し、全県的な取り組みを強化すべきと考えますが、いかがでしょうか、あわせお伺いいたします。  第三は、女性の自立と社会参画のための子育て支援についてであります。県では、一九九六年度予算で、女性の社会参画への一歩として、安心して子供を産み育てる子育て支援のため、財団法人「ひろしまこども夢財団」を設立され、民間保育サービス活動の支援などを計画されました。すばらしい取り組みですが、これらの事業を具体的にどのように実施されたのか、お尋ねいたします。
     中でも、病児保育に取り組まれましたが、この病児保育は、核家族化の進んでいる現在、働く母親にとって必要不可欠であります。この事業の実施状況と、今後どのように取り組みを拡大されるのかも、お伺いいたします。  また、一九九五年四月、国のエンゼルプランに合わせて、本県では「広島県児童環境づくり推進プラン」が策定されました。どのように実行されてきたのか、その進捗状況と、今後どのように進められるのか、あわせてお伺いいたします。  第四は、男女雇用機会均等法及び労働基準法の見直しについてであります。一九八六年四月、男女雇用機会均等法が施行されて以来、罰則規定がないため、多くの現場で女性への差別扱いで問題を残してきましたが、やっと見直しがされることになり、新しく「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保に関する法律」に改められます。しかし現実は、いまだに、女性であるという理由だけで企業から敬遠され、採用試験を受けることすらできない状況が、残念ながら残っています。私は、この改正は、こうした不当な女性差別をなくすためのもので、大いに歓迎すべきであると受けとめています。しかし、国は、一方で、労働基準法の女子保護規定(残業時間・深夜労働・休日労働の制限)の撤廃を打ち出しています。これは、均等な機会の名のもとに、女性に男性並みの働きを求めるものにほかなりません。現在、男性は協定を結べば何時間でも残業ができ、深夜勤務も労基法三十六条によりますと可能です。その結果、我が国の一九九五年の年間総労働時間は千九百九時間となっており、国際的にも問題視されていることは御承知のとおりであります。一九一九年採択されたILOの一号条約では、一日の時間規制を定めていますが、我が国では男性についての規制がないため、いまだ批准もできない状況です。男女共通の規制を強めることこそ、必要なのです。このように男性に対する規制がないまま、女子保護規定が撤廃されれば、女性の労働時間が男性並みに引き延ばされることは目に見えています。一方、家事、育児などは依然として女性が主に担っていることは明らかです。看護婦二交代制も、こうした動きの中で生じているように思われてなりません。その厳しい勤務実態が、さらに長時間労働となれば、家庭との両立が困難となり、健康にも多大の影響を及ぼします。ひいては、マンパワーの確保にも影響をしかねません。二重の負担で働き続けられない結果は、さらに労働条件の悪いパート労働など不安定雇用へ追いやられるのではないでしょうか。また、今回、職業生活と家庭生活の調和が目的・理念から外された点は、男も女もともに家庭責任を持つというILO百五十六号条約や百六十五号勧告に触れるものであり、男女共同参画型社会の構築に逆行するのではないでしょうか。今回の法改正は、違反企業の公表や妊娠中の女子労働者の健康管理義務規定の創設など、評価できる部分も多々ありますが、真に働く女性の立場に立って、もっと議論し、検討すべき課題があると思うのであります。きょう三月三日、東京では女性たちが労働省を人間の鎖でつなぐと聞いています。そこで、今回の法改正に当たって、知事はどのようにお考えなのか、御所見を、ぜひ、この機会にお伺いいたします。  質問の第二は、人の生命と権利の保障についてであります。  その第一は、地域医療の充実であります。県民が、健やかに安心して生活を送るためには、だれもが、県内どこにいても、必要な医療を受けられることが必要不可欠であり、そのためには、身近なところで患者を診療し、必要に応じて専門の医療施設に紹介していくことがシステムとして確立されることが必要でありますが、それは、地域の病院や医院、診療所と専門医療施設の機能が日常的に結合し、体系化されて、初めて可能となります。紹介がおくれ、生命にかかわるようなことがあってはなりません。地域の病院や医院、診療所の連携及び専門医療施設との連携について、基本的にどう考えておられるのか、まず、お伺いします。  なお、医療機関の連携を考えた場合、特に重要なことは救急医療であり、一刻を争う事態に的確に対応していく必要があります。県においては来年度に救急医療情報ネットワークの整備を行うこととされていますが、より適切な医療が受けられるよう、ネットワークの整備・運用に当たっては、十分、患者の立場に立って行われるよう強く要望いたします。  次に、県立広島病院における地域医療支援機能についてお伺いいたします。県立広島病院は、昨年七月に病床数を百二十五床ふやし、七百五十五床となり、総合病院としての診療体制を一層充実し、再スタートされました。すばらしい先端的高度医療機能を備えているだけに、地域の中心的医療機関としてだけでなく、同時に、県内の基幹的な医療機関として、その果たす役割にかける県民の期待にも大きいものがあります。私は、県立でありますから、専門医療センター機能を強化されるとともに、地域医療への支援を強化していただくことが、県全体の医療水準の向上のためにも、ぜひ必要と考えております。今年度設置された地域医療支援センターとしての支援のあり方について、基本的にどのように考えられ、運営されていこうとしておられるのか、お伺いします。  また、県の基幹的な医療機関として整備された県立広島病院が中心となって、他の県立病院をリードしていくことも、県全体の医療水準の向上につながると思います。そのため、広島病院と他の県立病院との医師の交流、技術交流などは、さらに強化していくことが必要と考えますが、いかがでしょうか、あわせお伺いいたします。  第三は、母子医療の充実についてであります。県立広島病院では、母体・胎児・新生児を一貫して治療する周産期医療部門を中心に、小児科、小児外科、婦人科が一体となって女性と子供の総合的医療が行われることとなりました。県内各地から緊急ヘリによる未熟児の搬送は、母体搬送を含めて既に四件と伺っていますが、その充実した設備を視察し、スタッフにもお会いし、これでやっと県内どこにいても安心して子供が産める状況が整ったと感じました。妊娠中の方たちも喜ばれ、安心されていることと思いますが、県病院が新生児のNICU二十床になったとはいえ、近年、高齢出産・異常出産等が多い中で、果たして充足でき得るのか、不安を感じます。生まれた生命の火が消えるようなことがあってはなりません。そこで、民間病院も含めた県内のNICUの現状と、さらに、その充実についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  次に、小児医療機能の充実についてお伺いいたします。子供は、ゼロ歳から十五歳までさまざまな発育・発達をします。大人と違い、その成長過程で予想されない、さまざまな病的状況が生じることがあります。家族が判断できにくい場合が多いものですが、その発見がおくれ、適切な医療がなされなかったために病状が悪化したり、治療法を間違え、取り返しのつかない状況を招くことも多くあります。このようなことを考えたとき、小児病院が県内に一カ所もないというのは、余りにも二十一世紀を担う子供たちへの思いやりに欠けるのではないでしょうか。小児病院設置に対する切実な母親たちの要望もありますし、「早期発見、治療していればよかった」という思いを持たれている方々もたくさんおられます。県立病院にその機能を果たすべき責務があると考えますが、県民の声を踏まえ、小児医療機能の充実についてお考えをお伺いいたします。  質問の第三は、人権保障の県政樹立についてであります。  その第一は、現行の「地対財特法」期限後の同和対策についてお尋ねいたします。一九六五年八月、同和対策審議会答申が出され、同和問題の解決は行政の責務であることが明確に確認されています。この精神は引き継ぐべきものであると考えますが、政府は、昨年七月二十六日の閣議で法期限後の国の施策を決定し、広島県同和対策推進本部でも、それを踏まえた検討が行われ、基本方針や法期限後の同和対策を示されました。しかし、一九九三年の同和地区実態把握等調査に見られるように、解決すべき課題は数多くあります。本県は、少数散在の対象地域を多数持っているという実態があります。こうした状況下で、一般対策への移行では市町村負担が増大し、実質、同和対策が推進できなくなるおそれがあると考えます。法期限後の同和対策について、知事は、これらの厳しい実態と課題を踏まえて、どのように対応されるおつもりか、御所見をお伺いいたします。  また、特に国の方針によりますと、進学奨励費補助事業が五年間の経過措置で終了されることになっています。同和地区実態把握等調査の結果を見ますと、高等教育修了者の割合が、県全体の二二・四%に対し、わずか九%と非常に低く、さらに、一九九六年三月の大学進学率では一七%程度の格差があります。この状況は深刻に受けとめるべきと考えます。五年後の打ち切りが行われた場合、同対審答申で言う、差別解消のかなめである「就職の機会均等」などの保障はなし得ないと考えます。教育長は、このことについて、どのように把握され、対応されるのか、お伺いいたします。  第二は、在日外国人・中国帰国者の人権、とりわけ学ぶ権利についてであります。県内には二万五千人を超える外国人がおられます。この方たちが日本で生活していくためには、買い物、移動、仕事など、何を行うにしても、まず言葉の習得が必要であります。県としても、この人たちが学ぶ言葉・生活・歴史など普通教育を受ける権利を、当然、保障すべきであります。先日、私たちは、広島市光町の二葉中学校の夜間中学を訪問いたしました。若い女性が懸命に国語の中で日本語の学習に励んでおられました。途中、むずかる子をあやしながらの学習で、集中できないのは当然ですが、言葉が通じなければ仕事も得られないという現実の厳しさの中で必死でした。教室の後ろには、先生たちが探してきたというベビーベッド、おもちゃが置かれていました。夜間中学で学ぶ中国帰国者等の子供を預かる施設が、もし、ないのだとすれば、学校内にそのための施設を設けることも必要です。日本に帰ってきてよかった、日本に来てよかったと言える環境が必要であります。この方たちが生活していく上では、多くの乗り越えるべき障害がありますが、学ぶ権利の保障こそ、その第一歩ではないでしょうか。これら在日外国人・中国帰国者の方々の学ぶ権利は、県内どこにいても保障されるべきと考えますが、どのように保障し、また、どのように対応されるのか、本日の地元新聞にも同趣旨のことが掲載されていますが、教育長にお伺いいたします。  第三は、障害を持つ子供たちの教育についてであります。小・中学校では障害を持つ子供たちも多く通学しております。この子供たちは、さまざまな問題に直面しながら、懸命に生きています。しかし、現状は、自立と社会参加を声高に言いながら、実は、障害を持つ子供たちが当たり前に生きていけない状況が余りにも多いのです。こうした障害を持つ子供たちの人権を大切にする教育行政が、徐々にではありますが、父母、教師、地域の要望の中で達成されつつあることは喜ばしいことです。市町村では、そうした要望にこたえ、障害を持つ子や親の希望に沿うよう、障害児学校、障害児学級、普通学級などへの入学を進めていますが、重い障害を持つ子供の場合、どこを選択して行っても担当教師のみでは十分でなく、介助員を必要とします。介助員の援助によって、ようやく教育・療育の機会が保障されているのが現実です。教育は、本来、子供自身に目を向けたものであるべきですが、現状を見るとき、同じ障害を持つ子供たちが、県立学校では県費で介助員がつき、市町村立では市町村任せで、財政規模によっては介助員がつけられない実態も生じています。設置者が県か市町村かで、その教育条件に格差があり、著しく教育の機会均等を奪われ、阻害されていると言えます。子供の生活・成長する場所によって、子供への教育、福祉の条件、措置が変わるものであっては、「日本一住みやすい生活県」とは言いがたいと考えます。最も厳しい実態にある者が、中でも子供たちが、県内どこにいても、希望どおり学習できる条件を整えるよう措置されるべきと考えます。学校選択の自由と保障は、この子たちにこそ、まず実行されるべきであります。現在、県内六教育事務所管内及び広島市の小・中学校で、要望により二百八十六名の介助員が配置されています。配置に格差のあることは、子供の立場から見れば著しい権利の侵害と言えます。県として、設置者が市町村だからと、切り捨ててよいものか、疑問を持たざるを得ません。小・中学校介助員が定数外であることは、国の施策の不十分さであります。すべての障害児の教育を保障するため、教育県広島としてどのような課題認識を持っておられるのか、とりわけ、格差のある介助員配置をどのように考え、今後、対応されるおつもりか、教育長の御所見をお伺いいたします。  終わりに、教育改革について要望いたし、本県教育の確かな前進を期待し、訴えさせていただきます。本二月定例会は、「教育県会」とも言えるほどに、教育改革に関する論議が真摯に交わされたところであります。私は、かつて教職にあった経験から、子供の教育にかかわった者として、教育が人の運命を左右することに思いをいたし、それへの恐れを強く抱くものであります。「教育の自由」、「魅力ある学校」、子供にとって「個性に合った教育」、いずれも抽象論として対立の余地はありません。しかし、その具体論になると、教育の基本理念の対立が浮き彫りにされます。このことに思いをいたすとき、「自由」という名において、教育が社会順応適応主義に陥ったとき、教育指導なき「興味・単純・関心主義」に堕し、安易な選択が、結局は民主的社会に生きる力としての学力である知・情・意・体の全面発達を阻害し、国民の民主的生活力が衰弱するなどの結果を招くことを懸念するものです。この事態は、悔いを千載に残すことでしょう。私は、今ここに福山市の中学二年生三千三百人ほどの子らのアンケートと、さまざまな声を持っています。この中には、切実な子供たちの声があります。私は、県教委が、子供のために、ただ一筋に教育の筋道に立って、拙速を避け、着実な筋の通った改革路線を創出されますよう、お訴えをし、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯副議長窪田泰三君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 江草議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、広島県女性プランについてのお尋ねがございました。西暦二〇〇〇年を目標とした現行プランは、男女共同参画社会の形成を基本理念に掲げており、県はこれに沿って、県民一人一人の意識の改革に取り組むとともに、女性が男性と平等に、あらゆる領域で十分に活動することができるよう各種施策を展開してまいりました。中でも、政策方針決定の場への女性の参画は重要な課題であり、ひろしま女性大学における人材養成や各種審議会委員への女性の積極的な登用に努めた結果、県の審議会委員や市町村議会議員に見られるように、いろいろな場面で女性の参画が進んできていると考えております。また、県政世論調査を見ますと、「男は仕事、女は家庭」という固定的な役割分担意識に否定的な人の割合がふえてきているなど、一定の成果がうかがえます。しかしながら、仕事と家庭生活を両立させるための育児や介護にかかわる条件整備や市町村の女性行政への支援など、今後、取り組みを強化しなければならない多くの課題がございます。このため、新しいプランの策定に当たりましては、社会の情勢変化を踏まえ、これらの残された課題や、女性に対する暴力の根絶、生涯を通じた健康支援など、新しい課題への対応策も盛り込み、二十一世紀にふさわしい男女共同参画社会の実現に努めてまいります。  次に、審議会への女性登用についてのお尋ねがございました。審議会の女性委員の割合は、着実に向上しておりますが、なお十分なものとは言えない状況にあると考えております。広島県女性プランにおきましては、法令等により構成員の職務分野が指定されている四つの審議会を除いて、平成十二年度の女性委員の割合を二五%以上とすることを目標としております。現在、この目標を達成するため、女性の登用を積極的に推進しているところでございます。登用に当たりまして、できる限り重複を避けることなど、広い範囲の方々から人選を行っておりますが、より一層、幅広い分野からの女性の登用を進めるため、御指摘の趣旨を含め、その手法について検討してまいりたいと考えております。  次に、女性課の設置についてのお尋ねがございました。本県の女性施策は、県の青少年女性課と財団法人広島県女性会議等とが、緊密な連携を図りながら、推進をしております。青少年女性課では、関連の複数部局で担当している男女共同参画社会づくりにかかわる県の施策の総合調整を担い、一方、女性会議では「エソール広島」を女性活動の拠点として、女性の地位向上を図るため、各種事業の推進に懸命に取り組んでいるところであります。当面は、現在の組織体制において、引き続き女性施策の推進を図ってまいりますが、女性行政は本県の主要な課題の一つであり、次期プランの積極的な事業展開を図るため、推進方策のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、男女雇用機会均等法及び労働基準法の見直しについてのお尋ねがございました。男女の平等は、御承知のように、雇用の分野におきましても、その実現が強く求められているところでございます。今国会に提出されています改正法案は、女性労働者に対する差別の禁止規定を設けるなど、働く女性の意欲や能力が十分に発揮できる雇用環境の整備を一層促進するものとなっております。御指摘の女子保護規定の廃止につきましては、各方面でさまざまな議論が展開されていることは承知をしております。この女子保護規定の廃止の意図するところは、雇用の分野における男女の均等な取り扱いを確保し、女性の就業機会を拡大させることにあり、ひいては、男女共同参画社会の実現につながるものと考えております。また、女性労働者の職業生活と家庭生活との両立対策などにつきましては、今後、国において策定されます男女雇用機会均等対策の基本方針で規定されるものと考えておりますが、現在、法案が国会に提出されたところでもあり、その審議の動向を注意深く見守ってまいる所存でございます。  次に、法期限後の同和対策についてのお尋ねがございました。同和対策につきましては、国を初め、市町村等との緊密な連携のもとに、同和対策審議会答申の精神を踏まえ、関係施策を総合的に推進してまいりました。こうした取り組みにより、対象地域の実態の改善につきましては一定の成果を見ておりますものの、実態調査によりますと、物的事業の面で今後実施すべき事業を初め、就労、教育、啓発などの分野において課題が残されております。このため、法期限後の同和対策につきましては、国の方針との整合性を図るとともに、本県の実態を勘案しながら、課題解決に向けて真に必要な事業を実施してまいります。具体的な対応でありますが、物的事業につきましては、生活道路などの環境改善や、農林漁業の基盤整備に関する事業を実施するとともに、市町村の財政負担を軽減する施策を五年間継続し、事業実施を促進することといたしております。また、就労、啓発につきましては、今後の重要な課題であることから、安定した就労の場を確保するための施策や同和問題講演会など各種の啓発事業を重点的に推進してまいります。今後とも、残された課題の一日も早い解決に向け、関係施策の推進に取り組んでまいります。  そのほかの御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 7: ◯副議長窪田泰三君) 福祉保健部長中谷比呂樹君。         【福祉保健部長中谷比呂樹君登壇】 8: ◯福祉保健部長中谷比呂樹君) 五点御答弁申し上げます。  まず、子育て支援についてでございます。財団法人「ひろしまこども夢財団」は、子育て家庭への支援に、民間の立場から機動的かつ柔軟に取り組んでいくために設置されたものでございまして、御指摘いただきました民間保育サービス活動の支援など各種事業を、関係団体との連携のもとに実施しているところでございます。特に、多くの関心が寄せられております病児デイケア事業を具体的な一例として申し上げます。この事業は、保育を必要とする幼児が急病にかかった際の対応を研究しようとするものでございまして、子育て世代を中心とする財団の評議員会での御提言を参考に事業を行っているところでございます。この事業の実施に当たりましては、医療との連携や保育面での具体的に研究すべき課題が多いため、平成八年度から二カ年のモデル研究事業として、東広島市内において開始いたしました。今後は、このモデル事業の成果や課題を踏まえ、各市町村が行政ベースとして積極的に取り組めるよう、どのような条件整備が必要かを見定めたいと考えております。  次に、広島県児童環境づくり推進プランについてでございます。このプランは、本県が二十一世紀に向けて進める児童環境づくりの基本的な方向と、その実現に必要な方策を明らかにするために、平成七年四月に策定したものでございます。このプランの具体的な実施につきましては、子育て支援の大きな柱である保育対策として、国のエンゼルプランの緊急保育対策等五カ年事業に呼応する形で、二歳未満の低年齢児の保育や延長保育、一時的保育などの各種特別保育事業の促進を図るなど積極的に取り組んでおります。また、保健医療面では、平成七年七月に県立広島病院に母子総合医療センターを設け、女性と子供に対する総合的な医療を行う体制を整備いたしました。さらに、全県的なNICUのネットワーク化を図ることとしております。なお、「ひろしまこども夢財団」も、このプランの具体化の一環として設立したものでございます。子育て支援は、女性の育児や出産の負担軽減が女性の社会参加を進めるという視点からも必要であり、官民が協力し合いながら、子供と子育てに優しい社会の実現を目指して、真に県民ニーズに沿った各種の施策を推進してまいりたいと考えております。  次に、地域医療の充実について御答弁申し上げます。県民の皆様の保健医療サービスを確保するためには、住みなれた地域での保健・医療・福祉の横の連携が極めて大切でございます。また、このような初期医療、言いかえれば、プライマリーケアを広域的に、より高度な医療へつなげていく、いわば縦の連携も重要でございます。そこで、このたび改定いたしました広島県保健医療計画におきましては、このような基本的な考え方を、あらゆる場面で打ち出すこととし、サブタイトルも「地域での連携が生みだす開かれた保健医療」としたところでございます。このような理念を、どう現実の医療の中でシステムとして生かしていくかが課題でございます。既に、多くの医療機関では、対応の困難な患者を適切な医療機関に紹介することが行われており、医療保険上の手当てもなされております。また、医療経済の観点からも過重な投資を避ける必要があり、必然的に医療機関の機能分化と役割分担に進まざるを得ない状況になっております。しかしながら、保健医療の大部分が公的病院ではなく、民間医療機関によって担われ、患者さん御自身の自由な選択によって医療機関が選ばれるという我が国の医療制度におきましては、理想的なシステムは容易ではないという現実も踏まえる必要がございます。そこで、県といたしましては、第一に、医療機関の機能分化にかかわる諸制度についての啓発を行うこと、第二に、収益性の高い機能のみが地域に残り、必要な機能がなくなるということがないよう、新たに設けようとしている二次保健医療圏ごとの地域保健対策協議会の場で論議すること、第三に、関連の情報へのアクセス性を高め、医療機関相互の連携を促すことなどにより、望ましいシステムづくりに一歩でも近づくよう努めてまいります。  次に、県立広島病院における地域医療支援機能について御答弁申し上げます。地域医療支援センターは、僻地診療所などへの医師の派遣、僻地勤務医師の養成・研修、診療技術の支援を目的として、今年度、広島病院に設けたところであり、広島県の僻地医療を人材面、技術面で支援しようとするものでございます。今までも、卒業後九年の義務年限内の自治医科大学卒業医師を地域に派遣しておりましたが、地域医療支援センターを設置することにより、より組織的に地域医療を支援することとしております。センターの目的としておりますのは、第一に、義務年限を終えた自治医科大学卒業生をプールし、地域の保健・医療・福祉の充実に積極的に取り組んでいる地域に派遣すること、第二に、僻地の診療所医師が、例えば急病となったような場合の緊急措置として代診医を派遣すること、第三に、僻地で勤務している医師などへ最新の医療情報を提供するための情報ネットワークを構築すること、第四に、僻地医療に求められる総合診療医を養成することなどでございます。これらについて、現状ではすべてに対応できる状況にはございませんが、できることから取り組んでまいる所存でございます。  広島病院と他の県立病院との医師の交流につきましては、現在でも、毎年二、三人程度行っているところでございます。また、技術交流につきましても、共同研究発表会の実施や研修会の開催などを行い、県立四病院の連携をより密接にしてまいりたいと考えております。  次に、NICUの充実について御答弁申し上げます。まず、現状についてでございます。現在、県内には百五十三床のNICU病床がございます。平成五年の広島県地域保健対策協議会調査報告によりますと、NICUの必要病床は百十七床とのことでございますので、全県的に見た場合、必要病床数は確保されていると考えております。  次に、その一層の充実についてでございます。第一に、新年度には新たに広島大学医学部附属病院に周産母子センターが設置される予定とうかがっており、NICUにつきましても若干の病床整備がなされると理解し、期待をしております。第二に、既存のNICUの有効活用を図るため、NICU病床を有する病院を結ぶNICU情報ネットワークを本年秋を目途にスタートさせることとしております。これは、現在計画中の救急医療情報ネットワークのシステムを利用して、インターネットを利用した情報ネットワークを構築しようとするもので、各病院のNICU病床の受け入れ可能状況を毎日入力していただき、それを各病院が利用できるようにすることにより、NICU病院相互間の連携と病床の有効活用を図ることとしております。第三に、平成九年度には、広島大学、県医師会、広島市とともに構成しております広島県地域保健対策協議会に周産期医療についての協議会を設置し、周産期医療の充実方策などについての検討もしていきたいと考えております。このように、県内の産科、小児科の幅広い関係者の御協力と御参加をいただき、母体、胎児、新生児を一貫して治療・管理する周産期医療の充実を図ってまいります。  最後に、小児医療機能の充実について御答弁申し上げます。小児医療については、妊娠の時期から成人期までを視野に入れた対応が必要となっており、総合病院の機能をフルに活用して、さまざまな疾患に総合的に取り組む必要がございます。そのため、平成七年七月に、母子総合医療センターを県立広島病院に設け、周産期医療を中心に関係診療科が一体となって、連携した医療を行う体制を整備したところでございます。平成七年十一月には、総合的な小児医療が可能な施設として、全国の子供病院などで構成される日本小児総合医療施設協議会の会員として正式に認められたところでございます。開設後、およそ二年を経過し、広域的に患者を受け入れるなど、当初の目的を果たしているものと考えております。センターの今後の方向につきましては、県立病院を取り巻く環境の変化や、がんセンターとの機能分担など、県立四病院の今後のあり方を十分踏まえる必要があると考えており、その検討の中で、適切に見定めていきたいと考えております。なお、子供の健康につきましては、高度医療とともに、プライマリーケアや慢性期のケアが重要であり、「赤ちゃん一一〇番」や小児医療相談など相談事業の推進に加え、病児保育にも試験的に取り組むなど、さまざまな施策を講じているところであり、子供病院に寄せられた県民の期待に一つ一つこたえるよう努力しているところでございます。以上でございます。 9: ◯副議長窪田泰三君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 10: ◯教育長(木曽 功君) まず、進学奨励費補助事業についての御質問にお答えいたします。高校・大学への進学奨励費補助事業につきましては、この事業がこれまで同和地区生徒の進路保障に果たしてきた役割が非常に大きなものがあったと承知しております。御指摘のように、大学進学率において今なお大きな格差が残されていることを深刻に受けとめております。したがいまして、五年間の経過措置がなされることになっております進学奨励費補助事業を活用しながら、現在、学校・家庭・地域が一体となって推進しております進路保障地域総合推進事業の取り組みを通して、進学意欲の向上や学力の向上を図り、同和地区生徒の進路を保障する取り組みを、より一層進めてまいりたいと考えております。  次に、在日外国人・中国帰国者の人権、とりわけ学ぶ権利についての御質問にお答えいたします。在日外国人及び中国帰国者の方々は、日本語でコミュニケーションを図りながら、学校生活や社会生活を送ることを強く願っています。したがいまして、学齢期にあります子供たちに対しましては、在籍する学校に日本語指導学級を設置し、計画的な日本語指導を行っております。特に、その在籍者の多い学校へは、母国語を理解できる者を派遣し、生活面や学習面での支援を行っているところでございます。また、成人の方々に対しましては、公民館などの生涯学習機関や民間機関などさまざまな分野で、既に在日外国人や中国帰国者の方々への日本語指導の取り組みが行われております。なお、県立生涯学習センターにおいて、日本語指導ボランティア講座を開設し、日本語教育の専門的な指導者養成を行っているところでございます。今後、国際化のますますの進展に伴い、こうした方々に対して学習する機会を充実していくことは重要な課題であると認識しております。  最後に、障害を持つ子供たちの教育についての御質問にお答えいたします。障害を持つ児童生徒の就学を保障するため、市町村教育委員会と役割分担をする中で、各種の施策を推進していくことが重要であるというふうに考えております。また、障害を持つ子供たちが就学する学校の指定につきましては、市町村教育委員会が、保護者や本人の意向を踏まえ、就学相談や就学指導等による総合的な判断に基づき、この指定を行っているところでございます。保護者や本人の希望により、地元の小・中学校に就学する場合、それに伴う人的配置につきましては、設置者である市町村が適切に判断される問題であると考えております。しかしながら、この問題につきましては、諸般の状況の変化を踏まえ、いろいろな角度から今後研究してまいりたいと考えております。 11: ◯副議長窪田泰三君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十八分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時三分開議 12: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十一名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。河原実俊君。         【河原実俊君登壇】 13: ◯河原実俊君 民主県政会の河原でございます。  藤田知事が広島県のかじ取りをされて、早くも一期四年を迎えようとしております現在、本県経済は、設備投資の増加や個人消費の好調に支えられて、緩やかな景気回復をたどっています。しかし、県税収入の大幅増加に結びつくまでには至らず、その上、これまでアジア大会などの基盤整備に重点投資をしてきたことや、借入金の返済が増加するなど、引き続き、厳しい財政環境にあります。また一方では、明治維新、戦後改革に次ぐ「第三の改革」とも言われております地方分権が進められています。県みずからが、県民の豊かな暮らしや地域社会づくりに一層の責任を自覚し、行財政全般にわたる改善に積極的に取り組まなければなりません。私は、急激な少子・高齢化の進行を踏まえ、将来の展望を切り開いていくことが、今日、我々に課せられた責務であることを認識し、以下五点にわたって質問をいたします。  質問の第一は、保健・医療・福祉の問題であります。今、我が国は人口の高齢化が激しい勢いで進んでおります。国際的には、六十五歳以上の比率が人口の七%を超えると、その社会を「高齢化社会」と呼び、一四%を超えると「高齢社会」と呼んでいます。そして、その比率が二〇%を超えると「超高齢社会」となり、我が国は、かつて、どこの国も経験したことのない「超高齢社会」へ入ろうとしているのであります。本県の実態を見ると、八十六市町村のうち、一四%を超える高齢社会の市町村が八十一もあり、双三郡作木村の四一・一%を初め、高齢比率二〇%以上が、実に六十五市町村、全体の七五%にも上っています。我が国の高齢者の数が人口の二五%と推定される二〇二五年のイメージ調査によると、「福祉が充実し、だれでも安心して暮らせる」と思う人は、わずか高齢者の二〇・二%にすぎず、そうは思わない人が七〇%と、悲観的な見通しを示しています。一九八九年、政府は、保健福祉十カ年戦略、いわゆるゴールドプランを策定いたしました。その後、上方修正を加えたこのプランは、在宅三本柱の大幅拡充を目指し、再来年の一九九九年度末までに、ホームヘルパー十七万人、ショートステイ六万ベッド、デイサービス一万三千カ所、在宅介護支援センター一万カ所などの整備が進められております。今日、少子化の進行や居住環境、経済事情等で家族の介護能力は限界を来す一方、あと三年後の平成十二年には、寝たきり老人が百二十万人を超え、痴呆性老人が百五十万人に達するものと推定されております。国は、超高齢社会に対応するため、今国会で介護保険法案の審議中でありますが、そうした手だてとともに、欧米に比べて八倍も多いと言われる寝たきり高齢者を減少させて、真に自立と生きがいのある老後をつくり出すために、在宅福祉の充実を急がなければなりません。特に、私は、二十四時間体制で各種の福祉サービスの情報提供、相談業務や福祉のネットワークづくりを受け持つ在宅介護支援センターの役割が、民生委員などの相談協力員とともに、ますます重要になると思うのであります。そこでまず、在宅介護支援センターの整備など、在宅福祉の充実についてどのように進めようとしているのか、お尋ねいたします。  次に、このたび改定された保健医療計画についてであります。本県では、保健医療と福祉を一体化させ、効果的なサービス提供への取り組みを全国に先駆けて行ってまいりました。さらに、先月、県は広島県保健医療計画を改定いたしましたが、この改定された計画において医療施設や老人保健施設などの有効活用とサービスの提供についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。  三つ目は、高度医療を担うがんセンター整備についてであります。昨年二月、基本構想策定委員会がまとめた構想に基づき、去る二月六日、がんセンター立地検討委員会から、タイプ別に四つの候補地を推薦するとの提言がございました。御承知のとおり、呉市には既に国立がんセンターが設置されています。したがいまして、同様の機能を持つがんセンターではなく、被爆地・広島が、今日までに蓄積した放射線被曝医療の高度なノウハウにより、全世界に貢献するためのがんセンターであります。その基本に立つとき、私は、被爆地・広島の近接地が最も適地であると思うのであります。今回の検討委員会で絞り込まれた四カ所のうち、広大跡地は国際貢献の立場から見て適地であると思われます。しかし、いかんせん、地価が高く、がんセンターの事業規模五、六百億円を県の財政状況から捻出することには多くの困難が伴い、その上、高額な土地代を調達することは大変重い負担となります。そこで、候補地の一つである広島市東部に隣接する坂地区埋立地はいかがであろうかと思うのであります。この土地は、県、地元自治体、企業から成る第三セクターが造成して、新たに土地区画整理方式を導入し、約四ヘクタールの病院などの公益施設用地を組み込んでおります。さらに、利便性についても、広島南道路を初め、指定都市高速道路などの交通手段が確保される見通しであることに加え、海上交通の利用も可能であり、最も適当な条件を備えるものと思いますが、いかがでございましょうか。四候補地の推薦に至った経緯と、今後どのようにして最終的に決定されるのか、知事のお考えをお尋ねいたします。  四点目は保健・医療・福祉情報の活用についてであります。今日、情報化は目覚ましい勢いで進歩しております。この高度情報化の中で、県民が望むことは、保健・医療・福祉の分野における効率的な活用であります。県は、新年度から救急医療情報をインターネットで提供するとのことであります。遠隔医療のように、いまだ開発を待つ分野もありますが、既に蓄積された情報は、県民がだれでも、どこでも得ることができる環境づくりを急がなければなりません。とりわけ、県民の受益の大きなウエートを占める保健医療における活用が、最も急がれるべきであると思います。そこで、本年十月から開始される救急医療情報ネットワークシステムを初め、今後、この分野において高度情報化によるサービス向上をどのように展開しようとしておられるのか、お尋ねいたします。  質問の第二は、県の産業構造改革への取り組みについてであります。  アジア諸国の台頭などにより、産業の空洞化が問題となっている今日、我が国の産業と雇用をいかに守り、発展させるかということは、緊急の課題であります。昨年十二月、国も産業空洞化への危機感から「経済構造の変革と創造のためのプログラム」を閣議決定し、五百に上る施策に着手することにしております。一方、本県の産業構造は、これまでの蓄積をもとに、新たな分野への展開が課題とされております。そして、本県産業に大きな影響力を持つマツダ株式会社もフォードの傘下に入り、今後の動向が注目されるところであります。平成四年から連続して減少していた全国の製造品出荷額が、平成七年に増加に転じたのに対して、本県は逆に、前年比マイナス三・三%と、全国最大の下げ幅を記録するなど、憂慮すべき状況が続いているのであります。こうした中で、県の産業改革推進会議は、今後とも、豊富な人材と高い技術力を背景に、開発型・付加価値型の「ものづくり」への展開こそ、二十一世紀に向けた本県産業の発展の基本であると位置づけています。国においても、特定産業集積活性化法を今次通常国会に提案されております。本県においては、平成五年十一月に広島市、呉市などの二市八町が国の指定を受け、自動車・自動車用部品製造業を対象にさまざまな施策を展開してまいりました。この指定は、これらの持つ技術を生かして新分野への展開を図り、技術創造型企業への発展を模索するもので、来年三月までの事業となっているものであります。そこで、まず、今日までの成果及び残された課題、さらには、新しい産業集積活性化法による事業展開の方向性についてお尋ねをいたします。  二つ目は、推進会議の示す未利用特許の活用についてであります。マツダ株式会社の持っている、利用されていない特許について一般公開したところ、多くの引き合いがあり、これら未利用特許を生かし、新技術・新製品の開発を促進すべきとの意見が高まっています。これまで蓄積された資源を有効に活用し、今後の新分野を開拓することは、期待の持てる必要な事柄であります。この課題について、県の御認識と、今後、未利用特許の活用促進に向けてどのような方策を講じようとしているのか、お尋ねいたします。  次に、物流についてお尋ねいたします。現在、我が国の高コスト構造が問題とされていますが、とりわけ物流コストの高さは、その中心的な課題として抜本的な効率化が強く求められています。本県産業の立ち直りのためにも、県内物流の合理的、計画的な整備、あるいは、物流拠点の基盤整備などが不可欠であります。さきの経済構造改革計画でも最重要項目として位置づけられ、今年度中には物流施策大綱の策定も予定されております。このような動きを背景に、新年度予算に物流に係る検討費を計上されております。極めて時宜にかない、ぜひとも実りのあるものにしていかなければと思いますが、具体的に、どのような視点で今後の方向を模索されるのか、お尋ねいたします。  質問の第三は、教育問題についてであります。先日来、本会議において高校教育改革をめぐるさまざまな論議が展開されております。私も、本県教育に強い関心と期待を持つ者として、教育長の見解を求めたいと思います。  明治維新、戦後に続いて、今第三の教育改革が進められています。激しい受験競争、いじめ・不登校・中途退学の増加や、社会経済情勢、人口動態の変化などを反映し、臨時教育審議会は、教育が目指すものとして、「画一よりも多様」、「硬直よりも柔軟」、「集権よりも分権」と指摘し、個性化、多様化、特色化、そして教育の自由化、言いかえれば、教育の規制緩和政策を打ち出したと思うのであります。また、中央教育審議会は、去る二月二十七日の総会において、これまでの「全体が一斉かつ平等」の発想から、「個性尊重の能力、適性に応じた教育」に転換すると総括しています。本県においても、一昨年八月に策定された広島県高等学校中長期ビジョンに基づき、高校における生徒の個性に重点を置いた自由選択制の導入、総合学科の増設、入学者選抜制度改善のための総合選抜制度の廃止などを取り上げ、生徒のニーズにこたえた特色ある学校づくりへの取り組みが始まりました。高校の設定進学率九九・六%の数字が示すように、高校全入の実態の中で、生徒の個性を伸ばし、多様な進路にこたえ、社会の変化に対応する力をつけるなど、学校を生き生きとよみがえらすために、私は、自由選択制や総合学科高校の増設は積極的に推進すべきであると思います。また、改革のもう一つの柱である総合選抜の廃止については、今日、さまざまな論議が交わされています。この制度は、二十一年前、たまたま私が文教委員会に所属していたときに、過度な受験競争の緩和と学校間格差の解消などを目指して導入されたものであります。今回、この制度を廃止することによって、行き過ぎた受験競争を招くことはないのか、自由選択制、総合学科の具体的な内容や導入する学校数はどのようになるのか、また、これら新しいタイプの学校では進級や単位認定はどのように変わっていくのか、さらに、私学との関係など多くの問題があり、先日来、この本会議において議論されてきたところであります。ある中学校の校長先生は、「今回の改革の経緯は新聞記事で知ることが多くて大変困っていたが、ようやく最近になって教育委員会から聞けるようになった。」と話しておられます。私は、最も大切なことは、高校を選ぶ中学校や保護者の声を聞くとともに、同じ土俵に立った論議が必要でなないか、また、教育委員会は県民に対しても十分な理解を求めると言っておりますけれども、一昨日の「県民だより」に、わずかのスペースでその骨子を載せているにすぎません。これでは県民の理解が得られるかどうか、疑問であります。先日来、本会議での教育長の答弁には、真摯に取り組む姿勢が感じられます。しかし、これまでの県教育委員会の取り組みは、具体像を示さない、いわば半身の構えとしか見えないのであります。子供の個性の尊重と能力、適性に応じた教育の大改革を県民ぐるみで実現するためには、早い時期に、県民に具体的に見える姿で示すべきだと思います。教師や保護者、子供の不安を解消するためには、県教育委員会が実施しようとしている教育改革について具体的な説明をすることが何よりも必要であります。教育長の見解を求めます。  次に、学校における中途退学などの課題についてであります。高等学校の中途退学者は、過去一年間に全国で九万八千人、本県の場合、過去五年間で年間千九百九十人から二千三百人で推移をし、全国でも第十五位という高さとなっております。公立高校百二校のうち、過去三カ年、中途退学がゼロの学校が二十二校、同じく三カ年間にゼロから三名までの学校が九十二校と、大部分は落ち着いた学校であります。その反面、同じく三カ年の推移で、一年間に百九人も中途退学している学校や、年間五十人以上の中途退学の学校が五校もあります。先日、県立高校の校長さんが、五十分の授業を静かに受けさせることの難しさを嘆いておられました。また、ある大学の先生は、大教室の講義中、学生の私語が絶えず、反対に少人数のゼミでは意見を述べず、言葉が死んでしゃべらないためにゼミが成り立たない、つまり、しゃべるべきでないときにしゃべり、しゃべるべき場所ではしゃべらない学生が非常にふえているという話でありました。これを「二つのシゴ現象」と呼ぶのだそうであります。毎年の成人式で、多くの市町村が式典中の私語や乱れたマナーに悩む実態がありますが、これも高校、大学の「シゴ現象」の延長にあるのかもしれません。これらの問題解決には、学習到達度の多様な生徒のニーズや個性にこたえる授業、入学した後の進路変更に柔軟に対応できる弾力的な単位認定、三年という学年進行にこだわらない単位制の導入なども一つの方策であろうと思います。さらには、生徒のさまざまな相談にこたえる体制の充実も重要であります。教師が、みずからの意識を変革して、生徒の個性を重んじた授業を展開し、生徒も生き生きと学習できるような学校をつくるため、格段の努力を求めるものであります。これらの問題を解決するために、具体的に、どのように取り組んでいくのか、教育長にお尋ねをいたします。  質問の第四は、国民文化祭についてであります。平成十二年には、国民文化祭が本県で開催されます。この文化祭について、私は平成七年六月の本会議で質問いたしましたが、この二月十四日に、基本構想検討委員会において構想案が取りまとめられたと伺っております。それによりますと、基本理念として、「地域に根差した文化を継承し、新しい文化を創造する感動を、二十一世紀を担う世代に伝える祭典」にすることとしています。西暦二〇〇〇年の記念すべきときに、本県で開催するにふさわしい祭典となることを心から願っておりますが、今後の事業計画策定に当たり、どのような文化祭とされるのか、お尋ねいたします。  また、感動を次代を担う世代に伝えるためには、今の若者たちが興味や関心を持ち、積極的に参加するような工夫も必要だと思います。どのようにしていかれるのか、あわわせてお尋ねいたします。  さらに、平成十一年にはプレ国民文化祭が予定されております。この年は、瀬戸内海大橋完成記念イベントと全国生涯学習フェスティバルが開催される年でもあります。とかく大規模イベントには、人手と財源調達が大きな課題となります。これらのイベントを有機的に連携させ、効果のある実施が望まれますが、どのように考えておられるのか、お尋ねいたします。  質問の最後は、地元、島しょ部問題についてであります。  まず、江能・音戸倉橋地域の振興方策についてお尋ねいたします。この地域は、県内で第三番目の人口集積を持つ呉市に隣接し、しかも、六万人に及ぶ人々が居住いたしております。これは、備北地域の中心都市である三次市と庄原市を合わせた人口六万二千人に匹敵するものであります。また、この地域は、瀬戸内海のほぼ中央に位置し、しかも、中国ブロックで最も大きい広島中枢都市圏と、四国ブロックで最も大きい松山中核都市圏との間にあり、この地域の振興を図ることは、中国四国地方の交流促進や瀬戸内海地域の活性化を図る上でも、極めて重要だと思うのであります。また、現在、国で策定中の次期全国総合開発計画に対し、県は、中四国地域連携軸や瀬戸内海交流圏などの構想を提起しており、広域交流圏の形成が、今、まさに始まろうとしているのであります。そこで、このように地理的に見ても、また、本県の二十一世紀における発展戦略の上からも、重要な位置にある江能・音戸倉橋地域の振興方策について、県はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。  次は、この島しょ部を陸路で結ぶ第二音戸大橋についてであります。現在の音戸大橋を経由する一般国道四百八十七号は、江能・倉橋島地域と呉市を結ぶ唯一の幹線道路でありますが、音戸大橋付近では近年著しい交通渋滞のため、第二音戸大橋の架橋、並びに、これに接続する呉市警固屋地区のバイパス整備の緊急性が高まっております。ついては、警固屋音戸バイパス並びに第二音戸大橋の現状と今後の整備見通しについてお尋ねいたします。  三つ目は、呉地方拠点都市地域のアクションプログラムについてであります。去る一月十七日に策定されたこのプログラムの中で、江能地域では江田島町小用港地区を広域交流拠点地区として整備することとされております。この小用港は、年間平均客数三百万人、車両三十万台が利用する県内有数の交流結節点であり、地方港湾では最大の利用実績を示しております。しかしながら、この港湾施設は、狭い上に老朽化が激しい状況となっております。名実ともに江能地域の海の玄関にふさわしい施設が求められますが、旅客ターミナルや港湾緑地の整備について県はどのように取り組まれるのか、お尋ねいたします。  また、この施設と旧海軍兵学校方面の島内拠点地域を結ぶ幹線道路が整備されないと、広域的な交流拠点としての機能が十分に発揮できません。ついては、小用地区を含め、早瀬大橋を経て、音戸、呉市と結ぶ島内幹線道路である一般国道四百八十七号の整備見通しについて、あわせてお尋ねいたします。  以上で、私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 14: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 15: ◯知事藤田雄山君) 河原議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、医療施設などの有効活用とサービスの提供について御質問がございました。経済の低成長が見込まれる中で、増加する高齢者の方々に質の高い保健・医療・福祉サービスを確保していくためには、御指摘のとおり、資源を有効活用し、効率的なサービス提供体制を築くことが不可欠でございます。医療や福祉施設には、多くの資金的あるいは人的な投資が必要でありますから、計画的に整備を進める必要があります。そのため、医療の分野におきましては、広島県保健医療計画を策定し、二次保健医療圏ごとに必要な病床数や行政と関係者の共通の努力目標などを定めたところでございます。また、今回の計画改定に当たりましては、特別養護老人ホームや老人保健施設等の福祉施設の整備計画である老人保健福祉計画とも容易に連動できるよう、圏域の設定を行ったところであり、行く行くは障害者プラン等とも連動させてまいる所存でございます。さらに、二次保健医療圏ごとに、従来の保健所運営協議会を発展的に解消し、地域の保健・医療・福祉及び行政の関係者が協議・検討する場を設けたいと考えております。これらにより、保健・医療・福祉サービスが地域においてお互いに協力し合い、重複を避けて県民の皆様に有効で効率的なサービスを提供する体制づくりに努めてまいります。  次に、がんセンターの整備についてのお尋ねがございました。がんセンターの立地場所につきましては、昨年二月提言されたひろしま国際平和祈念がんセンター基本構想に基づき、がんセンター立地検討委員会を設置し、八回の協議と先進地視察等を経て、去る二月六日、候補地について御報告いただきました。その報告によりますと、全県域から広く候補地を求め、それを客観的な指標により絞り込み、最終的には、委員会委員による現地視察を実施し、御提言の坂町を初め、広島大学本部跡地、五日市沖埋立地、尾道市平原の四候補地を立地場所として御推薦をいただきました。現在、がんセンター整備推進委員会において、機能、規模面の検討が進められておりますので、その基本方向がまとまった段階で、財源や整備スケジュール等も考慮して、総合的な見地から立地場所の判断がなされなければならないものと考えております。  次に、中小企業集積活性化法による事業の成果と課題並びに今後の事業展開についてのお尋ねがございました。近年の著しい経済環境の変化等に伴い、低迷を続ける本県の自動車関連産業に対しましては、御指摘のとおり、その活性化対策の一環として、平成五年度から五カ年計画で、中小企業集積活性化法に基づく施策を行っているところであります。具体的には、広島・呉地域の自動車とその部品製造業に属する中小企業を対象に、親企業への高依存・現状維持型企業から技術創造型企業への発展を図ることを目標として、関連企業組合が行う研究開発や人材育成事業に対する助成、財団法人広島県産業技術振興機構などによる経営意識の改革や技術力の向上に向けた研修会の開催など、積極的な支援を行っております。この事業の成果といたしましては、従来、地場企業では製造できなかったエンジン制御などにかかわる高付加価値部品の製品化、環境関連、住宅関連など自動車部品以外への進出など、技術創造型企業への転換が芽生えつつあり、また、取引先の拡大などにより、親企業への依存度の低下傾向も見られるところでございます。しかしながら、こうした技術創造型企業への転換には、中長期的な取り組みが必要である上、今後一層のグローバル化の進展等も見込まれる中で、基盤的技術集積の維持・活性化に向けて、引き続き、技術の高度化や新分野への展開等が求められております。こうした中で、国において、現行の中小企業集積活性化法を吸収・発展させた特定産業集積の活性化に関する臨時措置法の制定が予定されております。県といたしましては、この新法に基づく地域指定を受けまして、自動車関連企業に対する支援施策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、物流施策についてのお尋ねがございました。我が国経済の高コスト構造の要因の一つは、物流コストの高さにあり、今後の大きな課題として認識されております。物流は、生産から消費に至るトータルな社会システムと言われ、その効率化を図るためには、社会経済情勢の変化、本県の地勢的な特性、本県産業の発展方向、県民のライフスタイルの動向、ほかの地域開発計画や交通計画等との整合性など、多面的な分析・検討が重要であります。こうした点を踏まえた上で、道路、港湾、空港等のインフラ整備、物流拠点の適正な配置、物流関連産業の集積促進や高度化など、幅広い施策を有機的な連携を図りながら計画的に推進する必要がございます。このため、新年度は、県内外の専門家等から成る検討会議を設置し、こうした広範な視点から審議・検討を行い、本県物流の効率化に向けた総合的なビジョンの策定に着手することといたしております。ビジョンの策定に当たっては、県内産業の振興はもとより、県民生活の向上、本県の中枢性の確保などにもつながるものとなるよう、全庁的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、国民文化祭についてのお尋ねがございました。本県で開催する国民文化祭は、「広がる生命輝く未来」のテーマのもと、一人一人が伸びやかにみずからを高め、生きる喜びと感動あふれる祭典にしたいと考えております。具体の事業展開といたしましては、祭典の幕開けを飾るオープニングフェスティバルなどで、マルチメディアも活用した多彩な演出により、二十一世紀の新たな文化を展望いたします。また、本県の自然や郷土芸能、産業、食文化に着目した事業、あるいは、世界遺産からのメッセージを伝えるフェスティバルなどを開催し、本県の特色あふれる文化を発信をいたします。さらに、若い人たちが興味や関心を持てるよう、企画から運営まで積極的な参加を求めるほか、具体の事業においても、伝統芸能に若い感性を取り入れたり、音楽やファッションなどの部門では、トップアーチストとの交流を試み、斬新で魅力あるものにしたいと考えております。これらを通じ、だれもが楽しめる、未来への希望と躍動感あふれた祭典となるよう努めてまいります。  次に、平成十一年のプレ国民文化祭と瀬戸内海大橋完成記念イベント、さらに全国生涯学習フェスティバルとの連携についてでございますが、架橋の完成により新たな文化の創造や交流が期待されること、生涯学習としての文化活動への関心が高まっていることなどから、プレ国民文化祭の実施に当たりましては、これらのイベントと共同し、瀬戸内海をテーマとするシンポジウムの開催や広報活動の展開などにより、相乗的な効果が発揮できるよう、連携に努めてまいります。  そのほかの御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 16: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長中谷比呂樹君。         【福祉保健部長中谷比呂樹君登壇】 17: ◯福祉保健部長中谷比呂樹君) 二点御答弁申し上げます。  まず、在宅介護支援センターの整備、在宅福祉の充実について御答弁申し上げます。在宅介護支援センターは、高齢者の在宅介護を行っている家族の方々が、身近なところで、気軽に専門家に相談でき、また、ホームヘルプサービスやデイサービス、さらには老人訪問看護など、各種サービスの調整・連携などを行う在宅介護のかなめとなり得る機関でございます。県の老人保健福祉計画では、おおむね中学校区に一カ所を標準として百八十カ所を整備することとしており、今年度末までに百カ所の整備が完了する予定でございます。ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイあるいは老人訪問看護などの各種在宅サービスにつきましても、老人保健福祉計画に基づいて計画的に整備を進めているところでございます。そこで、各種サービス間の調整や連携を行い、効率的で適切なサービスが提供される体制やシステムの整備が今後ますます重要となり、在宅介護支援センターに対する期待も増大してまいります。あわせて、在宅を支援するショートステイや、デイケアといった施設を利用したサービスとの連携も必要でありますので、従来から進めてきた特別養護老人ホーム、老人保健施設との併設による在宅介護支援センターの整備を徹底するよう指導いたします。このような総合的な視点を持って、在宅福祉サービスの拡充に努めてまいります。  引き続き、保健・医療・福祉情報の活用について御答弁申し上げます。保健・医療・福祉の分野の高度情報化は、御指摘のとおり、県民へのサービス向上に直結するものでありますので、ただいま策定中の広島県高度情報化ビジョンにおいても、健康福祉情報フリーウェイ構想として先導的プロジェクトとして位置づけ、その推進を図ろうとしております。この構想は、行政機関、医療機関、福祉機関、民間サービス団体、ボランティア団体等をネットワーク化することにより、保健・医療・福祉に関する各種情報を総合的に提供し、関係者のみならず、県民の方々も必要な情報をいつでも入手できるような環境をつくろうとするものでございます。その第一歩として、平成九年度は、救急医療情報について、専用端末とファックスを利用した既存のシステムを大変換し、全国初のインターネットを使ったネットワークを整備いたします。新しいシステムでは、消防機関のみならず、医療機関が双方向の情報交換を行えるようにするとともに、県民に対しましても医療機関の登録情報を提供いたします。また、このシステムを利用して、周産期医療情報ネットワークをあわせて整備するとともに、全国的な災害救急医療ネットワークとの連携を図ってまいります。次の段階におきましては、このインターネット方式を保健・医療・福祉分野全体に漸次拡大してまいりたいと考えております。この場合、全国的な福祉情報サービスである「ウィズネット21」などとの接続の可能性にも留意いたします。さらに、実践的な活用方策といたしまして、県内の医療格差是正のため、僻地の診療所や病院などのネットワーク化や画像電送を利用した遠隔医療の推進なども検討してまいります。以上でございます。 18: ◯議長檜山俊宏君) 商工労働部長高見貞四郎君。         【商工労働部長高見貞四郎君登壇】 19: ◯商工労働部長高見貞四郎君) 未利用特許の活用についてお答えします。現在、我が国において、企業が保有したまま商品化や他社への供与を行っていない、いわゆる未利用特許は、特許庁の調査によりますと、特許総数約六十八万件のうち、三十万件に及ぶと言われております。これらの未利用特許は、主として大企業が保有するもので、大企業としての商品化利益が少ないとか、経営方針の変更などの理由により商品化が見送られ、特許が未利用になっているものと考えられます。一方、未利用特許は、技術開発型の中小企業にとっては技術情報の宝庫でありまして、新事業展開のヒントを得たり、開発期間を短期化するのに非常に有効であります。このため、国においては、平成八年度から特許情報を有効に活用するための中核施設として、全国に知的所有権センターを整備することとしたところでございます。本県におきましても、このたび、広島県知的所有権センターを社団法人発明協会広島県支部の中に設置し、中小企業が特許情報を容易に利用できるように、例えば、プラスチックの成形・接合や高分子化合物などの特定の技術分野につきまして、CD-ROMによる情報提供システムを整備していくこととしております。また、新年度においては、さらに広範かつ専門的な情報をデータベース化し、知的所有権アドバイザーによる相談・指導業務を開始することとしておりまして、それにより特許情報の提供機能を一層強化して、県内中小企業の新技術・新製品開発や事業化を積極的に支援してまいりたいと考えております。 20: ◯議長檜山俊宏君) 企画振興部長菅原良郎君。         【企画振興部長菅原良郎君登壇】 21: ◯企画振興部長菅原良郎君) 江能・音戸倉橋地域の振興方策について御答弁申し上げます。江能・音戸倉橋地域は、御指摘のとおり、広島中枢都市圏や松山中核都市圏の間に位置しており、中四国地域連携軸構想や瀬戸内海交流圏構想を推進する上で重要な役割を果たすことが期待されている地域であります。また、この地域は、広島市及び呉市に近接し、豊かな自然環境が多く残されていることから、都市機能の分担や交流機能の強化により、定住や交流人口の増大を図っていく地域であると考えております。こうした地域の一体的な振興を図るため、半島振興計画や呉地方拠点都市地域基本計画に基づき、それぞれの地域の持つ特色を生かしながら、まず、地域の発展の基礎となる交通情報ネットワークの整備を図ること、瀬戸内海の自然と歴史的遺産を活用した観光・レクリエーションゾーンの形成、地域農業の展開と栽培漁業の推進や物流拠点の整備などによる産業の振興、定住の受け皿となる住宅や文化施設など生活環境の整備などに取り組むことにより、広域的な交流と連携を促進し、地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。 22: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長日月俊昭君。         【土木建築部長日月俊昭君登壇】 23: ◯土木建築部長(日月俊昭君) 二点御答弁申し上げます。  まず第一点ですが、警固屋音戸バイパス並びに第二音戸大橋の整備について御答弁申し上げます。警固屋音戸バイパスは、広島県広域道路整備基本計画において交流促進型の道路として位置づけております。この道路は、呉市や江能倉橋半島地域の振興を図る上で重要な事業であり、自動車専用道路に準じた構造規格で整備を行うこととしており、呉市警固屋地区から音戸町渡子地区に至る延長三・九キロメートルのバイパスであります。平成七年度から事業着手しており、昨年十二月には全線にわたり事業説明を行い、現在、縦横断測量及び地質調査を進めているところでございます。  また、第二音戸大橋につきましては、現在の音戸大橋から北側へ約三百五十メートル離れた位置に計画しており、音戸の瀬戸への景観に配慮した橋梁形式の検討を行っております。今後は、早期完成を図る上でも有料道路事業を導入し、平成十年代半ばの完成供用を目指して、事業の促進に努めてまいりたいと考えております。  次に、一般国道四百八十七号の整備見通しについて御答弁申し上げます。小用地区は、呉地方拠点都市地域において広域交流拠点地域に位置づけており、一般国道四百八十七号は、地方港湾小用港とともに、重要な役割を担う海陸の交通施設であります。このうち、道路の整備については、江田島町中郷地区から、小用港を経由して小用地区に至る延長二・五キロメートルの区間を小用バイパスとして計画しております。現在は、地元説明を終え、現地立入調査及び実施設計を行っており、今後とも、小用港の整備と整合を図りながら、事業促進に努めてまいります。また、一般国道四百八十七号の小用地区から早瀬大橋を経て、警固屋音戸バイパスまでの島内区間につきましては、ほぼ二車線で改良済みでありますが、歩道幅員が不十分な箇所、線形の悪い箇所につきましては、現在、音戸町藤脇地区ほか三カ所で改良工事に着手しております。順次、早期完成を図ってまいります。 24: ◯議長檜山俊宏君) 空港港湾局長鈴木博史君。         【空港港湾局長鈴木博史君登壇】
    25: ◯空港港湾局長(鈴木博史君) 小用港の整備について御答弁申し上げます。小用港は、広島市及び呉市と江能地域の島しょ部を結ぶ人流拠点として、全国でも有数の利用者数を誇っておりますが、御指摘の本小用地区の旅客ターミナル等の港湾施設は、狭隘化、老朽化が進んでいる状況であり、地域の拠点性向上のため、新たな施設の整備が必要であると認識しております。このため、ターミナル機能の強化や交流の場となる緑地などの港湾施設の整備を計画しているところであり、一般国道四百八十七号の整備や地区周辺の再開発事業と連携を図りながら、広域交流拠点の形成に向け、地元町と一体となって整備を進めたいと考えております。現在の取り組み状況といたしましては、国に対する新規採択要望と並行いたしまして、事業実施に向け、公有水面埋立免許申請の準備作業を進めているところでございます。 26: ◯議長檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 27: ◯教育長(木曽 功君) まず、高校教育改革の内容の周知についての御質問にお答えいたします。高校教育改革につきましては、すべての生徒の持つ可能性や能力を最大限に伸ばすことを目指して推進しているところでございます。この改革を真に実効あるものとするためには、その趣旨や内容について、教職員はもとより、生徒や保護者を初めとして、広く県民の方々の十分な御理解を得る必要があると考えております。とりわけ、高校教育のあり方や入学者選抜制度の改善につきましては、御指摘のように、中学校の生徒や保護者等に与える影響は非常に大きいものがございます。このため、学校現場やPTAを初め、各関係者に対しまして、御意見や御要望についてお聞きするとともに、各種広報手段を活用し、改革の趣旨や内容についての御理解を深める取り組みを、今後、精力的に行ってまいりたいと考えております。また、できるだけ早期に高校教育改革の実施に係る方針を最終決定し、単独選抜移行後の個々の学校像を含めた具体的内容をお示ししたいと考えております。  次に、学校における中途退学などの課題についての御質問にお答えいたします。御指摘のような教育課題を解決していくため、高等学校においては、総合学科の設置や自由選択制の導入に取り組むとともに、選択幅の広い教育課程を編成したり、従来にない新しい科目を開設するなど、生徒のニーズや個性に応じた教育の実現を目指しているところでございます。また、生徒が主体的に学習に取り組めるよう、自分の学習状況に合った授業を選択して受けることができる少人数指導の拡充を図るとともに、単位認定に当たりましては、生徒の実態を踏まえ、弾力的に運用できるようにするなど、柔軟な対応を図ってまいりたいと考えております。さらに、こうした学習指導における施策とあわせまして、スクールカウンセラーの拡充を図るとともに、教職員の教育相談についての研修を充実することにより、生徒が安心して相談できる体制を整えていきたいと考えております。今後とも、これらの諸施策を通して、中途退学等学校教育の諸課題の解消に努めてまいりたいと考えております。 28: ◯議長檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時一分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...