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  1. 広島県議会 1997-02-04
    平成9年2月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    1997年02月28日:平成9年2月定例会(第4日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十一分開議 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員五十九名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 3 ◯議長(檜山俊宏君) 諸般の報告がありますので、書記をして朗読いたさせます。         【書 記 朗 読】                                   平成9年2月28日  広 島 県 議 会 議 長 殿                                   広  島  県  知  事                                       (財  政  課)             2月定例県議会の追加議案及び説明書について  平成9年2月定例県議会の追加議案及び説明書を別冊のとおり提出します。 4 ◯議長(檜山俊宏君) 別冊はお手元に配付してありますので、朗読は省略いたします。  お諮りいたします。ただいま報告の追加議案十六件を本日の日程に追加するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 5 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
            自第  一 県第一号議案         至第三十九 報第三号         自     追県第 一号議案         至     追県第一六号議案 6 ◯議長(檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第一号議案 平成九年度広島県一般会計予算から日程第三十九、報第三号 損害賠償額の決定についてまでの各案並びに追加議案十六件を一括上程議題といたします。  この場合、知事から追加議案に対する提案理由の説明を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 7 ◯知事(藤田雄山君) ただいま追加提出いたしました議案について、その概要を御説明申し上げます。  まず、平成八年度の一般会計補正予算についてであります。  歳出については、国の追加補正に呼応した緊急防災対策として、道路、河川、港湾などの整備やガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意対策として、圃場や農道整備など公共事業につきまして四十億九千六百三十二万円を追加計上いたしました。  また、四月一日からの消費税率の引き上げや地方消費税の導入に伴い、国が支給する臨時福祉特別給付金の支給事務に要する経費や社会福祉施設入所者等の一時金の経費を計上いたしました。  さらに、国の補正予算で計上された国庫債務負担行為予算の配分を受けて、道路など公共事業に係る債務負担行為予算を計上しております。  そのほか、大規模プロジェクトを着実に実施するため、大規模事業基金の運用方法を改めるとともに、五十億円の積み立てを行うこととしております。  また、県債の繰り上げ償還に伴う公債費の追加や国の追加補正に機動的に対応するため、公共用地の先行取得資金の追加など、所要の経費を計上するほか、事業費の確定に伴う整理を行うことといたしました。  歳入については、県税収入が、法人関係税や自動車取得税などの増収により、現計予算額を上回る見通しとなったため、二百一億七千六百万円を追加計上いたします。  また、地方交付税については、国の算定額のうち、現計予算額を上回ることとなった八十億九千七百七十四万円を追加しております。  国庫支出金については、現年災害復旧費などの事業確定に伴い、百十九億五千五百四万円減額いたしますほか、財政調整基金や減債基金などの基金繰入金については、二百二十四億円減額し、後年度の調整財源を確保することといたしました。  以上の結果、一般会計については総額二百億八千二百二十四万円の減額となり、本年度予算の累計額は一兆四百六十二億五千九百六十九万円となりました。  このほか、本年度予算のうち、やむを得ず来年度に繰り越して実施する事業について繰越明許費を計上いたしております。  次に、特別会計は十会計で百四十二億九千九百七万円、企業会計は五会計で百二十三億四千八百三十四万円を、それぞれ減額いたしております。  どうぞ、慎重に御審議いただいた上、適切な御議決をくださるよう希望いたします。 8 ◯議長(檜山俊宏君) 昨日に引き続いて質問を行います。山崎正博君。         【山崎正博君登壇】 9 ◯山崎正博君 私は、自由民主党広島県議会議員団の山崎正博でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただきました議長を初め、先輩、同僚議員各位に対し、心から感謝を申し上げます。  私は、二十一世紀を間近に控え、急速に進行する高齢化・少子化問題や教育問題などを中心に質問いたしますので、知事並びに関係当局の積極的かつ具体的な御回答をお願い申し上げます。  質問の第一は、これから我が国が直面することになる高齢化社会、少子化社会への対応についてであります。我が国では、国勢調査が始まった大正九年以来、人口がふえ続け、平成七年の国勢調査では人口は約一億二千五百万人となり、七十五年間で約二・二四倍の増加となっております。先般、国立社会保障・人口問題研究所が発表した我が国の将来推計人口は、十年後の平成十九年をピークに、その後減少に転じ、平成六十二年には一億五十万人になると見込まれています。私は、この報道に接しまして、高齢・少子化の問題は、二十一世紀の我が国の浮沈をかけた最重要課題であろうと再認識いたしました。自然の成り行きに任せておけば日本は確実に地盤沈下し、世界から取り残されることは間違いないとも思うのであります。人口の減少や高齢・少子化という人口構成の変化は、経済活力の低下や社会保障負担の増大により、社会及び経済へ予測できないほど強烈なインパクトを与えるものであり、社会構造の抜本的な改革が急務と考えます。人口の将来動向に最も影響するのは出生率の低下であり、これの大きな要因は結婚年齢が高くなる晩婚化や夫婦間の子供の数の減少よりも、未婚女性がふえることだと言われております。女性の生涯未婚率は一三・八%になるとの予想もあり、実に女性の七人に一人が一生を独身で過ごすことになります。結婚や出産は、個人、夫婦間の問題であることから、少子化に対する行政の対応は、これまで高齢者対策に比べて及び腰ではなかったかと思います。戦争中のように、産めよ増やせよという国策は別として、社会全体として出産に対する積極的な誘導策や養育のための優遇措置の実施など、行政として真剣に検討する必要があります。  次に、高齢化の進展に伴う大きな問題として、年金、医療、介護の保険制度をいかにして再構築、または、つくり出していくかということがあります。この三つの保険に共通して言えることは、比重の違いはあっても、所得の再配分や世代間の扶養というシステムを内蔵しているということであります。次代を担う子供が減ってくれば、これらの保険制度は成り立たなくなります。子育ての負担は、扶養手当や児童手当といった制度はあるものの、個人の負担が大きいままであり、高齢者に対する医療、福祉、年金が年々充実されていることに比べ、将来、高齢者を支える子供への育児支援が余りにも消極的でありました。世代間扶養ということになれば、年金の財源で少子化対策を行ってもよいのではないかとも考えております。少し前までは、高齢化対策と少子化対策は、車の両輪に例えられ、同時並行して対策が進められるべきだと言われておりましたが、高齢化対策が当面の急を要する課題ということもあり、いつの間にか少子化対策が後手に回った感じがしてなりません。高齢・少子化対策は、基本的には国の政策に負うところが大きいことは十分承知しておりますが、県として、少子化を食いとめ、人口規模の維持増大を図ることは、我が県が中枢拠点性を確保するためにも大変重要なことであります。また、高齢者が地域や家庭において安心して生活できる環境を整備するため、市町村と一体となって保健・医療・福祉サービスを総合的に提供できる仕組みをつくり上げ、老人保健福祉計画の着実な推進、介護保険の円滑な導入に向けての取り組みなどが課題となっております。さらに、高齢・少子化対策を総合的に行うためには、現在ある長寿社会対策室の機能強化を図ることも必要ではないかと思います。高齢・少子化に対する知事の御所見と今後の対策をお尋ねいたします。  質問の第二は、ボランティア活動の促進についてであります。一月の初め、日本海で沈没したロシアのタンカーから流出した重油が、山陰から東北にかけた日本海沿岸の広い範囲にわたって漂着し、漁業への影響や環境汚染を少しでも防ぐため、多数の住民が毎日、重油を取り除く作業に従事しておられます。重油流出の被害を受けられた地域の方々に心からお見舞い申し上げますとともに、一日も早くきれいな海と海岸が戻りますようお祈りいたします。この重油回収作業には、全国各地から多数のボランティアが集まり、寒風の中で黙々と作業に従事されている姿をたびたびテレビで見まして、何とも言えぬ感動を覚えたのは私だけではないと思います。また、現地に行くことができない人も、重油回収のための道具や応援のための資金を提供するなど、全国的な支援の輪が大きく広がっております。こうしたボランティア活動が自主的、機動的、組織的に展開できたのは、二年前の阪神・淡路大震災で精力的に活動された延べ百万人を超える救援ボランティアの姿が国民に与えた影響が大きいと思います。以前から、日本ではボランティア活動は育ちにくいと言われておりましたが、このようなボランティア活動を目の当たりにしまして、認識を改めなければならないという思いを強くいたしますとともに、この活動を日常生活の中に根づかせ、安定して継続する仕組みの必要性を痛感いたしました。本県でも、昭和五十年代に福祉ボランティア五万人運動が展開されたようでありますが、その後、だんだんと低調になっていったと聞いております。ボランティア活動は、住民がさまざまな目的に向かって自発的に起こす行動であり、その意味では個人レベルの問題であり、行政が関与すべきではないという考え方もありますが、ボランティアの方が活動しやすく、また、活動が広がるような条件の整備を行うことが、別の次元で必要であろうと思います。国においては、市民活動の健全な発展を促進し、公益を増進するため、さきの臨時国会で市民活動促進法案が提出され、現在、審議が行われております。また、民間企業では既にボランティア休暇制度を実施しているところがあり、国は一月から年間五日のボランティア休暇を導入しており、本県でも導入に向けて検討が行われていると聞いております。アジア競技大会を初め、昨年の「ひろしま国体」や「おりづる大会」では、多数のボランティアによって大会運営が支えられましたが、このようにボランティア活動の促進の機運が盛り上がっているときに、県としても積極的な条件整備に努める必要があるのではないでしょうか。本県におけるボランティア活動の実態と、今後、どのようにその活動の促進を図ろうとされているのか、お尋ねいたします。  質問の第三は、松枯れ対策と原木栽培技術が開発されたマイタケの普及拡大についてであります。瀬戸内の景観を代表する本県の松林は、その面積とともに、マツタケ生産量においても日本一を誇っておりました。しかし、昭和四十年代半ばごろから松くい虫被害が増大し、今や県下のほぼ全域に広がり、森林の公益的機能の低下や景観の悪化などを招いております。県は、松くい虫被害対策特別措置法制定以前の昭和四十八年から薬剤の空中散布を始め、伐倒駆除などの被害対策を講じてきました。しかしながら、松枯れは、被害対策の中心となる薬剤の空中散布が、地域住民の安全対策上、範囲を限定して行われるなどから、いまだ終息の域に達していない状況にあります。一昨日の新聞によりますと、知事の発言として、薬剤の空中散布は原則的に行うべきではないとの報道がなされておりました。私は、薬剤の空中散布が松枯れの被害防止対策として効果を発揮している地域も多いという現実を見るとき、空中散布について一定の効果があると判断しております。薬剤の空中散布の効果についてどのように評価されているのか、さらに、来年度以降、空中散布についてどのようにされるおつもりか、知事の真意についてお伺いいたします。  また、県は、昭和五十三年度から、国などと連携し、松枯れの原因とされている松くい虫に抵抗性のある苗木の研究を行っていましたが、このたび、「広島スーパーマツ」の開発に成功したところです。この「広島スーパーマツ」についてどのような普及対策を講じられるのか、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、原木栽培技術が開発されたマイタケについてであります。本県の中山間地域で自立できる林業振興対策として、短期的な収入を補うためのキノコ類等の特用林産物の役割は重要なものと考えます。しかしながら、キノコ生産農家の経営は、原木栽培の中心であるシイタケの安価な輸入品の増加や産地間競争の激化などにより、厳しい状況となっております。このような中で、今年二月、原木によるマイタケ栽培技術の開発が発表されました。このマイタケは、これまで本県及び中国山地ではほとんど生産されておりませんでしたが、近年の健康食品ブームや抗がん性成分が含まれていることなどから、消費需要は日々増加しております。このマイタケは、地域の特産品として普及できる可能性を含んでおり、関係者からは、これの生産に大きな期待が寄せられております。そこで、このマイタケの基幹作物としての普及や拡大方策について当局の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、有害鳥獣の駆除対策についてであります。戦後の経済発展に伴う宅地開発の進行や、杉、ヒノキの人工林の造成が進み、野生鳥獣はその生息環境が狭められました。近年、県内でもイノシシや猿などが人里まで出没し、県民や農作物に被害を与える事例が各地で発生しております。これによる県内の農作物被害は、年間四億円から五億円と推計されており、捕獲されたイノシシも昭和六十年には六百五十頭であったものが、平成六年には千七百頭にも上っております。このイノシシや猿は、農家が丹精込めて育て上げた農作物を一夜にして食い荒らし、農家に大きな打撃を与えております。私の住む安佐北区では、過去、野生の猿が出没し、子供やお年寄りを襲う事件が発生し、けが人まで出るといったことがありました。最近では、人的被害はないものの、広島市における平成六年度の有害鳥獣被害は約三千万円に上り、可部町、安佐町、白木町では猿やイノシシが民家の密集地にまで出没し、いつ、人に被害が及んでもおかしくない状況となっており、その対策に苦慮しているところであります。動物愛護の立場から、駆除に批判的な意見のあることも承知しておりますが、人に被害が及んでからでは手おくれであり、適切な駆除対策を講ずるべきと考えますが、当局の見解をお伺いいたします。  質問の最後は、教育問題について数点お伺いいたします。  先月末、教育委員会は高校教育改革の推進について、その基本的方向を打ち出され、その内容を見ますと、高校進学を希望する、すべての生徒を視野に入れた指導方法の工夫・改善や入学者選抜制度の改善等になっております。私もこれに賛同し、高く評価をいたしますが、現在、入学者選抜制度の改善、とりわけ、総合選抜制度から単独選抜への移行をめぐって、県教育委員会は教職員組合を初め関係者との話し合いを重ねられております。私は、まず最初に、改革について、その方針を変更することのないよう、不退転の決意で臨んでいただくよう強く要望しておきます。  さて、質問の一点目は、広島市の安佐地区や安芸地区を中心とした公立高校通学区域の第三学区における高校教育改革に向けての具体の取り組みについてであります。第三学区については、現行の十四学区制導入当時の昭和五十一年には公立高校が五校であったものが、団地造成等による人口急増に伴い、現在は十四校となっております。旧広島市内の私学への進学が多いとはいえ、毎年学区外の高校に実に三〇%近くの生徒が進学している実態があります。このことは、学区内には県内で初めて設置された総合学科の高陽東高校や、普通科に体育コースを持つ広島市立沼田高校のように特色のある学校もありますが、地元の公立高校が生徒や地域の期待に十分こたえていないことをあらわしているのではないでしょうか。そこで、教育長にお伺いいたしますが、第三学区における特色と魅力ある学校づくりについては、今後どのようにされるおつもりか、将来ビジョンについてお聞かせいただきたいと思います。  二点目は、総合学科の将来見通しについてであります。今や、高校教育改革の目玉とも言われる総合学科は、平成六年度に全国で七校に設置されて以来、ふえ続けており、平成九年度では、四十の都道府県で私学も含め七十四校になる予定であります。本県においても、平成七年度に先ほど述べました高陽東高校に初めて設置され、平成九年度設置の大竹高校と至誠高校を合わせて四校になります。しかしながら、先日、文部省が発表した平成七年度の全国の高校中途退学者の状況を見ますと、全日制の普通科で一・五%、専門学科で二・八%、総合学科で二・〇%と、総合学科は普通科に比べ、退学した生徒が多いという結果が出ておりました。このことだけで総合学科の是非を判断することはできませんが、少なくとも、総合学科についても今以上に魅力あるものにしていく必要があると思われます。先日締め切った本県の公立高校の入学志願状況を見ますと、総合学科は生徒の人気が高いようでありますが、至誠高校では、わずかながら定員を下回っておりました。これまでも、新しいタイプの学科を設置した初年度あたりは志願者が殺到する傾向にあるものの、年数が経過するとともに人気がなくなるといったケースも見受けられます。高陽東高校においては、来年度、総合学科を設置して以来、初の卒業生を出すことになりますが、今後の総合学科を占う意味でも、その進路が気にかかるところであります。現在、総合選抜を実施している普通科について、自由選択制の導入や総合学科への転換を考えておられるようですが、総合学科については、今後さらに、生徒はもとより、保護者の期待に沿ったものに工夫・改善していく必要があると思います。教育長は、その対策と今後の総合学科の設置についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。  三点目は、高校教育改革に伴う中学校の進路指導についてでございます。先ほども触れましたが、教育委員会では生徒のニーズにこたえ、一人一人の個性と可能性を伸ばすことを目的として、現在、高校教育改革の本格的実施に取り組まれております。このように、生徒の個性や可能性を最大限に伸長させるためには、中学校における進路指導も当然この方向で行われる必要があります。今回の高校入試制度の見直しについては、生徒はもとより、保護者や県民の関心も高く、中学校の進路指導に対する期待と責任は、より大きなものとなりました。また一方、本県では高校進学率が九八%を超える中で、就職率は〇・七%と、わずかではありますが就職や専修学校などへの道を希望する生徒もおり、こういった生徒に対する進路指導も、より充実させていく必要があると考えます。そうしたとき、未知なる世界へ飛び立とうとする中学生への進路指導は、今後どのような視点でなされるべきなのか、また、そのために、教育委員会は中学校側に対してどのような指導や取り組みをされているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  四点目は、公立小中学校の通学区域制度の弾力化についてであります。現在、子供の就学すべき公立の小中学校については、当該市町村の設置する小学校または中学校が二校以上ある場合、市町村教育委員会が、通常、あらかじめ通学区域を設定し、これに基づいて学校指定されております。したがって、これまでは保護者等に子供を通わせたいと思う学校を選択する機会は、制度的に保障されていませんでした。もともと、この通学区域制度は、義務教育について、その適正な規模の学校と教育内容を保障し、これによって教育の機会均等とその水準の維持向上を図るという趣旨から行われております。しかしながら、昭和六十二年の臨時教育審議会の「教育改革に関する第三次答申」や、昨年末の行政改革委員会の「規制緩和の推進に関する意見」において、保護者の意向に対する十分な配慮や選択機会の拡大の重要性が提言されております。これを受けて、一月末に文部省は市町村教育委員会が通学区域制度の弾力的運用に努めるよう都道府県の教育長に通知をしたところであります。私も、通学区域制度については、かねてから弾力的運用を行うべきだと考えており、今回の通知によって、少しでも改善されればと思っております。例えば、スポーツで将来性がある子供がそれを伸ばしたいと思っても、指定の学校には該当のクラブがない、しかしながら、隣の学区の学校にはそれがあるといったような場合など、個性と可能性の伸長を図る上から柔軟に対応すべきだと思うのであります。また、学校選択がある程度できるようになれば、中学校での教育課程の多様化に伴う個性の伸長だけでなく、いじめや不登校の問題の解決の一つの方法にもなると思うのであります。このようなことから、今後、県教育委員会としても、市町村教育委員会に対し、その指導及び周知徹底とともに、このことを保護者にも広報すべきだと考えますが、通学区域制度の弾力化における市町村の現状と教育長の御所見をお伺いいたします。  五点目は、平成十一年に本県で開催される全国生涯学習フェスティバルについてであります。全国生涯学習フェスティバル、通称「まなびピア」は、生涯学習の実践の場を全国的な規模で提供することにより、生涯学習への意欲を高め、学習活動への参加促進を目的として、全国都道府県を持ち回りで開催されております。本県での開催は中国・四国地方では初となりますが、平成元年に千葉県の幕張メッセで一回目が開催されて以来、昨年の福岡県での第八回まで、多くの人々の参加を得て、子供からお年寄りまで、だれでも参加して生涯学習を体験できる催しとして定着しております。これまでの例では、フェスティバルは、秋の五日間程度の期間に、開・閉会式等の式典を初め、環境、情報化、暮らしなどのテーマに沿って、都道府県、市町村、民間企業等が学習教材や物産などを展示する「生涯学習見本市」、木工、陶芸、手芸などを参加者が体験できる「体験広場」のほか、シンポジウム、講演会、コンサートなどが行われております。新年度からは、本格的にフェスティバル開催に向けての準備作業が行われるようですが、その開催方針及び推進体制の整備を初めとする今後の進め方について教育長にお伺いいたします。  質問の最後は、広島市安佐北区にある県立可部高等学校の全面移転計画についてであります。可部高校については、建設省が実施している一級河川太田川水系の根の谷川改修事業に伴い、昭和四十六年にグラウンドのほとんどを河川区域として提供するよう求められ、全面移転や移転補償について検討が重ねられてまいりました。平成六年には、本県が求めていたグラウンドと根の谷川を挟んである校舎を含めた全面移転補償が建設省との間で合意に達したところです。これを受け、県においては今年度予算で全面移転のための基本計画策定費を措置し、現在、現校地に近くて交通の利便性のよい寺山地区を候補地として、全面移転計画策定に必要な調査を実施しております。根の谷川の改修工事は、学校のすぐ下流まで進んできており、あとは可部高校の移転を待つだけという状況になっております。また、広島市が、可部町内の交通事情緩和のため、寺山地区を巡回する都市計画道路可部大毛寺線を計画しておりますが、可部高校の移転が決定していないため、この道路事業にも支障が生じております。地域住民の方々の安全や交通利便の確保のためにも、早期に高校が移転できるよう事業を進めていく必要があると考えますが、寺山地区には広島市も公園の開発計画を持っていると聞いております。広島市の公園と可部高校の二つの整備計画を実現するに当たっては、解決しなければならない事項も数多くあると思われます。寺山地区へのアクセス道路としても、可部大毛寺線の早期整備が望まれている中で、今年度実施している調査の状況や広島市との調整状況、さらには、今後の学校移転の整備スケジュールについて教育長にお伺いいたします。  以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 10 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 11 ◯知事(藤田雄山君) 山崎議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、高齢・少子化対策についてのお尋ねがございました。昨年の末に、国が発表した平成七年の我が国の合計特殊出生率は一・四二、高齢化率は一四・五%でありました。本県の場合、それぞれ一・四八と一五・八%になっており、いずれも過去の記録を更新をしております。このような少子・高齢化の進行に対し、本県ではこれまでも、ゆとりのある明るい長寿社会の実現を目指し、当面、緊急に対応すべき課題として、高齢者対策に主眼を置くとともに、未来を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを含めた、総合的・計画的な対策を実施してまいったところでございます。しかしながら、最近の少子化のさらなる進行は憂慮される状況であり、御指摘のように、高齢化を一段と加速することにもなり、社会経済に及ぼす影響も多方面にわたることが予想されています。このような状況の中で、少子社会対策について、御提言のような子育て世代への所得再配分や公的関与の問題を含め、幅広い議論を行い、国レベルにおいても、また、県レベルにおいても、取り組みを進める時期に来ていると認識をしております。このため、平成九年度におきましては、本県の少子化の現状や、県民が求める子育て支援ニーズの実態を把握するほか、マクロ的視点に立った行政提言を行うための調査研究を行いたいと考えております。申すまでもなく、結婚や出産、子育ては個人の選択にゆだねられるべき事項であり、行政としての取り組みには十分な配慮が必要でございます。しかし、子供を持ちたいと希望する県民が、その願いをかなえられ、子供を産んでよかったと実感できるような環境づくりに積極的に取り組み、その結果として出生率の回復が図られ、広島県の将来に明るい展望が持てるよう、各種施策を推進する必要性を強く感じており、それを可能とする体制整備を考えたいと思います。国に対しましても、全国知事会などの場において、子育て世代への税負担の軽減措置など、全く新しい発想に立った子育て支援強化を提言してみたいと考えております。  次に、ボランティア活動の促進についてのお尋ねがございました。県内におけるボランティアの状況を見ますと、在宅の高齢者の介護や、河川・道路の美化活動を初め、文化・スポーツ、国際交流など、さまざまな分野で活動が展開されており、その団体数も約千五百に上っております。また、団体間の連携強化を目的に、昨年十一月には県民ボランティア活動推進会議が設立されるなど、自主的なネットワークづくりも進められております。こうした県民のボランティア活動を促進していくため、ボランティア活動の特色である自発性、多様性を尊重しながら、来年度は参加の促進や活動しやすい環境づくりなどに取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、福祉ボランティアの相談窓口や、交流室を備えたサポートセンター設置への支援、勤労者ボランティア人材バンクの創設への支援、建築物の危険度の判定や被災者の介護を行う災害ボランティアの登録などでございます。また、県民がボランティア活動に参加するときに必要な情報や、団体の活動に役立つ行政などの支援情報を、新たに設置する県の総合窓口において取りまとめて提供してまいります。こうした具体の施策にあわせまして、総合窓口を中心に、ボランティア活動の特色を考慮しながら、行政がどのようにかかわるかについての検討を進め、県民の皆さんの自発的なボランティア活動が促進されるよう、引き続き、取り組んでまいります。  次に、松枯れ対策に係る空中散布についてお尋ねがございました。松枯れ被害対策につきましては、マツノザイセンチュウが主原因であるとして、これを媒介するマツノマダラカミキリを駆除するために、伐倒駆除などとともに、薬剤の空中散布を実施してきたところでありますが、実施地域において、松くい虫被害の蔓延防止に一定の効果があったものと考えております。今後の薬剤の空中散布につきましては、保安林・自然公園などの公益的機能の高い守るべき松林の重点化を、より厳正に行い、要望のある市町村において、安全性を十分確保しながら実施してまいりたいと考えております。また、効果的な防除のためには、薬剤の空中散布だけではなく、伐倒駆除や周辺森林の樹種転換、自主防除組織の活動など、さまざまな方法を総合的に実施する必要があり、今後とも、各市町村と連携し、効果的な防除に努めてまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、担当説明員より御答弁いたさせます。 12 ◯議長(檜山俊宏君) 林務部長藤原 敬君。         【林務部長藤原 敬君登壇】 13 ◯林務部長(藤原 敬君) 三点御答弁させていただきます。  「広島スーパーマツ」の普及対策についてでございますが、「広島スーパーマツ」の普及は、長期的な視点から松林の再生を目指す重要な課題と考えております。この普及に当たりましては、治山事業など公共事業を活用して、保安林を中心にスーパーマツを植栽するほか、マツタケ生産地や自然公園など早期に松林の回復が必要な地域を対象に、市町村や森林組合等関係者とも連携して、県内全域にわたって計画的にスーパーマツによる松林の整備を進めることとしております。なお、今後は、種子の増産を図るための雄花を雌花に変える性転換技術の確立や、より抵抗性の高い個体の選抜を行い、スーパーマツの安定的な供給の確保と抵抗性の向上にも努めてまいります。  次に、マイタケの普及拡大についてでございますが、このたび、県立林業試験場で、マイタケの主産地である東北地方に比べて比較的温暖で雨量の少ない三次地方でも、原木を水中につける浸水処理や殺菌処理等を行うことにより、高品質なマイタケの生産が可能であることが実証されたところであります。マイタケは、自然食品、健康食品として一般家庭にも普及し、消費が増加しております。中でも、原木栽培によるマイタケは、味や形が自然発生の天然物に近く、山村の季節感あふれる特産物として高い評価を得ております。このため、今後は、より高い発生率を確保するための栽培技術や害虫防除対策を確立するとともに、本県の立地条件に即したわかりやすい栽培指針を作成し、本県の基幹作物となるよう広く普及してまいりたいと考えております。  次に、有害鳥獣の駆除対策についてでございますが、近年、有害鳥獣による水稲や果樹などの農産物への被害が拡大しており、この対策が重要な課題となっているものと認識しております。この駆除対策としましては、特に被害の大きいイノシシ、猿、カラスについて捕獲報償金の助成などをするとともに、平成八年度から主要な有害鳥獣の捕獲許可権限を市町村長に移譲し、駆除の迅速化を図ってきているところであります。今後とも、これらの施策を引き続き進めるとともに、有害鳥獣による被害の軽減を図るため、被害の大きい地域の休猟区を縮小して、狩猟による捕獲をふやすことも検討してまいります。 14 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長木曽 功君。         【教育長木曽 功君登壇】 15 ◯教育長(木曽 功君) まず、第三学区における高校教育改革の具体的取り組みについての御質問にお答えいたします。第三学区につきましては、大規模な団地開発等による人口の増加に伴い、中学校卒業者数が急増したため、昭和五十年代を中心に高等学校を新設し、現在、県立高校が十二校、広島市立の高校が二校設置されております。しかし、当時新設した高等学校が、すべて普通科であったことや、旧広島市内への交通の利便性に恵まれていることもあって、隣接する第四学区にある専門高校や私立高校に、かなりの生徒が進学している状況がございます。こうした中で、普通科の安芸府中高校に国際科を新設したり、高陽東高校を総合学科に変えるなど、特色ある学校づくりを進めてきたところでございます。今後とも、総合学科の設置や自由選択制の導入など、生徒の選択を重視した幅広い教育課程の編成を積極的に進めることにより、学校に特色を持たせ、魅力ある学校づくりに努めてまいりたいと考えております。  次に、総合学科の工夫改善と今後の設置見通しについてでございます。本県の総合学科につきましては、生徒や地域のニーズを踏まえ、普通科目から専門科目までの百科目を超える多様な科目を開設しており、生徒はその中から自分の学習計画に基づいて科目を選択し、系統的に学んでいくことができる学科であります。高陽東高校や三次青陵高校におきましては、生徒は意欲的に学習に取り組んでおり、中途退学者も総合学科設置後、非常に減少しております。また、この四月から設置予定の大竹高校や至誠高校におきましても、普通科などで募集しておりました昨年度に比べれば、志願者数が大きく増加しており、総合学科に対する生徒や保護者の期待は高いものがあると受けとめております。総合学科につきましては、歴史の浅い学科ということもあり、特に、教育内容や指導方法の工夫改善に努めるとともに、特に卒業後の進路の確保に努力することが重要であると考えております。また、今後の設置につきましては、地理的、社会的条件や、県内の地域バランスなどを考慮しつつ、計画的かつ段階的に行ってまいりたいと考えております。  次に、中学校の進路指導についての御質問にお答えいたします。本来、進路指導は、生徒一人一人が自分の生き方や将来の職業生活についてしっかり考え、みずからの進路を選択できるよう支援していくことを基本として行うことが重要であると考えております。そうした観点に立ち、中学校では、進学や就職に関する適切な進路情報を生徒や保護者に提供していくとともに、個別の進路相談の充実に努めているところでございます。また、目的意識を持って進路選択ができるよう、高等学校への体験入学や職場見学などの取り組みも行っているところでございます。教育委員会といたしましては、進路選択のための資料をすべての中学校三年生に配布するとともに、進路指導の実践のための資料の配布や進路指導担当者の研修会の実施などを通して、教員の指導力の向上にも努めているところでございます。しかしながら、先日も御答弁申し上げましたとおり、偏差値偏重の考え方が完全に払拭できていない状況もございますので、今後とも、市町村教育委員会と一体になって中学校における適切な進路指導の充実に向け、努力してまいる所存でございます。  次に、小中学校の通学区域の弾力化についての御質問にお答えいたします。御指摘のとおり、現在、公立小・中学校への子供の就学につきましては、市町村教育委員会が通学区域を定め、学校を指定しているところでございます。各市町村の教育委員会におきましては、指定した学校の変更基準などを定め、地理的な理由や身体的な理由などによる保護者の申し立てを受け、ある程度の弾力的な対応を行っているところでございます。今後、通学区域制度の一層の弾力化に当たりましては、教育上の影響について十分配慮する必要があると考えております。文部省も、具体的な事例についての情報提供を予定しておりますので、県教育委員会といたしましては、その動向を踏まえつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。  次に、全国生涯学習フェスティバルの開催についての御質問にお答えいたします。御指摘のとおり、平成十一年に広島県で第十一回全国生涯学習フェスティバルが開催される予定でございます。この「新しい風生涯学習」を総合テーマとする全国生涯学習フェスティバルの開催が、県民の皆様方の生涯学習への意欲を高め、学習活動への参加を促進する契機となるよう、多くの方々が参画できる大会としていきたいというふうに考えております。また、フェスティバルの実施に当たっては、中国・四国地方を視野に入れ、広域的な展開・交流を図ってまいります。さらに、大学等の教育機関、美術館・博物館など多彩な関係機関との連携を深め、二十一世紀に向けて、全国にアピールする催しとなるよう努めてまいります。今後の進め方といたしましては、来年度の早い時期に企画委員会を設置して、広島大会のテーマ設定、全体構想の検討に入るとともに、全庁的な推進体制を構築してまいりたいと考えております。また、基本計画、実施計画の作成に当たりましては、同じ年に開催が予定しております瀬戸内海大橋完成記念イベントやプレ国民文化祭イベントとも十分連携を図りながら検討を進めてまいります。中国・四国地方で初めての開催となるこのフェスティバルが、生涯学習県広島の構築のため、大きなステップとなるよう努めてまいりたいと考えております。  最後に、可部高校の全面移転についての御質問にお答えいたします。長年の懸案でありました県立可部高等学校の全面移転につきましては、御質問のとおり、寺山地区を候補地として現在ボーリングや地形測量などの調査を実施しております。この結果は、この三月末にまとまる予定であります。なお、寺山地区には、広島市も都市公園を計画しております。したがって、調査に当たりましては、土地所有者に対する現地立入調査説明会を、昨年十月に広島市と共同で実施したところでございます。現在、実施している調査の結果、寺山地区において高校と公園の開発が可能と判断できれば、平成九年度は用地測量や土地造成の基本設計などを実施する予定であります。引き続き、用地取得、土地造成及び校舎建築などを行い、移転完了までにおおむね七年くらいの事業期間が必要であると考えております。御指摘のように、根の谷川の河川改修や都市計画道路可部大毛寺線の整備促進のためにも、広島市との連携を図りながら、できるだけ早期に移転ができるよう努めてまいります。 16 ◯議長(檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は二時から開きます。         午前十一時二十九分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時開議 17 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員六十二名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。佐々木弘司君。         【佐々木弘司君登壇】 18 ◯佐々木弘司君 私は、自由民主党広島県議会議員団の佐々木弘司でございます。今次定例会におきまして質問の機会を与えていただき、議長を初め、議員皆様方に対し、心から感謝申し上げます。  私は、中山間地域の基幹産業である農林水産業対策及び産業団地の造成等について質問をさせていただきます。中山間地域対策につきましては、県政の重要課題として、先般、活性化のための基本方針を策定されるとともに、新たにモデル事業を計画され、中小都市を軸として集落等を機能別に整備されようとしておられます。その執行体制につきましても、本庁に知事直轄の中山間地域対策課を、地方機関にあっては各農林事務所に中山間地域対策室を、さらには、横の連携を図るため、推進本部長に知事を置き、地方中山間地域対策協議会を設置されることを公表され、その意気込みを感ずるとともに、その成果に大いに期待し、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、農水産業の振興についてであります。  まず最初に、中山間地域とは、地理的条件、産業の生産条件、生活条件に恵まれないため、人口の減少と高齢化が引き続き進行し、地域社会の維持、ひいては、さまざまな機能の発揮が困難となりつつある地域とされております。この中山間地域には、本県の農山漁村地域のほとんどが含まれており、食料の供給基地として、また、県土保全、水源涵養、豊かな自然環境の保全等の公益的機能を果たす重要な地域であります。私は、これらの機能が十分に発揮される地域として、次の世代へ受け継がれるよう、行政だけでなく、県民挙げてその対策に取り組む必要があると思っております。しかしながら、この地域の基幹産業である農林水産業は、農業従事者の減少、高齢化の進展に伴い、耕作放棄地の増大など、その基盤は年々弱体化しております。農業は、国際化の進展に伴い、安い輸入農産物等が増加するとともに、国内における産地間競争は激化し、競争力の弱い本県農業は一層厳しい状況に置かれております。このまま推移すれば、農家の生産意欲は一層減退し、耕作放棄地はさらに増大し、農業生産の著しい低下が懸念されるのであります。私は、本県農業の維持発展を図るため、新たな地域営農の仕組みを構築し、農業所得の向上を図り、農家の経営安定や新鮮な県民食料の安定供給をいかに確保するかが大きな課題であると考え、本県農業の振興策についてお尋ねをいたします。  質問の一点目は、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業対策についてであります。平成五年十二月のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意により、農業は国際化の荒波にもまれることとなりました。政府にありましては、平成六年から平成十二年までの間で、総事業費六兆百億円の国内対策を決定し、推進しております。本県においては、平成五年十二月に農産物自由化問題検討班を設置し、本県のとるべき輸入自由化対策について取りまとめるとともに、平成七年二月に「二〇〇一年広島県農水産業発展構想」を策定し、平成十二年を目標とした具体的な方向づけを行い、その対策を推進しております。このような中、先般、農林水産省が発表したガット対策費の都道府県別配分実績額によりますと、配分額が最も多いのは北海道で、次いで新潟県、岩手県の順となっております。広島県は二百二十三億円余で、全国三十二位、中国地方五県では四位と低位となっております。このガット対策も半ばを過ぎ、このような状況では本県の輸入自由化対策が実効あるものになるのか、危惧されるところであります。つきましては、これまで実施されたガット・ウルグアイ・ラウンド対策に対する評価と、今後の見通しについてお伺いいたします。  質問の二点目は、農業の六次産業化についてであります。中山間地域を多く抱える本県におきましては、土地利用型農家等を育成するとともに、付加価値の高い園芸や畜産等の振興を図ることも重要であると考えます。さらに、これらの振興にとどまらず、あわせて、加工や販売などに至る六次産業化を図っていくことが、本県農業にとって極めて重要であると考えます。農業の六次産業化というのは、一次、二次、三次産業の頭数字を足したもので、生産から加工、販売に至るまでのすべての過程を行う総合産業になる考え方であります。昨年、農林委員会の県外調査で訪問いたしました大分県の大山町が、まさに、この事例であり、三十数年前から山村農業の活性化に着手し、今では全国のモデルとなっております。本県におきましても、三次市の「三次ワイナリー」、豊平町の「ふれあい公園豊平どんぐり村」などの事例があり、県として推進すべき施策と考えますが、御所見をお伺いいたします。  質問の三点目は、新規就農者の確保対策についてであります。農業構造が大きく変化する中で、次の世代を担う意欲ある担い手の確保・育成が重要となっております。これまでの取り組みは、農家の子弟の育成・確保に力点が置かれてきましたが、今後は広く農業外からも意欲ある就農希望者を積極的に確保していくことが必要であります。幸いにして、近年、全国的に農業外からの若い新規就農者が増加傾向にあります。本県でも、昨年八月に業務を開始した広島県定住促進センターへ数多くの問い合わせが来ていると聞いております。これから若い就農者を確保していくためには、実際の農業体験の場を提供するとか、就農条件を整備するなどにより、新規就農希望者が円滑に就農できる環境を充実することが重要であると考えますが、その対策についてお伺いいたします。  質問の四点目は、土地利用型農業の展開と農地の保全対策についてであります。二十一世紀には世界的な食糧不足が到来するとささやかれている今日、若い新規就農者の確保とあわせ、優良農地をいかに次の世代に引き継いでいくかが、私どもに課せられた使命だと思います。このため、本県の各地域に土地利用型農業の育成と、市町村農業公社を中核とする農作業受委託センターなどの設置が必要であると考えます。しかしながら、本県の実態を見たとき、これからの農家なり第三セクターが本来の能力を発揮できる環境にあるのか、疑問を感じるのであります。これからの本県農業の行く末を考えるとき、今こそ、これら農家等への農地の集積が緊急の課題であるとともに、高齢化等により耕作が困難となった農地の保全対策が必要であると思います。県として、規模拡大農家に対する農地の集積や維持保全対策を、国の施策だけに頼るのではなく、本県の実態に即した形での独自の施策を講ずるなど、力を入れるべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。  質問の五点目は、水産業振興対策、とりわけ漁場環境対策についてであります。豊かな水産資源をはぐくむ瀬戸内海は、本県が誇り得る漁場であると同時に、緑の島々が点在し、県民にとって憩いと安らぎを与えてくれる場でもあります。この好漁場を生かし、安定した漁獲量を確保するため、本県では全国に先駆けて大量種苗生産技術を確立し、栽培漁業センターを昭和五十六年に設置して以来、マダイ百万尾、クロダイ二百万尾、ヒラメ三十万尾など、各魚種の種苗生産及び放流を推進されてきたところであります。その結果、クロダイ、ヒラメを初めとする高級魚の漁獲量に増加が見られるなど、つくり育てる漁業の成果に一定の評価をいたしているところであります。しかし、その一方で、海を取り巻く自然環境の変化や海洋開発など、さまざまな要因により、魚の揺りかごである藻場・干潟は年々減少しているのではないでしょうか。栽培漁業は、魚介類の再生産の場である藻場・干潟の保全、造成と相まって、その成果があらわれるものと考えております。元来、海は漁業資源の育成の場のみならず、多くの潜在的な維持培養力を持っています。中でも、魚介類の再生産の場である藻場・干潟について、本県海域の状況をどのように把握されているのか、さらに、藻場・干潟を含め漁場環境保全対策について、今後どのように取り組まれようとしておられるのか、お伺いいたします。  質問の第二は、太田川流域の森林整備についてであります。本県は、県土面積の約七割が森林であり、また、中山間地域が大部分であります。これまで、さまざまな森林整備に係る施策が展開されてきたにもかかわらず、過疎化の進展や森林整備の担い手の高齢化等により、管理不足による荒廃林地の増加が見られ、この結果、水源涵養、県土保全など森林機能の維持・発揮が危惧されているところであります。森林の有する各種の公益的機能は、河川を媒介して下流域に多大なる恩恵を与えていることから、森林が存在する山間・上流部の抱えるこうした問題は、下流域を含む広範な地域課題として認識されるべきものであり、こうした意味では、上流域・下流域一体となって取り組む必要があると思います。本県の場合、各流域中、とりわけ太田川流域は、水源から河口に至る市町村を初め、沿岸・島しょ部の市町村を含む二百万人にも及ぶ県民が、水道用水、工業用水として、その恩恵を受けており、この流域の森林が果たす公益的役割は極めて重要であると思っております。太田川流域では、現在、流域管理システムの定着化を図るため、関係市町村、森林組合で組織する「太田川流域森林整備センター」を平成七年六月に設立し、森林整備、林業・木材産業の振興について協議が進められたり、関係市町村長で組織する太田川流域首長会議では、河川環境を守るための交流を通じて、自然、歴史、文化を共有した地域づくり・川づくりに取り組んでいるところであります。このように、太田川とその流域の森林を軸として、流域関係者により、流域の特性や文化を生かしたさまざまな連携・交流の動きが活発になってきている中で、県として、どのような施策を考え、地域への支援を行おうとしているのか、以下の三点についてお伺いいたします。  質問の一点目は、水源林の整備についてであります。県民の日常生活と生産活動の維持・発展のために、水は不可欠の要素であります。河川の水を蓄えるダムは、さまざまな用途の水の確保と供給に重要な役割を果たしておりますが、河川の流量を確保するためには保水力のある森林の整備が必要であります。中国山地に源を発して九つの市町村を貫流する太田川は、その広大な流域の森林から水の供給を受けて流れをつくり、瀬戸内海に注いでおります。これらの水を安定的に確保・供給するためには、長期的な見通しに立った水源林の整備が必要でありますが、県や水源の森基金など関係機関はどのような役割を果たしていくのか、お伺いをいたします。  また、太田川上流域の森林は人工林も多く、木材生産の場としての機能を果たすことも期待されておりますが、水源林としての機能との整合性はどのように図られているのか、お伺いいたします。  質問の二点目は、水産資源増殖のための森林整備についてお尋ねします。豊かな森林がつくる土壌は、雨水を蓄え、有機物や微量な元素などを溶け込ませた水を安定的に河川に供給しています。その水が、海に膨大な量の栄養分を供給し、魚介類のえさとなるプランクトンや海藻類を育てるとされております。主に植物プランクトンをえさとして成長する広島特産のカキも、昭和六十三年には十七万五千トン水揚げされていましたが、平成七年には十三万二千トンとなり、四万トン余りも減少しております。この原因には、太田川の水質、水量の影響を強く受けると言われております。今年度から、広島県水源の森基金の事業として、水産関係者の協力を得て「豊かな海の森林整備」が実施されており、水産資源の増殖のために栄養分に富んだ豊かな水を海に供給しようとする行動が始まっております。つくり育てる漁業を推進する本県にあっては、まことに的を射た事業でありますが、モデル的に実施されている現在の事業展開では、その効果にも、おのずから限界があると考えます。水産業に携わる人々、ひいては県民が、豊かな海の恵みを将来にわたって享受できるよう、今後、このような事業の展開について、どのような方策を考えておられるのか、お伺いいたします。  質問の三点目は、木材資源の有効活用と森林所有者の所得の確保についてお伺いいたします。太田川上流域は、古くは広葉樹中心の森林で覆われ、砂鉄の製鉄に用いる木炭の生産や家庭燃料として利用されてきましたが、戦後の木材需要の増大にこたえるため、広葉樹林が伐採され、杉、ヒノキを中心とした人工林が造成されました。長い期間をかけて育ててきた先人たちの努力の結果、これら太田川流域の人工林の一部は間もなく伐採の時期を迎えようとしており、地域では「太田川材」として木材の産地化・銘柄化を目指した地道な活動が行われております。しかしながら、戦後の造林地は、ほぼ時を同じくして全国的に伐採期を迎える状況にあります。圧倒的なシェアを持つ外材の主導のもとに木材価格が形成されている現在、さらに他県との競合も加われば、これまで以上に価格が抑えられることは間違いありません。人工林の資源としての有効活用と森林所有者の所得確保を図るため、伐採期を間近に控えた「太田川材」を外材、他県産材にも負けない商品として売り出すためにはどのような対策が必要なのか、また、県としてどう支援していくのか、お伺いいたします。  質問の第三は、産業団地の整備についてであります。本県では、これまで分譲面積にして千八百ヘクタール以上の工業団地を造成し、先端産業など多くの優良企業の誘致や地場産業の新たな事業展開用地を供給することにより、産業や地域の発展に大きく貢献してきたところであります。しかしながら、近年の景気の低迷などにより、県外企業の新たな立地は厳しい状況が続く中、工業団地の在庫は増加する傾向にあって、新年度予算案では新規工業団地の着手に係る予算については、実は計上されておりません。現在、工業団地の売れ残り、いわゆる在庫は、このたび完成した新市工業団地を含め、百三十ヘクタール以上となっており、さらに、年度内には三原西部工業団地も完成する予定と聞いております。このような状況にあって、分譲促進策の積極的な展開や計画中の団地造成の進度を調整するなど、当面の対策を講じるのは当然のこととは思いますが、私は、ただ単に造成事業を抑制するという、いわば守りの姿勢だけでは、将来の展望は開けないのではないかと考えます。確かに、県営工業団地の在庫量は相当多いと言えますが、地域的に調べてみると、広島市や呉市、福山市などの都市近郊の団地の分譲率は相当高いものがあり、こうした地域においては、今後供給できる用地はほとんどなく、地域内での事業拡張を考える企業の要望に十分にはこたえ切れていないのが実情となっております。また、企業誘致が大変厳しい地域間競争にある中で、労働力の確保や道路、下水道、工業用水などのインフラ整備、さらに、周辺地域における住宅や商業、教育等の面において競争に勝ち抜く条件を備えた県営工業団地の整備は、産業振興のみならず、県勢活性化のため、ぜひ必要と思うのであります。さらに、県政の重要課題である中山間地域の活性化に向けては、地域の産業振興や雇用拡大の受け皿づくりとして県営工業団地の果たすべき役割は大きいものがあり、私は、こうした課題にも積極的に取り組む姿勢が必要ではないかと考えております。工業団地の開発には、用地取得の難しさなどから相当長期間を要すると聞きますが、こうしたことを総合的に勘案すれば、私は、現在、既に工業用地が不足している地域への供給という短期的な課題への対応はもちろんのこと、産業構造の転換などの産業施策や地域振興施策の一環として、中長期的な課題についても、今から早目に取り組んで、経済情勢の変動に柔軟に対応できる体制を固めておくことが必要であると考えます。そこで、知事は、流通団地を含めた将来の産業団地の整備方向について、どのように考え、今後どのように取り組もうとしているのか、御所見をお伺いします。  質問の最後は、広島都市圏の道路整備についてであります。広島都市圏の自動車専用道路網の整備については、いよいよ指定都市高速道路方式を導入して整備されることになり、今後の建設に大いに期待をしているところであります。私は、その中に位置づけられております広島高速四号線、いわゆる広島西風新都線についてお伺いいたします。この路線は、広島市の中心部・西区中広から安佐南区沼田の西風新都の入り口までの約四・九キロメートルについて整備するものであります。完成すれば、市内中心部と山陽自動車道五日市インターやビッグアーチ、エイ・シティー、大学などが約十五分で直結されることになり、その利便性の向上は計り知れないものがあります。さらに、現在、開発が進んでおります西風新都の一層の開発促進にも、大きなインパクトを与えることになると考えます。その意味で、この路線の重要性はまことに大きいものがあります。総事業費約六百億円を投じて平成十三年に開通の予定と答弁がありましたが、一日も早い完成が待たれるところであります。地元調整や用地取得、予算の確保など幾多の課題もありましょうが、大いに頑張っていただきたいと思うのであります。そこで、広島西風新都線について、具体的なスケジュールなど整備見通しについてお伺いいたします。  次に、安川流域の治水対策等について要望します。広島市域のほぼ中央に位置する安佐南区の安川沿いは、戦前より田園が広がり、地域の人々は、周りの自然とともに川に親しんできました。安川流域は、広島市中心部に近いこともあり、昭和四十年代から宅地開発が数多く行われたことにより、人口や産業が集積しました。その結果、一旦、洪水が発生すると、以前にも増して、その被害が大きくなることが懸念され、現在、堤防区間の河川改修など治水事業が展開されております。流域では近年、大きな水害は発生していませんが、人口十万人を収容する総合自立都市「西風新都」の建設も、広域公園や広島市立大学などの一期工事が完了し、現在、二期工事が展開中であり、地域の土地利用は依然として大きく変化を続けております。このように急速な都市化が進行する中、総合的な治水対策を推進し、安川の二次改修においても、川に親しめるような整備を積極的に進めるとともに、上流の奥畑川流域のダム計画や多目的遊水池による貯留施設の検討と砂防対策についても取り組まれるよう要望します。  これまで質問いたしましたことは、農林水産業が中心でありました。知事が今議会への提案説明で述べられました重点課題の中の中山間地域対策につきまして、一言申し上げます。「上り一日、下り一時」ということわざがあります。これを中山間地域に当てはめますと、美しい田園地帯や森林山村は、先人たちが長い時間をかけ、努力してつくり上げたものですが、これらが壊れていくのは一時であります。平成九年度からの新たな事業の実施に当たりましては、地元市町村長の熱意もさることながら、知事がその先頭に立って実施される意気込みを職員が十分認識し、組織間及び職員間の意思疎通が図られ、強力な推進体制のもとで事業が展開されることを熱望し、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 19 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 20 ◯知事(藤田雄山君) 佐々木議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業対策についてのお尋ねがございました。ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意による農産物の輸入拡大に対応し、本県農業の維持発展と農家経営の安定を図るため、平成六年度から輸入農産物や国内の産地間競争に打ち勝つためのコスト低減や高付加価値型農業への取り組みの強化、中山間地域における定住条件の整備などの地域活性化対策、さらには、地域の農業を支える担い手対策の充実などを柱として、県独自の対策を含め、輸入自由化対策を実施してきております。これまでの成果としては、低コスト化の基盤となる圃場整備率の着実な向上、野菜、花卉などの園芸部門での施設化やかんきつの優良品種への転換等、高付加価値型農業の進展に加え、都市と農村の多彩な交流による地域の活性化、さらには非農業部門からの新規参入者の増加など、新たな動きも見られるところであります。しかしながら、農産物の輸入が拡大することは、本県の中山間地域にとって憂慮すべき事態であることから、ウルグアイ・ラウンド関連対策の本来の趣旨を踏まえ、遊休農地の総合的な有効利用対策や定住促進対策などの中山間地域対策が一層充実されるよう国に対しても要請するとともに、今後とも、県独自の対策を含め、積極的な施策展開を図ってまいりたいと考えております。  次に、農業の六次産業化についてのお尋ねがございました。本県は、平地が少なく、立地条件に恵まれていないことから、大産地の育成にはおのずと限界がございまして、農家の所得を確保するためには、農産物の付加価値を高める努力が必要であります。県内では、既に特産品の加工・販売や体験交流の推進など、農業を中心として付加価値を地域内で高めている事例が生まれております。また、規模も小さく、点の存在ではありますが、農村女性グループが中心となって、農産物の生産と加工・販売などが結びついた起業化への取り組みの胎動も見られるところであり、御指摘の六次産業化という新たな切り口で、農業・農村の活性化を推進していくことは極めて重要であると考えております。このため、平成九年度から県独自の施策として、地域における住民の参加・発想・行動を基本に、民間企業の知恵や資本も取り入れた、農業の六次産業化を強力に推進するとともに、国道沿線での一斉ふるさと産品市や東京に設置を予定しておりますアンテナショップを活用して販路の拡大を図るなど、地域の活性化に努めてまいりたいと考えております。  次に、土地利用型農業の展開と農地の保全対策についてのお尋ねがございました。まず、土地利用型農業の育成については、農業経営の規模拡大を図るため、圃場整備の推進とあわせて、国の制度である農地保有合理化事業などを活用して、農地の貸し借りや農作業の受委託を促進し、農地の利用集積に努めているところであります。しかしながら、平たん地が少なく、経営規模が零細であるなど、本県農業の実態からして、国の画一的な施策だけでは規模拡大に十分対応し得ないのが現状でございます。このため、来年度から新たに県独自の対策として、地域の実態を踏まえ、農業で自立しようとする認定農業者などが三十アール以上のまとまった農地を利用集積する場合に、一定の助成金を交付する事業を実施することにより、土地利用型農家の規模拡大を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、農地の保全管理につきましては、現在幾つかの市町村で独自に農業公社などを設立し、農作業を受託することによって農地の保全を図っておりますが、採算性の問題もあり、各市町村とも対応に苦慮しているのが実情でございます。今後、保全管理の必要な農地がふえていくことが懸念されますので、県としては、来年度、新たに中山間地域における農地保全管理のあり方や支援方策について調査、検討することにしており、その結果を踏まえ、有効な対策を取りまとめてまいりたいと考えております。  次に、太田川流域の水源林の整備についてのお尋ねがございました。水の安定的確保・供給のためには、上流域の森林整備が重要であると考えております。このため、県といたしましては、太田川流域において、流域の関係市町村等で構成する太田川流域森林整備センターを設置し、全体的な合意を図りながら、治山事業や造林事業の公共事業によります複層林や天然林の整備及び地下への浸透促進施設の設置などを行い、水源林の整備を図ることといたしております。また、県と流域市町村等の負担により事業を実施しております財団法人広島県水源の森基金におきましては、モデル水源林の造成を初め、森林所有者等が行う水源林整備事業に対する助成や普及啓発活動を積極的に展開しているところでありますが、来年度からは、財団法人広島県造林公社と統合して、新しい組織のもとに、豊かな水をはぐくむ森林づくりを、さらに効率的に進めてまいります。なお、森林の水源涵養機能と木材生産との調整については、伐採時期の延長や伐採区域の縮小等により、十分に両者の整合が図られるものと考えております。今後とも、水源林としての機能を重視しながら、森林の有する機能が総合的に発揮されるよう森林整備を進めてまいりたいと考えております。  次に、産業団地の整備についてのお尋ねがございました。産業団地の整備は、平成九年度におきまして、既に事業着工しております大竹工業団地、東広島研究・住宅団地、千代田流通団地などに加え、おかげさまで、このたび着工の運びとなります尾道流通団地など、合わせて七団地、分譲面積約百五十五ヘクタールの団地について事業展開を図ることといたしております。御案内のとおり、景気の停滞が続く中、企業誘致は大変厳しい状況が続いているところでございますが、最近造成した都市近郊の比較的条件のよい工業団地については、分譲も好調に推移している状況もあり、本県産業の持続的な発展を図る上で、必要な地域には、今後とも引き続き計画的に整備を進める必要があると考えております。このため、平成九年度におきましては、中長期的な視野から、労働力の確保や立地環境に恵まれ、また、需要の見込まれる都市近郊地域における開発適地の選定や基本計画の策定などの開発調査の実施、バランスのとれた産業構造の構築を図るための戦略的な団地や、尾道松江線の沿線など将来の発展が見込まれる地域における地域振興型団地に係る検討、分譲効率の向上による造成コストの低減、分譲促進策の強化などについて積極的に取り組み、今後とも本県産業の振興や地域の活性化に寄与できるよう努めてまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁いたさせます。 21 ◯議長(檜山俊宏君) 農政部長山川雅典君。         【農政部長山川雅典君登壇】
    22 ◯農政部長(山川雅典君) 二点、御答弁申し上げます。  まず、新規就農者の確保対策についてお答えいたします。本県における新規就農者は、ここ数年は三十五人程度で推移しておりましたが、平成八年度には四十四人と、わずかではありますが増加するなど、明るい兆しが見えてきたところであります。また、定住促進センターでの相談も、発足以来五カ月間で三百六十四件に及び、とりわけ非農業部門からの就農希望者が増大するなど、農業・農村への関心が高まりつつあります。このような情勢を踏まえ、新規就農希望者に対しては、研修から就農に至るまでの各段階に応じた対策を講じているところであります。具体的には、まず就農を希望する段階では、それぞれの地域の指導的な農家での体験研修を実施し、次いで、営農の準備段階では農業技術大学校や先進農家などでの技術習得のための研修を行い、さらに、営農の実践段階では、資金の融資、農地や施設などのリース、就農研修資金の償還免除などの対策により、新規就農者の育成・確保に取り組んでいるところであります。平成九年度には、これらの施策に加えて、新規就農者の実践的な技術研修ができる農場や研修宿泊施設の整備に対して助成を行い、円滑な就農への誘導を図ることといたしております。今後とも、関係機関と密接な連携をとりながら、積極的に新規就農者の育成・確保のための条件整備に努めてまいります。  次に、漁場環境対策について御答弁申し上げます。本県の海域は、全国的にも有数な藻場・干潟を有しており、これらはカキを初め、魚介類の宝庫として水産資源の増殖に大きな役割を果たしております。このため、県としても、従来から干潟の造成や海底の堆積物を除去するなど、漁場環境の保全対策に取り組んでまいりました。しかしながら、御指摘のとおり、藻場・干潟は近年の海洋開発や環境の悪化などにより、年々面積が減少しております。環境庁が平成三年に実施した自然環境保全基礎調査では、県内の藻場・干潟は約三千ヘクタールとなっており、それまでの四十年間で約千二百ヘクタールが消失したものと報告されております。二十一世紀に向けて、快適な海域環境を継承するためには、持続的な漁業生産の実現、さらには環境との共生、そういう視点に立って、開発行為などで消失した藻場などの移植復元にとどまらず、新たな造成も積極的に取り組む必要があります。このため、九年度においては、保全修復すべき藻場・干潟の現況調査とあわせて、より効果的な造成技術の開発に取り組み、漁業者はもとより、県民の皆様にとっても、豊かな広島の海づくりを積極的に推進してまいりたいと考えております。 23 ◯議長(檜山俊宏君) 林務部長藤原 敬君。         【林務部長藤原 敬君登壇】 24 ◯林務部長(藤原 敬君) 太田川流域の森林整備について、二点答弁申し上げます。  まず、水産資源の増殖のための森林の整備についてでございますが、財団法人広島県水源の森基金におきましては、今年度から漁業関係者と連携をして、太田川及び芦田川・沼田川水系において「豊かな海の森林整備事業」を実施しております。県としましては、この事業を積極的に支援して、その波及効果を図りますとともに、水源の森基金と一体となりまして、広葉樹の植栽や複層林整備等の積極的な推進、既存の杉・ヒノキ造林地の保育事業の徹底、伐採時期の延長による水源涵養機能等の高度化、企業の森整備事業等の県民参加の森林づくりの推進などの施策を総合的に実施して、栄養分に富んだ豊かな水を供給し、県民が豊かな海の恵みを享受できるような、健全な森林づくりを進めてまいりたいと考えております。  次に、木材資源の有効活用と森林所有者の所得の確保について答弁いたします。御指摘のとおり、成熟が進む資源「太田川材」の具体的な利用方策が課題となっており、他産地に負けない商品として、これを売り出すためには、森林所有者と技術力・販売力の高い木材業界の連携が必要でございます。このため、川上の林業界と川下の木材業界の参画による太田川材利用推進検討委員会を昨年十一月に設立したところでございまして、来年度は、この検討委員会において、太田川材の住宅部材の試作や性能評価を行い、太田川材の加工施設の整備・運営プランの策定に取り組むこととしております。また、本年四月にオープン予定の県立林業試験場の木材実験棟を拠点としまして、県産材の競争力の強化を図るため、木材の低コスト乾燥技術開発などに取り組むこととしております。本県におきましては、平成七年度から、県産材の利用促進を目指す「ひろしま木の香るまちづくり事業」に取り組み、教育施設や公営住宅などへの木材の利用の成果があらわれつつあるところでございます。今後とも、環境や人に優しい木材の利用への県民の期待もあることから、より一層、川上と川下の協力と連携を高めながら、太田川材の利用促進を図り、森林所有者の所得の確保に努めてまいります。 25 ◯議長(檜山俊宏君) 土木建築部長日月俊昭君。         【土木建築部長日月俊昭君登壇】 26 ◯土木建築部長(日月俊昭君) 広島西風新都線の整備について御答弁申し上げます。  広島西風新都線は、広島都市圏の自動車専用道路網を構成する北西方向の放射型道路に位置づけております。また、周辺の開発も進行していることから、早期整備が必要であり、指定都市高速道路の今回の整備計画路線に組み入れることとしております。本路線の全体延長は四・九キロメートルでございますが、ほとんどの区間が大規模な構造物であり、約三千九百メートルの長大トンネル、それから太田川放水路を渡る約五百メートルの長大橋梁を計画しております。事業の進捗を左右する長大トンネルにつきましては、前後の用地取得もおおむね完了していることから、広島高速道路公社設立後、速やかに準備を整え、平成九年度後半には工事に着手したいと考えております。今後は、平成十三年の全線供用を目標に、都心側の用地取得やトンネル、橋梁の工事促進に努めてまいります。 27 ◯議長(檜山俊宏君) 次回の本会議は三月三日午前十時三十分から会議を開き、引き続いて質問を行います。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時五十一分散会 広島県議会...