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  1. 広島県議会 1993-12-04
    平成5年12月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成5年12月定例会(第4日) 本文 1993-12-15 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 37 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 2 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 3 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 4 : ◯田辺直史選択 5 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 6 : ◯知事藤田雄山君) 選択 7 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 8 : ◯土木建築部長岡村篤文君) 選択 9 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 10 : ◯福祉保健部長(高橋 透君) 選択 11 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 12 : ◯空港港湾局長(川島 毅君) 選択 13 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 14 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 15 : ◯新田俊哉選択 16 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 17 : ◯知事藤田雄山君) 選択 18 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 19 : ◯土木建築部長岡村篤文君) 選択 20 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 21 : ◯農政部長(町田 博君) 選択 22 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 23 : ◯福祉保健部長(高橋 透君) 選択 24 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 25 : ◯教育長(久保信保君) 選択 26 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 27 : ◯山崎正博君 選択 28 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 29 : ◯知事藤田雄山君) 選択 30 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 31 : ◯農政部長(町田 博君) 選択 32 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 33 : ◯福祉保健部長(高橋 透君) 選択 34 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 35 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 36 : ◯議長檜山俊宏君) 選択 37 : ◯議長檜山俊宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十二分開議 ◯議長檜山俊宏君) 出席議員六十三名であります。これより会議を開きます。  この場合、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第一〇七号議案         至第二十八 報 第 一九 号 3: ◯議長檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第一〇七号議案 平成五年度広島県一般会計補正予算から日程第二十八、報第一九号 損害賠償額の決定についてまでの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。田辺直史君。         【田辺直史君登壇】 4: ◯田辺直史君 公明党の田辺でございます。会派を代表し、平成五年最後の十二月県議会において質問の機会を与えていただいたことに対し、議長を初め、先輩、同僚議員各位に対し感謝申し上げます。  きょうで一般質問も三日目に入ります。知事も答弁になれてこられて、いよいよ藤田色が出てくるのではないかと期待しながら、質問に入らせていただきます。  さて、藤田新知事の誕生は、その知名度と全国最年少と言われる若さ、その将来性に県民の期待が集まったものと推察いたします。「強敵を伏して初めて力士を知る」との言葉があるとおり、全党相乗りよりも、激戦の選挙を戦われての勝利は、県民にとっても、知事御自身にとっても、大変意義深いものと思われます。政治は民意の反映によって行われ、国民に支えられて行われなければなりません。宮城県、茨城県、仙台市のような「天の声」政治、いわゆる首長への権力集中によるゼネコン汚職政治はいやだというのが県民の本音ではないでしょうか。どうか、「天の声政治」よりも「民意反映の政治」が行われることを強く期待する次第であります。こうした意味では、十一月二十九日の就任のその日に、私費で知事室に県民の声を直接聞くためのファクスを設置され、そして、公正な県政運営を発表されましたことは、まことに時宜を得たものと思います。いかなる反応が出ているのか、一部報道されているようでありますが、大変興味のあるところであります。しかし、一方では、政治不信を反映し、投票率は五〇%を切る四七・六六%、当日有権者数に対する藤田知事の得票率は二〇%を切る、わずか一八・三%にしかすぎないのであります。この厳正な事実から、県民の民意をどのように認識されているのか、そして、今後の県政、議会運営において、推薦の経緯、自民党の分裂、野党への対応を含め、自民党を離党された知事が、しこりを乗り越えて県民党へのスタンスをどのように発揮されるのか、まずお伺いいたします。  マックス・ウエーバーの言葉に「政治とは、情勢と判断力の二つを駆使しながら、かたい板に力を込めてじわっじわっと穴をくりぬいていく作業である。」とあります。県民、県職員の中で最も人数の多い団塊の世代の代表として新知事が誕生したことは、私も、その世代の一人として共感と責任を感ずるところであり、知事の情熱と判断力による、活力あふれる県政を期待するものであります。  続いて、当面する行政課題についてお尋ねいたします。  質問の第二は、行財政改革の推進についてであります。宮澤、竹下前二代の知事は、まずもって行財政改革を最重点課題として取り組まれたわけでありますが、我が党は、これを高く評価し、全面的に支援してまいりました。さきの九月県議会において、我が党の福岡議員の質問に対し、竹下前知事は、「県民の負託にこたえる行政を推進するためには、引き続き、事務事業の見直し、事業の重点化を推進するとともに、常に組織体制の見直しに努め、簡素で効率的な行政が必要不可欠である」と御答弁され、後任の新知事に行財政改革への願いを託されたところであります。竹下県政の継承をうたわれた知事として、まず、この点を銘記すべきではないでしょうか。藤田知事は、県の仕事は広島を日本一住みやすい県にすることであり、いわば県内最大のサービス産業であるとの御認識と伺っております。私も、知事の御認識が地方自治の原点であり、全面的に賛同するものであります。サービス産業である限り、経営感覚を持った施策の遂行が不可欠であり、最小の経費で最大の効果を求めていく姿勢が常に必要であります。とかく、お役所仕事となりがちな県庁の仕事を変革し、日本一住みやすい県づくりをするためには、不断の行財政の見直し、業務効率の検証、改革実施が不可欠と考えます。知事の行財政改革に対する御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、建設工事に係る入札の問題について数点お伺いいたします。  第一点は、ゼネコン贈収賄事件に係る本県の対応についてであります。これまで県は、公共事業に係る贈収賄で逮捕者が出た大手ゼネコン六社に対し、それぞれ五ヵ月間の指名除外の措置をとるとともに、大成建設については安芸灘大橋の工事の仮契約を解除、また、鹿島建設に係る上二河トンネル工事の契約については、本契約後十七日経過後に契約を解除しております。一方で、新たに逮捕者を出した飛島建設への対応は、五ヵ月間の指名除外はなされたものの、既に契約している県立保健福祉短大の工事については、着工後ということで継続実施の方針を打ち出されております。さきの九月本会議において、前知事は「議決後においても、着手前であれば契約の解除も可能であり、その時点の状況や工事の緊急性等を総合的に判断して対処する」と答弁されましたが、このたびの保健福祉短大の工事継続と、さきの鹿島建設のトンネル工事の契約解除はどのような判断基準により方針を出されたのか、お伺いいたします。
     第二点は、この契約解除した二件の再契約の手法についてであります。それぞれ設計変更を行い、再度入札、議会への提案、議決ということで、安芸灘大橋は今次定例会に再度の提案で約三ヵ月のおくれ、また、上二河トンネルについては、来年の二月定例会に再度提案されたとしても、約六ヵ月のおくれが生じることとなりました。契約解除はやむを得ないこととしても、早期工事の再開を図るため、設計変更をせず、例えば、さきの入札において二番手となった業者と随意契約をするといったことも考えられたのではないでしょうか。公共事業の目的とする景気対策の観点に立ったとき、また、県民のための県土の基盤整備の間断なき推進のためにも、こうした措置も必要であろうかと考えますが、当局のお考えをお伺いします。  第三点は、このたび実施されました条件付き一般競争入札で、高知県で指名回避あるいは指名停止処分されていた業者が本県の工事に応札し、落札したことについてであります。一般競争入札の入札受注システムの透明性、最低価格で落札という点を評価しなくてはなりませんが、他県で指名停止になった業者が本県の公共事業を施工することは、県民感情からしても、いかがなものかという感じがいたします。今後、一般競争入札を実施していくに当たり、不誠実な業者の参入の可能性もあることから、その防止策を十分検討する必要があると思いますが、今後どのように対応されようとしているのか、当局の見解をお伺いします。  質問の第四は、中小企業に対する経済対策についてであります。マツダ関連企業の支援策を示されましたが、「中小企業は、最後に好況の恩恵に浴し、最初に不況の犠牲になる」と言われますが、下請企業はその典型であると思われます。特にバブル経済崩壊の中で、大企業は本格的なリストラを進めており、親企業の一方的な都合で、発注単価の一方的切り下げ、それも契約後における切り下げ、部品等の引き取り先延ばし、納入部品の返品、下請代金の滞納など、明らかに下請代金支払遅延防止法に違反した行為が横行しているおそれが強いと思われます。体力のあるときならともかく、長期にわたる不況の中で、中小企業は日々綱渡りを演じ、特に下請企業においては親企業の支払い遅延や単価切り下げ一つで倒産してしまうおそれがあります。一部には「リストラ」と「下請いじめ」を混同している経営者がいるようであります。リストラは単なる経費節減によるスリム化ではありません。安易な多角経営や資金調達によって悪化した体質を、新しい事業発想による統廃合と新分野によって活性化させるものでなければなりません。それが、リストラを名目にして単価切り下げなど、下請いじめが行われているとすれば言語道断であります。「生産県から生活県へ」の公約を示された知事として、全就労者の八割が従事している中小企業、下請企業の経営状態は、そのまま県民の生活水準にはね返り、また、広島県経済そのものの活力にも影響してまいります。今回、追加の経済対策が予算議案に盛り込まれておりますが、まずは、こうした中小企業、とりわけ下請企業に対する支援が緊急の課題であります。そのためには、下請企業者が今、何を望み、県に対して何を期待しているのかを把握した上で、その対策を講じる必要があると思います。県としては、どのように把握し、また、それに対してどのような対策を講じられようとしているのか、お伺いいたします。  質問の第五は、高齢者対策についてであります。高齢化のスピードは、農村漁村を中心に一段と加速するとともに、将来の超高齢化社会を支える子供の出生率の低下や保健・医療・福祉に携わるマンパワーの不足など、高齢者を取り巻く環境はますます厳しいものとなっていることから、先般、21ひろしま長寿社会対策推進プランを策定されました。「日本一住みやすい県づくり」を公約された知事として、ここに示されている各施策が着実に実行され、目標に一歩でも近づけるよう努力していただくことを期待しているところであります。そこで、本日は二点ほど御質問いたします。  まず第一点は、特別養護老人ホーム、老人保健施設のサービスの向上を目指すサービス評価事業についてであります。国は、平成二年度から十ヵ年計画で始まった高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略、いわゆるゴールドプランによって最終年度となる平成十一年度までに特別養護老人ホームを約一・五倍、老人保健施設を十倍にふやす計画を策定されております。このように、短期間に施設は大幅に増加していきますが、人材の確保とサービスなどソフト面の供給が追いつくのか、懸念されているところであります。時代はハードからソフトへと移っております。総務庁が平成三年十月に発表した行政監察でも、特別養護老人ホームの夜間の介護体制や個別的、計画的な機能訓練の問題などが指摘され、改善が求められております。こうした状況の中で、厚生省は、医師や看護婦などで構成される評価委員会が百項目にわたる基準に沿って施設のサービス度を評価し、改善方法等について助言・指導していこうとするサービス評価事業に取り組むこととしております。我が公明党は、「二十一世紀トータルプラン」の中で、長期療養の老人が、できる限り人間らしく快適な生活を送れる福祉施設の整備を提言しておりますが、この事業は、その対策の一つとして評価するものであります。広島県としては、この事業をどのように評価し、どのように取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。  また、単に評価して施設のランクづけ、あるいは施設の不備を指摘するだけでは、単なる監査と同じこととなるおそれがありますが、評価後のフォローについてはどのように考えておられるのか、あわせてお伺いいたします。  第二点は、骨粗鬆症についてであります。御存じのように、骨粗鬆症は骨からカルシウムが抜け、ちょうど大根の中にすが入ったようになる病気で、自覚症状がなく、軽く転んだ程度で骨折を引き起こしてしまいます。高齢者の女性に多く見られ、骨粗鬆症にかかっていると考えられる人は全国で約五百万人と推定され、寝たきりの原因として脳卒中の次に多いのが骨折であります。最近は十代、二十代の女性にも無理なダイエットによって同じ症状が見られる場合もあるそうであります。この病気の予防には、他の成人病と同じように、若いときからの健康管理が重要で、特にバランスのとれた栄養、適度な運動が必要とされています。厚生省では、来年度、婦人の健康づくり推進事業として全国四十七の市町村でモデル地域を定め、十八から三十九歳の女性を対象にした骨の検診に対して機器整備などの補助を概算要求しておりますが、他の都道府県では既に超音波骨密度測定器等を保健所に設置し、検診を実施するなど積極的に取り組んでいるところもあります。どんな病気も早期発見、早期予防が第一です。まさに、転ばぬ先の杖です。本県としても早急に機器整備を行うなど、検診体制の整備が必要であると考えますが、県としては、今後、骨粗鬆症に対してどのように取り組まれようとしているのか、お伺いいたします。  質問の第六は、ウルグアイ・ラウンドの決着後の本県農業行政の推進についてであります。新ラウンドは、過去最大の百十六ヵ国・地域が参加したばかりでなく、農業やサービスなどの新分野もカバーした世紀の貿易交渉であります。その成功は、関税率の大幅引き下げによる貿易の拡大などを通じ、低迷している世界経済の活性化に大きく寄与するのは確実であります。貿易立国日本にとっても、戦後最悪の不況から脱出する契機になり得ると期待されているところであります。我が党は米のミニマム・アクセス、最低輸入量を内容とするウルグアイ・ラウンドの農業分野での合意を受け入れることを容認しました。その理由として、一、ウルグアイ・ラウンドの成功は、自由貿易を守るために極めて重要であり、貿易立国として我が国はその妥結に最大の努力が必要であること。例外なき関税の阻止は確保された。この点は評価できる。その代償として米のミニマム・アクセスはぎりぎりの選択としてこれを受け入れたいということであります。今回の決定によって農業者のこうむる不利益を最小限にとどめるべく、国、県一体となって最大限の努力を払うべきである。特に稲作農業、中山間地や小規模農家はもとより、乳製品など深刻な打撃が予想される酪農者に対し、でき得る限りのあらゆる対策を速やかに行うべきであると思います。農民の痛みを十分に分かち合い、日本農業の再活性化に本格的に取り組むべきであると思います。そこで、牛肉・オレンジの自由化時の教訓を生かし、六年後を見据えた本県農業施策をどのように展開されようとしているのか、お伺いいたします。  質問の第七は、備後地域の振興策についてであります。十月二十六日、山陽自動車道の県内全通、二十九日には新空港の開港と、二十一世紀に向けて広島県が発展するための基盤が整ってまいりました。まさに、山陽自動車道で結ばれた広島地域と備後地域は、空港を中心として両翼となったわけであります。この広島が二十一世紀に向けて、より高く飛躍するためには、この両翼が均衡ある発展を遂げなけれぱなりません。今まで、どちらかと言えば、西の翼の方が強く、東の翼の方が弱い、西高東低という表現が定着しておりました。しかし、東の翼の備後地域も、この四月、地方拠点都市地域の指定を受け、魅力ある都市ゾーンづくりに向け、動き出すこととなりました。そして、地方拠点都市地域の整備を牽引していく拠点として福山駅周辺及び内港周辺の地域中核拠点地区を初めとする五地区を設定し、重点的に整備していくこととしております。こうした取り組みは、地元住民や企業と連携し、関係市町が主体的に、かつ、意欲を持って積極的に取り組まなければならないことは当然でありますが、国や県の協力なくしてはできるものではありません。知事選において、知事は全県的に圧倒的な強さを示されましたが、福山においては意に反して、そのようになりませんでした。この結果が、今後の備後行政に影響するのではないかと、私ひとり心を痛めております。それを払拭する意味でも、広島市とのトップ会談は就任早々行われたわけでありますが、備後とのトップ会談を要望しておきたいと思います。県として、この五地区の整備に対して、具体的にどのような支援をされようとしているのか、また、資金面においてどのような支援をされるのか、あわせてお伺いいたします。  質問の第二点は、福山港内港地区の底質浄化対策についてであります。去る十一月十日、県は福山港内港地区の底質浄化対策事業に係る費用負担計画の案を広島県公害対策審議会に諮問されたところであります。内港地区は、地方拠点都市地域に指定された福山市の今後の発展にとって非常に重要な地域である一方、かねてより地域住民から公害対策事業の実施についての懸念が表明されており、このたび、県当局が内港底質の汚染原因者を特定し、その責任を明らかにしたことについては、大いなる前進であると考えられます。この諮問に対する答申は、今月中に出される見込みであると伺っておりますが、私は地元住民の一人として、審議会の答申により、県が定める費用負担に日本化薬株式会社が素直に従い、公害防止事業が速やかに実施されるよう強く要望するものであります。  さて、この事業実施に当たっては、安全性確保が最も重要であります。固化処理を施したとしても、再びPCBの流出の可能性が皆無であるとは断じ切れないのではないでしょうか。地元住民の不安は、まさにそこにあります。そこで、お伺いいたしますが、そのような不安を払拭するためにも、県として事業実施中の安全性はもとより、事業完成後においても定期的に監視を続ける体制が必要であろうかと思いますが、いかがでありましょうか。  また、監視を続ける中で、万が一、異常が発見された場合には、その時点で最も進んだ技術によって早急な対応をすべきであると考えますが、いかがでしょうか、あわせてお伺いいたします。  また、知事は所信表明の中で瀬戸内海の利活用を示されましたが、福山港内港地域が単なる埋め立て地区になることなく、ウオーターフロントの憩いの場として積極的な整備が行われることを切に要望いたします。  質問の第八は、アジア競技大会についてであります。いよいよ来年に迫ってまいりましたが、昭和五十九年に広島での開催が決定し、九年に及ぶ長い期間にわたり、多くの方の努力により準備が進められてきました。その結果、首都以外で開催される初めての大会であるにもかかわらず、OCAに加盟している四十三の国及び地域の選手・役員約七千三百人の参加者という史上最大規模の大会となりました。これは関係者の皆様の努力のたまものと敬服しております。しかし、残り二百九十一日となり、今後ますますムードを盛り上げていかなければならないこの時期に、チャリティーコンぺの寄附金受領問題、大会組織委員会の幹部職員の不祥事など、イメージを悪くするような事件が発生していることは、残念であると同時に、開催全体に与えるはかり知れない影響を心配しております。関係者一同、初心に戻り、こうした悪いイメージを一日も早く払拭するよう最善の努力をしていただくことを強く要望したいと思います。  さて、質問の第一点は、運営資金の問題であります。さきの九月の補正では、運営資金の援助ということで宝くじの売り上げ増分を、広島市とともに組織委員会に補助することとされました。不況下において企業協賛金の確保の目安も立ちがたい状況のもとで、まことに心強い支援だと評価しております。しかし、本日の新聞報道によりますと、十二月十三日現在の宝くじの県内販売状況は、昨年同時期に比べ五・四%増にとどまっており、目標に届いておりません。情勢は大変厳しく、この場をおかりして、ジャンボ宝くじの発売も残り三日間となりましたが、私からも県民の皆様の、より多くの御協力をお願いいたします。  ところで、藤田知事は、何枚宝くじを買われたのでありましょうか。また、知事は選挙中に、この大会を成功させるため、私自身が街頭に立って募金を呼びかけると公約されていましたが、もし、知事が実行されるのであれば、私も横に並んで街頭に立ち、皆様に募金を呼びかけるにやぶさかではありませんので、よろしくお願いいたします。改めて、アジア競技大会組織委員会副会長である藤田知事の大会成功へ向けての決意のほどをお伺いいたします。  本年は、日本にとって国際貢献という大きな第一歩を具体的に踏み出した記念すべき年であったことを銘記すべきであります。国連史上初めての壮大な実験と言われた国連カンボジア暫定統治機構、いわゆるUNTACが任務が終わりました。カンボジアでの「国連の挑戦」は、アジア地域の平和・安定を占う試金石であったと同時に、まさにポスト冷戦時代における国連の権威の軽重を問われる活動であったと言えましょう。その膨大で困難な仕事を、短期間に、しかも、大きな混乱もなく仕上げたことについては高く評価されております。ここで、私は、UNTACを統率した明石特別代表の功績をたたえるとともに、文民警察として派遣された高田晴行警視と国連ボランティアの中田厚仁さんが犠牲になられたことに深く哀悼の意を表するものであります。UNTACの最大の目標であった、カンボジアの人々がみずからの手で国家をつくるという総選挙も、投票率九〇%の高率を記録し、大成功を収め、和平の早期実現と国家再生を願うカンボジア国民の熱い思いを全世界に印象づけたのであります。このように、幾多の困難を乗り越え、平和で安定した国家の建設に乗り出したカンボジアの人々が、このアジア競技大会に参加することは、この大会がまさに平和の祭典であることの最大の証となるのではないでしょうか。そこで、カンボジアの参加問題についてお伺いいたします。昨年十月、私も広島県議会東南アジア行政視察団の一人として、ようやく戦火が消えようとしているカンボジアの状況調査に参りました際、カンボジアの人々が広島大会に参加できるよう援助していただきたい旨の竹下前知事の親書を明石特別代表にお渡しする機会を得ました。こうした結果、先日開かれたアジア・オリンピック評議会の第十二回総会において新生カンボジアの加盟が正式に承認され、広島大会への参加の道が開かれることとなりました。ここに至るまでの関係者の御努力に、心より敬意を表します。まだIOCの承認の手続や参加費用の点など解決しなければならない問題もありますが、いずれにいたしましても、カンボジアの選手の皆さんが、この地・広島においてアジアの人々と友情の輪を広げることは、カンボジアの復興・発展につながる絶好の機会であります。より多くの選手が参加できるよう、画竜点睛を欠くことのないよう、できる限りの支援をする必要があると思いますが、県としての御見解をお伺いいたします。  さて、明後年、九五年は、国連創立五十周年、被爆五十周年を迎えます。生命を慈しむ「ヒロシマの心」を、平和発信の地・広島から継続性、永遠性を秘めて世界に伝え、さらに、こうしだ世界平和への取り組みは、アジア大会を到達点とすることなく、その後もさらなる創造的平和への出発点とすべきであります。アジア大会後の不況が心配される今こそ、若き藤田知事の情熱と判断力、行動力が期待されております。具体的な行動、行事に、知事を初め、若き県職員の英知を結集し、積極的な取り組みをされますよう、切に要望いたします。  最後に、毎年十二月の師走になると、べートーベン作曲、交響曲第九番の「歓喜の歌」、いわゆる第九が聞こえてまいります。音楽家の生命とも言える耳が聞こえなくなった絶望と挫折のべートーベンが、それを突き抜けて歓喜に至る人生の喜びを表現したものであります。この曲のテーマは、「苦悩を突き抜けて歓喜に至る」であります。この一年、長引く不況の中の苦悩の年でありましたが、来年こそ、苦悩を突き抜け、県民お一人お一人の皆様にとって歓喜・栄光の年でありますよう、心よりお祈りし、質問を終わらせていただきます。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 6: ◯知事藤田雄山君) 御答弁申し上げます。  県民の民意の認識についてのお尋ねがございました。知事選挙の結果につきましては、御指摘のような点も含めて厳粛に受けとめております。選挙期間中には県内各地を訪問いたしまして、県民の皆様方に私の考えを聞いていただき、多くの方々の御理解を得たのではないかと思っております。今後は掲げた公約を一つ一つ実行に移し、「生活県ひろしま」の実現に向けて可能な限りの努力をしていきたいと考えております。なお、今後の県政運営に当たりましては、すべからく、公正無私、不偏不党の県民党の立場を貫きながら、各党各会派から幅広く御意見をお伺いし、県民の方々が期待する最善の策を推進していきたいと考えております。  また、ファクスのことについてお問い合わせがございました。現在、一日数通、多い日は十通以上いただいてございます。二十ページを超える長文もございます。内容は非常に複雑多岐にわたっておりまして、身の上相談に始まり、マナー向上の提言、あるいは小児糖尿病の対応の改善、あるいは入札方法に関する新たな提言等々でございます。大変数が多いために対応がおくれておりまして、大変心苦しく思っておりますけれども、回答可能なもので電話番号を記入していただいているものにつきましては、電話でなるべく早く回答を差し上げるようにしているところでございます。  行財政改革の推進についての御質問でございますが、御指摘のとおり、宮澤知事の時代、竹下知事の時代におかれましては、それぞれ積極的に行財政改革に取り組まれており、その業績に対して深く敬意を表する次第でございます。行政を執行する上では簡素で効率的な行政運営を行うということが大原則でありまして、私も事務事業や組織・機構、人員の見直しに努めるなど、不断の努力を積み重ねる必要があると考えております。本県財政を取り巻く環境は極めて厳しい状況でありますが、一方、県は県内最大のサービス産業として県民の負託にこたえていくことが使命であると認識をしております。このような厳しい状況であるからこそ、御指摘のような最小の経費で最大の効果を生み出すことが必要となってくるわけでございまして、県議会、市町村、県民の皆様の御理解と御協力をいただきながら、行財政の効率的な運営に特段の努力をしてまいりたいと考えております。  中小企業、とりわけ下請企業に対する支援についてでございますが、下請企業の動向や要望につきましては、県商工労働部と福山商工労政事務所に設置しております経営相談室での相談事業において、また、これまで県内各地域で延べ六回にわたって実施してまいりました中小企業経営総合相談会の場を通じて、できる限り把握に努めてきております。今月、広島で実施した総合相談会において約百二十社を対象に行った調査結果では、多くの中小企業が新規取引先の開拓を初め、低利融資の導入や新製品・新技術の開発等の取り組みを強化することとしており、こうしたことへの県の支援も期待されているところでございます。  また、中小企業庁が十一月に下請中小企業を対象に実施した円高影響特別調査の結果では、御指摘にもございましたように、下請単価の一方的な引き下げ要請等を受けた企業が多くあるという実態が把握されております。こうした中小企業の実態を踏まえ、本県では、第一に、下請中小企業の仕事量の確保のため、県外の発注企業の参加も求めた広域商談会の実施や西日本地域の主要な企業約八百社に対する個別の発注要請などを行ってきております。今日までに、広域商談会につきましては百四十社余りからの商談があり、また、西日本地域の親企業五十社余りからは発注を検討する旨の回答をいただいております。第二に、金融面では、無担保融資制度の創設を初め、融資枠の拡大や金利の引き下げなど、県費預託融資制度の充実に努めてきております。第三に、下請代金支払遅延等防止法の所管は公正取引委員会・中小企業庁でございますが、財団法人広島県産業振興公社におきましても下請企業の苦情相談に応じており、下請代金の支払い遅延などに関する相談があった場合には、速やかに中国通産局ヘ報告しているところでございます。今後とも、仕事量の確保や金融面での支援の充実に努めますとともに、下請中小企業が取り組む経営体質の改善や、あるいは人材育成、さらには新分野進出などを積極的に支援してまいります。  ウルグアイ・ラウンド決着後の本県農業行政の推進についてのお尋ねがございました。今回の調整案が受け入れられた後の農政の基本的な方向といたしましては、第一に、稲作を初めとする農業生産については、まず生産基盤の整備や農地の流動化により経営規模の拡大、省力化を図り、低コスト化に努めること、また、品種改良や施設化等により消費者ニーズに即し、安全で品質のすぐれた農産物の安定供給に努めることでございます。第二に、これら農業生産を行う担い手の確保についてであります。基本的には、都市生活者並みの農業所得を確保するとともに、快適で便利な農村生活ができる環境を整備することにより、幅広く多様な担い手を育成確保することであります。第三に、いわゆる中山間地域など条件不利地域の対策でございます。この地域はまとまりのある農地が少ないことや、生産基盤や生活基盤ともに整備が立ちおくれていることを考えますと、立地条件を生かして什加価値の高い多様な農産物を生産するとともに、国土保全等の機能を維持するため、農林業の振興を基木として、産業の振興と牛活環境の整備を総合的に推進し、地域の活性化を図ることが重要と考えております。これらの基本方向に沿って、今後、農産物自由化問題検討班を設置し、今回の調整案の受け入れに伴う影響について調査研究するとともに、国の対策を見ながら、本県独自の具体的な対策について検討してまいりたいと考えております。  地方拠点都市地域の整備の支援についての御質問がございました。福山地方拠点都市地域の五つの拠点地区につきましては、第一に、再開発等による商業施設、文化施設の整備など各種都市機能の整備、第二に、流通団地、工業団地などの産業基盤や住宅団地の整備、第三に、大学の新設や広域的な交流施設の建設など、福山地域の拠点性を高めるための主要なプロジェクトが計画されているところであります。県といたしましては、その円滑な整備について地元の主体的な取り組みを基本としながら、積極的に協力・支援をしてまいりたいと考えております。具体的には、第一に、各地区の国道整備や備後新都市地区の開発など、国や公団事業の導入促進、第二に、尾道インターチェンジ周辺における尾道流通団地の造成や主要地方道府中松永線の改良など県事業の重点的な実施を進め、地元事業と連携しながら、効果的な地区整備を図ることとしております。また、福山駅周辺及び内港周辺地区における都市拠点整備や福山平成大学周辺地区における市街地整備など、地元が中心となり整備を進めることになっている事業については、その早期促進を図る観点から、第一に、都市計画事業に対する指導・助言など事業化に向けた協力、第二に、国の支援制度の積極活用による補助金や地方債など資金の確保等について、鋭意、取り組んでまいりたいと考えております。  運営資金の問題についてでございますが、アジア競技大会の運営資金の確保は、大会の成功に向けて重要な課題であると受けとめております。今月六日の三百日記念イベントには、私も広島市内の街頭に立ち、県民にアジア競技大会の成功に向けての協力を呼びかけたところでございます。今後も、街頭募金等、機会があるごとに街頭における活動を行ってまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、私も組織委員会や広島市など大会関係者とカを合わせ、大会の成功に向けて最大限の努力を払ってまいりたいという決意でございます。  また、宝くじの購入についてのお尋ねですが、私も一市民といたしまして百枚ほど購入をさせていただいたところでございます。また、私事で恐縮ですが、大会誘致に熱心であった父・藤田正明のために、さらに百枚、合計二百枚ほど購入をさせていただいております。(「一億円当たったら相談に乗るよ。」と言う者あり)年末ジャンボ宝くじの発売期間も、きょうを入れて、あと三日となりました。この場をおかりいたしまして、県議会の皆様方を初め、県民各位の御協力をお願い申し上げる次第でございます。  カンボジアの参加問題についてでございますが、このたび新生カンボジアのOCA加盟が承認され、来年の広島アジア大会ヘ選手団をお迎えできることになりました。このことは、私といたしましても大変喜ばしく、心から歓迎の意を表したいと思います。また、カンボジアの大会参加に御努力を賜りました関係者の皆様に対し、改めて敬意を表する次第でございます。長い戦乱が続いたカンボジアの大会参加は、世界へ向け平和のとうとさを訴える絶好の機会になるものと大いに期待をしているところでございます。カンボジアからは三十人ないし五十人規模の選手団を派遣したいとの意向が表明されております。これを踏まえて、現在、組織委員会におきましては選手団の受け入れや歓迎対策等の準備を進めているところでございます。一方、民間におきましては、既にラオス、ベトナムの選手団を経済支援する活動も展開をされております。カンボジアにつきましても、組織的支援の動きが出ていると聞いており、こういった動きと連動しながら、広島らしい、心温かい歓迎対策を進めていきたいものと考えております。  残余の御質問につきましては、関係説明員より御答弁を申し上げます。 7: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長岡村篤文君。         【土木建築部長岡村篤文君登壇】 8: ◯土木建築部長岡村篤文君) 御答弁申し上げます。  ゼネコンの贈収賄事件に係る本県の対応についてでございます。御指摘のように、鹿島建設株式会社と飛島建設株式会社については、いずれも茨城県知事に対する贈賄容疑で会社の代表役員等が逮捕あるいは起訴されましたが、鹿島建設株式会社を代表とする共同企業体が受注いたしました上二河トンネルにつきましては契約を解除し、飛島建設株式会社の県立保健福祉短大工事については契約の解除を行わず、工事を続行させることといたしました。これは九月定例会の前知事の答弁にありましたように、その時点の状況あるいは工事の緊急性等を総合的に判断した結果でございます。上二河トンネル工事の場合は、工事に関する地元説明を行う前で、まだ現場に着手しておらず、契約解除の及ぼす影響が非常に小さい状況でございました。これに対して県立保健福祉短大工事の場合には、既に契約締結から二ヵ月以上経過し、現場においては建物の基礎及び一階部分の鉄筋組み立て工事が具体的に進行しており、契約を解除するということになりますと、県内の下請業者や資材業者等に対して大きな影響が出ますし、また、現場の管理あるいは引き継ぎに問題が生ずる状況でございました。さらに、工事のおくれにより平成七年四月の大学の開校に影響が出ることとなりますので、これらを総合的に判断して工事を続行させることとしたものでございます。逮捕または起訴に係る事実は両社とも、いわゆるゼネコン汚職と言われる重大な事案であり、厳正な対応を求められることに変わりはありませんでしたが、その時点における工事の状況が以上のとおりとなっておりましたため、結果として事後の対応が異なることとなったものでございます。御理解をいただきたいと存じます。  次に、再契約の手法についてでございます。御指摘のように、契約解除いたしました安芸灘大橋と上二河トンネルにつきましては、着工が三ヵ月から半年程度おくれることとなりました。また、県内の景気対策の面からは随意契約により一日も早い着工が望ましいところではございますが、随意契約を行うことができる場合の法的要件に当てはまりにくいこと、また、公共工事の入札や契約をめぐり、より透明性、競争性が求められている現下の社会情勢等を考慮いたしまして、再度、競争入札を行い、議会の御審議をいただくことが適当と判断したものでございます。なお、着工のおくれに伴い完成期限も延びることとなりますが、工事の円滑な執行に努めまして、できるだけ早期完成を図ってまいりたいと考えております。  次に、条件付き一般競争入札の結果についてでございます。十一月十九日に実施いたしました条件付き一般競争入札において落札した建設会社は、御指摘のように、高知県では指名回避、高知市では指名停止を受けておりますが、事件の当事者は、この建設会社の代表権を持っている者ではなく、また、事件そのものも、この建設会社の業務に関して行われたものではございません。したがって、広島県においては、指名除外基準に該当しないため、今回の一般競争入札の実施に当たり、定めております参加資格を欠くことにはならないと判断したものでございます。しかしながら、結果として、他の自治体とはいえ、指名停止や指名回避を受けている業者が県事業を受注することとなったことにつきましては、今後の検討課題の一つではないかと考えております。今後、条件付き一般競争入札につきましては、広く門戸を開放して参加者を募るという趣旨を生かしながら、試行を重ねまして入札参加資格の条件設定などの問題について検討し、制度の充実や運用の改善に努めてまいりたい、このように考えております。 9: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長高橋 透君。         【福祉保健部長高橋 透君登壇】 10: ◯福祉保健部長(高橋 透君) 高齢者対策におけるサービス評価事業についてお答えいたします。特別養護老人ホーム及び老人保健施設については、量の拡大にあわせ、今後は利用者の希望に沿った質の高いサービスの提供が大切な課題であると考えております。このため、県におきましても、施設みずからが行うサービス水準の向上を支援するため、平成五年十月、医師、看護婦、理学療法士などで構成する特別養護老人ホーム及び老人保健施設サーピス評価委員会を設置したところでございます。この事業は、まず施設みずからが、食事、入浴などの日常生活を援助するサービスや施設の運営管理などについて、国が定めたサービス評価基準に基づき、評価をした後、委員が実地に施設を視察し、専門家の立場から施設の関係者と改善方法について意見交換と必要な助言・指導をするものであります。県といたしましては、今後、高齢者の方々の多様なニーズにこたえて良質なサービスを提供するためには、これまでの法令に基づく指導・監査に加えて、さらに、この評価事業によって施設みずからが個々具体のサービスについて自主点検し、向上を図っていただきたいと考えております。また、この事業実施結果のうち、優良なサービス事例については事例集や研修などによって積極的に紹介するなど、他の施設へも普及拡大を図ってまいります。  次に、骨粗鬆症についてでございます。骨粗鬆症の予防にはカルシウム摂取を基本としたバランスのとれた食生活と適度な運動の実践が有効であり、その普及啓発に取り組んでいるところでございます。特に平成四年度からは健康づくりのボランティアである食生活改善推進員の活動の重点テーマに「骨粗鬆症を予防し、健康度を高めよう」という標語を掲げ、各地域におきまして牛乳・乳製品の摂取、ウォーキングの推進など、県民の健康づくりに取り組んできております。骨粗鬆症の検査には骨密度測定機器が用いられており、超音波型とエックス線型がございます。超音波型はコンパクトでエックス線型に比べて安価という利点はございますが、まだ開発研究中であると聞いております。厚生省は、来年度予算要求の中で市町村整備としてエックス線型を補助対象としております。エックス線型については据えつけタイプと車に搭載するタイプとがございますが、いずれも操作のためにエックス線技師が必要でございますし、また、据えつけタイプには施設にエックス線防護設備が必要でございます。また、車に搭載するタイプは、全国で数台ございまして、検診団体が使用していると聞いております。今後、有用性について研究してみたいと考えております。  検診対象者でございますが、国は、検診対象者を十八歳から三十九歳の女性としておりますが、骨粗鬆症の検診は四十歳以上の女性にも必要なことから、対象者についても十分検討する必要があるかと思います。このように、骨粗鬆症の検診は重要なこととは考えますが、現在、保健所で実施しているのは政令市とか特別区でございまして、市町村実施のための実施体制等については種々検討することが残されており、今後、専門家の意見を聞きながら骨粗鬆症検診について研究してみたいと思っております。 11: ◯議長檜山俊宏君) 空港港湾局長川島 毅君。         【空港港湾局長川島 毅君登壇】 12: ◯空港港湾局長(川島 毅君) 福山内港地区の底質浄化対策についてお答え申し上げます。県が計画しております処理工法は、汚染した海底の土をセメント系固化剤を用いて固めた上で、高密度ポリエチレンシートで覆い、さらに上部を土で覆うことにより封じ込める工法であり、他県における既往の処理事例と比べても、より安全性の高いものと考えております。  工事完成後の環境監視につきましては、工事区域周辺に観測井戸を設け、地下水の調査を継続することとしております。また、埋立地は港湾緑地などとして県や福山市が管理していく土地であることから、万一、基準値を超えるような異常が判明した場合には、原因等を調査の上、その時点におげる最も適切な技術をもって対策を講じていくという考え方でございます。 13: ◯議長檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十七分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時四分開議 14: ◯議長檜山俊宏君) 出席議員五十九名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。新田俊哉君。         【新田俊哉君登壇】 15: ◯新田俊哉君 私は、自由民主党広島県議会議員団の新田俊哉でございます。  二百八十五万県民の輿望を担ってさっそうと登壇され、みずからの施策を開陳された新知事に、県民の負託を受けた者の一人として、質問に立つ機会を与えていただいたことに対し、議長を初め、先輩、同僚議員の皆様に深甚の謝意を表するものであります。  私は、本県が抱える諸課題のうち、産業政策を初め、地域活性化対策、教育問題、福祉問題などについてお尋ねいたしますので、当局の積極的かつ明快な御答弁をお願いいたします。  質問の第一は、活力ある県産業基盤の構築についてであります。  本県においては、瀬戸内海沿岸を中心に輸送用機械、鉄鋼、化学などの重化学工業が急速に発達してまいりました。その後、オイルショック、円高などの打撃を受けましたが、重工業傾斜型、加工組立型、輸出依存型という産業構造は変化しておりません。今までは本県の県民生活の向上に大きな役割を果たした本県特有の産業構造が、ここに来て長く低迷する景気の足を引っ張ってきております。知事は、先日の提案説明の中で、県民一人一人が「広島に住んでよかった。広島が日本で一番住みやすい」という生活県ひろしまづくりを提唱されましたが、私としても大いに賛意を表するものであります。  これからの産業社会のあり方に思いをいたすとき、円高に対応しつつ内需を拡大するには、生活システムの質を向上させることがキーポイントであり、それには関連する産業をもう一段効率化し、そのサービスの内容をより豊かなものにしなければなりません。そのためには、規制緩和も重要でありますが、流通の効率化にしろ、生活の安定確保にしろ、あるいは輸入の促進にしろ、より効果的な手段は情報化であります。事実、セブン・イレブン、花王、セコム、セシールなど、これらの分野で需要を掘り起こし、かつ、利益を上げている企業は、いずれも皆、情報技術を本格的に正しく活用したところであります。また、資源のリサイクルや省エネルギー、環境保全等の地球環境型の仕事も、情報化することによって、より大きな効果を上げることができます。産業構造の中で動脈的な産業に対し、これらの産業は静脈産業と呼ばれることが多いわけですが、動脈産業と静脈産業とを結びつけることによって生活産業システムを構築するという構想もございます。私は、生活にかかわる産業をすぐれたシステムとして育てることが、不況から脱却する大きな手段となるものと考えます。従来、産業基盤の構築と言えば工業団地、道路、港湾などのハード面の整備が言われてきましたが、今後は情報通信や地球環境保全などソフト面を含めた幅広い機能の充実が求められております。そこで、知事は、このような生活者重視の産業システムの構築について、どのような取り組みをなされようとしているのか、お伺いいたします。  また、本県の産業構造の多様化、新しい生産基盤の拡充を図るためにも、生活者に視点を当てたソフト部門の研究が必要であり、新しい産業政策の一環として、高齢者、障害者を支えるヒューマン・サポート技術や次世代産業の創出に必要なバイオ研究などが重要な課題であると考えますが、こうしたソフト部門の研究開発にどのような取り組みをされようとしておられるのでしょうか、御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、新空港開港に伴う地域の活性化対策についてであります。先般、県民の大きな期待を集めながら、新しい広島空港が華やかに開港いたしました。今後は、この空港の立地が多面的、相乗的な効果をもたらすよう最大限に活用することが必要であり、そのためには、新空港と山陽自動車道、西瀬戸自動車道、そして中国横断自動車道尾道松江線等の高速交通ネットワークとを有機的に結びつけ、これらを活用した地域の活性化対策に早急に取り組まなければならないと考えます。このような視点に立って、以下四点の質問をいたします。  その第一点目は、西瀬戸自動車道周辺地域の活性化についてであります。平成十年度には本州四国連絡道路尾道今治ルート、いわゆる西瀬戸自動車道の全線開通が予定されております。これにより、新空港や山陽自動車道、中国横断道等とともに、中四国地方の広域連携軸が形成されることになりますが、この西瀬戸白動車道の全線開通のインパクトを最大限に活用できる基盤づくりを行うとともに、沿線地域の活性化を図るため、現在、本県と愛媛県との広域共同プロジェクトとして国の選定を受け、「西瀬戸アイランズ・オアシス整備事業」として計画が進められており、地域は大きな期待をかけているところであります。この整備事業の本県対象市町村は、尾道市、因島市、瀬戸田町、向島町の二市二町でありますが、この地域は西瀬戸自動車道の重要な結節点であり、地域特性を生かした広域連携軸の拠点として、ぜひとも活性化を図る必要があります。そこで、まず、この西瀬戸アイランズ・オアシス整備事業において、具体的にどのような事業を推進しようとしておられるのか、また、その事業実施の目途についてお伺いします。  次に、この地域の発展方向につきまして、本年三月には、中国及び四国経済連合会から瀬戸内海経済文化圏の形成を目指し、観光や文化、情報、産業育成、環境保全等、多様な計画と活動目標を内容とする「西瀬戸自動車道周辺地域活性化に関する提言」がなされたところであります。こうしたことも踏まえ、県当局におかれては西瀬戸自動車道周辺地域の発展をどう図っていこうとされているのか、御所見をお伺いします。  また、先月、県の広域まちづくり支援事業として、向島町と瀬戸田町の広域連携事業である西瀬戸自動車道広域観光ネットワーク事業が指定されたところであります。この事業は、向島町に海洋性レクリエーション施設をつくり、瀬戸田町のシトラスパークと連携した広域観光レクリエーション拠点を形成するものでありますが、この事業を成功させるためには、県道向島循環線の立花から干汐地区までの道路整備がぜひとも必要であります。ついては、この道路整備の見通しについて、あわせてお伺いいたします。  第二点目は、新空港を活用したフライト農業についてであります。航空輸送は、単に人的輸送にとどまらず、物流面でも、その重要性は今後一層増大するものと考えられ、農林水産物においても、フライトイメージによる付加価値の向上、遠隔地への販路の拡大等により、新たな農林水産業の展開が期待されるところであります。本県は「日本の縮図」と言われるように、多様な立地と気象条件のもとに、多彩な農林水産物を可能にする基盤を有しており、新空港の開港は、これまで推進してきた「広島ふるさと一品運動」、「いきいき農業ひろしま」の実行はもとより、本県農林水産業の発展に大きなインパクトを与えることが期待されております。とりわけ、フライト農業につきましては、新空港周辺地域を中心に特色ある空輸産地、空輸産品の開発育成を行い、その積極的な展開により地域の活性化を図るため、昭和六十一年度から三年間の空輸試験、さらに元年度から本年度までの実用化空輸事業を実施してこられたところであります。そこで、お伺いいたします。空輸試験の結果や実用化空輸事業の成果と、これらを踏まえ、今後、フライト農業をどのように推進されようとしておられるのか、御所見をお聞かせください。  第三点目は、中国横断自動車道尾道松江線についてお伺いいたします。去る十月二十六日に山陽自動車道の県内全線が開通し、本県の東西の時間距離は大幅に短縮されました。経済、文化、スポーツなどあらゆる活動で相互交流が促進され、連携が強化されるなど、県東部と西部のバランスのとれた活性化につながり、大きな波及効果が期待されております。しかしながら、県土の均衡ある発展を図るためには、南北方向の高速道路である尾道松江線の整備が不可欠であります。御調町を初め、尾道松江線の沿線市町村では、全国の高速道路網に直接つながるこの路線の実現が、地域の産業活動の振興、地域の活性化、人口の定着化の起爆剤として大いに期待されております。県内の高規格幹線道路のうち、西瀬戸自動車道は平成十年度の完成を目指して着々と工事が進められており、また、東広島呉自動車道も本年度から国の直轄事業として本格的に整備されることになりました。ついては、取り残されている中国横断自動車道尾道松江線の一日も早い事業着手を地域住民は熱い期待を持って見詰めていますが、その見通しについてお伺いいたします。  第四点目は、山陽自動車道広島東インターチェンジに連結する道路についてであります。本県の東西の時間距離を大幅に短縮できるようになった山陽自動車道の積極的な活用を考えるとき、広島東インターチェンジに連結している道路の機能強化が大きな課題となっております。この連結道路として自動車専用道路整備構想が打ち出されておりますが、この道路は、広島の空の玄関である広島空港へのメーンアクセスであるとともに、県中央部及び県東部、ひいては関西方面と広島都市圏を結ぶメーンルートであり、積極的にその整備促進を図るべきものと考えます。中でも、来年度から安芸府中道路の四車線化事業に着手される見込みでありますが、これを契機に、さらに延伸して、広島東インターチェンジと直結する事業の調査を実施し、四車線化と一体的な整備を促進すべきだと考えます。その具体的取り組みについて御所見をお聞かせください。  質問の第三は、教育問題についてであります。今、学校教育は画一化から多様化へと大きな変革の時期を迎えています。こうした中で、一人一人の個性を生かした主体的な学習を進めることを眼目とした魅力ある高校づくりの推進は急務となっており、焦点を絞って幾つか教育長にお伺いいたします。  まず第一点目は、総合学科の設置についてであります。総合学科は多様なカリキュラムを用意することによって、それぞれの個性を伸ばすことをねらいとするものであり、文部省では省を挙げて応援していく方針であると聞いております。また、全国的にも、平成六年度から七校が設置されようとしています。総合学科は、高校教育改革の牽引役としての役割が期待されておりますが、一方、生徒の幅広い選択を可能にする教職員の確保や多様な授業展開のための施設整備などの課題もあると思います。そこで、教育委員会として、総合学科の設置についてどのように考え、今後どのように進められようとしているのか、お伺いをいたします。  第二点目は、学科の改編についてであります。これまで教育委員会は、平成二年九月の魅力ある高校づくり懇談会の提言を踏まえ、国際科やサービス観光科、体育科、福祉科といった新しいタイプの学科を設置してこられました。また、産業構造の変化や生徒の興味、関心、進路希望の多様化に対応し、職業学科の改編に積極的に取り組まれているところであります。そこでお伺いしますが、これまで設置された新しいタイプの学科や職業学科の改編について、どのような教育効果を認め、今後どのような方針で進めていこうとされているのか、御所見をお聞かせください。  第三点目は、芸術学科の新設についてであります。私は、芸術教育は、感動をてこに情操面の陶冶を図るとともに、知的な学習と相まって、真の知性をはぐくむものではないかと考えており、本県高等学校への芸術学科の設置を切に願うものであります。とりわけ県東部は、円鍔勝三先生や平山郁夫先生など、日本を代表する芸術家を輩出している地域であり、また、風光明媚な土地柄は、素材としても、さらに感性を磨くにも最適ではないかと自負しております。芸術学科につきましては、現在十八都府県に関連の学科が置かれており、また、魅力ある高校づくり懇談会の提言におきましても、その設置について述べられているところでありますが、東部の県立高校に芸術学科を新設する構想はお持ちにならないのか、御所見をお聞かせください。  質問の最後は、社会福祉施設の整備についてであります。超高齢社会の到来を目前に控え、すべての人々が安心して生活することができる長寿福祉社会の実現が強く求められ、在宅福祉を中心として対策が講じられているところであります。今後、寝たきり老人や痴呆性老人等、要介護老人の大幅な増加が見込まれておりますが、これらの方々においても、住みなれた地域の中で家族や友人に囲まれて暮らせることは大きな願いであろうかと思います。そのため、地域における特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなどの社会福祉施設の整備が緊急の課題となっております。しかしながら、社会福祉施設整備を促進していく上で、その促進を阻害している隘路がございます。それは、毎年度国庫補助基準の改善が図られているとはいえ、補助基準単価と実勢単価に大きな差が見られるということであります。このため、社会福祉施設の整備に当たっては、設置者の大幅な超過負担となり、特に財政基盤の弱い市町村や社会福祉法人にとっては大変な痛手となっております。ちなみに、私の選挙区にあります「町立みつき清流園」を一例に挙げてみますと、この施設は、生活保護法に基づき、身体上または精神上著しい障害があるため、独立して日常生活ができない方々を保護扶助する施設であります。老朽化により維持修繕費が増大するため、現在、改築を検討しておりますが、この場合、施設建設費の半分以上が町の持ち出しとなる計算となります。このままでは施設の存廃にかかわってまいります。私は、県としての、国への何らかの働きかけや単独の支援措置などが必要であると思いますが、財政的支援方策を含め、その見通しはいかがでありましょうか、当局の温かい御答弁を期待するものであります。  以上で私の質問を終わります。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 16: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 17: ◯知事藤田雄山君) 御答弁申し上げます。  生活者重視の産業システムの構築についての御質問でございますが、御指摘のとおり、情報通信や地球環境保全などのソフト面を含めた産業基盤の構築は、本県の産業活性化や県民生活の向上にとって重要な課題であると認識をしております。この十二月初めに行われました経済審議会の報告におきましても、景気低迷の長期化と円高のもとで産業を活性化するためには、一つには、生活ニーズの大きな変化に即応した産業の新たな展開を図ること、二つ目には、情報を活用して生産者が生活者ニーズを的確に把握するとともに、生活者が自由で多様な選択ができることが必要であると指摘されております。こうしたことから、暮らしを重視する「生活県ひろしまづくり」にとりましても、生活者の視点が大切であると考えております。これまでの地方自治体の産業政策は、第一に、関連インフラ等の整備による企業誘致、第二に、中小企業に対する各種支援、第三には、技術の高度化及び人材の確保・育成といった分野を中心に施策の展開を図ってきたところでございます。今後は、地方からの発想による産業政策の必要性を認識し、国の動向を踏まえながら、生活者を重視した産業システムのあり方等についても研究してまいりたいと思っております。  次に、生活者に視点を当てたソフト部門の研究開発についてのお尋ねでございました。  第一に、生活者に視点を当てたソフト部門の研究開発については、本県でも県立工業技術センターにおいて高齢者に優しい日常生活用品などの研究開発に着手しており、また、県立農業技術センターにおいて水稲、野菜、花卉などの新品種の開発をバイオ技術を用いて進めてきているところでございます。  第二に、御提案がございました高齢者や障害者を支えるヒューマン・サポート技術やバイオ技術などの研究開発は、本年十一月に広島県科学技術振興会議から提言のありました広島県における科学技術振興の基本方向や本年五月に策定いたしました広島県バイオテクノロジー推進基本構想におきまして、豊かな住みよい地域社会を実現するためにも、また、次世代産業の創出を図る上からも、本県が進めるべき極めて重要な研究開発分野として位置づけられております。  第三に、今後は、この提言や基本構想に基づきまして、緊急度の高いものから計画的に順次、その具体化を図ってまいりたいと考えております。  西瀬戸アイランズ・オアシス整備事業の推進についてのお尋ねがございました。御指摘のとおり、西瀬戸アイランズ・オアシス整備事業の推進については、広島、愛媛両県の市町村が連携して地域の活性化を図るための交流基盤と定住環境を整備することが重要でございます。具体的には、瀬戸田町のシトラスパーク整備事業、向島町の洋ランセンター建設事業、それを初め、二市二町において地域の特性を生かした事業を推進しているところでございます。県といたしましても、広域まちづくり支援事業などを活用しながら、積極的に支援することとしております。また、これらの施設整備とあわせて、インターチェンジからの連絡道路などについても重点的に整備をしてまいりたいと考えております。さらに、これらの施設と愛媛県側の施設を結ぶ広域回遊型の観光ルートを形成していくことが重要であります。このため、広域観光パンフレットの作成などソフト事業の実施についても愛媛県と連携を図ってまいりたいと考えております。なお、この事業は国の広域共同プロジェクトとして、計画策定後おおむね五ヵ年間で実施するものであります。したがって、西瀬戸自動車道の全通を平成十年度に控え、県としても地元と連携を図りながら早急にその実現を図ってまいりたいと考えております。  西瀬戸自動車道周辺地域の発展についての御質問でございますが、御指摘のとおり、中国、四国の両経済連合会においては地域の活性化のために西瀬戸自動車道の利活用方策、CATV整備、架橋イベントの実施など種々の貴重な提言をなされております。この提言を踏まえ、本年八月、地元二市二町と経済団体が協議会を設置し、地域活性化の具体策について検討を行っているところでございます。さらに、来年早々には愛媛県との一体的な組織化が実現する予定でございます。この地域が世界に誇る多島美と恵まれた自然環境を生かし、だれもが訪れてみたい、住んでみたいと思う魅力あふれる地域として発展するよう、愛媛県とともに積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  中国横断自動車道尾道松江線の整備促進についてでございますが、島根県の三刀屋-松江間が整備計画区間となっており、本年十一月十九日には建設大臣から日本道路公団に対し施行命令が出されたところでございます。また、尾道-三刀屋間につきましては、現在、建設省内において整備計画の決定に必要な技術的な調査や環境調査が行われているところでございます。本路線は、山陽自動車道、中国縦貫自動車道と連結し、また、本州四国連絡道路尾道今治ルートとつながることによりまして中四国の一体的な発展に大きく貢献するとともに、沿線の地域にとりましても開発の促進につながるなど、非常に重要な路線でございます。このため、県といたしましても、今後とも島根県、地元市町と連携し、尾道-三刀屋間が早期に整備計画路線として決定され、事業に着手されるよう関係機関に強く働きかけてまいりたい、そのように考えております。  広島東インターチェンジに連絡する道路の機能強化についてでございますが、安芸府中道路と山陽自動車道広島東インターチェンジを連結する道路につきましては、第十一次道路整備五ヵ年計画において、府中仁保道路、広島南道路などとともに広島都市圏の自動車専用道路網を構成する路線として位置づけられております。このため、平成五年度から、建設省、広島県、広島市が共同で広島都市圏都市高速道路整備計画調査を実施しており、御指摘の道路を含め、広島都市圏の自動車専用道路網の整備手法等について検討を進めているところでございます。県といたしましては、安芸府中道路の四車線化に引き続きまして、この道路の早期整備が必要であると考えており、今後とも広島市など関係機関と協議を進め、具体的なルート、構造及び事業手法等について調査を進めてまいりたいと考えております。  残余の御質問につきましては、担当説明員から御答弁申し上げます。 18: ◯議長檜山俊宏君) 土木建築部長岡村篤文君。         【土木建築部長岡村篤文君登壇】 19: ◯土木建築部長岡村篤文君) 県道向島循環線の整備について御答弁申し上げます。  一般県道向島循環線の立花から干汐までの区間は延長約三キロメートルで、改良率は五三%でございます。この区間には、御指摘のように、今年度、西瀬戸自動車道広域観光ネットワーク事業に指定された向島町マリーン・ユースセンターが建設中でございます。さらに、立花海岸を海洋性スボーツ基地として整備する立花海洋施設整備計画が進められているところでございます。そのため、これらの施設へのアクセス道路として、本路線の整備が必要であると考えておりまして、特に大型車の離合の困難な区間でございます約八百メートルにつきまして本年度から調査に着手したところでございます。今後、開発計画との調整を図り、早期に事業着手してまいりたいと考えております。 20: ◯議長檜山俊宏君) 農政部長町田 博君。         【農政部長町田 博君登壇】 21: ◯農政部長(町田 博君) フライト農業の推進につきまして御答弁申し上げます。  新空港の建設に伴いまして、本県の特産物を航空機を活用いたしまして有利に販売し、地域の活性化を図るために、御指摘のように、ワケギなり、あるいは洋ラン、さらにはキヌサヤエンドウなどの品目につきまして、消費地における評価でありますとか、あるいは物流面での可能性を明らかにすることを主眼といたしまして、これら品目を空輸する実験事業を実施したところであります。この結果でございますけれども、キヌサヤエンドウにつきましては輸送経費を上回る高い価格での販売がほぼ確立いたしまして、量の拡大と出荷期間の延長というものが市場の方から要望されているところであります。まだ、洋ランやワケギにつきましては、消費地の嗜好などの違いから、消費宣伝の実施等にもかかわりませず、評価はいま一歩でありまして、洋ランにつきましては、現在、品種の転換というものを進めているところであります。このような状況を踏まえまして、現在実施しておりますキヌサヤエンドウにつきましては、ハウス化によりまして出荷期間の延長を図りますとともに、洋ランにつきましては品種転換を早急に進め、産地の拡大と輸送量の増加を図ってまいりたいと考えているところであります。さらに、消費地での評価の高いハウス栽培によりますナシでありますとか、あるいは高級のブドウ、桃など、高品質、高付加価値の農産物につきましては空港周辺地域の産地を育成いたしまして、百貨店でありますとか、あるいは果物専門店等との相対での取引でありますとか、さらには産地直販等を活用いたしました、そういった形でのフライト農業というものを今後ますます推進いたしまして、地域の活性化を図ってまいりたいと考えているところであります。 22: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長高橋 透君。         【福祉保健部長高橋 透君登壇】 23: ◯福祉保健部長(高橋 透君) 社会福祉施設の整備についてお答えいたします。
     社会福祉施設の整備につきましては、御指摘のように、補助基準額と実事業費に格差がございまして、施設設置者の負担も多額になっております。このため、国におきましては、年々、補助基準単価の引き上げ、補助基準面積の拡大が行われておりますが、本年度、新たに高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略及び重度障害者施設緊急整備関連施設の都市部における整備について基準単価の一〇%割り増し加算を行うなど、改善が図られたところであります。県といたしましても、民間社会福祉施設の改築・修繕などに係る社会福祉医療事業団からの借入資金の償還利子に対する補助や老朽施設の整備への助成を行うなど、法人負担の軽減に努めているところでありますが、今後とも、実態に即した補助基準の見直しを国に対して引き続き強く働きかけてまいります。  なお、生活保護法による救護施設でございます「みつき清流園」の整備についてでありますが、この施設は利用状況から見まして全県的、広域的な役割を果たしていることから、県としても支援措置について前向きに検討してまいりたいと存じます。 24: ◯議長檜山俊宏君) 教育長久保信保君。         【教育長久保信保君登壇】 25: ◯教育長(久保信保君) 教育問題について三点お尋ねがございました。  まず、総合学科の設置についてでございます。総合学科は高等学校設置基準の改正によりまして、これまでの普通科、専門学科のほかに、新たに普通教育及び専門教育を総合的に行う学科として平成六年度から設置することができるようになったものでございます。その特色といたしましては、一つは、多様な選択科目の中から生徒がみずからの興昧、関心に応じて学習する科目を主体的に選択できること、また、生徒が総合学科におけるさまざまな分野の学習を通しまして、みずからの能力と適性を見出し、就職あるいは進学についての将未の進路をより適切に決定できること、さらには、学年の区分にとらわれず、卒業時までに所定の単位を修得すれぱよいということから弾力的なカリキュラムが編成できることなどが挙げられております。その設置に当たりましては、御指摘のように、一つは多様な選択科目の設置に対応できる教職員定数の確保でありますとか、施設設備の整備の問題、また、新しい科目の開設に伴う指導方法の研究や教職員の研修の充実、さらには、総合学科の趣旨や特色につきまして生徒や保護者の理解などといった課題がございます。現在、去る九月に発足をいたしました第四期広島県地方産業教育審議会におきまして、総合学科のあり方について鋭意検討をいただいているところでございます。教育委員会といたしましては、来年六月に予定されている答申を受けまして、設置の具体化をぜひとも進めてまいりたいと考えております。  次に、新しいタイプの学科や職業学科の改編についてでございますが、昭和六十二年度から本年度まで三十六校・四十八学科で実施をしてまいりました。実施をしたほとんどの学校で志願者数が増加をしておりまして、職業学科における推薦入学の志願率は、改編前に比べ二・二五倍に上昇をしております。目的意識を持って入学してくる生徒の数が増加をしているというふうに考えております。また、学校生活における満足度に関しまして、これらの学校でアンケート調査を行っておりますが、これによれば、各学科とも改編前の調査に比べまして、入学してよかったとしている生徒の数が大幅に増加をしております。そしてまた、大多数の生徒が意欲的に学習しているといった結果も出ております。  卒業後の進路状況につきましては、例えば、来春、最初の卒業生を出します西城商業高校のサービス観光科では、ほとんどの生徒が観光業やサービス業など専門の学習を生かせる分野に既に就職が内定をするといったことなど、それぞれ学科の特色に応じた進路が実現しつつあると考えております。こうした成果を踏まえまして、今後とも社会の変化や生徒の興味、関心あるいは進路希望の多様化に応じました新しいタイプの学科の設置や職業学科の改編に、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  最後でございますが、芸術学科の新設でございます。高等学校において、美術、音楽、工芸、デザインあるいは書道などの実践的、体験的な学習を通しまして生徒の専門的な能力を高めますとともに、情操豊かな人間形成を図るということは極めて重要なことであると考えております。御指摘のように、これまで十八都府県で芸術関連学科が設置されておりますし、普通科におきましても十九都府県で美術や音楽などのコース制が設けられております。本県におきましては熊野高等学校に昭和五十九年に設置をいたしました芸術類型に美術コース、書道コース、そして音楽コースを設けております。御提案のございました芸術学科の新設につきましては、貴重な御提言であると受けとめておりますが、一つには、指導者の確保でありますとか、施設設備の問題あるいは卒業後の進路の確保などの課題もございまして、設置地域の問題も含め、学科のあり方等について、今後、鋭意研究してまいりたいと存じます。 26: ◯議長檜山俊宏君) 引き続いて質問を行います。山崎正博君。         【山崎正博君登壇】 27: ◯山崎正博君 私は、自由民主党広島県議会議員団の山崎正博でございます。今年も残り少なくなってまいりました。広島県議会において平成五年の最後の締めくくりに登壇の機会を与えていただきましたことに対し、議長を初め、先輩、同僚議員各位に対し、心から感謝申し上げます。  今年一年を振り返ってみますと、総合経済対策、景気対策が講じられ、一時、「景気は底をついた」との言葉に代表されるように、やっと景気が上昇気流に乗ってくれるのかとの期待感とは裏腹に、明かりのなかなか見えてこない、先行き不透明な暗い話ばかりの一年であったように思います。  さて、藤田新知事におかれましては、このような景気低迷のさなか、今後、広島県政のかじ取りをされるわけでございますが、十二月定例会の冒頭においての所信表明をお聞きしまして、新知事の並み並みならぬ決意を感じ取ったところでございます。「生活県ひろしま」の実現に向けて大いに期待し、あわせて、来る年が明るい活力に満ちた年となることを期待しまして、当面する諸課題等についての質問に入ります。  質問の第一は、農業・農村の振興方策についてであります。平成五年度の水稲の作況指数は、十月十五日現在で、全国では「著しい不良」の七五と、戦後最低のものとなっており、本県においても八六と、昭和五十五年に次ぐ不作となり、米作に依存する農家に大きな影響を与えていることは、御承知のところでございます。このような情勢の中で、国においては、米不足により、十月末に米の緊急輸入を発表するとともに、水田営農活性化対策の転作等目標面積については、平成六年度から七万六千ヘクタール緩和し、六十万ヘクタールとするとの決定がなされました。この決定に伴い、国から都道府県別に配分が行われ、本県においては転作等目標面積が五百七十ヘクタール緩和され、一万一千九百ヘクタールとなりました。これを受けて、県では既に各市町村ヘ配分がなされたところであり、市町村では具体的に農家等への配分作業に入り、集落内でどう取り組むかなどの話し合いが進められております。しかしながら、農業従事者の高齢化や担い手不足、さらには、野菜や花などへの転作の定着化等により、本県ではこれまで転作目標面積を大幅に超える転作が行われており、水稲ヘ復帰させるといっても、容易に進まないのではないかと思います。このような状況の中で、本県としてはどのようにして水稲作付の拡大を図っていこうとしておられるのか、お伺いいたします。  先般、私は農業技術センターが開発・育成しました広系十三号という新品種の試食をする機会があり、大変おいしいお米だと感じました。この新品種は、県内の栽培の半分近くを占める中生新千本を改良し、良質米として人気のあるコシヒカリと同等の食味を有し、気象変動にも耐え、つくりやすい品種であると伺いました。現在、農業・農村を取り巻く環境は、過疎化、高齢化、担い手不足に加え、ガット・ウルグアイ・ラウンドの米の部分開放の受け入れと、大変厳しいものがあります。こうした中、本県農業の基幹作目であります稲作の振興は必要不可欠なものであります。本年のような異常気象や病害虫に強く、消費者の嗜好にも合った、広島らしい特徴を持った、この広系十三号のような品種を広島県の銘柄米として着実に育てていくことが、農業・農村の振興につながるものと考えますが、これらの普及計画についてお伺いいたします。  質問の第二は、環境問題についての対応についてであります。昨年六月にブラジルで開催されました地球サミットにおいて、地球環境を人類共通の貴重な財産と位置づけ、その保全が緊急な課題であるとの共通認識のもとに、地球憲章とも言うべきリオ宣言、具体的行動計画であるアジェンダ21などの採択をするとともに、各種条約の調印が行われたことは記憶に新しいところであります。また、広島県においても、本年八月にローカルアジェンダとも言うべき「広島県地球環境保全行動計画」を策定されました。その中では、行政だけでなく、県民も事業者も一体となって、広島県の特性に合った地球環境の保全・創造を進めながら、地球環境保全に向けて、いかに取り組んでいくかという基本的な方向や、それぞれの行動原則などが提案されております。さらに、国においては、従来の公害対策基本法や自然環境保全法のような問題処理型の法的枠組みでは不十分であるとして、社会経済活動や国民の生活様式のあり方を含め、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものに変えていく必要があるという観点から、去る十一月十二日に環境基本法が可決・成立し、関係法の改正を含めて法体系の整備がなされたところであります。このような状況の中にあって、地球環境を含む環境問題への対応は、県政の中でも重要な課題の一つとなっておりますが、今後、具体的な推進に当たって、どのような認識のもとに対処していかれようとしているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、長寿・福祉社会づくりに向けての対策についてであります。このことについては、国レベルでは、総理府や厚生省を中心として研究報告がなされ、本県においても、これまで先輩、同僚議員が幾度か本会議等において質問され、議論がなされ、研究調査もされてきた問題であります。言い尽くされた感はありますが、明るく活力のある長寿・福祉社会は、高齢者対策とあわせ、将来、これを支える子供や青少年、女性などの対策を総合的に推進していく必要があるというのが共通の認識であります。先般、21ひろしま長寿社会対策推進プランが策定されました。大いに評価をするものでありますが、こういった推進プランやいろいろな計画は、既に計画の段階から一歩踏み込んで具体的に実施に移していく時期に来ているのではないかと思うのであります。高齢化・少子化は着実に進んでおり、時代を先取りした従来に増しての施策の充実と具体的な実施が望まれるところであります。そこで、以下二点について知事にお伺いいたします。  第一点目は、あすの社会の担い手である子供に関すること、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりについてであります。我が国の出生数は、昭和四十八年の第二次ベビーブーム以降、減少の一途をたどっており、平成四年には合計特殊出生率も一・五〇と戦後最低を記録しております。このような出生率の低下の要因はさまざまなものが考えられますが、一般的には結婚・育児に対する魅力の減少、子供の教育問題、住宅事情、職場中心主義による家庭の軽視や固定的な男女役割意識の存在等が言われております。厚生省人口問題研究所の調査によれば、理想と考えている子供の数は三人とする者が最も多く、そのうちの四割近くは三人目の出産をあきらめているという結果が出ています。この原因について、同研究所の調査によれば、「子育てにお金がかかる」、「教育費が高い」、「育児の肉体的・心理的負担」、「家が狭い」等の理由が挙げられております。結婚や出産はライフスタイルに関することであり、行政が直接立ち入ることは適切でないと考えますが、子供を生み育てたい人が希望どおり子供を安心して生み育てられる環境づくりは、行政として積極的に取り組むべき課題と考えます。本年九月、広島県児童福祉審議会から「二十一世紀の『ひろしま』を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくり」を推進するための基本方針について、家庭、地域及び職域に視点を当てて提言がなされました。この提言を受けて、県としては、これまでの環境づくりへの取り組みを踏まえ、今後どのように具体的に対処されようとしておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  第二点目は、長寿社会づくりについてであります。先ほど申しましたように、出生率の低下による少子化の傾向は、今後、結果として活力のない社会になるおそれがあります。これに対する十分な対策とあわせ、超高齢社会に向けて健康な人づくりを初めとする高齢者保健福祉対策を行い、長寿社会は、だれもが住みなれた家庭や地域社会で長生きをしてよかったと実感できる、明るく活力のあるものにしなければならないと思います。平成十一年度までに全国のホームヘルパーを十万人にするなどを目標にした高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略を受けた県及び市町村の老人保健福祉計画は、平成五年度中の策定が義務づけられています。聞くところによりますと、計画を策定しても、財源や人材不足が深刻なため、数字合わせだけの「絵に描いた餅」の計画に終わってしまうという声もあります。とりわけ過疎化が進む市町村は、財政基盤が弱いことなどから、計画達成が難しいのではないかとも聞いております。ぜひとも計画を実効あるものとするため、県としての積極的な支援をお願いしておきます。  ところで、中長期的な視点に立った計画による取り組みが着実に行われる一方で、寝たきり老人や痴呆性老人などが増加しており、これらの方々に対する緊急的な措置も必要となってまいります。つまり、仮に寝たきりになったとしても、家族や外部からの支援により、それも住みなれたところで療養できるようにすることが大切であります。そのため、ショートステイやデイサービス事業など在宅での介護を支援する対策は行われていますが、私は、平成四年に創設されました老人訪問看護制度の積極的活用が必要ではないかと考えております。これは、看護婦さんたちが高齢者の家庭を訪問し、看護サービスや家族への介護指導を行うものであり、高齢者の方々が在宅で安心して療養を続けていくためには、老人訪問看護ステーションの設置の一層の促進を図るべきであると考えますが、県としてはどのような取り組みを行うのか、お伺いいたします。  質問の第四は、監視区域制度の効果と今後の運用方針についてであります。広島県においては地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を、平成元年二月、監視区域として指定し、届出対象面積を引き下げ、以降、対象地域を拡大してこられました。しかし、この監視区域制度は、あくまでも期間を定めて区域を指定し、届出対象面積を適切に設定・変更し、指定の事由がなくなったと認めるときには指定を解除するという機動的かつ弾力的な運用が求められるものであります。平成五年九月十六日の経済対策閣僚会議において住宅宅地の供給のための諸施策の推進の一環として「監視区域については、地価に悪影響を与えないよう配慮しつつ、弾力的な運用方策について検討する。」との緊急経済対策が決定され、これを受けて国土庁から監視区域制度の的確な運用についての指針が示されたと聞いております。広島県内の地価は、地価公示、地価調査ともに二年連続して下落しており、鎮静化の傾向がうかがえます。監視区域の解除、緩和を行っても、過去の異常な投機的行動は起こらないと思います。東京都を初め、幾つかの自治体で監視区域の解除、緩和の動きがあると聞いておりますが、監視区域制度の効果と本県の今後の運用方針についてお伺いいたします。  質問の第五は、都市近郊における魅力ある農村居住空間づくりについてであります。広島市安佐北区の農村地域は、豊かな水と緑には恵まれているものの、急峻な地形条件や小規模の農業団地などから農業生産基盤の整備は進んでいないのが実情であります。一方、近年の宅地需要は逼迫し、この地域が都市近郊であるがゆえに、農村地域であっても無秩序なミニ開発が進み、農業、居住環境の両面に支障が生じております。農業の面においては、生活排水の混入による水質の悪化、窒素過多、農薬散布の困難性、農地・農道の整備も難しくなっております。居住環境の面でも快適性や安全性に問題があり、農地と宅地のどちらも不満足な状況であります。こうした現状を見るとき、都市近郊の農村においてこそ、積極的な農地活用を考慮した土地利用計画に基づき、農業生産基盤とあわせ、農村景観にマッチした、ゆとりのある農村らしい居住空間づくりを積極的に進めていく必要があると考えます。こうした観点に立つとき、白木町三田地区において「ふるさとぴあ事業」が推進されていることは、まことに当を得たものと思います。都市近郊農村の居住空間づくりの一つのモデルとなるこの事業の今後の展開方針についてお伺いをいたします。  終わりに、地域の問題について二点要望をいたしたいと思います。  第一点目は、根の谷川の改修に伴う県立可部高等学校の整備推進についてであります。建設省の河川改修計画では、可部高等学校のグラウンドのほとんどが河川区域となる予定で、改修事業が実施されれば、グラウンドの機能は全くなくなってしまうのであります。河川改修工事は、既に学校のすぐ下流まで進んできており、生徒を初め、保護者、地域住民は不安を抱いております。グラウンドだけを移転した場合は、体育の授業等に支障を来すことは必至であり、また、現在地は住宅密集地であるだけに、グラウンド敷地の確保は極めて困難であります。したがいまして、河川改修事業を機に、全面移転をも視野に入れた学校整備をぜひとも早急に進めていただきたいのであります。  第二点目は、県営住宅の再編整備についてであります。戦後の高度経済成長時代に、人口の都市への集中が起こり、その受け皿として、広島市北部にはたくさんの県営住宅が建設されたのであります。しかしながら、昭和三十年代に建設されたこれらの住宅は、老朽化が進んでおり、また、住宅面積も狭く、環境面でもさまざまな影響が出てきております。県営虹山住宅については、モデル事業として住宅を改善し、公園や駐車場の確保を図るなど、再編整備が進められておりますが、このほかの住宅についても、再編整備計画を早急に策定し、計画的に住環境の整備を行ってもらいたいのであります。  以上、要望いたしまして、これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 28: ◯議長檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事藤田雄山君。         【知事藤田雄山君登壇】 29: ◯知事藤田雄山君) 御答弁申し上げます。  水稲作付の拡大についての御質問がございました。平成六年度以降の水田営農活性化対策につきましては、最近の米の需給動向にかんがみ、県内で約千二百ヘクタールほど計画より超過して行われた転作を抑制するとともに、水稲の作付拡大を図ることが重要な課題となっております。このため、本県では、九月に農業者の作付拡大についての意向を調査し、これを踏まえて市町村に対し転作面積の配分をしたところでございます。今後、県といたしましては、市村町が農業者等ヘ転作面積を配分するに当たっては、農業者の意向を反映するよう市町村を指導することといたしております。また、圃場整備地区での転作率、いわゆる義務転作率でございますが、これをできるだけ引き下げるような特例措置の活用を進めていくこととしております。休耕田等を小規模な基盤整備によって水稲が作付できるような水田に復元すること、あるいは、米をつくりたい集落や市町村と転作を希望する集落や市町村との間で転作面積の調整をすること等によりまして、水稲の作付面積の拡大を図ってまいりたいと考えております。  環境問題についてのお尋ねでございますが、今日の環境問題は、生活排水による水質汚濁など都市生活型公害や廃棄物の増加など環境への負荷の増大といった問題から地球温暖化などの地球環境問題まで複雑多様化をしております。こうした問題に対応するため、このたび、国においては環境基本法が制定されたところでございますが、本県といたしましても、この法律の理念に沿って、健全で恵み豊かな環境を守り育て、これを次の世代に引き継ぐことが、県政の重要な課題の一つであると考えております。こうしたことから、本県におきましても、本年八月に広島県地球環境保全行動計画を策定したところでございます。現在、この計画に基づく県の事業推進プランの策定を進めているほか、野生生物保護のための条例などの制定に取り組んでいるところでございます。さらに、二十一世紀に向けた本県の環境保全に関する基本的な方向を明らかにするとともに、総合的、計画的な対策を進めるために、現行の公害防止条例、自然環境保全条例の枠組みを超えた新たな条例の制定についても検討することとしております。地球環境を含め、環境保全のため、取り組まなければならない行政分野は広範多岐にわたっておりますので、今後とも総合的に施策を推進していくことはもとより、市町村、県民、事業者と連携しながら、新しい時代の環境保全対策を推進してまいりたいと考えております。  子供が健やかに生まれ育つための環境づくりについてでございますが、近年の少子化の傾向を背景として、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりが大きな課題となっており、本年九月に児童福祉審議会児童環境づくり部会から提言を受けたところでございます。この提言に掲げられている子育てを楽しむ家庭環境づくり、子育てを支援する地域環境づくり、子育てを支援する職域環境づくり、この三つの柱を尊重し、その実現に向けて努力してまいりたいと考えております。具体的な課題としては、子育てのための心理的な不安や住宅の問題、仕事と家庭生活を両立させるための保育サービスや労働の問題等、幅広い分野の問題が指摘されております。これらの諸問題を解決していくためには、行政だけではなく、民間関係団体とも一体となって総合的な対策を進めていく必要があります。そこで、提言に示されておりますように、現在準備を進めております児童環境づくり推進協議会におきまして具体的な方策を検討してまいる所存でございます。また、行政として当面取り組むべき課題としては、子育てに関する相談支援体制を充実するための児童相談所の機能強化や県内の児童環境づくりの拠点施設である県立児童館の整備等がございますが、これらにつきましては、できるだけ早く具体化を図りたいと考えております。  地価監視区域制度の効果と今後の運用方針についてでございますが、御案内のとおり、監視区域制度は、地価が急激に上昇し、または、上昇するおそれがある区域を指定し、土地取引の届け出・勧告制の適用対象面積を引き下げることにより、適正な地価水準の形成を図ろうとするものでございます。こういった施策とともに、金融、税制等、各般にわたる土地対策が着実に実施されたことにより、最近の地価は、一部地域を除き、県内全域で下落ないしは鎮静化傾向を示していると認識をしております。  次に、監視区域制度の今後の運用方針についてでございますが、去る九月十六日に発表された国の緊急経済対策を受け、十一月九日に出された国土庁通達に基づきまして、県といたしましても監視区域制度の運用のあり方について検討に入っているところでございます。具体的には地価動向、届け出状況、土地取引状況、金融経済情勢等の、よりきめ細かな調査、分析を進めてまいりますほか、広島県土地利用審査会に参考意見の取りまとめをお願いしており、県としては、これらの結果を受けまして、広島市と連携を保ちながら、来年二月ごろを目途に方向づけをしたいと考えております。  残余の御質問につきましては、担当説明員から答弁をいたさせます。 30: ◯議長檜山俊宏君) 農政部長町田 博君。         【農政部長町田 博君登壇】 31: ◯農政部長(町田 博君) まず、水稲の新しい品種の普及計画についてでございます。県立農業技術センターでは、このたび、新しい品種であります広系十三号というものを育成いたしたものでございます。この新品種につきましては、本県で広く栽培されております中生新千本とコシヒカリ系統の峰旭というものを交配して育成したものでございます。その特長につきましては、御指摘のように、食味がよく栽培しやすいというところにあります。この広系十三号の普及につきましては、県の中南部の標高百五十メートルから三百五十メートルぐらいまでの地帯を中心に計画しております。平成六年度は約百二十ヘクタールの実証栽培を行いまして栽培技術や品種の特徴というものを県内の稲作農家に十分御理解いただきたいと考えております。その後、種子の供給体制を整えながら、平成七年度には五百ヘクタール、五年後の平成十年度には三千ヘクタールから五千ヘクタールに作付を拡大していく計画であります。また、消費者に対しましては、現在、親しみのある品種名を募集しておりまして、今後、試食会などを通じまして、この広系十三号の消費拡大に努めてまいりたいと考えております。  次に、都市近郊におきまする魅力ある農村居住空間づくりについて御答弁を申し上げたいと存じます。御指摘の「ふるさとぴあ事業」につきましては、都市近郊の混住化の進んだ農村地域におきまして、地域住民の創意工夫と合意によりまして、秩序ある土地利用計画のもとに、優良農地の保全を図りながら、農村地域にふさわしい、ゆとりと潤いのある農村居住空間づくりというものを進めるものであります。三田地区につきましては、平成三年度から調査に着手いたしまして、圃場整備と合わせまして宅地などの非農用地を生み出すとともに、集落排水施設の整備など生活環境を一体的に整備することといたしております。今後の計画でございますけれども、平成六年度から工事に着手いたしまして、圃場整備二十二ヘクタールに合わせまして、市民農園二ヘクタール、さらには住宅予定地〇・五五ヘクタールをそれぞれ整備いたしまして、これに加えまして集落排水施設の整備を行うことといたしております。県といたしましては、主に都市近郊農村地域を対象といたしまして本事業などを活用することによりまして、三田地区を初めといたしまして農業生産と調和のとれました豊かな農村環境や魅力ある田園居住空間づくりを進めまして、活力ある地域社会の形成を図りたいと考えております。 32: ◯議長檜山俊宏君) 福祉保健部長高橋 透君。         【福祉保健部長高橋 透君登壇】 33: ◯福祉保健部長(高橋 透君) 老人訪問看護ステーション設置についてお答えいたします。高齢者の方々が住みなれた家庭や地域社会で安心して療養生活を送るためには、在宅での看護・介護体制の整備が必要でございます。このため、市町村設置の病院、地区医師会、看護協会あるいは医療法人などが老人訪問看護ステーションを設置し、高齢者の方々のかかりつけの医師の指示によって看護婦などを直接、家庭に派遣し、看護サービスを実施するという老人訪問看護制度が平成四年四月に創設されました。本県におきましても、この制度発足以来、市町村や関係団体等へ設置促進を呼びかけまして、関係各方面の御理解と御尽力によりまして、現在、県内に十三ヵ所の老人訪問看護ステーションが設置されているところでございます。さらに、本年九月には全国に先駆けて広島県老人訪問看護ステーション協議会が設置され、サービスの質の向上や普及啓発に努めているところでございます。今後、このステーションの果たす役割はますます重要となってくるものと思われますので、県としましても、市町村や関係団体等の協力を得ながら、過疎地域なども含め、県内どこでも、この制度が利用できるよう、現在作成中の老人保健福祉計画の中に位置づけて、このステーションの設置促進に努めてまいります。 34: ◯議長檜山俊宏君) これをもって質問を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま上程中の議案中、県第一二七号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意については、この際、委員会への審査の付託を省略し、直ちに本会議において議決するに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 35: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。それでは、県第一二七号議案 広島県収用委員会委員の任命の同意についてを採決いたします。本案は原案に同意するに賛成の諸君は御起立願います。         【賛成者起立】 36: ◯議長檜山俊宏君) 起立総員であります。よって、本案は原案に同意するに決しました。  その他の各案については、それぞれ所管の常任委員会ヘ審査を付託いたします。議案付託表は後刻お手元へ配付いたします。  お諮りいたします。十二月十六日及び十七日は、委員会審査のため、本会議は休会とするに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 37: ◯議長檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決します。  次回の本会議は十二月二十日午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時二十分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...