ツイート シェア
  1. 広島県議会 1991-09-04
    平成3年9月定例会(第4日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2019-08-07
    1991年09月26日:平成3年9月定例会(第4日) 本文 ▼最初のヒット個所へ(全 0 ヒット) 1         午前十時三十四分開議 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員五十七名であります。これより会議を開きます。  この場合、、知事、行政委員会の長並びに説明員の出席を求めるに御異議ありませんか。         【「異議なし」と言う者あり】 2 ◯議長(檜山俊宏君) 御異議なしと認めます。よって、直ちに出席を要求いたします。         【知事、行政委員会委員長並びに各説明員出席】              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第七八号議案         至第三十六 報 第 一六号 3 ◯議長(檜山俊宏君) これより日程に入ります。日程第一、県第七八号議案 平成三年度広島県一般会計補正予算より日程第三十六、報第一六号 平成二年度広島県一般会計継続費精算報告書までの各案を一括上程議題といたします。  昨日に引き続いて質問を行います。河井克行君。         【河井克行君登壇】 4 ◯河井克行君 河井克行でございます。本日は、自由民主党の新人議員のトップを切って、こうして本会議場で一般質問をさせていただくことになりました。まず、このことに対して、檜山県議会議長を初め、先輩議員、そして同僚議員に対し、心から感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。  さきの選挙におきまして、私は、次の二つのことを一番力を込めてお訴えをさせていただきました。まず一つ、それは将来の政治家、これからの政治家というのは目先のことだけに振り回されていちゃいけない、五年後、十年後、二十年後の広島の未来を考え、未来をつくる、そういう新しいタイプの政治家が必要になってくる。そして二つ目、自分の選挙区、自分の地元のことを本当の意味でよくしようと思うのならば、選挙区のことしか視野に入らないようじゃいけない、広島県全体、中国地方あるいは日本全体がよくなって初めて広島県も、広島市も、安佐南区も、そして、そこに住んでいらっしゃる一人一人の方々が本当の意味で豊かな生活ができるのだ。この二つを何度も何度もお訴えをさせていただいたわけでございます。本日は、初めての質問でございますので、そういった選挙中申し上げました二つの観点が幅広く認められた結果の初当選というふうに考えておりますので、選挙区に関する、いわゆる陳情質問は一切、本日は差し控えさせていただきます。そして、そのかわりに、広島県が一体これからどうなるのかという県の未来像についての質問、そして提言を具体的にさせていただこうと思います。なお、本日は、質問に当たりまして、実は原稿を用意してきておりません。これは、本当の意味で腹の底から絞り出してくるような、広島の未来を憂い、そして、本当の意味でいい未来をつくっていこうという私なりの考えを、河井克行流の言葉で表現させていただこうと思ったからでございます。そしてまた、それがひいては、県議会のこの本会議場での論議の活性化、そして県民の県政に対する意識をもっともっとこれを通じて向上していただければというふうに判断してのことでございます。  初めに、まず広島の現状認識を申し上げたいと思います。一言で言いますと、今の広島県、私は、明治維新以来の最大の危機的な状況になってきているというふうに考えております。理由は三つございます。まず一つ、人口が減ってきている。確かに統計を見ますと、自然増があるがために、人口はわずかながらふえているようでございますが、一番大事なのは、昭和五十六年十月以降、一年として本県の人口の社会増がないということです。この十年間、差し引き、県外に対して三万五千人ぐらいの方が流出してしまっている。三万五千人といいますと、因島の人口がそっくり消滅したに等しいぐらいの大変莫大な数字でございます。人口というのは地域の活力をあらわす最も明確で大事な指標でございます。ひょっとすると、明治以来続いてきた広島繁栄の百二十年の歴史が私たちの代になってついえる前兆かもしれない。今、私たちの足元は確実に崩れているのじゃないかなという気がいたします。二番目の厳しい現状認識の理由、それは本県の産業経済の偏りでございます。一見、今の広島経済、景気がいいように見えますが、一つにはそれはあくまで日本全体の景気に支えられて広島県もいいのだ、二番目に、自動車産業の景気がいいから本県も好況だということでございます。あの円高不況のころ、忘れもしません、県の商工労働部が一生懸命になって自動車産業だけに一極的に依存した体質を改めて、もっと違う幅広い産業をつくっていこうということを訴え、マスタープランをつくられました。でも、結果は逆だったのです。当時、県の製造業出荷額に占める自動車及びその付属品の割合は大体二一%、平成元年度二七%、逆に自動車への一極集中がふえている。もし、自動車会社が本社を東京に移したらどうなるのか、あるいは海外に対して生産拠点を今以上に移転したらどうなるのか、あるいはまた、地球的な規模での業界再編成が行われたら一体どうなるのか、本県が抱えております問題は何ら解決されておりません。三番目の厳しい現状認識の理由、これは広島県の未来ビジョンについてでございます。あと三年たつとアジア大会がやってくると言いますけれども、私は、三年たったらアジア大会が済むのだという意識を持っていただきたい。そこから先、どんな未来があるのか、どんなプロジェクトがあって、どんなビジョンがあるのか、まだ明確でないような気がしてなりません。明治以来、基本的に広島県は時代の追い風、フォローの風を受けて発展してきました。最初から言いますと、軍都広島、学都広島、そして高度経済成長期の瀬戸内コンビナートの中心都市という、それぞれの追い風があった。今、時代の追い風は広島には吹いておりません。九州や東北地方に向かって吹いている。風がやんだ今、広島県は高々とビジョンを提示しなくちゃいけない。これからはビジョンが、イメージが力を持つ時代だと思います。ビジョンが人を呼び、ビジョンが投資を呼び、ビジョンが時代をつくっていく。そういう以上の三つの理由から、私は広島県の状態、かなり厳しいなというふうに考えております。  それでは、同じような時代を生きているほかの県はどうなんでしょうか。他県との比較、広島のライバルは岡山なんかじゃないのです。本来は北から順に北海道とか宮城とか福岡、そういう地方の雄県、地方中枢県と競わなくちゃいけない。最近、そういったところへ行って皆さんもお感じでしょうが、何だかだんだん差が開くばかりだなという感じがしてなりません。いずれも、その三つの地域に共通することは明確なビジョンを持っている。まず北から順番に言いますと、北海道は北方圏の国際拠点地域構想、これを持っております。北方領土、シベリア、カムチャツカ半島、それら全体をにらんだ北方圏の北海道は首都になるのだという意識を持っている。仙台につきましては、東北地方全体を東北大学をネットワークとして国際的な科学技術の首都にしていこうという発想を持っている、東北インテリジェントコスモス構想でございます。福岡については、もはや九州の中の福岡じゃない、そんなちっちゃい発想ではなくて、アジアの首都になっていこうという構想を持っている。このいずれにも共通することは二つありますが、まず一つは、私は独自性があるということだと思います。その地域でしか打ち出せないことを打ち出していらっしゃる。情報化とか国際化とか高齢化とかリゾートとか、そんなありきたりのキャッチフレーズを言っていたら、だれも振り向かない時代でございます。広島でしか打ち出せないことを打ち出さなくちゃいけない。二番目の共通点は、大変ダイナミックだということでございます。言葉をかえると、大風呂敷です。北海道を北方圏の首都にしようという大風呂敷、でも大風呂敷でいいじゃないですか。大風呂敷を何度も何度も言ううちにだんだんと、周りの人も最初は半信半疑だったのが信じるようになってくる。そして、具体的な施策の肉づけができてくる。中央も振り向く。企業も投資をする。いずれも今、三つの地域、それぞれの構想が具体的なレベルで実現に移ってきております。一つのエピソードを御紹介させていただこうと思います。数年前、第四次全国総合開発計画──四全総が策定されたときの逸話でございます。当時の国土庁長官が全国の地方中枢圏を回ってヒアリングをいたしました。そのときの印象で、広島に立ち寄ったとき、広島から出てきたビジョン、プロジェクトが一番インパクトが薄かったなという印象を、偶然、私の知人が当時役所の中におりましたので、そういう話を聞いたことがあります。中央からそういうふうなことを言われちゃいけない、広島はもっと独自性とダイナミックさを発揮すべきだというふうに考えております。まず、知事、以上の私の現状認識、そして他県との比較についての意見というのを伺いたいと思います。  では、具体的にどんな未来をつくっていきたいのか、未来への私なりの提言をつくってまいりました。それを発表させていただきたいと思いますが、その前に、本当の意味で仕事をするのは県庁の職員の方々です。二十一世紀に向かう県政を進める中で、私は新しい三つの基本姿勢を持っていただきたいと思う。まず一つは、前例主義の打破でございます。ほかの県でやっとらぬから──まだやってないからこそやるんだという冒険的な精神、スピリットを持っていただきたい。二番目は、みずからの頭と足で考えるという姿勢です。中央政府や中央のシンクタンクの情報を待つのじゃなくて、広島県のことを一番よく知っているのは県庁の職員ですよ。もっと誇りと自信を持って、自分の頭で考えていただきたい。三番目は、総花主義からの脱却でございます。あれもこれもと言っている間に、結局、あれもこれもできないようになってしまう。今、広島県が一番外部から求められているのは、明確な顔であり、目玉です。どんな県にしていきたいのか、どんな地域になっていくのかという意味で、具体的な中核としてのビジョン、アイデアを持っていただき、そこからいろんなものを派生していただければと。以上、三つの基本姿勢を申し上げさせていただきました。それにのっとって以下五つ、具体的な未来への提言を申し上げたいと思います。  まずは、県庁のシステムを変えなくちゃいけません。抜本的な機構改革、特に企画機能、考える力を充実していただきたい。具体策は三つございます。  まず一つ、「ひろしま未来室」の新設です。ちょうど再来年が県の長期計画の改定といういいチャンスです。そこで、本当の意味で未来をどうするか、ビジョンをどうするかということは県庁の職員の方、なかんずく若手職員の頭の中に入っている、それを引き出すわけです。この春から横断的な組織の県庁の若手職員の勉強会ができました。でも、本業の傍ら、月に一回、二回集まるぐらいで本当に実のあるビジョンが出てくるのか──私はそうは考えません。そこで、長期計画だけを改定するような専門セクションを新設していただきたい。そして、そこに各部の企画関係のいろんな人々を集中して、思い切った若手職員の集中を図っていただきたいと思います。  二番目の具体策は、「中四国広域共同政策室」の新設でございます。中国・四国地方の中心だと広島県が本当に思うのならば、それをねらっていくのならば、もっとほかの県の面倒を見なくちゃいけない。先日、こういうことを聞きました。今度、中国横断道の広島-浜田間が開通する。浜田の人が心配しております。ストロー現象が起こって、人や情報やお金が広島に吸い寄せられるのじゃないか。そこで、例えば広島県の農業予算でもって島根県に対して投資する、それぐらいの度量を持っていただきたい。今の県境は、もはや意味がありません。明治のころ、人間が二本の足で歩いていた時間的な距離で今の県境は決められた。今、広島からジェット機に乗ったら数時間で中国・上海に行く時代です。中四国地方全体が広島県ぐらいの度量を持った施策をつくっていただくために、まず共存共栄という思想を抱いていただいて、中四国の他県の企画担当者に本県に出向していただき、そして、この地方全体をどんな地方にするのだという共同プロジェクトを共同の頭でつくっていく、その本拠地を広島県の中に置かれたらいかがでしょうか。
     三番目の具体策は、人事交流の徹底した拡大でございます。行政が自分の持っております許認可権限にしがみつく時代は終わりました。これからは最大の財産、最大の宝は、この中で働いている県庁の職員の方々です。もっと活性化していただかなくちゃいけない。そのためには、民間企業への出向制度、今でもあるそうですが、もっと枠をふやしていただきたい。そしてまた、海外研修制度も拡充をしていただきたいと思います。  二番目の未来への提言、これは大胆な未来ビジョンをつくっていただきたいということです。最低でも一兆円ぐらいのプロジェクトを提示しないと、中央も企業も振り向いてくれない、そういうふうに考えます。そこで、私は、「広島アレキサンドリア構想」というのを提言申し上げたいと思います。これは広島を舞台にして国際的な人材育成、交流の拠点をつくるわけです。ちょうど昨年来、竹下知事さんが提言されております国際人材育成拠点構想、これに相通ずる面もあると思いますが、もっと大胆に、もっと目玉として打ち上げていただきたい、そういうふうに考えます。そして、世界じゅうに存在する、ありとあらゆる人づくりのニーズを満たせるような施設をこの広島につくる。例えば、工業技術を習得するだけじゃなくて農業技術の習得、そして放射能医学の伝統、そしてまた、世界じゅうの一流の経済人、学者あるいはアーティスト、文化人たちに住んでもらうような交流村、別荘村というのをつくる。それを一つずつ積み重ねていって、結果として、あたかも古代エジプトの首都であったアレキサンドリアに当時の世界じゅうの一流の人たちが集い、交流し、新しい文化・文明が生まれたというふうに聞いております。私は、広島はそれぐらいの器といいましょうか、可能性がある地域だというふうに考えております。そういう意味で、このアレキサンドリア構想というのを、またまだこれから充実させなくちゃいけないと思いますが、提言申し上げたいと思います。  三番目は、間近に迫ったアジア競技大会の成功でございますが、何をもって大会の成功と言うのか。警備が万全で、単に入場券が全部売れるのが成功じゃないのです。これは広島にとって、ひょっとしたら最初で最後の本当の広島の姿を世界じゅうの人々にPRするチャンスかもしれない、そういう受けとめ方をしていただきたい。でも、現実は、実は今月の初め、マレーシアに行ってきました。向こうの産業大臣や防衛大臣、あるいは十代、二十代、三十代の一般市民と交流することがありましたけれども、三年後に広島でアジア大会が開かれるのを知っていた人は一人もおりませんでした。まだまだ国際的なPRをしなくちゃいけない。具体的には三十八の国や地域に宣伝のキャラバン隊を出す。そしてまた、内においては広島を売り出す国際キャンペーンを打つわけです。名称は一応、広島を訪問しようということで、「VISIT HIROSHIMA'94キャンペーン-国際観光年・ひろしま」というキャンペーンを起こすわけです。三万とも四万とも言われる大会の会期中来られる方々を広島県内に収容するのは無理です。それをさっき言いましたように、中四国地方全体の主要な観光地をルート化して、それをパッケージとして広告代理店、旅行代理店にプロモーションする、そういうふうな広域的な、ほかの県にもメリットがあるような観光キャンペーンをぜひ打っていただきたい。  もう一つの、アジア大会の成功を支えるものとしまして、ホームステイの家庭、ボランティアの要員を大々的に、先行的に募集をしていただきたいと思います。今、もう既に私のもとに、アジア大会に来る人を一泊ぐらいうちの家に宿泊してもらってもいいよ、ボランティアでもいいよというような声が来ておりますが、どこに聞いたらいいかわからぬと皆さん言われます。ひろしま国際センターがその任にもし当たるのだったら、県民にわかりやすいような形で今のうちから情報提供をしていただきたい。そして、ホームステイについては、ある程度、県も補助金を出すぐらいの覚悟を持っていただきたいな、それが通じて初めて本当の意味での草の根レベルの国際交流が、私はこの大会を契機として起こるんじゃないかなというふうに思います。  四番目の未来への提言は、広島市の中枢性を高めるという観点で、市の中心部にある公的機関の移転を検討していただきたいということです。具体的には県庁とか市民球場とか刑務所とか県立広島女子大、本当にこんな地価の高いところにあっていいのでしょうか。ここの一番新しい地価は一坪三千七百万円です。あってもいいかもしれないし、あっちゃいけないかもしれない。でも、今一番、広島人にとって大切なのは、目の前にあるこの姿を当たり前のものだというふうに認めるのじゃなくて、現状に対するノー、もっとよくなるのじゃないか、もっとよくなるのじゃないかという意識を持って検討していただきたいということであります。特に、私は広島女子大、今改革論議が盛んになってきております。これは、あのような宇品の狭いところに閉じ込めておいて、十年、二十年後の女子教育の殿堂にするのじゃなくて、思い切って西部丘陵都市あたりに移転させる。そうしますと、緑もある広大なキャンパスがあります。そして、すぐ近くには広島修道大学や新設なる広島市立大学もある。三つの大学で一つのキャンパスだという日本で珍しいものができ上がるわけです。そして、その三つの大学の間での単位の交換制度や教授や学生のお互いの交流、そういったものが図れるのではないかというふうに考えます。なお、この問題については広島市からもいろいろな意味で打診といいましょうか、問いかけがあるというふうに考えておりますので、特に検討していただきたいと思います。  五番目の未来への提言は、広島県と広島市、そして、その周辺の市町村との関係をもっと強めていただきたいということです。当たり前のことですが、広島市が発展しないと県全体は発展しないのです。広島市がもしぽしゃったら県北もぽしゃるし、島しょ部もぽしゃる。幸いなことに、今度の新しい広島市長さんと竹下県知事は個人的に関係が良好だというふうに伺っております。大変いい機会だというふうに思いますので、この機会をとらえて県、広島市、そして周辺の市や町、村、そのトップレベルと部長、局長レベルと担当者レベル、重層的な日常的なディスカッション、議論の場をまず持っていただきたい。こういうことをやろう、ああいうことをやろうとする前に、まず場を持っていただければ幸いというふうに考えます。  以上、いろいろと未来への提言を質問させていただきました。中身は違うかもしれませんが、広島の未来が、このまま行っちゃ暗い、一体どうなるのだという質問は、この場で過去、先輩議員が何度もやっていらっしゃるのです。そのたびに知事は、検討する、検討するというふうにおっしゃっている。きょう、私は、できるだけ具体的な質問といいましょうか、提言をさせていただいたつもりです。知事がやろうと思ったら、すぐできるような質問じゃないかなというふうに思います。ですから、知事、ぜひ具体的な御答弁というのをお願いいたしたいと思います。  最後に、私の一般質問の締めくくりといたしまして、一つの詩を御紹介させていただきたいと思います。これは、サムエル・ウルマンという人の書いた「青春」の詩の一節でございます。「青春とは心の若さである。老いるとは年をとるということではない。未来に対する夢や希望が抱けなくなったとき、人は初めて老いていくのだ。」私たちのふるさと・広島県を老いさしちゃいけません。明治以来の先人が一生懸命つくってきた、この輝かしい燃えたぎるようなたいまつの炎・広島県を、私たちは次の世代に引き渡さなくちゃいけない。そのための義務と責任が、私たち県議会議員にはあるというふうに考えております。不肖、私、河井克行もその先頭に立たせていただいて、理想の広島、理想の政治というのをつくっていきたいということを改めてお誓いさせていただきまして、以上で質問を終わらせていただきます。御情聴ありがとうございました。(拍手) 5 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事竹下虎之助君。         【知事竹下虎之助登壇】 6 ◯知事(竹下虎之助君) いろいろ答弁資料をつくっていただいておりますけど、それにこだわらないで、私見を少し交えながらお話を申し上げたいと思います。  広島県の置かれております現状とか将来のあり方につきましていろいろな角度から貴重な御意見、御提言をお聞かせいただきまして、大変参考になりました。ありがとうございました。  最近の広島の現状と問題点、私なりに多少申し上げますと、最近、特に五年間、あるいは、もう少し短くして景気が非常によくなりましてからの三年半の間、多極分散型国土の形成ということとは全く裏腹に、東京圏への一極集中が一段と加速されまして、同時に多くの県から人口の減少の問題が提起されている、非常に深刻になってきているということが一つ。第二点は、その原因は経済の高度成長が四年にもわたって続いたこと、高速交通ネットワークが逐次整備が行われまして、中央へ引っ張る力の方が非常に強くなってきて、分散に余り役立たないという現象が起きておりますこと。三番目は、首都圏以外でも地方中枢あるいは中核都市を中心に人口や諸機能の集積が進んだところ、あるいは人口三十万人以上の都市、さらに、小さくても県庁所在地といったようなところだけが人口増になってきて、その他の地域というのはほとんど、日本全国全市町村の三分の二以上が人口減の現象に最近はなってきております。したがって、これは何をあらわすかと申しますと、やはり都市圏相互間の競争が激化してきておりまして、独自性なり特色のない、なかんずく学校出の若い方々に魅力を持たれない都市というのは停滞もしくは衰退していきつつあるという現象が如実に出たこと。それから四番目は、全国的に見ますと、西日本地域における人口減というのが極端でありまして、西から東へ、ちょうど日本のお天気と同じような現象が出てきているということ。五番目は、社会増──さっきお話がございましたが、広島県も社会減になっております。社会増の県を見ますと、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州の各地方の中で社会増を伴います人口増加県というのは宮城県だけで、福岡県も広島県も社会減の県に陥っているということでありまして、先般、宮城ヘ行きましたときに、いろいろ宮城の企画部の皆さん方のお話を聞いてみたのでございますが、やはり東京三百キロ圏といいますか、東京圏に巻き込まれたと、東京ヘ通勤ができる、一番速い新幹線で一時間四十四分で仙台から東京駅まで行けるようになりました。転勤される方が家を仙台ヘ求めて買いまして、家族を住まわせて、東京へ一人で赴任する。住民登録人口は全部仙台ヘ置いていかれるといったような格好で、広島と逆の現象が仙台にはある。広島の場合には東京から御主人が単身で会社とか官庁へ赴任されるときには来られる。仙台へは家族を連れていって、家も自分で将来住む家をつくられて、東京への転勤の場合には逆に一人で御主人が東京へ帰るという広島の逆現象といったようなことを聞きましたけど、そういったようなことで日本の東京三百キロ圏以外の地域というのは、仙台を除きまして、あるいは仙台を含めまして全部社会減になってきているというのが、ここ四、五年の間の極端な問題ではないかなと思っております。それからもう一つ、いろいろと御指摘がございましたが、中心となります都市というのは、やはり地勢学的に少し分析する必要があるのではなかろうか。御指摘のように、北海道は一番北の端にあり、札幌はなかんずくそうでございますから、北方圏にも一番近いし、アメリカへも距離的には一番近いのが北海道でございますので、北を向き、あるいは東を向いて伸びていこうとされるのはよくわかります。それから、いろいろございますが、福岡の場合は、東京、大阪と遠過ぎるということの利点というのを大いに生かしたい、福岡-東京間は千百キロ、しかし、福岡とソウルはわずか五百四十キロ、福岡と上海は八百キロと、福岡を中心に考えますと、東京よりも上海やソウルの方が福岡に近いというので、やはり東京を向かないでアジアを向きたいというのが福岡の経済界の皆さん方を中心としたお考えのようでございまして、お話にもありましたように、最近では非常に福岡、市が特に中心でございますが、アジアということを強調されておりますのは、やはりその地勢学的な位置というのをかなり重視なさっているということでありましょう。そういった点を分析して考えました場合、広島といいますのは、大阪にも毎年毎年近くなってきますし、福岡にも毎年毎年近くなってきている。広島-大阪が約三百キロ、広島-福岡が約二百七十キロで、新幹線で言いますと、二時間を割りまして一時間四十分前後で広島から大阪へ、広島から福岡ヘ行けますし、一日十一回も一時間で広島から東京へ行けるようになってきておりまして、いわゆる広島の地理的条件を考えてみますと、非常にそういった点、攻め込まれやすいといいますか、人の交流が頻繁に行われやすくだんだんなってきたということで、高速交通体系の整備とともにその傾向がやはり強くなってきている。それだけ広島は便利になりましたけど、競争が激化した都市なり県にそれ以上になってきたというところに問題があるのではないか。したがって、そういった一つの問題意識を持ちまして、これからの広島の将来というのを、あるいは未来というのをどう考えていくかというのが、やはり問題意識の一つの根幹になるのではなかろうかなと、私考えております。ことしの当初県会──予算県会におきましていろいろと知事提案理由説明等で、残念ながら河井議員まだいらっしゃらなかったわけでございますけど、そういった意識を持ちたいということで、拠点づくり、特に中四国、全国、国際レベルに通用するような機能の集積とか都市機能の強化を図る方策を強化したいとか、あるいは中四国地域を視野に入れました広域的なプロジェクトを推進したいとか、ポストアジア大会を目指した今後のプロジェクトの掘り起こし、調査検討費を大いに組みまして、百家争鳴の議論をしていただこうではないかといったような予算をかなり盛りだくさんに組みまして、今、それを分担していろいろとやっていただいている最中であります。御指摘のようなことを踏まえまして、今後のポストアジア大会、あるいは二十一世紀を展望いたしました広島の未来について、もちろん県がしゃんとしなくてはいけない、県市で頑張らなくてはいけないと思いますけど、全県民的な議論にぜひともしてもらいたいものだということを念願しております。首都圏の拡大とか、あるいは札幌、仙台、広島、福岡といいます四極構造の問題とか、第二国土軸とか、瀬戸内三橋時代へどう対応していくかという国土構造の変化とか、ボーダーレスとかエコロジーとか低出生率、長寿化とか真の豊かさとは何かといったような社会の潮流といいますか、そういったようなことを十分に考えながら、広島は広島としての生きる道というのをぜひとも探っていきたいという気持ちを持っております。基本的には、河井さんの御意見に同感であります。  第二点は、未来への提言というので五つの項目につきまして具体的なお話がありました。  第一点は、「ひろしま未来室」といいますか、一つのシステム、機構をつくったらというお話がありました。本来、企画振興部というのがそういう役割を、名前にこだわるわけではありませんが、企画調整課をひろしま未来室に直しただけで済むわけじゃありませんけど、調整機能というのは別の機能でございますけど、本来の企画機能というものは、やはり将来の広島を考えて、いろいろと誤りなきよう大所高所から少し長いスパンでいろいろと考えていただくというのがそのセクションであろうと思っておりまして、名前にこだわるわけではありませんけど、企画部頑張れといったような御趣旨だと思いますが、一昨日も御答弁申し上げましたように、企画機能というのは将来強化すべき部門であると、私も同感であります。来年度の四月あたりには十分そういった点を考えまして実行に移したいという気持ちを持っております。  第二点は、「中四国広域共同政策室」といったようなものをつくったらどうかというお話であります。お考えのお気持ちは非常によくわかります。私も努めまして、広島県の知事であるけど、広島県内に閉じこもっているだけではなくて、中四国ブロック九県のおつき合い、中国五県の取りまとめ役、あるいは西瀬戸七県の会議へも全部出席しております。そのほか、瀬戸内海ブロックといたしまして六県の会議と、瀬戸内の環境保全の会議は十三県で構成しておりますが、いろいろな広域的なおつき合いの会合がございます。その中でやはり中心県であるとか中核県であるという意識は、私は努めてセーブして、抑制しております。みずからの実力をつけまして、そのためにはまず協調型といいますか、取りまとめ役とか、そういったような役割というのが、こういった数県の利害が相反するような会合を取りまとめて物事を進めますためには、やはり辛抱に辛抱を重ねまして謙虚に、広島県の言うことだから聞かなければいかぬのじゃないか、せっかく取りまとめをしてくれるのだから協力しようやといったような、ざっくばらんに言いますと、そういったようなことがまず必要ではないかというので苦労しているわけであります。もちろん広島からの情報発信というのは必要であり、いろいろな意見を広島でつくりまして、提案しまして、各県の協調を得るということはそれ以上に必要でありますので、これもまた企画部の中には中四国広域共同政策室的な仕事なり機能なりセクションなりがあるのだということで、具体的にお気づきの点がございましたら、御注意なり御指摘を賜りたいと存じます。  第三点の人事の交流については全面的に御賛成いたすわけでございまして、昭和五十七年、私が知事になりましてから今日まで、商社とかシンクタンク、金融機関、第三セクター等に百五十七名の職員を民間の機関に派遣いたしまして勉強をさせてきました。海外派遣の研修につきましても、在外公館とか国際機関とか海外事務所とか海外留学等を含めまして、今五十九名の職員を出しました。視野を広げていただきますためにはよその飯を食うことは必要でございますし、ボーダーレスの時代に外国の言葉が話せたり外国の事情に通暁することがやはり必要でございますので、御趣旨のとおり、引き続き、これらの制度を整備拡充いたしまして、時代の要請に応じた人材の育成には努める所存であります。  それから次は、大胆な未来ビジョンの策定、特に国際人材育成とか何かのことについてどう思うかというお話でありますが、これも全面的に賛成であり、実行に移そうと思いまして具体的な課題に今取り組んで、苦労しているところであります。大阪も福岡もアジアということを盛んに言われますが、拝見したところでは、どうも両地域とも経済中心の主張といいますか、政策といいますか、それに偏っているように思いますが、やはり広島の独自性というのを国際交流とか国際化の面で出そうとすれば、経済もさることながら、やはり教育とか、なかんずく今話がありました、広島という土地は、明治二十三年以来、アジアの皆様方が日本語を勉強するために留学する一つのところであって、旧制の一校とか三校にそういった制度をつくります以前に、広島高等師範でやっておられた歴史があるし、また現在、数少ない教育学部の中に日本語教育学科などというものを現在の広大もお持ちになって、筑波と大阪外国語大学とともに海外から来ております国費の留学生を半年間あるいは一年間、西日本地域の大学への国費留学生は全部広島大学の教育学部で日本語を教えて、勉強させて、それで九州大学へ、熊本大学へ、山口大学へも移しておりますので、ぜひ私は教育、なかんずく日本語教育といったようなことについて広島はそのメッカである、中心であると言っていただけるようにするのが一つの行き方である。二つ目は、加工組み立て型の工業等々、いろいろと広島独自の中小企業、中堅企業も育っておられますので、アジアで一番必要とするのは、そういった労働集約的な中小企業、中堅企業が持っておられます特異の技術であり、そういった広島らしい技術の移転を図りますための研修センターというのができないかということ。それから三番目は、アジア大会も行いますし、その施設も恐らく完備いたしますので、スポーツということについての一つのセンターとして、どうぞ毎年でもサッカーの大会を「ひろしまカップ」ということでアジア諸国のサッカー大会を開かれるなり野球大会を開かれるなり、どうぞ広島でおやりいただいたら、施設もあれば、いろいろとノウハウも持っておりますといって、各競技団体が広島の今度のアジア大会の施設を気軽に使われるようなアジアのスポーツセンターにするというのが一つの行き方だろう。それからもう一つは、これは京都大学の矢野先生のお知恵でございますが、とかく日本の国際協力事業団-JICAがやっております国際協力、ODAがやっておりますそれは工業技術に偏重していて、東南アジアで一番必要としている農業の振興についての技術研修というのを東京でも大阪でも北海道でも、その他のJICAの施設で全然やっていない、やっていても筑波だけで少し弱過ぎる、だから広島であったら農業の関係での貢献というのがアジア、なかんずく米作を中心としております地域について寄与できるのではないか、だから、もう少し農業についての研修というので広島らしさを出せというアドバイスを受けておりますが、これももっともなことであろう。それと放射線医学といいますか、多少軌道に乗ってきたかなと思っておりますけど、そういった広島らしい国際協力の仕方といったようなところに広島というものの特色が出ないものかということで焦点を絞りまして実は苦労しているのでございますが、なかなか言うべくして簡単にできませんので、またこういった点につきましてもアドバイスを願いたいということであります。  それから、アジア競技大会について二点お尋ねがありましたが、アジア大会というのはやはり要約しますればスポーツの振興、国際化への貢献、社会基盤の整備という三つに尽きるのではないか。御提案がございましたが、悔外へのPRを展開するとか必要でございますし、また、海外の観光宣伝を兼ねましたキャンペーンというのも適切に実施したいと思いますし、やっているつもりでございますけど、まだまだ不十分でありますし、また、県外の中四国地域の観光資源ともセットにいたしまして、旅行代理店等の協力を得ながら、なかんずく宿泊施設ということを考えてみたらそうではないかというお話でございますが、ごもっともでございますので、組織委員会の方ヘ伝えまして、そのようにしていただくように努力するつもりであります。  それから、ボランティア活動のことにつきましては、既に財団法人ひろしま国際センターで語学の関係のガイドさんとかホームステイのボランティアといったものは募集いたしておりまして、かなりの数の方が手を挙げていただいておりますので、講習会を開いたり、いろいろ会合を開きまして、そういったことは始めております。今お聞きいたしますと、まだまだPRが足らないようでございますので、あわせまして県民の皆様方に御理解いただいて御協力いただけるように今後とも努力いたします。  それから第四点は、広島市の中心部の公的機関を外ヘ出したらどうかというお話でありまして、別段少しも、県庁をどうするかとか、県立広島女子大学をどうするかということを私が一人で決めるわけにはいきませんけど、そういった世論というのがほうはいとして起こりますれば、大いに検討すべき課題だと思います。人間も企業も建築物も都市計画も、三十年もすればスクラップになりますし、やはり見直しの時期だと思います。広島市の都市計画というのも名古屋とともに立派でありましたけど、やはり時代とともに土地利用というのは変わってくるべきだというのは当然であります。そういった点を考えますと、広島市中心部の公的機関の移転というのは一つの過程として議論をしていただく時期には来ている、こう思っております。  それから、県と市との関係強化というのが五つ目の提案でございますが、いろいろと御注意をいろいろな筋からお互いに市長も私もいただいておりますので、その方向で努力しておりますし、かなりそういった点につきましてはマスコミの皆様方にも御理解いただけるような段階になったかなと、あわせて、私、市長、二人だけではいけませんので、関係の職員間のそれもやっておりますし、特に土木とか都市行政につきましては密接不可分な関係がございますので、努力させているつもりでございますが、お気づきの点がありますれば御注意いただきたいと思います。 7 ◯議長(檜山俊宏君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時四分開議 8 ◯議長(檜山俊宏君) 出席議員五十七名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。田中信一君。         【田中信一君登壇】 9 ◯田中信一君 民主クラブの田中でございます。私は、来るべき二十一世紀の高齢化社会が、経済の安定と成長が続く中で経済の量的拡大よりも社会の質的向上を重視しながら、生産技術の向上がゆとりに向けられるシステムが確立した社会でなくてはならないと思うのであります。すなわち、豊かな生活を実現するための経済的条件が整い、生活を楽しむための時間、場所、情報等が確保され、文化活動や趣味等を通じて人々の交流が深まり、だれもが生き生きと充実した生活を送ることができる「ゆとり型」の社会にしていかなければならない、このように考えるのであります。このような視点に立って、高齢者対策とリゾート開発に関する問題に的を紋って質問をいたします。  まず初めに、将来の広島県について、知事は、本県がどのような姿であったらよいとお考えでしょうか。また、そのためにどのような施策を展開しようとしておられるのか、御所見をお伺いいたします。  まず、高齢者対策についてお尋ねいたします。我が国は、今や平均寿命八十年という世界最長寿国になり、二十一世紀には国民の約四人に一人がお年寄りという超高齢化社会が訪れようといたしております。このような二十一世紀の高齢化社会を、すべての方々が健康で、そして、生きがいを持ち、安心して生涯を過ごせるような社会とするためには、我が国が現在の北欧並みの高齢化社会に変化をする二十世紀最後の十年の間に、特に高齢者の保健福祉サービスの分野における基盤を早急に整備することが必要であります。国においては、平成元年十二月に厚生、大蔵、自治の三大臣の了解事項として高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略、いわゆるゴールドプランが策定され、二十一世紀の超高齢化社会に立ち向かう戦略的対応が位置づけられました。また、これを受けて、平成二年六月に老人福祉法等関係八法の一部改正が可決、成立を見たのであります。この法の改正は、一つには、近年、強調されてまいりました福祉理念であります、高齢者も若者も、そして、障害を持つ人も、また、そうでない人も、ともに暮らし、ともに生きる社会こそ、当たり前の普通の社会であるという考え方、いわゆるノーマライゼーションとその方策としての地域福祉を推進するための条件整備が、法制度上、一歩踏み出されたことであり、福祉政策の地域志向への転換、市町村行政の重視、在宅ケアの具体化の方向が見え始めたこと、二つには、老人の在宅ケアには不可欠な保健サービスと福祉サービスの連携、これを軸に、総合的なサービスの提供の必要性が政策的に明確にされ、そのサービスを住みなれた地域で身近なところから求められる体制づくりが始まったこと、三つ目には、地方自治体が我が町の高齢化社会の将来を描きながら、介護サービスの中心となる保健福祉サービスの整備を計画的に推進する計画行政を導入することとなったこと、これにより、関係者からは地方自治体の実施の姿が見えてくるようである、このように期待と関心が寄せられております。ところで、この法律は、平成五年四月から全面実施されることになっており、ことしからいよいよ準備段階に入ったわけですが、本県のこれまでの取り組み状況と今後のスケジュールについてお伺いいたします。  また、これまでの長い間、福祉行政は国主導のもとに行われ、地方自治体は下請的な実施機関としての役割でしかありませんでした。このような情勢では、市町村には老人保健福祉計画で求めるような政策形成の主体者としての経験がないわけでありまして、これまでは生活保護を中心とした福祉サービスが多かっただけに、利用者にとって余りにも制約的であり、ぎりぎり困ったときに利用するものというサービス観が市町村にはほぼ定着してきているのであります。今、その条件などが撒廃され、だれでも、いつでも必要があれば利用できるという、利用されやすいサービス観に大きく切りかわっている中で、長い間の行政慣行からの脱皮など、地方自治体の福祉行政の急旋回が伴っていかなければならないと思いますが、県は市町村などをどのように啓発され、指導していこうとしておられるのか、御所見をお伺いいたします。  また、この法律の改正に伴って福祉行政の主役が市町村に位置づけられることになりますが、県の役割は何であると判断され、具体的にどのような役割を果たしていこうとしておられるのか、お尋ねいたします。  次に、保健、医療、福祉サービスを担う人材の養成と、その確保対策についてお伺いいたします。すべての県民がひとしく適切な保健医療、福祉サービスが受けられようにするためには、高齢化の進展に伴って、今後ますます増加することが考えられるリハビリテーション需要の高まりや老人保健施設の増設などに対応した保健医療、福祉を支えるマンパワーを将来にわたって養成をする大学等の設置が必要であります。看護婦養成のための大学、短期大学の全国設置状況は、大学が十一校、定員五百五十八名で、将来十四校の設置が計画をされており、短期大学は六十校、定員四千八百八十名で、そのほかに八校の設置が計画されておりますが、中四国地方に設置されている大学はわずかに一校で、定員二十名にすぎません。県においては、福祉・医療系人材養成の立場から大学等の必要性について検討中であるとお聞きいたしておりますが、高等教育機関の地方分散による地域の活性化のためにも、三原広域市町村圏の中核都市であります三原市へぜひとも設置できますよう御支援いただきたいと存じますが、いかがでしょうか。  また、現在検討されております状況もあわせて、知事のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。  次に、痴呆性老人対策についてお尋ねいたします。痴呆性疾患につきましては、国において、その原因、予防方法、治療方法等の本格的な調査研究に着手をされており、未解明の部分も多いようでございますが、介護者の精神的、肉体的な負担が極めて大きいことから、社会的にも大きな課題であり、早急な対応が強く求められております。中でも最も深刻な間題は、介護に関するものではないでしょうか。介護に当たる人の八七%が女性で、しかも、一家の中心となるお嫁さんが多いのが特色となっておりますが、過労で高齢者を残して早死にをするお嫁さんや娘さんが目立ってきており、しかも、在宅介護者の過労死は労災保険の対象にはなりません。闇から闇へと消えているのが実情でございます。私は、痴呆性老人の対策は介護する必要のある人に対して、せめて三十日程度の休暇を与えてあげ、法律や、介護のために仕事を休んだ分の給与が社会保険で支払われるスウェーデン方式とまではいかないまでも、地域支援態勢や施設介護が充実した総合的な施策が必要であると思いますが、いかがでしょうか。本県のこれまでの取り組み状況と今後の拡充策をお示しいただきたいと存じます。  次は、リゾート開発についてお尋ねいたします。ゆとりある国民生活を増進するとともに、地域振興に資することを目指し、昭和六十二年に施行された、いわゆるリゾート法は、新しい時代の地域活性化の切り札として日本列島を沸き返らせ、各地で華々しく構想が打ち出されました。四年が経過した現在、基本構想を承認された三十道府県のうち、二十二の道県で主要なプロジェクト計画が変更を余儀なくされたり、計画変更の可能性が大きくなっており、施設計画に至っては当初の一割前後しか完成していないようであります。計画がつまずいている原因としては、バブル経済の崩壊や地価の上昇といった経済的要因や自然破壊を中心とした環境問題が中心で、このため、二十一道府県で開発を規制する条例や要綱が新たに制定されており、行き詰まりを見せ始めたバブル経済と相まって、今後の事業展開に影を落しております。また、日本開発銀行と地方銀行を中心とした環瀬戸内海振興計画研究会が発表したシミュレーション調査の結果によれば、これまでの「リゾート開発は五%の経済的波及効果はある」との見方を覆すものとなっております。すなわち、雇用拡大効果は年間に最大で〇・五%の増、県民総生産を押し上げる効果も最大一・六%の増という極めて低い数値で、こんなにも効果がないものかと関係者が驚いているほどでございます。知事は、このような開発の行き詰まりや経済波及効果の少なさをどのように受けとめておられるのでしょうか、率直なお気持ちをお聞かせいただきたいと存じます。  ところで、本県におきましても、海の文化十字路と位置づけた瀬戸内中央リゾート構想が策定され、民間活力を導入しての開発事業が展開されておりますが、今のところ、大きな計画変更もなく、順調に進んでいると聞き及んでおります。リゾート開発は、確かに子孫に受け継いでいかなければならない自然という貴重な財産を破壊するという一面を持っておりますが、その一方で、人口減に苦しみ、失望しながらも、施設計画が多少変わっても地域活性化に向けて開発をしていただきたい、このように願う者も少なくないのであります。私は、本県で展開されている開発事業というものが、自然に十分配慮された、環境にやさしいものに見直していくべきであると考えますが、いかがでしょうか。これまでの事業の進捗状況と今後の見通しについても、あわせて御所見をお伺いいたします。  次に、海洋・沿岸域の総合利用についてお尋ねいたします。海洋・沿岸域を舞台に海とのかかわりの中ではぐくまれてきた人と海との共存関係を将来に向けても維持し、県民全般の共有財産として次の世代に引き継ぐことこそ、私たち県民に課せられた責務であります。ところで、海洋・沿岸域は県民に安らぎと潤いを与える場として積極的に利用する必要が高まるとともに、海洋性のレクリエーションやリゾートへの需要の増加、さらには、臨海部の再開発や人工地盤、海上浮体施設の整備等に活用し、地域の振興に役立てようとする機運が盛り上がっております。県においては、海洋の活用に当たって、自然環境の保全を基調とした秩序ある総合的、計画的な適正利用を進めることによって、新瀬戸内海時代にふさわしい海洋・沿岸域を形成するため、海洋・沿岸域総合利用計画を策定されましたが、まことに時宜を得たものであり、大いに期待するところでございます。この利用計画では、地域の特性を十分に把握した上で、自然環境等を維持、回復及び保全を図っていく保全区域と、利用の高度化を図っていく活用区域を明確にし、それらがお互いに調和をし、生かされるようにしたものでございます。私は、この活用区域が名実ともに積極的に利用されるためには、県を挙げての協力体制が必要であると思うのであります。したがって、活用区域における開発事業の実施に当たっては、関係部局が十分な連携をとり合って、前向きに検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  また、広島の海の管理に関する条例の運用に当たっても、活用区域への十分な配慮をお願いいたしたいと存じますが、具体的なお考えがあれば明らかにしていただきたいと思います。  私は、やがて来る二十一世紀において、本県が思いやりがあり、経済効率から家庭生活重視に改まった社会、さらには世界の人々への配慮と連帯、環境重視の社会、多様な選択肢のある社会を既に実現していることを念じながら、私の質問を終わります。  御清聴、まことにありがとうございました。(拍手) 10 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事竹下虎之助君。         【知事竹下虎之助君登壇】 11 ◯知事(竹下虎之助君) 御答弁申し上げます。  第一点は、ゆとり型社会の実現ということであります。今後二十一世紀に向けては、県民一人一人が豊かさを実感し、人間性と自然への優しさを重視いたしました個人の自由な選択とゆとりのあるライフスタイル、そういう時代になるであろうと言われております。そのためには、もちろん道路とか空港とか港湾とか産業基盤の整備をさらに進めていかなくてはならないというのは当然でございますし、また、このストックを基盤とした上でないと、まずいけないと思いますが、今後のゆとり型社会といいますのは、第一に、人口減少と高齢化がさらに加速されますために、長寿社会の到来に備えて高齢者や障害者などが健康で安心して暮らせるよう配慮し、保健とか医療、福祉、雇用の面におきまして総合的、計画的な施策の展開がまず図られることが第一点。第二は、これまで積み上げてきました経済力を真の豊かさにつなげていきますために、例えば上下水道とか住宅などの生活基盤整備への重点投資など、いわゆる生活重視の施策の展開を図りますとともに、それぞれの地域特性を生かしました快適で潤いのある生活環境あるいは住みよい地域づくりといったことをより一層進める必要があること。第三には、単に物質的に豊かであるだけではなくて、個人がそれぞれのライフステージに応じまして生きがいが持てるような文化活動とか生涯教育の推進、スポーツ・レクリエーションなどの余暇活動が自由に行える環境づくりなどが必要であろうと、こう思います。それから、第四点は、アメニティー空間の創造、自然環境との調和、景観の保全など魅力ある地域づくりといったような努力をさらに進めなくてはならないこと。こういったことを積み重ねることによりましてゆとり型の社会というのが次第次第に実現していくのではないかなと、このように私、考えております。  それから第二点は、福祉関係八法律の改正に伴います取り組み状況、さらに県の役割いかんというお尋ねでございますが、民生部長が御答弁を申し上げます。  それから、福祉・医療系の大学など高等教育機関の設置であります。高齢化社会を迎えるに当たりまして保健、医療、福祉関係の人材の確保は重要な課題であります。現在、看護職員などの保健、医療、福祉マンパワーにつきまして二〇〇〇年ぐらいまでの需給見通しの作業を四月以降行わせております。特に看護職員につきましては、言われておりますように、将来の週四十時間制の実施を含みます、いわゆる労働条件の三八制──現在の二八制を三八制にするといったような一定の条件改正がかなり行われるであろうということを前提として予測をさせております。そうすれば、十年後の平成十二年におきましてはかなりの数が不足するという結果が出るであろう、こう考えております。また、看護職員以外の理学療法士、作業療法士、介護福祉士などの職種につきましては、関係団体なり関係者から今意見の聞き取りをしている最中であります。ゴールドプランを実現いたしますためには、社会福祉施設におきます、こういった業種の人材の確保が特に必要となります。これら看護職員を含めました保健、医療、福祉マンパワーの確保とその定着を図りますために、社会的にも評価が高く、かつ、魅力ある専門職として位置づけていくことが特に必要であります。中でも看護職員につきましては、高度医療への対応や高学歴社会への対応などを考えてみますと、大学における養成が今後は非常に必要になってくると言われております。この場合、県といたしましても、大学などの高等教育機関の設置といいますのは、人材の確保ばかりではなくて、地域振興を図ります観点からもやはり必要でございますので、一昨日来、御答弁申し上げておりますように、やはり積極的に推進したいと存じます。  お尋ねの三原地域におきます保健、医療、福祉を中心とした高等教育機関の設置につきましてでございますが、構想がありますことはかねてより市長さんなどから承っておりまして、全く賛成であります。今後、需給の見通しの結果とか、教員の確保見通し、実習施設との連携といったようなことが必要でございますが、こうした計画が地元の熱意で実現することになりますれば、県といたしましても物心両面から十二分のお手伝いをする所存であります。  それから、痴呆性老人対策について、これまでの取り組み状況と今後の拡充策いかんというお尋ねであります。痴呆性老人の介護は、介護者の負担を軽減できますように、在宅介護者への支援対策や施設対策を総合的に充実強化していくことが必要であります。これまでの取り組み状況でございますが、本年度実施予定のものを含めまして、在宅対策として、ショートステイ事業は全市町村、デイ・サービス事業は五十九市町村、ホームケア促進事業は二十六市町村、ナイトケア事業は二十四市町村となっております。施設対策としましては、現在、特別養護老人ホームの専用棟が一施設で五十床、専用居室が十施設で八十六床、老人保健施設の専用棟が六施設で二百十八床、病院の専門治療病棟が二医療機関で百床、合計四百五十四床が整備されております。このほか、専門医師と保健婦によります家庭訪問指導、総合精神保健センターにおきます痴呆性老人電話相談、加計町の国保病院など三病院におきます老人性痴呆疾患センターによります鑑別診断、専門医療相談などが行われております。今後は在宅対策と施設対策をより一層拡充いたしますように市町村、医療機関、福祉法人を指導いたしますとともに、特に国が平成四年度の概算要求の中で新たに盛り込んでおります痴呆性老人向けの毎日通所型デイ・サービスセンターの事業の導入を検討されておりますので、痴呆性老人の介護支援対策の充実のために、ぜひとも、こういった事業を導入してみたいと存じます。  なお、現在、今年度、痴呆性老人実態調査を実施中でありますので、その調査結果を今後の痴呆性老人対策の施策の推進に十二分に役立てたいという気持ちを持っております。  第三は、リゾート関係につきまして数点お尋ねがございました。  第一点は、リゾート開発のつまずきなどいろいろと言われているがというお尋ねであります。個々のリゾート計画につきまして全国的に見ますと、金融事情その他、さまざまな要因によりまして計画の見直しなどが迫られている事例があるとお聞きしております。まあ、リゾート構想の承認などからまだ日も浅うございますので、即断することはなかなか難しいわけでありますが、本来、こういったリゾートの仕事などというものは時間をかけて努力すべき性質の事業であると思います。リゾートの整備につきましては逆風が吹いておりますし、確かに厳しい面も見受けられますけれども、片や、長期的に見ますと、先ほど来お話ししておりますように、ゆとりある県民生活というものを実現していきますためには、ぜひとも必要な施策でもあります。  次に、御指摘がございました調査、日本開発銀行等が行われました調査の結米についての感想でありますが、これに述べられております数字は関係六県全域あるいは広島県全体の、非常に大きなマクロで見た場合の波及効果というのを出していらっしゃるのではなかろうかなと実は考えております。広域的な波及効果の点からは、確かに全県的な大きな効果は、点となります施設をつくっただけでは期待できない面があるにいたしましても、点でありましてもリゾート整備が行われます当該地域、とりわけ過疎化が進展しておりまして活力が低下しつつあります地域にとりましては、雇用の確保とか地場産業の振興など、その地域の活性化にとっては大きなインパクトがあるのではないかなという解釈もできるわけでございます。  また、波及効果を考えるに当たりましては、単に数字──近代経済学の数値の計算だけで、すべて数字で判断するだけが能かといいますと、さにあらずであって、やはり、都市と農村との交流の促進などなど、目に見えない効果というのもあるわけでございますので、もう少し総合的な見地から考えるべきではなかろうかなというのが私の感想であります。  それから、リゾート開発事業の見直しということでありました。リゾート整備を進めるに際しましては、瀬戸内海の貴重な資源や環境を守り、それぞれの地域の特色を生かすことが、とりわけ重要であります。本県の瀬戸内中央リゾート構想を策定する際にも、この点には十分配慮したつもりであります。県としましては、関係市町村と連携を保ちながら、さきに制定いたしましたゴルフ場の開発事業に関する指導要綱、景観条例、広島の海の管理に関する条例などの適切な運用に努めることなどによりまして、いわゆる環境に優しいリゾート整備が行われるように十分注意してまいります。  次に、本県におけるリゾート整備の進捗状況と今後の見通しについてでございますが、沼隈地域におきましては、みろくの里、境ヶ浜マリンパークが既にオープンしております。また、現在、推進中の大崎マリンリゾート、プリシア竹原、藍之島リゾートなどの主要プロジェクトにつきましても事業着手に向けまして開発の許認可などの調整を行っておりまして、総じて順調に進展しているものと考えております。これら以外の計画構想につきましても、現在、事業化の検討を行っているものもございまして、今後は県といたしましては環境の保全などに配慮しながら、逐次、事業の具体化を図っていくべきだ、このように考えております。  最後は、海洋・沿岸域の総合利用ということであります。瀬戸内海を活用しました各種の計画とか構想が出されております中で、乱開発を防止し、保全と活用との調和のとれました秩序ある利用を図りますため、県と関係する市町で共同してつくったものでありまして、当面の行政上のガイドラインとして活用していくという方針を持っております。この中で活用区域に位置づけられました区域につきましては、プロジェクト等が計画されました場合には地元市町の進行計画との整合性はもとより、環境への影響、周辺景観への配慮等が特に重要で、関係部局の一層緊密な連携のもとに進めてまいります。  また、広島の海の管理に関する条例の運用に当たりましては、海洋・沿岸域総合利用計画に沿って対応したいと存じます。具体的には活用区域内で海域の占用申請がなされました場合、総合利用計画との整合性を確認いたしました上で、条例で規定しております許可基準に適合しておれば、地元市町の意向を聞き、さらに今回、条例に基づいて設置しました広島県海域利用審査会で審査をしていただいた上で判断していきたいという気持ちでおります。特に現在、課題となっておりますプレジャーボート対策の一環としてマリーナの泊地として海域を占用しようとする場合は、特に前向きに取り組んでまいりたいという気持ちでおります。いずれにしましても、自然環境との調和を図りながら適切な利用を進めることによりまして、瀬戸内海の秩序ある利用ということには十分注意する所存でおります。 12 ◯議長(檜山俊宏君) 民生部長多田剛士君。         【民生部長多田剛士君登壇】 13 ◯民生部長(多田剛士君) 老人福祉法など関係八法改正に伴う取り組み状況などについてお答えいたします。このたびの八つの法律改正は、住民に身近な市町村で在宅福祉サービスと福祉サービスがきめ細かく一元的に提供できる体制づくりを進めるために行われたものでございます。県としましては、市町村の老人福祉施設などの入所決定権の移譲や老人保健福祉計画の策定などが円滑に実施されるよう指導していく必要があると考えております。このため、市町村職員を対象に法律改正の趣旨や移譲事務の概要についての基礎的な研修を実施してきたほか、町村幹部に対しまして機会あるごとに人材の養成とか事務処理体制の整備について要請してきたところでございます。今後は、在宅福祉や施設福祉につきまして、例えばケースワーカーの面接技法など専門的な研修や施設への入所決定の手続など実務的な研修を実施いたしますほか、市町村老人福祉計画の策定に向けてのデータの整理や福祉計画に盛り込む特色づくりなどを指導しまして、平成五年四月からの事務処理に万全を期してまいります。  次は、法律改正に伴う県の役割等についてでございます。今回の法律改正の趣旨は、先ほど申し上げましたように、住民に身近な市町村におきまして在宅福祉と施設福祉が一体的に推進されることであり、その担い手となる市町村への啓発は重要な課題でございます。このため、一つには、市町村職員に対する研修、二つ目には、幹部職員に対する事務処理体制の整備等に関する要請、三つ目には、福祉事務所による各市村町の実情に応じた個別指導などを通じまして市町村の認識を深め、意欲的な取り組みを喚起するよう啓発に努めてまいります。また、今後の指導に当たりましては、法律改正の趣旨であります市町村の主体的な取り組みを促進するとともに、全県的な福祉水準の向上を図っていくために市町村に対しまして、一つには、施設入所決定等に係る事務移譲を適正に実施すること、二つ目には、市町村老人保健福祉計画を高齢者だけでなく、身体障害者などを含めた全体的な福祉の町づくり計画の一環として位置づけること、三つ目には、広域的観点に立って市町村間の役割分担による事業の推進を図ること、四っ目には、地域特性を生かしたモデル事業への取り組みを促進することなどについて指導してまいります。  次に、県の果たすべき役割についてでありますが、市町村の取り組みに対してソフト、ハード両面でバックアップしていくことが基本であり、具体的には施設入所の判定や老人保健福祉計画の策定に係る専門的、技術的な援助、施設入所に係る市町村間の調整、市町村の共同事業や広域的な施設整備の調整、保健と福祉の連携など、先駆的な特色ある取り組みに対する全面的な支援などであります。県といたしましては、これらの役割を果たすことによって、県民だれもが、いつでも、どこでも、健康で安心して暮らせるバランスのとれた県土づくりに努めてまいりたいと考えております。 14 ◯議長(檜山俊宏君) 引き続いて質問を行います。山崎正博君。         【山崎正博君登壇】 15 ◯山崎正博君 私は、自由民主党広島県議会議員団の山崎正博でございます。今次定例会において質問の機会を与えていただきましたことを、議長を初め、先輩、同僚各位に対し、深く感謝申し上げます。  質問戦も既に後半に入り、これまで、県政を取り巻く諸般にわたる課題について活発な論議が展開されてきたところでありますが、私は、人手不足の深刻化に対応した県内産業の振興対策を初め、老人保健対策、農協を取り巻く問題など緊急な課題を中心に、地域問題もあわせお尋ねをしてまいりたいと思いますので、知事以下、関係各位の明快かつ積極的な御答弁をお願いいたします。  質問の第一は、県内産業の振興対策についてであります。  その第一点は、人手不足下における中小企業の振興対策についてであります。現在、景気の拡大が続く中で、高度成長期以来の人手不足感が広がっております。経済審議会の「二〇一〇年委員会」の長期展望によりますと、八九年度に六千三百二万人だった労働力人口は、二十一世紀にかけて次第に伸びが鈍化し、二〇〇〇年度の六千七百三十九万人をピークに、二〇一〇年度には六千六百三万人にまで減少すると言われております。しかも、政府は、一九九二年度までに年間総労働時間を千八百時間程度に向けて、できる限り短縮することを目標に掲げております。労働力人口の減少と労働時間の短縮が進もうとする中で、将来にわたって労働力が不足するのは明らかであり、人手不足の問題は、まさに構造的な問題となっています。広島商工会議所が先般まとめた外国人労働者雇用に関するニーズ調査によりますと、広島地方の企業の三社に一社は、人手不足から外国人労働者の雇用を希望しております。また、約半数の企業が外国人労働者の受け入れ制限の緩和や撤廃を求めていることが明らかになっております。人手不足の深刻化を解消するための外国人労働者の受け入れ論議も、ますます高まってくるものと考えられるところであります。県内企業の人材の確保については、これまで県当局におかれましても重点課題として位置づけ、新規学校卒業者の県内就職の促進、県外への進学者や就職者のUターンの促進などに積極的に取り組んでこられたところでありますが、これらの成果は一朝一夕には期待できないものがあろうかと存じます。とりわけ、中小企業の人材の確保は厳しいものがあり、この問題は今後かなり長期化するものと考えているところであります。人材の確保対策については、引き続き、強力な取り組みをお願いしたいところでありますが、深刻な人手不足という環境のもとで、知事はどのように地域の中小企業の振興を図っていかれようとしているのか、お伺いいたします。  第二点目は、これからの企業誘致の進め方についてであります。企業の地方への進出は、景気の拡大や工業団地、高速交通網の整備などを背景に、大きな伸びを示しており、過疎地域の活性化や本県産業構造の高度化のため、これまでに果たした役割は非常に大きなものがありますが、今後とも、バランスのとれた産業構造を構築するため、先端技術産業、情報サービス産業などの活発な誘致活動を期待するものであります。しかしながら、先ほど申し上げましたように、人材確保対策は、中央、地方を問わず大きな課題となっており、これからの企業誘致は、こうした問題を念頭に置いてなされる必要があると思います。と申しますのも、県外の大手企業が地方へ進出する際に、多数の新規雇用が必要となる場合、何らかの形で地元企業への影響が懸念されるわけであります。かつて、地方に進出する企業は地元から拍手で迎えられ、まさに歓迎一色でありました。しかしながら、最近ではどうも様子が違ってきているようであります。これからの企業誘致は、地域全体の活性化という観点から地元に大いに歓迎され、地元企業との共存共栄が図れるような企業の進出を強く希望いたしますが、大手企業の進出により、雇用面で地元企業への影響が懸念される中で、知事はこれからの企業誘致をどのように進めていこうとされているのか、お伺いいたします。  質問の第二は、老人保健施設の整備方針についてであります。老人保健施設は、寝たきり老人や病状が安定している老人を中心に、リハビリテーションなどの医療と日常生活のサービスを行う施設で、病院から家庭ヘ復帰するための中間の施設として昭和六十二年度から制度化されたもので、本県では、制度創設以来、今日までに十三施設、千三床が開設されております。しかし、これまでの整備のぺースで見ますと、年に平均三施設の二百五十床程度の整備状況であります。国が平成元年に発表した高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略によりますと、平成十一年度末までに整備する目標は、全国で二十八万床で、これを本県に当てはめると七千床となります。今後、高齢者、特に七十五歳以上の後期高齢者が加速度的に増加していく中で、病弱な高齢者がふえるのは明らかであります。また、在宅志向の高まりとともに、家庭復帰のための機能訓練を主体とした老人保健施設の需要はますます高まってくるものと予想されます。現状での整備ぺースでは当初の目標を達成することが難しいのではないかと思われますが、今後の整備見通しはどのようになっているのか、お聞かせください。  また、施設の増設もさることながら、その入所状況を見ると、入所後、数カ月から一年程度で家庭に戻るのは難しく、退所のめどのない老人がいることや、退所者のうち、三人に一人は病院ヘ移っているという調査結果もあります。老人保健施設が通過施設としての機能を十分果たしていくためには、施設の整備とともに、家庭ヘ復帰するための在宅施策の充実などの条件整備も必要であると思いますが、県としては、こうした点についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  質問の第三は、地域の農業振興に果たすべき農協の役割と組織整備についてであります。御承知のように、農協は、昭和二十二年、農業生産力の増進と農民の経済的、社会的地位の向上を図ることを中心的課題として設立され、その時代のニーズに対応しながら取り組んでまいりました。しかし、最近の農業・農協を取り巻く情勢は、農山村の過疎化、高齢化の進展を初めとして、農産物輸入自由化、各事業分野での競争の激化、混住化の進展、さらには金融自由化の一層の進展など、農協経営を大きく揺るがすような状況に置かれていると言えます。このような、まことに厳しい農業農村の変動にもかかわらず、農協経営の現状はというと、依然として信用共済事業等に大きく依存した体質であり、農家が真に求めている営農指導体制の強化、積極的な販売戦略の展開、あるいは、地域文化活動の強化などに対しての事業展開が脆弱であるという感は拭えないものがあります。まさに、農協に対する多くの批判も、この点に集中していると思うのであります。折しも、この十月の全国農協大会において、多様化する組合員ニーズへの的確な対応と地域社会への貢献を目的として、単位農協を基礎に、県連合会、全国連合会と三段階になっている組織を、原則として単位農協と全国連合会との二段階制移行の方向が決議されると聞いています。これは、従来、県連合会が補完してきた信用、共済、経済等の事業機能を単位農協に移すことで、農協の機能、体制の強化を進めようとするものであり、当然のことながら、小規模の農協ほど合併によって事業基盤を強化する必要性が出てきます。本県においては、昭和六十一年、県内三十三農協合併構想が策定され、合併促進を重点目標として取り組まれているところですが、現在、まだ七十七の農協が存在しています。役員人事、職員の労働条件、財務体質等、合併実現のためには解決すべき課題が多いことも事実でありますが、現在の合併構想の見直しも含め、大胆かつきめの細かい合併促進のための取り組みが必要と思うのであります。また同時に、組織整備の実行方策について全県レベルでの議論を進める中で、地域農業の振興、地域開発等を通じて組合員の営農・生活の向上が図られるような、農協生き残りのための原点を模索すべきと考えるものであります。そこで、お尋ねしますが、農業農村の変容に対応して、地域農業の振興に果たすべき農協の役割と県の指導方針についていかがお考えでしょうか。  さらに、二段階制移行という歴史的な組織再編へ動き出した農協組織内の動きを、県はどのように受けとめておられるのか、また、この新たな農協運動の始まりに向けて、これまでの合併促進も含め、組織整備の課題と今後の対応策について御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、学校教育、とりわけ高等学校を取り巻く教育環境の変化に対応する教員研修の充実についてであります。御存じのように、高等学校では平成六年から新学習指導要領が実施され、新しい教育課程による教育が行われることとなっております。私は、この新学習指導要領の実施によって高等学校が変わっていくことを強く期待するものでありますが、そのためには授業を行う教員の資質が極めて重要であると考えます。言いかえますと、新学習指導要領の定着は教員研修のあり方いかんにかかっていると思います。これまで、昭和二十二年に初めての学習指導要領が定められて以来、昭和二十六年、三十三年、四十三年、五十二年と全面改訂がなされてきました。そして、このたびが五度目の全面改訂であります。今回の改訂では情報化、国際化などの社会状況の変化にいかに対応していくかという観点が問われてまいりました。確かに、現在、社会変化の速度は極めて速いものがあります。また、人と人との触れ合いや連帯感の醸成といった人間的な関係も、近年、ますます希薄になってきつつあります。物は豊かにあり、人々は表面的には楽しみを追っているようではありますが、その陰で地域、学校、家庭も解体の危機に直面しているのではないでしょうか。中でも子供たちは、家庭や地域あるいは学校で勢いのある若い樹木のように、すくすくと成長するのが本来の姿であると考えますが、実態はどうでしょうか。中途退学や登校拒否の増加は後を絶ちません。子供たちには限りない未来を期待し、自然と調和しつつ、人間的な社会の構築をしてくれることを切に希望するものであります。そのため、教育委員会におかれては、この新学習指導要領の実施に向けて鋭意努力されているところでありますが、私は、真に実効あらしめるためには、子供たちを指導する教師のあり方が重要視され、今こそ真の教師づくりが求められていると考えるものであります。高校生徒急減期を迎えた今日、新たに多くの教員を採用することも思うに任せない状況でありましょう。そこで、教育長にお伺いいたしますが、新しい学習指導要領を十分理解し、その趣旨に基づいて授業のできる教員の確保のため、教員研修をどのように御計画されているのか、お聞かせください。  質問の最後は、安佐北区を取り巻く地域問題について二点お伺いいたします。  まず第一点目は、太田川支流の河川改修についてであります。広島市のデルタを流れる六つの川は、御存じのとおり、太田川放水路の完成により、洪水による被害は皆無と言っていいほど災害もなく、名実ともに母なる川として、穏やかな水辺空間をもって広島を訪れる観光客や市民を温かく包み、また、市民もその優しさを存分にかみしめているところであります。ところで、デルタから十キロ、二十キロ上流に目を転じてみると、その様相はどうでしょうか。太田川は多くの支流を抱えており、一たん集中豪雨ともなりますと、その支流は瞬時にして赤茶けた濁流が流れ出て、沿川の住民を不安に陥れる川に豹変するのであります。出水期ともなりますと、雨の降るたびに、この川の移り変わる表情を注意深く観察し、一喜一憂する日々を送っております。ややオーバーな表現と思われるでしょうが、安佐北区にはこうした河川がたくさんございます。そのうちの代表的な河川として矢口川、根の谷川、大毛寺川、そして鈴張川があります。いずれの河川も中小の河川であるがゆえに、急激な宅地開発を許容することが難しい状況となっているものと思われます。現在、これら河川については建設省あるいは広島県で鋭意御努力をいただいているところでありますが、その進捗ははかばかしくありません。幸い、来年度から始まる第八次治水事業五ヵ年計画では、治水事業の大幅な予算獲得を行い、こうした都市近郊の河川を重点的に改修するものと伺っており、大いに期待をしているところであります。そこで、次期五ヵ年計画を見通した、この四河川の来年度以降の改修計画方針をお伺いしたいと存じます。  また、これに関連して、根の谷川の河川改修に伴う可部高校の補償問題について御要望を申し上げたいと思います。現在、建設省により根の谷川の河川改修事業が行われており、この計画では県立可部高校のグラウンドの大半が河川区域として予定されております。この改修が行われれば、グラウンドにおける体育授業はもとより、クラブ活動もできなくなり、高等学校としての教育機能を発揮し得なくなることは明らかであります。さりとて、現況はグラウンド拡張のための敷地もなく、工事だけはどんどん進んできており、既に学校の下流あとわずかのところまで進捗しております。このような状況の中で建設省との補償に関する話し合いは余り進んでおらず、そのために今後、学校がどうなっていくのか、生徒はもとより、地元住民や保護者の不安は募るばかりであります。そこで、早急に建設省と協議を重ねられ、一刻も早く話し合いが解決するよう強くお願いしておきます。なお、その際、くれぐれも教育条件の低下を招くことのないよう十分な配慮を行い、適切な学校整備がなされるようお願いいたします。  第二点目は、JR可部線及び芸備線の機能改善対策についてであります。広島都市圏の交通問題は、急速な都市化の進展や市街地の拡大、マイカーの普及等により、ますます、その深刻さを増しております。中でも、広島市北部の交通については、朝夕の通勤通学時を中心として慢性的な交通渋滞が発生しており、地域住民の生活に大きな影響を及ぼしているところから、抜本的な改善が強く望まれるところであります。その中で、高速性、定時性、大量性等の面ですぐれた機能を持っているJR可部線、芸備線の果たす役割は極めて大きなものがあります。広島では、昭和四十四年以降、各種審議会においてさまざまな都市圏交通網の構想が提言され、可部線の複線化、芸備線の電化、可部線・芸備線の環状線化、市内電車の可部線乗り入れなどが打ち出されましたが、コストや採算性等の問題でまだ具体化しておりません。今後とも、広島市北部の人口は、都市化の進展により、さらに増加するものと見られており、早急な対策がぜひとも必要であります。これまで、当局や芸備線対策協議会、JR等関係者の御努力で改善されてきている面もありますが、まだ十分ではありません。これまでにも、我が党の議員からJR線の対策について幾つかの質問がなされ、前向きの御答弁もありましたが、私は、当面は増便と車両の増加、スピードアップ等の改善を急いでいただくことと、中期的な抜本的改善策としては、可部線と芸備線を結び環状線化すること、及び、それぞれ複線化するということが必要だと考えますが、今後のこの二線の具体的な機能改善対策の見通しと、あわせて御所見をお伺いいたします。  以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 16 ◯議長(檜山俊宏君) 当局の答弁を求めます。知事竹下虎之助君。         【知事竹下虎之助君登壇】 17 ◯知事(竹下虎之助君) 御答弁申し上げます。  第一点は、県内産業の振興対策のうち、人手不足下における中小企業の振興についてであります。今後、若年労働力の恒常的な不足が予測されます中で、県としては、県内企業の労働力の確保を図りますため、新規学校卒業者の県内就職の促進を初め、県外への進学者や就職者のUターンの促進、高年齢者や女性の雇用の拡大を進めますとともに、企業の生産、販売システムにおける省力化などを鋭意進めております。中でも、中小企業の場合には一般的に労働時間や職場の執務環境などが大企業と比べまして十分とは言えない状況にありまして、こうしたことも中小企業の人手不足の要因の一つになっております。このため、県としましては、今年度から新たに労働環境改善のためのアドバイザーの派遣事業とか独身寮などの整備に対する融資制度をつくりまして、中小企業における労働力の確保を側面的に支援することにしております。また、中小企業が経営環境の変化に適切に対応しながら力強く発展していきますためには、工業関係にあっては技術力の強化、また、商業関係におきましては商店街などの魅力を高めることが重要であります。技術力の強化につきましては、県立工業技術センターとか広島県産業技術振興機構におきまして県内中小企業の技術力向上を支援してきておりますが、さらに、広島テクノプラザの建設とか県立西部工業技術センターの拡充整備を図りまして技術開発の支援を強化することにいたしております。  それから、もう一つ、魅力ある商店街としましては、御存じのように、中小企業活性化基金の活用や国の関連施策と呼応しまして、引き続き商店街などの活性化計画づくりなどを支援いたしますとともに、新たに駐車場やイベント広場などの整備に対しましても助成することができるようになりましたので、こういった制度を大いに利用していただけないかなと考えております。今後とも、社会経済情勢の変化に対応しました施策の拡充に努めまして、中小企業の振興に当たることにしております。  それから、これからの企業誘致の進め方でございます。本県の産業構造を経済変動に対しまして柔軟に対応し得るバランスのとれたものにしまして、さらに発展を図っていかなければならないというのが宿命であります。既存産業の育成とともに、特に電気機械や精密機械などの先端技術産業とか情報サービス業、試験研究施設などの誘致を引き続き重点的に進める必要があります。その際、やはり人手不足問題への対応というのが必要になってきますのは御指摘のとおりでございます。新たに立地する企業は、これまでも生産工程などを省力化すべく設備投資を行いまして、また、多数の人材を必要といたします場合には、地元だけでなくて、近県とか九州、四国地区などからも採用を行いまして、地元への直接的な影響はできるだけ避ける努力はしてもらっております。また、県内の主な工業団地のございます市では、地元経済団体とか公共職業安定所などで構成しております雇用調整のための組織をつくっておりまして、これら地元の雇用問題が円滑に調整できますように努力しております。県としましては、若年労働者の確保、今後とも厳しい状況が続くという認識のもとに、進出企業に対しまして、これまでの省力化や人材の広域的な採用をさらに徹底するよう要請しますとともに、地元での雇用調整のための組織づくり等を進めるなどいたしまして、進出企業と地元企業との間に摩擦が生じないように配慮していきたい、こう思っております。  老人保健施設のことにつきましては、民生部長から御答弁をいたします。  次は、農業問題でございますが、その第一は、農協の役割と県の指導方針についてであります。厳しい農業環境の中で地域農業の振興と地域活性化に果たすべき農協の役割とか機能がますます重要になってきています。農協本来の機能を発揮して地域社会を担う共同体として組合員の負託にこたえていくこと、これが一番大切であります。このため、県としましては農協に対して信用事業、共済事業に偏重することなく、営農、販売、購買、生活指導などの事業を強化してバランスのとれた事業展開をしていただくように鋭意指導してきております。今後とも、組合員の高齢化とか過疎化に対応しました福祉とか文化などの新たな分野にも、やはり、これから積極的に農協にも取り組んでいただきたいものだと、このように考えておりますし、県といたしましては、そのように指導を強化していくつもりでおります。  第二点は、組織整備の課題と今後の対応であります。系統農協の組織再編につきましては、将来方向として御指摘がございました組織二段階方式が打ち出されまして、十月の全国農協大会でこの方針が機関決定されると承っております。具体的なスケジュールといたしましては、系統農協において県段階及び全国段階の農協組織整備推進委員会をつくりまして平成四年度末までに目標年次を織り込んだ実行方策をつくりまして、組織整備の推進に取り組むことにしておられます。県としては、この組織整備は時代の要請を受けた大きな変革であると受けとめております。御指摘のとおり、組織整備の推進のためには農協合併の速やかな達成とか基盤の強化が絶対必要であります。さらに、具体的に農協合併を実現いたしますためには、農協の役員人事とか財務内容の改善の問題が実は残されております。県としましては、今後とも農協中央会とか市町村との連携を深めながら、これらの問題の解決に向けまして指導を強化し、引き続き、合併推進のお手伝いをしていく所存でおります。また、合併を実現しました農協に対しましては、大規模農協の機能とかメリットを十分に発揮して組合員のニーズに的確にこたえていけるよう、県といたしましても指導もし、支援もしていくつもりであります。現在の県内三十三農協構想でありますが、最近の諸情勢を踏まえまして、この十月に開催予定の広島県農協大会が終了しました後に見直しに着手されるというように承っております。  それから最後は、JR可部線、芸備線の機能改善対策であります。JR可線部、芸備線は定時性、大量性等にすぐれた機能を持っておりまして、地域住民の通勤通学等を中心としまして重要な役割を果たしてきております。このため、県と沿線市町では事業者でございますJR西日本に対しまして列車の増便、増両及びスピードアップなど鉄道機能の強化につきまして機会あるごとに要望してまいりました。この結果、平成三年三月のダイヤ改正時におきましても、JR可部線においては可部-広島間に一往復の増便とか全列車の広島駅乗り入れなどがなされました。また、JR芸備線におきましては通勤列車の増両等が行われるなど一定の改善はなされましたが、引き続き、強力に働きかけていく必要はあろうと存じます。さらに、中期的な、あるいは抜本的な改善策としてJR可部線と芸備線を可部で結び環状線化をするとか、両線の複線化につきましては、やはり膨大な事業費がかかりますことなどから、いろいろと問題がありますので、沿線市町村とも連携をとりながら長期的な課題として引き続き取り組んでいく所存でおります。 18 ◯議長(檜山俊宏君) 民生部長多田剛士君。         【民生部長多田剛士君登壇】 19 ◯民生部長(多田剛士君) 老人保健施設の整備方針についてお答えいたします。県内の老人保健施設の整備状況は、今年度末には十八の施設、入所定員は千四百三十人になる予定でございまして、整備計画千五百四十人に対し、達成率は九三%であり、現在のところ、おおむね目標に近い整備ができるものと思っております。しかしながら、十ヵ年戦略の整備目標を達成するためには、今後、毎年大幅な整備を図る必要があり、関係医療機関の皆様方の格別の御理解と御協力を求めながら、相当な努力をしていかなければならないと考えております。老人保健施設が通過施設としての役割を果たすことにつきましては、老人保健施設の退所者のうち、自宅への退所者は五五・六%と、通過施設としての一応の役割は果たしているものと思われますが、一方では、家庭ヘ復帰することなく再び医療機関ヘ入院する者も三四・一%を占めております。このような状況を踏まえ、今後とも老人保健施設の設置者に対しましてデイ・ケア、ショートケアの実施に加え、在宅介護支援センターの併設など在宅支援機能の強化に努めるよう指導いたしますとともに、市町村に対しましては老人保健施設退所者への訪問指導やホームヘルパーの派遣などを適切に行うよう指導し、老人保健施設が通過施設としての機能を果たすための条件整備に努めてまいります。 20 ◯議長(檜山俊宏君) 土木建築部長市ヶ谷隆信君。         【土木建築部長市ヶ谷隆信君登壇】 21 ◯土木建築部長(市ヶ谷隆信君) 太田川支流の河川改修についてお答えいたします。広島市安佐北区の河川につきましては、河川管理者が行います河川改修と民間が行います洪水調節池等によりまして総合的に治水安全度を向上させるために、平成二年度に広島東部都市圏の総合的治水対策計画を策定いたしまして事業実施することといたしております。矢口川につきましては、太田川に合流する最下流部の浸水防止が急務でございましたために、平成元年度に排水機場を設置したところでございますが、中、上流域につきましては、現在、河川改修の実施に向けて計画を検討しているところでございます。  根の谷川につきましては、太田川合流部から五・四キロメールを建設省で河川改修中でございまして、その上流の一・九キロメートルにつきまして沿線の開発に合わせて県で改修中でございますが、工事は下流の流下能力を勘案した断面で実施いたしております。  大毛寺川につきましては、太田川合流部から三・六キロメートルの改修計画を立て、平成二年度に事業着手したところでございます。
     また、鈴張川につきましては、家屋が連檐した河道狭隘部につきまして昭和五十五年から局部的に順次改良を進めてまいりましたが、平成二年度に太田川合流部から上流三・三キロメートルにわたる改修計画の見直しを行いまして事業を実施中でございます。  これらの河川を含め、都市近郊の河川につきましては、民間の協力も得ながら、第八次治水事業五ヵ年計画の中でも重点的に整備を進めまして、安全で快適な県土づくりに取り組んでまいりたいと考えております。 22 ◯議長(檜山俊宏君) 教育長菅川健二君。         【教育長菅川健二君登壇】 23 ◯教育長(菅川健二君) 高等学校における新学習指導要領の実施に向けての教員研修についてお答えいたします。  御指摘のように、新しい学習指導要領が平成六年度から本格実施されることに伴いまして、教員の研修は極めて重要であると認識しております。新学習指導要領では、心豊かな人間の育成や基礎・基本の重視と個性を生かす教育の充実、自己教育力の育成、文化と伝統の尊重と国際理解の推進の四点を基本方針といたしまして、二十一世紀を目指し、社会の変化にみずから対応できる心豊かな人間の育成を図ることを目標としているわけでございます。教育委員会といたしましては、この趣旨の徹底を図るため、平成元年度からすべての教員を対象といたしまして計画的に伝達講習を実施しており、平成五年度には終了する予定でございます。このほか、平成元年度から新しい学習指導要領の趣旨に沿って教育センターの研修内容を改編し、実践的な研修を実施しますとともに、具体的なテーマを設定して教員グループによる研究の推進を図っております。今後、各学校におきましては、新しい学習指導要領に沿った具体的な教育課程の編成に取り組むことになりますので、各学校の研修会に指導主事を派遣するなどして指導の徹底を図ってまいりたいと考えます。 24 ◯議長(檜山俊宏君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分より会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後二時二十八分散会 広島県議会...