倉敷市議会 2015-09-09
09月09日-02号
平成27年第5回 9月定例会 第5回倉敷市議会(第3回定例会)会議録(第2号)開議・散会年月日時 開 議 平成27年9月9日(水) 午前10時 散 会 平成27年9月9日(水) 午後 3時16分出席議員(42名) 1番 住 寄 善 志 2番 大 守 秀 行 3番 松 成 康 昭 4番 片 山 貴 光 5番 薮 田 尊 典 6番 新 垣 敦 子 7番 日 向 豊 8番 原 田 龍 五 9番 藤 原 薫 子 10番 時 尾 博 幸 11番 大 橋 健 良 12番 塩 津 孝 明 13番 藤 井 昭 佐 14番 山 畑 滝 男 15番 中 西 公 仁 16番 伊 東 裕 紀 17番 中 島 光 浩 18番 北 畠 克 彦 19番 難 波 朋 裕 20番 荒 木 竜 二 21番 八 木 實 22番 赤 澤 幹 温 23番 塩 津 学 24番 浜 口 祐 次 25番 末 田 正 彦 26番 矢 野 周 子 27番 生 水 耕 二 28番 吉 田 徹 29番 森 分 敏 明 30番 三 村 英 世 31番 松 浦 謙 二 32番 原 勲 33番 磯 田 寿 康 34番 秋 田 安 幸 35番 田 儀 公 夫 37番 斎 藤 武次郎 38番 平 井 弘 明 39番 雨 宮 紘 一 40番 梶 田 省 三 41番 大 橋 賢 42番 森 守 43番 矢 野 秀 典欠席議員(1名) 36番 田 辺 昭 夫説明のため出席した者 市長 伊 東 香 織 副市長 三 宅 英 邦 副市長 河 田 育 康 技監 穴 村 範 夫 企画財政局長 竹 内 道 宏 総務局長 古 谷 太 一 総務局参与 赤 沢 一 生 市民局長 安 原 恭 子
環境リサイクル局長中 野 達 也
環境リサイクル局参与 黒 瀬 達 夫 保健福祉局長 矢 島 薫
保健福祉局参与 吉 田 昌 司
保健福祉局参与 吉 岡 明 彦 文化産業局長 片 山 寛 一
文化産業局参与 大 畠 学 人 建設局長 三 宅 研 次 建設局参与 藤 澤 浩 競艇事業局長 松 井 哲 也 会計管理者 岡 野 敏 郎 消防局長 秋 葉 佳 樹 市長公室長 高 嶋 幸 慶 総務部長 桑 木 淳 一 水道局
水道事業管理者 中 山 公 司 教育委員会
教育委員会委員 浅 野 彰 彦 教育長 井 上 正 義 教育次長 藤 原 昌 吾
選挙管理委員会 選挙管理委員会委員長 大 熊 裕 司 監査委員 代表監査委員 原 実 農業委員会
農業委員会農政部会長 山 本 定 一出席した事務局職員 局長 高 尾 彰 次長 清 水 和 喜 議事調査課長 平 松 孝 幸
議事調査課課長補佐吉 岡 徹
議事調査課主任 松 本 誠 司本日の日程 1 開 議(午前10時)2
議会運営委員会委員の辞任及び選任報告 3 質 問 37番 斎 藤 武次郎 35番 田 儀 公 夫 29番 森 分 敏 明 2番 大 守 秀 行 30番 三 村 英 世 4番 片 山 貴 光 4 散 会本日の会議に付した事件 質 問 午前10時 開 議
○議長(原田龍五君) 皆さんおはようございます。ただいまから本日の会議を開きます。 ただいまの御出席は39名、会議は成立いたしました。
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△
議会運営委員会委員の辞任及び選任報告
○議長(原田龍五君) 去る3日に原 勲議員、森 守議員、矢野 秀典議員から
議会運営委員会委員の辞任願が提出され、これを許可いたしました。 新たな
議会運営委員会委員の選任については、委員会条例第7条第1項の規定により、雨宮 紘一議員、荒木 竜二議員、難波 朋裕議員を選任いたしております。
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△〔質問〕
○議長(原田龍五君) それでは、本日から質問に入ります。 本日は質問順位1番 斎藤 武次郎議員から6番 片山 貴光議員までの6名、2日目は7番 末田 正彦議員から12番 住寄 善志議員までの6名、3日目は13番 吉田 徹議員から18番 伊東 裕紀議員までの6名、4日目は19番 生水 耕二議員から21番 時尾 博幸議員までの3名をそれぞれ予定しておりますので、御協力をお願いいたします。 では、順次発言を許します。 初めに、37番 斎藤 武次郎議員。 (37番 斎藤 武次郎君 質問者席登壇)
◆37番(斎藤武次郎君) (拍手)おはようございます。未来クラブの斎藤 武次郎でございます。 質問に入る前に、さきの台風11号で被害を受けられた皆様に、会派を代表して心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧と災害対策の強化に努めていただきたいと要望いたしたいと思います。 また、今回の補正予算を見せていただくと、児島市民病院での分娩再開に向けた経費を初め、
中学校普通教室への
エアコン設置費、地方創生に関する事業費、
サミット教育大臣会合に向けた準備経費等、市長の任期最終年の総仕上げにふさわしいものが数多く計上されておられます。地方創生時代の
トップランナーを目指し、来るべき決断の時期には、市民の皆さんの期待に応えられる決断をしていただけるものと確信をし、改めてエールを送りたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、学力・
学習状況調査の結果についてお尋ねいたします。 ことしも、岡山県及び全国学力・
学習状況調査の結果が公表されました。岡山県学力テストでは、倉敷市の県内順位は、一昨年が9位、昨年が11位でありましたが、ことしはさらに順位を下げ12位でありました。平均正答率は、国語以外は県平均を下回りました。一方、
全国学力テストでは、岡山県は、小学校6年生が昨年の38位から28位、中学校3年生が昨年の42位から41位と順位を上げたものの、厳しい結果となりました。そんな中、倉敷市の小学校6年生の結果を見ますと、理科の平均正答率は県平均と同じではありますが、他の科目は県平均を上回っています。やっと県平均以上という目標を達成することができました。これまでの地道な取り組みが成果を上げてきたものと、評価ができると思います。 そこでまず、ことしの全国及び岡山県学力テストの結果について、市長はどのような感想を持たれたのか、お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 伊東市長。 (市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 皆さんおはようございます。それでは、斎藤 武次郎議員さんの御質問にお答えをさせていただきます。 全国学力・学習状況調査、そして県の学力・学習状況調査について、市長としてどういう考えを持ったのかという御質問でございます。 先ほど、少しお話もしてくださっておりますけれども、昨年度と比べまして全般的に、小学校、中学校ともに全国の平均正答率との差が改善をしまして、特に小学校では、算数の基礎問題で全国の平均正答率を上回り、また、その他の教科は県平均を上回るなど、一定の成果が上げられてきているのではないかというふうに思っております。 それで、この状況につきましてでございますけれども、市といたしましては、本市の課題でありました基礎・基本の定着、重ねて教育長がそこをしっかり頑張っていくということで申し上げております点につきまして、まず学校現場で、学校の先生方が授業改善に向けて粘り強く取り組みをしていただいたということ。それから倉敷市といたしまして、特にここ3年の間に、重点的に市単独で非常勤講師、そして学習支援員の拡充のための予算措置ということを継続してきたということなどが、この調査の結果にも反映されてきたのではないかというふうに考えているところでございます。 市の執行部といたしまして、とにかく引き続き教育委員会とともに、倉敷市の児童・生徒の一人一人の方の学力の確かな向上ということを目指して、今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 次に、今回の結果について、どのような分析を行っているのか、教育長にお尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 岡山県学力・
学習状況調査と全国学力・
学習状況調査の結果分析についてお答えいたします。 まず、中学校1年生を対象とした岡山県調査の結果ですが、国語、社会、数学、理科の4教科の県平均60.9%に対して、倉敷市は60.3%、0.6ポイントの差で、公表された18市町の中で12番目という結果でした。しかし、県立中学校に進学した児童を含めた結果で見ると、平均正答率は61.1%となり、県平均を0.2ポイント超えて、18市町の中で11番目となります。 次に、全国調査の結果では、国語、算数・数学の2教科の平均正答率は、小学校は全国平均63.9%、県平均63.4%に対しまして、倉敷市は63.7%で、全国平均を0.2ポイント下回り、県平均を0.3ポイント上回り、公表された23市町の中で11番目となりました。中学校では、全国平均61.9%、県平均59.9%に対し、倉敷市は58.7%で、18市町の中で11番目となりました。 これまでの調査の分析結果を生かして、基礎・基本の確実な定着に向けてさまざまな取り組みを実施した成果が徐々にあらわれてきていると分析をしております。しかしながら、依然として基礎学力の定着が十分とは言えない児童・生徒がいること、国語の記述問題、算数・数学の活用問題に課題があることが明らかになっており、今後も改善に向けまして、さらに取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 私は、倉敷市だけでなくて全国全体が底上げをされていて、倉敷市も全国と同程度の底上げがなされていることが言えると思うんですね。また、今回初めて取り組んだ春休みの宿題と同様な問題が出題されたところが、正答率が高くなっておりますので、試験勉強的な取り組みが成果を上げてきていることだと思います。やはり基礎・基本をしっかり定着させるということで分析をし、さらなる努力を求めたいと思います。 さて、ことしの中学校1年生は、1年前に
全国学力テストを受けています。その際には県内11位でありました。ことしは県内12位です。ことしの中学3年生は、2年前に県学力テストを受けています。その際には県内10位でした。ことしは県内11位です。確かに最近の学力テストの結果を見ますと、厳しい結果が示されています。しかし、その厳しい結果をしっかり受けとめ、分析をし、改善に向けての適切な取り組みをするための学力テストでなければなりません。単に順位が上がった下がったと一喜一憂するのではなくて、経年変化をしっかり分析し、苦手分野が克服できているのかをチェックしていかなければなりません。 市内全体の学年ごとに、また学校ごとに、個人ごとに、経年変化が分析できているのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 経年変化の分析についてでございますが、これまでは県と国の調査対象学年が、小学校6年生、中学校1年生、中学校3年生であったことから、同一学年の経年比較を行うための連続したデータがそろっていない状況でございました。教育委員会といたしましては、同一学年の経年的な分析を行うことは大変重要であると考え、中学校1年生で実施する岡山県調査と、小学校6年生と中学校3年生で実施する全国調査に加えまして、今年度、小学校5年生と中学校2年生で倉敷市独自の学力調査を実施いたしました。このことによりまして連続したデータのもと、経年的な変化を把握することが可能となりました。 具体的にお話をさせていただくと、本年度の中学校3年生は、小6のときの全国調査、中1の県調査、中3の全国調査の比較はできますけれども、中2と小5のデータがないという状況でございました。この中学校3年生を基点として考えてみますと、平成31年度の中学校3年生においては、中学校3年から小学校5年までの5年間の経年変化の比較が全て可能になるというふうに考えております。今後も、同一集団である学年、学校、個人ごとの成果や課題をより的確に把握しまして、それぞれの集団に合った取り組みを行い、学力向上に役立ててまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 独自テストの実施、要望してまいりましたので、ぜひ経年変化をやっていただきたいと思います。 ところで、今回の調査結果で、岡山県の中学校3年生は、授業以外の学習時間が全国平均より少なく、テレビを見たりゲームで遊んだりする時間は多く、家庭での学習、生活習慣に課題があることが明らかになりました。 まずは、倉敷市の状況はどうだったのか、説明をお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 全国学力・
学習状況調査における家庭での学習、生活習慣の倉敷市の状況についてお答えいたします。 まず、家庭での学習についてですが、月曜日から金曜日に、学校での授業以外に1日に1時間以上学習をしている割合につきましては、小学校6年生では、倉敷市が67.9%、全国は62.7%で、全国よりも高くなっております。中学校3年生では、倉敷市が54.7%、全国が69.0%で、全国より低い状況となっております。続きまして、家庭学習に影響がある勉強のため以外に、月曜日から金曜日に1日2時間以上テレビやビデオ、DVDを視聴する割合につきましては、小学校6年生では、倉敷市が57.4%、全国が59.2%で、全国よりも低くなっており、中学校3年生では、倉敷市が43.3%、全国が36.3%で、全国より高い状況となっております。月曜日から金曜日に、1日に2時間以上
テレビゲーム等をする割合でも、同様の結果が出ております。 また、倉敷市教育委員会が生活習慣の中で大きな課題であると考えております携帯電話や
スマートフォンの所持率につきましては、小学校6年生では、倉敷市が55.5%、全国が58.0%で、全国よりも低くなっておりますが、中学校3年生では、倉敷市が78.5%、全国が78.6%で、全国平均とほぼ同じ状況となっております。 これらから、特に中学生の家庭学習、生活習慣について、改善の必要があると考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 課題が明確であります。早急な改善をお願いいたします。 私は、今年度の県学力テストで県内1位でありました鏡野町にお伺いし、お話を聞かせていただきました。「特別なことはしていない。ただ、随分前から家庭学習の充実に努めていた」と言われていました。 ある鏡野町内の学校が保護者向けに配付をしている「家庭学習のすすめ」、こういったチラシでありますけども、チラシを見せていただきました。そこには、基本は宿題として、小学校1、2年生は宿題と読書で1日30分、小学校3、4年生は宿題と読書、自主学習で1日45分、小学校5、6年生は1日60分という目安を示し、おうちの人の声かけが大切と示していました。 そこでお尋ねいたします。倉敷市では、家庭学習、生活習慣の改善に向けて、どのような取り組みをしていくおつもりでしょうか。お願いいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 家庭学習、生活習慣の改善に向けての取り組みについてでございますが、現在、市内全ての小・中学校で、宿題の内容や出し方、時間の目安等につきまして、教職員で共通理解を図り、児童・生徒に指導を行ったり、家庭にお知らせしたりする取り組みが行われております。その中には、テレビやゲーム、
スマートフォンの使用時間のルールづくりについて記載されているものや、学区で
小中学校連携版を作成するなど、学校や学区の実態に応じた工夫がなされております。 また、倉敷市も作成に協力をしました家庭学習や生活習慣の改善の指針となる家庭学習のスタンダードが、今年中に岡山県教育委員会より示される予定となっております。今後、この家庭学習のスタンダードを活用して、取り組みがさらに充実・発展するよう努めてまいります。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 最近、中学生のお子さんをお持ちの保護者の方から、「宿題が少ないのではないか」とのお声をいただきました。教員の個人的なスキルによって大きな差が生じているのではないかと危惧を持ちます。調査結果からも、家庭学習時間が長く、テレビやゲーム、携帯電話、スマホの時間が短いほど、正答率が高いという明確な分析結果が出ています。そして、それができていないのが岡山県であり、倉敷市であります。 仙台市と東北大学の共同研究により、スマホや携帯電話を長時間使用すると、幾ら家庭学習の時間が長くても、成績が下がるというショッキングな結果が得られています。その調査結果を見ると、スマホ等の使用時間が1時間未満になると、正答率が大きくアップしているデータが示されています。その結果を得て仙台市は、スマホ、携帯電話の長時間使用が学力に悪影響を与えるとして、スマホ、携帯電話の使用時間は、どんなに長くても1時間以内に抑えるべきと指導しています。 家庭学習の時間をふやす一つの方策として、宿題の量を適正な量にすること、スマホ等の使用方法について児童・生徒や保護者に指導することが求められると思いますが、教育長の御見解をお尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 家庭学習の時間の改善に向けた取り組みについてでございますが、宿題の出し方については工夫が必要であり、ドリル的な学習や個に応じた発展課題を実態に応じて与えるなど、質と量の両面で改善を図っていく必要があると考えております。また、先ほどお話をした家庭学習のスタンダードを活用するなどして、家庭学習の方法や計画的な時間の使い方についても、しっかりと身につけさせてまいりたいと考えております。 携帯電話や
スマートフォン等の使用方法につきましては、基本的には、家庭生活の問題ではありますが、倉敷市教育委員会としても、対応が必要な課題であると捉えております。利用時間を単に短縮するのではなくて、児童・生徒が適切な利用方法を身につけることが大切であり、そのためには、児童・生徒への指導とともに保護者への啓発も欠かせないと考えております。そのため、ネットモラルに関する読み物教材である「想いとどけて」を道徳の時間で活用したり、26中学校の代表が集う倉敷市
子どもミーティングで、携帯電話や
スマートフォン等の使い方について議論を重ねたりしております。また、保護者への啓発につきましても、PTA連合会と協力をいたしまして、保護者対象の研修に加えて、親子でも参加できる
ネットモラル研修等のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。 倉敷市教育委員会といたしましては、今後とも児童・生徒の学力向上を目指して家庭での生活習慣を見直し、家庭学習の質と量が高められるよう各学校を指導してまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君)
子どもミーティングでの取り組みについては大変有意義であると思いますので、見守りたいと思いますが、子供たちのスマホ等の所有率は年々高くなっています。ぜひとも早急に本格的な対策をお願いしておきたいと思います。 次の項、発達障がい児への支援についてお尋ねいたします。 平成24年12月5日、文部科学省は「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」の公表をしています。 この調査によると、通常学級に在籍する
公立小・中学生の6.5%が、発達障がいの可能性があるということ。男子は全体の9.3%、女子は3.6%。小学校1年生が9.8%で、学年が上がるごとに減っていき、中学3年で3.2%でありました。その中でも、書く、聞く、計算するなど特定の分野の学習に困難を示す学習障がい──LDの可能性があるのが4.5%。注意力の欠如や衝動性などを特徴とする注意欠陥多動性障がい──ADHDと見られるのが3.1%。知的発達におくれのない高機能自閉症と判断されたのが1.1%でありました。そして、発達障がいの可能性のある児童・生徒のうち38.6%が、通級による指導、
個別教育支援計画、個別の指導計画、授業時間以外の個別の配慮や支援など、いずれの支援も受けていないという結果が明らかになりました。 そこでお尋ねいたします。この調査によりますと、1クラスに2人から3人、発達障がいの可能性のある児童・生徒が在籍をしているということになります。倉敷市における現状についてお尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 発達障がい児への支援についてのうち、倉敷市の現状についてでございますが、岡山県教育委員会が平成26年度に実施をしました「通常の学級に在籍する特別な支援を必要とする児童・生徒への支援状況調査」におきまして、発達障がいを含む視覚・聴覚障がいなど全ての特別な支援を要する児童・生徒の割合は、小学校は11.7%、中学校は8.7%となっております。この調査における倉敷市の割合につきましては、小学校が10.6%、中学校6.2%となっております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) ただいまの御答弁からすると、倉敷市の通常学級に在籍をする小学生の10人に1人が、発達障がいだけではありませんが、視覚・聴覚障がいなど全ての障がい種で、何らかの特別な支援が必要だということになります。 今の体制で、この子供たちに適切な支援ができているのでしょうか。基礎学力の向上や不登校対策、発達障がい児への対応等、現場の教員には対応すべき課題が山積しているにもかかわらず、教員個人のスキルに依存していると言わざるを得ません。特別な支援が必要な子供たちには、早期に適切な支援がなされることが、その子供の将来に大きな影響を与えます。また、適切な支援がなされなければ、同じクラスの子供たちの学ぶ環境が阻害される可能性があります。それが教員個人のスキルに依存していて、本当によいのかと私は申し上げたいのです。 子供たちの学ぶ環境の整備は大人の責任であり、教育委員会の役割はとっても大きいのです。教育に、投資対効果という観点はなじまないと思います。まずは、特別な支援が必要な子供たちがふえていることを受けとめ、支援員の大幅な増員等、適切な対応をすべきであります。早急な対応を求めておきたいと思います。 次に、この調査では、先ほど申し上げましたように、通常学級に在籍する発達障がいの可能性のある児童・生徒約4割が、特別な支援を受けていないことになっています。そのようなときは、各教員が個別に工夫しつつ特別支援教育に取り組んでいると思われます。倉敷市の対応がどうなっているのか、お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 通常の学級で特別な支援を受けていない児童・生徒への対応についてでございますが、現在、倉敷市教育委員会では、これらの子供たちを支援するために、保護者や学校からの相談や依頼に応じまして、大学の先生などの専門家や教育委員会の指導主事が学校を訪問して、教職員や保護者に適切な支援の仕方を助言したり、人的な支援が必要な場合は、支援員を配置するなどの対応を行っております。また、通常の学級における特別支援教育の観点を取り入れた学級づくり、授業づくり、いわゆるユニバーサルデザイン化を推進しております。ユニバーサルデザインは、シンプルで刺激の少ない学習環境を整えたり、図や表を活用してわかりやすい教材を用意したりすることで、発達障がいのある児童・生徒だけでなく全ての子供たちにも、あると便利で役立つ支援をふやすことで、全ての子供たちの過ごしやすさと学びやすさが向上すると考えております。 倉敷市教育委員会といたしましては、今後も引き続き、全ての教職員が医療的な診断の有無にかかわらず、児童・生徒がどこでつまずいているのか、なぜできないのか、どうすればうまくいくのかという特別支援教育の視点を持ち、適切な支援や指導ができますよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) ぜひ適切な支援をお願いしておきたいと思います。 では、次の質問に移りたいと思います。発達障がいのある子供は、早期から発達段階に応じた一貫した支援を行うことが重要であり、早期発見、早期支援の対応の必要性は極めて高いと言われています。その観点から質問いたします。 現在、就学時の健康診断は10月に行われ、身体の発達や知的発達の度合いなどについての健診が行われています。就学時の健康診断の時期は適当なのでしょうか。鳥取県などでは、就学1年前に健診を行う取り組みがなされています。就学前の健康診断を前倒し実施し、早期発見につなげることはできないのでしょうか。お伺いいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 就学時の健康診断についてでございますが、学校保健安全法施行令第1条に、就学時の健康診断は、学校教育法施行令第2条の規定により学齢簿が作成された後、翌学年の初めから4カ月前までの間に行うものとするとあり、小学校に入学する児童については、同法施行規則第31条によりまして、学齢簿は10月1日を基準日として作成することとなっていることから、就学時の健康診断につきましては、10月1日以前の実施はできないということとなっております。しかしながら、発達障がいのある子供の早期発見、早期支援は大変重要なことと認識をしております。 倉敷市教育委員会といたしましては、6月から9月にかけまして、特別支援教育推進室の指導主事と臨床心理士の資格を持ちます職員等が個別に保護者と幼児を面談し、就学後の必要な支援について助言をする倉敷市幼児のための就学相談の実施や、保護者の発達障がいへの理解を深め、不安を軽減する就学に向けての勉強会の開催、幼稚園と小学校の情報交換を密にする入学前の一日入学や連絡会の開催など、早期発見、早期支援につながるよう取り組んでおります。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 要は、保護者から相談があれば応じる用意があるという考え方なんですね。ただ、皆さんも感じていると思いますが、自分の子供の障がいや発達のおくれを認識していない保護者も多く、その子供たちへの対応のおくれが生じることが懸念されます。早期発見、早期支援は、受け身ではなくて、もっと積極的に取り組めないものかと私は申し上げておきたいと思います。 さて、発達障がいの可能性があると指摘をされているが、実際に医師の診断を仰ぎ、診断が下るまでには、実は大変長い時間を要するのが現実であります。ここで、ある事例を紹介させていただきます。 就学時の健康診断では、何の指摘もされず小学校に入学いたしました。入学して間もなく、担任の先生は、その児童に何らかの発達障がいがあるのではないかと疑い、保護者と話をいたします。保護者にその現状を伝え、簡単な検査を受けることを勧めます。しかし、なかなか保護者の理解を得ることができません。熱心な取り組みの中で、やっと検査を受けることができました。検査結果は予想どおりで、今度は保護者に、発達検査が実施できる病院または関係機関の受診を勧めます。この時点で、その子は小学1年生の6月でありました。保護者が大きな不安を抱えながら勧められた病院に電話で予約をしようとすると、何と最も早い予約で来年4月になることを告げられ、ショックを受けます。6月の時点ですよ。しかし、それだけでは終わりません。初診から結果が出るまで、半年以上もかかるというのです。これでは、小学校1年生の6月に最初の検査を受け、専門医の判断が出るころには2年生の10月になってしまいます。そして検査結果が出て、学校が教育委員会に支援員派遣申請をし、教育委員会が調査をし、もし支援員が派遣されることとなったとしても、早くても3年生からであります。その上、診断が出ても、療育機関もいっぱいで、なかなか利用できないのが現状であります。これを、「待たされる時間」というようであります。 「この子には、障がいがあるのかどうなのか、何をしてやれるのか、わからない宙ぶらりんの時間が一番つらかった」、あるお母さんの言葉です。待たされる時間は、孤立する時間でもあります。先行きの見えない中で、誰にも相談できずにいる苦しさ。また、発達障がいが疑われる児童が支援を受けられないために、2次障がいが大きな課題となっています。本来、発達障がいそのものの特性ではなく、発達障がいの特性に周囲の好ましくないかかわりが加わると起こしやすい自己否定感の蓄積や、精神的負担が起こす精神疾病のようなものだと言われています。また、さらに症状が進むと、他者否定、社会不信へと発展する場合もあります。こうした自己否定感の蓄積は、子供たちの人生を大きく変えてしまいます。何をやってもうまくいかない、周囲は自分を否定的にしか見てくれない、誰も自分のことをわかってくれないと、その人の可能性を封印してしまいます。受け取り方が全てネガティブになり、生きることへの意欲すら曖昧になってきます。だからこそ、早期の支援が求められるのであります。 前述した岡山県鏡野町にお伺いした際に、発達障がい児への対応についてもお伺いいたしました。鏡野町では、小学校入学の1年前に、幼稚園、保育園から気になる児童について報告がなされ、6月ごろから入学予定の小学校の教員、教育委員会の指導主事、臨床心理士がセットで幼稚園、保育園に訪問して、その児童の様子を観察されるそうです。その結果、支援が必要と思われる児童に、小学校入学時から支援員が配置できるよう、当初予算での予算化、人材確保しているとのことでありました。 平成17年の発達障害支援法によって早期発見、早期支援の体制整備が進められることになりました。それ以前に比べて、支援の質も量も上がってきてはいます。しかし、ニーズの広がりには全く追いついていないもどかしさを感じます。このような現状を放置してよいのでしょうか。発達障がいが疑われる早期の時期での支援員派遣等の対策が必要ではないでしょうか。教育長の認識をお尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 早期の時期での支援員等の対策についてでございますが、倉敷市教育委員会といたしましては、発達障がいの可能性のある児童に対しまして、早期の支援を行う必要性はあると認識をしております。 倉敷市教育委員会では、就学時の健康診断に加えまして、次年度に小学校1年生に入学をします幼稚園児、保育園児の実態把握を行い、必要な支援員を確保して、早期に配置するよう努めております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) いずれにしても、発達障がいの早期発見、発達障がいの可能性があるとされた場合の支援を素早く行うことが大変重要であります。保健福祉との連携を密にし、取り組みを進めていただくことを強く要望しておきたいと思います。 次に、生活支援員配置事業についてお伺いいたします。 平成27年度当初予算において、幼稚園29人、小学校116人、中学校26人、高等学校5人、特別支援学校9人の計185人、平成26年度当初予算と比較して9人の増員となっています。この配置人数の根拠と発達障がい児への適切な対応がなされているのか、お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 特別支援教育に係る支援員の配置人数につきましては、各学校・園からの要望に基づいて、障がいの程度や校内での教育環境、人間関係等を総合的に判断しております。さまざまな障がいのある幼児・児童・生徒に対応するための支援員配置につきましては、学校・園や保護者からの要望も大変強く、今後も幼児・児童・生徒の実態や学校・園の実態に応じまして、充実した支援ができるよう努めてまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) そうは言いながら、倉敷市の小・中学校の児童・生徒は約4万1,000人であります。単純に先ほどの10人に1人が特別な支援が必要だとすると、約4,100人に支援が必要だということになります。それに対して現在の支援員の人数は、私は少な過ぎると言わざるを得ません。 例えば、通常学級に在籍をしており、障がい者手帳や療育手帳を持っておらず、通級指導教室にも通っていない児童・生徒で、担任の先生以外の人的な支援が必要だと思われている児童・生徒はどのぐらいいるのでしょうか。また、そのうち、何らかの方法で支援員等を派遣している事例はどのぐらいあるのでしょうか。答弁を求めます。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 議員お尋ねの療育手帳を持っておらず、通級指導教室にも通っていない児童で、特別に支援が必要な児童につきましては、本年度──平成27年度の学年当初は、市内全域におきまして10名おりました。そのうち、個別に支援員を配置した子供につきましては、7名というふうに把握をしております。ただ、途中で転校生があったり、あるいは子供さんの症状が、新たにそういった障がいが見つかってどうしても要るというような場合もございますので、これは年度によって途中でもふえたりすることは、十分可能性があるというふうに考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 推測の数字でありますが、約4,000人に支援が要るけども、10人とか7人とかであります。本来、補正予算の対応を求めたいと思いますが、時間の関係で割愛をいたしますが、まず、現状が非常に不足をしているんだということは、恐らく教育長も重々認識をされていると思います。増員に向けて努力をお願いしたいと思います。 次に、小・中学校の統廃合についてお尋ねいたします。 このことにつきましては、我が会派の平井議員がことしの2月の代表質問で、「統廃合を考えるのではなく、どうやったら小規模校を存続させることができるのかを真剣に考えることが必要ではないか」と質問させていただきました。 そこで、未来クラブでは、6学級以下の小学校14校、3学級以下の中学校2校、該当校全てを訪問し、学校の先生方との意見交換を行い、現状を見せていただきました。議長のお許しをいただき、その概要をお手元に配付させていただきました。紙面の都合上、小学校のみの記載となりましたが、中学校においても同様の結果でありました。 小規模校のメリットとしては、一人一人の児童・生徒に目が行き届き、個に応じた指導ができる。基礎学力の定着が図られている。学校がコミュニティの中心となっており、地域が学校をしっかり応援してくれている。発達障がいのある児童に対して配慮した対応ができるため、不適応が起こりにくい。一方、デメリットとしては、人間関係が固定化する。競争心が乏しく、切磋琢磨できにくいなどの御意見をお伺いいたしました。いずれの小規模校も地域との結びつきが大変強く、地域の皆さんが学校を地域の宝と認識され、愛されていると感じました。この中で、学校がコミュニティの中心となっていることに大いに着目をいたしました。 「地方消滅の罠」の著者であります山下 祐介氏は著書の中で、「学校の廃校、特に小学校の廃校は、地域が地域での子育てを諦めることにつながる重大な事態である。一旦廃校してしまえば、もはや地域存続の条件が成り立たなくなり、後にそれを取り戻そうとしても、悪循環が進んで二度と再生できなくなる。学校の閉校は、社会の撤退を事実上決定する」と述べられています。 改めて、統廃合は行わず、小規模校のメリットを生かし、地域の核として学校を存続させるべきだと考え、お訴え申し上げたいと思います。 そこで、統廃合について、教育委員会は検討を始めているのかどうか。始めているとすれば、どういう方向性を持って検討しているのか、お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 小・中学校の統廃合についてのうち、小規模校統廃合検討の進捗状況についてでございますが、平成27年1月に文部科学省から出されました公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引によりますと、義務教育の機会均等や教育水準の維持向上のため、小学校6学級以下、中学校3学級以下の学校においては、適正規模に近づけることの適否を速やかに検討する必要があると示されております。同時に、学校は地域のコミュニティの核としての性格を有することも多く、配慮が必要であることも示されております。 倉敷市教育委員会といたしましては、統廃合の検討においては、児童・生徒の教育条件の改善の視点を中心に捉え、学校教育の目的や目標をよりよく実現するために行うことが望ましく、今後の児童・生徒数の推計を踏まえ、集団規模等、子供たちにとってどのような教育環境がよいのか、また通学時間等の地域の実情も踏まえる必要があると考えております。 一方、学校は、防災、保育、地域の交流の場などさまざまな機能を有している場合も多く、学校づくりがまちづくりと密接にかかわる場合も多いところでございます。そのため、統廃合の検討につきましては、行政が一方的に進めるのではなくて、保護者や地域の方々の御意見を聞きながら慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) ぜひ地域や保護者の皆さんとしっかり話し合って、慎重に検討していただきたいと思います。 また、デメリットを克服しようと、各学校はいろいろ工夫や努力をなされておられました。教育委員会として、小規模校のデメリット克服のために支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 小規模校におけるデメリットの克服についてでございますが、小規模校においては、義務教育の機会均等や教育水準の維持向上が確保されるよう、加配教員や市費単独の非常勤講師を配置いたしております。学校現場からは、個に応じたきめ細かい指導や支援ができる。苦手なところをしっかりと指導することができ、基礎・基本の定着を図ることができるなど充実した学習指導が行われているとの声をお聞きしております。一方、小規模校においては、各学年の人数も少ないために人間関係が固定化をしたり、社会性が育ちにくかったりするなど、デメリットもございます。 議員御質問のデメリット克服のための支援でございますが、現在、小規模校におきましては教育課程を工夫したり、他の学校との合同授業を行ったりするなど、小規模校ならではの取り組みを進めております。倉敷市教育委員会としましては、少人数のメリットを生かしつつ、今後も地域の方々が参加できる開かれた学校づくりをすることなどにより、小規模校の支援に努めてまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 私たちが訪問すると、小規模校のデメリットの克服策として、近くの学校との交流事業や、近くの学校と山の学習や海の学習へ一緒に行く、そんな努力をされている学校がたくさんありました。しかし、課題はそれに係る経費、特に移動費であります。多くは、PTAから財源が出されています。しかし、小規模校ですから、当然PTAの会員数も少なくて財源が乏しい。例えば、交流事業に係る費用を教育委員会として支援することはできないのでしょうか。お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 現在小規模校では、議員が今お話しされました交流事業などでバスを借りる場合は、1人当たりの負担が大きくなるため、学校によりましては他の学校と行事を合わせて、共同でバスを借りたり、公共の交通機関を利用したりするなどの工夫を今行っているところでございます。 交流事業についての補助につきましては、各学校の実態や他市の状況を今後調査してまいりたいと考えております。御理解のほどよろしくお願いします。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 次に、小規模校と他の施設との複合化についてお尋ねいたします。 国の学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議において、学校施設と他の公共施設等との複合化に関する各種調査結果が示されております。全国の公立小・中学校を対象とし、平成26年5月1日時点での学校施設の複合化の状況を調査したものであります。 調査結果を見てみますと、全国の小・中学校数3万余りのうち、図書館と複合化している学校が45校、公民館等は443校、博物館等は22校、プールは32校、体育館等は110校など、文教施設と複合化している学校は延べ652校となっています。また、文教施設以外では、保育所と複合化している学校が112校、児童館等は361校、特別養護老人ホームは2校、老人デイサービスセンターは111校、障がい者支援施設等は11校、行政機関は49校等々で、延べ856校となっています。これとは別に、放課後児童クラブと複合化している学校が6,333校、地域防災用備蓄倉庫5,553校と報告されているわけでありますが、これらの施設との複合化の候補は容易に考えられるわけですが、保育所、公民館、特別養護老人ホーム、老人デイサービスセンターなどとの複合化している学校が結構あります。 小規模校のメリットを生かしつつ、地域コミュニティの核として、保健福祉局、文化産業局等と横断的な検討組織を立ち上げ、学校以外の施設と複合化することを慎重に検討するのではなく、積極的に、前向きに検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。 私は、地域における公共施設整備の考え方、コミュニティ政策の考え方を抜本的に変革する必要があるのではないかと思います。基本的なコミュニティ活動の単位を小学校区と定め、そのコミュニティの単位と福祉圏域等をあわせ、公民館や福祉施設、児童・子育て施設の整備を進める小規模校を残すために、小学校の中にそのような官民の施設を整備することを目指してはどうかと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 議員御提案の小規模校における他の施設との複合化についてですが、先ほどお話をしました平成27年1月に文部科学省から出されました公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引によりますと、小規模校のデメリットの緩和策としまして、学校施設に児童福祉施設や社会教育施設、社会福祉施設を複合化させることにより、異年齢交流の機会をふやすことができ、小規模校で不足しがちな社会性を涵養する機会や多様な意見に触れる機会を確保したり、さまざまな体験を積ませたりすることができると示されております。 現在、倉敷市教育委員会では平成27年4月7日に、倉敷市との間に学校施設を活用した放課後児童健全育成事業の実施に係る協定書を締結いたしまして、余裕教室や学校敷地などが放課後児童クラブとして有効活用されております。今後につきましても、学校教育の機能を生かしつつ、小規模校と他の施設との複合化の可能性について検討してまいりたいと考えております。御理解のほどよろしくお願いします。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) ぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思います。 私はもう一つ、地域の核として学校を存続させる方策として、小学校周辺の都市計画を見直すことが考えられると思います。公共施設の特例を生かして、調整区域のど真ん中に小学校を建設しているところがあります。これでは新たに民家がふえる余地は非常に少なく、将来的に児童数が大幅に減少することが容易に想像できます。 例えば、小学校に隣接して公園等を整備するとともに、小学校周辺を第1種低層住居専用地域に指定するなどの思い切った政策も考えてはどうでしょうか。テレビドラマではありませんが、過疎地を廃村にして人口移動を誘導するのか、過疎地の活性化を目指すのか、市やその地域の将来のあり方が問われようといたしています。 いずれにしても、小学校は地域とのつながりが深く、小学校が地域のコミュニティの活動規模になっている例が大半であり、統廃合により小学校がなくなれば、学齢児童を持つ家庭はその地域に定住しにくくなり、結果として過疎化は一層進み、地域コミュニティが崩壊する懸念がありますので、ぜひとも慎重な検討を求めておきたいと思います。 さて、質問通告最後の幼稚園の30人学級についてお伺いいたします。 平成26年度当初予算で市長公約予算として、幼稚園の4歳児クラスの定員を35人から30人へ変更するための経費1,954万円が計上されました。当時私は、幼児教育の充実のためによかったなと大変高く評価させていただきました。しかし、平成27年度の幼稚園のクラス編制を見て、本当に驚きました。1年前に市長公約予算として30人学級としたばかりの4歳児クラスが、35人学級に戻っているではありませんか。 まず、どうしてこんなことになってしまったのか、理由を御説明いただきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 幼稚園の30人学級についてでございますが、4月から本格実施されました子ども・子育て支援新制度に伴いまして、質の高い幼児教育の提供や待機児童の対策を行うために、公立幼稚園では3歳児保育や預かり保育実施園を順次拡大しまして、幼稚園の多機能化に取り組んでおります。 平成26年度より、4歳児学級における定員を35人から30人とし、それに対応するために施設整備や教職員の人員の確保に努めてまいりましたが、平成27年度につきましては、30人を超える利用希望があったため、弾力的な運営によりまして上限35人までの受け入れを行っておる状況でございます。30人を超える受け入れを行った学級におきましては、年度当初より担任とは別に4歳児サポーターを配置し、幼児の情緒の安定化を図ること、保護者の不安感をなくすこと、そして適切な教育環境のもと、細やかで充実した保育を行うことができるように支援しておるところでございます。御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) 事情がわからないわけではありませんが、何といいますか。市長公約予算として一旦出された予算が、何ら議会や担当委員会への説明もなく、知らないうちに35人学級に戻っているわけです。倉敷市は県や国に小学校の少人数学級を求めているわけです。自分たちでやっている幼稚園は実現ができず、県や国に求めているわけでありますから、ここは大変大きな課題だと思っています。 そこでお尋ねします。来年度は30人学級に戻すのでしょうか。お尋ねしたいと思います。
○議長(原田龍五君) 井上教育長。
◎教育長(井上正義君) 来年度につきましては、倉敷市内の全ての公立幼稚園の4歳児学級におきまして、30人以下の学級が維持できるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 斎藤 武次郎議員。
◆37番(斎藤武次郎君) ぜひとも幼児教育の実現のために頑張っていただきたいと思います。 いずれにしても、私たちは未来への責任を果たさなければなりません。未来の担い手を育成するために、子供たちへの投資をもっともっとふやしていくことを求めて、質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(原田龍五君) ここで休憩いたします。再開は11時10分からの予定です。 午前10時57分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~ 午前11時10分 開 議
○議長(原田龍五君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、35番 田儀 公夫議員。 (35番 田儀 公夫君 質問者席登壇)
◆35番(田儀公夫君) (拍手)日本共産党倉敷市議会議員団の田儀 公夫です。 市長、教育長に質問をいたしたいと思います。 まず最初は、本市におけるごみ処理行政について行います。 当局は先日、平成36年度に向けて、真備地区を除いた現在の3焼却施設から、西部清掃施設、水島エコワークスにかわる新しい焼却施設の建設計画を示し、2つの焼却施設体制にする、こう発表しております。新しい焼却炉の建設は、数十年先までごみ行政のあり方を規定するものであります。環境や財政への負担を強いるものであってはなりません。したがいまして、徹底したごみの減量・資源化の推進を前提にし、財政を圧迫するような過大な施設にならないよう求めるものであります。 2013年の第3次循環型社会形成推進基本計画では、3Rの中で特に2R、リデュース──ごみを出さない減量の取り組み。もう一つはリユース──再利用、再使用によってごみの排出を極力削減する。この2つのRの指摘が強調されております。 本市における一般廃棄物処理基本計画によりますと、5年間でごみの総排出量は2%減、それからリサイクル率は0.7%、こういうふうに低下をしておるところであります。総じて横ばいと、こういう状況にあります。いずれも、市独自の掲げている目標値への到達はできておりません。 まず、この状況をどのように認識されておりますか。お伺いいたします。
○議長(原田龍五君) 中野
環境リサイクル局長。
◎
環境リサイクル局長(中野達也君) ごみ減量、リサイクル率向上を求めるのうち、現在の横ばい状況をどう認識しているのかについてでございますが、ごみの減量とリサイクル率の向上は、環境保全とごみ処理経費の削減の観点から大変重要であると認識をしております。このため、本市では環境最先端都市として、次世代を担う子供たちに豊かな環境を引き継いでいくことを目的に、倉敷市一般廃棄物処理基本計画を策定し、平成36年度の時点で平成19年度と比べ、家庭ごみ、事業ごみとも20%以上の削減とリサイクル率50%以上を目標としております。 この目標を達成するため、家庭ごみについては5種14分別を徹底するためのごみステーションでの早朝指導や出前講座の開催、生
ごみ処理容器購入費補助金の拡充やごみ減量化協力団体報奨金の交付など、さまざまなごみ減量化施策を実施しております。また、事業ごみにつきましても、大規模事業所に対しての訪問指導や、ごみ焼却場での搬入物検査などを実施しておりますが、ここ数年、ごみ量は年間約17万トン、リサイクル率は約48%で横ばいとなっており、計画の目標には達していない状況でございます。 こうしたことから、燃やせるごみの約半分を生ごみが占めていることや、いまだに分別されていない雑紙などが約20%も混入している状況を踏まえ、生ごみの水切りと雑紙の分別を徹底する施策をこれまで以上に推進することで、より一層のごみ減量とリサイクル率の向上を図り、計画目標を達成する必要があると考えております。 以上でございます。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 次に、ごみの減量、特に事業系のごみの減量・資源化対策について質問をしておきたいと思います。 本市の10年後のごみの減量目標は、先ほどもありましたように、平成19年度の20%減、こういうふうになっております。ごみの減量・資源化で注目すべき大都市の経験は、名古屋市と横浜市であります。名古屋市は非常事態宣言を出して、3年間で30%の大幅な減量を実現しています。市の担当者は、「市民と自治体の協力関係がごみ減量の鍵であった」、こういうふうに述べております。横浜市ではごみの大幅削減に挑戦をし、5年間で30%の減、分別は5分別7品目から10分別15品目に拡大をし、家庭ごみでは32%、そして事業系のごみは39%の減量をしております。そしてここがすごいのは、2つの焼却炉を廃止し、1,500億円を節約し、その後、10年間でさらに1炉廃止して現在4炉体制とあります。横浜市は人口370万人の大都市であります。こうした先進市から本市も学びたいものである、こういうふうに思います。 先ほども答弁でありましたけども、本市の事業系ごみは、平成24年度は市全体で排出されるごみの40%を占めており、全国値の31%よりも9%も高く、またごみの排出量のうち燃やせるごみの占める割合は84%で、全国よりも10%も高い、こういうふうに市独自に分析をしております。 他市では、事業系ごみの大半が特定の大規模事業所からと、なっておりまして、こうしたことがわかれば有効な対策がとれると思われますけども、こうしたところにしっかりと対策が必要ではないかと、思いますけども、質問をいたしておきます。
○議長(原田龍五君) 中野
環境リサイクル局長。
◎
環境リサイクル局長(中野達也君) 事業ごみの減量対策を求めるについてでございますが、本市は、水島コンビナートの立地や大規模商業施設が多いなど、他市と比較すると産業構造が異なり、事業ごみの割合が1割程度多いという特性がございます。このような現状の中、事業ごみの減量対策として、本市では昨年度まで約90カ所の大規模事業所等に対して、毎年、減量資源化計画書の提出を求め、市職員が直接訪問し計画の実施状況を確認するとともに、焼却施設に事業ごみを搬入する車両に対して、紙類等の資源化物が混入していないかどうかなどを検査する搬入検査を毎月3回実施するなど、事業ごみの減量化と資源化に取り組んできたところでございます。 しかし、本市の事業ごみ排出量は、近年では事業活動が活性化しているため、平成20年度以降、横ばいで推移している現状でございます。このため、今年度から新たに事業所向けの出前講座を設け、優良排出事業者の育成に努めるとともに、減量資源化計画書の提出対象事業所を、これまでの約90カ所から約120カ所に拡大したところでございます。さらに、搬入検査を毎月3回から6回にふやすなど、事業ごみの減量・資源化施策の強化に努めているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) この事業系のごみについては、12月議会で薮田議員も取り上げておられるところであります。少なくとも早期に全国値に到達する、こういうふうな努力を強く要請しておきたいと思います。決して都市の性格にしないようにしていただきたい、こういうふうに思います。 この項の3番目の質問は、本市におけるごみ排出減とごみ処理費の関係について質問しておきたいと思います。 平成18年度と比較しますと平成25年度の燃やせるごみの量は8.9%、こういうふうに減っております。それにもかかわらずトン当たりの処理料は、2万5,123円から2万7,619円と10%増になっております。その要因として、経常的なランニングコストが高い、過大な焼却炉の建設になっているのではないかと私は考えますけども、市はどう認識しておられますか。質問をいたしたいと思います。 また、水島エコワークスのガス化溶融炉は建設費も高く、また燃焼温度が高く、維持管理費、修繕費がかさみ、結局コスト高になる。そうした試算から、改めて契約をしないことになるのではないでしょうか。PFI方式のガス化溶融炉の総括を行い、今後のごみ処理行政に生かすよう求めたいと思います。答弁をいただきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 中野
環境リサイクル局長。
◎
環境リサイクル局長(中野達也君) ごみ排出量とごみ処理経費の関係についてでございますが、本市のごみ焼却処理施設につきましては、各施設の建設時における本市のごみ排出量を継続して安定的に処理できることを十分に勘案した上で、過大とならない施設規模を設定してまいりました。施設建設後においては、ごみ減量化、資源化を推進し、ごみ焼却量が減少したことにより、ごみ1トン当たりの焼却処理費が増加することとなります。これは本市の主力工場である水島清掃工場のランニングコストが、人件費や光熱水費などで構成する固定費が大部分を占め、ほぼ一定額となっていることや、水島エコワークスについても、施設建設費を含めたごみ処理委託経費がほぼ一定額となっているためでございます。 このようなことから、ごみ焼却処理施設の更新時においては、ごみの減量化、資源化を十分推進した上で、適正な施設規模を設定し、ランニングコストの削減を図っていくことが重要と考えております。 次に、水島エコワークスの総括についてでございますが、PFI事業は、平成17年度から20年間の事業期間で実施していますが、本市のリサイクル率の向上や東部最終処分場の大幅な延命化に大きく寄与しているものと考えます。さらに、事業契約により、修繕費などのランニングコストが当初の想定以上に膨らんだ場合でも、コスト増加分を本市が負担する必要がないなどのリスク軽減が図られております。また、事業主体である水島エコワークスの経営状況も健全であり、今後の事業契約期間満了までの10年間につきましても、これまでと同様に安定したごみ処理が可能と考えております。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 今答弁がありましたけども、本市における今現在の4つの焼却炉経費を比較してみましても、小さいほうがやっぱり経費が少なくなっている。こういう実績がありますから、そうしたことからもしっかり、今後のそうした状況を経験から生かしていただきたいと思っております。 この項の最後の質問は、どのような焼却施設をつくるかについて行いたいと思います。 現在、本市の焼却炉は4施設体制で、本市のごみ処理能力は、現状ではごみの1.6倍処理をする能力があるのではないでしょうか。現在は、まさに過大な施設になっているのではないでしょうか。 市が出されている新ごみ焼却処理施設の整備と、それから水島エコワークスの事業延長の比較検討の中で、試算されている施設の1年間の処理量は8万9,759トンということになっておりますけども、これは災害時の余裕率を見ても過大ではないかと思われます。したがいまして、徹底したごみ減量実施を前提に、思い切った将来的なごみ減量計画の作成、計画が大事だと思います。 新しい焼却炉の選択が数十年先の足かせとなり、環境や財政への負担とならないよう、そのためには焼却炉の場所の問題、規模の問題、型式の問題、価格を住民の皆さんに明らかにするとともに、ごみ減量を基本とした提案になるよう求めておきたいと思います。見解を求めておきます。
○議長(原田龍五君) 中野
環境リサイクル局長。
◎
環境リサイクル局長(中野達也君) どのような施設をつくるのかについてでございます。 今回、建設を計画している新ごみ焼却処理施設の処理対象となるごみ量は、現在の水島エコワークス分と西部清掃工場分を合わせたものになります。新施設については、一般廃棄物処理基本計画のごみ減量化目標の達成状況やごみ排出量の日々の変動、災害廃棄物発生量などを勘案し、さらには現在の水島清掃工場における処理余剰能力分も加味しながら、適正な施設規模を検討、設定し、施設整備に係る経費の削減に努める必要があると考えております。 次年度においては、新ごみ焼却施設の概要や財政計画などを決定する施設基本計画を策定する予定としておりますが、その中でごみ減量化の目標達成を前提として、新施設の建設から運営、維持管理経費の削減が可能となるような適正な施設規模を設定してまいりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 先ほども申し上げましたように、今現在のごみを燃やす能力が1.6倍と、こういう状況は何十年前の焼却炉がやはり過大であったと、こういうふうな結果ではないかと思います。したがいまして、しっかりとごみ減量の計画を基本にした焼却施設の建設を求めておきたいと思います。 次の2つ目の質問に移ります。前回に続く、巨大学校給食問題でございます。 1万2,000食の巨大学校給食が、突然2月議会に提出をされました。何の前ぶれもなく、その巨大給食場に小規模の船穂学校調理場も組み込まれる。そしてさらに、玉島地区の3小学校の学校給食は自校方式とした教育委員会のみずからの方針を一方的に変更した理由に、平成17年度で、船穂町、真備町の合併で環境が変わったと述べられました。船穂町から出ておる合併議員の私としましては、まさに闇討ちを受けたような思いをしておるところであります。 合併理由で方針が変わったと、こういうことであれば、当然、合併時の新市計画の中にうたわれているだろうと、こういうことで前回質問をいたしました。6月議会答弁では、合併特例債の対象事業で、給食調理場の整備という表現は盛り込まれていると答弁をしたところであります。 改めてお聞きをしたいと思いますけども、これは事実に反するのではありませんか。うその答弁になっておるのではありませんか。お尋ねいたします。
○議長(原田龍五君) 藤原教育次長。
◎教育次長(藤原昌吾君) 船穂調理場は、新市計画で合併特例債の対象となっているのかについてでございますが、6月議会でお答えしましたように、平成17年2月に策定された倉敷市・船穂町新市建設計画の中に教育環境の充実ということで、給食調理場の整備という表現が盛り込まれております。倉敷市・船穂町新市建設計画に上がっていれば、合併特例債の対象になると確認しております。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) あのね、さきの答弁は、合併特例債の対象事業で、給食調理場の整備という表現は盛り込まれていると答弁したんですよ。今の答弁と違うじゃないですか。答えてください。
○議長(原田龍五君) 藤原教育次長。
◎教育次長(藤原昌吾君) 先ほども申し上げましたように、倉敷市・船穂町新市建設計画の中に教育環境の充実ということで、給食調理場の整備という表現が盛り込まれております。建設計画の中にあれば、合併特例債の対象になるという意味でございます。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) あんた、ごまかしているんよ。あの中に書かれている事業については、合併特例債の事業として対象になっているという答弁をした。あの中に書かれている問題は、将来、合併特例債で使えられるかどうかという問題を問うたわけじゃないんですよ。あの当時、合併特例債の対象になっているというふうに答えたんです。全然違う。答えが違っています。
○議長(原田龍五君) 藤原教育次長。
◎教育次長(藤原昌吾君) 建設計画の中に盛り込まれておれば、合併特例債の対象になると確認しております。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) それは違うんですよ。当時、新市計画でこれからのまちづくりを、計画をつくりましたよ。その中に、たくさんの項目がありますよ。しかし、その中で、合併特例債で事業をするというのは明確にうたっていたんです。明確にうたっとったんです。違うんじゃないでしょうか。これからするという問題ではないんです。それは今の、現在の判断になるわけでしょう。もう一回答弁ください。
○議長(原田龍五君) 藤原教育次長。
◎教育次長(藤原昌吾君) 倉敷市・船穂町新市建設計画を策定する上で、さまざまな資料はございます。でございますが、最終的に倉敷市と船穂町で協議をし、決定された倉敷市・船穂町新市建設計画の中に盛り込まれているということでございますので、合併特例債の対象になるというふうに認識しております。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 主要な政策というのは、たくさんあの中に書かれていますね。例えば、児童館をつくりましょう。こういう項目もあるんですね。そうすれば、児童館も合併特例債でつくるという認識なのですか。そうじゃないでしょう。そうなってないんですよ。 やはり答弁は間違っているんですよ、あなたの答弁は。うん。その間違った答弁が、船穂町の1万2,000食の巨大な調理場への組み入れの問題や、それから玉島、3つの小学校の自校方式への否定につながっていると、私はこういうふうに理解をしています。教育委員会が黒を白と言いくるめるような、そうした認識を示すというのはもってのほかだと、こういうふうに思います。 時間の関係がありますから、次に移りますけども、2番目の質問でありますけども、学校給食の方式には3つの方式があると、こういうふうになっております。自校方式、センター方式、それから親子方式となっております。親子方式というのは、調理場を持つ自校方式の学校が調理場を持たない学校の給食調理を行う場合であります。 船穂町誌や船穂広報によりますと、船穂中学校、小学校は昭和33年3月から給食を開始したと、そして近隣市町村に先駆けたものであったと記述があります。当時、小学校と中学校は同じ敷地内にありました。調理場は、学校内の60坪の木造で始めたわけであります。昭和47年に、中学校は手狭になったと、こういう理由から数百メートルも離れたところに移転をしております。現在の学校調理場は、改めて昭和53年の小学校の講堂を壊して建てかえをしております。そして、昭和54年の1月から運用を開始しておるものであります。歴史的に見れば、船穂調理場は船穂中学校、船穂小学校の自校方式だったんです。で、距離の近い調理場を持たない小規模の柳井原小学校の調理を現在行っていると、こういう状況であります。したがいまして、これは決してセンター方式というものではありません。親子方式そのものであります。船穂調理場の責任者は、今船穂小学校の校長先生が行っておるところであります。 本市の教育委員会の、4つの共同調理場から一つの同じ共同調理場をつくるので、方針の変更ではないと、こういうのは、根拠は全く希薄であると思いますけども、答弁をいただきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 藤原教育次長。
◎教育次長(藤原昌吾君) 船穂学校給食共同調理場についてでございますが、親子方式とは、自校敷地内に給食の調理施設を持つ学校が自校の給食に加えて、調理施設のない学校の給食を調理して各校に配送する方式であると認識しております。船穂学校給食共同調理場は、船穂小学校と別の敷地にあり、共同調理場からは船穂小学校、柳井原小学校、船穂中学校へ配送しており、いわゆる親子方式ではないと考えております。 船穂学校給食共同調理場から新共同調理場への移転につきましては、築後37年が経過し、老朽化が進み、児童・生徒の安全・安心のため、早急な建てかえの必要が生じたことによるものです。同地への建設は、用途地域や建設中の期間の配食の困難さ、また市内に同様の状況の共同調理場が3カ所あったことなどから、新共同調理場候補地に最新の施設設備を備えたものを集約建設することといたしました。 なお、新共同調理場では、衛生管理の充実に加え、新たにアレルギー専用の対応室を設け、アレルギーを主に担当する栄養士を配置し、これまで以上の対応を図っていく予定です。また、調理場内に見学通路や研修室、調理実習室をつくり、食育の校外学習や調理教室等も実施し、食育の推進なども図り、今まで以上に充実した施設にしたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 今歴史的な経過を述べながら、船穂調理場の性格について述べました。そして、現在の管理も船穂小学校の校長先生が行われていると、こういう事情から、そして小規模な調理場という面から見ますと、やはり私は親子方式と思います。教育委員会の認識ですね、黒を白と言いくるめるような認識についてはやはり許されないと、私はこういうふうに思っています。 今の答弁もありましたけども、さらに進みますけども、船穂町の調理場の用地に今も触れられました。この敷地面積は813平方メートル、こういうふうになっておりまして、現在の建物は鉄筋コンクリートで、面積は406.2平方メートルで、食数は580食と、こういう状況になっておりまして、今建設中の老松小学校の給食分を加えますと約1,200食、そういう程度と聞いております。調理室面積と食数を調べてみますと、調理室面積は200平方メートル以下でも、1,000食以上もつくっている調理場はたくさんあります。広さは十分ですし、県道には接しておりますし、用地には問題はないと、私は思っております。 現在、西阿知小学校が自校方式のスーパー食育校に指定されておるわけでありますけども、西阿知の調理場の建設の際におきましても、船穂調理場が肩がわりして給食をつくったと、こういう事実もあります。さらに言えば、船穂地域は農業振興地域と位置づけられております。学校給食は地産地消の役割を担っております。もともと地元米で炊飯も実施しておったところであります。船穂調理場は地産地消での地域活性化、こうした重要な視点もあるわけであります。巨大調理場では、地産地消は難しいというのが明らかではないでしょうか。こうした面、地方創生、すなわち地域の創生の観点からも、やはり見ていく必要があるのではないかと、こういうふうに思います。 ぜひとも、船穂の調理場についてはそうしたさまざまな観点から、残していただくよう強く要請をしておきたいと思います。改めて質問しておきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 藤原教育次長。
◎教育次長(藤原昌吾君) 船穂学校給食共同調理場から新共同調理場へ移転いたしましても、地産地消につきましては公益財団法人倉敷市学校給食会と連携をとりながら、船穂地区を含め、市内各地域の地場産物による地産地消や地域活性化に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 教育委員会の答弁、非常に残念であります。これからも、さらに要求をしてまいりたいと思います。 先日、この新学校調理場の設計業者が決まっております。この設計業務を落札した業者は各地で指名停止を受けている状況になっておりまして、本市の落札日の前──12日までも香川県の指名停止を受けているところであります。こういうことを知りますと、一体どういうふうになっているのかなと不安を感じております。 最後に、学校給食の目標について、改めて申し上げておきたいと思います。 学校給食の目標につきましては、学校給食法2条にうたわれておるわけでありますけども、食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培う。そして、学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと等、さらに食生活が自然の恩恵の上に成り立つものであることの理解を深め、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うことになっていますと、これらのことが実現される最もよい環境づくりが求められていると、こういうふうに私は思います。その努力があって、子育ては倉敷市でと、胸を張って言うことができるものだと思います。このままでの大規模調理場建設は歴史的な汚点だと思います。このことを述べて、この項の質問を終わっておきたいと思います。 3番目の質問は、水島コンビナートの発電所計画にどう対応したのかと、こう題して行いたいと思います。 今、本市におきましては、2つの火力発電所計画がございます。1つは石炭火力発電所であり、もう一つは石油コークスを燃料とするものです。どちらも出力は11万キロワットであります。 報道によりますと、東日本大震災以後の原発稼働停止に伴い、比較的低コストで安定的に電力供給ができる石炭火力発電所の建設が、今日本全体では46基で、建設ラッシュが続いており、現行では出力11万2,500キロワット以上が環境影響評価の対象。環境省は、小規模発電所の新設計画はアセス逃れでは、こういうふうに問題視しまして、年内には環境影響評価法施行令の改正を目指すということです。 石炭火力発電のCO2の排出量は液化天然ガスの2.29倍になっておりまして、環境保護団体の気候ネットワークは、「石炭火力発電は、発電方式の中で最もCO2排出量が多く、化石燃料に依存する、そうした先祖返りしてはならない」と警鐘を鳴らしております。 本市はこうしたあらわれを、どう見ておりますか。そして、どう対応するつもりですか。お伺いいたします。
○議長(原田龍五君) 中野
環境リサイクル局長。
◎
環境リサイクル局長(中野達也君) 火力発電所計画にどう対応したのかのうち、火力発電所建設ラッシュをどう見るについてでございますが、今回の水島コンビナートにおける石炭及び石油コークスを燃料とした火力発電設備の設置計画での温室効果ガスの排出量に関しましては、発電規模の増加や燃料種の変更等により増加することとなっておりますが、各社の事業展開やエネルギー状況を踏まえ、企業ごとに設定した温室効果ガスの削減目標の達成に向け、企業全体の省エネや生産の合理化に取り組んでいるところでございます。また、本市全体の地球温暖化対策実行計画であるクールくらしきアクションプランでは、2012年度までに温室効果ガス排出量を2007年度比6%削減する目標としておりましたが、暫定値ながら13.9%の削減率を達成しており、目標を大きく上回る見込みとなっております。 今後とも、水島コンビナート企業における設備投資に関して、大気、水質などの汚染物質削減や温室効果ガス削減目標達成のため指導を行っていくと同時に、クールくらしきアクションプランに基づき、再生可能エネルギーの普及促進にも、引き続き努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 次の質問に移ります。新しい設備を増設しても環境基準を超えなければいいと、こういうふうなものではありません。必ず大気や水質を汚染する物質は排出されるわけであります。学校保健統計調査を見ても、子供たちのぜんそく者の割合はふえておりますし、降下ばいじんのことでも苦情が寄せられている状況であります。 本市における極小微粒子の問題、PM2.5や光化学オキシダントの状況につきましては、環境基準に適合していない地域もございます。この課題をどう認識しておるでしょうか。そして、市民環境委員会に提出されました三菱化学石炭発電設備設置について、健康被害に影響を与えるPM2.5や水銀の問題には触れられておりません。これらの排出実態は、一体どのようなものになっているのでしょうか。水銀につきましては、大気汚染防止法の改正がされました。その後の法規制を待つことなく、大気中の排出は限りなくゼロになるよう求めることや、少なくとも水銀やPM2.5につきましては情報の公開を求めるべきだと思いますけども、見解をお聞きしておきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 中野
環境リサイクル局長。
◎
環境リサイクル局長(中野達也君) 本市におけるPM2.5、光化学オキシダントは、環境基準を満たしているかでございますが、微小粒子状物質、いわゆるPM2.5でございますけれども、これは工場や自動車からの排出ガス等による人為起源によるものと、土壌や海洋等の自然起源によるものが原因とされております。粒子が非常に小さいため肺の奥まで入りやすく、呼吸器系や循環器系への影響が懸念されるため、平成21年度に環境基準が設定されました。 本市では、平成23年度から測定を開始し、現在は市内10カ所で測定をしており、環境監視センターのホームページでリアルタイムに公表しております。測定結果につきましては、本市を含め県内のほとんどの地点で環境基準が未達成となっております。光化学オキシダントにつきましても市内15カ所で測定をしており、環境基準を達成できていない状況でございます。 なお、PM2.5や光化学オキシダント濃度が上昇した場合には、市民の皆様の健康被害防止のため、注意喚起や情報等を発令し、庁内関係部署への連絡を行うとともに、エフエムくらしきなどを通じて市民の皆様に周知を図っております。 また、委員会でPM2.5や水銀の情報提供がなかったということでございますけれども、PM2.5につきましては、排ガス中のばいじんに含まれており、ばいじんの低減を行うように指導しております。水銀につきましては、今後、大気汚染防止法の施行令において排出基準等が設定されますが、今回の計画では、新設する排ガス処理装置において除去できるものと考えております。 なお、水銀は、有害大気汚染物質として指針値が設定されており、市内の3地点で測定を実施しております。大気環境中の測定結果は、指針値の10分の1未満となっているところでございます。 今後も、企業に対しまして、大気汚染物質の削減の指導に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 水島コンビナートでは、いろんな大気汚染物質と、そういう施設がたくさんありますので、ぜひともPM2.5の問題やオキシダントの基準が適合される、そういう地域に早くなるよう努力をしていただきたいと思っております。 それでは、第4番目の質問に入りたいと思います。第4番目は、水島コンビナート総合特区構想について質問を申し上げます。 平成23年度に認定をされて、既に4年近くになります。水島コンビナート内で適用されている各種法律で規制をされた項目の緩和策は、働く者の命の問題や地域の安全に深くかかわるもので、慎重さを要求してきたところであります。 特区で認められた項目や、認められていない項目があるようであります。石油コンビナート災害防止法、あるいは高圧ガス保安法の安全にかかわる項目は、認められなかったのではないでしょうか。現在のこの状況をどのように理解をされておりますか。それから、これからのこの特区のプログラムはどのようなものになるのか、お知らせをいただきたいと思います。 そして、これまでの取り組みで実現をした項目の中には、水島港を利用する多くの船舶の輸送効率にかかわるものがあります。不開港出入許可手数料の免除の問題や、とん税や特別とん税の非課税の問題、それから水島港の指定錨地の錨泊基準の緩和等がございますけども、これらにつきまして、本市の財政に影響を与えるものがございます。どの程度になっておるのか、あわせて質問をいたしておきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 伊東市長。 (市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 水島コンビナート総合特区構想についてのうち、規制緩和の取り組み状況についてでございます。 規制の特例措置等の実現に向けましては、安全性の確保を第一に協議を行ってまいりまして、ガス事業法の特定供給要件の緩和など8項目の提案につきまして、規制緩和等が実現をいたしましたほか、瀬戸内法に基づきます許可手続の弾力化など7項目につきまして、現行制度のもとで対応が可能ということで見解を得ているところでございます。 また、水島港にかかわります不開港出入許可手数料の免除、船舶の再入港時のとん税及び特別とん税の非課税、水島港の指定錨地の錨泊基準の緩和の3つの規制緩和によって生み出されましたコスト削減効果は、平成26年度で約6,800万円というふうになっておりまして、操業環境の改善、輸送効率の向上にもつながっていると認識をいたしております。また、国の特別とん税が非課税となることによりまして、倉敷市への特別とん譲与税につきましては約66万円が減収となってございますが、その分につきましては、市の普通交付税の基準財政収入額に算入されることになりますので、普通交付税で措置をされるという形になることでございます。 このほか、総合特区制度を通じて実現してまいっております規制緩和等によりまして、本来の目標であります水島コンビナートの持続的な発展、国際競争力の強化、雇用の維持拡大が着実に図られているというふうに考えておりまして、今後とも引き続き、この制度を活用しました新たな提案につきまして、企業、また岡山県等と協議して、必要に応じまして国に対しましての協議、そして要望ということで行ってまいりたいと考えております。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 今市長に答弁をいただきましたけれども、1つは、これからどういうプログラムになっているのかという問題であります。 今、認められなかった項目が3項目と、それからこれからまだ協議が残っておるというものが3項目と、こういうふうになっておりますけれども、この課題はこれからどう進むのか、お尋ねをしておきたいと思います。
○議長(原田龍五君) 片山文化産業局長。
◎文化産業局長(片山寛一君) 先ほど議員さんの言われたとおり、特区制度で実現困難とされた項目が3点ございます。これにつきましては、今後進めてまいるつもりはございませんし、あと3項目につきましては、現在協議を行っていないということで、水島の各企業内でも当面凍結するという形で進める予定でございます。 なお、先ほど市長のほうからも答弁ございましたけれども、今後につきましては、有益なものがございましたら、県、企業と協議して国のほうへ上げてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 今述べられましたように、このことによって本市の自主財源がやはり減額すると、少なくなると、こういうことでございまして、地方交付税で補填をされるとしっかりと本市の自主財源が確保されると、こういう立場で努力を求めておきたいと思います。 今、港湾問題を取り上げました。次もこの港湾問題でありますけども、内部告発サイトのウィキリークスによりますと、米国は朝鮮半島有事を想定いたしまして、日本国内の23の港湾・空港の調査協力を要求したと、こういうふうにありまして、2009年のことでありました。今国会での政府の答弁の中で、その要求に基づいて調査を実施したと答弁がされております。当時の23港湾といえば、特定重要港湾の23の一つが水島港でありました。このことは、戦争にかかわる問題が市民の知らないところで進んでいることを示しているのではないかなと理解をしております。 そしてまた、ことしの4月の日米軍事協力のための指針──新ガイドラインでは、平時からの協力措置として、民間の空港及び港湾を含む施設の実地調査の実施に当たって協力をすることが明記をされております。また、新たに日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動が加えられ、この場合でも後方支援、兵たん活動として日米両政府は支援を行うため、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用すると、こういうふうに書かれておりまして、アメリカが自国の戦闘のための、直接地方自治体を利用できる文言にされておるところであります。このように地方自治体にかかわって、2つの点で重大な改悪がされております。戦争法案を他人事のように扱うことはできない、こういう状況ではないかと、こういう理解をいたします。 私たちは、住民の命や財産を守る自治体の長として戦争する国づくりを許さないという、戦争法案にきっぱりと反対することを伊東市長に求めたいと思います。この事案は私の所属する総務委員会の事案と、こういうことで質問はできないとのルールでございます。したがいまして、こうした所管事項と市長への質問は、私は関係ないと思っております。こうしたルールは、できれば改善いただきたいと議長に申し上げておきたいと思います。(笑声) 最後の質問に入りたいと思います。1つは、船穂コミュニティタクシーについて質問をしておきたいと思います。 この制度は、9月から暫定運行から本格運行になりました。6月議会では、利用者の利便性の向上ということで利用者の拡大を求めて提案したところでありますけども、答弁は検討すると、こういう答弁をいただきました。どのように反映されたのか、お聞きしたいと思うのでありますけども、本格運用では、コースの変更で停留所の削減が行われています。倉敷地内の新しいコースの中には、停留所は全くない状況になりました。これでは、利用者の利便性の拡充にはならないのではないでしょうか。 コースの廃止・変更での停留所廃止連絡については、停留所の標識に張り紙一枚で済ませている。これでは、皆さんに周知徹底はできていないと、こういうふうに考えますけども、そうした周知徹底については、これでいいというふうに考えているのでしょうか。お尋ねをしておきたいと思います。あわせて、このたびの改正で利用料金が100円値上げをされました。この理由は、根拠は一体どうなっているのでしょうか。お尋ねをしたいと思います。
○議長(原田龍五君) 三宅建設局長。
◎建設局長(三宅研次君) 本格運行に際しての周知についてでございますが、船穂地区コミュニティバスは平成27年9月1日から、町内会代表等から成る運営委員会が運営主体となるコミュニティタクシーへと移行し、本格運行を開始いたしました。 運行コースの一部変更や停留所の一部廃止等、暫定運行の内容を変更しているため、市のホームページでお知らせするとともに、運営委員会を通じてパンフレットを船穂地区の全世帯にお届けし、周知を図っていただきました。さらに、廃止されました西阿知地区の3停留所につきましては、停留所に廃止のお知らせを掲示するとともに、運行事業者からも3停留所で乗降される方に対し、路線が変更されることと停留所が廃止されることを事前にお知らせするなど周知を図ってまいりましたので、よろしくお願いいたします。 次に、新しい料金の算定方法についてでございますが、倉敷市乗合タクシー制度に基づき運行されている地域では、運行経費の赤字額の1割を地域の運営委員会で負担していただいておりますが、船穂地区は地域が広域であり、複数の町内会にわたるため、地域全体での負担が困難であることから、運営委員会に負担していただくのではなく、利用者の方に利用者負担金として負担していただくこととしております。これによりまして利用料金は、運賃に利用者負担金を加えた400円としております。内訳としましては、運賃は、1便当たりの運行経費を乗車定員で割ることにより算出いたしました300円となります。利用者負担金は、暫定運行での赤字額の1割に相当する額をその間の利用人数で割ることにより算出いたしました100円となります。 なお、市内で運行しているコミュニティタクシーは、路線バスより利用料金が割高となることから、高齢者や障がい者支援といたしまして、コミュニティタクシー利用者証または障がい者手帳などの提示で、利用料金から100円割引をしておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) 今、西阿知駅から以東に全く停留所がなくなったと、こういう状況でありまして、先日も倉敷側の人が西阿知駅まで歩いて、そこまで来ると、こういう話を聞いております。したがいまして、これからの改善といたしましては、西阿知側にも、それ以東もやはり停留所を設けると。有効にこのタクシーの運行を求めたいと思います。 それから、このたびの100円の値上げについての根拠でありますけれども、倉敷市乗合タクシー運行事業補助金交付要綱、これに合わせると、こういうことで、そこの中にうたわれている要綱では、運行経費の一部を自治会等に負担してもらうと、こういうふうになっておりますよね。それを利用者に負担させるというのは、やはり問題があるのではないかと。いわゆるこれまでのコミュニティバスをタクシーに、無理やりに倉敷市の制度に押し込むために、つじつま合わせのものになっているのではないでしょうか。改めて質問いたします。
○議長(原田龍五君) 三宅建設局長。
◎建設局長(三宅研次君) 倉敷市乗合タクシー制度に基づき運行されている地域では、運行経費の赤字額の1割を地域の運営委員会で負担していただいておりますが、船穂地区は地域が広域であり、複数の町内会にわたるため、地域全体での負担が困難な状況でありました。このことから、運営委員会に負担していただくのではなく利用者の方に利用者負担金として負担していただくことで、運行が可能となるように柔軟に検討し、対応したものでございますので、よろしくお願いいたします。
○議長(原田龍五君) 田儀 公夫議員。
◆35番(田儀公夫君) この地域の足を守ると、こういう面からいって柔軟な運行と、こういうことになりますと、コミュニティタクシーがあり、そしてまたコミュニティバスという、そういう制度があってもいいのではないかと。前回は、やはり多様な形態での公共交通を求めております。したがいまして、そういうふうな柔軟性のある地方創生の公共交通と、そういう面からコミュニティバスをもっと有効なものにするということで考えていただきたいと、こういうふうに思います。 以上であります。(拍手)
○議長(原田龍五君) ここで休憩いたします。再開は午後1時からの予定です。 午後 0時 5分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~ 午後 1時 開 議
○副議長(磯田寿康君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 続いて、29番 森分 敏明議員。 (29番 森分 敏明君 質問者席登壇)
◆29番(森分敏明君) (拍手)公明党倉敷市議団の森分 敏明です。 それでは、順次質問通告に従いまして進めさせていただきます。 初めに、平和事業について。 ことしの夏は異常な暑さが続きましたが、毎年来ることしの8月15日は、特別な意味があったと考えています。70年前の夏ごろは、アメリカのB29による日本の各都市の空爆が激しさを増し、さらには8月6日、9日の広島、長崎の原爆投下により、日本の敗戦が決定的となりました。当時の心情を、中国の有名な漢詩に多くの人たちが感じていたと聞いています。それは杜甫の「春望」。国破れて山河あり、城春にして草木深し、時に感じて花にも涙をそそぎ、別れを恨んで鳥にも心を驚かす。 戦後70年を迎えた我が国は、これからも平和国家としての確たる歩みを継承しつつ、国際社会の平和と安定にさらなる貢献を果たしていくという姿勢を、今後とも明確に発信していくことが重要だと、私は考えています。このことを前提に質問をさせていただきます。 まず、平和を語り継ぐ事業について。 この平和を語り継ぐ事業についてですが、本市の平和事業については数多くあります。さらに新しい事業に取り組んではいかがかと思っています。年を追うごとに戦争当時の生存者が減少していく中、ある意味、戦後70年の本年が、倉敷市に語り部の方を招待して、多くの市民が直接話を聞く最後のチャンスになるかもしれない。そういう意味で、ことしの10月31日に実施予定の戦後70周年記念平和啓発事業「平和のつどい」については、非常に意味があると思います。 ところで、沖縄のひめゆりの塔の現地の語り部の人たちは、この70年を機に、体力の限界から語り部の活動を中止するとのニュースがありましたが、大変残念なことです。本市としても、戦争当時を知る世代が年々少なくなっている中、次の世代にバトンタッチする必要があると私は考えています。例えば、広島市は語り部育成事業として、次の後継者が戦争の語り部として活動する事業があります。本市としても、このような取り組みが必要であると考えますが、本市としての考えを伺いたいと思います。 次に、資料のデジタル保存についてお尋ねいたします。 本市の平和事業の一つとして、戦災のきろく展がありますが、これは夏を中心に、水島支所、本庁等で戦争の記録の資料として展示しています。ここでは、昭和20年の水島空襲や広島・長崎の原爆被害を写した写真パネルを初め、戦争に関連した資料──生活用品を含めたもの──を展示しています。しかし、このような資料を、今後どのように保存していくかが課題であると私は認識しています。 例えば、市内の戦争関連の資料をデジタル保存してはどうでしょうか。そのためには、まず実態調査が必要になると考えています。写真パネルを初め先ほどの生活用品とかを含めると、かなりの量になるのではないでしょうか。戦争を知らない世代がほとんどの中、私は、風化は記憶の衰えとともに進むと考えています。戦争の記録をどのようにして残していくか、いかにして次の世代に伝えていくかが課題だと強く感じます。その意味で、市内の戦争関連の資料をデジタル化して、市民の方にネット上から自由に閲覧できるようにしていくことが大切ではないかと考えます。 例えば、広島の原爆ドームはことしで建築100周年になりますが、当初、広島県物産陳列館として、チェコ人の建築家ヤン・レツルの設計として有名ですが、この夏、広島平和記念資料館で、その軌跡をたどる展示を行っていました。このように人間の目に見える形、物として記録していくことは、非常に大切だと思います。このことについて、本市としてどのようにお考えでしょうか。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 古谷総務局長。
◎総務局長(古谷太一君) 戦後70年が経過し、戦争体験者が少なくなっていく中で、過去の悲惨な経験を次の世代に確実に語り継いでいくことは、大変重要な課題であると認識しております。このような状況を踏まえ、倉敷市といたしましても、戦後70周年記念事業として本年10月31日に平和のつどいを開催するなど、さまざまな取り組みを行っているところでございます。 議員御提言の語り手の育成につきましては、平和の大切さ、戦争の悲惨さを、次の世代に語り継いでいく有効な方法の一つであると考えております。しかしながら、深刻な戦争被害を受けながらも、今なお多くの語り部が活動していらっしゃる沖縄や広島、長崎とは異なり、倉敷市独自で語り手を育成していくためには、まず人材の確保、そして語り継ぐ内容、育成の手法、活動の場など、幾つかの解決すべき課題がございます。今後は、先進都市や同様の認識を持った他都市とも情報交換を図りながら、課題の洗い出しを行い、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。 次に、資料のデジタル保存についてでございますが、本市では、水島空襲の被害状況を撮影した写真を初め、戦時中の写真、書類、生活用品など、さまざまな戦争関連資料を保有しており、これらの一部を戦災のきろく展などで展示し、市民の皆様に公開しております。さらに、ことしは戦後70周年事業としまして戦争体験記及び戦争関連資料の募集を行い、体験記は冊子にまとめ、年内に市内の小・中学校などに配布し、戦争関連資料は順次戦災のきろく展で展示を行っております。また、戦争体験記をお寄せいただいた方の生の声と映像のほか、市内の戦争遺跡や平和のつどいでの小学生による平和学習の成果発表の様子などを収録したDVDを作成し、小・中学校などに配布する予定にしております。 今後は、このたび市民の皆様から御提供いただきました貴重な資料を含め、市が保有しております戦争関連資料のデジタル保存を進め、ホームページなどで公開してまいりたいと考えますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) それでは、次の項目に移りたいと思います。自動交付機の更新についてお尋ねいたします。 まず、自動交付機は、住民票の写しや印鑑登録証明書を無人の機械で受け取れるサービスのことですが、この機械の更新時期が来ていると伺っています。 そこでお尋ねいたしますが、更新する台数、更新時期などのスケジュール並びに機器の値段とシステムのトータルの費用についてお尋ねいたします。
○副議長(磯田寿康君) 安原市民局長。
◎市民局長(安原恭子君) 証明書自動交付機の更新時期と台数について御質問いただきました。 本市では、住民票の写しや印鑑登録証明書を、窓口業務の時間外や年末年始を除いた土曜、日曜、祝日等にも取得できるよう、証明書自動交付機を市内16カ所、合計17台設置しております。この証明書自動交付機の現在の契約でございますが、平成28年2月末日をもってリース期間が満了となりますので、翌3月1日には17台全てを更新する予定としてございます。 更新のスケジュールでございますが、7月に公募型プロポーザル方式により、自動交付機システム等機器更新の御提案を市ホームページ等で募集いたしました。その後、御応募いただいた提案につきまして、選定委員会を開催し、審査をしたところでございます。その結果、優先交渉権を得た業者と現在交渉中でございまして、9月中には賃貸借契約を締結する予定としてございます。賃貸借契約締結後は約5カ月をかけ、自動交付機システムの設定作業、機器導入設置、住民基本台帳システムとの連携テスト等を行いまして、機器更新後も滞りなく正常に証明書の発行が行えるように準備をしてまいります。 次に、機器更新に必要な経費でございますが、保守料を含んだ5年間の賃貸借契約としておりまして、平成27年度当初予算の月額360万6,000円以内、5年間の総額といたしまして2億2,028万円以内で契約を行うこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) 次に、ベンダーロックの解除についてお尋ねいたします。 数年前までは、ホストコンピュータのメーカーと端末の機器は、同じでないと動かないと思われていました。いわゆるベンダーロックと言われるものですが、当然、今回の機器の更新においては、このベンダーロックの解除はされているというふうに考えていいのでしょうか。見解を伺います。
○副議長(磯田寿康君) 安原市民局長。
◎市民局長(安原恭子君) 今回の機器更新においては、ベンダーロックの解除がなされているのかとの御質問をいただきました。 森分議員さん御指摘のベンダーロックとは、ある特定の業者の独自仕様のシステムを採用した結果、後継システムや周辺システムも同一の業者の製品を採用するなど、特定の業者のみに依存せざるを得なくなるような状態と認識しております。本市の現在の自動交付機でございますが、データのやりとりを行います基幹となる住民基本台帳システム自体が、本市独自の仕様を加えて開発されたものであったため、他のシステム業者が新規参入することが困難な状態にございました。しかしながら、本年9月24日に、その基幹となる住民基本台帳システムを入れかえる予定としてございます。 今回導入予定のシステムでございますが、総務省が普及促進を図っております地域情報プラットフォームを採用したシステムでございまして、この地域情報プラットフォームは、異なるシステム間においてもデータのやりとりができるように、データの連携のルールを定めたもので、住民基本台帳システムと自動交付機システムの業者が異なっていても、データの連携や証明書の発行を支障なく行うことができる仕様となっております。そのため、来年3月に予定してございます自動交付機システムの更新に当たりましては、基幹である住民基本台帳システムを構築した以外の業者の方も参入できることとなり、先ほども申し上げましたように、公募型プロポーザル方式を採用して、ホームページ等で広く提案募集を実施いたしましたので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) 私は数年前から、この自治体クラウド・コンピューティングの推進を提案していましたが、もう少しスピードを速めていただきたいというふうに考えています。 それでは次に、個人番号カードとの整合性についてお尋ねいたします。 先週の3日に、改正マイナンバー法が衆議院本会議で成立して、このことにより個人等の預金口座やメタボ健診──特定健康診査に、マイナンバーの利用範囲を拡大することが可能となりました。 そこでお尋ねしますが、従来使用していた住基カード──住民基本台帳カードには、今後、使用期限が発生すると考えられますが、今回の機械の更新においてどのようになるのでしょうか。また、マイナンバーの割り振りに伴って、ICチップつきの個人番号カードが各個人に発行されますが、自動交付機での使用開始は、いつごろから利用が可能となるのでしょうか。私は、この住基カードと個人番号カードは、同じ延長線上で考えてはだめだという認識でいますけども、本市としての見解を伺いたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 安原市民局長。
◎市民局長(安原恭子君) まず、自動交付機の更新により、住民基本台帳カードの使用はどうなるのかという御質問でございますが、現在、自動交付機では、くらしき市民カードと多目的利用を設定した住民基本台帳カードが御利用いただけることとなってございます。このうち住民基本台帳カードにつきましては、番号利用法の施行に伴い、平成27年12月をもって新規発行及び更新を終了いたしますが、現在お持ちの住民基本台帳カードにつきましては、有効期限まで引き続き御利用いただけることとなります。来年3月に機器更新を予定しております自動交付機におきましても、これまでと同様に、住民基本台帳カードが御利用いただけるように機器調達を行うこととしております。 続きまして、個人番号カードは自動交付機で利用できるようになるのかという御質問でございますが、個人番号カード──マイナンバーカードでございますが、番号利用法の施行に伴い、交付を希望される方からの申請によりまして、平成28年1月以降に取得できるものとされております。 この個人番号カードには、ICチップが装備されておりまして、公的個人認証サービスなど全国共通で利用できる領域以外に、市町村が独自に利用できる領域が設けられております。この独自利用可能な空き領域を利用いたしまして、本市の自動交付機で個人番号カードを利用するためには、多目的利用に関する条例を定めるとともに、このカードの空き領域に、市町村においてアプリケーションの設定をすることが必要となります。また、自動交付機システムにおいても、個人番号カードに対応するためのシステムの設定作業や機器の導入設置を行う必要がございます。来年3月に更新いたします自動交付機システムでは、現在と同様にくらしき市民カード及び住民基本台帳カードで御利用いただけることとしておりますが、個人番号カードを利用しての自動交付機対応につきましては、個人番号カードの普及状況を見きわめ、総合的に判断してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) 次に、コンビニ交付についてお尋ねいたします。 今回、社会保障と税の共通番号制度により、ICチップつきカードの個人番号カードが発行されることになりましたが、このカードを利用しての証明書発行のコンビニ交付検討はどのように考えているのでしょうか。ITの先進的自治体、特に関東地区においては、導入事例が数多くあるのは御承知のとおりと思いますが、当局の御見解を伺いたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 安原市民局長。
◎市民局長(安原恭子君) 個人番号カードを活用してコンビニ交付を導入してはどうかとの御提案をいただきました。 現在のコンビニ交付は、市民の皆様方にとって、お近くのコンビニエンスストアに設置されておりますマルチコピー機で、住民基本台帳カードを用いた公的個人認証サービスを利用して住民票の写し等の証明書を取得できるサービスのことでございます。住民基本台帳カードにかわり、来年1月からは個人番号カードが発行されることになりましたが、コンビニ交付におきましては、住民基本台帳カードと同様に個人番号カードが利用できることとされております。 コンビニ交付は、本市内でございますと153店舗、全国では約4万6,800の店舗で利用することができるほか、年末年始を除いた午前6時30分から午後11時までの利用が可能となるなど、利便性の向上も期待されていることから、本年7月現在、全国で100の自治体が実施をしており、さらに全国自治体の約4割が導入を検討していると伺っているところでございます。 本市といたしましては、コンビニ交付は市民の皆様のさらなる利便性の向上も見込まれることなどから、個人番号カードの普及状況などを見きわめながら、コンビニ交付の導入及びその時期について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) 次に、セキュリティの確保についてお尋ねいたします。 国においては、ことし1月に施行したサイバーセキュリティ基本法の改正案を、この秋の臨時国会で検討しているように伺っています。 あらゆるシステムのセキュリティにおいて、非常に神経質になっている現在ですが、しかしながら、本市の場合は、自動交付機の発行は、先ほど説明がありましたように、市民カードについてはこの磁気カードに頼っているのが現状です。この磁気カードの技術ですが、既に40年前のものであり、専門家からすればセキュリティの低いものであるという認識です。例えば、銀行で使用するATMのカードは、一昔前は磁気カードが主流でしたが、現在ではICチップつきのカードに変更になっています。 このように、ICチップつきカードの個人番号カードを、今後は主力に考えるべきであると考えますが、当局のセキュリティについてのお考えを伺いたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 安原市民局長。
◎市民局長(安原恭子君) くらしき市民カード、磁気カードでのセキュリティについて御質問いただきました。 ICカードは、情報の記録や演算をするために集積回路──ICを組み込んだ回路で、記憶容量も大きく、偽造は困難とされてございます。このICチップのセキュリティは、主にICチップ内のアプリケーションに対するアクセス権限の制御やカード内の情報を呼び出そうとする不正行為に対して、チップ自身が防御する機能などから確保されております。 現在発行しておりますくらしき市民カードでございますが、記憶容量が極めて小さな磁気カードでありますが、記録内容は券面に記載されているカード番号のみとなっておりまして、アプリケーションや個人情報等は一切記録されておりませんので、ICカードが備えておりますようなセキュリティ機能は、特に必要がないものと考えてございます。 来年1月に発行される個人番号カード──ICカードにつきましては、多目的利用の一つとして印鑑登録証とすることが認められてございます。この個人番号カードは、市町村では作成できないため、即日交付ができないことなど幾つかの課題がございます。個人番号カードに印鑑登録証としての機能を搭載することにつきましては、個人番号カードの普及状況も見きわめつつ総合的に検討してまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) セキュリティについては、特に民間の意識と自治体の意識の違いが、かなりはっきりしているような答弁でしたけども、セキュリティに敏感になっていただきたいというふうに思います。 次に、郵便局での証明書の発行についてお尋ねいたします。 現在、本市では住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍等の証明書の発行を市内の提携している郵便局10カ所で受け取ることができます。御存じのとおり、市内の一部地域においては、コンビニがない場所もありますので、このような郵便局のサービスを活用することは、市民の利便性につながると認識しています。 そこでお尋ねしますが、自動交付機の更新に伴って、今後どのように対応を検討しているのでしょうか。御答弁のほどよろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 安原市民局長。
◎市民局長(安原恭子君) 郵便局での証明書発行サービスについて御質問をいただきました。 本市では、半径4キロメートル以内の身近な場所で証明書の交付を受けることができるよう、郵便局ワンストップサービスとして、倉敷地区1カ所、水島地区2カ所、児島地区2カ所、玉島地区4カ所、真備地区1カ所の合計10カ所の郵便局において、平日の9時から17時まで、住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍証明書、所得証明書などの交付を行っております。 身近な郵便局で各種証明書を取得できることは、市民の皆様の利便性を高めており、現時点では自動交付機の更新後も、引き続き行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) それでは、次の質問項目に移りたいと思います。 「人が生きる、地方創生」についてお尋ねいたします。 まず最初に、教育サミットについてお尋ねいたします。 先月の末、新聞記事やテレビで、来年に開催する伊勢志摩サミットに伴って開かれる教育相会合が、来年の5月14日、15日に決定し、各方面55団体から成る実行委員会の様子が大々的に報道されました。そこには、今回の伊勢志摩サミットの分科会に対する各方面からの期待が、いかに大きいかが容易に想像できます。我々市議会としても、最大のサポートが必要だと考えています。 ところで、来年は全国的なイベントが多く重なっています。紹介いたしますと、先ほどの教育相会合の開催。JRのデスティネーションキャンペーンの開催、これが来年の4月から6月。同じく来年、瀬戸内国際芸術祭2016、来年の春・夏・秋の3回。さらに、広域観光ルート──せとうち・海の道の設定がされています。さらには、せとうち観光推進機構の設置も来年の4月にされることになっています。 このように来年は、瀬戸内、倉敷地区が脚光を浴びるゴールデンシーズンとなっていますが、数十万とか数百万人の交流が予想されます。しかも、教育サミットについては、中核市としては初めての準備を進めることになり、全国的にも、世界的にも、注目を必然的に浴びることとなります。 そこで提案ですが、現在の支援室のメンバーを重層にする必要があると認識しますが、半年から1年という短期間になりますので、人材を集中的に投入してはどうでしょうか。本市のお考えを伺わせてください。
○副議長(磯田寿康君) 伊東市長。 (市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 教育大臣会合についての準備の態勢のことにつきまして御質問をいただきました。 今回のサミットの教育大臣会合ですけれども、とにかく倉敷市といたしましては、地方創生への具体的な取り組みといたしまして、中核市であります本市を世界に発信したいという思いから、今回、国に対しまして働きかけを強く行ってまいりまして、その取り組む姿、内容等につきまして、大臣が開催決定理由のほうでも言っていただいておりますが、決定をすることができたというふうに考えております。 先ほどお話がございました8月31日の実行委員会の中でも、委員の皆様方から、倉敷を世界に発信できるまたとないチャンスになるということ、また高等教育のグローバル化の起爆剤ともなるということ、それから地元産品もぜひ世界にPRしてほしいなど、この会合開催への期待を大変多く感じたところでありますし、倉敷市といたしましても、倉敷市、また連携協約を結んでおります高梁川流域の市と町のPR、ひいては、それが岡山県のPRになるとも考えておりますが、そういう面で頑張っていきたいと考えております。 御質問いただきました準備態勢でございますが、8月10日に6名体制の
サミット教育大臣会合推進室を設置いたしたところでございまして、加えてこの9月1日から、文部科学省に職員1名を連絡・調整のために派遣しておりまして、文科省の大臣官房国際課のほうで、このチームの中に入って仕事を今してもらっているところでございます。今後、日にちが近づくに従いまして、会合内容、また準備の分量もふえてくるかというふうに思っておりますので、推進体制につきましては、この準備状況を踏まえまして、強化等につきましても必要な面は行っていくと、こういう全般的な考え方を持っておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) それでは、次の質問に移ります。倉敷みらい創生戦略についてお尋ねいたします。 先週の全員協議会において、倉敷版の地方人口ビジョンと地方版総合戦略の説明がありましたが、当面の課題の一つは、これら多くの事業の実現には、まず財源の確保が必要であると考えます。 政府は地方創生の支援策として、新型交付金として、2016年には約1,000億円を予定しています。私は、倉敷みらい創生戦略を今後の5年間で実施するには相当額の予算が必要であると認識しています。まずは、この新型交付金を活用すべきだろうと思います。さらには現在、経済産業省の研究会で法定外税の活用を検討していますが、私は、自治体が条例によって独自に新設できる法定外税の活用も積極的に検討すべきであると考えています。自治体の裁量で、地方創生に使用できる財源が活用できるということは、ある意味、国の支援に頼り過ぎることなく地方の活性化実現が可能ではないかと、このように思っています。積極的な創意工夫を大切にしたいと考えます。 例として、山梨県の富士河口湖町では、釣り客から徴収する遊漁税があります。さらには、釧路市では入湯税等、10年間の期限つきで実施しているところでもあります。この法定外税について、当局としてどのようにお考えか、御答弁のほどよろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) 法定外税の創設についてでございますが、導入事例を見ますと、核燃料施設を持つ自治体が実施している核燃料税や、岡山県でも実施している産業廃棄物処理税が主なものとなっております。それ以外の税目での活用例といたしましては、先ほど議員さんも御紹介いただきました富士河口湖町の遊漁税や熱海市の別荘等所有税など、その自治体固有の特徴的な受益と負担の関係で構成されたものでございまして、実施している自治体が少ないのが現状でございます。法定外税の導入に当たりましては、国の同意が必要であるほか、課税対象や徴収方法、また課税額とその根拠をどう明確にするかといった課題があると考えております。 倉敷市といたしましては、法定外税の導入については、例えば観光客なんかにつきましてはなかなか難しいかなと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 また、新型交付金につきましては、これまでも国に対しまして、自由度が高く、十分な額を継続的に確保していただけるよう、地元選出の国会議員に対する市政懇談会のほか、中核市市長会等を通じて国に要望してきたところでございまして、引き続き国に働きかけてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) 次に、高梁川流域の連携のヒントについてお尋ねいたします。 高梁川流域には、大学が16あります。私は、このすばらしい環境をどのように活用すべきかを考えていくべきだというふうに思っています。特に本市が得意とする医療分野、芸術・技術系の大学が多いことも、今後の流域での人材交流に有利になると考えます。 国は、今回の地方版総合戦略の策定に当たっては、各自治体の地方創生を深化させるための政策パッケージを提示しています。倉敷みらい創生戦略の中の23ページや28ページにも、地元大学の活性化等の項目がありますが、例えば大学生が地元に定着する方法として、奨学金の活用を示しています。また、生産年齢人口が減少する中、いわゆる生産性革命を目指し、ロボットやAI──人工知能の活用、またあらゆるものをインターネットでつなぐIoT──インターネット・オブ・シングスやビッグデータ等のICT──情報技術の活用強化と、さらなる進展をもって生産性向上を実現しようとしています。 今回、国は新型交付金の活用として、ローカルアベノミクスの中にもこれらを具体的なメニューに上げています。私は、このことが産業や就業構造を変える第4次産業革命につながると考えています。 このように多くのメニューのある中、最も大事なのは自治体や企業、各種団体をつなぐ、地域全体をコーディネートする人材にあると考えます。今後とも、高梁川流域で住み続けられる地域づくりが重要であるという認識に立っている中、その担い手である人がかなめであり、中心でなければならないということを再認識する必要があると思います。 そこで、今後の展開を、わかる範囲で御説明していただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) 倉敷市では現在、市内出身の大学生等に対して、給付型及び無利子貸付型の独自の奨学金制度を設けております。また、倉敷看護専門学校におきまして、奨学金を受けた学生のうち、卒業後、市内の医療機関に3年以上勤務かつ居住した人に対しまして、奨学金の返還を免除する制度を既に平成23年度から実施しております。 議員御提言の地元に就職した学生を支援する制度につきましては、財政負担等を含め、今後研究してまいりたいと考えております。 次に、高梁川流域圏域の大学生の地元定着、大学の活性化につきましては、地域を志向した教育・研究・貢献を進めることで、学生の地域への理解、愛着を深め、地元就職と定住化を促進することを目的に、現在本市が、倉敷芸術科学大学、くらしき作陽大学と共同して実施している地(知)の拠点整備事業などを参考にいたしまして、高梁川流域圏域の各市町及び各大学と連携しまして、大学の活性化及び大学生の地元定着への取り組みを今後検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 森分 敏明議員。
◆29番(森分敏明君) 最後の項目ですが、IoTの活用について提案をしたいと思います。 IoTというのは、インターネット・オブ・シングスの頭文字からとったもので、基本概念としては、家電や自動車、機械、住宅、橋、鉄道など、さまざまなものに小型で高性能なセンサー──ICチップを組み込み、インターネットに接続して膨大な情報を蓄積・分析したり、機器の故障を予知したり、マーケティングとして活用していくことです。 このIoTは、最近よく耳にするようになった言葉ですが、一見、全く新しい概念、技術のように勘違いするかもしれません。実は、日本においては数年前から盛んにユビキタスコンピューティングに取り組んでいて、倉敷市においても美観地区で実証実験を行ったことがあります。ところが、今回、ヨーロッパのドイツで第4次産業革命としてインダストリー4.0を推進していて、一歩、日本より先行している感がありますが、TRONの先駆者である東京大学の坂村先生の言葉をおかりすれば、従来からあるトヨタのかんばん方式のシステムは、あくまで自社製品に閉じたシステムのことですが、ドイツ方式は系列を閉じないかんばん方式、つまりオープンなシステム構築、オープンなIoTという表現になると言われています。こうしたIoTを活用した生産性のイノベーションを前提に提案させていただきたいと思います。 まず、産官学の連携についてですが、現在、IoTの可能性をいかに引き出すかを目的として、産官学一体の国際的な試みが既に始まっています。 例えば、三鷹市は、ひとり暮らしの高齢者がふえていることから、お年寄りの外出機会を促すことで、健康増進やコミュニティの活性化を目的とした実証実験を実施しています。また、藤沢市や長岡市の事例もあります。さらに、少し角度を変えれば有名な成功事例として、島根県松江市のRubyの町があります。これはプログラミング言語のRubyの聖地に育てた町として、テレビや新聞で数多く取り上げられていますが、ITにかかわっている人で知らない人はいないというふうに聞いています。 次に、新型交付金の活用についてですが、地方創生のための来年度の新型交付金約1,000億円については、先進的なICTの活用が前提となっています。私は、ロボットとかAIという分野で、IoTやビッグデータ等の分野で挑戦してはどうかと考えています。本市が得意とする医療関係、芸術・技術系から生産性のイノベーションを挑戦していただきたいと考えます。 最後になりますが、くらしきIoT協議会の設立について提案をさせていただきます。 今回、倉敷みらい創生戦略では、31ページの地域活性化のためのICTの活用の中に、データサイエンティストの育成があります。私は、この事業については非常に期待していますが、御存じのとおり人材育成は、先ほどの産官学等の連携が不可欠であり、さらには高梁川流域の自治体という広範囲での視野が必要であると考えています。 例えば、オペレーションズリサーチという概念がありますが、これを1次方程式とすれば、ビッグデータの解析等は複雑な連立方程式を解くようなものだと考えます。現状は職人的な部分、いわゆる個人的な勘とかセンスに頼らざるを得ないところが多いと思いますが、将来的には汎用性のある解析方法へと発展させていかなければならないと認識しています。それには、どうしても組織的な人材育成と時間、経験が必要であります。その意味で、くらしきIoT協議会のような組織が必要だと考えています。例えば、長岡市は、既にモノのインターネット化──IoTに関連した推進協議会をことしの7月に立ち上げています。今後とも、市民サービス向上を目指し取り組んでいただきたいことをお願いして、私の提案とさせていただきます。 以上で質問を終了いたします。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(磯田寿康君) 続いて、2番 大守 秀行議員。 (2番 大守 秀行君 質問者席登壇)
◆2番(大守秀行君) (拍手)皆さんこんにちは。新政クラブの大守 秀行でございます。 本日は、通告に従いまして、一問一答の方式にて質問させていただきます。 そして、きょうの質問なんですが、介護保険制度について質問させていただきます。この介護保険制度につきましては、皆様御承知のとおり、40歳以上の方々は加入されておられますし、若い世代の方々においても、40歳になれば必ず加入するシステムでございますので、そういった意味合いでは、大変幅広い世代の方々に密接な関係性を持ち、大変重要な制度だと認識をしておりますので、しっかりとポイントを押さえて質問させていただきます。執行部の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、介護保険制度について、まず初めに介護を取り巻く環境についてお伺いいたします。 2000年に介護保険制度が創設された当時、約55万人だった介護職員は、2013年には約171万人に増加をしましたが、団塊の世代の方々が全て75歳以上となり、要介護の高齢者の方々が増加すると思われております2025年には、約248万人の介護職員の方々が必要というふうに推計をされております。しかし、15歳から64歳の年代、いわゆる生産年齢人口は減少傾向にありまして、2025年にはさらに減少し、経済状況の好転などに伴いほかの産業へ人材が流出する、そういったおそれもあると推測をされております。厚生労働省では、これらを背景に現状の施策を継続した場合、2025年には約30万人の介護職員が不足するという見通しを示しております。そして、医療ニーズの高まりや認知症の高齢者、また高齢者のみの世帯が増加することに伴い、介護ニーズの高度化、また多様化に対応できる人材の確保を図る必要があるなど、さまざまな課題があるとされております。 この要因ですが、我が国の急速な高齢化にありまして、介護保険制度が始まった2000年の65歳以上の高齢者人口は2,204万人で、高齢化率17.3%でございましたが、昭和22年から24年生まれの、いわゆる団塊の世代が65歳以上となっております現在では3,395万人、高齢化率は26.8%となり、さらに10年後の2025年には、高齢化率は30.3%に達すると推計をされております。また、要介護認定者数も、2000年の218万人から現在618万人と約2.8倍も増加をしておりまして、今後、さらにふえ続けることが予想されております。そして、国の介護費用は現在の9.4兆円から、団塊の世代が75歳以上になる2025年には約20兆円と倍増することが見込まれております。 このような状況から、国においては、医療介護総合確保推進法による介護保険法の改正によりまして、高齢者が要介護状態となったとしても住みなれた地域で暮らし続けられるように、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みなどが進められていると認識をしております。 ここでお伺いをさせていただきます。本市でも高齢化が進み、介護認定を受ける方々が増加しているというふうに考えておりますけども、本市の高齢化と介護認定の現状、また介護保険事業計画による今後の推計値をお示しいただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 吉田
保健福祉局参与。
◎
保健福祉局参与(吉田昌司君) 大守議員の御質問にお答えいたします。 まず、介護を取り巻く環境についてのお尋ねであります。本市の高齢化と介護認定の現状でございますが、65歳以上高齢者数につきましては、2015年3月末現在では12万2,758人で、高齢化率25.4%となっております。要介護等認定者数──これは要介護認定者と要支援認定者数を合計した数でございますが、これにつきましては、2015年3月末現在では2万5,241人となっております。 次に、介護保険事業計画による今後の推計値についてでございます。2020年には、65歳以上の高齢者数が13万3,453人で、高齢化率は2.2ポイント増の27.6%、要介護等認定者数は、このままの傾向が続きますと3万242人になると推計しております。また、団塊の世代が75歳となる2025年につきましては、65歳以上の高齢者数が13万3,404人で、高齢化率は2.4ポイント増の27.8%、要介護等認定者数は3万4,293人になると推計しております。 本市といたしましては、高齢者の社会参加を通じた介護予防や認知症予防の強化等を進めまして、要介護認定を必要としない元気な高齢者の方々がふえることを目指してまいりたいと考えております。
○副議長(磯田寿康君) 大守 秀行議員。
◆2番(大守秀行君) 本市においても10年後には、さらに高齢者の方々、また要介護認定者の方々が増加するという推計をされておりますので、その対策が必要であるというふうに認識をさせていただきました。 次に、介護予防・日常生活支援総合事業の考え方と開始時期についてお伺いいたします。 なお、この介護予防・日常生活支援総合事業は、別名「新しい総合事業」というふうに呼ばれておりますので、以後は新しい総合事業というふうにさせていただきます。 2000年から運用が開始されました介護保険制度は、2005年、2008年、2011年、そして2014年と、4度の改正を経て現在に至っており、このたびの改正により大きく変わることが想定されております新しい総合事業についてお伺いいたします。 高齢者の方々が、自分らしく住みなれた地域で暮らし続けるためには、地域や家庭の中で何らかの役割を持ちながら生活することが大切であり、たとえ要介護状態となったとしても、家族の一員である誰かのために役に立ちたいという高齢者の方々の思いを実現すること、これが介護予防において大変重要な観点であり、地域には元気な高齢者の方々、認知症の高齢者の方々、要介護、要支援の高齢者の方々など、さまざまな高齢者の方が住んでおられ、それぞれのお立場でそれぞれの役割を果たすことが介護予防の推進につながり、地域の特性を生かしながら、誰でも参加することのできる住民主体の活動を地域に展開することにより、住民同士の支え合いが可能となり、ひいてはそれらがコミュニティを支えることになるというふうに認識をしております。 国は、要支援者などの高齢者のさまざまな生活支援のニーズに地域全体で応えていくため、介護予防給付の訪問介護及び通所介護について、全国一律の基準に基づくサービスから、地域の実情に応じて市町村が効果的かつ効率的に実施することのできる新しい総合事業へ、平成29年4月までに移行することとしております。 国の制度改正に伴いまして、今後、生活支援サービスの検討を初め、民間企業、ボランティアなどのさまざまな事業主体による多様なサービスの充実を図り、一体的かつ総合的に実施する必要があると認識をしております。また、高齢者の社会参加を推進するとともに、サービスの利用をしながら地域とのつながりを維持できる環境整備、これが重要であるというふうに認識をしております。 要介護状態になったとしても、住みなれた地域で自分らしい暮らしを継続するための仕組みづくり、これも大変重要であるというふうに考えておりまして、厚生労働省の調査では、介護を受けながら自宅で暮らしたいと望んでおられる高齢者の方々が7割を占めており、国は、在宅介護を軸に整備していく方向であると認識をしております。 この新しい総合事業に関しましては、国のガイドラインでは、平成29年4月までのいずれかのタイミングで事業を開始することとされております。また、新しい総合事業の事業費の上限が、移行前年度の費用に着目して設けられることとなっておりまして、このため、大幅なマイナス改定がされました平成27年度の介護報酬改定前の平成26年度実績額が活用でき、かつ上限について、前年度実績に10%の上積みをするという特例が最大限活用できます。 少し具体的に御説明させていただきますと、例えば本年度中に新しい総合事業を開始した場合には、平成26年度の介護報酬実績が適用され、さらに10%の特例がつきます。しかし、平成28年度に開始した場合には、10%特例はあるものの、マイナス改定された平成27年度の介護報酬実績が適用されますので、事業費は少なくなります。このように、平成27年度中に移行するのが財源の上でも最も有利なため、全国では既に新しい総合事業を展開しておられる自治体がございます。 そこで、ことしの7月に、本年4月から新しい総合事業を展開されておられます千葉県松戸市にお伺いさせていただき、新しい総合事業について御教示をいただきました。 松戸市では、新しい総合事業の開始年度を平成27年、平成28年、そして平成29年4月として、それぞれの年度ごとの経費を算出されておられ、平成27年度から事業を展開した場合が、やはり一番財源が有利なことから、約100日間という大変短期間で事業を立ち上げ、運用しておられました。本市においても、松戸市同様に平成27年度中の移行が財源的にも有利かと思われますので、ぜひとも平成27年度中に新しい総合事業に移行していただきたいというふうに考えております。 ここでお伺いをさせていただきます。本市では新しい総合事業について、どのような考えに基づき実施をするのか、またいつから開始されるのか、お示しをいただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 伊東市長。 (市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 新しい総合事業についての考え方、そして時期につきまして御質問いただきました。 この新しい総合事業、正式名称は介護予防・日常生活支援総合事業でございますが、これにつきましては、先般の介護保険法の改正によりまして創設をされました。これは要支援認定を受けておられる方の訪問介護と通所介護のサービスにつきまして、同じ介護保険の財源を使って市が実施する事業のほうに移行されまして、そして地域の実情に応じた多様な支援を充実させますとともに、特に介護予防の取り組みを強化することによりまして、高齢者の皆様方が、元気で地域で暮らしていただけるまちづくりを進めるというものだと考えております。 倉敷市といたしましてですけれども、新しい総合事業に取り組むに当たりましては円滑な移行を進めるために、まずは、基本的に現行のサービスの形を維持して移行を進め、それと並行いたしまして、高齢者の方が気軽に参加できる場の充実等の地域づくりについて検討を進め、その関係者の方々と協議する場を早期に設けていきながら、しっかり時間をかけまして、どういう場が一番いいのかということで進めていくような方式をとっていきたいと考えております。 このような観点で検討いたしておりまして、新しい総合事業につきまして、先ほど事業費の上限の話も御説明をいただきました。先ほど申し上げました基本的に現行のサービス水準を維持しつつ、また一方では時間をかけて地域づくりを進めて、高齢者の方に取り組んでいただきやすいものをつくっていきたいという観点から、倉敷市といたしましては平成27年度中に新しい総合事業に移行するということで、今検討を進めているところでございます。一応、猶予期間は平成29年4月までということで聞いておりますけれども、なるべく早く取り組みをしたほうがよろしいということで、平成27年度中に移行する、具体的には来年の3月中に移行するということで検討を進めていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、新しい総合事業を早期に、かつ積極的に取り組むことによりまして、高齢者の皆様方が元気で活躍していただける地域づくりに取り組んでいきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 大守 秀行議員。
◆2番(大守秀行君) 新しい総合事業については、本年度中に実施いただけるということで、大変前向きな御答弁、本当にありがとうございます。 先ほども触れましたけども、この新しい総合事業においては、これからの高齢社会に必ず必要な事業でございます。一方で、本市においては、短期間で全庁的な組織をつくり、そしてまた外部や市民の方々と協働しながらいろいろな作業を進めていくと思いますけども、それに加えて全く新しい事業にも着手するので、本市としては大変ハードルが高い部分もあると思いますが、そういったことも全て踏まえまして、伊東市長が御判断いただいたということに対しましては、敬意を表したいというふうに思います。 そして、先ほどの御答弁の中で、新しい総合事業に取り組むに当たっては、基本的に現行のサービスを維持するという御答弁をいただきましたが、これは現在展開されている訪問介護や通所介護などのサービス、これが継続されるというふうに認識をさせていただきました。現在サービスを利用されている方々にとりましては、本当に安心していただける部分だというふうに感じております。 次に、それらを踏まえまして、新しい総合事業の進め方について質問をさせていただきます。 先ほどの質問でも少し触れましたけども、新しい総合事業は、介護予防給付の訪問介護及び通所介護へ移行し、高齢者が要介護状態となることを予防するとともに、要介護状態となったとしても可能な限り地域において自立した日常生活を営むことができるよう、支援することを目的としているというふうに認識しておりまして、また介護予防事業については、従来、介護予防普及啓発事業が中心でございましたが、新しい総合事業では、地域における住民主体の取り組みを支援する事業、これが中心になるというふうに認識しております。 これらの背景を踏まえまして、ここでは2点お伺いいたします。 1点目は、事業者や市民の方々との共通認識についてでございます。新しい総合事業の目的は、地域の資源を有効に活用して、今後の高齢社会に対応した地域づくりを、行政が市民の方々と協働して行うことにあり、本市においては市内の高齢者の健康状態やニーズを十分に把握し、どのような社会資源が活用可能なのかをしっかりと考え、事業者や市民の方々と共通認識を図る必要があると考えております。これにつきまして、本市の御所見をお伺いしたいというふうに思います。 続いて2点目ですが、新しい総合事業の実施に当たっては、市の裁量が大きく、柔軟に事業を展開できるため、工夫次第では新たな事業の創生などが可能となります。長年過ごした地域の中でいつまでも元気で暮らし、地域の中で活躍したいと思っておられる高齢者の方々は、地域の中に数多く存在していると思いますので、高齢者の方々が活躍できる場所を数多く創設し、介護予防につながるような事業が必要だと考えますが、あわせて御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(磯田寿康君) 吉田
保健福祉局参与。
◎
保健福祉局参与(吉田昌司君) 新しい総合事業の進め方についてお尋ねがありました。 まず、事業者や市民の方々との共通認識を持っていくというようなことについてでございますが、新しい総合事業に早期かつ積極的に取り組み、高齢者が元気で活躍できる地域づくりを進める上では、高齢者のニーズでありますとか地域の社会資源等を把握しつつ、事業者や市民の方々と意見交換をしながら共通認識を持つというようなことが重要であると考えております。そのために、社会福祉協議会、高齢者支援センター、庁内の地域包括ケアシステム連絡会議の職員などを対象にいたしまして、外部講師による講演、事例発表、地域のことについて議論するグループワークを組み合わせた「倉敷版地域包括ケアを考える~地域づくり、人づくりのために~」と題する研修会を7月末に開催するなど、既に取り組みを開始しておるところでございます。 今後につきましては、社会福祉協議会でありますとか高齢者支援センターの代表等の関係者から成る協議の場を早期に立ち上げまして、意見交換をしながら、サロンを初め、既に地域で実施されている高齢者が参加できる通いの場の整理等を進めてまいりたいと考えております。あわせまして、新しい総合事業の円滑な実施のために、事業者など関係者に対してきめ細かな説明も実施してまいりたいと考えております。 次に、高齢者が活躍できる場をつくり出し、介護予防につながる事業の必要性を御質問いただきましたが、高齢者が地域で役割を持って活動することが、介護予防の観点からも重要でありまして、そのような場が地域の身近なところにあることが求められると考えております。このため、先ほど申し上げました協議の場の中で、まず地域で既にさまざまな形で実施されています通いの場の取り組みを整理させていただいた上で、これまで以上に多くの方が参加できるように見える化するなど、わかりやすい形で情報提供していくことを検討したいと思っております。 また、今後、地域づくりを中心的に行っていくコーディネーターを配置することも視野に入れながら、例えば市内の高齢者の介護予防につながる先進的な取り組みがございます。それが各地区に広がるようにするなど、高齢者が活躍できるような地域づくりに努めてまいりたいと考えております。
○副議長(磯田寿康君) 大守 秀行議員。
◆2番(大守秀行君) 先ほどの御答弁で、高齢者が参加できる通いの場についての御答弁がございましたけども、実は私の母親が近隣の高齢者の方々にお誘いをいただき、お茶を飲みながらお話のできる、いわゆるサロンに参加をさせていただいておりまして、毎回サロンの日を指折り数えて、まるで少女のように待ち望んでおります。まさに高齢者が活躍できる場であり、介護予防につながる事業であると実感をしておりますので、今後、市内全域に類似の事業が展開されるように要望させていただきます。 次に、新しい総合事業の利用者のサービス内容の決定についてお伺いいたします。 新しい総合事業の対象者は、要支援者及び2次予防事業対象者でありまして、いずれも市町村または地域包括支援センターなどが判断することと思いますが、本人の意向を最大限尊重していただき、利用者の状態に応じて、適切なケアマネジメントに基づき判断していただきたいと思いますが、本市としての方針をお示しいただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 吉田
保健福祉局参与。
◎
保健福祉局参与(吉田昌司君) 新しい総合事業の利用者のサービス内容の決定についてでございますが、大守議員御指摘のとおり、御本人の御意向を尊重しながら、高齢者支援センターなどが行うケアマネジメントを通じまして、適切な支援につなげてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 大守 秀行議員。
◆2番(大守秀行君) 次に、地域包括ケアシステム構築についてお伺いをさせていただきます。 地域包括ケアシステムは、団塊の世代が75歳以上となる2025年度をめどに、要介護状態となったとしても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、住まい、医療、介護、予防、そして生活支援が一体的に提供されるシステムであり、冒頭、本市での高齢者の増加推計について御答弁をいただきましたけども、そうした高齢者の増加に伴い、今後、認知症の高齢者の方々が増加することが見込まれておりますので、高齢者の方々、中でも認知症の高齢者の方々の生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要であるというふうに認識をしております。 これらを踏まえまして、2点お伺いいたします。 まず1点目は、本市には現在、倉敷、水島、児島、玉島の4地区で展開をされておられます地域ケア会議、また小学校区単位に細分化をされました小地域ケア会議がございます。今後、地域包括ケアシステム構築に向け、地域ケア会議や小地域ケア会議などの現行のシステムを効率よく運用していくこと、これが重要なポイントだというふうに認識をしておりますが、御所見をお伺いさせていただきます。 続いて2点目でございますが、これは私の個人的な思いなんですけども、地域包括ケアシステムへの迅速な移行は、新しい総合事業の早期運営のほか、先ほども触れましたが、地域ケア会議や小地域ケア会議を展開されている地区のよりよい取り組みを十分に把握し、そのノウハウをほかの地域に水平展開する、この方法が有効ではないかというふうに考えておりますが、あわせて御所見をお伺いさせていただきます。
○副議長(磯田寿康君) 吉田
保健福祉局参与。
◎
保健福祉局参与(吉田昌司君) 地域包括ケアシステム構築について御質問いただきました。 地域包括ケアシステムの構築に向けましては、医師などの多職種の方が参加して、地域課題などについて話し合っていただく地域ケア会議を推進することが効果的だと考えております。このため、国では介護保険法改正で、平成27年度よりこの地域ケア会議が法定化されましたが、本市におきましてはこの法定化に先立ちまして、平成19年度から4つの行政区単位の地域ケア会議や小学校区ごとの小地域ケア会議を立ち上げまして、関係者の間で情報共有を図りつつ地域課題の解決に取り組んでまいりました。この取り組みを通じまして、例えば認知症カフェの開催でありますとか見守りの充実など、一定の成果も上がっておるところでございます。本市といたしましては、今後も地域ケア会議を積極的に活用しながら、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいきたいと考えております。 また、ほかの地域への水平展開に関しましては、議員御指摘のとおり、よりよい取り組みを共有して他地域へ波及させていくということは、地域包括ケアシステム構築を進める上で非常に有効であると考えております。このため、今年度、市といたしましては、4地区合同の地域ケア会議を初めて実施する予定としております。この合同会議におきましては、例えば認知症カフェなど、各地区で進んだ事例の発表を行っていただきながら、ニーズに合う事例につきましては各地区で積極的に取り組みを進めていただけるように、4地区の関係者の方々の間でその内容やノウハウなどを共有していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 大守 秀行議員。
◆2番(大守秀行君) 本日は、介護保険制度、中でも新しい総合事業、そしてその延長上にございます地域包括ケアシステムについて質問させていただきました。質問の中でも触れましたけども、この新しい総合事業、今後の高齢社会にとって必ず必要な事業でございますし、また大変重要な事業でございます。いろいろな観点から、そういったことを盛り込みながら質問をきょうさせていただきました。それに対しまして本市からは、先ほどもありましたけども、移行期間を明確にしていただくなど、大変前向きな御答弁をいただいたというふうに受けとめております。 今後、御答弁いただきました考え方や方策、そして何よりもその情熱を継続していただき、予定どおり新しい総合事業へ移行していただきたいと思いますし、ひいては地域包括ケアシステムの構築に向けて、今まで以上に加速していただきたいということを要望とさせていただき、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(磯田寿康君) ここで休憩いたします。再開は2時25分からの予定です。 午後 2時13分 休 憩
~~~~~~~~~~~~~~~ 午後 2時25分 開 議
○副議長(磯田寿康君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 続いて、30番 三村 英世議員。 (30番 三村 英世君 質問者席登壇)
◆30番(三村英世君) (拍手)くらしき希望の会の三村 英世でございます。 まず、台風11号で被災をされました皆様に、会派を代表して心よりお見舞いを申し上げたいと思います。 さて、質問に先立ちまして、9月1日に結成されました新会派くらしき希望の会を代表いたしまして、一言御挨拶を申し上げたいと存じます。 我々10名のメンバーは、倉敷市の輝ける確かな未来を築き、全ての世代が希望を持てる地域社会を確実に次世代へ手渡していかなければならない大きな責任と義務を感じております。今日までも我々は、施設や道路などのインフラ整備に加え、議員発議で成立した倉敷市空き家等の適正管理に関する条例や倉敷市飼い犬ふん害防止条例などの条例制定など、目に見える形で、時には目に見えない形でありますけれども、常に市民の声をどうしたら市政に反映できるかを第一に考え、そして心を砕いてまいりました。倉敷市民一人一人が余すことなく希望を持ち、輝ける、そんな社会をつくりたい。我々10名はそんな思いを共有して、くらしき希望の会を設立いたしました。失意泰然、得意淡然、いつも自然体、謙虚な姿勢で、市民の皆さんに寄り添う政治を目指します。そしてメンバーは、期数の若い議員ばかりであります。それぞれに自己の研さんに励み、切磋琢磨して市民のために頑張ってまいります。 先輩、同僚の議員の皆さん、市長初め執行部の皆様には、どうか今後とも御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。 それでは、質問に入ります。我々の希望、倉敷市の子供たちについてと題して数点質問いたします。一問一答で行います。 人口減少の克服、地方創生の実現という壮大なテーマに、国を挙げての挑戦が始まりました。倉敷みらい創生戦略(案)を拝見いたしました。読んでおりますと、目がちかちかするくらい多くの計画が盛り込まれております。ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、心からエールを送ります。 倉敷みらい創生戦略(案)の4つの基本目標の「結婚・出産・子育ての希望をかなえるまち倉敷」が、「子育てするなら倉敷で」をキャッチフレーズに掲げる市長さんらしく、基本目標の第1番目に置かれております。その中に、子育てとか子育て支援、子育て世帯など、子育てという言葉がたくさん出てまいりますが、そもそも子育てとは何か、誰が誰をいつまでお世話することを言うのか、子育ての定義について、まずはお示しをいただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) このたび策定しました倉敷みらい創生戦略(案)では、国の総合戦略に基づき4つの基本目標を掲げております。国では、まず最初に雇用の創出、次に地方への人の流れ、そして3番目に若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるという目標を掲げておりますが、先ほど議員さんからも御紹介いただきましたとおり、倉敷市ではこれに対しまして、まず最初の1番に、「結婚・出産・子育ての希望をかなえるまち倉敷」を掲げております。これは地方創生への取り組みに際し、人をつくることがその原点であるとの考えに立ち、倉敷の未来を担う子供を安心して産み育てられる環境づくりを、最初の項目に掲げることにしました。 御質問いただきました子育ての定義につきましては、ことし3月に策定しましたくらしき子ども未来プランでお示ししております18歳未満の児童を養育する保護者や家族が、その子供を地域や家庭で健全に育成することであると倉敷市では位置づけておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 三村 英世議員。
◆30番(三村英世君) 次に、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、理想とする子供の数を産まない理由は、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」が全ての世代で最多であります。このことにつきまして、どのように認識をされておられますか。お答えをいただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) 国立社会保障・人口問題研究所によりますと、平成22年の第14回出生動向基本調査によりますと、夫婦の理想子供数は2.42人であるのに対し、最終的な平均出生子供数は1.96人にとどまっております。また、内閣府が平成25年度に行った国民意識調査では、安心して妊娠・出産できるような社会の達成度について、「そう思う」、また「ややそう思う」と回答した人の割合は19.4%にとどまっていることからも、子育てにお金がかかり過ぎることが、少子化の大きな要因になっていると受けとめております。 このため倉敷市におきましては、これまで子ども医療費の助成や、3人以上の子供がいる多子世帯の保育料負担増を抑制するなど、子育て世帯の経済的負担を軽減するための施策を行ってきたところです。また、こうした施策は国全体で取り組む必要があるとの考えから、ことし7月に開催しました国会議員との市政懇談会におきまして、多子世帯に対する保育料の無償化や国による子ども医療費助成制度の創設、自治体独自に行う小児などの医療費公費負担に対する国庫負担金減額調整の廃止などを、国に対して提言いたしたところでございます。 さらに、倉敷市におきましては、倉敷みらい創生戦略(案)に掲げる予定の事業を先行して実施するため、日帰り産後ケアの利用者負担軽減を新たに実施するための経費を今議会でお願いしているところでございまして、今後とも、子育て世帯への経済的負担の軽減につながる取り組みを検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 三村 英世議員。
◆30番(三村英世君) OECD──経済協力開発機構に加盟の先進34カ国の教育指標の国際比較が発表されておりますけれども、日本は就学前、幼稚園や保育園から大学等の高等教育まで、トータルの教育費の約30%を家計が負担しているというふうに言われております。これは公的支出が少ないという意味で、その34カ国中ワースト4位であります。 私は、子供は大学まで卒業させたいと希望している親は多いというふうに思っております。したがって、大学卒業までを子育て期間として、施策を考えていかなければならないのではないかなというふうに思っております。さらに、習い事や学習塾などの学校経費以外の教育費が加わりますと、家計に占める教育費はかなりの金額になるのではないかと思います。 倉敷駅南は、不景気なときは消費者金融の看板であふれておりましたけれども、今は学習塾の看板が取ってかわっておるような状況であります。公教育の信用も低下をしており、私学への希望もふえているというふうに聞いております。所得格差が教育格差を生む。そして、所得格差がさらに拡大する負の連鎖もとめなければなりませんが、お給料が上がるスピードを超えたスピードで、税金や社会保障費などの国民負担率が上昇しているというふうに感じております。雇用施策や福祉施策だけでは、もはや十分ではないというふうに思っております。教育環境の充実、そして教育費の負担軽減も同時に必要ではないかと思っております。 以上のような観点から、教育の充実や教育費の負担軽減と人口減少、地方創生の関連性、そして必要性についてどのようにお考えか、お尋ねをいたしたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) 教育は、経済成長、雇用の確保、少子化の克服、格差の改善、社会の安定といった我が国の抱える課題を解決する根幹をなすものと考えております。特に地方創生に向け、少子化の進行に歯どめをかけるための安心して子育てができる環境整備には、出産から育児、保育への支援の充実に加え、教育費負担の軽減を行うことも必要であると認識をしております。このため、倉敷みらい創生戦略(案)では、教育環境の充実を施策として位置づけ、教育の機会格差が生じないよう、子供が安心して学べる場の提供や、社会全体で子供を守り育てる環境整備を行ってまいることとしております。 一方、学校教育以外の経費に対する負担軽減や、高等教育段階における教育費の負担軽減については、広く国民の間でその必要性や効果などについて認識が共有されることが必要と考えております。少子化の克服のためには、子供の教育費負担の軽減を図ることが必要と考えますが、例えば高等学校授業料無償化に所得制限を加えるなど、教育費やその財源のあり方については、国民の十分な理解を得た上で実施すべきものと考えており、また実施に当たりましては、国と地方が一体となって取り組むべき課題であると考えておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 三村 英世議員。
◆30番(三村英世君) 地方創生の原点は人づくり、創生戦略のあとがきにも書かれておりますし、国の案にもそういうふうに書かれております。 人口減少に歯どめをかけ、強い日本を再生するためには長い期間を要します。国家と教育は、百年の大計に立って同時に考えなければならないと思っております。今年度から、教育委員会に総合教育会議が設置をされました。市長の思いが教育行政にも反映できるようになったわけであります。学校教育以外にも、いろんな考え方があるんでしょうけれども、まずは、人づくりということについて御説明をお願いしたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) 地方創生の取り組みの原点は人であり、人をつくるとは、まずは郷土に愛着や誇りを持つ人を育てることと考えております。このため、幼少期から地域とかかわる活動などを通じて、地域の個性や魅力を体感できる機会を拡大し、地域を支えたい、地域に貢献したいと思う志を持つ人材の育成に取り組んでまいりたいと考えております。その上で、地域経済の活性化につながる創業や起業を目指す人への支援のほか、事業承継による後継者や栽培技術等の継承を図るための若手農林水産業従事者の育成、また歴史ある伝統や文化を引き継ぐ後継者の育成や支援、さらに外国人観光客へのおもてなしができる人材やICT人材の育成などに取り組んでまいることとしております。 また、安心な暮らしを守り、地域をつなぐ社会の実現に向けて、地域の健康リーダーや認知症サポーター、防災士や地域の課題解決に取り組む人材の育成などを通じまして、町の活力を支えてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 三村 英世議員。
◆30番(三村英世君) 繰り返しにもなりますけれども、人口減少の対策、そして地方創生ということにつきましては、教育の充実と、それから教育費の負担軽減、これは先ほど申し上げましたように、データとしても明らかに出ているわけであります。そうした観点から、今回の創生の案を拝見させていただきますと、最初のところに教育の充実という言葉はありますけれども、ほかに具体的な教育の施策が余り拝見できなかったというふうに考えております。 午前中の議論もあったわけでありますけれど、教育費の負担というのは、ただ単にお金を、かかる経費をこっちが負担しようということだけではなくて、また違った考え方としては、公教育をずっと充実させることによって、いろいろとですね、それ以外の経費の負担を軽減できるんではないかと私は考えております。ですから、負担の軽減イコール充実ということも一つの考え方として、教育の充実をもっともっと図っていただく。それを、地方創生の中にも具体的に盛り込んでいっていただきたいと思っております。 そうした意味では、今回は、創生には教育の施策が不十分だというふうに思っておりますから、倉敷市としては、何がその分野で考えていけるのか、そういったことのお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思っております。人づくりが原点だということでございますが、人づくりの原点はやっぱり教育だと、人をつくるのは教育だと思っておりますから、その辺の御意見をお聞かせいただきたいと思っております。
○副議長(磯田寿康君) 竹内企画財政局長。
◎企画財政局長(竹内道宏君) 子育て支援におけます教育費の負担軽減、教育の充実でございますけれど、先ほども申しましたが、まずは国民の皆様の十分な理解を得た上で実施すべきものと考えておりまして、実施に当たりましては、やはり国と地方が一体となって取り組むべき課題と考えておりますが、今後、市民の皆様の御意見等いただきながら検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○副議長(磯田寿康君) 三村 英世議員。
◆30番(三村英世君) しつこく問うつもりはありませんけれども、あくまで子育てというものが何なのかということを最初に問わせていただいたんですけれども、やっぱり子育てというのは、社会に出て自立できるまでは、やはり親に責任があると僕は思っていますし、親の気持ちからすれば、できるだけ子供は学校で学んで、しっかりした大人に成長してほしいと思っておりますから、できれば、私個人としては、子育てという期間は大学卒業するまでと。そのスパンの中で、今倉敷市としては何ができるかという視点から施策の展開を考えていただきたいなと思っております。まだ案ということでございますから、これはもう要望として、また今後の、一つの参考として聞いていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に、
サミット教育大臣会合についてお伺いいたします。 来年5月14日、15日と倉敷市で
サミット教育大臣会合が開催されます。大変楽しみにしております。このビッグイベントを、ぜひ市民の皆さんと一緒になって成功に導いていただきたいと思います。 さて、子供たちは、この
サミット教育大臣会合が倉敷で開催されるということを知っていますでしょうか。教育大臣の会合であります。倉敷市の子供たちが少しでもかかわって、この大臣会合を通じて、子供たちの心に残る何かメッセージが発信できたらいいなというふうに思っております。この項につきましても、子供目線で、ぜひ子供たちが将来に対して夢を持ってやっていけるような、そういったメッセージをこの会合が発信できたらと思っております。お考えをお聞かせいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 伊東市長。 (市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 来年5月の教育大臣会合と子供たちとの関係で、どういうことができるかということで御質問をいただきました。 この開催地の決定に当たりましては、倉敷市が美観地区を初めとした伝統的建造物群の保存・活用に地域の方々とともに取り組んでいるということ、そして非常に教育に熱心な町だということで、教育・文化が核となった町であることが、下村大臣の発表の会見の中でも、開催地にふさわしい場所ということで評価をいただいたと伺っております。 その中で、今議員さんもお話をしてくださいましたけれども、せっかく世界の教育大臣が来られるわけでございますので、私どもといたしましても、なるべくその会議の場所だけではなくて、1番には教育大臣会合でございますので、地元の子供たちと触れ合っていただけるような機会をつくっていただきたい。具体的には、ぜひ、学校の現場を視察していただきたいと。そして、その過程で子供たちと触れ合っていただいたり、またその前の準備の段階で、まだ子供たちはサミットのことを余り知らないかもしれませんけれども、今後、そういう準備をしていく中で、学校の中でもそういう勉強もしてもらったりということで、この大臣会合の開催が、倉敷市といたしましても、子供たちが幅広くほかの国の文化──異文化などを理解をしたり、そして国際感覚を身につけたりして、将来的にグローバルな人材になっていただけるような、そういうもののきっかけになるようになっていければいいなというふうに思っております。 また、国の行事ということになりますので、どこまで実際できることになるかわかりませんけれども、例えば歓迎行事に参加したりすることなど、本県を通じまして、先ほどの倉敷みらい創生戦略のお話の中でも、子育てと教育が、非常に重要な関係があるということでお話もいただいております。市といたしましてもこのことを通じまして、子供たちが郷土を誇りに思う心や、そしておもてなしの心を育むきっかけにもなりますように、また倉敷のよさ、そして日本のよさを認識して、また大きくなってもそれを世界に向けて発信してもらえるような、そういうきっかけになるように、決意を持って取り組んでいきたいというふうに思っております。
○副議長(磯田寿康君) 三村 英世議員。
◆30番(三村英世君) 最後に、伊東市長におかれましては、地方創生ということでたくさんのメニューの計画が予定されておられます。ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、健康にはくれぐれも御留意されますようお願い申し上げ、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(磯田寿康君) 以上で三村 英世議員の質問は終了いたします。 続いて、4番 片山 貴光議員。 (4番 片山 貴光君 質問者席登壇)
◆4番(片山貴光君) (拍手)皆さんこんにちは。未来クラブの片山 貴光です。 それでは、通告に従いまして、一問一答の方式にて質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず1つ目の項目は、児島文化センターについて、3点お尋ねいたします。 まず1点目は、現時点での倉敷市としての位置づけについて質問させていただきます。 過去の議会の中でも議論を重ねてこられたと思いますが、その中で、耐震であるとか改修であるとか具体的な議論もなされてきたと承知しておりますが、現在、当局は児島文化センターについて、どのようにお考えになられているのかをお聞かせ願いたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 片山文化産業局長。
◎文化産業局長(片山寛一君) 片山 貴光議員さんの御質問にお答えいたします。 児島文化センターについてのうち、現時点での倉敷市としての位置づけはについてでございますが、本市では、市民の誰もが身近に文化芸術に触れたり文化活動を行うことができ、すぐれた文化芸術の創造・交流・発信が活発に行える場として、市内に6つの文化施設を整備し、管理運営をしているところでございます。 児島文化センターにつきましては、そのうちの一施設でございまして、昭和45年に開館し、1,200人を収容するホール、6つの会議室、2つの和室などを備え、主に児島地区の文化団体等の活動や発表の場として活用いただいているところでございます。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 児島文化センターが、主に児島地区の文化団体を初め各種団体の活動や発表の場として御活用いただいているので、本市としても、身近に文化芸術に触れたり文化活動を行い、創造・交流・発信が活発に行われる場として、必要な施設であると考えておられると理解をいたしました。 それでは、次の質問に移らせていただきます。この項2つ目の質問は、年間の利用状況についてお伺いいたします。 先ほどの御答弁でもありましたように、現在は、児島地区の文化団体を初め各種団体の活動や発表の場として活用いただいているということでしたが、過去には倉敷音楽祭においても、児島文化センターを主会場として各種の催事が行われてきたと聞いておりますが、最近の児島文化センターのホールの年間の利用状況はどのようになっておるのかをお聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 片山文化産業局長。
◎文化産業局長(片山寛一君) 児島文化センターの年間の利用状況についてでございますが、ホールにつきましては、平成26年度の利用は、年間開館日数233日に対しまして、利用日数は78日でございまして、利用率は約34%となっております。ここ数年は、おおむねこの数字で推移しているというふうに認識をしております。利用者数は、施設全体で約4万1,000人で、そのうちホール使用が約3万人という状況でございました。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 児島文化センターのホールの年間の利用状況は、平成26年度においては、利用日数が78日で、利用率は34%となっておりまして、利用者数においては、施設全体では4万1,000人で、そのうちホールが約3万人とお聞かせをいただきました。 利用日数、利用率が、高いのか少ないのかという議論もあるでしょうが、数字では見えない部分というのもあるでしょうし、必要とされている方も多くおられると考えました。今後も、市民の皆様や各種団体の御意見を聞くなどして、利用者が利用しやすい施設にしていただくことをお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。 この項3つ目の質問は、今後の文化センターのあり方についての倉敷市の方針についてお伺いいたします。 児島市民交流センターの開館によって児島文化センターは、施設の老朽化が進んでいることもありますが、会議室の利用者が減少しています。児島市民交流センターはホールの席数が少ないこと、また倉敷ファッションセンターは4階のホールが閉鎖されたことで、児島文化センターは今後も必要な施設と考えますが、市としてはどのように考えておられるのか、お聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 片山文化産業局長。
◎文化産業局長(片山寛一君) 今後の児島文化センターのあり方についてでございますけれども、児島文化センターは築45年が経過しており、建物の外壁からの雨漏り、ホールの照明や音響等の舞台設備、また空調設備にもふぐあいが発生するなど、施設の老朽化が目立っていることは事実でございます。現在は、指定管理者や公有財産活用室と連携し、施設設備のふぐあいを迅速に修繕するなど、施設利用者の安全・安心を第一に管理運営しているところでございます。 今後につきましては、市民の皆様に安心して御利用いただけますよう、維持補修しながら施設管理に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 今後も、児島文化センターを維持補修しながら、市民の皆様に安心して利用していただけるように施設管理をしていただけるということで、安心はしました。しかし、先ほどの質問でも触れましたが、児島文化センターの会議室棟においては老朽化も進んでいること、市民交流センターの開館によって会議室は充実していることから、会議室棟を取り壊して駐車場にしてはという声もあります。それは、児島文化センターは味野商店街に位置しまして、ジーンズストリートにも近く、観光バスでの観光客が年々増加していることもありまして、観光バスの駐車場として整備してはどうかという御意見もあります。ほかにも多くの御意見はお聞きしておりますが、いずれにいたしましても、児島文化センターは児島地域の文化的拠点として役割を果たす上では、必要不可欠な施設であります。児島文化センターについては多くの課題があり、それをどのように解決していくことが、市民の皆さんの文化の向上に寄与できるかを考慮に入れて質問させていただきましたが、十分満足のできる答弁をいただいたとは思っていません。今後も担当部局に対して、多くの市民の皆様の声を届けてまいる所存ですので、その際には真摯な対応をお願いいたします。 それでは、通告の2つ目、倉敷市の鳥獣害対策について、3点お尋ねいたします。 まず1点目は、今年度の鳥獣害の被害状況についてお尋ねいたします。今回は、鳥獣害の中でもイノシシ被害についてお聞きをしたいと思います。 つい最近までは、イノシシ被害とは縁遠いと思っておりました私の住んでいる本荘小学校区においても、イノシシ被害が出るようになってきました。倉敷市全体の被害状況を把握されていると思いますので、地区別に捕獲処理数をお答えください。また、どのような対策をされているのかもお教えいただきたいと思います。
○副議長(磯田寿康君) 大畠
文化産業局参与。
◎
文化産業局参与(大畠学人君) イノシシ被害につきまして御質問いただきました。 まず、イノシシの地区別捕獲頭数でございますが、平成26年度につきましては、倉敷地区86頭、児島地区152頭、玉島地区85頭、真備地区74頭となっております。なお、今年度につきましては8月末現在で、倉敷地区11頭、児島地区89頭、玉島地区47頭、真備地区25頭と、昨年度の同時期に比べまして、若干の増加傾向で推移いたしております。 次に、本市のイノシシ対策についてでございますが、狩猟免許を持つ猟友会の会員で構成される有害鳥獣駆除班協議会に委託し、イノシシなどの駆除を行っているほか、農作物への被害を防止するための防護柵の設置、イノシシ対策に関する知識の普及啓発などを実施しております。また、平成25年度からは国の交付金を活用いたしまして、捕獲頭数が増加傾向にあるイノシシなどを対象に、捕獲頭数に応じて、その活動に要する経費を加算する支援措置を講じているところでございます。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 昨年度と比べて、若干ですけども、増加傾向であるということ。また、特に児島地区の捕獲数が他地区と比べて多いということがわかりました。また、対策については、有害鳥獣駆除班協議会に委託をし、駆除を行っているほか、防護柵の設置やイノシシ対策に関する知識の普及啓発などを実施するとともに、捕獲活動に要する経費を加算する措置をして対策されていることはわかりました。 しかし、こういった対策をしても、捕獲数が増加をしているわけですから、市単独で捕獲活動に要する経費の増額をするべきではないでしょうか。また、わなやおりの活用も今以上に行う必要がないでしょうか。当局のお考えをお聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 大畠
文化産業局参与。
◎
文化産業局参与(大畠学人君) ただいま御質問のございました点につきましては、今後のイノシシの捕獲状況、あるいは駆除班協議会の皆様の御意見などを踏まえまして、必要がございましたら、追加的な対策について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) そういった捕獲状況や駆除班協議会の意見を集約していただきながら、必要があればという言葉が正しいかどうかわかりませんけども、早急に対応していただくようにお願いいたします。 それでは、この項2点目の質問は、対策強化についてお尋ねいたします。 イノシシをこれ以上ふやさないための対策は、先ほどの質問で述べましたが、多くの市民の皆さんが生きがいのために作物を楽しんでつくられている民家近くのイノシシ被害については、現在、電気柵の補助金を出されていると承知しておりますが、どれくらいの活用があり、補助金額は1基につきどのくらい出されているのか、お示しください。 また、こうした補助金について、まだ承知をしておられない市民の皆さんもおられると思います。特に先般、電気柵での事故で人命が失われる悲しい事故が起きましたが、それを未然に防ぐためにも、現在使用しておられる方に対しての安全使用についての指導や、新規購入を促す周知徹底を図られることも、イノシシ被害の減少につながるのではないかと思いますが、当局のお考えをお聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 大畠
文化産業局参与。
◎
文化産業局参与(大畠学人君) イノシシ防護柵に対する補助でございますが、県の補助事業につきましては、農家3戸以上で取り組むことを要件に、補助率は4分の3以内となっております。また、市単独の補助事業につきましては、農家1戸以上かつ対象農地1,000平方メートル以上で取り組むことを要件に、補助率2分の1以内で上限10万円となっており、平成26年度は15カ所で防護柵の設置を行っております。 また、補助制度の周知につきましては、パンフレットなどを活用し、農家の皆様への周知に努めているところでありますが、今後も県や農協など関係機関と連携を図りながら補助制度のさらなる周知に努めるとともに、あわせて電気柵を設置する場合の安全対策も含め、イノシシ対策に関する知識の普及啓発を行い、イノシシによる農作物被害の防止に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) イノシシの防護柵に対する補助については、岡山県と倉敷市の補助要件、また補助制度の周知については理解をしましたが、岡山県の補助要件では農家3戸以上で取り組むこと、倉敷市においては農家1戸以上で1,000平方メートル以上という要件で、県と市で要件に差があるように思われます。市民の皆さんが生きがいのためにつくっておられる作物が被害に遭うことがないようにすること。また、今は農作物への被害ですが、今後、生活圏に出没することで人的被害が出るおそれも考えられますので、岡山県へ要件緩和を強く求めていただくとともに、倉敷市のほうももう少し緩和できるのではないかなと思いますので、そのあたりを強く求めさせていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。この項3点目の猿の被害について、倉敷市の対応についてお尋ねいたします。 最近、児島地区の中で、特に由加地区から郷内地区にかけて、猿の目撃が相次いでいると聞き及んでおりますが、当局はどのように把握をされておられるのか、お聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 大畠
文化産業局参与。
◎
文化産業局参与(大畠学人君) 猿による被害状況の把握についてでございますが、本市におきましては、これまでのところ、猿による人身被害あるいは農作物被害に関する報告はございません。しかしながら、昨年の秋ごろより児島地区におきまして、猿の目撃情報がたびたび寄せられており、その都度、有害鳥獣駆除班員と担当者が現地を確認し、情報収集、パトロールを行い、必要に応じて追い払うなどの対応を行っているところでございます。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 同僚議員の中西議員からも猿の及ぼす被害についてお聞きしている点もあります。車を傷つけられたり、家の中に入られたり、まだまだ少ない被害ではあります。実際に市民の皆さんが困っているのを承知しております。特に、最近では人になれたのか、通行している市民に対して、その人物が女性や子供だと近づいてきて危害を加えようとすることがあるそうです。また、男性の場合には、威嚇をすることで逃げていきます。 実は、私も数年前に自宅近くで猿に遭遇したことがあります。驚いたこと、怖いなというイメージを記憶しております。 現在、人的被害はありませんが、今後、被害が出るおそれがないとは言えませんので、猿が生活圏に近づかないように、追い払い等の対応を今まで以上にしていただけることを要望して、次の質問に移らせていただきます。 それでは、通告の3つ目、市民病院について、2点お尋ねいたします。 本日の山陽新聞に、分娩再開の記事が取り上げられていました。市民の皆さんも大変喜んでおられると思います。本市の市民病院に対する取り組みについて、前向きな姿勢に対して敬意を表したいと思います。 そうした点を踏まえて、1点目の建設時期についてお尋ねいたします。 今議会に、倉敷市立児島市民病院の産婦人科において分娩ができる体制が、常勤医師が2名になることで整うことになり、使われていなかった分娩室を使用するに当たり、改修をする予算が計上されているということで、会派で現地視察に参りました。 児島地区で分娩ができることは、大変喜ばしいことと会派一同思っております。しかし、児島市民病院の現況を見るにつけ、一日も早い新病院の建設が必要だと強く思いました。実施設計は済んでおりますが、先日入札をしたところ、入札参加者がなく、入札中止になったと聞いておりますが、今後、工事の着工や開院について、どのような見通しなのかをお聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 矢島保健福祉局長。
◎保健福祉局長(矢島薫君) 倉敷市立児島市民病院の建設時期についてでございますが、倉敷市立児島市民病院改築工事につきましては、建築工事、機械設備工事、電気設備工事の3つの工事区分で発注しております。 まず、建築工事は、価格、施工実績、地域貢献などに加え、建設地が現病院の敷地内であり、隣接して建築するため、利用者への配慮が必要であり、振動、騒音対策などへの技術的な工夫の評価を行う総合評価落札方式(簡易型)で、機械設備工事及び電気設備工事は、価格、施工実績、地域貢献などをもとに評価を行う総合評価落札方式(特別簡易型)により、本年7月に入札公告を行い、業者の選定を行ってまいりました。 その結果、建築工事につきましては参加者がいなかったため、入札が中止となりましたが、機械設備工事及び電気設備工事につきましては応札があり、現在、事後審査などの事務手続を進めているところでございます。入札中止となりました建築工事につきましては、今後、対応策を検討し、改めて入札を行い、早期の着工を目指してまいります。 このように、再入札のための期間がある程度必要となり、着工時期がおくれることになりましたが、開院の時期につきましては、当初予定の平成29年度中の開院に向けて取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 地元の皆さんからも、市民病院ができるできると言うけど、どうなっとんかという厳しい追及をされています。電気設備やその他もろもろの入札が終わっとるということですけども、建物のほうがまだ決まっていない、そういう状況でございます。早急に設計内容の見直しをしていただいて入札を行い、建物工事の早期着工をお願いいたします。また、開院時期については、当初の予定どおり平成29年度の開院に向けて取り組んでいただけるということですので、どうぞよろしくお願いいたします。 続いて、この項2点目の名称についてですが、平成29年度に開院するときには、先ほど質問をした婦人科機能の充実や受診科目の充実が図られると承知しております。その際に地元の皆さんを含め、近隣の多くの皆さんに利用していただかねばならないと思いますが、現在の倉敷市立児島市民病院を、多くの皆さんは市民病院と呼んでおられます。また、先日児島会において、長崎市にある長崎みなとメディカルセンターへ視察に行ってきましたが、この病院も、建てかえを契機に名称を変更されています。 倉敷市も、旧児島市と合併をして40年以上経過しており、児島市民病院も建てかえを契機に、地域名称にこだわることなく、倉敷市立市民病院にしてはという声もお聞きしますが、病院の名称を変更することを考えてはどうでしょうか。また、名称については、公募することを考えてはどうかと思いますが、当局のお考えをお聞かせください。
○副議長(磯田寿康君) 伊東市長。 (市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君) 市民病院の名称のことにつきまして御質問をいただきました。 倉敷市立児島市民病院でございますが、建てかえ後の新しい病院は、救急体制の強化、また産科も来年4月から再開をするわけでございますが、産科など一般急性期病院としての機能や、緩和ケアなどの高齢化に伴いまして利用増加が予想される機能など、幅広く全市的な要望に対応できるような医療体制の整備ということを大きく掲げております。 そして、先ほどお話もいただいておりますが、建設から48年経過をしているということなどもありまして、建てかえをするということになっているわけでございまして、名称につきまして、今議員さん言われましたけれども、児島市民病院改革プラン評価委員会での御意見、また市議会の保健福祉委員会での御意見を初めといたしまして、市議会の先生方、また地域の住民の皆様方のほうからも、名称のことにつきまして、今さまざまな御意見をいただいているところでございます。変更となりますと、新しく病院を建てかえる時期というのが、やはり適した時期になるのではないかというふうに考えておりますが、まだ、いましばらく建設ができるまでは、先ほどお話もございましたが、ちょっとおくれておりますので、名称につきまして変更するのかどうかについて、関係の皆様方のいろんな御意見をいただいて検討していきたいと、今このように思っておりますので、まだ公募するとかそういうところまでは、考えは至っておりませんが、全般的にはそういうふうに考えております。よろしくお願いいたします。
○副議長(磯田寿康君) 片山 貴光議員。
◆4番(片山貴光君) 名称というのは、その施設のイメージを大きく作用するものと考えます。また、公募することによって市民の皆さんの病院というイメージもつくのではないかなと考えます。市民の皆さんに愛される名称をつけていただき、市内のみならず市外の皆さんにも、来院しようと思っていただける名称をつけていただけることを要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(磯田寿康君) 以上で本日予定の質問を終了いたしました。 本日はこれにて散会し、次会は明10日午前10時から再開いたします。 午後 3時16分 散 会...