令和 5年11月定例会 ◎ 令和5年11月
岡山県議会定例会会議録 第2号〇 令和5年12月5日(火曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 代表質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1 代表質問 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○議長(小倉弘行君) 皆さん、おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 代表質問
○議長(小倉弘行君) 日程に入り、代表質問を行います。 質問時間は30分以内と定めます。
自由民主党岡山県議団代表28番山本雅彦君。 〔 28番 山本雅彦君 登壇 〕
◆28番(山本雅彦君) 皆さん、おはようございます。
自由民主党岡山県議団の山本雅彦です。 私にとりましては、平成27年4月に初当選して以来初めての代表質問であり、このような貴重な機会を与えていただきましたことに、心から感謝を申し上げます。 また、待ったなしの課題が山積し、中山間地域が大半を占める県北・作州
地域選出議員の代表質問は2年ぶりであり、緊張感と責任感を持って質問戦の
トップバッターを務めさせていただきます。 さて、先月12日、今年で7回目となる「おかやまマラソン2023」が開催され、1万6,131人のランナーが秋深まる市街地を駆け抜け、約5,300人のボランティアの協力や、沿道からは12万人を超える声援をいただきました。
伊原木知事には、昨年の
フルマラソン完走に続き、本年は4年ぶりに復活したファンランに参加されるなど、コロナ禍前を取り戻した活気ある大会となりましたのも、皆様の御理解と御支援のたまものと深く感謝を申し上げます。 ところで、岸田政権は発足から3年目を迎えました。我が国では、21世紀に入り、森喜朗総理から
岸田文雄総理まで10人の首相が誕生いたしましたが、2年以上にわたり政権を担うのは、小泉政権、安倍政権に続き3例目となります。この2年間、防衛力の抜本的強化、国益を守り抜く積極的外交の展開、
少子化対策の強化、
エネルギー政策の大転換など、大きな決断を下し、過去の長期政権と比べても遜色のない成果を上げつつあります。 歴史に名が刻まれる名宰相は、それぞれの時代を背景に、大局的なビジョンと将来像を示しながら、国家国民のためのかじ取りを担ってこられました。岸田総理におかれましては、国民からの信頼と共感を得ながら、まずは現下の
物価高対策と持続的な賃上げによるデフレからの脱却を確かなものとされ、就任以来掲げる未来への羅針盤、すなわち「成長と分配の好循環による新しい資本主義」、「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる
デジタル田園都市国家構想」の実現に全力で取り組まれますよう、御期待申し上げます。 さて、私
ども県議会議員も、この春の選挙で県民の負託をいただき、半年余りが過ぎました。喫緊の課題である人口減少と東京一極集中の是正に向けた地方創生の取組がスタートして10年目の節目を迎える中、県民の幅広い声を吸い上げ、地域の未来に大きな責任を有する県議会の果たすべき役割は、ますます重要となっております。地方を取り巻く環境が一段と厳しさを増している今、我々に課された使命は、時代の潮流と直面する課題を的確に捉え、実効性のある施策を持って、郷土岡山県の未来を切り開いていくことにほかなりません。
自由民主党岡山県議団は、
伊原木知事と真摯かつ活発な議論を積み重ねながら、積極的な政策提言を行うことにより、県勢発展に寄与してまいる決意をお誓いし、今議会に提案されました補正予算案をはじめとする諸議案及び当面する県政の重要課題につきまして、会派を代表し、知事、教育長並びに警察本部長にお尋ねします。 まず、来年度の予算編成等についてお尋ねします。 知事の任期は残り1年となり、第3次晴れの国おかやま生き活きプランも最終年度を迎えます。
新型コロナウイルス感染症の影響により停滞した経済の回復の流れを確かなものとし、喫緊の課題である人口減少問題に対応するための
少子化対策など、「生き活き岡山」の実現に向け、これまで積み上げてきた成果を結実させる総仕上げの年となります。県財政は厳しい状況が続きますが、
デジタル田園都市国家構想交付金などの国の交付金を積極的に活用しながら、本県の持続的な発展に結びつけていかなくてはなりません。 先般、来年度予算編成の方針が示されましたが、どのような考えに基づきこの方針を策定し、どのような施策に予算を重点的に配分されるのか、知事の最終年への決意も含め、御所見をお伺いします。 また、先日、国の補正予算が成立し、岸田総理をはじめ党本部からも、地域の実情に応じた
物価高対策や経済活性化にスピード感を持って取り組むよう要請がありました。本県においても、速やかにそれに呼応した補正予算を編成し、実行に移していただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、
自衛隊駐屯地体制の充実等についてお尋ねします。 本県には、県北に
日本原駐屯地、県南に三軒屋駐屯地があり、我が国の防衛はもとより、災害対応等で県民の安全・安心に大きく貢献いただいています。平成30年7月豪雨災害や、昨年発生した高
病原性鳥インフルエンザにおいて、多大な御尽力をいただいたことは、記憶に新しいところです。 先日、我が県議団の
防衛議員連盟の活動で、
日本原駐屯地を視察させていただき、災害時における自衛隊の迅速・的確な対応が、平時からの厳しい訓練に裏打ちされたものであることに、改めて感謝と尊敬の思いを強くしました。 一方、これまでも体制が縮小されてきた
日本原駐屯地は、今年度末に、さらに約90人の定員減が示されており、活動への影響が懸念されています。知事には、今後の災害派遣等に支障が生じることのないよう、引き続き、国に対して、
日本原駐屯地等の体制の充実に特段の配慮を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 また、県民の生命と財産を守るためには、県と自衛隊とが日頃からしっかりとした信頼関係を築いておくべきだと考えます。連携の強化にどう取り組まれるのか、併せて御所見をお伺いします。 次に、
再犯防止推進計画についてお尋ねします。 我が党は、近年、
刑法犯検挙人員に占める再犯者の割合が約半数という状況を踏まえ、平成28年に党派を超えた議員立法により「再犯の防止等の推進に関する法律」を成立させるなど、「世界一安全な日本」の実現に向け、政府・与党一体となって
再犯防止対策の推進に取り組んでまいりました。 本県においても、平成31年3月に「岡山
県再犯防止推進計画」を策定し、関係機関等と連携しながら各種施策に取り組んでおり、令和3年度には、県議会においても、「更生保護を考える
岡山県議会議員連盟」を結成いたしました。 こうした中、全国で展開される、民間企業が出所者の就労や住居確保を支援する「
職親プロジェクト」の中国地方初となる岡山支部が9月に発足するなど、民間からも心強い動きが出てきたところです。今年度は
県再犯防止推進計画の最終年度に当たりますが、犯罪のない安全で安心な岡山県づくりのためには、引き続き、国・地方・民間が一体となった取組の推進が不可欠です。再犯防止の取組をさらに加速化させるための計画改訂について、御所見をお伺いします。 次に、
地方公共交通の維持・確保についてお尋ねします。
地域公共交通は、住民の生活や経済活動を支える重要なインフラであり、地域の活力創出に果たす役割は非常に大きなものがあります。しかしながら、人口減少や
自家用車利用の増大等に伴い、公共交通の利用者は減少傾向にあります。 赤字が続く
ローカル鉄道について、全国で存廃議論が加速し、
路線バス事業では、不採算に人手不足も加わり、2010年度から2022年度にかけて、全国で2万キロメートルを超える路線が廃止されるなど、
地域公共交通全体の維持・確保が困難となっています。 県では、これまでも、利用促進や運行支援等を実施してきましたが、より一層の支援が期待される中、
地域公共交通の維持・確保にどう取り組んでいかれるのでしょうか。 また、JR芸備線に関しては、先日、本県及び新見市の意見が十分に反映されるような体制での再構築協議を始める旨の回答が行われたところです。今後、開始される協議の場において、地域住民の利便性を損なわない持続可能な交通網の実現を目指すべきと考えますが、併せて御所見をお伺いします。 次に、「晴れて輝け!おかやま国スポ」についてお尋ねします。 本県で開催される、第79回
国民スポーツ大会冬季大会「晴れて輝け!おかやま国スポ」の開催まであと1年余りとなりました。今回開催される
スケート競技・
アイスホッケー競技は、これまで特定の地域でしか開催されておらず、西日本では初めての開催となります。県内には複数のスケートリンクはあるものの、県民にとって
冬季スポーツはあまり身近なものではなく、競技人口も多いとは言えません。 本県は、
フィギュアスケートで著名なアスリートを多く輩出しており、その活躍を次の世代に引き継いでいくためにも、競技力の向上を図ることはもとより、地元開催のメリットを生かし、県民の
冬季スポーツへの興味・関心を喚起することで、若い選手を応援する機運の醸成を図り、
冬季スポーツの振興につなげていかなくてはなりません。 冬季大会の新たなモデルとなるよう、大会を確実に成功させるためには、開催に向けた準備をしっかり進めていくとともに、本大会を絶好の機会と捉え、本県の魅力を全国に発信することが重要だと考えますが、どう取組を推進していくのか、御所見をお伺いします。 次に、
救急医療提供体制の確保についてお尋ねします。 これまで我が国の医療は、医師の長時間労働により支えられてきており、今後、医療ニーズの変化や人口減少に伴う医療の担い手の減少が進む中、医師が健康に働き続けることのできる環境を整備することは、医療の質・安全を確保すると同時に、持続可能な
医療提供体制を確保していく上で重要であることから、令和6年4月から、医師の時間外労働時間の上限規制など「医師の働き方改革」が実施されることとなりました。 本県の人口10万人当たりの医師数は、全国平均を上回るものの、地域に偏りが見られ、県北や中山間地域では、
大学病院等からの派遣によって支えられている現状があります。 さらに、県内各地域の2次救急病院では、派遣された医師が平日夜間や休日における宿日直体制などを支えている実情もあり、今後、「医師の働き方改革」の実施を受け、仮に
大学病院等が医師派遣を縮小した場合、宿日直体制が確保できず、救急患者の受入れに支障を来すことが考えられます。 県内の
救急医療提供体制を確保するため、今後どう取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、困難な問題を抱える女性への支援についてお尋ねします。 近年、女性が抱える問題は、性的被害や家庭事情、地域との関係性など、様々な事情を背景に多様なものとなり、また、一人の女性が複数の問題を抱えるようになっていることで、抱える問題の根本が見えづらく、それを理解し、適切な支援を行うことが難しくなっています。 このような中、個々の女性のニーズに応じた支援を行うには、従来の根拠法では限界が生じていたため、我が党は、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律案を国会に提出し、昨年5月に成立させました。 法では、
NPO等民間団体との協働が重要であると位置づけられていますが、支援を行う民間団体は運営基盤が弱く、行政機関との連携や団体同士の連携も十分ではありません。 女性が自らの意思を尊重されながら、きめ細かで切れ目のない支援を受けるためには、行政機関と民間団体が双方の特色を尊重し、補完し合いながら対等な立場で協働していくことが不可欠です。 まずは、民間団体の支援体制の充実や育成の強化を行い、その上で、団体との協働により、さらなる連携を図っていく必要があります。 県では、今年度、県計画を策定することとしていますが、困難な問題を抱える女性への支援について、どういった施策に重点的に取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、物流企業の誘致についてお尋ねします。 来年4月から、
トラック運転手等の時間外労働が規制されて物流が停滞する、いわゆる「2024年問題」により、産業活動に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。 こうした中、
総社インターチェンジ周辺では、物流施設の開発が進み、
大手食品企業が進出する動きや、製品の保管、配送を効率的に行うため、物流施設の集約を検討する企業も増えています。 我が党としては、こうした機会を捉えて、
交通アクセスの利便性や恵まれた地理的条件など、本県の優位性をアピールし、物流企業の誘致を進めていくべきと考えます。 特に、
県内インターチェンジ周辺は、物流企業の立地に適していますが、
農用地区域等に指定されて農地転用が進まない箇所や、
市街化調整区域に指定されて開発ができない箇所もあるため、
地域未来投資促進法などを活用した誘致を積極的に進めていくべきと考えます。 2024年問題に伴う物流の停滞を防ぎ、産業活動を維持していくため、今後どう取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、県北地域の観光振興についてお尋ねします。 先月、県が発表した観光羅針盤の策定に当たり実施した
アンケート調査によると、本県を訪れた観光客の満足度は約5割にとどまり、1年以内の宿泊旅行での再訪希望者も約1割となった一方で、今年の「おかやま
夏旅キャンペーン」では、自然豊かな蒜山高原での
アートイベントや津山城でのイルミネーションなど、県北地域の観光企画が注目を集めました。昨年の
美作三湯芸術温度に続き、来年の秋には森の芸術祭が開催されるなど、県北地域ではアートを生かした観光振興の機運が高まっています。こうした機会を捉えて、アートを生かした地域づくりや観光振興に取り組み、来訪者の満足度を高め、リピーターを増やしていくべきと考えます。 また、森の芸術祭の開催エリアには、那岐山麓や吹屋地区など、雄大な自然や歴史ある町並みが数多くあるため、こうした観光地の魅力を発信するとともに、周遊を促進するための二次交通を充実させ、国内はもとより、インバウンドの誘客につなげていくことも必要です。県北地域の観光振興にどう取り組むのか、御所見をお伺いします。 次に、森林の整備・保全等についてお尋ねします。 昨年5月に、我が党本部の
プロジェクトチームは、国に対して、
森林環境譲与税の活用促進に向け、国と都道府県が連携しながら、責任を持って市町村への支援を行うべきとの提言を行っておりますが、市町村においては、専門知識を持つ職員や森林整備に関するノウハウが不足し、十分に有効活用されていないことが課題となっています。 一方、県では、令和5年度末で課税期間が満了する「おかやま
森づくり県民税」が税制懇話会で審議され、令和6年度以降も存続させることが望ましいとの報告がなされたところであります。県土の約7割を占める森林面積の約4割が人工林で、
ヒノキ素材生産量は
全国トップクラスを誇りますが、現在、人工林の半数以上が木材として利用できる51年生以上となる一方で、25年生未満の若い人工林の面積が減少するなど、いびつな林齢構成になっており、平準化するとともに、林業の担い手確保や県産材の販路拡大を図ることも求められています。また、ナラ枯れ被害が県内全域に拡大しており、一層の防除対策が必要と考えます。 貴重な財源を活用することで、こうした課題への取組、さらなる森林の整備・保全を図るとともに、森林資源の活用を進めるべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、
耕作放棄地対策についてお尋ねします。 令和5年度の国の調査によると、本県の耕地面積は昭和40年から毎年減り続けており、その大きな要因として、耕作放棄による農地の荒廃化が挙げられます。
農業従事者の高齢化や担い手不足のほか、農産物価格の低迷や鳥獣被害による耕作意欲の低下に加え、基盤整備の遅れなどにより農地の荒廃化が進み、今後さらに増加することが懸念されます。特に中
山間地域等では、農地を維持管理するための地域の共同活動を支援する
多面的機能支払や、急
傾斜農用地等での
農業生産活動を支援する中
山間地域等直接支払を受けたとしても、
農業従事者の減少によって農地の維持が困難になっており、また、将来の農地利用の姿を示す地域計画の策定や
農地中間管理機構による担い手への農地の集積・集約化についても、条件不利地のために進んでおりません。 このため、複数の集落や農家以外の地域住民が連携する
農村型地域運営組織の形成促進など、あらゆる手段を講じて耕作放棄地の拡大防止に取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いします。 次に、
道路防災対策についてお尋ねします。 近年、全国的に自然災害が激甚化・頻発化し、各地で落石や崖崩れ等による道路被害が発生しています。 吉備中央町では、本年6月に発生した県道への巨大な落石が原因で、いまだ通行止めが続いている状況にあります。また、8月の台風第7号では、私の地元津山市をはじめ、県北部を中心に、道路の陥没やのり面の崩落等により、各地で道路が遮断され、地域の道路交通に大きな影響が生じました。 県では、これらの道路被害を未然に防止するため、計画的に対策工事を実施しているところですが、落石や崖崩れ等が発生する危険性が高く、対策が必要な箇所における整備状況は、県内1,587か所のうち、昨年度末までに、約30%となる471か所での完了にとどまっています。 現在、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、国と地方が一丸となって激甚化する災害への対策を進めていますが、
道路防災対策に係る事業費はここ数年減少しており、異常気象による猛烈な降雨の傾向が今後も続いていくと予想されることを鑑みれば、県民の安全・安心確保のため、必要な予算をしっかりと確保し、ハード整備を加速化させていく必要があります。今後、
道路防災対策にどのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いします。 次に、児童生徒の問題行動等への対応についてお尋ねします。 先般公表された国の調査によると、本県のいじめの認知件数、不登校者数は、いずれも全国と同様、過去最多を更新しました。 いじめに関しては、「
いじめ防止対策推進法」の施行から10年が経過し、学校現場において、法の趣旨が浸透し、いじめにつながる可能性のあるささいな言動も積極的に認知していることが増加の原因として考えられています。しかしながら、いじめとして対応していなかったことが重大事態に至ったケースもあり、いじめの疑いであっても積極的に認知し、解消に向けた早期の対応を行う必要があると考えます。 不登校に関しては、小・中学校の不
登校児童生徒の中には、学校内外で専門家の相談や支援を受けていない者もいることから、一人一人の状況を把握し、必要な支援につなげるよう取り組む必要があるのではないでしょうか。また、新たな不
登校児童生徒を生まないためには、児童生徒の小さな変化も見逃さないよう、初期の段階で気づき、適切な支援につなぐことが、まさに重要となってきます。 県教委では、これまで様々な施策を講じてきましたが、明確な成果が出ていません。これまで以上に強い決意を持って取り組んでいただきたいと考えますが、今回の調査結果の分析と今後の対策について、教育長の御所見をお伺いします。 最後に、
特殊詐欺対策についてお尋ねします。 本年10月末現在の
特殊詐欺被害認知件数は147件、被害額は約4億6,340万円であり、昨年同時期と比べて、認知件数、被害額ともに増加しています。 こうした中、県警察では
緊急警戒情報を発表し、
防犯機能付き電話機の設置や金融機関等での声がけなど、
被害防止対策を実施していますが、
架空料金請求詐欺等で高齢者が被害を受ける事案が後を絶ちません。こうした犯罪は、犯行手口の巧妙化や役割分担の細分化が進み、各地で被害が増加しているため、犯罪撲滅に向けて全国の警察と連携し、迅速かつ強力な捜査を展開していく必要があります。 また、闇バイトに応募した若者が特殊詐欺に関与する事案も増加しており、こうした若者は、犯行組織に提供した個人情報を逆手に犯行を強要され、組織から抜け出せないといった悪循環に陥るため、闇バイトの危険性や悪質性について、学校と連携した啓発や相談支援に取り組む必要もあると考えます。
特殊詐欺対策について、今後どう取り組んでいくのか、警察本部長の御所見をお伺いします。 以上、当面する県政の諸課題を取り上げましたが、時間の制約もあり、その他の諸課題につきましては、一般質問に委ねることといたしまして、私の
自由民主党岡山県議団代表質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 自由民主党の山本議員の代表質問にお答えいたします。 まず、予算編成についての御質問であります。 来年度予算についてでありますが、第3次生き活きプランの総仕上げに取り組むとともに、喫緊の課題である人口減少問題に挑んでいくとの強い決意の下、第3次プランに掲げる3つの重点戦略等に基づく施策、特に待ったなしの課題である
少子化対策に正面から向き合い、希望する誰もが安心して子供を産み育てることができる社会とするための施策を、重点的かつ着実に推進してまいりたいと考えております。本県の財政状況は、今後も、厳しい状況が続くものと認識しておりますが、こうした中にあっても、限られた財源を有効に活用し、「生き活き岡山」の実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に、補正予算についてでありますが、今回の国の補正予算は、
デフレ完全脱却のための
総合経済対策として、物価高から生活を守る取組等を推進するものと認識しております。この経済対策には、地域の実情に応じた対策を機動的に講じることができる
重点支援地方交付金の追加や、防災・減災、国土強靱化の推進などが盛り込まれており、
地方公共団体での取組が期待されているところであります。本県においても、事業効果が早期に発揮されるよう、情報収集等に努めながら、国の経済対策に呼応した補正予算を速やかに編成し、今定例会で提案したいと考えております。 次に、
自衛隊駐屯地体制の充実等についての御質問でありますが、自衛隊には、大規模災害が発生した際の人命救助や物資輸送、
鳥インフルエンザの防疫措置などで大きく貢献していただいており、その体制が縮小されることは、県民の安全・安心や地域経済に影響を及ぼす重要な懸案事項であると認識しております。このため、これまでも本県の駐屯地体制の維持、拡充を様々な機会を通じて要望してきたところでありますが、引き続き、地元自治体と共に中四国最大の演習場を持つという
日本原駐屯地の優位性などを訴えながら、現行隊員数の確保と駐屯地の充実について粘り強く国に求めてまいりたいと存じます。 また、自衛隊との連携を深めるため、私、あるいは職員が、可能な限り
駐屯地記念行事等に参加し、顔の見える関係を築くとともに、本県の様々な訓練に多くの自衛隊員に参加していただき、緊急時の連携体制の強化を図っているところであり、こうした取組を通じて、自衛隊との良好な関係の維持・発展、信頼関係の構築に努めてまいりたいと存じます。 次に、
再犯防止推進計画についての御質問でありますが、犯罪による新たな被害者を生まない社会を実現するためには、再犯者等が再び社会の構成員となることができるよう、就労・住居の確保等の取組を推進していくことが重要であると認識しております。国においては、本年3月、
再犯防止施策の一層の推進を図るため、自治体や保護司、
協力雇用主等の民間協力者とのさらなる連携強化などを内容とする第二次
再犯防止推進計画を策定したところであり、県の計画改訂に当たっては、国の計画における目指すべき方向や視点を十分に踏まえながら、内容を検討してまいりたいと存じます。 次に、
地域公共交通の維持・確保についての御質問でありますが、人口減少や自家用車の普及等による利用者の減少に加え、
新型コロナウイルス感染症を契機とした生活様式の変化や、燃料価格の高騰、人手不足など、
地域公共交通における課題は厳しさを増しているものと認識しております。このため、地域の交通事業者や住民代表などの関係者が一堂に会し、公共交通全体の維持・活性化について幅広く議論する市町村の
地域公共交通会議に県も参画し、地域ごとの課題を把握した上で、それぞれの課題に対し、きめ細かな対策が講じられるよう、必要な支援を行ってまいりたいと存じます。 また、JR芸備線の再構築協議については、県及び新見市の意見が十分に反映される協議体制となるよう、国に対し配慮を求めているところであり、今後、協議が始まった場合には、地域住民の生活を守ることを第一に考え、新見市と連携しながら、持続可能な交通体系の実現に向けて適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、「晴れて輝け!おかやま国スポ」についての御質問でありますが、スケート・
アイスホッケー競技会が初めて西日本で開催されることは非常に意義深く、これを契機に選手の育成・強化による競技力の向上を図るとともに、子供たちの体験教室の実施や観覧環境の整備、ボランティアの活動など、県民が様々な形で大会に関わる機会を創出し、本県の
冬季スポーツの普及・振興につなげてまいります。 また、本県での開催が先鞭となり、今後の全国展開につながるよう、その成功に向けて、市町村や関係団体と連携し、しっかりと準備を進めるとともに、全国各地から訪れる選手及び関係者をおもてなしの心を持って歓迎し、本県の魅力を全国に発信してまいりたいと存じます。 次に、
救急医療提供体制の確保についての御質問でありますが、医師の働き方改革の影響を見据え、県としては、派遣元となる
大学病院等に対し、救急を含む
医療提供体制の維持への配慮を要請しております。
大学病院等では、年間の時間外労働の上限を一般の病院より長くできる特例水準を申請するなど、働き方改革後の
救急医療提供体制の維持につながる取組を進めており、県としてもその取組を支援しているところであります。今後とも、医師派遣の状況把握に努めるとともに、救急病院の負担軽減に向け、適切な受診を促す取組を検討するなど、救急患者の受入れに支障を来すことのないよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、困難な問題を抱える女性への支援についての御質問でありますが、生活困窮や性暴力、家庭環境の問題など、女性をめぐる様々な課題に適切に対応するため、SNSを活用したプッシュ型の広報や学校での出前講座など、アウトリーチによる相談窓口の周知、一時保護所退所後の自立した生活に向けたアフターケア等を重点的に進めてまいりたいと考えております。 また、これらの取組を進める上では、民間団体との協働が欠かせないため、団体向けの資質向上研修や関係者間の情報共有等を通じて、団体の育成・強化を図るとともに、一層の連携の下、各団体の民間ならではの活動を生かしながら、困難な問題を抱える女性の個々の状況等に応じたきめ細かな支援に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、物流企業の誘致についての御質問でありますが、県ではこれまで、西日本の陸上交通の要衝という本県の優位性を生かし、物流企業の誘致に努めてきたところであり、県内の倉庫面積は中四国で最大となっております。お話のとおり、インターチェンジ周辺は、物流企業の立地に適していることから、関係法令を活用した企業誘致に取り組んでおり、特に
地域未来投資促進法に基づく農地転用などの土地利用調整については、企業からの事前相談への丁寧な対応を行うとともに、市町村と緊密に連携するなど、手続が円滑に進むよう支援しているところであります。今後とも、重要な社会インフラである物流の停滞を防ぎ、産業活動を維持していくため、市町村等との連携を強化し、関係法令のさらなる活用を働きかけるなど、物流企業の誘致にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、県北地域の観光振興についての御質問でありますが、県北地域では、アートを活用した地域活性化の取組が広がりを見せており、豊かな自然や特色ある文化などの地域資源とアートの組合せは、観光振興においても有力なコンテンツになると考えております。来年開催する森の芸術祭では、国内外の多彩なアーティストの作品を通じ、地域の景観や歴史などを踏まえた特別な体験を提供することで、新たな魅力を引き出し、観光客の満足度の向上や新たな客層の獲得を目指してまいります。 また、森の芸術祭に合わせ、県観光連盟や市町村等と連携し、国内外へのプロモーションや旅行商品の造成、バス等の二次交通の充実など、県北地域への誘客と受入れ環境整備にしっかりと取り組み、滞在・周遊型の観光振興を推進してまいりたいと存じます。 次に、森林の整備・保全等についての御質問でありますが、市町村に対し、専門研修の実施や森林管理データの提供のほか、課題に応じた事業化の働きかけを行うなど、
森林環境譲与税を活用した取組が展開されるよう支援してまいりたいと存じます。 また、人工林の林齢構成の平準化を図るため、伐採と植栽を連続して行う一貫作業など、コスト低減を図りながら、少花粉苗木による植え替えを促進するとともに、林業の担い手確保に向け、相談窓口の設置や技術研修等を実施してまいります。 さらに、民間非住宅や中高層の建築物の木造化、木質化を促進するとともに、関係団体等と連携し、国内外への販路開拓に取り組むなど、県産材の一層の需要拡大を図ってまいります。 ナラ枯れ被害対策については、被害木の駆除対策とともに、広葉樹の伐採・利用を図るなど、市町村等と連携し、一層の対策に努めることとしており、こうした課題に対し、おかやま
森づくり県民税や
森林環境譲与税を有効活用しながら、本県森林の整備・保全と資源活用につなげてまいりたいと存じます。 次に、
耕作放棄地対策についての御質問でありますが、耕作放棄地は周辺の営農環境に影響を及ぼすことから、国や県の補助事業により、その解消や発生防止に向けた地域の取組を支援するとともに、地域計画の策定に向け、全市町村でモデル地区を設定し、取組を強化しているところであります。 また、中
山間地域等においては、複数集落の連携や多様な人材の参画により、農地を保全していく体制づくりが重要と考えていることから、地域の話合いの場に専門家を派遣し、課題の解決方法を検討するなど、
農村型地域運営組織の形成を推進しているところであります。引き続き、市町村と連携し、こうした取組を積極的に進めながら、地域での話合いを一層活性化させ、農地の集積・集約化や必要となる基盤整備を支援するなど、総合的な
耕作放棄地対策に努めてまいりたいと存じます。 最後に、
道路防災対策についての御質問でありますが、落石等の危険箇所については、落石防護柵等の整備や定期的なのり面点検の実施など、ハード・ソフト両面から対策に取り組んでいるところであります。県管理道路においてハード整備が必要な危険箇所は、昨年度末時点で1,116か所となっており、災害時に救急活動や物資の輸送を担う緊急輸送道路での整備を優先して進めるとともに、その他の道路についても、定期点検を踏まえ、危険度の高い箇所から順次整備を進めることとしております。今後とも、国の5か年加速化対策なども活用し、
道路防災対策に積極的に取り組むことにより、安全・安心な交通を確保してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 自由民主党山本議員の代表質問にお答えいたします。 いじめ等の国調査結果の分析等についてでありますが、いじめに関しては、積極的な認知の重要性が浸透し、認知件数は増加しているところであり、今後も教職員研修を充実させることで、いじめ見逃しゼロを目指し、早期に発見し、適切に対応することで、確実に解消できるようしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 不登校に関しては、出現割合は全国平均を下回っているものの、全国と同様に増加傾向にあり、早急に対応すべき重要な課題と認識しております。県教委では、これまでも登校支援や別室指導の実践、教育相談体制の充実や学校の組織体制の強化等に取り組んでまいりましたが、このたび国が取りまとめた緊急対策パッケージも踏まえ、将来の社会的自立を目指し、必要な支援につながっていない児童生徒がゼロとなるよう、総合的な不登校対策を県教委を挙げて速やかに検討し、強い決意を持って取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 警察本部長河原雄介君。 〔 警察本部長 河原雄介君 登壇 〕
◎警察本部長(河原雄介君) 自由民主党山本議員の代表質問にお答えいたします。
特殊詐欺対策についてでありますが、議員お話のとおり、特殊詐欺の被害は、認知件数、被害額ともに昨年同期比で大きく増加しており、極めて厳しい状況にあります。 このため、県警察では、本年9月及び11月に、
緊急警戒情報を発表するとともに、関係機関・団体等と協働して各種
被害防止対策に取り組んでおり、特に固定電話対策、具体的には防犯機能付き電話の設置や留守番電話設定の活用等を強く呼びかけているところであります。 また、特殊詐欺に対する捜査については、現在、警察庁において、都道府県警察が緊密に連携した的確な組織捜査を実現するため、一部の大規模都府県警察に専従体制を構築し、その他の道府県警察が人員拠出等の面で協力するなどの捜査連携強化策が検討されているところであり、県警察としてもその方針に基づき、今後、他の都道府県警察と一体となって、迅速かつ効果的な捜査活動を展開してまいります。 また、議員お話のとおり、いわゆる闇バイトへの対策も喫緊の課題であり、県警察では、サイバーパトロールを強化し、プロバイダー等に対する有害情報等の削除依頼や、Xの返信機能を活用した個別警告等を積極的に実施しております。加えて、若者に対するより効果的な注意喚起を行うため、高校や大学等と連携し、非行防止教室を通じた広報啓発活動や少年相談窓口等の周知を行っているほか、本年11月からは、若者が閲覧しやすいユーチューブ等において動画広告の掲載を始めるなど、若者を犯罪に加担させないための対策を強化しております。県警察では、こうした検挙と抑止の両面からの諸対策をさらに充実・強化していくことで、今後とも、積極的かつ効果的な
特殊詐欺対策を推進してまいります。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 次の質問者に移ります。 民主・県民クラブ代表23番大塚愛君。 〔 23番 大塚 愛君 登壇 〕
◆23番(大塚愛君) 皆様、こんにちは。民主・県民クラブの大塚愛です。 今年もはや12月を迎えます。5月に新型コロナ感染症が5類に移行してからは、お祭りや各種イベントも盛んになり、運動会や文化祭など、学校生活も通常どおりにできることが増えました。当たり前のことが普通にできることのありがたさを実感しています。3年の長きにわたり医療や保健、福祉の現場で、感染の波と不安に向き合い、命を守るために尽力されてきた方々に、改めて敬意を表します。 世界では、ロシア、ウクライナでの戦争が長期化し、今年10月には、イスラエルとパレスチナ・ガザ地区の間で戦闘が始まってしまいました。終わりの見えない争いの中で、多くの子供たちが犠牲となり、貴い命が失われていることに深い悲しみを感じ、一刻も早い停戦を望みます。 世界各国の防衛費や軍事費が積み上げられるたび、誰かの幸せに生きる権利が失われていると、私は感じています。 今日は、職場体験に来られた中学生の方も傍聴してくれていますが、(以下、「思います。」まで手話を伴い発言)子供たちが笑顔で生きていける社会を願って、ここ岡山でできることを丁寧に積み重ねていきたいと思います。 それでは、通告に従い、会派を代表して質問させていただきます。 初めに、経済対策について伺います。 足元の物価高騰から国民生活を守り、持続的な賃上げと投資拡大の流れを強化し、その好循環を生み出すことで、日本経済を成長軌道に乗せていくことが求められています。今、示されている国の経済対策の内容や予算規模等を踏まえ、物価高騰対策や地域経済の再生のために、県として重点的に対応する事業や、県内市町村との役割分担を踏まえて強化すべきポイントなど、現時点での御所見をお聞かせください。 次に、予算編成方針について伺います。 令和6年度は、第3次晴れの国おかやま生き活きプランの行動計画期間の最終年度となることから、「生き活き岡山」の実現に向け、従来の3つの重点戦略に基づく施策、特に待ったなしの課題である
少子化対策に正面から向き合い、希望する誰もが安心して子供を産み育てることができる社会とするための施策、さらにDXの推進、脱炭素社会に向けた対応について、市町村等とも一層連携を図りながら、重点的かつ着実に推進することで、好循環の流れをさらに力強いものとし、本県の持続的な発展に結びつけるための予算編成とするとしています。 今、県民は、物価高騰に日々対応しながら、将来の生活ビジョンを描く中、各種事業を着実に、かつスピード感を持って実行してほしいとの声がある一方、持続可能な行財政運営にも注視しています。これまで国に対しては、さらなる財政支援を求めており、それに期待するところですが、とりわけ待ったなしの課題である
少子化対策やDXの推進、脱炭素社会に向けた対応に注力していかなければなりません。そうした中での第3次プランを締めくくる予算編成に着手するに当たり、知事の意気込みをお聞かせください。 次に、自衛隊統合演習について伺います。 先月10日~20日の間に行われた自衛隊統合演習において、県は防衛省からの要請を受けて、演習の一部に岡山桃太郎空港を使用することを承認し、期間中には戦闘機延べ12機による離着陸や給油、移動式航空管制器材の設置訓練などが行われました。このたびの演習が決まった経緯としては、10月上旬に防衛省から事前協議があり、23日に要請文書が届き、その4日後の27日に決定を伝えるプレス発表が行われたと聞いています。昨年閣議決定された安全保障関連3文書に示された方針によって、実際に民間空港を防衛の演習で戦闘機が使用するのは今回が初めてのことであり、県民にとっては大きな出来事であると言えます。岡山桃太郎空港での受入れを検討するに当たっては、その安全性や今後の県民生活への影響も懸念されるため、本来であれば県議会における審議や県民に対する十分な情報提供や意見聴取が必要であると考えます。しかし、このたびは僅か2週間前の報道によって演習の実施が知らされ、近隣地域や県民への情報提供も十分とは言い難く、そのプロセスには様々な課題があったと思われます。今回の事態を受けて、県民から届けられた意見をどのように受け止め、同様のケースが発生した場合の今後の対応策についてどのようにお考えでしょうか。 次に、DXについて伺います。 ICTの活用により、社会生活の利便性は飛躍的に向上し、県民生活の様々な場面でもICTの普及が進んでいます。県においても、県庁デジタル推進事業、市町村DX推進支援事業等に取り組んでいます。このようなDX推進事業のうち、県民が実際に利用する事業として、県有施設のキャッシュレス対応があります。現状どのような施設で、どのようなキャッシュレス決済システムが運用されているのか。また、今後の拡大方針について伺います。 県税収入確保についても、DX活用が進められています。納税者の利便性向上とともに、確実な税収確保にもつながる取組であり、さらなる普及に期待します。現状、キャッシュレス決済が可能な県税の種類と今後の拡大方針について伺います。 DX推進により、あらゆる分野で手続や決済の利便性が向上し、今後も、DX推進の潮流は加速すると思われます。そのような状況下、県民が安心してICTを利用するためには、情報セキュリティーの備えが不可欠です。個人情報の漏えいの防止やシステム上のトラブル等のリスクに備える仕組み等が求められますが、DX推進に当たり、情報セキュリティーの観点からどのような取組を行っているのか伺います。 次に、JR芸備線について伺います。 県内の基幹交通としての鉄道網は、1994年に智頭線、1999年に井原線の開業を経て、JRを中心に4社により運行され、大量輸送機関として県民生活にとって不可欠な存在となっています。しかしながら、車社会の進展により鉄道利用者は激減し、中国地方では2018年の三江線の廃線などに見られるように、JR各社は路線維持に苦労しているのが現状です。昨年から、JRは赤字路線の状況を公表し、沿線自治体を含む議論を提起しており、こうした中、JR西日本は改正された
地域公共交通活性化再生法の規定により、芸備線に係る再構築協議会の設置を国に求め、国は11月27日までに、岡山県・新見市・広島県・庄原市の意見を求めていました。このたび岡山県は、「要請区間のうち岡山県域に係る区間について、再構築の協議を始める」とし、既存の「新見市
地域公共交通会議」において、国の関与を受けながら協議を行うことが望ましいとしました。そして、国により、再構築協議会が設置された場合は、「参加する」と回答しました。岡山県の回答は、地元新見市の生活交通を優先して考えた結果と理解していますが、県は今後、どのような方針で再構築の協議へ臨むのでしょうか。また、広島県も再構築協議会への参加を表明する中、県境を越えた取組についてはどのように考えているのか、併せて御所見を伺います。 再構築協議会設置の目安は、平時の輸送密度1,000人未満の路線とされる一方、芸備線の備中神代から東城の間は僅か80人程度であり、1,000人を超えるためには飛躍的な利用増がなければなりません。 岡山県では、秋の行楽シーズンを前に、JR在来線利用促進キャンペーンを実施し、テレビ等による広報、デジタルスタンプラリー、啓発イベントを実施し、新見市でも交通系ICカードの無料配布を実施するなど、公共交通の利用促進は一定の成果を上げているとは言えます。しかし、現状の啓発を中心とした利用促進では、飛躍的に利用を増やすことは困難と言わざるを得ません。路線維持の取組として、沿線自治体とも協力しながら、各地の先行事例なども参考に、具体的な公的補助や新たな枠組みなど、踏み込んだ仕組みを導入する必要があると考えますが、御所見を伺います。 次に、吉備中央町の円城浄水場から、国の暫定目標値の最大で28倍に当たる濃度の有機フッ素化合物であるPFASが検出された問題について伺います。 県では、円城浄水場が取水していた河平ダムの上流域の水質調査やその付近の土壌調査などを鋭意進めてこられたところですが、上流域付近の資材置場に置かれていた使用済み活性炭を調査したところ、目標値の9万倍もの高濃度のPFASが確認され、発生源ではないかと取り沙汰されています。資材置場に活性炭入りのフレコンバッグを保管していた企業への詳細な聞き取り等も含め、調査状況と発生源特定に関して現時点で分かっていることをお聞かせください。 また、問題のフレコンバッグは、2008年頃から最大で約600個が同時に搬入され、順次搬出していたものの、16年以降は300個程度が野ざらしで放置されていたと報道されています。廃棄物処理法に抵触していた可能性も含め、管理上の問題はなかったか、併せて伺います。 円城浄水場では、PFASが2020年度以降、暫定目標値を上回る濃度で検出されていましたが、町が県への連絡を怠ったり、誤った内容を伝えるなどの不手際がありました。また、国の基準値を超える塩素酸が検出されたにもかかわらず、県への連絡を怠っていたことも判明しています。一連の経緯を踏まえ、水道水の安全管理に関する県と吉備中央町との報告・連絡・相談の仕組みや、チェック体制等についてどのような課題があったとお考えでしょうか。また、吉備中央町に限らず、同様の事態が起こらないよう、どのような取組が必要だと考えますか、併せて御所見を伺います。 吉備中央町の住民からは、血液検査を含む健康診断の公費負担などを求める署名活動が行われています。町は、住民向けの相談窓口を設け、原因究明や健康相談に関することなどを検討する専門部会を設置しましたが、県としても、町民の健康不安の解消に向け専門家等と連携し、町への支援、指導を強化すべきと考えます。県の対応を伺います。 次に、医薬品不足について伺います。 ジェネリック医薬品メーカーの不祥事や新型コロナウイルス流行などによる医薬品不足が深刻化しています。岡山県保険医協会の調査でも、県内の医療機関の9割近くが必要な分量の薬が手に入らないと回答しています。その中には、身近なせき止めやたんを切る薬に加え、抗アレルギー薬や糖尿病薬など、命に関わる薬も含まれます。同協会が加盟する全国保険医団体連合会は、今月、国に製薬会社への管理、監督の強化などを要請しました。 医薬品不足に対応するためには、国による医薬品供給体制の改善は重要ですが、医薬品の在庫状況や需要予測に関する情報を、地域の医療機関、製薬会社、保険医協会など、関係機関と共有し、地域における需給の不均衡を早期に検知、対処する地域レベルの取組も必要ではないでしょうか。県内の医薬品不足の解消に向けた対策について、御所見を伺います。 また、医薬品が急激に不足した場合に備え、代替薬の利用や適切な優先順位に基づく配布など、緊急時の対応についても検討が必要と考えますが、併せて県の御所見を伺います。 次に、精神障害のある人への医療費助成について伺います。 本年9月定例会で、知事は、自民党県議団の久徳議員の代表質問に答え、精神障害のある人に対する独自の医療費助成の導入を検討する考えを明らかにしました。2024年度から6年間の政策指針とする「第9次岡山県保健医療計画」に位置づける方向で調整を進めるとしています。答弁では、「疾病のある人が身近な地域で安心して生活できる取組として、精神障害のある人に対する医療費助成の導入に向けて検討していく」と述べ、助成の仕組みや開始時期といった詳細は今後詰めるとしています。2024年度から始まる「第9次岡山県保健医療計画」の実効性を担保するためには、同年度の当初予算に精神障害のある人の医療費助成に係る予算が措置されるものと考えますが、助成制度の現在の検討状況やスケジュール感についてお聞かせください。 次に、悪質なホストクラブの問題について伺います。 近年、ホストクラブに通う若年女性に係る問題が明らかになっています。新型コロナが5類に変わった今年になって、特に東京都では顕著ですが、本県でもホストクラブに通い始めた女性が高額な売掛金を重ねて借金を負ったり、学業や従来の仕事を続けられなくなったり、その家族が苦悩するという状況が幾つも聞かれます。支援団体「日本駆け込み寺」によると、成年年齢が18歳になった昨年以降、悪質なホストクラブに関連する問題が若年化しており、SNSやコンセプトカフェという安易な場所から知り合い、そこからホストクラブに誘導され、恋愛のような心理状況に陥る中で、高額な売掛金を負うという事態が多々起こっていると聞きます。社会的基盤が不安定な若年女性に対して、支払い能力を超える高額な売掛金の請求及びそれに合わせた性風俗店へのあっせんが行われていることに、倫理的な問題を感じます。国会では法規制も議論されているところですが、県内におけるホストクラブに関連する若年女性が抱える問題についてどのように認識しておられますか。知事にお伺いします。 また、こうした問題を未然に防ぐ対策として、関係機関と連携しつつ、高校や支援学校、障害福祉事業者などにおいて、SNSを通じた異性との関係、性に関する教育、梅毒などの性感染症などについて、より積極的に啓発していくことが必要と考えますがいかがでしょうか、知事にお伺いします。 また、県警察においても、現在、風俗営業所の責任者に対して定期的に行っている管理者講習がありますが、例えば、この機会を活用し、悪質なホストクラブの営業形態を抑制するため、強力な指導をするといった取組も必要と思われますが、県警察における今後の対応と併せてお伺いします。 次に、中小企業の支援について伺います。 近年、長期化するエネルギー・原材料価格の高騰や部材調達難など、企業を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。また、クリーンエネルギーへの転換よる変革を意味するGXや、デジタル技術を活用し、ビジネスモデルや製品・サービスの変革を意味するDXに加え、近年では持続可能性をより重視した経営への転換を意味するSXなど、急速に変化する時代への対応が求められています。 岡山県中小企業支援センターにおいては、中小企業の経営や技術に関する課題解決を支援しており、職員やコーディネーターが創業から経営革新、販路開拓、経営改善など、あらゆる分野の相談に対応しています。昨年度は2,570件と多くの相談を受けていますが、今年度の相談の件数及び相談の多い業種や相談内容についてお聞かせください。また、今後必要と感じる支援策について、併せてお伺いします。 本県は、優れた技術や製品を持つ企業が多数立地する「ものづくり県」です。本県経済の持続的な発展につなげるため、デジタル化や省エネルギーを含むグリーン成長分野への支援など、将来を見据えた施策に積極的に取り組んでいますが、現時点での進捗状況に対する受け止めについてお伺いします。 次に、自然栽培について伺います。 気候変動や国際情勢の変動による肥料価格の高騰など、農業への影響を様々に受ける中、持続可能な循環型農業の推進が求められています。県内においては、おかやま有機無農薬農産物の栽培をはじめ、JAS認証を受けた有機農業、木村式自然栽培など、様々な環境保全型農法に取り組む農業者がおられます。その中で、「自然栽培」と呼ばれる農法は、動物性の堆肥は使わず、土壌の微生物の働きにより栄養分を供給して作物を育てるという特徴があり、そのような農作物を選ぶ消費者も少しずつ増えているところです。しかし、その農法のノウハウは、それぞれの農業団体で継承されているものの、行政や公的機関がほぼ関わることなく営まれているのが実情です。県内で100軒以上の農業者が取り組んでいる自然栽培は、県が有機農業推進計画において目指す国際水準以上の有機農業とほぼ同様の農法であり、今後の推進のためには、行政がこのような農法をより理解するための関与や調査が求められていると考えますが、いかがでしょうか。 次に、県産木材の活用促進について伺います。 令和3年の県産木材の需給量は43万8,000立方メートルであり、ウッドショックの影響による建築用木材の増加が見られ、近年はバイオマス発電の燃料材の需要も年々増えているところです。県では、おかやまの木で家づくり支援事業において、県産木材を使った住宅についての補助を行っています。今年度からは、その補助対象を450戸に増やし、併せて民間非住宅建築物も対象に加えています。今後も、県産木材の積極的な活用促進をしていただきたいと思いますが、現在の制度は、申込み完了後、年度をまたいで納材される場合は対象外となり、建築事業者からは活用しにくいという指摘もあります。他県では、年度をまたいで活用できる運用にしている例があり、本県でもそのように運用方法を工夫することで、本制度を通じた県産木材の活用が図られると考えますが、いかがでしょうか。県産木材のさらなる活用促進に向けた取組と併せてお伺いします。 次に、渇水対策について伺います。 県内では、9月以降小雨の状態が続き、高梁川水系においては、主要6ダムの合計貯水率が渇水調整の目安である40%を下回る見通しとなったことから、11月14日から上水道は2%、工業用水は5%、農業用水は20%の第1次取水制限が行われており、11月30日時点の貯水率は37.3%と、依然として平年の72.2%を大きく下回っています。県は、取水制限の開始に合わせて渇水対策本部を設置し、「県民生活への影響が最小限にとどまるよう全力を尽くす」として、情報収集をはじめ、関係機関や県民に対する節水啓発などを行っています。高梁川水系では、2008年以来15年ぶりの取水制限となりましたが、過去渇水により厳しい取水制限を経験してきており、1994年には、131日間の取水制限により、各家庭ではポリタンクやポリバケツを使って貯水し、生活水に使用するなど、長期にわたり不便な生活を余儀なくされた経験をしています。 あのような経験を極力しないように、ふだんから流域地域全体での節水に努力していかなければなりません。昨今の異常気象の状況を考えると、渇水調整の目安である40%に達する前に、流域地域へ早めの節水啓発が必要ではないかと考えますが、今後の対応について御所見をお聞かせください。 次に、道路等の維持管理について伺います。 本県では、地域の方々との協働により、清掃・美化活動を行うアダプト推進事業に取り組まれているところですが、活動に参加いただく方の高齢化の進行が多くの地域で問題になっています。また、県道沿いの支障木伐採や河道掘削など、道路や河川の整備については日頃より対応いただいていますが、近年の温暖化の影響もあり、川や山沿いの道路・自転車道・河川に草木が覆いかぶさるほどに成長し、場所によっては鬱蒼と茂り、交通の障害、事故の誘発、犯罪の温床にもなりかねません。道路から1メートルの幅でのみ除草や伐採がなされている姿も、事情を知らない県民から見れば不自然な景観です。 そこで、アダプト推進事業の要件緩和や補助の拡充、体力や技術を使う場面では有償ボランティアの制度新設も視野に入れてはいかがでしょうか。県としての適切な道路や河川の維持管理の在り方と併せて御所見をお伺いします。 次に、生徒指導について伺います。 昨年12月、生徒指導提要が12年ぶりに改訂されました。背景には、500人を超える子供の自殺、いじめや不登校の増加をはじめ、発達障害や精神疾患、LGBTQ、ヤングケアラーなど、多様な背景を持つ児童生徒が増加していることや、正解が見えない変動する社会において主体性が求められている現状があります。改訂によって、生徒指導とは、「児童生徒が社会の中で自分らしく生きることができる存在へと、自発的・主体的に成長や発達する過程を支える教育活動」と定義され、これまでの「させる」生徒指導から、「支える」生徒指導への転換とも言われています。基本的な方向性としては、特定の児童生徒に焦点化した指導だけではなく、全ての児童生徒の成長・発達を支える「発達支持的生徒指導」を日常的に行うこと、学びを社会で充実して生きることにつなげる学習指導と生徒指導の一体化、多職種の専門家や地域や家庭との連携によるチーム学校による体制構築などが示されています。 このような生徒指導を実現していくため、学校には、「子どもの権利条約」の理念の理解、多様な背景や個性を持つ児童生徒のニーズの把握、地域や家庭、福祉分野やNPO等、多様な主体との連携がより求められていると考えますが、県教委ではこの改訂をどのように捉え、どのような点を重視して取り組まれるのでしょうか。教育長にお伺いします。 最後に、横断歩道について伺います。 JAF(日本自動車連盟)が「信号機のない横断歩道の一時停止率」を調査したところ、本県は2021年では10.3%と全国ワーストでしたが、2022年49%、2023年47.8%と急上昇し、全国平均を上回りました。しかし、全国1位の長野県は84.4%で、他の上位の都道府県と比べても、岡山県はまだまだ改善の余地があるのではないかと考えます。 そのような中、横断歩道やいわゆるダイヤマーク等の路面標示がかすれていて見えづらいといった県民の声を多く聞きます。道路交通法第38条を一部抜粋すると、「車両等は横断歩道等に近づく場合、横断しようとする歩行者等がいないことが明らかな場合を除き、横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない」とあります。運転者が道路交通法を守ることが大前提ですが、運転者の側から見ても、横断歩道や歩行者を気づきやすくさせる工夫や配慮も必要ではないでしょうか。 予算の関係もあり、やむなく優先順位をつけざるを得ないことは理解しますが、県民が安全・安心に横断歩道を横断するために、また、運転者の観点からも、かすれて見えづらい横断歩道等をより視認性の高いものへ積極的に補修・改修して、歩行者や運転者が通行しやすい横断歩道を目指すべきと考えますが、警察本部長の御所見をお伺いします。 以上で民主・県民クラブの代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
○議長(小倉弘行君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事
伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(
伊原木隆太君) 民主・県民クラブの大塚議員の代表質問にお答えいたします。 まず、経済対策についての御質問でありますが、今回の国の経済対策には、地域の実情に応じた対策を機動的に講じることができる
重点支援地方交付金の追加や、防災・減災、国土強靱化の推進などが盛り込まれております。 本県においても、これらに呼応したものを中心に、県として実施すべき事業の検討を進めているところであり、今後、補正予算を速やかに編成してまいりたいと考えております。 次に、予算編成方針についての御質問でありますが、方針では、厳しい財政状況が続く中にあっても、第3次生き活きプランに掲げる3つの重点戦略等に基づき重点的に推進する施策等、特に
少子化対策、DXの推進、脱炭素社会に向けた対応に重点的に財源を配分することとしております。最終年度を迎える第3次プランの総仕上げに取り組むとともに、喫緊の課題である人口減少問題に挑んでいく決意であり、「生き活き岡山」の実現に向け、全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に、自衛隊統合演習についての御質問でありますが、空港使用に当たって、国からは、国家防衛戦略に基づき、広く民間空港等を使用していく方針であり、あくまで一時的な使用であること、弾薬など爆発物を持ち込まず、岡山空港条例の規定にのっとって使用するとの確約がなされたことから、使用を認めたものであります。今回、戦闘機の空港使用について様々な意見があると認識したところでありますが、今後、国からの要請があれば、その内容や状況を踏まえ、適切に対応してまいりたいと存じます。 次に、DXについての御質問であります。 キャッシュレス決済のうち、県有施設についてでありますが、昨年までに導入済みの2施設に加え、今年10月から県立美術館など県民が多く利用する文化・スポーツ施設や、県証紙廃止に伴い、POSレジを設置した県事務所など、新たに53施設に導入したところであり、QRコードやクレジットカードなどの決済に対応しております。他施設への拡大については、導入施設での効果や課題等を踏まえ、推進したいと考えております。 次に、県税についてでありますが、これまで法人事業税など12税目において、口座振替や地方税共通納税システム等によるキャッシュレス決済が可能でありましたが、今年4月から、自動車税種別割については、新たに地方税統一QRコードを活用した決済も導入したところであります。さらに来年4月から、このQRコードを活用し、個人事業税や不動産取得税などの税目にも拡大することとしており、引き続き、キャッシュレス決済の推進に努めてまいります。 次に、情報セキュリティーについてでありますが、個人情報等の情報資産を守るためのルールを定めた県情報セキュリティーポリシーを職員に周知徹底するとともに、ネットワークの分離や通信監視を行うクラウドの運用等により、情報システムの安全性の強化を図っているところであります。また、サーバーなどの機器や通信回線を二重化するなど、トラブル等のリスクにも対応しているところであり、引き続き、県民が安心して利用できる環境の維持向上に努めてまいります。 次に、JR芸備線についての御質問であります。 今後の方針等についてでありますが、協議に当たっては、地域住民の生活を守ることを第一に考えながら、具体的な方策について、前提を置かず幅広く検討してまいりたいと存じます。また、これまでの利用促進の取組と同様に、広島県との連携に努めるとともに、県境をまたぐ路線全体の議論の調整が図られるよう、積極的な協議への関与を国に求めてまいりたいと存じます。 次に、路線維持の取組についてでありますが、県では、利用促進の取組により路線を維持することを、基本的な方策として考えておりますが、今後始まる再構築の協議に当たっては、お話の他県における事例においても情報収集しながら、新見市の実情に応じた交通手段の確保策について幅広く議論してまいりたいと存じます。 次に、有機フッ素化合物の検出問題についての御質問であります。 発生源の調査状況等についてでありますが、これまで関係者からの聞き取りや土壌調査等を順次行っておりますが、発生源の特定には至っていないところであります。また、管理上の問題については、活性炭の保管状況や再生利用の可否など、法的に問題がないか確認中であり、引き続き、専門家の意見も伺いながら、鋭意調査を進めてまいりたいと存じます。 次に、水道水の安全管理の課題についてでありますが、水質管理は水道事業者の責務であり、異常時には県へ速やかに連絡することとしています。本事案では、町に緊急性・重大性の認識がなく、県への連絡を含め適切な対策を講じなかったことが原因であり、課題であると考えております。本事案を受け、県内全ての水道事業者を対象に連絡会議を開催し、水質異常時の対応、連絡体制の整備・点検の実施等について徹底したところであります。今後、立入検査等を実施し、各事業者の水質管理や危機管理の体制を確認するとともに、講習会において管理能力の向上を図るなど、再発防止に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、健康不安の解消についてでありますが、県では、情報提供や専門家の意見を踏まえた助言、町が設置した健康相談に関する部会及び外部有識者委員会への参加、健康相談対応等のための職員派遣など、積極的な支援を行っているところであります。引き続き、町と緊密に連携を図りながら支援に努めてまいりたいと存じます。 次に、医薬品不足についての御質問でありますが、急激な不足が生じた場合も含め、安定供給に責任を有するメーカーが国と役割分担しつつ、他社との連携、医療機関での適正使用の依頼、手術延期時等の供給調整を行うこととなっており、県が主導的に取り組む余地は少ない状況です。 こうした中、県では、国からの通知に基づき、医療機関等に対し、代替薬への変更、施設間の融通、国が設置する相談窓口の活用等を依頼するとともに、県独自に医薬品卸業協会と情報共有会議を開催し、優先順位に基づく供給等の要請を行ってきたところであります。引き続き、国と連携し、限られた医療資源が必要な患者に適切に届くよう努めてまいりたいと存じます。 次に、精神障害のある人への医療費助成についての御質問でありますが、医療費助成は、身近な地域で自分らしく暮らしていける仕組みづくりを進める中の一方策と考えており、第9次岡山県保健医療計画策定の議論等を通じ、導入に向けた検討を行っているところであります。引き続き、鋭意検討を進め、助成の仕組みや開始時期等についてお示ししてまいりたいと存じます。 次に、悪質なホストクラブの問題についての御質問であります。 認識についてでありますが、御指摘の問題は、国会で議論が交わされており、私も、特に悪質な事案に対しては早急な対策が必要と強く感じているところであります。県では、女性相談所において様々な困難を抱える女性やその家族からの相談を受け付けており、この相談窓口を改めて周知し、こうした問題についても相談等の対応を行うとともに、関係機関がしっかりと連携して支援に取り組むことが重要であると認識しております。 次に、啓発についてでありますが、若年女性に対する性的な被害やトラブルを未然に防ぐ上で、教育や啓発は重要であり、県では、女性相談所において支援学校等での出前講座を実施しているほか、学校においても啓発を行っているところであります。現在策定中の「岡山県困難な問題を抱える女性支援計画」にも、こうした教育・啓発について明示することとしており、今後、取組を一層推進してまいりたいと存じます。 次に、中小企業の支援についての御質問であります。 相談件数等についてでありますが、県中小企業支援センターの相談件数は、10月末時点で1,334件となっており、業種は製造業が402件と最も多く、次いでサービス業が290件であり、相談内容は業種にかかわらず、販路拡大や新事業展開に関するものが上位を占めております。こうしたことから、支援機関等と連携し、商談会の開催や受発注情報の収集・提供など、販路拡大に向けた支援や、新たなビジネス展開を図る経営革新計画の策定支援などにしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 次に、デジタル化の状況等についてでありますが、県の
アンケート調査では、デジタル化を進めている中小企業の割合が46.8%である一方、導入の意向があるもののデジタル化が進んでいない企業の割合は34.6%であり、専門知識を持った人材の育成・確保が課題として挙げられております。グリーン成長分野については、企業の関心も高く、EVや半導体分野などで事業拡大を目指す企業が増えてきておりますが、技術面やコスト面等が課題であると認識しております。こうした状況を踏まえ、引き続き、産業支援機関等とも連携し、企業の持続的な成長と発展に向けた支援に取り組んでまいりたいと存じます。 次に、自然栽培についての御質問でありますが、これまで、自然栽培の実践者からの相談に応じ、農業普及指導センターによる情報提供や技術的な助言を行うとともに、県が開催する意見交換会や研修会等への参加を促してきたところであります。お話の自然栽培は、集団や個人により様々な管理手法が見受けられることから、こうした農法の実態把握や実践者との意見交換を行いながら、国際水準以上の有機農業に対する理解が深まるよう努めてまいりたいと存じます。 次に、県産木材の活用促進についての御質問でありますが、お話の支援事業については、これまで木材使用量の下限引下げなどの要件緩和や、民間非住宅建築物への対象拡大などの対応をしておりますが、県産木材の活用が一層進むよう、他県の事例も参考にしながら、運用の改善を検討してまいりたいと存じます。また、国内外への販路開拓や中高層建築物の木造化等を促進するなど、関係団体等と連携し、県産木材のさらなる需要拡大に取り組んでまいります。 次に、渇水対策についての御質問でありますが、高梁川水系では、今年2月に、河川管理者や利水者等で構成される国の水利用協議会において渇水対応タイムラインを作成し、計画的かつ効果的に渇水対策を進めることとしております。今回の渇水においても、議員御指摘のとおり、このタイムラインに基づき貯水率が50%程度となった段階から、利水者への情報提供や呼びかけを行い、早期の自主節水等に取り組んできたところであります。今後とも、渇水対応タイムラインを活用し、水利用協議会と連携しながら、早めの節水啓発に努め、県民生活への影響が最小限となるよう適切に対応してまいりたいと存じます。 最後に、道路等の維持管理についての御質問でありますが、道路や河川では、管理上の支障の程度を踏まえ、県が除草や樹木の伐採を行うなど、適切な対応に努めているところであります。お話のアダプト推進事業の要件緩和や補助の拡充については、事業が持続可能なものとなるよう、引き続き、検討してまいりたいと存じます。 なお、体力や技術を要するなど、安全性の確保に課題がある箇所については、業務委託等により対応してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕
◎教育長(鍵本芳明君) 民主・県民クラブ大塚議員の代表質問にお答えいたします。 生徒指導についてでありますが、今回の改訂で事後指導中心の生徒指導から、児童生徒の成長や発達を支える生徒指導へ転換され、児童生徒が自己
指導能力を身につけることの重要性が強調されたと認識しております。 県教委としては、授業や学校行事等の中に、児童生徒が自己決定する場面を増やし、自ら判断し実践する経験を通して、自己
指導能力を育んでいくことができるように、児童生徒支援の視点に立った生徒指導の実践に取り組むよう、学校を指導してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) 警察本部長河原雄介君。 〔 警察本部長 河原雄介君 登壇 〕
◎警察本部長(河原雄介君) 民主・県民クラブ大塚議員の代表質問にお答えいたします。 まず、悪質なホストクラブの問題についてのうち、県警察の対応についてであります。 県警察では、風俗営業が健全かつ適正に行われることが重要であると考えており、今後、ホストクラブ等の風俗営業所に対して、風営適正化法に基づく管理者講習を実施する際には、売掛金に伴い女性客が売春するなど、様々な問題が発生している実態を周知しつつ、売春防止法や職業安定法に抵触する行為等を具体的に教示するとともに、従業員に対する教育を徹底するよう強く指導してまいります。また、風俗営業所に対する違法行為の取締り、立入り及び迅速・的確な行政処分を推進し、特にホストクラブの売掛金等に起因して敢行された違法行為を認知した場合には、看過することなく各種法令を適用して、確実かつ厳正な取締りを行ってまいります。 次に、横断歩道についてであります。 議員お話のとおり、横断歩道等の道路標示は、運転者等に正しく認識されることが必要であることから、県警察では、横断歩道について重点的に点検を行い、視認性の低下した標示を把握した場合には、できるだけ速やかに補修を行っているところであります。また、例えば、運転者に対する注意喚起を図ることを目的に、横断歩道と停止線の間をマスカットグリーンでカラー標示する「愛ライン」の整備など、横断歩行者等の安全を確保する観点からの横断歩道等の改修にも努めているところであります。 県警察では、引き続き、安全な道路環境を実現する観点から、適正な道路標示の管理・整備に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小倉弘行君) この際、午後1時まで休憩いたします。 午前11時45分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時再開