令和 3年11月定例会 ◎ 令和3年11月
岡山県議会定例会会議録 第6号〇 令和3年12月14日(火曜日) 議 事 日 程 午前10時開議第1 一般質問第2 議第109号~議第136号,報第7号及び報第8号(委員会付託)第3
請願陳情委員会付託 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 本日の会議に付した事件日程第1
一般質問日程第2 議第109号~議第136号,報第7号及び報第8号(委員会付託)日程第3
請願陳情委員会付託 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時開議
○副議長(池本敏朗君) 皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 一般質問
○副議長(池本敏朗君) 日程に入り,一般質問を行います。 16番山本雅彦君。 〔 16番 山本雅彦君 登壇 〕
◆16番(山本雅彦君) 皆さん,おはようございます。 一般質問も最終日となりました。
トップバッターを務めさせていただきます自由民主党の山本雅彦です。 今日も明るく前向きに質問してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 まず,衆議院小選挙区の区割りの改定について質問いたします。 総務省は,先月30日,2020年国勢調査の確定値公表を受けて計算した衆議院小選挙区の
都道府県定数を明らかにしました。本県を含め,広島,山口,宮城県など10県が各1減,首都圏4都県が計9増,愛知県が1増,計15都県を対象に10増10減が見込まれます。今後,
衆議院議員選挙区画定審議会,いわゆる区割り審が
区割り改定作業を加速させるとのことです。また,区割り審では,この10日に,具体的な照会内容を審議し,年内にも文書で
都道府県知事に意見を聞く予定と報道されています。確かに,地方での人口減少に歯止めがかからず,1票の較差が広がったため,県ごとの定数の見直し,選挙区割りの改定が必要だとの判断も理解できますが,それ以上に地方の声が国政に届きにくくなることへの心配や,その弊害があると強く思います。地方創生を進め,美しい自然環境,中山間地域,山や田んぼを守っている皆さんの命と暮らしを次世代へつないでいかなくてはなりません。日本の長い歴史の中で考えると,ある意味,我が国は地方の一つ一つの国の合衆国,集合体であったと言えると思います。代議士と呼ばれる衆議院議員は,その名のとおり,地域に暮らす人たちの代弁者でなくてはなりません。そして,その代弁者が減るということは,歴史ある一つの国から代弁者がいなくなるということです。都市圏への一極集中や地方の人口減少が,さらに加速するのではないでしょうか。また,回答について,ぜひ経済的・歴史的な結びつきや日々の暮らしでつながりの強い地域が分かれることがないように御配慮いただきたいと考えます。地元のことで恐縮ではありますが,1400年の歴史があり,美作の国と呼ばれる津山市,真庭市,美作市,鏡野町,勝央町,奈義町,美咲町,久米南町,新庄村,そして西粟倉村の3市5町2村は,地縁・血縁でのつながりが深い地域です。新たな区割りにより,こうした地域が分割されることとなると,地域の一体感を損ね,その地で働く人と人との絆や経済・産業の連携が壊されることにもなりかねません。そこで,お伺いいたします。議員定数の減は,多様な地方の意見が国政へ届きづらくなりかねませんが,知事はこのたびの定数1減をどのように受け止めておられますか。また,区割り審からの意見照会に対しては,先ほど申し上げたような地域の事情や実情を十分踏まえた上で対応していただきたいと考えますが,どのような点を考慮して回答するお考えでしょうか,併せてお伺いいたします。 次に,本県の農業,販売農家数はおよそ2万8,000戸で,全国で14番目,中国地方では1番となっています。農業産出額は,米324億円,鶏卵241億円,ブドウ181億円,生乳118億円など,合計1,417億円です。
アフターコロナを見据え,農政も前進させていかなくてはなりません。農産品のブランド化,県外への販路拡大はもちろん重要であります。今回は,生産者の利益,もうかる農業を見据え,県内での
販売拠点整備の必要性について質問させていただきます。本県が誇る桃,マスカットに代表されるブドウ,新たに力を入れ,ブランド化するイチゴなどの果物,もちろん米,旬の野菜,そして千屋牛やなぎビーフといった
ブランド牛肉,
蒜山ジャージーなどの乳製品,県産の日本酒,ワイン,海のミルクと呼ばれるカキ,四季を通じて瀬戸内の美しい鮮魚や岡山のりもあります。こういった農産品,海産物が季節ごとに,ここへ行けば手軽・確実に買える,そういった本県のシンボル的な直売所が整備できないものかと考えます。農産品の中でも,A級産品を都会の有名百貨店や専門店で販路拡大し,さらに出荷額を伸ばすということは,まさにもうかる農業,とても重要です。同時に,見た目にほんの少し傷があったり,少々形は悪いがおいしさは変わらないという
B級産品や,市場には出し難いC級産品も,それぞれそれに見合う値段で販売しなくてはもったいないです。今,市場に出せない,それらの多くが捨てられています。消費者に直接小口で販売できれば,生産者ももうかるのではないでしょうか。そういった農産品が直販できる場所の整備が必要です。交通の要衝である本県は,観光誘客にも力を入れて取り組んでいます。お客様にせっかくおいでいただけたのですから,このシンボルとなる直売所を観光ルートに入れ,本県の魅力ある農産品をお土産にしていただきたいと考えます。例えば,主要な観光地と
最寄りインターチェンジの間に,大型バス用の
駐車スペースがあり,トイレ休憩もゆっくり取れる
農林水産物直売所が整備されることは,県内農産品の販路拡大,認知度向上や観光地としての魅力向上の面でも,大変有意義なものと思います。
農業関連団体との連携やその支援も含め,知事の御所見をお尋ねいたします。 次に,地球温暖化についてです。 気候の危機に向かい合い,温暖化対策に取り組む決意を示す,「
気候非常事態」宣言をした自治体が,本県の奈義町を含め,少なくても5都県84市町村になりました。昨年9月時点の調査時より,1年余りで3倍超と急増し,最近では隣接する市町村や,まとまった地域での「共同宣言」が増えているのが特徴であるとの報道がありました。
気候非常事態宣言は,国や地方自治体など,行政機関が気候変動への危機について,
非常事態宣言を行うことによって,
気候変動対策に関する政策の立案・計画・キャンペーンなどの対応を優先的に取るものです。本県奈義町は,町民の皆さんへより危機感を持って問題を捉えてほしい,期待を込めて今年6月,単独で宣言されました。すばらしい取組と考えます。御承知のとおり,2020年からの10年間は,温暖化を抑制するための決定的な10年と言われるほど,温暖化対策は喫緊の世界共通の課題となっており,国でも,「2050年までに
温室効果ガス排出ゼロ」という目標に向かって様々な取組が行われています。
気候非常事態宣言の
都道府県単位での取組は,現在,岩手県,神奈川県,東京都,長野県,沖縄県の5都県となっています。先日の須増議員の質問に,「今は考えていない」との御答弁がありましたが,県民の皆様へ
地球温暖化対策への理解を深めていただくためにも,本県でも宣言をするべきと考えます。この点は,知事への要望とさせていただきます。 また,隣接する自治体が協力し,一緒に温暖化対策についての啓発を行ったり,関連施策の情報交換をしていくことは,大変重要であると思います。県が主体となって,県下市町村でのこうした自治体間の連携の取組を後押ししていくお考えはありませんか,知事にお尋ねいたします。 日本が脱炭素社会となるためには,
エネルギー転換,運輸業の燃料変換と効率化,鉄鋼業の
製鉄技術革新など,大きな課題をクリアしなくてはなりません。欧米各国と比較して進展が遅いと言わざるを得ません。「
CO2排出実質ゼロ」に向けた技術革新と,国民,県民の皆さんからの理解が必要です。私たちが日常大いに利用する自動車に注目したいと思います。先月,世界最大の自動車市場の中国で,「
広州モーターショー」があり,充電1回で1,000キロあまり走行できるという
電気自動車が披露されるなど,国内外の各社が電動化の戦略をアピールしています。
日系メーカーのホンダが新たに立ち上げた中国での
EVブランドの新車を披露したほか,日産自動車は,中国に初めて投入するガソリンエンジンで発電してモーターの力で走る
ハイブリッド車を出展していました。間違いなく自動車はガソリン・ディーゼルから
電気自動車へと転換されていくと考えます。県内でも,同僚の上田議員に代表されますように,
電気自動車を使用する方が増えつつあります。私の周りの友人も,だんだんとユーザーとなっています。ただその声をお聞きすると,やはり「遠出したときのバッテリーの残,残りの走行距離に不安が絶えずある」,「
主要道路沿いに充電設備を増やしてほしい」,「充電に不安があり,まだ
電気自動車購入に踏み切れない」との声が多く聞かれるなど,
電気自動車の普及には充電設備の少なさがネックとなっており,その充実が今後も必要であると感じます。一例では国道53号沿いの久米南町道の駅にあった充電設備が撤去され,今は使えなくなりました。
岡山-津山間の急速充電は,岡山市北区の
建部文化センターの設備を利用することとなるそうです。もちろん他の人が充電中であれば,終わるのを待つか,走行距離に不安を抱えつつ目的地までの沿線の次の設備に向かわなくてはなりません。県では,約10年前に,モデル事業として,誰でも無料で利用できる急速充電の設備を県内12か所に設置,
電気自動車の普及促進に取り組まれました。さきに紹介した久米南町の道の駅の設備も,その一つであります。しかし,設置から10年が経過し,耐用年数が来たことや
急速充電設備があることで,電力会社の基本料金の設定が高額となるため,施設を管理する久米南町が設備の継続利用を断念したとのことであります。本県内に,現在,誰でも利用できる
電気自動車の普通・
急速充電器スタンドが約300か所あります。県は,この10年で
電気自動車普及に一定の効果があり,県が行うモデル事業の継続は不要であるとお考えかもしれませんが,まだまだ十分とは思いません。10年前に設置した充電器は,現在,どのような状態となっていますか。また,せめて10年前に設置した充電器の継続は,引き続き,県が行うべきであると考えますが,併せて
環境文化部長にお考えをお尋ねいたします。 また,県では,岡山県
充電環境整備事業として,充電設備の設置に対して補助制度を設けています。ただ,令和2年度の実績で,その補助件数は
急速充電設備が2基300万円,
普通充電設備が6基108万円にとどまっています。まだ,この補助制度は,周知不足と考えますが,有効なPRの手法や事業の拡大について,
環境文化部長にお尋ねいたします。EV等を安心かつ快適に使うことのできる充電環境を整備し,EV等の普及を促進することによって,本県内の
温室効果ガス排出抑制を図らなくてはなりません。どうぞよろしくお願いいたします。 次に,
森林環境譲与税について質問いたします。 森林の有する公益的機能は,
地球温暖化防止のみならず,国土の保全や水源の涵養等,私たちの生活に広く恩恵を与えるものであります。適切な森林整備等を進めていくことは,国土や国民の生命を守ることにつながります。一方で,長らく木材価格が低下したままで,今では所有者やその境界線が分からない森林の増加や
担い手不足等が大きな課題となっています。このような現状の下,平成30年5月に成立した
森林経営管理法を踏まえ,パリ協定の枠組みの下における国の
温室効果ガス排出削減目標の達成や,災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から,
森林環境税が創設されました。「
森林環境税」は,令和6年度から,
個人住民税均等割の枠組みを用いて,国税として1人年額1,000円を市町村が賦課徴収することとされています。また,「
森林環境譲与税」は,喫緊の課題である森林整備に対応するため,「
森林経営管理制度」の導入時期も踏まえ,交付税及び
譲与税配付金特別会計における借入金を原資に,令和元年度から剰余が開始され,市町村や都道府県に対して,私有林,人工林面積,
林業就業者数及び人口による客観的な基準で案分譲与されています。この財源の使途について確認し,その有効性を高めていかなくてはなりません。本県においては,市町村を支援するため,各種情報の精度向上,高度化,支援体制の整備,市町村職員の研修等を行うことへ予算化しているとお聞きしていますが,現在の活用状況をお示しください。
農林水産部長にお尋ねいたします。 次に,県内市町村の取組状況を質問いたします。 県内でも,私有林,人工林の面積に,県北と県南では大きな差があり,使途につきましても,当然違いがあると考えます。まだまだスタートしたばかりの制度であります。現在は,譲与税を活用して改めての森林面積の測量,境界線や所有者の確定等の作業が行われていると認識していますが,県内市町村での譲与税の活用状況について,具体的な内容をお示しください。 貴重な財源であります,有効に活用することが肝要であります。県内市町村で使途として全額が基金へ積立てとなっているところはありますか,併せて
農林水産部長にお尋ねいたします。 令和6年度から
森林環境税として,国民1人当たり年1,000円を納めていただくことになります。この税が国民の皆様から,大きくは地球環境を守るため,適切に活用されていると理解いただけることが重要です。そのためにも,県,市町村とも有効な施策にしっかりと活用いただきたいと考えますが,活用についての御所見を,基金への積立状況へのお考えを含め,
農林水産部長にお尋ねいたします。 最後に,
医療的ケア児について質問いたします。 医療技術の発達により,難病や障害を持つ多くの子供の命が救われています。一方で,医療機関を退院した後も,日常的に人工呼吸器の装備やたんの吸引の必要がある,また,胃ろう等による栄養摂取が必要なケースもあるなどの
医療的ケア児は,全国でこの10年に倍増し,約2万人となっており,地域における支援体制の確立が急がれています。本県においても,「
医療的ケア児等の
トータルライフ支援体制の整備」として,
短期入所サービス拡大促進事業,
短期入所事業所開設等支援事業,
医療的ケア児等支援者養成事業などを行っています。しかしながら,まだまだ事業所,支援者の数が足りておらず,特に県北地域は
医療的ケア児を抱えておられる御家族が利用できる施設が少なく,苦労されているのが実情です。受入れ施設や事業所を増やしていくことは必要ですが,施設を運営するのはあくまで民間であり,経営的観点や慢性的な人手不足を考えたとき,利用可能な事業所,施設を増やすには時間がかかります。しかし,
医療的ケア児を抱えておられる御家族の生活は待ったなしで,早急な支援体制が求められます。実際の
医療的ケア児を抱えられる御家族の日常ですが,例えば,入浴はヘルパーさんと2人がかりでやっと行っていたり,また,呼吸器を使用しているお子さんの場合は,呼吸器をつけたまま入浴させる必要があったり,自発呼吸で頑張れるお子さんであっても,外した呼吸器を入浴後に急いでつなぐ,または途中でバギングしながら入浴するなど,より負担が大きくなります。ほかにも,
医療的ケア児を抱えられている家庭では,学校への通学などの問題,他の兄弟姉妹の参観日や学校行事への参加,近所付き合い,自分自身の時間の確保なども大変です。こういった実情をお聞きしています。現在の岡山県での状況ですが,特に県北地域では,県南に比較して専門の医療施設や
短期入所施設が少なく,子供のケアの大部分を訪問看護に頼っているのが実情です。
医療的ケア児の成長とともに,家族の負担は年々増えていきます。
医療的ケア児への支援を充実させていくための早急な取組が必要です。保険制度を利用した訪問介護は,一般的な利用形態として,1回の訪問は90分までとされています。しかし,
医療的ケア児を抱えておられる家庭では,子供の介護に時間を取られ,それ以外の兄弟姉妹の子育て等,ほかに充てる時間が十分確保できない方が多くおられます。そこで,国の「
医療的ケア児等総合支援事業実施要綱」にある
医療的ケア児等とその家族への支援制度を活用し,追加で保険制度を利用しない訪問看護を希望する場合は,公費で負担する等,家族の負担軽減を図ることはできないでしょうか。また,理解者,支援者の増加のため,
医療的ケア児等コーディネーター・
支援者養成研修に取り組まれていますが,研修は県南での開催に限られ,県北から参加しづらい状況にあるため,参加促進のため,県北でも研修を実施する,また,オンラインでの研修の実施をしてはどうでしょうか,併せて
保健福祉部長へお伺いいたします。 県から市町村,関連事業所へ啓発活動の強化が重要であると考えます。中山間地域で
医療的ケア児を抱える御家族には,支援が行き届いていないのではないかと考えます。本県の制度や仕組み,
医療支援体制が県北地域にも行き届き,御家族の負担が少しでも軽減されるよう御検討よろしくお願いいたします。 以上,質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 自由民主党の山本議員の質問にお答えいたします。 まず,衆議院小選挙区の区割り改定についての御質問でありますが,本県の衆議院小選挙区の定数の1減については,御指摘のとおり,県民の声が国政に届きにくくなるという意見があることも承知しております。このたびの定数改定は,過去の衆議院選挙において,司法が1票の較差を違憲と判断したことを受けて行うものであり,「区割り審の作成する改定案は,各選挙区の人口の均衡を図るため,国勢調査の結果を基に
アダムズ方式で作成する」と法律に規定された経緯を踏まえると,やむを得ないものと考えております。また,区割り審の意見照会に対する回答についてでありますが,このたびの改定が1票の較差を是正する目的であることを踏まえ,各選挙区の人口の均衡を考慮した上で,地域の実情等にも十分配慮する必要があると考えております。 次に,
農林水産物直売所の整備についての御質問でありますが,直売所は,地域色豊かな
農林水産物等を求めて県内外から多くの来客があることから,農家所得の向上や地域の活性化などにつながるものと認識しております。また,
農業関連団体が整備する場合などには,有利な補助制度もあることから,情報提供や必要な助言等を行うなど,農林水産業や地域の振興につながる取組をしっかり支援してまいりたいと存じます。 最後に,
地球温暖化対策についての御質問であります。 自治体間の連携についてでありますが,県では,これまで,市町村等の担当職員を対象に,
再生可能エネルギーを活用した地域づくりなどについて,情報共有や意見交換を行う研修を実施してきたところであります。お話のとおり,
地球温暖化対策は,自治体間の連携など広域での取組が効果的であり,国が推進する脱
炭素先行地域での取組では,複数自治体の連携も想定されていることから,今後,市町村から具体的な連携の相談があれば,情報提供や助言等に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君)
環境文化部長佐藤将男君。 〔
環境文化部長 佐藤将男君 登壇 〕
◎
環境文化部長(佐藤将男君) お答えいたします。
地球温暖化対策についての御質問であります。 EVの普及のうち,充電器の状況等についてでありますが,県が設置した上で市町村に運営委託していたもののうち3か所については老朽化等により市町村と協議の上,廃止しており,現在,設置は県の直営も含め9か所となっております。EVの普及促進のためには,充電環境の充実は重要であると考えており,現在,市町村に運営委託しているものについては,国や県の補助制度の活用を働きかけるとともに,県有施設に設置しているものに関しては,今後,その在り方について様々な角度から検討してまいりたいと存じます。 次に,
充電環境整備事業についてでありますが,補助制度については,
県ホームページや業界団体の広報誌への掲載などにより周知しているところでありますが,今後,SNSの活用や産業界向けの広報活動の強化など,発信方法や内容をより一層工夫し,十分に活用されるよう努めてまいります。また,今後の事業の拡大については,民間部門での整備状況や国の支援制度の動向等も注視しながら,県内の充電環境の効果的な整備に向け,具体的な検討を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君)
保健福祉部長西嶋康浩君。 〔
保健福祉部長 西嶋康浩君 登壇 〕
◎
保健福祉部長(西嶋康浩君) お答えいたします。
医療的ケア児についての御質問でありますが,在宅で介護等を行う家族の負担軽減を図ることは重要であり,これまでも
短期入所サービスの拡大に取り組んできたところであります。お話の国の制度を活用した支援策については,担い手の確保なども含めて,今後とも,市町村や関係機関等の意見を聞きながら協議してまいります。また,
医療的ケア児等に対する支援が適切に行える人材の養成も必要であり,オンラインでの研修等参加しやすい実施方法について検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君)
農林水産部長槙尾俊之君。 〔
農林水産部長 槙尾俊之君 登壇 〕
◎
農林水産部長(槙尾俊之君) お答えいたします。
森林環境譲与税についての御質問であります。 まず,県の活用状況についてでありますが,市町村等に提供する森林情報を一元管理するシステムを充実させるとともに,専門的人材を紹介する人材バンクの設置・運営や市町村職員の森林・林業に関する専門研修の実施,長期間安定した経営が行える林業経営体の育成など,市町村による森林の経営管理を支援するために活用しているところであります。 次に,市町村の活用状況等についてでありますが,森林の経営管理のため,森林所有者の意向調査や現地調査,間伐などの森林整備,専門的人材の活用,担い手の確保のための就業相談会の開催などに取り組んでいるところであります。また,木材の利用を促進するため,公共建築物における木造化や木製品の導入,普及啓発にも活用されているところであります。なお,基金への積立状況についてでありますが,令和2年度末時点において一部の市町村が全額を基金に積み立てております。 最後に,有効な施策への活用等についてでありますが,
森林環境譲与税は,森林の公益的機能の重要性に鑑み,森林の整備及びその促進に関する施策の財源に充てるため,県と市町村に譲与されるものであることから,事業に活用されないまま目的もなく基金への積立てが継続するようなことになれば,今後,納めていただくこととなる
森林環境税への理解が進まないことも危惧されます。このため,県では,引き続き,森林情報の提供や技術支援,市町村職員の研修実施などの市町村支援にしっかりと取り組むとともに,市町村に対して地域の実情に応じた事業の積極的な実施を働きかけ,
森林環境譲与税を有効に活用してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 以上で山本君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 18番大塚愛君。 答弁者は控席へ移動願います。 〔 18番 大塚 愛君 登壇 〕
◆18番(大塚愛君) 皆様,おはようございます。 民主・県民クラブの大塚愛でございます。 早速ですが,通告に従いまして質問をさせていただきます。 先日の特別委員会でも,私を含めほかの委員の方たちからも議論になった子供や若者の支援について質問させていただきます。今年度,本県では,第3次岡山県子ども・若者育成支援計画を策定することとしています。コロナ禍を機に,経済格差や孤立から困窮する子育て家庭や子ども・若者の支援の必要性が浮き彫りになり,子ども食堂などを拠点とした食材提供支援,学習支援など,民間団体による様々な支援や連携が進んでいます。今年の流行語大賞に,若者の間ではやっている「親ガチャ」という言葉がトップ10に選ばれました。「ガチャガチャ」という何が出てくるか分からないおもちゃのカプセルのように,子供が親を選ぶことができないことを示す言葉で,生まれたときの環境や親で自分の人生が決まっているという人生観が若者に広がっていると言われています。7人に1人の子供が相対的貧困状態にあり,シングルマザー世帯の約5割が相対的貧困にあるという現在,経済格差が子供の将来の可能性を限定させたり,困難さを抱えた親御さんの下で育つ子供がさらなる困難の連鎖を受けやすいという状況が生まれています。(パネルを示す)これは,世帯収入と子供の学力の関係を調査したグラフですが,世帯の収入と学力テストの正答率には明らかな相関があることが分かります。また,今年度の本県の学習状況調査において,主体的で深い学びができることと,学力の相関も示されていました。ここで,学力と主体的で深い学びのいずれもが低くなっている子供たちの背景には,家庭でエンパワーメントされにくい環境があることが推察され,その子たちをいかにサポートし,伸ばしていくかということが大事だと言えるのではないかと思います。高度経済成長期の昭和が終わり,「失われた30年」と呼ばれる平成の間に,経済格差と孤立が進み,子供たちを取り巻く課題は複雑化しています。少子高齢化を迎えた令和の今,必要なことは,これからを生きる子供たち,若者たちを誰一人取り残すことなく,健やかに育ち,次世代の担い手となっていけるサポート体制をつくっていくことだと思います。少子化の中で,子供の出生数が1%増えることは至難の業ですが,今まさに困難を抱えている子ども・若者たちが社会からこぼれ落ちないように支えていくことで,次世代の担い手を1%,2%増やしていくことができる。これから必要なことは,そういうことではないかと私は思っています。知事は,この少子化が進む社会における経済格差,孤立の影響を受けた子供や若者のサポートの意義についてどのようにお考えでしょうか。子ども・若者の支援のために必要なことは,困ったときに誰かを頼ることができるようなつながりが持てることと併せて,様々な人と関わり,信頼関係を築けるような居場所が必要であると思います。そのような観点から,以下の点について伺います。 今年,県内の中学校を卒業した生徒のうち,進学していない人数は全体の1.1%,184人であり,そのうち進路が決まっていなかった生徒は145人となっています。中学校からの進路が決まっていない子供には,中学校に在籍しているうちに卒業後に続く支援につながることが望ましいですが,県内ではどのような取組が行われており,県として,今後,どのように取り組まれますか,県民生活部長に伺います。 高校における中途退学者数は,先生方の御努力もあり,改善傾向にありますが,令和2年度においては633名で,在籍者の約1%に当たります。県青少年総合相談センターに,中途退学後の進路の相談などを受ける専任コーディネーターを配置していますが,これまでの中途退学者への支援の状況や妊娠した生徒への支援状況はいかがでしょうか。また,より効果的な支援のためには,どのようなことが必要でしょうか,併せて県民生活部長にお伺いします。 子ども・若者の支援に当たっては,教育や福祉,雇用などの連携が欠かせず,まず初めに,学校のスクールソーシャルワーカーから関連機関につながれる場面が多々あります。このたびの質問に当たって,県内各地の様々な現場でお話を伺う中でも,改めてスクールソーシャルワーカーが大事なつなぎ役を担っておられると感じました。しかし,学校や関連機関からは,「せっかく連携していてもすぐに担当のスクールソーシャルワーカーが替わってしまい,やりづらい」というお声もいまだに聞かれます。昨年6月定例会において,スクールソーシャルワーカーの担当期間について質問した際に,「複数年にわたる勤務が望ましいと考えており,継続した配置に向けて努力を続けてまいりたい」と,お答えいただきましたが,現在,担当期間はどのように改善されていますか。また,最低3年は同じ地域や学校を担当する,または,異動後にはなるべく前任地に戻るなどの運用が望ましいのではないかと思いますが,今後,どのようにお考えでしょうか,併せて教育長にお伺いします。 これまで様々な学校の先生のお話を伺う中で,子供たちの問題行動が多発しているような学校で,時間をかけて教員たちの姿勢を変え,生徒指導や合理的配慮を改善させ,問題行動や中途退学の数を大きく減らし,学校を変化させてこられたお話を伺うことが何度かありました。そういう学校の変化をもたらされた校長先生は,決まってある共通の考えをお持ちでした。それは,「困った生徒は困っている生徒だ」という見方です。問題行動を起こす生徒は,教員にとって困った生徒かもしれないけれど,実は生徒自身が困っている状態の現れなのだという捉え方です。学校警察連絡室の取組も,恐らく同じ視点を持って取り組まれたことによって功を奏していると推察します。そのような視点に立ち,彼ら,彼女らを理解し,寄り添う体制を整え,場合によっては早期に支援につなぐ,こうしたまなざしを持ってくださる先生が一人でも増えることが,本県の教育再生には不可欠であり,冒頭に述べたような,誰一人取り残すことのないサポート体制につながるものと思います。そのような教員の姿勢やそれを促すための取組について,教育長の御所見をお聞かせください。 発達障害のある若者にとっては,職場への不適応や離職を未然に防ぐための支援が必要ですが,そのような生徒の就労に向けては,就労移行支援事業を活用し,2年間の準備期間を経て,就労後もアフターフォローを受けることができます。近年,私立高校を中心にこの支援を受けて就労に向かう生徒が増えていると聞きますが,県立高校でも生徒にとって必要な選択肢であれば,情報提供や相談の機会を設けたほうがいいと考えますが,いかがでしょうか。また,現状の活用状況はいかがでしょうか。さらに,地域若者サポートステーションでは,在学中であっても高校3年生の1月から利用することができる制度がありますが,教員にまだあまり知られていない現状があります。この支援制度についても,教員や必要とする生徒への周知が必要と思いますがいかがでしょうか,併せて教育長にお伺いします。 次に,子ども・若者支援地域協議会について伺います。 若者が教育課程を終えて社会に出ていく移行時期には,学校に籍がなくなるために公的支援が途切れやすく,かつ就労という厳しさを伴う環境において,若者の早期離職率は高く,様々な場面でハードルが存在するため,不安定さを抱えたままその時期を過ごす若者を支えるための仕組みが必要です。「おかやま子ども・若者サポートネット」では,子ども・若者の育成支援に関わる専門機関や団体が連携し,総合的な支援体制を構築していますが,より身近な市町村においては,子ども・若者支援地域協議会の設置の促進が求められます。県内でいち早く立ち上げた勝央町子ども・若者サポートネットでは,相談員によるきめ細かい支援や不登校の子供や若者の居場所,地域の仕事を体験できる体験バンクなどを設けて,10代~20代までの子供や30代以上の方の親御さんの支援を行っておられます。また,幼い頃から顔の分かる関係を築けるようにと,家庭教育支援チームによる訪問活動も行われており,何歳になっても支援が必要になったときにつながれるような地域のセーフティーネットを構築しつつ活動されています。現在は,県内4市町においてこの協議会が設けられていますが,今後,この協議会のような場が全ての市町村において設けられることが望まれます。今後の市町村における設置見込みや促進支援について,県民生活部長にお伺いします。 また,「おかやま子ども・若者サポートネット」には,現在,様々な専門機関,団体が登録されていますが,未登録のフリースクールや学び直しの場,若者の居場所,就労移行支援などの活動を行う団体にも登録を呼びかけ,子ども・若者の支援に関わる連携を充実させ,かつ多岐にわたる関連機関の見える化を進める必要があると考えますがいかがでしょうか,県民生活部長にお伺いします。 現在,県内で行われている子供や若者の支援は,公的機関とNPOなど民間支援団体がそれぞれの役割や得意分野を生かして連携し,何層にも重なったセーフティーネットのようなサポート体制を築きつつ行われています。また,岡山NPOセンターでは,山陽新聞社などとともに,KOTOMO基金を立ち上げ,県内企業などの協力を得つつ,公的支援を補完するNPOなどの民間支援団体への活動補助やプラットフォームを構築しているところです。今月,国が発表した「孤独・孤立対策の重点計画素案」の基本方針においても,「NPO等の活動をきめ細かく支援し,官民,NPO等の連携を強化する」とされているところですが,県としてもこれらの動きと連携し,民間支援団体への補助制度の充実やふるさと納税を活用したKOTOMO基金との協働を検討していただきたいと思いますが,知事の御所見をお伺いします。 最後に,高校の居場所カフェについて伺います。 新しい高校生のサポートとして,高校居場所カフェという活動があります。これは,約10年前に大阪府や神奈川県で始められたもので,現在は全国で約60校以上の高校でこの居場所カフェが運営されています。家でも学校でもない3番目の居場所,「サードプレイス」とも呼ばれるこの居場所は,高校の校内にありながら,そこを運営するのはNPOなどの外部の人で,無料で提供される飲食を楽しみながら,高校生が地域の大人に話を聞いてもらったり,リラックスして過ごしたり,音楽や着つけなど,様々な文化体験をすることができます。10代の若者の中には,家庭環境における虐待や貧困,ヤングケアラーなど,様々な悩みや課題を抱えている人もいますが,自ら支援機関へ相談に行くことは,まずありません。身近な空間で顔を合わす人に信頼を寄せることで,初めて相談することができます。逆に,そのような他者との出会いがなければ,孤立を深め,ひきこもりや反社会的行動など,問題を深刻化させてしまう状況も起こります。そういった意味で,高校の中にある居場所カフェは,親や先生以外の大人と出会い,他者への信頼貯金をためられる場所として,また,様々な文化体験ができる場所として,高校生をサポートすることができます。県内でも,岡山御津高校で昨年度よりこの居場所カフェが始められ,傾聴や食事の提供,中途退学者の支援や高校の魅力化などの一助となっており,また,ボランティアで関わる大人や地域にとっても,豊かな多世代交流の場となっています。より多くの高校でこのようなカフェが設置されることで,中途退学や不登校の未然防止,卒業後の若者たちのアフターフォローや地域の交流促進につながると考えます。居場所カフェのような高校生の居場所に対する受け止めや今後の設置促進支援に向けたお考えについて,教育長にお伺いします。
○副議長(池本敏朗君) 答弁を求めます。
知事伊原木隆太君。 〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
◎知事(伊原木隆太君) 民主・県民クラブの大塚議員の質問にお答えいたします。 子ども・若者の支援についての御質問であります。 まず,サポートの意義についてでありますが,経済格差や孤立の影響を受けた子供や若者をサートすることは,将来に希望を持ち,その能力を生かしながら自立・活躍に向け成長していくことにつながり,大変重要なことであると考えております。このため,子ども・若者の将来が,家庭の経済状況などに左右されることのないよう,市町村やボランティア・NPOなど様々な主体と連携・協力しながら,子供の貧困対策や不登校問題への対応など,各種施策を総合的に推進し,無限の可能性を持つ子ども・若者が未来を切り開ける環境づくりに全力で取り組んでまいりたいと存じます。 次に,民間支援団体への補助等についてでありますが,子ども・若者の支援については,様々な主体が緊密に連携し,適切な役割分担の下,各団体が持つ資源やノウハウを活用しながら取り組むことが重要であり,KOTOMO基金のような民間主導による活動も大切な支援であると考えております。NPO等に対しては,県ボランティア・NPO活動支援センターにおいて,アドバイザーによる運営ノウハウの助言等,きめ細かい支援を行っているところであり,現時点では民間支援団体への補助制度の充実やふるさと納税制度の活用までは考えておりませんが,国の「孤独・孤立対策重点計画」の策定動向などを踏まえながら,引き続き,NPO等との一層の連携・協働に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 県民生活部長那須信行君。 〔 県民生活部長 那須信行君 登壇 〕
◎県民生活部長(那須信行君) お答えいたします。 まず,中学校卒業後の進路が決まっていない生徒への支援についてありますが,NPOなどの民間支援団体において,中学生や保護者からの相談に対応している事例については,承知しておりませんが,今後,民間支援団体の活動状況等の把握に努め,教育委員会と情報共有するとともに,そうした団体との連携についても検討してまいりたいと存じます。 次に,高校中途退学者への支援等についてでありますが,平成29年度に専任のコーディネーターを設置して以降,昨年度までの4年間で,高校中途退学者45人からの相談に対応し,そのうち24人が,定時制高校や通信制高校への編入や就労に結びついており,残る21人については相談を継続しているところであります。また,出産のため中退した生徒についても,実情に応じて適切な支援に努めているところであります。より効果的な支援を行うためには,青少年総合相談センターの支援内容や相談窓口の一層の周知と,関係機関との緊密な連携が重要であると考えております。 次に,子ども・若者支援地域協議会についてでありますが,より身近な市町村において,困難を抱える子ども・若者の支援体制を構築することは重要であると考えております。今年度,岡山市において新たに協議会が設置されたほかは,現時点で,設置の検討が進んでいる市町村は承知していないところであります。引き続き,市町村を個別に訪問し,協議会の必要性や効果を説明するとともに,市町村担当者会議等において,設置済み市町の取組や成果,協議会の設置・運営に関する実務について情報提供を行うなど,協議会設置の促進に取り組んでまいりたいと存じます。 次に,おかやま子ども・若者サポートネットについてありますが,サポートネットは,子ども・若者の支援に取り組んでいる教育,保健,福祉,医療,雇用等54の関係機関や団体により構成されておりますが,NPO等様々な民間団体による支援も広がってきていることから,団体の活動の公益性や実績,継続性等を踏まえ,参加の働きかけを行い,支援のネットワークを充実させたいと考えております。また,見える化につきましては,困難を抱える子ども・若者に対し,必要な相談支援機関等に関する情報を分かりやすく紹介する,「おかやま子ども・若者支援機関マップ」を作成し,学校や市町村の窓口等に配布するとともに,県のホームページに掲載しているところであり,引き続き,適切な情報発信に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
○副議長(池本敏朗君) 教育長鍵本芳明君。 〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕