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03月07日-05号

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  1. 岡山県議会 2019-03-07
    03月07日-05号


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    平成31年 2月定例会          ◎ 平成31年2月岡山県議会定例会会議録  第5号〇 平成31年3月7日(木曜日)                  議  事  日  程                  午前10時開議第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 一般質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時開議 ○議長(高橋戒隆君)  皆さん,おはようございます。 これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 一般質問 ○議長(高橋戒隆君)  日程に入り,一般質問を行います。 40番増川英一君。   〔 40番 増川英一君 登壇 〕 ◆40番(増川英一君)  皆さん,おはようございます。 公明党岡山県議団の増川でございます。 本日最初に質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは,早速ですが,通告に従いまして,質問に入らせていただきます。 まず初めに,県の施策推進のため設置されている庁内の部局横断組織についてお伺いいたします。 県政の課題解決のため,従来の縦割り行政による業務の画一化を廃して,施策の総合調整を強めることを目的として,庁内に部局横断組織が設置されております。これまで,議会質問で何度も部局横断組織,いわゆるマトリックス組織で取り組む趣旨の御答弁がありました。最近では,外国人材受け入れ,共生に関する庁内連絡会議や,東京オリンピックパラリンピックキャンプ誘致等推進プロジェクトチームなどが挙げられております。また,長期間のテーマになる岡山県中山間地域活性化推進会議や新エネルギービジョン推進会議,岡山県子どもの貧困対策会議などの組織もあります。 そこで,お伺いいたします。 どの組織も,県政の重要課題について,施策推進のために取り組まれていますが,この組織の重要性など,まず知事の御認識をお聞かせください。 各組織で会議を開催するなどして,あるいは情報を共有したとされていますが,例えばおかやま新エネルギービジョンの中の小水力発電の整備などは指標を定めているわけですが,未達成の現状について,具体的にはどのような議論と,他の部局からの提案や適地の情報提供があったのか,そしてどのような取り組みや成果があったのか,お示しください。 また,会議が開催されていない組織もあるようですが,個々の内容や具体的なアウトプットなど,成果の確認は全庁的にどこで確認するのでしょうか。やはり総括や議論を確認する仕組み,機能や部署の設置が必要と考えますが,いかがお考えでしょうか。あわせてお伺いいたします。 次に,防災対策として,業務継続計画(BCP)並びに地域防災計画等の見直しについてお伺いいたします。 昨年の7月豪雨災害での対応や検証委員会の結果を踏まえ,今後の南海トラフ地震や,台風や豪雨など,風水害への対応に向けての見直しを行わなければなりません。 そこで,以下,お伺いいたします。 まず初めに,雨季などの前に,できるだけ早いBCPの見直しと最終的な地域防災計画策定が望まれます。それぞれ,目標の時期はどうお考えでしょうか。 また,どのような項目について見直しを行うのか。特に,指示系統の強化,被災者支援のための市町村支援体制づくりや,最低72時間,県民局を含むオール県庁で災害対応するための燃料の確保など,見直すべきですが,あわせてお伺いいたします。 特に,リエゾン派遣については,市町村が受け入れ体制とその業務を市町村の防災計画等に明記されるなどの連携があって初めて生かされると思います。お考えをお聞かせください。 また,豪雨災害で大きな課題となった広域受援・市町村支援計画についても見直すべきですが,お考えと,組織や職員の皆さんの継続的な体制づくりのお考えをお聞かせください。 関連して,多国籍にわかる防災情報提供を強化しなければなりませんが,御対応をお聞かせください。 特に,観光危機管理の充実は重要です。国内に多くの観光地を有する我が国にとって,観光業は主要産業となっています。インバウンドに取り組む本県として,海外からの旅行者に対してもさまざまな対策が必要です。昨年7月豪雨災害以降も,9月には台風21号の上陸や北海道胆振東部地震での大きな被害が発生し,関西国際空港や新千歳空港が一時閉鎖され,札幌市内のホテルではブラックアウトによる停電等で観光客に大きな影響が出ました。とりわけ,外国人観光客にとっては,多言語での災害・交通・避難情報が十分でないなど,対応に大きな課題を残しました。 そこで,以下,具体的にお伺いいたします。 まず,地域防災計画などに,外国人を含む観光旅行者に対する防災,災害時の支援体制や対応等を定めるべきですが,今後の取り組みについてお尋ねいたします。 さらに,災害時の外国人観光客への情報伝達も重要であります。具体的には,災害情報の多言語化などが求められますが,今後,どう取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 続いて,洪水予報河川,特に旭川下流域における水位予測等について,昨年の7月豪雨災害を踏まえ,全庁を挙げて取り組んでいる今後の対策をお伺いいたします。 これまでも取り上げてまいりましたが,大雨が予想される場合は,雨量の予測やダムへの流入量や,ダムからの放流による下流の水位上昇の予測など,河川に及ぼす影響を把握し,住民へ適切に伝えていくことが重要であります。とりわけ,下流域へ大きな影響を及ぼす旭川ダムについては,洪水時に自治体や住民がみずから避難行動を行うためにも,水位予測は有効であり,同様の意見は災害検証委員会でも出ております。 県は,これまでにも,平成26年に旭川ダムにおいて,今後の降雨予測情報等をもとに,ダムへの流入量を予測するシステムを導入し,実際に事前放流に活用するなど,さまざまな努力をしてきたことは大変評価しておりますが,いまだ,いつ,どの程度の水位上昇が起こるかを下流域の住民に示すといった情報には,残念ながら至っておらず,早期に実現させることが望まれます。しかも,この情報が,今後改定する防災ポータルに反映されるものと考えます。 そこで,以下,お伺いいたします。 現在,県では,旭川ダムの放流量や流域の雨量などを踏まえた水位情報の提供ができるよう,旭川の洪水予報河川の指定に向けて関係機関と検討,検証を進めていますが,現在の進捗状況や課題と今後の予定についてお伺いいたします。 また,今回の豪雨災害のような大災害を防ぐには,旭川だけでなく,県管理のほかの河川にも取り組みを拡大していくべきですが,あわせてお伺いいたします。 次に,河道内整備実施計画策定事業についてお尋ねいたします。 しゅんせつや樹木伐採などの河道内整備は,河川の流下能力を維持するために重要であります。7月豪雨に代表されるように,近年,雨の降り方が局地化・集中化・激甚化しており,県民の皆さんの洪水に対する防災意識が高まっている中で,河道内に堆積した土砂や樹木に対する不安は増大しております。 現在,河川の樹木伐採,河道掘削が急ピッチで進められておりますが,県下全ての河川について十分な対応ができているとは言いがたく,全ての県管理河川を対象にした同様の樹木伐採や河道掘削などが必要であります。 そこで,限られた予算の中で,効果的,効率的に河道内整備を実施するには,しっかりした計画を立案し,着実に計画を実行することが必要ですが,来年度策定予定の河道内整備実施計画はどのような方針で立案されるのかお伺いいたします。 また,計画を着実に実行するには,十分な予算の確保が重要です。ふるさとの川リフレッシュ事業などの増額を行うべきですが,あわせてお伺いいたします。 また,昭和47年4月1日以降,県管理河川の河川敷における砂利の採取は,基本的に全面禁止されておりますが,それから約半世紀が経過しており,河川内にも砂利が堆積し,災害のおそれのある箇所がかなりあると思います。 そこで,お伺いいたします。 この際,計画的に民間の力も活用しながら,河川の砂利を採取し,管理することによって,川砂利を活用もしながら,速やかにしっかりと河道掘削など進めるべきと考えますが,いかがでしょうか。お伺いいたします。 関連して,真備町の防災と復興支援についてお伺いいたします。 発災から8カ月になります。今も約8,600人もの方々が仮設住宅での生活を続けていらっしゃります。復興への動きを加速しなければなりません。 昨年,私どもは公明党岡山県本部として,県内で一番被害が大きかった真備町に現地災害対策本部を設置し,被災者の皆さんに寄り添ってまいりました。現在,町の様子も少しずつ変化してきておりますが,被災者の声を聞くと,さまざまな課題が浮き彫りになってまいります。その声をお伝えし,知事の御所見をお伺いいたします。 末政川等の改修に伴い,土地の買収等の可能性のある皆さんの中には,「敷地の一部を買い取られても,残地では生活の再建は不可能で,全部を買い取ってほしい」また,「土地の一部を借り上げ,数年後に返還するといっても,現実的には不可能,同じく買い取ってほしい」また,既に被災地での生活を始めていらっしゃる方は,「このままここで暮らしたい」それに,「説明会は開かれたが,十分な説明がなく,要望を聞いてもらえていない」など,県当局に対する不満を感じている方もいらっしゃると聞いております。この件につきまして,経過と今後の対応についてお聞かせをください。 そして,丁寧に個別に相談を聞きながら対応していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 被災者の皆さんには,それぞれの事情やお考えもあります。行政としても,大きく包み込み,被災地と被災者の皆さんに寄り添っていくことが一番大切と考えます。先般の我が会派の代表質問の御答弁でも,「丁寧に対応していきたい」とのお話がありました。知事のお考えをお聞かせください。 また,被災者の中には,高齢で住宅の再建をすることができない方から,災害公営住宅に住みたいとの希望と同時に,入居したくても,本当に災害公営住宅に入居できるのかとの不安の声がありますが,県としては,倉敷市と連携して,どのように要望に対応されるのかお聞かせください。 先日の報道では,倉敷市が調査の結果,200戸を整備する方針を明らかにされていますが,県として,戸数の考えや倉敷市の応援はどのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。 次に,今回のような災害で被害を受けた家屋の補修,建設や新築,または中古住宅の購入のために資金の融資を受けた被災者に対し,市町村が独自に被災者支援制度として利子補給を行う場合,県では,これまで災害ごとに,災害復興住宅建設資金等利子補給補助制度を創設し,市町村に対し,その費用の一部を補助してきました。このたびの災害においても,本制度により支援をしてはいかがかと考えますが,今後の御対応についてお聞かせください。 また,今後,真備町で生活をする上で,住民から,「町が一度水につかってしまったのだから,一度洗い流してほしい」との要望がありました。住民の皆さんは,それぞれの住まいの周りはきれいにされていますが,問題はふたのかかった側溝や住民の手の届かない用水,側溝の清掃であります。倉敷市や岡山市などの冠水地域の清掃について,市町村と連携し,側溝を完全かつ早期に清掃すべきと考えますが,御所見をお聞かせください。 次に,現在の真備町の夜の街は,本当に暗い状況であります。特に,国道486号,県道279号,280号には,都市照明としての街灯はほぼありません。「まず,人の住む街の明かりを取り戻すことだ」との声があります。 そこで,県管理道路において,通常の規定とあわせて,真備町など被災地域の復興の観点から,道路照明の増設を考えるべきと思いますが,御所見をお伺いいたします。 最後に,平成30年7月豪雨の被災者の方は,市町村国民健康保険でいえば,幾つかの要件を満たせば,医療機関等の窓口負担が免除となります。現場でお話をお伺いしますと,償還給付で対応されている方がおられましたが,どのくらいの件数になるのか。また,免除証明書の発行件数はどれくらいになるのか,お聞かせください。 また,十分な周知ができていないとも伺います。市町村と連携して,支援が必要な方への制度周知,並びに期間の延長が必要だと考えますが,あわせて保健福祉部長にお伺いいたします。 次は,不妊症,不育治療についてお伺いいたします。 本県においても,近年,不妊で悩む方々もふえていると聞きます。国の調査によりますと,夫婦3組に1組が不妊を心配したことがあり,5.5組に1組が不妊の検査・治療の経験があるとのことであります。また,2015年に行われた体外受精で生まれた赤ちゃんは5万1,001人で,過去最多となっており,全出生児数の約5%にも上っております。 このような状況の中,県では,岡山大学病院内に「不妊・不育とこころの相談室」を設置し,精神的な面でのサポートを含めて,相談に取り組むとともに,不妊治療を受けられる御夫婦の経済的な負担軽減のために,「不妊に悩む方への特定治療支援事業」を実施しております。 また,本県では,国の制度に先駆けて,男性の不妊治療への助成を制度化するなど,これまでも積極的な支援を行ってきています。 そこで,お尋ねいたします。 まず,本県における不妊についての相談件数の状況,特定治療支援事業による助成件数の状況はいかがでしょうか。保健福祉部長にお伺いいたします。 また,特定治療支援事業の対象となっていない人工授精などの一般不妊治療や不妊検査の費用についても助成を行う自治体がふえています。県内においても,独自に実施している市町村があります。検査や治療に早期に取り組むためには,環境づくりは重要と考えます。本県においても,不妊に悩む御夫婦の経済的な負担を軽減するため,また出生率の向上のために,不妊検査や一般不妊治療への支援を行ってはと考えますが,いかがでしょうか。 あわせて,不育治療について,検査料の支援はどうでしょうか。適切な検査などで,母体内の赤ちゃんを守ることができますが,いかがでしょうか。お伺いいたします。 最後に,留学生等就職支援事業についてお伺いいたします。 今回,外国人材の円滑な受け入れと留学生等の県内企業への就職を促進するために,就活の基礎やスキルを身につける就職支援セミナーの開催や留学生等と県内企業との交流会等の開催のほか,外国人材受け入れの法的な手続等についての周知を行うこととしております。今回の支援事業については,留学生にかかわる関係者の皆様が大変に喜ばれております。 そこで,以下,お伺いいたします。 まず,知事は,県内の留学生に対して,どのような御認識をお持ちでしょうか。そして,この事業の目指す姿,目標について,お考えをお聞かせください。 現在,広島県では,先進的に取り組んでいて,岡山県内の大学にまでバスで迎えに来ています。また,広島県内の大学での出張セミナーを行ったり,全国の留学生にも情報提供をしています。本県も,さまざまな施策を行うこととしていますが,留学生等の県内就職促進のために,まずは県内の関係の教育機関や大学などと連携したセミナーの実施などは考えられませんでしょうか。 さらに,この事業の委託先の選定条件などについて,あわせて産業労働部長にお伺いいたします。 さて,関連して,県民生活部の事業になりますが,留学生等就職支援事業は,国際交流センター内に国の交付金を活用して開設し,外国人の生活相談等を行う「岡山県多文化共生総合相談センター(仮称)」との連携が必要ですが,そのお考えと,さらに進んで,総合相談センターに留学生等の就職支援機能をつけ加えることについてのお考えをあわせてお伺いいたします。 今後,将来の対応を担う制度であります。十分なお取り組みをよろしくお願い申し上げます。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  公明党の増川議員の質問にお答えいたします。 まず,部局横断組織についての御質問であります。 重要性についてでありますが,部局横断組織は,部局をまたがる行政課題に対し,関連する施策の情報交換や連絡調整などを行うことにより,組織を構成する関係部局が企画立案する施策の一体性を確保し,重複を防ぐなど,重要な機能を持つものであると考えております。 次に,成果の確認等についてでありますが,新エネルギービジョン推進会議では,小水力発電に関しては,整備促進に向けた各部局からのデータの提供や研修会開催についての情報交換を行っており,関係部局共催により開催した研修会の参加市町村が,新たな発電事業に向けた調査・試験を行うなど,一定の成果につながっております。また,各組織の成果の確認や総括は,事務局を担う部局が行っており,お話の部署の設置等は考えておりませんが,引き続き,施策の効果的な推進に向け,関係部局の連携を図るなど,部局横断組織の活用に努めてまいりたいと存じます。 次に,業務継続計画等の見直しについての御質問であります。 時期等についてでありますが,ことし4月までには改正案を固め,出水期に対応できるよう見直したいと考えております。 また,検証委員会において,防災関係部局の課長が集まり,情報共有等を行う場が必要との意見があったことなども踏まえ,災害対策本部の組織を見直すほか,非常用発電機の72時間化を,本庁に続き,県民局についても進めるとともに,これに必要となる燃料が円滑に調達できるよう,関係機関との連携強化に努めてまいりたいと存じます。 次に,リエゾンの受け入れ体制等についてでありますが,お話のとおり,県が派遣するリエゾンについて,市町村が受け入れ体制等を明確にしておくことは大変重要なことから,今後,市町村に対し,こうしたリエゾンの活動内容の周知を図るとともに,市町村災害対策本部の規程に位置づけるなど,受け入れ体制の整備を要請してまいりたいと存じます。 次に,受援計画についてでありますが,7月豪雨災害の経験や,検証委員会での議論を踏まえ,本県の受援体制の充実強化を図る必要があると考えており,既に見直しに着手しているところであります。こうした見直しに加え,これまでの災害業務経験者をリスト化した職員データベースの作成を進めるなど,継続的な体制づくりに努めてまいりたいと存じます。 次に,観光危機管理のうち,計画についてでありますが,観光客には土地カンがないなど,危機管理上,留意すべき特性があり,特に外国人旅行者には言語という大きな課題もあります。全国の自治体では,災害時における観光客への対応等を,初期対応を担う観光事業者向けマニュアルに定めている例もあり,効果的な支援を行う上でどのような手法が適当か,先進事例等を踏まえながら,検討してまいりたいと存じます。 次に,情報伝達についてでありますが,北海道胆振東部地震後のアンケートにおいて,母国語や英語による発災直後の情報提供や避難行動指示等の必要性が明らかとなっており,県としては,今年度中に,災害時に多言語での情報収集に利用できるカードを岡山桃太郎空港等で配付するほか,国が作成した訪日客の宿泊時における災害時初動対応マニュアルの活用を県内事業者に働きかけてまいりたいと存じます。 次に,洪水予報河川についての御質問でありますが,現在,旭川ダム下流県管理区間について,予測水位の精度検証や国との協議を行っているところであり,関係機関のシステムとの連携など,技術的な面での課題はあるものの,2019年度,平成31年度の指定に向けて,作業を進めているところであります。 また,旭川以外の県管理河川においても,水位情報の収集・分析や関係機関との協議を行い,今後,できるだけ多くの河川について,指定できるよう取り組んでまいりたいと存じます。 次に,河道内整備実施計画策定事業についての御質問であります。 方針等についてでありますが,効率的・効果的にしゅんせつ等を実施できるよう,河道の現状を把握した上で,優先度や管理基準などを盛り込んで立案してまいりたいと考えております。 また,リフレッシュ事業については,来年度,見直しを検討することとしておりますが,国の3か年緊急対策も活用するなど,必要な予算確保に努め,策定した計画を着実に実施できるよう努めてまいりたいと存じます。 次に,川砂利の採取についてでありますが,民間の力を活用した川砂利の採取は,過剰掘削や水質汚濁の防止など,慎重に検討すべき課題があるものの,河川の維持管理や資源の有効活用につながるものと考えております。このため,来年度策定予定の河道内整備実施計画において,発生土の活用や,処分の方針について検討することとしており,この中で,国や他県の取り組みも参考にしながら,民間の力を活用した川砂利の採取についても検討してまいりたいと存じます。 次に,真備町の防災と復興支援についての御質問であります。 土地の買収等についてでありますが,これまでに計11回の地元説明会を開催するとともに,個別説明を行ってきた中で,用地買収の範囲など,さまざまな意見や要望をいただいているところであります。住民の方々には,それぞれ個別の事情があることは十分理解しており,引き続き,丁寧な説明に努めるとともに,個別に相談も受けながら,しっかりと対応してまいりたいと存じます。 次に,災害公営住宅についてでありますが,倉敷市において,自力での住宅再建が困難な被災された方のために,真備町地区に約200戸の災害公営住宅を整備されると聞いております。整備戸数については,市において,被災者の意向に沿えるよう,適切に判断されるものと考えており,市が作成する具体的な整備計画について,必要な助言等を行ってまいりたいと存じます。 次に,災害復興住宅建設資金等利子補給補助制度についてでありますが,大規模災害が発生した際に,被害の状況や市町村の要望等を踏まえ,被災者に対して市町村が独自に行う利子補給への補助制度を創設し,市町村の取り組みを支援してきたところであります。 今後,市町村から,補助制度について要望があれば,必要な支援について検討してまいりたいと存じます。 次に,側溝の清掃についてでありますが,冠水地域の側溝清掃については,それぞれの道路管理者で行っており,県では,冠水地域において,お話のふたがかかっている側溝等についても,高圧洗浄により土砂等を除去するなど,清掃を行い,広範囲に冠水した真備町地区を除いて完了しております。残る真備町地区についても,鋭意作業を進めているところであり,年度内におおむね完了する見込みであります。 次に,道路照明の増設についてでありますが,道路照明は,道路交通の安全・円滑を図るため,国の基準に基づき,信号機の設置された交差点や横断歩道などにおいて設置しているところでありますが,防犯灯との役割分担も踏まえ,交通安全上,必要性が認められる箇所については,道路照明の設置について検討してまいりたいと存じます。 次に,不妊症等の治療についての御質問であります。 支援制度についてでありますが,特定不妊治療である体外受精や顕微授精は,保険適用とならず,費用も高額となるため,県では,2004年度,平成16年度から費用助成を行っているところであります。不妊や不育治療のための検査料や一般不妊治療費への助成については,出生率の増加に結びついているかどうか,既に制度を導入している他の自治体の成果や国の動向も踏まえながら,今後,研究してまいりたいと存じます。 いずれにしても,子供を産みたい人の希望がかなう環境づくりに取り組んでまいりたいと存じます。 最後に,留学生等就職支援事業についての御質問であります。 目標等についてでありますが,留学生は,我が国と出身国双方の言語や知識を有する人材であり,産業のグローバル化が進展する中,県内での活躍を大いに期待しております。しかし,昨年度,県内に就職した本県留学生は,卒業生の約1割にとどまっており,入学早期からの就職意識の啓発や企業との相互理解の促進により,多くの留学生の就職につなげ,県内就職率を高めてまいりたいと存じます。 次に,多文化共生総合相談センター(仮称)との連携についてでありますが,留学生や県内企業を対象としたセミナー等を開催する際には,相互に連携を図ってまいりたいと存じます。 また,センターに就職支援機能を加えることは,現時点では考えておりませんが,まずはセンターとしっかり連携し,留学生等の就職支援に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  お答えいたします。 真備町の防災と復興支援についての御質問であります。 医療機関等の窓口負担免除等についてでありますが,市町村国保において免除された延べ件数は,12月末で約2万8,000件,そのうち償還給付は約1,400件,また免除証明書の発行件数は,2月末までで約3,600世帯となっております。また,市町村では,相談窓口での周知や広報誌への掲載などを行っており,県でもチラシを作成するなど,制度の周知に努めております。 免除期間の延長に係る財政支援については,国の判断により行うものであり,適宜,被災市町村の実情等を国に伝えてまいりたいと存じます。 次に,不妊治療等の治療についての御質問であります。 相談等の状況についてでありますが,昨年度,相談件数は599件,体外受精,顕微授精や男性不妊治療に対する助成実績は2,171件となっております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  産業労働部長横田有次君。   〔 産業労働部長 横田有次君 登壇 〕 ◎産業労働部長(横田有次君)  お答えいたします。 留学生等就職支援事業についての御質問であります。 就職促進等についてでありますが,留学生向けのセミナーや企業交流会を開催する際には,大学コンソーシアム岡山などを通じて,留学生の積極的な参加を呼びかけるなど,関係機関と連携を図ってまいりたいと存じます。 また,委託先については,本県から企業向けセミナーなどを受託した実績があり,十分な業務遂行能力と適正な執行体制を有することなどを条件として企画提案を募集し,選定してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  40番。   〔 40番 増川英一君 登壇 〕 ◆40番(増川英一君)  御答弁ありがとうございました。 何点かお伺いしたいと思います。まず要望ですが,洪水予報河川,特に水位の予測等について,本当にいろいろな研究をされて頑張っていただいていると思います。ぜひ早期の提供と,そういった形になることと,それからほかの河川への拡大,ぜひともよろしくお願い申し上げます。これは要望でございます。 順番が前後するんですけれども,留学生等の就職支援事業についてです。今回,予算をつけていただいて,しっかりとした取り組みをしていただくわけなんですけれども,最後に聞いた質問で,ワンストップの総合相談センターをつくっていくということはやはり大事なことだと思います。それと今,実際,国際交流センター内でいろんな相談を受けて,それに対するさまざまな活動をしていただいておりますので,そういったことを考えてみて,できないことはないと思いますので,ぜひもう一度,ワンストップの総合相談センターをつくるべきだと思いますが,もう一度,お考えをお聞かせください。 それから,部局横断組織について,マトリックス組織についてなんですけれども,重要な組織だというお話を知事からもいただきました。私もそう思いまして質問したわけです。先ほど,小水力の発電についても,大変活発な成果の出る議論がそこであったという報告がありました。そういったことからいいますと,全庁的な組織まではつくれないというお話だったんですけれども,せめてそういった中で議論してきたことを,県民の皆さんに伝えていくような仕組み,担当部局がどこになるかわかりませんけれども,例えば行革推進室等で,そこのホームページの中の特設バナー等を設置したり,ホームページに載せたりすることとか,何らかの広報ができないものかと。県民のいろんな皆さんが気にしている,そういう政策ですので,ぜひ活発な議論を御紹介いただけたらと思います。再度,お伺いをいたします。 それから,災害復興住宅建設資金等利子補給補助制度について,要望があればというお話ではあったんですが,この制度は,今までの事例を見ても,現在の取り組みは当てはまると思いますので,やはり県としてぜひ制度をつくってもらって,そのことによって,ほかの市町村も,被害を受けた中で手を挙げる方もあると思います。ぜひ県からしっかりと提示していく,こういう被災者に寄り添う取り組みをしていただきたいと思います。再度お伺いいたします。 それから,道路照明について,今後確認をしていくということだったんですけれども,まず本来の県管理道の基準となるところには全部つけているかどうか,まずは確認をしていただきたいと思います。もし確認していらっしゃったら教えてください。 今の時点では増設は考えないとのことなんですけれども,復興の観点,復興の際には,やはりそれに応じた計画的な道路照明,そういったものの増設の基準づくりをしていくべきだと思いますが,いかがでしょうか。お伺いいたします。 それと,最後になります。先ほど,聞き漏らしたかもしれないんですが,少しわかりにくかったので。地域防災計画の中に,外国人を含む観光旅行者に対する支援体制等を定めるべきとお伺いしたんですが,これに対して,もう一度,定めるお考えがあるかどうか。もし,できないとすれば,どういったことが課題としてあるのかお聞かせいただけたらと思います。 以上で2回目の質問終わります。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  再質問にお答えいたします。 留学生,これは大変大事なものなので,就職に当たってはワンストップでどうかということでありますけれども,留学してもらう,留学した後,就職をしてもらう,これは岡山県の人口がなかなか下げどまらない中にあって,大変重要なことでありまして,ぜひとも外国人の力も岡山県の活力のために生かしたいと思っているわけであります。それが,県庁内の機構の変革もそうなんですが,全部ワンストップ,全部窓口を1つにすると,わかりやすそうなんですけれども,それをどんどんどんどんやると,本当に組織全体として,逆に混乱する可能性もありますので,留学生の就職が大事だということで,総合的に成果を出していきたいと,このように思っております。数年先に,もしかしたらワンストップのほうがいいという結論が出るかもしれません。 あと,部局横断の組織をつくった場合に,その広報ができないかということでありますけれども,一般論として,県庁内で議論があって,外に向けて,何か1つ方針を決めたということであれば,きちんと広報をすべきであります。それぞれの部局横断組織については,担当課というものを決めているわけでありますので,主にその担当課が責任を持って広報すべきだと考えております。 利子補給制度,住宅再建に取り組む皆さんを応援する,それぞれの市町村の制度,これを県のほうから言ってはどうかということでありますけれども,県としてはまず,被災地,被災者に直接応援をしていくということでありまして,間接的に被災者を応援している組織を応援するべきかどうかについては,まず,その組織からの要望があるかどうかを大変重視しているわけでございます。これからも,何かお話がありましたら,しっかり連携をとっていきたいと考えております。 道路の照明については,担当から答弁をさせます。 地域防災の外国人の位置づけということでありますけれども,答弁いたしましたとおり,全国の自治体,災害時における観光客への対応等を,初期対応を担う観光事業者向けマニュアルに定めている例もあり,効果的な支援を行う上でどのような手法が適当なのか,先進事例等も踏まえながら,これから検討してまいりたいと,そのように考えているところでございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(高橋戒隆君)  土木部長樋之津和宏君。   〔 土木部長 樋之津和宏君 登壇 〕 ◎土木部長(樋之津和宏君)  再質問にお答えいたします。 真備町地区の道路照明の増設という件でございます。 現状を把握・確認しているかという御質問であります。道路交通安全上,必要な箇所については,現時点では設置されていると考えておりますけれども,地元要望も含めて,現地調査を行い,設置については今後検討してまいりたいと考えております。 それと,復興の観点からの新たな基準づくりということでございますけれども,やはり道路管理者という立場で考えると,都市内の照明には,防犯灯とか,道路を照らす照明とか,いろいろ役割がありますので,道路管理者としては,まずは交通安全上,必要と認められる箇所について,それが適切に設置されているかどうかという観点から,設置について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  以上で増川君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 4番高橋徹君。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  皆さん,こんにちは。 民主・県民クラブの高橋徹です。 体調の悪い日もあるかもしれませんが,しっかり元気で頑張ってまいりたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 国民的アイドルグループの嵐が,2020年末をもって活動を休止すると発表いたしました。嵐といえば,昨年の西日本豪雨発災直後の7月23日に,メンバーの二宮和也さんが岡山県庁を訪問され,義援金5,000万円を寄附してくださいました。また,倉敷市真備町の避難所にも足を運ばれ,被災者の方々と交流されました。二宮さんの言動に,被災住民のみならず,多くの県民が励まされたことは記憶に新しいところです。その3日前の20日には,同じくメンバーの松本潤さんが,広島,愛媛両県を訪れ,それぞれ義援金5,000万円を贈り,やはり被災現場に足を運んでおられます。 新聞報道によれば,活動休止を表明した嵐に対して,知事は,「被災3県でコンサートをしていただければ,皆さんが喜ばれるだろうと思う」と胸中を明かし,さらに「岡山県として何か御一緒させていただける機会があればうれしい,我々はいかようにでも対応できる」と話されました。老若男女を問わず,絶大な人気を誇る嵐だけに,西日本豪雨災害被災地でのコンサートが実現すれば,被災地に笑顔と元気をもたらすことは間違いありません。とりわけ,岡山県では,過去に嵐のコンサートが開催されたことがなく,根強い待望論があります。 嵐は,2015年に東日本大震災の被災地宮城県で,4日間にわたり,復興支援コンサートを開催しています。20万人以上の観客を動員し,90億円を超える経済効果があったと試算されています。コンサート開催に当たっては,宮城県知事を初め,宮城県庁の熱心な誘致活動があったと聞きます。被災された方や県民の皆様の復興への気持ちを盛り上げるため,被災3県,とりわけ岡山県における嵐のコンサート誘致に積極的に取り組んでいただきたいと思いますが,知事のお考えを伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕
    ◎知事(伊原木隆太君)  民主・県民クラブの高橋議員の質問にお答えいたします。 復興支援コンサートの誘致についての御質問でありますが,県内で嵐のコンサートが開催されれば,復興に向け,多くの方に元気を届けていただくことになり,大変ありがたいと考えております。非常にお忙しい方々であり,簡単ではないと思いますが,もし県内で開催していただけるということであれば,嵐の皆さんを初め,コンサートに参加するため,岡山へお越しになる方々も含め,全力でおもてなししたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  前向きな御答弁をありがとうございました。 大変な目に遭った方が,嫌なことや厳しい現実をひととき忘れて,上質なエンターテインメントを楽しんで,そしてあしたからまた頑張ろうというようなお気持ちになっていただくのも,被災者支援の一つの形だろうと思っておりますので,ぜひ,ハードルは高いと思いますが,前向きな取り組みをお願いしたいと思います。 それでは,次の質問に移ります。 いわゆる改正入管難民法が成立しました。この改正法は,新たな在留資格「特定技能1号」,「特定技能2号」の創設と,出入国在留管理庁の設置等を定めるものです。 私は,深刻な人手不足と急速な少子高齢化を鑑みれば,中長期的な外国人労働者の受け入れ拡大は不可避だと考えますが,国会で十分な審議がされたとは到底思えません。問題点の多い法改正だと受けとめていますが,国会の議論を焼き直しても生産的ではないので,ここでは法改正に伴う今後の県の対応について質問,提案いたします。 政府は,特定技能1号の在留資格者として外国人材を受け入れる14業種について,2019年度から5年間の受け入れ見込み数を最大で約34万5,000人としています。県の対応を考える前提として,県内の外国人労働者数の推移を予測することは重要です。今後5年で,県内の特定技能1号外国人労働者は,14業種においてどの程度の受け入れが見込まれると考えますか。また,技能実習生や留学生などを含めた外国人労働者の総数は,直近の1万6,000人強に対し,どの程度ふえると見込んでいますか。あわせて,産業労働部長に伺います。 法改正を受け,政府は,「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」を取りまとめました。これを見ると,外国人労働者を受け入れるにはさまざまな視点が必要だということがわかります。地域の労働力確保にフォーカスした産業振興の視点,労働環境の整備や適切な雇用管理など労働問題の視点,外国人と共生する多文化共生の視点,人口減少に歯どめをかけ,地域振興につなげる地方創生の視点などです。 私は,今回の法改正により,今すぐ大きな問題や変化が発生するとは思っていませんが,10年,20年という時間軸の中では,我が国やその地域社会を変容させるインパクトを持つ政策転換だと受けとめています。外国人材の受け入れ・共生には,機会と脅威の両面があり,成り行きに任せるのではなく,中長期的な視点を持ち,明確な意思と戦略をもって積極的に対処するべきだと考えます。 外国人材の受け入れ・共生について,県はどのように捉え,どのような方針に基づき対応しようと考えているのでしょうか。知事のお考えを伺います。 宮城県では,外国人との共生に関する基本理念を明確にするとともに,さらに広く県民に共通の認識に立ってもらうことを目的として,2007年に「多文化共生社会の形成の推進に関する条例」を公布・施行し,条例に基づき,2009年に5カ年計画である「宮城県多文化共生社会推進計画」を策定しています。同計画は,部局横断型の総合計画で,検証をもとに,5年ごとに修正を加え,2014年からの第2期計画を経て,来年度から第3期計画をスタートさせる予定です。 私は,多文化共生は,政府の「総合的対応策」に示されているように,外国人材受け入れへの対応を含む幅広い政策領域と捉えるべきだと思います。政策分野は,社会保障,教育,防犯,交通安全,消費者トラブル,災害時の対応,住宅確保,人権問題,格差や貧困など,多岐にわたることから,オール県庁体制で取り組む総合計画が必要だと考えますが,宮城県の事例に対する評価も含め,県として,多文化共生社会の推進にどのように取り組むのか,知事の御所見を伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 外国人材の受け入れ・共生についての御質問であります。 まず,方針についてでありますが,外国人材の受け入れは,県内企業の人手不足の解消にもつながる一方,言語や慣習等の違いによるさまざまな課題の発生も指摘されており,外国人材を適正に受け入れ,日本人と外国人が安全・安心に暮らせる社会の実現を目指す必要があると考えております。このため,国等とも連携しながら,受け入れを考えている県内企業に対する適切な情報提供等の支援や,多言語で対応できる相談体制の強化などに取り組んでまいりたいと存じます。 次に,多文化共生社会の推進についてでありますが,本県ではこれまで,岡山国際交流センターでの相談対応,日本語教室の開催,サポーター派遣事業などにより,外国人が暮らしやすい地域づくりを進めてまいりました。 入管難民法の改正等により,外国人材のさらなる増加が見込まれる中,現時点では,宮城県のように条例を制定することや,お話のような総合計画を策定することまでは考えておりませんが,多言語で相談に対応できる体制の強化を進めるとともに,関係部局による情報共有や課題整理を行っているところであり,今後,これらの相談状況や検討結果を踏まえ,外国人材が地域社会の一員として安心して暮らせる多文化共生社会の実現に向けた施策の充実を図ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  産業労働部長横田有次君。   〔 産業労働部長 横田有次君 登壇 〕 ◎産業労働部長(横田有次君)  お答えいたします。 今後の外国人労働者数の見込みについてでありますが,本県への受け入れについては,今後の経済情勢や就業構造の変化,新たな受け入れ制度の普及状況等に大きく影響を受けることから,現時点で今後5年間の受け入れ人数を見込むことは困難と考えております。 なお,あくまで参考ではありますが,全国の就業者数に占める本県の割合や,過去における県内外国人労働者数の伸び率などを用いて単純に試算した場合,特定技能1号の外国人労働者は5,000人,外国人労働者全体では2万人程度ふえることになります。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  ありがとうございました。 あえて話をわかりやすくするために,ポジションをとって私の問題意識を申し上げようと思いますが,地方創生の取り組みが本格的に進行する中にあって,人口減少とそれに伴う労働力不足の緩和に向けた解決策,その切り札として,外国人材の導入があるんだという考え方もあると思います。ただ,そういうことを明確に位置づけている自治体というのはほとんどないというのも一方の現実だろうと思います。 私は,人口減少が進む地方では,今後,外国人材の積極的な受け入れにかじを切らざるを得ないと思っておりまして,将来的には,観光客や移住者と同様に,外国人労働者を自治体間で奪い合う,そういう状況が生じる可能性もあると思っています。例えば,他県に先行して,外国人の方に対する魅力を持っていただけるような地域をつくり,アピールをすると。外国人の方が働きやすく,暮らしやすい社会をつくる。そういう外国人誘致策を進めるということも,地方創生の一つのモデルだろうと思っています。実際,美作市などはそういう方向性を打ち出しておられると思います。岡山県において,外国人の増加そのものを肯定的に捉えるか否か,十分な検討は加えられてないと思いますけれども,そういう基本的な立ち位置について,今後,検討をするかどうかについても,改めて知事のお考えを伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  岡山県として,今,外国人受け入れをいいことと思っているのか,そうでないのかということであります。ここで言う,外国人というのが大変広い意味を持っております。国策として,このように受け入れを拡大するということを決めたと。これについては賛否両論あるわけでありますけれども,人材の面で,外から見ると,日本はほとんど鎖国してるのに近いですよねと言われることがあります。自国民が減っているときにそのままでやっていけるのかと言われると,なかなか難しそうですが,では,国境を開けば,全てが解決されるのかということになると,先進的に一世代前から取り組んでいる他国の事例を見ても,簡単ではないということがすぐわかるわけであります。我々にとって,それぞれの地域の皆さんにとって,ああこの人たちが来てくれて本当によかったと思っていただけるように,資質や意欲のある方々にぜひ来ていただきたい,このように思っています。 そういう点でいえば,自治体間で競争になることも十分予測されますし,我々から見て好ましい方にぜひ来ていただくような,我々自身の工夫といったものも大変重要になってこようかと思います。ですから,ぜひこの方針をとってよかった,我々としても,工夫をしてよかったと,10年後,20年後に言えるように,しっかり考えていきたいと思っております。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  ありがとうございます。 私,先ほど,あえてポジションをとってと申し上げましたけれど,これ結局バランスの問題だと思います。機会を捉えて積極的に対応するのか,あるいは,脅威に備えて慎重に対応するのか。そういうバランス感覚が問われているのかなと思います。これは自治体によってバランスが違ってもいいと思いますし,あるいは同じ自治体であっても,そのときそのときの社会環境の状況によってポジションを変えても,当然いいとは思うんですが,重要なのは,最適なバランスについてのイメージを持つことと,それが県民的議論として共有されていることだと思います。あわせて,今のポジションというものが適当なのかどうなのかを確認して,状況をコントロールしていくと。先ほど言ったように,10年,20年たってみて,何となく中途半端な対応をしていたら,コントロールできない状況になっていたというのが一番よくないと思っておりますので,そのあたりについて,御見解があればお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  外国人材を受け入れることによるメリット,デメリットのバランスをとる,その現状の認識の共有を図る,もしくはコントロールをする。それぞれ大事なキーワードだなと思いながら聞いたところでございます。 とにかく全てのことについてそうでありますけれども,あることをしてメリットを受ける人,これでよしと思っている人,副作用を心配している人,むしろ悪くなったと思う人が同時にいてもおかしくないわけでありまして,全体としていい方向に来ている,これはよかったと思えるような情報共有や意見交換ができるようにぜひ努めたいと思っております。 私が心配しておりますのが,そういったことができなかった,情報共有ができなかった,もしくは対処が十分でなかったことによって,振り子が大きく振れるということを,私自身心配をいたしております。いやあ,人手不足解消,いいことじゃないかということで,余り心配することもなくだあっと受け入れておいて,何か問題が起きたり,蓄積してきた問題がある閾値を超えたとき,もしくは一つの象徴的な,例えば犯罪が起きたときに,一挙に排斥の方向に向かってしまうというのは,大変残念なことであります。ぜひとも少しずつ,お互いに対する理解が深まるですとか,我々自身,余りなれているわけではありませんので,お互いなれていくですとか,不安定なことにならないように,しっかり努力をしていきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  ありがとうございます。 おっしゃるとおりだと思っております。その状況をコントロールする中で,例えば条例だとか,例えば総合計画だとかということも,一つの手段としてあり得るので,御検討いただければと思います。 その上で,この多文化共生社会ということなんですけれども,この言葉もいろいろありまして,2006年に総務省が「地域における多文化共生推進プラン」を策定して,都道府県とか政令市に通知をしたことから,幾つかの自治体では,実際に指針とか計画がつくられて,宮城もその一つだということなんですけれども,この時代に言っていた多文化共生というのは,主に定住外国人に対する支援とか,あるいは地域住民に対するある種の啓発活動とか,国際交流の延長のようなことが中心で,外国人材の社会貢献を積極的に引き出すというような視点は十分でなかったような気がします。 今考えなければいけない多文化共生というのは,自治体の産業政策や人口政策としっかり連動したものでないといけないと思うんですけれども,その点についてはどうお考えでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  以前の国際交流だとか,外国人とのいろいろなやりとりの視点と,今から必要になるもの,実際に起きてくることは違ってくるんじゃないかというお話でありますけれども,私も大賛成でございます。入り口がお互い,例えば我々でいえば,折り紙の折り方を教えてあげるとか,こけしを一緒につくるといったことでも別に構わないのかもしれませんけれども,実際,多くの外国人材が地域に来て一緒に働くということになりますと,そういう本当に表面の話ではなくて,生活にかかわるいろいろな習慣,文化の衝突といったところから,解決していかなければいけないわけでありまして,実践的な交流ですとか,具体的な課題解決,ルールづくり,そういった本当に意味のある,役に立つことがこれから必要になってこようと思います。そういう点で,他国での実例ですとか,自分自身が外国に飛び込むと,360度,周りがそういう環境でありますので,自分がむしろ,知らず知らずのうちに,摩擦を引き起こす主体となってしまうわけでありますので,そういった経験,いろんな方の経験を踏まえながら,実践的な対応をとっていく必要があると考えています。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目へ移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  知事,ありがとうございました。 多文化共生社会というと,言葉はきれいなんですけれど,言われているとおり,いろいろな側面があります。行政が計画などをつくる場合,どうしてもきれいなところに光が当たるようなつくり方が多いと思うんですが,県民的な議論とか,ある意味そういう脅威の面の議論も含めて,やっぱり対応しなければいけない課題だと思いますので,ぜひ前向きな対応をお願いしたいと思います。 では,次の質問に移ります。 政府の資料によれば,今後,外国人人材受け入れを拡大する14業種に限っても,現時点の人材不足数は58万6,400人,5年後の人材不足数は,最大で145万5,000人になると推定されています。法改正に伴う今後5年間の外国人労働者の受け入れは最大で34万5,000人程度なので,外国人労働者がふえたとしても,それだけで人手不足は解消できません。同じ業種内であれば,転職が可能な新制度のもとでは,外国人労働者も首都圏へ一極集中する可能性があり,地方の労働力不足は楽観できる状況にありません。 現在でも,企業誘致において,企業が立地先を選定する際に,数十年にわたって当該地域で良質な労働力を確保できるかどうかが重要な判断基準となっていますが,今後ますますその傾向は強まりそうです。産業人材の確保・育成は,地域の成長戦略や地方創生に直結する最重要課題の一つだと言っても過言ではありません。 岡山県では,2007年に策定された「おかやま産業人材育成プラン」に基づき,産業人材の確保・育成にかかわる関係機関がコンソーシアムを組織し,産業・教育・訓練などの現場が抱える問題を持ち寄り,その解決に向けた取り組みを進めてきました。同プランは,策定から既に12年近くたっているにもかかわらず,掲げられた施策は内容が陳腐化することなく,大半が今でも継続して取り組まれています。プラン策定にかかわった方々の提案の的確さと先見性に敬意を表するところですが,このプランには,KPIなどの目標管理指標が示されておらず,PDCAの期間が不明確なことなどから,プランの検証や評価が曖昧です。同プランの進捗はどのように検証されているのでしょうか。また,どのような評価がなされ,どのような課題があるのでしょうか。あわせて,産業労働部長の御所見を伺います。 生産年齢人口の減少と深刻化する人手不足,自動車産業のEVシフト,AIやIoTなど,新しい技術の台頭,外国人労働者の受け入れ拡大など,産業や雇用をめぐる環境は大きく変化をしています。企業や教育機関など,関係者の意見を改めて聞いた上で,中身をアップデートするとともに,KPIの設定による目標管理手法を取り入れるなど,プランを刷新してはいかがでしょうか。知事の御所見を伺います。 県教委の調査によると,2018年3月の本県高校卒業者の大学進学者のうち,県外大学への進学率は56.1%であるのに対し,就職者のうち,県内就職率は82.7%です。県内の産業人材の確保・育成に当たり,就職者の多い職業系学科の重要性に改めて気づかされます。 ことし2月に公表された「岡山県立高等学校教育体制整備実施計画」には,キャリア教育,インターンシップやデュアルシステム,職業教育などを充実させていくことが掲げられており,とりわけ職業系学科では,地域産業の担い手を育成する視点からの記載が目立ちます。 一方で,地域や産業ニーズの変化や小規模校化の進展に伴う学科配置の適正化にも触れています。産業人材の確保・育成の点からも,生徒一人一人の多様なキャリア形成の観点からも,職業系学科の重要性を認識した上で,これらの学科への進学者数・進学率の確保や,キャリア教育を含む教育内容・教育環境の充実は重要だと考えますが,現在の課題と,その克服に向けた取り組みについて教育長に伺います。 次に,職業系学科のうち,本県の主要産業である製造業の次代を担う人材育成に関係の深い県立高校の工業系学科の教育環境について伺います。 生徒が実習用に使用する産業教育設備に関する工業高校からの要望額は,パソコンを除いて,2015年度から19年度の5年平均で3億円弱ですが,それに対する予算の配分率は,進学科の設置を除いて5年平均で5.9%と,1割にも達しておらず,現場の要望に対応できていない状況が続いています。現状をどのように考えていますか。また,今後,どのように対応していくのでしょうか。教育長に伺います。 工業系学科の産業教育設備については,寄附金や企業から現物を提供してもらう「ふるさと岡山“学び舎”環境整備事業」の活用が期待されますが,事業創設以降,寄附金は何件,幾らで,現物の提供は何件あったのでしょうか。具体的な数値とその評価,同事業の活用をさらに促すための取り組みについて,教育長に伺います。 この項最後に,本県自動車産業のEVシフトに不可欠な電気系の知識に通じた人材育成について伺います。 電気自動車では,電池やモーターなどを制御する部品がふえます。こうした部品は,電磁気学などが基礎になり,モーターの回転原理の把握やモーターやインバーターなどが発する電磁波の分析など,内燃機関を動力とする自動車では重要視されなかった知識や実習が必須です。こうした知識の習得に当たっては,中小サプライヤーの社内教育だけでは限界があるため,公的機関や大学が体系的なカリキュラムを策定し,希望する従業員が学べるような環境整備が必要ではないでしょうか。知事の御所見を伺います。 また,さきに述べた県立高校の工業系学科において,生徒のEVに対する関心を高める取り組みを進めるとともに,EV製造に必要な基礎知識と技能を習得できるカリキュラムや実習設備などが充実したモデル校を設定し,国の「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」の「プロフェッショナル型」の視点を目指すなど,より踏み込んだ対応を検討できないでしょうか。知事及び教育長にそれぞれ伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 産業人材についての御質問であります。 まず,おかやま産業人材育成プランのうち,プランの刷新についてでありますが,お話のKPIは,おかやま創生総合戦略等において,産業人材の確保に係る指標を設定し,検証を行っていることから,その設定までは考えておりませんが,今後,県内の産業や雇用を取り巻く環境の変化等を踏まえ,企業や教育機関等の御意見をお伺いした上で,関係機関に期待される役割や取り組み事例等の見直しについて検討してまいりたいと存じます。 次に,電気系の人材育成のうち,中小企業の環境整備についてでありますが,これまで,「おかやま次世代自動車技術研究開発プロジェクト」や工業技術センターが実施する「ミクロものづくり大学」のEV関連技術に関する講座等を通じて,企業人材の育成に取り組んできたところであり,今後とも,県内企業の意見を伺いながら,EVで必要とされる技術を習得する講習会等を開催し,企業の競争力強化につなげてまいりたいと存じます。 次に,工業系学科での取り組みについてでありますが,EVシフトへの対応を進める自動車産業を支える上では,高校段階での人材育成も重要であると考えております。県教委には,EV産業を将来担っていく技術者の養成につながるよう,高校段階での基礎・基本をしっかりと身につけさせるとともに,企業との連携を図りながら,生徒のEVに関する興味・関心を高める取り組みを進めてもらいたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  産業労働部長横田有次君。   〔 産業労働部長 横田有次君 登壇 〕 ◎産業労働部長(横田有次君)  お答えいたします。 おかやま産業人材育成プランのうち,検証等についてでありますが,プランに基づき,関係機関がものづくりを目指す人材の確保や効果的な職業訓練など,さまざまな課題解決に取り組んだ結果について,毎年度,意見交換や情報共有による検証を行っているところであります。 こうした中,高校生の工業系国家資格の取得者等に与えられるジュニアマイスターの認定が,3年間で1,000人を達成したことや,高校を卒業し,就職した者のうち,製造業についた者の割合が,過去5年間連続して増加していることなど,一定の成果があったと評価しております。 今後の課題としては,県内の生産年齢人口が,プランの策定時の想定よりも減少し,人手不足が深刻化していることから,さらなる産業人材の確保や育成が必要であると考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 まず,職業系学科のうち,課題等についてでありますが,本県は,全生徒数に占める職業系学科の生徒の割合が全国に比べて高く,これまでも地域産業を担う人材育成に努めてきたところでありますが,時代の変化に対応できる高度な知識・技能を身につけた専門的職業人の育成や,小規模校化が進む中,教育内容や質の維持・向上が課題であると認識しております。 県教委としては,地域や産業界等のニーズに対応するため,企業や大学等と連携した高度で先進的な学習の推進や,インターンシップの充実など,教育内容の工夫・改善に努めるとともに,学科の見直しや配置の適正化を図ってまいりたいと考えております。 あわせて,各学科の魅力ある取り組みや進路状況などを中学生や保護者に積極的に発信し,職業系学科への進学者数の確保につなげてまいりたいと存じます。 次に,工業系学科の教育環境についてでありますが,産業教育設備については,学科のバランスに配慮しつつ,老朽化や時代の進展に対応しながら,緊急度・必要性を勘案し,限られた予算の中で整備しているところであります。 お話の工業系学科については,高額な機器や設備もあることから,その教育環境の整備には工夫が必要と考えており,複数の学校による設備の共同利用や,ふるさと岡山“学び舎”環境整備事業による寄附金や,不要となった機器の提供の呼びかけ,インターンシップや工場見学等による先進的な技術を学ぶ場の確保など,さまざまな手法を活用してまいりたいと存じます。 次に,ふるさと岡山“学び舎”環境整備事業についてでありますが,工業系学科の産業教育設備に対する寄附金については,工業高校3校に対し,9件,1,201万3,000円,現物については,2校に対し,2件の寄附をいただいており,よりよい学習環境の整備に向け,多額の御寄附をいただき,寄附者の方々の御厚志に大変感謝しているところであります。 今後とも,この事業に多くの方の賛同が得られるよう,学校と連携し,広報活動に努めるとともに,経済団体等へも働きかけながら,次代を担う産業人材育成のための教育環境の充実に向け,しっかり取り組んでまいりたいと存じます。 次に,電気系の人材育成のうち,工業系学科での取り組みについてでありますが,県内の工業高校においては,電気自動車の原理や基本的な構造について学んだり,簡単な電気自動車を試作している学校もありますが,EVシフトに対応する人材育成に向けては,工業教育の一層の充実が必要であると考えております。 今後,電気自動車に特に関連のある機械科や電気科などの生徒に対し,企業や大学等との連携により,最新技術に触れさせたり,学科合同で学びを深めるなどの取り組みを進めてまいりたいと考えており,その際には,お話のモデル校の設定や文部科学省の研究指定事業の活用についても研究してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  まず,人材育成プランなんですけれども,これ,一応特徴的なのがコンソーシアム,穏やかな連携のもとに関係者が集まってつくったものだということなんですが,そういう関係者が集まって人材育成プランを検証するというような会議とか,そういう場はあるんでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  産業労働部長。   〔 産業労働部長 横田有次君 登壇 〕 ◎産業労働部長(横田有次君)  再質問にお答えいたします。 コンソーシアムで関係者が集まった会議ということでございますが,定期的に開いているわけではございません。当然,当初,このプランを持ったときには,関係者にいろいろ集まっていただいて,いろんな御意見をいただいておりますけれども,それ以降は,それぞれ全体が集まる形ではなくて,それぞれの関係機関と県との連携と,そういう形で,情報共有は図っておりますけれども,一堂に会すことは余りしていない状況でございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  ありがとうございます。 私も計画を大げさにつくり直すことに労力を割くというようなことが目的じゃないんですが,例えばこのプラン,具体的な施策を見ると,普通科高校生へのものづくりへの誘導とかが10年前に提案されていまして,ついこの間,重点事業として上げられたり,先ほど言った企業の生産機器を活用しようというようなことが,ふるさと納税と関連して実現したりということで,実は十何年も前に立てられたのに,随分今になって役立つことが多いなということを改めて感じております。そうであるので,せっかくいいものができているので,少し位置づけというものを明確にしたり,先ほど言った検証だとか,課題の整理だとかをやったほうが,いろいろなことに対応できるのではないかなと,とりわけ,関係者でつくっているというところがあるので,全体で共有するというのは非常に重要だと思いまして,そういう意味で,プランの刷新という言葉を使ったんですが,そういう視点から,少し御意見があればお聞かせください。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  おかやま産業人材育成プラン,10年以上前にできた割には,なかなか新しいではないかということでありますけれども,そのときに必要とされたことが,ようやく少しずつできるようになってきたということで,それ自体,大変喜ばしいことかなと思っているところでございます。 これが2007年ごろがそうだったか,一時期,日本が空洞化によって,さあこれから日本もしくは日本のそれぞれの地域はどういう役割を果たしていくべきなのかということが問われた時期があったわけでありますけれども,そのときに,岡山県ではいろいろな立場の人が集まって,そうはいっても岡山は,ものづくりの伝統があり,ものづくりの条件が整っているので,ものづくりというのはこれからはもうだめだと,別なところに活路を見出していこうということを考えた一部の地域とは違って,我々はあくまでものづくりをしっかりやるぞということを考えた。国策としても,貿易協定ができたですとか,少し円安傾向が定着しているですとか,いろいろなことで,それぞれの地方のものづくりにも,この数年,追い風が吹いている,私自身そういう理解でおります。 実際,これから10年後に評価してもらえる指針がこれなのか。それとも,また別なのか。全くそれはそれで,その時々で考えていかなければいけないと思っておりまして,このおかやま産業人材育成プランが,我々にとって非常にいい指針に現在なっていることを喜びつつ,これから我々がどうしていくか,先ほどの外国人材の受け入れ・共生ということも含めて,もしくはいろいろなITが身近になってきたことも含めて考えていかなければいけないな。必ずしも,このおかやま産業人材育成プランをベースにすることが適当かということについては議論も必要かと思っております。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  ありがとうございました。 おかやま産業人材育成プランは2007年に,団塊の世代が大量に退職されて,技術継承が困難になるんではないかという問題意識を背景につくられたと聞いたんですけれど,それよりも,もっともっと深刻な状態になって,いよいよ動き始めたというところもあるのかなと思います。 先ほど言われたように,いろいろな新しい材料が出てくるので,これをブラッシュアップしていくような方向でお願いしたいと思います。 電気系の人材育成の工業学科での取り組みというところでお伺いしたいんですけれども,先ほどの工業高校の設備の問題もそうなんですが,教育長言われたように,教育委員会の限られた予算の範囲内でいろいろやってるけれども,なかなか現場のニーズに十分に対応するのは難しいということですので,少し発想を変えた対応ができないかなと思ったりもしてます。 例えば,この問題を所管しているのは確かに教育委員会なんですけれども,産業人材の確保,育成という視点からは,産業労働部マターとも思っているわけで,この予算の使い方についても,例えば産業労働部のお金で,県立高校にEVに関する教育施設を整備するとかもどうかなと。例えば,岐阜県では,同県が航空宇宙産業を成長産業と位置づけて,重点的に支援していくという方針のもと,県立岐阜工業高校に「モノづくり教育プラザ」という,航空機製造に必要な知識と技能を習得できる施設を1億円かけて整備しましたが,これは同県の商工労働部の事業費でやっております。学校内の施設ではあるけれども,ものづくりの人材をつくって,支える,そういう産業政策として実行されているんだろうと思っています。ここでは,先ほど言ったプロフェッショナル型,今まででいうと,スーパープロフェッショナルハイスクールにも指定をされているということでありまして,我が県の産業労働部も,教育委員会も,いろいろ連携をされて物事を進めているのは理解しているんですが,そういう予算のやりくりも含めて,さらに連携強化が進められないかなと思いますが,それぞれ知事,教育長に御見解を伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  教育委員会が渋いのであれば,産業労働部のほうから引っ張るというのはどうかということであります。 実際,予算の管理というときには,ポケットが複数あるという話はよくあることでありまして,それぞれのポケットで,何か随分,こちらはきついのに,こちらはかなり緩いなということがあれば,そういった融通というのは非常に賢い,資金の有効活用という面でもいいやり方だなと思っております。実際,お父さんは渋いけれど,おじいちゃんがすごく緩いというときには,おじいちゃんを狙うとか,いろいろあるわけでありますけれども,私自身は,ポケットごとに,余り緩い,渋いということが出さず,実際に行く先で,費用対効果ができるだけ同じになるように気をつけておりまして,そこまで差があるとは,現時点では認識いたしておりません。一つの可能性だなと思いながら,必要なものにはきちんと資金が行くように,これからも気をつけてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えをいたします。 御質問のEVのところでございます。本県の非常に力を入れている分野でございますので,既に今,教育委員会の中でも,こういったことについて,どういった人材育成を今後図っていけばいいのか,内部でも検討もしておりますし,工業高校の意見であるとか,あるいは企業の方々の意見も情報収集しておるところであります。現状といたしまして,先ほども申し上げたとおり幾らか取り組みはしておるわけでありますけれども,どういう学科をつくって,どういった設備を設けてというところまで,具体に見えてきている状況ではないということであります。 ただ,これまでも魅力のある,いろいろな工業系の学科をつくってきた経緯はありますが,そういう場合は,教育委員会の中の予算においても重点的に配分して,それがまず立ち上がるような工夫もしておるわけでございますので,まずはいろんなニーズの把握をしまして,どういった人材が必要でどういった設備が必要なのかということを,今後十分に研究をさせていただきまして,その中で,それに特化した学科ということも,場合によってはあるのかと思います。その必要性が出てきた段階で,予算のところも教育委員会の中でも軽重をつけながら,対応していきたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  先ほども言われたとおりで,両方厳しいので,融通するようにしてもなかなか目に見えて成果が上がるかということなんですが,1つ思うのが,教育委員会の場合,A校は整備したけれど,B校は整備しないというようなことはなかなかやりにくいんじゃないかなと思います。これも岐阜の例ですが,県立岐阜工業高校にだけ1億円の設備をつくるということが,教育委員会だけだとなかなか判断できないことじゃないかと思います。そういうようなことも含めて,資金の有効活用を図るときに,いろいろなやり方があるんではないのかなというようなことだと思いますので,そのことについては,あとでちょっと御見解をいただきたいと思います。 それからもう一つ,いわゆる「選択と集中」といいますか,限られた予算の中でもどうしていくか。さっき言ったように,全体の予算要望に対して5.何%しかなされてないということですが,選択と集中の一つの考え方で,例えばこれ愛知県ですけれども,2つあった工業高校を統合して,その1カ所に設備を整備して,スーパー工業高校みたいな感じのものをつくるとか,あるいは,県内には,こういうものづくりに関する教育訓練設備というのが,工業高校のほかにも,県立高等技術専門学校であるとか,岡山職業能力開発促進センターであるとか,中国職業能力開発センターなどにいろいろありまして,それぞれ所管する主体が違ったり,あるいは対象とするターゲットが違ったりするので,役割分担があるというのは存じ上げているんですが,でもそれぞれが立派な産業教育設備を持ってやっているというのも事実なわけで,それぞれに更新費用がかかって,それぞれ要望するけれど,お金が来ないと困っていて,もうちょっと何か全体を俯瞰して,選択と集中によってコストの効率化ができないかとか,あるいは,先ほど,工業高校間の共同利用も話ありましたけれども,相互の施設の利用でありますとか,そういう資源の有効活用ができないかなということについて,検討の余地があるんではないのかなという気がしておりますので,そのあたりについても知事の御見解を伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  この公平を重んじる教育委員会と世界的な競争もくぐり抜けている会社がいっぱいある産業界とかかわっている産労部では,随分カルチャーが違うんじゃないかと。そのカルチャーの違いを生かして,資金に余裕があるないということじゃなくて,産労部がかかわったほうが何かよりよいことができるんじゃないかというのは,もしかしてそういうことはあるのかなと。先ほどの資金どうのこうのじゃなくて,カルチャーの違いに着目して,この部署に少しかかわってもらったほうがいいというようなやり方は,確かに考えられるなと思いながらお話を伺っていたところでございます。どうするべきかというのは,それぞれこれからも議論するべきだと思いますけれども,確かに,これから全て横並びでうまくいくかどうかということでいえば,大変心もとないというところもございます。当然,公平・公正というのは行政にとって大変大事な価値観でありますけれども,共倒れになってしまっては元も子もないわけでありまして,議員おっしゃるとおり,統合ですとか,魅力づくりですとか,選択と集中,大変大事なことだと思います。通う生徒にとっても,実力をつけて卒業してもらう,地元の産業,日本の産業に貢献してもらうという点でも,大変大事な考え方であろうと思います。 思い返せば,私,経営者として選択と集中を唱えていたときには,それに対して,どちらかというと反発するようなやりとりをやっていたような気がいたしますけれども,立場が変わって,このように非常に鋭い御意見をいただくようになって,感慨深いところでございます。それぞれの立場,信念に従って,できるだけいい未来を引き寄せるように努力していきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  次の項目に移りますので,答弁者は控席へ移動願います。 4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  それでは,次の質問に参ります。 地方移住を希望する都市住民と地方自治体とのマッチングを行う認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが,2018年の移住希望地域ランキングを発表しました。それによると,1位は2年連続で長野県,2位は静岡県,3位は16位だった北海道が躍進し,トップ3に入りました。岡山県は,前年の7位から大きく順位を下げ,8年ぶりに21位以下のランク外となりました。2012年の2位を最高に,2013年,14年は3位,2017年まで6年連続でトップ10入りを果たしていただけに残念な結果と言わざるを得ません。 岡山県は,人口社会減対策として,移住・定住に力を入れてきましたが,今回の厳しい結果をどのように受けとめていますか。また,順位が急落した要因をどのように分析していますか。県民生活部長の御所見を伺います。 岡山県への移住希望が急増したのは,東日本大震災以降であり,災害が少ないことが人気の要因の一つであったと推測されます。しかし,平成30年7月豪雨災害により,「災害が少ない」というイメージが損なわれてしまいました。移住先としての魅力をアピールするに当たり,セールスポイントの再設定や広報戦略の練り直しが必要ではないでしょうか。 また,移住者を呼び込む自治体間競争は年々激化しています。他県との差別化が図られた特色ある取り組みが求められます。今回,大きくランクアップした佐賀県では,女性向け,起業希望者向けなど,ターゲットを絞り込んだセミナー開催などが功を奏したそうです。本県が移住先として選んでいただける地域になるよう,今後,現在の取り組みにどのような工夫,改善を行うのか,知事の御所見を伺います。 ○議長(高橋戒隆君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 移住・定住についての御質問であります。 今後の取り組みについてでありますが,お話のように,今回の豪雨災害により,「災害が少ない」ことを強調することは適当ではないとしても,温暖な気候などの「晴れの国」の特徴を含めた「暮らしやすさ」は,引き続き,本県の最大のセールスポイントであると考えております。 一方,移住者を呼び込む自治体間競争が激化する中,移住・定住の取り組みをパワーアップすることが必要と考えており,来年度から,首都圏アンテナショップに設置する移住相談窓口で,移住と就労をセットにした相談対応を行うほか,今後,Uターン希望者への働きかけの強化や,より効果的なPR方法の検討にも取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  県民生活部長小林章人君。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  お答えいたします。 移住希望地域ランキングについてでありますが,このランキングは,東京のふるさと回帰支援センターの相談ブース等を訪れた新規の相談者のみを対象としたアンケートを集計したものではありますが,全国的に注目されており,ランキングの圏外となったことは大変残念に思っております。 順位が大きく下がった要因としては,東日本大震災後の緊急避難的な移住が落ちついたことや,近年,移住希望者が重視している就労の場の情報提供が,必ずしも十分ではなかったことに加え,豪雨災害による被災状況が繰り返し報道されたことで,新規相談者が移住希望先として本県を選ぶことをちゅうちょしたといった事情もあったのではないかと考えております。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  4番。   〔 4番 高橋 徹君 登壇 〕 ◆4番(高橋徹君)  ありがとうございます。 確かに,このNPO法人の調査だけでどうこうということはないんですが,それでも何か1つ特徴的だなと思うのが,例えば,移住希望先のデータを見ると,昔は移住というと,農業やってみたいというところから農村とかが多かったのが,今回一番多いのは,政令市とか中核市なんです。昔は自然環境がよいというのが大きい理由だったんですが,それはどんどんどんどん下がっていって,今は就労の場があるというのがふえている。これは,昔は移住希望者というと,ちょっとマニアックな人みたいな形だったのが,だんだん普通の人になっていって,そういう意味では,ものが変わってきているかもしれないなと思います。このあたりの分析を進めながら対応してもらいたいと思いますが,いかがでしょうか。 ○議長(高橋戒隆君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  外国人材を引き寄せる魅力づくり,もしくは工業系の技術を持った生徒や卒業生を引き寄せる魅力づくり,また都会に住んでいる移住を考えている人から見た魅力づくり,全てに共通するところだと思いますけれども,自分たちが言いたいこともさることながら,ターゲットになる,我々が狙っている方々が何を気にされているのか。何ができれば満足度が上がるのか。そういったところをきちんとわかって,調べる努力をして,理解をして,我々自身,改善をしていくということは大変重要であろうと思います。 田舎暮らしに,もしくは移住に興味を持つ方々のタイプが少しずつ変わってきているということは,我々も十分かどうかは別として,気づいているところでありました。大ざっぱに言えば,議員御指摘のとおりでございます。それにきちんと対応をしなければいけないと思っております。 先ほどのアンケート,このランキングで,今回21位以下に沈んでしまいました。このランキングは何というか,新たにブースに来た人に聞いているわけでありまして,それとは別に,かなり分厚い,今ちょうど移住を考えている,ある種ストックが,その何十倍もあります。ストックを見るのか,それともフローを見るのかということで,随分見え方は違ってまいります。昨年の豪雨災害を見て,新たに入るフローのところでぐっと減るのは,ある種,やむを得ないことでありまして,別にストックのほうを見る指標が,例えば移住専門誌田舎暮らしの本によるランキング,これは主に田舎暮らしについて継続的に考えている方にアンケートをとっている,むしろストック調査というようなものでありまして,これについて言えば,平成23年から平成30年に至るまで,岡山県はずっと10位以内を安定的に確保しているところでございます。余り過度に悲観的になることもなく,また油断することもなく,きちんと移住を考えられている方に,我々のよさが届くよう,またそういう方々にとって必要な改善を,我々がこれからもできるよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○議長(高橋戒隆君)  以上で高橋君の質問は終了いたしました。 この際,午後1時まで休憩いたします。        午前11時45分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時再開 ○副議長(波多洋治君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 一般質問を継続いたします。 37番高原俊彦君。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  皆さん,こんにちは。 民主・県民クラブの高原俊彦でございます。 本日は,少し地方自治の話なども知事とさせていただきながら,知事初め,執行部の御意見をお伺いさせていただきたいと思います。真摯な御答弁をぜひよろしくお願いしたいと思います。 さて,さきに沖縄県では,県民投票が行われました。行われた県民投票は,普天間飛行場の代替施設として,国が名護市辺野古に計画している米軍基地建設のための埋め立てについて,県民の意思を示すための投票です。ここに至るまで沖縄県では,住民が法定の署名を集めた上で,地方自治法第74条に基づく直接請求を行い,一部修正を加えて条例が制定されています。法や条例に基づき,まさに民主的な手続を踏んで実施されたものであるということです。 もちろん地方自治法には,「普通地方公共団体は,地域における事務及びその他の事務で法律またはこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する」とされており,例示として,公有水面埋立事業の免許などは自治体の仕事とされているところであります。 沖縄県の県民投票の結果についてはここでは触れませんが,国が推進する施策をめぐって,国の方針と自治体の立場が異なる場合,私たちはどのように考え,どのように行動するべきか。これは,私たち,地方自治にかかわる者にとって非常に重要な課題と言えるでしょう。 自治体が国政にどうかかわるかという議論は,以前からございました。都道府県または市町村の長や各地方議会の議長の全国的連合組織には,従前から,意見具申権などがありましたが,機関委任事務などによって,自治体には狭い裁量しか与えられない,そういった時代を経て,平成10年には,政府の「地方分権推進計画」が策定され,地方分権一括法による地方自治法の改正により,連合組織からの意見の申し出に対して,内閣に回答努力義務(一部回答義務)が課せられることになりました。その後も8次にわたる地方分権一括法が成立する中で,地方公共団体にかかわる計画や負担の決定,個別の事務事業の実施に係る参画機会の確保などが進み,平成23年には,国と地方の協議の場に係る法律が施行され,国と地方の話し合いの場で協議が調った事項については,結果を尊重しなければならないとされました。 地方側の努力により,少しずつ関与の度合いを強めてきた感がありますが,それでも,まだ十分ではないと感じております。自治体としてどのように考えて国政にかかわっていくのか。それぞれの首長の基本的なスタンスが今後問われてくると考えています。 伊原木知事になって策定した「新晴れの国おかやま生き活きプラン」の長期構想には,地方分権改革の進展を掲げ,県と市町村との連携においては,県全体のプレゼンス向上に向けた施策の推進が県に求められるとしています。長野元知事は,自治省時代に連邦国家論を語り,石井前知事は,道州制推進の旗を懸命に振っていらっしゃいましたが,47人いる知事の一人として,行財政システムのあり方についてどのようにお考えでしょうか。御所見を伺います。 ○副議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  民主・県民クラブの高原議員の質問にお答えいたします。 地方自治における行財政システムのあり方についての御質問でありますが,県民の幸せを実現し,持続的に発展し続ける地域を創造するため,国と地方の適切な役割分担のもと,地方が必要と考える権限や財源を確実に確保できる仕組みが構築されることが何より重要と考えております。 これまでの地方分権改革を通じ,国と地方の役割分担が見直され,権限の移譲などが進められてきたところでありますが,今後とも,全国知事会等とも連携し,地方がみずからの判断と責任で地域の発展を図ることができるよう,地方分権改革の一層の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  どうもありがとうございました。 もちろん知事がおっしゃっていること,本当にそのとおりだと思います。みずから独立した自治体でございますから,みずからの判断で県民のために仕事をするということは,非常に大事なわけでございます。その一方で,例えば,過程の中において,沖縄の場合は,簡単に言うと地元の利益と国の利益が相反するというか,合わない部分がある。そのことについて調整をしていくということがございます。国と県との間ではそういったことがありますし,市町村と県,それから市や自治体と住民の皆さんの合意といいますか,同意といいますか,そういったことが大切な場面というのも,これまでも非常にたくさんあったし,今も現にある状況でございますが,知事,地元同意については,制度的に取り入れられている場合と,そうでない場合,ケースもあると思うんですけれども,そのあたりについて,例えば小規模多機能自治とか,いろんな考え方で,これから地域の自治を強めていこうという,こういった動きもある中で,そうした皆さんの意見を県政の中でどう取り扱っていこうと,どう向き合っていこうと思われているのか,そのあたりのお考えをお聞かせいただければと思います。 ○副議長(波多洋治君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  地元,県,国,それぞれのレベルで示される民意が異なる,もしくは意見が異なる場合,どう考えるべきなのか。岡山県としてどう考えているかという御質問だと理解をいたしております。 それぞれの立場が違えば,見えてくる景色が違い,意見も違う,これ地方自治に限らず,よくある話でありまして,いかにきちんとした意見交換ができるか。その過程で,ある種勘違いがわかって意見がまとまった,わずかに違うところは残っても,大同小異ということで,きちんとした合意がとれた,それが一番わかりやすい,ハッピーな事例だと思いますけれども,どう見ても,それぞれで違うという場合に大事なのは,結局どちらの意見をとったほうが,大きな意味で,10年後,20年後,地域が発展をしているのか,もしくは地域住民が幸せになっているのかということなんだろうかなと思っています。どういうことかと言いますと,150年前の日本は,それぞれの地域がばらばらになっていて,国としての対応ができなかったということが大問題であったわけでありまして,その解決策として,これはすばらしかったと思いますけれども,明治維新によって,日本が一つの行動をとれるようになったと。ただこれは,先進国に追いつくという点でよかったのかもしれませんけれども,ある程度豊かになってくると,余りいいやり方では必ずしもなく,それぞれの地域でもっと主体的に決めるほうがいいんじゃないかということで,今の地方分権の大きな流れが数十年続いていると,私は認識をいたしております。 私自身とすれば,経営者として,県民の皆さんと一緒になって,この岡山県を,どうよりよい未来に向けていくのかを考えるときに,例えば空港,これは民主党政権時にも指摘されたと理解しておりますけれども,それぞれの地域の強い思いを反映して,日本に空港が100以上できたんだそうでありますけれども,これは多分,多過ぎたのだろうと思っています。港湾についても,大変たくさんできましたけれども,それよりも,国全体として重要な港湾は何なのかということを考えて動いた韓国のほうが,よほどうまくやったと,一般的には言われているわけでありまして,大きな港のことを考えると,余り小さな単位で決定するのはよくなさそうだと思いますし,また別の問題になると,今度は大きく決められても,逆に困ってしまう。もっともっと小さい,それぞれの地域に応じて決めるほうがいい問題もあろうかと思います。ごみの問題は,運ぶ距離を考えれば,小さな解決のほうがよさそうですし,ダイオキシンのことを考えると,ある程度集めて,大きな焼却炉をつくらなければ対応できない。技術の状況によっても,またどれぐらいの地域でまとめるべきかということが,たった10年,20年の間に変わることもあろうかと思います。自分の権限は手放さずに,少しでも権限をふやそうという考え方ではなくて,この問題についてはどのレベルで決めるのがいいのか,そういったことを常に考えながら対応していかなければいけない,私自身は思っております。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  ありがとうございました。 先ほどの空港の話でいくと,住民の利便性とか,そういったことも当然考え合わせなければいけない問題だと思っていますが,しっかりと検討していただきたいと思います。あと,大きくお尋ねしたので,少し細かいところを,考え方をお聞かせいただきたいのですが,先ほどございました最終的な県民の幸せを考える中で,例えば行政のあり方・姿,広域行政も含めて,道州制も含めて,広域の自治に対しては自分なりのお考えをお持ちでいらっしゃって,極めてしっかりと考えていこうという伊原木知事の姿勢は評価しているところでございますけれども,その体制の問題と財政,常に私ども申し上げております国との関係でいうと,やはり今回の災害でも明らかなように,本当に何とか財政当局も御努力いただいて,財政が組めるという状況にある。これは本当であれば,もう少し自分たちが持っている中で考えてできることはふえたほうがいいと私は思っているんですが,なかなかそういう動きにはなっていないという最近の交付税の動きを含めて,今の知事のお考えを少しお聞かせいただければと思います。 ○副議長(波多洋治君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  岡山県の財政を考えるときに,もう少し財政面で裁量があったほうがいいと思っているかどうかということでございます。 1つ,それぞれの主体とすれば,一生懸命真面目にやろうとすればするほど,もしくは自分は頑張っているという思いが強いほど,もっと権限が欲しいと思うのは,多分自然であろうと思います。私自身もそう思っているわけでありますけれども,ただそれぞれの県,今,もう皆さん御案内のとおり,国と地方の仕事は大体よく4対6で地方のほうが仕事が多いけれども,税金は6対4で,まず国が多目にとっておいて,それから分配をする。その分配によって税収の多いところと少ないところをできるだけならしていくと,そういう機能があると理解しているわけでありまして,もしもっともっとそれぞれの県,それぞれの市で裁量を認めていくことになると,私はそうやって切磋琢磨するほうがいいのではないかという仮説を持っております。ただそうなると,地域ごとの格差は広がることはほぼ確実でありまして,我々にその覚悟がどれぐらいあるのかということによるのかなと思っているところでございます。 また,それはまた別のやり方で手当てできるのかもしれませんけれども,大きな仕組みの変革によって物事を変えるというのも一つのやり方ではありますけれども,今の仕組みの中でできる限り工夫をして,それでもできないものについて,やはり仕組みを変えていくということを主張するのがいいのかなと思っております。私自身は,法人税は,東京にある会社とそれ以外の会社で税率を変えるべきだということ,企業の東京一極集中がいろいろなゆがみを生んでいると思っている人間でありますけれども,それ以外のことについて,メリット,デメリット,戻れないかもしれないのに,何かこうするべきだと大きく主張するほどの確信を持っているわけではございません。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  次の項目に移ります。 答弁者は控席へ移動願います。 37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  知事,ありがとうございました。 知事は民間の御出身で,初めてこういった世界といったらおかしいですが,行政に携わっていただいて,いろいろお考えになることがあると思いますし,そういった意味で,いろいろその仕組みについて,伊原木知事なりのお考えを持って,例えば知事会含めて,行動いただくときかなと,このようにも思っておりますので,しっかりと頑張っていただきたいと思います。 それでは次に,教育長にお伺いさせていただきたいと思います。 知事は以前,議会の答弁で,グローバル人材とは,「時代を切り開く積極性やチャレンジ精神に富み,自国の歴史や文化を深く理解するとともに,異文化に対する幅広い教養と適応力,外国語によるコミュニケーション能力を備えた人材」とされました。今回,重点事業で実施する「英語力向上ICT教材活用事業」は,モデル的に市町村を通じて民間企業に委託し,オンラインで外国人と対話をする授業を行うと聞いています。これにより,コミュニケーションに必要な聞く・話す能力の育成を図るとしていますが,どのような内容で実施をするのか,御所見を教育長に伺います。 ICTを活用した相互交流については,各市町村教育委員会でも実施されていると思いますが,異文化を知る方法として,またコミュニケーションの手段として,例えば海外にある学校との交流も可能になりますが,今後の目指すところについて,御所見を教育長に伺います。 2020年度に始まる小学校における英語の教科化をめぐっては,国では,対応する専科指導教員を確保するとともに,小学校教員の中学校英語免許状の取得促進を図るとのことです。教員の英語力向上についてどのように取り組んでいくのか。また,教員の多忙化が課題になる中で,どのような体制づくりを進めていくのか。御所見をあわせて教育長に伺います。 最近は,短期留学をする小学生もふえているそうです。県内における小中学校の留学についてはどのような状況でしょうか。 また,英語の教科化により,語学学習に興味を持つ子供たちもふえるのではないかと考えますが,将来につながるいいきっかけとするために,子供たちに多様な経験をさせることは有意義と考えますが,その支援について,現時点でのお考えをお聞かせください。あわせて,教育長に伺います。 次に,高校段階における英語教育について伺います。 県立高校生の留学者数が近年増加しているのは喜ばしいことと思っています。感性豊かな時期に異文化に触れ,現代日本で課題となっているコミュニケーション能力の向上が期待されるところです。3カ月未満の短期留学がふえていることから,来年度は,高校生を対象とする留学支援事業の対象人数も拡大されたところです。しかし,留学経験をその後のキャリアに生かしていくためには,相応の事前指導やアフターフォローが必要ではないかと考えます。英語指導や留学に関するセミナーなどを開催し,指導する教員の資質を高める方策を充実させる必要があると考えますが,御所見を教育長に伺います。 また,3カ月以上の長期留学については,数が伸び悩んでいる状況です。現在は,単位認定されない場合は休学して留年を覚悟しなければなりませんが,休学せずとも留学が可能となるような体制づくりについてはどのように考えているのかお考えをお聞かせください。教育長に伺います。 ○副議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 グローバル人材の育成についての御質問であります。 まず,ICTの活用のうち,英語力向上ICT教材活用事業についてでありますが,英語力向上を図る上では,生きた英語に触れる機会を多く確保することが大切であることから,小学校では,インターネットを介して,個々の児童がネイティブスピーカーと双方向で対話する学習を,中学校では,タブレット等からネイティブスピーカーの発話を聞いたり,質問に対する生徒の答えを録音して,AIが診断する学習を,それぞれモデル校において英語の授業に取り入れ,聞く・話す力を育成することとしております。 次に,相互交流についてでありますが,ICTを活用した海外の学校との交流により,児童生徒がお互いの学校生活や生活習慣,自国の文化等を紹介し合うことで,コミュニケーション能力を高め,相互理解を深めることができると考えております。 現在,2市町村の2中学校が,海外の姉妹校等と交流しており,こうした事例も踏まえ,ICTを活用した相互交流について研究するとともに,ALTや外国人留学生との交流も含め,コミュニケーション能力の向上と国際理解の精神を備えた人材の育成を図ってまいりたいと存じます。 次に,教員の英語力向上等についてでありますが,英会話スクール等,民間のノウハウを活用した実践的な教員研修を昨年度より行っており,来年度も継続することとしております。また,国の研修に派遣した中核教員が講師となり,指導主事とともに,県内の小学校の教員に指導する研修を来年度も実施することとしており,こうした研修により,全ての教員の英語力向上に取り組んでまいりたいと存じます。 こうした取り組みにより,個々の教員の英語力の向上を図るとともに,英語専科教員やALTとの連携を図りながら,適切な指導ができる体制づくりを進めてまいりたいと存じます。 次に,小中学生の留学についてでありますが,児童生徒が,ホームステイや現地の学校での学習等により外国の子供と交流することは,コミュニケーション能力の向上や異文化理解の促進を図るよい機会であると考えております。 小中学生の個人レベルの海外での交流については把握しておりませんが,今年度,市町村が主催する海外での交流は,18市町村で行われており,小学生33人,中学生207人が参加しております。こうした交流に係る支援については,実施する市町村が行うものと考えております。 次に,高校生のうち,教員の資質向上についてでありますが,県教委では,留学に関する教員の認識を高めるため,年度当初に,国際交流担当教員を対象に説明会を開催し,留学する生徒の事前指導や帰国後の成果報告等の充実について指導するとともに,生徒を対象とした留学フェアにも教員の参加を促しているところであります。 また,英語指導力向上のための研修については,大学や専門機関と連携して,全ての英語教員を対象に実施しております。グローバル人材を育成する中で,一人一人の留学をより有意義なものにするために,引き続き,こうした取り組みを積極的に進めてまいりたいと存じます。 次に,長期留学が可能となる体制についてでありますが,現状においても,外国の高校に1年間留学した場合,留学先での履修を在籍校の単位として認めることができる制度があることから,本人が希望すれば,休学することなく,留学することは可能であります。県教委としては,引き続き,個々の生徒の希望に応じた留学が実現するよう,こうした制度の周知に努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  ありがとうございました。 まず最初のところなんですが,ICTを使って,双方向なり,そういった生きた英語を学ぶということなんですけれど,これって,具体的なイメージが湧きにくいです。例えば小学校で双方向にするということは,遠隔の授業みたいな形で,これは個別に対応するということなんですか。それとも,集団としてやるのでしょうか。中学校の場合もそうなんですけれど,中学校の場合は,タブレットを使ってネイティブの発音を聞くということで,簡単に言うと,生徒それぞれにどの程度そういった交流の時間というか,それが割けるのか,まずそこら辺を教えていただきたいと思います。 ○副議長(波多洋治君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えをいたします。 ICT教材を活用した授業で,どれぐらいの交流になっていくのかというお尋ねかと理解いたしました。 まず,小学校におけるオンラインの英会話でございます。基本的には,児童1人とオンラインで結ばれた海外のネイティブスピーカーを想定しておりますけれども,最初の段階では,やはり子供たちも,いきなりさあ話しなさいというのは難しい状況もあろうかと思いますので,何人かのグループからスタートして,基本的に我々が目指しておりますのは,1対1でいろんな話ができるような,そういう機会を子供たちに設けていこうということでございます。 中学校の場合は,これはタブレットから,ネイティブの発話を聞くということでありまして,それに対して,いろんな答えを,これはタブレットの中に吹き込んでいき,それをAIが文法的にどうかであるとか,あるいは発音が正しいかどうかを診断することを想定しておりますので,その時間帯については,完全に1人の学習時間とし,それを授業の中にある一部に組み込んでいこうということを考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  そうすると,どれぐらいの時間になるかわかりませんが,少なくともその時間については,基本的には1対1で,生徒たちは話を,コミュニケーションをとる機会があるということでよろしいでしょうか。 ○副議長(波多洋治君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えします。 基本的にはそうでございます。小学校のケースで,少人数グループでというケースも導入段階では考えられるということでございますけれども,基本的には1対1を想定しております。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  ありがとうございました。 タブレットの活用ということになりますと,現場で指導をしていただく先生のことについても考慮しなきゃいけないと思うんですけれども,例えば操作の方法であるとか,授業の進め方,段取りであるとか,そういったものは簡単にできるものなんですか。 ○副議長(波多洋治君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 教員の操作の難しさはどうなのかということでございますけれども,既に活用されたものをこれから導入していこうと考えておりますので,ある程度,研修は必要かとは思いますけれども,複雑ではないものを考えていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  わかりました。 余りそのこと自体が負担になってはいけないと思いますので,よろしくお願いいたします。 それから,英語力の向上のところで,実践的な検証を行っていただいているということなんですけれども,例えば国のほうでは,方針として小学校教員の免許取得みたいな話があったと思います。そのあたりについて,県としてはどのようにお考えになっているんでしょうか。 ○副議長(波多洋治君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 国のほうで,小学校の教員に中学校の英語の免許状を取らせるような施策がということでございますけれども,これも県教委としては承知をしております。ただ,当然,中学校免許ですから,中学校の生徒を想定した免許取得が行われるわけでありますので,英語力の向上につながっていく部分はあろうかと思いますけれども,まずはそれよりも,現状としては,小学校教員に,小学校で小学校の子供たちに英語を教える上での必要な技量をつけていこう,英語力であったり,英語指導力をつけていこうということを考えておりますので,先ほど申し上げたような研修のほうに主体を置いておりますが,お話の中学校の免許状の取得についても,今後研究をしていきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  改めて免許を取るというのはすごく大変な話だと思います。これも随分な期間がかかるとか,すごくハードルが高い話だと思います。研究されるとおっしゃいましたけれども,それだけ労力をかけることや,その間のバックアップ体制であるとか,いろんな問題が多いと思うので,先ほど,多忙化の現場という話をさせていただきましたが,教員の皆さんにこれ以上,何か余分なものというか,負担をかけるようなものにはしないでいただきたいと御要望させていただきたいと思っています。 それから次に,長期留学についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。現在の制度でも1年間可能ということであったんですけれども,文科省が出している中で,30単位まで認められるようで,昨年,29年度で短期は316人に対して長期は3人という,こういう現状なんで,なかなかそこがふえていかないというか,希望がないのか,そのあたりの現状について,どう御認識いただいているんでしょうか。 ○副議長(波多洋治君)  教育長。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  再質問にお答えいたします。 長期の希望がないのかということでございます。現在,短期の留学希望につきましては,着実に,議員御指摘のとおり伸びておる状況でございますが,長期につきましては,それほどでもないという状況がございます。 単位認定の話は先ほど申し上げたとおりで,基本的には,本人が望めば単位認定ができるということでございますけれども,それ以外の要因といたしましては,経済的な問題でありますとか,安心・安全の問題等も考える場合もございますので,こういったことにつきましては,補助額の引き上げでありましたり,あるいは,今,姉妹校をふやしていっておりますので,姉妹校間での留学ということになれば,相手先もよくわかりますので,安心感もふえるんではないかということで,そういった取り組みも進めておるところでございます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  短期というのが2週間から3カ月とお聞きしていて,それより長いものが長期留学とみなされているとお聞きしております。例えば,1学期の間,留学したいとか,そういった希望はあるようにもお聞きしているんですが,どこがネックになっているのか。例えば,現場の中で,単位認定とかそういう話が前に行かないために,そのことが前に進まないのか,もしくは現場の段階で,もうそれは難しいという話になっているのか。伸ばしていこうと思えば,そういったいろいろあるハードルというのを超えていく必要があるかなと思っていますので,ぜひそこは,回答は求めませんけれども,研究していただきたいと思います。 以上,要望でお願いします。 ○副議長(波多洋治君)  次の項目に移ります。答弁者は控席へ御移動願います。 37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  次に,障害者を支える環境づくりについて伺います。 障害をお持ちの方でも,行動やコミュニケーションを支援または補助する人材や装置などが整っていれば,社会参加が可能となります。人材確保等の面からいうと,岡山県では,行動援護従業者や手話通訳者等の養成に取り組んでいますが,障害をお持ちの方にとって必要不可欠なサービス量と実際にサービスを提供できる体制とのバランスはとれているのでしょうか。 実際に継続して安定的にサービスを提供しようとすれば,従事者の仕事量や困難さに見合った収入がなければ続けることはできません。また,従事者に対して継続した研修が行われるなど,モチベーションやスキルを確保するための仕組みが欠かせないと考えます。これはそうしたサービスを支える事務局体制についても同様です。 こうした実態について,県としてはどのように把握しているのでしょうか。また,持続可能な支援体制を構築するために,さらなる支援が必要と考えますが,あわせて保健福祉部長に御所見を伺います。 次に,日常生活用具等について伺います。 障害をお持ちの方に,日常生活で必要となる用具を給付するものが日常生活用具給付等事業ですが,市町村がその必要性を判断することとなっています。こうしたことから,例えば聴覚障害者に対する軟骨伝導補聴器や盲聾者に対する点字音声情報端末などは,市町村によって給付対象にするかどうかに違いがあるのが実情です。対象者数や予算に違いがあることも理解はするものの,生活上必要なものが,同じ県内において違いがあるのも合理的とは思えません。必要なものが給付されるよう,県としてガイドラインを示すなど,サービス水準の向上を図っていただきたいと考えますが,いかがでしょうか。保健福祉部長に伺います。 次に,災害時など,緊急時における対応について伺います。 さきの西日本豪雨災害に係る「平成30年7月豪雨災害検証報告書(素案)」では,避難行動要支援者に対してどのような対策がとられたかについても検証が行われています。要支援者名簿が避難の呼びかけや安否確認に十分活用されなかった,全体として,避難行動要支援者ごとの個別計画の策定が進んでいないことなどが指摘されています。障害者を含む要支援者に対して何ができて何ができなかったのか。福祉避難所における対応はどうだったのか。ふだんからさまざまな環境に置かれている障害者の緊急時における課題を検証することは,今後の障害サービスの向上や緊急時の支援の充実,より実効性のある個別計画の策定などに大きく寄与するものと思われます。市町村における状況を把握し,詳細な検証をぜひ行っていただきたいと思いますが,御所見を伺います。 ○副議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 障害のある方への支援についての御質問であります。 緊急時の対応についてでありますが,7月豪雨災害での障害のある人の状況については,発災後に行った障害者団体等との意見交換を通じて,実際の避難の様子などをお聞きし,障害の種別や特性によってそれぞれに課題があることを認識したところであります。 これを踏まえ,来年度新たに,障害のある人一人一人の特性に応じた避難行動セルフプランの作成支援に取り組むこととしており,取り組みを進める中で,市町村や関係団体等とも連携しながら課題を検証し,効果的な計画づくり等に生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  続けて,答弁を求めます。 保健福祉部長中谷祐貴子君。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  お答えいたします。 障害のある方への支援についての御質問であります。 まず,人材確保等についてでありますが,障害のある人の社会参加を促進するためには,お話の手話通訳者などによる支援や従事者の質の向上に資する研修などが重要でありますが,現状では,必ずしも十分とは言えないと認識しております。 このため,関係機関・団体に意見を伺いながら策定した障害福祉計画に目標を定め,養成研修や派遣事業に継続的に取り組んでいるところであります。 今後とも,現場のニーズや支援従事者等の意見も伺いながら,必要とする人にサービスや支援が適切に提供されるよう,支援体制の整備を図ってまいりたいと存じます。 次に,日常生活用具等についてでありますが,法令に基づく日常生活用具給付等事業は,各自治体が地域の特性や利用者の状況に応じて実施する地域生活支援事業の一つであり,給付対象は,実施主体である市町村の判断により選定されることになっております。このため,県としてガイドラインを示すことまでは考えておりませんが,地域で差が生じている現状については,各市町村の状況を県内で共有するとともに,引き続き他県とも連携して国に伝えるなど,必要とする人への用具の給付が適切に行われるよう努めてまいりたいと存じます。 以上でございます。
    ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  御答弁ありがとうございました。 まず最初の部分ですけれども,必ずしも十分な体制ではないと。計画に従って頑張っていきたいということなんでございますが,そもそも,ちょっとお尋ねしたいんですけれども,例えば盲聾という,聴覚と視覚障害の重複障害の方がいらっしゃいまして,厚生労働省の24年の調査では,岡山県内に173人という数字が出ています。ただ実際に,例えば友の会とかの当事者団体で把握しているのは19人しかいないということです。重複障害ですから,それぞれのサービスの中にかかっているというのは理解するんですが,特徴的に,例えば状況説明が要るであるとか,ほかの障害と違って,より一層の支援が必要な皆さんなんですけれども,その支援が十分届いていないのではないかという問題意識を,実は私持っていまして,そもそもの実態のところの数字が,本当に正確にとれているのか,そのあたりについても御認識をお聞かせをいただきたいと思っています。鳥取では,悉皆調査,訪問調査も行って,盲聾者については支援センターというものを設置したり,そういった政策につながっているということなので,その実態の把握状況についてお聞かせをいただきたいと思っています。 それから,さらに言いますと,障害者差別解消法に基づいて,職員対応要領というのをつくっていただいて,その中には盲聾という区分をつくっていただきました。そこについてはすごく評価をするところなんですが,それを見ただけでも,対応すべきやり方が違うというのは明らかだと思うので,そのあたりの実態と,皆さんを支えるサービスという部分について,少しお答えいただければと思います。 ○副議長(波多洋治君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  お答えいたします。 支援者の方の数値的な実態の把握をどうしているのかということと,支援者の方への対応の状況についてという御質問であったかと思います。 今,具体的な実態に関する数字は手元に持ち合わせていないのですが,先ほど申し上げました県障害福祉計画を策定する際に,関係の団体,それぞれの障害の関係の団体ですとか,それを支援する関係の団体が集まっておる協議会がございまして,その協議会の場で,各団体からお話を伺うということと,さらにそれ以外の,協議会に所属していない関係の団体からも,全て個別にヒアリングをさせていただきまして,具体的な状況ですとか御要望などを意見交換させていただいておりますので,そういった中で,さまざまな数値的なこと以外も含めまして,実態をお伺いした上で,計画をつくらせていただいております。 なお,今御指摘のありました盲聾者向けの通訳介助員ということにつきましては,県計画の中では,1年間に10名養成するというのを各年続けていくという予定にさせていただいております。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  ありがとうございました。 さっきの通訳者のところで申し上げますと,これは確認をしていただきたいと思うんですが,盲聾者向けの方を育成はしているんですけれども,例えば労力と単価といったところで,なかなか実際の現場に行きづらいという,そういう側面もあるようでございますので,そこはきちんとそれが支えられるような体制についてお考えをいただきたいなと思っています。 それと,先ほど,日常用具の話で,ICTの話もさせていただいたんですけれども,日々,そういった部分で進化をするというか,改良されていく,それはすごく望ましいことなんですが,それにしっかりと制度が追いついていかなければいけないと思っていますので,ぜひ市町村の中で交流するに当たっては,そういう新しい知見も含めて紹介をするなり,利用される側が本当に効果的な支援になるようにお願いしたいと思いますが,そのあたりについてお願いします。 ○副議長(波多洋治君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  お答えいたします。 日常生活用具の給付の対象につきまして,自治体間の差だけではなく,そうした新しいツールなどについての情報提供もすべきではないかといった御質問であったかと思います。 御指摘のとおりで,現状,日常生活用具給付等事業の対象になっている用具の中には,今御指摘いただいたような新しい機器で情報通信を使ったような支援用具というのもございます。今,現状を申し上げますと,27の市町村のうち,そうした情報通信支援用具を給付対象にしておりますのは13市町村ということになっておりまして,大体半分ぐらいという状況ですので,例えばそこに有用な器具の情報を,できるだけ詳しく県からも情報提供させていただき,なるべく必要な方に必要な用具が届くように説明させていただければと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  ありがとうございました。 しっかりと意見を聞いていただいて,対応していただいている状況,よくわかりました。 先ほど言ったセルフプランについてでございますが,これは,例えばいつごろまでにどういった形で,対象範囲はどれぐらいかというのがわかれば教えていただけたらと思います。 ○副議長(波多洋治君)  知事。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  具体的なことについて,担当部長からお伝えいたします。 ○副議長(波多洋治君)  保健福祉部長。   〔 保健福祉部長 中谷祐貴子君 登壇 〕 ◎保健福祉部長(中谷祐貴子君)  お答えいたします。 来年度のセルフプランの作成支援事業につきまして,具体的なスケジュールなどという御質問であったかと思います。 こちらにつきましては,今月,セルフプランの作成推進事業に御協力をいただけるような団体及び市町村,それから福祉サービスの事業関係者などを集めた説明会をまずさせていただくとともに,それ以外の全体の市町村及び県民局を含めました福祉関係者の担当者会議でも,このセルフプランの推進事業について説明をさせていただいて,4月以降の実際のセルフプランの事業の手上げをしていただく準備に着手させていただきたいと思っております。 その後,順次,各委託を受ける団体さんと,それぞれの進め方を御相談させていただきながら,年度末までに準備をさせていただくということで考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  次の質問に移ります。 37番。   〔 37番 高原俊彦君 登壇 〕 ◆37番(高原俊彦君)  ありがとうございました。 しっかりと,安心して緊急時でも対応ができるような体制をとる,特に,昨年ああいうことがございましたが,それぞれ皆さん,不安な気持ちをお持ちでございますので,よろしくお願いしたいと思います。 最後に,自治体HACCP等認証制度について伺います。 昨年6月に食品衛生法が改正され,原則として,全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理に取り組むことが義務づけられました。事業者は,3年以内に制度化に対応する必要があります。HACCP方式は,原料の入荷から製造・出荷までの全ての行程において,あらかじめ危害を予測し,その危害を防止するための最重要管理点を特定して,そのポイントを継続的に監視・記録し,異常が認められたらすぐに対策をとり,解決するので,不良製品の出荷を未然に防ぐことができるシステムです。小規模事業者の場合には,それぞれ各業界団体が作成した業種別手引書を参考に,一般的衛生管理を基本として計画を作成し,簡単な記録を行うこととされており,保健所がその相談に応じる体制となっています。 衛生管理を見える化することにより,食の安心・安全を積極的に確保することは,消費者の立場からは歓迎すべきことと思います。ただし,今回導入される「HACCPに沿った衛生管理」は,認証などの制度ではありません。それぞれの事業者に自主的努力を促し,評価するために,公的な認証制度の導入が各都道府県では進んでいます。自治体HACCP等認証制度を持っている都道府県は,これまでに31都道府県に及んでおり,中四国では6県が独自の認証制度を運用しています。また,鳥取県では「鳥取県HACCP適合施設認定制度」を運用する傍ら,認定取得を目指す事業者に対して…… ○副議長(波多洋治君)  高原俊彦君。 ◆37番(高原俊彦君)  (続)機械装置に要する経費などを補助する制度を設けており,積極的な取り組みを行っています。 今回の法改正を機に,岡山県独自の認証制度をつくる考えはありませんか。 また,財政的支援を行う考え方はありませんか。御所見を伺います。 ○副議長(波多洋治君)  発言時間を超過しておりました。注意いたします。 答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  お答えいたします。 自治体HACCP等認証制度等についての御質問でありますが,県では,食品等事業者の自主的な取り組みを促すため,これまでも,HACCPの普及講習や導入を目指す事業者への実践研修などを行ってきたところであります。 お話の認証制度の創設や財政支援を行うことは考えておりませんが,法改正により,HACCPに沿った衛生管理が義務づけられたことを踏まえ,まずは,義務化の対象となる全ての食品等事業者が施行期限までに導入できるよう,商工会などと連携しながら,HACCPに関する相談への対応や,小規模事業者向けの研修などのさまざまな取り組みを進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  以上で高原君の質問は終了いたしました。 次の質問者に移ります。 8番山本雅彦君。   〔 8番 山本雅彦君 登壇 〕 ◆8番(山本雅彦君)  皆さん,こんにちは。 自由民主党の山本雅彦です。 通告に従いまして,時間内に終わりますように質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 初めに,観光についてです。 本県の観光客数は,地域に大きな災害をもたらしました西日本豪雨を乗り越え,回復基調にあります。このことは,私にとりましても非常にうれしく感じており,観光関連事業者の皆様の多大な御苦労,また岡山県や県観光連盟,観光関連団体の皆様によるプロモーションや支援の取り組みに対し,心から敬意を表したいと存じます。 そして,本年は,10連休という超大型連休や,瀬戸内国際芸術祭を控えるなど,本格的な観光シーズンに向け,観光によって岡山県が大いに盛り上がってほしいと考えております。 さて,我が国の訪日外国人旅行客は,過去最高の3,000万人を超え,オリンピック・パラリンピック,大阪万博など,世界的なイベントにより,外国人観光客を牽引役として,国内観光はさらなる飛躍が期待されています。 外国人観光客のニーズも,ゴールデンルートに代表される有名観光地の人気は依然として高いものの,より深い日本に触れることができる地方の人気も着実に増加しており,豊かな自然や歴史文化資源を有する本県にも,大きなチャンスがあると,そのように考えます。 実際に,県下の動向に目を向けますと,発地別の県外観光客数は,海外を含むその他に分類される地域が,対前年比261%と伸長し,外国人旅行者宿泊者数も30万人を超えるなどの裏づけともしてあらわれています。 そこで,お尋ねいたしますが,外国人旅行者の県下のエリアごとの動向をどのように分析されておられますか。特定のエリアに集中しているのかどうかや,課題等を含め,お聞かせください。 また,特定のエリアに集中しているとすれば,他のエリアに対してどのような誘引を図っていかれるのか,あわせてお考えをお聞かせください。 また,県北には,蒜山に代表される中国山地に広がる雄大な自然,城下町や旧街道に残る古い町並み,美作三湯といった資源を豊富に有しているにもかかわらず,その主なアクセス手段は自動車であり,鉄道や飛行機による訪問は,県南と比べ,非常に不利な状況となっています。外国人はもとより,遠方からのさらなる誘客を目指すためには,アクセス性がボトルネックとなっているのではないでしょうか。 県として,この点をどのように捉え,交通アクセスの向上により,県北などへの誘客をどう図っていくのかお聞かせください。 次に,備前,備中,美作の各県民局では,地方振興事業調整費や地域活力創出推進事業を活用して,どのような観光事業に取り組んでいるのでしょうか。 また,例えば美作国観光連盟では,美作県民局の10市町村が連携し,広域観光誘客に取り組まれておられますが,私は本来,市町村の区域を越えた広域的な観光誘客こそ,各県民局の役割ではないかと思います。各県民局が所管する各エリアの広域観光の主体として,推進組織の事務局も積極的に持つべきと考えますが,あわせて御所見をお伺いいたします。 また,県を超えるより広域的な取り組みが進む中で,他県との連携,さらには瀬戸内から鳥取,島根県へのいわば縦軸観光連携などの旗振り役や,民間事業者との調整役が必要と思われますが,広域観光における県の求められる役割について御所見を賜りたいと思います。 観光分野の質問の最後に,日本版DMOについてであります。 現在,観光庁に登録されているDMO及び候補法人数は220を超え,うち県下では4つの法人が登録され,現在も幾つかの地域で登録を目指しているとお聞きしています。県においても,市町村と連携し,地域課題解決支援プロジェクトにおいて,DMOの設立に係る支援に取り組まれています。今後,各地域のDMOがしっかりと観光による地域マネジメント組織として機能すれば,県全体の魅力向上と底上げにつながるものと思います。 そこで,お尋ねいたしますが,このDMO設立に関するプロジェクト自体は今年で終了すると聞いていますが,今後の展開について,総合政策局長にお伺いいたします。 一方で,DMOの取り組みが始まって間もないことから,市町村とともに,県としても一定の支援が必要ではないかと思います。そこで,DMOが取り組もうとする新たな取り組み等を後押しすることは考えられませんでしょうか。御所見を賜りたいと思います。 次に,産業振興の課題であります。 地球規模の課題に関する17の目標とその下につらなる169のターゲットから構成されるSDGsへの取り組みが広がる中,政府においても,成長戦略の柱として,Society5.0の実現を通じたSDGsの達成を掲げ,少子高齢化等の社会課題を解決する新たな社会モデルが形成されようとしていますが,その中で,急激な環境変化に対応し,将来性のある産業育成やAIやIoT,ロボットの活用など,新たな取り組みが必要と感じています。 そうした中で,産学官の連携は不可欠であり,新たな事業創造やイノベーション創出に貢献するものと考えます。県北にある津山工業高等専門学校,津山高専では,企業ニーズを卒業研究テーマに採用し,AIによる需要の予測を推進するなど,具体的な成果が期待されると聞いています。 県においては,来年度,大学と連携した地域産業振興事業に取り組まれ,企業と大学との「共同研究センター(仮称)」に新たにコーディネーターを配置される計画があると思います。具体的な体制や人数及び活動計画,成果目標についてのお考えを産業労働部長にお尋ねいたします。 また,県内の技術力のある企業,大学・高専,県工業技術センター,産業支援機関などの産学官の連携の仲介役として,ミクロものづくりコーディネーターが御活躍されていると思いますが,これまでの活動実績と大学との連携事業における新たなコーディネーターとの活動方針及び役割の違いを,産業労働部長にお尋ねいたします。 次に,中小企業支援策についてです。 津山圏域では,ステンレスメタルクラスター製作などの広域事業連携を推進した結果,クラスター参画企業の総売り上げが,前年度比約36億円増加し,225名の雇用増を実現されています。しかし,県北企業の皆さんからは,県施策の多くは県南企業向けで,県北企業には対象事業や申請基準が合致しないなどの御意見をいただいております。 また,中小企業の規模や事業領域等の違いもあり,国,県,市町村がそれぞれに支援施策を計画しているのが現状でありまして,県内各市町村において,独自の補助金や施策等が実施されています。多数の制度が乱立することで,事業者の側から見ると,活用しにくく,申請の妨げとなっているとのお話も聞きます。連携し,統合的な成果を追求することが不可欠だと考えます。 ここで,お尋ねいたしますが,県の中小企業支援策について,県北地域を対象とする対策にどのようなものがあるか。また,県北企業の補助金の交付申請件数,採択件数,交付額について,それぞれ県全体の交付総額や件数に対する比率を含めて,産業労働部長にお伺いいたします。 また,補助金を交付後,企業業績にどのように貢献したのか,あるいはどのような影響を与えたのかを把握することが,今後の県内企業への支援策を検討することで有益であると考えます。企業収益に関する経営指標のうち,売上額,利益額等について,補助金申請時のみならず,交付後も追跡調査が必要だと思います。 そこで,県の補助金交付後の企業収益への貢献,影響について,どのような形で成果を測定しているのかお尋ねいたします。実績件数や交付額のみでは,真の意味での企業支援の実態としては成果が見えてこないと考えますが,御所見を含めて,産業労働部長に伺います。 また,津山圏域においては,平成30年7月に,初めて「つやまエリアオープンファクトリー」が開催され,県も連携・協力する中で,1,756名が参加されました。長期的視点に立って,将来の雇用に結びつく企業支援を精力的に進めるなど,地元企業の活性化につながる取り組みが行われました。本当によかった,すばらしい取り組みであったと感じております。そのオープンファクトリーは,新年度も計画されているとお聞きしておりますが,新規学卒者の売り手市場で,全国で人手不足が続き,本県の1月の有効求人倍率は2.00倍と,全国平均の1.63倍をはるかに上回る高い有効求人倍率となっている中,県内,特に県北の中小企業は,人材不足に苦慮している現状がうかがわれます。 一方で,大学生は,就活対策の一つとして,ワンデイやワンウイークなど,さまざまな形のインターンシップにより就職先を選定しています。県外に進学した大学生からは,「よい仕事,やりがいのある仕事が地方にあれば,帰って就職したい」という声も耳にいたします。オンリーワン,ナンバーワン企業が県内にもたくさんあることを知らないまま,進学先の近くの企業で就職してしまっているケースが多くなっています。大学生は,この会社に就職したいと思った企業を選んでインターンシップに参加しています。インターンシップや企業説明会に参加する前の大学生を対象とし,企業での職場見学や先輩社員との交流を通じて,まずは地元企業の経営理念や強み,よさを知ってもらう地元就職支援の取り組みを,県及び市町村が連携して実施してはどうかと考えます。大学生が地元企業に目を向け,就職先の候補企業としてインターンシップに参加してもらうことができ,地元企業への就職につながっていくと思いますが,そのような取り組みについて,産業労働部長にお伺いいたします。 次に,少花粉杉・ヒノキの普及についてお伺いいたします。 花粉症の方にとりましては,本当に憂鬱な季節がやってまいりました。日本気象協会の花粉飛散予測によりますと,中国地方では,例年と比べ,多い見込みとなっているようです。国民病と言っても過言ではないこの花粉症ですが,このような状況になったのは,過去からの経緯があります。皆さん,御存じのとおり,杉・ヒノキの花粉が大きな原因でありますが,林野庁によりますと,次のように解説しています。 戦中戦後は全くの物資不足で,資材,燃料としての過度の伐採で森林が荒廃し,台風などにより,たびたび各地で甚大な被害が発生いたしました。また,昭和35年の所得倍増計画,その後の高度成長期におけるまき,炭,薪炭材の需要の低下と,住宅建築などに伴う用材需要の増大により,天然林を人工林に転換する拡大造林への要請が高まりました。こうした中,荒廃した林地への緑化運動の展開や,自然林伐採跡地への植林の拡大に当たり,我が国の固有樹種で加工しやすく,幅広い用途に使える杉が好んで植えられてきました。 結果として,現在では,森林の約4割が人工林で,人工林の約4割が杉人工林となっています。 また,杉が花粉を飛ばし始める年齢は,植えてから十数年たつと,雄花ができ始め,本格的に花粉が生産されるのは,早くて25年,通常は30年程度と言われています。戦後,先人たちが一生懸命植えてきた杉の人工林が,徐々に成長して,30年を超える林がふえてきたことに伴って,花粉の生産量も増加してきたと推測されます。 このような状況を踏まえて,林野庁では,花粉の量を従来の1%以下にできる品種を開発し,花粉が大量に飛散させる杉人工林の伐採・利用と植えかえの促進,花粉症対策に資する苗木の供給拡大などを進めています。本県におきましても,少花粉スギ・ヒノキ普及推進計画を策定し,対策に取り組んでいますが,少花粉杉・ヒノキの苗木の生産状況及び植えかえの現状と今後の予定について,農林水産部長にお尋ねいたします。 また,少花粉杉・ヒノキへ植えかえするためには,今ある木を伐採して植えかえる,つまり県産材の利用促進がなければ先に進みません。県産材生産目標や県が整備する公共建築物における県産材の利用の目標を定めていますが,その達成状況はどのようになっていますでしょうか。また,その状況を踏まえた今後の取り組みについて,農林水産部長にお尋ねいたします。 次に,食農教育についてお尋ねいたします。 交通機関の発達や情報化社会の浸透により,私たちの生活は便利になり,食においても,外部化・多様化などにより豊かになりました。その一方で,農業の生産現場と消費者との距離が遠くになり,食の安全・安心を揺るがす事件が発生したことや,食をきっかけとした生活習慣病にかかる人がいるなど,食に関する課題も発生しています。 そうした中,ふだん口にする野菜の名前がわからないなど,知識不足だけではなく,子供の朝食欠食や,コミュニケーションがなく,1人で食事をする,いわゆる孤食が社会問題になるなど,将来を担う子供の食の乱れは重大問題で,食育の重要性が増しています。 食は,健やかな体づくりのためだけではなく,食のリズムを通じて規則正しい生活習慣を身につけることや,家族・仲間と食卓を囲んで楽しく食事をすることで心を豊かにする役割を持っています。食農教育は,食べるという人間にとって大事な行為そのものだけではなく,その背景にある動物や植物の命を感じ,子供のみならず,大人にも日本の豊かな自然や四季のとうとさ,農業の果たす役割を伝え,目には見えない食と農との強いつながりを学ぶことに大きな特徴があります。 私たちの食を支える産業である農業を知るため,畑や田んぼ,ビニールハウス等で植えつけから収穫までを体験することで,農業のさまざまな苦労を知り,感謝の気持ちを持ち,豊かな想像力を育むことができると考えます。また,各地で開かれる収穫祭にも参加することで,食や農を通じた伝統文化を学ぶこともできます。さらに,ふだんは家庭で調理に参加していない子供も,なれない調理を楽しむことで,毎日調理をしてくれる人への感謝の気持ちが醸成されるものと考えます。 食農教育について,今後どのように取り組まれるのか,教育長に御所見をお伺いいたします。 最後になります。再犯防止に向けた取り組みについてお伺いいたします。 県内の昨年の刑法犯認知件数が9,509件で,戦後初めて1万人を下回ることとなりました。16年連続の減少で,戦後最多を記録した平成14年の4万5,386件と比べますと,約8割の減少となっております。県警察を初め,各自治体,ボランティアの方々の防犯への取り組みに,改めて敬意を表する次第であります。 その一方で,刑法犯の検挙人員に占める再犯者の割合が5割を占めるといった状況となっております。さらなる安全・安心のためには,再犯防止に向けた取り組みが非常に重要となっています。再犯防止については,出所しても,安定した仕事や住居がなかったり,必要な福祉サービスを利用できずにいたりして,そのまま孤立し,犯罪を繰り返す悪循環をどう断ち切るかが課題となっております。これにどう対応するかがポイントです。 県では,この悪循環を断ち切れるよう,犯罪をした者等を地域社会で支援するための施策を総合的かつ計画的に実施するため,「岡山県再犯防止推進計画」を策定しております。この中には,「就労・住居の確保」,「保健医療・福祉サービスの利用促進等」など,5つの重点課題とこれらに係る施策を今後どのように取り組んでいくかが記載されています。 まず,就労の確保についてお尋ねいたします。 現状として,協力雇用主,これは刑務所出所者等を,その事情を理解した上で雇用し,改善更生に協力する雇用主のことですが,この登録数は,平成30年4月現在で,県内に334社あるようです。しかしながら,そのうち実際に雇用しているのは12社で,雇用されている者は14人にとどまっているようです。これは,犯罪をした者等を雇用した場合の経済的負担やトラブル等が発生するリスクを考えて,実際に雇用することに不安を感じたり,協力雇用主としての活動について,従業員や取引先からの理解を得られないこともあったりするためではないかと考えられます。 再犯防止の観点から,犯罪をした者等の立ち直り支援のための就労の確保について,事業主の理解を広めていく必要があると考えますが,県として,どのように取り組んでいくつもりでしょうか,産業労働部長にお伺いいたします。 また,就労関係,医療関係,少年非行関係など,施策ごとの関係団体については,ネットワークがあるようですが,再犯防止に取り組むには,さまざまな分野が連携し,課題を共有することが必要だと考えます。さまざまな分野で構成されたネットワークを構築するお考えはありませんでしょうか,県民生活部長にお伺いいたします。 以上,質問とさせていただきます。 ○副議長(波多洋治君)  答弁を求めます。 知事伊原木隆太君。   〔 知事 伊原木隆太君 登壇 〕 ◎知事(伊原木隆太君)  自由民主党の山本議員の質問にお答えいたします。 観光施策についての御質問であります。 まず,外国人旅行者の動向についてでありますが,県の2017年度,平成29年度の宿泊者数調査によると,県南での宿泊が95%,県北が5%,また県南の中でも広域周遊に向けたアクセスがよい岡山市,倉敷市に集中している状況であり,県北への回遊や宿泊が課題であると考えております。 お話のとおり,地域独自の文化や日常生活への関心を持つ外国人旅行者がふえていることから,来年度,田舎暮らし体験などの観光コンテンツづくりを支援する補助制度を創設することとしており,こうした魅力づけと,二次交通の充実により,県内全域への周遊につなげてまいりたいと存じます。 次に,交通アクセスの向上についてでありますが,外国人旅行者などの県内周遊を促進するためには,県北などへのアクセス手段の確保が重要な課題であると考えております。このため,今年度実施したレンタカー料金の割引制度を利用しやすくするとともに,市町村等によるバスやタクシーの運行を拡充するなど,二次交通の充実を図り,これらをしっかりとPRすることで,県北などへの誘客につなげてまいりたいと存じます。 次に,県民局での取り組み等についてでありますが,県民局では,事業調整費等を活用して,主に地域資源を生かした広域的な周遊観光につながる事業に取り組んでおり,今年度,備前では,「かきまつりのPR」,備中では,「備中杜氏の郷ツーリズム」,美作では,「津山線開業120周年イベント」などを実施したところであります。 また,広域観光の推進体制については,既に各県民局の管内では,市町村で構成される広域的な観光推進組織が複数設置され,自主的に運営されているところであり,県民局においては,こうした組織が実施する事業を,地域の実情に応じて支援してまいりたいと存じます。 次に,県の役割についてでありますが,お話の県境を越えた広域観光の推進には,県が重要な役割を担う必要があり,旅行ニーズの多様化や外国人旅行者の大幅な増加等を踏まえ,共通のテーマ等の設定による広域連携の取り組みを強化してまいりたいと考えております。 こうしたことから,鳥取県や香川県との縦軸連携により,県域をまたぐドライブルートや周遊モデルコースの設定,広域をめぐる旅行会社等の取材ツアーなどを実施してきたところであり,引き続き,広域的な観光コンテンツの開発などにも,市町村や観光事業者と連携を図りながら取り組んでまいりたいと存じます。 最後に,日本版DMOのうち,取り組みの支援についてでありますが,県ではこれまで,観光地域づくりの重要な担い手である真庭観光局などの県内DMOと連携し,台湾の旅行博への共同出展や取材ツアーの受け入れ,豪雨災害の復興に向けた割引キャンペーン等に取り組んできたところであり,引き続き,DMOとの連携を強化し,観光関係の助成事業の活用を働きかけることで,DMOの活動を後押ししてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  次に,総合政策局長村木正司君。   〔 総合政策局長 村木正司君 登壇 〕 ◎総合政策局長(村木正司君)  お答えいたします。 観光施策についての御質問であります。 日本版DMOのうち,地域課題解決支援プロジェクトについてでありますが,2年間の取り組みの結果,参加している6市町村のうち,津山市,矢掛町において,DMOの設立に向けた具体的な動きが出ているほか,ほかの市町村でも,地域の実情に即した観光マネジメントの方向性が見出されております。 プロジェクト終了後は,各市町村が自立し,主体的な取り組みを進めることとしておりますが,引き続き,取り組み状況の把握を行いつつ,情報提供や助言など,必要な支援を行ってまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  県民生活部長小林章人君。   〔 県民生活部長 小林章人君 登壇 〕 ◎県民生活部長(小林章人君)  お答えいたします。 再犯防止対策についての御質問であります。 ネットワークの構築についてでありますが,お話のように,再犯防止を進めるに当たっては,例えば就労と福祉サービスなど,複数分野の団体等が連携して支援することが効果的な事例もあると承知しております。 県では,岡山県再犯防止推進計画の推進を図るため,庁内組織として「再犯防止推進連絡会議」を設置し,関係部局が情報の共有等を図ることとしておりますが,保護観察所等からの要請があれば,この組織の中で,複数分野の連携の手法等についても検討してまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  産業労働部長横田有次君。   〔 産業労働部長 横田有次君 登壇 〕 ◎産業労働部長(横田有次君)  お答えいたします。 まず,産業振興についての御質問であります。 大学と連携した地域産業振興事業についてでありますが,企業と大学との「共同研究センター(仮称)」には,センター長,専任のコーディネーター2名及び事務職員2名に加え,工業技術センターの職員も適宜参画させ,合わせて6名程度の体制とした上で,県内企業ニーズの集約と大学シーズの発掘,両者のマッチングや共同研究の推進のほか,県内コーディネーター間の連携促進にも取り組むこととしております。 また,成果目標としては,現在設定している「産学官共同開発プロジェクトに取り組んだ企業数」や,「従業員100人以上の製造業事業所数」の上積みにつなげてまいりたいと考えております。 次に,ミクロものづくりコーディネーターについてでありますが,本県のものづくりの高度化を目指す「ミクロものづくり岡山推進協議会」の参画企業の拡大に取り組むとともに,金属加工などの精密生産技術分野において,企業の課題解決に向けた助言や企業と大学との橋渡しを行ってきたところであります。 一方,新たなセンターに配置するコーディネーターは,AI,IoTを含む新たな技術分野を中心に,企業と大学とのマッチングや共同研究の推進のほか,県内コーディネーター間の連携促進にも取り組むこととしており,それぞれが役割を果たすことで,地域産業の一層の振興を図ってまいりたいと存じます。 次に,中小企業支援についての御質問であります。 県北地域を対象とする対策等についてでありますが,中小企業を対象とする補助金は,地域を限定することなく,県全体を対象に取り組んでいるところであり,平成27年度から平成29年度までの県北企業への交付実績及び全県に占める割合は,申請件数は30件で17.4%,採択件数は20件で17.2%,交付額は5,690万円で16.8%となっております。 次に,成果の測定についてでありますが,中小企業に対する新技術・新製品の研究開発などの補助事業については,補助事業終了後5年間,事業化の状況報告を求めることとしており,そのうち事業化されたものは,売上高や従業員数の増減等の報告を求めることなどにより,成果を測定しているところであります。 事業成果の継続的な把握は重要であると考えており,こうした取り組みをしっかりと行うことで,効果的な事業実施に努めてまいりたいと存じます。 次に,就職支援についてでありますが,これまでも就職活動前の大学生を対象に,県内外の大学等でのインターンシップ事業の周知や受け入れ企業との交流会の開催など,県内企業をインターンシップ先として選択してもらえるよう取り組んでいるところであります。 また,市町村との連携については,企業の魅力を感じてもらうためのバスツアーを,津山市等と協力して実施しているほか,市町村が主催する就職イベント等の広報を県においても行っており,今後,より効果的な事業実施に向けて連携を深めてまいりたいと存じます。 最後に,再犯防止対策についての御質問であります。 就労の確保についてでありますが,昨年度から,岡山保護観察所が設置している刑務所出所者等の就労を支援する協議会に,経済団体等とともに参加するほか,県の広報誌を活用し,協力雇用主への支援制度や雇用を希望する事業主への採用手続支援サービス等を紹介しており,こうした取り組みを通じ,犯罪をした者等の雇用について事業主の理解を広めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  農林水産部長伊藤敦哉君。   〔 農林水産部長 伊藤敦哉君 登壇 〕 ◎農林水産部長(伊藤敦哉君)  お答えいたします。 少花粉杉・ヒノキの普及についての御質問であります。 まず,苗木の生産状況等についてでありますが,県では,少花粉スギ・ヒノキ普及推進計画等に基づき,少花粉苗木の生産体制の整備など,花粉発生源対策に重点的に取り組んでおります。昨年度,県内では,約44万本の杉・ヒノキ少花粉苗木が生産され,これら苗木による植えかえの割合は,全体の94%となっており,平成32年度までに90%以上にするとの新生き活きプランの目標を既に達成しております。 引き続き,早期に,植えかえる全ての苗木が少花粉苗木となるよう,より効率の高い生産方法への転換の促進や,種苗生産者と連携した森林所有者等への一層の普及啓発などに取り組んでまいりたいと存じます。 次に,県産材生産目標の達成状況等についてでありますが,県産材生産量は,平成32年において,53万立方メートルとの目標に対し,平成29年では48万6,000立方メートルとなっており,未利用材の燃料利用等もあり,近年,増加傾向で推移しております。 また,県が整備する公共建築物における県産材利用量は,平成29年度から33年度までの5カ年間において,年平均485立方メートルとの目標に対し,今年度までの2年間の年平均の実績見込み量は約364立方メートルとなっております。今後とも,県産材の生産拡大に向け,間伐など,適切な育林のほか,新たな木材需要の創出や国内外での販路拡大等に取り組むとともに,県産材利用促進指針に基づき,コスト面にも配慮しながら,市町村や関係団体と連携の上,公共建築物の木造化や内装の木質化を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  教育長鍵本芳明君。   〔 教育長 鍵本芳明君 登壇 〕 ◎教育長(鍵本芳明君)  お答えいたします。 食農教育についてでありますが,食農教育は,食べ物の大切さはもとより,農業への理解を深め,自然の恵みに感謝する心を育てるものであります。 現在,学校では,地域の協力のもと,米などを栽培し,収穫する体験や,収穫した作物を調理する活動などにより,食べ物を生産することの苦労や喜び,大切さを実感し,食への感謝の心を育んでおります。また,副読本等を活用し,県内の農林水産業や地域に伝わる郷土料理等についても学習しているところであり,今後とも,地域との連携や体験活動の充実により,食農教育に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(波多洋治君)  8番。   〔 8番 山本雅彦君 登壇 〕 ◆8番(山本雅彦君)  御答弁ありがとうございました。 観光振興,中小企業の支援,そして特に,地元の高校を卒業した方々が地元の企業に就職する,また県外へ学びに出られた方々が,地元に帰ってきて就職できる,そんな環境をより強くしていただけるように,みんなで頑張っていただきたい,頑張ってまいりましょう。よろしくお願いいたします。質問ではありません。今のは要望です。 ちょうど今から2週間後の3月21日に,皆さんの御尽力のおかげをもちまして,津山市内の県道河辺高野山西線の一部が供用開始されることとなりました。これは県北の医療の拠点,津山中央病院への直接のアクセスができる大変貴重な道路です。今まで救急車が狭い生活道路を通り,一分一秒を急ぐ搬送車に大変危険な状況が続いていた,この改善となる,いわば命をつなぐ道路となります。知事初め,県の担当部局,津山市,地元の皆様の御協力のたまものでありますが,長年にわたり,県勢発展に努められました地元選出のお二人の先生の御尽力があったからこそ,県北の安全・安心が前進したものと,心から敬意を表します。両先生には,1年生の私に,県北の議員仲間として,いつも温かい御指導を賜りました。心から感謝を申し上げます。井元乾一郎先生,渡辺吉幸先生,両先生が御引退されることはまことに残念です。今後とも,ぜひ新しいお立場から,御指導,御助言をお願いいたします。お二人の御活躍をお祈りいたします。 あの青野先生が美咲町に帰られ,お二人がおられなくなること,県北議員団…… ○副議長(波多洋治君)  山本雅彦君。 ◆8番(山本雅彦君)  (続)県北にとって大変な痛手であります。また選挙がありますので,どうなるかわかりませんけれども,残された,県北県議団頑張ってまいります。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 ○副議長(波多洋治君)  よい送別の辞でありましたが,発言時間を超過しておりましたから注意をいたします。 以上で山本君の質問は終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(波多洋治君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △3月8日の議事日程 ○副議長(波多洋治君)  明日の議事日程は,午前10時開議で,一般質問であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(波多洋治君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後2時39分散会〇 平成31年3月7日(木曜日)出席議員   1番 須増 伸子君     2番 鳥井 良輔君     3番 大塚  愛君   4番 高橋  徹君     5番 河野 慶治君     6番 渡辺 知典君   7番 福島 恭子君     8番 山本 雅彦君     9番 小林孝一郎君  10番 市村  仁君    11番 上田 勝義君    12番 小林 義明君  13番 中塚 周一君    14番 江本 公一君    16番 太田 正孝君  17番 木口 京子君    18番 花房  尚君    19番 中川 雅子君  20番 氏平三穂子君    21番 森脇 久紀君    22番 荒島 俊造君  23番 三宅 和広君    24番 柳田  哲君    25番 池本 敏朗君  26番 渡辺 吉幸君    27番 小倉 弘行君    28番 加藤 浩久君  29番 遠藤 康洋君    31番 神宝 謙一君    32番 西岡 聖貴君  33番 波多 洋治君    34番 久徳 大輔君    35番 高橋 戒隆君  36番 蓮岡 靖之君    37番 高原 俊彦君    38番 住吉 良久君  39番 笹井 茂智君    40番 増川 英一君    41番 山田総一郎君  42番 高橋 英士君    43番 佐古 信五君    45番 井元乾一郎君  46番 伊藤 文夫君    47番 小田 圭一君    48番 渡辺 英気君  49番 内山  登君    50番 小野 泰弘君    53番 河本  勉君  54番 岡崎  豊君    55番 小田 春人君    56番 天野  学君  57番 千田 博通君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     内田二三雄         次長       矢吹  巧  議事課長     下坂 泰幸         政務調査室長   竹原 祐一  議事課長代理   田中  悟         議事課長補佐   新井 祐二  議事課主幹    藤原 良幸         議事課主事    片岡 岳人           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       伊原木隆太君        副知事      佐藤 兼郎君  副知事      菊池 善信君        公営企業管理者  佐藤 一雄君  危機管理監    吉田 邦成君        総合政策局長   村木 正司君  知事室長     房野 文彦君        総務部長     上原  毅君  総務部次長    須江 裕紀君        県民生活部長   小林 章人君  環境文化部長   片山 誠一君        保健福祉部長   中谷祐貴子君  産業労働部長   横田 有次君        農林水産部長   伊藤 敦哉君  土木部長     樋之津和宏君        出納局長     古南 篤子君教育委員会  教育長      鍵本 芳明君        教育次長     日比謙一郎君公安委員会  委員       江原 良貴君        警察本部長    桐原 弘毅君  警務部長     臼井 伸幸君人事委員会  委員       武井 祐子君        事務局長     水田 健一君監査委員  代表監査委員   山本 督憲君        事務局長     小寺 紀孝君選挙管理委員会  委員       田中 信行君...