奥出雲町議会 2011-03-08
平成23年第1回定例会(第3日 3月 8日)
平成23年第1回定例会(第3日 3月 8日)
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平成23年 第1回(定例)奥 出 雲 町 議 会 会 議 録(第3日)
平成23年3月8日(火曜日)
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議事日程(第3号)
平成23年3月8日 午前9時30分開議
日程第1 一般質問
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本日の会議に付した事件
日程第1 一般質問
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出席議員(14名)
1番 塔 村 俊 介君 2番 内 田 勇君
3番 内 田 精 彦君 5番 藤 原 充 博君
6番 村 尾 明 利君 7番 若 月 忠 男君
8番 内 田 正 男君 9番 松 﨑 正 芳君
10番 吾 郷 益 已君 11番 大 垣 照 子君
12番 景 山 孝 志君 13番 岩 田 明 人君
14番 若 月 康 男君 16番 千 原 祥 道君
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欠席議員(2名)
4番 藤 原 友 征君 15番 福 本 修君
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欠 員(なし)
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事務局出席職員職氏名
局長 ───── 高 橋 安 典君 書記 ───── 田 辺 綾 子君
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説明のため出席した者の職氏名
町長 ───── 井 上 勝 博君 副町長 ──── 和 泉 一 朗君
教育長 ──── 安 部 隆君 総務課長 ─── 小 倉 義 幸君
企画財政課長 ─ 藤 原 努君
地域振興課長補佐 本 山 宏 人君
町民課長 ─── 野 原 万寿老君
健康福祉課長 ─ 尾 方 豊君
税務課長 ─── 吉 川 孝 司君
教育総務課長 ─ 植 田 一 教君
生涯学習課長 ─ 川 本 健 二君 水道課長 ─── 稲 垣 和 利君
農業振興課長 ─ 糸 原 敬君
農林土木課長 ─ 石 原 敬 士君
建設課長 ─── 松 島 昭 雄君 出納課長 ─── 山 根 道 人君
病院事務長 ── 内 田 久 貴君
総合政策室長 ─ 堀 谷 智 樹君
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午前9時30分開議
○議長(千原 祥道君) そういたしますと、ただいまの出席議員数は14名であります。定足数に達しておりますので、直ちに本日の会議を開きます。
本日の議事日程は、あらかじめお手元に配付したとおりであります。
それでは、日程に入ります。
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◎日程第1 一般質問
○議長(千原 祥道君) 日程第1、一般質問を行います。
最初に、
若月康男議員。
○議員(14番 若月 康男君) 今定例会に一般質問の次の3点について行います。
その前に、ことしの冬の豪雪によりまして被害を受けられました皆様方にお見舞いを申し上げます。
それでは、第1点目の観光振興についてであります。
来年の平成24年には、日本最初の歴史書と言われている
古事記編さん1300年、平成25年は
出雲大社平成の大遷宮を機に、古事記、日本書紀、
出雲国風土記などに描かれ、現在まで連綿と受け継がれてきた歴史文化があります。奥出雲町は、斐伊川の上流にあり、中国山地に抱かれた豊かな自然を有し、
ヤマタノオロチ退治の舞台の地であり、また奇稲田姫を祭った稲田神社や、たたら製鉄や雲州そろばんといった歴史的、文化的な資源に恵まれています。
島根県においては、
大型観光キャンペーン「神々の国しまね・
古事記編さん1300年」に連動して、市町村、民間団体等が一体となって
集客イベントなどの大型事業が計画されていると聞いております。この
キャンペーンは、2010年から2013年の4年間に約25億円を投じて展開されると言われています。
これを機に、奥出雲町も記紀神話や
出雲国風土記などに縁のある太古の大蛇伝説発祥の地であり、
スサノオノミコトやイソタケノミコトを祭った鬼神神社もあり、
ヤマタノオロチ退治で大蛇の尾から神剣である天叢雲剣が出現、名古屋市にある熱田神宮の御神体として祭られており、その縁ときずなで結ばれ、昭和13年11月23日には、当時の鳥上村の村長さん以下代表2名が献穀されて以来、苦難の年もあったが、毎年献穀田で収穫された献穀米が73年間も奉納されていると聞いております。
このように奥出雲町には、出雲神話や日本古来のたたら製鉄の歴史があり、またとない神話ブームを追い風の機会ととらえて、奥出雲町の
着地型観光振興の
取り組み事業と
集客イベントが必要と考えますが、町長の御所見をお伺いいたします。
次に、先月2月20日、松江市のくにびきメッセにおいて、鉄の
道文化圏推進協議会主催の「
たたらシンポジウム」が盛大に開催されました。日本古来のたたら製鉄の歴史や世界的な価値を検証し、県内外の識者の方から、独自の手法で生産、環境保護を両立したと、たたら製鉄の特異性を指摘、
世界遺産登録も視野に地域を挙げて保存継承にさらに力を入れるべきだという意見が相次いだところであります。
奥出雲町内は、国内で唯一本格的な操業を続けているところであり、このように世界に類を見ない製鉄技術のたたら製鉄の価値と保全継承を
世界遺産登録についての取り組みの考えと、
日刀保たたらで生産される玉鋼を全国約250名の刀匠に提供し使用され、できた新刀を集めての
新刀刀剣展等を関係機関・団体等との協議・協力で
新作刀剣展開催を考え、刀剣の魅力と奥出雲町の魅力を広く全国に発信することも観光振興の一助と考えます。鉄の
道文化圏推進協議会の会長でもあります町長のご所見をお伺いいたします。
次に、医療従事者の支援強化についてであります。
過疎地域における
医療従事者不足は、全国的にも依然厳しい状況にあり、一層深刻化しております。奥出雲町におきましても、少子高齢化に伴い、今後、医療従事者の確保が大変重要になっています。町内にも、奥出雲病院を核として9つの個人開業医さんがありますが、将来においては、開業医さんの高齢化等によって無医地域の発生が懸念されることもあり、
地域医療従事者基盤強化のためにも、看護師、助産師、准看護師さんのほか、薬剤師、臨床検査技師さんの
医療技術者確保及び充実強化を図るために、大学、短期大学、専門学校等での免許の取得に必要な受験資格を取得できる教育機関の入学試験に合格した学生さんで、都道府県知事及び国家試験合格後、奥出雲町内に勤務を希望される学生等の就学をより容易にすることを目的に、
奥出雲病院委託学生奨学金貸与規則があり、その奨学金を利用されている学生さんが4名おられるとのことであり、この規則の利用効果の実績が上がっているものと聞いております。また、進学には多額な学費や親元を離れ、遠隔地で暮らす生活費等についても、経済的な負担は大きいと思います。
この規則では、地元の奥出雲病院に勤務することによっての奨学金返還の免除等の
優遇支援対策でもあり、後継者確保にも続くものと考え、奥出雲病院だけではなく、奥出雲町もあわせた
奨学金支援対策の強化により、さらなる効果を出すものであり、大切であると考えますが、町長の御所見を伺います。
続いて、3点目の第10回
全国和牛能力共進会の取り組みについてであります。
第10回
全国和牛能力共進会は、平成24年10月の25日から10月29日の5日間にわたって、長崎県佐世保市のハウステンボスを中心に種牛313頭、肉牛178頭、合計491頭の出品で開催される計画であります。全共は5年に1回、開催テーマを決めて開催されています。全共の特徴は、それぞれの時代における和牛生産と改良上の重要な問題を反映した出品区を設定し、日常の登録事業を通じた改良成果の検証と、あわせて次世代を託せる素材の選抜と展示により、今後の和牛改良の方向性を実物をもって明記することがねらいであると言われております。
第1回開催は昭和41年、岡山県で、「和牛は肉用牛たりうるか」、第5回は島根県、昭和52年で、「着実に伸ばそう和牛の子とり規模」、第10回は、来年の24年に開催されます長崎テーマは「和牛維新・地域で伸ばそう生産力・築こう確かな食文化」をテーマに開催されます。
昨年4月に宮崎県で牛の法定伝染病である口蹄疫が発生し、多数の牛、豚の殺処分が実施され、生産者、関係機関・団体等は並大抵の苦痛ではなかったということが新聞報道で内容が報道され、記憶に新しいことでございます。その影響で、島根県内でも子牛市場の延期や各種の共進会が取りやめになったところであります。
第10回全共島根県
出品対策本部は、平成21年2月4日に設置されていると聞いておりますが、生産者の生産意欲や共進会に対する熱意が低下していると同時に、各市町村においても地区の
出品対策本部を設置しての取り組み等、全共に対しての出品意欲は低下していると思いますが、その
ムードづくりが必要であると思います。
県内において奥出雲町は、
和牛生産戸数、飼養頭数においても県内屈指の生産地であり、全共のテーマでもあります「地域で伸ばそう生産力向上」のためにも大切であると考えます。全共開催まで1年8カ月となっている現状の中で、全共
出品対策協議会設置と、その取り組みの状況について町長の御所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君)
若月康男議員の御質問にお答えをいたします。
まず初めに、観光振興についてでございます。神々の国しまね・
古事記編さん1300年に連動した神話ブームを追い風の景気として、奥出雲町の
着地型観光振興事業と
集客イベントの考えはどうかという内容でございました。
御承知のように、平成22年度から島根県の
大型観光キャンペーン・神話の
ふるさと島根推進事業を推進するための協議会が組織されておりまして、神話をキーワードとして県民挙げての取り組みを促すこととされております。この協議会は、23年度から神々の国し
まね実行委員会に名前を変え、25年度まで、さらに充実した展開を図ることとされております。県は、この4年間で総事業費25億円を想定し、観光入り込み客数延べ500万人の増を図り、
観光経済効果もおおむね200億円を目指すことになっております。
奥出雲町は、議員御指摘のとおり、神話のまさに舞台の土地であります。
スサノオノミコトがおり立った鳥上の峰や稲田神社の周辺、また佐白の
伊賀武神社境内にある八重垣神社の周辺など、深いゆかりを持っております。まさに神話のふるさとである奥出雲にふさわしい観光事業を展開してまいりたいと考えています。このため、既に今年度から町内の皆さんを中心に数十名近い皆さんが応募してくださっておりますが、
神話ガイド養成講座を3回既に実施して、大変好評をいただいております。第1回のスタートの講師は、
藤岡大拙先生にお願いしたところでございます。また、23年度におきましても5回を計画しておりまして、計8回の公開講座のシリーズで神話ガイドをしっかりと養成してまいりたいと考えております。
このような町民の皆さんの積極的なかかわり、あるいは取り組みを得ながら、この奥出雲の地が将来神話ブームも追い風としてうまく生かしながら、
パワースポットだけでなく、ヒーリングスポットということも最近言われておりますが、そういうふうなことで魅力ある観光地としての売り出しをしていきたいと思っております。そのほか新年度には、船通山の
宣揚祭観光ツアーや
斐伊川サミットと
伝統芸能交流大会の冠をつけた
奥出雲太鼓祭の復活も計画されておりまして、観光協会や
地元まちづくり団体から、合わせて7つの事業が寄せられております。
着地型観光ツアーや
集客イベント、そして全国への情報発信も積極的に行ってまいりたいと考えております。
次に、たたら製鉄の価値と保全についてのお尋ねでございます。
先月行われた鉄の
道文化圏主催、
たたらシンポジウムでは、
国立科学博物館の
鈴木一義先生と東京大学の
宮本英昭先生から、たたらの価値についての講演をいただき、
パネルディスカッションでは、その価値をさらに探求していく中で、社会的な価値を参加者一同で認識することができたと考えております。また、圏域で活躍いただいております、いろんな取り組みの発表もありました。奥出雲町では、木原村下の指導のもとに毎年行われております小学生のたたら体験を発表いたしました。児童4名が発表いたしましたが、
ふるさと教育の原点を見る思いを感じたところでございます。この感動を大切にしながら、引き続き世界に誇れる伝統技術を後世に引き継ぐ取り組みを計画的、継続的に行ってまいりたいと思っております。
県議会でも絲原議員の質問がありまして、それに対する教育長答弁は、
世界遺産登録に向かっては、いろいろクリアすべき課題もあるという答弁がなされておりますが、文化財の指定の
問題等一つ一つを着実に行いながら、大きな目標であります
世界遺産登録に向かって少しずつでも前進させていきたいと考えております。
また、関連して新作刀剣展の開催という御提案もいただきました。これにつきましては、現在は小林一門展の展覧会が行われておりますが、毎年、刀匠の研修会もこの奥出雲町の地で行われております。開催の時期でありますとか開催場所等、関係の皆様と協議いたしまして、町といたしましても前向きに検討してまいりたいと存じます。
それから次に、医療関係のお尋ねでございます。医学生や看護学生等に対する奨学金制度についての積極的なお尋ね、御提案等もございました。
県では、昨年から医療従事者の確保を最重要課題として、数十億の基金を用意して積極的な取り組みを行われております。特に医学生に対する奨学金としては、
入学金相当額に加えて、在学中、月額10万円の貸与を受けることができます。貸与期間と同期間、県内の医療機関に勤務することにより、返還が免除されると。これについては、授業料もあわせて支援をされるという内容と伺っております。看護学生に対する奨学制度も県の方でもありますが、奥出雲病院は、月額5万円を無利子で、入学した月から卒業の月までの在学期間に限って貸与すると。この期間の2倍以上、奥出雲病院で勤務すれば全額免除という制度も持っております。
しかしながら、昨今の経済状況の中で、高等教育に係る経費は年々増嵩する傾向にもあります。昨日も、出雲の県立大学の看護短大部から副学長と事務長が参られましたが、24年の4月から4大化を行うと。今、短大で3年制ですが、4年制にするということの報告やら、奥出雲病院での実習生の受け入れ等についても要請がありました。現在は授業料が39万円程度ですが、これも4大になりますと授業料が54万円になります。町としても、いろいろ制度を構えておりますが、授業料に対する援助等も含めて、さらに充実していく方策を考えてまいりたいと思っております。
それから、3点目は、第10回
全国和牛能力共進会に対する取り組みについてのお尋ねでございました。
議員御指摘のとおり、全共のねらいは、時代の要求にかなう種牛や肉牛を実証展示をするとともに、和牛の日常の登録・育種事業を通じた改良成果を競う場として開催されます。全共で好成績を上げることは、地域における和牛生産や和牛改良に大きな影響をもたらすものと思っております。全共出場に向けては、畜産農家、
畜産関係団体の一体的な取り組みが御指摘のように必要でありまして、近々、
出品対策協議会の設立総会を持ちたいと考えております。新年度早々には決起大会も開催したいと考えておりまして、所要の予算もこのたび計上しているところであります。どうかよろしくお願いいたします。
○議長(千原 祥道君) 若月議員。
○議員(14番 若月 康男君) 最初の観光振興についてでございますが、
スサノオノミコトは、農耕、中でも稲作の神様と言われておるわけでございまして、町内には優秀な米や食材が多数あるわけでございます。その食材の中でも、米のコシヒカリとかモチ米とか酒米等々を使用した、いわゆるA級グルメの開催とかグランプリとかといったようなことの開催も必要ではないかと。そのことは、逆に申し上げますと、農・工・商の一体となった取り組みということで、6次産業化の強化ということにもなるではなかろうかなというようにも考えておりますし、先ほど町長の話にもございましたように、神話とたたらの観光客は、国内はもとよりでございますが、国外からの誘致も必要ではないかなというように考えておるところでございます。
2点目の医療従事者の支援強化でございますが、やはり従事者に必要な資格を取得後、奥出雲町に帰っていただいて、地域を支える若者の人材として、町の奨学制度の実施と充実の必要性というものは非常に大切ではなかろうかなと思っておりますし、奥出雲町に帰っていただければ若者の定住確保にもなるではなかろうかなというように思っておるところでございます。
それから、3番目の第10回全共でございますが、ことしの10月には5区の繁殖雌牛分の決定、来年の8月には、すべての出品牛の決定があると言われております。特にことしの10月の5区につきましては、奥出雲町の5区繁殖雌牛群でございますが、前回、鳥取の全共で総合評価群の7区に出品をいたしました種牛が繁殖雌牛群に今回なるというようなことから、非常に奥出雲町の繁殖雌牛群の優秀性というものと評価が高いと言われておるわけでございまして、そういった中での
出品対策ムードづくりというものは非常に大切になってくるではなかろうかなと思っております。
当然、関係機関とか
生産者組合一体となった支援・協力は必要と考えていくところでございますが、以上の3点につきまして再度、町長の方で所見をお伺いさせていただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 再質問をいただきましたが、観光については最初の答弁で私も漏らしておりましたが、農と食の視点ですね、それから加工するという6次産業化の視点、これを観光振興の中にどう取り組んでいくか、極めて大事な視点でありますし、御指摘をいただきました。本町は、まさに農と食の原点の町を目指しての取り組みを少しずつではありますが始めております。
久司アヴェリーヌトモコさん、マクロビオティックの創始者の出身地でもあります。おっしゃいましたように、スサノオは農と林のまさに神様でございます。そういうふうなことをさらに大事にしながら取り組んでいく必要もあろうと思います。稲田神社の遷宮も予定されておりまして、そういうふうな稲田姫をうまく米づくりに結びつけるようなPRも今後考えていきたいと思っております。
それから、奨学金につきましては、これは県の方でかなり思い切った制度をつくられましたので、それとの整合性を図りながら、まだほかに手当てするようなところがあるかないか、奥出雲に帰ってくれる確実な医学生をつくっていきたいと思っております。
それから、全共関係で繁殖雌牛の大切さについて仰せがございました。関係者の皆さんと十分協議しながら適切な対応がとられるよう、町としても可能な限りの支援をしてまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 若月議員。
○議員(14番 若月 康男君) 以上、質問を終わります。
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○議長(千原 祥道君) 続きまして、
大垣照子議員。
○議員(11番 大垣 照子君) それでは、平成23年第1回定例議会におきまして一般質問の機会をいただきましたので、
田園倶楽部奥出雲の経営破綻と
奥出雲シイタケ関連、そして佐白温泉建設問題の3点について、町長に質問をいたします。今回も重い質問をしますので、誠意ある御答弁をお願いをいたします。
まず初めに、
田園倶楽部奥出雲の経営破綻についてお伺いをいたします。
農林水産省の多額な補助金を活用して創業された
田園倶楽部奥出雲の高
濃度トマト生産が本年の2月20日をもって廃業とされました。このことは、一町民としてまことに残念でなりませんが、そこで、次の質問をさせていただきます。
まず初めに、経営破綻した原因は、昨年夏の高温と、ことしの冬の寒波、雪との説明でしたけれど、それだけのみが原因だったのかお伺いをいたします。町長答弁を求めます。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君)
田園倶楽部奥出雲の経営破綻の原因でございますが、直接的な原因としては、昨年夏の異常高温により収穫量が激減をしたこと、そしてことしの冬の暖房及び融雪に必要なガス代の確保ができなかったことにあると言われておりますが、開業初年度より高
糖度トマト栽培に関するデータ不足から、収穫量、販売額とも不安定な状況が継続しておりまして、計画を下回るような収穫量しかなかったと。したがいまして、計画的な資金繰りが困難な状況が継続して続いたことが基本的な要因であると認識しております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) 町長が御答弁されましたように、なかなか初期投資からして大変な大仕掛けな操業だったと思っております。最初に私たちも話を聞いたときには随分ちょっとびっくりもいたしました、正直なところ。うまくこれが軌道に乗れば、雇用の面においても大変いいことだなというふうに私たちも期待をしておりましたけれども、こういうことに至ったのは大変残念でなりません。
今、私、次にお伺いしようと思っておりましたが、開業からわずか5年で経営破綻したというのは、この間の経営状況はどうであったのかということで用意をしておりましたけれども、先ほど町長の方から答弁をいただいております。その上で、どのような検証をされたのでしょうか、町として。お願いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) どのような検証をというお尋ねだったようですが、検証については町としてだけでなく、県も含めまして関係者一同、基本的な問題あるいは支援が十分であったかなかったかと、販路開拓等はいかがであったかと、生産面でなく、販路の問題も含めて総合的に検証していく必要があろうと思っております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) このような開業当初、大仕掛けなことであったですけれども、今、町長が言われましたように、それらの検証を今後の事業にも生かしていただきたいというふうに思います。それで、私たちには2月の9日の日に議会への説明を行われましたけれども、この場で負債総額は幾らになっているのかということの説明はなかったように思いますが、それはいかがな金額になってるのでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 負債総額は幾らかというお尋ねでございますが、現在、裁判所から各債権者に対して債権届け出で通知が行われているというふうに聞いておりまして、そういう状況でございます。また、民間会社のことでもありますので、私からの答弁は控えさせていただきます。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) 一部報道によりますと、4億8,000万円というふうに報道されてたと思います。それで、この事業に対しましては国の補助金が約3億2,500万円、そして自分で集められたといいますか、トータルして6億8,150万円での操業をされておりますが、民間企業に対する国からの大きな補助金、そしてこれはつまり国民の税金ですから、倒産後の扱いは今後どのようになされていくのか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 補助事業の中止届は既に国に提出しておりまして、承認を受けております。現在、強い農業づくり交付金の返還額について、県を通じ、国と協議をしてるという状況でございます。この額が確定いたしますと、町から
田園倶楽部奥出雲へ納付書を発行するとともに、裁判所に対し、国の交付金返還額を債権として届け出ることになります。
ただし、国の交付金は一般債権となりまして、財産処分に伴う配当の順位は低くなるということでございますので、恐らく返還額は残らないというふうに予想されております。仮に返還額に相当する配当が残った場合には、その金額を国庫へ返還するということになります。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) そうしますと、万が一返還額が出た場合に、その財源というものはどちらが負担されるんでしょうか。町で負担するということでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) これは財産を売却して他の債権の返却に充てた後、なお国庫に返す金が残れば、その中から返すということで、町は関係ございません。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) それじゃあ、その処分をいろいろして残らなかった場合には、どうなるんでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) やむを得ないということになろうと思います。ただ、これだけ多額の国費を突っ込んだ事業ですので、私どもとしましては、むだにならないように事業継承を町としては責任を持って確保していきたいと。私も、この問題が起こったときに、まず知事のところに断りに出まして、いろんな支援をしていただいたけども、結果としてこういうことになったと。ただ、事業の継承は町として何とかいい事業者を探してやりたいんで、支援の方をお願いするというふうにあいさつに出ております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) そういうことになりますと、また第三セクター方式みたいな形になるんじゃないかと思うんですけれども、私も、いろいろお伺いをあちこちでしておりまして、当初の計画についても、かなり大変な計画であったということと、それから事業をやっていく場合にコスト意識をやっぱりもう少し持っていかないといけないんじゃないかなというふうに思いますので、今後、町がそれをやっていくという場合には、そのあたりを随分、やっぱりコスト削減につながるようなやり方をしていっていただきたいというふうに思います。
それで、これにつきましては、町の方も技術指導料として平成21年の12月議会に200万余り、それから昨年の3月議会には、いわゆる本年度の当初予算ですけれども、栽培委託料として535万2,000円、これは一般財源ですね。それから、栽培技術者の育成料として749万4,000円、これは県や国支出金ということですが、合計で1,485万円余りを投入しております。これらについては町民対してどのように説明をされるのか、お伺いします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町が支援をした技術指導料等についてのお尋ねでございますが、技術者の指導料については、
田園倶楽部奥出雲へ直接に支払ったものではなくて、町が栽培技術者の派遣元と契約をいたしまして、
田園倶楽部奥出雲における実際のトマト栽培の中で、気象状況や生育状況等に応じた栽培技術の確立を図るためのデータ収集や対処方法を実地指導いただいたものでありまして、すべて資料にまとめて町の方に提出をいただいております。したがいまして、今後、施設を引き継いでトマト栽培を行う方のデータとして活用できるものと思っております。
また、栽培技術者の育成として支出したものは、国の10分の10の交付金をもとに創設された、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用して
田園倶楽部奥出雲が将来栽培技術者として採用するために雇用された方の人件費に対し、支出したものでございます。残念ながら事業中途での中止となりましたが、これまで蓄積された知識、技術を生かして、事業が再開された場合には、これらを活用していただきたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) せっかくそのようないい事業を投入して行われたことですので、今後についても、町長がおっしゃるように十分に生かしていただきたいというふうに思います。
それで、2月20日をもって廃業されておりますけれども、従業員の皆さんは当然全員解雇ということですが、当然なされていると思いますけれども、賃金及び給料については、きちんと清算されているのか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 従業員への賃金でございますが、1月分までは全額支払われているというふうに聞いておりますが、2月分については破産管財人から支給をとめるよう指示があったようでございまして、今後、労働債権として処理されるものと聞いております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) それじゃあ、その2月分につきましては支払いをとめるようにということですが、働いていた人たちへの支払いというのは、これでじゃあしないということになるんでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 財産処分をして出た金額についての充当でございますが、労働債権については最優先で処理されるものと承知しておりますので、時期がちょっと先になると思いますが、支払われることは間違いないと思っております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) 働いていらっしゃった方に対しても大変な思いをなさっておられると思いますので、そこは十分にきちんとしたことをしてあげていただきたいというふうに思います。
そして、こういう雇用環境が厳しい現実がありますけれども、解雇された従業員の皆さんの再就職への対応についてはどのようにお考えか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 従業員の再就職については、基本的にはハローワークにおける求職活動になりますが、できるだけ早期に事業が再開され、再雇用がされるよう、町としても事業継承者の確保に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) そうしますと、あくまでも後を引き継いでやっていくということでございますね。できるだけ今まで働いていらっしゃった方、あるいは事業再開をするまでの期間があると思うんですが、失業保険というのもあるでしょうけれども、例えばその間に、町内たくさん三セクもございますが、そういったところにでも働いていただける環境をやはりつくってあげないと、皆さんはやっぱり生活がありますので、そういうことへの十分配慮をいただきたいと思いますが、もう一度その点についてお伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町民の皆さんの生活を守るということは、町としても最も大事なことでございますので、議員御要望があったような取り組みも今後してまいりたいと思っております。既に倒産に伴いまして社保から国保へ医療保険の方がかわる方については、国保について減免の措置もしておりますので、そこら辺も御報告しておきます。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) いろいろ御配慮いただいているようですが、生活が少しでも安定していくという方向性をきちんと見出してあげていっていただきたいというふうに思います。田園倶楽部の質問につきましては、これで終わらせていただきます。
続きまして、
奥出雲シイタケ関連についてお伺いをいたします。
まず初めに、現在の菌床シイタケ生産農家戸数はどのぐらいあるのか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 本山
地域振興課長補佐。
○
地域振興課長補佐(本山 宏人君) 先ほどの御質問の現在のシイタケ菌床の生産農家の戸数でございますが、現在のところ21戸でございます。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) そうしますと、先日、2月の25日でしたか、予算説明会の後でお伺いしましたが、あのときに書かれてるペーパーにつきましては、たしか49戸で92棟のハウスだというふうに書かれておりましたけれども、ちょっと違いがありますが、町長、この辺はどのようになっているのか、もう一度説明をお願いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 後ほど担当課の方において精査をさせたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) そうしますと、なぜ農家戸数、それから棟数を申し上げたかといいますと、実際には49戸じゃなくて、さっき21戸という答弁があっておりますけれども、じゃあこの差28戸ですね、この28戸が持っておられたハウスにつきましては今現在どのような扱いをなさっているのか、お伺いします。町長、取締役になっておられますので、答弁をお願いいたします。
○議長(千原 祥道君) それは後ほど、今、答弁されますか。
大垣議員さん、ということです。
大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) これではちょっと議論が煮詰まらないと思いますが、町長、そういう準備をなさってないようでしたら、次に進ませていただきますので、データはきちんと出していただきたいと思います。
それでは、2番目の菌床(ほだ木)の価格は1個幾らになっているのか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 本山
地域振興課長補佐。
○
地域振興課長補佐(本山 宏人君) 先ほどの菌床価格の1個当たりの値段でございますが、現在の菌床価格は216円でございます。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) 今216円ということが御答弁ありましたが、操業された当初から恐らく金額的には変わってないんじゃないかというふうに思います。なぜこういう質問をしたかと申しますと、生産農家の方は、1個216円のほだ木を年に2回交換するわけですけれども、そうしますと、例えば1回につき1万個を交換するということになりますと、即座に216万円という金額が発生します。ただし、元はかかっても、当然かかって仕方がないことですけれども、ただ、菌床から生産されるシイタケ、商品になるシイタケというものが大体今余り生えないというふうにおっしゃっておられます。それで、大体1つのほだ木からは550グラムぐらい生産できるそうですけれども、それが大体半分ぐらいになっているようですね。そうしますと、農家としては、お金を払うんだけれども、材料費を払う経費はすべて天引きのような形で払うんだけれども、結局いただいたものが生産を思うように発揮してくれないということになりますと、農家にとりましては大きな赤字を抱えるということになります。
先ほどのトマトも一緒ですけれども、シイタケにしましても、やっぱりハウスの中を温めるために暖房するわけですよね。その燃料費も今3倍ぐらいに上がってるようでして、これはまだ上がるかなというふうな状況ですが。そうなってくると、農家は本当に大きな負債を抱えて、やりたくてもやれない、でも、やめたくてもやめれないという農家もあります。やめれる方はまだいいんですよね。いいという言い方はよくないかもしれませんが。やめるためには、やっぱり負債を整理しないとやめられませんので、それができる農家はいいんですけれども、それができない農家は、やっぱり悪循環、悪循環になってきてますので、生えないほだ木を農家に提供するということはいかがなものかというふうに考えておりまして、これもこの町の一つの大きな産業ですので、かつては10億産業、10億円市場だったわけですけれども、今、決算書を見ますと、7億円ぐらいの売り上げになっておりますけれども、やはりこれも農家も経営がうまくやっていかれないといけないということを考えましたときに、ほだ木の内容について、菌床の内容について、会社の方を含めてどのようにお考えになってるのかなというのが一つございます。要は生産農家が本当に大変な状況になっておりますので、このことについて、トマトじゃないですけれども、そういうことになってはいけませんので、そのあたりのことについてどのようにお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) これも質問通告にないシイタケ農家の経営の問題についての質問であります。議論をするということであれば、事前にそういうことを質問通告の中に入れておいていただければ、こちらも十分に準備もいたしますが、先ほどいろいろ言われました問題につきましては、一昨年ですか、昨年の初めごろ、不良ほだ木の発生があったという報告を受けております。それについての補償も十分ではなかったかもしれませんが、奥出雲シイタケの方では生産農家の方にしております。
ただ、その不良ほだ木がどうしてできたかという原因は、水をきれいにする装置が古くなって、いい稼働をしてなかったというふうなこともありまして、昨年、ほだ木工場の横の水質浄化装置を全部取りかえております。その後は不良ほだ木の発生はないというふうに承知しておりますが、いずれにしても、1個216円のほだ木について、おっしゃいますように1万本買えば216万円ですので、少しでも単価を安くするような努力を今後してまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) 今そういうふうに少し考慮をしていただけるということですので、本当に私が心配するのは、だれもが一緒ですけれども、経営が行き詰まったときに、どういう結果が出るかということなんですね。実際に本当に不幸な結果を出された方もこれまでにございます。やはりそういうことにつながってはいけないので、今、町長おっしゃったように、不良ほだ木が発生する原因を追求して、それを改良したということですので、農家の皆さんに少しでもいいほだ木を提供していただいて、みんなが頑張って仕事ができる、これをやってよかったなという思いが確立できるような方法をやっぱり会社も、そして農家の皆さんと一緒になってやっていただきたいなというふうに思います。
私、ちょっと質問の出し方を間違っておりましたですが、菌床シイタケの販売価格、1キロ当たり幾らかというふうにちょっと書いてたんですが、これはこういうことじゃなくて、農家に対する支払いの金額を聞きたかったんですけれども、販売価格は、この間の決算書を見ますと大体1キロ当たり1,096円になってたと思います。ですので、この通告書はちょっと私の方が間違っておりましたので、これにつきましても後で結構でございますので、データを提供をしていただきたいというふうに思います。
それから、佐白温泉の問題についてお伺いをいたします。
佐白温泉の建設事業費は、平成22年度の当初予算で事業費として2億4,700万円、また今議会の提案されている平成23年度の一般会計当初予算では3億6,200万円、合計6億円余りになりますけれども、当初言われたのは、5億円で事業をやるというふうにおっしゃっておりました。収支計画について、これまで23年の3月議会、本議会に出すという答弁がなされておりますけれども、これについてまだいただいておりませんが、どのようになっているか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) お尋ねの趣旨は、改正後の支出の経営の収支計画のことではないかと思いますが、これも現在、NPO法人奥出雲布勢の郷の方で鋭意検討をしておられますが、泉源の温度等もわかりましたので、全体として施設計画も今、基本設計が終わりつつあるような段階で、施設の規模等もほぼ明らかになってきてる状況でございます。おふろの料金をどういうふうに設定するかというふうなことも含めて現在、NPO法人でいろいろ検討をしておられます。前回、この3月議会のごろにはできるんではないかという答弁をしたようでございますが、私もまだNPO法人との具体的な詰めの収支計画の協議をさせていただいておりませんので、これについては、もうしばらく待ってやっていただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 大垣議員。
○議員(11番 大垣 照子君) これほど大きな資金を投入して建設をされるわけです。まだ平成23年度の当初予算は本議会に通っておりませんけれども、大きなやはり税金を投入してやられることですので、これらについて本当にやるということであるならば、やはりそこが収支についての検討が一番大事だと思いますので、速やかにそこのあたりを出していただかないと、我々も本当にこれを賛成していいのかな、そうじゃないのかなという疑問にもつながってまいりますので、これ以上お伺いしても今の答弁を聞いておりますと出てこないと思いますので、少しでも早く準備をしていただきたいことを申し上げて、終わりといたします。ありがとうございました。
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○議長(千原 祥道君) 続きまして、次は吾郷益已議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 私は、観光開発と地域振興について一般質問をさせていただきます。先ほど同僚議員から同様の質問もあったところでございます。重複する点もあろうと思いますが、どうかよろしくお願いをいたします。
まず初めに、人口減少による行政課題についてお伺いをしたいと思います。
今定例議会に奥出雲町の総合計画の答申が出たところでございますが、それによりますと、大体10年間で約2,000人程度が減少していくというようなことでございます。2,000人の人口減少になりますと、やはりよく考えてみますと、高齢化によって農業従事者の方々がだんだん年をとられて減少していくということが発生してまいりますし、また人口減少による消費の停滞も起こってまいります。そうしますと、第3次産業、要するに商店等を経営していらっしゃる方の経営も厳しくなってくるということ。そしてまた、税収も減少してきますし、また人口減少に伴います地方交付税も減額になるというようなことでございます。逆に高齢者福祉、また子育て支援、地域医療の整備など、こうしたことについて一層の財政負担が必要になってくるということでございます。今後、こうした行政課題がある中で、町民の乗っている奥出雲丸を船長である町長はどのようにかじをとっていかれるのか、基本的な考え方について、まずお伺いをしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 人口減少社会が奥出雲町だけではなく、日本全国を襲うわけでございますが、私も最近、ある本を読んでましたら、少子高齢化という言い方はよろしくないと。といいますのは、生産年齢人口、15歳から64歳までの人口がどんどん減っていくと。そこのところが今後の人口問題の一番大きなところであろうということでございまして、ただ、人口構造の推移を国の人口問題研究所の推計値等を見ておりますと、奥出雲町でも平成5年、前回の国勢調査のときに、たしか8,300ぐらいいた生産年齢人口が2025年ぐらいには5,300ぐらいまで落ちていくと。一方、老齢人口については大きな推移はないと。その一方で、子供の数は少しずつ減っていく。こういう大きな人口のトレンドの中で、どう行政課題に対処していくかということは、交付税の問題も御指摘がありましたし、税収の問題もありました。これは奥出雲町だけの問題ではないということから、日本全国あるいは日本の地方全体として、一緒になって取り組んでいくべき大きな課題だろうと思っております。
そういう状況下にあっても、我々のふるさとを将来にわたって何とかして維持していくためのいろんな仕掛けづくり、方策をみんなで考えていこうと、そういうふうなことは先般、答申をいただきました総合計画の中でも、まちづくりの課題あるいは方向性の中で若干触れられてもおりますし、いろんな方策をみんなで検討していく必要があろうと思っております。特に最近言われてることは、人口が減っていきますと、従来の自治会単位では、どうしても支え切れない問題がいっぱい出てきております。新たなコミュニティーをどうやって形成していくかと。既にいろんな取り組みがあちこちで行われておりますが、例えば阿井の小阿井と見寄が合併されて小寄として自治会も合併されましたが、集落営農に皆さん一生懸命取り組んでいらっしゃるというふうな事例も出てきております。人口減少社会の中で、どう地域を守っていくか。まさにこれからが正念場が来るわけでございますので、議会の皆さんともいろいろ議論をしながら、最善の道を探っていきたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 今、町長から答弁をいただいたところでございますが、日本全体で同様な現象が起こっているということでございますが、これからはやはり本町における現状認識をしっかりとしていただいて、奥出雲丸をしっかりと運航していただきたい、このように申し上げておきます。
ちなみに人口が2,000人減少になりますと、どの程度地方交付税が減ることが予想されるのか、お伺いをいたします。
企画財政課長、ひとつお願いいたします。
○町長(井上 勝博君) 私からやります。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 現在の交付税制度をそのままにした中で減ればという数値は財政課長から答えさせますが、これは交付税制度というのは、やはり日本の全国の問題でもあります。数値急減補正というふうな制度も、仕掛けの中にはもともと持っておりますし、人口が減る中で財政需要が議員御指摘のとおり減っていくかというと、財政需要は逆にふえる可能性だってあるわけでございます。的確な財政需要額を捕捉するような仕掛けも、交付税制度全体の中で考えてもらうための要請もしてまいりたいと思っておりますので、そのことと人口減少が直接結びつくというふうには、御心配いただくところまでは今の段階ではよろしいんじゃないかと。あくまでも的確な基準財政需要額をどう算定するかというところは、国と地方と一緒になって議論して対応してまいる問題でございますので、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 藤原
企画財政課長。
○
企画財政課長(藤原 努君) 先ほどの地方交付税の影響額はいかほどかという御質問にお答えをいたします。
今後の見通しということになりますので、仮定の話になるわけでありますけれども、平成22年度の交付税の算定式を用いて計算をいたしますと、現在、人口1人当たりの交付税額約20万円でございます。これは測定単位が人口にかかわるものだけで積算したものでございますので、人口1人当たりが20万円、したがいまして、人口が1,000人減れば2億円の減、2,000人減れば、その倍、4億円の減ということになるわけですけれども、先ほど町長が答弁いたしましたように、交付税制度、これは毎年毎年補正係数等の見直しがなされますし、総額ベースにおいて、出口ベースで基本的には一定の確保はなされてると。全国的に人口減少の局面にあっても、総額が同じであれば、人口1人当たり余り影響がなくなる部分も出てまいります。それから、人口の急減・急増補正というものもございますので、必ずしも23年度において例えば1,000人減って2億円が減るということばかりではございません。
先ほど町長が申し上げましたように、交付税制度は、基本的には各自治体が標準的な行政を行う上で必要な経費というものがございまして、これが基準財政需要額となるわけでございますし、標準的な税収をもとに計算をいたしますのが基準財政収入額ということになりまして、この差額分につきまして交付税で全額措置されるという仕組みになっております。したがいまして、人口が減るということが必ずしも財源不足を起こすということではなくて、人口が減れば所要額も減る。しかしながら、その差額においては交付税できちんと措置されるというのが仕組みというふうに理解をしておりますので、その点については御理解をいただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) ありがとうございました。人口減少に伴う財政的影響はどの程度あるかということをお聞きしようと思って、質問したところでございます。
次に移らせていただきます。各市町村で今なぜ観光が注目されているのかといえば、やはりこれはよく考えてみますと、経済効果が大きいからということであります。本町においても、地域を挙げてやはり積極的な観光政策を打ち出して、地域経済、または地域力を支えるべきだというふうに思っておりますが、町長はどのようなお考えか、お尋ねをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光振興についての質問でございますが、議員御指摘のように、まさしく観光振興は、雇用の面も含めまして大変経済効果が大きい、すそ野が広い産業だと思っております。幸い本町には、いろんな地域資源がたくさんございます。故久司偕子アヴェリーヌ様のマクロビオティックの食の問題、これも毎年一遍、マクロビオティックの団体で、奥出雲はマクロビの聖地であるから、毎年何かやらなきゃいけないというふうなことで計画もしてもらっておりますし、仁多米の米-1グランプリも注目されております。新そば祭りも、毎年充実してきておると。いろんな地域資源がありますので、特に農と食というのが観光の中でもやはり今、大きなポイントになってきているような時代だと思っております。そういうふうな町内のいろんな観光資源を有機的に結びつけるような方策を今後さらに磨きをかけていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 町長から答弁いただいたところでございますが、どうかひとつしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
次に移らせていただきますが、神話などの観光資源についてお尋ねをいたします。
先ほど同僚議員からも質問があったところでございます。本町には、
ヤマタノオロチ退治伝説を題材とした神話、またたたら製鉄、美しい自然のある船通山や吾妻山、鯛ノ巣山、鬼の舌震、そして玉鋼を使った刀剣などの刃物の製造技術や雲州そろばん、木工芸などの伝統産業があるところでございます。これら、ほかにもまだ類を見ない地域資源が多数あるわけでございますけども、これらのものをどのように生かして観光振興を図っていかれるのか、お伺いをしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 今、吾郷議員、質問の中でいろいろおっしゃっていただいたように、まさに数多くの観光資源があります。これをさらに生かしていくにはどうすればいいかということでございますが、昨年からウェブサイトで「奥出雲ごこち」をスタートさせまして、インターネット上での観光宣伝もしておりますし、広島、関西圏、首都圏と、それぞれの地域に向かって、いろんな情報発信もしてきております。またさらには、韓国からのツアー客も毎年定例的に奥出雲に入っていただいております。この地が古代から連綿として続いてきたということの意味合いは、神話もございますが、本当に全国にない、あるいは世界にない、いろんな資源を持っておりますので、そういうふうな観光PRを全国に向かって発信していきたいと思っております。
現に今いろいろ考えておりますのは、東京発の婚活イベント列車等も、「地団駄は島根で踏め」という本を書いた、わぐりさんという方が東京でぜひやってみたいというふうなことも協力いただいておりまして、それから東京仁多会あるいは関西奥出雲会、そういうふうな方々の協力も得ながら、観光振興の大きな仕掛けを町民挙げてつくっていく必要があろうと思っておりますし、そういうふうな取り組みを今後やっていこうと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 私は、これらの大変貴重な地域資源があるわけでございます。これらをどう活用していくかということのデザインがまだつくり上がっていないというふうに思っておるところでございまして、これらを活用して、これからの観光振興に役立てていかなければいけないじゃないかというふうに思っておりますので、一層のひとつ御検討をお願いをしたいと思います。
次に移らせていただきますが、
古事記編さん1300年の関係につきましては、先ほど同僚議員の質問があり、町長の答弁がありましたので、これについては割愛をさせていただきます。
次に、観光振興室の設置についてお尋ねをいたします。
来年度から観光振興室ができたわけでございますが、どのような機能を持つのか。また、観光コーディネーターの設置とございますけども、これはどのようなものなのか、お尋ねをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光振興は重要な施策として町としてもきちんとした取り組み体制をつくろうということで、地域振興課の中に観光推進室を設置したところでございます。町としての姿勢を明確に示したということでございます。また、県においても、
古事記編さん1300年祭で関係する市町村から職員の派遣要請も受けておりまして、奥出雲町からも3年間に限ってでございますが、県とともに神話を生かした観光振興ができる体制づくりのために、職員を派遣することとしております。
そういう中で、観光コーディネーターも1人である必要はありませんので、いろんな観光コーディネーターをお願いをしたいと思っております。先ほど言いました放送作家といいますか、旅行作家の東京のわぐりさんも、その1人であろうと思っておりますし、全国の奥出雲ファンの方に参画をお願いをしたいと思っております。地元の方でも奥出雲振興内で、いろいろ観光に関する情報誌やパンフレットを企画、作成するコーディネーターも、この4月から採用するようにしておりまして、いろんな組織、団体と連携を図りながら、この問題に取り組んでいきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 本町には、先ほども申しましたが、非常に優秀な観光資源があるわけでございますが、今これがやはりあるということだけで、一般的には余り具体的なブランド化といいますか、そうしたものができていないというふうに私は見ておるところでございます。やはり観光客に来ていただくためには、奥出雲町にある観光資源を生かす一つのブランド化が必要ではないか。それには、観光資源のやはりデザインをどうつくり上げていくのか、また観光のシナリオをどうつくっていくのか、またその中にホスピタリティーをどうツールとして組み込んでいくのか、こういうことが私は非常に大事じゃないかというふうに思っているところでございます。
先ほど答弁いただきました観光コーディネーターの構想もあったところでございます。非常によい施策だというふうに思いますので、これから先ほど私が申し上げましたことも含めて早急に検討していただいて、ひとつ観光振興を進めていただきたいと思うわけでございますけども、この観光資源のデザイン化について町長はどのようにお考えか、御所見を伺いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光振興、言葉を変えれば交流人口の拡大ということですが、多くのお客様に奥出雲に来ていただく、訪れていただくためには、やはり大変条件不利地域であるという認識のもとに取り組む必要があろうと思っております。東京から、大阪から時間、距離あるいは経済距離のことをいいますと、普通の観光地に行くというふうな感覚では奥出雲には来ていただけないだろうと。よっぽどの仕掛けをつくっていく必要があろうと思っております。
広島からですと日帰りのドライブ圏に入っておりまして、既におろちループ経由で温泉に入って、特産市で野菜やらキノコを買って帰っていただくというふうな方、坂根の水もくんで、そういうふうな方はいっぱいいらっしゃいますが、ブランド化といいますと、やはり全国ブランドにしたいという思いは、議員同様、私もあります。そのためには、近畿圏だったら、どういうふうな観光コースが組めるか、あるいは東京からだとどうかと。一般的に出雲大社と大山の間が従来の観光ルートであるわけでございますが、そういう方に奥出雲まで足を運んでもらう、いろんな方法を考える必要があろうと思っておりますが、トロッコ列車もそのツールの一つにはなろうかと思っておりまして、いろんな宣伝あるいは魅力の提供をどうやってつくってPRしていくか。観光協会、町だけでなく、若い人のセンスや御意見等も取り入れながら、つくり上げていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 私は、一つ町長に提案をさせていただきたいと思いますが、仁多米にしても仁多牛にしても、また農産品の加工品にしても、いろいろ優秀なものがあるわけですけども、頭に奥出雲という名前をすべてつけたらどうなのかなという気がしております。例えば仁多米だけではなくて、奥出雲仁多米、奥出雲仁多牛とかいうような形で、まず単品を売るんではなくて、奥出雲という地域、これをやはりデザイン化していったらいいじゃないかなというふうに考えておりますので、あわせてこれは提案をさせていただきます。
次に、観光協会の役割についてお尋ねをいたします。
本町に観光協会がございますけども、その役割はどのようなものなのか。また、観光振興活動というふうになってますが、事業内容についてお伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光協会についてのお尋ねでございますが、現在、観光協会の会長は町長、事務局は地域振興課で担当をしております。官民挙げて機能的な、あるいは弾力的な取り組みができるようにということで、従来こういうふうなスタイルでやってきておるわけでございますが、確かに町長が会長であるということがいいのか悪いのか、皆様方の評価もいろいろあろうと思いますが、私が2年間やって実感するところは、いろんなお客様を迎える、あるいは全国イベントを打つ、あるいは多くの重要人物のお客様を出迎えをするというふうなときに、町長と観光協会の会長が同一人物であるというのは役に立つ面も多々あるというふうなことを実感しております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 観光協会の会長は井上町長でございますけども、今、事務局長は、それじゃあ地域振興課長が兼任ということでございますか。そういうことになりますと、私は、観光協会自体が非常に形式的な団体だなという感じがするところでございますが。これまで、それじゃあ地域振興課と観光協会の仕事のすみ分け、これはどういうふうにやっていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光協会の仕事と町の仕事のすみ分けは、予算等でも提案しておりますように、民の方で担当するのがふさわしいようなものは観光協会が担当するということで、補助金として町から観光協会に出しております。この問題、実は県の観光連盟も事務局は観光振興課内にございまして、会長は知事ではありませんが、実際の県の観光連盟の仕事も県の観光振興課の中で一体となってやってるというふうな実態もありまして、全国的にも同じようなことが言えるんではないかというふうに私は理解をしております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) この点につきましては、また後ほど質問をさせていただきたいと思いますが。
それでは、次に移ります。観光振興には、官の力には限界があるではないかという点についてお尋ねをいたします。
観光振興には、官の力には私は限界があるじゃないかというふうに思っております。やはり民のノウハウというものが重要であろうというふうに思うところでございます。先ほど観光協会の役割についてお尋ねをいたしたところでございますが、観光資源の中には、やはり指定文化財、またお祭りなどの無形文化財、また神社仏閣、そうしたことにかかわるところもあるわけでございます。観光協会は、やっぱりこれらを含めて、しっかりとした位置づけの中で組織を充実させて、今後の観光振興の推進役を私は担うべきではないかというふうに思っておりますけども、この点について町長の御所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まさしく観光は民挙げて取り組む事業でございまして、ただ、町なり町の観光協会はリードをしていくと、先頭に立っていくと。民だけではできない部分ももちろんあります。例えばウェブサイトをつくりましたのも、これは観光協会がやったわけでございますが、商工会ができるのかというふうなこともあろうかと思います。そこら辺、これは官だ、これは民だというふうな役割分担はもちろん大事でありますが、観光振興については、特に吾郷議員御指摘になりましたホスピタリティーの醸成も含めて官民挙げて取り組んでいく事柄でございまして、もちろん商工会との連携も図りながらやっているところでございますので、民の力をさらに引き出すような基本的には考え方で観光協会の仕事も取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) そういたしますと、私は、観光協会の事務局長は地域振興課長の兼務ということではなくて、やはり会長は私は町長でいいと思いますが、民間から事務局長を迎えて観光振興を図る方がより効率がよくなる観光振興ができるじゃないかというふうに思いますので、ひとつ提案をさせていただきます。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光協会の事務局長は専任の局長を民間からという御提言でございます。ふさわしい方がいらっしゃればという前提でございますが、前向きに検討させていただきます。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) どうかよろしくお願いいたします。
次に移らせていただきます。観光資源のインフラ整備についてお伺いをいたします。
観光振興を先ほども申し上げましたように図る上では、インフラ整備かどうしても必要になってまいりますが、現在ある年次的な観光資源に対するインフラ整備計画があるのかどうなのか、お伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光資源のインフラ整備についてのお尋ねでございますが、新年度予算でもお願いしているところでございますが、船通山の山頂のトイレ、休憩所は来年、1300年祭がありますので、ことしじゅうにはぜひとも整備をしておきたいと思っております。それから、舌震の新しいつり橋、バリアフリー歩道についても継続して取り組んでいます。それから、稲田神社のトイレの改修等も予定をしております。そのほか、これは三沢地区の皆さんたちが要害山を生かした交流人口の拡大をということで目指しておられますが、要害山の交流拠点施設の整備も今年度予算でお願いしているところでございます。そのほか、もろもろの資源をさらにブラッシュアップしていくというためにもインフラ整備は必要だと思っておりますので、計画的、年次的に、財政状況のこともございますが、可能なところから整備をしていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) インフラ整備についても、どうかひとつ積極的に進めていただきますようにお願いをしておきます。
次に、観光施設の連携についてお尋ねをいたします。
本町にある観光施設は、回っていろいろお話を聞いてみますと、それぞれの場所で本当に懸命の努力をなされておるところでございます。しかし、それぞれが個々にやっぱり努力していらっしゃるという印象を非常に強く受けるわけでございますが、この施設をお互いに連携させて、見て、食べて遊ぶことのできる体験型、滞在型の観光メニューの開発や受け入れ体制の確立、また経済効果を生み出す仕組みづくり、こうしたものをひとつ行政の地域振興課が一緒になって早急に構築しなければならないというふうに思いますけども、この点について町長の御所見をお尋ねをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 観光施設を有機的に連携させて、特に滞在型の観光メニュー開発をしたらという御提言でございますが、確かに宿泊施設は玉峰山荘、それから船通山の斐乃上荘、多根自然博物館、サイクリングターミナル、特に横田地区には民間の旅館等も複数件営業していらっしゃいます。たたらの操業の時期には、これらの宿泊施設も大体いっぱいになるような状況でございますが、滞在型観光メニューといいますと、いろんなことを考えていく必要があろうと思っておりますが、ホッケーの合宿とか、それから今度、ダム湖周辺にできます県営の漕艇場あるいはサイクリングコースを活用した、さまざまなイベントと宿泊客数の増加をどう結びつけるかというふうなことも課題だと思っております。
また、たたら資源だけをとりましても、卜蔵庭園、絲原記念館、桜井記念館、御三家をめぐるようなコースも、実際たたらの操業の遺跡等も紹介しながら歩いていただく。吉田の田部家のものもございますが、そこら辺、町内外連携をさせまして、テーマごとについてもメニュー開発を早急にやっていく必要があろうと思っております。ただ、そのためにも、県道の印賀奥出雲線を何とかして早く改良を完成をしていただきたいと。あの道路ができますと、米子から1時間ちょっとで大型観光バスが入ってこれますので、そういうふうな取り組みもあわせて考えていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) ぜひともこれを進めていただきたいと思いますが、また実は平成23年度の予算書をちょっと私もずっと目を通したところでございますが、その中で、入湯税が前年度より2,600万余り少ない予算が組んでございます。私はこれを見て、ただ2,600万少ないからというような単純な考えではなくて、大変なことだなというふうに認識をしたところでございます。
御承知のように、入湯税は1人150円でございますから、2,600万円を単純に割りますと17万3,000という数字が出てまいります。この数字だけ要するに入湯者が減るということになるわけでございます。月にいたしますと、実に1万4,000という数字が出てまいります。この数字を見てみますと、入り込み客が大きく減少したんではないかなというように思ったところでございます。この入湯料に対しましては、一部では営業のために入湯無料券を配布している事例もあるわけでございますけども、それにしても余りにも数字が大きいなというふうに見ているところでございます。
こういうことにやはり危機感を持って、私はこのたびの観光振興についての質問をさせていただいたところでございますが、入り込み客が少なくなりますと、亀嵩温泉、また斐乃上荘、また道の駅、奥出雲シイタケ、マイタケなどのそうした経営にも大きく影響してくるんじゃないか。地域産業を持っていただいている仁多振興、これらにも大変厳しい経営状況が続くんじゃないかというふうに心配をしているところでございますけども、町長はこの計数についてどのようにお考えか、御意見を伺いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 入湯税の額については後ほど財政担当課長か税務課長から答弁をさせますか、入り込み客数がどうなのかということでございますが、私が承知している県の観光動態調査がございまして、毎年報告しておるわけですが、21年度分の県への報告では、奥出雲町全体で65万2,000人、それから22年度分では72万2,000人という数字が報告されております。23年度、どういう数字が出るかわかりませんが、いずれにしても、入り込み客を伸ばしていく努力は、天候とか、いろんな自然条件のこともございますが、継続してやっていきたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 入湯税に関する数字的なものは、答弁はよろしいです。
○町長(井上 勝博君) いや、間違った数字ですから。
○議員(10番 吾郷 益已君) ああ、そうですか。
○議長(千原 祥道君) 財政課長。
○
企画財政課長(藤原 努君) 先ほど入湯税の減額につきまして御指摘をいただいたところでございますけれども、23年度の当初予算におきましては、予算計上額が約2,200万、昨年度対比で260万の減でございます。したがいまして、先ほど議員の方から数字の御指摘がありました、入湯税の150円で割り返したところの影響額は約1万7,000人ということでございます。22年度の当初予算で約16万人ばかりの入湯税を見込んでおったものを14万五、六千人の計上ということで、1万7,000人、約1割近くが減るものとしての予算計上をいたしたところでございます。
○議長(千原 祥道君) 吾郷議員。
○議員(10番 吾郷 益已君) 計数の味方については私がちょっと誤認をしておりましたので、その点については訂正をさせていただきますが。1万7,000人が少なくなったということについても、観光客の皆さんがこちらへおいでいただく、利用していただく数が減る、このことについて私は心配をしているところでございます。要するに先ほどから話しておりますように、高齢化が進んでまいります本町としましては、地域経済が疲弊してくる、また地域力が弱ってくる、こういう状況でございまして、何としても観光振興を通じまして、ひとつ地域経済の下支え、また地域力の下支え、これをしないといけないということから質問もしたところでございます。非常にこれから厳しい時代が来るわけでございますけども、町長の賢明なかじ取りを期待をいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
───────────────────────────────
○議長(千原 祥道君) そういたしますと、ここでしばらく休憩をいたします。35分から再開をいたします。
午前11時26分休憩
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午前11時35分再開
○議長(千原 祥道君) では、休憩前に引き続きまして会議を開きます。
次は、内田勇議員。
○議員(2番 内田 勇君) 一般質問の機会をいただきましたので、3点にわたりまして質問をさせていただきます。
最初に、たたらで町おこしということで、先月、2月20日には松江市のくにびきメッセにおいて、たたら製鉄の歴史や世界的な価値を検証するシンポジウムが盛大に開催されました。井上町長におかれましては、鉄の道文化ゾーン推進協議会の会長として大変な御尽力、御努力に心から敬意と感謝を申し上げます。また、会場準備に当たられましたスタッフの皆様にも、心から御礼を申し上げたいと思います。
私も、これだけ多くのたたらファンがおられると思うと、たたらは奥出雲の宝であり、世界に一つしかない宝であると改めて感動を覚えた次第でございます。翌日の山陰中央新報には、一面で「世界遺産へ保全、継承を」と大きく報道され、23面にも関連記事で大きく掲載されておりました。識者からは、世界遺産への第一歩として、ユネスコの無形文化遺産への登録を提言されましたが、町長の
たたらシンポジウムの今後の取り組みと成果についてお伺いを申し上げます。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) このたびの
たたらシンポジウムの開催は、安来市、雲南市、奥出雲町、2市1町で構成しております鉄の
道文化圏推進協議会の主催により開催したところでございます。昨年から奥出雲町が役員改選によりまして、事務局と会長を引き受けて準備を進めてきたところでございます。内田勇議員、おっしゃっていただきましたように、大成功裏に終わったと。開催によりまして、たたら製鉄の世界的価値を再認識し、これからの保全活動に圏域が一体となって取り組む機運の醸成が図られたものと思っております。
シンポジウムでも明らかにされましたが、たたら製鉄の文化は、日本や世界の人類史上における普遍的価値を持つ財産であることを参加した全員で確認できました。私は、このようなたぐいまれな地域をしっかり守り、後世に引き継ぐ義務を負っていると深く感じたところでございます。今後は、圏域のたたら製鉄を保全する意味及び価値を理解していただきながら、意向調査など広域的に進める機運を盛り上げるとともに、たたら製鉄に人間の生活活動と自然との共生、地域振興のツールとしての新たな意義を見出しながら、それを日本だけでなく、世界に発信してまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) 大変ありがとうございました。
世界遺産登録へのいろいろ厳しい道もあると思いますけれども、どうか今後とも御努力をお願いをしたいと思います。
次に移らせていただきます。
たたらシンポジウムで横田地域の鳥上、横田、八川、馬木の4校の小学生のたたら体験学習の事例発表は、とても好評でございました。今後とも末永く、たたら体験学習を継続されることを切望いたします。事例発表の中で小学生から、大人たちもたたら体験学習をしたらいいと思いますとの提案がございました。実際に大人の私たちも、たたらについて知らないことばかりだと思っております。地域を挙げて保全、継承するために重要なことと考えますが、町長の御所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) たたらの体験学習についてのお尋ねがございました。小学生のたたら体験学習は、今後も継続的に続けてまいりたいと思っております。御提案のありました大人のたたら体験も、これが可能になるような方策も考えていきたいと思っております。子供たちも、暑い、汚い、きついという言葉を言っておりましたが、大変な作業でありますが、その作業を通して実際にけらが誕生するという経験は本当に感動的なもののようでございます。既に一般向けのたたら体験には、この中国山地ではいろいろ取り組みをされてるようなところもあるようでございますので、そういうところも参考にさせていただきながら、関連イベントあるいは文化協会や、さまざまな関係組織と連携しながら、そういうふうなことが継続的に可能になるような組織づくりもしながら、実施に向けて検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) ありがとうございました。1日でも早く大人のたたら体験学習もできればと思っております。
次に、大人も子供も一緒に炭焼き体験学習のできる施設を鳥上地区だけでなく、各地区に順次つくったらどうだろうかと思っております。たたら製鉄になくてはならない木炭は、生産と森林の再生を両立させ、温暖化防止や環境問題、物づくりを考えるとき、大変重要ではないかと思います。日本の山林は木を切らないために荒廃し、外国の山は木を切り過ぎたために、はげ山になっていると言われております。森林整備の促進とグリーンツーリズムの推進で滞在型観光客をふやし、町おこしにつなげることはできないか、御所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 大変いい御提言をいただきました。本年度は鳥上地区にあります文化創作館の横に、たたら製鉄所の木炭窯の大炭窯も完成しております。これは拠点の炭窯になると思っておりますが、御提案にありましたように、各地区にこういうふうな炭窯をつくっていくということは、森林の再生のため、あるいは木質バイオマスを推進する、炭を焼いて暖をとると、石油ストーブから昔やってましたような炭火鉢への転換も図れるものと思っておりますので、計画的に取り組んでまいりたいと思っております。
たたらで行くのか、あるいは林業関係で取り組むのか、事業の組み立てのこともあろうと思いますが、炭窯が各地域でいっぱいできますように取り組んでまいりたいと思っております。既に炭窯を御自分でつくってやっておられる皆様の先行的な御努力もありますので、そういう方々の御意見もいただきながら検討してまいりたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) 大変ありがとうございました。炭焼きのできる窯を各地区に順次できることの1日でも早からんことを願っております。今、本当に炭焼きのできる人がどれだけこの奥出雲町内にいらっしゃるかと思いますと、本当に早いうちにやはり炭焼きのできる物づくりを伝承していくことは大切ではないか、このように思います。私も50数年前、父親と一緒に炭焼きをした経験もございますけれども、今はすっかり忘れてしまいました。そういう意味で、どうか炭焼き体験のできる、そういう施設をよろしくお願いをしたいと思っております。
次に移ります。奥出雲町内には、日刀保や、たたらと刀剣館、また卜蔵庭園、絲原記念館、可部屋集成館などのたたら関連施設のほかに、多くの観光スポットがあります。これらの観光スポットを奥出雲ガイドブックとして、1冊100円か200円で家族みんなが買える値段で、これさえあれば奥出雲が理解できるものにし、スタンプラリーの台紙や完走賞をつけて町おこしのツールにしてはどうでしょうか。すべて完走した方には仁多米等の特産品をプレゼントすれば、米の消費にもつながり、おいしい仁多米の宣伝にもなっていくと思います。町長の御所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) たたら関連施設のスタンプラリーという御提案でございますが、既に鉄の道文化圏の推進協議会では鉄の道の歴史や文化に触れていただくことを目的にして、平成20年度にクイズラリーを実施しております。関連施設7カ所のすべてを回り、キーワードを完成させていく、このクイズラリーは好評でございまして、約60人の方々の参加をいただきました。数は少のうございます。もっと多くの方にということからの御提案であろうと思います。どのような施設をピックアップするかというふうなことも含めまして、鉄の道の文化圏推進協議会を初めといたしまして、関係団体、関係施設と連絡をとり合って、スタンプラリーができるようなことをできるだけ早急に考えていきたいと思います。これも新年度の鉄の道文化圏の推進協議会の事業として取り組むことができるかどうか、早急に検討をさせたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) ありがとうございました。たたらで町おこしということで、いろいろ御提案申し上げましたけれども、昨年、境港市は372万人もの集客をしていらっしゃいます。それにはドラマの効果もあったとは思いますけれど、それでも毎年200万人以上の観光客を集めていらっしゃいます。そうしたことを踏まえて、せめて100万人ぐらいはこの奥出雲町に来ていただけるような、やはりいろいろな知恵を絞って努力をしていかなければならない、そのように思います。
次に、2番目の質問に移らせていただきます。人口減少に歯どめをということで、昨年10月1日現在の国勢調査の速報値が年末、12月21日に発表されました。それによりますと、奥出雲町の人口は、平成17年の1万5,812人から1万4,458人となり、5年間で1,358人も減少し、マイナス8.6%という大幅な減少率となっております。これは島根県平均のマイナス3.5%を2倍以上も上回っております。出雲部ではワースト1位であり、県全体でもワースト6位となっております。奥出雲町でなぜこれだけの大きく減少をしたのか、危機感を持って真剣に考えなければならないときに来ております。
昭和30年の2万8,477人から、55年間で人口は約半分になったことになります。昨年1年間でも338人の減少であります。平成22年の人口予測を400人近くも上回る減少となっております。この実情を踏まえ、人口減少対策について御所見をお伺いします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 人口問題の原点は、実は古事記の黄泉比良坂、黄泉の国とこの世の境の坂で、イザナミとイザナギがやり合った言葉に端的に出ております。イザナミは、よみの国に毎日1,000人呼んでやるとののしりましたら、イザナギは、それなら私は1,500人産んでやると、これが人口問題の原点です。
ですから人口推計は、吾郷議員の質問にもお答えしましたように、日本全国あるいは先進国共通の大きな課題を持っております。要は出生者をふやす、いかに安心して子供を産み育てていくことができる環境づくりを進めるかが一番大事であります。そういうことから少しでもこの奥出雲で新しい命が誕生できるように、新年度予算では1人10万円の商品券、それから2子目も保育所、幼稚園は2分の1にすると、昨年の4月から打ちました対策に加えましてさらに充実をさせたところでございます。もちろんUターン、Iターンも積極的に進めていく必要があろうと思っております。
私は、横浜市との職員が都市交流やっておりまして、昨年横浜市の旭区というところの区長さんにいろいろ案内をしていただいて施設を歩きましたが、図書館と福祉センターが高齢者の方で超満員でした。都市の高齢化問題は、とんでもないことになるなという、そら恐ろしい実感を持って帰りました。
そういうことからしてもこの奥出雲のような田舎に住み続けていくこと自体が大変幸せなことであると、そういうアピールも今後していかなければと思っております。我々の地域でしっかりと地域が守っていけるようないろんな取り組みは今後もしていかなければならないと思っておりますが、人口が減っていくことは間違いないことであります。その中でどういう対策を打つか、これもみんなで考えていくべき大きな課題だろうと思っております。人口問題についての認識ということでございましたので、率直なところを申し述べさせていただきました。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) ありがとうございました。
奥出雲町での人口減少が余りにも、隠岐地域とか石見部であれば大変厳しいだろうなという思いもありましたけれども、そういう思いからもう一つ人口減少に対する歯どめをかけなければならないのではないかというふうに思います。
人口減少は、経済の縮小を招き、特に生産年齢である16歳から64歳の人口減少が地域の衰退を招いております。元気な地区・集落づくりは、やはりどれだけ若者がいるか、子供がにぎやかにたくさんいるかにかかっております。そのために行政はもとより、地区や集落挙げて婚活支援であり、就活支援を惜しんではなりません。もっともっと若者を大事にしていく、またもっと人に投資をしていくことが必要ではないかと思いますけれども、町長の御所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) やはり若者が安心して結婚でき、子供をつくっていくというためには、やはり若者への所得移転をすべきだという議論がもう既に始まっております。高齢者から若者へと。ただ、日本全国の実態が親からの財産を受け継ぐ平均年齢が67歳まで上がってると。死ぬんじゃなくて、67歳で初めて親の遺産を相続するというふうな高齢社会です。
実態として若者が結婚して子供をつくっていくためには、夫婦共働きといいますか、ダブルインカムでなければできないという現実もあります。そういうふうな中できちんと幼児園を整備したり、若者の就労場所の確保とかもろもろの対策も必要ですが、いかにして多くの子供が生まれてくれる地域にしていくか、まさに全国地域間競争が始まってると認識しておりまして、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) ありがとうございました。ぜひとも婚活にしても就活にしても本当に前面に出て行政も旗を振っていただきたい、このように念願するものであります。
葉っぱビジネスで有名な徳島県上勝町は、地域活性化の成功モデルとして知られておりますが、株式会社いろどりの社長は、木々の葉っぱが宝に見えました。しかし、町の人にはそうは映らなかった。それも当然で、どんなに足元に宝があってもこんなところに住んでたってと思っていれば宝は見えてきませんと。また、地方には海のもの、山のものなど宝のような資源がたくさんあります。それをプロデュースできるような人材が本当に少ない。人も商品も活躍できる場面や舞台があれば輝きますと述べておられます。
現在各公民館長が集落支援員を兼務されておりますけれども、公民館長さん自身大変多忙な毎日を過ごされている中でこの集落支援員の仕事は無理があると思いますけれども、所見をお伺いいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 集落支援員についてのお尋ねでございますが、現在各地区の連合自治会長9名の方と各公民館長9人の方の合わせまして18名の方に集落支援員として活動していただいております。
確かに皆さん忙しい仕事を抱えながらのことでありますが、支援員個人がというよりもいろんな組織、いろんなところと連携をしながら取り組んでいただけるような仕掛けも、地域振興協議会のような組織も各地区につくっていただきました。それを地域コミュニティーの拠点であります公民館を中心にして地域や集落の状況把握、課題の抽出、行政と地域住民の連絡調整、さまざまな活躍をいただいております。
今年度においては、集落支援員の皆さんのスキルアップのために中山間地域研究センター主催の研修会へも参加していただいておりまして、集落支援員としてのノウハウを高めていただいております。
平成23年度からは仁多・横田両地域に1名ずつ新たな統括集落支援員を配置をして、支援員同士がお互いにアドバイスをしたり情報交換、情報の共有化ができる体制づくりを構築してまいりたいと考えております。さらに広域的な支え合いを促進するため、集落支援員、行政との連携をさらに強化していく必要もあろうと思っておりますが、議員御指摘の自治会長さんでは忙しくて無理ではないかという御指摘につきましては、私も自治会長さんからも直接お話を聞いたりしながら、じゃあだれがいいのか、そういうふうな議論も今後してまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) 集落支援員の問題は、以前私も一般質問でさせていただきました。確かに自治会長さんも毎年、1年ぐらいでかわられる方もいらっしゃいます。そうした意味で本当の意味でこの集落あるいは地区を見ていくということが大変厳しい。また、勤務先も町外であったりという部分もたくさんあります。そうした意味で本当に先ほど話しましたように、外からの目で見ていくというものは大事ではないか。宝がありながら宝が見えないというのが少なからずあるために総務省が打ち出した集落支援制度であります。そうした意味で今後ともよろしくお取り計らいをお願いしたいと思います。
最後の質問に移らさせていただきます。がん対策についてでございます。
国内で年間2人に1人が発病し、発病したら3人に1人が、国内では30万人以上が死亡すると言われる、日本はがん大国でございます。死亡率第1位のがんは、まず検診を受けておられない人をいかに少なくするかだと思いますが、日本のがん検診受診率は、欧米の70%から80%に比べますと20%から30%と、極めて低い状態でございます。国も50%を目指しておられる中で、町内での受診率をお伺いをしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 尾方
健康福祉課長。
○
健康福祉課長(尾方 豊君) がん検診の受診率はどうかという御質問でございます。各種がん検診の受診者数と受診率についてお答えをします。
なお、受診率を求める分母となる対象者数でございますが、毎年3月に実施いたします受診希望調査で会社や学校で受ける、あるいは個人的に病院で受ける、治療中あるいは妊娠中のためにことしは受けない、国保の人間ドックで受けるというような皆様方を、最初からこの町の主催しますがん検診では受けないとおっしゃった方を除いた人数を分母としております。
平成22年度において胃がん検診は899名の皆さんが受診され、受診率は46.2%となっています。以下受診者数、受診率の順で申し上げます。大腸がん検診1,978名、73%、肺がん検診、これはヘリカル検診とレントゲン検診を合わせて2,227名の方が受診されました。60.3%となっています。子宮頸がん検診251名、36.4%、乳がん検診467名で53.5%となっています。いずれも年々増加傾向にあります。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) ありがとうございました。
そうしますとかなり高い受診率ということで、国の目指す50%以上を軽く上回ってるということで大変喜ばしいことであると思います。今後とも一人でも多くの皆さんががん検診を受けられることを願っております。
肺がんに次いで多い全国で年間5万人が死亡されている胃がんは、生活習慣病ではなく、ピロリ菌によって発症する感染症であり、ピロリ菌が発がん因子と言われております。1次予防としてピロリ菌の除菌治療で90%が死滅し、2次予防として検診すればよいということですが、こうしたがんの実態に合わせたがん対策推進条例を制定する考えはないか所見をお伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) ピロリ菌対策についてのお尋ねでございましたが、検討をさせていただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) がん対策の町として推進条例制定の考えはどうでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町のがん対策条例制定の考えはないかということでございますが、国においては平成18年6月に議員立法でがん対策基本法が制定されております。島根県でも同年9月に県議会議員全員の提案により、全国初の条例である島根県がん対策推進条例が制定されております。
いずれもがん患者家族の皆さんの声に議員の皆さんがこたえ、制定をされたものと理解しております。
がん基本法や県の推進条例にありますように、がん予防のための早期発見の推進は、行政だけでなく、住民の皆さん一人一人の意識づくりにかかわることでありますし、議会はもとより関係団体の連携の中で実施できるものであると思います。その意味からも町議会議員の皆さんの総意として議員発議により町条例の制定をされるという方法もあると考えます。
なお、がん基本法では、第4条に地方公共団体は、国と連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有すると定めております。
今後も奥出雲病院等健診機関との一層の連携強化を図りながらがん検診の重要性の啓発、そして受診しやすい体制づくりなど具体的な施策を進めてまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) このたび私も節目健診ということでこういうすばらしいがん検診のお知らせをいただきましたけれども、先ほど話しましたように胃がんの検診の場合、例えばバリウムを、あるいは胃カメラをというふうな検診を最初からあるわけですけども、本当はピロリ菌の検査で、容器に息を吹き込むことでピロリ菌の有無がわかる検査をすれば、その上でピロリ菌がある人についてまたさらに血液検査とか胃カメラを飲むとかいう方法があるわけでありますけども、その第1次予防の方に対してもっと力を入れればと思いますが、
健康福祉課長、御所見伺います。
○議長(千原 祥道君) 尾方
健康福祉課長。
○
健康福祉課長(尾方 豊君) ピロリ菌を使った検査方法等につきましては、先ほど町長が答弁させていただきましたように、今後の検討課題とさせていただき、研究をさせていただきたいと思います。
現在本町がやっております、健康福祉課でやっております具体的な取り組みについて申し上げさせていただきたいと思います。今、議員からも御紹介いただきました、ことしは保存版「がん検診のお知らせ」を作成させていただきました。今年度の検診申込書とともに全戸に配布して、現在私どもの検診体制を一覧にして受けやすいものを受けていただくようなことにしております。
また、受診しやすい体制づくりでは、平成21年度より子宮がん・乳がんについては年齢をしたクーポンの配付による無料検診を実施させていただいてるところです。また、奥出雲病院の協力を得た子宮がんの時間外検診を実施してまいりましたが、平成23年度からは乳がん検診については土日の検診の実施、それから胃がん検診・肺がん検診については特定検診と同時に実施できる工夫をしていこうと思っております。さらに子宮がん検診がやや数字が低うございまして、対象のお母さんがお集まりになる小学校の就学前健診、お子さんの健診のときにあわせてお母さんの子宮がんの検診ができるというような工夫を今後も進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) 大変ありがとうございました。
子宮頸がん、乳がん、大腸がん検診は、5年ごとの節目に検診が無料のクーポン券が発行されておりますけれども、あと胃がん、肺がん、肝臓がん、前立腺がん等の死亡率の高いがんに対して奥出雲町独自のがん対策基金を創設し、町独自の節目ごとの無料がん検診制度を導入する考えはないのか、町長にお伺いをいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) がん対策基金を創設して町独自の無料がん検診体制をつくったらという御提案でございますが、現在の検診費用は、子宮がん、乳がんについては一定年齢の方は無料、平成23年度から大腸がん検診も一定年齢の方は無料とすることとしております。その他の検診も自己負担の額は1,000円から2,000円に抑えております。
検診を受けられない理由については、金銭的な負担よりも意識の問題や時間がないといった理由が多く、先ほど申し上げましたように検診を受けやすい体制づくりや啓発にさらに力を入れていくのが当面大事ではないかと思っております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) ありがとうございました。
島根県でも20代から30代の若い女性に子宮頸がんがふえているようでございます。ワクチン接種を希望する現在の高校1年と2年の女子に中学生と同じように無料でのワクチン接種を保護者の強い要望もございますが、お考えはないのかお伺いをいたしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 現在の高校1、2年生の女子に子宮頸がんワクチンの接種という御提言でございます。
全額公費による子宮頸がんワクチンの接種は、平成22年度は中学3年生に実施をいたしました。医師や学校の関係者からは、もう少し早い段階、具体的には中学1年生での接種が望ましいとの意見も出ております。
そこで来年度は中学1年生から3年生を対象にしまして、平成24年度からは中学1年生を対象に実施をしたいと考えております。
御質問の高校生に対する接種の助成は、現在のところ考えておりません。制度をつくりますとどっかで線を引かなきゃいけないという問題もあります。そういうことで処理をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(2番 内田 勇君) 子宮頸がんワクチンについて、できれば高校生に対しても前向きに考えていただきたいと思います。以上で私の質問終わります。ありがとうございました。
───────────────────────────────
○議長(千原 祥道君) 以上で午前の会議を終わります。
ここでしばらく休憩をいたします。午後1時半から再開をいたします。
午後0時22分休憩
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午後1時27分再開
○議長(千原 祥道君) ほんならちょっと早いですが、再開をします。
そういたしますと休憩前に続きまして会議を開きます。
次は、藤原充博議員。
○議員(5番 藤原 充博君) 一般質問の機会をいただきましたので、質問させていただきたいと思います。若干風邪を引いておりまして、滑舌がいつも以上に悪いので、よろしくお願いしたいと思います。
私、簡単な質問でございますが、さて、先般聞きますと奥出雲町の商工会は、事務局長さんの勇退に伴い、その後の後任を公募され、町内外から10数人の、15人でしたか、優秀なる人材の応募があり、その中から新局長さんが決定されたのことですが、こういうことについて町長のお考えを伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 藤原充博議員の御質問にお答えいたします。
このたびの商工会の事務局長の公募については、現在の事務局長が今年度末で退任をされるということで、後任は広く公募により行うということで実施されたと伺っておりまして、応募人数は町内から1名、町外から12名、県外から3名の計16名の応募があったと聞いております。最終選考では5人の方が選ばれまして、面接を受けておられまして、その結果、1人の方が決定されたということのようでございます。公募されたことにつきましては、商工業の発展と地域経済の活性化をさらに推進するため、広く町内外を問わず優秀な人材確保を図るために行われたものだと認識しております。
○議長(千原 祥道君) 藤原議員。
○議員(5番 藤原 充博君) 私もやっぱり活性化ということを考えるに至っては、いろんなとこからいろんな人材が来て奥出雲町のために動いてもらうということは非常にいいことじゃないかというふうに思っております。
続いてですが、第三セクターについてです。
奥出雲町が出資する第三セクター、非常にたくさんございますけども、その中で株式会社奥出雲振興、奥出雲酒造株式会社、社団法人奥出雲町農業公社、奥出雲町仁多米株式会社、この4社は今後、奥出雲町の雇用の場の確保や全国ブランドになった仁多米のさらなるブランド化を進めていくためにも非常に重要な会社であると思っております。
そこで各社の経営方針と今後3年間の収支計画、雇用計画、わかる範囲で結構ですので、お聞かせ願いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 第三セクターについてのお尋ねでございます。
本町には全部で7社ございますが、お尋ねは4社についてのみであります。
一般的にせっかくですから申し上げときますが、地域振興に大きく貢献をしている実態があると思っておりまして、約370名を超える雇用をつくり出しております。
御質問の4社の経営状況、経営方針について以下順次お尋ねの順番にお答えをしたいと思います。
まず、株式会社奥出雲振興でございますが、ここは町の観光の拠点施設である玉峰山荘を中心に町内の観光資源を十分に活用しながら、おろちループあるいはサイクリングターミナルなどとの連携し合って観光振興の拠点施設として会社全体としては観光振興を図っているということでございます。
向こう3カ年の収支の見込みでございますが、奥出雲振興全体で平成23年度は売り上げを6億4,000万ぐらい見込んでおります。当期純損益は105万円。24年度は、売り上げを6億3,000万、当期の純損益は120万。25年度は、売り上げを6億、当期純損益220万を見込んでおります。
次に、奥出雲酒造株式会社について申し上げます。
運営の基本方針は、酒蔵奥出雲交流館のイベント強化、これは道の駅の機能も持っておりますので、そういうイベントの強化を図りながら、新規顧客を開拓していく、またインターネットによる販売の強化、さらには経費節減もあわせて取り組んでまいるということでございますが、23年度は売上高が1億4,400万程度、当期純損益は2万円。24年度、売上高1億4,600万円、当期純損益2万円。それから25年度は、1億5,000万、当期純損益2万円でございます。
それから奥出雲町農業公社でございます。
基本方針としては、町内の農業の発展と地域農業者の経済的・社会的地位の向上を図るということを基本的な目的にしておりますが、各種事業を通じて地域農業及び農家の支援をするということを基本として経営してまいりたいと考えております。
23年度の売り上げですが、これは公的部門と収益部門と両方持っておりますんで、分けて申し上げます。まず公営部門については、売り上げは8,800万、当期純損益200万円。それから収益部門につきましては、売上高6,400万円、当期純損益マイナス200万円。平成24年度、公営部門、売上高8,800万円、当期純損益200万円。収益部門、売り上げは6,400万円、当期純損益マイナス200万円。平成25年度は、新法人へ移行するということもありますので、現在のところそういうことで25年度は計画をしておりません。新法人に移行の姿で計画をしたいと思っております。
それから奥出雲仁多米株式会社でございます。
基本方針としましては、島根を代表するブランド米、仁多米としての高い評価もいただいておりますので、出雲国仁多米こしひかり・栽培暦方針に準じて環境に優しい安全・安心な米づくりをさらに普及いたしまして、環境循環型農法の高付加価値化をさらに高いレベルで取り組んでいきたいと思っております。産地間競争が激化する中ではありますが、他産地に比べ環境に優しい、あるいは安全・安心ということも従来の食味にプラスしてさらに付加価値をつけていく、他産地との差別化を図ってまいりたいと思っております。
3年間の収支の見込みでございますが、平成23年度の売上高4億5,000万円、当期純損益3,300万円。平成24年度、売上高4億5,200万円、当期純損益3,400万円。平成25年、売上高4億5,300万円、当期純損益3,500万円という見込みを持っているところでございます。
○議長(千原 祥道君) 藤原議員。
○議員(5番 藤原 充博君) どうもありがとうございます。
目標や目的を掲げて戦略を立てて行動していくのが大事じゃないかと思います。今や町長もおっしゃるように、第三セクターは本町の雇用の非常に大きな受け皿なっております。私も民間の会社をやっておりますけども、非常に苦心をしております。今まで仁多町といいますか、奥出雲町でいろんな時代の流れがあったときに受け皿になってくれたのがやっぱり民間企業であったり、あるいは公営企業だったんですけども、この次大きな波が来た場合は、恐らく第三セクターがかなり頑張って雇用の受け皿にならないと大変じゃないかなというふうに思っております。御承知のように、第三セクターは設備投資等が非常に有利な形で対応できてますし、今までそういう形で町としてもフォローアップをしております。経営維持に甘えることなく、より一層の経営の安定を図り、雇用の確保していただきたいと思っております。
そのためには私の経験としましてもキーマンとなる経営あるいは営業、販売のプロが必要になってくるんじゃないかというふうに思っております。人材確保のために町内ばっかりでなくて県内外から広く公募されるお考えはないか、その辺ちょっとお聞きしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 広く人材を公募する考えはどうかということでございますが、さらに奥出雲ブランドを売り出していくためにはいろんな人材が必要であろうと思っております。議員御指摘のとおりでありますが、人材の受け入れにつきましては、私が21年の5月から就任しておりますが、県の定住財団等を通じまして県外へ募集をしておりまして、奥出雲酒造株式会社は、島根県の石見出身の人材ですが、山形県の酒造会社に勤めていて東京での営業経験を持ってる人をうまく確保することができまして、今大変頑張ってもらっております。それからこの4月からでございますが、株式会社奥出雲振興には総合旅行業務の資格を持ってる方を採用する予定にしておりまして、広く県内外から多様な人材が採用できるように今後も努力をしてまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 藤原議員。
○議員(5番 藤原 充博君) わかりました。
もう一つ、第三セクターについてはちょっと気になる点がございます。これはちょっと通告してありませんけども、今後、なかなか町長さんお忙しいので、決算関係細かくチェックするいうことは非常に難しいと思います。夕張の問題があっていろいろ第三セクターが取りざたされましたけども、今ちょっとそれあんまり言わなくなっております。それで終わったということじゃないと思うんですが、ぜひとも決算監査いいますか、会計監査、これ専門職を入れられて、会計事務所とかですね、それをちゃんとするということが大事じゃないかと思いますので、ぜひともこれはできるだけ早いうちにそういうふうに委託された方が僕はベターじゃないかというふうに思います。
続いてですが、町の特別職についての公募のお考えはどうでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 特別職の公募についてのお尋ねでございますが、まず副町長につきましては、町長である私を支えていただく方として町長と一心同体となって、施策形成に参加していただくだけでなく、いろんな局面で辛らつなことも含めて助言をいただくような方でなければならないと思っております。そして場合によっては町長の権限に属する事務を代行すると、あるいは代決するというふうなこともあろうと思っております。
そのような意味におきまして副町長の選任につきましては、町長に専属する事項として私の責任において適任者を選任してまいりたいと。議会の議員の方にはぜひとも同意を賜りたいと思っております。
それから教育長につきましても副町長と同様に私の責任において選任をしてまいりたいと考えております。
全国的には教育長の場合、公募を行ってる自治体も見られますが、前段申し上げました内容、それから町内における人材の活用というふうなことも含めまして現在のところすぐ全国公募というふうなことは副町長、教育長とも考えておりません。
○議員(5番 藤原 充博君) わかりました。どうもありがとうございました。
質問はこれで終わりますが、私の経験からいいますと営業等をやってますと最初はどうしても新しい販路や新しいとこへ一生懸命頑張って行くんですが、大体5年ぐらいたちますとほとんど同じようなとこへばっかり行きまして、ぐるっと回ればもう済んでしまうというふうなパターンになってきて、なかなか新しいとこをよく開拓しないというふうに思っております。第三セクター、新しい血をたくさん入れていただいて組織を活性化したり販売の強化をしていただきたいというふうに思います。
特に今団塊の世代がだんだん余ってきますいうか、あいております。中には非常に経験豊かな方がいっぱいいらっしゃると思うんです。我々が知らない世界を知ってる方がですね。そういう方をぜひ県内外に広く募集、公募されて、奥出雲町のために頑張っていただきたいと、そういうふうに思います。なぜ団塊の世代かいいますと、大体1年から5年ぐらいで終わりますので、長く務めてもらわなくてもいいというふうな考えがございますので、とりあえずそういうふうな意見でございます。本当に今企業、いろんな事業体が厳しい状況でやっておりますので、第三セクターの方よろしくお願いしたいと思います。以上です。
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○議長(千原 祥道君) 次は、内田精彦議員。
○議員(3番 内田 精彦君) それでは、一般質問をさせていただきます。
まず最初に、大雪について伺いたいと思います。
今回の大雪は、当初年末から正月にかけての大雪となり、松江、米子では1日の降雪量がこれまでの最高に達するなど、特に島根半島は昭和38年豪雪以来の大雪に見舞われ、7地区が陸の孤島化とし、地域住民は不安の中での正月を迎えられたわけでございます。
その後、断続的に雪が降り続き、当奥出雲町でも平成17年の大雪以来の積雪となりました。町においては、1月27日に奥出雲町大雪対策本部が設置され、そして大雪対策連絡会議を開かれ、被災状況の把握や対策における密接な総合連携について確認、対応されたようであります。
そこで伺います。大雪対策本部はどのように設置されたのか。奥出雲町災害対策本部条例により設置されたのか。また、この大雪対策本部は解散されたのかどうか、伺いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 小倉総務課長。
○総務課長(小倉 義幸君) 御質問にお答えをいたします。
このたびの大雪による被害につきましては、屋根の雪おろし作業中の転落、また除雪作業中の落雪が原因で2名の人的被害の報告を受けております。いずれも高齢者の方の被害でございました。
また、住宅等に関しましては、半壊が1棟1世帯、一部損壊が16棟78世帯の被害が報告されたとこでございます。
このほか非住宅では、全壊が2棟、一部損壊は8棟となっておりますが、農業用パイプハウス8カ所を含めますと被害の総額は約1億円であると見込んでおります。
また、大雪の対策といたしましては、町内の各所でおよそ1メートルの積雪が確認されました1月の27日に奥出雲町大雪対策本部を設置したところであります。翌日の28日には、関係機関によります連携会議を開催をいたしまして、各種対策を検討してまいりました。
特に高齢者世帯等におけます自治会長さんや民生委員さんを中心に見守り活動や助け合い除雪の取り組みいただきまして、さらには島根県仁多土木事業所、奥出雲町建設業協会に対しまして除雪作業への協力依頼を行ってまいりました。
また、町民の皆さんには除雪作業者の情報提供、それから作業や雪崩等に関する注意喚起の広報活動いったものを対策として取り組んでまいったところでございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 先ほど総務課長から答弁いただきましたが、被害状況にも報告していただきましたが、私が今聞いておるのは大雪対策本部はどのように設置されたのか。これは幾らか該当するかもわかりませんが、奥出雲町災害対策本部条例により設置したのか、あるいはこの大雪対策本部がもう既に解散したのかいうことを聞いております。
○議長(千原 祥道君) 小倉総務課長。
○総務課長(小倉 義幸君) お答えをいたしたいと思います。
先ほどの中で申し上げましたけども、1月の27日に対策本部を設置をいたしたところでございまして、その後1カ月の取り組みを踏まえまして、去る2月の28日、およそ積雪状況も雨も含みまして雪解けが大きく進みましたので、28日付で連携会議ともに解散をいたしたとこでございます。以上でございます。
対策本部条例に基づくものかということでございますけれども、基本的には庁内会議を母体といたしまして設置したとこでございます。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) それでは次でございますが、先ほど被害報告していただきました。総額被害額は約1億円というふうなことでございましたが、農業関係のことにも言及していただきましたが、農業関係につきましてはこの間予算特別委員会のときにも質問させていただきまして、大体パイプハウスですか、ビニールハウスですか、の被害があったというふうなことで、今回3分の1ずつの補助制度ができまして、それで対応するというふうな報告をいただいたところでございますが、もう一度聞かせていただきたいと思いますが、被害の状況、トータル被害額は1億円ということでございましたが、箇所数のトータルいうのがわかれば教えていただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 総務課長。
○総務課長(小倉 義幸君) お答えをいたします。
箇所数につきましては、住宅被害が79カ所でございます。それから非住宅でございますけども、これにつきましては8件でございます。それから農業ハウスが8件でございます。合わせますと95になると思います。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 今回の被害が合計95件、総被害額は約1億円というふうな答弁がございました。
次に入らせていただきますが、先ほどお話がございました農業関係のビニールハウス等につきましては、県、町あるいは地元負担3分の1ずつで災害復旧できるというふうな制度があるわけでございますが、この被災受けられた方への支援金の考えはないかどうかお聞きしたいと思うわけでございますが、条例の中に、先ほど総務課長、奥出雲町災害対策本部条例に基づいて設置してはないというふうな言い方されたわけでございますが、条例の中に奥出雲町被災者生活再建支援金支給事業要綱、また災害復旧支援事業助成金交付要綱等が載せてあるわけでございますが、災害復旧支援事業助成金交付等によりましては平成17年の豪雪のためにつくられたものではないかというふうに思っておるわけでございますが、これに該当しないのかどうか、お答えをお願いしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 小倉総務課長。
○総務課長(小倉 義幸君) このたび被害に遭われました住宅、また非木造、そしてもろもろの被害に対しまして町の見舞金等の支給に関する要綱並びに災害復旧支援助成交付要綱に該当しないかどうかということでございますけども、被害の程度によりまして条例、要綱においては定めてございます。特に一部損壊は大規模に被害が及んだ場合、それから半壊とか全壊につきましては当然見舞金についても対象でございます。それも全部広範囲にわたった場合には1万円という見舞金がございます。それから一部損壊でありますとかは2万円、半壊は3万円、全壊は5万円というふうな見舞金を支給することになっておりまして、今回の対象につきましては住宅の半壊1件がこの見舞金支給に関する要綱に該当するというふうに思ってます。
なお、住宅につきましては、県の災害支援関係の要綱がございまして、今現在その県の要綱に当てはまる被害なのかどうかの現地確認を依頼をいたしております。それが該当になりますと建物の再築にかかります借入金の利子補給でありますとか建物の除却、それから一時住宅がなくて公営住宅等に入居された場合の入居費の助成でありますとかいったものが対象になりますので、県の審査を受けながら被害者の皆様へのできるだけの支援はしてまいりたいというふうに考えております。この経費につきましては、来るべく所要額が確定しますと6月補正への計上になろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 今の答弁でいきますと住宅半壊ですか、1件については見舞金制度にのるということだったと思います。そのほかにつきましては、もう少し様子を見ないとわからないということだろうというふうに思っております。実は山陰中央新報に2月19日付に載っておりましたが、江府町の方で大雪被害住宅に支援金をというふうなことで載っておりました。修理など上限20万円というふうなことで載っておるわけでございます。屋根のひさしが折れた等もどうも該当になるようでございますが、先ほど被害報告をしていただいたわけでございますけれども、中には屋根の雪おろしをしたけれども壊れたという方もあろうかというふうに思っておるわけでございますが、何とかこういう人に対しても支援金いいますか、見舞金いいますか、そういうものでも考えることはできないものかどうか、町長にお答え願いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) このたびの大雪による家屋への被害は、議員御指摘のようにひさしの損壊とか軒が一部壊れたと、そういうふうな被害が相当数出ております。修復にどのぐらい経費がかかるかということもありますが、被害を受けられた方々のお気持ち等自治会長さん方を通じて確認をしてみたいと思っておりますし、他の町村での支援の取り組み等も参考にしながら今後検討してみたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) ありがとうございました。検討をよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、サイン整備事業について伺います。
平成17年3月30日に2町が合併いたしまして、平成17年、18年度において合併特例債等により主な公共施設の町名については新しい町名に一定の整備をされたところでありますが、その他の看板等につきましては平成19年度に新たな奥出雲町サイン整備計画は樹立され、拠点となる箇所への統一サインの新設、歴史遺産や公共施設への案内、誘導標識等の設置を基本としながら、財源については合併特例債の適用を受け、同年から工事に着手されておりますが、これまでの答弁では180カ所の改修と撤去の計画のうち149カ所が未整備であり、今後の年次計画では毎年2,000万円の事業費で整備していき、平成19年度から5カ年計画で平成23年度までには完了するとの答弁でありましたが、そこで伺いたいと思います。
全体の箇所数、これまで180カ所というふうな答弁もございましたが、今でもその箇所数には変更ないのか。その全体の事業費、概算で結構でございますが、どのぐらいを見込んでおられるのかどうか。それからこれまでの年度ごといいますか、実施箇所数、事業費についてもお答え願いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) どなたが答弁されますか、サイン事業。
本山課長補佐。
○
地域振興課長補佐(本山 宏人君) 先ほどの御質問でございますが、平成19年度に奥出雲町サイン計画を策定をしております。この計画をもとに、先ほどもありましたが、合併特例債を財源に進めておるところでございます。
サイン計画は、整備に関する基本案、それからサインを設置する施設等の事項について計画がされているところでございます。実施状況でございますけども、平成21年度末までに消防格納庫の看板、旧町名の看板、それから腐敗が進んでおるような旧町からある危険な看板等約130カ所について整備をしております。平成22年度につきましては、サイン計画に基づき町内の設置場所を再度点検調査をしておる最中でございます。また、デザインにつきましても再度検討をしておるところでございまして、22年度の事業を23年度へ見送ったところでございます。
総事業費につきましては、確認をさせていただきたいと思います。
実施の箇所数につきましても今再度検討しておる最中でございますので、180カ所という数字がありますが、その数字につきましては変更になる可能性があるということでございます。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) どうもはっきりした数字がお答えとして出てこないようでございます。今もお話がございましたが、平成22年度当初予算で5,000万サイン事業当初予算で組んでございましたが、3月の補正でそのまま減額されております。また、平成23年度当初予算、今上がってるわけでございますが、6,000万円計上してありますが、今の話ではありませんが、当初、平成23年度には完了するというふうな答弁をいただいておりましたですが、平成23年度には完了する考えなのかどうか、もう一度答弁お願いしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 御承知のように、この合併特例債は平成26年度まで使用が可能な財源でございます。この合併特例債が使える期間いっぱい活用していく必要があろうと思っております。
22年度執行ができなかったということにつきましては、町内にいろいろ議員の皆さんからもありますように文化財あるいは地域資源、いろんな観光資源がいっぱいございます。そういうふうな観光資源のサインをどうしていくかというふうなことで見直しを指示もしております。たたら関係もあったり、デザインについても文化庁が国指定の文化財にはこういうデザインをという全国統一のデザインもあります。また、
出雲国風土記の案内サインについては、県の教育委員会の方が統一してやってほしいと。横田では伊賀多気神社の入り口にあるようなものでございます。さまざまな案内サインがありましたもので全体どう進めていくか、ちょっと一遍見直そうという私の方の指示もありまして22年度はストップをさせていただいたということで、23年度はそういう見直し計画も含めまして計画を再策定をし、議会にもお示しをしていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 平成23年度には見直しするということでございますので、平成23年度にしっかりした見直しをしていただいて全体計画を立てて実施していただきたいというふうに思います。平成23年度が合併後7年たつということでございますんで、できるだけ早くサイン整備事業を終えていただきたいというふうに思っております。
次に、管内図作成について伺いたいと思います。
政治、経済、環境等さまざまな諸問題がグローバルな規模で進む現状ではありますが、いま一度足元を見てみたいと考えてみました。奥出雲町は、平成17年3月30日に合併し、はや6年が過ぎて、7年目に入ろうとしております。そして自治会においても旧仁多町と旧横田町が合併し、合併時には120地区の自治会がありましたが、平成20年4月からは阿井地区の見寄と小阿井が合併し、小寄自治会となり、1自治会減となりました。そして平成22年4月からは阿井地区の八幡上と八幡下が合併し、八幡自治会に、また鳥上地区の日向側と船通山が合併し、日向側自治会になり、現状では奥出雲町117自治会だと記憶しております。
そのような中、情報化時代になり、テレビ、新聞等によりさまざまなより多くの話題等が毎日のように発信されております。特に奥出雲町内の話題等につきましては、新聞はもとより町広報、ケーブルテレビ、ジョーホー奥出雲により毎日のように出来事、話題等が発信されており、町民の皆様は大変楽しく、また期待しながら見たり聞いたりしていらっしゃいますので、今後もジョーホー奥出雲にはさらなる新しい企画等により情報の発信を期待するものであります。
そこで管内の自治会図の作成提案をさせていただきたいと思います。市町村合併が進んだことからと考えますが、山陰中央新報に山陰の市町村の欄があり、島根県と鳥取県の市町村のエリアがカラー図で図示され、記事に出てくる市町村の確認に御利用くださいと記載してございます。これ見られた方たくさんおられると思います。私は、これは非常にふだんの勉強不足も助けてくれるものだと常日ごろから重宝しておりました。奥出雲町にもこのようなものがあれば皆さん大変喜ばれると思っておりましたところ、ことしの広報2月号に奥出雲町版の奥出雲町の地区として横田、鳥上、八川、馬木、三成、阿井、三沢、布施、亀嵩の9地区と旧大字の図示されたものがカラー版で載せてあり、これは皆さん喜ばれると思っております。
そこで今回もう一歩進んで、これらの考え方と同じではございますが、少しは大きくなると考えますが、奥出雲町の自治会図として各自治会名を記載した奥出雲町管内図ができないのかどうか伺いたいと思います。合併して6年もたつのに町内の各自治会が大まかでもどのあたりなのか、どこの隣がとかがわかれば皆さん各自治会の出来事の情報等の理解に大変役立つと考えますが、町長の考えをお聞きします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 御提案をいただきました自治会マップにつきましては、既に町民の方からもいろいろ御意見もいただいておりまして、実際作業をしているところでございます。議員御提案のそのような自治会が大体おおよそどこにあるかということが奥出雲町全体でわかるようなものを準備をさせていただきたいと思っております。
自治会は、地縁による組織でございまして、地図上に境界線を入れることはなかなか難しい点もありますんで、おおむねの位置へ自治会名を表示させていただくというふうなことで、できるだけ早い段階で各世帯や集会所へ配布できるよう準備を急がせたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 大変前向きな答弁いただきまして、ぜひともそういう管内図はできればいいと思いますんで、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、
田園倶楽部奥出雲について伺いたいと思います。
この
田園倶楽部奥出雲につきましては、先ほど同僚議員からも質問があり、答弁されたところではございますけれども、重複するとは思いますが、少しだけ質問させていただきたいというふうに思っております。
まず第1番目に、設立に伴います奥出雲町との関係について伺いたいと思います。
平成23年2月11日の山陰中央新報の記事によりますと、奥出雲町高糖度トマト生産、田園倶楽部事業部事業廃止へと題打って大きく報道されました。記事によりますと、平成18年2月に高糖度トマトの市場性の高さに着目し、町内の営農者ら8名が出資して設立。当町横田にある国営農地開発地の約4.3ヘクタールにかん水や施肥、温度調整、屋根の融雪がコンピューター制御できる栽培棟や育苗棟などの施設、延べ面積は2.3ヘクタールを整備した。総事業費は約7億2,000万円、このうち約3億2,500万は農水省からの補助金とあります。
これらの会社設立、事業計画、県、国等への認可、補助申請等に関し奥出雲町はどうかかわっているのか。これら補助金3億2,500万は、町の予算の中に入っていると思いますが、内容はどのようなものなのか、簡単に言いますとトンネルなのかどうかいうことについて答弁をお願いしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 糸原
農業振興課長。
○
農業振興課長(糸原 敬君) 御質問にお答えをいたします。
まず、この高糖度トマト生産の事業そのものは、会社の方が
田園倶楽部奥出雲の方で計画されたものでございまして、町の方は農場の建設に当たって国の補助事業の導入に当たり事業計画などの申請書類を県を通じて国へ提出をしております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 先ほど補助金3億2,500万円と申し上げましたが、平成19年度当初予算書をちょっと見せていただきましたが、アグリ・チャレンジャー支援事業、国営開発地での大型施設園芸団地整備としてございまして、事業費が3億4,500万、県支出金3億4,500万、全部国と県の支出金という予算書の中のものと、もう一つ、事業費は3億4,550万、国、県支出金が3億4,525万、一般財源が25万と、こういう記載がしてある2つちょっとあっておりますが、これはどういうことなのか教えていただきたいというふうに思います。
○議長(千原 祥道君) 糸原振興課長。
○
農業振興課長(糸原 敬君) 先ほど事業費について議員おっしゃいました数字につきましては、町の当初予算に計上されたものと思っておりますが、事業の当たって入札等で行いますので、あくまで計画の数字ではなかっただろうかと推測しております。実際には確定をいたしました交付金は3億2,455万5,000円でございまして、これは国費が県に入りまして、県から町、町から事業実施主体へ交付しております。したがいまして、町の上乗せ補助等はございません。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 今の話でいきますと、ちょっとわかりにくいわけですが、一般財源が入っておるいうことを私は申し上げたかったわけでございますが、その辺のことがちょっとはっきりとはわかりませんが、これはこのことで終わりたいと思います。
次に、これまでの田園倶楽部への支援について伺いたいと思います。
先ほどお話しした国、県の補助金以外の町の関係でございます。これも同僚議員から質問に出たわけでございますが、重複しますが、質問させていただきます。
これまで各種の支援がされたと考えますけれども、私が調べたところでいきますと企業参入支援事業対策、これは町単事業じゃないかと思っております。それから栽培技術の確立支援、これも町単事業じゃないかと思っております。それから栽培技術者の育成、これは国、県支出金でございまして、ふるさと雇用3年計画というふうなもので出されたではないかと思っておりますが、これはこれでいいのかどうか。金額等がわかれば教えていただきたいというふうに思います。
○議長(千原 祥道君) 糸原
農業振興課長。
○
農業振興課長(糸原 敬君) 国の交付金につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおりでございまして、これはすべて国費をそのままトンネルで交付しております。
また、平成20年の12月から高
糖度トマト栽培技術指導として、町で業務委託契約をしました京都府の農業生産法人におよそ1,200万円余りを支出しております。
それから平成21年度より
田園倶楽部奥出雲の方で栽培技術者の育成を目指して雇用された3名の方の人件費に対して、これは国の10分の10の交付金をもって創設されたふるさと雇用特別基金事業を適用いたしまして1,150万円余りを支出しております。それから制度資金であります農業経営基盤強化資金の利子補給金として3万円余りを支出しております。それから町単で企業参入時点で100万円の企業参入の促進の補助金を支出しております。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 今説明をいただきましたが、栽培技術者の育成、先ほどございましたが、国、県支出金、ふるさと雇用でございます。これは平成22年度の予算議会のときにもたしか質問させていただいたと思いますが、これは3年計画だよというふうな言い方されたと思うわけですが、今回途中でとんざしたと、こういうことになるわけでございますが、この栽培技術者の育成、国、県支出金、これは簡単に言いますと3年計画なら3年間やってまともなものが終わるということでございますが、途中でとんざしたいうことはこれまで出したお金、調書がないわけでございますが、こういうものは返済する対象になるのかどうか、わかれば教えていただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 糸原課長。
○
農業振興課長(糸原 敬君) ふるさと雇用の事業につきましても強い農業づくり交付金と同様議員御指摘のとおり3年間の計画でスタートしておりましたので、事業の中止届を県へ提出をしております。
今まで支出いたしましたのは実際に会社の方で雇用された実績に基づくものを交付しております。これまでのとこの雇用実績はあるわけでございますので、返還は生じないものと思っておるとこでございます。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) それでは、次参りますが、今後の奥出雲町の対応と責任についてというふうなことで通告申し上げておりますが、ほとんどが同僚議員からの質問で町長も答えておられますので、ちょっと割愛させていただきますが、一つだけ伺いたいと思います。町長も答弁されましたですが、ああして破綻したわけでございますが、後継業者の確保、支援などのことにつきまして町としての対応と責任について答弁を伺いたいと思います。どう考えておられるのか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 多額の国費を導入して開始した事業でございます。残念ながらスタートを担われた事業者は事業の中止に追い込まれたわけでございますが、かわってやっていただく方を今いろいろ既に当たっているところでございます。
一方で、破産、清算の整理も現在進行中でありまして、そこら辺の破産管財人さんの物の考え方やらいろんなこともありますので、並行しながらでありますが、何としても事業がこの奥出雲の地で継続できるように町の責任において最大限何とかやっていきたいと、そのことは県の方にも申しておりますので、執行部だけでなく議員の皆さん方もいい事業者がいるというふうな情報をお持ちであればまたいろいろと教えていただきたいと思っております。いずれにしてもこのままあれだけの施設をほっておくということはあり得ないことだと思っております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) 今回の破綻いいますか、破産いいますか、の原因は、昨年の猛暑、高温、あるいはことしの大雪、また価格の低迷というふうなことが述べられておりますが、先ほどの町長の同僚議員の質問にも答えられました。データ不足等で計画を下回っていたというふうなことも申されたわけでございますが、先ほども
農業振興課長、それから井上町長等から答弁していただいておりますが、この田園倶楽部は設立が平成19年度であるようでございますが、井上町長はそのときには町長ではございませんでしたですが、今現在この田園倶楽部がこういう形になったということを踏まえてこういう大きなものを導入するときにはいろいろ考えらないけんだろうというふうなことを思っておられるじゃないかというふうに思うわけでございますが、率直な感想があれば述べていただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 率直な感想はというお尋ねでございますが、思いますのは農業生産あるいは農業生産によって事業を展開していくのは本当に難しいことだとつくづく実感をしております。建設業で農外参入してくださっておりますモーグの事業主の皆さん方も農業で安定的なもうけを出していくのは大変困難であるという認識をお持ちでありながら一生懸命頑張ってくださっております。今後、事業継承者がどういう形で決まるかはともかく、自然相手のところもあります農業でございますので、慎重な上にも慎重な事業計画をつくっていただきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 内田議員。
○議員(3番 内田 精彦君) ありがとうございました。
当時の議事録見させていただきました。それを見ますと、これ田園倶楽部が設立認可された過程にはいろいろなことが書いてあるようでございますが、一番はやっぱりその当時は20名程度の雇用があるというふうなことが一番の決め手になったようなことが書いてあるわけでございます。今回28名の従業員の方が解雇されたということでございます。先ほど来いろいろ町の予算等もトンネルいいますか、通ってできた田園倶楽部でございます。この28名の解雇の方につきまして、先ほど町長言われましたが、国民健康保険の軽減ですか、そういうこともしておるというふうなことおっしゃいましたですけれども、町として再就職の最大限の協力いいますか、努力していただきたいというふうに思うわけでございますので、そのことをお願い申し上げまして、私の質問終わりたいと思います。ありがとうございました。
───────────────────────────────
○議長(千原 祥道君) 続きまして、景山孝志議員。
○議員(12番 景山 孝志君) 一般質問の機会をいただきましたので、3点にわたって一般質問を行います。
一般質問に入ります前に、このたびの大雪によりましてさまざまな形で被災をお受けになりました皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
昨年の暮れからことしの2月にかけての一斉除雪も7回を数えるなど、記録的な大雪となったところでございます。降り続く大雪の中、日夜を問わず町民の足の確保に御奮闘いただいた関係各位の皆さんに心から感謝の気持ちでいっぱいでございます。ありがとうございました。
ところで1番目の質問は、除雪対応を振り返ってという題目でお願いをしたく思います。
まず、町長にお伺いをします。今回の大雪については都度の除雪指示を初め積極的な除雪の取り組みの継続につきまして御苦労も多かったことと思いますが、おおむねシーズンを終わる今、このシーズンを振り返っての御所見をお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 除雪対応についての御質問にお答えをいたします。
昨年末からの大雪は、本当近年まれに見るものでございまして、全国的にも積雪深が観測史上最大を記録した地域が多数ございます。大雪被害に関する報道も連日のように繰り返されました。特に年末年始の対応は、帰省客のことにありましてどこでも大変な問題になったところでございます。
道路の除雪は、住民のライフライン確保の面からも最も重要なことであると思っておりまして、その初動対応の迅速性と国・県など関係機関との連携による高い効率性も求められております。
本町の除雪作業につきましては、昨年から1次路線については業者判断で委託業者の方で御判断いただくと、それで出動が可能だと、迅速な対応ができるようにしたところでございます。また、町内の一斉除雪につきましては、県の仁多土木事業所と密接な連絡をとっておりまして、除雪車両が効率的に作業できるよう連携してやっているところであります。今後も関係機関や委託業者の皆様と連携を密にして対応することが重要であるとの認識を改めて深めたところでございます。
課題となりましたのは、連日続いた降雪で積雪量が増加し続けたことにより、配置しておりました除雪車両の作業能力を超えたり、除雪作業時間が大幅にふえました。そのために除雪指令後全町の除雪が終了するまでに2日ないし3日要することもありましたが、委託業者やオペレーターの皆様の御理解と御努力によりまして、その影響を最小限にとどめていただくことができたと思っております。この間オペレーターの皆さん方は、本当に昼夜を問わず作業を進めてくださいまして、健康管理も大変だったと思いますが、私の方からも景山議員同様に改めまして感謝を申し上げたいと思っております。
今後のことでございますが、建設業者の皆さんが所有する除雪機械は減少する傾向にありますので、さらなる除雪体制の強化を図るため、町有の除雪機械の導入整備を計画的に進めることはもとよりでございますが、建設業者以外の皆さんへの委託、オペレーターの確保対策あるいは県との協力等今後も努力してまいりたいと思っております。
また、もう一つの課題といたしまして、一部のバス運行に影響が生じたことでありまして、除雪状況のリアルタイムでの把握は困難なこともございますが、ことしからは奥出雲交通を初めとした関係機関ともさらに密接な連携をとりまして、バスの運行がどういうことになってるのか、そういうふうなことが町民の皆さんに遅滞なく届くようなことについても配慮してまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) ありがとうございます。御所見の中に教訓または課題の2点余りのことについてお話をいただいたところでございます。さすがそれぞれ小さい点に心配った対応があってこそのことしの今回の奥出雲町の除雪は大雪の中にも一つの形を持った進めをいただいたなと、このように感じられていただきました。ありがとうございます。
それでは、除雪委託料の最新の総額は見込みがどれぐらいなるでしょうかというお話でございます。
1回当たりの一斉除雪費は、およそ800万円、またことしの2月の14日現在の除雪経費の支出確定額の合計は9,000万円弱と伺っておるところでございます。また、過年度の平均総額がどれぐらいになるんでしょうかということ。また、普通交付税によってバックします除雪費の支援見通しについてはいかがな見通しが立つんでしょうか。これは建設課長の答弁を求めます。
○議長(千原 祥道君) 松島建設課長。
○建設課長(松島 昭雄君) 除雪委託料の最新の見込みについてでございますけれども、2月末現在におきます除雪委託料の総額は約8,000万を執行しております。これに委託業者へ貸与しております町有機械の燃料費あるいは機械の修繕料等を加えますと22年度2月末現在におきます除雪経費は、総額でおよそ9,500万円程度を見込んでいるところでございます。
今年度の除排雪経費に対します交付税措置につきましては、普通交付税で約6,000万円措置をされております。6号補正の後の必要経費として約1億4,000万円予算措置をしておりますので、その差額分の8,000万円について特別交付税の増額を現在要望しているところでございます。
また、過年度の除雪経費についてでございますけれども、その年々の積雪の状況によりまして一概には申し上げられませんけれども、おおむね平年並みの降雪量でございますと4,000万から5,000万という金額を現在のところ押さえているところでございます。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) ありがとうございました。
それでは続いて、除雪の雪害状況、住宅関連の雪害状況ということを通告をさせていただいておりますけれども、先ほど内田精彦議員の質問に丁寧な御回答いただいております。したがいまして、重複の点は避けさせていただきまして、私は住宅関連の雪害状況では2点についてお話をさせていただきたいと思います。
1つは、今回の雪害の中に公共施設関係ではどの程度の雪害の被害を確認をしておられるのかということでございます。その内容によっては早速な修繕が当然必要なわけでございますが、そこらあたりの計画、対応はどう考えておられるのか、これがまず1点でございます。
それから2点目といたしましては、一般の町民の家屋のとこでございますけれども、集落の中では空き家も点々あるわけでございますが、この空き家がやはり倒壊が非常に心配になってきておる、このことを感ずるわけでございます。私も1件は、今回の雪で倒壊を確認をさせていただいておることもございます。住宅密集地あたりでの倒壊ということになりますと人の住んでおられる隣家への被害の拡大、あるいは密集地でありましょうが山間部でありましょうが、いわゆる空き家の倒壊のさまというものはまことに景観の面から考えましても著しい阻害要因になるわけでございます。しかし、この空き家の倒壊というものもいろんな経過を踏みながら、そこまで至ってしまうというところでございますので、そこらあたり地元自治会との相協調図りながら、町づくり、そのような面からも役場の方としてこの解決あるいはその後の更地化あるいは町づくりの地域、エリア、このようなことの考え方も広げていく、このような面からもこれからこうした空き家の雪害倒壊いうようなこと等のことについてひとつ御検討を開始いただかにゃあならん時期に来ておるんではないかと、このように考えておるところでございます。もちろんすべて行政でやっていただくというものじゃございませんが、地域社会の中でこのような状態も案外一年一年数を加えるんではないだろうかと、このようなことも考えておるとこでございます。以上2点について、これは総務課長の答弁を求めます。
○議長(千原 祥道君) 総務課長。
○総務課長(小倉 義幸君) 御質問にお答えをしたいと思いますが、このたびの大雪による住宅関連につきましては、先ほどのお答えと重複いたしますので、特に公共施設の住宅についてどう把握できているかということにつきましてでございますが、まず対策本部の中では、被害の状況把握を毎日定例的に会議を開いておりまして、その場で集約をいたしたとこでございます。そしてその対策につきましては、さきの専決補正予算につきまして予算を計上し、早急な対応ができるように努めたところでございます。
具体的には三成のヤングセトルの住宅、それから横田の中河原団地の町営住宅、これらの修繕に約1,600万円を予算計上いたしております。それから公社住宅であります亀嵩団地につきましては、960万円余りの屋根修繕費用を計上をいたしたところでございます。これらの中にも町営住宅も含んでございます。
それからさらには公共施設では、奥出雲交流館の酒蔵でありますとか玉峰山のキャンプ場の管理棟、それから上阿井の一味同心塾といったところの屋根の被害が生じておりまして、これらにつきましては今後の共済支給もあわせまして予算化をし、早急な修繕を図ってまいりたいというふうに思っております。
また、2つ目に、民家の空き家対策についてでございますけれども、雪害に限らず景観の面でもやはり行政の肩入れができないかということでございます。
まず、雪害が予想される民家等の建物がある場合には、これまで同様関係の自治会長さん、それから所有者の方を中心に事前の対策を講じていただくというふうなことを話し合っていただいとるわけでございます。これが一番まずは最優先として取り組んでいただくべきことではないかと思っております。その上で、なかなか所有者の方々が遠隔もしくは町外、県外にいらっしゃるということで調整がつかない場合につきましても、できるだけ近隣の親戚の方々のお力添えいただきながら、それに対する手だてをとっていただくというのが第一義であるというふうに考えております。
さらには景観に及ぼす悪影響でございますけれども、これにつきましては本年中に策定予定しております景観計画並びに景観条例等の制定に伴いまして、その対策について内容の検討に入る必要があろうかというふうに考えておるとこでございます。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) それでは、ありがとうございました。
次に進みたいと思います。雪害状況のそれでは道路関連の状況はどんな状況を把握なさっておるのか。また、その応急対策はどう進めようと考えておられるのかということでございます。
雪解けとともに道路を走っておる中でガードレールや標識類に被害が散見されるわけでございます。このような被害は、一日も早く安心・安全の道路環境確保の面からもお願いしたい内容であるわけでございます。このとこについて建設課長の答弁を求めます。
○議長(千原 祥道君) 松島建設課長。
○建設課長(松島 昭雄君) 道路関連の雪害状況と応急対策についてでございますけれども、今年度の雪は例年にない大雪となりまして、たび重なる除雪作業によりまして道路施設等への被害も多数発生をいたしております。
現在施設の被害状況の調査を進めているところでございます。また、住民の皆様からの情報提供も多数いただいているところでございます。
被害の状況はさまざまでございますけども、件数的には例年よりかなり多いと見込んでいるところでございます。積雪によります路上への倒木等通行の支障になるものにつきましては、都度対応してきておりますけれども、除雪によります路面や道路側溝等の破損、あるいは曲がったガードレール等の復旧に関しましては、調査の結果を見まして各現場の緊急性等を考慮し、これから順次進めてまいりたいと考えるとこでございます。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) それでは続いて、弱者対策事業による独居老人の皆さんなどへの除雪援助については、どんな状況であったでしょうか。このことについて
健康福祉課長の答弁求めます。
○議長(千原 祥道君) 尾方
健康福祉課長。
○
健康福祉課長(尾方 豊君) 失礼します。1月24日の臨時議会の議決を受けまして、助け合い除雪緊急助成事業を始めさせていただきました。ひとり暮らしの高齢者の皆さんですとか高齢者のみ世帯の皆さん等に対する助け合い除雪を自治会長、民生委員の皆さんの連携により行っていただくものでございました。
結果として、47の自治会で延べ288世帯に対し850時間余りの助け合い除雪の作業を行っていただいております。要した費用は、106万円余りとなっております。内容は、町道から玄関までの道あけでございますとか、屋根から落ちた雪の排除、それから埋まってしまったプロパンガスの掘り出しなど、それぞれの生活に密着した具体的な支援を行っていただいたところでございます。
私が申し上げるのも僣越でございますが、この場をおかりしまして御苦労おかけしました自治会長の皆様、民生委員の皆様にも改めてお礼を申し上げたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) 実はこの事業、課長も覚えていただきますように民生委員さんを初めとする地域ボランティアの皆さんの支援をいただきながら、先ほどお話しいただくような弱者対策事業の導入が非常に生かされた、このように聞き取りをさせていただいたところでございます。
この弱者対策事業につきましては、いわゆる角道の道あけというような要素であるわけでございます。今後、これからやはり雪どころ奥出雲町といたしまして持ち家の屋根の雪おろし援助策の検討の開始をお願いをしてみたい、このように思っておるとこでございます。屋根の上となりますとボランティアの数も極めて激減をするはずでございます。独居老人の皆さんが家の中に一人というような状況は、本当に家のふたが屋根でございます。ここらあたりのことも新たな検討課題としてひとつ受けとめていただきたい、このように思うとこでございます。
時間が大変差し迫っておりますけれども、続いては、2つ目の教育の環境充実について質問をさせていただきます。
教育を考えるときに、まず少子化の進行をとめ、子供の数をふやすことが一番となります。本定例会には、安心・安全、そして安心して子供を産み育てることのできる環境づくりを最重要課題と位置づけられ、町独自のさまざまな子育て支援が提案をされています。実効ある成果を大いに期待をするものでございます。
そこで第1点、幼児教育は幼児園で全地区1園の構想に向かっておられるのか、それの基本路線であるのか、このことについて町長の御所見をお伺いします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 幼児園化は、施設の状況あるいは子供の数、それから地域の皆さんのお考え、御要望等も含めて総合的に判断をした上で計画的に取り組んでいこうと思っておりまして、21年に開園した馬木の幼児園に続きまして、この春、4月には布勢幼児園、来年の平成24年4月には横田・八川地区に幼児園を開園する予算を計上をさせていただいております。
基本的には地域の方々のお考えやら子供の数のこともございますが、私は地域で生まれた子供は地域で育てていくと、そういうふうな取り組みが町内9地区で進むことを願っております。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) それでは、続いての質問に参ります。教育施設の耐震度調査に基づく対応進度はどんな状況か、進みぐあいはどんな状況であるか。あるいはアスベスト対策はすべて終了したのかという問題でございます。
平成21年12月現在の町立学校耐震化状況一覧にも改築または補強予定について示されておるわけでございます。対象は、昭和56年以前に建築された非木造物のいわゆる耐震性を示す指標、Is値が0.3以上0.7未満は速やかに耐震化の推進が促されておるところでございます。この進度状況について
教育総務課長の答弁を求めます。
○議長(千原 祥道君) 植田
教育総務課長。
○
教育総務課長(植田 一教君) それでは、2点御質問いただきました。
最初に、文教施設の耐震化について進捗状況について申し上げます。
本町には現在21の幼・小・中学校がございます。建物の総数は48棟でございます。そのうち先ほどございましたように、昭和56年以前の建物で耐震化が必要な園舎・校舎・屋内運動場は23棟となっております。
22年度当初での耐震化率は、小・中学校で全国平均67%、県平均60.8%、奥出雲町は71%となっております。横田中学校の改修や亀嵩小学校、馬木小学校の改築などによりまして、22年度末での耐震化建物は45棟中35棟、幼・小・中合わせて耐震化率77.8%、耐震化が必要な建物23棟中13棟が完了いたしました。
23年度は、現在改築中の仁多中学校技術教室棟、繰り越し事業の
阿井小学校屋内運動場及び仁多中学校教室棟の改修、また幼児園化に向けた八川幼稚園の改築を予定しておりますので、年度末での耐震化建物は45棟中39棟、耐震化率86.7%、耐震化が必要な建物23棟中17棟が完了する予定でございます。
引き続きまして、アスベストの対策はどうなのかということでございますが、文教施設のアスベスト対策につきましては、調査により指摘のありました仁多中学校、横田中学校、また横田コミュニティセンターについて除去工事を行い、すべて完了をいたしております。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) それぞれ順調な積極的な対応の内容を聞いて安心をいたしました。
続いては、道徳教育はどのように進められておるか、この問題と、それから
ふるさと教育に関する時間と授業費がふやせないか、この2つの点について安部教育長の御所見を伺います。
○議長(千原 祥道君) 安部教育長。
○教育長(安部 隆君) まず、道徳教育はどのように進められているかという御質問でございますけれども、道徳教育は各学校の経営方針のもとすべての教育活動を通して行われております。
中でも週1時間、年間35時間設定されてる道徳の時間というのは、道徳教育の中心となるものであります。その目標は、みずからを大切にし、他を思いやる心、ひきょうを恥じる心などの道徳性を養い、主体的に判断し、適切に行動できる人間を育てることにあります。それぞれの学校では、目標に迫るため、素直な気持ちで自己を振り返り、本音で語れる道徳の時間の確保に心がけたり、豊かな体験活動を通して児童のさまざまな気づきを引き出し、それを生かす指導の工夫に心がけたりして取り組んでおります。
次に、
ふるさと教育に関する時間と授業費がふやせないかとの御質問ですけれども、御質問にありました
ふるさと教育は、地域の自然、歴史、文化、伝統行事、産業などの教育資源を活用して、学校・家庭・地域が一体となって、ふるさとに誇りを持ち、心豊かでたくましい子どもをはぐくむことを目的に、平成17年度県の補助を受け、スタートいたしました。
奥出雲町では、全国でも奥出雲町でしか体験できないたたら体験学習を初め米づくり体験・河川の水質調査、生き物生息調査などほとんどの学校で実施されてるものや、子ども神楽、盆踊りなどその地区の伝統文化の継承に取り組む活動を地域の皆様や公民館と連携して行ってるものがあります。
この活動は、総合的な学習の時間を中心に実施されていますが、各教科や特別活動とも関連させて実施しており、各学校では時間の確保に努めています。
なお、必要経費につきましては、小・中学校、県からの助成が各7万円ございます。これに加え共同教育という形で奥出雲町においては町単独で幼稚園に3万円、小・中学校に今まで5万円助成しておりましたけど、今年度予算では8万円ということで3万円の増ということで要望させていただいております。
奥出雲町における
ふるさと教育は、学校・家庭・地域が一体となり、ふるさとに誇りを持ち、心豊かでたくましい子供をはぐくむための重点施策としてとらえ、今後も積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) ありがとうございます。それぞれ大切な教育ととらえての積極的な取り組みに共鳴をしたところでございます。
それから最後となりますけれども、ふるまい向上県民運動について最後の質問とさせていただきます。
振る舞いとは、礼儀、作法、あいさつ、しぐさ、モラル、ルール、道徳、倫理観、生活行動、生活動作、思いやりの総称を言うわけでございますけれども、島根の子供たちの未来のために地域社会すべての年代で振る舞いを向上させようとの県民運動であるわけでございます。まさに地域の宝を地域のみんなで育てようというものであります。地域づくりは人づくりであります。我が町奥出雲町の心豊かな町民性をはぐくむため徹底した取り組みが必要と考えます。町長の施政方針にも
ふるさと教育とともに取り上げられていますが、本町は具体的にどんな取り組みを計画されているのか、お伺いをします。安部教育長の御所見をお願いします。
○議長(千原 祥道君) 安部教育長。
○教育長(安部 隆君) 御質問にお答えしたいというふうに思います。
御質問にありますふるまい向上運動は、平成22年度からスタートいたしております。
この事業における振る舞いとは、先ほど景山議員がお話しなさったことでありますけども、私自身はこの運動は子供一人一人の品格を高める運動というふうにも言えるのではないかなというふうに思っております。
小学校の入学時のコミュニケーション力の不足や基本行動がとれない、集中力・忍耐力がないといった子供たちの増加。
大人においてもつき合いの希薄さ、コミュニケーション力の低下や日常生活の中での振る舞いの欠如傾向が見受けられます。
こうした状況を改善していくためには、乳幼児からの養育・教育が必要であり、若い親に気づきの場の提供行い、その乳幼児と若い親の振る舞い向上のために町民挙げて取り組む必要があると考えております。
保育所・幼稚園・小・中学校においては、既に振る舞いの視点を既存の活動に取り入れ、実践しております。
横田地域で小・中学校が連携し、時間を守る、話をよく聞く、感謝の気持ちを持つなどを目標として、横田しぐさ7箇条を作成し、共通課題として取り組んでることなどもその一例であります。
また、公民館でも通学合宿・そば打ち体験・お茶教室など、振る舞いの視点を目標に掲げて実践してるほか、振る舞いに視点を置いた講演会の開催や三成駅・横田駅で通学生に対して行うマナーアップ活動などを行い、青少年育成にも取り組んでおります。
御提案いただきました子供とともにすべての年代で取り組むことは、心豊かで活力のある奥出雲町の創造につながるものと考えます。
今後ともいろいろな組織・団体と連携し、文字どおり県民運動として成立するよう継続した取り組みをしてまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 景山議員。
○議員(12番 景山 孝志君) ありがとうございます。これにて一般質問を終わります。
───────────────────────────────
○議長(千原 祥道君) ここでしばらく休憩をいたします。10分間休憩をいたします。
午後3時13分休憩
───────────────────────────────
午後3時24分再開
○議長(千原 祥道君) そういたしますと再開をいたします。
次は、塔村俊介議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 塔村俊介でございます。一般質問の機会をいただきましたので、住民理解が深まる庁舎建築について、定住の絶対条件である働く場所の確保について、地域と連携した魅力ある高等教育機関づくりの3点について質問させていただきたいと思います。
さて、まず1点目でございますが、先日ニュージーランド・クライストチャーチでは大地震によりたくさんの被害が出ました。遠いニュージーランドの出来事でございましたが、この状況がいつ日本でも起きてもおかしくないという状況であると言えると思います。
翻って奥出雲町を見てまいりますと、奥出雲町の心臓部である奥出雲町役場仁多庁舎がまだ耐震化できてないという状況の中で、早く耐震化をしたいという要望は今回のことを翻ってみても日に日に強まっているものだと思います。恐らく私ども住民の皆さんも含めてあの古い仁多庁舎を何とか地震に耐え得る建物にしたいという気持ちは皆さん共通でお持ちであると思いますが、一方では、私ども議員、そして町の役場の皆さん、そして住民の皆さんも含め、じゃあ、あの後にどういう建物できて、それはどのタイミングでできるのかということはまだまだいろんな考えがある、あるいはわからない状況であると思います。
大げさな言い方をしますと、恐らく奥出雲町役場仁多庁舎の改築は、奥出雲町政史上最初で最後の最大の投資であり、今後50年、100年使うものであると思います。その大事業に向けてもっといろんな議論が交わされたり情報が出てくる場にしていきたいというふうに思っております。
さて、その庁舎改築につきまして町長は、以前私あるいは同僚議員の質問に対して、いろんな問題がございますので、住民の皆さんの議論を進めながらなるべく早く時期に建てていきたいという答弁をされておりました。
一方で、その中で町長がおっしゃられたことに、総合計画審議会の中で庁舎のことについても話し合っていただきたいということをおっしゃっておりました。今本会議には総合計画審議会の結果を踏まえまして答申も出されております。この1年間の総合計画審議会の議論、あるいは地域財政計画における仁多庁舎の改築、改築費、スケジュールについて出てきていることをまずはお教えいただければと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 仁多庁舎の改築のことについてのお尋ねでございます。
先般、総合計画の審議会の方から答申を受けて総合計画を本議会にも提案をさせていただいておりますが、総合計画の審議会では庁舎整備等検討委員会も設けられまして、かなり突っ込んだ議論もしていただいております。それの報告等を読ませていただきますと、分庁舎方式の継続を基本にすべきであるということでありますとか、有利な起債が使える、合併特例債でございますが、これを活用してやるためには平成26年度末までには完成をさせた方がよかろうというふうな答申をいただいております。役場庁舎に限らず公共施設の耐震化の問題あるいは改修の問題、ほかにもいろいろあろうと思いますが、特に庁舎については過疎債等の充当ができない施設でございまして、合併特例債が使える26年度までに何とかしないと恐らく未来永劫改築が困難になるというふうに認識しておりますので、さらに皆さん方ともいろいろ議論を重ねながらこの問題に取り組んでまいりたいと、基本的にはそう思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 町長がおっしゃられたことは全くそのとおりでございまして、町民の皆様の理解もそこのところは共通認識であると思っております。
済みません。改めて質問させていただきますが、それを踏まえまして、審議会の中に情報提供されたものもあると思いますが、改築のおおよその大体の概算費と今年度のスケジュールについていま一度お聞きできればと思います。(「新年度」と呼ぶ者あり)新年度。済みません。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 概算事業費につきましては、使えるといいますか、充当できる合併特例債もそう多く残っていないということもございます。24年度からの3カ年事業で総額、およそでございますが、25億円程度の事業になるのではないかと思っております。
そして今年度の取り組みにつきましては、総合計画について議会の議決も賜りますれば仁多庁舎の改築の検討委員会のような組織を、これは議会の中がいいのか議会も町民の皆さんも一緒になって、あるいは執行部も一緒になって組織したがいいか、そこら辺皆さんの意見を聞きながら取り組みたいと思いますが、どういう庁舎がいいのか1年間かけてみんなで十分検討をする、研究をすると、そういうふうな取り組みを新年度にはしたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 町長から、なかなか確定しない要素が多い中で25億円程度を見込んでるというお答えをいただきました。まだまだその数字についてはまた来年度以降の話し合いの中で変動するものと思いますが、その25億円というのは一つのイメージとして現状の仁多庁舎ぐらいの規模を建てかえるとしたら25億円ぐらいかかるということでよろしいでしょうか。
○議長(千原 祥道君)
企画財政課長。
○
企画財政課長(藤原 努君) ただいまの御質問にお答えをいたします。
まず、ちょっと長くなりますけども、前提条件といたしまして、先ほど町長が申し上げましたように引き続き分庁舎方式をとることを想定をしております。場所は、現在の仁多庁舎周辺で建設をすることとし、建設に当たっての仮庁舎はできるだけ建設しない方向で進めるという考えであります。これら申し上げますことにつきましては、総合計画審議会の庁舎整備等検討委員会の中でも御説明をさせていただいたことと重複する内容ではございますけども、再度お話をさせていただきました。
それから新しい仁多庁舎を耐震化等の絡みの中で建てるに当たりましては、従来仁多庁舎に配置をしております管理部門を置くほか、防災拠点の施設として機能を強化する考えであります。災害時には避難場所としても活用できる町民タウンホールや広場、そういったものも整備し、多面的な活用も想定をしております。
そのほかバリアフリーに配慮した構造とし、太陽光発電あるいはバイオマスエネルギーを積極的に取り入れて人や環境に優しい施設にしたいというふうにも考えております。
現在の事業費につきましては、25億円、これはあくまでも概算でございますので、さらに議論を深める中で金額の精査が必要と考えております。
御質問のあった面積につきましては、現在横田庁舎と同程度の規模を見込んでおります。当然この中にはタウンホール部分等を含めた数字ということになろうかと思います。
なお、横田庁舎につきましては、これまでどおり議会と事業部門を置くということのほか、仁多庁舎の防災機能の強化ということにあわせまして、横田庁舎におきましても防災機能を強化する計画でございます。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) その25億円のうち現在の見込みがもちろん変動するものだと思いますが、どのような財源あるいは実質負担額はどのくらいになるのか、所見を伺わせてください。
○議長(千原 祥道君) 藤原
企画財政課長。
○
企画財政課長(藤原 努君) ただいまの御質問、改築費の財源と実質負担の目安ということでございます。
財源は、先ほど町長が申し上げましたように、合併特例債を予定をしております。起債といたしましては、庁舎が建てれる唯一の起債というふうになります。
ちょっと数字の羅列になってわかりにくいかもしれませんが、御理解のほどお願いいたします。あくまでも中期財政計画上の数字になりますけれども、総事業費25億円のうち3億円程度備品購入等で起債が使えないものとして仮定をしております。残りの22億円が起債の使える起債対象の事業費と想定をしております。
その22億円の95%が合併特例債で借り入れることのできる限度額となりますので、最終的には借り入れは20億9,000万円が借り入れの数字となります。
総事業費25億円との差額4億1,000万につきましては、建設時に一般財源で準備する必要がございますので、今後、役場庁舎等改修整備基金を持っておりますので、そちらへの積み立てを計画的に行うこととしております。
また、合併特例債の交付税措置率は70%でありますので、借入額の30%部分に当たる6億2,700万円は将来的に町が負担するものとなります。
全体として見ますと、国の交付税が14億6,300万円措置されるということになりますので、実質的な町負担は一時的に建設時に用意をする4億1,000万円と交付税措置のない6億2,700万円を足した10億3,700万円ということになります。
なお、合併特例債が使えるのは平成26年度まででございますので、それを過ぎれば25億円の全額が町の実質負担となるということでございます。
いずれにいたしましても塔村議員も御指摘のとおり、仁多庁舎は耐震性などの問題から改修は不可避のものと考えておりますので、実質負担が軽減できる平成26年度末までに建設する必要があると考えております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 詳細な説明ありがとうございました。
なかなかわかりにくい数字でございましたが、今回の25億の庁舎建設の場合、10億ぐらいの正味負担が発生すると。10億と申しますと、町内の世帯大体5,000世帯でございますので、一つの世帯に20万円を負担お願いするという大きな事業ということを町民の皆様に改めてわかっていただければというふうに思います。
庁舎の25億につきましては、近隣の自治体等が庁舎建設を進めておりますが、近々でいいますと雲南市さんが建築費22億プラス用地購入費、造成費含めて5億で27億円、庄原市さんが、人口4万人程度ですが、26億円の建築費、真庭市さんが、人口5万人程度でございますが、22億円の建築費というところでございますので、一見しただけでは1万5,000人の規模の町の庁舎の建てかえとしては大きいなということもございますが、その辺も含めてまた時間をかけて今後検討できればというふうに思っております。
さて、町長、もう一つ、庁舎機能の中にタウンホールの機能を持たせたいということの御答弁をいただいております。町長が思われるタウンホールとは、具体的にはどのような機能を備えたものか所見伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 一般的に欧米の方では、特にアメリカが主体だというふうにも聞いておりますが、市町村の庁舎をタウンホールと言ってるという言いならわしがあるようでございますが、私のイメージするところは単なる庁舎としての事務所機能だけでなくて、いろんな用件で庁舎にやっていらっしゃる住民の方々がいろんな情報交換ができたり、あるいは気軽に集まっていただけるような機能を建物だけでなく、広場や会議室のような場所も含めまして自由に使っていただけるタウンホールとして利活用していただければという気持ちであります。
また、防災センター機能も強化したいと思っておりまして、そういうふうな意味でもまさに住民の皆さんのよりどころになる、あるいは心のよりどころになる施設になるように皆さんの意見を十分酌みながら今後、計画を準備してまいりたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 町長がおっしゃられますように、最近の庁舎建築を見てみますと単なる役場機能ということだけではなくて、商店の機能持たせたり、集会所のような機能持たせたり、あるいは図書館の機能持たせたりと、本当に町の生活の中心となる建物建てていこうというものございます。タウンホールということに関しましても、また住民の皆様と議論進めていければというふうに思っております。
さて、合併当初分庁舎方式でスタートするということで大きく懸念を持たれましたのは、横田と仁多それぞれの庁舎があるということで庁舎間の意思の疎通あるいは意思の決定にふぐあいがあるのではないかということも心配されておりました。合併後6年たちまして、その分庁舎方式での業務の役場職員の業務上の利点あるいは欠点というものの検証はございましたでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 小倉総務課長。
○総務課長(小倉 義幸君) 御質問にお答えをしたいと思います。
役場職員の業務上の利点、また欠点については、特別な検証作業というものは特に行っておりませんが、メリット・デメリットにつきましてこれまでもさまざまな場面で議論をされてきておるのは事実でございます。また、先般の奥出雲町総合計画審議会の庁舎整備等検討委員会の中でも具体的な答申の中でも出されているとおりでございます。
特にデメリットの中で行政運営の効率化につきましては、やはり分庁舎方式ということでなかなかメリットは見出せないわけでございますが、今後とも情報通信基盤を活用した窓口業務のシステム化なり庁内文書の電子決済、さらには会議システムの導入とかいったことを積極的に取り組みまして、このような問題を少しでも解消できるように努めてまいる必要があると考えております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 総務課長のおっしゃるように、6年たってみて思っていたよりもそんなに影響がなかったかなというふうに役場の職員さんは感じておられるかもしれませんが、今後検討深める上ではまたより詳細な検証を行っていただければというふうに思います。
さて、今回25億という数字は出てまいりましたが、今後まだまだいろんなことを議論しながらよりよいタウンホールづくり進んでまいらなければならないと思います。今後どのような方法により住民理解を深めていくのか、町長の所見伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) どのような方法で住民理解を深めていくのかということでございますが、この議会を中心にしながらということはもちろんでございますが、自治会長会等の場においても十分な説明をするとともに、いろんな意見もちょうだいしながら計画づくりをしてまいりたいと思っております。
また、私もいろんな地域の現場に出かけまして、皆さんの声をこれまで以上にこの庁舎問題についても直接聞く機会を設けていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 今回25億円の予算規模でおおむね考えているということが出ましたが、新仁多庁舎の規模、場所等住民議論のたたき台となる複数案を提示する考えはございますでしょうか。例えば25億よりも大きい建物があってもいいんじゃないかとか、あるいは分庁舎方式が問題ないということであれば例えば一番人が集まる玉峰山荘近くに観光推進室を置いてみようとか、各公民館に町民課であったり教育委員会の機能を移してみようということが可能であれば今の25億円よりも小さい案ということもできると思います。あるいは、なかなか難しいかもしれませんが、現状の築45年たったものを耐震補強すればこのまま使い続けるということもあるかもしれません。そのような複数案の提示のお考えはございますでしょうか。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 役場の機能とか面積等については、まさにこれから議論を深めていくわけでございますが、現状の施設の耐震補強はあり得ないと思っております。県庁舎は確かにこれも数十億かけて耐震補強しておりますけども、できれば新しい技術でもって、耐震でないですね、最近では免震でありますとかなんとか揺れを吸収するようないろんな新しい技術もあるようでございます。そういうふうな方法を考えていきたいと思っております。これは県庁でもいろいろ議論した中で、耐震でがちがちに固めてしまいますと確かに大きな地震が来ても建物そのものは倒壊はしません。ただ、部屋の中がぐちゃぐちゃになって使えなくなると、そういうふうな欠点を耐震補強は持っておりますので、そういうふうなことからもあくまでも改築を基本に考えていきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 役場の中の機能についてはこれから議論していくということで、耐震改修についてもあり得ないという町長の答弁をいただきました。
私自身も本音の部分では耐震改修というのはもうちょっと現実的ではないなという思いもありますが、ただやはりあり得ないということだけではなくて、町長が今おっしゃったように耐震改修した場合の欠点等も詳細に説明した上でやっぱり住民の方にも納得いただきたいなというふうに思います。
耐震改修も、さっきちょっと資料で配させていただいたものは東京都の葛飾区の庁舎検討に係る検討資料の中の一部を抜粋させていただきましたが、この葛飾区の場合は、仁多庁舎よりも古い築48年という中でどうしようということを検討されました。大体鉄筋コンクリートの耐用年数が65年ということを考慮に入れて、耐震改修あるいは大規模改修すればあと17年は使えるじゃないかということも検討されたようですが、結果的には直ちに、葛飾区の場合は10年後をめどということですが、改修、建てかえした方がいいだろうという結論を導き出されました。
仁多庁舎の場合もはっきり言って今どのくらいの耐震性能があるかさえわかっていない状態でただ壊すというのは、やはりちょっともったいないというか、もう少し検討が必要ではないかなというふうに思います。もし耐震改修、昔の建物でありますが、建物によっては古い建物でも耐震性能があるものもございますし、耐震改修であれば5億円で済むと、そんなことはないかもしれませんが、5億円で済むということがあれば一つの選択肢に入り得る可能性もあるのではないかと思っております。なかなか予算が厳しい中で耐震改修はあり得ないと言ってる中で耐震改修の予算を出すというのは難しいかもしれませんが、広い議論を起こすという意味では検討いただければというふうに思います。
鳥取市に関しましても減築という3階建てを2階建てにするというなかなかあり得ない案を今になって議論されておりますが、できるだけ早い時期にそういうことも検討したが、難しいという判断を下せるような検証をしていければというふうに思っております。
次に、仁多庁舎の改築について住民の皆さんはどのように考えてると思うか町長の考えを伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 住民の皆さんはどのように考えているかということでございますが、庁舎整備の問題については、これまでも多くの町民の皆さんに参加をしていただきました総合計画審議会と庁舎整備等検討委員会の中で議論をしていただいております。その上で本定例議会に上程しているところでございます。
この奥出雲町の総合計画の中で将来の町財政の負担軽減と地域基盤の構築のため妥当な措置と結論づけられておりますので、この示されました方向性をできるだけ多くの皆様の御理解を得るように今後積極的な情報提供をさせていただきたいと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 住民はどのように考えているかということに関しましては、私も町長が今おっしゃられたように住民は考えておられると思います。
ただ、逆に言うと、そこまでしか住民は考えることができてないんじゃないかというふうに思っております。大筋としては仁多庁舎を建てかえよう、そしてそこに新しいものを建てようというところの合意は得られてると思いますが、それがじゃあ具体的が幾らとなったときに、いや、そんな立派なものは必要ない、あるいはもっと小さくてもいいんじゃないかというようなことであったり、あるいはもう少しお金をかけて、せっかく50年、100年使うものだから立派なものを建てていこうという考えも出てくるんではないかなと思っております。ぜひ積極的な情報公開の中で、改めてその考えについて住民がどう思っておられるか町長自身も声を聞かれることを切に願っております。
最後に、仁多庁舎改築に関する町民の考えを検証する考えはないか、お聞きいたします。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 先ほどの答弁と重なりますが、奥出雲町の総合計画は、今後の町の方向を示した町民の皆様の声でもあるというふうに認識しているところでございます。財政運営も含めまして町行政全体をどのように運営していくか、十分な情報公開もしながら進めてまいりますが、特に私は選挙に立候補した際に皆さんに訴えたといいますか、公約したのは、大変財政状況も厳しい中ではありますけども、将来への投資を恐れることなくきちんとそれはそれでやっていかないとこの奥出雲の未来が安心・安全なものとならないという考え方、気持ちからいろんな制約条件、いろんなことがあろうと思いますが、将来への投資はやはり今の我々の世代でしっかりとしながら、次の世代にこの町全体を引き継いでいくと、そういう使命を負っていると思いまして、そこのところは十分町民の皆さんには説明をしてまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 庁舎改築についてさまざまな質問をしてまいりましたが、私の考えあるいは町長お願いしたいことは、まずは庁舎改築について多様な選択肢を示していただきたいということでございます。庁舎改築の一番の目的が耐震化にあるならば庁舎以外にも奥出雲町内に耐震化しなければならない建物がまだたくさん残っていると思います。同じ三成の地内でおいても、町長もよく御存じと思いますが、旧奥出雲病院があった介護施設であったり、社会福祉協議会が入ってるところであったり、あるいは町民体育館、仁多の中央公民館、横田においても横田コミュニティセンター等旧耐震基準で建てられた建物がまだまだ耐震化あるいは耐震調査せずに残っております。恐らく今の計画の中では合併特例債の中にそれらの耐震化の計画は入ってないと思いますが、選択としては合併特例債制限ぎりぎりまで使って立派な庁舎を建てるのかという選択と、あるいはできるだけ安い金額で庁舎を建てて、残りの合併特例債をまだまだ残ってる公の公共施設の耐震化に充てるということも、現実的にはどうかわかりませんが、まだまだ可能な選択肢として残っていると思います。ぜひそのような選択肢も与えていただければというふうに思っております。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 耐震ということだけでなく、古くなった公共施設の改修は計画的にやっていく必要があろうと思っておりますが、他の公共施設は過疎債が充当できる施設であります。過疎債も民主党と自民党の協議により10年でなくて6年の延長になったところでございますが、ほかの施設についてはいろんな有利な起債が充当できますが、庁舎は合併特例債でないと不可能だということをよく御認識いただきたいと思います。そういう中で優先順序とかいろんなことを皆さんと議論しながら執行部として提案をさせていただき、議会の適切な議決を賜るということであろうと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 町長答弁よくわかりました。
町長おっしゃいますように、もちろん庁舎建てかえということにつきましては、耐震化ということもありますが、単なる建てかえということであれば、庁舎建てかえというのは実は何も庁舎が耐震化されただけで生み出さないものであると思っております。町長が言われるように、単なる庁舎を超えてタウンホール、タウンホールは何のための目的なのか、何のための目的で建てるのか、どういう理念を持って建てるのかということを行政職員の皆さん、そして議会、町民の皆様含めて考えていければというふうに思っております。
もう一つは、私の地元で恐縮ですが、庁舎を建てかえるということは三成の町づくりにとっても大きな影響与えることだと思っております。庁舎改築を軸に仁多の中心地であります三成のまちをどのようにつくっていくかということもあわせて議論していければというふうに思っております。
次、2番目の質問に移ります。定住の絶対条件である働く場所について質問させていただいております。
先ほども同僚議員の質問がありますように、
田園倶楽部奥出雲等の倒産もありますように、町内の雇用環境は大変悪化しておると私は認識をしております。現在の町内企業の経営状況・雇用情勢をどのように考えておられるか、町長の所見を伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 町内企業の現状についてのお尋ねでございます。
町内には、本社工場も持ってる会社を含めまして14社がございます。正職員、パート合わせまして1,000人近い雇用を提供しております。そういう中で今年度の退職者あるいは採用者数を調べてみますと、ほぼ退職者数に見合う新規の採用を行っていらっしゃいます。全体として大変厳しい経済状況が続いていると認識をしておりますが、リーマンショック直後のひどい状況からは相当回復してきてるなという認識を持っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 町内企業そのような状況であるということをお聞きしまして、私自身は少し全体のマクロとしては安心したという気持ちでおります。
ただ、ミクロを見ますと、個別企業においては大変厳しい状況にあるとこもあると町長も御存じだと思いますので、何らかの支援を行っていければというふうに思っております。
その経営状況の中で、昨年民主党政権交代以来の高速道路無料化ということがございました。その影響での新聞報道等もございますが、大分人の流れが変わってきたなというふうに思ってきております。それはいい面もございますが、この奥出雲町にとっては必ずしもいい面ばっかりではなかったなというふうに感じております。県の観光動態調査を見ましても奥出雲町の場合は玉峰山荘と奥出雲おろちループの道の駅が対象になっておりますが、夏場は前年度同月比を上回ったようですが、9月以降は大体前年比の8割から9割程度、そしてこの冬につきましては大雪の影響でかなり客足が落ち込んでいるようでございます。その辺の影響について影響がないか、町長の所見を伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 高速道路の無料化と町内への入り込み客数の関係についてのお尋ねだったと理解しますが、玉峰山荘の泊まり客をデータを見ますと、高速道路が無料化になったということもあります。その影響かどうかは一概には言えないと思いますが、相当遠くの県からのお客さんがふえているというのは事実でございます。それから塔村議員もおっしゃいましたように、この山陰、一般的に裏日本と言われるところは冬場大変つらい状況がどこともあるわけでございますが、高速道路が完全につながれば除雪についても一般国道等よりもスムーズにできるということから冬場のお客さんがふえるというふうなことも期待できるんではないかと思っておりますが、いずれにしてもいろんなお客様に奥出雲を選択して足を運んでもらうためにもこれまでもいろんな議員さんからも提言や質問が出ておりますが、観光情報の的確なPRでありますとか、また来てみたいという町内のホスピタリティーの向上等もぜひとも必要なことだと思っております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 今回高速道路無料化の影響についてお尋ねしましたが、町長自身もこれまでおっしゃってきましたように最大のこれからの難しい問題は松江尾道線の全線開通に伴う人の流れ、これまで奥出雲町の314、432を通っていただいたお客様が変わるのではないかということであると私自身も思っております。
あと2年間の猶予はございますが、ぜひお願いしたいのは、奥出雲町、広域雲南ということでは雲南関係の連携も大分進んでまいりましたが、恐らくこの高速道路開通に関しましては高野インターでいかに人をおりてもらって奥出雲町内に入っていただくかということが重要になってくると思います。2年後の開通に向けまして隣の、隣県ではございますが、庄原市との観光面での連携を深めていっていただければというふうにお願い申し上げます。
さて、3点目でございますが、先ほどございますように
田園倶楽部奥出雲を含め雇用状況の変化の中で緊急的な町独自の企業あるいは雇用支援策の考えはないか、町長の所見を伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 田園倶楽部の関係する雇用は28人というふうな、正社員、パート等を含めてということでございますが、町としてもいろんな支援を申し上げなきゃいけないわけでございます。地域振興課の中に町の職業紹介所の設置も、これはハローワークで認定をいただくものですが、そういうふうなものも昨年設置しております。町独自でできる雇用対策は限りがあると思いますが、ハローワークとの連携をより密にしながら雇用の安定化に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 雇用につきましては、本当に切実な問題で、私の周りにも奥出雲町で職を失ってしまったと。職のためには、奥出雲町に住み続けたいが、どうしてもこの地を離れていかなければいけないということも出てまいっております。先ほどおっしゃいましたように、地域振興課内に職業相談所を設けていただきましたが、ぜひ、ハローワークとか法令上の枠の中でなかなか制限があるかもしれませんが、その枠を超えて奥出雲町から通える範囲の仕事の情報提供等も行っていっていただければというふうに思います。
あわせまして職業あるいは労働政策につきましては、地域振興課で担ってるわけですが、今回観光推進室ができることも含めまして、現在の状況では、人員ではやはり商工政策を細かくやっていくためにはちょっと人は少ないかなということもずっと感じておることでございます。観光推進室の創設とあわせて商工行政の細かい配慮ができますように人員の配置をお願いいたします。
最後に、地域と連携した魅力ある高等教育機関づくりについて質問させていただきます。
先般、新聞報道になりますが、2月12日には島根の離島・中山間8高校、県教育委員会来年度から支援事業、生徒確保へ魅力づくり、あるいは2月11日の中国新聞には、高校の助成金、過疎地魅力づくり後押しということで、横田高校初めとした中山間、離島の厳しい条件あるいは生徒数の志願がなかなかいかない高校に対して県独自の魅力づくりの助成制度が始まりました。
横田高校が県の高校魅力化助成の指定を受ける中、町も連動して奥出雲の横田高校として支援する考えないか、教育長の所見伺います。
○議長(千原 祥道君) 安部教育長。
○教育長(安部 隆君) この事業に対する町としての支援ということについての御質問ですが、既に県教育委員会が主催した説明会に地域振興課長、それから私、教育長が横田高校の校長あるいは担当者とともに参加したり、協議会設立や事業推進に係る話し合いを有志で自主的に行ってきております。この3月の22日にも有志の会合重ねまして、基本計画案の策定等考えております。
横田高校の魅力化・活性化には、奥出雲町自体の活性化と直結した重要事項であります。今後も町・町教育委員会としてこの事業に積極的にかかわり、事業成果を上げ、ひいては生徒確保に努めることといたしたいというふうに考えております。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 恐らく具体的な内容につきましては、この制度が始まる中でまた町として考えていただけるものと思っておりますが、以前にも、去年も同じような内容の質問したかもしれませんが、ぜひ奥出雲町の高校として町が、県立高校と町という関係で難しいところもあるかもしれませんが、具体的な支援策を打ち出していただければというふうに思っております。
例を挙げますと、前回も御紹介いたしましたように、海士町と島前高校の寮とか、あるいは塾という連携がございましたり、矢上高校のある邑南町では、この新聞にもありますが、町独自の宿泊研修施設というのを建設されて、県と町という壁の中、そこを何とか県の県立高校の矢上高校の寮として使う事業が行われていましたり、あるいはきょうの山陰中央新報出てもありましたが、島根中央高校、川本町にございますが、川本町においては町として島根中央高校に2,300万円の支援を行うということがございました。
ただ金額を、お金を支援すればいいということが重要だとは私は思っておりません。金額を使わなくても、例えばですが、奥出雲町にはケーブルテレビがございますので、今、横田高校には残念ながら放送部員というのはいないらしいですが、放送部を活用しながら1カ月に1回でも1週間に1回でも30分ぐらいの番組をつくってみないかと、それを情報で話してあげるからということもあると思いますし、さまざまな地域各界の交流を通じまして横田高校と地域の交流を図っていっていただければというふうに思います。
関連して2点目でございますが、来年度地域振興巡回員制度が創設されます。主には横田高校との連携あるいは地域との連携というのを想定しておりますが、奥出雲には横田高校だけではなくて、高等教育機関としてリハビリ専門学校あるいはデザイン専門学校というのもございます。横田高校と同じように地域理解、交流あるいは生徒募集において地域振興巡回員を専門学校と連携させる考えはないか町長の所見を伺います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 横田高校の魅力づくりあるいは町としての支援についてのお尋ねでございます。
県内の中山間地域の高校は、いずれも大変つらい状況にありまして、私も教育委員会総務課長と次長で2回、計4年間勤務しておりますので、どこの高校の状況も何となくわかってるつもりでございますが、高校の魅力化をさまざまに地域挙げて支援していくということも必要でございますが、私は何よりもまず高校の教員の皆さんが、先生方が情熱を持って生徒に対しての教育活動をすると、そこの中で横田高校の教育はすばらしいと、進路についても多様な選択ができる力がつくんだと。ホッケーの競技力あるいは部活の活躍だけでなく、やはり塔村議員のように文武両道で頑張っていただく学校づくりを今後ともやっていく必要があろうと思っております。いろんなことを言いますが、最後は教育力に尽きるわけでございます。そういう中でいろいろ考えていかなければいけないと思っておりますが、新年度はホッケー留学で2名来てくれることのようでございますが、私は里帰りふるさと留学を進めていきたいと。お父さんは都会だけども、おじいさん、おばあさんがふるさとで頑張ってると。小学校、中学校は奥出雲の学校卒業できなかったけども、せめて横田高校はふるさとのお父さん、お母さんと同じ学校に行こうというふうな取り組みも進めていく必要があろうと思っております。
御提案いただきましたような専門学校との連携等のことも含めまして問題をさまざまに知恵を出しながら取り組んでまいりたいと思っております。ありがとうございました。
○議長(千原 祥道君) 塔村議員。
○議員(1番 塔村 俊介君) 横田高校につきましては、町長おっしゃるようになかなかまだまだ厳しい状況は続いておりますが、いろんな策を上げて私も含めて取り組んでまいりたいと思います。
横田高校につきましては、奇跡的なことに町の町長含めて副町長、教育長あるいは横田高校の校長、教頭が横田高校出身者という、多分空前絶後の状況であります。より強い町と横田高校との連携を図っていただいて、奥出雲町のよりよい横田高校つくっていっていただければというふうに思います。以上で質問終わります。
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○議長(千原 祥道君) 次は、村尾明利議員。
○議員(6番 村尾 明利君) それでは、一般質問の方に入らせていただきますが、本日最終の締めをさせていただくわけでございます。ひとつ御答弁のほどよろしくお願いいたします。
3点ほどちょっと御質問いたしますが、まず一つは、先ほど同僚議員が質問されました県教育委員会の離島・中山間地域の高校魅力化・活性化事業、このことについて、若干重複いたすかもしれませんが、御答弁をお願いしたいというふうに思います。
この事業の経過につきましては、先ほど教育長なり町長なりお話がございました。このたびこの魅力アップに横田高校初め県下8校が、特に中山間・離島において県教委が新たに創設されたというふうなことでございます。着手して3カ年で1,500万というふうな予算も整えておられるというふうなことでございますが、この事業のモデルとなったのは隠岐の島前高校、これが既に独自に展開をして、22年の4月にはいわゆる公営塾、隠岐国学習センターといったようなものを創設したり、あるいはいわゆる県内外、島外の留学生を受けるための寮費の補助あるいは交通費の助成と、こういった取り組みをいろいろ取り組んで、その成果が出ているというふうなことから県教委がぜひ他の生徒数が減少する中で地域の高校への支援を取り組まれたのではないかないうふうに思っております。島前高校は、ああして22年度には島外から新入生が8名とか、あるいは転入生1名というようなことで、実際この受け入れをしてその成果を上げているというふうなことでございます。
このたび横田高校は、そういう中で昨年約15億円余りの費用をかけて校舎、体育館等の新築整備ができたわけでございます。そういった中でこういった新たな取り組みを高校がされるということは非常にいいことだなというふうにも思っております。
先ほどこの事業についての所見は町長お話しされたところでございますので、先ほど教育長から既にこの横田高校との基本計画案策定を始めているというふうなお話もされたとこでございます。
また、その具体的な内容については触れておりませんが、あえてどういった方向で横田高校の魅力化・活性化を図るべきかというふうな方針が出ていれば若干なり示していただきたいというふうに思います。
○議長(千原 祥道君) 安部教育長。
○教育長(安部 隆君) 失礼いたします。行政としてどういうアドバイスをするのか、また高校のアピールすべき点はどういうことかということについてお答えしたいと思います。
まず、事業は3カ年ということになっておりまして、この3カ年のねらいを明確にし、目指す学校像・生徒像というものを学校内外に示すことが大事であろうというふうに考えております。
現在横田高校がアピールすべきところは、卒業率が98%と非常に高うございます。これを初めとする質実剛健な校風や全国トップレベルのホッケー・陸上・剣道等の競技力というものがありますが、これだけじゃなくて、これに加え新たに奥出雲町にあるひと・もの・ことを生かした取り組みをつくり上げることが大切であろうというふうに考えております。
小学校、中学校と連携した学力向上や生徒指導の取り組み、既にその芽を生み出してる町商工会と連携しただんだんカンパニーの取り組み、豊かな自然や産業、貴重な歴史・神話を生かした取り組みなどが考えられると思います。
このほかにも現在活動してるけれども、アピールすべきというものについてはもう一歩というものも幾つかあろうかと思います。こういうものはぜひとも支援して内外に誇れるものにしていきたいというふうに考えております。以上です。
○議長(千原 祥道君) 村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) 横田高校といえばホッケー、また奥出雲町はホッケーの町と、こういうふうなことで余りにホッケーがちょっと強烈なイメージがありまして、なかなかほかのいろいろ横田高校も創意工夫をされて、県下に誇れるいろんな得意分野もあろうかと思いますけども、若干ホッケーに埋もれてるというふうなことで、この機会にぜひそういったもろもろの横田高校としての県内外へのアピール度というようなものをもうちょっとメニューを広げて、ぜひ成功させていただきたいないうふうに思っております。
そこで、先ほどいわゆる公営塾というふうなお話をいたしました。隠岐の島前高校は、日本海に浮かぶ小さな海士町にございますけども、こういう高校でもやっぱり大学進学とかそういった上級学校等への進学、そういったものにもまた夢を持って取り組まれる生徒もたくさんおられるわけですが、そうした進学塾とか家庭教師を得るというようなことはなかなか離島におってはできないというふうなことから、そうした教育機会がなかなか得られないというふうなことから町独自に公営の塾というふうなものもどうも創設されて、先ほど話しました隠岐国学習センター、こういったものでICTといいますか、情報通信技術や、あるいは最先端の教育システム、こういったものを取り入れていろいろ離島のハンデを克服して、いわゆる生徒一人一人の進路実現に向けた教育環境を整備しておられるというふうなことを伺っております。
まさに奥出雲町もこの教育環境面におきましては、こう言っちゃなんですけども、陸の孤島というふうな感も否めないと思います。教育環境は、なかなか厳しいと。したがって、島前のように学習塾があるとか家庭教師をつけるというふうなことにもなりませんので、町内の中学生はかなりの人数が里部の三刀屋とか、あるいは安来、松江、こういったとこの方へ高校進学をして大学を目指すというふうなことでございまして、生徒は教育機会の充実を求めてこの横田の学校を少し敬遠しておるというふうなのも現状ではないかなというふうに思っております。
そこで、やはり地域的な教育機会のハンディキャップをぜひ補う意味からも島前高校にありますような、海士町にありますような公営塾と、こういったものも本町にぜひ必要ではないかなというふうな感じたとこでございますが、このことについて町長の御所見を伺いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 海士町の島前高校は、実は私も何回も行っておりまして、歴史がある取り組みをしております。島前高校は、島根国体におきましてレスリングの強化指定校になりました。国体終了後も島前高校でレスリングをしようという生徒を松江の武道館のレスリング教室とタイアップしまして、以前は相当数松江から島前高校に行っておりました。それも競技力が低迷する中でレスリング留学というのも途絶え、今隠岐島前高校は1学年30人ぐらいの学級があると。全校で約90人ちょっとでございます。
横田高校は、340人弱の生徒数でございます。そういうところと横田高校とはいろんな条件が違うわけでありますが、この学習支援機能をどう持たせていくかについては、町の教育委員会の方では中学生を対象にしたものは既に取り組んでいらっしゃるようでございますが、高校にどういうふうな仕掛けが必要か、これも教育委員会を中心に高校側と十分協議検討をさせたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) このようなことを申し上げたのは、一つは、町長も何としても先生の情熱性と教育力をつけることが最も大切というお話もされましたが、そういった教育機会の面でもやっぱり充実が求められるのではないかなというふうに思ったとこでございます。
さて、この魅力化・活性化事業でございますけども、横田高校へより多く呼び込むこと、これは地元の中学校卒業した人が大半やっぱり横田高校へ来ていただくということが何よりかと思いますが、他方、町外とかやっぱり県外から留学者の確保、いわゆる進学を呼び込むことが求められていると思っております。
それのやっぱり受け入れ体制といいますか、いわゆる寮施設の充実が一つは大切ではないかなと思っておりますが、寮は施設といいますと県の施設でございますので、なかなか町の方のこれを整備するとか新たに建てるとかというような話にはなりませんが、そこにいわゆる入寮する生徒への助成措置というふうなことが少しはできないもんだろうかと。
あるいは現在そうしたことができているかもわかりませんが、現在のちょっと紹介をいたしますと、横田高校にあの寮は男子棟と女子棟がありまして、それぞれ3部屋ずつだということで、1部屋4人部屋だそうでございます。せんだってのとこまででは男子が3名、女子が9名ということで、女子は4人部屋に3人入ってるということですが、非常に手狭だというふうなことで、そこをよく知る高校の職員は、せめて2人部屋というふうなことができないかなというふうなことも言っておりました。
それと寮費のいわゆる金額ですね、まだ4万1,000円ぐらいでしたですかね。これらももう少し安くなって入りやすくなればなというふうなお話でもございました。
そこでお聞きいたしたいと思いますけど、寮生徒への本町からの助成措置というようなものが現在あるでしょうか。また、それが県外からの留学などの魅力につながる助成措置として十分であるかどうかお伺いをいたしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 安部教育長。
○教育長(安部 隆君) 寮生徒への助成措置があるかどうかということが主な質問だったと思いますけれども、横田高校の後援会には今年度奥出雲町として250万円を助成しております。これにPTAや後援会組織である稲陵会というのがございますけれども、これからの助成を合わせた予算の中から平成22年度は寄宿舎助成として寮費を70万円助成しております。先ほど話がありましたように、このことによって寮費が月4万1,000円から3万7,000円になっており、大きく負担軽減になってるんではないかなというふうに思っております。このほか集まったお金から楽器購入・海外遠征助成・図書購入費などが使われております。
魅力化・活性化に係る事業において県予算、先ほど話がありましたように3カ年で1,500万県は組んでおりますけれども、これでは対応できないという事柄が出てきましたら、また町長部局等と協議し、高校の支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○議長(千原 祥道君) 村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) 町から後援会の組織の方へ助成があったり、あるいは稲陵会の方の御援助もあるというふうなことでございますが、これが十分かどうかということは別といたしまして、ぜひ県内外からのやっぱり、いわゆる県外からですか、横田高校へ呼び込みができるような、あるいは十分PRできるような助成措置が図れればなというふうに思うとこでございます。
先ほど島前高校は、ほんで100人を切るような小さな高校でございますが、それでも非常に頑張っておられるというふうに伺っております。小さな町でもそれぐらい強力な意欲的な助成措置を講じておられます。
ぜひ奥出雲町も、まさに横田高校、本気度を示さないとなかなか本事業の目的達成にはつながらないのではないかというふうに思っております。ぜひ今後においても町長、教育長あるいは横田高校連携して積極的な事業支援ができればというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それで次に、本町の米づくり基本方針についてでございます。
この22年度に米戸別所得補償制度がモデル事業としてスタートいたしまして、10アール当たり1万5,000円、これが昨年の秋から支払いが始まったとこでございます。
また、先般は農水省から販売価格の下落部分を補てんするということで、さらに追加払い、いわゆる変動部分が10アール当たり1万5,100円というふうなことが発表されました。昨年のいわゆる米づくりは、全国的な米余りに加えまして、猛暑による品質低下というようなことで販売価格が下落したわけでございます。ああして追加支払いというようなものも総額では1,391億円というふうな大きな金額になっております。この定額部分あるいは変動部分合わせますと全額では3,090億円というふうな見込みのようでございます。この金額は大変な大きな金額だと思いますけども、米農家としては追加で支払われる変動分が正直予想に反して大変高額な支給ではないかなというふうな戸惑いを隠せないでいるのもまた心境ではないかと思います。国の新年度予算の中で民主党のばらまき4Kとも評される子ども手当が1兆8,200億円、高校無償化が3,900億円、あるいは高速道路無料化が1,200億円、そして戸別所得補償がこの2011年には3,500億円というようなことで、これを押しなべてみますと日本の食糧自給率の向上とか、あるいは食糧の国の安全保障、こういった必要性からは当然決して多額ではないというふうには思いますけども、農家がこれによって農業の将来展望を見出すということには正直何ら貢献していないのではないかというふうな感じを持っております。一つ原因としては、ばらまきの結果、このお金は農家にとって米の下落で失った当面の生活資金、手当でありまして、農業の赤字経費に消えていくものだと思うからであります。つまり農家が最も望んでいる持続可能な農業の見通しが何ら解決されていません。ましてやこのお金は次世代を担う言葉たちが将来負担していかなければならないとされれば、後ろめたさも感じるのが米農家の思いではないでしょうか。3,500億円の新年度予算が将来にわたって米農家に補償されるわけでもございません。心配は尽きないと思います。
さて、本町の水田農業の基本方策は、町地域水田農業ビジョンでございますけども、これは目標が平成24年ということになっております。新年度は本格的な米農家所得補償制度、この実施に伴いまして、これまでにない本町は減反面積の大幅な増加を余儀なくされております。この目標年次の24年には、さらに減反が大幅に増加するということでございます。今の町の地域水田農業ビジョンというのは、これらを考えますと米の作付面積等において大きく変更が生じるという事態だと思っております。この際、本町独自の抜本的な水田農業ビジョンを早期に見直す必要があるんではないかというふうに考えておりますが、このことについて御答弁をお願いしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 昨年の秋から戸別所得補償制度の導入により県の水田農業ビジョンそのものがひっくり返るような動きになりまして、大変迷惑したところでございますが、議員御指摘のような来年、再来年を見据えた生産調整があれば抜本的な水田農業ビジョンの検討もすべきではないかというお尋ねでございます。大豆でありますとかソバとか優位な作物への転作ということも当然考えていかなきゃいけませんが、私はこの中山間地域では平場と違いまして、耕地の維持管理はやはり水田という形態が最もふさわしいと思っております。そういうことから水田機能を維持するということを基本に新規需要米等への転作に取り組む必要は出てきますけども、80%は主食用米の作付を行うということでございます。
したがいまして、これまで行ってまいりました売れる米づくりに対応した米の生産・販売への取り組み、担い手の育成など引き続き推進していかなければならない課題は引き続いておりますので、当面水田農業ビジョンを大きく見直すことは考えておりません。
ただ、状況がどんどん変わっていきますので、逐次状況の変化を見ながら水田協の皆さんとも議論して、奥出雲の米づくりをこれまでどおり、さらに売れる米づくりに向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) そこで今の地域水田農業ビジョンというのは、この根拠は、また島根県の米づくり基本方針ということで22年に策定されて、いわゆる売れる米づくりを目指したものだったわけでございます。しかし、こうした所得補償制度によって補助金目当てにやみくもな作付面積拡大というようなことがいわゆる県下の平場、平野部では起こってきておりまして、その影響を奥出雲町は受けてると。本町は、独自にブランド米とか仁多米コシヒカリ、こうしたことをはくぐんできた経緯からして、県下統一した減反配分方策にどこまで本当に従う必要があるのか。売れる米づくりであれば売れればしっかりつくる方が得策ではないか、こういうふうに思うとこでございます。売れる米づくりに徹した独自の振興策というようなことは考えられないのか、伺いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 県の方針に対しましては、引き続き再考を求めてまいりたいと考えております。町の水田協としましては、戸別所得補償制度による交付金を求めている農業者もおられるわけでございます。生産調整目標に沿った配分は大変不満ではありますが、一定受け入れる必要はあると思っております。
ただ、今後につきましては、県に対して再考を求める中で法人化への取り組みや担い手への集積などによる生産コストの低減に向けた取り組みを行いまして、さらに環境に配慮した米づくりをブランド化のPRにもしながら、さらに高値販売に取り組んでまいりたいと思っております。先般は町内でも紙マルチ米の米づくり、無農薬をやっていこうというふうな生産者の設立総会もあったようでございます。そうした取り組みについても今後、支援をしてまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) 村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) 今このウルチ米は、この平場においては新品種のつや姫というのを振興しようということでやっております。これは一つはコシヒカリが平場においては腹白とか乳白とか、いわゆる等級を下げる米になってきているというようなことで、このつや姫はそういうことではなくて、平場では結構いい米ができるようでございますが、この奥出雲町には基本的にはブランド米・コシヒカリということでこれまでずっと取り組んできております。平場のこうした米と同じ同一されるような米づくりではなくて、しっかりこの地元のはくぐんできたブランド米、これに徹するべきではないか。特にコシヒカリ、モチ米、酒米、そして水稲種子というふうな県下に誇れる特産地でもございます。ぜひそうしたとことも差別化した取り組みが必要ではないかと思いますが、このことについてお考えを伺いたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) 議員御指摘のとおりでございまして、この奥出雲の水田でつくるコシヒカリは、大変高い評価をいただいております。食味コンクールでも金賞をもらっておりますし、また昨年の猛暑の中でも農家の皆さんの御努力によりまして本当に高い一等米比率を保っております。引き続きブランド米としての生産振興を図ってまいりたいと思いますが、新品種の導入についてもいろいろ研究しながら、さらに高く売れる米があれば取り組んでいきたいと。昨年でしたか、NHKテレビでやってましたが、コシヒカリの水田の中から突然変異によって大粒のコシヒカリ、苗が高く株も高くなると。食味も大変すぐれてるというふうな品種も出ているようでございます。大蛇の瞳というふうな名前がついてるようでございますが、そういうふうな品種についても水田協の中でいろいろ研究をしてまいりたいと考えております。
○議長(千原 祥道君) ちょっとここでお諮りをいたします。審議がまだかかるようですので、時間を延長したく思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(千原 祥道君) 御異議なしと認めます。では、時間を延長します。
どうぞ、村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) それでは、最後の3点目でございます。金言寺の大イチョウの観光資源としての周辺整備ということについてお伺いをいたしたいと思います。
これまで一般質問の中に本町の観光資源、いわゆる観光振興あるいは経済効果といったようなことをるる論議され、どっちかいいますとマクロ的な論議であったわけでございますけども、私は具体的なちょっと事例についてこの周辺整備が必要ではないかという話をさせていただきたいと思います。
御承知のように、せんだって県内ですぐれた景観を形成する建造物や保全活動を顕彰する2010年度のしまね景観賞に大馬木の金言寺のカヤぶき屋根と大イチョウが大賞を受賞したとこでございます。樹齢350年余から400年とも称される大イチョウとカヤぶきの古寺が四季折々、周辺の山河を背景に見事なコントラストを映し出し、小さいながらも
パワースポットを感じるような場所でもあります。中でも秋の金色に染まった大イチョウや金色のじゅうたん、いわゆるイチョウの葉が庭一面に敷き詰められる、そうしたとこでは毎年訪れた人の感嘆の声を呼んでおります。一度訪れた人は、季節ごとの景観を想像するとともに、また1日の朝どき、昼どき、夕暮れどきの情景変化をも思い描かずにはいれないというふうなところでございます。そうしたすばらしい景観がこのたび評価されて大賞受賞となったわけでございますが、この古寺と大イチョウを長年守り続けてこられた金言寺の住職さんやわずかたった20数名の檀家の皆さん、そして近年ああして注目を浴びてきたことに伴いまして、周辺自治会の方々の参画を得て金言寺の大イチョウを守る会が結成されて、こうした方々の御努力や御支援があったからこそ大賞受賞の栄が浴されたものと思います。
さて、これに見学に訪れる観光客が年々数を増してきておりまして、特に県外からおろちループ橋、三井野原から小峠を回って見に来られると、こういう人も随分あるわけですが、特に昨年の初秋から初冬にかけましては毎日見学が後を絶たないというふうな状態のようでございました。推定では2,500から3,000人ぐらいな方が訪れるというふうに聞いております。こうした風光明媚な地域観光資源を誇る奥出雲町にこうして訪れていただくということは、大変すばらしいことだと思いますし、町の活性化にもつながるというふうにも思っております。しかし、これをしっかりと維持するお寺や檀家、地元の守る会では、このカヤぶきの吹きかえ作業、これだけでも大変大きな費用とか人手を要しておりまして、負担が大変であるというふうに伺っております。また、訪れる方々もせっかく来たけど、もうちょっとここのとこが何とかならんかというふうな問題あるいは注文も多いわけでございます。
そのことについて3点ほどお話をいたしますと、この金言寺の大イチョウという名前はテレビや新聞等で報道されておりますが、そこへ行き着くまでの所在のルート、案内板が国道とか県道とか、あるいは町道の要所、かなめにないわけでございまして、なかなか初めての人は迷うことなくたどり着くというのが難しいというふうなことがあるようでございます。
また、2つ目には、寺の駐車場が非常に小さくて、乗用車等いろいろ駐車されるわけですけども、これが狭いと、あるいはまた下の方の参道の入り口が大変幅員が狭くてマイクロバスなどがとめられないというふうなことでございます。
それから3つ目には、寺にあるトイレが小さくて多人数の使用には、非常に大勢で来られると時間を要して見んうちにもう帰るぞというふうなこともあるようでございまして、ぜひこの3点が何とか整備ができないものかというふうなことで地元の皆さんも大変悩んでおいででございます。
このことについてぜひ町の方の支援ができないか。本町のサイン事業取り組むというさなかでもございますし、ぜひこの事業、この支援がお考えいただきたいと思いますが、このことについてお伺いをいたしたいと思います。
○議長(千原 祥道君) 町長。
○町長(井上 勝博君) まず初めに、しまね景観賞の大賞の受賞、まことにおめでとうございます。私の方からも心からお祝いを申し上げたいと思います。
藤岡大拙選考委員会の委員長さんのお話ですと、やはり地域の皆さんが長年にわたって守ってこられたその取り組みが評価されたということ、それからまた訪れる人に対しての本当きめ細やかな配慮、例えばライトアップの装置は昼間は小屋の中まで運んで、そういうものがないように毎日やっていると、そういうふうな配慮についても大変評価をされたと聞いております。
3つのことがございました。サイン整備計画のこと、駐車場のこと、それからトイレのこと、3点につきましても地元の皆さんが長年にわたって本当に大事にしてこられた宝でございますので、まず地元の金言寺の檀家さんを中心とする皆様方とどういう取り組みが望ましいか十分協議をさせていただきたいと思います。その中で村尾議員にも十分のコーディネートをお願いしたいと思います。どうかよろしくお願いします。
○議長(千原 祥道君) 村尾議員。
○議員(6番 村尾 明利君) 本町ああして観光資源が豊かだというふうなことで大変な力こぶも入れておられるわけでございます。ぜひこのことについてもトータルでまた取り組んでいただけたらというふうに思うとこでございます。以上で終わりたいと思います。
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○議長(千原 祥道君) 以上をもちまして本日の会議日程はすべて終了いたしました。
本日はこれにて散会といたします。御苦労さまでした。
午後5時03分散会
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