島根県議会 2024-02-08
令和6年2月定例会(第8日目) 本文
島根県議会の会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和6年2月定例会(第8日目) 本文 2024-03-05 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ
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ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(園山繁) 選択 2 : ◯池田一議員 選択 3 : ◯議長(園山繁) 選択 4 : ◯知事(丸山達也) 選択 5 : ◯議長(園山繁) 選択 6 : ◯池田一議員 選択 7 : ◯議長(園山繁) 選択 8 : ◯知事(丸山達也) 選択 9 : ◯議長(園山繁) 選択 10 : ◯池田一議員 選択 11 : ◯議長(園山繁) 選択 12 : ◯知事(丸山達也) 選択 13 : ◯議長(園山繁) 選択 14 : ◯池田一議員 選択 15 : ◯議長(園山繁) 選択 16 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 17 : ◯議長(園山繁) 選択 18 : ◯池田一議員 選択 19 : ◯議長(園山繁) 選択 20 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 21 : ◯議長(園山繁) 選択 22 : ◯池田一議員 選択 23 : ◯議長(園山繁) 選択 24 :
◯環境生活部長(西村秀樹) 選択 25 : ◯議長(園山繁) 選択 26 : ◯池田一議員 選択 27 : ◯議長(園山繁) 選択 28 :
◯環境生活部長(西村秀樹) 選択 29 : ◯議長(園山繁) 選択 30 : ◯池田一議員 選択 31 : ◯議長(園山繁) 選択 32 :
◯環境生活部長(西村秀樹) 選択 33 : ◯議長(園山繁) 選択 34 : ◯池田一議員 選択 35 : ◯議長(園山繁) 選択 36 :
◯環境生活部長(西村秀樹) 選択 37 : ◯議長(園山繁) 選択 38 : ◯池田一議員 選択 39 : ◯議長(園山繁) 選択 40 : ◯知事(丸山達也) 選択 41 : ◯議長(園山繁) 選択 42 : ◯池田一議員 選択 43 : ◯議長(園山繁) 選択 44 : ◯出川桃子議員 選択 45 : ◯議長(園山繁) 選択 46 : ◯健康福祉部長(安食治外) 選択 47 : ◯議長(園山繁) 選択 48 : ◯出川桃子議員 選択 49 : ◯議長(園山繁) 選択 50 : ◯健康福祉部長(安食治外) 選択 51 : ◯議長(園山繁) 選択 52 : ◯出川桃子議員 選択 53 : ◯議長(園山繁) 選択 54 : ◯健康福祉部長(安食治外) 選択 55 : ◯議長(園山繁) 選択 56 : ◯出川桃子議員 選択 57 : ◯議長(園山繁) 選択 58 : ◯知事(丸山達也) 選択 59 : ◯議長(園山繁) 選択 60 : ◯出川桃子議員 選択 61 : ◯議長(園山繁) 選択 62 : ◯女性活躍推進統括監(日下純子) 選択 63 : ◯議長(園山繁) 選択 64 : ◯出川桃子議員 選択 65 : ◯議長(園山繁) 選択 66 : ◯女性活躍推進統括監(日下純子) 選択 67 : ◯議長(園山繁) 選択 68 : ◯出川桃子議員 選択 69 : ◯議長(園山繁) 選択 70 : ◯女性活躍推進統括監(日下純子) 選択 71 : ◯議長(園山繁) 選択 72 : ◯出川桃子議員 選択 73 : ◯議長(園山繁) 選択 74 : ◯知事(丸山達也) 選択 75 : ◯議長(園山繁) 選択 76 : ◯出川桃子議員 選択 77 : ◯議長(園山繁) 選択 78 : ◯岸道三議員 選択 79 : ◯議長(園山繁) 選択 80 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 81 : ◯議長(園山繁) 選択 82 : ◯岸道三議員 選択 83 : ◯議長(園山繁) 選択 84 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 85 : ◯議長(園山繁) 選択 86 : ◯岸道三議員 選択 87 : ◯議長(園山繁) 選択 88 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 89 : ◯議長(園山繁) 選択 90 : ◯岸道三議員 選択 91 : ◯議長(園山繁) 選択 92 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 93 : ◯議長(園山繁) 選択 94 : ◯岸道三議員 選択 95 : ◯議長(園山繁) 選択 96 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 97 : ◯議長(園山繁) 選択 98 : ◯岸道三議員 選択 99 : ◯議長(園山繁) 選択 100 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 101 : ◯議長(園山繁) 選択 102 : ◯岸道三議員 選択 103 : ◯議長(園山繁) 選択 104 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 105 : ◯議長(園山繁) 選択 106 : ◯岸道三議員 選択 107 : ◯議長(園山繁) 選択 108 : ◯健康福祉部長(安食治外) 選択 109 : ◯議長(園山繁) 選択 110 : ◯岸道三議員 選択 111 : ◯議長(園山繁) 選択 112 : ◯知事(丸山達也) 選択 113 : ◯議長(園山繁) 選択 114 : ◯岸道三議員 選択 115 : ◯議長(園山繁) 選択 116 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 117 : ◯議長(園山繁) 選択 118 : ◯岸道三議員 選択 119 : ◯議長(園山繁) 選択 120 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 121 : ◯議長(園山繁) 選択 122 : ◯岸道三議員 選択 123 : ◯議長(園山繁) 選択 124 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 125 : ◯議長(園山繁) 選択 126 : ◯岸道三議員 選択 127 : ◯議長(園山繁) 選択 128 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 129 : ◯議長(園山繁) 選択 130 : ◯岸道三議員 選択 131 : ◯議長(園山繁) 選択 132 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 133 : ◯議長(園山繁) 選択 134 : ◯岸道三議員 選択 135 : ◯議長(園山繁) 選択 136 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 137 : ◯議長(園山繁) 選択 138 : ◯岸道三議員 選択 139 : ◯議長(園山繁) 選択 140 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 141 : ◯議長(園山繁) 選択 142 : ◯岸道三議員 選択 143 : ◯議長(園山繁) 選択 144 : ◯副議長(山根成二) 選択 145 : ◯森山裕介議員 選択 146 : ◯副議長(山根成二) 選択 147 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 148 : ◯副議長(山根成二) 選択 149 : ◯森山裕介議員 選択 150 : ◯副議長(山根成二) 選択 151 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 152 : ◯副議長(山根成二) 選択 153 : ◯森山裕介議員 選択 154 : ◯副議長(山根成二) 選択 155 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 156 : ◯副議長(山根成二) 選択 157 : ◯森山裕介議員 選択 158 : ◯副議長(山根成二) 選択 159 :
◯政策企画局長(石原恵利子) 選択 160 : ◯副議長(山根成二) 選択 161 : ◯森山裕介議員 選択 162 : ◯副議長(山根成二) 選択 163 : ◯知事(丸山達也) 選択 164 : ◯副議長(山根成二) 選択 165 : ◯森山裕介議員 選択 166 : ◯副議長(山根成二) 選択 167 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 168 : ◯副議長(山根成二) 選択 169 : ◯森山裕介議員 選択 170 : ◯副議長(山根成二) 選択 171 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 172 : ◯副議長(山根成二) 選択 173 : ◯森山裕介議員 選択 174 : ◯副議長(山根成二) 選択 175 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 176 : ◯副議長(山根成二) 選択 177 : ◯森山裕介議員 選択 178 : ◯副議長(山根成二) 選択 179 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 180 : ◯副議長(山根成二) 選択 181 : ◯森山裕介議員 選択 182 : ◯副議長(山根成二) 選択 183 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 184 : ◯副議長(山根成二) 選択 185 : ◯森山裕介議員 選択 186 : ◯副議長(山根成二) 選択 187 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 188 : ◯副議長(山根成二) 選択 189 : ◯森山裕介議員 選択 190 : ◯副議長(山根成二) 選択 191 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 192 : ◯副議長(山根成二) 選択 193 : ◯森山裕介議員 選択 194 : ◯副議長(山根成二) 選択 195 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 196 : ◯副議長(山根成二) 選択 197 : ◯森山裕介議員 選択 198 : ◯副議長(山根成二) 選択 199 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 200 : ◯副議長(山根成二) 選択 201 : ◯森山裕介議員 選択 202 : ◯副議長(山根成二) 選択 203 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 204 : ◯副議長(山根成二) 選択 205 : ◯森山裕介議員 選択 206 : ◯副議長(山根成二) 選択 207 : ◯商工労働部長(新田誠) 選択 208 : ◯副議長(山根成二) 選択 209 : ◯森山裕介議員 選択 210 : ◯副議長(山根成二) 選択 211 : ◯中島謙二議員 選択 212 : ◯副議長(山根成二) 選択 213 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 214 : ◯副議長(山根成二) 選択 215 : ◯中島謙二議員 選択 216 : ◯副議長(山根成二) 選択 217 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 218 : ◯副議長(山根成二) 選択 219 : ◯中島謙二議員 選択 220 : ◯副議長(山根成二) 選択 221 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 222 : ◯副議長(山根成二) 選択 223 : ◯中島謙二議員 選択 224 : ◯副議長(山根成二) 選択 225 :
◯地域振興部長(藤井洋一) 選択 226 : ◯副議長(山根成二) 選択 227 : ◯中島謙二議員 選択 228 : ◯副議長(山根成二) 選択 229 : ◯知事(丸山達也) 選択 230 : ◯副議長(山根成二) 選択 231 : ◯中島謙二議員 選択 232 : ◯副議長(山根成二) 選択 233 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 234 : ◯副議長(山根成二) 選択 235 : ◯中島謙二議員 選択 236 : ◯副議長(山根成二) 選択 237 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 238 : ◯副議長(山根成二) 選択 239 : ◯中島謙二議員 選択 240 : ◯副議長(山根成二) 選択 241 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 242 : ◯副議長(山根成二) 選択 243 : ◯中島謙二議員 選択 244 : ◯副議長(山根成二) 選択 245 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 246 : ◯副議長(山根成二) 選択 247 : ◯中島謙二議員 選択 248 : ◯副議長(山根成二) 選択 249 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 250 : ◯副議長(山根成二) 選択 251 : ◯中島謙二議員 選択 252 : ◯副議長(山根成二) 選択 253 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 254 : ◯副議長(山根成二) 選択 255 : ◯中島謙二議員 選択 256 : ◯副議長(山根成二) 選択 257 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 258 : ◯副議長(山根成二) 選択 259 : ◯中島謙二議員 選択 260 : ◯副議長(山根成二) 選択 261 : ◯警察本部長(中井淳一) 選択 262 : ◯副議長(山根成二) 選択 263 : ◯中島謙二議員 選択 264 : ◯副議長(山根成二) 選択 265 : ◯健康福祉部長(安食治外) 選択 266 : ◯副議長(山根成二) 選択 267 : ◯中島謙二議員 選択 268 : ◯副議長(山根成二) 選択 269 : ◯健康福祉部長(安食治外) 選択 270 : ◯副議長(山根成二) 選択 271 : ◯中島謙二議員 選択 272 : ◯副議長(山根成二) 選択 273 : ◯知事(丸山達也) 選択 274 : ◯副議長(山根成二) 選択 275 : ◯中島謙二議員 選択 276 : ◯副議長(山根成二) 選択 277 : ◯農林水産部長(野村良太) 選択 278 : ◯副議長(山根成二) 選択 279 : ◯中島謙二議員 選択 280 : ◯副議長(山根成二) 選択 281 : ◯農林水産部長(野村良太) 選択 282 : ◯副議長(山根成二) 選択 283 : ◯中島謙二議員 選択 284 : ◯副議長(山根成二) 選択 285 : ◯農林水産部長(野村良太) 選択 286 : ◯副議長(山根成二) 選択 287 : ◯中島謙二議員 選択 288 : ◯副議長(山根成二) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 午前10時3分開議
◯議長(園山繁) おはようございます。これより本日の会議を開きます。
日程第1、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。
引き続き一問一答質問を行います。
池田議員。
2: ◯池田一議員 おはようございます。自由民主党議員連盟の池田一でございます。
まず最初に、能登半島地震について。
たくさんの議員の先生方から質問があったわけでございますが、今回のこの地震、島根県にとっても大変大きな教訓になったのではないかと思います。まずは、半島地震においてお亡くなりになった方々に御冥福をお祈りするとともに、被災に遭われた方にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を望むところでございます。
知事は、このような能登半島の地震、島根県も似たような状況にあるんではないかというふうに考えておるところでございますが、能登半島地震に対しての知事の御感想と島根県の防災に対する新たな認識、島根県民を守る知事の決意をまずはお聞かせ願いたいと思います。
3: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
4: ◯知事(丸山達也) 今般の能登半島の地震につきましては、そこから得られる教訓といいますのは、まずいち早く被災地の状況を把握をして、陸路というメインの救援のルートが生かせるのかどうかということなどを確認しながら、そういったことが難しい場合には自衛隊などのヘリコプター、船舶での人員、機材の投入をして救助を進める必要があるということが明確になっておりますので、その環境整備といたしましてヘリポートとして利用できる適地があるかどうか、またその適地が、自衛隊の装備でいきますと小型ヘリ、中型ヘリ、大型ヘリとありますので、どこまでのヘリが入れるのかということをあらかじめ自衛隊の皆さんとともに目合わせをしておくということに取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、付随するハード整備が必要ということであれば、そういったことに対する対応を松江市、出雲市、県で考えていくということも含めて検討していきたいと思っているところでございます。
そして、長期間救援に入るのが難しいといった孤立地区が発生をいたしておりますので、食料や飲料水の県の備蓄量を0.5日分から1日分に増やし、市町村についても同様の対応を検討をお願いしているところでございまして、さらに物資補給に時間を要するという場合に備えまして、あらかじめ半島部の避難所などに分散して備蓄を配備しておくということにつきましても、松江市、出雲市と連携して検討をしていきたいと考えておるところでございます。
いずれにいたしましても、このたび発生しました能登の地震で発生しております被害、被災の状況を踏まえて、島根県民の生命、財産を守るために、半島部の地震災害への対応能力の向上に関係の皆様とともにしっかり取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
5: ◯議長(園山繁) 池田議員。
6: ◯池田一議員 しっかり本当に知見を、しっかり状況を把握して対応を行っていただきたいというふうに思っております。
知事は1期目当選されて最初から島根創生計画を策定されまして、さあこれからというときに世界的な感染症、あるいはそれが収束するかしないかのうちにウクライナでの紛争による諸物価の高騰、エネルギー高騰という形で、本当に外的要因でいろんなことをやっていかないといけないということで、なかなか島根創生計画をしっかり進めていくのに大変難しかったんじゃないかと思います。
来年度は第1期島根創生計画の最終年度に当たるわけでございますが、知事の第1期島根創生計画の最終年度に向けての御決意を再度お聞かせ願いたいと思います。
7: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
8: ◯知事(丸山達也) これまで4年間の取組につきましては、議員御指摘のとおりコロナの感染拡大がございましたので、出かけていくとか来てもらうとかという意味での人の往来を伴う取組については当然大きな制約が発生いたしましたけれども、例えば水田園芸ですとか林業の原木生産量の増加と、増やしていくということについては、これは直接コロナの影響を受けるわけではございませんでしたので、そういった取組を県内で着実に進めていただいているというところでございます。
一方で、この島根創生計画が掲げております長期の数値目標につきましては、現時点で目標に向けた年次ごとの数値に届いていないという厳然たる状況がございまして、最大の課題であります人口減少対策ということにつきましては道半ばの状況であるというふうに受け止めております。
したがいまして、こういった取組を一層加速する必要がございますので、御提案させていただいております当初予算におきましても、水田園芸の推進や製材用の木材の流通、生産拡大への支援、また国際チャーター便の誘致によりますインバウンド促進など各産業分野への支援の強化ですとか、放課後児童クラブの運営支援の拡充など子育て支援の充実や中山間地域の病院におけます設備整備などへの支援の充実、また島根の魅力の情報発信の強化によります新しい人の流れづくりなどを強化しているところでございます。
現在のこの計画の最終年度となります来年度におきましては、コロナのフローの影響はなくなっておりますけれども、コロナの感染拡大期に借入れが増えた事業者の方々がたくさんおられるということや、加えてエネルギー価格、物価の高騰が全ての家計、全ての事業者にマイナスの影響を与えているといったことによりまして、県民生活また県内事業者の事業経営というのは引き続き厳しい環境にありますので、県行政への期待は大変大きいというふうに思っております。そうした期待に応えるためにも、県議会の皆様とともに、人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根の実現に向けて、県庁を挙げて全力を尽くしていきたいというふうに考えているところでございます。
9: ◯議長(園山繁) 池田議員。
10: ◯池田一議員 成果はすぐに出るわけではございませんので、着実に進んでいっていただきたいというふうに思っております。
また、次年度は、第2期島根創生計画を策定する大事な年でもあります。目標は先ほど知事もおっしゃいました人口減少に打ち勝つことでございますが、ただ人口を増やすだけではなく、本当に島根を愛している人に来て、残ってほしいわけでございまして、それには島根らしいよさ、豊かさを地道につくっていくことが重要であると思っておるわけでございます。
第2期島根創生計画について、県民本位で持続可能な無理のない施策と目標設定が必要であると思います。次期計画に対する知事の思いをお聞かせください。
11: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
12: ◯知事(丸山達也) 先ほどの御答弁でも申し上げましたとおり、長期の目標に向けた年次の目標数値であります合計特殊出生率や社会増減につきましては、目指しております年次の目標数値を下回っておりますので、計画の想定よりも人口減少が進んでいるという状況にございます。このことは、実質賃金の減少、つまり物価高騰、物価の上昇に比べて賃金の上昇幅が少ないといったことを背景とした若者、子育て世代の将来不安や東京や首都圏への一極集中の加速など、全国的な構造的な課題が主な要因になっていると考えております。
したがいまして、こういったマクロの問題への対応といたしましては、地方側の努力、一地方の努力を超えたものでございますので、政府、国において本格的な対策を検討し実施をしてもらうこと、また県で取り組む対策につきましては、残念ながらこの分野を強化していけばこの状況が好転するといったような特効薬的な対策があるわけではございませんので、島根創生計画が射程に入れております幅広い取組を一層進めて、議員御指摘のとおり、成果を着実に積み重ねていくことが必要であると考えております。
現在も笑顔で暮らせる島根の暮らしを守っていくこと、そしてそれを次の世代に引き継いでいくということを実現するために策定をしたものでございますけれども、この基本的な考え方を変える必要はないのではないかというふうに思っております。
したがいまして、実現可能性という意味では、達成時期については今の実績、数値を基に見直しを行った上で、数値目標については合計特殊出生率2.07と社会移動の均衡という2つの項目は維持をして計画を策定していきたいというふうに考えているところでございます。
計画の内容といたしましては、計画期間については今期と同様に5年間として、令和7年度から令和11年度までとしていくということや、本日の地元紙の1面でも報道されておりますとおり、大企業の取引姿勢の改善を通じて、県内中小企業に対して賃上げの原資がきちんと流れていくといった仕組みをつくっていくための大企業の取引姿勢の改善、抜本的改善だと思いますけれども、そういったことや、県民生活や県内の中小企業者にとりましてメリットがほとんどなく、ほぼマイナスの影響としかなっていない円安を放置しておられる今の金融為替政策の見直し、こういったものを、一地方では解決できない日本経済全体の課題解決ということも島根県の人口減少対策、島根創生の実現のためには不可欠な基盤であるということは明らかでありますので、島根県として政府に改善を求めていくということについても県行政として行うべきこととして計画に盛り込んで取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
13: ◯議長(園山繁) 池田議員。
14: ◯池田一議員 知事のお考えをお聞きいたしました。
何をやるにも、県内のいろんなところを回りますと、人手が足りないということをやっぱり言われるわけでございます。年末年始の挨拶回りでも、そのことを異口同音に全てのところから聞きました。ITやAIとか新技術はどんどん進んでいるわけでございますが、人手不足を解消するにはまだまだ至っておりません。まだまだこれからだというところでございます。
全国が同じように苦しんでおるわけでございまして、9月議会の質問のときではそういう人手不足を解消するための人材確保の好事例をお話ししたところでございますが、来年度も新しい人の流れづくりの予算が計上されております。しかし、旧来手法にこだわらず、日々進化するサイトや情報ツールをもっと研究する必要が私はあるのではないかと思っております。多くが使うSNS、ありのままの島根の暮らし、本音で伝える島根の仕事、都会との違いを示し、島根に帰りたい、暮らしたいと思う心を醸成することが私は必要であるかと思っております。
島根定住財団のポータルサイトに「しまっち!」というのがございますが、大変優れた流れづくりのサイトであるかと思っております。12月、大田市で開かれました地域づくりオールスター祭に呼ばれまして、地域づくりを県内でやってる方々のお話を聞かせていただくことができました。新規農家がその「しまっち!」を利用して、収穫の繁忙時に人材募集をして大きな成果を上げたというそういう事例を聞かせていただきました。
そこで、質問です。
SNSやサイトを積極的に活用した広報戦略をしっかり構築し、ネットを活用した島根の魅力発信の強化を図り、真に島根に帰り、暮らしたい人に来てもらう必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
15: ◯議長(園山繁) 石原政策企画局長。
16:
◯政策企画局長(石原恵利子) 島根の魅力について、県外に向けては、実際に島根で暮らす方々のリアルな姿や声などをSNS、ウェブでの広告により発信しております。広告に当たりましては、若者によく利用されているメディアを選択し、都市部の地方移住などに関心のある若者にターゲットを絞って発信しております。その中でより地方移住等に興味を持たれた方をふるさと島根定住財団の移住情報ポータルサイトくらしまねっとの中の具体的な仕事や住まいなどの移住・定住につながる情報へ誘導できるよう工夫しております。
あわせて、島根に帰りたい、暮らしたいと思っていただくためには、県内にお住まいの皆様にも島根の魅力について知っていただきたいと考えておりますので、ウェブサイトなどで島根創生の取組や島根の暮らしについて発信してまいります。
17: ◯議長(園山繁) 池田議員。
18: ◯池田一議員 新技術の活用は、多分部門間で大きな差が、結構差があるんじゃないかなというふうに考えております。新しい手法でございますので問題もいろいろあるかと思いますから、しっかり研究して生かしていただければというふうに考えております。
次に、島根に暮らしたい、帰りたい、そう思ってもらうように、子どもの頃からどんな環境で育ってきたか、それが重要であると思っております。ふるさと教育、地域の歴史、文化の学びも大事ですが、一番大切な情操感をどう豊かにし、生きていく上で必要な五感や非認知能力をどう養うか。それは幼少期からの学校や家庭、地域での日々の暮らしの学びにあると私は思っております。残念なのは、子どもの頃は素直に育つわけでございますが、大人になるとだんだん薄れてくる。それが残念なところでございます。今だけ、自分だけのすさんだ社会の影響は大ではないかなというふうに考えているところでございます。
象徴するニュースが一昨年ございました。住みやすさをテーマにした寛容度ランキングで島根が最下位でございました。排他的で閉鎖的、ワーストは島根県、秋田県、富山県、山形県、青森県。上位は東京都、神奈川県、大阪府、千葉県、埼玉県。何ですかね、これ。他人に干渉せず、つながりがなく、地域コミュニティーが存在しにくい。それが開放的で寛容的であって、住みやすく、人が集まる要因である、一極集中の要因である、そう結論づけてます。
これこそ私は、個人の自由ばかり尊重し、家族や地域コミュニティーを破壊し尽くした戦後社会が生んだ悲劇であると思っております。これって島根が目指すもんですか。社会や地域への愛着心、その連帯意識はとても私は重要であると思っております。例えば平等の価値観。社会や地域の連帯意識がないと実現しませんし、社会福祉が機能するのも仲間の助け合いは当然だという、これは連帯意識でございます。多数派が少数派の意見を聞くのも、同じ仲間だという連帯意識があるからです。地域は様々な人の集まりでございます。お互い尊重し合って連帯意識を醸成しています。長年受け継がれた地域文化、伝統も、役割分担しながら、皆で手間と時間をかけて支える。この分担、支え合いがお互いの助け合いにつながるのです。
11月議会、島根創生の基礎単位である自治会の重要性を知事もお認めになりました。人々は、人は住む権利もあれば義務もあるわけでございまして、自治会の負担が多いという問題はいろいろあるかと思いますが、その負担を整理し、自治会の在り方を見直す必要が私はあるのではないかと思っております。
11月議会の質問では、県内市町村の自治会加入率について完全に把握されていませんでした。災害はいつ起こるか分からないが、このような状況でいいのでしょうか。自治会は直接的には市町村の問題かもしれませんが、県としても県内各地域における自治会の現状と自治会が抱える将来の問題について市町村と共通認識を持ち、組織の強化や加入率の向上が早急に図られるよう取組を促す必要があると思いますが、所見を伺います。
19: ◯議長(園山繁) 藤井地域振興部長。
20:
◯地域振興部長(藤井洋一) 今回の御質問を受けまして、改めて市町村に対して自治会に関する調査を行ったところ、加入率を把握している市町村が12団体ありましたが、把握していない市町村も含め、担い手不足や加入率の低下により行政情報の周知や美化活動、地域行事の継続などが困難になることを懸念する回答がありました。また、自治会の声を聞き取っている市町村からは、自治会役員の仕事量の多さ、負担の重さなどについて言及する回答もありました。
自治会が抱える課題は様々あろうかとは思いますが、例えば担い手不足については、過疎化、高齢化により自治会活動を支える住民が少なくなっている地域と、新興住宅地など若者はいるものの自治会への加入者が少ない都市部では、その原因と対策は異なるものと考えています。
県としましては、市町村に対して、自治会活動の実態を把握し、これからの自治会の在り方を検討することや住民に自治会加入の意義を認識してもらう取組を促すとともに、効果的な加入案内や広報広聴手段のデジタル化といった先進自治体の取組事例を市町村に紹介するなど、加入率向上、組織強化に向けて連携して取り組んでまいります。
21: ◯議長(園山繁) 池田議員。
22: ◯池田一議員 本当に地域振興部のほうは昔から公民館単位のことはしっかりやっておられるわけでございますが、公民館も各自治会のその積み重ねでございますんで、その自治会がなければ公民館単位のこともうまく管理できないわけでございますんで、そのところをしっかりよろしくお願いしたいと思います。
この地域力の重要性を考えると、昨今の政府の政策には私は大きな疑問を感じております。我々は、県民の安心で快適な地域での生活に責任があります。
1月末、新聞で、山陰で外国人労働者が最多という報道がございました。知事は外国人の生活環境の支援を所信表明のほうで明言されておられますが、国もこの報道も労働者の視点でしか外国人を論じていません。大変危うい状況ではないかと思っております。国は、外国人を地域で暮らす住民だという観点は全く持っていないんです。ただの働くこま、労働者としか考えておらず、全てのことを地方に押しつける。大変無責任なことではないかというふうに考えております。同じ地域に住んでいて、島根創生はこんなことは望まないと思います。だから、国が示す政策に対し、県益と国益、島根の将来性を考え、何でもかんでも唯々諾々と従うだけではいけないと私は思っております。
政府政策の疑問としてもう一つ上げるのは、CO2をはじめとする温室効果ガスの削減についてもです。国は具体的数値目標を掲げ、推進していますが、各都道府県に対しどのような指導をしているか、それに対して県はどのように臨み、市町村とどう連動しているのか、お伺いいたします。
23: ◯議長(園山繁) 西村環境生活部長。
24:
◯環境生活部長(西村秀樹) 各都道府県は、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、温室効果ガスの削減目標や施策などを盛り込んだ実行計画を策定することが義務づけられております。温室効果ガスの削減目標は、国の計画に即しつつ、その区域の自然的、社会的条件に応じて設定することになっており、本県では県独自の目標を設定しております。各市町村も同様に独自の削減目標を設定しておりますが、県と各市町村は計画策定に際して互いに意見を聞くことで整合性の確保を図るよう努めております。
25: ◯議長(園山繁) 池田議員。
26: ◯池田一議員 県で策定されている温室効果ガス削減に係る計画の成果についてお聞かせください。
27: ◯議長(園山繁) 西村環境生活部長。
28:
◯環境生活部長(西村秀樹) 県の実行計画では、温室効果ガス削減対策として、省エネの推進、再生可能エネルギーの導入促進と二酸化炭素吸収源対策を掲げ、取組を進めております。
温室効果ガス削減量については、2030年度の目標として、基準年である2013年度と比較し17年間で21.7%以上削減することとしております。直近年の削減量は、2020年の数値となりますが、18.4%削減しており、想定以上に削減が進んでおります。また、森林による二酸化炭素の吸収量を加味した実質的な数値で見ますと、本県は森林面積が多いことから、同様に2030年度27.2%以上削減との目標に対し、2020年度26.6%削減となっており、計画は着実に進捗していると考えております。
29: ◯議長(園山繁) 池田議員。
30: ◯池田一議員 県のほうでは順調に進んでいるということでございますが、温室効果ガスの削減は国の方針でございます。知事も所信表明の中で脱炭素を述べられたわけでございますが、私は温室効果ガス削減なら何をしてもオーケーかというそっちのほうが怖いわけでございまして、岡山県の美作市、山の奥の町でございますが、そこには420ヘクタール、斐川町の水田の5分の1の面積にも当たるようなメガソーラーが出現しておるわけでございまして、幹線道路からよく見えないわけでございますが、航空写真から見るとこれは何なのかというぐらいのアメーバのような黒い物体が広がっているわけでございます。クリーンエネルギーだから目標達成のために何でも広げていいのかという思いがあるわけでございます。
島根県におけるメガソーラーの面積と発電量の割合と変化を示すとともに、県としてそれをどう評価しているのか、お聞かせください。
31: ◯議長(園山繁) 西村環境生活部長。
32:
◯環境生活部長(西村秀樹) 県内における出力1,000キロワット以上のいわゆるメガソーラーと呼ばれる太陽光発電施設の面積を推計しますと約480ヘクタールであり、主にゴルフ場の跡地や遊休地が活用されております。
発電量につきましては、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始された2012年度にはほぼゼロでしたが、2022年度の発電量は約2億5,000万キロワットアワーで、県内電力消費量に占める割合は約5%となっております。また、県内の再生可能エネルギー発電量全体に占める割合は約15%であり、重要な電源の一つと考えております。一方で、本県は、日照条件のよい山陽などと比べますと、メガソーラーが積極的に設置される環境にはないと考えており、発電施設の出力の合計で見ますと全国的には低い水準にあります。
33: ◯議長(園山繁) 池田議員。
34: ◯池田一議員 まさしく日本海側というのは日照時間も少ないわけでございまして、どんどん広がっていくようなことはないかと思います。
冒頭、島根創生は島根らしい豊かさをつくっていくことだと私は申し上げました。島根では太陽光を生かすのは農業や林業である、そうあるべきではないでしょうか。国に追随するだけではなく、島根の豊かな自然と調和した生活環境を生かして環境施策を進めていくことが必要だと思いますが、所見を伺いたいと思います。
35: ◯議長(園山繁) 西村環境生活部長。
36:
◯環境生活部長(西村秀樹) 県としましては、県民、事業者、市町村等と一体となって、地域の実情に応じた環境施策を進めていくことが重要と考えております。実行計画では、地域資源を有効活用し、島根の暮らしに合った再生可能エネルギーの導入等により温室効果ガスを削減し、併せて二酸化炭素吸収源対策も定め、森林県として循環型林業を進めることで炭素の長期貯蔵効果や木材のエネルギー利用による化石燃料の使用抑制効果などを得ながら、地球温暖化対策と産業や地域の活性化を図ることとしております。
また、昨今のエネルギー価格の高騰により影響を受ける事業者や家庭への省エネ設備導入等の支援を行っておりますが、こうした対策は温室効果ガス削減にもつながっていると考えております。
今後も、本県の実情に合わせ、国の有利な財源等も活用しながら、省エネ対策や再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。
37: ◯議長(園山繁) 池田議員。
38: ◯池田一議員 こつこつ地道に温室効果ガス削減に取り組むことは私も賛成でございます。そのような施策を県のほうではしっかり進めていただきたいというふうに思っております。行き過ぎは本当にいけないと思っております。島根型で考えるべきだと思っております。
国は、そうはいっても第7次エネルギー基本計画を作成し、それに見合った温室効果ガス削減案をまた出してきます。これ、また多くの負担を日本の国民や企業に負わせるようなことになってくるわけでございます。県益を考えた上で、国がこう言ったからといって、島根が置かれた状況を考えず、ただそれに従う施策を私は推し進めるべきじゃないと思うわけでございますが、将来にわたり県民にとって持続可能な島根らしい島根のあるべき姿にする施策を全部署、全市町村と連動して進めていくことが重要であり、その結果として少子化、人口減少に歯止めをかけ、島根創生をなすことが必要だと思いますが、所見を伺いたいと思います。
39: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
40: ◯知事(丸山達也) 島根創生を実現する、また人口減少に歯止めをかけるということのためには、島根の大きな課題としてこの島根県庁を挙げて、また全市町村と連携して進めていくことが重要であるということについては議員の御指摘のとおりでございまして、この議会で御提案させていただいております子ども医療費の助成を拡大していくということにつきましても、県費も多額に投入をいたしますけれども、それに伴って余裕財源として生じる財源というのは市町村の財源でありますので、本来どう使うかは市町村の自由でありますから、それをこう使ってほしいということについては当然強制する権限もございません。それを意識を合わせて、この分配は高校生に対する助成ができていないところはそこをやっていただく。それが実現できているところについては他の分野での子育て支援の新規施策なり拡充施策に取り組んでもらうということで、県、市町村を挙げてこの子育て支援の充実に取り組んでいくということを目指すものでございます。
そういった認識を強めながら、様々な課題、子ども医療費以外の課題についても取り組んでいかないといけないと思いますし、私はお金をかけずにできることだってあります。基礎学力の向上なんていうのは、今いる学校の先生、今いる教育委員会がきちんと問題意識を持ってやればできないことではないです。できもしないことをたくさん並べて、やれと言われた授業を、やれと言われている授業を、子どもがついていけるかどうかを関係なくそれを終わらせるということを目標にしているというこの本末転倒の状況を改善しようというふうに市町村の認識を変えてもらうということは欠かせません。いや、基礎学力がついていっているのならいいですよ。何で我々の時代に900字、900単語しか我々は勉強できなかったのに、それを小学校の段階で700単語も教えてできると思うんです。制度設計している人間が本当にいいかげん極まりないわけです。それを文部科学省が決めたからといって唯々諾々と従っているということを改めなきゃいけない。自分ができなかったことを子どもにやらせようなんて、そんな実験みたいなことをやってはいけないんです。そんな声が今まで一切上がってきてなかったということも私は不思議でなりませんけれども、そういうことを改めていくということも含めて、これは大本の制度をきちんと直してもらうということが基本ですけど、問題意識を持たないと駄目です。
そういったことも含めて国の制度を変えていく。島根での取組を県民目線で変えていくということが欠かせませんし、議員が御指摘になりました人手不足とか外国人労働者を住民としてきちんと対応するということの目線が欠如していますのも、国の政策がつまりは大企業目線になっているってことです。もう政府の思想自体がそういう思考でものが進んでるということの証左だというふうに思いますし、ただ結局のところこの円安放置を続けていたら外国人労働者がいっぱい出ていくんだとかっていっていろんな制度改正をしていますけど、来やしませんよ。来てる間に円安が進んで仕送り額が減るような国なんかにおいそれと出ていけない。我々が選ばれない国になりつつあるということの意識が欠けている。そういったことも含めて円安放置を改めてほしいというふうにやっぱり言っていかないといけないというふうに思っておりまして、これは県内で頑張るということも当然必要でありますし、この県庁内全部局、そして全市町村は当然ですけれども、政府にもその基盤を整えてもらうということを求めていくということを含めて、全力で取り組んでいかないといけないというふうに思っております。以上であります。
41: ◯議長(園山繁) 池田議員。
42: ◯池田一議員 ありがとうございました。
今日の質問は、本当に国の施策に唯々諾々と追随するのではなくて、島根型をしっかりやっていこうという質問でございました。
先ほど最後、知事のほうから教育のほうの話がありましたけど、本当に私は思うんですけど、自分の子どもを私立や塾に通わせてる文部科学省の役人に現場の実態なんか分かるわけがないと思っています。知事のおっしゃるとおりでございます。その文部科学省役人が学習指導要領というものをつくって、これをしっかり現場のほうは守りなさいと言ってるわけでございます。それは、例えば英語をやったり、プログラミングをやったり、どんどんどんどん詰め込むわけですよね。そのことをよしとしてやってる。私立に行ってる、塾に通わせてる子どもたち、自分の子どもはそうだからできるんであろうという解釈の下にやってると私は思ってます。そんなことをやらせているわけです。その学習指導要領をつくっているのが文部科学省。それを地方に、あるいは現場に押しつけて、現場はプラン・ドゥー・チェック・アクション、それだけ起こせばいいと。ミッションはもう値であると、それだけいいんだというような形でやってるのが今の現状だと私は思ってます。
それと同じように、国は大企業、中央、都会の論理でいろんな施策をつくって地方に投げているわけでございまして、地方はそれをしっかり守れという形でやられているわけでございまして、地方にできるわけがございません。
同じようにどんどん新しい技術が進んでいくわけでございますけど、それをやるには初期投資が必要です。それは都会だと人口がいますから費用を回収できるわけでございますよ。ところが、田舎のほうは費用を回収できないから、それを行政がやり、ちゃんと負担してあげなきゃいけない。そういうことになるわけでございます。都会だと人口がいるから何でもできる。だから、地方は2周遅れ、3周遅れになるわけでございます。そういうことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
43: ◯議長(園山繁) 出川議員。
44: ◯出川桃子議員 おはようございます。自由民主党ネクスト島根、出川桃子でございます。
来る3月8日の国連が定めた国際女性デーは、ジェンダー平等を実現するために貢献を果たした女性たちの勇気と決断をたたえる日でもあります。先日、労働官僚として男女雇用機会均等法の成立に尽力をされた赤松良子氏がお亡くなりになられました。赤松さんは、男女平等の実現のために声を上げ、努力してきた女性たちの長い列がある、自分もその列に加わると常々おっしゃっていました。私も、その長い列に並ぶ一人として今ここに立たせていただいております。本日は、現代の女性を取り巻く課題をテーマに質問させていただきます。
令和4年5月、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、いわゆる新法が議員立法で成立しました。これまで女性への公的支援は、昭和31年に制定された売春防止法に基づき、売春するおそれのある女子を保護更生する婦人保護事業としてなされてきました。しかし、女性が抱える課題が多様化する中、従来の法的枠組みでは限界があることから、今回新たな女性福祉の枠組みが制定されることになりました。実に66年かけて、ようやく女性福祉がスタートラインに立つことになりました。この法律の特徴は、女性の保護更生から自立支援へと転換し、女性の福祉、人権の尊重や擁護、そして男女平等の実現を基本理念としているところです。
現在、島根県では、今年4月の施行に向けて、困難女性支援基本計画を策定中であります。生活困窮、性暴力、家庭関係破綻など様々な困難な問題を抱える女性たちは、困難な状況に置かれていることに慣れてしまい、助けを求め、支援を受ける力が弱い状態にあるとも言われています。
例えば私が関わらせていただいておりますNPOでは生活困窮家庭に食料品を届ける活動をしておりますが、その多くはシングルマザーの御家庭です。非正規雇用、低賃金で働き、自分は子どもたちに食べさせるために食事を食べなかったりもします。また、そうしたことを自己責任と思い、助けてとはなかなか声を上げることができない状況にあります。
今までこうした女性への支援は手薄でしたが、基本計画では新法の理念を生かして、女性をエンパワーメントする支援を実現していただきたいと思っております。
さて、新法には県の支援に取り組む責務が明記されていますが、この責務は何であると捉えているのでしょうか。このたびの計画の策定によって県の施策の何が具体的に変わっていくのか、お伺いいたします。
45: ◯議長(園山繁) 安食健康福祉部長。
46: ◯健康福祉部長(安食治外) 困難な問題を抱えておられる女性の支援を行うに当たっての国の基本理念の中には、本人の意思を尊重し、県や市町村、民間団体等が連携、協働して包括的で切れ目のない支援を行っていくことを通じて、女性の人権の尊重と男女平等の社会を実現していくということが掲げられております。そして、この基本理念を実現していくために県に求められております責務といたしましては、困難な問題を抱えておられる女性の支援について、県、市町村や民間団体等との連携、協働を図る上での中核的な役割を果たすこととされております。
このため、このたびの県の基本計画策定を契機として、これまでは市町村や県、民間団体等がそれぞれ個別に対応していた相談支援が、今後は支援調整会議において、これまで支援につながらなかった方も含め、支援を必要とする方の経済的な状況や暴力等被害の状況、心身の状況や家族との関係性などについてアセスメントの結果を共有し、一人一人に応じた支援の在り方を一体となって検討していくことになります。
47: ◯議長(園山繁) 出川議員。
48: ◯出川桃子議員 多くの女性の期待を背負っての船出となりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
また、新法では、新たな枠組みとして、保健医療、子育て、住まい、民間団体などの関係機関で構成される支援調整会議の設置に努め、情報共有や連携強化を図るものとされています。今までこうした包括的な支援体制はありませんでしたので、画期的なことだと言えます。
より実効性のある包括支援につなげるためには、中核組織となる県のリーダーシップが発揮されることが期待されますが、支援調整会議の設置と実際の会議の運用に対する県の方針を改めてお伺いいたします。
49: ◯議長(園山繁) 安食健康福祉部長。
50: ◯健康福祉部長(安食治外) 支援調整会議は、支援が必要となる女性一人一人の希望や意向を尊重しながら望ましい支援の在り方を検討していくことになるため、生活を支える福祉の支援制度などの実施主体でもある、住民にとって最も身近な市町村が中心となり運営されることが望ましいと考えております。しかしながら、市町村によっては、支援の対象事例が少ないことで、どのようにアセスメントすべきか分からなかったり、支援に関わる関係機関との調整や支援調整会議の運営が難しいといった課題があると聞いております。
県といたしましては、こういった市町村における課題を解消するため、県の女性相談センターが市町村が開催します支援調整会議に参加し、対応が難しいケースへの助言を行ったり、市町村担当者への研修会や勉強会を開催するなど、また支援に携われておられる民間団体の意見も聞きながら、専門的知見を生かした支援や働きかけを行っていく必要があると考えております。
51: ◯議長(園山繁) 出川議員。
52: ◯出川桃子議員 また、新法では、都道府県が民間団体と協働して支援を行うことが規定されています。女性に寄り添った支援を行っていく上で民間との連携は必須となりますが、民間は手弁当で、しかもリスクを自己責任として引き受けながら支援しているのが実情です。民間団体の強みを生かした自主的な活動が持続できるよう、行政は民間への支援を充実させることがより重要になると思います。
県における民間団体との連携、協働の在り方、支援方針についてお聞かせください。
53: ◯議長(園山繁) 安食健康福祉部長。
54: ◯健康福祉部長(安食治外) 民間団体による支援には、気軽につながりやすい居場所の提供、SNSによる相談、民間シェルターでの一時保護など、行政機関では手が行き届きにくい柔軟なサポートや対応のきめ細かさといった強みがあります。一方で、障がいがある方への日常的で長期にわたる専門的な支援や生活に困窮しておられる方への自立に向けた住まいの確保、就労支援といった継続的な支援など、民間団体が自主的に行われる活動としてはマンパワーや時間に限界があるといった課題も伺っております。
このため、例えば民間団体では行政機関への相談をためらう方へアウトリーチによる支援を行い、行政機関においては継続的な自立支援として、住まいなどの生活基盤を確保したり就労支援を行うなど、県といたしましては、民間団体と行政機関がお互いの強みを生かして、足りない部分は補い合いながら協働して取り組むことにより、民間団体の柔軟性や人材、知見、ネットワークを生かした活動がしていただけるよう支援してまいりたいと考えております。
55: ◯議長(園山繁) 出川議員。
56: ◯出川桃子議員 よろしくお願いしたいと思います。
さて、目の前の困難に直面する女性を支援することももちろん大切でありますが、女性の抱える困難とは一体どこから生まれてくるのでしょうか。その困難が生まれる構造的な課題の解消に向けて取り組んでいくことが最も重要だと思います。
県の基本計画素案の基本目標Iには、女性が困難を抱えることの背景には女性を取り巻く社会の構造的な課題があることの理解が必要と記載されています。
女性を取り巻く社会の構造的な課題について知事はどのように認識されているのか、お伺いいたします。
57: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
58: ◯知事(丸山達也) 今の女性の方々を取り巻く様々な問題については社会的な構造が影響しているという認識は、議員と同一でございます。
男女比較の話を冒頭申し上げますと、女性が男性に比べて困難な問題を抱えることが多い背景には、男女の雇用、賃金、待遇における実態上の格差などがありまして、そういった状況に置かれた女性の方々というのは男性に比べて失業や離婚、病気などのときの生活面、経済面で困窮しやすく、経済的な自立が難しくなってしまうという構造的な課題があると認識をいたしております。
ただ、この問題の難しさというのは、じゃあ男性は何の問題も抱えてないかというと、今は所得階層は二分化してます。雇用が不安定化してるというのは男性も女性も同じです。ですので、実はその男女の格差を解消するだけでは、男性の課題の水準はそのまま残ります。それは貧困がないという世界ではありません。社会全体の所得階層の二分化、また所得再配分機能の低下とか、そういった男女に共通した課題も解決していかないと、議員お取り組みのような食べ物に困っておられる方々をなくしていくという根本的な課題の解決はできませんので、男女共通する課題を解決しながら、女性がさらに負っておられる課題を解決していくということが必要であるという認識でございます。
59: ◯議長(園山繁) 出川議員。
60: ◯出川桃子議員 女性を取り巻く構造的な課題を解消しないことには、困難を抱える女性を再生産することになりますので、共通認識を持てたことをまずはうれしく思います。
さて、昨年12月に発表されました人口移動報告によりますと、東京都は転入超過となる一方、島根県を含む40都道府県では人口が流出する転出超過となり、東京一極集中が再び加速したことが鮮明になりました。特に女性の東京圏への転入超過数は男性を上回って推移しており、島根県の人口動態報告においても若年女性の流出に歯止めがかからない状況が続いております。言うまでもなく子どもを産む可能性のある若い女性が多く出ていってしまえば、地方は少子化と人口減少に拍車がかかるばかりです。
今年1月、民間有識者でつくる人口戦略会議が人口減少下の日本が取るべき戦略、人口ビジョン2100を発表し、岸田首相に提言しました。この提言では、国の人口減少対策に効果が出ていないことに対し、これまでの取組に欠けていたことの一つに、若者、特に育児負担が集中している女性の意識や実態を重視し政策に反映させるという意識が不十分であったと言及をされました。副議長を務める元総務大臣増田氏からは、若者が東京に行くことを嘆く人は多いが、原因は地方に暮らす自分たちがつくっていることに気づいてほしいとの厳しい言葉もありました。
そこで、若者や女性の意識、実態がどういったところにあるのか、各種全国調査や島根県政世論調査などを踏まえ、幾つかお伺いいたします。
まず、最新の人口問題基本調査によりますと、独身女性が理想とするライフコースの第1位は、結婚し子どもを持つが仕事も続ける両立コースとなっております。島根県の女性の就業率はおよそ8割と、全国的に高い水準にあるものの、県政世論調査において女性が働き続けていくことについて現在どのような状況にあると思いますかとの問いに対し、当事者である女性は、働き続けにくいが働き続けやすいを若干上回る回答をしています。また、働き続けにくいと答えた20代の女性に、女性が働き続けていく上で障害となっているのはどのようなことだと思いますかと聞いたところ、およそ8割の人が結婚、出産退職の慣行があることと回答しています。キャリア形成を希望する女性にとって、結婚や出産をリスクと捉えていることがうかがえます。
女性にとって結婚や出産がリスクになってしまうと、未婚化を進行させ、ひいては少子化につながってしまいます。女性が理想とする両立コース実現のためにはこのリスクの解消こそが肝腎と思われますが、リスク解消に向けた今後の取組についてお伺いいたします。
61: ◯議長(園山繁) 日下女性活躍推進統括監。
62: ◯女性活躍推進統括監(日下純子) 今年度の県政世論調査によりますと、働き続けにくい、どちらかといえば働き続けにくいと回答した20代の女性は36%であり、そのうち77.8%の方が、働き続けていく上で障害となっていることとして、結婚、出産退職の慣行があることを理由の一つに挙げておられます。
県では、女性が結婚や出産によりキャリアを中断することなく安心して働き続けることのできる環境づくりを進めるため、夫婦間で家事分担を行うための家事手帳、パパの育児手帳の配布やそれを活用した両親セミナーの開催を通じて、男性が家事や育児、介護に携わることが当たり前となる社会の実現に向けて取り組んでおります。来年度は、これらの手帳の内容の充実させ増刷するとともに、手帳の内容を学べる動画の制作を行う予定です。
また、企業に対しましては、経営者、管理職の意識、行動改革を図るイクボスセミナーや企業内子育て支援セミナーなどを開催し、社員の仕事と家庭の両立を応援する企業が県内に広がるよう取り組んでおります。来年度にはイクボスセミナーの実施回数や会場を見直し、これまでに参加いただけていない企業にも広く呼びかけるとともに、個別の相談にも対応するなど、企業への取組への支援を充実させてまいります。
63: ◯議長(園山繁) 出川議員。
64: ◯出川桃子議員 少子化対策におきましては、対象となる若者、特に女性の意識や実態を重視し反映させる意識を持つことが大切だと改めて申し上げまして、次の質問に移ります。
次に、日本には世界一とも言われる充実した男性の育児休業制度があるにもかかわらず、男性の取得率は低くとどまっております。令和5年度調査の速報値によりますと、島根県の育児休業制度の利用割合は、男性は27.2%、女性は92.4%となっております。また、取得期間については、今後最新の調査結果が待たれますが、男性は女性に比べると大幅に短い傾向にあります。依然として女性が育児の中心的役割を担う状況が認められ、女性がキャリア継続を中断するリスクを負っていることがうかがえます。
中小企業が大半を占める島根県において、男性からは、幾ら制度があっても職場の理解が得られない、義務化でもされない限り無理という声が聞こえてまいります。ドイツでは女性の育休期間が男性よりも長くならないよう、父親が取得しなければ給付金を受ける権利を失うなど、取らなければ損という設計で男性育休を当たり前にしたそうです。
島根県において男性の育休取得率が低く、取得期間が短い要因をどのように分析しているのでしょうか。また、今後男性が育児休業を取得するのが当たり前という社会にするにはどのような施策をお考えなのか、お伺いいたします。
65: ◯議長(園山繁) 日下女性活躍推進統括監。
66: ◯女性活躍推進統括監(日下純子) 男性の育児休業取得率が低い理由として、男性が育児休業を取得することについて職場の理解が十分ではなく取得しづらい雰囲気があるなど、職場環境が整っていないことが考えられます。また、男性の家事、育児への意識やスキルが低く、家庭における夫婦間での家事、育児の分担が進んでいないため、女性に負担が偏っている現状も、男性の低い育児休業取得率や短い取得期間に影響しているものと思われます。
こうしたことから、今年度は男性の育児休業取得促進のための特設サイトを開設いたしました。このサイトでは、男性が育児休業を取得できる企業は業務改善が進み、人材の確保や定着につながるといったメリットや企業における事例等を紹介したり、家庭での家事、育児の分担や産前産後における妻へのケアなど、育児休業についての男性向けのポイントを掲載しており、併せて啓発チラシや新聞、CM等、様々な媒体を通じた広報も行うこととしております。また、今月中には男性の育児休業の制度や重要性を理解し取組を進めていただくための社内研修用の動画が出来上がりますので、企業での活用を促すとともに、特設サイトにも掲載して広く周知を図る予定としております。
引き続き、男性の育児休業取得を企業の経営者、管理職や同僚など社会全体で応援する機運の醸成に向けて取り組んでまいります。
67: ◯議長(園山繁) 出川議員。
68: ◯出川桃子議員 男性育休のことですけれども、2日間取得するなど、短期の取るだけ育休にならないよう、実効性のある取組を行われますことを期待しております。
再度県政世論調査の結果に戻りますが、男性が家事、育児、介護などを積極的に行うことについてどう思うかとの問いに対し、男女ともにどの年代でも賛成と回答している割合が一番大きいにもかかわらず、現実は家事、育児など、いわゆる無償労働の時間は女性が男性の3倍となっております。しかし、6歳未満の子どもを持つ世帯の男性の家事従事時間が短い理由として、男性が長時間労働や休暇が取りづらい働き方をしているという回答者が多く、男性が幾ら家事や育児に関わりたいと思っても関われない状況にあることがうかがえます。
また、男性の家事、育児への参画を進めるために行政が取り組むべきこととして勤務先の働き方改革の推進と回答している割合が男女ともに6割を超えています。県民の意識は変わってきていますが、個人の努力ではもうどうしようもないからこそ行政への期待が込められているのだと思います。県内企業にとってもプラスになるような、従来よりも踏み込んだ新たな施策を講じることが求められているのではないでしょうか。
県政世論調査の結果を受けて、今後民間企業の働き方改革の推進のために県としてどのような施策に取り組むべきとお考えか、お伺いいたします。
69: ◯議長(園山繁) 日下女性活躍推進統括監。
70: ◯女性活躍推進統括監(日下純子) 企業の働き方改革が進むことで時間外勤務の削減や有給休暇の取得促進につながり、誰もが仕事と家庭の両立が可能となり、企業の人材確保にもつながっていくものと考えます。
そのため、先ほど答弁しましたとおり、イクボスセミナーの取組を充実させてまいります。また、イクボスセミナーは、県と経済団体や労働団体など関係機関で構成するしまね働く女性きらめき応援会議と協働で実施しており、引き続き官民連携によりイクボスの精神が県内の企業に広がるよう取り組んでまいります。
71: ◯議長(園山繁) 出川議員。
72: ◯出川桃子議員 多様性が尊重され、若者や女性が希望を持って働ける環境づくりに向けて県の強いリーダーシップの発揮を期待して、最後の質問に移ります。
全ての女性が輝く社会を目指し、いわゆる女性活躍推進法が公布され、およそ10年がたちます。女性活躍という言葉に抵抗感を感じる女性も多く、女性活躍と検索すると、トップにうんざりと出てくるのを御存じでしょうか。日本ではいまだに長時間労働を中心とした労働慣行や女性への家事、育児など無償労働時間の偏り、それらの根底にある固定的な性別役割分担意識など、構造的な課題が存在します。その構造が維持されたまま女性活躍がうたわれていることに女性たちはうんざりしているのではないでしょうか。
令和元年度の男女共同参画に関する県民の意識調査によりますと、男女の地位は平等になっていると思うかの問いに対し、男性のほうが優遇されているとする回答は男女合わせて全体で約8割と、大変残念な結果となっております。
女性は、特別扱いをしてほしいと望んでいるわけではありません。公平に扱ってほしいと望んでいるのではないでしょうか。女性活躍は女性だけの問題ではなく、同時に男性自身も生きやすい社会になるために、女性、男性双方が主体的に考えて行動していく必要があると思います。
これから第2期島根創生計画を策定するための検討が行われるものと思いますが、島根県において女性活躍を推進する目的とその意義について改めて知事にお伺いいたします。
73: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
74: ◯知事(丸山達也) 何のサイトでそういうふうに出てくるのか私は知りませんけれども、日本全国ではそう思われてるんでしょうね。
私は常に、最初の御答弁でも申し上げましたとおり、女性だけが働きやすい職場はないと。男性も女性も働きやすい職場をつくって、その上で女性が抱えておられる特有の課題もクリアするということが男女ともに働きやすい職場だというふうに申し上げております。女性活躍と言ったときに、私は男性が変わることが女性活躍の課題だと口酸っぱく申し上げておりまして、私はそういうことを言われる筋合いは全くないと申し上げておきます。日本全体が誤解しているということがあるかもしれませんけれども、島根県政としてそういった誤解はしておらないというのが我々の自意識でございます。それを県民の皆様に十分御理解いただいてないという要素があるのであれば、その改善に努めていかなければいけないというふうに思っておりまして、そういった誤解の解消を含めて、何度も申し上げますけれども、女性が抱えておられる特有の課題を解決したとしても、これだけ非正規労働が拡大をし、若者が将来不安を抱えているという状況が改善されなければ、男性と同じレベルの将来不安を抱えるという構造は変わりません。
したがいまして、2段階の問題として、男性も女性も抱えている問題を改善していく。それが男性の育休の取りやすさということだというふうにも思いますし、男性が育休を取りやすい環境をつくっていくということが、女性が仕事と家庭の事柄を両立しやすい状況につながっていく。基本的にはその家事労働、家事、介護、子育ての時間の負担の割合が男性1に対して女性が3倍になってるということは数字で出ておりますので、それを改善していくには男性が家庭周りのことをもっとちゃんと取り組む時間に充てていくということが課題でありまして、その改善に向けてイクボスセミナーや企業の経営者の皆様に対する啓発を進めているところでございます。
もう一つ申し上げますと、退職慣行の話がありましたけれども、もう率直に申し上げて、そんなことをやっている会社は退職された後の退職補充ができない会社なので、自然と消滅していかざるを得ませんので、そんなことをいまだに続けているようであれば、もうその会社の将来はないということは明らかであります。今人が採れなくてこれだけ大変だと言っている企業が、せっかくその仕事を覚えてもらった女性を結婚や出産を契機として退職してもらうなんていう扱いをしているようであれば、その会社の未来はないと。これは私、企業の経営者向け、管理職向けのセミナーがあればはっきり申し上げます。そういう状況というのはよくも悪くもこの人手不足感で自動的に解消されていく部分も多分にあるんじゃないかと思いますけれども、意識の問題で残るようであれば、そういったものの改善をきちんと啓発をしていきたいというふうに思っているところでございます。
75: ◯議長(園山繁) 出川議員。
76: ◯出川桃子議員 ただいま知事から、男性が変わることが女性活躍であると非常に力強い言葉をいただき、ありがとうございました。
さて、今年、令和6年でございますけれども、昭和の元号に直すと昭和99年だそうでございます。私は、地方創生の実現というものは、昭和モデルの社会構造から脱却をし令和モデルに転換することにほかならないと思っております。島根県が全国に先駆け令和モデルに転換されていくことを祈念して、質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手)
77: ◯議長(園山繁) 岸議員。
78: ◯岸道三議員 民主県民クラブの岸道三でございます。
事前通告に従いまして、大きく本日は2点の質問をさせていただきます。代表質問、一般質問、そして昨日から始まったこれまでの一問一答質問、重複する部分もあろうかとは思いますが、それぞれ御答弁をいただきますようよろしくお願いをいたします。
初めに、人口減少対策についてお伺いをいたします。
昨年の暮れ、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が公表した地域別の将来推計人口によりますと、島根県の人口は、2020年に比べまして2050年には26%減少し、50万人を割ると予想されています。中でも奥出雲町、津和野町では人口が半数以下になる見通しとなっております。また、高齢化率も5.5%増加して39.7%となり、雲南市、奥出雲町、津和野町では高齢化率が50%を超え、少子高齢化が一層進むと見込まれております。
また、先週のところで昨年の出生数の速報値が厚生労働省から公表されています。これによりますと、昨年の出生数は過去最少の75万8,631人で、婚姻件数も戦後初めて50万組を下回り48万9,281組となっているという報道がありました。これは、推計よりもおよそ12年早いスペースで少子化が進んでいることを示しております。
最初に、島根県の人口動態の現状について政策企画局長にお伺いいたします。
79: ◯議長(園山繁) 石原政策企画局長。
80:
◯政策企画局長(石原恵利子) 令和5年10月1日現在の島根県の推計人口は64万9,235人で、前年と比べ8,607人の減、率でいうと1.31%の減となっております。これを圏域別で見ますと、出雲圏域が5,034人の減で1.1%の減、石見圏域が3,304人の減で1.84%の減、隠岐圏域が269人の減で1.44%の減であり、石見、隠岐圏域の減少率が大きくなっております。
また、県全体の自然動態、社会動態の状況につきましては、自然動態が出生数4,012人、死亡数1万578人で6,566人の減、社会動態が県外転入1万2,485人、県外転出1万4,526人で2,041人の減となっております。
81: ◯議長(園山繁) 岸議員。
82: ◯岸道三議員 人口動態の推移につきましては、平成22年から平均して約5,000人の減少が続いておりましたけれども、令和5年は先ほどあったように8,607人という減少幅です。減少幅が大きくなっていることから、このまま加速度的に人口減少が進むのではないかと危機感を抱いております。
人口の減少幅が大きくなりつつある現状をどう捉えているかについてお伺いをいたします。
83: ◯議長(園山繁) 石原政策企画局長。
84:
◯政策企画局長(石原恵利子) 自然動態、社会動態別に見ますと、自然動態の推移につきましては、出生数は平成22年に5,726人で、平成29年まで5,000人台でしたが、平成30年以降は4,000人台で、年々減少しており、令和5年は4,012人となっております。死亡数につきましては、平成22年は9,053人でしたが、増加傾向にあり、令和4年は1万155人、令和5年は1万578人で、死亡数の増加幅が特に大きくなっております。これは、若年層が少なく高齢者が多いという年齢構成の偏りによるものと考えております。
社会動態につきましては、県内企業の経営状況などの影響もございますが、若者の県外への進学や就職による転出超過が続いており、社会減の状況となっております。
人口の減少幅が大きくなりつつある現状は自然減少の影響が大きいと考えております。
85: ◯議長(園山繁) 岸議員。
86: ◯岸道三議員 出生数が少なくて、そして死亡者数も多くなっているという現状については分かりました。
要因は一つだけではないような気がしますけれども、先ほど答弁がありましたように、人口動態を見てみると、出雲圏域に比べまして石見圏域、隠岐圏域の減少率が高くなっております。人口減少に対する危機感については東部圏域の比ではないというふうに考えております。
石見圏域、隠岐圏域につきましては、丸山知事となって以降、石見の日あるいは隠岐の日を設定しまして住民の声を吸い上げるなど、努力をされてきたとは思いますが、さらなる人口減少対策の強化が望まれるというふうに思っています。
これまでの石見圏域あるいは隠岐圏域における人口減少対策の評価と課題についてお伺いをいたします。
87: ◯議長(園山繁) 石原政策企画局長。
88:
◯政策企画局長(石原恵利子) 石見圏域、隠岐圏域では、若者の流出などによる人口減少や高齢化の進行に伴う産業の担い手不足など、中山間、離島地域が抱える課題が顕在化しており、石見の日、隠岐の日などにおきましても、県民の皆様から知事に若者の働く場の確保や社会基盤の整備を進めてほしいなどの御意見や御要望をいただいております。
これまで農林水産業の振興、企業立地の推進、美肌や世界遺産、日本遺産を活用した観光振興など産業の振興を進めるほか、道路網や港湾、漁港の整備、隠岐航路や航空路の確保、情報通信網の整備などを進めてまいりました。引き続き、新たな産業が生まれ地域が活性化するよう、また課題の一つ一つに向き合いながら島根創生の取組を進めてまいります。
89: ◯議長(園山繁) 岸議員。
90: ◯岸道三議員 ありがとうございました。
様々な、石見、隠岐圏域におきましても、インフラ整備であるとか、特に美肌の関係で島根県のPRをしていただいてるというふうに思っていますけれども、人口減少幅が急激に落ち込んでいるのが気にかかるところであります。
人口減少につきましては、島根を次世代へ引き継いでいく中で様々な影響を及ぼすというふうに考えています。人口減少に歯止めをかけ、笑顔で暮らせる島根を築いていくためにも、将来にわたって人口を安定させていかなければならないというふうに考えています。
人口減少が地域社会に及ぼす影響についてどのように捉えているのか、お伺いをいたします。
91: ◯議長(園山繁) 石原政策企画局長。
92:
◯政策企画局長(石原恵利子) 人口減少による具体的な影響として、農林水産業や商工業などの担い手が不足し、地域産業や地域経済の縮小につながる、保健福祉サービスに必要な従事者の確保が困難となり、医療や高齢者への介護サービス、子育て世帯への保育サービスに支障が生じる、そして人口が減少する地域では地域内の消費が縮小し、商店、公共交通などの日常生活に不可欠な民間サービスの提供や確保が困難になる、さらには地域での日常的な見守り活動をはじめ自治会や消防団などの地域活動や地域文化の伝承にも影響を及ぼすといったことが想定されます。このように、人口減少が進めば、次第に地域から活力が失われ、社会生活におけるサービスも低下する上にさらなる人口流出を引き起こすという悪循環に陥るおそれがあると考えております。
93: ◯議長(園山繁) 岸議員。
94: ◯岸道三議員 ありがとうございました。
実に様々な影響を与える県の施策そのものだというふうに思うんですよね。先ほど挙げられた以外にも、国際競争力の低下であるとか社会保障制度の給付と負担のバランスが崩れる、あるいは税収が少なくなるわけですから財政の危機っていうのも当然生まれてくる。実に様々な影響が生まれてくるんであろうというふうに私は考えています。
島根創生計画の中では、2024年度までに合計特殊出生率を1.86、人口の社会移動をマイナス311人とする数値目標が掲げられております。少子高齢化が進行している中、一定程度の自然減は今後も進むことが予測されますが、いかにして社会減を抑制あるいは増加へと転じていくのかが人口減少に歯止めをかけるための今後の重要なキーポイントになると考えております。
数値目標における現状と評価についてお伺いをいたします。
95: ◯議長(園山繁) 石原政策企画局長。
96:
◯政策企画局長(石原恵利子) 島根創生計画で目標としております2035年に合計特殊出生率2.07、2030年に人口の社会移動の均衡に向けた年次ごとの数値と実績を比較いたしますと、合計特殊出生率は令和4年の数値は1.82であるのに対し、実績は1.57、人口の社会移動は令和5年の363人の減に対し、実績は2,041人の減という状況でございます。
長期の数値目標について、年次ごとの数値に届いておらず、人口減少が想定よりも進んでいることにつきましては、実質賃金の減少などを背景とした若い世代の方々の将来不安の拡大や東京一極集中の加速など、全国共通の課題も要因になっていると考えております。人口減少に歯止めをかけるためにも、引き続き島根創生計画に掲げる施策を一層推進していく必要があると考えております。
97: ◯議長(園山繁) 岸議員。
98: ◯岸道三議員 人口減少に打ち勝つためには、特に若い世代の育成は不可欠だというふうに思っています。誰もが自分の希望をかなえられる環境づくりが必要だと考えます。中でも島根の経済を支える産業振興を図ることで雇用の場を確保し、若者の県内就職を促進すること、そしてUIターンの促進などにより、島根で働き、また島根に戻ってくる、あるいは島根に新たに定住する若者を支援していく取組が重要だと考えております。
若者の県内就職の促進につきまして、これまでの施策の評価と課題、今後の取組について商工労働部長にお伺いをいたします。
99: ◯議長(園山繁) 新田商工労働部長。
100: ◯商工労働部長(新田誠) 若者の県内就職を促すためには、できるだけ早い時期から県内の企業で働く方々と接し、仕事内容への理解を深め、キャリアパスを思い描き、さらに島根で働き、島根で暮らす具体的なイメージを持つ機会を増やしていただくことが大事だと思っております。
そこで、特に学生に対しては主な取組として、高校生に向けては高校のキャリア教育と連携した企業ガイダンスなど、大学生等に対しては県内での多くの就活イベントに加えまして、県内や県内出身の学生が多く在籍しておられる県外の大学などでも企業との交流会や学生相談などを実施しております。
最近の県内就職率は、令和元年度と令和4年度の比較で見てみますと、高校生が3.9ポイント増の78.9%、県内の大学生等は5.3ポイント増の34.7%、また県出身で県外の大学に在籍しておられる学生等につきましては3.6ポイント増の30.2%と、いずれも増加しておりますが、僅かでありますが改善が見られるという状況であります。
しかし、例えば就活イベントの開催一つ取りましても、県は多くのイベントを主催する立場でありますけれども、近年は学生を集めるのはなかなか難しいといった実感もありますし、大学からも学生に届く情報が多過ぎて伝わりづらいのではないかといった意見もいただいております。加えまして、企業側でも採用活動自体にもう少し工夫を凝らす余地があるんではないかといった声も聞いておりますし、そういったことが課題であると思いますので、今後こうしたイベントを開催していく中で成果と課題を検証し、改善点や新たな手法がないか考えてまいりたいと思います。
101: ◯議長(園山繁) 岸議員。
102: ◯岸道三議員 ありがとうございました。
課題は多々あるにしても、先ほどおっしゃっていただいた、県内高校生からの県内就職、大学生からの県内就職、これはいずれも伸びてるっていうことで、私はその部分を評価をしたいというふうに思っております。
また、UIターン者への支援についても、これまでの施策の評価と課題、今後の取組について地域振興部長にお伺いいたします。
103: ◯議長(園山繁) 藤井地域振興部長。
104:
◯地域振興部長(藤井洋一) Uターン、Iターンの促進については、仕事や暮らしに関する情報提供、丁寧な相談対応のほか、島根の暮らしを体験する機会の提供などの取組をふるさと島根定住財団や市町村と連携して実施しております。主な取組としましては、産業体験事業や無料職業紹介事業などの就業マッチング支援、県外事務所等に専属の相談員を配置した移住相談への対応、県外における移住フェア等の相談会などを実施しております。
しかしながら、Uターン、Iターン者数は近年3,500人前後で推移しており、目標で掲げる4,000人台との乖離が生じております。Uターン、Iターンの取組は様々な施策の総合的な結果として現れるものであり、何かをすればすぐに結果が出るというものではありません。このため、これまでも試行錯誤を繰り返しながら様々な施策に取り組んでおります。例えば例年県外で開催している総合相談会、しまね移住フェアですが、今年度、東京では461人の来場がありました。来場者の内訳を見ると、Uターン、Iターン別ではUターンの方が22%で、年代別では20代の参加者は12%と、県内出身者の若年層の参加が少ないという状況にあります。このため、来年度予算では、20代、30代の県外企業に勤める県内出身者を対象に、転職や仕事といったキーワードを通じて県内企業と出会うことのできるイベントを東京、大阪で開催する提案をしております。
引き続き、地域や年代、出身者の方かどうかといった属性に応じた施策を検討、立案、実施し、その効果検証を行うとともに、今年度実施をしました移住者意識調査の結果も踏まえながら、より効果的なUターン、Iターン施策を実施してまいります。
105: ◯議長(園山繁) 岸議員。
106: ◯岸道三議員 ありがとうございました。
いろいろ課題はあるにしても、年々検証しながら、試行錯誤しながら、変えてきてらっしゃるということで、その取組が大事だというふうに思っていますので、年ごとに検証し、よりよい方向に向かっていっていただきたいなというふうに思っています。
また、結婚や子育てを希望する人がその希望を実現できるように、子育て支援、結婚支援などの施策を通して子育てをしながら働きやすい環境づくりを進めるなどの取組も重要であると考えています。
結婚、子育て支援などにおける施策の評価と課題、今後の取組について健康福祉部長にお伺いをいたします。
107: ◯議長(園山繁) 安食健康福祉部長。
108: ◯健康福祉部長(安食治外) まず、結婚支援につきましては、県内の婚姻件数が年々減少する中、はぴこやしまコを活用した件数は令和3年度に過去最高となり、現在も高い水準で推移をしております。産前産後の支援につきましては、家事、育児援助や産後の専門的ケアについて県が新たに支援を行ったことをきっかけとして、全市町村で取組が進んでおります。子育て支援につきましては、放課後児童クラブの受入れ数が当初見込んでおりました待機児童数を大幅に上回る増加となり、利用時間を延長するクラブも増加しております。
このように、結婚、妊娠、出産、子育ての希望をかなえる環境の整備が着実に進んでいると考えておりますが、全国の傾向と同様に県内でも出生数の減少が続き、少子化に歯止めがかかっていない状況にございます。このため、来年度予算案では、若い世代の方が婚活に動き出すためのきっかけとなるようなSNSを活用した情報発信を強化すること、妊娠期から育児期までの伴走型相談支援の充実に取り組む市町村を支援すること、常勤の支援員を2名以上配置する放課後児童クラブに対する運営費補助を増額することなどの予算案を今議会に提案しているところです。
109: ◯議長(園山繁) 岸議員。
110: ◯岸道三議員 人口減少対策につきましては島根県としても様々な施策により対応されてきましたが、人口減少には歯止めがかかっていないのが現実であろうかというふうに考えております。経済的な不安から将来に希望が持てない社会の実情が結婚に対する未婚化や晩婚化、子どもを2人、3人と持つことをためらう要因ともなっているというふうに思います。また、島根県のように財源に乏しい地方にとっては、独自の施策にも限りがあるのではないかというふうに思っています。
最後に、国立社会保障・人口問題研究所による島根県の将来人口の推計見通しに対する所感、人口減少に歯止めをかける決意について丸山知事にお聞きしたいと思いますが、この関連、この質問に関しては今までも何回もありましたので、一歩踏み込んだ答弁を期待しておるところでございますんで、よろしくお願いいたします。
111: ◯議長(園山繁) 丸山知事。
112: ◯知事(丸山達也) 議員、冒頭に御紹介いただきましたこの国立社会保障・人口問題研究所いわゆる社人研と言われる組織の、厚生労働省の関連の組織の人口推計は、令和2年の国勢調査の結果を基に推計されたものでございまして、具体的に御紹介いただきましたとおり、30年後の推計人口というのはマイナス26%となる。これは2020年の人口を100とすると、指数で言うと74.1になるという状況になっております。この数字が50万人をやや下回るという数字の実数になっているというところでありますけれども、この指数、つまり減少率につきましては全国で30番目の立ち位置でございます。また、同じく2050年の15歳から64歳まで、いわゆる労働力人口と言われる人口の推計人口というのは、この2020年、令和2年を100とした指数で68.6ですので、ほぼ3分の2になるという数字ですけれども、この数字は全国で16番目の数字であります。
国全体を見ますと、人口のこの総数の指数は83という数字、マイナス17%という数字でありますけれども、都道府県別に見ますと東京都のみが100を超えて102.5、沖縄県が94.8、神奈川県が92.3、千葉県が90.5、埼玉県が90.3という状況でございます。首都圏の人口の全国シェアというのは、2020年の29.3%であったものが2050年には33.7%、3分の1を超えるということになっておりますので、東京のみならず首都圏への一極集中が加速するという推計になっておりますので、その是正が不可欠であると考えております。個別の地方の一県の取組で実現できる問題ではありませんので、政府に必要な対策の検討、実施を強く求めていく必要がございます。
冒頭の数字に戻りますけれども、30年後の数字は74.1と、全国平均の83.0を下回っておりますけれども、人口の全国順位は2020年、今と同じ46番でありますけれども、2030年には45位、2045年には44位となると見込まれております。このことは、合計特殊出生率が2.07に至らないとしても、全国の平均の数字よりも高い水準を維持し続けること、そしてその流出を抑えるという意味で、社会増減が均衡するには至らないとしても少しでも縮減をしていくことというのは、いわゆる複利の世界で積み重なることで全国における島根県の立ち位置は改善していく見込みがあるということを示している推計であります。
したがいまして、この目指すべき目標を定めて、その達成に向けて必要な施策を考えて取り組むということはその結果につながっていくものだと思っておりまして、もともと人口が少ない島根県はもっと上位にいます他県よりも強い危機感を持って取り組んでいかなければいけないと考えているところでございます。
全国の合計特殊出生率は令和4年度が1.26でありますけれども、実はこの数字は平成17年に1.26ショックと言われる数字として一度出た数字でありまして、このときは児童手当の拡充などの対策とかエンゼルプラン、保育の充実などを取り組まれて、実は平成27年まで1.26だったものが1.45まで上がっています。何となく今の状況というのは下げ止まらないという何か諦めの感が強い感じがしますけれども、現実に多分1.26から、令和5年は出生数がこれだけ減ってますからもう一つ下がります。これは多分確実だと思いますけれども、上がらない数字ではない。
つまりこれは、出生、出産というのは人がなすことでありますから、これは天気とか気象の問題じゃなくて、人がその気になるかどうかということの積み重ねであります。日本社会が若い人たちにそういう気にさせていないという状況を改善していくということでありまして、島根県として私の個人的な思いを申し上げますと、正直申し上げまして、政府の施策の拡充で児童手当のある意味は大幅な拡充がなされましたので、経済的支援というのはある程度拡充されるということで、県単独としての子育て世帯の負担軽減まで追加をする必要があるかどうかというのは状況をいっとき見る必要があるのではないかと当初思っておりましたが、今申し上げました平成17年の国民負担率は36.2%でしたが、今の足元、令和5年は46.8%です。10ポイントも国民負担率が上がっているという状況で、私自身もそうで、私も教育をイメージしたり子育てをイメージするときに自分の経験をどうしても当てはめますけれど、やっぱりタイムラグがあって、ベースが大分変わっている。10ポイントも可処分所得、得られている所得の中から自由に使えない割合が上がっていたら、子育てに充てる原資が大幅に減っているということですので、やはりもう一段、島根県、また島根県の市町村と一緒になって経済的負担の軽減を取り組まないと、島根県の数字も下落傾向が続いておりますので、反転させるに至らないのではないかという危機感を持って、今回御提案をさせていただいてるところでありますし、いろいろ課題も御指摘をいただいておりますけれども、
安来市内に大きな事業所の立地の可能性があるということであれば、県政として対応できる範囲でチャレンジをして、いい結果が出るように取り組んでいきたいというふうに、これまでとの延長線上の取組ではありますけれども、もう一段取り組んでいくということが必要であると考えておりまして、そういったことについて県議会の皆様、また市町村の皆様をはじめ関係者の皆様方、県民の皆様の御理解をいただきながら取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
113: ◯議長(園山繁) 岸議員。
114: ◯岸道三議員 ありがとうございました。
先ほど知事のほうからも様々な事柄について言及がありました。子ども医療費の拡充であるとか、企業立地であるとか、様々な施策を結びつけて、10年後、20年後の45位、44位という話もありましたけれども、これは推計でありますので、それ以上に島根県の順位が上がるような施策を推進していただきますようお願いをいたしまして、次の質問に移りたいと思います。
次に、水害に備えた県管理河川の整備についてお伺いをいたします。
近年、排水の能力を超える大雨の発生回数が過去にないほど多くなっていると同時に、災害が激甚化をしております。島根県内におきましても、令和3年、令和5年と、道路冠水や家屋への浸水など大きな水害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。周りよりも地盤が低い地域はもとより、流入河川が増水して浸水を引き起こすケースも見受けられております。また、近年の大規模な宅地開発に伴って河川に流入する排水路が増加することによりまして、新たに浸水するようになった地域も見受けられるところであります。
最初に、近年における水害発生地域の特徴、要因について土木部長にお伺いをいたします。
115: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
116: ◯土木部長(五十川泰史) 近年における県内の水害は、江の川の流域や県東部の平野部など、比較的河川整備の後れている地域で多く発生しております。
浸水被害が発生する要因といたしましては、河川整備の後れのほか、議員より御指摘のありました宅地開発などにより土地の保水機能が減少することも要因の一つと考えられます。
117: ◯議長(園山繁) 岸議員。
118: ◯岸道三議員 排水路などから流れ出る雨水は、市町村管理河川を通じて、その多くが県管理河川に流入して、最終的には海へと達しております。
県管理河川の総数及び総延長についてお伺いをいたします。
119: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
120: ◯土木部長(五十川泰史) 令和5年4月1日現在におきまして、県管理河川の総数は596河川、総延長は約2,690キロメートルとなっております。
121: ◯議長(園山繁) 岸議員。
122: ◯岸道三議員 洪水対策の抜本的な解決を図るためには、下流から川幅を拡幅をし、河川改修を行っていくことが必要となります。そして、その多くは県管理河川であり、整備を計画的に進めていく必要があります。水害が発生する河川につきましては、河川整備基本方針、河川整備計画などが作成された上で実際に河川改修に着手されているのが実情だと考えております。
河川改修に至るまでのプロセスと河川整備基本方針の策定数、そして河川整備計画の策定数及び河川工事を実施する河川数についてお伺いをいたします。
123: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
124: ◯土木部長(五十川泰史) 河川改修の上位計画である河川整備基本方針は、主要な地点における計画の流量や水位、おおむねの川幅など、長期的な河川整備の基本となるべき事項を定めるものであり、学識経験者の意見を聞いた上で決定をしております。また、河川整備計画は、河川整備基本方針に沿って20年から30年間程度の具体的な河川整備の実施に関する事項を定めるものであり、学識経験者に加え、地域住民や関係市町村の意見を踏まえて決定しており、河川改修はこの中で位置づけた河川工事を実施する河川において実施をしております。
県内の河川整備基本方針の策定数は、一級水系が3、二級水系が17の合計20で、河川整備計画の策定数は県が管理する河川で21あり、この中で河川工事を実施する河川の数は52となっております。
125: ◯議長(園山繁) 岸議員。
126: ◯岸道三議員 ありがとうございます。
県内でも河川改修が進みつつありますが、総延長の長いことから、その完成までには多額な経費と長い期間が必要となっております。また、河川流域の一部には、宅地化が進んで、改修しようにも余地がない地域も存在している現状もあります。限られた財源の中で優先順位をつけながら計画的に整備を進めていく必要があると考えています。
河川整備による防災・減災に向けての具体的な対処方針についてお伺いをいたします。
127: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
128: ◯土木部長(五十川泰史) 河川整備の方針につきましては、県土木部で令和2年度に策定いたしました今後10年間の公共土木事業の実施方針におきまして、江の川流域など近年発生した災害への対応及び県東部市街地の浸水対策を2本の柱として、優先的、重点的に取り組むこととしております。
一方、逃げ遅れによる被害をなくすなどのため、洪水浸水想定区域の指定、公表や水位計河川監視カメラの増設など、ソフト対策の充実にも取り組んでおります。
さらに、近年は、流域に関わるあらゆる関係者が協働して被害を軽減させる流域治水にも取り組んでおり、引き続き関係機関と連携して、ハード対策とソフト対策を一体的、計画的に進めてまいります。
129: ◯議長(園山繁) 岸議員。
130: ◯岸道三議員 ありがとうございます。
ハード対策とソフト対策、両方行いながら防災・減災に努めていただきたいなというふうに思います。
大雨による道路冠水や家屋への浸水が発生する地域では、長時間の雨が降り続いた場合には避難せざるを得ない状況が生じることとなり、居住する住民にとっては、大雨となるたびに不安を抱えているのが実情だというふうに思っています。
地域住民の不安を少しでも解消していくためには、老朽化した護岸の補修などのほか、河道内のしゅんせつや草木の伐採、調整池の設置、ボトルネック地点の解消などの応急的な措置を講じて被害を最小限にとどめていくことが重要であると考えております。島根県と市町村が連携して、地域の実情に応じて共に考え、改善策を見いだしていくことが必要だと考えます。
現状における応急措置などへの対応とその実績についてお伺いをいたします。
131: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
132: ◯土木部長(五十川泰史) 県では、大雨による水害に備えまして、定期的な河川の巡視、点検などにより把握した状況を踏まえ、治水上の緊急性や重要性の観点で対策が必要な箇所につきまして、護岸のかさ上げや河道内の樹木伐採、堆積土砂の掘削による流下断面の確保などの応急的な対応を行っております。
河道内の樹木伐採や堆積土砂の掘削工事の実績といたしましては、国の防災・減災、国土強靱化対策予算や緊急浚渫推進事業債などを活用した実績といたしまして、直近3年間では、令和2年度約13億円、令和3年度約14億円、令和4年度約15億円となっております。
133: ◯議長(園山繁) 岸議員。
134: ◯岸道三議員 ありがとうございます。
河川のしゅんせつであるとか河川のり面の除草などにつきましては、従来から様々な地域活動が継続され、現在でもその多くが地域の共同作業によって河川環境が維持管理されています。河川などの財産や施設の管理は多くが県や市町村の管理とされてはいますが、これらの公共施設は地域生活に密着して利用されていることから、日常的な除草や清掃などは地域住民が行っているところもあります。
私は、各家庭から排出された水は河川に流入し、最終的には海へと達することから、地域住民には適切に河川を使用し保全していく役割があると考えています。これらの環境保全のための除草などの環境整備活動に関しましては、島根県としてハートフルしまね、島根県公共土木施設愛護ボランティア支援制度であるとか、県単河川浄化事業があり、支援をしているところであります。
環境整備活動に関わる支援制度の内容と近年の実績についてお伺いをいたします。
135: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
136: ◯土木部長(五十川泰史) 議員より御紹介いただきました県の支援制度のうち、ハートフルしまねは、県管理河川などの施設で行っていただく草刈りや清掃美化のボランティア活動を支援するものであり、登録団体に対しまして、活動中に負傷した場合などの保険制度への加入のほか、活動に必要な経費の一部を助成しております。実績といたしましては、河川の登録団体では毎年約400団体、2万1,000人の皆様に活動を行っていただいており、直近3年間の助成額は令和2年度380万円、令和3年度379万円、令和4年度481万円となっております。
また、県単河川浄化事業につきましては、県管理河川の除草などを県と市町村が共同して行う事業であり、事業主体である市町村に対して費用の2分の1を県が負担するものであります。直近3年間の実績は、市町村の負担額を含めた事業費で令和2年度約3億3,000万円、令和3年度約3億3,000万円、令和4年度約3億5,000万円となっております。
137: ◯議長(園山繁) 岸議員。
138: ◯岸道三議員 ありがとうございました。
近年、従来から実施されてきた地域の共同活動が数十年前には行っていたが現在では行っていない、またこれ以上は限界があるとの声を多く聞くようになってきています。こうした地域におきましては、保全活動の意欲や助成金があるなしにかかわらず、高齢化と労働力不足が深刻な影響を与えています。このような傾向は今後ますます広がることが予測され、このままでは大切な河川、道路といった社会インフラが将来的に適切に維持できなくなることが懸念されます。こうした状況になれば、最終的に財産と管理を担う行政の経費負担は膨大なものとなるとともに、河川環境にも大きな影響を与えることは必至だというふうに考えます。
最後に、地域での共同活動が維持できなくなりつつある現状をどう考えているのかについてお伺いをいたします。
139: ◯議長(園山繁) 五十川土木部長。
140: ◯土木部長(五十川泰史) 河川や道路などにおける除草や清掃美化活動を地域の共同活動として継続的に行っていただくことは、住みよい環境を確保する上で重要と考えております。一方で、議員御指摘のように、高齢化や参加者の減少等により共同活動が年々難しくなっている地域があることは承知をしております。
県といたしましては、このような活動をできる限り実施していただけるよう、先ほど答弁いたしました制度により、引き続き地域の皆様の活動を支援してまいります。
141: ◯議長(園山繁) 岸議員。
142: ◯岸道三議員 よろしくお願いしたいと思います。
共同活動が困難になりつつある地域におきましては、これまで主に町内単位で行っていたものを地区単位で支えていく連合体であるとか共同組織などが必要ではないかと私は考えております。最も実情を把握している基礎自治体と島根県が連携し、持続的に河川環境整備が図られることを期待しまして、全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
143: ◯議長(園山繁) この際しばらく休憩し、午後1時から再開いたします。
午前11時51分休憩
午後1時3分再開
144: ◯副議長(山根成二) 会議を再開いたします。
引き続いて一問一答質問を行います。
森山議員。
145: ◯森山裕介議員 こんにちは。自民党ネクスト島根、森山裕介でございます。
今回は、事前通告した3項目について質問させていただきます。執行部の皆様におかれましては、前向きで誠実な答弁をお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。
まず初めに、島根創生計画の評価の在り方と今後の第2期の計画策定についてお伺いいたします。
現在の島根県では、行政評価はKPI評価を中心にPDCAサイクルを回していると認識しております。KPIによる評価は、その透明性や定量性により行政のパフォーマンス管理に有用である一方で課題もあると個人的には考えているところでございます。
まず初めに、KPI評価を採用している理由を政策企画局長にお伺いします。
146: ◯副議長(山根成二) 石原政策企画局長。
147:
◯政策企画局長(石原恵利子) 島根創生計画の取組では様々な施策を実施しており、その進捗管理を行うために事業効果をはかる目安となるKPIを設定し、毎年度評価を行っております。また、評価結果を県議会や県民の皆様にお示しすることを通じて施策の内容やそのKPIの状況を共有して、御意見をいただき、取組に生かしております。
148: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
149: ◯森山裕介議員 KPI評価の今御説明がありましたけれども、私自身、KPI評価における課題という観点においては、複雑な社会的問題や政策目標を単一の数値で評価しようとすることの難しさや重要な側面が測定から漏れることが指摘されていたり、またKPIを達成することにとらわれるあまり、短期的な指標達成に注力し、そもそもの目的や最終的に社会にもたらす実際の変化や影響、そして質の高いサービス提供を犠牲にする可能性があることが指摘されていたりします。また、KPIを達成するための過度な圧力や、先ほど指摘した短期と長期の指標達成のバランスを欠くことによって、職員のモチベーション低下を引き起こすことがあるとされています。
このあたりの課題感をしっかりと捉え、第2期島根創生計画に当たっての行政評価の在り方を検討していただきたいと思っておりますが、KPI評価における課題をどのように捉え、今後の行政評価の在り方についてどのようにお考えなのか、政策企画局長にお伺いします。
150: ◯副議長(山根成二) 石原政策企画局長。
151:
◯政策企画局長(石原恵利子) KPIには事業の一部の側面のみを捉えるものや外部要因の影響を大きく受けるものなどがあり、事業の必要性や課題をKPIのみで評価することは困難という課題があると考えております。
そのため、島根県の行政評価におきましては、KPIや統計データなどの数値に加え、事業を進めていく中で県議会や県民、事業者の皆様からいただいた御意見なども踏まえて、施策の現状に対する評価を行い、予算編成や施策の展開の検討に生かしております。
来年度予定しております第2期島根創生計画の策定に当たっては、KPIの設定も含め、創生計画の進捗状況をどのようにお示ししていくのか検討し、見直しをする考えでございます。
152: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
153: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
KPI評価の課題というところも踏まえていただきながら、評価の在り方ということを、ぜひ今後の2期計画の評価の在り方を御検討していただければということをお願いできればというふうに思います。
次に、いよいよ来年度が最終年度となる島根創生計画を踏まえ、これからの島根創生計画の評価と策定についてお伺いいたします。
政策の対象者や民間セクターを策定や評価のプロセスに積極的に参加させる参加型の政策策定や評価プロセスをつくり、より県民の声を反映していくことが私自身重要かと考えているところであります。
その上で、これまで島根創生計画の策定や評価のプロセスにおいて県民の声をどのように反映してきたのか、お伺いいたします。
154: ◯副議長(山根成二) 石原政策企画局長。
155:
◯政策企画局長(石原恵利子) 島根創生計画を策定した令和元年度においては、県内各地での広聴会の開催、計画の素案をまとめた段階でのパブリックコメントの実施、県の施策に対する満足度やニーズを把握するための意識調査などを実施いたしました。また、有識者等で構成する島根県総合開発審議会において、計画案などを御審議いただきました。こうした御意見を参考に計画を策定しております。
また、創生計画の取組の評価では、各部局が事業を進める過程や所管する個別計画を評価するに当たって、県民や事業者の皆様からいただいた御意見なども反映しております。
156: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
157: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
多様な意見をしっかりとこのプロセスの中に反映していく仕組みこそが大事だと個人的には考えているところでありますが、今の説明の中にありました総合開発審議会についてお伺いいたします。
総合開発審議会の設置の目的と審議委員の選び方はどのような基準となっているのか、お伺いします。
158: ◯副議長(山根成二) 石原政策企画局長。
159:
◯政策企画局長(石原恵利子) 設置目的につきましては、知事の諮問に応じ、県の総合開発に関する重要事項を調査、審議することでございます。島根創生計画は県の政策運営の総合的、基本的な指針としての役割を持つ県の最上位計画であり、この審議会に諮問の上、策定することとしております。また、創生計画の進捗管理などにつきましても御審議いただいているところでございます。
委員につきましては、県の総合開発に関し知識、経験を有する方及び関係団体の役職員のうちから委嘱すると定めております。具体的には、産業、医療福祉、労働、金融、言論、学識経験など幅広い分野からの御意見を伺うため、県内のこれらの関係団体等の役職員の方、そして県内で地域活動を実践していらっしゃる方やUターン、Iターン経験者、県民の御意見を広く反映させるため公募により選定した方などを委嘱しているところでございます。
160: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
161: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
今御説明があったとおり、県内の方々の有識者やいろんな多様な関係者の方々がメンバーとなっていらっしゃるということかと思います。
今回私が問題提起したかったところの一つとして、今後人口減少が進み、テクノロジーが発達し、国際情勢が不安定な中で、二、三十年先の中長期的な未来を見通して、より変化に対応していく県政運営がこれから求められていくんではないかと考えている中で、これまでも県内の有識者の方々や現場の方々の声をしっかりと拾ってこられたということは評価に値する部分だと思っておりますが、これから知事が掲げる人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根を実現していくために、県内の有識者はもちろんのこと、県内外の専門性の高い人材や第一線で活躍する方々なども含めて、より多角的な視点で島根の価値や課題を議論し、島根の未来の方向性を見いだしていくことが重要ではないかと考えているところであります。
第2期島根創生計画の策定プロセスについての考え方について知事にお伺いいたします。
162: ◯副議長(山根成二) 丸山知事。
163: ◯知事(丸山達也) 第2期の島根創生計画の策定プロセスにつきましては、来年度、県議会におきまして執行部の考え方を説明し、県議会の皆様に御審議をいただきまして策定していくということが基本になります。つまり、まず県民の皆様の民意の反映というのは、県政全てそうですけれども、まずは執行部のトップは選挙で選ばれた私でございます。私自身、また部下職員がその仕事をする上で県民の皆様と接して把握している課題を解決していくという形で原案をつくっていくということが一番最初のスタート。そして、続いて我々県知事は県庁に籠もる仕事でもございますので、日頃の議員活動を通じて、県知事よりもはるかに県民の皆様に接しておられます県議会の議員の皆様から、我々県知事では把握できていない課題なり問題点を指摘をしていただいて、二重に県民の皆様の意見を反映していくということが基本中の基本だというふうに思っております。
それに加えて、さらに幅広い県民の皆様の御意見を踏まえるための手順といたしまして、県民の皆様への意識調査や公聴会、パブリックコメントを実施をする予定でございます。そういった形が基本となります。
こうした意見を基にこの計画案の検討を進めまして、県議会に御提案する段階に応じまして、議員から御指摘の総合開発審議会に御意見をいただくという考えでございます。
議員から御把握をいただいております県内外の専門性の高い人材の意見を取り入れて、より多角的な視点で島根の価値や課題を議論することが必要ではないかということにつきましては、現在でもこの個別計画、個別事業におきまして、島根県のICT総合戦略の進捗管理や次世代たたらプロジェクト推進などにおきまして、各分野で携わっておられます県内外の方々の御意見を取り入れながら取組を進めているところでございます。
率直に申し上げて、総合戦略は県政全般の最上位計画であります。これで終わるものではなくて、個別の分野ごとにさらにその個別分野の計画をつくってまいります。より専門的な知見を必要とする分野については、そういった個別計画の策定なり、戦略の策定なり、その進捗管理の段階で、その分野に応じた方々の知見を反映していくということが基本ではないかというふうに思っておりまして、そういう分野の性格に応じながらそういった専門的な知見なども取り入れていきたいというふうに思っているところでございます。
率直に申し上げて、島根県についての一番の専門家はここにおられる皆様、島根の未来をどう捉えるか、どういうふうに考えるべきかということを生活実感を持って日々考えておられる方々が一番のある意味専門家だというふうに思っておりますので、そこを基本にしながら、個別分野の計画策定、政策実施の際にそれで足りないところを補っていくという2層構造の取組が必要なのではないかというふうに思っているところでございます。
164: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
165: ◯森山裕介議員 御答弁いただきましてありがとうございました。
私も、基本的には民意を代表してこの場に立っている議員がそういった中でいろんな知見、いろんな声を聞いて、この場でしっかりと提言をしていくということが大事だというふうに思っていますが、島根のこの現場のことを一番理解しているのは議員であるというふうに思っていますが、この未来社会、どんな変化が訪れていくのかということがなかなか不確定で不確実な中で、そういった観点からその専門性をもって未来に対しての目線合わせをしながら、この現状とあるべき姿を行ったり来たりしていく営みが物すごく大事になるかなと思う中での問題提起でございましたので、ぜひ御検討いただければというふうに思います。
次に、テーマが変わりまして、中小企業の事業承継について伺えたらと思っております。
国内の中小企業は約358万社、企業全体の99.7%を占める中で、高度経済成長期などに創業したオーナーが高齢化し、親族や従業員に後継者がいない会社が増えていることが全国的に課題となっています。中小企業庁の試算では、2025年までに60万社が黒字廃業に追い込まれるおそれがあると発表されています。
島根県は全国に先駆け、2016年度に官民の支援組織を設け、専門家を企業に派遣する仕組みを整えるなどを行ってきていることをお伺いしました。
そこでまず初めに、島根県の後継者不在率と社長の年齢が60歳以上の企業の後継者不在率について、直近3年の推移と県の所見をお伺いします。
166: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
167: ◯商工労働部長(新田誠) 最近のところで県が後継者不在率を調べたものはありませんので、帝国データバンクが毎年12月頃に公表しております数値によりお答えいたします。
県内企業の後継者不在率は、令和3年が72.4%、令和4年が75.1%、令和5年が69.2%となっております。直近の全国の平均が53.9%でありますので、島根県はこれよりも高い状況ということであります。また、このうち社長が60歳以上である企業の後継者不在率は、令和3年が54.2%、令和4年が58.8%令和5年が50%であり、こちらも直近の全国平均の34.2%と比べますと高い状況であります。全国レベルの後継者不在率の推移は3年前から改善傾向であるのに対し、島根県は依然高い水準が続いているという見方ができるかと思います。
あわせまして、同じ公表資料から後継者として誰を想定しているかを見てみますと、島根県では子どもとする割合が58.8%であるのに対し、全国では子どもは33.1%、親族外とする割合も37.5%という状況になっております。この結果から、後継者不在率を下げていくためには、後継者の選択の幅を親族外にまで広げることが一つのポイントになろうかと思います。
また、事業承継を計画的に進めるためには、後継者育成や経営ノウハウの引継ぎなど、時間がかかると言われております。この帝国データバンクの公表資料では事業承継適齢期は60歳だというふうに表現されておりまして、島根県は既に社長の平均年齢が61.6歳となっておりますので、多くの企業で事業の承継を決めることが急がれる段階にあると考えております。
168: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
169: ◯森山裕介議員 御説明いただきましてありがとうございます。
全国と比較してみても、やはりこの後継者不在率が高い。そして、そういった状況を改善していくための一つ一つ施策が必要になるかなというふうに思いますが、県として今取り組まれているこの事業承継、また引継ぎ支援センターの担う役割と直近3年間の譲渡企業また承継希望者の登録の現状とマッチングの実績を教えてください。
170: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
171: ◯商工労働部長(新田誠) 事業承継・引継ぎ支援センターは、事業承継の総合窓口として国が各都道府県に設置している専門機関であります。事業の承継をお考えの経営者の方と承継を受けることを希望する方々の相談への対応、事案の登録とマッチング、さらに事業承継計画の策定支援などの役割を担っております。
島根県に設置されているセンターにおける登録件数につきましては、譲渡を希望する事業者数は令和3年度末時点で314件、令和4年度末時点で382件、令和5年度については2月末時点で421件という推移となっております。逆に譲渡を受けたいとする方の数は、令和3年度末時点で328件、令和4年度末時点で325件、令和5年度末は2月末時点で367件という状況であります。さらに、事業承継のマッチングが完了した件数は、令和3年度が48件、令和4年度が46件、令和5年度が2月末現在で35件となっております。
172: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
173: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
事業承継したい企業が増え、そして希望者も少しではありますが登録状況が増えているという状況かなというふうに思います。
先ほど商工労働部長からもありましたけれども、時間をかけながら丁寧にこのマッチングを進めていくということが大変重要になるのかなというふうに考えておりますが、近年我が国における休廃業また解散数は、新型コロナウイルス感染症の影響もあって増加傾向だというふうに伺っております。全国的に見ると黒字廃業の比率が約6割を占める状況が続いていて、後継者不在の中小企業は仮に黒字経営であっても廃業等をせざるを得ない状況にあります。特に資産超過かつ前期黒字であるにもかかわらず、後継者不在で事業を畳む黒字廃業、もったいない廃業を減らしていくことが重要であると言われています。
島根県における廃業においてもったいない廃業がどのくらいあるのか、またもったいない廃業を減らしていくために県として今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。
174: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
175: ◯商工労働部長(新田誠) 県内での休廃業は、令和5年1年間で326件あります。このうち議員御指摘のもったいない廃業に当たるものは44件、13.6%となっております。
経営の安定した事業を廃業しようとする理由について分析したものはございませんが、日本政策金融公庫が昨年7月に行った全国でのアンケート調査によりますと、経営者が廃業を考えている理由は、誰かに継いでもらいたいと思っていないが45.2%、子どもがいない、あるいは子どもに意思がないなど、後継者がいないが28.4%、さらに事業に将来性がないが22.1%となっております。
事業承継支援の基本は、事業承継の意思がある経営者に廃業に至らないようきめ細かく支援することですが、廃業することを想定しておられる経営者にも事業承継に取り組むよう促すことも大切だと考えております。特に議員御指摘のもったいない廃業につきましては、雇用の場がなくなることはもちろんですが、これ以外にも貴重な技術や地域に欠かせないサービスなどが失われる場合もあろうかと思いますので、県内に県が11名配置しております専任の事業承継推進員が積極的に該当の経営者を訪ねて意向や事情を確認しながら、事業承継につながるよう支援してまいります。
176: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
177: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
ぜひそういった形で支援を進めていただければというふうに思います。
経済産業省のデータを見ると、事業承継によって経営者が若返ることで生産性向上等につながる可能性も多く、若い経営者層では売上高が増加する傾向にあるとの調査もございます。また、コロナ禍が明けて、事業再構築などの新たな取組の重要性が高まり、経営者年齢が若いほど新たな販路開拓や新商品サービスに取り組むとの調査もあり、経営者の若返りが期待されているところであります。
今回この質問をするに当たって、私がこのテーマを取り上げた背景にもあるんですが、私の同世代で都会での暮らしを見詰め直して、島根にUIターンを検討をする若者もいます。そういった中で、都会で今もらっている給与とのギャップを理由に諦めていく若者も多くいる印象です。実際にこの1年で私の同世代が、大手鉄道業界やコンサルティング会社に勤める同級生、同世代からのUターンの相談があり、島根県が設けている関係機関や各種制度の紹介をしましたが、なかなか彼らの次のキャリアの選択肢になり得る求人が見つけられなかったということでUターンにつながりませんでした。
そこで彼らと話をして出てきたのが事業承継型のUIターンの可能性です。これまでの経験を生かしふるさとで挑戦したいが、サラリーマンとして帰ってくるのはなかなか年収が見合わない。ゼロから起業するにはリスクが高い。ビジネスモデルがある程度確立され、顧客がいる状態での事業承継は、今まで取り戻すことができなかった挑戦意欲あふれる若者を取り戻す新しいUIターンの選択肢を提案できるのではないかと個人的に考えているところであります。
全国の事例を調べてみると、鳥取県では昨年度から“とっとり×後継ぎリノベーター”プロジェクトとして、小規模の事業者と意思ある個人をつなぐ第三者承継の取組を昨年度から開始しておられます。マッチングの実績はまだ多くないとのことですが、新しい地域への関わり方、挑戦の仕方として全国から注目を集めつつあると担当者の方からお話をお伺いしました。
そこで、島根県でもUIターン者による第三者承継を一つの選択肢として施策を検討していくことができないかと考えているところであります。
そこで、UIターン者による第三者承継の実績が島根県にあるのか、またそういった取組を通じてUIターン者を事業承継につなげていくことの可能性について商工労働部長に御所見をお伺いします。
178: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
179: ◯商工労働部長(新田誠) UIターンされた第三者が事業を承継された例を全て承知しているわけではありませんが、県内では地域おこし協力隊として県内に移住された方が浜田市でみそこうじ店や宿泊施設を引き継がれた事例、それから西ノ島町において窯業、焼き物ですね、を引き継がれた事例があります。
県では、Uターン、Iターン希望者に向けては東京や大阪でしまね移住フェアを開催しておりますが、こうした場に先ほど御説明をいたしました事業承継・引継ぎ支援センターも参加し、事業承継のPRや相談対応を行うことで後継者人材バンクへの登録を促しているところです。しかしながら、Uターン、Iターンを希望される方の中で起業や自営を目指す方は多くないという現状があり、事業を引き継ぎたい方とのマッチングが進まない要因になっていると思われます。
Uターン、Iターン者への事業承継を進めていくとすれば、まずは移住希望者の中で起業や自営を考えている方々に対して県内の承継可能な事案を御紹介していくこと、さらに全ての移住希望者に対し、県内での就業の選択肢として事業承継もあるということを広く理解していただくことによって、マッチングの可能性は高くなっていくものと考えられます。
180: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
181: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
今部長がおっしゃっていただいたように、そういった選択肢を知らない、まず都会に出ていった若者たちが多いのではないかなというふうに思いますので、その選択肢に入っていく一つの可能性としてぜひ御検討いただければというふうに思っています。
次の質問ですが、伝統工芸分野に関する事業承継についてお伺いできればと思います。
島根には、長い歴史と風土の中で育まれ、現代に受け継がれてきた優れた伝統工芸品がたくさんございます。例えば石工品、漆器、焼き物、金工品、木竹品、木や竹の製品。和紙、石見神楽の面など、様々な承継されてきたたくみの技を持つ職人さんによって作られたこれらの地域独特の産品は、島根の宝だと思います。
一方、伝統工芸分野はほかの職種よりもたくみの技の習得に時間がかかることに加え、収入の不安定性から来る経済的な不安、心配や伝統技術の承継方法が若者の学習スタイルになじまないことや若者の価値観の変化から、担い手不足が深刻化していると言われています。
島根県の伝統工芸分野における後継者がいない事業者がどのくらいあるのか、お伺いいたします。
182: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
183: ◯商工労働部長(新田誠) 島根県では、昭和56年から島根県ふるさと伝統工芸品として、陶磁器や和紙、人形玩具など63品目を指定しております。昨年度はこれらの品目を製作する83事業者を対象に現況調査を行っておりますけれども、回答いただきました46事業者のうち52%に当たる24事業者で後継者がいないとお答えになっております。
184: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
185: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
そこで、島根県では伝統工芸分野の担い手の確保の一つとしてUIターンしまね産業体験事業があることをお伺いしました。
UIターンしまね産業体験事業の概要と伝統工芸分野の活用実績、その後の定着の状況を地域振興部長にお伺いします。
186: ◯副議長(山根成二) 藤井地域振興部長。
187:
◯地域振興部長(藤井洋一) UIターンしまね産業体験事業は、県外在住者が県内の受入先で農林漁業や介護、伝統工芸などの産業体験を行う場合に滞在に要する経費の一部を助成する仕組みで、ふるさと島根定住財団が実施をしております。
このうち伝統工芸については、平成8年度の事業開始当初から助成を行っております。これまでに279名を認定し、276名が体験を終了されましたが、終了後の3年間県内に定着された方は101名となっており、定着率は36.6%であります。
188: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
189: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
そういった人材の確保や定着という点でまだまだ課題が多いというところだと思いますので、この点に関しては地域振興部また商工労働部の部局を超えた取組を進めていただければというふうに思います。
たくみの技を身につけることと国内外の市場において伝統工芸品の新たな需要を開拓することが産業の持続可能性を高める鍵となる一方で、この伝統工芸分野においてはターゲットの市場の特定やマーケティング戦略の立案には専門知識やリソースが必要で、専門分野が異なるという現状もあるかと思います。
今後、島根県として伝統工芸分野の存続をどのように考え、どのような支援を行っていくのか、御所見をお伺いします。
190: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
191: ◯商工労働部長(新田誠) 伝統工芸品は、地元産の原材料を用い、長年保持されてきた技術や技法により作り出される地域の貴重な産業であります。その質感や作風からは、地域の風土や歴史、文化のほか、作り手の生き方まで伝わってくる観光資源でもあります。
そのため、県ではこれまで事業者の経営安定や販路の拡大を目的に、国内外の展示会や見本市への出展に要する経費、また専門家の助言を得るために要する経費に対して助成を行っております。
さらに、後継者確保への支援として、新たな人材を雇用する事業者に対して資金の貸付も行っており、これまでに24事業者で37名の就業につながっております。
さらに、昨年度からは県がインスタグラムに公式アカウントを開設したほか、県のホームページにも特設ページを設け、それぞれの工芸品を育んだ地域の風土や作り手の思いまで細かく紹介しているところです。
今後は、事業者に県の支援制度を活用していただいて、市場調査やライフスタイルの変化に対応した新商品の開発にもしっかり取り組んでいただくよう促してまいります。
あわせまして、先ほど申し上げたような情報発信を丁寧に続けていくとともに、バイヤーを招聘するなど、商談会の開催も含めて、新たな販路の拡大につながるよう支援していく考えです。
192: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
193: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
ぜひ島根の長い歴史の中で育まれてきた世界に誇れる伝統工芸品を次代にもつないでいけるように、きめ細やかな支援をお願いできればというふうに思います。
それでは、最後の項目に移ります。最後の質問は、島根の食品の海外輸出についてでございます。
日本の農林水産物、食品の輸出額は過去10年間順調に伸びてきており、2021年は初めて1兆円を超過しました。2022年は1兆4,148億円と、前年比14.3%増と過去最高を記録いたしました。このうち日本酒、焼酎、泡盛、ウイスキー、ビール、ワイン及びそのほかアルコール飲料の日本産酒類全体の輸出額は1,392億円、前年比21.4%増で、日本の農林水産物、食品の輸出総額の約1割を占めており、ほかの品目と比較しても伸び代の大きさを感じています。
先日ある日本の食品輸出を支援するバイヤーと話した際に、日本酒がこれまでの欧米や中国などの主要マーケットはもちろん、それ以外の国でも需要が広がっていることを伺いました。新潟の酒造の事例では、日本で1万6,000円の大吟醸が160万円で取り扱われている事例や、島根県にも移住の多いブラジルでは前年比300%のマーケットの伸びがあることもお伺いしました。島根県の肥沃な土地が育んできた食品やこだわって作られた日本酒、菓子など、日本国内はもちろん、海外に売り出していくことの可能性を感じたところです。
島根県の食品と、そのうちお酒、菓子について、直近3年の輸出額の推移をお伺いします。
194: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
195: ◯商工労働部長(新田誠) 貿易に関する都道府県ごとの統計はありませんので、県が毎年県内の約500社を対象に実施している海外展開概況調査の結果でお答えをいたします。
この調査に回答いただいた各社の食品輸出額の合計は、直接輸出と国内の取引先を介した間接輸出を合わせまして、令和2年が21億3,000万円、令和3年が25億2,000万円、令和4年が27億6,000万円となっております。この額には加工食品と農林水産品も含まれております。このうち酒は、令和2年が2億2,000万円、令和3年が3億3,000万円、令和4年が4億6,000万円、さらに菓子は、令和2年が1億7,000万円、令和3年が2億2,000万円、令和4年が2億7,000万円となっております。この3年間の伸び率は、食品全体で26%の増、酒は109%、菓子は58%、それぞれ増となっております。
196: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
197: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
これをさらに伸ばしていくことが重要かと考えますが、現在県として食品の海外輸出拡大に向けた支援としてどのような取組を行われているのか、お伺いします。
198: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
199: ◯商工労働部長(新田誠) 食品の海外輸出拡大のための支援としては、国内外のバイヤー招聘による商談会の開催のほか、輸出向け展示会等への島根県ブースの確保、事業者自らが商談のために海外渡航する経費に対する助成などを行っております。
加えまして、しまね産業振興財団にも海外取引に精通した専門スタッフを配置しておりまして、日本貿易振興機構ジェトロの海外ネットワークの活用も含め、各国や地域への輸出に必要な情報を収集して各事業者に提供しております。
さらに、輸出額が大きい台湾やアメリカのほか、今後もまだ成長が見込まれる中国やドイツなどには現地コーディネーターを配置しており、現地での商談のサポートにも対応しております。
200: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
201: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
島根県の中で様々な支援策があるかと思いますが、その中でもしまね海外展開支援助成金の活用の状況をお伺いします。
202: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
203: ◯商工労働部長(新田誠) この助成金の活用状況は、令和3年が9件で758万円、令和4年が22件で1,377万円、令和5年が45件で1,701万円であります。このうち食品製造事業者の活用は、令和3年が5件で444万円、令和4年が15件で795万円、令和5年が31件で865万円となっております。
参考までに申しますと、令和5年の利用実績31件の内訳は、国内での海外向け展示会に県が確保したブースへの出展や海外の商業店舗で県が主催するフェアへの出展などが26件、企業独自の商談のための海外渡航が5件となっております。
204: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
205: ◯森山裕介議員 ありがとうございます。
そういった海外展開を助成金を活用して広げていく事業者も少しずつ増えてきているという中で、島根県のすばらしい産品がさらに輸出を広げて海外展開を促進していくことを願っているところであります。
県内事業者がさらに安心して輸出、海外展開を行っていくためのより一層の支援が必要と考えますが、最後に輸出事業者、輸出額の拡大に向けて、課題と今後の取組をお伺いいたします。
206: ◯副議長(山根成二) 新田商工労働部長。
207: ◯商工労働部長(新田誠) 一般的に輸出に消極的であったりためらったりされる理由、その要因といいますのは、例えば対象とする国や地域を決めかねる、それから代金回収に不安がある、また手続が煩雑であるといったことに加えまして、現地のマーケットのニーズや通関事情、さらに輸入規制などの情報が不足しているといったことが挙げられます。これらの解消が輸出事業者を増やすための課題だと考えております。
ですので、これから輸出を考えたいという事業者に対しては、現地在住の日本人コミュニティーの市場、いわゆる日系マーケットですけれども、ここに対象を絞る、あるいは日本の中で納品と代金決済が完結するよう、まずは国内の商社と取引をするといったことから始めることをお勧めしております。
また、輸出額の拡大のためには、既に輸出実績のある企業が日系以外の現地系マーケットの開拓や現地の商社などとの直接取引に向き合う、また原材料、添加物等の規制への対応などに自ら取り組んでいただく必要がございます。そのため、県では、引き続き法規制に関する情報提供や現地バイヤーの招聘、規制や消費者の嗜好に対応した商品改良への助成など、販路拡大に向けて支援を行ってまいります。
208: ◯副議長(山根成二) 森山議員。
209: ◯森山裕介議員 ありがとうございました。
島根県のすばらしい産品がより日本のみならず世界中の方々に手に取っていただき、島根県のさらなる経済の発展を願いまして、私からの御質問とさせていただければと思います。御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
210: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
211: ◯中島謙二議員 自民党議員連盟の中島謙二でございます。
今定例会の最後の質問となりますが、大きく5項目について質問を行いますので、知事、関係部長並びに警察本部長の御答弁をよろしくお願いいたします。
それでは、初めにJR利用促進について伺います。
JR西日本は昨年11月に、乗客数が極めて少ないローカル線、1キロ当たりの1日平均乗客数2,000人未満、17路線30区間の令和2年から令和4年度の平均の収支状況を公表し、本業の利益を示す営業損益は全区間が赤字で、総額は237億8,000万円となり、コスト削減等により令和元年から令和3年度平均より赤字幅は9億6,000万円改善したが、費用に対する収入の割合を示す収支率は10.4%と、0.5%悪化しております。
その乗客数が極めて少ないローカル線、17路線30区間の中で最も営業損益が赤字なのが山陰線の出雲市から益田の区間だという結果を知り、何となく厳しいだろうと思っておりましたけれども、本当に驚くとともに、危機感を覚えたところであります。
その発表されたローカル線17路線30区間に、山陰線の出雲市から益田間を含め、島根県内の路線が幾つかあるようですが、まずこれらの路線区間別の営業損益、収支率及び営業係数について伺います。
212: ◯副議長(山根成二) 藤井地域振興部長。
213:
◯地域振興部長(藤井洋一) JR西日本は昨年11月、輸送密度2,000人未満の線区に係る令和2年度から令和4年度までの平均収支率等を公表しておりますが、県内路線では3路線5区間が該当しております。JRが公表した線区については、それぞれ営業損益や収支率、その区間で100円の収入を得るために要する費用を示す営業係数が公表されており、県内路線ごとにお答えしますと、山陰本線の出雲市駅から益田駅の区間では営業損益マイナス33億1,000万円、収支率14.4%、営業係数694円であり、以下同様に、益田駅から長門市駅の区間ではマイナス11億4,000万円、5.2%、1,939円、木次線の宍道駅から出雲横田駅の区間ではマイナス6億2,000万円、6.5%、1,538円、出雲横田駅から備後落合駅の区間ではマイナス2億3,000万円、1.8%、5,695円、山口線の津和野駅から益田駅の区間ではマイナス6億1,000万円、7.7%、1,304円となっております。
214: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
215: ◯中島謙二議員 かなり厳しい数字だと思いますけれども、この中で山陰本線は島根県を東西に結ぶ重要な交通網の一つでありますけれども、このJR西日本の発表を目の当たりにして、県内の鉄道路線の維持、存続を図るため、これからさらなる利用拡大に取り組んでいかなければならないと感じているところであります。
私、県議会等で益田松江間を往復するのになるべくJRを利用するようしております。特に議会開催中のときは、私は早起きでございますから、朝5時36分益田発、松江駅に7時57分に到着するスーパーまつかぜ4号を利用しておりますけれども、その指定席は、朝早いということもあるとは思うんですけれども、それにしてもほとんどガラガラの状況であるため、利用拡大の取組をさらに進めていかなければならないと実感しているところであります。
そのような中、様々なJR利用拡大に取り組んでおられると思いますけれども、先般島根県のJR利用促進事業の取組の一つである会場費等助成事業及びその条件見直し等についての報道がございましたけれども、その具体的な取組の内容、事業利用実績及びこのたびの見直しについて伺いたいと思います。
216: ◯副議長(山根成二) 藤井地域振興部長。
217:
◯地域振興部長(藤井洋一) 議員御指摘の会場費等助成事業は、ビジネスにおけるJR路線の利用促進を図る観点から、企業や団体が駅周辺で会議などを開催し、一定の参加者がJRを利用した場合に、会議などに利用した会場の借り上げ費用などを助成する制度であります。
この制度は、令和4年度に設置した県や沿線自治体から構成されるJR路線利用促進プロジェクトチームにおける議論を踏まえ、令和5年度に創設したものですが、昨年12月末時点で利用件数が2件にとどまっている状況でありました。この要因について企業や団体の方からは、会議参加者の3分の1以上の方がJRを利用することという助成要件のハードルが高いとの御意見があったところです。
こうした御意見を踏まえ、先ほど申し上げました会議参加者における鉄道利用者の割合について3分の1から5分の1に引き下げるとともに、改めて県内の業界団体に対して制度の周知を図ったところですが、2月末時点で新たな利用申請は2件でした。
新年度当初には業界団体における各種の総会などが予定されておりますことから、引き続き沿線自治体や関係商工団体と連携して本制度の周知及び活用について働きかけてまいります。
218: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
219: ◯中島謙二議員 私もこの制度を十分理解していなくて、今後しっかり利用して、松江市の会議等に利用したいというように思ってます。
次に、県内各JR路線の利用促進の取組について伺いたいと思いますが、まずはJR木次線の取組の内容についてお聞かせください。
220: ◯副議長(山根成二) 藤井地域振興部長。
221:
◯地域振興部長(藤井洋一) 木次線の利用促進の取組は、沿線市町や商工団体が中心となって組織する木次線利活用推進協議会において行われているところであり、その取組には島根県も連携し、支援をしているところです。
具体的には、木次線を利用した移動需要を喚起するため、3名以上のグループで木次線を2区間以上乗車した利用者に対し、JR運賃や駅から目的地までに利用する貸切りバスなどの経費の一部を助成する制度や、関西圏、山陽圏などの県外はもちろんのこと、県内からも広く観光客を呼び込むため、木次線の利用を組み込んだツアーの造成や4月から乗り入れが開始されるあめつちのガイド養成など、受入れ環境の整備に積極的に取り組まれております。こうした取組の実績として、昨年度は一年を通じて約4,100人でしたが、本年度は2月末の時点で7,800人を超える見込みとなっております。
また、木次線への関心を高め、幅広く木次線の利用を呼びかける取組として、沿線の観光資源や地域の豊かな食などを織り込んだイベント列車の運行など、鉄道の魅力を生かした各種イベントの実施、沿線市町が作成する情報誌やテレビ、SNSを活用した情報発信なども行われているところであります。
昨年11月でおろち号の運行が終了し、来年度は一層の利用促進を図っていく必要があると認識しており、先ほど申し上げた今年度の利用促進事業の実績も踏まえ、令和6年度予算においては予算を増額する提案をさせていただいており、引き続き地元の利用協議会と連携して取組を進めてまいります。
222: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
223: ◯中島謙二議員 また、山口線及び益田以西の山陰線の利用促進の具体的な内容についてもお聞かせください。
224: ◯副議長(山根成二) 藤井地域振興部長。
225:
◯地域振興部長(藤井洋一) 山口線につきましては、沿線自治体等で構成する山口線利用促進協議会において路線の利用促進に取り組んでおり、その取組には島根県も連携し、支援をしているところです。
これまでは利用促進を促すためのノベルティーの作成やJRへの要望を活動の中心とされていましたが、今年度からは沿線市町に所在する保育所や小中学校、高校などを対象に、山口線を活用する遠足などへの運賃助成を開始しました。実績といたしましては、2月末時点で申請件数10件、421人の利用があったところです。
また、観光面では、島根県において旅行会社と連携し、観光列車を活用した旅行商品の造成、販売や山陽、九州方面のタウン情報誌において鉄道旅の記事掲載などの情報発信に取り組んでおります。
次に、益田以西の山陰本線につきましては、昨年8月、沿線自治体等やJR西日本で構成するJR山陰本線下関益田間利用促進協議会が設置されました。同協議会においては、沿線地域に住む方々の鉄道に対する意識醸成や山陰線の魅力を地域内外に伝える情報発信、また鉄道と地域の観光資源を組み合わせた観光誘客の促進をテーマとして、まずは利用実態等のアンケート調査などに着手しているところです。
226: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
227: ◯中島謙二議員 JR西日本の営業損益が最も赤字となった区間は出雲市から益田間であったという結果は、利用者として本当に危機感を持っており、もし仮に特急等の減便が行われれば、特に石見地域にとって産業や観光等に大きな影響が出ることが考えられます。県として様々利用促進対策を行っていると今お伺いしましたけれども、今後も引き続き利用促進の取組に力を入れていただきたいと思います。
ついては、先ほど申し上げましたとおり、私自身もJRの利用促進に取り組んでまいりますけれども、知事の今後のJR路線の利用促進についての考え等を伺います。
228: ◯副議長(山根成二) 丸山知事。
229: ◯知事(丸山達也) 県内のJR路線につきましては、通勤、通学の利用に加えまして、ビジネスで特急の利用がなされているような路線や地域の観光資源として利活用されている路線がございますので、先ほど地域振興部長から御答弁申し上げましたとおり、沿線市町や商工団体、地元の協議会などと連携して積極的な利用促進に取り組んでいるところでございます。
加えて、行政が率先して利活用に取り組むことも重要でございますので、県では県職員の県西部への出張に際しまして、浜田駅、益田駅、津和野駅までJRを利用して、その各駅から用務地まではレンタカー利用を可能とする出張旅費の取扱いを進めております。昨年7月からは大田市駅に隣接するあすてらすに公用車を配置し、これを用務地まで利用する取組を開始いたしております。
また、県では県内から広く出席者を募る会議などを開催いたしますので、こうした会議を可能な限り駅周辺の会場で開催することや、JRを利用しやすい時間帯にこの会議をセットすることを庁内部局に指示をしているところでございます。私自身も、スケジュール上可能な場合、できるだけJR利用を心がけているところでございます。
ただ、先ほど議員から御指摘がありました会場費などの助成事業につきましては、これは本来はこれまで利用されてなかったところの需要を掘り起こすのが目的であります。したがいまして、もともとJR利用をされているところを助成するのが目的ではありませんので、利用拡大の効果がないのであればもう廃止をするということを考えないといけない。
個々人の行動のベストチョイスとしてJRがベストチョイスにならない、これは個人としては合理的な行動ですけれども、それが全て積み重なるとJRの利用者数が減って廃止ということになりかねない。そうするとJR利用でないと困る、JR利用以外の方策がない方が困ることになるので、そういうミクロ最適がマクロで最適にならないということを是正するためにこういった措置を我々は講じております。実際そういう促進策は講じますし県もやりますけれども、周りの方々とか実際の利用者が乗ってこられないのであれば、これは県としての責任を超えていると。実需があるところを掘り起こしていくということでありますけれども、掘り起こしてみても実需が出ないということであれば、先ほど森山議員のKPIの議論にもありましたけれども、助成の実績を積み上げるために仕事をするというのは本末転倒であります。したがいまして、効果のあることをやっていくと。おのずから、助成事業ですので丸抱えでやるわけにはいきません。限界があるということを含めて、関係者の意識を変えてもらうということも含めて、全体のかじ取りを一生懸命していきたいというふうに思っているところでございます。
230: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
231: ◯中島謙二議員 ありがとうございました。
私もしっかり頑張ってまいりますので、ひとつよろしくお願いします。
JR山陰線の浜田から益田に向かう車窓から見える本当に美しい日本海は、静かな波、あるいは荒々しい波、朝夕、そして四季、それぞれ違った景色を見ることができます。ぜひ皆さんも益田方面に来られる場合はJRを利用していただいて、その車窓から見える日本海のすばらしい景色を御堪能賜りますことをお願いして、次の質問に移ります。
次に、交通安全計画について伺います。
島根県は、令和3年度から令和7年度までの第11次島根県交通安全計画を策定し、令和7年度までに年間の交通事故死者数15人以下、交通事故重傷者数を170人以下、高齢者事故死者数を全死者数の半分以下に抑えるという目標を掲げ、交通安全対策に取り組んでおられますけれども、まず令和5年の交通事故発生状況とそれを踏まえた県警察の取組について伺います。
232: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
233: ◯警察本部長(中井淳一) 令和5年の交通事故については、発生件数が756件、重傷者数が174人と、それぞれ前年より減少した一方で、死者数は22人と、前年より増加しております。
道路横断中の死亡事故が増加していることから、運転中の前方注視や安全確認を徹底するための交通指導取締りや広報啓発活動に力を入れております。
234: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
235: ◯中島謙二議員 第11次島根県交通安全計画において、生活道路における交通安全対策の推進に関し、ゾーン30による低速度規制に取り組むとしておりますけれども、そもそもこのゾーン30の取組はいつから始まり、ゾーン30における速度30キロの根拠は何なのか、併せて現在県内各市町村での取組の状況についてお聞かせください。
236: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
237: ◯警察本部長(中井淳一) ゾーン30は、全国的には平成23年から開始され、島根県内においては平成24年に最初の整備をしております。その後、現在までに松江市、安来市、出雲市、大田市、浜田市、益田市に合計17区域を整備しております。
最高速度30キロメートル毎時の根拠については、自動車と歩行者が衝突した場合、自動車の速度が30キロメートル毎時を超えると歩行者の致死率が急激に上昇するとの事故分析に基づいて、警察庁が設定したものであります。
238: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
239: ◯中島謙二議員 また、令和5年度の生活道路における交通安全対策の推進を重点事項として、ゾーン30プラスの整備に取り組むとしておりますけれども、このゾーン30プラスの具体的な取組について伺います。
240: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
241: ◯警察本部長(中井淳一) 県内では既にゾーン30として整備していた松江市学園1丁目地内の区域について、これまでの速度規制に加え、道路管理者がスムーズ横断歩道や狭窄などの物理的デバイスを設置することにより、ゾーン30プラスの整備を実施しております。
242: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
243: ◯中島謙二議員 生活道路における交通安全対策として、最高速度規制と今説明いただいた物理的デバイスの設置を組み合わせて歩行者や自転車利用者の安全を確保するゾーン30やゾーン30プラスは広く県民に周知されるべきと思いますけれども、その対策についてどのように考えているのか、伺います。
244: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
245: ◯警察本部長(中井淳一) ゾーン30やゾーン30プラスが整備された区域については、道路管理者と連携して道路標識や道路標示を設置してその区域を明確にしているところですが、引き続き市町村の広報媒体なども活用して周知を図ってまいります。
246: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
247: ◯中島謙二議員 ゾーン30及びゾーン30プラスの取組は特に通学路や生活道路等の交通安全対策に有効な取組と考えておりますので、県警察としてもさらに県内各地に広げていただくことをお願いをしたいというように思います。
次に、インターネット上の誹謗中傷対策について伺います。
2020年に女子プロレスラーの木村花さん、当時22歳がSNS上で中傷され自死した問題で、木村花さんを中傷したとして男性2名が侮辱罪で略式命令を受けましたけれども、科料9,000円にとどまったため、厳罰化を求める声が強まり、インターネット上の誹謗中傷対策として、令和4年7月に刑法が改正され、侮辱罪が厳罰化されておりますが、まずその内容について、また名誉毀損罪との違いについてお聞かせください。
248: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
249: ◯警察本部長(中井淳一) 侮辱罪につきましては、社会問題化しているインターネット上の誹謗中傷を抑止するとともに、悪質な侮辱行為に対して厳正に対処するため、令和4年7月より法定刑が拘留または科料から1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料に引き上げられています。
名誉毀損罪との違いについては、どちらも人の社会的名誉を保護するという点では共通しておりますが、事実の摘示があるかないか、侮辱罪については事実の摘示がないということでありますが、そういった点で差異があります。
250: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
251: ◯中島謙二議員 島根県内におけるSNSや掲示板サイト等のインターネット上において誹謗中傷された場合、どこに相談すればいいのか、伺います。
252: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
253: ◯警察本部長(中井淳一) インターネット上の誹謗中傷に対しては、相談内容に応じて総務省の違法・有害情報相談センターや法務省の人権相談または一般社団法人セーファーインターネット協会が運営している誹謗中傷ホットラインなどの相談窓口があります。また、身の危険を感じている場合や犯人の捜査を求めたい場合などは、最寄りの警察署や警察相談専用電話♯9110でも相談を受けております。
254: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
255: ◯中島謙二議員 SNSや掲示板サイト等のインターネット上の書き込み内容が名誉毀損罪や侮辱罪に抵触する場合、警察に相談することになると思いますけれども、それらの県内の犯罪の検挙状況について伺います。
256: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
257: ◯警察本部長(中井淳一) 名誉毀損罪と侮辱罪の県内での検挙状況について、インターネット等を犯行手段として利用したものも含めてまとめてお答えします。
令和3年から令和5年までの3年間の認知件数は合わせて約20件であり、その約8割を検挙しております。
258: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
259: ◯中島謙二議員 SNSや掲示板サイト等のインターネット上の問題のある書き込みについて削除相談された場合、警察としてどのような対応となるのか、伺いたいと思います。
260: ◯副議長(山根成二) 中井警察本部長。
261: ◯警察本部長(中井淳一) インターネット上の誹謗中傷の削除について警察に相談された場合、名誉毀損罪等の犯罪に抵触すると考えられるものについては、直接サイト管理者等に削除要請を行っております。犯罪に抵触しないと考えられるものについては、各サイトの削除要請方法を確認し、その方法を教示することとしております。
262: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
263: ◯中島謙二議員 現在のプロバイダー責任制限法においては、一定の条件下でプロバイダーや掲示板サイト管理者の書き込み削除行為に関する責任制限について規定されており、プロバイダーや掲示板サイト管理者は責任制限の下で書き込み削除に応じる場合がありますけれども、現在のその法律の立てつけでは誹謗中傷の書き込み等の削除を求めても大変時間がかかることが問題となっております。そのため、それら削除などを迅速化、透明化する関連法改正案が議論されるということだったと聞いておりますので、今後の対策に期待するところであります。
次に、歯周病検診について伺います。
歯周病は、一般に歯茎と言われる歯肉、歯肉を覆っている組織で歯根膜によって歯槽骨と結合しているセメント質、セメント質と歯槽骨の間を結びつける繊維性の結合組織で歯にかかる力を吸収、緩和し、歯槽骨に直接力を加えるのを和らげるクッションの働きをしている歯根膜及び歯を支えている顎の骨で、歯はこの中に植立している歯槽骨から構成される歯周組織に起こる全ての疾患のことを総称し、今や国民の歯、口腔の主要な疾患となっており、成人期の有病者率が高い状況となっております。
また、歯周病は炎症の進行範囲に応じて歯肉炎と歯周炎に分けられますけれども、歯肉炎は歯肉に炎症が限局した状態であり、セメント質、歯根膜及び歯槽骨は破壊されておりません。歯肉炎として高頻度に観察される疾患はプラーク性歯肉炎であり、主たる原因は細菌プラーク、歯垢であります。プラークの長期間にわたる持続的な刺激により、歯肉炎から歯周炎と進行していきます。
一方、歯周炎は、歯肉の炎症がセメント質、歯根膜、歯槽骨等の歯周組織の深部に波及したものであり、比較的緩慢に進行します。主たる原因因子は細菌プラーク、歯垢でありますけれども、局所性の修飾因子となる外傷性咬合、プラークの蓄積やプラークコントロールを行いにくくする環境の要因でありますプラークリテンションファクターといいますけれども、歯石とか不適合修復、補綴物、あるいは歯列不正、歯周ポケット、口呼吸などなどを有する場合、歯周炎は進行しやすくなります。
また、歯周病は全身疾患や生活習慣病との関係が指摘されておりますが、その歯周病と関連があるとされる全身疾患や生活習慣についてどのような疾患や生活習慣があるのか、伺います。
264: ◯副議長(山根成二) 安食健康福祉部長。
265: ◯健康福祉部長(安食治外) 国が示しております歯周病検診に関するマニュアルによりますと、歯周病との関連が指摘されている全身疾患としましては糖尿病や脳卒中などがあります。糖尿病は歯周病を悪化させやすく、歯周病は脳卒中のリスクを高めると報告されております。また、生活習慣では、喫煙が歯周病の悪化につながると報告をされております。このほかにも心臓病や呼吸器疾患との関連も示唆されており、歯周病は口腔内の健康にとどまらず、全身の健康や生活習慣と密接に関連していると認識しております。
266: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
267: ◯中島謙二議員 WHOの研究によりますと、糖尿病、アルツハイマー型認知症及び脳卒中とともに口腔疾患、齲歯とか歯周病による歯の喪失等が高齢者の健康寿命が喪失される10大因子として報告されておりますけれども、近年の国内の研究では、歯数の減少した高齢者において1日2回以上の歯磨きによって1.6年から1.9年、義歯の使用によって3年から3.1年健康寿命が延伸することなどが報告されております。
そのような中、全身の病気リスクに影響する歯周病の患者が若年者でも増加していることを受け、厚生労働省が本年4月以降、健康増進法に基づく自治体の歯周病検診の対象年齢を20歳と30歳を追加する方針とし、切れ目のない歯科健診体制を整えて早期治療を促し、健康寿命延伸につなげていくとしております。
この平成20年から健康増進法に基づく健康増進事業の一環として実施されております現状の歯周病検診の受診率について健康福祉部長に伺います。
268: ◯副議長(山根成二) 安食健康福祉部長。
269: ◯健康福祉部長(安食治外) 健康増進法に基づく歯周病検診は市町村が実施主体であり、県内では13市町で実施されております。現行の制度での検診の対象年齢は、40歳、50歳、60歳、70歳となっております。直近5年間の受診率を見ますと、平成30年度7.7%、令和元年度8.2%、令和2年度8.3%、令和3年度8.6%、令和4年度8.2%と、8%台で推移しており、近年横ばいの状況であります。
270: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
271: ◯中島謙二議員 受診率が低いというのは、これが何とかせんといかんなという大きな課題であるという具合に思っておりますが、一方現行では乳幼児と学齢期はそれぞれ母子保健法と学校保健安全法に基づき歯科健診が実施されておりますので、今回の厚生労働省の方針により、乳幼児から高齢者まで切れ目のない歯科健診や歯周病検診が行われることになりますけれども、今後確実に歯周病を早期発見し健康寿命延伸につなげていくためには、成人期の歯周病検診の受診率向上に対する市町村の取組が重要となってきますので、県としても歯周病予防の重要性をさらに県民に周知する必要があると考えますが、知事の所見を伺いたいと思います。
272: ◯副議長(山根成二) 丸山知事。
273: ◯知事(丸山達也) 中島議員から具体的に御紹介いただきましたとおり、全身疾患との関連が深い歯周病を予防することは健康寿命を延ばすことにつながるために、県民の皆様にこうした情報を具体的に知っていただくということは大変重要であるというふうに思っております。
私自身はもともと胃腸が強かったので、かむのは粗がみだったですけど、年を取ってきますとやっぱり病気の元は内臓、内臓がやっぱり病気の元ですので、消化器官に負担をかけないという意味で、よくかんで食べること。かんで食べるには歯がベースでございますので、そういった意味で高齢化が進む中、小さいときから歯が減らないように、そして年を取ってもそういうそしゃくができるようにということで健康につながる、健康寿命延伸のために大変重要な事柄だというふうに思っております。
県の歯と口腔の健康づくり計画におきましても、健康寿命の延伸を目指すために、目標として歯周病について正しく理解し、予防に取り組む、また口の健康が全身の病気と関連していることを知るということを掲げております。
行政だけの力では及びませんので、市町村に加えて歯科医師会など関係団体の皆様方の御協力をいただきながら、歯周病検診の対象年齢が広がることを含め、県民の皆様への歯周病に関する啓発を進めて、歯周病検診の向上につながるよう努めていきたいというふうに考えているところでございます。
先ほど御答弁が漏れましたので付け加えますと、私もJRに乗りますと、やはり日本海の濃い青が非常に目にも気持ちにもいいと思っています。どうしても山陰道を通りますと山の緑がきれいなんですけれども、山の緑もいいですけれども日本海の青も大変美しく、精神衛生にもいいというふうに思っておりまして、私は益田や浜田で駅周辺での行事1件という行程ですと、できるだけJR特急を利用させていただきまして公務を遂行しているところでございまして、5時台、6時台の特急に乗っていくのはなかなか厳しいところがございますけれど、中島議員には及びませんけれども、利用促進に努めていきたいというふうに思っているところでございます。失礼いたしました。
274: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
275: ◯中島謙二議員 ありがとうございました。
以上、私のデンタルシリーズの歯周病について、以上で終わりますが、最後に磯焼け対策について質問を行いたいと思います。
磯焼けの原因は、海水温の上昇や堆積物の増加や海藻類をウニや魚が食い荒らす現象、海水中の栄養分の減少など複数の要因が絡んでいると言われ、この島根県各地においても磯焼け対策として藻場造成の取組が行われておりますけれども、本日は海藻類の成長に欠かせない微量の元素である鉄に着目し、豊かな森林は豊かな海を育むという観点から質問を行いたいと思います。
海藻が成長するためには窒素とリンが不可欠でありますが、これらを海藻が吸収するためには体内の鉄分が必要であります。海藻は鉄のままでしか取り込むことができず、フルボ酸鉄、腐植酸鉄という物質になって初めて取り込むことができます。
そのため、まずこの海藻が窒素やリンを取り込むために必要なフルボ酸鉄はどのような過程で生成されるのか、伺いたいと思います。
276: ◯副議長(山根成二) 野村農林水産部長。
277: ◯農林水産部長(野村良太) フルボ酸鉄の生成については、森林の落ち葉などが分解されて溶け出た成分の一つにフルボ酸という有機物があり、このフルボ酸が土壌の中の鉄成分と結びつくことによりフルボ酸鉄が生成されます。
278: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
279: ◯中島謙二議員 簡潔にありがとうございました。
要するに鉄分のFeの2価の鉄でないと結合しないわけですね。3価になるとFe(OH)3という形になって沈殿してしまう。だから、2価鉄が非常に必要なんですけど、非常に簡潔に説明いただきましたので、次に移りたいと思います。
それで、海中に存在するこのフルボ酸鉄は、様々な栄養源が有機物とともに山から川を通じて海に流れ、豊かな藻場が造成されて、豊かな海につながるものと考えられます。
宮城県の気仙沼市のカキ漁師の畠山重篤さんという方がそのことに着目して、カキ養殖場に流れ込む川の上流に広葉樹の森づくりを行った実践活動記録等をまとめ、「森は海の恋人」という本を出されたことを契機に、漁業者や多くの人々が加わり、全国に植林活動が広まっておりますけれども、島根県において海を豊かにする目的として行われている植林活動の状況についてお聞かせください。
280: ◯副議長(山根成二) 野村農林水産部長。
281: ◯農林水産部長(野村良太) 県内における海を豊かにする目的で行われている植林活動は、これまで主に県西部で行われてきましたが、現在では益田地区のみで実施されております。益田地区では、益田市沿岸漁業水産振興協議会が平成15年から漁業者、森林組合、地元市と協力し、小学生などの参加も得ながら植林活動を続けておられます。今年度は、大草町においてクヌギやヒノキの苗木650本の植林が実施されております。
282: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
283: ◯中島謙二議員 この植林はずっと続けているんですけれども、要は川の近くでなくてもいいわけですね。どこでもいいですから、とにかく山に広葉樹を植え、そしてそのフルボ酸鉄が生成されて、浸透して海へ流れていく。この循環をつくっていこうということで長年続けているわけです。
このように森林と海はお互いに密接に結びついておりまして、森林の保全が海の豊かさを支える重要な要素であり、森林から川を通じて流れ込むフルボ酸鉄は磯焼けの原因の一つではないかとも私は考えておりますが、今後県内の森林の維持、整備を含め、磯焼け対策にさらに取り組んでいただきたいと思いますが、農林水産部長の所見を伺います。
284: ◯副議長(山根成二) 野村農林水産部長。
285: ◯農林水産部長(野村良太) 海の海藻は、光合成を行う葉緑素の生成に必要な鉄分をフルボ酸鉄から取り込んでいるとされておりまして、フルボ酸鉄は海藻の成長に重要な役割を果たしております。
一方で、県内の西部沿岸域では高水温の影響でアラメ類が枯れることが確認されているほか、水温が上昇するとウニなどの食害が活発になることが国の調査で明らかになっております。この高水温や生物の食害による影響は森林に由来するフルボ酸鉄の供給効果を大きく上回り、磯焼けが生じているものと考えております。
そのため県では、高水温や食害生物といった磯焼けの直接的な要因への対策として、隠岐、出雲、石見それぞれの海域において策定した藻場回復ビジョンに基づきまして、高水温耐性の藻場礁の整備を進めるとともに、地域住民によるウニなどの食害生物の駆除や小型藻場礁の設置への支援など、引き続き磯焼け対策に取り組んでいきたいと考えております。
286: ◯副議長(山根成二) 中島議員。
287: ◯中島謙二議員 フルボ酸鉄が大事だという言葉を言っていただきたいと思っていましたけれども、一方で大事だということは分かっておられると思うんですけれども、今おっしゃったように磯焼けの原因というのはいろんな原因があると。
私は、海の植物の植物プランクトンも成長するためには海藻と同じように窒素とリンが必要であって、それらを吸収するためにはフルボ酸鉄が必要であります。その植物プランクトンは、海の生態ピラミッド、栄養段階の基礎となる部分であって、この植物プランクトンを動物プランクトンが食べる。その動物プランクトンを小さい魚が食べる。そして、その小さい魚を大きな魚が食べるという食物連鎖が起きることになります。このようにフルボ酸鉄の供給は海が豊かになるため必ず必要となるものと考えておりますので、今後山から川を通じ海に流れ込むフルボ酸鉄の供給が減少することのないよう、森林の持続的な整備等を重ねてお願いし、質問を終わります。以上です。ありがとうございました。(拍手)
288: ◯副議長(山根成二) 以上で一問一答質問を終了いたします。
これをもって「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を終結いたします。
以上で本日の議事日程は終了いたしました。
次の本会議は3月6日に開きます。
なお、3月6日の本会議は議事堂2階の議場において行います。
本日は、これをもって散会いたします。
午後2時17分散会
発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...