島根県議会 > 2022-11-05 >
令和4年11月定例会(第5日目) 本文
令和4年11月定例会(第5日目) 名簿

  • "排出規制"(1/1)
ツイート シェア
  1. 島根県議会 2022-11-05
    令和4年11月定例会(第5日目) 本文


    取得元: 島根県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-17
    島根県議会会議録検索 検索結果一覧へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年11月定例会(第5日目) 本文 2022-12-02 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 46 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長(田中八洲男) 選択 2 : ◯岩田浩岳議員 選択 3 : ◯議長(田中八洲男) 選択 4 : ◯知事(丸山達也) 選択 5 : ◯議長(田中八洲男) 選択 6 : ◯総務部長(籏野敏行) 選択 7 : ◯議長(田中八洲男) 選択 8 : ◯環境生活部長竹内俊勝) 選択 9 : ◯議長(田中八洲男) 選択 10 : ◯健康福祉部長安食治外) 選択 11 : ◯議長(田中八洲男) 選択 12 : ◯監査委員事務局長(今岡泰治) 選択 13 : ◯議長(田中八洲男) 選択 14 : ◯吉田雅紀議員 選択 15 : ◯議長(田中八洲男) 選択 16 : ◯知事(丸山達也) 選択 17 : ◯議長(田中八洲男) 選択 18 : ◯政策企画局長(太田史朗) 選択 19 : ◯議長(田中八洲男) 選択 20 : ◯環境生活部長竹内俊勝) 選択 21 : ◯議長(田中八洲男) 選択 22 : ◯健康福祉部長安食治外) 選択 23 : ◯議長(田中八洲男) 選択 24 : ◯農林水産部長(西村秀樹) 選択 25 : ◯議長(田中八洲男) 選択 26 : ◯土木部長(五十川泰史) 選択 27 : ◯議長(田中八洲男) 選択 28 : ◯女性活躍推進統括監(松本洋子) 選択 29 : ◯議長(田中八洲男) 選択 30 : ◯教育長(野津建二) 選択 31 : ◯議長(田中八洲男) 選択 32 : ◯副議長(池田一) 選択 33 : ◯成相安信議員 選択 34 : ◯副議長(池田一) 選択 35 : ◯知事(丸山達也) 選択 36 : ◯副議長(池田一) 選択 37 : ◯政策企画局長(太田史朗) 選択 38 : ◯副議長(池田一) 選択 39 : ◯健康福祉部長安食治外) 選択 40 : ◯副議長(池田一) 選択 41 : ◯農林水産部長(西村秀樹) 選択 42 : ◯副議長(池田一) 選択 43 : ◯教育長(野津建二) 選択 44 : ◯副議長(池田一) 選択 45 : ◯成相安信議員 選択 46 : ◯副議長(池田一) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:        午前10時2分開議 ◯議長(田中八洲男) おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程第1、「県政一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑」を行います。  引き続き一般質問を行います。  岩田議員。  〔岩田浩岳議員登壇、拍手〕 2: ◯岩田浩岳議員 おはようございます。民主県民クラブの岩田浩岳です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  サッカーワールドカップグループ予選1位通過の興奮が冷めやらぬまま、本当にスポーツの力、そして感動を与えることができるなということをしみじみと本当に見ていて感じまして、我々、政治に国民が無関心だと言うんですけど、我々政治に感動がないんじゃないかなというようなことを感じながら、今この場に立たせていただいております。ぜひ一生懸命全力で質問したいと思いますので、執行部の皆様におかれましては、真摯な御答弁よろしくお願いを申し上げます。  質問の第1は、知事の政治姿勢についてでございます。  丸山知事は、今議会の一般質問初日の11月29日、来春の県知事選挙に挑戦する意向を表明なさいました。島根創生を掲げて2019年に当選をされた丸山知事ですが、就任1年目の冬には新型コロナウイルス感染症が全国に広がり始め、翌年4月には県内でも初の陽性患者が発生し、以降、新型コロナウイルス感染症との闘いに身を置くこととなりました。子育て環境の充実や島根大学の新学部創設、山陰道の着実な延伸など、実績としてもちろん評価をできることは多々ございますが、この1期目はコロナ対策に追われ、御自身が県政で取り組みたいことが十分にできなかった部分もあるのではないかと拝察しております。道半ばの県政課題に取り組むためにも、2期目へ挑戦し、引き続き県政運営に当たっていただきたいと思っておりましたので、このたびの知事の表明を心から歓迎するものです。  さて、知事が掲げる島根創生計画にある「笑顔あふれる しまね暮らし」宣言が知事の理想とする島根の姿を言葉にしたものだと思います。この宣言には、島根に暮らす全ての人が心豊かに暮らしてもらいたいという知事の願いが込められていると感じます。  ところで、国連が発表しました世界幸福度ランキング2022において、日本は54位と、先進諸国の中では最低という結果が出ております。この幸福度ランキングなんですが、人口当たりのGDP、社会的支援、困ったときに頼ることができる人がいるかとか、健康寿命、人生の選択の自由度、寛容さ、そして腐敗の認識、こうした6つの項目のアンケート調査を中心に選出されております。  この結果を少し詳しく見ますと、日本は、1人当たりの国内総生産GDPや健康寿命に関してはランキング上位国と大差がありません。一方で、人生の選択の自由度と他者への寛容さの数値が目立って低いという結果が出ております。  ハーバード大学が75年にわたって人の幸福度について研究した結果、人の幸福度に最も影響を与えるのは、年収、学歴、職業とは直接関係がない温かな人間関係であると結論づけています。  日本は、世界で最も早く少子高齢化、人口減少社会に直面をし、島根県はその日本の中でも最先端を走るトップランナーです。課題先進県と言われるとおり、ここ島根での解決策、新しい答えが、これから世界が直面する課題を解決に導くモデルケースとなり得ます。それには、島根で暮らす人たちがいかに温かな人間関係を築くことができるかどうかということが、幸福度を左右する大きな鍵となるでしょう。  こうした中で、島根創生を実現する上で、私はこれからの県政において、ウエルビーイング、このウエルビーイングの考え方を大切にしていただきたいと思うのです。このウエルビーイングとは、直訳すると、幸福とか健康という意味がございます。健康とは、病気の状態でないとか、弱っていないとかということだけではなく、肉体的、精神的、そして社会的にも、全てが満たされている状態のことを言うそうです。体が元気だから幸福、健康ということではないということです。つまり、ウエルビーイングは、これは何を指すかというと、県民の、国民の「いま」、この「いま」の状態が本当に幸せと言えるかどうかということが大事だということであります。  社会的にという点でいえば、全ての県民が温かな人間関係の中で暮らしていける、そのような状況を我々は提供していかなくてはならないと思うわけです。  そこで、知事にお尋ねをいたします。  島根創生を実現していくに当たり、このウエルビーイング、みんなの「いま」を幸せにするという観点で、今後の県政運営にぜひ当たっていただきたいと思うのですが、そのことについての所見をお尋ねいたします。
     そのみんなの今を幸せにするという観点から、LGBTQ、性的マイノリティーへの対応について質問をします。  LGBTQは、女性同性愛のレズビアン、男性同性愛のゲイ、両性愛のバイセクシュアル、体の性別と心の性別に違和感があるトランスジェンダー、自分の性別、好きになる相手の性別が分からない、決めないというクエスチョニングの英語の頭文字を取った性的マイノリティーの総称で、本議会でも幾度となく取り上げられており、近年知られてくるようになってきたと認識しております。  2020年の電通ダイバーシティ・ラボの調査によると、日本にはおよそ8.9%の性的マイノリティーに属する人がいると言われております。これは、例えば学校で40人のクラスがあったとすれば、そのうちの3人から4人は性的マイノリティーに当たるということになります。  当事者団体であるLGBT法連合会が発表している性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリストによりますと、性的マイノリティーに関する差別や偏見はいまだに残っており、誰にもばれたくないという思いから、相談相手、場所が見つからず、不登校に陥る。就職活動の際には、男性、女性の選択肢しかない履歴書の性別欄で悩まされる自身の問題に加え、就職活動でカミングアウトした際に、面接を打ち切られたり、内定を取り消されたりするケースがあるそうです。また、就労面では、同性愛やトランスジェンダーをネタにした冗談やからかいといったハラスメントのほか、昇進、昇格に影響を及ぼす場合もあるそうです。  本県でも、この問題について、人権の観点から啓発などに取り組んではおりますが、県内にどれくらい該当する人がいるのかを正確に把握することが難しく、悩んでいる方にいかに素早くアプローチして相談・支援に当たるかと、周囲の理解度がどれくらい高められるか、この2点が多様性を認め合う社会を実現する上で大きな鍵となります。  自身が性的マイノリティーであることを家族など周囲に伝えるカミングアウトは、当事者が周囲から理解や支援を得るために重要ですが、職場や学校は、多くの人にとって日中の大部分を過ごし、社会との接点になる場所なので、当事者がなかなかカミングアウトしづらく、1人で悩みを抱えやすい状況であることが容易に推察できます。こうした状況の中では、やはり相談体制の充実が求められると考えますが、本県のホームページで紹介されているLGBTの相談窓口によりそいホットラインというのがあり、これは24時間フリーダイヤルで相談が可能ですが、このホットラインは一般社団法人社会的包摂サポートセンターが運営するもので、本県の事案の共有は、本県とは行われておりません。  また、島根県人権啓発推進センターや松江地方法務局、島根労働局雇用環境・均等室、島根県立心と体の相談センターなどの電話番号も案内はされておりますが、LGBTQに悩む方のみが対象ではないこれらの窓口に当事者が連絡をするのは、心理的にハードルが高いのではないでしょうか。  県として、県内のLGBTQに関する悩みを抱える人たちにワンストップで相談、支援ができる体制をつくるべきとの観点から、まず本県で、LGBTQの問題についてどのように取り組んでいるのか、環境生活部長にお尋ねをいたします。  次に、問題が顕在化しにくい、正確な人数把握が難しいことなどから、県内の情報を把握する、また対面での支援をより行いやすくするといった観点から、LGBTQの問題に特化した相談窓口を県として独自に設けるべきだと考えますが、知事の所見をお伺いします。  こうした中で、11月30日、法律上同性同士での結婚、同性婚が認められていないことは憲法違反であるとして、国に対して損害賠償を求める訴訟の判決公判が東京地裁でありました。この裁判は、2019年に、札幌、東京、名古屋、大阪の地方裁判所で一斉に提訴されたもので、東京地裁では合憲との判断が下されたものの、同性カップルが家族になれない現状は違憲状態であると言及されました。  このたびの東京地裁の判決で、家族として法的保護や社会的な認証を受けることは個人の尊厳に関わる重要な人格的利益で、同性愛者にとっても同様であると指摘されました。そして、同性パートナーと家族になる法制度が存在しないことは、人格的生存に対する重大な脅威、障害であるとして、憲法24条の2項に違反する状態にあると言及しております。  憲法第24条は婚姻について定めたもので、その第2項は「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とされています。  今回のこの判決は、24条2項を基に、同性のパートナーと家族になる法制度を国においても議論し、整えるべきだと言及している点で、我々、政治に携わる者は重く受け止めなくてはならないと考えます。  同性婚を認める動きは世界に広がっておりまして、アメリカ議会上院は、先月末、同性同士による結婚や異なる人種間での結婚の権利を連邦レベルで保障する法案を可決しております。このような話をすると、日本の伝統的家族観が壊れるのではないかと危惧をされる方もいるかもしれません。しかし、実際に、性的マイノリティーであるというだけで家族とは認められないことで、個人の尊厳が保たれていない人がいるという事実に、我が国も向き合うときが来ていると感じております。  結婚の仕方に多様性を認めたとしても、現在の結婚観を重んじる人が不利益を被る話では決してありません。これは、新たに社会の中に幸せを感じる人が増えるという話です。そして、これはマイノリティーの問題ではなく、そのことに目を向けてこなかった、私も含め社会全体として考える問題だと思うのですが、いかがでしょうか。  そこで、本県のパートナーシップ制度の取組について質問をいたします。  パートナーシップ制度は、性的少数者LGBTQのカップルからの宣誓や届出に基づいて、自治体が家族関係を公的に認める制度で、法的な効力はないものの、病院での面会や手術への同意、住宅の入居などにおいて、行政や民間が家族同様のサービスを提供するという取組です。この制度によって多様性に対する理解が深まり、誰もが暮らしやすい街になることが期待されています。  日本では、2015年、東京の渋谷区と世田谷区で、同性カップルを自治体が証明したり宣誓を受け付けたりすることができるようになり、昨年の東京オリンピックを機に、日本各地に広まっています。今年11月1日現在で導入されている自治体は、少なくとも242自治体あり、中国地方においても、本県以外の4県において15の市町が導入しています。本県では、1市町村も、また県としても導入をしてないというのが現状です。  パートナーシップ制度に関する質問は、本議会でも度々質問で取り上げられており、令和2年11月議会においては、我が会派の白石議員からも質問されています。その際の答弁では、検討事項などについて、まずは都道府県レベルで一番先行している茨城県を訪問して調査を行い、その結果によっては、他の自治体、市区町村になろうかと思いますが、調査をするなど、導入の是非を検討するためには、これらの調査、そして調査に基づく検討が必要な段階ということでありますと答弁していて、当時の段階では、導入の可否を判断している状況ではないといった趣旨の答弁がなされました。あれから2年が過ぎております。司法判断の中で、多様な結婚の形を国で議論すべきと求められている中、地方自治体が同性同士のカップルが生きやすい環境を提供することは、社会全体の幸福度を上げることにもつながるのではないでしょうか。  県内においても、LGBTQの方で生活上の様々な問題で困っている方がいるにもかかわらず、パートナーシップ制度すらないというのであれば、島根に生まれてよかった、島根に住んでよかったと、果たして思うことができるでしょうか。寛容性のある社会の実現に向けて、ぜひとも取り組んでいただきたいと願うものであります。  そこで、パートナーシップ制度について、全国の自治体の導入状況を見ると、本県の取組は遅れていると言わざるを得ないのではないでしょうか。環境生活部長に所見をお尋ねいたします。  このパートナーシップ宣誓制度ですが、これがあることのメリットと課題について伺います。  また、本県においても、早々にパートナーシップ宣誓制度を導入すべきと考えますが、その必要性について、知事の所見をお尋ねいたします。  次は、男性用トイレのサニタリーボックスの設置について伺います。  国立がん研究センターが2018年にまとめた統計によると、前立腺がんと診断された男性はおよそ9万2,000人、膀胱がんはおよそ1万7,500人に上ります。これらのがんは、手術後、頻尿や尿漏れの症状が起きやすく、手術を受けた男性は、尿漏れパッドや紙おむつを着用されることが多いそうです。しかし、男性トイレの個室には、サニタリーボックスの設置が進んでおらず、使用後のパッドを捨てる場所がないため、ビニール袋などに入れて持ち帰らざるを得ない方が数多くいらっしゃるとのことです。  日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人を超える割合です。その一方、早期発見、早期治療によって、がんは近年、治る病気となってきました。さらに、通院治療や仕事との両立など、がん患者の社会復帰、社会参画も進んできております。しかし、そのためには、がんと闘う方々が快適に外出ができる環境を整えていかなくてはならないのではないでしょうか。  こうした中、JR西日本山陰支社は、10月から、山陰両県の主要な駅の男性用トイレにサニタリーボックスの設置を始めているそうです。島根県内で設置されたのは、松江駅や出雲市駅のほか、大田市駅、江津駅、浜田駅、益田駅、宍道駅、それに木次駅の合わせて8つの駅です。また、鳥取県内では、鳥取駅や米子駅のほか、境港駅、伯耆大山駅、智頭駅、根雨駅の6つの駅に設置されているそうです。民間でもこうした取組が進んできている中で、県は率先してこの課題に取り組むべきであると考えます。  そこで、県庁舎、合同庁舎及び県が管理する公の施設における男子用トイレのサニタリーボックスの設置状況についてお尋ねをいたします。  全国的には徐々に設置が進んでいると考えますが、男性用トイレのサニタリーボックスの必要性について、また今後の普及に向けた取組について、健康福祉部長にお尋ねをいたします。  質問の大別5点目は、内部統制制度と監査の実施に当たっての着眼点についてお尋ねをいたします。  私は、平成29年5月から2年間、県の監査委員を務める機会がございました。当時は、平成28年3月に、第31次地方制度調査会から、人口減少社会に的確に対応する地方行政体制及びガバナンスの在り方に関する答申がなされ、これを受けて、平成29年に地方自治法などが一部改正され、監査制度の充実強化などへの取組が図られました。令和3年2月議会において、高橋議員から、これに係る具体的な取組の質問がなされ、監査基準の策定や内部統制制度の運用開始などについての答弁がございました。  その内部統制制度は、令和2年度から、事務上のリスクを評価、コントロールして、組織として事務の適正な執行を確保するために、財務に関する事務を対象に知事部局等で運用が始まっております。制度は人事課で所管されておりますが、監査委員も毎年度内部統制評価報告書の審査をされております。  そこで伺います。  この内部統制制度について、監査委員事務局として、運用状況をどのように把握なさっておられるのかお尋ねをいたします。  さて、令和4年度の財務監査、当時は定期監査と呼んでおりましたが、財務監査では、本庁、地方機関合わせて年間224機関が対象で、事前に職員による監査を行った上で監査委員の監査に臨むこととされています。機関ごとに財務監査資料が作成をされます。事前に詳しい監査調書が監査委員事務局から監査委員の下に届けられます。機関によって事業内容や課題は様々であり、これを読み解き、監査時に確認していくこと、質問したりすることというのは非常に大変な作業だったなと、私も記憶しているところです。こんな封筒が届いたりするもんですから、読むのが本当に大変だったのを覚えています。  監査委員として県内外の現場を確認し、様々な職員と意見交換させてもらうことができたのは、私にとっても大変有意義な経験でしたし、監査を受ける機関も、本当に誠実に、また皆、緊張感を持って対応されていたのが本当に印象的でした。  事前の職員による監査についても、厳粛な運用によるしっかりとした監査が行われるべきであることは当然なのですが、その一方で、この監査のやり取りを通じて、やはり県の職場の最前線で真面目にその職務と向き合っている職員の皆さんのモチベーションが高まる、勇気づけられる監査であってほしいなと願っております。  コロナ禍の先が見通せない中、全庁的に事業や仕事のやり方などの見直しがなされておりますが、監査委員事務局は様々な機関を直接見て意見交換をする機会も多いのではないかと思います。  そこで、委員監査を支える監査委員事務局として、コロナ禍の中での監査の実施に当たっての着眼点をお聞かせください。  以上で私の質問を終わります。執行部の皆様におかれましては、真摯な御答弁をお願いいたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) 3: ◯議長(田中八洲男) 丸山知事。  〔丸山知事登壇〕 4: ◯知事(丸山達也) 岩田議員の御質問にお答えいたします。  最初の御質問は、ウエルビーイングという観点で、今後の県政運営に臨むことについて、私の所見であります。  私は、島根創生計画の「笑顔あふれる しまね暮らし」宣言において描く島根の姿、人間らしいぬくもりのある豊かな暮らしを営むことができるこの島根県を大事に引き継いでいきたいという思いで県政運営に当たっておるところでございます。  議員御指摘のウエルビーイング、みんなのいまの幸せという観点というのは、この笑顔あふれるというところの中に、多くの県民の皆様が幸せにという意味も含まれているというように思っておりまして、相通ずるものがあるというふうに思っているところでございます。  島根で暮らしておられる県民の皆様が、学校や職場、地域での活動、スポーツなど、様々な場面で、幾つになられても人との関わり、触れ合いを通じて、自らの個性、能力を十分に発揮されて、夢や希望、志を実現していかれる環境をつくっていく、そうした県民お一人お一人の自由、多様性を尊重し、誰もが自分の希望をかなえて幸せに感じられる社会を引き継いでいくということが重要であるというふうに思っております。  この先も、県民の皆様が笑顔で幸せに暮らしていただけるように、ぬくもりのある豊かな暮らし、真面目で温かい人柄といった島根のよさを最大限に生かしながら、島根創生の実現に全力を挙げて取り組んでいく考えでございます。  次に、LGBTQに関します相談窓口の設置に対する所見についてお答えいたします。  LGBTQの方々が相談できる相談窓口といたしましては、現在、人権に関することについては、島根県人権啓発推進センター、また松江地方法務局、そして職場でのハラスメントに関することは、島根労働局、心の健康に関することにつきましては、島根県立心と体の相談センターの心のダイヤルなどが上げられます。また、自らの性別に対する違和感や同性愛に関わる相談など、LGBTQに関します専門的な相談につきましては、24時間フリーダイヤルで全国からの相談を受け付けておられます一般社団法人社会的包摂サポートセンターのよりそいホットラインなどを御紹介をさせていただいているところであります。このよりそいホットラインの2020年度の事業報告書を拝見しますと、主な相談内容としては、性的指向、恋愛、結婚に関すること、精神の病気、偏見、差別、周囲の無理解、支援者がいないなどが上げられております。また、かかってきた電話約10万件に対しまして、つながった件数が約2万件と、つながりにくい、マンパワーといいますか、受入れ能力が不足しているという現状も見てとれるところでございます。  こういった現状の相談体制で、島根県在住の当事者の方々に十分対応し切れているのかどうか、またどういった点が不足しているのかといったことにつきまして、当事者の方々のお話を伺ったり、他県の相談体制などを調査確認してまいりたいというように考えているところでございます。  最後に、パートナーシップ宣誓制度を導入することの必要性について、私の認識をお答えいたします。  パートナーシップ宣誓制度を導入する都道府県は、今年になってから、東京都など、5都県で導入され、急速に増えまして、現時点では10都府県で導入がなされているところであります。  岩田議員から御指摘がありましたとおり、令和2年11月定例県議会におきまして、白石議員に御答弁させていただきましたとおり、これまでパートナーシップ宣誓制度について、導入されている茨城県と三重県への実地の訪問調査、また市区町村を含む80の自治体に書面調査を行い、状況を調査し、検討してきたところであります。  その結果から、制度導入によりまして、パートナーシップの関係にあるカップルを家族同様に扱う行政サービスや民間サービスが可能となるなど、制度を利用される方々への直接的な便益に加えまして、性の多様性への理解が広く県民に啓発され、深まっているといったことが判明したところであります。  また、宣誓カップルの一方がこの関係を解消したいと望んでも、相手の方が応じられないといったケースには、自治体が交付した受領証を使用され続けることが懸念されるわけでありますけれども、このパートナーシップ関係が解消された場合には、受領証の返還を義務づけ、一方からの返還であっても受け付ける。そして、相手方には返還の事実を伝えるとともに、解消された受領証の交付番号を公表しまして、サービス提供をされている方々に周知することで、受領証が引き続き関係がないにもかかわらず利用されるといったことがないように担保するといった工夫がなされているということも判明いたしました。  県内にも、LGBTQの方で生活上、様々な問題に困っている方々がおられます。全ての人が島根に生まれてよかった、島根に住んでよかったと思っていただける多様性と包容力のある社会の実現に向けて、性の多様性が尊重される環境を整備するために、これから島根県におきましても、パートナーシップ宣誓制度導入に向けて具体的な検討を始めていきたいというように考えているところでございます。私からの御答弁は以上でございます。 5: ◯議長(田中八洲男) 籏野総務部長。  〔籏野総務部長登壇〕 6: ◯総務部長(籏野敏行) 県庁舎等における男子トイレにおけるサニタリーボックスの設置状況についてお答えいたします。  まず、県庁舎、合同庁舎の男子トイレにおきましては、現時点におきまして未設置となっております。  次に、県が管理する公の施設につきまして、しまね海洋館アクアス、三瓶自然館サヒメル、万葉公園、はつらつ体育館、古代出雲歴史博物館においては設置しておりますが、その他の施設では未設置となっております。 7: ◯議長(田中八洲男) 竹内環境生活部長。  〔竹内環境生活部長登壇〕 8: ◯環境生活部長竹内俊勝) まず、LGBTQに関する問題についてどのように取り組んでいるかという点についてお答えいたします。  県では、地域社会や職場において、LGBTQの方々が直面する課題を認識し、性に対する多様な在り方への理解を深めるために、民間団体とも連携して、各種講演会や研修会の開催、啓発資料の配布などを行っております。昨年度は、性の多様性の理解を深めるための講演会や研修会を10回開催いたしました。今年度は、講演会や研修会をこれまで15回開催しているところであります。また、10月に雲南市ラメールで開催しました人権フェスティバルでは、LGBTQの当事者の団体の方に出展していただき、性の多様性について啓発を行いました。  また、県職員向けには、多様な性を理解し行動するためのハンドブックを作成しているところであります。  次に、パートナーシップ制度の全国の自治体の導入状況を見ると、本県の取組は遅れているのではないかということについてお答えいたします。  現時点で、パートナーシップ制度を導入している都道府県は、茨城県、大阪府、群馬県、佐賀県、三重県、青森県、秋田県、福岡県、栃木県、東京都の10都府県でございます。島根県内に制度を導入している市町村はありません。  10月11日時点で、都道府県、市町村とも制度を設けていない都道府県は、中国地方では島根県だけでありまして、全国で見ても島根県を含む7県のみとなっている状況であります。  こういったこともありまして、先ほど、知事が答弁いたしましたとおり、パートナーシップ宣誓制度の導入に向けて具体的な検討を始めることとしたところでございます。  最後に、パートナーシップ制度があることのメリットと課題についてお答えいたします。  メリットとしましては、自治体が性的マイノリティーの方のカップルを認めることで、多様な性について住民の理解が深まり、性的マイノリティーの方々への偏見や差別の解消に役立つということがあります。また、パートナーシップ宣誓制度には法的な効果はありませんが、自治体が宣誓カップルに交付しますパートナーシップ宣誓の証明証を提示すれば、これまで家族でないという理由で受けられなかったサービスが、異性間の夫婦と同様に受けられるということがあります。  次に、課題についてでございますが、まず制度が導入されたときに受けられるサービスの充実に向けまして、市町村、民間事業者の方々に対しまして、家族同様のサービス提供について理解と協力を求めていくことが必要であります。また、パートナーシップ宣誓制度は各自治体の制度であるため、他の自治体に転居される場合、パートナーシップ宣誓書受領証を交付した自治体に返還いただきまして、転居先の自治体で改めてまた手続を行う必要があるということが生じます。また、県境近くに居住されている方は、生活圏が隣県の場合がありますので、自治体をまたいだ転居や隣県でのサービス提供において、利便性をいかに確保していくかということが課題ではないかと考えているところであります。以上でございます。 9: ◯議長(田中八洲男) 安食健康福祉部長。  〔安食健康福祉部長登壇〕 10: ◯健康福祉部長安食治外) 男性用のトイレのサニタリーボックスの必要性と今後の普及に向けた取組についてであります。  前立腺がんや膀胱がんの手術の影響により、日常的に尿取りパッドや紙おむつを使用する方々からの声を受けて、公共的な施設を中心に、男性用トイレの個室にサニタリーボックスを設置する動きが広がっております。  県では、尿取りパッドなどを使用する方が気兼ねなく外出し、安心して日常生活を過ごすことができる環境をつくることが大切だと考えており、まずは県庁舎の男性用トイレの全個室66か所にサニタリーボックスを設置することとして準備を進めているところです。  また、他の県有施設にも広がるように、このたびの県庁舎の設置方法や清掃、廃棄物処理の経費などの情報を県有施設を所管する部局に提供し、理解を求めていくことにしております。  さらに、男性用トイレにサニタリーボックスを設置する趣旨や県庁舎での取組、他の公共施設での設置事例を県のホームページなどでも紹介し、民間の施設においても設置が進むように取り組んでまいります。 11: ◯議長(田中八洲男) 今岡監査委員事務局長。  〔今岡監査委員事務局長登壇〕 12: ◯監査委員事務局長(今岡泰治) 初めに、内部統制制度について、監査委員事務局として運用状況をどのように把握しているのかについてお答えいたします。  議員御紹介のとおり、内部統制制度は、令和2年度から財務に関する事務を対象に、知事部局、企業局、議会事務局、教育委員会、警察本部及び各委員会等において運用が始まりました。その運用状況の把握については、令和3年度から、財務監査の際、各機関に自己点検の状況を確認しております。令和4年度は、これに加えて、取組状況についてヒアリング調査を行いました。その結果、多くの機関では、課内会議等において、制度の意義の浸透や自己点検を記載したシートの情報共有による注意喚起を図っていました。  引き続き、財務事務上のリスクに対し、内部統制制度が有効に機能しているかどうかを確認し、監査等の種類に応じ、定着の度合いを勘案し、適切な監査の実施方法の確立に向けた検討を行ってまいります。  次に、コロナ禍の中での監査の実施に当たっての着眼点についてお答えいたします。  監査委員による財務監査では、経済性、有効性、効率性の観点を重視した上で、感染症対策を徹底しながら、実効性のある監査となるように努めております。コロナ禍への具体的な対応としては、県外及び隠岐地域でのテレビ会議の活用、令和4年度の本庁83機関の財務監査を対面から書面監査に変更、また事前の職員監査では、監査項目を限定し、時間を短縮して実施いたしました。  なお、監査資料については、これまでも毎年、簡素化等の見直しを行っております。  コロナ禍においては、今後も必要に応じて、職員の負担を軽減する視点を持ち、柔軟に対応してまいります。  議員御指摘のとおり、監査は厳正かつ適切に行う必要があります。実施に当たっては、問題点を指摘するだけではなく、再発防止策を各機関とともに検討し、提案することも重要であると考えています。  また、ヒアリング等で得たよい事例などを積極的に監査委員や関係機関と情報共有するなど、コロナ禍にかかわらず、建設的な監査となるように努めてまいります。 13: ◯議長(田中八洲男) 吉田議員。  〔吉田雅紀議員登壇、拍手〕 14: ◯吉田雅紀議員 おはようございます。自由民主党議員連盟、隠岐選出の吉田雅紀でございます。  2022年が間もなく終わろうとしていますが、国内外を問わず、本当に様々な激変に見舞われ、時代のスピードに翻弄された1年であったと感じています。2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵略は泥沼の様相を見せており、これがもたらすエネルギーや穀物生産をはじめとする経済への影響は、私たちの暮らしを直撃しました。改めて、世界は密接につながっており、私たちに戦争の足音が日々大きくなってくることへの現実感を抱かせているのであります。  10月16日、令和4年度の島根県総合防災訓練が、隠岐の島町を会場に執り行われました。離島が大きな災害に見舞われたとき、本土からの救助や医療活動に当たる従事者や資機材をどのように輸送するのか、また海上や空路を利用した住民避難、あるいは患者の搬送など、隠岐地域の特性を踏まえた訓練が、多くの島民参加の下、実施されました。そして、ここには初めて、陸海空の自衛隊がそろって参加し、広島の陸上自衛隊第13旅団長、海上自衛隊舞鶴地方総監の来島の下、上空からの状況把握には、航空自衛隊西部航空方面隊のF2支援戦闘機が飛来し、防災訓練とはいえ、警察と海上保安庁の背後に控える自衛隊のプレゼンスを十分に示していただきました。  11月11日には、五島列島の津多羅島において、尖閣諸島を念頭に、外国の不審者が離島に上陸する事態を想定した特殊訓練が行われました。国境域にある離島の危機感は世界情勢につながっているのであります。  さて、最初の質問は、新型コロナについてであります。  第8波に入ったとされるコロナですが、これまでの状況から、毒性が弱まる反面、感染力は強くなっています。とすれば、県内においても第7波以上の感染拡大が予想されますが、じわじわ上がりつつある確保病床使用率、そしてこの冬はインフルエンザとコロナの同時流行も懸念されていることを考えますと、医療逼迫に対する備えが重要であります。
     第8波において、どの程度の感染状況を想定しているのか、また国が経済を回す上からも行動制限は行わないとしている中で、医療崩壊を招かないためにどう対応する考えであるかお伺いします。  地域を回ると、3年間のコロナ慣れといいますか、本県の累計感染者数が10万人に及ぶ中で、受け止め方が様々出てきているように感じます。基礎疾患のある方や高齢の方の中には、変わらず不安を訴える方もおられますが、重症者がほとんどない中で、コロナそのものを恐れるよりも、かかるのは怖くないが、かかれば仕事を休まねばならず、また接触した人にも迷惑がかかる。だから、かかるわけにはいかないといった声をよく聞くのであります。  県からは、日々、呼びかけがなされていますが、基本的な感染対策は理解しながらも、対応は人それぞれであるように思います。私の地域ですと、ふだんはマスクはせず、町の商業施設や公共施設に出かけるときだけマスクをする。飲食店では、店の出入りのときだけマスクをする。そういう人が多いようです。つまり、人の目を気にして着けるマスク。医学的根拠は不明です。  また、県はオミクロン株対応ワクチンの接種を呼びかけていますが、高齢者でない方の接種は進んでいるのでしょうか。よく報道される重篤な副反応も心配で、自然にかかって免疫をつけたほうが安心という人もいます。  接種率を上げるためなら、ワクチン接種の必要性を改めて説明せねばならない状況にきていると考えますが、所見をお聞かせください。  次の質問は、畜産業の振興についてであります。  去る10月6日から10日の5日間にわたり、鹿児島県で開催された第12回全国和牛能力共進会において、本県代表牛がすばらしい成績を収めました。最も注目された第6区の総合評価群において、優等賞3席、特に肉牛は15組中1位となり、うち1頭は、脂肪の質賞という特別賞を受賞しました。また、新設された第7区・脂肪の質評価群においても、優等賞2席、21組中2位、第8区・去勢肥育牛も優等賞2席、58頭中2位。さらに、高校及び農業大学校を対象とした特別区においても、出雲農林高校が24校中5位の5席、同時に顔品賞、いい顔してるという特別賞に輝きました。本当に紙一重の厳しい世界で、大きなプレッシャーの中、この5年間、苦労を重ねられ、予想を上回る好成績を勝ち取られました生産者の皆様、そして指導に当たられた多くの関係機関の皆様方に、改めて敬意を表し、お祝いを申し上げます。  言うまでもありませんが、全共への参加は、隠岐の牛突きのように名誉を求めているのではありません。ここでの評価が生産者の収入に直結するからこそ、大きなエネルギーと資金を投じているのであります。  鹿児島全共の成果を受けて、それ以前と以降で市場の評価はどうであるか。まだ、日数がたっていませんが、全国の状況とも比較して、島根県の市場の動向をお伺いします。  また、生産者及び購買者の反応と今後の市況をどう想像しているのかについてもお聞かせください。  一方、県内市場の中で、隠岐の4市場については上場牛のばらつきが大きく、全共の評価の反映が分析しづらいと思いますが、購入者にとってはアベレージとして品質の水準が確保されなければ、魅力に乏しい市場と映るのではないでしょうか。  隠岐市場のレベル向上のための課題をどう捉え、今後、どう指導し、魅力あるものとしていく考えであるかお伺いします。  さて、鹿児島全共で、和牛王国しまね復活ののろしは上がりました。生産者の期待が高まる機を捉えて、繁殖、肥育両面で意欲的な和牛生産農家の担い手を確保し、育てていかなくてはなりません。加えて、今度は追われる立場となった本県には、和牛改良への不断の努力が求められることは当然であります。  鳥取県では、和牛といえば鳥取と呼ばれる産地を目指すとの掛け声の下、県有種雄牛の遺伝資源を知的財産と位置づけた全国で初めての条例を制定し、県民の財産として未来に継承していく取組を始めようとしています。  しまね和牛のブランド価値を高め、市場評価をさらに高め、未来の基幹農業として育てていくために、本県はどのような戦略で臨む考えであるか、総合的な知事の所見をお聞かせください。  生産者は、長引くコロナ禍でのニーズの縮小や物流の滞り、またロシアのウクライナ侵略や急激な円安といった外的要因による燃油や電気代、資材や飼料の高騰といった生産コストの上昇に苦しんでいますが、とりわけ厳しい状況に置かれているのが酪農であります。もとより需給ギャップが大きい中で、販売価格への転嫁はコスト高騰分を全く吸収できていません。副収入であった子牛の販売もままならず、赤字経営を続けていると聞きます。国は生産抑制の方向性であり、経産牛を1頭減らせば15万円の奨励金を交付するという米の減反政策のようなやり方を示し、酪農家の生産意欲は上がりません。このままでは島根の酪農は消滅に向かいかねません。SDGsの観点からも、この分野の地消地産を維持せねばならないと考えますが、畜産業の中でも、とりわけ酪農について、どう課題を認識し、どのような展望を持って対応していく考えであるかお伺いします。  次に、新たな農林業の展開について伺います。  まず、農業について、世界的なインフレによって肥料価格が高騰する中、農業経営への影響を緩和するため、国は肥料価格高騰対策事業として、前年度から増加した肥料費高騰分の70%、県は農家負担分のさらに2分の1を支援しています。ここでは化学肥料低減計画書の提出を条件とし、堆肥の利用、下水汚泥など汚泥肥料や食品残渣など、国内資源の利用、有機質肥料や緑肥作物の利用などが推奨されています。  また、島根県は、農林水産基本計画の重点推進事項として、有機食品へのニーズの高まりを背景に、有機農業の拡大を進めています。島根県が推進する有機農業は、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業のうち、有機JAS規格を満たし、認証を取得されるものを推進するとうたっています。まだまだ微々たる割合でありますが、耕地面積に占める有機JAS圃場面積の割合は全国上位にあって、農業産出額100億円増というビジョンの実現に資する観点からも、有機農業の生産拡大を目指しています。  また、美味しまね認証制度は、島根県が定める基準に従って、県内の生産者が安全な産品を生産、出荷することにより、その産品の市場価格を向上させ、併せて経営の安定を図ることを目的とするGAP認証制度であるとうたい、品目種類ごとに生産工程管理基準を定め、これにのっとって生産が行われていることを審査委員会が審査決定し、美味しまね認証産品として認証マークを表示する仕組みであります。  有機JASマークも同様でありますが、これらは環境に与える負荷が少ない生産工程管理を保証するものであります。オーガニックという言葉も使われますが、消費者は、有機食品は安全であり健康によいものというイメージを持っています。しかし、有機JAS規格の中には、人体への安全性や健康への効果などの項目はありません。特に、有機肥料の中で動物性堆肥については、現在の畜産業の9割は遺伝子組換えの飼料を与えており、農薬の使用がセットであるとの指摘がなされています。  無論県内には放牧もあり、また遺伝子組換え飼料を与えず、抗生剤やワクチン接種を最低限に抑えた健康的な飼育環境で育てられた家畜の排せつ物を使用している農家もあると思いますが、それでも生のふん尿が自然の中で無害な堆肥となるまでには四、五年かかると言われます。自然由来の良質な動物性堆肥であっても、土壌中の過剰な栄養状態によって硝酸性窒素が発生し、発がん性や血中ヘモグロビンの酸素運搬の阻害など、深刻な健康障がいを引き起こす事例が近年報告されています。  また、31種類の農薬の使用も認められておりますが、使用可能な農薬の使用量に対しての規定はなく、食物としての安全性を保障するための制度ではないのであります。トレーサビリティー普及の重要性がここにあります。  昨年の東京オリンピックにおいて、日本の野菜は危険であるとの指摘が欧州各国からなされたことは記憶に新しいところでありますが、今行われている有機農業の安全性や健康に関してどのようにお考えか、また生産者への研修はどうなされているか、お伺いします。  食の安全のためには、生産者が生産現場において、適切な生産工程管理を踏まえながら農作物を作ることは大切と思いますが、生産現場だけでなく、農作物が生産者から消費者に渡るまでの安全対策も大変重要であります。  農作物が生産者から消費者に渡るまでの間、どのように安全性を確保する仕組みになっているかお聞かせください。  そして、消費者への周知や教育も重要でありますが、食の安全に関する消費者への啓発という視点での取組はどのようになされているか、お聞かせください。  どのような農業の方法によって栽培されたものであるかという生産側の視点と、食の安全という消費する側の視点、ここにずれがあるのではないでしょうか。私は有機農業そのものを否定しているわけではありません。有機農業のその先にある新たな農業の可能性について言いたいのであります。  コロナ禍での生活の中で、私たちはいかに健康が大切な宝物であるか、改めて認識しました。体をつくるものは食べ物です。健康に直結する食の安全に、私たちはもっと注意を払うべきでありましょう。  先日、石川県羽咋市に行ってまいりました。ここでは市とJAがスクラムを組み、新たな農業の取組を通じて、人間もまた生態系の一部であるという価値観を世界に発信していたのであります。はくい式自然栽培とは、農薬、化学肥料、有機肥料、除草剤を一切使用せず、目に見えない微生物の世界に注意を払い、土壌を自然の状態に整え、自然の力で米や野菜を栽培する農法です。これを主導した、ローマ法王に米を食べさせた男、スーパー公務員として有名な妙法寺住職高野誠鮮氏が話された、自然のものは植物であれ動物であれ人間であれ、腐るのではなく枯れていくのだ。即身成仏を見よという言葉は衝撃でありました。  この自然栽培を羽咋市とJAはくいとの連携の下、はくい式自然栽培のブランドとして確立し、全国に広げることを目指しています。そして、能登の里山里海として世界農業遺産に認定された棚田に代表される伝統的な農業と、それに関わって育まれた文化、景観、生物多様性に富んだ世界的に重要な地域を次世代に継承することをもはくい式自然栽培の目的とするとうたっているのであります。若い世代から団塊の世代まで、魅力ある多様な受皿を用意することで、自然栽培をするなら羽咋市との認識が生まれ、就農者数も増え、耕作放棄地や空き家の再生、地域コミュニティーの活性化に大きく関わる農業として発展させ、そのモデルを全国の地方に広げることで、羽咋市が日本を元気にする中心地となるとビジョンを描いているのであります。  全国から多くの人が、学びに体験に、あるいは就農に訪れています。その人たちが自然栽培を全国に広げてくれる。技術を知的所有権として保護するのではなく、みんなが幸せになるためにオープンにして広げていく。人は自然の一部として目に見えない常在菌と共存する存在であり、色心不二身土不二、自然栽培を広めていくことは日本の価値観を世界に広げていくことと同義だと高野氏はおっしゃいました。  自然栽培は極めて低コストであり、単位当たり収穫量は落ちても単価が高く、収益性の高い農業であると私は考えます。何よりも安全であり、健康志向の消費者のニーズにマッチしています。交通や土地の制約のある離島や中山間地域に適した農法であると考え、島根県における農業の選択肢の一つとして普及への支援を検討していただきたいのであります。所見をお聞かせください。  次に、林業について伺いますが、その前に、所有者不明土地の問題について取り上げます。  登記簿を見ても相続登記がなされておらず、所有者が分からない、また判明しても連絡がつかない、いわゆる所有者不明土地が増加しており、公共工事の執行や円滑な土地利用の妨げとなっているケースが多発しています。所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律が今年4月に成立し、この11月1日から施行されましたが、とりわけ山林に関しては、かつての資産価値がなくなったことにより、誰の所有か分からない、所有者が身近にいないまま放置された山がそこかしこにあります。近年の自然災害の多発を考えますと、土砂崩れや風倒木により住宅や道路が被害を受けるおそれのある箇所は、土砂災害警戒区域に限りません。平成28年に邑南町で発生した落石死亡事故を受けて、道路のり面の落石危険箇所の一斉点検を実施しましたが、倒木危険箇所については計画的な対応がなされておりません。木は年々大きくなるのであり、危険性は高まっております。伐採しようとしても所有者が分からない箇所は本県に限らず膨大にあります。  国土交通省は、全国の地方整備局に土地政策推進連携協議会を設置し、広く土地に関する課題解決や地域づくりを支援することとしていますが、島根県も参加する中国地方整備局での検討はなされているのでしょうか。ないとすれば、災害を未然に防ぐ手だてを持たないことになり、問題提起すべきでありましょう。災害復旧のコストより、未然防止のコストのほうが少なくて済むことは自明であります。自治体任せにせず、国の制度設計が必要だと思いますが、課題認識と所見をお伺いします。  かつて、隠岐の最大の産業は林業でありました。炭焼きだけではなく、古くから家を建てる製材として島外へも船で輸出しておりました。ブランドであった旧布施村の循環型林業は300年以上の歴史を有します。私もうっすらと記憶に残りますが、山の奥まで作業道が整備され、谷には索道が渡り、伐った後は必ず山を焼きます。延焼を防ぐために、伐採箇所を取り囲むように十分な幅の火道を造り、5メートルほどの間隔でやかんに水を入れた地域の男たちが立ち並び、下から火が入れられます。草木が黒い灰になり雨が降り雪が積もる。一冬超すと炭の養分を頼りに草が芽吹く。牛を放し、豆をまき、2年ほど収穫すれば、再び地場の苗を植える。こうして山は循環していったのであります。実に理にかなった先人の知恵でありますが、今はCO2の排出規制で山を焼くことができません。長い目で見れば、このやり方はカーボンニュートラルの中にあると思うのであります。  例えば特区申請をして、このような試みが認められれば、イギリスのフィンドホーンのように、自然の中での共生を求めて全国から人が移り住んでくる可能性が生まれます。自然の持つ力を素直に受け止めることが、今の時代の先端であると私は認識しています。  さて、山が放置されているのは利益を生まないからだと思います。そういう中で、再生可能エネルギーとして、各地でこれまでより小規模なバイオマス発電が計画されようとしています。この燃料として、製材や合板に向かない材の活用は有効です。放置してきた自分の山から曲がった木でも刻んで軽トラックに積んで持ち込めば幾らかになる。これを日に何回か行えば、十分小遣い稼ぎになる。そんなシステムができれば、諦めていた持ち山の木を伐ってみようかということになります。おのずと消えていたかつての山道、作業道が復活してくると思うのであります。小規模であり、雇用は伴いませんが、山にある資源を生活の一部としていくマルチワークのスタイルです。  産業政策とは呼べないかもしれませんが、そこに住み続けるために、また放置山林を再生する上からも、自伐型林業と呼ばれる新たな林業への仕組みづくりを検討していただきたいのですが、所見をお伺いします。  次の質問は、少子化についてであります。  少子化対策は、本県だけでなく日本全体が抱える最大の問題、日本に限らず先進国共通の課題として認識されておりますが、そもそもの原因はどこにあるのか。あらゆる生物は、自分の遺伝子をできるだけ多く次世代に残すという生物学的見地から見れば、少子化は種の保存に反する極めて異常な事態であり、少子化の理由は男女ともにエネルギーを自己に向け、繁殖に向けるエネルギーが減少していることによると説明されるようです。  今も人口が急激に増加している国や地域が数多くあることを考えると、我が国の少子化は、生物学的本能の問題というより、社会や文化の問題として捉えられ、生物の種としての繁殖エネルギーが環境変化に適応できるよう、社会全体の支援体制を考えねば、危機的な状況に陥るでしょう。  かつて、女性は妊娠し、出産し、授乳し、成長するまで子育てに大変な労力をかけてきました。多くの子どもが大人になるまでに病死したり、戦死したりする時代は多産多死型でありましたが、公衆衛生が改善され、医療が発達し、生まれた子どもがほとんど健康に育つようになり、教育が行き渡り、女性が社会に進出し、職場でキャリアを追求したり自分自身の財産を形成したりといった様々な個人の可能性が見えてきた時代となりました。その中で、男女を問わず、大きなストレスの中に生きている現実もあります。自由と権利への希求が社会の共通基盤となり、おのおのが自己実現を求める流れが不可逆的なものであるなら、その自己実現の中に、子どもを産み育てるという魅力ある選択肢を県民風土としてつくり上げていくことが大切だと思います。  島根県は伝統的に女性も働く地域であり、仕事と生活の両立支援、女性活躍推進に力を入れていますが、経済的な支援や福祉的な制度を整えるだけではなく、男女ともに子どもを授かることを宝物のように喜び慈しみ、そして子育てを楽しいものと感じられるような環境づくりに目を向けてほしいのです。この点を踏まえた今後の施策展開についてどのような所見をお持ちかお伺いします。  また、こういった家庭観や子育て観を子どものうちから育むことが大切だと思います。本県は教育の魅力化を通じて国の教育行政をリードしていると認識していますが、多様な選択肢を提示するという姿勢から一歩進めて、子どもたちが将来島根で生きていくという人生を選択するような、ふるさと教育を含めた人間としての教育を島根創生の中で常に意識して取り組んでいただきたいと思うのであります。教育長の思いをお聞かせください。  生物学的な視点とは別に、こういう心の問題はもっとクローズアップされてもよいかもしれません。失われた30年と言われるように、長きにわたって賃金は上がらず、格差は拡大し、ここに来ての物価高は将来不安をかき立て、若い世代の結婚への条件が悪化し、一層の出生率の低下を招くのではないかとの指摘がありますが、解決へのアプローチが経済だけとは思いません。全国の合計特殊出生率の比較を見ると、沖縄が飛び抜けて高い。しかし、沖縄は所得が全国で最も低いのであります。学者は経済学の分析の対象外と逃げますが、ここに暮らしやすさや生きやすさにつながる自然との距離というもっと本質的な大切なものが隠れているのではないかと、私は考えております。  最後に、島根創生についてお聞かせください。  コロナに災害に戦争、時代が加速度を上げ流れていく。言いようのない不安の中に私たちは生きています。「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」をつくる島根創生計画、2030年に人口の社会移動をゼロにすることを目標に掲げています。時代の先端を走る都会に魅力を感じ、若い人が出ていくことはやむを得ないかもしれません。しかし、出ていって初めてふるさとのよさを認識し、帰ってくる人もたくさんいます。男子は帰ってくるが、女子はなかなか帰ってこないとの指摘もあります。本県の状況はどうであるのか。20歳から39歳の男女別の社会移動の状況について、過去3か年の数値をお示しください。  コロナの影響もあるのでしょうが、現状と今後の動向をどう捉えているかについてもお伺いします。  先日近くの二十歳前後の男女に、「笑顔あふれる しまね暮らし」宣言を読んでもらいました。デジタルやAIが支配する時代に、私たちが感じるよさは伝わるのか、不安でありましたが、島根の姿勢に絶賛を受けました。島根創生とは人間らしさ。イーロン・マスク氏はツイッターの社員に、今後、長時間猛烈に働くことを選ぶか、それとも会社を辞めるかと選択を迫りました。都会は様々な刺激にあふれているかもしれませんが、激しい変化と競争の中で、誰にも干渉されないワンルームマンションに帰り、ほっと息をつく一人の時間に幸せを探す。日本のよさが見えません。中山間地域や離島には、利便性は足りないかもしれませんが、古きよき地域社会のコミュニティーが息づいています。  知事には、島根の強みである人間らしさを追求した施策展開を求め、日本の幸せはここにありますと力強く訴えていただきたい。この3年間、コロナの影響で必ずしも思った展開ができなかったかもしれません。改選期が迫りますが、今後の島根創生にかける思いをお聞かせいただき、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 15: ◯議長(田中八洲男) 丸山知事。  〔丸山知事登壇〕 16: ◯知事(丸山達也) 吉田議員の御質問にお答えいたします。  最初の御質問は、しまね和牛のブランド価値と市場評価を高め、基幹農業として育てていくための県としての戦略についてであります。  鹿児島全共や全国肉用牛枝肉共励会で、島根生まれ、また島根育ちのしまね和牛の肉質が全国一番に評価されたことを生かし、まずは全国でしまね和牛の認知度を向上させることが重要であります。メディアを活用したPR、県内観光関連事業者と連携する取組や、牛肉やその加工品の県外販売を強化する取組、また日比谷しまね館などを活用した首都圏でのフェアなどの取組を、民間の事業者の皆様の力も借りながら、タイムリーに展開してまいりたいというふうに考えております。  また、認知度向上に併せまして、現在取り組んでおります久茂福に続く、全国で評価され、市場価格をリードできる種雄牛の造成、そして繁殖牛を肉量また肉質の改良を加えて、繁殖能力がより高い状況に改良していくことなどを着実に進めることによりまして、島根で市場で評価されますしまね和牛の生産を拡大してまいりたいというふうに考えております。こうした取組の成果を得まして、島根で牛を飼いたいというインセンティブが働くようになり、農林大学校への入学者や新規雇用就業者を増加させ、この中から、子牛生産の担い手となる専業の繁殖経営者を育成することで、肉用牛生産の拡大につなげていきたいと考えております。  これらの取組は、次なる北海道全共に向けた出品対策にも通ずるものでございまして、持続的に発展する好循環が生まれるよう、関係者と連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、今後の島根創生にかける私の思いについてお答えをいたします。  島根の豊かな自然、古きよき歴史文化、そしてその中で長年育まれてきました互いに助け合う温かい地域社会や県民性、そして人と人との絆が強く築かれているこの社会、これが島根の強みであります。こうした島根の強み、魅力と豊かな暮らしを守り、次の世代に引き継いでいくために、「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」をつくっていきますこの島根創生、何としても実現したいという思いを基に、県議会をはじめ、県民の皆様からの御意見を伺いながら、島根創生計画を策定を、就任当初させていただいたところであります。  令和2年度から本格的に、この各種事業を展開することとしていた矢先に、新型コロナの感染拡大が開始となりましたので、それ以降、現在に至るまで、コロナ対応、そして最近では諸物価の高騰、これらと両立しまして、できることを工夫しながら進めてきたところでございます。  これまでの取組や成果は、コロナの長期化の影響などもありまして、必ずしも十分と言えない部分もございますけれども、県民の皆様、そして市町村の皆様、そして何よりも県議会の皆様の御理解と御協力の下、各分野での施策の方向としては着実に前進しているものというふうに受け止めているところでございます。  一方で、まだ多くの課題が山積をし、この人口減少に歯止めをかけるためには、県内各産業の活性化によりまして所得を引上げ、魅力的な仕事を増やし、島根に残っていただく、そして戻っていただく若者、そして移ってきてもらう若者を増やしていき、若者たちに、結婚しよう、子どもを育てようといった希望をかなえてもらうための環境を整えていく必要がまだまだございます。これらの島根創生の取組は、最終的には個人の方々の島根で就職し、家庭を持とう、またもう一人子どもを育てようといった人生の大事な選択をしていただくという積み重ねとなるところでございます。  私は、島根の自然や文化、人間らしいぬくもりのある暮らし、また真面目で温かい人柄、県民性といった島根の魅力を最大限生かしながら、島根創生が目指します「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」を実現するために全力で取り組んでいく決意でございまして、再び県民の皆様の御支持をいただき、引き続き県政を担わせていただきたいという決意で臨まさせていただきたいというふうに考えております。私からの御答弁は以上でございます。 17: ◯議長(田中八洲男) 太田政策企画局長。  〔太田政策企画局長登壇〕 18: ◯政策企画局長(太田史朗) 島根県の20歳から39歳の男女別の社会移動の状況についてお答えをいたします。  島根県人口移動調査によりますと、過去3年の20歳から39歳の男女別の社会移動は、令和元年が、男性392人の減に対し、女性は333人の減、令和2年は、男性706人の減に対し、女性は757人の減、令和3年は、男性473人の減に対し、女性537人の減となっております。  この層の社会移動の現状、内訳を見ますと、20代が男女ともに社会減となっている一方で、30代は男女ともにおおむね社会増となっており、男女別の社会移動に大きな傾向の違いは見られない状況ですが、この層の社会減の主な理由は、特に20歳から24歳の就職による転出超過が影響しております。20代の就職による社会減の部分で見ますと、女性の社会減が男性の社会減、それよりも多い傾向にありますが、近年はその差が縮まる傾向にあります。今後の動向としまして、直ちにこの20歳から39歳の社会減の状況を改善することは難しいと考えておりますが、粘り強く産業振興、Uターン、Iターンの促進、子育て支援など、島根に残る若者、移ってくる若者を増やしていく実効性のある施策を進め、社会減の縮小を目指してまいります。 19: ◯議長(田中八洲男) 竹内環境生活部長。  〔竹内環境生活部長登壇〕 20: ◯環境生活部長竹内俊勝) 消費者行政施策としての食の安全に関する消費者への啓発についてお答えいたします。  県では、第5期島根県消費者基本計画に基づきまして、消費者の被害の未然防止と自立支援を主な目的としまして、講師を学校等に派遣する出前講座や地域や職域などで先導的な役割を果たす消費者リーダーの育成講座などを計画的に実施しております。その消費者リーダーの育成講座、全8講座ございますが、そのうちの一つの講座として、島根大学と連携しまして、食品衛生法、食品安全基本法などの食品管理に関する法令の内容、また食品の安全性を脅かす要因、食品表示法で定められております食品添加物や食品アレルギーなどの情報の表示、また特定保健用食品、栄養機能食品などの機能性を表示するための届出承認制度といったことなど、食品の安全性に関する講座を、昨年度は46人、今年度は40人を対象に開講し、消費者に対する啓発を行っているところであります。  また、人や社会、環境などに配慮しました消費者行動でございますエシカル消費の推進の取組の一つとしまして、農産品の栽培時の農薬や化学肥料の使用履歴を記録し、照会できますトレーサビリティーシステムの取組をSNSや県ホームページなどで紹介しております。今後も引き続き、高等教育機関などと連携しながら、講座の一層の充実やエシカル消費の普及促進を図るなど、消費者への啓発に係る施策を推進してまいります。 21: ◯議長(田中八洲男) 安食健康福祉部長。  〔安食健康福祉部長登壇〕 22: ◯健康福祉部長安食治外) 初めに、新型コロナ第8波の感染状況の想定と医療崩壊を招かないための対応についてであります。  本県では、発熱等の症状がある方は、かかりつけの医療機関や発熱外来で必要な検査と診療を受けていただくこととしております。今シーズンは、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念されており、県では、1日当たり最大で新型コロナウイルス感染症患者が2,347人、季節性インフルエンザの患者が1,589人、合計で3,936人の発熱患者等が発生すると推計しております。  一方、先月、県内の医療機関を対象に実施しました調査によりますと、新型コロナを含め、発熱患者等の診察が可能としている医療機関は333機関で、診察可能な人数は、平日月曜日から金曜日までの平均で、1日当たり3,591人であり、推計した発熱患者等の数を下回っております。このため、各医師会の御協力をいただき、発熱外来の拡充に向けた取組を行うほか、休日診療、診療時間の延長及び電話、オンライン診療についても検討いただくよう要請しており、新たに発熱外来をしていただく医療機関は増えております。  さらに、本日朝、対策本部会議を開催したところであり、新型コロナとインフルエンザの同時流行期における県の対応について、症状が軽く、重症化リスクが低い方が抗原検査キットによる自己検査で陽性となった場合には、医療機関を受診することなくしまね陽性者登録センターに登録が可能となる取扱いとし、同時流行期においても、医療提供体制が逼迫することなく、適切に外来受診、療養できる体制を整備することといたしました。  また、病床使用率の算定に当たっては、医療従事者の欠勤などで受入れが困難となる病床数を除くほか、確保病床以外で患者を受け入れている病床数を加え、実際に受入れ可能な病床数を基に算定する方法に見直しました。感染状況の新たなレベル分類の目安とするとともに、県民の皆様に、医療機関の病床がどの程度逼迫しているのか確認していただく数字といたしました。  病床確保計画における確保病床は、医療機関への働きかけを行い、これまでの371床に新たに16床追加し、387床を確保したところです。  感染者の入院については、この夏の第7波と同様に、基礎疾患、症状等の状況を考慮し、入院治療が必要な方の入院を優先する対応とすることで、確保病床の空きを一定程度確保し、自宅療養者などの急変時にも入院できるよう備えています。  また、自宅で療養することとなった場合においても、もともと基礎疾患などにより医療機関を受診している高齢者などについては、保健所や訪問看護ステーションが健康観察を行うことに加え、医師による医学管理も行うなど、より丁寧に健康観察を行っております。  今後も、医療機関や医師会など、関係団体からよく御意見を伺いながら、一般医療と新型コロナに対する医療の両立が図られるよう、医療提供体制の強化に取り組んでまいります。  次に、ワクチン接種の必要性を説明することについての所見であります。  国においては、新型コロナへの対応と社会経済活動の両立を図るウイズコロナに向けた新たな段階に移行されました。そうした中で、県民の皆様には、自主的な感染予防行動の徹底をお願いをしているところです。その感染予防行動の一つがワクチン接種であり、ワクチン接種は感染拡大防止対策の重要な柱であると考えています。  9月下旬から、1、2回目接種を完了した12歳以上の全ての方を対象として、オミクロン株対応ワクチンの接種が進められておりますが、県内の接種率は、一昨日、11月30日時点で、県の全人口に対して18.6%にとどまっております。ワクチン接種を進めていくためには、議員御指摘のとおり、県民の皆様にワクチン接種の必要性をしっかり説明し、理解していただくことが大切であると考えております。  県では、オミクロン株対応ワクチンは従来型ワクチンを上回る効果が期待されること、今後の変異株に対しても有効である可能性がより高いこと、副反応については従来型ワクチンとおおむね同様の症状が見られることなどの情報を、動画を作成してしまねっこチャンネルに配信するほか、県内の各地域のケーブルテレビ局に提供するなどして周知に努めております。  また、若い世代の感染者が多い一方で、従来型ワクチン接種においては、高齢者に比べ、若い世代の接種率が低い傾向にあったため、若い世代、特に働く世代の方々の理解を得る必要がございます。このため、企業に向けて従業員への周知啓発に加え、休暇を取りやすい環境を整備していただくようお願いしたり、企業からの接種に関する相談窓口を設置するなど、接種促進につながる取組を行っております。引き続き、市町村としっかり連携しながら、県民の皆様にワクチン接種の必要性を説明、周知し、ワクチン接種を促進してまいります。  次に、農作物が生産者から消費者に渡るまでの間、どのように安全性を確保する仕組みになっているかについてであります。  食品衛生法では、野菜や果物などの農作物が消費者に渡る際に、人の健康に害を及ぼすことのないよう、農薬の残留基準などが定められております。このため県では、生産、流通、加工など、地域の実情を踏まえた食品衛生監視指導計画を毎年度定め、この計画に基づき、各保健所が県内で流通する農作物をスーパーや青果市場で無作為に選び、残留農薬の検査を行っております。この検査で基準を上回る残留農薬が検出された場合には、速やかに生産者や販売者に対し、回収を指示し、原因究明、再発防止を行うこととしており、こうした過程を通じて農作物の安全性を確保しております。  次に、少子化対策において、男女とも子どもを授かることを宝物のように喜び、慈しみ、子育てを楽しいものと感じられる環境づくりという視点を踏まえた今後の施策展開についてであります。  議員御指摘のとおり、子どもを授かることへの喜びや慈しみ、子育てを楽しいものと感じられるような環境をつくっていくことは非常に大切な視点であると考えております。  県では、保育所の幼児やその保護者を対象として、子どもが産まれたときの感動を思い起こし、親子の絆を深めるためのこっころバースデー講座、小中学校、高校の児童生徒やその保護者を対象として、生命の尊さや家庭の意義、妊娠や出産に関する医学的知識などについて理解を深めるための生の楽習講座を、それぞれ助産師会に委託して実施しています。参加された皆さんからは、とても暖かく優しい時間であったと感想をいただいています。具体的な感想としては、児童生徒からは、命を自分のこととして考え、自分や家族、周りの人たちを大切にする気持ちになった、たくさんの人に祝福されて産み育てられてきたことを実感し、両親にありがとうと伝えたいといった感想や、保護者からは、我が子を産んだときの喜びや感動を思い出した、子どもと生まれてきたときの話をして、改めて大切な宝物だと思ったといった感想がありました。どちらの講座も子どもを授かることへの喜びや慈しみ、子育てを楽しいと感じられる環境をつくっていく上では効果がある取組であったと考えており、来年度は回数を増やして開催することを検討しております。  また、県では、高校生や大学生を対象として、キャリア形成や結婚、子育てなどについて自ら考えるためのライフプラン設計講座を実施しておりますが、来年度は対象に社会人を加え、より多くの方に結婚、子育てをより身近なものとして考えていただく機会を提供していきたいと考えております。  こうした取組に加え、誕生した子どもやその世帯に対して、知事や市町村長から祝意を表すこっころメッセージの取組やこっころパスポート事業などを通じて、地域全体で子育てを応援していく環境づくりを進めております。  さらに、保育所や放課後児童クラブといった保育などの受皿の確保や経済的な負担の軽減など、子育て支援の充実を図り、今後とも安心して子育てができ、子どもをもう一人、二人と産み育てたいと思えるような環境づくりに努めてまいります。 23: ◯議長(田中八洲男) 西村農林水産部長。
     〔西村農林水産部長登壇〕 24: ◯農林水産部長(西村秀樹) 初めに、鹿児島全共の成果を受けての市況と生産者、購買者の反応、今後の見込みについてお答えします。  子牛の価格は、全共前の8月から全共後の10月にかけて、全国的には下げ基調でしたが、島根中央市場は9月が57万円であったものが、10月は60万8,000円と、他県市場に先立って値上がりに転じました。11月市場は、全国的にも上昇基調となりましたが、島根中央市場も63万円と値上がりしており、全共効果で新規購買者が増加したためと、市場開設者のJAしまねは分析しております。  生産者からは、さらなる値上がりを期待する声が聞かれますが、購買者の主体である肥育農家は飼料高騰の影響で経営が厳しいことから、右肩上がりの市況が続くとは考えにくい状況と考えております。  こうした中で、今後の市況についてですが、全共で高評価を得た県の種雄牛久茂福や百合久勝を交配する頭数が、全共前の約5倍に急増しており、これらの子牛の上場が増えてくると、市場評価が高まると予測しております。  次に、隠岐市場のレベル向上の課題と今後の魅力化についてお答えします。  隠岐では、4か月に1回しか子牛市場が開催されないため、出荷される子牛のサイズが月齢5か月から8か月までばらつきがあり、その中で特に小さい子牛が安く競り落とされるため、本土の市場より平均価格が低くなります。また、近年、新規就農者が増加しておりますが、経験の浅い生産者の中には、飼料費を節減するため、放牧中に補助飼料を与えない方や、肉質重視の交配に偏り、放牧に適さない子牛を生産する方がいることで、出荷子牛の中に月齢に見合った発育をしていない子牛が散見されるなど、11月の市場は、中央市場が値上がりしたにもかかわらず、隠岐は全共効果が発現することなく値を下げる結果となりました。  こういった状況を改善するためには、子牛は商品であり、その発育が血統以上に評価を左右することを生産者に自覚してもらうことが必要と考えており、県では、11月中旬に子牛の育成管理研修会を開催し、下旬からは、放牧場管理の現地実証を行い、生産者の意識啓発を図っているところであります。  また、隠岐4町村やJAと連携して産地創生事業に取り組んでおり、隠岐の牛の特徴である放牧に適した子育て能力に着目して改良を進める取組や、GPSを活用した放牧牛管理機器の導入を支援しているほか、隠岐産子牛の評価向上と隠岐牛の認知度向上を目的として、年度内に東京食肉市場で全国の隠岐産子牛の肥育牛共励会を初めて開催する方向で調整を行っており、隠岐産牛ブランドの評価に取り組むこととしております。  次に、酪農の課題認識と今後の展望についてお答えします。  本県の酪農の生産額は90億円を超え、農業産出額の15%を占める重要な品目であります。県内の酪農において、配合飼料はほぼ100%、粗飼料も70%を輸入に依存しており、両飼料の取引価格は高騰前の令和2年の価格に対して約1.6倍となっており、生産費が過去にないレベルまで上昇しております。  一方で、収入を見ますと、主産物である生乳取引価格は、11月から、1キログラム当たり10円値上げが実施されたものの、生産費の上昇を補うためには不足している状況です。  こうした状況にある中、県としましては、酪農家に何とか当面の難局を乗り越えてもらうため、昨年度2月補正予算で、乳用牛への和牛受精卵移植を支援し、和牛生産による副産物収入の確保を後押しし、今年度5月補正予算等では、配合飼料及び粗飼料の価格に対して、今年1月から12月の値上がり分の2分の1を補填するとともに、実質無利子無担保の運転資金の融資を創設し、9月補正予算では、自給飼料の生産を拡大するための機械や施設整備を支援するなど、短期から中長期的な効果を期待する様々な支援を講じております。  世界的な飼料の作況や国際情勢、為替相場を見ますと、今なお、先行きが見通せない状況にありますので、情勢を注視しながら、必要に応じて国へ要請するほか、県独自の支援策についても引き続き検討してまいります。  次に、有機農業の安全性や健康に関しての考えと生産者に対してどのような研修を行っているかについてであります。  県では、食に対するニーズが多様化する中で、今後さらなる需要の伸びが見込まれる有機農業の推進を行っており、実需者が求める品目やロットに対応した産地づくりを進めております。特に、有機農業を推進するに当たっては、農産物等に有機の表示をすることができ、取組の信頼度が向上する有機JASの認証取得を進めているところです。  有機JAS認証制度は、国が日本農林規格等に関する法律に基づき、有機農産物の生産方法の基準を定めた規格であり、農業の自然循環機能の維持増進を図ることを目的として、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本とし、土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させ、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を行うことが原則とされております。この基準に基づき、第三者機関により認証されたものが有機JAS規格に適合するものとして有機の表示が可能となります。  有機JAS規格は、このように農業の自然循環機能の維持増進を図ることを目的としておりますが、一方で、消費される側から見ますと、化学合成農薬、化学肥料をできるだけ使わずに栽培された農産物や環境に配慮した農産物を志向する消費者の選択肢の一つとなっていると考えております。  県では、生産者に有機JAS認証制度を正しく理解してもらうため、講習会の開催や有機JAS認証取得に向けたアドバイザー派遣、個別相談会の実施などを行っております。  また、栽培技術につきましては、水稲、野菜それぞれ、県内に実証圃場を設置し、現地研修会に活用するなどして、農業者の栽培技術向上に向けた支援を行っているところであります。  次に、消費者への啓発についてであります。  農林水産部が行う消費者啓発は、食の安全に関する啓発を目的にしたものではありませんが、県産農産物の価値を消費者に伝えていく活動に重点を置いて取り組んでおります。特に、学校給食は県産農産物がどのように作られているか、その価値を児童生徒、保護者、学校関係者に広く理解していただける格好の機会であることから、令和3年度から全ての市町村において、有機農産物の日、美味しまね認証の日を設定していただき、有機農産物や美味しまね認証品の活用を促進するとともに、食育授業の出前講座を行うなど、理解促進を図っております。  次に、自然栽培の普及への支援についてであります。  自然栽培につきましては明確な定義はありませんが、化学合成農薬、化学肥料や堆肥を投入しない農法であるとすれば、県が推進する有機農業の取組の一つであると考えております。県としては、生産者の方がこのような農法を選択され、それによって収益が確保され、持続的な経営が可能であれば取り組んでいっていただきたいというふうに考えており、例えば大田市では、化学合成農薬、化学肥料、堆肥を使用せず米を栽培している新規就農者に対しまして、GAP取得の支援や県外の有機農産物を取り扱う小売店への販路開拓などを支援しております。  最後に、自伐型林業の仕組みづくりについてであります。  議員御提案の自伐型林業は、現在、県内9市町で実施されており、市町が指定するチップ工場などに森林所有者が自ら搬出した林地残材を持ち込むと、引換えに地域振興券を受け取れる仕組みなど、それぞれの市町でアイデアを出して取り組んでおられます。  一般に、自伐型林業は、森林所有者が所有林等から木材を軽トラックで運搬しており、木材生産としては非常に小規模なものとなっております。こうした取組は遠距離の木材運搬になじまず、市町村単位で実施していただくのが効率的と考えており、市町村が実施される場合には、必要な機材の整備や技術的なアドバイスなどの支援を行うこととしております。 25: ◯議長(田中八洲男) 五十川土木部長。  〔五十川土木部長登壇〕 26: ◯土木部長(五十川泰史) 所有者不明土地に関する制度設計についてお答えします。  議員御指摘のとおり、県内でも所有者不明土地からの倒木などによる災害発生の危険性があり、実際に倒木による道路の通行止めなどが発生している状況です。  このような中、所有者不明土地における災害等の発生防止に向けた管理の適正化を目的として、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法が改正され、本年11月の施行により、所有者不明土地が管理不全状態であることから、周囲に災害等の悪影響の発生のおそれがある場合、市町村長が勧告、命令、代執行により管理不全状態を解消することができる制度が創設されました。この法律において、国は、取組への支援や広報啓発活動などが責務とされており、県、市町村等で構成される土地政策推進連携協議会を設置し、講習会や相談会により制度の周知などの取組を実施されております。  また、この法律において、都道府県は、市町村相互間の連絡調整や広域的な見地からの助言、その他の援助を行うことが責務とされております。県といたしましては、国と連携し、市町村がこのような制度を適切に活用できるよう、周知支援を行ってまいります。 27: ◯議長(田中八洲男) 松本女性活躍推進統括監。  〔松本女性活躍推進統括監登壇〕 28: ◯女性活躍推進統括監(松本洋子) 子育てを楽しいものと感じられるような環境づくりという視点を踏まえた今後の女性活躍推進施策の展開についてお答えします。  島根県では、育児をしている女性の有業率が高く、共働き世帯の割合が全国でも高い一方で、家事、育児などの負担が女性に偏っており、また約6割の女性が働き続けにくいと感じている状況があります。  県では、今年3月に、第4次島根県男女共同参画計画を策定し、女性が様々な分野で活躍し、誰もが安心して家庭や仕事とも調和の取れた充実した生活を送ることができる社会を目指して取組を行っています。その中で進めている子育てと仕事の両立に向けた環境づくりは、男女ともに子育てを楽しいものと感じられることにもつながるのではないかと考えております。  具体的な取組としては、育児短時間勤務制度や時間単位の年次有給休暇制度など、男女ともに子育てしやすい柔軟な働き方ができる職場づくりに取り組む企業を奨励金を設けて支援したり、従業員の子育てを積極的に応援する企業をこっころカンパニーとして認定し、企業の取組を支援しております。  また、仕事と育児などとの両立を図るイクボスの取組も企業に広めており、仕事をしながら安心して子育てができる職場環境づくりを推進しています。  加えて、初めて子どもを迎える夫婦を対象に、子育てを楽しみ、協力して家事、育児を担うことの大切さについて理解を深めるセミナーを開催し、男性の家事、育児参加を働きかけております。  こうした取組を通じて、家庭も仕事も大事にしながら生き生きと暮らすことができる環境づくりが進むよう、引き続き工夫を重ねながら取り組んでまいります。 29: ◯議長(田中八洲男) 野津教育長。  〔野津教育長登壇〕 30: ◯教育長(野津建二) 島根創生計画における教育の位置づけについてお答えします。  私は、就任当初から、島根創生計画における人づくり、教育の関わりについては、次のように考え、その旨を各方面に御説明し、御理解と御協力を得て、教育行政を進めてまいりました。島根創生計画に掲げる人づくりは、島根に住む若者を増やし、その若者が生産や消費といった経済活動だけでなく、地域の活力の源になることをそのゴールとしております。そのために、若者が家と職場の往復だけでなく、まずスポーツ、文化活動、国際交流などで街に出て人と関わることから始め、ボランティア活動や社会貢献活動を行うことで社会と関わることへ、そして地域づくりに参加し、地域の課題に真剣に向き合うことを目指しています。  私は、子どもたちが小学校のふるさと教育で、身近な地域から島根全体まで、歴史、文化、産業、人物などをよく知り、体験する。そして、中学校でのふるさと教育や高校での課題解決型学習では、地域にどんな課題があるのかを知り、自分が将来、どんな立ち位置でどんな役割を果たすのかなどに思いをはせるといったことをさらに進めていきたいと考えております。その結果、まずはどこに住んでいようとも、自分の住んでいる地域の人々と関わりを持ち、地域社会に貢献する人に育ってほしいと思います。  この学びの素材が島根であること、取り上げる地域課題が身近なものであることで学習効果を高め、その上で、結果として島根を愛し、島根に住み続けたい、一旦県外に出ても島根に戻ってきたいと思う若者がもっと増えることを期待しております。  さらに、視野を広げ、島根を拠点に様々な世界において、県外、海外で活躍する若者も出てきてほしいと思います。そのためには、子どもたちの将来の選択肢を広げ、そして希望する道に進むために必要な関心や学力を身につけさせることを、引き続き学校だけでなく、家庭や地域の御理解、御協力をいただきながら進めていきたいと考えております。  島根創生計画が描く将来像、「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」の実現のため、教育行政の果たすべき役割は大きく、今後とも全力で取り組んでまいります。 31: ◯議長(田中八洲男) この際しばらく休憩し、午後1時から再開いたします。        午前11時56分休憩        午後1時2分再開 32: ◯副議長(池田一) それでは、会議を再開します。  引き続いて一般質問を行います。  成相議員。  〔成相安信議員登壇、拍手〕 33: ◯成相安信議員 無所属の成相安信であります。一般質問を行います。  知事は、今議会で来春の知事選に出馬する意向を表明されました。私は知事の決意を支持し、再選を望むものであります。引き続き頑張ってください。  まず最初に、農業問題でありますが、農林水産省は、本年6月21日、食料の安定供給に関するリスク検証を公表し、新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵略などの新たなリスクを受けて、日本がその大半を輸入に頼る飼料や肥料、穀物の価格高騰などが重要なリスクと位置づけられたと報じられています。  世界銀行は、今年の農産物価格は供給の混乱で18%上昇すると見込んでいますが、日本でも飼料が6割、特に小麦では政府販売価格がコロナ前の3割上昇し、肥料でも前期比で2倍以上高騰、JAは、秋肥で窒素、リン酸、カリの全てが史上最高値まで上昇し、その後も高い水準で推移するとしています。  こうした状況を受け、国は、11月8日に決定した第2次補正予算で、農林水産関係予算に総額8,206億円、うち食料安全保障の強化対策に1,642億円を計上しています。中でも、肥料原料の備蓄やペレット堆肥や下水汚泥による肥料の確保、麦、大豆などの国産化や主食用米からの転換を促すための畑作推進のための新たな補助事業の創設、国産小麦、大豆の自給力強化のための基盤整備事業、畜産では耕畜連携による国産飼料の生産、利用拡大のための飼料自給など、多くを輸入に依存する穀物や生産資材の自給強化に向けた内容となっています。  私はこれを見て、いつか見た光景だと感じます。TPP、EPAの交渉のときがそうでした。関税引下げによる国内農業の悪影響が殊さら極大化され、実際何ら影響はなかったのに、それぞれの対策費は膨大なものとなり、今なお続けられています。このとき訴えられた関税自由化に備えての国内農業の体質強化は、見合うほどの投資効果は見られず、進行し続ける担い手と耕地面積の減少という構造的な問題の打開が図られないまま、今回、食料安保が語られることに不備があることが強く認識されたわけであります。  2008年、穀物相場が3倍程度に高騰し、世界的な食料危機が叫ばれたときも、日本ではその影響を感じられませんでした。ウクライナ侵攻、世界的な人口増加や中国の爆食などによって、国際的な食料価格が上昇しても、所得の高い我が国では、買えなくて餓死するという食料危機は起こらないと専門家からは強く主張されています。  まず、知事に、食料安全保障とは誰のものなのか、その強化を掲げる国の補正予算をどう見るか、見解をお伺いいたします。  食料安保が前面に出ると、必ず引き合いに出されるのが食料自給率の向上であります。食料安全保障強化を理由に、食料・農業・農村基本法の見直しが1年かけて行われることになりました。2000年、食料・農業・農村基本計画が策定され、5年ごとの改定のたびに、食料自給率は、昨年の自給率が1%上昇し、38%になったことを除けば、一貫して低下し続け、掲げられた2030年目標45%をいつも達成できないにもかかわらず、効果的な対策が取られないまま、その低さを問題だとする文言が躍るだけに終わってきました。  基本法が問題としてきた自給率未達について、なぜその実が上がらないのか、県の見解を伺います。  また、専らカロリーベースが多用され、金額ベース、重量ベースが併記されないことは、自給率の低さを強調することで農業保護のための予算獲得をする上で世論に訴えやすいからなのだと酷評されています。  金額ベース、重量ベースでは幾らなのか、この際伺うとともに、自給率はそれほど問題としなければならない政策上必要な概念なのか、知事の考えを併せて伺います。  基本法のもう一つの理念は、水田の多面的機能であります。米を作る生産基盤である水田を水田として活用すればこそ、いざというときに国民に十分なカロリーを提供できる米生産が可能であり、水資源や洪水防止など、多面的機能を発揮できます。現実行われてきたことは、減反政策による畑地化であり、農地法の精神を逸脱し、農地の転用を公然と認めてきた農地潰しであり、基本法の理念を大きく逸脱する農政が堂々と行われてきたのであります。  このたびの食料安保をうたう政府の2次補正でも、水田の畑地化が明確に打ち出されています。600万ヘクタールあった農地は、今や450万ヘクタールしか残されていません。これは失政だと言わねばなりません。知事の見解を伺います。  今日ほど、減反政策が食料安保に逆行する政策だと断じるに分かりやすいときはありません。食料安保が脅かされるのは、冒頭で述べましたように、食料生産と人口増加による需給ギャップが原因で、国外から食料不足で買えなくなることではなく、シーレーンが閉ざされたとき、すなわち台湾が中国によって武力侵攻された事態のときとされています。それは現実化しつつあると各国が強く懸念を表明し、広く警告され喧伝されています。  我が国が生産している米の自給率はほぼ100%ですが、それは米の消費を減らし、輸入小麦や大豆など、これまで食していた米の代替穀物としてこれらを消費した上での数字です。私たちは、米以外に様々な食物を取って食生活を楽しんでいますが、本来主食としていた米は、これまで減反政策で米価は引き上げられ、同時に麦価は据え置かれたために、小麦の消費が増え続けました。今や家計に占める米の消費より麦が上回り、主食の地位を小麦に取って代わられています。小麦の自給率は15%、毎年600万トンの小麦を輸入し、その分多大な経費をかけて米を減産した上で、675万トンの米とで需要が満たされています。もし戦中戦後のときのように輸入が途絶し、米だけで飢えをしのがなければならなくなったとき、小麦600万トンは輸入できず、飢えを満たすのに米の増産をしなくてはなりません。12%の自給率の牛肉、2割しか自給できない大豆。終戦直後、米の配給は1人1日当たり2合3勺だったと言います。  終戦直後と同水準の配給を国民に行わねばならなくなったとき、当時の1.7倍の人口となった今日、米の必要量は幾らで、政府備蓄や飼料米を含め、食べられる総量は幾らとなるのか伺います。  また、長期間閉ざされた場合、肥料や農薬、石油もない中で、生産の減少が強いられますが、その際、減産分を補うのに新たにどれだけの農地面積が必要だと考えられているのか伺うものであります。  農政は、多くの過ちを犯してきたと言われています。1961年に定めた農業基本法は、農業の構造改革を推進して、農家の所得向上と消費者への安価な農産物の供給を実現しようとする高い理念の下でつくられました。しかし、規模拡大を推進し、農業所得の向上と生産量の拡大を図ろうにも、いざそのために農家数を減らすとなると、組合員数の減少を嫌う農協、農業票の目減りを嫌う政治家、政治力をバックに予算獲得をもくろむ農林水産省は、農業基本法を骨抜きにしたのでした。  農業保護を高めるために農家は貧しいとの昔ながらのイメージや誤った知識を利用しようとします。農業所得が100万円、水田農業所得が50万円といっても農業の実態は見えてきません。  1965年以来、農家所得やそのうちの農業所得は幾らなのか、農家総所得は勤労世帯との比較ではどのような割合で推移してきたか伺います。  2013年、TPP参加を契機に、国は農林水産業活力創造プランを決定し、10年後には農業全体の所得を倍増させるとしました。2015年には、JA全国大会で農業者の所得増大、農業生産の拡大などを決議し、翌年施行の改正農協法第7条では、農業所得の増大、農業、農村全体の所得の増大を盛り込みました。以前、質問でも取り上げましたが、担い手の米生産費では、2023年の目標が9,600円ですが、現下の肥料高騰の影響がまだ現れていない2021年産では、60キログラム当たり前年比3.7%減の1万496円となり、物財比で前年比4.6%の減、うち肥料費は4.1%の減で、なお1万円を上回っています。  耕種別にコストダウンと生産拡大によって取り組まれたはずの所得倍増は、島根県ではどのようになっているか伺います。  岸田総理は、食料安全保障のためには、麦、大豆、飼料の国産振興が必要だと主張しています。しかし、これまで50年以上も、毎年2,300億円も投じながら、麦、大豆の生産量の合計は、1970年より少ない僅か130万トン。小麦の消費量の約20%でしかありません。2,300億円あれば、年間消費量を上回る700万トンの小麦が輸入できるといいます。  米だけで自給できないとすれば、国内備蓄を平素しておかねばなりませんが、知事は国内の非効率な生産体制を図るべきか、輸入備蓄が食料安保にかなっていると思われるか、見解を伺っておきます。  また、これまで麦、大豆、飼料の国産振興は全国で効果がなかった政策ですが、島根ではなぜ効果がなかったか、農林水産部長に伺います。  先般の鹿児島全共では、島根の出品した6区肉牛群で1席、7、8区肉牛の部でも2席と好成績を収めました。生産農家をはじめ、県や関係者の努力が実り評価いたすものであります。これを契機として、県の和牛生産に弾みがつき、適切な価格でおいしい和牛肉が多くの人に食してもらえることを期待するものです。  しかし一方で、我が国の畜産の根本的な課題が今回の飼料価格の高騰であらわになっています。肥育牛の生産コストの3割を占める飼料などの生産コストの値上げ幅は過去最大を記録したと伝えられており、肥育農家の資金繰りの悪化を招いています。畜産クラスター事業などの活用で、子牛出荷頭数が増えてきたところで子牛取引価格の低迷に直面する産地があるなど、飼料自給率12%という経営基盤のもろさが改めて露呈しました。  遊休農地が増加し、放牧による畜産経営には追い風なはずなのに、地域は受け入れられないとも聞きます。今後の和牛生産の取組について伺います。  次に、不登校問題についてであります。  近年、全国では、不登校の小中学生が急増し、2021年度は、国公私立で過去最多の24万4,940人に上り、1年間で5万人近くも増える異例の事態となっています。  島根県でも、小中学校全体で、生徒1,000人当たり、平成29年16.8人から急増し、令和3年には29.9人と、いずれの年度も全国平均を大きく上回っています。病気や新型コロナの感染回避等を除き、年30日以上休んだ子が不登校として扱われますが、その数は学年が上がるほど多く、公立の小学校は56人に1人、中学校で18人に1人に上っています。調査した文部科学省では、コロナ禍の影響を指摘していますが、不登校は全国では9年連続して増えており、それ以前からの問題であります。  島根県の不登校による長期欠席者は、公立の小学校で595人で全体の81%、中学生では933人、83%にも上り、6年連続の増加となっております。さらに国公私立の小中学校での不登校は、1,000人当たりで全国順位では、令和3年で3位、令和2年3位、令和1年1位、平成30年5位、平成29年6位と、5年間の平均では全国3位となっています。  一方、高等学校の中途退学者は平成30年から減少に転じ、全国平均を下回り、令和3年度では1,000人当たり0.8人、全国1.2人となっています。  問題のいじめの認知については、公立の小中学校いずれも急増し、小学校では、平成29年の1,067件から、令和3年1,704件へ、中学校では、550件から令和3年755件と、小中学校で過去最高となり、高等学校では、平成30年の255件から、令和3年まで減少し、154件となっています。国公私立の小中学校におけるいじめの認知については、1,000人当たりでここ5年間で全国20位台であるのに、不登校の要因に、いじめが原因とするものが、小中学校で、令和3年は8件、0.5%、令和2年は同じく8件、0.6%、令和元年0.7%、平成30年0.9%、平成29年1.4%と極端に少ないのであります。  ここで教育長に伺いますが、不登校の原因として、無気力、不安が公立の小学校で318件と半数を超えており、中学校では386件で4割にも及んでいますが、本人に関わる要因でこれほどまでに不登校となるのでしょうか。また、不登校の原因が分からないとするものが、小学校で42件、中学校で123件、合わせますと1割に及び、気になるところです。いずれのケースについてもどのように調査が行われたのか、無気力、不安が蔓延しているのはなぜなのか伺います。  主要都市の教育委員会の5割強で、いじめ問題を担当する職員全員が教員出身者で構成されているという報道機関の調査が伝えられています。いじめによる自殺が起きるたびに、教育委員会が適切な対応をせず、深刻な事態に発展する事例が絶えない背景に、調査担当者に教員出身者が多く、身内意識や第三者の目が入らないことから、初期段階でいじめを認めないことがあると指摘されてきました。  2013年施行のいじめ防止対策推進法では、いじめによる長期間の不登校があった事実に対し、教育委員会や学校に調査組織の設置を義務づけています。いじめを受けている児童生徒の相談等のために、県教育委員会では校内組織や非常勤の支援員が対応し、スクールカウンセラーを全校に配置していると伺っていますが、いじめや不登校の県下の状況に鑑み、いじめの重大事態の調査組織への専門家や外部有識者の参加や調査の中立性はどう担保されているか伺います。  島根県の定時制、通信制の独立校である宍道高校を会場として、定時制通信制生徒生活体験発表島根県大会が開催され、感動と共感を呼ぶ発表が行われます。発表の中で、いじめで不登校になったと語られることが多い点が気になるのであります。  島根県では、CATVで録画中継され、生徒の主張は小冊子にして配られていますが、知事や教育長は御覧になったことがありますか。見ておられるなら、感想を聞かせてください。  今年の発表者9人のうち、明確に5名はひどいいじめに遭ったと述べており、3名は居心地の悪さや人間関係から来るストレスで不登校になったと述べているのです。調査結果では、いじめを原因とする不登校者数が少な過ぎ、実際のところ、学校や教育委員会など、現状の体制が捉えている認識よりもっと複雑なのではないでしょうか。これまでにない取組、例えば小中高校でアンケートを実施し、生徒自身に聞いて実態に迫ってみてはどうか。その結果を共有して、一人一人に向き合って、背景や対策を探るといったもっと細やかな対応が必要ではないか、教育長に伺います。
     先般、中国地区高等学校定時制通信制教育振興大会がオンラインで開催され、不登校、いじめの現状と関連づけて、福岡県の定通教育の現状と課題について講演を聞きました。不登校の原因は、これまでいじめやDV、2次障がいや家庭環境など、様々な要因が上げられてきましたが、不登校が一貫して増え続けていることから、これまでの公的支援策が効いていない可能性を感じ、そこに通底する根本原因があるのではないかと調査研究されたものです。講演者は、中高生の間にはスクールカーストと呼ばれる生徒間にできるグループを介した序列階層がつくられ、若者なりのコミュニケーション能力等による人気の程度で形成されることが多く、同調圧力が強く、不適応を起こす生徒も多い。スクールカーストの一例として、1軍から3軍に区別され、上位集団たる1軍は積極的な性格、コミュニケーションが得意、ルックスがよい、メジャー系運動部、ヤンキーまたはギャル、2軍は最も人数が多い一般階層で、マイナー運動部、文化部の最上部、積極的に自己主張しない生徒がこれに分類されます。1軍と2軍の間に1.5軍がおり、1軍の取り巻き、お調子者、お笑い好き、先生と仲がよいなどで、最下層の3軍はガリ勉、オタク、運動音痴、独りぼっち、変わり者などで、この階層が最もいじめに遭いやすく、不登校になるといいます。こうしたヒエラルキーは小学校から萌芽が見られ、カーストがある学校はいじめの発生率が有意に高く、他者の目線が気になる生徒はいじめの被害率が高く、自称カースト1.5軍のいじめ加害率が高い。生徒間の学力のばらつきが大きいほど、ネットいじめのリスクも高まると分析しています。  つまりスクールカーストに関する知見として、スクールカーストは生徒を忖度で縛る、いじめを増やす、カースト上位者は居心地がよいので明朗でコミュニケーションスキルが高く映りやすい、カースト下位者は不登校になりやすい、カーストは、生徒の考える自由を奪う、カースト最上位以外の生徒は、常に他者の目線を意識し、顔色を見る傾向がある、カースト下位者はコミュニケーション機会を奪われ、肯定的な自己理解が進みにくいと分析しています。教員はこうしたカーストに気づきにくく、気にしないので、30代以上の教員ではクラスで何が起きているのか分かっていないと述べられています。  スクールカーストは中学生に多く、高校では学年進行で減少する傾向にあると言います。こうした説明に、先ほど述べました定時制、通信制生徒が生活体験発表で述べたいじめや居心地の悪さがどういうものなのか理解できるような気がいたします。  県教育委員会では、各学校でこうしたいじめによる不登校の背景がどういうものなのか、こうした観察や調査研究ができているか、ぜひ伺いたいところであります。  また、教育委員会と学校との間にお互いに忖度し、遠慮し合う壁があることは、これまで強く感じてきたところですが、それ以外にも児童相談所、病院、保健所、民間の子ども支援団体との連携やつながりはどうなのか。そもそも誰にも相談できず、支援を受けていない不登校児童生徒が数多くいるのではないか。現状を教育長に伺うとともに、いじめによる不登校の防止についてどう対応されるか、知事の所見と教育委員会の対応について伺います。  次に、新型コロナ感染症対策と医療問題についてであります。  このところ感染者の急増の傾向が見られ、第8波の感染期に入ったと言われています。国は、外国人旅行者の国内受入れへの制限を撤廃し、国内外において様々な制限を大幅に緩和しました。第6波、第7波は感染の急拡大が見られましたが、死亡率から見ると、これまで最低となり、致死率は当初の16分の1まで低下し、ワクチン接種が進み、ウイルスの弱毒化が進んだことなどが要因として上げられています。  今やウイズコロナが唱えられ、コロナと折り合いをつけながら経済の回復を図らねばならない局面に入っておりますが、それでも死亡者数を見ますと、第4波で2人、第5波で3人に抑えられていたものが、第6波で11人、第7波で83人と急増し、その平均年齢も80歳中頃の高齢者であります。  インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との死亡者数の比較では、69歳以下では大きくないものの、70歳以上ではコロナによるものが有意に大きく、高齢者を優先した感染対策はむしろこれまで以上に重要となっています。県の考えと対策を伺います。  島根大学医学部附属病院は、県の医療計画における第3次医療機関であります。島根県では、20年前まで、県内に腎臓専門医が国内ワーストの9人しかおらず、1人の指導医の努力で後進の育成が進められ、本年5月現在、県内の腎臓専門医は27人まで増えたと言います。そのほとんどは、全国的にも有名な伊藤孝史医師の教え子で、島根大学附属病院は伊藤医師の下で7人の医師が所属し、勤務しているということであります。  ところが、ウェブ上の情報や患者さんの話ではあり、単なる誤報ならいいのですが、来年3月末で、この伊藤医師は退職するとの情報が流れ、大学病院の腎臓専門医のうち、2人がこれまでのように地域医療ができなくなるとの理由で、同じく3月末に退職を決意し、残り4人も移籍先を探している状態だといいます。  石見部では、基幹病院では常勤医師が足りず、大学からの応援で何とか医療提供が確保されている中で、腎臓専門医が一人も回せなくなれば、県内全域の地域医療が崩壊するのではないか、懸念と不安が広がっています。  この背景には、今春から始まった教授選が絡んでおり、大学当局の不透明さに失望して退職を決意したといいます。  ともあれ、県医療の重要な役割を担う大学病院が、そうした事態の回避がなされるよう、県としても情報を取り、事実なら大学当局に強く申入れを行い、事態の収拾を求める必要があります。特に、伊藤医師は県の腎臓医療に貢献され、患者からの人望や信頼の厚い方だと伺っており、島根に留まっていただきたい医師であります。県の考えを伺います。  戦後、占領下の吉田総理は、GHQのマッカーサー司令官から、日本からGHQに提出された統計数字がでたらめだと責められた折、日本の統計数字がまともなら戦争に負けていないし、貴国との戦争もしなかったとやり返したといいます。その時代と違い、現在国の統計調査は、経済センサス、社会生活基本調査、農林業センサスなどに多くの統計調査員が従事しており、令和元年度に実施された農林業センサスでは3,080人、経済センサス、活動調査など、令和3年に実施された主な6つの統計調査では延べ744人の統計調査員が誠実に業務に当たっています。身分は非常勤の公務員とされ、手当も国家公務員給与を日額換算し、各省統一の単価で、報酬は、例えば農林業センサスでは、旅費などを含め1件当たり1,000円余りで決して多いものではありません。調査員を支えているのは仕事への使命感と責任感であると言わねばなりません。  近年調査員自身の高齢化で、その確保が困難となりつつある中で、統計調査の必要性や重要性、処遇の改善などを求める声が大きくなっています。調査対象者が不在であれば、どんな山奥でも何度も足を運ばねばならず、必要ないと言われれば時間をかけて説明しなければならず、人知れぬ苦労があって調査資料が収集されるのだと思います。  特に、近年起こった厚生労働省、国土交通省による調査データの改ざんは、調査業務の信頼性を損ね、その努力に水を差すものでした。統計は政策に生かされ、その成果を計る上でも欠かせぬものであります。  毎年実施される県の統計大会は、コロナの影響で功労者表彰式に縮小され開催されていると聞きますが、県の統計調査課はどのように調査内容を生かしているのか、また調査員の活動ぶりを広め、顕彰の場となるそうした機会に広く案内され、PRされてはいかがか。また、報酬や旅費が十分その活動に報いていないとすれば、応分な処遇となるよう改定すべきではないか、併せて部長に伺います。  県統計調査課は、これら統計資料を基に、様々な統計資料を行政機関等へ提供されていますが、統計は分かりやすく、また政策立案や成果を評価する上で適切な内容でなければなりません。  統計調査をめぐって何が不足と感じるか、国に向けて各調査について要望や意見はどう伝えられ、改善が図られているか伺います。  最後に、益田市出身の田渕久美子氏が著した「ヘルンとセツ」が、地元の書店で最もよく売れているそうであります。ヘルンは有名でも、セツの生涯はあまりなじみがない分、関心や話題性も高く、著者の巧みな描写も読者を引きつけてやまないところなのだと思います。  今この物語をNHKの朝ドラで流してもらおうと、地元市長や経済団体の有志がNHKに掛け合っています。ここで放映されると、俄然観光客が増え、その経済効果が上がるばかりではなく、島根の認知度が向上し、地域の歴史やロマンへの理解が深まる効果に大きな期待が寄せられるのであります。  県としては、その実現に向けてその支援を望みますが、知事の考えを伺います。  以上で私の一般質問は終わります。ありがとうございました。(拍手) 34: ◯副議長(池田一) 丸山知事。  〔丸山知事登壇〕 35: ◯知事(丸山達也) 成相議員の御質問にお答えいたします。  最初の御質問は、食料安全保障は誰のためのものであるか。また、今回の国の補正予算に対する評価についてであります。  食料・農業・農村基本法第2条では、「国民が最低限度必要とする食料は、凶作、輸入の途絶等の不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫し、又はひっ迫するおそれがある場合においても、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障が生じないよう、供給の確保が図られなければならない」とされておりまして、この食料安全保障は、国民のための施策であるというふうに認識をいたしておるところでございます。  今般の国の補正予算の事業案では、食料安全保障強化に向けた取組といたしまして、肥料の国産化、安定供給の確保、そして飼料の自給率向上、野菜、麦、大豆などの畑作物の本作化が大きな柱に据えられておりまして、国内での自給体制の強化に向けた取組が進められることとなっております。  近年、世界の人口増加に伴います食料需要の増大の中で、様々な要因によりまして輸入が不安定化し、これまでどおりの輸入が難しくなりつつあることや、円安などによりまして、日本の購買力が低下をするといったリスクに直面していることを考えますと、こうした食料安全保障強化につながる施策は必要なものであるというふうに考えておるところでございます。  次に、食料自給率について、必要な概念なのかということについての私の認識についてお答えいたします。  まず、お尋ねがございました食料自給率の実績数値でございますけども、食料自給率は、国内食料全体の供給に対する食料の国内生産の割合を示す指標であります。したがいまして、分子を国内生産量、そして分母を国内消費に向けられた量で計算をされます。食料全体の総合的な指標でありますこのカロリーベース、また生産額ベースや品目別の重量ベースで示されているところであります。  政府が本年8月に公表しました食料需給表によりますと、金額ベース、いわゆる生産額ベースでは63%となっております。重量ベースでは、総体の自給率の数字はございませんけども、品目別に主なもので、米が98%、野菜が79%、肉類が53%となっております。  このように、日本の食料需給が輸入に依存をする中で、コロナの感染拡大やウクライナ情勢、円安などの状況が重なりまして、これまで当然と思われてきました食料の安定供給が危ぶまれつつあるということを踏まえますと、改めて国内農産物の自給の拡大は重要な政策課題であるというふうに認識をいたしております。  食料自給率については、こうした我が国の食料供給の状況を評価する指標として有用なものであるというように考えておるところでございます。  続いて、これまで農地が減少し続けていることに関する私の見解についてお答えをいたします。  我が国の農地面積は、過去最大でありました昭和36年から、直近の数字で令和3年の半世紀の間に、農用地開発や干拓などで拡張された一方で、工場用地や道路、宅地などへの転用、そして荒廃等によりまして、結果としてピークの609万ヘクタールから434万9,000ヘクタールに減少をしております。農地の大部分を占めます水田の活用に当たりましては、これまで野菜、果樹などの高収益作物や麦、大豆をはじめとした畑作物への転換を図りまして、水田を最大限活用した農業生産を進めてきておりまして、こうした施策は農地の有効利用につながるものというふうに考えております。  また、農地の転用につきましては、計画的な土地利用と優良農地の確保と、その両者の均衡を図りながら、農地法に基づく農地の転用制度が設けられておりまして、この法令に基づいて運用されているものというふうに認識をいたしております。  次に、食料安全保障のために、大豆などにつきまして、国内生産で対応すべきか、または輸入して備蓄すべきかとのお尋ねについてお答えいたします。  食料の安定的な供給につきましては、先ほど申し上げました基本法におきまして、世界の食料の需給及び貿易が不安定な要素を有していることに鑑み、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせなければならないとされているところであります。平時だけでなく、危機の際にも食料が安定的に供給されることの重要性は、今般、ウクライナ情勢等によりまして再認識をされたところであります。基本法にもありますとおり、不測の事態を含めて、食料の安定供給を確保していくためには、国内での生産の維持拡大を図ることが、輸送障害、それから他国との競合などのリスクを下げる上で有効であるというふうに考えております。  また一方で、食料供給の一時的な途絶などに対しまして一定の備蓄を行っておくことも、これまた必要でございまして、そういった2つの側面がございますので、政府において適切に組み合わせて実施されるべきものというふうに考えておるところでございます。  次に、宍道高校を会場に実施されております定時制、通信制生徒によります生活体験発表島根県大会について、これを見たことがあるのか。また、あればその感想についてのお尋ねでございます。  宍道高校をはじめ、定時制、通信制の高校におきましては、柔軟なカリキュラムを準備して、これを生かして、中学生までの段階で不登校であった生徒などに対しまして、学び直しを行うことを含めて、生徒お一人お一人の状況に寄り添った対応をしておられます。本県の学校教育におきまして、重要な役割、取組をしてもらっているというふうに認識をいたしております。  議員から御紹介のございました大会につきましては、残念ながら拝見したことはございませんけれども、生徒さんたちは、この発表会を通じまして、これまでの人生を振り返られ、いろんな思いで考えや思いを整理し、新たな生き方を模索し、社会の中で生きていこうとする姿が、懸命な姿が見られる発表であったというふうに聞いておるところでございます。この会で披露されました生徒さん方の発表をまとめた小冊子については、昨日、教育委員会から頂きましたので、かいつまんで拝読させていただいたところであります。  教育委員会には、様々な生き方を模索しておられる児童生徒さんの支援に、それぞれの状況に応じてしっかりと向き合い、取り組んでほしいと考えておりまして、その旨を伝えているところでございます。  次に、いじめによる不登校の防止についての所見と、教育委員会にどのような対応を望むかについてであります。  教育委員会からは、いじめを要因とする不登校児童生徒数の全体に占める割合は大きくないというふうに聞いておりますけども、その数字の多寡にかかわらず、いじめにより30日以上の長期欠席となることはいじめの重大事態でありまして、教育を受ける権利が阻害されているという状況として、極めて深刻で憂慮すべきものだというふうに認識いたしております。  教育委員会には、いじめの未然防止のために、自分の存在と他人の存在をひとしく認め、互いの人格、人権を尊重し合えるような人間関係を構築できるように、教育活動を通じて人権意識を高めることや、子どもたちが楽しく、安心して通うことができる居場所となるように、魅力ある学校づくりを進めることのほか、早期発見、早期支援のために、悩みや不安を教職員やスクールカウンセラーなどに相談しやすい環境を整えることなど、現在のいじめ未然防止などの取組やいじめによる不登校への取組をより丁寧に進めてほしいというように考えておりまして、伝えておるところでございます。  いじめの直接的な要因というのは生徒間ということになりますし、いじめの構図でいきますと、加害生徒がいるということになりますので、そういった加害生徒、生徒全般に対して、自らが加害者となり得ること、そして加害者となるということは、人の人生、人の人権を侵害しているということ、このことをできれば親御さんも含めてきちんと認識をしてもらうということが基礎基本であるというように思っておりますけども、学校を運営する立場として、管理者、教育者として、先ほど申し上げましたような現在の取組をきちんとしてもらうということを期待しているところであります。  最後に、「ヘルンとセツ」のドラマ化実現に向けた県の支援についてお答えをいたします。  連続ドラマや映画の舞台となることにつきましては、そこに映し出される風景や登場人物、そして歴史的背景を通じて、その舞台となる土地、場所に対する視聴者の関心を高め、認知度向上や訪れてみたいというふうにいざなうPR効果も期待できるものであります。  現在、ヘルンゆかりの方々や地元の商工団体、行政、観光関係団体の皆様が中心となられて、この「ヘルンとセツ」のドラマ化を目指す応援団を立ち上げられ、先般は、著者であります田渕久美子先生をお招きして出版記念パーティーが開催されたところであります。  これまでも県では、ロケが行われる場合には、撮影場所や宿泊場所など、必要な情報の提供など、現場のロケの支援体制を整えておるところでございますけども、今回の話というのは、そもそもドラマ化に向けた取組ということでありますけども、こういった取組が応援団を中心に進められる中で、県として、御相談等あれば、検討していきたいというふうに考えておるところでございます。私からの御答弁は以上でございます。 36: ◯副議長(池田一) 太田政策企画局長。  〔太田政策企画局長登壇〕 37: ◯政策企画局長(太田史朗) まず、統計調査の活用、統計調査員の活動のPR及び処遇についてお答えをいたします。  各種統計調査の結果につきましては、県民の皆様、庁内の関係部局及び関係の各機関などにおきまして、社会経済情勢の把握や施策立案、効果測定などに利用していただけるように、その内容に応じまして、分かりやすくまとめた上で、県勢要覧などの冊子での配布ですとか、インターネットの島根県統計情報データベースなどで公表をしております。  次に、統計調査員につきましては、各種施策の基盤となる正確な統計調査を行うために、議員からも御紹介がありましたが、地道な調査活動に取り組んでいただいており、その活動は極めて大切なものであります。こうした統計調査員の方々に対しましては、毎年、統計功労者表彰式を開催し、顕著な功績のあった方をたたえ、知事からも感謝の意を表しております。  今年度の表彰式は、出雲市において12月に開催をいたしますが、この中では、他の統計調査員の模範となるような統計調査員から体験発表をしてもらうなど、その活動を紹介することも予定をしております。  統計調査員の処遇につきましては、調査活動に従事した対価として、統計調査の種類や調査活動にかかる日数などを考慮して、国により定められた報酬が支払われます。処遇の改善は、統計調査員の成り手を確保するため、また統計調査員の皆様が安心して調査活動を行っていただくために大切なことと考えております。このため、毎年度、他の都道府県と共同で、都道府県統計連絡協議会を通じまして、報酬の増額及び適正な費用弁償の確保などを国へ要望しており、今後も適切な報酬等が確保されるように努めてまいります。  次に、統計調査をめぐって不足に感じることと国に対する要望及び改善の状況についてお答えをいたします。  施策の基盤となる統計調査が適切に実施されるためには、基幹統計調査をはじめとします統計調査を企画設計される各省庁との意思疎通が欠かせません。例えば、経済産業省によります商品流通調査を例に御説明をしますと、この調査は、県内産業の構造を把握するための統計である産業連関表や県民経済計算の根拠データを収集するために欠かせない調査でありましたが、平成27年調査から一方的に廃止されたことにより、それ以降は各都道府県が独自に調査を実施することになりました。そのため、都道府県間での財やサービスの移出入を全国統一的に把握することが困難な状態となっております。こうした状況を受け、内閣府が地域間の移出入推計の課題に対応するための調査有識者会議を設置され、本県からもこの有識者会議に参加し、各都道府県の調査を国が主導、調整することなどを求めており、現在、検討が進められております。  このほか、国勢調査につきましては、総務省から、次回の令和7年調査に向けて、調査事項の要望把握が行われており、県庁内及び各市町村の要望を踏まえまして、パソコンやスマホの所有状況調査の追加といった意見を提出しております。  地方が必要とする統計の在り方につきましては、国へしっかりと伝えていくことが大切だと考えており、今後も他の都道府県と共同で設置しております都道府県統計連絡協議会を通じた要望活動など、様々な機会を捉えて必要な統計調査が適切に実施されるよう求めてまいります。 38: ◯副議長(池田一) 安食健康福祉部長。  〔安食健康福祉部長登壇〕 39: ◯健康福祉部長安食治外) 初めに、高齢者の感染対策についてであります。  65歳以上の高齢者は、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化リスクが高いこと、死亡例の多くが高齢者であること、高齢者施設で感染者が発生すると、入所者へ感染が広がり、影響が大きいことなどから、高齢者に対する感染対策は重要であると考えております。  本日、対策本部会議を開催したところでありまして、新型コロナとインフルエンザの同時流行期における県の対応について、症状が軽く、重症化リスクが低い方が抗原検査キットによる自己検査で陽性となった場合には、医療機関を受診することなく、しまね陽性者登録センターに登録が可能となる取扱いとし、同時流行期においても、医療提供体制の逼迫を回避し、高齢者などの重症化リスクの高い方が適切に受診できる体制を整備することとしました。  また、高齢者が感染された場合に重症化を防ぐための対策としては、診断した医療機関から保健所に提出される発生届を基に、保健所が直接、患者本人や家族に健康状態や基礎疾患などの聞き取りを行い、状態に応じて入院調整を行います。高齢者が自宅で療養される場合であっても、重症化リスクが高い場合には、保健所や訪問看護ステーションが健康観察を行うことに加え、医師による医学管理も行うなど、丁寧な健康観察を行っております。  高齢者施設における対策としましては、感染者を早期に発見し、感染拡大を防止するため、従事者に対して、週2回から3回の定期検査を実施しております。さらに、施設で感染者が発生した際には、感染の広がりがないか確認するために、施設の利用者や従事者などに対して幅広く検査を実施したり、感染を広げないためのゾーニングの指導などを行っております。  また、ワクチン接種は、感染拡大防止、重症化予防の重要な柱であり、市町村では、特に高齢者施設等の入所者などに対する速やかなワクチン接種に努められています。高齢者をはじめ、全ての世代の方を感染から守るため、高齢者だけでなく、若い世代の方の接種も重要であり、ワクチン接種の必要性をしっかりと周知しております。  今後も、重症化リスクの高い高齢者に対する感染対策や医療の提供、療養体制の整備については、感染拡大の状況に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、島根大学医学部附属病院に関する御質問についてであります。  議員から紹介のありましたような報道があることについては承知をしておりますが、大学における教授選考や附属病院の人事に関することは、大学及び病院の運営に関することであり、お答えする立場にはありません。一方で、県としましても、島根大学医学部附属病院が担っておられる高度医療や医師派遣により地域医療の確保が図られることが大変重要と考えており、大学に確認しましたところ、大学からは、地域医療に影響が生じないようしっかりと対応していく旨の回答があったところです。  地域医療の確保に向け、これまでも島根大学には、県内の医療機関への医師派遣など、重要な役割を果たしていただいているところです。今後も引き続き、大学と連携し、地域の医療提供体制の確保に取り組んでまいります。 40: ◯副議長(池田一) 西村農林水産部長。  〔西村農林水産部長登壇〕 41: ◯農林水産部長(西村秀樹) 初めに、食料自給率の未達の要因についてであります。  食料自給率が目標に達していない状況について、国が公表している日本の食料事情2022では、自給率の高い米の消費が減少したこと、飼料や原料を海外に依存している畜産物や油脂類の消費が増加したことなどにより、カロリーベースの食料自給率が低迷しているとされております。国が目標としている食料自給率45%に達してない要因はこのとおりであると思っております。  県としましては、県内での生産拡大を進めていくことが重要であると考えており、県が現在取り組んでいる水田園芸や有機農業の推進、和牛の生産拡大など、確実に進めることが結果として食料自給率の向上に寄与するものと考えております。  次に、終戦直後と同水準の配給を行う場合の米の需要量や供給量と肥料や農薬等がない中での減産分を補うのに必要となる農地面積についてであります。  終戦直後の1945年の配給データが分かりませんでしたので、国立公文書館の資料に基づき試算しますと、1941年の1人1日当たりの配給量、1歳から5歳120グラム、6歳から10歳200グラム、11歳から60歳330グラム、61歳以上300グラムを基に、現在の国民約1億2,550万人で、年間約1,396万トンの米が必要となります。  一方で、現況で食べられる米の総量は、政府備蓄米91万トン、飼料米を含む今年の米の予想収穫量809万トンを足した900万トンとなります。  また、日本が長期間閉ざされ、石油や化学肥料、農薬が十分にない状況での農地の必要性につきましては、その状況を、終戦直後の1946年と仮定した場合、当時の米の反収から試算しますと、現況の水稲作付面積135万ヘクタールに加え、新たに約280万ヘクタールの農地が必要となります。  次に、農家総所得や、それと勤労世帯との比較の推移についてであります。  農家総所得と、そのうちの農業所得は、国の農業経営統計調査によりますと、1965年は、農家総所得84万円のうち農業所得37万円、データを遡ることが可能な直近の2018年では、農家総所得511万円のうち農業所得174万円となっております。  次に、農家総所得と勤労世帯所得の比較の推移についてでありますが、国の家計調査による勤労世帯所得を分母としまして、農家総所得を分子として比較しますと、1965年は1.07、1985年は1.30となります。2004年調査から、農家総所得が従来の家全体の調査から、農業経営に関与された方に限定となっております。これによりますと、2005年は0.80、2017年は0.82となっております。これ以降は、調査の中で、農家世帯の区分が行われなくなりましたので、比較することができません。  次に、島根県における耕種別の所得についてであります。  米、野菜、畜産別にお答えします。  米につきましては、農業技術センターの経営状況調査などから推計しますと、10アール当たりの中山間地の集落営農法人の所得は、2012年3万1,000円、2021年3,000円、平たん地の集落営農法人では、2012年3万5,000円、2021年3万1,000円となっており、米価下落の影響がありますが、規模拡大が進む平たん地では、生産コスト削減が図られており、所得の減少率が小さい傾向にあります。  野菜は品目により状況が様々でありますので、県で進めている水田園芸6品目のうち、タマネギについて、島根県農業経営指導指針や農業技術センターの調査結果によりまして、10アール当たりの所得は、2013年マイナス8万5,000円、2021年6万6,000円となっており、規模拡大や機械化等により所得は大きく伸びております。なお、2013年は所得がマイナスとお答えしておりますが、当時は家族経営が多く、労務費分が実質農家収入となっているため、労務費を除いた収支としてはプラスとなります。  畜産のうち、肉用繁殖農家における繁殖牛1頭当たりの所得につきましては、畜産物生産費統計によりますと、2013年4万1,000円、2020年17万4,000円と、子牛価格の上昇を背景に、約4倍となっております。  次に、麦、大豆の国産振興についてであります。  農林水産省の作物統計によりますと、2021年の小麦と大豆合わせた生産面積は36万6,000ヘクタール、収穫量は134万トンであり、1971年、昭和46年と比べて、面積で137%、収穫量で239%と、面積、収穫量ともに伸びております。  一方、本県の小麦、大豆合わせた2021年の生産面積は915ヘクタール、収穫量1,057トンで、1971年と比較しますと、面積で51%、収穫量で39%と減少しております。この減少要因としまして、小麦については、収穫時期が梅雨時期と重なり生産が安定しないことや、県内全体の耕地面積や担い手の減少が影響しているものと考えております。一方で、小麦や大豆に比べて作りやすいWCS用稲や飼料用米などは増えており、このことも影響しているものと考えております。こうした中でも、麦、大豆は水稲との組合せにより、1年を通じて水田の有効活用が図られることから、重要な品目と考えております。  最後に、今後の和牛生産の取組についてであります。  県では、中山間地域において、繁殖専業経営の新規就農者を確保し、この農業者が地域と連携して水田や耕作放棄地を活用し、放牧や自給飼料生産を行う畜産経営モデルの構築を進めているところであります。  議員御指摘のとおり、ふん尿による環境汚染を懸念する声により、耕作放棄地が多い地域でも牛舎を建てる用地が確保できない地域があることも事実ですが、全国和牛能力共進会鹿児島大会での好成績を生かしながら、和牛振興の機運を醸成してまいりたいと考えております。
    42: ◯副議長(池田一) 野津教育長。  〔野津教育長登壇〕 43: ◯教育長(野津建二) 初めに、本人に関わる要因による不登校の状況と文部科学省の調査の方法、無気力、不安が多い理由についてお答えします。  文部科学省が実施する児童生徒の問題行動、不登校等、生徒指導上の諸課題に関する調査では、不登校の要因を、いじめやいじめを除く友人関係をめぐる問題など、学校に係る状況に関する8つの項目、親子の関わり方や家庭の生活環境の急激な変化など、家庭に係る状況に関する3つの項目、無気力、不安や生活リズムの乱れ、遊び、非行といった本人に係る状況に関する、この2つの項目、そしてそのどれにも分類できない該当なしの14の項目に分類しております。そのうちから、主たる要因を1つ、従たる要因を2つまで記載することになっています。このうち無気力、不安については、無気力で何となく登校しない、登校の意思はあるが、漠然とした不安を覚えて登校しない、あるいはできない等とされています。  令和3年度の調査において、本県の公立学校では、不登校の主たる要因の中で、無気力、不安が最も多く、小学校で53%、中学校で41%、高校では全日制が36%、定時制が33%となっており、全国平均と同じ傾向にあります。  各学校では、教職員が日頃から子どもたちの様子をよく見て、僅かな変化にも目を向けるよう努めておりますが、本調査でも、子どもたちの様子をよく把握している教職員が不登校の要因を含め、各学校の状況を取りまとめております。  不登校の要因として、無気力、不安が多い状態でありますが、学校に安心できる居場所がないと感じたり、漠然とした不安を覚えるなど、自己肯定感が低くなり、無気力になる子どもたちが多いのではないか。また、コロナ禍により、学校の全部または一部を休業する、いわゆる休校、学年・学級閉鎖などにより、学校を休むことに慣れて、何となく気持ちが向かなくなったことなど、コロナ禍も影響しているのではないかと考えております。  また、児童生徒や保護者に面会をして、不登校になっているきっかけなどを調査しておりますが、児童生徒自身もよく分からず、言っている内容が毎回変わって、最終的には不安だからと訴えることもあり、この場合には、主たる要因を無気力、不安と整理する場合もございます。  不登校の背景は多様化、複雑化しており、理由を個人ごとに一言では言い表せない状況が増えております。先ほど述べたように、本人も分からず、意思表示もない場合などもあり、はっきりと要因を分類できず、該当なしとするものが一定数生じております。  次に、いじめの重大事態に係る調査組織への専門家等の参加状況及び調査の中立性の担保についてであります。  いじめ防止対策推進法では、いじめにより、児童生徒が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあるときなどを重大事態としており、案件に応じて、学校設置者またはその設置する学校が調査をすることとなっております。  本県の県立学校については、設置者である県教育委員会が調査を行う場合には、有識者、医師、弁護士、元公立学校の校長などから構成される附属機関の島根県生徒指導審議会が調査を行う組織となります。学校が調査を行う場合は、学校に設置しているいじめの防止等の対策のための組織を母体とし、当該重大事態の状況に応じて専門家を加えて速やかに調査を実施することとしております。附属機関や学校から県教育委員会へ調査結果の報告があった場合、県教育委員会において、重大事態調査報告書を確定させ、知事へ調査結果を報告します。知事は、再調査の要否を判断し、再調査の必要があると認めるときは、附属機関である島根県社会福祉審議会に諮り、この審議会が調査を行った上で知事へ報告し、知事が議会へ報告することとなっております。  これらの調査においては、当該事案に関係する当事者または利害関係等を有するものについては、当該調査に従事することはできないこととしており、調査の公平性、中立性を図っております。  また、市町村立学校においても同様な仕組みで行われております。  次に、定時制、通信制生徒の生活体験発表についてであります。  私は、先般、この大会に出場された2人の生徒さんによる大会と同じ発表を、それとは知らずに聞く機会がありました。お二人ともいじめが原因ではなく、別の要因で不登校となったとのことでした。過去のつらかった日々の振り返りと、今、そして未来に向かって力強く生きていこうとする決意や、そう思うようになったきっかけについて語られていました。お二人は、新たに歩み出す道筋を見つけようと模索される過程で過去を冷静に振り返ることができ、当時の自らの状況や思いを整理されていました。つらく苦しかった当時には、どれだけそのことを整理、意識できておられたのか、学校や家庭でSOSを発信することがどれだけできておられたのかなどを具体的にうかがい知ることはできませんでしたが、先ほど述べましたように、原因、きっかけが分からないまま漠然とした不安にさいなまれたり、閉じ籠もったりする子どもたちにも、早いうちにそういう機会が訪れればいいなと思って聞いておりました。そして、我々教育関係者も、お二人のような振り返りを伺いながら、改めて成長期にある多感な子どもたちの心理、行動を理解して接していくことが大切だと深く心に留めたところでございます。今後の参考にしたいと思っております。  次に、一人一人の背景や対策に向き合った対応についてであります。  先ほどお答えしたとおり、不登校の背景は多様化、複雑化しており、理由は個人ごとに一言では言い表せない、あるいは本人も理由が分からないという状況が増えていると捉えております。議員御指摘のとおり、子どもたち一人一人に向き合い、いじめを含め、不登校の背景を丁寧に探り、対策を講じていくことが大切であります。  知事がお答えしたとおり、人権意識を高めたり、魅力ある学校づくりを推進したり、相談体制を整備するなど、未然防止、早期発見、早期対応という方針の下、今後とも、子どもたちの状況に応じて、一人一人に寄り添った丁寧な支援を行ってまいります。  次に、いじめによる不登校の背景に係る観察や調査研究についてであります。  文部科学省の調査の取りまとめに当たっては、公立小中学校については、各市町村教育委員会から不登校児童生徒数などの数値の報告だけでなく、その増減についての分析などを併せて報告を受けており、県立高校については、数値の報告の確認に併せて増減理由等について個別に確認を行っております。また、3年を周期として全ての県立学校を訪問し、生徒指導の取組状況などを確認しており、その際、不登校支援の状況についても併せて聞き取りを行っております。不登校の背景については、個別の観察、調査研究は行っておりませんが、以上のような取組により、今後とも現場の実態把握に努めてまいります。  最後に、児童相談所等との連携やつながりと支援を受けていない児童生徒の状況についてであります。  文部科学省の調査によりますと、昨年度、本県では、児童相談所や病院、民間団体など、学校外の専門機関で相談等を受けた人数の不登校児童生徒数に占める割合は、公立学校で、小学校59.2%、中学校54.1%、高等学校44.0%となっています。養護教諭やスクールカウンセラーなど、学校内の専門家に相談等を受けた人数の割合は、学校外での相談と重複した児童生徒もおりますが、小学校55.1%、中学校51.0%、高等学校55.7%となっております。  学校外、学校内の専門機関や専門家、いずれの相談等も受けていない人数の割合は、小学校20.2%、中学校25.9%、高等学校28.0%となっており、全国の公立学校の割合は、それぞれ33.1%、38.3%、42.9%となっています。本県は、12から15ポイント程度少ない状況ではありますが、子どもたちが誰とも相談することなく不登校となったり、不登校が続くことがないよう、相談することの意義や方法、窓口について、子どもや保護者に伝え、多くの人たちの力を借りながら、引き続き不登校を未然に防止することや、長期化につながらないよう支援してまいります。 44: ◯副議長(池田一) 成相議員。  〔成相安信議員登壇〕 45: ◯成相安信議員 御丁寧に答弁いただきました。ありがとうございました。  教育長さんの御答弁ですけれども、大変よくいろいろフォローされているんだなということがうかがい知ることもできましたけれども、生徒にもいろいろ確かに不登校になる理由というのがいろいろあるんだろうと。しかし、この間の私が耳にした講演では、こういうひとつ階層、カースト制度のようなものができて、そこで集団的にいじめが行われているような、そういうクラスも結構あるんだということは根深いなと思ったわけです。県の教育委員会の皆さんも、このスクールカーストのことはあまり御理解してらっしゃらなくて、初めて聞かれたんで、私ももちろん初めてきいたわけですけども、スクールカーストの強い学校は、意識を他者に焦点化しやすく、自己に焦点化しづらい。特に、カースト下位者はコミュニケーション機会を奪われ、肯定的な自己理解が進みにくい。そうなると、なかなか言われても黙っていたり、あるいは自己主張ができなかったり、そういうことなのかなと想像するわけです。ですから、せっかくこういう講演をいただいたことを御紹介いただきましたので、今後、こういうことを念頭に置きながらいじめを疑ってみる。なぜそうなったかについて、こういうことの背景も探ってみるひとつの一助にしてほしいなということなので要望させていただきたいと思います。  それから、農業問題は、今までいっとう議論をさせてきていただきました。なかなか私の言うことについては県としては答えづらい質問だろうなというふうには理解しつつ、しかしちょっと今回いろいろ考えてみますと、米価は今低下してて、たくさん皆さんに、高米価政策を取るんじゃなくて、安い米を供給するというのは最大の物価対策なんです。ですから、今米価が上がっていないのに減反して米価を上げるということが、物価対策に反する政策をやっているわけです。これをひとつしっかりと考えてほしい。  米の生産量についても、1967年ピーク、1,445万トン、現在半分の670万トンにまで政策的に抑えているわけです。これはどうなのと。食料の安全保障ということについて見ると、膨大なお金を突っ込んで減反させているということが、食料の安全政策に著しく矛盾しているわけです。  一方、世界の米生産を見ましても、1960年に比べて、現在3.5倍も増えているのに、日本は補助金を出して4割も減少しているんです。反収においても、もう50年前半分だった中国にも抜かれておると。カリフォルニアは日本の1.6倍の生産、反収を上げているんですが、日本はカリフォルニア米並みに作れば1,700万トンも生産できる。これを今、抑えているわけです。これで減反をやめたら、自給率はそれだけで63%に上がるんです。こういうことを地方が、国のやっている政策はおかしいぞと言わないと、島根県の、何度も言ってきてますけど、農業も農家も、もうどんどんどんどん駄目になっていくと、私は非常に危惧を感じるわけです。  知事さんも、先ほど御答弁くださいましたけども、今2,300億円で、麦、大豆130万トンの国内生産をしているわけです。僅か130万トン、2,300億円も突っ込んで。これ麦を輸入すれば、700万トン買えるんです。950億円の餌米生産の財政負担は66万トンです、僅か。950億円突っ込んで66万トンしか餌米が取れない。これで400万トンのトウモロコシが買えるんです。備蓄ということを考えた場合には、買ったほうがいいわけです。国内でそんな非効率的で金のかかる生産をあえてやって、僅かちょぼちょぼとしか備蓄ができないよりも、平時に買ったほうがいいわけでしょう。そういう基本的な考え方というのを県はしっかりと県民の皆さんに表明してほしいんです。現実それができないとしても。だから、そういうことをきちっとやることで、農政の正しい理解ができて、政策方向がみんなの合意を得ながら、そっちの方向へ矯正されていくということが、私は一番大事だと思って、今までもずっとこういう議論をさせてきていただきました。  答弁はもう、今までいっとしてきましたから、質問をしてきましたら、答弁はいいですけど、ぜひ改めるならば、きちっとそれを述べられて、自分はこう思うということを率直に述べる、そういう機会であってほしいと思います。ありがとうございました。失礼します。 46: ◯副議長(池田一) これをもって一般質問を終了いたします。  以上で本日の議事日程を終了いたしました。  次の本会議は12月5日に第1会議室で一問一答質問を行います。  本日は、これをもって散会いたします。        午後2時20分散会 発言が指定されていません。 島根県議会 ↑ 本文の先頭へ...