それで、私のほうから少し御説明を申し上げたいのですが、人口のこと、それから高齢化のことは、鳥取県は全国を先取りしていると思います。そういう意味で、ある意味、どこも経験したことのない、そういう時代を私たちは先に生きていかなければならない。こうした覚悟が多分必要なのだと思います。それにつきまして、さまざまな考え方があろうかというふうに思います。例えば
コンパクトシティー構想ということが言われたりしますが、これも実は一長一短あるのではないかと思います。浅見東京大学の先生などがおっしゃるところでは、これは居心地のよい町なかというのをつくっていくべきではないだろうか。そこで、ある意味、市街地の中心的なものをコンパクトにまとめ、郊外のほうは、それとはまた別のコントラストをつける、これによって、例えば地域交通の問題であれば、狭い範囲での移動ということになりますので、中は徒歩で歩き回ることができるようになる。それが、そこに行くためには地域の公共交通を使うことになる。こういうようなことで、一種の最適化を図るような、そういう構想にもなるのではないかなということを御提唱されています。これも一つの考え方だと思います。
ただ、その片方で、現実には、人口が減ってきて、それから高齢化が進んでくるということでありますと、いわば縁辺部のほうに取り残された人たちが出かねないということにもなります。ですから、これをどういうふうに加えていくか、そういう意味で、
ネットワーク化ということがもしかすると大事でありますし、そうした中心市街地だけやればいいというモデルではない、郊外への分散型のモデルもあるのかもしれません。この辺は正直手がかりがないところでありまして、鳥取県でそれぞれ試行錯誤をそれぞれの市町村がやりながら、まちづくりというものを進めていくのかなというふうに思います。
鳥取県では、この米子・境港のエリアでいいますと、米子・境港地域のマスタープランというのを、これは数年前に定立をいたしました。多分、山川議員は市議会のほうにおられたのではないかと思います。いろんな議論がございまして、例えば市街化調整区域の問題であるとか、そこは今後の背骨となるような、そういう
グランドデザインに必要なものは何なのか、この辺をよく議論をさせていただき、基本的には線引きを変えないという地元側の御意見を入れまして、それを基本にして、また、幾つかアプリケーションをつくったようなことがございました。例えば子や孫が展開する家というものを、それを認めようというようなことを入れてみたり、若干緩和をしながら、従来の枠組みを守るということになったところであります。この辺はまずは、まちづくりの視点でありますので、市町村の御意見、そしてそこに至る住民の皆様の合意形成というのがまず大事だろうと思いますし、私どもは広域団体でありますので、それにかかわるような大きな事柄につきまして、調整をしたり、推進をしたりということだと思います。例えば最近よく話題になります米子-境港間の日吉津も交えた高速道路の問題があります。こういうものはやはり大きな
グランドデザインにかかわるようなものでございまして、そうしたところはしっかりと県のほうでも対応していかなければならない部分があるのだと思います。
公共施設につきましては、先ほど公共施設の長寿命化にかかわる計画についてのお話を議員のほうからもいただきました。総括的な公共施設の計画があり、それを長寿命化に至るそれぞれの個別の施設ごとの計画をつくるという形でやってきております。それにあわせまして、議員がおっしゃった
西部総合事務所、これにつきましても、今その検討を進めているところでございます。詳細は局長のほうから申し上げるわけでございますが、どういうところに注意をしながらということであると、多分庁舎の場合と、それから、公共施設一般の場合、サービス施設とは若干違うかもしれません。庁舎の場合は、これはどんなに人口規模が小さくても、ある程度の行政サービスを提供しなければいけないところであります。ですから、ある
意味必須アイテムでありまして、大きさの大きい、小さいにかかわらず、設けなければいけない場合があるということだと思います。
行政サービスの施設、例えば体育館であるとか、あるいは文化ホールみたいなもの、そういうものがいろいろございますが、これらは、人口規模の中で1個必要というようなものかもしれません。前、合併が大分盛んに言われたときですね、市町村合併のときに一つの議論として、例えば10万人ぐらいが最適規模ではないかということを言われた時期があります。これはどういうことかというと、福祉サービスを提供する市町村の単位からしますと、そのぐらいであれば、ある程度の人材を確保して、
高齢者サービス、それから、
障害者サービス、そういうものを提供し得るだけの、いわば
スケールメリットというものを確保できる。反対に言えば、それにかかわる各種のサービス施設の配置なども10万人ぐらいだとちょうどできるのではないかと、こういうアイデアだったと思います。ですから、昔、平成16年、17年ごろですかね、市町村合併が盛んなころは、そういう規模論というのがよく言われたわけでありますし、だからこそ、合併特例債の中でそうした施設配置にかかわるような議論というものがなされていったところでもございます。このようなことで、行政機関の場合と、それから一般のサービス提供の場合は、そういうアプローチが若干違うのかなという経験則的な考え方はあろうかというふうに思います。
そうすると、庁舎のほうは、どちらかというとコストの問題だとか、それから、行政機能を果たす上で何が機能的なのかという課題が中心的になるのかもしれません。例えば一昨年度に私どもは、農業試験場を改修をさせていただきました。これは踏み切ったのにはわけがありまして、一つの工事だけでなくて、幾つかの工事をあわせてやったほうがいい、耐震化の必要がありまして、庁舎管理上やむを得ずこれは工事が必要だろうというタイミングになりました。そのときに、例えばサッシであるとか、外壁であるとか、そうしたところも一緒にこのタイミングで直すと、トータルでコストが安くなると。実際に節約ができたわけであります。こんなような形で、庁舎の場合は交付税が出ませんので、県民の税金で賄われるというものがございますから、やはりコスト論というのはある程度重く考えなければならないところだと思います。
また、庁舎につきましては、アクセスの問題とか、それから住民の利便性のこともあろうかと思います。そうしたことなどをいろいろと総合をして、庁舎の再配置等が必要な場合は慎重な検討をすることもございますし、また、直すということにつきましても、工事のやり方を結構工夫しなければいけません。近時、県民の皆様の関心が高いのは、やはり災害対策ということがあろうかと思います。例えば浸水する可能性がある等であれば、発電施設を上のほうに置かなければならない。この関係でも議会棟も含めて、特に必要なところについては新年度予算で発電機の恩恵が得られるエリアというものを設定しまして、増設を図ることにいたしました。事ほどさようでございまして、そうしたことなども重要な考慮要素になってきているところだろうと思います。
西部の総合庁舎につきましては、実は耐震性とか、老朽化ということがあり、この福祉保健局については、その場で建てかえるか、あるいは移転をするかということでありました。私どもは、実は米子警察署がありましたけれども、これが駅の近くのところから、麹町から出たわけでございまして、そこにあいているスペースがある。そうしたことで、総合事務所としての防災機能等を考えますと、一つにまとめるほうが機動的に動けるということがございますし、また、住民の皆様にも1カ所でいろんな申請等ができることで利便性も高まるわけでありまして、最終的には1カ所にまとめて麹町での再築を図ろうということを考えたところでございます。その際に、コスト論ということもございまして、PFIの検討ということもリトマス試験紙としてやらさせていただき、それから、その後、米子市さんのほうから一緒に庁舎をつくることに加わりたいと、こういうようなお話もございまして、私どももそれに協力をして一緒にやっていこうと、こういうようなことになったところでございます。
詳細につきましては、局長のほうから御説明申し上げます。
◯議長(藤縄喜和君)
亀井行財政改革局長
◯行財政改革局長(亀井一賀君)庁舎のあり方などにつきまして、補足の答弁をさせていただきます。
議員のほうもおっしゃいました総合管理計画でございますけれども、まず、大きく3つ、保有総量を適正化するということ、それから、効率的な利用をするということ、それから、長寿命化、維持管理費の縮減、基本的にはこの3つの基本理念で総合管理計画を構成しております。その中で、知事も農業試験場の例を申しましたけれども、いろいろな手を加える、庁舎に手を加えるに当たりましても、経費の縮減を図っていく、そういったことを行っております。そのほか、例えば職員宿舎でありますけれども、当時は東部と西部との職員の移動、そういったこともなかなか公共交通機関では難しいということで、職員宿舎をそれぞれ鳥取市、あるいは米子、倉吉もですけれども、整備していた、そういった時代がありましたけれども、今では民間賃貸のほうもかなり多くなってきて、それから、JR、公共交通機関もスピードが速くなってきていることもありまして、新規の職員宿舎の整備、そういったことをやめたり、それから、以前と比べますと、今数が半減してきている。そういったことで整理統合してきたりしております。
その中で、
西部総合事務所の庁舎はどうするのかということがあるわけでございますけれども、これは知事も申しましたけれども、もともと
西部総合事務所の東福原のほうにあります福祉保健局、こちらのほうの建物のほうがかなり老朽化してきていたということがございます。耐震性に問題ありということで、そこをどうするのか、耐震改修するのか、あるいは建てかえるのか、そういったことが大きな課題となっていたわけでありますけれども、それと同じような時期に、今度は、今、麹町のほうにあります
西部総合事務所のこの本庁舎のほうの、大雨とかで水があふれてきたときに発電設備を1階ではなくて、2階以上に上げなければいけない、そういったこともあわせて議論として出てまいりました。そういったことがあわせてきておりましたので、では、新しく新棟というのを建てて、その中でそういった発電設備も、それから、東福原のほうにあった庁舎のほうもあわせて、今の総合事務所のあるところに新棟ということで建てましょうかということで県庁の中で議論を進めていたところであります。
こうした中で、29年の夏ごろだったと思いますけれども、米子市のほうから、先ほど議員のほうも紹介がありましたけれども、米子市のほうの第2庁舎も耐震性に問題があるので、米子市のほうもその庁舎をあわせて、県のほうが考えられる新棟、その中で一緒に共同整備することはどうだろうかという投げかけがございました。投げかけを受けました私ども県のほうは、いや、それは米子市のほうの話ですからということで、拒否はいたしません。米子市の話をよく聞きまして、その中で、もし一緒にやるのであれば、住民の方の利便性が増すような、そういった形の共同の整備、そういったものを一緒に考えてはどうだろうかということで、頭と頭を突き合わせて、いろいろと考えた、そういったところでございます。
その中で、平成30年の当初の予算であったと思いますけれども、導入可能性の調査、整備するに当たってPFIという手法で整備する、その
導入可能性調査の予算をこの議会に提案させていただきまして、お認めいただきました。それで、
導入可能性調査を行いまして、PFIという形でやっていくということについては、いわゆるバリュー・フォー・マネー、財政削減効果があると。ただ、PPPという形で、民間に整備をさせて、定期借地権を設定して行政側が利用するという形のほうは、むしろ財政削減効果はないということでありましたので、PFIで整備をしましょうかということで、この議会でも御質問もありまして、説明をさせていただいたところでございます。それで、今年度に入りまして、9月の議会で、今度は
アドバイザリー経費、整備をさらに検討を進めるに当たりましての
アドバイザリー経費、そういったものにつきまして、御提案をさせていただきまして、山川議員も含めて賛同いただきまして、そういった取り組みを進めてきているというのが現在の状況でございます。
ということで、もともとは県のほうで必要に迫られて、庁舎を新棟という形で整備をするということで進めたことでございましたけれども、米子市のほうからの御提案を受けまして、住民サービスが向上するように、一緒に考えて進めてきて、現在に至っているというのがこれまでの経緯ということでございます。
◯議長(藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)市役所の庁舎の話だから、市議会の話ではないかというふうに思われる方もおられるかもしれませんが、市庁舎の建築部門を
西部総合事務所の計画地に統合するという話ですから、そして今回、今議会で予算が上がっているからこそ聞くのです。
そこで、お聞きしたいのですけれども、市の現場のほうにも聞きに行きました。そうしますと、市では、県との庁舎の共同設置、共同利用にかかわる取り組みの状況報告書という資料があったのですけれども、そのときに、
整備スケジュールとして、令和2年6月、整備費にかかわる補正予算、令和2年に事業者選定、契約だよというふうに書いてあったのですけれども、今回、県で予算が令和2年3月、この予算で民間に出すという契約をやるということが上げられています。令和2年7月、事業者が決定ということになっていますが、この早まった理由について教えてください。具体的には、早めるに至る正当化できる事情について教えていただきたい。具体的には、何をクリアしたら緊急に必要と判断されるのか。
具体的に言いますと、先ほど言ったこの地域交通の問題ですが、この先ほど言った市役所のところは現在ですが、鳥取県
西部地域広域路線バス時刻の表、最新版だったり、現場にも聞きに行きましたが、9路線あるのですね。逆に言ったら
西部総合事務所のこちらの場所ですが、2路線、そして便数も減少するというふうに言われています。この地域交通は市が考えることではないと言われるのですけれども、市だけでなくて、やはり市の建築、そして県の建築、使う方もおられますので、これらを連携、まとめる必要があると思います。いかがお考えでしょうか。やはり75歳以上の方は免許を返納しなければなりません。この地域の血流、この地域交通、地域の弱者のことをやはり考えて、連携するのであれば考える必要があると思います。いかがでしょうか。
そして、事務効率ですが、やはり人手が減る、技師が減少するということが昨日の議会でもありました。県の
インフラ長寿命化計画で、平成15年から27年の技師の動向を確認しました。そうしますと、ここ、27年までが500人台を推移しています。596人、591人、571人。要は住民だったり、業者だったり、現場に全部聞き取りに行ったのですけれども、まず住民が言われたのは、建築とほかの自治会要望だったりで行ったときに、分けられて、二度手間ではないのと言われました。現場では、業者の方は建築だったら開発許可だったり、建築確認をするのだけれども、米子市では都市創造課と都市計画が分けられたのですね。都市整備部、道路確認、建築確認だったり、道路整備だったりは、県の
西部総合事務所のところに移ると言われたのですけれども、それが二度手間になるのではないのというふうに聞かれました。そして、現場サイドでは、先ほど知事も災害のときの対策は絶対必要だよ、大事だよと言われたのですが、現場で聞いたところ、緊急時の実際の指示は、現場サイドは防災安全課というところが市の担当はするのだけれども、現場の技師が現場に駆けつけるよ、では、それが分かれたとき、対応はどういうふうになっているのということでした。ですから、これらを使うほうが大変ではないか。これらについてのすくい上げはどうなっているのか。
そして、もう1点なのですが、定員適正化の問題についてお聞きしたいと思います。
普通、民間の機能だったり、例えばここの
西部総合事務所のところにホテルだったり、スーパーだったり、併用して同じ庁舎に入れるのであれば、やはり民間がやったほうが効率的で、民間の知恵は必要だなと思うのですけれども、庁舎の機能だけであれば、逆に言ったら直営でやるほうが安いと思うのですね。
そこで、お聞きしたいのですけれども、民間は、では、何で利益をとるかといったら、やはり人件費とか、コストの面を考えますので、
ボランティア事業ではありませんので、そうすると、法務局だったりを見ると、受け付けだったりはパートタイマーの人にかえられていますので、人員のカットになるのではないか。人が減っていく中で、どうしてもどこかを削らないといけないとなったときに、定員適正化とどう連動しているのか、それらについてお聞きしたいと思います。お願いします。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてのお尋ねがございました。
詳細は、また局長のほうからお話もさせていただきたいと思いますが、いろいろと御指摘がございましたけれども、米子市の庁舎配置のことや、その連携のことなどは、私どももちょっとわかるところではございません。米子市のほうでよくよく御議論をいただき、そして意思統一を図っていく、コンセンサスを得ていくという作業を多分これからされるのではないかなというふうに思います。私どもでお伺いをしている、今折衝中のお話では、建築関係と都市計画とを一つの庁舎でまとめて、新しい庁舎に入れてはどうかという、こういうアイデアで今話し合いをしているところであります。これをやれば、例えば県の公営住宅、それから市の公営住宅、それぞれございますけれども、その両方をいわば並列的にエントリーをしにいくということも可能になるわけでありまして、そういう意味で、利便性はあるのではないかなというふうに思います。
また、実は市役所を分けていくというのは、今までも米子市は分けておられたところでございまして、それを多分移されるということでありましょうから、遠くなるというお話が入っているのかもしれません。それは最近でも倉吉市で、地震の関係で本庁舎、それからその通りの向かい側に小さな庁舎がございましたけれども、今、ホテイ堂さんのほうを使われるということで、町なかのほうに行かれるというふうに庁舎を改められたところでございます。いろんな形というのは、それぞれの市町村で御議論いただいて考えていただければというふうに思うところでございます。
それぞれの庁舎に行かれる、いわば顧客といいますか、お客様の違いもあるわけでありまして、全ての、鳥取県庁でいえば農林部も商工労働部も全部用事があるという人は実はまれでございまして、どこかの部局に用事があって行くわけでありますから、そこに出かけるという設定で大体物事を考えているのではないかなというふうに思います。
いずれにいたしましても、詳細につきましては、米子市のほうでその辺の議論をされた上でということだと思いますし、私どもは、先ほど御説明申し上げましたが、やはり今の総合庁舎のあり方というのを再編成したいというところが県の最大の関心ということでございます。
また、PFIにするとお金が安くなるというのは、これは経験則で言われているところであり、国のほうもそうした考え方を唱道されまして、全国にPFIの検討というものを呼びかけられています。私どもも一つ一つ、その計画に即して、そうしたことの検証をする、そういう作業をした上で、議会のほうにお諮りを申し上げるというやり方をとっております。またそこでよく吟味をしていただき、PFIが適当かどうかというのは、それは直営方式と両方選択できますので、最終的には議会でも御議論いただけようかと思いますが、ただ、先ほど申しましたように、庁舎管理のことは、やはり一つにはコストの問題というのは結構大きく県民の皆様も関心を持って見られますので、このことはクローズアップした一つの着眼点になるかなというふうに考えられるところでございます。
詳細につきまして、局長のほうからお答えを申し上げます。
◯議長(藤縄喜和君)
亀井行財政改革局長
◯行財政改革局長(亀井一賀君)では、引き続きまして、
西部総合事務所の庁舎整備に関しまして、補足の答弁をさせていただきます。
冒頭、交通弱者の話があったかと思います。今
西部総合事務所の庁舎前にもバス停があるわけでございますけれども、どういった形で、バス路線だとかを含めて、今のままでいいのか、あるいは少し直す必要があるのか、そういったことにつきましては、米子市のほうでよく考えていただきたいと思います。
この庁舎は令和5年ぐらいに竣工を考えているわけでありますけれども、もう少し期間がありますので、その中で、御検討いただくということかと思いますけれども、担当者レベルでお聞きしているところでは、やはり米子市のほうもそういった意識を持っておられまして、利用される方が不便にならないように、そういったバス路線でありますとか、交通弱者に配慮した、そういったことはしっかりと検討していきたいというふうに考えているとお聞きをしております。
予算の関係でございますけれども、少し山川議員が勘違いといいますか、誤解があるのかもわからないなと思いながらお聞きしておりますけれども、庁舎整備につきましての実際の整備費に係ります債務負担行為、これは今、私どもでスケジュール的に考えておりますのは、年度が明けまして、6月の議会のほうに提案できたらいいなというふうに考えてございます。今議会に提案していると何回かちょっと言われますけれども、
アドバイザリー経費、それは今年度の9月に債務負担とセットで計上させていただきましたので、その残余のことを言われているのかなと思いますけれども、あくまでも庁舎整備に係ります債務負担行為につきましては、年度が明けてから議会と相談させていただきながら提案のほうを考えていきたいと思っているところでございます。
PFIにつきまして、経費が下がる話もございました。知事のほうも説明いたしましたけれども、経験則的にPFIにしますと10%程度、あるいはそれより低いぐらい経費が下がるということでありますけれども、よく言われますのは、物事の発注が性能発注ということで、型番だとか、そういったことを詳細に指定はせずに、同等の性能のもの、こういった性能のものということで、性能を指定して発注して、それを納入していただくということで、事業者側のほうの融通、そういったものがかなりきくということでありますとか、それから、施工を受けて管理まで一気通貫で事業者のほうが担当しますので費用の低減が図られるとか、そういった形で言われております。ただ、これは我々もこういった形で整備をする、特に庁舎を整備するのは初めてでございますので、よくそういったことは点検をしながら、検討を進めていきたいというふうに思います。
定員の適正管理の話がございましたけれども、これはいろいろな利便性の向上でありますとか、あるいは事務を一つの庁舎でお互いにやることによって、どういった形で事務の効率化が図られていくのか、そういったこととも関係してくるかと思います。一緒に仕事をすることによりまして、例えば県と米子市でいいますと、都市整備部、そちらのほうで、例えば共通の住民の方がいらっしゃるときの相談窓口を設置するだとか、そういったことも考えることができるかと思います。それから、公営住宅の関係というのが県の住宅、それから、市の住宅、それらが今回一つの庁舎の中に入って一緒に仕事をするわけでありますけれども、住民の方が来られたときに、例えばこれまでであれば、県のほうに県営住宅の相談で来られたときに、それは市のほうに相談されたらいいのではないですかということで、その方が米子市のほうに行くのではなくて、同じ庁舎の中で一緒に相談を聞いたりだとか、そういったことで住民の方の利便性というのが図られてくる、そういった面が出てこようかと思います。
議員のほうは、技術職の話をされましたけれども、米子市のほうで入られますのが都市整備部ということで、比較的技師の方が多い所属が入ってこられる予定になっておりますけれども、県のほうの県土整備局、そちらのほうと一緒に仕事をすることによりまして、例えば県のほうの技術職の方、仕事の仕方だとかを見ていただいたり、あるいは、逆に我々のほうが市の職員の方の仕事ぶりを見させていただいたりだとか、お互いに足りないところとかを補い合って、県、それから市、双方の技術職の技術力の向上にも資する、そういったことも出てこようかと思います。
定員の管理につきましては、そういった住民の方に対する利便性、アプローチでありますとか、あるいは職員の資質の向上のぐあいでありますとか、あるいは事務をどれだけ効率化できるかでありますとか、そういったことを踏まえて考えるものでありまして、これはこれまでも県のほうでも毎年毎年不断の見直し、そういったことを行って、提案させていただいている、そういったことでありますので、あわせまして、この庁舎整備の関係につきましても、今言いましたようなことを踏まえて、定員の管理、適正化を図っていくということになろうかと考えております。
◯議長(藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)いろいろ突っ込みどころが満載なのですけれども、ちょっとポイントを絞らせてもらいます。先ほど特定の農業試験場とか、宿舎って、特定の人が使うものと、庁舎というのは初めてのことですからと言われたのですけれども、不特定多数の人が使う、それを統合するので、そして、今の米子市役所、現米子市役所も分かれているではないか、確かに分かれているのです。でも、今の本庁舎だったり、第2庁舎、旧庁舎、同じバス路線で近い、近接しているのです。それが
西部総合事務所に行くとなると、自治会の人だったりが何回もいろんな場所を回らないといけないということになってくるのです。だから、地域の人が地域構想、確かにバスの路線は市が考えないといけないことかもしれないのですけれども、
西部総合事務所の中の県のところに一緒に行くということですから、それがきちんと計画された上で予算計上してほしい。そして、この今回予算で、3月予算で民間に任せるPFIの契約書の予算は一般財源に入っています。だから、全く関係ないことではないのです。
それで、今言われた民間のPFIのことについてお聞きしたいと思います。PFIというのは民間のお金を利用して、民間のサービス、ノウハウを持って、どう公共サービスを提供するかということなのですけれども、その目的対象物として、民間のものと直営とどちらが安いかということで、平成31年2月、
西部総合事務所新棟整備等にかかわる民間活力
導入可能性調査業務報告書の予算は認めました。民間がやったらどちらが安いか、有用だと思ったからです。平成30年度、
西部総合事務所新棟整備等事業にかかわるアンケート調査、こちらも確認しました。そうすると、民間に出したほうが直営よりも約1億5,000万円安いということです。直営だと27億3,000万円、民間だと25億8,000万円。
それで、伺いたいのが、配付資料の1なのですけれども、アンケート用紙の表紙なのですけれども、その中身というのが、本事業の目的が書いてあります。県は
西部総合事務所の敷地の計画地において、旧米子警察署の建物を除去の上、福祉保健局を移転するための新棟整備を行うため、本事業を計画している。本調査は、本事業における民間活力を導入した事業手法の導入可能性について検討することを目的とするとあります。これは、平成30年度のアンケート調査です。平成29年、先ほど言われました、9月ごろ、市から入居の提案がありました。アンケート調査をする1年以上前です。にもかかわらず、事業主体、県と民であって、市が入っていない。事業範囲、市が入っていないです。こんなことあり得ますか。
そして、平成31年、先ほどのアンケート調査に基づいた報告書なのですけれども、配付資料の2のアンケートなのですけれども、アンケート結果によって平均値を削減率根拠とするというふうに書いてあって、建設費は6.8%、解体費は5.9%、維持管理費は7.9%、直営よりも民間がやったほうが安いというふうにされていました。しかし、アンケート項目を確認しますと、アンケート項目は、資料1です。アンケート項目によって、先ほどの資料2の根拠となったものとされています。アンケート項目は概要版しか提示されませんでしたので、アンケート項目、結果の概要版だけではなく、原本も確認しました。アンケート項目においては、民間のPFIをすることによって、県はおおむね1割程度のコスト削減効果を期待しています。コスト削減効果の期待値について、妥当であるか、妥当でないか、アンケートをとられています。配付資料の結果ですが、裏面なのですけれども、建設費は76.9%、右のグラフです。7割を超えている人が妥当でない。同じように解体費は91%、9割を超える人が妥当でない。維持管理費は6割、7割近くの方が妥当でないと判断されています。回答理由は、コスト試算をやっていないため、効果の予測は不能である。確かに対象範囲に事業範囲に市が入っていないため、そして見積もりをやっていなかったら効果というのはわからないと思います。積算もできないと思います。目的の範囲が定まらない中で、これは根拠資料と言えないのではないでしょうか。どうでしょうか、お伺いします。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてのお話がございました。
詳細は、局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、これは、実は大分長いことこの西部総合庁舎の問題、福祉保健局をどうするか、これは議論が続いておりました。その間で、PFIと一口で言っても、幾つかのパターンを考えていた時期があります。私もちょっとそのタイミングがどうとかというのはよくわからないところもあるのですが、例えばマンションと合築をする、それで、民間のほうでそうして、まさに民間の利用をしながら、それで、一部庁舎を入れてというのが有利なのか、あるいは、単に庁舎だけをつくったほうが有利なのか、そういうことなども含めて、いろんなパターンを考えて、実は時間をかけて検討して、今回の議案というところに至っているわけでございます。ですから、そういう中で、米子市と共同して建築というような話が出てきたり、いろいろと話は途中で錯綜してくるというか、変わってくるわけでありますが、基本線は西部総合庁舎を再整備していくというのが県のほうの問題関心であります。ちょっと資料としてよくわからないのですが、事業者宛ての資料ということになっていますから、多分サウンディングの資料か何かではないかなと思うのですね。それは、いろんな事業者がいる中で、果たしてやる気を出してくる、そういうところがあるのかということの要は状況確認も含めて、やっている調査なのかもしれません。
いずれにいたしましても、先ほど申しましたが、一つ、コストということは、県民の皆様にとりまして、庁舎というのは基本は自分たちの行政の手元の話でありますので、できるだけそこはコストとしてはかけないやり方があるなら工夫してくれというのが常に焦点になりますので、そこをある程度重視をすることが必要なのかなというふうに思います。
また、一般論としては、PFI、10%とかといって、この間も現に美術館のところもPFIを採用させていただき、コスト削減も図られたところでありますが、庁舎のほうは、比較的そうした事業収入の得られない建物でありますので、PFIでのいわば利益率の低い事業になりますから、必ずしも10%いくものではなくて、大体相場観としては数%のものかなというふうに思います。そういうこともいろいろと考慮をしながら、私どもとしても逐一、議会の常任委員会等も含めて、御説明申し上げつつ、今日に至っていることを御理解いただきたいと思います。
◯議長(藤縄喜和君)
亀井行財政改革局長
◯行財政改革局長(亀井一賀君)補足の答弁をさせていただきます。
議場配付資料の関係でございますけれども、
西部総合事務所新棟整備ということで、米子市の庁舎の関係が入っていないのではないかということでございますけれども、並行して、米子市が入る、共同整備しようということを並行して話を進めていた、そういった段階で、庁舎としてどれぐらいのバリュー・フォー・マネー、財政削減効果があるのかというのをお尋ねしようという形のタイミングのアンケート調査、マーケットサウンディング、そういった段階のものでございます。それで、庁舎としてどれぐらいの規模で、それを整備するに当たって、財政削減効果がどれぐらいあるのだろうかという形の問いかけということでございましたので、その段階では、中に米子市が入ってくるかどうかというのは、庁舎を建てる、庁舎を整備する、そういったことに当たっては、箱という面でいくと、大きな影響は生じないのではないかということで、この
西部総合事務所の関係、福祉保健局の関係ということで記載をさせていただいたという経過がございます。ちょっと突っ込みどころかもわかりませんけれども、経過を申しますと、そういったところでございます。
議場配付資料の先ほどの数値でありますとか、そういったところの関係を少し説明させていただきたいと思います。こちらのほう、マーケットサウンディング、アンケート調査ということで、財政削減効果をお聞きいたしました。まず、県直営で整備をする、その際の金額というのがございまして、一般的に内閣府のほうがこういったPFI、そういったことを導入するときにどれぐらいの削減ができるのかということで、10%程度という目安を示しております。ですので、この内閣府が示しております10%という、この数値に対して、その数値というのが適当でしょうか、どうでしょうかという形のアンケートを事業者の方にさせていただいたというのがこのアンケート調査でございます。
そのうち、この議場配付資料でいきますと、2ページ目を見ていただきたいと思いますけれども、一番上のところで、問い3の3ということで、妥当であるというのが3という数字が入っております。すなわち、10%というので妥当である、そう回答したのが3社ございましたという数字でございます。妥当ではないというのが10社ございましたけれども、そのうち、10社のうち、問いの3のほうでありますけれども、0%、にょろとありますけれども、0%から5%程度、財政削減効果があるでしょうと回答したのが3社、5%、にょろとありますけれども、5%から10%程度、財政削減効果があるでしょうと回答したのが6社ございます。ということですので、10%削減が妥当であるというのが3社ですので、それは10%ということで計算をして、5%から10%、財政削減効果があるというのは、真ん中の数値であります7.5%、それで試算をして、これが6社、それから、0%から5%につきましては、真ん中の2.5%をとりまして3社、これらを平均いたしまして出てまいりますのが議場配付資料の最後のページ、4枚目にございますところの平均は6.88%、これは建設費の削減率、これがこういった数値で出てまいります。同じように、解体費、それから維持管理費、5.91%、7.92%というパーセンテージが出てまいりまして、この削減率、それにプラスして、事業者のほうは、それに事業者本人が借りる借入金の金利の負担というのが出てまいりますし、我々行政のほうもコンサルタント経費、そういったものが出てまいりますので、そういったものをオンすると、この削減率が圧縮されてまいります。それらで計算して、直営のときのものと、それから、このPFI事業でやったアンケート調査の結果、そういったものを比べて、5.5%というのがまず出てくるということでございます。
この5.5%が出てきた後に、では、それを全くうのみにするかというと、我々は我々でほかのところの実際の実例と比べてどうだろうかということを確認いたしました。他県の庁舎の整備の例でいきますと、大体このバリュー・フォー・マネーというのは、2%から9%程度、その間で実際におさまっておりますので、我々としてもこの5.5%というのは、そんなおかしな数字ではないだろうということで、PFIで進んでいきましょうかということで議会に相談をさせていただいていると、そういった状況でございます。
◯議長(藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)だから、何も、それは今の説明は根拠がないのですよ。マーケットサウンディングというのはPFIの業者があるかないかの状況調査なのです。だから、その調査で1割、効果の期待をどうですか、できますか、できませんかといったときに、建設費、解体費、維持管理費、7割、9割の人が妥当でない。そして、その結果を用いてアンケートの平均値を用いて、民間でやったら、その数値を直営で掛けたら削減根拠になりますというのは根拠にならないのですよ。目的対象物に市はそのとき入っていないので、そんなのはあれではないですかって、それはおかしいではないですか。積算積んでこそのあれではないですか。逆に言ったら、ほかの庁舎、同種類の庁舎だったら、近隣県だったらこれぐらいですよという根拠で示すのだったら、まだわかりますよ。マーケット調査というのは、そもそも数字や数値で現在の市場を把握して、マーケティング施策、例えば知事が市場や住民を思考しながら、適切に意思決定ができるような、正確な情報、そして的確な判断材料を思考することですよ。マーケットサウンディング、業者の有無を確認するのであれば、根拠資料ではないのですよ。
先ほどから言われていますが、知事、庁舎というのはやはり不特定多数の人が使うものなのです。極めて重要な基礎的なサービスを提供する優先性が高い公益性が高いものなのです。確認したいのですけれども、やはりこういうものには根拠が必要なのです、きちんとした根拠。そして、確認したいのが、米子市の鳥取県との庁舎の共同設置、共同利用にかかわる取り組み状況報告によりますと、先ほど庁舎の再編ビジョンという、それは市の問題でしょうと言われたのですけれども、その中で、米子市が今回
西部総合事務所の中に建築部門を移しますけれども、いずれ将来、米子市が庁舎を建てる、新築で建てるとなったときは、不要となった場合、県に今の
西部総合事務所のところを有償譲渡するという契約書、そのやつにも書いてあるのですね、今、状況報告には。そうすると、県の本庁舎の建築面積も減るし、抑制が可能ではないかと書いてあるのですね。県の資産活用推進課の担当者に聞いて、県に有償譲渡するというふうな話なのですけれども、口頭で言われたのですか、それとも、覚書とか念書とかはあるのですかと確認したときに、そのときに言われたのが、いや、一般論で言われたのではないですか、そんなことは言っていませんと言われたのですけれども、知事、どうですか、ちょっとこの事実確認をさせてください。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてお尋ねがございました。
事実の経緯、私が知っているものと担当のものとあると思いますので、そのことも含めて、また局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、PFIというのは、これは選択肢であります。最終的にこれは契約に至るかどうかは、これからまだプロセスがございます。その中で、私どもはこうやって慎重に検証している中でのことでございます。
非常に難しいのは、要は我々もいいかげんな皆様へのお話はしたくないので、本当にどれぐらい、実際にこれはPFIに提供したときに実際の価格より安く、定価よりも安くなる可能性があるかどうか、これを調べるための手法として、ああいうアンケート調査ということは、どこでもPFI事業の中ではされることでありまして、正直当たり前の手法であります。そこで、応じる意思のあるところはそういう数字を出してくるでしょうけれども、応じる意思がもともとないところは、いや、それは関心ありませんと、それはもう10%まけろとかと言われても無理ですよぐらいの答えしかしないということです。その辺のいわばあやを使って、こうした探りを入れるからこそ、サウンディングという言葉になるわけであります。正直、確立されているものはなかなかないのかもしれませんけれども、大体こういう実務でしているわけでございます。
また、最終的に高過ぎるというようなことや、あるいは、契約できないということになれば、この後にまたPFIの契約のときの議決を仰ぐチャンスというものがございますので、当然ながら、そこでまた総合判断をいただくということであります。一つ一つ手続を進めていかないと、その辺の判断もできないところでありますので、段階を追って調査をやっているというふうに御理解をいただけたらいいのではないかなと思います。
これは市長さんに会議のときに、市としては、県のほうの西部総合庁舎の構想に関心があって、そこに入居して一緒に建てるということを検討したいというお話をいただいています。それ以上でも以下でもございません。私については、そういう事実関係であります。
◯議長(藤縄喜和君)
亀井行財政改革局長
◯行財政改革局長(亀井一賀君)補足の答弁をさせていただきます。
冒頭、先ほど私が説明したことで少し誤りがありましたので、それをまず述べさせていただきたいと思います。
アンケート調査のときでありますけれども、
西部総合事務所、県のことしか書いていないのではないかという部分がございましたけれども、並行して米子市と共同整備の話をしておりましたので、実は庁舎の規模、そういったものを既に見直した形でアンケートさせていただいておりまして、既にその中には、お示しした規模の中には、米子市がもう入居する、そういった前提の規模感でアンケート調査を行っておりますので、そこを発言するのを忘れておりましたので、おわびして訂正をさせていただきます。申しわけありません。
さて、米子市の全員協議会の関係の有償譲渡の話でございますけれども、こちらのほうにつきましては、米子市のほうが米子市議会、全員協議会のほうにお出しされた資料ということでお聞きをしておりますけれども、こちらのほう、米子市のほうが仮に庁舎を移転するものと仮定した場合に、共同で整備をした米子市の持ち分部分、そこのところをどうするのかということで、その考え方の一例をお示しされたものというふうにお聞きをしておりますし、そういったふうに認識をしております。今これから整備をするところでございますので、米子市がお示しなされたようなこと、そういったものがどうなるのか、仮に移転だとか、そういったことになりましても、そんな数年でできる話ではなく、10年ですとか、そういった単位で考えるべき話でございますので、現在のところ、それに対して県のほうでどうこう考えというのは今のところ持っておりません。
◯議長(藤縄喜和君)6番山川議員
◯6番(山川智帆君)さてさて、PFIはこれで踏み切ることになるのです。だからこそ、根拠資料、積算したものが必要なのです。先ほど米子市の話は規模感というふうに言われましたが、行政が直営するよりも、民間に出したほうが安いではないかというふうに先ほど試算されたものよりも、面積規模を同じ単価で削減して、22億7,000万円でやる、その中で、米子市の占有持ち分の割合に応じて、米子市が7億8,000万円払うという形の話だと思います。ただ、そのアンケートに基づいたその報告書というのが積算根拠とされているのですが、それが根拠資料になっていないからこそ言っているのです。
今米子市議会でも特別委員会をつくられて、この問題は二分しているのです。住民でもまだまだ全然理解が進んでいないのです。現場でも本当にどうなるのか、建築だけが分かれて、ほかの防安だったり、緊急時の対応だったりはどうなるのかと現場でも言われているのです。だからこそ、そして、不特定多数の人が使う庁舎、この庁舎の問題は、御存じかもしれませんが、いろいろ種類によっては違うかもしれませんが、木造だったり、RCによっては違うかもしれませんが、一回建てたら50年、60年の話になるのです。区切りが結局、次の世代にバトンを渡すことになるのです。だからこそ、今検討するべき検討、課題、地域交通の問題、そして現場の声、そして住民の理解、それが必要になってくるのです。
法的根拠においても、県、市の相互間において協力関係を築く上では法的な決まりがあります。地方自治法252条の2、事務の一部共同管理、執行においては、議会の議決が必要とされています。これにおいても、県の所管課で聞き取りをしましたが、県の施設に市が入るだけの話ですから、そして令和元年、今、知事と市の政策連携懇談会議の基本合意において、その共同設置、共同利用ということを言われていたと思いますが、やはり人員が不足している、技師が不足しているからこそ、事務の一部を共同して使う。それは事務の一部共同管理、執行だと思います。ただ単に県の所管課の担当はあくまでも連絡調整だけの話ですからと言われましたが、不特定多数の人がかかわる庁舎の問題だからこそ、設置、組織においては、議会の議決がされているとなっているのです。予算したから、そのとき議会が議決すればいいでしょではなくて、設置、組織においては、地方自治法252条の2において議会の議決事項とされていますので、やはりこれらの本当に想定される問題において、検討事項に時間をかけることにおいては、長い目で見て、一番コストの削減になりますし、適切な効果、市民の利便性、住民の利便性、そして県民の利便性につながると思います。現場の声にもつながると思います。
現場の人間はわかっていてもなかなか実行できません。その決断ができるのはトップである知事なのです。短期的なコストを追求して、検討をするべき検討をしなくて、丸投げして、後になって50年後にどうすればいいかという話になっても、仮住まいの話ではないのです、ヤドカリではないのです。住民目線、現場目線をおろそかにしない知事だからこそ、世代間を超えた効果を検証いただきますようによろしくお願いします。
そして、やはり積算根拠は大切だと思いますので、それに基づいて、直営にするか、民間にするかになってくると思いますので、いま一度、積算根拠の提出を、再検討をお願いします。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)山川議員から重ねてのお尋ねがございました。いろいろと将来にわたる御心配までいただきまして恐縮に存じますし、その辺は私も一つの行政の基本として心得た上で丁寧に何度もこのPFIにつきましても御提案を申し上げているところでございます。
議員のほうから幾つかの論点がございましたが、事務について、共同化するとなりますと、例えば一部事務組合、あるいは広域連合、さらには事務所を共同設置するとか、そうしたことは自治法の中に規定があります。それに該当するものであれば、当然ながら、そうした形での自治法の枠組みでやっていかなければならないこともあるかと思います。
例えば私どもでは、日野郡のほうで広域連携の協議会をつくらせていただきました。この協約に基づきまして、例えば除雪だとか、そういうものは一緒にやろうと、これは町のほうにいわばお任せをするということもさせていただいたりします。こういうようなものであれば、これは自治法に基づいた、2つ以上の自治体が一緒になってやる行政サービスの形態というものを、議決を経て選択していかなければならず、それはさせていただいております。しかし、たまたま隣にあるから、全て事務は共同だというのは、いささか自治法の議論としてはどうかなというふうに正直思います。
例えば私ども、中部地震がありました。そのときに倉吉市役所が行き場を失ったわけですね。一時的ではありましたけれども、結局庁舎に入れなかった。そのときに、県のほうの災害対策本部がございまして、その隣の部屋を市の災害対策本部として共用をさせていただきました。こういうように、場所としてそこに入居されるということは、それは自治法に基づいて可能なわけでございます。また、市役所である、その庁舎についての議論というのは、これは県の事務ではありません。地方自治法2条に基づきまして、都道府県と市町村の事務が定められていますが、市の自治的な管理にかかわること、これは市の事務でありまして、それについて、県で議論すべきものではないわけであります。やはり市役所のどうするかという議論は、これは最終的には市の議会、そして市の住民の間でよく議論していただいたら結構かと思いますし、私どもは私どもで県庁舎の管理について議論をするということが自治法の考え方だということをぜひ御理解をいただきたいと思います。
また、PFIにつきましては、積算をとおっしゃるのですが、多分その仕組みの御理解がまだいただけていないのかもしれません。PFIというのは、それは民間のほうでいわばそれについて値段をつけてくるのですね。その値段をつけてきて、それが私どもがもくろんでいる価格と比べてどうかというのが最終的なところになります。今はまだその最終的な契約の段階ではありません。そこに至るまでのいわば調査段階を手続を踏んでやっていく、それが今回の議決のところまででございまして、いずれは最終的にはPFIの契約をするというときに初めてもくろんでいた価格と比べてどの程度下がったかどうかというのがそこで確定をするわけです。ですから、例えば、全部積み上げて、それを幾らというのは民間の企業さんが要は応札をされるときに、その値段を提示するときに計算はされるかもしれませんが、ただ、それは当方のほうで、こちらで内々に計算しているものとはまた別の次元でやっておられることなのですね。ですから、ちょっとPFIは普通の入札とは特殊に異なるものでございますので、手続に差があると。では、どうやるかということでありまして、それで、調査を依頼するとか、そうした選定の手続に入るとか、そういうたんびたんびに議会にお諮りをすると、こういうようなやり方をしているところであります。
ただ、山川議員がおっしゃるように、庁舎の問題というのは、大変に重要な地方自治に基づく議論になりますので、今後も県の領域につきましては、県議会、そして県民の皆様の御意見を仰ぎながら、丁寧に進めてまいりたいと思います。
◯議長(藤縄喜和君)8番松田正議員
◯8番(松田正君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。米子市選挙区選出の鳥取県議会自由民主党、松田正でございます。
さて、鳥取県が新型コロナウイルス関連の暗い話題に包まれる中、一昨日、1件の明るいニュースが入ってまいりました。ヨルダンのアンマンで行われております東京オリンピックボクシングアジア・オセアニア予選におきまして、女子57キロ級準々決勝戦で勝利した米子西高出身の入江聖奈選手が日本女子ボクシング史上初めてのオリンピック選手となりました。また、米子西高初のオリンピアンとも言われております。既に女子3メートル板飛び込み代表に内定しております米子南高出身の三上紗也可選手とともに鳥取県民みんなで彼女たちを応援し、本大会での活躍を期待したいと思います。
それでは、通告に従いまして、3項目質問したいと思います。
まず1点目、パートナー県政について知事にお伺いします。
平井知事は、知事就任以来、県民とともに歩む県政を目指し、県民をパートナーとして、県民を主役としながら、公助、共助、自助を絡ませて厳しい財政状況の中で県政を運営されており、全国でも注目されているところでございますが、殊、鳥取県税条例において、その精神が若干感じられない部分があるように思い、今回質問させていただきたいと思います。
私がお伺いしたある一般社団法人でのケースをお話ししたいと思います。法人県民税は所得割と均等割で構成されておりますが、その法人に収益がなければ、所得割はないこととされております。均等割については、県税条例第41条の3に減免規定があり、法人県民税で均等割についてのお知らせとして出されております。その中で、法人県民税均等割についての減免制度についての説明がなされておりますが、法人税法第2条第9号の2に規定する非営利型法人に該当し、かつ、収益事業を行っていない法人のみ減免することとされております。通常はこれでよいはずなのでございますが、鳥取県はさらに、以下5項目に該当する法人に厳しく限定しております。一つに、出資金額または拠出された金額の3分の2以上が、国または地方公共団体により支出、または拠出されており、かつ、業務運営に要した経費の額2分の1以上が、国または地方公共団体から委託費、助成金、寄附金、その他これらに類するものにより支弁されていること。2件目、地方税法第25条第1項第2号に掲げる法人が、その主たる目的を達成するために行う事業に類する事業を主として行うものであること。3件目、更生保護事業、慈善事業、その他社会奉仕的性格が顕著な事業を主として行うものであること。4つ目、学校法人法に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動の振興に寄与する事業を主として行うものであること。そして、最後、5点目が社会教育法第2条に規定する社会教育の振興に寄与する事業を主として行うものであること。この減免規定は、県の裁量の範囲で自由に設定できるということでありますが、パートナー県政をともに推進する民間の法人に対応する県のスタンスとして言えるのかといいますと、少なからず疑問を抱きます。
この件に関する、先ほど申し上げたある一般社団法人の方は、窓口において、一般社団法人は内容が不確かで信用していませんので、限定していると言われたということでありました。これはパートナーとして信用していないことと同じではないでしょうか。進行する人口減少や少子化等の課題に対応していくため、より多くの県民とのパートナー県政を推進していく環境づくりが急務であり、そのためには幅広くより活動しやすい県税条例に見直すべきではないかと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、新型コロナウイルス対策について、教育長に伺います。
昨日、川部議員も言われましたが、今議会、新型コロナウイルス、また、別称、武漢ウイルスとも言いますが、に関する質問は、自由民主党代表質問の浜崎議員以下、13名が通告しており、私で6人目ということでございますので、少し視点を変えて質問したいと思いますので、よろしくお願いします。
皆さん御案内のとおり、社会混乱が続いております。米子医療生協の職員が発信源の一人とされる悪質なデマにより全国の店頭からトイレットペーパーが消えました。また、ある静岡県議会議員が品薄が続くマスクをネットオークションで転売し、暴利を得ていた事案など、本当に社会的混乱が続いております。そして、去る2月27日、政府より、全国の小・中・高校に一斉休校の要請がありました。以下、文科省からの文章を抜粋し読み上げます。2月27日に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部において、今がまさに感染の流行を早急に終息させるために極めて重要な時期であることを踏まえ、何よりも子供たちの健康、安全を第一に考え、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点から、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校における全国一斉の臨時休業を要請する方針が内閣総理大臣より示されました。このことを受け、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び高等課程を置く専修学校の設置者におかれては、本年3月2日より春季休業の開始日までの間、学校保健安全法第20条に基づく臨時休業を行うようお願いしますというものでございました。この要請には、今議会においてもさまざまな議論があり、多くの御批判があることは承知しております。突然の要請に、知事部局、教育委員会、そして現場の先生方には大変な御苦労があったものと推察いたしますし、この間の献身的な対応に心より感謝を申し上げたいと思います。また、何よりも子供たちにとってかけがえのない時間が失われた事実は消し去ることのできない悲しむべき出来事であったとも思います。しかしながら、子供たちへの感染を最小限に抑え、今般の感染症の蔓延を早期に収束させるために現行法上最大限できる要請を行われた安倍総理の決断を私は評価したいと思います。
さて、3月1日、2日は、多くの県立高等学校で卒業式が行われまして、私も長女の卒業式に出席させていただきました。来賓で来られていた先生方もいらっしゃいますので、御存じかなと、様子はわかると思います。出席は卒業生、保護者、教職員と来賓と送辞をしゃべる在校生代表1名のみ。吹奏楽部の演奏は事前収録したCD音源で、国歌斉唱、蛍の光斉唱も1番のみというものでございました。もちろん出席者全員がマスクをつけてのものでありました。本来でありましたら、たくさんの後輩たちに見送られ、未来へ旅立つ時間を共有する機会を、この子たちは奪われました。私自身も悔しい気持ちと喜ばしい気持ちにさいなまれながら過ごした時間でございました。
通告に従いまして、3点、知事に質問させていただきます。
まずは、観光需要回復に備えた環境整備等についてです。
1月11日、米子-上海便が就航し、米子鬼太郎空港で華やかな式典が開催されました。日韓関係の悪化によるソウル便の運休、香港航空の経営難などに伴う香港便の減便などもあり、多角化を図る上でも、上海便は救世主になると大いに期待を寄せましたが、新型コロナウイルス感染拡大によって、1カ月後に運休になるとは夢にも思いませんでした。その後も香港定期便が運休し、予定されていた台湾チャーター便やタイのバスツアーも中止となるなど、海外と鳥取県を結ぶルートはほぼなくなりました。昨日、安田議員が、そして先ほど松田議員も話されましたが、現在、鳥取砂丘を初め、県内の観光地は閑散としており、観光施設や宿泊施設の方々、これまでルート開拓に尽力された方々の心中は察するに余りがありますが、今はいつ収束するかわからない中、再開に向けて準備するほかありません。明けない夜はありません。新型コロナウイルスの感染が収束すれば、上海や香港、ソウルの定期便が再開し、台湾や東南アジアからも再び多くの観光客が鳥取の地を訪れます。国内外問わず、多くの方々は今回の新型コロナウイルスで精神的、肉体的に疲弊しており、癒やしを求めて鳥取にお越しになるのではないでしょうか。鳥取には、温泉や豊かな自然、満天の星空、新鮮な魚介や鳥取和牛、砂丘ヨガやシーカヤックなどのアクティビティー、森林セラピーやパワースポットなど、癒やしを提供できる場がたくさんあります。
ストレスオフ日本一の鳥取県として、癒やし、ヒーリングにスポットを当てた観光戦略を考えてみてはどうかと思いますが、新型コロナウイルス終息後の観光需要の回復に向けてどのように考えておられるのか、知事の所見をお伺いします。
続きまして、民芸振興についてです。
鳥取県の貴重な文化資源の一つである民芸については、県はかねてより市場開拓、地域活性化、観光振興などの観点から、関係事業者とも協力しながら、その振興を図ってまいりました。その結果、鳥取の民芸は、全国的にも高い評価を得て、陶芸の工房では生産が追いつかないところも出てくるまでになっております。令和2年度予算においても、アートで花開く地域活性化事業、とっとりの民藝と文化に出会う魅力発信事業、とっとりの民工芸振興事業が予算化されており、県の積極的な取り組みに敬意を払っております。このような取り組みの中でも、吉田璋也の民藝魅力発信事業においては、文化資源の磨き上げと魅力発信により、単に文化振興にとどまるものではなく、インバウンドにもつながる観光振興に寄与するものとして、私も大いに期待しております。
この吉田璋也の民藝魅力発信事業の主たる事業として、旧吉田医院が半年近くにわたって一般公開されるとのことです。旧吉田医院は、トワイライトエクスプレス瑞風の立ち寄り観光先として高い評価を得ており、来年度はさらにその回数を増すとのことで、観光資源としての価値がますます高まりつつあります。一方で、鳥取市は、平成30年4月に策定した鳥取市中心市街地活性化基本計画の中で、鳥取民藝美術館周辺を民芸観光推進ゾーンと位置づけ、民藝館通り周辺活性化事業として旧吉田医院を初め、空き店舗活用や通り環境整備による活性化を掲げ、事業の推進に前向きに取り組む姿勢を打ち出しております。また、民芸関係団体などからお聞きしますと、このたびの事業の結果を踏まえ、旧吉田医院及び隣接する旧吉田璋也自邸の今後の具体的な活用について、鳥取市などとも連携しながら具体的な計画を策定していきたいとのことでした。
旧吉田医院及び旧吉田璋也自邸の保存活用は、県内外に対し大きな情報発信力を有し、本県の観光振興に寄与し、知事が公約されている民芸振興にかなった事業でもあることから、県としても積極的なかかわりを持つべきだと考えますが、知事の所見をお伺いします。
続きまして、星取県の取り組みの総括と今後の方向性について質問させていただきます。
鳥取県は、2017年4月、星空の美しさを観光や産業の資源、地域のにぎわい、子供たちの夢を育む素材などに活用することで、新しい未来を開く星取県プロジェクトをスタートしました。前年の2016年6月、私が所属する鳥取商工会議所青年部の勉強会で、県職員の方が星空県構想を熱く語り、当時の牧浦会長を初め、多くのメンバーが感銘を受け、星取県と命名。私も青年部の活動を通して星取県に携わってまいりました。鳥取商工会議所青年部では、星取県のPR活動の一環として、サッポロ黒ラベル星取県ビールや星取県切手を企画し、星取県パンフレットを作成し、メディアに配布。今年度は星取カレーを企画し、とっとりおかやま新橋館などで販売しました。また、美しい星空と天体観測に良好な環境を守るための光害防止条例の制定と星空を通した教育の推進を求め、県に提言。県は、鳥取県星空保全条例を2017年12月議会で可決いただき、その後、星空保全地域は鳥取市佐治町、日南町、若桜町、倉吉市関金町と4地域に拡大しました。同じく2017年、星と滞在型観光に主眼を置いたグラマラス、豪華なキャンプ、グランピングを岩美町東浜海岸のアルマーレで実施。遠く佐賀県からも参加いただき、当日はあいにくの天候で星は見えませんでしたが、鳥取の食や自然を満喫されました。翌年は鳥取市湖山池の青島で開催し、晴天の星空観察会では、突然の流れ星に大きな歓声が上がりました。
鳥取県は、星取県の認知度向上、観光誘客のため、篠原ともえさんを星取県スター大使に任命してのPR活動やフォトコンテスト、星空スポットマップの作成など、情報発信を積極的に行っており、セミナーや星空観察会、サイエンスキャンプなどの取り組みや官民連携のイベントやコラボ商品などを通して、星取県の認知度も着実に上昇しております。今年度は、移動プラネタリウムや星空体験VR動画を作成し、令和2年度予算、鳥取県の美しい星空が見える環境の保全と活用事業、世界に誇れる星取県づくり推進事業から、移動プラネタリウムや実際の星空で解説できる星空ガイドを養成しようという意図が感じられました。
星取県がスタートして3年になりますが、これまでの取り組みをどう評価され、今後の展望をどう考えておられるのか、知事の御所見をお伺いします。
また、グランピングの候補地選定の際、鳥取砂丘、殿ダム、鹿野城跡公園など、いずれもすばらしい環境を持ち合わせていることに驚きましたし、氷ノ山や三朝温泉、歌手の宇多田ヒカルさんが余りの星の多さに星すげえとつぶやいた大山など、県内には星空をゆっくり鑑賞できるスポットが数多くあります。鳥取砂丘西側エリアには、2022年11月開業を目指して、高級リゾートホテルが建設され、星空観察やグランピング場整備も視野に入れており、これまでなかった外国人富裕層をターゲットにしたプロジェクトとして注目を集めております。
星取県の滞在型観光の今後の可能性について、知事はどう考えておられるのか、所見をお伺いします。
以上、壇上からの質問とさせていただきます。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)常田県議の一般質問にお答え申し上げます。
まず、さまざまな観光について課題がございましたが、現在、新型コロナウイルス収束後に向けまして考え方をと、こういうお尋ねでございました。
議員のほうからも力強いエールを送っていただけたと思います。本当で今回の上海便就航等、長年の県議会、また、県民を挙げての努力というものが営々としてあったわけでありますが、残念ながら、こうした情勢の中で一気に吹き飛んでしまったというような感があるわけであります。でありますが、ただ、それで鳥取県、山陰の魅力が失われるということではありませんので、またこれが収束した後、V字回復を目指そうというのが今議会の合い言葉になってきたこと、本当に感謝を申し上げたいと思います。
そういう意味で、これから、どういう売り込み方をしていくかということでありますが、先ほども御議論がございましたけれども、アメリカ、ヨーロッパ、あるいはオーストラリアといった遠方の国々、また、東南アジア等も含めて、多角的に私どもの魅力を売り込むことは、これまでの経過をたどれば、必要なことではないかなというふうに思います。また、かつての副大臣が熱心にされておられました台湾の交流、こういうこともやはり今後に向けての大きなチャレンジになってくるはずであります。ただ、現状、きょう、あるいは来月、一気に戻るかということはなかなか今見通せないところであり、むしろ地域を挙げてコロナウイルス撲滅、そして県内での感染者を出さない、犠牲者を出さないということを目標に頑張っていかなければなりません。そういう意味で、雌伏のときなのだろうと思います。
今、最近でもオーストラリアの方が来られたり、また、この間はカナダからバリージョシュアさんという方がいらっしゃいましたけれども、そういう方々のお話を聞きますと、やはり魅力というのは、一つは自然のこと、それから、意外ですけれども、人と触れ合って、それのおもてなし、ホスピタリティー、また、食事のこともお楽しみいただけるようでございまして、月並みなようでありますが、この辺は一つ、売り込み先だと思いますし、また、文化、カルチャー、こうしたこともあろうかと思います。特に民芸のような、そういうキラーコンテンツもありますし、また、漫画、アニメ、これも国境を越えて普遍的な価値を持っているものであります。
そうしたことの戦略を十分に立てながら、今は信頼関係をしっかりつくることだと思います。それぞれの航空会社、あるいは旅行会社ともコンタクトはとり続けておりますけれども、必ず復活させようという志の共有化は図れていると思います。したがいまして、そうしたきずなを大切にしながら、未来に向けて、中国、あるいは韓国のみならず、他の地域につきましても、仕込みをしていくべき時期であるかなというふうに思います。
そういう中、私どもとしても、1億9,300万円、次年度はインバウンド観光の予算をとっていますが、政府のほうでもこのたび第2次の対策の中にこうした地域におけるDMOなどの誘客推進、そのための情報発信を応援するということも明記をされました。ですから、いずれそういう時期がやってきて、国を挙げて反転攻勢をかけることを我々としても準備していきたいと思います。
ただいま申し上げました民芸につきまして、さらにお尋ねがございました。旧吉田璋也自邸の保存活用につきまして、どういうふうにかかわっていくべきなのかと、こういうお尋ねでございます。
これにつきましては、吉田璋也先生は私どもに大きな遺産を残してくださったと思います。それは、今もなお、ビームスという有力ブランドでも人気を博したり、特に女性たちの間で今見直されつつあるこういう民芸というものをこの鳥取に贈ってくださったからだと思います。先生は、いわばプロデューサーとして、将来、この時を超えた今でも栄えいくようなコンテンツを制作していただき、その命脈というものが職人の手によって受け継がれている、すばらしいことだと思います。その拠点となるのが、自邸と今おっしゃいました、先生の病院、あるいは御自宅、そうしたあの一角のことでございます。
吉田璋也先生は、大正9年に柳宗悦先生を訪ねられ、これが一つのきっかけになります。大正14年に柳宗悦は民芸という言葉を世の中に出されます。後にこれを用の美ということで表現をして、日常使いの中で、特に朝鮮の陶器等に御興味をお持ちだということがきっかけなのですが、そうしたことで、この民芸の世界というのを提唱される。そして、昭和6年には、本県のほうにも来られて、牛ノ戸焼の御指導をされる。そのときに箕浦家の武家門、これを保存すべきだということを鳥取県民に訴えられまして、この運動が実って、今日も保存が続いているということであります。さまざまな形で民芸運動や地域の文化、歴史の振興につきまして、お力をいただいたこの民芸の柳先生がございます。
そのエスプリが生きているのが、今おっしゃる吉田医院さん、あるいは自邸のところでございまして、これは私も入ったことがございますが、例えば椅子一つとっても、ちょっと背もたれがくっと伸びていて、おしゃれなんですね。また、飾り窓のような形である。そういう形も洗練性があって、今日でも十分に通用する。多分時代を通して残っていくものをデザインされているのではないかなと思います。ただ、そこに吉田璋也先生の大変なこだわりがあって、だからこそ、ああいう建物があるわけであります。また、向かい側の美術館や、あるいは、たくみ割烹も含めて、それをこれからどうしていくかというのは、鳥取県の財産としても考えていかなければならないところであります。
実はこの2つの保存につきまして、かねてこの議場でも御議論がございました。そこは、商店街の一角でもあり、また、中心市街地でもあります。最近は瑞風の立ち寄り先として観光客も受け入れるようになってきまして、ここ3年ほどで1,000人ぐらいは観光客が伸びているのが民藝美術館でございます。こんなようなことでございまして、そこをどうするかというのは、中心市街地の課題であったり、あるいは保存の課題であったり、文化財的な課題であったり、そういうものがございますが、基本的にはやはり地元の鳥取市さんが重要なプレーヤーになろうかと思います。地元の商店街さんもいらっしゃいますが、特にこういう民芸についての皆さんと、それから、また、この鳥取市との間で協議を尽くしていただいて、それで一定の方向性が出てくるということになれば、それは喜んで県としても応援をさせていただくということで、私どもは向かっているところでございます。ぜひ今いろいろと苦労してここまで育ててきた、その努力が報われるような形で、この課題につきましても鳥取市と関係者の間の協議が調うことを御期待申し上げたいと思います。
木谷理事長とか、あるいは八村元会頭とか、それから、吉田先生や御家族の皆様、さまざまな方々のお力があって今日のこの民芸の盛り上がりができてきたところでございまして、大切にさせていただきたいと思います。
次に、星取県の観光につきまして、これまでをどう評価し、これからの観光の戦略等をどう考えるかと、こういうお尋ねがございました。
これにつきまして、商工会議所の青年部の皆様が非常にすばらしい働きをされたと思いますし、私はあのエポックが一つの鳥取県の地方自治の成熟さのあらわれになったかなと思います。平成29年のことでございましたが、当時の牧浦会長さん初め、多くの方がお見えになりまして、私のほうも提言をいただきましたし、各方面に向けまして、こういう星取県構想について提言をされました。その際、議員もおっしゃった光害防止条例、光害というものを防止していこうと。この光害の問題というのは、さじアストロパークの香西先生が主導されて全国に広がっていった考え方でございますが、そうしたことにぜひ取り組むべきだと、こういうお話がありました。
私は、これは非常に議会と協議して条例を決めるということになりますし、さまざまな観点の課題があります。ですから、そこでこれから研究会をつくってやっていかなければいけない課題ではないかなというふうにも申し上げて、それ以降、調査研究をさせていただき、最終的には12月議会だったと思うのですが、議会のほうで御審議をいただくということになりました。そのときもこの議場には当時、商工会議所青年部の皆さんが毎日のように来られていまして、議会の議員の皆様にも若い情熱をぶつけておられまして、そういうことの成果として、この条例ができ上がったわけであります。大変珍しい経過をたどった条例であったと思いますし、しかるがゆえに、全国でも準グランプリという形で、商工会議所青年部の活動で表彰を受けられることにもなりました。
当時、私たちが目指していたのは教育上の観点、それから、保全、保護の観点、それから観光への活用、こういうことでございました。以来、割と観光面では、例えばさじアストロパークを初め、そういうにぎわいといいますか、以前よりもお客さんが来るようになってきたところがあります。そこに最近でも、例えば三朝においては、そうした星を見るツアーというのをお泊まりのお客様向けにやられるわけでありますが、最近は、雨天時対策も加えながらやられていまして、催行率、実際に実施される比率も高まっていまして、定着し始めているようでございます。また、緑水園というダム湖がございますが、こちらのほうのキャンプサイトにおきまして、そうした星を見る、そういうオートキャンプ、こういうことがリピーターを呼んでいるところであります。
そのように地域的にも広がりを持ってきているところでございまして、私どももそういう新規の観光商品のつくり込みとか、また、そうした取り組みのPRとか、また、それを整えるために、例えば佐治のあたりでも少し施設整備などをしますが、そういうものを星空保全条例の重点地区として整備支援を行っていくとか、こんなようなさまざまな支援活動もさせていただいております。
今ある意味、ナイトツアーといいますか、夜の観光ということが課題になっています。お泊まりいただくのが一番地域に対する経済効果も高いということで、星を見るというのは、必然的にお泊まりになるということにもなりますので、非常に経済効果も高いものだと思います。そうしたことが今日本では大きなテーマになっていますけれども、この星取県ということもこれからぜひ広げていければというふうに思います。
そういう観光促進のキャンペーンとして「#ラッキースター」キャンペーンというのを昨年の夏ごろにさせていただいたわけであります。今回は2,000人以上の全国の方がSNS等を通じまして参加をしていただきました。だんだんとこういう星が見えるのだということの浸透度が高まりつつあるのではないかと思います。ぜひともきょうの御質問のテーマもいろいろといただきながら、観光振興を進めてまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)13番常田議員
◯13番(常田賢二君)御答弁いただきました。
まず、民芸振興についてですけれども、鳥取県の財産として考えているということで、鳥取市と協議が実れば、全面的に協力していくという力強いお言葉をいただきましたので、ぜひ今後とも協議していただいて、振興を進めていただきたいなと思っております。
また、観光については、信頼関係をつくることが大事、きずなを大事にしながら反転攻勢をということですので、今本当に大変な時期ではありますけれども、この状況を逆にピンチをチャンスにするようなことにできればなと思って、私らも頑張ってまいりますので、ぜひこれからも前向きに進めていただきたいなと思っております。
観光の環境整備について追及質問させていただきます。
これまで6月議会で言葉の壁、9月議会でホームページ、ハラール認証、12月議会で中国のQRコード決済と、インバウンドに関する質問を立て続けにさせていただきましたが、今回は、フリーWi-Fiなどの案内について質問させていただきます。2017年6月議会で坂野議員が詳しく質問されておられますので、どうするか悩んだのですけれども、まだ改善されていないのではないかと思うところもあり、今回追及させていただきます。
インバウンドの方にとって、自国でフリーWi-Fiを利用できることは当たり前になっており、旅行先でも情報収集の際にはフリーWi-Fiを利用する傾向があります。SNSでの発信やゲームスポットとしてもフリーWi-Fiは重宝されます。1月、福祉生活病院常任委員会の県外視察の際、観光都市の姫路駅や博多駅周辺を歩く機会がありましたが、大きなフリーWi-Fiの案内が目立つ場所に張ってありましたし、駅周辺の施設でも至るところでフリーWi-Fiシールが目につきました。
鳥取県には、とっとりBBというフリーWi-Fiのアクセスポイントが2019年4月現在、県内の観光地や県営施設に83カ所設置されております。鳥取砂丘やわらべ館、体育館などで実際にスマホからアクセスしましたが、そのときはさくさくつながり、不満は感じられませんでしたが、いずれもフリーWi-Fiを案内するシールが私には見つけられませんでした。県によると、観光施設などにWi-Fi機器を預け、フリーWi-Fiの案内は各施設に任せているようです。現在のとっとりBBの案内シールは小さくて目立ちませんので、フリーWi-Fiスポットとして観光客の方が一目見てわかる、倍ぐらいの大きさのシールに変更し、目立つ場所に張ってもらえればもっと認知されるのではないでしょうか。また、フリーWi-Fi登載の自販機などで、アクセスポイントをさらに広げる必要性も感じます。
駅や空港で行き先に困ってスマホ検索される方や声をかけられて言葉が通じず困っている県民も以前見受けられました。いま一度、留学生の方などに御協力いただき、駅や空港からインバウンド目線で多言語案内看板やフリーWi-Fiスポットなどをチェックしていただき、ストレスなく、観光地や宿泊施設に向かうことができるか、検証してみてはどうかと思いますが、知事の所見をお伺いします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)常田議員からフリーWi-Fiにつきましてお尋ねがございました。
議員も試していただけたようでありますが、県内83カ所にこのとっとりBBという、そういう標語によりまして、フリーWi-Fiを入れております。また、ところどころによっては、例えば鳥取空港とか、米子空港であるとか、それはまた個別のWi-Fiを入れている箇所もございますが、県のほうでバックアップをしながら、これを整えさせていただきました。これは、実は関西のフリーWi-Fiと共同プラットフォームになっていまして、さらにいえば、Japan Connected-free Wi-Fi、これは全国で使えるフリーWi-Fiでありますが、それともつながっています。ですから、例えば関西空港に入られたときに、そこで関西のフリーWi-Fiに登録していただくと、こちらのとっとりBBで改めて登録しなくてもいいと、こういうことになります。こんなようなことで、ほかとも連携をしながらつながっている便利なアイテムでありますが、なかなか認知がどうかということであります。
鳥取県も控え目なものですから、余り主張しないということかもしれませんが、シールを倍にするとかというお話もございましたけれども、少し工夫をさせていただいて、視認性のいいところにそういうWi-Fi表示もしていただけるように、お店だとか、それから、施設の御協力を仰ぐようにやっていきたいと思います。早速点検を一斉に職員のほうで見て歩かせていただき、個別に相談をし、何だったらWi-Fiのデザインなどももっとわかりやすい形に変えることも含めて、検討させていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)13番常田議員
◯13番(常田賢二君)Wi-Fiについてすごく前向きな発言をいただきましてありがとうございました。やはりインバウンドの方にとっては、Wi-Fiがつながるかどうかというのは、かなり日本で不満を感じる点でトップになったりするようなものでもありますので、本当に来てよかった、また鳥取に来たいと思ってもらうためにもストレスなく鳥取の観光を楽しんでいただきたいと思いますので、ぜひとも今後ともそういうチェックをしていただきたいなと思っております。
続きまして、星取県について追及質問させていただきます。
昨年12月、日本海新聞で鳥取市さじアストロパークの夜間営業時間の短縮が報じられました。鳥取市議会文教経済委員会の報告資料によると、これまで休館日以外は夜間営業しておりましたが、ことしの4月から10月の間の夜間営業は、金曜、土曜のみ22時まで、11月から3月は土曜のみ21時までとなります。さじアストロパークは平成30年、利用客が4万人を超え、年々増加しておりますが、夜間利用は全体の20%で、特に平日夜間の利用者が少ないようです。2月の平日昼間、さじアストロパークに伺いましたが、お客は私1人で、プラネタリウムでの星空生解説や大型望遠鏡での金星観察など、ぜいたくな時間でしたが、やはり夜こそ真価を発揮できる施設だと改めて実感しました。
星取県は2011年に環境省が実施した全国星空継続観察において星の見やすさ全国1位に定点観測地であるさじアストロパークがなったことを根拠に命名しましたが、2008年から2017年までの10年間で、20回中11回、実に5割以上、星の見えやすさで1位となっております。長野県阿智村を初め、日本一になったところは数あれど、ここまで多く日本一になっている観測地はありません。阿智村が日本一の星空を商標登録しているため、この言葉は使えませんが、日本一の鳥取砂丘とともに、日本一の星取県をもっと堂々とアピールしてもいいのではないでしょうか。
グランピング候補地選定の際、さじアストロパークで星空を見た人がいなかったため、青年部メンバー数人と午後10時ごろに現地へ向かいましたが、押し寄せる星に圧倒され、その満天の星空に皆、言葉を失いました。この星空は日本一だと私は自信を持って言えます。さじアストロパークは、鳥取市が直営管理しておりますので、鳥取県としてなかなか物申す立場にないことは重々承知しておりますが、星取県として大変重要な拠点だと思います。鳥取市と協議していただき、さじアストロパークを星取県の一番星として光輝かせないでしょうか。
また、星取県に関して、最近は平井知事初め、県ばかり頑張っており、我々ももっと何かできたのではないかと反省しております。民間から有志を募り、官民一体となった実効性のある星取プロジェクトチームを結成できないでしょうか、知事の御所見をお聞かせください。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)常田県議から重ねてのお尋ねがございました。
星取県の観光、あるいは地域振興を進めていく、そういうことで、広くウイングを広げていただける、そういう内容について語っていただきまして、感謝申し上げたいと思います。
さじアストロパークは、確かに今ちょっといろいろ議論はあるようではございますけれども、私も直接当事者の方とお話したところ、恐らく前向きに物事を考えておられています。やはり望遠鏡がついたスポット、その天体望遠鏡の観測もすばらしいですし、泊まって小さなところで見るのもあります。このさじアストロパークは、そもそもふるさと創生、平成元年にそうした構想がスタートするわけでありますが、平成2年の環境省の調査で、星が明るい地域として、非常に高得点だったということがきっかけになり、平成3年から6年に建設ということになったわけであります。この間、香西先生との出会いもございまして、天文台長になっていただき、数々の指導もしていただいたわけでありまして、現実にも22もの小惑星を発見され、そのうち16は命名権も得られて、名前もつけるということになりました。今もって、やはりさまざまな発見があの天文台から生まれてくるわけでありまして、私どもとしてもプライドと言っていいスポットだろうというふうに思います。ぜひ県としてもこのさじアストロパークを応援していくことにいたしたいと思いますし、また、佐治の皆さんがこの星ということを考えていらっしゃる、そのムーブメント、運動を私どもなりに応援をしていきたいと思います。
10月の下旬に実は私自身もさじアストロパークに呼ばれまして、そこで、五しの里地域協議会の総会ですかね、講演会なのか、そこに呼ばれました。そこでいろいろと皆さんと語り合う機会を得たわけでございますが、石、梨、話、そして星等々、そういう「五し」ということで、佐治村の時代から進めてこられたわけでございまして、あと、和紙ですかね、和紙。この「五し」にちなんで、天文台というのがあるわけでございますが、それを一つの核として、最近は民泊も進めてこられていると。結構、受け入れるのも大変だという話を感じましたけれども、でも、そうした中で、地域活性化のやはり切り札になっている。かつてはこの天文台をめぐってはいろんな議論もあったようでありますが、今こうして星取県としてキャンペーンも張られるようになり、今日の目を見ているという、そういう喜びを感じることができたわけでございます。これは、地域の起爆剤にもなることでありますが、また、これを同じようなことを若桜であったり、日南であったり、関金であったり、今各地でそうした取り組みが広がってきています。中山間地など、非常に観光の素材に苦労されるところがむしろ好適地であるということにもなり得るのが星でございますので、そういう意味で、これからもぜひとも推進をしてまいりたいと思います。
そういう観点からしますと、いろんな方々と結びついて、この星取県のキャンペーンを進められればいいなと思いますので、商工会議所青年部の皆様等々といろいろと今後展開していければなと思います。最近も例えばスバルという自動車会社がございます。スバルの星のマークというのは、あれは香西先生のデザインというか、発想によるものなのだそうです。そういうようなこともあって、気を使っていただいて、大山のほうでイベントをされました。私もそちらのほうに参りまして、皆さんをお迎えしたのですけれども、中四国の人はわずか3割で、残りは東京とか、九州とか、本当に遠くからやってくる。それも車に乗ってやってくるわけですね。あいにくその日は雪がございまして、ちょっと難儀をされたのではないかと思うのですが、さらに悪いことに、非常に天気が悪くなってきて、とても星を見るような感じではなくなってきたのです。ただ、屋内でいろいろと屋内用のグッズもつくっていますし、本県の担当職員もいろいろ工夫をしまして、説明をさせていただいたり、それなりに楽しんでいただき、地元のものを食べていただき、最後は、さあ、では、終わって帰ろうかというときに、さあっと雲が引きまして、そのきれいな星空が広がったときは歓声が湧いたわけでございます。やはり我々にとりまして、こうしたいろんな方々との出会いを果たすことができるようになってきたと思います。
今、星取県につきましては、その星空を保全するため、あるいは戦略を練る会議が有識者交えてセットされています。例えばその中に、今、議員がおっしゃったような、実動部隊として私たちこういうことをやりますよというような人たちも幅広く加わっていただいて、パートナー会議のような形で、ウイングを広げて県民運動に展開できればなというふうに拝聴させていただきました。ぜひそうした何らかの組織化につきまして、検討させていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)13番常田議員
◯13番(常田賢二君)私もスバルの車に毎日乗っておりますので、先ほどの話を聞いて、さらに車を大事にしなければなと思っております。
先ほどパートナー会議を開いて、ウイングを広げてということでした。本当に星に対してすごく思いを持っている方は多くおられますので、ぜひ前向きにそういうチームがつくることができたらなと思っております。
さらに、アストロパークの関係ですけれども、私は、ことし1月、東京での官庁レクの翌日、日本一の星空をうたう長野県阿智村へ向かいました。バスタ新宿から高速バスで4時間、昼神温泉まで送迎で30分、さらに旅館から20分かけてスキー場のヘブンスそのはらへ到着し、ゴンドラに15分乗って山頂へ。当日は、あいにくの曇天で、星空は見えず残念でしたが、麓ではプラネタリウムで冬の星空の解説を聞き、ショップでは星に関連した地元のお土産が充実しており、若者向けの装飾や演出でスタイリッシュな雰囲気を醸し出しておりました。阿智村は人口6,300人、交通も不便で、都心から遠い立地でありながら、毎晩1,000人以上、年間で15万人以上もの人が天空の楽園、日本一の星空ナイトツアーに参加しております。さじアストロパークは4万人ですから、歴然とした差です。これまでも県では、阿智村の関係者を招いてセミナーを開催しておりますが、年々進化する阿智村から学ぶべきところは多いと現地に行って実感しました。
今回、阿智村での宿泊先を決める際、旅館のナイトツアーつきのパッケージプランを予約しましたが、旅館までの送迎はもちろん、スキー場への往復やゴンドラ代も含まれており、移動に関してストレスを感じませんでした。さじアストロパークの最大の弱点は、現地にたどり着く移動手段が車しかないことです。国内外の観光客が夜間に現地を向かう場合、自家用車かレンタカーを借りるぐらいしか現実的な方法がありません。道も片側1車線の狭い道があり、土地カンがあっても夜間は危険を感じます。鳥取市内のホテルや旅館にパッケージプランを組んでいただき、乗り合いバスでアストロパークへ向かう方法や、旅行代理店にツアーを組んでもらう方法、また、鳥取市内の天然温泉の宿泊施設と連携して、温泉と星の癒やしツアーを企画するなど、方法はいろいろ考えられ、さじアストロパークの星空ナイトツアーへの道は開けます。
観光庁は夜間消費を換気するナイトタイムエコノミー、夜の経済活動の創出につなげるため、有望な観光資源を持つ全国の約20地域を支援するため、20年度予算案で10億円を投じ、地域の実情に応じた支援を始めます。報道によると、地域連携DMO、麒麟のまち観光局は、公募に参加する方針のようですが、県として支援していくお考えはないのか、知事の御所見をお伺いします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)さらなる麒麟のまち観光局によりますナイトタイムエコノミーの取り組みにつきまして御質問がございました。
結論から申し上げれば、よく協議をさせていただきたいと思いますし、私どもでできる御支援もあるのではないかなというふうに思いますので、御支援を申し上げたいなというふうに思います。
いろいろと佐治のこともございますし、それから、砂丘で見る、あるいは、たしか青年部さんではないかな、湖山池でイベントをやったこともあると思うのですが、そういうスポットもあったり、また、若桜もこのたび星空保全地区になりました。いろいろと麒麟のまちのテリトリーの中でいろいろと星のきれいなスポットというのはございますので、そういうものをめぐるツアーや、そして、究極はさじアストロパークで泊まってもらうとか、そういうことがあり得るというふうに思います。私も例えば夏ですね、8月14日ですか、流星群を見に、砂丘の駐車場、日交さんの駐車場のところに行きまして、家内と2人で真夜中、見上げていますと、そうすると、やはり周りにざわざわいるのですね。言葉を聞いていると、やはり関西の人たちが多かったかなと思うのですが、流れ星があると、わあ、きゃあ、わあ、きゃあされるわけです。そこで同じように寝転がっているのが知事だとは思わないだろうなと思いながら、一緒に時を過ごしていたわけでありますが、そんなようなことで、やはりこれはいろいろと回れる素材もありますし、それぞれの旅の目的に応じたいろんな組み方もできると思います。そんな意味で、ナイトタイムエコノミーとして、どういう観光素材を提供するのか、ぜひ麒麟のまち観光局のほうでもまとめていただければというふうに思います。
ちょうど今、「麒麟がくる」というテレビドラマも始まりまして、麒麟という言葉の響きも全国でも非常に耳になじんできているのではないかなと思います。私どももいろいろと、あちらの主体性も尊重しながら、協力させていただきたいと思っています。
◯副議長(福田俊史君)13番常田議員
◯13番(常田賢二君)御答弁いただきました。DMOと協議しながら進めていくということですので、本当に鳥取市内はすばらしい星が見えるスポットがたくさんありますので、そちらとも連携して、ぜひ観光客に本当に鳥取の星空のすばらしさを堪能していただけたらなと思います。
最後、最初の観光の環境整備のことで質問させていただきたいのですけれども、3月8日の日経新聞に試練の先の観光日本ということで、記事があったのですけれども、菅官房長官は公務の合間を縫って、全国の国立公園や城、美術館、空港などの視察を続けてきた。観光拠点の多言語表示、夜間開館、無料Wi-Fi、キャッシュレス対応を4点セットで後押ししているとあります。また、赤羽国土交通大臣は、インバウンドの増加が地方創生の牽引になっている。状況が落ちつき次第、反転攻勢に出て、日本各地を訪れてもらえるよう準備を進めるという発言をされております。国も今本当にコロナウイルスで大変な時期ではありますけれども、このように、その先を見据えて準備をされることと思いますので、ぜひ鳥取県も先ほどの話ではないですけれども、本当にピンチをチャンスに変えるように、一致結束して、鳥取県ワンチームで頑張っていけたらなと思います。ぜひよろしくお願いいたします。
何かありましたら。最後の質問とさせていただきます。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて、常田議員からお尋ねがございました。
実は菅官房長官は昨年も本県のほうにお越しになりまして、それで、忙しい合間を縫って、大山寺のあたり、それから、そこでちょうど外国の方が来られるような結婚式場がございまして、そちらを視察をされ、また、水木しげるロードのほうに出られまして、歩かれて、日本酒を珍しく飲まれて、それで、最後は、イチゴをつくったり、それから、お芋をつくったりというのをされています石田商事さんのところなのですけれども、富ますシルクファームでとられたものの焼き芋をそこで出されていると。それを頬張られながら、菅官房長官は、これは外国ではやっているのだよねというふうにおっしゃっていました。これはいいと、おいしいというふうにおっしゃっておられました。
このような形で、まさにインバウンドを通じて我が国の、特に地方都市等の振興を図ることに対する価値は、今、政府を挙げてやろうとしておられるのだと思います。国土交通省にも私が参りましたときに、赤羽さんではなかったのですが、青木副大臣のほうに、こういうコロナウイルス対策ということもあって、ぜひ反転攻勢のお力をいただかないと大変なことになっていますというようなことも申し上げて、応援していかなければいけないというようなお話もいただいております。
今は政府もそうでありましょうが、私どもも我慢のときなのだろうと思いますけれども、ただ、必ず夜明けのない夜はございませんので、また次の夜明けとともに、こうした反転攻勢ののろしを上げてV字回復を果たしていきたいというふうに思います。
◯副議長(福田俊史君)32番澤紀男議員
◯32番(澤紀男君)(登壇、拍手)公明党の澤紀男でございます。
それでは、通告に従いまして教育の振興、まず夜間中学について、知事並びに教育長に質問をいたします。
2016年12月7日に教育機会確保法が成立をいたしました。くしくもその日に夜間中学の必要性について本議場で取り上げ、このたび5度目の質問となります。
夜間中学は義務教育未修了の学齢超過者のほか、不登校等で実質的に義務教育を受けられないまま学校の配慮等により形式上卒業した人、外国籍の人、学齢期の不登校生徒としており、義務教育を受ける機会を実質的に保障する役割が期待されています。文科省からは、少なくとも各都道府県に1つは夜間中学が設置されるよう、その設置を促進するとの基本指針が策定をされています。
これまで議場で夜間中学の必要性や設置へ向けた協議会の設置、夜間中学を理解してもらうためのシンポジウム開催などの提案や取り組みについて質問をしてきました。
本県では、平成30年に鳥取県教育審議会夜間中学等調査研究部会が設置され、京都市、尼崎市、川口市、高知県、徳島県などの先進地視察、夜間中学設置に当たっての課題や、その解消等に関する調査研究が進められ、今年度末には教育長にまとめとして報告をされます。
現在、夜間中学は全国の9都府県に33校が設置をされています。総合教育会議を設置する知事には、全国の夜間中学の現状と、鳥取県における夜間中学の役割、必要性についてどのように捉えるのか伺います。
私も視察をしました徳島県では、2021年4月に全国で初めての県立の夜間中学を開校します。戦争や貧困のために義務教育を受けられなかった人や、不登校などを理由に学び直しを希望する夜間中学で、15~16歳以上の県内に在住している人なら地域を問わず入学ができます。対象は、義務教育未修了の人、中学を形式卒業した人や外国籍の人などで、2019年4月から始まった新しい外国人受け入れ制度を受けて、外国人労働者とその家族の増加を見込んでの設置になります。徳島県教委は、県立徳島中央高校に夜間中学を併設し、学校全体を学び直しの拠点と位置づけています。
本年度当初予算の公明党の会派要望に、さまざまな理由で義務教育を修了できなかった人たちのほか、外国人や中学の形式卒業者も受け入れる学び直しの拠点となる県立の夜間中学校の設置について、本県での設置を要望しております。教育長には、学び直しの拠点としての県立の夜間中学設置についてどのように考えるのか伺います。
また、高知県でも夜間中学を2021年春の開校を目指し、県内各地を行脚して夜間中学体験学校を開催をしております。高知県教委は18歳以上を対象に、中学校で教えた経験のある県教委の教員らが授業を担当し、夜間中学を取り上げた映像を上映した後に2教科、30分の授業を行っています。この体験学校に参加した58歳の主婦は、もっと勉強しておけばよかったと後悔していると言い、楽しみながら勉強ができた、夜間中学ができたら通いたい、また40代の女性は、理科は得意でなかったが、納得できるように教えてもらったと話しています。これまで体験学校は、高知県内の市町村18カ所で延べ263名が参加しております。
高知県教委は、この体験学校を通じ、入学希望者のニーズの把握や、夜間中学がどんな場所か知ってもらう認知度向上に努めるとしています。また、公立夜間中学がない鳥取県の担当者も、高知県の取り組みは地方自治体にとって参考になると報じられています。
そこで、教育長には、本県の夜間中学調査研究部会でもニーズの把握や認知度向上が課題になっていますが、高知県の体験学校の取り組みについてどのように受けとめ反映させるのか所見を伺いたいと思います。
次に、調査研究部会で議論されている夜間中学について、まず公立夜間中学を設置する場合、また私立での夜間中学を設置する場合、また設置しない場合について現状をどのように受けとめるのか伺います。
そして、夜間中学調査研究部会の報告書を踏まえた教育委員会としての方向性はいつ示されるのか、所見を伺いたいと思います。
次に、北東アジアゲートウェイ「境港」と地域振興について質問をします。
境港はロシア極東から中国沿岸部までの北東アジア諸地域のゲートウェイとして、また環日本海地域での西日本の交流拠点にふさわしい地理的特性を生かして、バルク、コンテナ、フェリー、RORO、クルーズ等のさまざまな船舶の定期航路化や寄港促進を図っています。
北東アジアのゲートウェイ境港には夢みなとターミナルが完成し、2020年4月には供用開始の予定となっており、それにより物流並びに人的交流も盛んになり、北東アジアゲートウェイとしてますますの発展が期待をされます。
そのような中、世界中で新型コロナウイルスの感染拡大によりクルーズ船の入港拒否などの問題が起こっております。まず、知事には1つ目に、ことし4月以降のクルーズ船の寄港への影響についてどのように受けとめ、対応するのか伺いたいと思います。
2点目に、境港ターミナルでのクルーズ船の受け入れ体制について所見を伺います。
次に、「境港“みなとを核とした官民連携による賑わいづくり”計画」が平成25年度に策定され、鳥取県西部から島根県東部にまたがる中海・宍道湖・大山圏域と新たに物流、人流の拠点整備が計画をされている境港竹内南地区を対象として、にぎわいづくり方策や港機能のあり方を示しております。計画では、新貨客船ターミナル供用開始までを目指した短期的な取り組みと、それ以降を見据えた中長期的な取り組みを進めるとしています。
また、昨年、令和元年の8月には官民による竹内南地区賑わいづくり連絡会が設立をされ、令和2年以降の竹内南地区にぎわいづくりの取り組み例やゾーニングイメージが提案をされております。
そこで、知事には1点目に、令和2年3月までの短期的な取り組みを通しての物流、人流交流についてどのように総括をするのか伺います。
2点目に、境夢みなとターミナルを中心としたにぎわいづくりの環境整備への取り組みと、今後の展望について伺いたいと思います。
夢みなとターミナルに隣接をする夢みなと公園があります。すぐ横が海、はるか遠くに四季の大山を望むロケーションを誇る海浜公園となっております。山陰・夢みなと博覧会が開催された跡地を魅力ある集客エリアとするため、博覧会で整備された夢みなとタワー、交流の場として機能を持つシンボル広場、ボードウオークを整備するとともに、緑地公園やタワー隣のさかなセンターやFAZの拠点施設を含め、日本海で大山が一番美しい港を基本コンセプトとして、この地域一帯を夢みなと公園として新たな観光拠点としてつくられました。
知事には、にぎわいづくりの観光拠点として、これまでの歩み、役割をどのように評価するのか伺います。
会派要望で、夢みなと公園等の利活用と整備を要望しております。当初予算案に鳥取県立夢みなとタワー改修事業に弓ヶ浜サイクリングコース等の利用者向け施設運営も含まれており、ここを拠点に周辺地域や竹内南地区のサイクリングによるにぎわいづくりが期待をされます。
そこで、サイクリングロードとの連携など、夢みなと公園等の利活用と整備についてどのように考えるのか、知事の所見を伺います。
次に、クルーズ船が停泊する境夢みなとターミナルに隣接する県有の1号地3.1ヘクタールと2号地1.9ヘクタールは、竹内南地区のにぎわいづくりを推進する上で県が売却できる最後の県有地となり、にぎわいづくりの中核となるよう将来展望を明確にすることを要望しております。知事には、港にぎわいづくりにふさわしい分譲についてどのようなビジョンで臨むべきなのか所見を伺いまして、壇上からの質問といたします。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)澤議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、教育につきまして、夜間中学の現状、そして鳥取県におけるその役割や必要性についてどういうふうに考えるのかと、こういうお尋ねでございます。
いろいろと教育委員会側からもお話があるかと思いますが、現状は都府県におきまして、この夜間中学というのが33校設置をされているところでありまして、さらにこの春に徳島等で2つ開校するということになるわけでございます。
夜間中学というのは学び直しということがある場合もあります。特に戦争が絡んでいたりしまして、学ぶ機会がなかったということもありましょう、また最近は外国人の方の学習機会というような意味もあり、また不登校の子供たちにとりましても、最後のとりでとして中学、こういうところで学ぶという可能性もあるわけであります。
そのようなことで公明党も国会のほうでも富田代議士初め議論をされまして、国のほうの教育の戦略の中に夜間中学を全都道府県に設置するということも入り、そういう意味でさまざまな運動を起こしてこられたわけであります。
私も基本的に同意をするものでありますし、共感をするものでございます。これは何となれば憲法の中での教育を受ける権利にかかわるものです。特に義務教育、中学生でございますので、そういう意味では基本中の基本として、やはりそういう教育サービスを提供しなければならない、これは国家、さらにはそれをつかさどる教育委員会、あるいは私学も入ってもいいのだろうと思うのですが、そうしたところの責務と言っていいものだというふうに思います。対して学ぶ人にとってはそうした権利があると、これは憲法上の権利であります。ですから、そういうことからしますと、この夜間中学がないということで学ぶ機会が失われているというのは、非常に重い事実ではないかというふうに思います。
今、そういう意味でたび重ねて澤議員からも御質問をいただき、いつもおつき合いで私にも振っていただけるわけでございますけれども、私もずっとこの間の経過を拝見させていただいておりますが、このたびも教育委員会のほうで教育審議会のほうの考えを部会もつくってまとめておられるわけでありますが、各市町村のことでいくと、本来市町村だけれども、それぞれ人数が少ないので数がいないだろうと、では県でやろうかと言うと、県はそうするといろんな問題があると。そのほか、例えばほかの手法というのは考えられないかどうかというような内容を取りまとめておられるのですね。
私は何をやっているのかなと思います。もうそろそろいいかげん答えを出したらいいのではないかと。やはり教育委員会としての使命感の問題だと思います。市町村教育委員会としっかりと話し合って、こういう学びの機会を必要としている人たちについてどうするのかというのをとことんやはり議論をして結論を出すべきです。市町村がどうしても受けられないのであれば、徳島県のように県でしょって立とうと、そんなにたくさんの人数ではないわけですから、単位制の高校とあわせてそういうようなスペースをつくってやってみようということは考え得るだろうと思います。それでどうしてもだめなら私立の学校の力をかりようと、そうしたら、そちらのほうで義務教育課程にふさわしいようなやはり手当をすればいいわけでありまして、私どもはこのたび子育ての一歩先行く政策として、私立中学校につきましても実質上無償化的な、そういう事業も立てさせていただいているところでございます。
ですから、こうしたようなことを援用していけば答えが出ないはずがないわけでありまして、別にスターバックスではあるまいし、最後を目指さなくてもいいのではないかというふうに私は思います。
いずれにいたしましても、今、教育委員会のほうで権限を持ってやっておられることでありますから、それを忍耐強く見守りたいと思いますが、ただやはりそろそろ県民の負託に応えるべきときではないかなというふうに思います。
次に、北東アジアゲートウェイにつきまして何点かお尋ねをいただきました。
コロナウイルスの感染拡大でクルーズ船の寄港のこと、その受け入れ態勢のこと、どういうふうに受けとめるのかと、こういうお話がございました。
たび重ねてでございますが、やはり防疫措置をする、防疫というのは遮断をする、そういう健康管理のために国家権力を伴って水際対策をするというのは重要でございまして、こういうこともある中で、今クルーズ船の再開についてはいろいろと課題があるというのは、申しわけないけれども事実なのだろうなというふうに思います。
またはそういう中で、今も質問がございましたけれども、V字回復のときを目指して、やはり私どもとしてはいろいろと関係性を保ち、いざというときの巻き返しのときを待つ、そういう雌伏のときではないかなと思います。
現状を申し上げますと、4月24日までのものは全てキャンセルになりました。その後のものも多分調整によって変わってくるだろうと思います。いっときは中国に寄れないということで境港のほうに入港したいというのが立て続けに来たりした時期もございました。ですが、今、日本もこういう状況であり、それこそヨーロッパのお客様も含めてパンデミックにきょうなりましたので、きょうはあの俳優のトム・ハンクスも新型コロナウイルスに感染したと公表されました。そういうようにどんどんと拡大していって、正直とてもクルーズどころではないというのが今の状況だと思います。
現に日本からお出かけになったお客様で、恐らくナイル川クルーズで感染したと思われる方が複数名日本国内にいらっしゃるというような状況もあり、こういうような情報のいわば嵐の中で、そうそう簡単な回復ということにならないかもしれない、そこは正直そろそろ覚悟しなければいけないのかなというふうに思っております。
ただ、私どもとしては、いずれ明けない夜はないという信念のもとに、今後もしっかりとしたプロモーションは展開をしていくべきだと考えております。
他方におきまして防疫対策、検疫等ですね、こちらにつきましては、近々また担当機関が集まりまして話し合いをすることにいたしているところでありますが、このたび夢みなとターミナルが完成をしてきたわけです。その一画で、やはりそうしたきっちりとした検疫をやっていかなければいけないということになろうかと思います。そういうような意味で、そういう準備も整えなければ船を受け入れることも多分政府のほうからも認められないということにもなるわけだろうと思います。非常に状況は変わってきていまして、臨機応変に現状に即した対策を各種講じてまいりたいと思います。
次に、竹内南地区のにぎわいづくりにつきまして、夢みなとターミナルを中心としたにぎわいづくりや、あるいは夢みなと公園、さらにはサイクリングロードとの関係、それからあと分譲の話ですかね、その分譲の話も含めてお話がございました。
これにつきましては、竹内南地区がこういう巨大なターミナルができることになりまして、これから変わるだろうと。竹内南地区のにぎわいづくりの協議会をつくり、地元の皆様と一緒にさまざまな振興を図ろうと。例えば、Wi-Fiのことであるとか、それからイベントのことであるとか、それから免税等のそうした商圏のことであるとか、そうしたことをいろいろとみんなで話し合ってやっていこうという体制づくりをしているところであります。
また、境港のきさらぎさんが中心となりました企業集団のほうに、今回、このターミナルの管理運営を委託していますけれども、そこでも文具を絡めたお祭りをやろうとか、さらにはちょっとした飲み食いをするような時間をつくろうとか、いろいろと工夫をしようということで今やっているところであります。せっかくできる夢のターミナルでありますので、それを中心にしましてにぎわいづくり、交流の拠点になればというふうに思います。
隣には夢みなとタワーがございまして、こちらのほうは永山さんという会社のほうに管理委託をすることになりました。今、内装を整えているところでありますが、この中に境港から米子の皆生温泉のほうにつながる、3月22日に開通するサイクリングロードの起点が置かれることになります。ここにそうしたサイクリングの関連の施設も設置をするということが条件づけになっていまして、新しいタワーの内装の中で、そういうスペースも設けられるということになると思います。
また、そうしたこととあわせて、最後の分譲地が1号地、2号地、合計5ヘクタールぐらいあります。これにつきましては、私どもでは実は境港市と協議をしながら分譲や誘致について話し合うというルールが埋め立ての時代からでき上がっておりまして、これを誠実にやらなければいけません。そういう意味では地元の考え方というのは非常に色濃く反映されなければいけないときでもありますし、また周りにこうした条件変更がございますので、巨大な国際ターミナルができますから、それにふさわしいようなまちづくり、あるいは商業集積等々を考えなければいけないのかもしれません。
実は境港市さんにもそれなりの思いもあるようでございまして、今、とりあえずは凍結しておこうというようにおっしゃっておられます。私どももこれまでのいきさつもございますので、境港市の考えを尊重していきたいと思いますが、しかるべき分譲先、その展開のあり方というのが見出されれば、それで最後の分譲地、合計5ヘクタールぐらいの分譲ということになるのかなと思います。
また、これにつきましては、境港のほうに条例がございまして、土地利用規制の条例もあります。ですから、何でもかんでもできるというものではなくて、やはり市側、地元のほうでこうありたいというまちづくりのビジョンの中で、その分譲のあり方についても最終決定してまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員の一般質問にお答えを申し上げます。
私には、県立の夜間中学設置についてどのように考えるのか、そしてまた調査研究部会で議論されている夜間中学の3つの方向性が示されておりますが、そうした現状についてどのように受けとめているのか、教育委員会としての方向性等の所見につきましてお尋ねがあり、そしてまた高知の取り組みにつきましてのお尋ねがございました。
国の方針でありますとか、またこの県議会の議論を受けて調査研究部会というものを設けて調査研究を行ってきていただいて、先月になりますけれども、このたび私も報告書を受け取ったところでございます。もともと国の夜間中学、戦後の混乱、あるいは貧困、不登校など、義務教育を修了ができなかった方であったり、あるいは外国籍の方を対象として想定をされているものでございますが、本県のニーズ調査におきましては、夜間中学に通ってみたい、通わせてみたいと答えられた方が、こうした希望が極めて少なかったということでございまして、若干あったのは、現に不登校となっている学齢期の生徒さんが通ってみたい、あるいは通わせてみたいというお答えでした。
調査研究におきましては、本県のこうしたニーズ調査の結果が夜間中学設置の方向性を一つに絞り切ることの難しさにつながって、本県における可能性について3つの方向性について出され、そのそれぞれについて課題等を整理していただいたものと理解をいたしております。
設置形態につきましては、さき方、知事のほうからもありましたか、一義的には、この義務教育を所管する市町村ということになろうかというふうに思うわけでございますが、法律そのものに県立としての設置も可能となっているということでございまして、こうしたことは、例えば対象者が県内に散在すると、1つの市町村だけでは少な過ぎて対応できないというようなことが想定されているものと理解をいたしております。
さき方、知事から叱咤激励ということになるのか、後押しということになるのか、答弁をいただきましたが、学びを必要とする全ての方への学びの保障を基軸として、この調査研究部会で活発な議論が行われております。こうした議論をしっかり踏まえつつ、そしてまたこのたびも含めまして、この県議会での議論などもしっかり踏まえて、教育委員会として検討をしてまいりたいと考えております。
あわせて報告書において、夜間中学とは直接かかわらないのですけれども、対象者ごとに学びの保障をしていく必要があるということで、そうしたことの支援策について記載をされております。こうしたことは夜間中学は夜間中学で検討するのですけれども、できることをさっさとやるということに努めてまいりたいというふうに思っております。また、これは県のほうだけで決めるということにはならないと思います。市町村ともしっかりお話をして進めてまいりたいというふうに思います。
高知の件につきましては、これは私どもも視察の一環として、この体験夜間中学というものにも参加をさせていただいておりますが、潜在的なニーズを広げていくといいますか、掘り出していくという点で効果があるのではないかというふうに思っておりまして、ぜひ今後の参考とさせていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)追及の質問に移りたいと思います。
最初に、ゲートウェイについてだけもう一度質問をさせていただきたいと思います。
境のゲートウェイ境港について、船舶の入港状況については、近年は入港船舶隻数は減少傾向にあるけれども、外国船舶の大型化によりまして1隻当たりの総トン数は増加をしております。大型クルーズ船の寄港隻数の増加、また寄港船舶の大型化が進んでおります。
また、港湾の取り扱い貨物は、輸出は紙、パルプ、木製品、輸入が木材、チップ、原木が主要品となっておりまして、各種の船舶が安全に寄港できるよう、境港には2人の境港の水先案内人、パイロットが駐在をされております。安全に岸壁に着岸できるよう業務を行っておりますけれども、岸壁も長年使用していると老朽化が進むことを大層懸念をされておりました。
現在、境港には全体で23の岸壁があります。それぞれに各種船舶による荷揚げ、荷おろしを行っておりますが、船舶が安全に寄港着岸するための埠頭、岸壁の整備は必要不可欠となります。しかし境港全体の岸壁の現状は、整備してから50年以上が26%、40年から50年経過が17%、そしてまた30年から40年経過が17%、30年未満が40%となっております。このまま20年経過をいたしますと、境港全体における50年以上の岸壁は6割近くと、こういうふうになります。
知事には、ゲートウェイ境港として発展するためにも岸壁の老朽化状況をどのように捉えていらっしゃるのか、また今後の岸壁の整備への課題についてどのように臨むのか伺いたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)境港につきまして重ねてお尋ねがございました。
議員がおっしゃるように、もう重要港湾になって長いものでありますから、50年以上のところも6カ所とか、結構年数がたってきています。であるからこそ、その維持補修が大切でありまして、手入れをしていかなければいけません。例えば、クラックが入ってくるだとか、それから陥没するとか、そういうことは避けなければいけませんので、実は日ごろからそういう点検を計画的にさせていただいております。こういうことで長寿命化を図りながら、岸壁の活用をしていくというのが基本戦略であります。
詳細は、県土整備部長のほうからお答え申し上げます。
◯副議長(福田俊史君)草野県土整備部長
◯県土整備部長(草野愼一君)岸壁の老朽化対策等につきまして補足の答弁をさせていただきます。
境港には現在、全体で23の岸壁がございまして、毎日の日常点検、目視点検ですけれども、これとあと5年に1度の一般定期点検、この2つを行っております。日常的な目視点検で、例えばことしであれば遊歩道の陥没などを発見して保守などをしております。あと、一般定期点検ですけれども、こちらのほうは点検の結果でAからDまで、Aのほうが危ないということなのですが、AからDまでの劣化度判定というのを行っております。その結果に基づきまして、来年度、令和2年度は、判定でAからDまでのうちのB以上ですね、A、Bに該当したのが12あるのですけれども、その12のうちで施設の利用状況なども鑑みまして5つの施設を補修したいと。具体的には、内港の2号、3号の岸壁でエプロンの補修ですとか、あと昭和南の1号、2号、3号の車どめ、あと、ふち金物の補修といったことを実施する予定としております。
◯副議長(福田俊史君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)境の境港の岸壁のいわゆる今後の対応について答弁いただきました。しっかりゲートウェイとして整備を進めてもらいたいなということをまずお願いしておきたいと思います。
それで、ちょっと夜間中学についてもう少しだけ申し上げたいと思います。
先ほど、知事には珍しく非常に情熱のこもったお言葉を受けたというふうに私は感じまして、一日も早くできるということを前から願っております。
その中で、今までいろいろとニーズのことをおっしゃっていました。どこに行っても何回聞いても同じ答弁なのです。資料がそれしかないからですよね。私もこれをずっと質問してきた中で、何とかないだろうかと、めぐり会えないだろうか、そこに行けないだろうか、そういう思いで今まで実はやってまいりました。
そうした中で、せんだって、鳥取県在住の方なのですけれども、これまで社会のはざまでDVや虐待を受けている女性や子供、そして高齢者に20年以上かかわってこられた方から話を聞くことができました。話を聞きますと、中には幼少期に虐待を受けた子を引き取って育てたが、今社会に出て家庭を持ち、子供さんもおられますと。40歳過ぎになって、やっと自分の名前が書けるようになったと、自分の子供を見ていると、もっと勉強がしたかった、こういう話を伺いました。しかしこのことは自分の最大のコンプレックスで、本人は言葉にするのも難しいのです。ゆえにそういう方々に手を差し伸べていくためにも、夜間中学は必要なのだと、このように私は思いました。
先ほど申しましたけれども、もっと学びたかった、この言葉には、今まで選択することができないその道が、学びたいけれども学ぶことができなかったという、そういう物すごい思いが秘められているように私はそのお話を聞いて感じました。私たちはまだそこの現場に行き着いていないだけではないか、実際に幾らでもあるのだということを、このお話を聞いて感じることができました。
そういう意味で、報告書が出たということですけれども、しっかりとこれからもこの夜間中学を論議していただいて、一日も早くつくっていただくということをお願いしておきたいと思いますし、このことについて、教育長、急ですけれども、もしコメントがありましたらちょっとお願いしたいと思いますけれども、どうでしょうか。
◯副議長(福田俊史君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から重ねてお尋ねがありました。
ニーズ調査ということで、数のことで議論をしてきたわけでございますが、考えてみますと、おっしゃったように一人一人、必要とされている人がいるというところを前提にして考えていく必要もあるのかなというふうにお話を聞きながら改めて思ったところでございます。そうした方々の意見も我々もぜひ聞かせていただきながら、この検討を進めていければというふうに思っております。
◯副議長(福田俊史君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)ありがとうございます。
しっかり聞いてくださいと言いたいのですけれども、こういう方はなかなかそう簡単には会うことが難しいということをまず大前提の上に、しっかりとこういう制度があるのだということから入っていくということが一番大切だなということを私は感じておりますので、教育長、わかっていらっしゃると思いますけれども、そこのところをよろしくお願いしたいと思います。
それでは不登校児童生徒の支援という話に観点を移したいと思います。
鳥取県独自の調査では、不登校児童生徒数は平成30年には小学校229人、中学校が486人と年々増加しておりまして、学校にかかわる要因として、いじめを除く友人関係の問題、学業の不振が多く、学校は児童生徒の困り感に丁寧に寄り添い、組織体制で支援を進めていく必要があるとして、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーとの連携による教育相談体制の充実を進めております。
また、市町村が設置をしております教育支援センター、適応指導教室、県設置のハートフルスペース、また県が支援をしておりますフリースクールで学校復帰や社会自立ができるよう支援を行っていますが、不登校児童生徒数は依然として高い水準になっております。
昨年の10月25日に不登校児童生徒への支援のあり方についての文部科学省の初等中等教育局長の通知が発出をされております。不登校児童生徒への支援に関する基本的な考え方として、不登校児童生徒への支援は学校に登校するという結果のみを目的にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があることと。また、児童生徒によっては不登校の時期が休養や自分を見詰め直す等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業のおくれや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意することとあり、大きな転換となるこの通知、そういうふうに考えております。
そこで教育長に伺いたいと思いますが、1つ目が、この通知に児童生徒によっては不登校の時期が休養や自分を見詰め直す等の積極的な意味を持つことがある、こういうふうにありますけれども、不登校児童生徒への支援のあり方についてどのように受けとめ、推進をするのか。
2点目に、県内3カ所に設置をされております県教育センター、ハートフルスペースですね、この東・中・西での利用状況、この回数について格差がありますけれども、どのように見るのか、今後の取り組みとあわせて伺いたいと思います。
そして3点目に、県内10カ所ある教育センター、またフリースクール、ハートフルスペースとの連携について、現状の評価と今後の取り組みを伺いたいと思います。
そして4点目、市町村では不登校・いじめ相談窓口がありまして、相談会を行っておりますが、市町村とは別に保護者や教員のための不登校相談窓口を設置するこの狙い、効果について伺いたいと思います。
そして5点目になりますけれども、学力の保障、こういう観点から、中学校卒業程度認定試験や高等学校卒業認定試験への支援について、現状の評価と今後の取り組みを伺いたいと思います。
次に、フリースクールについてちょっと伺っていきたいと思います。
不登校の児童生徒は全国で約12万人、そのうち適応指導教室で相談指導を受けているのが約1割余り、学校以外の児童相談所、保健所、また病院、民間団体等のほか、学校内で相談を受けている生徒児童を合わせて7割程度だと。約3割の生徒は相談指導を受けていない状況にあります。
県内には、教育委員会のガイドラインに基づいて、県から認められて運営をしておりますフリースクールが4カ所あります。不登校の子供の受け皿として、その学習権の保障や安心して過ごせる居場所を提供、さらには通信制高校での学習をサポートする学校など、不登校の子供を対象とした既存の学校とは異なる機関、施設となっております。昨年の11月1日現在で県内のフリースクールの在籍者数は52人だと。小学校が18人、中学が29人、高校生が3人、その他2人、こういうふうな結果が出ております。
私は、県西部で不登校やひきこもり状態にある人たちの生き方を応援しております米子フリースクール、これを訪ねてまいりました。通信高校での学習をサポートするキャンパスとして認定をされておりまして、通学をする高校生もいます。生徒たちは周りに気を使わない環境で、マイペースにゆったり安心して学んでいる様子でした。
そこで、所管が知事部局になりますので知事にお伺いしたいのですけれども、県として認めているフリースクールの活動現状についてどのように評価をされているのか、また今後の支援方針、取り組みとあわせて伺いたいと思います。
そして2点目に、令和2年度の予算案に高校生通学費助成事業がありますが、県内に住所があり、県内の高等学校等に通学する生徒が対象で、公共交通機関である鉄道、路線バスの通学定期へ助成するもので、大変に期待をしております。しかし、通信制高校での学習をサポートするキャンパスとして認定されたフリースクールへ通学する高校生は対象となっておりません。他の高校生と同じように通学定期券を購入し、通学しております。フリースクールも事業対象に含める必要があると考えますけれども、知事の所見をお伺いしたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)私のほうには、フリースクールにつきましてお尋ねがございました。
例えば、米子の米子フリースクールさんですとか、あるいは鶏鳴学園が鳥取でやっておられます、すてっぷ等、県内各地にこうしたフリースクールが現実にございます。
これにつきましては、教育委員会と交えた総合教育会議で以前から大分議論をしたことがございまして、これはフリースクールで受けるのは多分民間の私立学校のノウハウ、あるいは地元のノウハウというのは非常に有効だろうと、普通の学校環境とはちょっとずつ違うようなところで、それで例えば通信制の高校のノウハウなどを使ってくるということもありましょうし、こういうようなことで、民間とのパートナーシップでのそうした不登校児童の受け入れということを考えてはどうだろうかと。ただ、その際に出席扱いにならないというわけですね。出席扱いにならないとなると、通っても、結局学校のほうが終わったということになりませんので、そういう課題があるということで議論になりまして、それで、出席扱いにするようにしてくれと、それでガイドラインを教育委員会のほうが出されて、ガイドラインに沿った設置であれば、出席扱いにしますよということでありまして、いわば小学校や中学校に行っているのと同じような形で学校教育の中でも取り扱っていただけるということになりました。
本県はそういうことで位置づけもきちんとしている中でございますが、このたび運営費の助成ということをかねてやってきたことに加えまして、そのフリースクールへの通学だとか授業料だとか、そうしたことの支援策をこのたびの全国の一歩先行く子育て支援事業の中で盛り込ませていただきました。こういうものの対象になりますので、こういうフリースクールの支援ということになるだろうと思います。
また、あわせて高校生レベルでのフリースクールの通学についての支援のお話もございました。
これは通信制のサポート学校のような形になるのであれば、要は通信制の高校と同じことだろうと。実はこの通学支援は市町村の事業の半分を県が出すものでありまして、市町村の事業に乗っからなければいけないのです。市町村のほうでそういうふうに取り扱うということについて、それぞれの市町村とも話ができてまいりました。ですから、これも含めて高校生の通学費助成の対象ということで市町村との協調補助ができる見通しでございます。
このようなことでフリースクール、地域としても子育ての一環、また子供たちの学びの機会、また居場所ということで応援をさせていただきたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)澤議員から、不登校児童生徒への対応につきまして5点にわたり御質問がございました。
そのうちハートフルスペースの東・中・西の利用状況、そしてまた認定試験につきましては、足羽教育次長から御答弁を申し上げたいというふうに思いますが、不登校児童生徒の支援のあり方でお話ありました。
これは文部科学省の通知の中にも盛り込まれておりますが、学校の果たす役割がまず一番大きいのだということを認識をしていかなければなりません。そこはもちろんでございますが、児童生徒の支援については、一人一人の児童生徒を中心に置くべきというところも大事にする必要があろうというふうに思っております。その中で必ずしも学校に復帰することだけを目指して、その結果を目標とするのではなく、ある種、例えば休養の期間といいますか、自分自身を見詰め直す期間というものが当然あってもいいわけですし、中にはそうした期間が終わって、もう一回気持ちが切りかわったら学校のほうに通えるといった児童生徒の方もいらっしゃいます。小学校のときは出れなかったのだけれども、中学校からはきっちり通えるようになったというふうな方もいらっしゃいます。そうしたことも含めて、社会的自立へ向けての進路の選択肢を広げる支援をしていくということも大切ではなかろうかなというふうに思っております。
そうした意味で本人の困り感を大事にしていくというか、我々としてしっかり捉まえて、一人一人に対する児童生徒理解に基づいた支援を充実していくことが必要ではないかと考えております。
こうしたことを踏まえて、来年度に向けて学校内に子供が安心して過ごせる居場所づくりを進めてはどうかということでございまして、これは広島県の福山市で取り組みが進められております校内フリースクールと言われる、中学校内にそうした学びのスペース、ほかの教室とは違う、もっとリラックスしていろんなことができる、好きなことができるそうしたことも含めたサポート教室を開設する学校を3校程度をモデル校として選んで、そうした支援を新たに始めるというようなことも考えているところでございます。また窓口を明確にして、保護者の方々であったり、あるいは学校の教職員であったり、そうした方々の、これもまた困り感に対応していこうではないかということで、これまでも相談電話というのはあったのですけれども、いろんなことを同時に処理するような、受け付けるような、そういう窓口でありましたので、ここで不登校の相談窓口ということをきちんと明記をする形で、相談していただきやすい体制をつくり、そうした上でしっかりとフォローをしていく、そんな取り組みにも着手をしてまいりたいと考えておるところでございます。
そしてまた県の教育支援センター、ハートフルスペースにつきましては、中部、西部にも開設をいたしておりまして、相談に応じたり、あるいはサポートセンターなど関係機関との連携を進めておるわけでございますが、新たに訪問をして支援をしたり、ICTを活用して学習支援をしたりというようなところにも取り組みを進めておりまして、利用者も年々増加してきておりますし、またここの支援を受けて就職につながったり、あるいは高等学校の卒業程度の認定試験に合格する生徒も出るなど、成果も上がってきているという状況でございます。
また、こうした教育支援センター、市町村のほうでも市町村の教育支援センターがありますし、フリースクールはフリースクールでいろいろ活動をしていただいております。また、この県のハートフルスペース、関係機関の連携につきましては、これまで連絡会であったり研修会を合同でやったりというような取り組みをやってきておりましたが、来年度はさらにここに保護者の方、不登校の親の会の皆さんの代表の方に参加していただいたりして、実際の本当にこういう状況で困っているというような話も含めて会を開くというようなことを検討いたしておりまして、こうした保護者支援の充実などの視点で、連携をさらに深めてまいりたいと考えておるところでございます。
こうしたことを含めて、子供の実態に応じて教育の機会確保というところ、これは不登校につきましても言えることでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◯副議長(福田俊史君)足羽教育次長
◯教育次長(足羽英樹君)澤議員の御質問に補足の答弁をさせていただきます。
ハートフルスペースの利用状況の違いがあるということについてまずお答え申し上げます。
先ほど教育長も申しましたが、22年度に東部で設置、29年度からは中西部にも設置して、その関係機関と連携をしながら取り組み、支援を進めているところでございます。
利用人数には各地区とも大きな差はございませんが、利用回数が東部地区が1,100件余り、それに対して西部のほうは600件余りというふうに、ちょっとそこに差が出ているように思います。この背景の一つには、東部地区にカウンセラーと、そしてスクールソーシャルワーカーを配置しており、東部地区だけでなく中部、西部にも出向いて、必要に応じてその支援や相談に当たるようにはしておりますが、常時、ふだんが東部地区ですので、どうしても東部での活動が多くなっているということや、逆に西部地区のほうには、これまでのつながりから若者サポートステーションのほうに相談を持ちかけられる方もやはり多いようでして、そのあたりで利用が分かれているというようなことがあるのではないかなということを分析をしております。
いずれにしましても、必要に応じて中部、西部にも当然カウンセラーやスクールソーシャルワーカーは回るようにしておりますので、しっかりニーズを把握して、必要に応じた相談体制の構築をつくってまいりたいと思います。
2点目でございますが、中学校卒業程度認定試験、高等学校卒業程度認定試験につきまして答弁申し上げます。
まず、中学校卒業程度認定試験、これは病気とかやむを得ない事由によって、その保護者が義務教育を就学させることを猶予するとか免除するというふうな方が対象になる試験でございまして、非常に最近ではまれなケースということから、鳥取県でも受験者は10年間皆無でございます。ただ、当然こういうふうな試験があるということは周知をしっかりしていく必要がありますので、中学校、あるいはホームページ等にも登載しながら案内をしているところでございます。
逆に、高等学校卒業程度認定試験のほうは、例年50人以上の受験者がございます。これもホームページ等の広報と同時に、高等学校のほうでやむを得ず進路変更をしていかざるを得なくなった、そういう生徒さん方への進路指導、あるいは相談として、こういう試験があることもしっかりお伝えしたり、相談に乗ったりしているところでございます。
あわせまして、ハートフルスペース等で学んでいらっしゃる方々にも、この学びに向けて頑張っていらっしゃる方もありますし、実際、今年度からスタートしましたICTを活用した自宅学習で、この高等学校卒業程度認定試験に合格するという方も出ていらっしゃいます。さまざまな形でこの試験も有効に活用できるように、周知と同時に支援を進めてまいりたいと思います。
◯副議長(福田俊史君)32番澤議員
◯32番(澤紀男君)答弁をいただきました。今回教育委員会にお伺いした中の一つのポイントになりますのが、この10月25日に出た、いわゆる不登校児童生徒の支援のあり方、これを基本に今回は質問をさせていただきまして、その中でやはりフリースクールの役割というのも非常に重たいものがあるのではないかなと。フリースクールはこの文面を見まして、非常に視野が開けたといいますか、大きな役割の重さというものを感じております。
先ほど知事に言っていただきました、フリースクールに通う高校生、これに対する支援についても通学費をやっていただけるということで解釈します。
ただ、これは本当に1人とか2人とかということではなく、次に続く、そういう人たちのためにそういう制度をきちっと答弁いただいたということで、フリースクールの方々は大きな励みになるのではないかなというふうに感じておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
そして、教育委員会にもこの通知をもとに、この支援をしっかりこれからも進めていただくということを求めまして質問を終わります。
◯副議長(福田俊史君)暫時休憩いたします。
午後3時10分より再開いたします。
午後2時58分休憩
────────────────
午後3時10分再開
◯議長(藤縄喜和君)再開いたします。
引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。
4番福浜隆宏議員
◯4番(福浜隆宏君)(登壇、拍手)皆さん、こんにちは。今回欲張って8項目です。会派は違いますが、市谷議員と同じ部屋で、もしかしたら市谷カラーがうつってしまったかもしれませんが、時間内に深い議論ができるように簡潔な質問を心がけていきたいと思います。
まず、新型コロナ関連です。
経済対策、これまでの議場のやりとりで知事は、国の足らざる部分は臨機応変に県が埋めていく、県単独でどうしようもないことは国に現場の声をしっかり伝えると表明されました。苦しいけれども、今こそ頑張ろうと受けとめた県民の方は少なくなかったのではないでしょうか。
そこで、事前に提出しました経済対策の質問は割愛して、別の質問をすることをお許しください。
まず、PCR検査です。
現在、鳥取県内では1日当たり120件、1人2検体とりますので60人分の検査ができる体制にあります。ところが実際に検査を受けた人は81件にとどまっています。相談窓口に問い合わせのあった件数1,395件を分母とすると6%弱、わずか18人に1人しか検査を受けていません。
WHOの発表によりますと、新型コロナの死亡率は世界全体でおよそ3.4%、日本が3.3%です。季節性インフルエンザの死亡率が0.1%ですから、およそ30倍です。また、80歳以上の高齢者が感染した場合の死亡率は、WHOによると21.9%にはね上がり、5人に1人が死亡すると警鐘を鳴らしています。
こうしたデータ、これまでにわかったエビデンスをもとに考えると、高齢の方が体調不良、あるいは高熱があると訴えて電話をしてこられた場合、万々が一を考えて積極的に検査をしたほうが重篤化を防ぎ、また蔓延防止にもつながるのではないでしょうか。
といいますのも、検査の数が多い韓国では、感染者の死亡率が1%を切っています。相談センターでの対応、国のルールでは体温37.5度以上が4日以上、もしくはせきが数日間続く、こうした症状が確認できれば検査可能な病院を紹介するとなっていますが、高齢者の場合、4日も待ってはおられません。一気に重篤化する危険性も秘めています。肝心なのは、県内から感染者を出さないのではなく、一人の犠牲者、重篤者を出さないということだと思います。積極検査に対する知事のお考えをまずはお尋ねします。
また、先日、厚労省が発表したピーク時に想定される都道府県別のデータ、鳥取県は1日当たり1,900人の感染患者が来院し、入院は1,100人と予測されていました。県内の対応可能なベッドの数は200ですから、ざっと5倍です。この数字をどう受けとめているのか、この2点をお尋ねします。
ところで、学校が休みになって以降、子供たちは部活動とか社会体育も停止、かなりストレスを感じていると想像します。家庭訪問などを通して見えてきた課題と対応策について、教育長にお尋ねします。
次に、今こそ足元を見詰めてというテーマでお尋ねします。
人口が減り、内需が伸びない、どこに活路を見出すか、そのターゲットがインバウンド、交流人口の拡大です。実際、日本経済は息を吹き返し、国内でも外国人観光客がふえ、経済を支える大きな柱になりました。ところが今回のように一旦蛇口が閉まってしまうとお手上げになる、もろ刃の剣であることを思い知らされた感があります。もちろんこの耐え忍ぶ場面こそ、県を挙げて観光とか宿泊業者を守る手だてが必要ですが、足元にある課題からしっかりと目をそらさないことも必要です。
県東部にあります金属加工メーカーの社長は、社員を募集しても反応がないのだ、頼みの工業高校も定員割れで八方塞がりと頭を抱え込んでいます。この企業は社員10数名なのですが、半導体部品を製造、業績はよく、機械設備もかつては1人1台だったものが現在は1人が4台を見る、そのぐらいオートメーション化も進展していて、もう3Kなど今や昔の話です。ところが人手が足りず、注文依頼はあるのに製造がふやせない、県はIT産業とかインバウンドばかりに目が行っていて、ものづくりは蚊帳の外なのか、眼中にない感じがすると悔しさをにじませていらっしゃいました。
県も、そして教育委員会も、決してそんなことはない、やるべき手は打っていることはよくよくわかっています。しかし、結果として人が来ないというのが現実です。県内のものづくりメーカーをこのままにしておいていいのでしょうか、特に県東部にあるメーカーは、三洋電機撤退という大きな荒波を乗り越えて生き残ったまさに本物です。今後どのようにPDCAサイクルを回し、この足元の課題を乗り越えるお考えなのか、知事にお尋ねします。
また、キャリア教育、高校進学より前、高校を選ぶ段階からものづくりを志す、そんな人材づくりについて教育長にお伺いします。
次に、健康対策、がん対策の一環で知事と教育長にお尋ねします。
定期健診で再検査が必要との結果が届いても、再検査に行く人が思いのほか少ないことが先日メディアで問題視されていました。鳥取県職員の実態を見ると、平成28年度から再検査に行くようにと上司が口を酸っぱくして指導するようになって、35%だった受診率が50%弱まで上がったそうです。また、県教育委員会では、定期健診とがん検診を合わせたデータでしたので、知事部局より数字は上だったのですが、それでも55%から60%という数字でした。
なぜ再検査に行かないのでしょう。過去にもひっかかった、今回も大丈夫だろうという理由が多く、いわゆる正常性バイアスが影響しているようです。民間での再検査の受診率はもっと低いことも想像されます。どうすれば再検査率が上がるのか、県職員をモデルに検討して、そこで得た知見、ノウハウを民間に広げていただきたいと思います。知事にお尋ねします。
また、教育長、多忙だからこそ自分の体をまずは第一に考える。再受診のさらなる向上を新年度の目標にするお考えはないのかお尋ねします。
次に、就職氷河期世代への対策です。
バブルがはじけて企業が新規採用を手控えた今の30代後半から40代後半の世代を指します。鳥取県でも労働局の主導で、非正規、非常勤の方に新たな活躍の場を提供しようと、この理念に共感する地元企業と受け皿づくりがスタートしました。ただ、この世代、いや応なく今の職についているのは正規雇用の中にも少なからずいらっしゃるはずです。能力がありながら生かし切れていない、あるいは意欲が湧かない業務を延々続けてきた、国としても大きな損失ではないでしょうか。
鳥取県は、一旦は県外に出てもいい、スキルや経験を積んでUターンする方を奨励しています。県の職員採用でも氷河期世代枠が設けられましたが、職歴は問わないとなっています。国主導であることは重々承知の上ですが、鳥取版の受け皿づくりでは県外で働く正規雇用の方にも門戸を広げてみてはいかがでしょう。福祉的な意味合いだけではなく、鳥取県の未来を切り開く攻めの意味合いを持つ中身に変わることを願っています。知事のお考えをお尋ねします。
次に、産後のお母さんを支える事業です。
育児の孤立やストレス、虐待を防ぐため、産後ケアの大切さ、私も強く念頭に置いてきましたが、新年度予算案、産後ケア施設の利用料を県が助成して個人負担をゼロにする、これは全国のモデルになり得ると思います。高く評価しています。
一方で、利用料が無料になると、当然利用者はふえていきます。受け皿になる産後ケア施設は県内15カ所、その一つ、鳥取市にある助産所型の施設に聞いてみると、県のこの大きな新たな一歩を喜びながらも、今でも自分一人で手いっぱいで、利用者がふえても対応できないのです、仲間の助産師さんが手伝うと言ってくださっているのですが、人を雇っても満足な賃金が払えないと表情を曇らせていらっしゃいました。つまり、今後利用がふえたとしても、助産師さん一人雇用できないというのが現場の声です。
この先、県内で産後ケア施設をふやし、持続可能にするには、保育士や放課後児童クラブの指導員と同じように、この分野にも人件費を補填する国の新たな制度設計が私は必要だと考えます。助けてほしい、勇気を持ってわらにすがりつく思いで電話をかけたお母さんが、利用がいっぱいでごめんなさいと言われる、この事態だけは何としても避けなければなりません。
少子化に悩んでいるこの日本の未来のため、産後ケアは必要だと国に対して訴えられるのは、この子育て分野を大いに引っ張っている平井知事だからこそ説得力を持つ、知事をおいてほかにないと思っています。所見をお尋ねします。
次に、環境面、省エネ住宅について質問します。
風呂場との室温の違いで血圧が一気に上がり、心筋梗塞とか脳卒中の原因になる、いわゆるヒートショック。国内では年間で1万4,000人が死亡、命は取りとめても寝たきりになってしまう人を加えると、その数倍にも膨れ上がります。
原因は、日本では湿気が多い関係で風通しがいい住宅こそが良とされ、断熱が二の次になってきたという歴史的な経緯もあります。何とか防ぎたいと断熱性能の高い省エネ住宅の必要性をこの議会でも訴えてきました。
そこで、今回の当初予算、県では国の基準を大きく上回る断熱性能を持つ省エネ住宅指針を設けて、新築住宅への助成を提案されました。大いに評価しているのですが、新築住宅のみが対象です。若者とか新婚カップル、その新居というのは賃貸住宅が一般的です。また、リフォームしたいという中高年の方も大勢いらっしゃると思いますが、将来的にこの賃貸物件とかリフォームにも対象を広げるお考えはあるのかどうか、知事にお伺いします。
また、この関連で教育長にお尋ねします。
小中学校にも順次エアコンが導入されつつありますが、窓ガラスとかアルミサッシを通して大量のエネルギーが外に奪われて、その分、省エネ効率が下がっていきます。加えて、校舎には夏休みとか冬休みがある関係で、ほとんど断熱材が入っていません。
仕方がない話ではあるのですが、この問題に果敢に挑戦したところがあります。鳥取県のお隣、津山市です。議長の許可を得て資料をお手元にお配りしました。東京から専門家を招いて教室の断熱を一緒にやっていくというワークショップを開きました。地元の工務店とタッグを組んで地元の木材を使って部材をつくり、内窓、そして窓側の壁と天井裏に断熱材を敷いていくという、そういう内容です。思いついてから1カ月余りで当日を迎え、保護者への呼びかけは断念して、SNSで断熱に興味がある人に呼びかけた結果、東京を含め25名が集まり、鳥取県からも5名が参加したそうです。
その結果を裏のほうに載せているのですが、赤外線カメラ写真を使いまして断熱した教室と右側、断熱していない一般教室と隣同士の教室を比べた結果です。色で温度の違いを見せていますが、天井付近は一目瞭然、5度以上の差が生まれました。また、窓側付近は2~3度の違いで、やや色の違いに変化が見受けにくいのですけれども、それでも2~3度の変化。それによって一定温度を保つとして、エアコンの負荷についてシミュレーションした結果なのですが、冷房をつけたときで大体3割カット、暖房をつけた場合は半分の負荷で済むという、そういう非常に効果があることも判明したということでした。
課題は資金面です。教室の断熱だけで1教室当たり40万円かかったそうです。しかしランニングコストが随分抑えられますから、初期投資分は何年かで回収できるものと思います。学ぶ環境をよくしていく、また保護者とか生徒も加わると省エネ、断熱の重要性をみずから考える環境教育にも寄与すると思います。そして、地元の木材を使います。
この津山モデルを参考に、例えばふるさと納税を原資にして、県内の小・中・高校に波及してはと思いますが、教育長にお考えをお尋ねします。
次に、先ほども関連がありましたが、フリースクール関連です。
今回、県では、フリースクールに通う児童生徒の授業料の助成を県単独で、また、国のモデル事業の受託を前提に、交通費とか体験活動費の支援も検討され、打ち出されました。学校に行けない義務教育段階にある児童生徒の学びを保障したいという知事の姿勢を大いに評価したいと思います。
ところで、対象になっているフリースクールとは、鳥取県の場合、県教育委員会が定めたガイドライン、カリキュラムが学校教育にかなっているか、あるいはつながっているかが認定基準になっていて、県内では4つのフリースクールが対象になっています。この線引きを緩めろと言うつもりはありません。教育委員会は、学校教育の範疇でこのガイドラインをつくっていますから、私は理にかなっていると思います。
しかし、一方、このガイドラインの外に置かれたフリースクールが現実に県内に存在します。一度お邪魔しましたが、驚くことに日々の過ごし方は子供たち自身が決め、何と講師役の先生も子供たちが選んでいます。学校教育に沿っているはずがありません。けれども、生きる力を自分で獲得するという理念のもと、学校教育とは尺度が違うところで学び、そして成長していました。
私は、この教育理念や実践がいい悪いではないと考えたのです。義務教育段階の子供たちを行政としてどう支えるのか、シンプルに考えたほうがいいのではないか。そこで、学校教育と連携したフリースクールと同じ枠組みで考えず、全くの別枠を設けて一体どんな支援ができるのか、一度検討していただけないでしょうか。知事に所見をお尋ねします。
壇上最後に、プレゼン力の向上というテーマで教育長にお尋ねします。
先々月、総務教育常任委員会でICT教育の先進地、佐賀県を訪問しました。代表質問で浜崎議員も取り上げられましたが、佐賀県ではプレゼン発表大会をコンテスト形式で毎年実施、そこでグランプリに輝いた家庭科の専門高校のプレゼン発表のVTRを見せていただきました。いかにすれば自分たちが探究した内容を相手にわかってもらえるのか、笑いあり、驚きあり、パワーポイントの使い方、所作、そしてコメント、その全てがすばらしい完成度で、まるでテレビの番組を見ているようでした。
これからの社会が求める力とは、まさにこのプレゼン能力ではないでしょうか。いい商品を開発しても、プレゼン力がなければ物は売れません。サービスもしかりです。高校生の探究発表の場、各高校とか、あるいは全国的な団体が主催するものを含めると数多くありますが、プレゼン力を主軸に評価する発表大会、そう多くは存在しません。
そこで、普通科、専門高校、私学の垣根を取っ払って、このプレゼン力を柱に競う県大会を創出してみるのはいかがでしょう。教員の間でも、例えば社会の先生だけに任せるのではなく、表現力であれば国語、パワーポイントのデザイン性であれば美術の先生も加わったりするなど、学校がまさにワンチームになって生徒を育むことにつながっていくと思います。また、こんな高校で学びたいという小中学生があらわれないとも限りません。教育長にお考えをお尋ねし、壇上での質問を終わります。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議の一般質問にお答え申し上げます。
まず、新型コロナウイルス対策につきまして何点かお尋ねがございました。
1つが、PCR検査につきまして、一人の犠牲者も出さないことが目標ではないかと、こういうお尋ねであります。
思いは全く一緒というふうにあえて申し上げたいと思います。これは正直、我々現場と、それから国全体で出しておられるやり方と相当意識が違うところもございます。
ですから、結論から申し上げて、私どもPCR検査については、国が言っている、あるいは全国で報道されているああいう基準よりは広くとっています。要はお医者さんが必要と認めたら、それに回してもらおうと。それは何日、何日ということではなくて、またいろんな省令基準というのがあるのですけれども、そういうものはもちろん使いながらも、最後はセービング・クローズがあって、お医者さんが必要と認めればやりますということにさせていただいておりまして、現実、そうやって出てきたものは当県は拒否していません。あれは、大都市とかは多分キャパシティーの問題があるのかよくわかりませんが、どこかでチェックを入れるみたいで、そこをはじくようでありますが、それは当初から私が申し上げている信念とちょっと違うところがあります。
と申しますのも、今回のコロナウイルスの厄介なところは、これは症状があらわれなくても持っておられる場合があると。軽症であってもそうであります。ですから、省令基準が37.5度だとかいろいろついていますが、それだけで本当に割り切れるかどうかというのはわからないですね。
一番恐ろしいのは、お医者さんのところにわからないまま来られて、それで感染のきっかけになって院内感染になっていくというのが非常に恐ろしいです。ですから、2月20日の段階で既に私も県の医師会館のほうに乗り込ませていただきまして、こういう形で行ったのは初めてなのですけれども、そこでやはり院内感染防止対策などをしっかりやらなければいけないと。ようやくここに来て大分体制が整ってきたように思います。私どももそのための、例えばゴーグルだとかマスクだとかも提供させていただき、備蓄を吐き出しております。
それで、あちらのほうでは不用意に入ってこられないように、入り口にポスターが張ってありまして、こういう場合は電話をあらかじめかけてくださいと。ですから、きょうもちょっと新聞に出ていましたけれども、面谷先生のところなどは車で待ってもらうと。これは実は前に新型インフルエンザのときにやったのです。そういう扱いで、いきなりお医者さんに入ると、それが感染源になるかもしれないので、それをやらないように新型インフルエンザでやったことを、あらかじめもうやっておきましょうというふうに実は2月20日に呼びかけに行ったのです。最初はなかなか御理解いただけなかったのですけれども、ここに来て各地で院内感染が広がってきていますので、先生方もなかなかこれは恐ろしい病気だということをだんだん理解していただけているのではないかと思っています。
このような中で、先生方が、これはちょっとなというものは実は全部検査に回されていまして、私ども今、先ほどまでにきょうは5件出てきておりまして、きのうまでで81件でありますから、今、合計86件の検査対象であります。うちきのうまでの81件は全て陰性でございましたが、本当に個人的には奇跡的なことだと思っています。きょうの5件がどうなるか、これもちょっとよくわからないわけでありますが。
それで、このPCR検査の厄介なのは、検体を採取しなければいけないということです。昨日、日本医師会の横倉会長が記者会見をされて、それで全国のお医者さんに呼びかけをされました。実はインフルエンザの検体をとる、あれも危ないと。ひょっとすると、そこでぱっと飛沫感染が起きますと、なってしまうわけですね。ですから、もうこんな検査をせずに、薬だけを渡して帰してしまえと。ちょっと乱暴ですけれども、そういうことを日本医師会は言い始めているということなのですね。
事ほどさようでありまして、私ども初期の段階で、景山先生という鳥取大学の先生のお話を伺ったわけでありますが、多分検体をとるときが一番危ないと、そのときはゴーグルをするなど、そうした完全な防御をしてやるように注意をしてくださいというお話がありまして、それを徹底しています。
ですから、御想像にかたくないと思うのですが、PCR検査の検体をとるのが結構大変です。これで大体お一人の検体をとるのに2時間、3時間の時間がかかります。こういう医療状況が緊迫した中でそういうことでありますので、なかなか爆発的にはふえにくいというのがあると思います。
そこで、もともとは4つの感染症指定病院でそうした検体採取ということをやっていたわけでありますが、今お願いをしまして、ほかの病院でも体制が整ったところから協力をいただけるようになりまして、今では各地の病院から検体が入ってくるようにもなってきております。
こういうようなことを手順を踏んでやってきていまして、86件、きのうまで81件というのはちょっと少ないというふうに思われがちなのですけれども、実は人口対比でいきますと全国7位です。上のほうにいるのはどういうところかというと、北海道とか、あるいは高知とか和歌山とか、もう既に出て大騒ぎをしているところです。私どもは出ていないのに、出ていないところではトップです。ですから、これはそういう意味では結構真面目にPCR検査を回すようにしていて、それをしないと恐らく感染防御ができないだろうというふうに見ているからであります。
ですから、まだまだ緊張感が続くわけでありますが、いずれは陽性患者も出てこられるとは思うのですが、そういうことを早く見つけて、早く対策を打って、それで感染の山が大きくならないように、今、隣の兵庫県などは大騒ぎになっていますけれども、そういうことにならないようにするのが肝心でありまして、初動だと思っております。そういう意味で、PCR検査はしっかりと進めていきたいというふうに思います。
また、ベッドの話で、先般、共同通信系で出されていた外来1,900人という試算がありました。本県はもともとは12床でありますが、これに約100床ぐらい、そういう4つの感染症の病院でフロア開放していただくなどをして協力を仰ぐことにし、そのほかにも協力病院のほうで100床ぐらい用意していただけるということで、現在のところは200床確保しています。もちろんこれは、今後も状況に応じてふやせる可能性を我々としては今探っているところであります。
これはどうかということを疑問に思われることはあると思うのですけれども、現状今、本県は発生していない。ですから、1床も使っていない状態であります。ではこれだけ2,000床近いものが本当に出てくるかどうか、これは感染のこの図、新型インフルのときにもこれだったのですけれども、こうならないように、こういうふうに下げていく。そうすると、その病床の数というのは減るわけですね、そこの努力がどれほどできるかというのが恐らく大切です。
実は対策のステージというのがありまして、今は初期対応、県内発生でありません。この後、県内発生初期になります。そのときには一件一件PCR検査ももちろんやって、それで疫学調査をやって経路を分析して、会った患者のところは全部潰していって、これ以上感染が広がらないようにすると、できる限りはこれをやっていきたいわけです。ところが、このたびWHOがパンデミックと宣言をしました。いわゆるパンデミック期というようなことになってきますと、日本はまだ大丈夫ですが、海外などはもう負えなくなります。誰がどこでうつったかわかりませんので、それを調べている暇があるのだったら治すほうを考えなければいけないと。こういうようにパンデミック期のような段階になってきた場合には、これは通常、軽症と見込まれる方々について自宅で療養していただくとか外来でやるとか、そのための体制を整えるために院内感染対策をしたりして、我々のほうでは受けていくと、こういうように移っていくのですね。ですから、病床の需要が実はぐっと今度下がるステージがあるのです。ですから、そこは今、ではこの200床で絶対足りないかというと、そこはオペレーションの問題にあとはなるのだと思うのです。
今回、厚生労働省がこの試算を全国で出したことの趣旨が、現場感覚では正直わからないと思います。これで本当にでは2,000床用意しようということで全国がやり始めたということになった場合に、多分医療現場は大混乱するだろうと思います。今、単に入院の病床をつくればいいということではなくて、防御体制がしっかりとしたベッドをつくらないと、これは院内感染になって、その病院は使えなくなってしまいますから、広げればいいというものではないということであります。今、非常に難しいオペレーションを私どももやっていることを御理解いただければと思います。
次に、製造業のお声についてお話がございました。
これにつきましては、議員の御趣旨もよくわかるわけでございますが、多分御案内のように、私どもは実はどちらかというと製造業中心で補助体制等が組まれている県でございまして、製造業の皆様を取り残すということは絶対にないと思います。
そういう意味で、産業技術センターにおける一連の試験研究施設等々もそういうことで製造業仕様でつくってありますし、また、就職あっせんにつきましても当然ながら製造業の皆さんも対象になっております。本県からほぼ発祥したと言ってもいい未来人材育成基金、あれも製造業が最初に入られました。そういう意味で、奨学金の返済ということも免除される仕組みなどもあります。
特に本県の場合、企業の数からしますと、やはり製造業が多いというふうに考えられます。そういう意味でインターンシップであるとか、それから都会からやってくる就職のセミナーのバスであるとか、そういうものなども含めて本県としても重点的に対応させていただいております。
また、各機関でも人材育成に協力しようということで、最近では米子市日下の産業技術センターのほうでロボットハブというのをつくらせていただきまして、ロボットを活用して、それで製造工程というものを組み立てていくと、人材育成にも役立てると、こんなことの研究開発を技術センターのほうでも協力させていただいていたりしています。そういう意味で、やはり人材というのが製造業にとってなくてはならないものでありますので、ぜひ私どもとしても最大限力を振り絞っていきたいと思います。
このたび「とりふる」というアプリをつくらせていただきまして、今、高校生や大学生にそれをダウンロードしていただくようにお勧めをしておりますが、これも製造業を含めて御紹介をする窓口になろうかと思います。
次に、再検査の受診につきましてお尋ねがございました。
この再検率について議員のほうからもいみじくも御紹介がございましたが、本県の場合、所属長のほうで再検査の勧奨をさせていただく、これによって今は大体半分ぐらいまで再検診率が上がってきております。そういう意味では、いろいろ努力をしているということでありますが、決して威張れるものでもないだろうと思います。
特にがんなど、そういう重篤な病、せっかく検診を受けたのであれば、早期にその診断を確定して対策をとるのであれば早速治療に入るとか、そういうのが求められるわけでありまして、そういう意味ではまだまだ上を目指さなければいけないということだと思います。
今、健康づくりのアプリなども別途つくっていまして、こういうものをこれから広めようと、それを職場で対抗して競い合うようなことも始めようということを考えていたりしております。例えばこういうものでそういう再検ということも勧奨を入れていくというのも一つの手かなというふうに思います。いろいろちょっと試行錯誤でやってみて、私どものほかの職場でも使っていただけそうな例ができてきたら、それをまたお披露目をさせていただいて、他の企業さんなどにも使っていただければと思います。
また、実は企業さんのほうでもこうしたやはり再検査の勧奨ということをしっかりやっている会社さんもありまして、再検査率100%というような、そういう会社さんもあります。やはりそこは人材が大事でありますので、今、企業マインドも変わってきているのだろうというふうに思います。そうしたいいグッド・イグザンプルを共有していければと思います。
次に、氷河期世代の対策につきましてお尋ねがございました。
就職氷河期世代活躍支援都道府県プラットフォームのお話でございますが、本県では2月17日に私ども県も入りましてプラットフォームを形成し、そこには経済4団体であるとか連合さんだとか、それから労働局が主催者として入られて始めたところでございます。ぜひ、その実を上げていければというふうに思います。
御質問を伺っていて、もしかするとちょっと初動で少しトラブルといいますか、いろいろミスリードがあったのかもしれないのですけれども、結論から申し上げれば、正社員さんも対象にしていこうということで合意をしておりますので、そこは御心配なくいただければと思います。東京や大阪から不本意ながら就職している方というのは、やはり必ずいらっしゃると思います。それで正社員であるからといって、例えばふるさと鳥取での就職のチャンスというのを逃す道理はありませんし、実は私も宮崎会長とか経済界の方ともお話ししましたけれども、企業側も人材が欲しいものですから、いい人だったらとりたいというのが本音なので、そこのマッチングというのは双方にとってウイン・ウインの関係になります。ですから、ぜひそうしたことで運用をさせていただきたいと思いますし、この点は改めて厚労省サイドにも確認をとっていますので、問題ないと思います。
次に、産後ケアにつきましてお尋ねがございました。これについて保育士、教員と同じような、そういう体制づくりということが必要なのではないかと、こういうことでございます。
これにつきましては、議員のほうからも御評価をいただき、我々も結論から言えば、例えば国に対して、こういう産後ケアというものをもっと正面から捉えて、その職場の働き方等も含めた、そういう対策をとっていただきたいということも要望してまいりたいと思います。
産後鬱というのは結構ございまして、産後2週間目ぐらいで、やはり実に4分の1ぐらいの方が何らかそうした症状があると、こういうようなデータもあるそうでございます。本県、議員のほうからもたびたび御提起をいただきましたが、韓国だとか、そういうところと比べますと日本はまだこの分野はおくれている。そういう中、やわらかい風さんのようにパイオニアを導いていただいている方々もいらっしゃって、そういう御質問もいただきながら今全県に広げようとしていまして、大分受け皿はふえてきました。いろんな形があります。病院から転用していくものもございますし、あるいは助産師さんがかかわるようなものもあったりいろいろでございますが、いろんなバリエーションの中で受け皿はふえてきている。
そこに今、国のほうでは、この産後ケアというのを努力義務として市町村のほうに課すということになってきたタイミングを捉えて、この産後ケア事業の支援、その負担がゼロでも私どもは子育てを応援しようということで、市町村の賛同も得て進んできたところでございます。ぜひこの事業を成功させて、安心して子供さんを設けて、また育てることができる。特に母子の健康ということでも効果が上がるようになればというふうに念じています。
いろいろと条件のことや勤務の実態等、これは市町村の事業でありますので、市町村とも協議をさせていただいたり、実態もよくこれからも話を聞かせていただきながら、今の議員の問題意識に沿って、国のほうにもパイオニアとして要請すべきことは要請してまいりたいと思います。
次に、省エネ住宅につきましてお尋ねがございました。これをリフォーム等にも広げていけないだろうかと、こういうお尋ねでございます。
福浜県議からは、ヒートショックの問題などを捉えて、この家づくりという問題をクローズアップしていただきました。私どもも建築士の皆さんとともに研究をさせていただく中で、ヨーロッパがやっているような高い水準での省エネ住宅というのを本県は目指していこうと。これがCO2 の削減にもつながる、本県の責務、世界に対する責務を果たすことにもなるだろうと、こういうことで踏み切らせていただきました。
ことし1年いろいろ議論もさせていただいて、スマイル事業という県のほうの建築助成の事業と組み合わせて、かなりのメリットをつけさせていただき、促進策をとらせていただきました。これがもし通れば実際に使ってくれるかなということがあるわけでありますが、今、議会で議論をされていますが、実はそういう建築関係の方々とか、それから施主となられるような方々向けに説明会等もしてきているところでありますし、そういうところでアンケートもとらせていただきました。ちょっと意外だったのですが、大体8割方の人たちが建ててみたい、それからお客様にこれをぜひお勧めしたい、またはお勧めできると、こういうところでございまして、ともに8割ほどの支持がありました。やはりこういうものを地域は求めていたのかなということであります。確かにコストがちょっとかかりますので、何年かお住みになって、それを改修できるぐらいの補助金の助成をつけて、その辺の促進を図れればというふうに考えているところでございます。
それにつきまして早速リフォーム等の展開のお話があったのですが、ちょっと正直まずは定着をさせることをやりたいと思いますので、新築ベースでどれほど賛同を得られることになるのか、いろいろと御評価もあると思います。そういう中で、ではリフォーム展開とか、それから賃貸への拡大とか、その辺も将来的な課題として考えていければなというふうに思います。ちょっと実験的に今始めようとしておりまして、まずはこうした省エネ住宅の考え方を広げていくことが大切だと思っております。関係者とよくフィードバックをしていただきながら、今後の対応をとらせていただきたいと思います。
最後に、フリースクールにつきまして、先ほどに続きましてお尋ねがございました。
これにつきましては、子育て・人財局長のほうからお答えを申し上げたいと思います。
◯議長(藤縄喜和君)木本子育て・人財局長
◯子育て・人財局長(木本美喜君)フリースクール支援につきまして御答弁をさせていただきたいと思います。
県内にはさまざまな事情によりまして学校に通えない義務教育段階にある子供たちが、みずからの進路を主体的に捉えて学校復帰や社会自立できるように支援を行う施設として、市町村の設置する適応指導教室のほかに民間のフリースクール等の施設がございまして、各施設におきましてさまざまな活動を行っておられるところでございます。
本県では、フリースクールを不登校児童生徒がみずからの進路を主体的に捉え、学校復帰や社会的に自立を目指すために不可欠なものとして、平成26年度からフリースクールの経営安定のために運営費の支援を実施いたしまして、不登校児童生徒の多様な教育機会の確保を図っているところでございます。
その中で、支援対象の要件といたしまして、子供たちが適切な相談、指導を受けられるように、県教育委員会の定める不登校児童生徒を指導する民間施設のガイドラインに準拠すること等を求めているところでございます。
フリースクールに対します公費支出につきましては、先ほどのガイドラインに定まったものということで支援をしているところでございますが、一方で子供の居場所としてフリースクールを福祉的に捉えてはどうかということでございます。義務教育につきましても市町村が主体でございますし、また福祉的な子供の居場所、子供の福祉という観点でも市町村が主体ということになりますので、施設のほうからそういった申し出があるということであれば、市町村のほうとよく相談をして対応について検討してまいりたいというふうに思っております。
◯議長(藤縄喜和君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員の一般質問にお答えをいたします。
私のほうにも何点か御質問がございました。初めに、コロナ対策につきまして、子供たちの家の状況、家庭訪問等でどう把握して、どう対応するかといったお尋ねでございます。
お話のように、長きにわたっておりますので、かなり運動不足であったりストレスをためたり、そしてまた結構ゲームなどをする時間が長くなったりというような話も聞いておるところでございます。こういうことに対して学校によっては課題として、例えば縄跳びをやったりというようなことであったり、近いところの外に出て絵を描いたりというような、そうしたものを課題として出すような工夫をして対応をしておられるところもあるわけでございますが、基本的な考え方として、先ほども御答弁申し上げましたけれども、子供たちや保護者の方々への影響を少なくしていくという考え方をやはり基本に据えるべきだろうというふうに思っております。
この国難とも言える状況の中で、感染拡大防止としてやむなく休校という措置が余儀なくされておるわけでございます。実際のところ子供たちは年度末の恒例の行事であったり、あるいは日常生活を奪われるといった現状が生じておるわけでございまして、こうした中で子供たちの心身への影響、あるいは学習のおくれへの懸念といったことが日に日に大きくなってきている状況かというふうに思います。
一方では感染拡大防止というところ、これは十分気をつけないといけないわけでございますが、本県では幸いなことに感染者が確認されていない状況でございます。現段階、今だからこそできることというのがあるのではないかなというふうに思っておりまして、その取り組みの一つとして、早くから県独自に学年別などの分散登校という形をとってはどうかということで呼びかけをさせていただいているわけでございますが、現状、登校という形はとって健康観察などをしているのですけれども、例えば子供たちが話をしたり、あるいは実際に学習をしたり、そしてまた一緒に体を動かしたりといったようなところまでやっておられるような学校というのは本当に限られるところでございます。ぜひこの際、この取り組みを子供たちのために最大限活用をしていただきたいなというふうに思っておるところでございます。
これからどうなるかわかりませんけれども、子供たちの生活をできる限り休校前の日常に戻していく、そんな工夫も要るのではないかなというふうに思っております。改めて要請をするわけですけれども、このたびは私の名前で緊急メッセージという形で呼びかけをぜひさせていただきたいなというふうに思っておるところでございます。
続きまして、がん対策につきまして、精密検査の再検査に行く人が少ないというところへの対応ということでございます。
教育委員会は、先ほどお話ありましたけれども、半分ちょっとというこの再検査の率でございます。やはり忙しいということもあり、子供に対するところの仕事を優先的にするという先生方も多いわけでございますし、また、健康診断そのものは大体日にちが指定されて、その日に受けるわけですけれども、勝手に余り急がないよという形で、この再検査は自分で予約をして行くということになりますので、そうしたところでなかなか面倒さもあって率が上がってこないということがあります。
この健康診断、あるいは再検査というのは、一見個人のことと思われる部分もあるわけですが、教員が元気に働くこと、これが教育の質を高めて、ひいては子供たちのためになるというところをみんながやはり意識をしなければならないだろうというふうに思っております。そうした意味で、職場の中でも管理職を初めとして、この再検査を受けるという雰囲気づくりといいますか、風土づくりといいますか、そうしたところをしっかり進めていく必要があろうかというふうに思います。まずは前年度を必ず上回るといったようなところを目標としながら、これは粘り強く啓発を含めて進めていく必要がありまして、そうしたところに取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、エアコンの導入につきまして岡山県津山市の例を御紹介いただきました。ユニークな取り組みだなというふうに思います。以前、学校の中にICTの教育環境を整備するときに、光ファイバーをPTAの方が配線を手伝われてやられたのを少し思い出しましたけれども、そんなことに通じるような取り組みかなというふうに思っております。
これはもともとは学校管理を担当する市役所の、ここはできるだけ経費を節減したいという、そうしたところもあります。一方、地域の木材だとか人材を活用することで地域経済の活性化に貢献したいという地元の工務店の方がいらっしゃって、そこがうまく話が合ったということでこの取り組みが行われたというふうに伺っているところでございます。一つは、安く整備するという市役所側の狙いもある程度かなう、そしてまた子供たちの環境教育にも一つこれは役に立つ部分もあるのではないかなというふうに思っております。
そうした意味で、示されたデータというのはこれから検証が行われるというふうに聞いておりますので、そうした結果なども参考にして、この取り組みを今後本県でどのように取り組めるのか、少し研究をさせていただきたいというふうに思います。
最後に、何か飛びましたね。済みません、1つ飛ばしてしまいました。ものづくりの関係が答弁漏れになっております。
これはおっしゃるとおりだというふうに思います。早い段階から働きかけを行っていく必要があるというふうに思っておりまして、今は小学生のときから実は働きかけを行っている、そうした状況にあります。家庭教育の協力企業という制度を設けておりますが、そこで働いておられる保護者の方の仕事ぶりを見てもらうといったことであったり、あるいは工場見学という形で施設を見学させていただくような、そうしたところで協力をいただいておりますし、また教育委員会のほうでも親子でお仕事探検ツアーということを今年度から初めておるところでございます。
また、例えば東部地区の県立高校が連携をしてふるさと手づくり祭というものを開催し、小中学生を対象としてものづくりの楽しさを伝える体験講座というものを設けてやっておるところでございます。パレットなどを会場としてやっておりますが、非常に人気があって、各ブース、本当にいっぱいになるぐらい人が集まられますが、そうした取り組みをやっております。
また、民間も含めていろいろ関係機関等でもやっておられる中に、鳥取大学に以前、土井先生という方がおられましたが、そこでものづくり道場という取り組みをやっておられます。子供たちにものづくり体験を通して自立心や想像力を養う、そうしたまず指導者を育成して、その指導者を派遣して、PTAの活動であったり、あるいは地域の公民館であったり、そこに子供が集まってきて、ものづくりの道場、いろんな体験をするといったような取り組みであったり、あるいは鳥取県の職業能力開発協会の方々のものづくりマイスターという、そういう認定された熟練技能者に学校に来ていただいたり、あるいは逆にものづくり工場を見学するといったような取り組みも行っておるところでございます。こうした取り組みをいろんなところでやられておるわけでございますが、引き続きこのものづくりに小さい段階から興味を持つような取り組みというものも、教育委員会としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、プレゼン力を主軸に評価するような、そんな大会を開催してはということでございます。
今、各高校では探究ということに力を入れて取り組んでおりますが、そうした中でこのプレゼン力というものが非常に求められるということで、大体各学校の中ではこうした成果の発表会というものをやっておりますが、学校域を超えてというのは少ないという状況でございます。
ジュニアの共同研究大会みたいなもの、これはおっしゃるようなプレゼン力だけを評価軸とするものではないわけでございますが、そうしたところのスキルも含めた評価ということになっているわけでございまして、こうしたものが例えば何度かお話ししております全国の観光甲子園、そうしたところにあらわれてきている。あれはプレゼンと、自分たちでつくった3分間の映像も評価対象というようなことで、そうした取り組みも行ってきているわけでございます。
また、県の教育委員会でとっとり夢プロジェクトといいまして、これは学校教育に限りません。子供たちが何人かのグループで申し込んでもらってもいいのですけれども、自主的に考えて課題解決に向けて何かをやりたい、それには予算が要るということがあれば、このプロジェクトに応募していただいて、そこは2次試験の中でプレゼンをやってもらって、そこの中で補助対象者、あるいは補助金額、そうしたものを決めていくというようなこともやっております。こうしたことをさらにこのプレゼンというところに焦点を当ててやっていくのも一つの手かなというふうに思いますし、マイプロジェクトアワードという全国の取り組みがあります。これは今、鳥取県は中四国のグループの中に入っていますけれども、お隣の島根県は島根県だけでこの代表を決めるということをやっておられます。鳥取県も、できればこうしたところで鳥取県代表を決めるというようなやり方もあるのかなというふうに思います。いろいろ取り組みを検討してみたいと考えております。
◯議長(藤縄喜和君)4番福浜議員
◯4番(福浜隆宏君)知事、教育長、本当に丁寧な御答弁ありがとうございました。
総括になるのかもしれませんが、PCR検査がそんなに大変だというのを先ほど初めてその実態についてお聞きして、本当に医療関係の方、頭が下がる思いでいっぱいです。本当に自分の我が身を削ってという思いなのだろうなと。他県でああやって医療機関での院内感染などが出たら、私なども中央病院で医療従事者の方がもし感染していたら、もしあそこが閉鎖になってしまったらどうなるのだろうというふうに危惧しているところもあるのですが、本当に最前線で今まさに闘っていらっしゃる方々に改めて敬意を表したいと思いますし、本当にすごいことをしていただいているなというふうに心から感謝を申し上げたいという思いで先ほどの知事の御答弁を聞かせてもらいました。
るるこれから追及もあるのですけれども、まずプレゼン力向上については検討したいということで、ありがとうございます。
フリースクールについても、これも福祉的な要素という居場所という観点で、市町村のほうとちょっと話し合ってみたいということで、これも了としたいと思います。
産後ケアについても、現場確認をした上で国に要望をしたいという知事の御答弁がありました。ありがたい話でございます。ぜひよろしくお願いします。
就職氷河期世代、私のほうも勘違いをしていたのかもしれませんが、正社員も対象にしているということで安心しました。本当にいろんな優秀な人材がくすぶっている、それがふるさとに帰ってきてくれる、あるいは鳥取県に新たな魅力を感じてもらって、鳥取県を一緒に盛り上げて未来を切り開いてもらえる、そんなチャンスにぜひしていただきたいというふうに思います。
再受診率の向上についても、先ほど、健康づくりアプリとかを上手に使ったり、あるいは民間のほうが100%やっていらっしゃるというのにちょっとびっくりしたのですけれども、そういうノウハウを共有しながらさらに上げていきたいという御答弁がありましたので、ぜひ進めていただきたいと思います。
新型コロナの追及はちょっと後回しにさせていただいて、その再検査の受診率向上から追及させてください。
がんの死亡数、女性のトップ、男性の3位は大腸がんです。国立がん研究センターによりますと、再検査に行かない人、実はこの大腸がんの疑いがありというふうに判定された人が図抜けて多いことが問題視されています。大腸がんの一次検査といいますと、皆さんよく御存じで、小学校のときもやりました検便、血がまじっているかどうかというのが判定基準になっているのですが、男性の場合はどうせ痔だろうとか、女性の場合はストレスとか生理が原因というふうに勘違いして行かない。ところが実際は、痔であることで陽性になる割合はわずか2%しかないのだそうです。
国立がん研究センターでは、こうした正常性バイアスを突き崩そうと、男性、女性別に大腸がんの再検査を勧めるリーフレットを作成してホームページで公開しています。県や市町村のほうでもかなり認識は深まっていると思うのですけれども、まだまだこれを積極活用していないところもあるというふうに聞いています。ぜひ積極活用のほうを御検討いただき、県民のほうに伝わるように知事にお尋ねしたいと思います。
また、省エネ、校舎断熱関連なのですが、全くちょっとずれますけれども、小中学校にエアコンが整備されましたけれども、このエアコンのスイッチを入れるという基準ですね、県立学校の場合は暑さ指数をもとに基準にされていますが、市町村教育委員会のほうは室温とか温度だけでスイッチを入れるかどうかというふうにされているところが大半だと聞いています。やはり熱中症予防の関係からも暑さ指数のほうが、湿度も、それから遮熱も入ったもののほうがより子供たちには適切だと思います。そういう呼びかけをぜひしていただきたいと思うのですが、知事、そして教育長、それぞれ御答弁をお願いします。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜議員から重ねてお尋ねがございました。
確かに大腸がんは、ちょっとほかの身近なことと取り違えることもあって、素人飲み込みで大丈夫だろうというふうになりがちでありますが、実は今非常にふえていますし、死亡の率としてもカウントの高いところでございます。
検査をするとなると、大量に水分を飲んで結構つらい思いをしながら内視鏡検査をするということになるので、やはりどうしても抵抗感もあるのかもしれません。ただ、私自身も義理の弟が40代で大腸がんで死にましたけれども、やはり最初に自分で早く治療を受けていればよかったのになということを我々家族は繰り言のように申し上げるわけでございます。やはりそうした意味で早目の再受診、これが重要であります。
先般、今年度に入って「ためしてガッテン」とか、ああいうNHKの番組のころに、これは国立のがんセンター等、そうした再受診勧奨といいますか、そういうお手紙等のいろんな実証的な事業をされまして、その後、結構受診率が上がったり、それから私どものところでもそういう取り組みをいろいろとされているところもあって、いろいろ実験もしているのですけれども、最初に検査結果を出すときに、そこにパンフレットをつけて、大腸がんというのはこういうもので、ぜひ受診してくださいというようなこと、そして、その後、実はフォローアップをして電話をかけるようにするとか、そういう再検診の勧奨事業ということをやりますとやはり上がってくるのですね。こういうのを今実は東部のほうでやっていたのですけれども、これをまた令和2年度は全県展開をしていくようなことを予算も含めて今考えているところでございまして、これから命を守ることに今の貴重な御提言をつなげていければと思います。
◯議長(藤縄喜和君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員から重ねて、小中学校のエアコンの稼働基準につきましてお尋ねがございました。
これは国のほうで基準というものがもともと定められておりまして、一つは温度でございます。17度以上28度以下ということでございますが、これに加えて温度のみで判断せずに、その他の環境条件、あるいは児童生徒の健康状態を観察した上で判断という、そうした文言もついておるわけでございます。
県のほうでは令和元年度、本年度から暑さ指数というものを、ここの文言に相当する部分の判断として設けることといたしておりまして、この県の取り組みをぜひ市町村のほうにも紹介してまいりたいというふうに思っております。
◯議長(藤縄喜和君)4番福浜議員
◯4番(福浜隆宏君)続いて、足元を見詰めて、ものづくりメーカーを支える人材育成について追及でお尋ねします。
鳥取大学、環境大学とも県外学生が8割、この1割が卒業後、鳥取に残ってくれています。さまざまな学外での活動を通じて、地域との間で顔が見える関係性、鳥取に愛着を持ってくれた学生が残る率が随分高いのだそうです。
こうした関係性を築く一環もあり、県では全国でも数例しかない長期の有償インターンシップ制度を創設しています。企業は賃金を払い、学生は賃金を受け取る。その責任と緊張関係の中で、企業は学生に対して短期のインターンシップではできない業務を任せ、また学生は企業の思いに全力で応えようとやりがいを感じ、自分が必要とされていると実感してそこに愛着が生まれる、これが長期有償インターンシップの持ち味、特徴です。
昨年度は鳥大、環境大学、2つの大学とも取り組む学生がいたのですが、ところが今年度、環境大の学生が1人もいなかったと聞きました。私は、カリキュラムに一つの要因があるのではないかと思います。長期有償インターンシップがカリキュラムにしっかり組み込まれていないため、単位認定はあるのですが、学生は夏休みとか春休みにしか取り組めていません。長期休みはそれこそ地域のさまざまないろんな活動を通して、地域の方と絡んでもらったほうがいいと思います。知事の所見をお尋ねします。
また、教育長にもお尋ねします。地元のものづくり企業、このままいくと存続が危ういのだという、そのストレートなメッセージがもっと小学生、中学生に伝わらないかなと。例えばイラストとか漫画を使って、地域のものづくりの社長さんはこんなに困っているのだよというのが子供たちの感性に響くような、そこで興味を持つような、そんな工夫を、工業高校に限らず、商業、いろんな専門高校で、地元のそういう企業とタイアップをして、何か新しい仕掛けをぜひ考えていただきたいと思いますが、この点、お尋ねします。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から重ねてお尋ねがございました。
長期有償型のインターンシップ、例えば流通さんとかラークコーポレーションさんとか、積極的に使っていただいていまして、学生の皆さんにもその企業、あるいは働くことの意味、さまざまな技術や人との出会いが好評でありますし、正直アルバイト感覚的に、有償ということもございますので、いい事業として定着していただきたいなと思うのですが、実は今、インターンシップは物すごく数を伸ばしてきました。全体で中小企業中央会の御協力もいただいて、アピールをして鳥取大学や環境大学も含めて多くの学生さんに来ていただくようになりまして、毎年最高の数を更新中なのですけれども、圧倒的にやはり長期有償のほうはちょっと伸びないところがあります。
議員がおっしゃるように、いろいろと隘路があるのかなと思いますので、また今後、改善できる点がないのかを当事者の学生の皆さんとか、それから大学当局とも相談をしていければなというふうに思います。
今でも実は一応単位にはなるというふうに鳥大も環境大もしてくださっていますので、そういう意味ではやれば得だということもあるのですが、どうもやはり短い、ちょっとかじりながらというインターンシップのほうが学生さんのお好みのような感じもいたします。やはり長いことというと、よほどそこにほれ込んだ企業さんであればあれですけれども、そうではなくてということになりますと、短期のインターンシップでいろいろと試してみるというほうが学生のマインドにどうも合っているのかもしれません。
ですから、長期有償インターンシップを活用していただく方をぜひ広げていきたいと思いますし、改善も図っていきたい。特にどういう企業さんに参加していただくかで、そのいわばインターンシップの受け方も変わってきますので、意欲のある企業さんで参加していただくようにまた働きかけていきたいと思いますし、また短期のものも含めて、やはりこういう地元企業との出会いのチャンスというのを私どもも、COC+は終わりますが、その後継事業の中で展開も図ってまいりたいと思います。
◯議長(藤縄喜和君)山本教育長
◯教育委員会教育長(山本仁志君)福浜議員から重ねてものづくりの危機感を伝えるようなリーフレットをということでございました。
今、工業高校などではそうした危機感というよりは、むしろ魅力だとか働きがいということになろうかと思いますが、そこに実際に就職した先輩のメッセージをリーフレットの中に盛り込むというような工夫をされておるところでございます。
今、ちょうど小中学生に向けた産業教育の紹介パンフレットというものを今回の議案の中にも含めさせていただいております。そうしたパンフレットの伝え方を、イラストを使ったり漫画を使ったりという形で、わかりやすく伝わるような形でこの取り組みができればというふうに考えております。
◯議長(藤縄喜和君)4番福浜議員
◯4番(福浜隆宏君)では、新型コロナの追及に移らせていただきますが、先ほど教育長のほうから、分散登校を教育長のお名前で緊急メッセージとして出すというのは、非常に市町村教育委員会のほうも、まさに県の動きをかなり待っていらっしゃるところもあると思いますので、早急にしっかりとお願いをしたいと思います。それが子供たちに伝わると、子供たちのストレスというのが一番どうやったら解消できるのかというのを本当に皆さんは今、知恵を絞っていますので、ぜひお願いします。
マスク関連なのですが、先日、知事の御答弁にもありましたように、鳥取市用瀬町では、かつてのマスクメーカー工場で当時の機器を使ってマスクの製造を復活しました。本当にうれしい限りです。ただ、注目したいのは、なぜこのマスクメーカーが倒産してしまったのか。
10年前、新型インフルエンザが蔓延して、国内でおよそ2,000万人が感染したとき、このマスクメーカーは99%ウイルスを遮断するとして全国の注目を集め、それはもう飛ぶように売れました。私も取材に行ったことを思い出します。しかし、感染がおさまると、今度はマスクの在庫がだぶついて、結局は倒産してしまったわけです。国内のマスクメーカーも同じような歩みをたどり、気がつけば中国製に頼らざるを得なくなった。今回その中国で製造がストップ、それが今のマスク不足の大きな要因となっています。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、仮に今回の新型コロナがおさまって、市場経済に任せたままではまた同じことが繰り返されます。今のマスク不足、誰もが困っています。行政が買い上げて万が一に備える、医療機関だけではなくて県民に配る、私は大多数の県民が賛同すると思います。
話はかわりますが、今回のトイレットペーパー騒ぎ、国内に在庫があるのに、なぜか鳥取県内には届かない状態が長らく続きました。原因は流通面。先日、トラックの運転手不足が影響したとの報道がありました。国内で100%製造していても、これが日本の実態なのです。将来的なウイルス発生、さらには国内流通の実態を鑑みれば、距離的に近いところにあるメーカーを、この先も持続可能にする手だて、中国5県、あるいは関西広域など、バックボーンを広げていってでもブロックで考える。それでも在庫がだぶつけば、衛生状態の悪い海外への緊急支援に回す、そこまで考えて何らかの措置をとってほしいと思います。知事に最後にお尋ねして、質問を終わります。
◯議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。
平井知事
◯知事(平井伸治君)(登壇)福浜県議から、重ねてのお尋ねがございました。
このたび、大志さんという会社さんが、かつて用瀬電機さん、モチガセという社名もございましたが、そちらのほうを引き継がれた形でマスク生産を再開されるということになりました。
私自身も会社のほうを訪ねさせていただきましたけれども、福浜議員と全く同じ思い出を持っていたものであります。私自身も当時、新型インフルのときに実は企業支援という意味がありまして、県庁を挙げて共同購入をしたのですね。それでちょっと高目のマスクではあるのですが、99%ウイルス除去をするということで爆発的に売れていたものでありまして、私も買った途端に新型インフルエンザの流行がとまってしまって、在庫を抱えたまま今日に至っているのですけれども、そういうような形で当時も活用させていただきました。
そのマスク製造のモチガセさんがどうしてこういうことかというと、実はいろいろと分析しなければいけないのは当時の経済状況の動向がございまして、もともとは大手電機メーカーさんの関連企業さんでいらっしゃって、それでこういう巻き線をつくっておられると。ただ、これがいろいろとバブル崩壊後、親会社といいますか、その発注元のほうも大分業態がどんどん変わってきますし、正直、白物家電みたいなものが売れにくくなる。そうなりますと、実は非常に売り上げ上、困難を抱えるようになります。そのときにばいじんを減らす技術のほうで新しいビジネスの活路を開こうとされて、さまざまな関係企業をつくったり技術開発をされると。そういう中で、覚えておられると思いますが、ドロマイトという天然の鉱石を活用した、そういうウイルス除去に役立つようなものを使ったマスクにたどり着くということになったわけです。
たまたまそのときに新型インフルエンザがということがありまして、今の状況に似ているのですが、全国にマスクがないといって、とにかくマスクを求めて大行列ができると。そんな騒ぎの中で、鳥取でモチガセさんがそうしたバリエールというマスクを製造して販売する。これがまたニュースにも大分出まして、相当あの当時売れたわけでありますが、結局流行が終わってしまうと、そこで終わってしまうということになります。
会社の御事情としては、前々からのこういう電機部品関連という流れの中でやむを得ずというのが正直なところではないかなと我々は思っているのですが、私どももいろいろと、その電機の部品の時代から応援もさせていただいたこともございますが、残念な状況でありました。
でも、今回、大志の谷口社長とお話をしていたのですが、当時の社長さんとか、それから当時のスタッフの方々が燃えるわけですね。ようやくあのとき、実は手つかずのまま材料を置きっ放しにしているわけです。これをそのままあとは組み合わせていけばマスクはできるぞと、もう一回役に立ちたいということで名乗りを上げたのが今回ということでございました。ぜひ国難とも言える事態でありますので、私どもも応援をしていきたいと思います。
産業応援の資金もございます。そういう補助制度で応援することもできるでしょう。場合によっては、国が今、マスク製造について中小企業ですと4分の3助成というのをやっているのですね。そういうのが適用できればいいのですけれども、これまた国は結構要件が難しくて当たらないのかもしれないのですけれども、ただ、これもチャレンジしてみる。少なくとも県のほうでの、そういう製造ラインの問題もございましたので、我々も応援をさせていただこうということで話をさせていただいているところです。
議員のほうで御不安を持っておられるのは、在庫をまた抱えてしまうのではないかということでありますが、今回は安倍総理が2月の末に、皆さんも見ておられたかもしれませんが、ニュースとかでいろいろとおっしゃっていましたけれども、マスクはとにかく増産をかけると、それで余ったマスクがあれば、それは国が備蓄で買うのだと、こういうようにおっしゃっています。要は、そういう意味では今回は、最後は国のほうでそうした備蓄で引き受けるというような決意もあるようでございますから、その辺を最終的には我々も一つの担保にとれるかなと思っています。
また、マスクが今非常に枯渇をしていまして、本県も例えば京都市さんだとか、それから神奈川県さんのほうに融通させていただいたというようなこともございました。中国地方や、あるいは私どもの関西とか、そうしたところでの相互応援のこともこれからもいろいろとやっていくことになろうかと思います。
いずれにいたしましても、有効な活用などもいろいろと模索もしながら、そして国のほうの買い取りというお話も我々も確かめながら、せっかく地元の経営資源が生まれようとしていますので、私どもも応援をしてまいりたいと思います。
◯議長(藤縄喜和君)本日の議事日程は全て終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後4時24分散会
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