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  1. 鳥取県議会 2018-09-01
    平成30年9月定例会(第2号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(稲田寿久君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する代表質問であります。  これより、代表質問を行っていただきます。  28番斉木正一議員 ◯28番(斉木正一君)(登壇、拍手)おはようございます。鳥取県議会自由民主党の斉木正一でございます。  私自身、久方ぶりの代表質問でございまして、このような機会をつくっていただきました我が会派の同僚議員に感謝を申し上げます。ありがとうございます。  本日は、傍聴される皆さん方、早朝から大変御苦労さまでございます。よろしくお願いをいたします。  きょうは彼岸の入り、暑さ寒さも彼岸までとはよく言われたものでございまして、つい今月初めごろまで続いたことしの夏の暑さは異常高温の連続でありました。その上、7月初めに襲った波状的豪雨は、中四国地方を初め近畿、岐阜までの各地に甚大な被害をもたらし、平成最悪の豪雨被害となりました。さらに、関西空港などを激烈な風雨で機能不全にした台風21号の襲来、そして9月6日発災の北海道胆振東部地震と、まさに日本列島では大規模な自然災害が相次ぎました。亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。全てにおいて想定外と言わない備えが必要であることを痛感いたしました。  平井知事は鳥取県のために日ごろ大活躍されていますが、このたび8月下旬に全国知事会全米知事会との交流会議が23年ぶりに東京で開催されました。会議の再開を主導された平井知事は、日米知事交流の深化に期待し、アポロ11号のアームストロング船長は、「一人の人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な飛躍だ」と表現した、私たちは今、月面に着陸したところだと締めくくりの挨拶をされたと伺っています。日米双方で地域を重視した地方政府による動きが始まりました。  平井知事は、鳥取県のため、日米のために、互いに発展するよう八面六臂の活躍であります。これから先もさらなる活躍を期待申し上げて、質問に入りたいと思います。  まず初めは、平井県政3期目の総括と今後の課題についてであります。  平井知事は「人を元気に」「産業を元気に」「まちを元気に」「改革と絆で元気に」の4つの柱のもと、70項目から成る鳥取元気プロジェクトをマニフェストに掲げ、平成27年4月の選挙戦を全国トップの得票率で勝利されました。多くの県民がそれまでの2期8年の県政運営を高く評価し、3期目に大きな期待を寄せた結果であります。3期目スタート後の同年10月には、鳥取県元気づくり総合戦略を策定し、以降、施策の進捗状況や新たに生じた行政課題に対応するため、毎年度改定を重ねています。  昨年度までの取り組み状況について、既に達成または順調が97.3%に上ると自己評価しておられ、KPIを9項目上方修正するなど、着実に成果が上がっているものと理解しています。これまでの県政を逐一振り返ることはこの場ではいたしませんが、行財政改革を初め企業誘致、雇用の確保、観光振興、移住定住、子育て環境の充実など、さまざまな分野で全国的なモデルケースとなった先進的な施策を積極果敢に展開し、県民の皆様からの大きな期待にしっかりと応えておられると評価をしています。  しかしながら、依然課題は残っております。例えば国立社会保障人口問題研究所が公表した人口推計によると、2045年の本県の人口は約44万9,000人と危機的な予測がなされており、歯どめがかからない人口減少への対策にさらに注力する必要があります。地方創生の原点は、人口減少の流れを食いとめて、若年人口、生産年齢人口をふやし、バランスのとれた地域社会を構築することであると考えます。  平井知事におかれましては、全力で走ってこられたこの3年半にわたる地方創生の取り組みをどのように総括し、残り半年間の課題をどのように捉えておられるのかお伺いをいたします。  また、折しも本日は、我が自由民主党総裁選挙の投開票日であります。本県選出の石破茂代議士と安倍晋三総裁との一騎打ちで選挙戦が繰り広げられました。事実上、我が国のこれからのリーダーが選出される重要な一日でありますが、知事御自身も鳥取県のリーダーとしての総括を踏まえ、4期目に対してどのような心境でおられるのか、その胸のうちをお聞かせいただきたいと思います。  次に、参議院議員選挙の合区解消に向けた取り組みについてであります。  平成28年7月の第24回参議院議員通常選挙から2年余りが経過しました。この選挙では史上初めて、鳥取・島根、徳島・高知の4県で合区が導入された結果、鳥取県内では過去最低の投票率となり、無効票が前回の1.5倍となる約1万1,000票に増加するなど、有権者の意識と関心が大きく低下し、結果的に、本県に地盤を置く議員を全国で唯一送り出せない事態になったことは御承知のとおりであります。  以来、この2年余りの間、合区制度の解消を目指して、対象4県を中心にさまざまな取り組みが進められてきました。平井知事のリーダーシップのもと、全国知事会を初め地方六団体でもたび重ねて国に要望活動を行うなど、強く是正を働きかけてきたところです。
     しかしながら、去る7月19日に、定数の6増と比例代表の一部に拘束名簿式の特定枠を導入する改正公職選挙法が成立し、来年夏の参院選では引き続き合区が存続することになりました。合区に対する地方と都市部の温度差や時間的制約がある中、緊急避難的な措置としてやむを得ないものであると一定の理解と評価をすべきでありますが、今回の法改正によって合区が固定化するようなことがあってはなりません。  参議院は、その創設当時から一貫して都道府県単位で代表を選出し、それぞれの地方の実情を国政に届けるという非常に重い役割を果たしてきました。このまま合区が存続すれば、いずれ全国の人口少数県に合区が広がり、国の政策決定が大都市優先となり、地方切り捨てにつながってしまうことを強く危惧するものであります。憲法改正を視野に入れた抜本的な選挙制度改革を行い、4年後の参議院選挙では合区が解消されるよう、引き続き国民的議論を喚起しながら取り組みを進めていくべきですし、鳥取県がその先頭に立って旗を振り続ける必要があると思いますが、知事の所見をお聞かせください。  次に、大規模自然災害に強い県づくりに向けてであります。  そのうち1番目として、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興と教訓についてであります。  平成30年7月豪雨は、広島県、岡山県、愛媛県を中心に西日本各地で大きな爪跡を残し、220名余りの方々が亡くなられる平成最悪の豪雨災害となりました。  本県もこの豪雨災害で大きな被害を受けました。県が発表した被害情報によると、公共土木施設が356カ所、111億1,700万円、農地、農作物、林道など27億800万円に上るとのことであります。一日も早い完全復旧が待ち望まれるとともに、この災害から学ぶべき教訓をしっかり受けとめ、今後の対策に生かす必要があります。  県では、発災後間もない7月12日に県管理の道路や河川の応急復旧、農地・農業用施設の復旧、風評被害払拭に向けた観光誘客促進など、総額18億2,300万円の補正予算を専決処分されました。この日の県議会代表者会議で知事は、今回の補正は当面の応急対策であり、9月議会までのつなぎの予算である旨を発言されています。このたび提案された9月補正予算案には、豪雨対策関係として総額123億円が盛り込まれていますが、復旧・復興の見通し、さらにはこの災害から学ぶべき教訓をどのように捉えているのか、知事の所見を伺います。  今回の豪雨では、県内で初めて大雨特別警報が発表されました。この特別警報は、これまでにない危険が迫っており、命を守るための行動を呼びかけるものです。県内の各市町では、避難準備、避難勧告、避難指示が発令されましたが、住民の方々からは、それぞれの違いがよくわからない、雨音で屋外の放送が聞こえなかったなどの声を聞きます。県内では約20万人を対象に避難指示が出されましたが、実際に避難したのは約2,100人と、1%にとどまりました。甚大な被害があった倉敷市真備町地区では、9割の方が住宅内でお亡くなりになったとの報道もありました。住民の危機意識をどうやって高めていくのかが大きな課題となっています。  県では、災害を受けて安全・避難対策のあり方研究会を立ち上げ、年内を目途に避難情報の伝達のあり方や早期避難のための体制づくりについて取りまとめを行っていますが、課題や今後の方向性について知事にお尋ねをします。  また、県警察におかれましては、被災地に応援部隊を派遣し、懸命の救助活動を行ってこられました。今後も、豪雨災害に限らず地震災害などについても大規模な被害を想定した対策が求められますが、警察における対策の状況と今後の取り組みの方向性について、警察本部長にお尋ねをします。  2番目として、今夏の記録的猛暑の教訓についてであります。  ことしの夏は、気象庁が、これまでに経験したことのない命の危険がある暑さ、一つの災害と認識していると記者会見でコメントするほどの記録的な猛暑が続きました。報道によりますと、エアコンの設置、買いかえが追いつかなかったり、野菜の卸売価格が軒並み高どまるなど、家庭、家計にとっても厳しい夏となりました。  本県では、従来の熱中症警報に加え、異常高温・熱中症厳重警戒期間を新設し、7月25日から8月10日まで適用したところであります。また、本年4月30日以降8月末までの県内での熱中症による救急搬送は575人に上り、これまでの統計を大きく上回っています。災害レベルの猛暑を前に何よりも優先されるのは、命を守ることであるのは言うまでもありません。特に高齢者や子供など、体温調整機能が弱い、いわゆる熱中症弱者とされる方々への注意が必要です。県では県民に、不要不急な外出を控えること、小まめな水分補給を呼びかけることなどの周知を行ってこられたと承知していますが、今夏の経験をもとに県民の命を守るための対策を部局横断的に検証し、来夏に向けた必要な対応を取りまとめるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。  また、学校現場での取り組みも非常に重要です。学校での教育活動中や高校野球等各種大会開催中に救急搬送された事例が数多くあったと仄聞しています。屋外での活動の延期や中止、時間短縮等、現場の皆様には大変な御苦労があったことと思いますが、どのようなリスク管理がなされていたのか、その点検結果と総括を教育長に伺います。  3番目として、鳥取県中部地震からの福興であります。  この場合の「ふっこう」の「ふく」の字は幸福の「福」でありまして、原状回復を上回る復興という意味でございます。  来月、鳥取県中部地震の発災から2年を迎えます。県では復興本部事務局を設置し、被災市町や関係者と一体となって、復興、さらには原状回復を上回る福興に向けた取り組みを進めているところであります。  県が独自に設けた被災住宅の再建や修繕を支援する制度について、7月末までの申請状況を見ますと、住宅の損壊割合10%以上の世帯を対象とした被災者住宅再建支援補助金は対象世帯の98%、損壊割合1から9%の世帯を対象とした被災者住宅修繕支援補助金は対象世帯の99.9%が申請されているとのことでございます。この補助金の申請期限は10月末となっていますが、未申請の方への働きかけや最終的な見通しをどのように考えておられるのでしょうか。住宅は生活する上での基礎となるものであります。申請された方も含めて、被災された方々が福興に向けた歩みを進めることができるよう万全を期していただきたいと思いますが、知事の所見を伺います。  次に、県財政の現状と将来に向けた課題についてであります。  このほど本県の平成29年度一般会計決算の状況が明らかになりました。平成29年度は単年度収支でマイナス25億円、平成28年度はマイナス50億円でしたので、2年連続して大幅に単年度収支がマイナスとなっております。非常に重く受けとめなければならない問題であると危惧しています。  状況を簡単に申し上げますと、歳入については、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が大幅に減少したものの、国の経済対策による国庫補助金や県債などの収入が増加したことによって前年度を70億円上回りましたが、歳出は公債費や普通建設事業の増などにより前年度より106億円増加しており、歳入の増加分を大きく上回っています。大変厳しい状況であり、これまで以上に効率的な事業執行が必要となりますが、まず、この一般会計決算について知事の現状認識を伺います。  国においては、来年度の一般会計予算の概算要求が8月末で締め切られ、各省庁からの要求総額は5年連続で100兆円を突破しています。世界に類を見ない財政赤字を抱える我が国の財政状況にあって、社会保障費を初めとした歳出予算がさらに膨らむ中、地方交付税を中心とした地方への配分予算に厳しくメスを入れていこうとする国の姿勢はもはや明らかであり、来年度以降もその延長線上に物事が進められるのではないかと容易に予測ができます。このままの状態が続くと、本県の目指す地方創生の実現が困難となることを危惧します。  今後、年末にかけて財務省と各省庁との予算折衝が本格的に行われることになりますが、このたびの概算要求に対して本県はどのように来年度予算に反映していくおつもりでしょうか。極めて厳しい歳入を見込んだ上で、未来にしっかりと投資をする非常に困難な予算編成が見込まれます。来年4月には統一地方選挙を控えており、骨格予算をお考えかもしれませんが、来年度予算編成に向けた所見を知事にお伺いをいたします。  以上で最初の壇上からの質問を終わりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)28番斉木正一議員が行いました代表質問に対する答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木議員の代表質問にお答えを申し上げます。  今、まず季節、彼岸の入りだということであるとか、さらに日米フォーラムや災害のことにも触れられまして、私のほうにもエールを送っていただいたところでございます。  「雲去ればもののかげなくうす赤き夕日の山に秋風ぞ吹く」という若山牧水の歌がありますけれども、確かにそういう嵐の後、雲が去りまして、そんな穏やかな秋の日も最近は出てくるようになったかと思います。ただ、このような季節の移り変わりを見るにつけまして、ここ最近災害が大変続いていたことを改めて思い知る、そんなときでもあろうかと思います。  私たちは、ともにこの県政を担おうと、斉木議員が初当選されたころから私も鳥取県庁に奉職をさせていただきまして、一緒にこの県政をつくり上げてきた、そういうパートナーとして大変お世話になってまいりました。議員におかれましても、これからの御活躍をお祈り申し上げるところであります。  そういう中、日米フォーラムが開催をされました。今、国際情勢も移り行く中でございます。折しも昨日は南北首脳会談が行われたわけであります。これからアメリカがどういう出方をしてくるかということが注目をされており、日米間では日中の貿易摩擦、この余波が心配されますし、さらに自動車についての課税がどうなるのか、この辺も重要なところになってきております。  考えてみますと、私たちはともに地方自治を担っているわけでありますけれども、アメリカにおきましては我々の地方分権の母国のようなところでございます。そことサブナショナル、国レベルに準じた次のレベルでのしっかりとした交流を果たし、協力関係をつくろうと、パートナーシップをつくろうと、そういうように呼びかけて日米知事フォーラムが実現をしたところでございます。  議員のほうからもお話がございましたように、あのアポロ11号のアームストロング船長の言葉、「one small step for man,one giant leap for mankind.」という有名な言葉でありますけれども、これを引きまして、人間にとっては小さな一歩かもしれないけれども、人類にとっては巨大な跳躍、飛躍であるというように私も申し上げたところでありまして、アメリカの知事もそのことを深くうなずいておられました。ただ、ここに来てZOZOTOWNの社長が月に行くとか言っていまして、人類の一歩もまた小さくなるかもしれないわけでありますが、ともかくそんなわけで、私たちは新しい時代を地方のレベルで国際間でも協調して開くようになってきているというわけであります。  今、国家間の関係が不透明になる中、我々地方の果たす役割は、世界とのつながりの中でも重要になってきているのではないかなというふうに思うところであります。  そういう中で、これまで3年半の地方創生の取り組みをどういうふうに総括し、残り半年間の課題をどう捉えているのかということ、さらには、折しもきょうが総裁選挙の日でありますけれども、私自身4期目というステップに向けてはどのような心境なのかと、こういうお話をいただいたところでございます。  この3年半の任期、議員の皆様とともにさせていただきまして、ある程度着実な成果も出してこられたかなと思います。議員もおっしゃっておられましたけれども、私自身も、人を元気にしよう、まちを元気にしよう、また産業を元気にする、改革やきずなで元気にする、そうした中で70のチャレンジ目標をつくらせていただきました。そのうちの97%で大体めどが立ってきたり、既に達成済みというものが出てきております。これは私一人の成果ではなくて、皆さんとともにつくり上げることができた成果だと思っております。  例えば移住のことでも、昨年度は2,127名という移住者の数を数えることになりました。これはとても考えられない数字になってきておりまして、3年間で既に目標は達成して、今、上方修正をするというぐらいになってきているところであります。議員のおっしゃった人口減少の歯どめがかからないということにつきましても、これは厚労省の関係団体の人口問題研究所のほうが推計を置くわけでありますけれども、私どもの2040年の人口推計値、これが前回出した推計値よりも3万1,000人上がったわけです。7%ぐらい上昇したわけであります。これは全国から見ますと非常に卓抜した伸びということになります。ただ、それでもトレンドとしては人口減少はとまっておらないわけでありまして、それに今歯どめがかかりつつあるという状況を、例えば先ほど申し上げた移住のことでありますとか、そうしたことが評価されまして推計値も変わってきたということであります。  また、農業では764億円の生産額、V字回復ということになりました。これも関係者と大変喜び合ったものでありますが、今後はいずれ1,000億円を目指していこうと、そういうふうに意気も盛んになってきているところでございます。  そのほかにも、1人当たりの県民所得も225万円まで、これはまだ27年の数字でありますけれども、直近の数字がやや回復してきておりまして、今までの減少一辺倒からフェーズ、段階が変わり始めているということにもなってきました。この辺も中小企業の振興策として経営革新制度、これを積極的に導入をしたり、また、投資を呼び込むようなことをやってきたり、それから新規産業の目玉として医薬品や医療器材、さらには航空機産業など、手のかかるような、そういう企業を呼び込んできていることなども効果が出てきているのかもしれません。  現に昨日も城洋という会社が、鳥取市内の山手工業団地、こちらのほうに進出する地鎮祭をとり行ったところでありますが、ここも航空機産業に関連する部品製造にかかろうと、こんなような目標のもとに今回の基地、拠点開設を図ったところであります。4年前ぐらいにはちょっと考えられなかったような、そういう企業の顔ぶれも出始めているということでございます。  ただ、片方で新しい課題も生まれてきているわけであり、それが、一つは、議員が強調された災害への対処ということだと思っています。残り半年となりまして、我々もいよいよ最後に向けてラストスパートをかけなければならないところであります。そんな意味で、目標の成就、達成はもとよりのこと、特にこの間、この任期が始まる前に予想していなかったそうした災害対策、中部地震からの復興、これに完全な道筋をつけていきたい。あるいは今回の西日本豪雨対策、こうしたことにもこの半年間で一定の決着をつけるぐらい頑張っていく必要があります。また、将来に向けては、防災などの礎をつくっていかなければならないだろうと思っています。こんなようなことを、私たちとしても仕上げ段階として特に留意しなければいけないのではないかなというふうに思っているところであります。  そういう中、本日、自由民主党の総裁選挙ということでございますが、折しも昨日、公明党のほうでは山口那津男代表以外に選挙の届け出がございませんで、山口代表の続投が決まるということになりました。また、ついせんだっては、国民民主党のほうで玉木代表が選出をされるということになりました。こうやって、今、与野党を通じて新しい代表の姿、体制というものが次々に固まってきているところであり、きょうは、議員もおっしゃったとおり、総理の座に直結をするような自民党総裁選挙の大切な日ということであります。  やはり民主主義ということを我々は考えなければなりません。鳥取県は一番小さな県であります。だからこそ風通しのよいコミュニケーションを県民の皆様と一緒につくり上げていき、それでみんなで考えて、みんなで決めて、みんなで行動をする、こうしたことをしていく必要があります。いわば民主主義あるいは地方自治の原点を私たちはつくり得るのではないかというふうにも思っているところであります。  「the ultimate rulers」、つまり、究極のルールメーカーといいますか、支配者というのは、大統領でもなければ、上院議員でもなければ、下院議員でもなければ、ガバメントオフィシャル、政府職員でもない。それは私たちの有権者であると。これはフランクリン・ルーズベルトの言葉であります。我々はやはり常に謙虚でいなければならないわけでありまして、私たちは今ここで議場で話し合い、県の方針を決めていく、あるいは条例を制定する、予算を定める立場にございますけれども、私たちの実際のこの地域のリーダー、真のルーラー、支配者というのは、それは有権者であり、県民であるわけであります。ですから、それに対しては私は一番謙虚でなければならない、そういうように、自戒しながら今まで11年半、この県政を担ってきたわけであります。それは次の期についてどういうふうにするかということを考える上でも、この信条だけは曲げたくないというふうに思っております。  今現在の状況を申し上げれば、私どもは4年の任期の4年目の後半に入ろうとしているところでありまして、まだ前半の最後の段階であります。ですから県政を負託していただいた住民の皆様に対する礼儀からすれば、今、私たちは与えられた4年間の任期というものを全うし、きちんとした結果を出すことに全力を挙げるべきときではないかなと自分自身は思っているところであります。  したがいまして、先ほど申し上げました残る半年間で災害対策や防災対策、あるいは少子化対策や来年に向けた新しい地方自治、財政のあり方、こういうことなど、今年度のうちに仕上げておかなければならない、方針を出さなければならないことにまずは邁進をさせていただきたいと考えておりますし、正直いろんなその余のことを考える余裕もなく走り続けてきた感があります。  議員も平井はよく走るというようなことを先ほどおっしゃっていただいたわけでありますが、安室奈美恵さんの引退のいろんな思い出話なりが今さんざん報道されていますけれども、安室奈美恵さんの言葉で、おお、そうかなというふうに思ったのは、私は余り器用でないので、小さなことであっても目の前にある高いかたい壁にしてしまうということをおっしゃっておられたのですね。実は、多分そんな感性って自分も似ているのかなと思います。災害対策もそうでありますし、あるいは物産の売り込みであるとか観光キャンペーンであるとか、それから企業の呼び込み、あるいは地元企業の振興、それから福祉では、手話のことを初め、そういう障害者とともに生きるまちづくりであったり子育てであったり、その一つ一つのこと、小さな政策かもしれませんけれども、自分の感性からすると多分、必要以上に打ち込んでしまうところがあるのかもしれません。この課題を解決しようと思うと、全力投球をして厚い高い壁に自分自身考えてしまう、そういういわば癖があるのかなというふうに思っております。  ですから、私自身も県政を担ってきて、正直心身も限界かなと思うときも多々あるわけでございまして、そんな自分のことも少しは考えなければいけないのかもしれません。ただ、私自身は県政の道具である、県民の道具である、こういうように考えております。最終的には県民の皆様はどういうふうにお考えなのかということをお伺いしながら、例えば次の4年間、それを担うことが果たして自分に必要なのだろうかと、これは特に客観的に自分自身についても問い詰めてみたいと思っています。そういう時間がいましばらく必要かなというふうにも思っておりまして、結論から申し上げれば、きょう現在では白紙であるというところであります。  次に、参議院議員の選挙制度につきましてお尋ねがございました。憲法改正を視野に入れた選挙制度改革を行って、合区が解消されるようにすべきではないかと、こういうことであります。  これにつきまして、私自身も奮闘努力してきた分野でございまして、まず法律が通ったときに、全国知事会でも声を上げさせていただきました。また、その法律に基づいて合区選挙が行われ、結果として鳥取県から一人も代表者が選出されなかった。それを踏まえて全国知事会の場でもひときわ声を上げさせていただき、正直、神奈川県の知事だとかよその知事も、県から一人も代表が出ないわということで、うっとなりまして、決議に結びつけることができ、合区解消に向けた決議が調うこともございました。  そんなときも、当時の斉木議長が大変率直に相談に乗っていただきまして、議長みずから当時動いていただいたわけでありまして、今でも忘れられませんのは、我々が知事会で議決をした直後、平成28年8月だったと思いますが、御地元の米子のほうで中国5県の正副議長会議をされたわけでありますけれども、そのときこの合区問題というのが大切な問題だと、当時、斉木議長御自身も訴えられて、これを国への要望として取りまとめていただきました。  あの折、斉木議長とも時折お話もさせていただきましたけれども、結構、議長会の中にいろんな議論があって、簡単に全国一つにまとまるのもなかなか大変だというようなお話もございましたけれども、そこで力を発揮していただき、年を明けましたが、平成29年に入ってお正月のころにそうした合区解消に向けた決議を取りまとめていただきました。知事会が先頭を切らせていただきましたが、町村会だとか市長会だとか、地方六団体が最終的にはそろい踏みになるということになりました。ああいうような形で、斉木議員にも御尽力いただきまして一つムーブメントをつくることができたと思いますが、残念ながらこのたび成立した公職選挙法改正では合区解消には至らなかったところであり、御案内のように、憲法改正につきましてもその発議すらなされていないということであります。  実は現在、自民党総裁選挙が開催されていまして、きょうはその投票日でございますけれども、この際にも地元の石破候補は、憲法改正としてこの合区解消というのを重点的な課題として訴えられました。実は我々知事会の中でも話し合ってまいりまして、両候補に、憲法改正等も含めた合区解消という項目を我々として提案をし、賛否を問うたわけであります。こうした項目を知事会全体の中でも入れていただくように私も発言をさせていただきまして、飯泉徳島県知事が代表者で両陣営に持っていきました。先週その回答が寄せられたわけでございますけれども、その回答は両方とも賛成でございました。ですから、石破陣営はもちろんでありますけれども、安倍陣営のほうも賛成という回答を返してきたわけであります。これから、きょう総裁選挙が開かれる後、どういうリーダーが誕生するか興味があるところでありますけれども、いずれの候補が勝ったとしても、この問題については知事会には合区解消を約束したということだと我々は受けとめています。  ちなみに国民民主党さんも代表選挙が行われまして、そのときも同じ要請書を持っていっております。回答は求めておりませんでしたけれども、そのことは我々も意思表示をさせていただいたところであります。ぜひ今後とも、精力的にこの問題解消に向けてみんなで努力をしていきたいと思っております。  次に、災害からの復旧・復興につきまして何点かお尋ねがございました。まず、西日本豪雨について、復旧予算の編成に当たっての考え方や今後の見通し、それから、災害から学ぶべき教訓やいかんというお尋ねがございました。また、安全・避難対策のあり方研究会、これを創設したわけでありますが、今後の方向性はどうだろうかと、こういうお尋ねがあったところでございます。  本県も非常に大きな被害がございましたけれども、実は私ども、この豪雨を前に気象庁にも来ていただきまして、その雨の見通し、こうしたことについてお話を伺っていました。非常に多くの水蒸気が日本のほうに流れ込んできていること、それから、活発な雨雲の活動が予想されることから警戒が必要だというお話をいただいておりました。そしてその後、7月6日の午後7時40分になりまして、本県としては初めてになります大雨特別警報が発令をされたわけであります。これが若桜町、八頭町、智頭町、それから鳥取市の南部に発令をされました。その後、翌朝7月7日になりまして朝の6時半、早朝でありましたけれども、三朝町、それから南部町、伯耆町、それから江府町、日野町、日南町、鳥取市の北部に大雨特別警報が追加で発令をされました。  私どもとしては厳重な警戒をとりまして、事前にリエゾンといわれる県職員を張りつけておきましたし、特に大雨特別警報が出たものですから、土木等のわかる職員をあえて智頭町等に派遣をさせて、事前に対処させていただこうということをいたしました。それから、大雨特別警報が発令されてすぐに我々も緊急に集まりまして、市町村と結びながら対策本部を設置したところでございます。その際にも呼びかけさせていただいたわけでありますが、やはり命を守る行動をしっかりとやっていただきたいと、こういう呼びかけをさせていただきました。これに呼応して、例えば智頭町長さんも、平井があそこまで言うのだったらということだったと後におっしゃっていましたけれども、御自身もマイクをとられまして、町内全域に放送で呼びかけて避難をお願いしたということもございました。  こんなようなことで、備えながらではありましたけれども、とんでもない雨が降りまして、雨の量からしますと、実は岡山、広島あたりで降っているのと同じ雨雲がかかっていまして、山間部を中心に、やはり未曽有の状況でございました。そういう中、多くの被災箇所が発生をしまして、公共土木でも316カ所、111億円の被害になりましたし、農林水産被害も27億円と大きな額に上りました。このほかにも、交通が途絶しましたので観光関係が痛手を受けるとか、大きな経済的な影響にも及ぶということになりました。  こういう中、議員の皆様の格別の御了解を得まして、発災の直後に緊急に代表者会議を開いていただきまして、その場で私どものほうで専決の補正予算をお願いし、御了解を得ました。そのときに御議論を申し上げたわけでありますけれども、これは当座、秋の県会までのつなぎであると、まだこれから被害が広がるわけでありまして、もしそうなった場合にはぜひ御検討いただくかもしれない、それは先議ということも含めて追加でまた予算をお願いすることになるかもしれないというお願いもその日にさせていただいていたところでございます。そんなわけで、今回123億円の予算はあえて分けさせていただきまして、災害関係、西日本豪雨関係をできるだけ早く御審議いただきたいとお願いをしたところでございます。  今回の予算の中に取り込まれておりますのは、そういう公共土木施設災害の復旧・復興関係、それから農林水産業対策であります。林業なども、林道は作業道がございますけれども、それについて、基本的な枠組みについては専決補正予算のほうでもお願いをしておりましたけれども、ただ、非常に町の負担が大きくなると。そういうわけで、町の負担について県のほうから緩和できるように上乗せの補助率というのを設定させていただく、こんなようなことも含めて今回出させていただいております。  また、観光については、我々のほうで、あれ以来、中国地方の代表としても参りましたけれども、政府のほうに働きかけをし、観光風評被害対策、これは政府のほうでも発動してもらうことができました。本県でも2億円といったような宿泊のクーポンをいただけるということになりました。これはその後、実は政府のほうの方針変更がございまして、従来この事業は2県以上にまたがりまして宿泊をする場合に発動されるというものでありましたけれども、これを1つの県の中で2泊以上するということも対象とするように方針変更がなされました。これは関係県とも話し合いまして、明日の予約分から、10月1日以降の宿泊につきまして、同一県内での宿泊2泊以上というのも対象として加えることにさせていただこうということになりました。  また、今回は災害救助法の適用団体を中心に発動されていたのですが、私どももそうですが、中四国でいいますと徳島と香川が外れておりました。また観光風評被害ということでいえば、四国に行くお客さんが全体的になくなってしまっているということもありまして、この両県にも1億6,000万円相当、対象額を認めるということになりまして、これも含めて明日予約分から共同対処していこうということにさせていただきました。そのための予算が必要でございまして、今回追加でお願いをしているということでございます。そのほかにも、例えば清水川の排水機場の関係であるとか、さまざまな関連経費をお願いいたしております。  この災害の復旧の見通しはどうかというお尋ねでございますが、例えば道路関係でいうと、国や県の管理で通行どめにしたところが35カ所ございます。そのうちの29カ所については、全面通行どめが現在解消されております。残り6カ所につきましては、これは本格復旧の段階で開通させていただこうということにいたしました。実はこの6カ所は、民生といいますか、ふだんの生活にはかかわりのないところでございますので、中途半端に手を入れるよりも完全に直そうということであります。そういう意味で、災害の査定を国のほうでも急いでもらって作業に取りかかりたいということを申し上げておりましたが、今、相次いでこの9月に災害査定、農林水産省や国交省関係が入ってくるようになりました。そんなわけで、今回こうした対象事業につきまして、災害査定が終わればめどをつけることができますので、今回、本格復旧予算を入れさせていただいているということであります。このほかにも50カ所以上の林道関係につきまして、これも専決補正も含めて今対処中でございまして、追加の予算を入れればそうしたことにも対処できるようになります。こんなような予算をいろいろ今回入れておりますので、よろしく御審議いただければと思います。  教訓はいろいろとあったと思います。特に、私どもの県内もそうでありますが、岡山県真備町の状況であるとか、それから広島県内で目立った土砂崩落の状況、あるいはため池の災害等々、今回西日本を襲った豪雨、それは将来への手痛い教訓としなければなりません。  私どもはそれに向けて動こうということで、議員のほうからも御指摘がございました、平成30年7月豪雨を教訓とした安全・避難のあり方研究会を創設させていただきまして、鳥取大学の松見先生を初め有識者の皆さんや、こういう防災関係者の皆さん、それから市町村等も加わっていただき、さらに、これの一つの部会としてダムの放流等のあり方も含めた検討もチームでさせていただき、これには国だとか県だとかが入って今作業を進めているというところでございます。  先週の9月14日に、このあり方研究会、第2回目の会合を開催いたしました。そこでいろいろと意見の方向性が出てきたかなとも思えるのですけれども、一つは、ダムの取り扱いについては専門的な検討も交えながら、あり方も見直していくべきところは見直していきましょうと、こういうことになりましたし、それから、情報の理解を地域の人にしていただく、そういう啓発といいますか、PRも必要だろうと。例えば避難指示とか避難勧告だとか避難準備情報だとか、こういう言葉がございますけれども、これがどういう意味を持っているかというのはなかなかわかりにくいと。  それで、この研究会でも第1回で提言がありまして、さきの台風から我々も試行的に使っているのですけれども、避難勧告というのは、お年寄りとか避難が必要な方は避難を始めていただきたいというようなことであるとか、避難指示であれば皆さん避難してくださいということであるとか、少し言いかえをしながらアピールをしようということを今始めております。また、特別警報だとかハザード、どういうハザードであるか、こういうことについても十分な理解がまだできていないのではないか、これを県民の皆様にもしっかりと持っていただく必要があるだろうと。また、伝達の手段や方法等、タイミング等の問題もあります。  今回皆さんで検討していただいています、やはり空振りを恐れずに出すことをよしとしようと、そういう御意見の方向性が出ているところでありまして、さらにはエリアメール等も有効ではないかと、こういうこともございました。今回の特別警報に当たりましても、実はエリアメールを我々も発出をしまして、平井の名前で知事からの呼びかけという形をして、皆さん、命を守る行動を起こしてくださいと、こういう呼びかけをしました。結構ネットのほうでそれがちょっと反響がありまして、初めて平井からメールをもらったという、県民が驚いておられたというふうなこともあるのですけれども。そんなようなことで、やはりこういうことをやらないと届いていかないということがあるのではないか。  さらには、消防団であるとか自主防災組織であるとか、こうした皆さんにも協力をしていただいて的確に伝達をする、これをもっと考えていこうということ、さらに、行政が呼びかけるのを待つということだけでいいのだろうか。自助、共助でありますので、自助、共助ということをみずから危険を察知したら動いてもらう、それから、隣近所で助け合いながら避難所に行っていただく、こういうことを役所が迎えに来なくてもやる、当たり前のことなのですけれども、それをさらに皆さんにも意識づけとして徹底して持っていただく必要があるのではないだろうか。また、避難所の開設も、これも的確に行っていく、こんなようなことなど、いろんな御意見が今出ていまして、これを取りまとめていこうということにさせていただいております。  ダムのことは非常に深刻であろうかなと思います。愛媛県の肱川のダムにつきましては、あれは一つの量がたまったら、これは一斉に放流する仕組みになっていたのです。ダムの規則としては不備はないということを関係者は強調されているのですけれども、ただ、ふだんの6倍とかそんなレベルで水が出ていきますと、下のほうは洪水を起こして、ひょっとしたら人が亡くなるのではないかというのは当然予測できるわけです。しかし、情報伝達が行ったのが非常に遅かったのではないだろうか、こんなようなことであります。だから情報伝達のことは一つあるのですけれども、それ以前の問題として、ダムの放流のあり方、これはタブーのようでありますが、やはりこうしたことも我々は他山の石として考えていかなければならないのではないだろうかと思います。  実は私ども、今回は本当に危なかったです。きのうも広島から国交省の整備局長が来られていましたので、率直なお話をさせていただきましたが、国交省のほうも千代川が危ないと思っておられたようです。私どもも、その現場の状況は、今カメラも置いていますし水位計も当然ありますし、地元からの情報も得ていたわけでありますが、今回は被害が出るかなという覚悟を私自身も決めかけた時間帯がございました。特に用瀬橋のあたりなどは、もんどり打ってその橋をたたくぐらいに水が来たわけですね。あの辺は非常に厄介なところでありまして、その上流は佐治川と千代川の本流が合流をするところであります。実はその佐治川のダムが非常に重要なのです。私どもは一定率一定量放流方式というのをとっていまして、徐々に放流量を上げていって、それで最後、入ってきた量と同じだけ流すというようなことなのですけれども、こういうようなやり方をしながら今回の場合は何とかコントロールができてきていまして、それで事なきを得たところがあったと思います。  ただ、残念ながら、事実としてはお一人その佐治で亡くなられた方がいて、ちょっと事情はまだ鳥取市が調査中のようでありますけれども、下流のほうに流されて見つかったということも発生をしました。それだけ緊迫感のある情勢であったわけであります。  また、バック堤をつくると我々は言うのですけれども、逆流をするのです。今回であれば、高梁川と小田川という問題がありまして、私も真備町の被災された方々の避難所のほうに職員も行っていますので、お見舞いを兼ねてそちらにお伺いをさせていただいたわけでありますけれども、実際に水があふれた箇所も拝見をさせていただきました。それはさらに小田川の支流なのです。中小河川のところまで水がさかのぼるというか、たまってしまうと。それが低いところは、そこから先、決壊してしまうわけであります。  実は私ども、この対策工事というのをここ最近進めていたわけです。皆様がよくおっしゃるように、鳥取県は、弁当を忘れても傘を忘れるなというところでありまして、雨が降ることを前提で物事を考えていますし、災害対策も、ある意味心配しながら一歩先回りをしてやっております。岡山のほうも当然その計画を立てておられるのですけれども、県全体の意識として、そこのところはなかなか、ちょっと山陰とは違いがありましたねということをきのうも広島局長さんがおっしゃっていました。そういう意味で私どもも、具体的には千代川の支流の大路川、ここで逆流した場合に水があふれないようにする、そういう堤防のかさ上げということをやっていたわけです。そのほかにも、例えば中流域で遊水地のような場所を確保するとか、そういうことが今回あふれなかった原因にも要因にもなったわけでありまして、これまでお金もかかりましたけれども、地道にやってきた災害対策、それが生きた側面も本県はあったのかなというふうに思っているところであります。  よく言われますのは、避難で逃げていただく、この難しさが今回浮き彫りになりました。真備町の場合もそうでありまして、避難指示になったのが夜中11時を越えていたわけであります。ただ、御案内のように、今回非常に凄惨なことになってしまいました。特に65歳以上の方が亡くなられた方の9割を占めていますし、また、さらに自宅で亡くなられた方が非常に多かったと。最近は垂直避難ということも言いまして、水が出るので、外に出ないで、むしろ2階等へ逃げたほうがいいというようなことも指導としては入るのですが、今回そうやって2階へ逃げていっても溺死したと、そういう非常に厳しい水位になったということもございます。  こんなようなことでありましたので、やはり事前に逃げておくというのがいかに大切かということが今クローズアップされております。実は、先ほど申しましたように、私どもも今回は通常よりもレベルを上げた呼びかけをさせていただきました。結果どうだったかということでありますが、現実には2,099名、多いときでは2,100人を超える方の避難がございました。これは率としては0.7%だったかなと思いますが、そういう比率は全体として見ると小さく見えるのですけれども、ただ、これは従来の避難者の数からしますと桁違いにはなっています。ちなみに昨年、台風が何回かやってきていますが、多いとき、避難してくださった方が60数名であります。台風が来ても全県で20数名、30名弱、30名前後ぐらい、そんなようなのが相場でありまして、2,000人を超えた方が避難するというのは今までなかったことであります。呼びかけが不十分という面は確かにありますけれども、従来とはレベルの違う呼びかけにはなったのかもしれません。  ただ、まだ反省点もございますので、さらにこれを前進させていく必要があるのではないかなというふうに思います。実際に県外の各地で多数の犠牲者が出たことを思いますと、これからの重点的な項目として、いかに避難してもらうかということはあるかと思います。  次に、熱中症対策につきましてお尋ねがございました。部局横断的に検討して来夏に向けた対策を取りまとめるべきではないかと、こういうお尋ねでございます。  先ほどの豪雨もそうでありますが、異常気象が続いています。暑さという面でも今回異常気象でありました。私どものところは最高気温の平均が30度に近くなりました。こういうことから588件の救急搬送がありました。これはここ数年どんどんレベルが上がってきているのです。実は気温の上昇がございまして、平成26年は191件と200件を切ったのですが、このときは最高気温の平均が28度台でございまして、今回とはちょっとレベルが違う。特に体感温度といいますか、危険を伴うようなものかどうかを判定するレベルでは、今回は異常な年であったということがありました。  それで、例えば高校野球のときも、5回のところでボールボーイが交代するとか、それから応援のことがございますので、スタンドのほうに日よけの設備をつくるとか、こんなようなことを工夫としてやったり、ミストシャワーを設置するようなところも出てきたり、いろいろと今回対策をとっているわけでありますけれども、それでも588回の救急搬送ということになっております。各部局はもとより市町村だとか関係者、ぜひいろいろとお知恵をいただいて、来年に向けて体制をさらに強化をしていく、これを図っていかなければなりません。  例えば、最近はクールシェアということを言います。これは冷房のきいたところで、そこにいていただく、そんなようなことをいろんな施設を開放してやっていきましょうという考え方であります。例えばスーパーマーケットやモールのようなところでも、実はクールシェアをすることで売り上げにもいい効果も出ますので、クールシェアということに協力する店舗もあるわけです。そうしたところにも御協力をいただいて、そうしたクールシェアというのをさらに進めていく。またその過程で、例えば介護予防の体操だとか、認知症を防止するためのことであるとか、そうしたことも含めてお年寄りの皆様等に来ていただき、そういういわばイベントなり事業を行うと、こんなようなアイデアもあるのではないかなと思います。  特にお年寄りの場合は、どうしても感度の問題が、体のメカニズムとして弱まってくることがございまして、それで体が想像以上に、自分が感じている以上にダメージを受けていることがあったりします。実は、熱中症で担ぎ込まれる一番多いのは、圧倒的に自宅なのです。自宅でクーラーをつけずに頑張っていると。これは節約ということもありましょうし、私は大丈夫だから私のためにクーラーつけてもと、こういうようなことを考えがちなのでありますが、命にかかわることにもなりますので、その辺、県民の皆様にも改めていただく必要もあります。そんな意味で、従来とはまた違ったレベルを上げた対策を来年度に向けて考えていきたいと思います。  次に、鳥取県中部地震からの福興につきましてお尋ねがございました。万全を期すべきではないかと、こういうことであります。  ブルーシートがどうしても話題になります。大阪北部地震でも今回台風が来て、改めてこのブルーシートの屋根が外れずにいるということが最近も議論になっています。なかなか職人が集まらないとか、ブルーシートの数が減らないということが当地で言われているわけであります。私どもは補助金も再セットしまして、それで一部損壊も対象にするようにさせていただくなど、市町村と共同事業でありますので市町村との歩調を合わせながらの対策をとり、さらには災害ケースマネジメントといわれる、一つ一つの御家庭の事情に寄り添いながら、そういうブルーシートのこと、あるいは暮らしぶりのこと、この辺の解決を丁寧に図っていこう、それが本当の災害復興ではないかと、こういう考え方で危機管理条例も改正をしていただきました。全国で初めてのことでございました。  そんなようなことが、今、徐々に浸透してきているところもあるのかなと思われますのは、住宅再建等支援事業費補助金というこの制度の申請率が、現在99.1%まで上がってきました。さらに住宅修繕促進支援金の申請も99.9%まで上がってきておりまして、今北栄町の23件が一番多い未申請者の数でございまして、ほかはもう1桁台ということになってきております。まだ震災発生から2年がたっていない段階でありまして、熊本だとか他地域のことを考えますと、本県はかなりそういう意味で精力的にこういう災害対策、住宅対策を浸透させてきているのかなというようなデータにはなってきているところでございます。  こういうのをさらに進めるためには、議員もおっしゃったように、福を興す福興という考え方が大切だと思いますし、さらにまちづくりを発展させていったり、これを機会に、生活に苦しいということで奮闘されている方にいろんな方々がかかわり合って、それで新しい生活に導くきっかけになるということもあるのではないかなと思っています。いわば福を高める福高という、そういうステージも徐々に見ていかなければならないのではないかなというふうに思います。  こんなような考え方で災害ケースマネジメントを進めて、それぞれのお宅に県も行きますけれども、市だとか関係者も行きまして、まずは相談事、ケースの把握から始めます。そこでどんな対策が必要かということを聞き取るわけです。例えば、屋根を修繕しようと思っているけれども、やはりお金がちょっとかかり過ぎるということでちゅうちょされているということがわかれば、現実にあったケースでは、建築士の方が行かれまして、それでこういうふうにやると比較的リーズナブルに仕上げることができるのではないかと、こういうような提案をして、それで現に屋根の修繕に向かわれたところもあります。また、そんなお金をかけるのも大変なのでというようなところには、縁(えにし)さんというNPOの団体ができていまして、これが応急的な手当てをするということで対処されるような例もございました。  さらにいろいろと話を聞いてみると、それ以前の問題として、いろいろと複合債務のような形で暮らしが大変だというようなことがわかった場合には、そういういわば法外な借金の金利を払わされているようなことを減じていくとか、そうしたファイナンスマネジメントのような、そういう専門の方にも対処していただくというようなことをやってみたり、また、これは客観的に見て生活保護の支援があってしかるべきというようなケースに出会えば、そうした生活保護のほうの手続に向かっていくとか、こんなように、実は今、仕分けをしながらそれぞれの御家庭の対処をしています。  これが最近、実は注目され始めていまして、東日本大震災で被災をされたところの、例えばNHKさんのようなところが鳥取まで取材に来られて、鳥取のやり方を見て、家の修繕から人の支援に鳥取は向かい始めていると、こんなように報道してくださるような番組も出てきています。最近はそういうお問い合わせもふえてきているわけでありますが、今後とも、鳥取県独自の寄り添った形の支援も展開をしてまいりたいと思います。  最後に、県財政につきましてお尋ねがございました。一般会計の決算について、マイナスの単年度収支が続いている、非常に重く受けとめなければならない、大変厳しい状況で、一般会計の現状をどういうふうに見ているのか。さらには、国のほうの概算要求が行われたわけでありますが、非常に地方に厳しいものではないだろうか、骨格予算になるかもしれないが、来年度予算編成にこの概算要求をどのように生かし反映していくのかと、こういうお尋ねでございます。  これにつきましては、単年度収支、おっしゃったように数十億円規模でここ2年間マイナスが続いています。と申しますのは、平成28年度、御指摘があった年は、私ども中部地震の年でありまして、どうしても一般財源を使わざるを得ないときでありました。昨年度、平成29年度も、やはり豪雪とか我々も対処しなければならない出来事もいろいろあるわけでございますし、そんなようなことで、中部地震の後片づけも含めて資金が必要だということになりました。  実は、これだけではない要因があります。一番大きい分野というのは、歳入のほうでここ数年、地財ショックのようなときと同じような、実質的な交付税の抑制を強いられていることであります。これは国のほうで大都市部のほうにも重点的に配分が行われるということも事実上始まってしまっていて、実際には法人課税などがふえてきていますので、大都市部は、財源は今じゃぶじゃぶ入ってきているのですが、交付税のほうの仕組みとして、大都市部でも高齢者がふえてきている、急増しているものですから、そういう意味で交付税の配分圧力を大都市部のほうに向かわせてしまっている。そこに歳出特別枠の廃止ということがありまして、いわば本県がその恩恵を受け得る部分であったものがなくなってしまってきていること、こうした要因が重なってきておりまして、現実の出口ベースで交付税が一挙に削減され続けているということであります。  こうしたことが非常に手痛いところでありますし、ここ数年は、過去の負債の返済、公債費というものが増嵩してまいりました。これの影響がありますのと、それから社会保障の負担もじわじわとふえてきています。公債費の負担とか社会保障の負担、これを平成25年度ベースで比較してみますと、両者合わせて100億円ぐらい歳出増なのです。それから、歳入のほうで実質的な交付税、これは平成25年度当時と今回の決算ベースとを比較してみますと110億円ベースで減っている。ですから、入りと出で200億円余りのダメージがこうしたことだけでも生じている。そこに災害が起こってきていると。それで我々は一生懸命やりくり財政するのですけれども、どうしても単年度決算で収支が赤字になってしまう。さらに実質収支のほうでも、ここ2年で50億円、30億円といったレベルで実質収支が減ってきています。かつては100億円台ぐらいで実質収支がありましたけれども、これも減少してきている。非常に厳しい状況になってきていると言わざるを得ないと思います。  そういう中、来年度の予算編成に向けた概算要求がなされたわけでありますが、102兆円を超える規模での概算要求になっています。今後、総裁選挙が終わった後、実際の予算編成の方向性がより見えてくるとは思うのですけれども、この102兆円の中で交付税の関係は、実質的な交付税ベースで20兆円ということであります。真の交付税、真水は15兆9,000億円で、今年度よりも0.1兆円減る見込みとされていまして、臨財債で若干補って20兆円でプラス・マイナス・ゼロぐらいと、こんなようになっているわけであります。ただ、この中身が、先ほど申しましたように実質の配分の中でまたぞろ大都市部のほうに配分の重点が移ってしまいますと、私どもはまた厳しい状況が続くことになります。こんなようなことなどがあります。  また、片方でいろいろと、例えば働き方改革での新規事業とか、それから注目されているのは子供の教育費無償化というようなこと、こうしたことがありまして、これらが国の事業も出てきます。それを活用しようということで我々もやると思いますが、あと地方の負担がどうなるのか、この辺も注目されるところでありまして、今後よく情報収集しながら、今後の予算編成の中に反映をさせていく必要があると考えております。  新年度の当初予算編成は、議員もそうですし私も任期が終わりますので、エチケットとしては骨格予算の編成にする必要があると思います。ただ、そういう中で、例えば「みどりの愛護」のつどいが新年度早々に開かれるとか、あるいは鳥取西道路が開通を控えております。その開通と合わせたキャンペーンの展開等も必要かもしれません。こんなようなことなどはしっかりと予算計上しておく必要があるかなと思いますし、また、防災系のもの、これも、たとえ人がかわったとしてもやらなければならないようなもの、それで早く着工したり対策をとれればそれにこしたことがないものはそのようにさせていただく必要がありますので、こういうものは計上を重点的に行う必要があると思います。政策的経費は先送りさせていただくものもあろうかと思いますけれども、そういう中でめり張りをつけて、今回の国の予算の反映も行いながら予算編成をさせていただきたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)斉木議員の代表質問にお答えを申し上げます。  私には、教育現場における熱中症の防止対策につきまして、この夏のリスク管理等々御質問がございました。  ことしの夏は、先ほどもお話がありましたが、気象庁も災害という表現をされるほど猛暑であったわけでございますが、そんな中、7月には、愛知県で校外学習の後に教室に戻った小学1年生の児童が亡くなるという痛ましい事故も発生したわけでございます。本県では幸い大事には至っておりませんが、公立学校でも部活動でありますとか各種大会、あるいは登下校中、中には給食のさなか、終業式など、学校教育活動中に児童生徒が体調不良となって救急搬送されるといった案件が、この8月末までの間に59件発生をいたしておるところでございます。
     熱中症事故防止に向けては、県のほうでも例年5月ごろから学校現場に向けて注意喚起を始めるわけでございますが、特に今年度につきましては例年以上にこの通知等を通じて注意喚起を行ってきたところでございますし、また、熱中症警報等が出された場合には、その発表の都度、各市町村でありますとか県立学校に情報提供を行い、注意喚起を行ってきたところでございます。  さらにこの夏は、県として7月24日から8月10日までの間、異常高温・熱中症厳重警戒期間という設定をされたことを踏まえて、7月26日でございましたが、学校関係者でありますとか各種大会の関係者によります緊急会議を教育委員会の主催で開催をいたしておりまして、この中で予防対策の各方面の取り組みを共有したり、あるいは予防対策を強化することについて共通理解を図ったところでございます。あわせまして、私のほうでも緊急メッセージという形で例年にない注意喚起をさせていただきまして、この中で、児童生徒の命を守るために、従来の発想にとらわれず、臆することなく適切な判断をしてほしいということを関係者に呼びかけをさせていただいたところでございます。  こういう状況の中で、各学校でもいろんな工夫を行ってこられたところでございまして、例えば、先ほど校外学習の話がありましたが、場合によっては校外学習を延期したり中止したりといった判断をされたところもございますし、また、休憩時間の終了後に改めて児童生徒の状況を健康観察を入念に行うといったような取り組みをされた学校もございます。また、冷房のある図書館でありますとか研修室などをクラス単位で有効に回しながら活用をされて授業を行うといったこともありました。また、夏休み中にプール開放ということを行っておるのですが、状況を見て見合わせるといったようなこともやっておられましたし、各学校で水泳の記録会などを行うわけですが、例年ですと、周りで応援することも含めてずっとプールサイドでその記録会に参加するわけですが、ことしは順番を待つ児童に限ってプールサイドに出て、そのほかの子供たちは教室内の涼しいところで待機をするといったようなある程度工夫をされておるところもあったわけでございます。  また、全県の体育大会など各種大会におきましても、ミストシャワーでありますとかミストファン、これを設置するといったことでありますとか、1日の試合数が多くならないように調整をして、試合の日程を延ばすといったような工夫をされたところでもありますし、また、中学校の体育大会におきましては、屋内で大会を開く場合には、できる限り空調の設備が整った体育館を使用して開催をするといったようなこともされております。また、屋外でやる場合には、関係者が会場を巡回をして、ぐあいの悪そうな、そうした者を早目に察知をして、場内に待機しておられます医師でありますとか看護師につなげるといったような対応も例年以上に行われたところでございます。  このような高温の現象というのはことしだけのことではないのではないかなと思っておりまして、今後もたびたび発生する可能性もありますので、例年10月を過ぎますとこうした熱中症の搬送というのもなくなってくるわけですが、こうした時期を捉えて再度、学校関係者等に集まっていただき、本年度の対策の検証でありますとか来年度に向けての対応について、改めて意見交換を行っていきたいというふうに考えております。ことしの経験を生かしまして、子供たちの命と健康を守る対策を充実させていきたいと、このように考えておるところでございます。 ◯議長(稲田寿久君)佐野警察本部長警察本部長(佐野裕子君)斉木議員から、警察における大規模災害対策の状況と今後の取り組みの方向性についてお尋ねがありましたので、お答えいたします。  本年に入りましてから、7月の豪雨災害、台風21号に伴う風水害、北海道胆振東部地震等、大規模な災害が全国各地で発生し、いずれも大きな被害となっております。亡くなられた方の御冥福をお祈りしますとともに、被災者の皆様には謹んでお見舞い申し上げます。  一方、県内におきましても、平成28年10月の鳥取県中部地震のほか、先ほど申し上げました7月の豪雨災害等が発生しており、災害はいつどこで発生してもおかしくないということを改めて強く認識いたしました。  県警察における大規模災害対策につきましては、東日本大震災の反省、教訓を今後の災害対策に生かすため、警察本部長を長とする鳥取県警察災害対策検討委員会を設置いたしまして、組織横断的な危機管理体制の点検、初動体制の確立や装備資機材の整備、本県の地理的特性に応じた災害対策のあり方の検討などを進めているところでございます。  具体的に御説明いたしますと、初動体制の確立につきましては、鳥取県警察災害警備計画の一部改正などを行い、災害警備本部の体制の区分をふやし、災害の程度に応じて、よりきめの細かい的確な対応ができるよう見直しをしております。  装備資機材の整備につきましては、平成25年度に導入いたしました職員安否確認・非常招集システムにより、大規模災害発生時、早期に動員可能な職員を把握して必要な体制の確立を図ることが可能になったほか、警備部機動隊に小型重機のミニバックホーを整備いたしました。本年7月の豪雨災害では、広島に派遣した本県広域緊急援助隊の警備部隊が、このミニバックホーを用いて土砂による倒壊家屋等からの行方不明者の捜索に当たり、その有用性が改めて認識されたところでございます。  また、琴浦大山警察署には、県西部地域における防災拠点としてテレビ会議システムなどを備えつけ、県災害対策本部との情報共有や活動調整を円滑に行うための実動機関共同調整システムを整備しております。  職員の教育訓練につきましては、東日本大震災の教訓から津波災害時の警察活動要領を作成し、職員の二次被害防止の徹底を図るとともに、気象台や消防の専門家による専門研修を継続的に実施しているところでございます。さらに、ブラインド型の災害警備訓練、職員安否確認・非常招集システムを用いた非常招集伝達訓練、装備資機材の取り扱い習熟訓練、関係機関と連携した住民避難訓練等を反復実施し、部隊対処能力の向上を図っております。  さきの7月豪雨の際には、県警察は、大雨特別警報の発表と同時に総合災害警備本部を設置いたしまして、早期体制強化を図るとともに、土砂災害の発生した智頭町、若桜町等にリエゾンを派遣して自治体との連携強化を図り、情報集約を徹底いたしました。また、管内で災害が多発した郡家及び智頭の両警察署に対し、警察本部主導のいわゆるプッシュ型による早期の部隊投入を実施いたしまして、交通規制や住民の避難誘導など各種警察措置を迅速に実施することができました。  一方、管内の治安維持を責務とする県警察といたしましては、災害は従前の経験や想定を超える規模や頻度で発生する可能性があることを念頭に、万全の準備が必要であると考えております。今後も引き続き、災害警備活動や訓練等を通じた各種計画等の不断の検証及び見直し、想定外を想定し創意工夫を凝らした訓練の実施による災害対処能力の向上、関係機関との一層の連携強化、大規模災害の反省、教訓を踏まえつつ、県民の方々の御理解を得た予算確保による計画的な装備資機材の整備を重点に取り組み、災害による県民の被害を防止するとともに、災害現場の最前線で一人でも多くの命を救うため、緊張感を持って着実に諸対策を推進してまいりたいと考えております。 ◯議長(稲田寿久君)28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)御答弁をそれぞれいただきまして、ありがとうございます。  知事から先ほど御答弁いただきました。壁を高くしたり壁を強くしたり、そういう性分があるんだという話をされましたけれども、私は、やはり物事に向かっては一生懸命になられるという、そういう性格がそのまま出ているのではなかろうかなと思います。よく言われますように、百獣の王ライオンでも、事に及んだら、例えばどんな小さなネズミを捕まえるときでも、もう全身全霊でそれに向かっていくということでありますので、何事もいいかげんにはできないという性格のあらわれではなかろうかと思いますので、ぜひこれからもそういう気持ちでやっていただければありがたいなと思います。昔からよく名君というのは、治山、治水をやって、そして産業を興してその地域を豊かにすることが、政をする者の務めだと言われております。まさに平井知事は、今この鳥取県の国土強靱化の地域計画などをやっておられますし、また、それに基づいて安全・安心な県土づくりをやられました。そして手話言語条例や、あいサポート条例などをつくられまして、やはり思いやりのあふれる地域社会を築こうと努力をされております。知事自身が、私は県民の道具であるということを本当に盛んに場面場面でよく言われておりますが、これからも粉骨砕身、県民のために御活躍をいただくことをぜひとも私からもお願いを申し上げたいと思います。  また、きょうは、先ほど言いましたように石破代議士の総裁選挙の投開票日、午後からのようでございます。石破代議士のあの街頭演説の顔、そして声、もう本当に地方のために何とかしなくてはならないということがあふれておりまして、本当に精気があふれるような総裁の選挙戦ではなかったかなと私は思います。ぜひ、いい結果が出ることを願っております。  次に、公職選挙法の今の参議院の合区の問題がございました。  多くの関係者の方から、来年の参議院選挙までには絶対合区を解消しますということを私は以前から聞いておりましたけれども、結局これはできませんでした。今回の改正公職選挙法によって、この合区というのが本当に固定化されるのではなかろうかなということを一番心配するわけでございまして、4年後の参議院議員選挙までには何としてもこの合区を解消できるようにしなければならないと思っております。  知事も先ほど言われましたように、私も2年前、全国議長会のほうに出させていただいたときには、役員会等でこの合区の問題を提起いたしました。やはり全国47都道府県がありますと非常に温度差があるわけでございまして、そういう面で、合区のことはどこの話というのが最初のころありました。やはり直接関係する県というのはもう一生懸命になるのですけれども、それ以外のところはなかなかその気持ちにならないということを肌身で感じました。そういう面で、これから少子高齢化がどこも進んでいくわけでございまして、我々鳥取・島根、徳島・高知のような合区にならないように、ほかの各県にも働きかけていかなければならないなという気がいたしております。  次に、豪雨災害からの復旧・復興についての質問をさせていただきます。  このたびの豪雨災害で痛感するのは、住民の避難、特に高齢者や障害のある方の避難をどうやって円滑に進めるかという点であります。ハザードマップの住民への周知と浸透、支え愛マップづくりの加速化、避難受け入れ体制の整備など、課題は山積していると感じます。今後どのように市町村や住民等と連携して進めようとされているのか、改めてお伺いをいたします。  また、先ほど話がございましたように、倉敷市の真備町地区では、市が事前に作成しました避難行動要支援者名簿が民生委員に提供されていましたが、自宅にあった名簿が水没したり、一刻を争う状況の中で対象者が多く、全ての方をケアできなかったという事例があったと耳にしております。民生委員の高齢化も進む中、町内会や民生委員に多くを頼るのではなく、別の手段、手法を行政主体で検討していく必要があると考えますが、知事の御所見をお尋ねいたします。  もう一つ、このたびの豪雨被害もそうでありますが、昨年7月の九州北部豪雨でも流木の被害が大きくクローズアップされました。流木によって河川の増水で越水をしたり、農業用ため池の決壊につながるケースもありました。県では、昨年の九州北部豪雨や近年の県内における集中豪雨を受け、総合的な流木対策の検討に着手してトラブルスポットの抽出などに取り組んで、今年度当初予算でも約9億8,000万円を投じておられます。対策が急がれると思いますが、ハード面、ソフト面それぞれの対策の進捗ぐあいについて知事に伺います。  以上、お願いいたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木議員から重ねてのお尋ねがございました。まず、これからの県政のあり方についてということで、どういうものを残していくのかということだと思います。  先ほどもお話にありましたように、治水とか、それから用水、そうした大きな事業、今でいうと国土強靱化のようなことや産業振興のようなこと、そうしたことをやる、これがやはり必要な資質ということではないかということであります。  亀井茲矩公がまさにそういう人だったと思いますが、農業を興そうと、そうした用水というものを考えたり、また安全を考えた河川対策、そうしたこともされたわけであります。鹿野におられた時期は短かったかもしれませんけれども、逆に、現在に残る産業振興や安全の基盤というのが400年も前につくられていたこと、それは我々も記憶に刻まれることとなりました。  また、考えてみますと、米子のまちが栄えたのも、吉川公があそこに四重やぐらをつくられて、そこがちょうど海を見渡すといいますか、日本海側、あるいは中海側、そうしたものを見通すのに一番いいところということだったのだろうと思うのです。そこがいわば交通の要衝として、米子がその役割を将来にも果たし得るところだということであそこを城と定めた、これもやはり今日に残る大きなことがあるのではないかなというふうに思います。  また、麒麟獅子舞、今、日本遺産へということでありますが、これも池田光仲公が考案されたものでありまして、全国どこにもないものであります。そこで舞われる姿は中国の故事に由来する麒麟でありまして、これは、この土地の繁栄、それから平和ということ、それを願うものであります。その願いが今日なお舞われていること、こういうようなことで、その時々だけのためでなく、やはり将来を見通してやっていく事業、これが必要だと思われますし、場合によっては地域でやったことが世の中を変えることではないかなと思います。  議員から御指摘がありました、あいサポート運動や手話言語条例、この議場からも生まれたアイデアでありますけれども、こうしたことが今では全国にも影響を与えているわけであります。ぜひこうした厳粛な県民の皆様の信託というものを私どもは形に変えていく、その際に、大きな視野で物事に挑戦をしていく、これが大切ではないかなというふうに思います。  また、石破議員の総裁選でございますけれども、今回どういう結果になるかはわかりませんが、多様な意見というものが生かされる民主主義の本質というものを今回の論戦の中で私たちは感じることができたのではないかなというふうに思います。一強というようなお話がよく言われるわけでありますが、1つ強い勢力があること、それはパワーとしては強いと弱いがあるかもしれません。しかし、それが恐怖の「恐」、一恐ということになってはいけないと思います。1つ強いものがあって、それが他を全部萎縮させ、そして本来国民の中にあるいろんな民意というものが満たされなくなる、そういうようなことになってはいけない、そういう党のあり方が争われた面も今回あったと思うのです。そんな意味で、いろいろと後世に対しても影響を与えるような、そういう総裁選挙になりつつあったのかなというふうに思います。きょうの結果に注目をしてまいりたいと思います。  また、合区が固定化されることがないようにしなければなりません。本来、昭和58年の大法廷判決で、最高裁も都道府県単位で行う選挙制度の合理性ということを説いていました。ところが平成24年以降、判例変更が行われまして、都道府県単位で行うから1票の価値の平等が失われがちであり、このあり方の見直しも含めた検討を国会に促してしまった。それが今の合区につながったわけでありますけれども、今ちょうど明治150年、これを検証することを、この県庁かいわいでも展示はやっておりますが、明治150年の中で生まれてきた我が国の社会や政治の仕組み、都道府県単位にまずは自主的に物事を考え、それを国全体へ反映させていく、この大きな胎動が失われかけていること、これに我々は警鐘を鳴らさなければなりません。ぜひ決意を持って対策をとってまいりたいと思います。  次に、豪雨災害につきまして何点かお尋ねがございました。ハザードマップ、それから支え愛マップ、こうしたものをどういうようにやっていくのか、さらに真備地区のことでございますけれども、こうした中で民生委員だけに頼る、そういうのでは高齢化に対処できないのではないか、こんなようなお話がございました。  ハザードということ、これは現状の分析をいろいろと進めていかなければなりません。実は九州北部の豪雨災害などもありまして、今、本県は精力的にきちんとした情報を謙虚に出していこうと、それを県民の皆さんも共有していただき、ハザードマップづくり、あるいは避難につなげてもらおうと、こういうことにさせていただきました。国のほうでも1,000年に1度の災害ということを想定して、日野川であるとか、さらに千代川等も含めましてそういう見直しをし、これは、あそこまで水につかってしまう可能性があるのかというような波紋も結構投げかけていますが、ただ、それを前提として今後の避難対策ということを考えようというように国も動いていました。私どもも、そういう水位周知河川とか、そうした20河川についてハザードをこのたび公表をさせていただきましたし、さらに81の河川をまず公表をいたしましたが、これは鳥取県方式で独自に簡易シミュレーションをやろうと。例えばこんなようなところは浸水域になり得ますよということを、簡易シミュレーションで早く皆さんにも御提供しようということをさせていただきました。残る190の河川も今月中にこういう簡易シミュレーション、鳥取方式をやりまして、公表することにさせていただいております。これをもとにしてハザードマップづくりなどを市町村のほうでも続けていただければと思いますし、それを危機管理の交付金で県も2分の1支援していこうと考えております。  また、支え愛マップも有効な手段になります。先ほどおっしゃったように、真備町の場合は民生委員に情報を持たせていたわけであります。本県もそうですけれども、民生委員自体、今、平均年齢は65歳とかそんなような年齢になってきているわけです。したがいまして、御自身が避難に要支援ということもあり得るわけでございまして、ですから、ある程度地域の中で情報を共有していただく必要がある。その一つの手段として支え愛マップがあります。  私どもは防災危機管理条例を改正しまして、その中で、一つは支え愛マップの普及ということ、あともう一つ、市町村のほうで配慮をしてもらって、そういう個人情報に当たるものでありますけれども、条例改正等も行ってそういうものの共有化を図っていただきたい、これをメッセージとして防災危機管理条例に書かせていただきました。  支え愛マップにつきましては、今年度いっぱいで540を超える支え愛マップができると思います。さらに、残るところにつきましても今作業が進んでおりまして、実は600地区でまずはつくることを目指そうという数値目標を持っておりましたが、これが前倒しで達成される可能性も出てきたのではないかなというふうに思います。平成24年ぐらいから比べますと、今年度いっぱいでかつての4倍のエリアでこの支え愛マップが完成するということになります。  ただ、今回の災害を踏まえますと、ただそれで十分だろうかということはあるわけであります。特に情報の共有化というところでありますけれども、これも市町村の条例改正などを私どもも一つの例示として促したわけでありますが、現実に今現在、条例改正に進まれたのは北栄町1町だけであります。いろいろとやはり事情もあるようでありまして、それ以外の手段も含めた情報の共有化というのを進めていただかなければならないのではないかなと思います。  そんな中で、支え愛マップをその代用品として、有力な手段でありますので、これの方向で、要は住民側のほうで情報共有を図るというやり方を推奨されているところもあり、中には智頭町のように7割ぐらいそういう支え愛マップをつくられた町もできてきているところであります。  要支援者情報の提供については、条例を改正するということではなく進めておられるところもあるわけで、鳥取市などではもう既に97%、そういう共有化が図られるに至っております。他方で、米子市さんはまだ2割台でございます。そのかわりに、こうしたそういう個人情報の問題があるものですから、その個人情報を一つ一つ丁寧に今進められているということがございます。ですから市町村によってまだばらつきがあるのですけれども、中にはそういう共有化が進み始めたところもありまして、民生委員さんだけが持っているという状況ではないものをつくろうと、地域の中でも動き始めているところであります。  次に、九州北部豪雨の教訓に基づいて、トラブルスポットの抽出、ハード面、ソフト面での対策はいかがかと、こういうことであります。  今回もため池が決壊をした、それも32個あったところが壊れてしまったというところもありまして、深刻な被害に至りました。特に流木が悪さをする場合がある。これが九州北部豪雨でクローズアップされました。今回も同様のことが広島等で起こっております。私どものほうでもそれを他山の石としてしたわけでありますが、本県でも実は平成19年に、若桜の屋堂羅ですね、そこでやはり同じようなことで流木が悪さをしまして、川をせきとめてあふれるというようなことがあったり、また同じようなことは、同じ年、琴浦町でもございました。こういう強烈な雨が降るとそういうことが本県でも起こるということは、我々も対策をとらなくてはいけない要因になっています。  そこで、今トラブルスポットを探そうということをし、水系ごとに一つモデル的な事業でも始めてみようかと、それから直せるところはどんどん直していこうと。それは河川の事業もありますし、それから砂防の事業などもあります。また、農業用ため池などもあります。部局あるいは課をまたがってそれぞれ対策をとり得るわけでありますけれども、それを一つにまとめて、この水系として安全をつくり上げていくということが必要ではないだろうか。そこで、そのトラブルスポットの抽出に今当たってきて、河川や砂防渓流、ため池、それぞれでやり、その次のステップとして対策をとる方向に今動き始めています。  例えば、最近でも鳥取市河原町北谷のほうでもございましたけれども、赤井谷川のところの砂防堰堤がございますが、ここがそのポケットに流木をため込んだのです。それで災害がさらに拡大するのを防いだと。それでもやはり孤立集落が生まれたりしましたけれども。去年の10月の災害のときに効果を発揮したことなど、最近でも起こっております。流木が流れてきたときに、ため池の中で例えば網を張って、さらに流れないようにするとか、また、ため池自体の強化ということもあり得ます。それから砂防堰堤でも全部せきとめるやり方もありますが、流木等を考えて透過型の砂防堰堤という技術もございます。  いろいろとやり方があるわけでありまして、それをどう組み合わせていくのか。それに向けて、今1億円ぐらい事業費をつけまして具体的な調査を進めることにさせていただいておりまして、ハード対策の概略設計などを行おうと。また、ハザードを考え、そういうマップづくりなど、先ほど申しましたことがありますし、それからカメラを設置してその状況を把握し、情報の共有化を図る等のソフト対策も今進めているところでございます。例えば佐治川の水系とか、それから土師川の水系とかですね、そうしたところでそういう林とか土木とかもあわせた対策をとると。流木対策もございますので、山の荒廃を防ぐというそちらの林地対策をやり、それにため池、それから砂防、河川、これを組み合わせてやっていこうというアイデアでございます。ぜひ実効性ある対策となるように、関係地域とよく協議をしてまとめてまいりたいと思います。 ◯議長(稲田寿久君)28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)御答弁ありがとうございました。続いて質問をさせていただきます。  今回の西日本豪雨で、全国のダムの4割が洪水調整機能を果たし、一定程度の減災効果があったと言われております。先ほど肱川上流ダムの話が知事のほうからございました。今回特にこのダムあるいはため池の越水、あるいは集中豪雨で壊れるような状況になるというのは非常に誰もが心配するわけでございまして、特に今回の西日本豪雨では、鳥取県内では東部地区、特に我々同僚議員の西川議員がおられる智頭町地内なんかは集中的な被害が出たわけでございます。西川議員から、ぜひこのダムや池の話は質問してくれという、たってのお願いでございますし、きょう私は会派の代表でございますので、言われた議員のは全部言わないといけませんので、そういう面で、ぜひ知事のほうにはよろしくお願いを申し上げたいと思います。  それと、今回いかに設備をきちんとするのがいいかということを感じましたのは、鳥取県の西部地区、法勝寺川に青木地区というのがあるのです。市の洗川、そして県の小松谷川、そして法勝寺川という、この3つが合流する地区でございまして、それが青木という地区なのですけれども、昔からもうここが雨が降るたんびにバックウオーターになりまして、そこがつかるということでございます。今回この大雨が降りましたけれども、おかげで昨年から工事が進んでおりまして、バックウオーターにならない工事をしていただきまして、私も見に行きましたけれども、うそではないかというようなぐあいで、整然と水が流れておるということでございました。やはりいかに早く工事をする、その危険を取り除くということが必要でありますので、そういうことでは、ぜひこういうことは早くやるということが必要だろうということをつくづく感じました。  それと、このたびの豪雨災害では、物流や企業にも大きな影響がありました。食料品を中心に品不足が生じたり、製造業では出荷のおくれや部品発注先企業の変更などが発生をいたしまして、7月25日に豪雨災害対策企業支援ネットワークを開設し、商工団体、金融機関を交えて被害の実態把握と企業支援体制の構築を進めておられると理解していますが、どのような方向性で今後の取り組みを進めていかれるのか、知事にお尋ねをいたします。  それと、今回BCP、事業継続計画でございますけれども、以前は東日本大地震とか熊本地震なんかでこの事業継続計画のことが言われておりましたけれども、今回の津波以外の洪水を想定したものというのは3割しかやっていないということでございまして、もうこのように毎年我が国で地震とか大水害あるいは洪水等が起こるわけでございまして、我が鳥取県はほとんどが中小企業でありまして、BCPの策定が速やかに進展するような対策支援が必要だろうと考えますが、県内企業の状況を含めて知事の所見をお伺いいたします。 ◯議長(稲田寿久君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木議員から重ねてのお尋ねがございました。  まず、河川等の災害関係でございますが、肱川の野村ダムの課題がございます。先ほど申しましたように、安全・避難対策のあり方研究会で精力的にここを議論させていただきたいというふうに思います。議員がおっしゃいましたように、バックウオーター対策も重要でございます。御指摘がありました小松谷川は、今年度中にちょうど合流点のつけかえの工事を完了しようという段階まで来ておったわけでありまして、こういうことが今回いい方向に作用しているということだと思いますし、同じ日野川水系でも、やはり水貫川、これもバックウオーター対策が必要なところでありまして、こうしたことなどに我々としては今着手し始めているということであります。できるだけ早くこうした対策をとっていかなければなりません。  また、企業でありますが、御指摘のようにさまざまな影響をこのたびの災害で受けています。私どもは企業支援のネットワークを立ち上げて、非常に経営の苦しい企業さんの業態転換とか立ち直り、新たな挑戦、これを支えようと金融機関なども交えて対策をとっているところでありまして、この仕組みを災害にも応用しています。中部地震のときも、例えば倉吉の松風荘旅館さん、こちらが被害を受けられまして、改修しなければならないということになりましたが、そのときに、むしろ外国人客が泊まりやすいようにベッドの部屋をつくるとか、それから犬猫が最近人気でありまして、ペットの泊まれる部屋をつくるとか、こんなことをそのネットワークの中でも議論をして支援したことがございました。7月末にこのネットワークの会議を開催しまして、現下の災害の状況、これに対する対処を総括し、200社ぐらい企業のほうにも出かけていって、見るということをさせていただいているところでございます。  そういう中、早速、融資制度を今活用してきているということでございまして、例えば、温泉旅館の関係でお客様がなかなかお見えにならない、そんなところでの緊急融資的なことであるとか、そうしたことでの資金の発動も既に始まっているところであります。  BCPにつきましても、おっしゃるようにレベルを上げて対象をふやしていかなければなりません。今、四百数十社ございますけれども、私どもとしては、30人以上のところで40%の規模でBCPをということを今目指しているところでございまして、だんだんとその状況も見え始めていると思います。実は今回、災害後、企業回りをして歩かせていただいて、BCP対策をしっかりやらないといけないという声が多数上がってきました。そこで今回予算の中にBCPの策定支援を含ませていただいておりまして、例えば補強対策が必要だとか、そういう助成金の制度、これを設けさせていただいたり、また融資として、こういうBCP関連の事業、この融資制度、これも発動させていただく、こういうことを今回盛り込ませていただいているところでございます。  企業も、例えば大阪北部地震や西日本豪雨ということなどがありまして、やはりサプライチェーンが切れてしまった、そういうことは実は想定していない、BCPの想定外のところだった、この辺もまた見直さないといけないなと、こんなような声も出ていまして、そういうバージョンアップもできるようにしたほうがいいのかなと思っています。  私どもでは、入門編と、それから応用編のBCP策定支援をプログラムとして考えようと。入門編のほうを終えた段階で、BCPがとりあえず簡易的にも作成できる、それでさらにレベルを上げてBCPの精度を上げていく、こういうことの支援体制を関係者と一緒に今つくらせていただいているところであります。 ◯議長(稲田寿久君)斉木議員、暫時休憩を、いいですか、続けますか。(斉木正一君「もうちょっと。要望のことだけ」と呼ぶ)そうですか。  それでは、28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)どうも御答弁いただきましてありがとうございます。  先ほど財政の問題等の御答弁をいただきました。この後、来年度が知事の改選期ということで、我々も改選なのですけれども、骨格予算で臨むというお考えでございます。  今回、消費税が来年は10%に上がる予定になっております。そうなると地方法人特別譲与税の廃止などもあるいは予定されておるようなことでございまして、本県のような財政力の弱い地方の税収が減少し、都会の税収が増加するような事態も想定されるわけでございまして、ぜひこの税制に対しまして知事のほうがしっかりとその辺を見ていただきますように、よろしくお願いを申し上げたいと思います。  これを要望して、以上で午前中の質問を終わります。 ◯議長(稲田寿久君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は午後1時10分より再開いたします。        午後0時10分休憩    ────────────────        午後1時10分再開 ◯副議長(福間裕隆君)再開いたします。  引き続き代表質問を行っていただきます。  28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)(登壇)引き続き質問をいたします。  大きな5番目として、平井県政3期目の総仕上げと地方創生の実現に向けた県政の諸課題についてのうち、1番目として、地方創生の実現に向けた交通インフラの整備についてであり、最初は、高速道路の4車線化促進についてであります。  山陰地方、但馬地方は、高度成長期の太平洋ベルト地帯を中心とした開発から取り残され、さらには、道路、鉄道などの高速交通網においても北陸、新潟、東北地方におくれをとり、以前は───────とやゆされていました。平成元年に、中国横断自動車道岡山米子線のうち江府インターチェンジから米子インターチェンジ間が供用開始され、待ち望んでいた高速道路ができたことを地域住民とともに喜んだのを覚えています。そして平成4年には米子自動車道が全線開通し、本県が初めて全国の高速道路ネットワークと結ばれました。今日に至るまで岡山米子線は、山陰と山陽、関西方面、さらには四国方面をつなぐ人流、物流の大動脈として、地域の経済、観光振興を支える重要な社会基盤となっており、また、災害時の救助支援、物資輸送や住民避難路など、命の道としての役割を兼ね備えています。  岡山米子線が平成9年に全線開通してから、ことしで21年目を迎えました。国土の均衡ある発展を支えるために昭和41年に国土開発幹線自動車道の予定路線に指定されてからは、半世紀以上が経過しています。この間、米子自動車道の岡山県側は既に4車線化が完了していますが、残る蒜山インターから米子インターチェンジ間32.6キロのうち22キロメートルがいまだ暫定2車線区間のままであり、対向車線へのはみ出しによる重大事故や大雪による除雪作業が困難なことによる全面通行どめなどが発生し、高速道路が本来持つべき速達性、定時性、安全性に問題を抱えています。  そんな中、昨年12月には、江府インターチェンジ付近、延長3.4キロメートルにおいて付加車線設置事業の着工式が行われたことは、全線4車線化に向けた大きな一歩であり、大変喜ばしいことであります。しかし、この事業が完成しても依然6割の区間が暫定2車線のままであり、残る区間の付加車線設置を強く求めていくことが重要であることは、知事も同じ思いでいらっしゃると思います。実現に向けた今後の取り組み方針や見通しについて所見を伺います。  次に、鉄道の高速化推進についてであります。  JR伯備線は、山陰と山陽、さらには京阪神や四国とつながる鉄道交通の大動脈であります。平成30年7月豪雨によりJR伯備線と因美線の一部が不通となり、山陰両県の観光や経済に大きな影響を及ぼしました。JR伯備線については、線路への落石や土砂流入、変電所の水没など大きな被害があり、過去最長の27日間に及ぶ運休を余儀なくされ、約9万人に影響が出たとのことであります。平成12年の鳥取県西部地震のときでもこれほどの運休はなかったものと記憶をしております。切り立った斜面の真下を走る伯備線は、今回のような斜面崩壊や倒木、また冬季の雪害など、日々自然災害に直面しており、JR関係者の保線等の御尽力によって利用者の安全が保たれていることに感謝を申し上げる次第であります。  さて、伯備線の特急やくも号は、その導入以来35年が経過し、一般的に30年程度とされる特急車両の更新時期を迎えております。また、伯備線は中国山地を走るため、曲線半径300メートルの急カーブが多く、現在は自然振り子式車体のため、利用者から、乗り心地がよくない、時代のニーズに対応できていないという声を聞きます。そのため鳥取県議会、島根県議会、岡山県議会の沿線3県議会の議員連盟では、快適性、速達性を向上するための新型車両導入についてJR西日本へ要望活動を行ったところです。平井知事におかれましても、ことし1月に来島社長と面談され、同趣旨の要望をされたところです。こういった経緯があり、平成30年度からのJR西日本中期経営計画に特急やくもの輸送品質向上が明記されることになりました。  この上は、早期の導入が実現することを期待するものでありますが、JR西日本からはどのような見通しを伝えられているのでしょうか、知事にお尋ねをします。  次に、航空ネットワークの維持、充実についてであります。  山陰と北東アジアを結ぶ空のゲートウェイである米子鬼太郎空港への国際定期便は、平成13年4月にアシアナ航空の米子-ソウル便が就航したことに始まり、現在は香港便を含めて2路線が運航しています。ソウル便は就航以来、中国でのSARSの流行や竹島問題、東日本大震災による訪日客の減少など幾多の危機に見舞われ、運航休止寸前まで追い込まれる事態となりましたが、そのたびに官民挙げた利用促進に努め、路線を維持してきました。運航当初は週3便であったものが、一昨年よりLCCのエアソウルに運航主体が移り、週5便まで増便となりました。現在は定期点検による機材繰りのため3便に減便中ですが、同社のチョ・ギュヨン社長は、10月28日から週6便に増便すると明らかにされました。週5便から週3便への減便が固定化されるのではとの危機感が高まっていた中での方針表明に、多くの県民が驚きを交えながら歓迎の意を表した次第であります。  エアソウル社の決定は、米子-ソウル便の潜在力を高く評価した上でのものだと思いますが、週6便化後の目標搭乗率は80%以上に設定するとのことであります。エアソウル移行後の平均搭乗率は69%であり、月間搭乗率が80%を上回ったのは数度にとどまっている現状を考えると、目標はいささか高く設定されているように感じます。増便による利便性の向上を広く国内外に周知するなど、インバウンド、アウトバウンド双方の取り組みをこれまで以上に強化する必要があると考えますが、目標達成に向けた今後の取り組みについて知事の所見を伺います。  また、国内定期路線の新規開拓にも取り組んでいく必要があります。米子鬼太郎空港の国内線は全日空の東京便のみであり、昨年度の利用者は過去最高の57万9,899人で、搭乗率は72.4%であり、好調と評価してもよいと思います。過去にはスカイマーク社が乗り入れており、成田、神戸、茨城、札幌、那覇の5路線が就航しておりましたが、平成28年8月に全て撤退となったのは御承知のとおりであります。お隣島根県の出雲空港は最近、仙台空港、静岡空港と相次いで新規路線が開設され、季節運航便を含めると、札幌、東京、名古屋、伊丹、福岡といった国内主要都市と空路で結ばれています。それに比べて我が県の両空港に新規定期路線開設の動きがない状況にいささか残念な思いを抱く県民も多かろうと思います。路線開設に向けた取り組みに差があるのか、空港の性格や後背地の潜在力に違いがあるのか、知事はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。  次に、本県の魅力を生かした地方創生の推進についてのうち、最初は、移住定住の推進についてであります。  本県の人口は昭和63年をピークに減少傾向が続いており、現在の推計人口は56万人となっています。今後も鳥取県らしい地方創生を実現し、地域の活力を維持するためには、人口減少に歯どめをかけ、都市圏に集中する人の流れを変えようとする移住定住の取り組みは、本県にとって最重要課題の一つであることは言うまでもありません。  先ごろ平成29年の本県への移住状況が公表されました。過去最多の2,127人が移住をされましたが、年代別に見ると30代以下が約7割を占めています。継続的かつ安定的に人口を維持していくためには若い世代の定住が不可欠であると言われている中にあって、このような傾向は大変よいことであり、他自治体と比較して本県の取り組みが魅力あるものとなっていることが功を奏していると感じています。  鳥取県元気づくり総合戦略では、平成27年度から31年度までの移住受け入れ目標を8,000人としており、目標達成に向けて引き続き取り組んでいかねばなりません。一方で、平成28年度以降、移住者数の伸び率は鈍化しており、やや頭打ちになっている状況とも言え、全国規模での移住者獲得競争の影響があるのではと感じています。今後は、県内外の学生を中心とした若者との関係づくりをさらに強化するなどの対策が必要であると思いますが、今後のさらなる移住定住の促進に向けた展望について、知事の所見を伺います。  また、若い世代のIJUターンを進めるためには、高校卒業後に県内から巣立った若者を再び鳥取県に取り戻すことが重要です。そのためには、県外への関心や憧れが高まる中学、高校時代に、将来は鳥取県で仕事をする、暮らしていくというビジョンを持ってもらうことが必要です。ふるさとで働くことの意義や、やりがいを実感できるような機会をつくり出すことが大切であり、教育委員会の積極的関与が求められると思います。県教育委員会としてどのようなスタンスで取り組んでおられるのか、教育長にお伺いします。  次に、大山開山1300年祭と「山の日」記念全国大会についてであります。  我が家の玄関から、朝な夕なに雄大な秀峰大山を仰ぎ見ています。子供のころから、母が東に仰ぐ大山に手を合わせて拝むのを見て育ちました。誰からも大山さんと呼ばれ、この地が台風などの自然災害から免れると、大山さんのおかげだと感謝していました。米子市の水道水は大山の恵みを受けた井戸水であり、昔から蛇口に直接口をつけておいしい水を飲んでいたものです。日々の暮らしの中で、大山さんは心のよりどころであり、大変ありがたい存在なのであります。
     さて、伯耆国「大山開山1300年祭」がことし5月に幕をあけ、県内外から多くの関係者や観光客においでをいただき、大変にぎわっていると伺っております。切れ目のない情報発信や魅力あるコンテンツづくりが功を奏しているのだと思います。3年ほど前には、いよいよ近づいてきたが、誰が中心になってどのような流れで行われるのかなという大変不安な思いをしておりましたが、県の西部総合事務所が事務局となり、官民連携で実行委員会が発足し、今ではこの実行委員会を中心に力強く推進されているものと感じているところであります。早いもので現在は「第四章・調ふ~秋祭と継承~」という最終ステージに入っていますが、実行委員会名誉顧問でもあります平井知事に、1300年祭を契機として生まれたムーブメントや変化など、これまでの総括を伺いたいと思います。  あわせて、8月に秋篠宮眞子内親王殿下に御来駕賜り行われた伯耆国「大山開山1300年祭」の記念式典と、引き続いて、大山を中心として「山の日」記念全国大会が開かれました。全国各地から山の関係者においでいただき、大山にかかわる関係者がいろいろな思いを発表され、山に対する理解を深めることになったのではないかと思います。  今回、大山開山1300年祭の記念式典と「山の日」記念全国大会とを続けて開催したことについて、知事はどのようなメッセージ、狙いを込めておられるのかお聞かせください。  次に、2巡目国体の開催と東京オリ・パラに向けた取り組みについてであります。  各都道府県の持ち回りで開催される国民体育大会は、昭和63年、1988年の京都国体から2巡目に入り、現在、2028年までの開催地が決定または内々定しており、2巡目最後となる2033年までの未決定県は5県となっています。そのうち西日本枠は鳥取、島根、沖縄の3県であり、本議場でも昨年9月定例会以降、本県の対応方針についてたびたび議論がなされているところであります。  知事はさきの6月定例会で、島根県との関係について、できるだけ費用面などを考えながら山陰両県で協力して開催する、それをそれぞれの県でやるということを基本にして検討、先陣争いにはこだわらず、2巡目国体の大トリを本県が務めるのもよいのではないかと述べられ、方針決定の時期については本年度中が望ましいと答弁されています。本年度末まで残り半年となりましたが、その後の検討状況についてお伺いをいたします。  次に、開催まであと2年を切った東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについて伺います。  平成19年の第11回世界陸上大阪大会の事前キャンプで初めてジャマイカ選手を受け入れて以降、本県とジャマイカとの交流が活発化しています。昨年9月には、ジャマイカオリンピック協会と鳥取県、鳥取陸上競技協会の三者がジャマイカ代表選手団の東京オリンピック事前キャンプ実施に関する覚書を締結し、さらに昨年11月には、東京オリ・パラに出場する全ての競技の選手が本県で事前キャンプを行うことになり、ジャマイカのホストタウンとしての事業を推進しているところです。  こういった事前キャンプの誘致は、世界レベルの選手を目の当たりにすることによる県民のスポーツに対する関心と国際交流意識を高めることにつながるとともに、将来を担う子供たちに夢と希望を与える効果もあり、ジャマイカとの間で芽生え始めた交流が大きく花開くことを期待するものであります。現在までに、ジャマイカ選手団のほかにクロアチアのセーリングチームの境港での事前キャンプが決定していますが、今後その他の国の事前キャンプ、合宿や大規模大会の開催についてどのように取り組もうとしているのか、知事にお伺いをします。  また、ジャマイカについて、ホストタウンとして2020年までにどのように交流を深化しようとしているのか、あわせて知事に伺います。  次に、共生社会の構築に向けてのうち、精神障害者の地域生活支援の推進についてであります。  平成29年度末に、大阪府寝屋川市の民家で衰弱死していた33歳の女性が発見されました。精神疾患を患っていたこの女性は、15年以上にわたって家族の住む家の敷地内に監禁されていました。かつての座敷牢を思わせるものであり、本当に痛ましい事件でありました。また、ことし4月には、兵庫県三田市で自宅敷地内のおりに子供を監禁した疑いで父親が逮捕される事案も発生しました。もちろんこういった行為に及ぶことは許されることではありませんが、事件の背景には、障害への偏見や周囲の無理解、地域や行政のサポートが得られないとの思いから、家族だけで対応を抱え込んだりすることがあるのではないか等の専門家の指摘があり、ひとえに親だけの責任として議論することはできないと考えます。  昨年9月に、鳥取県民みんなで進める障がい者が暮らしやすい社会づくり条例、愛称あいサポート条例を施行している本県の障害のある方が地域社会の中で自分らしく安心して生活することができる社会を実現しようとする取り組みは全国的に高い評価を受けていますが、精神障害や精神障害者に対する理解促進については一層の努力をお願いしたいと考えています。  本県に精神障害で入通院しておられる方が平成29年度で1万9,087人、精神障害者保健福祉手帳を所持しておられる方が7,126人おられます。このうち統合失調症の方は幻覚や幻聴などの症状があること、重度の自閉症の方も思いも寄らない行動をとる場合があること等により、周囲から偏見の目で見られていることが多いと聞きます。このような特に重度の精神障害がある方が地域で安心して生活していくためには、どのような課題があると認識し、課題の解決に向けてどのような取り組みの方向性を持っておられるのか、知事の所見を伺います。  次に、鳥取県地域医療構想の推進についてであります。  我が国は2025年に団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、かつ国民の3人に1人が65歳以上という未曽有の超高齢化社会を迎えることになります。このような超高齢社会における持続可能な社会保障制度を確立するために、医療介護総合確保推進法が制定され、あわせて効率的かつ質の高い医療提供体制の構築に向けて各都道府県が2025年度における医療需要と病床の必要量や、あるべき医療提供体制を実現するための施策をまとめた地域医療構想を策定しているところです。本県でも必要な医療を適切な場所で提供できる体制の整備、希望すれば在宅で療養できる地域づくりを目指すため、地域医療構想調整会議や県議会での議論を経て、平成28年12月に作成されたところであります。  現在この構想に基づき、病床機能の分化と連携の推進、在宅医療介護の充実、医療従事者等の養成、確保に取り組んでおられるところですが、本日は病床機能の分化について伺いたいと思います。  構想では、国が提供するツールデータを使用して、機械的、画一的に算定した2025年の病床数を5,896床とし、あくまで参考値として取り扱い、本県独自で算定した将来推計を現状投影シナリオ、Aシナリオで7,210床、急性期から回復期へ、また回復期等から介護施設・居宅等へ移行していくことを仮定した改革シナリオ、Bシナリオで6,028床としています。Aシナリオでは、現在の実際の病床数とほぼ同じ数となり、Bシナリオでは国が示す参考値に近いものとなります。  いずれにせよ本県にふさわしい将来の医療提供体制を構築するためには、医療機関等による協議や自主的な取り組みによって病床機能の分化と連携を進めていくことが重要です。地域医療構想が策定されて1年半が過ぎますが、高度急性期、急性期、回復期、慢性期、それぞれの機能別の病床を確保していく上での現在の取り組み状況と課題について、知事の所見をお伺いいたします。  次に、商工業の振興についてのうち、初めの県内企業の働き方改革推進についてであります。  「長時間労働を是正していく、そして非正規という言葉を一掃していく。子育て、あるいは介護をしながら働くことができるように、多様な働き方を可能にする法制度が制定された」。これは働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の成立に当たっての安倍総理の言葉であります。働き方改革関連法は、平成28年9月、内閣官房に働き方改革実現推進室が設置され、非正規雇用の処遇改善、労働生産性の向上、長時間労働の是正、活躍しやすい環境整備などについて検討が進められ、残業時間上限規制、同一労働同一賃金、高度プロフェッショナル制度を三本柱として、ことしの7月に公布、平成31年4月から改正規定が順次適用されていきます。もちろん法改正により安倍総理が思い描く働き方が実現され、誰もが生きがいを感じられる社会、一億総活躍社会となることを期待しておりますが、実際には企業等が取り組むべき課題が多くあると感じています。  県は従来から人材確保、雇用環境整備、生産性向上と働き方改革にかかわる取り組みの個別支援を進めており、平成30年4月にはとっとり働き方改革支援センターを設置して、企業からの相談対応、社会保険労務士等の専門家派遣など、さまざまな支援を行っています。働き方改革関連法の公布により、働き方改革にかかわる相談がふえてきていると思いますが、現在の支援状況について、知事に伺います。  また、働き方改革による同一労働同一賃金の導入は、格差是正という県民にとって有益な結果を導く一方、賃金増はコスト増につながり、競合相手との競争に打ち勝つため、経営の効率化を進める使用者にとっては大きな問題となることは確かです。このたびの働き方改革関連法により、県内企業にどのような影響があり、また働き方改革を推進するための課題は何が考えられるのか、あわせてお伺いをいたします。  次に、第4次産業革命への対応と、県内企業の人材確保についてであります。  本県では、平成20年のリーマンショックと、その後に起きた三洋電機の再編など、大手企業の再編や事業所の廃止などにより、多くの雇用者が離職あるいは県外事業所へ異動いたしました。同時に、鳥取県の実質GDPはリーマンショック前、平成19年に比べて最大4.9%、製造品出荷額は最大42.6%も減少するなど、地域の経済は大きく落ち込むことになりました。その後、平成22年4月に鳥取県経済成長戦略を策定して各施策に取り組み、実質GDPは平成22年、製造品出荷額は平成25年を底に上昇に転じています。  この戦略は鳥取県経済成長創造戦略と改定され、平成30年から平成32年を計画期間として定め、計画の周期に向けて回復基調にある県経済の成長の足取りを確かなものにし、県民所得の向上を図ることを基本的な考え方として施策に取り組まれ、その戦略の一つとして第4次産業革命の実装を掲げ、とっとりIoT推進ラボを設立し、先端技術導入に向けた体制構築、開発促進や、県内産業界、大学等と連携した高度ICT人材育成などに取り組むこととされています。  先端技術には、当然にAI、人工知能も含まれており、AIといえば新しい事業への転換に活用するなど大企業が積極的に取り組み、その流れで中小企業にとっても恩恵が出てくることも想定されますが、その有効活用によってもたらされる効果がなかなか見えにくいのではないかと考えます。AIは今後有望な技術であることは間違いなく、導入を積極的に支援することで県内企業の振興を図ってはどうかと考えますが、知事の所見を伺います。  また、鳥取県経済成長創造戦略には、地域産業を支える人材の育成・確保が掲げられています。有効求人倍率の状況を見ると、リーマンショック後、平成21年度の0.39倍を底に、徐々に上昇を続け、本年6月では1.64倍となっており、大量離職せざるを得なかった時代を振り返ると、隔世の感がありますが、人材不足により事業継続が困難となるケースや、事業拡大への隘路となっている状況がうかがえます。  加えて、接客・給仕職業、飲食物調理職業、介護サービス職などの職種については、求人数と求職者数の差が大きく、ミスマッチの解消が喫緊の課題であり、県として何らかの対策が必要なのは言うまでもありません。  社会経済状況の変化により、求人と求職の状況が変わることは当然であり、企業が求める人材はその企業により多種多様で、全てのニーズを満たすことは難しいと考えられますが、鳥取県内の人材不足の現状認識と今後の課題について、知事の所見を伺います。  次に、農林水産業の振興についてのうち、水田農業の振興についてであります。  昭和46年から47年間にわたって続けられた米の生産調整は、本年度産米から行政による生産数量目標の配分が廃止され、需給を見通しながら生産体制を継続していくことになりました。稲作農家が将来にわたって安定的に経営できるのかどうか、本年は水田農業の重要な節目の年であると考えています。すなわち国が生産調整の配分に直接関与することができなくなり民間主導となる中で、需給バランスと価格の安定を確保できるかが最大の課題であると思います。  農業、農村は農家数や生産額の減少、販売単価の低迷、高齢化などによる就農者や農地面積の減少など、大変厳しい状況にあります。このような中、本県農業を取り巻く諸情勢を踏まえ、10年後を見据えた鳥取県農業生産1千億円達成プランがことし3月に作成されました。本県の重要な基幹産業である農林水産業の体質強化を進め、プランに掲げる目標実現に向けて官民一体となって取り組んでいく必要があります。  目標達成に向けた品目ごとの推進方策のうち、米については消費者の米離れ等による消費減少が顕著であり、昭和40年度には年間1人117.7キログラムの消費量が平成27年度には54.6キログラムに半減しています。今後はJAグループを初め、生産者が売り先を確保して生産数量をふやしたり、米の食味ランキングで4年連続で特Aを獲得した県の推奨品種きぬむすめへの品種転換などによって需給を見ながら増産するとのことですが、鳥系93号やプリンセスかおりなど、県オリジナル品種等の面積拡大や有利販売等を行い、売り先を確保することで確実な生産に結びつけていくことが重要であります。  このような衰退が続く米についても次々と新しい戦略を打ち出してこられた平井知事であり、1千億円達成プランの中でも、5年後には米の産出額を4億円ふやすという大きな目標設定を掲げられました。水田農業の現状を考えると、非常に高い目標設定であると考えております。今後の本県の米政策をどうしていくのか、プラン初年度の現在の取り組み状況とあわせて知事の所見を伺います。  次に、農林水産物の販売促進についてであります。  昨年はTPP11、日EU・EPAのそれぞれ大筋合意があり、我が国においても自由貿易が進展していく状況にあります。安全・安心でおいしい日本の農林水産物や加工食品の海外への販路開拓、拡大に努めるとともに、一方で農家の経営安定をしっかりと守る二本柱の対策が重要となっています。このほど農林水産省が発表した資料によると、今年上半期の農林水産物、食品の輸出額が前年同期比15.2%増の4,358億円となり、6年連続で過去最高を更新したとのことです。  政府は、2019年に通年で1兆円にふやす目標を立てており、実現可能性が高まっているように感じますが、目標達成には牛肉、日本酒などの成長品目をさらに広げられるかが課題であると言われております。本県においても農林水産物、加工品の輸出拡大により、今後5年間で梨、柿、スイカ、鳥取和牛などを中心に10億円以上の輸出額を目指すとしております。  今まで長年にわたって培ってきた本県農林水産物を輸出してきた台湾、香港などの地域、国に加え、東南アジア、EU圏などの新たなマーケット拡大に向けて取り組みを進める必要があると考えますが、今後の可能性や隘路について、知事の所見を伺います。  次に、教育行政の諸課題についてのうち、全国学力・学習状況調査結果を受けた取り組みについてであります。  文部科学省は先ごろ、今年度の全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。この調査は、小学校6年生と中学校3年生の国語、算数または数学、理科の3教科で実施されており、国語と算数、または数学については主に知識を問うAと、主に知識の活用を見るBとに区分されています。以下、簡単に本県の実施状況を御紹介します。  小学校6年生における平均正答率は、国語A、国語B、理科が全国平均並み、算数Aと算数Bが全国平均を下回る結果でありました。従来、本県が強いとされてきた国語において、全国平均との差が縮まっており、算数については全国平均との差が開いてきているように見受けられます。  また、中学校3年生については、国語A、数学A、理科が全国平均並み、国語B、数学Bで全国平均を下回りました。ここでも国語力の低下が感じられます。  毎年の調査結果に一喜一憂することは控えるべきでありますが、小6、中3、いずれも全国を上回る評価がなかったことは非常に残念に感じます。県教育委員会として、過去実施分を含めて、今回の調査結果をどのように分析、評価しておられるのか、教育長の所見を伺います。  また、調査結果から浮き彫りになるのは、基礎知識の定着だけでなく、思考力や読解力を高める授業内容への改善が必要ではないかということだと思います。小中学校の次期学習指導要領にも知識と思考力、判断力、表現力と結びつける学習が掲げられています。県教育委員会ではこのたびの調査結果を受け、学力向上を進めるために鳥取県学力向上対策推進会議を開き、これまでの取り組みの検証を行うとともに、新たにプロジェクトチームを立ち上げられましたが、どのような検証を行い、今後どのような方向性で取り組みを強化されようとしているのか、あわせて教育長にお伺いをします。  次に、高大接続改革への対応についてであります。  現在、国では高等学校教育改革、大学教育改革及び大学入学者選抜改革の一体的な改革、いわゆる高大接続改革を進めています。平成28年3月に高大接続システム改革会議の最終報告、平成29年7月には高大接続改革の実施方針等の策定についてを公表し、学校、高校教育におけるアクティブラーニングの視点による学びの改善や、現在の大学入試センター試験にかわり学力の3要素、1、知識・技能、2、思考力・判断力・表現力、3、主体性を持って、多様な人々と協働して学ぶ態度を評価する大学入学共通テストを導入することが決定しました。新しい大学入学共通テストは、平成32年度から導入予定とされており、ことし入学した高校生が受験することになり、各高等学校では新しいテストを見据えた待ったなしの対応が求められます。  教育委員会においては、国の検討状況を踏まえ、21世紀型学力検討委員会を立ち上げ、組織的な検討を進めるとともに、アクティブラーニング型授業を推進するための外部講師の派遣、CoREFへの教員派遣、今年度からは思考力、判断力、表現力の評価にかかわる検証事業などにも取り組んでいますが、現在における対応の総括と、今後どのような方針で対応される予定であるのか、教育長に伺います。  最後になりますが、警察行政の諸課題について、特殊詐欺被害防止の取り組みについてであります。  高齢者を狙った、いわゆる振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺が社会問題化して久しくなりますが、いまだ被害は後を絶たず、その手口はますます巧妙になっています。警察本部が公表している平成25年から29年までの認知件数及び被害金額の状況を見ますと、平成25年から平成28年まではおおむね30件前後であった認知件数が、昨年は71件に急増し、被害金額も1億円を超える事態となっています。  他方、最新のデータとして、ことし上半期の状況も公表されており、ことし6月末時点での認知件数は昨年同期と比べて13件の減となっており、昨年の大幅増加を受けて地域住民への広報啓発活動など、さまざまな対策に取り組まれた成果ではないかと思っております。しかしながら、数が減少したとはいえ、被害状況を見ると被害者の年代は20代から40代が約6割を占めており、もはや特殊詐欺は高齢者だけの問題ではないことを改めて痛感します。  また、最近では被害に遭った際の被害金の受け渡し方法にコンビニエンスストアなどの電子マネーや収納代行が利用されるなど、冒頭に申し上げたように、その手口がますます巧妙化しております。県民の安全と安心を確保するため、特殊詐欺被害の未然防止に向けた取り組みをより一層強化する必要があります。県内における被害状況の傾向をどのように分析しておられ、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか、警察本部長の所見を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木議員の代表質問にお答え申し上げます。  まず、地方創生実現に向けました交通インフラにつきまして何点かお尋ねがございました。これはまず、付加車線設置を米子道について求める点につきまして、今後の取り組み方針や見通しいかんと、こういうお尋ねでございます。  これにつきましては、議員のほうでも議連の会長も務めておられまして、国土交通省であるとか、NEXCO西日本のほうにも御要望いただきまして、ありがたく存じます。私のほうで連絡もとりながらでありましたけれども、岡山県の伊原木知事もこの件につきましては大変熱心でございまして、両県の共通課題として国土交通省、あるいはNEXCO西日本、そうした本社への働きかけ等も含めてやってまいったところであります。  そういう中、議員のほうも御出席あり、数多くの県議の皆様もお出かけいただきましたが、江府インターチェンジの前後のあたり、3.4キロにつきまして、このたび4車線化、付加車線設置につきまして着工がなされたところであります。これが平成32年度開通を目指しておりまして、一日も早いそうした工事が進捗することを願うところであります。  しかし、議員がおっしゃいましたように、まだ全体の7割ぐらい、22キロはこういう4車線化、付加車線設置がなされていないわけでありまして、米子自動車道は全国の標準からしますと、そうした安全面での対策、交通の利便性といった観点で見劣りのするものになっていると言わざるを得ないところであり、ぜひともこれを岡山県とも連帯をしながらはね返していかなければなりません。  そういう中、先般、私どものほうでもさまざまな働きかけをしてきたわけであります。例えば豪雪のときに皆生温泉のほうでざっと1億円ぐらいのキャンセルの被害があったということ、あるいは交通事故が深刻なものが多発していると。これもやはり対向車線ということがございます。そういうような我々の要望をいろいろと受けまして、国も若干方針変更をしたところでございまして、この夏、方針が2つほど示されたわけであります。  一つは中央分離帯でありますが、ああいうやわらかいポールではなくて、これはワイヤーロープで仕切るということにつきまして、有料区間、無料区間でこうした工事をやるというようなことが示されました。  また、あわせましてこの付加車線設置につきましても、これは国のほうでの審議が行われたところであるわけでありますが、そこで配付された資料に、実は米子自動車道も地図上触れられておりました。それは付加車線をつける、それからそのためにどういう基準でそれを考えるかということであります。  それは一つには速度が落ちてしまう、そういう急勾配等もございますけれども、そういう速度が減速をする箇所であるとか、また並行する現在の一般の下道、この下道のほうで例えば雨量によっては通行どめになってしまうとか、それから積雪であるとか、そうしたことなどの状況があるところにおいては有料区間、米子自動車道のようなところでありますが、優先的に800キロそういう付加車線設置を進めようと、そういうものが出されたところであります。配られた資料の図面の中で三平山のところ、それから江府インターチェンジよりも北側のところにつきまして、こういう要件に該当する例として挙がっていました。若干こういう意味で具体的な選定に入り始めているのではないかと思います。  こうした国の動きも出てきましたので、この秋にでも議連の皆様とも連帯をしながら、米子自動車道の付加車線設置、延長を強く求める東京での集まりなど、今後企画を考えるべきではないかなと思います。期成同盟、これも米子市長など、やっておられまして、県も一体となってこの運動を進めてまいりたいと思います。  次に、JR西日本関連で、特急やくもの新規車両の導入について、どんなような見通しが伝えられているのかと、こういうお尋ねがございました。  これにつきましては、議会側では三県議会議員の協議会がございますが、斉木議員もその会長を務めておられました。そのさなかに実はこの新型車両導入の問題が急にクローズアップされることになりました。折しもJR西日本が中期的な車両整備計画をつくる時期でございまして、昨年末に協議会の議員の皆様とJR側で意見交換をされたと伺っています。その際、ある意味厳しい話をJR側がしたということでありまして、このやくもの新型車両導入が危ぶまれるのではないかというような危機感を持たれたと伺っております。  私もそのお話を斉木議員からもお伺いをしました。さらには1月、年が明けてから報道でもこの新型車両導入に暗雲がかかったと、こういう端的な報道も出てきました。私はそういう意味で、JR西日本の大阪の本社のほうを訪ねさせていただきまして、来島社長や担当のJR幹部とお話をさせていただき、強力に要請もさせていただきました。そうしたところ、先方のほうから中期計画に盛り込む方向で検討するというようなお話がございまして、現実にもその後、中期経営計画が発表されましたが、やくもの新型車両導入も5カ年計画の中で触れられるに至っております。  その時期についてでありますけれども、その計画の中で示されていますのは、最終年度であります34年度以降にまずは1編成入れると。1編成というのは4両単位なんですが、そういうことが計上されました。確かめているのですが、JR西日本もそうした意味で34年の新型車両導入というふうに理解してもらっていいというお話でございまして、そういう見通しになってきたのかなと思います。  新型車両は議員もおっしゃったように、従来の車両が乗り心地が悪いとか、それから性能面でも1時代前のものでありますので劣るところがございます。そこで我々も新型車両をお願いしに行ったのです。来島社長にも端的に申し上げましたが、今のやくもは自動車でもないのに、船でもないのに、特急列車に乗っていてよく酔うと。そんな酔う特急列車なんていうのはほかにありませんねと。  それは来島さんも笑っておられましたけれども、それはやはり問題があるなということをそのときにおっしゃっていましたが、これはなぜ酔うかというと、振り子が自然振り子式なのですね。振り子でありますので、一遍振れたら今度、揺り戻しがあるわけです。これが要は体調を崩す原因になります。そこで、そういう振り子の動きを制御しまして、カーブに入る前から徐々に倒していく、そういう制御をして、振り子の揺り戻しということがないようにする、こういう制御付き自然振り子方式というものが最近は出てきております。  また、遠心力が働くわけでございますけれども、カーブに入ると。この遠心力を空気ばね式という方式で、それを吸収するような形、そういうタイプの車両もございます。どちらも実は現役としては採用され始めているのですけれども、こうした新しい車両形態というものが軸になって検討されるのではないかなというふうに期待をいたしております。  次に、ソウル便の増便関係でございますが、目標搭乗率80%で非常に高いと。目標達成に向けた今後の取り組み方針はいかがかと、こういうことでございます。  実はこの1月から8月の段階で搭乗客数は4万6,000人に達しまして、これは去年の55%増、非常に大きな伸びを示しております。こういう実績もあるものですから、多分エアソウルさんも我々の主張に耳を傾けてられて、5便が3便になったままにするのではなくて、むしろ6便にしようということにされたのではないかと思います。そのような形で広島等とは別の増便という形に私どもはなったということかなと思っております。  確かに先方から80%ということを言われていまして、高いハードルでございます。そこで今、エアソウルの本社サイドとも一体となりまして、キャンペーンを展開してきておりますし、今議会のほうにもそうした意味で、これにとどまらず、そうした海外からの誘客促進ということを掲げておりまして、西日本豪雨で観光が湿りましたから、それを取り戻す意味でもこうしたエアソウルも一つの重点課題として今後、動かせていただきたいと思っております。  例えばチャンネルAという向こうのメディア媒体がありまして、これでの放送。人気タレントにこっちで取材していただきまして、これが始まるということになります。また、ショップチャンネルみたいな、ああいうテレビショッピングの形態での販売も始めておりまして、こうしたことでの誘客ということもございます。さらに韓国の場合、SNSが非常に好まれて使われていますので、YouTubeによるSNSの情報発信、この辺も強化をさせていただいております。  アウトバウンド、こちらから行くほうでありますけれども、これもふやせということを前から言われておりまして、今、最近の足元の状況でいいますと、20%台に乗ってきました。22%とかそういう割合で、日本から向こうに行く日本人のお客さんがふえてきております。  これを定着させていく意味で、山陰両県以外のところも取り込んでいかなければならないと考えております。そして、そういうお客様向けのいわばセールスもかけておりまして、最近の例でいきますと、津山であるとか、それから三次であるとか、そうした山陽方面からのお客さんも数えられるようになってきましたし、神戸からも、これももちろんエアソウルの値段が若干安いということもあると思いますし、それから米子鬼太郎空港は比較的使いやすいということもあるのかもしれませんが、そうしたことでそういうお客様もツアーによっては入ってくるというようになってきております。  いよいよ10月26日から新ダイヤになりまして、6便化がスタートをするわけであります。私どももそのセレモニーをしてアピールをさせていただきたいと思いますし、エアラインとも協力をして、いわば特利のキャンペーンみたいなことも仕掛けていこうと、こんなことでアウトバウンドのお客様も定着をさせていけるのではないだろうかということです。私どもの米子便の特徴は、ファンクラブが比較的多いということですね。そういう会員さん向けのキャッシュバックキャンペーン等も強化していこうということにいたしております。  次に、国内線の新規路線開設に向けて、出雲空港と比べて米子鬼太郎空港については取り組みの差や、空港の性格や、後背地の潜在力の違いがあるのだろうかと、こういうお尋ねでございます。  これは私どもも他県の動向、他空港の動向も分析をさせていただいておりますけれども、やはり出雲側もそうでありますし、我々もそうでありますけれども、それぞれにいわば新規路線開拓を目指して各方面に働きかけをしてきております。さらには一定の優遇策、例えば新規就航に向けた着陸料支援であるとか、そうしたことなどの用意がそれぞれの空港にございまして、正直、内容においてはうちは見劣りをするものではないのではないかなと思います。  現実にもスカイマークが就航しました。今、撤退をされていますけれども、スカイマークが就航されるときに米子鬼太郎空港を選んだ理由はというふうに社長が聞かれてメディアに答えておられましたのは、一つは地の利があるということ、これは山陰両県を臨むようないい立地であるということ。それから運用時間、これも比較的緩やかになっていまして、出雲空港よりも正直そういう意味では使いやすいはずです。さらに鳥取県の姿勢も評価してということで、その3つの理由で米子鬼太郎空港に決めたと、こういうお話でございました。  実はスカイマークが就航したときも複数の空港の中から競争的に向こうが選んだところでございまして、我々もその間、さまざまな折衝をしておりました。ですから、そういう経験からすると、決して見劣りがするとかいうことでもないのかもしれないなと思います。  ただ、スカイマークのときもそうでありますし、例えば全日空さんや中日本エアラインさんが名古屋便を飛ばしていたときもそうでありますけれども、非常に皆さんとってこいと熱心におっしゃるのですが、実際就航した後、乗ってくださるかというと、どうしてもそこですね。お客さんがついてこないと。出雲空港のほうは比較的、同じ時期にやはりJAL系が名古屋便だとか飛ばすわけですね。そちらのほうはお客さんが比較的ついていくと。どういうことかちょっと私もわかりかねるところではあるのですけれども、そういう傾向がございまして、出雲空港のほうが結果的には国内便が残ってきているということかと思います。  他方で、チャーターフライトも含めた国際便については米子鬼太郎空港のほうがあちこちのエアラインをとってきていますし、そういう需要にもフィットした空港であることも証明されてきておりますので、ここはいろいろと戦略的に今後も取り組んでいく余地が十分あるのではないかなと思っています。現実にも例えばスカイマークにもまた復活就航を呼びかけて、向こうにも働きかけをしたりもしております。  しかしながら、当時また帰ってきますよと約束した経営幹部がみんなごっそり退職していたりしていまして、パイプが十分つながらないので大変苦労をしているということがあります。また、そのほかにも例えばピーチ・アビエーションなどにも働きかけたり、アイベックスとか、それからジェットスターとか、エアアジアなども含めて、本当に各社回らせていただいておりまして、それぞれの反応もうかがっているところであります。  ただ、それぞれ事情がありまして、ピーチ・アビエーションさんであれば、これはこのたび会社の再編がありまして、バニラエアと統合したりしていまして、ちょっとその辺が落ちつかないとなかなか方針が出ないかもしれません。  また、それぞれのエアラインの系列などもございます。出雲空港が今、静岡とか仙台とかふやしていますFDAというのは、あれはJALさんとの協力関係があるのですね。なぜあそこでこうやって路線がふえてきているかというと、もとはといえば出雲-名古屋便はJALが飛ばしていたのです。これの後を引き継ぐような形で、実はFDAが飛ばしているという実態がございます。FDAが飛ばしてみて、実際お客さんもついてきているわけで、それで今度、仙台だとか静岡という展開になってきていると。やはりJAL系のつながりから始まって、あのように拡大してきているという実態があります。いろいろと今後も戦略的に臨んでまいりたいと思います。  次に、移住・定住に向けた若者対策、若者との関係づくりが必要ではないかと、こういうお話でございます。  確かにそうでございまして、最近は関係人口ということが言われ、旅をしたところだとか、知っているところだとか、そういうことで興味を持ち、関心を持ち、親しみを持って移住にいずれはつながるというケースも出てきています。ですから、いきなり引っ越しませんかでなくて、その手前のところからやはり関係を持つことが大事なのではないかなと思います。  最近でもJASCAという全国学生連携機構という全国組織があるのですが、そこで南部町のほうにイベントでかかわっておられた渡會さんとか、前山さんとか、こういう方々がそれがきっかけとなって、結局、今、南部町のほうに移住されておられまして、その中でジブンゴトという、そういう学習塾ですかね、そういうものを開設されたりしているところでございます。  また、そのほかにもモリさんという方が湯梨浜のほうに本屋さん、汽水空港という本屋さんをつくって出されたとか、それから先般も地方創生の梶山大臣が来られたときにお会いをした一人でありましたけれども、島本さんという女性の方、これは愛媛かどこかであったと思いますが、「Free!」というアニメがありまして、そのアニメにひかれて岩美町に遊びに来ていたと。それが縁で、結局今はそういう観光とか移住対策をする集落支援員のような仕事をしておられると、このようなことになってきていまして、やはり何らかの関係性を持つのが大切なのかなと思います。  一つにはインターンシップの拡大でありまして、この夏も去年と同じぐらい来られましたし、さらに有償型の長期インターンシップもこのたび開設をしまして、こちらのほうに入られる学生もおられました。これは新規でございました。また、いわばサマータイムを利用しまして、サマーキャンプのような形でワーキングホリデーに来られる。これも国の事業は外れましたけれども、県としての独自の支援という形で市町村と共同でやる中で、例えば用瀬のほうの民泊のところに働きに来たり、それからシーサイドうらどめという岩美町の施設のほうに働きに来るような形で、こちらでひととき鳥取県民を体験するということもございました。  今、西部のほうでも大学の地方展開というのを重視しているトレンドが出てきまして、我々もそれを捉えて今、幾つか仕掛けているのですが、一つは青山学院大学、このたび鹿野のほうにそのサテライトキャンパスとして青学の苅宿先生がまずは発起人なのですけれども、そこからほかの先生方にも広がり、学生もこの夏から入れかわりでこちらに来て研究をしたり、活動をしたりというようになってきております。  また、大山町が今、慶應大学のSFC研究所と提携しようということをしていたり、東京大学のフィールドスタディーのプログラムで湯梨浜のほうに来られたりということがあります。このような形で大学との連携事業を従来も例えば江府町だとか日野町のほうで、走るコンビニの手伝いをするような形で、慶應とか早稲田の学生がやってきたりしていましたが、それが今は別の形でかなりシステマチックに広がりも見せてきているところでございます。  そういう中、こうした体験者なども含めて、先般、東京の上野のほうで若者の皆さんの交流事業、若者交流会in TOKYOというのを初めて行いました。これは東京在住のほうの鳥取県出身の若い人たち、平賀さんとか、そういう方々が中心になったわけでございますけれども、それにこちらのほうからも鳥取の商工会議所青年部の杉内会長を初め、若手の皆さんが出かけていったり、各町のほうからも出かけていったりしまして、70人ぐらいは地元、東京の人がいて、交流のイベントをさせていただきました。  いろいろ私も参加して話も聞かせていただきましたが、今すぐ移住ではないけれども、本当は公務員試験を受けたいとか、結構率直に言っている人たちもいたりしまして、意外に東京の公務員の人でこっちでまた受けてみようかという人もいるのだなというようにも思ったところであります。やはり関係性づくりが大切でありまして、議員がおっしゃるように、若い方々との出会いの事業といいますか、交流事業も大切だなと考えておりまして、この辺も拡大してまいりたいと思います。  次に、大山開山1300年祭につきましてお尋ねがございました。ムーブメントや変化、またこれまでの総括はいかがか、さらに大山開山1300年祭の記念式典と「山の日」記念全国大会の両方を行ったその狙いはどうかと、こういうお話でございます。  もう始めて半年が見え始めていまして、折り返しから終盤にかかってきた段階になりました。この週末もたいまつ行列が行われるわけでございまして、そういうようなことでまだまだ毎週のように行事が続くということになります。関係者もそろそろ、いろいろと感想をおっしゃってくれたり、手応えをおっしゃってくれたりするのですが、総じておっしゃるのは、まず一つはその西日本豪雨という想定外のことがあったと。あれでお客さんの出足をくじかれてしまったと。伯備線が動いていなかったものですから、特に大山観光という点では痛手があったと。ただ、それが開通した後は、そこのところは戻ってきているというようなお話もございます。  ただ、そういう中であっても今回、達成感といいますか、満足感を語られる方が非常に多いなというふうに思います。それは理由がありまして、その伯備線がとまる前のことでいえば、4月、5月、6月、このときに大山寺の本堂に上がられる人、これが4割増しになっているのですね、去年よりも。また、5月の開創法要であるだとか、それから6月2日ですかね、山開きの日、たいまつ等、そうしたところでも3,000人規模や2,000人規模で前年よりもふえているわけであります。だからかなり目立った効果というのもあらわれていますし、我々のほうで仕掛けたこともありまして、1300年祭ということでの報道が全国的にもなされております。
     ここに眞子内親王殿下がお見えになったことも幸いしていまして、ああ、あの1300年祭かと、こういうようなことで全国的にも一定の認知は広がってきているのではないかと思います。これは多分一過性のものなんだろうと思うのですが、ただ、これを機会にこういうものが売れるのだというのもその客層とかで見えてきたようなものがあります。例えば御朱印帳、これが売れていますし、御朱印ブームがあるわけでありまして、それを目当てに来られる女性客等が非常に目立つということ。それから、この1300年祭をやるようになりまして、外国人の姿も目立ってきていると。このような意味で、将来に残るようなチャレンジが出てきているのではないかなと思います。  また、大山の古道のトレッキングルートの開設であるとか、それから刀鍛冶の歴史、こうした魅力も明示的に付加されてきていて、大山の集客力というのが上がってきている面があるのではないかなということです。そこに水木しげるロード、これのリニューアルも加わり、アニメの放送もありまして、境港のほうも空前の人出になっておりまして、この辺もまた周遊性がありますから、大山と一体となった全体の底上げにつながっている面があるのではないかということです。現にお盆のころの集客として、西のほうは比較的順調であったということであります。  大山開山1300年祭と、それと山の日のそれぞれの式典がつながった形で実施をされたわけでありますが、1300年祭のほうは御出席いただいておわかりのように、地元の方が中心でありまして、もう一度大山さんへの感謝の気持ちを共有し、そして大山とともに生きていく決意というのを固めようと。そこには歴史であったり、自然ももちろん、食のことももちろん含めてということです。実際、ステージの上でも子供たちや、大山開山1300年祭にかかわるようなお寺さんや、あるいは経済界や、それから農業者、みんなで大山さんへの誓いというのを述べられたわけでございます。  さらに山の日には、全国の皆様がお見えになりました。自然を守る聖地として、自然保護憲章の発祥の地ということもありますし、一木一石運動のようなそういうユニークな山を守る活動もあった。そしてその大山さんに支えられながら、漁師さんも出てきて、それから酪農者とか農業者も出てきて、みんなで感謝を語りながら、山の意義というものを改めて全国の皆様と一緒に分かち合おうということになりました。  そんな意味で、こちらは全国をターゲットにして、鳥取の大山の魅力をアピールする機会になったと思いますし、後世に向けましてはとっとり大山「山の日」憲章というのをその日、子供たちが朗読をし、採択をされ、恐らくこれからの大山の一つの柱になると思われます。こういう意味で、県内の我々、そして全国、あるいは世界に向けてのアピール、それを一つの連なる山脈のような形でテーマとして続けてさせていただいたところであります。このようなことで、大山のレガシーがこれから生まれてくればと思っておりますが、まだまだ仕上げに向けまして、11月ごろまでいろんな行事が続きますので、しっかりと関係者と一丸となって進めてまいりたいと思います。  次に、二巡目国体につきまして、お話がございました。これについて、早目に決めるべきではないだろうかと、こういう強いお話をいただいたところであります。  二巡目国体につきましては、以前から隣県島根県の溝口知事とも協議を重ねてまいりまして、折に触れてこの議場でも御紹介をさせていただきました。議員のほうからもお話がございましたが、基本的な考え方としては、単独開催でもなく、共同開催でもない、協力開催で、お互い施設であるとか人材であるだとか、そういうものも補い合いながら、適正な規模で効率的に、そして中身も濃い、そういう大会を続けて山陰両県としてやるのがよいのではないだろうかということ。  さらには開催の順番につきまして、前回は先陣争いでしのぎを削った面はありますけれども、前回の例でいえば島根、鳥取の順でやりましたし、考えてみますと、今回やるということになると二巡目の大トリになるかどうかということもございます。鳥取県として、いわばその大トリ、しんがりという非常に重要な役割を果たしながら、スポーツの意義を県民とともに分かち合う、全国の皆さんに鳥取のスポーツの聖地を訴える。そういう考え方もあるのかなということでございますけれども、そうした意味で先陣争いをするのではなくて、前回も参考にして協議していきましょうということにさせていただいたところでございました。  そうしたところ、9月13日になりますが、島根県議会におきまして溝口知事が2029年に両県の協力のもとに島根国体を開催したいと、こういうお考えを述べられたところでございます。また、私どもでもこの夏の間、各市町村の考え方、それから競技団体の考え方などを伺ってまいりましたが、2033年の国体、障害者スポーツ大会の開催につきまして、そうしたところで特段の異論は認められませんでした。いろいろと御提案はございましたけれども、その方針についての大きな異論ということはなかったと思います。  そういう中でありますが、ちょうどおとといのことなのですけれども、体育協会と、それから障がい者スポーツ協会、それぞれが2033年の国体、障害者スポーツ大会の招致ということにつきまして、機関決定をされました。それを目指そうと、そういうことで県議会や県のほうに働きかけようと、こういう決定をされたところでございます。  このようにスポーツ関係者のほうから2033年で早く決めて、我々も体制をつくろうと、こういう声が上がってきているのが現状でございます。したがいまして、この体育協会や障がい者スポーツ協会の両団体の考え方に従って開催時期を判断するのが私は妥当でないかというふうに考えているところでございまして、これにつきまして、県議会の御意見を承り、それに基づきながら2033年国体、障害者スポーツ大会を招致する、そういう方向でまとめるべきではないかと、きょうに至っては考えているところでございます。  次に、ジャマイカの選手団、それからクロアチアがございますが、そうした事前キャンプや大規模大会についてどういうふうに取り組むのか、またジャマイカのホストタウンとしてどういうふうにこれを推進していくのかと、こういうことであります。  ジャマイカについては陸上でのキャンプが決まりましたし、障害者スポーツも含めて私どもで協定を結ばさせていただきました。また、クロアチアを拠点にしている国際的なレーシングチームなのですが、J.K.モルダルというレーサー、ヨットのセーリングの集まりがございますけれども、こちらのほうとも来月、協定を結ぼうということで、これは安田会長などとも今、そうした段取りについて相談を始めたところでございます。  こういうようなことで決まってきているのとあわせて有力になっているのは柔道でのモルドバであったりということでありますが、そのほかの競技につきましてもスポーツクライミングとか、それからホッケーとか、また卓球や自転車、こういうところでもそれぞれに海外への働きかけを競技団体等で始められていまして、まだちょっと結果は出てはいませんけれども、そうした動きが強まっているところであります。  また、このたびは10月にワールドカデットチャレンジというユースの卓球の国際大会を行いますし、さらに11月、アジアのスポーツクライミングの大会、これも東京オリンピックの最初の登竜門として鳥取県で実施をされることになります。前者のほうは子供たち、将来のホープの集まりでありますが、後者のほうはまさにオリンピックメダルを狙う人たちの大会になりまして、先般も優秀な成績をとられましたけれども、野口選手も今もう参加のエントリーをされておられます。まさに東西一流の選手が集まる、そういう大会になろうかと思います。  実はこうした国際大会は平成元年、2年の卓球以来でありまして、実に四半世紀以上、本県で国際大会、目立ったものは開かれておりませんでした。ここに来て1年のうちに2つ続けて行われ、また来年にはセーリングの大会であるとか、まさに国際大会ラッシュになってきています。最近ちょっと当たり前のように思えている節はありますけれども、大変に大きなモーメントでございまして、こういうものが続々と決まってきているのも鳥取県がスポーツの聖地として世界的にも認められる資質があり、東京オリンピック効果もあってこういうことになっているのではないかなというふうに思います。ぜひそれぞれ招致も含めて成功裏に進めていくよう、全力を挙げてまいりたいと思います。  また、ホストタウンにつきましては鳥取市等とも協力をしながら進めておりますが、例えば先般のジャマイカの選手も布勢スプリントのほうに来られまして、特に女子などでは世界のトップレベルであることをトラックの上で実証してくれました。また、コーチの交流、指導ということも行われたりしていまして、こういう意味でも県内によい効果ももたらされるのではないかと思います。  また、ホストタウンとして共生タウンということもございますけれども、例えば布勢の運動公園におきまして障害者スポーツの拠点をつくろうということが先般、本決まりになりまして、その考え方がオープンになりました。また、ジャマイカのパラの選手もこちらで合宿をすることになったり、さらにはワールドマスターズゲームズも障害者の枠というものを考えていこうと。具体的にはアーチェリーとか柔道だとか、自転車で障害者の参加ということを前提にしてやろうということになってきていることなど、いろいろと動きが出てきているところであります。ぜひこのオリンピック・パラリンピックのスポーツの祭典の向こう側に、そういう国際色豊かでスポーツに親しめるようなふるさとの形をつくってまいりたいと思います。  次に、精神障害者につきまして、地域で安心して生活していくためどういうような取り組み、方向性を持っているのかと、こういうことであります。  この精神障害者につきましては、我々もあいサポート運動を展開している県であり、障害者、障害に対する正しい理解、これを広げていこうというのが一つでありますし、またそれを地域で支える、障害者を地域で支えるためのそういう社会づくり、こうしたことを今、展開しようとしているところであります。あいサポート運動の中でも当然こうしたことを扱っておりますし、精神障害の分野では精神障害者の家族会連合会のほうに委託をするような形でお願いもしていまして、例えば家族の相談会であるとか、それから電話相談、これも定期的に行うとか、さらにそうした当事者側という立場も含めて研修を行うとか、そうしたことをさせていただいております。  ただ、こういう障害者の方が在宅のほうに行く、そういう支援も進めなければなりませんが、最近ではグループホーム、これが110を超えるグループホームになっていまして、私が就任するころから考えますと3倍ぐらいに今、ふえてきています。この近くでいえば湯所のところにもそうしたグループホームがあり、さまざまな行事で地域とも交流をされたりしているところでございますけれども、こうしたことが広く今、県内に広がってきているところでございます。  また、就労の受け入れということでも、一般就労もございますけれども、例えばチャレンジド合銀という合銀さん系のところとか、それからJR西日本さんも米子のほうでこのたび事業所を開設されることになりました。また、三光さんのほうでもそうした会社をつくられるということになったり、この辺でも今、進展があると思います。  地域医療構想についてでございますが、現在の取り組みや課題についていかがかと、こういうことであります。  高度急性期や急性期の病床は、どちらかというと過剰ぎみという評価に本県の場合はなっていまして、逆に回復期の病床が足りない。こういうものを、ではどうやって埋めていくかということでありますけれども、それを地域包括ケアの病床として転換をしていくと。具体的にはうちの県立厚生病院だとか、この近くの日赤病院とか、そうしたところでそうした転換が始まっていまして、200床以上今、転換が進んでまいりました。目標としているところの大体4分の1ぐらい今、進んできているというところであります。  また、こういう病床ではなくて福祉の部分になってきますけれども、介護医療院という、そういう施設へ移行するというところもございまして、この近くでいうと明和会さん、さらには北園のところとか、そうしたところで移行は来ておりまして、大体110床ぐらい、そうしたほうへの転換も進むということになってきています。ですから、一定程度、そうした関係者の理解も得ながら、今動きが出てきているところであります。  そういう一方で、例えば脳血管の疾患とか、それから心疾患の関係など、特に東部では医療スタッフに限界があって、その辺の対策がおくれているのではないかという指摘もあるのですが、これについてはこの12月にオープンをいたします県立中央病院の中にそういう脳卒中センターとか、心疾患センター、こういうものを開設しようと。そういう拠点もつくりながら対処していこうということにいたしておりまして、こうした意味で地域医療構想の内実を具体化しようと今、取り組みも動き始めているところであります。  次に、働き方改革についてお尋ねがございました。これについて県内企業への影響がどうであるか、またその推進やいかんと、こういうお話でございます。  これにつきましては、このたび働き方改革の法律も通りまして、そうなってまいりますと、同一事業、同一賃金ということや、あるいは超過勤務の規制とか、具体的なことになってくるわけであります。ただこれ、県内の企業さんとお話をしていますと、それぞれ、なかなかうちら中小企業、取り組みが難しいというようなお話も出てくるのですね。ですから、ここを何とかさばいていかなければいけないわけでありまして、各企業のそうした働く環境づくりなどを進めていかなければなりません。  そういう意味で、議員も御指摘いただいた働き方改革支援センターを県のほうでもつくらせていただき、今までに30件ほど相談が来ておりますが、そのほとんどにうちの専門人材を派遣して、それで休業制度の整備だとか、就業規則の改正だとか、そういうお手伝いもしているところであります。  また、このような職場改革を我々も応援させていただいているわけでありまして、いろいろといい事例も出てきています。例えば西部のほうでは島津組さんがフレックスタイムの導入であるとか、女性の働きやすさということで、更衣室の設置であるとか、そういうことを進めておられるのですが、こういうことで女性の雇用が進みますと、その女性が媒介になりまして、実は新規顧客の開拓、成約につながってきていると、こういうようなことがございます。いい事例は横展開をしていくという考え方で、この10月にも県内2カ所で具体的な事例を交えた説明会や研究発表、事例発表ということを考えているところでございます。  次に、AIにつきましてお尋ねがございました。導入を積極的に支援することで県内企業の振興を図ってはどうかということであります。  これにつきましては、昨年の11月にとっとりIoT推進ラボを開設しまして、今、具体的な事例も出てきているところでございます。さらには鳥取大学や米子高専と一緒に人材育成、こうしたプログラムにも動いてきているところであります。  AIの一つの具体的な事例としては、例えば中海テレビさんでスマートメーターを設置すると。これでの顧客側でAIを活用しまして、それで電力の個人取引のサポートをしようと、こういうことを導入されるとか、具体的にこうしたAIの活用も始まってきております。AIができるようになりましたのは、やはりはスーパーコンピューターのようなそうした技術が進展をしてきまして、それでデータの処理が大量にできるようになってきている。そんな関係でAIというディープラーニングの手法がとれるようになってきている。これが画期的に今、物事が進展してきているところであります。  そういう意味で、今、人材育成とか、それからプラットフォームづくりに進んでいるところでございまして、物づくりコンソーシアムというのを今月開設、つくったところであります。ここでとっとりMOMと言われます物づくりの専門人材、いわば大学院のマスターになるような人、これを育成しようというプログラムに向けまして、今かじを切ったところでございます。  次に、商工業の人材不足につきましてお尋ねがございました。  これにつきましては、現在、有効求人倍率1.67まで上がってまいりましたが、裏を返せば、それだけ人手不足があるということでありまして、例えば小売とか、それから介護とか、そうした幾つかの分野で非常に厳しい人手不足の状況があるということです。対処方法としては、一つは県立ハローワークを活用するということであります。現実にも今、県立ハローワークにいろんな御相談が順番に来るわけでありますが、そこで職業の適性試験みたいなことをやるのですね。これは別に試験ではないのですけれども、判定するわけです、あなたは何に向いていますよという。それをやりますと、あっ、意外に小売に向いているのだということで、小売のほうを勧めて、本来希望してこられた職種とは違うのですけれども、そちらのほうに行かれた。そういうあっせん例が出てきたとか、それから、なかなかこれだとちょっと求人が薄いところなので、この分野でということで紹介をした、特に高齢者の場合などですね、それにふさわしいようなところということで紹介をするとか、このような事例がいろいろと出てきております。  やはりそうしたきめの細かい相談の場としてハローワークの活用ということがあると思いますし、また働き方改革を進める、そういう環境づくり、職場環境の支援ということを進める必要があろうかと思います。そういう意味で、地域活性化雇用創造プロジェクトなども進めたり、それからインターンシップで交流のマッチングを図ったり、多角的に今、展開をしようとしているところであります。  最後に、農林水産業につきましてお尋ねがございました。一つは米づくりにつきまして、1千億円達成プランの中で米4億円増ということをどういうふうに実現していくのか、米政策をどうするのかというお話でございます。それから、東南アジア、EUなども含めて海外への輸出、これを進めるべきではないのかと、こういうお尋ねでございます。  この4億円の米生産額増ということでいきますと、2つ達成すると、これができる計算になっていまして、1万3,000ヘクタールの作付、それから現在50%でございます1等米比率を70%に上げる。これを目標とすることでいけるわけでありますが、後者のほうについては、きぬむすめが今、作付がふえております。きぬむすめの1等米比率はやはり高いわけでありまして、こういうものを導入していくと7割、8割ということにも当然なるわけであります。さらに鳥系93号という新しい品種、これもJA西部も含めまして関心を持っていただいておりまして、来年300ヘクタールぐらいの作付を目指そうかと、こういうふうになっていますが、こういうところもやはり引き上げの要因になるわけでありまして、ターゲットとしては狙い得るものになるのではないかなと思います。  また、1万3,000ヘクタールの達成につきましても、ことし300ヘクタール以上、主食米がふえてきております。この状況で行けば1万3,000ヘクタールということも可能なレンジに入っていまして、4億円増ということもぜひ農業団体や農業者と一緒に達成をしていきたいと思います。いろいろと悩ましいチャレンジもあるわけでありますが、例えばGABA米というのに今、JA西部さんは取り組まれています。  先般、私も谷本組合長やJA西部の皆さんと一緒に、銀座の三越のほうに販売促進に参りました。そこでそうしたGABA米のような、ああいうものの専門のお米屋さんというのがあるわけですね。そこのほうに卸したわけでありますが、これが非常に好評でありまして、ほぼ売り切れるということになりました。また、あわせてJA西部の中でも奥大山の奥日野のお米、これも別途販売もされておられましたし、またプリンセスかおりという香りを有する独特のお米、これも出していたわけでありますが、そうしたものの販売促進をこれからもやっていくことが一つであるのかなと思います。  GABA米、なかなか西日本でまだ認知度が低いこともありますが、東京ぐらいの市場ですとそういう販路もあるようでありますし、お店の従業員の方にお伺いをしたら、結構外国の方がGABAという名称はなじみがあって、GABA米は外国の方が買って帰るというお話がございました。そういう意味で、一歩先を行くような販売戦略だったのだと思うのですが、そういう展開を図っていければよいのではないかなと思います。このような工夫も含めて、お米のビジョンをこのたび新たに改正してつくらせていただこうと思います。  その中にこうした新規の取り組みとか、あるいはドローンの活用ですね、農薬の散布などでドローンを活用する農家も今、出始めていますし、それから、そのほかにも水位計を設置しまして、これで特に大規模農家などで田んぼの管理ができやすいようにする。これが結構お金がかかるわけではありますけれども、その低コストな、そういう手法といいますか、機械といいますか、それを今、県も一緒になって開発をしようとしております。こういうことを盛り込みながら、米ビジョンをつくらせていただき、また皆様とも御相談させていただきたいと思います。  次に、輸出のほうでございますけれども、これにつきましては今月も上旬に香港のほうで販売を行っておりました。二十世紀梨が非常に評判がよかったですし、あとは紅はるか、お芋のほうも売れ行きがよかったところでございました。そのほかにも健康茶でありますとか、意外に和牛も高いのですが、これも非常に引き合いがあったということです。100グラム2,600円の和牛がしっかりと取引されて売れていったということでありまして、やはり鳥取のブランドも評価をされてきているのではないかなと思います。このほかにもスイカとか、新甘泉だとか、そういう香港や台湾などを中心にJAさんも売っていきたいということでありますので、こういうものを応援してまいりたいと思います。  また、おっしゃる東南アジアでは結構水産品の引き合いがございまして、シンガポールでもそうした水産関係のものを高級なレストランのほうで扱う、そういうことがあったりしておりますし、また韓国のほうでは新世界百貨店、こちらのほうでこのたび鳥取県フェアをやりました。実は東日本大震災がありまして、日本の地方の物産展を新世界百貨店が行うことは久しくなかったのです。その最初の禁を破るような形で鳥取県のフェアをやったのですが、これも非常に好調であったと伺っています。  そういう中、今、関係者が注目していますのは大山乳業のアイスクリームでありまして、これもブランド化して販売がもっとできるのではないかと大山乳業さんも輸出拡大を考えているところであります。こういう中、TPPとかEUとのEPAの発効ということも出てくるわけでありまして、EUのほうでは先般、お酒をフランスのほうのフェアに出展しましたが、今度はプロワインというドイツのさらに販路が広目の品評会のほうに出展をさせていただいております。  さらにこのたび日本で開催されるわけでありますが、そういう農産物の輸出のフェアを東京のほうでありますけれども、これには本県としても今回初参加させていただこうとしております。このようなことで議員がおっしゃるような輸出拡大、農林水産物の販路推進ということを展開してまいりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)山本教育長 ◯教育委員会教育長(山本仁志君)(登壇)斉木議員から引き続き3点にわたりまして御質問を賜りました。  初めに、移住・定住に関連いたしまして、教育の場面でもふるさとで働くことの意義ややりがいを実感できるような機会をつくり出すことが大切であるが、教育委員会としてどのようなスタンスで取り組んでいるのかといった点につきまして、御質問を賜りました。  社会がグローバル化すればするほど、逆に自分のアイデンティティーというものを醸成していくということも必要であろうと思います。日本人としてのアイデンティティー、鳥取県人としてのアイデンティティーなど、こうしたことはふるさと鳥取県に誇りと愛着を持って郷土を支える人材の育成というのが求められてきているのだというふうに思います。また、人口減少社会が進展する中、この議会の中でも、あるいは市町村の首長さんの集まりなど、また経済界の方々、県民の方々と意見交換をするさまざまな場面で若者の県外流出が大きな課題として指摘をされておりまして、こうした点、教育の面でも子供たちのキャリアビジョン形成といった観点から人口減少への歯どめをかける対策が求められておるわけでございます。  私どもといたしましても、子供たちが進学で仮に県外に出た場合でも、ふるさとに戻ってきて働きたい、あるいは暮らしたいと思うようなことになるためには、家庭あるいは地域での教育というのも大切だと思いますが、学校教育においてもみずからのふるさとのよさを感じ、みずからのふるさとを誇れるような意識を醸成していくことが重要であると考えておりまして、こうした点、いわゆるふるさと教育ということを学校現場で実施するように働きかけをしてきておるわけでございます。  現在、各市町村、あるいは小学校から中学校、そしてまた高等学校におきまして、例えばそれぞれの地域の偉人をまとめました副読本をつくられたり、あるいは地域の方々をゲストティーチャーとして学校現場の中にお招きして話を聞いたり、あるいは地域に実際、出かけていって、地域の状況を学ぶといったこと、あるいは地域にあります企業で職場体験をする、そうしたことなどさまざまなそれぞれ自分の住んでいる地域を肌で感じるそうした取り組みが行われているところでございます。  そうしたことを通じて全国学力・学習状況調査のお話もありましたけれども、そうした結果で見てみますと、地域の行事やボランティア活動に参加したことのある児童・生徒というのが全国平均を大きく上回るといったことが出ておりまして、これまでの取り組みの成果があらわれている一つではないかなというふうに思うところでございます。しかしながら一方では、みずからが住んでいる地域やふるさとへの愛着を育む取り組みや、小学校、中学校の取り組みがそこで完結してしまって、高等学校に上手に連動していない、つながっていないといったような課題があったり、あるいは実際に行事には参加するのだけれども、地域や社会に関心を持って、その地域や社会をよくするために何かしようというふうに考えるといった児童・生徒というものが全国的なものと比べると低いといったような課題もあるというふうに認識をいたしておるところでございます。  そんな中、単に学ぶということだけではなくて、学んだことをアウトプットしていくような取り組みも始まってきております。例えば智頭中学校におきましては、町民の方がつくられております百人委員会に中学生が実際に参加をして、町内の中から課題を拾い上げて、それを解決するためのいろんな企画をし、それを実際に提案して実現をしていくといったようなことでありますとか、江府中学校でもそうした地域に出かけていって課題を拾い上げて、それを解決するための提案を、これは中学生議会という形でそこの場で議論をされたりといったような新しい取り組みも始まっております。  また、県立高校におきましても普通科高校が、進学で県外に出ていくことが多いわけですが、そうした普通科高校においても県内の企業においてインターンシップをやっていこうというような取り組みも始めたところでございます。この取り組みをぜひ県内にも多く広げていければというふうに今、思っておるところでございます。  先般も総合教育会議でこのふるさと教育について議論をいたしたところでございますが、例えば鳥取県で育った子供たちであれば、誰もがこのことについて知っているというようなものを副読本としてまとめて、例えば人でありますとか、観光地でありますとか、そうした鳥取県にまつわるさまざまなことを1冊の本にまとめ上げて、そうしたことを折に触れて学んでいき、それをまた外にアウトプットしていくといったような、そんな取り組みができないかなということを今、議論を始めたところでございまして、こうしたことを今後、来年度の予算編成に向けて我々としてもいろいろと検討を進めていければというふうに思っておるところでございます。  次に、全国学力・学習状況調査の結果を受けての対応について、どのように分析、評価をしているのか、あるいは今後どのような方向性で取り組みを強化していこうとしているのか、そうした点につきましてお尋ねがございました。  この調査、全国の児童・生徒の学力や学習状況を分析、把握して、それを今後のいろんな授業改革とかそういうものに生かしていこうと、いろんな取り組みに生かしていこうということを目的としているわけでございまして、必ずしも単年度の結果で一喜一憂すべきものではないというふうに思っておりますが、この調査結果を活用して本県の教育における課題を分析して、授業改善に生かしていくこと、これは大変重要なことではないかなというふうに思っております。こうしたことから、毎年も含めて分析を行うわけでございますが、先ほどもお話ありましたが、中学校数学は昨年に比べると若干A問題ではよくなっているといったことでありますとか、児童・生徒の自己肯定感というものが年々上がってきているというところで一定の成果は見られるわけでございますが、近年の傾向から、ずっと引き続き算数、数学が、これはA問題、B問題とも全国に比べると、そこでは結果として余り芳しくないというようなこともあるわけでございまして、定着に課題があるという分析をいたしておるところでございます。  また、その算数、数学については、算数が好きですかということについての回答が低いということで、これは学習意欲の部分でも課題があるのではないかなというふうに分析をいたしておるところでございます。また、例えばB問題と言われる活用する問題がこれ、どの教科も全国に比べると状況は芳しくないということもありまして、この学んだ知識を活用するという力をつけていく必要があるのではないかなというふうに考えておるところでございます。  また、この調査は平成19年度から実施されておりますが、ここずっと推移を見てみますと、以前は平成25年度ぐらいまでは全国平均を上回る教科が多かったわけでございますが、それがやがて全国平均との差異がだんだん縮まっていって、今は下回る、そうした教科も出てきているということで、いま一度この学力向上については取り組み全体をしっかりと見詰め直して、底上げを図っていくことが必要ではないかなと考えておるところでございます。  これまでもいろいろ市町村の教育委員会などとも連携をいたしまして、少人数学級を通じた個に応じた指導でありますとか、エキスパート教員制度、そうしたものを設けていただいて指導力の向上を図るといったこと、あるいは小学校、中学校が教科ごとに連携をして取り組みを強化していこうというようなこと、あるいはドリルをつくったりということで、それをしっかりと行っていくことで基礎的な力をつけていこうという、さまざまな取り組みをそれぞれの年の課題に応じてやってきておるわけでございますが、これがこの学力向上に十分生かし切れていない面がありはしないかということを感じておりまして、一層効果的な実施に向けて、しっかりそこの検証を行いながら取り組んでいく必要があるのではないかなと考えておるところでございます。  そうしたことからお話ありましたが、本年度、新たに学力向上の推進プロジェクトチームというものを立ち上げる予定としておりまして、ちょうどあした、この第1回目の会議を開催する予定にいたしておりますが、これまで教育委員会の事務局、あるいは学校現場、いわゆる教育の現場サイドも含めた内部的な議論を重ねて施策を考えてきておりますが、このたびは兵庫教育大学の大学院の浅野先生でありますとか、あるいはこの全国調査に長らく携わっていただいております国立教育研究所の千々布総括研究官などにも加わっていただきまして、専門的な立場からアドバイスをいただきながら、また市町村の首長さん、また民間の方にも加わっていただいて、外部も交えてこの取り組みを検証しつつ、これからの取り組みについて検討を進めていこうということを考えておるところでございます。こうしたプロジェクトチームでの検討などを通じて、今後しっかりと取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  最後に、現在、国が進めています高大接続改革につきまして、その対応と今後の方針についてお尋ねがございました。  この高大接続改革、実質的には2020年の大学入学試験からスタートするわけでございますが、それに向けていろんな学びを変えていこうという動きは既に始まっておるわけでございまして、県といたしましてもこの高大接続改革に対応して、情報収集でありますとか、それを学校現場と共有したり、課題を整理したりといったことでありますとか、具体的なその事業改革、教育課程をどうするのかといったことを検討するために、お話ありました21世紀型の学力検討委員会というのを平成28年度に設置をして、ここで検討を進めておるところでございます。  具体的には高校教育改革に対応したアクティブラーニング型授業の普及を通じた事業改革を進めるといった観点、それから高校生の基礎学力を高めていくために、それぞれ毎年毎年のPDCAのサイクルで改革を進めていこうという観点、そしてまた3つ目が大学入学の共通テスト、新たに始まりますこのテストへの対応、また英語の民間資格試験を活用するといった方針が打ち出されておりますので、そうしたことへの対応など、大きく3つの観点から、それぞれワーキンググループをつくって検討をいたしておるところでございます。  このうち高校教育改革につきましては、さき方、議員のほうからいろいろ取り組みについて御紹介をされましたので、あえて繰り返しはいたしませんが、大学入試選抜の試験に関しましては、今国の情報収集を進めておるところでございますが、英語の民間試験の導入につきましては、そうしたことをこの委員会の中でもいろいろ学校現場のほうでも困り感がある部分について、例えば英検の試験だとか、いろんな民間の試験があるわけですが、この鳥取で行われない試験もあったりして、これは地域格差が出るのではないかと。そのあたりを国のほうで差が出ないように配慮してほしいというようなことを要望したりして、そこについていろいろな配慮がなされるといったようなことにもつながっておるわけでございます。  こうしたことなども含めて、取り組みを進めていきたいというふうに考えておりますが、課題といたしましては、この大学入試改革、まだ実際に始まっていないこともありまして、教員の中でも認識に差が多少あるといったことでありますとか、生徒だとか保護者に十分わかりやすく伝わっているかどうかといったところに関しては、まだまだ課題があるというふうに思っております。そうしたことも含めて、今後この検討委員会でしっかりと議論しながら、必要な対応を、手だてを打っていきたいというふうに思っておるところでございます。 ◯副議長(福間裕隆君)佐野警察本部長警察本部長(佐野裕子君)(登壇)斉木議員から本県における特殊詐欺被害の傾向と、県警察における今後の取り組みについてお尋ねがありましたので、お答えいたします。  議員御指摘のとおり、特殊詐欺被害が後を絶たず、昨年は大きく被害が増加し、被害額も1億円を超えたことから、本県警では特殊詐欺対策を最重要課題の一つとしてさまざまな取り組みを進めているところでございます。  特殊詐欺被害の傾向ですが、全国では平成25年以降、認知件数は毎年増加している一方、本県では例年30件前後で推移しておりましたところ、昨年は71件と大幅に増加いたしました。特徴といたしましては、全国ではおれおれ詐欺の認知件数が最も多く、また高齢者の被害者に占める割合が約73%と高い一方、本県ではいわゆる架空請求詐欺が最も多く、全体の7割を占め、また高齢者の被害割合は認知件数全体の約34%で、平成25年以降、最も少なくなっております。  本県で多発している架空請求詐欺の手口は、携帯電話などに有料動画サイトの未納料金があるなどとメールを送信したり、消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせなどとはがきを郵送するなどして、有料動画サイトの利用料金や訴訟手数料名目でコンビニエンスストアなどを利用してお金をだまし取るものでございます。具体的には、コンビニエンスストアやドラッグストアで販売されている電子マネー型のプリペイドカードの利用権利をだまし取る電子マネー型、そしてコンビニエンスストア店内に設置されているマルチメディア端末を操作させてレジで支払いをさせる収納代行利用型と言われるものが多く、架空請求詐欺全体の75%を占めております。  そして、このタイプの詐欺の被害年齢層は10代から60代まで幅広く、本年もその傾向が続いております。本年8月末、本県における被害状況は認知件数が20件、被害額は約1,183万円であり、前年同期と比べて認知件数は31件、被害額は約7,130万円の大幅な減少となっております。また、高齢者の方の被害もたった3件と前年同期と比べ16件減少しており、大幅に少なくなっております。しかしながら、電子マネー型詐欺の架空請求詐欺が全体の半数以上を占め、その被害年齢層も20代から50代の若年層が中心となっておりまして、本年も被害の比較的若い世代への広がりが特徴となっております。  このような情勢を踏まえまして、県警察では詐欺犯人からの電話を直接受けないようにするため、一定の機能を備えた電話機の利用を働きかけるなどの電話対策、また、たとえだまされたとしてもお金を詐欺の犯人に渡さないための水際対策、さらに地域の皆様に警戒心や抵抗力を強く持っていただくため、防犯講習会や訪問活動といった顔の見える活動などを通じて詐欺被害防止や警察への早期の相談を呼びかける広報啓発活動の3つの対策を柱として被害防止対策を行っているところでございます。  特に2つ目の水際対策につきましては、特殊詐欺被害防止アドバイザーが金融機関やコンビニエンスストアを訪問して、高額な取引をする方や高額な電子マネーを購入する方に対する声かけの訓練を行うほか、被害が疑われる場合における警察への速やかな相談や通報などの働きかけを行っているところでございます。  その結果、金融機関やコンビニエンスストアなどの御協力によって、8月末現在、阻止した件数は31件、阻止した金額約969万円と、認知件数の20件以上の件数の被害を水際で阻止していただいているところでございます。  県警察では、ただいま御説明した被害防止対策に加えて、だまされたふり作戦による被疑者の検挙や口座開設詐欺といった特殊詐欺を助長する犯罪の検挙など、犯行グループに対する取り締まりを強力に推進しております。今後はより幅広い年齢層の被害防止をも念頭に置いて、引き続き関係機関や事業者の方々と官民一体となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。 ◯副議長(福間裕隆君)28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)どうもそれぞれ御答弁をいただきました。ありがとうございます。2~3といいますか、何点かを再質問させていただきたいと思います。  まず最初に、私、気配りの斉木とよく言われておるのですけれども、大変気配りが落ちておりまして、最初の4車線化、高速道路の質問の中で、───────という言葉を言ったと思いますけれども、それを訂正していただきまして、例えば鳥取は高速道路の空白地帯という言葉に議事録を直していただきますように、よろしくお願いをいたします。まずはその訂正のお願いをさせていただきます。  高速道路にしても、鉄道にしても、空にしても、今回の特に豪雨災害等がありまして、ああいう完全に幹線道路、幹線鉄道がとまると、本当にさっきの話ではないのですけれども、陸の孤島という感じがいたしております。ふだんからの整備はきちんとするのですけれども、万が一の対応というのは非常に大変だなということを実感しております。ぜひ今回のことを参考にされて、この地域が陸の孤島にならないようにやっていただきたいなということでございます。  次に、二巡目国体のことについて再質問させていただきます。  新たに競技施設整備などに伴う財政負担を極力少なくして、島根県とお互いに利用できるものは融通し合っていくという話でございまして、先ほど知事からもるる説明ございました。人材の問題もありますし、共同開催ではなくお互いに協力して行う協力開催が地域の伸展のためによいではないかということを言われました。  知事は今年度末までに期限を考えておられるようでございましたけれども、関係者としっかり協議をしていただきまして、体協等からも機関決定をしたとかいうような話も聞いておりますが、早い時期にやはり決定されたほうがよいではないかと思いますが、改めて知事にこの考えをお尋ねいたします。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)斉木議員から重ねてお尋ねがございました。  国体の決定については、やはり関係者の方々もいろいろ準備もありますし、それから人材育成などを進めていくとかということもあります。最近でもボクシングで入江選手や木下選手のような優秀な選手がどんどん全国の大会でも勝ってきているわけでありますが、やはりそうした人材育成を例えば2033年ということであれば、今はまだ子供さんでありますから、その段階からいろいろと育てていく必要があったり、また協力開催ということになりますと、まずは島根県さんと話をまとめなければいけないということもありまして、どういう競技をどちらで実施をするか、その場合に、もう片方のほうはちゃんとこういうふうにお手伝いをするのだとか、協力をするのだというようなことを、やはりあらかじめ設定した上で、例えば施設整備の計画をつくるとか、いろいろ考えなければなりません。  ですから、早ければ早いほうがよいわけでございますし、先ほど申しましたように、島根県では9月13日に溝口知事が2029年ですか、表明をされているという状況でございまして、恐らく島根県議会でも今議会、議論をされると思いますし、それに基づいて国のほうへ、実はこれ、要請をしなければいけないのですね、招致の要請ということ。島根県はそういう手続に移ってくるだろうと思われます。  我々ももし議会のほうでの御意見をまとめていただけるということであれば、先ほど申しましたように、体育協会も障害者スポーツ協会も、そこで意見をまとめて意思決定を一昨日されたところでありますので、私どもも競技団体がなるべく早く決めたいという御意向がありますから、私どももそれに合わせた努力が求められるのではないかなと思っております。  前回のわかとり国体のときの例で申しますと、どういうふうに県としての招致をするかということでありますが、そのときは招致議決という議会の議決が必要でございまして、議会の議決も含めた上で招致を中央のほうに要請すると、こういう手順であったわけであります。したがいまして、議会のほうでもこうした両団体の考え方もいろいろと御考慮いただきながら、もちろん両団体の話も聞いていただくなども必要でありましょうし、それで最終的な意思決定を県民代表である議会としてもおまとめいただければスムーズに事は運ぶのではないかなと思っておりますので、よろしく御配慮いただければと思います。  議員の御質問でございますので、私としては全面的に早目でやるということの御意見は賛同するものでありまして、できるだけ早く、まずはスタートを切って、それで島根と私どもとの協議をスタートさせ、人材育成など、そうした主要なてこ入れを今後、火ぶたを切るということが必要ではないかなと思っております。 ◯副議長(福間裕隆君)28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)なかなか知事の頭の回転がよいお言葉でございます。午前中の話なのですが、白紙であるというようなお話とか、いろいろそういうのははっきりぱっとわかるのですけれども、その国体の話も年度末までには意見されるということです。今回もそういう機関決定とかいろいろあるわけですけれども、そういう方たちを受けて、知事として、もうでは大トリで、考えておるということを言われるのかどうか。私もその意味を複雑に考えるとわけがわからないようになりますので、ぜひ県民の皆さんにわかるように。私だけがわからないのかどうか知りませんけれども、県民の皆さんにわかるように話していただければ助かりますが、もう一度答弁を。 ◯副議長(福間裕隆君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)たびたび答弁をして恐縮ですが、もし奥歯に物がひっかかっているところがあるとすれば、実は私、奥ゆかしいほうでございますので、実はこれ、手続としては県議会の議決が決定のステップになっています。ですから、議会の自主性ということに最大限、私も意を用いさせていただいているということでありまして、私は両団体が意思決定をされたのでありますから、2033年でやりましょうというふうに申し上げたいということです。  ただ、それを決定するのは先ほど申しました招致議決という議会の手続が必要でありまして、それはもしお願いできるのであれば、今議会でまとめていただければ一番早く上がるということでありまして、そういう意味で、これからどういうふうな皆さんの御意見が出るかというのもちょっといろいろと御相談をさせていただきたいということです。  島根県はこの秋に恐らく国のほうに要請活動をされるでありましょうから、その島根県の動きも我々としても横目で見ながら、我々の目標を考えたいと思っておりまして、今後よく議会側と御相談をさせていただきたいと思います。
    ◯副議長(福間裕隆君)この際、申し上げます。先ほど斉木議員から申し出のありました発言の訂正については、後刻記録を精査の上、適切な措置をとることといたします。  28番斉木議員 ◯28番(斉木正一君)よろしくお願いいたします。  知事、わかりました。その知事の気持ちというのはもうわかったわけでして、我々、あとはそれを議会はやるべきこともありますし、その機関決定もいろいろなことがあるわけですけれども、その知事の気持ちがやはり聞きたいものですから、えらい再度念を押したようなことでございます。まだ先の話なのですけれども、やはり早いうちに決めて物事の準備がかかるということは大事なことだろうと思いますので、ぜひ我々議会としても皆さん方と協議しながら進めていきたいなと、私自身は思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  本当は大分準備をしておったのです。だけれども、皆さん方に再質問をできないような状況でございまして、私自身もいろいろじくじたる思いがありますけれども、ぜひまた次の機会に皆さん方に今残った分をまたしっかりと議論させていただきたいなという気がいたしております。  終わりに、警察本部長に御答弁をいただきました。振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺というのは今まで多くの被害事例があり、自分は被害者にはならないと思っていても、一向におさまる気配がありません。それだけ手口が巧妙になっているのだと私は思います。  私が住んでいる地区の成実駐在所の警察官が先日、地区の敬老会で腹話術でもって特殊詐欺の被害に遭わないように、軽妙な語り口で呼びかけておられました。身近な駐在所員の方の話には、敬老会の人ばかりではなく、子供たちも親しみを持って聞き入っていました。第一線での日ごろの被害防止の啓発活動に大変感謝を申し上げるわけでございます。私自身も何十年前はそういう立場におりましたけれども、今の若い警察官はとても優秀でございます。そういう面で、本当に地域のこと、全体の事件のことを思いながら、腹話術で人形でもって物事を説明していく、本当にわかりやすい説明をされました。大変感心をしております。ありがとうございました。  以上で質問を終わりたいと思いますけれども、本日は大変長時間にわたり平井知事を初めとする執行部の皆さん、丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございました。県議会と執行部とが車の両輪となって力強く進めていっている鳥取県らしい地方創生の実現に本日の議論が少しでも寄与し、県民の皆様が確かな豊かさを実感でき、安心して生活していただける鳥取県をつくり上げることにつながることを願い、質問を終わりたいと思います。  執行部の皆さん、傍聴の皆さん、議員の皆さん、そして報道の皆さん、本当にありがとうございました。以上で終わりたいと思います。 ◯副議長(福間裕隆君)本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後3時30分散会    ────────────────...