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  1. 鳥取県議会 2015-06-01
    平成27年6月定例会(第4号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(斉木正一君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  それでは、議案第1号から第17号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  32番澤紀男議員 ◯32番(澤紀男君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。公明党の澤紀男でございます。今回3期目となり、初心を忘れることなく県民の負託に応えていく決意でございます。  それでは、通告に従いまして、質問をいたします。  初めに、子育て・小児医療・治療ケアについて質問をします。  知事の3期目となる本議会では全国に発信する鳥取県モデルの取り組みとして、子育て・福祉の分野においては第3子以降の保育料無償化や小児医療費助成の充実として高校生まで拡大するなどの議案が提出されております。そこで、知事には子育て王国を目指す上でこれらの施策が鳥取県にどのような波及効果をもたらすと考えるのか今後の展望もあわせて伺います。  先日、小児医療の中核となっている鳥取県立中央病院の小児科病棟に伺い小児治療ケアについて視察しました。平成26年度の小児科の延べ患者数は9,165人、現在、小児科医療スタッフは33人で対応、その中で2年前から保育士スタッフ1人が加わり、入院している子供たちの話し相手になるなど精神的なケアを医師・看護師と連携しながら行っています。  そこで、現在配置されている小児科での保育士の役割について現状をどのように評価しているのか課題と今後の取り組みについて伺います。  2014年4月3日、NHK静岡放送で「“遊び”で支える子どもの治療」という番組が放送されました。  病院に入院している子供たちに対し、遊びを通じて精神的な支援をする取り組みが成果を上げ始めているというもので、静岡県立総合病院小児科には年間3,000人以上の子供が入院している。子供たちはなれない環境に置かれた上、痛い処置、狭い部屋に、強い不安を感じ治療を拒むことも少なくない。  1人の子に30分くらいかけて小児科医が説得して注射をしたという現状もある。  この現状を変えようと、5年前からホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)と呼ばれる一人の女性が働いている。  その職種は、遊びを通して子供の治療が前向きになるようにすること、医療器具を使った遊びで治療への抵抗感を減らしたり、写真で手術の過程を説明し不安を取り除いたりします。  イギリスで始まった専門職で静岡県立大学が6年前から国内で初めて育成に取り組んでおり、200時間を超える講義・実習で子供の発達や遊びの手法を学んだHPSは全国の病院や施設で働き始めている。  放送の中で、HPSは手術を受ける女の子と一緒に遊ぶ中で、麻酔への不安を持っていることを察し、本物の麻酔マスクを使って実際に手術の段取りを疑似体験して遊ばせることで、女の子は納得して手術に向かう心の準備ができ、手術は成功した。  退院を控えた女の子が帰りたいけれども、帰りたくないと言った様子が紹介されていました。
     昨年12月に県主催でがん治療にかかわる医療従事者等を対象に子供とがんをテーマに研修会が開かれ、「ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)の役割と可能性について」の講演がありました。そこで知事にはHPSをどのように評価しているのか伺います。  また、小児医療を考える上で県立病院へのHPSのような専門職の人材配置が必要と考えますが、所見を伺います。  次に、介護サービスの質の評価について質問をします。  東京新聞2015年2月11日の記事に「要介護度「改善」で奨励金 事業者の意欲を評価」、介護保険制度では、要介護度が低くなると、利用できるサービスが狭まるのに伴い、事業者が受け取る介護報酬も減る。少しでもこれを補い、利用者の状態改善に前向きに取り組んでもらおうと、自治体の中には成功報酬の支払いを制度化する動きが出ている。事業者のやる気を評価するとともに、介護費用の膨張を抑える意味もある。  東京都品川区は2013年度から、利用者の要介護度改善に対する奨励金の支給を始め、4月1日を基準に、過去1年間の利用者の要介護度について、1段階改善したら月額2万円を事業者に支払う。改善状態が続けば月数(最大12カ月)分になる。さらに介護度が低くなるごとに2万円が加算される。  対象は、事業者側の任意団体、区施設サービス向上研究会に参加する特定養護老人ホーム介護老人保健施設(老健)などで、支給を受けたのは13年度10施設、14年度は12施設、13年度は47人の要介護度が改善し約700万円、14年度は新規と継続を合わせて86人の改善に対し約1,200万円を支給した。奨励金の使い道は自由。職員報酬を上げるほどの大きな額ではないため、みんなで使えるものをと、備品に充てる例が多いと掲載されております。  そこで、知事には鳥取県の介護制度の現状をどのように評価しているのか、また鳥取県においても要介護度の軽減が図られた場合、そのサービスに至る質の評価をする制度も必要と考えますが、所見を伺います。  次に、がん検診について質問をします。  今月1日に塩崎恭久厚生労働相はがん克服の取り組みを強化するため年内をめどにがん対策加速化プランを策定することを明らかにした。同プランは、がんの死亡率を減らし、国民の健康寿命を延ばすため、検診受診率の向上や治療薬の開発など、さらなる充実が必要な対策を省庁が横断的に進めることを目指すもので、プランの柱に1、がん教育、たばこ対策、検診など予防の推進、2、小児がん、希少がんなどの治療研究の推進、3、緩和ケア、地域医療、就労支援など、がんとの共生に向けた支援が柱になっており、がん対策の加速が期待されます。  その中で、本県においても、がん検診については受診率50%を目指し取り組んでいます。  6月補正予算にがん検診、特定健診等の受診率向上対策として個別受診勧奨を行う市町村への支援事業が5市町村計上されています。この個別受診勧奨・再勧奨(コール・リコール)事業の推進による受診率向上へ向けどのような効果を期待されるのか伺います。  また、補助要件として、がん検診等の未受診者の受診者数が増加する計画を立てるとありますが、具体的な目標数値を設定しているのか、未受診者に対して先駆的・モデル的な個別受診とありますが具体的にどのようなことを想定しているのか伺います。  次に、日本海の夏の味覚イワガキ夏輝について質問をします。  日本海新聞に、鳥取県沿岸で水揚げされる天然イワガキ漁業が始まり、6月1日県内の4カ所で初競りがあった。日本海の夏の味覚、夏輝ブランドで流通している。海のミルクが県内や京阪神などの市場に向け出荷された。  漁は5月31日解禁。  県内産天然イワガキは2005年以降、県産魚PR推進協議会が夏輝としてブランド化を進め、殻の大きさが13センチ以上のヒラガキにブランドラベルをつけて出荷。県内では海産物直売施設でも売られている。同協議会の担当者は、春先、適度に雨が降り、餌となるプランクトンが豊富だった。質、量とも期待できると強調。  今季は8月末までの漁期中、漁獲量150トン、販売額1億円を目指すとあります。  県のパンフレットにも、食のみやこ鳥取県のイワガキは大きいもので長さ20センチ、重さ1キログラムにも達し、素潜り漁業でとられた天然物です。海のミルクと称されるイワガキはレモンを搾って豪快に食べる生食が最高と。冬のマガキと違い初夏からお盆にかけてが旬で、鳥取県の夏の究極の味覚として紹介をしています。  漁獲量は平成12年の266トンを最高にその後は平成16年には125トンまで減少しましたが、鳥取県イワガキ資源回復計画により19年から漁獲サイズの制限、漁期を設ける漁獲努力削減措置の実施、漁場機能の回復を図るため付着面再生などの積極的培養措置を推進し資源回復を図ってきました。  そこで、1、夏輝ブランドの県外への出荷実績の評価とブランド普及への取り組みについて今後の展望とあわせて伺います。  2、公共事業による人工構造物の設置整備とイワガキ付着再生面についてどのように取り組み、それにより今後どれくらいの漁獲量が期待できるのか伺います。  3、栽培漁業センターの機能強化によるイワガキ種苗の生産体制について現伏をどのように評価しているのか今後の取り組みとあわせて伺います。  4、漁場環境保全として操業中にレイシガイ等の食害生物の積極的駆除についての現状と今後の展望を伺いまして、壇上からの質問といたします。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議の一般質問にお答えを申し上げます。  まず子育てに関連しまして、第3子以降の保育料無償化、小児医療費助成充実につきましてお尋ねがございました。  小児医療費の助成制度の充実については、公明党のほうからもたび重ねて御意見もいただき、このたび選挙戦の中でも掲げさせていただきまして、高校生までの助成制度拡充を図らさせていただくことといたしました。今のところまだ始まって間もいないものですから、どういう波及効果になるかというのは必ずしも予測しがたいということはありますが、例えば小児医療費の助成制度で言えば中学生まで助成が広がったことは保護者の皆様に非常に安心感を与えるものとして歓迎をされました。  県外から移住される方にもよくこの子育て施策での医療費助成については驚かれるとともに、大変に喜ばれるというようなことでございまして、これが仮に高校生まで広がるということになりますと原発被害で苦しんでおられて子供たちの健康管理、甲状腺被害なども心配される中で取り組まれた福島県と同等で、全国でトップの助成制度ということになります。これはまた鳥取県の子育ての安心材料を広く県内外に発信するものにもなると期待をいたしております。  また、あわせまして子供たちの保育料の第3子以降無償化についてでありますが、これは昨日までも御議論がございましたけれども、既に中山間地の保育料無償化事業を導入しておりまして、その声はある程度広がってきているところでございます。  例えば若桜で言えば、そこの若者向け住宅ですね。昨年度末の3月と、それから今年度に入っても1件やはり入居がございまして、その方々が若桜のこども園に入られたりしております。こういうように具体的に移住につながっているということもございます。  また、最近取り組まれた智頭町でも大変に保護者の皆様、御家族からも喜ばれているところでございまして、やはり保育料負担が非常に重たいとイメージで捉えていたことがあるのではないかなと思います。  日南町は第2子とかも当然保育料の軽減措置があるわけでございますが、日南町のケースですと2人以上のお子様を持たれる世帯が多いのだそうです。そういうようなところで中山間地のこの特例制度が生きまして、そうしたところでの評価の声もあるというふうに伺っていますし、他町から引っ越してこられ、それで住まいを借りられて、こちらの保育園に通わせているというような話も出てきております。  事ほどさようでございまして、やはり今子育ての不安感としては金銭的、経済的な側面が強いというアンケート分析が各地で出されていますが、そういう意味で有効な手段としてこの2つが機能するのではないかと考えているところでございます。  次に、中央病院で小児科に保育士が配置をされているわけでありますが、その現状をどういうふうに評価をしているかということでございます。  これは30平米以上のプレールームがあって、それでこの保育士を配置しますと診療報酬上も加算措置があるという時代になってきておりまして、徐々にこうしたことがスタンダードになっていくのではないかなと思います。  また中央病院は、その先駆けというわけでございます。実際に導入をしてみますと看護師の皆さんと、それからお医者さんとの要はチームプレーになるわけですね。そういう医療チームとして組み込まれて保育士さんが入ってくるわけでありますが、非常に小児科の特性からしますと親和性があるといいますか、有効性が認められているというふうに思います。  例えば手術の前に絶食をしなければいけないというのは、ありがちなことであります。子供さんですから、おなかが減ってむずかるものでございますけれども、そこに遊び相手としてプレールームで保育士さんが連れ出して、そこで手術の時間まで待つということをしますと非常にスムーズにその手術のタイミングを迎えることができるということ。  また、わからないでもないですけれども、小児科で看護師さんの顔が見えると泣き出すお子さんもいらっしゃると。注射を打たれるのではないかとか、点滴だって痛いものですから、そんなことがありますので、看護師さんに対しての警戒感がある中で、保育士さんが存在しますとそれを和らげてくれる。いろんな声かけだとか、また褒めてあげたりとか、保育士さん独特の技術がありますけれども、役割分担が看護師さんとできていることでこれがうまく機能しているというようにも言われています。こうしたいわば成功例でありますので、今後もこれをいろんな形で広げていければいいと思います。  次に、ホスピタル・プレイ・スペシャリストについてお尋ねがございました。  これにつきましてはこの議場でも御意見をいただいてきたところでございますけれども、これもイギリスで始まった仕掛けではありますが、がん治療なども含めまして有効に遊びを生かして医療のケアの質を高めていく、円滑に医療ケアを講じることができるようにということだと思います。  これは資格としては、国内では静岡県立大学の短期大学部のほうがその資格の付与の権限がある唯一のところでございますけれども、そこから教官に来ていただきまして、私どものほうでも今もお話がございましたようにシンポジウムに加わっていただき、このホスピタル・プレイ・スペシャリストの意義につきまして解説をしていただいたところでございます。  今、全国で129名の有資格者がいるというふうに言われておりますけれども、本県としてもこうした資格を取りに行くことができるように、このたびこの静岡県立大学のほうに資格取得のために行くことも県の3分の2の助成制度を適用させていただこうということといたしました。それによりましてこれを活用して静岡県立大学のほうで資格を取るという病院、看護師さんも保育士さんもこれは取得可能でありますけれども、そうしたことを応援してまいりたいと思います。そういうことを通じまして県立病院への配置につきましても後押しをさせていただきたいと思っております。  次に、介護保険につきましてお尋ねがございました。鳥取県の介護サービス、それについての評価、また要介護度の軽減が図られた場合の成功報酬化等の動きも国内にはあるわけでありますが、いかがかということ、そのサービスの質の評価をどういうふうに考えるかというお尋ねがございました。  鳥取県は、全国のほかの地域と違いまして、高齢化が先に進んでおりました。したがいまして、東京を中心として今、急速に要介護高齢者の割合が上昇してきております。本県は、既に高齢化が進んでしまっている県でございますので、全国よりは落ちついて、今緩やかに来ているところではあります。  そういう中で顕著なのは、北栄町だとか湯梨浜町だとか、そうしたところで要介護の認定率が下がってきているわけですね。こういうようなことが各地で広く出てくるようになりますと高齢者の方も体が動かせるようになって喜びを感じられると思いますし、生きがいを感じられると思います。また地域としても介護保険に係る費用の抑制にもつながるということになりまして、これはウイン・ウインの関係で、いいことではないかなと思います。  北栄町では、こけないからだ体操をやっていることが功を奏したり、それからそのケアについてさまざまな関係者、保健師さんだとかいろんな方々がかかわりながら個別のケースについて議論をされて対策をとられていると。そうしたことが奏功しているのではないかと思います。こういうような北栄だとか湯梨浜のようなケースが出てくることを、私どもとしてもそれを他の地域にもDNAとして広げていくことができればこうした課題にも向かうことができるのではないかなと思います。  このたび介護保険の制度の中で介護報酬の加算が要介護の引き下げに貢献するような場合には加算をするという制度が導入をされました。これを我々としても各保険者だとか、あるいは介護関係者にもよく周知をさせていただき、この制度を活用するように働きかけをさせていただきたいと思います。  また、一部自治体でそうした成功報酬の動きがあるが、いかがかというお話ではございますが、まずはそういう国の制度を設けましたので、それを活用しながらということかと思っておりますし、成功報酬が行き過ぎますと介護の施設のほうが、要は介護度が下がると見込まれるようなそういう方々を中心に入居させるということになってしまうと厄介であります。本来本当に介護サービスを受けなければならない方々が排除されることにもなるかもしれないということでありまして、まずそうしたいろんな全国の例も拝見をさせていただきながら国で始まった加算制度を周知していくというのが道筋かなと思っております。  次に、がん検診につきましてお尋ねがございました。これについてコールセンターの活用などの御意見も議員のほうからいただいておりましたけれども、受診率向上に向けてどんな効果を期待するのか等につきましてお話がございました。  都市部を中心にコールセンターというのは活用されると思います。これを使って、がんの検診率を上げることに向かえばと思います。そういう意味で自治体のほうにもこの仕組みについて周知をさせていただきたいと思います。  ただ、県のほうでは、そうした受診勧奨を広く応援するような仕組みで支援措置をつくらさせていただいております。地域性があると思うのですね。どちらかというと中山間地等郡部におきましては、個別に保健師さんが回ることでやるという地域もあると思いますし、それが有効にフェース・ツー・フェースで機能する可能性もあるわけでありまして、そこは地域の選択をある程度認めながらということかなと思っております。ぜひそうしたことで受診率を上げていただいて、県民の皆様の健康の確保に資すればと考えております。  3年に1遍こういう調査が行われるのですが、我々の任期が上がるあたりでありますけれども、平成31年の国民生活調査といったような調査におけるがんの検診率50%を具体的に目指してPDCAサイクルを年々回していきたいと思います。  次に、夏輝につきましてお尋ねがございました。  これについては詳細を水産振興局長からお話を申し上げたいと思います。  ここ最近は170トン、1億円前後で漁獲のほうは大体推移をしております。大切なのは資源の涵養でございます。それからブランド化でございます。また、販売戦略でございます。これらについてそれぞれのアプローチをさせていただいております。  ブランド化については、これは高級品でございますので、その高級品だということを売り出してトップブランドとして出していこうということをしておりますが、例えば赤碕漁協であれば日に50個から70個、東京の料理屋さんを中心に出ていっています。それから県漁協だとかいろんなところでも出しておられますけれども、高級なレストランとか、それから最近都会では、はやりのオイスターバーというのはありまして、そのオイスターバーの系列のお店のほうでも引き合いが来ています。オイスターバーは、基本的にはさっきおっしゃったマガキのような小ぶりのものが多いわけでありますけれども、夏輝というこんなでかいのが来ますと、同じカキを食わせた中でもこれはインパクトがあるわけですね。ですからそういう意味で、たくさんというわけではありませんけれども、少しこういう高級品を入れながら店づくりをしているというのにもマッチするようでありまして、最近はそういう引き合いも出てきております。こうしたことをいろいろとやりながら販売戦略やブランド化をこれからも進めていければと思います。  資源の涵養について、詳細は水産振興局長のほうからお話をさせていただきたいと思いますが、今大体2,500個こういうブロックを沈めまして、そこを繁殖する場所として想定をして、清掃したりしながらということを始めています。若干の試行錯誤はありましたけれども、大分めども立ってきた面もございます。  また、隠岐島でやっているような普通の養殖も確かにあるわけでありますが、鳥取県内のところは海岸線は波浪の影響がありまして、そう簡単ではないです。ただ、最近やってきた感じで田後とかその可能性も見えてきたところもありまして、港等によってはそうした対応も可能かなというところがございます。いずれにいたしましても資源として大切にしながら、それが漁獲につながるように、漁業者や地域の皆様とも連帯をして進めてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)三木水産振興局長 ◯水産振興局長(三木教立君)それでは、補足答弁をいたします。4点ほどございます。  まず、ブランド化のことについてでございます。  先ほど知事から申し上げましたように、最近のイワガキの漁獲量は160トンから170トンぐらいございまして、1億円の水揚げがございます。漁獲は横ばい傾向でございまして、漁獲金額は上昇傾向にあります。平成18年から先ほど議員がおっしゃられました夏輝ブランドとして販売を開始して、平成19年には商標登録までとりました。販売単価も上昇傾向にありまして、平成18年当時と比べて最近は1.4倍に上昇しているところでございます。  県では、先ほど知事から御紹介がありましたけれども、県外への出荷比率は約2割ぐらいだと。主に県内出荷が多いというような状況になっております。先ほど赤碕の例もございましたけれども、ふるさと納税の商品にされたりということでブランド化を進めているところでございます。  続きまして、公共事業について人工構造物設置と付着面再生についてということでございます。  県のほうでは、平成19年に先ほどお話がありました資源回復計画を策定しました。ポイントとしては2つありまして、漁期の制限、大きさ、重さの制限といういわゆる漁獲制限のほう、もう一つは漁場造成、移殖の放流、漁場環境保全といういわゆる積極的な培養というこの2点になっております。  例えばこれまでの漁場造成の状況で言いますと、平成25年度から28年度まで県内11地区に約2,500個のブロックを沈めてイワガキ礁の設置を進めているところでございまして、現在までに7地区、ブロックは1,800余の整備を行っているところでございます。進捗率は72%でございます。本事業の効果として、平成30年には16トンの漁獲増、また最終年の平成34年には170トン、6,800万円の漁獲金額の増加を期待しているところでございます。  一方、イワガキは、一度採取した後は時期や場所によってはフジツボなどがついて覆われてしまうことが多くて、イワガキの幼生の着生の阻害要因となっているということがわかっております。このため網代地区では、定期的に清掃作業を実施中であります。  イワガキの再生産を促して毎年安定した漁獲量を確保するためには、ブロックの付着面再生とか外敵駆除が十分必要でありまして、県としてはイワガキ礁の管理体制や方法などの管理規定を策定するとともに、例えば漁協でも簡易にできるエアケレン等の技術を普及開発して指導する予定としております。  3番目でございます。先ほどありましたイワガキ種苗の生産体制のことでございます。  御案内のとおり、現在栽培漁業センターで併設しています栽培漁業協会で約1万個の種苗を生産しております。この1万個を用いて、具体的にはイワガキの垂下式養殖を県漁協の浜村支所、船磯でございますけれども、垂下式養殖を行っておりまして、昨年度、平成26年度は約2トン弱、100万円強の養殖の生産を上げております。  ただ、先ほど知事が申し上げましたように、非常に垂下式養殖というのは場所が限られます。なかなか広がるということはかなり難しいことから、現在の種苗生産数量で十分足りている状況にございます。  ただ、県としては、漁港、港湾の未利用水面、例えば漁港のケーソンとかそういうところでイワガキの養殖が可能かどうかを現在調査中でございます。こういうことができるということになれば、種苗の増産体制は栽培漁業センターでも整っているということでありますので、新たな養殖場、養殖手法の開発を行っていきたいというふうに考えているところでございます。  最後に、4点目でございます。レイシガイによる食害生物の駆除ということがございました。  レイシガイ、ちょっと耳なれない言葉かもしれませんけれども、地方名でいくとタバコニシというものでございます。一般的には岩礁域で生息する肉食性巻き貝でございまして、イワガキが幼貝期といいますか、皮が薄いころにはそれに削孔捕食をするということで、イワガキの増殖を阻害させる一つの要因ともなっているところでございます。例えば赤碕では、天然礁がイワガキのこの魚礁と非常に近接しておりますので、天然礁から移動してきたレイシガイがイワガキ養殖場で顕著な増殖が見られたため、昨年9月に潜水業者の皆さん全員で駆除作業を実施したところ約20キロ捕獲したということを伺っております。  一方、レイシガイは、岩美地区では古くから酒のさかなということで珍重されております。レイシガイは、イガイ漁やイワガキ漁のときに採取とあわせて駆除を実施しているというふうに伺っています。現在レイシガイの効率的な除去方法というのが見つからないのですけれども、こういう郷土料理の素材として活用するなど積極的な有効利用を推進することによってイワガキ資源の回復に努めたいというふうに考えております。 ◯議長(斉木正一君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)御答弁をいただきました。  まず最初の子育て支援につきましては、私たちも期待をしておりますし、本当に県外からの移住の方もあればという大きな期待を抱きながらこの事業をしっかりと見守っていきたいと思っております。  先ほどホスピタル・プレイ・スペシャリストの助成を取り上げていただきましたけれども、やはり3分の2の助成で一つはこういう体制も築いていくということで、人材育成ということを言っていただきました。私も中央病院に行きまして見ましたときに、やはり感じたことは、一生懸命やっているのだけれども、何をどういうふうにやっていくのかと、そういう情報といいますか、ネットワークが一つは必要ではないかなと。そういう意味ではこういう全国的な展開をこれからやろうとして取り組んでいるところのネットワークをしっかりと築いて、やはり県立の中央病院がそういうネットワークの発信のもとになるべきではないかと、そういう意味で一つは質問をさせていただいておりますので、知事の御答弁に期待をして見守っていきたいなと、こういうふうに思っております。  それと介護の制度のことですけれども、これは先ほど言われましたいろいろな考え方があると思います。国の制度を見守るということですので、県の方向なのかなと思いますが、根本的にはこのいわゆる介護をやられている方をきちっと評価すると、国の制度では今までのことを評価してやっているということではないというふうに私はちょっと理解をしておりますので、いましばらくこれも県の方向性を見守りたいなと思っております。  追及に移りたいと思うのですけれども、先ほどイワガキのことでちょっとお伺いしたいと思います。  いろいろ県のほうで施策をされました。それについて成果も上がってきていると思うのですけれども、私もこの夏の味覚の夏輝の安定生産を目指したイワガキの資源回復としての徹底した漁場管理、これは大きなポイントになってくることだと思います。  そこで私も漁協でちょっとお話を聞いたところ、イワガキの幼生は、先ほど言われましたけれども、きれいなところに付着するため、徹底した漁場管理が必要だと。特に付着してから2年ぐらいは、本当に細かなケアが必要だということを聞いております。先ほど言われましたように、漁獲できる貝の高さですね、大きさですね、10センチ、それから重量は200グラム以上になるのには約5年かかると。今そこで現役で業を行っている人が中心になって、こういう漁獲の管理をやっている。65歳ぐらいの人たちですね。この4~5年先の将来のために漁場管理を頑張ってほしいと思っているが、現実は厳しいと伺っていると、こういうふうに私も認識しました。  そこで現在、次期鳥取県栽培漁業基本計画を策定中とのことですけれども、これまでの計画の中では種苗の放流、漁場管理について漁業者とともに考え、漁業者みずからが漁場管理を徹底するための体制づくりを進める、こうありますけれども、果たして漁業者の思いを酌んだ取り組みがこれまでできているのか。そういう点を踏まえた次期計画にすべきと思いますけれども、知事の御所見を伺いたいと思っております。  それともう一つは、コール・リコール事業ですけれども、これは50%に向けてこれからも本当にどんどん取り組みを進めていただきたいと私は思っております。非常に期待できる事業であると思います。そのためにも一過性であってはならない、こういうふうに思っております。ある程度の継続性を持たせることが必要と考えますけれども、その辺のところをちょっとお聞かせ願えればと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議から改めて御質問をいただきました。  まず、HPS、ホスピタル・プレイ・スペシャリストにつきましては、私どもでも先ほど申しましたように、まず資格取得をしなければなりませんので、それの応援をし、実際にも県立のほうでも御検討をいただくように働きかけをしてまいりたいと思いますが、そのHPSの方だとか、あるいは小児科で勤務されているような保育士、この辺の横の連帯の情報共有ないしノウハウの共有が確かに必要な面があろうかなと思います。関係者にもよく意見をお伺いしながら対応を考えてまいりたいと思います。  介護につきまして、これから社会保障の費用全体がどうだこうだという議論がどうも始まりそうな気配がありますが、そういう中で高齢者の方の健康や生きがいにもなることとあわせて、その費用の抑制が図れるようなウイン・ウインの仕掛けづくりが重要でありまして、議員のほうからも御指摘がございましたように、国の制度の運用も見ながら個別の介護に当たる人材がやる気が出るようなそういう今後の流れを関係者とも協力してつくってまいれればと思っております。  3点目といたしまして、イワガキにつきましてお尋ねがございました。  後段のことにつきましては、これは水産振興局長からお話を申し上げたいと思いますが、栽培漁業の基本計画、今、6月中を目途に策定中でございます。今回の議会の議論も入れた上で最終的に制定をさせていただきたいと思います。  イワガキにつきましては、先ほども申しましたように今2,520のブロックを沈めているわけでございまして、ここに着礁してもらわなければ始まらないわけです。自然の天然礁の場合は、周りの砂が巻き上げられまして、自然の摂理の中で荒波ですから磨かれているということで着礁されるということでございますけれども、わざと岩を沈める、ブロックを2,520沈める。淀江の漁協であれば280ぐらい沈めるわけでありますが、大体半分ぐらい既に実行されました。もう半分ぐらいまたこれから戻すということになりますけれども、そうやって順次今いわば魚礁づくりをしているわけであります。  その魚礁は、ただ単に埋まったままで、水の底に沈んだままでありますと、これはレイシガイだとかそうしたものが蝟集して、いわばその貝を食ってしまうということにもなりかねなかったり、あるいはイワガキのつもりで沈めたけれども、全然別のことになってしまうということはあるわけであります。ですから私どもとして今進めておりますのは、その清掃作業というのはしっかりやってもらわなければならない。あるいはレイシガイの駆除ということをしていただかなければならない。これを例えばレイシガイであれば産卵時期を捉えて、要は交尾のために集まっているときに丸ごととってしまう。このとったものはとったもので、岩美町のほうではそれなりの値段で売れるのだそうであります。そういう意味でこれは漁獲にもなりますので、そうしたことでとろうではないかということを進める。  また、これを磨くほうにつきましてもエアケレンという特殊な道具を使ってやる。要は水の中ですから、なかなか安定しませんので、清掃も難しいわけでありまして、そういう道具を使ってやるとか、そうした工夫も必要であります。すなわち研修が要るわけですね。そうした人材がやはりいないとうまく清掃作業は進まない。ですからそうするとイワガキがせっかく沈めても着かないことになる。その辺も見据えた上で、全体としての栽培漁業基本計画というのが必要ではないかという御指摘だと思います。その旨をそうした清掃作業や、あるいは外敵の駆除、こうしたものも書き込みながら栽培漁業の基本計画としてまとめさせていただきたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)三木水産振興局長 ◯水産振興局長(三木教立君)補足答弁をさせていただきます。  ちょっと御確認ですけれども、種苗生産の継続性についてということでよろしいでしょうか。 ◯32番(澤紀男君)漁業者が今65歳ぐらいなので、その方たちが4~5年もやると……。そういう方たちのいわゆる意を酌んだことができるようなということです。いいですか。 ◯水産振興局長(三木教立君)先ほど知事が申し上げましたように、栽培漁業基本計画をつくるに当たって、イワガキも含まれているわけですけれども、実は全ての地区、全ての市町村の方に直接面談していろいろ御意見を伺って策定している経緯がございます。先ほど議員のほうからおっしゃられた65歳から先、実際漁獲できるのは70歳というようなところになって、これから潜るというのは大変だということもありますので、それは十分うちのほうも加味して頑張りたいというふうに思っております。
    ◯議長(斉木正一君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)十分加味して策定のほうを期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、きょう、もう一つといいますか、HPS、ホスピタル・プレイ・スペシャリストのことについてもう少し触れてみたいと思いますので、お願いしたいと思います。  私もせんだって静岡県立大学の短期大学部の松平准教授のほうとお話をさせていただきながら、そして現場のHPSの職場といいますか、現場を見てきました。その中でやはり一番印象に残りましたのが、プレールームの話もされましたけれども、やはり退院する子供たちが先生や看護師さんではなくして、HPSに手紙を書いて退院していったと。それがちょっと張ってありまして、これが一番宝物だと。これこそ一つの大きな目標ではないかなという意味で帰ってまいりました。  そういう意味を含めて、次、現場の医師の立場からちょっとコラムがありますので、紹介をさせてもらいたいと思います。静岡県立総合病院の小児科の主任医長の原崎正士さん、HPSとともに歩んできた小児科医からの視点と題したコラムですね。先ほど申しました松平千佳さんのプレパレーション導入実践の手引にありますので、一部抜粋して紹介をさせてもらいたいと思います。  現在、私が勤務している静岡県立総合病院では、毎日15名から20名の医学部を卒業したばかりの若者が初期研修医として働き始めています。一般的に医師が医療機関で働くためには、多くの知識や高度な技術が必要とされますが、それらを兼ね備えていれば小児科医として優秀かというとそうではなく、子供へ接するときの優しさや、時には遊びも取り入れたコミュニケーション能力も必要であり、それは大半の患者が大人である医療科の医師には余り必要とされない部分かもしれません。  そのような研修医も志半ばでさまざまな現実を医療現場で見せつけられることになります。一昔前ならば子供の採血処置などに親を同席させることはほとんどありませんでした。泣いている子供を親から引き離し、どうしようもなく暴れる子供に採血などの処置を行う際には、バスタオルで体全体をぐるぐる巻きにしながら、場合によっては介助者が上から馬乗りになって体を固定して処置を行ってきました。そのほうが患者にとっても安全で、医療従事者にとっても処置を行いやすいとされてきたからです。処置が終わって医療従事者がやれやれと思う一方で、処置を受けた子供にとっては再びこの恐怖がいつ訪れるかわからない不安感や無力感、医療従事者に対する不信感でいっぱいだと思います。最初はいろいろな思いを抱いていた若い小児科医もそのような方法になれてくると多くの場合は何の疑問も感じることなくそのまま医療行為を続けるようになるわけですが、処置室から自分の病室へ戻ってもずっと泣いている子供や医療従事者を見るや否や泣き出す子供と接するたびに私はそのような医療行為の正当性に疑問を感じ、心を痛めてきました。  私が勤務する病院では、2008年よりHPS、ホスピタル・プレイ・スペシャリストが活動するようになり、既に5年がたちました。どのような経緯でHPSの活動を取り入れ、HPSの理念を医療スタッフで共有していったのか、いろいろな人たちから質問されますが、正直なところ最初は特に気負うことなく、何となく試みにやってみただけです。HPSがディストラクションを行う傍らで採血をしてみたら、たまたまよい感触が得られたのです。親の目の前で処置に失敗したらどうしようかといった心配もありましたが、幸いにしてこれまで処置に同席した方たちは我々が行う処置の難しさに同情してくれました。子供の処置にまだなれていない研修医は、親の目の前でさぞやプレッシャーを感じているだろうと案じましたが、親の前で処置をすることが最初から当たり前だと思えばそれほどプレッシャーには感じないと心強いことを言ってくれた研修医もいました。  我々も細かな改良を重ねながらHPSや看護師と協力して処置や検査を行うことに対して次第に自信を深めていきました。病院の医療スタッフが年々少しずつ入れかわる中で、子供にも優しい医療を行う必要性をスタッフ全員が認識しながら子供から親をなるべく引き離すことなく、処置の中に遊びを取り入れて子供とコミュニケーションをとりつつ処置や検査を行うことがもはや当たり前のことになりました。HPSが行うプレパレーションやディストラクションが成功し、単に子供が泣かないどころか全く嫌がるそぶりすら見せずに処置が終わり、平然と病室に戻っていく姿を見ると本当に遊びの力の偉大さを感じます。  また、HPSの活動が始まってから医師や看護師とHPSの協力だけではなく、病棟薬剤師、理学療法士などの専門職も含めた小児医療チームがHPSを中心として自然に構築されました。遊びや家族支援をキーワードにHPSがそれぞれの専門職の間にある見えない垣根を取り払うとともに、医療チームとしての一体感をより強固にしてくれた印象を受けました。  その反面、新たな他の病院から来た医師が前任地で行っていた方法で処置の際に親と子供を引き離し、子供を拘束しようとすると、周囲のスタッフが非常に冷たい視線を浴びせるようにもなってしまいました。  それまで小児科医が行う医療行為について、子供を病気から救う行為でありながら私は何となく子供たちに対して負い目を感じていました。しかし、HPSの活動によって子供たちに対して私自身が感じていた心の負担も軽くなってきました。  ただ、現在我々が行っている医療スタイルが完成された形だと決して思っていません。まだまだ小児科医の現場には課題も多く、いろいろな場面に遭遇しながら子供たちのために改善を考えていきます。以上、こういうふうに紹介いたしました。HPSの活動が小児医療行為の大きな役割を担っていると、こういうことです。  そこで知事には、今紹介しました内容について御感想を持たれていればどういうことかお伺いしたいということ。  これからこの小児医療にはHPSのような専門職を養成していく必要があると思います。新たに開設された鳥取看護大学でも大学間が連携し、人材教育育成講座を開設する取り組みも考えられますけれども、知事の所見もお伺いできたらと思います。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)澤県議から重ねてHPSにつきましてお尋ねがございました。  今、朗読をされました手記に聞き入っておりました。やはり大人の世界と子供の世界と別の世界があるものであります。自分自身も例えば、例に挙げていいかどうかわかりませんが、子供のころ歯医者に行くと、自分は余り泣くほうではなかったですけれども、ほかの子供がぎゃあぎゃあ泣いているというのを聞いているとだんだん自分まで恐ろしくなってきまして、逃げ帰りたくなるということを覚えております。また、予防注射をする列でも、それもやはり子供たちにとっては一つのプレッシャーであったなというふうに思います。注射が嫌いだとか、あるいは病院が嫌いだとか、いろいろと言われがちでありますけれども、それはやはり大人の論理の、大人の秩序の中で子供が適応できるかというと、必ずしもそうではないということだと思います。  しかし、子供の世界の中で医療というものが構築できれば、それは子供にとって敷居が低くなり、みずからが健康を取り戻すことに喜びも感じやすくなる、積極的に医療に対して向かうことができやすくなる、そういうことだろうと思います。その辺が他の診療科目と小児科との違いが本来あるわけでありますが、大学の教育から何から一貫してそれは全て同等に扱われてきたという面が歴史的にあったのだろうと思います。だからこそイギリスで始まった試みではありますけれども、日本でもそういうように広がりを見せ始めたわけでありまして、私どものほうでもそれに近い実践例として今、中央病院が動き始めましたが、その機能を高めていくのもチャレンジだろうと思います。  そんな意味でこうしたHPSの資格取得の支援だとか、それからその環境づくり、正直申し上げればまだ発展途上でありましょうから、今の医師も率直に述べておられましたけれども、その発展途上のメソッドが鳥取の中でも少しずつ芽生えて育っていく。それを支えるような現場をつくっていければと思います。  そういう意味で鳥取看護大学でいかがかという御指摘がございました。大学側にもきょうの議論をお伝えし、それから静岡の例、静岡の実際やっておられるそういう教育のあり方などもお伝えをしてみてはどうかと思います。看護師もこのHPSの資格の有資格者になり得るわけでございまして、そういう意味では一つの鳥取らしい教育になる可能性もありますので、お話をさせていただきたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)32番澤議員 ◯32番(澤紀男君)御答弁をいただきました。  あと感想でございます。今、知事がおっしゃっていただいたように進めていただければ本当にこの鳥取県の中でも小児医療の大きな前進になるのではないか、こう思っておりますので、どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。 ◯議長(斉木正一君)20番長谷川稔議員 ◯20番(長谷川稔君)(登壇、拍手)激しい風雨に見舞われた統一地方選挙を経た平井知事と県議会の新陣容のもと、地方自治の進展に傾注する立場から質問をいたします。  4月の全国一斉の地方選挙と別に注目されたのが、5月の大阪都構想における住民投票でありました。  一地方の住民投票といえども国会での大都市地域特別区設置法を成立させた上での住民投票であり、投票結果は拘束力を持つ実効性の強い、憲法の規定に基づくものでありました。通常、住民投票は住民側から提起されるものですが、今回は大阪市長が大阪には府庁と市役所があって何も決められない。市が持つ都市計画や産業振興などの権限を府に一元化し、市は解体し、特別区が生活に密着した住民サービスの分野を受け持つ。5つの特別区に公選の区長を置くことで市長1人よりも地域の声を吸い上げられるとする内容でありました。  結果は賛否とも70万票台で、その差1万票の僅差で反対が上回りましたが、私も新聞の投稿で合併協議会を推進派の委員だけで強引に進めたことや民意を選挙至上主義とする政治手法に危うさを感じていただけに、大阪市民がノーの判断を示したことに安堵したところであります。  橋下市長のレトリックによる二重行政の解消という耳目に受け入れられやすい常套句は、大都市のみならず用いられがちですが、決して構造的なものではなく、県と県庁所在地自治体で政策協調できていれば解消できるものと受けとめたところであります。  平井知事には、大阪都構想では行政の無駄とされた二重行政に対する見解、加えて、国民投票の模擬演習とも言われたこのたびの住民投票について所感をお伺いしたいと思います。  さて、議会制民主主義のベースに熟議の確立が不可欠であり、我が県議会でも知事の反問権も近いうちには実現されるでありましょうし、何よりもただす前にみずからの見解、認識を明らかにすることが大切と考え、初めに広域行政における圏域と機能について述べさせていただきます。  町村制導入以降、都道府県と基礎自治体との間の役割分担は同じ地方公共団体であるものの、これまで何度かの変遷を遂げてきました。そもそも都道府県は国の骨格をなすものであったため、その変更は、明治21年香川県が愛媛県より分離したのを最後に最小限にとどめられるとともに、国の意思決定を地方にまで下達するための重要な機関として位置づけられてきたと言えます。  他方、自然村を基礎とする現在の市町村は、住民自治の根幹をなすものでありますが、たび重なる合併や人口移動の増大により、徐々に共同体としての性格を失いつつあります。  こうした都道府県と市町村の現在の姿がある中で、分権化の潮流や人口減少社会の到来は、地方政府ヘの権限や財源移譲だけではなく、制度そのものも変えようとしています。広域連合や道州制の議論は、効率的な地方財政の運営を考える上で、非常に惹かれる選択肢とは思われますが、必ずしも有用なものとは言いがたいとも言えます。補完性の原理に基づけば、市町村で実施できない事務を県が行うことになります。過疎地域の市町村においては、県の役割は必然的に基礎自治体に近いものにならざるを得ず、今後、より広域の地方公共団体の設置や県の役割の見直しが行われる可能性も生じますが、人口減少社会における県の役割の重要性を強く認識し、団体自治と住民自治を確立していかなければなりません。  そこで、質問の1点目として、中核市の事務において、県と鳥取市との間の取り扱いについて質問いたします。  地方自治法の一部改正により、中核市の要件が人口30万人以上であったものが20万人以上に緩和され、また、特例市の制度が中核市に統一されました。また、広域連携制度として、自治体が他の自治体と連携しての連携協約、また、他の自治体の長による代替執行が創設されたところです。これにより、鳥取市は、平成30年、中核市への移行を目指しておられます。鳥取市では主に、県から保健衛生行政に関して保健所設置に伴う事務を引き受けようとされています。県とは鳥取市の中核市移行に関する県・市協議会を設置し、かなりの意思一致を見ているとお聞きをします。残された課題は、保健所設置に伴い、法定業務に付随する業務と、鳥取市以外の東部圏域4町村を受け持っていただけるかであろうかと思います。このあたり市に負担がかぶさる話ではありますが、近隣の自治体と連携協約を締結することで連携中枢都市となることも視野に入れられ、東部圏域全体の住民サービスの向上を図っていただく方向で合意を得られることを願うものですが、現時点での協議の進行状況について知事にお尋ねをいたします。  なお、連携といえば、平成の大合併が一段落した平成20年前後、国の定住自立圏構想を思い起こします。  定住自立圏構想は、圏域の中心市と周辺市町村が行政機能のネットワーク化を図り、生活維持機能を強化することとした手法で、県内では鳥取市、倉吉市、さらに県境を越えて米子市がその周辺市町とともに実施団体となり展開されていますが、その成果について知事にお尋ねをいたします。  この構想は自治体消滅論を展開されている増田寛也氏が総務大臣に就任されていたころで、総人口は13%減少、年少人口は40%減少、高齢者人口は45%増加と、地方の人口が維持されなければ国の将来はないとした地方創生の概念にも当てはまる前提でありました。これまで、行政が地域活性化や人口減少などに取り組んでいますが、地方創生を進めていくステージに当たり、これまで国が進めた政策への検証も重要になってきているのではないでしょうか。  地方版総合戦略の策定に当たり留意すべきポイントについて、知事に明らかにしていただきたいと考えます。  質問の第2は、道州制と関西広域連合をめぐる動きについてであります。  昭和40年、第10次地方制度調査会答申は、国、地方を通ずる広域行政体制の整備を強調し、府県合併も検討すべきとし、実際に阪奈和、東海3県の調査を発表しました。この答申に基づき、昭和41年に都道府県合併特例法案が国会に提出されましたが、審議未了で44年に廃案となっています。他方、一向にはかどらない府県合併方式に日本商工会議所、経団連が全国を8つに分け、地方出先機関を道州に吸収する内容が提起されましたが、当時から大ブロック式広域行政単位で自治の機能が満足させられるかの懸念がありました。  近年は、道州制の導入は地方分権を加速させ、国家としての機能を強化し、国と地方を通じた力強く効率的な政府を実現するための有効な方策となる可能性を秘めるものと提示されています。  平成22年に設立の関西広域連合が広域防災や広域医療など府県間の広域連携の形として、7つの共同事務に取り組み始めました。本県も広域観光・文化振興、広域医療、広域産業振興の共同事務に参画しています。設立に当たって、連合長の井戸兵庫県知事は、地方分権改革の突破口を開き、国の出先機関の受け皿としたいとして、道州制とは全く別物と明言されています。平井知事は、サイズの大きさもあり、連合というより連邦、地域主権による疑似国家。広域連合ではなく、個別の府県が受けた方が効率がいいこともあるとコメントされています。ドクターヘリや東日本大震災でのカウンターパートナーでこの関西広域連合での実績を認めるところでありますが、一方、関西広域連合が本丸としていた近畿地方整備局の丸ごと移管については、政府からは、箇所づけの権限を失うおそれから、また市町村からは、財政負担の心配からと、双方からの慎重な態度で動きがとまっています。私はいずれでなければならないとは思いませんが、移管を求める理由に、発注を含め予算執行のチェック機能が現状では難しいとされる点には共鳴するところであります。  また、関西広域連合として地方環境事務所の移管を打ち出していますが、その見通しはいかがでありましょうか知事にお伺いをいたします。  改めて道州制の是非と関西広域連合の到達目標と課題について平井知事の御所見を伺います。  最後に、選挙年齢の引き下げの問題について、期待を込めて質問をいたします。  今国会で、選挙年齢を18歳に引き下げる公職選挙法の改正が衆議院で全会一致で可決され、参議院でも成立が見込まれることから、来年夏の参議院選挙から適用される見通しにあります。すなわち、在学中の高校生で18歳の誕生日を迎えると有権者となり、この問題に対しては知事も先月の定例記者会見で、県教育委員会と連携して、県内全ての高校で模擬投票などでの主権者教育を行うと報じられているところであります。  私も、かねてから、18歳からの投票権の必要性を感じており、市長時代には特区申請をしたぐらい、問題意識を持っておりました。  その当時の新聞で、倉吉市長は、選挙権の対象年齢引き下げの理由として、近年全国的に見られる若者の選挙離れを指摘。学校で投票、民主主義の大切さを教えておきながら18歳から20歳までの空白期間があるため若者が率直に、素直に選挙に参加しにくい。若いうちから政治に参加することが大事と説明をしたとありますが、今でも少しも色あせていないと思います。  また、近年の投票率の低下の中でも、25歳までの若年層の低率が際立っており、有権者の資格をみすみす手放している結果になっている現状を直視するからであります。  今後、人口減少社会において、中でも心配なのが、社会や人との関係の薄い若者の無縁社会です。このため、社会とのかかわりを知り、みずからが構成員である自覚を育てる、まさに主権者教育を高校生からと言わず早い段階から、特別なこととしてではなく、あらゆる機会に積み上げていく必要を感じます。その上で、情報を見きわめる判断力を養い、投票行動に移していくことが望まれます。  私はその一環に、今でも新聞協会により小中学校で行われているNIE運動、新聞を教育的に活用する取り組みを、これは非常にすぐれた運動でありますが、いかんせん限定されております。そこでこれを日常的に学校図書館司書などにも担っていただき、全県的に展開してはどうかと考えますが、いかがでありましょうか。これは、情報を得るために新聞を読む契機づけでありますが、長期的プログラムにより権利を行使できる主権者としての自覚とトレーニングを実践していただくことを望んでおりますが、この点について教育長にお尋ねをいたします。  結びに、知事より18歳からの選挙権行使に当たって、若いころの体験から感じられていること、そして今、県行政において若者に関心を持ってほしいと心がけておられることを中心に、あすの主権者に対し、メッセージを送っていただいて登壇しての質問といたします。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)長谷川議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、大阪におきます都構想の住民投票につきましてお尋ねがございました。二重行政ということについての考え方も問われたところでございます。  今回の橋下市長、それから松井府知事によります大阪都構想、結局は住民投票によりまして70万5,000票余りと、それから69万4,000票余りの大体1万票ぐらいの差だったと思いますが、開票もかなりのシーソーゲーム風でございまして、緊迫感のある投票結果だったと思います。  これをどういうふうに受けとめるかだと思いますが、私は、まず一つには、住民投票は住民投票でございますので、かなり終盤に橋下市長のほうの都構想派が追い上げたわけでありますけれども、及ばなかった。これは都構想に対してノーという結果が出たということのあらわれでございまして、それがまず一つあると思います。  ただ、もう一つには、都構想に最終的にはノーになりましたけれども、その辺についてただ大阪がこのままでいいのだろうかと、イエスに近いノーであって、改革を求めるという府民の気持ち、市民の気持ちがあらわれたのではないかな、こういうように見えたところでございます。ですからこれについては謙虚に受けとめて、現在の市政、府政で新しい改革をつくっていただきたい。これは各党、各会派を乗り越えた課題だろうと思います。市民の意思が明確になりましたので、ただ立ちどまったらいいということではなかったというふうに受けとめるべきではないかと思います。  その大きな原因になりましたのは、ワールドトレードセンタービルとりんくうゲートタワービル、この争いがあったのだろうと思います。りんくうのほうは、これは大阪府が建てたわけでありますし、それからワールドトレードセンターのほうは、これは市が建てたわけでありますが、どちらも平成7年、8年ごろに建設をするということになりました。そのワールドトレードセンターは、256メーターの高さなら、りんくうのほうは256.1メーター、何とばかばかしい争いかというふうに我々は思うのですが、お金があったらいろんな道楽もあるのだなというふうに金がない鳥取としては見えるぐらいであります。ですから我々でさえそう思うのでありますから、住んでいる人たちにとっては何をやっているのだという不満や批判もあって当然なのだろうと思います。  この原因は、日本は地方自治が2層制になっています。その2層制の地方自治体のそれぞれ緩やかな役割分担が地方自治法2条などでも定められてはいますけれども、しかし、それが厳密な区分けになっているわけではない。例えば両方とも港に近いところに建ちましたけれども、港湾というのは府も市も持っているわけですね。そういうようにどちらも同じようなことをやる権能を本来持っていると。さらに住民サービス、例えば図書館だとかいろんなことがやり玉に上がりましたけれども、そういうそれぞれに対して府も市も、我々で言えば県も市町村も手出しができるようになっています。それはそれぞれの市町村であれ県であれ、使命感を持って住民の意思のもとにやればそれは何も問題はないわけでありますけれども、時にそれが同じようなことをまるでコピーのようにやってしまって大金を使ってしまうということも起こり得ないわけではないシステムだと。この辺は自戒をしなければいけないのだと思います。  大阪の都構想自体は、これは一つの地方自治の選択ではあると思うのです。もともと東京都のほうでありました。東京府の中に市が置かれ、それで市の中に区が置かれていたわけであります。しかし、行政の統一性だとか効率性だとか、簡素な行政と、そういうことで、戦中といいますか、そういう時期でありますが、これについては東京市が廃止をされて、東京府が東京都として従来の府や市の役割を担い、その中に区が置かれると。この区は、戦後、特別区という扱いになりまして、その後、また区長も公選ということになるのですけれども、いずれにいたしましてもそういうことで、そこの府、市、区というところの市が除かれる形になったわけであります。今回もそれと同様のことを目指していたわけでありまして、それは東京都の自治体の制度が100%悪いとも私も思いませんので、あれはあれで大都市行政の一つの姿かと思いますが、そうしたことを選択するかどうかだったのだと思います。  ただ、それが二重行政の害悪の問題とかなり意図的にごちゃまぜにされて議論された嫌いはあるのかもしれないなと思います。二重行政というのは、先ほど申し上げましたように全国どこでも起こり得ることでありますが、大阪ほど何か非常にコミカルな形でそれが起こったところもないのかもしれません。本県でも同様のことはあり得るわけでありますが、それは県と市町村とのコミュニケーションを十分とって、それでおのずから方向性を定めていけばいいわけであります。それは同じ市町村民であり、県民である二重の性格がそれぞれ有権者にもありまして、その有権者のいわば監視のもとにそこを差配していけばいいわけであります。ですから二重行政というのは、いわば必然的なものではなくて、帰結として起こってしまうものであって、それをどうやって避けていくのか、それが我々の立場として考えなければならないことなのだろうと思います。  例えばこれは倉吉の市営の陸上競技場の問題がありまして、長谷川市長時代にも大分苦労されたものでありました。それが最終的には決着をしたわけでありますが、改修するに当たりまして、やはり倉吉の場合は、例えば布勢の代替機能としてこういう倉吉市営陸上競技場を使うということも想定され得るとか、それから大きな大会をやっていまして、県だ、市だということではなくて、市が持っているけれども、県のいわば役割分担もあってもいいのではないかと、こういうような議論をなさったわけであります。それに私どものほうでも応じさせていただいて、それももっともなところがあるということで議会の御承認をいただきながらその改修に当たって県のほうでも支援をさせていただくというか、割り勘にしたというような経緯がございました。  事ほどさようでありまして、クレバーに話し合えばこの点は回避されるものではないかなと思います。その辺を大阪の場合も丁寧に本来は平成7年、8年ごろにやっておくべきだったということであろうかと思っています。  住民投票についてのお話もございました。  今回の住民投票で結果は結果として出たわけでありますが、一つ振り返るとしたら選択肢のつくり方の問題はあっただろうと思います。今、長谷川議員もいみじくもおっしゃいましたけれども、都構想の中身自体が一つの党派だけでまとめられたということでありまして、その過程で住民の意思が十分に反映されていなかった。この辺は政治の政局として動いていたことがあって、それが十分できなかったという面もあるのでありましょうけれども、しかし、選択肢として完成形ではなかったのかなということはあると思います。住民の皆様とよくコミュニケーションをとり、それから立場の違いも乗り越えてどういう選択肢が必要なのか、それをつくり上げた上で可か否か決すべきものだったのではないかなと思いますが、残念ながらそこができていなかったというのがあり、住民投票の混乱の原因にもなったのかなと思います。  鳥取県でも県民参画基本条例を制定させていただくに当たりまして、数々の議論がこの議場でも出されまして、私どもの原案も修正をしながら最終案に向かったということでありました。その中の一つの大きなところは、選択肢を検討する委員会を第三者的につくるということでございました。私どももそういう工夫をしたところでございまして、こうしたいろんなことを入れながら住民投票制度というのは運用していくべきだろうと思っております。  私は、間接民主主義が万能だとも思いません。特に任期制に基づいて我々は選任をされているわけでありまして、これからでは、4年間何をやってもいいのかというと、そうでもない。それはおのずから主権者である有権者の意向というものを踏まえながら動かなければならないわけであります。しかし、我々は、それぞれ独立した機関でありまして、我々なりに勝手に動くことも可能であります。ですから直接民主主義的な手法というのも一部入れていかないと、我々が必ずしも民意に沿わない方向に行ったときに正すすべがなくなってしまいます。  また、現在の制度の中では私たちはお互いにリコール合戦を繰り返すしかないという制約がございまして、それには限界があります。もし政治的イシュー、右か左かを決めるべきイシューがあれば住民投票という形で決着をすればそれが一番民意にもかないますし、無用な選挙を繰り返さなくてもいいということにもなります。ですから住民投票は、私は必要な制度だと思いますが、それは本県の場合、全国に唯一常設型として設けることができたわけであります。大阪の例も見ながら、今後の運用としての教訓にしていかなければならないと思います。  次に、中核市移行につきましてお尋ねがございました。保健所の設置について例をとられまして、住民サービス向上の方向で合意を得るべきではないだろうか、その進捗やいかんと、こういうことでございます。  これについてはまず中核市移行を市のほうでも表明をされまして、県と市で昨年の8月から協議に入っております。その最初の会合のときも私も出席をし、実は4町の町長さんたちも出席をしていただきました。それでそこで最初から問題提起をしておりましたのは、いろんな権限移譲がありますが、その中で保健所の問題というのはよく考えなければならない。単に市分だけ移行すればいいのか、あるいはそれをもう少しまとまった形で中核市のほうに県のほうの4町に係る業務も移管をするなどの方策を考えなければいけないのではないだろうか、それの問題意識も当初より表明をさせていただきまして、4町の首長も入る中で議論が始まっております。  その後、3月から保健所に絞った協議もなされるようになりました。保健所の機能自体は、法律で定められていて、中核市に移管しなければなりません。ただ、それだけではないわけですね。いろいろと付随業務がある。それをどうするのかという細かいところでありますけれども、そこのところを今、市側と県のほうで調整をしておりますが、議員もおっしゃるように進捗しつつあるところでございます。いずれにせよ成案といいますか、原案をつくりまして、いずれこの県議会や鳥取市議会でも議論をしていただきながら最終的な案を固めていくということになると思いますし、先ほど来お話がございますように1市と4町とを束ねて保健所をつくるということになれば4町側にも議論をしていただく必要があります。実は並行して行われています6月の町議会でも今の議論の進捗について4町への説明がなされるというふうにお伺いをしておりまして、徐々に圏域のコンセンサスを今まとめようとしているというふうに御理解をいただければと思います。  この中核市でありますけれども、議員がおっしゃいましたように補充制の原則というのがあります。これはヨーロッパの地方自治憲章でも定められているものでありまして、国際的な共通理解になり始めていると思います。まずは基礎的自治体があり、そこが基本的業務を行う。それに対して、さらに大きな広域的団体は補完をする。それをさらに補完をするのが国であるというような形であろうかと思います。こういうふうに組み立てていくのがデモクラシーの姿としては住民の意向が反映されやすい、効率的であり、民意にかなうようなそういう社会を実現できるということになります。ですから中核市という形でそこにできるだけの権限移譲を行っていくというのは私も賛成でありまして、住民の皆様が市役所に行けば基本的なサービスはほぼ受けられるというような形にするのが本来であろうと思います。ですからそこについては積極的に協力をしていこうと考えます。  ただ、これとあわせて1市と4町をばらけますとコストの面でありますとか、それから人材の確保の面でありますとか、また例えば放浪犬ですね、犬の管理など、こうしたことなど非常に厄介な課題が残ってしまいます。実は今も1市4町まとめて県営で保健所をやっているわけでありまして、保健所の機能を県から市に移すのは法律で定められていますから、これはやらなければなりませんが、そのときにあえてそこに切れ目を入れるかどうかということであります。ですからそこはいろんな工夫があると思うのですけれども、切れ目を入れない形でやるほうが数々の方々、住民の皆様、1市4町全体の利便性にもかなうと思いますし、コストだとか人材確保の面でも有利というふうに考えられます。この辺を今、市側と十分な協議を行っているところであります。  次に、定住自立圏構想につきましてお尋ねがございました。その展開や成果についてということでございます。  これは平成21年度から全国で始まったわけでありますが、鳥取県の中部の定住自立圏、それから中海圏域の定住自立圏、これが全国の先行モデルとして始まり、さらに鳥取県の東部が続く形で定住自立圏になりました。これは市町村が、行政の主体ではありますけれども、それが緩やかに連携をすることで住民の皆様の利便にかなうように物事を進めていこうということであります。いろんな試みがなされていまして、それが芽を出してき始めているかなと思っております。  例えば中部で言いますと、病児・病後児保育とか休日・夜間保育だとかいろいろありますけれども、そうした子育て関係を圏域で考えようというように動いてくださっていまして、これは要は人口がそんなにたくさんいる地域ではありませんので、鳥取県の場合は、そこでフルセットを各市町村で全部やるのは難しかろうと。ですから圏域としてまとまってやろうといったほうが現実的に執行可能になります。それをしないとむしろ病児保育などの道を閉ざしてしまうということに事実上なってしまうわけでありまして、こういうようなことで動き始めたりしております。  また、産業振興だとか観光だとか、そうした面でも先進的な動きが出てきていまして、今例えば未婚・晩婚化対策だとか、ウオーキングリゾート対策だとか、そのウイングをさらに中部の定住自立圏でも広げておられます。こうしたことをこれからも慫慂していくべきであろうかと思います。  次に、地方版の地方創生総合戦略につきましてお尋ねがございました。  この地方創生総合戦略につきましては、昨日2015年版の骨子が示されたところでありまして、移住定住を促進する等々今後のいろんな方向性についてのとりあえずのものでありますけれども、骨子が出たところであります。  県でも3月に骨子をまとめまして、市町村の皆様にも見ていただき、それをもとにまた市町村での総合戦略づくりが進捗し始めております。代表質問等でも御議論があったので、重複は割愛させていただきますが、私どもの地域のそれぞれの特性を生かして雄大な自然だとか、ゆったり刻まれるときだとか、あるいは人のきずなだとか、鳥取県にはほかにないいいものがあります。それを生かして定住性を高めて、子育て環境なども進めて、お年寄りの方も安心して暮らせるようなふるさと像を結んでいただきたいと思っておりまして、これは市町村と共同作業で今進めているところでございます。  特にやはり留意すべきなのは、例えばテーマがテーマだけに若い方々、これから社会を担う方々の御意見というのをぜひこの機会に市町村にも聞いていただきたいと思いますし、我々もそうした戦略で会議を設けさせていただきました。  また、具体的なデータをもとにしながら議論をしなければならない。これもこの議場でも御議論がございましたけれども、そうしたことも含めて科学的にアプローチをするということも重要であろうかと思います。  また、これはもう県と市町村と垣根を立てるべきものでもありませんし、市町村同士も市境を挟んで、いがみ合ってもしようがない話であります。いずれにせよ人間は移動しますし、いずれにせよ県民であり、市町村民であります。ですからそこはその策定プロセスでも連携していくことを大事にしたいと思っております。  鳥取県の中部で鳥取創生チーム会議を開いておりますが、そういうところでいろんなアイデアが今出ています。例えば素焼き屋というものを考えてはどうかと。これは素焼きをすると、和牛とか、それからさっき御議論があった夏輝だとか、そういうものを中部の炭で焼くと、そんな一つの魅力づくりを考えてみてはどうだろうかというようなことの議論がされているようでありますし、あるいは農業の農地集積を行おうと思いますと市境を挟んで動きますが、そうしたものも同等にそれぞれの市町村で支援をしていこうとか、それからこれは鳥取県の西部が先駆けてやっていましたけれども、企業誘致をしたときに雇用支援を行います。これが工場が張りついたところと住所地とずれてもそれは応援しましょうというようなことをお互いにやろうとか、今そういう具体的な地方創生に向けて中部なりの戦略をまとめ始めているところであります。私どもとしてもぜひそうした議論を促進し、県の役割も見きわめながら、議会でも最終的には御議決も結構だと思いますが、そうした鳥取なりのプロセスをつくっていきたいと思っております。  次に、関西広域連合につきまして2点お尋ねがございました。一つは、近畿地方整備局など丸ごと移管という議論がありましたけれども、地方環境事務所の移管についての見通しはどうなのかということ、それから道州制や関西広域連合の目標や課題といったことについてお尋ねがございました。  環境につきましては、現在環境省が地方環境事務所を大阪に持っております。鳥取県は、実は鳥取砂丘、それから浦富海岸、こうした山陰海岸国立公園の所管が大阪にあるということでございまして、大阪まで行かなければ物事が決まらないことがございます。これを関西広域連合で移譲を受けて、例えば工作物の設置許可だとかそうしたことをやれないだろうかとかねてから訴えておりました。関西広域連合の方針として、道州制の議論と相対峙する形として関西広域連合の議論があったわけでありますが、この関西広域連合としていろんな国の機関を丸ごと受けて、ここがいわば総合出先機関のようなそういうような機能も果たしながらというのをもくろんでいたわけでありますが、今の政治の流れとしてはそれがすんなり行く情勢ではなくなってきております。  それを受けまして、私どもとしてはフレキシブルに今風の地方分権の申し出をしようということでありまして、いろいろと国とやりとりをしながらこのたび国のほうにその分権の提案を出させていただきました。具体的には環境につきましては、山陰海岸国立公園の許可事業、許可業務を、関西広域連合に移してもらいたいと。事務所を丸ごとということではなくて、その機能として切り分けていただきたいということです。それから利活用の許可、こうしたことを移していただきたい。これで今シーズンといいますか、このたびの移管要請をさせていただいたところでございまして、今これから国の審査が始まることになろうかと思いますが、関西広域連合として力を尽くして、これにとどまりませんが、いろんな諸提案の実現を目指していこうとしております。  議員がおっしゃるように、関西広域連合の成り立ちとして道州制の議論がある中で始まりました。道州制については、今、与党内での道州制法案の議論がございましたけれども、我々のほうの情報収集の状況からしますと自民党内でも今直ちに法案を出すという状況ではなさそうでございまして、今延長国会の話もありますが、ただ、今々動き出すというような感じではないかもしれないと思っております。  ただ、この道州制については、かねて申し上げておりますように国の形をつくりかえるぐらい中央省庁を解体して、国会の機能も縮小して、それで道とか州を設けるというのであれば鳥取県も参加していく値打ちがあるのかもしれません。しかし、単なる数合わせ的な話として、要は予算減らしのために県庁を潰せばいいとかというようなことでやるのであれば余り意味がない。すなわちデモクラシーの機能として鳥取県という県が存在していることは、住民に対しても心強い存在になっています。ですから長く、もう府県制の発足以来あるこの47都道府県の枠組みというのをある程度尊重しながら合理的なシステムを、例えば事務の効率化や簡素化、それから広域連携等でほどいていけば同等の機能は本来経済的には出るはずだろうと思っております。その工夫が関西広域連合という帰結でございまして、それはそれで一つの存在意義達成目的は達しつつあるのではないかなというふうに考えています。現にドクターヘリであるとか、それから防災関係であるとか、国際的な観光誘致であるとか、そうした役割も果たしつつあるところでございまして、私どもとしてもその実をとっていきたいと思います。  奈良県がこの6月22日に県議会が始まるのだそうでありますが、いよいよ関西広域連合への加入の是非について事実上の議論が始まると思います。その様子を見て、また関西広域連合として意思決定をし、場合によっては9月に奈良県の加入の議案を上程させていただくことにそれぞれの議会がなるかもしれません。いずれにせよ奈良が欠けていたことで関西広域連合の機能が十分ではないという御指摘が長くありましたが、その辺については大幅に改善をされるめども立ち始めていると考えております。  最後に、18歳からの選挙権行使につきまして、若い方々に対して意見はないかと、こういうことでございます。  私自身も振り返ってみますと、初めて投票所に行った大学生のころを思い起こすわけであります。胸が非常に高揚したのを覚えております。それまで教科書的に習っていた三権分立の仕組みとか、国会とは何ぞやとか、そうしたものがございましたけれども、まさに大きなこの国を動かす仕組みの中に自分が入っていくのだという高揚感を覚えながら投票所に入った覚えがあります。  私たちの社会というのは、そういうことで動くものであります。一人一人の力は小さく見えますけれども、実は私たちの考え方というのはほかの人と一緒に共有しているものが多いです。特にこの国をどうしようかとか、地域をよくしていこう、そのためにはこういうことをしよう、あるいはこういうことはやめよう、その辺についてはいわゆる世論として私たちは広く共有しているものであります。その世論が機能するためには、1人の力がなければ、一人一人としてまとまって行動することがなければこれは世の中を動かすことはできない。それは私たち自身を苦しめる、首を絞めることにもなるわけであります。  18歳に選挙権年齢が下がるということになりますが、それは喜びを感じていただけることだと思います。今までよりは若くして、先輩方よりは若くしてそういう社会に参画する権利を得ることになります。  しかし、同時に、その責任も果たしていただかなければなりません。この世の中は、決して都合よく動いているわけではない。自分たちがやはり変えていかなければそうした世の中は改まっていかないわけであります。また、当然ながら利益を受けるだけでも私たちは暮らしていけない。そのためには汗も流さなければならない。場合によってはお金も払わなければならない。そうした権利と義務の両面性の上に私たちの暮らしというのがあるわけであります。ですからそうしたいろんな世の中のことも積極的に若い方々には学んでいただきたいと思います。
     県としても今例えば鳥取東高校、倉吉東高校、米子東高校とモデル校をつくり、そうした公民権教育を進めています。さらにそれをほかの高校にも投票をやってもらうということで、ことしは動いてくださるようになりました。大学だとかいろんなところにも何だったら私自身も出かけていって、この大切さを訴えさせていただきたいと思いますが、そうしたことを通じながらぜひ若い方々にも世の中を学ぶことに情熱を持っていただきたいと思います。そして世の中に参加することに情熱を傾けていただければこの日本という国も鳥取県という自治体も未来に向かって明るい光が差してくるわけであります。その光をもたらすのは、有権者そのものでございまして、若い方々の行使を期待しております。  長谷川富三郎さんという中部に生まれた民芸の版画家がいらっしゃいます。この方の言葉の中に、手を抜いたら手がかかるという言葉があります。決して、まあ行かなくてもいいやということで手を抜くことをすべきではありません。それはかえって将来的な手間がかかるということにもなります。大切な1票をぜひ行使をしていただければと考えております。 ◯議長(斉木正一君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)長谷川議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私には選挙年齢の引き下げに伴います主権者教育に関連いたしまして、NIEの取り組みについてのお尋ねがございました。  お話のNIE、ニュースペーパー・イン・エデュケーションにつきましては、新聞協会等が中心になりまして都道府県単位で協議会をつくって展開されておるところでございまして、希望する学校を実践校として指定し、授業で活用してもらうために一定期間、その地域で配られている一般紙全紙を無償でそこに提供したり、あるいは授業等に新聞記者の方々を無償で派遣していただくなどの取り組みが展開されておるところでございます。  本県におきましてもこの取り組みによりましてこれまで延べ63校がこの指定を受けて、新聞が身近にある環境づくりというのを進めてきておるところでございます。また、調べ学習等に新聞を活用した教育をモデル的に実践しているところでございます。  小中学校といった早い段階から新聞を初めとして社会のさまざまな情報から適切に情報を得て内容を的確に捉えたりでありますとか、社会の出来事に関心を持って、それに対する自分の考えを持ち、また表現したりするということは、我が国や地域を担っていく子供たちを育てていくという上では非常に大切なことだろうというふうに認識をいたしております。  こうしたことから本県でも多くの学校図書館では新聞が配備されておりますとともに、このNIE実践校の指定を受けたり、あるいはモデル校の取り組みなども参考にしながら各校種それぞれの段階で新聞を活用し、読む能力の育成等を含めて取り組みを行っておるところでございます。  例えて申しますと倉吉の社小学校というのがございますが、新聞が毎日必ず全員の目に触れるように児童が玄関を入ったところに新聞コーナーというのを設置して、新聞が身近にある環境をつくったりでありますとか、児童が給食時間に自分の感想とともに新聞の内容を全校生徒に放送で紹介したりというような取り組みを行っておりますし、中学校におきましては国語の授業で読み手を意識して文章を書くということで新聞の投稿にチャレンジするといった取り組みでありますとか、あるいは地理の時間に新聞記事を読んで、その中から生徒それぞれが個人的にテーマを設定しまして、例えばこれは世界とつながるという共通テーマの中ですが、和食の世界向け文化遺産登録について、テーマを選んだりでありますとか、ネルソン・マンデラ氏の死去についてテーマを選んだりと、それぞれでございますが、そうしたテーマを設定して、学校図書館を活用して、それに関連する資料などをいろいろ調べたりということを進めて、最終的にはポスターセッションでそのテーマに関する自分の考えを発表するといったような取り組みなども行っているところもございます。  県教育委員会としましても司書教諭等を対象として、こうした学校図書館での新聞等を活用した学習等についての研修会も開催をいたしておるところでございますし、NIEのこの実践校の取り組みをまとめた報告書なども各学校に配付したりしておりまして、こうしたNIEの活動の広がりを目指しますとともに、新聞活用の具体例について情報提供を行っているところでございます。  本年度からは新たにこのNIEの実践校、これまではペーパーベースだけだったのですけれども、発表会というのを開催していただくような段取りに今しておるところでございまして、こうしたことも含めて主権者教育のための取り組みの一つとしてこうした新聞を活用した学習の推進というものを図っていきたいというふうに思っておるところでございます。 ◯議長(斉木正一君)20番長谷川議員 ◯20番(長谷川稔君)残りは一括して申し上げて、所感なり見解をいただきたいと思います。  まず、大阪都構想は、賛成、反対が本当に拮抗したわけでありますが、もう一つの事実としては、投票直前になっても世論調査によりますと7割以上の方が説明不足と回答していることがありました。なかなかこの行政の形式を変えるという仕組みに判断を求めるというのは、難解なことだったと思います。  しかし、一方で、橋下氏は、非常に巧みな話術で迫るわけであります。かねてから橋下氏は、鳥取県をよく引き合いに出しておりますが、府知事時代には、大阪府議会議員の定数削減の折、大阪の人口における議員数からすれば鳥取県議会は6人ぐらいでいいというのもおっしゃっておりましたけれども、今回も260万人の大阪市に市長は私1人ですと。鳥取県は60万人弱の県に市長が4人、町村長が15人いらっしゃいますと。都構想では、5人の区長を選挙で選んでいただく。皆さん、今と今度とどちらがよいですか、そんな投げかけでした。これは私も直接聞いたことでありますが、もう本当に住民にすっと入ってしまうロジックを用いておられるわけであります。  一方で、本当に大阪市の8,600億円の予算で、今は大阪府から2,600億円程度交付金的なものが来ております。そういうものがどうなるかというようなことは全く言われないわけであります。とにかく5つの区ができて、これまでは市時代は市役所が一つ、教育委員会も福祉事務所も一つしかなかった、これが5つできるのですという言い方で通してしまっておられるわけですね。案外そのほうが本当に教育でも子育てでも何か身近な役所になるなという感じを抱かせたと思います。こんなことで住民投票というのは、本当にそこに至る経過までの実質的な議論が深められないまま終わってしまうという、私は少し危うさみたいなものを感じたところであります。  もう一つ、今回住民投票によるこの方法が国民投票にも見せられました。このため公選法の制約を受けないということで、その運動が資金量によって宣伝量に大きな開きが出ると。もうテレビをつければいつも橋下さんが登場しているというような場面も、あながちオーバーではない状況も生まれてしまうわけであります。そういうことで、これは国民投票制度のこれからもう少し精微なものにしていかなければいけない課題というものを示していたと思います。  いわゆる二重行政につきましては、いかに住民のニーズを県であれ市町村であれつかんで、そしてその利用目的を達しているかということが問われるのであろうと思いました。  地方自治は、きのうは国土の場合は領土とおっしゃいましたけれども、区域、住民、自治権を構成3要素としているわけであります。広域とは、基礎自治体の区域を越える地域範囲で広域行政を行うのが府や県であって、その仕事に市町村間の連絡調整に関する事務と市町村行政を補完する事務とがあるわけであります。10年前のあの怒濤のような市町村合併は、基礎的自治体から基礎固めの取り組みであったところであります。議員諸氏も在任特例の後、本当に待ち受けていたのは、大選挙区による一方でまた定数減という厳しい状況を経てきておられるわけであります。新区域における基礎自治体として今後、広域的なつながりを意識し、連携による地域発展の拠点になっていただきたいという今願いを強くするところであります。  そのため中核市が行うことが中には非効率なこともありますが、それらについてはもともと法律で移譲されないこととしておりますし、ぜひとも積極的にこの中核市、なかんずく中枢都市指定を本当に受けていただきまして、これは東部、兵庫の但馬地域圏域にとどまらず、必ずや中部圏、そして松江市も今、同じ指定都市を受けようとされておりますから、西部は西部でそういう広い圏域での広域行政のいわゆる波及効果というものがもたらされることによって鉄道網とか道路網の本当にミッシングリンクがなくなり高速化を実現していく、私はよい手段、方法であろうと考えておりますので、ぜひこの中核市、さらには地方中枢都市指定、認定を期待しているところであります。  定住自立圏計画につきましては、本当に初めてと言っていいぐらい分権型で、そして自発的に計画に取り組んでくださいということで、今それが地道な計画であったがゆえに着々と私は成果を生んでいると思います。  そしてこの構想の計画のメリットは、期限がないということであります。  一方で、今回の地方創生を考えるときに、先日もいわゆる東京圏の高齢者の地方への移動を打ち出しました増田レポート、これが地方創生の第2弾であるということを隠しておりません。問題提起としてはあり得てもその要因を掘り下げることなくしては一面的な捉え方となり、地方は振り回されることになるわけであります。ぜひともさき方知事が今後、総合戦略に当たって留意をすると言われている県と市町村、さらには町村同士の結びついた計画、ここが私は、国のほうは今回は結果をもって選択と集中ということで本当に集中投資のほうに進もうとしているわけであります。どこの自治体にありましても精いっぱいのきょうまでの歩みを続けているわけであります。どの自治体も生き残れるように、それはこれから本当に行政の上で連携が大事だろうと思っております。  関西広域連合は、もともと道州制ということで発足したものではありません。当初に本当にここにしっかりした論議があったわけであります。しかしながら、いわゆる関西経団連などは、まだまだどうしてもアジアの中にこの広域連合をもって打ち出していくという少し望みみたいなものを持っておられますので、これからもやはり地域に生きる人たちが住む国土を広い広域行政で整備をしていくのだと、そういうもともとのスタート点で進んでいたことが中央整備局の移管などに当たってもこれが余り進み過ぎますと、いわゆる到達目標が臨界点に達して破壊をしてしまうと、当初の目的が崩れてしまうということになりますので、そのあたりを十分これからもかみしめていただきながら関西広域連合の行政推進に当たっていただきたいと思います。以上で終わります。 ◯議長(斉木正一君)答弁よろしいですね。(長谷川稔君「いえ、お願いいたします」と呼ぶ)  答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)長谷川県議のほうからるる御意見の開陳がございました。  まず大阪の問題で言えば、これは確かに自由な政治活動が行われました。投票制度というのは、公職選挙法の適用が非常に微妙でございまして、本県においても住民投票制度をつくるときに適用関係をどうするかということはありましたが、それはやはり避けたということにいたしました。基本は憲法21条によりまして表現の自由、言論の自由がありますから、特に政治的意思表明は大切にされなければならないということで、極度に制限を設けることには謙抑的でなければならないところでございます。そういうような意味であえてそうしたものがない例が多いわけでありますが、議員がおっしゃるようにその実相では果たしてこのままでいいのかなというような御議論も出てき始めたと思います。資金量の問題とか、それから十分にこなされないままに投票に向かうこと、その辺はやはり運用としてこれからまだ論点が残っているのかなというふうに考えているところでございます。  また、市町村の自立については、議員もおっしゃったように合併という大きな波をくぐりまして、様相は大体10年たって定着し、変わってき始めて、成長軌道へと向かい始める時期ではないかと思います。そういう中で広域的な連携を先ほどおっしゃった定住自立圏だとか中核市であるとか、そうした形でつくり上げていくのもまた求められてきている。それぞれの市町村がしっかりしてきましたので、その市町村同士のつながり、それから市町村と県とが相補い合いながら展開していって住民の利便にかなうような行政のトータルをつくっていく、こういう意味でそのチャレンジが求められており、それは地方創生の中にもあらわれてきているだろうと思います。そういう意味でこれから地方創生の総合戦略をまとめるとか、それから広域連携をつくり上げていこうとしている本県として、今大切な時期に差しかかっているのではないかと思います。  広域連合は、関西において初めて発足をしましたが、2,000万人の巨大な自治体であります。ただ、その内実として求めているのは、そこに住まう人たちに県境で隔てられることによる不合理をなくすこと、そこに集約されてきていると思います。これから奈良県も加わる中で大きな形でこれからも成長軌道へと乗っていくように我々としても我々の役割を果たしてまいりたいと思います。  また、あわせて中国地方など観光だとか防災だとかでの連携も今始めようとしています。県同士の連携もこれから関西広域連合のような形で大きなテーマとしてクローズアップされてこようかと思いますが、大分従来よりも空気も変わってきたと思います。地方自治の創造的局面に私たちは入ってきたのだろうと思います。道州制の議論が一段落しかけているところで、では、今ある市町村や都道府県でどういう自治の姿をつくることができるのか、これを住民に説明責任を果たしていく必要があります。そんな意味で広域連携や地方創生、そうしたことに向き合っていきたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、午後1時より再開いたします。        午後0時03分休憩    ────────────────        午後1時04分再開 ◯副議長(藤縄喜和君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  13番藤井一博議員 ◯13番(藤井一博君)(登壇、拍手)皆様、こんにちは。会派自由民主党の藤井一博でございます。一般質問の機会を与えていただき、本日このように壇上に立ちました。県民の皆様からの負託を受けて、県政の場で全力で頑張ることを誓います。  初めての一般質問であり、平井知事を初め執行部の皆様にはお聞き苦しい点もあるかと思いますが、これまで県民の皆様と広く対話をさせていただいたことを胸に私なりに考えて自分の視点で質問、提言をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  私は神奈川県横須賀市で7年間医師として勤務をしておりました。現在は鳥取県中部で地域医療に従事しております。日本の医療を肌で感じてきた身として、今後の医療の展望に関しては少なからざる関心を抱いている一人であります。そういった意味で、まず医療・福祉について取り上げたいと思います。  近年の医療は、科学の著しい進歩にも支えられて高度に進化してきました。高度専門医療、たくさんの方がその恩恵を受けてこられましたけれども、その一方で、白い巨塔とやゆされるように権威主義がはびこったことも事実であります。私は、医療者と患者さんとの間に大きな溝ができてきたようにも感じております。  ここで初心に立ち返って、医療者と患者さんの間に溝がない身近な関係を構築することがこれから訪れる未曽有の少子高齢、人口減少社会の上で私たちが安心に暮らしていくために必要なことであると思っております。それが自分の仕事を通じて私が感じてきたことであります。  さて、今から10年後の2025年には、戦争直後に生まれたいわゆる団塊の世代が後期高齢者となります。この2025年に向けて医療と介護の需要は急速に増大することが予想され、現行の医療・介護の提供体制ではこのような変化に対応できないと予想されております。  この流れの中で、昨年6月、いわゆる医療介護総合確保推進法が成立しました。その中で、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保のために、高度急性期、急性期、回復期、慢性期に分類される医療機能について、各医療機関が現状と今後の方向性を選択し、平成26年度中に病棟単位で知事に対して報告することとされました。  県はそれをもとに平成27年度から地域医療構想、いわゆるビジョンを策定することとされていますが、これはその地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するために策定されるものです。その中では、県が医療機関における病床の機能転換や削減などの要請・勧告を行うことができます。  このことは、医療機関はもとより地域住民の生活にも多大な影響を与えるものであります。  昨年度、各医療機関から報告された病床機能報告について、いずれ国から結果が示され、それを踏まえ本年度からビジョンを策定されるのですが、私は、その内容については、単なる病床数など数字上の整理ではなく、あくまでも地域住民の医療需要に即したものでなければならないと考えております。  今後、知事はどのような点に留意されて策定作業を進められるのかお伺いいたします。  次に、医療従事者の確保についてです。現行の保健医療計画の中でも述べられているように、現在の医療の現場では看護師数の不足が深刻な問題となっております。今後、さらに高齢化が進展する中で、地域包括ケアシステムの構築に向けて、ますます看護師の需要が高まっていきます。特に、このシステムは、重度な要介護状態になった高齢者の方に、住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けていただくことを目的としておりますので、医療との連携は重要であり、特に看護師の果たす役割は大きいものであると思っております。  このような状況において、看護師の役割はより深く医療にかかわっていくべきだと思います。これは国の権限にもかかわることと思いますけれども、県として、看護師の医療補助のあり方について、どのように考えておられるのかお尋ねします。  このように今後、医療・介護の現場で、そして地域においても看護師の需要は一層多くなることが予想されます。現在県内で看護師がどれくらい不足しているのか把握をされておられたら教えていただきたいと思います。  私は、それぞれの医療機関の努力は当然ながら、県においても率先して、今のうちに思い切った看護師の確保対策を立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  次に、地域医療構想にも関連するのですが、本県の救急医療体制についてお尋ねします。  高齢化の進展に伴い、救急搬送の必要な高齢者が増加し、その中でも救急救命を必要とする重症患者が増加傾向にあるものと考えます。  特に、県中部地域においては、第三次救急医療体制の整備が不十分なため、重度の急患は、救命救急センターの設置された東部の中央病院または鳥取大学医学部附属病院に搬送されております。  消防局に尋ねたところ、救急車による搬送の場合、中部の県立厚生病院から東部の中央病院までは50分近くかかり、鳥大医学部附属病院までも、山陰道を経由しても1時間近くかかるということでした。  また、医療的処置を行いつつ早急な搬送が可能なドクターヘリについても、県中部地域については、現在本県に乗り入れている公立豊岡病院からも、また、出雲市の島根県立中央病院からもドクターヘリの標準運航範囲70キロメートル圏から外れており、ゆえに中部地域は搬送実績もほとんどなく、この地域は、いわば救急救命の谷間となっております。  1分1秒を争う救急患者の搬送がこのような状況では中部地域の住民は、安心した生活を送ることができません。  このような現状に対する知事の認識を伺います。  私は、この地域には、より早くしかも医師の救急処置が可能で患者搬送ができるドクターヘリの活用が必要だと思います。  中国各県を見たところドクターヘリの整備がないのは鳥取県だけですが、幸い、今回の補正予算で検討を開始されることになっておりまして、一日も早い整備を期待しているものであります。  ぜひ、現行の保健医療計画の期間内には運用を実現していただきたいと思いますが、今後どのようなスケジュールで整備を進められるのかお伺いいたします。  また、ドクターヘリは、消防防災ヘリとはその役割や機能が異なるので両者を一体として運用することは困難であり、新たにドクターヘリのための別の運用システム、つまり航空組織が必要になりますが、新聞情報では既に鳥取大学医学部附属病院を拠点に想定されているようです。  今後検討されると言いながら既に拠点について公にされているというのは手順が前後しているように思いますが、いかがでしょうか。  私は、騒音問題、そして拠点病院など多くの課題はありますが、僻地医療地域を有し、救急搬送の谷間となっている県中部をドクターヘリの拠点として検討されるべきではと思います。駐機場を鳥取空港としても県中部地域まで10分余りで来ることができます。  ドクターヘリの活動範囲は、当然県内全域及び隣県になると思いますが、二次医療圏の中部地域、遭難事故の起きやすい大山、そして岡山県北部など早急な搬送が必要な地域をカバーすることができます。仮に米子に拠点をつくったとしても米子市と鳥取市、あるいは岩美郡や八頭郡は標準的運航範囲70キロ圏からオーバーしており、本県の救急患者が自分の県のドクターヘリを利用できないというような状況が発生することになります。  したがって、県中部に拠点を置けば全県が70キロ圏域に入り県民も安心できることになります。ぜひ御検討願います。  続いて、これも医療・福祉の問題ですが、5月の連休明け、8日の朝刊により、私の住んでいる県中部はもとより全国的にもショックを受けるという大変に痛ましい事件が倉吉市で発生しました。  それは21歳という若い父親が生後4カ月の乳児を虐待死させたという事例です。  私自身、保育園の園医をしており、小児医療にも携わっている身として決して看過できない問題でありますし、中部に住んでいる者として取り上げたいと思います。  今回の事例の特徴としては、行政による乳児訪問、医療機関による1カ月健診などのチェック機構をもってしてもその前兆を把握することができなかった点、また、若年夫婦の父親による加害であったという点であると思います。  この事例への対応のため、県では緊急に児童相談所長会議を開催され、知事は原因の調査を命じるとともに、市や関係機関と連携した再発防止策を検討されるとのお話でした。  そこで知事にお尋ねします。  本県でこれまでにこのような児童虐待による乳幼児や児童の死亡した事例があったかどうか。また、あったとすればそのときは、どのような対策を立てられたのかお聞かせください。  私は、今回の事例について精神科の専門医にも意見を伺いました。一般論としてですが、誰でもいらいらして行動に移したいという衝動はあるそうです。しかし、通常は行動に抑制をかけていて、思ってはいても行動に移さない、制御コントロール、すなわちハードルが働いているそうです。今回の事例で言えばどんなに幼児が夜泣きしようとも、そのことにより腹が立ったとしても実際に子供に暴力を振るうという行動には結びつかないのです。ただ、そのハードルを下げる要因として、過度のストレス、経済的事由、若さゆえの精神の未熟さ、本人の虐待歴といったものが上げられると伺いました。  今回の事例の要因は、今後解明されていくと思いますが、私は2つに分類することができると思います。  一つは、精神医学の分野における事例、そしてほかの一つは若く子育てに未熟な父親が育児ストレスにより衝動的な行動に出たという普通に起こり得るという事例です。  反社会的な人格障害などの精神医学の分野については、家族や本人が自覚して早期に精神保健福祉センターなどに相談し、精神科医の診察を通して、その指導を受けることに尽きるのですが、普通の親で、ただ若く、また、子育てに未熟な先ほど上げましたリスク要因を多く持つ親に関しては、画一的な育児教育ではなく、個別で周到なサポート体制を築くことが大切であると考えます。  まずは、隣近所などの地域で見守る環境づくりと、育児に関する民間のネットワークづくりも必要だと考えます。  例えば高齢者の介護で総合相談支援、権利擁護、介護予防支援などの機能を発揮している地域包括支援センターの育児版を設置されてはどうかと思いますが、知事の御所見を伺います。  今回の事例への対策として、パンフレットの配布や研修による緊急啓発を実施されることになっておりますが、子育て王国とっとりの理念のもとに一人一人の子供が健やかに成長する社会の実現を目指している鳥取県で出産直後の乳児がこのような形で命を失うことは、絶対に避けなければなりません。私は、この事例を奥の深い社会問題として認識され、後悔のない対策を講じることが必要だと考えますが、知事のお考えを伺います。  次に、観光振興に関連しまして三徳山の世界遺産登録についてお伺いいたします。  私は、県政の抱える最重要課題は、人口減少問題であると考えます。鳥取県、そして特に中部の人口減少問題は、喫緊の課題であります。通称増田レポートでも倉吉市を初め中部の町村は軒並み若年女性人口変化率がマイナス50%近い減少率であり、中でも三朝町はマイナス57.6%と消滅可能性都市の一つとされました。  そのような状況の中、このたび、三朝町の三徳山と三朝温泉が六根清浄と六感治癒の地、日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉として日本遺産に認定されたことは大変に喜ばしいことだと思っております。  5月のゴールデンウイーク中のにぎわいは昨年を上回り、集客数では1~2割増という数字も報告されました。5月8日付の日本海新聞紙面には鳥取県内の観光地人出について、「GW中部“一人勝ち”」といった見出しも踊りました。三徳山、三朝温泉の本来持つ魅力に加え、日本遺産認定という付加価値が集客力アップにつながったものと思います。  この盛り上がりの勢いをかりて、私はここで、三徳山の世界遺産登録運動について言及させていただきたいと思います。  世界遺産に登録されるためには、国内の予選を勝ち抜いて、世界遺産暫定リスト入りを果たさねばなりません。鳥取県と三朝町は、三徳山の世界遺産暫定リスト入りを目指した活動を2001年から続けています。  三徳山は2006年と2007年に暫定リスト入りの申請を行いましたが、それに対する文化庁の評価は大変厳しいものでした。三徳山に与えられた評価というのは、暫定リスト入りの下のカテゴリーIの、さらにその下のカテゴリーIIというもので、その意味は顕著な普遍的価値を証明することが難しいため、再検討が必要とされるというものでした。  以後、世界遺産登録運動は継続されておりますが、現在のところ、大きな進展は見られておらず、運動自体も一時の熱気を失っている状況です。  しかしながら、三徳山は後世に残すべき資産として、その価値は揺るぎないものであり、その価値を知る県民である我々が、今後も声を大にして世界遺産登録を訴え続ける必要があると思います。  三徳山単独での提案では、世界遺産としては、歴史的経緯としての独自性に乏しいため、さきに述べたようにカテゴリーIIと評価されたと言われています。  そこで三徳山単独ではなく、三徳山、大山寺と連なるエリアを、最初期の仏教と山岳信仰が接触して初期密教、いわゆる雑密が形成された場として考えますと、その独自性というものは日本でもほかに例がないくらい特有のものと言われております。その普遍的価値が証明されれば世界遺産登録も可能であるとの専門家の意見もあります。  また、船上山は、後醍醐天皇と名和長年の話で有名ですけれども、山岳霊場としての智積寺も和銅年間に赤衣上人か智積上人によって開基され、多くの人々の信仰を集めてきたとされております。さきの三徳山、大山寺とあわせて山岳三霊場と関連づけることができると思います。  今後のさらなる調査・解明は、腰を据えてかからねばならない根気の要るものと思われますが、今回の日本遺産登録の機運を受けて、再度、文化遺産として世界遺産登録へ向けて、県としても積極的に関与すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。知事の御所見を伺います。  最後に、音楽文化の振興についてお伺いいたします。  先日、県合唱連盟理事長の山田衛生先生にお目にかかる機会を得ました。
     私も、日ごろの診療の緊張感をほぐすために、休日にギターを弾くといった程度ですけれども、今は議会の緊張感のほうが増しているのですけれども、少なからず音楽に関心を持っており、山田先生から多くのお話を伺うことができました。  鳥取県は童謡・唱歌のふるさととっとりを標傍しているように唱歌「ふるさと」を作曲した岡野貞一氏や田村虎蔵氏、そして現大阪音大を創設された永井幸次氏など著名な先駆者を数多く輩出しております。  そのような風土のもと、今日では、地域のお母さんコーラスを初め、一般合唱団、小中学校から大学まで幾多の合唱団があり、オーケストラも各市にあって定期演奏会などで活発に活動されております。  山田先生のお話の中で大変感銘を受けましたのは、鳥取県でわかとり国体が開催された昭和60年に、国体の合唱指導者を中心に、県、市など行政や経済界、音楽関係者などで県民による第九公演実行委員会が組織され、今日まで30年間にわたりオーケストラも合唱も鳥取県民による手づくりのベートーベンの「第九」公演を続けておられるというお話でした。  また、平成7年には、県内のオーケストラや声楽など音楽関係者により鳥取オペラ協会が結成され、本年11月には、有名なモーツァルトのオペラ「魔笛」が公演されると伺っております。  一方、鳥取県文化振興財団におかれては、県内外で活躍されている地元アーティストを支援していくために、平成14年度から地元アーティスト支援事業として表彰事業を実施され、平成22年度からはクラシックアーティスト・オーディションを実施され、優秀な成績を上げたアーティストには、国内外の音楽セミナー等の参加に要する経費の一部を助成しています。  このオーディションで優秀な成績を上げられたアーティストには、その後県内はもとより、国内外で活躍されている方もいらっしゃいます。  そこでまず、これら優秀なアーティスト及び鳥取県出身者で我が国内外第一線で活躍されているクラシックアーティストについて、その動向なり活動状況について、県では把握されているのか、また、例えばふるさと大使への委嘱など本県とのつながりをどのようにとっておられるのかをお尋ねします。  このようなアーティストに我が国内外で鳥取県のPRをしていただくことも、本県の文化振興や観光振興の面でも大変意義のあることだと思います。  特に、バイオリン、ビオラなど弦楽奏者に関しては、東京の一流オーケストラの奏者や本場イタリアで活躍されている奏者など県民には余り知られていないのですが、優秀なアーティストがたくさんいらっしゃいます。  せっかく鳥取県が支援したこのようなアーティストの方々について、本県に帰省していただき、室内オーケストラを編成して演奏会を開催するなど、すぐれた質の高い演奏を県民に提供するとともに、教育の現場でも貢献していただきたいと思いますが、知事の御所見を伺います。  また、県内アマチュアオーケストラとの共演や海外で活躍されている本県出身アーティストと交流のある国際的な指導者やアーティスト、そして指揮者を本県に招聘することも一つの試みであると思います。  声楽についても知事賞を受賞された若き歌手が活躍されているので、さきの室内オーケストラと一緒にコンサートを開催することも考えられます。  こうした活動を通じて、人やまちを元気にする音楽文化の振興を図ることにより、地方創生にもつながるのではないかと思いますが、知事の御所見を伺います。  以上で壇上からの質問といたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)藤井一博議員の一般質問にお答えを申し上げます。  このたびは現役のお医者さんとして、さっき小児科医のお話もございましたけれども、その知見をもって議席を得られ、これから県民のために発言をしていこうという心意気を語ってくださいました。心から歓迎を申し上げますとともに、一緒になりまして鳥取県民の幸せの大きさを広げていくことができればと思います。  まず、藤井議員のほうから医療の関係につきまして何点かお尋ねがございました。  まず、地域医療構想を策定するわけでありますが、それを住民の医療需要にしっかりと即したものにすべきではないか等々の観点のお話がございました。  議員のほうからお話がございましたように、今大きく医療、介護につきまして、法律もでき、これから2025年、ないしはその先もにらんでだと思いますが、これからの高齢化社会をどうやって社会保障として全体を支えていけるのか、医療のアプローチも介護のアプローチも両方ありますが、これを結びつけながらコーディネートしていく、新しく再構成していく、それが時代のテーマになってきております。そういう中で議員がおっしゃいましたように、地域の医療ビジョン、医療構想をつくるのがこれからの県の役割に与えられたところでございます。  議員のほうから今お話がございました病床機能報告と申し上げますが、これにつきましては昨年度、それぞれの病棟ごとのベットの状況でありますとか、今後の見込みでありますとか、それなりの考え方、そうしたのもを医療機関から集めました。その基礎データのもとにこの医療のビジョンをつくることになります。先般、この議場でもお答えを申し上げましたが、東部、中部、西部、それぞれの圏域ごとにそのための会議を立ち上げさせていただき、いろんな関係者の方にも入っていただいて、議員がおっしゃるような地域の現場に近い発想でのビジョンができるように私どもも細心の注意を払って進めてまいりたいと思います。  そういう中で今、急に新聞報道が出てきました。つい先日も申し上げたとおりでありますけれども、我々の手元で計算すると国が求めているデータを単純に掛け算すると20%、30%病床減ということも予想されるというふうに申し上げたやさき、今新聞の報道では20%から30%の削減の県として鳥取県も上げられておりました。これは我々だけではなくて、島根は30%以上のカテゴリーで報道されておりましたし、ほぼ西日本は全部20%以上ぐらい。結局若干減らせというところは大阪とか広島とか、大阪はむしろ足りないでありましたけれども、大阪や首都圏は足りない。それからその近くの関東だとか北海道だとか広島だとか福岡だとか、大都市部を抱えるところ、宮城県だとか、そういうところも削減対象となるような数字で図柄が出ていました。ですからうちに限らず全国的にそうした病床の抑制という考え方がこれから出てきそうでありますが、恐らく週明けにその詳細が見えてくるのかなというふうに思います。  これは昨日も申し上げましたけれども、単なる数字合わせのことでもないし、まして予算上の必要、黒字プライマリーバランスのためだけにこれをやるというのであればいささかいかがかなと。  そこへ持ってきまして私どもは地方創生の観点では、今新聞報道等でも東京だとか神奈川だとか、その辺は病床が足らないというふうに出ています。それとそれの分をこちらのほうに高齢者を寄せてくるというふうに言うのであればこちらのほうの病床の増分というのは逆に確保されなければいけないはずでございまして、単純な話ではないのではないかなというようにも思います。大切なのは現場と不即不離の関係でビジョンをつくっていくことでございまして、先ほど申しましたようにさまざまな知見を入れながら、現場を大切にしながら計画をつくってまいりたいと思います。  次に、看護師の医療補助のあり方についてどういうふうに考えているのかということのお話がございました。あわせて看護師の不足の状況、その看護師の確保対策、どういうふうに考えるのかと、こういうことでございます。  これについては看護師、助産師のあり方の法律が変わりまして、このたびいわゆる医療補助的な行為の看護師の領域が広がることになりました。これはこの秋、10月から研修をスタートさせまして、その研修を履修することによって機能を看護師さんが担うということになります。これは全国各地で研修が行われますが、鳥取では鳥取大学がその任に当たっていただきたいというふうに調整をしておりまして、大学側にも準備を急いでいただいております。ただ、これは研修でありますから、鳥取でなくても大阪とか東京で研修を受けても同じ資格は生まれますので、そういうところで受けていただいても結構なのですが、これによって例えば中心静脈のカテーテルの撤去であるとか、そういうような今まで看護師さんが単独では行えなかった行為ができるようになるということであります。  これは今チーム医療の考え方になってきておりまして、しかもお医者さんの負担軽減ということも叫ばれているわけであります。先ほどは小児科における保育士あるいはHPSの活躍のことについて言及がございましたけれども、そういうようないろんな方々が、あるいはクラークもかかわって病院というのをつくり上げて、安心な医療提供体制をトータルで構築するという考え方でありまして、歓迎すべきことであろうと思います。これによって特に在宅での医療、看護におきましてその効果が高まるのではないかと思われますし、推進をしてまいる必要があると思います。  看護師さんは大体この10年で1,600人ぐらい増加をしておりまして、それは養成を一生懸命やってきたこともあるのですが、片方で離職者もいますし、それから議員は御案内のとおり今7対1とかいろいろ看護体制も変わってきておりまして、大分看護師の需要がふえてきている。その看護師さんは、看護師以外にも保健師とか、それから介護のほうでも看護師を必要とするそういう分野もございますので、活動領域が広がってきて、本県では正直二百数十名程度現状でも足りない状態であり、これが続くというふうに見られています。ですから若い方々にこの看護師の道を志していただくように中高生も含めて現場体験をしていただくとか、それからいろんな啓発事業もさせていただいております。  そういう中で特に大きな意味を持つのは、鳥取市における看護の専門学校のオープン、そして鳥取看護大学が倉吉でオープンをしたことでございます。これによりましてこのたびの新規の看護師養成者数は415名を数えることになっておりまして、これがいずれは効果を持ってくるのではないかなと期待をいたしております。  また、鳥取県としては、看護人材がその道を志しやすいように奨学金制度をつくりました。この奨学金の返還免除が入っておりまして、県内病院での就職が条件になります。これはロットで言いますと他県とは全くちょっと桁が違うロットになっておりまして、幅広く認めており、活用も図られております。この辺をてこにして、看護師不足の解消を目指してまいりたいと思います。  次に、ドクターヘリにつきまして何点かお尋ねがございました。まず、第1点目としては、ドクターヘリについての現状認識、知事としての認識はいかがかと、こういうお話があり、そして現在の保健医療計画期間内にドクターヘリ運用を実現すべきではないだろうかということがございました。  これにつきましてはやはりおっしゃるように、カーラーの救命曲線もございますので、要は10分、30分、1時間と、その救命率が変わってまいります。そういう意味で、できるだけ早く病院といいますか、医療手当てにさらす必要があるということでありまして、ドクターが乗ったヘリ、これはドクターカーというのも本県ではやっておりますが、そうした手法が重要であります。  鳥取県内でもいろんな工夫がなされてきました。例えば赤碕あたりは、そうした意味で中核的な医療施設に距離があるのですね。そこで、あそこでは赤碕の診療所の青木先生とかが救急車に乗って事実上ドクターカーのような形で厚生病院に運ぶ、西部へ運ぶというようなことをやってきております。ですから我々の地域なりの工夫もしながら、何とか助かる命を助けようということでやってまいりました。  そういう中でドクターヘリという新しい仕組みは、私どもとしてもできる限り活用したいという部分であります。もちろんお金がかかりますので、コストとパフォーマンスをてんびんにかけなければいけないところはありますけれども、私はその命の重さということを考えた場合にドクターヘリの導入にはできるだけ条件を整えながら取り組む必要があるだろうと感じてまいりました。したがいまして、まず関西広域連合のドクターヘリを導入し、それとあわせまして、ここでの議場の議論に基づき防災ヘリのドクターヘリ仕様をつくり、さらに島根県などのドクターヘリの応援の協定を結び、そうやって県内がその状況を整えてきたところでございます。  この辺は今後、新たなドクターヘリの構想を進めたいと考えておりまして、本議会に検討の所要の予算を提出いたしております。もし実行可能ということになれば早ければ平成29年度にも運用が可能になるレンジだろうと思っておりますが、ただ考えるべき、考慮すべきことはいろいろとございます。関係者の御協力なくして運航はできません。その辺を考えますと、きちんとこれから時間をかけて協議し、準備を整える必要があると考えております。  そのドクターヘリの拠点についてでございますけれども、鳥取大学医学部附属病院が出ているけれども、手順がおかしいのではないだろうか。また、中部においてドクターヘリの拠点が置ければと願うが、どうかと、こういうお尋ねがございました。これにつきましては私どもとして実は長く先ほど申しましたような工夫をしてまいりました。その過程でこの議場でもいろいろと御意見が出ました。最初に関西広域連合のドクターヘリをうちは導入したわけでありますけれども、その際もぎりぎりまで県立中央病院をキーにして、豊岡、さらには丹後、丹波のほう、京丹波のほうも含めてカバーするという方策もあるのではないだろうか、その体制がとれないかということも検討をしたこともございました。  ただ、そのときに随分我々も学んだわけでありますけれども、ドクターヘリを一旦導入しようと思いますとかなりの医療人員体制が必要です。一般にフライトドクターと言われる人も8人とか10人とか、そうした規模で確保しなければならない。さらに担ぎ込んだ後の医療体制、これは藤井議員もよく御案内と思いますが、いろんな診療科目もかかわるわけでありますけれども、そうした医療体制をつくらなければならないわけです。また、ドクターヘリとしては、フライトナースというそういうナースの確保、看護師の確保も必要になります。もちろんヘリポートだとかそうしたハード面での設備も必要になる。その辺はなかなかあの県立中央病院でも整えることがそのときは難しいというふうに判断をし、まずは救命救急センターの機能を充実させること、それが地域としての考え方かなというふうに落ちついたところであります。  それで関西広域連合のドクターヘリを入れるときに議場でかなり議論がありましたのは、西部のほうまでそれが届かないではないかということであります。そこで島根県との協調も後ほど入ってきましたけれども、まずは防災ヘリをドクターヘリ仕様にして、鳥大の医師に乗っかってもらってというのをやりました。ただ、それは十分ではございません。鳥取空港が基地になっていますので、どうしても時間がかかります。  しかし、では、鳥大にドクターヘリをつくればいいではないかという議論も率直な意見としてここの議場でもありました。しかし、ヘリポートもないわけでありまして、やりようもなかったというところでございました。その間、鳥取大学附属病院は、いろんな困難があって、逆にその困難がばねになりまして、救急医療の陣容を充実してきました。県としても救命救急センターの拡張などに協力をさせていただいて、そちらの陣容の整備を応援してまいりました。その結果として、今度は鳥取大学のほうで紆余曲折あったもののヘリポートが設置をされたということであります。したがいまして、そういうように西部で鳥取大学附属病院が一番陣容が整っていて、ドクターヘリの実現可能性が高い。その大学の当局だとか、あるいは県のほうの応援も含めてその可能性をずっと温存しながら検討してきたという実情があります。  したがいまして、まず検討するに当たりましては、広く念頭に置かれているのは鳥取大学附属病院であって、それが受け入れるということになれば現実可能に飛び始める蓋然性は高いというふうに見ております。しかし、もちろんこれから検討するわけでありますから、検討が始まった後、いろいろと御意見もいただきながら最終的な決着をつければいいわけでありますが、そういう長年にわたる経緯と変遷のもとに今動いていることを御理解いただければと思います。  それで私どもも地理的には鳥取県という地勢からして中部にあるのは、一番いいのかもしれないなと率直に思います。ただ、厚生病院が今、救命救急センターでもないという実情がございまして、そこでドクターヘリの基地局、基幹病院になるということは今難しいというか、まず無理という状況が現実にあります。  したがいまして、例えば一つの発想としては、仮にお認めいただいてこの議論が進んで西部にドクターヘリの基地ができるということになったとしても、中部の厚生病院だとか東部の県立中央病院だとか、そうしたネットワークも活用しながら運用する、そういう方策を考えるということだと思います。  そこにオーバーラップをして関西広域連合の豊岡のヘリとか、それから島根のヘリも入ってくることになります。関西広域連合のヘリは、関西広域連合でありますので、これは鳥取県の自県のヘリと言ってもいいわけであります。我々はきちんと権限も持っていますので、要求もできます。  また、島根県のほうは、これは島根の運用にはなりますが、私どもとも協定を結びこちらのほうに入ることもお認めをいただいておりまして、余りそういう意味では遠慮する必要もないということであります。特に西部にそうしたドクターヘリが仮にできた場合にはお互いさまのケースが圧倒的にふえてくるでありましょうから、恐らく統合的な運用に近くなってくるのではないかなと思います。いろいろなことを含めてこれから十分に検討してまいりたいと思いますし、折に触れて議会にも御意見を仰ぐことにさせていただきたいと思います。  次に、児童虐待につきましてお尋ねがございました。  まず、今回の事例についての率直な感想はいかがかということ、それからこれまでの事例はどうかということ、それから隣近所の見守り、あるいは地域包括支援センター等々、後悔のない対策が必要ではないかということがございます。  考え方は藤井議員と全く一緒でありまして、今回のこの教訓をこれからに生かされなければなりません。そういう意味で昨日も大分議論がございましたけれども、確かに100%再発がないというのは、人間がやることでありますから完璧ではないかもしれませんが、99.9%というぎりぎりまでこういうことがないような体制をつくるのが私たちの責務だと考えております。  今回のケースは、きのうも申し上げましたので多くは語りませんが、倉吉市も非常に熱心にケアをしようと動いていたわけでありますし、小児科医も検分をして育て方についてもそのときには問題が見当たらなかったという状況でありまして、非常に見出しにくいケースであったわけでございます。まずは応急的なことを、今考えられることをやり、これから検証委員会を6月25日からスタートさせ、原因を明らかにして、その教訓をまた今後に生かしてまいりたいと思います。  その中には議員がおっしゃるような地域包括支援センターみたいなものもあろうかと思いますが、これは既に県内でも2カ所プラス2カ所、また開設されるところも含めてございますし、鳥取県は実は子育て支援センターが全県的に広がっておりまして、そういう意味での都会地とは違ったネットワークもつくられております。また、例えば小児救急医療的なことについては♯8000と契約をしておりまして、県内から24時間相談をすることができますし、7月1日からは189で県内の児童相談所につながるという24時間サービスも始めることにいたしております。いろいろとそうした皆様に御利用しやすいような体制をとってまいりたいと思います。  これまでもこうした児童虐待の事案はございまして、ここ最近というようなことでいえば、11年、12年ごろですかね、相次いで3回にわたって虐待事案がございました。ですから、鳥取県も決して威張れたものではなかったわけであります。その後、最近ですと23年に子供の死亡事案がありましたけれども、ここからそんなに遠くない鳥取市内でありますが、これは虐待というか、生まれてすぐに殺害してしまったというケースでありまして、そういうような堕胎的な感じもしますけれども、そういう、これは今言われているような虐待のプロパーのもの、典型的なものとはちょっと違います。そういうものが最近起きたケースもございました。  こうしたレッスンに学びまして、今、児童相談所の24時間体制、これは現実には通信手段を持たせていつでも対応できるというような体制にいたしておりますし、何か事が起こったときの24時間以内の調査等、これも国の基準は48時間ですが、本県の場合は24時間で対応するというようにさせていただいております。  また、健康診断を受けないことが結構虐待につながるというのが、虐待の端緒であるというふうにも経験上見えてきましたもので、そういう未受診者に対しては家庭訪問を行うというルールをつくったり、そういうような形で、もちろん啓発のリーフレット等々もありますけれども、そういうような形でこれまでも取り組まさせていただいております。  今回こうした残念な事象が起こったことを率直に受けとめさせていただいて、今後の再発防止に努めてまいりたいと思います。  次に、三徳山につきましてお尋ねがございました。これについてはこのたび六根清浄、六感治癒の考え方で日本遺産に選定されましたことは、御同慶にたえません。また、実はその前に国立公園にも指定をされています。これら2つは実は私どもと町長さんを初め、三朝町の皆さんと話し合いもしながら進めてきたことであります。  世界遺産が先ほどカテゴリーIIということをおっしゃられましたけれども非常に厳しい現状にある。さらにその候補を募集するのも今、国は停止をしておりまして、前に進まない。そういう中でやはり形をつくっていかなければなりませんし、研究成果もこれまでのものを生かしていかなければなりません。それによって集客という、世界遺産自体が目的というよりは、要は広く世の中に知ってもらって観光などに役立てたいというのが地元の本当の願いでありますから、そういう意味では日本遺産とか国立公園にもチャレンジをし、相次いで県と町と一緒に運動して認めてもらったということになりました。  ですから、これまで無駄に過ごしてきたと言うことではなくて、一歩一歩前へ進んできたということであります。これからも協調関係を十分とらさせていただいて、特に学術的な調査等々は町だけでもできないことも多うございまして、手前どもの県のほうと協力しながら、先ほどいろいろなアイデアもございましたけれども、そうしたことも含めて検証をさせていただきたいと思います。  次に、クラシックアーティスト・オーディションの受賞者の皆さんについて、その状況の把握やふるさと大使への委嘱、さらには演奏会、教育現場での活用等々、音楽文化の振興を図るべきではないだろうかということでございます。  これも県としてクラシックアーティストのオーディションをやりまして、要は若手の発掘をしようということであります。この事業自体は議員がまさにおっしゃったことと完全にオーバーラップするのですけれども、活躍の場を与えるというのも入っていまして、県内での演奏会などをやることを目的にしてオーディションをやっているという面がございます。また、あと技量を上げるために海外留学も含めていける奨学金を出したり、それからさっきおっしゃったようなコンサートを組織したりして、いろいろな意味でそういう音楽のプロモーションとのパイプをつける、そんな意味でもお役に立ちたいということでオーディションをやっておりまして、その目的の中で、先ほどもお話にありましたようないろいろなコンサートだとか、そうした場での活躍も今もあります。これも今後もそうした形で慫慂していかなければいけないと思います。  その中でまだ十分把握できていないのではないかということも御指摘がございましたので、改めて今までの受賞者の皆さんのフォローアップをさせていただき、その活躍の度合いによってはふるさと大使での任命も検討させていただいて、個別に相談をさせていただきたいと思います。また、教育現場でも文化芸術の出前授業というのが文化振興財団にありますし、教育委員会のほうでも小中学校や高校で音楽など、そうしたものを実際に体験してもらう、これもそうした遠征事業といいますか、宅配事業的なことをやっておりまして、こういうもので教育現場でも活用してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、そうした鳥取県というすばらしいこういう自然景観とコミュニティーの中で育まれる音楽の才能、それが十分に生かされて地域の地方創生の一つの弾みになればありがたいと思っております。これからも関係者の皆様とよくコミュニケーションをとらさせていただいて、議員が御指摘のような方向での発展可能性を探ってフォローアップしてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)13番藤井議員 ◯13番(藤井一博君)ただいま知事から大変丁寧な御答弁をいただきました。ありがとうございました。  ちょっと一つ一つなのですけれども、まず、医療福祉についてお伺いいたします。  先ほど知事がおっしゃいましたように、2025年に向けて病床数は削減されていくという流れがありますけれども、昨日、知事もおっしゃっていましたように、やはり最終的に一番大事なのは地域住民の方が適正な医療を受けて安心して暮らすことができるということだと思います。僕も全く同じ思いでいますので、本当にそういった流れで策定をしていただければと思います。  看護師の確保について追及でちょっと述べさせていただきます。  先ほど知事もおっしゃいましたけれども、幸いにも本県で本年に鳥取看護大学と鳥取医療看護専門学校が開校されました。先日いただいた資料でこの2校の本年の入学者数、全部で163人ということでしたけれども、そのほぼ半数の82名が県内出身者であったということで、大変喜ばしいことだったと思います。  やはり看護師の確保ということでありますと、卒業後に県内に残って働いていただきたいと思うのですけれども、そのためには経済的支援はもとより、キャリアアップのための国内研修制度、海外研修制度ということについての支援もぜひお願いできたらなと思っております。あわせて医師と同じように、もし県内で勤務を希望されるという方がありましたらば、県職員として任用し、例えば僻地の医療機関とか地域包括支援センターへ派遣するという制度を検討されてはどうかと思いますけれども、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員のほうから御提案がございました。看護師の皆さんの能力アップにつきまして、先ほど保育士さんや看護師さんの病院での活躍について静岡の県立大学のほうへというような話がありましたが、ああいう形でいろいろと派遣をし、習得をすると、そういうことの応援の手だては今後も現場の意見を聞きながら充実をしてまいりたいと思います。  それとあわせまして、またいろいろとお話がございましたけれども、看護師の皆さんの今後の活躍のやり方として、僻地での看護行為ということがありました。おっしゃったのは恐らく自治医大の卒業生のイメージではないかなと思うのですが、お医者さんとそれから看護師さんと若干育ち方や働き方が違うところがあると思います。お医者さんの場合は、御案内のように、事実上は医局なりなんなりがある程度差配をしまして、2年、3年、5年とか、そんなスパンで次はあちらの病院へとか、こう回しながらだんだん後進の育成を図りつつやっていくものでありまして、そういう僻地へ派遣するとか、そういうふうなイメージがあるのかもしれません。鳥取県の場合にも自治医大の卒業生、それから今後は鳥取大学の卒業生で特別養成をした人たちがいまして、こういう方々もそういう同じようなやり方になりますが、形式上県の身分を取得して、それであちらの自治体病院のほうに行きまして、そちらのほうで身分を併任して給料をもらうというようなことをやるわけでございますが、これは医者の世界は割とそういう回し方をするのですけれども、看護師さんの場合、もちろん御家庭があるということもあるのでしょうが、何年かたったらまた今度あっちの山の向こうへ、こっちの町へというふうに、なかなかちょっと転勤をされにくい実情が現実にはあると思います。したがいまして、その同じやり方をやるのはなかなか難しいものですから、例えばナースバンクというようなやり方をして、看護協会などもデータバンクをつくったりして、そういうところで僻地と言われるような中山間地の医療施設との仲立ちをするとか、またそういうところにおられるいわばOB人材といいますか、既に看護師をやめられた方がもう一回復職をするとか、そうしたいろいろな手だてで中山間地の看護師不足を補っていくということが、筋道としてはやりやすいといいますか、現実的かなというふうに思っています。  発想は一緒でありますので、いろいろと工夫をして今後もそうした中山間地等での看護師の確保対策に協力をしてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)13番藤井議員 ◯13番(藤井一博君)ありがとうございました。さまざまな対策をとっていただいて、これから看護師さんの不足というのは深刻な問題になってくると思いますので、後手にならないような対策を打っていただければと思います。  児童虐待について少し追及でやらせていただきます。  今回の事例というのはかなり例外的なことであったと思うので、家族の問題であるとか、かなり奥の深い問題だと思います。一般的にですけれども、子育て能力の乏しい両親や児童を虐待し続ける親など、保護者に看護させることが不適切であると認められる児童に対しては、里親制度があります。この制度が人口の少ない鳥取県でどの程度重視されているかということは疑問でありますけれども、この里親制度にはとても大切な理念を含んでいると思います。私はもう少しこの制度の周知を図られて、適宜な運用によって子供たちを虐待から防ぎ、健全に育てることは行政の使命であると思いますし、この制度は行政の関与、バックアップがなければ育たないものであると思います。  里親制度の推進に対する今日までの県の取り組みについてお伺いいたします。また、本県のように人口が少なく面積も狭い地域では里親制度の性質からいってなかなか運用しづらい面もあると思いますので、ちょっと提案なのですけれども、本県の加入している関西広域連合とか中国5県など、広域運用ができればこの制度が生きてくると思いますが、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)藤井県議から重ねて里親につきましてお話がございました。  実は里親はやはり1対1で愛情を注いで、それで養育をするというものでありまして、施設で育つ場合とまた違った、ある意味人間としての本来的なそういう関係性のもとに成長していくということをとりやすいメリットがあると言われています。ただ、日本ではこういうアダプションといいますか、里親制度というのは余り普及していなかったわけであります。本県もそうでございました。  私が就任する前は大体里親委託率が10%ぐらいでございましたが、それをいろいろな形で拡充してきまして今は20%を超えておりまして、全国でも13位か、上位クラスに入ってきております。やはりいろいろなことをやってきたわけでありますが、里親の大切さを出前講座のような形で、例えば民生委員さんの集まりだとか自治会の集まりだとか、そういうところに出かけていって里親の関係の方に話をしていただくようなことをやったり、それから里親はやはり悩みを抱えるわけですね。今まで子供として自分の家にはいなかった人が入ってきて、それで子供として人間関係を結びながら信頼関係をつくり上げていかなければなりません。ただ、子供には子供の個性もありますし、なかなか里親にも言わない悩みもある。ですから、非常に難しい仕事であるわけですね。そういう意味で里親メンターという里親の相談相手、そうした制度などもつくらさせていただきました。こうしたことをいろいろと年次ごとに拡充をしてきておりまして、そうした形で里親の委託率も上がってきたというところでございます。  議員がおっしゃるように、まだこれで十分だとも思えません。したがいまして、さらに拡大をするように強化してまいりたいと思いますし、広域的な取り組みがどの程度可能なのか、これについては関係先とも一度意見交換をしながら、方向性を探ってまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)13番藤井議員 ◯13番(藤井一博君)ありがとうございます。知事のおっしゃったように、里親制度、特定の大人との愛着関係を保ちながら成長するということで、大変大切な理念があると思いますので、今後も続けていただきたいと思います。  三徳山に関連してのちょっと追及なのですけれども、中部地域の観光振興策として、中部観光名所としての三徳山、三朝温泉のさらなるアピール、そして青山剛昌ふるさと館や日本有数の中国庭園燕趙園、東郷・羽合・関金の温泉郷など、観光資源の売り込み、また鳥取砂丘コナン空港、米子鬼太郎空港から中部観光地をめぐる道路など、交通網の整備など、ルート設定を行うとともに、最近増加している外国人観光客の便宜を図るために外国語の看板やパンフレットの作成が必要かと思いますが、知事の御所見を伺います。  また、個人的なことなのですけれども、先日、久しぶりに三徳山に登ってきまして、議会では若い若いと言われているのでその勢いで登ったら、途中でやめようかなと思ったぐらいの大変さだったのですけれども、フェイスブックに載せると言っていましたので、何とか登り切ってSNSの怖さを再認識した次第です。  これが重要な問題で、なかなか険しい道で高齢者の方であるとか足腰の弱い方というのはなかなか投入堂の間近まで行きたくても登れないというのがあります。そこでトレッキングコースの併設をお願いしたいという声があるのですけれども、なかなか実現化は難しいという問題もあるようで、ちょっと代替案なのですけれども、遥拝所の整備を進められてはどうかと思います。現在である遥拝所はなかなか霧がかかったりして見にくいこともありますので、新たな場所に整備を進められてはどうかと思いますが、知事の御所見を伺います。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)三徳山など中部の観光につきましてお尋ねがございました。これはこのたび日本遺産に登録されたこともあり、この5月の連休においては三徳山はお客さんが随分ふえたという報道もございました。いいことだと思います。こういう形で地域の資源が見直されてくるのはありがたいことでありますし、そうであればさらに、今もおっしゃいましたが、外国人への対応等をエリアとしてもやっていかなければなりません。  今、中部全体でもそうした外国語対応、これは梨の花温泉郷あるいは広域連合を通じまして進めているところでございまして、多言語対応をさらに一層強化していったり、特に最近海外からのお客さんも多いですから、Wi-Fiなど、そうした通信環境を整えることなども必要だと思っております。このシーズンは実は名探偵コナンのミステリーツアーをやっております。北栄町にコナンのふるさとがあるわけでございますが、それだけでなくて、三徳山のある三朝温泉、それからまた白壁土蔵群であるとか、それから燕趙園であるとか、そうしたところに幾つかスポットをつくりまして、それを訪ね歩きながらミステリーツアーでめぐり歩くということでありますが、このJRなどとのタイアップキャンペーンは今好調に推移をしています。旅館さんでいいますと、それの対象のお客さんの枠をふやさないといけないなというような声が出始めているようでございまして、まだこれは11月まで続きますから、こういうようなことを通じて観光の幅を広げていければありがたいかなというふうに考えているところでございます。  その際もどうしてもコナンなど、外国人も多いものですから、そうしたことへの対応も大事です。最近海外のお客さんで一番人気があるのはなしっこ館でございます。未来中心のなしっこ館がやはりものをそのまま食べられるというところだとか、日本の果物に対する憧れと言ったら言い過ぎかもしれませんが、そういう評価、これが後押しをしているようでありまして、一番入り込み的には好調なところです。ですから、決して外国人がいないということではなくて、これからどんどん呼び込んでいくキーになるところがございますので、強化をしていかなければいけないと思います。  遥拝所につきましては、これはまた町とも話をしてみなければならないなと思います。現在の遥拝所も木が生い茂ってくるとなかなか見えないということで、今苦労しているところもございます。その辺は今、町のほうでも対応していただいておりますが、きょうの議場での御議論もお伝えをさせていただき、手軽に見られるという趣旨だと思いますけれども、いい形で手軽に見られるような場所をどこかつくってはどうかということだと思いますので、また町のほうとも相談をさせていただきたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷龍司議員 ◯10番(島谷龍司君)(登壇、拍手)鳥取県議会自由民主党の島谷龍司でございます。先ほどの藤井議員のように、清新で若々しくはありません。少しとうが立っていますけれども、私も今回がこの県議会での初の質問になります。大変緊張して、見ていただいたらわかりますように、顔も少しこわばっておりますが、ぜひ皆さんと一緒になってこの県議会で頑張っていきたいと思っております。  鳥取県の発展と全ての県民の皆さんが笑顔で暮らせる地域をつくるという思いは熱いものを持っています。任期を通じて知事を初め、執行部の皆さんと建設的な議論をしっかりと積み重ねていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  現在、さまざまな場で地方創生という言葉が使われています。受け取る人によってさまざまな考えがあると思いますが、私はこの地方創生が目指すのは、それぞれの地域で全ての人が本当に住んでよかった、そういうふうに思える社会を構築することだと考えています。本日はこのためにも必ず取り組まなければならない2つの課題について質問いたします。  まず最初に、雇用対策について伺います。  平井知事はみずからの県政3期目のスタートに当たり、4月21日にとっとり元気づくり推進本部を立ち上げられ、現場主義に基づく県政改革と、住んで、訪れてよかったと誇れる鳥取の元気づくりを推進するために、部局横断でさまざまなプロジェクトに取り組んでいくための体制を早々に整え、その取り組みをスタートされました。  このとっとり元気づくり推進本部において、重点的に取り組むべき事項として10のチームを設けられていますが、この中でも正規雇用1万人創出チームでは、これから4年間で1万人の正規雇用の創出を目指して、さまざまな分野で施策展開を図っていくこととしておられます。本県の有効求人倍率はようやく1倍を超えてきて、一見雇用情勢は安定してきたかのように思えますが、正規雇用の有効求人倍率は0.6前後で依然として低い状況にあります。安定した雇用の場の創出は、人口減少が続く地方の創生には最も重要な取り組みであると考えます。人が定住していくためには安定した収入を得る場が必要です。安定した雇用の場を確保し、鳥取県が人々にとって経済的に安定した生活が可能な地域となれば、もともと住環境は抜群によい地域です。人口減少に歯どめをかけることは十分可能であると私は考えています。
     このような中で、正規雇用1万人創出チームで、その基本方針として正規雇用率が高い製造業の製品出荷額の拡大を図るとし、現在約7,000億円となっている県内の製品出荷額を、リーマンショック前の1兆円まで戻すことで約6,000人の雇用創出が可能とされています。このことは正規雇用1万人創出の目標達成にとって最も大きな施策の柱となるものであり、ぜひともこの製造業の振興を図るべきだと思います。私もこの目標が達成できるよう微力ではございますが、皆さんと一緒になって全力で応援していきたいと考えております。  製造業の振興を図るためには、県内製造業の成長分野への新規参入や新製品の開発・製造に向けた取り組みによる事業拡大を支援するとともに、今後成長が見込まれる分野を外から誘致してくるなど、企業立地により一層力を入れていく必要があると考えます。県においては、これまでも製造業の雇用拡大への取り組みには力を入れてきておられると思いますが、近年の製造業における県内企業の事業拡大や企業誘致の動向及びこれに伴う雇用実績と正規雇用の比率はどのようになっているのか。また、正規雇用を促進するための施策を今議会にも幾つか提案されていますが、今後製造業における企業立地をどのように進めていこうと考えておられるのか、知事にお伺いいたします。  次に、難病対策についてお伺いいたします。  持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、難病の患者に対する医療費助成に関して、法定化によりその費用に消費税を充てることができるようにするなど、公平かつ安定的な制度を確立するほか、基本方針の策定、調査及び研究の推進、療養生活環境整備事業の実施などの措置を講ずることを趣旨として、難病の患者に対する医療等に関する法律がことしの1月1日に小児慢性特定疾患の患児に対する医療費助成の法定化を目的とした児童福祉法の一部を改正する法律と同時に施行されました。  この法律では、難病を、発病の機構が明らかではなく、治療方法が確立していない、希少な疾病であって、長期の療養を必要とするものと定義されていますが、この難病のうち患者数が国内で一定の人数、およそ0.1%程度以下というふうになっておりますが、これに達しておらず、かつ客観的な診断基準またはそれに準ずるものが確立しているという要件を満たすものについて、指定難病として医療費助成の対象としているところであります。  そしてこの法律では、国の責務とともに都道府県の責務も規定してありますが、この法律の目的である難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保及び難病患者の療養生活の質の維持・向上を図るために、法施行後、本県としてどのように取り組んでおられるのか、知事にお伺いいたします。  また、この法律の施行により、対象疾病は、法施行前の56から1月1日の第1次実施で110に、さらにはこの7月1日から実施される第2次分で306へと増加することになっています。この第2次実施分には筋ジストロフィーや、先日の新聞報道でもありましたが、境港市の御兄弟が罹患されているポルフィリン症などが含まれています。また、子供の難病である小児慢性特定疾病についても、対象疾病が514から704へと拡大されています。このため子供を含めた医療費助成受給者は、国全体で法施行前の約89万人から165万人に拡大されると試算されているところです。そこで本県における受給者数の変動と医療費負担への影響はどのようになると考えられるのか、知事にお伺いいたします。  また、この法律の施行に伴って指定難病の患者が増加することが容易に予想されますが、これに対応するための医療体制をどのように整えていかれるのか、これは病院事業管理者にお伺いいたします。  また、小児慢性特定疾病の子供たちの多くは小学生から高校生までの子供たちであり、この子供たちにとって難病を治療したり医療ケアを受けたりするとともに、健常児と同様に教育を受け、自分の将来に夢を持つ、このことは非常に大切なことであります。この権利をしっかり保証されなければなりません。そこで本県ではこのような子供たちに対してどのような対応をされているのか、この件につきましては教育長にお願いし、壇上での質問といたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議の一般質問にお答え申し上げます。  島谷県議も新たに市議会からこちらに議席を移されまして、フレッシュな気持ちで挑戦をされるということでございます。先ほどとうが立っていると御自身はおっしゃいましたが、先般ある人にちょっといろいろ聞いてみたら、私より実は島谷議員のほうが先輩だったということでございまして、びっくりしましたけれども、非常に若う見えます。ぜひこれからも仲間として私どもに御指導、御教導を賜りますようお願いを申し上げたいと思います。  まず、製造業についてお尋ねがございました。企業誘致の動向であるとか、あるいは雇用の実績、正規雇用の比率等々はいかがかと、こういうことでございます。これらについてその比率等、どういうように比率を上げるために進めていこうとするのかということでございます。  これらにつきましては、正規雇用の比率、製造業全体は84%ぐらいでございまして、島谷議員がいみじくもおっしゃったとおり、ほかの業種と比べると高目であると。したがいまして、製造業を引っ張ってくるというのは、私どもとしても重要な要素になるということになろうかと思います。  ここ数年の傾向では、平成23年から26年までとりますと、県外の誘致で658名、それから県内の増設で501名でありますが、そのうち正規雇用がそれぞれ535名と471名でございまして、8割ないし9割台というぐらい、非常に高いというふうに言っていいと思います。  それも実は中身がございまして、私どものほうで最近いろいろとやっているところでの経験を若干申し上げると、中には100%正規社員で採るのだという、そういう意気込む企業さんもいらっしゃいます。ある制服メーカー、学生服メーカーの誘致をさせていただきました。そのときの条件が正規の社員を雇える、しかもこれだけの数ということでやってくるわけです。学生服メーカーというのはある意味季節商売であります。つまり学生服が要るのは春ですね。それに向けて一気に注文が来るわけです。それをさあっとこなしていくという瞬発力を問われるようなところがありますが、何せそれぞれの子供にとっては宝物のような制服でありますから、それ相応の技術も要る。そういうところで安定した生産をやっていく必要があります。また、実は学生服というのはなくならない業種でありまして、流行のファッションとはちょっと違います。したがいまして、将来にわたっての雇用についてのこれまでの自信のある業界でもあるわけですね。そういうところでは100%正規雇用というのが会社のやり方ということになります。  片方で電子機器産業の部品工業のところでは30%ぐらいの正規雇用という会社もございました。そういうようにそれぞれの会社のやり方なりマーケットによって大分異なるのだと思います。ただ、総じて言えば製造業についてはそういう正規社員としては優良業種であるということだと思います。  私どもとしてこれから1万人の正規雇用を実現しようとプロジェクトを動かし始めましたが、スリーダイメンジョンといいますか、3つの方策でやっていくのだと思っています。  1つは雇用の受け皿をふやしていくということであります。これは農林水産業だとかあるいは医療や健康などといったことも含めて、そういうことをふやしていかなければならないわけでございます。  また、同じ会社の中でも働き方が変わってくる。このたびは派遣法をどうするかということでもめていますけれども、いずれにせよ、どういうように働くかという働き方は時代とともに変わってくるのかもしれません。最近は非正規のほうにシフトをしていましたが、会社の中でも非正規から正規へ移していただく、そうしたことを慫慂する、そのための補助金を出す、こういう非正規から正規への直接的な転換というのが2つ目の方向性であろうと思っています。  それから3つ目には、県内だけでなくて外から優秀な人材を引っ張ってくるという意味での移住・定住をふやす。これによって今、正直なところ1.08倍まで有効求人倍率は上がってきておりますので、県内で正規の雇用の場をつくろうと思いますと、外から引っ張ってくることも含めて対応していかないと循環していかないということになります。  こんなような3つの方向性を持って、正規雇用1万人を何とか数の上でつくり上げてまいりたいと思っております。  次に、難病につきましてお尋ねがございました。本県としての取り組み、また受給者数の変動や医療費負担への影響ということがございました。後段につきましては、これは健康医療局長のほうからお話を申し上げたいと思います。  この難病問題、小児慢性特定疾患も含めてということになろうかと思いますが、やはり患者さんの負担が大きいわけでありまして、研究目的とはいえ難病の対象をふやしていく必要があります。国もこちらに向けて動き始めました。このたび300疾患にふやしていただいたところであります。議員の御指摘のように、池谷さんなどポルフィリン症の患者さんもこのたびようやくでありますが、難病指定が定まったところであります。  いろいろな意味で困難を抱えて生活をされている難病患者の皆さん、今度こうして新たに制度ができ上がるわけでありますが、今後も地域を挙げてフォローアップをしてまいりたいと思います。  また、いろいろ数の上でまだ十分把握し切れていなくて足りないところもあろうかと思います。通常の御病気、疾患と違いましてどうしても治療方法が確立されていないとか、原因がよくわからないとかで医療費がかさんだり、不安を多く抱えたり、なかなか治らないといった悩みを抱えているわけでございまして、この辺については国に対して今後とも十分フォローアップをしていくように求めてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)藤井健康医療局長 ◯健康医療局長(藤井秀樹君)私のほうから、難病法施行後の受給者数の変動等につきまして、補足の答弁を申し上げます。  今回、27年1月から従来の56疾患から110疾患に拡大されたところでございますが、26年末の、従来56疾患で4,473人というのが、6月8日現在110疾患で4,384名と、全体の数としては若干減っております。疾患数がふえましたので、新しい疾患、希少疾患が非常に多うございますので、それによる申請増は66人でございましたが、軽快等によって申請されなかった方等もございまして、全体としてはこういう数字になっているところでございます。  また、小児慢性特定疾患につきましては、514疾患が704疾患になったところでございますが、こちらは510名から528名と若干の増加というところでございます。  また、医療費負担についてでございますけれども、最終的には今度306疾患とさらに拡大等も予定されておりまして、まだ全体像が見えていないところもございますが、国の試算では事業費が約1.4倍になるというふうになっておりまして、鳥取県の平成25年の実績が6.1億円となっております。これが1.4倍いたしますと8.5億円ということになるところでございます。難病等についての医療費でございます。  ただ、従来は基本的には2分の1を国のほうで負担いただく制度になっておりますが、予算の範囲内ということで実質上6割程度しか交付されていなかったという実情がございまして、結果的には県のほうで2分の1とさらに残りの40%を負担しておりまして、6.1億円のうち4億3,000万円程度を負担しておりました。今回、法的になりましたので、国のほうで2分の1を負担いただきますので、先ほど申し上げました試算の8.5億円といたしますと約4.2億円程度ということでございまして、この試算といたしますと県としての負担額は従来とほぼ同程度というふうに考えております。 ◯副議長(藤縄喜和君)渡部病院事業管理者 ◯病院事業管理者(渡部哲哉君)島谷議員から指定難病患者の増加に対しまして、県立病院ではどう対応していくのかというふうなお尋ねをいただきました。  現状を申し上げますと、昨年までの56種類の指定難病の患者さんにつきましては、初期診断や急性増悪などの場合に中央病院及び厚生病院で年間約700人について、例えばパーキンソン病は神経内科、潰瘍性大腸炎は消化器内科、また子供の場合は小児科など、それぞれの専門医が診療に当たってございます。  本年1月から国の指定難病の数が110種類に増加し、さらに来月から306種類に拡大すれば、患者がふえると予想されるというふうな御指摘をいただきましたけれども、指定の拡大は公費によります助成の対象者がふえるものでありまして、患者そのものがふえるというものではないのではないかと思ってございます。  新しく指定されます難病の方々につきましても、これまで診療を行ってきていることを考えますと、これまでどおり既存の診療科でそれぞれの専門医がしっかりと対応できるものと考えておりますけれども診療する中で不都合な点があれば対応を検討してまいりたいと考えてございます。  なお、医療費助成の対象が拡大することにつきましては、院内で制度の周知をしっかり図ってまいりたいと思っておりますし、対象患者の急性増悪時などには必要な医療を円滑に提供できるように徹底してまいりたいと考えてございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)島谷議員の一般質問にお答えを申し上げます。  私には小児慢性特定疾病の子供たちに対する教育についてのお尋ねでございました。  県内の小児慢性特定疾病の対象者数は約530人いらっしゃるということでございまして、これらの子供たちは内分泌疾患でありますとか慢性心疾患など、病気の種類や状態などが多様であるわけでございますが、多くの児童生徒は通院等により治療を行いながら健常児と同様に小学校や中学校等の通常の学級で学んでおられるところでございます。このほか小中学校の特別支援学級等で学んでおられる児童生徒さんもいらっしゃいます。また、特別支援学校に就学しておられる児童生徒さんもおられまして、県立の特別支援学校の肢体不自由、病弱部門には現在70人が在籍しておられます。  本県の特別支援学校では、看護師を配置することによりまして医療的ケアが必要な重度あるいは重複障害のある児童生徒につきましても、学校で教育を受けさせたいという保護者の願いをかなえるために、可能な限り学校に通学していただいて教育を実施してきているところでございますが、通学が困難な子供たちに対しましては教員が自宅等を訪問して教育を行うということで対応を行ってきております。  こうした特別支援学校におきましては、年度当初の職員会議等で配慮が必要な児童生徒の情報共有を行いますとともに、教員が教育を行う上で必要とされる病気に関する知識について身につけておくための研修なども実施しておるところでございます。こうした対応によりまして、義務教育におきましては何らかの形で全ての子供たちに学校教育が受けられるようしているところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)それでは、重ねて質問させていただきます。  まず、雇用対策に関連して、今後の企業立地と人材確保についてお尋ねいたします。  先ほど知事のほうからるる御答弁いただき、正規雇用に対してかなり積極的にやっていただくという思いが伝わってきましたが、先ほど知事が申されたように、最近、県内では企業立地が伸びてきておりまして、特に直近の企業立地は投資規模、雇用計画とも大型の企業立地が多く実現しています。これらの企業が今後かなりの人数を求人されるということが見込まれますが、この調子で企業立地が進んできますと、近いうちに人材の確保が課題になってくることが考えられます。  先ほどの知事のほうもおっしゃっておられました3つの柱で正規雇用をふやすのだと。そういうことも含めて、今後これが課題になってくると思われます。今まで常に働く場が足りないという状況が長年続いてきたわけですが、ここに来て先ほど申し上げた人が足りないという方向に状況が大きく変わってきているのではないかなというふうに思っています。  先般ある進出予定企業でも人材確保について一抹の不安を持っておられると仄聞しております。また、誘致企業の人材確保の圧力が強まれば、既存の県内中小企業で、現在働いている方が移動するということもあり、また、新規の採用についても人材確保が困難になってくることも予測され、これからは雇用の場をふやしていくと同時に、人材の確保に向けた取り組みをあわせて行っていく必要があると思います。  そのためにも企業立地とともにUJIターンを強力に推し進め、外からの人材の流入を図っていく、先ほどの知事の施策、これは大変的を射たものだというふうに思いますし、こういう人材が足りないという状況は人口減少を食いとめる千載一遇のチャンスでもあるのではないかなと私も思っております。雇用の場の確保である企業立地の促進と人材確保策であるUJIターンの促進のこの両輪が同時に回ることで鳥取県が大きく飛躍できると考えています。人が足らなくなるから企業立地の手を緩めるというのではなくて、この両輪が同時に回るような流れをつくることが大切ではないでしょうか。  住むには非常によい環境ですが、仕事がないというのが今までの鳥取県であったと思います。しかし、住むには非常によい環境だし、仕事もあるという鳥取県に今現在変わりつつある。平井県政になってそういうふうになってきたのではないかなというふうに私は思っておりますし、地元の学生も県内に就職し、また県外からも鳥取県に移住してもらう、そういう施策を今まさにこのタイミングを逃すことなく、県内外へ強力に展開すべきであり、先ほどの施策も県外へ発信していく、こういうことが必要だと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、難病対策についてです。  法律では都道府県の責務として、難病患者が良質かつ適切な医療を受けられる体制を整えるために指定医療機関を指定するとともに、新・難病医療拠点病院、これは総合型、それを三次医療圏ごとに原則1カ所以上と、また同じく新・難病医療拠点病院、これは領域型と言われるものですが、これを適切な数を、さらには難病医療地域基幹病院を二次医療圏に1カ所程度指定するよう求められています。  また、法第28条では、難病患者とその家族が尊厳を保持しつつ、生活の質を向上させ、地域社会で共生するために、都道府県は療養生活環境整備事業として難病相談・支援センター事業、難病患者等ホームヘルパー養成研修事業、そして在宅人工呼吸器使用患者支援事業と言われる、この3事業を実施することができると定められていますが、これらの病院指定と事業実施について取り組み状況を知事にお伺いします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から重ねてお尋ねがございました。まず、企業誘致や人材確保についてでございます。  議員のほうから今、力説されたとおりだと思います。鳥取県は住みやすい環境もある、子育てもしやすい環境もある、そういう中で働きの場所もある、これからはそうした地域に生まれ変わらなければなりません。そのために企業誘致やあるいは地元の企業の拡張、そうして産業活力をつくっていくのとあわせて外からUIJターンIJUターンを引き込んでくる、これが我々の目的だろうというふうに思います。  その意味でこれからいろいろな情報発信等をやるということでございました。岡山と鳥取県の共同のアンテナショップがございますが、先般もそうした場におきまして地元の企業が出ていって、それで学生の皆さんに話をし、個別にいろいろなことを相談するというような場所の設定などもございました。また、こうしたことを展開するだけでなくて、今年度から東京のハローワークのほうでもそうした鳥取県の就業向けのイベントについては、さらに地元のハローワークのほうの案内もすると。そうした意味でマッチングの幅を積極的に広げようではないか、こういうようなことも始まってきているところでございます。従来とはそういう意味で局面が変わってきましたので、質の違うそうした対策をとっていかなければいけないのだというふうに思います。  また、人材の育成もあわせてやっていかなければなりません。議員が今いみじくもおっしゃったとおり、最近は確かに大型案件が急速にふえてきました。今井航空機器工業さんという飛行機のちょうど翼のあたり、こうした部品などをつくっておられる会社とか、それからイナテックさんといいまして、これはアイシン・エィ・ダブリュの系列になるわけでございますが、自動車のコアな部品製造などを行う企業さんであったり、広くスーパーなどにも出ています豆乳をつくっているマルサンアイという会社、これも布袋に出てこられるということになりましたし、それぞれがかなりの人数の雇用を見込んでおられます。  お気づきのとおり、従来とは業種がちょっと違うところがございまして、実は人材の育成とセットでなければ、その企業の立地が成り立たない面が出てきております。そこで今ポリテクセンターあるいは県の職業能力開発関係と一体となりまして、国のほうの委託事業も受けて人材育成のプログラムもこのたび採択をされました。こういう航空機だとか自動車関連を初めとした高度な人材をつくっていく、そのプロジェクトを地方から起こしていくというモデル事業として鳥取県が採択をされたところであります。  そうしたことを活用したり、それからこの4月からスタートをしておりますが、東京なり大阪と人材マッチングをしまして、こちらに来られた人を雇うときに試用期間について給料の補助をするということで、これも既に採択が次々出てきておりまして、結構そうした意味での従来よりも踏み込んで人材育成やマッチング事業というものをさせていただいております。  さらに今、地方創生でありまして、政府機関の移転を行っていくというようなプロセスに入ってきます。8月末あたりだったと思いますが、とりあえず締め切りがありまして、それぞれの地域のアイデアを寄せてくれということがあります。今検討をしている一つに職業能力開発総合大学校があります。これがそうした高度人材をつくる機関でありますけれども、それが大学院といいますか、高度人材養成をさらにこれから進めていこうという局面に入るようでありまして、もちろん関東が基盤なのですが、西日本のところにその機関移転といいますか、機関の一部機能を設けるということで手挙げをしてもいいのかな。それは地方分散を地方創生の中で政府機関について行うという一環でございます。  例えばそういう従来よりも踏み込んだ我々のほうの対応をいろいろと展開していって、議員がおっしゃるように、車の両輪として企業の産業活動を大きくしていく。それとあわせて移住・定住なども踏み込んでいく。こうしたことがうまく回るようなステージをつくっていきたいと思います。  次に、難病対策についてお尋ねがございました。  これについてまず、新しいやり方として難病医療拠点病院、それから総合型とか領域型、さらに難病医療地域基幹病院、こうしたもののセットが求められているところであります。これはまだ始まっていない部分でありまして、これから制度の詳細が示されたら早速にもその指定をさせていただけるように、関係先と調整したいと思っておりますが、従来から難病について難病医療拠点病院というのがございまして、これは鳥取大学さんのほうでされておられました。ですから、鳥取大学さんのほうで基幹的な、中心的なところについては新しい仕組みの中でもやっていただけないか、これを打診してまいろうとしております。  また、難病医療協力病院で従来から中央病院、それから厚生病院、さらには市立病院、赤十字、また労災病院など、あと鳥取医療センターですかね、そうしたところが協力病院になっていましたけれども、こうしたところを活用することになると思うのですが、二次医療圏ごとに指定しなければいけない部分についても関係先と調整をしてまいりたいと思います。  また、難病相談・支援センター事業、それから難病患者等ホームヘルパー養成事業、それから在宅人工呼吸器患者支援事業について、あわせてお尋ねがございました。これらについては健康医療局長から詳細を申し上げたいと思いますが、今も県とか、それから鳥取大学でこの機能を始めております。詳細については局長からお答え申し上げます。 ◯副議長(藤縄喜和君)藤井健康医療局長 ◯健康医療局長(藤井秀樹君)私のほうから、療養生活環境整備事業の取り組み状況について答弁を申し上げます。  まず、1点目、難病相談・支援センター事業でございますが、これは鳥取大学の附属病院のほうに運営を委託しておりまして、患者さんから療養生活に関するさまざまな御相談でありますとか、あるいは患者さんあるいは御家族の交流会を持ちましたりとか、医療相談会を持ったり、あるいは患者団体の育成支援等の活動をしていただいているところでございます。  2点目の難病患者等ホームヘルパー養成研修事業でございますが、これは例年1回、介護福祉士さんやホームヘルパーの方などを対象に実施をしておりまして、県の施策や難病に関する基礎知識などの講義等を行っております。これまで累計で430名の方が受講いただいておりまして、昨年度も27年1月28日に倉吉のほうで開催をしたところでございます。  3点目でございますが、在宅人工呼吸器患者支援事業でございます。これは在宅で人工呼吸器を使用していらっしゃる患者さんにつきまして、1日4回目以降の訪問看護について費用を助成しているところでございますが、現在、事業の利用者は6名の方がいらっしゃるという状況でございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)先ほど知事あるいは局長にお答えいただきましたが、企業立地については大変御努力いただいているということで、もっともっとしていただければなというふうに思いますし、また後ほど質問させていただきたいと思います。  難病対策について局長のほうから、知事も指定病院の関係、実施後にやらせていただくということで答えがございましたので、それはそれとして結構なのですけれども、難病相談・支援センター事業なのですが、これは鳥大附属病院でやっておられます。確かに病院としてしっかりとやっていただくのはいいのですけれども、やはり鳥取県、幾ら小さいといいましても東部と西部では広いところがあります。東部の総合事務所でいろいろ相談を受けてそちらにつなぐとか、そういうことはあるとは思うのですけれども、何とかこちらの東部なり中部なりにもそういう相談が受けれるような、拠点になるような医療施設、やはりそういうのが欲しいなというふうに思っておりますので、ぜひその点は検討してください。答えは結構です。  それでは、次の質問に入りたいと思います。  難病対策について少しお伺いしたいと思います。  先ほど少しお伺いいたしましたが、療養生活環境整備事業は内容的に在宅の難病患者を主な対象として考えられていますが、確かに在宅患者のケア、これは大変重要です。しかし、在宅での療養が困難で医療機関で療養生活を余儀なくされている難病患者も多数おられるのも事実であり、このような患者やその家族の生活の質の向上、QOLの向上も配慮されるべきと考えられます。  例えばALSや今回難病指定される筋ジストロフィーなどの重症患者が入院療養できる医療機関は、現在鳥取県内にはないのです。松江医療センターまで行かなければいけない、このような状況になっています。県西部の患者さんにとっては距離的にも近く、比較的利用が容易だと思われますが、東部の患者やその家族にとって体力的にも経済的にも、さらには精神的にも過重な負担となっている、このような現実があるということは間違いのない事実であります。  このような状況の中で、鳥取医療センターが受け入れ体制を整える計画があると伺いました。東部や中部の患者にとって大変朗報だと私も考えますが、重症難病患者入院施設確保事業の実施主体、これは県です。担当できる医師が在籍している県立中央病院での受け入れを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。知事、そして病院事業管理者にお伺いいたします。  また、在宅では生活が困難だが、入院療養しなければならないほど重症ではない難病患者のQOL向上を考えた場合、拠点病院なり協力病院に隣接して生活できる場があれば安心して生活できます。県立中央病院は平成30年度に建てかえされる予定と聞いておりますけれども、難病患者のQOL向上のためにも、例えばその敷地内か隣接地にグループホームのような施設を設置運営してはどうかと考えますが、知事、いかがでしょうか。  そしてまた、重ねて難病についてお伺いしたいと思います。  子供の難病です。子供の難病である小児慢性特定疾病について質問席で述べましたように、ことし1月に児童福祉法の一部を改正する法律、これが施行され、医療助成の対象疾病が514から704に拡大されました。患者等は余りふえていないというようなことも言われておりましたが、私としてはこのように救われる疾病がふえたという観点からは、本当に朗報であると考えています。  しかし、この小児慢性特定疾病患児に対して医療助成は多くの疾病で20歳に達すると助成対象外になってしまう、そういうことが今問題視されています。20歳になったからといってその日から病状が劇的に改善する、そういうことは全くないと思います。このようなセーフティーネットからこぼれ落ちる患者も何らかの方法で支援すべきと考えますが、知事、どのようにお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。  また、先日、県立中央病院に隣接する県立養護学校で医療的ケアが必要な児童生徒のために配置されていた看護師6名全員が一斉に辞職し、児童生徒の何人かは授業に出られない状態になっているという報道がありました。県立養護学校には小児慢性特定疾病の児童も在籍して通学しております。子供たちが学ぶ場はその子供たちが安心できる環境が保証されなくてはならないと考えますが、学校にいる間に医療ケアが受けられないという、この状態が続けば対象となる児童生徒にとって即命にかかわる問題であり、また憲法に保障されている教育を受ける権利にも影響を及ぼすことになると思われます。  先ほど教育長は自宅での教育もあるというようなことを言われましたが、やはり学校に通いたいというような御家庭もあると思います。常任委員会ではこのことについて報告されたようですが、常任委員会に所属していない私たちは報道の範囲内でしか情報が入ってきません。これも報道で知ったことですけれども、幸いにも全ての子供たちが通学できるようになったということをお聞きいたしました。こういう一連の経過、なぜこのようになったのか。また、今後このようなことがないようにするために、学校の体制も含めてどのように対応されようとしているのか、教育長にお伺いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷議員から重ねてのお尋ねがございました。  まず、筋ジストロフィー患者の受け入れの件でございます。これまでも鳥取医療センターのほうでALSですとか、そうした患者さんを受けていただいていまして、議員からもお話がございましたが、神経難病患者のベットをふやそうという話がありました。そういうときに私どものほうからも、この筋ジストロフィーの問題もあり、そうしたことの受け入れの可能性も打診させていただきながら協議を続けているところでありまして、議員もおっしゃるように、今受け入れる方向性という、朗報というか、そういう考え方も出され始めたと思います。  長年の懸案の一つがそういう形で動いてきているわけでございます。もちろん中央病院で受け入られればそれは一つの解決にもなりますが、同じ鳥取市内で鳥取医療センターが受け入れられるということであれば、それは大きなことだと思います。私どもも入院施設として受け入れ確保事業を執行する意味でも、これを活用させていただきたいと考えております。  やはり専門のスタッフのことだとか医療機能、それぞれの得手不得手ということもあります。そういう意味ではそういう神経難病関係を一括して鳥取医療センターで受けるというのは、患者のためにも沿っていると思いますので、そちらのほうのプロジェクトがうまくいくようにサポートに全力を挙げていきたいと思っております。  次に、グループホームについてお尋ねがございました。これも当事者の皆さんからしますと、やはりだんだんと進行していくような場合、家族のケアがいつまで期待できるかという切実な問題も当然あります。ただ、それぞれ人格はしっかりしていますし、人間的にも大変素質のある方もいらっしゃって、先般、私どものあいサポートフェスタをやったときの山本拓司さんなどもそういう意味ではイラストも達者でございますし、発想も豊かであります。ですから、人間としての尊厳を持って暮らし続けるという意味ではグループホームというのは、選択肢の一つに入れてあげなければいけないのだと思います。  これももちろんその器をつくって入れればいいということもあるとは思いますけれども、県内でもそういう困難な状況にある方がグループホームで肩を寄せ合って暮らし、それに関連する御家族などがいろいろかかわりながら、運営している実態も出てきました。西部のほうでいえばピノキオの会さんとか、東部のほうでいえばこのゆびとーまれさんとか、そうしたところも出てきております。ですから、そうした今、県内で生まれてきたノウハウを生かしていくという意味では、まずは民間のほうでそういうグループホームの受け入れ体制ができないかどうか、その際の隘路があるのであればそれを支えてあげる、そういう仕掛けを考えていくことから始めてみたいと思います。  そういう中でできるだけいい環境をつくって、もちろん島谷議員がおっしゃるようなことを選択肢から全く外すという意味ではありませんが、基本的にはそういう民間のノウハウを上手に生かしていくことを基本に考えてみたいと思います。  最後に、小児慢性特定疾病についてお話がございました。これは非常に難しい課題です。これはきょうに始まったことではなくて、以前から言われていることです。難病の方々がいらっしゃるわけでありますが、それと小児特定疾病と必ずしも疾病が合うわけではありません。どちらかというと児童福祉的な意味合いだと思うのですが、小児特定疾病はかなり広目に認めておりまして、そこから先はどうなるのかということであります。我々としては難病をふやすべきだというふうに今までは働きかけをしてまいりまして、このたびも300という数になりましたが、今後もそうした形で働きかけをしていくのがまず一つの基本かなと思います。  実は従来からそうでありますが、20歳になった途端に医療保護がなくなるかというとそういうわけでもなくて、健康保険の仕組みの中で高額療養費制度もあります。ですから、収入がなければ3万数千円だと思いますが、上限額まででとまります。そういう仕組みになっているわけでありまして、そっちでやってくれというのが多分国の今までの仕組みなのだろうと思います。その辺はただ患者の皆さんに割り切れなさもあるのも事実でありましょうから、我々としては難病の幅を広げるというのを基本に、今後も要望を続けてまいりたいと思います。  また、あわせて患者さん、家族の実態についても議員の御指摘もございましたので、いろいろとお伺いをしながらスムーズに社会生活ができるように、場合によっては県としての支援策も考えてまいりたいと思います。 ◯副議長(藤縄喜和君)渡部病院事業管理者
    ◯病院事業管理者(渡部哲哉君)島谷議員から鳥取医療センターが重度の難病患者を受け入れる計画と聞いているが、中央病院で受け入れてはどうかというふうなお尋ねをいただきました。  御承知のように、現代の医療は病院完結型から地域完結型の医療へと変わっておりまして、今年度策定されます地域医療構想におきましても、各医療機関が高度急性期、急性期、回復期、慢性期の医療機能を明確にいたしまして、地域にふさわしいバランスのとれた医療提供体制を構築するということになってございます。  このような中で、改めて中央病院の役割を考えてみますと、三次救急に代表されますように、他の医療機関では対応が困難な救命救急センターやNICUを初めとする高度急性期の医療の提供がその役割と考えてございます。  一方、鳥取医療センターは国立病院療養所の再編によりまして、中国ブロックの精神疾患に関する中心的施設として高度で専門的な医療や臨床研究等の機能を持つ医療機関と位置づけられておりまして、神経、筋疾患、呼吸器疾患あるいは重症心身障害に関する専門的な医療機能を備えた施設として、既に分担する医療が明確になってございます。  このたび鳥取医療センターが筋ジストロフィーなど、重症の神経難病の患者さんの受け入れ体制を整えられると、そういった中、高度急性期医療を担う中央病院がさらに慢性期の医療を担うということは、役割分担から考えまして、少し考えにくいのかなと思ってございます。  現在でも在宅や他の医療機関で療養生活を行っておられます難病の患者さんが急性呼吸不全などの急性増悪時の状態になられた場合は、中央病院で入院治療を行いまして、回復後に在宅あるいはもとの医療機関に戻っていただいておりますので、重症難病患者受け入れ施設の協力病院としてその役割を果たしていきたいと考えてございます。  なお、難病患者さんの急性増悪時の円滑な受け入れに向けて、鳥取医療センターなどと協議を行うなど、連携を図りながら引き続きしっかりとバックアップ機能を果たしてまいりたいと考えてございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)山本教育長 ◯教育長(山本仁志君)島谷議員から重ねての御質問がございました。  まずもってこのたび鳥取養護学校の看護師全員が辞職をするということに伴いまして、学校におきまして医療的ケアができなくなるということで、この学校に通います児童生徒を初め、保護者の皆様に多大なる御迷惑、そして御負担、御心配をおかけしておりますこと、そして県議会を初め、県民の皆様にも多大なる御心配をおかけしておりますこと、おわびを申し上げたいと思います。本当に申しわけございません。  本県の特別支援学校は、先ほども御答弁申し上げましたが、医療的ケアの必要な重度あるいは重複障害のある児童生徒につきましても、在宅による訪問教育ではなくて、学校で教育を受けさせたいという保護者の願いをできるだけかなえるということで、いわば全国的にも先進的な方針のもとで看護師を配置して対応してきておるところでございます。  近年こうした医療的ケアの必要な児童生徒の通学者数が急増しておるということ、またその重症度も増してきておるという中で、ケア内容等を勘案しつつ、必要と考えられる看護師を逐次増員するといったことで対応してきたところでございますが、そうした状況の中で、看護師としましても医師の指示書によって行います医療的ケアの手技等の細かい部分等の内容につきましても、保護者の方々の要望を受けとめてそれにできる限り沿いながら、場合によってはふだん自分のお子さんの医療的ケアになれられた保護者のその前でケアをするということで、ある種のプレッシャーも感じながら対応するなど、ある意味精いっぱいの状況で対応をしてきておられたということだと思います。  その看護師は全員がローテーション勤務の非常勤の職員でございましたが、学校内でこれをチーム組織としてまとめる職員の位置づけが明確でないといったことなど、学校全体としての医療的ケアの実施体制の整備が必ずしも十分ではなかったというふうに考えております。  今回の事態が発生した原因につきましては、複数の要素があろうかと考えておりますが、こうした実施体制が必ずしも十分でなかったということに加えまして、保護者の方々のさまざまな要望でありますとか、看護師の困り感、そういったものを学校組織としてきちんと受けとめて対応していくという体制も、これも十分ではなかったのではないかと。そうした中で、医療的ケアの不手際等に対する保護者からの指摘でありますとか要望等を直接受けとめてきた看護師に、いわば精神的な限界が来たということではないかというふうに、現段階では理解をいたしておりまして、私としましても非常に深刻に受けとめておるところでございます。  このような事態を受けまして、まずは児童生徒の教育への影響ということをできる限り少なくするということが必要でございましたので、緊急に保護者会を開催いたしまして、学校での医療的ケアに保護者への協力を求めるとともに、学校に通えない児童生徒に対しまして教員が自宅等に訪問して教育を行うなどの対応をとるとともに、看護師の確保に全力を挙げてきました。その一方で、課題である体制整備についても検討を行ってきたところでございます。こうした対応の結果、新聞にも報道されておりましたが、当面の間、県立中央病院でありますとか公益財団法人鳥取県看護協会、あるいは県立白兎養護学校から3名の看護師の派遣を受けるということができることになりまして、引き続き保護者の方々の協力を得るという前提の上ではございますが、昨日11日から医療的ケアを一部再開し、全ての児童生徒が通学できるという体制を整えたという状況でございます。  課題となっております体制につきましては、養護教諭、これは常勤の職員でございますが、これを看護師をまとめるリーダー的な存在として位置づけ、また校長を初めとする管理職員とこの養護教諭がしっかりと連携するということとともに、保護者との共通理解でありますとか、医療的ケアについて学校医としっかり連携をとっていくという役割をこの養護教諭に持たせるなど、当面の強化ということになろうかと思いますが、行ったところでございます。  日々さまざまなことが学校現場で起こり得るわけでございますが、医療的ケアに不手際があった場合には保護者に対して学校として個別に報告すべきでありますし、また謝罪すべきはきちんと謝罪するということをした上で、全職員で情報共有するとともに、再発防止策について看護師等も含めて速やかに検討して、翌日からのケアに生かすといった当たり前のことでございますが、改めてそうしたことも徹底を図ったところでございます。  子供たちのことを何よりも第一に考えるということが大切であろうと思いますし、またそのためには保護者の方々との共通理解あるいは信頼関係といったものが大切であろうかというふうに思っております。今後、保護者の方々の御理解、御協力、そしてまた今回の事例の検証を行う中で、外部の専門家の方々のアドバイスも得ながら、また議会を初めとしまして県民の方々の理解も得ながら、看護師の勤務形態等も含めて、さらなる体制強化について検討、そして実施をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  そもそも看護師が全体として不足しているといった困難な状況の中ではございますが、引き続き看護協会等の御協力も得ながら必要な看護師を一日も早く確保して、児童生徒が安心、安全に学習できる環境を整えてまいりたいと、かように考えておるところでございます。 ◯副議長(藤縄喜和君)10番島谷議員 ◯10番(島谷龍司君)先ほど難病のこと、そして養護学校の件について御答弁いただきました。  知事がおっしゃったように、筋ジスなどを医療センターで受け入れるということは第一歩だというふうにおっしゃいましたので、その辺については是とするのですけれども、病院事業管理者がおっしゃった三次圏での救急病院だと、中央病院は救急病院なので、そういうのにはそぐわないということをおっしゃられました。やはり担当医がいるというのを患者なり保護者は信頼しております。そういう信頼関係がある病院に行きたいというのが、やはりそういう患者なり保護者の思いだということを受けとめていただきたいなというふうに思います。  また、教育長、ありがとうございました。起こった事象は大変大きな事象だったと思うのですけれども、これは養護学校だけではないのです。普通の学校でもそうなのですけれども、児童、そして保護者、そしてそれに対応される先生あるいは先ほどの看護師、こういう皆さんがお互いに寄り添う体制を今後とっていただいて、このような事態が教育の中で起きないことを念じておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問になりますけれども、かなり時間がありませんので、もう簡単に申し上げます。  企業立地のための工業団地整備についてでございます。  現在、この制度は県のほうで制度化されております。先ほどから人材確保あるいは企業を立地させるためにはやはり誘致してこなければいけない。そのためにはやはり土地が必要になってきます。今現在、鳥取県内ですぐに企業立地をできるような、企業進出ができるような土地というのは竹内団地に少しだけあるような、そういうような状況だったというふうに聞いております。  この県の制度では立地する企業が決まってから整備の補助金を出すというようなことを聞いておりますが、企業進出というのはスピード感が求められています。やはりそのためには最初にそういう受け皿をつくって、企業進出を求めていかなければいけない。そのためにはその受け皿をあらかじめつくっていかなければいけない。こういうことをやろうとすれば市町村はあらかじめその財政的負担が必要になってきます。市町村が受け入れができるような、より簡単にできるような事業にしていただきたい、これがまず1点でございます。  そしてもう1点、この事業は補助率2分の1というのが基本になっています。これはいろいろな加算とかが組み合わされまして、基本的に財政力指数がもとになっていますが、これが0.5で分けられています。米子と鳥取は0.5以上、倉吉は0.5以下ということで、倉吉は申しわけないですけれども、最大5分の4の補助をもらって企業進出のその整備をやっていると。鳥取あるいは米子は中山間地に企業進出させても2分の1しかもらえない。こういう制度的にかなり乖離するような不利になるようなものがありますので、ぜひこの点についても2分の1でやるのではなく、ほかの加算も財政力指数は関係なしにやっていただきたいというふうに思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これについてお答えをお願いいたします。 ◯副議長(藤縄喜和君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)島谷県議から重ねて御質問をいただきました。工業団地の整備というのは一種のリスクを伴うものであります。今、名前も出ました竹内の工業団地、さらには県の場合は崎津を引き受けた時期もございました。こうしたところでそれは企業さんが張りつかないとなると、今度は物すごい不良資産になりまして、これが県民の皆様にのしかかるということになります。ですから、そのリスクをとるという意味である程度確実性のあるものからつくっていこうという方針で最近はきておりました。  ですが、本当にここ最近なのですけれども、大分企業の進出圧力、それから県内企業の事業拡張圧力が強まってまいりました。それにあわせて今オーダーメード型でやったり、さらに空き工場を活用したりという、いわば荒わざを使いながらやっているわけでありますが、意外にこれが好評で、こちらのほうでの進出が意外にあったということでありまして、それはそれでよかったのだと思います。  ただ、もう少し腰を落ちつけてきちんと工業団地を造成してやろうではないかというふうなことを、あえてリスクをとってまで市町村がやる場合に、これは鳥取県としては助成制度はなかったのですが、つい最近にそういう制度を設定させていただいて、今の時流の動きに合わせていこうというふうにしているところであります。  その際に私どもの一つの全県的なことでの関心からいいますと、工業団地のあるなしも含めてであろうかと思うのですが、現実に最近の企業の進出は中山間地は確かに一部ございますけれども、圧倒的には先ほど今井航空機器工業だとか、都市部に集中をしているというような意味合いがございます。そこでそういうことについて中山間地のほうに何とか企業立地ができないかということがあります。ですから、中山間地のほうの立地に向かいやすいようにする配慮が何らか必要かなというのがありました。  鳥取市とそれから若桜町だとか八頭町だとかと違うところは、やはり対応できる財政力に差があるのは事実なのです。これはどうしようもないことなのですけれども、つくろうと思っても現実にはつくれないと。そういうことがありまして、そこのところをどういうふうに考えるか、この辺が悩ましいところであります。今、新しい制度をつくりながら動いてきて、それに基づく企業誘致も若干始まっておりますが、いろいろと制度の手直しは今後も考え得るとは思います。  ちょっと誤解ないように若干念のため申し上げれば、6億円ぐらいまで、ですから、ある程度の規模のところまでは中山間地の財政力が乏しいところでも2分の1のままなのです。ただ、それが大規模の願ってもないような大きな工場がやってくる。そういう場合にはそちらの企業側の要求に耐えられなくなる。その企業側の要求に財政力が耐えられなくなるところにあえて助成の上乗せとすると。  本来、市町村の工業団地ですから、2分の1で全部やっていいと思います。それが本来財政秩序の筋道だと思います。ただ、それを余り厳密に守りますと、財政力のない周辺のところは大きな企業は絶対に張りつかないということになってしまうものですから、そこのところのバランスをとった制度ということでございます。  そういうわけで今このように工業団地の制度をつくらさせていただいておりまして、当面はこうした形で企業誘致を進めていきたいと考えております。今後ともいろいろな御意見をいただきながら、産業の実相だとか企業進出の状況などを見ながら、その辺は柔軟に考えていきたいと思っております。 ◯副議長(藤縄喜和君)暫時休憩いたします。  3時30分より再開いたします。        午後3時17分休憩    ────────────────        午後3時31分再開 ◯議長(斉木正一君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  9番中島規夫議員 ◯9番(中島規夫君)(登壇、拍手)県会自民党の中島です。この場ではございますけれども、発言の場をくださった有権者の皆様に感謝を述べ、通告どおり、鳥取市の中核市移行に伴う県の対応方針について知事の考えを伺います。  鳥取市が平成30年4月を目標に中核市へ移行することを目指すことにより、県から事務を移譲される保健所の取り扱いについて知事の考えと協議の現状を伺います。  まず、私は2月定例県議会での知事が答弁された考え方、つまり鳥取市が保健所設置市となるのだから、業務の効率化の観点から、東部4町の保健所業務も一緒にやってもらうという考えに賛成する立場でございます。  県東部の人口、面積の大部分を占める鳥取市が保健所を設け、県が東部4町の保健所を設けるのは二重行政そのものであります。これまで東部1市4町は東部広域行政管理組合として消防、一般ごみ処理、介護認定業務などを広域でやってきたことがあり、保健所業務も同様に行っていくのは当然と考えるからでございます。  2月定例県議会の答弁では、知事も地域振興部長も、これから関係者で協議していくということでしたが、あれから4カ月弱が過ぎております。まず、これまでの状況について伺おうとは思いましたけれども、午前中の長谷川議員の質問に知事が答弁されましたので、これは省略いたします。  2月定例県議会では、知事も地域振興部長も住民にとって使いやすいサービス体制と言葉をかえて繰り返し答弁されております。私も全く同感でございます。私はこれを達成するためには3つ、1番、職員体制、2番、建造物の位置や場所、3番、住民への周知徹底、この3点が必要と考えております。  1の職員体制につきましては、2月定例県議会での部長の答弁は、既に保健所業務を行っている中核市の先進事例を示しながらも、鳥取市への移譲にかかわる取り扱いについてはこれからの協議というところで終わっておりますが、現在、知事はどんなお考えをお持ちなのか、伺います。  次に、2点目、建造物の設置場所について伺います。県立中央病院の建てかえスケジュールは、現病院の解体が平成31年春ごろから平成32年春ごろまでの間、駐車場整備が平成32年夏ごろから平成33年冬ごろまでの間となっており、当然その位置にあります東部保健所の解体もこのスケジュールに組み込まれておると思います。  鳥取市は平成30年4月が中核市移行の目標であるものの、新庁舎建設完了は平成31年秋から平成32年春ごろとなっております。ですから、それ以降でなければ鳥取市が保健所設置場所と考えております現在の駅南庁舎のフロアがあかず、1年半から2年程度の空白期間が生じます。知事はこの件に関して基本的にどんな考えで市と協議されていくのかを伺います。  3点目、住民への周知徹底についてでございます。私は、県と市、4町が協議を重ね都度、知事が基本的な考え方や今後の方針などをマスコミ等に発表するのが一番だと考えております。なぜなら、知事はわかりやすい言葉で説明され、その発言はテレビ、新聞等に取り上げられ、住民の関心が高いからでございます。  住民への周知徹底につきましては、まず中核市に移行する予定の鳥取市が主体となってすべきことだとは思いますが、県が所管します東部4町に関する業務を市へ委託する方向で調整していることを鑑み、県としても住民への周知徹底に取り組むことが必要ではないかと考えております。その際、知事が生の声で丁寧に説明されることが、東部県民の理解の促進や安心にもつながるものではないかと考えておりますが、知事の御所見を伺います。  壇上での質問を以上で終わります。 ◯議長(斉木正一君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)中島議員の一般質問にお答えを申し上げます。  中島議員からは、鳥取市の中核市移行に伴います保健所の体制につきまして3点のお尋ねをいただきました。  それに先立ちまして、このたび保健所を設置するという鳥取市に東部の4町を兼ね備えて設置する構想について賛意を示していただきました。中島議員は市議会の議長もされていましたので、この辺の流れのこともよく御高承のとおりだろうと思います。  やはりこれからの地方自治を考える上で、せっかく中核市といういわばスーパー市政を引くことができるのであれば、それが住民の利便にもかなうでありましょうし、他の自治体である広域自治体、県も含めて、みんなでいろいろ協力し合ったり、新しいシステムを考えて、お互いに次のステップの地方自治を目指すというのは自然な流れでありましょうし、住民生活の利便にもかなう話だと思います。  そういう意味でこのたび中核市に名乗りを上げられる以上は中核市として保健所をやらなければならないと法律上定められていますので、それとあわせて岩美町と、それから八頭郡3町が飛び地になっております。これらのところも包含した保健所のあり方というのを考えなければいけないということになるわけであります。  鳥取市のほうでも今そこは事理の御理解をいただきまして、非効率を起こしたり不整合を起こしたりすることがないように、鳥取市としてまとめても結構だと、こういう方向での話し合いができておりまして、その方向性の中で成案を得ようと今、関係者で協議をしているということであります。  これは例えて言えば一つはコストの問題があると。先ほども長谷川議員のときに申し上げましたが、初動経費でざっと見て1億数千万円は違ってくる。さらに保健所長を含めてスタッフをそろえなければなりません。4町分は大体10に対して1.5ぐらいの事務量です。残り8.5は鳥取市プロパーの事務量になります。それらにそれぞれワンセットの人員を張りつけますと、ざっと見て17人ぐらい余計にかかる。それはやはり1億数千万円が毎年多目にかかるということになります。それがそれぞれの地域に分かれていれば別なのでありましょうけれども、本県の場合は真ん中に鳥取市がいまして、その両脇に岩美町と八頭郡3町がいるものですから、その真ん中を考えますと結局鳥取市かどこかに県としての保健所を設置せざるを得なくなる。そうすると同じ鳥取市につくるのであれば交通の利便性の高いところでどこかでまとめてつくって運営するのがいいのではないかと、こういうようなことになるわけです。  また、法的な問題でも野犬の問題とか、それから例えば食中毒などの食品衛生のいわゆる衛生警察の問題があります。こういうのが1市4町とはいえ、繁華街は鳥取市でありますので、その情報は共有しているのが本来はいいわけです。例えば何かこういう食中毒の事件が発生したときに、そこに食べに来られている方々などを考えますと、周辺町も含めて情報共有を図るのがいいわけであります。  こういうようなことなどをいろいろとやっていきますと、結局その整合性をとった運営をするためには、同じ1人の保健所長がリーダーシップをとって事務をやるのが統一が保たれますし、簡素で効率的な行政にもかなうということになり、これは税金の使い方という意味でもふさわしいことだろうと思います。  このような一つの考え方を共有できかけておりまして、今順次、各市町村でその理解の輪が広がっているということです。5月22日には岩美町の議会が開催をされましたときに、こうした基本的な考え方について説明がなされたところであり、他の3町にもこの6月議会の期間中に順次説明がなされることだと思います。こうして徐々に基本的なコンセプトが、共通理解が得られてくれば細部を詰めていくということになります。  そうなれば今、議員のほうから3点お話がございましたけれども、そういう具体的な隘路といいますか、ハードルを越えていかなければなりません。そのためにはこれは市の事業だからといって突き放すつもりはございませんで、県としても折り合いながらできる限り円滑に進むように、私どもも協力をしていかなければならないと思っております。  具体的には一つに職員体制の問題がございました。これも一つの原則からいえば別々の自治体でありますから、鳥取県と鳥取市と別々の自治体である以上は鳥取市が準備の段階から何から全て一そろえ自分で職員の採用試験をして雇っていかなければならないのかもしれません。しかし、冷静に考えていただければ、もし仮に移行するということになるのであれば、これまで長年にわたって保健所業務に携わってきて、その仕事の成り立ちから法律の仕組みから、また患者さんといいますか、住民の方々の具体の状況であるとか、それを熟知している職員は実は県側に全部にいるわけであります。ですから、これにブリッジをかけるほうが恐らくスムーズにいくだろうということになります。そういう意味で私どもとしては、例えば市側からそういう意味で仮に市として1市4町分を引き受けるということであれば、私どもの県の職員を例えば準備段階で派遣をしてくれとかいうようなことがあるかもしれません。そういうのは積極的に私どもも協力していかなければいけないと思っています。また、将来的にどういうふうに事務の移行を図るかというときとあわせて、そういう職員体制についてもある程度共通性を持った融通のきくような、そういう移行措置を考えるというのも鳥取市側から提案があれば、それは具体的に協議に応じていくということになろうかと思います。  もちろん働く人たち、職員の個人的な事情なり、意思というのも尊重しなければなりませんが、事ほどさようにシステムが大きく変わるものでありますから、その枠組みが変わることにあわせた対応を考えるべきだと私は考えております。いずれ時来たりなばそういう職員体制についてそういう柔軟な考え方でいるということは、市側にも私も申し上げてまいりたいと思っております。  また、2点目として建造物の設置場所というお話がございました。これはちょっと何というか、市役所問題に私は立ち入るつもりは一切ございませんで、そこのところはちょっとよけて考えていただければと思いますが、保健所をどこにどういう形で、では、1市4町分まとめて開設をされるのか、それを市側で構想をいただければ、それに合わせて私どもも柔軟に考えられるところは考えていきたいと思います。  ただ、今、議員も御指摘なさいましたように、実は鳥取県の東部の医療圏の病院の再編がなされています。赤十字が350床に減少するかわりに、中央病院が518床になりまして、ここで今まで東部にはないような高度医療ができる体制をつくろうとしております。これは実は同時にスタートをするわけです。確かに厳密には建物が絡みますので、数カ月ずれるというのはあるかもしれませんけれども、平成30年という時が来ますと、病床がこうなるのとあわせて建物も入れかわるし、それぞれがフルオープンをするということになってきます。  実はこの中央病院の一つの村の中に今の現状の保健所がございまして、エネルギー系とかライフラインと言われるようなもの、こういうものは今の中央病院の建物から全て供給されているということであります。ですから、この旧の中央病院を解体するということは、必然的に保健所だけを残すわけにならなくなっていまして、全体を壊さざるを得ないということであり、実は壊した跡地は駐車場等で活用しなければならないという道筋ができているというのは、残念ながら現実であります。  ですから、今、議員がおっしゃったように、市側の事情と県側の事情で1年、2年のギャップがあるということであれば、それをどうやって埋めていけばいいのか。それは市側のほうからお考えを聞かせていただければ、それに沿った検討もさせていただきたいというふうに思います。このギャップのゆえをもって全体をとめるというのもナンセンスだと思いますので、ここは胸襟を開いた話し合いをしていきたいと思います。  また、3点目として住民への周知であります。これは先ほど申しましたように、まだ前提としての4町のほうの御意見、今、各町議会の話もございまして、そうして今、話が順次動いているところであります。ある程度方向性が出てきたら県民の皆様にも御説明しなければならないと思います。ですから、例えば県政だよりとか、それから鳥取県でテレビ上の広報番組も持っています。もちろん市側は市側で恐らく市の中核市の話でありますから、市のキャンペーンをされるでありましょうが、ほかの4町の問題もありますので、県としてもしかるべき広報をしっかりと展開していく時期が来ればやってまいりたいと思います。  4町の首長を含めていろいろと話をしてみたいということであれば、私もその労をとることやぶさかでございません。全体として円滑にこの中核市移行が進展をするように、県としても協力をしてまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)9番中島議員 ◯9番(中島規夫君)追及に入りますが、ほぼ満足のいく回答でございます。私がここでこういうことを聞くのは、壇上で述べましたように、大きな保健所市に鳥取市がなるから効率から考えて4町も一緒にやろうではないか、この県知事の考え方に賛同するものなのです。  ところが、知事、きょうから始まります鳥取市議会の質問書を見ましても、27名中10名、これがこの問題を質問しております。質問の立場はいろいろあると思います。どんどんしなさいという方もありますし、ブレーキをかける方もあると思う。  そして知事が先ほど言われましたように、4町にも6月定例会に報告というか、説明があると。当然議論は活発になるだろうと、こう思うのです。けれども、知事も先ほど市の庁舎の整備のことには触れないけれどもと前置きして言われましたね。我々は5年間それで苦労しました。その反省からいいましても、こういうしょっぱなのときにもめますと、庁舎でもそうでしたし、今でももめています東部の一般ごみもそうですけれども、前に進まなくなる。建設的な議論ではなくてもう足を引っ張るためのそういう議論、泥仕合になる可能性がある。私は知事と同じで庁舎の整備と鳥取市が中核市になるということは別のことで、これが建設的に東部の1市4町で話し合われることを期待して、ここに立っているわけです。  恐らくきょうから市議会の論戦では私が言ったこの3点のことも聞かれるのだろうと思います。市長はどう思うの。だけれども、市長も知事の答えがわからないと答えられませんよね、協議中でございますとか。ですから、そのことを前進させるためにも聞いております。  職員体制、そうだろうと思います。もう既に30万人を超えている中核市は45ありますからね、先進地事例がございます。それが何十種類もやり方があるとは思いません。秀才の知事のことですから、もう頭に入って、恐らくこうだろうという方向はあるけれども、その言われるタイミングを具体的なのを見ているのかなと、自分は思っているのですよ。  ただ、だから、ここに市や県や4町が協議しているスケジュール表がございます。先ほどの審議の状況はどうか。大体このスケジュール表のとおりでございます。だからそうかなとは思いますけれども。でも、知事、鳥取市は職員採用ももうじき考えないといけません。ですから、もう間近に知事がもっと具体的な意見を言われる時期があるのかなと思います。その時期がなるべく早くなることを期待しながら、職員体制のことは思いがあれば言われて結構です。  2番目の場所、これは知事から突き放すつもりはないと、市のほうから具体的な例示があれば協議に乗ると、こういうことでございましたから、力強く思っております。私は去年の12月まで市に身分を置いておりましたから、これの担当職員もよく知っております。何が問題だ、上げてみなさいと言いますと、いや、実はどう考えても1年半ぐらいの空白があるのです。ここは県にも一言も言っていないのですと、こうなのです。  要は、では、どうしたいのだ。一番いいのは知事が言われたように、中央病院の整備は日赤との関係がありますから、80のベッド数のやりとりをしております。平成30年7月ぐらいに両方が完成するので、空白がないためにも大体新病棟の完成は30年の夏ぐらいにあわせないといけないのはわかります。市の担当者がいわくですよ、その後の外来棟の改修とか、旧病棟の解体及び駐車場の整備は、若干は都合してもらって新庁舎ができたころに何とかしてもらえないかなと、これが本心ですからね。要は、言っていないですけれども、これが本心なのですよ。  ですから、私に言ってくれとそこまではっきりは言いませんけれども、言うということはこの場で知事に聞いておいてくれと、こういうことでございますから、このことは知事、もう一度所感を述べていただきたいと。  3番目の周知徹底、それは知事の言うとおりで結構でございます。その都度その都度具体的に知事の考えなりイメージを言っていただければ、1市4町の東部の県民は安心しますからね。職員は時間が来ればこうなるだろうと思っているでしょうけれども、県の職員も市の職員も町の職員も。東部県民はこれは大丈夫かなとか、いろいろその間思いますからね。そういう不安をなくすためにも常時、適宜、この場でも言われたらいいですし、それから定例の記者会見もございますから、わかりやすい言葉で言ってください。大体職員が説明に来るとわかりにくいですからね。そのことをもう一度知事にお伺いします。 ◯議長(斉木正一君)平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)中島議員から建設的な御意見を賜りました。前向きに受けとめさせていただきますので、まず言えるのは御安心いただいて結構でございますし、親しい市の職員の方にもそれは真面目に向こうも受けとめているというふうに言っていただいて結構かと思います。  まず、第1点目のことからいきますと、職員については、これはやはり柔軟に考えなければなりません。あとあわせてもちろん現在働いている者もいますので、それについては慎重にきめ細やかに我々としても方針を決めていくに当たりましては、手続も踏み、いろいろと議論をしていかなければならないと思います。  ただ、いずれにせよ、まず、市のほうの構想が決まってくるのがまず第一だと思いますので、そのタイミングをにらみながら精力的に協議をさせていただきたいと思います。当面急がれるのは多分準備期間の手当てのことだと思います。その準備期間の手当てということであれば、もうすぐにでも、例えば来年度に向けた職員採用などということをしなければいけないのかという切迫感があるのであれば、それはもう早急にでも議論をさせていただいて、当面は県のほうからの派遣というような形でそこのサポートをすることは、私は現実論、可能ではないかなと思います。そういうことを具体的に一つ一つ丁寧にお話をさせていただきたいと思います。  また、2点目の建物といいますか、受け皿のことについては、いろいろな考え方が本来あるのだろうと思います。今おっしゃったような方策論もあろうかと思いますが、当然ながら御理解いただけると思いますけれども、いろいろな法律の規制だとかがあってできることとできないことがどうしても出てくるものもありますし、それからお金の問題、これも病院の場合は特別会計で病院会計を持っていますので、余計な部分はもし仮に市に動くのであれば市のほうが、では、あとは全部負担してくださいねということにならざるを得ないところがあったりします。  ですから、本当に損得勘定だとか、将来はどこかできちんとした保健所を考えられるのでしょうから、それとの対応関係を見てスムーズにその移行期間ギャップを埋めることができるかというのを考えればいいのではないかなと思っています。これは予断を持って語りませんので、この点についても安心してまず協議をさせていただきたいというふうに市側にもおっしゃっていただいて結構でございます。  3点目につきましては、折に触れまして、まだふわふわした漠然とした話で今動いていますので、徐々に話が決まってくる流れの中で随時必要な申し上げるべきことは申し上げてまいりたいと思いますし、不安に思っておられる市町村があればそちらのほうとも協議をさせていただきたいと思います。この辺は本県で初めての中核市ができるという一大イベントでございまして、そのために私ども県としても汗をかいてまいりたいと思います。  どうしても県庁の職員のほうから話を聞くと、いろいろ決まっていないことがあったり、前提を置いて語らなければならないこともいろいろあるわけでありましょうから、なかなかわかりにくい面があろうかと思います。私はどちらかというと直情的でストレートに言ってしまうほうでありますから、後で叱られますけれども。そんなようなことで言い過ぎている面も若干あるかもしれませんが、職員も含めてこの点については市あるいは町ときちんとお話をしていかなければならないと考えておりますし、住民に対する説明責任、それも今後果たしていく覚悟でございます。その意味で十分な情報提供、それから話し合いの機会などを今後も確保してまいりたいと思います。 ◯議長(斉木正一君)9番中島議員 ◯9番(中島規夫君)ありがとうございます。この様子はきっと市の幹部以下、議会も見るだろうと。来週からの市議会の10名の質問も答弁も変わってくることを期待します。本当にこのたびの知事の壇上での答弁、これを聞きましたら、市の執行部初め、4町もそうですけれども、前向きに断られても遠慮することないから言いなさいと、こうやって言います。今までは見合いの場でもじもじもじもじしながら言いたいこともよく言わないような、こんな現状でした。職員が言っておりましたからね。私は市の職員に好かれているかどうかは、それはわかりませんけれども。少なくともこの6月定例会での希望はこういう発言、知事からの答弁、いい答弁か悪い答弁かはわからないけれども、聞いてくれと。これは中核市がうまくソフトランディングする、この基礎になると思いますので、これを契機に進むことを期待して、私はこのたびの質問を終わります。ありがとうございます。 ◯議長(斉木正一君)本日の議事日程は全て終了いたしました。
     これをもって散会いたします。        午後4時02分散会    ────────────────...