田辺市議会 2019-09-13
令和元年第3回定例会(第2号 9月13日)
◎諸般の報告
○議長(安達克典君) この場合、事務局長をして諸般の報告をいたさせます。
議会事務局長、千品繁俊君。
(
議会事務局長 千品繁俊君 登壇)
○
議会事務局長(千品繁俊君) 報告申し上げます。
本日付、田総第142号の3をもって、市長から本定例会の追加議案として、3定議案第20号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第6号)など議案17件、並びに
議案参考資料の送付がありました。
いずれもお手元に配付いたしております。
以上でございます。
(
議会事務局長 千品繁俊君 降壇)
○議長(安達克典君) それでは、日程に入ります。
◎日程第1 一般質問
○議長(安達克典君) 続いて、日程第1 一般質問を行います。
なお、一般質問の通告は9月5日午後2時に締め切り、抽せんにより順位を決定いたしました。結果は通知申し上げているとおりであります。
それでは、質問順に従って発言を許可いたします。
10番、
北田健治君の登壇を許可いたします。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 皆様、おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、大項目3点にわたり一問一答方式で一般質問を行います。
まずは人事行政についてであります。
総務省の調査によりますと、平成30年度における
地方公共団体の総職員数は約273万6,860人で、ピークだった平成6年から比べると約55万人、率にして16.6%の減少となっております。また、全国の地方総職員数は約123万7,000人で、ピークだった平成8年から約31万7,000人、率にして20%減少しています。
集中改革プランのもと、特に市町村において積極的な人員削減を行ってきたことがこの数字を見ればわかります。
本市の市発足当時の職員数は総勢993人であり、その後、社会情勢が変化する中、人件費の抑制と効率的な組織の構築を図るため、平成17年度、平成21年度及び平成26年度と3度にわたり
定員適正化計画が策定され、その都度職員配置、組織の見直しや事務事業の委託、
指定管理者制度の導入、職員採用の抑制などに取り組まれてきました。その結果、平成17年度の第1次
定員適正化計画期間で79人、平成21年度の第2次計画期間で52人の人員削減が行われました。また、平成26年度の第3次計画においては、前期に加え8人を削減し、854人とする目標数値を掲げておりましたが、さまざまな要因から現在の職員数は872人となっています。
その一方、本格化する
人口減少社会や
少子高齢化への対応、また、地方創生の動きも背景に行政の需要は各般にわたり多様化し、職員に求められる業務は質、量ともに上がっております。特に、現在、本市は新庁舎整備や
景観まちづくり刷新事業、
武道館建設などといった
大型プロジェクトに取り組んでおり、職員の時間外勤務がふえています。
今後、厳しい財政状況が予想される中、これまで以上に行政の合理化、効率化の推進が求められますが、その一方で再任用制度の活用も含め、業務量に見合った職員数を確保することも多様化、高度化する行政需要に対応する上で大変重要ではないかと考えます。
そこで、小項目1として、3度にわたり実施した
定員適正化計画について当局の所感をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 10番、
北田健治君の質問に対する当局の答弁を求めます。
総務部長、松川靖弘君。
(
総務部長 松川靖弘君 登壇)
○
総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、
地方公務員の
一般行政部門の職員数についてでありますが、平成7年から26年の20年間で約23%、平成17年から26年の10年間では約13%減少しましたが、平成27年以降は若干ではありますが増加に転じております。そうした中で、本市におきましては、合併直後993人であった職員数は、議員からも御紹介いただきましたが、
定員適正化計画に基づき削減を進め、平成27年には852人となり、141人、約14%削減しましたが、現在は再任用職員の活用により872人となっております。これは、第3次
定員適正化計画の目標人数854人を18人上回るものでございまして、合併直後と比べまして約12%減という状況でございます。
全国の
一般行政部門の職員数の増加、また、本市の職員数の増加は行政需要の増加が要因であると考えておりますが、その一方で、昨年総務省の
自治体戦略2040
構想研究会が取りまとめた第1次報告におきましては、子育て、教育、医療、介護、インフラ、公共施設、公共交通、空き地・空き家・耕地・山林の管理、治安、防災、労働、産業、テクノロジーといった個別分野の課題が提起される中、2040年に人口10万人未満の市では約17%少ない職員数で行政運営をしなければならなくなるとの試算も示されております。
このように、今後の地方自治体におきましては、増加し、高度化し続ける行政需要への対応と将来の人口減少を見据えた職員体制の実現という二律背反する厳しい課題に対応していかなければならないと考えております。
今年度策定予定の第4次
定員適正化計画におきましては、こうした二律背反する課題のバランスをとりつつ、民間やICTの活用も視野に入れ、現在の田辺市としての適正な定員としていきたいと考えております。
(
総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 次に、職員の
メンタルヘルス対策についてであります。
総務省の外郭団体、
地方公務員安全衛生推進協会は、
地方公務員健康状況等の現況調査を毎年実施しております。この調査結果によりますと、平成29年度の
地方公共団体において、休業30日以上、または1カ月以上の療養を要した
長期病休者数は10万人、率にして2,519人で、そのうち精神及び行動の障害によるものが1,409人であります。この数字は15年前の2.8倍、
長期病休者全体の56%を占めており、今なお増加の一途をたどっております。
このような状況から、
地方公共団体においては、より積極的な
メンタルヘルス対策を推進することが急務となっており、本市では、平成28年度から職員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐため、全職員を対象に
ストレスチェックを実施していますが、精神疾患を患い、人事的に配慮の必要な職員もおられると聞き及んでいます。
限度を超えるストレスは、創造力、協調性、効率性、モラルの減少、ミスの増加につながり、ひいては組織の硬直化を招くことになります。また、精神疾患が悪化すれば、これ以上ない悲劇を生むことにもつながりかねません。
こういったことからも、職員が助け合える
職場環境づくりや
カウンセリング体制の構築とより積極的に
メンタルヘルス対策を推進していくことは、職員の健康を守るとともに
住民サービスの向上を図る上でも極めて重要なことであると考えます。
そこで、小項目2として、本市において精神疾患を患う職員がいる原因をどのように考えているのか。また、どのような
メンタルヘルス対策を講じているのかお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君)
総務部長。
(
総務部長 松川靖弘君 登壇)
○
総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、
メンタルヘルス不全者の増加は社会問題化しており、
地方公務員安全衛生推進協会の調査によりますと1カ月以上の
長期病休者のうち精神及び行動の障害、いわゆる
メンタルヘルス不全は年々増加しておりまして、平成29年度におきましては、10年前の1.4倍、15年前の2.8倍となっており、全体に占める割合は約56%となっております。
その原因につきましては、さまざまなことがあると言われておりますが、大きく分けて、人間関係と業務負担におけるいわゆるストレスが主な原因であると考えております。そうした中で、対策につきましては、予防、早期発見、対応の段階に分かれます。
まず、予防につきましては、日常の業務中だけでなく人事評価における期中面談、長時間の時間外勤務をした職員に対する所属長の面談等も有効に活用し、各職場において
ストレス緩和要因をふやしていってもらうことが基本となり、あわせて
メンタルヘルス研修やメンタルヘルスカウンセリングを行っております。
次に、早期発見につきましては、
ストレスチェックが基本となり、結果を職員一人一人にフィードバックするとともに、各部ごとに仕事の量的負担、仕事のコントロール、上司からのサポート、同僚からのサポートの度合いを数値化し、
心理的ストレス反応等が発生するリスクを共有するようにしております。この
ストレスチェックにつきましては、昨年度、
田辺市役所は、全国平均と比べて仕事の負担が6ポイント低く、職場の支援が16ポイント低い結果となっており、
心理的ストレス反応等が発生するリスクは全国平均と比べると22ポイント低いという結果となっておりますが、残念ながら
メンタルヘルス不全に陥ってしまう職員が出現していることも事実でございます。
最後に、対応といたしましては、
メンタルヘルス不全となった職員、
メンタルヘルス不全を感じている職員に対し、個人情報に配慮しながら総務課の職員が定期的に当該職員と面談を行い、ときには主治医の意見も取り入れ、回復や職場復帰に向けたきめ細かなサポートと柔軟な働き方の対応を行っております。
メンタルヘルス不全につきましては、本人のみならず周りの職員にとっても御家族にとってもつらく、苦しい出来事でございまして、業務効率の低下を招くものでありますので、今後とも職場から
メンタルヘルス不全者を減らす対策を講じ、活気ある健全な
職場づくりを進めてまいりたいと考えております。
(
総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君)
心理的ストレス反応等が発生するリスクは全国平均と比較して低いということでありました。にもかかわらず、今なお精神疾患を患う職員がいることは事実であり、不定期な人事異動が行われている状況にもあります。職員に異変があれば周りの職員が早く気づきフォローする、そういったお互いを思う意識は必ず
市民サービスの向上にもつながります。どうかより連帯感のある
職場づくりに努めていただきたいと思います。
次に、市民の安全・安心といった観点から質問いたします。
近年、我が国では、気候変動の影響等により大規模な自然災害が再三にわたり発生しております。特に昨年は6月から9月にかけて、
大阪北部地震や激甚災害に指定された
西日本豪雨及び
北海道胆振地震など大規模災害がたびたび発生し、全国各地に甚大な被害をもたらしました。当地域においても、昨年、8月下旬からの1カ月間に強い勢力の台風が3度も襲来し、浸水や道路崩落などの被害を受けたことはいまだに記憶に新しいところです。もとより本市は市域が広く、豊かな自然を享受する反面、土砂災害や風水害が起きやすく、巨大地震の発生やそれに伴う津波も懸念されております。
そういった状況の中、平成29年8月、市は
防災危機管理体制の強化のため総務部内に
危機管理局を設置しました。配属された職員は、平時から
津波避難困難地域解消に向けた
津波避難タワーの整備や防災訓練及び
緊急避難場所の指定等、さまざまな角度から災害に強い
まちづくりに取り組まれ、台風等の災害時においても日夜を問わず懸命にその対応に当たられていると認識しております。
しかし、組織体制は、課から局に格上げし、強化されたように見えますが、
危機管理局の人員は非常に厳しい業務にもかかわらず局長を含め7名と課のときと同人数であり、経験豊かな職員ばかりで構成されているわけでもありません。その上、局を設置したことによって、その他の職員が
危機管理局に任せてしまい、
防災危機管理体制の強化といった設置目的が十分果たされていないのではないかと感じるところがあります。
申し上げるまでもありませんが、
危機管理局は、事前準備とともに災害発生時における情報収集や対応、
避難指示等の発令等非常に厳しく難しい状況判断が求められます。また、災害が頻発している現在、人口減少や高齢化が加速化するとともに、人間関係の希薄化とも相まって、地域の自助、共助力が低下しつつあることから、
危機管理局の果たすべき責務はますます重要になっているものと考えます。
そこで、小項目3として、本市の
防災危機管理能力を高め、
危機管理局の体制の充実を図るためには、何より人員配置に対する当局の考え方、姿勢が重要であると考えますが、当局の御見解をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君)
総務部長。
(
総務部長 松川靖弘君 登壇)
○
総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、平成29年8月の機構改革におきまして設置いたしました
危機管理局の体制強化のポイントでございますが、災害が発生した場合、または発生のおそれがある場合、災害対策の体制は
警戒準備体制から段階的に引き上げていくこととしており、その初期段階から
危機管理局長が責任者として対応に係る指揮、職員への指示を行うことにより迅速な対応ができるようにしたこと。また、
災害対策本部の
総合調整部長を
危機管理局長とし、
災害対策本部内の各部の総括及び各部間の調整を行う立場にしたことでございます。これにより、
危機管理局設置前と比べまして職員数はふえてはおりませんが、
防災危機管理体制が強化できたものと考えております。
次に、
危機管理局の人員配置についてでございますが、このことにつきましては、災害発生時と通常時に分けて考えていく必要があるものと認識しております。
まず、災害発生時の体制につきましては、市長をトップとする
災害対策本部を設置し、全職員がそれぞれの持ち場で
当事者意識と責任を持って災害対策に当たることになります。しかし、その
中心的役割を担うのが
総合調整部総務班となります。
総合調整部の部長は
危機管理局長、副部長は
総務部長、企画部長、
議会事務局長となります。また、総務班の班長は、
防災まちづくり課長、副班長は総務課長となります。総務班員は、
防災まちづくり課の職員5名に総務課11名、新
庁舎整備室6名、秘書課4名、
議会事務局5名の職員を加え、総勢で31名の体制とし、総務班の任務を果たしていくこととなっております。
通常時の体制につきましては、先ほどの御質問で答弁いたしましたとおり、増加し、高度化し続ける行政需要への対応と将来の人口減少を見据えた職員体制の実現という二律背反する厳しい課題の中で、全庁的なバランスも考慮に入れ、適切な人員配置を行っていかなければならないと考えております。
また、職員の専門性につきましては、
防災まちづくり課の職員を専任制にして育成するというよりは、他の部局と同様に、定期的な人事異動により防災の知識と経験を身につけた職員を一人でも多く育成し、他の部署に異動した後であっても
防災まちづくり課で培った知識と経験を生かし、全庁的な
災害対応力の向上につなげていきたいと考えております。
(
総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君)
危機管理局長に災害対応における権限を付与すると、そういうことで
防災危機管理体制の強化を図れているということでありましたが、果たしてそうでしょうか。確かに、
危機管理局長に防災の経験が豊かで、的確な判断ができる職員を配置し、部下に経験豊かな職員を多数配置すれば強化されたといえるでしょう。そして、人員配置については、全庁的なバランスも考慮、他の部局と同様に定期的な人事異動ということでありましたが、
危機管理局は、頻発する災害から市民の生命、財産を守る重要かつ特殊で、本当に大変な役割を担っている部署であると考えます。
そこで、再質問として、
防災危機管理体制の強化のために求められる
危機管理局のあり方について当局の認識をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君)
総務部長。
(
総務部長 松川靖弘君 登壇)
○
総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
危機管理局は、災害から市民の生命、身体、財産を保護するため、市域に係る災害予防、災害応急対策、災害復旧など防災危機管理行政の
中心的役割を果たしております。その内容につきましては、市行政全般にわたるものでありますので、
危機管理局の職員に求められる能力は、防災危機管理分野の専門的な知識、経験のみならず、市行政全般に対する基本的な知識、経験が必要であると考えております。
また、災害発生時に迅速な対応を行い、犠牲者を一人も出さないという高い志を持って業務に当たるためには、防災危機管理に関し、必要な知識と経験を蓄積し、
危機管理局において継承していくことが大切であると考えております。
そして、
危機管理局のみならず、市全体としても定期的な人事異動により防災の知識と経験を身につけた職員を一人でも多く育成し、全庁的な
災害対応力の向上につなげていきたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(
総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君)
防災危機管理能力を高めるためには、その核となる
危機管理局体制の充実が必要不可欠、そういうふうに思っております。
それと同時に、それぞれの部署、職員においても事前防災や災害対応に主体的に取り組む意識が必要であると考えます。当局には、
危機管理局の業務及び責任に応じたさらなる体制強化を要望するとともに、職員が一丸となって災害対応に従事する、そうした職員の意識向上に積極的に取り組まれることをお願いしたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
キャッシュレス化についてであります。
昨年4月、政府はキャッシュレスビジョンにおいて、現在20%程度のキャッシュレス決済比率を2025年までに40%程度、将来にわたって世界最高水準の80%を目指すとの考えを示しました。
我が国では、現在、全世帯の半数以上が電子マネーを持っているとされ、日銀の資料では、平成30年の電子マネーによる決済件数は58.5億件、その金額は5.4兆円に上り、平成20年と比較すると件数では5.3倍、金額においては6.7倍に増加しています。
また、大手クレジット会社が行う調査によれば、クレジットカードの保有率は85%、一人当たりの保有枚数は3.2枚という結果であったようです。
キャッシュレス決済比率は、諸外国と比較して決して高くないものの、キャッシュレスの進展は社会情勢の動向から今後加速化するものと思われます。
このようなことから、都市部においては、小売業、サービス業を初めとする事業者のキャッシュレス決済の対応が急速に進んでいますが、地方ではいまだ停滞している状況にあります。その理由としては、キャッシュレス決済の利用者が少ないことや、一般的なクレジットカード決済のインフラを導入する場合、決済端末費用として10万円程度、決済手数料として2%から8%のコストがかかること、また、カード会社からの入金に15日から30日を要するという点が上げられます。
しかしながら、現金の管理、運搬コストの削減や人件費の効率化、加えてキャッシュレス決済が日常化している国からの観光客に対して新たなビジネスチャンスが生まれるとされています。
そのような中、経済産業省は、今年10月1日の消費税率引き上げに伴い、キャッシュレス決済利用によるポイント還元、割引を支援するキャッシュレス消費者還元事業を推進しております。事業内容は、消費税率引き上げ後からの9カ月間、消費者がキャッシュレス決済を利用して、中小・小規模の小売店、サービス業者、飲食店等で支払いを行った場合、個別店舗では5%、フランチャイズチェーン加盟店等で2%を消費者に還元することとなっております。また、中小・小規模事業者がキャッシュレス決済を導入する場合、必要な端末導入費用の3分の1を決済事業者が負担し、残りの3分の2は国からの補助が受けられる上、期間中においては加盟店手数料が3.25%以下に設定されることになっており、さらにその3分の1が国から補助されるなど、消費者だけでなく事業者側にもメリットのあるものとなっています。
総務省においては、各決済事業者のQRコードを統一化したJPQRを導入し、全国に先駆け、さきの8月から本県を含む4県でその普及活動に向けた実証実験が行われております。
このように、国ではさまざまな取り組みが推進される中、本市の状況はキャッシュレス決済を導入している事業者が増加傾向にあるものの、いまだに少ない状況にあるとされています。
外国人観光客を初めとする交流関係人口の増加促進によって地域経済の活性化を目指す本市においては、まちぐるみでより強くキャッシュレス化を進めるべきであり、まずはその機運を高めていかなければなりません。そのために、事業者はもとより身近な消費者である一般市民のキャッシュレス決済の理解も大変重要であります。
事業者においては、キャッシュレス化への理解が深まりつつある中、一般市民においてはそうであるとは言いがたく、市としてキャッシュレス決済によるメリットを一般市民にもっと訴えるべきであると考えております。
そこで、小項目1として、当地域におけるキャッシュレス化への認識と市民への啓発を初めとする今後の対応についてどのような見解を持たれているのか、JPQRの登録状況も含めお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問にお答えします。
初めに、ことし10月1日からの消費税増税に合わせて開始されるキャッシュレス消費者還元事業への店舗の参加申請数が、全国で約58万件になったとの発表がこのほど国のほうからありました。その対象店舗は約200万件であり、割合としましては約3割が申請したことになります。そのうち和歌山県内の登録申請数は4,414件で、田辺市内は183件となっております。
また、総務省と和歌山県、岩手県、長野県、福岡県が協力し、8月1日から実施されている統一QR、JPQR普及事業につきましては、国や和歌山県を初め田辺商工会議所や商工会と連携を図り業者向けの周知に取り組んでいるところでありますが、現時点での統一QR、JPQR普及事業の登録者数につきましては、和歌山県内では837件、うち田辺市内では83件となっており、現在国においても事業者の申し込み期間を延長していることからも、潜在的なニーズがあるものと考えています。
ちなみに、昨年11月に田辺商工会議所が中心となって、当地域の事業者側のキャッシュレス決済への対応状況とその意識について把握するため実施した事業者アンケートの結果によりますと、キャッシュレス化決済を導入している店舗は、有効回答259件のうち約40%であり、導入していない理由としましては、顧客からの要望がないや決済手数料が高い、よくわからないなどでありました。その一方で、キャッシュレス化決済を導入している理由としましては、顧客からの要望や売り上げ効果の見込みがある、同業他社も導入しているなどでありました。
そのような中、本宮地域では、本宮町商工会が外国人観光客に対応するため、決済事業者の協力を得て、地域独自のキャッシュレス化を推進されるなど先進的な取り組みもスタートしており、また、最近では、民間事業者によるキャッシュレス化の大型キャンペーンなどもあり、街なかでも店頭にスマートフォンによるキャッシュレス決済対応の表示をしている店舗をよく見かけることからも、キャッシュレス化に対する事業者の理解が徐々に広がってきているように感じているところです。
市といたしましても、キャッシュレス化の推進につきましては、店舗の省力化や売り上げ支払い等資金の見える化など、経営並びに生産性向上に寄与する施策の一つであると認識しており、国の方針のもと今後ますますキャッシュレス化が普及するものと考えております。
そうした情勢の中、市におきましては、キャッシュレス消費者還元事業及び統一QR、JPQR普及事業への取り組みとして、県や田辺商工会議所、商工会と連携し、事業者に向けて加入促進、啓発に努めているところでありますが、キャッシュレス化を推進するためには事業者のみならず消費者、市民の皆様の認知、御理解も重要であると考えております。
つきましては、より一層消費者、市民の皆様に関心を持っていただけるよう市の広報紙やホームページ等におきましてキャッシュレス消費者還元事業及び統一QR、JPQR普及事業の市民生活における利便性等について周知を図るとともに、市民の皆様が集う弁慶まつりを初めとする各種イベント等におきまして、チラシやポスター等の宣伝資材を積極的に活用した広報宣伝やJPQRを使った決済体験等の実施に努めるなど、今後も国や県、商工会議所等の関係団体と連携を図りながら、キャッシュレス化推進に係る周知、啓発に取り組んでまいることとしておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) ぜひ積極的な啓発をお願いしたいというふうに思います。
次に、行政機関のキャッシュレス化についてであります。
2014年12月に関係省庁で取りまとめたキャッシュレス化に向けた方策には、公的納付金等、公的分野における電子決済の一層の普及という文言が含まれております。
自治体公共料金に係るクレジットカードの利用は、2006年の地方自治法の改正で認められ、電子マネーにおいても総務省が現行法で実施可能であるとの認識を示しております。
このようなことから、大阪市や京都市等の全国180の自治体が株式会社エフレジが提供するエフレジ公金支払いを導入し、クレジットカードによる公金納付を実施しており、近年ではLINEPayやPayB等のスマートフォン決済の導入自治体も増加しているようであります。今後、多くの地方自治体において、各種税金、保険料、手数料、利用料等のキャッシュレス決済の導入が見込まれています。
本市においても、キャッシュレス化への対応として、銀行口座振替やコンビニ収納を実施し、本年度からスマートフォンアプリでの納付も可能となりました。対象科目は、個人市県民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税、集落排水処理施設使用料、排水処理施設使用料、市営住宅使用料、ふるさと納税寄附金で、水道料金についても2020年度から開始予定となっております。
スマートフォン決済の導入は、窓口やコンビニエンスストアに行かずとも支払いが可能となり、市民の利便性の向上に寄与するものであると認識していますが、キャッシュレス決済の主流であるクレジットカードの利用については現在不可となっております。
また、市が徴収するものには、先ほど申し上げた科目以外に戸籍謄本、印鑑証明などの発行手数料や市有施設の使用料等がありますが、それらはいまだ窓口での現金納付が原則となっています。
今後、各種税金、使用料支払いにおいてキャッシュレス決済やその多様化が進めば、納付者にとっては手軽さに加え、ポイントの還元や分割等支払い方法の選択肢が広がるなど大きなメリットがあり、市にとっても収納事務の効率化や収納率向上が図れるとともに、現金を取り扱うことのリスク軽減も期待できると考えます。
そこで、小項目2として、本市の行政機関における本市のキャッシュレス化への対応について、当局の御見解をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君)
総務部長。
(
総務部長 松川靖弘君 登壇)
○
総務部長(松川靖弘君) 議員の御質問にお答えいたします。
まず、我が国におきましては、日常生活等におきまして現金への信頼が高く、クレジットカードが世に出た後においても先進国の中では比較的現金を中心とした資金の流通となっております。
しかしながら、近年インターネットやスマートフォンが普及し、情報通信技術を利用した決済手段がさまざまな形で提案される中で、本年10月に導入が予定されている消費税の増税に対応した消費者還元策としてキャッシュレスの推進が打ち出されたところであります。
そうした中、田辺市におきましては、従来から公金の取り扱いにおいて口座振替、口座振込を推進してまいりましたが、市民の皆様方の利便性の向上といった観点から、情報通信技術を利用した市税等の納付方法として、議員からも御紹介をいただきましたが、本年4月からPayBというスマートフォンアプリによる決済サービスを開始いたしました。本サービスは、コンビニエンスストアや金融機関から遠く離れた山間部等の地域においても、登録した銀行口座からスマートフォンにより即時に納付ができるというものでありまして、現在、固定資産税を中心としてその利用が増加しているところであります。
また、本サービスにつきましては、現在、銀行口座からの納付のみとなっておりますが、収納代行業者からの情報によりますと、現行の銀行口座からの納付に加え、クレジットカードによる決済も可能となるよう準備中とのことでありまして、本市におきましてもスマートフォンによる決済アプリを活用したクレジットカード決済の導入について、その動向も注視しながら、関係各課において協議してまいりたいと考えております。
一方、コンビニエンスストアでの納付や決済アプリによる決済ができない市有施設の使用料等につきましては、現在市窓口での徴収等が基本となっております。こうした料金につきましても、キャッシュレスによる決済が可能となれば市民の皆様方の利便性の向上に寄与するものと考えておりますが、キャッシュレスと一言で申しましても、その方法にはクレジットカードによる決済やQRコードによる決済などさまざまなものがございます。
以上のことから、まずはそれぞれの方法について市民の皆様方の利便性向上といった点はもとより、費用対効果といった点についても十分検証する必要があるものと考えておりまして、今後庁内関係各課が連携し、全国的な事例等も参考にしながら、最も効率的、効果的な方法を研究、検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(
総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 御答弁いただきました。PayBを活用したクレジットカード決済が可能となれば、本市においてもぜひ導入していただきたいというふうに思います。また、市有施設の使用料の徴収につきましても、納付者の利便性の向上といった観点からぜひとも前向きに御検討いただきたいというふうに思います。
次の質問に移ります。
中学校における部活動についてであります。
学校の部活動は、世界一とされる学校施設の充実や信頼のある教師の存在を背景に、スポーツや文化に興味、関心のある同校の生徒が参加し、各顧問の指導のもと学校教育の一環として行われ、我が国独自の発展を遂げてまいりました。
体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で生徒同士や生徒と教師等の好ましい人間関係の構築を図れるとともに、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養に資するなど多くの生徒の心身にわたる成長と豊かな学校生活の実現に大きな役割を果たしてきております。
一方、顧問教職員の勤務における部活動指導については、法令や関係規定の裏づけが薄く、学校教育における部活動の位置づけも曖昧であり、さらに近年においては少子化による生徒数の減少やそれに伴う教職員の減少、専門性を有する顧問教諭の不足、教職員の負担、生徒のニーズや保護者の要望への対応、長時間練習による学習への影響等さまざまな課題も指摘されているところであります。
そういった中、スポーツ庁は、生徒にとって望ましいスポーツ環境の構築を趣旨とした運動部活動のあり方に関する総合的なガイドラインを、文化庁は、生徒にとって望ましい部活動の実施環境の構築を観点とした文化部活動のあり方に関する総合的なガイドラインをそれぞれ策定されました。その中には、それぞれに適正な数の部活の設置や部活動指導員の積極的な任用、週2日以上の休養日の設定、学校と地域、保護者と連携した部活動環境の整備等についての方針が定められています。
これらを受けて、本市、西牟婁の4市町の教育委員会は、設置する学校に係る部活動の方針を、学校長にあっては、学校の部活動に係る活動方針を策定し、現在各部活はその方針に沿って活動しております。
そこで、小項目の1として、生徒にとって望ましい部活動環境及び持続可能な運営体制を構築するための取り組みについて、本市が取り組んでいる外部指導員の導入成果や課題も含め教育委員会にお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の部活動の充実に向けた取り組みについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、部活動の取り組みは、教育課程外の教育活動ではありますが、学校教育の中でも大きな教育効果があると考えております。また、部活動に関しての課題も多く、スポーツ庁や文化庁から部活動のあり方に関する総合的なガイドラインが策定されるなど、現在非常に大きな転換期でもあります。今年度4月より4市町で田辺西牟婁部活動方針を策定し、合理的かつ効率的、効果的な指導を進めるよう周知してまいりました。
現在、少子化に伴い、学級数及び教員の配置が減少している状態であります。そのため、部活動数にも影響が出ている事態でもあります。また、教員の減少に伴い、既存の部活動の競技を経験したことのない教員が顧問を持つこともふえてきています。
そのような状況のもと、部活動の充実に向けた取り組みとして、部活動外部指導員を導入しております。本年度は学校からの希望により、明洋中学校、龍神中学校に各2名、上秋津中学校、中芳養中学校に各1名、合計6名の導入をしております。部活動外部指導員はその競技に長年選手として、または指導者として携わってこられた方々です。
導入した学校からは、部活動外部指導員の効果が高く、部活動の質を上げてくれているという報告があります。具体的には、その競技における豊富な経験と専門性による指導がなされるため、部員の意欲や能力、成績の向上が見られます。また、練習メニューのみならず、栄養面や心身のケア等の指導、さらに人間力の指導も行ってくれております。このことは、教員の部活動指導の軽減につながっているとともに、経験のない顧問の指導力の向上に寄与しているところでもあります。
また、顧問と部活動外部指導員の2人で指導ができているので、生徒の体調変化や精神状態などの変化に気づきやすく、生徒の安全管理にもつながっていますし、部活動外部指導員の必要性は今後も高まってくる可能性が考えられます。
しかしながら、より多くの指導をお願いしたいところではありますが、指導時間が月28時間と決められており、指導時間に限りがあること、人材確保が課題として上げられます。
これらのことから、部活動外部指導員を導入することが効果的であることがわかります。また、今後も部活動を支える環境整備として、多面的な指導ができる体制の構築として、学校教育を理解し、専門性を有する退職教員や関係機関のOB、地域の指導者などを活用しながら部活動の環境整備を進めてまいりたいと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 外部指導員は4校において6名が配置され、効果的であるというものの、人材を充実させていくことは非常に厳しいと理解したところです。
また、少子化に伴う教員の減少など学校現場、中でも部活を取り巻く状況は厳しいと認識したところですが、引き続き教育委員会と学校が一丸となって部活の環境整備を進めていただくことをお願いして、次の質問に移ります。
本市の中学校においては、少子化に伴う生徒数の減少により多くの部活が廃止となっております。こういったことから、児童の保護者から、部活の新設及び復活の要望が私のもとへもたびたび届きます。その際には、部活動による学区外通学を提案するわけですが、競技によっては本市所在の中学校に実存する部活として存在しないものがあります。かつては多くの中学校において設置されていた男子バレーボール部や水泳部がそれに当たります。競技を続けたいと希望する生徒は、水泳ならスイミングスクール、男子バレーボールなら地域スポーツクラブへ加入する、あるいは部活を求めて市外の学校へ通うかを選択することになります。
このように、部活の減少に伴い、生徒の選択肢が限られている状況においても、本市の中学校は部活が豊富にあった時代同様にその加入を原則としております。つまり、希望する部活が学校になくても何らかの部活に入部しなければならず、例えば、卓球部しかない学校の生徒は水泳をしたくても卓球部に入部し、部活動の後スイミングスクールに通うことになります。
部活への加入を原則とすることに異論はありませんし、生徒数や指導員数の減少により部活の廃部を検討することはやむを得ないというふうに思いますが、選択肢が限られてきた以上、生徒の自主的な活動を尊重する入部のあり方も検討しなければならない時期に来ていると考えております。
そこで、小項目2として、入部のあり方について、今後の部活動数に対する認識も踏まえ、教育委員会の御見解をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の入部のあり方等についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、部活動に関しては、限られた学校にしか存在しない部活動や廃止になった部もあります。現在、多様性の求められる社会であるにもかかわらず、少子化に伴い部活動数の減少により選択肢が限られてきていることも事実であります。
本年度においても学校の実情に合わせて今後の部活動数のあり方について、地域、保護者とともに協議を続けている学校もございます。生徒数、職員数の減少を考えると、今後部活動をふやしていくということは非常に厳しいと考えております。
そのような中、学校外でのスポーツに取り組んでいる生徒に対して社会体育部、または社会活動部を設置している学校もあります。現在、社会体育部に所属する生徒は、水泳、サッカー、硬式野球、空手などに取り組んでおります。社会体育部は、その生徒がこれまで取り組んできた地域スポーツと学校の部活動の両方に所属し、二重に活動することで生まれる心身の負担などの課題や、生徒、家庭への負担を軽減するため、そしてその生徒たちの所属場所として設置された特別な部であります。
各学校の部活動の設置につきましては学校長の判断で行われますが、教育委員会としましても児童生徒の努力の成果を表現することができるよう、学校、地域、生徒の実態とニーズに合った部活動、並びに入部のあり方について協議を継続していきたいと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 次に、部活がない競技の大会参加について端的にお伺いいたします。
中学校運動部における最高峰の大会として全国中学校体育大会があります。この大会は、日本の中学スポーツを統括する中学校体育連盟が主催し、軟式野球やソフトテニス等の20種目において、地区予選、県予選、近畿ブロック予選を経て開催されております。この大会に出場するには学校を通しての登録が必須のため、競技の部活に所属していない生徒は出場できないといった現状があります。全ての種目を網羅している学校はもちろん市内にはありませんし、生徒から需要がない競技もあるのも事実です。
その一方で、市内の学校に希望する部活がないため、生徒がスポーツクラブに通い練習を積み重ねているという現状もあります。部活があれば出場できるのに、部活がないばかりに出場できないのは生徒にとって大変つらいことであります。
そこで、こういった生徒から、全国中学校体育大会等への出場希望があった場合の対応について、小項目3として認識をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
まず、全国中学校体育大会に出場するためには、種目によって異なりますが、県大会での標準記録突破や優勝、近畿大会での上位入賞などが条件となります。そのため、まずは地方大会への出場が必要になります。地方大会への出場について、本市の中学校では、中学校体育連盟主催の競技である水泳やバドミントンなどの競技大会に出場希望がある場合、学校長の判断で出場をしています。なお、これらの種目は正式な部活動ではないため、社会体育部として練習等は地域団体やスポーツクラブで行うことになります。なお、大会への送迎に関しては、保護者の責任においてお願いをしているところであります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 中体連主催の大会に出場させるか否かの判断は学校に一任していると答弁でありました。また、大会場への送迎に関しては保護者の責任においてお願いしているとのことです。私としては生徒の送迎は職員により行うことが望ましいというふうに考えますが、実情顧問でない教職員による送迎は教職員の負担や移動に伴うリスクを鑑み、実際には難しいといった思いもいたしております。教育委員会においても同じ認識であると思いますので、せめて生徒が県、近畿、全国大会とこまを進めるにつれふえる保護者の負担を軽減する手だてを講じる必要があるのではないでしょうか。
そこで、再質問として教育委員会の御見解をお伺いいたします。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えいたします。
公共交通を利用した場合、文化活動児童派遣費補助金及び体育文化活動生徒補助金交付に係る事務内規により、生徒に支給されているところではありますが、保護者の負担等については他の市町村の状況や財政面、既存の部活動とのバランスなどを鑑みながら今後検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君)
北田健治君。
(10番
北田健治君 登壇)
○10番(
北田健治君) 御答弁いただきました。体育文化活動派遣補助金があるのは承知しておりますが、大会会場が公共交通手段の充実したところばかりではありませんし、保護者同行のため当然交通費もかさむことになります。また、本補助金は貸し切りバスも対象となっておりますが、少人数での移動のため実質利用することは余りないと伺っております。日ごろの努力の成果を表現しようとする生徒に対し、部活の有無による差を少なくし、公平性を保つことは大変重要なことであると思います。
答弁にありましたように、他市町村の状況を鑑みながら、前向きに検討していただくことを要望して、今回の私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
(10番
北田健治君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上で、10番、
北田健治君の一般質問は終了しました。
休 憩
○議長(安達克典君) この場合、午前11時10分まで休憩いたします。
(午前10時58分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午前11時10分)
○議長(安達克典君) 続いて、3番、浅山誠一君の登壇を許可いたします。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 皆様、おはようございます。3番、篤志会、浅山です。
本日は大項目3点お伺いさせていただきます。1項目めと2項目めは近しい内容となりますが、前者は主に防犯を後者は主に交通安全の観点からお伺いさせていただきます。
まず初めに、大項目1の登下校時の安全確保についてです。
昨年、5月に新潟市において下校中の児童が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。この事件を受けて取りまとめられたのが登下校防犯プランでした。従来、登下校時における子供の安全を確保するための対策については、地域の現場において多岐にわたる努力がなされてきましたが、地域の安全に大きく貢献してきた既存の防犯ボランティアが高齢化し、担い手が不足しているという課題があります。加えて、共働き家庭の増加に伴い、保護者による見守りが困難となっている上、放課後児童クラブ、放課後子供教室等において放課後の時間を過ごす子供が増加し、下校、帰宅のあり方も多様化していることから、従来の見守り活動では対応し切れなくなっています。
これらの理由により見守りの空白地帯も生じていることから、社会全体で子供の安全を守るために登下校防犯プランでは、1、地域における連携の強化、2、通学路の合同点検の徹底及び環境の整備・改善、3、不審者情報等の共有及び迅速な対応、4、多様な担い手による見守りの活性化、5、子供の危険回避に関する対策の推進の大きく五つの項目が掲げられています。この5項目の中から幾つか質問させていただきます。
まず初めに、登下校防犯プランでは、地域における連携を強化するため、警察、教育委員会等の関係者が集まり、登下校時における防犯対策について意見交換等を行う地域連携の場を各地域に構築することとありますが、他市ではその場をうまく構築できていないという話もお聞きします。田辺市では、どのような地域の連携の場を構築しているのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 3番、浅山誠一君の質問に対する当局の答弁を求めます。
教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の登下校の安全確保について、地域連携の場は構築できているのかという御質問にお答えいたします。
田辺市では、子供たちの登下校の安全確保のため、学校、教育委員会、警察、青少年センター、PTA、見守りボランティア、地域の方々等、各関係機関が連携して取り組んでおります。地域の連携の場としましては、毎月の明るい笑顔街いっぱい運動で、教職員、保護者、地域の方々、教育委員会が顔を合わせて情報共有するとともに、各学校でも立ち番の日を設定して取り組んできております。もし不審者等の情報があった際には、すぐに警察、青少年センターと連携をして対応してきております。
また、子供たちを犯罪から守るために、登録をしていただいているきしゅう君の家は、今年度田辺市全体で953件あり、各学校と連携を図り、子供たちの安心・安全のために御協力をいただいております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 登下校防犯プランでは、登下校時における安全確保を確実に図るために、危険箇所については通学路における緊急合同点検等実施要領により、平成30年9月末までに通学路の防犯の観点による緊急合同点検を実施し、対策が必要な危険箇所については抽出して諸対策を講じることとされております。
そこでお伺いします。田辺市では、合同点検の結果、防犯上何カ所が危険な箇所として抽出され、どのような対策を講じられたのでしょうか。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の合同点検の結果、対策が必要なのは何カ所でどのような対策を講じているのかについてお答えいたします。
昨年度実施した通学路における緊急合同点検の結果でありますが、田辺市内の防犯上の危険箇所は35件でした。確認された危険箇所は、過去に不審者情報があった場所や、周囲から見えにくい場所、付近に住宅が少ないといった内容であり、警察や青少年センターなど防犯の専門家と協議した上で、見守り活動の強化、青少年センターによる青パトの巡回の強化、防犯カメラの設置、歩車道の分離等、それぞれの場所に合った対策を実施いたしました。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) それぞれの場所に合った対策を実施しているとのことで、安心いたしました。
また、子供の危険回避に関する対策の促進としてICタグを活用した登下校の安全確保の推進が上げられています。奈良市では平成30年9月から全市立小学校に登下校見守りシステム、ツイタもんが導入されています。このツイタもんですが、工事費やICタグ代がかからず無料で導入できる上にメンテナンスも必要ありません。保護者側の有料オプションとして税別月400円で登下校時、校門を通過した時間をリアルタイムで通知するサービスもあり、利用者からは、無事学校に到着したことが確認できて安心である、学校を出た時間がわかるので、帰宅時間を予測して出迎えることができるといった声があるとのことです。また、有料オプションを利用しなくともICタグを持っている児童の登下校の状況を学校が把握しているので、登下校の履歴に異変があった際に対応することができ、かつ学校からの緊急連絡事項を受けとることもできるため、奈良市では導入から1年もたたないうちに加入率が67%を超え、そのうちの34%が有料オプションに加入するなど引き合いがふえ続けているようです。
ICタグ等を利用した位置情報システムを展開する事業者は多数あり、全国的に導入が相次いでいます。田辺市においても学校や行政、PTA等の負担が少なく導入できるICタグの導入を検討すべきだと考えますが、当局の見解をお聞かせください
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問のICタグを活用した防犯対策が広がっているが、導入の予定はないのかという御質問にお答えいたします。
ICタグにつきましては、文部科学省からもICTを活用した防犯対策の参考事例として紹介をされておりますので、本市におきましても効果や費用等を調べ、学校の意向も確認した上で今後検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 今後検討していただけるとのことでしたので、ぜひ前向きに進めていただければと思います。
続いて、(2)に移ります。
登下校防犯プランでは、防犯カメラの設置に関する支援についても言及されております。田辺市でも昨年度から防犯カメラ設置補助金が新設されておりますが、予算の上限に執行額が達していないと伺いました。
そこで質問です。防犯カメラ設置補助金のここまでの申請状況と執行額が当初見込みよりも少ない理由について、どのように捉えているのかお聞かせいただけますでしょうか。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 企画部長、早田 斉君。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。
防犯カメラ設置補助金につきましては、地域で行われる自発的な防犯活動を支援し、犯罪のない安心・安全な
まちづくりを推進するため、自治会等が設置する防犯カメラの設置費用の一部を補助するもので、補助額は対象経費の2分の1、上限が20万円となっております。
昨年度は、6町内会から申請があり、9台の防犯カメラが設置されました。これに伴う補助金は、当初予算400万円に対し、執行額は159万8,000円であります。執行額が当初見込みよりも少ない理由につきましては、地元町内会等の費用負担が必要であることや、設置場所周辺でのプライバシーの問題が考えられます。
なお、今年度予算額につきましては、昨年度の設置実績を踏まえ、100万円を減額し300万円としており、今のところ4町内会から6台の申請があり、既に2町内会で3台の設置を終えております。また、さらに4町内会から現在問い合わせを受けているところです。
以上です。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 理由として上げられましたコスト面やプライバシーの問題というのは大変理解できます。それらの理由がある限り、今年度の申請状況からも今後爆発的に増加することは考えづらいのかなと思います。そのため、やはり登下校時における子供の安全確保のためには、地域の目、見守り活動が根幹をなすと考えます。
冒頭から見守りボランティアの高齢化や共働き家庭の増加といった社会状況の変化により、見守り活動そのものが弱体化していると述べましたが、登下校防犯プランでは、多様な担い手による見守り活動の活性化も掲げられています。田辺市において、多様な担い手による見守りの活性化のためにどのような取り組みがなされているのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の多様な担い手による見守りの活性化についてどのような取り組みをしているのかについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、登下校の見守りボランティアの高齢化や担い手不足、共働き家庭の増加による地域の目の減少は全国的にも課題となってきております。田辺市教育委員会としましては、今後も学校、保護者、見守りボランティア、警察、青少年センターなどと連携を図るとともに、昨年度から始まった学社融合推進協議会を活用して登下校を含めた子供たちの安全に向けて、具体的な方策に取り組んでまいりたいと考えております。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 学社融合推進協議会も活用したいとのことでした。ぜひ進めていただきたいのですが、現在もボランティアで見守り活動に参加されている方が多くいらっしゃいます。四季折々、気象条件も変化する中での活動には、道具の整備や維持管理といった費用も発生するとお聞きします。ぜひ、そのあたりのフォローも手厚くしていただければと思います。
続いて、(3)に移ります。
本年5月の川崎市でスクールバスを待っていた小学校の児童ら20人が殺傷された事件を受け、文部科学省は、2020年度通学中の児童らの見守り活動を行うスクールガードリーダーについて自治体への補助を拡大し、現状の約1,500人から約4,000人に大幅に増員する方針を決めたとの報道がございました。
スクールガードリーダーとは、各自治体の教育委員会から委嘱された警察官OBや民間警備会社の社員といった防犯の専門家のことをいい、見守り活動をするボランティアの地域住民らの先頭に立ち、不審者への対応や注意すべき場所などを指導されています。児童生徒の安全確保に向けてこのスクールガードリーダーは役立つと考えますが、これまで田辺市において導入実績があるのか、また、来年度以降増員する予定はあるのかお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の、当地域に現在スクールガードリーダーは何人いて、今後導入をする予定はあるのかという御質問にお答えいたします。
現在、田辺市では、警察官OBや防犯の専門家等をスクールガードリーダーとして委嘱している方々はございません。和歌山県教育委員会では、学校安全ボランティアであるスクールガードの名称をわかやま子どもセーフティガードとしており、田辺市では現在255名の方がセーフティガードとして子供たちの見守り活動に御協力していただいております。
スクールガードリーダーにつきましては、現在導入する予定はございませんが、今後も警察や青少年センターと連携して防犯対策に積極的に取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) やはりプロの目、ノウハウというのは必要になってくるかと思いますので、導入が難しかったとしてもかわりとなるような取り組みや仕組みづくりをお願いできればと思います。
続いて、大項目2の交通安全対策に移ります。
本年4月に豊島区で発生した暴走した乗用車による親子の交通死亡事故、5月に大津市で発生した園児の交通死亡事故など、子供が犠牲となる事故、高齢運転者による事故が相次いで発生したことを踏まえ、本年6月に未就学児童及び高齢運転者の交通安全緊急対策が決定されました。
まず、緊急に取り組む対策として、子供を交通事故の被害から守るため、未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路等の安全確保を早急に進めるとされており、幼稚園、保育所、認定こども園等のほか、その所管機関や道路管理者、警察等の連携・協力により、未就学児を中心に子供が日常的に集団で移動する経路等の緊急安全点検を本年9月末までに実施し、危険箇所については関係機関等において対策を具体化し、本年度内に順次対策に着手し、着実に必要な対策を推進するとされています。既に8月27日には第1報として、県内2市町村25カ所について報告されておりますが、当市での調査の状況をお教えください
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員の御質問にお答えします。
田辺市の保育所、幼稚園、認定こども園で今年度実施した未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検の結果につきましては、道路管理者や警察署などと合同点検が必要な危険箇所が1件、移動経路の変更など各保育所や幼稚園が単独で対応できる危険箇所が57件でありました。合同点検が必要な危険箇所につきましては、今後、対象施設、道路管理者、警察による合同点検を実施し、適時、適切な交通安全対策に努めてまいります。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) これから合同点検ということなので、ぜひ早期の対策の実行をお願いします。
また、緊急対策の中には小学校の通学路の合同点検についても言及されています。交通安全対策としての危険箇所の把握、情報の可視化、共有化等は万全なのでしょうか、お聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育長。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の小学校の通学路も含めた交通安全対策は万全かについてお答えいたします。
小学校の通学路につきましては、平成26年に田辺市通学路交通安全プログラムを策定し、田辺市教育委員会、田辺市建設部、国土交通省紀南河川国道事務所、和歌山県西牟婁振興局、田辺警察署を委員とした通学路安全推進会議を毎年開催し、田辺市内の通学路の危険箇所への対策を協議しております。
本会議で昨年度協議をした危険箇所は30件で、歩道の設置、グリーンベルトの敷設、横断歩道の引き直し、雑草の除去などの対応案を学校に伝えるとともに、各担当部署で順次対応を進めてきております。
また、昨年度は、株式会社ゼンリンの御協力で田辺市内の交通事故注意箇所や交番、駐在所の場所、AEDの場所等を地図上に示した田辺市キッズセーフティーマップを児童生徒に配布しました。田辺市キッズセーフティーマップは、危険な場所を確認できるだけでなく、自分の通学路や行動範囲の安全マップをつくることや、安全について子供たち同士で話し合う活動も含まれておりましたので、安全教育の教材としても各学校で活用してきております。
教育委員会といたしましては、通学路の安全確保に向けて、今後も学校、自治体の担当部局、警察や青少年センターと連携をして、積極的に取り組みを進めてまいります。
以上です。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 通学路安全推進会議での取り組み、田辺市キッズセーフティーマップの活用等のお話をいただきました。ぜひ推進していただきたいと思います。
この質問に関しては、昨今の事故だけでなく個人的に思うところがあり、確認させていただきました。実は、私の友人の兄が今から約30年前、小学1年生のときに登下校中、トラックにはねられ亡くなるという大変悲しい事故が起こりました。事故を受け、私が在学していた当時、その通りは交通量が多いことから小学生は通行禁止となっていました。それが今は子供たちが平気で通っています。当時からも道幅も交通量も変わっていないにもかかわらずです。学校の先生は定期的にローテーションしますし、保護者は入れかわります。しっかりと危険箇所の引き継げる仕組み化、教育委員会での情報集約もお願いできればなと思います。
続いて、(2)に移ります。
交通安全対策は、子供だけでなく高齢者や社会的弱者を含め、全ての人々に目を向けることが求められます。昨年の交通事故死者数は、統計開始以来最少の3,532名でしたが、依然として多くの方が交通事故により死傷していることに変わりはありません。交通事故死者数の約半数は歩行中、自転車乗用中に発生しており、そのうち約半数は自宅から500メートル以内の身近な場所で発生しています。
生活道路の交通安全対策としては、安全な歩行空間の確保と車両の速度抑制などを含めた総合的な交通安全対策が必要とされており、国土交通省による生活道路対策エリアの取り組みが進んでいます。この生活道路対策エリアの取り組みですが、登録されたエリアについてビッグデータを活用し、潜在的な危険箇所を特定し、それらの解消のためにハンプや狭さく等を効果的、効率的に設置し、速度抑制や通過交通の進入抑制を図り、歩行者・自転車中心の空間づくりを推進していくもので、国土交通省や有識者の支援を受けることができます。田辺市では、会津、新庄、第一、第二、第三、東部地域が登録されていますが、残念ながら当該事業の活用には至っていません。
そこでお伺いします。田辺市では生活道路における交通安全対策についてどのような取り組みがなされており、今後どのような取り組みを行っていく予定なのでしょうか。お聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 建設部長、栗山卓也君。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員御質問にお答えします。
生活道路の安全対策につきましては、市民の皆様からの通報や町内会からの要望等をお聞きする中で、日常的に交通安全対策に鋭意取り組んでいるところでございます。
また、生活道路対策エリアにつきましては、議員御指摘のとおり、田辺市では、会津、新庄、第一、第二、第三、東部地域を登録しておりますが、当該事業の活用には至っていないものの、先ほど答弁にもございました、毎年実施している小・中学校の通学路に関する交通安全プログラム事業において、通学路の危険箇所について、教育委員会、道路管理者、警察による対策会議を開催し、グリーンベルトや防護柵を実施するなど通学路の交通安全対策についても適時、適正に実施しているところでございます。
さらに、和歌山県において、事故が多発している県内23交差点を抽出する中、田辺市管内では橋谷交差点、天王池交差点、新庄小学校入り口交差点の3カ所が合同点検の対象交差点に指定されました。
そうした中、去る8月20日に道路管理者である紀南河川国道事務所、和歌山県、田辺市及び警察による合同点検を実施し、対策検討会議を開催しており、今後対策が必要な箇所につきましては、関係機関と連携を図りながら、交通安全の確保に向けた道路環境の改善について調査研究を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) ぜひ交通事故がなくなるよう取り組みを進めていただきたいと思います。
また、現在田辺市で進められている新庁舎予定地周辺道路について危険視する声も伺います。特に、さきに整備が終わっている市道あけぼの東山2号線については、走行性が改善されたものの歩道と車道を分ける縁石について、その脆弱さや途切れている箇所があること、また、現在店舗から駐車場への横断者があけぼの側から侵入する運転者からの死角に入ることもあり、いつ重大な事故が起きてもおかしくないのではと私個人的に感じております。新庁舎が計画のとおり整備されれば、新庁舎側平面駐車場から店舗へと道路を横断する方も一定数出てくることかと思います。重大な事故が起きる前に縁石をガードレールに変えるであったり、例えば、車両速度の抑制のためにハンプやイメージハンプを設置するであったりの取り組みが必要であると考えますが、当局の見解をお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の御質問にお答えします。
市道あけぼの東山2号線礫坂大橋南詰付近から二つ池大橋東詰までの約180メーター区間については、平成30年3月に車道と歩道を分離した道路整備が完成し、以前と比べ安全性や走行性が改善されているところです。
議員御質問のとおり、新庁舎側平面駐車場から市道あけぼの東山2号線を通り、店舗に向かう方々も想定される中、歩行者が安全に移動できる横断歩道橋の建設を予定しているところです。
また、議員御指摘の車両速度を抑制するための方策につきましては、今後も十分に検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 横断歩道橋の話も出ましたが、新庁舎の完成予定は令和5年度末ごろ、4年半以上先の話になってしまいます。車両速度抑制を含め、歩行者が安全に安心して通行できるように取り組むとお答えいただきましたが、新庁舎が完成するまでの安全対策として、具体的にいつごろ、どのような対策を考えているのか、もしあるのでありましたらお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 建設部長。
(建設部長 栗山卓也君 登壇)
○建設部長(栗山卓也君) 議員の御質問にお答えします。
市道あけぼの東山2号線については、道路改良事業により利用者が多くなっている中、田辺警察署及び和歌山県警交通規制課とともに協議を重ねてまいりました。そういった中で、視認性の改善による抑止力強化等の観点から、本線の車道部に滑りどめ効果もあるカラー舗装を施工したところでございまして、今後も視線誘導標の設置等を検討してまいりたいと考えております。
以上です。
(建設部長 栗山卓也君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 滑りどめ効果もあるカラー舗装は、昨晩実施すると伺いましたので通行してきました。確かに抑止力の強化になろうかと思います。お話のあった視線誘導標の設置や他の取り組みについても積極的に進めていただければと思います。
続いて、本項目最後の質問になります。
大項目1の防犯面も含めて安心・安全な
まちづくりを行うためには技術の活用と社会全体での見守りの目が必要だと考えます。一方で先ほどの質問にもありましたように、防犯カメラの設置はさまざまな理由から爆発的にふえているという状況ではありません。その中で交通事故トラブルの対応だけでなく、続出するあおり運転の報道もあり、犯罪抑止効果を見越してドライブレコーダーの普及が急速に進んでいます。
尼崎市では地域の見守りの目をふやし、体感治安の向上と犯罪等の未然防止につなげるため、市と警察が連携してドライブレコーダー見守り協力者を募集し、ドラレコを動く防犯カメラとして有効活用する事業が先日スタートしました。同様の取り組みが今、全国的に広がりを見せています。市が負担する費用はステッカー代など少額で済み、見守りの目の減少という問題の解決にもつながる事業であり、当市でも導入を検討すべきだと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 企画部長。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員の御質問にお答えいたします。
近年、ドライブレコーダーを搭載することが事業用車両のみならず個人にもふえているところは認識しております。さらに、ドラレコ隊などの名称で見守り活動を行っている自治体や警察署があることも承知しております。ドライブレコーダーの利用は多く、防犯カメラとして多くの見守りの目を得られるメリットが大きいと思われる一方、不特定多数の被写体となった側から映像使用の同意を得ることの問題があるなど、映像データを扱う側の慎重な対応が求められます。
当市におきましては、街灯などへ設置する地域における防犯カメラの普及に向けた取り組みを始めたばかりであり、ドライブレコーダーによる見守り活動につきましては、先進地での状況等も参考にさせていただきながら警察署等関係機関とも連携を図り、調査研究をしてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 映像使用がネックとの話もありましたが、実際に亀岡市では、ドライブレコーダーの映像により事件が解決されるなど効果も出ており、全国的にドライブレコーダーによるまちの見守り活動が広がっていることからもクリアできる問題かと思いますので、調査研究を早期に進めていただければなと思います。安心・安全な
まちづくりのために関係各所のさらなる取り組みをお願いして、この項の質問を終わります。
続いて、大項目3の梅の農繁期における労働力確保についてです。
皆様も御存じのとおり、
少子高齢化の影響もあり、全国的に人手不足が深刻な問題となっています。当地域の中で最も人手不足の影響を受けている一つが梅の収穫時期における労働力確保かと思います。人が足らない、人が足らないというその声は年々深刻さを増しているように感じています。裾野の広い梅関連の事業を主幹産業とする当地域にとって労働力確保は大きな課題であり、さらなる対策が求められています。この課題について、過去に尾花議員や宮井議員も質問されており、その際に森林組合からの職員派遣による連携等も検討されたとお聞きしましたが、市においてこれまでどのような取り組みがなされているのか。また、年々深刻さを増していると感じますが、対策を進める上でどのような課題があるのか改めてお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君)
農林水産部長、北川弘泰君。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員御質問の梅の農繁期における労働力確保に係るこれまでの取り組みについてお答えいたします。
労働力不足につきましては、
少子高齢化や人口減少等の社会的要因が大きく、全国的にもさまざまな産業分野において深刻な問題となっており、農業分野におきましても生産力の低下など、ひいては地域経済の低迷にもつながりかねない大変大きな課題となっております。本市におきましても主要農作物である梅やかんきつの収穫期には、家族以外に短期的な雇用を要する農家が多く、特に梅の収穫期である5月から7月にかけましては1年で最も人手が必要となる時期であり、親戚や知人の協力を得ながら、それでも不十分な場合はハローワークや新聞広告等による募集を行うなど労働力の確保に苦慮されておりますが、十分な人手の確保には至らない場合も多々あるというのが現状であります。
こうした中、一部の森林組合が取り組んでおります梅の収穫期における作業員の派遣について、農繁期における労働力不足を少しでも解消する一つの施策として全市的に展開することができないかとの考えから、昨年、市の呼びかけによりJA紀南と市内四つの森林組合による協議を行ったところであります。
その結果といたしましては、労働者派遣法に基づく諸条件に加え、各森林組合の事情もある中で、組織的な農林連携による取り組みの方向性を見出すまでには至っていない状況ですが、森林作業員によってはこれまでどおり農家とのつながりの中で、林業の閑散期には収穫作業等の協力が行われていると伺っております。
一方、市においては、労働力不足の解消に向けた新たな施策を検討するため、農業における労働力不足の状況や農家が必要と考える支援等の把握を目的に、本年7月より各JAと共同でアンケート調査を実施しているところであります。現在、取りまとめの段階でありますが、雇用労働者の募集時の課題といたしましては、梅の収穫期では、雇用期間が短期間であるために人手が集まりにくいと感じている農家が最も多く、このほかにも受け入れ側の労働環境に関する課題やその整備のための支援、また、募集に係るノウハウを取得できる研修会等の開催等の要望もいただいているところであります。
市といたしましては、アンケート結果によるこういった意見等は対策を進める上での課題であると認識しておりまして、今後の取り組みにおいて生かしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) アンケート実施のお話もいただきました。アンケートの中には、雇用が短期間なので人が集まりにくい、労働環境の整備、募集ノウハウの少なさ等の意見があるとのことでした。
前回の尾花議員の質問で紹介のあった、ミカンが盛んな愛媛県八幡浜市では、援農者の確保は地元では限界との認識のもと、八幡浜お手伝いプロジェクトとして、有償ボランティアの誘致を積極的に取り組んでいます。例えば、県庁所在地である松山市にある大学との連携を強化し、松山市と八幡浜市にシャトルバスを運行、そして宿泊施設のマンダリンへ泊まっていただくというパッケージができ上がっています。
お隣のみなべ町では、労働力対策会議なるものを発足し、研究が進められています。この会議には、町、農業委員会、梅干し生産者協議会、農業振興委員会、JAなどさまざまな団体が参加し、おのおのの先進的な取り組みを報告し、PDCAを回しているそうです。例えば、南陵高校の生徒による収穫ボランティアが成功をおさめたこと、民間人材派遣会社を使うと1日当たり1人につき報奨1万円、交通費2,000円、人材派遣会社への取り分が3,000円の計1万5,000円を支払わなくてはならないが、人材確保としては一定の効果があること。外国人労働者を梅の農繁期の短期間だけ雇うというのはハードルが高いことなど、さまざまな事例が話し合われているそうです。
田辺市においても、地域を支える一大産業である梅の収穫時期の労働力不足を解消するため、地域独自のさらなる取り組みが必要だと考えますが、市の見解をお聞かせください。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員の御質問にお答えします。
和歌山県や県内の各JAでは、本年2月に労働力支援研究会が発足しておりまして、インターネットを活用した農家と雇用希望者をつなぐ農業求人サイトを開設し、各JAに設置される無料職業紹介所との連携の中で労働力確保に向けた新たな取り組みが進められることとなっております。本市においてもJA紀南では、本年中に運用が開始される予定であると伺っております。
この取り組みにつきましては、求人が農業に特化していること、また、募集受け付けや雇用契約までの手続等の対応についても、農家にとって最も身近な存在であるJAが窓口となり、サポートすることで、安心して利用できることから、労働力不足解消のための施策の一つとして期待しているところです。
また、県ではボランティアとして農業・農村支援活動に参加したい学生や都市住民と支援が必要な地域コミュニティ等をつなぐわかやま援農事業を推進しておりますが、こうした事業も地域としての受け入れ態勢が整えば、本市の労働力確保のための制度の一つとして活用できるものと考えております。
さらに、国では、農業に係る労力そのものの省力化を図るべく、ICT技術等を活用したいわゆるスマート農業が推進されているところですが、県でも果樹試験場を中心に研究が進められており、こうした技術の活用も今後の農業においては、ますます重要なものになると考えております。
今後、本市の農業における労働力確保の取り組みを進めるに当たっては、JAや地域における取り組みへの側面支援はもちろんのこと、各地の先進事例も十分参考としながら、今般実施したアンケート調査で寄せられた、雇用労働者が働きやすい環境整備に対する支援等への御意見も踏まえ、引き続き県やJAなど関係機関と連携のもと労働力の確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、
人口減少社会を迎える中、本市においても雇用労働力の不足は否めない現状であり、今後ますます進行することが予測されます。こうした中で、特に本市における梅産業は生産から加工に至る大変裾野の広い基幹産業であります。この地域の大切な産業を将来にわたって守っていくためにも、関係機関と力を合わせて取り組んでまいりたいと思いますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君) 浅山誠一君。
(3番 浅山誠一君 登壇)
○3番(浅山誠一君) 農業求人サイトの新規開設、わかやま援農事業、スマート農業のお話もありましたが、いずれも主体者は他団体であります。私個人の希望としまして、主体者として田辺市のほうでの取り組みも期待したいと思います。例えば、遠方から援農者に来ていただくためにネックとなるのは交通手段と宿泊先です。先ほど紹介した八幡浜市のマンダリンとシャトルバス。シャトルバスを運行する松山市と八幡浜市との距離は約70キロメートルで、これは当市と和歌山市との距離に類似します。
ここからは私の私案ですが、例えば、スポーツパークの宿泊施設を有効活用し、田辺独自の取り組みを実施してはいかがかなと考えます。競技人口の減少が叫ばれる野球ですが、大学野球の競技人口は2007年からの10年間で37.8%増加しており、スポーツパークへの合宿も引き合いが多いと伺います。大学野球は高校と違い、アルバイトを許可する学校も多く、2年前に創部97年で初の全日本選手権出場となった和歌山大学硬式野球部では遠征費や日々の活動費をアルバイトで賄う姿が話題となりました。関西圏の野球部を一つのターゲットにし、農家さんには時給と宿泊費、交通費の補助を依頼し、市はスポーツパークの貸し出しとシャトルバスの用意、そして大学生には労働力になってもらう。学生は体力がありますので夕方から夜間にかけては室内練習場やウエートルームでトレーニングを行う。大学野球の場合、春のリーグ戦と秋のリーグ戦の間である6月から7月の前半は部活としての活動量が落ちる時期であり、部と関係性ができれば農繁期のピークのときに学生さんを常時確保でき、三方よしの取り組みになるのではないかと考えます。知り合いの農家さんいわく、宿泊費を出してでも人が欲しいとのことで、実現可能性は高いのではないでしょうか。また、労働力の確保は人でなくても構いません。梅収穫の自動運転機の開発を大学や企業と組んで行うなどの取り組みもおもしろいかもしれません。
これらは例えばの話ではありますが、田辺市にはすばらしい施設と人々を受け入れる度量がございますので、有効活用できれば労働力不足の解消や関係人口の創出にもつながっていくのではないかと考えます。田辺市において梅の労働力不足についてもっと我が事として捉え、柔軟な発想と関係各所を巻き込みながら市としての取り組みが行われることをお願いして、一般質問を終了します。御清聴ありがとうございました。
(3番 浅山誠一君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上で、3番、浅山誠一君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(安達克典君) この場合、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時56分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(副議長 陸平輝昭君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時00分)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 続いて、9番、髙田盛行君の登壇を許可いたします。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 皆様、こんにちは。篤志会、髙田盛行です。通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
大項目、明治25年の紀州勝浦沖サンマ漁船遭難事件について4点お尋ねします。
まず、1点目は、この事件に関する本市の認識についてお尋ねします。
人それぞれの人生において、忘れられない、また、忘れてはならない出来事や思い出があろうかと思います。しかし、忘れてはならないことも年月がたてば忘れられてしまいがちですが、忘れたらあかんということもあるかと思います。それは、田辺市民としてもあるのではないでしょうか。私は、そんな田辺市の歴史的事実であります、明治25年の紀州勝浦沖サンマ漁船遭難事件もその一つではないかと思うのです。
現在、その事件を知る人は大変少なく、元中学校長で、現在田辺市の文化財審議委員を務められている先生が、「紀州勝浦沖サンマ漁船遭難の顛末:その真相と教訓」、この冊子ですが、平成28年9月に発表され、新聞報道でも紹介されました。その事件の概要は、明治25年、1892年、串本・樫野でのエルトゥールル号遭難事件の2年後の12月28日に、新宮・三輪崎から由良・白崎までの県下16漁協、749名の漁師が那智勝浦沖でサンマ漁の操業中に突然の暴風、アナセに遭遇し、458名が太平洋に流され229人が死亡、行方不明、そして、同数の229人が八丈島、青ケ島、御蔵島に漂着し、八丈島の方々に32日間、けがの治療、看護、衣食住のお世話、死者の火葬、義援金の募集など、自分たちの厳しい生活を顧みずお世話をいただき、翌年2月に軍艦浪速、艦長は当時の東郷平八郎海軍大佐で和歌山に無事帰還したという、漁民の海難史上最大級と言われるサンマ漁船遭難事件であります。
事件発生から127年が経過し、生還者204名のうち、田辺市出身者が65名と、那智勝浦町に次いで多くいたことに伴い、遺族の方々、2世代、3世代を経た現在その係累は何万人にもなっているのではないでしょうか。その数多くの末孫、子孫の方々が、この事実をほとんどの人が知らないのが現実のようです。
平成4年2月24日、八丈島で100回忌の法要が行われ、勝浦から遺族会、当時お世話になった方々のお孫さん達七十数名が参列され、その後、八丈町長初め6名の方が勝浦を訪れ、植樹、遭難記念碑にお参りされました。
そして、昨年、このままではいかんと、田辺市の一部有志の方々が八丈島に感謝の碑を建てる会を組織され、募金を募り、多くの方々の御協力を得まして、昨年10月23日に八丈島で和歌山県民感謝の碑の除幕式がとり行われました。私もその関係者の方からお誘いをいただき同行させてもらいました。除幕式には、和歌山県側からは、建てる会関係者、田辺市、那智勝浦町、和歌山県庁からの担当者、報道関係者合わせて18名、東京都八丈町からは14名が出席されました。田辺市からは市長のメッセージを携えた前
農林水産部長が出席されましたし、東京都、小池百合子知事からもメッセージが寄せられました。
そこで、漁民の海難史上最大級と言われるこの事件に関しまして、田辺市としてどのように認識されているのかをお尋ねします。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 9番、髙田盛行君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問にお答えいたします。
紀州勝浦沖サンマ漁船遭難事件は、ただいま御紹介がありましたように、今から遡ること127年前の明治25年12月28日、出漁したサンマ漁船六十数隻が那智勝浦沖にてアナセと言われる突然の暴風雨により遭難し、229名のとうとい命が奪われるという出来事で、黒潮を漂流しながら何とか八丈島周辺の島々にたどりついた229名の漂流者が、当時、決して豊かではなかった八丈島の島民の皆様から、1カ月以上にわたって手厚い看護や衣食住の提供などの御支援をいただいたものです。改めまして、当時お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、御親族の皆様方に哀悼の意を表します。また、当時、島民の皆様から献身的な介抱をいただきましたことに、心から感謝を申し上げます。
このような出来事を後生に伝えようと、平成29年、田辺市の有志団体「八丈島に感謝の碑を建てる会」が発足し、謝意を表する石碑を建てようと募金を呼びかけ、昨年10月23日に八丈島に石碑が建立され、本市からも同日に行われました和歌山県民感謝の碑の除幕式に出席させていただきました。
この事件に関する本市の認識についてでございますが、サンマ漁船遭難事件は、本市の漁業の中で海難事故としても大変大きな出来事であり、多数の死者、行方不明者も出たことから、歴史の中に深く刻まれているものであります。
本市としましては、この歴史的な出来事により、八丈島の皆様から受けた御恩を決して忘れてはなりません。そして、このことを通して、感謝の気持ちを育み、思いやりのある心を持つことの大切さを学ぶためにも、この歴史的な出来事を風化させることなく、後世に伝えていかなければならないものであると考えております。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございます。市としましても、この歴史的な出来事を風化させることなく、後世に伝えていかなければならないと認識いただいていることをありがたく思います。
そこで、2点目の質問ですが、この事件を後世に伝えるためにはということについてお尋ねします。
私自身、昨年八丈島に同行させていただいて、この事件の詳細について知りました。串本のエルトゥールル号遭難事件は皆様も御存じかと思います。手元に、簡単な比較した資料でございますが、ごらんいただければと思います。この二つの海難事件を比較しながら思ったのですが、知れば知るほど、勝浦沖でのこの事件が和歌山県民として、田辺市民として、忘れてはあかん、ほとんどの田辺市民の方々が知らないこの事件をこのまま忘れ去られてよいものかと強く疑問に思ったのです。
八丈島で救出され、ふるさとへ生還した漁民たちが、後日、紀州船という歌をつくって八丈島へ送り、感謝の誠をささげられました。それは、「八丈島の民話」61編、この本ですが、この本の中に漂着船の歌にとして納められています。その一説には、こうつづられています。「紀州舟 ときはじんしん冬の日に 熊野の海のかつうらに、中略します、我がばっそんよこの恩を語りつたへよいつまでも なさけの島を忘れるな」と海に生きる島々の人々、串本、大島樫野の人々、また、八丈島の人々には、遭難、海難事故があれば、助けて、介抱するのが当たり前であり、それを殊さら恩きせがましく言わない、思わない暗黙の気持ちがあるようです。その日本人の美徳というべきものが大和心と言われたり、また、刻石流水という言葉があり、受けた御恩は石に刻め、かけた情けは水に流せという意味のようです。
平成29年4月に田辺市を中心とした関係者が八丈島を訪れた際、八丈島にはこの事件に関する何の碑も痕跡も残っていなかったようです。そして、ほとんどの人々はこの事件を知らず、水に流して完全に忘れてしまっているようでした。
しかし、最も被害者の多かった田辺市と那智勝浦町には、大きな石にこの事件のことを刻まれています。しかし、この碑は遭難者の慰霊碑であって、229名が32日間お世話になったことを忘れないという決意の碑ではありません。そこで、今回民間の有志の方々の御苦労によって八丈島に感謝の碑が建立されましたが、感謝の碑ということで何らの宗教的な儀式はない除幕式がとり行われました。
エルトゥールル号事件では、現地の樫野の方々はもとより大島、須江、串本の住民が、食うや食わずに介抱し、六十数名を救助し、死者、漂流者、行方不明者約500人を串本で弔われました。この事件は、その後トルコ国家からの返礼の行動、慰霊碑の建造、その後の交流、そして歴史的な事実であります1980年に発生したイラン・イラク戦争で戦況が激化し、1985年の劇的なトルコ航空による日本人救出劇へとつながっています。トルコ国民が95年も前の串本での海難事故で串本、大島樫野の人々という狭い思いではなく、広く日本人から救出されたという恩を忘れずにいてくれたおかげだと思います。
それは、トルコ国民があの事件をトルコの子供たちの教育の中に教材として取り入れているからだと聞きます。また、串本町では、中学生のトルコとの派遣交流が行われていて、ことしは串本町内の中学生7名がトルコを訪問されたと聞きました。
田辺市初め那智勝浦町、その他の関係市町村でも、漁民の海難事故史上最大級のこの事件が現在忘れ去られようとしています。エルトゥールル号事件との違いはあろうかと思いますが、このサンマ漁船遭難事件をこのまま放置しておいてよいものでしょうか。何か、歴史的事実として後世に残す方法、道はないものでしようか。市のお考えをお聞かせください。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君)
農林水産部長、北川弘泰君。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員御質問の2点目、この事件を後世に伝えるためにはについてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、串本のエルトゥールル号遭難事件は、広く市民の方に知られておりますが、勝浦沖サンマ漁船遭難事件については、市内の龍泉寺境内にございますこの事件のことを刻んだ石碑が建たれて、そこでお参りをされておりますけれども、関係者以外の方には余り知られておりません。
市長からもございましたが、こうした歴史的な出来事を風化させることなく事故の事実と八丈島への感謝の思いを後世へ伝えていくことは非常に大切なことだと考えます。この具体的な取り組みにつきましては、今後関係部署と協議してまいりたいと考えますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございます。確かに、田辺市は龍泉寺に、那智勝浦町は正念寺に慰霊碑が建立されており、昨年は民間の方々の手で和歌山県民感謝の碑が八丈島に建立されたわけですが、八丈島の民話にまで残る、また、当時の国会での質問でも取り上げられ、軍艦まで派遣されたこの事件は一民間の史実にとどめておくことなく、田辺市としても何らかの形で残しておく必要があるのではないでしょうか。ぜひ具体的な取り組みに着手していただくことを期待しております。
続いて、3点目、学校現場での取り扱いについてお尋ねします。
感謝の碑建立の一行が田辺に帰り、これまでの経過を関係者の方々が取りまとめられ、一冊の記録集「紀州漁民漂流譚 情けの島を忘れるな」として発行され、田辺市内の小・中学校、高校初め関係部署へ配布されました。すると、たまたま市内のある中学校の先生が目にとめられました。その先生は、御自身が江川の御出身でありましたので、より関心を持たれ、先生御自身がこの記録集をもとに道徳教材にと編集され、ことし2月28日に校内での道徳の研究授業で取り扱われました。校内はもとより、他校の先生方、関係者の方々も参観されたと聞いています。私は、道徳が教科となり、数多くある道徳教材とともに郷土の資料を教材化された、この先生の感性、資料を御自身の手で編集された教師としての力量に感心しました。
教育委員会ももちろんこのことは御存じで、研究授業当日は参観され、指導、助言もされたことと思いますが、生徒達の反応、授業の様子、また、今回のこの先生の行動をどのように評価されるのでしょうか。
また、田辺市民としてこの事件を忘れず、後世に語り伝えていくためには、トルコ国民がトルコ航空での日本人脱出に協力した事例のように、この事件を子供の時分から継続的に教えていくことが有効ではないかと考えますがいかがでしょうか。市のお考えをお聞きかせください。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 教育長、佐武正章君。
(教育長 佐武正章君 登壇)
○教育長(佐武正章君) 議員御質問の、紀州勝浦沖サンマ漁船遭難事件の学校現場での取り扱いについてお答えします。
学校教育において地域の文化や歴史について学び、郷土への誇りと愛情を育てるふるさと教育の充実は重要であり、総合的な学習の時間等で田辺市のそれぞれの地域にある題材を教材として用いることは大切であると考えております。
議員御指摘のとおり、串本のエルトゥールル号遭難事件は、現在使用している小学校道徳の教科書や県から配布されている中学校道徳読み物資料集「希望へのかけはし」などで教材として扱われておりますが、勝浦沖サンマ漁船遭難事件については、これまで学校現場で取り扱われることはありませんでした。
しかし、昨年度、八丈島に感謝の碑を建てる会より、記録集「紀州漁民漂流譚 情けの島を忘れるな」というお話を市内全小・中学校に配布していただいたことがきっかけで、田辺市立新庄中学校の教諭がこれをもとに自作の道徳教材を作成し、道徳の研究授業として取り扱ったところであります。
この自作の道徳教材は、当時、決して豊かではなかった八丈島の島民が、困ったときはお互いさまの精神で遭難した人々を助けてくれたことを知ることから、感謝の気持ちを育み、思いやりの心を持つことの大切さや見えないところで助けられる感謝の気持ちを学ぶことができる教材でありました。
特別の教科道徳では教科書や副読本をもとに授業を行っております。さらに、地域にある題材を教材にして取り扱うことは、児童生徒が教材をより身近に感じられ、学習意欲が高まるという効果が期待されております。
実際、授業を受けた生徒の反応では、この出来事を知ることを通して、人々の優しさを感じ、人への感謝を大事にしていきたいと、より思いやり、感謝の気持ちを強く感じることができたなどと聞いております。
また、この教諭が作成した読み物教材が生徒たちにとって効果的な教材であったことは、参観された他校の先生方や関係者の方々にも伝わっており、ふるさと教育においても活用できる教材であると考えております。今後、市内小・中学校に、新庄中学校の実践例を紹介していきたいと考えておりますし、記録集の積極的な活用を進めてまいりたいと考えております。
現在、学校現場では、総合的な学習の時間において既に地域教材を生かした授業を行ってきております。児童生徒は、それぞれの地域の先人や地域の行事、祭りなどの郷土の文化や歴史を学習し、田辺市地域語り部ジュニアの活動を通じて地域の魅力等を発信してきております。
田辺市の子供たちがその土地に伝わる史実を後世に語り継ぐためにも、今後もふるさと教育の充実を進めてまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育長 佐武正章君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございました。エルトゥールル号遭難事件については、県から中学校道徳読み物資料集として配布されているということは認識不足で知りませんでした。また、この資料集の活用状況については、また機会があったら教えていただければと思います。
今、田辺市では、前教育長さんの時代から、学社融合に積極的に取り組まれ、田辺市地域語り部ジュニアの取り組みも定着してきているようではないでしょうか。児童生徒たちにはこのサンマの事件も田辺市民、和歌山県民として忘れたらあかん史実の一つとして、また、道徳的な意義をも学習してもらいたいと願うところです。
続いて、最後、4点目。八丈島との交流についてお尋ねします。
平成4年、1992年に八丈空港滑走路のかさ上げ改修工事の件で、八丈町長さんが国に陳情に行った際、ときの運輸政務次官であった和歌山県選出の国会議員さんに八丈島と和歌山県の深い縁をお話しされたところ、政務次官の国会議員さんは、早速悪天候の中をヘリコプターを飛ばして視察され、後の工事の計画・着工が順調に進み完了し、八丈島の方々から大変感謝されたという話がございます。私は、八丈島の島民の方々へ、和歌山県民の代表として、100年前のサンマ漁船遭難のお礼を果たしていただけた話ではないかと思います。
不思議な御縁で他人様に助けられたり、また、助けたりというような出来事は、人それぞれに生きていく上で大なり小なりあるのではないでしょうか。そういう御縁を大切にするとすれば、八丈島も観光の町です。昭和40年代には日本のハワイと言われ新婚旅行でにぎわったと聞いています。同じ海洋性の風土で生活する人々で、田辺市とも共通することもあるのではないでしょうか。
田辺市では、現在、全国10の市町村と姉妹都市・友好都市の提携がなされ、交流も盛んに行われているわけですが、串本のような大々的な、インターナショナル的なものでなくとも、このような御縁を生かした八丈島との交流もこの機会に考えていただくことはいかがでしょうか。市のお考えをお聞きかせください。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君)
農林水産部長。
(
農林水産部長 北川弘泰君 登壇)
○
農林水産部長(北川弘泰君) 議員御質問の八丈島との交流についてお答えいたします。
市では、現在、武蔵坊弁慶終えんの地や植芝盛平翁のゆかりの地などの縁をもって10市町村と姉妹都市・友好都市の提携を結んでいます。
議員御指摘のとおり、今回の記念碑の建立により海を越え結ばれた友好のあかしとして、田辺市と八丈町の交流が始まったことは意義のあることだと考えます。
この御縁を生かした八丈島との交流につきましては、八丈町の御意向はもちろんのこと、この事件に関係する市町村、団体の御意見をお伺いしながら検討してまいりたいと考えておりますので御理解賜りますようよろしくお願いします。
(
農林水産部長 北川弘泰君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 髙田盛行君。
(9番 髙田盛行君 登壇)
○9番(髙田盛行君) 御答弁ありがとうございました。今回、民間のレベルで始まりました八丈島との御縁ではありますが、今後、行政側もかかわっていただけることができましたら、この事件に関する関心度も高めることにもつながりますし、お互いの自治体にとりまして有意義な取り組みが今後実施されますことを願いまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。
(9番 髙田盛行君 降壇)
○議長(副議長 陸平輝昭君) 以上で、9番、髙田盛行君の一般質問は終了いたしました。
休 憩
○議長(副議長 陸平輝昭君) この場合、午後1時40分まで休憩いたします。
(午後 1時30分)
――
―――――――――――――――――
再 開
○議長(安達克典君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
(午後 1時40分)
○議長(安達克典君) 続いて、1番、松上京子君の登壇を許可いたします。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 皆様、こんにちは。1番、篤志会、松上京子です。通告に従いまして大項目2点、分割方式で質問させていただきます.
まず、大きな1点目は木育の取り組みについてです。
平成16年に北海道で生まれた木育という言葉、概念が今、全国的にさまざまな取り組みとして広がっています。赤ちゃんのころから木に親しみ、子供を初めとする全ての人が木とふれあい、木と生きることを学ぶさまざまな活動ですが、この活動には環境、文化の伝承、経済、教育といった幅広い分野で目指す目的があります。
林野庁がまとめた、平成30年度当初に都道府県を通じて提供された木育等の事例集には、木育マイスターなどの人材育成、子育て支援、木のおもちゃと出会える施設の整備、さらには自分たちの使う机を地域材でつくるプロジェクトにより、製材所や乾燥施設等の見学や天板仕上げ体験なとを教育のカリキュラムに取り入れるなど、さまざまな事例が掲載されていました。
木を生かして人を育むということ、木をツールとして子育て支援や環境保全、地域の活性化などさまざまな課題解決に取り組んでいる事例を見たときに、田辺市でもこの木育を進めていけないかと考えます。そこで今回は、提案を含め四つの質問をさせていただきたいと思います。
まず、一つ目は、雨の日の遊び場として木を生かした施設を整備できないかということです。最近の一般質問でも何度か取り上げられていましたが、子育て中のお父さん、お母さん方から、雨の日子供を連れていくところがない、休みの日に安心して子供を遊ばせられる場所が欲しいなどの声は本当によく聞くところです。それに対しての御答弁は、市では子育ての支援として、公民館で開催されている0・1歳のつどいのおへや、地域子育て支援センターあい愛での活動などがあるとのことでした。私も以前、中部公民館でのつどいのおへやを見学させてもらったことがありますが、おもちゃでの自由遊び、絵本の読み聞かせ、赤ちゃんとお母さんのスキンシップなど、参加した人たちは楽しい時間を過ごしていました。ただ、これらの活動は日にちや時間が決められています。児童館では平日の朝から夕方まで就学前の子供と保護者にフリースペースが開放されているということですが、利用できるのかどうかを知らない人もまだ多くいるということで、活発に利用されているとはいえない状況のようです。
そこで、誰もがもっと気軽に利用できる新しい施設を、木のぬくもりを感じ、天候や日にちを気にせず訪れることができる施設を整備できないかお尋ねいたします。
続いて、二つ目の質問は、今申し上げた木を生かした雨天時の遊び場の具体的なイメージとしておもちゃ美術館を誘致できないかということをお聞きします。お手元に参考資料をお配りしています。これは東京おもちゃ美術館のパンフレットです。この施設は新宿の四谷にあります。古い廃校となった小学校の校舎を利用して建てられた施設で、質のよい木のおもちゃを手にとって遊べる体験型ミュージアムです。おもちゃで遊んだり、おもちゃを手づくりしたりできるほか、おもちゃの企画展示やミュージアムショップなどもあります。2008年のオープン以来多くの人が訪れ、観光施設としても魅力ある場所になっています。区民は割安で利用できることから、ふだんはこの施設の入り口にずらりとベビーカーが並んでいるのだそうです。
また、この東京おもちゃ美術館と姉妹協定を結んで2018年にオープンした秋田県由利本荘市の鳥海山おもちゃ美術館では、人口7万人規模のまちであるにもかかわらずオープン1年で入館者が10万人を超えているということです。鳥海山おもちゃ美術館では市内在住であれば、年間パスポートが大人1,500円、未就学児300円と、とても安く入館できるので、気軽に親子で遊びに行くことができます。
また、山口県長門市の長門おもちゃ美術館は道の駅に併設されていて、新鮮な野菜や魚など食を楽しむことができ、同じく多くの人をひきつけています。このようなおもちゃ美術館が田辺にもあればすばらしいと思いませんか。
例えばですが、人気のある新庄公園のような場所にあれば、晴天ならば公園、そして雨天ならばおもちゃ美術館で遊ぶことができます。白浜を訪れる人たちの新たな観光目的になることも考えられますし、既存の田辺市立美術館と併設できれば誘客における相乗効果が期待できるのではないでしょうか。場所に関してはあくまでも例えばの話です。
以上のような理由からおもちゃ美術館の誘致を希望しますが、検討することはできないでしょうか。
次に、三つ目として、木育について市の考えをお聞きします。木育の概念は先ほども申し上げたとおりです。この木育をツールとして情操教育、環境教育、地域の活性化、人材育成、子育て支援など、さまざまな取り組みを展開できると考えますが、市の考えはいかがでしょう。市として木育を何らかの形で進めていくお考えがあるのかをお聞かせください。
四つ目は森林環境譲与税の使途について伺います。森林環境譲与税の使途は多岐にわたり、本来の森林の公的管理、森林を整備して守るということが優先であることは承知しています。ただ、広い意味で森林を守るためには、人を育てること、環境について人々が主体的に考えられるように促すことなども目的だと思います。
そこで、木を生かした子供の遊び場整備を考えたときに、この森林環境譲与税の使途の一つとして検討の余地があるのかをお聞かせください。よろしくお願いします。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(安達克典君) 1番、松上京子君の質問に対する当局の答弁を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) 議員御質問の木育の取り組みについての3点目、木育についての市の考え方については私から、その他については担当部長からお答えいたします。
まず、木育とはですが、御紹介がありましたように、平成16年9月に北海道庁と道民が一緒になって検討し、発足した木育プロジェクトにより提案された新しい言葉、概念で、子供のころから木を身近に使っていくことを通じて人と木や森とのかかわり、森林づくりの大切さを主体的に考えられる豊かな心を育てたいという思いがその言葉には込められています。
また、平成18年に閣議決定された森林・林業基本計画においても森林環境教育の充実施策として、市民や児童が森林・林業について体験、学習する機会の提供、木のよさやその利用の意義を学ぶ活動である木育を推進すると位置づけられています。
現在、木育の取り組みは全国で広がっており、木のおもちゃに触れる体験、木工ワークショップ等を通じた木育活動やそれらを支える指導員の養成のほか、関係者間の情報共有やネットワーク構築等を促すイベントの開催など、さまざまな活動が行政や木材関連団体、NPO、企業等の幅広い連携により実施されているところであります。
本市における木育に関する取り組みといたしましては、子供のころから身近に木のぬくもりを感じて豊かな心を育むとともに、子育て家庭における親子の触れ合う時間の創出につなげていただくことを目的として、田辺市在住の赤ちゃんとその保護者に地元産材を用いた木製玩具をプレゼントする木のぬくもりプレゼント事業を平成30年度から実施しておりまして、これまでに735組の赤ちゃんとその保護者の方にプレゼントをし、大変喜ばれています。
また、市内、県内の企業、関係機関、団体、大学等の高等教育機関や周辺自治体との連携、協力によって、ことしの2月23日、24日の2日間、木の国わかやま木育キャラバンin田辺市が、また、8月25日には、木の国わかやま木育フォーラムin南紀田辺がそれぞれ開催され、約3,700名の方が参加されましたが、参加されたお子さんや保護者の方々には木材と森林・林業への関心を持っていただけたことと思います。
そのほかにも、地域資源である森林、地域産業の一つである林業のことをより多くの市民の皆様に知っていただくとともに、生産者と消費者との触れ合いの機会をつくり、暮らしと林業をつなげていく場として、田辺農林水産業まつりや翔龍祭龍神林業まつり等を開催しています。
私たちの身の回りには、1枚の紙から家具、建築に至るまで木から生まれた製品が数多く使われています。そして、古くからは、木材は大切にされ、暮らしや文化、伝統を大きく形づくってまいりました。
そのような中、森林面積が市域の9割を占める本市といたしましては、木育につきまして、木材や木製品との触れ合いを通じて森林への親しみや理解を深めてもらうため、また、二酸化炭素を吸収、固定する役割や土砂の流出を防ぐ治山など、森林が有する多面的機能に関心を持ち、その認識を高めてもらうため、今後とも取り組みを推進してまいりたいと考えております。
また、現在、ふるさと学習として行っている小・中学校の総合的な学習の時間における探求的な学習や、地域と学校が連携、協働して行っている学社融合推進事業などにおいて児童、生徒が森林・林業について体験、学習する機会を提供することも検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、木育につきましては、森林・林業、教育だけでなく保育、子育て支援など幅広い分野での観点を持つことが必要であり、庁内はもとより、民間企業、各種団体、関係機関などが連携し、その推進を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君) 教育次長、宮﨑和人君。
(教育次長 宮﨑和人君 登壇)
○教育次長(宮﨑和人君) 議員御質問の1点目、雨天時の子供の遊び場として木を生かした施設を整備できないか、2点目のおもちゃ美術館の誘致についてお答えいたします。
まず初めに、雨天時の子供の遊び場についてでございますが、6月定例議会の一般質問でもお答えさせていただきましたとおり、市内に3カ所ある児童館やもとまち保育所内にあります田辺市地域子育て支援センター、各地区公民館、図書館、美術館など雨天時に屋内で過ごすことのできる場所は幾つかございますが、施設の一部に木を使用し、木質化を図っている部分はあるものの、木の持つ特性や質感を全面的に生かしたものではございません。
一方、市では、公共建築物における木材の利用促進を図るため、田辺市木材利用方針を定めており、学校施設等の建築に際しては、地元の森林から産出され、地元で加工された木材、いわゆる紀州材を積極的に使用し、建物の木造化や木質化に努めているところでございます。
議員から御提案のありました木を生かした施設としておもちゃ美術館を誘致できないかについてでございますが、議員からも御紹介がありましたように、木を生かしたおもちゃ美術館としては東京都新宿区の東京おもちゃ美術館を初め、秋田県由利本荘市の鳥海山木のおもちゃ美術館、山口県長門市の長門おもちゃ美術館、沖縄県国頭村のやんばるの森おもちゃ美術館の4館が開館しております。設置者及び運営主体はさまざまですが、それぞれに地域ならではのストーリー性や自然と文化の魅力にあふれるおもちゃと遊びの文化を体感できる施設となっております。
この木を生かしたおもちゃ美術館につきましては、木材の効能を最大限に生かして人の育ちを支援するという木育推進の観点からもその効果が期待できると考えられることから、既に開館している4館、並びに今後開館を予定しているおもちゃ美術館の現状や課題など先進事例について今後調査研究してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようお願いいたします。
(教育次長 宮﨑和人君 降壇)
○議長(安達克典君) 森林局長、清水健次君。
(森林局長 清水健次君 登壇)
○森林局長(清水健次君) 議員御提案の森林環境譲与税の使途についてお答えいたします。
御承知のとおり、森林・林業の分野におきましては、森林が有する多面的機能の維持、発揮、並びに林業の成長産業化及び森林の適切な経営管理等を推進するため、本年4月から新たな法律として森林経営管理法が施行され、森林所有者や市町村等の責務が明確化されました。
現在、市においては、市町村の責務として明示された新たな仕組みとして必要な措置を講ずるため、今年度から予算措置されます森林環境譲与税を財源とした事業の検討に着手しているところです。
この森林環境譲与税の具体的な使途につきましては、今後、第三者を交えた委員会を設置し、その中で事業計画について調査、審議を行う予定にしているところであります。
そうした中、おもちゃ美術館の誘致の財源として森林環境譲与税を活用してはどうかという御質問につきましては、現時点では具体化していないことから明確なお答えはできませんが、今後、調査研究等を経て、実現に向けた段階になりましたら、基本的には今申し上げました委員会において審議されることになると考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願いします。
(森林局長 清水健次君 降壇)
○議長(安達克典君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 御答弁ありがとうございます。
まず、木育についての市のお考えですが、幅広い分野で検討していく、あるいは推進を図っていくと前向きなお答えをいただいたのでうれしく思います。縦割り行政でなく、森林・林業、教育、保育、子育てなど横でつながり、協議をしながら進めていってくださるようお願いいたします。
それから、雨の日の子供の遊び場として木を生かした施設の整備、2のおもちゃ美術館誘致についての質問ですが、これらの質問には、今すぐにやりますというようなはっきりとしたお答えがいただけるとは思っていません。特におもちゃ美術館に関しては、このようなパンフレットを見れば、確かに誰もがよいな、こんなのがあったらよいなと思うとは思うのですが、費用面それから運営面などに関して課題も多いと思います。けれどもメリット、デメリットを整理し、検討する価値はあると思います。
ただ、雨の日の子供の居場所ということに関しては常に優先的に考えてほしいと思います。子供を安心して遊ばせることのできる場というのは親の切実な願いです。公民館も児童館も、それから図書館も大変ありがたい施設です。でも選択肢は多い方がよいです。
ここにいる皆様の中で、子供が泣くからゆっくりトイレにも行けないというような体験を、そういう経験をしたことがある人はどれぐらいいらっしゃるでしょう。目が離せない子供と二人きりでいるお母さんの苦労が私はわかります。子供と二人きりの空間でずっといると、心に余裕がなく、煮詰まるような感覚になり、それはとても苦しいものです。こんなとき、少し場所を変えるだけでよい、少し誰かがいてくれるだけでよいのです。そういった場の提供という観点からもぜひ御検討をお願いいたします。
おもちゃ美術館については、先進地事例などを調査研究したいとありましたので、また機会を改め、どのように研究したのかをお聞きしたいと思います。
最後に、森林環境譲与税の使途としての質問については、事業の検討に着手したばかりで具体的な使途については明確に答えられないということでした。一つ一つプロセスを踏んで進めて行くことですから、現段階では当然のことと思います。今後、調査、審議が進みましたら、ぜひ前向きにおもちゃ美術館を議論のテーブルに乗せていただきますようお願いいたします。
今回の質問では、新しい概念である木育がテーマであったため御答弁は難しかったかもしれません。ただ、それぞれの質問については調査研究する、推進を図るというお答えをいただきましたので、経過について期待しています。今後も時期を見て質問させていただきますのでよろしくお願いいたします。大項目1点目はこれで終わりたいと思います。
続いて大項目の2点目に移ります。2点目は男女共同参画の推進についてです。
世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダー・ギャップ指数の2018年版において、対象となる世界149カ国のうち日本は110位でG7の中では圧倒的に最下位でした。初等教育それから中等教育、出生率の分野では、男女間に不平等は見られない一方、国会議員、政治家、経営管理職、教授、専門職、高等教育等、社会のリーダーシップを発揮すべき分野での評価が著しく低いという結果です。
田辺市においては、国が平成11年6月に施行した男女共同参画社会基本法に先駆け、平成11年3月に男女共同参画プラン、サイド・バイ・サイドを策定しました。その後も平成19年3月に田辺市男女共同参画プラン、さらに平成26年に第2次田辺市男女共同参画プランが策定され、計画的な男女共同参画を推進し、現在に至っています。
男女がともに暮らしやすい環境整備や意識の向上は一定見られていますが、今も社会においては性別による固定的な役割分担意識も残り、DVなどの人権侵害も大きな社会問題となっています。また、LGBT、性的マイノリティーや性暴力被害など新たな問題も顕在化しています。
そこで田辺市の男女共同参画の推進についてお聞きします。
一つ目として、第2次田辺市男女共同参画プランにおける現状と課題についてお聞かせください。
二つ目の質問は、男女共同参画条例の制定についてです。この質問は、平成28年松下泰子議員が取り上げていました。そのときの御答弁では、今後も課題整理をし、条例制定についての方向性を見出したいとのことでしたが、現在の状況はいかがでしょうか、お尋ねいたします。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(安達克典君) 企画部長、早田 斉君。
(企画部長 早田 斉君 登壇)
○企画部長(早田 斉君) 議員御質問の男女共同参画の推進についてお答えいたします。
まず、1点目の第2次田辺市男女共同参画プランにおける現状と課題についてですが、本市の第2次田辺市男女共同参画プランは、社会のあらゆる分野で男女の平等を具体化する取り組みである男女共同参画を推進していく上での総合的な計画として本市が実施すべき施策の基本的な方向や内容を明らかにしたもので、男女共同参画社会基本法に定められた市町村男女共同参画計画として位置づけています。
近年の社会情勢の急速な変化の中で、特に、1、男女共同参画の視点による地域活動の推進、2、仕事と生活の調和の実現に向けた取り組み、三つ目、DV防止に向けた取り組みの三つを第2次田辺市男女共同参画プランの重点的な取り組みとして各担当課において取り組んでいます。
第2次田辺市総合計画策定に関するアンケート報告書によりますと、職場や家庭などで男女がともに責任を分かち合い、性別にかかわりなく個性と能力が発揮できると思いますかの質問項目では、平成28年度は54.0%と平成22年時の50.9%に比べると3.1%増加しておりますし、県が5年ごとに行っている男女共同参画に関する県民意識調査におきまして、家庭生活、職場、学校教育の場、地域活動の場において女性の平等感の割合が増加しており、男女の平等感が高くなっています。男は仕事、女は家庭など性別によって男女の割合を決めるような考え方についても、どちらかといえば反対、反対であると否定的に考える人の割合は64.4%で、前回平成22年度に比べると10.5%ふえています。
田辺市の審議会等への女性登用率の推移を見ましても、平成20年度の26.3%から平成30年度29.9%と増加しており、意識の向上は進んできていると考えておりますが、市議会議員の女性議員の割合が22人中3人の13.6%、自治会長の女性の割合が214町内会中7人の3.3%と政策や方向決定過程への女性の参加がまだまだ少ない状況であります。
男女共同参画推進室では、LGBT、性的少数者などに関しては正しい理解と認識を持つことができるよう、また、性暴力被害に関しては、11月の女性に対する暴力をなくす運動の期間に街頭啓発を行うなど、こうした課題についても啓発や講座、講演会を開催するとともに、図書やDVDの貸し出し等も行っています。
男女が互いにその人権を尊重しつつ、責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現に向けた啓発活動や講座、講演会を実施しているところではありますけれども、現状では参加者の高齢化や固定化が見受けられます。
課題であります男性や若者の参加者をふやしていき、男性も家事、子育てや介護への参加や関心を高め、女性も働きやすい家庭環境づくりに向けて、今後も男女共同参画を推進してまいりたいと考えております。
続きまして、御質問の2点目の男女共同参画条例の制定についてお答えいたします。
まず、男女共同参画に関する条例につきましては、内閣府の
地方公共団体における男女共同参画社会の形成、または女性に関する施策の推進状況調査によると、平成30年度4月1日現在で、47都道府県中46都道府県が、また市町村においては、1,740市町村中645市町村がそれぞれ男女共同参画に関する条例を制定しているところです。
和歌山県においては、現在のところ、上富田町と橋本市、それに昨年制定された和歌山市の3市町が条例を制定している状況です。
男女共同参画を進める上で条例制定は一つの手段でありますが、条例制定は法的な位置づけのもと、家庭生活を初め、地域経済や企業活動においても責任を明確化していくことなどさまざまな課題もあります。
田辺市においては、条例に先駆け男女共同参画プランの推進により、先ほども申し上げましたとおり、県民の意識調査におきましても女性の平等感の割合が増加しているなどの一定の成果も出てきております。
今後も引き続き、第2次田辺市男女共同参画プランに基づき、人権学習会や男女共同参画講演会を開催し、市民の皆様に男女共同参画の理解を深めてまいりたいと考えております。
また、市においては、田辺市人権施策基本方針が平成31年3月に改定されました。これに基づき市民の皆様とともに、一人一人が大切にされ、幸せを実感できる
まちづくりを目指して、より効果的に人権施策を推進していこうとしている中、男女共同参画だけではなく、人権全般にわたって推進するための方策を考えていく必要があると考えておりますので、御理解と御協力をいただきますようよろしくお願いいたします。
(企画部長 早田 斉君 降壇)
○議長(安達克典君) 松上京子君。
(1番 松上京子君 登壇)
○1番(松上京子君) 御答弁ありがとうございます。一つ目は、現状と課題をお答えいただきました。アンケートによる意識調査も御報告いただきましたが、男女間の固定的な役割分担に対し否定的な考えを持つ人の割合はふえ、意識に関しては改善されていっているということはわかります。ただ、本当に少しずつだなというのが実感です。
講座や研修会には、私もよく参加させていただいていますが、本当にそこで出会う人たちはいつも同じという印象です。年齢層も高いです。参加者の幅を広げるために主催する側は大変苦労されているなといつも思っています。
男の料理教室やカジメンのすすめなどは男性参加者に好評だとお聞きしていますので、今後もそういった取り組みは継続していってほしいです。若い世代への参加を促すのはとても難しいことだと思います。開催日時や取り上げるテーマなど、柔軟な考えでさらに研究をお願いいたします。例えば関係機関と連携しながら政治や経済や介護などをテーマにした高校生への出張講座などを開催するのもよい方法だと思います。
LGBTに関しては、まだ講座や研修会での啓発の段階で十分に当事者がカミングアウトして、社会の中で自分らしく生きていける受け皿ができているとは思えません。
昨年1月に、わかやま女性議員の会で視察に宝塚市を訪れましたが、宝塚市では、LGBTに関し市民対象の講演会や地域、企業への出前講座など全体的な啓発活動に取り組みながら、教職員向けのパンフレット作成、セクシャルマイノリティー電話相談、パートナーシップ宣誓書受領証を交付するなど、先進的な取り組みを行っていました。
また、2013年9月に全国で初めて行政としてLGBT支援宣言を発表した大阪市淀川区では、区の全職員がLGBTの研修を受け、基礎的な知識を全員が持っているとのことです。電話相談はもちろん、当事者やその周囲の人が集まるお茶会、コミュニティスペースの運営をしたり、それらの情報を区のホームページやSNSでわかりやすく伝えています。このような例も参考にしながら田辺の実情に合わせたさらなる取り組みをお願いしたいと思います。
条例の制定については、以前と余り変わらないお答えで少し残念に思います。全国市町村の条例制定数はお答えにあったように、平成30年4月1日現在で1,740市町村中645とのことで、平成28年4月1日現在1,741市町村中618と比べてみますと27ふえています。和歌山県内では上富田町、橋本市に加え和歌山市が新たに条例を制定いたしました。平成27年に施行された橋本市の条例にはLGBTの概念も盛り込まれています。
条例の制定には地域活動や企業活動においての責任を明確化していくことなどが課題であるとのことでした。しかし、今は国の重要政策である働き方改革により、多様な働き手による多様な働き方を推進しており、女性が活躍できる社会を実現したり、子育て支援を拡充したりしようとしています。中小企業や個人事業主が多い本市においては企業側の責任を明確化するというのは難しさはあるかもしれませんが、逆に、市が条例に明記することで抵抗感がなく協力してくれるということもあるのではないでしょうか。
先ほどのお話では、市で平成31年3月に人権施策基本方針を改定し、その改定に基づき人権全般の中で男女共同参画の推進の方策も考えていくとのお話でした。方策の一つとして条例の必要性についても議論をしていただきたいです。今後の議論について注目したいと思います。
条例は、男女共同参画における行動計画を実効性のあるものにするための後ろ盾となります。全庁的な、継続的な取り組みがしやすくなるものと考えます。
地方公共団体の最高法規である条例の必要性について今後も検討していただけるようお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
(1番 松上京子君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上で、1番、松上京子君の一般質問は終了いたしました。
◎日程第2 3定議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)上程
○議長(安達克典君) 続いて、日程第2 3定議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)を上程いたします。
本件については、過日の本会議において所管の総務企画委員会に付託したものであります。
この場合、総務企画委員会委員長の報告を求めます。
11番、橘 智史君。
(11番 橘 智史君 登壇)
○11番(橘 智史君) 総務企画委員会より委員長報告いたします。
本委員会は、去る9月4日の本会議において付託を受けた議案1件について、9月9日及び13日に委員会を開催し、当局の説明を聴取し、慎重に審査をいたしました。
その結果、委員会審査報告書に記載のとおり、3定議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)について、賛成多数により原案のとおり可決いたしました。
審査の過程における委員からの質疑等の主なものは次のとおりであります。
新庁舎立体駐車場用建物購入費に係る債務負担行為補正にかかわって、オークワ社が行った建設工事入札に対する応札者の見積額が想定をはるかに上回る中で、その金額が実勢価格に見合うものかどうかについて詳細に確認したのかただしたのに対し、「3者から見積書が提出され、これについて詳細に比較検討を行った。その結果、全ての項目において3者の間に大きな乖離がないことを確認し、総合的に適正と判断した」との答弁がありました。次に、市の見通しとして余りにも甘く、その後の説明も不十分であることについてただしたのに対し、「今回のような結果となり大変情けなく市民に申しわけないが、オークワ社とは基本協定に基づきお互いに取り組んできているため、この形で進めさせていただきたい」との答弁がありました。次に、今後、資材価格等が高騰した場合に際限なく市の負担がふえるのかただしたのに対し、「市としても建設工事の監理に参加し、契約金額内で収まるよう積極的にかかわっていく」との答弁がありました。次に、財政的な観点についてただしたのに対し、「全体計画を見据え、財源としてできる限り有利な地方債の活用を考えている。有利な地方債の枠を超えた場合は、通常の借り入れで対応せざるを得ないが、合併特例債も一定確保している。長期的な視点から何とか対応していきたい」との答弁がありました。さらに委員から、もろ手を挙げて賛成とは言えないが、本市はこれまで健全な財政運営を行ってきており、今回も慎重に検討した上での判断であることは理解できる。今後は、より厳しい姿勢で取り組むよう求めたいとの意見がありました。
また、本件については、以下のとおり附帯決議を委員の全会一致で可決いたしております。
これより附帯決議を朗読いたします。
3定議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)に対する附帯決議。議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)は、庁舎整備事業に係る新庁舎立体駐車場用建物購入費の債務負担行為を補正するもので、建設費の増加に伴い債務負担行為の限度額を6億5,700万円から8億3,931万円に増額するものである。
まず、今回増額となる新庁舎立体駐車場用建物購入費は、平成31年3月25日に可決成立した1定議案第59号 平成31年度田辺市
一般会計補正予算において、建物購入費の限度額として6億5,700万円を設定する形で計上されていたが、この金額は床面積等をもとに単純計算したものであった。次に、この立体駐車場用建物は、オークワ社の店舗及び駐車場を併設する建物であることから、こうした建物の建設実績があるオークワ社が入札を行い、建物が完成した後に市がその駐車場部分の一部を購入するという通常の公共事業とは異なる手法を採用していた。
こうした前提条件のもと、オークワ社による入札が7月5日に行われた結果、当初予算の成立から数カ月しか経過していないにもかかわらず、想定をはるかに上回る金額が提示され、市の債務負担行為限度額を増額せざるを得ない状況となった。なお、この入札に際し、建設工事の工期についても当初の12カ月から17カ月に延長となる計画に変更されていた。
当委員会としては、本補正予算を可決するに当たり、市当局に対し、下記の事項に十分留意し、今後の庁舎整備事業に取り組まれるよう強く要望する。
1、新庁舎立体駐車場用建物購入費にかかわって、その購入額は今回補正後の予算の範囲内に収めるとともに、今後の工期延長は認めないこと。
2、新庁舎立体駐車場用建物購入費にかかわって、建物の引き渡しが完了するまで及び引き渡し完了後も含め、市の立場として必要な情報を把握・分析した上で適切に対応すること。
3、庁舎整備事業にかかわる全ての要素について、その妥当性を一つ一つ丁寧に確認及び検証するとともに、将来のリスク等を慎重に見極め、適切に対応すること。
4、近い将来高い確率で発生が予想される南海トラフ巨大地震をはじめとする災害への対応などに鑑み、新庁舎の早期完成に向け最大限に取り組むこと。
5、庁舎機能としての性能・質を確保しながら徹底的なコスト縮減に取り組み、可能な限り全体事業費を圧縮すること。
6、庁舎整備事業全般にわたり透明性、公平性を確保すること。
7、議会に対して必要な報告を適時に行うこと。
以上、委員長報告といたします。
令和元年9月13日、総務企画委員会委員長、橘 智史。
○議長(安達克典君) 総務企画委員会委員長の報告が終了しました。
これより、質疑に入ります。
ただいまの委員長報告に対し質疑はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(安達克典君) 質疑なしと認めます。
これより、討論に入ります。
討論はありませんか。
(「討論あり」の声あり)
○議長(安達克典君) 討論があるようですので、この場合、原案に対する反対討論の発言を許可いたします。
5番、川﨑五一君。
(5番 川﨑五一君 登壇)
○5番(川﨑五一君) 今議題となっております3定議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)債務負担行為の補正について、反対の立場から討論を行います。
まず申し上げたいのは、この議案が提出された開会初日の市長の提案説明です。なぜ債務負担行為の増額が必要なのかについて一切の説明を行いませんでした。その前日の特別委員会で説明を行ったからという理由かもしれませんが、当局が理解を得なければならないのは市民です。その市民に対して一切の説明を行わない。そこに今の田辺市の姿勢があらわれています。
そして、特別委員会でも
総務部長は、議会の皆様に御理解を得なければならないという言葉を繰り返しました。形の上で議決を得るのは議会です。でもそれは、あくまで市民の代表としての議員、議会であり、当局が真に理解と納得を得なければならないのは市民であるということを肝に銘じておいてほしいということを冒頭に申し上げておきます。
この議案は、市役所本庁舎移転に伴い、その敷地にオークワが立体駐車場を建設し、その3階及び4階と屋上を市役所の駐車場として購入するための費用です。市役所に来る人の駐車場が不足するために立体駐車場をつくるというのが目的ですが、新しいスーパーをつくらなければ駐車スペースは減ることなく、立体駐車場建設の必要もありません。仮に市道整備によって減少する駐車場スペースを補うために田辺市が単独で立体駐車場を建設したとすれば8億円もの費用はかかりません。市道整備とスーパー建設によって減る駐車スペースを約8億4,000万円負担して立体駐車場を建設して補うというのが今回の事業の全体像です。
では、そもそも、なぜ新たに移転する市役所の敷地にスーパーをつくらなければならないのか。市が営業中の店舗を立ち退きさせて市役所を移転するという前代未聞の計画が発表されたとき、市役所の敷地内にスーパーを建設するという計画はありませんでした。
市は、買い物難民の解消のために新たな店舗を開設するようオークワに依頼し、オークワがそれに応えたといいますが、スーパーの営業や開設は慈善事業ではありません。店舗の建設におよそ10億円も負担して計画のなかった地域に新たな店舗を開設することなどあり得るでしょうか。スーパーは、もっと立地のよい場所に移転して建設する計画があった。しかし、何らかの事情によりその計画が進められなくなり、その結果として、ただでも面積が不足している市役所の移転候補地にスーパーを建設することになったと考えるのが合理的ではないでしょうか。逆にそう考えたほうが、候補地決定のたった4カ月後に営業継続の協力を基本協定に盛り込めたことも納得がいきます。
その際、特別委員会で、オークワに限定せず公募で事業者を選定すればとも提案しましたが、業者はオークワで進めるとの答弁でした。徹頭徹尾オークワファーストで進められてきたのが今回の庁舎移転であり、今、議題となっている議案もその姿勢は変わりません。
この立体駐車場建設に当たっては、地元の経済振興の観点から特別委員会で地元業者が入札に参加できるようにという意見がありましたが、最終的に地元業者が応札したのかどうかさえ特別委員会委員にすら知らされません。
基本協定第6条に秘密保持という項があり、相互に開示され、または知り得た重大な情報、その他の事項について、第三者に開示、漏えいすることのないよう細心の注意を払うとともに、新庁舎整備事業に必要な範囲を超えて使用してはならない。新庁舎整備事業が完了した後においても、また同様とするという条文により、市の情報公開条例の効力よりも優先するという扱いの中で全ては秘匿され、秘密裏に進められていくことになります。
今回の店舗及び立体駐車場の建設に係る市の負担は、当初の6億5,700万円から8億3,931万円にふえるというのが今回の議案です。6億5,000万円だったらよいというものではありませんが、当初の見込みが甘く、約3割増しの1億8,000万円も負担がふえるので増額を認めてほしいといいますが、そんな簡単に認められるものでしょうか。
私は、特別委員会でも以前から計画が進むにつれてどんどん負担がふえることはないのかと繰り返し質問してきました。東京オリンピックも計画当初は2,000億円や3,000億円と言われていましたが、事業が進むにつれてその何十倍もの現在では2兆円、3兆円規模となってきました。これは決して他人事ではありません。
田辺市の市役所移転事業も当初は115億円と聞かされ、それが122億円となり、今回の負担増で124億円となります。しかも、この金額には、周辺の道路整備や交差点改良などの予算は含まれていません。
そして、まだ市役所本体の工事は始まっていません。今回の予算の増額の主な理由は建築資材の高騰ですが、現在の価格高騰が本体工事に影響しないという考えは余りにも楽観的過ぎるでしょう。
立体駐車場は、鉄骨だが市役所の建物は鉄筋コンクリートなので鉄骨を使う比率が少ないと職員は説明しますが、それでも価格高騰の影響を受けないはずはありません。一体どれだけ上がっても計画を進めるのか。整備費に上限を設けるのかという質問に対して、上限は設けない、なるべく費用を抑えるという答弁しか返ってきません。こんな無責任な当局が進める計画を認めるわけにはいきません。
先ほどの総務企画委員会の附帯決議に今後の工期延長ついて認めないという文言がありましたが、立体駐車場の工期はことしの10月から再来年の2月です。その間には台風などのシーズンもあり、昨今の異常気象や災害の多発から工期がおくれる可能性は小さくありません。工期延長を認めないといっても始まってしまえばどれだけおくれても認めざるを得なくなるのは明白です。それならば最初からこの工事自体を見直すことこそが賢明な判断です。
附帯決議にはもう1点、事業全般にわたり透明性を確保することとありますが、これも先ほど申し上げた基本協定の秘密保持条項がある以上、実現は不可能です。もし本当に透明性を確保すべきと考えるならば当局に対し基本協定の見直しを求めるべきであることをつけ加えておきます。
私たち日本共産党市議団は、当初から住民も議会も無視した今回の東山への市役所移転には反対を表明してきました。そして、ちょうど1年前の昨年9月、市民に寄り添い、費用も節約できる庁舎整備の提案を発表しました。これは、費用を抑え、住民に寄り添える行政を実現するために市内に数カ所の行政局を整備するというものです。この提案は、財政面でも行政面でも十分な対案となり得るものでしたが、今改めてこの提案を真剣に検討すべきだと考えます。
不要な負担、過度の長期にわたる市民への負担を回避するとともに、人口減少で活力が低下しつつある地域に職員が積極的に入り、文字どおり未来につながる田辺市とするためにも今回の立体駐車場整備を中止し、計画そのものを見直すよう求めます。
今回の計画に疑問を感じている議員諸氏に心から訴えます。今ならまだ引き返せます。おかしいと思いながら賛成することは、誤った道を進もうとしている行政の背中を押すことにしかなりません。議会本来の役割は、行政を監視・チェックすることです。その役割を果たし、市民の信託に応える懸命な審判をくだされるよう、また賛成されるのであれば、なぜ賛成なのかを市民にはっきり説明して態度表明されるよう申し上げて討論を終わります。
(5番 川﨑五一君 降壇)
○議長(安達克典君) 続いて、原案に対する賛成討論の発言を許可いたします。
賛成討論の発言はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(安達克典君) 他に討論はありませんか。
(「なし」の声あり)
○議長(安達克典君) それでは、これをもって討論を終結いたします。
これより、採決に入ります。
3定議案第19号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第5号)についてお諮りいたします。
本件については異議がありますので、起立により採決いたします。
議案第19号は、委員長の報告のとおり、可決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(起立多数)
○議長(安達克典君) 起立多数であります。
よって、3定議案第19号は、可決いたしました。
◎日程第 3 3定議案第20号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第6号)から
日程第19 3定議案第36号 平成30年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算
についてまで一括上程
○議長(安達克典君) 続いて、日程第3 3定議案第20号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第6号)から、日程第19 3定議案第36号 平成30年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算についてまで、以上17件を一括上程いたします。
ただいま上程いたしました議案17件は、本日市長から提出があったものであります。
提出者の説明を求めます。
市長、真砂充敏君。
(市長 真砂充敏君 登壇)
○市長(真砂充敏君) ただ今、上程されました議案は、予算に関するもの1件、決算に関するもの16件でございまして、その概要について御説明申し上げます。
まず、議案第20号 令和元年度田辺市
一般会計補正予算(第6号)についてでありますが、今回の補正額は4億647万7,000円で、総務費では、本市への遺贈財産の受け入れ手続等に要する弁護士委託料等を、災害復旧費では、去る8月15日から16日にかけての台風10号により多大な被害が発生したことから、その復旧費用を補正するものです。
今回の補正に要する財源としましては、地方交付税、国庫支出金、繰越金、市債をもって充てることとし、地方債を補正しております。
議案第21号 平成30年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから議案第35号 平成30年度田辺市
四村川財産区
特別会計歳入歳出決算についてまでの15議案は、いずれも平成30年度各種会計の決算につきまして、地方自治法の規定により議会の認定をお願いするもので、議案第36号 平成30年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算については、平成30年度田辺市水道事業会計の決算に伴う利益を処分することについて、地方公営企業法の規定により議会の議決をお願いするとともに、当該会計の決算につきまして、同法の規定により議会の認定をお願いするものです。
なお、お手元に、決算書及び監査委員の意見書とともに、主な施策の成果に関する報告書等を提出いたしております。
以上、提案いたしました議案について御説明申し上げましたが、詳細につきましては、関係部課長から説明いたさせますので、よろしく御審議の上、御承認を賜りますようお願いいたします。
(市長 真砂充敏君 降壇)
○議長(安達克典君) 続いて、補足説明を求めます。
総務部長、松川靖弘君。
(
総務部長 松川靖弘君 登壇)
○
総務部長(松川靖弘君) それでは、議案書に基づきまして、補足説明をさせていただきます。
1ページをお願いします。
3定議案第20号 令和元年度田辺市の
一般会計補正予算(第6号)は、次に定めるところによる。
第1条 歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ4億647万7,000円を追加し、歳入歳出予算の総額を歳入歳出それぞれ448億5,889万4,000円とするもので、地方債の補正につきましては4ページを御参照願います。
補正予算の内容につきましては7ページの歳出をお願いします。
総務管理費、一般管理費につきましては、本市への遺贈財産受け入れに要する費用で、各種手続や資産整理などに係る弁護士鑑定手数料及び弁護士委託料のほか、不動産競売手続に係る裁判所への予納金等を計上するものです。
7ページから10ページまでの災害復旧費につきましては、去る8月15日から16日にかけての台風10号による災害に対応するための費用で、7ページの農林施設災害復旧費、現年度耕地災害復旧事業費につきましては、農道1件の災害査定申請に係る測量・調査・設計を行うものです。
次の現年度林業施設災害復旧事業費につきましては、林道8件の災害査定申請に係る測量・設計を行うもので、災害応急復旧費につきましては、農道や農業用水路等41件及び林道88件の応急復旧を行うものです。
8ページをお願いします。
商工施設災害復旧費、災害応急復旧費につきましては、熊野古道中辺路ルートの迂回路及び世界遺産熊野本宮館裏駐車場の応急復旧を行うものです。
公共土木施設災害復旧費、現年度公共土木災害復旧事業費につきましては、市道8件、河川3件の災害査定申請に係る測量・調査・設計等を行うほか、本宮地域内の河川2件の復旧工事を行うもので、工事請負費につきましては、11ページの工事明細表及び別紙参考資料の工事事業箇所図を御参照願います。
次に、9ページをお願いします。
災害応急復旧費につきましては、市道及び河川等147件の応急復旧を行うもので、水産施設災害復旧費、災害応急復旧費につきましては、芳養漁港内に漂流した流木等の除去を行うほか、芳養漁港及び目良漁港施設内の転落防止柵等の復旧を行うものです。
10ページをお願いします。
公営住宅災害復旧費、現年度公営住宅災害復旧事業費につきましては、雨漏れ被害のあった扇団地等4団地の復旧を行うものです。
なお、今回の補正に伴う財源といたしましては、地方交付税、国庫支出金、繰越金及び市債をもって充てています。
次に、12ページをお願いします。
3定議案第21号 平成30年度田辺市
一般会計歳入歳出決算についてから、26ページの3定議案第35号 平成30年度田辺市
四村川財産区
特別会計歳入歳出決算についてまでの15件は、いずれも平成30年度の各種会計の決算につきまして、地方自治法第233条第3項の規定により議会の認定をお願いするものです。
27ページにまいりまして、3定議案第36号 平成30年度田辺市
水道事業会計利益の処分及び決算については、平成30年度田辺市水道事業会計の決算に伴う利益を処分することについて、地方公営企業法第32条第2項の規定により議会の議決をお願いするとともに、あわせて平成30年度の当該会計の決算につきまして、同法第30条第4項の規定により議会の認定をお願いするものです。
なお、お手元に平成30年度の各会計田辺市
歳入歳出決算書、田辺市各会計
歳入歳出決算等審査意見書とともに、主な施策の成果と財政健全化判断比率・資金不足比率報告書及び当該審査意見書を提出しています。
以上をもちまして補足説明を終わらせていただきます。よろしく御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
(
総務部長 松川靖弘君 降壇)
○議長(安達克典君) 以上をもって提出者の説明が終了いたしました。
お諮りいたします。
ただいま議題となっております17件につきましては、既に提出されている他の議案と同様に後日審議願うことにいたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
お諮りいたします。
本日の会議はこの辺にとどめ延会し、あす9月14日から16日までの3日間は休会とし、9月17日、午前10時から再開いたします。
これに異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
○議長(安達克典君) 異議なしと認めます。
よって、さよう決しました。
延 会
○議長(安達克典君) それでは、本日はこれをもって延会いたします。
(午後 2時48分)
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
令和元年9月13日
議 長 安 達 克 典
副議長 陸 平 輝 昭
議 員 橘 智 史
議 員 尾 花 功
議 員 二 葉 昌 彦...