令和 6年 3月 定例会令和6年奈良市議会3月定例会会議録(第4号)
----------------------------------- 令和6年3月7日(木曜日)午前10時0分
開議----------------------------------- 議事日程 日程第1 議案第1号
市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 議案第2号 令和5年度奈良市
一般会計補正予算(第9号) 議案第3号 令和5年度奈良市
国民健康保険特別会計補正予算(第4号) 議案第4号 令和5年度奈良市
土地区画整理事業特別会計補正予算(第2号) 議案第5号 令和5年度奈良市
後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号) 議案第6号
奈良市立応急診療所条例の一部改正について 議案第7号 奈良市八条・
大安寺周辺地区土地区画整理事業に係る固定資産税等の特例に関する条例の制定について 議案第8号 和解及び損害賠償の額の決定について 議案第9号 令和6年度奈良市
一般会計予算 議案第10号 令和6年度奈良市
住宅新築資金等貸付金特別会計予算 議案第11号 令和6年度奈良市
国民健康保険特別会計予算 議案第12号 令和6年度奈良市
土地区画整理事業特別会計予算 議案第13号 令和6年度奈良市
介護保険特別会計予算 議案第14号 令和6年度奈良市
母子父子寡婦福祉資金貸付金特別会計予算 議案第15号 令和6年度奈良市
後期高齢者医療特別会計予算 議案第16号 令和6年度奈良市
病院事業会計予算 議案第17号 令和6年度奈良市
水道事業会計予算 議案第18号 令和6年度奈良市
下水道事業会計予算 議案第19号 地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について 議案第20号 奈良市公告式条例及び奈良市
行政手続条例の一部改正について 議案第21号 奈良市
附属機関設置条例の一部改正について 議案第22号 奈良市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び
特定個人情報の提供に関する条例の一部改正について 議案第23号 奈良市報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について 議案第24号 奈良市手数料条例の一部改正について 議案第25号 奈良市
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部改正について 議案第26号 奈良市
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の廃止について 議案第27号 奈良市
指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例等の一部改正について 議案第28号 奈良市
介護保険条例の一部改正について 議案第29号 奈良市
国民健康保険条例の一部改正について 議案第30号 奈良市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人の基準、手続等に関する条例及び奈良市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非
営利活動法人等を定める条例の廃止について 議案第31号
奈良市営駐車場条例の一部改正について 議案第32号 奈良市火災予防条例の一部改正について 議案第33号 奈良市
水道事業給水条例の一部改正について 議案第34号 奈良市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について 議案第35号
包括外部監査契約の締結について 議案第36号 市道路線の廃止について 議案第37号 市道路線の認定について 議案第38号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第39号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第40号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第41号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第42号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第43号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第44号 公の施設の指定管理者の指定について 議案第48号 和解について 日程第2 議案第49号 財産の取得について
----------------------------------- 本日の会議に付した事件 第1、日程に同じ
----------------------------------- 出席議員(37名) 1番 塚本 勝君 2番 榎本博一君 3番 岡田浩徳君 4番 山岡稔季君 6番 山出哲史君 7番 岡本誠至君 8番 桝井隆志君 9番 白川健太郎君 10番 道端孝治君 11番 太田晃司君 12番 佐野和則君 13番 柳田昌孝君 14番 宮池 明君 15番 早田哲朗君 16番 樋口清二郎君 17番 鍵田美智子君 18番 下村千恵君 19番 阪本美知子君 20番 山口裕司君 21番 山本直子君 22番 八尾俊宏君 23番 山本憲宥君 24番 横井雄一君 25番 大西淳文君 27番 田畑日佐恵君 28番 九里雄二君 29番 松石聖一君 30番 内藤智司君 31番 酒井孝江君 32番 井上昌弘君 33番 北村拓哉君 34番 森田一成君 35番 土田敏朗君 36番 北 良晃君 37番 中西吉日出君 38番 伊藤 剛君 39番 森岡弘之君 欠席議員 なし 欠番 5番 26番
----------------------------------- 説明のため出席した者 市長 仲川元庸君 副市長 鈴木千恵美君 副市長 真銅正宣君 危機管理監 下畑 宏君
総合政策部長 山岡博史君 総務部長 吉村啓信君 市民部長 谷田健次君 福祉部長 嵯峨伊佐子君
子ども未来部長 小澤美砂君
健康医療部長 増田達男君 環境部長 山口浩史君 観光経済部長 栗山 稔君 都市整備部長 梅田勝弘君 建設部長 田上智弘君 企業局長 池田 修君 消防局長 北 昌男君 教育長 北谷雅人君 教育部長 竹平理恵君 監査委員 東口喜代一君
総合政策課長 田中隆司君 財政課長 松本賀史君
----------------------------------- 事務局職員出席者 事務局長 中井史栄 事務局次長 児林尚史 議会総務課長 井ノ上寿苗
議事調査課長 秋田良久
議事調査課長補佐 杉野真弥 議事係長 中山辰郎
議事調査課書記 嶋田万純
----------------------------------- 午前10時0分 開議
○副議長(九里雄二君) おはようございます。 議長所用のため、私、代わって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 昨日に引き続き、会議を開きます。-----------------------------------
△日程第1 議案第1号
市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外44件(質疑並びに一般質問)
○副議長(九里雄二君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第1号
市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第44号までの44議案及び議案第48号 和解について、以上45議案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 20番山口君。 (20番 山口裕司君 登壇)
◆20番(山口裕司君) 皆さん、おはようございます。日本共産党の山口裕司です。 通告しました内容につきまして、関係理事者に質問いたします。 行政のデジタル化について、
総合政策部長に質問いたします。 政府は、
デジタル社会への移行は当面の政治課題の一つとして、デジタル庁も発足し、
自治体DX--デジタルトランスフォーメーション戦略をこの間推し進めてきました。その柱は、
情報システムの標準化・共通化、
マイナンバーカードの普及促進です。行政手続の
オンライン化、AI等の利用促進などあらゆる
住民サービスをデジタル化するもので、その実施を自治体に迫っています。 デジタル技術は、急速、大規模に発達し、広く普及してきています。自治体においても、この技術を有効に活用して真に住民福祉の向上を図ることは必要なことと考えます。しかし、この間、
マイナンバーカードをめぐるひもづけ誤りや、大量の個人情報の流出問題など、誰のためのデジタル化なのかとの疑問の声も上がっています。 そこで、数点質問します。 1点目としまして、本市の
情報システムの標準化についてです。
地方公共団体情報システムの標準化に関する法律により、地方自治体には
地方自治体情報システムを国が定める標準化基準に適合させる義務と、国が構築するガバメントクラウドを活用して、
地方自治体情報システムを利用することについての努力義務が課せられます。 2025年度、令和7年度までに
標準準拠システムに移行するとされていますが、本市の進捗状況について、どこまで進んでいるのかお答えください。また、今後の
スケジュールやデジタル化を進めるに当たっての体制や
民間事業者ベンダーとの関係性についてお答えください。 2点目といたしまして、
情報システムの標準化についてですが、この対象とされているのは、基幹系20業務、例えば、戸籍、住民、
国民健康保険、児童手当などです。これらの業務は、国が定めた標準化基準に適合するものを採用しなくてはならず、自治体独自のサービスが標準化によって削られてしまうおそれが指摘されています。国の示す共通部分以外の本市独自のサービスについては、
情報システムの標準化でどのようになるのかお答えください。 3点目としまして、
個人情報保護法が改正され、2023年度、令和5年度から全ての自治体で共通の制度となっています。行政のデジタル化は、厳格な
個人情報保護の履行の上に進められることが必要と考えますが、この点についてのお考えをお聞かせください。 4点目といたしまして、行政手続の
オンライン化やAIの導入が進められようとしていますが、行政のデジタル化が職員減らしにつながることはないのかお答えください。 次に、旧右京小学校、旧神功小学校の跡地活用について、鈴木副市長に質問します。 旧
平城西中学校区における小学校及び中学校の
学校規模適正化による統合再編により、2022年4月にならやま小中一貫校が開校いたしました。そして、この間、旧右京小学校と旧神功小学校の校舎の解体が進められています。 長年にわたり、それぞれの地域の中で、子供たちの学びやであるとともに、まちづくりの中心的なシンボルとしても歴史を積み重ねてきた小学校校舎が解体されたことを寂しく感じるとの声も聞かれます。今後、この跡地の活用をどのようにしていくのか、地域住民の願いや思いをどのように跡地活用に反映させ、これからのまちづくりに生かしていくのかが重要な課題です。 そこで質問します。 1点目といたしまして、旧校舎の解体が進み、今後、跡地の整備が進むことになりますが、現在の進捗と今後の
スケジュールについてどのようになっているのかお答えください。 2点目といたしまして、地元から出されている跡地活用の要望の受け止めについてお答えください。 以上で私の第1問を終わります。
○副議長(九里雄二君) 鈴木副市長。 (副市長 鈴木千恵美君 登壇)
◎副市長(鈴木千恵美君) 皆さん、おはようございます。 ただいまの山口議員からの御質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目でございますが、旧右京小学校、旧
神功小学校跡地活用についてでございます。 旧右京小学校、旧神功小学校につきましては、現在、旧校舎の解体工事を行っているところでございます。旧
右京小学校体育館につきましては、
コミュニティスポーツ会館として活用するため、トイレや更衣室を備えた管理棟の整備を行うための予算を令和5年度予算に計上しており、
管理棟外構工事等の予算につきましては令和6年度予算に計上したところでございます。 管理棟建設に先立ちまして、今年度6月には、
右京小跡活用協議会におきまして、跡地のゾーニングと活用方法に関する意見交換を行い、8月には管理棟建設に関しての説明会を2回実施し、御意見をいただいたところでございます。 今後の
スケジュールにつきましては、
管理棟建設工事の入札をこの3月に実施し、工事に入ってまいりますが、完成は次年度になる見込みでございます。さらに残りの2つのゾーンにつきましての活用案につきましては、引き続き地域の皆様と協議を重ね、決定してまいります。 また、旧神功小学校におきましても、
学校跡地周辺における地域の課題を整理し、跡地活用により課題解決につながる活用方法を検討し、地域の代表者の方々との意見交換も本年度は3回にわたって行ったところでございます。いただいた御意見を取り入れながら、今後、具体的な活用計画を作成し、実行してまいりたいと考えております。 続きまして、2点目でございますが、地元からの跡地活用の御要望という点でございます。 右京地区につきましては、具体的な旧小学校敷地の
ゾーニング計画や管理棟建設に際して御意見や御要望をいただいており、神功地区につきましては、学校周辺で抱える地域課題についての御意見をいただいております。 閉校した小学校につきましては、地域の皆様にとりましても思い入れの深い場所での跡地活用となることから、丁寧に地元の御意見や御要望をお伺いしながら進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君)
総合政策部長。 (
総合政策部長 山岡博史君 登壇)
◎
総合政策部長(山岡博史君) 山口議員の御質問にお答えいたします。
自治体情報システム標準化の進捗、体制、ベンダーとの関係性についてでございます。 まず、
自治体情報システム標準化の進捗状況につきましては、総務省による進捗管理では、令和5年12月31日時点で、中核市平均36.7%の中、奈良市40.4%と中核市の中では目立った遅れは生じておりません。 また、市の体制といたしましては、令和7年度末までの移行期限に向けて、庁内横断的に取り組んでいるところでございます。 民間事業者に関しましては、国の法改正により、標準化前の
現行システムを改修する必要もあり、各事業者の標準化に対応する人員不足と移行計画の検討が課題となっておりますが、これまでも事業者と共に移行方法や
スケジュールなどの調整と検討をしっかりと行っております。 次に、
自治体独自サービスについてでございます。 国の基本方針において、「
地方公共団体は、独自施策等を講ずるため、
当該地方公共団体が保有する
標準準拠システムで利用する標準化されたデータを、必要なサービスを提供するためのシステムに利用することができる。」と示されております。本市といたしましても独自施策を継続実施するために必要となる外づけシステムについて検討しているところでございます。 次に、行政のデジタル化における個人情報の保護についてでございます。 議員御指摘のとおり、行政の
デジタル化推進は、個人情報の保護に関する法律の遵守による
個人情報保護の徹底が前提となります。総務省の示す
地方公共団体における
情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに基づき、奈良市
情報セキュリティポリシーでもその旨を定め、本市が保有する情報資産に関する
情報セキュリティー対策に取り組んでおります。 最後に、
行政デジタル化が職員減らしにつながらないかという御質問でございます。 今後、社会全体の働き手が減少する中、奈良市においても職員の減少は避けられない課題であり、限られた人員で多様化する行政課題に対し、
行政サービスを提供するためには業務の見直しに加え、行政のデジタル化が不可欠でございます。 行政手続の
オンライン化におきましては、
市民サービスの向上とともに、窓口業務と内部事務の効率化を図るものであり、また、AIなどのデジタル技術の活用は、人の手で行う業務を自動化することで職員の負担軽減を図り、人でなければならない、遂行できない業務に集中し、
行政サービスのさらなる向上につなげるために行うものです。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 20番山口君。
◆20番(山口裕司君) 2問目は自席から再質問を1点行いたいと思います。
総合政策部長に行政のデジタル化について質問いたします。 行政のデジタル化の推進には、市民への説明と理解を求めることが必要だと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。 また、住民の
パーソナルデータについて、本人の同意なしに個人情報が他者に利用されることを拒否できる
自己情報コントロール権を確保する仕組みを設けることについて、お考えをお聞かせください。 以上です。
○副議長(九里雄二君)
総合政策部長。
◎
総合政策部長(山岡博史君) 2問目ですので自席からお答えいたします。 行政のデジタル化の推進における市民への説明、理解、
自己情報コントロール権の確保についてでございます。 行政のデジタル化の推進においては、市民の方への説明と御理解が不可欠であると認識しております。デジタルに不慣れな方にも便利さを実感してもらうため、
スマートフォン講習なども開催しております。さらには、市役所窓口に端末を設置し、職員がサポートしながら来庁者にも
オンライン手続を体験していただく予定であり、市民の理解を深めるための取組を今後も継続して進めてまいります。 自己情報の取扱いに関する仕組みにつきましては、個人情報の保護の観点からも情報の取扱いに関する権利も重要になってきております。個人情報の保護に関する法律でも、開示等の請求、目的外利用の禁止、不適正な利用の禁止など、本人が予期しない取扱いの防止についても定められており、これまで同様に、しっかりして意識して取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 20番山口君。
◆20番(山口裕司君) 3問目は、主張、要望とさせていただきます。 まず、行政のデジタル化についてです。私はまず、この基本というのは、標準化とか共通化によって
市民サービスの後退につながることはあってはならないということを大事に思っております。 また、AIなどの導入もそうなんですが、そのような技術を活用することで住民福祉の向上や市民の利便性につながる点は評価していいと思うんですが、結果としてそのことが
住民サービスの低下につながることになってはならない、このように思います。 この点で、全国市長会が2022年、令和4年9月29日に意見書を国に提出されております。その中身というのは、1つは、
移行スケジュールについてということで、
住民サービスの低下を招くことなく、安全・確実に移行できるよう、必要に応じて見直しの検討を行うなど柔軟に対応するということを国に対して求めておられます。標準化ということでいえば、これも来年度ということで、本当にどこも、本市もそうですけれども、自治体もその準備に、今、追われていると思うんですが、そのことも
スケジュールありきで様々な支障が出てきてしまって、結果として
住民サービスが低下するようなことがあってはならない、こういう思いがこの市長会の意見書に反映されているんではないかなというふうに思うわけです。 2つ目といたしまして、
情報システムの運営経費等について、少なくとも3割の削減を目指すとされているが、自治体の規模等によってはコスト優位性が見込まれないといったことや、物価の高騰等の外的要因による影響も想定されることから、必要に応じて見直しの検討を行うということを求めておられます。これは、この
情報システムの運営経費について、国のほうは3割の削減を目指せというようなことを言っているんですけれども、現実的にはそれは難しいということを自治体が意見を上げているということだと思うんですね。この点も、私、すごい大事なことかなというふうに思います。 それから、3点目といたしまして、統一・標準化が自治体独自の施策継続の弊害とならないよう、地域特性を踏まえた対応を可能とすることということも求めておられます。 この全国市長会の意見というのは、本市も含めて全国の自治体の、やはりこのデジタル化に当たっての現状と、そして住民福祉の向上という観点からの意見表明ではないかなというふうに思うわけです。会として意見を上げられておりますけれども、ぜひ国に対して、本市独自としてもこうした意見を上げていくことが大事なのかなということを思っております。 それから、1問目の部長の答弁でもありましたけれども、標準化に当たっての民間事業者との関連でありますが、民間事業者に関しては、国の法改正により標準化前の
現行システムを改修する必要もあり、各事業者の標準化に対応する人員不足と移行計画の検討が課題というのは答弁でありました。この点でも需要過多による価格の上昇ということが懸念をされておりますので、この点も心配な点だというふうに思っております。やはり、本市としては、国の方針を無批判に受け入れるのではなしに、主権者である住民や業務を担当する職員の意見を十分に反映させて、住民の要求に基づく独自施策を実施できる
情報システムの整備が必要ではないかと思いますので、意見しておきます。 それから、2問目で、行政のデジタル化を進めるに当たっての住民の理解と
自己情報コントロール権について質問をさせていただきました。行政手続の
オンライン化、
情報システムの標準化・共通化は利便性の向上につながる点も言われておりますけれども、
データ連携基盤の全体像が分かるように、
データ連携基盤の透明性を確保し、住民の
パーソナルデータについて本人の同意なしに個人情報が他者に利用されることを拒否できるといった、やはり
自己情報コントロール権が厳格に保証されることが大切だと考えております。その点での取組を改めて求めたいと思います。
行政デジタル化に係る詳細とか予算等については
予算決算委員会でも質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 次に、旧右京小学校、旧神功小学校の跡地活用についても一言意見を述べたいと思います。 副市長の答弁にもありましたけれども、両地域とも地域住民にとっては長い間、小学校という形で子供たちも通っていたし、まちづくりの中心的な役割を果たしていた場所ということで思い入れのある場所だというふうに考えております。 例えば、右京小学校、今もう校舎も解体されて、子供たちが通っていた歩道橋も解体されて、いわゆる体育館の施設は残っておりますが、あとはずっと何もないような状態になって、地域の人たちからすれば、現状はとても寂しく思うという意見があるわけです。同時にこれから跡地の活用ということでは、やはりそこでどのような跡地活用をしていくのかという点ではいろいろな思いもあるというふうに思うわけであります。そうした思いが本当に生かされる跡地活用ということが大事ではないかなというふうに思います。 旧神功小学校の跡地活用も同様だと思います。地域との跡地活用についての話合いも進んでいるというふうに認識をしておりますが、住民の願いが十分にかなう跡地活用になるように要望をしたいと思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(九里雄二君) 11番太田君。 (11番 太田晃司君 登壇)
◆11番(太田晃司君) 自由民主党の太田晃司です。 それでは、早速ですけれども通告に従いまして、本日は2つの項目について、関係理事者に質問をさせていただきます。 まず、奈良市公共施設等総合管理計画の見直しについてです。 本市の公共施設等のマネジメントをうたった奈良市公共施設等総合管理計画が平成27年度に策定され、まもなく10年が経過をしようとしています。計画では、既存公共施設などの補修などが集中する期間を想定して40年間と設定をされています。今回は、この計画書が10年間ごとの見直しを行うことを基本としていることから、現状の進捗と今後の見直しについて総務部長に、また個別具体の事案については環境部長、市民部長にお聞きをいたします。 1点目に、建築物系施設における更新費用は、実際に年度ごとにかかった費用を平準化して、平成27年度の計画当初と比べてどのような数値であったのかお聞かせください。 2点目に、合併等で生じた学校教育施設や子どもセンターの建設、また、環境清美工場の大規模修繕等は当初計画には盛り込まれていなかったと想定しますが、これらが総合管理計画に与えている影響についてお聞かせください。 3点目に、総務省は、総合管理計画の策定が平成26年から28年度の策定要請の後、一定の期間が経過をしたことから、令和3年度中にこの計画の見直しを行うように要請をしています。本市の場合、令和3年度中の見直しが間に合わず、令和5年度以降となる市町村に該当しておりますが、現在の見直しの進捗について伺います。 次に、計画における基本目標の達成のための原則として、建築物系施設については3つの原則を計画に掲げています。その中で、施設の保有量の抑制や、効率的・効果的な運営とともに、予防保全による長寿命化を掲げておられます。 そこで、予防保全措置が予算面で確保されているのかについて、なら100年会館、環境清美工場に焦点を当ててお尋ねをいたします。 最初に、なら100年会館については市民文化系の施設として位置づけられています。一方で、会館内の施設更新については、これまでもエントランスの雨漏り等の事案が発生をしていながら予算措置がなかなかされない状況が過去にもありました。 そこで1点目に、総合管理計画に照らして、個別計画策定に向けた作業をこれまで行った経緯はあるのか、庁内での検討過程についてお聞かせください。 2点目に、なら100年会館においては、平成27年度以降、どの程度の施設修繕に関わる予算計上を行い、予算執行が行われたのか、主な内容についてお聞かせください。 3点目に、予防保全の観点から、令和6年度の当初予算を含め、今後の中期的な施設修繕計画をどう考えているのかお聞かせください。 続いて、環境清美工場については供給処理施設として位置づけられています。前の12月定例会では、環境清美工場の大規模修繕に対して140億円の債務負担行為を議決したものの、もっと早い段階で着手できていれば、これほどの多額の市税を投入せずに済んだのではないかとの指摘も複数あったところであります。 そこで1点目に、総合管理計画に照らして、個別計画策定に向けた作業をこれまで行った経緯はあるのか、庁内での検討過程についてお聞かせください。 2点目に、大規模改修の必要性については、工場内ではどの時点から認識をしていたのかお聞かせください。 3点目に、平成27年度以降に大規模修繕を計画した経緯はあるのか、あれば見積りを含め、その具体内容についてお聞かせいただきたいと思います。 次に、平城宮跡を活用した観光行政についてであります。 これは観光経済部長に伺います。 既に報道されているとおり、これまで年3回、春、夏、秋に県や市が負担し、平城京の天平祭を通した事業の中で数多くのボランティアの協力の下で、これまで事業が実施されてきました。既に報道があったとおりでありますが、今年に入り、奈良県は平城京の天平祭のうち、夏と秋の廃止を急遽決定いたしました。また、冬の催事として平成28年から実施されてきた大立山まつりについても廃止が決定されています。 令和6年の春の天平祭については、県市の共同出資のうち、本市はこれまで3700万円の出資を継続して予算措置をしてこられましたが、県の出資が中止となったことから、同時期の天平祭春については中止をされることになったと伺っております。この平城宮跡に関わる市主催イベントについては、平城京天平祭と呼称されたのが平成23年からでありますけれども、平城遷都祭がその前年、平成22年以前にも平城遷都祭、ならまつりといった呼称で、20年以上にわたり、こうした平城宮跡を活用して地域団体の皆様によって育まれ、実施をされてきたところであります。 そこで1点目に、本年に県が天平祭への出資を中止した件について、どの時点から本市はその情報を把握していたのか、事業委託先の平城京天平祭実行委員会との協議内容についてもお聞かせください。 2点目に、平城京天平祭のうち、春の事業の来場者についてはどの程度の来場があったと把握しているのか。実際、新型コロナウイルス感染症等の理由で開催できなかった年がありますが、これらを除いて過去3年間の平均値でお聞かせください。あわせて、把握をしている同事業への運営側の動員数や経済波及効果についてもお聞かせください。 3点目に、令和6年度当初予算においては、観光振興費として天平行列及び天平体験の振興事業補助金として1000万円が計上されています。本事業の具体計画についてお聞かせください。あわせて、本年は5月の大型連休にこの平城京天平祭が実施されないこととなりますが、本市は今後の平城宮跡を活用した観光施策をどのように展開しようとしているのかお聞かせください。 以上、1問目といたします。
○副議長(九里雄二君) 総務部長。 (総務部長 吉村啓信君 登壇)
◎総務部長(吉村啓信君) ただいまの太田議員の御質問にお答えいたします。 公共施設等総合管理計画に関して、私から3点お答えいたします。 まず、当該計画策定後の建築物系施設における更新費用でございますが、投資的経費全体で申し上げますと、計画策定後の平成27年度から令和4年度までで年平均約120億円となっております。その中で、建築物系施設に係る費用は、計画策定時の内訳を参考に算出いたしますと、8年間の平均値で約55億円となり、計画策定時より年間平均で約21億円の増加となっております。 続きまして、計画策定後に実施しました新規の施設整備や大型修繕などが計画に与える影響でございますが、現計画における改修や更新に係る費用は、更新周期を70年、大規模改修周期を35年と仮定し、総務省のソフトにより算出しております。概ね現存する施設の費用は見込んでおるところでございます。 総合管理計画におきましては、施設の新設を検討する場合には中長期的な目標数値の範囲内で費用対効果を考慮して行うこととしております。新たな施設ができることで、今後必要になる改修費用は増加いたしますが、これまでに改修、更新などを行った施設も含め、ローリングを行い、計画の改定を行う上で、計画上の数値目標の見直しにつきまして、未策定の個別施設計画に反映すべきかについて検討してまいりたいと考えております。 続きまして、公共施設等総合管理計画の見直しの進捗に関してでございますが、当該計画の策定に関しましては、平成26年4月に総務省から計画に記載すべき内容を示した指針が示され、これに基づいて計画を策定しております。それ以降、指針が改定され、脱炭素化やバリアフリー化方針など新たに記載すべき内容が示されているところでございます。 コロナ禍もあり、見直しの期限は本年度中と示されておりますため、現在はこの指針を踏まえた改定案の作成を進めているところでございます。
○副議長(九里雄二君) 市民部長。 (市民部長 谷田健次君 登壇)
◎市民部長(谷田健次君) 太田議員の質問にお答えさせていただきます。 公共施設等総合管理計画の見直しについて、3点御質問をいただきました。 まず1点目、なら100年会館の個別計画策定に向けての検討過程についてという御質問でございます。 なら100年会館につきましては、平成27年度になら100年会館大ホール他改修基本計画を作成し、主に大ホールと中ホールの施設の現状の把握と、今後に必要となる改修、その概算工事費及び改修に必要な工期などについて整理を行ったところでございます。 令和元年度には、文化庁の委託事業--劇場・音楽堂等への芸術文化活動支援として支援員の派遣による支援--のメニューを活用し、大ホール改修や資金調達、そして長寿命化計画などについて、専門家、支援員によります指導、助言を受けたところでございます。 令和3年度も同事業を活用し、専門家によります指導、助言を受けるとともに、なら100年会館大規模改修検討会議を行い、所管課であります文化振興課や指定管理者であります一般財団法人奈良市総合財団、そしてまた文化施設改修に詳しい専門家らが出席し、特に、大、中、小の各ホールの維持に必要な改修について意見交換を行ったところでございます。これらの作業を通じ、個別計画という形にはなっていないものの、施設の状態、必要な改修及びおおよその工事費などを明らかにできたことから、必要性の高い改修から順次対応を行っているところでございます。 次に、2点目は、平成27年度以降の施設修繕の予算執行についての御質問です。 細かな改修や修繕はございますが、主なものとして申し上げますと、平成29年度には自動火災報知設備と中央監視盤設備を10年間、総額2億1491万円のリースを行い、電話交換機設備を7年間、総額377万4000円のリースで更新を行っております。 平成30年度は、非常放送設備を10年間のリース総額2034万8000円で、また、防犯カメラや舞台カメラ等のITV設備を10年間リース総額7829万9000円でそれぞれ更新しております。 令和元年度は、工事請負費9000万円、委託料は170万円、修繕費80万円の予算計上で、エントランスホール屋根改修工事等を実施しております。 令和3年度は、大ホール及び中ホールの音響設備を10年間のリース総額4億6266万円で更新を行っております。また、9月補正予算において工事請負費1600万円を計上し、搬入扉の改修工事を実施しております。 最後に、本年度は、工事請負費といたしまして4686万円、委託料1500万円の予算で、水道水等の給排水ポンプユニット更新工事及び利用者トイレの非接触化改修工事と、時の広場及び南側駐車場の全面改修の設計委託業務を行っているところでございます。 3点目は、令和6年度を含みます今後の施設修繕計画についてでございます。 令和6年度予算につきましては、時の広場改修工事費用といたしまして9600万円、南側駐車場の改修工事費用として1100万円を提案させていただいております。建物外構の路面につきましては、これまでも複数箇所での破損が見られ、随時、修繕対応を行ってきましたが、破損の箇所や程度が年々悪化しており、歩行者にとっても危険な状態になることが予見されるため、抜本的な改善策として、舗装材の変更などの改修工事を行おうとするものでございます。 今後の施設改修につきましては、まずは施設の状態を継続的に確認し、専門家等の意見もいただきながら、優先順位の考え方を明確にした上で、安全面を考慮し、必要性の高いものから実施していきたいと考えております。また、大規模な設備につきましては、長期間の工事期間を要し、休館等も必要になってくることから、改修時期についても計画性を持って検討していきたいと、そのように考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 環境部長。 (環境部長 山口浩史君 登壇)
◎環境部長(山口浩史君) 太田議員の御質問にお答えさせていただきます。 環境清美工場における改修につきまして、3点御質問をいただいております。 1つ目、計画策定に向けた作業の有無及び庁内での検討過程についてでございます。 奈良市公共施設等総合管理計画につきましては、今後の少子高齢化や人口減少を踏まえ、公共施設などの利用需要が変化していく中、長期的な視野で更新、統廃合、長寿命化などを計画的に実施していくことで、財政負担の平準化や公共施設等の適正配置を図ることを基本といたしまして、平成27年2月に策定されたものでございます。その中で、現環境清美工場は衛生浄化センターなどとともに供給処理施設と位置づけられておりますが、既に移転の方針を示していることから、現環境清美工場に係る個別計画は策定しておりません。新クリーンセンターの建設に当たっての基本計画案につきまして、先般、その概要をお示ししたところでございます。 2つ目、大規模改修の必要性の認識についてでございます。 一般的に環境清美工場のような廃棄物処理施設においては、稼働後、おおむね20年で改修される事例が多いですが、本市におきましては、現施設の稼働後20年経過時は、公害調停の申立てやその後の移転を前提とした市の取組などを考えると、当時、大規模改修という選択肢は想定しておりません。早期の移転、建て替えに注力していた経緯がございます。結果といたしまして、新クリーンセンターの事業の進捗を図ってまいりましたが、新クリーンセンターの稼働まで、今後さらに10年程度期間を要するということもありまして、焼却炉の老朽化も考慮し、昨年、大規模改修を実施する予算を計上するに至ったものでございます。 3つ目、大規模改修を計画した経緯についてでございます。 過去の経緯といたしましては、平成28年度において、新クリーンセンターが稼働するまでの間、いかに現環境清美工場を安定稼働させるかを検討するため、当時の焼却炉の現状把握とその後の必要な対応について検討するためプラント調査を実施いたしました。この調査から、適正な運転管理や定期点検整備を継続することの必要性について報告を受けたことによりまして、その後、改修に優先順位をつけるとともに、改修までの間、重点的に点検整備を行うなど、対応をしてきたところでございます。 さらに、令和3年度に排煙設備に不具合が生じた際、緊急的に調査、改修を行いました。当時、環境清美工場を安定的に稼働していく方策の一つとして、施設の運転管理業務と維持補修業務を一体化した包括管理業務委託を検討した経緯がございます。その後に、包括管理業務を委託するにいたしましても、まずは大規模改修を実施することが必要であると令和4年に判断いたしまして、詳細な調査を実施したものでございます。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 観光経済部長。 (観光経済部長 栗山 稔君 登壇)
◎観光経済部長(栗山稔君) 太田議員の御質問にお答えいたします。 平城宮跡を活用した観光行政について、3点御質問いただきました。 まず1点目、県が天平祭への出資を中止したことを市としていつ把握したのかについてでございますが、天平祭は、本市と奈良県が負担金を供出し組織された、平城京跡にぎわいづくり実行委員会の事業であり、主に春は本市が、夏と秋は奈良県が担当してまいりました。 本市は昨年12月に奈良県の担当部局を通じて、県が夏と秋の天平祭について廃止も含めた見直しを検討していることを把握いたしました。県からの連絡を受け、市で天平祭春について検討を行う過程におきまして、天平祭春の委託先でありました平城京天平祭実行委員会の方に御意見を伺ったところでございます。 次に、2点目として、天平祭春の来場者数、運営側の動員数、経済波及効果についてでございます。 天平祭春につきましては、令和元年度から令和5年度の平均来場者数は約4万1300人でございました。運営側の動員数について、令和5年度は天平行列で230人、警備員延べ190人と伺っておりますが、その他、会場運営等ボランティアの延べ動員数の数は持ち合わせておりません。なお、天平祭独自の経済波及効果につきましては算出を行っていないため、公式な答えにはなりませんが、先ほどの平均来場者数4万1300人に奈良県が算出している2021年の日帰り客の観光消費単価3,483円を掛けますと、1億4384万7900円となります。 最後に、3点目、天平行列及び天平体験振興事業費補助金等についてでございますが、平城京天平祭実行委員会の方から話を伺ったところ、天平行列は、衣装、備品、所作など専門家による考証を経てつくり上げられたもので、平城宮跡に都が置かれていた天平文化を再現する貴重なものであること、また、ボランティアの方々で運営されているので、一度途絶えてしまうと再度立ち上げるのは難しいのではないかといった御意見を頂戴いたしました。 市としましても、会の御意見を受け止めるとともに、これまでつくり上げてこられた天平行列は他にまねができない独自性を持ったコンテンツとなっており、これに天平祭春で人気がありました天平衣装体験を加えることで、観光振興に寄与できると考えておりますことから、本事業の実施に対して補助を行いたいと考えております。 世界遺産である平城宮跡は、観光スポットの一つとして活用が必要なエリアであると考えておりますので、民間事業者が実施されるイベントへの後援等、平城宮跡歴史公園を管理する国や県とも連携しながら、平城宮跡への誘客促進を引き続き行ってまいりたいと考えております。 また、県によりますと、平城宮跡エリア全体の整備方針の中で観光強化策を見直していくとのことであり、本市の観光振興に資するものにつきましては、これからも協力、連携していきたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 11番太田君。
◆11番(太田晃司君) 時間の都合で、再質問を3点予定しておったんですけれども、1点だけお聞きをいたします。 公共施設等総合管理計画のことで、総務部長にお尋ねをしたいと思うんですが、先ほどいただいた御答弁の中で、この現状について今後どのように改善をしようとしているのか、この見解をお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(九里雄二君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) 御質問にお答えいたします。 今後の対応でございますが、公共施設等総合管理計画につきましては、現在、国の指針に基づいた見直しを進めております。また、個別施設計画につきましては、延べ床面積の3分の2を占める学校、幼保施設、市営住宅につきましては個別の施設計画を策定しておりますものの、残りの施設につきましては策定には至っておりません。これらにつきましては、各所管省庁よりガイドライン等が技術的助言として示されており、それらを参考に施設別計画の内容について検討をしているところでございます。今後、残りの施設につきましても策定していきたいと考えております。 さらに、公共施設のマネジメントにつきましては、計画を策定するのではなく、庁内組織である副市長を議長とした資産経営推進会議で情報を管理、集約し、その結果については公表してまいりたいと考えております。
○副議長(九里雄二君) 11番太田君。
◆11番(太田晃司君) 最後に意見と要望を簡単に申し上げます。 まず、平城宮跡を活用した観光行政でありますけれども、今年度、残念ながらこうした天平祭がなくなってしまうということなんですが、今ほど経済波及効果であったり、これまで連綿と続けられてきたこの行事の内容をお聞かせいただきました。 行政が今まで補助をしてきたこの手法は果たしてよかったのか、検証することも必要だとは考えますが、一方で、知事がおっしゃるような行政に頼らない民間活力で同程度の経済規模が果たして生み出せるのか、このあたりはしっかり、県と市で観光の在り方に真剣に向き合って考える機会としていただきたいというふうに要望しておきます。 そして、公共施設等総合管理計画の見直し、今回、なら100年会館あるいは環境清美工場それぞれ、残念ながら個別計画が、現在策定されていない。このあたりの進捗をお聞かせいただきました。 しっかりとこの計画を策定することによって、市民あるいは議会に個別の情報が共有できるわけです。そしてまた、本市のこれからの財政運営を的確に進めていく上で大切な財産となる個別計画ですから、今、ちょうどこの総合管理計画の見直しに差しかかっているという時期が絶好の機会だと私は考えております。むしろ、今まで10年間、なぜできてこなかったのかと、こういった疑問も起こってくるわけでございますけれども、やはりこのことをですね、ぜひ全庁的に課題に取り組んでいただく、そういった職場風土をつくっていくということが重要だと思うんです。以前にも特別委員会等でも申し上げておりますけれども、庁内で独自の組織を立ち上げるのがいいのか、あるいは別の選択肢があるのか様々検討いただきまして、これを機会に真剣に取り組んでいただきたい、このことを意見いたしまして、私の質問といたします。
○副議長(九里雄二君) 16番樋口君。 (16番 樋口清二郎君 登壇)
◆16番(樋口清二郎君) 新世の会の樋口清二郎です。 それでは、私からは今回、一問一答にて1点、児童を性暴力、性犯罪から守ることについて、教育部長、そして教育長に質問させていただきます。 約6年前、学校施設内での盗撮により教員が逮捕される、こうした事件がありました。当時、道端議員がこの議場で取り上げ、トイレの和式から洋式化への取組が進んでいったと私は認識をしております。この約6年前の事件を受けて、教育委員会として、児童を性暴力、性犯罪から守る取組をどのように進めてきたのか、この点について、教育部長にお答えいただきたいと思います。 以上で、私の1問目を終わります。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) ただいまの樋口議員からの御質問に自席よりお答えさせていただきます。 本市教育委員会といたしましては、管理職に対しまして、教育職員としての服務等について研修を行うとともに、その内容を踏まえ、校長のリーダーシップの下、児童・生徒への性暴力等の未然防止や再発防止に向けた校内研修を行うなどの取組を行っております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 様々な取組を教育委員会として行ってきたとの答弁でありますが、1月に学校施設内で教員が逮捕、盗撮により逮捕をされる、同様のこうした事件が起こっております。どこに問題があったのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えさせていただきます。 令和元年12月には、先ほど申し上げました教室の整理整頓や教職員個人の情報端末を業務に持ち込まないことなどについて指示を行いました。また、令和3年5月には、子供たちの更衣場所について、異性が別室で更衣することを基本とすることや更衣場所の整理整頓などについて指示を行いました。 しかしながら、市立学校において同様の事案が発生したことにつきましては、更衣場所等の点検といった防止策の徹底など、教職員の犯罪に対する危機管理意識及び校内で犯罪を未然に防ぐ体制づくりなどが十分でなかったものと考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 様々な問題点が指摘されたわけではありますが、今後、どういうふうな形でこの再発防止に努めていくのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えいたします。 今回の盗撮事案を受け、校長会におきまして教育長から校長に対して、教員一人一人が児童・生徒に対する性暴力等が犯罪行為であると改めて捉え直し、各校において犯罪の未然防止に向けた意識づけや教育環境づくりを徹底することなどについて指示を行いました。また、今後、更衣場所などの点検につきましても、例えば警察など外部の専門家からのアドバイスを受けながら、各校において校内の死角になりやすい場所のチェックリストを作成し、活用するなどいたします。また、児童・生徒が安全に安心して活動できる教育環境の整備とともに、学校及び教職員の信頼回復に向けて努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 今年1月の盗撮事件については、教室内で盗撮が行われた、こうした状況であります。体育の着替え中の盗撮になるんですけれども、では実際、現在、体育の着替えはどのような現状になっているのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、本市では今回の事案を受けまして、児童・生徒の更衣に関して改めて指示を行っております。その中で、体育等での更衣の際には、異性の児童・生徒が別室であることを原則としております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 今回、事件があった当該の学校の保護者から、どのような改善を求める声が多く出ているのか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えいたします。 保護者からの意見といたしましては、子供たちの心情に寄り添ったケアをしてほしいといった声や、体育の授業においてレギンス等の着用を求める声などをいただいております。また、更衣室の設置につきましても御意見を多くいただいているところでございます。 以上でございます。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございました。 今、話に出ましたレギンスとかスパッツについては、これまで学校判断という形で対応されてきたのですけれども、今週の月曜日に、教育委員会から各学校にスパッツやレギンスの着用については児童・生徒の判断に委ねる、こうした通達が行われています。この点については迅速に対応いただいたので、大きく評価をしたいと思っております。 一方で、今回の盗撮については教室内で盗撮が行われた事例になります。こうしたことを考えれば、教室内は様々な物があったりとか、死角があったりとか、こうした犯罪が起こる可能性も高い状況であります。こうしたことを考えれば、更衣室をきちんと学校施設に設けていくべきではないかと考えますが、この点についてはいかがですか。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えいたします。 犯罪防止やプライバシーを守る観点からも、児童・生徒が安心して更衣できる場所は重要であると考えております。更衣室として空き教室等を固定的に確保できる学校がある一方で、施設規模や学級数の状況から確保が難しい学校もございますため、その際には教員の指導の下で順に更衣をしたり、教室内をカーテンで区切ったりするなどして異性の児童・生徒が分かれて更衣するなど、工夫して対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 ちょっと今、答弁いただいた中で1点疑問点が生じましたので、この点について確認をさせていただきたいと思います。 今、部長のほうから、今後の対応のところで、教室内をカーテンで区切って着替えをしていく、こうしたお答えがありました。しかし一方で、その前の部長の答弁の中には、異性の着替えについては別室での着替えを原則とする、こうしたことを答弁しています。このカーテンで区切ること、教室内をカーテンで区切って着替えをすることについては、この原則にのっとっているのか、いや一方で、原則にはのっとっていないけれども代替として対応しているのか、どちらの認識なのか、この点について確認させていただきたいと思います。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えさせていただきます。 まずは別室を設けることが最重要だと思っておりまして、どうしてもそれがかなわない場合の対応ということで考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 当該の事件があった保護者からは、今後、水泳に関する着替えについての懸念の声も多く寄せられている状況でありますし、こうした現状は、水泳は着替えが生じますので、今、奈良市では水泳指導の民間委託というモデルの取組をしていると思いますけれども、こうした更衣室を設けられない学校などについては、こうした水泳指導の民間委託の取組を拡大していくべきではないかと考えますが、この点についてはいかがですか。
○副議長(九里雄二君) 教育部長。
◎教育部長(竹平理恵君) お答えいたします。 水泳指導の外部委託につきましては、プール施設の老朽化等に伴う安全面の確保やプール施設の修繕費用負担などを考慮しながら計画を立てていくことが重要であると考えております。 今後の事業につきましては、モデル校での成果と課題や、各学校のプール施設の老朽化、また、事業者の状況などを考慮しながら検討を進めていくことになると思っております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 教育長に質問させていただきます。 今、部長に答弁をいただいていると、教員の研修とかを実施していく、こうした答弁が多く出てきたわけでありますけれども、物理的に犯罪のリスクが生じないような環境を整えていく、例えば更衣室を設けていくのも一つだと思いますけれども、このような取組を進めていくべきだと思いますが、教育長の考えはいかがですか。
○副議長(九里雄二君) 教育長。
◎教育長(北谷雅人君) 樋口議員の御質問にお答えをいたします。 先ほども部長が答弁をしておりますが、盗撮を行うことができなくなる、できない環境づくりとして、学校施設のトイレ、更衣室など衣服を着脱する場所については、ふだんからの整理整頓や、不審物がないかなどのチェックリストを活用するなどして点検を行うなどの取組を進めてまいりたいと思っております。 また、複数の教員が関わる点検の体制を整えるなどして、犯罪を起こさせない体制づくりも併せてきちっとやっていきたいというふうに思っております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 点検体制を充実させていく、点検を行っていく、こうした答弁でありましたけれども、やはり更衣室をちゃんと設けていくべきではないですか、この点についてはいかがですか。
○副議長(九里雄二君) 教育長。
◎教育長(北谷雅人君) 御質問にお答えをいたします。 議員お述べのように、既に空き教室が確保できる学校におきましては、確保に努めているところでございます。また、各学校において新年度の教室配置を行う際には、例えば空き教室が教材や教具の保管場所として使用されている場合はできる限り集約をして、更衣室の設置を最優先に検討するよう指示を行っているところでございます。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 樋口君。
◆16番(樋口清二郎君) ありがとうございます。 この件について、2点意見を述べさせていただきます。 教育長から今、新年度については、この更衣室を最優先に取り組む指示をしているということで答弁いただきましたので、この4月以降に実際どれだけ更衣室の設置が行われているのか、この点についてはまた確認をさせていただきたいと思います。 2点、意見を述べさせていただきます。 1点目については、やはり学校の施設内に更衣室を設けるべきだと思います。やはり学校の中で盗撮、これは教室内で盗撮が行われているわけでありますので、学校の中には様々な死角、そして犯罪が起こりやすいリスクが生じていますので、こうした学校内での更衣室設置についてはぜひ進めていただきたい、このことを1点目として申し述べさせていただきます。 そして、2点目として、部長の答弁の中には、児童数が多い学校については更衣室を確保することが難しい、こうした答弁でありましたけれども、こうした児童数が多い学校については、水泳指導の民間委託などを活用して、更衣室がなくても対応できる、犯罪リスクを避けていく取組を進めていただきたいと思っております。 被害を受けた児童については、その傷を一生背負って生きていくことになりますので、二度と同じような事件が生じないように、ぜひ奈良市として取組を進めていただきたい、このことを申し述べさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○副議長(九里雄二君) 12番佐野君。 (12番 佐野和則君 登壇)
◆12番(佐野和則君) 皆さん、こんにちは。日本維新の会奈良市議団の佐野でございます。 通告に従いまして、市長並びに関係理事者に一問一答にて質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず初めに、たばこ税について、総務部長にお伺いいたします。 たばこには、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税という4種類の税金が含まれております。日本たばこ産業株式会社の資料によりますと、負担率は、ビールが45%、ウイスキーが28.6%、ガソリンが50.7%、そして、たばこが61.7%ということです。お酒やガソリンと比較しても飛び抜けて重い負担率となっております。 日本のたばこ税の税収は、国税と地方税の合計で2兆円で、たばこは、国と地方の貴重な財源となっております。たばこで出た税金は、他の税金との使われ方とあまり変わらず、小・中学校や図書館などの教育施設や教科書などのお金、高齢者や障害者のための福祉施設やサービスなど、様々なことに使われております。 そこでお伺いいたします。 奈良市の令和2年から令和4年度の市たばこ税の決算額をお答えください。 これを私の1問目といたします。
○副議長(九里雄二君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) ただいまの佐野議員の御質問にお答えいたします。 市たばこ税の決算額でございますが、令和4年度は18億2473万円、令和3年度決算では17億5747万円、令和2年度では16億4505万円となっております。
○副議長(九里雄二君) 佐野君。
◆12番(佐野和則君) 2問目は、自席よりさせていただきます。 今お聞きしたとおり、奈良市のたばこ税の税収は、年々増加傾向にあります。令和5年度の決算額も令和4年度を上回るとお聞きしております。令和6年度予算額も18億円となっておりますが、恐らく決算額は増えるのではないかと想像されます。これは、観光客の増加が原因の一つではないかと私は思っております。 そこでお聞きしますが、奈良市の現在のたばこ税の使途はどうなっているのかお答え願えますでしょうか。
○副議長(九里雄二君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 市たばこ税による本市の収入は、先ほどお答え申し上げました令和4年度決算で約18億円でございまして、市税収入の3.4%を占め、本市の貴重な財源となっております。 市たばこ税は、目的税ではございませんため、その使い道は特定されておりませんで、市民の皆様の日常生活に欠かすことのできない様々な施策に有効かつ効果的に活用させていただいているところでございます。
○副議長(九里雄二君) 佐野君。
◆12番(佐野和則君) ありがとうございます。 喫煙者には厳しい世の中ではありますが、御答弁いただいたように、たばこは貴重な税収として社会貢献をしている側面もございます。一方、たばこには、健康面や受動喫煙といった問題もあります。 そこで、
健康医療部長にお聞きいたします。 奈良市におけるたばこによる健康面の影響と受動喫煙に対する考え方についてお答え願えますでしょうか。
○副議長(九里雄二君)
健康医療部長。
◎
健康医療部長(増田達男君) お答えを申し上げます。 たばこの煙には、約70種類の発がん性物質をはじめ5,000種類以上の化学物質が含まれております。喫煙は、がんや循環器疾患、COPD--いわゆる慢性閉塞性肺疾患を含む呼吸器疾患、糖尿病、歯周病など様々な生活習慣のリスクを含んでおります。 また、加熱式たばこは、紙巻たばこに比べて有害成分が少ないとうたわれておりますが、発がん性物質をはじめ、多くの種類の有害成分が含まれております。また、電子たばこにつきましても、ニコチンが入っていなくても、その他にホルムアルデヒドなどの有害物質が検出されたという研究結果もございます。 受動喫煙につきましては、たばこの先から出る副流煙には、喫煙者が吸って出る主流煙よりも多くの有害物質が含まれていると言われており、たばこを吸わない人でも、継続的な受動喫煙により健康に影響が発生するおそれがあるというふうにも言われております。 そこで、健康医療部では、喫煙による健康への影響についての普及啓発、また、禁煙希望者への支援、未成年者への喫煙防止教育など、喫煙率の低下とたばこによる健康への影響を防ぐことを目的に事業を行っているところでございます。 また、望まない受動喫煙をなくすという改正健康増進法の趣旨を踏まえ、市の管理する施設は原則、敷地内全面禁煙としているところでございます。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 佐野君。
◆12番(佐野和則君) ありがとうございます。 奈良市のたばこに対する健康面や受動喫煙の考え方は分かりました。 そこで、少し視点を変えてお聞きしたいと思います。 私は、毎月、市内主要駅周辺の清掃活動をしていますが、一番多いごみは、断トツでたばこの吸い殻であります。コロナ禍が終息してから一段と増えてきたと実感しております。 そこで、環境部長にお伺いいたします。 奈良市における路上喫煙によるたばこのポイ捨てに対する対策についてお答え願えますでしょうか。
○副議長(九里雄二君) 環境部長。
◎環境部長(山口浩史君) お答えいたします。 路上喫煙によるたばこのポイ捨て等の対策についてでございます。 本市では、奈良市ポイ捨て防止に関する条例におきまして、たばこの吸い殻や空き缶等の散乱性の高いごみを道路等の公共の場所にポイ捨てすることを禁止しております。その中でも、多くの通勤、通学、観光で来られる方が利用する近鉄奈良駅やJR奈良駅のような駅前広場や、三条通りなどのメインストリートを美化促進重点地域に定めまして、重点的に啓発活動と清掃活動を行っているところでございます。 美化促進重点地域における清掃業務につきましては、美化促進重点地域清掃業務委託として実施しており、その中で、たばこの吸い殻の回収量につきましては、平成30年度は年間約140キログラムに対し、令和4年度は約98キログラムと減少しており、令和5年度も、令和6年1月までの10か月間の実績が約80キログラムとなっており、昨年度とほぼ同量の回収量を見込んでおります。 また、ポイ捨てが多い場所には、ポイ捨て禁止の路上標示やポイ捨て防止を促進するPRポスターの公共施設への掲示及び駅デジタルサイネージへの掲載を行っているところでございます。 以上です。
○副議長(九里雄二君) 佐野君。
◆12番(佐野和則君) ありがとうございます。 美化促進重点地域を定め、その区域を清掃業者に委託して清掃して、その区域だけは年々たばこの吸い殻は減少しているかもしれませんが、一方、区域外の路地に入ると吸い殻が増加しているのが現状です。他都市では、近年、分煙への取組や喫煙マナーの啓発などを積極的に行っていると聞きます。 例えば、東京の墨田区では、錦糸町駅と両国駅の喫煙場の壁面に葛飾北斎、漫画家のしりあがり寿先生などの絵のほか、福祉施設や障害のある方が壁面にデザインを行い、喫煙所の壁面を楽しめるほか、表現活動の場にもなり、たばこを吸う人も吸わない人も楽しめるように工夫をしているそうです。利用されている方からは、ゆったりできる、心が温まったなどの声が寄せられ、多様性を理解するきっかけとなる場所にもなることから期待されているということです。 このような取組が評価され、2021年度のSDGs未来都市に選定され、さらに先導的な取組をしている自治体SDGsモデル事業に選ばれております。近畿でも、大阪や京都、兵庫でも主要駅周辺で喫煙施設の設置が進んでいると聞きます。 そこで、市長にお伺いいたします。 奈良市の路上喫煙対策では、条例で禁止地域を指定しながらも、灰皿等が設置された喫煙場所がないため、吸い殻のポイ捨ても減らず、条例の実効性が確保できていないと考えますが、条例の実効性を確保しながら、非喫煙者と喫煙者の双方に配慮した施策、喫煙所を設けるなどの施策をする必要があると考えますが、市の考え方についてお答えください。
○副議長(九里雄二君) 市長。
◎市長(仲川元庸君) 路上喫煙対策についての御質問でございますが、先ほどの環境部長の答弁にもありましたように、美化促進重点地域におけるたばこの回収量については年々減少しているという状況にございます。 路上喫煙につきましては、人が密集する場所では、たばこの火により身体に危険が及ぶおそれもありますことや受動喫煙の問題もあることから、市や駅前広場等の公共の場所に喫煙場所を設置するということは考えておりません。 ポイ捨てによるたばこの吸い殻の回収量の減少は、これまでのポイ捨てに対する啓発の効果もあると考えておりますので、今後もポイ捨てをしないための意識向上を図るための効果的な啓発方法を検討していきたいと考えております。
○副議長(九里雄二君) 佐野君。
◆12番(佐野和則君) 設置をしてもらえないということでございますが、意見、要望させていただきます。 奈良市は、国内外から多くの観光客が訪れる観光都市であります。路上喫煙を禁止するのであれば、分煙施設を設けるなどして、まちの美化のため、受動喫煙防止のため、喫煙者と非喫煙者が共存して快適に過ごせる空間のためにも設置が必要であると私は考えております。 大切なことは、たばこを吸う人はたばこを吸わない人に対して常に配慮すること、喫煙マナーを心がけることではないでしょうか。本市は18億円ものたばこ税を一般財源として充当しています。これは目的税ではありませんが、この財源を非喫煙者への施策の財源に充てるのであれば、この一部でも非喫煙者と喫煙者との共存のための施策に充てるなどの配慮もあっていいのではないかと私は思っております。たばこを吸う人、吸わない人が互いに快適に過ごせる社会の実現に向けて、喫煙マナーの向上、分煙環境の整備、周囲への配慮など、たばこと共存する社会の実現に向け、検討していただくことを要望いたします。 続きまして、令和6年度農林業行政の予算、方向性について、市長にお伺いいたします。 日本の農業は、食料自給率の向上を目指す中、担い手不足や農地の減少に加え、頻発する自然災害やCSFの発生、農産物貿易をめぐる国際環境の変化など様々な政策課題に直面しております。 我が国の農業を持続的に発展させていくためには、海外で高まるニーズを捉え、輸出をさらに拡大するとともに、新しい需要にも対応できるよう、中山間地域や中小・家族経営も含め、幅広く生産規模の強化を図ることが必要であり、このため、これまでの農政全般にわたる改革に加えて、新たに生産基盤の強化を目的とする政策パッケージ、農業生産基盤強化プログラムを策定しております。関連する取組を重点的に推進することで、強い農業、農村を構築することになっております。 そこで、奈良市の令和6年度予算編成においても、農林業に関わる予算が増額され、新たな取組が見られます。これらの予算は、どのような意図を持って予算計上されたのかをお聞きしたいと思います。例えば、市民農園事業や里山整備事業、スマート農業の推進について、予算編成に至った市長の思いをお伺いいたします。
○副議長(九里雄二君) 市長。
◎市長(仲川元庸君) 農業政策につきまして、追加的に対応させていただいた取組に対する考えということでございます。 農林業におきましては、高齢化や後継者の不足など様々な課題を抱えており、今後、持続可能な産業となるよう、中長期的な取組を見据え、整理を行わせていただきました。 令和6年度につきましては、人材の確保、農地・山林の保全、生産力と収益の向上、流通促進などといった、それぞれのステージの施策の中で取り組めるものについて予算計上をさせていただいております。 その中で、市民農園事業や里山整備事業は、農地・山林の維持、保全を図っていくという考えの下で、新たな施策として、行政だけではなく地域の方々と共に、これからの自然環境を守りながら持続的に活用していこうというものでございます。農園や里山が整備されることで、その土地を保全、活用するだけでなく、市民自らが食や農、また環境についても触れる機会が増え、自分事として捉える機会となっていくものと考えております。 また、スマート農業の推進につきましては、農業者に対し、単にスマート機器の導入を支援するということだけではなくて、農業経営者を育成するための事業として経営改善を後押しすることで、さらなる所得の向上を目指す模範となる農業者を育成していこうとするものでございます。 これらの施策をもって、農林業を持続可能な産業へと押し上げていきたいと考えております。
○副議長(九里雄二君) 佐野君。
◆12番(佐野和則君) ありがとうございます。 最後に、意見、要望させていただきます。 農林業に対する新たな取組や予算の増額は、農業関係者として評価させていただきたいと思っております。 我が国の農業政策の一つとして、平成27年度に成立した都市農業振興基本法があります。これは、人口の減少や高齢化が進む中で、これまで宅地化予定地として見られてきた都市農地に対する開発圧力も低下し、都市農業に対する住民の評価も高まっており、とりわけ東日本大震災を契機として、防災の観点から都市農地を保全すべきとの声が広がっております。このような状況を踏まえ、都市農業の安定的な継続を図るとともに、多様な機能の適切かつ十分な発揮を通じて良好な都市環境の形成に資することを目的として制定されております。 この基本法の第5条には、
地方公共団体の責務として、「当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とあります。また、第16条には、「都市における農地の有効な活用が図られるようにし、及び都市住民の農業に対する理解と関心を深めるため、市民農園の整備その他の農作業を体験することができる環境の整備、教育及び高齢者、障害者等の福祉を目的とする都市農業の活用の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。」とあります。 先ほど答弁いただいた市民農園事業は、この基本法に則したものと思いますが、この事業は市街化区域の生産緑地だけとお聞きしております。奈良市には活用されていない市有地が多数点在しており、これらの市有地を市民農園として活用し、地域のコミュニティーの場としてはどうかと提案しておきます。 また、里山事業も地目が山林のみとなっております。これも今、山間部では休耕地が荒れておりまして雑木林化しております。地目が田畑になっていても、里山の事業を地域として取り組んでいこうという地域もあると聞いております。こういう地域にも配慮していただいて、地域の方々のやる気をもっと促進させるような施策になるよう、お願いしたいと思っております。 さらなる施策で、奈良市における農林業振興の強化を検討していただくことを要望させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(九里雄二君) 37番中西君。 (37番 中西吉日出君 登壇)
◆37番(中西吉日出君) 中西です。よろしくお願いいたします。 本年1月1日に発生した能登半島地震で犠牲になられた方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興、復旧を願っております。 それでは、まず市長に、行財政運営について数点質問いたします。 私は、昨年12月定例会の一般質問や9月決算の総務分科会で、行財政運営についていろいろな視点から質問し、歳入の見積りなどを改善すべきと市の姿勢をただしてまいりました。 決算審査では、奈良市の財政状況について、予算と決算の乖離や、前年度決算より財政力指数、経常収支比率が悪化していることから、厳しい財政状況から脱却したと考えているのか。また、昨年の12月定例会では、新クリーンセンターの課題や現環境清美工場の改修経費などの支出を考えますと、私は、市長をはじめ理事者の認識は甘いのではないかと考えます。 また、中長期的な行財政運営の視点を持って、全体の財政運営を図っていくのが重要であり、奈良市の歳入構造、税収構造を変えることが不可欠であると考えております。 新年度予算について、市長に数点伺います。 まず、令和6年度予算案について、これまで再三予算の編成においては、特に歳入見積りについて様々な視点から指摘をし、予算と決算の乖離がないよう改善を求めてきましたが、令和6年度予算案について歳入予算の計上はどのような見積りになっているのか。特に、利子割交付金等の状況はどのように見積もったのか伺います。 次に、新年度予算案では、投資的経費の増額が見受けられ、その財源として地方債が充てられております。令和6年度当初予算における一般財源への負担額については、影響は少なからずあると思慮いたしましたが、地方債の発行が増えるということは、今後の市民への後年度負担に大きく影響を与えるのではないかと非常に危惧いたしております。 そこで、地方債に関連して数点質問いたします。 まず、現時点での償還額の多い主な事業について伺います。 次に、地方債の償還について、今後、公債費が増え、財政状況の悪化が懸念されます。 そこで、今後の財政負担はどのように考えておられるのか、また、どのように対応するつもりなのか伺います。 さらに、令和4年度決算審査を受けて、令和6年度の新年度予算編成に反映された状況について、歳出削減、また老朽化した公共施設等の長寿命化や現環境清美工場の改修経費140億円の債務負担に係る予算において、どのように計上しているのかについて伺います。 さらに、新年度予算では、一般会計で自主財源比率が39.3%と4割を割り込んでおり、大変危機感を持っております。 そこで、自主財源を確保するための新たな方策予算はあるのか伺います。 次に、新クリーンセンター建設について、市長に伺います。 私は、先般、大和郡山市清掃センター環境保全委員会に出席いたしました。その際、隣接する奈良市側からも六条地区や七条地区の関係の皆様が出席されており、様々な意見が出されておりました。 大和郡山市の環境保全委員会にもかかわらず、奈良市は地元住民に、そのうち一緒にできるなど不確定な説明をしていることなどもあり、奈良市が今、進めようとされている七条地区での新クリーンセンター建設について、大和郡山市からは、将来の広域化はあるのか、また地域の環境負荷や、煙突が立ち並ぶことに対して建設反対を訴えるなど多くの厳しい意見が出されておりました。 大和郡山市に対しては、奈良市と合同で広域化した施設運営ができないかとの申入れもありましたが、現状は厳しいと大和郡山市の副市長から返答があり、結局、奈良市が単独で新クリーンセンターを建設するという状況に変化がない中、市長は七条地区に大和郡山市のクリーンセンターと併設する形で新クリーンセンター建設の予算案を提案されております。 このような厳しい意見がある中、議会にも、この七条地区から建設反対を訴える請願が提出される中、強引に事業を進めようとされていますが、市長の事業手法に疑問を抱かざるを得ません。 そこで、数点お聞きいたします。 そもそも七条地区をはじめ、関係自治会の方等にどのような説明をされてきたのか。また、今後の説明会の予定などをお聞かせください。 次に、今議会には新クリーンセンター建設を見据えた予算が提案されています。その事業内容を含め、新クリーンセンター建設に向けた予算の概要をお聞かせください。 さらに、今議会前に施設整備基本計画の概要を公表されました。改めてこの施設整備基本計画にある新クリーンセンターについて、その敷地や施設の規模、建設費の概要など、その概算または概要をお聞かせください。また、これまで新クリーンセンターの建設だけじゃなく、その周辺のまちづくりについて言及されてきましたが、この点もどのように考えておられるのか、併せてお聞かせください。 さらに、新クリーンセンター建設に要する費用の財源、国費、県費、起債等についてどのように考えておられるのかお聞かせください。 次に、2月の総務委員会で危機管理監から、令和6年能登半島地震に係る被災地支援について、一自治体としてやるべきこと、また、やらないほうがよいこと、また、やってはいけないことについて答弁を求めました。 能登半島地震のような大規模災害の被災地支援では、安定的かつ継続的な支援が必要であり、県や中核市など大きな枠組みでの支援計画に沿って協力することが原則であるとしながらも、このような大きな枠組みでの支援が軌道に乗り始めるまでの間において、一刻も早い援助が求められており、被災地の要望を把握した場合には速やかにできる限りの支援を行うことが、被災地の皆様の安全・安心を支える上で重要であるとのことでありました。 そこで、危機管理監にお聞きいたします。 危機管理監が聞き取りされた、被災された自治体が求める支援内容はどういったものだったのかお答えください。 次に、実際に1月5日からは先遣隊、翌日には第1陣の職員を派遣されましたが、派遣職員が実際に現地に入ったことで把握できたこと、発災後の最も混乱した被災地の状況についてお答えください。 発災後の被災地の状況を把握され、支援する自治体もさることながら、関係機関との連携も非常に重要になると考えますが、危機管理監の考えをお聞かせください。 最後に、本市が被災した場合、円滑な受援計画の実行について、危機管理監のお考えをお聞かせください。 以上で1問目を終わります。
○副議長(九里雄二君) 市長。 (市長 仲川元庸君 登壇)
◎市長(仲川元庸君) ただいまの中西議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、新年度予算についてでございますが、歳入の見込みについてどのように組み立てたのかという御質問でございます。 新年度の歳入予算につきましては、これまでの決算状況を踏まえながら見積りをさせていただきまして、加えて国の示す地方財政計画を参考に、各歳入項目それぞれに精査をし、予算計上をさせていただいてございます。 これまで御指摘をいただいておりました歳入の科目につきましては、例えば、利子割交付金につきましては、昨年度予算に比べて8000万円減となる1億円、配当割交付金につきましては5000万円減の8億円、株式等譲渡所得割交付金につきましては1億円減の8億円の歳入予算を計上いたしております。これらの交付金につきましても他の歳入予算科目と同様、これまでの実績を踏まえながら、地方財政計画の伸び率等を参考に見積もっております。 次に、市債の償還額が多い事業はどのようなものかという御質問でございます。 令和6年度に償還する地方債のうち、償還額の大きなものといたしましては、土地開発公社を解散した際に発行いたしました第三セクター等改革推進債や臨時財政対策債、また退職手当債などでございます。その他といたしましては、なら100年会館の建設事業や保健所等複合施設建設事業、また大和西大寺駅北口駅前広場整備事業などの償還額が多いというものでございます。 次に、今後の市債の償還についてでございますが、本市では現在、複数の大型事業が控えており、議員御指摘のとおり、市債の償還による財政負担には十分留意をする必要があると考えております。これまで同様、交付税措置のある市債の活用を行うほか、将来負担を意識した上でしっかりと事業の精査を行い、本市の将来に必要な投資を行っていきたいと考えております。 今後の公債費への対応につきましては、歳出の削減に加えて、企業誘致、定住促進などの取組による歳入の確保など、議員御指摘のとおり、奈良市の財政構造を変えていくということが重要であり、行財政改革の推進等によりまして安定的な財政運営に努めてまいりたいと考えております。 次に、歳出の削減や長寿命化についての取組でございますが、これまでの慣習や枠組みにとらわれず、物価高騰の影響を受ける中で、いかにコストを増加させず、市民の利便性やサービスの向上を図るかということを意識し、基準として、行政と民間の役割、また様々な行政のDX化による業務改善の検討、最少のコストで業務が遂行されているかといった行革的な視点・手法により歳出の見直しを行っております。 公共施設の老朽化への対応といたしましては、主なものとしては、140億円の債務負担行為に基づく環境清美工場の大規模改修工事に約20億円を計上させていただいておりますほか、本庁舎北棟の長寿命化工事として、本年度に引き続き外壁改修工事に約4億円、西部生涯スポーツセンター屋内温水プールにおける天窓や空調設備等改修工事に約2億円を計上させていただいております。そのほかにも、文化施設や庁舎等の各施設におきまして、設備の更新、屋上防水や外壁改修等について予算計上をいたしております。 次に、自主財源の確保についての取組でありますが、本市の歳入構造は、これまで個人市民税を中心とした税収構造となっておりましたが、これからは企業誘致を進めることなどにより、法人市民税や事業所税などを確保していくこと、また、雇用の創出により個人市民税の増収を図っていくことなど、税収構造自体を変えていくことが特に重要だと考えております。 こうした流れをさらに加速するため、令和6年度では主要な施策でも上げておりますように、地域の活力創出として、本市の経済成長のために起業家支援や産業振興、雇用創出につながるための予算、また、若者が育ち、働き続けられるまちづくりを目指すための予算も計上し、さらなる企業誘致の推進につながる施策に取り組みたいと考えております。 加えて、JR新駅周辺のまちづくりも大きな企業誘致のチャンスと捉えており、また、今後の新しい時代に即したまちづくりを行うという意味では、これからの地方創生や人口減少の克服に寄与するものと考え、ひいては税収減少の歯止めになるものではと期待をし、引き続き、関連予算を計上させていただいております。 続きまして、新クリーンセンターについての御質問でございます。 地元への説明の内容や今後の予定ということでございますが、新クリーンセンターの建設に向けては、関係住民の皆様方に対しましては、これまでの取組や市の考えについて御説明を申し上げますとともに、これまでもお聞きをいたしました地域の課題の解決策、また、御要望へ対応をすることで住民の皆様の信頼を得るべく、説明会を重ねております。 今年に入ってからは1月6日に、都跡地区の柏木町朱雀園二丁目自治会の皆様に御説明を申し上げたところでございました。今後、事業計画や施設整備基本計画案の概要版や、もしくは、今後策定をいたします施設整備基本計画案を基に説明会を重ね、御理解をいただくべく努めてまいりたいと考えております。 次に、予算の概要、事業の内容についてという御質問でございます。 来年度予算といたしましては、地表面下の地盤状況を把握するための地質調査、そして土地の利用状況を把握するための地歴調査のほかに、事業の実施に伴って生ずる環境への影響について事前に調査、予測、評価をいたします環境影響評価などにつきまして7534万円、また、アクセス道路の測量、設計など事前調査といたしまして1億1000万円を計上するなど、今後、現候補地で新クリーンセンターを建設していくために必要となる調査業務を中心に編成をさせていただいております。 次に、新クリーンセンター計画の概要、また周辺のまちづくりについてということでございます。 新クリーンセンターの敷地といたしましては、地域エネルギーセンターとリサイクルセンターを合わせて約5ヘクタール、附帯施設も含めたエリアとしては約8ヘクタールを想定いたしております。 一方で、概算費用といたしましては、現在、まだ敷地のボーリング調査や測量などを実施いたしておりませんので、敷地の造成費やアクセス道路整備にかかる費用は別途積算する必要がございますが、施設の規模としては1日当たり290トン、新クリーンセンターやリサイクル施設などの建物建設におおむね450億円、また、施設の運営を民間に委託する際にかかる費用としては、毎年約14億円を予定いたしております。 今後の新クリーンセンターは、従来の電力を消費する施設から、ごみの焼却から生まれる熱を使って電気や蒸気を生み出し、施設内の電源とするほか、地域の住宅やEVなどに供給するエネルギー供給拠点として、また、資源から回収したエネルギーを活用した農作物の生産、販売、消費、再生のサイクルを体験できる資源循環ゾーンとして整備をしていきたいと考えております。 次に、建設費用の財源についてという御質問でございます。 新クリーンセンターの建設に要する費用の財源といたしましては、市の財政負担を考慮いたしますと、可能な限り国の交付金でございます循環型社会形成推進交付金、これは補助率が3分の1と、2分の1と2種類の部分がございますが、これらを上手に組み合わせて最大限活用するとともに、残る事業費につきましても充当率が90%、地方交付税措置が50%でございます一般廃棄物処理事業債を活用し、毎年度の償還額も平準化することで、市の負担を最大限軽減していきたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 危機管理監。 (危機管理監 下畑 宏君 登壇)
◎危機管理監(下畑宏君) 被災者支援及び受援に関する御質問4点についてお答え申し上げます。 1点目、被災された自治体が求める支援内容についてでございますが、発災直後は広域な地域が断水し、飲料水を求める声を多く伺いました。また、避難所の防寒対策に係る物資のニーズがありました。 数日いたしまして、日々大量に届く救援物資を避難所に届けるための荷さばきの人手が欲しいとのお声を伺いました。さらに数日後、荷さばきの業者委託が進み始め、避難所運営や保健師活動の支援ニーズが、2週間ほどたった時点で応急仮設住宅受付等窓口業務に係る支援ニーズが加わりました。 2点目、発災後の最も混乱した被災地の状況についてでございますが、被災地では、市役所に救援物資が続々と届くものの、物流が滞り、玄関に物資が山積みで業務を阻害する要因の一つとなっている実情が確認できました。また、避難所運営支援では、避難所ごとに応援職員に求められる業務内容が異なるなど応援職員の効率的運用の課題がうかがえました。さらに、現地自治体職員の疲弊ぶりについて多くの報告を受けました。 3点目、関係機関との連携についてでございますが、被災地支援はしっかりとした全般統制の下で展開されるべきであると考えます。全国組織や対口支援グループによる全般統制が軌道に乗るまでの間も被災地に支援ニーズはございますので、独自の支援活動は重要と考えますが、その場合、関係する部署と情報を共有し、統制を阻害しないよう、さらには統制を促進する一助となれるよう進めることが重要と考えます。 今回の人的支援の場合、七尾市においては、同市災害対策本部と情報を共有し、荷さばき、避難所運営支援とも対口支援を阻害することなく、支援を終えることができました。また、穴水町においては、同町災害対策本部の意向を確認するとともに、対口支援の状況を奈良県に確認しながら進めたことによりまして、独自支援を対口支援の枠組みへと円滑に移行させることができました。 引き続き、被災自治体及び関係機関との連携を重視して調整に当たってまいります。 最後に4点目、本市が被災した場合の円滑な受援計画の実行についてでございますが、受援業務は準備したものでなければ速やかに機能し得ないということが改めて浮き彫りになりました。 本市は、奈良市災害時受援計画を定めておりますが、十分に実効性を備えたものとするためには、今回の被災地支援業務から得た知見を参考にしつつ、必要な見直しを行い、非常時、各方面から寄せられる物的支援、人的支援を十分に生かせるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(九里雄二君) 37番中西君。
◆37番(中西吉日出君) 2問目は、意見と要望といたします。 まず、新年度予算案について、歳入については、これまでの決算状況を踏まえながら見積もり、国の示す地方財政見通しを参考に各歳入項目それぞれに精査し、予算計上したとのことでありました。 しかし、それぞれの歳入科目について、予定していたより増減が判明したときは速やかに補正し、決算での増減の開きがないよう求めておきます。 次に、公債費について答弁がありましたように、多くの事業で償還をしております。 さらに、環境清美工場改修工事に伴い、債務負担行為を設定した約140億円をはじめ、小・中学校の長寿命化対策やJR新駅関連事業等大規模な事業が今後想定されますことから、将来負担を見据えた予算編成が必要であることを意見させていただきます。 また、歳出では、これまでの慣習や枠組みにとらわれず、物価高騰対策や市民生活の視点に立って、いかにコストを抑え、
市民サービスを低下させることのないよう、市民目線での事業の選択や今後の行政需要をしっかりと見据えて予算執行に当たられるよう求めておきます。 また、自主財源の確保については、今まで機会あるごとに求めてまいりました。新年度予算案では、一般会計で自主財源比率が39.3%と4割を割り込んでおり、大変危惧しております。税収増が見込めない現状で、手数料・使用料の見直しなど、即効性のある新たな自主財源を確保する取組を推進していただくようお願いしておきます。 新クリーンセンター建設について、大和郡山市の清掃センター環境保全委員会でも、隣接する奈良市の関係者の皆様方から様々な意見が出されており、奈良市は大和郡山市のクリーンセンターと併設する形で七条地区での新クリーンセンター建設の予算案を提案されております。地元住民に、そのうち一緒にできるなど不確定な説明をして強引に進めようとしております。奈良市が今、進めようとされている七条地区での新クリーンセンター建設について、地域の環境負荷や、煙突が2つ立ち並ぶことに対して建設反対を訴えるなど、多くの厳しい意見が隣接の大和郡山市でも出されておりました。 また、地元から建設反対の請願が出されており、その審議も継続されている中、七条地区で事業を進めようとしている市長の姿勢には、私も隣接の住民の1人として賛同できるものではありません。ましてや450億円という建設費に加え、アクセス道路の整備、用地取得など、さらに費用が膨らむ、膨れ上がる大事業であることから、今後の財政状況などから慎重に検討すべきと考えます。 今議会に調査費用が計上されていますが、はいどうぞと同意できるものではないことを表明しておきます。もっと地域の方の意見や反対の思いを真剣に受け止め、七条地区の方が大和郡山市清掃センターと隣接しているだけで日々の不安を抱えておられるということを市長にも理解していただきたいと考えております。 最後に、危機管理について、1月1日の能登半島地震を受けて数点、危機管理監に伺いましたが、いまだに復興、復旧が遅れているのは水道であります。新年度予算でも防災や災害に強いまちづくりのための予算が計上されておりますが、能登半島地震の教訓として、上下水道の耐震化を一日も早く実行されるようお願いしておきます。 また、去る2月25日の私の町内の防災訓練に忙しい中参加し、講演をしていただきました。感謝しております。参加された皆様方は聞き耳を立てて聞いておられました。本当にありがとうございました。お礼を申し上げます。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(九里雄二君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。 午前11時47分 休憩 午後1時0分 再開
○議長(北良晃君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。-----------------------------------
○議長(北良晃君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 14番宮池君。 (14番 宮池 明君 登壇)
◆14番(宮池明君) 公明党の宮池 明でございます。 既に通告しています事項について、一問一答方式で関係理事者に質問させていただきます。 まず、子供等の施策について、
子ども未来部長に伺います。 子供の人権を守るアドボカシーについては、2013年3月の定例会で初めて取り上げ、その政策の構築を求めて11年になります。ようやく令和4年度から施策構築のための調査研究に取り組んでいただいています。このことから、今年度の取組の状況について、
子ども未来部長に伺い、第1問といたします。
○議長(北良晃君)
子ども未来部長。
◎
子ども未来部長(小澤美砂君) ただいまの宮池議員の御質問にお答えいたします。 子供の意見表明や考えを尊重するために、本市としてどのように子供の権利擁護の体制づくりを進めていくかにつきましては、本市の子どもにやさしいまちづくり条例に基づき、子供一人一人にとって最善の支援につながるよう、昨年度から継続的に調査研究を行っているところでございます。 今年度は、先進的に実施されている自治体においても、制度設計に当たられては研究を重ねて取り組まれていることから、本市にとって最適な取組を検討するには一定の専門的知見が必要であると判断し、子どもの権利擁護推進統括専門員として専属の会計年度任用職員を公募し、昨年8月から採用いたしました。 子供の権利擁護の体制づくりは、周囲の大人が必要と考えるものを一方的に押しつけるのではなく、子供たち自身が望んでいる仕組みや内容を提供することが適切であると考え、今年度の子ども会議のテーマの一つとして子供の権利を設定し、子供たち自身が子供の権利について考え、どう広めていくべきかについて検討し、市に提案していただきました。 その中で提案されたタブレット端末を利用したアンケート調査を、本市の6歳から18歳までの子供たちを対象として、各学校の御協力の下、昨年10月から11月にかけて実施しており、調査では子供の権利の認知度の確認と、周知啓発を広げるためにどうすればよいかについても質問し、子供の意見を聞きながら取組を進めております。 約9,000人から得られた回答結果につきましては、集計と分析を行い、令和6年2月末に市ホームページで公開し、併せて子供の権利に関する理解を深めていただくためのリーフレットを掲載し、子供たちや保護者、学校等に共有を行っております。 なお、市ホームページにおきましては、子供が相談できる相談窓口や子どもの権利◯×クイズも掲載し、子供に分かりやすいよう工夫して、子供の権利についての啓発を行っております。 また、市長を本部長とした庁議メンバーで組織された奈良市子ども・子育て支援推進本部会議を昨年11月に開催し、子供の権利についての現在の取組状況を報告後、12月と今年2月には、推進本部の下部組織である子供の権利グループにおいて、関係課と今後の取組について話し合い、検討を進めているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) ありがとうございます。 では続けて、来年度の取組の方針についてもお聞かせください。
○議長(北良晃君)
子ども未来部長。
◎
子ども未来部長(小澤美砂君) 御質問にお答えいたします。 今後の取組といたしましては、アンケート結果から得られた本市の子供たちのニーズと本市の各種支援体制の現状等について関係各課で共有、連携を図り、引き続き子供の権利擁護の体制づくりを進めていく予定をしております。 アンケート結果からは、8から9割の子供たちが保護者や学校の先生方に自身の意見を大事にしてもらっていると回答している一方で、子供の権利や既存の相談窓口の認知度が低い状況であるとともに、学校や地域で自由に休憩したり、安心して落ち着いたりすることができる場所を望む声が多くありました。そのことから、自分の思いを声に上げにくい子供を含めた全ての子供にとって安心して過ごすことができる場所があり、他人との交流の中で自身の思いや考えを声に出せる環境において、その思いを聞き取り、必要な支援につなぐことができるよう、既存の支援体制の充実と周知方法について検討し、子供の声を聞き取るための施策につなげていきたいと考えております。 また、官民が連携し、既存の事業や関連する団体が連携、協働し合うことは、子供の権利擁護を目的とした市全体で子供を包括的に受け止めることができる体制づくりとして重要であるため、今後関係団体のネットワーク構築に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。 それらの取組と同時に、子供の権利擁護を進めるに当たりましては、子供たちが自身の権利について理解している必要があるため、今年度も実施した庁舎内での啓発展示や職員向けの研修等、大人も子供も子供の権利に関する理解を深めることができるよう、広報など周知の取組も継続して行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) 御丁寧な答弁、本当にありがとうございます。 引き続いて、
子ども未来部長に社会的養護施策について伺いたいと思います。 児童養護施設、里親、自立支援ホームなどの社会的養護の支援を受けている子供については原則18歳まで、また、大学に就学中などの場合はその卒業まで支援を継続することができます。しかし、退所した場合は児童福祉の支援が終了してしまう制度上の実態があり、社会的孤立に陥ることや、声をどこに上げればいいのか、行政や支援機関にアクセスしづらくなるなどの懸念が強まります。 このことから、社会的養護施策についても切れ目ない支援の構築を図らなければならない。この課題について、児童相談所設置市である奈良市では、特に取組を推進しなければならない行政課題とも考えることから、退所した場合で引き続きの支援が必要な子供への支援についてはどのように考え取り組まれるのか、
子ども未来部長に伺いたいと思います。
○議長(北良晃君)
子ども未来部長。
◎
子ども未来部長(小澤美砂君) 御質問にお答えいたします。 現在、児童養護施設に入所している子供や里親宅で生活している子供たちの退所後支援につきましては、施設や社会的養護自立支援事業の委託事業者と連携して支援を行っております。 18歳到達後、子供の自立を図るために継続的な支援が必要な場合には最長22歳の年度末まで入所等を継続できるため、大学等に進学する子供については、引き続き施設や社会的養護自立支援事業の委託先と協働で卒業までサポートをしております。 施設等を退所した後も引き続き支援が必要な子供につきましては、施設等からアフターフォローもございますが、当センターの担当ケースワーカーや自立支援コーディネーター、社会的養護自立支援事業の委託先と連携し、電話や訪問等で近況を把握するとともに、困り事を把握した際には相談機関につなげる等の支援を行っております。 また、令和4年に可決された改正児童福祉法におきましては、20歳や22歳といった年齢で区切るのではなく、子供らが置かれている状況に応じて支援を継続できるよう、年齢要件の弾力化が規定され、令和6年4月より施行されることから、本市におきましても個々の子供たちの状況に応じて支援していけるよう、施設等とも連携しながら取組を進めてまいりたいと考えております。 また、改正児童福祉法には、児童養護施設等への入所経験がある社会的養護経験者等の孤立を防ぎ、必要な支援につないだり、相互に交流を行う場所となる社会的養護自立支援拠点事業の実施についても規定されましたことから、今後、本市におきましても検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) 本当に実に御丁寧な答弁、ありがとうございます。 この2つのテーマについて、一括して主張と要望をさせていただきます。 子供のアドボカシーについては、少しずつではありますが進んでいることを確認させていただきました。今年度に教育委員会の協力を得たアンケート調査において、子供の権利や何かあった場合の相談窓口の認知度が低いとありました。子供は基本的に声を上げることがなかなかできない。また、声を上げてもその意思を的確に大人や行政が捉えられるのかが課題となり、まさしく大人側の子供の目線に立ったアドボカシー意識とアドボケイト施策が問われるところです。 また、子供の声として、学校や地域で自由に休憩したり安心して落ち着いたりすることができる場所を望む声が多くあったともありました。市長部局や教育委員会が連携して、このような様々な声に対して応える体制整備の取組を要望し、別の機会にも取り上げさせていただきます。 次に、社会的養護施策についてですが、課題として、現行制度の対象から外れてしまう若者を孤立させない取組が必要です。まだまだ自立がままならない若者をこれまでの制度上どうしても自立させなければならず、孤立につながる問題があり、このような若者をこれまでは篤志家が支えてきたのが実態です。奈良市は児童相談所を通してこの問題をより深刻に捉えていると認識していますので、社会的養護自立支援施策の充実を要望いたします。この行政課題についてもこれからも取り上げさせていただきます。ありがとうございました。 次に、社会教育の取組について、教育長に伺います。 昨年は公民館の廃止・再編計画問題が明らかとなったことから、市民運動に発展するほどの問題となり、仲川元庸市長は9月定例会閉会後の記者会見の場で撤回発言をされました。しかし、奈良市の教育政策としての社会教育に関する今後の取組の議論についてはこれからでもあります。 2月7日に第2回奈良市公民館運営審議会が開催されたと聞き及んでいます。また、その審議会において、教育長から今後の社会教育に関する発言もあったと聞き及んでいます。どのような発言であったのか、また、来年度の社会教育の取組について、教育長はどのようなお考えを持っておられるのかお聞かせください。
○議長(北良晃君) 教育長。
◎教育長(北谷雅人君) 宮池議員の御質問に自席よりお答えをさせていただきます。 私の第2回公民館運営審議会での発言についてでございますが、まずは、今年度の第1回公民館運営審議会において御意見を伺うために示しました公民館機能を地域ふれあい会館へ集約する案が、令和5年12月議会において撤回されたことを委員の皆様に御報告を申し上げました。また、委員の皆様はもとより、多くの公民館利用者の皆様、そして地域の皆様に不安や御心配を与えることになってしまったことを反省している旨、お伝えをいたしました。 今回の件で、公民館が市民の皆様の社会教育や生涯学習の大切な活動の場であり、大事な部分を担っていることを改めて認識いたしたところでございます。今後は、政策方針を検討するに当たっては、専門職や専門家の方々などから広く御意見をいただき、丁寧な進め方をすることが大切であることも再認識したところでございます。 次に、令和6年度の社会教育の取組についてでございますが、本市の社会教育行政の方針を示す計画である現行の奈良市社会教育推進計画が令和3年度から令和7年度を計画期間としており、新たな計画の策定に向けて取組を始めることとなります。教育委員会事務局が地域の課題やニーズの把握に努めるとともに、事務局から市民の皆様に積極的に情報を発信し、そして議論を重ね、利用者である市民の皆様だけではなく、奈良市生涯学習財団などの社会教育の担い手の方々とも協議ができるような環境づくりを行ってまいりたいと考えております。 これらのことで、様々な機会、様々な場所で、誰もが学び、その学びを生活や地域での活動に生かし、未来への展望を開くことができる社会教育の充実と生涯学習社会の実現を今後もしっかり目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) 教育長、ありがとうございました。 今、教育長にこれまでの総括的なお話、また令和6年度のこれからの方針についてお聞かせいただきました。ようやくこれから本論に入れるというような気持ちを今持っております。しかし私は、市長が公民館の廃止・再編計画の撤回を表明したことから、何かそれで終わったような雰囲気が広がることに実は危機感を持っています。 この問題の本質は、教育施策としての公民館事業をカルチャースクールと同じレベルで見た市執行部の理解のレベルが問題であり、ふれあい会館への公民館職員の派遣で事業が維持できるとの認識で、公民館を単なる箱物と見る意識が浸透していたことが問題でもあります。社会教育の領域はあまりにも広いことから、学校教育しか見ることがなかった行政職員さんはなかなか理解できないことも私はよく理解しています。来年度は新たな奈良市社会教育推進計画の策定に向けての取組を始められるとのことでしたので、私も別の機会にこの施策について、質疑を通じて取り上げさせていただきたいと考えています。 さきに取り上げた子供のアドボカシーや社会的養護施策と社会教育には、ユニバーサル支援の観点で実は親和性があります。社会教育分野が機能的に発展したならば、地域の社会福祉とともに社会教育はソーシャル・キャピタルの醸成の礎になると考えますので、しっかりと市の教育政策に位置づけていただきたいと要望いたします。教育長、ありがとうございました。 次に、奈良市総合福祉センターに関することについて、福祉部長に伺います。 2月29日、私も同席いたしましたが、奈良市心身障害者・児福祉協会連合会さんによる8,245筆の総合福祉センター本館廃止の反対署名を市長に提出されましたところ、廃止を撤回するとの発言が市長からありましたので、会派の代表質問でも確認させていただきました。行財政改革及び公共施設等検討特別委員会での執行部答弁で、本館廃止について一つの提案をしたや、丁寧な説明でなかった、一方的になくすという考えではなかったなど、言った、言っていないと、市民相手に市の執行部の発言とは到底思えない様相を表していました。 しかし、今般総合福祉センターの指定管理期間を1年とする議案を提案した事実は、予算編成事務過程や指定管理者選定事務過程を勘案すると、来年度末で本館廃止は既定路線であったと状況証拠として推察され、幾ら廃止撤回を明言しても、令和7年度以降の取組の見通しの担保はありません。市障連さんは、昨年10月に突然の廃止通告があったような轍を踏まないかと、一方では心配もされています。 そこで、総合福祉センターに係る機能充実の協議やその取組を数年単位で継続的にできると約束できるのか福祉部長にお尋ねいたします。
○議長(北良晃君) 福祉部長。
◎福祉部長(嵯峨伊佐子君) 宮池議員の御質問にお答えします。 総合福祉センターの機能につきましては、当事者団体の皆様、市社会福祉協議会等と検討しながら、地域福祉推進会議等において御協議いただき、将来的な方向性を導き出したいと考えております。その導き出した方向性を踏まえ、今後の事業が実施できるよう令和7年度以降の指定管理の期間を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) この市の一方的な総合福祉センター本館廃止通告が原因で問題化した中で、実は重層的体制整備事業が足踏み状態になっています。それは、総合福祉センター本館を廃止し、その機能を老人福祉センターに機能移転する案を示したことから、この2つのセンターが一体的な問題として発展したことです。 老人福祉センターを障害者、子供や若者をはじめ全ての人が利用できる施設に規定変更することで、重層的体制整備事業の拠点づくりにもなり、不登校やひきこもりであった子供たち、また若者の居場所づくりにもなる可能性があります。 そこで、重層的体制整備事業における福祉センターの在り方について、福祉部長の認識をお聞かせください。
○議長(北良晃君) 福祉部長。
◎福祉部長(嵯峨伊佐子君) お答えいたします。 今後の老人福祉センターにつきましては、地域において福祉の総合的な相談窓口や様々な課題を抱えておられる方の居場所、地域での福祉活動者の拠点となる機能を加え、重層的支援体制整備事業を進めてまいりたいと考えており、市社会福祉協議会等の関係団体の皆様と協議を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) 主張と要望をさせていただきます。 総合福祉センターの指定管理期間は1年であることから、市障連さんは請願第6号の継続審査を求めておられ、請願の願意である奈良市総合福祉センター在り方検討会での議論がきちんと進み、センター機能の充実と障害福祉施策の充実の取組が担保されることを望んでおられますので、私も今後もしっかりと議論をさせていただきます。また、この総合福祉センター本館廃止問題から、福祉センターの重層的体制整備事業の展開が止まっている問題も市長は強く認識していただきたい。 この福祉センターの重層的体制整備事業が進むかどうかは、奈良市総合福祉センター在り方検討会での議論の進捗にかかっていることを認識していただいて、来年度の適切な時期に福祉センター機能の在り方を提案できる状態をつくっていただくよう要望いたします。 それでは最後に、新クリーンセンターに関することについて、環境部長にお尋ねいたします。 現在審査している七条東自治会の請願について、請願の願意の一つに、行政機関らしくきちんとした行政内部の政策立案過程の手続と、公害調停に基づく新クリーンセンター建設計画策定委員会の民主的手続を踏まれることを求めておられ、その公害調停及び策定委員会による手続上、到底七条地区が候補地とならないのではないかと訴えておられます。 これまで執行部は、策定委員長が是認したとあやふやな答弁をする一方で、内藤議員の代表質問において、その是認の認識に策定委員長との認識のずれが明らかになり、一体何が真実で誰が真実を語っているのかが大きな争点ともなります。 また、奈良新聞の報道によると、策定委員会は主体的に場所を決めることを放棄したとの市長の発言が報道されていましたが、是認発言から180度転換した内容の発言です。この新クリーンセンター建設計画策定委員会は奈良市
附属機関設置条例に基づく市の附属機関であり、その附属機関が仕事を放棄することは行政組織が崩壊しているのではないですか。 さらに、請願第8号、環境清美工場の移転に関する請願が提出されました。その内容を熟読したところ、奈良県公害調停審査会で20回の審議を経て、申請人と市の間で公害調停が合意され、その後、議会の全会一致の議決を経たとの経緯が改めて書かれています。 この請願の文書は何を意味するのか。それは、調停成立の行政手続や民主的手続を再度確認されています。議会の議決を経ることで、初めて各条項を包含する公害調停の法的効力が発するということです。公害調停が議会の議決を経て成立した以降は、執行機関は公害調停に基づく義務を果たさなければ信義則に反することになり、また、議会の議決を経て初めて公害調停が成立し、その効力が発生していますので、この市長の発言に対する申請人やその代理人、策定委員長、執行部による正式な報告をまずは議会に示さなければなりません。基本構想もどきの説明会をするよりも先です。幾ら市長が七条地区を争点に世論に訴えかけようとも、策定委員会の議事による正式決定という行政手続を経ていないことから、今般提案されている関係予算案については、財務会計上の観点とは別に、予算の正当性、すなわち公害調停に準拠する観点での規範性や規律性に係る疑義が発生します。 加えて、公害調停第1条が最も重要であるとの解釈の付け加えのようなこれまでの市長答弁について、市長の勝手な解釈の付け加えに対し、申請人と議会の同意を経たのかという問題が起こり、そもそも市長1人が独断で、公害調停条項に対し、解釈の付け加えや変更が認められているのかどうかという疑義があることから、今般の予算提案の正当性についてもやはり疑義が拭えません。このことから、強行的に予算案を提案したことは、行政庁として公害調停を有名無実のように扱っているとの実態が浮き彫りになります。 以上の問題の認識から、仲川元庸市長1人に公害調停条項の解釈の付け加えや変更がそもそも認められているのか、また、申請人または策定委員会の公式見解を環境部長から答弁を求めます。
○議長(北良晃君) 環境部長。
◎環境部長(山口浩史君) 宮池議員の御質問にお答えいたします。 公害調停条項につきましては、公害調停申請人3,524名と奈良市が締結した契約であり、各条項の解釈に関しましては、当該当事者間での共通の認識を持つ必要があると考えております。 昨年8月18日開催の第64回策定委員会の中でも、公害調停申請人で組織する公害調停申請人の会から、調停条項で合意された期限が大幅に遅延している責任を十分に自覚し、独自に用地の確定に尽力すべきである。よって、七条地区の問題については、策定委員会の協議事項とせず、策定委員会へは報告事項と位置づけるのが適切であるとの旨の申出がございました。 また、公害調停申請人を代表する委員からの、公害調停第1条の現地建て替えをしないという趣旨について、行政は公害調停申請人の会との契約責任の下、最優先で守らなければならないといった意見などを踏まえ、委員長からは総括として、市が地元の意見を真摯に受け止め、不退転の覚悟でやっていくのであれば、策定委員会としては見守っていくという結論をいただきましたので、市が独断で公害調停条項に対し解釈の付け加えや変更を行ったものではないと認識しております。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) 公式見解を伺いましたけれども、市の認識を聞いているのではありません。 請願第7号と第8号が示す公害調停に基づく行政手続や民主的手続の観点から、今般の予算案の規範性や規律性及びその正当性について、申請人または策定委員会の公式見解の説明を環境部長に求めます。
○議長(北良晃君) 環境部長。
◎環境部長(山口浩史君) お答えいたします。 本定例会に提案させていただいております新クリーンセンターに係る予算につきましては、公害調停申請人やクリーンセンター建設計画策定委員会などからは特段の意見などはいただいておりませんが、さきの策定委員会で七条地区を候補地として新クリーンセンター建設することについて、策定委員会からは、市が不退転の覚悟で進めるのであれば見守っていく、また、公害調停の一方の当事者である公害調停申請人の会からも同様の御意見をいただいたこともあり、市としまして一刻も早く事業を進めていくためには必要な予算であると判断いたしまして、
地方公共団体の長である市長の権限で提出させていただいているものでございます。
○議長(北良晃君) 宮池君。
◆14番(宮池明君) それは決定できないですよね。自己矛盾を起こしますからね、公害調停からいうと。 では、主張、要望とさせていただきます。 まず、奈良市の最大の行政課題であった新斎苑と新クリーンセンター問題の大きな違いは、議会の議決を得ることで初めて法的効力を発する公害調停があることです。主権者たる住民と
地方公共団体との契約を尊重する立場から、市長並びに執行部は公害調停条項に対して信義則に即した対応をし、この公害調停条項に基づく策定委員会の議事による正式決定を議会に報告する、または決定されない事由の説明を果たすことが第一です。 これまでの部長答弁でも、市長答弁をなぞるだけで一向に公式見解の説明がない状況に、移転・建て替え予算関係の具体的議論のスタートラインにも立てません。その説明責任を果たさないで、候補地は七条地区であるとか、新クリーンセンター施設の仕様や利便性、環境配慮を説明することは争点のすり替え、論点隠しであると厳しく指摘し、市長の行政姿勢は公害調停を実質的に有名無実という状態にしています。 このことから、道端議員による代表質問でもあった現地建て替え論を主張することもよく理解できます。この主張の発端は、実は奈良市長仲川元庸氏の御自身の政治姿勢であることを理解してください。 また、内藤議員の代表質問の発言でもありました策定委員長の発言と、市長と執行部の認識にそごが生じている問題があります。この問題を解消するために、市長と執行部、策定委員長、申請人または代理人から直接議会に説明する機会を持っていただくよう強く要望いたします。 現在、請願第7号と、今後は請願第8号の審査が進められる以上、議会は七条地区を前提とする予算案を認めることや、市長の争点外しに乗り同じ土俵で議論することは、実質的に議会が是認していることと同義になりかねません。今私が問題にしている新クリーンセンター問題の一番の根幹部分の説明責任を速やかに果たされることを強く主張し、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(北良晃君) 24番横井君。 (24番 横井雄一君 登壇)
◆24番(横井雄一君) 皆さん、こんにちは。自民党・無所属の会の横井雄一でございます。 本年元日に起こりました能登半島地震を知り、私はいっとき13年前の東日本大震災を知ったときと同様、絶望感とか焦燥感とか無力感から本当に暗たんたる気持ちになりました。そのような中で、奈良市が発災から数時間後に奈良県の消防救助隊に加わる形で消防署員25人が現地に向かったことを知りました。随分と勇気づけられました。数日後、県外の友人から、奈良市は動きが早かったなと称賛の声をいただき、誇らしく思うこともできました。 以後も、飲料水をはじめ救援物資の輸送、被災地の職員さんの業務支援、災害ごみの収集運搬といった被災地での活動、また、市内ではお正月から街頭募金活動等、途切れることのない支援活動に対し、現地へ入られた職員の皆さんや、この奈良市において指揮、段取りに力を発揮された市長、そして、危機管理監はじめ職員の皆さんに敬意と感謝を表したいと存じます。本当にありがとうございます。 それでは、本日も市民の方々から寄せていただいたお声を中心に、市長並びに関係理事者に質問してまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。 まず、ライドシェア導入に関して、市長に伺います。 いよいよ来月から自家用車を使って有料で乗客を運ぶライドシェアが限定的に解禁されます。タクシーが不足すると言われる都市部、観光地等の地域や、また運行する時間帯を限定する形で導入されるようです。 世界では二十数か国でライドシェアが認められていますが、今回日本で導入されるのは実施主体をタクシー会社が行うやり方で、誰でも自由に参入できる形ではない、いわゆる日本版ライドシェアです。タクシードライバーに必要な2種免許は必要なく、普通運転免許で取得から1年以上たっていれば乗務できるのが主な特徴です。 奈良市は、ライドシェア実施を希望する自治体でつくる活力ある地域を創る首長の会の一員に加わっており、昨秋、本市を含む有志の103自治体が実施について、国土交通省へ緊急要望書を提出されたと聞いています。 そこで、次の4点について、市長の見解を賜りたいと存じます。 1点目として、タクシーが不足しているという状況を不足時間帯や曜日など具体的にどのように捉えているのか、見解をお聞かせいただきたいと存じます。 2点目として、奈良市はライドシェア導入を後押しするとしたら、そのターゲットは都市部型、観光地型、過疎地型のどれを目指そうとしているのか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。 3点目として、奈良市ではいつ頃どんなタイミングで始まればよいと考えているのか、見解をお聞かせいただきたいと存じます。 4点目として、過疎地等の交通空白地には自家用有償旅客運送事業が認められていますが、ライドシェアとのすみ分けはどのように考えているのか、見解をお聞かせいただきたいと存じます。 次に、自治会消防ホース設備の購入補助について、危機管理監に伺います。 様々な火災が全国で発生しておりますが、能登半島地震による火災、とりわけ輪島市の商店街、朝市通りを消失させた大規模火災は記憶に新しいところです。 奈良市内には火災で商店や住まいを失ってはいけないとの思いから、商店街を有する下御門町自治会さんでは、独自の消火栓を2栓と消防ホース百数十メートル分を保有されて、万一の初期消火に備えられています。その設備を使って年1回か2回、自治会で消火訓練を実施されておられます。ならまち近辺や近鉄奈良駅周辺の商店街は住居や店舗が密集しており、近辺に元興寺等世界文化遺産もあり、このような防火意識向上の取組はとても尊いことであると考えます。 一方で、設備の維持にはコストがかかります。特に消防用ホースは実際に使用しなくても経年劣化してしまうことから、時々取り替える必要がありますが、自治会が購入するには高価な品物です。現在、市が実施している防犯カメラ購入補助制度のような補助制度が必要であると考えています。 そこで、次の2点について、危機管理監の見解を賜りたいと存じます。 1点目として、自治会単位で消火設備を持たれ、防火・防災の取組をされている現状について把握しているのかお答えください。 2点目として、取替えが必要な消防ホースの購入について、市で費用の一部を補助する制度を検討いただきたいと考えますが、見解をお聞かせください。 以上で1問を終わります。
○議長(北良晃君) 市長。 (市長 仲川元庸君 登壇)
◎市長(仲川元庸君) ただいまの横井議員の御質問にお答え申し上げます。 ライドシェアについて複数御質問を頂戴いたしました。 まず、タクシーが不足している状況についてどのように考えているかということでございますが、特にタクシーを利用される方が集中をする朝の通勤・通院時間帯、また深夜の時間帯、雨天時などにおいてタクシーが不足していると感じます。また、本市は時期によりまして観光需要の変動幅が大きいため、特に観光需要の大きい時期の土日祝日は不足をしている状況にあると考えております。 しかしながら、時間帯や地域、時期ごとの詳細な実態を示すデータはないため、タクシーが不足している状況を正確に把握ができていないというところも現状の課題であると認識をいたしております。 次に、ライドシェアの導入を後押しする場合にはどういった方向性であるのかという御質問でございます。 現在、日本版ライドシェア導入に向けた検討が国や各地の自治体等で進められており、議員お述べのとおり、都市部型、観光地型、過疎地型の実施に向けて様々な検討が進められておりますが、本市は中心市街地以外にも郊外ニュータウンや山間地域も存在し、季節変動の多い観光需要などそれらのいずれにも合致する要素はあるものの、特定の型に限定されない実態があるものと認識をいたしております。 ライドシェアの検討に当たりましては、本市のタクシーの需要、供給の実態を把握し、検証していく中で、既存の交通事業者の供給だけでは補い切れない部分が明確になった場合には、既存の交通事業者ともよく協議をした上で、既存の交通手段とうまくすみ分け、共存していける手法をエビデンスに基づき検討し、方向性を決定していく必要があると考えております。 次に、奈良市としてはいつ頃どんなタイミングで始まればよいと考えているのかという御質問でございます。 現在、国におきましては4月以降の日本版ライドシェア実施に向け、パブリックコメントが実施をされているなど検討が急ピッチで進められておりますが、来年度以降の法整備も視野に入れた検討も並行して鋭意進められております。 まずは本市におけるタクシー不足の実態把握に努めるとともに、国の動向にも注視し、エビデンスに基づき既存の交通事業者ともウィン・ウィンの関係で導入ができるような仕組みづくりを行った上で、既存事業者の理解、協力を得て導入をしていく必要があると考えております。 次に、自家用有償旅客運送事業とライドシェアをどうすみ分けていくのかということでございますが、自家用有償旅客運送事業につきましても、実施主体の範囲や対価の目安を見直されるなど、国においてもこれまで以上に活用しやすい制度になるよう見直しが進められております。また、ライドシェアにつきましても、これらの制度の見直しの状況も踏まえて、制度の在り方について、まさに現在検討が進められている状況であり、これらの検討を踏まえて、今後の自家用有償旅客運送事業とライドシェアのすみ分けがより一層明確になっていくものと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 危機管理監。 (危機管理監 下畑 宏君 登壇)
◎危機管理監(下畑宏君) 自治会消防ホース設備に関します質問を2点いただきました。 まず1点目、自治会単位で設置されている消火設備の状況把握についてでございますが、自治会や地区自主防災・防犯組織が独自に設置されている消火設備について、市としては把握しておりませんが、各防災地区における共助の取組として、それぞれの地区にどのような設備があり、どう使うかなどを住民の皆さんで共有していただくことは非常に重要なことと考えております。今後、各地区の自主防災・防犯組織に消火設備の実態把握を促してまいります。 2点目、更新が必要な消防ホース購入のための補助制度の検討についてでございますが、まずは現在地域に設置されている消火設備に附属する消防ホースなどの交換費用などに関しましては、自主防災・防犯組織活動交付金や地域づくり一括交付金を活用いただくことを地域において協議していただきたいと考えており、地区自主防災・防犯組織の会長会などで交付金活用の一つとして周知してまいります。 また、地域において防火・防災に熱心に取り組まれていることは、発災時の速やかな自助、共助の展開という点からも非常に有意義であり、全市的なニーズを確認した上で、新たな補助制度について検討していきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 24番横井君。
◆24番(横井雄一君) それでは、2問目は主張、要望をさせていただきます。 それぞれ丁寧な御答弁をいただきましてありがとうございます。 ライドシェア導入につきまして、今回この質問をさせていただきましたのは、市長が少し前のめり気味に取り組まれているように感じましたので、落ち着いて取り組んでいきたいなという思いがあったからなんです。 確かに全国で熱心に取り組まれている方というのは、タクシーが不足しているからという理由で先駆けて実施されようとしている地域もあるようですけれども、私はいっときの埋め合わせのためにライドシェアを導入して、大切な輸送手段を失うことがないようにしていただきたいと考えています。 確かに、今直ちに移動したい方の移動手段を確保するということも大切だと思いますが、将来ライドシェアを導入して、ライドシェアが去っても、失ったタクシー供給というのは戻ってきません。そこをちょっと押さえていただきたいと思います。 それで、今後ライドシェア導入を後押しされるとしたら、ぜひ押さえていただきたいポイントを3点申し上げておきます。 1点目として、タクシーが不足している、すなわち供給量が不足しているという事実をつかんでいただくことです。2つ目として、その不足を補う方法にはどのような方法があるのかよく確かめていただくことです。3つ目として、それらの方法の中でどうしてもライドシェアが合理的であると言えるようにすることです。この3点を押さえていただきたいと意見しておきます。よろしくお願いいたします。 そして、危機管理監からは自治会消防ホースの購入補助についてということで御答弁いただきました。 今回、令和6年度予算として提案されている1番目の柱が災害に強いまちということとされています。充実した多くの項目に大きな予算を計上されていまして、高く評価したいと存じます。一方で、一自治会の取組にも光を当てていただきたいと考えます。 奈良市内にはアーケードがある商店街が幾つかありますが、その独特の空間から火災時は大型消防車やはしご車、こういった車両が活動しにくいということも考えられます。将来その地域の共助に頼ることもあると思いますので、尊い取組に対しては市として手を差し伸べていただきたいと要望しておきます。それがさらに災害に強いまちにつながると考えます。よろしくお願いいたします。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(北良晃君) 32番井上君。 (32番 井上昌弘君 登壇)
◆32番(井上昌弘君) 日本共産党奈良市会議員団の井上でございます。 奈良市公共施設等総合管理計画について、総務部長にお聞きいたします。最後には市長にもお伺いいたします。 初めに、この間奈良市では、社会教育施設の中核施設である公民館の大幅削減計画、そして障害者福祉の拠点施設である総合福祉センターの本館閉鎖問題が起こりましたが、いずれも利用者や議会の理解は全く得られず、市長は撤回をされました。また、既に右京小学校、神功小学校の統廃合が行われ、今は鼓阪小学校の統廃合、また佐保幼稚園の廃園など公共施設の統廃合をめぐって行政と市民とのあつれきが一層深まっている状況です。一方で、奈良市の公共施設の在り方を検討するため、議会に特別委員会も設置され、白熱した議論が続いております。 公共施設について、既に奈良市は2015年に奈良市公共施設等総合管理計画を策定しています。この計画書の挨拶文の中で市長は、高度経済成長期に集中的に整備した公共施設の多くが建設後30年以上経過し、老朽化を放置すれば更新や改修工事が集中し、厳しい財政状況の中で大きな財政負担が生じ、
行政サービスに影響を及ぼすとの基本認識を示しておられます。 また、計画の目的として、長期的な視野で更新、統廃合、そして長寿命化を行うことで、財政負担の軽減と平準化を図ること、公共施設の最適な配置を図ることなどを掲げ、具体的には40年かけて施設の床面積の3割を縮減するとの目標を掲げております。 さらに、この奈良市公共施設等総合管理計画を踏まえて策定された昨年1月の新たな行財政改革計画では、令和7年度までの公共施設適正化の取組項目として幼保施設、福祉施設、連絡所、人権文化センター、公営住宅、その他公共施設を挙げております。 基本的な流れとして、この2つの計画に沿って公共施設の在り方が検討されているものと認識しておりますが、公共施設をめぐっては人口減少、老朽化、そして財政難など幾つもの困難への対応がどこの自治体でも直面している喫緊の課題だと思います。 しかし、この計画におきましては、その基礎となる将来人口の推計において、2040年には今より8万人減り28万人、とりわけ14歳までの人口は半分近くに減少し2.4万人と推計するなど極端な推計と思われること、第2に、延べ床面積についても40年間で30%もの大幅縮減となっており、公共施設等総合管理計画と言いながら事実上施設削減計画となっていること、第3に、道路橋梁、上下水道などインフラ系公共施設は長寿命化が基本となっているのに、建築物系の公共施設では長寿命化の考えが全面に打ち出されていないことなどが問題だと考えます。 計画策定後10年が経過しようとしておりますが、これまで見直す動きが見られません。削減ありきの計画と政治姿勢がかえって市民との合意形成を困難にしているのではないか、市民の共有財産として公共施設を捉え直し、長寿命化に軸足を移すべきであると考えます。 そこで、総務部長にお聞きをいたします。 この計画において、今後本計画に基づき公共施設マネジメント計画や個別施設計画を進める予定と書いてありますが、この計画策定の進捗状況についてお聞きをいたします。 以上で私の第1問といたします。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) ただいまの井上議員の御質問にお答えいたします。 公共施設等総合管理計画の進捗状況でございますが、まず、公共施設マネジメント計画は、公共施設等総合管理計画策定後のステップとして、建築物系施設の個々の在り方につきまして各事業の評価や建物の老朽度、生涯経費、利用頻度など様々な情報を基に施設評価し、施設の総量の最適化を具体化する計画でございます。 総合管理計画の策定後、マネジメント計画の策定を検討する中で、それぞれの施設の特徴に合わせた精査が必要でありますことから、マネジメント計画の策定の代わりに一部の長寿命化計画の策定を行った状況でございます。 次に、個別施設計画は施設ごとの修繕や更新、長寿命化改修など計画的に行うための検討、対応方針として策定するものでございます。幼保再編計画、学校施設長寿命化計画など一部で策定済みでございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) マネジメント計画の策定の代わりに長寿命化計画ということなので、マネジメント計画は策定できていないということです。それから、個別施設計画についても一部を除いてできていないということであるというふうに思います。 さらにお伺いをいたしますが、奈良市公共施設等総合管理計画の策定委員会を立ち上げ、計画を推進すると、また、記載されている当委員会の構成や計画のローリング、さらには10年間の期ごとの見直しの状況などについてどうなっているのかお答えください。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 公共施設等総合管理計画策定委員会は、当該計画の策定に当たって設置され、副市長を筆頭に各部長で構成された組織でございます。 計画策定後の措置は、この策定委員会設置要領に基づきまして、公共施設等の統廃合、更新、長寿命化等に関する審査、調査及び検討を行う機関として資産経営推進会議をファシリティマネジメントの推進体制として平成28年3月に設置いたしました。この会議は副市長を議長といたしまして、公共施設の再配置などに関することを所掌することといたしました。ここで決定した事項につきまして、最終的に市長が意思決定を行うということにしております。 公共施設等総合管理計画は、策定及び見直しに関して国から指針が示されておりまして、この計画に記載すべき事項等が示されており、当該指針を踏まえた総合管理計画の改定案は作成を進めているところでございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 今、資産経営推進会議が平成28年に設置されたという答弁がありましたけれども、この会議はその後どの程度開催をされているのか、直近の状況などについてもお答えいただきたいと思います。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) おおむね年1回程度開催しておりますが、直近ではここ1年は開催できていないという状況でございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 直近では開催できていないという御答弁でした。 それで、建築物系の施設について現状把握、それから公表、そして施設の総合評価をした上で実行するというふうな実行方針が示されておりますけれども、こうした計画のローリングですね、評価についてはその進捗はどうでしょうか。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 施設の評価に関しましては、1次、2次、3次の評価を経てそれを公表、そして実行するという流れとなっております。現時点では2次評価--機能が類似しており利用圏域が重複している場合の集約化や複合化を図り、統廃合を検討する、この段階であると考えております。これは防災上の位置づけや社会情勢に大きく影響することも鑑み、慎重に検討しているという状況でございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 評価についても2次までしかできていないと。3次評価までは至っていないということかなというふうに思います。評価についてもまだその途上にあるということだと思います。 それで、計画策定から今日まで約10年がかかりましたけれども、40年で30%建築物系公共施設の床面積の削減という目標を掲げてあるわけですけれども、この10年目に入ろうとしている現在のこの床面積の削減という点での進捗はどうでしょうか。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 御質問の公共施設の床面積でございますが、ほぼ横ばいという状況でございます。計画を策定いたしました平成27年度以降も小・中学校規模の適正化や幼保施設の再編を進めており、その結果、小・中学校の数は一条高等学校附属中学校を除きますと、計画前と現在を比べますと69校から63校、幼保施設は56園から31園というふうになっております。 この計画では、施設廃止に伴う跡地は原則売却することとしておりますが、廃止後も建物が残っている施設があるというのが現状でございます。このような場合でも、民間事業者に貸付けを行うなどにより歳入の増加に寄与するよう努めているという状況でございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 10年経っても横ばいということですので、削減はできていないと。我々は削減を推進する立場ではありませんけれども、目標には程遠いということでありますし、学校・園についても28の施設が用途廃止になったものの、多くは売却できていないということで、そのままの状態が続いているということではないかなというふうに思います。 いずれにいたしましても、この計画のローリング、あるいはそれを推進する体制などについては、あるいは評価ということについてはほとんど進んでいないのではないかなというふうに今の御答弁でも私は感じるところであります。 それで、この計画の基礎となっている奈良市の人口減少傾向の評価について、引き続きお伺いをいたします。 それで、国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる国立社人研のデータをこの計画は採用しているというふうに思いますけれども、2014年を基準年として将来見通しがグラフで掲載をされておりますが、10年を経過して当時の見通しと現実の姿はどう推移をしているのかお聞きをいたします。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 本市の令和2年、2020年10月1日現在の人口と奈良市公共施設等総合管理計画におきます2020年の推計人口を比較いたしますと、それぞれ実際が35万5011人、そして推計では35万人と、実数が5,011人上回っているという状況でございます。 続いて、年齢の内訳ごとに申し上げますと、年少人口につきましては、それぞれ実数が4万508人、推計が3万7800人となり、実数が2,708人上回っております。同様に生産年齢人口について申し上げますと、実数が20万3805人に対し、推計値は20万3400人であり、実数が405人上回っているというふうになっております。また、老年人口についても比較いたしますと、実数が11万698人に対し、推計値が10万9000人であり、こちらも実数が1,698人上回っているということになっております。 人口推計は奈良市第4次総合計画の後期基本計画策定時のものでございますが、データにつきまして一部当時の最新のものに更新したものを除き、先ほど議員がおっしゃいました社人研が推計に用いる手法及びデータに基づき作成したものでございまして、過大に見積もったものという事実はございません。 年少人口につきまして、実際の人口が推計値よりも7.2%多くなりましたのは、本市がこれまで取り組んでまいりました子育て施策の効果が現れた影響もあると考えております。 なお、昨年12月に社人研が公表した日本の地域別将来推計人口において、本市の2050年の推計人口は27万1142人となっており、今後、8万人弱の人口が減少するという推計になっております。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) いずれの年代も社人研の計画の推計人口よりも実数が上回っているということで推移をしております。 それで、特に就学前施設や義務教育の施設である14歳までの子供の数について、2015年を基準として25年後には47%減少するというのがこの計画でありますけれども、この子供の人口予測は直近の実績との関係ではどうなっているのかお答えください。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 本計画策定時の人口推計におきまして、2040年の本市の年少人口は、先ほど議員がおっしゃいました2015年比で47%減の2万3600人としていたところでございます。一方、令和5年12月に発表された最新の社人研の推計によりますと、2040年の年少人口は2万7800人としており、推計の約18%の上方修正が生じているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 社人研の推計でも2040年の推計については18%の上方修正をしているということでございます。 そこで今日、私、資料を配付させていただきましたので、皆さんお手元にあると思います。 その裏面に表が2つあるんですけれども、上のほうを見ていただきたいんですけれども、これは奈良市の総合戦略における人口ビジョン、それから、この公共施設等総合管理計画における人口推計、この2つはほぼ同時期に出されておりますので、この人口ビジョンと、それから管理計画の2つあるんですけれども、いずれの全体の人口を見ましても奈良市の人口ビジョンのほうが2040年には30万7000人、そしてこの総合管理計画では27万9000人ということで、約3万人近い将来推計の差で人口ビジョンのほうが多いと。 それから、その下はゼロ歳から14歳の推計で、奈良市の人口ビジョンでは2040年で3万9000人、そして公共施設のこの計画では2万4000人ということで、これはこのビジョンそのものは単に書き写しただけですけれども、同じ人口推計でもこれだけ違いがある。とりわけ総合戦略の人口ビジョンでは年少人口では今より90.7%、1割ぐらいしか減らない。表を見ましてもV字回復とは言いませんけれども、緩やかな回復傾向が見られるような推計をされておりますが、この公共施設の計画では4.3万人から2.4万人ということで、半分近く減るというふうな推計の違いがあるというふうに思います。 それで、この人口ビジョンについてはどうなっているのかお答えください。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答えいたします。 本市の総合戦略の人口ビジョンでは、作成当時最新でありました平成30年--2018年でございます--の社人研の人口推計を基礎としておりまして、その上で本市の合計特殊出生率及び25歳から39歳までの層の社会増減につきまして、幾つかのシナリオを設けて将来を展望しております。 人口ビジョンにおいてグラフでお示ししている将来展望シナリオは、合計特殊出生率が2020年の1.20から2050年までに2.07に回復し、かつ25歳から39歳までの層の人口増減が2020年のマイナス0.5%から2040年までにゼロになるという本市にとって最も減少傾向が改善した想定の下、見込まれる人口でございます。 一方で、現状の実態として25歳から39歳までの層の人口増減が、2024年1月1日時点で前年同月と比較して約マイナス1.4%となっておりまして、また、合計特殊出生率は2020年の実績が1.20と2020年と同じ値でございまして、2.07に向かって上昇しているという状況にはないと認識しております。 人口ビジョンで使用している社人研推計は、より新しいデータに基づいて作成しているものの、人口ビジョンの人口展望は最大限人口減少に歯止めをかけるシナリオでございまして、必ずしも実態に近いと断言することは難しいと考えております。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 今の御答弁で、人口ビジョンの展望は最大限奈良市の人口減に歯止めをかけるシナリオであるという答弁が、私は非常に大事だなというふうに思いました。 それで、申し上げましたように、奈良市の人口予測は大きくこの2つがあるわけですけれども、社人研というのは国立、国が全国の自治体をこれだけ、調査時点の過去5年間の傾向がそのまま続くというふうに仮定して、それぞれ人口がどうなるかということを予測したものだというふうに私は思っております。一方、この人口ビジョンのほうはそれを踏まえた上で、奈良市が様々な施策を打った上で人口減少に歯止めをかけるという戦術を持った奈良市独自の人口の推計、計画であります。 私はやはりこの奈良市の人口ビジョンの予測のほうを使った上でやったほうが、この計画の整合性が図られますし、とりわけこの奈良市の人口ビジョンでは一旦は年少人口でも下がるものの、2040年には再び増加に転じるという、こういう推計をしているわけですから、大幅な削減というのは不要だという、そういう結論にもなるのではないかというふうに思いますので、この人口予測の使い方についても、社人研ではなく人口ビジョンを使うべきであるということを申し上げておきたいと思います。 続きまして、奈良市の財政予測に基づく建築物系施設の経費削減目標数値についてお尋ねをいたします。 この計画では、表の資料にもありますけれども、2011年から2013年の3年間の投資的経費における建築物系施設の平均実績値、これが34億円ということです。これは実績です。今後の計画期間40年、耐用年数70年の想定値として計画期間に見込まれる建て替えや大規模改修に必要な年平均73億円が--落札率を考慮した上で87億円が73億円に下がるわけですけれども--この73億円との差39億円になりますけれども、これだけ減らす、削減率は53%ですけれども、これを毎年削減するということを数値目標にしたグラフが載っております。 この計画では、その70年のうち計画期間である40年目の削減目標、30%削減が必要だというふうに載っておりますが、まだ延べ床面積についても同率の30%削減ということになっておりますが、これらの削減の目標とこの間策定されている行財政改革とが合わさって、学校・園の統廃合や公民館の削減計画、あるいは総合福祉センターの本館廃止などのこうした政策が、これとの関係で推進されているのではないかと考えますが、見解をお伺いいたします。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答え申し上げます。 公共施設等総合管理計画は、上位計画でございます総合計画に即し行財政改革大綱を踏まえて策定し、都市計画マスタープラン等の機能配置計画と整合性を図り、それぞれの施策、事業目的における公共施設等の役割や機能を踏まえた横断的な内容とすることとしております。 公共施設を含めて建築物のマネジメントやインフラ施設の長寿命化などの計画は、公共施設等総合管理計画に即したものとなっていると考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) それで、もう一度配付資料の表面のほうに移っていただきたいんですけれども、この計画では建て替え更新期間である70年間、毎年53%削減しなければ達成をしないという表になっております。 ところが、この本計画では前半の40年間は30%しか削減しないというのがこの計画です。70年間の平均で毎年53%削減するという算式と70年目に53%を削減すると、この2つは違うのではないかと、整合性がないのではないかというふうに思います。 最初の40年間は53%ではなくて30%の低めに設定すると、残りの30年間はその削減が後ろ倒しされて、私の試算では最後の後半の30年間は85%削減しないと、この70年平均53%という目標は達成できないのではないかと、85%の削減というのは、私は不可能だというふうに思います。 市はこの前半の30年間の削減率をどのように試算されているのかお聞きいたします。
○議長(北良晃君) 総務部長。
◎総務部長(吉村啓信君) お答え申し上げます。 この計画でございますが、70年後に床面積を計画策定時点の53%減とし、それに応じて70年後の更新表も同じ53%減となる計画と理解しております。 そのために、中間にある40年後には、中間地点の30%の床面積とそれに対応する費用を削減する必要があり、残りの30年で残りの23%を減らしていくという計算と考えております。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) この削減の費用については見解が違うということで、私の計算式も裏面で載せておりますので、ぜひ今後の見直しの際の考慮に入れていただきたいなというふうに思いますけれども、今の御答弁で重要なのは、最終目標の削減は床面積についても費用についても53%なんだというふうに答弁をされました。 ですから、この計画では計画期間40年で30%減らすということになっていますけれども、それがゴールではないということになります。ですから、70年で53%減らすのがこの公共施設の計画だということであります。 これはやっぱり30%でも大変なんですけれども、53%、70年ですけれども、計画時点から10年たっていますので、あと60年後ということになりますけれども、これはこの計画書の中に現状が書いてありますけれども、公共施設で一番多いのは学校施設、これで全体の41%を占めております。それから、その次に多いのが公営住宅、市営住宅、これが16%ということになって、70年後にはこの2つ、全ての学校、全ての市営住宅、これ足すと57%になるんですけれども、それに匹敵する床面積を削減しないとこの目標を達成しないということですので、これはあまりにも過大な目標であり、何よりも自治体が自治体でなくなるような大幅な削減計画であるというふうに思います。 次に、市長にお聞きしたいんですけれども、今日の質疑でもこの基本方針に基づく具体的な公共施設マネジメント計画はできていないこと、そして、個別計画も一部にとどまっていること、それから、計画の見直しやローリングも十分にはされていない、あるいは、推進会議もここ一、二年は行われていないということ、それから、更新改修費の削減数値についても、私の試算では最終的には85%のものを削減が必要な計画、施設についてはもう半分以上減らすという計画になっているということが、私は明らかになったというふうに思います。 今日の人口減少や少子高齢化の進展、あるいは財政の状況などを勘案すれば、公共施設の見直しは必要だとは思いますけれども、問題はその中身であり、進め方であるというふうに思います。 私はこの40年という奈良市が持っている計画の中でも最も長期な長いスパンの計画について、具体的な削減目標、何がどう変わるか分からない。例えば起債の条件だってこれから変わるかもしれない、社会状況がいろいろ変わるかもしれないという計画の中に、具体的な数値目標を掲げること自体に無理があるのではないかというふうに思います。 また、議会や市民に対して、施設の統廃合について、市長がどんなに説明を尽くされたとしても、この削減数値目標が入った計画がある限り、いろいろ言っても結局は経費削減のためではないかと言われると思うんです。 建築物系の公共施設については、削減ありきではなくて長寿命化に重点を置いた計画に抜本的に見直すべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞きいたします。
○議長(北良晃君) 市長。
◎市長(仲川元庸君) これから見直すべきではないかという御意見でございますが、それぞれの公共施設を長く大切に活用し、計画的な予防保全の実施による長寿命化を図るという視点は当然重要でございます。 一方、
市民サービスの提供という観点では、施設ありきということではなくて、施設の持つ機能を重視し、機能を可能な限り維持しながら施設数を減らし、施設サービスを維持する、いわゆる施設保有量の最適化を図ることが極めて重要かと考えております。 総量の最適化を図った上で、個別施設計画による施設の長寿命化を行うという流れの繰り返しで、
市民サービスを持続していきたいと考えております。
○議長(北良晃君) 井上君。
◆32番(井上昌弘君) 佐保幼稚園の保護者の方が--あとは主張にとどめます--この議会前に各会派を回ってこられて、私どものところにも回ってこられました。奈良市立佐保幼稚園閉園方針の撤回を求める要望書、1,427筆を添えて市長にも届けられたというふうに思います。 この中で、私は公共施設の在り方をめぐって非常に重要な点を保護者の方が指摘されているなというふうに読みました。ちょっと紹介しますと、佐保幼稚園を閉園することは、少子化を進行させ、地域の後退につながります。一旦子供の数が減少したとしても、奈良市の人口ビジョンでは子供の数は回復し増える目標を立てています。そのときのためにも、子供の受入先となる佐保幼稚園は残しておかなければなりませんと。これは奈良市の人口ビジョン、先ほど私が紹介したように、最後の10年間は少し増えるビジョンを持っておられるということを多分指しておられるんだろうと思います。 さらに、建物の長寿命化計画を市立幼稚園にも適用し、定期的に適切なメンテナンスを行えば、建物の老朽化にも対応できるはずですと。工事の規模が小さければ地元中小工務店の仕事確保にもつながり、大規模改修や新たに幼保施設を建設するよりもコスト削減効果がありますというふうに述べておられます。大規模改修とか、あるいは新規の更新ということよりも、とにかく長寿命化をすることによって、それは地域経済にも貢献することになるんだということを恐らくおっしゃっておられるんだろうというふうに思います。 これは単に自分たちの幼稚園を残してくれというそういうことだけではなくて、奈良市の人口ビジョンや公共施設の在り方についても重要な点を指摘されているのではないかなというふうに思いますので、これについてはぜひ深く酌み取っていただきたいというふうに思います。 最後になりますけれども、いわゆる消滅可能性都市ということで将来人口が減ると大変なことになるという、いわゆる増田レポートが公表されて、これも10年がたちます。最近のマスコミでも新聞記事でも特集などが組まれておりますけれども、昨年の3月18日の日経新聞に、この増田レポートで消滅する可能性があるというふうに指摘された奈良県の川上村について、「若年人口、124自治体で増」という日経新聞の記事があります。 この増田レポートというのは、二十歳から39歳の女性人口の将来予測を基に民間団体が2014年に示した消滅可能性都市の試算から危機感を深めたということで、奈良県の川上村は全国で2番目に減少率が大きいということで、将来消滅するかもしれないということで挙げられた村であります。 ところが、村は今どうなっているかという記事です。ここでは、児童福祉費を2.2倍にしたと、そして、産まれた子への30万円の祝い金を始めた。高校生へ月5,000円の子育て応援手当を導入したと。それから、最寄りの駅まで車で30分かかりますので、村にない高校への通学費も月数千円補助したと。保育料も2歳児まで無料、保育士は国の配置基準の1.5倍。村長は、住み続けてもらうには村の居心地をよくすることが大事だということで、小児科あるいは産婦人科についてもオンライン診療で無料相談できるようにしたということの結果、村の総人口は2016年から21年に14%減ったものの、ゼロ歳から14歳の数は26%増えたと。 村長は、お金の支援だけでは十分ではないと。子育ての悩みをいかに解消できるかが知恵の出しどころだというふうに述べたというふうに記事には載っておりまして、全国でワースト2の川上村が、そういうレポートがあったから危機感を持ってやったということがあるかもしれませんけれども、そんなに簡単に自治体が消滅するということはあり得ませんし、こうした取組によってそういうふうに指摘されたところでも子育てに力を入れて、かえって子供の数を増やしたということがありますので、やはり長寿命化などに重点を置いた公共施設の在り方について、今見直しが検討されていると思いますけれども、削減ありきではなくてこうしたことも考慮して、検討していただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(北良晃君) 22番八尾君。 (22番 八尾俊宏君 登壇)
◆22番(八尾俊宏君) 皆さん、こんにちは。自民党の八尾です。 早速ですが、通告に従いまして、観光行政、リニア中央新幹線誘致活動について、鈴木副市長並びに観光経済部長に、一問一答方式にてお伺いをします。 まず、今年度のリニア誘致活動について、観光経済部長にお伺いします。 以上で1問目を終わります。
○議長(北良晃君) 観光経済部長。
◎観光経済部長(栗山稔君) 八尾議員の御質問に自席よりお答えいたします。 リニア中央新幹線の本年度の誘致活動につきましては、令和5年10月に2日間開催されました、みつきうまし祭り平城京天平祭・秋で、新しくなったリニア誘致看板のデザインを使用したノベルティーの配布や、SNSや市民だよりでの情報発信により啓発活動を実施いたしました。また、今月中に奈良市役所駐車場入口、近鉄高の原駅前、近鉄学園前駅前の3か所で新しいデザインの横断幕を掲示する予定でございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 八尾君。
◆22番(八尾俊宏君) 2問目は自席からさせていただきたいと思います。 令和5年6月議会でリニアの新駅誘致活動の質問をさせていただきました。奈良市として今後も誘致活動を継続するということでいいのかとの問いに、部長は、「それぞれの駅の位置、ルート決定に対しましては県のリーダーシップの発揮が不可欠であり、沿線自治体におきましてもそれぞれの府県が主体となって誘致活動が行われている状況でございます。」と答弁をされました。県のリーダーシップの発揮が不可欠であると言っておられましたが、今年度県に対してどのような働きかけを行ったのか、部長にお伺いします。
○議長(北良晃君) 観光経済部長。
◎観光経済部長(栗山稔君) お答えいたします。 直接的な県に対する働きかけではございませんが、令和5年12月18日に開催されました三重・奈良・大阪リニア中央新幹線建設促進大会に、奈良市観光経済部次長が出席し、本市がリニアの誘致活動を行っているというアピールを実施いたしました。名古屋以西の自治体が一堂に会する場で、参加者が発言される内容を直接聞くことで現状を確認することができ、有意義であったと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 八尾君。
◆22番(八尾俊宏君) 部長からは、直接的な県への働きかけはなかったということでした。 次に、鈴木副市長に対しましても、昨年の6月議会において、リニア新駅誘致の今後の展望についてを質問させていただきました。「本市といたしましては、奈良県に対しましてさらに誘致活動を強化いただくよう要望させていただきながら、引き続き県と連携し、官民一体となって積極的に誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。」と答弁をいただきました。 県に対して誘致活動を強化いただくよう、どのような要望されたのか、鈴木副市長にお伺いします。
○議長(北良晃君) 鈴木副市長。
◎副市長(鈴木千恵美君) 自席より八尾議員の御質問にお答えいたします。 リニア誘致の県との連携及び県への要望という点でございますけれども、令和5年5月31日に東京で開催されました令和5年度リニア中央新幹線建設促進期成同盟会総会及び令和5年9月6日に奈良で開催されました令和5年度リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会に市長が出席され、リニア中央新幹線誘致に対する奈良市の積極的な姿勢をアピールするとともに、リニア中央新幹線が本市にとって非常に重要なプロジェクトであることを示す機会となったところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 八尾君。
◆22番(八尾俊宏君) 鈴木副市長も県に対して要望はされなかったということでした。 次に、令和5年度リニア中央新幹線建設促進奈良県期成同盟会にて、JR東海より説明のあったリニア中央新幹線のルート選定に必要な環境影響評価のためのボーリング調査を奈良県内で行っているとのことですが、現在の進捗状況について、部長にお伺いします。
○議長(北良晃君) 観光経済部長。
◎観光経済部長(栗山稔君) お答えいたします。 令和5年12月7日に、JR東海がルートの絞り込み、駅位置選定のためのボーリング調査を大和郡山市で開始し、環境影響評価に着手したと発表されました。奈良市内でのボーリング調査はJR平城山駅周辺及びJR新駅周辺で実施する予定となっており、現在詳細な調査場所をJR東海及び奈良県と調整しているところでございます。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 八尾君。
◆22番(八尾俊宏君) これから奈良市内でもボーリング調査が始まっていくということで、非常に重要な時期に入ってきています。 来年度の誘致活動について、鈴木副市長にお伺いしたいと思います。
○議長(北良晃君) 鈴木副市長。
◎副市長(鈴木千恵美君) お答えさせていただきます。 今後の誘致活動についてでございますが、まずは本市といたしましてもボーリング調査に積極的に協力し、情報収集も行ってまいりたいと考えております。 その上で、先ほど部長からも答弁がありましたように、市内3か所で新しいデザインの横断幕を掲示するなど、引き続き奈良市内へのリニア中間駅の設置に向け周知啓発を行い、市民の皆様と共にリニア誘致の機運を高め、リニア中央新幹線の東京-大阪間の全線の一体的かつ早期実現に向けた関係組織との連携を図ってまいりたいと考えております。 さらに、将来リニアに乗ることになる子供たちに向けて、リニアの技術やプロジェクトを知り、未来の夢や希望を抱くきっかけとなるような機会を提供してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(北良晃君) 八尾君。
◆22番(八尾俊宏君) では、ちょっと最後に確認したいんですが、副市長、リニア新駅は奈良市にとって必要ですか、お伺いします。
○議長(北良晃君) 鈴木副市長。
◎副市長(鈴木千恵美君) お答えさせていただきます。 先ほどからも誘致に向けて取り組んでまいりたいとお答えさせていただいておりますように、本市といたしましても必要と思っております。 以上でございます。