奈良市議会 > 2014-06-13 >
06月13日-03号

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  1. 奈良市議会 2014-06-13
    06月13日-03号


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    平成26年  6月 定例会平成26年奈良市議会6月定例会会議録(第3号)-----------------------------------   平成26年6月13日(金曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第67号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第68号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて       議案第69号 平成26年度奈良市一般会計補正予算(第1号)       議案第71号 奈良市税条例等の一部改正について       議案第72号 奈良市立保育所設置条例の一部改正について       議案第73号 奈良市立応急診療所条例の一部改正について       議案第74号 奈良市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人の基準、手続等に関する条例の一部改正について       議案第75号 奈良市営住宅条例の一部改正について       議案第76号 奈良市改良住宅条例の一部改正について       議案第77号 奈良市火災予防条例の一部改正について       議案第78号 財産の取得について       議案第79号 工事請負契約の一部変更について       議案第80号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域内の住居表示の方法について       議案第81号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域内の住居表示の方法について       議案第82号 住居表示を実施すべき市街地の区域及び当該区域内の住居表示の方法について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(39名)  1番 松下幸治君      2番 道端孝治君  3番 太田晃司君      4番 八尾俊宏君  5番 柿本元気君      6番 九里雄二君  7番 藤田幸代君      8番 酒井孝江君  9番 階戸幸一君      10番 横井雄一君  11番 山本直子君      12番 白川健太郎君  13番 今西正延君      14番 鍵田美智子君  15番 山本憲宥君      16番 東久保耕也君  17番 北 良晃君      18番 宮池 明君  19番 伊藤 剛君      20番 内藤智司君  21番 山口 誠君      22番 松村和夫君  23番 小川正一君      24番 北村拓哉君  25番 浅川 仁君      26番 三浦教次君  27番 植村佳史君      28番 土田敏朗君  29番 上原 雋君      30番 森岡弘之君  31番 山中益敏君      32番 高杉美根子君  33番 松石聖一君      34番 井上昌弘君  35番 松岡克彦君      36番 山口裕司君  37番 森田一成君      38番 中西吉日出君  39番 松田末作君 欠席議員  なし----------------------------------- 説明のため出席した者  市長      仲川元庸君    副市長     福井重忠君  副市長     津山恭之君    危機管理監   井上 清君  総合政策部長  岩井秀臣君    総務部長    外良匡利君  財務部長    西谷忠雄君    市民生活部長  堀川茂美君  市民活動部長  今西尚子君    保健福祉部長  前田安弥子君  子ども未来部長 寺田耕一君    保健所長    上野満久君  環境部長    西山良次君    観光経済部長  川本了造君  都市整備部長  東井素生君    建設部長    向井淳治君  会計契約部長  福岡義郎君    企業局長    池田 修君  消防局長    酒井孝師君    教育委員長   杉江雅彦君  教育長     中室雄俊君    教育総務部長  西崎卓哉君  学校教育部長  梅田真寿美君   監査委員    中村勝三郎君  総合政策課長  中西寿人君    財政課長    辻井 淳君----------------------------------- 事務局職員出席者                   事務局次長  事務局長    加井康章             米浪高之                   議事調査課長事務取扱  議会総務課長  小川祐弘     議事調査課主幹 梶 正樹  議事係長    秋田良久     調査係長    岡本欣之  議事調査課書記 杉野真弥-----------------------------------     午前10時0分 開議 ○議長(土田敏朗君) 昨日に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第67号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについて 外14件(質疑並びに一般質問) ○議長(土田敏朗君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第67号 市長専決処分の報告及び承認を求めることについてより議案第69号までの3議案及び議案第71号 奈良市税条例等の一部改正についてより議案第82号までの12議案、以上15議案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、質疑並びに一般質問を行います。 14番鍵田君。   (14番 鍵田美智子君 登壇) ◆14番(鍵田美智子君) 皆様、おはようございます。奈良未来の会、鍵田美智子です。本日の質問を早速始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。 新年度予算の執行が始まり、6月議会でも各種の事業報告をいただいております。3月議会でも市長は、新規施策の説明時に未来を担う世代の方々に対する思いを含めて、熱く語られました。奈良市に生まれ、育ち、住んでよかった、これからも住み続けたいと実感できる施策を理解していただきたいとの発言もございました。その中で、充実した子育て環境、子供の将来を見据えた質の高い公教育との表現もありましたが、そのことについて市長に質問をさせていただきたいと思います。 幼保一元化の大きな制度改革を平成27年度までになさねばならないときにあって、公立と私立の保育のあり方だけを見ても、大きく制度の違いがあります。仲川市政になってから、民間保育所の運営の補助金は、聖域なき改革の名のもとに何度も予算削減がなされております。 市長が初めて予算編成された平成22年にぎょう虫検査、尿検査、損害賠償保険料日本スポーツ振興センター加入費職員研修費等多くの補助金を廃止されました。給食費にあってはおよそ半分、牛乳給食費は3分の2の金額をカットされ、現在に至っています。中でも市長は、この春、私立の保育園に対して医療補助の見直しをされました。具体的には、嘱託医手当の内科医分が8割カットされたことにより、12カ月の園医報酬が2カ月分しかなくなりました。このことは、毎月ある私立保育園園長会には相談もなく、また、嘱託医に対して検証もしない中での予算削減でした。 そこで質問に移りますが、乳幼児期は生涯の心身の発達の基礎となる重要な時期で、その重要な時期の多くの時間を過ごす保育園、幼稚園にかかわる乳幼児保健は、学校保健に先立ち、大きな役割を担っています。本来、私立、公立の区別なく、子供の保健格差はあってはならないことと思いますが、奈良市が果たさなければならない保健、医療の充実のための施策の実行の仕方を見たとき、私立の子供たちの切り捨てをやっておられるようにしか思われない施策のあり方をどのようにお考えなのでしょうか。聖域なき改革の実行と言われている中で、私立保育園児たちに対し、奈良市としては医療、食育にかかわる分野でも補助はできないとお考えなのでしょうか。 また、障がい児保育、乳幼児健康支援、一時預かり事業、虐待や心の健康障がい、生活習慣病予備群への対処等、今日の社会状況と合わさるかのような児童の健康や保健に関する問題が保育現場に山積みされた状況で、保育士が適切に対応するための教育が不可欠ですが、この分野においても市長は私立の職員研修費を削減されています。民間、市立の区別なく、保育の質をそろえ、全ての保育園で標準的な保育が行き渡るように、市長は率先して動かなければいけないと考えますが、この逆行する施策に対する説明をお聞かせください。 今日の乳幼児が育つ社会環境は、親世代の取り巻く環境に比例し、複雑で困難な環境にもなっています。その中においても、子供たちは保育園における生活時間が長時間になり、乳幼児の保健に関する問題も深く、難しくなってきています。とりわけ保育所保育指針の第1章の総則にある「子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。」と述べられているように、この責任を両親にかわって整えていく責任は地方自治体にあり、その長にある市長の責任でもあります。変化している保育事業に、医療従事者が果たす役割も大きな責任が伴っていますが、園医が果たしていく機能強化の中で、現在の奈良市の保育医療のガイドラインや地域医師会が持つ責任については、どのようにお考えでしょうか。 また、今後、奈良市医師会に対しましても、積極的にかかわりを持ってもらい、子供の健全な発育を目指した環境を整える必要があると考えますが、奈良市長として保育医療に対しての責任をどのようにお考えでしょうか。 また、市長はこれまでの幼保一体化に向けた議論の中でも、本市の基本姿勢や方向性の答弁をされたときに、何度も質の高い就学前教育や質の高い保育を提供していく考えを口にされてきましたが、市長の考える質の高いという定義は、具体的にどのようにお考えなのでしょうか、お聞かせください。 次に、子ども未来部、寺田部長に質問をさせていただきます。奈良市幼保再編実施計画の中で、「抜本的に幼保施設の在り方を見直し、限られた財源や人材をより効果的・効率的に投入しつつ、民間活用を検討・実施する」ことを念頭に置いて準備されていくことが本市の姿勢ですが、この春、民間活力を活用され、家庭的保育事業を奈良市立富雄第三幼稚園でひだまり保育室として実施をされました。現在の施設は、子供たちにとって、また保護者にとって安心で安全な施設が提供されたとお考えでしょうか。準備段階で空き教室ということからの具体的に注意すべき点、配慮すべき指示は、設備に対して出されていましたでしょうか。 民間保育所事業で、新しく保育事業者を募集されていく募集要項の中では、駐車設備を整えることとありますが、家庭的保育事業では、保護者に車での送迎を禁止されており、基準をどのように設けておられるのかお聞かせください。 以上で私の1問目とさせていただきます。 ○議長(土田敏朗君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) おはようございます。ただいまの鍵田議員からの御質問にお答えをさせていただきます。 まず初めに、民間保育所の運営費等の補助金についてでございますけれども、現在、児童福祉法に規定をされております施設の設備運営基準を維持するために、国の定めた単価に基づき支弁をしております運営費以外に、多様化する保育ニーズに応え、保育サービスの内容の充実を図るために、特に民間保育所に対しましては運営補助金といたしまして、今年度予算で総額6億999万8000円のうち、市の単独補助分といたしまして2億8176万3000円を上乗せして、1歳児保育や障がい児保育等の活動に対しまして、補助を行わせていただいているところでございます。 確かに、御指摘のように、さまざまな補助メニューが従来あったものが整理統合されるという状況があるのは現実でございます。今、本市の厳しい財政状況のもとで、特にこの5年間におきまして、新設の保育所が5カ所、そして既存保育所の改修などによりまして、定員につきましても668名分の増を図らせていただいているところでございます。 当然それに伴いまして、民間保育所の運営費補助金につきましても、総額は増大をする一方でございます。そういった中におきまして、個々のメニューについて見直しを図らせていただいているところでございます。今年度は保育士確保の観点から、直接保育園児に接する保育士の処遇改善といたしまして、対前年度比当初予算額で9000万円の増額を図るなど、保育を支える人材確保というところに重点を置いた対応をさせていただいております。 今後、平成27年度に予定をされております子ども・子育て支援新制度におきまして、いわゆる施設型給付を行う際の国の公定価格の設定状況などをもとにいたしまして、他の中核市や県内他市の動向なども見きわめながら、本市の今後の民間保育所運営費補助制度について検討してまいりたいと考えているところでございます。 次に、子供たちの保育と医療の関係についての御質問でございますけれども、現在、保育所におきましては、保育所保育指針に基づきまして、保育士等による毎日の子供の心身の観察等に加え、奈良市医師会と連携し、従来から園医として子供の健康状態並びに発育及び発達状態について、定期的また継続的に見ていただいております。また、今年度につきましては、食物アレルギー対応マニュアルの作成にも専門的な見地から御指導をいただいております。市といたしましても、今後も医師会とはより一層積極的な連携を図っていくことが重要だと考えております。 続きまして、質の高い保育や教育というその定義についてということでございますけれども、子供たちの自主性や、また創意工夫をする力を養い、子供たち自身がみずからの力で社会の中でたくましく生き抜く基礎力をつけるということが、幼稚園や保育所に求められる役割だと考えております。 従来は、厚生労働省による保育所は、さまざまな事情により保育に欠ける子供を預かる施設という定義がされておりました。一方で、幼稚園につきましては、文部科学省による教育機関として位置づけをされているものでございます。私はゼロ歳から5歳までの全ての子供たちに等しく質の高い幼児教育、教育としての保育を実施していくということを非常に大事なものだと考えております。そういった意味から、カリキュラムの策定や、また職員の採用に際しましても、幼稚園の教諭、保育士の両方の資格を持った人材を採用すること。また、採用した職員に一体的に研修など行い、人事配置などを行うということを行っております。 また、既にすぐれた経験を持っているいわゆる経験者の方につきましても、経験者採用という形で採用を行っており、現場で活躍をしていただく即戦力として活躍していただいているところでございます。 また、近隣の大学などとも協力をしまして、幼保の合同研修や人事交流なども行っており、今後もより一層の質の向上につなげてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 子ども未来部長。   (子ども未来部長 寺田耕一君 登壇) ◎子ども未来部長(寺田耕一君) 鍵田議員の御質問にお答えさせていただきます。 現在実施しております家庭的保育事業についてでございますが、具体的にはゼロ歳から3歳児をお預かりする施設であるため、エアコン及びミニキッチンの設置、トイレの改修等の工事を行い、保育環境の整備を行いました。 今回の家庭的保育事業は、本市として初めての取り組みでもあり、現地見学会において事業実施法人から実際の保育をする際に想定される不都合な改修部分について御意見をいただいております。 これらの御意見に対しましては、実施法人とも調整の上、改善を図るよう努めるとともに、今後の事業実施の参考にしてまいりたいと考えております。 また、送迎用の駐車場に関しましては、市立幼稚園はこれまで小学校区ごとに設置しており、原則徒歩通園としていたため、駐車場整備はしておりません。したがいまして、今回のように、市立幼稚園の園舎を活用した家庭的保育事業では、安全性を考慮し、車での送迎をお断りしているところでございます。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) 2問目は自席から、市長に再度質問させていただきます。 平成22年度から大きく私立保育所の運営補助金を削減された中で、私立保育園園長会から市長宛てに要望書として具体的な項目を挙げて補助の見直しをしていただきたいという書面が提出されていたはずです。その書面に対して、何らかの返事を出されましたでしょうか。 以上で終わります。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 私立の保育園園長会とは、毎年、直接お見えにもなりますし、私も直接会のほうにお邪魔をして、さまざまな意見交換を行わせていただいております。特に予算の要求ということにつきましては、個々の補助メニューにつきまして、具体的な御要望も頂戴をいたしているところでございますけれども、先ほども申し上げましたように、お答えができる部分と、なかなか厳しくて対応ができないというところと、両面あるのが現状でございます。 ○議長(土田敏朗君) 鍵田君。 ◆14番(鍵田美智子君) ありがとうございました。 3問目は、意見と要望にさせていただきたいと思います。 市長は、公立と私立の保育所の間にある保育格差があることを認められないようなお気持ちでいらっしゃるのかと私は考えます。市長のお考えですと、運営費補助金全体の中の入所児童処遇改善費補助金に削減した金額を上乗せして支弁しているおつもりのようですが、この補助金を子供1人の単価にすれば、市長として初めて予算編成された平成22年度を基礎にしますと、1万3708円から毎年減り続けて、平成25年度は1万1706円でした。この補助金総額をふやされても、園児数は470人増加していますので、単価的には全く上乗せにはなっておりません。 平成23年度から毎年私立保育園園長会からは要望書が出されており、予算編成時には添付されていたはずですが、市長は聞く耳を持たなければ、現状を把握する気持ちもなかったということです。私立保育所の経営は、市長の施策の見直しで大きく圧迫され、そのしわ寄せは私立保育園児のおよそ3,670人に直接現在及んでいることをまず念頭に置いてください。子供たちを心身ともに健やかに大きく育てるため、公立、私立の区別なく、保育士を初めとした職員の資質向上を図り、さまざまな保育サービスの内容を向上させることで質の高い保育を実現すべきです。 共通のカリキュラムを見直すとの御答弁もありましたが、まず市として公平さを担保した補助金のあり方を検討し、園児自身が奈良市の子供として不平等感を味わうことのないよう処遇改善を求めたいと思います。一個の人格を持って生まれてきた子供たちの等しく保育を受ける権利に対して、市として真摯に向き合ってください。 市長は就任されて以降、奈良市の子供たちの健康診査に目を向けられたことがありますか。平成25年の保健所事業概況によれば、およそ2,500人の受診児のうち、4カ月健診で異常ありとされた子供591人、10カ月児健康診査で579人、1歳7カ月健診で要事後指導が483人、3歳6カ月が648人と、何らかの具体的な見守りを必要とする多くの子供たちがおり、この子供たちが公立、私立の幼保の園に育っていきます。子供を育てる最前線で頑張っておられる人のことを考えると、市長の今までの補助削減は、そういった方々の努力を水の泡にしたと私は考えます。 要望書についても、回答期限のあるものにはしっかり返答され、毎年出される要望についてはその内容をきちんと頭に入れて予算査定し、御自分の見識が間違っていないか現場の声を聞き、現場を見てから判断されるよう希望します。 奈良市民は、市長に大きな権限を委ねています。判断を間違われれば、苦しむのは奈良市民や子供たちです。新規事業の家庭的保育事業は、ハザードマップの勧告場所として指定され、耐震性も担保されていない施設であり、施設も不備が多く、見直しは当然であります。公立保育所の看護師配置を見ても、19園に配置されている看護師は11人おり、このうちの数人でも私立に巡回していただくとか、抜本的な対策を今すぐとっていただくよう英断を求めます。 また、奈良市園医の役割や業務内容等を明確化したガイドラインを作成し、奈良市独自の保育医療を確立するとともに、単独の保育部会の設立を医師会にも働きかけていただくなど、奈良市の子供たちは奈良市で守るという姿勢を積極的に持っていただきたいと思います。 また、市長の一存で行われる特定事業に対する補助も、補助金の交付期間を明確化し、補助金の外部審査機関を設けるなど、市長の判断基準からして公明正大な基準を持つべきです。今回指摘させていただいた民間保育所に係る施策は、広く公共性を持った福祉施策として、多くの市民の皆様の理解を得ていた事業であったにもかかわらず、廃止、見直し、継続について検証された形跡もなく、市長の一方的な判断によって奈良市の福祉を大きく後退させました。このことについて市長に猛省を求め、私の質問を終わります。 ○議長(土田敏朗君) 3番太田君。   (3番 太田晃司君 登壇) ◆3番(太田晃司君) おはようございます。自由民主党奈良市議会議員団の太田晃司です。早速ではありますが、通告に従って質問に入らせていただきます。 まず、災害時の観光客対策についてお尋ねをいたします。 奈良市を訪れる観光客数は、直近の観光客数調査報告によりますと、年間で日帰り、宿泊を合わせて約1300万人、1日当たりに換算いたしますと約3万6000人です。翌年の平成27年から28年にかけて、春日大社での式年造替に関連する事業が計画されるなど、今後も数多くの方に、国のまほろばと呼ばれる本市の魅力を知っていただくことは、観光資源だけではなく、大変重要な使命であると考えます。 その一方で、災害リスクに備えた対策も重要であると考えます。奈良県は内陸部にあるから津波は来ないし、巨大地震の影響もないと考えられがちですが、本年に市内で配付をされた奈良市防災ハンドブックにも掲載をされているとおり、南海トラフ巨大地震や本市を南北に走る奈良盆地東縁断層帯地震がいつどこで発生するか、その予測は難しく、日ごろから災害への備えは不可欠と言えます。これらの自然災害が発生した場合は公共交通機関がストップし、主要道路の通行どめも予測され、この方々は帰宅困難者となります。その際、観光客の方々にいかに正しい情報を伝え、安全が確保されるまで滞在をしていただけるか、その方策が重要だと考えます。 そこで、危機管理監にお尋ねをいたします。 1点目に、国内観光客への奈良市としての対策の現状についてお答えをください。 次に、防災センターにおける防災啓発の取り組みについて伺います。 八条にあります奈良市防災センターは、体験学習や各種講習会を通して、災害時に不可欠な防災知識を広く市民の皆様に学んでいただくなど、防災の拠点として運営をされています。先ほど申し上げた大型地震を初め、近年頻発している大雨による災害など、市民の防災への関心は非常に高いものがあり、防災センターはその役割として体験を通じて防災の啓蒙に努めるなど重要な施設であります。まず、この防災センターの防災啓発の取り組みの現状について、消防局長にお伺いをいたします。 3点目、職員の健康管理について質問いたします。 昨日の自民党の代表質問でも触れられたところでありますが、禁煙及び受動喫煙防止という流れは、世界的に見ても避けられない流れであることは理解をいたします。ただ、たばこは嗜好品であり、喫煙や禁煙は個人の自由にかかわる問題ですから、禁煙者と喫煙者がお互いにすみ分けをすることが大切ではないでしょうか。例えばおもてなしステッカーを禁煙と分煙の2種類に分けるなど、愛煙家にも理解と協力を得られるよう、今後の周知をお願いいたします。 また、たばこの税収がゼロになっても構わないとの市長の先日の定例記者会見での御発言は、平成26年度予算においてたばこ税が税収19億円という貴重な財源であり、また、たばこ販売で生活を支えておられる方々への配慮を考えた場合、やはり軽率であると考えます。くれぐれも市長の今回の発言には、この点を考えていただきますよう、私からもお願いをいたします。 さて、私の質問は、本市の禁煙への取り組みの中でも、市職員への方策に限ってお尋ねをします。 市長にお伺いをします。禁煙対策に向けた職員の健康管理の今までの取り組みと受動喫煙対策の一つとして10月より実施される職員の勤務時間禁煙の趣旨について、また、今後の啓発活動についてあわせてお聞かせをください。 以上で1問目を終わります。 ○議長(土田敏朗君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの太田議員からの御質問にお答えをいたします。 職員の健康管理という観点からの受動喫煙対策についての御質問でございますが、平成8年11月の禁煙タイムの導入に始まりまして、喫煙者だけではなく、非喫煙者の受動喫煙防止に向けた取り組みといたしまして、平成16年6月より庁舎内の終日全面禁煙を実施しまして、職員に受動喫煙についての研修を行ってきたところでございます。 また、平成22年度には、厚生労働省からの喫煙場所の取り扱いに関する通知によりまして、出入り口付近の喫煙設備の設置は受動喫煙の影響が大きいことから、喫煙場所を東棟の屋上と渡り廊下下に限定をしてきたところでございます。しかしながら、渡り廊下下の喫煙コーナーにつきましては、分煙対策が不十分であるという指摘も受け、受動喫煙による害が及ぶ可能性が高いことから、職員の健康管理の面からも問題があると考えているところでございます。 受動喫煙防止に向けた取り組みは、職員はもとより市民の皆様の御理解、御協力を得ることが施策実現のために欠かすことができない問題でございます。まずは職員が率先垂範をして、受動喫煙防止対策を推進するために、保健所長をリーダーとした受動喫煙防止対策検討庁内連絡会議を立ち上げ、10月1日より実施をいたします職員の勤務時間中禁煙に向け、全庁的な体制で取り組んでいきたいと考えております。 また、世界禁煙デーでございます5月31日を契機として、禁煙啓発ポスターの掲示を行うとともに、アンケート調査により職員の喫煙実態を把握し、喫煙者を対象にした禁煙に向けての研修会の開催や、いわゆる禁煙マラソンへの参加を促してまいりたいと考えております。 さらに、産業医や保健師による禁煙相談の充実を図るとともに、禁煙支援医療機関の情報提供など、職員への啓発や支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 危機管理監。   (危機管理監 井上 清君 登壇)
    ◎危機管理監(井上清君) 太田議員の御質問にお答えいたします。 災害時の観光客対策についてでございますが、議員お述べのとおり、正しい情報を提供して、安全に一時滞在施設まで誘導することが重要です。現在検討している事項につきましては、まず、各交通機関、神社仏閣、地元商店街、観光協会等と正しい情報を共有する体制を構築することだと考えております。そして、その情報を観光客に伝える手段として、エリアメール、現在整備中のデジタル同報系防災行政無線、コミュニティーFM、市のホームページ、ツイッター等の利用を検討しております。 また、災害時には、駅等に情報を求めて、観光客等が多数押しかけることが予想されます。その際にも、駅等において正しい情報を間断なく伝えていくとともに、安全な一時滞在施設への誘導が重要でございますので、その要領についても、今後検討してまいります。 一時滞在施設でございますが、周辺の公的施設、旅館、ホテル及び神社仏閣の所有する施設等、御協力いただけるよう調整してまいります。 2点目の災害時の外国人観光客対策についてでございますが、災害が発生した場合、一般の観光客と同様に、奈良公園、平城宮跡などの広域避難地や各近隣の公園などの一次避難地において、安全を確保していただいた後に、最寄りの小中学校等の一次避難所もしくは今後調整してまいります一時滞在施設に避難していただくことになります。 現在の外国人観光客対策につきましては、外国人向けの避難所マップを英語、中国語、韓国語で作成しており、観光案内所等に設置しております。また、JR奈良駅2階自由通路にあるデジタルサイネージで緊急災害情報等を多言語で表示いたします。今後は通訳の配置や数カ国語への変換装置などの導入についても検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 消防局長。   (消防局長 酒井孝師君 登壇) ◎消防局長(酒井孝師君) 太田議員の御質問にお答えいたします。 まず、奈良市防災センターの現状についてでございますが、奈良市防災センターは、防災に関する知識及び技術普及向上並びに防災意識の高揚を図ることを設置目的といたしまして、平成7年7月に財団法人奈良市防災センターとして設立いたしました。 開館以来、毎年約2万人の方に御利用いただき、体験施設においては、消火、煙体験、台風、地震等の体験や応急手当普及講習会、子供の救急講座を初め、各種防災に関するイベント、講演会等を行い、防災教育の拠点として、防災センター機能の充実強化を図っているところでございます。 防災センターの運営につきましては、さらなる防災意識の高揚のため、平成24年4月から、それまでの財団運営から消防局直営といたしました。直営後の職員の対応といたしましては、平成26年4月1日現在で、消防局職員2名、再任用職員8名を配置し、また、よりきめ細やかな対応を必要とすることから、各事業所や市民各種団体の自主防災体制の確立と市民の防災コミュニティー活動の支援を図るため、市民防災支援事業委託として、奈良市総合財団からの女性職員2名を含め対応いたしております。 次に、取り組みについてでございますが、市民の皆様の防災への関心がますます高まる中、防災センターの役割は非常に重要であると強く認識しているところでございます。運営が消防局直営となったことで、安全・安心を守る防災のプロとして消防の力を強く発揮し、より質の高いサービスが提供できるものと確信しております。 防災普及啓発の拠点といたしまして、今後の防災センターの具体的な取り組みにつきましては、まず、大地震への備えや大雨に対する対応として、災害発生時の自己の安全を守ることが重要であるため、総合的な防災意識の向上とその情報提供を積極的に推し進めてまいります。 次に、防災センターへは小さいお子様を同伴されたファミリーから高齢者、各種団体や自主防災組織の勉強会等、多岐にわたる方々が御来館されるため、的確かつ柔軟に、また幅の広い対応が必要とされることから、対応する職員は専門的な知識の習得にも努めているところでございます。 さらに、防災センターの体験施設においては、地震体験や119番通報体験施設の更新、緊急地震速報展示装置などを新しく新設いたしまして、より充実した設備で体験を行っていただいているところでございますが、経年劣化等により、一部装置のふぐあいも出ておりますことから、施設のリニューアルも視野に入れました総合的な検討も必要であると考えているところでございます。 今後におきましては、防災センターのキャッチフレーズであります「見て・聞いて・触れて・感じて」を積極的にPRし、市民の皆様に信頼され、また期待に応えられる防災センターを目指してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 太田君。 ◆3番(太田晃司君) 2問目を自席からさせていただく予定でおったんですけれども、先ほど危機管理監と消防局長、私の2問目の答えまで先にお答えいただいたようですので、もう要望ということで、最後、意見とともにさせていただきます。よろしくお願いします。 まず、1点目の災害時の観光客対策について、2点目は海外からの方にはどのような対応をされているのかと、海外からの観光客が、平成24年度が約27万人に上るわけですから、その対応ということでお尋ねをいたしました。 私の趣旨は、昨年、東京オリンピックの誘致で、おもてなしの精神が注目されて、これは繰り返しメディアでも報道されたことだと思います。こういった2020年の東京大会に向けて、今後も外国人の観光客が増加することが予想されます。そういう中で、真のおもてなしとは、日本の歴史、文化、慣習、美しさを伝えるだけでなく、いざというときに有事の観光における危機管理ができているか、そういったことが真のおもてなしと言えるのではないでしょうか。その中で、この災害対策についての要望を申し上げます。 本市の最近の防災体制ですが、本年4月には災害時の帰宅困難者を想定し、大阪から徒歩で生駒山を越える訓練を実施され、市長みずから参加し現場検証されるなど、この点については一定の評価をさせていただきたいと思います。しかしながら、1日3万人を超えて訪問される観光客をどのようにお迎えするのか、国際文化観光都市としてのおもてなしの観点から、観光危機管理の体制を整えることがあわせて重要な課題ではないでしょうか。御答弁でもいただきましたけれども、現在の状況では、観光客の避難地には奈良公園あるいは平城宮跡など挙げられましたが、あくまでも広域の避難地や一次避難地として、公園などの屋外が指定されているにすぎません。一定期間の滞在場所としての避難所の確保が課題であります。 例えば、斑鳩町では、法隆寺と、境内の施設を避難場所として一時利用するための災害協定が昨年締結され、また、京都市では、観光客緊急避難場所、観光客一時滞在施設として、京都を代表する寺院、神社、旅館等を利用できるよう協定が結ばれるなど、先進事例も見受けられます。 本市においても、「奈良市の防災の取組」という危機管理の冊子が策定をされておりますけれども、災害時の観光客対策の章を見ますと、検討中の段階でとどまったままであります。今回は避難場所等の問題を指摘いたしましたが、ほかにも宿泊施設での防災を取り上げましても、旅館業法で経営されているホテル、旅館とは別に、ならまちなどの近年ゲストハウスと言われるような簡易宿泊業での外国人の利用もふえております。防災面での統一した対応も必要であるかと考えます。ぜひ申し上げた先進市の事例も研究をいただき、早急な体制の確立、実現に向けて御尽力いただきますように、この点、要望いたします。 次に、奈良市防災センターにおける防災啓発についての要望であります。 私の2問目の本来の質問は、この4月に私も防災センターを訪問させていただいたところなんですけれども、地震体験装置などを拝見しますと、過去の阪神大震災、あるいは東日本大震災などの事例によって、地震の揺れを再現できる装置があるのみならず、ここ数十年先に起きると予測される南海トラフ巨大地震を想定した揺れが体験できる設備があるなど、御答弁にもありましたとおり、年間の入館状況は平均2万人を超えているところであります。市内外を問わず、また、年代を超えて数多くの方々に危機管理意識を持って、防災センターを認知していただきたいと実感いたしました。 しかしながら、過去の委員会で指摘されているとおりでありますけれども、防災センターの設備にふぐあいが生じております。2階にある視聴覚室に関しては、過去5年間で年平均6,000人以上の方々が利用されているにもかかわらず、メーンスイッチが入らない状態で、代替の方法で対応しているとの話を伺っております。 こうした中で、私の意見、要望でございますけれども、こうした平成20年ごろから視聴覚室についてふぐあいが生じている状態について、例えば一例でありますけれども、来年度、平成27年度からは、本市では学校教育において小中一貫教育が進められるわけです。その中で、教育の新たな3つの柱の一つとしてICTを活用した教育を市長は掲げられておられますけれども、こうした観点から視聴覚室を活用できないでしょうか。 具体的には、3Dによる立体的な防災地図による講座、あるいは過去の災害対策の最新の情報、その中での成功や失敗事例など、そういった活用、文字だけではなく映像や音による多角的な利用が実現できると私は考えます。厳しい財政状況であることはよく理解いたしますが、災害はいつ起きるか予測できないからこそ、みずからの命を守り、周辺の人を助けるための日ごろの防災教育が欠かせません。 視聴覚室の団体利用内訳では、小学校、中学校を初め自治会など多くの市民が利用されていると伺っております。動かない視聴覚室のテレビが無用の長物とならないように、多くの市民が利用しやすい有効な施設改修に向けて、来年度平成27年度での予算実現をいただきますように、この点、要望を強くいたします。 最後に、職員の健康管理についてであります。 市長の御答弁にありましたとおり、今後の禁煙対策については、喫煙者の理解、協力を得ながら施策を前進させていただきたい。中でも禁煙を希望する職員に対しては、医療機関との連携を密にとりながら、啓発活動に取り組んでいただきたいと考えます。ただ、今回の件は、情報面から健康管理が徹底されているのか、疑問に思うところがありますので、最後に意見と要望として取り上げをさせていただきます。 先月5月24日に掲載されました読売新聞奈良面の記事を引用しますと、市の健診時の調査では、たばこを吸う職員は10年度の292人から11年度262人、12年度247人と減少が続いたが、13年度は253人と再びふえているとの掲載がありました。これらは市職員の健康診断による問診票が情報源とされていますが、特定の個人情報が識別されるような情報ではないとはいえ、果たして本来の利用目的に沿った内容なのでしょうか。 参考までに、問診票の下の段にある注意事項を読み上げますと、「定期健康診断の結果における個人データは第三者には提供しませんが、事業主においては当該健診結果の保存義務がありますので報告をいたします」とあります。 一方で、庁舎内で禁煙支援の取り組みとして、市長の御答弁にもありましたとおり、職員へのアンケート調査が配付をされているようです。私もサンプルを拝見いたしましたが、ここには所属名、職員番号、氏名、整理番号が記載をされており、アンケートをもとに職員の禁煙支援を検討するとの利用目的が明記をされております。この両者を見比べたとき、問診票の取り扱いとアンケートの実施、私はこの後者のアンケートが本来は先に行われるべきであり、問診票はあくまで事業主たる市長の保存義務にとどめ、数値の公表までには至るべきではなかったかと考えます。 平成15年に施行されました行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第6条を参照しますと、「行政機関の長は、保有個人情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の保有個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。とあります。仲川市長が今回行った問診票による情報の収集及び定例会見での公表は、目的外使用だけではなく、プライバシーの配慮を欠く行動ではなかったかと疑問を抱きます。 市長は市民から信託を受けておられるわけです。ですから、みずから個人情報やプライバシーの保護の完全実現をして模範を示さなければならない立場です。いま一度、市職員約3,000名の長に立つお立場として、原点に立ち返って、市政の発展のために取り組んでいただきたいと考えます。 以上の要望を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(土田敏朗君) 35番松岡君。   (35番 松岡克彦君 登壇) ◆35番(松岡克彦君) おはようございます。日本共産党の松岡克彦でございます。 シルバーパス制度、入浴補助事業について、早速、市長、保健福祉部長に質問をいたします。一問一答で行いますので、よろしくお願い申し上げます。 本年の市民だより6月号で、平成27年3月31日をもって入浴補助事業は終了すると報じています。奈良市は入浴補助事業は廃止の方針が決まっているとして、その根拠に、平成19年度に出された奈良市老春手帳優遇制度検討委員会の提言などを示しています。 そこで保健福祉部長にお聞きいたします。この提言のどこに廃止とされているのでしょうか、お答えください。 以上で第1問を終わります。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) 一問一答ということでございますので、松岡議員の御質問には自席よりお答えさせていただきます。 平成19年度に開催いたしました奈良市老春手帳優遇制度検討委員会で、この制度についての提言におきましては、公衆浴場が高齢者にとって社交の場、ふれあいの場であることは確かで、公費助成は意義があると考える。しかしながら所在が偏っており、毎日のように利用する者からほとんど利用したことがないか全く利用したことがない者までその差は大きいため、利用者からは利用の都度一定の負担を求めるべきである、とございます。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 2問目は自席から行わせていただきます。 今、答弁がありましたように、一定の負担を求めるべきという、そういうことでしたけれども、廃止ということにはなっていません。 さて、その提言のほかにも、平成21年及び平成22年、平成24年の包括外部監査でも廃止とは指摘されておりません。唯一、平成22年の事業仕分けで廃止という言葉が出てきます。しかし、高齢者にとってお風呂掃除は重労働。外出の機会、体の清潔さなどを考えると必要な制度、こういう意見も出されています。 そして、昨日紹介しましたように、高齢者、さらには利用者、事業者なども含めて署名が広がり、強さを見せています。今、廃止ということが市民的合意になっていないことは明らかではないでしょうか。にもかかわらず廃止と言っているのは、市長のマニフェストを優先するがために、財源を生み出す手法にしかすぎない、私はこのことをまず冒頭指摘しておきたいと思います。 さて、次に保健福祉部長にお聞きします。入浴補助制度がなくなった場合、どれだけの方が利用できなくなると認識しておられますか、お答えください。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 この入浴補助券がなくなった場合は、当然変動はあると認識しております。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 今、変動があるのは当然というふうに言われましたけれども、私が聞いているのは、変動があるかどうかを聞いているのではありません。利用できなくなる方がどれぐらいおられるか、この認識を聞いているのですから、それについてお答えください。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 どれだけの方が利用できなくなるかにつきましては、明確にお答えできるデータは持っておりません。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 明確にお答えできるデータは持っていない、ただ変動することは事実であろうという認識はある。 さて、4月からこれまでの月15枚が10枚になりました。さらに10月から5枚になり、来年、このまま行けば3月末で廃止。そうなりますと、当然ながら銭湯に行く人が減るのは目に見えております。銭湯を利用する高齢者は、お風呂に行くことを楽しみにしています。コミュニティーの面からも重要な制度であります。この楽しみが奪われたらどうなるでしょうか。 奈良市が公表したシルバーパス利用者の大半が低所得者、これは長寿福祉課が示したものです。年金の引き下げ、さらには保険料の引き上げ、そして今、消費税増税と、高齢者を取り巻く環境はより一層厳しくなっています。 保健福祉部長にお聞きします。高齢者の生活実態など分析はなされていますか、お答えください。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 高齢者の生活実態の分析につきましては、奈良市老人福祉計画及び第5期介護保険事業計画を策定する基礎資料といたしまして、3年ごとに65歳以上の方を対象として日常生活の様子、健康状態、介護の状況などについてアンケート調査を行っておりまして、その結果につきましては計画に反映しているところでございます。 現在、奈良市老人福祉計画及び第5期介護保険事業計画の中で、現在の暮らしの状況についての項目の回答がございます。その中で、ゆとりがあるまたはややゆとりがあるという回答が約4割、苦しいという回答は約2割という結果となっております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 今、私が紹介しました老春手帳優遇措置事業における、利用している方の割合、圧倒的には低所得者というふうに紹介しました。これは、実は平成20年に、私が委員会で求めた資料ですけれども、保健福祉部の長寿福祉課に出していただいた資料です。所得、控除等を引いての所得で、年間所得なしから50万円まで--年間ですよ--が56%の方々です。所得なしから50万円、年間。一体これで本当にゆとりがあるとお考えでしょうか。 今、保健福祉部長は、高齢者の暮らしについてゆとりがある、暮らしに余り心配していない等の認識を言われました。私は実態をつかんではいないのではないかというふうに思うんです。 議長に許可を得て、パネルを用意いたしました。少し見にくいですが。裏も表も同じパネルですけれども、このパネルは、厚生労働省が発表した生活意識別世帯数の構成割合の年次推移というグラフであります。1995年から2012年まで、暮らしは大変苦しい、やや苦しい、普通、ややゆとりがある、大変ゆとりがある、こういう項目で分けました。左側のオレンジ色の赤い部分、ここが大変苦しい。そして、オレンジ色といいましょうか、やや苦しい、直近の2012年のデータでも、大変苦しい、やや苦しいと答えている高齢者の世帯の皆さんが半数を超えています。同時に注視すべきなのは、今、部長が答弁されたようにゆとりがある、大変ゆとりがあるのは、直近の2012年を見ましてもたった5%にも満たない。そんな実態なんです。私はやはり実態をしっかりと直視すべきではないかというふうに思うんです。 この制度が仮に廃止された場合、私は高齢者の引きこもり、こういう方がふえるんではないかというふうに大変憂慮をいたします。だからこそ高齢者の声をしっかりお聞きし、それを制度、政治に生かしていく必要があると思うんです。 そこで、市長にお聞きいたします。高齢者や利用者の声、思いに応えることこそ、市民が主人公の市政というふうに思うんですけれども、市長の認識をお聞かせください。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 一問一答形式でございますので、自席からお答えをいたします。 市民、高齢者の声を聞くことが重要ではないかということでございます。もちろん高齢者の声も大事ですし、子供たちの声も大事ですし、若者の声も大事ですし、さまざまな市民のニーズというものがございますので、その全てに丁寧に向き合いながら、かつ一方で、その全ての声に応えることができないというのも当然のことでございますので、このあたりは限られた財源や限られた力の中で、どういったものに配分をしていくかというバランスを考えていくことが重要だというふうに考えております。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 今、市長は高齢者のみならず若者も、そして子供たちのいろんな声に耳を傾けていく必要があると、全てのニーズに応えることはできないというふうに言われましたけれども、もちろん市民の声に耳を傾ける、これは当然のことだろうと思うんです。 しかし、この間の市長の姿勢を見ていると、ちょっと疑問に感じずにはおれません。お風呂を残してほしいと皆さんが願いを込めて署名を集め、そして署名が3,254筆届けられました。そのとき市長はお会いしましたか。お会いしませんでした。 この間、さかのぼって調べてみると、例えば今年度予算、奈良県障害者・家族・県民のつながり祭の、年間2万円の補助金、これをなくさないでほしいと訴えてこられた方のお話に市長、お会いしませんでしたね。子供の医療費を立てかえ払いのない制度にしてほしい、こういう声を上げて、お母さんたちも奈良市に来られました。市長に会いたいと来られましたけれども、この申し出にも市長はお会いしませんでした。 市民が、利用者が求めていることにどう応えていくか、私はそれが大事だと思うんです。高齢者、利用者は風呂を残してほしいと望んでいるのに、いやいや外出支援を考える、ポイントをためて風呂に行け、これでは市長の考えを押しつけるだけではありませんか。これでは市民が主人公ではなく、市長が主人公と言われても、私は仕方がないのではないかというふうに指摘したいと思います。 市長は、先ほど全てのニーズに応えることは困難と言いましたけれども、もともとこの制度は奈良市が高齢者に対する敬愛と感謝の思いでつくった制度ではありませんか。奈良市がつくった制度、これを守ってほしいと願っている声をニーズと言いますか。この制度は福祉の制度と言ってきたのは奈良市ではないですか。いかがですか。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) たくさんの社会的な課題があり、また行政が対応すべきニーズというものがあろうかと思います。特にこの福祉の制度が始まりました当初は、やはり高齢者の方というのは非常に少数派でございました。この高齢者に対する支援制度も、当初は85歳以上から始まっておりますけれども、現在70歳以上、当然高齢化はいつも高まっている。そういった状況の中で、大昔と全く同じ制度を維持せよというのも非常に難しいところがございます。 また、いろんな声があるものをしっかりと受けとめて対応するということはもちろん重要でございますけれども、薄く広く、全ての声に応えるということをやっておれば、本当に声なき声、声すら上げられないという人たちの真剣なニーズに応えるという体力もなくなってしまいます。そういう意味では、今までやっていたから、何でもかんでも今までどおり残せという議論は、やはり受けとめられるものではないというふうに思いますし、私が会わなかったというような話もありますが、共産党さんとその支持母体の方が非常によく要望にお越しをいただきますので、その全てお応えをするだけのスケジュールはとれないというのは、まことに申しわけないなというふうに思っております。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) ちょっと余りにも失礼な言い方で、私はあいた口が塞がらないというか、共産党及び支持母体の皆さんとできるだけ会っているしと、そんな言い方はないなというふうに思うんですけれども、私が指摘したのは、それだけ切実な願いを持って、市長に直接この声を聞いてほしいと。もちろんタイムスケジュールもあるでしょう、仕事の関係もあるでしょう。私が耳にしているところでは、いつでもいいから、たとえ短時間でもいいから、市長がお会いできる時間帯にと言って申し出てきている、そのことを伝えているにもかかわらず、市長は会おうという努力はされなかったんではないかというふうに私は認識しているから、先ほど市長が主人公で市民が主人公ではないというふうにやゆというか、指摘をさせていただいたわけです。 さて、次の質問に入りますけれども、例えばこの利用者の偏りの問題というのがあります。この入浴補助制度事業は、一部の地域に偏っているという論法もよく耳にいたします。利用者の偏り、どんな制度であっても、例えば地域的なこと、年齢的なこと、そんなことを理由にすれば、福祉の制度など存在しなくなるのではないかというふうに考えます。 私はあえて言いたいのは、やはりいかに利用しやすい制度にするか、これを中心に考えるべきであって、なくしてしまえでは余りにも乱暴だと言わなければなりません。このことをまず指摘しておきたいと思うんですけれども、さて、部長にお聞きをいたします。銭湯の事業者、奈良市の経済、こういう立場から幾つかお聞きしたいんですけれども、入浴補助事業の果たしてきた経済波及効果、こういうものを試算しておられますか。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 内風呂の普及により、公衆浴場の利用者は対象者6万4000人中6,700人で、全体の約1割ということになっております。このことから、市全体の経済的波及効果としては少ないので、大きく影響はないのではないかというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 余り大きく影響はないというふうに認識しているということですけれども、私は少なからずも寄与しているというふうに思っています。 銭湯をなりわいとしている方は、そこに根を張って地域コミュニティーをつくり、高齢者のみならず衛生面と精神面、生きがい、楽しみを私たちに届けてくれています。そのために必死に頑張ってこられました。 部長にお聞きしたいと思うんですけれども、銭湯を維持するのにどれだけの御苦労があるか、部長は御存じでしょうか。例えば油代、電気代、水道代、いろいろあると思うんですけれども、いかがでしょうか。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 経営者の高齢化、後継者不足、また近年の原油高騰、電気代の値上げ等により御苦労されているという現場の声は聞いております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 現場の声は聞いているというふうに今、言われましたけれども、私は部長の認識を聞いたのであって、ただ単にそういう声は聞いていますよという、そんな答えを求めているんじゃないんです。どういう実態になっているか、そのことを自分がどう認識しているか、このことをお聞きしているんであって、ちゃんとお答えください。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 私もお風呂の経営者の方と直接お話をさせていただきまして、今のようなお話を聞いております。その大変御苦労されているという状況につきましては認識しております。 以上です。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 認識はしておると。 私も聞いてまいりました。平均的な銭湯の場合、これも個人情報の関係がありますから、どこどこの銭湯となれば問題もあるかと思いますので、あくまでも平均的な銭湯の場合ですけれども、1カ月当たり油代が大体約20万円、冬場だと40万円ほどかかるそうです。そして電気代が約10万円、水道代が約6万円、これ以外に、もちろん故障すれば修理を行うための修理費などがかかります。 ある銭湯の主人が話します。「今は何とかやっているけれども、入浴補助制度がなくなれば、うちは間違いなく廃業の危機だ。多くの銭湯も影響を受けるだろうし、もう二、三しか生き残れないんではないか。」、これが私は実態だと思うんです。 私は常々、銭湯は文化というふうに主張してまいりましたけれども、その灯を奈良市自身が絶やしていいのかどうか、これが問われていると思うんですけれども、部長、いかがでしょうか。 ○議長(土田敏朗君) 保健福祉部長。 ◎保健福祉部長(前田安弥子君) お答えいたします。 公衆浴場の存続につきましては、近年、家庭でのお風呂の普及、またスーパー銭湯などの普及によりまして、公衆浴場は全国的に利用が低迷しておりまして、事業者の方には企業努力をしていただいている状況だというふうに思っております。 以上でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 企業努力をしていただいている。もちろん企業努力はしているでしょう、生きるために。また、生活していくために一生懸命やっていると思うんです。しかし、同時にいろんな業種があっても、いろんななりわいがあっても、それぞれについて行政と密着に関係していますね。行政が支援の手を差し伸べる、行政が援助をする、知恵も出す、いろんな形のやり方があると思うんですけれども、今、奈良市がやろうとしていることは、これを全部潰してしまえ、もしくはなくしてしまえ、自分たちで勝手にしなさい、こういうことじゃないんでしょうか。 昨日の他の党の代表質問で、外国人観光客やゲストハウス利用者へのおもてなしの観点から銭湯の活用というようなお話がありました。入浴制度が廃止されれば、利用者の大幅減が避けられないのが先ほどのお話、質問、答弁等で明らかになったように、銭湯の実態だと思います。当然、経営危機に直面して、廃業へと追い込まれる銭湯が相次ぐと思います。そもそも銭湯がなくなってしまえば、行きたくても行けない、活用もできないではありませんか。入浴補助制度を継続し、経営が続けられる環境を整備しなければ、観光資源としての活用などあり得ないと思うんですけれども、市長、いかがでしょうか。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 議員おっしゃるように、文化である銭湯をどのように守るかという御議論だと思いますけれども、確かに今、対象者が6万4000人いるうち6,700名しか御利用されていないということ、また、ほとんどの地域には銭湯がないというようなことを考えますと、そういった事業に年間1億円以上を投じるということ自体がやはりアンバランスというような指摘は免れないというふうに思っています。 もちろん事業者の方々が厳しい経営環境の中で御努力をされているということはよくわかりますし、何とかそれを残していきたいという思いは私も同じでございます。ただ、行政が毎年1億円補助金を出さないと残らない産業というのもいかがなものかというふうに思います。 先ほど、先日も他の議員から、例えばゲストハウスに泊まっている外国人の方に、日本の文化として紹介をしたらどうかと、これは議員のおっしゃっているのと全く逆で、生き残るために銭湯みずからが努力をするということを御指摘いただいているんだと思います。外国人が利用するときになくなったら困るから補助金を出し続けろというのは、これは全く逆の発想でございまして、やはりあくまでも事業者が自助努力でいろんな工夫をする、そのために3年間の経過措置も設けたわけでございます。この期間の間に経営努力をして、例えば、新しい展開をするから行政とも連携をしたいというような提案があれば、それはぜひ受けたいと思いますし、しかし残念ながらそういうことがなかったということでございます。この建設的な提案なしに、押して引いてというようなことばかりをやっていても、答えはなかなか出てこないというのが私の感想でございます。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) まず、3年間の経過措置と今言われましたけれども、この廃止というのは、一番最初に冒頭に私が申し上げましたように、廃止というふうに決まっている、議会でも同意を得たというわけでも何でもない、これは市長がそのように構想を持っている、もしくは考えているというだけであって、決まっているというふうに私は何ら認識しておりません。 さらにこの制度、私は福祉の制度ということがどこかに飛んでしまって、ただ一つの事業所の、または一つの産業の存廃だけを議題にしているわけではないんです。もちろんそれぞれのお風呂屋さん、銭湯は、そのなりわいに努力をされているでしょう。しかし、この福祉の制度が入浴、それの補助として、そしてそれをもとに運営してきたんじゃありませんか。そのことを私は抜きに考えるのは、ちょっと論点としてはいかがなものかというふうに言わざるを得ないと思うんです。 長年市民に定着してきた福祉制度、これを大切に続けて、社会に貢献されてきた高齢者の皆さんが、人間らしく健康で文化的な暮らしができ、誇りを持って生きていけるまちであってこそ、奈良市を訪れる観光客の方を笑顔で迎えられる、交流の促進も進むのではないかというふうに私は思います。そういう面でも絶対に制度の継続が欠かせない、このことを声を強くしたいというふうに思います。 さて、市長にお聞きします。先ほどこの制度、当初発足当時から比べて人数もというようなお話もありました。老春手帳優遇措置事業が導入されたのは昭和45年、当時、鍵田忠三郎市長のときでした。当時の議事録を私も読ませていただきました。このように提案説明で鍵田忠三郎市長は、当時の提案説明、趣旨説明で述べられています。要約して紹介しますけれども、この間、老春の家を建設して、老人福祉対策を講じておりますが、高齢者の方々は市民として今日の市の発展に尽くされた功労者でございます。その積年の御苦労に報いることは当然の務めである、このように趣旨説明を申して、説明して提案しています。 同時に、当時の日下市議会議員が、じゃ実際の効果というのはないんじゃないか、と市長に質問をしました。その質問に対して鍵田市長はこう述べています。確かにそういう考えも少しはあろうかと思います。しかし、高齢者の皆さんに聞いてみてください。どんなに喜んでくれたか。「俺たちはバスに乗らぬでもいいんだ。風呂もそうだ。無料なんだということがうれしいんだ。」そういうことで、誇りを持っていただける、そして長生きしていただける。そこに深い思いがある、このように当時の鍵田市長は提案説明と議員の質問に答えています。私はこれが福祉の心だというふうに思うんです。 市長、時代は変わっても、この福祉の心、市長は深く学ぶお気持ちはありませんか、お答えください。 ○議長(土田敏朗君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 当時の鍵田元市長のお考えというものが、今日もなお奈良市の市政のさまざまなところに浸透している部分というのはあろうかと思います。当時は非常に先駆的なお考えを示されたというふうに思いますし、ちょうどことしが奈良市と西安市の友好都市40周年ということも、非常に先駆的なお取り組みの一つだったと思います。 そういう中で、高齢者の方々にこれまで社会を支えていただいたことを感謝するということは、これは時代が変わっても同じであります。たとえそれは少数派の高齢者が多数派の高齢者になったとしても、全く構造は変わりませんので、それは同じだと思っています。ですから、私も高齢者の方々に対して、できる限りの敬意を表し、また思いを伝える、またできる限りのサポートをしていく、こういったことは当然のことだというふうに思っています。 ただ一方で、さまざまな予算のニーズ、また介護保険事業のように、制度的にも今、高齢者に対しては整ってきているところがございます。ですから、高齢者に対する総予算額ということで見れば、当然、高齢者人口の増ということもありますけれども、制度的な拡充に伴って高齢者予算がふえているというのも今現状がございます。そういったことを考えれば、限られたお金をどう使うかという中で、無料にする、予算をかけるという形での敬意のあらわし方ということももちろん一つかとは思いますけれども、そういう形でなければ敬意をあらわせないのかといえば、私はそうではないというふうに思っています。 そういった意味では、福祉の心、高齢者に対する思いというものは何ら変わることなく、また違った形で、いろんな形でそれを表現していくというのが社会のあり方だろうというふうに思っております。 ○議長(土田敏朗君) 松岡君。 ◆35番(松岡克彦君) 違った形でと言いますけれども、私、再三申し上げていますように、高齢者の皆さんや利用者の方々は、この制度を残してほしいと言っているんです。その声が市民の声であり、有権者の声でしょう。それに真正面から答えるのが私は市長の立場だと、責任だというふうに思うんです。 先ほど来、市長は、当時と今とでは--高齢者の対象年齢、当時は85歳から確かに導入されました。今は70歳以上--対象者数は確かに違うというふうに、それは認識しています。しかし、先ほど紹介した当時の鍵田市長は、85歳から導入するけれども、行く行くはこの制度を70歳ぐらいまで拡大していきたいというふうに当時も述べているんです。 同時に、一般会計に占める高齢者優遇措置事業のこの割合、当時と比べてそんなに極端に激増しているというふうには私は思えません。むしろさきの提言があったように、一定の負担割合ということで、ワンコイン制度が導入されました。今もお風呂、バスについてもそうです。100円の利用料というのが要ります。しかし、このワンコイン制度になる前は、一般会計に占めるシルバーパスの予算は0.7%でありました。今、0.2%まで落ち込んでいるじゃありませんか。 問題は、先ほど紹介した福祉の心を持つかどうかであります。ワンコイン制度導入の際、将来にわたって制度が維持できるためと声高に述べてきたのは、紛れもなく奈良市自身ではありませんか。それがたった6年で、もうお風呂は廃止します。これでは到底納得できませんし、市民、利用者、高齢者の理解も得られない、もちろん議会への説明責任も私は果たしていないというふうに指摘しなければなりません。 さらに、市長は若者の定住対策、さらには子育て施策等を重視しております。もちろんそれはそれで結構な話だと思います。その若者もいずれ年を重ねてまいります。高齢者の福祉施策は、若者の福祉施策でもあるのです。改めて私は最後に、この制度の継続、どうしても継続すべきだと、そしてもとに戻すべきだと、このことを強く主張して、私の質問を終わります。 ○議長(土田敏朗君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。     午前11時21分 休憩     午後1時0分 再開 ○副議長(高杉美根子君) 議長所用のため、私、かわって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(高杉美根子君) 質疑並びに一般質問を続行いたします。 7番藤田君。   (7番 藤田幸代君 登壇) ◆7番(藤田幸代君) 皆様、こんにちは。公明党の藤田幸代でございます。既に通告しております数点について、関係理事者に一括質問をさせていただきます。 初めに、平成26年3月に策定されました奈良市バリアフリー基本構想について、市民生活部長にお尋ねいたします。 今、我が国では、少子高齢化が急速に進んでおり、2040年には65歳以上の方の割合が約36%になるという推計も出されました。奈良市においても高齢化は深刻な問題であります。こうした中、高齢者だけでなく、障がい者の方々も含めたあらゆる人が、安心して安全に過ごしていただける環境の整備が必要であります。 この奈良市バリアフリー基本構想の中で、市長は、「バリアフリー新法に基づき、ここに『奈良市バリアフリー基本構想』を策定し、基本方針や整備内容、ソフト面の取り組みなどについて定めることにより、社会的障壁を除去する社会、つまり高齢者や障がいのある方々だけではなく、『すべての人々にとって、安心で暮らしやすいまちづくり』への将来像を実現していくための指針と位置づけてまいります。」と書かれております。 平成18年にバリアフリー新法、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律が制定、施行されました。この法律は、公共交通機関、建築物、公共施設のバリアフリー化を推進するとともに、駅を中心とした地区や、高齢者、障がい者などが利用する施設が集まった地区において、重点的かつ一体的なバリアフリー化を推進することを目的としております。これに基づき、奈良市バリアフリー基本構想の目的は、高齢者や障がい者、妊産婦、子育て世帯、けが人、外国人など全ての方々に対するバリアフリー上の課題を改善することと書かれております。 そこで1点目、奈良市バリアフリー基本構想における特定事業の計画の策定に向けた取り組みについて。 2点目、それに係る事業費の負担について。 3点目、JR奈良駅、近鉄奈良駅周辺地区を重点整備地区に選定した根拠について。 4点目、重点整備地区以外の駅中心地区についてのお考えをお聞かせください。 次に、認知症の対策について、保健福祉部長にお尋ねいたします。 今、全国的な問題となっております、全国の認知症による行方不明者が1万人以上に上るという問題ですが、ことし4月に報道番組で認知症による行方不明者がふえている現状が報道されたことをきっかけとして、行方不明者の身元が判明したということがありました。警察庁のまとめによりますと、昨年、家族などから捜索願、行方不明者届が出された認知症の人の数は1万322人に上ったということで、このうち151人の人の所在がことし4月末までに判明していない状況であり、また、警察に保護されたけれども住所や名前などの身元がわからないままの人は、5月末時点で全国に13人いたということです。 今回、私が質問に取り上げようと考えましたのは、市民の方からのお声がきっかけでした。たくさんの方が利用する駅周辺を、夕方暗くなってくる時間帯に歩いていると、帰り方がわからなくなって困っているお年寄りの方を見かけることが年々多くなってきているとのお声からでした。実際どんな状況なのかと、多くの方の利用がある駅周辺では、バス、タクシーの運転手の方、駅の改札の方、交番、そして認知症の相談窓口の方、地域包括支援センターの方にお話を聞かせていただきました。そのお声の中から、認知症で徘徊される方を行方不明者にしない取り組み、早期発見できる体制づくりが大切だとの御意見をいただきました。 奈良交通の方にもお忙しい中で御協力いただき、奈良県全ての営業所で報告書を調査していただきました。この場をおかりいたしまして、お世話になりました奈良交通の皆様に御礼を申し上げます。認知症らしき高齢者の方の対応をした報告書として上がっていたものだけで、ことしに入って数件あったという報告をいただきました。警察へ連絡を要する対応だったので報告書に上がっておりますが、報告書に至らなかった実態も結構あるのではないかと推察いたします。急速に高齢化が進んでいる現状に認知症の方も当然ふえていくと思われ、奈良市としても早急な対策、体制づくりが必要と考えます。 政府のほうでも、厚生労働省が6月6日に、認知症による徘徊で行方不明になり保護された人の身元が全国的に素早く照会できる仕組みを警察庁などと連携していく方針で、また、今週にでも認知症の行方不明者の実態調査を各自治体に依頼すると発表されております。 そこで、まず1点目として、認知症による行方不明者の実態と対策について、細かく3つお尋ねいたします。 本市の認知症による行方不明者の実態はつかんでおられますか。 また、認知症による行方不明を事前に防ぐために、まず家族の気づき、地域の気づきが大事だと考えますが、それについてどのようにお考えでしょうか。 そして、外を回っておられる郵便局員、銀行員、また商店など、そして認知症の方が遠方で発見されることがあるということは、交通機関との連携も不可欠になってくると考えます。そうした地域における企業や各種団体、公共機関などとの連携の必要性についてのお考えはどうですか。部長としてのお考えをお聞かせください。 2点目に、地域包括支援センターを中心とする体制づくりと、日常生活圏域の偏りについてですが、以前、私の知っている方の御主人が認知症で、その御主人が数年前に住んでいた家に1人で一銭も持たずに帰っておられたということがありました。歩いて移動するには時間がかかっていないことから、交通機関を利用したものと思われますが、どうして人の目をくぐり抜けて行くことができたのか、不思議に思いました。幸い、もとの家の御近所の方が気づいて奥様に御連絡を下さったので事なきを得ましたが、認知症で徘徊される方を早期発見できることが、行方不明者をつくらない一番の対策だと考えます。そのため、家庭と地域の連携、また地域における企業や各種団体、公共機関などとの連携も含めた地域のネットワークづくり、システムづくりが大変重要になってくると考えます。また、その中心的役割を果たす地域包括支援センターの内容的充実が必要だと考えます。そうした体制づくりについてのお考えをお聞かせください。 さらに、その体制づくりのためには、地域包括支援センターの圏域に偏りがある人口バランスの見直しが必要だと考えます。これについてどのようにお考えでしょうか。 次に、有害獣被害に対する対応策について、観光経済部長にお尋ねいたします。 これまで公明党が、野生鳥獣による暮らしと生態系への被害対策を推進するとの立場で尽力してきました改正鳥獣保護法が今国会で成立いたしました。近年の野生鳥獣の急速な増加や生息地の拡大による農作物への被害が深刻化し、また狩猟者が減少、高齢化しており、狩猟者の育成や確保が全国的な課題となっております。 奈良市におきましても、東部地域の方からのお声で、イノシシ被害に大変困っている、農作物がもうすぐ収穫できるというところで被害に遭い、イノシシの体が触れただけでもにおいがついて商品にならないという声を多くいただいております。また、狩猟者の方からは、狩猟しても後の処理に困るというお声もあります。また、猿に関しては、猿は賢いので撃退すると仕返しをされるのではないかと心配だなど、対応の仕方に困っている方が多くいらっしゃいます。 そこで、奈良市における有害獣被害の現状と、その対策についてお尋ねいたします。 次に、学校給食におけるアレルギー対策について、学校教育部長にお尋ねいたします。 今やアレルギー疾患は、国民の約半数がかかっていると言われる国民病です。そして、児童・生徒への学校給食のあり方にも配慮が必要な時代であります。2012年には、東京都調布市の小学生が給食後に食物アレルギーによる重篤な症状、アナフィラキシーショックの疑いで死亡した事故がありました。この事故を受け、アレルギー疾患対策に一貫して取り組んできました公明党の強い要請で有識者会議が設置されました。この文部科学省の有識者会議が本年3月に取りまとめた最終報告では、都道府県、市区町村教育委員会における対応について、平成20年に同省が監修して発行された学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づく対応の徹底が必要不可欠であると改めて確認されるとともに、今後の改善・充実方策等について具体的に提案されております。 そこで1点目に、本市としての学校給食におけるアレルギーを持つ児童・生徒の現状の対応についてお尋ねいたします。 次に2点目、文部科学省からの学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づく対応の徹底についてお尋ねいたします。 以上で私の第1問とさせていただきます。 ○副議長(高杉美根子君) 市民生活部長。   (市民生活部長 堀川茂美君 登壇) ◎市民生活部長(堀川茂美君) 藤田議員の御質問にお答えさせていただきます。 奈良市バリアフリー特定事業計画に係る事業費及び重点整備地区選定の根拠、また、その他地区について質問いただいた点で、一括でお答えさせていただきます。 昨年度策定いたしました奈良市バリアフリー基本構想に続き、今年度はその実施計画に当たる奈良市バリアフリー特定事業計画を策定してまいります。その策定作業の中で、それぞれの整備項目へ対応する具体的なそれぞれの事業計画を各事業者等から提出いただき、取りまとめてまいります。そのことに係る事業費についてでございますが、基本的に国の補助を受けられることになりますが、国等の動向に留意し、また起債等を充てることも可能なケースも出てまいりますので、事業推進にかかわる各事業者等に情報を提供し、財源の確保を図ってまいりたいと考えております。 バリアフリー化を重点的かつ一体的に推進するために、特に必要であると認められる地域を重点整備地区と定めるものでございますが、これは高齢者や障がい者の方々が、特に利用される生活関連施設が集積している徒歩圏内地域を選定するものであり、その際の重要な移動手段としての鉄道駅を移動の始点として考えております。国のガイドブックに基づき選定していくわけでございますが、市内各駅の乗降客数では、学園前駅、近鉄奈良駅、高の原駅、JR奈良駅、大和西大寺駅、新大宮駅、富雄駅が候補となり、駅周辺の生活関連施設の件数を勘案すれば、JR奈良駅から近鉄奈良駅にかけてのエリアが最もその件数が多いという結果になりました。 障がい者の方や各事業者等の各外部委員で構成する奈良市バリアフリー基本構想策定協議会において御協議いただきましたところ、この2駅は近接しており、一体の地区として考えられ、また国際文化観光都市として観光にも寄与する特色あるバリアフリー基本構想の策定方針にもふさわしい地域と判断されましたので、まずはこの地区を重点整備地区に定めたものでございます。重点整備地区を今後は他の地域にも定めていくことは可能でございますが、まずは今回選定させていただきました重点整備地区における特定事業計画の策定を行ってまいるところでございます。 なお、バリアフリー基本構想におきましては、奈良市全体のバリアフリー化に向けた基本理念を設定しているところであり、重点整備地区以外の駅中心地区につきましても、この理念に基づき、それぞれの整備を各事業者が行ってまいることとなります。長期的なスパンで奈良市のバリアフリー化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 保健福祉部長。   (保健福祉部長 前田安弥子君 登壇) ◎保健福祉部長(前田安弥子君) 藤田議員の質問にお答えいたします。 認知症による行方不明者を未然に防ぐための対策についてでございますが、本市におきまして、平成25年度に警察から徘徊高齢者の連絡を受け、対応した件数は3件ございました。また、本市の認知症による行方不明者の実態は把握はしておりません。 認知症高齢者は、記憶力、判断力の低下から帰り道がわからなくなったり、迷っているうちに知らず知らずに遠くまで歩いて行ってしまい、事故に遭うことも少なくございません。そうしたさまざまな事故や悲しい結末を未然に防ぐためには、議員御指摘のように御家族や地域の気づきが大切だと考えております。 本市では、毎週月曜日に、本庁1階ホールにございます市民なんでも相談窓口におきまして認知症相談を実施しております。また、認知症を理解し、地域の中で認知症の人やその家族を見守り支援する人を育成するため、認知症サポーター養成講座を開催しております。今年度は本市職員を対象に、認知症の方が来庁されたときに適切な対応や配慮ができるよう養成講座を開催しているところでございます。さらに、地域支援推進員を伏見地域包括支援センターに配置し、認知症ケアにおける介護と、認知症疾患医療センターなど医療との連携強化や、地域における支援体制の構築を図っております。 続きまして、地域における企業や各種団体、公共機関などとの連携の必要性についてでございますが、認知症の人が行方不明になったときに素早く捜し始められるよう、地域における企業、各種団体、公共機関などが連携し、早期に対応することが必要であると考えております。 次に、地域包括支援センターを中心とする体制づくりについてでございますが、今後の高齢者人口の伸びに伴いまして、認知症高齢者が急増することが確実とされる状況において、認知症の人や家族が安心して暮らせるよう、各地域包括支援センター長による認知症施策推進グループとともに、本市で実施可能な見守り体制の整備を検討してまいりたいと考えております。 また、地域包括支援センターの日常生活圏域の偏りについてでございますが、65歳以上の高齢者人口が1万2000人を超える圏域もございますことから、今後、地域包括支援センターのあり方につきましても検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 観光経済部長。   (観光経済部長 川本了造君 登壇) ◎観光経済部長(川本了造君) 藤田議員の御質問にお答えさせていただきます。 有害獣被害の現状と対策についてでございますが、近年、野生鳥獣による農林被害は増加傾向にあり、被害の拡大は経済的損失に加え、農業従事者の生産意欲の低下を招くなど、農村地域の健全な環境を保全する上でも有害鳥獣対策が重要な課題であると考えております。 本市の主な対応策といたしまして、平成17年度から、農家の方々が農産物被害を防ぐために設置する電気柵、防除網の設置に要する費用について補助金を交付し、また、平成24年度からは、狩猟期間ではない4月から10月の間における捕獲を奨励するため、有害鳥獣捕獲駆除奨励補助事業を実施し、イノシシとニホンザル、そして都祁、月ヶ瀬地区の鹿を捕獲した猟友会等に対し補助金を交付しております。また、平成25年度からは、国において鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業が設立され、有害鳥獣の捕獲に要する費用に対し補助金が交付されております。 このような状況の中、東部地域では猿が集落にあらわれ、農作物などを奪う姿が目撃されるようになり、本市といたしましては、新たに猿被害対策として、平成25年度において電気柵を設置するモデル事業を実施いたしました。このモデル事業には阪原町の14軒の農家が取り組まれ、約7,000平方メートルの畑地の周辺を500メートルの柵で囲み、高さ1.5メートルのメッシュ柵の上に電気柵を3段設置しております。加えてソフト対策として、猿から集落を守るためにをテーマに、猿の生態や地域で取り組める対策について説明会を開催したところでございますが、今後はモデル事業実施による猿被害の軽減度合いの把握や問題点の洗い出しなどの検証を行い、新たな設置箇所の検討等を行ってまいりたいと考えております。 一方、国においても、農作物に深刻な被害を与えている鹿やイノシシなど有害鳥獣の捕獲を促進し、生息数を適正規模に減少させること、そして狩猟免許取得者の減少、高齢化を踏まえ、組織的に捕獲する業者の認定制度を創設するなどを盛り込んだ改正鳥獣保護法が、平成26年5月23日、参議院本会議で可決され、成立いたしました。今後、関係法令が整備され、順次、具体的な内容が示されると聞いており、本市といたしましても、それら国の動向に注視し、対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 学校教育部長。   (学校教育部長 梅田真寿美君 登壇) ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 藤田議員の御質問にお答えをさせていただきます。 学校給食におけるアレルギーを持つ児童・生徒への対応についてでございますが、各学校におきまして、通常の献立からアレルギー食材を取り除く除去食の提供を基本としております。これは献立の内容に基づき、一人一人のアレルギーの状況に応じて保護者と事前に協議を行い、可能な限り対応しております。また、ほかの児童・生徒のものと混同しないよう、調理現場と教職員等が細心の注意を払いながら配膳等に努めているところでございます。 なお、献立内容によりおかず類が少なくなってしまう場合や、除去が困難な場合には、自宅からかわりとなるおかずを持参していただくようお願いし、対応しております。 次に、文部科学省からのガイドラインに基づく対応の徹底についてでございますが、国からは、学校給食における食物アレルギーの対応には、公益財団法人日本学校保健会が発行した、学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づき対応するよう求められていることから、市教委といたしましても、給食担当等の学校関係者に対し、機会あるごとに周知の徹底を図っているところでございます。また、他都市で事故が発生した際には、対応手順の見直しやうっかりミスをなくす観点から、その都度、注意喚起も行ってまいりました。 今後も、ガイドラインに基づいた対応が行われるよう周知徹底に努め、安全、そして安心な給食を提供してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 藤田君。 ◆7番(藤田幸代君) 2問目は自席にて質問させていただきます。 奈良市バリアフリー基本構想について、市民生活部長にお尋ねいたします。 御答弁に、国のガイドブックに基づき、駅の乗降客数、生活関連施設が集積しているところなどを判断して選定されるとありましたが、奈良市バリアフリー基本構想の目的に、高齢者や障がい者、妊産婦、子育て世帯、けが人、外国人など全ての方々に対するバリアフリー上の課題を改善することとも書かれております。将来的には重点整備地区を他の地域にも定めていくことは可能であるとのことでしたが、JR平城山駅についてはどのようにお考えでしょうか。 次に、市長へ、認知症対策の今後の取り組みについてお尋ねいたします。 行方不明者をつくらない認知症対策として、地域における企業や各種団体、公共機関などとの連携を含む地域のネットワークづくり、体制づくりに向けた本市としての今後の取り組みについて、市長のお考えをお聞かせください。 次に、学校教育部長にお尋ねいたします。 学校給食におけるアレルギー対策の今後の取り組みについて、また、その課題についてお尋ねいたします。 以上で私の第2問とさせていただきます。 ○副議長(高杉美根子君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 藤田議員からの御質問に、2問目でございますので自席からお答えを申し上げます。 本市の認知症対策の今後の取り組みについてということでございますけれども、認知症は早期の診断や発症初期からの支援が大変重要であり、地域で暮らしていくための生活支援サービスが、その方の御意向と生活の実態に合わせて切れ目なく継続的に提供されるように、地域単位での支援体制が大切だと考えているところであります。今後、ますます重要となってまいります地域包括支援センターに配置をしている地域支援推進員につきましても、今後増員を検討するなど、認知症施策につきまして、前向きに取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。 ○副議長(高杉美根子君) 市民生活部長。 ◎市民生活部長(堀川茂美君) 失礼いたします。2問目ですので自席よりお答えさせていただきます。 今、藤田議員から御質問のありました、JR平城山駅周辺を重点整備地区に選定し、バリアフリー化することについてでございますが、重点整備地区を定める場合に始点となります鉄道駅において、国の基準では1日当たりの平均的な乗降客数が3,000人以上である駅を特定旅客施設と定め、生活関連施設としまして定めなければならない規定を設けております。つまり、利用者3,000人以上の駅を中心とした地域におきまして、高齢者や障がい者の方々がよく利用される施設が集積している徒歩圏内地域を重点整備地区として選定することとなります。 直近のJR平城山駅の駅別乗降客数といたしましては、1日当たりの利用者人数が3,000人に達しておりませんので、重点整備地区の選定候補からは外れておりますが、将来にこの基準を超えることがございましたら、その時点における地区内の施設集積状況とも勘案し、重点整備地区の選定候補の一つとして考えてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 学校教育部長。 ◎学校教育部長(梅田真寿美君) 2問目ですので自席よりお答えをさせていただきます。 学校給食におけるアレルギー対策の今後の取り組みと課題についてでございますが、引き続き、食物アレルギー対応の基礎となる学校生活管理指導表の提出、そして管理の徹底と活用に努めてまいります。さらに、アレルギー対応には細心の注意が必要であることから、各学校に対して保護者との丁寧かつ慎重な協議を行うよう指導してまいります。 また、初めての試みといたしまして、全教職員を対象とする食物アレルギー対応研修を夏季休業中に実施いたします。これにより、アレルギーについての知識を習得し、緊急時等の具体的な対処方法を理解するとともに、危機管理意識の向上を図ってまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 藤田君。 ◆7番(藤田幸代君) 3問目は主張と要望とさせていただきます。 まず、奈良市バリアフリー基本構想について、御答弁にありました重点整備地区を定める場合に始点となる鉄道駅について、国の基準では1日当たりの平均的な乗降客数が3,000人以上であることとありました。JR平城山駅の乗降客数は、平成24年度のデータでは2,774人でしたが、駅近くに現在開発されている住宅地があり、あと226人ふえると3,000人以上という基準に達することもあると考えます。そして、JR平城山駅を利用される市民の多くが、この駅のバリアフリー化を強く望まれております。 私、実際に行って歩いてまいりましたが、この駅には階段しかなく、東口から改札まで65段の階段があり、西口からですと49段の階段があります。さらに、改札からホームまで37段の階段があります。電車に乗るために100段ほどの階段を越えなければいけないのは、高齢者、障がい者の方だけでなく、若い方にもかなりきつい障壁であります。まして車椅子に乗っていらっしゃる方にとっては、利用できない駅になっていると感じました。 奈良市バリアフリー基本構想の目的に高齢者や障がい者、妊産婦、子育て世帯、けが人、外国人など全ての方々に対するバリアフリー上の課題を改善することとあります。また、市長は「社会的障壁を除去する社会、つまり高齢者や障がいのある方々だけではなく、『すべての人々にとって、安心で暮らしやすいまちづくり』への将来像を実現していくための指針と位置づけてまいります。」と書かれております。どうか全ての方々に対するバリアフリー上の課題を改善する取り組みをお願いしたいと要望いたします。 そして、認知症対策につきましては、気づきということにおいては、認知症の方にかかわる全ての方に認知症への理解が必要です。まず家族、そして地域、そして地域における企業や各種団体、公共機関などへの認知症サポート養成講座の積極的啓発の取り組みをぜひお願いいたします。 そして、地域のネットワークづくり、体制づくりですが、他の市町村で既に取り組みを始めているところがあります。ネットワークに地域の関係団体が加入し、認知症で徘徊するおそれがあるとして、家族の同意を得て事前に登録した高齢者が行方不明になると、関係団体で情報を共有して、早期発見につなげる仕組みを構築されております。その際、個人情報の取り扱いについての注意は必要と考えますが、奈良市においても、行政の主導で地域包括支援センターを中心とするネットワークの構築に早急に対応していただきたい。また、この体制づくりが地域包括ケアシステムに向けての一つの取り組みになってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 また、有害獣被害に対する対応策について、今国会での法改正では、立法目的に鳥獣の管理を図ることが加えられ、捕獲を強化する内容となっております。この法改正では、有害鳥獣を減少させる計画を都道府県が策定するよう規定されており、これまで市町村が中心に取り組んできました捕獲事業が、都道府県や国も実施することになりますので、県ともしっかり連携していただいて、早急に法改正に対応していただきたいと要望いたします。 また、御答弁にありました猿の生態や地域で取り組める対策についての説明会を御存じでない方が多くいらっしゃいますので、積極的な周知の取り組みをお願いしたいと考えます。 最後に、学校給食におけるアレルギー対策について。 文部科学省の有識者会議の最終報告では、学校関係者、給食関係者などの現場の方へのガイドラインの徹底、研修の充実、誤食を防止する体制づくり、そして緊急事態に対応できるよう自己注射薬エピペンの使用の徹底、医療機関や消防機関との連携が挙げられていました。御答弁にはガイドラインに沿って対応策を考えていただいているように感じましたが、あと緊急時の対応のための医療機関や消防機関との連携が入っていませんでした。緊急事態を引き起こさない体制づくりは当然ではありますが、万が一のときの医療機関や消防機関との連携体制を整えておく必要があります。この取り組みも今後の課題として検討していただきたいことを要望いたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(高杉美根子君) 22番松村君。   (22番 松村和夫君 登壇) ◆22番(松村和夫君) 改革新政会の松村でございます。既に通告をしています数点について質問いたします。 開発審査について、都市整備部長に伺います。6月議会において建設企業委員会の委員構成が変わる可能性がありますので、開発審査について質問をしておきたいと思います。現在、建設企業委員会には、開発に関する請願が付託をされていますが、ここで議論するものではありません。一般論として開発審査について伺いたいと思います。 まず、開発申請が出された場合、その開発申請に対し許可、不許可の判断をするとき、法令や条例に基づいて行われ、適法であれば許可をしなければならず、不適法であれば許可をしてはならないもので、恣意的な裁量の入る余地はないと考えますが、見解を伺いたいと思います。 次に、開発審査については、法令や条例に基づいて作為しなければならない事項ですが、議会や議員、あるいは地域から超法規的に審査開始の以前に不許可とするよう求められた場合、不許可とすることがあるのか。あってはならないことと考えますが、見解を伺いたいと思います。 私は、純法律行為でなければならない開発審査でのどの過程にあっても、行政の法律行為に影響を与えようとするいかなる言動もあってはならないし、許してはならないと考えています。まして議員が行政に対し、超法規的な判断を求めるような影響を与えるべく言動することがあれば、許されるものではないと強く指摘しておきたいと考えます。日本は法治国家であり、政治的利益を目的に法の解釈を変えることや、超法規的な行為が許されるものではありません。私は、一般論として、市民の請願権を否定するものでは全くありません。むしろ請願は、地方自治、住民自治の発展を求める立場から歓迎すべきものであると表明をしておきます。 次に、奈良市の国・県の上乗せ事業等について伺いたいと思います。財務部長に伺いたいと思います。 奈良市の財政は、危機的な状況にあると指摘されてきました。その原因は、国の経済状況による税収の落ち込みなど奈良市単独では対処できないもの、一方、仲川市長によって今日整備されたとはいえ、市民への背任的な経営によって膨大な財政赤字を生み出してきた奈良市土地開発公社、あるいは市営住宅のずさんな管理による多額の滞納家賃など、滞納市税や滞納債権の累積など行政が責任を負うべき財政赤字などなど、詳細を述べることはしませんが、財政逼迫の原因について多くのことが指摘できると思います。 今回、老春手帳優遇措置事業による入浴補助について、廃止に向けた激変緩和ということで5000万円の増額補正が提案されています。これは事業仕分けの議論の中で廃止とされてきた事業であり、時代の変化もあり、現在の財政状況から考えると廃止もやむを得ないと考えています。この入浴補助のような市の単独事業だけではなく、国や県の補助事業でも時代の変化に応じて見直していくべき事業があると思います。 国や県の補助事業や国や県が行っている事業に対し、基準以上に市が上乗せしている事業にどのようなものがあるのか、その上乗せによる市の財政負担はどの程度か、主なものを伺いたいと思います。 次に、市の単独事業の中には、今なお見直されず、その事業の受益が一部だけに偏っており、既得権益化している事業もあるのではないかと思います。長年実施されてきた事業は、それ自身が既得権益化するものです。事業の廃止や縮小は、必ず権益を得ていた人たちが既得権を守れと批判し、継続を求めるものであります。事業の見直しに当たっては、優柔不断であってはならないと考えます。 次に、県との二重行政の解消に向けての連絡調整会議の設置について、市長の見解を伺います。 御承知のとおり、地方自治法の一部が改正され、都道府県と政令指定都市は事務の処理について連絡調整を行うための指定都市都道府県調整会議を設置できることとなりました。これは二重行政を排し、行政の無駄をなくし、必要な事業を効率的に実施することを可能にしようとするものです。今般の改正では中核市は含んでいませんが、県と奈良市との間において二重行政となっている施策や事業は多くあり、一元化に向けて調整することが必要と考えます。 また、奈良県は事業を実施するに当たり、奈良市だけではなく当該自治体の要望や意見を聴取し、意向に沿って事業を行うことが本来の姿であり、事前に連絡調整されるべきだと考えます。しかし、今日まで、必ずしも奈良県の施策や事業が事前に周知をされ、意向聴取が十分に行われてきたとは言えない状況があったと思います。今日、奈良県及び市は行政の無駄をなくし、必要とされる事業を効率的に実施するため、一元化できる施策・事業は一元的に実施されるべきことは時代の要請だと考えます。 今般の地方自治法に基づく指定都市都道府県調整会議の設置はできませんが、奈良県との間で行政全般、あるいは観光政策を初め個別課題において、指定都市都道府県調整会議に倣って、例えば機関としての連絡調整会議設置を呼びかけ、求めていく考えはないか伺います。 私は、国・県・市の関係から判断すれば、県は市よりも上位自治体であるとの意識が県側にあると思います。そのため、市長側から積極的に求めていくことが極めて大事だと考えています。 次に、奈良市における防犯対策について、総合政策部長に伺います。 御承知のとおり、全国各地で幼い子供たちがとうとい命を奪われる事件が続いています。奈良市においても、平成16年11月、楓ちゃん事件が起こされ、とうとい命が奪われてから9年半たとうとしています。 県警の資料によりますと、奈良県の犯罪発生件数は、平成14年の3万2017件をピークに毎年減少傾向にあり、平成25年には1万2337件と、ピーク時の61%減となっています。奈良市においても、平成13年の9,431件の犯罪発生件数が平成25年には3,455件と、37%まで減少しています。これは、楓ちゃん事件を契機に、高齢者を初め地域の方々による登下校時に子供の安全を守るため、見回りや立哨活動、あるいは青色パトロール、街灯の増設、自治会や自治連合会単位での防犯・防災組織の立ち上げなどの活動があると思います。とうとい命が犠牲となりましたが、これらの活動を通じて地域から犯罪をなくそうという意識が大きく高揚した結果だと思います。 しかし、奈良県下では、平成25年度には減少傾向がストップをし、また、高齢者をターゲットとした振り込め詐欺、特殊詐欺が平成25年には78件と増加傾向にあり、しかも巧妙化してきており、被害総額も4億4900万円となっていると聞きます。 そこで、奈良市として、このような状況下での犯罪対策にどのように取り組まれているのか、伺いたいと思います。 奈良市内では、子供の安全のための活動や防犯活動など、さまざまな取り組みをされていますが、地域の独自活動、工夫ある取り組みを発表し、交流できる場を設けるなどの考えはないか伺いたいと思います。 先日の平城地区での地域ミーティングでも要望されていましたが、人口2万2000人の平城地域に交番がありません。平城地域では、防犯・防災活動が活発に行われていますが、交番の設置は長年の要望であり、奈良県に対し交番の設置を強く働きかけていただきたいと思います。 次に、元林院などの町並み保存と伝統文化の活性対策について、観光経済部長に伺います。 奈良市は、観光活性化対策の一環として、花街の歴史がある元林院や、南市など夜の散策に魅力ある地域づくりを考えるため、復興懇話会を立ち上げ、今年度、206万円の新規事業を計上しています。また、仄聞しますと、来年度以降、事業化、予算化を検討するとのことであります。 私は、元林院などの町並みを保存することは必要なことであり、観光資源化の中で奈良らしい観光振興を図ることは大事だと考えます。 観光客が伝統文化としてのおもてなし文化を楽しめ、しっとりとした町並みや核となる建物の保存など、ソフト・ハード両面で奈良らしい観光振興に取り組みたいと聞いていますが、どのような取り組みを考えられているのか伺いたいと思います。 かつて元林院など花街が大層にぎわっていたことは、帝塚山大学の勝部月子先生の論文を読んで理解をいたしましたが、私は本来、花街の盛衰は需要と供給によって決まるものであり、需要のないところに文化は育たないと思っています。 次に、奈良らしいまちづくりに向けての考え方について伺いたいと思います。 ならまちを初め、伝統的な町並みの保全制度は進んでいると思いますが、奈良市全体の古都としての積極的なイメージづくりが必要だと考えます。そのため、奈良らしい雰囲気を醸し出すための基本的なコンセプトがなければならないと考えています。ならまちに限らず、そのまちそのまちの歴史や文化を継承し、そのまちにふさわしいコンセプトに基づいて、そのまちの雰囲気を演出していくことが必要であり、そのトータルが世界遺産群と調和した風格ある古都奈良のイメージになると考えます。 私は、奈良にふさわしいまちづくりの基本理念を和の文化、和洋の雰囲気を醸し出すことに置き、それに合わせたまちづくり、景観づくりを進めることが必要だと考えています。県とも理念を合わせ、店舗や家屋の新改築において、和洋式への方向づけを求めたいと思います。 以上で第1問を終わります。 ○副議長(高杉美根子君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの松村議員からの御質問にお答えをさせていただきます。 県と市の二重行政解消などを目的とした連絡調整会議についての御質問でございます。 現在、県と市の間におきましては、御指摘のように業務の連携強化を図るということは大変重要でございますので、さまざまな観点での連携調整を図らせていただいているところであります。特に観光面や都市計画に係る施策、また今後、連携をして対策を講じていかなければならないさまざまな地域課題、また、こういった問題に対しましても、特に県と市が互いの立場を理解・尊重し、バランスをとりながら、重複をするのではなく、相乗効果が得られるような対話を進めていく必要があろうかというふうに考えてございます。 議員から御指摘のありました今般の自治法改正に伴う取り組みにつきましては、指定都市からの制度のスタートということでございますけれども、我々中核市といたしましても、都道府県との連携調整をより深めていくということは大変重要だというふうに考えておりますので、議員から御提言のありました包括的な連携調整を行う場というものにつきましても、今後、市から県に対しまして働きかけを行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 都市整備部長。   (都市整備部長 東井素生君 登壇) ◎都市整備部長(東井素生君) 松村議員の御質問にお答えをいたします。 開発審査についてでございますが、開発行為の許可処分に際して裁量の余地はあるのかとの御質問でございますが、都市計画法第33条では、開発許可の申請があった場合において、当該申請に係る開発行為が許可の基準に適合し、かつ、その申請の手続がこの法律に基づく命令の規定に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならないと定められてございます。このことから、行政の自由裁量の入る余地はございません。 また、審査開始の以前に議会からの御意見や地元の要望等で不許可を求められた場合の対応につきましては、審査に入る前に不許可とすることはございません。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 財務部長。   (財務部長 西谷忠雄君 登壇) ◎財務部長(西谷忠雄君) 松村議員の御質問にお答えをいたします。 国や県の補助基準に上乗せをして実施している事業の財政負担という御質問でございます。 まず、国や県の補助基準に上乗せ実施している主な事業についてでございます。平成26年度の予算で申し上げますと、国・県の基準では、利用者の自己負担となっている部分を市が助成をし、また所得制限を緩和しているものなどでございます。主なものといたしましては、精神障害者通院医療助成事業経費では5000万円のうち1000万円、心身障害者医療費助成経費では5億3130万円のうち1億5006万円、子ども医療費助成経費では6億4616万1000円のうち2億4943万2000円、午前中の答弁でもございましたが、民間保育所運営費補助金では6億999万8000円のうち2億8176万3000円が単独として上乗せをされております。 また、国や県の事業で人数の配置基準を市で緩和しているものといたしましては、幼稚園、小学校の少人数学級編成実施に伴いまして、市費講師の経費として6億5386万8000円がございます。 いずれの事業につきましても、これまで事業評価をし、見直しを図ってまいりましたけれども、いずれも重要な施策として継続して実施してまいっております。 次に、既得権益化している事業の改革についての御質問でございます。 各種事業の見直しにつきましては、毎年の予算編成時における見直しや事業仕分けなどを含めまして、事業の必要性を十分に検証し、ゼロベースでの徹底した見直しを行い、事業の廃止、縮小、統合などを進めてきたところでございます。今後におきましても、各事業のこれまでの経緯、公平性の担保、制度の利便性、また現状に照らし合わせて時代に合った必要かつ適切な内容であるかなど十分な検証と見直しを進めて、限りある財源を真に必要な事業に有効に活用してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 総合政策部長。   (総合政策部長 岩井秀臣君 登壇) ◎総合政策部長(岩井秀臣君) 松村議員の御質問にお答えさせていただきます。 奈良市における防犯対策についての御質問でございますが、議員お述べのとおり、近年、犯罪の発生件数は大きく減少しております。これは地域の方々の地道な活動のたまものであると認識しておりまして、今後も地域、警察、そして行政が一体となって、犯罪防止に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えておるところでございます。 昨今の振り込め詐欺等の犯罪の状況を見ますと、その手口は巧妙かつ悪質になってきておりますが、例えば住宅地を物色していた泥棒が、地域の住民の方に声をかけられたことによりまして、その場から逃走したというような事例も聞いております。犯罪の防止にはこういった声かけなど、地域の皆様の日常のちょっとした取り組みが非常に有効でございますので、今年度から新たに実施予定の自主防災・防犯協議会の会長会議などにおきまして、こうした事例、また犯罪状況等について紹介をさせていただくとともに、各地区におけます取り組み状況につきましても情報交換の場を設けるなど、地域の皆様の防犯活動への支援策を検討してまいりたいと考えておるところでございます。 また、平城地区への交番の設置についてでございますが、交番の設置は地域の防犯活動の充実を図る上でも重要であると認識しておりますので、市としても、再度、県のほうに要望を伝えてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 観光経済部長。   (観光経済部長 川本了造君 登壇) ◎観光経済部長(川本了造君) 松村議員の御質問にお答えさせていただきます。 ならまちの観光を振興していく上での伝統文化の活性化によるにぎわいづくりについてでございますが、猿沢池南西にございます細い路地が入り組んだ元林院町周辺は、明治から昭和初めにかけては花街として大いに栄えた地域であり、奈良の歴史的な情緒が今も残っているエリアでございます。この地域には、花街独特のお茶屋建築など優雅で伝統的な建物が多く残されていることから、奈良町都市景観形成地区の指定範囲を拡大することによって積極的に保全していく区域に含め、この伝統的な町並みを保存することにより、雰囲気のあるまちづくりと、にぎわいづくりにつなげることができるように努めているところです。 また、これら町並みの景観に加え、花街に根づいていた歌舞音曲などの伝統的な芸能や、お座敷を引き立てるために必要とされたおもてなしのための茶道、華道、書道などの伝統的な文化もまた、訪れた観光客の皆様が、古くから残る伝統的な町並みの中で体験し、楽しんでいただくことのできる観光資源の一つとなるものと考えております。 続きまして、観光振興を考えるに当たっての奈良らしさへの考え方についてでございますが、奈良市には、世界遺産に代表される歴史文化的遺産や、自然環境、伝統的な生活文化など、古代より守り続けられてきたものが多く残されております。そして、これらの守り継がれてきたものが醸し出す雰囲気が、私たちの持つ奈良らしさの考え方につながっているものと考えております。 市では、これまでにも世界遺産に代表される古代からの歴史文化遺産や、ならまちが代表する伝統的な町並みを保存し、先人が残したそれぞれの地域特有のまちの雰囲気、景観、環境を保全し、観光資源として活用していくことに努めてまいりました。そしてそのことが、より奈良としての魅力を醸成し、奈良の観光振興にも直結してきたものと考えております。これからも、この奈良らしさを引き継ぎ、より一層の観光振興につなげていくために、地域に根差した建築様式などのイメージ及びデザイン、そして生活文化の様式などを明確に次の世代に引き継いでいくことが望まれており、そのためにも地域に即した目標、考え方を持つことが大切であると考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 松村君。 ◆22番(松村和夫君) 2問目は意見にさせていただきたいと思います。 まず、開発審査に当たっては、私は純法律的な判断ということが求められるというふうに思います。確かに、ある地域が開発をされる場合、周辺自治会なり住民の意見を可能な限りその開発に取り入れて、地域との調和のある開発をしていくということは大変大事なことだというふうに思っています。そういう意味では、事前にきちっと行政指導をされ、地域住民の皆さんの声を聞いて、そして開発業者との間の中で行政指導を通じて調和のある地域づくりをしていく、まちづくりをしていくということは当然求められることだろうというふうに思うんですが、ただ、そういったことの営みは当然あろうかというふうに思うんですが、いきなり開発を不許可にせよというような意見等は、私はあってはならないんではないかというふうに思っています。政治的な利益を求めて、そういったことに議員が加担をすることがあってはならないというふうに私は思っています。そういう意味で、きょうは開発審査に当たっての行政の姿勢を再確認させていただいたということで、了解をさせていただきました。 それから、上乗せ事業のことですが、私は答弁を聞いておりまして、必要な事業はやはりしていかないといけない、奈良市単独であってもしていかなければいけないし、あるいは国、あるいは県の事業であっても、より一層市民の生活、幸福のために、奈良市として十分その事業の中に意向を反映していくということは必要なことだというふうに思いますが、ただ、一旦事業が開始をして、そのことが長年続いてきたからといって、既得権を擁護をするということの中で、その事業がなかなか見直しできないというようなことがあってはいけないというふうに思います。まさに今回の入浴補助事業の上乗せというんですか、補正予算で実施をされるような形。これは、私はある面では市長の優しさかなというふうに思うし、ある面では声の大きさに負けたのかなというような思いもするんですが、やっぱり優柔不断であってはいけない、見直すべきことはきちっと見直していくということが、私は大事かなと思います。新しい事業に特化をしていくということも考えていかなければ、奈良市の将来がやっぱり不安になるというふうに思っておりますので、ぜひ、そのことをお願いしておきたいというふうに思います。 二重行政の解消に向けて、今、市長のほうから答弁がありまして、ぜひ、一元化できるものは一元化をしていく。そしてまた、奈良県の事業、奈良市の事業を事前に調整することによって、財政負担も助かる部分もあるし、また統一的な考え方に基づいて行政を展開していくことによって、バランスのとれたまちづくりができていくのではないか。先ほど観光経済部長の答弁にもありましたように、まちづくりに向けて、県と奈良市が、やっぱり一定の考え方に基づいたまちづくりをしていくということが必要なことかなというふうに私は思っています。いろいろな施策を実施していくに当たっても、例えば看板一つにしても、奈良県はこういうような看板をつくる、奈良市はこういう看板をつくるという別個の看板をつくっているような形では、まちのイメージというのが壊れていくのではないか、ちくはぐな形になるのではないかというふうに私は思います。 だから、そういう意味では、やっぱり一定の理念、考え方に基づいたまちづくりを県と市と意思合わせをしていただいて、奈良のまちづくりというようなイメージになるような形でやっていっていただきたい。そのためには連絡調整会議を機関として設置をしていただいて、そういったそごのないようにしていただくことが大変重要ではないのかなというふうに思っています。県のほうでもそういったことで考えていただいているような形で聞いておりますし、ぜひ積極的に奈良市側から働きかけていただいて、機関として設置をしていただいて、そういったことをやっていただきたいなというふうに思っています。 それから、防犯対策。これは地域の皆さん、本当に朝夕、あるいは昼も含めて、大変な努力をしていただいております。平城地域でも活発にしていただいておりまして、また他の地域でも同様にされているんだろうというふうに思います。そういう意味では大変敬意を表しているところなんですが、しかしまだまだ新しい犯罪というんですか、経済犯罪も振り込め詐欺等の犯罪も出てきておりますので、それらに対する啓発もぜひ力を入れていただきたいというふうに思っています。 なかなか時間がありませんので、またの機会に譲りたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、私の言わんとするところは、県と奈良市、統一的なイメージの中で、考え方の中でまちづくりを進めていただくことが、奈良の雰囲気というんですか、奈良らしい雰囲気、風格のあるまちづくりになっていくのではないかということで、ぜひそのことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○副議長(高杉美根子君) 8番酒井君。   (8番 酒井孝江君 登壇) ◆8番(酒井孝江君) 無所属の酒井孝江です。よろしくお願いいたします。 さきの御質問と重複するところは御容赦ください。 一括質問一括答弁でお聞きします。 まずは、若草山モノレール敷設について、市長にお聞きします。 若草山は、数々の和歌にも詠まれ、奈良の歴史的景観のかなめの一つです。ところが、奈良県が若草山の一重目までモノレールを敷設しようとしています。日本と奈良県民、市民にとって重大な文化破壊です。これについて市民、県民だけでなく、多くの文化人や日本イコモス国内委員会からも反対の声があり、報道によるとかご屋等の代替案も出てきています。奈良市の御対応をお聞きします。 次に、奈良市営住宅条例の一部改正について、市民生活部長にお聞きします。 平成24年9月11日の定例会で、私は、日本での貧困の割合が高い世帯として、母子家庭に次いでは父子家庭だと指摘させていただきました。ことしの3月6日の定例会では、低所得で住宅に困窮する小さい子供のいる世帯を対象に新たに市営住宅の募集枠を設定された際、ひとり親家庭も含めていただきますよう要望いたしました。これに対して、このたび、奈良市営住宅条例の一部改正について議案が提出され、その中で以前からある母子世帯向け住宅として整備された住宅を、同様に困窮している父子世帯向けへの優先枠としても新設されたことに感謝いたします。ありがとうございました。 奈良市母子家庭・父子家庭等自立促進計画によりますと、奈良市のひとり親家庭は約3,500世帯あり、世帯の年間総収入は、平均で母子家庭255万円、父子家庭381万円です。社会の助けを一番必要としているひとり親家庭にとって、住宅の家賃が一番の負担となっており、市営住宅の優先枠こそが子供の貧困を解決するかなめとなる施策です。さらなる改善に向けての今後の対応についてお聞きします。 以上で1問目を終わります。 ○副議長(高杉美根子君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの酒井議員からの御質問にお答えいたします。 若草山でのモノレールの敷設事業についてでございますけれども、この件につきましては、県の最新の会議の中でも、資料といたしまして、手段としてモノレールに特にこだわっているわけではなく、にぎわいづくりの手段だというふうな表現がされているところでございます。今後につきまして、奈良市もこの奈良公園地区整備検討委員会での議論に加わり、意見を申し述べていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 市民生活部長。   (市民生活部長 堀川茂美君 登壇) ◎市民生活部長(堀川茂美君) 酒井議員の質問にお答えさせていただきます。 市営住宅の母子世帯向け住宅に父子世帯も対象として加える条例の一部改正の今後の対応という件でございますが、本市におきましては、平成25年2月に奈良市母子家庭・父子家庭等自立促進計画が策定され、母子家庭や父子家庭がふえる傾向にあることや、母子家庭、父子家庭では親が1人で子育てと生計とを担うこととなり、生活状況が大きく変化し、仕事、子育て、教育など、日常生活上のさまざまな困難に直面することが少なくないこと等が述べられております。そこで、市営住宅の面からも支援の拡充を図るべく、特定目的住宅として設定している母子世帯向け住宅について、父子世帯も対象に加えようとするものでございます。 なお、現在の設定戸数は17戸となっておりますが、この設定戸数につきましては、今後の応募状況も見ながら、必要に応じてふやすことも検討していきたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 酒井君。 ◆8番(酒井孝江君) ありがとうございます。子供が安心して暮らせるように、ひとり親家庭への優先枠をますますふやしていただきますようお願いします。 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(高杉美根子君) 27番植村君。   (27番 植村佳史君 登壇)
    ◆27番(植村佳史君) こんにちは。自民党の植村佳史でございます。本日最後となりました。もう少しおつき合いいただきたいと思います。 質問の前に、去る6月8日に桂宮宜仁親王殿下が御薨去あそばれました。心から哀悼の意を表します。また、そのことに伴い、本市におきましては、追悼の弔問記帳所を設置されてはどうかという私どもの提案に対し迅速に対応いただき、10日より本庁と西部・北部出張所の3カ所において弔問記帳所を開設されたことに評価をいたし、感謝を申し上げます。 それでは、既に通告しております数点に関しまして、市長に質問をさせていただきます。 まず初めに、報告第18号に掲載されております一般財団法人奈良市総合財団の経営状況の報告について--これは50ページです--の入江泰吉記念奈良市写真美術館の事業報告について、関連したことを質問いたします。 平成24年度より、一般財団法人奈良市総合財団が指定管理者となり、現場の管理監督者である館長が不在となっていることが判明したことから、美術館の施設清掃管理などが行き届いてないことや、来場者が減少していることなどで、平成24年12月の市民環境委員会で写真美術館館長の設置を要望いたし、平成25年度から副市長を館長にとしていただいたわけでありますが、報告第18号の事業報告では、平成25年度入館者数は、開館当初の約15万人以上から減少が続き、開館以来2番目に少ない4万7273人となり、大変危機感を感じているところであります。 そこで、そのことに関して3点質問をいたします。 1点目に、平成25年度に、写真美術館館長はこの美術館に何日間出勤されたでしょうか。 2点目に、写真美術館には日本の博物館法に定められた研究、調査、収集、展示、普及、保存、管理など社会教育施設における教育従事者としての立場も含まれる学芸員の配置はどのようになっているでしょうか。 3点目に、最近の入館者数は、平成22年度は6万1412人、平成23年度は5万7323人、平成24年度は5万2669人、そして平成25年度は4万7273人と、5万人を割ってきております。この原因と対策についてどのようにお考えなのか。以上3点をお聞かせください。 次に、所在不明児についてお聞きいたします。 神奈川県厚木市のアパートで白骨化した男の子の遺体が見つかり、父親が逮捕された事件で、男の子の母親は、息子が死んでいるとは知らなかったと、こう話しており、容疑者は2006年から翌年にかけて、当時5歳の長男に十分な食事を与えず、死亡させた疑いが持たれているとの報道であり、なぜ今まで発見できなかったのかと、全国的に再発防止の対応策が望まれているところであります。 そして、昨年の12月30日には、自治体が2012年度に実施した乳幼児健診を受けずに所在が確認できない乳幼児が全国で4,176人いると、驚愕の報道がされていました。 さて、乳幼児健診を受けないなどの理由で所在や安否を行政が確認できない子供については、国が人数などの全国調査に乗り出し、厚生労働省が4月15日に市町村に調査を要請したことが明らかにされました。児童虐待のおそれがあるため、実態を掌握した上で対策を検討する考えを示し、夏ごろに結果を公表するとの予定であります。本市としても、一刻も早く解決しなければならない事案であると考えております。 そこで、そのことに関しまして2点質問をいたします。 1点目に、本市における本年5月1日時点での住民基本台帳に登録されているのに乳幼児健診を受けておらず、確認のとれていない児童の数と、状況の確認ができない場合の対応策についてお聞かせください。 2点目に、保育園、幼稚園、学校などに途中から来なくなり、5月1日時点で保護者と連絡がとれなくなった中学生以下の子供の数と、その確認方法や対応策についてお聞かせください。 最後に、中小企業の振興策についてお聞きいたします。 本年の4月より消費税増税が行われ、約2カ月が経過したところでございます。政府の好循環実現のための経済対策の効果で、前回の消費税増税のときのような混乱は起こっていないと思われています。駆け込み需要の反動については今後も注意しなければなりませんが、奈良商工会議所のことし3月の奈良市内の5業種42社を対象に実施した景況調査の結果では、平成26年1月から3月期の業況、前年同期比で、好転したが16.7%で、不変が40.5%、そして悪化が42.9%で、今期の増加・好転したなどとする企業割合から、減少・悪化したなどとする企業割合を差し引いた値である実績値DIはマイナス26.2%となり、前期である平成25年の10月から12月期のマイナス12.2%より悪化超幅は拡大したと公表されています。 さて、昨年の9月議会において、この小売サービス業などの中小企業の対策について、市長のNARA NEXT4になぜ触れられていない、掲載していないのかという私の質問に対して、市長は、中小企業対策については大変重要なものだと認識している。今後さらなる取り組みを進めるために、商工会議所などとも対話、協力して推進していくし、従来の支援策にとどまらず、新たな対策や御提案などがありましたら、今後さらに積極的に検討を進めていきたいという旨の答弁をされていました。 そこで、そのことに関しまして、2点質問をさせていただきます。 1点目に、この消費税増税前に対して、小売サービス業などの中小零細企業振興について、どのような施策、取り組みをされていますか。 2点目に、奈良県は、県内消費喚起などを目的に、各地域でのプレミアム商品券の発行に対しての支援制度を平成26年度については拡充して実施し、県内の小売サービス業などの活性化対策を行っておられ、他市においてもこの動きが見当たりますが、本市はこの取り組みについてどのようにお考えなのか、お聞かせください。 以上1問目といたします。 ○副議長(高杉美根子君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの植村議員からの御質問にお答えいたします。 まず初めに、入江泰吉記念奈良市写真美術館の運営についての御質問でございます。 この平成25年度に館長が何日出勤をしたのかということでございますけれども、現在、入江泰吉記念奈良市写真美術館の館長は津山副市長が務めておりますが、館長として現場に行く必要がある場合は随時、館に赴いておりますが、それ以外につきましては館の職員が本庁に来て連絡調整を行うなど、随時、臨機に対応させていただいている状況でございます。 次に、学芸員の配置状況についてでございますけれども、現在、写真美術館に配置をされております学芸員につきましては、事情により休職をしている状況にございます。一方で、他の事業担当の職員を中心に、必要な場合においては、一般財団法人奈良市総合財団に所属をしております他の学芸員とも適宜協議を行って事業を進めているところであります。 次に、入館者数減少の原因と対策ということでございます。 平成4年の開館以来、20年以上にわたり、本美術館では入江泰吉氏の作品を中心にさまざまなテーマで展示を行ってまいりましたが、やはり一人の作家の作品で展覧会を継続し、入館者を維持するということには、一定の限界があることも否めないのが事実だと思います。このため、奈良市では、本年より入江泰吉記念写真賞を創設いたしまして、また、入江氏が長年住まれておりました水門町の御自宅を文化施設として公開をし、氏の業績の顕彰に努め、美術館の入館者増にもつなげてまいりたいと考えているところであります。 また、他の写真家とのコラボレーションによる展覧会の企画や、入館者数にはあらわれておりませんが、他の美術館での出張展示などを積極的に行うなど、活性化策に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、所在不明児についての御質問でございます。 平成26年5月1日時点で、住民基本台帳に登録をされているのに乳幼児健康診査を受けておらず、また現況の確認がとれていない子供の数でございますけれども、4カ月児健康診査では1名、10カ月児健康診査では4名、1歳7カ月児健康診査では2名、3歳6カ月児健康診査では5名でございます。 次に、状況の確認ができていない場合の対応方策でございますけれども、受診再勧奨はがきの郵送を行いますとともに、電話や家庭訪問で受診勧奨を徹底し、極力受診をしていただくように努めているところでございます。それでもなお受診をされない場合には、保育園等への通園状況の照会や予防接種歴の確認、また夜間を含めて、そして時間帯を変えての家庭訪問を複数回行うなどの対応を行っております。さらに、それでも不十分な場合には、奈良市被虐待児童対策地域協議会の調整機関であります子育て相談課にも協力を求め、出入国の調査や関係機関等を通じて、お子様の置かれている状況を徹底して把握するように努めているところでございます。 続きまして、保育所、幼稚園、また小・中学校に年度の途中から来なくなる、いわゆる所在不明と疑われる子供の数についてでございますけれども、奈良市立の保育所、幼稚園及び小・中学校に在籍をする子供のうち、平成26年5月1日現在におきましては、全ての子供の所在が確認できているところでございます。 また、子供の確認につきましては、保育所、学校・園で電話連絡や家庭訪問などを行い、場合によっては民生・児童委員の方々の協力要請を行うとともに、地域担当の保健師や、奈良市被虐待児童対策地域協議会の調整機関であります子育て相談課や、奈良県中央こども家庭相談センターとも連携を図るなど、あらゆる手段を講じて子供の確認に努めているところであります。厚木市で起きました悲惨な事件がこの奈良市で起きないよう、保育所、学校・園、地域、また関係機関がしっかりと連携をし、子供の所在確認に努めてまいりたいと考えているところでございます。 次に、中小企業の振興策についてでございますが、奈良市での設備投資に係る資金融資が、昨年に比べまして約1.4倍増加をしていることにより景気の回復基調が見られることや、国が中小企業や小規模事業者を対象に事業の革新、販路開拓、創業支援など新たな支援事業を次々と打ち出しており、商店街のソフト事業には100%の補助が受けられたり、またハード事業については3分の2の補助が受けられるなど、従来にはない非常に手厚い国による中小企業支援対策が行われているところでございます。そういったこともございますので、市といたしましては、この国のさまざまな支援策を積極的に活用していただくように、その周知、広報に努めているところでございます。 次に、プレミアム商品券についてでございますけれども、奈良市では、平成21年度と平成24年度に奈良市商店街振興会が実施をするプレミアムつき商品券発行事業に補助をさせていただいた実績がございます。 平成21年度は、奈良市を中心に開催されました全国高等学校総合体育大会、2009近畿まほろば総体を記念し、国の地域活性化・生活対策臨時交付金を100%活用して発行いたしました。10%のプレミアム分を上乗せした商品券3億円を完売し、2カ月程度の短期間に約3億2900万円が使用されたところであります。 平成24年度につきましては、南部被災地の復興支援と地域活性化のために、奈良市から約2000万円、商店街振興会から約1000万円を補助することによりまして、15%のプレミアム分を上乗せした商品券2億円を販売し、そのうち約2億2900万円相当が使用されたところでございます。平成24年度につきましては、商店街を初めとする商店街振興会加盟店での使用に限ったことにより、地元商店街の活性化に直結をした事業であったと考えております。 今回、奈良県から提案がございました市町村プレミアム商品券発行支援事業につきましては、県内市町村定額の補助になりますため、奈良市のこの人口の規模からいたしますと補助額が極端に少なく、奈良市が前回と同規模のプレミアム商品券を発行するとなりますと、相当額の財源の持ち出しや、また事務作業量が必要となり、商店街関係者とも調整をさせていただいた結果、今回の県の補助額では効果が十分見込めないとの意見がございましたことや、また、県のほうにおきまして、直接、同様のプレミアム商品券を本年10月に発行される予定というふうにも聞いておりますので、そのあたりの事情を総合的に判断して応募しなかったところでございます。 以上でございます。 ○副議長(高杉美根子君) 植村君。 ◆27番(植村佳史君) 2問目は自席より行わせていただきます。 おおむね、この3つの案件に関しまして、市長から今、御答弁いただいたわけですけれども、それなりにやっておられるということでしたけれども、私は、これではちょっと納得できない部分というのがやはりあります。その点、2問目はちょっと突っ込んでお話しし、質問したいと思います。 まず、入江泰吉記念奈良市写真美術館の運営状況について、館長の出勤日数に関しましては、正確にはこれ、お答えいただけなかったわけですけれども、それからまた学芸員も、長期休職中であるという状況が判明しました。そして、この改善策として、入江泰吉記念写真賞の創設や、水門町の御自宅の文化施設としての公開ですね、そして入江氏の業績の顕彰や他の写真家とのコラボ展覧会の企画、さまざまな展開を図り、入館者をふやしていこうということですけれども、これを実行して成功さそうと、成果を出そうと、こう思うのであれば、今の現在のままの財団の5名の職員の方々、いわゆる横並びの方々に責任を任せて、目標達成が本当にできるのかなという懸念があります。 現在は、先ほど申されましたように津山副市長が館長職を担っていただいております。しかし、大変お忙しい中でございます。この入館者増加対策を行えるほど時間的余裕が副市長にあるとは私は思えない。この平成25年度の写真美術館の事業報告を見ても、入館者数は減少しているわけなんですね。しかし報告書を見ると、ワークショップには何と14万8631人の参加とありました。ということは、奈良市民の実に40%がこの写真美術館のワークショップに参加されたという数になるわけですね。しかし入館者は4万7273人だったと。この誘客連携がどのように実っているのかなと、どういう事業なのかなと、不思議に感じております。これ館長として、どのような改善策を打たれたのか、どうなのかというのが、残念ながらこの報告書を見るだけでは、私は読み取ることができなかったです。 先日、これは奈良日日新聞社の主催のセミナーがございました。そこに私も参加させていただいたんですが、講師はあべのハルカス美術館名誉館長の蓑 豊氏でございまして、この講演を聞きましたけれども、蓑氏は、美術館がまちを変えていくという信念のもと、子供の思い出に残るような、子供と一緒に成長する美術館を目指していると、このように述べておられ、美術館を通したまちづくりの重要性を語られておりました。子供、小学生とかに、美術館に寝袋を持たせて、そして宿泊させると、そういうような企画を金沢21世紀美術館でも行っておられたというようなことも聞きました。 やはり私は、こういった美術館には、写真美術館のような美術館には、やはりその館の顔が必要だと思います。もちろん専門職員である学芸員も必要であります。このまま進んでいくと、せっかくの入江先生が寄贈された写真--奈良市民の宝だと私は思っております--これがもしかして朽ち果ててしまうのではないのかという懸念も感じております。 そこで、入館者数の改善策について、やはり今市長が述べられましたような計画を実行し、目標を達成するためには、写真美術館に常勤の館長を配置するべきだと考えるのですが、その点どのようにお考えなのか、再度お聞かせください。 次に、所在不明児の件なんですけれども、4カ月児健康診査が1人、これ不明な方ですね。それから10カ月児健康診査が4人、1歳7カ月児健康診査が2人、3歳6カ月児健康診査が5人の合計12人が乳幼児健康診査を受けていないで、しかも連絡がとれない方々であるということを今お聞きしました。そして、追跡対応はしておられるということですけれども、私はこれを聞いて、本当に大変気になっております。一日も早く所在の確認をしていただきたいとお願いしたいわけでありますが、この子供たちの中にも、例えば夫のDVで、居住所はそのままで他の場所へ避難しているというようなケースも考えられるのではないかなと思うんです。そのような場合の対策はどのようにされているのでしょうか。 また、本市として、追跡調査専門チームなどの設置についてはどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。 最後に、中小企業の振興策について、今御答弁をお聞きしますと、本市としては国のさまざまな支援策を活用していただくよう広報に努めている。そして他市が取り組んでいる奈良県提案の市町村プレミアム商品券発行支援事業も、奈良市の人口規模からすると補助額が極端に少なく、本市独自では相当額の予算を出さなければならない。さらに本市独自のプレミアム商品券を発行すれば、効果が出るのは今までの経験からわかっているが、本市も商店街も中小小売店も、実のところ経営状況は厳しいのが現状であり、そのようなことから現状では国の施策に甘んじているのみという状況ではないかなと感じ取っております。つまり、市独自の中小小売サービス業の振興施策は、市民目線からすると現状では特に何もしていないと映っているのではないでしょうか。 市長は御存じかと思いますけれども、奈良商工会議所による最近の景況調査というのがあるんですけれども、この結果を見ますと、今期、平成26年の4月から6月の見通しは、14.3%が好転するだろう、それで不変が45.2%、そして気になるこの悪化というのが40.5%で、先ほども申しましたこのDI値はマイナス26.2%と、前期の1月から3月の、今期実績値、マイナス26.2%と申し上げましたね、これと悪化の超幅は変わらない見通しとなっていると、このように公表されているんです。奈良市内の小売サービス業などの中小零細企業の景況は、本当に今も厳しいということであります。 市長が、昨年の9月議会で、NARA NEXT4関連の中小企業振興施策がないのはなぜかという私の質問に対して答弁されておりました。奈良商工会議所と協力して新たな対策や提案があったなら取り組むというのは、本市独自に振興策を講じていくということではなかったのでしょうか。その点、再度お聞かせください。 以上、2問目とします。 ○副議長(高杉美根子君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席からお答えをいたします。 まず、入江泰吉記念奈良市写真美術館の件でございますけれども、確かに御指摘のように常勤の館長が不在、また学芸員も休職中ということの状況の中で、今後の新しい展開を考えていくというのは、少し不安な部分もないと言えばうそだというふうに思います。そういった意味で、今後、常勤の館長--どういった形がこの館の運営にとって意味をなすのかということをしっかりと検討して、具体的な対策を講じていきたいというふうに考えているところでございます。 続きまして、所在不明児の追跡対策ということでございますけれども、所在不明児につきましては、さまざまな要因があろうかというふうに考えています。各部署におきましては調査に限界もあることから、所在不明となっている子供の調査につきましては、奈良市被虐待児童対策地域協議会において、警察や児童相談所など関係機関との連携によって調査をして、把握に努めていくべきものと考えているところでございます。 続きまして、中小企業振興策についてでございますけれども、既存企業の新たな事業展開を支援するため、ベンチャー企業と投資家とのマッチングなどを行うスタートアップ推進事業というものを、全国的に今進めているところでございます。また、奈良発のビジネスを興そうとする若手の企業家と、既に市内で活躍をしている中小企業の若手実業家をマッチングするなど、新たなビジネスチャンスの創出を目指しているところでございます。中小企業や小規模事業者に向けた国や県の支援策が講じられているところでございますが、それらの情報が現場の中小企業者の方々に伝わりにくいというようなこともありますので、随時情報を流したり、また個別に補助事業等の御紹介をさせていただくなど、丁寧な情報提供、また国や県との情報共有や調整などを進めているところでございます。 また、今年度からは、奈良商工会議所に対しまして管理職クラスの人員を派遣し、地道に商店街や事業所を回り情報収集や情報提供することによって、国の支援策等を活用する中小企業者がふえたというふうにも報告を受けてございます。 奈良市におきましても、少し景気回復の基調も見られるところでございますが、一方で議員御指摘のように、今後については非常に厳しいという見方もあるという状況がございます。今後も継続的に、国や県の制度はもちろんでございますが、市としての独自の政策も重要であるというふうに考えますので、今後に向けて引き続きさまざまな対応策を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ○副議長(高杉美根子君) 植村君。 ◆27番(植村佳史君) 3問目は意見並びに要望とさせていただきたいと思います。 まず最初に、入江泰吉記念奈良市写真美術館の運営についてですが、常勤の館長の設置については必要性を感じておられると、今後、具体的に検討していくというようなことでございますので、これはもう評価いたしたいと思います。そして、今後の入館者と売上増に期待もしていきたいというふうに思います。そして、今後、この入江泰吉記念奈良市写真美術館を中心とした地域活動の推進や、教育、文化振興、観光振興に寄与できる、本市はもとより、飛鳥地区、高畑地域のまちづくりにも取り組んでいきたいと思いますし、どうか御支援いただけるようにお願いしておきたいと思います。 次に、非常に難しいこの所在不明児の件なんですけれども、各部署に限界がやはりあることも、一部これはもう私も理解するところですけれども、この限界に挑戦している自治体もあります。例えば、虐待ハイリスク専門の保健師を設けて、ほかの保健師が電話や訪問しても会えない親子を追跡調査し、所在不明乳幼児の発見に努めておられる他市もあります。 また、近くでは、県内の宇陀市におかれましては、所在不明乳幼児をなくす独自の取り組みをしておられ、出産2カ月後の親子に市内で使える1万円分のウッピー商品券を直接手渡しをする試みで、親子と行政が顔の見える関係を築く大切な機会となっているようです。また、保健師は、乳幼児健診未受診の者に対して、案内状の手渡しや電話や手紙による粘り強い交渉を続けておられるとのことです。 悲惨な事件というのは、やはり限界かなと思ったときに、限界を超えたところで起きているのではないでしょうか。ぜひ、その限界を少しでも克服して、12名の所在不明児の調査と、今後の所在不明撲滅に取り組んでいただけるように強く要望をしておきます。 最後に、市独自の小売サービス、中小零細企業の振興施策について要望をさせていただきます。 市長は、奈良市も景気回復の基調が見られるが、この流れを絶やさずに次につなげていくためにも新たな施策は必要であると考えている、引き続き検討すると答弁いただきました。それはありがたいですし、そうなのですが、いまひとつやはり実感として私は感じられない。 市長は、これはもちろん御商売を現在しておられるわけではないですから仕方がないかもわかりませんが、不景気の実感というのを、やっぱり肌で感じるということが大切だと思うんですわ。実際に、アベノミクス効果は出てきていますよ。しかし、それは円安の恩恵を受けているような輸出産業の多い大企業であり、内需向けの中小零細企業にとっては、実のところ原材料の値上がりや燃料費や光熱費の高騰で、小売サービス業を含む中小零細企業の経営環境はまだまだこれからで、本当に厳しいのが現状だと思います。 奈良商工会議所の話が先ほど出ておりました。そこにも職員を、2人ほど派遣していただいておるわけでございますが、この方々は、やはり主に中心市街地活性化の中で取り組んでいただいておるわけです。中心市街地活性化というのは、市内の30ほどある商店街の中でも、主にこの8商店街が協議会をつくってやっていただいております。だからそこのほうはずっと回っていただいて、確かに成果としては出てきていると思います。しかし、その奈良市中心市街地活性化協議会の対象としているそれ以外の商店街、例えば西になっていけば、大和西大寺駅周辺にも商店街は当然あります。また、あやめ池南にもありますし、富雄北の商店街もあるんです。それには含まれていないわけなんですよね。 市長は御存じかどうかわかりませんけれども、本市には約9,500社ほどの事業者があるんですね。そのうちの約6,700社が、実はこれ小規模事業者なんですよ。さらに、奈良商工会議所に加盟している、まだ余力がある事業者というのは、現在、もう約2,300社しかないんです。全体の24%にすぎないわけなんですね。本市は、行政はですよ、商工会議所に加盟したくてもできないような事業者にも、やはり目を向けていかなければならないと考えます。商工会議所の幹部の方とも先日も話していたわけなんですが、最近の傾向として、倒産よりも自主廃業されるような事業所が増加傾向にあるということでした。 先日、帝国データバンクの調べを見て私も驚いたんですけれども、総資本1億円未満の企業の約6割が赤字で、債務超過に陥っている企業も珍しくないということでありました。ぜひ、市長もまちを歩いていただいて、実際に小売サービス、零細中小企業のお店に入って「もうかってまっか」と、そういうふうに聞いていただきたいなというふうに思います。私も先日、商工会議所加盟の飲食店の経営者の方から「最近どないですか」ということをお聞きしました。そうするとやっぱり「厳しいなあ、どうにもならん」と、こういうふうに言っておられました。「奈良市として、例えばどのような施策を望まれていますか」と私聞きますと、その経営者の方は、「いやあ、奈良市役所の大勢の職員さんは奈良市役所にお勤めでしょうから、帰りに奈良市内で飲食しようと奨励していただけると大変ありがたい」、このように言っておられました。なるほどな、今すぐにでも直接効果が欲しいというのが中小零細企業の現実なんですよ。そう感じます。 例えば、市長は、ノー残業デーの日には「早く出ましょう、帰りましょう」と奨励しておられますね。「きょうは奈良市内の飲食店で同僚や友人、御家族と外食を楽しみながらきずなを深め、さらに経済効果に貢献しようじゃないか」と、市長みずから率先するというのもあってもよいのではないでしょうか。中小企業、零細企業の倒産や廃業が増加して、雇用悪化や税収減がこれ以上進行するような事態にならないように、手おくれにならないように、ぜひ、市長みずから本市の小売サービス業などの中小零細企業の実態を肌身で感じ取って、具体的な本市独自の、他市に負けない振興施策を早期に検討し、実行に移していただけるよう要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。 以上で終わります。 ○副議長(高杉美根子君) お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、16日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○副議長(高杉美根子君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。     午後2時52分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。             奈良市議会議長  土田敏朗             奈良市議会副議長 高杉美根子             奈良市議会議員  柿本元気             奈良市議会議員  宮池 明             奈良市議会議員  松石聖一...