令和 6年 6月 定例会(第359回)令和6年6月 第359回
定例奈良県議会会議録 第4号 令和6年6月26日(水曜日)午後1時1分
開議 -------------------------------- 出席議員(42名) 1番 永田 恒 2番 川口 信 3番 芦高清友 4番 金山成樹 5番 星川大地 6番
松木秀一郎 7番 山田洋平 8番 清田典章 9番 関本真樹 10番 疋田進一 11番 若林かずみ 12番 斎藤有紀 13番 伊藤將也 14番 藤田幸代 15番 欠員 16番 福西広理 17番 工藤将之 18番 中川 崇 19番 原山大亮 20番 小村尚己 21番 浦西敦史 22番 川口延良 23番 池田慎久 24番 西川 均 25番 乾 浩之 26番 亀甲義明 27番 大国正博 28番 小林 誠 29番 佐藤光紀 30番 清水 勉 31番 松尾勇臣 32番 米田忠則 33番 粒谷友示 34番 田中惟允 35番 荻田義雄 36番 岩田国夫 37番 中野雅史 38番 山本進章 39番 井岡正徳 40番 阪口 保 41番 藤野良次 42番 森山賀文 43番 山村幸穂
-------------------------------- 議事日程 一、当局に対する一般質問 一、
総務警察委員長報告と同採決 一、追加議案の上程 一、議案の
常任委員会付託 --------------------------------
○副議長(池田慎久) これより本日の会議を開きます。
--------------------------------
○副議長(池田慎久) この際、お諮りします。 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。 (「異議なし」の声起こる)
○副議長(池田慎久) ご異議がないものと認め、さように決します。
--------------------------------
○副議長(池田慎久) ただいまより当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、6番
松木秀一郎議員に発言を許します。--6番
松木秀一郎議員。(拍手)
◆6番(
松木秀一郎) (登壇)皆様、こんにちは。日本維新の会、奈良市・山辺郡選挙区選出の
松木秀一郎です。議長の許可をいただき、質問をさせていただきます。 まず、
福田倫也議員のご逝去を悼みます。同じ会派で席も近く、いつも優しく接していただき、尊敬する先輩でした。心からお悔やみ申し上げます。 1点目は、犬及び猫の殺処分削減の取組について伺います。 奈良県では、奈良県
動物愛護管理推進計画(第2次計画)の中間見直しの中で、犬・猫の引取り数、殺処分数の削減を目指すとあり、奈良市を含む全域で、市町村や関連機関との連携を図る方針と伺っています。 知事は、政策として、犬・猫殺処分を限りなくゼロにすると
ホームページに掲げておられます。
モニター資料1でございますが、動物の命を奪う殺処分は減少傾向ではあるものの、令和5年度に奈良県では155頭が対象になりました。うち145頭が猫であり、猫の7割は生後90日以内の幼齢猫でした。幼齢猫の半数以上は4週齢未満の猫です。つまり、全殺処分数の3分の1以上は生まれたばかりの猫だったのです。幼齢猫は、保温や授乳、排泄など、手厚い支援なしに育てることが難しく、
ミルクボランティアとの連携が重要です。幼齢猫の命をつなぎ、新たなもらい手を見つけることが、殺処分削減に直結します。 県では、うだ・
アニマルパークにて、人と動物との共生に関する啓発や保護された動物のもらい手探しをされていますが、投影資料2のとおり、来園者数は減少傾向にある点が課題です。 また、飼い主のいない猫に
不妊去勢手術を実施する、いわゆるTNRにより繁殖を防止し、将来的な殺処分を防ぐことができます。県では、今年度から民間の動物病院でのTNR支援を行い、昨年度より2割多い216件の実施を目指すと伺っています。 そこで、山下知事に質問させていただきます。 知事は、推し進める政策の一つに、犬や猫の殺処分削減を掲げておられます。そのためには、
動物愛護団体との連携、積極的な譲渡会の開催、飼い主への意識啓発、
TNR活動等の複合的な取組が必要と考えます。今後の県における取組方針について、知事の所見を伺えますでしょうか。 次に、
県民サービスの向上に資する
オンラインの活用について伺います。 投影資料3ですが、本年より、
県民一人ひとりに寄り添って
行政サービスを提供するため、
奈良スーパーアプリの本格運用が始まりました。情報発信、施設予約、電子申請の3つが主な機能とされており、県からの発信が必要な方に届くように強化が望まれます。 これまで県民の皆様からは、どの制度、どの補助金、どのイベントが自分にマッチしているのか、どこの部署のページを見ればよいのか分かりづらいというお声をいただいております。 投影資料4は、県が保有する
SNSアカウントの一覧です。192ものアカウントを広報広聴課が管理されていますが、これとは別に、アプリについては各所属で運用されていると聞いております。県民がこれら全てをチェックし、ご自身に合った発信を探し出すのは容易ではありません。 しかし、個々には、
県民ニーズに合致したコンテンツが多くあります。一例として、本年3月から運用されている奈良県警察安全・安心アプリ「ナポリス」が挙げられます。 投影資料5ですが、犯罪や
交通事故情報を届けると同時に、
防犯ブザー機能など、
犯罪被害防止のための機能が備わっています。私も「ナポリス」をインストールしておりますが、地図情報とともにタイムリーな発信が大変便利と感じております。県警察では、広報誌やチラシ、小中学校の保護者への周知などの広報施策により、3か月で
ダウンロード数1万4,000件を超えるまでに啓発活動に力を入れておられます。こうしたアプリの認知を広げていくべきです。
奈良スーパーアプリを
オンライン上の総合窓口として位置づけ、まずは県民にご覧いただき、それぞれのニーズに応じて、各SNSやアプリへの誘導を強化していくべきと考えます。 そこで、山下知事に質問させていただきます。 県では、令和4年に策定した
奈良デジタル戦略におきまして、住民の
課題解決等を
デジタル化により実現する方針を掲げており、本年4月には
オンライン申請や
情報発信等の機能を有する
奈良スーパーアプリの運用を開始されました。今後も、
オンラインの活用による
県民サービス向上を一層図っていく必要があると考えますが、今後の取組方針について伺えますでしょうか。 次に、庁内における
デジタル化の推進について伺います。 投影資料6をご覧ください。 現在、奈良県庁では離職率の高さや採用難が課題と言われていますが、
職場環境改善と
行政サービス向上の両立には業務の効率化が急務です。しかし、日々の業務改善だけでは限界が来ていると思います。
業務プロセスを抜本的に見直し、県民目線の
行政サービスにする業務改革(BPR)が求められます。BPRの主な柱は業務の
デジタル化にあり、
ウェブ会議、
ビジネスチャットの活用を促進する今年度の施策は大いに評価できます。これらにより、他部署や庁外との
コミュニケーションも容易になります。クラウド上にデータが保管されることで、在宅ワークや時間を超えた情報伝達も促され、働き方改革、ウェルビーイングにも資するものと考えます。 投影資料7ですが、2月に発表された新しい産業政策のパッケージにて、行政対応の不満・
ボトルネック解消を掲げ、CRM(
顧客情報マネジメント)を導入したことも大きな前進と考えます。事業者との面談履歴を
デジタル化し、庁内で共有することで事業者のニーズ把握や満足度向上につながるはずです。これらに呼応して、円滑な
コミュニケーションや部署を超えた
プロジェクトには、新たな対面の場づくりが重要です。 先日、投影資料8の本庁舎5階の
コミュニケーションスポットと
情報管理棟を見学しましたが、書棚の撤去による有効な空間の創出、
フリーアドレスによる部署間連携の促進など、業務改革(BPR)の可能性を感じました。 そこで、総務部長に質問させていただきます。
県庁版CRMや
ウェブ会議システムの導入など、
デジタル化は庁内の
業務効率化に有効な手段と考えますが、庁内におけるこれまでの活用状況はどのようなものでしょうか。また、
デジタル化により、対面の
コミュニケーションが減少するという懸念もありますが、今後、庁内でどのように
デジタル化を進めていくのでしょうか。 最後に、道の駅「
クロスウェイなかまち」について伺います。 投影資料9ですが、奈良市内の新たな玄関口として年内の開業が予定されています。地元農産物のPR、観光促進、防災機能の強化など様々な効果が期待される一方、私のところには、近隣住民や関係者から様々なお声をいただいています。 当初3月
オープン予定だった開業時期は延期になりましたが、5月に日本維新の会会派で現地視察に伺い、年内開業に向け、県が鋭意取り組まれていると理解しております。しかし、開業日は確定しておらず、関係者の方々からは、人材募集、農家の出荷調整など準備期間を要すると聞いており、早期の
開業日確定が必要と思われます。 次に、投影資料10の
施設東側出入口について、
県道枚方大和郡山線から施設へ入場するための
引込みレーンがないので、道路交通を滞らせないか、また出入口の道幅が狭く、出入りの車が円滑に擦れ違うことができるのか、近隣住民の方から心配するお声をいただいております。特に、
奈良公園方面への車は、
東側出入口を出たらすぐに車線変更が必要であり、交通事故のリスクを危惧しています。 なお、ほかにも、駐車場満車時の渋滞、
砂茶屋橋東詰交差点の交通量の増大への懸念なども聞いているところです。 最後に、
近隣観光地への
周遊促進策ですが、「
クロスウェイなかまち」の近くには、
富雄丸山古墳があります。直径110メートル前後の日本一大きな円墳であり、
東アジア最大とされる蛇行剣をはじめ、重要な文化財が出土しています。 これとともに、奈良市においては(仮称)奈良市
文化財センター建設基本構想があり、「
クロスウェイなかまち」との相乗効果、誘客促進を想定していると伺っています。今後、奈良市とはどのような連携を図っていくのか。また、当施設では、サイクルツーリズムに力を入れ、
サイクルステーションや
レンタサイクル置場も整備すると伺っており、
近隣観光地への安全な経路誘導はどのように考えているのか懸念しているところです。 そこで、
県土マネジメント部長に質問させていただきます。 奈良市内の新たな道の駅として、年内の開業が予定されている道の駅「
クロスウェイなかまち」について、開業に向けた取組状況と
東側出入口の運用方法、
近隣観光地への
周遊促進策の検討状況を伺えますでしょうか。 以上、壇上からの質問でした。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、松木議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目のお尋ねである、犬・猫の殺処分削減の取組についてでございます。 本県の令和5年度の犬・猫の引取り数は311頭で、そのうち譲渡適性の審査で譲渡可と判定した154頭は全て譲渡しております。一方で、病気の犬・猫や人・動物に危害を及ぼすおそれが高いといった理由で譲渡不可能と判定した155頭はやむを得ず殺処分となりましたが、その頭数は10年前の1,626頭から90%減少しております。 私の推し進める政策の一つでございます殺処分の削減を進めていくためには、引取り数の削減、譲渡の促進、そして適正飼育の啓発、この3点に係る取組が必要であると認識をしております。 まず、引取り数削減の取組といたしましては、平成30年度より市町村等と連携して、猫を捕獲し、
不妊去勢手術を行った上で元の場所に戻す、いわゆるTNRの取組を行っております。この手術は、これまで、うだ・
アニマルパーク内にある
動物愛護センターで行っておりましたが、今年度から、より利用しやすいよう近くの動物病院において行う方式に改善したところでございます。この取組により、殺処分の約7割を占める所有者不明の幼い猫の引取り数削減につなげたいと考えております。 次に、譲渡促進の取組といたしましては、
動物愛護センターでの
譲渡希望者と犬や猫との対面機会の提供、また、
ホームページやSNSでの紹介など、積極的に行っております。また、
動物愛護団体等との連携による高齢や長期の治療を要する犬の譲渡の促進、幼い猫の飼育を行っていただく
ミルクボランティアの取組も行っております。こうした取組によりまして、現在は譲渡の候補とした犬・猫は全て譲渡することができております。改めて、関係者に感謝申し上げるところでございます。 適正飼育の取組といたしましては、県民に十分な知識と理解を得ていただくことが必要であり、しつけ方教室の開催、
各種イベントや県民だよりでの終生飼育の啓発などを行っております。また、動物との関わりを入り口に、子どもたちに命を大切にする心を育んでもらう、いのちの教育も実施をしております。これらの取組を推進しまして、理不尽に殺処分が行われることのないよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、2点目のご質問である、
県民サービスの向上に資する
オンラインの活用についてでございます。 松木議員お述べのとおり、
オンラインの活用により
行政サービスの向上につなげていくことが重要でございます。 これまでの
行政サービスにつきましては、利用者に文書や対面での対応を求めたり、類似情報を何度も提出してもらうなど、住民にとって必ずしも使い勝手がよくないと言われるケースもございました。また、支援情報などが本来それを必要としている人になかなか的確に届きにくい、つまり、サービスを届ける力が弱いといった課題も抱えておりました。奈良県の
デジタル戦略は、県民目線に基づき、
行政サービスの使い勝手の悪さを改善し、届ける力を抜本的に改善していこうとする取組でございます。 例えば、本年4月には、これまで組織や業務ごとにばらばらに提供されていた
行政サービスを、
県民一人ひとりのニーズを把握しながら、最適にカスタマイズして届けることを目指しました
奈良スーパーアプリの運用を開始いたしました。既に、公共施設の利用や学校関連の手続、
報道発表等のお知らせを個人の関心に応じて
スマートフォンに届けるサービスなどを実装したところでございます。 また、市町村での利用も始まっており、多くの市町村に共同利用していただけるよう、これから努めてまいりたいと考えております。 これからも引き続き、
奈良スーパーアプリを核とした
オンラインの活用による
県民サービスの一層の向上に努めてまいります。 ご質問ありがとうございました。
○副議長(池田慎久)
西村総務部長。
◎総務部長(西村高則) (登壇)6番松木議員から、庁内の
デジタル化の状況と今後の推進について私にご質問がありましたので、お答えいたします。 庁内の
業務効率化に当たっては、県と住民や事業者とのやり取りの効率化、職員間での情報共有の促進、
ライフスタイルに応じた多様な働き方の促進などが重要だと考えております。 まず、庁内の
デジタル化は、こうした課題解決に大きく寄与するものと考えておりまして、具体的な取組を進めているところです。 1点目の住民や事業者とのやり取りの効率化につきましては、先ほど知事が答弁しましたとおり、本年4月から
奈良スーパーアプリの運用を開始したところです。 2点目の職員間での情報共有の促進につきましては、松木議員からご紹介がありましたように、県庁版のCRM、すなわち
顧客情報管理システムの運用を本年6月から開始しております。これは、企業からの縦割り等による行政対応の不満に対応したもので、企業との面談記録や案件の
進捗状況等を一元管理できるものでございます。 また、令和2年7月から導入しております
ウェブ会議システムは、専用のパソコンで庁内の会議室等において月150回程度開催されているところでございます。加えまして、3点目の
ライフスタイルに応じた多様な働き方の促進等のために、令和7年2月からは、職員1人1台パソコンから、場所を問わずいつでも
ウェブ会議ができる環境を構築する予定でございます。 加えて、今後の庁内の
デジタル化につきまして、デジタル技術によって、より便利な環境整備と既存業務の負担軽減、この2点に重点を置きながら取り組んでいきたいと考えているところでございます。 1点目のより便利な環境整備につきましては、先ほど述べました、いつでも
ウェブ会議ができる環境整備に加えて、
職員個人同士だけでなく、事業や
プロジェクトチーム単位でも、部局を超えて
コミュニケーションを可能とする
ビジネスチャットを令和7年2月に導入を予定しております。これにより、職員同士や
チームごとの
コミュニケーションの機会が一層増加し、業務の効率化が図られるものと期待しております。 2点目の既存業務の負担軽減につきましては、生成AIの一種である
ChatGPTを昨年の9月から活用しているところでございます。そのほかにも、手書きの書類をデータ化する
AI-OCRや、音声を文字にする
音声認識ツールなどの活用も行っているところでございます。今年度は、
ChatGPT等の活用を一層促進するため、
生成AI活用のルール化や効果的な回答を引き出せるような
質問例文集の作成を行うとともに、新たな
業務効率化手法を検討してまいりたいと考えております。 こうした
デジタル化の取組が、職員の時間的余裕や積極的な情報共有を生み出し、
ライフスタイルに応じた多様な働き方の促進や
コミュニケーションの活性化につながるものと認識しております。また、松木議員ご紹介の一部所属における
フリーアドレス環境の導入や
コミュニケーションスポットの設置といった職場環境の改善も同時並行で進めているところでございます。 今後も庁内の
デジタル化を一層推進し、業務の効率化と
県民サービスの向上を目指してまいりたいと考えております。 ご質問ありがとうございました。
○副議長(池田慎久)
清水県土マネジメント部長。
◎
県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)松木議員から私には、道の駅「
クロスウェイなかまち」についてご質問がございました。お答えいたします。 道の駅「
クロスウェイなかまち」は、
県農産物等を取り扱う直売所などの
地域振興機能をはじめ、交通の
結節点機能、地域観光の
ゲートウェイ機能、さらに
防災倉庫等を兼ね備えた防災機能を有している道の駅でございます。 開業に向けた取組としましては、
レストラン等の
空調設備等の工事が9月末に完了した後、速やかに
テナント工事など開業準備ができるよう、
指定管理者と調整を図っているところでございます。また、
指定管理者は、直売所の
出荷者募集や道の駅らしい商品開発などを進めており、引き続き
指定管理者と連携し、少しでも早くオープンできるように取り組むとともに、早期に開業日を決めて広く周知してまいりたいと考えております。
東側出入口の運用につきましては、安全面を考慮して入場のみで運用し、退場については、原則、北側の出入口を使う予定でございます。オープン時など多くの来場が見込まれる場合は、
東側出入口の入場も制限しまして、北側出入口のみの入場として運用する方向で検討しております。また、
砂茶屋橋東詰交差点の信号現示についても、警察と適宜調整をしております。開業後は周辺道路の交通状況も変化することが予想されるため、継続して対応を検討してまいる所存です。
近隣観光地への
周遊促進策につきましては、道の駅でも
富雄丸山古墳を紹介できるよう
指定管理者に働きかけ、現在、市と調整しているところでございます。また、(仮称)奈良市
文化財センターを道の駅付近に整備する計画を奈良市が発表されておりますので、奈良市と情報共有を図りながら、連携方策を具体化してまいりたいと考えております。道の駅の
レンタルサイクルでは、周辺の観光地や
推奨ルートを掲載したマップ等を作成して案内する予定としております。 引き続き、魅力ある道の駅となるよう、
指定管理者と密に協議を行い、早期開業に向けて準備を進めてまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) それぞれ、前向きなご答弁ありがとうございました。 まず、動物殺処分削減について伺いたいと思います。 今、TNRのお話もいただきまして、この10年、大きく進んできたとは思うのですけれども、今後もこの殺処分削減について進めていただけると思います。 その中で、現状、4週齢未満の殺処分が今まで原則だったのが変わってきているということもあって、譲渡の役割が以前に増して重要になってくるのかなと思っております。 そうした中で、現状のもらい手探しは、あくまでもうだ・
アニマルパークでのマッチングが中心と伺っておりまして、譲渡の機会としては、この県全体、広い面積の中で限られたものではないかと思っております。 知事は、積極的な譲渡会の開催を大きな柱に据えておられますが、もし具体的にイメージされていることがあれば伺いたいと思います。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 今、松木議員からご示唆のありました
動物愛護センター外での積極的な譲渡会の開催については、現在のところ考えておりません。理由は、現在、譲渡候補とした犬・猫が全て譲渡できているということ。それから、
譲渡希望者には、適正飼養、終生飼養をしていただく観点から、事前に講習会を受講していただいていること。それから、外部での譲渡会につきましては、動物が受けるストレスが大きいこと。こうしたことを考慮いたしまして、現時点で
動物愛護センター外での譲渡会の開催は慎重に考えております。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ご答弁ありがとうございます。 おっしゃるとおり、どうしても動物が車で長距離移動するとなると、なかなかストレスもかかりますし、ハードルもあると思います。もし今後、例えば、動画であったり、写真であったり、フリップの展示であったり、そういった形で、どこかに
動物そのものが行かなくてもできる取組とか、あるいは
オンラインで発信する取組など力を入れていただきたいと思うのですが、その辺はご検討いただけますでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 現在におきましても、
イオンモールや県庁の回廊の下におきまして、
イベント等の際に写真で譲渡候補の犬・猫の紹介を行っております。今後もSNSなどの活用も含め、譲渡候補の犬・猫の紹介については、積極的に情報発信をしていきたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ありがとうございます。 ぜひ、そういった複合的な取組を進めていただければと思います。 先ほども少し触れましたが、4週齢未満、つまり生まれて1か月ぐらいの猫については、原則、殺処分の対象だったのが、昨年、知事が就任された直後の7月以降は、すぐに殺処分にしないというのは非常に大きく評価できるところと思います。そうすると、今後ですが、育てる絶対数が増えてくるのかなと思っております。
ミルクボランティアの役割が、そうしますと非常に増してくると考えられますけれども、
ミルクボランティアの募集、育成を今後、今は間に合っていても、加速させる必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 本県では、
ミルクボランティアにつきましては、おおむね生後4週齢以上の猫を預け、1か月程度飼育していただいておりましたが、松木議員ご指摘のとおり、昨年7月からは、これより幼い猫につきましても
ミルクボランティアの皆様方に飼育をお願いして、できるだけ譲渡につなげられるよう取り組んでいるところでございます。 おかげさまで、
ミルクボランティアにつきましては順調に登録数が増えておりまして、現在42名でございます。しかしながら、松木議員ご指摘のとおり、今後、数が足りなくなるという事態も想定されますので、引き続き募集に取り組むとともに、これまで行ってきました事前のオリエンテーションに加えまして、ボランティア間、ボランティア同士の情報交換の場を設けるなど、
ミルクボランティアの皆様方の募集や育成に力を尽くしてまいりたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ありがとうございます。 このボランティア間のコミュニティーといいますか、交流というのも、それぞれモチベーションが増したり、また情報伝達もそれぞれ進んで、非常にこの
ミルクボランティアの活性化、制度の活性化につながると思いますので、ぜひ進めていただければと思います。 殺処分の削減は、結構目立つ指標ではあるのですけれども、どうしても殺処分の数値だけをKPIにしてしまうと、もらい手を探すことなく、もう結果として、預かったまま自然死を待つだけになる危険も出てくるかと思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 本県におきましては、現在、譲渡適性の審査におきまして譲渡可能と判定した犬や猫は全て譲渡できております。 一方で、先ほども申し上げましたけれども、病気の犬・猫、あるいは人や動物に危害を及ぼすおそれが高いなどで譲渡不可能とした犬・猫につきましては、やむを得ず殺処分となっております。このため、譲渡先を探すことなく自然死を待つだけという取扱いは現在しておりません。 殺処分の削減は重要でございますけれども、本県ではそれだけではなく、譲渡される犬・猫、譲渡を受ける飼い主、譲渡される犬・猫が暮らすことになる地域社会、この3者が全てハッピーになるような譲渡を目指しているところでございます。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) 承知しました。ありがとうございます。 殺処分、今は、奈良県は行う方針と思うのですが、殺処分ゼロを掲げているある自治体でボランティアをしている方からですが、どうしても地下室のおりで長期間預かった状態が続いているとか、病気の猫を多数保健所で預かっていて、でも行政による引取りが求められる猫がその影響で引き取られないとか、ボランティアへの負担が非常に集中しているという声も出ています。つまり、ゼロにするのがよいのか、あるいは限りなく減らすのがよいのか、それぞれ両方、一長一短あるところですけれども、総合的に今後考えて、一番よい政策を進めていただければと思います。 続きまして、TNRのことですけれども、以前、委員会で若林議員が質問されていて、非常にそれも勉強させていただいていたのですけれども、民間動物病院でのTNR実施は、非常に日程の融通が利くということと、それから、町なかの比較的近い動物病院で手術を行えるということ、人、動物双方に負担が少ないということで、大いに歓迎できることかと考えております。 あわせて、うだ・
アニマルパークでの動物飼育に対する責任感啓発も非常に重要な取組だと思いますし、今後もそれを進めていただきたいなと思っています。私も子どもと一緒に、うだ・
アニマルパークにお邪魔したことがあるのですけれども、来場者がどんどん増えれば、おのずと動物を大切にする方とか譲り受けようという方、
ミルクボランティアに入ろうという方も増えてくるかと思いますので、その辺りも大事にしていただきたいなと思います。 これを今、映していますが、来場者数がちょっと減少傾向にあるということが少し気がかりでありますので、このTNRの周知であったり、ボランティアの募集であったり、
アニマルパークの集客に向けて積極的に発信を
オンラインでも含めてしていただきたいなと思っております。また、人と動物の共生に関する政策パッケージとして、まとめてしっかり戦略的に出していただきたいなと思っております。 今回、主に猫について取り上げましたけれども、私もウサギを飼っていて、後ろの福西議員はヤギを飼っておられるということなのですけれども、様々な動物によって課題も違うと思いますので、様々な視点を持って、動物が共生しやすい奈良県をつくっていただければと思います。 次の項目ですけれども、投影資料3です。
オンラインの活用について、
奈良スーパーアプリですけれども、1月の運用開始以降、省力化の事例があれば少し伺いたいと思います。お願いします。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) まず、本年1月に先行実施いたしました県立高等学校のウェブ出願につきましては、約7,000人の全出願者がこれを利用しまして、教職員の業務の削減をすることができました。 具体的に申し上げますと、中学校の先生が各県立高等学校に願書を持参する必要がなくなった。それから、高等学校でも、願書を受け付けるための窓口を設置する必要がなくなった。それから、高等学校の先生が紙の願書の内容をデータ入力する仕事がなくなったといった効果が生じております。 今後も引き続き、
奈良スーパーアプリの活用によりまして業務の効率化を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ありがとうございます。 今、非常に重要なお話をいただいたと思っております。ペーパーレス化と、それからもう、個々に移動して申込みであったり手続に行くことをやはりどんどんなくしていくべき、現場の様々な職種の方の負担を減らしていくべきだと思います。今後も、こうした業務の効率化を図っていただければと思います。 もう一点伺いたいのですが、地理情報システム(GIS)との連携について伺いたいです。 今、県民向けの情報発信の一環として、例えば先月ですと、奈良県の災害情報システムの運用が始まりまして、洪水浸水想定区域図の閲覧機能が追加されました。今後、課ごとに整備していたGISの地図機能をどんどん統合していくべきと考えますけれども、いずれは、これを
奈良スーパーアプリとしっかりと連携、つなげていくべきと思いますが、その辺り、いかがでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 議員ご指摘の地理情報システム、いわゆるGISにつきましては、今年度、
奈良スーパーアプリと連携する予定をしております。順次、本県が保有する施設情報や地域情報等を利用者が地図上で確認できるようにしたいと考えております。 今後は、表示させる情報を増やすことで
県民サービスの向上を図ってまいりたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ありがとうございます。 地図との連携は、住民ニーズが非常に高いと思いますが、自分の住んでいるところ、勤めているところが今どういう状況にあるのかを知れることは重要なので、ぜひ取組を進めていただければと思います。やはり1つのサイトから、防災、防犯、教育、観光など、地図情報を含むコンテンツにアクセスできることは重要なので、今後もこの
奈良スーパーアプリを通じて
県民サービスの向上に努めていただければと思います。 知事、ありがとうございました。 次に、庁内における
デジタル化の推進について伺いたいと思います。 まず、新たな
コミュニケーションツールについてですけれども、非常に先ほど前向きな取組を伺えたと思います。以前、湯山副知事が、デジタルメッセ奈良のトークセッションでも言及されていましたけれども、電話とかメール、対面会議に比べても、この
コミュニケーションツールを刷新していくことでかなり効率化が進むものと考えております。 質問ですけれども、
ウェブ会議や
ビジネスチャット、内線電話のモバイル化によって在宅ワークがしやすくなれば、例えば介護、育児の両立とか多様な働き方が進むと思いますし、先ほどのペーパーレス化にもつながると思いますが、今後の取組、特にこの直近で何か考えておられることがあれば、少し伺えたらと思います。
○副議長(池田慎久)
西村総務部長。
◎総務部長(西村高則) ご質問いただきました子育てや介護との両立、あるいは職員の生活状況に応じた多様な働き方の実現をしていくこと、これは大変重要と考えておりまして、県でも在宅勤務をまず推進しております。 その上で、松木議員お述べのように、庁内の
デジタル化によりまして、まずペーパーレス化にも有効と考えておりますので、このペーパーレス化も一層推進を図っていきたいと考えております。 加えて、現在、モバイル内線電話というものを順次導入しておりまして、現在430台導入しているところでございます。まずは当面、県庁舎で働く職員約2,000人に対して順次このモバイルの内線電話を導入していって、台数を増やしていくことを考えているところでございます。 以上です。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ありがとうございます。 先ほどのご答弁にもありましたけれども、いつでもどこでもオフィスにいるのと同じように仕事ができるのは非常に重要だと思います。 この
県庁版CRMとの連携について伺いたいと思いますが、こちら、資料7です。独立したデータベースがいろいろな部署で作られていると思いますけれども、これは、なかなか
行政サービスの向上につながらない部分もあると感じておりまして、例えば、いずれは、この
奈良スーパーアプリと
県庁版CRMを例えばAPI等でつないでいくことは検討いただけますでしょうか。
○副議長(池田慎久)
西村総務部長。
◎総務部長(西村高則) 松木議員ご指摘のとおり、データベースをより効果的に活用するという観点から、
奈良スーパーアプリとそして
県庁版CRM、この両者の接続に係る検討も含めまして、部局横断的に議論は行っていきたいと思っております。
○副議長(池田慎久) 6番
松木秀一郎議員。
◆6番(
松木秀一郎) ありがとうございます。
県庁版CRMのアカウントの2割が産業部以外に配られていて、横連携が始まっているというのは非常に重要と考えています。民間企業と接する部署について質問したところ、その部署にもアカウントがすぐ追加されたことも先日ありまして、非常に重要な取組と思っています。産業部のこの管理負担にうまく配慮しながら、関連する職員にはアカウントの追加をして、事業者により寄り添っていただけるように協議いただければと思います。 また、アプリも作っておしまいではなくて、どんどんメンテナンスするだけではなくて、機能の強化、エンハンスをしっかりと図っていくべきだと思いますし、しっかり県民目線でUI、UX向上に努めていただきたいと思います。 次に、
情報管理棟のパイロットオフィスについて、この資料8のところですけれども、私は訪れたとき非常に驚きまして、もう渋谷とか六本木のスタートアップみたいな空間が広がっているなと思ったのです。昭和の時代は喫煙室で雑談、根回しをするという文化が多かったわけですけれども、今はそういう時代ではありませんので、自由に
フリーアドレスで行き来し合えることが非常に重要と思いますし、先ほど答弁にもいただいたように、
プロジェクトごとに簡単に集まれる空間が大切と思いますし、この
フリーアドレス、それからフレックス制在宅ワークは、一体で今後も拡大していただければと思います。 このオフィス見学は大変勉強になりまして、県外とか海外の視察にわざわざグリーン車やビジネスクラスに乗って行ったりする県議会の慣例にも私は甚だ憤りを感じているのですけれども、県庁の
情報管理棟だったら、もう歩いて無料で行けますので、そういった場所を皆さんもどんどん訪れていただければなと思います。 この質問に当たりまして、様々な部署からいろいろなお話を伺いましたけれども、皆さん、
行政サービス向上に非常に取り組んでおられると思いますし、このデータの蓄積、活用に部局横断でしっかり戦略を持って進めていただければ、より県民目線のサービスにつながっていくのかなと思っております。 最後に、「
クロスウェイなかまち」ですけれども、
東側出入口の件、抜本的な改善策、ご提示いただきましてありがとうございました。信号も含めて、非常にこれは大きく進むのではないかなと思っております。 サイクルで利用される方もいらっしゃると思うのですけれども、その辺、誘導をうまくしていただければ、近隣に非常に溶け込む施設になるのかなと思っておりますので、今後、日程の確定を含めて、早めに動いていただければと思います。 以上、私からの質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 次に、19番原山大亮議員に発言を許します。--19番原山大亮議員。(拍手)
◆19番(原山大亮) (登壇)皆さん、こんにちは。奈良テレビ、インターネット中継をご覧の皆様も、こんにちは。19番、日本維新の会、橿原市・高市郡選挙区選出の原山大亮でございます。 議長のお許しをいただきましたので、質問通告に従い、一般質問をさせていただきます。 その前に、現在の奈良県と橿原市の関係性について、県民の方々から多くのご心配の声をいただいております。と申しますのも、これまでの奈良県議会の予算審査特別委員会や総務警察委員会において、橿原市内にある運転免許センターの移転について、山下知事や県警察の担当職員さんたちは、昨年から再三にわたる説明を繰り返していたにもかかわらず、その計画を突然に聞かされたと公表したり、つい先日の橿原市議会の一般質問において明らかとなったのですが、橿原文化会館の存廃について、地域団体の要望書を橿原市の職員さんが作成し、判こを押してくれと地域団体にお願いに行くという考えられない事案が起こりました。 その要望書を亀田橿原市長が他の公務のついでに知事に届けるからと、押印までの時間を2、3日で求め、その後、知事に届けようと試みたのですが、山下知事は、地域の要望書をなぜ橿原市の職員さんまたは橿原市長が届けるのですか。地域の団体の方から直接受け取りたいですし、お話も聞きたい。県庁まで来られるのがご足労なら、連絡先を教えてくれたら、直接私から連絡し、説明させていただきますと返したそうであります。にもかかわらず、亀田橿原市長は、その知事の意向を地域団体の方に伝えることもなく、数週間後ですかね、数か月後、その要望書を郵便で送りつけ、その内容は、受領印を押したコピーを返信封筒に入れて送り返してくれというものでした。 この一連のやり取りを聞いて、県民の皆様方はいかに思われるでしょうか。方法や内容はさておき、知事の心証や、要望書に判を押した地域団体の気持ちをどのように考えたのか理解しかねます。自身が届けるからと職員に要望書を作成させ、慌てて判こを押してもらったものの、知事が受け取ってくれなかった理由や意向を地域団体の方にお知らせせずに郵便で送りつけるような橿原市長の対応に、山下知事は気分を害されていると思います。怒っていますかね。怒っていないですよね。怒っていないと思います。 私からの一般質問には、何とかご機嫌をお直しになって、その内容が一方的なものではなく、建設的で県民、市民に資するものとしたいですし、不安に思われる方々を少しでも減らせるようにしたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 それでは、質問に移ります。 先日の亀甲議員の代表質問と重複する箇所があるかもしれませんが、県民、市民にとって重要な政策課題と捉えております。なるべく違う観点や、より踏み込んだ質問となるようにしますので、ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。 1つ目の質問です。 新駅を含めた医大周辺のまちづくりについてお聞きいたします。 奈良県においては、奈良県立医科大学の新キャンパス建設に伴い、新駅を設置する構想を計画され、これまで奈良県、近畿日本鉄道株式会社、橿原市の3者で様々な協議を進めてこられたと思いますが、今現在はどのような状況にあるのでしょうか。 振り返りますと、荒井前知事が進めようとしていた計画では、費用負担をそれぞれの立場を考慮した形ではなく、3者均等負担、つまり1対1対1で進められようとしていた記憶がございます。 そのような中、令和4年7月に開催された国土交通省運輸審議会の公聴会において、荒井前知事の公述に対する近畿日本鉄道株式会社側の回答文書の中で、八木西口駅について廃止を条件としないと明記されたことが分かりました。近畿日本鉄道株式会社は、これまで近接地での駅の併存には応じかねるという態度を示していたにもかかわらず、地元住民の要望や、橿原市の考え方に譲歩した形でございます。新駅の必要性に関しては、医大周辺のまちづくりや病院利用者の利便性向上、新キャンパスに通う方々のことを考えると、新駅設置は必要不可欠です。 そこで、山下知事にお伺いします。 山下知事が誕生してからの、医大新駅の設置に関する県、橿原市、近畿日本鉄道株式会社の3者協議における費用負担割合などの協議の進捗状況をお伺いいたします。 次に、医大周辺のまちづくりについて、医大周辺の土地は県有地と市有地が入り組んでおり、どちらかが一方的にまちづくりを進めるのは非常に困難だと思います。加えて、橿原市に大きな財政負担を抱える体力はないのが現状だと思います。 ここで一つ提案なのですが、医大新駅周辺の橿原市の土地を県が買い上げ、様々な課題や地域の声を実現する役割を担っていただくことはできないでしょうか。財政難の橿原市が医大新駅周辺のまちづくりを進めるには、少々無理があるのではないかと思います。例えば、医大新駅から病院に向かう進入路の整備や市有地の利活用、駅の利用者に関しましても、ほとんどが病院や医大に関係する人になると思います。橿原市が限られた財源でポテンシャルを生かし切れず、事業が先送りになったり、何より市民、県民の利便性の向上を阻害する形にならないことを願っておりますが、そこで知事にお伺いいたします。 医大新駅を含めた医大周辺のまちづくりについて、橿原市の所有地を県が買い上げるなど、地元負担を軽減する取組を進めていただくべきだと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 県立医科大学新キャンパス移転後の跡地利用についてでございます。 予算審査特別委員会や昨年の一般質問でもお伺いしましたが、明確な答弁をいただけていない県立医科大学附属病院第1駐車場についてと、県立医科大学キャンパス機能が移転してからの跡地利用についてでございます。 以前の質問以降、第1駐車場の混雑緩和に向け、警備員による他の駐車場への誘導や利用状況の検証などを行っていただいていることは感謝を申し上げますが、残念ながら、現状は全く改善されておりません。 この質問をさせていただいてから、県民の方からたくさんの声を頂戴しております。よくぞ言ってくれた、ほんまにかなんねん、病院まで送る人のことも考えろなどでございます。通院される患者さん本人からも、車を止めて長い距離を歩くことが大変だと。僕の最初の質問では、第1駐車場から高田バイパスまで連なる大渋滞への危険性を指摘させていただきましたが、この駐車場問題が抱える課題というのは、単なる渋滞問題ではないことを思い知らされました。 この駐車場問題を解決する機会としまして、県立医科大学新キャンパスが整備され、多くの機能は移転されます。その跡地利用については、どのように考えておられるのでしょうか。第1駐車場周辺にもテニスコートや相撲場など県立医科大学に関連する施設はあります。それらも移転するのなら、その跡地を駐車場にすることもでき、長年の課題である渋滞問題を解消できると考えます。 キャンパス機能の跡地利用に関しては、なぜか県立医科大学学長が、民間業者と橿原市長を交え奈良新聞の取材に都市計画法上の高さ制限に触れ、その緩和を強く求めておられました。これは、奈良県の公式見解と取ってよろしいのでしょうか。 キャンパス機能が移転した後の計画をどのように考えておられるのか、また、先ほどの県民の声を踏まえ、診察や通院される患者さんをはじめ県立医科大学附属病院を訪れる方の利便性向上の観点から、病院窓口へのアクセスをより近く簡単にすることは考えていただけないでしょうか。 そこで、知事にお伺いいたします。 県立医科大学新キャンパス移転後の跡地利用に関して、病院駐車場の整備を含めた今後の計画についてお伺いいたします。 3番目の質問です。 中南和地域の休日、夜間における一次救急医療体制についてでございます。 橿原市の休日夜間応急診療所は、中南和地域の小児科、内科など、休日、夜間の一次救急を担う拠点の診療機関であり、周辺市町村からも多くの患者を受け入れております。橿原市が運営しているにもかかわらず、診察を受けている地域別の受診状況を見ても、僕が調べたのは過去5年でございますが、橿原市以外にお住まいの方の受診率が、医科、歯科ともに半数以上となっております。奈良市、生駒市でも同様に休日夜間応急診療所を運営しておりますが、それぞれの市民のための診療体制であり、他市町村と広域的に連携した体制ではないと認識しております。 橿原市休日夜間応急診療所では、特に午前0時から6時までの小児科について、8市11町11村で費用負担し、広域的な連携体制を構築されております。この広域連携への取組に対する県の支援として年間400万円の補助や国からの交付税措置があるのは事実ですが、令和2年度では約1億5,000万円、令和3年度は1億1,000万円、令和4年度は6,000万円の赤字を出している状況でございます。 令和2年度からのコロナ禍におきましても、中南和地域で小児科を含めた一次救急医療の拠点として積極的に診療を行ってまいりましたが、外出自粛により患者が大幅に減少し、収入が減ったこともあり、赤字が大きくなりました。新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、令和5年度は患者が戻りつつあるものの、今もまだ赤字を抱えております。 一次救急を担うのは、本来、市町村の役割だということは十分理解しております。しかし、橿原市の財政が逼迫する中で、多額の赤字を抱えたままでは、この事業を続けられなくなるのではないかと危惧しております。そうなると、一次救急はもとより、より救急度の高い二次救急輪番病院等に軽症患者が集中し、県内の救急医療体制に影響を及ぼすことも想定されます。そうなると、県民の生命、身体の保護はもとより、救えるはずの命が救えなくなる事態にも陥る可能性がございます。中南和地域での一次救急医療体制の継続に向け、県もこの課題について共通認識を持っていただくことが必要だと思っております。 そこで、知事にお伺いいたします。 中南和地域の休日、夜間における一次救急医療の拠点的な役割を担っている橿原市休日夜間応急診療所の持続的な体制確保に向け、県はどのように考えているのかお聞かせください。 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、原山議員の一般質問に答弁をさせていただきます。 まず、1点目の新駅を含めた医大周辺のまちづくりについてのお尋ねでございます。 先日も答弁させていただきましたとおり、県は橿原市との間で、3つの地区について、平成27年3月20日にまちづくりに関する包括連携協定を締結しております。3つというのは、1つ目が大和八木駅周辺地区、2つ目が医大周辺地区、3つ目が橿原神宮前駅周辺地区の3地区でございます。このうち医大周辺地区におきましては、新駅設置の推進、県立医科大学の新キャンパスの整備、附属病院の再整備などの取組を主な柱としております。橿原市と協働して検討を進めたいと考えております。 新駅の設置につきましては、これまで八木西口駅の存廃が課題となり難航していたところでございますが、令和4年11月29日に、奈良県と県立医科大学、橿原市、近畿日本鉄道株式会社、この4者で、八木西口駅の廃止を条件とせず新駅の設置について協議することなどをはじめといたします、奈良県立医科大学附属病院南側地区のまちづくりに関する連携協定を締結いたしました。 令和5年度は、新駅利用者の需要予測や新駅の設置位置、構造等の検討業務を行い、新駅設置に係る費用負担割合等を含む基本事項について、橿原市や近畿日本鉄道株式会社と協議を重ねてまいりました。 具体的な協議についてご紹介させていただきますと、令和5年度におきましては、4者の合同会議を3回行っております。県と近畿日本鉄道株式会社との協議を5回、県と橿原市との協議を7回、県と県立医科大学との協議を1回、合計16回の協議をしてまいりましたが、近畿日本鉄道株式会社の受益受損の算定に時間を要しまして、令和6年3月末時点では合意に至りませんでした。令和6年4月以降も引き続き協議を継続しておりまして、6月7日にも近畿日本鉄道株式会社と協議を実施いたしました。今後は、橿原市も含めまして公な協議会などの場で合意形成を図っていければと考えております。 新駅の設置は、私も大変重要で必要なものだと考えておりまして、現地にも足を運びまして、県立医科大学利用者や周辺住民の利便性の向上に加え、新たなにぎわいの創出や鉄道利用者の増加に寄与するような取組をしていかなければならないと実感したところでございます。 今後、引き続き協議を進める中で、費用負担割合について、一日も早い関係者間の合意形成をしてまいりたいと考えております。 続きまして、新駅を含めた医大周辺まちづくりに係る地元負担の軽減に関するお尋ねでございます。 医大周辺まちづくりのうち、病院の南側につきましては、これまで原山議員お述べのとおり、県立医科大学がテニスコートやグラウンドなどとして活用しておりました県有地並びに橿原市が市営住宅として活用している市有地がございます。 県立医科大学では、施設の老朽化等に対応するため、ご案内のように、今、新キャンパスの整備をしているところでございます。先ほど申し上げました橿原市の市営住宅につきましては、令和6年度から建物の撤去を進めていく予定と聞いております。 その結果、近鉄橿原線と大和高田バイパス沿いに医大附属病院に隣接するまとまった空地ができることになります。この空地の活用につきましては、県と橿原市でまちづくり連携協定を締結しているところでございますので、この協定に基づきまして協議を加速していきたいと考えております。 ご指摘の市有地の活用や橿原市の負担軽減につきましては、今後、橿原市との協議を進める中で、県立医科大学や近畿日本鉄道株式会社の意向も聞きながら、しっかりと検討して結論を出してまいりたいと考えております。 続きまして、県立医科大学新キャンパス移転後の跡地利用についてでございます。 先ほどもご紹介しましたとおり、現在、県立医科大学は新キャンパスの整備を行っておりまして、そこには医学部医学科の教養教育部門及び看護学科が移転する予定でございます。令和7年度に移転をする予定でございます。 新キャンパスに大学機能が移転した後には、現キャンパスにおいて移転跡地を活用いたしまして、新しい外来棟となります新A棟の整備を計画しております。 この新A棟の整備は、令和13年度の竣工を目指しております。敷地形状のまとまりや既存の建物との近接性を考慮した結果、現在のA棟の所在する場所より、より第1駐車場に近い南側が建設の候補地となっております。 さらに、新A棟の候補地は、現在検討を進めている新駅からのアクセスが旧A棟と比べますと格段によくなります。その結果、新駅が整備された場合には、車のみならず電車で来られる方のアクセス向上にも資すると考えております。 なお、先ほど議員が触れられました奈良新聞における県立医科大学学長のご発言については、学長のお考えを述べられたものと理解しておるところでございまして、県の公式見解ではございません。まずは、新A棟に必要な機能は何なのかということについて、県立医科大学と十分に協議をしていきたいと考えております。 それから、何度も原山議員からご質問いただいている県立医科大学附属病院の駐車場の問題でございます。 原山議員お述べのとおり、第1駐車場の入庫待ちの渋滞を抜本的に解決するためには、駐車台数の増加、これが必須であることは間違いございません。第1駐車場の東側のテニスコートなども令和7年度には新キャンパスに移転をいたします。このことから、大和高田バイパス南側のまちづくりについて、今後、県と橿原市で協議をしていくわけでございますけれども、この移転後のテニスコート跡地を駐車場として活用することにつきまして、県立医科大学や橿原市と検討してまいりたいと考えております。 3点目の、中南和地域の休日、夜間における一次救急医療体制についてでございます。 県では、誰もがいつでもどこでも安心して、その症状に適した救急医療体制を確立することが大切であると考えております。このため、軽症患者の方については一次救急をご利用いただき、入院治療を必要とする患者さんは二次救急をご利用いただき、さらに重篤な患者さんは三次救急をご利用いただくというふうに、症状に応じた体制を用意し、症状に応じた利用を促しているところでございます。 休日夜間の一次救急医療体制は、県内に11か所ございます休日夜間診療所が担っております。こちらは、設置主体でございます市町村がその体制を確保すべきものと認識しております。 休日夜間応急診療所の運営は、そもそも市町村が住民に対する政策医療として実施するものでございまして、一般的には、なかなか黒字の収支というのは見込めないものであると言わざるを得ません。こうした性格に鑑みまして、こうした休日夜間応急診療所の開設に係る費用に対しまして、国から地方交付税も措置されているものと認識しております。 原山議員お尋ねの橿原市休日夜間応急診療所につきましては、中南和における一次救急医療の拠点として、原山議員ご指摘のとおり、周辺市町村からも多くの患者さんが集まっておりまして、その体制確保は大変重要な課題であると認識しております。 こうした観点に立ち、県では、特に小児救急において30市町村が費用を分担しているこの広域連携の取組への支援という目的から、平成21年度を初年度といたしまして、橿原市に対して補助金を支出してきたところでございます。また、昨年度は、医師の働き方改革に伴う診療体制維持の相談を橿原市から受けまして、同診療所に小児科の医師を派遣している奈良県立医科大学とも協議をしつつ、小児科医師の1名増員、これを確保したところでございます。 今後とも、橿原市と真摯に協議、連携して、持続的に中南和地域における一次救急の体制が確保できるように県としても最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 ご質問ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) 19番原山大亮議員。
◆19番(原山大亮) ご答弁ありがとうございます。 質問の順番に再質問をさせていただきます。 医大新駅設置に関する費用負担割合の話です。 近畿日本鉄道株式会社が八木西口駅を残すという判断に至ったのは、質問でも言わせていただいたのですけれど、地元の要望でありますとか、橿原市の意向に譲った形ではないかなと僕は思っています。当初、八木西口駅の廃止を前提としながら新駅の設置構想を進めておられた中で、社会情勢を見たりしていましても、近鉄沿線で無人駅も非常に増えてきておりまして、結局、公共交通とは言いながら民間事業者であり、やっぱり採算を求めて事業を展開していかれることが前提となりますので、どこまで無理を言えるのかなというところで、どういう判断をされるのか非常に注目しておりました。 そんな中で、荒井前知事の時代に1対1対1の費用負担を提示された中で、その後に八木西口駅の存続を近畿日本鉄道株式会社が発表されたので、僕は近畿日本鉄道株式会社が先手を打ってきたのだなと思ったりしたのです。あと、新駅の設置目的に関しましても、橿原市が数年前に利用者の目的の調査もしておられます。その結果は、ほとんど県立医科大学附属病院に行かれる方でありますとか、近くにある今井町、通勤の方たちが使われる状況もあったのですけれども、そのほとんどが県立医科大学に向かわれる方が利用されておるというような状況でございました。 様々検討いただいて、これから協議していただくと思うのですが、僕は、この費用負担の割合の話になったときに、県が主体的にその費用を負担することに関して、橿原市や近畿日本鉄道株式会社が異論を申すことなんてないと思うのです。だから、利用目的が新キャンパスであったり医科大学附属病院であるとするならば、県が積極的に財政負担を負ってその事業を進めていくべきだと思うのですけれど、そこら辺の知事の考えをお聞かせ願えますか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 私自身はその協議には出ていないので、どういったやり取りが近畿日本鉄道株式会社や橿原市との間でなされているか、把握していないものですから、相手のあることでもありますので、軽々にこの場で私の考えを述べるのは、交渉に影響してはいけないと思いますので、差し控えさせていただきたいと思います。
○副議長(池田慎久) 19番原山大亮議員。
◆19番(原山大亮) ありがとうございます。 何度も申すのですけれど、県が積極的にその費用負担を行うことによって異論なんて出ないと思うので、ぜひ積極的に県の責任において新駅が設置されることを強く要望しておきます。要は、費用負担が云々かんぬんというので、新駅を設置する事業が後送りになってしまうようなことが一番不利益だと僕は思いますので、少なくとも、県立医科大学新キャンパスも、令和7年度から供用だったと思うのですけど、県立医科大学の移転後の整備に関してはもうちょっと先だと思うのですけれど、やっぱり利用者の利便性向上もそうですけれど、県の責任においてしっかりと事業が展開されることをお願いしておきます。 次の質問の続きです。 医大新駅を含めた医大周辺のまちづくりについて、橿原市の所有地を県が買い上げるなど、地元負担を軽減するような取組をしてもらえませんかということなのですけれど、橿原市や県立医科大学、近畿日本鉄道株式会社と協議を重ねてくれるということですが、土地の有効利用やまちづくりの観点からも、県が主導して行わないと、これまでもそうだったと思うのですが、なかなか前へ向いて進まないのではないのかなと思うのです。それぞれが立場の違う中で、それぞれの主張を突き合わせて合意形成に至るまでに相当の時間がかかると思うのです。その相当な時間がかかることに対して、知事の強いリーダーシップを発揮していただいて、よりよい方向に導いていただきたいと思うのですが、その辺の事業の進め方に関しては、どのようなお気持ちで臨まれるつもりなのかお聞かせください。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 先ほど答弁でも申し上げましたけれども、現地の視察も行っているところでございまして、新A棟の建て替えを含む現在のキャンパスの整備と、医大新駅のこの東西のまちづくり、これは私は同時並行でやりたいと思っておりまして、近々、現在のキャンパス内の整備に関する県と県立医科大学の協議の場を設けたいと思っておりますし、同時に、この医大新駅の周辺のまちづくりについても、近いうちに県と橿原市の協議の場を設けていきたいと思っておりまして、定期的にそういう協議の場を設けて、きちんと計画的に進めていく。つまり、各協議において、今日はここまで議論しました、ここまで合意できましたねと、ここが合意できていませんねと、次はここを合意しましょうねと、次の会議はいつやりましょうねと、次の予定と次の協議会の場とそこでのテーマをきちんと決めてやっていきたいと思っておりますので、こちらのほうは、今、その協議に向けて、医療政策局やまちづくり推進局と私との間で事前の打合せを重ねているところでございますので、ご期待いただければと思います。
○副議長(池田慎久) 19番原山大亮議員。
◆19番(原山大亮) ありがとうございます。 僕は以前、1回目の一般質問だったと思うのですが、全然種類は違う話ですけれど、公園整備に県と橿原市が取りかかるときに、前知事時代の話ばっかりして恐縮ですけれど、令和元年だったと思うのですが、今の橿原市長、当時、亀田県議会議員の質問の中で荒井前知事が、県の公苑と市の公園を交換して整備するということを突然ばんと出されたのです。だから、僕はそんな形になることが本当に望ましくないと思いますし、地域、地元との合意形成ももちろん、しっかりと協議を積み重ねていただいて、結果的に、県にとっても橿原市にとっても、近畿日本鉄道株式会社にとってもよい形になるのが僕は一番望ましいと思うのです。 そんな中で、合意形成をつくりながらよりよいものをつくっていく過程の中で、どの形が一番、時期もしっかりと合わせて、コストパフォーマンスもそうですけれど、そこらも勘案しながら合理的に進めていけるのかなと考えたときに、やっぱり県がその主体となって事業を進めていくことが僕はより合理的ではないのかなと思ったので、こういう質問をさせていただきました。 橿原市との関係性、いろいろ心配されておられる県民の方がおられますけれど、知事がおっしゃったように、しっかりと丁寧に段階を踏みながら、もちろん議会にも橿原市にもその進捗状況をお伝えしていただきながら、しっかりと前を向いて進めていただけたらと思います。よろしくお願いしておきます。 次の質問の続きです。県立医科大学新キャンパス移転後の跡地利用に関しての質問の続きです。 本当に、やっと跡地利用のデザインが見えてきたのではないかなと思います。何年か前、亀甲議員もおっしゃっていましたけれど、その跡地利用の検討をされているときに、中に駐車場ができている絵を僕らは本当に見たことがあるのです。そんな中で、やっとそのデザインが見えてきたのかなと。 新駅に近い南側に新外来棟が建設されて第1駐車場が拡幅されれば、病院利用者の利便性は格段に上がると思いますし、高さ制限の緩和についても、学長の個人的な考えだということで安心いたしました。 知事が述べられたように、まずはその必要性や効果をしっかりと検証して、地元住民や県民に理解を得ながら、しかるべきプロセスを経て規制緩和に臨むべきだと思っているのです。規制緩和を否定するものでも何でもなくて、やっぱり事業って進め方があると思うので、何よりその必要性であるとか、その地域住民の理解を得る前に、一部の人たちが自分たちの思いをああいう公の場で発表することに対して、僕は少しいかがなものかと思ったので質問させていただきました。 さらに、今現在も、奈良県の31メートル規制の中で事業を展開しておられる民間事業者の方々にとっても大変不公平な話だと思うのです。医大周辺のまちづくりが地域の住民や県民にしっかりと軸足を置いた整備になることを願いますと同時に、再度確認していただきたいのですが、第1駐車場を拡大していただく方向で今現在おられるのかどうか、再度お聞かせ願えますでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 既存の第1駐車場の駐車台数の増加という表現をするのか、あるいは、新キャンパスに移るテニスコートとかグラウンドの跡地を駐車場にするということなのか、それは表現の問題だと思うのですけれども、いずれにしても、先ほど答弁したとおり、新キャンパスに移転して空いてくる土地を駐車場として利用して駐車台数を増やすというのも1つの方策であるということで検討を進めていきたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 19番原山大亮議員。
◆19番(原山大亮) ありがとうございます。 本当に、僕もそうするのが一番ベターではないのかなと思っています。 それで、駐車場の東隣になるのですかね、あの相撲場とかテニスコートとか、一旦新キャンパスのほうに移るわけですから、必ず空き地になりますし、その部分の利用に関しては、あまり病院側と近畿日本鉄道株式会社側との交渉なんて僕は必要ないと思っていますので、その第1駐車場の拡幅に向けてしっかりと照準を合わせていただきたいという意味なのですけれど、それは、また答弁いただけるでしょうか。待っておいたほうがいいですか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) 第1駐車場の東側にあるテニスコートとか相撲場が新キャンパスに移転して、その空き地を駐車場として活用することで、これが第1駐車場を広げるという扱いになるのか、あるいはそこに第2駐車場を造るという形、ネーミングになるのか、それはちょっと分かりませんけれども、いずれにしても、その第1駐車場の東側に駐車台数を増やすことも選択肢の1つとして、今後、県立医科大学や橿原市と協議をしていきたいと、こういうことでございます。
○副議長(池田慎久) 19番原山大亮議員。
◆19番(原山大亮) この質問は、渋滞問題からいろいろなところにその問題が波及して、問題提起させていただいているのですけれども、小房交差点までの大渋滞問題は、歴代の橿原市・高市郡選挙区選出の県議会議員の方々が指摘させていただいてきた問題ですので、ぜひこの機会に抜本的に解消していただけるような形を強く望んで、再三再四質問させていただきましたので、そこら辺の趣旨もしっかりとご理解いただきながら、対応をよろしくお願いしておきます。 最後の質問の続きです。 橿原市休日夜間応急診療所の持続的な体制に向けて、県はどのように考えているのかご答弁いただいたのですが、県ができる範囲の中で対応していただいていることは重々分かっています。 さっき赤字の金額もご提示させていただいたのですけれど、令和5年度に関しては決算はまだですので、数字は分からないですけれど、1億円から5、6千万円の赤字がずっと続いている中で、県から頂いておる補助金は400万円だけだったのです、令和4年ベースでしたかね。だから、この金額が過去に遡って大きく増えていることはないと思うので、億単位あるいは何千万単位の赤字を出しながら、県から400万円の補助金を頂きながら運営しているという事実をまずは広く知っていただきたかったことと、昨年か、その前の年だったか、ちょっと記憶が曖昧なのですけれど、橿原市の決算特別委員会においてある議員さんが、こんな赤字を垂れ流す事業は、やめることも検討したらどうですかと言われたのですよ。僕はこの発言に非常にびっくりしたのですけれど、その気持ちも分かるのです。受益と負担のバランスを考えても、要は、橿原市の税金で中南和地域の休日夜間応急診療所の運営を担うような形になってしまっている現状があると思うのです。 それで、知事がおっしゃるように、黒字化するような、お金もうけではなくて
行政サービスの一環ですから、赤字になることはまあまあどこも見込まれていると思いますと、それもおっしゃるとおりだと思うのですけれど、でも単純にその数字を見たときに、橿原市の税金で、他市町村の負担を橿原市が担ってしまっていることに対する問題提起の意味でその議員さんは言われたと思うのです。僕はこれをやめてしまうようなことがあってはいけないと思うので、受益と負担のバランスを考えながら、橿原市がどうやったら休日夜間応急診療所を継続していけるかを考えたわけでございます。 この状況が続くことによって、いつか橿原市がこの事業を投げ出さないかという心配をしておりまして、そのしわ寄せは、県の所管する二次救急へと影響を及ぼすと思うのです。知事、今後そこら辺も注視していただけるという答弁だったかと思うのですが、今後の対応を含めて、何とか持続可能な休日夜間診療所となるように、県が直接的にその事業に介入できないことはもう重々分かっています。分かっている中で、その体制の在り方も含めて、何とか音頭を取って、持続可能な形を一緒に考えていってもらえないかなというお願いなのですけれど、いかがでしょうか。
○副議長(池田慎久) 山下知事。
◎知事(山下真) まず、小児救急については、周辺の市町村の住民が利用することが想定されていて、小児救急に関しては、受診をされた子どもさんの数に応じて、橿原市以外の市町村、30に上ると聞いておりますけれども、ここが費用を負担していると聞いているので、橿原市だけで全ての赤字を負担しているわけではないと、橿原市が周辺市町村の分の赤字まで負担しているわけではないということは申し上げさせていただきたいと思います。 それと、そういう周辺市町村が広域的に利用しているということに鑑みまして、県としては補助金を出しているわけでございますけれども、奈良市や生駒市にもこの休日夜間応急診療所があって、同様に決して黒字ではないわけですが、奈良市や生駒市に対しては県は補助金は出しておりません。これは、30市町村と橿原市が連携して広域的に取り組んでいるということが奈良市や生駒市とは違うので、補助金を出しているという点はご理解いただきたいと考えております。 その上で、今後、橿原市休日夜間応急診療所の体制を抜本的に再構築するのだということであれば、県としてもそれに参加して、必要な助言等はしていきたいと考えております。
○副議長(池田慎久) 19番原山大亮議員。
◆19番(原山大亮) ありがとうございます。 だから、結果的に赤字になってしまっているということです。周辺市町村が負担していただいていることも、県から400万円だけ頂いていることも分かっている中で、結果的に赤字になっているので、その体制を見直す音頭を取っていただけたらありがたいという質問でした。 時間になりましたので、以上で私からの一般質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(池田慎久) しばらく休憩します。
△午後2時35分休憩
--------------------------------
△午後2時52分再開
○議長(岩田国夫) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、39番井岡正徳議員に発言を許します。--39番井岡正徳議員。(拍手)
◆39番(井岡正徳) (登壇)それでは、議長の許可を得て、通告に従い、自由民主党・無所属の会の井岡正徳が一般質問を行います。 初めに、大和平野中央の県有地の活用に関して、三宅町と田原本町について、それぞれ知事と警察本部長にお伺いします。 まず、三宅町における学生寮の整備について、知事にお伺いします。 知事は、昨年6月の予算執行査定の結果、磯城郡3町において、県立工科大学の整備や国民スポーツ大会に向けた新施設の整備を計画していた大和平野中央田園都市構想の拠点施設整備について見直しを行われ、整備内容を含め計画を再検討することとされました。 その後、県と磯城郡3町でそれぞれの計画を発表されました。この中で、三宅町は、学生寮やイノベーションエリアなど多様な学び・交流を創出する拠点、ヤング・イノベーション・レジデンスの整備と、研究や新産業にチャレンジする企業の誘致に取り組んでいくことを発表されました。 そもそも山下知事は、三宅町に県立工科大学を設置する計画を見直す際、少子化を背景として、学生の確保が困難な点、また、その学生も卒業後は県外に流出してしまうという点を見直しの理由に掲げておられました。このような背景がある中、学生寮を整備する構想は、見直しの理由からも矛盾すると思いますが、何らかの見通しや考えがあってのことなのでしょうか。 先日、三宅町長が行ったタウンミーティングにおいて、そもそも学生寮に学生が集まるのか、また、核となる施設が決まっていないのではないかなど、様々な意見が出されました。 そこで、知事にお伺いします。 三宅町において整備を予定する学生寮に入居する学生の確保と企業の誘致をどのように実現しようと考えているのか、整備のスケジュールと併せてお尋ねします。 続きまして、田原本町で予定されている新運転免許センターの移転整備について、知事と警察本部長にお伺いします。 令和6年1月15日に、田原本町阪手・西井上地区にて購入した県有地に運転免許センターを移転するとともに、県警察の一部機能を移転させ、整備していく予定と発表されました。 先日、奈良県と田原本町との県有地を核としたまちづくりに関する協定書を一部変更する覚書が締結されました。その協定書の第2条(3)に、その他、県有地周辺を含む地域の活性化に関することと書いてありますが、どのように進められるのでしょうか。 そこで、知事にお伺いします。 田原本町の県有地を核としたまちづくりについて、県有地周辺の土地利用をどのように進めるのか、手法も含めてお伺いします。 また、警察本部長には、予定されている新運転免許センターの整備について、今後どのようなスケジュールで進めようと考えているのか、お尋ねします。 次に、奈良県の実情を踏まえた県全体の都市計画の在り方について、知事にお伺いします。 かつて、高度成長期において都市への人口集中が急速に進んでいく中で、良質な都市形成を図るため、奈良県では都市計画区域を指定し、市街化を図るべき区域と市街化を抑制すべき区域の区域区分、いわゆる線引きが行われてきました。こうした線引きにより、土地利用を規制することで、高度成長期以降の急激な人口増加に伴う、都市の無秩序で無計画な拡大に歯止めがかけられた結果、奈良の歴史的風土や豊かな自然環境が一定保全されてきたものと考えています。 しかしながら、本県の人口は平成12年をピークに減少に転じており、人口減少が進むとともに高齢化も進んでいます。人口減少、高齢化が進むことで、空き地や空き家が増加するとともに、生活環境の悪化など様々な問題が生じると考えられます。特に県南部・東部地域においては、人口減少、高齢化が急速に進展しており、深刻な課題となっています。 現在、奈良県においては、大阪のベッドタウンとして発展してきた背景もあり、住居系の土地利用が多い状況となっています。その反面、商業系、工業系の土地利用が少ないため、雇用と消費の多くを大阪などの他地域に依存している状況でしたが、近年では、京奈和自動車道など幹線道路ネットワークの整備が進んでおり、とりわけインターチェンジ周辺の土地のポテンシャルが高まってきています。これまでの考え方で土地の利用を規制していくのではなく、土地を有効に利用する観点からも、都市計画の在り方自体を議論する時期に来ているのではないでしょうか。 また、県内の市町村では、人口の減少に歯止めをかけ、地域の活性化を図るため、それぞれの地域の特性を生かしながら、雇用の場の創出や観光の振興、空き家対策などに取り組んでおられます。こうした取組を進めるに当たっては、土地の確保が重要となりますが、市街化調整区域であることでの制約が支障になっているとの声を聞いています。 しかしながら、現在は、今後の人口減少や現市街地の未利用地の存在を考えると、原則として住宅地を目的とした市街化編入は行わないということになっています。また、工業系を目的とした市街化編入も、私の地元の田原本町や川西町で行われた事例において、かなりのハードルがあったのが現実であります。 そこで、知事にお伺いします。 持続可能で活力ある地域づくりを実現するため、人口減少や超高齢化社会など社会情勢の変化に対応した都市計画が必要と考えますが、知事にお尋ねします。 次に、国民健康保険の県内保険料水準統一後の国民健康保険運営について、医療・介護保険局長にお伺いします。 社会保障改革の一環として、国を挙げての課題であった国民健康保険改革について、奈良県では、県と県内全市町村との間で課題認識を共有し、緊密に連携して取り組まれた結果、今般、大阪府とともに全国で初めて県内保険料水準の統一が実現しました。 振り返りますと、もともと市町村単位で運営されていた国民健康保険は、加入者の年齢構成が高く医療費水準が高い上、保険者の規模が小さく、財政運営が不安定になりやすいといった構造的課題を抱えていました。 当時、複数の市町村長から、市町村間で保険料がばらばらで困っている。ある町長は、自身の選挙目当てで一般財源を投入し保険料を安くしていると、市町村間に格差が生じて困っているため、奈良県で統一してほしいと頼まれました。 私は、平成21年2月定例会の一般質問において、一つの意見を申し上げました。私の意見としては、医療保険制度は、既存の各種健康保険で、前期高齢者の面倒も見る突き抜け方式を採用し、支援金の負担を減らしてはどうかと考えている。市町村国保と長寿医療制度を広域連合で運営し、不足分は公費を投入する。そして、地域の実情を考えて、5段階別の全国統一した直接賦課方式での保険料とする。徴収方法は従来どおり市町村の業務とし、広域連合の職員は市町村からの出向で賄い、その給与は各市町村の療養費の給付費等の割合で応分の拠出をする。徴収不能額は各市町村で責任を持って負担するといった仕組みはどうかと発言をしました。 私は、このように様々な提案を行ってまいりました。平成30年になって、ようやく国は国民健康保険財政の県単位化を行いましたが、奈良県では、県、市町村とが一体で、これに先駆けて国民健康保険の広域化の検討を開始され、あわせて、令和6年度の県内保険料水準統一も実現することとされました。そして、県内各市町村長のご理解、ご尽力により、今般、県内の保険料水準の統一が実現したものであり、全国の範となる成果と言えます。 しかしながら、国民健康保険改革は、これでゴールではありません。依然として、県内市町村において、県民の受益の程度を表す医療費水準にはなお格差があり、県民の負担である保険料についても収納率に格差があるなど、県民にとって公平性には課題が残っています。また、少子化対策の財源としての子ども・子育て支援金の導入など、国民健康保険を取り巻く環境には様々な変化が生じています。全ての県民が安心して暮らせる国民皆保険制度を持続可能な形で次世代に継承するためには、国民健康保険を取り巻くこれらの変化にも的確に対応していくことが重要です。 そこで、医療・介護保険局長にお伺いします。 令和6年に県内保険料水準の統一が実現したところですが、県内市町村において、今なお存在する医療費水準や保険料収納率の格差などの課題に対して、どのように対応しながら国民健康保険運営に取り組んでいかれるのか、お尋ねします。 最後に、新型コロナワクチンによる健康被害の対応について、医療政策局長にお伺いします。 まず、前置きになりますが、コロナ禍において、国は、爆発的な感染の拡大を何としても食い止め、国民の命や暮らしを守るという強い思いから、費用の全額を公費で負担する形で新型コロナワクチンの接種を進められました。私も、コロナ禍という未曾有の事態において、発症や重症化を防ぐためのワクチン接種は必要であったとの考えの下、今回の質問をさせていただきます。 さて、新型コロナウイルス感染症における感染症法上の位置づけが5類に移行して1年以上が経過し、私たちの生活もコロナ前の日常に戻りつつあります。しかしながら、コロナにかかった後の後遺症やコロナワクチン接種後の健康被害など、長引く症状に苦しんでおられる方が今も数多くいらっしゃいます。 今般、厚生労働省において、厚生科学審議会の予防接種基本方針部会の承認を受け、今後、ワクチン接種記録の保存期間を現状の5年から延長する旨の方針が示されました。奈良県議会は、令和4年10月に予防接種に関する記録の延長を求める意見書を国に提出いたしましたが、その要望が実現したものであります。当時、意見書に関わった者としても、大変喜ばしく感じております。このように、接種記録の保存期間が延長されれば、ワクチンの接種後5年以上経過し、何らかの有害事象が起きた場合も、接種記録が消えることなく取得することが可能となります。 これまで奈良県では、早い段階で副反応コールセンターを設置し、相談を通じて適切な協力医療機関を紹介するほか、健康被害救済の申請書類として患者が必要な受診証明書に関して、医療機関向けのマニュアルを作成するなど、患者に寄り添った支援を行っていただいており、患者会の皆様からも感謝の声を聞いているところです。 一方、医療機関に受診証明書を書いてもらえなかったという事例や、健康被害救済の申請をする際、患者への説明をもう少し分かりやすくしてほしいといった要望が今なおあるように伺っています。ワクチン接種後に健康被害を受けられた県民の皆様が、県内で安心して治療を受けることができるよう、医療機関への一層の理解と協力を働きかけるとともに、患者の方々への相談支援を丁寧に行っていただきたいと考えます。 そこで、医療政策局長にお伺いします。 新型コロナワクチンの健康被害を訴えられる患者に対する医療提供体制や相談支援体制の充実に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、お尋ねします。 以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、井岡議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目の大和平野中央の県有地の活用に係る三宅町における学生寮の整備について、私からお答えをさせていただきます。 学生が生活する拠点に企業やスタートアップが同居するヤング・イノベーション・レジデンス構想は、全国でも初めての取組でございます。しかしながら、この構想自体、もともと学生と企業の切実なニーズや要望を受けて構想されたものでございます。 本年2月に公表しました、このヤング・イノベーション・レジデンスに係る基本的な方針も、100を超える大学や高等専門学校、高等学校、企業、スタートアップにヒアリングを重ねまして、ニーズを確認した上で策定したものでございまして、入居する学生や企業の確保は十分見込めるものと考えております。 実際のところ、既に県内の主要な学校や多くの企業等から、この構想への参加表明をいただいておりまして、現時点でその数は50近くに上っております。現在も、日本を代表するような企業も含め、多くの団体から県庁の担当部局に対し参加の申込みが続いている状況でございます。 私自身、先日、この構想に係るイベントに参加いたしましたが、そのイベントにパネリストとして加わった大学生から、自分たちも一緒にこのレジデンスをつくり上げ、ぜひ入寮したいというコメントがあったり、県内のある学校の担当者からは、100%ではなく1000%期待しているといった声も寄せられ、参加者からは極めて高い期待が寄せられ、そのイベントは大いに盛り上がったところでございます。 こうした学生やスタートアップ、県内企業の反応の背景にあるのは、単に学校に近いかどうかということではなく、学生にとっては、その寮に入ることで自分を成長させられるかどうか、企業にとっては、学生とより深い交流が持てるかどうか、そういった切実なニーズに基づいているからだと考えております。 今後重要なことは、こうした学生や企業の声にしっかり応える事業としていくことでございます。このため、本構想につきましては、県が一方的に事業を進めるのではなく、関係者と一緒につくり上げていくことが必要でございます。今般、そのためにヤング・イノベーション・プロセスというものを立ち上げまして、この関係者と一緒につくり上げていくためのコミュニティーを発足させたところでございます。 令和6年度におきましては、このヤング・イノベーション・プロセスのメンバーと意見交換を重ねまして、学生と企業、そしてスタートアップが出会い、つながり、一緒に成長できる場所の実現を目指して基本構想を策定するとともに、2030年度のオープンに向けまして、文化財の発掘調査や都市計画等の諸手続を進めてまいりたいと考えております。 次に、運転免許センターの移転整備に係る私に対する質問について、お答えをさせていただきたいと思います。 田原本町における県有地の活用につきましては、交通安全・安心のまちを基本方針とすることについて、田原本町と合意をしております。 新たなまちづくりに当たりましては、県有地に整備する新しい運転免許センターを核として、その周辺を含む地域の活性化に取り組んでまいります。 運転免許センター及び県警察の機能の一部を移転することによりまして、年間20万人を超える県民が田原本町を訪れることになります。こうしたことから、田原本町におきましても、これを契機に周辺地域のにぎわいづくりをしていきたいという意向を持っていると聞いております。県としても、田原本町のまちづくりの考え方を基に、周辺地域の活性化に向けまして、田原本町と協働して検討を進めていきたいと考えております。 言うまでもなく、地域の活性化を目指すに当たりましては、基礎自治体である町のまちづくりの方針が重要でございます。田原本町の目指すまちづくりに向けまして、県としても可能な限り支援をしてまいりたいと考えております。 引き続きまして、県全体の都市計画の在り方についてお答えをさせていただきます。 本県におきましては、昭和45年に大和都市計画区域を、昭和48年に吉野三町都市計画区域をそれぞれ指定いたしました。これらの都市計画区域におきましては、市街化区域と市街化調整区域に区分し、無秩序な市街化を防止し、計画的な都市形成を図ってきたところでございます。 井岡議員ご指摘のとおり、本県は大阪のベッドタウンとして発展してきた背景から、土地利用は住宅地が中心となっておりまして、工業用地や商業用地としての利用が少ない状態となっております。他方、近年は人口減少が進み、その速度を緩めていくためには、例えば、県内に魅力的な職場を増やすことにつながる土地利用の促進、こういった取組が必要と考えております。 現在の土地利用規制は人口増加を前提に行われてきましたが、井岡議員お述べのとおり、近年人口が減少している中で、これまでと同様の規制をすべきかどうかという問題が生じているところでございます。この点、県南部や東部の地域の市町村長からも、土地の活用を行う上で、市街化調整区域等における土地利用規制の見直しをしてほしいというお声をいただいているところでございます。 ただし、市街化調整区域における土地利用を検討するに当たりましては、優れた自然環境との調和など、保全と活用に配慮しためり張りのある土地利用を進めていくことが重要でございます。そのため、令和6年度から、新たに都市計画区域等の在り方について検討を行うことといたしました。まずは、人口減少が著しく進み、土地利用規制に係る課題の多い県南部・東部地域の市町村へのヒアリングを現在行っているところでございます。市町村の実情をしっかりと伺った上で、都市計画制度の運用の見直しの要否も含めて、現行制度の中でどのようなことができるのかの議論を深めてまいりたいと考えております。 私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 宮西警察本部長。
◎警察本部長(宮西健至) (登壇)39番井岡議員より、私には新運転免許センターの整備スケジュールについてご質問がございましたので、お答えいたします。 運転免許センターの移転整備につきましては、今年度予算措置されました運転免許センター施設整備事業において、高齢者をはじめ全ての利用者に配意した施設を整備のコンセプトとして、新運転免許センター施設整備に係る基本計画の策定を行っているところです。 基本計画は、昨年度策定した基本構想を踏まえ、新運転免許センターの建設に向けた、より具体的な方向性、整備に関する基本方針などを示すものであり、この基本計画に基づき、基本設計等の検討を進めていくこととなります。 今後のスケジュールでございますが、今年度は、先ほどご説明いたしました基本計画の策定及び県と田原本町が連携した交通安全に資するソフト事業の開催、来年度に向けては、新運転免許センターの造成設計費用及び発掘調査業務委託費用の予算要求を行い、令和14年度からの運用開始を目指してまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 森川医療・介護保険局長。
◎医療・介護保険局長(森川東) (登壇)39番井岡議員から、国民健康保険の県内保険料水準統一後における国民健康保険運営についてご質問をいただきました。お答えします。 井岡議員お述べのとおり、本県の国民健康保険改革は、国民健康保険の持続可能性についての井岡議員や県内市町村長など関係各位の強い問題意識の下、議論が始まり、財政運営の県単位化だけでなく、県民負担の公平を図る観点から、本県独自に県内保険料水準の統一を目指すこととされたところでございます。 今般、完成を見た国民健康保険の県内保険料水準統一は、先週閣議決定された骨太の方針において、全都道府県が徹底することとされたように、今や我が国の社会保障改革の主要課題となっており、本県の取組は全国の先進事例とされているところでございます。これは、県内全市町村の首長、議会が、住民にとって納得感のある国民健康保険の在り方に思いをいたし、ご理解、ご尽力をいただいた成果であり、改めて御礼申し上げたいと思います。 しかし、将来にわたり県内統一保険料水準を維持するためには、保険料改定の都度、市町村議会において統一料率への条例改正が必要であり、今後も住民や議会に統一の意義を納得いただく必要がございます。井岡議員ご指摘の今後の課題は、いずれも統一維持の前提条件となる重要なテーマと認識しておるところでございます。 まず、負担の水準を統一した今、受益の程度を表す医療費水準の合理的でない地域差は縮小されるべきでありますが、県内医療圏ごとの格差は近年縮小傾向にございます。今後も、今般策定した第4期医療費適正化計画に基づき、医薬品の適正使用や適正受診の推進など、県全域での医療費適正化を徹底することにより、地域差の縮小にもつなげていくこととしております。 また、医療費の地域差は様々な要因から生じているため、その原因を究明することが極めて難しいところでございます。このことから、本県と同じく保険料水準の統一を実現した大阪府とも連携し、その対応について検討してまいりたいと考えております。 次に、保険料の収納率は、納めていただく保険料の水準に直結する重要な課題でございます。県全体として着実に向上しているものの、依然として市町村ごとの差は残っているため、奈良県国民健康保険団体連合会に設置している国保事務支援センターと連携して収納対策を強化してまいります。 県としては、今後とも、国民健康保険の安定的な運営のため、市町村と緊密に連携しながら取り組んでまいる所存でございます。 ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 通山医療政策局長。
◎医療政策局長(通山雅司) (登壇)39番井岡議員の新型コロナワクチンによる健康被害への対応についてのご質問にお答えいたします。 奈良県における新型コロナワクチンの健康被害救済制度の申請件数は、本年5月末現在で146件、うち102件が認定、12件が否認、残る32件が結果待ちとなっています。 これまで県では、コロナワクチン接種を円滑に推進することに併せ、ワクチンの健康被害に関する医療提供体制及び相談支援体制の両面から施策を展開してまいりました。 まず、医療提供体制では、ワクチン副反応の診療が可能な協力医療機関を募り、県
ホームページで周知しております。各医療機関での困難症例については、診療科専門医へつなぐとともに、さらに専門的な診療が必要な場合には、県立医科大学附属病院及び奈良県総合医療センターへつなぐといった連携体制を構築してまいりました。 さらに、今年度は、医療機関における健康被害への理解の底上げを図るため、幅広い視野で患者を診る総合診療医を講師に招いた研修会を実施する予定としております。 次に、相談支援体制については、現在は相談件数が大きく減少していることから、昨年度までの副反応コールセンターに代わり、今年度から県庁内に相談窓口を設置し、看護師等が相談に応じております。また、救済制度申請窓口である市町村に対しては、事務マニュアルを作成するとともに、勉強会を開催する等、市町村における対応力の向上を図ってまいりました。 今年度からは、65歳以上の高齢者等が定期接種の対象に限定されます。それに伴う救済制度事務の変更点等について市町村説明会を開催し、市町村がさらにきめ細やかに対応できるよう支援してまいりたいと考えております。 今後も、新型コロナワクチンの健康被害を受けられた方の視点に立ち、切れ目なく適切な医療が提供され、円滑に救済制度の手続が進むよう取り組んでまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) 少し、何点か質問させていただきます。 このヤング・イノベーション・レジデンス構想の進め方の中で、エリアが居住エリアとイノベーションエリア、そして学び・交流エリアというイメージ図が描いております。この居住エリアは高校生、大学生が居住する住まいですけれども、イノベーションエリアは、どういう内容、どういうことを考えておられるのでしょうか。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) そこは、これから新たにビジネスを起こそうとするスタートアップのオフィスや研究拠点といった形で、スタートアップ企業が使うということを想定しております。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) 言われるとおり、インキュベーション施設やラボなどを造る、そういう商業資源も考えてやれば、そのほうが奈良県にとどまってくれる。学生から、やはり商業者につながるというのが一番だと思います。また、よろしくお願いします。 ヤング・イノベーション・レジデンスは、前例のない取組だと知事は言われています。昨日、日経新聞にも載っていました。地域住民には、ちょっとこの言葉は分かりにくい。結構不安に思われていますので、理解を得るように進めていただきたいと思います。 次に、質問ですけれども、用地についての件です。京奈和自動車道から接道が必要ですけれども、現在、三宅町は道路の拡幅を進めていると伺っていますが、進捗状況をお教え願えませんでしょうか。 また、ここは文化財発掘の遺跡の指定地であります。文化財発掘調査も必要であるし、隣接に大変古い古墳であろうと思われる塚もございますので、慎重に行っていただきたいと思います。 三宅町には、スーパーをはじめ買物をするところがなく、果たして学生が集まるのであろうか、何か工夫を考えておられるのか、この点についてもお教え願いたいと思います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 町道の整備については、具体的な状況は把握しておりませんが、まだ始まっていないということのようでございます。 それから、埋蔵文化財の調査につきましては、今年度から試掘に入るということでございます。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) 一番問題は、やはり京奈和自動車道から幅6メートルの接道がこの敷地にはないのです。したがって、開発許可もできないし、一番大事なことだと思います。果たして、あと6年後、できるのかどうかというのがちょっと不安でございますので、県道も含めて考えられているとは聞いていませんけれども、町道の拡幅でいくと聞いております。 この用地の250メートル先には、もう京奈和自動車道があるわけですね。今まで、この用地は三宅町だけで収めるような計画ですけれども、田原本町の用地も購入すれば、進入路は簡単にできるはずでございますので、またその点も検討していただいて、この道路の整備、三宅町も遅れていると聞いております。やはり石見駅の前を収用しなければならないので、なかなか前に進んでいないかと思いますので、いろいろな観点から考えていただきたいと思います。 もう一点の、果たして学生が集まるのか、何か工夫をされるのか。買物とか、そういう商業施設が三宅町にはほとんどないのです。コンビニが1店舗ぐらいです。石見周辺にも何にもありません。私が生まれた田原本の大字が真横にありますので、小さいときから知っておりますけれども、その点についてお伺いします。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 学生さんが入居したり、スタートアップがオフィスを構えたり、あるいは、ヤング・イノベーション・レジデンスの周辺への企業誘致も考えておりますので、そうすると、一定の方々が日中ここで働き、夜ここで寝たり起きたりするということになりますので、一定のそういう商業ニーズは発生すると考えていますので、今後コンビニの誘致等も図っていきたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) ちょっと大変難しいと思いますし、人口も多くないので、また考えていただきたいと思います。 運転免許センターの予定地の周辺でございますが、この地域は全体が農業振興地域でございます。そしてまた、1種農地がずうっと上の八田というところからずうっと下までつながっておりますので、私の経験では、どう考えても周辺の土地利用が難しいと思います。 今現在、新ノ口にある運転免許センターの周辺の店舗など、現実には建てられないのではないかなと思っておりますが、田原本町もやはりそのまちづくりについて、どういう手法でされるのかということをさっきお伺いしましたけれど、もう一度お示し願いたいと思います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) ご指摘のとおり、当該県有地周辺は農業振興地域内の農用地区域に指定されているところでございます。 しかしながら、今回この運転免許センターをここに移転することについては、田原本町の同意を得て進めている計画でございまして、当然、田原本町のほうで決定することだとは思いますけれども、この農業振興地域の農用地区域からの除外という手続を今後、田原本町が取っていくのだろうと思っております。従前のサッカー場の計画でも、同様の農用地区域からの除外の手続をしていかなければならなかったはずですから、その点については、従前の計画と状況は変わりございません。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) もう、次に進みます。 田原本インター予定地の周辺の西側の県道桜井田原本王寺線の北側ですけれども、今、オークワとかコメリとか建っているところですけれども、平成23年に準工業地域に市街化編入をされました。そのときに、農政局との協議において、田原本町内の多地区って一番南のところですが、そこは農振地域が多いのです。その多地区の調整区域、いわゆる白地、説明しにくいですけれども、調整区域には青の農業振興地域と白の調整区域がございます。その白の調整区域を、農業振興地域、青にまた逆編入をしたという経緯があります。 また、この場所の南側、今、北側は市街化編入されましたけれども、南側については、当初、市街化編入を要望しておりましたけれども、結局、市街化編入はできなかった。地区計画を現在4回に分けて行っております。それでカバーできたのですけれども、そのときも田原本町内の八田・法貴寺地区を特定農業振興ゾーンに指定したので、農政局は「うん」と言ってくれた、そういう経緯もございます。また、川西町の唐院工業団地、これは、市街化編入の際、私も協力させていただきましたけれども、農政局から注文をつけられ、1年程度遅れた経緯もございます。 特に、田原本インター予定地周辺は産業地の引き合いがかなり多いのでございますが、今後、地区計画や個別協議についても、接道、工場の業種、文化財、農政局との協議などがあり、大変難しいと思っております。また、県庁各課に個々の協議も必要となり、経験のない市町村などがスムーズにできるのか、専用の窓口などは必要でないのか、この点についてお答え願います。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 農業振興地域除外の申請主体は市町村でございますけれども、私の認識が間違っていなければ、地方公共団体が農業振興地域から除外して土地利用する場合は、農業振興地域除外が認められやすいと認識しておりますので、今回の土地利用に関しては、当てもない開発をするわけではなくて、きちんと県及び県警察が、運転免許センターにするのだという非常に高い公共・公益性がある土地利用でございますので、地元の田原本町が農業振興地域除外の申請に動けば、当然、県は全面的に協力しますし、近畿農政局の理解も得られるものと認識をしております。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) 今の県有地も入りますけれども、県全体の都市計画の在り方について、先日の乾議員の答弁にあっても、やはりこれからこういうことが大変難しいのだろうと思っています。その中で、先ほど言いましたけれども、スムーズにできるよう、専門の窓口など必要ではないかということをお尋ねした次第でございます。 私は、この質問をするときに、知事よりまちづくり推進局長に答弁してもらったらどうかということを、ちょっと専門的過ぎてお尋ねをしましたが、知事が答弁されるということで、させていただきました。 この専用の窓口など、またそういう市町村に対しての体制、これの答弁をお願いします。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 農業振興地域除外の手続は恒常的にございまして、県の担当職員がそれに恒常的に対応していると思いますので、特に現時点で、その専門部署を設けなければできないような手続ではないと認識をしております。
○議長(岩田国夫) 39番井岡正徳議員。
◆39番(井岡正徳) 次に移ります。 国民健康保険の県内保険料水準統一についてですけれど、今まで関わってこられた関係者の皆様に感謝をさせていただきます。 最後に、新型コロナワクチンの健康被害についてですけれども、私は、厚生委員会で何度も質問してまいりました。私は何度も申し上げますけれども、私は反ワクチンではございません。 実は、私の地元の田原本町に住んでおられる中学生でございますが、元気に野球を中学2年でやっておられたのに、その方だけ、ワクチンを打った途端に顔などに物すごい湿疹が出て、学校にも通えなかった。今年、高校に入学されましたが、まともに野球もできない状態でございます。まだ今も後遺症に苦しんでおられます。 このような方々が奈良県にも多くおられますということを知っていただきたく、質問をさせていただきました。今後とも、担当課においては今まで以上にご支援をお願い申し上げまして、早いですけど、一般質問を終わらせていただきます。
○議長(岩田国夫) これをもって当局に対する一般質問を終わります。
--------------------------------
○議長(岩田国夫) 次に、令和6年度議案、議第75号を議題とします。 まず、総務警察委員会に付託しました議案の審査の経過と結果について、同委員長の報告を求めます。--27番大国正博議員。
◆27番(大国正博) (登壇)総務警察委員会のご報告を申し上げます。 去る6月18日の本会議におきまして、総務警察委員会に付託を受けました議案の調査並びに審査の経過と結果につきまして、ご報告を申し上げます。 当委員会は、6月24日に開催し、付託されました議案1件につきまして、理事者の出席を求め、慎重に調査並びに審査を行いました。 その結果、令和6年度議案、議第75号につきましては、賛成多数をもちまして、原案どおり可決することに決しました。 以上、総務警察委員会の委員長報告といたします。 何とぞ、議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(岩田国夫) 委員長報告に対する質疑を省略し、これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、43番山村幸穂議員に発言を許します。--43番山村幸穂議員。
◆43番(山村幸穂) (登壇)日本共産党の山村幸穂です。 議案第75号奈良県副知事定数条例の一部を改正する条例について、反対の意見を述べます。 知事から、副知事を3人にする条例が突然提案されました。現在2人の副知事がおられ、それぞれご活躍いただいております。今の2人体制で、何か困ることがあるわけではないとお聞きいたしました。なぜ3人必要なのか、納得できません。 今現在、国からは、副知事、総務部長、
県土マネジメント部長はじめ、課長の要職に出向していただいています。これ以上、国とのパイプを太くして関係を強化すれば有利になるのかということにつきましても、国からの副知事や職員の派遣の数によって左右されるものではないと答弁されています。当然です。国はどんな県に対しても公平公正な取扱いをすることが求められます。 確かに奈良県では、道路のインフラや災害に強い県土づくりなど課題があります。だからこそ、県も議会も職員の皆さん、関係の皆さんと力を合わせて取組を強化しなくてはならないと思います。地方自治の観点からも、国に頼る人事よりも、技術専門職員をはじめ現場の職員を増やすべきだと考えます。 身を切る改革、行財政改革の推進をうたわれている中で、なぜ今、多額の経費が必要な副知事の増員なのか、県民の理解は得られません。 よって、条例改正に反対します。
○議長(岩田国夫) これをもって討論を終結します。 これより採決に入ります。 令和6年度議案、議第75号について、起立により採決します。 本案については、
総務警察委員長報告どおり決することに賛成の議員の起立を求めます。 (賛成者起立)
○議長(岩田国夫) 賛成の議員は、しばらくの間ご起立願います。 ご着席願います。 起立多数であります。 よって、本案は
総務警察委員長報告どおり決しました。
--------------------------------
○議長(岩田国夫) 次に、本日、知事から議案1件が提出されました。 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。
--------------------------------
○議長(岩田国夫) 次に、令和6年度議案、議第77号を議題とします。 お諮りします。 議案については、知事の提案理由説明を省略したいと思いますが、ご異議ありませんか。 (「異議なし」の声起こる)