令和 6年 2月 定例会(第358回)令和6年2月 第358回
定例奈良県議会会議録 第4号 令和6年3月5日(火曜日)午後1時1分
開議 -------------------------------- 出席議員(43名) 1番 永田 恒 2番 川口 信 3番 芦高清友 4番 金山成樹 5番 星川大地 6番 松木秀一郎 7番 山田洋平 8番 清田典章 9番 関本真樹 10番 疋田進一 11番 若林かずみ 12番 斎藤有紀 13番 伊藤將也 14番 藤田幸代 15番 福田倫也 16番 福西広理 17番 工藤将之 18番 中川 崇 19番 原山大亮 20番 小村尚己 21番 浦西敦史 22番 川口延良 23番 池田慎久 24番 西川 均 25番 乾 浩之 26番 亀甲義明 27番 大国正博 28番 小林 誠 29番 佐藤光紀 30番 清水 勉 31番 松尾勇臣 32番 米田忠則 33番 粒谷友示 34番 田中惟允 35番 荻田義雄 36番 岩田国夫 37番 中野雅史 38番 山本進章 39番 井岡正徳 40番 阪口 保 41番 藤野良次 42番 森山賀文 43番 山村幸穂
-------------------------------- 議事日程 一、当局に対する
一般質問 --------------------------------
○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。 ただいまより当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、7番山田洋平議員に発言を許します。--7番山田洋平議員。(拍手)
◆7番(山田洋平) (登壇)皆さん、こんにちは。日本維新の会、山田洋平でございます。どうぞよろしくお願いいたします。議長の許可を得まして、ただいまより一般質問を行います。 生駒市には重要案件がたくさんございますが、今回は当選して最初の質問でございますので、生駒市選挙区選出の議員として、市民の皆さんの関心が非常に高い、生駒市
学研高山地区第2工区を含む
関西文化学術研究都市、なじみのある愛称で言いますと、けいはんな学研都市に関する知事のお考えについてご質問させていただきます。 本件については、昨年12月定例会において阪口議員が質問され、知事から答弁いただいていることもありますので、それを踏まえて、今回、角度を変えて質問いたします。 ご承知のとおり、けいはんな学研都市は、奈良県、京都府、大阪府の3府県にまたがり、
関西文化学術研究都市建設促進法に基づく
国家プロジェクトとして、今から30年余り前、建設・整備が進められ、現在では150を超える研究施設、教育関連施設、文化施設などが立地しています。情報通信から、環境、エネルギー、医療、バイオなど多様な基盤研究が進められています。東のつくば、西のけいはんな、とも呼ばれています。なお、iPS細胞の発見でノーベル賞を受賞された、あの山中伸弥教授が京都大学に移られる前に研究されていたのは、
学研高山地区にある
奈良先端科学技術大学院大学でございます。 投影しております地図の色塗り部分が各クラスターとなっておりまして、ご覧のとおり、奈良県におきましては、高山地区、北田原地区、平城・相楽地区、平城宮跡地区が所在しています。 面積としては、奈良県と京都府が大部分を構成しておりますので、両府県がけいはんな学研都市にどのような体制で関与しているか調べますと、京都府庁においては、
商工労働観光部文化学術研究都市推進課が設置されており、15名が専任で従事されております。そのことが、現在の京都府内の
学研都市エリアの発展・大企業の企業誘致実績に大きく寄与していると思われます。過去には、奈良県においても専任の課があったのですが、残念なことに、前知事時代に廃止されました。それにより、奈良県内の学研都市の発展にブレーキがかかってしまったものと私は考えております。 では、奈良県の発展において、けいはんな学研都市がどれほどのポテンシャルを持っているか調べますと、先ほども申し上げましたとおり、高山地区内には
奈良先端科学技術大学院大学が所在しております。 ここで、我が国の
大学発ベンチャーの年度推移を投影させていただきます。2014年には1,749社だったのが、2022年には3,782社と、たった8年で2倍以上に上昇しています。
大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに経済社会に
イノベーションをもたらす担い手として非常に有用です。奈良県の産業の発展にも大いに寄与するものと私は考えております。 続きまして、大学別のベンチャー数を投影させていただきます。ご覧のように、4位に筑波大学が位置しています。
奈良先端科学技術大学院大学と筑波大学は、先端科学技術に力を入れているという点で同種の大学でございますので、私はこれを見て、けいはんな学研都市に非常にポテンシャルを感じました。けいはんな学研都市において、企業誘致・
大学発ベンチャーが育てば、奈良県全体において計り知れない税収のアップにもつながる可能性があります。 山下知事におかれましては、奈良県の産業育成を重点項目とされており、令和6年度予算においても、多分に関連費用が盛り込まれています。けいはんな学研都市は、税制優遇地域であり、企業側にとっても大きなメリットがあります。 私は、これまで公認会計士として、様々な大企業や
スタートアップ企業を見てまいりました。けいはんな学研都市は、大阪から近いという地の利、税制面のメリットもあり、企業側から見て魅力ある場所です。この30年ほど、
国家プロジェクトとして発展してきたけいはんな学研都市のさらなる成長は、我が県の成長にも大きく寄与するものと考えています。 加えて、来年には、大阪・関西万博と並行して、けいはんな万博も開催されます。けいはんな学研都市は、今年1月に、国の計画により、
ポスト万博シティ実施想定場所として位置づけられました。大阪・関西万博終了後も、大阪・関西万博で示された先端技術の実用化に向けた研究や、専門分野の人材交流の活性化などをけいはんな学研都市で行うことが想定され、大きな
ビジネスチャンスになる可能性を秘めています。 しかしながら、昨年の11月に開催された学研高山地区第2工区事業推進会議によると、
学研高山地区第2工区先行開発地域における土地の造成の完了予定時期は2031年となっております。今から7年後です。 我が国は、30年にわたるデフレから脱却し、インフレの時代を迎えようとしています。民間企業では、インフレ下の経営判断はよりスピーディーな意思決定と実行が求められています。そのような中で、今から7年後に先行開発地区における土地の造成が終わる。また、並行して他地区の開発を進めていく。生駒市主導で事業が進められていますが、このままでは、奈良県はせっかくのチャンスをふいにしてしまうのではと危惧しております。 先日の阪口議員への答弁の中で、
学研高山地区第2工区について、生駒市から具体的な事業計画案が示されれば県としても協力をしたいと知事はおっしゃいました。しかしながら、現状、奈良県には専任の課がない状況でございます。来年にはけいはんな万博が奈良県を含むけいはんな学研都市で開催されます。大きな
ビジネスチャンスです。県として、けいはんな万博に積極的に関わっていただきたいと思っております。 そこで、知事にお伺いいたします。
学研高山地区第2工区を含めた
関西文化学術研究都市のポテンシャル・重要性について、お考えをお聞かせください。また、現状の県の組織体制についてどのようにお考えか伺います。 それでは、2点目の質問に移ります。東京にある奈良県の県人寮、養徳学舎についてでございます。 養徳学舎は、大正8年に奈良県に居住する保護者の子弟で、首都圏の大学に入学する男子学生のために設立され、歴史は古く、柿本前々知事なども養徳学舎の出身です。 本学舎は、東京都文京区の駅から徒歩十分圏内の1等地にあり、老朽化に伴い平成22年に建て替えが行われました。建替後も男子学生寮となっています。家賃は周辺の
ワンルーム賃貸の3分の1程度の月3万5,000円となっております。 そこで私が疑問に思いますのは、10年ほど前の老朽化に伴う建替時に、なぜ大正8年時と同じく男子専用の寮にされたのかということでございます。 建替の検討時には、平成も終わりに差しかかり、ジェンダーフリーが当然の世の中になっておりました。そのような中で、なぜ、これまでの知事は、東京へ進学する男子学生のみを対象としようとしたのでしょうか。 全国的に見ますと、男女寮も決して珍しいものではありません。近年では、女子に門戸を広げる動きが拡大し、現在では女子が入れる寮が14か所になっています。女性活躍がうたわれる現代において当然の流れでございます。 私には現在、4歳の息子と3歳の娘がおりますが、息子には入寮する権利があって、娘には入寮する権利もない現状を非常に残念に思っております。 そこで、知事にお伺いいたします。 養徳学舎について、男子学生のみが入寮対象となっている現状及び今後の方向性について知事のお考えを教えてください。 それでは次に、子育て分野、中でも保育に関する支援の充実についてご質問させていただきます。 先日発表されました新年度予算案の中で、教育、保育に関する多岐にわたる取組が発表されました。その中でも特に私が注視いたしましたのは、保育人材の確保について様々な取組がなされようとしていることです。 大阪府近郊に位置する奈良県では、保育所等で働く保育士の給与の原資となる公定価格が大阪府に比べ低いため、給与水準が高い大阪府に保育人材が流出し、県内の保育士不足という深刻な現状があります。このことが要因となり、保育施設では、定員まで子どもを受け入れることができないため、待機児童が発生している市町村があると聞いております。 そこで、知事にお伺いいたします。 保育人材を確保し、子どもを安心して育てられる環境を整備するために、新年度予算案をはじめ、今後どのように取り組んでいくのか、所見をお聞かせください。 それでは4点目の質問に移ります。奈良県し
ごとiセンターについて質問させていただきます。 奈良県し
ごとiセンターは、平成14年に設置され、
キャリアコンサルティングなど、多岐にわたる就職支援事業を実施しています。さらにこれらの業務に加え、
無料職業紹介について、奈良し
ごとiセンターでは平成23年から、高田し
ごとiセンターでは平成25年から実施されています。 その業務内容を見ると、ハローワークと何が違うのだろうか、国と県における二重行政ではないだろうかと、私は最初そのように感じずにはいられませんでした。 奈良県し
ごとiセンターには、現在、県の正規職員は兼務されている方も含め、奈良・高田合わせて7名、
会計年度任用職員が19名と、合計で26名の職員が関与、在籍されています。そのうち、
無料職業紹介には両センター合わせて5名の
会計年度任用職員が業務に従事されており、
無料職業紹介業務のほかにも、県内外の大学や県内企業と連携した就職イベントの実施や、求人開拓のための企業訪問等、その業務は多岐にわたっております。
無料職業紹介の近年における求職者の内定実績を確認いたしますと、毎年約30件で推移しております。この数字は、奈良・高田合わせての実績ですので、平均しますと、各拠点で月1件余りの内定実績となります。言葉を選ばずに申し上げますと、内定実績の少なさに愕然といたしました。 その一方で、国が開設している県内5か所のハローワークの奈良県での内定実績を確認しますと、年間1万5,000件程度とのことですので、両者には大幅な乖離が存在します。 また、昨年の4月から、ジョブならnetという
無料職業紹介サイトが1,000万円のコストをかけてリニューアルされ、運用を開始しております。しかし、残念ながら、その登録求人数は現在150件程度にとどまっております。 現時点で、奈良県し
ごとiセンター全体で、26名の人件費、2拠点運営に係る諸費用、ジョブならnetの
リニューアルコスト1,000万円等の様々なコストが発生しています。 このうち、
無料職業紹介事業については、あまりにも低い内定実績を見ると、費用対効果という点で甚だ疑問に感じます。二重行政は解消を図るべきとも考えております。前の知事肝煎りで開始された奈良と高田における
無料職業紹介、平均月1件の雇用実績が長年放置されてきた現状について非常に残念にも思っております。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いします。 奈良県し
ごとiセンターについて、一部業務がハローワークとの二重行政となっていると認識しており、より効果的な取組を図るべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 最後の質問になりますが、私は昨年県議会議員になり、
奈良県議会がん対策推進議員連盟の一員として、がん関係団体の方々との懇親会に参加させていただきました。奈良県においても様々なご要望があることを知り、今回、がん患者への療養生活の支援や社会との共生についてお伺いいたします。 がんは、現在、我が国の死因第1位となっている一方で、かつては不治の病とされていましたが、検診体制の充実や医療の進歩により生存率が向上し、がんとともに生きる時代になっています。 奈良県の
がん対策推進計画については、今年度中に、がんにならない、がんになっても安心できる奈良県を基本理念とした第4期奈良県
がん対策推進計画を策定する予定とされています。本計画のもと、向こう6年間にわたり、総合的ながん対策が推進されることを期待しております。 計画の中でも、がん患者の療養生活支援が大変重要になってくるのではないかと考えます。 先日の佐藤議員の代表質問でもありましたアピアランスケアは、社会参加を促すとともに、療養生活の質の向上を図る上で重要であります。 また同時に、見落としがちな若い世代のがん患者の方々への将来を見据えた支援も必要ではないかと思います。一部市町村では、若年者の
在宅ターミナルケア支援事業が実施されています。これは、介護保険の対象外、制度のはざまの世代である40歳未満の末期がん患者に対し、在宅療養に係る
介護サービス利用料の一部を助成することで、住み慣れた自宅で自分らしく最後まで過ごせるよう支援しているものです。 このように、多岐にわたる支援が重要だと考えています。 そこで、医療政策局長にお聞きします。 令和6年4月から6年間にわたり、第4期奈良県
がん対策推進計画が進められる中、がん患者への療養生活の支援や社会との共生について、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) (登壇)それでは、山田議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目の
関西文化学術研究都市についてでございます。
関西文化学術研究都市、いわゆる、けいはんな学研都市は、
関西文化学術研究都市建設促進法に基づき、文化、学術、研究の新たな展開の拠点づくりを目指して建設・整備が進められているエリアでございます。京都府、大阪府、奈良県の3府県にまたがっており、総面積は約1万5,000ヘクタール、
本県エリア部分については、国が決定しました
関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針に基づき、昭和63年に県が建設計画を作成しております。県内には、平城宮跡地区、平城・相楽地区、高山地区、北田原地区の4つのクラスターが配置されております。 けいはんな学研都市内には、世界文化遺産に登録されております特別史跡の平城宮跡や、最先端の科学技術研究を行う
奈良先端科学技術大学院大学もあり、観光資源や教育研究の拠点として重要性が高いと認識しております。 山田議員お述べのとおり、2025年には、けいはんな学研都市におきまして、大阪・関西万博と連動した、けいはんな万博の開催が予定されております。けいはんな学研都市は、大阪・
関西万博アクションプランにおいて、大阪・関西万博終了後も、大阪・関西万博の成果を社会に浸透させる
ポスト万博シティの実施想定場所として位置づけられており、県としても、けいはんな学研都市における今後の各種取組に期待しております。 また、学研高山地区第2工区につきましては、生駒市において、
学研高山地区第2工区事業推進会議による検討が進められていると聞いております。令和4年6月に生駒市が策定した、
学研高山地区第2工区マスタープランでは、
奈良先端科学技術大学院大学を中心に、産学官民の連携による
オープンイノベーションを創出するまちづくりが予定されておりまして、新たな産業創出のポテンシャルが高い地区と考えております。 今後、生駒市における事業の進捗状況等を踏まえ、県の組織体制も含め適切に対応していく所存でございます。 2点目の養徳学舎についてでございます。 養徳学舎は、山田議員ご指摘のとおり、大正8年から存続する、東京都文京区小日向にある男子学生寮で、県が土地と建物を所有し、
公益財団法人奈良県奨学会が管理・運営を行っている施設でございます。 女子学生の受入れについては、平成22年の建替時に検討を行いましたが、本県女子の東京圏への進学率、当時で2.8%でございましたが、他府県、これは東京圏を除く全国平均で18.2%でございました。この2.8%と18.2%を比べまして、当時かなり低かったことや、管理運営面での課題が大きかったことなどによりまして、女子学生の受入れを見送った経緯があると聞いております。 しかし、山田議員お述べのとおり、各県が設置している東京の学生寮の状況について、女子の受入れが増加傾向にあります。また、本県女子の東京圏への進学状況については、文部科学省の学校基本調査によると、建替検討当時の平成18年では、進学者数が88人であったのに対しまして、直近の令和5年では、236人へと増加しておりまして、東京圏への進学者に占める女子の割合も24.7%から39.2%へと増加しております。 女子を受け入れた場合の管理運営面での課題への対応としましては、他県の寮の例では、男女でフロアや動線を分けたり、
セキュリティドアを設置するなどの工夫をしておられると聞いております。 こうした、東京圏に対する奈良県からの女子学生の進学者の増加という状況に鑑みまして、本県養徳学舎での女子の受入れについては、前向きに検討したいと考えております。 続きまして、3点目のご質問でございます。保育に関する支援の充実についてでございます。 保育所は、子どもの人間形成の基礎となる時期に、その生活時間の大半を過ごす大変重要な場でございます。しかし、保育の担い手である保育士は不足しており、その確保は喫緊の課題でございます。 保育士の給与水準は、他の業種・職種と比べますと低い水準にとどまっておりまして、本年度県が実施した
保育士実態調査によりますと、7割以上の保育士が、自身の仕事内容に比較して給料が低いと回答しております。 保育士の給与の原資となる公定価格は国が定めておりますけれども、大阪や東京などの大都市と比べ、その周辺地域では低く設定されているため、本県の養成校を卒業した保育士の約半数が、給与水準が高い県外に流出している状況でございます。 こうした状況を改善するため、昨年11月に本県の呼びかけによりまして、同様の課題を抱えます埼玉県、千葉県、和歌山県の3県と共同で、隣接する自治体間で公定価格に大きな差が生じないよう、こども家庭庁に要望を行ったところでございます。 また、県内の保育現場を魅力ある職場にし、採用や離職防止につなげるためには、給与の引上げを含めた、保育士の処遇改善に取り組む必要がございます。 本年1月に開催いたしました奈良県・
市町村長サミットの場でも、保育士の処遇改善の必要性・重要性について私から申し上げ、市町村長の理解が得られたところでございます。 これを受けまして、令和6年度から新たに、民間保育所等に勤務する常勤保育士の給与加算を実施する市町村に県が補助する事業を開始いたします。あわせて、前年度の各施設における保育士の給与等の状況を公表することで、保育士の給与の実態の透明化も促進していきたいと考えております。 加えまして、潜在保育士の復職支援を強化するため、県の
保育人材バンクに
キャリアアドバイザーを新たに配置し、施設見学や面接同行などの伴走型の支援を展開するとともに、これまで以上に人材バンクのPRや登録者の増加にも力を入れることとしております。 このほか、働く上で様々な悩みを抱える保育士に寄り添うための相談支援事業も令和6年度から開始する予定でございます。こうした取組を通じまして、県内で働く保育士の確保・定着を促進し、子どもを安心して預けられる環境をつくってまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 森本産業・観光・雇用振興部長。
◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) (登壇)7番山田議員から、奈良県し
ごとiセンターについて、一部業務がハローワークとの二重行政になっていると考えるが、より効果的な取組に向け今後どのように取り組んでいくのかという質問がございました。お答えいたします。 奈良県し
ごとiセンターは、山田議員からご指摘のあった
無料職業紹介のほかにも、若者等を対象とした就業相談や、人材紹介会社を活用した高度専門人材のあっせん等に取り組んでいる県の就労支援機関です。
無料職業紹介については、県として、地域の雇用に積極的な役割を果たすべきとの考えから、職業安定法に基づく
地方版ハローワークとして、国のハローワークとともに取り組んでいるものです。全国では、現在26道府県で
地方版ハローワークが設置されております。 本県のし
ごとiセンターでは、国のハローワークでなかなか就職することができない求職者や大学生等を中心に就業相談を重ねるとともに、求人企業のニーズを詳細に聞き取った上でマッチングするなど、ハローワークでは行われていないきめ細かいアプローチで就職支援に取り組んでおります。 このことが、
無料職業紹介の内定件数が少ないとのご指摘につながっていると考えております。 また、内定件数にはカウントされませんが、大学等で実施する就職相談会の機会を捉えて、学生に求人企業情報を提供し、これが就職につながるケースもございます。 一方、今般、新しい産業政策のパッケージを策定し、企業のニーズや課題に対応し、人材確保の抜本的強化、重点的な外国人材の呼び込み等を施策の柱に掲げたところです。 奈良県し
ごとiセンター業務も、これに合わせ、来年度は
無料職業紹介の対象を、企業ニーズの高い若者、高度専門人材、外国人材に焦点を絞る見直しを図り、大学や求人企業の新規開拓等を強化することとしております。 あわせて、登録人数が少ないとご指摘のあった
無料職業紹介ツール、ジョブならnetについても、さらなる広報に努め、広く普及するよう注力してまいりたいと思います。 なお、二重行政となっているとのご指摘については、県の就労支援はどうあるべきか、国のハローワークとの役割分担や、他府県の取組状況等を踏まえ検討を行い、奈良県し
ごとiセンター業務の抜本的な見直しを図ってまいりたいと考えております。以上、ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫)
筒井医療政策局長。
◎医療政策局長(筒井昭彦) (登壇)7番山田議員から、がん患者への療養生活の支援や社会との共生についてご質問がございました。お答えさせていただきます。 がんは、検診体制の充実や医療の進歩により、治療を受けながら日常生活を送ることができるようになってきています。 これにより、治療に対する不安だけではなく、仕事や学業との両立、外見上の変化、将来への影響など様々な悩みを抱えながら生活されている患者が増えています。 このことから、患者ががんと共生して豊かな生活を送ることができるよう、療養生活の支援は非常に重要であり、現在策定中の第4期奈良県
がん対策推進計画では、がん患者の社会的問題への対策というテーマを分野別施策の一つに位置づけ、ライフステージに応じた支援を行うこととしています。 具体的には、治療と仕事の両立を支援するための社会保険労務士による相談会の開催や、療養中の児童・生徒のため、タブレットを利用した同時双方型事業の実施などを充実していきます。 また、がん治療による脱毛や乳房切除などの外見上の変化を補完するアピアランスケアへの支援を行うなど、心理的不安の軽減を図ることで社会参加を促進し、療養生活の質の向上を目指しています。 さらに、若者のがん患者に対しては、将来、子どもを産み育てることを望む患者が希望を持ってがん治療に取り組むことができるよう、治療前に、卵子や精子の凍結保存を行う妊孕性温存療法などへの助成も実施しています。 今後は、関係機関との連携を一層強化し、患者・家族の視点に立ち、計画の基本理念である、がんにならない、がんになっても安心できる奈良県の実現に向けて、総合的に施策を推進していく所存です。以上でございます。ご質問ありがとうございました。
○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。
◆7番(山田洋平) ご答弁ありがとうございます。 まず、けいはんな学研都市について適切にご対応いただけるとの前向きなご答弁をいただきまして安心いたしました。1点、追加でお聞かせください。 事業の進捗を踏まえ、適切に対応していくとのことですが、現状の進捗について、知事はどのように評価しておられますでしょうか。
学研高山地区第2工区については、私が議員になる前から、いつこの案件は具体化してスタートするのかと疑問に思っておりましたので、知事にお伺いいたします。
○議長(岩田国夫) 山下知事。
◎知事(山下真) 先ほど山田議員の質問の中で、生駒市が予定しております計画では、土地の造成の完了予定時期が2031年ということでございますので、おっしゃるように、企業のニーズに迅速に対応していくという点では、若干スローペースかとも思いますけれども、ただ、土地区画整理事業というのは大変手間暇のかかる事業でございまして、土地区画整理法という法律でかなり厳密に手続が定められておりまして、保留地をどれぐらいとるのかとか、権利変換をどうするのかとか、そういったことに関して地権者の理解を得ながら進めていく必要が法律上定められております。 当該地は生駒市が約6割の土地を保有していると認識しておりますけれども、それでもやはり、一定、時間がかかってしまうので、その辺はやむを得ないのかとも思いますけれども、今後、生駒市から、相談や協力依頼があれば、県としてもしかるべく対応していきたいと、積極的に応援してまいりたいと考えております。
○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。
◆7番(山田洋平) 知事、ご回答ありがとうございます。
ポスト万博シティとしてのけいはんな学研都市における取組に、知事自身もご期待いただいているとのことです。私も同感でございますので、今後の知事のリーダーシップに期待しております。 続きまして、2点目の養徳学舎につきまして、前向きなご答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。大正8年に養徳学舎を設立され、100年を超える歴史を持ちますが、今の時代に合わせて変化し、奈良県出身の若い学生が男女分け隔てなく利用していく姿を想像すると、私は非常にうれしく思います。ジェンダー平等の社会を実現するため、早急にご対応いただくことを要望いたします。 続きまして、3点目の保育に関する支援について、我が県が人材獲得合戦に敗れ、我が県で学んだ多くの保育士が県外に流出してしまっている現状は大変歯がゆく、これは税金を優先的に投入する価値のあることだと思っております。また、私のもとに、生駒市で子どもが待機児童となり、来月から職場復帰する予定だったのが、できなくなってしまった親御さんの声が届いております。 地元生駒市においては、電車で通勤する共働き家庭が多いので、駅前の保育所が少ないという不満の声もいただいております。長期的に見て、各家庭の動線に合った保育所の設置ができるよう、県におかれましても、旗振り役を担っていただきますよう要望いたします。 続きまして、奈良県し
ごとiセンターにつきまして、業務の抜本的な見直しを図るとのご答弁をいただきまして、ありがとうございます。 1点質問ですが、答弁の中で、人材確保の抜本的強化、重点的な外国人材の呼び込みというのを新しい産業パッケージの柱に掲げたとおっしゃっていたと思います。奈良県において、人材不足は大きな問題であり、新しい産業パッケージに盛り込まれたことは喜ばしいことです。ただ、一方で、重点的な外国人材の呼び込み、本当に奈良県において可能でしょうか。外国人材の呼び込みは、これまでも奈良県し
ごとiセンターで実施されておりましたが、直近年度の実績を確認すると、マッチング実績は1件。また、令和6年度の雇用目標(KPI)についても定まっていないと伺いましたが、事実でしょうか。お答えください。
○議長(岩田国夫) 森本産業・観光・雇用振興部長。
◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) ただいまのご質問にお答えいたします。 外国人材の関係でございますけれども、確かに、奈良県し
ごとiセンターにおけるマッチングについては少ないのでございますけれども、外国人の技能実習制度でありますとか、それから外国人留学生の方というのは、奈良県内にも結構いらっしゃいまして、それをさらに呼び込んでいきたいということでの外国人材の呼び込みという形にパッケージはさせていただいているところでございます。 それから、KPIにつきましては、確かに、現時点においては定められていないというのが実情でございます。以上でございます。
○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。
◆7番(山田洋平) マッチング実績も低く、産業パッケージの柱として掲げられているにもかかわらず、次年度の目標も定めていないと。通常の民間企業の感覚でいうと、なかなか想定しがたいことと思いますが、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○議長(岩田国夫) 森本産業・観光・雇用振興部長。