奈良県議会 > 2024-03-05 >
03月05日-04号

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  1. 奈良県議会 2024-03-05
    03月05日-04号


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    最終取得日: 2024-09-17
    令和 6年  2月 定例会(第358回)令和6年2月         第358回定例奈良県議会会議録 第4号                  令和6年3月5日(火曜日)午後1時1分開議   --------------------------------    出席議員(43名)      1番 永田 恒        2番 川口 信      3番 芦高清友        4番 金山成樹      5番 星川大地        6番 松木秀一郎      7番 山田洋平        8番 清田典章      9番 関本真樹       10番 疋田進一     11番 若林かずみ      12番 斎藤有紀     13番 伊藤將也       14番 藤田幸代     15番 福田倫也       16番 福西広理     17番 工藤将之       18番 中川 崇     19番 原山大亮       20番 小村尚己     21番 浦西敦史       22番 川口延良     23番 池田慎久       24番 西川 均     25番 乾 浩之       26番 亀甲義明     27番 大国正博       28番 小林 誠     29番 佐藤光紀       30番 清水 勉     31番 松尾勇臣       32番 米田忠則     33番 粒谷友示       34番 田中惟允     35番 荻田義雄       36番 岩田国夫     37番 中野雅史       38番 山本進章     39番 井岡正徳       40番 阪口 保     41番 藤野良次       42番 森山賀文     43番 山村幸穂   --------------------------------    議事日程 一、当局に対する一般質問   -------------------------------- ○議長(岩田国夫) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後6時まで延長します。 ただいまより当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、7番山田洋平議員に発言を許します。--7番山田洋平議員。(拍手) ◆7番(山田洋平) (登壇)皆さん、こんにちは。日本維新の会、山田洋平でございます。どうぞよろしくお願いいたします。議長の許可を得まして、ただいまより一般質問を行います。 生駒市には重要案件がたくさんございますが、今回は当選して最初の質問でございますので、生駒市選挙区選出の議員として、市民の皆さんの関心が非常に高い、生駒市学研高山地区第2工区を含む関西文化学術研究都市、なじみのある愛称で言いますと、けいはんな学研都市に関する知事のお考えについてご質問させていただきます。 本件については、昨年12月定例会において阪口議員が質問され、知事から答弁いただいていることもありますので、それを踏まえて、今回、角度を変えて質問いたします。 ご承知のとおり、けいはんな学研都市は、奈良県、京都府、大阪府の3府県にまたがり、関西文化学術研究都市建設促進法に基づく国家プロジェクトとして、今から30年余り前、建設・整備が進められ、現在では150を超える研究施設、教育関連施設、文化施設などが立地しています。情報通信から、環境、エネルギー、医療、バイオなど多様な基盤研究が進められています。東のつくば、西のけいはんな、とも呼ばれています。なお、iPS細胞の発見でノーベル賞を受賞された、あの山中伸弥教授が京都大学に移られる前に研究されていたのは、学研高山地区にある奈良先端科学技術大学院大学でございます。 投影しております地図の色塗り部分が各クラスターとなっておりまして、ご覧のとおり、奈良県におきましては、高山地区、北田原地区、平城・相楽地区、平城宮跡地区が所在しています。 面積としては、奈良県と京都府が大部分を構成しておりますので、両府県がけいはんな学研都市にどのような体制で関与しているか調べますと、京都府庁においては、商工労働観光部文化学術研究都市推進課が設置されており、15名が専任で従事されております。そのことが、現在の京都府内の学研都市エリアの発展・大企業の企業誘致実績に大きく寄与していると思われます。過去には、奈良県においても専任の課があったのですが、残念なことに、前知事時代に廃止されました。それにより、奈良県内の学研都市の発展にブレーキがかかってしまったものと私は考えております。 では、奈良県の発展において、けいはんな学研都市がどれほどのポテンシャルを持っているか調べますと、先ほども申し上げましたとおり、高山地区内には奈良先端科学技術大学院大学が所在しております。 ここで、我が国の大学発ベンチャーの年度推移を投影させていただきます。2014年には1,749社だったのが、2022年には3,782社と、たった8年で2倍以上に上昇しています。大学発ベンチャーは、大学等における革新的な研究成果をもとに経済社会にイノベーションをもたらす担い手として非常に有用です。奈良県の産業の発展にも大いに寄与するものと私は考えております。 続きまして、大学別のベンチャー数を投影させていただきます。ご覧のように、4位に筑波大学が位置しています。奈良先端科学技術大学院大学と筑波大学は、先端科学技術に力を入れているという点で同種の大学でございますので、私はこれを見て、けいはんな学研都市に非常にポテンシャルを感じました。けいはんな学研都市において、企業誘致・大学発ベンチャーが育てば、奈良県全体において計り知れない税収のアップにもつながる可能性があります。 山下知事におかれましては、奈良県の産業育成を重点項目とされており、令和6年度予算においても、多分に関連費用が盛り込まれています。けいはんな学研都市は、税制優遇地域であり、企業側にとっても大きなメリットがあります。 私は、これまで公認会計士として、様々な大企業やスタートアップ企業を見てまいりました。けいはんな学研都市は、大阪から近いという地の利、税制面のメリットもあり、企業側から見て魅力ある場所です。この30年ほど、国家プロジェクトとして発展してきたけいはんな学研都市のさらなる成長は、我が県の成長にも大きく寄与するものと考えています。 加えて、来年には、大阪・関西万博と並行して、けいはんな万博も開催されます。けいはんな学研都市は、今年1月に、国の計画により、ポスト万博シティ実施想定場所として位置づけられました。大阪・関西万博終了後も、大阪・関西万博で示された先端技術の実用化に向けた研究や、専門分野の人材交流の活性化などをけいはんな学研都市で行うことが想定され、大きなビジネスチャンスになる可能性を秘めています。 しかしながら、昨年の11月に開催された学研高山地区第2工区事業推進会議によると、学研高山地区第2工区先行開発地域における土地の造成の完了予定時期は2031年となっております。今から7年後です。 我が国は、30年にわたるデフレから脱却し、インフレの時代を迎えようとしています。民間企業では、インフレ下の経営判断はよりスピーディーな意思決定と実行が求められています。そのような中で、今から7年後に先行開発地区における土地の造成が終わる。また、並行して他地区の開発を進めていく。生駒市主導で事業が進められていますが、このままでは、奈良県はせっかくのチャンスをふいにしてしまうのではと危惧しております。 先日の阪口議員への答弁の中で、学研高山地区第2工区について、生駒市から具体的な事業計画案が示されれば県としても協力をしたいと知事はおっしゃいました。しかしながら、現状、奈良県には専任の課がない状況でございます。来年にはけいはんな万博が奈良県を含むけいはんな学研都市で開催されます。大きなビジネスチャンスです。県として、けいはんな万博に積極的に関わっていただきたいと思っております。 そこで、知事にお伺いいたします。 学研高山地区第2工区を含めた関西文化学術研究都市のポテンシャル・重要性について、お考えをお聞かせください。また、現状の県の組織体制についてどのようにお考えか伺います。 それでは、2点目の質問に移ります。東京にある奈良県の県人寮、養徳学舎についてでございます。 養徳学舎は、大正8年に奈良県に居住する保護者の子弟で、首都圏の大学に入学する男子学生のために設立され、歴史は古く、柿本前々知事なども養徳学舎の出身です。 本学舎は、東京都文京区の駅から徒歩十分圏内の1等地にあり、老朽化に伴い平成22年に建て替えが行われました。建替後も男子学生寮となっています。家賃は周辺のワンルーム賃貸の3分の1程度の月3万5,000円となっております。 そこで私が疑問に思いますのは、10年ほど前の老朽化に伴う建替時に、なぜ大正8年時と同じく男子専用の寮にされたのかということでございます。 建替の検討時には、平成も終わりに差しかかり、ジェンダーフリーが当然の世の中になっておりました。そのような中で、なぜ、これまでの知事は、東京へ進学する男子学生のみを対象としようとしたのでしょうか。 全国的に見ますと、男女寮も決して珍しいものではありません。近年では、女子に門戸を広げる動きが拡大し、現在では女子が入れる寮が14か所になっています。女性活躍がうたわれる現代において当然の流れでございます。 私には現在、4歳の息子と3歳の娘がおりますが、息子には入寮する権利があって、娘には入寮する権利もない現状を非常に残念に思っております。 そこで、知事にお伺いいたします。 養徳学舎について、男子学生のみが入寮対象となっている現状及び今後の方向性について知事のお考えを教えてください。 それでは次に、子育て分野、中でも保育に関する支援の充実についてご質問させていただきます。 先日発表されました新年度予算案の中で、教育、保育に関する多岐にわたる取組が発表されました。その中でも特に私が注視いたしましたのは、保育人材の確保について様々な取組がなされようとしていることです。 大阪府近郊に位置する奈良県では、保育所等で働く保育士の給与の原資となる公定価格が大阪府に比べ低いため、給与水準が高い大阪府に保育人材が流出し、県内の保育士不足という深刻な現状があります。このことが要因となり、保育施設では、定員まで子どもを受け入れることができないため、待機児童が発生している市町村があると聞いております。 そこで、知事にお伺いいたします。 保育人材を確保し、子どもを安心して育てられる環境を整備するために、新年度予算案をはじめ、今後どのように取り組んでいくのか、所見をお聞かせください。 それでは4点目の質問に移ります。奈良県しごとiセンターについて質問させていただきます。 奈良県しごとiセンターは、平成14年に設置され、キャリアコンサルティングなど、多岐にわたる就職支援事業を実施しています。さらにこれらの業務に加え、無料職業紹介について、奈良しごとiセンターでは平成23年から、高田しごとiセンターでは平成25年から実施されています。 その業務内容を見ると、ハローワークと何が違うのだろうか、国と県における二重行政ではないだろうかと、私は最初そのように感じずにはいられませんでした。 奈良県しごとiセンターには、現在、県の正規職員は兼務されている方も含め、奈良・高田合わせて7名、会計年度任用職員が19名と、合計で26名の職員が関与、在籍されています。そのうち、無料職業紹介には両センター合わせて5名の会計年度任用職員が業務に従事されており、無料職業紹介業務のほかにも、県内外の大学や県内企業と連携した就職イベントの実施や、求人開拓のための企業訪問等、その業務は多岐にわたっております。 無料職業紹介の近年における求職者の内定実績を確認いたしますと、毎年約30件で推移しております。この数字は、奈良・高田合わせての実績ですので、平均しますと、各拠点で月1件余りの内定実績となります。言葉を選ばずに申し上げますと、内定実績の少なさに愕然といたしました。 その一方で、国が開設している県内5か所のハローワークの奈良県での内定実績を確認しますと、年間1万5,000件程度とのことですので、両者には大幅な乖離が存在します。 また、昨年の4月から、ジョブならnetという無料職業紹介サイトが1,000万円のコストをかけてリニューアルされ、運用を開始しております。しかし、残念ながら、その登録求人数は現在150件程度にとどまっております。 現時点で、奈良県しごとiセンター全体で、26名の人件費、2拠点運営に係る諸費用、ジョブならnetのリニューアルコスト1,000万円等の様々なコストが発生しています。 このうち、無料職業紹介事業については、あまりにも低い内定実績を見ると、費用対効果という点で甚だ疑問に感じます。二重行政は解消を図るべきとも考えております。前の知事肝煎りで開始された奈良と高田における無料職業紹介、平均月1件の雇用実績が長年放置されてきた現状について非常に残念にも思っております。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いします。 奈良県しごとiセンターについて、一部業務がハローワークとの二重行政となっていると認識しており、より効果的な取組を図るべきと考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。 最後の質問になりますが、私は昨年県議会議員になり、奈良県議会がん対策推進議員連盟の一員として、がん関係団体の方々との懇親会に参加させていただきました。奈良県においても様々なご要望があることを知り、今回、がん患者への療養生活の支援や社会との共生についてお伺いいたします。 がんは、現在、我が国の死因第1位となっている一方で、かつては不治の病とされていましたが、検診体制の充実や医療の進歩により生存率が向上し、がんとともに生きる時代になっています。 奈良県のがん対策推進計画については、今年度中に、がんにならない、がんになっても安心できる奈良県を基本理念とした第4期奈良県がん対策推進計画を策定する予定とされています。本計画のもと、向こう6年間にわたり、総合的ながん対策が推進されることを期待しております。 計画の中でも、がん患者の療養生活支援が大変重要になってくるのではないかと考えます。 先日の佐藤議員の代表質問でもありましたアピアランスケアは、社会参加を促すとともに、療養生活の質の向上を図る上で重要であります。 また同時に、見落としがちな若い世代のがん患者の方々への将来を見据えた支援も必要ではないかと思います。一部市町村では、若年者の在宅ターミナルケア支援事業が実施されています。これは、介護保険の対象外、制度のはざまの世代である40歳未満の末期がん患者に対し、在宅療養に係る介護サービス利用料の一部を助成することで、住み慣れた自宅で自分らしく最後まで過ごせるよう支援しているものです。 このように、多岐にわたる支援が重要だと考えています。 そこで、医療政策局長にお聞きします。 令和6年4月から6年間にわたり、第4期奈良県がん対策推進計画が進められる中、がん患者への療養生活の支援や社会との共生について、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。 以上で壇上からの質問を終わらせていただきます。(拍手) ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、山田議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目の関西文化学術研究都市についてでございます。 関西文化学術研究都市、いわゆる、けいはんな学研都市は、関西文化学術研究都市建設促進法に基づき、文化、学術、研究の新たな展開の拠点づくりを目指して建設・整備が進められているエリアでございます。京都府、大阪府、奈良県の3府県にまたがっており、総面積は約1万5,000ヘクタール、本県エリア部分については、国が決定しました関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針に基づき、昭和63年に県が建設計画を作成しております。県内には、平城宮跡地区、平城・相楽地区、高山地区、北田原地区の4つのクラスターが配置されております。 けいはんな学研都市内には、世界文化遺産に登録されております特別史跡の平城宮跡や、最先端の科学技術研究を行う奈良先端科学技術大学院大学もあり、観光資源や教育研究の拠点として重要性が高いと認識しております。 山田議員お述べのとおり、2025年には、けいはんな学研都市におきまして、大阪・関西万博と連動した、けいはんな万博の開催が予定されております。けいはんな学研都市は、大阪・関西万博アクションプランにおいて、大阪・関西万博終了後も、大阪・関西万博の成果を社会に浸透させるポスト万博シティの実施想定場所として位置づけられており、県としても、けいはんな学研都市における今後の各種取組に期待しております。 また、学研高山地区第2工区につきましては、生駒市において、学研高山地区第2工区事業推進会議による検討が進められていると聞いております。令和4年6月に生駒市が策定した、学研高山地区第2工区マスタープランでは、奈良先端科学技術大学院大学を中心に、産学官民の連携によるオープンイノベーションを創出するまちづくりが予定されておりまして、新たな産業創出のポテンシャルが高い地区と考えております。 今後、生駒市における事業の進捗状況等を踏まえ、県の組織体制も含め適切に対応していく所存でございます。 2点目の養徳学舎についてでございます。 養徳学舎は、山田議員ご指摘のとおり、大正8年から存続する、東京都文京区小日向にある男子学生寮で、県が土地と建物を所有し、公益財団法人奈良県奨学会が管理・運営を行っている施設でございます。 女子学生の受入れについては、平成22年の建替時に検討を行いましたが、本県女子の東京圏への進学率、当時で2.8%でございましたが、他府県、これは東京圏を除く全国平均で18.2%でございました。この2.8%と18.2%を比べまして、当時かなり低かったことや、管理運営面での課題が大きかったことなどによりまして、女子学生の受入れを見送った経緯があると聞いております。 しかし、山田議員お述べのとおり、各県が設置している東京の学生寮の状況について、女子の受入れが増加傾向にあります。また、本県女子の東京圏への進学状況については、文部科学省の学校基本調査によると、建替検討当時の平成18年では、進学者数が88人であったのに対しまして、直近の令和5年では、236人へと増加しておりまして、東京圏への進学者に占める女子の割合も24.7%から39.2%へと増加しております。 女子を受け入れた場合の管理運営面での課題への対応としましては、他県の寮の例では、男女でフロアや動線を分けたり、セキュリティドアを設置するなどの工夫をしておられると聞いております。 こうした、東京圏に対する奈良県からの女子学生の進学者の増加という状況に鑑みまして、本県養徳学舎での女子の受入れについては、前向きに検討したいと考えております。 続きまして、3点目のご質問でございます。保育に関する支援の充実についてでございます。 保育所は、子どもの人間形成の基礎となる時期に、その生活時間の大半を過ごす大変重要な場でございます。しかし、保育の担い手である保育士は不足しており、その確保は喫緊の課題でございます。 保育士の給与水準は、他の業種・職種と比べますと低い水準にとどまっておりまして、本年度県が実施した保育士実態調査によりますと、7割以上の保育士が、自身の仕事内容に比較して給料が低いと回答しております。 保育士の給与の原資となる公定価格は国が定めておりますけれども、大阪や東京などの大都市と比べ、その周辺地域では低く設定されているため、本県の養成校を卒業した保育士の約半数が、給与水準が高い県外に流出している状況でございます。 こうした状況を改善するため、昨年11月に本県の呼びかけによりまして、同様の課題を抱えます埼玉県、千葉県、和歌山県の3県と共同で、隣接する自治体間で公定価格に大きな差が生じないよう、こども家庭庁に要望を行ったところでございます。 また、県内の保育現場を魅力ある職場にし、採用や離職防止につなげるためには、給与の引上げを含めた、保育士の処遇改善に取り組む必要がございます。 本年1月に開催いたしました奈良県・市町村長サミットの場でも、保育士の処遇改善の必要性・重要性について私から申し上げ、市町村長の理解が得られたところでございます。 これを受けまして、令和6年度から新たに、民間保育所等に勤務する常勤保育士の給与加算を実施する市町村に県が補助する事業を開始いたします。あわせて、前年度の各施設における保育士の給与等の状況を公表することで、保育士の給与の実態の透明化も促進していきたいと考えております。 加えまして、潜在保育士の復職支援を強化するため、県の保育人材バンクキャリアアドバイザーを新たに配置し、施設見学や面接同行などの伴走型の支援を展開するとともに、これまで以上に人材バンクのPRや登録者の増加にも力を入れることとしております。 このほか、働く上で様々な悩みを抱える保育士に寄り添うための相談支援事業も令和6年度から開始する予定でございます。こうした取組を通じまして、県内で働く保育士の確保・定着を促進し、子どもを安心して預けられる環境をつくってまいりたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) (登壇)7番山田議員から、奈良県しごとiセンターについて、一部業務がハローワークとの二重行政になっていると考えるが、より効果的な取組に向け今後どのように取り組んでいくのかという質問がございました。お答えいたします。 奈良県しごとiセンターは、山田議員からご指摘のあった無料職業紹介のほかにも、若者等を対象とした就業相談や、人材紹介会社を活用した高度専門人材のあっせん等に取り組んでいる県の就労支援機関です。 無料職業紹介については、県として、地域の雇用に積極的な役割を果たすべきとの考えから、職業安定法に基づく地方版ハローワークとして、国のハローワークとともに取り組んでいるものです。全国では、現在26道府県で地方版ハローワークが設置されております。 本県のしごとiセンターでは、国のハローワークでなかなか就職することができない求職者や大学生等を中心に就業相談を重ねるとともに、求人企業のニーズを詳細に聞き取った上でマッチングするなど、ハローワークでは行われていないきめ細かいアプローチで就職支援に取り組んでおります。 このことが、無料職業紹介の内定件数が少ないとのご指摘につながっていると考えております。 また、内定件数にはカウントされませんが、大学等で実施する就職相談会の機会を捉えて、学生に求人企業情報を提供し、これが就職につながるケースもございます。 一方、今般、新しい産業政策のパッケージを策定し、企業のニーズや課題に対応し、人材確保の抜本的強化、重点的な外国人材の呼び込み等を施策の柱に掲げたところです。 奈良県しごとiセンター業務も、これに合わせ、来年度は無料職業紹介の対象を、企業ニーズの高い若者、高度専門人材、外国人材に焦点を絞る見直しを図り、大学や求人企業の新規開拓等を強化することとしております。 あわせて、登録人数が少ないとご指摘のあった無料職業紹介ツール、ジョブならnetについても、さらなる広報に努め、広く普及するよう注力してまいりたいと思います。 なお、二重行政となっているとのご指摘については、県の就労支援はどうあるべきか、国のハローワークとの役割分担や、他府県の取組状況等を踏まえ検討を行い、奈良県しごとiセンター業務の抜本的な見直しを図ってまいりたいと考えております。以上、ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 筒井医療政策局長。 ◎医療政策局長(筒井昭彦) (登壇)7番山田議員から、がん患者への療養生活の支援や社会との共生についてご質問がございました。お答えさせていただきます。 がんは、検診体制の充実や医療の進歩により、治療を受けながら日常生活を送ることができるようになってきています。 これにより、治療に対する不安だけではなく、仕事や学業との両立、外見上の変化、将来への影響など様々な悩みを抱えながら生活されている患者が増えています。 このことから、患者ががんと共生して豊かな生活を送ることができるよう、療養生活の支援は非常に重要であり、現在策定中の第4期奈良県がん対策推進計画では、がん患者の社会的問題への対策というテーマを分野別施策の一つに位置づけ、ライフステージに応じた支援を行うこととしています。 具体的には、治療と仕事の両立を支援するための社会保険労務士による相談会の開催や、療養中の児童・生徒のため、タブレットを利用した同時双方型事業の実施などを充実していきます。 また、がん治療による脱毛や乳房切除などの外見上の変化を補完するアピアランスケアへの支援を行うなど、心理的不安の軽減を図ることで社会参加を促進し、療養生活の質の向上を目指しています。 さらに、若者のがん患者に対しては、将来、子どもを産み育てることを望む患者が希望を持ってがん治療に取り組むことができるよう、治療前に、卵子や精子の凍結保存を行う妊孕性温存療法などへの助成も実施しています。 今後は、関係機関との連携を一層強化し、患者・家族の視点に立ち、計画の基本理念である、がんにならない、がんになっても安心できる奈良県の実現に向けて、総合的に施策を推進していく所存です。以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。 ◆7番(山田洋平) ご答弁ありがとうございます。 まず、けいはんな学研都市について適切にご対応いただけるとの前向きなご答弁をいただきまして安心いたしました。1点、追加でお聞かせください。 事業の進捗を踏まえ、適切に対応していくとのことですが、現状の進捗について、知事はどのように評価しておられますでしょうか。学研高山地区第2工区については、私が議員になる前から、いつこの案件は具体化してスタートするのかと疑問に思っておりましたので、知事にお伺いいたします。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 先ほど山田議員の質問の中で、生駒市が予定しております計画では、土地の造成の完了予定時期が2031年ということでございますので、おっしゃるように、企業のニーズに迅速に対応していくという点では、若干スローペースかとも思いますけれども、ただ、土地区画整理事業というのは大変手間暇のかかる事業でございまして、土地区画整理法という法律でかなり厳密に手続が定められておりまして、保留地をどれぐらいとるのかとか、権利変換をどうするのかとか、そういったことに関して地権者の理解を得ながら進めていく必要が法律上定められております。 当該地は生駒市が約6割の土地を保有していると認識しておりますけれども、それでもやはり、一定、時間がかかってしまうので、その辺はやむを得ないのかとも思いますけれども、今後、生駒市から、相談や協力依頼があれば、県としてもしかるべく対応していきたいと、積極的に応援してまいりたいと考えております。 ○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。 ◆7番(山田洋平) 知事、ご回答ありがとうございます。 ポスト万博シティとしてのけいはんな学研都市における取組に、知事自身もご期待いただいているとのことです。私も同感でございますので、今後の知事のリーダーシップに期待しております。 続きまして、2点目の養徳学舎につきまして、前向きなご答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。大正8年に養徳学舎を設立され、100年を超える歴史を持ちますが、今の時代に合わせて変化し、奈良県出身の若い学生が男女分け隔てなく利用していく姿を想像すると、私は非常にうれしく思います。ジェンダー平等の社会を実現するため、早急にご対応いただくことを要望いたします。 続きまして、3点目の保育に関する支援について、我が県が人材獲得合戦に敗れ、我が県で学んだ多くの保育士が県外に流出してしまっている現状は大変歯がゆく、これは税金を優先的に投入する価値のあることだと思っております。また、私のもとに、生駒市で子どもが待機児童となり、来月から職場復帰する予定だったのが、できなくなってしまった親御さんの声が届いております。 地元生駒市においては、電車で通勤する共働き家庭が多いので、駅前の保育所が少ないという不満の声もいただいております。長期的に見て、各家庭の動線に合った保育所の設置ができるよう、県におかれましても、旗振り役を担っていただきますよう要望いたします。 続きまして、奈良県しごとiセンターにつきまして、業務の抜本的な見直しを図るとのご答弁をいただきまして、ありがとうございます。 1点質問ですが、答弁の中で、人材確保の抜本的強化、重点的な外国人材の呼び込みというのを新しい産業パッケージの柱に掲げたとおっしゃっていたと思います。奈良県において、人材不足は大きな問題であり、新しい産業パッケージに盛り込まれたことは喜ばしいことです。ただ、一方で、重点的な外国人材の呼び込み、本当に奈良県において可能でしょうか。外国人材の呼び込みは、これまでも奈良県しごとiセンターで実施されておりましたが、直近年度の実績を確認すると、マッチング実績は1件。また、令和6年度の雇用目標(KPI)についても定まっていないと伺いましたが、事実でしょうか。お答えください。 ○議長(岩田国夫) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) ただいまのご質問にお答えいたします。 外国人材の関係でございますけれども、確かに、奈良県しごとiセンターにおけるマッチングについては少ないのでございますけれども、外国人の技能実習制度でありますとか、それから外国人留学生の方というのは、奈良県内にも結構いらっしゃいまして、それをさらに呼び込んでいきたいということでの外国人材の呼び込みという形にパッケージはさせていただいているところでございます。 それから、KPIにつきましては、確かに、現時点においては定められていないというのが実情でございます。以上でございます。 ○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。 ◆7番(山田洋平) マッチング実績も低く、産業パッケージの柱として掲げられているにもかかわらず、次年度の目標も定めていないと。通常の民間企業の感覚でいうと、なかなか想定しがたいことと思いますが、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。 ○議長(岩田国夫) 森本産業・観光・雇用振興部長。
    ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) 確かに、山田議員がおっしゃっているとおりでございまして、来年度はその部分につきまして、新規事業といたしましても、留学生を対象とした就職セミナーや合同企業説明会の開催、それからSNS等を活用した就職情報の発信等、積極的に進めるとともに、企業開拓にも着手いたしまして、また、留学生が在籍する大学等も訪問して、就職活動の伴走支援を行うなど、抜本的な対策をとっていきたいと考えてございます。 ○議長(岩田国夫) 7番山田洋平議員。 ◆7番(山田洋平) ありがとうございます。奈良県においても人材不足は大きな問題ですが、奈良県の事業として実施するのであれば、費用対効果の観点からも、ハローワークや民間企業と重複しない事業である必要があると思います。抜本的な見直しが行われることを私からも強く要望いたします。今後も注視してまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 最後に、がん患者への療養生活の支援や社会との共生についてですが、今回の第4期奈良県がん対策推進計画で、がん患者へのライフステージに応じた支援をいただけるとのこと、心強いです。基本理念の1つに、がんにならないという点もあると思いますので、がん予防及び早期発見という点でもさらなる取組をされることを要望いたします。ありがとうございました。以上とさせていただきます。 ○議長(岩田国夫) 次に、24番西川均議員に発言を許します。--24番西川均議員。(拍手) ◆24番(西川均) (登壇)奈良テレビ放送をご覧の皆さん、こんにちは。葛城市選挙区選出の自由民主党・無所属の会、西川均でございます。 質問に入る前に、改めて、元日に発生しました能登半島地震で亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧・復興のため、奈良県当局におかれましても、できる限りの支援を継続していただければと考えております。 さて、本日は議長のお許しをいただきましたので、通告しております項目に従いまして、質問4点と要望1点を述べさせていただきたいと思います。 まず1点目は、土木・建築技術職員の不足についてであります。 冒頭申し上げました能登半島地震においては、道路が寸断され、被災地への支援が簡単ではない状況が発生しました。また、応急仮設住宅の建設、これからは復旧復興事業に取り組まなければなりません。これらの取組に必ず必要となるのが、土木や建築の技術職員であります。現場を熟知している技術職員が、地域住民や地域の建設会社と連携して復興につなげていくことが重要であると考えます。 被災地においては、全国の公共団体から職員の応援があり、本県からも技術職員が派遣されておりますが、地理的状況や現場の状況の把握に時間がかかり、復旧が遅れることも懸念されます。このような視点でも、派遣職員の経験を現場に生かしていただきたいと考えます。 さて、本県の市町村の状況を見ますと、南部・東部の過疎地域における市町村だけでなく、県下の小規模市町村の技術者不足は深刻であります。能登半島地震と同様の災害が本県を襲った場合、土木・建築などの技術職員が不足することは明らかであります。 県下の市町村の技術職員の実態について申し上げますと、総務省の令和4年地方公共団体定員管理調査のデータからですが、県下の市町村で土木職がいない市町村が11町村、建築職がいない市町村が19町村、土木・建築の両方の技術職員がいない市町村が11町村という状況であります。 また、土木や建築の技術職員がいても1名しかいない町村もあります。決して健全な状況であるとは言えません。 しかしながら、技術職員がいない、または不足している市町村であっても、公共工事は必ずありますし、毎年多額の公共工事を実施しております。結果として、慣れない担当職員が責任を負わされ、その責任に耐え切れずに退職していくということも起きているのではないでしょうか。 市町村の公共工事における大きな課題であります、元請・下請関係等の建設業法や契約違反、ダンピング受注の対策、工事の品質の低下や労災の増大などで、発注者側の対策が求められているところであります。 しかしながら、発注者側の業務は、技術職員がいない、または不足している市町村だけでなく、県においても技術職のいない担当課が小さな工事を発注する際に、担当者は大変不安な思いをしながら事務や現場対応等をされていると聞いております。 県下の市町村への支援は、荒井前知事は、奈良モデルという形で、市町村管理の橋りょうやトンネル等の点検を県の土木事務所に委託して、技術力のない市町村の代わりに引き受けるということを実施されてきました。 しかし、費用の負担をするにしても、市町村の公共工事のすべてを県にお願いすることはできません。 ほかの府県の状況を調べてみますと、小規模市町村が多い県の技術職員の数は、本県とあまり変わりませんが、県下の市町村支援をするために、全国43の都道府県に、県やその県下の市町村等の出捐により、建設技術センターというような法人が設立されております。 それらの法人は、設立された経緯はいろいろでありますが、市町村や県の技術職員の研修や、市町村の工事関連発注の支援業務、まちづくり支援業務など、市町村や県側の立場をよく理解した上で公共工事等全般を支える団体となっています。 このような公益的な業務を担っていただける団体は本県にはなく、法人の設立は、技術者不足等の対策として1つの方法であると考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 県内市町村における土木・建築技術職員の不足は、インフラ・公共施設の整備や維持管理等のマイナス要因となり、県土全体の疲弊につながると考えます。 このため、市町村の公共工事を支える新たな法人の設立を含め、県として市町村への支援に取り組むべきと考えますが、今後どのように対処するのか、知事のご所見を伺いたいと思います。 この問題は、県土のインフラ整備、維持管理に関わる重要な課題でありますので、我が党としても、引き続き、知事と議論をさせていただき、未来の奈良県にとっての体制づくりを目指したいと考えております。 2点目に、消防学校の移転整備についてお伺いいたします。 現在の消防学校は、昭和48年に設置されており、老朽化が進んでいることや、敷地面積が近畿府県の中でも最も狭く、近隣に住宅地が存在するため、必要な消防救急活動に即した教育訓練が十分行えていないこと等の課題があることから、かねてより移転整備の議論があったものと認識いたしております。 消防学校については、消防職員や消防団の皆さんが、初任者から幹部まで、それぞれの段階に応じた教育訓練を行う場であり、まさに、奈良県の消防力を強化する施設であります。災害が頻発している昨今、特に消防学校の意義は重要なものとなっており、現施設の課題を解消するために、適切な用地において速やかに移転整備されることは、奈良県の消防力向上にも資する取組であり、私もその趣旨については大いに賛同するところであります。 さて、具体的な移転先の選定にあたっては、前知事時代に五條市の大規模広域防災拠点とセットで整備することを検討されていたと認識しておりますが、令和6年2月7日の山下知事の定例記者会見において、旧高田東高等学校を移転先に選定したとの発表がありました。 選定の理由について、山下知事は、必要な敷地面積が確保できること、敷地が平たんかつ整形地であること。公共交通機関等によるアクセスがよいことなどを述べておられました。 しかし、本当に旧高田東高等学校が、消防学校の移転先として最も適切なのでしょうか。 旧高田東高等学校を含む一帯は、曽我川、小金打川という2つの河川に接した立地であり、浸水想定区域になっております。いざ浸水被害が発生した場合、奈良県の消防力を強化するはずの施設が災害で稼働できないという事態になると懸念されます。 また、速やかな移転整備という観点からも懸念がございます。旧高田東高等学校は、耐震基準を満たしていない廃校舎を取り壊す工程が必要となってきます。取壊しに係る設計業務も必要となってくることから、時間のみならず、労力においても費用においても、無駄が生じるものと思われます。 一方で、五條市の大規模広域防災拠点に合わせて消防学校を移転整備すれば、これらの懸念はなくなることに加え、近隣に住宅地がなく訓練内容が制限されないという条件や、十分な面積を整形地で確保するという条件も旧高田東高等学校と同様に充足が可能であります。 冒頭述べましたとおり、消防学校は奈良県の消防力を強化する重要な施設であり、その移転先については、十分な議論、検討を重ねた上で決定されるべきだと考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 消防学校の移転整備については、旧高田東高等学校を移転先と決定されたところでありますが、五條市の大規模広域防災拠点と併せて整備する方が、奈良県にとって適切と考えます。このことについて、知事のご所見をお聞かせいただきたいと思います。 3点目に、葛城市の県社会教育センターの活用についてお伺いいたします。 私の地元、葛城市における奈良県社会教育センターは、約8.6ヘクタールの広大な敷地を有し、昭和58年に研修棟と体育館、昭和60年には宿泊等が開館し、県の社会教育の拠点として、これまで県や市町村、県内企業の職員研修などで活用されてきました。 しかし、平成10年以降、各市町村で社会教育施設の整備が進んだことから利用者数が減少し、平成19年にはセンターの研修機能は田原本町にある県立教育研究所に移されました。 その後、研修棟は貸館などを主な業務として、指定管理者による運営に切り替えて活性化が図られましたが、利用者数の減少に歯止めがかからず、施設の維持管理が難しくなり、県社会教育センターは、令和3年4月1日より休館となってございます。 私は葛城市の社会教育センターについては、非常にまとまった土地であり、このような土地は簡単に取得することはできないことから、葛城市が県から当該資産の譲渡を受け活用する方向で検討できないかと考えていました。 このため、令和3年11月の県議会の一般質問の際には、県社会教育センターの土地や建物を活用した葛城市のまちづくりの取組について、主体は葛城市ではありますが、県からも、技術的な支援や、国の補助金のメニューの提示など、具体的なアドバイスを継続的に行っていただきたいという要望をさせていただきました。 現在、葛城市では、年間来客数が100万人を超える道の駅かつらぎを中南和観光の西の玄関口として位置づけ、広域観光の促進を図るとともに、市内に民間宿泊施設がないことから、県社会教育センターの場所に宿泊施設を誘致し、滞在型の周遊観光の促進につなげたいとしています。 県社会教育センターは、市街化調整区域内にあることから、現在のままでは民間の宿泊施設の建設は困難です。今後、葛城市において市の考えるまちづくりを実現するためには、地元住民の方々と対話を重ね、土地利用に関する計画を策定する必要がありますが、まずは社会教育センターへの宿泊施設の誘致について検討を進めるためには、県と葛城市の連携が非常に重要であると考えます。 そこで、知事にお伺いいたします。 県社会教育センターの活用に向け、県と地元葛城市が連携して検討を進めるべきだと考えていますが、今後、どのように取り組まれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。 4点目は、国道165号大和高田バイパスの整備についてお伺いいたします。 令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行され、物流・観光等の経済活動を回復させるための対策にしっかりと取り組むことができる状況となってまいりました。これからは、民間における建設投資の減退を補う観点から、防災・減災、国土強靱化の推進、道路整備の加速化など、将来に向けた投資に戦略的に取り組むことが必要であり、今後も引き続き、国土強靱化対策を強力に推進するとともに、工業団地や観光地へのアクセス道路や、県民の安全・安心を支える道路の整備を進めていく必要があると考えます。 東西交通の大動脈である大和高田バイパスは、南阪奈道路とつながり、奈良県の中南和と大阪中心部の経済圏や関西国際空港へもアクセスするとともに、葛城市、大和高田市等における現国道165号の交通混雑の緩和や交通安全を目的に計画された道路であり、現在、国の機関である奈良国道事務所により事業を進めていただいております。 計画延長14.4キロメートルのうち、現国道165号の香芝市穴虫から葛城市の當麻寺交差点までの、北側4.7キロメートルが平成7年度に開通し、葛城市太田の弁之庄ランプから橿原市四条町の四条ランプまでの高架部も平成15年度に開通しました。これにより、大和高田バイパスと南阪奈道路とで大阪と奈良を結ぶことになり、関西国際空港等から、中南和地域へのアクセスが大幅に向上いたしました。 このような状況の中で、大和高田バイパスは、葛城市太田の弁之庄ランプの北側から當麻寺交差点までの区間約2.3キロメートルのみ未完成となってございます。この区間が完成すると、並行している県道御所香芝線の渋滞緩和が図られるとともに、歩道が設置されることにより歩行者の安全性が向上されます。また、奈良県の中南和の道路ネットワークが強化されることで、所要時間の短縮や、第三次医療施設である県立医科大学附属病院への救急搬送時間の短縮や定時性の確保も見込まれ、地域医療の支援に寄与するほか、中南和地域における企業立地が進み、これまで以上に地域が活性化するものと期待しています。 そこで、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 現在、国が進めている国道165号大和高田バイパスの未整備区間の進捗状況についてお聞かせいただきたいと思います。 最後に、奈良県運転免許センターの移転整備について要望させていただきます。 令和6年1月15日、山下知事と田原本町長が共同記者会見を行い、大和平野中央田園都市構想に係る田原本町の用地活用について、運転免許センターを移転整備することが発表されました。 運転免許センターは、日々、免許証の更新等で多くの県民が利用する施設であることから、移転整備を機会に、県民にとって利用しやすい施設として整備する必要があると考えます。 今後、具体的な整備内容を検討される際には、バリアフリーの観点からエレベーターやエスカレーターを設置することや、来庁された県民の皆さんが食事もできるようなレストランを設置するなど、県民、利用者目線で利用しやすい施設として整備されることを要望して、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、西川議員の一般質問にお答えをさせていただきます。まず1点目、土木・建築技術職員の不足についてでございます。 全国と同様に、県内市町村におきましても、公務員を志望する技術系学生数の減少等により、土木職・建築職をはじめとした技術職員の不足が生じており、県では、以下のような支援策を現在講じているところでございます。 まず①といたしまして、県から市町村への人材派遣でございます。市町村におけるマンパワー不足に対応するため、市町村からの要請に基づき、県の技術職員を派遣しております。 ②といたしまして、共同採用試験の実施でございます。県・市町村が共同でPR及び募集を行う共同採用試験を県人事委員会で実施しております。 ③といたしまして、道路インフラの老朽化対策に係る技術支援でございます。市町村の橋りょう補修設計及び工事を県が受託し、県に派遣された市町村職員が県職員から技術指導を受けながら、発注から監督業務までの一連の業務を実施するというものでございます。 ④といたしまして、県が実施する土木技術職員研修への市町村職員の参加でございます。 こうした対策は講じているものの、奈良県におきましても土木職・建築職の技術職員不足が生じておりまして、市町村からの派遣要請に手厚く応えることは困難となってきております。 このような状況におきまして、まずは県が率先して土木職・建築職などの技術職員の確保のための取組を強化することが肝要と認識しておりまして、令和6年度から新たな取組をスタートさせることといたしました。 まず①といたしまして、職員採用試験における試験科目の見直しでございます。民間企業で広く活用されております基礎能力試験、一般にSPIと呼ばれるものでございますが、それへ移行してまいります。また、公務員経験者を対象とした試験制度の創設、また、受験資格の拡大、具体的には高等専門学校の卒業見込み者等をⅠ種受験資格に追加するものでございます。こうした新たな新規の取組を行うことによりまして、受験者にとって間口の広い制度へと見直してまいりたいと考えております。 ②といたしまして、土木職として入庁を志す学生に対し、大学などを卒業した後、奈良県庁で一定期間勤務するなどの条件を満たした場合には、貸付資金の償還を免除する、修学資金貸与制度の創設でございます。 ③といたしまして、入庁後に事務職から技術職への転換を可能とする人材育成の取組でございます。 こうした取組はしていくわけでございますが、一方で、社会全体の生産年齢人口が減少する中、人材の奪い合いだけでは対策が困難と考えられることから、業務の省力化の取組も必要でございます。 具体的には、積算補助や監督補助の外部委託、道路の包括管理委託等の民間活用、デジタル技術による業務効率化、そうしたことにも取り組んでいるところでございます。 引き続き、様々な方策を検討いたしまして、県及び市町村の技術職員不足に対処してまいりたいと考えております。 次に、消防学校の移転整備についてでございます。 消防学校は、消防組織法に基づき、消防職員並びに消防団員を育成する教育訓練機関でございまして、消防学校の移転整備は本県の消防力向上に資する取組と認識しております。 宇陀市にある現消防学校は、建物や訓練施設の老朽化が顕著でございます。学校敷地も手狭で新築移転が必要であるため、県有資産の有効活用の観点から、複数の未利用県有資産を比較検討し、消防学校に適した場所として旧高田東高等学校を選定したものでございます。 西川議員お述べのとおり、旧高田東高等学校を含む周辺は浸水想定区域ではございますが、学校敷地はかさ上げによりまして、既に浸水対策が行われております。 五條市の県有地へ移転する場合には全体的な造成が必要になるところであり、また全体スケジュールや整備費用につきまして不明確な点も多く、旧高田東高等学校の方が早期かつ確実な移転整備を実現できると考えております。 加えて、消防学校を利用する消防職員並びに消防団員のアクセスを考えますと、五條市の県有地よりも旧高田東高等学校の方がはるかに利便性は高いと考えております。 これらのことなどを総合的に判断して五條市の県有地と比較すると、旧高田東高等学校の方が、消防学校の移転場所としては適していると考えたものでございます。 なお、先ほど、解体費がかかるのではないかというご指摘がございましたけれども、今の旧校舎をそのまま使うということはできませんので、いずれにしても、どこかの時期では解体せざるを得ないので、特段、それがデメリットであるとは捉えておりません。 なお、旧高田東高等学校が立地する大和高田市と近日中に消防学校移転整備推進に関する協定を締結する予定でございまして、地元自治体としっかり連携しつつ、着実に取り組んでまいりたいと考えております。 3点目、葛城市の県社会教育センターの活用についてでございます。 葛城市の県社会教育センターは、令和3年4月から休館しております。本県で活用の予定がないため、当時、地元葛城市に意向を伺ったところ、西川議員お述べのとおり、同センターの場所に宿泊施設を誘致し、滞在型の周遊観光促進につなげたいとの市の考えが示されたところでございます。 このため、県では、葛城市とともに民間事業者に対し聞き取り調査を進めているところでございます。 今年度は、9社を現地に案内し意見交換を行ったほか、東京での本県主催の宿泊施設立地セミナーの際などにも、ヒアリングを行ったものでございます。 民間事業者からは、県社会教育センターの周辺地域は、現時点で観光需要が見込みにくいこと、宿泊の動機づけとなるコンテンツづくりが重要であることなどのご意見をいただいているところでございます。 県及び葛城市におきましても、宿泊施設の誘致にあたりましては、県社会教育センターを含む周辺のまちづくりが重要な要素と認識しております。併せて、同センター周辺が市街化調整区域に含まれていることから、今後、開発行為を行うためには、葛城市の総合計画などとの整合を前提に、都市計画の変更の検討などが必要となってまいります。 このように、対応すべき課題は徐々に整理されつつあり、今後とも、葛城市と十分連携・協力しながら、県社会教育センターの跡地利用の取組を進めていきたいと考えております。私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 清水県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(清水将之) (登壇)24番西川議員から私には、国道165号大和高田バイパスの整備についてご質問がございました。 国道165号大和高田バイパスは、現道の交通混雑の緩和や交通安全の確保を目的とした、香芝市穴虫から橿原市四条町に至る延長14.4キロメートルの道路で、国の直轄国道として整備が進められております。 西川議員お述べのとおり、平成15年度までに葛城市の當麻寺交差点から大和高田バイパスの弁之庄ランプまでの約2.3キロメートルの区間を除いておおむね整備を終えております。 未整備の約2.3キロメートルの区間の進捗状況については、平成25年度以降、奈良国道事務所が地元との協議を進め、5自治会のうち、當麻自治会以外の4自治会については、用地幅ぐいの打設が完了しております。 終点側の太田、南今市地区から優先的に用地買収を進めており、両地区ともに、面積ベースで約4割買収済みでございます。長尾、竹内地区では用地補償調査を進め、順次、用地買収が行われているところです。 當麻地区では交差点形状について、地元を含めた関係機関調整が行われております。 事業主体である奈良国道事務所からは、今後も地元の方々に対し丁寧に説明を行い、ご理解いただきながら事業を進めていくと聞いております。 本県といたしましても、円滑な事業の推進に向け、積極的に協力してまいります。以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) ご答弁、誠にありがとうございました。 知事に再度お伺いしたいと思いますのは、土木・建築技術職員の不足について、新たな提案として、法人の設立を含め市町村への支援に取り組むべきと考えるがということでご質問をさせていただきましたのですが、この点については、どのようにお考えいただけるのかお答えいただきたいと思います。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 西川議員ご指摘の法人というものが、どういう法人なのかよく分からないので、何ともお答えのしようがないと考えておりました。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 私の手元の資料によりますと、47都道府県のうち、全国で4県だけが法人の技術センターを設置しておらないということでございまして、都道府県で申し上げますと、埼玉県、東京都、そして私ども奈良県、和歌山県、この4つです。ほかはすべて、大阪府におかれましては、公益財団法人大阪府都市整備推進センターという形で設置されている。そしてまた京都府は、一般財団法人京都技術サポートセンターとして設置されている。このような中で、技術職を、県庁OB等をお抱えになって、各市町村への派遣とか、また、先ほど質問等で述べましたが、事業への参画をされているということでございまして、奈良県におきましても、技術職の採用が非常に難しいという現状であるならば、このような方策をとることが1つの案ではないかと思うわけでございますけれども、それはどうですか。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 他の都道府県での技術センターというものがどういうものか詳細は把握していないのですが、ただ、いずれにしても、技術系職員がいなければ、そこに法人を設立しても、そこでプールできる人材はいないということになってしまうわけではないかと考えておりまして、まずは技術系職員をどう増やしていくのかと、そういったことに努力すべきであると考えております。 あわせまして、現行の奈良モデルでも一定の支援を行っていることや、技術センター等の設立に関しては、現時点で市町村からの特段の要望もないということで、県としては現時点においては検討はしておりません。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 私の申し上げている趣旨は、技術職が不足してくると。ですので、県庁を退職される方等を包括して、一般企業の方への再就職をされないような形で、抱えるという表現は悪いですけれども奈良県として抱えて、それで技術職を増やすと、キャパを増やす、こういう考え方で、私、申し述べているわけでございますけれども、その点はどうでございましょうか。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 県の技術系の職員が定年退職等をした場合、民間企業に請われて採用される例が一定数あると認識しております。 もう県の職員ではないので、退職後、どういう方面に進みたいかということについてまで、県当局の意向でどうこうできるものではございませんので、そうした法人を仮に設立したとしても、そこに登録する人材がどれだけいるのかということは、なかなか見通しが立ちにくいのではないかと思っております。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 知事、私の言っていることに対して、前向きに検討するかどうかの返事だけいただきたいと思います。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 前向きに検討するつもりはございません。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) それでは、技術職はずっと足りないのではないですか、技術職は。 私は後のことも質問したいのでこれぐらいにしておきますけれども、先ほどから、奈良県の技術職が足りないということで、はっきりとお述べになっているわけではないですか。 それに、人の話も8割聞かないと駄目ですよ、知事。あなたは優秀な大学を出られて、知識的には優秀なものをお持ちかも分からないけれども、私の年からいくと経験が知恵ですよ。そのことも、やはりしっかりと受け止めていただいて、考えてくださいよ、一度。人の話も8割聞く価値はあると思います。 次に申し上げます。消防学校ですけれども、知事、複数の未利用の県有資産を比較検討したと、こういうふうに、先ほど答弁でお述べいただきましたが、どこを比較されたのですか。お教えいただきたいと思います。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 比較対象となった県有地は、旧奈良高等学校の敷地、それから、いこいの村大和高原、ゆう遊ランドと呼ばれていたところでございます。それから五條市の県有地、それから旧室生高等学校、この5つを比較したものでございます。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 比較されて、この旧高田東高等学校は、ポイントが上であったと、そのように答弁をされました。この現場、知事は行かれたことございますか。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 敷地内に入ったことありませんが、近くを通って、あれが旧高田東高等学校なのかということは確認しております。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) ここは私の大学時代の同級生が田んぼをしていまして、田植時分に手伝いに行ったことがあるのです。膝まで入るのです、膝まで。そんな田んぼがこの周辺です、高田東高等学校周辺です。 現実も見ないで、ここがポイントが上であったと、そんなことどうして言えるのですか、それはおかしいではないですか。ポイントが上だというエビデンス、根拠を出してください。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 消防救急課において作成した資料がございますので、いつでも公表させていただきます。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) いや、人がつくった資料でということであれば、現場、1回現場に行かれたらどうですか、ここ。これ、どこから入るのですか、道ないですよ。大和高田市の市長が協力してくれる、当たり前ですよ。大和高田市が良くなるのだから。今までから、難儀して、この道の拡張ができなかったところに、県からの話。待っていましたの話です。 それともう1点、言いましたように、ここは浸水地で、マックス3メートルまで浸水するというデータが出ているではないですか。大和川水系小金打川洪水浸水想定区域図という中で。なぜそういうところへ建てなければいけない。例えば、先ほどから言いましたように、校舎はつぶさないといけないということからいきますと、私は、ここの場所がいいのではないですかって言っている広域防災拠点、なんにもないではないですか。プレディアのゴルフ場に行かれたことはありますか。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) プレディアのゴルフ場は、もちろん行ったことがございますけれども、先ほども答弁させていただいたとおり、五條市の県有地へ移転する場合は、全体的な土地造成が必要でございます。すぐに建物を建てられるような土地にはなっておりません。また、全体スケジュールや整備費用につきましては、どんな防災機能を盛り込むかということについても、これから検討していくわけで、全体のスケジュールが不明確な点がまだ残っておりますので、そうすると、いつ消防学校の移転の具体的な作業に着手できるかが分かりません。それと比べますと、旧高田東高等学校は、現在遊休地として存在しているわけですから、すぐに移転に向けた作業の準備ができると。宇陀市にあります現消防学校の建物や訓練施設の老朽化の状況を考えますと、旧高田東高等学校に移転する方がよりスピーディーかつ確実に移転ができると考えたことと、先ほども申し上げましたが、プレディアゴルフ場の場所は橋本市とほぼ隣接している、奈良県の南西端にあるわけでございまして、到底、県全体からのアクセスがいいとは言い難いところでございます。 電車の駅からはかなり距離がございますし、その電車も1時間か2時間に一本とか、そういうぐらいの頻度でしか運行されていないと認識しております。そうしますと、消防学校を利用する消防職員や消防団員の立場に立って私どもは考えていかなければいけないと思うわけでございます。 2,000メートル級の滑走路が要らないということは、この認識は既に多くの議員に共有されていると私は今、思っておりますけれども、前知事が購入した跡地があるから、とりあえずそこに消防学校を建てておけと、こういうのは、まさに利用者の視点を無視した議論と言わざるを得ないわけでございます。実際に消防学校を利用する消防職員や消防団員が通いやすいところに建てるというのは、当然のことであると私は認識しております。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 知事、認識が非常におかしいですよ。京奈和自動車道を利用して、このプレディアのゴルフ場までどれだけの時間で行けるか、それはご存じですか。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) まず、消防団員や消防職員が、全員車で通うとは限りません。京奈和自動車道を使うにいたしましても、まだミッシングリンクが2か所あるわけでございまして、それがつながるまでにはまだかなりの期間を要するわけでございます。 もちろん、今、一生懸命、国に要望して、工事のスピードアップを図っておりますが、特に大和北道路の部分については、いつ開通するかのめどはたっていないわけでございまして、そうすると京奈和自動車道からのアクセスということを前提としても、そこに行くまでの間、橿原北インターチェンジと橿原高田インターチェンジの間はまだつながっていないわけでございますし、木津インターチェンジと郡山インターチェンジの間もつながっていないわけですから、県北部や県東部からのアクセスには非常に難があると考えております。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 議論の論点が合いません。知事、それなら小理屈を言わせてもらったら、公共機関の電車を使って何人おいでになるのですか。全部が全部ではないでしょう。車を使っておいでになる、今のモータリゼーションの時代にあの場所ということになれば、当然、公共の電車を使うということではなしに、車、マイカーで来られるではないですか。その認識からしたら、利便性とかいう話は、僕は到底納得できません。議長この答弁については、不適切ですよ。 ○議長(岩田国夫) 不適切というのは。 山下知事。 ◎知事(山下真) 先ほど来、何遍も言っておりますけれども、電車でのアクセスというのは非常に難がある上に、車でのアクセスに関しても、五條西インターチェンジからは、今、一定の時間で行けるかもしれませんけれども、五條西インターチェンジに行くまでに、県の北部や東部から大分時間がかかるということを言っているわけでございます。 ですから、その点について、西川議員がいかのような所見を持っているか、逆にお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) だから、それのための開通に努力されるのが知事の仕事ではないですか、京奈和自動車道。今の話を聞いていますと、私も南部振興議員連盟の1人ですけれど、南部の開発とか南部の振興等は1つも考えておいでにならないではないですか。北和ばかりですよ。これは、答弁、納得できません。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 先ほども答弁させていただきましたが、京奈和自動車道のミッシングリンクの解消に向けまして、毎年、国土交通省や近畿地方整備局に対して、最重点項目として要望しておりますけれども、そのミッシングリンクが解消するより先に、消防学校を移転しなければならないわけでございまして、ミッシングリンクが解消するまでの間の消防職員や消防団員の通勤・通学の利便性をどのようにお考えですかと私は逆にお尋ねしたい気持ちでございます。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) この五條市の広域防災拠点で消防学校を建設しようと思えばあしたからでもできるではないですか。 ○議長(岩田国夫) 山下知事。 ◎知事(山下真) 私の認識では、リニア中央新幹線の残土で埋め立てるというふうに聞いていますので、それは10年ぐらい先かもしれませんので、到底あしたから建設できるとは思っておりません。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) リニア中央新幹線のトンネルから出る土なんて、それは私も夢だと思っています。こんな非合理なことはないでしょう、運ぶのに。それは詭弁から出た言葉であろうと私はその当時思っていました。それを、今、信用されている知事についても、おかしいなと思いますけれど。 ○議長(岩田国夫) 西川議員、時間が超過しております。 ○議長(岩田国夫) 24番西川均議員。 ◆24番(西川均) 時間が来ましたのでこれでおいておきますけれども、もう少し愛情のある、心根のある答弁をしてください。お願いしておきます。 ○議長(岩田国夫) しばらく休憩します。 △午後2時27分休憩    -------------------------------- △午後2時41分再開 ○副議長(池田慎久) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、8番清田典章議員に発言を許します。--8番清田典章議員。(拍手) ◆8番(清田典章) (登壇)皆さん、こんにちは。また、傍聴席、インターネット、奈良テレビをご覧の皆様もこんにちは。 香芝市選挙区選出、日本維新の会、清田典章と申します。議長の許可を頂戴いたしましたので、県議会初めての一般質問をさせていただきます。 日本維新の会では、大阪府以外で初めての都道府県知事が奈良県で誕生しました。奈良県に山下知事が誕生してから1年がたとうとしておりますが、行財政改革が行われ、今までにない、県民に寄り添った政治が奈良県で進められようとしております。 私も、昨年4月の統一地方選挙にて、多くの県民の皆様のご支援を受け、初当選させていただきました。県民の皆様からの負託を受けて議員となった以上は、奈良県をよくするため、県の施策について、しっかりと主張しながら議員活動に励んでまいりたいと思っております。 本日は初めての壇上での質問であり、何分不慣れではございますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 まず、市町村への権限移譲についてお伺いします。 地方自治法の、国と地方公共団体の役割の基本原則のもとに、事務処理特例制度が設けられ、全国の都道府県では、行政事務の市町村への権限移譲を進めています。奈良県でも、住民に身近な行政はできる限り身近な自治体において処理するという、基礎自治体優先の原則を尊重し、市町村の意欲等に応じて権限移譲に取り組んでいます。そして、移譲可能事務・権限メニューを取りまとめて、市町村に対して、移譲を受ける意向があるか確認していると承知しています。 しかしながら、こうした移譲可能事務を市町村ごとの希望を聞いて個別に移譲しているため、県と市町村がそれぞれで同じ事務をしているという現状がたくさんあります。また市町村でも、奈良県と同様に、働き方改革による労働時間の削減、人員不足、行政事務の複雑化による知識の習得などに取り組んでおり、事務移譲を受けたくても受けられない現実があります。 さらに奈良県は、全国的にも基礎自治体の行財政基盤確立のための平成の市町村合併が進まなかった地域で、平成11年当時の47市町村が、平成18年にかけて39市町村と、僅か8団体の減少にとどまりました。市町村合併が進まなかった結果、専門職員の配置など、住民サービス提供体制の充実や、適正な職員の配置・公共施設の統廃合等の行財政の効率化ができず、身近なことが身近で行えない、基礎自治体優先の原則の限界に直面していると考えます。 そこで、知事にお伺いします。 奈良県では、市町村の意向に応じて個別に権限移譲を行っていますが、県としての移譲対象事務の選定基準についてお伺いできますでしょうか。また、移譲の進捗に差がありますが、県が中心となって権限移譲の推進や見直しを行い、効率的な行政運営を目指すことが望ましいと考えますが、いかがでしょうか。 次に、奈良県の中和西部地域の発展に向けた取組についてお尋ねします。 私が幼い頃から生まれ育った香芝市は、奈良県中西部に位置し、大阪府との県境に接し、ベッドタウンとして発展してきた、人口およそ7万8,000人の市です。少し前になりますが、平成17年実施の国勢調査では、人口増加率は全国3位を記録したほか、平成27年度の国勢調査でも、県内では王寺町に次いで2位の人口増加率となりました。 このように、奈良県内では順調に人口が伸びていることから、これまで、とりたてて問題意識を持って見られていない地域と言えるかもしれません。 しかし、国立社会保障・人口問題研究所が昨年12月22日に公表した人口推計データによれば、香芝市においても2030年頃から人口減少が始まり、2050年には、今よりも10%以上人口が減るとの試算結果が示されています。 確かに、奈良県全体で見れば、より深刻な人口減少、高齢化に直面している地域もあります。ただ、香芝市など、中和西部地域は、奈良市や橿原市のような歴史文化資源や、南部・東部のような自然環境資源などに恵まれておらず、高齢化が進み人口減少時代に突入すると、盛り返す材料が乏しいという課題を抱えています。 また、若者のライフスタイルや価値観が多様化し、夫婦共働きが当たり前になった今、職場からの距離・時間に加えて、経済成長が期待できない時代に、家を買って住むイメージが強いベッドタウンは、若い世代にとってハードルが高く、住むことに特化したベッドタウンには魅力を感じていない傾向にあると言われています。若い世代にとって、子どもと仕事の両立・充実した子育て環境・生活の利便性や楽しさ等が住まい選びの主要な判断基準となっており、住みやすさだけではなく、働きやすさが求められています。 ベッドタウン特有の特徴として、市内就業率が低く、昼間人口が少ない特徴があります。住み、働き、消費するという経済の好循環を生み出し、昼間人口の増加や地域経済の循環をよくし、働きやすい地域にするためには、市町村だけに任せるのではなく、奈良県が地域ごとの特色を捉えた方針を打ち出し、奈良県と市町村が一体となって課題に取り組むことが必要と考えます。 そこで、知事にお伺いします。 香芝市などの中和西部地域は、これまでベッドタウンとして発展してきましたが、今後、この地域でも見込まれる人口減少などの課題に対応するため、県としてどのような施策に取り組まれるのでしょうか。 次に、スタートアップへの新たな支援についてお伺いします。 スタートアップとは、IT企業が集まるアメリカ・シリコンバレーで使われ始めた言葉で、革新的な新しいビジネスモデルを考え、新たな市場を提供することで、短期的に事業価値を高めて成長する企業や組織のことを指すと、一般的に言われています。 私も、社会保険労務士として、今までスタートアップ企業の支援を行ってきました。よく知る経営者の方でも、上場を目指して取り組まれている新興企業の方もおられます。こうしたスタートアップにとって、人・モノ・カネ、そして情報がとても重要と言われています。そしてこれらは、東京など大都市、近畿圏では大阪府に集中しているというのが現状です。実際、奈良県出身の経営者の方々でも、こうした状況から、近畿圏では、大阪府で事業を行われている場合がほとんどだと認識しております。あえて奈良県でスタートアップが事業展開するメリットがないと思われているのではないでしょうか。 そこで、知事にお伺いします。 スタートアップが必要とする人、モノ・カネ・情報は、近畿圏であれば大阪府に集まりますが、奈良県でどのような特色ある支援を行い、県内でどのように事業を展開してもらうのか、お聞かせください。 次に、新しい産業政策のパッケージについてお尋ねします。 奈良県では、令和6年度予算として、8つの施策を柱とする新しい産業政策のパッケージを打ち出されました。奈良県の県内産業・中小企業が元気になる施策として、大変注目されています。県では、この施策を打ち出すにあたり、県内企業約170社にヒアリングを行い、そのニーズに合わせた事業を、新規事業あるいは拡充事業としてパッケージに取りまとめられたと伺っております。 一方、令和3年経済センサス活動調査によると、県内企業等の数は約3万4,000社あり、中でも、おおむね常時雇用する従業員数が20人以下、商業・サービス業については5人以下の、いわゆる小規模企業は約84%を占めているなど、奈良県の産業は小規模企業に支えられていると言えます。 また、業種別のデータを見ますと、企業数別では、サービス業が55.6%、卸売業・小売業が続いて21.5%、そして製造業は10.7%という状況にあります。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いします。 県内には小規模な企業が多い状況にありますが、今回の新しい産業政策のパッケージでは、どのような業種、規模の事業者にヒアリングを行ったのでしょうか。その結果を踏まえ、小規模な企業向けにどのような施策に取り組まれるのでしょうか、お教えください。 また、これまでにも奈良県では多くの産業政策を打ち出されてきました。近年の物価・エネルギー価格高騰対策として、今年度、物価高騰克服プログラムに取り組まれていますが、働く人応援クーポン事業や中小企業賃上げ給付金事業では、予算上の想定人数にまで達していない現状があります。それ以外にも厚生労働省で実施していますが、さらに手厚い支援を付け加え、奈良県でも行っている、働き方改革支援についてのプロモーション動画の再生回数、そして、先ほど山田議員ご質問の奈良県のしごとiセンターの就職マッチング件数なども、決して多くありません。 私が県議会議員として、また社会保険労務士として、多くの企業を回り感じるのは、県が展開する様々な支援策があまり伝わっていないということです。多くの経営者から、そんな支援メニューは知らなかったという声をお聞きしています。 5,000人以上も雇用する大企業では、事務を行う部署とは別に、制度の周知を行う広報や、制度の実施を提案する営業部があり、ワンオペレーションではなく、チームオペレーションを行う仕組みが確立されています。 いずれにしても、8つの施策を柱とする新しい産業政策のパッケージも、県内企業に知ってもらい、制度を活用してもらって初めて、産業政策の効果が生まれると考えております。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いします。 これまでの奈良県の産業政策は十分に県内企業へ伝わっていなかったと考えますが、今後、県では、どのように広報・周知に取り組まれるのでしょうか。 最後に、奈良県のインバウンド政策における観光プロモーションについてお尋ねします。 観光は、奈良県の主要産業の1つであり、また、奈良県といえば、国内だけでなく海外からも、日本有数の観光地として注目されている場所です。 そして、観光庁の訪日外国人の消費者動向によると、外国人観光客の多くは、日本の自然や歴史・文化にも関心が高いですが、それよりもまして、日本の食に強い関心を持っています。 奈良県は県内に3つの世界遺産を有するほか、数多くの寺社があり、歴史・文化については抜群のPR力を誇っていると考えます。 一方、奈良県の食については、近年でこそ、ミシュランガイドなど積極的にPRされていますが、おいしい食材や料理があるにもかかわらず、様々なアンケート結果からも、奈良県の食について認知度が十分とは言えません。 また、観光庁の統計資料によれば、外国人が日本への旅行で期待するものとしてもそうですが、奈良県が推し進める宿泊、宿泊先を選ぶ理由としても、上位に日本食を食べたいためと回答しています。奈良県に宿泊先があったとしても、奈良県の食について認知が進まなければ、宿泊される機会が減ります。また、宿泊しても、宿泊費や交通費が大部分を占め、地域経済活性化につながる飲食費・買物代などの消費につながらないことが予想され、奈良県の食のプロモーションがいかに重要かが分かると考えます。 そこで観光局長にお伺いします。 外国人の誘客においては、特に関心の高い食についての発信を重点的に行うなど、戦略的に進めることが重要ですが、県としてどのように現状を分析し、どのような戦略により、インバウンド向けの観光プロモーションを行っていくのでしょうか。 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、清田議員の一般質問にお答えをさせていただきます。 まず、市町村への権限移譲についてでございます。 市町村への県条例における権限移譲の根拠法は地方自治法でございます。この法律は、平成11年の地方分権一括法において、この部分についての条文が制定されました。立法趣旨は、住民に身近な行政は、住民に身近な市町村の事務とすることが望ましい、との認識に立った上で、市町村の規模能力等に応じた事務の配分を認めることで、市町村への分権を進めようというものでございます。 本県におきましては、平成12年4月に施行されました「奈良県事務処理の特例に関する条例」に基づき、権限移譲を実施しております。 これまでの移譲実績は、路外駐車場設置の届出受理、史跡等の現状変更の許可など、本条例に掲載された72の項目に上ります。 移譲対象とする事務は、①住民の利便性の向上、②事務処理の迅速化及び効率化、③市町村における総合行政の展開の3つの観点により選定したものでございます。選定した事務の一覧表を市町村に提示しまして、移譲受入れの意向を示した市町村に対し、個別に移譲を実施しております。 また、県が選定した移譲対象事務以外であっても、市町村から移譲の要望があり、さきに述べた3つの観点から移譲に適すると認められた場合は、選定した事務と同様に、広く市町村に提示を行った上で移譲を行ってまいりました。 このように、市町村の意向を尊重しながら権限移譲を個別に進めてまいりましたが、本県は小規模市町村が多いこともあり、あまり権限移譲が進んでいない事務もございます。 今後、清田議員ご指摘の効率的な行政運営の観点も踏まえつつ、本県の市町村の状況に応じまして、効果的に、真に移譲に適する事務かを十分検討し、引き続き、権限移譲を進めてまいりたいと考えております。 2点目、中和西部地域の発展に向けた取組についてお答えをさせていただきます。 香芝市などの中和地域の西部は、大阪への交通の利便性を活かし、ベッドタウンとして発展し、人口が大幅に増加してまいりました。しかし、この地域においても、他地域同様、今後人口減少が見込まれる中で、人口減少のスピードを緩め、地域の活力を維持するため、未来を担う若者が地域内で住み・働き続け、県外流出を防ぐための取組が大切であると考えております。 そのためには、子育て支援や教育環境の充実が必要でございます。本県におきましては、子どもをまん中に置き、社会全体で子育てを支援する温かい県民性を育むことを目指しまして、昨年7月に、奈良県こども・子育て推進本部を立ち上げ、子どもや若者、子育て当事者の視点を尊重しました、子ども・子育て施策を進めているところでございます。令和6年度予算におきましては、新たに保育士の処遇改善や私立高等学校授業料の無償化などの施策を計上しております。 また、働く場所の確保に向けた企業誘致や、県内企業の活性化が必要でございます。この地域ではこれまで、葛城市の薑工業団地の近隣における新たな工業団地の整備計画に対して、県が支援をしてまいりました。 そして、令和6年度は企業立地促進補助金の要件を大幅に見直し、企業の県内投資を一層加速させるなど、企業のリアルな声を起点とした産業政策を展開していく予定でございます。 さらに、生活や経済活動の基盤となる社会資本の整備が必要でございます。この地域は、中和幹線の完成や京奈和自動車道の順次供用などにより、交通網が充実し、地域のポテンシャルが向上しております。 引き続き、幹線道路である香芝王寺道路の4車線化など、道路整備を推進するとともに、JR香芝駅のバリアフリー化の支援を継続するなど、地域公共交通の利便性の向上を図ってまいります。 今後とも、この地域の持続的な発展に向けまして、地域住民にとって最も身近な公共団体である市や町と連携・協力しながら取組を進めてまいりたいと考えております。 3点目の、スタートアップへの支援についてでございます。 知事就任当初より、地域の発展のためには、産・学・官連携による産業の振興、スタートアップの創出が必要と考えておりました。しかしながら、これまでの産業政策は、スタートアップや産学官連携の観点においては不十分でございました。 そこで、担当課におきまして、県内の研究者や投資家、起業家や支援企業など、様々な関係者にヒアリングするとともに、私自身も若手の起業家の方々などから直接話を聞いてまいりました。その結果判明しました、スタートアップ支援に関するリアルなニーズや課題をまとめまして、本年1月に、本県のスタートアップ支援の方向性である、奈良スタートアップ・プログラムを公表したものでございます。 方向性の1つ目といたしまして、本県には全国でも優秀な大学や高等学校が存在することから、このような機関の研究成果を新事業につなげる取組を構築いたします。そのための支援といたしまして、①県内大学等で産み出された研究や技術の事業化に向けた実証実験や試作品完成に係る費用を補助してまいります。また、②事業化の可能性が高い研究や技術と、それを必要とする企業を結びつけるための支援に取り組んでまいります。 方向性の2つ目といたしまして、大都市では難しい、個々のスタートアップに寄り添った、顔の見えるきめ細やかな支援を実施してまいります。まずは、関係者からのニーズが高い、スタートアップ関係者の交流促進等に取り組み、本県のスタートアップ・ネットワークを構築してまいります。 このほか、県内の大学生、大学院生、その他の若者を対象とした、起業家教育の提供によりまして、将来の起業家育成にも取り組んでまいります。 本県は教育環境や住環境がよく、災害が少なく、大都市にも近いという、スタートアップが生まれ発展する環境が整っていると認識しております。このような環境を強みといたしまして、令和6年度を本県のスタートアップ元年として、様々な関係者と対話を重ねながら、本県ならではのスタートアップ支援に取り組んでまいります。私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) (登壇)8番清田議員から、新しい産業政策のパッケージについて、2点ご質問がありました。 1点目は、新しい産業政策のパッケージでは、どのような業種・規模の事業者にヒアリングを行ったのか。その結果を踏まえ、小規模な企業にどのような施策を取り組むのかというご質問でございます。お答えいたします。 企業等へのヒアリングにつきましては、200者を目標に掲げて取り組み、パッケージの公表時点において、企業157社、経済団体や金融機関等16機関、合計173者に対して実施いたしました。 企業の業種別の内訳は、製造業144社、運輸業3社、卸売・小売業5社、サービス業5社で、規模別の内訳は、大企業36社、中小企業98社、小規模企業23社となっております。 企業の選定は、予算編成までの時間や職員の人的リソースが限られていたことから、地域GDPに占める割合や地域経済への波及効果等を考慮し、まずは製造業、特に、県内で比較的規模の大きな工場等で操業している企業及び新事業展開や海外展開などに取り組む企業などを対象としたところです。 清田議員ご指摘の小規模企業については、ヒアリング対象とした23社のほか、日頃から小規模企業との接点が多い商工会議所・商工会連合会や産業別の事業協同組合などの経済団体、金融機関からもご意見を伺ったところです。 これら小規模企業の声も踏まえ、取り組む事業としては、人材の確保や海外展開などの支援がございます。人材の確保の関係では、県内事業者が採用活動のノウハウを習得するためのセミナーの開催や専門家派遣等を行い、優良事例の横展開を図ることとしております。 また、海外展開の関係では、ジェトロ奈良に、奈良県海外展開サポートデスクを設置し、海外へ輸出したいが何から始めたらよいか分からないという企業を、関係機関と連携しながらサポートしていくこととしております。 今後も、企業のニーズや課題を起点とした産業政策を行うべく、企業ヒアリングは継続していく考えであり、地域経済や雇用を支えている小規模企業のご意見も積極的に伺い、必要な施策を講じてまいりたいと考えております。 続きまして、2点目のご質問は、これまでの奈良県の産業政策は十分に県内企業に伝わっていなかったと考えるが、今回、県ではどのように広報・周知に取り組むのかという質問でございます。お答えいたします。 県の産業政策に関する県内企業への広報・周知については、これまでも、例えばホームページやSNS、県民だより奈良等による情報発信、プレスリリース、経済団体や金融機関等の支援機関・事業者向けの施策説明会、市町村と連携した情報発信など、様々な手段を活用しながら行ってきたところです。 一方で、今般の新しい産業政策のパッケージ策定に係る企業へのヒアリングの中で、県の支援施策の情報を知らないので、使いたいが使ったことがないという声をいただいております。 このため、支援を必要とされる企業に情報が届くよう、来年度は2つの新たな取組を行うこととしております。 1点目は、企業との関係を構築するため、伺った声・情報を庁内で一元管理する県庁版CRM(顧客情報管理システム)を導入いたします。このシステムを活用し、企業情報を庁内の関係職員で共有するとともに、つながりのできた企業に対して、直接、県の支援施策やイベント、セミナー情報を、プッシュ型でタイムリーに届けていきたいと考えております。 2点目は、県内金融機関の営業担当者向けに、県の施策に関する説明会を開催したいと考えております。日頃から企業の経営者と接し、企業の持続的な成長に向け二人三脚で取り組んでおられる営業担当者から、企業にマッチした支援策を紹介し、活用につなげてもらうことが期待できると考えております。 今後も、支援を必要とする企業に、いかに確実に情報を届けるかということを念頭に置き、一層の周知・広報に取り組んでまいりたいと考えております。以上、ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 谷垣観光局長。 ◎観光局長(谷垣裕子) (登壇)8番清田議員から私へは、インバウンド向けの観光PRやプロモーションの現状の分析と、食に関する発信についてのご質問をいただきました。お答えさせていただきます。 インバウンド向け観光PRについては、発信するコンテンツ、ターゲット、発信の手法の3つの観点で分析、検討することが必要であると考えています。 まず、発信するコンテンツについては、2015年から2019年の日本政府観光局(JNTO)の調査によりますと、韓国やアメリカなどインバウンド主要国の旅行来訪者は、旅の中で期待する項目として、食の魅力を観光目的のメインに上げており、清田議員お述べのとおり、食はインバウンド向け観光PRの主要なコンテンツであると考えます。このほか、外国人観光客は、歴史、伝統文化体験、自然景観地観光などにも高い期待を持って日本に来訪しております。 次に、ターゲットについては、観光消費額と来訪者数に着目することが重要であると認識しています。本県では、旅行日数が長く、1人当たりの観光消費額が多い欧米豪、インバウンド数が多い中華圏、韓国を主要なターゲットとしております。 発信の手法については、代表的な手法は2つあります。 1つ目は、SNS、すなわちフェイスブックやインスタグラムなどの媒体を活用した発信で、日本への旅行を検討する人に直接働きかける発信手法です。 2つ目は、国内外で日本政府観光局などが開催している、旅行博、商談会への参加、海外のメディアや旅行会社等へのセールスを行い、奈良への旅についての情報の露出を増やすことで観光需要を喚起するという発信手法です。 以上のような観点から、何を、誰に対して、どのような手法を用いて発信するかを分析、検討し、事業立てを行ってきております。 令和6年度の食についてのインバウンド向け観光PRについては、SNSによる発信を継続して行っていくとともに、海外における奈良のブランド力・認知度向上事業の中で、食の魅力にも力点を置きながら発信していく予定です。 また、海外の有力メディア等が多数集まる、フランスのカンヌで行われるILTM(インターナショナル・ラグジュアリー・トラベル・マーケット)カンヌ2024等に参加し、積極的にセールスを行い、売り込み先を増やすべく交渉してまいりたいと思います。 さらに、食については、メディア等に実際に食べてもらうことで、より効果的な発信が見込めるため、海外のパワーブロガー等メディアを奈良へ招きファムトリップも行いたいと思います。 インバウンド向け観光PRにおいて、食は重要なコンテンツであり、引き続き、適時に情報分析を行いながら、食と農の振興部などとの庁内の連携をさらに密にし、積極的に取り組んでまいります。以上です。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) それでは、質問を続けさせていただきます。 まず、新しい産業政策のパッケージについて、産業・観光・雇用振興部長に追加で質問させていただきます。 2月7日に奈良県から発表された、新しい産業政策のパッケージの最初に、奈良県が持つポテンシャルを最大限に引き出す、新しい産業政策のパッケージと記載がございました。産業・観光・雇用振興部長が思われる、奈良県が持つポテンシャルとはどのようなものなのか、お教えください。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) ポテンシャルが十分に発揮できていないというのは、例えば、製造品出荷額が全国39位でありますとか、県内の消費額も非常に低いという状況が、ポテンシャルが低いという状況があると思っていまして、本来でありましたら奈良県は、大都市圏からも近く、歴史文化遺産も育まれているということを考えますと、まだまだその産業部分についても、ポテンシャルをもっと生かせるのではないかという観点で考えているものでございます。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。ポテンシャルは、私の解釈では、もともといいものを持っているけれども生かせていないというのがポテンシャルと認識しているのですけれども、先ほどのご答弁では、大阪や大都市から近いというのがポテンシャルということでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) 大都市圏からの近さというのもありますし、それから、歴史とか文化遺産も県内には十分にあるというようなことを含めまして、それから労働力もありますし、教育の水準も高いということも含めて、まだまだ伸びる余地があると考えているところでございます。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。先ほど述べていただきました、大阪や大都市から近いということや、歴史や自然というところを回答いただきましたが、それと今回の新しい産業政策のパッケージはどう結びついているのか、お教えください。 また先ほど、製造業からまずは行うとおっしゃっておりましたので、そこもポテンシャルと関係があるのかと思ってご質問させていただいたのですけれど、その辺りはいかがでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) まず製造業を中心に聞かせていただいたのは、企業に行った際に課題とかニーズがあって、それをこの産業政策に反映させたいという思いがありましたので、先ほど答弁で申し上げましたように、地域GDPに占める割合が、県内の産業では製造業が一番高いという状況等を踏まえて行ったわけでございます。以上です。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。つながっていないのかと思うのですけれど、私としては、まず製造業というところは、もちろん施策として、奈良県がどういうふうにしていくのかというところでは、もちろん戦略があってのことだと思いますので問題ないと思いますが、先ほど、壇上から述べさせてもらったとおり、奈良県というのは小規模が多く、かつ製造業も10%にとどまり、残りの90%はそうではない業種でございます。また、GDPにおいても80%が製造業ではない業種が占めておりますので、今後、ぜひ、小規模や業種別に沿った、よりきめ細かな産業政策パッケージを追加で行っていただきたいなと思っております。 また、業種や規模が変われば、経営の悩みも変わると思います。悩みの質が変われば予算の配分も変わると思いますので、その辺りも考慮してもらいながら、次年度の政策に反映していただければありがたいと思います。 続きまして、これまでの奈良県の産業政策は十分に県内企業に伝わっていなかったのかということに対する質問でございます。 先ほどCRM(顧客管理システム)を活用して、奈良県の企業と1to1で、人事部や経理部、また企画部を持たない中小企業にも、右腕となるようなシステムを導入してくださるということで、今までにない産業パッケージでの取組、本当にいい取組だと考えております。 そこで、一つ懸念なのですが、CRMを早急に奈良県の企業に普及させ、活用していただくということが重要と思いますが、どのようにそれを普及させるのか、お教えください。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) CRMというのは、県庁内の職員に対して、どういう企業をいつ訪問したのか、誰を訪問したのか、その際にどういうご意見を伺ったかということを共有するシステムでございまして、どの企業に訪問したかという情報が手元できちんと整理されますので、先ほども答弁で申し上げましたように、県の施策の情報とかイベントセミナーの情報を、プッシュ型で、教えていただいたメールアドレスにあてて各企業に送っていきたいという趣旨でございます。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。それでは、このCRMに企業情報が登録されるまでには、どれぐらいの時間を要するとお考えでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) 既に先ほど答弁で申し上げたように、今年も170社に対して課題やニーズの聞き取りに行ってございまして、既に名刺情報等をデータとしてインプットし始めております。 その内容についても共有していきたいと思っておりますので、年度が始まって担当者も決めてまいりますので、早急にやっていきたいと考えてございます。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。現状170社、去年1年間で170社ということですから、来年度の予算でしっかり組み込んで、中小企業を含めた企業を支援するのであれば、先ほどおっしゃった3万4,000社に対して、いち早く情報ニーズを聞き取って情報を届けていただきたいというのが私の希望でございます。 職員の方、皆様、日頃の仕事もある中で対応されておりますので、ぜひ別の方法、例えばインターネットで企業情報を入力していただくようなプログラムを組んで、企業情報を早急に吸い取り、その企業に対して必要な情報を届けるといったことも考えられますが、いかがでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 森本産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(森本壮一) 清田議員からいただきましたご意見も踏まえまして、様々な角度から検討し、企業の側に立った支援を検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ご答弁ありがとうございました。早急に企業に届くように、来年度、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、インバウンド向けの観光PRについて、観光局長に改めて質問させていただきたいと思います。 プロモーションはマーケティング戦略の1つで、マーケティングというのは、目標の設定、市場機会の分析、そして標的市場の選定等を行うというのがございまして、そこからプロモーションの戦略につなげていくと考えております。 改めて目標の設定、市場機会の分析、標的市場の選定について教えください。 ○副議長(池田慎久) 谷垣観光局長。
    ◎観光局長(谷垣裕子) お答えさせていただきます。目標数値については、令和7年度までに奈良県内の延べの宿泊者数を350万人に増やしていくということで考えております。 また、観光消費額につきましては、令和7年度までに、2,100億円にしていくところを目指しております。 それを設定していくための考え方ということで、今のは全体の旅行者数、宿泊者数とかの話で、インバウンドの部分につきましては、先ほどもお話しましたけれども、コンテンツについては、清田議員と意見が一致しているのですけれども、食というのは本当に重要なコンテンツだと考えているのと、歴史文化や自然景観地の観光なども大変期待している部分でございますので、そういう部分の露出をどういう形でしていくかという部分で、それを訴求するときには、個人の旅行者、来訪を考えておられる方に直接発信していく、訴求する方法と、それからBtoBの、旅行関係の事業者に対してPRしていくという部分の二本立てでしていくという考え方で進めたいと思っております。以上です。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ご答弁ありがとうございます。戦略の中で、今現在、令和6年3月になろうとして、残り1年というところになっております。 目標設定に対する進捗もそうですが、今まで行ったプロモーションにおける分析等はどのようなものか教えてください。 ○副議長(池田慎久) 谷垣観光局長。 ◎観光局長(谷垣裕子) それぞれの事業についてこれまでに行ってきたところの成果というのを個々に分析したものを寄せてきて、今の方針というのを決めているのですけれども、その中の一例といたしまして、来年度も行かせていただきたいということで、今、予算をお願いしております、ILTMというフランスのカンヌで行われております商談会がございます。それにつきましては、令和5年度に参加されている国は先ほど申し上げた80か国ぐらいで、そこでバイヤー側、つまり私たちがPRする相手方ですけれども、それが2,100人出席されまして、そこの出展団体2,291の中の1つとして、奈良県は参加させていただきました。 その場で、40件商談を行いまして、その中の有力な情報、感触がよかった方に対しては、戻ってからフォローのアクセスをするという取組をしています。その取組を令和4年度も行っているのですが、令和4年度に行った同じような商談会で商談を行った件数が32件で、うち11社が訪日送客の実績のあるところでして、それが令和5年の12月時点、1年前にしたセールスの結果として、商談を行った32社のうち4社から奈良県への送客という実績がありました。それは、カナダ、台湾、イタリア、フランスの4か国の会社からということになっております。 ということで、細かく言い出しますといろいろな実績があるのですけれども、それを勘案するのと、社会情勢の中で人気のある国、日本に対して関心が高まっている国とか、そういういろいろなトレンドがございますので、そういうものを勘案しながら、どの国に対してどの発信をしようかというのを考えてしているというのが今の状態でございます。以上でございます。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。細かくなるので、また委員会でご質問したいと思うのですけれど、私がお伝えしたいのは、観光プロモーションにおける、特にSNS等の活用で、今まで行った、食と食以外とか、そういう分析が実際行われているかどうかとか、それを実際に分析してリーチ数とかを踏まえて、性別とか年齢別とか、そういったことを踏まえて、いかに効果的なプロモーションができるのかというところを、特にこれからインバウンド需要というのが盛んになってきますので、通常の観光戦略の中でも大きな柱としてお願いしたいと思っております。 もちろん、大阪・関西万博でも、2,820万人のうち、大体1割は海外の方が来られるというふうに聞いております。しかし、奈良県に毎年来られる観光客は、宿泊だけではなくてすべて含むと350万人というような、それぐらい外国人の方が来ると聞いております。ということは、毎年、それだけプロモーションをするチャンスがあると。そういう結果で来てくださっているというのも当然あるのですけれども、そういったところに向けて、より食のプロモーションを活性化していただき、奈良県は、2回目、3回目と訪れるのが少ない都道府県でございますので、それを高めていっていただくようなプロモーション活動をお願いしたいと思っております。 次に、知事に質問させていただきます。市町村への権限移譲についてお伺いいたします。 山下知事の今までの箱物に関する行財政改革や、そういったことを踏まえると、先ほどの山田議員の質問のとおり、二重行政というところもそうですが、この市町村への権限移譲においても、例えば、奈良市が行っているが奈良県でも行っているという事務が、私が数えるだけでも25、6ぐらいございました。私は日本維新の会でございますので、大阪都構想もそうですが、やはり二重行政というのは無駄であると考えております。奈良県庁と奈良市、僅か3キロメートルの距離で同じ事務をしている、これは僕はよくないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) おっしゃるとおりだと思います。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。私も同様の考えですので、ぜひ、行財政改革、引き続き、事務部門でも行っていただいて、よりよい奈良県にしていただきたいと考えております。 続きまして、スタートアップについてご質問させていただきます。 今まで、産学官の連携がなく、起業家同士がつながる仕組みや、スタートアップの起業家、若者に向いてこなかった奈良県があったと思います。山下知事が誕生して、やっと、奈良県にたくさんいる若い世代も報われる、そんなふうに私は感じております。 しかし、起業というのは、人・モノ・カネ・情報という観点から成功に導くと私は考えております。そこで、スタートアップという場所の選定についてですけれども、人・モノ・カネ・情報という観点から、三宅町がすばらしいと考える理由をお教えいただけないでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 今、コロナ禍がありまして、直接、リアルで会わなくてもZoom等を通じて面談等はできますし、東京や大阪でなければ起業しにくいということは、必ずしも僕はそうではないのではないかと思っておりまして、先ほど、山田議員の質問にもございましたが、奈良県には、奈良先端科学技術大学院大学というすばらしい工科系の大学がございますし、奈良県立医科大学も、最近様々なベンチャービジネスをやり始めているわけでございまして、研究者は奈良県にいるわけですから、非常に優秀なそういう高等教育機関の研究成果を、そのままビジネスにつなげていくということは、私は、県として取り組んでいかなければならないのではないかと思っております。 ですから、そういう県内の高等教育機関の研究成果をまず活用するという点では、奈良県がそれほど不利であるとは思っておりませんし、それ以外にも、非常に優秀な高等学校等もありまして、残念ながら大学進学時に首都圏に出ていってしまうというような、そういう優秀な若い方がおられるわけですけれども、奈良県がそういうスタートアップの拠点として認知されて、そこに高等教育機関や、あるいは既存の大企業、あるいは、これから何かやってあげようというようなベンチャー精神があふれる若手起業家が集まってくれば、では俺も奈良県に帰ってやろうではないかというような、そういう気概のある人たちが戻ってくるのではないかという期待もあるわけでございます。 最近の若い方の傾向を聞いておりますと、安定した大企業に入って安定した生活をしたいという方もおられますけれども、やはり、20代30代のうちから、ご自分の能力を生かしたいのだという、そういう意向の強い若者が増えていると聞いております。先般、私、VENTURE FOR JAPANという、仙台市にある一般財団法人の方と意見交換する機会があったのですけれども、そこは、若手のやる気のあるそういう人たちを、例えば、全国各地の後継ぎのいない企業に後継ぎ候補として送り込むと。そういう場合、若い人が何を重視するかというと、結局、自分のことをきちんと評価して、自分にチャンスを与えてくれる、そういう経営者がいるのかどうか、そしてまた、そういうよそ者である自分を受け入れてくれるような環境が地域にあるのかと、そういったことが重要であって、場所がどこかということは、そんなに皆さん、特にこだわりはないというふうに聞いておりますので、奈良県がそういうベンチャーに温かい県として認知されれば、私は、優秀でやる気がある人が集まってくる可能性はあるのではないかと思っていますし、少なくとも、その取組を始める価値は十分にあると思っておりまして、そういう意味で、三宅町であることがデメリットであるとは考えていない、こういうことでございます。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。私も仙台市のスタートアップ戦略を見ておりまして、非常に参考になるもので、それを踏まえて次のご質問させていただきたいのですけれども、仙台市のスタートアップ戦略では、仙台らしさ、仙台市の目指すべき姿ということで、仙台市・東北から世界を変えるスタートアップが生まれ、世界中からソーシャルイノベーターが集う都市とテーマを決められています。 今後、新しいこのスタートアップの中でそういった基本計画等、奈良県らしさというところで、成長しても、奈良県にずっと居続けてもらうような方針や計画を作成する予定はございますでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) まず、令和6年度を奈良県のスタートアップ元年と位置づけまして、いろいろな新たな取組をしていく中で、何か体系的な計画が必要であれば、またその時点で検討したいと思います。 ○副議長(池田慎久) 8番清田典章議員。 ◆8番(清田典章) ありがとうございます。ぜひ、企業支援がしっかりしているということで県外にアピールしていただきまして、スタートアップの誘致を進めていただきたいと思っております。 最後に、中和西部地域の発展について、地元というところもございまして質問させていただきます。 ベッドタウン化が進む中で、町がゴーストタウンにならないように、今後はやはり、働く、消費するという観点からも、支援は当然地方公共団体が行うべきですけれども、奈良県の支援も必要と考えております。 さきほどのスタートアップという観点では、三宅町だけではなく奈良県全体で考えるべきで、香芝市とか、そういう若い子たちがたくさんいる、かつ大阪に近い地域のところも入れてはいかがかと思うのですけれど、その辺り、今後、可能性はございますでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 質問時間が超過しておりますので、これで終わります。答弁は、もう質問時間終わっておりますので。 次に、43番山村幸穂議員に発言を許します。--43番山村幸穂議員。(拍手) ◆43番(山村幸穂) (登壇)皆さん、こんにちは。日本共産党の山村幸穂です。県議会議員選挙では、多くのご支援に応えられず議席を減らしてしまいました。たった1議席ですが、決して1人ではありません。多くの方に支えていただいています。幅広く皆さんの声を届け、県民主人公の立場で、これまで同様、全力で頑張る決意です。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。 それでは、まず初めに、温暖化対策について伺います。 地球沸騰化の時代と言われるほど気候危機が急速に進んでいます。知事は、脱炭素水素社会の実現を提案されています。 しかし、脱炭素ならどのような事業でもよいというわけではありません。地域の課題解決につながり、地域経済を発展させ、住民の生活の質を向上させることが重要な鍵となります。 北欧諸国では、CO2削減、省エネ対策として、建築物の断熱化を推進して効果を上げてきました。ドイツでは、政府の補助金で毎年数兆円の省エネリフォーム市場が生まれ、30万人の雇用が生まれています。 日本でも、政府がゼロエネルギー住宅やビルの普及を目指していますが、断熱基準は低く効果が薄い現状です。 鳥取県では、諸外国のトップレベルを上回る省エネ・断熱基準を独自に制定して補助金制度をつくり、県産木材の使用や、県内事業者の施工により、地域経済への波及効果が促進されています。 既に新築の3割がこの基準で建てられ、新築だけでなく既存住宅や学校、公営住宅の断熱化も推進していくとのことです。 エネルギー効率の高い断熱住宅はCO2削減効果が大きく、冬暖かく夏は涼しく快適で健康的に生活の質をよくして豊かにします。公営住宅や賃貸住宅が高断熱であれば、冷暖房費用を削減でき貧困対策ともなります。 長野県では、2030年までのCO2削減目標を60%として、信州型健康ゼロエネ住宅の推進、信州屋根ソーラー100%を目指しています。 日本政府は、アンモニアや水素を化石燃料と一緒に燃やす火力発電を世界に普及し、使い続けると発言、不名誉な化石賞を4回連続して受賞しています。アンモニア、水素など、技術開発のめどが立っていない新技術を前提にしてCO2削減を先送りにする無責任な姿勢です。 そこで、知事に伺います。 知事は、水素社会の実現に向けて官民で取り組むといいますが、現在どのような需要があるのでしょうか。地元企業や地域住民が主体的に参加できるのでしょうか。奈良県では、誰がどのように計画を担い、実現の見通しは立っているのでしょうか。 次に、五條市でのメガソーラー整備について伺います。 太陽光発電そのものは普及していかなければなりませんが、なぜこのような計画となったのでしょうか。問題の第1は、地元住民の合意がないままに進めようとしていること。第2には、環境への負荷、景観の破壊、送電線のルートによっては健康被害が想定される、第3には、パネル設置によって流出する雨量が1.5倍になるとの試算があり、下流河川周辺への影響が懸念されます。 山や森林の保水機能などの働きは国民すべての財産です。県でも、住民の声により、環境を守るために、メガソーラーの規制条例がつくられました。 そこで、知事に伺います。 知事は、五條市に官民連携による関西最大規模の太陽光発電施設を整備すると発表されましたが、県がメガソーラーを推進することは、SDGsの考えにも相反するのではないでしょうか。 次に、大阪・関西万博の中止について伺います。 大阪・関西万博の開催をめぐっては、会場建設費が当初計画の約2倍、2,350億円に上り、昨年11月の共同通信世論調査では、大阪・関西万博は不要が68%になるなど、国民の不信は増しています。 そもそも、大阪万博誘致構想の中で、夢洲案はありませんでした。ところが、当時の松井知事がトップダウンで提案し決定。ギャンブルで負けた人のお金で利益を得るカジノを中核とするIRと一体となった巨額のインフラ整備(国試算で1.2兆円)が進められることとなったのです。 会場の夢洲はしゅんせつ土砂や廃棄物の最終処分地で、地盤沈下や有害物汚染などの問題が山積。いまだ、大規模災害時の具体的な避難計画もありません。 2兆円の経済効果が強調されていますが、国内外から2,820万人、1日20万人の入場者が前提です。現状のチケットの販売も苦戦しており、世論は、チケットを購入したいと思わないが79%、運営費の赤字は誰が負担するのかと議論まで出ています。仮に、想定どおり1日20万人が来場すると、交通アクセスの問題が起こることは避けられません。 こうした中、今年1月1日に発生した能登半島地震では、住宅の被害も、道路、水道、港湾などインフラの被害も極めて甚大です。多くの方々が避難所で不自由な暮らしを余儀なくされて、災害関連死も起こっています。一日も早く復旧復興を進めなくてはなりません。このようなときに、大阪・関西万博に建設資材、重機、マンパワー、巨額の税金を使っている場合ではない。大阪・関西万博の理念は、いのち輝く、いのちを守ることを掲げています。被災地の命の軽視はあってはなりません。 そこで、知事に伺います。 能登半島地震の復旧・復興こそ最優先にとの声が広がっています。限られた資源を半年で壊すパビリオンなどへ費やすのはやめて、きっぱりと中止すべきと考えますが、知事として、大阪・関西万博の中止を進言していただきたいが、いかがでしょうか。 次に、災害時に災害弱者を守る避難所対策について伺います。 能登半島地震での避難所の様子に驚きました。関係者が懸命の努力をされているにもかかわらず、簡易ベッドや間仕切りもなく冷たい床に毛布1枚、温かい食事が届かず、トイレが不足して水を飲むのも我慢している。女性は着替える場所もない。これまで何度も大きな地震を経験しているのに、なぜ改善されていないのでしょうか。 とりわけ、災害時に心配されるのが、障害のある方や高齢者支援が必要な方々です。能登でも、大規模な被災によって、福祉避難所の開設に困難を来し、ケアに携わる方々も被災する中で、運営にも苦労されています。 災害関連死を防ぐための食事や医薬品などの提供、備蓄していても、物資や情報が現地に届かない状況に危機感を感じました。 高齢者施設や介護の施設、養護学校など、福祉避難所として利用できるように、施設の耐震診断や、非常用電源の状況を検証し、物資の備蓄など、設備に必要な補助金を増やすことも必要です。 高齢化する地域や過疎の自治体では、ふさわしい施設や人員の不足が心配されます。広域的な連携や支援について、県が役割を果たさなくてはなりません。 南海トラフ巨大地震の県内被害想定は、死者1,300人、住戸全壊が約3万8,000棟、1週間後の避難者数は約26万人。直下型地震の奈良盆地東縁断層帯なら、死者約5,200人、住戸全壊が約12万棟、1週間後の避難者数は約43万5,000人と想定されています。 奈良県においても、日頃から、福祉避難所をどのように準備するのか、場所や数が十分か、災害時にマンパワーが足りるのかなど、きめ細かい備えの大切さが改めて問われています。 そこで、福祉医療部長に伺います。 福祉避難所は、市町村が設置し、運営することになっておりますが、今後の災害に備えて、必要な方を誰一人取り残さず命を守ることができるように、県はどのように役割を果たしていくのか伺います。 次に、子どもの医療費助成制度の窓口無料化について伺います。 県の子ども医療費助成制度は、対象年齢が18歳までに拡充され、所得制限なし、窓口立替払いなしに改善されることとなりました。子育て世代をはじめ、多くの県民の粘り強い運動によって実現されたものです。 さらに進んで、窓口での一部負担金をなくしてほしいと、奈良県の地域医療を守る会が、2022年度から数回、8,600筆を超える署名を県に届けています。 子育て世代にとって、医療費の負担は重く、アンケートによれば、たとえ1日500円であっても、その500円を生み出すために、食事を削る、それ以外は最低限で生活しているので犠牲にするものがない、自分が病院に行かないで我慢をする、など悲痛な声が寄せられています。子どもが2人、3人なら、同時に感染することや、月末になると財布にお金がなかったり、月をまたいで負担が増えることも不安です。物価高、給料が上がらない中、せめて子どもの医療費だけでも無料にしてほしいと切実な声に応えていただきたいと思います。 全国でも、10県が窓口完全無料を実施しており、2024年度は、鳥取県が18歳まで窓口完全無料を実施予定、県内市町村でも15市町村が何らかの窓口無料を実施しています。 無料になれば医療費が増えるといいますけれども、子どもが病気になってすぐに受診できることが、重症化を防いで医療費を増やさないことにつながります。 何とか子育てを応援したいと、小さい村で頑張っておられます。また、人口の多い市であっても、県の支援があればできるという声もあります。 そこで、医療・介護保険局長に伺います。 本来は、全国一律に国が子ども医療費の無料化を実施するべきですが、子育て世代を応援するため、県として、子ども医療費助成制度の窓口負担の無料化を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、県立高等学校における施設の充実について伺います。 県立高等学校PTA協議会から、毎年、奈良県教育委員会へ要望が出されています。多岐にわたる要望ですが、施設の老朽化による改善の要望がとりわけ多く寄せられております。 教室、廊下、窓、扉、体育館など、古くなってカビが発生して不衛生、突然壊れたドアが倒れてきた、避難階段が腐食して危険、教室の扉が鉄製で開け閉めが出来にくくなっており災害時に困る、雨漏りや冠水する。 特別教室の空調施設がなく熱中症の危険がある、特色ある専門の学習のための実習用施設備品等が不足して、老朽化し、壊れて使えないことから、学習に支障が出ている、生徒が卒業して社会に行ったときに、実際に使われている機器・設備で実習できるようにしてほしい。 音楽教育のピアノが耐用年数を大幅に過ぎて、修理しても使えない。 冷水機が4台しかなく、そのうち3台が壊れている、とりあえずPTA会費で対応したが、何とかして、台数も増やしてほしい。 生徒が使用している机や椅子が劣化して、触ると手にとげが刺さってけがをしたり、制服が破れたりしている。 学校の光熱水費が不足して、せっかく整備された冷暖房等の空調設備も使用制限せざるを得ない。 教材費や総合費などの教育予算が少なく、日々の教育活動に大きな影響が出ているなど、どれも切実で、どうして放置されているのか理解できません。多くの学校で、PTAや学友会が保護者から寄附を集め、対応されていると聞きます。その負担は少なくありません。 県立学校の設置者である奈良県は、何よりも子どもたちの安全を守り、安心して学べる環境をつくらなくてはなりません。 そこで、教育長に伺います。 県立高等学校の老朽化が進む中、各学校の特色を本当に生かせる条件を整備して、どの子どもにも行き届いた教育を保障するために、一刻も早く施設の改善を進めていただきたいが、いかがでしょうか。 次に、教員の増員について伺います。 多くの学校で教員が足りなく、担任が決まらないという事態が起こっています。教員の長時間過密労働が、病休や休職、早期退職などを引き起こし、悪循環となっています。 パネルをご覧ください。 教師の勤務時間は、2022年文部科学省調査によると、週当たり小学校で59時間19分、休憩は1日23分、中学校で63時間59分、休憩23分となっています。 日本共産党国会議員事務所が行ったアンケートに回答された30代の方の声です。小学校2年22人の担任、支援を要する児童が複数いて、立ち歩きや脱走など、毎日トラブルがある。休み時間は、話合いや子どもを探すことで追われ、空き時間の先生が助けてくれているが、みんな忙しいのに申し訳ない。我が子の保育園のお迎えのため、6時には退勤しないといけないので、児童が下校して2時間が勝負だが、保護者への連絡、不登校児との面談、時間は1分も無駄にできないと、必死に過ごして毎日走ってバスに乗る。 このような多忙の原因は、1人当たり1日の授業時間が多すぎることだと指摘されています。60年前、文部科学省は、1日8時間労働に抑えるため、小学校教員の授業は1日4コマと決めて、授業で4時間、それ以外の業務(授業の準備や採点、生徒指導、会議など)に4時間使って、1日8時間という設計でした。 これが1990年代には、授業数に比べて教員定数が縮小してしまいました。小学校教員の37%は1日5コマ~6コマの授業に増やされてきた。これでは、余裕時間は25分しかとれない状況です。教員の仕事は授業だけではなく、給食や掃除の指導、学級運営、会議や保護者の対応など、多岐にわたります。 教師の多忙は子どもたちに影響します。余裕を持って子どもたちと接し、じっくり話を聞く、寄り添って成長を支えていくことを多くの教師が望んでいます。 教員の多忙を解消して豊かな教育を保障するために、日本共産党は、教員の授業時間を減らすことを提案しております。 このことは、多くの関係者も指摘しています。全国小学校校長会は、1人当たりの授業の持ちコマ数を軽減するために増員をと要望され、全日本中学校校長会も、同様の要望をされています。 県では、教員の負担を減らすために、カウンセラーの増員や、学習や業務の支援員を配置する予算を提案されました。学校に人が増え、業務が軽減されることはよいことです。 しかし、それだけでは根本的な解決になりません。県教育委員会が実施したアンケートでも、教員不足を解決するために何が必要かという問いに、教員の増員が89.3%と最も多くなっております。 そこで、教育長に伺います。 学校での授業時間の点検、標準以上の授業時間を見直すなど、是正できることがないのか、検討していただきたいがいかがでしょうか。また、文部科学省へ定数増を要求するとともに、県独自に教員の加配などの増員をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。 以上で壇上での質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) (登壇)それでは、山村議員の一般質問にお答えさせていただきます。 まず、1点目の温暖化対策についてでございます。 伊藤議員の代表質問でも答弁させていただきましたとおり、水素はエネルギーとして、①様々な資源からつくることができ、②エネルギーとして利用してもCO2を排出せず、③太陽光発電等の出力調整できない電力の余剰電力をためることができる、という特性がございます。 このような優位性があるものの、水素の需要が少ない現状ではございます。これは、ユーザー、水素供給事業者、FCV等のメーカーが、それぞれ十分な需要あるいは供給体制を見込めず、導入・投資計画を立てづらく、コストが下がりにくいという状況になっているためでございます。 それを解消するため、政府は、既存の化石燃料と水素の価格差を補う、値差支援に5年間で4,600億円、15年間で3兆円を投じることとしており、今後、確実に水素の流通量が増大するものと考えております。 また、伊藤議員の代表質問でも答弁させていただきましたとおり、世界各国及び日本は、将来間違いなく水素社会が到来することを見据え、大胆な水素戦略を打ち出しております。 日本政府は、今後15年間で官民で15兆円を超える水素関連の投資を行うとしており、今後、大きな市場の形成が見込まれます。 県では、令和6年度にカーボンニュートラルの実現に向けた諸施策を一体的、効果的に推進してまいる方策を検討したいと考えております。その戦略を検討するにあたっては、奈良県・市町村長サミットの場を活用するなど、市町村の意見も聞きながら、水素利活用に関する様々な技術や豊富な経験を有する民間企業等の協力もいただき、検討を進め、実効性のある計画にしたいと考えております。 本県の脱炭素・水素社会実現に向けた取組については、1月24日の発表以降、全国の名だたる大企業十数社から問合せをいただいておりまして、その反響の大きさから、今、水素の利活用に関する先進的な取組をスタートさせることは、県内企業の競争力の強化につながるものと確信しております。本県の持続的な発展のため、水素社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。 なお、質問の中にありました、断熱や省エネに対する補助制度は、本県でも実施しておりますので、付言させていただきます。 温暖化対策の2点目でございますが、五條市に太陽光発電施設を設置することは、SDGsの考えにも反するのではないかとのお尋ねでございます。 山村議員お述べの、持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの目標の7番に、「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」が掲げられ、その達成目標といたしまして、2030年までにエネルギーを作る方法のうち、再生可能エネルギーを使う方法の割合を大きく増やすということが示されております。 奈良県におきましても、現行の奈良県エネルギービジョンで再生可能エネルギーの導入拡大を掲げ、再生可能エネルギーによる電力自給率(2020年度で26.0%)、これを2024年度までに30%にすることを基本目標としており、SDGsの目標7番に沿っているものと考えております。 この基本目標の達成に向けた本県での再生可能エネルギーの導入に関しましては、地勢的要件と送電線への接続の制約により、風力や水力の発電には限界があることから、太陽光発電を軸に進めていく必要があると考えております。 太陽光発電の導入にあたりましては、県におきまして、昨年、環境影響評価条例を改正し、太陽光発電事業を対象に追加いたしました。 SDGsにおいては、目標の15番に、「陸の豊かさも守ろう」が掲げられ、その達成目標に、森林の持続化可能な形の管理が示されております。この点、五條市の県有地は既に森林が伐採されゴルフ場となっているものでございますが、残されている森林については伐採しないので、森林の持続可能な形の管理というSDGsの目標15番に沿っているものと考えております。 また、環境アセスメントにより、土地の安定性や動植物、生態系をはじめとした環境に配慮したよりよい事業計画としていきますので、SDGsの目標15の達成目標でございます、生物多様性や生態系を守ることにも即したものになると考えております。 引き続きまして、大きな2番目のご質問でございます、大阪・関西万博についてお答えをさせていただきます。 大阪・関西万博は、多くの県民の方々や県内事業者等が、世界各国で発生している課題の解決に向けた取組や最新技術に触れることができる機会でございます。 また、大阪・関西万博には国内外から多くの方々の来場が想定され、その経済効果は2兆7,000億円を超えると試算されていることから、本県の産業・観光等のさらなる発展・飛躍につながるチャンスと考えておりまして、本県としても積極的に各般の取組を推進してまいります。 山村議員からご指摘のございました、大阪・関西万博開催が能登半島地震の復旧・復興支援に与える影響についてでございますが、万博関連の資材調達などにより復興に具体的な支障が生じないとの認識を国は示しております。 また、日本建設業連合会の宮本会長も、2月22日の記者会見におきまして、大阪・関西万博の工事と能登半島地震の復興の工事時期は重複しないため、両方とも実施できるとの見解を示しておりまして、予定どおり万博開催準備が進められていると認識しております。 また、現在整備が進められている会場施設等につきまして、閉会後にそのまま廃棄されるのではなく、リユースも検討されております。例えば、木製の大屋根リングの閉会後の有効活用につきまして、民間事業者や公的団体等から幅広く提案が募集されており、検討が進められているところでございます。私からのお答えは以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 山中福祉医療部長。 ◎福祉医療部長(山中淳史) (登壇)43番山村議員から私に対しましては、災害時に災害弱者を守る避難所対策についてのご質問でございます。お答えいたします。 福祉避難所は、高齢者や障害者などの要配慮者のうち、専門的な支援や援護の必要性が高く、一般の避難所では生活が困難な避難者を受け入れるものでございます。設置主体であります市町村では、災害発生時に速やかに開設し、受入れできるよう、対象の人数や耐震性などの施設の安全性などを踏まえて避難所指定するなど、確保に取り組まれているところでございます。 県内の福祉避難所には、福祉センターや特別支援学校などの公的支援施設のほか、民間の特別養護老人ホームや、障害者支援施設などがございます。令和5年10月1日時点で、法に基づく指定福祉避難所が57施設、協定などによる福祉避難所が229施設、合計286施設が確保されておりまして、受入可能人数は約2万人でございます。 福祉避難所の確保にあたっては、各市町村におきまして、平時から要配慮者の個別避難計画の策定などを通じて、福祉避難所に避難が必要な人数を把握する必要がございます。 また、社会福祉施設などを福祉避難所として指定することに加えまして、一般避難所での福祉避難スペースの設置や、民間の宿泊施設の活用などによりまして、対象者の数に見合った施設数やスペースの確保に努めるとともに、介護人材の確保も併せて検討する必要がございます。 県では、市町村の福祉避難所の確保状況につきまして、実態調査を実施し、自己点検を促したり、市町村職員向けに福祉避難所の設置・運営に関する研修を開催し、各市町村の取組を支援してございます。 また、大規模災害により、各市町村が単独で福祉避難所を確保することが困難な場合には、県が広域的な避難者の受入調整などの役割を担うことから、令和元年に、奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合との間で、要配慮者への宿泊施設の提供について協定を締結したところでございます。 さらに、大規模災害時に介護人材が不足する場合には、県内での調整に加え、県外からの支援も円滑に受け入れられるよう、県が受援調整を行ってまいります。 今後も、災害への対応力を高めていくため、市町村と連携し、県民の皆様が安心して避難できる体制づくりに努めてまいります。私からの答弁は以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 森川医療・介護保険局長。 ◎医療・介護保険局長(森川東) (登壇)43番山村議員から、子ども医療費助成制度の窓口無料化について質問をいただきました。お答えします。 子ども医療費助成は、令和6年度予算案の柱である3つの責任のうち、奈良県の子ども、若者の未来への責任を果たすための施策として、その内容のさらなる充実を図ることとしています。 子ども医療費助成制度は市町村が実施主体であり、各市町村が地域の実情に即して制度設計されているため、県では、これまでから全市町村の合意に基づき実施される助成に対しては、その経費の2分の1を財政支援してきたところでございます。 最近では、令和5年8月から全市町村が助成の対象を中学生までから高校生世代までに拡大することを受け、令和5年度6月補正予算で、県の補助対象を高校生世代までに拡大いたしました。さらに、令和6年8月からは、子育て世帯の一層の負担軽減を図るため、窓口負担が低額で済む現物給付の対象年齢を未就学児までから高校生世代までに拡大することとし、今般の令和6年度予算案に所要額を計上したところでございます。 山村議員お尋ねの、子ども医療費助成における一部負担金については、県内の39市町村中24市町村は、一部負担金を廃止した場合、過剰受診等による医療費の増加が見込まれ、住民の保険料負担や市町村の財政負担への影響が懸念されることから、一部負担金を設定しておられます。 国においても、一部負担金の廃止が医療費の増加を招くとの実証研究結果に基づき、窓口負担は必要であるとの見解であり、県も、制度を将来にわたり持続可能で安定的なものとするため、現時点では一部負担金は必要と考えております。 一部負担金の存廃については、市町村において、メリット、デメリットを的確に把握、評価され、適切な判断をいただく必要があるものと考えており、市町村との意見交換は行ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(池田慎久) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)43番山村議員のご質問にお答えいたします。1点目は、県立高等学校における施設の充実についてでございます。 県立学校は、築後40年を経過した施設が半数以上ございまして、多くの施設において、老朽化対策が喫緊の課題であると認識いたしております。 これまでも、劣化や損傷等の老朽化の状況に応じて、大規模な改修や小規模な修繕を実施してまいりました。大規模な改修については、各種調査や各学校の要望を踏まえて、計画的に実施しており、また、小規模な修繕につきましては、1校当たり約250万円程度の予算を計上し、必要な修繕を実施してまいりました。 県立学校の施設整備につきましては、耐震化への対応の遅れもあり、令和4年度に耐震化が完了いたしております。その後は、令和2年度に策定いたしました、奈良県立学校施設長寿命化整備計画に基づき、計画的に老朽化対策を進めているところでございます。 来年度からは、すべての県立高等学校のトイレを洋式化・乾式化する、県立高校トイレピッカピカ5か年計画や、熱中症対策のための体育館への空調設置など、これまでも課題として認識いたしておりました学校施設の性能や機能の向上整備についても、計画的に取り組む予定でございます。 今後も、施設の老朽化対策のための修繕はもとより、機能向上のための整備も実施し、学校施設の環境改善に計画的に取り組んでいきたいと考えております。 2点目は、標準以上の授業時間の見直しや教員の増員についてでございます。 文部科学省が、令和4年度に全国公立小・中学校それぞれ1,200校を抽出し実施した、教育課程の編成・実施状況調査の結果によりますと、標準授業時数を大きく上回っている学校が一定数存在する状況が明らかになっております。県教育委員会では、各市町村教育委員会に対して、所管する学校において、教育の成果はこれに要する時間数だけで決まるものではなく、教員の指導体制に見合った教育課程が編成される必要がある旨を通知いたしました。 また、令和9年度に改定される見通しの次期学習指導要領では、小・中学校の授業時間を5分短縮し、短縮分を基礎学力の定着や探求活動など、各学校の実情に応じて運用できるよう検討を進めております。 次に、公立小・中学校及び義務教育学校の教職員の数につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数に関する法律、いわゆる義務標準法と呼んでおりますけれども、この義務標準法によって定められており、県教育委員会では、義務標準法に基づいて教職員の配置を行っております。 特に、令和3年度の義務標準法改正によりまして、小学校の学級編制基準を従来の40人から35人へ5年かけて引き下げることとされ、本県では国の加配定数を活用し、1年前倒しで、来年度に小学校の35人学級が完成いたします。 義務標準法のさらなる改正や、様々な課題に対する加配定数の改善につきましては、全国都道府県教育長協議会を通じて、毎年、国に対して要望いたしております。 文部科学省が推進する「チーム学校」は、教職員の役割分担の転換を図り、教員が本来の職務に専念するための新たな学校組織の構築を目指すものでございます。本県では、来年度、スクールカウンセラーなどの専門スタッフや、教員業務支援員、また、学習支援員の配置を大幅に増やすことといたしており、これにより、チーム学校の充実を図る所存でございます。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) 再質問をさせていただきたいと思います。 最初に、温暖化対策の水素社会についてでありますが、これは意見を述べます。 知事の答弁でも、現在のところ需要がなく、また、メーカーも、コストが高いという状況になっているということで、実用化は進んでいない状況であります。今後、開発が進むとしても、今現在の温暖化のスピードに対して、実用化は間に合わないと思われます。 2030年までにどれだけCO2を減らすことができるかということが、世界で問われている。今ある技術を使って、できる限りCO2削減に取り組むということが、私たち世代が未来への責任として果たすべきことだと思っています。 知事もおっしゃっていましたが、この水素の事業に関して、大企業から引き合いがかなりあるということで、結局、大企業奉仕ということで、県内の事業者に資するものではないと考えますので、この計画は、やはり推進すべきではないと思います。これは意見です。 次にメガソーラーについて、知事は、木を切らないということで、環境に影響がないとおっしゃったと思うのですけれども、ゴルフ場の、今、芝生になっている部分に、太陽光パネルを張りましたら、流れる水量が必ず増え、下流の河川に影響を与えることにつながると思いますが、この点はどのように考えていらっしゃるのか、伺います。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 山村議員がご指摘しておられます、もともとゴルフコースであったところに太陽光パネルを設置すると、流出する雨量が1.5倍になる、という文献や情報は承知しておりません。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) これは、奈良県が林地開発許可制度の手引というものをつくっているのですけれども、その中で、地表の状況によって、雨水の流出係数、これが許可時基準として決まっているわけですけれども、知事のこの計画書を見ましたら、2万5,000キロワットの発電と想定されているとなっているのですが、パネル面積で言いますと、約37.5ヘクタール必要ということになります。そうなりますと、そこに流れる雨量の流出は、ゴルフ場である草地に比べまして、これは専門家に、私、直接聞きましたけれども、2.2倍になるということであります。ということは、下流河川には、今の周りの河川の状況を見ますと、大きな負担になるのではないかと思われますが、そういうことについてお考えになっていらっしゃるのかどうかということをお聞きしたいと思います。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 1.5倍とおっしゃられるのは、木も草も生えていない、普通の土にパネルを張った場合のことをおっしゃっておられるのかもしれませんが、ここは草地でございますので、そのご指摘は当たらないと考えております。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) 知事は、承知していないとおっしゃっていながら、当たらないとどうして決められるのですか。きちんとした許可基準の制度を見ましたら、草地、つまり、普通の何も生えていない部分ではなくて、いろいろ区分けがあって、現在、ゴルフ場になっている、そういう芝生の部分についてパネルを張ったらどうなるか、その部分の流水量とパネルを張ったときの流水量の比較をするという、科学的根拠に基づいてやっている話であります。 私が伺いたいのは、今、アセスメントもありますとおっしゃっていましたけれども、今はまだ何もやっておられませんよね。これからの話だと思うのですが、そういう意味でいうと、水が流れてくるという問題1つとっても、下流の住民に対してどのような影響があるか、まだ分からない状況です。安全が担保されている状況ではないと思われるのですが、そういう状況でも、これは進めていくということなのか、一旦立ち止まって、いろいろな調査を行って検討されるということなのか、その辺をお聞きしたいと思います。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 安全が担保されていないというのは、山村議員のご意見と思っておりまして、そうした状況になっているのかどうかは、環境アセスメントの中できちんと検証していきたいと考えております。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) それでは、環境アセスメントを行った結果、この事業がストップする、あるいは、考え直すという選択肢もあるのかどうか、伺いたいと思います。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) もし仮に、おっしゃるように、流れ出す雨量が1.5倍になるということであれば、それに対応した対策を講じれば、十分問題はないと考えております。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) もちろん対策を講じないといけないと思いますけれども、しかし、その対策を講じるために無理があったり、あるいは費用対効果上問題があったりということだって想定されるわけですから、あらかじめ、今の段階で、この環境アセスメントを行っても進めていくということにはならないのではないかと思います。 次に、住民説明会をされたということで、それは、この前の伊藤議員の質問のときにお答えになっていらっしゃいましたけれども、それは1回だけということなのでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 私が地元説明会を開催する前に、県の幹部職員が地元の自治連合会の会長ほか、あとは山林自治会の代表の方などに会ってご説明はさせていただいております。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) それでは、進め方としては、住民の合意を十分得て進めていくというお考えなのでしょうか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 今後とも引き続き、住民の皆さんのご理解を得るように努めますけれども、住民の理解という概念自体が、私は非常に曖昧なものだと思っておりまして、この前、奈良新聞のアンケートをご紹介させていただきましたが、五條市民に対するアンケートでも、五條市に大規模防災拠点を整備すべきだというご意見の方が54.79%しかないわけでございます。 あそこに200人あまりの人が来られていたと認識していますが、あそこに来られていない地元の皆さんがどういうふうに考えておられるかというのは、それはまた分からないわけでありまして、地元住民との合意という概念自体が非常に曖昧だと思っておりまして、そうした住民の理解を得るべく努力はいたしますけれども、反対されている方がいるからといって、公共事業を進めないということではございません。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) 反対される人がいたとしても進める公共事業というのは、やはり条件があると思うのです。何でもかんでも進めたらいいということではないと私は思います。 そもそも私は、2,000メートル級滑走路は必要ないと反対してきた立場ですから、知事がそれを見直されたということについては賛同しております。ですが、その場所に新たに計画されるのが、住民の合意なしにメガソーラーを設置されるということであるとしたら、これは、到底、賛同できないことであります。そこに住んでいる人たちが将来にわたって安全に暮らし続けていける、ここで生涯安心して幸福に暮らしたいということを保障するのがSDGsだと思うのですけれども、それと違うやり方で、県の公共事業だからということで押しつけるというのは、話が違うと思います。 合意というのは、どういう形でやられるかというのは難しい面があるということもよく分かりますけれども、しかし、そこに住んでおられる方が反対しておられるということを押し切ってまでやるべきことではないということを申し上げておきたいと思います。 時間がないので、次の、大阪・関西万博に進みます。大阪・関西万博について、知事は、建設業界の会長の声も取り上げられて、能登の災害復興には影響ないのだというふうにおっしゃいました。しかし、本当にそうなのでしょうか。 実際に、私がお聞きした関西の建設業者の方は、この関西では建設資材が手に入らないということで困っているとおっしゃっておられました。今、被災地では、仮設住宅の建設が非常に遅れているということが問題になっておりますけれども、さらにはライフラインなど、いろいろな問題で、相当な多額の予算がこれから必要になるのはもう目に見えております。 そういうことを優先してほしいというふうに思っている人がいらっしゃることに対して、大阪・関西万博でにぎわいをつくるということ、これは全く相反する考えだと私は思います。 私、街頭でいろいろな方と対話をしまして、シールアンケートを実施させていただいたのですが、震災以後、アンケートで約66%の方が、この大阪・関西万博は中止すべきだというふうに言われておりました。こういうご意見について、知事はどのように思われますか。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) 大阪・関西万博に対して、いろいろな意見があるのは承知しておりますけれども、私自身は、非常に意義のある機会だと思っておりますし、経済効果も大きい。 その一方で、先ほども申し上げましたが、能登半島の地震の復旧・復興に悪影響を与えるというようなこともないものと考えておりますので、私自身、その中止を働きかけるといった考えはございません。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) 知事のお考えは分かりました。 もう一つお聞きしたいのですけれども、昨年の12月に、東南海トラフ大地震、あるいは津波被害を想定した、万博会場での防災基本計画が発表されておりますが、その中に避難計画はありませんでした。学校で子どもたちを引率する、そういう立場にある先生から、安全面での不安を訴えられております。この不安に対してどのようにお答えになられますか。お聞きしたいと思います。 ○副議長(池田慎久) 山下知事。 ◎知事(山下真) それは奈良県政の所管事項とは異なりますので、お答えは控えさせていただきます。 ○副議長(池田慎久) 43番山村幸穂議員。 ◆43番(山村幸穂) 奈良県が、小中学校、高校生すべてを招待するということで、予算もつけられるということであります。万博会場に子どもたちを引率されるという可能性が出てくるということを不安に思っていらっしゃる先生がいるということであります。 奈良県も、万博会場を使ったイベントに参加されるとか、全く関係がないわけではなくて、県としても予算を投じているわけですから、災害対応について何ら避難計画がないということについて、全く私は関係ないと、そんなことは勝手にということなのでしょうか。少し疑問に思いました。 世論調査で、入場券を購入したいという人が10%しかいないという状況であるのですから。 ○副議長(池田慎久) 質問時間が超過しております。 ◆43番(山村幸穂) きっぱりと中止を求めていただきたいということを重ねて申し上げて、質問を終わります。   -------------------------------- ○副議長(池田慎久) 21番浦西敦史議員。 ◆21番(浦西敦史) 本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○副議長(池田慎久) お諮りします。 21番浦西敦史議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○副議長(池田慎久) それでは、さように決し、明、3月6日の日程は、当局に対する一般質問とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後4時34分散会...