議案第 9 号 平成24年度宝塚市
特別会計山本財産区予算
議案第10号 平成24年度宝塚市
特別会計中筋財産区予算
議案第11号 平成24年度宝塚市
特別会計中山寺財産区予算
議案第12号 平成24年度宝塚市
特別会計米谷財産区予算
議案第13号 平成24年度宝塚市
特別会計川面財産区予算
議案第14号 平成24年度宝塚市
特別会計小浜財産区予算
議案第15号 平成24年度宝塚市
特別会計鹿塩財産区予算
議案第16号 平成24年度宝塚市
特別会計鹿塩・
東蔵人財産区予算
議案第17号 平成24年度宝塚市
水道事業会計予算
議案第18号 平成24年度宝塚市
下水道事業会計予算
議案第19号 平成24年度宝塚市
病院事業会計予算
……………………………………………
○
江原和明 議長
中川市長より平成24年度施政方針についての説明を求めます。
中川市長。
◎
中川智子 市長 平成24年第1回
宝塚市議会の開会に当たりまして、
議員各位の御健勝をお喜び申し上げますとともに、日ごろの御政務に対し、心から敬意を表します。
本日、新
年度予算案を初め、諸議案を提出しますとともに、新年度の
市政運営に向けての基本的な考え方と主要な施策の概要を申し上げます。
議員各位を初め、市民の皆様の御協力を賜りますようお願い申し上げます。
私が市長に就任して2年10カ月が過ぎ、2012年度は、はや4年目を迎えることになります。この間、市政を担う上で何より大切にしてきたのが市民の声です。就任以来、各地域で実施してきた車座集会を初め、さまざまな場面で御意見をお聞きする機会を得て、その
一言一言を大切に、
まちづくりに懸命に取り組んでまいりました。
また、二代にわたる市長の不祥事を乗り越えて、元気で清廉な宝塚市を取り戻すことを訴え、市長としての信任をいただいてから、宝塚市の再生に向けて全力を傾注してまいりました。公正な職務執行の確保に関する条例の制定や
入札制度改革への
取り組みなどにより、信頼される市政への道筋を示し、その方向へ着実に歩みを進めているところです。さらに、命を大切にする市政を念頭に、
市立病院の
医療体制の充実や、
子育て支援策として24時間
子ども電話相談や保育所の新設、
学校施設の耐震化や
学校図書館の充実など、健康・福祉や教育に関する諸施策に取り組んでまいりました。
このような
取り組みができましたのも、ひとえに市民の皆様と
議員各位の御理解、御協力のたまものと深く感謝いたします。
さて、昨年の3月11日、
東北地方に甚大な被害をもたらした
東日本大震災の発生から早くも1年を迎えようとしています。阪神・
淡路大震災を経験した私たちは、地震発生後、いち早く被災地へ駆けつけました。被災された方が何を必要とされているかを考え、被災者に寄り添った
支援活動を続けてまいりました。被災地への支援は行政だけではなし得ません。
宝塚希望応援隊には多くの
市民ボランティアが参加し、
支援活動に汗を流されました。
昨年の我が国の世相をあらわす漢字は「絆」。苦しむ人々の力になりたいと、多くの人が支援の手を差し伸べる姿が、人々の胸に強く印象づけられたのです。私は、この絆をより一層深め、今後とも被災地が必要とする支援を続けてまいります。
被災地では復興への歩みが始まったとはいえ、住居の高台への移転や、海水に浸された農地の回復など、その再建への道のりには長い年月が必要とされます。また、今回の震災に伴う福島第一
原子力発電所の事故では、放射能の拡散という極めて深刻な事態を招き、多くの人々が
ふるさとを離れ、中には家族と離れ離れの生活を余儀なくされている方もおられます。
早期に放射能の除染が行われ、被災者の方々が一日でも早く
ふるさとに帰られる日が訪れることを願わずにはおられません。
この事故を契機に、私たちも
原子力発電に依存しないためのエネルギーのあり方を追求していかねばならないと痛感しております。
長引くデフレ、歴史的な円高、震災、そして
ねじれ国会など、我が国を取り巻く
社会環境は依然混沌としています。これからの日本を背負う若い世代の雇用不安も払拭できておりません。
政府与党においては、先月、
社会保障の安定的な財源確保と
財政健全化を目指すとして、消費税の段階的な
引き上げ案を決定いたしました。
少子高齢社会における
社会保障関連経費の財源対策は避けて通れない課題と言えますが、消費税の増税は、低所得者への負担がふえる逆進性の問題や、景気回復への影響など、多くの課題を抱えています。この
社会保障と税の
一体改革案は、
子育て支援や医療、介護、年金制度など、地方自治体の行財政や
市民生活に大きな影響を及ぼすものであり、この行方をしっかりと見据え、地方の声を届ける必要があると考えています。
それでは、新年度の
市政運営に臨む基本的な考え方について申し述べます。
引き続き「命を大切にする、支え合いのまちに」を目指して。
事故や災害から市民の生命や暮らしを守り、平和で幸福な社会を築くこと、これが私の市政に対する理念です。
近年、高齢化や
核家族化が進み、家族間の触れ合いや、
ふるさと、社会とのつながりが弱くなってきています。多発する児童や高齢者への虐待などは、だれにも相談できずに孤立した家族に起こりがちです。そのような家族を御近所が見守り、
地域社会全体で支える仕組みをつくることによって、このような悲劇は防ぐことができます。
昨年、外国人の
子どもたちの
居場所づくりとして、地域の人々の自主的な運営による「きずなの家」の開設を支援いたしました。老若男女が集える温かい地域の居場所として「きずなの家」をふやし、市民がつながっているという安心を実感できる、ともに「支え合う
まち宝塚」の実現に取り組んでまいります。
東日本大震災では、悲惨で無慈悲な状況を目の当たりにして、被災者の深い悲しみの前に、かける言葉すら見つからず胸が締めつけられる思いでした。しかし、この厳しい現実の中においても、力強い復興への歩みは一歩ずつ進みつつあります。一方で私たちは支援を通じて、被災地だけではなく、それを後方で支援する自治体とも温かいきずな、えにしというものを共有することができました。私はこれらの自治体との御縁を大切にし、いざというときに助け合える関係を築くことが、きずなで結ばれた
友好都市のあり方であると考えます。この都市間のきずなをさらに拡大し、文化や観光、スポーツなど、あらゆる分野での人々の交流を豊かにつくっていく「
きずなネットワーク」をスタートさせてまいります。
行財政運営の方針。
本市は、阪神・
淡路大震災からの復興による膨大な
財政需要に対処するため、1996年度から継続して
行財政改革に取り組んでまいりました。しかしながら、長引く
景気低迷や個人所得の減少に伴い、市税は減収傾向が顕著になっています。一方、
高齢者人口や
生活保護世帯の増加などにより、
市民生活の
セーフティネットとなる
社会保障関係経費は急激に増加しています。また、
市民活動の基盤となる
公共施設についても、更新時期の到来や耐震化の必要に応じて、順次
整備保全を進めていく必要があります。このため、今後の
財政運営は引き続き厳しい状況が続くと認識しています。
こうした状況にあって、昨年4月にスタートした第5次
総合計画を推進し、未来に夢と希望が持てる宝塚市にしていくことが私の使命です。また、今後の
行財政運営の羅針盤として、宝塚市
行財政運営に関する指針を策定いたしました。この指針を
行財政改革の
基本方針として、その基本的な
取り組み項目を定めた宝塚市
行財政運営アクションプランを着実に実行してまいります。
一方、
行政施策として実施された
各種事業がしっかり機能しているかを検証するには、その成果を適切に評価する仕組みが必要です。新年度からはこの
行政評価をさらに機能強化し、効果的な運用を図るとともに、
知識経験者や市民から構成される
行政評価委員会を新たに設置して
外部評価を実施し、予算等に反映する仕組みを構築してまいります。
私は、
行財政改革に引き続き取り組む決意を示すため、
特別職報酬等審議会からの減額答申を本年4月から実施するとともに、
自主カットにつきましても副市長などの特別職ともども継続してまいります。あわせて、職員の人件費についても聖域とみなさず、
社会経済状況に照らして適切に取り組んでまいります。
本市には、私の
市長就任前に決定され、それが今日の
財政運営に少なからぬ影響を及ぼしている諸課題があります。とりわけ、2008年度から貸し出しを開始した
宝塚すみれ墓苑は、長引く
景気低迷などにより墓地需要が落ち込み、
経営主体である宝塚市
都市整備公社が極めて厳しい
経営状況に陥ることが懸念されることから、適切な対策を検討いたします。
協働の
まちづくりの推進。
第5次
総合計画の大きな柱は、「新しい公共」の領域を拡充した市民と行政との「協働の
まちづくり」です。成熟した都市では、人々の価値観や
社会的ニーズはより一層多様化し、複雑化しています。しかしながら、人口減少が進み、社会全体が縮小していく過程では、行政が担う領域をこれまでのように拡大していくことは望めません。
幸いにも、本市では早くから自治会や
まちづくり協議会、NPO、事業所などが、さまざまな
市民活動や地域での
課題解決に取り組まれています。また、本市は人材の宝庫であり、
社会貢献意欲の高い方が大勢いらっしゃいます。このような方々が、地域での子育てや防災、防犯、
環境美化などの活動に参加していただくことにより、行政では行き届かないきめ細かい
市民サービスが実現できます。
新年度では、この「協働の
まちづくり」を推進していくための
基本原則や形態などを定めた「協働の指針」を市民に参画いただき策定いたします。この指針では、それぞれの主体の特性がうまく発揮できるよう仕組みを整理し、行政との相互信頼に支えられた
まちづくりを目指します。
また、市民と協働するためには、職員一人一人が意識を変えていく覚悟が必要です。
コミュニケーション能力や説明責任を果たす力量を培うとともに、
市民活動を有機的に結びつけるコーディネーターとしての役割を果たすことにより、協働の
まちづくりを推進してまいります。
それでは、第5次
総合計画前期基本計画の6つの
基本目標に沿って、新年度の主要な施策について申し上げます。
「これからの
都市経営」
地方分権社会にふさわしい
市民自治が確立された宝塚市を目指すために、市民一人一人が
まちづくりの主役を担う「協働の
まちづくり」を推進いたします。
市民団体の自主的、自発的な
公益的活動に対し、事業費の一部を補助する協働の
まちづくり公募補助金を、
きずなづくり推進事業補助金として充実し、
市民主体の
公益的活動を一層支援いたします。さらに、地域の
居場所づくりである「きずなの家事業」を拡充することにより、地域の結びつきを支援いたします。
市民との「参画と協働」による
まちづくりを進めるためには、
情報共有による相互理解が欠かせません。行政が持つ情報を「いつでも、どこでも、だれでも」受け取れるよう、広報誌やホームページなど
各種広報媒体を活用した
情報発信の充実を図ってまいります。
情報発信の中核である広報誌は、紙面をふやし、宝塚の魅力や地域の誇りが実感できる記事、さらには、
まちづくりの課題などを取り上げ、市民とともに考える機会を提供できる特集記事の充実を図ります。
庁舎や
各種施設など、市が保有するさまざまな
公共施設や道路、
上下水道などの
インフラ資産は、
市民共有の大切な財産です。これらの中には経年劣化が進み、その適切な保全が必要とされているものがある一方、施設の設置目的や効率性の観点から、
あり方そのものを検証する必要もあります。そのため、これらの
公共施設の総合的、
長期的視点に立った、本市にふさわしい
マネジメント手法の導入を検討してまいります。
組織につきましては、引き続き
定員管理や
事務処理の簡素化に厳しく取り組むとともに、研修会や講演会などにより職員の意欲を引き出し、少数精鋭で高能率の体制を目指してまいります。行政の「総合性」「継続性」「創造性」の観点から、すべての職員の能力を生かし、課題の解決と組織の活性化に
取り組みます。何より大事なことは、先例にとらわれることなく取り組む新しい挑戦を励まし、評価することであり、現場へ出かけ、市民との対話により
課題解決を図る職場風土をつくっていくと同時に、
コンプライアンス意識を醸成し、市民に信頼される市政の確立に努めてまいります。
「安全・
都市基盤」
市民の生命、財産を守るのは行政の責務です。
東日本大震災を初めとして、台風による豪雨など
自然災害が多発しています。また、近い将来に発生が危惧される南海・
東南海地震などの
自然災害のほか感染症の発生など、多様化、複雑化する危機に対しましても、迅速かつ的確な対応が求められます。このため新年度では、
危機管理室の組織を充実させ、体制を強固にするとともに、
危機管理指針の策定や
地域防災計画の見直しを行い、あらゆる災害、危機に対応できる磐石の
防災体制を築いてまいります。
防災対策では、消防や警察など関係機関とともに、市民の参画による防災、
災害支援活動が非常時での大きな力となります。このため、学校園や地域における
防災訓練や
防災講習会を拡充するとともに、
防災活動を牽引していただく
防災リーダーの養成を引き続き推し進めてまいります。
さらに、危険箇所や避難所など
防災情報をわかりやすく示すため、
ハザードマップと
防災マップを統合した新たな
防災マップを作成し、全戸に配布いたします。また、
学校体育館など災害時に避難所となる施設については、耐震化や
バリアフリー化などの
環境整備に
取り組みます。
阪神・
淡路大震災や
東日本大震災では、盛り土された造成地で
地滑り災害が発生いたしました。この経験を踏まえ、大
規模盛り土の実態把握を行う
調査事業を開始いたします。
昼夜を分かたず、市民の生命と財産を守る
消防体制につきましては、急増する
救急要請に対処するため、2013年度からの
救急隊増隊に向けて整備を進めます。さらに、
消防救急無線通信の高度化に対応するため、
通信指令業務の共同運用を行っている川西市及び猪名川町と連携し、
消防救急無線の
デジタル化を実施いたします。
次に、障がいのある人や高齢者など、すべての人に優しい安全な通行路を整備するため、局所的な整備に加えて、連続した歩行者動線を確保するため路線ごとの計画的な整備を進め、
バリアフリー化の拡大にも引き続き取り組んでまいります。
また、最近では歩行者を巻き込む自転車の事故が多発し、新たな社会問題となっています。現在、第9次宝塚市交通安全計画を策定中であり、自転車の安全利用を推進するため、自転車教室の開催や街頭啓発などを盛り込み、安全な運転の教育と啓発の強化を図ります。
新名神高速道路に接続する(仮称)宝塚北スマートインターチェンジにつきましては、計画を前倒しして連結許可の手続を進めます。また、本線とあわせて設置される(仮称)宝塚サービスエリアにつきましては、本市の特産物の販売や観光資源のPRなどの産業振興、雇用の場の創出や地域の方も利用可能な利便施設として活用できるよう、関係者の方々とともに知恵を出し合い、協議を進めてまいります。
浸水区域の解消については、引き続き荒神川の河床掘削及び護岸整備を行うとともに、浸水多発区域における雨水排水施設の整備を進めます。
ライフラインのかなめである
上下水道につきましては、水不足に陥らないよう水源の安定的確保に努める一方、基幹管路や配水池、加圧所などの耐震化、さらには経年化した下水道管の長寿命化、耐震化を計画的に進めます。さらに、災害時の復旧拠点である
上下水道局庁舎については、耐震上脆弱な構造のため、その建てかえについて検討を開始いたします。
また、節水に努めていただいた方の水道料金の軽減につながるよう、現行の水道基本料金体系の見直しを行い、節水意識の高揚を図ってまいります。
「健康・福祉」
だれもが住みなれたところで、安心して暮らし続けられるまちの実現に向けて、地域や関係機関とともに着実に歩んでまいります。
命、身体の源となる食につきましては、たからづか食育推進計画に基づき、農と食の講座や料理教室の開催、食についての相談や指導事業などを実施し、生涯健康で豊かな人生を送ることができる
取り組みを進めてまいります。
子育て支援策として、乳幼児健康診査では10カ月児健康診査を新たに加えて実施し、疾病等の早期発見に努めるほか、育児相談などを充実いたします。また、乳幼児等の医療費助成につきましては、外来一部負担金の無料化の対象を本年7月から小学校3年生までに拡充いたします。
市民の健康と命を守る
市立病院では、昨年は、大学病院との連携などによる医師の増員によって診療体制を充実するとともに、市民からの要望が強い救急医療の強化を図りました。また、先月には、経営統括部に経理の専門家や病院経営に詳しい人材を採用するなど、経営改善に向けた体制を一層整えてまいりました。
今後、地域の医療機関との連携を強化し、滞りなく良質な医療を提供することを目指して、かかりつけ医制度の推進や開放病床の設置、登録医制度の開始を軸とした地域医療支援病院の承認に向けて
取り組みます。同時に、宝塚
市立病院改革プランを着実に実行し、信頼される地域の中核病院としてその役割を果たしてまいります。
長寿社会にあって、健やかな生活を送るためには何よりも予防対策が肝心です。がん等検診では、特定の年齢の対象者へ、個別通知により肝炎ウイルス検診の受診勧奨を実施いたします。また、70歳以上で腎臓などの機能に障がいのある方には、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種費用の一部助成を開始し、肺炎の予防や重症化のリスクの軽減を図ります。
後期高齢者健康診査では、腎機能検査と糖尿病などの検査項目を追加し、生活習慣病の早期発見や重症化の予防に努めてまいります。
国民健康保険では、特定健康診査における心電図検査の対象基準を広げることにより、これまで以上に市民の健康保持及び増進を図ります。
すべての市民が住みなれた家庭や地域で安心して暮らし続けていくためには、行政機関のみならず
市民活動団体や福祉事業関係者などが協力して、住みやすい福祉コミュニティをつくり上げていく
取り組みが必要です。新年度からスタートする第2期宝塚市地域福祉計画に基づき、地域福祉の推進により一層努めていきます。
さて、ことしは身体障害者補助犬法の施行から10年目の節目に当たります。本市は、この法律制定の契機となった「介助犬・シンシアのまち」であり、その法の精神である「すべての人にやさしいまち」を目指しています。この思いが市民を初め多くの人々に浸透することを願って、啓発活動を強化し、補助犬シンポジウムや記念行事も開催いたします。さらに、シンシアを「支え合いの
まち宝塚」のシンボルとして親しみ、広く認知していただくために、阪急宝塚駅南側の駅前交通広場をシンシア広場として、モニュメントや銘板を設置いたします。
次に、昨年から開始いたしました、日常のごみ出しが困難な単身の障がいのある方や、高齢者を対象に戸別収集を行う「きずな収集」につきましては、新たに粗大ごみも対象にするなど、収集サービスを充実いたします。
また、高齢者や障がいのある方の権利擁護の相談や支援を行うため、新たに(仮称)宝塚市権利擁護支援センターを設置いたします。同センターでは、本年10月に施行される障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に基づき、虐待を受けた障がいのある方の支援のため、相談、指導、助言などを行います。また、障がいのある方からの受診希望が多い歯科診療を拡充するほか、医療的ケアを要する重度の障がいのある方の介護を担う御家族を支援するため、医療型短期入所制度を創設し、医療機関に入所した場合の費用を助成いたします。
「教育・子ども・人権」
子どもたちの心身ともに健やかな成長は、すべての市民の望みです。
子どもたちが夢や希望を持って、伸び伸びと楽しく学べ、信頼される教育の現場づくりに向けて精いっぱい努めてまいります。そのための学校園づくりには、まず教師が志と情熱を持って
子どもたちに向き合うことが大切です。多岐にわたる課題の解決に向け、組織一丸となって取り組んでまいります。
学校現場では、子どもに寄り添った学びの場を創出するため、幼稚園や保育所から中学校までの育ちを視野に入れ、
子どもたちの発達に応じた理解と適切な指導を行う幼・保・小・中連携による教育を推進してまいります。
子どもたちには、社会の一員として、自立した人間に育ってほしいと思います。このため、全国学力・学習状況調査などの結果を生かした学力向上への
取り組みや、スクールサポーターによる学習支援を行い、意欲を持って学び、基礎、基本の学力の定着を図るための
取り組みを進めてまいります。
さまざまな課題を抱える
子どもたちへは、スクールソーシャルワーカーや日本語の不自由な幼児、児童・生徒サポーターの配置の充実、さらに不登校やひきこもり対策として適応指導教室の充実やグループカウンセリング体制の確立など一層きめ細やかな支援を行い、信頼される学校園づくりを目指します。
加えて、就学援助につきましては、新入学生の支給時期を4月に早めるほか、対象者を国立、県立の小・中学校、児童・生徒にも拡大し、すべての子どもが安心して学べる環境づくりを行ってまいります。
保護者のニーズが高かった幼稚園での預かり保育は、阪神間に先駆けて全園において開始し、保護者の就労や子育てしやすい環境づくりを支援します。
また、食育は、次代を担う
子どもたちにとって大切な役割を持っています。本市では、つくり手の顔が見える学校給食として、地元産の食材も使った安全でおいしい給食づくりに工夫を凝らしています。安全で安心な食材による給食を提供するため、本年4月から小・中学校や保育所で、県下で初めて給食専用に購入した高性能な測定器により、放射能検査を実施いたします。
昨年までに19校で導入した米飯自校炊飯は、新年度は新たに5校で実施するとともに、季節感のある献立や伝統食、行事食を取り入れるなど、「生きた教材」としての学校給食の充実に取り組んでまいります。
教育環境の整備につきましては、引き続き
学校施設の耐震化工事を進め、あわせて老朽化した施設の改修工事を計画的に実施いたします。また、山手台地区の児童増加に対応して、2013年4月の供用を目指して山手台小学校を増築いたします。長尾幼稚園の建てかえにつきましては、2013年度中の移転を目指して着工し、跡地を長尾小学校敷地とすることで、長尾小学校の過密解消も図ってまいります。また、昨年2園で実施し、素足で伸び伸び遊べると好評の幼稚園園庭の芝生化につきましては、新年度は新たに宝塚幼稚園及び西谷幼稚園の2園で実施いたします。
学びの喜びは、生涯の友です。市民がいつでも、自由に学習の機会を選択して学ぶことができる生涯学習社会の実現を目指して、学習
情報発信の充実や自主的な学習活動の支援を行うとともに、日ごろ公民館を利用する機会の少ない方にも参加しやすい「出かける公民館事業」を展開するなど、事業の拡充に努めます。
また、図書館では、従来の来館困難者への無料郵送サービスに加えて、育児や介護により来館できない方へも同サービスを拡充し、一層利用しやすい魅力ある図書館づくりを推進いたします。
長尾山古墳を初めとする市内の文化財につきましては、市民の宝として未来に引き継ぐため、確実な保全を行うとともに、市内外の多くの方々に親しんでいただくため、画像配信を始めます。
また、昨年開催されたキンボールスポーツチャリティーカップ・宝塚2011全国大会に引き続き、今後もさまざまなスポーツイベントの開催や支援を行うとともに、グラウンドも含めたスポーツ施設の整備を進め、市民の豊かなスポーツライフを応援してまいります。
次に、子ども施策についてですが、子どもの社会参加への
取り組みとして、未来を担う
子どもたちが提言を行う(仮称)宝塚市子ども委員会を設置し、子どもの意見を
まちづくりに反映する仕組みを創設いたします。
子育てと仕事の両立を支援するためには、保育所の待機児童解消や地域児童育成会の充実が欠かせません。昨年に引き続き、本年4月には、小林地区に(仮称)宝塚さくらんぼ保育園を新たに開設し、同園では病後児保育にも
取り組みます。これにより、武庫川を挟むそれぞれのエリアにおいて病後児保育の体制が整います。加えて、待機児童の多い中筋、山本地区において新たに120人規模の保育所を誘致いたします。
地域児童育成会につきましては、現在18時30分までの延長保育時間を19時まで延長します。また、子どもとのかかわり方やしつけなどで悩んでいらっしゃる保護者に対して、ペアレントトレーニングを実施することで、親子関係の改善を図り、児童虐待の未然防止に
取り組みます。
さて、市民の明るく穏やかな暮らしを守るためには、私たちの住む社会が平和でなければ成り立ちません。平和を願う市民のつどいや平和映画会など、さまざまな平和を願う催しを引き続き実施するとともに、平和市長会議や日本非核宣言自治体協議会とも連携しながら、戦争や核兵器のない平和な社会の実現に向け、積極的に行動いたします。
また、人権施策は人間の尊厳にかかわる重要な施策です。すべての人々の人権が尊重され、保障される明るく住みよい
地域社会の実現を目指して、人権問題講演会などの啓発活動の実施や、人権文化センターにおける
取り組みは、より一層重要であると考えています。
また、男女共同参画社会の実現に向けて、引き続き各種講座や相談を実施するほか、社会問題になっているDV被害者保護の対策として、たからづかDV相談室を中心として、被害者の相談や保護、自立支援をより充実してまいります。
「環境」
今回の
原子力発電所の事故は、エネルギーそのもののあり方を考える契機になりました。地域での安全なエネルギー源の確保、エネルギーの地産地消などを目指し、市民や事業者との協働により地域の特性を生かした新エネルギーの導入や、その利活用を推進いたします。このため、環境部に新たに新エネルギー推進のための組織を設けます。
一方では、引き続き地球温暖化対策の
取り組みを進めるため、山手台小学校の増築校舎と建てかえを行う長尾幼稚園に太陽光発電パネルを設置するとともに、街路灯を水銀灯から順次消費電力の少ないLED灯に交換してまいります。また、ごみ焼却施設については、適切な維持管理を行うとともに、延命化のため3年計画で基幹設備の更新を実施いたします。
「青い山脈」のメロディのモデルとも言われる六甲山系やなだらかな山脈の長尾山系、まちの中央には、鳥たちが羽を休め、小魚をついばむ武庫川が流れています。自然に抱かれた
まち宝塚。このまちに住み続けたい理由に、「自然環境が豊かで景観が美しい」「住環境がよい」といった理由が大きな比重を占めています。豊かな自然環境と調和したゆとりと潤いのある本市が、多くの市民に愛されているゆえんと言えましょう。この美しい都市環境は、私たちのまちの魅力であり財産です。景観は自然の産物であると同時に、人間が創造する形象でもあります。都市の風格でもあるすぐれた景観を守り、次世代へと引き継ぐことは、私たちの責務です。
本市は、今月13日に景観法に基づく諸制度が活用できる景観行政団体になりました。新年度には都市景観条例を改正し、景観法の基本理念に基づいた、より実効性のある景観行政を進めてまいります。
昨年、武庫川河川敷に咲き誇った皇帝ダリアは、ボランティアの皆さんが精魂込めて育ててくださいました。これまでも花壇づくりには多くの市民の力をおかりしていますが、今後も、自治会等の団体と市とで協定を結び、継続性のある公園ボランティア制度によって、市民と一緒に個性あふれる公園づくりを進めてまいります。
また、昨年秋には、阪神北県民局と阪神北地域の4市1町が連携し、都市に近接した里山をさながらミュージアムに見立てた北摂里山博物館構想が始動いたしました。これは、里山の保全を通じて、環境学習や野外活動、観光ツーリズムなど、多様なライフスタイルに適応した北摂里山の魅力を高めるもので、西谷地域でもサギソウが咲き、ハッチョウトンボが飛ぶ丸山湿原など、里山を保全し、多様な生物を守り、育てる活動を皆さんとともに実践していきましょう。
「観光・文化・産業」です。
昨年は、宝のまち創造室を新設し、本市の歴史、文化などさまざまな分野での「宝」を掘り起こし、その魅力を発信することで、市民により一層宝塚を愛し、誇りに思っていただける
取り組みを進めてまいりました。本年も、引き続き「宝」の発掘と発信に努め、元気あふれる魅力いっぱいの
まちづくりを推進いたします。
このため、観光振興の基本となる「観光集客戦略」を、市民の御参加もいただきながら策定してまいります。また、市民の目線で宝塚の魅力を発掘、発信していくため、観光ボランティアガイドを養成する講習会やツアーを実施いたします。さらに、宝塚にしかない価値ある「モノ(物)・コト(事)・バ(場)」、すなわちものづくりやイベント、文化、街並みなどを宝塚ブランドとして選定し、広く発信していく
取り組みを実施するとともに、新しい観光ポスターや雑誌などの媒体を通して、本市の魅力を内外にアピールしてまいります。
また、引き続き観光花火大会や宝塚サマーフェスタ・市民総踊り、おいしい
まち宝塚、宝塚だんじりパレードなどを、関係団体や市民と一緒に楽しく実施し、活気とにぎわいを創出するとともに、人々の交流をもっと活発にいたします。
本年は、観光が縁で始まった松江市との姉妹都市提携が45周年を迎えます。45年間の友好交流を振り返り、今後もさまざまな分野での友好関係を紡ぐため、松江市や関係
市民団体と連携しながら、姉妹都市交流45周年記念事業を実施いたします。
芸術文化振興のあり方につきましては、昨年立ち上げた文化の薫る
まちづくり研究会の研究成果を大切にしながら、新たに宝塚市文化振興に関する条例検討委員会を設置し、本市の文化振興の理念や
基本方針を定める条例の策定に向けて取り組んでまいります。
宝塚には、約千年の歴史を誇る花卉植木産業や、西谷地域を中心とした豊かな農地があります。本年3月に策定する宝塚市農業振興計画に基づき、花卉植木産業の活性化を目指して、新たな品種の生産や改良に向けた研修会を実施いたします。また、農業の担い手不足を補い、市民の農業に対する理解を深めるため、
市民ボランティアが農作業の支援を行う農業サポート事業、農業技術や農業経営の講習会、集落営農に向けた研修会などを行います。
昨今の厳しい雇用環境が続く中、生活の基盤となる働く場の確保は、性別、年齢にかかわらず大きな課題となっています。兵庫労働局やハローワーク西宮と連携しながら、ワークサポート宝塚の体制を強化し、若者の就労に関する相談業務の拡充、就職困難者サポート事業として就職面接会の開催や相談の実施、女性のための就労支援事業としてセミナーの開催など、就労支援施策に力を入れてまいります。
雇用創出とまちの活性化には、市内産業の振興が欠かせません。製造業やコンテンツ産業について、事業拡張や新たな誘致を促進するため、設備投資や市民の雇用を支援する企業活動支援事業補助金を創設し、産業活動を応援していきます。
ここ数年、悪徳商法、多重債務問題など、市民の暮らしを脅かす不安は後を絶ちません。消費生活相談員の一層のレベルアップを図り、相談体制を充実するとともに、被害の未然防止を図り、市民の暮らしを守ってまいります。
以上のとおり、
市政運営に向けての私の基本的な考え方と、新年度予算における6つの
基本目標に沿った主な施策について申し上げました。
この結果、歳入歳出予算の規模は、一般会計670億2千万円、特別会計(15会計)429億4,463万7千円、水道事業会計61億3,085万1千円、病院事業会計130億3,289万6千円、下水道事業会計77億1,044万8千円、全19会計合計1,368億3,883万2千円となりました。
2012年度予算編成においては、収支均衡の
財政運営を目指し、国の地方財政対策を踏まえた財源措置を行う一方、市税を含む歳入の増収に努めました。しかし、経済情勢を反映して、市税は2009年度以降4年連続の減収となったほか、株式関連の交付金なども減収となりました。
本市の財政状況は、引き続き厳しい状況ですが、こうした状況の中で、子どものための手当を除く
社会保障関係経費を昨年度より増額し、子ども、高齢者、障がい者及び医療に係る施策に予算を配分したほか、防災、環境、新エネルギー、地域の活性化等にも配慮するなど、「命を大切にする、支え合いのまちに」を目指し、予算編成を行いました。
日本を代表する画家で、宝塚市大使も務めていただいた元永定正さんの口癖は、「一寸先は闇ではなく、光だ」でした。全く同感です。しかし、一寸先の光は、待っているだけではやってきません。光に向かって踏み出すことが必要です。元永さんの絵のように「あたたかく、いきいきとした、そして愛や夢あふれる」そのようなまちにするために、希望という光に向かって、一歩一歩進んでまいりたいと思います。
新年度におきましても、23万市民の幸せの実現に向けて、全力を傾けて各施策、事業を着実に推進してまいります。
議員各位におかれましては、慎重に御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○
江原和明 議長 施政方針についての説明は終わりました。
日程第2、議案第20号から議案第58号までの以上39件を一括して議題とします。
△───── 日程第2 ─────
……………………………………………
議案第20号 執行機関の附属機関設置に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第21号 宝塚市介護保険条例等の一部を改正する条例の制定について
議案第22号 宝塚市市税条例等の一部を改正する条例の制定について
議案第23号 宝塚市副市長定数条例の一部を改正する条例の制定について
議案第24号 宝塚市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第25号 宝塚市特別職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定について
議案第26号 宝塚市暴力団の排除の推進に関する条例の制定について
議案第27号 宝塚市事務分掌条例等の一部を改正する条例の制定について
議案第28号 宝塚市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第29号 宝塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定について
議案第30号 宝塚市立身体障害者支援センター条例の一部を改正する条例の制定について
議案第31号 宝塚市立療育センター条例の一部を改正する条例の制定について
議案第32号 宝塚市廃棄物の適正処理、減量及び再利用に関する条例の一部を改正する条例の制定について
議案第33号 宝塚市廃棄物減量等推進審議会条例の一部を改正する条例の制定について
議案第34号 宝塚市立公民館設置管理条例の一部を改正する条例の制定について
議案第35号 宝塚市立図書館条例の一部を改正する条例の制定について
議案第36号 宝塚市立西谷認定こども園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第37号 宝塚市都市公園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第38号 宝塚市道路占用料徴収条例の一部を改正する条例の制定について
議案第39号 宝塚市開発、都市計画等事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第40号 宝塚市建築事務及び住宅事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第41号 宝塚市都市景観条例の全部を改正する条例の制定について
議案第42号 宝塚市消防事務手数料条例の一部を改正する条例の制定について
議案第43号 布設工事監督者が監督業務を行う水道の布設工事並びに布設工事監督者及び水道技術管理者の資格を定める条例の制定について
議案第44号 宝塚市下水道条例の一部を改正する条例の制定について
議案第45号 公の施設の指定管理者の指定について
議案第46号 兵庫県市町村職員退職手当組合規約の変更に関する協議について
議案第47号 兵庫県後期高齢者医療広域連合規約の変更に関する協議について
議案第48号 市道路線の認定について
議案第49号 市道路線の認定について
議案第50号 市道路線の認定について
議案第51号 市道路線の認定について
議案第52号 市道路線の認定について
議案第53号 市道路線の認定について
議案第54号 市道路線の認定について
議案第55号 市道路線の一部廃止について
議案第56号 農作物共済に係る無事戻しについて
議案第57号 園芸施設共済に係る無事戻しについて
議案第58号 農作物共済に係る特別積立金の取崩しについて
……………………………………………
○
江原和明 議長 提案理由の説明を求めます。
中川市長。
◎
中川智子 市長 議案第20号から議案第58号まで以上39件につきまして、一括して提案理由の御説明を申し上げます。
まず、議案第20号、執行機関の附属機関設置に関する条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、施策評価、事務事業評価等についての調査、審議を行う宝塚市
行政評価委員会、協働の指針策定についての調査、審議を行う宝塚市協働の指針策定委員会及び文化振興に関する条例についての調査、審議を行う宝塚市文化振興に関する条例検討委員会を新たに設置するため、条例の一部を改正しようとするものです。
あわせて、2011年11月18日付市議会議員の附属機関委員への就任についてで、議長から申し入れがありましたので、宝塚市社会福祉審議会の委員構成を変更しようとするものです。
次に、議案第21号、宝塚市介護保険条例等の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、議長から申し入れがありましたので、宝塚市介護保険運営協議会、宝塚市環境審議会及び宝塚市都市計画審議会の委員構成を変更するため、宝塚市介護保険条例、宝塚市環境基本条例及び宝塚市都市計画審議会条例の一部を改正しようとするものです。
次に、議案第22号、宝塚市市税条例等の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための地方税法及び地方法人特別税等に関する暫定措置法の一部を改正する法律及び
東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律が、2011年12月2日に公布されたことなどに伴い、条例の一部を改正しようとするものです。
主な改正の内容についてですが、宝塚市市税条例においては、全国的かつ緊急に実施する防災のための施策に要する費用の財源を確保するため、臨時の措置として、2014年度から2023年度までの期間に限り、個人の市民税について、現行の均等割の税率に500円を加算し、均等割の税率を3,500円とするとともに、1967年から当分の間の措置として設けられている、退職所得の分離課税の所得割の額から10分の1に相当する金額を控除する特例を、2013年から廃止するものです。
また、たばこ税については、法人実効税率引き下げに伴う市と県の増減収調整のため、2013年4月1日から市たばこ税の税率を千本当たり644円増額するものです。
なお、これに伴い、県たばこ税の税率は同額が減額となり、たばこ税全体での税率は変わりません。
これらのほか、法律の改正に伴う所要の整備を行うものです。
さらに、宝塚市市税条例の一部を改正する条例においては、2012年10月から個人の市民税の年金からの特別徴収を実施する予定でしたが、新基幹系システムの運用開始時期の延期に伴い、特別徴収の実施を1年間延期するものです。
次に、議案第23号、宝塚市副市長定数条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、今年度から副市長を1人とし、新たに理事、技監を設置したことについて、事務の効率化など一定の効果があったことから、引き続き副市長を1人とすることとしたので、副市長の定数を2人から1人に改めるため、条例の一部を改正しようとするものです。
次に、議案第24号、宝塚市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、2012年1月10日に提出されました宝塚市
特別職報酬等審議会の答申における市議会議員の議員報酬の額の改定率に準じて、特別職の職員で非常勤のものの報酬を改定するため、条例の一部を改正しようとするものです。
改正の内容は、2012年4月1日から介護認定審査会委員及び障害程度区分認定審査会委員以外の非常勤の特別職の報酬を約2.79%引き下げるものです。
なお、介護認定審査会委員及び障害程度区分認定審査会委員の委員報酬については、近年の審査件数の増加に伴い、審査委員の負担が増大していることから、報酬額を据え置くことといたしました。
次に、議案第25号、宝塚市特別職の職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、2012年1月10日に提出されました宝塚市
特別職報酬等審議会の答申に基づき、市長及び副市長の給料月額を改定し、また、当該特別職の給与の改定に準じて教育長、
上下水道事業管理者及び病院事業管理者の給料月額を改定するため、宝塚市特別職の職員の給与に関する条例、宝塚市教育委員会教育長の給与、勤務時間その他勤務条件に関する条例、宝塚市
上下水道事業管理者の給与に関する条例及び宝塚市病院事業管理者の給与に関する条例の一部を改正しようとするものです。
改正の内容は、2012年4月1日から市長の給料月額を3.23%、副市長の給料月額を3.71%、教育長、
上下水道事業管理者及び病院事業管理者の給料月額を3.77%引き下げるものです。
また、
行財政改革に引き続き取り組む決意を示すため、
自主カットにつきましても引き続き取り組むこととし、2012年4月1日から2015年3月31日までの間、改定後の給料月額からさらに、市長については10%を、副市長については7%を、教育長、
上下水道事業管理者及び病院事業管理者については5%を、それぞれ減額するものです。
次に、議案第26号、宝塚市暴力団の排除の推進に関する条例の制定についてですが、本件は、暴力団が、暴力や、これを背景とした資金獲得活動によって、市民の生活や社会経済活動に介入し、多大な悪影響を与えていることから、全国の自治体において暴力団排除条例の制定が進められており、兵庫県においても2011年4月1日に暴力団排除条例が施行されています。本市においても、社会全体の認識のもとに暴力団の排除を推進していく必要があることから、暴力団排除の措置を徹底し、実効性のあるものにするために、条例を制定しようとするものです。
次に、議案第27号、宝塚市事務分掌条例等の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正するための法律が、2012年7月9日に施行され、外国人登録法が廃止されることに伴い、同法に係る市条例の関係規定を整備するため、宝塚市事務分掌条例、宝塚市一般事務手数料条例、宝塚市援護資金貸付基金条例、宝塚市印鑑条例、宝塚市犯罪被害者支援条例及び宝塚市斑状歯の認定及び治療の給付に関する条例の一部を改正しようとするものです。
次に、議案第28号、宝塚市福祉医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、本市独自の施策として、
子育て支援を推進する観点から、乳幼児等医療費助成を拡充するとともに、税制改正に伴う影響を緩和するため、条例の一部を改正しようとするものです。
改正の内容は、乳幼児等医療費助成については、2012年7月1日以降、外来の一部負担金を無料とする対象を、現行は就学前児童までであるものを、小学校3年生までに拡充するものです。
税制改正については、2012年度から個人の市民税に関し年少扶養控除及び特定扶養控除の上乗せ部分が廃止されることに伴い、所得割の額が増額することとなりますが、その影響をなくすため、年少扶養控除及び特定扶養控除の上乗せ部分と同額を控除して所得割の額を計算し、所得制限に関する規定を適用するものです。
次に、議案第29号、宝塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、2012年度の国民健康保険税の税額等を改定するため、条例の一部を改正しようとするものです。
改正内容は、基礎課税分は、賦課限度額について現行50万円を地方税法施行令に定める賦課限度額と同額の51万円にし、所得割税率について現行5.00%を5.70%にし、平等割額について現行2万2,300円を2万2,800円にし、均等割額について現行1万8千円を1万8,500円にするものです。
後期高齢者支援金等課税分は、賦課限度額について現行12万円を地方税法施行令に定める賦課限度額と同額の14万円とし、所得割税率について現行2.50%を2.00%にし、平等割額について現行7,500円を7千円にし、均等割額について現行9千円を8,600円にするものです。
介護納付金課税分は、賦課限度額について現行9万円を地方税法施行令に定める賦課限度額と同額の12万円にし、所得割税率について現行1.98%を2.30%にし、平等割額について現行4,500円を5,200円にし、均等割額について現行8,900円を9,600円にするものです。
次に、議案第30号、宝塚市立身体障害者支援センター条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律が2012年4月1日に施行され、障害者自立支援法が改正されることに伴い、条例の一部を改正しようとするものです。
改正の内容は、法改正により障害福祉サービスの利用者負担が従来の定率1割負担から応能負担に変更されることから、当該制度改正に合わせて利用料金に係る条例の規定を改めるものです。
次に、議案第31号、宝塚市立療育センター条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律が、2012年4月1日から施行され、児童福祉法及び障害者自立支援法が改正されることに伴い、条例の一部を改正しようとするものです。
改正の内容は、法改正により、すみれ園及びやまびこ学園は児童発達支援センターに、児童デイサービスは児童発達支援に、それぞれ移行することとなりますが、法改正の経過措置により、現在の施設指定が改正後の法律の規定による施設指定とみなされ、2012年4月1日から1年以内であって厚生労働省令で定める期間内に新たな施設指定に係る申請をしなければならないことになりましたので、新たな施設指定を受けるまでの間における療育センターの管理に関する規定を整備するものです。
次に、議案第32号、宝塚市廃棄物の適正処理、減量及び再利用に関する条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、いわゆる第2次地方分権一括法が2012年4月1日に施行され、廃棄物の処理及び清掃に関する法律が改正されることに伴い、条例の一部を改正しようとするものです。
改正の内容は、同法の改正により、環境省令で定めることとされていた一般廃棄物処理施設の維持管理に関する技術上の業務を担当させる技術管理者の資格を条例で定めることとされたため、本条例に当該資格に関する規定を新たに設けるものです。
次に、議案第33号、宝塚市廃棄物減量等推進審議会条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、議長から申し入れがありましたので、宝塚市廃棄物減量等推進審議会の委員構成を変更するため、条例の一部を改正しようとするものです。
あわせて、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の引用条項について所要の整備を行うものです。
次に、議案第34号、宝塚市立公民館設置管理条例の一部を改正する条例の制定についてですが、本件は、第2次地方分権一括法が2012年4月1日に施行され、社会教育法が改正されることに伴い、条例の一部を改正しようとするものです。