尼崎市議会 > 2016-09-13 >
09月13日-02号

  • "丸山孝宏議員"(/)
ツイート シェア
  1. 尼崎市議会 2016-09-13
    09月13日-02号


    取得元: 尼崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-04
    平成28年  9月 定例会(第18回)        第18回尼崎市議会会議録(定例会)第2号-----------------------------------◯議事日程    平成28年9月13日 午前10時 開議第1        質問-----------------------------------◯出席議員   1番    田中淳司議員   2番    北村竹師議員   3番    光本圭佑議員   4番    楠村信二議員   5番    綿瀬和人議員   6番    明見孝一郎議員   7番    須田 和議員   8番    弘中信正議員   9番    眞田泰秀議員  10番    土岐良二議員  11番    岸田光広議員  12番    丸山孝宏議員  13番    上村富昭議員  14番    久保高章議員  15番    長崎寛親議員  16番    徳田 稔議員  17番    川崎敏美議員  18番    北村章治議員  19番    宮城亜輻議員  20番    都築徳昭議員  21番    酒井 一議員  22番    福島さとり議員  23番    開 康生議員  24番    寺坂美一議員  25番    丸岡鉄也議員  26番    津田加寿男議員  27番    上松圭三議員  28番    松澤千鶴議員  29番    辻  修議員  30番    真崎一子議員  31番    前迫直美議員  32番    真鍋修司議員  33番    杉山公克議員  34番    安田雄策議員  36番    北村保子議員  37番    荒木伸子議員  38番    波多正文議員  39番    寺本初己議員  40番    高岡一郎議員  42番    松村ヤス子議員-----------------------------------◯議会事務局事務局長         北江有弘君事務局次長        白畑 優君議事課長         河野裕行君-----------------------------------◯地方自治法第121条第1項の規定による出席者市長           稲村和美君副市長          村山保夫君副市長          岩田 強君危機管理安全局長     衣笠年晴君企画財政局長       中浦法善君総務局長         芝軒崇晃君資産統括局長       塚本英徳君市民協働局長       中川 一君医務監          清水昌好君健康福祉局長       吹野順次君こども青少年本部事務局長 作野靖史君経済環境局長       若竹 保君都市整備局長       芝 俊一君消防局長         河本博志君水道事業管理者      有川康裕君公営事業局長       土元英樹君企画財政局企画管理課長  市川 忍君教育長          徳田耕造君教育次長         高見善已君教育次長         西川嘉彦君選挙管理委員会委員長   中川日出和君代表監査委員       今西昭文君-----------------------------------(平成28年9月13日 午前9時59分 開議) ○議長(寺本初己議員) これより本日の会議を開きます。 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において久保高章議員及び酒井一議員を指名いたします。 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。 ◎事務局長(北江有弘君) 御報告いたします。 現在の出席議員は39人であります。 次に、本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。 報告事項は以上であります。 ○議長(寺本初己議員) 日程に入ります。 日程第1 質問を行います。 この際、申し上げます。 あらかじめ定められた順に発言を許可することといたしますが、発言順位に当たった際、不在の方は、会議規則第53条第6項の規定により、通告の効力を失います。 また、一問一答方式を選択した場合は、1回目の質問を一括質問・一括答弁の方式で行い、2回目以降の質問は一問一答方式で行いますが、2回目以降については、1回目の質問項目の範囲内で質問していただくこととなりますので、御承知おき願います。 なお、質問に当たっては、要領よく簡潔に願います。また、答弁に際しましては、質問の要点を的確に把握し、簡明に願います。 それでは、順次発言を許します。 波多正文議員。   (波多正文議員 登壇) ◆38番(波多正文議員) 新政会の波多正文でございます。 第18回尼崎市市議会9月定例会に当たりまして、一般質問の機会を与えていただき、お礼を申し上げます。 それでは、早速質問を行います。先輩並びに同僚議員の皆さんにおかれましては、しばらくの間御清聴いただきますよう、お願い申し上げます。 また、稲村市長を初めとする当局の皆さんにおかれましては、私の意のあるところをお酌み取りいただきまして、明確な御答弁をよろしくお願いいたします。 今、地方分権が叫ばれる中、各地方自治体は人口減少という直視しなければならない実態の中で、自治力を高めるため、それぞれ工夫を凝らした取り組みが行われています。 そこで、お尋ねいたします。 尼崎市は、自治力を高めるため、今取り組まれている施策、事業とそれがどのように自治力を高めることになっているのか、まず御答弁願います。 次に、その住民自治の土台となる現状把握が必須となることは申すまでもありません。そして、現状把握のための資料のことですが、個人のプライバシーという壁をつくって資料が正確に開示されなかったり、また開示されていてもその内容、つまり核心となる部分が霧の中というのが現状と言えることがあります。これでは、いかにして真の住民自治が生まれるのかと言いたくなります。そうした姿が続くことによって、二元代表制すら正しく機能しなくなってしまえば、何をか言わんやという思いの気持ちでいっぱいです。 我々議員は、行政が日々の公金を執行し、活動している現状をどうしてそのような方法で仕事を行い、内容がどうなったかを点検、確認しなければならないのです。 しかしながら、現状としては、行政活動の透明性は確保されているのでしょうか。住民の自治参加については、議員が住民に対して行政の執行している活動を正しく的確に報告できないのが現状であると危惧しています。 尼崎市だけでなく、日本の地方自治は、二元代表制といっても行政が優位な体質になっていて、真の二元代表制が機能できていないのは行政の責任だけではないことも事実でしょう。 先日、岸田、荒木、波多で台湾の台北、新竹、嘉義、高雄市の行政と議会を訪問いたしました。新竹市だけは県と市議会になりました。 台湾では、行政と議会は互いに独立し、別な場所に建てられ、議員1人に調査事務者2人を公費で雇用でき、議員には歳費はないですが、調査費があるとのことです。議会での質問も直接的なやりとりで、この予算を執行しながらこのような結果ではおかしいでしょうというような内容の、以前の質問のテレビ映像を見せてもらいました。 新竹県では、青森市と交流を深くし、ねぶたの山車を招聘し、新竹県の中心街を回って友好関係を構築しています。 高雄市の女性市長は、環境と観光に力を注ぎ、尼崎の庄下川のようだった愛河を浄化し、ソーラー船を走らせ、夜には対岸をライトアップし、夜市が出てにぎわいを創出していました。 この視察はたくさん学ぶものがありました。 ことし、大正5年に尼崎市が市制施行され、100周年という歴史的な慶事の年です。市長は、民間の行事を100周年と協賛する形で行われ、メーン行事は10月8日の総合文化センターでの式典と思います。 9月定例会において、100周年の次のまちづくりの根本としたい、住民投票を含む市民自治条例を提出されようと思われていましたが、住民投票条項を結果的には省いて提出になりました。 市民参加は民主主義の根幹であります。現在は二元代表制の中にあって住民自治になっています。その意味で、二元代表制を行う中で、住民参加の自治が理想と思います。 では、まず二元代表制が基本的な制度として行われていますが、形はそうですが、先ほど申しましたように行政主導となり、情報開示においても行政の主導となっているように思う現在の情報提供では、適切、公正、適時の提案や改革についても適正には機能しにくく、政策立案段階においても幅が狭く、審議会における方向性は行政の自作他演のように見えるのは私だけでしょうか。 過日、秋田市教育委員会で毎年更新される教育における行政の基礎情報資料が配られており、それをもとに事前の説明なしに問題点に係る質問ができ、施策の意図も早く酌み取ることができました。 秋田市の教育部局以外の資料は見ていませんが、尼崎市における各局の毎年更新される基礎情報資料を現在の常任委員会の資料、事業概略中心の資料でなく、行政財産、数値、金額、目的、結果等の基礎情報資料を明確にすることが基本であります。 そこで、お尋ねいたします。 今までの情報伝達の方法では、問題点にたどり着くまでの時間の損失で問題点が明確になってきた時点では、例えば我々議員は採決に入らなければなりません。つまり、残り時間が切迫することになってしまいます。 この意味で有意義な議論をするためにも、現在の行政の自己満足の資料を改め、議員が問題点にたどり着くまでしなくても、その基礎資料を見れば即座に疑問点や課題に対する適切さ、公正さを質問できる資料に改善、開示することをどう思っておられるかをお聞かせください。 私自身、現在、日本の地方分権を真に確立するには、行政の優位な中において、二元代表制を維持するためにも基礎資料の作成と情報の明確化を行うことは必要だと思いますが、そうした作業を行うことに支障があるのでしたら、できない理由も明確に述べていただきたくお願いいたします。 次に、政策立案過程における議員の意見聴取について、公平、公正なあり方とは思えず、議案の可決を重視する余り、調整型意見聴取の傾向に思えます。 それには、何が問題で何が課題かに対して、適切な議論でなく調整によって決着し、課題に対しての適切な行政事業とは似ても似つかない結果となり、玉虫色のものとなり、目的から乖離した方向になりがちなのが現在の日本の多くの地方行政の姿ではないでしょうか。 そういう意味でも、議論の土台となる行政の基礎情報は、道具がなければ職人の仕事ができないことと同様、議員は課題、問題改善点を明らかにし、より高次元な議論や提案の提示が行えなくて困っており、もっと誠実で正確、明瞭な行政資料をまず開示すべきだと思います。 次に、二元代表制に水をかけるような行政による自作自演は、課題解決のための切実な努力をしていないように思えます。審議会ですら自作の方向性が強く、施策評価や事務事業評価、そして大切な行政課題に対して、行政事業決定について最も課題を解決し、適切であると精査して、選び抜かれた事業かどうかの決定理由が添えられていません。やはり、二元代表制といっても、議会権能を極力少なくしているようなのではないでしょうか。 そこで、お尋ねいたします。 事務事業、施策事業をさらに客観性を高めるためにも、行政内部だけでなく第三者という立場の人にも評価してもらうことを提言いたしたいと思いますが、どうお考えかお聞かせください。 また、評価結果について、スクラップ・アンド・ビルドがほとんどなく、100年後を見据えた尼崎とはまちづくりの展望にしても弱いと思います。 日々、より高次元の事業に取り組むことによって、未来の安定が形成されます。全ての事業を課題解消の方向にする、つまり本質を見きわめてスクラップをすれば適切な方向の事業費の捻出は可能であります。 例えば、今行われている公有地売却ばかりをせずに、新しいまちづくりに生かし、理想の都市形成の一助となる志向を持てば、もっと違った形の成果があらわれると思います。 さて、先日、先ほども申し上げましたが、台湾の高雄市に視察しました。感想を持ってお話ししますが、まず、庄下川のような愛河、幅は愛河のほうが3倍ほどありますが、愛河を浄化し、ソーラー船を走らせ、夜に対岸をライトアップし、岸には夜市が並んでにぎわっていました。 尼崎も南部運河で行われていますが、もっと多くの観光客を取り込むというインパクトがあったらいいなというように痛切に思うのであります。 そこで、お尋ねいたします。 今申しました庄下川の事例を踏まえてお答えください。現状から進化して衰退せず維持できると思います。現在のPDCAの評価結果では、行政の陥りやすい事業の継続性に流され、結果、課題解決に向けた事業の展開や一足飛びの先行事業への取り組みが感じられないのです。 課題解決に向けた適切な事業の選択がされていると思われますか。私には行政結果から踏まえて感じられないのです。今後どのように尼崎の抱えている課題を、どう適切に解消されるつもりなのでしょうか。PDCAをしている現在の方法も踏まえてお答えください。少し総論的な話になりましたが、お答えをお願いいたします。 今まで二元代表制の基礎が整っていないのと、行政の曖昧なPDCAサイクルの改善についてを根底に据えた質問をしてきました。 次に、市民自治についてお尋ねいたします。 住民投票による市政参加という話がありましたが、その条項は今回削除されました。ほっとしています。地域の自治力も上げないで住民投票とは上滑りな市民参加で、尼崎をどうしようと思っているのか首を傾げます。 現在、尼崎市の自治力向上のための施策事業は、地域の向上としてあまチャレ、地域子育て、高齢者見守り、地域防災・防犯と市職員の資質向上の研修の強化などが挙げられます。それなりに取り組まれていますが、地域が一丸となって自治力を上げる、また課題を相談してより住みやすいまちづくりを行うというものではなく、行政が課題と解消策を提示し、取り組む人やグループがいれば補助金を出す等の自治力向上策であります。 尼崎市は、古くから社協のもとに実態的には町会活動が行われています。ポスター、回覧、また季節ごとの催し物案内、研修等、枚挙にいとまがありません。 しかし、地域力になると、地域におけるあらゆる情報と課題が問題となります。そのために町会とは別に青森市では、自治基本条例が制定されていますが、今はそのことでなく、青森市地域コミュニティガイドライン審議会が市長案に対して提示した意見書があります。そこには、今後一層地域コミュニティ強化に向け組織づくりの方法等の指針をまとめたものとしてあるようです。 その内容を御紹介しますと、1、役割が偏らなく、新たな担い手が育つよう地域自治協議会(市内38地区)の組織づくり、2、地域自治協議会の構成員と町会活動の役割分担、3、地域自治協議会の活動区域、4、地域自治協議会に対する市の人的支援体制、5、地域自治協議会に対する市の財政的支援体制、6、地域自治協議会の活動拠点、7、その他議論の問題点に対する解消方法の取り組みの意見書が提出され、具体的には、構成員として地域住民、町会、社協、PTA、民生児童委員、交通安全協会、防犯協会、消防団、ボランティア、NPO、健全育成、老人クラブ、自主防災、公園愛護、マンション、子供会、他活動団体で40から50人、あるいは70から80人などがあり、38地域中8地域で組織活動が行われているようです。 やはり、どこにも長所と短所があり、問題点、課題はありますが、短所を解消しながら取り組む必要は、現状の地域力を見れば、地域に住む人が多様な力を結集して、自分のまちをよりよく改善していくことはあるべき方向を実にあらわしていると思います。 尼崎で既に取り組んでいる地域もあるようですが、均等に地域力をつけることもそれぞれの地域に住んでいる人にとっては大切なことだと思います。 そこで、お尋ねいたします。 住民投票や自治基本条例も市民自治参加にとって大切なことでしょう。しかしながら、そのようなトップダウンの自治力ではなく、地域の人が地域の発動を起こし、課題を見つけ改善していく力を形成していく土台づくりを支援、運営し、そして課題解決に向けて支援、協働していくことこそ、行政が先にしないといけない施策と思います。地域自治力向上についてどのように考えておられるのでしょうか、お聞かせください。 これで第1問を終わります。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 答弁を求めます。 稲村市長。   (稲村和美さん 登壇) ◎市長(稲村和美さん) 私から、地域の人みずからの行動を支援したり協働することこそが地域自治力向上につながると思うがどうかとのお尋ねにお答えいたします。 議員御指摘のとおり、地域自治力の向上につきましては極めて重要なことであると認識しており、今議会に上程させていただきました尼崎市自治のまちづくり条例案においても特に重視をしているところです。 この条例の基本理念では、まちづくりに関する情報を共有することや参画すること、協働の取り組みにより課題解決のための相乗効果を発揮すること、対話を重ね参画と協働によるまちづくりを推進することなどを掲げております。 特に、市長等の責務に掲げておりますとおり、私自身はもちろんのこと全職員が自治のまちづくりに携わる者として自覚及び責任感を持ち、市民等が行うまちづくりを幅広い視野と総合的な視点から支援していくよう変わっていかなければならないと認識しております。 また、地域の自治力を高めるための仕組みとして、地域振興支援機能の再構築や地域の主体的な活動を支援する体制づくりについても検討を進めてまいります。 いずれにいたしましても、これまで以上に市民の皆様と思いを共有し、地域の自治力の向上に向け、将来にわたり自治のまちづくりを進めていく取り組みに邁進してまいります。 ○議長(寺本初己議員) 続けて、中川市民協働局長。 ◎市民協働局長(中川一君) 自治力を高めるために取り組んでいる施策、事業とそれがどのように自治力を高めているのかとのお尋ねでございます。 自治力を高めるため、地域での主体的な取り組みとして支援に努めることは非常に重要なことであると考えております。 具体的には、地域住民による地域課題解決の促進を目指したあまがさきチャレンジまちづくり事業、地域での子育てを支援する地域社会の子育て機能向上支援事業、地域での防犯の取り組みを推進する街頭犯罪防止事業などに取り組んでいるところであり、いずれも市民みずからが地域の課題解決を図っていくことを通じて自治力を高めるとともに、行政として側面支援を行おうとするものでございます。 また、コミュニティ活動推進事業ウェルカムパーティ事業といった地域振興センターで実施している事業につきましても、地域社会において市民が他者とかかわりを持ち、地域活動に参加するきっかけとなるような場をつくることで自治力を高めていこうとしているものでございます。 今後もさらに多様な主体による自治のまちづくりを推進していくことは非常に重要なことであると考えておりますので、そのため、市民及び行政それぞれが意識改革を図り、情報を共有し、学び、考え、行動し、ともに本市の将来を担っていく関係を築き、ひいてはまちの魅力を高めていく、そういった取り組みにつきましても進めてまいりたいと考えております。 ○議長(寺本初己議員) 中浦企画財政局長。 ◎企画財政局長(中浦法善君) 事業評価、PDCAのあり方に関する御質問にお答えをいたします。 まず、現在の行政の資料を疑問点や課題が即座に理解できる資料に改善すべきと考えるがどうかとのお尋ねでございます。 本市では、平成25年度決算から施策評価を実施しており、その手法につきましては毎年度見直ししてまいりましたが、今年度におきましては昨年度策定した尼崎版総合戦略についても施策評価を活用して評価を行い、新たな指標も取り入れましたほか、総合戦略の6つの政策分野に基づき重点化方向の考え方などを明確化いたしました。また、4つのありたいまちの評価におきましても、成果と課題を明記するなど改善を行ってきたところでございます。 加えて、施策の目的を実現するための個々の事業の実績や評価をあらわした事務事業評価につきましても、平成27年度決算から施策評価と同じ8月に配布させていただき、市民や議員の皆様と情報を共有し、今後のまちづくりに生かしていく取り組みを行っているところでございます。 議員御指摘のとおり、こうした一連の取り組みにつきましては、まだまだ改善すべき点があると認識をいたしており、今後におきましても各種情報などを迅速、丁寧に開示し、説明責任を果たしてまいりたいと考えております。 次に、事務事業評価、施策評価の客観性を高めるため、第三者からの評価が必要ではないかとのお尋ねでございます。 施策評価につきましては、各施策の取り組みの成果や課題、進捗度などを点検、確認した上で今後の取り組み方針を明確にする、いわゆる決算評価をPDCAサイクルに基づく行政運営に定着させることを目指し、取り組みを進めているところでございます。 議員御指摘の第三者からの評価につきましては、平成24年度より3年間、有識者や市民の皆様に外部委員として参画いただいた尼崎市事務事業点検委員会におきまして公開事業たな卸しを実施してきたところでございますが、これを施策評価にまで導入することにつきましては、その内容等から相当の事務量と時間を要することが見込まれるため、今後の検討課題であると認識をいたしております。 したがいまして、まずは決算審議を通じまして市議会の皆様より決算評価についての御指摘や御意見をいただき、より効率的、効果的な施策や事業に再構築を図るなどの取り組みを進めていくことが重要と考えております。 次に、現行のPDCAの手法で尼崎市の抱えている課題をどう適切に解消するのかとのお尋ねでございます。 社会保障関係経費や公債費の増加など、本市財政は今後も厳しい状況が続くと見込まれますことから、限られた予算の中でより効率的、効果的な事業構築を行うために、施策評価においては重点化、転換調整、現行継続と施策の方向性を3つの区分に分けて取り組みを進めているところでございます。 3回目となります平成27年度決算からは、総合計画のアクションプランである総合戦略もあわせて評価をしており、本市が最重要視しているファミリー世帯の定住・転入促進を推進するため、直近に取り組む課題といたしまして、特に子ども・子育て支援の充実、学校教育、社会教育と人材育成、シビックプライドの醸成に資する施策を重点化したところでございます。 また、今回の施策評価では、特に地域コミュニティーの充実やシティプロモーションの向上といった将来に向けて重点的に対応が必要となる施策を転換調整と位置づけており、本市が抱える課題を施策横断的に取り組みを進める中で克服し、課題を強みに変えていくよう取り組んでまいります。 ○議長(寺本初己議員) 波多正文議員。   (波多正文議員 登壇) ◆38番(波多正文議員) 2問目に入る前に、感想というか、前向きに取り組むということですけれども、具体的なことがはっきりしていないということであります。どう前向きにするのかなということだと思いますけれども、市長は、新しくまちづくりについては大切なことだからそれについてちゃんと取り組みますということ。 また、事務事業評価等についても第三者、すぐに第三者というのはできないけれども、決算のときにそういう議員の方々に評価してもらうという方法で今のところいくということですけれども、議員も全員じゃないですから、そうしたら決算は全員でするのかなというような方向もありますので、これからいろいろその方法について考えてもらいたいなと思っております。 2問目に入ります。ものづくり支援策と学校教育について、順次お尋ねしてまいります。 まず、ものづくり支援策についてお尋ねいたします。 経済活動は人の生きる糧であります。日本は資源のない国で、加工品をつくることに全力を注ぎ、常に人が求めるものを考え、作成してきたものづくりの国であります。言いかえれば、そうしなければならなかったのであります。最近特に日本の製品は、外国の人も間違いないとして少し高くても求める人が多くなりました。やはり日本の進むべき道は、信頼され、人が求めている製品をつくり、そして安価なら申し分なく、一層ものづくり日本の将来も開かれてきます。 ところで、尼崎市は古くから、以前は重化学工業を中心として阪神工業地帯を牽引してまいりました。近年に至っては、環境問題や産業構造の転換により大きな企業が多く転出する中にあって、日本の産業の縮図というべき実態があります。つまり、下請けの中小事業所が頑張り、残り、そして新しいものづくりのまちとして徐々に広がりつつあります。しかし、まだまだ経営面では厳しい事業所も多くあるように思います。 さて、今、尼崎市のものづくり支援拠点は、アマドゥに隣接して近畿高エネルギー加工技術研究所があり、また、新しい企業を支援するものとして、尼崎地域産業活性化機構のアビーズがあります。それぞれものづくり支援事業は行われていますが、尼崎の多くの事業所の現状の求めているものにそぐわなく、また、支援する側も幅広く、時代の流れに適切に対応や研究所との選択された紹介について、深さや広さはいま一つという感がぬぐえません。 現在行われているものづくり支援事業は、ものづくり総合支援事業であり、中小の事業所や若手の支援が行われています。結論から申しますと、産業都市尼崎のものづくりの取り組みとしては内容が整っていません。 以前にも質問しましたが、視察に行った岡崎市では、人の集まる岡崎市図書館交流プラザに拠点を置き、地元中小企業のビジネスサポート事業では、スタッフは大学教員と専門家で構成され、事業所の売り上げアップを支援することに目的があり、相談を聞き、問題点や解決策を見つけ、製品の付加価値を改善し、販路拡大等により売り上げアップを支える、さらに製品開発のため研究機関等へつなげるという、手ぶらで帰すことなく結果を生み出す支援策を行い、また、日本各地から現場で成功している事業者を呼び、毎週のように講演会を行っています。 そこで、お尋ねいたします。 岡崎市に比べると産業都市尼崎なのに、支援事業の内容は金属と環境が主であり、外に向けた印象でも限られた人しか必要性を感じなく、相談や問題解決の対応力、また、つまりスタッフ専門性の分野の広さと情報提供やさらなる研究所への懇切丁寧な橋渡し等についても、尼崎の支援事業では、産業都市尼崎という自負を行政みずから放棄しているかのような今の支援策に思えてならないのですが、どのようにお考えかお聞かせください。 また、ものづくりの裾野を広げていくにも、効果を示すためにも、頻繁に行わなければならない講演会にしても、尼崎市においては、大きな事業のときには単発的にそれなりの取り組みがあります。しかしながら、岡崎市では月に何回となく、特にコンサルといった人でなく、直接自分で製品や売り上げ、販路を拡大させてきた、時代を切り広げてきた事業者の考え方、解決に至ったきっかけを講演会として参加者を募集し、市内はもちろん遠方からも申し込んでこられるそうです。 尼崎市では、ほとんどコンサルが講師となり、成功例の話だけで実際の事業者でなく、臨場感や志が伝わらなく、泡のないビールのようでリピーターや広がりは出てきません。 また、功労者表彰もよいのですが、技能優秀者の技術を人の集まるところや学校授業に生かして、若者や多くの人に技術のすばらしさを伝承し、ものづくりの底辺を広げる一翼を担っていただけるような事業にも取り組むことが、100年後の尼崎の将来都市像を目指すことになると思います。 そこで、お尋ねします。 市長はいつも100周年は101年、次の100年を見据えてとよく言われています。尼崎市の産業ビジョンについて、また目指す方向はいかがですか。今その土台は整っているとお考えでしょうか、改める必要はありませんか、あわせてお答えください。 最後に、学校教育についてお尋ねいたします。 今、全国学力テストを連続して上位にある秋田県も、昭和30年代には全国40位ほどを低迷しており、このままでは県を離れても胸を張って故郷を語れないという状況を何とかしなくてはいけないと県教育関係者が誓いを立てて、教育改革のための努力が始まったそうです。 そして、具体的な教育力向上の取り組みとして、少人数学習による学習状況調査、算数・数学学力向上、教育専門監の充実、家庭教育の基礎十か条、多角的に児童生徒に生きる力をつけるため、理念でなく具体的実効性のある事業が進められ、県内各市の教育委員会が先頭に立ち、校長会、そして教職員と一丸となって、児童生徒の学力を押し上げる努力を行った結果です。 一方、兵庫県は、私立が充実しているからという思いがあるのか、学区編成を変更するだけで教育の中身、改善、改革については一向に伝わってきません。 また、尼崎市においては、平成19年全国学力・学習状況調査が始まりましたが、それ以前の平成16年から全国レベルのテストに参加し、実態状況の把握から、平成22年より学力向上対策としてクリエイト事業として取り組み、全国平均に追いつくことを目標として、平成25年からは活用力支援、平成27年度からは特色ある教育活動支援、そしてクリエイト事業の具体的な支援として、指導補助員による複数指導、放課後・土曜の学習補助、指導力向上の講師招聘や先進校視察等、多くの事業に取り組まれています。 こうした取り組みを重ねながら、昨年は全国レベルに近づいたとはいえ、なお平均を超えておらず、引き続きその取り組みを続けなければなりません。 そのためには、家庭学習の少なさと課題解決や学び合い、さらには学習者が受け身の学習でなく、自主的、能動的な学習、つまりアクティブ・ラーニングによって学力を向上していく支援事業を実施するとしています。 ことしから一つ、アクティブ・ラーニング推進事業(指導補助員の配置)、一つ、学力定着支援事業(指導補助員)、一つ、教員指導力向上事業(講師招聘、先進校視察、小学校において英語指導補助員)等の3つの新規事業が取り組まれています。 しかし、何か考え方が、取り組み姿勢が基本的に違うように思います。 秋田県では、各市の教員職の執行部が児童生徒がどのように、どこに行っても秋田に誇りを持って生きていける教育をしたいと、低迷していた時期に、児童生徒の姿を見て、教職員の人たちは志に刻んで、いろいろな取り組みを行ってきました。 尼崎の教育職の方々は、尼崎市の児童生徒はどこに行っても尼崎に誇りを持って生きていける教育をしようという志のスイッチは入っているのでしょうか。私には入っているようには思えないのです。 そこで、教育長にお尋ねいたします。 教育職の方々の先頭に立ち、尼崎市の児童生徒の学力向上に向けて取り組む教育現場のトップとして、決意を改めてお聞かせください。児童生徒の将来を思ってお考えをお聞かせください。 家庭学習をしない、親が子供のことに熱心にならない、また、地域環境が子供の育成に協力的でない、教育現場でも多くの問題がある、確かにそうだと思います。しかしながら、人に矢を向けていては本気になりません。自分自身に矢を向けて初めて志のスイッチが入ると思います。 その考えで出発したのが秋田市の教育ではないかと思います。秋田市の目標は高く、そして具体的であります。1つ、郷土に誇りを持つ、人生が生きられるように、そのため、全教員が毎年更新される「秋田市学校教育の重点」という、現場の先生が授業はもちろん、児童生徒の対応、そして研修の日程、教育施設等が記入されている60ページ余りの色刷りの冊子を常に持ち、これは自立と共生の力を育む学校教育を充実させるため、教員のための指導補助書となっています。 秋田市は、人口32万人、指導主事は16人と多く、教育執行部と学校長との協力により決められているようであります。 2つ、全学校訪問と参観による現状把握と指導、これは教育委員と指導主事とで受け持って、日程は校長の経営説明が10時10分から10時25分、校内一巡、授業参観が10時25分から11時15分、懇談が11時25分から12時15分とあり、午前1校、午後1校と行われ、現場の状況と問題・課題を指導、把握するためであります。現場を把握せずに適切な課題解決もできないのです。児童生徒の向上も望めないのではないでしょうか。 そこで、お尋ねいたします。 以前、私は、全学校訪問参観を提案しましたが、何の返事もありません。どのようにお考えなのでしょうか。また、できないならその理由もお聞かせ願います。 次に、教職員研修についてです。 以前は土曜日も午前中の授業がありました。昨今は夏休みが早く終わり、授業が始まっていますが、他都市では夏休みを短くせず、土曜日の午前授業を行っているところもあります。 そこで、お尋ねいたします。 尼崎市も夏休みを短くせず、土曜授業とか土曜研修にすればいいと思いますが、また、研修の報告書は研修時間中に15分程度時間をとり、提出すれば雑用も少なくなると思います。こうした取り組みを行うお考えはないでしょうか、お聞かせください。 最後に、学力調査等の活用についてお尋ねしてまいります。 尼崎市の学力向上事業は、指導補助員の配置が多いのですが、教職員の手助けにはなりますが、児童生徒を把握しての指導とはなりにくく、確かな学力を育てる力としては弱いと思います。 正規の担任が正確な把握と適切な指導が最も児童生徒の学力の伸びる力となると思います。その意味で、学力の高い自治体の教育施策は、全国学力・学習状況調査の結果を受けて、市独自で1問1問の正答、誤答、無回答や授業についてを微細に分析し、問題点、課題、指導例と具体的な授業方法を提示して教職員に配布し、他に学習指導改善の方策、授業改善のポイントや実践事例等を他の独自のテストにおいても作成し、配布しているとのことです。 これから明確になるのは、どのようなことでも課題は見逃さず、現場の先生の負担を少なくし、かつどの教職員も課題を解決できる授業がしやすい指導資料を教育行政の執行部が整えているということです。 そのためには、尼崎市も教育指導に取り組むことのできる人員を増加する必要があると思います。つまり、本気になって児童生徒の豊かな心と確かな学力、健やかな体を育て上げようとする気持ちが秋田市には常に働いているから実行できたのだと思います。 尼崎市の教育行政は、最近児童生徒に学んだことを活用することを述べられていますが、教育部局こそ学力調査や先進都市の視察を活用されてはどうでしょうか。 先進他都市の学校教育の取り組みについて、よいところは素直に身につけるというお考えはないでしょうか。 そこで、最後にお尋ねいたします。 もっと高い目標と具体的な実行策について、これからどう取り組むか、将来の子供たちを見据えてお答えください。 これで私の全質問を終わらせていただきます。当局並びに議員の皆様におかれましては、長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 答弁を求めます。 岩田副市長。 ◎副市長(岩田強君) 産業に係る御質問で、次の100年を見据えた尼崎市の産業ビジョン、目指す方向はといった御質問にお答えを申し上げます。 本市では、平成26年10月に、文字どおり今後の産業振興の目指すべき方向性を示すものとして、地域経済の持続的な発展を推進し、市民生活の向上に寄与することを目的に、一つには産業の振興、起業の促進、雇用就労の維持創出を基本理念とする尼崎市産業振興基本条例を制定いたしました。 また、尼崎版総合戦略においては、経済の好循環と「しごと」の安定を目指すことを基本目標の一つとし、産業関係団体や地域金融機関等との連携を図り、新たな事業に挑戦する企業への支援など、より効果的、効率的な取り組みを推進することといたしております。 議員御指摘の次の100年を見据えた本市産業のあり方でございますが、本市の地域経済を持続的に発展させていくためには、常に社会情勢の変化や時代の潮流を俯瞰し、経済活動を取り巻く環境の変化に対し、問題意識を持ちながら柔軟に対応していくことが不可欠であると考えております。 今後も、現在進めております事業者、産業関係団体や市民との協力、連携をさらに深め、時宜にかなった取り組みを推進してまいります。 ○議長(寺本初己議員) 若竹経済環境局長。 ◎経済環境局長(若竹保君) ものづくり支援策については、事業者の相談や問題解決の対応力が不十分であると考えるがどうかという御質問でございます。 本市の産業振興施策につきましては、近畿高エネルギー加工技術研究所、尼崎地域産業活性化機構、尼崎商工会議所を初めとした産業関係団体、地域金融機関などがそれぞれの専門性を生かしつつ、連携して取り組んでいるところでございます。 ものづくり産業に対する具体的な支援といたしましては、ものづくり支援センターを初めとした近畿高エネルギー加工技術研究所の施設等を活用し、中小企業からの技術相談に対し、すぐれた技術力を持つ企業のOBが解決に向けた具体的なアドバイスを実施しているほか、尼崎ならではのオンリーワン企業の創出に向けた製品の高付加価値化や競争力強化に資する支援等を実施しております。 また、昨今では、金属加工分野にとどまらず、今後先端エネルギーとして期待される水素関連産業へ新たに算入を促すなど、幅広い分野において支援策を展開しているところでございます。 先ほど、副市長が御答弁申し上げましたとおり、産業振興基本条例の考え方を踏まえる中で、今後も引き続き産業団体等との連携を強化し、事業者からの各種相談に対しきめ細かく対応していくことにより、オール尼崎の体制で中小企業の課題解決に取り組んでまいります。 ○議長(寺本初己議員) 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) 尼崎市の学校教育の取り組みについての御質問に順次お答えいたします。 まず、尼崎市の児童生徒の学力向上に向けて取り組む決意を聞かせてほしいとのお尋ねでございます。 本市におきましては、これまでも学力向上に向けた強い決意のもと、学校と教育委員会が一体となって学力向上クリエイト事業を初めとするさまざまな施策に取り組んでまいりました。 また、各学校においては、全ての教員が個に応じた丁寧な指導や指導方法の工夫、改善を行うとともに、家庭での学習や放課後等の補修など、保護者や地域の人々による理解と協力のもと、学力向上に向けた取り組みを進めてまいりました。 その結果、尼崎市の児童生徒の学力は、おおむね全国レベルに達してきたと考えております。 教育委員会といたしましては、今後とも学力向上施策をより効果的なものに発展させるとともに、学校、家庭、地域、教育委員会が一体となった取り組みの中で、子供たちがやればできるという自信と可能性を持って、輝かしい未来に向けてさらなる高みを目指せるよう最大限の努力をしてまいります。 次に、全学校訪問参観についてどのように考えているのかとのお尋ねでございます。 本市におきましては、毎年6月に指導主事が全ての小中学校を訪問し、各学校が作成した学力向上アクションプランに基づき、学力向上の取り組みについて具体的な内容を聞き取る、さらに授業や放課後学習等を参観する中で、具体的な指導、助言を行っております。 また、11月にも全ての小中学校を改めて訪問し、学力向上の取り組みの進捗状況を把握するとともに、他校におけるすぐれた取り組みを紹介するなど、今後の取り組みに対する指導を行っております。 さらに、2月には全ての小中学校が取り組みの成果と次年度の計画を説明する機会を設けた上で、教育委員会において各学校への支援内容を検討することで、学力向上に向けたPDCAサイクルの確立にも努めているところでございます。 このように、教育委員会におきましては学力向上に焦点化して、全ての学校訪問参観を通じて、それぞれの学校現場の状況や課題を把握しながら学力向上施策を進めているところでございます。 次に、尼崎市も夏休みを短くせず、土曜授業や土曜研修を行うとともに、研修報告書も研修時間内に時間をとり提出してはどうかとのお尋ねでございます。 本市の教職員研修につきましては、教育総合センターでの体系的な研修に加え、指導主事が学校に出向いて行うマンツーマン研修や教科指導、学級経営に熟知した授業改善アドバイザーの派遣等による継続的な指導も行っております。 議員御指摘の土曜授業や土曜研修につきましては、現在さまざまに実施されている地域の教育活動やクラブ活動の日程調整に加え、教員の勤務体制の調整等に課題があり、現段階では困難であると考えております。 なお、研修の報告書につきましては、内容によって研修後に提出を求めるものでございますが、教員の負担も配慮し、効率がよくて今後に生かせるような内容のものを検討してまいります。 最後に、学力向上に向けた高い目標と具体的な実行策について、これからの取り組みを聞かせてほしいとのお尋ねでございます。 本市におきましては、国の学力・学習状況調査や市独自の学力生活実態調査、学習到達度調査等の結果を細かく分析し、課題の抽出や施策の充実につなげております。 また、各学校におきましても、管理職を中心に教員みずからが自校の課題を分析、把握し、課題解決に向けた取り組みを行っており、その結果、学力面において一定の成果があったものと考えております。 さらに、今年度からは、児童生徒みずからが課題を発見し、解決に向けて主体的、協働的に学ぶ学習が学力の向上に有効であることから、アクティブ・ラーニング推進事業やアクティブ・ラーニング学習モデル研究事業等の取り組みを実施しているところであります。 教育委員会といたしましては、これらの取り組みを進めることでさらなる学力向上を図るとともに、社会力育成事業などを通して、たくましくしなやかな社会性を育成することにより、子供たちが社会の変化に主体的に対応し、生涯を意欲的に生き抜くための力を身につけさせていきたいと考えております。 ○議長(寺本初己議員) 波多正文議員の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 上村富昭議員。   (上村富昭議員 登壇)
    ◆13番(上村富昭議員) 皆さん、おはようございます。新政会の上村富昭でございます。 第18回定例会におきまして、質問の機会を与えていただきましたことに、まずお礼を申し上げます。 先輩、同僚の議員の皆様におかれましては、しばらくの間御清聴願います。 また、理事者各位におかれましては、私の意のあるところをお酌み取りいただき、明快でわかりやすい答弁をお願いいたします。 質問に入ります前に、先日の台風により岩手県や北海道などで大きな被害が出ました。この場をおかりしまして亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。また、一日も早い復興を祈念申し上げます。 それでは、質問に入ります。 最初に、後期まちづくり基本計画についてお聞きします。 本市は、平成24年度に現在の総合計画を策定しました。総合計画は、まちづくりの方向性を示す行政運営の総合的な指針となる最上位の行政計画です。 現在の総合計画は、中長期的な指針であるまちづくり基本構想と、これを具体化するためのまちづくり基本計画により構成されています。 また、このまちづくり基本構想の期間は、平成25年から34年までの10年間とされ、まちづくり基本計画はこの10年間を2つに分け、平成25年度から平成29年度までを前期、30年度から34年度までを後期にしています。そして、今年度から30年度からの後期まちづくり基本計画の策定に着手しています。 また、現在の総合計画は、目指すべき尼崎の将来像を4つのありたいまちとして示し、そうしたまちに向けた取り組みを展開することにしています。 4つのありたいまちとは、人が育ち、互いに支え合うまち、健康、安全・安心を実感できるまち、地域の資源を活かし、活力が生まれるまち、次の世代に、よりよい明日をつないでいくまちの4つです。 しかし、この4つのありたいまちは、大変抽象的であり、かつどこの自治体にも当てはまるような総花的な内容になっています。このことは、総合計画の審議をした際、議会でも大変議論になりました。 もちろん、こうしたまちの姿を目指すことを否定するものではありませんが、これは究極的な目標であり、総合計画の期間が10年間であることを考えると、この期間で達成できるような、もっと焦点を絞った具体的な姿を示すべきであったと思いますし、この10年間に尼崎市がどこに力を入れようとしているのかがわかるような内容にすべきであったと思います。 まず、お聞きします。 後期基本計画においても、この4つのありたいまちを目指した計画になるのでしょうか。この際、基本構想も見直し、残りの5年間で達成できる現実的な目標を掲げるべきではないでしょうか、御所見をお聞かせください。 この後期計画の策定に当たっても、前期と同様に市民の意見を聞きながら進められると思います。私も市民の意見は十分に聞かなければならないと思っています。しかし、市民に丸投げするようになってしまってはだめだと思っています。 基本構想の目指すべき将来像が、4つのありたいまちという抽象的な最小公倍数的な内容になってしまったのも、最初から市民任せのような進め方をしたからではないでしょうか。 私は、行政の皆さんこそ一番この市のことを熟知しており、課題も知っていると思っております。逆に言えば、市民の税金で生計を立てている皆さんにこそ、そうあらねばならないと思います。 お尋ねします。 後期計画の策定にあたっては、行政の皆さんが主体性を持って市が抱える課題やそれを克服する手法を市民に提示し、それをもとに市民と議論するという方法をとるべきだと思いますが、いかがですか。 また、現在の前期基本計画には、施策の方向性の記述はありますが、目標数値の記述はありません。今、当局は施策評価を導入し、各事業に対する進捗状況を数値で示し、それによってPDCAサイクルを回しています。それであれば、そのもととなる基本計画も目標数値を示すべきです。 このことは、前期計画を策定する際にも大きな議論になりました。目標数値を示せば、市の目指すまちの姿がより明確になると思います。 お尋ねします。 後期計画においては、目指すべきまちの姿として、例えばゼロ歳から5歳の人口や全人口に占める割合、子供たちの学力、市民所得等の目標数値を示すべきだと思いますが、いかがですか。御見解をお聞かせください。 次に、地方創生についてお聞きします。 平成26年5月に日本創成会議の人口減少問題検討分科会が発表した2040年、平成52年に全国の49.8%に当たる896の市区長村が消滅する可能性があるという推計は、国内に大きな衝撃を与えました。 この推計に危機感を持った政府は、同年9月にはまち・ひと・しごと創生本部を設置し、12月には少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目的としたまち・ひと・しごと創生法を成立させました。 そして、この法律において、政府に総合戦略の策定を義務づけるとともに、地方には策定の努力義務を課しました。また、政府は地方での取り組みを促進するため、平成26年度の補正予算に1,700億円を計上し、平成27年度には補正予算で地方創生加速化交付金と銘打ち1,000億円を計上、そして平成28年度当初予算において、地方創生推進交付金という名称で1,000億円を計上しました。 本市は、こうした政府の動きに合わせ、平成26年度2月の補正予算で29件、約1億8,000万円の事業費を計上し、27年9月の補正予算では2件で約1,100万円の事業費、そして27年度2月の補正予算では10件で8,500万円の事業費を計上しました。 また、この間の昨年10月には、尼崎人口ビジョンと尼崎版総合戦略を策定しました。本市の総合戦略では3つの基本目標、すなわちファミリー世帯の定住・転入の促進、経済の好循環と「しごと」の安定、超高齢化社会における安心の暮らしの確保という3項目を基本的な目標に掲げています。 地方創生は、地方での人口増加と東京圏への一極集中を是正するために行うものです。この目標達成のために特に大切なことは、私は仕事、産業であると思っていますし、また、各自治体の知恵に差が出るような産業や起業促進だと思っております。しかし、これまでの事業を見る限り、産業の活性化、起業の促進に本当に寄与しているのか疑問があります。 具体的に申しますと、まずは創業支援オフィスとして設置されたアビーズです。これは、国の地方創生交付金を活用し、4,000万円もの市からの補助金を投じて、昨年10月に中小企業センター内に設置されたものです。 アビーズが設置されて1年たとうとしています。平成28年度施策評価結果では、ソフト面での創業支援機能強化を図るとしていますが、産業振興という観点からのこれまでの評価と今後具体的にどのように創業支援機能の強化をされるのかをお聞かせください。 次に、ソーシャルビジネスへの支援です。 ソーシャルビジネスというのは、社会的課題をビジネスの手法で解決していこうとするものであり、こうしたビジネスへの支援は単なる起業支援ではなく、その先には社会的課題の解決がなければなりません。 本市は、平成26年2月にソーシャルビジネス振興に向けた基本的な考え方を示し、支援を行っていますが、それがどのように成果としてあらわれているのか、わかりにくくなっています。 お尋ねします。 これまでの取り組みによって、どのような社会的課題が解決されたのかお示しください。また、今後市としてどのような事業展開をされるおつもりなのかも、あわせてお答えください。 次に、本市の総合戦略は6つの政策分野を掲げており、この分野ごとに具体的事業を示しています。この中に、他都市には余り見られないシビックプライドの醸成という項目があります。 しかし、平成27年度2月補正で計上したシビックプライドに関する事業について、国の交付金申請を行ったものの、全て不採択となりました。 お尋ねします。 なぜ不採択となったのでしょうか。シビックプライドの醸成は、地方創生に寄与しないという考えなのでしょうか。あるいは、まちづくりを行う上でシビックプライドは当たり前だからなのでしょうか。当局はどう分析されていますか、お答えください。 また、今後も不採択となるのであれば、総合戦略の6つの政策分野の1項目として上げることすらおかしくなると思いますが、いかがですか。 さて、地方創生に関する国の交付金は、今後も名称や内容の多少の変更があったとしても5年間継続すると聞いています。これまで、国の要綱等の発表が募集の間際で当局も苦労されているようですが、国の制度の発表を待たず、前もって準備をしておくことが必要です。 お尋ねします。 本当に地方創生に寄与する事業を実施するためには、今後も交付金が継続されるという前提に立って、前もって準備をしていく必要があると思います。そのための仕組みや体制が必要と考えますが、どのように考えていますか、お答えください。 以上で私の第1問目を終わります。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 答弁を求めます。 中浦企画財政局長。 ◎企画財政局長(中浦法善君) 後期まちづくり基本計画と地方創生に関する一連の御質問にお答えをいたします。 まず、後期まちづくり基本計画においても4つのありたいまちの達成を目指すのか、基本構想を見直してはどうかとのお尋ねでございます。 後期まちづくり基本計画につきましては、平成29年度中の策定を目指し、ことしの7月に市長、両副市長や局長級の職員で構成されるひと咲きまち咲き推進本部を設置するとともに、関係課長から成る庁内会議を設け、その策定の方向性について検討を始めたところでございます。 4つのありたいまちにつきましては、一定期間変わることのない基本的なまちづくりの方向性として基本構想においてお示ししているものであり、前回策定時から大きな社会経済環境の変化が見られない中、基本構想については見直すものではないと考えておりますが、今後尼崎市総合計画審議会や市民懇話会等で御意見をお伺いしてまいります。 次に、市民との議論は行政が主体性を持って課題やそれを克服する手法を市民に提示すべきではないかとのお尋ねでございます。 基本構想でもお示しをしておりますとおり、ありたいまちの実現に向けては、行政、市民、事業者がともに取り組むことが必要であり、そのため行政の役割といたしましては、積極的に地域に入り、まちづくりに関するさまざまな情報を収集、活用し、知恵を働かせて市民や事業者の皆様が活躍できる場や仕組みを整えながら多様な活動を結びつけ、支援していくといったことが重要であると考えております。 したがいまして、後期まちづくり基本計画の策定に当たって開催いたします市民懇話会におきましては、本市が抱える課題や他都市の事例など課題解決に向けた取り組みの方向性についてお示しする中で、市民、事業者、行政が果たす役割やそれぞれのまちづくりへの取り組み内容について、ともに考え議論が深まるよう努めてまいりたいと考えております。 次に、後期計画においては、目標数値を示すべきと思うがどうかとのお尋ねでございます。 議員御指摘のとおり、後期まちづくり基本計画におきましては、各施策の指標に対する具体的な目標数値を設定するよう検討を進めてまいりたいと考えております。 具体的な指標や目標数値につきましては、総合戦略や施策評価において示す評価指標などをもとに、今後立ち上げます尼崎市総合計画審議会や市民懇話会等で御意見をお伺いしてまいりたいと考えております。 次に、本市が申請した地方創生加速化交付金のうち、シビックプライドの醸成に関する事業が不採択となったことをどのように分析しているのか、今後も不採択となるのであれば、総合戦略の政策分野の1項目とするのはおかしいのではないかとのお尋ねでございます。 地方創生加速化交付金の採否につきましては、内閣府地方創生推進室が評価基準に基づき、自律性、官民連携、地域間連携、政策間連携等における先駆性について採点され、決定がされているものでございます。 採点結果が公表されておりませんことから、不採択理由の詳細は把握できておりませんが、当交付金が地域のしごと創生に重点を置くこととされておりますことから、しごと創生、地方への人の流れ、働き方改革、まちづくりの4つの事業分野のうち、とりわけしごと創生分野が採択件数、金額ともに全体の50%を超える状況であり、結果として限られた予算の中でしごと創生分野を中心に採択されたのではないかと考えております。 一方、今年度から制度化されております地方創生推進交付金の一次募集では、他都市におきましてシビックプライドの醸成に資する事業なども採択されている状況でございます。 シビックプライドの醸成の取り組みは、本市が最重要視している目標であるファミリー世帯の定住・転入促進に大きく寄与すると考えておりますことから、引き続き総合戦略の政策分野の一つの項目として重点的に取り組んでまいります。 最後に、地方創生に寄与する事業を実施するためには、今後も交付金が継続される前提で、あらかじめ仕組みや体制を準備しておく必要があると思うがどうかとのお尋ねでございます。 事業の構築に当たりましては、総合計画の4つのありたいまちごとの今後の取り組み方針のほか、尼崎版総合戦略や施策評価結果などに基づき、まずは本市の目指すまちの実現に真に寄与する事業を検討することが重要であると考えております。 その上で、今回新たに創設された地方創生推進交付金が活用できる場合には、積極的にその活用を検討してまいりたいと考えております。 また、これらの検討を行う際は、施策、局を超えて協議していく必要もありますことから、必要に応じて関係局におけるプロジェクトチームを設置するなど、組織横断的に協議等を行う体制について検討してまいります。 ○議長(寺本初己議員) 若竹経済環境局長。 ◎経済環境局長(若竹保君) 私のほうからは、産業施策等に係る御質問にお答えをしていきます。 まず、設立後1年を迎えるアビーズのこれまでの評価は、また、今後どのように創業支援機能を強化するのかというお尋ねでございます。 創業支援オフィスアビーズは、創業者や創業準備段階にある方に対して、安価なオフィスと創業に役立つ情報の提供だけでなく、入居者同士の交流を図ることにより、産業振興基本条例の基本理念である起業の促進を実現すべく、昨年10月に開設したものでございます。 アビーズでは、具体的な取り組みとして、インキュベーションマネージャーによる経営相談のほか、先輩起業家やビジネスについての著名人によるセミナー、さまざまなジャンルの創業者、産業関連団体との交流事業などの創業支援策を実施しており、平成28年9月1日現在で17人がオフィスに入居し、うち食品開発の支援やインテリア雑貨販売など4人が創業しており、起業の促進に一定の効果が出ているものと考えております。 今後も入居者の事業計画や資金調達の相談を行うなど、新たな創業者の育成を目指し、各種支援策の内容充実のほか、商工会議所や地域金融機関とのさらなる連携強化を図ってまいりたいと考えております。 次に、ソーシャルビジネス支援のこれまでの取り組みによってどのような社会的課題が解決されたのか、また、今後どのように事業展開していくのかというお尋ねでございます。 ソーシャルビジネス支援につきましては、これまでにフォーラムの開催やビジネスプランコンペの実施による周知、普及活動を中心に取り組んでまいりました。ビジネスプランコンペ参加者の中には、産後や子育て中の母親の居場所づくりや子供の書く力、読む力の向上などの課題解決の一助とするため、実際に起業し、事業活動を続けておられる例もございます。 また、今年度からは日本政策金融公庫と連携し、ソーシャルビジネスの活動に対する融資への利子補給制度も実施するなど、具体的な支援策にも取り組み始めております。 今後とも創業に向けた支援の中で、ソーシャルビジネスを育てながらさまざまな社会的課題の解決を図り、課題解決先進都市としてより具体的な事業化モデルをふやしていけるよう、継続的な取り組みを進めてまいります。 ○議長(寺本初己議員) 上村富昭議員。   (上村富昭議員 登壇) ◆13番(上村富昭議員) 2問目に入ります。 2問目の最初に、普通財産の貸し付けについてお聞きします。 現在、市はさまざまな団体に対し、普通財産の貸し付けを行っています。中でも、条例に基づき公益上の必要性や特別の理由があると認められる場合には、貸付料の減免や免除を行っています。 しかし、条例上どういう場合にどの程度減免するのか、また免除にするのかという明確な基準はなく、その取り扱いが明確になっていませんでした。 このような事情もあり、市はあまがさき「未来へつなぐ」プロジェクトにおいて、自主財源の確保策の一つとして公有財産の無償使用、減免の見直しを掲げました。そしてこのことを受け、平成26年7月には市は公有財産の無償使用、減免の見直しについてを発表し、その中で平成26年度中に使用料等の減免、免除の明確な基準を設けるなど、貸し付け等に当たっての諸条件についての一定の整理を行うとしました。その後、市は、平成27年4月1日に貸付料の減免基準を定め実施しています。 しかし、その中で、貸付面積の大きい社会福祉法人や外郭団体等に対する土地の貸し付けについては、減免率が検討中とされています。社会福祉法人に対する貸し付けの件数は35件で、面積は4万4,800平方メートル、これに対し、本来の貸付料を徴収すれば2億円近くの増額にもなり、外郭団体の場合は10件で2万8,100平方メートル、本来の貸付料を徴収すれば1億6,400万円の増額にもなります。 貸付料を徴収したことにより、何らかの財政的援助が必要な団体があるかもしれませんので、そのままの額が増収になるとは考えられませんが、それでも相当大きな額になります。 また、社会福祉法人の場合、さまざまな経緯、経過があるにせよ、そもそも市が無償で土地を貸しているところと自前で土地を用意しているところがあり、公平性にも欠けています。 そこで、お尋ねいたします。 平成26年7月の時点では、平成26年度中に使用料等の減免、免除の明確な基準を設けるとされていましたが、なぜいまだに社会福祉法人や外郭団体等に対する減免等の基準が検討中となっているのでしょうか、その理由をお聞かせください。 平成26年7月に取り組みの方向性が示され、既に2年が経過しています。にもかかわらず、いつまでも検討中としているのは問題だと思います。問題を先送りしても、解決にはつながりません。関係者みずからが自分で解決するという気構えが必要です。 検討中としている減免率について、いつまでにどういう手順で結論を出すのでしょうか、お答えください。 普通財産の貸し付けに関連して、あと1点お聞きします。 ある法人保育所が園舎の改築工事を行うに当たり、仮設園舎の敷地として公園の一部を借りていることがわかりました。調べてみますと、他の保育所についても園舎の改修工事に当たり、市の土地を借りたケースがあるとのことですが、一方、別の保育所ではビルの1室を借りたとのことです。対応に一貫性が見られません。 お聞きします。 保育所は公共用の事業を行っているところであり、市がさまざまな面で支援するのは当然だと思っていますし、市が所有する土地を貸し付ける場合は、基準に基づいてきっちり貸付料を徴収しているとのことですが、なぜこのように対応に違いがあるのでしょうか、その理由をお聞かせください。 次に、市報あまがさきについてお聞きします。 この9月号の市報の表紙は、ことしの夏、見事に甲子園の出場を果たした市立尼崎高校野球部ナインの寄せ書きでした。市尼の甲子園出場は、前回はあの池山選手を擁したときで、実に33年前でした。以降、市尼の甲子園出場は市民にとって悲願でした。それが、まさに100周年というこの年に見事に達成してくれました。本当に感激しましたし、竹本監督初め、野球部の皆さんには本当に感謝しています。 市制100年とはいえ、盛り上がりに欠ける中で、市尼の甲子園出場は本当に尼崎を盛り上げてくれました。甲子園では、初戦で強豪相手に惜しくも敗れましたが、9回裏には2点差を追いつき、市尼らしい粘りの野球を見せてくれました。本当にすばらしい試合を見せてくれました。ことしのチームは2年生が多いと聞いています。また来年以降も楽しみにしたいと思っております。 質問に戻ります。 新聞でも雑誌でも、表紙は一番重要なところです。表紙によってその真価が問われると言っても過言ではありません。まして広報紙の場合、広報紙そのものの中身だけでなく、そのまちがどういうまちなのかも問われることになります。 駅はまちの顔と言われていますが、広報紙もまちの顔です。しかし、最近市報を見ていますと、本当にそういう意識でつくっているのか疑問に思うところが幾つかあります。 まず、ことしの6月号ですが、表紙には「路上喫煙は気になりますか?」という文章と「気にならない」と書いてある紙を持った男性と「気になる」と書いてある紙を持った女性の写真、そして、「気になる」が77%、「気にならない」が23%という円グラフでした。 次に、7月号です。この号では、スマホを見ながら自転車に乗っている男性の写真と「絶対あかん!スマホ見ながら運転」という赤い文字でした。 広報紙の表紙でよく見られるのは、その時々の旬のものであったり、旬の人です。余りこういうネガティブな内容は見られません。 そういう意味で、大変インパクトがあるのはわかりますが、先ほど申しましたように、市報の表紙は尼崎の顔ですから、私はこういうまちの恥となっているようなものをわざわざ表紙に取り上げることに疑問を持っています。 また、この9月号も市尼の野球部のことを取り上げたのは大賛成ですが、寄せ書きではなく写真であったほうがよかったのではないかと思っています。これは私だけの感覚かもしれませんが、私と意見を同じくする人、しない人、さまざまだと思います。 問題は、私のように違和感を持つ人がいる中で、市報の編集において、市民の意見を吸い上げるシステムができているかどうかという点です。 現在、市では、あまサポねっとアンケートを行っており、市報と広報番組について意見を聞いていますが、その内容は、市報を読んでいるかとか、市報に掲載された講座やイベントなどに参加したことがあるかといったもので、よく新聞が行っているような内容についての批判までは行っておりません。 お尋ねします。 市報あまがさきの内容や編集について、市民の意見を聞くモニター制度等を導入すべきと思いますが、当局はどのように思われますか。 さて、今も申しましたとおり、市尼野球部を市報で取り上げたのは大賛成ですが、市尼でいいますと、ほかにも例えばことしのインターハイでは、男子ハンマー投げの服部選手が優勝していますし、女子のやり投げでは、まだ2年生ながら武本選手が2位に入っています。また、男子バレーボール部は全国屈指の強豪校で、インターハイには17年連続して出場していますし、いわゆる春の高校バレーにも5年連続で出場しています。 一方、尼崎双星高校でも、第40回全国高等学校総合文化祭将棋部門の女子個人戦で、1年生の松尾さんが見事優勝しています。これは兵庫県では初という快挙です。 また、プロの世界になりますが、ことし尼崎出身の平野亮一さんが、英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルに昇格しました。英国ロイヤル・バレエ団は世界三大バレエ団の一つと称され、また、プリンシパルというのはそのバレエ団におけるトップの階級にいるダンサーを指し、主役を踊るダンサーのことを言います。したがって、平野さんは、現役の世界中のダンサーの中で最高のダンサーの一人ということになります。日本人では2人目の快挙です。 このように、ことし尼崎出身やゆかりのある人たちが国内外で活躍していますが、全て市報で紹介されているわけではありません。小林可夢偉さんや尼子騒兵衛さんだけでなく、このように活躍している人たちも市報に載せて紹介するなど、市を挙げて応援すべきです。 お尋ねします。 全国大会で優秀な成績をおさめた人や、海外で活躍している人などを漏れなく市報に掲載し、掲げて応援している姿を示すべきだと思いますが、当局のお考えはいかがですか。 今、申しましたように、尼崎出身やゆかりのある方々で、さまざまな方面で活躍されている方はたくさんいます。兵庫県ではふるさと応援団を設立し、兵庫県にゆかりのある人たちから応援をもらっていますし、加東市では、関東加東応援団というものを設立しています。会員数は七十数名にも上っているとのことです。 尼崎市でも、以前、国の官僚を中心とした創生の会というものがあったと聞いていますが、理解のない議員等がいて、今は休止状態になっているようです。 ことし市制100周年のPR大使に、女優の南果歩さん、落語家の桂吉弥さん、フォークデュオのあまゆーずさんがなっていますが、大使という個人ではなく、こうした方々も巻き込んで、国の官僚だけでなく、各界で活躍する全ての人を巻き込んだ応援団の結成を求めますが、市長はどのように思いますか、お考えをお聞かせください。 次に、教育振興基金についてお尋ねします。 教育振興基金は、市長の2期目の選挙公約に基づいて平成27年3月に設置され、27年度に総合教育会議で使途が協議され、平成28年度からこの基金を使った事業が開始されています。 平成27年度中に集まった寄附金は1,100万円で、市民の教育に対する関心の高さが見られます。また、この基金の使途は、英語学習ホップ・ステップ・ジャンプ事業と、育み・育ち・つなぐ音楽のまち尼崎事業の2事業になっており、現時点では、他の使途について検討を行っていないとのことです。 しかし、この使途には疑問があります。そもそもこの基金は、市民の皆さんからの寄附によるものであり、寄附する側はさまざまな意見をお持ちだと思います。ことしの夏は、市尼が甲子園に出場しましたし、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックが開かれ、4年後には東京で開かれます。ですから、スポーツのために使ってほしいという方もたくさんおられると思います。 昨年の私の質問に対し、教育長は寄附者の気持ちを加味すると答弁されていますが、残念ながらアンケート等により寄附者の意向を聞くなど、そうした仕組みづくりがなされておりません。また、総合教育会議で決められ、議会には事前の相談がなかったことも納得できません。 お尋ねします。 教育振興基金の使途について、現時点では英語教育と音楽に限るとのことですが、使途を限定せずにもっと柔軟に使えるようにすべきではないでしょうか。 また、現在は、寄附者の意向や議会の意見を聞くシステムがありません。きっちりと実績を示して、そうした仕組みをつくるべきではないでしょうか、御答弁ください。 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 答弁を求めます。 塚本資産統括局長。 ◎資産統括局長(塚本英徳君) 普通財産の貸し付けの見直しについて、なぜいまだに社会福祉法人や外郭団体等に対する減免基準が検討中となっているのかとの御質問でございます。 社会福祉法人や外郭団体等に対する減免基準につきましては、法人等が実施しております事業について、本市施策としての必要性や他の事業との整合性、無償貸し付けに至った経緯等を踏まえて判断する必要があるなど、検討すべき課題が数多くありますことから、平成27年度から平成29年度までの3年の期間を設けて、引き続き検討することとしているものでございます。 次に、検討中としております減免率について、いつまでにどういう手順で結論を出すのかとの御質問でございます。 社会福祉法人等に係る減額基準につきまして、今後新たに貸し付けを行うものは、公益性の観点や受益と負担の公平性の観点などを考慮し、原則2分の1の減額基準を適用していく予定ということで、現在、検討を進めているところでございます。 また、既存の貸し付けにつきましては、一定の経過措置を講じた上で、新たな減額基準の適用を図っていく必要があると考えておりまして、現在、経過措置のあり方につきまして、庁内調整を図っているところでございます。 今後、貸付先とも調整を図った上で、平成29年度末までに経過措置を含めた減額基準を決定してまいります。 また、外郭団体等につきましては、今後新たに貸し付けを行うものは、社会福祉法人等と同様に原則2分の1の減額基準を適用していく予定で検討しておりますが、既存の貸し付けにつきましては、外郭団体等のあり方そのものの議論が必要となってまいりますことから、今後、外郭団体等の見直しの取り組みの中で、一体的に検討してまいります。 ○議長(寺本初己議員) 作野こども青少年本部事務局長。 ◎こども青少年本部事務局長(作野靖史君) 法人園の園舎の改築工事を行うに当たり、仮設園舎の設置に係る対応に違いがあるのはなぜかといったお尋ねでございます。 本市におきましては、老朽化している民間保育園に係る建てかえや改修といった施設整備に対し、国の交付金等を活用した保育環境改善事業として、その費用の一部を補助しているところでございます。 保育園を建てかえ等する場合は、その敷地面積は限られていることから、既存園舎から遠くない場所に仮設園舎を設置して事業を実施するのが一般的でございます。そのための敷地や貸し室は、原則として、事業を実施する保育園におきましてみずから探して確保していただいておりますが、御指摘のように、その貸付元が民間である場合も、市である場合もございます。 近隣に貸し付けるにふさわしい普通財産の用地や建物がある場合は、公有財産の有効活用の観点から、地方自治法や市公有財産規則等の規定に基づき、当該用地等を管理する所管課と民間保育園との契約により、貸し付けを行っているものでございます。 その際、施設整備補助の所管部局であるこども青少年本部事務局では、事業の円滑な実施のため、法人からの相談に対し、各部局へ用地等の紹介をしたりすることがございますが、補助のメニューとして公共用地等の貸し付けを保証するものではございません。 ○議長(寺本初己議員) 中浦企画財政局長。 ◎企画財政局長(中浦法善君) 市報あまがさきと尼崎応援団の結成についての御質問にお答えをいたします。 まず、市報あまがさきの内容や編集について、市民の意見を聞くモニター制度等を導入すべきと思うがどうかとのお尋ねでございます。 議員御指摘のとおり、市報あまがさきに対する市民の皆様の御意見をお聞きすることは、市報あまがさきを編集する際には大変意義があると考えております。そのために、現在は、あまサポねっとを初めとするアンケート調査の実施やあまっこアルバムのコーナーへの写真応募の際には必ず市報への要望を記載してもらうなど、日ごろの取材を通じまして市民の御意見を積極的に収集するよう努めているところでございます。 また、平成28年3月に実施いたしましたあまサポねっとのアンケート内容にも、市報あまがさきへの要望等を自由に記載する欄を設けて、御意見をいただき、編集の際の参考にいたしております。 議員御指摘のモニター制度という効果測定の手段もございますが、今後とも取材の機会を広げるとともに、多様な機会を通じまして、幅広い年齢層の方々に御意見をいただきながら編集をしてまいりたいと考えております。 次に、全国大会で優秀な成績をおさめた人や海外で活躍している人などを漏れなく市報に掲載し、市を挙げて応援している姿勢を示すべきではないかとのお尋ねでございます。 まちの魅力を売り込むシティセールスや、子供たちに夢を持ってもらう観点から、さまざまな分野で活躍している人を市報に掲載することは、議員御指摘のとおり重要なことと考えております。 市報につきましては、これまでオリンピックのアスリートを表紙で取り上げましたほか、空手や水泳、将棋の全国大会で優勝した生徒をまちの話題、まちの笑顔のコーナーで紹介をしてまいりました。また、市報10月号では、毎年全国コンクールで優秀な成績をおさめている尼崎市吹奏楽団を特集コーナーで取り上げる予定でございます。 今後とも国内外で活躍する市とゆかりのある人の活動を可能な限り取り上げる機会をつくってまいりたいと考えております。 次に、尼崎市出身やゆかりのある方々による尼崎応援団を結成してはどうかとのお尋ねでございます。 現在、本市では、シティプロモーションに取り組んでいく際の重要な課題の一つとして、定住人口の増を掲げており、尼崎に住んでもらうためには、まず尼崎を好きになってもらうこと、そのためには尼崎が好きな人をふやしていくことが大事であるとして、さまざまな取り組みを推進しているところでございます。 その取り組みの一つとして、平成25年5月に尼崎を訪れ、本市の魅力をPRしてくれる方を、影の尼崎観光特使に任命する制度を設けました。地名めぐりなどで訪問いただいたアニメ忍たま乱太郎のファンを中心に、ことしの8月末現在で、市外からも約4,500名の方に御登録をいただいております。特使の方々の口コミにより、尼崎のまちの魅力やイベント情報が広く拡散され、尼崎のPRとして大きな効果がございます。 議員御提案の尼崎応援団につきましても、市制100周年PR大使等を初め、尼崎ゆかりの方々のお力をかりて、ともに尼崎を盛り上げていく仕組みとして研究をしてまいりたいと考えております。 ○議長(寺本初己議員) 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) 教育振興基金についての御質問にお答えいたします。 まず、教育振興基金の使途について、現時点では英語教育と音楽に限るとのことであるが、使途を限定せずに、もっと柔軟に使えるようにすべきではないかとのお尋ねでございます。 教育振興基金は、より多くの市民や事業者の皆様に、次世代を育むための教育への支援をお願いし、市民参加型の基金といたしまして、平成27年3月に設立したところでございます。 また、その使途につきましては、子供たちの教育を支援する事業や生涯学習やスポーツを振興する事業などとし、多くの方々の賛同を得て多額の御寄附をいただいているところでございます。 事業につきましては、一般財源事業とは異なる新たな事業に活用するとの考えのもと、総合教育会議において協議するとともに、事業素案作成の段階でPTAなど保護者の皆様から御意見をお伺いした上で、今年度より新規事業といたしまして、英語学習ホップ・ステップ・ジャンプ事業及び育み・育ち・つなぐ音楽のまち尼崎事業として実施しているところでございます。 現段階では、これらの事業を一定期間継続し、成果と課題を明らかにしてまいります。いずれにいたしましても、基金の設置目的を意識しつつ、幅広く市民の皆様の御期待に応える事業を行ってまいりたいと考えております。 次に、現在は寄附者の意向や議会の意見を聞くシステムがないため、きっちりと実績を示して、そうした仕組みをつくるべきではないかとのお尋ねでございます。 先ほどもお答えいたしましたとおり、今年度、教育振興基金を活用いたしました2事業に関する取り組み内容や成果などを市のホームページ等でお示しする中で、現行の事業や新たな基金の使途につきましても、寄附者を含め、さまざまな御意見を伺ってまいります。 ○議長(寺本初己議員) 上村富昭議員の質問は終わりました。 この際、休憩いたします。                        (午前11時54分 休憩)-----------------------------------                        (午後0時59分 再開) ○副議長(寺坂美一議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行いたします。 発言を許します。 杉山公克議員。   (杉山公克議員 登壇) ◆33番(杉山公克議員) 皆さん、こんにちは。公明党の杉山公克でございます。 第18回尼崎市議会定例会に一般質問の機会を与えていただき、感謝申し上げます。最後まで元気いっぱい質問させていただきますので、先輩・同僚議員の皆様には、御清聴のほどよろしくお願いいたします。 市長を初め理事者の皆様には、私の意のあるところをお酌み取りくださり、御答弁のほどよろしくお願いいたします。 それでは1問目に入ります。まちづくりについてお伺いいたします。 尼崎市制100周年の佳節の本年、次なる100年を市民とともに尼崎の未来を考え、高齢者、子育て世代、若者、小・中・高校生から幼児に至るまで全ての市民が安心して生活できる、希望が行き渡るまちづくりをしていく決意であります。公害や治安が悪い、学力などの教育問題、交通事故が多いなど悪いイメージが、昔の尼崎が、そしてひとり歩きをして現在の本市のイメージに至っていると考えます。 決して今の尼崎市は公害のまちではありませんし、これを乗り越えた環境都市の実現を目指しています。治安についてもひったくり撲滅宣言を行い、市民と行政の協力のもと、大幅に減少させました。教育についても、学力問題には後ほど触れますが、本市の予算を教育に重点化することにより、耐震化や空調設備などの教育環境の改善が行われ、子供たちが安心して学習や運動に励む環境が整いました。交通事故も毎年通学路の安全対策に努め、整備が順次進み、児童・生徒が安全に登校することができるようになりました。学校での安全管理員さんや地域での見守り、登下校時のメールによるお知らせなど、保護者が安心できる体制も整ってまいりました。 本市の都市課題でもある自転車については、(仮称)尼崎市自転車のまちづくり推進条例の制定を考えていらっしゃると聞いていますが、以前より私も自転車安全利用条例の制定を提案してきたところですので、その制定、実施により交通事故等が大幅に減少することに期待するものであります。 このような悪いイメージは、今の尼崎の現状ではありません。市民一人一人が尼崎に愛着を持ち行動するシビックプライド、尼崎の悪いイメージを払拭するシティプロモーションにより、やっぱり住んでよかった、来てよかったという尼崎のまちづくりを一層推進していかなければならないと思います。 最初に、尼崎城を生かしたまちづくりについてお伺いいたします。 平成27年11月25日に、「尼崎城の建築及び寄付に関する協定」を尼崎市長と寄附者である安保詮氏との間で締結いたしました。安保氏からは「尼崎城について、子供からお年寄りまで歴史を学べ、楽しめる場所を提供したい、末永く市民に愛されるよう整備したい」との意向が寄せられ、尼崎市としても、「尼崎城について本市の歴史的な地域のシンボルとしての活用のみならず、城内地域や寺町、さらには商店街などもめぐっていただくための観光資源としても期待できるものと考えている」との考えが示されました。場所は尼崎城址公園内とし、敷地条件から当時の4分の1程度を整備復元、城郭として構えを維持する。構造は四重天守、二重付やぐら、5階建て鉄筋コンクリートづくり。外観イメージはできる限り当時の尼崎城を整備復元するとしています。今後のスケジュールとして、平成28年尼崎城着工、尼崎城址公園整備に係る設計を委託、平成29年度尼崎城址公園整備、平成30年尼崎城竣工となっています。 尼崎にとって夢が膨らむ、とってもうれしいプレゼントであります。当然、寄附者である安保氏の希望や意向は大切にしなければなりませんが、本市にとっても新しいまちづくりに有効的に活用しなければなりません。 そこで、お伺いいたします。 本来は天守閣復元というような計画はなかったものと考えます。安保氏の善意をチャンスと捉え、今後のこの地域のまちづくりをどのようにしていくのか。ひいては尼崎の顔、シンボルとして積極的に市内外にアピールしていくシティプロモーションのお考えを市長にお伺いいたします。 次に、(仮称)尼崎市自転車のまちづくり推進条例についてお伺いいたします。 本市の特性、特徴を最大に生かしたまちづくりは、これからの100年の主体者たる若者が中心となって考えていかなければならないと思います。尼崎市は市域が約50平方キロメートルの面積の中にJR、私鉄の鉄道駅が13駅あり、バス路線も市内を南北、東西に、また市内を循環する路線もあります。コンパクトシティとして通勤、通学、何といっても買い物にも大変便利なまちとしての特徴を持っています。 そこで、公共交通機関や自家用車などを使わなくても、この平たんな地理を生かした移動手段、通勤、通学、買い物、遊びなどに大変便利に利用されているのが自転車であります。最近の自転車は、電動アシストつきや小さなお子さんを幼稚園や保育所に安全に送っていけるタイプの自転車など、その人のニーズに合ったものが多く販売されています。 ただ、この便利な自転車利用が駅前での不法駐輪などの駐輪問題、自転車に係る交通事故の多発、信号無視、遮断器がおりた踏切への立ち入り、右側通行、並列通行などの交通違反、危険行為が非常に多い現状であります。また、安全に運転することができないようなマナー違反が多く見受けられます。さらには自転車や歩行者が安全に通行できる道路整備も必要となってきます。 これらが、駐輪問題に見られるように以前から尼崎の都市課題でありました。本市のマイナスイメージでもありました。これらに本市も駐輪場の整備や撤去、自転車の安全通行帯の整備など実施してきました。おかげで駅前の不法駐輪は劇的に減り、市道の整備も順々に進んでいます。このような自転車に関する都市課題の解決は、行政だけの問題ではなく、また、取り締まりを強化すれば解決するものではありません。 そこで、お伺いいたします。 (仮称)尼崎市自転車のまちづくり推進条例の制定によって、これまで実施してきた自転車に関する事業がどのように変わっていくのか。また、市民にとって実際メリットがあるのか、わかりやすくお示しください。 次に、富松城を生かした地域のまちづくりについてお伺いいたします。 平成28年度予算に、歴史遺産を生かしたまちの魅力再発見事業費として約700万円が計上されています。以前にも質問させていただきましたが、富松城跡を活かすまちづくり委員会が15年もの長きに活動してきたことがやっと実を結んだことに、関係者の皆様の御尽力に感謝を申し上げます。 そこで、お伺いいたします。 これまでの地域の皆様の努力と、行政のかかわり方をお聞かせください。また、協働のまちづくりのモデルケースとなったのでしょうか、お答えください。 教育について、最初に学力向上についてお伺いいたします。 尼崎地域産業活性化機構が発行した「次代を担うひと・まち・産業」に徳田耕造教育長の「山は動いた」とのタイトルで特集論文が掲載されていました。その中で、大人がみずから学ぶ姿勢を見せるとともに正しいマナーに気をつけること、そのことが子供たちへの大切な教育の一歩であると私は考えている。その意味では社会教育が重要であり、その上で学校教育をどのように進めていくのかを考えていくのが本来であるが、中略でございます、具体的に言えば、学校教育では子供たちがみずからの能力を高め、しっかりとした学力を身につけるだけではなく、他者とつながるたくましくしなやかな社会性も育成する必要があると言えると述べています。 さらに、1970年(昭和45年)後半から高等学校への進学希望者が増加し、学力向上に対する要求が高まってきた。一方、確固たるデータがないまま、いわゆる都市伝説のように尼崎の子供たちの学力が低いと言われていたと記述があります。教育委員会では、1985年(昭和60年)前後において学力向上対策事業を実施し、それぞれの学校においてすぐれた取り組み事項例や模範的な授業を公開するなど、当時としてはでき得る限り対応を行ってきた。ただ、データをもって経年変化や検証を明らかにしてきたわけではなかった。 本市における学力向上に関する対応が大きく変化したのは2004年度(平成16年度)から業者テストを用いた尼崎市立小・中学校学力・生活実態調査の実施により、中略でございます、全ての学年、教科において、国語以外全国レベルを大きく下回るという衝撃的なものであったと記述されています。 この中で、昭和45年に学力向上に対する要求が高まってきたのに、昭和60年前後でやっと学力向上対策事業を実施したのはなぜでしょうか。15年もの年月が流れています。尼崎の子供たちの学力は低いとは都市伝説だったのでしょうか、このことに疑問を持つものであります。 そこで、お伺いいたします。 昭和45年から60年まで、教育委員会が学力向上の対策をしてこなかった理由はなぜでしょうか、お聞かせください。さらに、尼崎の子供たちの学力は低いとの都市伝説の御所見をお聞かせください。 先日、学力向上の取り組み、全国最上位の秋田県東成瀬村立小学校、中学校に会派視察で行ってまいりました。当日は足立区の教科指導専門の先生も視察に来られていて、小学校も中学校も校長先生を初め先生方、児童の熱心な授業に感動いたしました。もちろん合併をしない単独立村で、人口は約2,600人、高齢者率35%の小さな村です。東成瀬小学校は児童数98人、東成瀬中学校は生徒数75人のそれぞれ1校ずつの小規模校であります。 この小学校での学力向上の取り組みは、1、授業改善、2、読解力、表現力の向上、3、個に応じた指導の充実、4、基礎・基本の定着、5、職員研修とあります。特に授業は、国語、算数、理科などは複数の先生や支援員によるチームティーチングと子供一人一人の学習に応じた指導、児童たちの考える力の育成のための発言の場、それを賛成するなどの子供同士の評価など、活発な授業風景でした。また、構造的な授業ノートや振り返りから広がる学習自主ノートは、児童の工夫や発表の場を設けるなど、子供たちのやる気を最大限発揮できるものでした。児童によってはそのノートが何十冊にも及んでいました。ここでは、単に先生から児童に授業で教えるのではなく、みずから学ぶ子供を育てるための授業がありました。 そこで、お伺いいたします。 本市ではみずから学ぶ子供を育てるための教育が小学校、中学校で行われているのでしょうか。学力全国最上位の学校の取り組みと今すぐ比べるには難しいものがあるとは思いますが、目標はそこに置くべきと考えますが、教育長の御所見をお聞かせください。 次に、地域との連携と開かれた学校についてお伺いいたします。 学校支援活動コーディネートモデル事業、新規事業についてお聞きいたします。 学校の求めと地域力をマッチングして、地域ボランティア等が学校を支援する活動に参加する仕組みを行うものとお聞きしました。 そこで、お伺いいたします。 もう少し具体的な事例を示していただき、その成果がどのようなものかをお示しください。さらに、実施校は現在どの小学校で行われているのかもお答えください。 次に、市民サービスについてお伺いいたします。 私は、以前より市民サービスの向上、市民本位のサービス体制の構築、仕組みづくりへと種々提案してまいりました。窓口サービス等の市場化テストや民間移管、市役所の時間外でも少しでも身近で手続ができるコンビニ利用による水道料金などの公共料金の納付、国民健康保険のコンビニ納付や市税のコンビニ納付は実現いたしました。あくまでも行革としての位置づけではありますが、手軽に市民がサービスを受けることが主眼でもあります。 今や、コンビニは市民の生活に定着しています。市内には全国展開のコンビニが155店舗あるそうです。食料品、飲料、日用品などの買い物はもちろん、書籍の購入、チケットの購入、宅配など、自分の時間で利用できるのが特徴です。 そこで、お伺いいたします。 マイナンバー制度が始まって、コンビニで住民票等の発行ができるようになりましたが、現在の発行状況をお聞かせください。また、マイナンバー制度が始まって市民のサービスがどのように変わったのかお聞かせください。 以上で、私の1問目を終わります。(拍手) ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 村山副市長。 ◎副市長(村山保夫君) 尼崎城天守閣復元により、今後のこの地域のまちづくりをどのようにしていくのか、尼崎の顔、シンボルとして積極的に市内外にアピールしていくシティプロモーションの考えはどうかというお尋ねでございます。 城内地区におきましては、都心と歴史文化ゾーンが調和した交流と学びの拠点の創生を目指し、歴史館機能や尼崎城址公園などの整備を進める都市再生整備計画を昨年度策定いたしました。尼崎城はこの計画と整合をとり、城内地区のみでなく尼崎市の誇るべき財産として魅力あるお城にしてまいりたいと考えております。また、尼崎城址公園においては、尼崎城と調和がとれた整備に向けて現在実施設計を進めております。 このように、御寄附をいただく尼崎城をまちづくりに有効的に活用していくため、積極的にPRするとともに、城内地区、寺町周辺や商店街など、エリア一帯をさらに魅力ある地域としていくよう、その効果的な手法について検討してまいります。 ○副議長(寺坂美一議員) 衣笠危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(衣笠年晴君) 自転車の御質問にお答えいたします。 条例の制定によって、これまでの自転車に関する事業がどう変わるのか、また、市民にとってメリットがあるのかという御質問です。 本市では、自転車で移動しやすいことをまちの強みと位置づけ、環境や健康面等における自転車の持つメリットを最大限に活用したまちづくりを推進し、市民一人一人が自転車に愛着を持ち、自転車の位置づけをこれまでの放置自転車などの都市課題から都市魅力の一つとして確立することを目的とし、昨年27年度に尼崎市自転車総合政策推進プロジェクトチームを設置し、総合的に取り組みを進めてきたところでございます。(仮称)尼崎市自転車のまちづくり推進条例を制定することにより、市だけでなく市民、市内企業の責務等を明確にし、市全体でまちづくりとして自転車施策を推進していくことを明らかにしたいと考えております。 具体的には、例えば事故防止について、これまで道路交通法に基づく警察による取り締まりなどに加え、市職員も危険な自転車運転を行う者に対してこの条例を根拠として指導が行えるなど、より効果的に取り組むことができるものと考えております。また、自転車利用に関する適切な情報提供や既存の自転車ネットワーク整備方針に基づくハード面の整備などを明確に市の責務として条例に規定し、実効性の担保を図ることで自転車の安全で快適な利用を市民にとってのメリットとして実現し、本市における自転車のまちづくりを推進し、市民がシビックプライドを持てるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) まちづくりと教育についての一連の御質問にお答え申し上げます。 まず、富松城跡を生かしたまちづくりの取り組みにおける地域と行政のかかわり方はどうか、協働のまちづくりのモデルケースとなったのかとのお尋ねでございます。 平成13年、富松城跡の土地が国に物納され、競売による消滅の危機に瀕したことをきっかけに、地域の皆さんが中心となって富松城跡を活かすまちづくり委員会を結成されました。以降、まちづくり委員会では富松城跡の保存を求めるとともに、15年にわたり周辺の清掃、展示会やシンポジウム、七夕祭り、子供ウオークラリーの開催など、まちづくり、人づくりに生かすことを目的とした多彩な活動を展開され、地域への愛着と誇りの醸成につなげてこられました。 教育委員会といたしましても、こうした地域の皆様の取り組みと熱い思いを国に伝え、城跡の保存を要望し続けました結果、平成17年度から本市が土地の管理を受託することで国が売却手続を保留し、今年度、市有地との交換を軸に市が取得すべく調整を進めているところでございます。 一方、総合計画のありたいまちの一つ、「地域の資源を活かし、活力が生まれるまち」にございますように、地域の皆さんが主体となって取り組まれてきた活動の力はまさに魅力そのものであり、またこうした取り組みを全市に広げていくためにも、地域資源を生かした協働のまちづくりにおける一つのモデルとして、これからも地域の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、昭和45年から60年まで教育委員会は学力向上の対策をしてこなかったのはなぜか、また尼崎の子供たちの学力は低いとの都市伝説についてどう考えているのかとのお尋ねでございます。 御質問にありました昭和45年から60年ごろまでは、当時の社会情勢や本市における教育課題を反映し、全体としては生徒指導に重点が置かれていたものでありますが、個々の学校現場においては学力向上にも努めていたところであります。また、当時は高等学校への進学状況の中から、尼崎の子供たちの学力は低いのではないかと言われていましたが、それを実証すべく平成16年に尼崎市小・中学校学力・生活実態調査を実施したところ、全国平均を下回る結果が明らかになり、現実的な課題として認識したところでございます。しかしながら、平成17年度から学力向上対策事業を本格的に実施し、さまざまな取り組みを重ねた結果、現在ではおおむね全国レベルに達したと考えているところでございます。 次に、みずから学ぶ子供を育てるための教育が小学校、中学校で行われているのか、学力全国最上位の学校を目標に置くべきと考えるがいかがかとのお尋ねでございます。 教育委員会といたしましては、社会の変化に主体的に対応し生涯を意欲的に生き抜くためには、生きるための基礎となる力を確実に身につけさせるとともに、みずから学び続ける意欲を高めることが必要であると考えております。これまでも学力向上クリエイト事業の中で、放課後の学習支援、特色ある教育活動への支援、家庭学習ノート等の作成支援など、児童・生徒の主体的な学習を推進する取り組みを行ってまいりました。さらに、今年度からは主体的、協働的な学習の実践研究を進めるアクティブ・ラーニング推進事業やアクティブ・ラーニング学習モデル研究事業等を中心に、主体的に学ぶ力の育成をさらに図っているところでございます。 今後とも、全国的に成果を上げている学校等の取り組みも参考にしながら、さらなる高みを目指した学力向上を進めてまいります。 最後に、学校支援活動コーディネートモデル事業の具体的な事例とその成果はどのようなものか、また現在どの小学校で行われているのかとのお尋ねでございます。 現在実施しております学校支援活動コーディネートモデル事業では、学校が必要としている支援の内容に応じて、地域や団体の皆さんに学校で御活躍いただく機会を調整するため、PTA会長や地域の実情をよく御存じの方にコーディネーターとしての役割を担っていただいております。 幾つかの事例を申し上げますと、学校の休み時間に将棋や輪投げ等の遊びの場を設定したり、新学期に向けて夏休みに学校の清掃活動を行ったり、さらには地域の事業者に職業体験を受け入れてもらうなど、学校や地域の求めに応じて、それぞれコーディネーターが学校と地域の方々を結びつけて活動へとつなぎ、実現していただいているところでございます。 このように、コーディネーターの調整機能により、学校にとっては必要な支援を地域の方々から受けることができるとともに、地域の方々には技術や経験を生かす喜びを感じていただく機会を創出することができ、地域と学校のつながりはより強く広がりを持ったものになっております。 なお、この取り組みは当初は杭瀬及び尼崎北小学校の2校で始めましたが、その後、上坂部、武庫東、そして武庫の里小学校の3校を加え、現在は5つの小学校で実施しているところでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 中川市民協働局長。 ◎市民協働局長(中川一君) コンビニエンスストアでの住民票等の発行状況及びマイナンバー制度が始まって市民サービスが変わったのかというお尋ねでございます。 コンビニエンスストアなどでの住民票等の発行の枚数につきましては、制度運用開始の平成28年1月20日から8月末までの累計で781件となっており、直近の8月1カ月間では257件となっております。コンビニエンスストアでの証明交付は午前6時半から午後11時までと取り扱い時間も長く、各種証明書交付手数料が窓口に比べて100円安いことから、御利用いただいた市民の皆様からは御好評をいただいております。また、交付件数は毎月1.3倍以上に伸びており、今年度末には1カ月間で約1,600件以上になると見込んでいるところでございます。 なお、9月10日現在でマイナンバーカードは2万1,035枚が交付済みとなっており、今後もマイナンバーカードの交付の増加にあわせて証明交付の件数が増加していくことが見込まれることに加えて、平成29年7月から公共団体間で住民情報が連携利用できるようになりますので、さらに市民サービスの向上に寄与するものと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 杉山公克議員。   (杉山公克議員 質問席へ移動) ◆33番(杉山公克議員) 1問目の御答弁をいただきました。 また後ほど2問目から質問しますので、若干感想を先に述べさせていただきます。 先ほど、教育長の御答弁の中で、45年から60年までの教育委員会は学力向上対策をしてこなかった理由はなぜでしょうかというような質問に、答弁でそのときの社会情勢で教育委員会は生徒指導を中心に行ってきた、ただ、個々の学校では学力向上の指導も行ってきたということですけれども、やはり15年間のブランクというのは非常に大きいと思うんですね。それが現実的なものになったのが平成16年の学力・生活実態調査ということで、そこではっきりとしたということですけれども、この15年間のブランクと、そして60年から平成16年までのこの間のブランクは非常に大きなものがあると思うんです。 先ほど東成瀬小学校の事例を申しましたけれども、これも本当に努力して、ここまで来たのが例えば1年、2年の問題ではなくて10年以上にわたる努力の結果、ここまでになったというふうに考えておりますので、改めて教育長にお伺いしますけれども、この昭和45年から60年度までの社会情勢と昭和60年から平成16年度までのこの間の尼崎の子供たちの学力に対する教育委員会の姿勢と実際にどのような行動をしてきたのか、もう少しわかりやすくお答えください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) まず、昭和45年から60年度のお話をさせていただきたいと思いますけれども、議員の皆さんも御存じの方もおられると思いますけれども、やはり生徒指導の荒れというのが非常に大きなものがございました。特に生徒間の暴力であるとか対教師暴力、あるいは薬物乱用、そういったような非常に大きな学校の荒れがございまして、そちらのほうにやっぱり教師のほうは精いっぱい手をとられていたと。その中でも放課後であるとか、あるいは授業の研究とかということで、いろんな形で個々の取り組みはなされておったけれども、市全体としてどういった学力向上の取り組みをしたのかということにつきましては、資料的なものは残っていなかったということでございます。 続きまして、昭和60年から学力向上の取り組みを始めてまいりました。ここでは、いい授業とはどんな授業なのか、それぞれのいい授業を見せ合っていこうじゃないか、より高いレベルの授業をやっていこうという形で先生方の授業公開等を実施してまいりました。それをやったんですけれども、実際にそしたら全国との差はどうなのかといいますと、当時におきましては、全国と比較する業者のテストというのが非常に曖昧な状態ということがございまして、果たしてそれが全国データと言えるのかどうかというような問題もございました。 その中で、市としてはできることはやっていこうということで、それぞれの授業、今までやってきた授業を高めていくための研究、それは個々の学校ではやってきた。そういった中で徐々に、そしたらどうなるのかということで、平成16年前後に市全体としての学力がはかれるんではないかというようなことで全国のいろんな調査をしましたら、ある程度、全国と比較でき得るデータが手に入るという業者が見つかりましたので、その調査を実施したというところでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) また教育については後ほど質問させていただきます。 2問目に入ってまいります。 尼崎城を生かしたまちづくりについてお伺いいたします。 先日、会派で弘前市を視察してまいりました。本市が尼崎城を復元し、まちづくりのために生かしていく参考に、弘前市歴史的風致維持向上計画と弘前城を現場で見てまいりました。この計画は平成22年2月4日に認定、計画期間は平成21年度から平成30年度であります。 弘前市の維持向上すべき歴史的風致とは、1、弘前さくらまつりに見る歴史的風致として、国指定史跡の弘前公園で行われる重要文化財の天守、門、やぐらや2,600本の桜を背景に開催される大正17年の観桜会から続いている伝統行事であります。毎年桜の咲く時期、ゴールデンウイーク期に200万人を超える人、ことしは230万人が来場したとのことです。 2は、弘前ねぷたまつりに見る歴史的風致ということで、これは重要無形民俗文化財に指定されております歴史的建造物が建ち並ぶ市街地をはやしと一緒になって練り歩く伝統行事です。 また、弘前の2つの重点区域とは、弘前城下町地区として約395ヘクタール、岩木お山参詣地区として約34ヘクタールです。策定は歴史的風致維持向上計画推進協議会、文化財審議委員会議、歴史的風致維持向上計画策定会議、歴史的風致維持向上計画検討部会と、何度も会議を重ね、国、これは国土交通省、文化庁、農林水産省などでございますけれども、協議して決定されました。 そこで、お伺いいたします。 これは弘前市の歴史、伝統、景観の上に立った弘前市歴史的風致維持向上計画ですが、せっかくの尼崎城の復元を契機に、本市の特徴を生かした独自の地区計画を策定するお考えについてお聞かせください。 今、お城はまちの活性化や交流人口の増加へ大きなまちの顔、シンボルとして全国で展開されています。2つ紹介させていただきます。 1つ目は全国城サミットでございます。全国城サミットは、第1回会津若松市、これは会津若松城でございますけれども、平成25年6月に開催されました。第2回は彦根市、平成26年11月、第3回は大垣市、平成27年10月3日、4日、本年は第4回として弘前市、平成28年10月29、30日で開催されます。全国城サミットin弘前として、開催業務を公募型プロポーザルとして今募集しております。 2つ目は全国城郭管理者協議会でございます。これは、全国加盟48城で協議会を運営しています。近畿では大阪城、岸和田城、ここ兵庫県では篠山城、竹田城、姫路城があります。 そこで、お伺いいたします。 このような会議、サミットや協議会に参加して、尼崎の魅力を内外に発信するお考えはありませんか。また、シティプロモーション推進の事業となると考えますが、御所見をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 中浦企画財政局長。 ◎企画財政局長(中浦法善君) 尼崎城を生かしたまちづくりに関する御質問にお答えいたします。 まず、地区計画を策定することについてどうかということでございますが、尼崎城の建築が計画されております城内地区につきましては、現在地区計画などの予定はございません。 一方、同じ歴史文化ゾーンでございますけれども、寺町地区につきましては寺町都市美形成地域に指定をしておりまして、かつて城下町であった歴史的、伝統的な町並みの保存に努めていただいているところでございます。 城内地区におきましても、本市の歴史文化の拠点にふさわしい風格ある景観形成を目指し、住民参加によります美しく潤いある町並み、景観づくりに取り組むべく、まずはさまざまな機会を通じまして地元の機運の醸成に努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、協議会への参加ということでございますけれども、全国城サミットや城郭管理者協議会は現存いたしております12の天守のお城を初め、全国の有名なお城の管理者が参画をいたしております。こうした城郭管理者同士のつながりにつきましては、お城を中心とした魅力あふれるまちづくりや効果的な管理運営の情報交換、情報共有だけではなく、刊行物の発行や城郭間のスタンプラリー、またコラボイベントの実施など、尼崎城のPRや尼崎の魅力を市内外に発信する機会の増加にもつながるものと考えております。 協議会への加入資格につきましては一定の条件がございますので、今後、加入に向け管理者協議会と協議を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 先ほどの地区計画、予定はないということですけれども、弘前市の場合は弘前城を中心に城下町、また景観として弘前城から見る岩木山として、例えば桜の季節にはお堀に桜の花が散ったその先に岩木山が見えるような風景とか、また寺町として電柱の地中化なども行って、本当に昔の景観を残したというような非常に大きな計画であります。当然国交省や、文化財も含めてですので文化庁、またリンゴの産地でございますのでリンゴも含めて農林水産省を含めての非常に大きな計画で、ちょっと考えてできるような計画ではないんですね。 当然尼崎でも尼崎全体のまちを考えてこういう計画をつくらないけないと思うんで、非常に難しいと思うんですけれども、将来的に尼崎全体で、例えば寺町に残っている昔の風景、また園田地域などの自然が残っている地域、またいろんな工業資源が残っている南部地域まで含めて、そういうような計画を立てていくのが、弘前市の風致と直接関係はありませんけれども、そのような計画もつくっていただきたい。そんな大きな夢を持って尼崎城をシンボルとして考えていっていただきたいなというふうに思っておりますので、これは要望としておきます。 また、全国城サミットはすぐには参加できるとは思いませんけれども、ぜひ機会を捉えて、全国からみんな集まってきますんで、そのときに尼崎のPRができるような場として非常に有効だと思います。この弘前市の開催業務は、公開型プロポーザルでしておりますけれども、これはたしか予算が上限590万でやってもらいたいというふうにしております。内容はいろいろ書いてありますけれども、やはりあくまでも市内外へのアピールということで開催されるようですので、ぜひ検討していただきたいなと思います。 それと、全国城郭管理者協議会というのは、すぐに入れるかどうかわかりません。当然城郭として、また城として認められなければ入れないと思いますけれども、せっかく安保氏が復元という形でしていただきますので、何とかこれに加入して、またPRができるような形で努力してもらいたい、そのように思っておりますのでよろしくお願いいたします。 続いて、(仮称)尼崎市自転車のまちづくり推進条例についてお伺いいたします。 先日、市制100周年記念として尼崎市自転車まちづくりフェスタ2016が開催されました。市長も行かれたようでございますし、その中で「都市課題から都市魅力へ~次の100年へスマートバイク!~」と銘打っております。 そこで、お伺いいたします。 この尼崎市自転車まちづくりフェスタ2016のテーマ、「都市課題から都市魅力へ~次の100年へスマートバイク!~」の意味をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 衣笠危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(衣笠年晴君) 本年7月23日に市制100周年記念尼崎市自転車まちづくりフェスタ2016「都市課題から都市魅力へ~次の100年へスマートバイク!~」を開催いたしました。このフェスタは、先ほども少し御説明しましたけれども、市民一人一人が自転車に愛着を持ち、本市における自転車利用を都市課題から都市魅力へ転換、確立するために、安全で適正な自転車利用を市民一人一人に心がけていただくことをスマートバイクという言葉でテーマとしたものであり、このフェスタの最後には、次の100年へ向け、未来の尼崎市が世界で一番自転車が安全で快適なまち、世界で一番自転車が楽しめるまち、世界で一番自転車が愛されるまちとなることを目指して取り組みを進めていくという、未来の尼崎市民への自転車まちづくりメッセージを発表したものでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) とてもすばらしい、100年のスタートを切る中で未来ということで、世界で一番というのはすばらしいことだと思います。 都市課題というのは、確かに私が尼崎に来たときは阪急の駅なんかはもう迷惑駐輪ですごいいっぱいで、それこそ駅にたどり着くのが、例えば車椅子の方はとてもじゃないけれども行けない、駅でたまに街頭演説なんかで立っていますと、もう目の前に自転車で乗りつけてそのまま電車に乗っていくような人が結構いました。それがほとんどなくなってきた、駅によってはまだまだ課題があるところはありますけれども、なくなってきたのが現状でありますし、あと一番大きな目玉はやはり安全、これがやはりなされなければ、幾ら自転車を普及しても、これの本質的な意味で目的は達成できないのではないかと思います。 そこで、ちょっとお伺いしますけれども、9月2日付の新聞報道で、全国で自転車事故死14%減の見出しで新聞記事が掲載されていました。平成27年6月施行の改正道路交通法から携帯電話を使いながらの運転、これは安全義務違反でございます。信号無視などの14項目が危険とされて、3年間に2回以上摘発を受けた場合、有料の安全講習を受けなければならないことになりました。このとき以降、改正後の危険行為の摘発も同時に行われるようになりました。 そこで、お伺いいたします。 全国では死亡事故は減少傾向でありますが、自転車の利用が多い本市の摘発状況はどのようになっているのか、また、このことについて当局の見解をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 衣笠危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(衣笠年晴君) 警察によりますと、本年7月末までに兵庫県内で約2,400件の自転車による危険行為が摘発されております。そのうち約6割が尼崎市内での違反となっており、県下では最も多くなっております。本市で摘発件数が多い背景には、市域全体が平地であることからそもそも自転車利用者が多いこと、また事故件数の多さから市内3警察署が安全な自転車利用を促すために取り締まりを強化していただいたことも影響していると考えております。 本市における自転車利用者のルール遵守及びマナー向上については、まだまだ多くの課題があると認識しており、今後も警察及び関係機関と連携し、ことしから始めている毎月23日の自転車安全運転の日を初めとしたさまざまなキャンペーン等での効果的な啓発などを進めるほか、現在制定に向けて取り組みを進めている仮称尼崎市自転車のまちづくり推進条例でもルール遵守やマナー向上について盛り込んでいきたいというふうに考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 兵庫県でも6割が尼崎市ということなんですね。兵庫県の人口から比べたら尼崎はどの程度なのか、それに比べたらいかに危険行為が多いのかというのがわかると思います。皆さんも当然見たり聞いたりしたことがあると思いますけれども、スマホを見ながらの運転はもう毎日のように見ます。また、左側通行であるにもかかわらず右側と左側通行が入り乱れて、それによって正面衝突の事故が起こったり、飛び出しも多いと思います。また、私も車で走ったりすると、前に走る自転車がいつ目の前を横断しようか、すきを見ながら走っているような状況で、こういうことがもしなくなったら、本当に尼崎は安全に自転車走行ができるまちであると思います。世界一を目指すんでしたら、ぜひそこのところの意を酌んで行政を進めていっていただきたいと思います。 続いてお聞きいたします。 自転車事故についてお伺いいたします。先ほどお聞きいたしました自転車危険行為は、事故の原因となり、とりわけお年寄りや子供などが犠牲になることがあります。本市の自転車事故の現状はどのようになっているのか、また、死亡事故などの重要事故の発生はふえているのかお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 衣笠危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(衣笠年晴君) 自転車事故の現状についてでありますけれども、過去3年間の本市における自転車が関連する人身事故の件数は、平成25年が1,043件、平成26年は1,009件、平成27年は896件と減少傾向ではありますけれども、自転車事故による死亡者数につきましては、平成25年は1名、平成26年は3名、平成27年は5名と増加傾向にあります。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 以前、市バスの運行中において自転車の接触で死亡事故があったというのがありました。これはどちらが悪いかというよりも、自転車での事故というのはやはりこの1,000件を超える、また若干は減っていますけれども、近い数字というのが非常に多いと思います。これはなくしていくような努力が必要でありますし、それによって死亡事故がなくなっていくんじゃないかと思いますので、その辺もどうぞよろしくお願いします。 続いて、事故を未然に防ぐには、走行のマナーを守る、交通違反などをしないことはもとより、皆が安全を守り、自分自身を守ることや迷惑行為とならないようにマナーを守ることが大事であります。特に、高校生などの通学時での自転車走行が危ないとの声を聞きます。私は障害者の方からも切実な訴えを聞きました。その方は車椅子でございますけれども、ちょうど家の前が高校生の通学路になっておりまして、Aという高校とBという高校がお互い交差するような、結構時間帯によっては自転車が激しい、家がそこにありますので本当に安心して車椅子で外に出られないようなお声も聞きました。このように、交通弱者も安心して外出できる環境をつくらなければなりません。また、大人のマナーも大変重要な問題になっております。 そこで、お伺いいたします。 事故を未然に防ぐ対策はどのようにしているのかお聞かせください。また、自転車教室の開催はどのようになっているのかお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 衣笠危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(衣笠年晴君) まず、自転車事故を未然に防ぐ対策といたしましては、これまでも交通安全教室における交通安全教育や市、警察、民間団体が連携し、交通安全意識の高揚を目的とした四季の交通安全運動などを実施してまいりました。特に自転車関連事故については、市内で発生した人身事故件数に占める自転車関連事故件数の割合が約4割と高どまりの状態であったことから、昨年小学校区ごとの自転車関連事故マップを作成し学校に配布し、またホームページでも公表するなど注意喚起を行っているほか、今年度から実施をしている毎月23日の自転車安全運転の日キャンペーンでの啓発に努めているところであります。 また、走行環境につきましては、昨年、平成27年3月に尼崎市自転車ネットワーク整備方針を策定し、歩行者、自転車の安全・安心のための道路整備を進めているところであります。 次に、自転車教室の開催についてでございますが、これまで若年層からの交通安全教育が自転車関連事故の減少につながるとの考えのもと、自転車に乗り始めるころである小学校3年生を中心として、小、中、高校での全校実施を目標に自転車教室を行っております。その結果、市内の小、中、高校における自転車教室については、昨年度は全79校中66校で実施し、8割以上の学校で受講していただいており、自転車教室を含む交通安全教室全体では年間で241回、約2万3,000人の方に受講していただいております。今後は、段階に応じたテスト等を実施し、理解度に応じた効果的な交通安全教室を実施するなどの取り組みも進めてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 自転車教室というのは、本当に小さいときに、小さいといっても幼児は無理だと思いますけれども、小学校で自分で自転車に乗り始めてひとりで外に行くようなときからしっかりと身につけていれば、大人になってもマナーの問題、交通事故の問題も防げると思います。 私の田舎は静岡県の小さな町でございましたけれども、以前ちょっと話させてもらいましたけれども、その町では小学校3年生になるまで、今はわかりませんけれども私の子供のときですけれども、小学校3年生になるまでは自転車には乗ってはいけない。小学校3年のときに自転車教室がありまして、そこでルールと実地試験がありまして、8の字走行と橋渡りというんですか、ちょっと台になった橋みたいなところを渡って、それを合格しない限り自転車は乗れない。小さな町ですんで、黙って自転車に乗ったらすぐに学校に連絡が行って、何とかちゃんが乗っていましたよみたいな形になって、それで交通マナーとルールはしっかり身につきました。当然自転車が安全に乗れるように、一生懸命練習して合格するようにやりました。 これが尼崎の小学校で全部ができるのは難しいかもしれませんけれども、その辺を徹底していけば大人になってもマナーを守って、交通事故にならないようになりますので、その辺のところは今やっているようですけれども、さらに意を尽くしていただきたいと思います。 それともう一つ、以前にも言ったことがあると思いますけれども、高校生が今自転車通学が認められるようになりました。高1の後期になりましたので。ただ、そのときに自転車に乗っていくのを、一部ちゃんとルールを守っています。傘差し運転はしない、ちゃんとかっぱを着てやるということをやっていますし、保険にも入っていると聞いていますけれども、ただ、まだ並列通行、それとか左側通行じゃなくて右側通行するというのは多々見受けられます。右側通行する場合、左側通行の人と対面で当たるというのが一番怖い。それが現実としてあります。これは高校生にもっと徹底していただいて、事故につながるんだと、事故したときには自分だけじゃなくて相手も大きなけがをするということを徹底して教えていただくように、それは当然当局もそうですけれども学校のほう、教育委員会として徹底してもらえるようによろしくお願いします。 続いて、まちづくりについての2問目でございます。富松城を生かした地域のまちづくりについてお伺いいたします。 富松城を生かした地域のまちづくりとは、富松城を単なる地域遺産として保存するのが目的ではなく、本当の目的とはこれを生かした地域づくり、子供への歴史、伝統の継承を通じて人づくり、シビックプライドの醸成につながり、尼崎の未来の主人公を育てることであると思います。 そこで、お伺いいたします。 10月30日を富松の日と聞いています。「とまつ」ですから、10と末の30、30日は日曜日でございますから富松の日と聞いていますが、さまざまな企画が検討されているようですが、どのような企画があるのか、行政が一緒になって参画できる体制なのか、お聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) 富松城跡を活かすまちづくり委員会では、10月末日を富松の日とし、ことしは10月30日の日曜日に結成15周年を記念し、富松城跡において富松城跡まつりの開催を予定しておられます。この催しは、同委員会を中心にPTA、子供会、ボーイスカウトを初め地域の各種団体が協力し、ダンボールよろいを着てのクイズラリー、富松いろはかるた大会、木登り体験、野だてお茶会、富松の歴史解説など多彩でユニークなプログラムを準備されているとお聞きしております。 教育委員会といたしましても、市民の皆さんとともに歴史遺産の保存と活用を図り、まちの魅力を増進するための効果的な情報発信や、この催しでの会場の提供、富松の歴史解説への協力など、協働の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 続いて質問いたします。 これまでは教育委員会が窓口担当となってきました。文化・歴史的な意義は大きいと思いますが、人づくり、協働のまちづくり、コミュニティーの振興、シビックプライドの醸成による新しいまちづくり、シティプロモーションなど、今後は全庁的な取り組みが必要と考えますが、当局の見解をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 中浦企画財政局長。 ◎企画財政局長(中浦法善君) 富松城跡を生かしたまちづくり活動は、城跡を地域の遺産として保存することだけが目的ではなく、歴史や伝統の継承を通じてシビックプライドの醸成、尼崎の未来の人づくりにつなげていくものであると、十数年に及ぶ市民活動を支えてこられた代表者の方からも伺っているところでございます。 こうした地域のまちづくり活動は、取り組みのきっかけは文化、歴史という視点であっても、取り組みが展開し始めると協働やシビックプライドシティプロモーションなど、1つの部局を超えるさまざまな施策の要素もかかわってくるものとなりますことから、市といたしましてもまちづくり活動のその時々の内容に応じてしっかりと対応できるよう、全庁的な連携のもと体制を整えているところでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 新たに尼崎城の復元、これは近世のお城でございます。江戸時代にできたお城。富松城は中世のお城。そして戦国時代、廃城になったのが天正時代といいますから、豊臣の時代の終わりのほうに多分廃城になったんじゃないかというようなお城でございますけれども、ぜひこの富松城も含めて、また塚口には塚口御坊というお城もありました。そういうお城尽くしでひとつ、尼崎のまちづくりというのも考えていっていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いします。 続いて、学力向上についてお伺いいたします。 先ほどの「山は動いた」の中で、教育長は、学力向上という大きな山を学校現場と一緒に動かしてみようではありませんか。ただ、山といってもその本質は尼っ子はこんなものという思い込みや諦めにすぎないのです。だったら、動かせないはずはありません。これは私が9年も前に書いた文章の一部であり、今もこの気持ちは全く変わっていないとおっしゃっています。その中にあって、学力向上の結果が出せたのは、チーム学校としての教師の日常的な努力とともに、保護者や地域の人々による理解と努力があったからであると結論づけられています。 そこで、お伺いいたします。 子供たちの学力向上はもちろん、児童・生徒たちの学習意欲や自己の向上心が必要であることは言うまでもありませんが、最も重要なのは教師の信念と愛情のもと、教師の日常的な努力が結果につながるものと述べられていますが、9年前の教育長の言葉を全ての教員が理解し、実践しているのでしょうか、御見解をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) 9年前の言葉に込められた学力向上に対する思いは、毎年学校教育に関する重点取組としてまとめ、校園長会や教員研修等多くの場面で説明するなど、さまざまな機会を通して全教員に周知いたしております。全ての教員が信念と愛情を持って子供たちの学力向上に向けて日々努力を重ねており、学力向上に対する取り組みは確実に向上し、私が発した思いは全教員へ浸透しているものと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 教育長の力強いお言葉、本当にそれを受けて教員がしっかりと子供に向き合って教育をしていけば、先ほど紹介しました東成瀬村の小学校のようなすばらしい授業とともに成果が出ると思いますので、非常に村と違って大きなまちでございますから、なかなか困難は多くあると思いますけれども、ぜひやり遂げていただきたいと思っております。 続いて、地域との連携と開かれた学校についてお伺いいたします。 学校支援活動コーディネートモデル事業は、地域のボランティアが学校を支援する仕組みづくりですが、学校は果たして地域に開かれた学校になっているのでしょうか。学校を支援することは、PTAはもとより地域や各種団体は積極的に行っています。これは全ての学校で行われているものと思います。 そこで、お伺いいたします。 それ以上に地域と学校、教員が一体となって、子供たちのことを中心としながら地域の課題を解決するような仕組みが必要と考えますが、御所見をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 徳田教育長。 ◎教育長(徳田耕造君) 現在、全ての学校において、地域の方々や団体の皆様のさまざまな活動を通して御支援をいただいているところでございます。しかし、それらの全ての活動が地域と学校が一体となった取り組みであるとは言い切れない状況でございます。これからは地域全体で未来を担う子供たちのより豊かな成長を支えるとともに地域の教育力を向上させることが、ひいては地域のさまざまな課題を解決することにつながるものと考えております。そのため、今年度から進めております学校支援活動コーディネートモデル事業において、地域と学校をつなぐコーディネーターを配置し、学校を支援してくださる方々のネットワーク化を意識し取り組んでいるところでございます。 こうした取り組みが、今後文部科学省が進めております学校と地域が同じ目標のもとで子供たちの成長を支える仕組みをつくる地域学校協働本部の体制づくりにつながるものでありますことから、本市におきましても実施校の拡大に向けて、地域と学校の理解と協力を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) ぜひ力強く進めていっていただきたいと思います。同時に、モデル校も今やっておりますけれども、全市域の全ての学校で行うようにお願いいたします。 最後に、市民サービスについてお伺いいたします。 順次マイナンバーカードについてお伺いいたします。 現在のマイナンバーカードの発行状況はどうなっているのかお聞かせください。今後普及させるために、どのようにしていくのかお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 中川市民協働局長。 ◎市民協働局長(中川一君) 9月10日現在で尼崎市民がマイナンバーカードの交付申請を国に行っている件数は4万5,669件で、死亡や転出等を除く実交付予定件数は4万4,486件となっており、現在では国からマイナンバーカードが届き次第、交付通知書を市民の皆様にお送りすることができている状況でございます。 なお、同日現在のカード交付済み件数は2万1,035件となっており、今後は交付通知書を受け取っているにもかかわらず未交付となっている方に対して、改めて交付を促す通知を発送し、交付を促進する取り組みを進めてまいります。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) マイナンバーカードを今後普及させるためにはどのようにしていくのかという御質問に対してお答えいたします。 本市ではこれまでから市報やホームページ、市民向けのマイナンバー説明会等の場で、マイナンバーカードはコンビニでの住民票等の交付手続やインターネットを利用した税申告に使用できるほか、本人確認のための身分証明書としても活用できることなどについて説明し、マイナンバーカードの取得を呼びかけてまいりました。 現在、総務省において平成29年7月ごろをめどに、行政機関がマイナンバーを利用してやりとりを行った個人情報の履歴や、個人ごとに必要と考えられるお知らせを自宅のパソコン等から確認できるポータルサイトの開設を予定しており、将来的には市役所の窓口に出向くことなく各種行政手続が実施できる機能も整備されることが計画されています。こうした機能を利用するためにはマイナンバーカードが必要になりますことから、今後はより一層マイナンバーカードを取得することのメリットを市民にPRすることにより、その普及促進に努めてまいります。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) すみません。時間がないので続けて質問させてもらいます。 現在、コンビニ以外に証明発行機が本庁舎やサービスセンターなどに設置されていますが、今後支所と地区会館の統合で新しい人の流れの新施設や、例えば近くにコンビニがない施設に証明発行機を置き、市民に寄り添ったサービスを行う考えがあるのか、御所見をお聞かせください。 続けていきます。 高齢者の方や障害のある方、他市から引っ越してきた方にとっては十分とは言えない市民サービスの部分があると思います。各種制度の複雑化や毎年変わる制度によって困惑している方、複合的な手続や申請をしなければならない方、今なお困っている方がいることは事実であります。 そこで、お伺いいたします。 ワンストップサービスなど、市民に寄り添ったサービスができないのでしょうか。特に高齢者の方、障害のある方、他市から引っ越してきた方などが安心して利用できる体制を構築すべきと考えますが、御所見をお聞かせください。 続けて質問させていただきます。 次に、専門的な手続、申請など一定の知識や説明ができないと応対できない場合があると思いますが、事案が複雑、困難なケースほど連続した相談、対応が必要となってきます。全ての事案に対応は難しいとは思いますが、複雑、困難なケースに対応する総合窓口を設置してみたらどうでしょうか、当局の御見解をお聞かせください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 中川市民協働局長。 ◎市民協働局長(中川一君) 新施設等で近くにコンビニ等がない場合、自動交付機を設置し、市民に寄り添ったサービスを行う考えはないのかとの御質問でございます。 証明書を交付できるコンビニエンスストアは尼崎市内で155カ所あり、この中にはコンビニエンスストアが密集している地域や点在している地域とさまざまでございますが、他都市と比べて非常に密集している状況となっております。本市では、ほとんどの公共施設の近くにコンビニエンスストアがある状況でございますので、現時点では本庁と3つのサービスセンター以外での設置は考えておりませんが、今後利用状況や利用者の御意見もお伺いしながら、それ以外の場所での設置について研究していく必要があると考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) ワンストップサービスに係る一連の御質問についてお答えいたします。 まず、ワンストップサービスなど市民に寄り添ったサービスができないか、特に高齢者、障害者、他市からの転入者などが安心して利用できる体制を構築するべきと考えるがどうかの御質問でございます。 ワンストップサービスにつきましては、現在、各サービスセンターにおいて各種証明書発行業務や各種申請受け付け業務など一定の機能を担っておりますが、議員御指摘のような総合的なワンストップサービスについては実施できておりません。こういったワンストップサービスが市民サービスの向上につながることは十分認識しておりますが、限られた財源や人的資源の中で、全ての業務において導入していくことは困難であると考えております。 しかしながら、各業務におけるよりよい市民サービスの維持、向上に向けた体制の構築には意を用いてまいる必要があることは当然のことであり、具体的には、現在、市内2カ所に設置する予定の(仮称)保健福祉センターにおいて、保健・福祉の分野における総合相談支援に係る窓口の設置を予定しているところでございます。 続きまして、全ての事案に対応は難しいと思うが、複雑、困難なケースに対応する総合窓口を設置してみてはどうかとの御質問でございます。 先ほど御答弁申し上げたとおり、今後それぞれの窓口におきましても、幅広いサービスの提供に向けた取り組みを進めてまいりますほか、複数の部局に関連するケースにつきましては、その趣旨を十分に把握する中で関連部局や関連機関に対してその内容や経過を的確かつ迅速につないでいくなど、これまで以上に連携しながら支援する体制を構築してまいりたいと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆33番(杉山公克議員) 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(寺坂美一議員) 杉山公克議員の質問は終わりました。 杉山公克議員は自席にお戻りください。 続いて、発言を許します。 酒井一議員。   (酒井 一議員 登壇) ◆21番(酒井一議員) 緑のかけはしの酒井です。一般質問をさせていただきます。 きょうは、職員の雇用のあり方について質問をしていきたいと思います。一つは雇用の仕方における正規、非正規の問題です。もう一つはその職員の人事異動についてです。 まず、正規、非正規の問題から質問をさせていただきます。 私は、かねてから市の職員の雇用に差別が存在することに疑問を呈してきました。市職員として同じ仕事をしているのに、昇任、昇給などは言うに及ばず、給与面でも2分の1から3分の2という差があり、雇用の期間においても定年までの職員と1年間の期間限定という差があります。 安倍首相も掲げている同一労働同一賃金の原理に反する雇用の仕方が、地方自治体の現場に堂々と存在している。こういう言い方をすると信じられないことのようですが、今からそのことについてただしていきたいと思います。 質問の前提条件として、賃金や給料を払って人に働いてもらうに当たっての理念、価値観をお互いに共有できているかどうかを確認しておきたいと思います。 お伺いします。 同一労働同一賃金、または同一価値労働同一賃金という言われ方もしますけれども、その考え方について市当局の評価、お考えをお示しください。これはあるべき正しい理念だというふうに思われますか。 続いて、2つ目のテーマ、人事異動の問題について最初の質問をさせてもらいます。 尼崎市役所の課長職、これは私たち議員が仕事で接することの一番多い職で、異動の実感が大変たくさんありますので、例としてこの職を選ばせてもらいます。これの平均在任期間はどの程度でありましょうか、お教えください。 これで第1問目を終わります。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 一連の御質問に対してお答えをいたします。 まず、同一労働同一賃金という考え方について、市としてこれはそうあるべき理念だと認識しているかとの御質問でございます。 同一労働同一賃金とは、一般に同じ労働に対して同じ賃金を支払うべきという考え方でありますが、本市といたしましてもそうあるべき理念と考えております。 続きまして、市役所の課長級の平均在任期間はどの程度かの御質問でございます。 個々に見ますと、期間の長短はございますが、平均いたしますとおおむね3年程度となっております。 ○副議長(寺坂美一議員) 酒井一議員。   (酒井 一議員 質問席へ移動) ◆21番(酒井一議員) すいません、足を痛めておりまして着席で質問させていただきます。失礼をお許しください。 正規、非正規の問題から続けて伺ってまいります。 市の職員について、正規職員、そして嘱託職員、臨時職員、それぞれの人数を平成27年と平成22年、それぞれについて比較してお教えください。市長部局に限ってで結構です。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 各年度4月1日現在の市長事務部局の人数で申し上げますと、正規職員については平成27年度が1,995人、平成22年度が2,031人、嘱託員については平成27年度が597人、平成22年度が492人、臨時的任用職員については平成27年度が631人、平成22年度が617人でございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 平成22年度から27年までの5年間で、嘱託職員は約100人ふえていますね。そして臨時職員も微増ということになっています。つまり、これらの階層的雇用が決して過去の問題ではなくて、現在も続いているということを確認したいと思います。 続けてお伺いします。 正規職員、臨時職員、特別職非常勤嘱託職員、ちょっと名前がいろいろ混乱していますけれどもお許しください。それぞれにその任用の根拠、雇用の法的根拠を教えてください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 正規職員については地方公務員法第17条第1項、嘱託員については地方公務員法第3条第3項第3号、臨時的任用職員については地方公務員法第22条第5項でございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 雇用は地方公務員法という法律に基づいて行われているわけですね、いずれも。法的な整合性が問われます。順次お尋ねをしていきたいと思います。 まず、いわゆる嘱託職員について。嘱託職員の任用の法的根拠は、地方公務員法第3条第3項第3号ということでした。そこにはこう記されています。臨時または非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員その他、これは読んで字のごとし。まさに一時的に必要で、特定の技能を要する業務にそれを必要とする期間雇われる人のことと私は考えますが、いかがですか。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 地方公務員法第3条第3項第3号に規定する「臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職」につきましては、業務を実施するに当たりまして特定の学識または経験に基づく必要がある場合に、臨時または非常勤の職として任用される者のことでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 繰り返してもらったということになると思います。 ところが本市の場合、この非常勤嘱託職員の勤務の実態、これが地方公務員法のこの規定からはほど遠いものがたくさんあります。例えば学童保育の指導員、公立保育所の保育士、給食調理員、生活保護課の就労支援員等、数え上げるとたくさんあると思うんですね。正規職員と同じ仕事をしていながら、その任期は1年です。しかし、多くは任用を繰り返して10年、20年と続けて雇用されている人もたくさんいます。あえて正規職員との違いを挙げれば、週30時間の勤務であること、時間単価でも給料が低いこと、昇給は鈍く昇進はないことなどです。 これについて、平成26年7月に総務省自治行政局公務員部長の通知というものがあります。以下、26年通知と呼ばせていただきますけれども、これはこう述べています。「特別職の非常勤職員については、」嘱託職員のことですね、「職務の内容が補助的・定型的であったり、一般職の職員と同一と認められるような職や、勤務管理や業務遂行方法において労働者性の高い職については、本来、一般職として任用されるべきであり、特別職として任用することは避けるべきである」。実は、それ以前の平成21年にも同様の通知が出されておりまして、その通知ではこの「避けるべき」という部分は「妥当性を検証すべき」とされていました。つまり、5年たった後、より明確な、断定的な指示が出ているということですね、避けろと。 わずか5年を経て、同じ問題についてより厳しい通知を出した理由について、総務省はこうも述べています。臨時・非常勤職員の任用については、平成21年通知において、勤務条件に関して留意すべき事項等について示したところですが、総務省が行った調査では臨時・非常勤職員が増加傾向にある一方で、平成21年通知の趣旨がいまだ必ずしも徹底されていない実態が見受けられ云々。これはまさに尼崎の先ほど示していただいた実態とも合致すると思います。 ほんの一昨年、平成26年に出されたこの通知の指摘に対して、尼崎市は何か対応をされたでしょうか。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 先ほど議員から御指摘のありました、平成26年7月の総務省通知の内容につきましては承知をいたしております。その趣旨を十分に踏まえる中で、現在、新たな業務へ任用する嘱託員の職につきましては、その業務に求められる特定の学識や経験を必要とする職であるという地方公務員法の趣旨を踏まえ、これまで以上にその必要性を精査し、設置しているところでございます。
    ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 新たなというふうにおっしゃいました。 では、これまでに雇っており、そして今も雇い続けている当市の嘱託職員はこの通知に該当しないのでしょうか。繰り返します。学童保育の指導員、公立保育所の保育士、給食調理員などの仕事は労働者性は高くないのですか。一般職員と同一の仕事とは認められないのですか、お伺いします。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 嘱託員のうち、保育士、調理師など一般職の正規職員と同一の資格を求められている業務もございますが、それぞれの職責や業務の性質に応じて担うべき役割を整理して任用しているものであり、同一の業務内容を担っているとは考えておりません。 一方で、嘱託員の労働者性という観点においては、特別職の非常勤職員については、主に特定の学識経験が必要とする職に、みずからの学識経験に基づき非専務的に公務に参画させる労働者性の低い勤務態様が想定されるというような考え方が総務省から出されたことなどから、本市といたしましても、改めて現在の嘱託員の働き方を検証する中で、一定の整理に向けた検討をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 改めてとおっしゃるけれども、21年の通知もほぼ同趣旨なんですよね。だから、一昨年だけじゃなくて7年前にもそういう通知は出されているということで、ちょっと改めてではいかがなものかというふうに思います。 次に、いわゆるアルバイト、臨時的任用職員というものですね、これについてお伺いします。任用根拠は地方公務員法第22条第5項とのことです。ここにもこう書いてあります。緊急の場合または臨時の職員について、6カ月に限って、そして更新は一度だけしなさい、だから合計1年を超えない期間の任用が許されているわけです。これについても、同じく総務省通知では平成21年通知、26年通知いずれの通知でも、臨時的任用職員については「特にフルタイムの臨時的任用を繰り返すことによって、事実上任期の定めのない常勤職員と同様の勤務形態を適用させるようなことは避けるべき」と指示をしています。 同じ質問をします。この通知の指摘に対して、尼崎市は何か対応をなさいましたか。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 臨時的任用職員につきましては、地方公務員法第22条第5項において、緊急の場合または臨時の職に関する場合について任用することができるものとされているところであり、先ほど御答弁申し上げました嘱託員の任用と同様に、平成26年7月の総務省通知の趣旨を十分に鑑みる中で、現在、新たな業務へ任用する場合におきましては、これまで以上にその必要性を精査し、設置しているところでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 同じ質問を繰り返させてもらいますね、嘱託と。当市の臨時職員は、じゃ、この通知に該当しないんですか。これから考えますとおっしゃいますけれども、今、臨時職員が数百人いますよね。いかがですか。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 本市における臨時的任用職員は、地方公務員法第22条第5項の規定に基づき、6カ月を超えない期間で任用を行い、その後に必要な場合は6カ月を超えない期間で更新をしております。それをさらに超える継続更新は行っておりませんが、一定の経過期間をあけて新たに任用している場合もあり、その結果として長期間にわたって勤務している臨時的任用職員がおられることも事実でございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 皆さん御存じだと思います。市役所で何年にもわたって働いている臨時職員がいるのは事実です。1年ごとに1日ないし一月ぐらいの雇いどめ期間、今おっしゃいましたね、挟んでいるから継続していない、第22条違反ではないというのでしょうか。それではイチジクの葉っぱにさえならないと申し上げておきたいと思います。 私の知っている小学校の先生ですけれども、20年以上にわたって臨時的任用を繰り返し受けて、担任など正規教員と何ら変わらない仕事をこなしてきました。これは決して特別な例ではないと思います。臨時教員はこの通知に違反しないのですか。産休先生など必然的に需要が発生する補充要員でも、正規に雇うべきだというふうに考えます。まして担任まで受け持つ教員を臨時的な仕事とは言えないだろうと思います。お答えください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 高見教育次長。 ◎教育次長(高見善已君) 市教育委員会といたしましては、教育に携わる教員につきましては、正規教員の配置が望ましいと考えております。しかしながら、学校規模を基準に算定された基礎となる定数に加えまして、さまざまな教育課題への対応を目的とした加配教員の必要数が任命権者である県教育委員会から配当されてまいりますが、この加配教員につきましては十分に正規教員が配当されておりません。そのため、臨時講師の任用につきましては地方公務員法第22条第2項、任用候補者名簿がない場合に該当いたしまして、最長1年間任用しております。また、任用期間満了時にはその都度退職手当を支払っておりまして、次年度も必ず任用するといったものではないことから、年度ごとの新たな任用であり、総務省通知には違反するものではないというふうに考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) コメントすれば何ぼでもできるんですけれども、必要ないですよね、事実は明らかですよね。実際にいる教員の職なのに、そもそも県が定員を宛てがわないからということで臨時に雇って職を勤めてもらっていると。じゃ、早急に正規に雇うべきというふうに切りかえるべきだというふうに私は思いますよね。誰でもそう思うと思います。学校の先生ですよ。そんな不安定な職でずっと続けてもらうということ自体が誤りだと思います。 さて、ここまでは臨時や嘱託などの非正規雇用が根拠法である地方公務員法に照らして違法の疑いが拭えないということについてただしてきました。穏やかな言い方をさせてもらいます。違法の疑いが拭えません。さて、これからはその雇用方式の実質的な問題点について伺っていきます。差別雇用という実態になっているのではないでしょうか。 伺います。非常勤嘱託職員、そして臨時的任用職員、正規職員、それぞれについて尼崎市における総年収を時間単価に割り戻した場合の単位時間当たりの給与を比較してみてください。平均で結構です。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 最も一般的な嘱託員はBランクになるんですが、このBランクの嘱託員の時間当たりの額は1,762円、同じく臨時的任用職員の場合1,012円、正規職員の行政職給料表適用者で管理職を除いた場合には2,697円となっております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 正規職員に比べて、賃金の時間単価にして嘱託職員は約3分の2ということですね。臨時職員は3分の1強ということになります。仕事の多くは、先ほども申し上げましたように正規職員にまさるとも劣らない技能と責任が求められる仕事です。なぜ賃金が正規に比べて低いということなんでしょうか、お答えください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 職員の賃金につきましては、それぞれの担うべき役割、つまりは正規職員、嘱託員、臨時的任用職員がそれぞれ果たすべき職責や業務の性質に応じて整理を行っているものでございます。その中で、それぞれの賃金水準についても、人事院勧告や近隣他都市との均衡も考慮しながら適切に決定しているところでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) これも聞けばおわかりになることだと思います。 次に、非常勤嘱託職員の勤務時間について伺います。嘱託職員の勤務時間は週30時間ということになっています。正規職員の38.75時間よりも短いわけです。嘱託職員の勤務時間を週30時間としている理由は何でしょうか、お答えください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 嘱託員の勤務時間につきましては、それぞれの業務における職責や性質等を勘案する中で、その業務量に応じて決定しているもので、国の非常勤職員の勤務時間が常勤職員の4分の3程度とされている点も参考にする中で、基本的には週30時間として設定しているものでございます。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 週のうちに正規職員の38.75時間よりも短い時間働いてもらえばいいと、もらいたい仕事があるということですよね。学童保育の指導員や給食調理員、かつての保育士など、そういう職がある、そういう時間働いてもらうのが適当な仕事が存在するということについては私も知っています。 その仕事は、でも正規職員と変わらない恒常的な労働者性の高いものである場合、短時間勤務だからといって時間単価に差がなければならないという理由はないと思います。同一労働同一賃金というのはそういう意味だと思います。 他方で、非常勤嘱託職員の給与体系が正規職員の給与体系と違うものである必要、理由はあるかもしれません。確かに、非常勤嘱託職員には本来の臨時的な顧問や調査員なども含んでいるわけですから、その給与体系が違うということが必要なのかもしれません。ならばこの際、恒常的な労働者性の高い仕事については、26年度の総務省通知のとおりに非常勤嘱託としてではなく正規職員として雇うことがふさわしいと考えます。そうすれば、同じ時間単価の賃金で働いてもらうことができるはずです。逆に、そうしなければ非常勤嘱託や臨時職員は市が人件費を節約するために本来の法の趣旨に反して使っている第二身分の職員だという批判を免れないと思います。 お伺いします。そもそも短時間勤務の職員を一般職として任用する道は閉ざされているのでしょうか。一般職として短時間勤務職員を任用してはいけないという規定は、地方公務員法のどこにも、探してみましたけれども見当たりません。正規職員として短時間勤務職員を任用してはいけないという法的な制約はあるのですか、お教えください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 正規職員として、短時間勤務職員を任用してはいけないという法的制約はございません。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) はっきりしたお答えをいただきました。26年の総務省通知ではこう記されています。臨時または非常勤職員にかえて任期付短時間、30時間も可という意味ですね、勤務職員を任用することも可能というふうに総務省通知は言っています。短時間勤務職員を正規職として一般職で雇用することはできるというわけです。理解ができないのは、それが任期付でなければいけないというふうに総務省が言っていることです。短時間勤務職員を任期の定めのないほかの正規職員と同様の、一般職の正規職員として雇用してはいけないという趣旨の規定は、先ほども申し上げましたように地公法のどこにも存在しません。 お伺いします。総務省は一体何を根拠に短時間勤務職員は任期付でないといけないという規定なのか。尼崎市に短時間勤務で任期を限らない職員を雇う必要があるということなんですから、法的に可能かどうか、総務省に一度問い合わせてみてはいかがですか。短時間勤務職員を、任期の定めのない正規職員として雇用することは違法ですかというふうに尋ねてみてはいかがですか。お答えください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 総務省からは、非常勤の一般職の任期については、平成26年の通知においてその職が臨時的・補助的業務に従事するという性格であること、基本的に毎年度の予算で職の設置について査定され、定員管理上も条例で定める定数の対象外であること等に鑑みれば、原則1年以内と考えられるとの見解が示されており、現時点では改めて確認を行ったとしてもそれ以上の回答は見込めないものと考えております。 しかしながら、一般職での短時間勤務職員の活用については、今後その必要性が高まる可能性も認識しており、引き続き総務省を初めとする関係機関への確認も含め、十分な研究、検討を行っていきたいと考えております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 任期付の一般職職員という制度が法律でできましたよね。任期付ではない一般職の短時間勤務の職員というのはできないんですかというのが私の質問なんですけれども、法に定めはありません。してはいけないとは書いていないんですね。それで尋ねてみたらどうですかと言っても、尋ねても今までと同じ見解しか出てこないでしょうということですけれども、明らかに疑問がある、総務省の言っていることにも。短時間がいけないという理由はどこにも見つからない、短時間が正規で雇われないということについては、任期付でないとあかんということについてはどこにも書いていない。そういう疑問について問い合わせてみてください、ぜひ。 26年の総務省通知がこう言っています。「どの業務にどのような任用・勤務形態の職員を充てるかについては、基本的には各地方公共団体において判断されるものであり」、総務省もこう言っているんです。いけないと書いていないこと、必要で誰が見てもそれに対して非難が起きるであろうとは思われないようなことをできない、総務省が言ってくれなくてはできないというそういう姿勢では、やっぱし自治体の矜持に欠けるというふうに申し上げざるを得ないと思います。この質問についてはここで終わります。 人事異動について質問を続けていきます。 平均在任期間3年ということでした。私たちの実感とも合致します。3年ぐらいたつと、せっかく政策的にいろんな議論ができるようになった課長さんがぽんとどっかに飛んでしまうとかいうことによく出くわしました。 お伺いします。異動がこのように頻繁に行われる目的、理由は何でしょうか。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 同一職場での在籍が長期に及びますと、職員の意欲低下や後進育成の停滞、なれ合いなどといった懸念も生じてまいります。こうした問題を回避し、組織の活性化や効果的な人材育成を進めていくため、適材適所を基本として人事異動を行っております。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) こんなに頻繁かつとんでもない畑違いと思われるようなところへの異動もありますよね。そのような配置転換はいろんな職を経験してもらって、より高位の管理職についていくというジェネラリストの職歴の進め方としてはあり得るべきだと思いますけれども、他方でスペシャリストが生まれないという問題が弊害としてあると思うんですね。活躍をしてもらうには不適当だと思うんですけれども、このスペシャリストを生み出せないという弊害についてはどのようにお考えですか。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 市役所には税や福祉など、専門性を有する職務分野と企画など幅広い知識や経験を必要とする職務分野が混在しており、さまざまな経歴を有する職員がバランスよく配置されることによって、円滑な組織運営が実現されるものと考えております。 こうした中、人事異動につきましてはジョブローテーションに留意する一方、中長期的な視点から職員個々の能力開発と覇気を図るため、より難易度の高い職務を分担させることや職域を超えた人事配置も実施しております。こうした職員個々の能力開発の結果、組織全体としての行政能力や組織力が強化され、市民に信頼される市役所につながると考えられることから、専門性の高い職員の育成が必要な一面にも意を用いつつ、今後とも意欲ある職員の積極的な登用と適材適所の人事配置に努めてまいります。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 最後に、複数年続く一つの仕事というのが例えばありますよね、100周年事業とかいうのも何年か前から置いて、事業が終わって完成すると。そういう職種についても途中で交代するというようなことがよく見受けられます。仕事の区切りまでは責任を持って勤めてもらう、そういうふうな配置の仕方の必要があると思うんですけれども、お考えをお示しください。 ○副議長(寺坂美一議員) 答弁を求めます。 芝軒総務局長。 ◎総務局長(芝軒崇晃君) 複数年にわたる仕事の場合、一人の管理職が責任を持って最後までやり遂げることはその職員のやりがいやモチベーションの向上につながることから、組織的にも有意義なことであると考えております。一方で、人事異動は職員の育成のほか後継者の育成や事業の進捗状況、組織としての必要性などさまざまな角度から検討し実施しなければならず、仕事の途中での交代であっても、人事異動を行うほうが組織として適切な場合もあるものと考えております。今後とも、こうした両面の視点を踏まえながら人事異動を行ってまいります。 ○副議長(寺坂美一議員) 発言を許します。 ◆21番(酒井一議員) 以上で、時間もありませんし、もう終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(寺坂美一議員) 酒井一議員の質問は終わりました。 酒井一議員は自席にお戻りください。 この際、休憩いたします。                        (午後2時53分 休憩)-----------------------------------                        (午後3時19分 再開) ○議長(寺本初己議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行いたします。 発言を許します。 徳田稔議員。   (徳田 稔議員 登壇) ◆16番(徳田稔議員) 日本共産党議員団の徳田稔です。 まず、9月9日に北朝鮮が核実験を強行しました。同日に稲村市長も抗議電報を打たれました。核実験強行はこの間繰り返された弾道ミサイル発射とともに、世界の平和と安全にとって重大な脅威であるとともに、国連安保理決議、6カ国共同声明、日朝平壌宣言に反する暴挙であります。日本共産党はこの無法な暴挙を厳しく糾弾するものであります。 さて、私は今回、この一般質問で、国の洪水浸水想定見直しによる対策、市の借り上げ復興住宅、アスベスト被害者対策について、市長の見解をお聞きします。 まず、国の洪水浸水想定区域見直しについてです。 8月31日の台風10号では、岩手県や北海道で大きな被害をもたらしました。特に、岩手県では岩泉町の高齢者グループホームで9人が犠牲となるなど、岩手県全体では9月11日現在20人の方が亡くなられ、いまだに4人が行方不明と大きな被害をもたらしました。この台風10号によって犠牲になられた皆さんへ心より御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された皆さんへお見舞いを申し上げるものであります。 さて、近年、記録的な豪雨により、河川の堤防が決壊するなどして甚大な被害を受けています。これは地球温暖化による異常気象が原因と言われています。昨年は9月9日から10日にかけて北関東地方を中心に大雨が降り、茨城県では鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害が発生しました。兵庫県内では、2009年8月の台風9号では佐用町を初め、兵庫県西部で大きな被害をもたらしました。 このような近年頻発する想定を超える浸水被害の多発等を踏まえ、国は想定し得る最大規模の洪水等に対する避難体制等の充実、強化を図ることなどを目的として、昨年7月に水防法の一部を改正しました。 そして、国土交通省近畿地方整備局猪名川河川事務所は、ことし6月13日にこの水防法改正を踏まえて、これまで公表していた洪水浸水想定区域等を見直しました。これまでは戦後最大流量を記録した1953年9月の降雨量、24時間に279ミリの2倍の総雨量を想定していましたが、今回これまでより厳しい降雨量9時間で380ミリへ変更しました。そして、想定最大規模の洪水により浸水が想定される区域と深さに加え、家屋倒壊等をもたらすような氾濫の発生が想定される区域を示した家屋倒壊等氾濫区域を示しました。 そして、第1回猪名川・藻川の大規模氾濫に関する減災対策協議会が、8月19日に猪名川河川事務所、気象庁、大阪府、兵庫県、豊中市、池田市、伊丹市、川西市、尼崎市の各市の出席のもとに開かれ、尼崎市からは土木部長が出席されています。5年間で達成すべき減災のための目標として猪名川・藻川の大規模水害に対し逃げおくれゼロ、社会経済被害の最小化を目指すとしています。 目標達成に向けた3つの柱として、1 逃げおくれゼロに向けた迅速かつ的確な避難行動のための取り組み、2 洪水氾濫による被害の軽減、避難時間の確保のための水防活動の取り組み、3 一刻も早い生活再建及び社会経済活動の回復を可能とするための排水活動の取り組みを挙げています。そして、次回の協議会は10月下旬の開催の予定となっています。 そこで、お尋ねします。 今回の猪名川河川事務所の浸水想定見直し等を市はどのように受けとめているのか、そしてこれを受けて、市がどのように対応しようとしているのでしょうか、お答えください。 家屋倒壊等判断区域とは、堤防決壊に伴い直接基礎の木造住宅の倒壊、流失をもたらすような激しい氾濫流や河岸浸食が発生することが想定される区域としています。市内では東園田、田能、椎堂、戸ノ内、猪名寺、食満、瓦宮、小中島、善法寺、額田、高田町など猪名川・藻川沿いの地域の一部が示されています。6月14日の神戸新聞の報道では、猪名川・藻川に挟まれた東園田町で、これまで3.3メートルだった浸水の深さが5.7メートルになったところもあり、阪急園田駅前も2.5メートルから3.8メートルへ見直され、周辺では4日以上にわたって水没してしまうと予想されるとしています。 そして、猪名川河川事務所はこれらの情報により、市町村長に避難勧告等の適切な発令や住民等の主体的な避難の取り組みが進むことを期待するとしています。さらに、洪水浸水想定区域等は浸水区域に含まれる市町村に通知され、市町村は今後、早期の立ち退き避難が必要な区域を示した洪水ハザードマップを作成することになっています。市はこれまでも、ことし9月1日には図上による防災総合訓練、また地域のさまざまな避難訓練などが実施されてきました。また、防災ブックの全世帯への配布など、防災意識の醸成に努力されています。 そこで、お尋ねします。 猪名川河川事務所の洪水浸水想定区域等の見直しに伴い、市民の防災意識をさらに高めるためにも、猪名川・藻川流域の市民を対象にした住民説明会を開くことが必要と考えます。また、旧東高校の跡地の藻川に隣接して、特別養護老人ホームの建設が計画されています。この場所はまさに川沿いの一部が家屋倒壊等氾濫区域となっています。建設計画の見直しが必要ではないでしょうか。市長の見解をお聞かせください。 東園田町、椎堂、田能の皆さん、島之内の皆さんは、園田地区会館の現在地の建てかえを求められています。一昨年11月には同趣旨で、地域住民過半数の1万6,000人の署名が本市議会へ提出され、審議未了となっています。また、昨年6月にも園和社会福祉協議会の会長さん13人の連名で、園田地区会館の現在地での建てかえの4度目の要望書が稲村市長へ提出されました。園田地区会館の現在地での建てかえを求める要望の理由の一つが、災害時の指定避難場所の確保で、その必要性がさらに増していると言えます。市が計画している園田地区会館跡に建設予定の北消防署園田分署の上階に設置される多目的ホールは消防署が管理するため、津波等一時避難所にはなりますが、今の園田地区会館が担っている災害時の指定避難場所にすることはできません。 お尋ねします。 洪水浸水想定区域の見直しで、島之内での指定避難場所の確保は大きな課題となっています。そのためにも、地域住民の強い要望である園田地区会館の現在地での建てかえを検討すべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 次に、市の借り上げ復興住宅についてです。 阪神・淡路大震災では10万戸以上の住宅が全壊し、全半壊は25万戸以上となっています。多くの市民が住宅と生活基盤を失いました。この中で復興公営住宅の建設がどれだけ、どこに建設されるのかは重要な課題でありました。多くの復興公営住宅が建設される中、被災者の公営住宅入居のニーズに急いで応えるために借り上げ住宅の制度が活用されました。借り上げ住宅は震災翌年の1996年の公営住宅法改正により、それまでの直接建設方式に加え、民間住宅ストックを活用した公営住宅の供給方式として導入されたものであります。 阪神・淡路大震災後、この制度を活用して兵庫県内では兵庫県、神戸市、西宮市、伊丹市、宝塚市、そして尼崎市で当時の住宅・都市整備公団、現在の独立行政法人土地再生機構(UR)や民間マンションなどが借り上げられ、公営住宅として活用されてきました。そして、その借り上げ住宅戸数は兵庫県はURから3,120戸、神戸市はUR、市住宅公社、民間から3,952戸、西宮市はURから447戸、伊丹市は民間から42戸、宝塚市は民間から30戸、そして尼崎市はURから120戸の借り上げを行い、公営住宅並みの家賃で住めるようにして復興住宅として市民の住まいを確保してきました。 この金楽寺町にある尼崎市の借り上げ復興住宅は、1998年8月13日から20年間の期限でURから借り上げました。そして、2018年8月12日に入居の明け渡し期限が来ます。当初、2018年8月12日までに住宅を空にしてURに返却するとしたため、2014年度、移転のための予算が計上されていました。しかし、市がURと協議する中で2018年8月12日まで居住して、その後、移転を話し合うと変更されたため、予算は執行されませんでした。 そこで、お尋ねします。 現在、金楽寺町にある市の借り上げ復興住宅に何世帯居住されているのでしょうか。 さて、先行して明け渡しの期限が到来している神戸市や西宮市では、入居者に対して明け渡し裁判が行われています。今回、明け渡し請求訴訟で訴えられている入居者の多くは、入居時に20年で退去しなければならない説明は一切聞いていないし、入居許可証にもそのことは書いていないと述べられ、このことが裁判の大きな争点となっています。 そこで、お尋ねします。 尼崎市の借り上げ復興住宅の入居契約書に入居は20年と記載されているのでしょうか。 以上で第1問を終わります。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 答弁を求めます。 衣笠危機管理安全局長。 ◎危機管理安全局長(衣笠年晴君) 今回の猪名川河川事務所の浸水想定見直し等を市は、どのように受けとめてどう対応するのかという御質問です。 本年6月14日に国土交通省猪名川河川事務所から発表されました猪名川・藻川の洪水浸水想定区域等の見直しについては、1つ、想定される最大規模の降雨量を9時間、総雨量380ミリとし、浸水想定区域や浸水の深さを見直しました。2つ目として、水平避難を促すため、木造2階建て家屋の倒壊のおそれを想定した家屋倒壊等氾濫想定区域を新たに設定しております。こうしたことから、想定を超える被害が発生することを念頭に、これまで推し進めております自助・共助・公助が一体となった避難体制等の充実強化をより一層進めてまいりたいというふうに考えております。 なお、これらの見直しに伴う本市の新たな洪水ハザードマップにつきましては、今後、武庫川についても同様の見直しが予定されていることから、河川管理者である兵庫県の動向を踏まえながら見直し、変更し、市民にお知らせしていくこととしております。 次に、浸水想定区域等の見直しに伴い、市民の防災意識をさらに高めるため、地元説明会を開くことが必要でないかという御質問です。 これまでも、市民の皆様には平常時から洪水を初めとするさまざまな災害から身を守る方法等を備える取り組みを行っていただくため、尼崎市防災ブックの全戸配布を初め、近年多数の市民に参加いただいている市政出前講座や地域の防災マップづくり、また地域の防災訓練などを通じまして、洪水などに対する避難行動を初め、本市の災害の危険性について説明し、積極的に情報発信を行っております。 こうしたことから、今回新たに発表された浸水想定等につきましても、引き続き各種の防災関連事業や、その他さまざまな機会を捉え、市民へ説明、情報発信を行っていくことはもとより、適切な避難行動をとっていただけるよう、今後も引き続き防災意識の向上に向け、啓発等に努めていきたいというふうに考えております。 ○議長(寺本初己議員) 吹野健康福祉局長。 ◎健康福祉局長(吹野順次君) 旧東高校跡地に特別養護老人ホームの建設が計画されているが、建設計画の見直しが必要ではないかというお尋ねでございます。 尼崎東高校跡地の活用に向けましては、地域住民の代表者や公募市民などで構成いたします市民検討会が設置され、住宅開発や憩い・交流スペース、運動スペースや高齢者支援施設等を盛り込んだ土地活用の方針が策定されております。その方針では、水害に備えたまちづくりを進めるため、一定の高さを確保し、周辺住民の一時避難場所としても活用できる建物の整備を土地活用の方向性の一つに定めております。 そのような中で、特別養護老人ホームにつきましては、入所を希望する要介護高齢者が多いにもかかわらず、用地の確保が難しく、整備促進が大きな課題になっておりますが、こうした大規模市有地の有効活用は非常に効果的な手法であることから、現在、当該跡地におきまして特別養護老人ホームの整備を計画いたしますとともに、同ホームには周辺住民に対する一時避難施設としての役割についても期待をいたしているところでございます。 このため、現在のところ当該跡地における特別養護老人ホームの建設計画を見直しする考えはございません。 ○議長(寺本初己議員) 塚本資産統括局長。 ◎資産統括局長(塚本英徳君) 洪水浸水想定区域の見直しにより、園田地区会館の現在地での建てかえを検討すべきではないかとの御質問でございます。 公共施設の最適化に向けた取り組みにおきまして、中央地区を除き、老朽化が進む支所と地区会館の複合化による建てかえを進めていくこととしておりますが、園田地区の複合施設につきましては、地区のコミュニティ創造の拠点として、また災害時には一定の防災上の役割を担う施設となるよう、地区内の配置バランスや十分な敷地面積が確保できることも考慮する中で、尼崎東高校跡地に設置することとし、これまで議会や地区住民の皆様方に御説明してきたところでございます。 一方で、地元からの御意見にもございます防災機能に関しましては、かねてからの課題でありました園田消防分署の建てかえを機に、施設集約後の現地区会館の跡地を活用する中で、災害時の活動拠点として、あるいは地域の災害に備えた訓練や講習等の場として、新たに消防施設を整備し、地区の安全・安心に配慮してまいりたいと考えているところでございます。 また、新たに整備する消防施設には多目的ホールを設置し、消防活動のほか、地域住民の皆様にも御利用いただけるよう運用することにより、東高校跡地に建設する複合施設の補完的な役割を担っていくこととしております。 こうした取り組みにつきましては、地元住民の御要望を踏まえる中で、十分に検討を重ねてきたものでございますことから、御質問のように園田地区会館を現在地で建てかえる考えはございません。 ○議長(寺本初己議員) 芝都市整備局長。 ◎都市整備局長(芝俊一君) 現在、金楽寺町の借り上げ復興住宅に何世帯入居して、居住しているのかというお尋ねでございます。 平成28年8月末時点で92世帯147人が入居されておられます。 次に、尼崎市の借り上げ復興住宅の入居契約書には入居は20年と記載されているのかというお尋ねでございます。 入居の際の賃貸借契約に当たる金楽寺住宅の市営住宅使用証書には、「住宅・都市整備公団」、現在のUR「が建設したものを20年間の借上げ契約により、尼崎市が借受け入居者に転貸するものです。このため、借上げ期間満了後、他の市営住宅に移転していただく等のことがありますので、御承知おきください」と記載しております。 なお、一部に20年間の借り上げ期間に関する記載がないものがございますが、市営住宅の募集要項には借り上げ期間が満了した際には住みかえていただく旨を記載しており、入居者説明会の際にも説明させていただいております。 また、平成26年4月に借り上げ期間満了後の対応について、住民説明会を実施した際に、金楽寺住宅はURから借り上げたものであり、平成30年8月12日に20年の借り上げ期間が満了する旨を記載したお知らせを全戸に直接配布するとともに、掲示板にも掲載するなど、その周知に努めてきたところでございます。 ○議長(寺本初己議員) 徳田稔議員。   (徳田 稔議員 登壇) ◆16番(徳田稔議員) 答弁ありがとうございました。 洪水の浸水想定は、今回は国の見直しですので、県の見直しを受けてからハザードマップの修正をするということですが、やはり防災意識を高める点からも、住民への周知や説明会はやはり急いで行うべきではないか、このように改めて要望しておきます。 それから、東高校跡地への特別養護老人ホームの建設計画、変更はしないということなんですけれども、これもやっぱり防災の観点からも見直す決断が必要ではないか、このように私は思います。 それと、島之内の指定避難場所の問題ですけれども、島之内の中には指定避難場所は小学校、中学校がありますが、それを活用するわけですけれども、しかし指定避難場所、島之内3万3,000人の住民が住まわれております。その1割が避難するとしても指定避難場所、一時避難場所ではない指定避難場所では到底足りない、このように私は思います。 また、市の借り上げ復興住宅ですが、入居者は92世帯147人ということで、一部に入居契約書に20年と記載されているものもあるという御答弁でありますが、そういう点も踏まえて第2問に入っていきたいと思います。 まず、市の借り上げ復興住宅についてであります。 2015年3月の予算特別委員会第3分科会での私の質疑に対して、住宅管理担当課長は、「平成30年8月に一旦URにお返しするという形になります。その後、そこに残られている方については、他の市営住宅に移っていただくというのが一つの手法でございます。」、「転居支援困難者についてはまだ基準等を定めておりませんが、個別に継続というか、個別借り上げを延長していくいうような形で現在検討しております。」このように答弁をされております。 お尋ねします。 市営住宅に移っていただくことも一つの手法と答弁されておりますが、2018年8月の後、どのように対応されるのでしょうか、お答えください。 個別に継続、あるいは個別借り上げを延長としていく転居支援困難者としての兵庫県の基準は、1 期限満了時に85歳以上、2 重度の障害者、3 要介護3以上のいずれかがいる世帯、それから4 1から3に準じる人で判定委員会が認めた世帯となっており、これらの世帯は継続して居住を認めることになっております。2013年に市が行った借り上げ住宅入居者の住みかえアンケート結果では、住みかえが困難と回答された方は病気・体調不良のためが54件、高齢のためが45件となっています。 お尋ねします。 尼崎市の転居支援困難者は継続入居を検討されているのでしょうか。転居支援困難者とはどのような方を想定されているのでしょうか、お答えください。 県はことし8月31日に、2017年4月から11月までに期限を迎えるUR借り上げ復興県営住宅入居者の継続入居可否に関する判定結果を発表しました。対象となる100世帯のうち、継続入居を希望して判定を申請した70世帯について、判定委員会が69世帯に継続入居を認めました。そのうち3世帯は県の独自の基準を満たさないが、基準に準じ、住みかえが困難と判定委員会が認めております。2013年に市が行った借り上げ住宅入居者の住みかえアンケート結果では、16世帯の方はずっと住み続けたいと回答されています。 そこで、お尋ねします。 阪神・淡路大震災被災者支援の原点に立ち返り、今の場所で引き続き居住を希望する方に対しては、個別借り上げも検討が必要と考えますが、市長の見解をお聞かせください。 次に、アスベスト被害者対策についてです。 私は、この問題については2013年9月議会、昨年の6月議会で質問してきました。この質問を踏まえて行っていきます。 かつてクボタ旧神崎工場周辺に居住していた住民みずからが起こした環境型の尼崎アスベスト訴訟は、昨年2月17日、最高裁判所第三小法廷が原告と被告、クボタ双方の上告を棄却し、大阪高等裁判所の判決が確定しました。高裁判決はクボタの周辺住民への加害責任を認め、1人の遺族に対し、クボタに3,200万円の支払いを命じました。公害としてアスベスト被害の企業責任を認めたのは全国で初めてのことでした。 昨年の6月議会での私の質問、「上告棄却によって大阪高裁判決が確定し、住民への企業の加害責任を認め、公害としてアスベスト被害の企業責任を全国で初めて認定したことに、市長はどのようにお考えでしょうか」に対し、市長は「平成27年2月の最高裁におきまして、企業の責任を認める判決が確定いたしました。クボタが青石綿を大量に使用し、大気中に飛散させ、工場周辺の住民に被害を与えたことが改めて認められたことは、大変重いものと受けとめております。」「公害と向き合ってきたまちとして、また多数の被害者が出ている問題であるということをしっかり受けとめ、今後とも取り組みを進めてまいる所存でございます」と決意が述べられました。 稲村市長は、ことし6月17日に、国に対し石綿による健康被害救済制度等のさらなる充実に関する緊急要望をされています。この要望書の要望趣旨を紹介します。 この間、石綿による健康被害の救済に関する法律に基づき、これまで600人以上の方々の申請手続を本市で行ってきたところでございます。現状の救済給付だけでは家族とともに生計を維持していくことが難しい方々もおられます。さらに、発症まで潜伏期間は10年から50年の長期にわたることから、今後とも石綿による健康被害者が続出することが予想されます。本市では人口動態統計によると、平成17年から平成26年の間に、毎年21人から43人の方が中皮腫で亡くなられるなど、いまだ被害が続いており、中皮腫治療方法の確立は患者にとって切実な願いであります。今後とも、石綿による健康被害を受けた方を継続的に支援していくためには、石綿健康被害救済制度で医療費を全額負担することが必要であると考えます。住民の方が安心して生活できるような、健康管理制度の早期創設についてはこの3月に本市を初め、関係都市共同で要望を行ったところでございます。今回の石綿健康救済法の改正に伴い、国におかれましては石綿による健康被害者に対する救済制度の充実及び石綿健康被害の未然防止に向けた取り組みへの支援として、次の措置を講じられることを強く要望しますとして、6項目の要望をされています。 そこで、お尋ねします。 この要望書に対して、国はどのような回答をされたのでしょうか。 国への要望の一つが「石綿による健康被害の発生が今後も見込まれることから、石綿健康被害救済法において医療費全額を負担するよう制度構築を図られたい」です。これと同趣旨の内容の陳情を昨年本議会により全会一致で採択しました。内容は、「アスベスト疾患に対する治療費の自己負担はゼロですが、国の負担は国民健康保険の高額療養制度を優先した上で本人負担となる費用の部分を国が負担するというものであります。公害による被害者の治療は、国費や加害責任などが行うべきものと考えるべきだ」となっています。 お尋ねします。 この石綿健康被害救済法において、医療費全額を負担するよう制度構築を図られたいとの要望に対し、国はどのような回答をされたのでしょうか。また、この回答に対し、市はどのように対応しようと考えているのでしょうか、市長の見解をお聞かせください。 アスベストによる健康被害の特徴は、低濃度であってもアスベストを吸い込んで20年から50年経過し、中皮腫や肺がんなどを発症します。市内における中皮腫の死亡者は、2012年は31人、2013年は33人、2014年も33人と続き、2002年から2014年までの13年間で339人の方が中皮腫で亡くなられています。 アスベスト疾患による犠牲者を減らすためには、早期発見にあることは言うまでもありません。中皮腫は早期に発見できれば手当ができる治療も確立が進んでいます。アスベスト健診受診のための積極的な呼びかけと恒久的健康管理体制の確立が不可欠となっています。 2014年3月に取りまとめたアスベストの健康影響に関する検討会の報告書では、これまでの健康リスク調査により一定の知見が得られたことから、第2次リスク調査終了後の2015年度以降は、データ収集を主な目的とする調査ではなく、アスベスト検診の実施に伴う課題などを検討するための調査としてリスク調査にかわってアスベスト暴露者の健康管理にかかる試行調査が始まっています。この試行調査が実施され、1年が経過をしました。 アスベスト健康相談の流れでは、まずアスベストについて健康不安がある方は肺がん検診を受けます。この肺がん検診の受診場所は、保健所または地域巡回健診となっています。そして必要に応じて尼崎総合医療センター、関西労災病院、兵庫医科大学病院で胸部CT検査を受けることになります。 そこで、お尋ねします。 肺がん検診は、検診場所を保健所や巡回検診に限定していますが、アスベストについて健康不安のある方の肺がん検診を希望する医療機関を市が募り、市民が身近で検診できるようにすることが必要と考えますが、市長の見解をお聞かせください。 市内でアスベスト被害者救済に取り組んでいる民間団体、アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会の相談者は、旧小田南中学校の卒業者が続いています。昨年10月に悪性胸膜中皮腫と診断された68歳の女性は、3歳のときに尼崎に転居し、1954年から長洲小学校、1960年から小田南中学校で学んできました。ことし4月に悪性胸膜中皮腫と診断された66歳の男性は、長洲西通、北大物町に居住し、小田南中学校の卒業生です。 そこでお尋ねします。 中皮腫などアスベスト疾患は、小田南中学校などクボタ周辺の小中学校卒業者に集中しているもとで、1955年から1975年、クボタ旧神崎工場周辺の小学校、中学校、高校に在学していた人、現在市外在住者も含めてアスベスト健診の勧奨を強化すべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください。 以上で第2問を終わります。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 答弁を求めます。 芝都市整備局長。 ◎都市整備局長(芝俊一君) 金楽寺の借り上げ復興住宅の一連の御質問にお答えをいたします。 まず、期間満了後、市営住宅に移っていただくことも一つの方法と以前に答弁しているが、平成30年8月の後どのように対応するのか。2問目といたしまして、転居支援困難者の継続入居について検討しているのか。また、転居支援困難者はどのような方を想定しているのか。そして3問目といたしまして、被災者支援の立場に立ち返り、どうしても今の場所で引き続き居住を希望する方に対して、個別借り上げも検討が必要と考えるがどうか。以上3問に一括してお答えをいたします。 URからの借り上げ契約が平成30年8月に満了することから、これまでにも御答弁申し上げましたとおり、金楽寺住宅につきましては住みかえ移転を基本とし、金楽寺住宅の周辺を中心に市営住宅を確保いたします。また、住みかえ移転困難者とされる方々につきましては、URから個別に住宅を借り上げることで、継続して入居をしていただくことを考えております。 その要件につきましては、85歳以上の高齢者や重度障害者など、基本的には兵庫県が定めた基準に準じた内容にしたいと考えております。それ以外の方々につきましては、金楽寺住宅の周辺を中心とした他の市営住宅への住みかえ移転を基本に対応してまいります。いずれにいたしましても、個別事情をお聞きし、対応をしてまいります。 ○議長(寺本初己議員) 続いて、清水医務監。 ◎医務監(清水昌好君) アスベスト対策に係る一連のお尋ねに対しまして、順次お答えいたします。 まず、本市の要望全体に対して、国からどのような回答があったのかといった御質問でございます。 6月17日に行った国に対する緊急要望の場では、環境省を中心に意見交換を行いました。特に、今回見直しを検討されている石綿健康被害救済制度につきましては、いわゆる働き盛りの人に対する経済的な負担の軽減をするに当たり、これらの方々だけでも療養手当の引き上げを行うよう強く訴えてまいりました。その場で環境省からは、今後とも患者の方を含め幅広く意見を聞き、検討していくと回答がありました。 現在、国では中央環境審議会石綿健康被害救済小委員会において、救済制度の見直しについて検討し、取りまとめを行っているところと仄聞しております。今後も機会あるごとに、救済制度をよりよくしていくために意見を述べてまいりたいと考えております。 続きまして、医療費全額を負担するよう制度構築を図られたいとの要望に対する国の回答は、また、市は今後どのように対応するのかといった御質問でございます。 環境省では、医療費全体の負担は公害等の補償制度でなければ難しく、仮に補償制度になれば救済の対象から外れる方も出てくると認識していることなどから、現行の形で迅速な救済の促進に力を入れていきたいとの意向がございました。しかしながら、この医療費につきましては国民健康保険料に影響を与える重要な問題であると認識しております。そのため、この8月23日には近畿都市国民健康保険者協議会から厚生労働省に対して、医療費全額の負担に対する要望を提出したところでございます。 このように、今後ともさまざまな機会を捉え、国へ要望を行ってまいりたいと考えております。 続きまして、アスベストについて健康に不安のある方の肺がん検診を希望する医療機関を募り、市民が身近で検診できることが必要と考えるがといった御質問でございます。 平成27年度の試行調査からは、石綿の健康管理について肺がん検診を活用することで、従来での保健所の実施に加え、地域での特定健康診査等の会場でも受診ができるようになるなど、より市民の方が身近で受診していただけるような取り組みを行ってきております。肺がん検診につきましては、2名以上の医師による二重読影や、過去のエックス線写真との比較読影の必要があり、市内医療機関での実施につきましては、このような実施方法を含めた課題につきまして、現在、尼崎市医師会と協議検討を続けているところでございます。 今後とも、市民の皆様の健康管理に役立てていけるよう、身近なところで受診できるような取り組みについて検討していきたいと考えております。 最後に、クボタ旧神崎工場周辺の小中高校に在学していた人、現在、市外在住者も含めてアスベスト健診の勧奨を強化すべきではないかといった御質問でございます。 当時、通学していた人を把握することは、個人情報保護の観点や転居等の問題もございまして困難であると考えております。しかしながら、これまで石綿健康リスク調査及び試行調査を受けられた方が転居された場合には、身近なアスベスト疾患センター等で試行調査を受けることができる旨の案内文書を毎年度送付しております。 加えて、リスク調査及び試行調査を受けられた全ての方に対して、友人や同級生等、転居された方も含めた知り合いの方へ試行調査の受診勧奨もお願いしております。今後も引き続き、市報やホームページを含め、試行調査の受診勧奨に取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(寺本初己議員) 徳田稔議員。   (徳田 稔議員 登壇) ◆16番(徳田稔議員) 第3問は要望にとどめておきます。 まず、市の借り上げ復興住宅についてです。 公営住宅法第1条では、国及び地方公共団体が協力して健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対し、低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とするとしており、憲法第25条の生存権保障の規定にのっとり判断することが大切であると考えております。宝塚市では、既に借り上げ復興住宅の全てを引き続き継続借り上げを行うことを決定しています。 先ほどの答弁いただきましたが、市の借り上げ復興住宅入居者で、入居時に20年が期限であることを契約書に記載されていない方もあるということでありますが、今の場所で引き続き居住を希望する方に対しては、個別借り上げも検討することが必要であるということを強く要望しておきます。 次に、アスベスト被害者対策では、これまで繰り返し質問してきました。石綿健康被害者救済法において、医療費全額を負担するよう制度構築を求める問題ですが、先ほども答弁ありましたように、国民健康保険への大きな負荷になるということも大きな問題であります。引き続き積極的な働きかけを強化することを求めておきます。 アスベストの健康不安を抱える人が肺がん検診を受ける場所がふえ、身近で検診を受けることができるようにすること、これは健康管理体制の確立の点からも必要であります。答弁の中でも今、医師会と協議中ということですので、ぜひ実現をしていただきたい、このように要望しておきます。 最後に、クボタ周辺の小中学校の卒業者へ、アスベスト健診の勧奨ができない理由の一つとして、個人情報があるのでできないという答弁でありました。民間人が卒業者に知らせることは問題がある、このように思いますが、行政が、または学校もしくは教育委員会が卒業生に知らせることがなぜ個人情報に抵触をするのか。また、個人情報の保護の条例の中では、命にかかわる点は除外をする、このようになっております。なぜ卒業生に検診を勧めることが個人情報に抵触するのか、私は理解できません。 以上で、私の全ての質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺本初己議員) 徳田稔議員の質問は終わりました。 お諮りいたします。 本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(寺本初己議員) 異議なしと認めます。 よって、本日はこの程度にとどめ、残余の議事は延期することに決定いたしました。 以上をもって本日の日程は全て終了しました。 明14日は、本日の議事日程を踏襲し、午前10時から会議を開きます。ついては、ただいま出席の諸君には改めて通知はいたしませんから、御承知おき願います。 本日はこれをもって散会いたします。                        (午後4時6分 散会)-----------------------------------議長   寺本初己副議長  寺坂美一議員   久保高章議員   酒井 一...