このたびの
補正予算は,国の円高・
デフレ対応のための
緊急総合経済対策に対応し,
子宮頸がん等の
ワクチン接種を促進するほか,県・
市会議員選挙経費をはじめとした
財政需要に対応するため編成したものでございます。
まず,予算第27
号議案一般会計補正予算からご説明申し上げます。
「平成22年度神戸市各
会計補正予算」の2ページをお開きください。以下,計数につきましては,100万円未満を省略してご説明申し上げます。
歳入からご説明申し上げます。
第2
款地方交付税では19億5,100万円を,第17
款県支出金では,
衛生費補助などで1億8,500万円を,第20
款繰入金では,
基金繰入金で7億3,100万円を,第22
款諸収入では,雑入で4億500万円を,それぞれ追加いたしております。
以上,
一般会計の
歳入補正額は32億7,400万円の追加となっております。
次に,3ページ,歳出につきましてご説明申し上げます。
第2
款総務費では,和解金,県・
市会議員選挙執行経費などで11億4,200万円を,第4
款民生費では,
生活保護就労支援事業で300万円を,第5
款衛生費では,
子宮頸がん予防ワクチン等接種費で1億9,700万円を,第6
款環境費では,
弁護士報酬負担金で7,300万円を,第15
款諸支出金では
市税等返還金などで18億5,700万円を,それぞれ追加いたしております。
以上,
一般会計の
歳出補正額は32億7,400万円の追加となっております。
次に,
特別会計に移りまして,5ページ,予算第28
号議案市営住宅事業費補正予算では,平成22年度
市営住宅耐震改修事業につきまして,
債務負担行為の追加をしようとするものでございます。
7ページ,予算第29
号議案公債費補正予算では,歳出におきまして
公債元金償還金で1億3,600万円を追加し,歳入では
一般会計からの繰入金で同額を追加しようとするものでございます。
次に,
企業会計に移りまして,9ページ,予算第30
号議案水道事業会計補正予算では,第2条
収益的収入におきまして,
特別利益で1億5,900万円の増を予定いたしております。
第4条重要な資産の処分では,売却を予定する資産を定めるものでございます。
以上,各
会計補正予算につきましてご説明申し上げました。
引き続きまして,「平成22年第4回
定例市会提出議案」の21ページをお開きください。
第62
号議案当せん金付証票発売の件は,平成23年度における
本市当せん金つき証票を200億円の範囲内で発売しようとするものであります。
次に,23ページ,第63
号議案損害賠償額の決定及びこれに伴う和解の件及び25ページ,第64
号議案損害賠償額の決定及びこれに伴う和解の件,並びに27ページ,第65
号議案損害賠償額の決定及びこれに伴う和解の件は,いずれも相手方らが所有する
冷凍倉庫を
一般用として評価し,
固定資産税等を過大に賦課徴収していたことに関し,それぞれ
東洋水産株式会社,
横浜冷凍株式会社,
株式会社ニチレイほか6社との間で,
損害賠償額を決定し,これに伴う和解をしようとするものであります。
次に,65ページ,第74
号議案須磨区役所建設工事請負契約締結の件は,
関係業者10社による入札の結果,13億3,875万円で,大日本・
伊吹特定建設工事共同企業体が落札,次に,67ページ,第75
号議案神戸市立さ
ざんか療護園新築工事請負契約締結の件は,
関係業者6社による入札の結果,4億6,725万円で
関西建設工業株式会社が落札,次に,69ページ,第76
号議案消防救急デジタル無線システム設置工事請負契約締結の件は,
関係業者5社による入札の結果,9億6,843万750円で
沖電気工業株式会社が落札いたしましたので,それぞれこれらと契約しようとするものであります。
以上,何とぞよろしくご審議のほど,お願い申し上げます。
6
◯議長(
荻阪伸秀君) 次に,
永井市民参画推進局長。
7
◯市民参画推進局長(
永井秀憲君) ただいまご上程になっております諸議案中,第66
号議案から第68
号議案に至る3議案につきまして,一括ご説明申し上げます。
31ページをお開きください。
第66
号議案住居表示を実施する区域を追加し,
当該区域における
住居表示の方法を定める件は,
住居表示を実施する区域に垂水区下畑町の一部区域を追加するとともに,この区域における
住居表示の方法を街区方式にしようとするものであります。
次に,33ページ,第67
号議案町及び字の区域並びにその名称の変更の件は,垂水区における
住居表示の実施に伴い,町及び字の区域並びにその名称の変更をしようとするものであります。
次に,35ページ,第68
号議案指定管理者の指定の件(
神戸市立北神区民センター)は,平成23年6月1日から平成26年3月31日までの期間,
神戸市立北神区民センターの
指定管理者として,
財団法人神戸市民文化振興財団を指定しようとするものであります。
以上,何とぞよろしくご審議のほど,お願い申し上げます。
8
◯議長(
荻阪伸秀君) 次に,
松浦建設局長。
9
◯建設局長(松浦 厚君) ただいまご上程になっております諸議案中,第69
号議案指定管理者の指定の件(
神戸総合運動公園)につきまして,ご説明申し上げます。
37ページをお開きください。
本件は,平成23年4月1日から平成27年3月31日までの期間,
神戸総合運動公園の
指定管理者として,
財団法人神戸市
公園緑化協会を指定しようとするものであります。
何とぞよろしくご審議のほど,お願い申し上げます。
10
◯議長(
荻阪伸秀君) 次に,
井澤都市計画総局長。
11
◯都市計画総局長(
井澤元博君) ただいまご上程になっております諸議案中,第70
号議案から第72
号議案に至る3議案につきまして,一括ご説明申し上げます。
39ページをお開きください。
第70
号議案神戸市営住宅条例の一部を改正する条例の件は,
期限つき入居制度の
拡充等に当たり,条例を改正しようとするものであります。
次に,45ページ,第71
号議案神戸市民の
住環境等をまもりそだてる条例の一部を改正する条例の件は,深江駅
南地区地区計画,
潤和山の手台地区地区計画の決定に伴い,
当該地区計画の区域内において建築物の制限をするに当たり,条例を改正しようとするものであります。
次に,53ページ,第72
号議案神戸市
都市景観条例の一部を改正する条例の件は,
歴史的建築物の保存・活用に関する規定の整備を行うに当たり,条例を改正しようとするものであります。
以上,何とぞよろしくご審議のほど,お願い申し上げます。
12
◯議長(
荻阪伸秀君) 次に,
橋口教育長。
13
◯教育長(
橋口秀志君) ただいまご上程になっております諸議案中,第73
号議案神戸市立学校設置条例の一部を改正する条例の件につきまして,ご説明申し上げます。
61ページをお開きください。
本件は,中学校の設置及び廃止,
高等学校の廃止を行うに当たり,条例を改正しようとするものであります。
何とぞよろしくご審議のほど,お願い申し上げます。
14
◯議長(
荻阪伸秀君) 以上で
関係局長の説明は終わりました。
本件について,質疑の通告がありますので,順次発言を許可いたします。
36番
芦田賀津美君。
(36番
芦田賀津美君登壇)(拍手)
15 ◯36番(
芦田賀津美君) 私は,
公明党神戸市
会議員団を代表して,平成22年度神戸市
一般会計補正予算案について,
子宮頸がん予防ワクチン等接種費用助成に関してお尋ねいたします。
子宮頸がん予防ワクチン等接種については,かねてより我が公明党においても,人々の生命及び
健康保持のために,
予防ワクチン接種に係る
費用負担の軽減及び国における早期の
定期接種化を強く求め,要望し続けてまいりました。
このたび,国におきましては,
厚労省予防接種部会で種々前向きな検討がなされた結果,緊急的に
子宮頸がん予防ワクチン等接種を促進するために,基金を設置し,必要な経費を措置していただけることになりましたことは,まさに地方からの国への要望が形となり,大変に喜ばしいことと存じております。
さて,
補正予算の事業は
子宮頸がん予防ワクチン,
Hibワクチン,
小児用肺炎球菌ワクチンの
予防接種に係る費用を国と神戸市がそれぞれ半額負担し,基金より助成をしようとするものであり,その基金の期間は平成23年度末までの2カ年限りの事業と伺っております。
このため,平成22年度神戸市
一般会計補正予算では,
事業費の1億9,700万円が計上されております。まず,
補正予算の
事業費の1億9,700万円の内訳についてでありますが,
子宮頸がん予防ワクチン等の
接種対象者,
接種率について,どの程度見込まれておられるのか,お伺いしたいと存じます。
また,その事業の開始時期については,平成22年度もあと4カ月余りとなり,
医療機関等との調整をはじめ,
対象者への
周知等なども急がれ,実際いつごろからの
スタートを考えられておられるのか,お伺いいたします。
次に,
Hibワクチンについては,ご案内のとおり,平成22年4月より兵庫県が
小児細菌性髄膜炎予防接種支援事業を創設し,
公費助成を行う市町に対して半額助成を行ってきておりますが,その
支援事業と
補正予算の事業との関係など,今後の見通しについてお尋ねいたしたいと存じます。
さらに,今回初めて実施される
子宮頸がん予防ワクチン接種及び
小児用肺炎球菌ワクチン接種については,その
接種方法・
手続等についても現時点での具体的なお考えがありましたら,お伺いいたしたいと存じます。
最後に,
ワクチンの効果と
安全性などについても,適正に
対象者等へ周知することはもとより,
健康被害への対応も万全に期すことが望まれます。
助成対象事業には,
民間保険への
加入等を要件とするとの
被害救済策も盛り込まれているようでありますが,
予防接種法に基づかない任意の接種となっているため,法に基づく保障が受けられる法定の
予防接種とするよう,国に対しての働きかけが必要であります。
この点,
ワクチンの効果と
安全性並びに
健康被害への
対応等についてお伺いいたしたいと存じます。
公明党は,以前より人々の生命及び健康を守るためにも,
子宮頸がん予防ワクチン等接種に係る国における
定期接種化を強く要望してまいりました。特に,
子宮頸がんについては,つい先日も公明党など野党3党で
子宮頸がん予防法を参院に再提出するなど,一貫して女性の
健康支援策を推進してまいっており,このほど国においても,
予防接種部会において,これら
ワクチンについての
定期接種化が検討されていると伺っておりますので,本市におかれましても,その早期の
定期接種化に向けましての,引き続きのご努力をお願いしたいと存じます。
以上,
子宮頸がん予防ワクチン等接種に関してお尋ねさせていただきました。市長及び
関係当局の簡明なご答弁をお願いいたします。
(「議長」の声あり)
16
◯議長(
荻阪伸秀君)
矢田市長。
17 ◯市長(
矢田立郎君) それでは,私の方から,
子宮頸がん予防ワクチン等の関係につきましてご答弁を申し上げます。
まず,それぞれの
ワクチンの接種の対象あるいは
接種率,それから実施の時期というお尋ねがございましたし,また
Hibワクチンについて,県との関係でどういうふうにするのかというお尋ねでございます。
まず,
子宮頸がん予防ワクチン,
Hibワクチン,そして
小児用肺炎球菌ワクチンのそれぞれの
接種費用の助成につきましては,国におきまして必要な経費が先日,
補正予算で措置されるということになったわけでございます。神戸市におきましても,国の制度に対応した内容で
補正予算案を編成させていただいております。そういった点で,助成の内容につきましては,基本的に
厚生労働省が11月の初旬に示しました
子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金──仮称でございますが,これに沿ったもので考えてございます。
接種の
対象者でございますが,
子宮頸がんの
予防ワクチンについては,中学1年生から高校1年生の女子,これは大体2万6,000人と見ております。それから,
Hibワクチン,
小児用肺炎球菌ワクチンにつきましては,0歳から4歳の乳幼児,これは6万2,800人というふうに見てございます。
実施時期でございますが,国の制度に合わせまして,神戸市におきましても,
本人負担がない形で,1月から開始ができるよう,準備を進めてまいりたいと考えております。
接種率でございますが,これは啓発に時間もかかるというふうに今お話がございましたが,こういった啓発の期間も要しますので,来年度と一体として位置づけをしたいと思っております。ご本人と保護者の啓発に時間をかけなければいけないと考えてございます。そのために,今年度の
接種期間が1月から3月の三月しかないということもありまして,今年度内は10%程度を想定をしておるところでございます。ちなみに,国の方では,大体85%ぐらいが受けられると──年間ですね,受けられるということで,それの12分の3で,約20%というふうに見ておるというふうに伺っております。
また,県事業との関係でございますが,
Hibワクチンについては,兵庫県の
小児細菌性髄膜炎予防接種支援事業を活用して助成を行ってきてございますが,引き続き,県に対しまして事業の継続を要望してきたところでございますが,国の事業の開始に伴いまして,県の
支援事業の終了が見込まれておりますために,1月以降は国の事業に基づいて対応をしていくという予定でございます。
そして,
ワクチンの具体的な接種の方法あるいは手続,また
ワクチンの効果,
安全性,
健康被害の対応についてのお尋ねでございます。
まず,この接種の方法でございますが,これにつきましては,
接種率が向上するということが重要でございますんで,
集団接種も1つの手段ではございますが,
個別接種に比べて副反応に対する措置といったこと,あるいは
安全性の確保が難しいという面がございます。そのために,今回の
予防接種は,ふだんから診療していただいておる主治医が被
接種者のその日の体調を確認をしていただいた上で接種をする
個別接種で対応していきたいと,このように考えております。
手続でございますが,国の制度の詳細が不明でございますが,決まり次第,神戸市のホームページへの掲載はもちろん,
Hibワクチン,
小児用肺炎球菌ワクチンにつきましては,保育園,幼稚園,または乳幼児健診の機会等を通じ,また
子宮頸がん予防ワクチンは,学校を通じて
対象者全員に案内を配布するといったふうに周知を図ってまいりたいと考えております。これは多くの
お子さんたちが接種できるよう始めていきたいと考えてございます。
また,
健康被害についてでございますが,
予防接種を受ける方の中に,極めてまれに重篤な副反応または
健康被害が生じる例がございます。今回の
予防接種は
任意接種でございますんで,これらの被害に対しましては,神戸市
健康被害救済措置要綱に基づき,国の
医薬品副作用被害救済制度とあわせてこの救済をすることにより万全を期していきたいというふうに考えてございます。
こういった点で,本来,法に基づいて補償が受けられるこの
定期接種に位置づけるべきであるというふうに考えてございまして,
定期接種化及びその財源について,国が確保するように,これまでも要望を行ってきてございます。先週には
指定都市市長会として──これは
広島市長が副会長をしておりますんで,
秋葉市長が国に対し要望してきたところでございます。
そうした中で,
厚生労働省の
厚生科学審議会感染症分科会の1つでございます
予防接種部会からも
子宮頸がん予防,Hib及び
小児用肺炎球菌ワクチン接種を
予防接種法上の
定期接種に位置づける方向で検討すべきであるという意見も出されたところでございます。
定期接種化とその
財源確保について,引き続き他都市とも連携をし,機会あるごとに強く,強く要望を行っていきたいと考えております。
こうした
ワクチンは,
子宮頸がん,あるいは
小児細菌性髄膜炎を防ぐ上で有効性・
安全性は高いものでございますが,特に
子宮頸がんについては,
ワクチンとあわせまして,私は以前から申し上げておりますが,検診による
早期発見も非常に重要でございますんで,そうした啓発も丁寧に行い,
接種率の向上に努めてまいりたいと,このように考えてございます。
以上でございます。
(「議長」の声あり)
18
◯議長(
荻阪伸秀君) 芦田君。
19 ◯36番(
芦田賀津美君) るるご答弁をいただきました。
補正予算の事業の具体的な内容についてご答弁がありましたけれども,この
子宮頸がん予防ワクチンの接種についての
対象者について,以前,報道等で
所得制限が設けられるとの,そういった一部報道もありましたので,
対象者には,すべての方に
所得制限なく接種が可能となるように,お計らいをお願いしたいと思いますが,その点,ご見解を伺いたいと存じます。
ただいま,
接種率については,22年度の補正で,あと三月ということで,1月からの
スタートを考えていらっしゃるというご答弁がありましたが,この10%の
補正予算での予算づけということですけれども,国の方では85%の
接種率を見込んでの予算づけがなされているということであります。この
接種率を高めるためには,市長がただいまおっしゃいましたように,私も
集団接種が望ましいのではないかと存じております。さまざまな
医療機関に行かれた方が,それぞれの体の状況ですとか,あるいは何かあった場合のとっさのそういったフォローにもなるということで,個別の
医療機関というのがよろしいという,ただいまのお話もありましたですけれども,やはり,
接種率を向上させるために,
医師会等と連携をして,産科あるいは内科,小児科等々,さまざまな
個別医療機関で接種できるように取り組んでいくことが必要であろうと思っております。
また,特に
子宮頸がんワクチン,予防の──接種については,
受診対象者が中学1年から高校1年生という,ちょうど第2次成長期を迎える思春期の女児であるということへも配慮して,安心して診察できるように,医療・保健等の
関係機関,あるいは今ご答弁もありましたですけれども,教育委員会等との連携なども入念にお願いをしたいと存じますが,いかがでしょうか。
また,念のためにお伺いするわけでございますが,この
補正予算の事業が
スタートする前に,平成22年4月から個人の負担で
子宮頸がん予防ワクチン等を接種された方へのさかのぼって──遡及というんですか,
公費助成を受けられないものでしょうか。
さらに,
子宮頸がん予防ワクチン接種の
対象者は,中学1年生から高校1学年ということですが,あと三月しかございません今の高校1年生,2学年に進級します。対象から外れることがないようにお願いしたいと存じます。この
予防ワクチンは,3回の接種をすることによって十分な効果が得られると言われておりますので,初回が1月に行われたとしても,2回目は1カ月後,さらに2回目から5カ月間ぐらい置いて3回目ということになりますと,今から1月から
スタートしていただいても,半年弱の期間が必要です。その点,この進級する高校2年生に対しての接種ということがどのように考えておられるのか,その点,懸念されますので,再質疑させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
(「議長」の声あり)
20
◯議長(
荻阪伸秀君)
矢田市長。
21 ◯市長(
矢田立郎君) まず,この
対象者の観点で
所得制限のお話がございました。この点につきましては,私は
接種率向上という観点からは,所得要件を設けるべきではないというふうに考えてございますが,もしも国がこの
所得制限を設けられた場合には,これはもう財政面からも,神戸市も国の支援策に合わさざるを得ないということをご理解を賜りたいというふうに考えてございます。
さらに,まず
接種率の観点で,私,先ほど申し上げました──国の85と申し上げましたが,これは年間でございますんで,大体十二月のうち,三月というふうに単純に計算しますと,大体20%ぐらいになるわけでございます。ですから,こういった点につきましては,できるだけ啓発をしながら進めていきたいというふうに考えております。
その中で,個別の接種についてお話をちょうだいいたしました。これに関しまして,産科・内科・小児科で接種ができるようにというお話でございますが,おっしゃいますように,
子宮頸がんの
予防ワクチンの,この接種を受ける対象の方が中学1年から高校1年で,まさに思春期の女子でございますから,受診という際に,
医療機関を選定することについて,いろいろ思慮されることもあろうかと思いますんで,こういった点について,内科・小児科でもできるだけ多くの
医療機関で接種ができるよう,これは医師会と調整をしてまいりたいというふうに考えてございます。
それから,自費で既に受けられた方の扱いという点でございますけれども,これにつきましては,国の事業の開始が平成23年1月でございますんで,それ以前に受けられた方の──遡及して助成するということについては,制度の対象の外にございますんで,こういった点についてはご理解を賜りたいというふうに考えてございます。
そして,高校1年生の関係についてのお話がございました。これにつきましては,高校1年生の進級の段階でというお話でございましたが,現在の高校1年生の関係については,今回の
補正予算は,2回分を実はこの予算として見込んでございます。4月以降につきましては,現段階,国の制度の詳細について説明をまだ受けてございませんので,これについては,今後国の制度に合わせて適切に対応をするということがあろうと思いますが,普通に考えますと,高校1年の進級後という点での,受診ということについては,少し難しい面もあるんではないかなというふうに推測をしておるところでございます。
こういった点については,とにかく
ワクチンの接種,検診等によって防いでいこうというのが趣旨でございますんで,それらについて,とにかくいろんな
関係機関とも協議しながら進めていきたいと思いますし,また国にも要望してまいりたいと,このように考えております。
以上でございます。
(「議長」の声あり)
22
◯議長(
荻阪伸秀君) 芦田君。
23 ◯36番(
芦田賀津美君) ご答弁ありがとうございます。私どももかねてより,たびたび機会あるごとにこの
子宮頸がん予防ワクチン等の接種についての負担軽減,あるいは国への定期
予防接種化を要望してまいりました。そういった経緯もありまして,そしてまた人々の命を守る──女性の
健康支援策の一環として推進してまいりました。このように,補正で予算づけがなされたということは,冒頭申し上げましたように,大変に喜ばしいことであり,人々は待ち望んでおります。そういう意味から,先ほど再質疑させていただきました
所得制限については,本来,やはり命を──現政権の皆様も命を守るということを強く主張していらっしゃいますので,命に関することに
所得制限をつけるということについては,私どもはいかがかなと,このように思っております。ぜひとも今後
スタートを切るこの事業について,神戸市の
対象者に
所得制限がつけられなきように,ご努力もお願いをしたいと思います。
また,高校1年生の2年に進級する際,今2回分の接種の費用が盛り込まれているというお話をお聞きしました。3回して十分な効果があらわれると言われておりますので,2回分,約3万円は国が補助するけれども,神戸市半額,あともう1回は個人の負担で何とかお願いしますよというのは,なかなかお願いしづらいものがあるのではないかなと思うんですけれども,せっかく2回打って,あと5カ月もたって,もう1回の接種を受けて,十分な効果がある。そしてまた,それだけでなく,もちろん検診も必要でございますけれども,そこまで行っていただくんでしたら,しっかり3回とも完結するように,
対象者の高校1年生の皆さんにも行き渡るようにお願いをしたいと思います。
接種率につきましても,60%ぐらいを目指しているのかなと,今お聞きいたしましたけれども,やはりすべての人,命を守るために,公明党ではさらなる予防法案を国の方で再提出させていただきましたが──参院へ。そういった観点から,さらなる
接種率の向上を目指すご努力を,あらゆる手を講じてやっていただきたいなと,このように思います。
ご答弁ありがとうございました。以上で質疑を終わらせていただきます。
24
◯議長(
荻阪伸秀君) ご苦労さまでした。
(拍手)
25
◯議長(
荻阪伸秀君) 次に,30番森本 真君。
(30番森本 真君登壇)(拍手)
26 ◯30番(森本 真君) 日本共産党の森本 真です。私は,日本共産党神戸市
会議員団を代表して,ただいま上程されました提出議案のうち,予算第27
号議案平成22年度神戸市
一般会計補正予算及び第70
号議案神戸市営住宅条例の一部を改正する条例の件について,市長に対して質疑いたします。
まず初めに,第70
号議案神戸市営住宅条例の一部を改正する条例の件についてお伺いいたします。
この議案は,市営住宅の
期限つき入居制度を拡充することと,借上公営住宅の入居者が他の市営住宅に転居した場合の家賃の激変緩和措置を設けようとするものです。
借上災害公営住宅の入居者は,15年前の未曾有の大惨事である阪神・淡路大震災で生活の基本である住宅を失った被災者が入居しています。入居者の多くは高齢者が占めています。被災後,避難所生活,住みなれた地域を離れての仮設住宅暮らし,そして何回もの抽せんで,やっとの思いで入居できたのが今の災害公営住宅です。
今回の議案は,その被災者に対して借上期間の20年が近づいてきたことを理由に,早目に市営住宅等に転居を迫るものです。家賃については,激変緩和の特例を設けようとしていますが,現在の入居者がコミュニティを含めて,今の暮らしをどう継続できるのかという視点は全くありません。
神戸市の災害公営住宅のうち,借上住宅は,UR・公社・民間を含め,107団地,3,800戸,また神戸市内にある兵庫県のUR借上住宅は36団地,2,200戸にも及びます。借上期間の20年を迎えるのは,2015年から2023年ですが,2017年から2019年に集中しています。先ほども言いましたが,災害公営住宅の入居者は,被災者の中でも高齢者や障害者の優先順位が高くなる入居基準が設けられていたため,その多くが震災から15年を経過する中で70歳を超える老夫婦や独居の高齢者です。
そこで,数点お伺いします。
1点目は,借上住宅の入居者の多くが高齢者であることから,やっと落ちついた生活を送っていたのに,また出ていかないといけないのか,もう年をとっているのでここで暮らしたいと思っています。また,民間借上住宅のオーナーへの意向調査でも,少なくないオーナーがそのまま継続して入居してほしいと願っています。こうしたことを無視して転居を強制することは,ようやく落ちついた生活を再び破壊することにつながります。また,高齢者は生活環境が急変することで,体調を崩したりすることも当然予想されます。
そういう状況のもとで,入居者の安定的な暮らしと,これまでの地域コミュニティを維持するためにも,借上期間を延長して住み続けることができるようにすべきだと思いますが,いかがでしょうか。
2点目は,神戸市だけでも3,800戸もの世帯を他の市営住宅に転居させるという計画ですが,その具体的計画そのものが発表されていません。入居者には,返還期間の何年までに他の市営住宅等への住みかえをお願いしますとの掲示とアンケートが行われているだけです。今でも市営住宅の空き家募集には多数の応募がある中,あいている市営住宅に転居させるなどということが現実的に可能だと考えているのか,お伺いいたします。
次に,予算第27
号議案の
補正予算に関連して,地方交付税についてお伺いします。
平成22年度当初予算では,地方交付税の見込額は,普通交付税で713億円です。しかし,ことし7月に決定され,実際に神戸市に交付される普通交付税の決定額は761億円です。当初予算との差は48億円の大幅増となっています。臨時財政対策債の発行可能額の増額を含めると,実質的な地方交付税は当初予算よりも67億円の増となります。しかし,今回の補正後の普通交付税の総額は733億円で,まだ臨時財政対策債の分も含めると,48億円以上が使われておりません。
今,不況で深刻な神戸経済の状況が続いており,市民の暮らしは大変です。まだ使える48億円の交付税を使い,例えば経済効果のある住宅リフォーム制度の創設や,高校や大学などの新卒者の就職難の打開のためにも,新卒雇用奨励金制度などの活用,神戸市がプレミアム分を100%拠出する地域買っ得券の発行などなど,緊急経済対策による神戸経済・地域経済の活性化や,市民が喜ぶ施策を行うべきだと思いますが,いかがでしょうか。
以上,簡明な答弁をお願いし,質問を終わります。(拍手)
(「議長」の声あり)
27
◯議長(
荻阪伸秀君)
矢田市長。
28 ◯市長(
矢田立郎君) 私の方から,交付税の点についてのお尋ねに関しましてご答弁を申し上げます。
今,経済の活性化というお話もいただいたわけでございますが,この当初予算の中で景気対策,また雇用の確保というのは,もう一番重要な柱というふうに今年度予算の冒頭,申し上げたところでございます。特に,中小企業の経営でありますとか,あるいは市内の雇用という問題について考えてみるときに,市民の暮らしに大変大きな影響が及んでまいります。そのために,地元中小企業の受注機会をどう確保するかという点で,これはもう本当に続けてやってきてございますが,地元中小企業が受注しやすい生活密着型投資という点で,その資金の確保をしたというところでございます。
そういった中で,学校の耐震化,または橋梁の長寿命化,道路維持補修,あるいは市営住宅の計画修繕といったふうに,市民の生活に密着をしながら,そして地元中小企業が受注しやすい,地元の中小企業にとっての生活密着型投資というものは大変意義があるというふうに言われております。これはもう,今平成22年で,前年からの繰り越しも合わせまして,約498億円の
事業費を確保しております。さらに,さきの10月の
補正予算におきまして,国の経済危機対応,地域の活性化予備費等を活用した事業で道路の防災,または橋梁の耐震補強,学校施設の耐震化ということで,追加で約52億計上したわけでございまして,合わせますと,約550億の生活密着型投資を確保しておるのが現状でございます。
また,平成23年度の予算編成方針におきましても,景気対策と雇用確保に力を注ぐ,そして投資的経費は中小企業の受注機会の確保に,特に意を用いてやろうということで,市の各部局に対しまして指示をしておるところでございます。
また,このほかに──これはもう当然でありますが,市内中小企業の円滑な資金繰りを支援するということが重要であります。融資予定総額の増額,また信用保証料の全額補助の拡大ということを行うとともに,早期の受注回復を促す販路開拓支援の強化,あるいはセミナー・講座による経営力の向上支援といったふうに,企業ニーズに沿いました,きめ細かな中小企業支援に総合的に取り組んでいるところでもございます。
また,10月1日からは,「知っ得 買っ得 神戸 商店街・市場ガイド」を12万部無料配布をするなどしまして,商店街・小売市場の特色づくりを支援してきたところでございます。こういった点で,地域商業の活性化を図りたいということでございます。
一方で,神戸市の財政状況,依然厳しい,──極めて厳しい状況が続いてございます。交付税は,地方税収が大きく落ち込むことによりまして,当初予算を上回ることになったということでございます。しかし,最も基礎的な財源でございます市税収入が──これは雇用情勢が依然として厳しいという中で,個人市民税の大幅な減収が見込まれております。また,円高による影響といったことで,今後の景気動向によりましては,法人市民税の下方修正も十分に考えられるということでございます。
歳出の面でございますが,生活保護費が急増しております。6月時点において,当初予算で見込んでおりました保護費の率は,もう既に上回ってございます。また,障害者自立支援の給付費も自己負担の上限額の撤廃によりまして急増しております。このまま推移しますれば,いずれ年度内に増額補正をする必要がございます。非常に厳しい財政運営が予想されておるところでございます。
今後も,市内経済を支えていく中小企業の経営状況について,特に留意をするとともに,国の経済対策を活用し,
補正予算の編成も含めて,市民の暮らしを守るための景気対策の推進,雇用の確保に最優先で取り組んでいくんだということをご理解いただきたいと思います。
以上,私から答弁申し上げました。
(「議長」の声あり)
29
◯議長(
荻阪伸秀君) 石井副市長。
30 ◯副市長(石井陽一君) 私の方からは,市営住宅条例について,2点答弁させていただきます。
1点目が,借上住宅の期間延長についてということで,議員の方から借上住宅の返還に伴う住みかえにつきましては,形成されたコミュニティの問題,あるいは高齢者の方の大きな負担となると,そういうことで使用期限を延長できないかということでございますけれども,借上住宅につきましては,議員からもございましたように,阪神・淡路大震災で住宅を失った被災者に対し,早急かつ大量に住宅を確保する必要があったと,そういうことで20年の期限で民間事業者,あるいは都市再生機構などが建設した賃貸マンションを借り上げ,臨時的に市営住宅として供給をしたものでございます。
借上住宅の現状でございますけれども,21年度末時点で107団地,3,805戸がございます。そのうち,入居されておられる被災者の方は,約7割で,2,568世帯となっておるのが現状でございます。
また,借上住宅以外も含めて,復興住宅全体,約1万戸ございますけれども,これについても同じような傾向,約7割の方が被災者の方だという状況でございます。
こういう中で,一方では借上住宅,これについてはオーナーの方から,1カ月当たり,平均で7万5,000円程度の借上料で借りておると,それに対し,平均2万2,000円程度の市営住宅の使用料,これで提供しておるという関係上,収支不足が生じておると。実質的に一般財源の繰入額が年間約15億ございます。
このような復興住宅の目的と現状の乖離,財政の問題,これを考えますと,期間の延長ということについては,契約に従って適切に返還をしていくことが必要であると,そういうふうに私ども考えております。
なお,入居者の方がそれぞれのオーナーの定める条件でそのまま住み続けたいという意向がございましたら,私どもとしては,オーナーと入居者とが直接契約できるような,必要な調整,これはもちろん行っていくと考えております。
なお,入居者の皆さんには,他の市営住宅へ住みかえていただくということで,入居者の方に,我々大きな負担とならないように,円滑に住みかえていただくために,できるだけ早い段階から入居者の意向を把握していきたい,このように考えておるわけで,既に,今月──11月でございますけれども,これ以降,年内には返還期限の早い10団地,864戸の借上住宅から,既に意向調査あるいは説明会を行っておるところでございます。できるだけ,そういう中で早く住みかえたいという方には,必要な住宅のあっせんを年明けの1月から開始をする予定としております。
それ以外の借上住宅の方につきましても,今後1年半程度かけまして,順次意向調査なり,説明会を行いまして,住宅のあっせんを行っていく予定でございます。
なお,返還期限の3年から5年前までの間に,再度意向を聞きながら,コミュニティという点も踏まえて,できるだけご希望に添えるような市営住宅を確保するなど,引き続ききめ細やかな対応を行い,できる限りスムーズな住みかえができるよう,取り組んでいきたいと考えております。
もう1点,住みかえのあっせんについて,一般の空き家募集が非常に倍率が高いと,そういう状況の中で,3,800戸にもなる借上住宅の住みかえ,これを行うということであるが,現実的に可能かどうかというご質問でございますけれども,議員もご案内のとおり,私どもとしまして──神戸市としましては,第2次の市営住宅マネジメント計画,これを策定をしております。先ほども申し上げましたけれども,被災者世帯ですね,これが減少しておるということも踏まえまして,借上住宅の返還も含め,復興住宅の縮減を進めていくほかに,当初の役割を既に終えつつある厚生年金住宅の順次の廃止,あるいは老朽住宅の再編等によりまして,23年度以降,10年間で市営住宅の7,000戸を削減をすると,そうしまして4万6,000戸にしていこうと,こういう計画をしておるところでございます。このために,年間平均で約700戸程度の住みかえ用の住宅を確保する必要があると考えております。そういうことで,現状では活用できる年間の返還戸数,これが約1,700戸ございます。そのうち,平均で1,000戸程度,これを今現在,定時募集に回させていただいておるということで,一定の募集規模,これを確保した上で,住みかえに提供することが可能であると考えておるところでございます。
なお,住みかえに当たりましては,先ほども申し上げたように,早い段階から意向調査なり,説明会を行いまして,できるだけ早く住みかえたいという方に対しては,必要な住宅をあっせんするなど,長い期間をかけて丁寧に対応していくと。あわせまして,借上住宅などへの期限つき入居,これを実施することで住みかえ以外の一般募集戸数,これも適切に確保するよう努めてまいりたいと,このように考えております。
以上です。
(「議長」の声あり)
31
◯議長(
荻阪伸秀君) 森本君。
32 ◯30番(森本 真君) それでは,再質問させていただきます。
まず,借上住宅の問題です。最初にも言いましたけども,本当に被災者である市民,高齢者の生活をどう考えているのか。避難所,仮設,そして災害公営住宅,被災後何度も転居を余儀なくされて,ようやく落ちついたのが災害公営住宅,再びまた転居だと,生活が変わると病気や認知症などが悪化するということは本当に避けられない。それともう1つ,何度も何度もコミュニティを破壊することが,被災者や市民の生活を守っていることか。先日,震災から6年になる中越地震の被災地である山古志村に行ってきましたが,山古志村の皆さん,本当に神戸の経験を学んで,同じところに住んでいる人は同じところの仮設に移って,そして一緒に帰ろう言うて,今,山古志村に帰ってきている。帰れなかった人もいますけど,本当にコミュニティを守って帰ってきたから,今でもいろんな協力をして頑張っている。神戸の場合は違ったんですよ。長田から──長田で被災した人が遠くの西区や北区や,またポーアイや,いろんなところへ行って,長田に帰ってこれずに,帰りたい,帰りたいという人もたくさんいるんです。そういう人がまた,今度追い出されるんです。
副市長は契約に従って,借上住宅は20年で返還しないといけないというふうに言われましたが,本当にそうなのか。先日,日本共産党の災害対策委員の山下芳生議員と一緒に借上住宅の入居者を訪問して,借上住宅の実態を聞きました。この前の説明会でも,90歳になる高齢者が,もう地震後,2人を見送ったと,この話を聞いて頭がおかしくなるほど悩んでいると,このまま残してほしい。先日定時募集があったので,東灘でどこに私が入れるか──入れるところはないかと見たけれど,私のようなひとり暮らしで,年寄りが入れる空き家は1軒しかなかった,しかも,何百倍だった,絶対に,私は変われない,死ぬまでここに置いてくださいと,説明会で言ってるんですよ。
それと,そのまま入りたい人に対しては,直接契約したらいい,URのところに,アンケートにどう書いてあります。年収は家賃の4倍,貯金は──貯蓄は家賃の100倍,生活保護の人から言われました。私はそんなにお金持ってません,どうしたらいいんですかと。これが今,震災で苦しんだ,災害公営住宅に住んでいる被災者の実態じゃないですか。
そして,山下議員と一緒に借り上げの住宅を所管している国の機関──国土交通省の住宅局総合整備課の担当者に話を聞きました。現在の借上住宅の入居者が,20年過ぎても,そのまま入居できる方法はないかと聞いたら,それは可能ですと言いました。担当者はこう言ってます──URや民間のオーナーが拒否するなら別ですが,市や県が借り上げ,借り上げ終了後,新規契約を結べば問題はありません。現在の入居者は,公営住宅法第22条の特定入居という方法で引き続き,間を置かずに,そのまま住み続けられます,借上公営住宅の制度も利用できます,支援措置もされますと,こういうふうに言われました。
神戸市からはどんなことを聞いてますかと聞いたら,アンケートを実施をしているとは聞いていますと,国土交通省としては,市や県の考えを見守っているところですと,こういうふうに言われました。
今,入居してる市民や被災者の立場に立てば,引き続き継続するのが一番いい方法じゃないですか。引っ越し費用もかけずに,そしてそのままコミュニティを守れ,そして最後まで公営住宅で暮らせる,こういうふうにすべきじゃないかというふうに思います。
副市長が答えましたが,これをどういうふうにするかは,市長の判断です。市長が市民,被災者の生活を守るという立場に立つかどうかが問われているというふうに思います。ぜひ,借上住宅は20年の期間が来たら,新規契約を結んで,現在の入居者がそのまま住み続けられるように,市長,決断すべきだと思いますが,いかがでしょうか。
次に,
補正予算,交付税との関係で質問をします。
市長は,550億円の資金を確保して,地域や生活密着型の投資に力を入れているというふうに言われました。しかし,今,現状としてはどうか。それだけお金を入れても,今本当に大変なんです。大変な暮らしで,買っ得券とか,買っ得ガイドとかの話をされましたけども,本当に今こそ残っているというか,入ってくる交付税を使って,市民生活を助けるというのが必要だと思います。県の例を出して悪いですけども,県は今度,
補正予算750億円も積みました。それは今,兵庫県の経済が大変だからという理由です。神戸市は32億円,しかし残っているのはまだ48億円も残っていると。本当に前倒しで,今,市民に役立つ,景気に役立つ施策を打つべきだと思います。るる,それができないような理由も述べました。財政が厳しい──しかし財政が厳しくて,市税収入が減るというふうに言われましたけども,そのために交付税があるんじゃないですか。だから,その交付税を使って市民の暮らしを守るために,最優先で,もっと
補正予算を組んでいただきたいというふうに思いますが,いかがでしょうか。
以上,ご答弁をお願いします。
(「議長」の声あり)
33
◯議長(
荻阪伸秀君)
矢田市長。
34 ◯市長(
矢田立郎君) まず,先ほど申し上げたように,こういった全体の,全体の財政をどう構築していくかという点にあるわけでありまして,まさに現状の中で,先ほども申し上げましたように,個人市民税,そして法人市民税がかなり当初の見込みよりも芳しくないという状況でございます。そういう状況の中で,一方で生活保護の状況も先ほど申し上げましたように,非常に大きな伸びが,今──例えば大阪なんかも大変な状況でありますが,非常に伸びております。そして,障害者自立支援の給付費等も,これも同様に,どんどんと拡大をしていっておるということがございます。
そのほかに,従前に生活保護の概算受け入れをしておりました分の,これは国に対する返還というようなものもありますし,また住宅手当等に関しましても同様の扱いがございます。そうしたことを,これは3月の段階で,これは補正をお願いすることになると思いますが,相当な,やはり財源を要するわけでございまして,先行き,まだ税収がどこまで落ち込むかということが見きわめがかなり難しいところでございます。
そうした中で,やはり全体としての財政収支を維持していくためにどうしようかということとあわせて,あわせて,実際に今の経済対策,あるいは雇用対策という観点で,生活密着型投資及び融資制度を駆使してやっていこうと言うとるわけでありますから,それらについての,やはりトータルの考えで見ていただかないと,交付税というものは,通常の団体の基準財政収入額と基準
財政需要額そのものの中で算定されるものでありますから,だからそういうような視点に立って考えていかなければいけません。ですから,それを単に数字上の観点から,充てたらええやないかというふうな話でもってできるような,そういう単純なもんではありません。ですから,こういったことについては,本当に多方面にわたる財政の中身を詳細に点検しながら,そしてそれにおいてやはりこの財政を維持していくということが重要であります。
その中で,例えば,今申し上げましたように,生活保護費なり,あるいは障害者の自立支援給付費そのものを,これも伸びが──ほんなら要らんのかというたら,これ要らんことではないわけであります。絶対に要るんです。そのほかに,実際に今の高齢化が進んでいる中で医療費も伸びてます。そうすると,そうしたものを全体でとらえて,どのように市民の,やはり命・暮らしを守るんかという点が重要でございますから,そうした諸点を含めて,今打てる手を打っておるというのが現状でございます。
それから,国の今のこの補正の中身でございますが,具体的にまだ細かい内容が明示されてないものもたくさんございます。ですから,そういうものがはっきりと協議ができる中で,これは追って,またそういった点についての対策は考えていくということになろうと思っておりますんで,そのようにご理解いただきたいと思います。
それから,借上住宅の点についての話がございましたが,これは,1つの条件として,あの大災害の後で,さまざまな手法を駆使しながら,やってきたものでございます。そうした中で,やはりこの特優賃等をはじめとして,大変な,実は状況にあるわけでございまして,そうしたこと等を含めながら,やはり今後の住宅政策を考えていくということが重要であり,そしてその中で,あれだけの大規模な,大規模な災害に対して手を打ってきた,そのときの状況をやはり振り返って考えてみる必要もあるんではないかと。そのために,やはりある状況を,その1つに絞るんではなしに,いろんな形でこの状況に対して対応したと,そしてそのために,その当時の非常に住宅に対して要請があったことに対して,曲がりなりにも対応はできたんだという原点に返って考えてみるときに,やはりトータルで,こういったものについての考え方を少し整理していく必要はあると,私はこう考えております。
(「議長」の声あり)
35
◯議長(
荻阪伸秀君) 森本君。
36 ◯30番(森本 真君) 交付税について──活性化施策については,決算──予算とか決算というのは数字です。数字で,あるか,ないかということであれば,あれば,やっぱり地域の活性化に使うというのが当たり前だというふうに思います。今,国の
補正予算の状況がはっきりわからないというふうに言われましたけども,そういった意味では,できるだけ前倒しで,補正でお金がつくんだったら,経済活性化のために施策を行うべきだというふうに申しておきます。
それから,災害公営住宅のお話ですが,市長,最後に,結局どないするんかと言われたのかがよくわかりませんでした。あれだけの大規模な災害で,さまざまな手法を使ってやってきたと。1つに絞るんじゃなくて,原点に返ってというふうに言いましたが,原点に返るんであれば,被災者の生活を最優先するというか,市民の生活を最優先するのは,借上住宅から住みかえてもらうことが本当に1つに絞る方法なのか。それは違うでしょうと,私は言ってるんです。今,多くの被災者の皆さん──入居者の皆さんが,このまま暮らしたい,もう本当に高齢者多いですから,あとそれこそ7~8年,引っ越すまでに生きていられるかどうかという方もたくさんいらっしゃるんです。だけども,そういう人たちは,本当に震災で住宅を失って,そしてやっと当たった──当たったというか,やっとたどり着いた,ついの住みかとなる住宅が,たまたま借上住宅だったんですよ,たまたま。それが,20年たつから追い出すということで,みんな不安になってるんです。それに対処するためには,先ほど言ったように,国も認めてるんですから,ちゃんと借上住宅,20年の期限が来たら,新規契約して,そのまま入居者が継続をするようにしたらいいんです。
例えば,今,URなんかで言うと,URから,例えば退去するというか,出ていくというか,亡くなったりして出ていったら,そこは今度はURの住宅で貸してるケースいっぱいあるじゃないですか。そういう意味でいえば,住み続けて,そこがあいたら,オーナーに返したら何ら問題ない。それこそ今,スムーズにいくわけですよ。3,800のうち,副市長が言いましたけど,3,000戸以上住んでるんです。その人の引っ越し代とか,いろいろ考えたら,15億円とか,いろいろ言いましたけども,そんなん考えたら,そのまま住み続けた方が,だれにとっても,神戸市にとっても,そして入居者にとってもいいはずですから,ぜひ市長,先ほども言いましたように,決断して,借上住宅の入居者がそのままおれるようにしていただきたいんですけど,明確な答弁をお願いします。
(「議長」の声あり)
37
◯議長(
荻阪伸秀君)
矢田市長。
38 ◯市長(
矢田立郎君) 私は何も明確でない答弁をした覚えはございません。
これは,先ほど来申し上げているように,本当に多種多様な手法を駆使して,当時の災害公営の住宅を確保しようということでやったわけであります。ですから,そういったことを考えるときに,やはりその手法を前提として,住まいを確保していったということについて,1つの,これはお約束事があったということになると,そういう点で,早い時期から,早い時期からこの対応についてご相談をさせていただいておると,そういうことでございます。
39
◯議長(
荻阪伸秀君) ご苦労さまでした。
(拍手)
40
◯議長(
荻阪伸秀君) 次に,51番あわはら富夫君。
(51番あわはら富夫君登壇)
41 ◯51番(あわはら富夫君) 私は,新社会党市
会議員団を代表して,第70
号議案神戸市営住宅条例の一部を改正する条例の件について,市長並びに
関係当局に質疑をいたします。
この議案は,震災から15年間を経過し,当時,20年契約で借り上げた民間住宅の期限切れを控え,住民の住みかえに対応して,住みかえを希望する世帯の家賃が上昇する場合,その激変緩和を行うもので,加えて,住みかえ後の空き家について,その有効活用を図ろうというものです。
しかし,この議案は,震災で被災した多くの被災者がついの住みかとして,民間借上住宅に入っているという思いと逆行し,さきの答弁でも明らかなように,住みかえありきの内容です。旧市街地での復興住宅の不足を補った民間借上住宅であり,復興住宅入居者と本来公平であるべきです。当時の当局の責任者であった金芳生活再建本部長は,20年先のことは悪いようにしない,誠実に対応していくと述べています。
さて,私の当初の予定質疑ですが,前任者への答弁と重なる部分がありますので,先ほどの副市長の答弁に対して,さらに踏み込んで質疑をいたします。
さきの答弁では,20年は契約であり,住み続けるとの選択は難しいということでした。ところが,今回の借上住宅の居住者の構成を見ますと,3,598世帯のうち,65歳以上の単身高齢世帯は1,882世帯で,全体の52.3%です。75歳以上は1,049世帯にもなり,期限が切れる5年後には,70歳以上世帯が過半数を超え,80歳以上単身世帯が全体の3割を超え,90歳を超える単身世帯も多く存在することになります。このような世帯は,事実上,住みかえが困難と考えるべきではないでしょうか。
ここで質疑しますが,80歳や90歳を超える単身者や日常生活で地域でのサポートを受けているような居住者が,このまま住み続けたいと主張した場合,家賃を大幅に上げたり,住みかえを強要することは人権上も問題があり,居住の安定を定めた国際人権規約にも違反することになるんではないでしょうか。そういう意味で,実質移転強要はできないのではないかと思いますが,
矢田市長の見解を求めます。
また,先ほどの答弁で,住みかえ住宅の確保についてですが,年間1,700戸の返還があり,1,000戸については空き家住宅,700戸については,あっせんに回すから大丈夫という話がありました。ところが,以前,特別委員会での質疑によりますと,旧市街地では年間1,000戸の返還住宅であり,空き家募集は従来の500戸を確保したとしても,500戸を住みかえに回すからということで,旧市街地ではかなり少ない数になります。しかし,この答弁で,さきの市営住宅の空き家募集で,実は長田の住宅で抽せんが800倍になったと聞きました。旧市街地での応募を見ると,平成21年で一般住宅と特目住宅を合わせて2万世帯が応募しております。旧市街地での応募倍率は,灘区で51倍,中央区でも49倍になっています。
ここで質疑しますが,500世帯の供給では,10年かかっても,住宅困窮者の解消には遠く及ばないばかりか,住みかえ者の優先で,逆に市民同士の対立をあおる結果になるのではと危惧いたしますが,市長の見解を求めます。
さらに,
期限つき入居制度ですが,この制度における期限後の住みかえについてお伺いをいたします。
期限後の住みかえについては,入居後に中級以上の障害者になった場合は,特定入居者として市営住宅への住みかえのあっせんをするとのことです。しかし,入居後に所得が減少し,生活困窮者となるなど,生活実態が変化した居住者は対象にならず,若者の貧困化が叫ばれる中で,退去期限の際,新たな困難を招くことになると思いますが,どうでしょうか,質疑をいたします。
以上,3点,新社会党市
会議員団を代表しての質疑といたします。
(「議長」の声あり)
42
◯議長(
荻阪伸秀君) 石井副市長。
43 ◯副市長(石井陽一君) 3点について答弁させていただきます。
まず,第1点が,住みかえ困難者の問題ですけれども,先ほど来申し上げてますように,借上住宅については,21年度末で107団地,3,805戸と,入居者約3,600戸の──2,600の皆さんに順次──3,600戸の方に順次住みかえをしていただかないかんと。そういう中で,住みかえの困難者という点でございますけれども,ご案内のように,神戸市は既に平成12年から第1次のマネジメント計画に取り組んできており,これに伴って,廃止あるいは建てかえ住宅で,既に3,000件以上の住みかえあっせんを行ってきております。
そういう中で職員1人1人が面談をし,きめ細かく対応させていただくとともに,福祉部門,あるいはご家族との連絡もとりながら,大きなトラブルもなく進めてきたという実績もあるわけでございます。
そういう中で,今回につきましても,これと同様に取り組んでいこうということで,先ほどまた申し上げましたけれども,できるだけ早い時期から
スタートをさせるということで,もう既に今月,返還時期の早い10団地,864戸については,意向調査,説明会を行っておるわけで,特に早く住みかえていただかなくてはいけないという方々については,来年,年明けの1月から開始をすると──あっせんを開始をすると,そういう予定にしております。
それ以外の方につきましても,今後の進め方について,既にチラシ等,掲示をしておるわけでございまして,1年半をかけて意向調査,説明会を行う予定としております。
いずれにしても,入居者の方から,いつでも相談していただけるような対応,きめ細かい対応をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
次に,2つ目が空き家募集での対応の件でございますけれども,特に市街地ということで,市営住宅の市街地での管理戸数,これが現在東灘区から長田区までの5区,約2万5,000戸ございます。年間の退去率が約4%ということで,先ほどございましたけど,年に約1,000戸が空き家として住みかえをされておると。そういう中で,我々10年のマネジメントの中で,1万戸が返還をされると,そういうふうな予定をしております。そういう中で,現在借上住宅が5区で3,132戸,2次マネで廃止を予定しておるのが418戸ございます。両方足しますと,3,550戸ということになるわけでございますし,一方,市街地5区の募集,先ほどもございました,80倍とか,800倍とかいうことがございましたけれども,おおむね年間500戸で,10年で5,000戸と,こういう予定をしておりますので,総数としては対応できるというふうに考えております。
ただし,総数で対応できたとしても,ミスマッチが生じると,これは我々重々理解をしておるということ,そのために早期に転居を希望する方については,あっせんを開始しまして,長い期間をかけて対応していきたいと,そのように考えております。
また,一般の空き家募集ということにつきましても,借上住宅なり,あるいはマネジメント計画において,建てかえあるいは廃止という予定のものについて,募集停止を行ってきたわけでございますけれども,こういう空き家につきましても,期限つき入居として,来年から活用したいということで,一定の募集規模,これを確保していきたいと考えております。