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  1. 神戸市議会 2009-03-05
    開催日:2009-03-05 平成21年予算特別委員会第1分科会〔21年度予算〕(教育委員会) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時3分開会) ◯主査(橋本秀一) おはようございます。  ただいまから予算特別委員会第1分科会を開会いたします。  最初に,予算特別委員会に付託され,本分科会が審査を担当することになっております請願第60号について,紹介議員である平野昌司議員より,この後趣旨説明を受けたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 2 ◯主査(橋本秀一) ご異議がありませんので,それではさように決定いたしました。  また,本請願については,請願者から口頭陳述申出書が提出されておりますので,紹介議員の趣旨説明の後,口頭陳述を聴取したいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 3 ◯主査(橋本秀一) ご異議がありませんので,それではさように決定いたしました。  なお,請願第60号については,本日までに35名の追加署名がありましたので,ご報告いたしておきます。 (教育委員会) 4 ◯主査(橋本秀一) それでは,日程によりまして教育委員会関係の審査を行います。  最初に,請願第60号について,紹介議員である平野昌司議員より趣旨説明を聴取いたします。 5 ◯分科員外委員(平野昌司) それでは,説明をいたします。  まず,友生養護学校の移転に関しましては,ことしの1月中旬ごろから保護者の皆さんから相談を受けておりました。保護者の皆さんから話を聞けば聞くほど,教育委員会の友生の子供たち,父兄に対しての対応のまずさ,情報を流さず,むしろ口どめする姿勢に大いに疑問があると感じ,これでは父兄の信頼はとれないと,菊水小学校の跡地へのスムーズな移転はできないのではないかという危惧から,この請願の紹介議員となりました。  兵庫区では,4校の学校再開発の中で,区内ではいろいろ議論があるも,菊水小学校に友生が来るということは,昨年の11月教育委員会の地元への説明もあり,また市長みずから地元で語ったこともあり,既定の事実でございます。しかるに,ことしの1月中旬ごろ,兵庫区のPTAの友人から聞いたとして友生の父兄が我が会派の山口議員に,また同時期に東灘の安井議員にも同じように友生の父兄から,兵庫区の菊水小学校に友生養護学校が行くのですかというふうに尋ねられたようでございます。兵庫区のことなので,両者から私に確認の問いがありました。兵庫区のご両人に兵庫区の事情を説明するも,1月の中旬のこの時期になっても友生の父兄が移転のことについては一切知らないし,知らされていないと。また,東灘区にあるのにもかかわらず,東灘区の議員団も知らないと。聞くところによると,東灘の区長もそのときまで知らなかったということでございます。  そこで,我々議員が教育委員会の担当を呼び説明を求めると,予算が決まっていないから未定だということで,移転のことは父兄には話していないとのこと。我々,それはおかしいよと,兵庫区では既定の事実として広く知られており,友生が来ることには何ら問題なく理解されていると。肝心の移転する側の友生の皆さんが兵庫の友人や知人から聞こえても,教育委員会から聞かされていないとは,これでは父兄はおさまりませんよというやりとりの中で,ようやく2月4日,正式に教育委員会から友生の父兄に説明がありました。  2月4日の教育委員会から説明を受けた後,父兄の思いをつづったアンケートがここにございます。このアンケートでは,すべて納得できないと訴える父兄が大多数で,「この子供たちのために住まいも変わり,生活リズムを合わせている。」と,また「子供たちは環境の変化に非常に敏感で,移転となるとついていけない。」「送迎に困難を来すし,学校から急な呼び出しについていけない。」など,苦しい胸の内がうかがい知れました。特に医療的ケアの必要な子供さんについては深刻です。このアンケートを見させていただいて,障害に対して子供さんと一緒になって闘っている親御さんの姿がよく見えてきました。障害の程度の厳しさを私自身改めて知らされました。  本来なら教育委員会が率先して友生の皆さんに,菊水小学校を訪ね,そして周辺の環境やアクセスなどを見ていただく。一方,菊水小学校の周辺の皆さんには,友生養護学校が来るんだから,友生養護学校を見ていただき,両者が納得して初めて移転への作業を進めるのが筋ではないでしょうか。そのようなことが一切なく,「予算が決まった。さあ移転だ。」ではまとまりません。
     議員の皆さん,審議されるに当たり,まず教育委員会と父兄との信頼関係の構築にどうすればいいのか。また,障害のある子供は1人1人その内容もケアもあり方も全部異なります。具体的な要望や問題提起があれば,1つ1つ解決していかなければなりません。移転までまだまだ時間があります。この請願をぜひ採択されて,議会が教育委員会に対して十分なチェック機能が発揮されるようお願い申し上げて陳述を終わります。ありがとうございました。 6 ◯主査(橋本秀一) 趣旨説明は終わりました。どうもご苦労さまでした。  次に,請願第60号について,口頭陳述を聴取いたします。  山本さん,発言席へどうぞ。  この際,陳述人に申し上げます。陳述人におかれては,住所,氏名を明らかにしていただき,内容をご要約の上,5分以内に陳述を終えるようお願いいたします。  それでは,山本さん,どうぞ。 7 ◯請願者 神戸市灘区大和町3丁目1-16-401,神戸市立友生養護学校PTA会長の山本紀子と申します。  議員の方々におかれましては,ご多忙の中,日々神戸市の特別支援教育にご理解,ご尽力をいただきまして感謝いたしております。  大変恐縮ではございますが,本日は友生養護学校の子供たちのためにぜひお願いしたいことがありまして参りました。どうぞよろしくお願いいたします。  現在,友生養護学校には,生きるか死ぬかの闘いを経て必死に生きている子供たちがたくさんおります。本来であれば病院にいるような,酸素ボンベやチューブをつけて先生に介助されている,言葉も出ない,歩くことはおろか立つことも座ることもできない,自分で食べることもできない,そんな子供たちの集まりであります。この私でも余りの重度さに驚くぐらいですので,議員の皆様方には恐らく想像ができない世界であろうかと思います。でも,その子供たちにとっては,友生養護学校というところは唯一笑って過ごせる場所なんです。  そんな子供たちがやっとの思いで,本当にやっとの思いで入学を果たして,これから毎日笑って過ごせると,そういう日が来ると思っていたやさきに,唐突に市教委の方から移転の話がございました。中には,障害の重い子供の通学の負担を減らして,また親のサポートがしやすくなるように,友生に近い東灘区に転居してきた家庭も複数あります。何年もかけて生活環境を整えてきて,やっと今なれてきたところなんです。  本来,このような重大なことにつきましては,計画案の段階で,どうだろうかという打診があってしかるべきだと考えます。余りにも一方的で,社会的なルールを無視したやり方だと言わざるを得ないです。  また,今回の移転は,東灘区から兵庫区という,友生の校区の東の端から西の端への移転です。医療的な対応を必要とするような最重度の子供たちに10数キロの通学距離を強いるものになります。そうした子供たちというのは,スクールバスに乗ることはできません。そういう決まりになっています。介護タクシーを利用するか,公共交通機関を利用するか,または自家用車で親が送っていくということになります。今まで近かったものが非常に遠くなるということで,子供の体力的な負担は増大し,通学の途中で異変が起こる可能性,さらに言えば命にかかわる可能性も十分に考えられます。親は付き添わなければならないんですけれども,家との往復に時間がかかりますので,一たん家に帰るということもままなりません。今までやっていたように,学校に子供がいてる間に町内の用事を済ませるですとか,家事をするですとか,そういう時間もなくなってしまいます。急な発熱などで学校の方から呼び出しがあっても,すぐには駆けつけられません。  通学距離の問題だけではありません。健常の子供でも,引っ越しとか転校といった事態は簡単に受けとめられないと思うのですけれども,私たちの子供というのはとても環境の変化に弱いです。なれるまでに相当な精神的なストレスと体力的な消耗を強いられて体調を崩して,これもまた命にかかわる危険性もとても大きいです。そんな状態では,今のように毎日学校に通うということは不可能になるんじゃないかという心配は,親としてはとても大きいものがあります。障害があっても当たり前に学校に通って,周りからの刺激を受けて成長していく,日々を楽しく送る,そういうことをかなえるために,移転するというのであれば,個々の状態を踏まえた万全の通学態勢をとって,今在籍している子供たちがだれ一人として欠けることのないようにしていただきたいと思います。  さらに,知的障害の子供たちを受け入れるということに関しても,私たちは多くの懸念を持っています。突発的な事故や抵抗力のない子供たちへの感染の可能性もあります。元気な子にとっては,本当にちょっとした風邪でも,私たちの子供は体力的にとても弱くて,どんなに気を配っていてもすぐに感染して,入院を要するほど重大なことになってしまいます。  ほかにも心配はさまざまありますけれども,予想される事態に対して1つ1つ解決策を出していただきたいと思っています。保護者の意見も取り入れてと言われていますけれども,形だけは聞きましたということにならないように取り組んでいただきたいと思います。  議員の皆様方にぜひお願いいたしたいのは,移転がもしやむを得ないことになりましても,私どもの意向が踏みにじられることのないように見守っていただきたいということです。今回,この請願を提出するまでに,何名かの議員の方々とお話をさせていただきまして,本当にいろんなことを教わり,勉強させていただきました。その中で,私たち保護者の気持ちも少し解けてきたようなということも事実としてあります。 8 ◯主査(橋本秀一) 山本さん,申し上げますけど,時間が経過してますので,おまとめのほどね。はい,お願いします。 9 ◯請願者 わかりました。あとちょっとだけよろしいでしょうか。  もしかしたら私たちの思いをわかってくださる方もふえていくんじゃないかということも感じております。本当にこの移転問題を子供たちの命にかかわる問題だということを認識して対応していただきますようにお願いいたします。  以上でございます。 10 ◯主査(橋本秀一) お疲れさまでした。  口頭陳述は終わりました。どうもご苦労さまでした。  それでは,予算案及び関連議案並びに請願第60号について一括して当局の説明及び報告を求めます。 11 ◯森脇教育委員会委員長 教育委員長の森脇でございます。本日,教育委員会の平成21年度予算案に対する特別委員会が開催されるに当たり,一言ごあいさつ申し上げます。  国におきましては,教育三法の成立を受け,平成20年7月には教育振興施策の総合的かつ計画的な推進を図るため,教育振興基本計画が策定されました。また,新しい学習指導要領につきましても,小学校は23年度から,中学校は24年度からの全面実施に向け,来年度からまた移行措置として,一部の教科で先行実施が行われる予定でございます。  一方,本市におきましても,3月末を目途に教育に関する初の総合的な中期計画でありますところの神戸市教育振興計画を策定し,今後10年間を見通した神戸の教育の方向性と今後5年間の目標や取り組むべき具体的施策を示し,神戸の教育のさらなる振興を図る所存でございます。  これまで神戸の教育は,「人は人によって人になる」ということを基本理念として営々と積み上げてまいりました。これからも子供たちの基礎基本の知識,技能の確実な定着,特別支援の充実,安全・安心な教育環境の整備など,学校教育はもちろん,生涯学習やスポーツの振興まで含めた教育的課題に対して,先ほどの神戸市教育基本計画に基づいて対応いたしたいと考えております。  以上のようなことを踏まえ,平成21年度予算案におきましては,引き続きわかる授業の推進に取り組むとともに,新学習指導要領への対応,特別支援学校整備教育地域連携センター,市民マラソンの検討をはじめ,さまざまな具体的施策を展開してまいります。委員各位におかれましては,どうかその意図するところをお酌みおきいただきたいと存じます。  また,不十分である点につきましては,ご指導,ご助言もいただきながら進めてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。  以上でございます。 12 ◯橋口教育長 それでは,教育委員会所管の平成21年度予算及び予算関連議案1件,請願第60号友生養護学校の移転に関する請願につきまして一括してご説明申し上げます。  まずは,お手元にお配りしております予算説明書に基づきまして,予算第1号議案平成21年度神戸市一般会計予算のうち教育委員会所管分及び予算関連議案につきましてご説明申し上げます。  1ページをお開きください。  予算編成方針でございます。  現在,国においては,改正教育基本法の公布・施行及び教育三法の改正を受けて学習指導要領の改訂が行われ,平成21年度より一部先行実施が行われる予定となっております。このような教育行政における制度改正の中で,本市においても新学習指導要領の円滑な実施を推進する施策を展開してまいります。  また,平成20年度中に策定する神戸市教育振興基本計画が示される今後10カ年を見通した教育の方向性及び今後5カ年の目標と,そのために取り組むべき具体的な施策を反映し,各学校園の教育及び社会教育の充実を図ってまいります。  続きまして,予算編成の柱となる施策について主な事業をご説明申し上げます。  1ページの中ほどをごらんください。  まず,I学校教育についてでございます。  1.神戸市教育振興基本計画の着実な推進では,外部の有識者を含む検討委員会を設置して毎年度計画の検証評価を行い,PDCAサイクルによる計画の進行管理を行います。  また,学校園のあり方検討として,有識者の意見も取り入れながら,学校園の教育環境について検討を行うなど,今後の整備目標の策定に着手する学校園のあり方について検討を行います。  2ページに参りまして,2.小中学校における分かる授業の推進でございます。  分かる授業・楽しい学校といたしまして,来年度も児童・生徒の基礎基本の学力の定着,みずから学び考える力の育成を図る「分かる授業推進プラン」を引き続き実施いたします。  学習指導要領の改訂により,平成23年度から小学校において外国語活動が必修となることから,ネーティブスピーカー等を活用した英語活動を段階的に拡充してまいります。  また,スクールカウンセラーの小学校への配置を拡大し,学校の教育相談体制の充実を図ります。  3ページに参りまして,家庭・地域・学校の連携では,すべての教育の原点である家庭教育に焦点を当て,家庭を見詰め直すきっかけとなる「家族が熱い一週間」事業を継続実施いたします。  情報発信する学校では,学校独自のホームページや学校だよりなどにより,学校からの情報発信に努めます。  次に,3.その他重点的に行う学校教育に関する事業でございます。  学校施設の耐震化では,20年度補正予算に前倒しした事業に当初予算の丸山小学校改築を加えまして,幼稚園3園,小学校21校,中学校16校の耐震化工事を行い,災害に強い学校づくりを進めます。  学校園の建設・改修では,自然の力を生かして学校の温度上昇を防ぐ効果的な方法を研究するために,校舎への日差しを和らげる緑のカーテンの設置や屋上緑化,校庭の芝生化など,「環境にやさしい学校づくり」に取り組みます。  また,平成23年度春を完成予定として,兵庫区の東山小学校地に夢野の丘小学校の新校舎の建設に着手いたします。  4ページに参りまして,高校教育の振興では,多様なニーズを持つ生徒の対応として,平成22年4月に摩耶兵庫高校に昼間部を設置するために,施設の改修など必要な準備を行います。  特別支援教育の推進では,各校の実情に応じて特別支援教育に関する柔軟な人的支援が行えるよう特別教育支援員の配置を拡充いたします。  友生養護学校について,耐震化,老朽化への対応や,知的障害のある児童・生徒の受け入れも行うために,現在の菊水小学校地への移転整備を行います。  また,耐震化,老朽化の対応が必要な垂水養護学校及び青陽西養護学校の建てかえに関する調査を行います。  部活動の活性化では,生徒数の減少とそれに伴う教員数の減少による中学校部活動の休廃部に対応するため,部活動外部指導員を拡充して配置いたします。  健康教育の推進では,家庭の事情等により弁当を持参することができない生徒のために,弁当販売を全中学校に拡大し,文部科学省が基準とする栄養価に配慮した昼食を提供いたします。  次に,5ページをお開きください。  II社会教育についてでございます。  生涯学習の振興では,学校活動などに対する支援人材の確保が困難な状況を踏まえ,学校事情に精通している教職員OB等の支援ボランティアを発掘して人材バンクへの登録を行い,各活動のニーズに応じた人材の確保とコーディネートを全市的に行う「教育・地域連携センター」を設置いたします。  中学校区単位で学校と地域との連携体制の構築を図る「学校支援地域本部」事業を実施いたします。  また,「神戸っ子のびのびひろば(放課後子ども教室)」事業を,一斉下校を行っているなどニーズの少ない学校を除く全小学校で実施いたします。  文化施設の充実では,ICT情報コーナー親子読書コーナー,授乳室などの新たな機能を取り入れ,ユニバーサルデザインに配慮した新東灘図書館を旧東灘区役所跡地に移転整備いたします。なお,整備は平成21年度より当該土地の購入者である住吉学園が行い,平成23年度中に建物取得を予定しております。  文化財保護・啓発では,国史跡「和田岬砲台」の保存修理工事などを行い,文化財の保護と啓発に努めるとともに,近代化遺産などの保存活用に努めます。  6ページに参りまして,スポーツの振興では,神戸の市街地を中心とする市民マラソン大会の実現の可能性について,新たに兵庫県と共同で調整いたします。  以上,平成21年度の予算編成方針並びに主要施策につきましてご説明申し上げました。  なお,7ページから11ページにかけまして主要施策を掲載しておりますが,ただいまご説明いたしました予算編成の柱となる施策と重複いたしますので,説明は省略させていただきます。  続きまして,12ページをお開きください。  2歳入歳出予算一覧でございます。  なお,予算説明書は千円単位で記載しておりますが,以下万円単位でご説明申し上げます。  教育委員会の平成21年度予算は,表の一番下の欄にございますように,歳入合計が164億1,916万円,歳出合計が600億2,475万円でございます。  13ページをごらんください。  まず,歳入予算についてご説明申し上げます。  第15款使用料及手数料は,幼稚園の保育料,高等学校,高等専門学校の授業料,博物館,体育施設など社会教育施設の入館料,使用料などで,予算額は18億5,195万円でございます。  14ページの中ほど,第16款国庫支出金は,小学校の校舎改築に係る負担金,私立幼稚園の就園に対する助成費補助,就学奨励費補助スクールカウンセラー等学校教育に関連する事業への補助,教育の調査研究に係る委託金などで,予算額は9億3,887万円でございます。  15ページへ参りまして,第17款県支出金は,トライやる・ウィーク,自然学校,文化財整備事業に対する補助などで,予算額は1億7,413万円でございます。  第18款財産収入は,教育委員会所管の土地の貸地料,売却代,外国人英語指導助手への住宅の貸家料などで,予算額は8億8,039万円でございます。  次に,16ページの中ほど,第19款寄附金は,工業高等専門学校の研究振興のための企業からの寄附などで,予算額は1,310万円でございます。  第20款繰入金は,学校国際交流支援事業のための子ども交流支援基金からの繰入金などで,予算額は1,204万円でございます。  第22款諸収入は,埋蔵文化財調査の受託事業収入,学校の先行建設に伴う都市整備公社に対する貸付金返還金,各種講座の授業料などで,予算額は125億4,866万円でございます。  次に,19ページをごらんください。  歳出予算でございます。  表の一番上の欄に記載しておりますように,第13款教育費の予算額は600億2,475万円でございます。これは平成20年度予算と比較して39億1,951万円の減となっておりますが,減少の主な理由は,青陽須磨支援学校の建設や垂水東中学校の耐震改築の終了など,学校建設費の減などによるものでございます。  なお,歳出予算の項ごとの明細及び債務負担行為につきましては,19ページから42ページまでに記載しておりますので,後ほどご参照願います。  続きまして,予算関連議案につきましてご説明申し上げます。  45ページをお開きください。  第34号議案神戸市職員の給与に関する条例及び神戸市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の件でございます。  本件は,国の教員給与体系の見直しに伴い,兵庫県の状況などを勘案して,職務の級及び号給に応じて一律に支給されている教員特別手当の引き下げを行うとともに,部活動指導業務や災害時等の緊急業務など特殊勤務手当の引き上げを行おうとするものでございます。  次に,48ページをお開きください。  報告事項でございます。  区と連携して事業実施する「地域の力を活かしたまちづくり事業(区局連携事業)」の教育委員会関係分といたしまして,5項目,合計185万円を計上しております。  続きまして,予算説明書に添付しております別紙をごらんいただきたいと思います。  全市の緊急雇用創出事業5億円のうち教育委員会関係分といたしまして,学校園のホームページの更新及びアンケート集計事務,旧ハッサム邸住宅公開事業,五色塚古墳・小壷古墳環境整備・美化事業の3項目,合計3,517万円を計上いたしております。  続きまして,請願第60号友生養護学校の移転に関する請願につきましてご説明申し上げます。  まずは,これまでの経過をご説明申し上げます。  かねてより特別支援学校の老朽化や耐震化につきましては懸案であり,対応について検討を重ねてまいりました。また,全市的な特別支援のあり方を検討するために,平成20年2月に特別支援学校のあり方検討委員会を設置し,保護者代表,学識経験者,関係校長等に議論をいただきました。昨年11月の最終報告では,老朽化し,耐震工事の必要な校舎は建てかえをするべきである。また,肢体不自由も知的障害もどちらの障害のある子供も通える学校にすべきである旨の提言をいただいております。  この提言を踏まえ,教育委員会といたしまして予算編成の中で検討した結果,耐震化の必要な特別支援学校のうち最も建築年度が古い友生養護学校を建てかえ,複数障害対応の特別支援学校とすることといたしました。  建てかえに当たりましては,児童・生徒の負担を可能な限り軽減すること。また,現校地及び近隣での仮設校舎用地の確保が難しいことから,移転整備をすることとし,移転先は,6,000平方メートルという必要な用地面積,友生養護学校の現在の通学区域,将来の通学区域の再編等を総合的に勘案し,兵庫区北部西4小学校の統合対象校である菊水小学校地が適地であると考えました。  友生養護学校の移転建てかえにつきましては,予算編成案が固まった段階でできるだけ早く関係者に説明するよう努めてまいりましたが,先ほど陳述がございましたが,一方的,また社会的ルールを無視するなど,そういった点でおしかりを受けております。このような状況を招いたことを謙虚に受けとめ,今後は保護者や学校等関係者に丁寧な説明を粘り強く重ねさせていただきまして,我々に対する不信感を取り除いていけるよう努めてまいりたいと考えております。
     続きまして,請願の内容につきましてご説明申し上げます。  まず第1点目,移転の時期等でございます。耐震化の対応で早急に整備する必要があると考えておりますが,整備スケジュール上,開校までに3年かかる予定でございます。その間に子供たちの現状を把握し,移転について保護者と関係者の皆様のご理解を得られるように十分に話し合ってまいりたいと考えております。  次,2点目,交通手段等でございます。  友生養護学校の子供たちの通学につきましては,これまでも保護者,学校と相談しながら支援を行ってまいりました。友生養護学校には現在3台のスクールバスを配置しております。お住まいがバスコースや停留所から大きく離れたり,スクールバスでは身体的な負担が大きい場合はタクシーや自家用車により通学いただいておりますが,その費用の一部を負担させていただいております。こういった取り組みは移転後も引き続き行ってまいります。保護者の皆様への説明会では,移転により現在より学校が遠くなることで通学について心配される声をお聞きいたしております。学校,PTAとよく連絡をとり,子供たちの交通手段について,子供たちの障害の状況や住宅地など個々のご事情をお聞きし,保護者,学校,医師等とよく話し合って1人1人丁寧に対応方法を検討し,真摯にこれに対応していきたいと考えております。  次に3点目,知肢併置についてでございます。  友生養護学校は,肢体不自由養護学校としては全国で2番目に開設され,高い専門性を培ってまいりました。建てかえに際しましては,従来の肢体不自由の子供たちに加え,知的障害の子供たちも通えます新たな時代の特別支援学校としたいと考えております。特別支援学校のあり方検討委員会の最終報告では,知的障害と肢体不自由どちらの障害の子供も通える学校が望ましい。また,通学を含め,どのような障害の子供も安全で安心して学習できる環境を整えていくためには,教育課程等について今後も継続的に調査研究を行う必要があるとの趣旨の提言をいただいております。  以上の提言の具体化に向け,21年度より2カ年度にわたり,保護者代表,学校,学識経験者に参加していただき,全市的に市立特別支援学校の複数障害の対応のあり方を研究する(仮称)複数障害対応研究会を設置いたしたいと考えております。研究会では,人的育成,教育課程,通学を含め,どのような障害の子どもも安全で安心して学習できる環境,学校行事等について意見,情報の交換を行いたいと考えております。  また,研究会の審議状況を踏まえながら,この研究会とは別に友生養護学校について,開校に向けて具体化を図るため,保護者代表,教員等に参加いただく定期的な懇談会を設置いたしまして,移転後の新しい友生養護学校における子供たちの安全,教育の内容,医療的ケアを含めた健康管理体制について具体的な検討を行っていきたいと考えております。  以上の検討を踏まえ,医療的ケアを含めた健康管理体制や教職員の配置につきまして,開校時の児童・生徒の障害の状況をよく見ながら,保護者等関係者にご理解いただけるよう必要な措置に努めていきたいと考えております。  次に,第4点目,保護者や教員との話し合いについてでございます。  新しい学校をつくるに当たりましては,保護者や現場の教員はじめ多くの方々のご理解,ご協力をいただきながら,移転,開校後も含め,ともにつくり上げていくことが必要だと考えております。特に特別支援学校は,特別支援学校のあり方検討委員会において,複数の障害の対応という特別支援学校の新しい姿が示されており,これを具体化するための全市的な方針を検討するため,来年度より,先ほど申し上げました複数障害対応研究会及び定期的な懇談会におきまして意見,情報の交換を行っていきたいと考えております。  なお,懇談会での検討状況につきましては,毎回学校だより等で全保護者,全職員にお伝えしてまいりたいと考えております。  以上,教育委員会所管の平成21年度予算及び予算関連議案,請願第60号友生養護学校の移転に関する請願につきまして一括してご説明申し上げました。何とぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。 13 ◯主査(橋本秀一) 当局の説明及び報告は終わりました。  引き続いて,順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,当局におかれては簡明な答弁に努めるとともに,適当なものについては担当部課長からも答弁されるよう,この際特に申し上げておきます。  また,質疑者が要望にとどめた項目についてはコメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは,向井委員,発言席へ。 14 ◯分科員(向井道尋) それでは,私の方から4点にわたって質問させていただきます。  まず初めに,学校の耐震化についてでございます。  これまで我が会派では,学校施設の耐震化を速やかに100%達成するよう訴えてまいりました。これを受け,市長,教育長におかれては,年度予算や補正予算を使い,前倒し,前倒しで積極的に進めてこられました。それにより,17年度から21年度までの前期5カ年の目標80%を上回る約85%の耐震化率を21年度中に達成されようとしていることには大変評価するところでございます。  ところで,昨年の決算特別委員会で都市計画総局に対し,国の指導に沿って,市内のIs値0.3以下の危険性の高いCランク80カ所の公共建築物の耐震化を急ぐべきと我が会派より指摘をしたところ,建築技術部長は,「Cランクの校舎等の公共建築物については,平成22年度中に耐震化を図れるように努力したい。」と答弁しておられます。しかし,学校園では,統廃合のところを除くと,あと32の未耐震化でCランクの学校園が残っているにもかかわらず,Cランクより上のBランクの施設を先に耐震化をするという,そういうケースが見られます。市民の不安を解消するためにも,残されたCランクの建築物の耐震化計画を21年度中に明示し,22年度中に耐震化工事を完了すべきだと考えますが,教育長のご見解をお伺いします。  次に,不登校対策についてお伺いいたします。  年間30日以上の長期欠席は4つに分類され,病気,家庭の問題等,不登校,その他とあるようです。その中の不登校については,本市では19年度,小学生全国平均0.34%に対して0.21%の170人,中学生においては,全国平均が2.91%に対して3.12%で1,131人だそうです。本市の中学生の不登校率は,国だけではなく県平均よりも高い結果が出ております。しかし,各学校や市教委の取り組みにより,ここ5年間では減少してきているとのことです。また,不登校の対策の中でも,心因性の不登校を対象とした適応指導教室──くすのき教室では200名前後の小・中学生を受け入れ,個に応じた指導も行い,わずかながらも効果を上げてきていることを伺っております。これらの努力に対して敬意を表するものであります。  しかしながら,このくすのき教室の心因性のデリケートな現通級生に配慮をするために,性同一性障害などという新たな障害を持った児童・生徒の受け入れについては難しいようであります。こうしたケースも含め,大半の児童・生徒はいまだ救いの手が届いておらないのではないか,不登校が続いているこういう現状だと思います。今後,どのように不登校対策を進めていかれるのか,お伺いをいたします。  3点目に,セーフティーネットについてお伺いします。  現在,教育委員会では,経済的に就学が困難な世帯に対して,小・中学生では就学援助交付金,高校生では神戸市奨学金や市立高校生への授業料減免,こういったことによって就学保障の制度を実施してきておられます。これらは有効な制度として,経済的に困窮する世帯からは喜ばれていると伺っております。こうしたセーフティーネットによって,安心して勉学に励んできた子供たちがさらに大学進学を目指すことも少なくありません。しかしながら,特に私立大学へ推薦入学した場合には高額の支度金が必要となります。ある私立大学では,12月24日までに入学金30万円,翌年の1月末までに授業料50万円を納めないと,景気悪化の現在でも一切例外を認めずに入学を取り消されるということであります。  そこで,こうした子供たちに手を差し伸べ,スピーディーな貸し付けを行う新たなセーフティーネットの制度を市として創設すべきではないかと考えますが,ご見解をお伺いいたします。  最後,4点目に,友生養護学校の移転についてお伺いをいたします。  先ほどの請願にもありましたように,友生養護学校が東灘区から兵庫区の菊水小学校の統合後の跡地に移転整備される,これまでの肢体不自由養護学校から知的障害もあわせた複数障害対応の,いわゆる知肢併置の特別支援学校にするとのことですが,移転に加えて知肢併置となれば,通学時間や通学の距離,スクールバスの台数,スクールバスの添乗員,スクールバス内の安全性,障害種別に応じた校舎・教室・設備,校内での安全性,障害種別の学級編制や教育課程の編成,儀式・行事の実施の仕方等々,数々の課題や問題点が今後出てくると考えられます。  にもかかわらず,保護者や教職員には,つい先月2月に突然知らされたということは,拙速の思いを強くいたします。これまで教職員へは1回,保護者へは3回説明会が持たれたと聞いておりますが,一方的に説明会を開いて伝えるだけでなく,保護者,教職員,市教委が同じテーブルに着いてそれぞれの立場からの率直な意見を交換する,そうした会を設け,特に保護者の皆さんが安心して納得できる学校整備となるように取り組むべきだと考えますが,教育長のご見解を伺いたいと思います。  以上4点,簡明によろしくお願いします。 15 ◯橋口教育長 私の方から2点お答えいたしたいと思います。  まず,学校施設の耐震化についてでございますが,小・中学校施設の耐震化につきましては,平成17年度から10カ年計画で取り組んでいるところでございます。ご指摘がございましたように,前期計画の耐震化率80%以上の目標に対しまして,20年度末の耐震化率は約78%になる見込みでございますが,前倒しいたしまして平成20年度補正予算により小学校20校,中学校16校の耐震補強工事を行い,その結果といたしまして21年度末には耐震化率が約85%になる見込みでございます。  小・中学校施設の耐震化につきましては,これまでご指摘がございましたように,原則としてC判定の校舎棟から優先して実施をしてまいりました。この結果,平成18年6月に耐震診断の結果を集計いたしました時点で356棟あったC判定の校舎は,21年度末には321棟の工事が完了いたしまして,9割の耐震化は完了することになる見込みでございます。一方,B判定の校舎の耐震化につきましては5割の進捗となってございます。  校舎の耐震化の順序につきましては,校舎の利用状況も勘案するなどして決定しておりますけども,ご指摘のように,C判定の校舎でまだ耐震ができてない学校が残り約1割となっておりまして,12校35棟ございます。この12校35棟のうち5校10棟につきましては,例えば小・中学校が近接いたしまして周辺道路が狭い,そういったことで同時施工ができないということで,工事時期をずらしてやる必要があるとか,また改築するか補強するか,耐震化の方法につきまして時間を要したようなことがございまして,現在これにつきましては耐震化に向け準備を進めているところでございます。これ以外の7校25棟ございますけども,これにつきましては児童・生徒の減少によりまして小規模化しており,再編も含めた耐震化の方法を検討いたしておりますけども,まだ整備方針が未定でございます。そういった点で,学校園の規模や適正配置等をはじめ,市立学校園のあり方検討会での審議,また当然のことでございますが,地元関係者の意見を十分に踏まえながら整備方針を確定した上で,早期に耐震化が図れるように努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。  次に,友生養護学校についてのお尋ねでございます。  先ほども請願に対する説明の中でご説明申し上げましたけども,特別支援学校の老朽化や耐震化につきましては懸案でございまして,対応については,るる検討を重ねてまいっているところでございます。また,児童・生徒の障害の重度・重複化,知的障害のある児童・生徒の増加といった課題に対応いたしまして,全市的な特別支援学校のあり方を検討することを目的といたしまして設置いたしました特別支援学校のあり方検討委員会で議論を行っていただいたわけでございますけども,その中で,建てかえを行うべきである,また複数障害対応の知肢併置型の特別支援学校とするべきである,そういった提言をいただいております。こういった点を踏まえまして,耐震への対応が急がれることもございまして,教育委員会といたしまして,予算編成の中でさらに詳細の検討を進め,耐震の必要な特別支援学校のうち最も建築年度の古い友生養護学校を建てかえ,複数障害対応の特別支援学校とすることといたしているところでございます。  友生養護学校の移転・建てかえにつきましては,予算編成案が固まった段階で,できるだけ早く関係者に説明するように努めてまいったわけでございますけども,先ほどの請願にもございましたように,一方的である,また社会的ルールを無視しているといった点でおしかりを受けております。また,ご指摘ございましたように,保護者からも,学校が遠くなる児童・生徒の通学の課題について非常に不安感を持っておられるというふうにも感じております。こういった状況を招いたことにつきましては,謙虚に受けとめて,今後は保護者や学校等関係者に丁寧な説明を粘り強く重ねさせていただきながら,我々に対する不信感を取り除くように努力していきたいというふうに考えております。  そういった点で,具体化に向け,障害種別保護者代表,障害種別の学校長,教員,学識経験者にご参加いただきまして,来年度より全市的に神戸市特別支援学校の複数障害の対応のあり方を研究いたします複数障害研究会を設置いたしたいと考えております。研究会では,人材育成,教育課程,通学を含めまして,どのような障害の子供も安全で安心して学習できる環境,学校行事等について,意見,情報の交換を行いたいと考えております。  また,この研究会の審議状況を踏まえながら,この研究会とは別に,友生養護学校につきまして開校に向けて具体化を図りますために,保護者代表,教員等にご参加いただきまして定期的な懇談会を設置したいと考えております。この中で,移転後の新しい友生養護学校における子供たちの安全,また教育の内容,医療的ケアを含めた健康管理体制における具体的な検討を行っていきたいと考えております。そういった検討を踏まえながら,医療的ケアを含めた健康管理体制や教職員の配置につきまして,児童・生徒の障害の状況をよく見ながら,保護者等関係者にご理解いただけるように必要な措置に努めていきたいと考えております。  いずれにいたしましても,ご指摘ございましたように,さまざまな場で保護者等関係者と十分な意見交換を行い,新しい学校につきましてともにつくり上げていけるよう最大限の努力をしてまいりたいと思っております。  なお,この友生養護学校の移転に関しまして,本日の朝日新聞の朝刊に記事が出ておりました。その中で,市教委のコメントといたしまして,「計画がまとまっていない状態で保護者に説明をすると混乱を招くのではないかと思った。大きな事業は勢いも必要で,時間をかけて話し合うことは難しかった。」というようなコメントが出ております。私自身これ朝一番に見まして,非常に違和感を覚えております。昨日取材を受けました担当課長に確認いたしますと,予算の裏づけのない状況で計画の説明をすることは混乱を生み出すものとして,予算原案がほぼ固まった段階で保護者へ説明した旨,また全国的に特別支援学校へ転換がなされている大きな時代の流れであるということ,青陽須磨支援学校の建設計画,また友生養護学校の移転計画,垂水養護,青陽西養護の建てかえという事業が続くことは発言しているという旨でございます。そういった点で,取材の内容と大きくかけ離れ,不安感とか事実をねじ曲げてるというようなことで,市教委としても抗議いたしておりますし,神戸市全体としても広報課と協議いたしまして,きょうの朝に早速厳重に抗議をいたしたところでございます。  先ほど申し上げましたように,保護者からのこうした不信感を取り除くように,今後とも最大限の努力をしてまいりたいというふうに思ってございますので,議員各位におかれましてもご理解,ご協力のほどよろしくお願いいたしたいと思います。  私からは以上でございます。 16 ◯井川教育委員会事務局総務部長 3点目にございましたセーフティーネットにつきましてご回答申し上げます。  まず,神戸市におきましては,義務教育であります小学生あるいは中学生に対し,あるいは進学率が98%に達しております高校生につきまして,就学援助や奨学金等の制度により,経済的理由によって就学が困難な世帯を対象に就学保障のための支援を行っております。また,大学生への支援制度といたしましては,篤志者等の寄附による基金を活用いたしました神戸市大学奨学金制度を設けており,生活困窮度の高い世帯を対象に自宅通学で月額1万5,000円,自宅以外で月額2万円の奨学金を支給しております。  一方,大学進学率が59%になっておりますが,大学生の支援につきましては,国が担っておりまして,国の制度として日本学生支援機構──昔の日本育英会でございますが──の奨学金等がございまして,一義的には国の役割ではないかと認識しております。  国が実施しております制度の1つ──先ほどありました日本学生支援機構の大学奨学金がございますが,委員がご指摘されておりますように,貸し付けの時期が入学後になると,入学前に借りれないという問題がございます。もう1つ次に,入学前に利用できる制度といたしまして,実は日本政策金融公庫──昔の国民生活金融公庫でございますが,ここで教育ローンというのを実施しております。審査に10日程度が必要ということでございますが,合格発表前に入金希望日を指定して申し込むことができ,保護者の方からも──これは私立高校の部分もございます──私立高校や大学への進学の相談を受けた際に,私どもの方からご案内させていただいております。  次に,ご質問の大学生に対する新たなセーフティーネットの創設ということでございますが,ただいま国の教育再生懇談会の第3次報告──これは平成21年2月9日にございますが,国は従来の奨学金に加え,給付型の奨学金,授業料免除措置,学生寮の提供など経済支援の方策の拡充を検討することとされておりまして,今後国の制度拡充を期待したいと考えております。  教育委員会といたしましては,保護者からご相談を受けた場合,個別の事情を伺った上で各種の支援制度の活用など,きめ細やかな案内に努めるとともに,引き続き国の制度を補完する形で神戸市大学奨学金を実施していきたいと考えております。  以上でございます。 17 ◯森本教育委員会事務局指導部長 私の方からは不登校対策についてお答えをしたいと思っています。  先ほどご指摘がありましたように,神戸市の小学校,中学校につきましては,不登校の率につきましてはわずかながら減少傾向にあるということで,先ほどご指摘があったとおりです。しかしながら,この不登校の問題については,なかなか難しい問題で大きな課題であると,そんなふうに思っております。  神戸市の全体の中では,施策を通して毎年いろんなことを考えるわけですけども,基本的には学校の中で子供たちをどんなふうに見ていくかということが大きな課題だと思います。子供たちの様態の方も少しずつ変わってきています。先ほどご指摘のありました性同一性障害というようなことが最近になっていろいろ話題になってきております。子供自身が自分の性に対して十分に理解ができない,あるいは子供さんが小さければ小さいほど違和感が自分で表現ができないというふうなケースも出てきております。そういうことも含めながら,学校の中では体制は組んでおります。生徒指導にかかわるような子供たちの問題傾向であるとか,子供たちの行動様式の変化につきましては,校内にそういう不登校の対策をする委員会を設置をしております。小学校,中学校どこともに係の者を設置をしておりまして,そこでいろいろ協議をしていくということになります。  それからもう1つは,小学校と中学校の連携の問題であります。不登校の子供たちの数は中学校でふえてくるわけですけども,小学校の時代でどうであったのかというようなことが出てきます。そういうことも含めまして,小学校と中学校の連携を深めていこうということで,実際にはケーススタディーも行っています。  それからもう1つは,スクールカウンセラーということで,中学校には全面的に配置がありましたけども,毎年中学校から小学校の方に出向いていって,小学校の方のカウンセリングも対応していくということで,このたびも若干増員の傾向にあります。  それからもう1つは,これは中学校で行われるわけですけども,部活動であるとか学業の問題,友人関係の問題がその時間がふえてきてますので,子供たちと一緒に先生がしゃべるということで,相談週間というような時間もとっております。その中で,担任を中心として子供たちとの話を聞くというようなことになっております。  いずれにしましても,不登校の傾向にある子供たちの思いであるとか,あるいは環境というのはなかなか難しい問題がありまして,こちらの方がどういうぐあいに付き添っていくかということが大きな課題だと思います。  それからもう1つ,教育委員会の組織の中に適応指導教室ということで,くすのき教室と呼ばれるものが市内に8カ所あります。文化ホールの横のところに補導センターと呼んでますけども,そこがメーンになって各それぞれの分室の中で子供たちに対応しています。およそ年間200名ぐらいの子供たちがそこに来ておるわけですけども,そこでの学習活動あるいは進路相談あるいは見学会等ということで,学校に行けなくて外部のそういう教育機関なら行けるという子供たちにも対応しております。そういう関係機関あるいは児童相談所等々も含めまして,いろいろ連携をとりながら子供たちへの対応を進めていきたいと,そんなふうに思ってございます。  以上でございます。 18 ◯分科員(向井道尋) では,再質問をさせていただきます。  まず,学校の耐震化についてでありますけども,早期に努力したいとの教育長からのご答弁いただきましたけども,22年度中までは国の補助があるというふうに伺っております。だから,できるだけ22年度中に耐震化,特にCランクの厳しいところを完了すべきであると思っておりますけども,まだ周辺道路が狭いとかいろいろ問題もあってできてないということなんですけども,さらに再編ということも先ほど話がありましたけども,具体的に何年度なんかと,そのあたりはどうなんでしょうか。その辺ちょっとまたお伺いしたいと思います。  それから次に,先ほどありました不登校対策についてでありますけども,教育委員会としても不登校対策いろいろとられていること十分承知をいたしております。先ほどのくすのき教室についても,訪問していろいろとお話を伺っております。大変取り組みされておることもわかっておりますが,それでもなおまだまだ大半の児童・生徒がそれにも浴していないという,そういう実態がある。これまでいろんな対策をとってきたけども,そういう子供たちはまだ手が打たれてない。だから,まだくすのき教室に来られている子供たちはいいほうじゃないかなというふうに思います。いろんな意味で先生がかかわり,また主事がかかわりということで,こういう子たちはまだいいんではないか。全く,本人の意思もありますけども,かかわりができてないという子供たちが大半である。このあたりを今後どのようにしていくのか。  先ほど,一例で性同一性障害の話をしましたけども,この子の場合,これ本当に医療的な面の支援も必要であるというふうに伺っております。単にくすのき教室だけでというわけにいきません。くすのきの限界があるということはわかっております。じゃあ,これからいろんな障害を持った子もあるし,いろんなケースが出てきます。その場合にどのようにしていこうとされているのか,そのあたりもう1度お伺いしたいと思います。  それで,本市につきましては,先ほどスクールカウンセラーについて力を入れていただいておりまして,私どもも大変喜んでおります。先ほどの性同一性障害の子供につきましても,やはりスクールカウンセラーの存在が大きくて,非常に心を開いてスクールカウンセラーともうまくつながりができております。また,担任も頑張っておられます。土曜日にも家庭へ足を運んで授業をしていると。本当に涙ぐましい思いをするとこでありますけども。さらに,このスクールカウンセラーの,これ国が助成を減額するという,そういうことでスクールカウンセラーの方にちょっと少し手を抜いてきてるような感じもいたしますが,神戸市はそれにもかかわらず,今頑張ってスクールカウンセラーの配置を進めていると。次年度は新たに小学校10校というのも聞いております。さらに頑張っていただきたいと思いますが,今国のモデル事業でスクールソーシャルワーカー,略してSSWといった活用事業が進められておりまして,2008年度では全国で約350地域で実施されているとなっております。このSSW,心理学的アプローチの面,それから福祉的アプローチの面で,児童相談所,学校,家庭などとの仲介役として期待されております。これはまだモデル事業の段階で,兵庫県に1人ぐらいしか今いないように聞いておりますけども,今後こういう形でのSSW,スクールカウンセラーとは別にこういったことも必要ではないかと考えますが,その点についてもお伺いしたいと思います。  そして,常におっしゃる「人は人によって人になる」この神戸の教育についての大きな柱があるわけでございますが,人は人によって,どんな人によってどんな人になるかということなんですけども,やはりこの人は学校においては教職員であると思います。その教職員をしっかり支援していくのが教育委員会であると思います。学校また地域において教職員が本当に頑張って取り組めるよう,教育委員会としてもしっかりと支援体制を整えていただきたい,そのように思うわけです。その点についても一言ご見解を伺いたいと思います。  それから,セーフティーネットの関係でございますが,基金の方は1万5,000円,2万円ですから,これは最初の入学段階ではもうひとつ役に立ちません。あと,日本学生支援機構の話も伺いました。それから,日本政策金融公庫の教育ローンもございます。実は,伊丹市では今年度から市の奨学金の貸付制度を拡充して,私立大学また短大への推薦入学合格者に対しても支度金を貸し付ける制度を新たにスタートさせております。ただ,その枠は3人という至って少ない数ではありますけども,伊丹市においてもこういう取り組みをしております。もちろん,日本学生支援機構やら日本政策金融公庫もあります。また,県の社会福祉協議会の福祉貸し付けもございますが,これがあるにもかかわらず,伊丹が何でこういうことになったか。実は,実際に行けなかったそういう高校生,生徒さんがおるわけです。親御さんが多重債務だったということで,こういった日本学生支援機構であったりいろいろありますけども,なかなか条件に合わなくて,結局支度金が準備できずにあきらめてしまったということで,伊丹では何とかこういった子供たちを出さないようにということで,この奨学金,新たな支度金制度を訴えていって実現したと聞いております。そういう意味からも,全く検討に値しない内容ではないと思います。実際に私もこういう例を知っておりますし,神戸市においてもありました。という意味で,ぜひこういう今後検討を重ねていただきたいということを思いますので,その点についてのご見解をお願いいたします。  それから,友生の移転についてでございますが,次年度から全市的な複数障害対応の検討委員会を持たれるということで伺っております。大変結構なことだと思います。また,実際に移転,整備される友生においては,定期的に懇談会を教職員,保護者,市教委三者で十分意見交換をしながら進めていくということでございます。  昨日,私,須磨の青陽の新校舎の方を見させていただきました。まだ工事中でありますけども,この4月から開校ということで,今工事の真っ最中でありますが,大方できておりました。これを見せていただきましたけども,やはり施設や設備の面でいろんな問題があるんではないかと思います。小さなことが多いですけども,例えば水道がついておりましたけども,水道の栓,これはほとんどレバーで上げ下げして水を出すという,あとはセンサーですね。教室にそれぞれ水道があるんですけども,レバーで上げ下げをする,水を出したりするようなものです。この話は,実際に知的障害をお持ちの方から聞きましたけども,こういう子供たちが特に水に対しての興味が強いと。だから,水で,その場所でもうとまってしまって活動ができなくなってしまうということで,例えば知的障害の子であれば,こういうレバーの水道であるよりも,実際にひねって出すほうが訓練にもなるし有効的だと,そういうふうな話を伺っております。にもかかわらず,この須磨青陽の場合はレバーと,それとセンサーしかないわけであります。これがまず1点。  非常に敷地も広いですけど,廊下も広いです。もう一直線の,横幅はまだちょっと狭いかなという話もありましたけども,こういったところでは本当に知的障害の子供は元気いっぱいになって,逆に大変じゃないかな,そういう思いもいたします。  あとトイレにつきましても,配慮されているようであっても何か配慮されてない。狭いところがあったり広いところがあったり,見かけは非常にいいわけでありますけども,細々したところが行き過ぎたところもあれば,もっと手を入れなあかんのに手を抜いてあるようなところもある。これは設計ミスなのか施工ミスなのかわかりませんけども,こういった施設・設備についてもいろんなことがあると思います。  また,スクールバスでもそうですが,須磨青陽においてはスクールバスの添乗員が今後民間の添乗員1人になるような話も伺っております。複数障害になった場合,恐らく1つのバスで複数の障害の子まで乗せること自体が難しいと思いますけども,これ自体もちょっと安全性という面では問題があるんではないか。  こういうことを教訓にしていただきながら,三者できめ細かい配慮整ったいい学校をつくっていただきたい,そうした委員会を通してですね,そのように思います。  それと,昨年のあり方検討委員会でワーキンググループが設置されました。その折に,ワーキンググループで垂水養護学校の教職員が,こうした複数障害に対応していくということで自主的に研修がなされておった。そして,実際に今,知肢併置の学校50校に対してアンケートを行った。30校の方から返事があった。そういったものをまとめた資料を中心に研修されたと伺っております。その資料を私も見せていただいておりますけども,この資料をワーキンググループで提出しようとしたところ,それをとめられたという話を聞いております。そのワーキンググループに入られた先生は,とめられて,またメンバーであるにもかかわらず,出席2回だけで,あと案内が来なかった。そういうことで大変憤慨されていたということをほかの方からも聞いております。  こういうふうに,何か問題の多い特別支援の進め方でありますけども,文科省の中教審ではこのように言っております。教育課程が複雑になり,教員の人員配置に課題が生じる,知的障害児の予期せぬ好奇心や行動により,肢体不自由児の安全面で大きな配慮が必要となる,知肢併置校としてのメリットを生かすための予算や教員配置の基準がないというような意見が出ております。  デメリットばっかり申し上げてもあれですけども,実際にアンケートとりました現併置校のアンケートによりますと,これを裏づけるように,やはりメリットよりもデメリットの方が多い,そういう状態であります。こういうことからしても,先ほどの三者での懇談会,定期的にとられるということですけども,本当にきめ細やかに配慮を施して,特別支援教育課の一方的な進め方じゃなくして,保護者の方に本当に安心していただけるような取り組みをしていただきたいと思いますが,その点についてお伺いいたします。  以上。 19 ◯橋口教育長 まず,耐震化についてのお尋ねがございました。  C判定で12校35棟まだ耐震化できてないというふうに申し上げましたが,そのうち,いわゆる見込みが立ってますのが5校10棟でございます。そのうち,22年度工事予定が4校6棟ございます。もう1校が4棟でございますけども,これにつきましては,先ほどの兵庫区の4小学校統合に関連いたしまして,夢野中学校を夢野小学校跡地にいずれ移転をする予定にしておりますけども,その統合の関係でおくれておりまして,これにつきまして24年度工事に着手したいというふうに思ってございます。これは1校4棟でございます。残りが7校25棟でございまして,先ほど申し上げましたように,小規模等によりまして再編も含めて,どういったやり方をするのか,また現行のままで耐震化するのかということで検討を行っておりまして,いろんな関係者と地元も含めまして,できるだけ早い時期で整備方針を固めまして,10カ年計画の最終年度でございます26年度中に耐震化を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから,友生養護学校の絡みで先生の方からるるご指摘を受けました。当然,先ほど請願の趣旨でもご説明申し上げましたけども,いろんな細かい点,検討すべき課題が多いというふうに思ってございます。今後,そういった点で,スケジュール的には3カ年ございますので,その中で先ほどの研究会とか,あるいは友生養護学校の定期的な懇談会の中でいろんなご意見あるいはそういった課題等も含めて意見交換を十分行っていただきまして,ご指摘の一方的にならないように努めてまいりたいというふうに思ってございます。  私からは以上でございます。 20 ◯井川教育委員会事務局総務部長 セーフティーネットの関係で委員から先ほどご指摘いただきました。多重債務の方で条件が合わずに借りれないと,こういった方がいるんだと。伊丹市の例等もご紹介いただきました。  大学生対象の入学金・支度金制度につきましては,実は他の政令市ではほとんど制度としては持ってございません。ただ,委員からご指摘ございましたように,そういった生徒が何人ぐらいいるのかとか,そういった調査も一応やってみる必要はあるのかなと思っております。どのようなことができるのか,あるいは課題があるのか,そういったことは研究してまいりたいと,そのように考えております。 21 ◯森本教育委員会事務局指導部長 先ほどの不登校のご指摘ですけども,これからの対応ということでスクールソーシャルワーカーのお話が出ました。これは国の事業で,新しい事業の展開ということで国の基本計画の方にうたわれています。従来の相談型から,社会福祉士の方も参画をいただいて子供たちのケアに努めようというようなことになっているようです。県の方ですけども,各地域2名で3地域体制で実施をするという予定で,神戸市の方がそのことについて参画できるかどうか,今後の検討課題だと思います。  先ほどの不登校の方に戻りますけども,新しい形の子供たちたくさん出てきますので──新しい形というんですか,いろんな環境の中から我々が想像もしなかったようなことが出てきますので,一番基本的なことは,学校の中でその子たちが安心をしていられる場所をどんなふうにつくっていくかということです。現在,5つぐらいの中学校で校内の適応指導教室ということで,教室とは別に,余り子供たちとは接触をしないようなところに別室を設けまして,そこに新たな時間割を組んで,先生を1人配当して通常と同じように授業展開をすると。ただし,登下校のときに接触をやっぱり余り求めない子がいますので,途中から来てそこで1時間,2時間,場合によっては一緒に御飯を食べて,3時間,4時間過ごして帰ると,そういうふうなことの調査研究も進めています。  あと,先生のご指摘ありましたように,スクールカウンセラーの方は,今の状態ですけども,自分の方から積極的に子供たちにかかわろうというような感じが随分出てきています。授業の参観をされたりとか,家庭訪問をされたりとかということで,イメージとしては,別室のところにずっとおられて,そこにだれかが訪ねているというような受け身の態勢ではなくて,今ご自身が随分動かれてますので,個々のケースでは深いとこまでかかわっておられる,あるいはドクターともつながっておられる方も出てるかと思います。そういうようなことを展開をしながら地道に進めていきたい,そんなふうに思っています。  以上でございます。 22 ◯主査(橋本秀一) 向井委員,あと残り約7分です。 23 ◯分科員(向井道尋) セーフティーネットにつきましては,これからまた研究を進めていただきまして,本当に向学心に燃える子供たちがしっかり勉強できるように応援できる,その体制をお願いしていただきたいなと思います。  それから,学校の耐震化でありますけども,24年度という話もいただきましたけども,東南海地震,南海地震も想定されてますので,本当に一日も早い耐震化が望まれます。ただ,また再編というお話も出たんですけども,先ほどの友生と関係して,垂水養護とか西養護の再編もあるのかなというちょっと想像もするわけです。きょうはそれを深くは質問いたしませんが。耐震化については早期に計画を発表して進めていただくようにお願いをしたいと思います。  それから,不登校対策でございますが,先ほど指導部長の方から適応指導教室の話がございました。別室で指導するということで,これも非常に地道ではあるけれども効果が出ているという話を聞いております。教育委員会の次年度の取り組みの中で,これはわかる授業というところでのあれで,42校ですか,小・中に教員OB等を配置するような形になってますけども,この不登校対策とはまた別なんかもしれませんけども,そういった適応指導教室の方にもそういう人員を今後回されてはどうかなと思ったりします。実際に効果を上げているということですので,その点もちょっとまた検討いただきたいなと,そのように思います。  それから,友生養護学校の移転につきましてたびたび質問していますけども,これから複数障害対応のあり方検討委員会のようなものをつくってやられていかれるということでございますが,先ほどの垂水養護でつくられたこういった資料をしっかりと活用していただきたい。本当に子供たちに指導を終わってその後,教職員の皆さんがしんどい中でこういった研修を進められて,実際にアンケートをとってまとめられた。非常に参考になるものやと思います。こういうものが陰に埋もれてしまっては本当に損失であります。こういったこともその検討委員会等でどんどん活用していただいて,本当にみんなでいい神戸の特別支援教育を,また学校をつくっていただきたい,そのように念願する次第でございます。  ちょっと時間早いですかね。以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 24 ◯主査(橋本秀一) お疲れさまでした。  それでは次に,大かわら委員,発言席へどうぞ。 25 ◯分科員(大かわら鈴子) それでは,よろしくお願いいたします。  初めに,少人数学級について伺います。  私たち会派は,これまでも一貫して少人数学級の拡大を求めてきました。現在,少人数学級は小学校4年生までしか実施されていません。しかし,子供たちを取り巻く状況は深刻さを増しており,神戸市の調査を見ても,暴力行為は平成19年度小学校で519件,中学校では1,602件,いじめは小学校で181件,中学校で256件,不登校は小学校で170件,中学校で1,131件となっています。
     小学校高学年から中学校は思春期の時期となり,学習に関するものとともに個人の悩みも多様化しています。こういう時期だからこそ,子供たちに対する密接なかかわりが必要です。1人1人に寄り添い,子供たちの心の動きや生活面での状況をきめ細かく知ることで,早期に問題や悩みをつかめます。文部科学省の調査でも,少人数学級が学習面でも生活面でも効果を上げているということがはっきりとしています。30人学級への1歩として,ぜひ少人数学級を小学校高学年,中学校へと拡大していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  次に,先ほどもありました友生養護学校移転問題について伺います。  文部科学省による特別支援教育制度が始まり,これまで障害種別にされていた盲・聾・養護学校が特別支援学校となり,各地で統廃合が起こっています。しかし,これは教育費削減や教育後退につながってはなりません。真に子供たちを大切にする教育の実現のためにこそ制度が活用されるべきです。今回,請願が出されている東灘区の友生養護学校は,耐震化,老朽化への対応として,現在の東灘区住吉から兵庫区の菊水小学校跡に移転整備をするとされています。  しかし,このことは保護者や職員の中でも認識がされていないうちに突然出されたものです。本来であれば,最初の段階から何年もかけて説明と合意形成がされるべき重要なことです。それが今回は,移転という結果ありきで,そこから説明が行われるというものです。このやり方は余りにも乱暴過ぎます。  また,移転時には知的障害と肢体不自由を併置する計画です。しかし,一本化してもそれぞれの障害に対応できる教育条件が確保されなければ,教育の後退は避けられません。保護者から出されている不安や問題を教育委員会がしっかりと聞き,その解決がされてこそ可能になります。それなしに強行は許されません。  また,それぞれの障害から考えても,学校を別棟で完全に分離しなければ,事故防止,安全性の確保はできませんし,必要な職員数が削減されることなく配置される必要があります。また,完全に分離されたとしても,行事等はどうするのかなど,課題は山積しています。  友生養護学校では,重度障害で重複の障害を持つ児童・生徒が多く,日ごろから医療的ケアは欠かせません。そんな子供たちの負担を軽くし,学校に何としても通わせてあげたいとの思いで,友生養護学校の近くに引っ越しされた方も少なくありません。その学校が移転してしまえば,兵庫区まで重度障害の子供たちが通わなければなりません。  現在,肢体不自由の子供は人数的には横ばいですが,知的障害を持つ子供は増加しており,施設が足りなくなっています。兵庫区の菊水小学校跡地には知的障害の学校を建設し,友生養護学校は現地で建てかえを行うべきではないでしょうか,伺います。  3点目に,特別支援教育の充実について伺います。  LD,ADHD,高機能自閉症は軽度発達障害と言われていますが,子供たち,保護者の悩みや状況は決して軽いものではありません。全児童・生徒の6%が該当すると言われているのですから,既存の人的・物的資源での対応ではなく,特別な支援体制が必要です。適切なケアには,できる限り早期の診断を受けることが欠かせませんが,保護者にとっては,自分の子供が軽度発達障害があると言われても,最初はなかなか受け入れがたいとのことです。そのつらい葛藤を乗り越えて,いざ面談を受けようとしても,現在の学びの支援センターの体制では受け付けから初回面談までの期間が長いという問題があります。一連の流れとして,専門的な相談を受け,ガイドラインがつくられて保護者や学校への説明がされるには,全体で初回面談から約3~4カ月かかるとのことです。  私たち会派は,一刻も早いフォローや治療が開始されるため,これまでの体制の強化を求めてきました。現在,専門相談員の配置時間の増加や医療教育相談員が8人から9人に増員されたことで,初回面談までの待ち時間が2カ月から1カ月に,相談受け付けから巡回相談までの対応が3~4カ月までと短縮されたとお聞きしました。しかし,それでも問題を抱える子供と保護者にとって,これらの期間は決して短いものでありません。必要な一連の対応を早期にするためにも,専門相談員や医療教育相談員のさらなる増員などで体制を充実させるべきと思いますが,いかがでしょうか。  また,ガイドラインが作成されて学校へ説明がされた後は,巡回相談とともに各校1人配置されている特別支援教育コーディネーターが中心となって支援に当たることになります。しかし,コーディネーターの教員は学級担任との兼務であったりと,非常に多忙です。専任のコーディネーターを置くことで教員の多忙を解消するとともに,しっかりとした支援体制をとり,豊かな学習と発達を保障するべきと思いますが,いかがでしょうか。  次に,教員の増員について伺います。  行き届いた教育,子供たちが大切にされる教育は,教職員の勤務条件にゆとりがつくられるということも大きな条件です。現在,教員は,朝早くから夜遅くまで仕事に追われており,それ以外にも持ち帰りの仕事は際限がなく,研修や土曜,日曜の部活動指導などしなければならないと,多忙をきわめる状況です。そのため,授業準備や子供と触れ合う時間が少ないなどの声が上がっています。業務が煩雑化すれば,当然教員の精神的ストレスも増加してきます。もちろんメンタルヘルスケアの充実も必要ですが,根本的な原因である忙し過ぎる状況を改善するには加配の増員が必要です。アクティブプランでは,臨時教員や非常勤,再任用など非正規の教員が188人配置されています。今,雇用のあり方は社会問題となっており,正規職員をどのようにふやしていくかが問われています。教育委員会としても,非常勤ではなく正規の教員枠をふやし,対応すべきと考えますが,いかがでしょうか。  最後に,中学校給食について伺います。  食育基本法は,近年の食生活や食習慣の乱れを背景として制定されました。その中で,食育推進に関する基本的な施策の一つとして学校給食の実施が掲げられています。本会議で教育長は,「家庭の手づくり弁当を基本としてきたが,利便性を考慮して弁当販売をしている。」と答弁されました。しかし,その弁当販売の利用率は,価格も高いことから1.6%と低迷しています。中には,コンビニで買ってきたパンなどで済ませている生徒もいるとのことです。これでは昼食がただ空腹を満たすものでしかありません。また,基本とされている家庭の手づくり弁当は,文部科学省が求めている栄養価を満たしているのでしょうか。どんなに愛情があっても,日々の暮らしの中で一番忙しい朝に,カロリーや栄養バランスを考え,基準を満たすお弁当をつくれるお母さんがどれだけいるでしょうか。あるお母さんは,「毎日のことなのでおかずに困る。忙しさでつい冷凍食品を使ってしまう。」と言われていました。今,スーパーに行けば,驚くほどの種類のお弁当用の冷凍食品が所狭しと並んでおり,よく売れているようです。これでは食育どころではありません。また,不況による貧困の広がりで,お弁当をつくることさえ困難な家庭もふえています。  学校給食法に加えて,食育基本法が制定されたことにより,紙の上の学習ではなく,生きた教材としての学校給食の活用が重要です。そのためにも,中学校完全給食を実施すべきと思いますが,いかがでしょうか。  以上,ご答弁お願いいたします。 26 ◯橋口教育長 私から中学校給食についてお答えいたしたいと思います。  中学校の昼食につきましては,従来から申し上げておるところでございますけども,家庭からの手づくり弁当を基本としているわけでございます。小学校と同様に,担任が食事指導や手を洗う等の衛生指導について行われているところでございます。また,小学校で学んだ知識に基づきまして,家庭科や保健体育科等の教科の中で,食品の品質また安全性についても学んでおります。さらに,体験学習や校外学習等を通じまして,みずからの食生活に関して問題意識を持ち,解決するための行動へ結びつけるよう指導をしているところでございます。  保護者によってはどうしても弁当をつくれない日もあります。そういったことから,生徒や保護者の利便性を考慮いたしまして,現在中学校弁当販売を行っておりますけども,こういったセーフティーネット機能とともに,食育の観点から,学校給食と同様にカロリーまたタンパク質など,文部科学省の栄養価基準を満たした弁当を販売いたしまして,全中学校への拡大に努めているところでございます。  現在,教育委員会に寄せられました中学校での給食の実施についての意見を見ますと,「共働きなので弁当をつくる時間がない。」また「他都市でも実施しているのに神戸ではなぜ実施できないか。」そういった意見は確かにございます。その一方で,「中学生は食べる量も多くなるなど,個人差も出てくるので弁当のほうがよい。」また「弁当をつくることで親と子のコミュニケーションがとれる。」等の実施について消極的といいますか,反対の方向のご意見もございます。  いずれにいたしましても,本会議でも述べましたけども,中学校給食の実施につきましては,こういった賛否両論もある中で,経費が最も少なくて済む方式でも,神戸市にこれを当てはめますと初期投資に──配膳室の整備などでございますが,そういった初期投資に約12億円,毎年の運営費だけでも約10億円の財政負担がかかることから,現在の厳しい財政状況下では実施は難しいというふうに考えてございます。  あとにつきましては担当部長の方からお答えいたします。 27 ◯井川教育委員会事務局総務部長 私の方から,まず1点目,少人数学級の推進につきましてご回答いたします。  まず,義務教育の実施に当たりましては,国・県・市がそれぞれの役割分担をいたしまして,その充実に向けて努力しているところでございます。現行の制度におきまして,1クラスの中の上限の人数を何人にするかという,いわゆる学級編制,それから何クラスで教員を何人とするかとか,あるいはどういった加配を加えるかとかいった,いわゆる教職員の定数などにつきましては,義務教育におけるきめ細やかな指導の充実のための措置でございますが,それとかの人的経費の負担につきましては,基本的に国・県の役割となっております。  一方で,市におきましては,学校の増改築や耐震工事等施設・整備の充実,あるいは光熱水費等学校の運営費,あるいは教育の中身でございますわかる授業の推進等に係る経費,こういったものを負担しております。  ご指摘の教育を進めるに当たって教員配置でしょうか,充実をするということでございますが,今現在小学校の低学年から中学年──いわゆる1年生から4年生につきましては,学級担任の目が届きやすく,1人1人の子供に対して濃密にかかわっていけるということで少人数学級のシステムが適しており,35人学級編制が有効に作用しております。  一方,5・6年生──高学年でございますが,徐々に大人へ移行していく子供たちの発達段階上の変化にスムーズに対応するためには,複数の教員の目で子供を見ることができるとともに,教員の教科的な専門性をより発揮でき,あわせて中学校での仕組みへの円滑な移行が図れるということで,教科担任制のシステムが適しているのではないかと考えられております。  このような考え方から,繰り返しでございますが,1年生から4年生は35人学級,5・6年生については教科担任制という形を兵庫県下では採用しております。  神戸市といたしましては,35人学級の充実など学級編制の根幹にかかわる部分につきましては,県教委に対して引き続き要望を行う一方で,それ以外の教育課題にも対応するために,例えば臨床心理士をスクールカウンセラーとして配置する,それの拡充とか,あるいは学習指導,生活指導及び生徒指導等の補助を教員志望の学生が行うスクールサポーターの配置とか,あるいは肢体不自由児への移動の介助やLD等の児童・生徒への学習補助を行う特別支援教育支援員の配置の増と,こういったことを努めていきたいと考えております。  2点目,教員の多忙化対策として,いわゆる非常勤職員を正規化してはどうかというこの点でございます。  まず,教員の多忙化についてでございますが,国レベルにおいても大きな問題としてとらえられております。平成20年1月17日の中教審答申でも,教師が子供たちと向き合う時間の確保など教育条件の整備について提言されているほか,文部科学省が設置いたしました学校現場の負担軽減プロジェクトチームにおいても,学校現場の負担軽減のため当面取り組むべき事項が示されるなど,その解消に向けた議論がなされております。  神戸市においては,現在検討を進めております神戸市教育振興基本計画におきまして,教員が子供に向き合う時間を確保するために学校事務改善の推進といたしまして,神戸市情報教育基盤サービス──KIIFと申し上げますが,これの活用による校務の情報化の推進,教職員の職務の明確化と学校事務の標準化,学校徴収金等の事務のシステム化など学校事務処理体制の見直し,学校内外の会議や教育委員会からの学校に対する調査業務の縮小,整理統合,解決困難な事例について教育委員会による学校支援の充実,こういったことを重点事業として位置づけております。これらの取り組みにつきましては,学校事務処理体制の見直しなど,少し時間のかかるものもございますが,会議,調査の縮減などにつきましては,繁忙期に開催していた会議の時期をずらしたり,会議の開催を中止して資料の配付をするなど,教育現場の負担軽減に努めてきたところでございます。  こうした取り組みの結果,一部の学校からは,かなり業務が削減されたとの声もあり,実感として効果が上がっているのではないかと,このように考えております。今後も会議,調査の縮減など負担軽減策を継続的に行うとともに,学校事務処理体制の見直しや校務の情報化などを進め,教員の多忙化の解消に努めていきたいと考えております。  もう1点,いわゆる非常勤講師を正規化へというご意見でございましたが,非常勤講師につきましては,少人数指導の推進とか教科担任制の推進など,さまざまな教育課題に対応するため県教委から配当されているものでございます。また,国においても,行政改革推進法の範囲内で学校への人員配置を行う必要があるため,教員定数の改善とあわせて非常勤講師の配置を拡大させていると,そういう実情でございます。非常勤講師の配置は,限られた財源の中でより多くの学校に人的支援を行うことができるというメリットがあるのではないかと考えております。  以上でございます。 28 ◯森本教育委員会事務局指導部長 私の方から3点お答えをしたいと思っております。  まず,友生養護学校の移転に関係することですけども,冒頭に教育長の方から説明がありましたように,一方的であったとか,あるいは説明が不十分ではないのかというようなことがありました。このことについては十分反省をさせていただいて,保護者の方々と十分な協議を進めていきたいと思っております。別途,複数障害に対応するような研究会も設置をしまして,保護者の方あるいは先生方,いろいろご意見をいただいてすばらしい学校をつくっていきたいな,そんなふうに思っております。神戸市全体にかかわることなので,いろんな意見を聞かせていただく必要があるかと,そんなふうに思っています。  それから,知的の子供さんと,それから肢体の子供さんとが一緒に学ぶということなんですけども,これについては,もう先生もご存じだと思うんですけども,学校教育法の中で定められておりまして,新しい特別支援学校の姿というのが明示をされています。従来の障害児教育から特別支援教育というところに変わっていく中で,この課題についても前に向きながら進めていこうという姿が出てきております。  ただ,今ご心配されています現地での建てかえはどうなのかということなんですけども,そういうぐあいに事を考えていきますと,今の友生の場所の広さと,それから知的の子供さんと,それから肢体の子供さんがともに学ぶと考えた校舎の大きさ等を考えると,現地の大きさではもうなかなか難しいというようなことが考えられます。それから,仮設を例えばこしらえて,一たん子供さんがそこの方に移られて授業を受けて,また戻ってくるというようなことも考えていきますと,なかなか難しいというようなこともあります。ここのところは第1種の高度地域ということで,高さが15メートルの制限があるということで,高い建物は建てられないというようなことも出てきます。というようなこともあわせて考えてまして,菊水小学校の跡地の広さのこともありまして,そちらの方に移設をして考えていこうということを今回進めています。  それから,2つ目のことですけども,学びの支援センターのことについてお答えをしたいと思っています。  学びの支援センターは,平成16年度にスタートしまして,当初からなかなか初回の面談までに時間がかかったというようなことで,年々事業の整備を図りながら体制の強化を進めてきました。受け付けから面接まで2~3カ月かかるというようなことは大変なわけでありまして,保護者の方々の期待,あるいはこれからどうするのかということで,そこでやきもきされるケースがあったと思いますけども,体制を整えた結果,一月ぐらいで初回の面接までいくことになったというぐあいに思っています。  ただ,期間が短くなっても子供さんにかかわる保護者の願いは年々多様化してますし,難しい課題もあるかと思います。それも十分に聞き届けながら,家庭でのアドバイスを進めていくということも今年度から進めています。医療の機関であるとか,あるいは家庭センターとの連携,それから最終的には学校の方で,その相談を受けたことをもとにして計画を立てて,保護者とともに支援計画を立てていくということで,子供さんにどんな課題があるのか,事業の中でどういうような検討をしていったらいいのかということもあわせて進めていきたいと思っています。巡回相談の方も充実しながら,それぞれの子供さんの方に対して早期に対応ができるように進めていきたい,そんなふうに思っています。  それから,もう1つお話がありました特別支援教育のコーディネーターということで,このことについても神戸市では比較的早く進めております。コーディネーターの方々のお仕事というのは,校内で特別支援にかかわるようなことの相談を聞いたり,校内で会議をするときの進行をしたり,あるいは資料を整えたりということで進めています。ただ,このコーディネーターの方々が専門的な知識を得るためには時間も要しますし,それなりの研修を受ける必要があるかと思います。平成16年から全小・中学校で実施をしまして,もう既に19年度末までに500人の養成を経ております。19年度よりさらに専門的な研修を深める。20年度からはその方々の連絡会も開催をしてきて事例の発表も進めてきています。ただ,制度5年目を迎えて,この方々の仕事が忙しくなるということで,先ほどご指摘がありましたように,特別支援コーディネーターのことについては,国あるいは県の方に加配として配置をしてもらえないかということについては毎年要望を上げております。本年度もまた要望を上げていく中で教員の配置を進めていきたいと,そんなふうに考えています。  以上でございます。 29 ◯分科員(大かわら鈴子) まず,友生のことなんですけども,これから研究会や懇談会で声を聞いていくということは言われてますけども,これ本当に決める前にこういうことをやらなあかんのじゃないんでしょうか。実際解決できない問題がこれから出てこないとも限りません.それが出てきた場合どうされるんでしょうか。それでも強行されるんでしょうか。ちょっとそのあたりをまずお聞きしたいと思います。  この前,私ちょっと友生の学校の方へ見学に行かせていただきました。ずっと見せていただいたんですけども,ちょっとびっくりしたことがあります。見学したときに,全部で53名いらっしゃるというふうに,子供さん,お聞きしたんですけど,そのうち19名の方が欠席されてるんですね。これ何でかというふうに聞いたら,体調を崩してという方もいらっしゃるんですけども,軽い風邪でも,ほかの子供にうつしたらあかんとか,もし風邪を引いてる子がいたら自分がうつったらあかんとか,そういうことで予防策として休まれてるとか,そういうので人数がふえてるということをお聞きしました。これ19名でもびっくりしたんですが,その後は20名超えた欠席者が出てるということをお聞きして本当にびっくりしました。これだけ保護者の方々も気を使って,体調をどう整えるかということで本当に神経使ってやってらっしゃるんですね。本当大変やと思います。中には,重度障害の方たくさんいらっしゃいますから,インフルエンザでも引いたら,もう入院をしなければならないと,そういう方もいらっしゃると聞いてます。風邪引いただけでも,食事がとれなくなって命にかかわる状況になるということも言われてました。本当に重症化がしやすいという,そういう状況があるんですね。その知肢併置,進めていくんやということを言われてましたけども,そういう場合で,先ほども陳情者の方も言われてましたけども,もしこういうところで風邪が蔓延しているところで,みんな肢体の子供さんたち,これは大変やということで皆休まなあかんとか,そういう状況にもなりかねないと思うんですが,そういうことに対してどう対応されるんでしょうか。  それから,今度菊水の方に移転ということにはなってますけども,あの場所,ご存じのとおり坂がきついんですね。もしスクールバスにおくれたら連れて行かれるのがなかなか場所的にも難しいんじゃないかなということをちょっと心配します。あの坂では車いすを押すのも大変やろうなと思いますし,それから後でタクシーに乗って行かれるんやったら,金銭的にもかなり無理が出てくるんじゃないかと思います。介護タクシーも何台もあるわけじゃないということもお聞きしてます。電車やバスとか乗り継いで,本当にこういう肢体のお子さんが行けるんやろうかと,こういうことを思います。先ほどもありましたけども,東灘に引っ越しまでして何とか学校に通わせたいと,そういう思いで頑張ってこられたのに,通うのが難しくなる,学校に行けなくなる,そういう状況が出てくるんじゃないでしょうか。これらに対してもどのように対応されるのか,ちょっとお伺いをしたいと思います。  それから,北区からも,今スクールバスで何か3コースあるとお聞きしたんですけども,北区の方からもバスに乗られて来られているようなんですが,この菊水のところに来られるんやったらば,有馬街道とか西神戸──もとの有料道路ね,あの辺のところを通られるんかなと思うんですけども,通学の時間帯やったらかなり渋滞をすると思うんですね。こういう面でも子供さんたちにとって大きな負担になると思うんですが,これもどうやって解決をされるのか,全く見えてこないんですが,それについてもどういうお考えなのか,ちょっとお聞きしたいと思います。  北校舎のこと,ご存じやと思うんですけども,建てかえは難しいと言われてましたけども,北校舎,国費が入っているということで,取り壊せないということもお聞きしてます。それならば,利用して建てかえ,何とか工夫すれば考えられるんじゃないかと,そういう検討もしていくべきなんじゃないかと,一つの方法として考えるべきじゃないかと思います。これ移転をするということ,それありきで進めていったら本当に大変なことになるんじゃないかと思いますけども,それについてちょっとお答えください。  それから,中学校給食なんですけども,従来どおりのお答えではありましたが,今本当に中学生,置かれている状況,大変なんですね。ちょっと実態を聞いて,私これもびっくりした話なんですが,母子家庭のお子さんですが,そこのお母さん,仕事を3つ掛け持ちされてる。夜中まで働かれてますからね,朝も起きれないと,お弁当もつくれないんですって。だから,そこの子供さんはずっとパンをコンビニで買って食べられていると。それから,ほかの父子家庭の方なんですけども,子供さんは小学生なんですが,お父さんが家事をするのがもうとても苦手で,できないということで,もうずっとコンビニのお弁当を食べられているそうなんです。学校の給食だけが,まあ言えばまともな食事やと。そこで栄養をとっとるようなというふうにお聞きをしました。この子がもし中学校へ上がってしまったら,3食ともパンとかお弁当とか,そういう食事になってしまうんですね。今こういう状況があるということをご存じでしょうか。給食になれば,就学援助も入れることができますので,今苦しいのでコンビニでパン買って食べてる,お弁当は高いから買えないという子供たちでも,ちゃんと栄養価の計算されたバランスのとれた食事ができるということになるんですね。こんな子供たちが幾ら紙の上で勉強して,それ生きたものにならないと思います。食べるという体験してこそ生きた学びになるんじゃないかと思うんです。  そこで,お聞きしたいんですけども,皆さんぜひ,こういう中学生の子供たちの今の食事がどうなっているのか,具体的な実態調査を行っていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  それから,特別支援教育と教員の増員と一緒にちょっとお聞きしますけども,ある小学校でなかよし学級の様子をお聞きしたんですけども,子供さん,児童が12人いらっしゃるということで,先生が3人と支援員の方が入られているようです。その支援員の方は地域の方が行かれてるようなんですが,子供たちがなかよし学級から普通学級に行くときは,先生がもうつきっきりでそれぞれ行かれると。だから,3人の先生方も入れかわり立ちかわりで出て行かれてるようです。障害が重度の子供もいるということで,物すごく先生方忙しくて大変やという状況があります。本当に究極のときには,先生3人とも行かれてしまって,その支援員の方が1人で見てるというときもあるらしいんですね。お聞きしたら,コーディネーターの先生も忙しいみたいで,もう見たことがないというようなことも言われてました。これではどこかが手薄になる,こういうことが出てくる,当たり前なんじゃないかと思うんです。やっぱりこういうのを解決するには,教員の増員ということをしっかりとやるべきではないでしょうか。それから,コーディネーターのやっぱり専任制,必要なんじゃないでしょうか。もう1度お聞きをいたします。  それから,少人数学級なんですけども,中学生とか高学年は複数の目で見るんやということを言われてましたけども,先ほど答弁の中でもまさに言われましたように,少人数学級だったら目が届きやすい,これはもう調査でもはっきりとしてますよね。教科担任制,少人数指導,こういうことも言われてますけども,やっぱり問題を抱えている子供の部分部分しか見れないと思うんです。それを学校での生活全般を見て心の変化やとか問題やとか早期につかむことで,それを解決に向けていける,その子の支援ができるというふうになると思うんです。40人学級を複数の目で見てるということになっても,やっぱり今LDのお子さんとかいろいろといらっしゃるので,なかなか大変です。まず,少人数学級をして,人数少ない中で密接な関係を持ってその問題解決に当たっていく,こういうことが必要やと思いますけども,いかがでしょうか。 30 ◯主査(橋本秀一) 当局に申し上げます。あと残り時間が約11分ですので,簡明なご答弁をお願いします。 31 ◯橋口教育長 私から,中学校給食について実態調査をしてはどうかというお話でございますけども,実は全部ではございませんけども,この1月に弁当販売を実施しております中学校12校について,約4,500人の生徒を対象に昼食についての実態調査を行っております。この結果につきましては,93.5%の生徒が弁当を家庭から持参しておりまして,残り数%につきましては,弁当販売,あるいは校内パンの販売の利用とか,あるいは登校時に弁当を購入しているというふうな実態がございます。こういった点で,まずは今後すべての中学校で,現在83校中51校がこの年度末で弁当販売できるようになる予定でございますので,これをまず全中学校に拡大していきたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 32 ◯井川教育委員会事務局総務部長 少人数学級について,目が届きやすいということで,もっと進めるべき違うかというご質問でございます。  先ほど答弁の中でもご回答いたしましたが,学級編制,いわゆるクラスの上限の人数を何人にするのか,あるいは教員の配当をどういう形でするのかというのは,基本的には国,県の権限でございまして,こういったものの充実につきましては,これからも引き続き県に対して要望してまいりたいと,そのように考えております。  以上でございます。 33 ◯森本教育委員会事務局指導部長 友生のことですけども,子供さんが風邪を引かれて体調を崩されているということについては,私どもの方も指導主事の方から報告が来ます。命にかかわることだということの認識も十分承知をしております。  ただ,子供さん自身が風邪を引かれた場合にうつる,あるいは予防策ということで,知的の子供さんと肢体の子供さんが一緒になるときには,同じ教室でということではなくて,部門というものを設置をしまして,知的の子供さんが学ぶスペース,それから肢体の子供さんが学ぶスペースということも今現在考えています。このことについても,複数障害対応の研究会の中でもいろいろ議論をいただきたいと思っていますけども。それから,そのことで感染はどうなのかということもとても大きな問題だと,そんなふうに思っています。そういうことも含めて検討していきたいと,そんなふうに思っています。  それから,菊水小学校のところまで行きます,湊川からずっと,私も何遍もあの道は通りますけども,随分とがたがたしたところがあります。平均的に勾配も3%程度ということなんですけども,実際に車いすに乗っていかれるとなかなか難しいというような場面が出てくるかもわかりません。5%を超えるとちょっと難しいというようなことだろうと思います。子供さんと一緒に付き添いながらお母さんが来られるという課題もありますけども,そのことについても,どんなルートがいいのかということも含めて,いろいろ教えていただいたりとか,提案をさせていただいたりと,そんなふうに思っています。  それから,北区の有馬街道を子供さんたちが通学するときに混雑をする,北側から南側におりて来るケースなわけですけども,そのあたりも時間帯のことも含めながら考えていきたいと,そんなふうに思っています。  それから,特別支援学級のケースで今具体的なお話を聞きました。1つの学級を形成をするのに,県の教育委員会の方のこれは認可事項になりますので,1つの学級に8名ということになっています。ところが,実際には市の方から県の方に要望するときに,8名で先生が1人というのは大変だというようなことで,できるだけ人数が少なくても学級編制ができるように要望を上げています。ということで,実際には8名で1学級というケースはなかなか少ないと思います。もう少し少ない中で学級が編制されてますけども,普通の40人の学級も1学級です。なかよし学級も1学級です。トータルで学校で12学級といった場合に,普通学級だけではなくて,そこになかよし学級が入っているケースがあります。ということで,1つの学級とカウントをします。  今先ほど言われました例ですけども,これは肢体の学級の子供さんと,それから情緒障害の学級の子供さん,あるいは知的の学級ということで,3つあった場合に合同で学ぶケースがあります。あるいは,あいてる先生がそこにサポートに入るということで,複数で対応することというのがありますけども,特別支援教育の支援員の方々のサポートを得ながら,今現在そんなふうな運用をしてるということについてはよくわかってるつもりですが,ただ特別支援教育に関係する加配というのは県の方の制度がありませんので,先ほど言いましたように,国あるいは県の方に要望を続けていきたい,そんなふうに思っています。  以上でございます。 34 ◯井戸教育委員会事務局指導部特別支援教育課長 先ほどございました友生養護学校の件でございます。北校舎を残して学校の機能を残してはどうかというご質問だったんですが,現在北校舎の方は職員室,それから特別教室でございますね。視聴覚教室などの特別教室,それと一般の教室という形で,2,700平米ほどございます。ただ,2,700平米の中には,体育館とかプールとか講堂とかそういうのはございません。学校として存続するにはやはり非常に面積が小さいということでございます。  以上でございます。 35 ◯分科員(大かわら鈴子) 友生なんですが,移転をすれば,一番たくさんいらっしゃる東灘や灘区の子供さんがずっと通うことになるんですね。これちょっと資料を見せていただいたんですが,東灘区の子供さんは22人,それから灘区が12人,それから中央区が6人で北区が13人,それから兵庫区が2人ということになってるんですけども,今までやったら一番近くで通えてた22人のお子さん,12人のお子さん,こういう方々が皆さん通うということでは本当に負担がもう大きくなると思うんです。先ほどお聞きしてお答えなかったんですけども,もしその解決できないような問題が出てきたらどう対処されるのか,それでも強行されるのか,これもう1度お答えください。  それから,中学校給食ですけども,今度4月から北九州市が中学校給食,完全給食を始められるんですね。それの資料も,これ見に行かせていただいた資料もいただいたんですが,その中でこういうことが言われています。中学校学習指導要領が平成20年に改訂されて,その中で「食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成を掲げ,学校における食育は教育活動全体を通じて総合的に推進するものであるとした」と,中学校給食もそこに位置づけてやるんやということで決断されたんですね。これまでずっとミルク給食しかされてなかったところを決断されました。お金のことも言われてましたけども,他都市は物すごく進んでるんです。政令指定都市の中で,完全給食やってないところは川崎市,横浜市,堺市,大阪市,それから神戸なんです。中核市の中では,39あるうち4つしかやってないところないんです。もう多数が完全給食をやってると。こういう中で神戸市が今物すごくおくれをとってるという状況なんですね。ぜひこれを改善していただきたい。ぜひ給食やるという方向で検討を開始していただきたいと思いますが,もう1度よろしくお願いします。 36 ◯橋口教育長 今の中学校給食の件でございますけども,先ほどお答えしたとおりでございます。いろんな財政上の負担も含めて課題がございます。現状では非常に難しいというふうに考えてございます。  それから,友生養護学校の関連で,一方的なお話を進めるのかというような話がございました。そういった,もしもというのはなかなかコメントしにくいわけでございますけども,1つ1つ,先ほど申し上げておりますように,いろんな課題がございます。そういった点で,丁寧に保護者と十分な話をしながら,1つ1つクリアしていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 37 ◯主査(橋本秀一) 大かわら委員,あと2分です。 38 ◯分科員(大かわら鈴子) 友生ですけども,やっぱり本当に引っ越しまでされて,何とか子供たちを通わせたいと,そういう思いで頑張ってこられた,それが無駄になるような,子供たちが通学できないようなことには絶対にしてほしくないというふうに思います。だからこそ,ぜひ保護者の皆さんの声もしっかりと聞いていただいて,それで具体的にどう対処するのか,本当に解決していけるかどうか,それも含めて検討していただきたいと思います。これ要望しておきます。  それから,中学校給食,答弁変わりませんけども,今物すごく神戸市,言いましたように,おくれてるんやと,こういう認識はぜひ持っていただきたいと思います。もう一歩進んで,弁当ではなくて完全給食をぜひ行っていただきたいと思います。要望して終わります。 39 ◯主査(橋本秀一) お疲れさまでした。  委員の皆様に申し上げます。午前中の審査はこの程度にとどめ,この際暫時休憩いたします。午後1時15分より再開いたします。1時15分です。   (午後0時11分休憩)   (午後1時16分再開) 40 ◯主査(橋本秀一) ただいまから予算特別委員会第1分科会を再開いたします。  午前中に引き続き,教育委員会に対する質疑を続行いたします。 41 ◯分科員(森下やす子) では,よろしくお願いいたします。  冒頭に1つ,先にお伺いをしたいんですが,きょうの陳情,請願を受けまして,当時私は教育委員会を審査する常任委員会である文教経済委員会の委員長という立場にありました。その文書の内容の中にもありましたが,あり方検討会が20年2月から11月まで8回あったというその書面を見まして,私としては,えっという,そこに反応したわけなんですが。当時,その委員長である私への報告事項の中には,市立友生養護学校の移転計画に触れる事項は全くありませんでした。ただ,あえて言うなら,神戸市全体の特別支援学校のあり方検討委員会の設置と,その日時の情報提供として,控え室の机上にペーパー配付あるいはメール送信という形で我々に知らされるわけなんですが,その一情報としてアナウンスがされただけでありました。今回,私が,午前中にも教育長からるる今後の取り組み方,ご答弁ございましたけれども,見守りながら進めていただきたいということは強く要望しますが,議会への説明責任,それはどういうふうに取り組まれるのか。もちろん今回のことを受けて見直し,改善もご検討のことかと思いますが,そのことに対してコメントというか,お考え,お伺いをしたいと思います。  それでは,以下質問をさせていただきます。  まず,学校給食について。  平成20年に学校給食法が改正され,学校給食の主要目的がこれまでの栄養改善から食の大切さと文化,栄養のバランスなどを学ぶ食育に転換されたところでございます。それゆえ,給食を生きた教材として活用し,食育を推進することがますます重要になってきております。本市教育委員会の来年度予算案におきましても,栄養教諭を中核とした食育推進事業や食育等推進検討委員会の設置など,食育推進の取り組みが実施されるとのことでありますが,食育の推進を通じて子供の健康状態の改善や学習等に対する意欲の向上等が図れることから,ぜひ注力をしていただきたいと考えております。  また,昨年10月に千葉県の船橋市の小学校6年生の男子が給食のパンをのどに詰まらせて亡くなるという不幸な事故もございました。そのような事故も食育指導が徹底されていれば未然に防げたのではないかと考えております。  子供の食育という観点から,先日の本会議でも私触れさせていただきましたが,さらに踏み込んで以下数点お尋ねをいたします。  1つ目,代表質問におきまして教育長より「学校給食の時間に,はしの正しい持ち方などマナー指導を行っている。」という答弁がございました。給食の時間は日本の伝統文化を学ぶ絶好の機会になると考えておりまして,19年度より米飯,お米の給食が週3回に拡大されてはいるものの,米飯は日本人の主食であり,本市においては神戸産米のキヌヒカリが使用され,地産地消を学習する教材ともなり得るものであります。また,健康的な食事として和食が見直されており,給食でも和食献立を積極的に取り入れ,地産地消の学習を充実していくべきではないかと考えますが,どうでしょうか,お伺いをいたします。  そして2点目,和食に関しては,洋食に比較してよくそしゃくしないと消化できない献立も多いです。食べ物をよくかんで食べることは食育でも基本的なことでありまして,さっきも触れましたけれども,船橋市の事故もそしゃくの重要性を子供たちに指導できていれば防止できたのではないかと悔やまれるところでございます。  そこで,子供たちが給食をよくかんで食べることができるように,給食の時間を現状からたとえ5分でも神戸市教育委員会として延長することをご検討いただけないか,そのことをお伺いいたします。  次に3つ目,予算案にございますように,来年度教育委員会に食育等推進検討委員会が設置されまして,学校給食を中心とした小学生の食育のあり方等の検討が行われますが,教職員やPTAだけではなくて,例えば医師,それから歯科医師ですね,それから市内の農漁業従事者など,さまざまな観点から食育を検討できるメンバーを入れていくべきではないかと考えますが,いかがでしょうか。  そして,次に2つ目,学校支援地域本部につきましてお尋ねをいたします。  昨年,決算特別委員会において私から質問させていただいたところではありますが,今年度地域全体で学校教育を支援する体制づくりの推進のため,学校支援地域本部事業が進められております。本市におきましても,鵯台中学校・ひよどり台小学校地区,そして太田中学校・だいち小学校区の2区が採択され,モデル地区として同事業がスタートしております。しかし,今年度までは国からの委託として各自治体が実施する学校支援地域本部事業について100%国庫が充当されておりましたけれども,来年度の文部科学省予算案では3分の1国庫補助事業となってしまいます。政令市におきましては,各行政区に1本部までは現在と同じ100%国庫が充当されるものの,原則3分の2が各自治体の一般財源の持ち出しとなってしまう制度変更が行われたということです。こうした文部科学省の事業展開は,全国で学校支援地域本部を設置していこうとせっかく高まったこの機運に水を差すことになるのではないかと私は危惧しております。  そこで,こうした国の方針が打ち出される中,神戸市としてこの学校支援地域本部をどのような形で推進し,どのような事業を展開されようとされているのか,また国庫以外の問題点や課題についてお伺いをいたしたいと思います。  そして次に,図書館の協議会についてお伺いをいたします。これは要望でとどめておきたいと思います。
     19年12月の文教経済委員会におきまして,市立図書館の指定管理者制度導入に当たり,図書館本来のあり方に関して検討する協議会もしくは専門的検討委員会の設置を求める陳情が提出をされました。この陳情については,要望を付して審査打ち切りとなりまして,当時の文教経済委員会から,図書館の運営について利用者である市民に開かれた形で協議する場が必要であると認められるので,教育委員会においては,今回の陳情の趣旨をよく理解して図書館協議会の設置に向けて取り組んでほしい,その旨要望が提出されました。それを受けまして,20年9月に,図書館法で規定されている図書館協議会である神戸市立図書館協議会が設置されたところであります。本協議会は,先ほどの陳情の趣旨も踏まえ──先ほどというのはこの図書館に関してですが──市民代表として市政アドバイザー経験者が委員に入っておりまして,神戸市の実情に沿った利用者の声が反映されることを期待しているところでありますが,私からあえて,市民財産である図書館の運営に市民の声が十分に反映されることを切に要望申し上げたいと思います。  以上です。 42 ◯橋口教育長 私の方から数点お答えいたしたいと思います。  まず,今回のあり方検討委員会に関連いたしまして,議会への報告というお話がございました。いわゆる,いろんな外部有識者等も含めましたご意見をお伺いして,いろんな審議をお願いするという審議会とか,また今回の検討委員会,さまざまな内容といいますか,審議する事項が多々あろうかと思います。そういった中で,今ご指摘ございましたように,少なくとも今回のような友生養護学校に直接影響を受けるような関係者がいるような検討会とか審議会につきましては,ご指摘のような形で議会への報告と進捗状況を含めて検討をさせていただきたいと思います。  また,その報告の方法,いろいろあろうかと思いますけども,常任委員会で報告するのか,また随時,例えば文書等で行うのか,その方法についてはいろいろあろうかと思いますけども,今後検討していきたいというふうに思ってございます。  それから,学校給食につきましてでございますけども,まず和食の献立を積極的に取り入れて地産地消の学習の充実をしていくべきではないかというようなご質問でございます。  教育委員会では,米飯給食の週3回の実施に伴いまして,ヒジキあるいは大豆等の我が国の伝統食品を使った料理など,和食の献立の作成に留意しているところでございます。伝統的な和食料理といたしましては,例えば雑煮と栗きんとん,イワシ料理と節分豆,ちらし寿司などのほか,郷土料理,郷土に伝わる料理といたしまして,県内ではタコ飯,ぼたん汁,バチ汁,そういったもの,また全国各地では,北海道の石狩汁,山形県の芋煮等を提供しているところでございます。さらに,主食であるご飯の種類もふやしまして,大豆ご飯,赤飯や芋ご飯,そして新たに梅ペーストを使用いたしました梅花ご飯等も提供するなど,工夫をしているところでございます。これらの献立のいわれ等につきましては,毎日の献立を説明いたします「ひとことおしゃべり」というふうなリーフレットをつくっておるわけでございますけども,そのリーフレットで教育委員会が各学校に配信してございます。学校ではそれを給食時に児童に説明,お知らせをしております。  また,教科の学習では,例えば4年生の社会科で「私たちの兵庫」を学習いたしますけども,その地域でとれる農水産物,また地域の郷土に深い関係がある,そういったことを学校給食の食材を活用して学んでいるところでございます。今後とも,ご飯に合うおかずや行事献立,郷土料理等を積極的に取り入れますとともに,市内産,県内産の食材を使用することによりまして,社会科や家庭科などの教科学習に学校給食を生きた教材として活用するように努めていきたいというふうに考えてございます。  次に,給食の時間の延長についてのお話がございました。  ご指摘の給食の時間につきましては,学校長が学校や児童の状況によって決めておりますけども,おおむね12時20分ごろに4時間目が終了いたしまして,午後1時10分ごろまでの約50分の間で配ぜん,食事,片付けを行っておりまして,正味の食事時間は20分から25分程度というのが現状でございます。その間,担任の先生は,児童の食事の様子を見ながら,よくかんで食べることやはしの持ち方等のマナー指導,また残食がないようにおかわりを勧めるなど,巡回しながら児童への食指導を行っております。また,特に低学年等におきましては,食事時間の範囲内で食べきれない児童がおられます。こういった児童につきましては,食事が終わるまで掃除時間を延ばすなどの配慮もしているところでございます。  教育委員会では,毎月の給食の目標を立てておりますが,特に10月の目標では「よくかんで食べよう」を掲げ,教育委員会が全保護者に配信している給食だよりにおきまして,かむことで脳の働きやあごの骨の発達を高めることなど,そういったことを掲載しているところでございます。今後とも,保護者に対しましても,よくかんで食べることの大切さを啓発していきたいというふうに考えております。  次に,食育等検討委員会についてでございます。  神戸市では18年8月に,学識経験者,市政アドバイザー,学校長,農漁業の代表者から成りますこうべ食育推進会議を設置いたしまして,神戸市の総合的な食育の推進のための施策を検討しておりますけども,ご指摘の食育を検討できるメンバーはおおむね入っているのではないかというふうに思ってございます。これとは別に,教育委員会の方では,学校での食育を推進するために来年度予算において食育等推進委員会を設置していくこととしておりますけども,先行いたしましてこの2月に立ち上げまして第1回目の会議を開催したところでございます。この推進委員会の委員につきましては,PTA代表,献立作成委員会の保護者委員,学校長また栄養教諭等で,小学校での給食の課題,食材の地産地消,食材価格の上昇に伴う給食費等の課題等,幅広いテーマにつきまして意見をいただくこととしております。また,推進委員会の設置要綱では,必要に応じまして関係機関の職員等の出席を求めることができることにしておりまして,今後テーマに応じて,より食育の議論が深まるよう,それに適した方々の出席をお願いしたいというふうに思っているところであります。  私からは以上でございます。 43 ◯黒住教育委員会事務局社会教育部長 学校支援地域本部につきましてお答えをさせていただきたいというふうに思います。  今,家庭・地域・学校の連携というのが今までにも増して必要になっているということでございまして,その具体的な施策ということで,地域ぐるみで学校を支援する体制をつくってそれを推進するということを通じて,子供たちによりよい教育環境づくりを進めようということで,今2地区をモデル地区ということで学校支援地域本部事業を始めてございます。  ひよどり台地区につきましても,ふれあいのまちづくり協議会を母体にしまして,中心になりましてこの1月に学校支援地域本部が立ち上がってございます。その中で,地域の人材バンクを今立ち上げる準備をいたしましたけども,その中で登下校の見守り活動など,もう既に200人を超える地域の方々が学校支援にかかわってくださってるということもわかってまいりましたし,また学校が今求めておりますような数学や生活科の学習支援をしてほしいとか,あるいは中学校での図書室の貸し出しの整理でありますとか環境整理,そういうもののボランティアにつきましても,新たに30名を超える応募がございました。さらに,このひよどり台地区につきましては,隣接にシルバーカレッジがございまして,そこの在校生のグループからも新たに中学校の図書の貸し出し,そういうものの補助や,あるいは花壇整備というふうなことをぜひやろうというふうなお申し出もありましたし,このシルバーカレッジの卒業生から成りますNPO法人でございます「グループわ」という社会還元センターがございますけども,そこも引き続き小学校の学習支援活動を協力していこうと,こんなお申し出もございます。  また,太田・だいち地区につきましても,ここは須磨区と長田にまたがる地区というふうなことで,これまでから子供たちの登下校の見守り活動ということで,その地域の各種団体でつくりました「だいち小・太田中学校区子どもを守る会」というふうな組織をつくってこられてますけども,そのところが母体になりまして昨年の12月に学校支援地域本部を立ち上げてございます。ここでの取り組みとして,この2月からだいち小学校で「だいち てらこや たまご塾」というふうな取り組みを始めてございます。これは立ち上げ準備の中で,学校,地域でいろんな話し合いをする中で,まずは基礎学力の定着にぜひ取り組んでいこうというふうな,そういう総意がございまして新たに始めた事業でございます。PTAの皆さんや民生・児童委員,それから大学生の方も加わりまして,今火曜日と金曜日の放課後,週2回でございますけども,今50人を超える子供たちが参加をしまして,宿題やプリント学習や,あるいは本読みの手伝いというふうなことで自主学習の支援を行ってございます。まだ始めて一月しかたちませんけども,保護者からの期待も非常に大きいというふうなことでございます。  そのほかにも,今放課後子ども教室の実施というふうなことで,学校の要望に応じた支援に今順次取り組もうということも進んでおるところでございます。  このように,モデル地区の方の動きもございますが,市内に今,この4月からは小学校区166と,そして中学校83ということでございますけども,やはりそれぞれのところの地域事情を踏まえた,あるいは反映した形で学習支援地域本部の運営なり,あるいは学校支援の内容というものがあるんだろうと思います。政令市につきましては,ご指摘をいただきましたように,特例が設けられたというふうなことも受けまして,現在はこの2地区を軌道に乗せていこうということでございますけれども,あわせて今後,1中学校区に複数の小学校というのがたくさんございますし,そういうことでありますとか,あるいは学校や地域のいろんな特性を踏まえながら,さまざまなモデル地区を設定できないかということで今考えてございます。  モデル地区の方の進捗の中でも,これまでいろんな地域団体とか地域の皆さんが個別に学校を支援するというふうなことでございましたけれども,この学校支援地域本部事業を取り組む中で,学校支援の全体が皆さんにもわかる,そういう全体を見渡しながらそれぞれの活動に取り組めるというふうなことがございまして,地域の中での団体間でも協力し合えるような環境,あるいは相互理解も進むというふうなことがあらわれておりまして,ぜひこういうことを通じて地域活動の活性化の方にも寄与していけるんではないかなと,こんなことを今期待をいたしております。  始まったばかりの取り組みということで,先ほどの財源の問題もありますけれども,まずやはり今地域人材が絶対的に不足してると,そしてまた専門性を持つ人材というのがなかなか地域の中で見つけられないというふうなこともございまして,地域人材の確保というのが一番大きい課題だなというふうに思っております。この4月からまた教育・地域連携センターというものを全市的につくって,そういうセンターの方の支援も得て幅広くこの事業を進めていくということを考えてございまして,そうしたモデル地区での成果をほかの地域,学校の方にも学校支援の一つのモデルというふうなことで広めていく,それをまた地域の方でも活用していただきながら,ほかの学校の方でも学校支援を進めていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 44 ◯分科員(森下やす子) じゃあ,再質問させていただきます。  友生養護学校の今回の請願書を通じて,議会への報告ということで,教育長,「いろんな方法があると思いますが」とご答弁をいただいておりますが,それはそのとおりだと思います。意図するところ,大切なことは,市民の代表の,負託を受けて選ばれた私たち,そして常任委員会という仕組み,当該区の議員の先生方もいらっしゃいます。そこをはじめとして,本当に外部から神戸市の情報を聞くようなことがないように,そのことを切に要望いたしておきます。  それから,給食関連の食育のことなんですけれども,まず私今回改めて,私も市立小学校に3人のうち1人の息子が行っておりまして,献立表を毎月持って帰ってきます。1年間12カ月のうち11カ月,献立表を持って帰ってくるわけなんですが,改めて見ますと,この表示の仕方がですね。私も現役の小学生のころ,数十年前と言っときますが,そのころから変わってないなあという……。変わってないから,いいところもあるのかもわからないんですけど,こんだけ食育とか地産地消とか,いろんな言葉がいろんな場所で議論されるこの社会の中で,ちょっと工夫されたらいかがかなあと。例えば,このご飯,私ちょっとマーカー入れてますけれども,今3回ということで実施していただいているんですが,さっきも質問の中に,キヌヒカリというお米使ってますね。そのこと何にもわからないですね,ここから。わかるようにしていただきたいなあと,こんだけ食材に関して取り組んでいるということを皆さんにお知らせするという意味で。  そして,この献立表というのは,私は本会議でも家庭での食育,それから学校での食育ということ,2点に関してお尋ねをしたわけなんですが,家庭と,それから学校の食育,これつなげるもう一番のツールじゃないかなと思ってます。そして,この裏を,私今まで息子が持って帰ってきて,そのまま冷蔵庫にぴたっと張ってたもんですから,この裏側,余りじっくり読んだことがなかったというのが正直なとこなんですが,今回読ませていただきますと,非常にいいことを書いてはるなという感想があります。そしゃくのこと,かむことの大切さというのも私本当思うんですが,何月だったかな,保健福祉局の方からのコメントで,この半面使ってかむことの大切さというのを書かれていますし,あと,何を食べたらどうなるんということとか,食料自給率の話であったりとか,本当に内容は充実してるなあということを思うんです。これ皆さんにもっと,より食育という観点で知らせていくということで,例えばご家庭の皆様へと,だれに訴えてるのかという,だれのためにこれを用意したのかというようなことをもっと明白にする必要もあるんじゃないかなあと思いますし,文字をもうちょっと大きくする方が,最近は孫育てという本も出てますように,おじいちゃんやおばあちゃんたちも子供たちの教育,食育のことに関心高い方もいらっしゃいますから,字を大きくするとか,いろいろ工夫の余地はあると思うんですが,ぜひ取り組むべきではないかと考えます。これに対してどんなお考えなのか,聞かせていただけたらと思います。  次に,給食の時間なんですね。私は,学校の給食は食育の授業であるというとらえ方ということを本会議場でも申し上げましたけれども,年間給食というのは189回あるんですね。これも授業としてとらえたら,もう一番多い授業数になりますし,本当に貴重な時間だなとも思いますし,今年度から余計2日間春休みも減って,その2日間が学校があく日がふえますから,給食の時間またふえるんじゃないかなと。そんな中での取り組みですから,5分延ばせないかなということもお伺いしたんですが。  ここに1つ資料がありまして,これは文部省の体育局学校給食課というところの「給食時間等の調査について」という資料がございます。給食時間が他都市でどんなことになってるのか状況を知りたかったから,少し調べたかったんですけど,なかなかそれに関するデータがありませんでしたので,ちょっとこんなものを手にしたわけなんですが……。そんな中に,ちょっと抜粋しますと,次,給食時間の中の食事の時間を見ると,小学校では20分の学校が257校,60.8%と圧倒的に多く,平均も22.0分であると。これ文科省が調査事項としてまとめてあるんですが,これいつのことかといったら昭和55年の話なんですね。文科省のことはちょっとここではどうのこうのと言っても仕方がありませんから,中央ではこういうことでやってはるわけなんですけども,神戸市としては,本当に神戸っ子すこやかプランとか,神戸の子供たち,全庁挙げて取り組んではるわけですから,ここの分どないかならないかなって思ってます。ですから,このことは本当にもう,授業数のことだったりとかあると思うんですけど,準備の時間,それから給食当番の人は着がえたりとか,それから昼休みの間に何か次の5時間目の準備をしたりというようなこともありますから,正味本当に20分とれてないんじゃないかなと思います。そんな状況の中ですから,ぜひ授業として取り上げていただいて取り組んでいただいて,延ばす方向で考えていただきたい。これも要望しておきます。  それから,食育等推進検討委員会に関する質問の答えなんですけれども,何とか検討委員会,あり方検討委員会のメンバーの方,既に選出された方々,その方に何か意見があるわけではないんですが,相変わらず変わらない中でのちょっとご選出じゃないかなという感想を持ってます。その中の方たちじゃなくて,本当に神戸市内に住むほかのジャンルの方,どう言ったらいいんでしょう。第三者的な観点から子供たちへ,こんなものが食材にあるんだよとか,メンバーの中でも気づかれないようなことを第三者的な観点から意見を出していただく方をぜひ入れていただきたいなという思いで先ほどお尋ねをいたしました。これクリエイティブ性と言ったらいいんでしょうか。本当にさっきも言いましたけど,神戸市独自でいろいろ,保健福祉局だったりいろんな施策を進められているわけですから,神戸の子供たちに対してどういう給食であってほしいのかということをつくっていくためには,いろんな視点,いろんな意見というのは,今このときだからこそ見ていくときじゃないかなと思います。  例えば,私は,この小学生の食育のあり方等の検討って,小学生と限定されているんですが,教育委員会で取り組むべき給食,学校給食という解釈の仕方を中学校の給食までというふうな考えも持っております。議員になりたてのころは,私も母親がお弁当をつくるっていうことがとっても──子供と母親あるいはお父様やおじいさんやおばあさんがつくられる方いらっしゃると思うんですが──家族の中でのコミュニケーションだったりとか,あと思い出になるというようなエピソードもお弁当ということを通じてたくさんあることですから,それはすごい大事なことやなという考えを持っておりましたけれども,ギョーザ事件のときに冷凍食品を買えなくて困ってらっしゃるお母さんのその多さに驚いたことを通じて,子供は社会の宝ですから,社会が子供たちへしっかりと栄養というか,食べることの大切さを伝えるべき立場じゃないかなということを改めて思いまして,義務教育である小学校と中学校,これは本当に給食というところで授業として取り組んでいかなければならないということを検討しなきゃいけないんじゃないかと私自身も考え直すようになりました。  ちょっと検討委員会のとこからずれる感じがするんですが,中学校の給食の方なんですけども,午前中の答弁にも,るるいろんな事情が,財政的なこともありますし,それはもう十分承知しております。うちの会派でも政務調査のタイトルとして,民間を活用した中学校の給食ができないかというようなことも検討した経緯もございますので,これに関してちょっとコメントをいただけたらなと思います。  それから,地域支援本部のことなんですが,問題点は財源のこともありますが,地域人材確保というお答えがありまして,私も本当にそうだなと思います。どこにどんな方がいらっしゃるのかということを情報としてしっかりとらえて,その方をしかるべきところに派遣と言ったらちょっとあれですけれども,そこでお役目を果たしていただく,そういうコーディネートの方が重要なポイントになってくるんじゃないかなと思うんですが……。  たまたまと言うとおかしいですけど,地域連携センターの方たち,連携センターに登録される方たちをたくさん登録していただくことによって,今までふれまちを中心に地域のことはいろいろしてもらってたわけなんですが,新しい人たちが入ってくることによって,風通しがいいといいますか,何も地域のことにかかわってない人たちからすると,何かあの人たちいつもやってはるし,任せといたらいいわというような,そういうちょっと閉塞的なことではなくて,いろんな方がかかわって,そして学校を中心として地域が活性化していくことは期待できることだなと考えております。  そこで,センターと,それから地域支援本部の方が協力し合ってネットワーク,情報共有ということが必要になってくると思うんですけれども,そのことに関して教育委員会としてはどういうふうに考えられているのか,そのことをお伺いいたします。  ちょっと時間が少なくなってきましたので,簡明にお願いいたします。 45 ◯橋口教育長 まず,学校給食に関係いたしまして,給食だよりあるいは献立表等のお話がありまして,もう少し工夫が必要ではないかというようなお話がございました。確かに献立表と給食だよりにつきましては,表面,両面になってございまして,これは毎月保護者に配布しているところでございますけども,例えば献立表を見ますと,こうべ旬菜を使用する場合であるとか,あるいは季節の献立,行事献立,郷土料理,そういった場合にはその旨を記載しております。  お話がありましたように,神戸産キヌヒカリというようなことにつきましては,いわゆる給食だよりではお知らせをいたしておりますけども,献立表の方には記載ができておりません。今後,工夫を重ねて記載等を考えていきたいと思います。  また,大きさの話もございましたが,恐らくこれ冷蔵庫等に張るように一応こういうサイズになってるというふうに思っておりますので,またそれもあわせて工夫ができないか考えていきたいと思います。  確かにご指摘ございました家庭での食育と学校での食育,これがつなぐものだというふうに思ってございます。そういった点で,これ自身が神戸市のホームページに掲載しておりますんで,広く一般市民にもお知らせをいたしております。今後,こういったことで給食だよりにつきましても,学校だより,いろんな活用をいたしまして指導してまいりたいというふうに思ってございます。  それから,食育等推進委員会につきまして,もう少しほかのジャンルとか,メンバーには気づかないような内容というのが,人がどうかとか,また中学校給食についてもコメントのお話がございました。  今現在の食育推進委員会の委員につきましては,PTAあるいは献立作成委員会の保護者,学校長,栄養教諭等でございますけども,食育自身はさまざまな分野に及んでいると思ってございます。なかなかすべての分野を網羅するというのは,たくさんの委員が必要になってくると思います。こういったことでございますけども,委員の方ご指摘ございます,これらの現在の委員を確認いたしまして,例えば地産地消がテーマであれば農業関係者を委員として入れるとか,あるいは食物アレルギーをテーマにする場合にはドクターを入れるとか,そういった個別の参加をお願いするようなことを考えていきたいというふうに思ってございます。  それから,中学校給食についてコメントというようなことでございますけども,財政的に,例えば初期投資で12億円とか,運営費で10億円というような財政負担を申し上げておりますけども,これはいわゆる民間委託を前提にした試算でございます。特に,今現在京都市が実施しておりますけど,京都市の例を神戸市に当てはめた試算でございます。そういった点で,現在の状況下で非常に厳しいという認識をいたしているところでございます。  それから,教育・地域連携センター学校支援地域本部との連携のお話がございました。確かに,今の2地区でやってる地域本部につきましては,いわゆる地元の人材が豊富で,地域人材が不足しているということがなかろうかと思っています。ただ,ほかの地区では,そういった本部ができ上がるような形の人材,あるいは絶対数が足らないという状況であろうと思いますので,そういったものをオール神戸市でコーディネートしていくというのがこの地域連携センターでございます。そういった点で,この地域連携センターをいろんな面でスムーズに立ち上げて,またほかの地域本部との連携を図りながら,先生ご指摘がございましたように,その地域と従前からつながりのある方がその地域と新たなつながりを持ってネットワークが広がっていくと,そういうものを期待いたしたいというふうに思ってございます。  以上でございます。 46 ◯分科員(森下やす子) あと,山口委員にかわりますので,私はこれで質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。 47 ◯主査(橋本秀一) お疲れさまでした。  それでは次に,山口委員,発言席へどうぞ。  山口委員に申し上げます。2時27分まで残り30分でよろしくお願いします。 48 ◯分科員(山口由美) 先ほどからお話ありました友生養護学校の移転問題,この問題に特化して私の方から質疑をいたします。  正直,きょうに至るまで本当に長かったです。本当にいろんな思いを抱えてきました。まだ今なら移転をとめられるかもしれない,でももう無理かもしれない,そんな思いを持ち続けてきょうに至りました。きょうは最後のチャンスだと思ってこの質疑に挑みたいと思います。どうか皆さん,私の思いを受けとめてください。そして,どうか気づいてください,この移転がいかに大きな問題であったのかということを。きっと神戸市にとって,そして教育委員会にとっては,この移転は数ある施策の1つにすぎない小さな問題だったのかもしれません。しかし,この移転でどれだけのとうとい命やどれだけの可能性を奪ってしまうことであったのかを,そしてどれだけの大きな問題であったのかをどうか気づいてください。  私は,友生と同じ肢体不自由の養護学校の出身者です。田舎の山の中にある雨漏りの絶えない養護学校でした。決していい環境ではありませんでした。しかし,私はすばらしい先生にめぐり会って,そして大学に進学することができました。在校生が進路の相談に乗ってほしいと言っているから学校に来てくれないか,たしか2年ほど前恩師からそう連絡があり,私は意気込んで母校である養護学校に行きました。学校に入ると,その子はいませんでした。数日前に進行性の病気が急変して亡くなっていました。養護学校はそういうところなんです。あしたが来るか来ないかわからない子供たちが,ほんの少しの可能性のために,そしてその可能性を広げるために日々努力をして一生懸命生きている,そこが養護学校なのです。  私が今回の友生移転の話を聞いたのは,ことしの1月中旬でした。ある保護者の方からご相談をいただいたのがきっかけでした。すぐに教育委員会に確認をとりましたが,返事は「検討中。予算関連のことなので詳しいことは言えない。」の一点張り。私はほかの議員にも働きかけ,可能な限り情報を集めました。しかし,調べれば調べるほど,もう手おくれであることを思い知らされました。私は考えを変え,何とか移転のメリットを考えてみようと思いました。まず,移転先の菊水小学校周辺へ行き,子供たちが通うことになるだろう環境を自分の目で確かめてきました。実際に下校の時間帯に車で学校周辺を回り,その後学校の正門前で車からおりて,そして車いすで商店街を抜け,駅まで行ってみました。駅まで徒歩20分の距離,自力では登れない坂道,歩道がない幅の狭い道,そして何より買い物客の非常に多い,すれ違うことも難しい商店街を通り抜けることは,私のような軽い障害であってもとても大変だと感じました。  私は,友生養護学校へ見学に行ったときのことを思い出しました。まず,学校に着き驚いたのは立地です。こんなまち中に養護学校があるなんてすごいな,住宅街の中にあるだけではなく,駅も近いし,隣に小学校もある。私の通っていた田舎の学校とは比べものにならないなと感じました。しかしその一方で,学校の中に入り,実際に子供たちと接してみると,私が通っていた時代より状況がまるで違っていることにとても驚きました。車いすの後ろに酸素ボンベを背負っている子,点滴棒のようなものを車いすに取りつけて,そこからチューブを通して体の中に直接栄養を流し込んでいる子など,いわゆる医療的なケアを必要とする子がそこにはたくさんいました。聞けば,ことしに入ってからここに通っている数人の子が病気により亡くなっているとのことでした。  この子たちが本当にこの地に通えるのだろうか,そう思い,私はもう1度菊水小学校の前に戻りました。そして,その風景に友生の子供たちを重ね合わせてみました。本当にこの子たちのための移転なのだろうか,少なくともこの子たちのことを一番に考えていたら,容易にこの移転という選択は考えられなかったのではないか,それが養護学校卒業生の目線で私が行き着いた率直な感想です。  友生の保護者に対する初めての説明会が2月4日に開かれました。当局はここで初めて移転の話を口にされました。私は,その説明会に舞台裏でいいから傍聴させてほしいとお願いをしました。なぜなら,保護者の方がどんな反応をされるのか,そして今後どうやって保護者の方と向き合っていくのか,私は当局と一緒に考えたいと思ったからです。しかし,私の願いはことごとく拒否されました。案の定,説明会の後,保護者の方は当局からの唐突な話に怒り,2時間半にも及ぶ話し合いは収拾がつかずに次回に持ち越しとなりました。それどころか,徹底的に移転に反対しようといった話までも持ち上がりました。私はいても立ってもいられず,2月5日,翌日の早朝に当局にお電話をして,教育長と話をさせてほしいとお願いをしました。会議の合間を縫って時間をつくってくださった教育長に私はひそかに期待をしていました。しかし,残念ながら,その中の話では,「現地建てかえは検討したが,友生は無理である。移転の場所は探したが,あの場所しかなかった。兵庫区の事情もわかってほしい。」など,行政の都合ばかりでした。最後の最後に,市長に話を聞いてもらおうと試みましたが,「教育委員会と話をしますので」という答えだけで,その後何の連絡もいただけませんでした。その時点で,移転は避けられないことを思い知らされました。自分の無力さに全身の力が抜けました。そして,ご相談のあった保護者の方に謝りました。お力になれずに本当に申しわけありませんでしたと。  その後,保護者の方からのご希望もあり,今回の請願という手段を考えました。移転が避けられないのであれば,せめて今通えている子供たちが必ず学校に通えるように約束をしてほしい,それを議会の皆さんに見守ってもらいたい,そんな思いで保護者の方々と私たちは立ち上がりました。  この過程でどれだけの葛藤があったのかおわかりでしょうか。もちろん,当局は養護学校に通う子供たちのことを思い,よかれと思って移転を考えたのでしょう。しかし,なぜこの移転問題がここまで大きく発展してしまったのか。今まで現場の子供たちの声なき声に耳を傾けず,行政の都合ありきで話を進めていたからではないでしょうか。この請願が出されるまでに至ってしまったこの移転問題に対する教育長のお気持ちをぜひお聞かせください。  そして2点目に,通学ができなくなる子供たちへの対応についてお尋ねをいたします。  今の状態では,仮に通学手段が確保できたとしても,体力的に学校に通えない子が数名出てきます。菊水に幾ら立派な学校ができても,日本じゅうから注目されるような学校をつくっても,今学校に通えているのに通えなくなってしまう子が1人でも出たら,他都市に誇れる学校とは言えません。言ってはいけないと思います。移転となれば,新しい学校に移るのが原則かもしれませんが,せめて友生のあしたの見えない子供たちに選択肢を与えていただけないでしょうか。具体的には,保護者の方からのご要望が上がっていますが,1つは,現在灘区にある青陽東養護学校への転入,そしてもう1つは,現在の校舎の一部を分校として残すことです。両者とも非常に困難なことは承知しています。さまざまな課題をクリアしなければなりません。でも,それを移転までの3年かけて一緒に検討していただけないでしょうか。私はどうしてもこの子供たちの命と可能性を見捨てることはできません。どうかこれらの選択肢を与えていただけませんでしょうか,教育長のご見解を伺います。  最後に,情報開示のあり方について質問いたします。  今回の一件で本当に残念だったと思うことの1つに,当事者の方への情報開示の問題があります。今回は,移転先の兵庫区へ先に情報が流れているにもかかわらず,移転する当事者である友生の子供たちには何も情報が与えられませんでした。これでは理解を得られるとは到底思えません。もっと当事者の目線に立った配慮が必要だったことは言うまでもありません。  養護学校は普通校とは違い,通学校区が広いこと,そして幼稚部から小・中・高まで合計で14年間あるという通学の期間が長いこと,そして通学のために生活拠点を移されているというケースもあること,ほかに選べる学校がないという状況であることなどを考慮すると,いきなり3年後の移転というのは余りにも酷です。予算関連のことという縛りがあるにしても,せめて当事者の方へ何らかの形で情報を流していただく方法はないものでしょうか。教育長からのご答弁にもありました。説明会等を重ねていって丁寧な対応をして不信感を取り払えるように頑張るというお話だったんですけれども,この説明会や懇談会を重ねるだけでこの不信感がとれるとは私は思えません。今回のことを踏まえて,まだ今後の垂水,青陽西養護学校のこともありますし,どう対応していこうとしているのか,お尋ねをいたします。  以上です。 49 ◯橋口教育長 今,山口委員よりるる今までのご心境を含めてお聞かせいただきました。そういった点で,請願をお出しになった保護者の皆様のお気持ちも含めまして真摯に受けとめたいというふうに考えてございます。  確かに私ども,予算編成が固まった段階でということに,いわゆる正式なそういったことに固執し続けた面があったというふうに思ってございます。そういったことでは,請願につきましては,内容が唐突であり,一方的に事が進められたことについて非常におしかりを受けているというふうに思ってございます。確かに,友生学校に通う子供あるいは保護者をはじめいろんな関係者がございますけども,直接影響を受けます関係者に,いわゆる公式だけじゃなくて非公式,そういったものを問わず必要な情報提供あるいは意見をお聞きする,そういったことの努力,配慮が欠けていたのではなかろうかと思ってございます。そういった点では大変申しわけないといいますか,そういった気持ちでございます。このような状況を招いたことにつきましては,謙虚に受けとめまして,今後保護者等関係者の皆様にご理解いただけますよう,丁寧な説明を粘り強く行いながら,我々に対する不信感を取り除いていけるよう最大限の努力をしていく所存でございます。そういった点でご理解,ご協力を賜りたいと思ってございます。  それから,選択肢を与えてほしいというお話でございます。  これまで保護者会との懇談等におきまして,移転後の通学について心配されるお声をお聞きいたしております。通学がなかなか困難な子供がいるだろうというようなお話でございます。先般の懇談会におきまして,保護者の方々にも個々の事情について十分にお話を聞かせていただくことになってございます。子供の障害の状況とか,あるいは住居地など個々のご事情をお聞きいたしまして,保護者,学校,医師等とよく話し合って対応を検討したいと考えてございます。  選択肢の問題でお話がございました友生養護学校の一部を分校化することにつきましては,校舎の耐震の課題もございます。また,教員の分散によります専門性の維持が非常に難しい,そういったことがございまして,非常に難しいと考えてございます。  もう1点ご提案がございました青陽東養護学校につきましては,現在児童・生徒数が増加傾向にございます。そういった点で校舎自体がいわゆる過密状態でございまして,また教員の確保などからハードル自体は高いというふうに認識しております。ただ,いろんな中で,子供の個別の状況をお聞きする中で,どうしても通学が困難な子供の受け入れについて,そういったケースも出てくる可能性がありますので,いろんな工夫を行いながら,カリキュラムあるいは学習の場所の確保等,学校ともよく相談をいたしまして可能性を今後探っていきたいというふうに考えてございます。  それから,情報開示のお話がございました。  先ほど申し上げましたように,友生養護学校に通う子供や保護者をはじめ,直接影響を受けます関係者に,公式,非公式問わず必要な情報の提供や意見を可能な限りお聞きしていきたいというふうに考えてございます。  今後の垂水養護学校とか青陽西養護学校の建てかえにつきましては,来年度は適地や整備方法等について調査を行いますが,必要に応じまして保護者,教員等関係者と意見,情報の交換を行いながら,ご理解いただきながら取り組んでまいりたいと考えてございます。具体的には,保護者,教員,校長等にご参加いただきまして,建てかえに向けて生じます課題の検討を行う懇談会を設置いたしまして定期的に開催をしたいというふうに考えてございます。こういった点で必要な情報提供等努力してまいりたいと思ってございます。  以上でございます。 50 ◯分科員(山口由美) 最初のお気持ち,請願に至ってしまったその経緯に対することをお聞かせいただきましたけれども,ぜひそういった,もし少しでも申しわけない,ちょっと今回のやり方は悪かったというふうな思いをお持ちであれば,それを保護者の方にはもちろんですけれども,子供たちにもぜひ伝えていただきたいと思います。というのは,実際に移転するのは子供たちです。もちろん,お話ししてもなかなか伝わらないかもしれません。でも,それを態度で示していただきたいというふうに,これはお願いをしておきたいと思います。  それからもう一方で,この移転に関してですけれども,あり方検討委員会の方針を受けて移転を検討したということをたびたび皆さんご発言されてますし,きょうの午前中の中でもそんなコメントが4回ほど多分ありました。私は,このコメントに関しては非常にちょっと違和感を覚えます。というのは,私自身このあり方検討委員会全8回傍聴をしました。そして,当局がどんな説明をされて,どの委員の方がどんなご発言をされたのかというのはすべて私の方でも記録しています。しかしながら,この友生の移転の問題というのは,具体的には何も議論にもならなかったですし,もちろん今後移転を考えるのであれば複数障害等,そういった議論はあったかと思うんですけれども,具体的な議論は一切ありませんでした。その報告書を受けて移転を検討したということになりますと,一般的に聞くと,その中では必ず議論になってるとやっぱり思うわけですね。ですし,このあり方検討委員会の委員の方に実際お気持ちをお聞きしたんですけれども,非常に神戸市のやり方に関しては不信感を持っているというふうにお話をされている方もいらっしゃいました。ですので,そのお気持ちをあり方検討委員会の委員の方にもぜひお伝えをいただきたいということをお願いしておきます。  そして,2点目の選択肢を与えてほしい。はっきりとはおっしゃらなかったんですけれども,今の校舎を分校として残すという選択肢はなかなか難しいということだったんですが,先ほどほかの会派の方からのお話もありましたように,北校舎は耐震の問題はクリアしてるはずです。ですので,ここを残して分校にするということは私は可能ではないかなというふうに考えています。  また,青陽東については,可能性を探っていただけるということで,まだできるかできないかわからないと思いますし,もちろん青陽東の方のご理解も得ていかないといけないと思います。また,複数障害の対応も考えていかないといけません。でも,今回は,私自身も知肢併置がいいとか悪いとかって言うんではなくって,今回は一番立場の弱い子たちのことを考えれば,もうこれは本当に仕方のないことなのかなというふうに,そういう意味でこの選択肢を今回提案させていただきました。ぜひこの可能性を探り続けていただきたいと思います。  そしてもう一方で,分校という選択肢,こちらも私は希望を捨てていません。というのは,1つ理由があるんですけれども,昨年,私は1年間,医療的ケアを含む超重度障害児への保育サービスについて取り組んできました。そして,昨年の議会でもそういった内容のことを質疑をさせていただきました。私が本会議の中で,そういった超重度の障害児をも受け入れる保育園,モデル的な取り組みをされているところがあるんですが,そこを紹介させていただきましたら,実は先月,市長みずからそこに見学に行ってくださいました。そして,その後ご報告をいただいたんですけれども,そういった重度障害児の保護者に対する支援というのはこれからますますやっぱり手厚くしていかなければいけない,そういった検討を始めたい,実際にもう今保健福祉局の中で検討を始めていただいてますけれども,そういった従来の保育サービスに加えて,神戸方式というものを考えていきたいというふうに市長みずからおっしゃっていました。ですので,今回の友生の子供たち,そして保護者の方が置かれている状況をもし市長に直接お話しする機会があれば,そして理解をしていただければ,その分校という選択肢も私は考えていただけるのではないかなというふうに希望を持っています。その可能性もぜひ探っていただきたいということを,この場ではもうこれ以上お話しできないと思いますので,要望とさせていただきます。  そして,再質問として1点目,友生の問題に限った議論ができるような懇話会を設置していただけるということで,保護者の方はもちろん,教職員の方,有識者の方などメンバーのことなど,そして定期的に開催するということもお話をしていただきました。それでは,具体的にいつごろその懇話会の開催をしていただけるのでしょうか。私としては,もう3年しかありませんので,一日でも早く検討していただきたいと考えておりますし,またあり方検討委員会とか,過去のそういった委員会を見ておりますと,どちらかというと行政の方が主導になって話を進められているという点が気になっていましたので,実際そうであったかなかったかというのは難しいかと思うんですけれども,そういった行政主導のやり方ではなく,本当に当事者の方の目線に立った議論ができるようにしていただきたい。具体的にその時期,いつごろから開催していただけるのか,お聞きしたいと思います。  そしてもう1点,再質問というか,これからの友生の問題にかかわらず特別支援学校のあり方,さまざまな課題が山積しているわけなんですけれども,その課題解決に向けて1つ提案をさせていただきたいと思います。  私は,先ほども申しましたように,養護学校の方に通っていました。小・中学校は普通校に通っておりましたが,障害を持ったことによって高校だけ養護学校に通っていました。普通校に比べて養護学校というのは設備的にも本当にちょっと問題があるなというふうに,これは他都市ですけれども,感じました。でも,それより,なぜ自分が子供のトイレの介助までしなければならないのかと嘆く先生がいたり,精神疾患でたびたび学校を休んで,子供のことどころではない先生がいたことに私は非常に違和感を覚えた記憶があります。神戸市においても,保護者の方から一部お聞きしてみますと,先生が例えば授業中に携帯電話でメールをしてみたりだとか,先生が子供をいじめてみたりだとか,それは私自身が現場を見たわけではないので,うかつなことは言えないんですけれども,保護者の方から,本当にこれはごく一部で,本当に深刻な問題があるということを聞いています。こんな現状では,仮に新しい学校,立派な学校をつくっていただいても,子供たちのためにはなりません。  そこで,提案ですけれども,この際特別支援学校を含む学校園の教職員の配置を,先ほど午前中の中にもありましたが,県の教育委員会の方といろいろ加配について要望したり協議したりしているというお話だったんですけれども,それをもっとこれから積極的に行っていただきたい。県教委との交渉もこれから定期的にするとかというのではなくて,もうこの問題をきっかけに1つでも課題をクリアしていくために積極的に交渉をしていただきたいと考えます。そうしていただくことで,学校園の教職員の配置を見直すことで,今山積している課題とか,それから欲を言えば,知肢併置に至る問題まで解決する糸口が見出せるのではないかというふうに考えています。ご見解を伺います。  2点お願いします。 51 ◯主査(橋本秀一) 橋口教育長。あと2分程度ですので,おまとめをお願いします。 52 ◯橋口教育長 いわゆる,新しい養護学校と懇談会でございますけども,お話がございましたように,3年あります。そういった意味で,できるだけ早くということで,4月中には立ち上げたいというように考えてございます。今後,メンバーも含めていろいろまた保護者と学校とまた相談をしながら設置をしたいというふうに考えてございます。  それからもう1点の先生の資質なり,あるいは教職員の配置の問題がございました。我々といたしましても,研修も含めていろんな資質の向上を図ってまいりますし,また教職員の配置につきましても,従来にも増して県に対して要望してまいりたいというふうに思っておるところでございます。  以上でございます。 53 ◯分科員(山口由美) それでは,もうまとめますけれども,今回の移転に関して,もちろんこの情報開示のあり方等やり方がまずかったという話でしたし,私としてもそういうふうに感じております。ただ,それ以前に,この養護学校の問題とか特別支援の関係というのは,非常に光が今まで当たらなかった問題であると私は思っていますし,ふだんから現場の声とかそういうものがないがしろにされてきたからこそ,当事者からしたら,なぜ私たちばかりこんな苦しい思いをしなければいけないのかという思いに至って,やはりその気持ちが今出ているんではないかなというふうに私は思っています。もちろん,私たちにいただく予算の資料であったり,そういう書類上の判断では,とても特別支援教育,特別支援学校というのは手厚いんじゃないかというふうに考えられがちなんですけれども,この予算の使い方というのを,前回の決算特別委員会でも指摘しましたけれども,ちょっと使い方をもう少し見直していく必要もあると思いますし,本当に現場の方は日々大変な思いをされています。  最後の最後に,私養護学校出身者として一番伝えたいことは,養護学校,特別支援学校は立派できれいな建物であることが一番いいのではなくて,そして一概に自分の家から一番近いことがベストでもなくて,一番大切なのは学校の中身だと思います。専門性が仮に高くなくても,その学校に通う1人1人の子供たちを人間として理解しよう,そして成長させてあげようと真剣に思う先生がたくさんいてたら,今の状況よりかなりいい状況になると思いますし,そこには子供たちの明るい未来があるんじゃないかなということを感じています。  ぜひこれからも特別支援教育に対するご尽力をお願いいたしまして,質疑を終わります。ありがとうございました。 54 ◯主査(橋本秀一) お疲れさまでした。  では次に,川内委員,発言席へどうぞ。 55 ◯分科員(川内清尚) それでは,民主党会派を代表いたしまして教育委員会に数点質問させていただきます。  まず1点目なんですが,先ほどから山口委員の方からも出ておりましたが,この請願のあった友生養護学校の移転整備につきましてです。  各会派よりもう朝から質問また意見がたくさん出ましたし,教育委員会の方からも反省並びにまたそれに向けた答弁がありましたので,重複は避けますが,我が会派の意見といたしましても,今回の移転につきましては,やはり早い段階で関係者に対して十分な説明がなかったのが非常に残念に思います。また,今後につきましても,その都度関係者に対しまして十分な説明はもちろんのこと,また意見交換会を実施していく中で,保護者の方を含めて関係者が抱えておられる不安を払拭して,またハード面,ソフト面両方,中身の充実した教育環境が確保された特別支援学校を整備いただきたくお願いしたいと思います。これは意見並びに要望としておきますが,やはり主役は子供たちである,これを絶対に忘れないでいただきたいと思います。  2点目でございます。このたびの平成21年度の予算案についての考え方と教育の機会均等についてお伺いいたします。  米国のオバマ大統領,この間就任をいたしましたが,この施政方針演説がございました。この中身を私なりに日本語に直しまして集約してみました。どういったことを言ってるのかなといいますと,まとめてみますと,経済再生だけでなく,永続的な繁栄の新たな礎を築くため,今こそ大胆かつ懸命に行動すべきときだとして,エネルギー,医療,そして教育に重点的に投資することを明らかにいたしました。一方の日本といえば,子供に関する公的支出は先進国の中でもかなりおくれをとっています。特に貧困と格差の問題は年々ひどくなっていっている気がします。  こうした中,保護者の保険料滞納によって子供の無保険が3万3,000人に上ったりして,また大きな社会問題となっております。昨年の12月になって救済のための改正国民健康保険法が成立いたしましたが,高校生以上は適用されないなど,子供が安心して医療を受けられる法制度としては不十分であります。また,家庭の所得の違いが子供たちの教育や進路に影響を与えている現状を見ますと,教育の機会均等は崩れてきていると思います。子供たちは親を選べません。こんな状況の中でも,神戸市の教育現場で働く,特に教師の方々,皆さんの日々奮闘ぶりは非常に頭の下がる思いでございます。こんなときこそ,神戸の教育のさらなる発展,充実を叫ぶときではないかと思われます。子育てするなら神戸,これはどなたかのもう特許みたいになっておりますが,子育てするなら神戸,それから教育のまち神戸を,こういって叫ぶときが来ているのではないでしょうか。  矢田市長は,福祉,教育の2本柱を重点に市政運営を強調いたしておりますが,保健福祉局は民生費だけでも1,905億円の予算となっているのに対し,教育委員会は600億円となっています。このたびの教育委員会に対する予算案についての教育長の考え方,そしてまた教育の機会均等について神戸市教育委員会が今後どうあるべきかをお聞かせいただきたいと思います。
     次に,学校給食におけるアレルギー対策についてでございます。  近年,食物アレルギー児童が増加していると聞いております。本市においても,20年度の調査によりますと,食物アレルギー児童は2,432人おり,小学校の169校のうち165校にこのような児童が在籍しているとのことであります。このアレルギーは,文字どおり,特定の食物を食べることによって起こるアレルギーでありまして,特に卵,牛乳,小麦が三大アレルゲン,アレルギーの原因とされており,こうした食品を摂取することによりアトピー性皮膚炎やじんま疹などを発症すると言われております。  アレルギーの中でも特に注意が必要なのは,アナフィラキシーという急性アレルギー反応であります。じんま疹などにとどまらず,下痢や嘔吐,腹痛などの症状が出たり,さらにひどい場合には呼吸困難や意識障害,また不整脈や血圧低下などを引き起こし,生命の危機に至る可能性があります。このように,アレルギー対策は児童の生命にかかわる重大事項であり,慎重かつ周到に進めていく必要があります。例えば,アレルゲンとなる食材を給食の献立から除外する,アレルギー児童のための専用調理場で給食を調理する,専属の調理師による調理を行うといった対応が私は必要ではないかと思います。こうしたことを踏まえて,教育委員会として学校給食でのアレルギー対策をどのように考えておられるのか,お伺いしたいと思います。  次に,普通教室における空調設備の整備についてお伺いいたします。  現在,本市においては,騒音,排ガスといった公害対策で一部の小・中学校では普通教室に空調設備が設置されておりますが,それ以外では保健室,職員室といった管理諸室や音楽室,図書室などにしか空調設備が設置されておりません。  一方で,さいたま市や京都市などは,子供たちが夏季の期間でもしっかりと充実した学習が行えることを目的として,普通教室に空調を整備いたしております。  先般,本会議の代表質問でも我が会派より,夏休みを短縮して授業時数の確保を提案いたしましたが,空調が整備されますと,7月や8月の猛暑日であっても子供たちが快適に効率よく授業を受けることができるのではないかと思います。現在,教育委員会において,教育振興基本計画を策定して子供たちの学力伸長を図っておりますが,本当に子供たちの学力を伸ばそうと思うのであれば,空調設備により学習環境を改善すべきと考えますが,ご見解をお伺いいたします。  次に,学校給食における地産地消の推進についてお伺いいたします。  現在,市内の小学校及び特別支援学校で行われている給食は,150校で自分の学校で調理を,それから24校でセンター方式による調理となっております。こうした学校給食の食材は,財団法人神戸市体育協会が学校長からの委託を受けて調達を行っており,野菜や米などについて神戸産を優先して使用する方針であると伺っております。現在,9種類の神戸産野菜が使用されているということですが,地産地消を推進するための取り組みや,少量でも地元産の食材を購入できるシステムづくりが必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか。  また,給食の食材は,安全,安価──安い値段,それから大量に確保する必要がありますが,現在の入札方法についても工夫を施すべきではないかと考えますが,いかがでしょうか。  次に,全国学力・学習状況調査を踏まえた学校教育の推進についてお伺いいたします。  19年4月より全国学力・学習状況調査が実施され,以降毎年度本市も参加しているところであります。神戸市が現在取り組んでいるわかる授業をはじめとする子供たちの学力を伸ばすための施策の結果や改善点を確認するためにも,非常に重要かつ有用なデータとなっているところであります。この調査の結果公表に当たっては,さまざまな議論がございますが,学校間の序列化や過度の学力競争につながるおそれがあるとして,学校ごとの結果公表は行われておらず,適切な制度運用が図られていると考えております。そもそも地方自治体が実施する公教育は,受験だけのための教育であってはならず,どの公立学校においても同じレベルの教育を享受できるようなシステムであるべきだと思います。今後,全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて,どのような学校教育を展開していくのか,ご見解をお伺いしたいと思います。  次に,校区の見直しについてお伺いいたします。  神戸市においては,校区制に基づき,その住所によって子供たちが通学する小・中学校が決定いたしております。また,この校区は,地域との結びつきなど過去からの経緯により設定され,長年それぞれの地域で定着しているものと理解しております。しかし,設定当時と現在を比較した場合,例えば大規模なマンションが建設されるなど,近隣校区で児童・生徒数のアンバランスが発生している地域があるのも事実です。  20年前の新興住宅街,これはもう少子化の影響もございますし,今もう高齢化がどんどんと進んできております。例えば,ある校区では小規模化しているにもかかわらず,隣の校区では既存校舎では子供たちを収容できなくなり,プレハブの仮設校舎を建設必要な状況も見られます。仮設校舎とはいえ,リース経費などそれなりの支出が発生しておりますし,またその分,グラウンドとか公園とか広場とか,そういったところも狭くなっているのも現状でございます。経済性の観点からも適正な校区の見直しを行う時期に来ていると考えますが,ご見解をお伺いいたします。  以上,よろしくお願いいたします。 56 ◯橋口教育長 私の方から数点お答えいたしたいと思います。  まず,予算案についての考え方と教育の機会均等についてでございますけども,来年度につきましては,改正教育基本法の公布,施行や教育三法の改正法を受けて改訂されました新しい学習指導要領の移行期間が始まる年度でございます。本市といたしましても,今年度末をめどに神戸市の教育に関します初めての総合的な地域計画でございます神戸市教育振興基本計画の策定を目指しておりますけども,来年度予算につきましては,この計画案に示されました具体的な施策が反映されます初めての予算ということでございまして,その着実な前進に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  個別事業につきましては,市全体の予算収支不足が70億円から120億円に拡大するという厳しい財政状況の中,選択と集中を行いながら,わかる授業の推進,また外国人英語指導助手の配置,部活動外部指導員拡充,特別支援教育支援員といった学校教育の一層の推進に必要な経費を拡充することができたというふうに考えておるところでございます。また,学校運営費など,いわゆる経常的な経費につきましても,一定額を確保することができたというふうに思ってございます。また,社会教育分野におきましても,新しい東灘図書館整備であるとか,学校を支援する人材を確保する教育・地域連携センターなど,新規事業を計上いたしております。教育施策につきましては,21年度予算において,安心で健やかな暮らしと福祉・医療・教育のまちとして大きな柱を構成しておりまして,市民生活に大きくかかわる施策として,厳しい財政状況の中で充実した予算になっているというふうに思っておるところでございます。  ご指摘ございました予算規模につきましては,今回上程しております来年度の教育委員会関係の予算総額は,ご指摘のとおり約600億円でございますけども,20年度の予算総額と比較しまして約39億円の減少となってございます。これは垂水東中学校の耐震改築,これは約15億円でございます。また,青陽須磨支援学校の建設24億円といった事業が20年度で完了した要因が大きいというふうに考えてございます。このような建設事業は経常的な経費でないために,年度ごとに増減が発生いたします。そのため,39億円の減少となってございます。  また,神戸市の予算とは直接関係ございませんが,小・中学校の教員等に係る人件費につきましては,いわゆる県費負担教職員ということで国と県が負担いたします。そういった点で,神戸市の予算に計上されておりませんけども,それが大体約700億円程度の規模となってございます。そういった点を加味しますと,教育施策に係る予算の実質は1,300億円程度の規模になろうというふうに考えてございます。ただ,保健福祉局も教育委員会につきましても,幅広い分野で多岐にわたる行政サービスを提供しておりますので,予算の絶対額のみで単純に比較することにつきましては非常に難しい面があるところでございます。今後とも,教育行政に必要な予算を確保できるよう,委員会としてもあらゆる機会をとらえて頑張っていきたいと思ってございます。  また,教育の機会均等につきましては,本市が経済的事情によります就学等が困難な世帯に対する補助制度といたしまして,市立小・中学校の児童・生徒を対象といたしました就学援助,また高校生を対象といたしました神戸市奨学金,市立高校授業料減免等を行ってございます。神戸市奨学金は市単独事業の給付制の奨学金といたしましては,政令市の中でも充実した制度になっているのではないかというふうに思ってございます。これらの制度につきましては,就学保障のためのセーフティーネットといたしまして重要な制度であるというふうに認識しておりまして,引き続き必要な支援を実施することによりまして教育の機会均等を図ってまいりたい,そういうふうに考えておるところでございます。  次に,学校給食におけるアレルギー対策についてのご質問がございました。  ご指摘がございましたように,平成20年度の調査結果によりますと,小学校169校中,食物アレルギー児童が在学しております学校数は165校,児童数につきましては2,424人でございまして,全児童の3.0%でございます。このうち,重篤な症状を示しますアナフィラキシー児童数は91校に198人在学いたしておりまして,アレルギー児童の8.2%を占めております。アレルギーの原因は,学校給食で使用される食材別で申しますと,ご指摘がございましたように,卵が最も多く,1,249人,全食物アレルギー児童の51.5%を占めております。以下,乳が646人,エビ225人,小麦153人,そういう状況になってございます。  こうした食物アレルギー児童への対応といたしましては,平成19年度に学校給食アレルギー対応マニュアルを作成いたしまして,全市統一的な対応を行っているところでございます。このマニュアルによりまして,卵や乳を抜いたパンの提供,また揚げ物や炒め物の油にはヒマワリ,菜種油の使用,揚げ物の衣には小麦のかわりに米粉を使用する等を行っているところでございます。さらに,医師の診断書に基づきまして,食物アレルギーの原因の半数を占めております卵除去を行っているほか,乳アレルギー児童に対しましては,アイスクリーム等乳を含むデザートにつきましてはシャーベット等の提供を行っております。  また,学校園のイントラネットを通じまして,アレルギー遺伝子組み換えの有無等,加工食品の内容がすべて記載された食品内容明細書等を提供いたしまして,必要とする保護者への情報提供を行っております。こうした情報につきましては,来年度中にはホームページ上で公開する方向で検討しているところでございます。  なお,例えば卵アレルギー児童につきまして,生卵は食べられないがゆで卵は全部または一部食べられる子供もいるなど,さまざまでございます。そのため,卵の献立につきましても,卵除去食で対応できる場合があるとか,あるいはときには家庭から弁当をお願いする場合とかございます。このように保護者と学校とが連携して個々の児童の状況を判断いたしまして対応しているところでございます。  ご指摘がございましたアレルギー専用の調理場の整備あるいは調理師の確保等につきましては,財政的に厳しい状況下で,現在の調理室に専用の調理室を設けることは非常に難しいと考えてございますが,食物アレルギー対応は重要なことと考えておりまして,今後もさまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても,食物アレルギー児童への対応につきましては,学校給食での対応だけではなく,主治医との連携をとり,当該保護者や児童への生活・栄養指導をはじめ,教職員に対する研修,他の児童への理解等を行うことが重要であることから,学校全体で取り組むように指導を図ってまいりたいと考えてございます。  次に,学校給食におけます地産地消の推進等についてのお話がございました。  学校給食で使用いたします生鮮野菜の調達につきましては,市内産を優先して使用しておりますが,安全性を確認するために必ず残留農薬や細菌等の検査を行っております。本市の中央卸売市場を通じまして,日々の市場相場に基づく入札価格で購入をいたしております。また,神戸市体育協会におきましても,抜き取りによる残留農薬の検査を随時実施しているところでございます。  さらに,こうべ旬菜などの市内産野菜の使用につきましては,生産団体,JAや流通団体,関係部局等で構成いたします学校給食におけるこうべ旬菜利用促進会議におきまして,市内産野菜の生産時期,それと献立内容との調整などを行ったりいたしまして工夫を行っているところでございます。また,体育協会では,中央卸売市場の仲卸人で構成いたします組合に対し,可能な限り市内産野菜を購入するように指示をしているところでございます。その結果,例えば市内産のジャガイモでございますが,これまで使用実績がございませんでしたけども,今年度,わずかではございますが,産業振興局の方のこうべ給食畑の一環で使用いたしております。今後,神戸産ジャガイモが安定的に供給されれば,19年度ベースで試算いたしますと,市内産生鮮野菜の使用量が──使用率でございますが,重量ベースで9.6%でございましたのが21年度,これが予定どおり生産されますと約16%になることが見込まれてございます。さらに,品目数でも約半分,21品目中9品目になる見込みでございます。今後,ジャガイモに限らずニンジンとかタマネギ,そういったものにも拡大に努めていく予定でございます。  また,給食の食材につきましては,委員会が設置いたします学校給食物資委員会というのがございまして,学期に1回開催しております。主に加工品につきまして,添加物や遺伝子組み換えの有無,アレルゲン等を審査したものを登録しております。  また,納入業者につきましては,神戸市体育協会が設置しております学校給食運営委員会で2年ごとに,物資取り扱い施設の衛生管理が良好なこと,また確実な供給能力あるいは配送能力があること,一定の条件がございますけども,この一定の条件をもとに申請いたしまして,納入業者を選定して登録をいたしているところでございます。  なお,納入業者の募集につきましては,2年ごとに市の広報でお知らせをいたしております。入札につきましては,登録業者が参加して行いますけども,今年度より価格が上昇しております点を踏まえまして,牛肉,豚肉,鶏肉,これは一括入札しておりましたけども,これを個々の品目単位に切りかえました。そのほか冷凍野菜につきましては,学期ごとの入札から毎月の入札にするなど,きめ細かい対応を行っているところでございます。  今後とも,より一層地産地消が推進できますよう,入札や売買契約書の仕様書等につきましても,市内産を優先することを明記することも含めまして検討してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 57 ◯洲脇教育委員会事務局参与 私の方から,全国学力・学習状況調査を踏まえました学校教育の推進についてお答えします。  まず,全国学力・学習状況調査の意義でございますが,国にありましては,義務教育の機会均等と水準の向上のために児童・生徒の学力・学習状況を把握し,分析し,教育の結果を検証して改善を図る。教育委員会,それから学校にありましても,全国的な状況との関係におきまして,みずからの教育の結果を把握し改善を図るということを目的に実施されているということでございます。国,教育委員会,学校がそれぞれ調査結果を分析して教育施策や児童・生徒の指導の改善を図っていくことが何よりも重要でないかと考えてございます。  本年度の調査結果でございますが,すべての教科で全国平均を上回ったということでございまして,全体として神戸の子供たちの学力はおおむね定着していると考えられるわけでございます。しかしながら,基礎学力の一部であるとか,応用力といいますか,活用力に課題が見られたわけです。これを受けまして教育委員会では,学識経験者や現場の教員等を含む検討会を設置いたしまして,課題や改善の具体的な方策を分析しまして,その結果をリーフレットで全教員に配布するとともに,ホームページでも公表を行いました。各学校でもそれぞれの結果を分析いたしまして,課題のある事項について指導の改善計画等をつくっております。保護者には,学力や生活習慣,家庭学習など,特に課題のある点につきまして学校だより等で説明を行ってございます。  今後の方向性でございますが,基礎学力の定着のためには,神戸市作成の独自教材等も活用しまして反復学習を行っていくと,読み書き計算を徹底していくということがございます。それから,教育委員会から学校の支援として,意欲的な実践活動に取り組む小・中学校につきまして,21年度から学びの基礎力向上推進校に指定して非常勤講師を配置したいと考えております。さらに,児童・生徒の基礎学力が確実に身につくように,つまずきを防ぐための指導方法等を明らかにしました神戸ミニマムというのを策定していきたいと考えております。  それから,第2点目の活用力や書く力の向上でございますけども,小学校の理科や社会科で活用力をつけるための教材を本年度中に作成するということにしてございます。さらに,小学校では,神戸市が独自で作成しました「ことばひろがる よみときブック」の活用を引き続き進めてまいります。  それから,生活習慣や学習習慣の向上でございますが,これにつきましては家庭との連携というのは非常に大切でございます。児童・生徒が家庭で規則正しい生活をしたり学習の習慣を身につけると,そういったことを進めるために,各教科の家での勉強の方法,そういったものを示した家庭学習の手引と,こういったものを各学校で発行していきたいと考えてございます。このような取り組みによって児童・生徒の学力や学習意欲の向上を進めていきたいと思っているところでございます。  それに加えまして,これまで神戸の特色できめ細かで丁寧な指導でございますね。例えば,家庭訪問をよくやってるとか,それから夏休みの補充的な学習の指導を行っていると,そういった活動につきまして今後も継続していきたいと,こんなふうに考えています。 58 ◯井川教育委員会事務局総務部長 私の方から,普通教室の空調設備の件と校区の見直しにつきましてご説明させていただきます。  まず,神戸市の学校施設の空調設備につきましては,先ほど委員からございましたように,保健室,職員室,こういった管理諸室や,あと子供たちが使いますコンピューター教室あるいは音楽室,図書室など特別教室に限って実は整備しておりますが,まだ全部ができておりませんで,ちょうど21年度──来年度に保健室──失礼しました。音楽室,図書室は全校完了するという,こういう状況でございます。それともう1点,例外的に,いわゆる騒音とか排ガス対策として窓があけられないという,こういったことから普通教室で整備している学校がございます。  一般的な普通教室への空調の整備につきましては,初期経費並びに毎年の維持管理費に膨大な経費が必要でございます。現在の厳しい財政状況といたしましては,非常に困難ではないかと考えております。また一方で,地球温暖化防止の観点から,現在神戸市役所地球温暖化防止第2次実行計画,これに基づきまして,平成16年度に比べて平成22年度までで全市では15.5%,学校園につきましては4%の温室効果ガスを──いわゆるCO2の削減を目標ということで,学校版KEMS──神戸環境マネジメントシステムを全校で取得する,こういった取り組みを進めておるんですが,仮に全教室に空調を設置いたしました場合に,平成16年度当時の排出量に比べまして,概算でございますが,15%から17%のCO2がふえてしまうと,こういった状況も見込まれるわけでございます。環境面という点で少し問題があるのではないかと,こう考えております。  一方で,本市におきまして,来年度予算にもございます,いわゆる学校耐震化事業とか,あるいは大規模な改修事業の際に,屋上の断熱をしたり,あるいは高反射塗料などを採用いたしまして,いわゆる環境にやさしい学校づくりとして,リュウキュウアサガオや,あるいはゴーヤなどによる壁面の緑のカーテン,こういったものとか,あるいは芝生あるいは屋上緑化,こういった取り組みによりまして学校,特に地域本部設置校などにおいて順次進めていきたいと,このように考えております。  こういったことから,空調の整備につきましては,夏休みの短縮というより,環境にやさしい学校づくり,こういった観点から,今回春休みと冬休みを短縮して授業時間数の確保を行っていきたいと考えております。  もう1点の校区の見直しでございますが,校区につきましては,そこへ通う子供さん方の学校の指定が恣意的に行われたり,あるいは保護者にいたずらに不公平感を与えたり,そういうことがないようにということで,一般には道路とか河川,こういった地理的な状況,あるいは地域社会がつくられてきた歴史的な経緯とか,あるいはその地域の住民の感情,こういった実態を踏まえて設定されてきたものでございます。校区は,いろいろな地域活動の中心にもなっておりまして,長い年月の中で地域に定着してきていると考えております。  委員ご指摘のあります校区変更についてでございますが,いわゆる変更するに当たりましては,児童・生徒あるいは保護者をはじめ当該地域の住民の皆さんへの影響が大きいことがございますので,PTAや自治会等地域の総意に基づくこと,これを前提として,それとあと校区変更により受け入れる学校の能力というんでしょうか,それとか適正な学級数の確保,あるいは通学路の安全,あるいは通学の時間,通学距離上の時間等を考慮しております。  マンションの建設とか,あるいは大規模な宅地開発,こういった場合による児童・生徒の増加に対して,対応する方法にも地域によってそれぞれ異なっております。また,過去には,実は大規模な宅地開発が次々に行われ,それに伴って児童数がふえ続けましたために,学校を新設するとともに校区変更を順次行ってということで,どんどんふえるたびと言うたらおかしいですが,それに対応するために校区変更をやったわけですが,同じ地域が2度校区が変わったとか,こういったご迷惑をおかけしたというようなこともございました。最近では,大規模なマンション建設による児童増に対応ということで,学級増対策の必要があって仮設校舎を建設する前に校区変更でできないかという検討もした例もございます。過密を解消するためにいろいろ考えますと,周辺の4校に,いわゆる4つの地域にまたがる校区変更が必要であったり,あるいはその後またマンションが建設されると,さらに再度変更せざるを得ないと,こういった状況があったために断念したという例もございます。  このたび,委員ご指摘ございますような大規模なマンション建設で学級増対策をしなければならない事例の場合,非常に難しいのは,隣接する小学校に余裕教室がありましても,いわゆる校区の中でどの地域の部分で人口というか児童数がふえたか。例えば細長い校区でございましたら,そこの北の端っこのところに大規模なマンションができたと──隣の校区に行けるんですが,いわゆる旧来からの地域が隣の学校に近いと,その場合,そこを分断するのかという非常に難しい問題が1つございます。反対に,北の端っこにある地域,そこのマンションの子供たちだけを違う地域にということになりますと,非常に距離が長くなるとか,通学上の安全上の問題があるとか,こういった非常に難しい問題がございます。  このような難しい問題でございますが,一般的にマンション建設等による児童・生徒の増加について,一時的な現象である場合が多うございますので,そういった場合には,いわゆるグラウンドに恒久的な,もうきちっとした校舎という形じゃなくって,児童・生徒数がピークを過ぎれば取り壊して,また運動場に戻せるというような形で仮設校舎を建設するようにしております。また,ある程度長い期間その仮設校舎が見込まれると。こういった場合には,従来の1年,2年とか利用するだけというような仮設校舎ではございませんで,少しグレードの高い校舎を整備するということもしております。いわゆる,校区変更に当たりましては,当然委員のご指摘の経済性の観点も重要でございますし,今後も児童にとって望ましく,また地域も望んでおられるところにつきましては,前向きに取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 59 ◯分科員(川内清尚) もう時間もあと20分ぐらいしかありませんので,答弁ありがとうございました。  井川総務部長の答弁,本当にご丁寧にいろいろと説明していただきましたが,結局はだめやでということですね。それはそれでいいんですが……。  1点,やっぱり空調設備は,環境問題とかそういった問題も確かにあります。ただ,やはり京都市とかさいたま市はそれをやっていることで,ある面から,別な面から考えたらですよ,環境面は環境面で,それももちろん大事なんですけど,よそからどんどん,あ,あそこの市は,例えば京都は,さいたまは空調設備すべて整ってるらしいでと,じゃあそっちへ行こうかと。どんどん神戸にね,やっぱり一つの魅力として人を呼び込む,子供たちを呼び込む,そういった仕掛けづくりと言ったらおかしいが,そういった設備,整備というんですかね,そんなんもある面では必要じゃないかなと思います。環境のことを言われましたんで,環境のことを言われたらね,またいろいろと総合的に考えて難しい,言いにくいところもあるんですけどね。その辺のところはやはりそういった考え方もあるということはちょっとご理解いただけたらなと思います。  それと,校区ですけど,確かに難しいのはわかってるんです。ただ,やはり現状,西区でもそうですけど,やはりプレハブで実際に勉強している子供たちがたくさんいますからね。じゃあ,今度そこが実際に,あと何年かしたら,ずっとそこは永久にすごい人がふえるんかいうたら,多分そうじゃないと思うんです。また変わってくると思うんですけどね。ただ,こういった校区,確かに自治会,地元のこととか保護者の関係とか,地域のふれまちの関係等いろいろあるんですけど,こういったこともあるよという認識はしといてくださいね。こういった現状やでという認識はしといてください。  アレルギーの話なんですけど,先ほど教育長の方からも丁寧にご説明いただきました。  私ね,何でこの質問をしたかといいますと,A君にしときますけど,A君のご両親が相談に来られたんですね。そのときに,その子は今幼稚園で,この4月から入学するんですね。そこの学校は,いろいろと対策はしてるけども,いっぱい心配なことがあったということで,まず1つは,その子は卵アレルギーの重症な方なんです。もう卵を食べるだけじゃなくて,卵の黄身がちょっと触れただけでもけいれんを起こして呼吸困難になって,2回ぐらいもう運ばれてるんです,実際ね,救急車で,小さいときにね。これはひどいなということで,ご両親の方もずっと注意しながらも,もちろん家では卵料理なんかも使いませんし,どこへ行っても──幼稚園の方ではもう長袖着てマスクして手袋はめて来てるんですよ。ですから,卵がちょっとでも触れたら物すごく反応を示しますので……。  今回,ある小学校に入学するということで,いろんなやっぱりリスクといいますか,問題点が考えられるということで,私実はその相談を受けまして,教育委員会の窓口の方にいろいろとご相談いたしました。本当に丁寧にやっていただきました。それは一緒にもちろんご相談もさせていただいたし,保護者を交えての話,それから学校に行って,学校長,それから調理師の方,それから関連される先生方,学校に行ってそういった懇談会もやりました。  まず1点目は,ちょっとこれ持ってきたんですけど,これマヨネーズなんです。今,こういったマヨネーズ使ってるんですね,学校では。ほとんどがそうなんですけど,卵の入ったマヨネーズです。このマヨネーズを,もちろんその子は食べませんよ。食べませんけど,例えばその周りの同じクラスの子が,これちぎりますよね。ちぎってかけて,手につきますよね。その手で,やあとか言ってさわったり遊んだり,例えば学校の部屋の教室のノブをあける。その子がさわった後,そのA君がさわる。もうそれで物すごい反応を示しますからね。ですから,まずご両親はこれを心配されました。これを何とか卵の入ってないやつにならんやろうかと,そういったことをご相談いたしました。そしたら,いろいろ窓口の方でも対応していただいて,県の方の教育委員会の方ともいろいろ相談いただいて,返ってきた答えがこの豆腐マヨネーズというやつなんですね。確かに多少味は変わるかもわかりませんけど,これだったら大丈夫よということで,完全には大丈夫かどうかわかりませんけど,ある程度試食もしながらずっと何回かに分けてやりながら,今もう多分大丈夫ちゃうかというようなことで。ただ,それをその学校,A君のそのクラスだけにするのか,学校全体にするのか,それは今何か検討中らしいんですけど,私はぜひこれは,これも賛否両論ですからいろいろありますけどね,ぜひこれ学校全体でやはりこういった取り組みをしていただけないかなと思います。  ほかの学校にもこういった子が何人でしたっけ,198人ですかね,卵だけに限りませんけど,重症の子供さんがおられるよという先ほど教育長の答弁もありましたが,やはりちょっとしたことでかなり防げると思いますので,ぜひこれお願いしたいと思います。いろんなご意見ありますが,保護者の方のご意見も伺いながらですね。  1つは,やはり全校にもしそれができなかったら,手洗いの励行というのがあるんですが,私はその学校の校長先生に言いました。手洗いの励行じゃなくて,手洗いを徹底させてくださいと。そしたら,その子供のために手洗い場を設けてくれます,今度ね。その子だけがさわるノブね,その子だけが手を洗えるように,その蛇口とかも。でも,ほかの子供にマヨネーズがついてたら,卵なり,マヨネーズはあれですが,卵がついてたら,やっぱりそれはまたもとのもくあみと申しますか,物すごくまた反応を示すわけなんですね。ですから,その手洗いをやっぱり,ほかの学校でもそうですが,徹底させてほしいなと。そのためにはやっぱり絶対数というのが要るんですよね,蛇口なり。それは急にはできないと思いますけど,そういったところはぜひ私は意識をしておいてほしいなと思います。  ある区ですね,もう区役所の名前は言いません。ある区でその方が,これはちょっと意識の問題ですけど,2年ほど前にある区に行ったんですね,相談に。そしたら,「卵アレルギーなあ,それなあ,食べさせとったらそのうち強うなるわ。」これ区役所の職員が言うたんですよ。どこの区役所かはもう言いませんけどね。食べさせとったら強うなりますよ,そのうちに,とおっしゃったんですよ。この方はこれを聞いて愕然としたと。最前線の窓口で全くでたらめな対応をされて落胆したことをはっきり覚えてると。担当者の危機意識の欠如,知識の欠如ですとおっしゃったんですよ。  確かに,これはトップダウンの指針がないことも1つの原因やと私は思います。アレルギーの対応というのは人それぞれなんで,対策としてはなかなか難しいとこもあるんですけど,やっぱりひとつコーディネーターみたいな人がいたらいいなあという感じはいたします。給食については栄養士の範疇,それから給食だけでなく学校生活全体の話となると,栄養士だけではやっぱり荷が重過ぎるし,また保健でもないし,でも校長先生が仕切るわけにもいかない。でも,これだけの生徒がいるんですから,やはり全体的な,先ほど委員会みたいなのを立ち上げられていろいろ努力されてるみたいですけど,やはりもう1つ最前線,もう一歩先に踏み込んだ予防対策というんですか,そういったところをぜひやはり心がけていただきたい,推進していただきたいなと思います。  今度小学校へ入るんですけど,現在の幼稚園に入る前に,区の私立の幼稚園の入園が決まってたんですね。その入園が決まってて,さあ,あと1カ月後ぐらいに行こうかとなったときに,いろいろ話したら卵アレルギーやということがわかりまして,それでもう入園を拒否されて1年間行けなかったんです。これ私立の幼稚園です。でも,私立だからこういうことなのかなと。こういうやっぱり対応を平然と許してる行政,幾ら私立といえども,こういったところはきちっと連携をとりながら,やっぱりしっかり対策していただきたいなと思います。これはもう別に──最後のコーディネーターの件だけ1点よろしくお願いいたします。  それとあと,地産地消の件については,できるだけやっぱり地元産の食材を取り入れてもらいたい。それはもうみんな願ってることですし,また,これあれでしょ,教育長,やっぱり値段が一番ネックになっとんでしょ。需要と供給というか,こっちはやっぱり買いたいけど,向こうが売るにしたらやっぱり値段が安過ぎるとか,そんなんもあるんでしょう。ですから,その辺のところも調整しながら,この間新聞に載ってましたけど,兵庫県では全体のもう20%に満たないみたいですね。先ほどもちょっとご回答されてましたけど,地産地消,地元の野菜,食材を使った給食がね。やはりこれは農家の生産者と,また学校や給食現場の協力体制を各地でつくり,全体を底上げして,これは通り一遍の言い方なんですけど,ぜひもう一歩踏み込んだ地産地消対策,これぜひお願いしたいなと思います。  余り時間なくなったんであれですけど,もう1点…… 60 ◯主査(橋本秀一) 今15分ですんで,あと18分,33分まで。 61 ◯分科員(川内清尚) はい。ありがとうございます。  これも要望にしときます。あと一点,学力・学習状況の学校の推進ですね,これについても,このわかる授業ね,わかる授業というのは先生がわかってもあかんのですわ。生徒がわからないとあかんのです。いや,それはもうね。僕もやっぱりいろんなところに学校の公開学習とかもいろいろ参加させてもらうんですけど,やはりいろいろ工夫されてますよ。自分で何か箱みたいなんをつくってきて,こうやとか,自分らでそういった教材をつくってきて,もういろいろされてますわ。私の小学校のときに,物すごい教えるのが上手な先生がおられましてね。それはもう結構話もうまいし,おもしろい,まあまあそれは人それぞれ感じ方がありますからね。それはあれなんですけど,やはり子供たちがまず一番学習が伸びる要素としては,まず先生を好きにならなあかんと思うんです。でも,それは人それぞれ好き嫌いありますから,それはもう一概には言えないんですけど,やはりその先生をまず好きになる。その先生が生徒に好きになってもらうためには,じゃあどうしたらええか,そんなこともちっちゃい気配りからあるんですけど。例えばリトマス紙あるでしょ。これ小学校のときに,液体につけますよね。あ,これどっちが酸性,赤になったら酸性で青になったらアルカリやというようなことでいろいろ習ってきたんですけど,その先生はね,「これなあ,覚えにくいから,こういうふうに覚えよう。」と,これ1つの例ですよ。別にこれ言うてくださいという意味じゃないんですけど。これ1つの例ですけど,体育の運動会の練習しとるときに帽子かぶるじゃない,片方が赤で外側が白の帽子あるでしょ,ひっくり返したら白になって,ひっくり返したら赤になる。あの帽子忘れたときに,同じ学年の赤さんに借りよう。何のことやらようわからんかったんですけど,最初。赤酸にカリ青ということで,これで覚えていこうと。ほんなら,リトマス紙が赤になったら酸性やと,青になったらアルカリやということで,それで覚えていこうと。私言うたんですよ,その先生にね。「先生,そしたらその帽子を貸した子は帽子なくなるんですけど,それはどうしたらいいんですか。」と,それはおまえも余計なこと言わんでええんやと怒られましたけどね。  それぐらいやっぱり上手にいろいろ考えて教えてくれてたんですね。その中で,やはりひとつのわかる授業を推進していくためには,学校の先生同士が教師同士でいろいろと研修会とかもやってると思うんですよ。こんなときはどうしようとか,こんな問題があるんやけど,こんな分数の足し算やったらどんなふうに教えたらいいとかあるんですよ。やってると思うんですよ。ただ,小学校はそれでいいんですけど,中学校になったら教科がやはり限られてきてるでしょ。英語は英語の先生,数学は数学の先生となったときに,やはりちょっとそういった研修の中で相談ができないとか,研修の範囲が狭められてくるとか,そういったこと。ただ,学校の研修に限ったらあるんじゃないかなということがちょっと危惧されるんですけど,その辺についてはいかがでしょうか。もうこれぐらいにしときます。 62 ◯主査(橋本秀一) 質問は2点ですか。はい。 63 ◯洲脇教育委員会事務局参与 中学校の教員の意思疎通といいますか,学力に関します──ご指摘のように,教科ごとに先生がかわってますんで,小学校のようになかなか共通点を設定しにくいというのもあるんですけども,いろんな工夫をして学校内で研修を進めてございます。1つは,全教科の教員が参加できるような目標や研修テーマを設定すると。例えば,各教科の基礎基本はどう定着させたらいいのか,どうして指導したらいいのかとか,全教科ですね,各教科で言葉の力をつける,そういった共通性のあるテーマを設定してるというのが1つございます。それからもう1つは,教員同士が相互に授業を見合って評価するシステムをつくってございます。これは多くの学校が教員相互が授業の様子を見合ったときに気づいたことを記入する授業評価シート,こういうのをつくっておりまして,どの教科の時間にも共通する観点で作成した評価シート,それをつくって記入していくということですね。互いに評価し合って授業を改善していこうと,こういう試みでございまして,例えば最初の授業の入り方をどうするかとか,説明がわかりやすかったかどうか,生徒が熱心に授業に参加してるかどうか,あるいは黒板の字の書き方はどうかとか,そういった工夫を展開してまして,今年度そういった授業の評価シートを活用した学校が中学校で83%。ちなみに,小学校で89%ぐらいがこういうことをやりながら,子供がわかる授業をやっていくということです。  また,毎年こういった事例につきまして,教育委員会の方でわかる授業ハンドブックというのをまとめておりまして,そこで有効な事例を全学校に発信しているということで,校内研修等の改善を図っていきたいと考えております。 64 ◯森本教育委員会事務局指導部長 アレルギーのことについてお答えをしたいと思います。  先ほどから先生からご指摘ありました子供たちのアレルギーは,随分昔であれば,卵を食べると少しとか,エビを食べると少しとか,カニを食べると少しとかはあったわけですが,それが随分と大変な様子になってきたということで今の先生のお話を聞かせていただきました。  学校の中では,やっぱり情報をどんなふうに共有をしていこうかということがこれから大切だと思います。その子供さんだけがどうのということでなくて,教室の中でこういう子供たちがいますということを低学年の子たちにどんなふうに伝えるかということが一番大切なことだろうと思います。よく,ともに生きると言いますけども,それをどんなふうに工夫をしていくかということと,それからそのことについて深く学習をされて学校全体で情報を共有する方が必要だろうと思います。これにつきましては,お医者さんから直接お話を聞くとか,長年育ててこられた保護者の方から直接情報を聞く。それから,今回も試食をしていただきましたけども,本当に大丈夫なのか,あるいはマヨネーズにかわるものを今回学校の方でも採用しようとしてますけども,これが果たしてどういう効果があるのか,一般的にどんなことなのかということで,やっぱり情報を共有していく必要があるかと思うんです。そのことについても,あわせて子供たちの方にいかに伝えていくかということだと思います。子供たちが中学生になってきたら随分とわかると思うんですが,1年生ぐらいの子供であれば,時間の問題,それから自分自身の食事の問題がありますから,それをどんなふうにしていくかということが一番大切だと思います。これはコーディネーターも必要だとは思うんですけども,それは栄養教諭の仕事であったりとか,場合によっては調理師さんから,あるいは教頭先生から,校長先生からだと思いますけど,学校全体にいかに情報を共有していくかだと思います。  蛇口をつけて別に手洗い場を設けるということは,これは技術的なことだろうと思いますけども,なぜこの子がここで手を洗っているのかということを,またそのほかの子供たちに説明をすると。その説明の仕方が,子供が小さければ小さいほど難しいです。高学年になれば自分のこととして考えられると。そういうところにこれからの課題があるのかなと,そんなふうに聞かせていただきました。学校でも,その子供さんの対応については全力を挙げてやっていきたい,そんなふうに思います。  以上でございます。 65 ◯分科員(川内清尚) ありがとうございました。  アレルギー対策につきましては,これからも──今いいご答弁をいただきましたし,またよろしくお願いしたいと思います。  このお母さんはおっしゃってましたよ。ひょっとしたらいじめに遭うかもわからない,そのことでね。でも,公表するとおっしゃってました。公表するというのは,保護者に言ったら保護者は,A君は実はこれこれで卵のアレルギーなんやからということで,1年生,2年生やったらわからないかわからないけど,やっぱりもう5年生,6年生になったら,あ,この子はそうなんやなということでわかりますのでね。何か食べた後は手洗いしたり,そういう意識でおらなあかんよというようなことを,やっぱりそれは親御さんにしたら心配ですからね。そういったところで,これからもぜひまたお願いしたいなと思います。  私ね,学校に限らず,組織の管理者,運用者という方には基本的な理念として,やっぱり何人も,だれでも安全に過ごす環境を提供する義務があるという意識を持つことが重要で,どのような危機に直面する可能性があるかという分析,先ほどからのお話もありますようにね,分析と,またそれをどのように危機を回避するか,あるいはその危機にさらされたときの影響をいかに最小限に抑えるかという検討をやはり重ねていかなければ──私たちみんな一緒ですけどね,いかなければならないんじゃないかなと思います。特に,今は学校の方で一番大きくクローズアップされているのは,災害とか事故とかけがとか,こういった一般的な安全に関する問題かと思うんですが,それと同列に,同じようにやはり健康面とか,またアレルギーの問題,こういったところがやっぱり今以上に扱われるようになれたらなと,扱っていただきたいなということを要望いたします。  あと,まだもうちょっとありますかね,時間は。 66 ◯主査(橋本秀一) あと7分です。 67 ◯分科員(川内清尚) あと7分ある。もうちょっとだけ。  私はちょっと地域で青少年の方のいろいろ活動もしておりまして,きのうちょっと会合があって行ってきたんですが──今の話はもうそれで,空調設備はいいですから,もうそれはいいですけどね。全然違う話なんですけど,兵庫県で今県議会開かれてますよね。兵庫県の県議会の中で,兵庫県青少年愛護条例改正案というのが今出てるんですよ。もうご存じやと思いますけどね。これは一番大きな目玉は,正当な理由のない限り青少年の携帯電話,フィルタリングサービスというんですけど,これをして,できるだけそういった悪いサイトにはまり込まないようにしていこうということなんですね。これは国の方では,4月1日からということで,ただ国の方はちょっと甘くて,やっぱり保護者の依頼があればちょっと解除できるとか,そういうようなちょっと甘い法律になっとんですが,兵庫県の方は,やはり正当な理由のない限り──この正当な理由というのは後でまた検討するとか言ってますけど,こういった正当な理由がない限り絶対にこのフィルタリングサービスを行うといったこんなこと。それから,出会い系喫茶ってあるんですよね。聞きますと,兵庫県では5つあるんです,今ね。まだこれからふえるかもわかりませんけど,神戸市中央区に3つあるんです。これは女性は無料なんですね,その喫茶店に入るのは。男性はお金要るんですね。お金要って,またちょっとあの子と話ししたいわとかいうようなリクエストがあれば,そこでまたお金が要るとか,何かそんなような話しされてました。ただ,やはりこういったどんどんどんどん環境になってきますと,それは家で親と子の間柄の話だけかもわかりませんけど,やはり学校でもぜひ教育委員会が中心となって全面的にこういったことをサポートしていただきたいなと思います。  夜の外出のことも今回はまた県の条例でも盛り込まれるみたいですけどね。11時以降は外出させたらあかんとかね,11時以降に自分とこの家によその子供をおらしたら罪になりますよとか,そういったあれもありますけど,ぜひこういったところもサポートしていただいて,親と子の問題じゃなくて,やっぱり学校の方からもどんどんとそういったことも気をつけてしていただきたいなと思います。  いろいろと言いましたけどね,基本的にはどういったドラマでも主役ってあるでしょ。主役は子供なんですよ,教育の場ではね。主役は子供なんです。その主役と一緒に劇をするのが先生であり,保護者であり,地域の方であり,また取り巻く皆さんなんですね。それを演出するのが私は教育委員会だと思っておりますので,ぜひまた今後ともよろしくお願いしたいと思います。終わります。 68 ◯主査(橋本秀一) はい,大変ご苦労さんでした。お疲れさま。  この際,約20分間休憩いたします。   (午後3時29分休憩)   (午後3時52分再開) 69 ◯主査(橋本秀一) ただいまから予算特別委員会第1分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き,教育委員会に対する質疑を続行いたします。 70 ◯分科員(小林るみ子) 15分ですので,よろしくお願いいたします。
     まず初めに,教育・地域連携センターについてお伺いします。  昨年の本会議で特別支援教育支援員制度ができたものの,いまだに保護者への負担が解消されていないという現状を報告させていただきました。このたび,教育・地域連携センターが設置されることになり,保護者の負担にならず,学校の負担にもならず,第三者,つまり神戸市の責任で人材の確保やコーディネートが行われるシステムができたことは大変評価できることだと言えます。今後,このシステムが十分に生かされるよう,周知徹底はもちろん,人材登録者の確保に努力されることを願います。  そこで,1点だけお伺いします。  教育・地域連携センター特別支援教育支援員に医療的ケアの必要な児童,つまり人工呼吸器をつけた児童や導尿の必要な児童など,すべての子供たちが希望する学校で教育を受けることができるように,看護師資格を持つ支援員の登録についても積極的に行っていくべきだと考えますが,短くお答えいただきたいと思います。  2つ目,友生養護学校の移転問題についてお伺いします。  このたびの突然の移転問題に,子供たち,保護者,職員などの関係者は寝耳に水で大変驚いています。友生養護学校の建物は老朽化していること,耐震調査でもCランクであること,また神戸市指定収容避難所になっていることなどで,子供たちや地域住民の命を守ることからも,早急に建てかえは必要だと考えます。しかし,建てかえと移転とは全く別問題です。これまでの答弁で,移転問題についてのこの間の経緯については聞かせていただきました。また,神戸市の保護者への,職員への,議会への説明責任が不十分であったこともよくわかりました。その中で,教育長の「予算がある程度固められた上で」という答弁がありましたが,これは本末転倒ではないかと思います。混乱を避けようとしたとしか思えません。教育委員会がだれとも何とも合意を得ることなく水面下で進めてきたことで,保護者はもちろん,職員,地域,議会は教育委員会に対して不信感を持ちました。この不信感を残しながら今後進めていくことは困難が予想されます。この際,不信感を払拭するためにも,建てかえを前提に,移転については一度白紙に戻すべきだと考えますが,お伺いいたします。  2点,よろしくお願いいたします。 71 ◯森本教育委員会事務局指導部長 それでは,私の方から2点お答えをさせていただきます。  まず,看護師資格を持たれる支援員の配置ということで,今特別支援の支援員制度につきましては1年を終えて2年目を迎えようとしております。今年度もたくさんの学校の要望に対して支援員制度を各学校で十分に活用していただきました。その際に,看護師資格を持たれる支援員の方も数名入っておられますが,なかなか現実としては資格を持っておられる方を探すのは難しいというぐあいに認識をしております。中には,ボランティアの気持ちで参加をされている方もおられますし,それから今現在学生さんもおられます。そういうことで,その輪を広げようというのが今現在の考え方ですけども,地域連携センターの方でもこれからそういう人材を募集をするということになるかと思いますけども,広く募集をする範囲の中で,地域連携センターのもともとのねらい,学校園を応援をする人材を派遣ということになるかと思います。地域から,あるいは神戸市全体の地域からどんなお手伝いができるのかということについては,これからの事業を進めていく中で重要な課題だと,そんなふうに考えております。  それから,友生養護学校の移転のことにつきましては,冒頭に教育長の方からいろいろお話がありました。現在のところ,保護者の方とこれからどんなふうにお話を聞かせていただくかということをこちらの方はそれについて尽力をしていこうと,そんなふうに考えております。移転,建てかえのことについては,もう既に説明をさせていただきましたけども,もう新しい学校に向けてどんなふうな方向が考えられるのか,それからもう1つ,これも教育長の方から話が出ましたですけども,複数障害の対応の研究会もこれ4月になれば発足をしまして,その中で検討をし,進めていきたい,そんなふうに考えております。  以上でございます。 72 ◯分科員(小林るみ子) まず,医療的ケアの子供たちの問題なんですが,やはり医療的ケアが看護師でないとできない。そういう中で,看護師がいない以上は親がついて行かなくちゃいけないという,その辺でなかなか親の負担が減っていかない,そういう現状が結構たくさんあります。そういう意味では,看護師資格を持つ人材登録というのは本当に必要になってくるわけなので,ぜひ教育・地域連携センターの中においても,そういう人材登録,もっともっとできるようにぜひ力を入れていただきたいなと思っています。すべての子供たちがそういう教育を受ける権利というのをやっぱり保障するのが自治体の役割と思ってますので,そこはやはり力を入れていただきたいなと思っています。それは要望とさせていただきます。  友生養護学校の件なんですが,いろいろ午前中からもいろんな質疑がずっとありました。私はその中で,最後に移転についてはもう1度白紙に戻すべきではないかという,そういう質問をさせていただいたのですが,それに対しての明快なお答えがなかったと私は思います。全くその辺は考えてないということだと思うんですけれども,やはりいろんな問題がある以上,もう1度いちに戻す,それも考えていかなくちゃいけないんじゃないかなと今なお思っています。  保護者の方から出されてました請願書の中に,「私たちは物じゃない」という一言があったと思います。私は,この一言というのは,子供たちや保護者の思いを本当に言い尽くしている一言だなと思っています。やはり生きている以上は安心して暮らすことができるようにしていただきたいという思いがある子供たち,保護者の中で,本当に物のように扱われている,そんな感じがしたんではないかなと思っています。  やはり子供たちを持つ家庭というのはいろんな事情があります。まず,子供たちが通う学校,そして保育所,それを中心に据えて,その学校や保育所に通うためにわざわざ家を変える人,それからわざわざ仕事を変える人,そしてわざわざ通勤方法も変える人,いろんな人がいる中でこれが成り立っていく,それが今世の中の常だと思うんですけれども。そういう意味でも,友生養護学校の中でもわざわざ家を買って住んでいる方もいたわけなので,その点について,こういう親の事情,保護者の事情があることもご存じだと思いますので,その点についてどう思うのか,お聞きしたいと思います。  それからもう1点,障害のある方というのは,本当に長い間差別を受けてきた,そういう経緯があります。そういう中で,学校も,それから保護者も長い時間をかけて地域の人たちと,地域の学校との交流をしてきたわけですね。この友生養護学校も,隣の住吉小学校,それから灘高とも交流をしているわけなんですけども,その交流を通して地域の中に培ってきたもの,根を張ってきたもの,そういうものがあるわけなんですよね。それがただ移転というだけで,一瞬のうちにすべて崩れ去ってしまう。この寂しさというものを保護者も子供たちも先生も感じています。このことについてどのように思うのか,その点について2点お伺いしたいと思います。 73 ◯森本教育委員会事務局指導部長 今先ほど,請願の中に「私たちは物ではない」というようなことについて今先生の方からご指摘がありました。このことにつきましては私たちも同じように思っております。そういうような表現をされた保護者の心情のところまで至らなかったという点があるかもわかりません。  しかしながら,我々自身もそれぞれ子供を持つ親の立場の中で,この学校のことについて考えてきたというような経緯があります。たくさんの子供たちが学ぶ学び舎はどういうところがいいのかということも随分と検討してきました。ということでこういう結論に達したわけですけども,冒頭に教育長の方からお話がありましたように,唐突であった,あるいは十分な説明がなかった,あるいは情報の開示がなかったということについては,十分に肝に銘じながらこの事業については進めていきたいなと思っておりますが,ただその中で保護者の方がどんなふうなご意見を持っておられるのか,まだこれから時間がありますので,十分にその分については聞き届けながら進めていきたいと,そんなふうに思っております。  それから,障害のある方,ない方,たくさんこの世の中におられますけども,特に障害のある方のことについて思いをはせるということについては,なかなかこれは大変なことだろうし,それからこちらの方もやっぱり聞いていくという気持ちがなければだめだろうと思います。一般の世の中でも障害のある方,ない方がともに生きておられるわけですけども,そういうところについても十分聞き届けながら事業を進めてきたいと,そんなふうに思っております。  以上でございます。 74 ◯分科員(小林るみ子) 今お答えいただいたわけなんですが,やはり何度も言いますけども,長い間,もう40年以上あそこに学校を構えて,本当に先生方も保護者の皆さんも長い間苦労してあそこに根づいてきたわけなんですよね。それが一遍に簡単に移転をしてしまう。本当に今まで培ってきたものは一体何だったんだろうと,そういう思いを先生方も保護者の皆さんも抱いているわけなんですよね。その辺の地域の中でのあり方のようなものを考えたときに,この移転についてどのようにお考えになるのか,先ほどお聞きしたんですけど,その点についてもう1度お聞きしたいと思います。 75 ◯森本教育委員会事務局指導部長 先ほどからお話をしていますように,長年にわたってその地域で学校がつくり上げてきた地域との連携,近所の灘の中高と子供たちが連携をしているのも承知をしております。灘の子供たちが学校に来たり,あるいは友生の子供たちが灘の方に行って,その中で子供たちの介護を受けながら文化祭等々行事に参加しているということも聞いております。それから,住吉小学校の中で連携もあるということも聞いております。  そういう中で,この事業をこれから展開をしていくわけですけども,冒頭にまた戻りますけども,それぞれの保護者の方,子供さんの置かれている様子については,十分これから意を尽くして聞き取りながら進めていきたい,そんなふうに思っております。  以上でございます。 76 ◯分科員(小林るみ子) じゃあ,最後にしますが,何度も言いますけど,本当に今回のやり方に対して教育委員会に向けての不信感というのは残っています。それを払拭するためには,やはり私は移転というのをもう1度白紙に戻さなければいけないと思っています。この間のやり方は,常に初めに移転ありきというそういう姿勢が教育委員会の中に見られたと思いますので,もう1度いちに戻すことからお互いの信頼関係をつくっていく,その中でいいものをつくり上げていく,これが私はできると思いますので,この点についてだけ,白紙に戻すお気持ちはないのか,それについてもう1度お聞かせいただきたいと思います。 77 ◯橋口教育長 午前中からるる申し上げているとおりでございます。スケジュール的に3年間ございます。その中で最大限努力いたしまして不信感を取り除いていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 78 ◯分科員(小林るみ子) わかりました。大変な苦労があると思いますけども,私はあくまでも一からスタートし直すべきだと思っています。  以上です。 79 ◯主査(橋本秀一) はい,お疲れさまでした。  それでは次に,浦上委員,発言席へ。 80 ◯分科員(浦上忠文) 先ほど山口委員のこの間の行動と,そして先ほどの質問聞いておりまして,本当に市会議員というのはこういうふうにあるもんやなと,もう感激をしまして……。質問をしようと思うとったんですが,これもやめてでも山口委員の応援演説をしようかと思ったんですが,それもまた山口委員に失礼やなと。私には私の問題意識があると。ただ,山口委員には本当にもうよくわかりましたということを伝えて,そして一言だけ申し上げたいと思います。  私も震災の前に御影北小学校という小学校のPTAの会長を拝命しておりまして,当時の折野先生がいろんな学校を見に行こうやと,御影中学校の授業を見に行ったり,ここには友生がありまっせと,そこへ行って浦上君見てごらんと,感動するでと,感激するで。行って私は息をのみました。こんだけつらい思いをしながら,酸素ボンベやいろいろ,いろんなこと,チューブを巻いたりそんなんしながら,それでも学校に連れて来て勉強したい,みんなと笑顔の一つでも共有したい,そういう思いで来てるそういうところがあると。そして,折野校長先生は,その児童を運動会のときは御影北校区におる人は呼んで一緒に運動会で,もうたったの1メートルでもちょっとストレッチャーを走らせたりしながら,これが本当の命の大切さということの教育やということをおっしゃっていました。  学校が変わって十何キロ行くのは,これは大変なことやと思うんですが,逆に言えば,北区から朝早くトンネル抜けて来てるお子さんもいらっしゃいますから,この長いことは可能なんかと思ったりもしますが,それぞれの事情はわかりませんが,3年間あるとおっしゃってますので,とことんいろいろ話をして,とにかくすべてがいいようにいいようにということだけお願いをして,山口さんに対する応援演説とさせていただきます。  3つの質問をいたします。  ことしは,私は非常に記念の年でありまして,例えば昭和29年に西宮市立大社小学校から東京の世田谷区立第三小学校に転入したのは昭和29年,55年前です。小学校を出たのは50年前の昭和34年です。大学を出て大丸に就職したのは昭和44年,今から40年前です。そのそれぞれでいろんな人から声をかけていただきました。例えば,大社小学校から転入するときは,担任の三浦冨美子先生が,大社小学校から浦上君がいなくなると寂しくなるねと言われました。その言葉がいまだに励みになっています。そして,高校3年生のときに母親が亡くなりますが,成績の悪かった私をつかまえて,ぶんちゃん,神の子,やればできる,何でもできると,常に励ましてくれました。あるいは,高校で母親が亡くなって勉強からちょっといじけてたときに,ラグビー部のキャプテンが,浦上,おまえだってやればできるんやから頑張れと励ましてくれました。いまだに同窓会で,あのときありがたかったなとお礼を言っているところでありますが……。  何が言いたいかというと,「人は人によって人になる」という,これ神戸市の教育の理念でありますが,これはもう教育に共通のことで,まさにこれ以上的確な言葉はないことで,私は大好きなんでありますが,ただし我が談話室,事務室に遊びに来るお母さんや大学生にこの話をしても,何のことですかと,こう言うんですね。人によって人になるというのは。ほんなら,おまえはテレビによって,パソコンによって,ゲーセンによって,携帯によって人になったんか言うたら,いやいや,そういうことやなしに,私は生まれつきできませんとか,生まれつき勉強が嫌いですとか,人間はそういうふうに生まれついてるんやないですかと,こう言うのであります。せっかくの神戸市のこの教育委員会の「人は人によって人になる」は当たり前のことやと思うんですが,これがこんだけ浸透してないということは,何かうまくいってないとこがあるんかいなと,こう思ったりするんですが,その辺についての教育長の見解をお伺いいたします。  2番目は,経済と金融の教育についてお伺いをいたします。  これまた,さまざまな保護者の皆さんと話ししておりましても,よく事務所にやってきて,浦上さん,株というものはもうかるんですかとか,あるいは為替というものはもうかるんですかとか,そういう質問をされるんです。大人になってですよ。厳密に市場で株を売買したり為替の売買するということは,株屋,為替屋はもうかりますが,あれは完全にゼロサムゲームやから,もうかるとかそんな話に乗ってはいけませんと言うんですが,不思議そうな顔をされます。そして,今度子供たちに,高校生ぐらいに聞いてみると,小学校や中学校で経済の仕組みとか金融とか株式とか,あるいは流通の仕組み,何ぼで仕入れて何ぼ利益を乗せて売るから商売というものは成り立つんやとか,そういうビジネス一般についてのことを教えられたことあるかと言うと,そんなもん全然ありませんと言うんであります。先日,親しい先生にそのことを聞いておりますと,いやいや,学校の中にはもうお金の中には触れん方がええねんという,そういう空気もあるんやと。しかし,今この生き馬の目を抜くような時代にあって,そういう金融の知識とか世の中全体の実学というものを知らないということは,これからの厳しい時代を生きていく上で余り好ましいことではないんじゃないかなと。矢田市長も先日の予算案の提案説明のときに,最も賢い者が生き残るのではなく,最も強い者が生き残るのでもなく,変化に対応できる者が生き残れるという言葉をおっしゃっておられましたが,社会で生き残っていくのに教育というものが大切ではないかと思うんですが,この辺についての見解をお伺いいたします。  3つ目は,自信を持たせる教育について質問いたします。  ちょっと自慢のように聞こえますが,私,国語だけはよくできる少年やったんです。今から40年以上前に東京都立戸山高等学校といいまして,当時都立の全盛時代で進学校です。私,数学は10点,15点,よう卒業できたなと思うんですが,英語は40点,50点,国語と日本史だけは,国語と日本史だけやったら東大に行けるというふうに言われてた高校生やったんです。ちなみに,その高校の13年先輩が,もう亡くなりましたが,あの佐藤けん一郎議員で,28年後輩が,私にいつも文句を言う井坂信彦議員であります。その3人同じ高校やったんですが,国語だけに自信があった。あるお母さんが中学校1年生の問題を持ってきて,浦上さん,これ解いてみなさいと,こう言うたんです。何点ぐらいとれますかと言われたんで,まあ100点までは無理やけど,90点は自信あんでと言ってやり始めたんですが,何と難しいこと難しいこと,一生懸命やって,恥ずかしいけど70点でした。問題を持ってきたお母さんも大学の国文科を出て徳間書店という出版社で編集の仕事をしてた彼女ですが,彼女も70点ぐらいでした。その子の生徒は40点で,クラスの平均が45点か50点ぐらいやという話をされてました。  これはちょっと難し過ぎるんやないかというのが質問なんでありますが,ただいろいろ資料を見ておりますと,80%の中学生が授業をわかるようになるというのが指針やと,こうなってます。それと試験の点との関係は一体どうなってんのかと,どれぐらいのことを指針に置いてんのかと。あるいは,御影中学校なんか見学に行っておりましても,もういかにも勉強にもついていけなくって困惑しているような生徒が何名かおられる。もうその子はほっとくんかと。逆に進級をとどめてでもやっぱり何かの勉強を教えるべきじゃないかと思うんですが,その辺もあわせて教育長の見解をお伺いいたします。  以上3点でございます。 81 ◯橋口教育長 私から教育委員会の基本理念の浸透についてお答えいたします。  浦上委員,いろいろ若いころのお話で,励まされたというお話がございました。私も以前,常任委員会で恥ずかしながらそういった話をさせていただきましたけども,本当にそれぞれの段階で人との交流が大事だというふうに思っているところでございます。  ご指摘がございました「人は人によって人になる」というその言葉自体は,昭和63年ごろに神戸の教育の基本理念を端的にあらわす言葉がないという議論が教育委員会内部であったようでございまして,それぞれ検討を重ねた結果,平成元年度の神戸の努力目標に初めて神戸の教育の基本理念として掲げられております。それ以降,神戸の教育については,この言葉を基本理念といたしまして積み上げられてきておりまして,現在の「特色ある神戸の教育推進アクティブプラン」にも引き継がれております。  子供たちにつきましては,成長していく過程において,家庭はもとより学校では教師や友達,また地域においても多くの人々と出会う,こうした体験を通して学校の集団生活の中で友達とお互いに切磋琢磨して成長していったり,さまざまな人との交流また触れ合いによって影響を受けたりして,人として磨かれ社会的な存在となっていく,そういった内容をあらわしている言葉でございまして,ご指摘のように,本当に当たり前の内容でございます。  教育委員会で毎月作成しております広報リーフレット「神戸の教育」というのがございますけども,それでは神戸の教育理念として説明をいたしております。委員会のホームページにも掲載をしているところでございます。また,市の教員採用試験がございますが,その案内のパンフレットでもこの言葉を紹介しておりまして,教員を志す若い人たちにもすばらしい教育理念であると理解を得ているのではないかと考えておるところでございます。学校では,教育計画の中にも入れまして,学校だよりで紹介をしたり,保護者会などの機会を利用いたしまして保護者にこの言葉を紹介している場合もございます。  現在策定中の教育振興基本計画の中におきましても,今後の神戸の教育が目指す子供像といたしまして,「心豊かにたくましく生きる人間」の育成を目標に掲げておりますけども,「人は人によって人になる」その言葉自体は基本理念となっておりまして,引き続き神戸の教育の中で受け継いでいきたいと考えております。  今後は,保護者,市民向けリーフレットや委員会のホームページへの掲載をはじめといたしまして,浸透が薄いというご指摘がございましたので,あらゆる機会をとらえましてこの言葉につきまして市民への浸透を図ってまいりたいというふうに考えております。  私からは以上でございます。 82 ◯洲脇教育委員会事務局参与 自信を持たせる教育についてお答えいたします。  先生ご指摘のように,学習によって子供たちに自信や満足感を持たせると,これは非常に大事なことだと考えてございます。中学校のテストの問題でございますけども,学校がやっているテストを大まかに分けますと,単元のといいますか,1つの学期のまとまりごとに行う小テストですね,それから範囲を限定して行う定期テスト,さらに範囲を限定しないで学年末にやるような実力テスト,その3種類があるということです。小テストでは,確実な知識の習得を目指して,ほぼ全員が満点をとれるように出題するというものがございます。定期テストや実力テストになりますと,子供たちの学力も一定の幅もあるわけでございまして,そのため基本的な問題とか,それからやや難しい応用力が問われる問題,こういったものも取りまぜて出題をしてございます。  テスト問題は,生徒の理解の程度を判断するということでございますけども,難易度につきましては,試験の範囲であるとか,時期であるとか,あるいはねらいであるとかによって変化をさせてございます。例えば1年生の当初のテストでは,できる限りやればできるような問題を出題するように努めておりまして,それによって意欲の持続を図っていきたいというようなことでございます。まとめのテストになりますと,範囲も広がりますし,難易度も上がることが多いということでございます。  テストだけをしているわけじゃなくて,生徒の意欲の向上であるとか達成感を持たせるということから,テスト前に質問ケース,生徒が先生に質問するような教室をやってみたり学習会をやってる学校もあります。それから,テストを採点して返すときには,丁寧に説明をして,復習することによって理解ができるようにしていくというようなきめ細かな取り組みも行ってございます。  今,わかる授業推進で,80%を目指して授業の改善等を取り組んでございます。試験の点と実際に授業がわかるといったことは相関関係が結構高いんですね。授業がわかる子はやはりテストの成績もいいということで,こういう指標を設定しながら取り組んでいるところでございます。  いずれにしましても,今後も引き続きわかる授業の推進につきまして,多くの生徒が自信を持てるような取り組みを継続していきたいと思ってございます。  なお,教える側といたしましては,全員がやはりわかるようにという気持ちで教えているのは事実でございます。  以上でございます。 83 ◯森本教育委員会事務局指導部長 経済と金融のことについてお尋ねがありましたので,お答えをします。  今,先生の方から指摘がありましたように,子供たちがこの社会の変化にどんなふうに対応していくかというのが,これはやっぱり小学校,中学校の義務教育の大きな課題でもあります。学習指導要領がありまして,その中にたくさんうたわれてますけども,例えばそれぞれの教科で習ってることは小・中学校で当然身につけていくべき基礎になります。その基礎のものを小・中学校で十分に徹底をするというのが大きな役割なんだと思います。  お尋ねの金融のことですけども,あるいは経済のことですけども,小学校では生産と消費,あるいは価格や費用,貿易,こんなことを学習をしております。中学校では,需要と供給の関係,それから景気の変動,金融あるいは企業について習っております。それから,高校生が十分に返事ができなかったということなんですけども,高校の方でも市場経済であるとか株式会社,金融市場あるいは中央銀行の金融の政策,あるいは企業の社会的な責任等々を習っていますが,それはあくまでも基本的な事柄でありまして,それをどんなふうに展開をしていくかというのは,これは社会に出てからまた身につけていくことだろうと思います。  それからもう1つ気になるとこですけども,消費者の教育というサイドがあります。これについては,家庭科という教科がありまして,そちらの方で神戸市の消費生活課が作成をしております副読本があります。「くらしと消費」というのがありますけども,その中で訪問販売のことであるとか,あるいは通信販売,今はもうたくさん通信販売でものを買ってますから,そのこと。それからカードのことですね,このことについても習っております。それからもう1つは,日本銀行の方が中心になってまして,兵庫県の方にも金融広報委員会というのを設置をしてます。そこの方が全国組織で動いておられますけども,小・中学校,高等学校も対象に金融教育あるいは金銭教育の方の研究を進めていこうということで,神戸市の方でも受けております。それぞれ健全な金銭感覚を身につけさせること,あるいは株式会社とお金の話,そういったことを生徒も学んでおります。  先ほどから生きる力というふうなことについてお話がありましたけども,新しい学習指導要領でもそれが大きなねらいとなっております。今お話をさせてもらったようなこともあわせて,子供たちが社会に出て十分に活躍ができるように教育委員会としても十分に対応していきたい,そんなふうに考えています。  以上でございます。 84 ◯分科員(浦上忠文) さっきの80%のことだけちょっと再質問したいんですが,要するに80%の人がわかると,20%の子がわからないと。わからないのは,これまあしゃあないなと,そういう感じで臨んでおられるのか,いやいや,本当の気持ちはこういう気持ちなんですと,その辺だけちょっとお答え願いたい。 85 ◯洲脇教育委員会事務局参与 教える側としましては,当然全員がわかるようにしたいということで頑張って取り組んでいるということでございます。今,約75%ぐらい,去年の授業がわかるかどうかという神戸市の学力調査で中2がですね。そういうことで今80%目指してますが,まだそこまで到達しないと。引き続き,授業の改善等でわかる子供たちをふやしていくということでございますし,例えば夏休みですね,多くの学校で補充学習をやってございます。そこで基礎的なことを学び直しているというような取り組みを行っておりますし,朝の学習もやってるということで,基礎的,基本的な力をつけていきたいという取り組みをしているわけでございます。 86 ◯主査(橋本秀一) 浦上委員,残り1分です。 87 ◯分科員(浦上忠文) 私,しつこくその落ちこぼれのことを言いますのは,先ほど私も国語はできましたが,もう数学10点,15点というのは,これ悲惨ですよね。4問あって,微分や積分の問題やけど,算数式で解いて答えにちょっと近づいてるから10点上げとこかぐらいの答案ですよね。それでも……。(「零点に近い」の声あり)  零点に近い。今元気にいけるのは,友達たちが,あるいは先生が,うちの高校,依田郁子さんという東京オリンピックの80メートル障害に出てた人のご主人が体操の先生でおったんですよ。浦上,おまえ勉強なんかできんでも大丈夫やでと。要するに,できんでも落ちこぼれでも,それこそ人によって人になるというのは,何もええことだけじゃない,つらいことがあったって,人間というのはすばらしい力を持ってんねんでと,やればできると,勉強できんでもみんな元気に生きてるやないかと,そういう空気に満ちあふれた神戸市の小学校に,中学校にしていただきたいと,そのことをお願いを申し上げまして私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。 88 ◯主査(橋本秀一) はい,お疲れさまでした。  では次に,北山委員,発言席へどうぞ。 89 ◯分科員(北山順一) もうきょう私で終わりでございますから,ゆっくりとやりたいと思うんですが,15分しかくれませんので,もう簡単に申し上げます。  私も,先ほどの山口委員のここでの質問を聞いておりました。大変感動しながら聞いておりまして,確かに彼女のおっしゃるとおり,友生養護学校へ通っている子供を持つ親の気持ちに立てば大変な問題なんだということをよくよく理解をさせていただきました。  こういうことを聞きながら思っておるんですけれども,私自身が神戸を日本一子育てのしやすいまちにするんだと言っておる,その神戸を日本一子育てのしやすいという子供は,健常者だけを私たちは言っておるわけじゃないんです。全市民の子供さん,この人たちが本当にすばらしい子育てができるまち神戸をつくり上げていってほしいと,こういう意味で言ってきております。教育長をはじめ教育委員会のいろんな答弁を聞いておりまして,一生懸命取り組んでもらっておるんだろうと思いますけれども,いかにも手続に私は問題があったんではないかなと,こういうふうに思いますし,そういうことが大きな誤解になって,保護者の皆さん方に大変な不安を与えてしまったと,こういうふうに考えて聞いておりました。教育長はそのことも認められておりますし,そのことについて,今後間違いなくそういうところを払拭するように努力すると言っておりますけれども,本当にこれからやる努力は大変なことになると思いますけれども,それだけの本当に覚悟を持ってやるのかどうかということ。やりますよというだけじゃなしに,本当の決心を私は言っていただいて,そういう保護者の皆さんが安心して話に乗っていけるようになるように,そして安心して,そういうことであればそうしようかと言ってもらえるだけの努力を続けていただきたいと思いますが,そういう意味で私は教育長の決意を再度お伺いしておきたいと思います。  それから,これは養護学校でございますから,小学生から小学校6年生まで,あるいは中学校卒業までということだと思うんですが,幼稚園児も入っとんですか。保育所の子供も友生に入っとんですか。入っとんですね。だから,そうすると,一般の市立幼稚園とか私立幼稚園にはそういう肢体不自由児あるいは知的障害者は入らないということですか,そこのところを1回説明をしていただきたいと思います。 90 ◯橋口教育長 友生養護学校についての決意ということでございます。  山口委員のときに申し上げたとおりでございまして,ご指摘のように,余りにもちょっと公式的過ぎたという面がございます。そういった点で,本当に直接影響を受け,いろいろご心配をおかけしております関係者に情報提供あるいは意見をお聞きする場というのが,そういった場を設定するといった努力なり配慮がなかったということでございます。そういったことが今後ないように,本当に今我々に対する不信感そのものが渦巻いているというふうに思ってございますので,ともに立派な新しい学校をつくっていくという,ともに汗をかいていくというような意識を持って最大限の努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。  以上でございます。 91 ◯森本教育委員会事務局指導部長 友生養護学校ですけども,幼稚園の子供,それから小学校,中学校,高等学校と4つの部門に分かれております。(「もっと小さい子供は。」の声あり)  それは入っていないです。 92 ◯分科員(北山順一) わかりました。幼稚園児ということになれば,何歳からですか。(「4歳から。」の声あり)  4歳ですね。4歳,5歳からだと思うんですが,その前の子供さんたちはどうするんですかということをお伺いしとんですが。 93 ◯井戸教育委員会事務局指導部特別支援教育課長 友生養護学校には幼稚部ということで4歳,5歳児がおります。2名現在おります。それより以前のお子さんについては,保健福祉局の方の所管になりまして,重度心身の福祉施設の方に入られるというようなケースか,もしくは病院に入院されている状態というのもございます。  以上でございます。 94 ◯分科員(北山順一) 実際,そういう子供を持っておって,親がその子供を育てていく上においては,もう大変なハンディになりますし,その子供の将来のことを思えばね。いつも私は思うんです。そういう子供を持っておれば,子供より自分は絶対先に死ねないという気持ちで大変なことだと思う。だから,そういう子供を持っておる親の立場でこの問題は本当に真剣そのもので取り組んでもらいたい。そのことはもう教育委員会挙げてそれは真剣に取り組んでいただきたいと思います。  私はいろんなことを聞こうと思ってたくさん用意しておったんですけれども,一切聞かないけれども,もうきょうは質問を全部やめますけれども,この友生養護学校の問題だけはだれもが,そうか,よかったと言って安心できる解決をつけていただきたいと私は思います。教育長の先ほどの決意を聞いておりまして安心しましたけれども,本当に教育長だけではなくて教育委員会も,また事務局の皆さんも全力でこれは取り組んでください。  以上で終わります。 95 ◯主査(橋本秀一) はい,ありがとうございました。  以上で教育委員会関係の質疑は終了いたしました。  当局,どうもご苦労さまでした。 96 ◯主査(橋本秀一) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  長時間の審査,お疲れさまでした。  次回は,明日3月6日午前10時より当委員会室において行政委員会及び市民参画推進局関係の審査を行いますので,よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって閉会いたします。  お疲れさまでした。   (午後4時32分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved.
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