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  1. 神戸市議会 2007-09-28
    開催日:2007-09-28 平成19年第3回定例市会(第3日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時3分開議)  (前島議長議長席に着く) ◯議長(前島浩一君) ただいまより本日の会議を開きます。(「議長,議事進行」の声あり) 2 ◯議長(前島浩一君) はい,どうぞ。 3 ◯32番(浦上忠文君) 住民投票☆市民力の浦上忠文です。  昨日の本会議の質問と,そして当局の答弁について,答弁が質問の趣旨から明らかにずれているもの,あるいは質問の内容について余計なことをつけ加えて答弁をしておられる,そういう答弁が一部にあったように思います。  私たち議員は,この暑い夏の間,69名の議員は 150万市民の皆さんのリストラであるとか,うつ病であるとか,不登校であるとか,介護であるとか,いじめであるとか,そういう悩みを抱えてここにやってきておられます。  当局の皆さんも毎日毎日一生懸命,そういうことについて向き合っておられると思います。  そういう問題について,問題点を共有し,そして新たな認識のもとに出発していくのがこの議会の役割だと思います。  きょうからの答弁について,明らかに質問からずれているものについては,きちんと質問に答えるような答弁になるよう,議長から促していただきますようお願い申し上げます。  以上でございます。(拍手) 4 ◯議長(前島浩一君) 昨日の発言の内容については精査しなければわかりませんが,今の浦上議員のご発言については十分配慮しながら進めさせていただきたい,このように思います。(「ありがとうございます。」の声あり) 5 ◯議長(前島浩一君) ただいまより本日の会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 決算第1号より日程第28 第52号議案に至る平成18年度神戸市各会計決算並びに関連議案,合計28件,一括議題に供します。  昨日に引き続き,質疑を続行いたします。  30番金沢はるみ君。  (30番金沢はるみ君登壇)(拍手) 6 ◯30番(金沢はるみ君) 私は,日本共産党市会議員団を代表して,市長に数点お伺いいたします。  今,国の政治は,小泉構造改革を引き継いだ安倍内閣が総辞職し,福田自・公政権が誕生いたしました。安倍自民・公明政権の1年間で教育基本法など教育3法の改悪,社会保険庁の民営化法,防衛省昇格法,少年法改悪,国民投票法など,国民生活にかかわる法律が国民的議論も尽くさないまま,どんどん強行採決をされてきました。
     国民の声を聞き入れない政治が続く中で,参議院選挙で自民党は大敗をいたしました。その上,安倍首相は国会が始まった途端に辞任するという無責任ぶりを露呈しました。そして,福田政権が誕生いたしましたが,どんなに首相の顔がかわっても,自民・公明の進める国民いじめの政治の中身は変わりません。  構造改革路線の結果,生み出された貧困と格差の広がりの中で,市民の暮らしを守る自治体の役割が今ほど求められているときはありません。  さて,神戸市政の状況はどうでしょうか。市長はこの間,行財政改善計画行政経営方針などを実行されてきました。この中身は,1,市債 5,000億円の削減,2,市の事業や施策の休廃止,3,市の上乗せ事業の見直し,民営化,民間委託の導入,指定管理者制度の導入,4,大学・公営企業の独立行政法人化,5,職員の削減などです。  この行政経営方針の実行によってさまざまな施策が切り捨てられました。重度障害者の福祉年金の打ち切り,ぜんそく児童の医療費の助成制度,福祉医療制度の改悪,生活保護世帯の夏季・冬季見舞金の廃止,上下水道料金の減免廃止,市の施設の廃止などが次々と行われました。  公立保育所の民営化は,1保育所 5,000万円の経費削減を理由に推し進められ,既に6カ所の公立保育園が民営化され,裁判闘争まで起こっています。  また,市バスの民間委託や指定管理者制度の導入で,不安定雇用・低賃金の労働者が大量に生み出されています。その上,神戸市外国語大学の独立行政法人化などで,議会のチェック機能が果たせなくなりました。  市長が進めておられる行政経営方針は,市民の暮らしを守るどころか,市民にとってはサービスの低下や負担増につながっているのは明らかです。一方で市民の反対の声を押し切って神戸空港が開港されました。そして,むだの典型である海上アクセスも再開されました。  将来にわたり負担を背負い続ける大型公共事業には何十億,何百億というお金が使われ,一方で市民の暮らしの施策はささいなものでも削るというやり方では,到底市民の納得は得られません。  市長の進めておられる行政経営方針は見直し,これ以上の市民サービスの低下につながることはやめ,市民の暮らしを最優先する施策へ方向転換をすべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,国民健康保険料の問題について伺います。  毎年のように国民健康保険料が上がり,市民の方から,国保料が払いたくても払えない,病気が重くなったが,国保料が払えず保険証がないなどの相談を受けることがふえています。  国民健康保険は,高齢者や零細自営業者など低所得者の加入が多い中で,神戸市の国保料はこれからも引き上げられる可能性が大きいです。しかも,この間一般会計からの繰り入れが毎年減らされています。平成15年度 183億円繰り入れられていたものが,昨年平成18年度は 133億円──50億円も減っています。  ことしの予算議会でも質疑しましたが,神戸市が一般会計から国保会計への繰り入れをふやせば国保料の引き下げは可能です。市民が払える国保料に引き下げるために一般会計からの繰り入れをふやすべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,敬老パスについて伺います。  昨日もさまざまに論議がございました。敬老優待乗車証いわゆる敬老パスは,高齢者の社会参加を促すためということで始められた神戸市の福祉施策の中でも最もすぐれた制度です。満70歳以上,所得が 378万円以下の方に無料で配付されており,市バス・地下鉄・ポートライナーなどが無料で利用できます。  しかし,神戸市は,高齢者人口が急激にふえること,市の財政が大変などを理由に,この制度の見直しを検討するとして敬老優待乗車制度検討懇話会をつくり,見直しの議論を進めています。この間4回の検討会が行われましたが,その中で,ある程度の負担はやむを得ないという方向で報告書がつくられそうです。  私たちはこの間,この問題を広く市民の皆さんにお知らせをし,アンケートや署名などもお願いしてまいりました。現在 2,300通を超えるアンケートが寄せられていますが,現状のまま制度を維持してほしいという意見が圧倒的です。  神戸市のアンケートでは,今敬老パスを利用しているお年寄りのうち,週3回以上利用されている方が45%以上になっています。この方たちが1回 100円の負担になるとしたら,1年間の負担は何と3万円以上にもなってしまいます。  お隣の大阪市では,所得制限なしで70歳以上の皆さんに敬老パスが配付をされています。神戸市でも敬老パス制度現状どおり維持・存続することを求めますが,市長の見解を求めます。  次に,新たな2万人雇用について伺います。  平成18年度は,神戸市で新たに 7,088人の雇用の場の創出を実現したと報告されています。我々は,これまでも2万人雇用は主に雇用のプラスばかりをカウントしており,実態とかけ離れていることを指摘し続けてきました。今,雇用の場があっても,その雇用形態が大きな問題となっています。正規社員になりたいと願っていても,実際には派遣・請負・パート・アルバイトなどの非正規雇用でしか雇用がないところに問題があります。  まずは,2万人雇用の中身──正規・非正規雇用の中身をきちんと把握し,正規雇用がふえるよう今後の施策に反映をさせるべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,中小企業を応援する施策について伺います。  中小企業施策として平成18年度は神戸挑戦企業等支援事業,融資の創設・拡充などが行われました。また,19年2月に中小企業活性化プログラムも策定され,現在それに基づいた支援策が行われています。  しかし,このプログラムのテーマ別アクションを見てみますと,新たな挑戦への支援,中小企業などの事業化支援などとなっており,新しいことに挑戦する企業にしか支援の手は差し伸べられません。また,支援を受けられる企業も微々たる数です。  既存中小企業・業者の皆さんを応援する施策がもっともっと必要です。地元中小業者への官公需発注をふやすこと,分離・分割発注をもっと進めること,住宅リフォーム助成制度小規模事業所登録制度の創設など,地元中小企業の仕事につながる施策を行うことなど,これまで私たちは何度となく提案をしてまいりました。各局が知恵を絞って市内中小企業中小業者応援のため,これらの施策に取り組むべきと考えますが,いかがでしょうか。  また,中小企業を応援するために各地で中小企業振興条例がつくられています。1979年,東京都墨田区でつくられ,その後各地の県や市で次々とつくられ,条例が施行されています。この中小企業振興条例によって,中小企業振興に対する財源をきちんと措置し,市や県が継続的に中小企業を支援する上で果たしている役割は大きいと考えます。  継続的な中小企業の支援を進めるためにも中小企業振興条例を制定すべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,神戸空港の土地売却について伺います。  神戸空港が開港して1年7カ月が経過いたしました。この間,新潟便や熊本便は廃止され,仙台便・鹿児島便は減便されるなど,地方の不採算路線は全国的にもさらに廃止・縮小の方向です。  また,土地処分状況は,今まで民間に売れた土地はレンタカー用地の 0.3ヘクタールだけというありさまです。このたび西側緑地をブライダル会社が 0.3ヘクタール購入し,0.87ヘクタールを10年間の定期借地にすると伺いました。しかし,これ以外には売却のめども立っていません。  これまでの議会答弁では,都心に近く立地条件もよい,空港島の土地は処分できると言われてきましたが,計画どおりの土地処分は進まず,借金の返済は迫ってきています。この際きちんと財政計画の間違いを認めるべきではないでしょうか。その上で市民の意見を聞き,空港島の売却計画の見直しをすべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,障害者自立支援法について伺います。  2006年10月に本格施行された障害者自立支援法は,障害者の皆さんに多大な負担を強いています。あるご家庭では,ダウン症の娘さんが1カ月に20日ほどデイサービスに通っています。自立支援法になる前は負担がゼロでしたが,自立支援法施行後は月1万 4,000円もの負担になっています。娘が喜ぶからできるだけ行かせたいと,無理をしながらデイサービスを利用されています。  また,重度障害を持つ20歳の娘さんは,ガイドヘルプサービスが有料になったため,車いすで電車を乗り継いで仕事に出かけています。段差の多い道,駅員さんのいない駅をひとりで利用するのは大変です。家族の方は自立支援法になって途方に暮れる,どうしたらよいのかと言われています。  自立支援法施行によって今まで受けていたサービスを受けられなくなった方も多いのではないでしょうか。国も法の欠陥を認め,一定の負担軽減策をとりましたが,自民・公明は応益負担は必要という立場は変えていません。  神戸市として,障害者の皆さんのサービス利用状況などを把握した上,障害者の皆さんの負担軽減をさらに行うとともに,応益負担をやめるよう国に働きかけていただきたいのですが,いかがでしょうか。  次に,被災者生活再建支援法について伺います。  被災者生活再建支援法は,阪神・淡路大震災の被災者の皆さんが,被災者に公的支援をと粘り強く運動した結果,1998年に成立しました。しかし,支援法は生活用品購入費などに限定され,半壊世帯には支給されず,住宅本体の再建や購入などに使えないという欠陥を持ったまま施行され,今日に至っています。  この法律の欠陥を補うため,大規模な災害が起こった後,独自に住宅の再建に支援する自治体もふえてまいりました。今,2008年の法制度の見直しに向けた議論が行われています。内閣府はことし3月に検討会を発足させて議論を重ね,7月30日の中間答申では,住宅本体の再建や購入・補修への支援金充当が検討課題として明記をされました。各政党も被災者生活再建支援法の改正に向けて動きを加速しています。  被災地神戸の市長として,被災者生活再建支援法が住宅本体の再建などに拡大できるよう,今こそ国に声を上げていただきたいのですが,いかがでしょうか。  次に,後期高齢者医療制度について伺います。  来年から始まる予定の後期高齢者医療制度は,75歳以上のお年寄りを後期高齢者として,現役世代から切り離した医療保険制度に加入させるものです。この制度が始まると75歳以上の人全員が保険料を支払うことになります。年金額が1万 5,000円以上の人は,年金から保険料が天引きされます。また,保険料が払えないと保険証を取り上げて資格証明書を発行することになり,病院にかかった際に10割全額支払わなくてはなりません。また,受けられる医療を制限し,安く抑える差別医療の導入も検討されています。  兵庫県でも広域連合の議会がこの間行われ,11月には保険料を設定する条例を策定することになっています。しかし,この制度の中身が住民に知られれば知られるほど,制度のひどさに不安の声が上がっています。今月12日には埼玉・千葉・神奈川・東京の各広域連合の連合長名で,厚生労働省に国庫負担をふやすことなど要望が上がっています。神戸市として,国に対して制度の実施凍結を求めるべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,神戸市立医療センター中央市民病院等の問題について伺います。  神戸市は,医療センター中央市民病院の移転に伴って,その整備・運営事業をPFI方式で行うこととし,8月15日に神戸製鋼・伊藤忠商事グループが 1,023億 7,815万円で落札したことを公告しました。落札率は99.9%です。また今後,中央市民病院独立行政法人化する方針も打ち出しています。  私たちは,これまでも中央市民病院の移転について,財政の問題,病床数の削減,市民から遠くなる問題,市民病院の性格が変わる問題,運営形態の問題など,さまざまな問題を指摘してきましたが,神戸市は何ひとつ市民の納得のいく説明をすることなく移転計画を推し進めています。  今回決定したPFI事業者の問題では,応募したのが神戸製鋼・伊藤忠商事グループだけであり,事実上の随意契約となっています。これは,公正性・透明性の確保という面からも問題があります。  また,既にPFIで病院経営が行われている高知医療センターでは,2005年の時点で材料費が当初の予算を8億円もオーバーするなど見込み違いが発生しています。コストが削減できるという当初の目的が大きくずれた結果となっているのです。  次に,病院を独立行政法人化することもさまざまな問題があります。法人化することにより,採算や経営上の業績が強調されるため,医療サービスの低下や働く人たちの労働条件の悪化が懸念されます。また,独立行政法人になると議会の関与も限定されます。予算や決算は審査対象にならず,病院の問題について議会で議論することが限定され,チェック機能が大幅に後退します。  既に独立行政法人化された大阪府立病院では,経費節減のため事務分野で大幅な人員削減が行われ現場が混乱を来したことや,医師・看護師の大幅な退職と,より厳しい勤務実態になったことなどの問題点が指摘されています。  このように,PFIにしても独立行政法人にしても,市民の命を預かる病院事業が行うには多くの問題が解決されておりません。今までの中央市民病院を大きく変質させることになる病院移転,PFIでの運営,独立行政法人化は一たん中止し,市民的議論に付すべきと考えますが,ご見解を伺います。  次に,市民病院内での臨床研究について伺います。  神戸市立医療センター中央市民病院及び西市民病院で,平成16年度以降に実施された臨床研究で,患者さんから同意書をとっていない研究が34症例あったということです。  また,平成16年から平成17年10月までの間に,中央市民病院で同意書を得ずに乳がん患者48人に抗がん剤を使った臨床研究をしていたことも明らかとなりました。臨床研究に同意書をとることは計画書に記されていながら,忙しかったという理由でこれを怠っていたというものです。  しかも,新聞報道が行われた後,中央市民病院長名で本人におわびの手紙が届いています。そして,その後,同意書をとっています。これでは,倫理観が欠如していると言われても仕方ありません。この問題は,患者はもとより看護を支える家族にとってもショックと不安,怒りを覚えるものとなっています。  なぜ,臨床研究の同意がとられなかったのか,今後の患者への謝罪とケアはどうするのか,再発防止策をどうとるのか,3点について伺います。  最後に,神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例,いわゆるコンプライアンス条例の運用について伺います。  8月24日,神戸市の公立保育所の保育士が行財政局監察室から呼び出しを受け,事情聴取をされました。理由は枝吉保育所の裁判で陳述書を出したことに関して話を聞きたいというものでした。主幹含め3名の監察室の職員が1人の保育士さんに約1時間,あれこれと質問を行っています。  質問の最後の方でわかったことは,この保育士さんが枝吉保育所廃止処分取り消し訴訟の陳述書を出したことが,コンプライアンス条例第5条4項職員等は職務上知ることのできた情報を適正に管理することにより,公正な職務の執行を損なわないようにしなければならないに抵触し,処分が必要かどうか検討するために事情聴取をしたということです。  しかし,陳述書のどこを見ても条例違反となるようなところは見当たりません。また,このときの質疑応答を見ますと,本人の内心の自由や思想・信条の自由など,憲法で保障された権利に踏み込むようなことまで聞かれています。これは明らかにコンプライアンス条例の悪用です。  神戸市は,昨年起こった村岡親子らによる汚職事件を機にコンプライアンス条例をつくりました。この条例の趣旨は,市会議員など公職者からの要望等を記録し公開することを原則化すると同時に,不当要求などに対する職員の行動規範の確立と倫理原則を明文化するというものです。  そういう趣旨からすると,今回の事情聴取がコンプライアンス条例違反には当たらないことは明確です。そのことよりも,職員が神戸市の政策に反対の意見を述べたりすること自体を問題視し,処分を行おうとしていると考えられます。これでは職員が自由に意見を言うことのできない職場をつくる可能性があります。  これら当局の対応は,保育所民営化に反対する裁判に対する妨害であり,職員の自由な発言を抑制することになると考えますが,ご見解を伺います。  以上,市長の簡明な答弁をお願いして,私の質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 7 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 8 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から数点にわたりまして,ご答弁を申し上げます。  まず,行政経営方針についてのお尋ねでございます。  神戸市は,大震災の影響というもので非常に大きな危機的財政状況に陥ったわけでございまして,そういった中から復旧・復興を一日も早くなし遂げて,そして市民の暮らしを守ろうという前提のもとに平成8年度から行財政改善を立て続けにやり続けておるわけでございまして,平成8年度からは緊急3カ年の計画,そして平成11年度からは5カ年の計画,続きまして平成16年度から──これは15年12月に発したものでございますが行政経営方針,そういった中から行財政改革に取り組みを続けてきておる,こういうことでございます。  現在の行政経営方針の内容につきまして,今ご紹介をいただきましたけれども,こういった内容そのものにつきましては,単に経費の削減という点だけではございません。民間のノウハウを活用した市民サービスを向上させていくという意味で,例えば民間活用をやっていこうと,そういう点から法で定められました指定管理者制度において,こういった取り組みを進めてきておるわけでございまして,これも今申し上げましたように,経費の削減とともに市民サービスの向上の実現という点があるわけでございます。利用者の満足度調査をいたしましたところ,良好な評価もいただいておるところでもございます。  また,使用料・手数料などの関係で申し上げますと,こういった点に関しましての公平性の観点,あるいは適正な負担を通じて適正な利用をお願いするという点は極めて重要でございまして,これらはやはり時代の変化に対応して適正に見直していくという趣旨も含まれておるわけでございます。  今回,行財政改善懇談会の受益と負担に関するワーキンググルーブがございますが,そちらの方からこの6月に出されました報告書がございます。  こういったグループからの報告では,本格的な人口減少,少子・高齢社会におきまして,現行制度をこのまま続けていくと増大する行財政需要に対応できず,危機的な状況に陥るというふうに予測をされていらっしゃいます。そして,この見直しをおくらせることは,次世代である子供や孫の世代に負担を先送りするとともに,早晩に制度の破綻を招くことにもつながりかねないという非常に厳しい指摘をされておるわけでございます。  こうした観点からも受益と負担の関係について議論を尽くしながら,市民のご理解も十分に得て,今後適切に見直していく必要があろうというふうに考えております。  また,本市の財政状況でございますが,今年度予算でも国の歳出・歳入一体改革の影響によりまして地方交付税が大幅に減少をしたわけでございまして, 130億円の収支不足が生じるといったことで,大変厳しい財政の状況の中で今市政の運営を行っておるというところでございます。  ご案内のように夕張市が財政再建団体となりましたが,行政サービスが著しく切り下げられ,職員も半減以下という状態でございます。こうした状態を招かないようにするために,この震災以降,行財政改革をやり続けておるわけでございます。  私どもは,財政再建団体になってはならない,そういった大きな目標を持って市民サービスを的確に確保するためにやり続けようということで,この改革を進めておるところでございます。  そういった観点から,行政経営方針につきましては,何としてもこれを完遂し,やり抜くんだということがこの大きな重要な方針でございます。  次に,敬老パスの問題でございますが,現状どおりの維持・存続を求めるが,どうかというお尋ねでございます。  この敬老パスの問題につきましては,おっしゃいましたように昨年12月に検討懇話会が設置をされまして,学識経験者のほかに市民代表の方々にも加わっていただきまして,本制度を将来にわたって安定的に維持・存続するための方策について検討をいただいておるわけでございます。なくすということはだれもおっしゃっておられません。  検討に当たりまして,本年1月に無作為抽出をいたしました 5,000名の市民を対象にアンケート調査をとらせていただきましたが,その中で負担のあり方につきまして,70歳以上の方々では現行のままでよいとする回答が52.5%でございました。70歳未満の方では現行のままでよいとする回答が34.7%となっております。何らかの方法で自己負担するという回答が51.8%ございまして,世代間に意識の違いが見られております。  また,懇話会におきましては,こうした内容も踏まえまして,制度を安定的に維持・存続させるため,何らかの利用者負担を導入せざるを得ないという意見が大半出ておる状況でございます。  そしてあわせて,所得の少ない高齢者に配慮をしていくこと,そしてまた制度の仕組みや問題点について十分な啓発を行っていくこと,そしてまた市・交通事業者・利用者のいずれもが過度に負担を強いられることのないような,そういった仕組みづくりが要るんではないかというご意見が,この中で出されておりまして,議論を交わしていただいておるところでございます。  具体的な制度のあり方につきましては,今後この懇話会におきまして検討結果を出していただいた上で,市民の皆様へのご説明を進め,そしてご理解をしていただくような努力をし,さらに高齢者の状況を勘案し,将来の世代の負担というふうなものも視野に入れながら,この制度を将来にわたりまして安定的に維持・存続できるような形で検討してまいりたい,このように考えてございます。  私の方から以上,ご答弁申し上げました。  (「議長」の声あり) 9 ◯議長(前島浩一君) 梶本副市長。 10 ◯副市長(梶本日出夫君) 金沢議員のご質問のうち国民健康保険等,数点にわたりまして私の方からご答弁を申し上げます。  まず,国民健康保険について,保険料を引き下げるために一般会計からの繰入額をふやすべきではないか,こういったご質問でございますけれども,ご承知のように国民健康保険事業につきましては,その費用を原則として保険料と国庫補助等により賄うこととされておりますけれども,本市におきましては保険料負担の軽減を図るため,毎年一般会計から多額の繰り入れを行っているところでございます。  一般会計からの繰入金が減っているではないかと,こういうご指摘でございますけれども,国民健康保険制度の中には,健保組合等との財政調整制度が講じられておりまして,国保の加入者のうち企業等の退職者につきましては,退職者医療制度の適用がございます。平成15年度以降,この退職者医療制度の該当者が大幅に増加をいたしておりまして,これに伴いまして健保組合等からの交付金は,平成15年度に 212億あったわけですけれども,これが平成19年度には 333億に増加をしている,こういったことから一般会計の繰入金が減少しておるということでございます。  神戸市といたしましては,これまで被保険者の負担の軽減を図るために,先ほど申し上げましたように毎年多額の一般会計からの繰り入れを行ってきておりまして,平成19年度におきましても 143億の予算を確保いたしておりますけれども,本市のこういった厳しい財政状況の中から,これ以上の国保会計に対する繰り出し──一般会計からの繰り入れの増額は困難であると,このように考えているところでございます。  それから,障害者自立支援法でございますけれども,障害者自立支援法で自己負担の軽減措置がとられているが,この負担軽減策をさらに行うと同時に応益負担の見直しを国に働きかけるべきだと,こういったご質問でございますけれども,障害者自立支援法は,障害者が全国でどこでも必要なサービスを平等に受けられるように,国等の費用の義務化等を定める一方で,利用者にも原則として費用の定率1割を負担していただくことによりまして,利用者も含め,みんなでこの制度を支え,安定的に運営する仕組みとされているところでございます。  しかしながら,低所得者に配慮するために,所得に応じた月額負担上限に加えまして個別減免あるいは補足給付など,さまざまな負担軽減策が設けられております。最終的な軽減措置の結果として,利用者負担を0円まで減額する軽減制度が設けられているところでございます。  この利用者負担制度につきましては,以前から,例えば家族と同居する在宅利用者の場合に一定の収入があることが多い,こういうことで軽減の適用が少ない,こういったような課題が指摘をされておりましたので,神戸市といたしましても,低所得者へ対するさらなる負担軽減措置について,大都市福祉主管課長会なり,あるいは市単独で国に対して強く要望を行ってきたところでございます。  こういった状況を踏まえまして,ことしの4月から国におきまして,20年度までの経過措置として,1つは通所・在宅利用者あるいは障害者のいる世帯についての1割負担の上限額を,軽減対象の世帯について4分の1に引き下げる。そしてまた,軽減対象世帯について,市民税非課税世帯から市民税所得割10万円未満までに拡大をする。さらには,入所施設やグループホーム利用者の工賃控除を拡大いたしまして,工賃収入のうち月額が2万 4,000円までは定率負担あるいは食費の負担がかからないように控除をする。こういったような工賃控除の拡大をするなどの軽減措置を実施しているところでございます。  本市独自の負担軽減につきましては,自立支援医療について,福祉医療並みの負担にすること,そしてまた障害児施設あるいは補装具の20歳未満の利用者につきまして,市独自の負担軽減を実施してきたところでございます。  さらに,この4月以降は国制度として負担軽減が実施をされますものの,資産等の要件によって対象外となる世帯につきまして,現行の上限額を2分の1に引き下げております。  なお,県におきましても一定の軽減措置が実施をされておりますけれども,これらの国なり県あるいは市単独の軽減によりまして,利用者負担の問題につきましては一定の負担軽減効果があると考えております。  しかしながら,最近の新聞報道等によりますと,障害者自立支援法は抜本的な見直しが検討されているというようにお聞きをいたしておりまして,利用者負担の問題でもこれらの中で改めて議論されると思われますことから,神戸市といたしましては,これらの今後の推移を注視しながら必要に応じて国への要望をしてまいりたい,このように思っております。
     それから,被災者生活再建支援法でございますけれども,現行の被災者生活再建支援制度は,住宅本体の建設が対象外となっておる,本体も補助対象とするように国に求めていくべきではないかと,こういったご指摘でございますけれども,この被災者生活再建支援制度は,自然災害で住宅・生活用品等に著しい被害を受け,経済的理由等で自立をして生活を再建することが困難な被災者に対しまして,都道府県の拠出をした基金等を活用して支援金を支給するものでございます。  平成10年5月に法律が制定をされまして,16年の4月改正で住宅の解体経費などを支給対象とする居住安定支援制度が創設をされたところでございます。  しかしながら,この法の改正は不十分なものであったということで,平成16年夏の台風被害の際には,兵庫県及び県下の被災市町は小規模災害への適用,あるいは年齢・年収要件の緩和,さらに建築・補修等の住宅本体経費を支給対象とすること等を内容とする居住安定支援制度補完事業を実施し,法の不整備を補ったところでございます。  国におきましては,この16年4月の法律改正の際に,衆参両院災害対策特別委員会におきまして4年後の制度見直しが附帯決議をされております。また,その後,新潟県中越地震等の大きな自然災害も発生をしておりますことから,有識者により改正法の施行状況を分析するとともに,総合的な検討を行うために,ことし3月に被災者生活再建支援制度に関する検討会が内閣府に設置をされております。  そして,この7月30日には第5回の検討会におきまして,改正が考えられる35項目を挙げ,改正の利点と問題点を併記した中間報告がまとめられておりまして,住宅建設・購入・補修への支援につきましても,住宅は個人財産で税金による支援は行うべきではないとの考え方とともに,住宅再建は地域社会復興に不可欠であるとの記載がされておるところでございます。  これらの国の動きに対しまして,神戸市におきましては,これまでも毎年度の国家予算要望におきまして,被災者にとって使いやすい制度になるように,1つは小規模災害への適用,年齢・年収要件の緩和,また建築・補修等の住宅本体経費を支給対象とすることの改善要望をしてまいりました。  特に今年度は,従来の要望項目から格上げをいたしまして,重点要望項目に格上げ──位置づけをして強く要望したところでございます。  また,この7月3日には神戸市会におきまして,衆参両院議長及び関係大臣あてに法見直しに関する意見書を提出していただいたところでございまして,本市の要望内容の実現に向けて力強く感じているところでございます。  他の団体におきましても,全国知事会が本年7月に緊急要望を行いましたほか,日本弁護士連合会,兵庫県等からも要望がなされておりまして,ご指摘の住宅本体経費を支給対象とすることについては,どの団体においても主要な内容として取り上げられているのが現状でございます。  このような状況の中で最近の新聞報道によりますと,議員立法によって今臨時国会に同法の改正案が提出をされるとのことでございます。内容につきましては,ご指摘の住宅本体経費を支給対象とすることが盛り込まれておりまして,本市といたしましては,国会及び国の動きを注目してまいりたい,このように思っております。  それから,後期高齢者医療制度でございますが,後期高齢者医療制度の中で保険料の支払えない人が資格者証に切りかえられるということで,制度の中身を市民が知れば知るほど不安になる,国への制度実施の凍結を求めるべきだと,こういうご質問でございますけれども,後期高齢者医療制度は国民皆保険を今後とも堅持し,将来にわたって医療保険制度を持続可能なものとしていくために,国の医療制度改革の一環として実施されたものでございます。現行の老人保健医療制度にかわる新たな高齢者医療制度として,高齢者の医療の確保に関する法律に基づき平成20年4月から実施をされることになっております。  現在,各都道府県におきまして設立をされました後期高齢者医療広域連合を中心にして,新制度の実施に向けた準備が全国的に進められているところでございます。  具体的には,広域連合におきまして保険料率の算定作業が進められております。本年11月には広域連合議会が開催をされ,保険料率が決定する予定でございます。  なお,新聞報道等によりますと,現在政府において,保険料の取り扱い等に関し,一部見直しを行うことについて検討中であるとのことでございます。  ご指摘のとおり,後期高齢者医療制度におきましては,一定の滞納者に対しまして,制度上,資格証明書を交付することとされております。この資格証明書の取り扱いに関しましては法令の規定,あるいはまた広域連合の方針に従いながら,県内のすべての市町が統一をして取り扱う制度となっておりまして,資格証明書の具体的な取り扱いに関しましては,今後県内各市町とともに広域連合との間で十分に協議をしてまいりたいと考えております。  また,後期高齢者医療制度では県内の後期高齢者全員が被保険者となり,これらの被保険者が同一保険のルールのもとで保険料を負担し,医療給付を受けることになります。  神戸市といたしましては,後期高齢者医療制度の円滑な導入に向けまして,被保険者となられる高齢者の方々のご理解が得られるように,制度について十分PRに努めてまいりますとともに,広域連合あるいは県内各市町とも連携をしながら,制度が着実に実施できるように準備業務に鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  それから,中央市民病院の関係でございますけれども,中央市民病院について,かかる計画を一たん中止をして市民的議論に付すべきではないか,こういうご指摘でございます。中央市民病院の移転につきましては,平成16年の11月に策定・公表いたしました新中央市民病院基本構想におきましてもお示しをしておるとおり,現在地に開院をして27年目を迎える中央市民病院が,将来に向けて,市の基幹病院としての使命を果たし続けていくためには,単に設備の老朽化への対応だけではなくて,昨今の医療技術の進歩に迅速に対応していくこと,また患者のプライバシーへの配慮,さらに療養環境の改善など,患者ニーズの変化を的確にとらえて適切な対応を図っていかなければならない,こういうことで抜本的な機能改善が必要であると判断したものでございます。  そこで,新しい病院の基本構想をもとにして,昨年の6月に新中央市民病院基本計画を策定・公表いたしまして,PFI法に基づき事業者選定手続を進めてきたところでございます。  このPFI手続に関しましては,昨年の9月に事業者選定のための入札に必要な債務負担行為の議決をいただいた上で,昨年の11月に入札公告を行いまして,審査委員会での審査を経て,去る8月15日に落札者が決定をしたところでございます。  また,ご指摘の独立行政法人でございますが,これにつきましては国立病院機構やあるいは大阪府立病院機構で独立行政法人化後,その制度が持つ機動性なり柔軟性を十分発揮され,公的病院としての役割を果たしながら,移行初年度から黒字を達成しておるということで,評価委員会からも高い評価を受けているのが現状でございます。  病院を取り巻く環境が急激に厳しさを増す中で,市民病院の運営形態を見直し,経営改善を行っていくことは喫緊の課題でございます。そのためにも機動性・柔軟性に富んだ地方独立行政法人への移行準備を引き続き着実に進めてまいりたいと考えております。  一方,これら中央市民病院に関する計画あるいは運営形態の見直しに当たりましては,先ほど申し上げました基本構想あるいは基本計画の策定,あるいは地方独立行政法人化の方針決定に際しましては,その都度適宜議会にもご報告をさせていただいておりますし,また中央市民病院の移転につきましてもご議論いただいた結果,移転を前提として整備をしていくための予算をご承認いただいております。そういった点を十分ご理解いただきたいと思います。  また,基本構想あるいは基本計画につきましては,事前に案を公表するとともに,この案に対する市民意見を広く公募いたしまして,いただいた意見を踏まえて必要な見直しを行うなど,できる限り市民意見を取り入れる努力をした上で定めたものでございます。  現在,新中央市民病院の整備に関しまして,本年中の事業契約締結に向けまして事業者と協議を進めているところでございますけれども,今後地方独立行政法人化による経営改善とあわせまして,中央市民病院が21世紀にふさわしい病院となるように着実に進めてまいりますとともに,議会はもちろんのこと,広く市民の皆様にも情報提供に努めてまいりたいと考えております。  それからもう1点,臨床研究の同意書の関係でございますが,医療センター中央市民病院あるいは西市民病院,西神戸医療センター,こういった各病院で実施をされた臨床研究が患者の同意書がとられていなかった,こういうことに関しまして再発防止に向けた対策をとるべきではないか,こういったご指摘でございますけれども,ご指摘の同意書に関連いたしまして,乳がんの治療に係る臨床研究は平成16年2月から17年10月までの期間に中央市民病院において行われました手術前の化学療法でございます。  担当医師は,この化学療法におきまして,既に厚生労働省から使用を許可されております4種類の抗がん剤を用いておりましたが,その投与の順序及び用量が通常の治療法と異なるものであった,こういうことでこのような臨床研究におきましては,厚生労働省の臨床研究に関する倫理指針により,文書による同意手続が必要とされておりますけれども,本件におきましては52件ございますが,このうち48件,ほとんどの患者さんから同意書を徴取していなかった,こういうことでございます。  担当医師は,治療方法の内容については説明をしていたが,診療等が忙しいこともあって,文書による説明あるいは同意手続の時間をとりにくかったと述べておりますけれども,臨床研究に関する倫理指針に反することは明白でございまして,改めてこういった点,心よりおわびを申し上げたいと思います。  患者さんに対する謝罪につきましては,市といたしましても最優先すべき課題であると考えまして,同意書の不備の発覚後,速やかに電話により事情をご説明し,謝罪をさせていただいたところでございます。  また,患者さんに対するケアにつきましては,当然のことながら患者さんへの十分な説明を行いまして,患者さんにとっての最善の医療を尽くして,信頼の回復を図ってまいりたいと考えております。  この乳がん治療の臨床研究における同意書に不備があったことを受けまして,臨床研究に関する倫理指針,これは平成15年7月に策定をされておりますけれども,その策定後,改めて平成16年4月から平成19年7月に至るまでの,3病院で実施をされました臨床研究の全件につきまして,同意書の取得状況を調査いたしました。その結果,5つの臨床研究において,ご指摘のように34の症例について同意書の不備が認められたわけでございます。  これらの研究は,いずれも患者さんに対する治療行為に直接関連するものではございません。他の医療機関が主体となりまして,特定の疾病・症例の患者さんを対象といたして病状の変化あるいは治療効果等を集約する,いわゆる統計的調査であったわけでございます。  このうち1研究につきましては,9つの症例があったわけですけれども,疫学研究に関する倫理指針に反し,また他の残りの4研究につきましては,倫理指針には反しないが,同意書を取得することとした院内の審査会の決定に反しておったわけでございます。  このような今回の同意書の不備という重大な手続の瑕疵が生じてしまった理由といたしましては,臨床研究の実施に当たりまして,事前に内容を審査・承認する場はありましたが,事後的に進捗状況あるいは結果報告を受ける場がシステムとして整備されていなかったことによるものであると考えておりまして,中央市民病院ではこの7月26日に臨床研究審査委員会を緊急開催いたしまして,臨床研究の手続に関する見直しを行ったところでございます。  具体的には,臨床研究の中間段階で研究責任者から臨床研究審査委員会への報告書の提出を義務づける,さらにまた中間段階の報告書に同意書の写しを添付することを義務づける,また臨床研究の終了段階において研究責任者から臨床研究審査委員会への報告書の提出を義務づける,こういった内容によりまして,臨床研究承認後の監視体制を徹底することといたしました。  また,西市民病院におきましても,同様の見直しによりましてチェック機能を高めることといたしております。  今回の件は,安全・安心な医療を提供する市民病院として絶対に許されないことでございます。再発防止に向けた対応を徹底することによりまして,市民の皆さんの信頼回復に努めてまいりたい,このように思っております。  それから,コンプライアンス条例の適用でございます。  枝吉保育所の裁判で保育士が陳述書を提出したことについて,コンプライアンス条例等に基づいて事情聴取を行ったことが裁判に対する妨害で,自由な発言を抑制することになるのではないか,こういうご質問でございますけれども,行財政局の監察室におきましては,市の内部管理事務として行政調査規則に基づきまして,本市における適正な行政の確保を図ることを目的として,事務の管理と執行状況並びに事故の調査などを実施しているところでございます。  今回の調査は,当該保育士が陳述書を提出した経緯及び内容等について,関係職員から聞き取りを行うことにより,コンプライアンス条例に規定する職員の職務執行,その他倫理に係る基本原則,あるいは職員の服務上の観点から,事実関係について調査・確認をしたものでございまして,したがいまして今回の調査は行政調査規則に基づく事情聴取でございまして,問題となるようなことは一切ございませんで,もちろん思想・信条に踏み込むようなことは断じてないと考えております。  したがいまして,ご指摘のような裁判に対する妨害といったものでは決してないということでのご理解を賜りますようにお願い申し上げたいと思います。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 11 ◯議長(前島浩一君) 鵜崎副市長。 12 ◯副市長(鵜崎 功君) 金沢議員のご質問に対しまして,私の方から2万人の雇用問題,中小企業対策,空港島の土地処分についてお答え申し上げます。  2万人の雇用計画でございますけれども,これは平成10年,11年,12年,13年という,日本全体を巻き込んだ大不況の中で,まずは神戸市として雇用の場をつくり出そうということが大切だという考え方のもとに,従来は労働行政につきましては国・県の仕事だというふうにご答弁申し上げてきたわけでございますけれども,そういう状況を踏まえまして神戸市として,全国に先駆けてといいますか,他の市町村ではほとんどやられていないような,神戸市として雇用という新たな分野にチャレンジしていこうという,行政としての──神戸市としての決意をあらわしたために2万人雇用をつくったということをまずご理解いただきたいと思います。  ご指摘もございましたけれども,14年度から17年度で当然2万人の雇用を実現させていただきましたけれども,新たに18年度からも引き続きやっていこうではないかということで,2万人の雇用創出計画をつくらせていただきました。  18年度──第1年度でございますけれども,お話ございましたように 7,088人の雇用の場の創出を見てございます。これにつきましては,アンケートとかあるいはヒアリングで確認させていただいたわけでございますけれども,私たちの今の推計では,おおむねこのうち半分程度が正規雇用だというふうに実は推計をさせていただいているところでございます。  雇用の形態につきましては,おのおののライフスタイルが非常に最近変わってきているということもございまして,非正規を望む人もかなりおってだというふうに承知いたしてございますけれども,非正規の雇用の場合は正規の方に比べましてやはり賃金が安い,あるいは福利厚生も不十分だろう,あるいは能力開発などの教育面での条件につきましても格差があるというふうに思ってございまして,神戸市といたしましてもこういう正規の雇用につけていく方がより望ましいというふうに実は思ってございます。  そうした観点から,先ほど申し上げましたような,半分程度という数字は引き上げていく必要があるというふうな認識をしてございます。そのために市が誘致いたしました企業 360社に対しまして,ことしの3月以降でございますけれども,訪問あるいは郵送も含めてでございますけれども,とにかく雇用の確保と正規雇用の促進,これを順次要請してまいっているところでございます。  また,最近の傾向といたしましては,企業が人材確保のために──とにかく少し景気がよくなってきたということで,人材確保が難しいという状況があるわけでございますけれども,そういう人材確保のために新規採用を拡大していこう,あるいは契約社員やパート社員を正規化していくんだ,そういう動きが実は広がりつつあるというふうに承知をいたしています。  こうした中で,今後事業の拡大あるいは設備投資の時期など企業の動向を注意しながら,引き続き市内企業に対しましてあるいは誘致企業に対しまして積極的に要請していく,そういうことで正規雇用の率を引き上げるような努力・取り組みをしていきたいと思ってございます。  それから,中小企業施策で2点ございましたけれども,まず1つはベンチャーや特定の分野だけに焦点を当てる制度ではなくて,市内中小企業を広く応援していくべきではないかというお尋ねでございました。  神戸の経済が持続的に成長していくためには,市内の事業所の大多数を占めます中小企業の活性化が,これはどうしても非常に重要だということで,ことしの2月に中小企業活性化プログラムを策定させていただきました。  この中小企業活性化プログラムは,中小企業が景気の波に過度に左右されるといいますか──されることなしに,あるいは時代の変化に自律的に対応できる,足腰の強い経済を構築していく,そういうことが大事だということで,神戸らしさあるいは神戸の持っている強みというものを十分に把握して,あるいはそれだけじゃなしに,経済自身が世界経済の中で大きく動いてございますので,そういう経済自身の動きの中で,普通の中小企業の方々も世界を意識しながら,あるいは消費者の動向を意識しながら,新たなチャレンジができればというふうな思いもございまして,そういうことにも意を用いて,一歩踏み込んだ形での中小企業活性化プログラムになっているというふうにご理解いただけたらと思います。  そして,新分野への進出あるいは新商品の開発,こういうことだけではございませんで,既存の中小企業に対する日々の地道な経営改善などにつきましても,中小企業が現状からさらに一歩踏み出していく,そういう幅広い取り組みを支援対象としてございまして,そのための具体的な施策を数多く盛り込んでいるつもりでございます。  このプログラムでございますけれども,ここに盛り込まれました,現在実施してございます中小企業振興策の大部分は,既存の中小企業の,先ほど言いましたように地道な取り組みへの支援に向けられたものでございます。  具体的には中小企業の円滑な資金調達を支援するための融資制度──これが一番金額も大きくて,最近は特に貸し倒れといいますか,そういうこともございまして,税でかなり補てんをさせていただいていますけれども,そういう問題。  あるいは,中小企業が時代の変化に対応して経営を見直す上で必要な知識あるいは情報,そういうものを得るためのセミナー,あるいは専門家による相談,こういうこともやらせていただいてございます。  特に商店街・小売市場に対するものにつきましては,にぎわいづくりあるいは空き店舗対策としての施策,あるいは地域力向上に向けた支援,こういうこともさせていただきます。  そして,すぐれた技術を有する企業,あるいは特色ある独自の製品を持つ企業,あるいは地場の産業に携わる企業,いろんな企業がございますけれども,そういうさまざまな企業の情報発信,あるいは特に大事な販路開拓に対する支援についても意を用いていこうというものでございますし,特にリエゾンネットワークなどによりまして,産学民官の連携システムづくり,こういうことについてもこのプログラムでは力点を置いていこうというものでございます。  そしてまた,挑戦企業等支援制度あるいはKOBEドリームキャッチプロジェクト,こういう支援策を通じまして,新たな分野への積極的な挑戦を支援させていただいています。  この制度ですけれども,実はベンチャー企業や特定の分野だけを対象にしたものではございませんで,中小企業に幅広く活用していただけるものというふうに思ってございます。  例えばですけれども,ケミカルシューズ業界──神戸の代表的な産業の既存のケミカルシューズ関連企業を例にとって申し上げますと,例えば健康靴の開発につきまして,挑戦企業等支援補助制度によりまして補助金を支出したケースもございますし,あるいは産学連携によりまして,外反母趾に効果のある中敷きの開発を支援したケースもございます。  あるいは,ちょっと新しい分野に少し入るのかもわかりませんけれども,ケミカルシューズメーカーさんがろうそくと花火を用いてパーティーグッズ,いわゆるドリームキャンドルと申していますけれども,そういうものの新しい分野に進出した企業,これを神戸の特産品──神戸セレクションとして認定させていただきまして販路開拓を支援したケース,いろんなケースが実はございます。  今後とも神戸の産業を支える,これからの神戸経済の発展のかぎを握るのは,中小企業がどれだけ元気になるかというふうなことであるというふうに確信をしてございまして,そういう理念を持って,このプログラムに基づきまして,中小企業のさらなる振興に向けての施策を間断なく推進してまいりたいと思ってございます。  これに関しまして,中小企業振興条例を制定すべきではないかというお話がございました。これにつきましては何度もご質問いただいてございますけれども,さきにもお答えを申し上げたと思いますけれども,今の段階で中小企業の振興上,私たちもやってみてはどうかという考え方のもとに,各都市あるいは都道府県の振興条例を調査いたしました。しましたけれども,いずれも理念型条例ということで,各論はすべて施策にゆだねております。その施策というのは予算にゆだねています。  予算でするよりも,体系的にやっていくためにはプログラムのようなものをきちっとやった方がいいんではないかと。だから,理念よりも実効だという形で,条例にかえて,より実効性のある,中小企業の皆さんに喜んでいただけるという観点からプログラムをつくった,そういうものでございます。  それから,空港島の土地売却でございますけれども,売れてないというお話がございました。この空港関連用地につきましては,民間企業への土地処分の促進に向けまして,従来にも増して積極的な誘致活動を展開させていただいてございますけれども,神戸空港の機能の強化を図るという観点で今年度から21年度までの3年間,総合物流あるいは小型航空機機能用地,あるいは処分緑地,こういうところを対象にいたしまして分譲価格の引き下げ,あるいは分譲と定期借地の組み合わせ,あるいは一時使用,こういうことで企業側のニーズにできるだけ柔軟に対応できるようなインセンティブ策を時限的に導入して,処分の促進に努めてございます。  その結果,お話もありました,ことしの6月に空港島処分緑地に集客施設の運営を行います,名古屋に本社のある会社が決定を見たところでございます。  さらに,航空関連企業の早期誘致につなげていこうということで,ダイレクトメールあるいは今回のインセンティブを積極的にPRするということで,あるいはまた個別企業をより積極的に訪問していこうということで,企業に向けて具体的な協議を進めてございます。  物流面ではことしの4月から,これもお話が少しありましたけれども,旅客とか貨物のニーズが高い東京・新千歳・那覇の3路線が増便されたということでございまして,その航空貨物運送業者をはじめといたします物流業者からは,特に先ほど申した東京・新千歳・那覇ということを意識した上で,物流倉庫あるいは配送センター等の設置の意向も伺ってございますし,小型航空機関連でも,昨年9月からCIQの各機関の協力を得まして,出入国手続を行います国際ビジネスジェット,この受け入れを開始いたしましたけれども,関西圏の経済活動の集積地に近接する立地条件,これを生かしまして小型機の運航支援事業を展開したいという企業も実はございます。  これらにつきましては,進出の区画,面積,規模,施設配置等につきまして,具体的な協議に入っている企業も複数ございまして,早急に協議を進めまして誘致につなげていきたいというふうに思ってございます。  今後ともエンタープライズプロモーションビューロー,ここを中心にいたしまして全庁一丸となって企業誘致活動に取り組みまして,処分促進による資金確保に努めていきたいと思ってございます。  起債償還につきましては,先ほど申しましたような処分促進による資金の確保,これを上積みしていくということのほかに,新都市事業の資金の活用といったことなども踏まえて,最終的には空港島の土地を処分して返済するという方針に変わりはございません。したがいまして,基本的な枠組みは変更していないというふうに承知いたしてございまして,財政計画の見直しは考えてございません。  以上です。  (「議長30番」の声あり) 13 ◯議長(前島浩一君) 30番金沢はるみ君。 14 ◯30番(金沢はるみ君) それでは,何点か,再質問をさせていただきたいと思います。  まず,市長にお伺いをいたします。  まず1点目,行政経営方針の実行で果たして──満足度調査では大方満足だという結果だったということなんですけれども,実際にいろんな施策を切り捨てられました。それで,そういうことを切り捨てられた立場になられた方が,果たしてこれで満足されているでしょうか。私たちは,たくさんこういうさまざまな施策がなくなって本当に大変なんですというお話を日々お伺いしております。そういうことに対しては市長はどういうふうにお考えになっているか。  それから,いろんな市の施策が民営化・民間移管・指定管理者,こういうことになったことによって大量に,安い賃金で働く人たちが神戸の中でふえているというのもまた事実だと思うんです。  例えば市バスの運転手さん,これを民間委託されたことによって,例えばきょう源泉徴収書のコピーをいただきましたけれども,交通振興で働いていらっしゃる市バスの運転手さんの年収というのは 300万に満たないわけです。そして,夜間手当とか時間外手当,これを含めても年収 300万に満たない。この方,50代で,これを見ますと2人の扶養家族を担っていらっしゃいます, 300万円以下のお給料で。  そういう不安定そして低賃金で働く労働者がふえているという実態,こういうことについて市長はどういうふうに──2万人雇用とも関連をいたしますけれども,どういうふうにお考えになるかということだと思うんです。  昨日から私も,与党の皆さんの質疑・ご答弁もお伺いをしておりまして,市長の口から満足度調査とかそういった言葉が出てくるんですけれども,本当に今,市民の皆さんの大変な暮らしとか気持ち──生活が大変になっているよという気持ちが,市長が本当にどれほどわかっておられるのだろう,市民の生の声というのが市長の言葉から聞こえてこないなというのを,私はきのうつくづくと思っていたんです。市長のご答弁の中から,市民が見えてこないな,市民の暮らしが,直の暮らしが見えてこないなというところをすごく感じているんですが,その点についてちょっとお伺いをしたいと思います。  それとかかわりまして敬老パスの問題です。私どものとりましたアンケート,約 2,000通以上,返ってきておりますけれども,これも市のとったアンケートと同じような人たちに配っておりますので,敬老パスを配付されている区役所の前とか,またお年寄りの多いところとかにアンケートを配っております。ですから,市のとっておられるアンケートとそんなに違いはないです。ですけれども,そのアンケートを見ますと,本当に圧倒的な方が有料化しないでほしいということなんです。  例えば有料化絶対反対ですと,来年から妻が利用できるようになって,いろんな負担が急増して現在生活に苦しんでいるんですということや,敬老パスは市から直接補助してもらっているという実感があり,長年勤めてきた最後の楽しみだと,外に出る機会を減らすような政治には反対しますと,交通手段をバスに頼っている高齢者にとっては大変な負担になる──有料化されると負担になると思う,弱者に対するしわ寄せは納得できません,現行のまま継続すべきです,こういう声が圧倒的にたくさん寄せられているんです。  例えば名古屋で,また京都で既に有料化されました。そこで起こったことはやはり敬老パスの発行枚数が減っているんですね。京都や名古屋は敬老パスを受け取るときにどうやらお金を支払う──所得によっていろんなランクがあるそうですけれども,それによって名古屋では87%,そして京都では79%に発行枚数が減った。受け取りにお金が要るんだったらもう要らないということで,もう受け取りに来られない,こういうことで減っているということなんです。  やっぱりさっきも言いましたけれども,市長は受益と負担の公正化とか市の財政が大変なんだからということを前面に出しておられるんですけれども,それはそれで大変なことではあるけれども,やっぱり市民にとって敬老パスがどれほど大事か,高齢者にとってどれほど大事かということを一番中心に考えて,そこから,これを守っていくためにどうやったらいいかなという──切るものをあれもこれも切っていったらいいわというスタンスではなくって,これを守るために市長はどう動いてくださるのか,それを市民は期待していると思うんです。そういうスタンスでぜひお考えをしていただきたい。  検討懇話会が──10月には出るというふうにお聞きをしましたけれども,その中でも最初は有料化せんといてほしいという声もたくさんあったんですよ。でも,有料化していく方の流れに,どうも意見が言えなくなってきていた委員さんたちもいらっしゃるんです,聞いてたら。そういう有料化の方向で検討会は流れるでしょうけれども,決断されるのは市長ですから,ぜひ市民の声に耳を傾けて決断をしていただきたいというふうに思います。  それから,国保の問題ですけれども,財政調整制度で健保組合から繰り入れがあったということは前の予算でもお聞きをしました。しかし,健保組合からの繰り入れは繰り入れとして,神戸市が一般会計からの繰り入れを何も減らす必要はないんです。そのまま入れていたら,そのまま国保料を引き下げることができるんではないでしょうか。  今短期証の世帯が2万近くになっています。そして,未更新と資格証を合わせて 7,800世帯,すごい数だと思います。資格証や未更新の人は当然受診率は極端に低いと思います。国保料が払えない人が10割の医療費を払えるはずがありませんから。  私たち,これ,資料請求したんですけれども,カウントをされていないということで,パーセンテージはわからなかったんですけれども,例えば仙台では資格証の人の受診率というのは0.06%というふうになっておりました。  やはり払えないからこそ,短期証になったり資格証になったりするわけですから,払える国保料にするというのが何よりも先決だと思います。  とりわけ神戸市の国保の中では,低所得者の方がたくさん国保の中に入っておられます。年収 200万円までの所得の方々が何と26万世帯──全体が34万世帯ですから,76.5%の方が, 200万円以下の所得の方が国民健康保険の制度に入っておられるわけですね。そういう中で 200万円以下の方々の未納率も全体の40%を占めています。まさに国保が高過ぎて払えないという実態がここから浮かび上がってくるんです。この間の増税──負担増で暮らしが厳しくなっている上に追い打ちをかけるように国保が上がっていくことに悲鳴が上がっているんです。せめて国保料だけでも何とか下げてほしいということについて,ぜひご検討をいただきたいと思いますけれども,よろしくお願いいたします。  それから,空港の土地処分の問題でございます。私,自分が空港の委員会に長く所属しておりましたので,この間の空港の特別委員会での発言というのをちょっと検索システムでとってまいりました。  2006年3月には航空の物流関連の企業からいろんな話もございますと,宅急便の話とかが出ています。沖縄については花卉類が多いというようなことで今後取扱量の増加が見込まれるようなことを聞いておりますし,小型航空機の関連の企業につきましても関心をいただいている企業があらわれているということですので,企業誘致について,こういう面で全力を挙げてやっていきたいと2006年3月に言われております。  2006年12月には,エアライン各社は格納庫の必要性あるいはそういったものもお聞きしておりますし,ビジネスジェットが就航を開始しましたんで,小型航空機関連企業も関心が高まっているということでございますので,企業誘致に努めております。  それから2007年3月,ここでも同じように,空港島への企業立地が進めば,新たな雇用の場の創出あるいは税源の涵養といった市財政への貢献など,波及効果が多いと思いますということなんですね。  今回,きょうお聞きをしたこともやっばり総合物流とか小型航空機とかいう話なんですけれども,もう1年8カ月が経過して,飛行機が飛んでいる中で,2006年──もっと前からとればよかったんですけれども,もっと前からの話から全く話が同じなんですね。結局土地を買って来たところはブライダル会社,物流関係とか小型航空機ではない会社が 0.3ヘクタール購入したということで,今のところ 0.6ヘクタールだけが処分されたということなんですけれども,これはもうそんなに大幅にこれから売れるという──続々売れるということにはなってこないわけですから,やっぱり財政計画の間違いを認めて計画の見直しを行うことが賢明ではないかと思いますけれども,これについて再答弁をお願いします。
     それから,コンプライアンス条例です。このコンプライアンス条例──行政調査規則でやったことだということで,適正にやったということを言われておりますけれども,この中身を見ますと,最初この方を呼ばれて,何で呼ばれたかわからないようなことでいろんなことを聞いておられます,監察室の方が。  それで,本人が,一体何で私は呼ばれたんですかというようなことを言い始めてから──監察室のことが言われてるんですけれども,ちょっと文章を読みますけれども,やったらだめですよと,その陳述書を出したらだめですよというのは言われていないけれども,呼ばれた人に対して監察室の人が言っているんですけれども,私人としてやっていいことと──公人という立場がついて回るんですよと。公人として,公務員としてやっていけないことがありますよと言われてきておりますよね。そういうふうに抵触すると思わなかったというふうに考えていいですかと。本人は,私はただ真実を伝えたいというだけですというふうに答えておられるんですけれども。  これ,梶本副市長,この方が陳述書を出したことは,これはあかんことなんでしょうか,公務員として。その点だけお答えをいただきたいと思います。  それから,あと,雇用の問題ですけれども,2万人雇用──正規雇用の促進を言っていらっしゃるということで,これはぜひ,言うだけじゃなくてカウントもぜひしていただきたいと思います。2万人雇用の中で,今まで我々はプラスばかりではないということを言い続けておりましたら,廃止をされたようなところはマイナスも,ある一定カウントされてきているということなんですが,正規雇用や非正規・派遣,こういったことをちゃんとカウントしていただきたいと思うんです。  例えば雇用対策法が変わりまして,大阪市では30億円の基金を積んで,それを雇用の施策のために効果的に重点的に推進をしておりますし,横浜市の場合も正社員として就業することの支援が必要であるということで,こちらは5万人雇用ですか,目標値として設定されておりますけれども,ここはやはり正社員として雇用を促進していこうという明確な意思のもと,やっておられます。こういうふうに促進をしていただきたいと思いますが,この点についてお願いをいたします。  (「議長」の声あり) 15 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 16 ◯市長(矢田立郎君) まず,行政経営方針でございますが,先ほどもご答弁申し上げましたように,とにかくあの大震災以降,神戸市が財政再建団体になったんでは,これは本当に市民のサービスが維持できない,そういった中で財政再生をどのようにしていくのか,またそして復興をどう進めていくのかということをやり続けてきて,先ほどもご説明しましたように緊急3カ年,そしてまた5カ年計画,続いて行政経営方針というふうにしてございますが,その中で平成13年にはまさに財政危機に陥っております。  そういった中で財政再生のための施策をとっていくために選択と集中をどう進めていくのか,その中で5本柱による行政経営方針の実施ということやむなしということで,踏み込んでいっておるわけでございまして,そういった点での取り組みということについては十分にやはりこれは市民サービスを維持する,そして市民の暮らしを守っていくんだという観点から行っておるということをご理解いただきたいと思います。  そういった点で,市民の暮らしがどうも市長は見えてないんじゃないかというお話でございますが,決してそんなことはございません。私自身もまちをよく歩いておりますし,実際にいろんな人とも会って話もしますし,そういう点から,また別途ニート・フリーターの問題等も問題意識を持って拝見もしておりますし,また実際にそういう状況も把握をしておりますから,そういった中での取り組みというものに対しまして,今後やはり国全体の構造的な内容にも今なりかねないわけでございますから,そういった点も踏まえて神戸での活性化というものをどう図っていくかということが大事であると。  ですから,2万人雇用というのも,とにかく市民の暮らしを守っていくためにやはりそういう場をつくっていかないことにはだめだろうと,これはハローワークでやっておるものに対してカウントしたものではございませんで,神戸市が実際に事業として取り組んでいこうとしたものの中で生まれてきたものの,こういう雇用というものをカウントしてございますので,そういった点もご理解をいただいておきたいと思います。  それから,敬老優待乗車証の件でございますが,何度も繰り返して恐縮でございますけれども,これは将来にわたって安定的に制度が維持・存続ができるような,そういうシステムを構築をしないことには,やはり将来の世代──今の若い人たちでございますが,その人たちとそして今の高齢者の方々との間の差異ということも施策的に起こってくるんではないかというようなことも,委員の方からの意見にも出ておるわけでございまして,そういった点を踏まえてアンケートもとらせていただきました。  アンケートは市内在住の20歳以上の方 5,000名対象でございますが,うち 1,500名は70歳以上の方,そして 3,500名の方は20歳から70歳未満ということで,無作為の抽出でございます。  その中で回答をちょうだいしたわけでございますが,70歳以上の方からは大体3分の2の方から回答をちょうだいいたしております。そして,20歳から70歳未満の方たちからは大体45%程度の回答をちょうだいしたということでございますんで,少し回答にばらつきがあろうと思いますけれども,やはりそういった中で先ほど申し上げましたように制度を維持してほしいという高齢者の方のご意見と,そして少しの負担をしてでも制度を維持していくという方向が要るんではないかというふうに,ばらつきのある意見でございますけれども,そういった形でアンケートの回答をされたということでございますので,これは特に先ほども申し上げておりますが,懇話会のご意見をベースにして市民の方にもよくそういった内容をお伝えし,その中から意見もいただいて,最終的に決めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  (「議長」の声あり) 17 ◯議長(前島浩一君) 梶本副市長。 18 ◯副市長(梶本日出夫君) 国保料の,国保事業会計の一般会計の繰入金,これを従来どおり出しておれば保険料の軽減につながるんではないかと,こういったご指摘でございますけれども,先ほどご答弁申し上げましたように今回の繰り入れの減額というのは,退職者医療制度の関係で一般会計の繰り入れが減ったということでございます。  しかしながら,昨今の医療制度改革の中で,退職者医療制度につきましても大幅に縮小されるといったような動きがございまして,そういった面で国保事業といたしまして,大幅に縮小される退職者医療制度によってまた影響を受けるんではないか,こういうことを懸念いたしております。  そういった意味で,現在の財政状況からいきますと,これ以上の繰り入れはできないというのが本意でございまして,今の一般会計の繰り入れ,国保では確かに49億円減っておりますけれども,この3年間の中で高齢者に関する保険医療あるいは生保等々の社会保障費が非常に伸び続けておりまして,国保では49億減少いたしておりますけれども,15年-18年の比較におきまして,老人保健医療の一般会計負担が26億円,この3年間でふえております。介護保険もこの事業の進展に伴いまして23億円がふえておる。さらに,生活保護につきましても12億円増加しておるということで,全体の社会保障関係が伸び続けておりまして,単に国保会計の繰り入れが減ったということだけではないということをご理解いただきたい。したがいまして,これ以上の国民健康保険への繰り入れをふやすことはできないということでございます。  なお,国民健康保険事業につきましては,加入者がご指摘のように高齢者以外に低所得者あるいは失業者あるいはフリーター,こういったような加入者の加入の割合が高いわけでございまして,こういった国民健康保険の構造上の問題を抜本的に解決をしていただかなければ,今ご指摘のような点,解決できないわけでございまして,そういった意味で抜本的解決を図っていただくために,平成15年3月に閣議決定をされております医療保険制度の一本化の実現を国に対して要望をしておるところでございます。  それから,コンプライアンスに関連いたしまして,裁判所に陳述書を出したことがいけないのかと,こういうご指摘でありますけれども,先ほどご答弁申し上げましたように,今回の調査は陳述書を出したことの適否を聞いておるわけではございません。今回の調査はあくまで内部の行政規則によりまして──従った調査だということでご理解をいただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 19 ◯議長(前島浩一君) 鵜崎副市長。 20 ◯副市長(鵜崎 功君) まず,空港の土地処分で,今までの話とあんまり進歩してないんではないかというお話がございました。  僕自身は,神戸空港に対する物流なり,あるいは倉庫なり,あるいはFOBというんですか,小型機の運航支援会社の方々に対する神戸空港への関心の大きさは変わっていないというふうな認識を実はしてございます。  企業にとって意思決定が少しおくれているという──数年かかっていますけれども,おくれていますけれども,これは企業にとっては特に小型機とかそういうことになりますと,将来の収益確保,とにかく限界費用と限界効率の関係,収益の関係,この検討に時間を要しているんだというふうに私は理解をしてございます。  ただ,そうは申しましても,先ほどもご答弁申し上げましたけれども,具体の協議に入っている企業が複数あるというふうに申し上げました。これにつきましては具体的には進出区画なり,あるいは面積とか規模とかを具体的に相談しているところもございますし,一部のものにつきましては施設の配置計画まで話をしているところもございます。  ただ,それがいったからといって,あす決まるというわけじゃございませんけれども,ここまで具体的に進んでいる。そして,企業収益確保とそして将来に対する経営の安定度を求めてのいろんなせめぎ合いをしているんだというふうにご理解をいただければというふうに思います。  そういう意味で,私たちは先ほど申し上げましたけれども,神戸空港の島につきましては土地を処分していくんだという考え方で変わってございませんし,財政計画につきましての基本的な枠組みはもう変わっていないと思ってございます。  なお,今まで売れた土地が 0.3ヘクタールと 0.3ヘクタールというお話がございました。西側のやつにつきましては確かに 3,000平米でございますけれども,定期借地の期間中には買い取ることという契約を実はつけております。  そういう契約を今まで──ここが初めてだと思いますけれども,自主的に定期借地期間中に買いたいと,地価が値上がりしているんで,今のうちに安いうちに買っておこうというようなお話もありますけれども,これにつきましてはそういうことでございます。  それから,2万人の雇用で,正規雇用のカウントをしてほしいというふうにご質問がございました。これにつきましては私たちもそのようにしていきたいと思っています。  ただ,企業の中でとにかく最初に進出したときは小さく進出してきて,後,大きくなりますので,なかなか将来の自分ところの経営戦略を言わないということがあって,先ほども半分程度が正規雇用ではないかと僕自身は思っているという,そういう答弁を申し上げました。頑張っていきたいと思います。 21 ◯議長(前島浩一君) では,時間が経過しましたので,ご苦労さまでした。(拍手) 22 ◯議長(前島浩一君) 次に,31番高山晃一君。  (31番高山晃一君登壇)(拍手) 23 ◯31番(高山晃一君) おはようございます。高山晃一です。住民投票☆市民力市会議員団を代表しまして,平成18年度神戸市決算に対して大きく3点,お伺いをいたします。  まず1点目,行財政改善の取り組みについて2点,お伺いをいたします。  1点目は,人件費の圧縮についてです。神戸市では平成16年度から22年度を目途とする行政経営方針に基づく職員の削減を進めており,目標 3,000人に対してこれまで 1,894人の削減を実施しております。  しかしながら,一般会計において職員費が,平成14年度は 1,374億円であったものが平成18年度は 1,321億円と, 3.9%しか削減されておりません。  民間委託や嘱託など物件費として計上されている隠れた人件費を合わせて考えると,市長はじめ一生懸命皆さん取り組んでいらっしゃると思われますけれども,行財政改善がどれほどの実効性を伴っているのか,私たち市民にはいまひとつよく見えてまいりません。さらなる職員定数,人件費の削減に向けて取り組む必要があると考えますが,いかがでしょうか,お伺いをいたします。  2点目は,入札制度改革についてお伺いをいたします。談合の防止や業者の利便性の向上に向けて,平成18年度から神戸市では電子入札制度を導入し,現在 1,000万円以上の工事契約,物品購入の場合は医療費・自動車など品目を限定して適用されています。  今後,例えば対象工事契約の価格基準の見直しや物品契約の品目の拡大により,さらなる電子入札の拡大に努め,参加業者の増加に伴う落札率の低下など市全体の効率化に向けた取り組みにつなげていくべきだと考えますが,いかがでしょうか,お伺いをいたします。  大きな2点目,敬老優待乗車制度の目標達成に向けての質問をいたします。  高齢者数の増加を受けまして,他都市でも同様制度の見直し作業が行われております。神戸市で他都市のモデルとなる制度の確立がされることを望んでおります。この敬老優待乗車制度に対して2点,市長の見解をお伺いします。  1点目,敬老優待乗車制度の目的は,敬老優待乗車証を交付し,利用者の社会参加を促進し,日常生活における移動を支援し,あわせて生きがいづくり,健康増進に資する,こうあります。  事業当初の目的を率直に達成するためには,現在敬老パスの利用対象外である神戸電鉄・JR・阪急・阪神・山陽電鉄・タクシーなどの交通機関を利用しなければ社会参加できない地域にお住まいの方々に,それらの交通機関がわずかでも利用できる回数券やカードが選択交付されることが必要ではないかと考えます。  神戸市は,かつて対象となる交通機関が民間バス事業者やポートライナー・六甲ライナーにも拡大された時期に,特定の区の住民に敬老パスか民バスかポートライナーや六甲ライナーの回数券,いずれかを選択可能にしていた時期があります。同様の取り組みができないという理由はないかと思います。  対象交通機関の拡大が実現できるまでは,当初の事業目的が達成できているとは言えず,公平性を原則とする行政施策としては評価ができません。対象交通機関の拡大に対する市長の見解をお伺いいたします。  2点目は,制度に対する外部評価の所見で,所得水準が高い高齢者は本事業に依存することなくモビリティーの確保は可能である,少なくとも負担費の引き上げが必要であるという所見がございました。  そこで,お伺いをいたしますけれども,外部評価の所見に基づいて,現在前年の所得が控除後に 378万円を超える高齢者には,希望者に一律3万円負担をいただいている一部有償交付制の段階を細分化すべきではないかと考えますが,いかがでしょうか,お伺いをいたします。  3点目です。協働と参画のまちづくりについてお伺いをいたします。  神戸市が取り組む協働と参画のまちづくり,大変先進的なすばらしい取り組みだと,仕組みだと思います。このような理念のもと,まちづくりの成功事例を複数生み出すことが神戸市民の市民力を高めることにつながるかと思います。  まず,鈴蘭台地区のまちづくりを事例として市長のお考えをお伺いします。平成5年,北区の玄関口にふさわしい鈴蘭台駅周辺地区の整備を図ることを目的として,駅周辺の自治会・婦人会・商店街などの組織をもとに,鈴蘭台駅周辺整備を考える会が発足いたしました。この会は震災後も活動を継続し,5年後の平成10年11月にまちづくり構想のたたき台となる駅前再開発構想案をまとめるに至っております。  その後,駅前再開発に絞った検討をするために,関係権利者で構成する駅前再開発検討部会での活動が行われたのですが,残念ながらなかなか話がまとまらずに,平成14年度以降活動が休止いたしました。  その後3年ほどたって平成17年10月に活動が再開されます。鈴蘭台駅前の活性化に係る意見交換会が開催されました。そして,平成18年2月には鈴蘭台駅前活性化委員会が設立されました。というように数多くの会が設立・発足されながら現在に至っているという状況です。  平成17年10月から3回開催された鈴蘭台駅前の活性化に係る意見交換会において,駅前広場や幹線道路──鈴蘭台幹線といいますけれども,この整備について神戸市の考えを直接聞きたいという意見が住民から出されたのを受けて,次のような神戸市の意向が昨年6月に示されました。  1,鈴蘭台駅周辺を北区の玄関口にふさわしいまちにしていくためには,駅前広場や幹線道路──鈴蘭台幹線の整備は必要であり,皆さんと協働で前に進めていきたい。もう1つ,鈴蘭台幹線についても,駅前広場と並行して整備の検討を進めていきたい。さらに,平成18年7月29日には,駅前周辺だけでなく鈴蘭台駅へのアクセスも鈴蘭台地区の課題であると考えており,駅前広場と並行して鈴蘭台幹線を整備することを検討していきたい,このような提案が神戸市からされました。  そしてその後,神戸市の鈴蘭台幹線整備に向けた取り組みが活発化し,平成18年9月から幹線に関する意見交換会,現地相談所が開催され,あした──9月29日には鈴蘭台幹線の住宅地部分の道路幅を20メートルから16メートルに縮小する見直し案が,神戸市の方から提案される予定です。  そこで,市長のご見解を2点,お伺いいたします。  現在,鈴蘭台駅周辺整備が膠着状態を抜け出す起爆剤になればということから,神戸市は鈴蘭台幹線の整備に着目し,都市計画変更に向けた手続を進めておられます。  意見交換会で住民から,神戸市の考えを聞きたいという意見が出されたことをきっかけに,神戸市は道路幅の見直し提案に向けた作業にまで取り組みを進めているわけですが,既に鈴蘭台地区住民の総意でまちづくり構想案がまとまるところまで,協働のまちづくりが進んでいます。  事の流れから考えると,鈴蘭台幹線の道路の幅は神戸市が主体となって見直し提案することではなくて,やはり地域住民がまちづくり構想を仕上げる,まとめる過程で考えることではないかと私は思うんですが,いかがでしょうか。  2点目として,鈴蘭台駅周辺整備を考える会は,神戸市からの資金的な支援を受けながらコンサルタントの派遣を受け,先進地視察,交通量調査などを実施し,膨大な時間を費やしながら議論を重ね,地域住民・行政・専門家が多くの汗を流した末に,たたき台となる駅前再開発構想案をまとめるに至っております。  駅前再開発構想案がたたき台として一度は提案をされている以上,必要な修正を加えながら駅前再開発構想が仕上がる方向で側面的な支援をしていくことが,協働のまちづくりに取り組む神戸市の本来の役割ではないかと私は思うんですが,いかがでしょうか,ご見解をお伺いいたします。  以上です。  (「議長」の声あり) 24 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 25 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から敬老優待乗車制度につきまして,ご答弁を申し上げたいと思います。  まず,敬老パスの対象交通機関の拡大というご提案でございます。これにつきましては現在の制度の経緯というものがるるあるわけでございますが,そういった中で基本としましてこの制度を立ち上げたのは,実は市バスを昭和43年の段階で,これは福祉乗車証としてこれを考えたわけでございまして──その当時はまだ市電も走っておりましたんで,福祉乗車証の,例えば身体障害者・知的障害者・母子世帯あるいは被保護世帯,原爆の被爆者の方々に,昭和43年にこれを初めて対象としたわけでございますが,これが昭和48年に──市電はもう廃止されておりましたが,敬老パスとしてこれを開始しようというときに,市バスだけで満70歳以上の方々に対してこの制度を発足させたというのが基本でございます。  でございますから,そういった趣旨がベースになっておりますが,その後地下鉄の山手線が開通をいたしました際に,地下鉄もその対象にしてきたという経緯があるわけでございまして,これは昭和60年でございます。  そしてその後,平成2年に神姫ゾーンバスそして神鉄バス,それから神戸新交通──ポートライナー・六甲ライナーでございますが,こういった内容につきまして対象を拡大いたしました。  で,特定の区の住民の方々にはこの際,市バス・地下鉄共通乗車証か,あるいは民バスまた新交通のいずれか1社限定の回数券を選択可能というふうに,このときに平成2年の段階で決めたわけでございますが,その後全線共通パスの導入というのが平成5年に図られまして,対象交通機関が1枚の乗車証で利用可能という際に阪神バス・阪急バスも追加された,こういった経緯がございます。  そういった中で,この制度が現状の形になっておるわけでございますけれども,そういう点で市内での交通体系というものを考えましたときに,確かにJRとかあるいは民鉄とかいうふうな形のところにこれを拡大するという形にはなっていないわけでございまして,他の都市の例を見ていただきましても,そういった民鉄あるいはJRというふうな形でもって対応をしておるという例はございません。  そういう中で,やはり基本としては私どもは,バスそのものが基本であったという原点をよく考えておかないといけないと思っておるところでございまして,そういう中で実際にこれ,一体だれが費用を負担するのかというところが実は大きなテーマでございますし,一方で社会参加を広げていただく,そして日常生活の移動手段にも使っていただく,あるいは健康な生きがいのある暮らしを図っていただくという点の視野でのメリットはございますけれども,しかし一方でこの負担というものが一体だれが負担をするのかという点に関しましての議論も,今,懇話会の中で大きな議論として,していただいておるところでございます。  そういった点で,利用状況についての格差がございます。ですから,例えば有料にした時期がちょうど平成6年の10月に一部── 378万円以上の方は3万円を納付していただいてご利用いただけますかというふうに申し上げましたら,やはり交付希望をされる方とされない方というのが当然に出ていらっしゃいました。  今回,この1月にアンケートをとらせていただきましたが,その際に,敬老パスの交付を受けていらっしゃらない方というのが,どんな理由かというふうにお聞きしますと,受けていらっしゃらない約半数の方が自家用車を利用しているとか,あるいは身体的な事情があるとかいうふうなことをおっしゃっておられるような方もいらっしゃるわけでございます。  とにかく私どもとしましては,こういった趣旨そのものが,ベースになるものを少し拡大をしながらやってきたということでございますので,本来はこのバス以外の事業というものについては,むしろ例外的な取り扱いをさせていただいてきたというふうな観点が基本にあるんではないかというふうにも考える次第でございますんで,これ以上の対象交通機関をふやしていくということに関しましては,大変困難な状況であるということもあわせてご理解いただきたいなと思ってございます。  それから,この敬老優待乗車証につきまして,細分化をした所得の段階での負担が必要ではないかというお尋ねでございますが,先ほど申し上げました平成6年の所得 378万以上の方の取り扱いということにつきまして,平成6年に,地震の前にこういう状態を施行したわけでございますが,その後平成15年の事務事業の外部評価をしていただいた際にも,外部評価の方からは,所得水準の高い高齢者の方々はモビリティーの確保を本事業に依存することなく可能ではないかと。したがいまして,必要な高齢者に敬老パスが適用されるよう方策を再検討する必要がある,少なくとも負担額の引き上げが必要であるというふうな外部評価をいただいたわけでございます。  その後,これにつきましては,その内容は一応いただいた状態のまま置いておりまして,改めて今回検討懇話会を設置させていただきまして,その中でご検討をいただいておるわけでございます。  これは先ほど来申し上げておりますように,この制度は将来にわたりまして安定的に維持・継続ができるような,そういうあり方をやはり模索していかないことには,これが大変大きな問題になっているんではないか,世代間の公平という点も踏まえて大変な問題にならないかと。  そしてまた,高齢者の生活のあり方というものを考えましたときに,これはこの当初の趣旨からこれは非常に有効なものであることは間違いございませんので,それに向けての最適のすり合わせできるところをどう考えるかということで,広く意見をちょうだいしておるというところでございます。  そういった点で,この懇話会の検討の結果をいただきながら,そしてその中で市民の皆さんのご理解をちょうだいするような説明をしていく必要があろうというふうに思ってございます。  今,懇話会の中では,一定額をというような話もあるような──意見があるというふうにも先ほど来お話がございましたが,そういった点を,すべての点で意見が一本にまとまっておる状態というふうに私は聞いてございません。これもいろいろとやり方について意見があるように聞いてございますので,そういった内容に関しましてメリット・デメリットがやはりあるわけでございますので,そういう内容等を十分に吟味しながら考えていかなければいけないんではないか,このように思っております。  (「議長」の声あり) 26 ◯議長(前島浩一君) 梶本副市長。 27 ◯副市長(梶本日出夫君) 行財政改善につきまして2点,ご答弁申し上げます。  まず,行政経営方針に基づく,さらなる職員定数削減に向けた取り組みが必要ではないか,こういったご質問でございますけれども,神戸市におきましては平成15年の12月に行政経営方針を発表し,それ以来職員・組織体制につきまして,すべての事務事業におきまして地域人材あるいは民間活力の推進,執行体制の効率化,こういった観点からの見直しを図ってまいりました。  外郭団体への派遣職員も含めた職員総定数を 3,000人削減するという目標を持って取り組んでいるところでございまして,19年度までで既に 1,894人の削減を達成したところでございます。  これ,15年以前にも,震災後の平成8年度から平成15年度までに既に震災前の職員総定数の1割に当たります 2,185人の削減を行ったことに加えまして, 3,000人削減という行政経営方針による定数の厳しい見直しを進めてまいりました。震災後で合計 5,000人以上を超える削減を目指すものでございます。  これらの取り組みは,全自治体が策定をし,取り組むことになっております集中改革プランというのがありますけれども,この期間において平成17年度当初に比べまして全市で11.5%の削減を目指すものでございまして,行政改革推進法で定められております純減率 4.6%,さらにまた全国自治体の平均の純減率 6.2%を大幅に上回った内容になっておりまして,全国的に見ても非常に厳しい目標であると考えております。  この行政経営方針発表後におきましては,一般会計部門におきましてごみ収集なり処理体制の効率化,また公立保育所の民間移管,震災復興土地区画整理事業の進捗,また学校施設管理業務の効率化,外国語大学の地方独立行政法人化などによりまして,今申し上げましたような職員総定数の削減に取り組んできたところでございます。  いずれにいたしましても,本市の置かれております大変厳しい財政状況を踏まえまして,市民ニーズに対応した責任ある行政サービスを,今後とも安定的・継続的に提供できる効率的な体制を構築するために,平成22年度までの行政経営方針期間中に,全市におきまして 3,000人削減という目標の完遂に向けまして,引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  それから,もう1点は入札の問題でございます。  電子入札を導入して対象工事契約の価格基準の見直し,あるいは物品契約の品目の拡大,こういうことによって落札率の低下による市全体の効率化に向けた取り組みにつなげていくべきだ,こういうご質問でございますけれども,電子入札の導入につきましては,開発・運営コストの低減化を図るとともに,発注者ごとに別々のシステムに対応しなければならない,こういった利用者の負担を避けるために,兵庫県下の近隣市と兵庫県電子入札共同運営システムに参加することといたしまして,工事・物品ともに18年度からその実運用を開始しているところでございます。  工事契約につきましては,当初予定価格1億円以上から開始をいたしまして,その後漸次対象を拡大いたしました結果,平成19年4月からは原則として予定価格 1,000万円以上の案件を対象に実施いたしております。  その結果,平成19年度の第1四半期の工事の電子入札運用実績を数値で見てまいりますと,件数的には84件──工事の全体が 124件ございます。そういったような内容。それから,契約金額にいたしまして68億 3,400万円,工事の計が70億 1,100万円ということでございますんで,工事全体に占める割合は件数で69.4%,金額で97.4%に上っております。  それから,物品契約につきましては調達分野ごとに実施を検討いたしておりまして,18年度は鋳鉄管の製造,医療機器,弁栓類を全件電子入札の対象に実施をいたしました。平成19年度はさらに対象を拡大いたしまして,架線保守それから乗用車・トラック,OA機器,樹木剪定・公園管理を加える予定でございます。  この電子入札は,談合の防止なり業者の利便性の向上などに役立つものと考えておりますけれども,一方で参加業者に対しましては認証カードの取得等に新たな負担が要るということで,厳しいという声もお聞きをいたしております。工事契約の一層の拡大に関しましては,その点も考慮しながら検討を進めていく必要がある,このように考えております。  また,物品契約につきましても発注頻度あるいは業者側の負担軽減効果の状況等を勘案しながら,原則として全業種を電子入札の対象にできるように漸次対象業種を拡大してまいりたい,このように思っております。
     以上でございます。  (「議長」の声あり) 28 ◯議長(前島浩一君) 石井副市長。 29 ◯副市長(石井陽一君) 私の方からは,鈴蘭台地区のまちづくりについて答弁させていただきます。  鈴蘭台地区の周辺につきましては,区役所あるいは公共・公益施設,これが集中しておるわけでございまして,いわゆる北区の玄関口と。そういう中で駅前広場あるいは駅前への南北のアクセス道路──鈴蘭台幹線というのがございますけれども,これが延長が 1.2キロございます。この整備ということにつきまして,都市計画決定そのものは昭和39年に行われておったわけでございますけれども,現在整備が至っていない,こういう状況でございます。  そういう中で,先ほど議員の方からもございましたけれども,平成5年に地域の自治会の方あるいは婦人会の方等々をメンバーとした鈴蘭台駅周辺整備を考える会,これが結成をされたと。そういたしまして,平成10年11月には駅前広場とその周辺を含みまして駅前再開発計画,こういう構想が提案をされたと。  その後,具体的に関係権利者の方,こういう方が中心となりまして駅前再開発検討部会と,こういうことで実質いろいろ検討をされたわけです。当然こういう中には我々もいろいろの面でアドバイスなり支援をしておったわけでございますけれども,その考える会の構想案につきましてさまざまなケース,いろいろの再開発のケースについて検討されたわけでございますけれども,残念ながら採算性の問題なりあるいは権利者のいろいろの方々の合意形成と,こういうものがなされなかった,できなかったということで,実質的には休眠状態になっておったと。  そういう中で,やはり鈴蘭台の駅前につきましては,人と車が錯綜した非常に危険な状況というようなこともございまして,地域の本当に多くの方々,いろいろの方々から駅前の早期整備──道路も含めた駅広の整備等,我々,要望を受けておったわけでございますけれども,先ほど議員の方からございましたけれども,昨年の平成18年2月ですか,地元の方で新たに活性化委員会と,こういうものを立ち上げられたわけでございます。  これは駅前の商店の方々で構成されておるというふうに聞いておるわけでございますけれども,そういう方々を含めまして,地域の方々が我々の方に,市としてやはりきっちり考え方を示してほしいと,どう考えておるのだと,そういうことがございまして平成18年6月でございますけれども,地元の方々の要請を受けまして,我々市としての考え方をそこで説明をさせていただいたわけでございます。  我々としましては,当然駅前広場なりアクセス道路,こういうものについては整備が必要だと考えておると,それを整備するに当たってはやはり地域の方々のご意見,こういうものを十分聞いていく必要があるんじゃないかというような説明をさせていただいたわけでございます。  そういう中で,やはり道路とかそういうものにつきましては,きっちりとした行政としての方向も出してほしいということで,私どもとしましては地域の方々とご相談をしまして,それ以降,いわゆる道路と駅前広場とこれは別物になってきますので,道路につきましては平成18年9月から実際に沿道の方々のご意見を聞くということで,例えば小部第2地区の自治会あるいは鈴蘭台の北の自治会,東町,そういう単位自治会の方々といろいろの意見を交換し,昨年の11月にはいわゆる北区の方で,区役所の方で現地相談会,そういうものも開設をいたしまして,本当に現在の時点での都市計画決定をしている道路,これについて実際に抵触されておる方あるいは関係のある方,そういう方々に個別・具体的なご説明をし,あるいは我々,ご意見をお伺いしたということでございます。  そういう中で,もちろんその意見の中ではいろいろのご意見が出ております。現状のままでいいという方もおられます。ただ,多くの方がやはりきっちりと整備をするべきじゃないか,あるいは幅員を変更してでも整備をするべきではないかというご意見もいただいておるわけでございます。  我々としましては,そういういろいろのご意見を伺った中で平成19年の4月,ことしの4月から3回にわたりまして鈴蘭台幹線という 1.2キロの道路,これにつきましていろいろの意見交換会をやってきたと。  先ほど議員の方からございましたけれども,実はあすもそういう意見交換会をすると,そういう中で私どもとしましては,やはりああいう駅前を含んだ道路の幅員,こういうものについてはやはり我々の方からある一定のご提案をさせていただいて,それについて意見をお伺いし,そして事業を必要であれば進めていくと,そういうことで今まで取り組ませていただいたわけでございます。  またもう1点,先ほどの再開発の検討部会で,ある意味では白紙状態になった駅前広場を含む駅の周辺の再開発ということにつきましても,私どもとしましては,駅広の関係で昨年の7月から9月にかけまして,実際に土地に抵触をされる方々の意見をお聞きしております。  そういう中で,約4割の方が売却あるいは代替地を欲しいと,そういう意味で移転を希望するというようなことをおっしゃっておりますし,また残りのあと4割の方につきましてはその駅前付近に残りたいと,そういうことをおっしゃっております。そして,2割の方は意見保留でございましたけれども,そういうふうなご意見を聞きまして,私どもとしましては,やはりこういうご意見の中で駅前広場をどうしていくのかということにつきましては,やはりその駅前広場の交通機能としての整備,それともう1点はやはりまちのにぎわいということを実現する必要がございますので,こういう方々の意見をもとに,我々,今,案を考えております。  そういう案を地元に提示しまして,それ以降やはり地域の方々と協働で一緒になっていろいろの検討をし,まちづくりの計画をまとめていきたいと,そういう中でやはり単に道路とかあるいは広場ということだけではなしに,それと関連した部分のトータル的なまちづくり,こういうものについては先ほど議員の方からございましたけれども,協働で地域の方々にご支援をし,計画を進めていきたいなというふうに思っています。  いずれにしましても,道路関係につきましては,私どもで今ご提案をさせていただいておる関係を十分,意見を交換する中で大方の合意が得られるんであれば,やはり基本となる道路でございますので,都市計画の変更ということをやっていきたいと。その後,駅前広場とか周辺を含めた整備構想,これは地域の方々と一緒になって協働で進めていきたいと思っております。  以上でございます。  (「議長31番」の声あり) 30 ◯議長(前島浩一君) 31番高山晃一君。 31 ◯31番(高山晃一君) それでは,再度質問します。  まず,鈴蘭台ですけれども,いろいろ今細かい経緯をご説明いただいたんですが,過去にまちづくり構想案がまとまるところまで話が進んでいると。それに対して質問したわけですけれども,それに対するご回答がほとんどなかったように思うんです。もうちょっとこれはまた──もう時間ないから,また後で聞きます。  1つ知りたいのは,北区役所の話がちょっと出たんですけれども,このまちづくりにおいて北区役所がどうなるかというのは結構大きな問題で──老朽化しています。それで狭くて,一部耐震補強も必要です。でも建てかえ補修しようと思っても場所が確保できないというような状況がありますので,この問題もまちづくりには非常に影響があると思いますから,北区役所を今後どんな方向で再整備しようと考えているのかというのは,行政としての方向性も示すべきではないかと思いますので,これについてわかる範囲でお答えください。  それから,敬老パスですけれども,今までの経緯ずっとご説明がありました。それも理解できるんですが,やはり私ちょっと,行政の施策というのは目標に向かってそれをいかに実現するかという観点で,しっかり評価をしていかんといけないと思うんです。  やっぱり今の状況であれば,利用者の社会参加を促進し,というふうに目標に書いておるけれども,そうじゃなくて神戸市内一部地域の高齢者の社会参加を促進しておるだけだと思うんです。やっぱり神戸市内全体を当然対象としているわけですから,そこでやっぱり目標達成するためにはどうしたらいいかということを,もうちょっと行政と知恵を絞る必要があると思うんです。  他都市の例がないというお話だったんですけれども,たしか生駒市はJスルーとかスルッとKANSAIとかタクシーチケットとか,そこから好きなものを選択できるというような仕組みがあったと思うんですけれども,ちょっと私も今正確に調べてませんので,その辺もちょっとお調べいただければなと思います。  それで,行財政改善ですけれども,今市場化テストというのが各自治体で検討されていますが,神戸市では動向を見守りたいというふうに,市長は2月の定例市会でおっしゃっておられました。窓口業務とかに限定されるというようなことだったんですけれども,他都市ではやっぱりもっと間口を広げて,できることは何かと,いろいろ取り組みを始めてられます。そういう動向を踏まえて,神戸市でもやっぱり方向性を出していく必要があると思うんですけれども,いかがでしょうか。  確かに公権力の行使を伴う業務とか,行政にはいろいろ制約がありますけれども,例えば地方税の徴収においても,地方税の徴収の業務を細分化していったら税額を決定するとか差し押さえをするとか,そこはやっぱり公務員がしないといけないですけれども,ほかのところは別にいいと思うんですね。  ある調査では,行政の業務をそういうふうに細分化していったら,絶対公務員しかできないというのは13%ぐらいというような調査結果も出ていますから,それに対するご見解をいただきたい。  それから,入札制度,これは談合を──私も入札結果をずっとホームページで神戸市のを見ていったら,すぐ,あれ,これはおかしいわというのが,何となくいっぱい出てくるんですよ。  他都市では,高落札率入札調査制度──落札率が95ぐらいになったら,談合情報があろうとなかろうと行政が調査に入る。積算根拠を確かめるとかそういうことをやって,できる限り談合を減らして,市民の税金を大事に使おう,そうやって頑張っていますから,そういう取り組みが神戸では必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。  以上です。  (「議長」の声あり) 32 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 33 ◯市長(矢田立郎君) まず,パスの関係でございますが,私,先ほどJRが各都市にないというふうにちょっと申し上げましたけれども,今手元にある資料をちょっとさっき見たんですが,広島が──これは所得が非常に厳しい条件で広島市はされていますけれども,そういう中でJRというのは対象に──これはある部分でしょうけれども,JR回数券というふうになっていますね。そういうものがここだけあるようです。  それから,福岡は一部路線のみと書いてあるんで,ちょっと内容はわからないんですけれども,何かこれについてはちょっと調べてみないとわかりませんが,こういうのが2つの例として,先ほど私,ないと申し上げましたけれども,ちょっとそういう内容を調べさせていただきたいと思います。  それから,生駒の例はちょっと私は存じ上げておりませんので,これについても一度どんな状況なのかということを調べないといけないと思います。  しかし,先ほど来申し上げておりますように,これは各都市どこを見ていただいても大体神戸と似通った形態でございまして,公営交通及び協力いただける民バス等,あるいは神戸の場合,新交通が入っておりますが,そういうところのセクター等を対象にした制度として運営をされていらっしゃると。  その中でいろんな扱い方については,所得の関係とかあるいは頭切りとか,いろんな形でされていらっしゃいまして,利用限度のない乗車券無償交付というのはまさに神戸と大阪という2都市でございまして,そういう中で今後の問題についてどう考えていくのかということを考える際にどうなのかということが,今懇話会の中で議論していただいておるという状況であるというふうに,ご理解いただきたいと思います。  それから,北区役所の話がございましたけれども,実は区役所の再建といいますか取り組みに関しましては,実は兵庫区役所それから須磨区役所,これは以前から随分と話題になっておるわけでございまして,地域の方からもご意見をいただいております。  北の方の区役所の関係も意見をいただいてございますが,できた順番というのではちょっとおかしいじゃないかという意見もおありかと思いますが,北区役所の問題というのも人口の増という観点等を踏まえて,最初の段階で,例えば分区というふうなものが想定された場合にどうするんかというふうなことも,あわせていろいろ話題になったというふうに聞いておりますけれども,こういう点で建物そのものの構造についての問題,あるいは市民のサービス上でどうなのかというふうな点に関しまして,これからやはり北の区役所もそういう,今申し上げた順序はもちろんございますれども,兵庫・須磨そして北というふうなところ,そして西の区役所なんかも最近意見をいただいたりしてございますんで,そういった区の業務に関しまして市民のサービスが適正に執行できるような,やはりそういう施設でないといけないことは確かでございますから,そういう中でこれはもう少し考えていくということになろうかと思っております。  それから,市場化テストの話がございましたが,現実に徴収業務の関係等につきましては,例えば国民健康保険の場合はこれは既に以前から──地震の以前から収納の関係に関しまして一部民間の方々に入っていただいて,やっていただいたりもしておりまして,震災後かなり本格的にそういう収納体制── 100人を超えるような,そういう収納体制をとっておるということでもございますんで,これについてはどういう形でどんな業務がこれに対応できるのかということは,かなり今おっしゃいましたように,いろんなプライバシーの問題とか公権力の問題というふうに今おっしゃいましたが,まさにそういった市の業務としての上からどういう形でもって対応できるのか。  例えば公の施設の関係については指定管理者の制度ということで,法ではっきり定められましたから,それに向けてやっておるわけでございますし,そういったとらえ方そのものの基盤をどういうふうに位置づけるかということも含めて検討させていただきたい,このように思っております。  (「議長」の声あり) 34 ◯議長(前島浩一君) 梶本副市長。 35 ◯副市長(梶本日出夫君) 高落札率についての特別な調査を行ったらどうかと,こういうご指摘でございますけれども,これは他都市では一部,こういった高落札率の入札調査制度を行っているところもございます。  95%を超える入札について談合の疑いが強い,こういうことで工事費の内訳書あるいは積算書の調査を行った上で落札決定を行うということで,この高落札率の入札の調査をしておる,こういう制度を導入したということをお聞きいたしております。  工事費の内訳書の調査としては,神戸市におきましても既に予定価格の 5,000万円以上の工事については内訳書の提出を義務づけておる。そして,内訳書のチェックの中で談合が疑われる場合は,業者のヒアリングあるいは公取への報告,こういったことを行っておりまして,特に自社で適正に積算をしているかどうか,こういった意味において同等の効果を上げているというふうに考えております。  一定の高落札率の入札調査制度につきましては,例えば希望価格での入札ということでございまして,95%を超える場合に一律に特別な調査を実施するということにつきましては,逆に予定価格の95%以下という,こういう希望価格での入札を誘導するということにつながりかねないということでございまして,国交省におきましても発注者による入札価格の行き過ぎた誘導は不適切である,こういったような見解も示しておるところでございますんで,私どもといたしましては現在,今申し上げましたような内訳書の提出の義務づけ・チェック等々によって談合防止はできる,このように考えております。  以上でございます。 36 ◯議長(前島浩一君) では,時間が経過しておりますので,ご苦労さまでした。(拍手)  この際,暫時休憩をいたします。  午後1時30分に再開いたします。   (午後0時28分休憩)   (午後1時33分再開)  (前島議長議長席に着く) 37 ◯議長(前島浩一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,平成18年度神戸市各会計決算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  33番山下昌毅君。  (33番山下昌毅君登壇)(拍手) 38 ◯33番(山下昌毅君) 私は,新政会市会議員団を代表して,平成18年度決算並びに関連議案について,市長並びに関係当局に質疑をいたします。  平成18年度決算は,厳しい財政状況の改善を目指し,行政経営方針に基づく行財政改善への取り組みを推進した結果,15億円の財源対策はしたものの,ほぼ収支は均衡しており,景気回復による市税の2年連続増収,行政経営方針による市債発行の抑制等,神戸市財政健全化への明るさを感じる決算となっております。  しかし,アメリカ発のサブプライム問題や原油高による景気減速が懸念をされ,また三位一体の税制改革による交付税の減少等,国内外からの大きな波により,依然として厳しい財政状況が続くものと予測をされます。将来の神戸を見据えてのさらなる行政経営方針の着実な推進を期待し,以下数点の質問をいたします。  まず最初は,校区自由化による学校選択制についてお尋ねをいたします。  東京都品川区で実施が始まった学校選択制は全国へと広がり,現在多くの自治体で実施され,また検討をされております。これまで我が会派からたびたびの検討を提案いたしましたが,本市教育委員会では毎回同じ答弁を繰り返すに終始し,教育委員会議事録を精査する限りにおいては,真剣に議論し検討した様子も見当たらない状況でございます。学校選択制のメリットやデメリットを考える前に,この制度が全国に拡大した理由を,多方面からの検証をすべきだと考えます。  教育長は,地域を壊してしまうとか,学校間格差が生ずると,毎回の質問に対する同じ答弁をされますが,疑問と矛盾を感じ,ただ導入や試行への検討を避けたいだけと断じざるを得ません。地域を壊すと言うのであれば,児童減のために統廃合は,地域の多くに影響を与えているのではないでしょうか。学校間格差が生ずるのは世の常であり,子を持つ親としては,社会に出てからの競争に勝つための体力と学力を備えてほしいと望むのは当然であります。  また,西区においては,大規模校と全校児童が50人程度の小学校が両立をしており,神戸市においてこの学校間格差はいかがお考えでしょうか。  さまざまな局面から検証し,地域の実情や要望等を聞き,限定した地域の範囲の中で学校選択制を導入し,子供や保護者の目線での実施に向けての検討を考えるべきと思いますが,ご見解をお伺いいたします。  次に,子育て支援施設についてお尋ねをいたします。  急速な少子・高齢化社会の進展と核家族化により,子供を育てる環境は大きく変化しており,その中で子育てや出産に対し,不安を抱える人も多くおられると聞きます。改めて,より子育てしやすい環境の整備を進める必要があると考えます。  北九州市への福祉環境委員会での視察では,子育てふれあい交流プラザ──元気のもりという子育て支援施設が設けられ,就学前の子供やその親を対象に,子供の遊び場の提供に加え,保護者同士の情報交流と育児に関する悩み相談が行われておりました。また,京都市のこどもみらい館や生き方探求館といった施設,また民間で経営する東京都にあるキッザニア東京など,子供の将来を見据えた施設が他の都市においても設置をされております。  子育て支援施設として,神戸市としても,まず独自の施設を各区に1カ所程度設置し,子育て環境の充実を図っていくべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,世界華商大会開催に関連してお尋ねをいたします。  9月15日から神戸市を中心に日本で初めての開催として,第9回世界華商大会が開催をされました。国際港都神戸が開港 140年を迎える時期に華商大会が開催されたことは,不安を抱きつつ海を渡り,新天地を神戸に求めた華商の方々や,神戸の地に根差して活動する子孫の方々にとっては,喜びのきわみだったと推測するとともに,今回の大会の開催に尽力された関係者各位に敬意を表します。この大会の開催によって,あの大震災から復興した神戸を再認識していただき,人と人の輪や交流に多くの感動を与えたすばらしい大会であったと思います。  この大会を契機として,新たなビジネスチャンスや経済交流が生まれると推測をいたしますが,この結果を踏まえ,開催地での代表者として,今後市長はどのような取り組みを行っていかれるのか,ご見解をお尋ねいたします。  最後に,新都市整備本部事業についてお尋ねをいたします。  神戸は,「山,海へ行く」の発想を実践し,巨大プロジェクトを進め,多くの良質な住宅地や海岸線の埋立地により多額の売却益を活用して,神戸市民の福祉向上や施設整備に寄与してまいりました。  平成18年度末の新都市整備本部事業の会計の企業債残高は 3,685億円の多額に上っております。これは,バブル崩壊による地価の下落や震災被害を経た今日,非常に厳しい状況になっております。18年度決算を見る限り,新たに25億の企業債を発行し,雑収益を繰り入れて黒字計上しているものの,市民の視点からしても,その将来に不安を抱かざるを得ないような深刻な状況であると言わざるを得ません。もうこれ以上の開発はしないと決断している今日,もうそろそろ企業債の返済に向けてを検討,実行していくべきだと考えます。  このような新都市整備事業の現況を見るとき,大きな改善策が必要と考えますが,ご見解をお伺いいたします。  1点要望として,今本会議で各会派質問をいたしております敬老優待乗車券について,現時点で検討懇話会で検討されておりますが,我が会派としては,長続きする制度として維持できる,そのためのさまざまな方策を図るとともに,低所得者への配慮を要望しておきたいと思います。  以上,新政会を代表しての質問といたします。与えられた時間が35分でございますので,簡便な答弁をよろしくお願いいたします。  (「議長」の声あり) 39 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 40 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から,世界華商大会についてご答弁を申し上げます。  神戸で開かれた大会は,中国の南京市で開かれた大会以来の非常に規模の大きい大会になりまして,世界33カ国・地域から集まっていただいたということで, 3,600人の華僑・華人の方々がいらっしゃったということでございますんで,おっしゃいますように,神戸の存在を大きくアピールできたんではないかなというふうに思っております。  また,そういった開催に対しまして,地元の華僑の方々が大変熱心にこの取り組みをされまして,特に南京町の方では熱烈歓迎祭ということで,この期間中に本当に海外から来られた華僑の方々とのそういう触れ合いもやっていただいたということで,十分に友好のメッセージなりおもてなしの心というものが伝わったんではないかなと思います。  さらに,内閣府がこの期間中にインベストジャパンまたビジットジャパン共同シンポジウムを開かれましたり,これは国土交通省も関係しておりましたが,そういうのをあわせて開いていただきました。また,ビジネスマッチングフェアも開かれたわけでありますが,これでも相当シティセールスという点での効果と,そして実際の商談というものが進んだと思いますし,また神戸の都市環境ということもご理解いただけたんではないかと思っております。  おっしゃいますように,大会参加者の皆さんには,あの震災で我々がいただいた支援に対しましての感謝という気持ちが非常に伝えることができたんではないかなというふうに思っておりますが,そういう点のほか,経済波及効果というふうなものも,宿泊施設をはじめとして,実際のまちのにぎわいを見てましたらプラスになったものがあったんではないかなというふうに思っております。  今後,こういった華僑・華人とのビジネスという点を考えましたときに,今も天津とは友好都市の関係で長いつき合いをさせていただいてますし,また上海・長江中下流域とは経済交流という点でやっておりますが,こういうものにさらに加えて,今回こういった大会を通じて人の縁ができたと私は思っておりますんで,そういうものをこれからさらに生かしていけたらいいんではないかなというふうに思っております。  また,ちょうどこの大会には,上海の万博が2010年に開かれますんで,その関係もありまして上海市の副市長が来られまして,私との時間ということで時間を設定しまして話もしましたが,万博の話のほかに港の関係のお話もお互いに交わしたところでありまして,そういった意味では上海市とも今後のいい関係ができたんではないかなと,こんなふうに思っております。  いずれにしましても,今回こういう点で地元華僑の方々が非常に熱い思いを持って,そしてまた行政もそれを支援しようということでやった大会でございますので,大きな意義がこの中にあったんではないかな,このように思っております。  (「議長」の声あり) 41 ◯議長(前島浩一君) 梶本副市長。 42 ◯副市長(梶本日出夫君) 子育て支援施設について,ご答弁申し上げます。  子供の将来を見据えた施設が他の都市においても設置をされておる,市としてもまずは独自の施設を各区に1カ所程度設置し,子育て環境の充実を図っていくべきだと,こういうご質問でございます。  神戸市では,平成17年の2月に策定をいたしました神戸っ子すこやかプラン21に基づきまして,これまでの仕事と子育ての両立支援あるいは要保護児童への対応,こういったことだけではなく,専業主婦を含めたすべての子育て家庭への支援などの総合的な施策を積極的に進めていくことといたしております。  ご指摘の北九州市の子育てふれあい交流プラザとよく似た施設といたしまして,神戸市では昭和62年11月に児童相談所の移転にあわせまして,ハーバーランドの方に大型児童センターを併設した神戸市総合児童センターがございますけれども,これも健全育成事業を推進する児童館の拠点施設として位置づけておりまして,子育て支援としては親子の自由遊びが中心になった施設でございます。  ご指摘の地域子育て支援センターの整備ということでございますけれども,新たなこういった施設を整備するのではなく,既存の施設を有機的に連携をいたしまして,子育て支援をできるだけきめ細かく展開することを目指しております。区の子育て支援室と連携をいたしまして,これらの施設の事業をコーディネートする地域子育て支援センターを各区に1カ所を目標に,保育所に併設をする形で設置を現在進めておりまして,19年度で7カ所を設置済みでございます。20年度では全区に設置できる予定になっております。
     この支援事業の内容といたしましては,これまでも公共施設などを利用いたしまして,子育て中の親子が気軽に集い交流することを目的にいたしました,つどいの広場の事業がございますけれども,このつどいの広場の事業として,区役所・児童館・保育所・幼稚園などの地域の身近な施設で親子遊びや育児相談,あるいは子育てに関する情報提供などの在宅育児家庭の支援を実施してきております。19年度からは,市内にある大学と連携をいたしまして,大学の施設を子育て支援に開放していただくような事業にも取り組んでいるところでございます。  神戸市では,子育て支援を市政の最重要課題として取り組んでいるところでございまして,そのためご指摘の子育てしやすい環境づくりが重要と認識をいたしております。今後とも,子育て支援策の充実のために,神戸っ子すこやかプラン21を着実に進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 43 ◯議長(前島浩一君) 鵜崎副市長。 44 ◯副市長(鵜崎 功君) 私からは,新都市整備事業会計についてご答弁申し上げます。  この新都市整備事業会計でございますけども,これは住宅宅地あるいは産業用地の供給といった都市基盤の整備を通じまして,市民の生活の向上なり神戸経済の活性化なり雇用の確保なり税源の涵養,いろんなものに寄与していく,そういうことでかつてから進めてございます。  この事業は,前もお話を申し上げましたけども,大きな事業でございますし,期間も長くかかるということでございまして,経済の好不況の波というのに当然さらされるわけでございますけども,いずれの──好況の時期でありましても,不況の時期でありましても,そういう中で知恵を絞りながら土地の処分そして企業誘致等を進めていく,あるいは良好な住宅の確保に努めてきたということでございます。  当然こういう土地の処分──あるいは売却も含めての処分でございますけども──に当たりましては,行政だけでやれることじゃございませんで,民間の活力あるいはインセンティブ策を導入することによる民間のさらなる誘引,そういうことも含めて時期時期に応じて処分を進めてきたということでございます。  そして,お話のありました企業債の残高でございますけども,これにつきましては,現在誘致を進めてございますポートアイランド沖,いわゆる空港島でございますけども,これとかポーアイ2期なりあるいは複合産業団地なり,そして住宅系では西神住宅団地の第2団地,この造成等のために今起債を発行してございますけども,この造成の主要な部分は,既にお話もありました,山を越えているというふうに思ってございまして,今後は企業債の残高がふえるという大きな要素はないというふうに思ってございまして,企業債償還に備えるための財源確保に全力を挙げていく,そういう局面に至っているということだろうと思ってございます。  そして,特に住宅の方から申し上げますと,住宅団地の企業債償還ですけども,とにかくこれにつきましては,コンペ事業等で民間に処分しているという状況でございますけども,いろんな工夫もしながら進めてございますけども,この見通しとしては,ここ数年大体10ヘクタール前後の分譲実績が安定的にされてございまして,今後も売却収入は確実に確保できるというふうに思ってございます。  それから,次に産業団地の方でございますけども,これは地価の上昇傾向が今見られてございますけども,土地に動きが出てきたということもございますし,あるいは神戸空港の開港効果なり医療産業都市構想の進展等々の問題がございまして,神戸の投資環境も大きく向上しつつあるというふうな認識をいたしてございます。この機会をとらえましてエンタープライズプロモーションビューローを発足させましたけれども,思い切ったインセンティブ策も導入しながら,3年間で50ヘクタールの分譲という当初の目標の達成に向けてまして,今現在全庁一丸となって誘致に取り組んでいるところでございます。  また,これとあわせまして,既に定期借地制度で進出している企業に対しましても,早く土地を買ってちょうだいねということでお願いしてございますけども,既に定借から分譲に切りかえていただいた企業も片手を超えるようなところまで来てございまして,ほかにも将来的に用地確保を希望している企業もございますので,土地に動きが出てきたということからも,今後より一層の土地の売却収入の確保を進めていきたいと思ってございます。  それから,新都市の資金の方でございますけども,新都市会計につきましては,残債も 3,685億というお話ございましたけども,償還のピークが平成23年なんですけども,今年度・来年度20億ずつ,それから21年度・22年度・23年度の3年度で 1,800億という,ことし・来年は20億ずつですから問題はないと思いますけども,21年度から23年度までの3年間に 1,800億という償還の時期を迎えるわけでございます。  現在,その償還財源 1,800億に対しまして,新都市会計で現預金あるいは基金現金合わせまして大体 1,460億ほどの資金を持ってございますので,この保有資金と合わせまして今後も全力で企業誘致に取り組む,そして3年間で50ヘクタールという目標を持ってございますけども,これをさらなる上積みするような──今,土地が動いてますので,その処分計画を上積みするような形で資金を確保していく,そういうこともこれから大事になってくるというふうに思ってございますし,そういう土地処分だけじゃなしに,国ともいろんな協議をさせていただきながら,起債償還の資金確保に万全を期していきたいと思っております。  以上です。  (「議長」の声あり) 45 ◯議長(前島浩一君) 小川教育長。 46 ◯教育長(小川雄三君) 学校選択制の関係でございます。学校選択制を導入すべきである,仮に全市的に導入することが難しければ,限定した地域の範囲の中で導入を図ったらどうかというお話でございます。  学校選択制につきましては,学校間の競争によりまして学校の活性化につなげていくための制度というようなことで,特に東京都の特別区を中心に導入をされておるところでございます。政令指定都市の中では,いわゆる特認校制度といいますか,私どもの六甲山小学校なんかもそうでございますけれども,特定の学校の選択制ですね。そういうようなものを除きますと,平成17年度より広島市におきまして,隣接校・行政区域内での中学校の選択制が実施をされてございます。しかし,広島市でも,小学校への学校選択制の導入は,地域コミュニティへの影響が非常に大きいということの中で見送られているというようにもお聞きをしてございます。  学校選択制の評価といたしましては,先行して導入されております東京都の事例を見ましても,競い合って教師や学校が高まっていくということよりも,むしろ人気校と不人気校の明暗がはっきりと分かれ,一たん不人気校になりますとどんどん入学者が減る,また人気校になりますとどんどんふえるというような地域・学校間の固定化といいますか,そういうようなものにつながっているという指摘がされてございます。広島市でも,導入をして3年になるようでございますが,同じような状況を持っているということでございます。  また,広島市の生徒や保護者・学校に対します学校選択制のアンケート調査結果,こういうようなものもしておるわけでございますけども,それを見ますと,学校選択制により学区外の学校を選んだ理由といたしまして一番多いのが,通学のしやすさなどを理由としたものでございまして,必ずしも教育活動を理由として選ばれていないというようなところもございます。  また,選択制の導入によりまして,保護者の方々が学校への関心が高まったと回答している反面,風評などで無用な競争が持ち込まれ,普通教育がゆがめられる等の保護者の意見もございます。  また,中学校長の回答といたしまして,学校間格差が固定化すると,風評を呼び,これを打開するのが困難になるというようなご意見でありますとか,自分たちの地域にある学校は自分たちでつくっていくという地域意識が薄れる等の意見も見られます。そのような中で,制度導入の評価は定まっていないのではないかというように考えております。  これまで先行都市の状況を注視してきておるわけでございますが,選択制の導入が進んでございます東京23区の状況におきましても,学校と地域を重視するという考え方から,世田谷区・大田区・北区のように,選択制を導入しないとしている自治体もございます。必ずしも導入が広がりを見せているわけではないと考えてございます。  また,全国的には,文部科学省の調査によりますと,自由選択制それからブロック選択制,隣接区域の選択制,これらをいわゆる学校選択制と言われておるわけでございますけれども,そういうようなものを導入している自治体は,18年度の時点の調査によりますと,小学校で4%,中学校で7%にとどまってございます。政令指定都市におきましても,京都市・大阪市・名古屋市・川崎市などのように,導入をしないとしておるところもございます。新たに導入をする動きは,現在余り見られないのが現状でございます。  また,ご指摘の地域を限定した選択制につきましては,東京都や広島市の先行都市の例に見られますように,やはり人気校・不人気校の固定化などの副作用が,近隣ということでより鮮明になるのではないかというように思ってございまして,仮にモデルといいますか,そういうようなものとしても実施は難しいのではないかと考えてございます。  私どもは現在,学校が地域のコミュニティの核であるという視点に立ちまして,市内のすべての小・中学校におきまして,地域との連携を深めながら,また学校が目標や計画を明確にしながら,PDCAサイクルを導入し,その成果を検証・評価するというシステムの中で,特色と魅力のある学校づくりに取り組んでおるところでございまして,このような中で学校の活性化をさらに図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 47 ◯議長(前島浩一君) 33番山下昌毅君。 48 ◯33番(山下昌毅君) 学校選択制というふうな問題については,さまざまな考え方があり,またメリット・デメリットのあることは承知をしております。ただ,今の教育制度の中で,決められた地域は決められた学校しか行けないというふうな決め事が果たしていいのかどうかという問題を包含いたしております。  私は,特に訴えたいのは,西区においては,近畿1番の大規模校がニュータウンの開発で現在井吹台にありますし,また高和小学校というのは現在51人の児童でございまして,来年度はひょっとしたら1年生と2年生が合同クラスになる可能性があるという,そういう小学校も西区にございます。その人たちの親あるいは教育をしている先生方にお話を聞きますと,やはり51人,まちの真ん中,大きな小学校があるところでそういった教育を受けると非常に引っ込み思案になって消極的になってしまう。時々押部谷小学校へ行って教育を受けさせると,やっぱりカルチャーショックを受けてしまうというふうなことがあって,できれば大人数の小学校で教育を受けさせてやりたい,そういうふうな希望があるようです。  そういった場合について,やはり教育委員会としては,子供の目線で考えていく必要があるんじゃないか,また保護者の願いがかなうような,そういった学校のあり方も考えるようにしなければならないというふうに思っております。  それ以外にも,太山寺小学校とか櫨谷小学校といった旧来からの小学校で非常に児童数の少ない小学校がございます。そして,またニュータウンの中におきましても,糀台小学校と狩場台小学校は隣接しておりますけれども,狩場台小学校は現在1クラスがようようしかできない。これは成熟したニュータウンの中における宿命ではございますけれども,片や隣の糀台小学校はマンションが建ったために生徒がふえておる,非常な,同じ規模を持った小学校がアンバランスになっておる,そういうふうな状況も見受けられます。そういったことで,いろんな多様な状況の小学校について真剣に取り組んでいく,そういったことも必要じゃないかなというふうな思いがしております。  この問題については,時間がもう余りありませんので委員会に,またその席で一応うちの会派としてやりたいと思っております。  それから,新都市整備本部に関してでございますけれども,鵜崎副市長が言われた一生懸命やっていただくということについては,これはもう当然のことではございますけれども,毎年 300億 400億の企業債の償還が参っております。これを払うには,年間に 300億足らずの営業成績それから営業費用それから企業債の金利等々を考えますと,今年度につきましても,昨年度から25億円の新たな企業債の起債をし,雑収入を繰り入れて何とか黒字という形にはしておりますけれども,これを考えると,だれの目から見ても非常に厳しい状況だということでございます。   2,680億円の企業債を,仮に今現在新都市整備本部が持っておる基金を取り崩して,そしてそれを全部返済したとしても,あと 2,400億円の企業債が残ります。もし仮に1平方メートル当たり5万円という利益──そこまでは出ませんけれども,さまざまなインフラ設備とかそれから販売経費,新都市の人件費,仕掛け等を引きましても,5万円は出ないんですけど,5万円で1平米が売れたとして, 2,400億円を完済するには 500ヘクタール近い土地が必要となってまいります。こういったことを考えると,非常に厳しいということを自覚していただいて,一日も早く企業債の返済に向けましての計画を遂行していっていただきたい,そういう思いでございます。  なぜこんな話をするかと言いますと,実は私の近所に住んでおられる方が,元開発局に勤めておられた方で,そのころは 2,000億からの基金があって,それから企業債が 1,600億程度,言えばそのときすぐ返そうと思ったら返せるような状況だったんですけれども,現在は,今申し上げましたようにここ数年で 1,800億円の償還が来るという,こういう現実を見るときに,これはもう何とかしなければならない。また,市民の目線から見ても非常に厳しいという思いでございますんで,この点についてどのように思われるのか,再度質問をしたいと思います。  (「議長」の声あり) 49 ◯議長(前島浩一君) 鵜崎副市長。 50 ◯副市長(鵜崎 功君) 新都市整備会計にご心配をいただいてございますけれども,先ほども申しましたけれども,資金繰りと収益という2つの概念がありますね。私たちも今心配しているのは,資金繰りの話をしてます。ご質問もそういう趣旨だろうと思います。そして,特に毎年 300億からの── 300億。ピークでは平成23年度が 730億となりますけども,この3年間,つまり21年度──来年再来年ですね。再来年から 300億台, 700億台, 700億台と来る。だから,今から5年の間にとにかく 1,800億の資金をまずは持っておかなくてはいけないというお話をしました。  ただ, 1,800億だけでいいのかということ,平成24年度以降もまだあるわけですから──減ってきますけどね。ただ,当面少なくとも23年度までの 1,800億というのは何があってもやり切らなくてはいけない。さっきも言いましたけども,新都市会計の中で,当初は 2,000数百億の現金がありましたけども,今は 1,500億台そこそこ── 1,500億足らずになってございますけども,それをふやしていくことが当面大事だろうと思ってます。  で,今の5万円と言われましたけども,実は5万円では売ってません,資金のお話ですのでね。利益のお話は,5万円も出ません,1平米売っても。10%以下になります。資金は,売ったものが皆資金です。つまり,それから大体売った分の毎年50億ほど利子がかかってますけども,それを除いた後,人件費を除いても,当然現金としては残っていくわけですね。その現金をどんだけにするか。例えば今 500ヘクタールと言われましたけども,50ヘクタールであれば 250億になるわけです,極端に言えば。5万円であればですよ。そうしたら,それが 250億とすると,まず24年度のものができてくるわけです。24年・25年のものができてくる,そういうことをやっていかなくてはいけない。  だから,土地の売却をこの2年で終わるとか3年で終わるということじゃなしに,土地がある限りは資金の返済のために命がけでやっていく。そのためには,今少し市会の皆さん方にもお願いしながらインセンティブという制度を導入してますので,このインセンティブという制度と,それから私たちがつかんできたノウハウ,今までこの5年10年の間に培ってきたノウハウと企業との関係,そういうことも踏まえながら,トータルとして前倒しで処分していく。3年間で50ヘクタールだと言ってますけども,極端に言えば3年間で70いけへんか,80いけへんかということです。そういうことを新たな計画としてつくっていくことも含めて,責任のある土地処分そして資金の償還,これをやっていきたいと思ってます。  以上です。  (「議長」の声あり) 51 ◯議長(前島浩一君) 33番山下君。 52 ◯33番(山下昌毅君) もう時間が来ましたけれども,今鵜崎副市長の言われたことについては,十分に理解ができません。しかし,これは新都市整備本部,開発局時代からやってこられた今までの功績は十分に配慮しても,これが破綻するようなことがあった場合については,大きなツケを回すというふうなことになりますので,くれぐれもそういうふうにならないように頑張っていただきたいということを改めて要望いたしまして,終わらさせていただきます。 53 ◯議長(前島浩一君) ご苦労さまでした。(拍手) 54 ◯議長(前島浩一君) 次に,51番あわはら富夫君。  (51番あわはら富夫君登壇)(拍手) 55 ◯51番(あわはら富夫君) 私は,新社会党神戸市会議員団を代表して,平成18年度決算について質疑をいたします。  平成18年度の一般会計決算は,実質収支が 9,265万円の黒字を計上しているものの,15億円の財源対策を行い,実質的には14億円の赤字決算です。市民税など歳入での増収がある中,歳出面では人件費・扶助費・公債費の義務的経費が昨年増の54%を占め,また経常収支比率は96.6%と若干の改善がありながらも依然として高い水準であり,財政の硬直化が続いております。  また,過去の事業で膨らんだ起債の償還は,一般会計で起債制限比率や実質公債比率は22%台になり,改善が進んでいます。  しかし,企業会計では,港湾事業会計・新都市整備事業会計・高速鉄道事業会計の3会計で 9,200億円にもなります。しかも,新都市整備事業では 3,680億円の起債のほとんどを土地売却で賄わざるを得ず,今後の金利動向を見据えて資金手当てが大きな焦点になります。とりわけ2009年から空港島造成事業での起債償還が始まり,2011年からはポーアイ2期での借換債の償還も始まります。2009年からの4年間で 1,809億円もの起債償還の資金手当てをしなければなりません。これに複合産業団地造成での償還を含めると, 2,000億円を超える資金が必要になるということでございます。この資金がショートすればどうなるのか,一般会計での改善が進みながらも,常に企業会計での爆弾を抱えているというのが神戸市財政の実態ではないでしょうか。  こういう現状にあるからこそ,地方自治体の本旨──市民,住民の暮らしと福祉,安全を守る施策の展開が一層必要になります。また,地方自治体の将来を見越した投資には,費用対効果分析が市民への知る権利の保障も含めて重要であります。  その立場を明確にして,以下2点について質疑をいたします。  その第1点目は,敬老優待乗車制度の見直しについてです。  高齢者人口増加での財政支出の増大を理由に,制度検討懇話会が既に4回開かれています。懇話会では,制度を安定的に維持・持続するためと言いながら,利用者負担の導入ありきの議論になっています。きのう・きょうの質疑でも市長は,敬老優待乗車制度は高齢者の社会参加や生きがいに大きな効果をもたらしていると答弁されています。  しかし,懇話会の議論では,負担増の検証はなされても,この効果について検証が極めて不十分です。高齢者が外に出ることによって,商店や市場で当然買い物もするなど,大きな経済波及効果があります。また,外に積極的に出ることによって健康増進につながり,介護保険事業や国民健康保険事業への効果も出ているのではないでしょうか。また,ボランティア活動に積極的に参加してもらうことによって,市の事業でも大きな貢献がなされているのではないでしょうか。  ここで質疑しますが,神戸市から一般財源の持ち出しばかりが強調されるんですけれども,この制度による経済波及効果や介護保険事業・国民健康保険事業への効果,ボランティア活動への効果などを数字であらわし,利用者負担ありきでない検討が必要ではないでしょうか,市長のご見解を伺います。  また,8月の懇話会の報告書案では,利用者負担を導入する場合,利用者が乗車時に一定額を負担するというケース,また敬老パス交付時に年1回利用者の所得に応じた一定額を負担するとの2つの方法があるとして,最終的には利用者が乗車時に一定額を自己負担する方式の方向で現行制度を見直すべきとの結論づけが行われております。  この利用者が乗車時に一定額を自己負担する方式は,利用者所得に応じた一定額負担と違って,乗降のたびにお金を支払わざるを得ず,一定額負担方式よりはるかに多額の負担になり,利用抑制につながることは明らかです。また,その場所によって使う頻度が高まり,それだけ負担がふえることになり,住んでいる地域でも大きな格差が生まれることになります。また,高齢者によって活発に行われているボランティア活動を大きく縮小してしまうことにもなりかねません。利用者が乗車時に一定額を自己負担する方式では,敬老優待乗車制度の高齢者の社会参加の促進との発足趣旨そのものを否定する効果しかもたらさないということでございます。  ここで質疑しますが,利用者が乗車時に一定額を自己負担する方式は,この際検討から除外していただきたいと思いますが,市長の見解を伺います。  次に,大阪湾岸道路西伸部の都市計画決定手続についてです。  現在,大阪湾岸道路は関空から六甲アイランドの間が供用開始され,西伸部である六甲アイランドから駒ケ林間の都市計画決定に係る説明会が開かれています。先日,ポーアイでも説明会が開かれ, 100人を超える住民の参加がありました。  しかし,説明会では,事業による大気などの環境影響,また景観への影響や事業費用など,事業によるマイナス部分が明らかにされず,また住民提案のルートも簡単に否定されるなど,当局によるみずからの計画ありきとの説明に,住民のほとんどが途中退席するという事態になりました。  そもそもこの計画案が最初に提示されたのは18年も前のことで,43号線や高速3号線の公害や渋滞・事故対策として出されてきたものです。現在では43号線の公害訴訟も終わり,大阪湾岸道路も港湾幹線道路を通じて高速3号線ともつながり,朝晩や行楽期での多少の渋滞はありながらも,わざわざ多額の事業費をかけてつくらなければならない必要性そのものに疑問があります。  車がふえるから道路をつくるとの発想は,バブル期の過去の発想であり,今は地球温暖化対策など,地球規模でCO2 削減が問われている時代です。したがって,車に過度に依存せず,地球環境を守りながら,いかに公共交通機関中心の総合交通体系をつくるかの議論が先に行われるべきであります。  ここで質疑しますが,既存のハーバーハイウェイなど港湾幹線道路や整備中の阪神高速神戸山手線などを活用すれば,大阪湾岸道路西伸部がなくとも,神戸-阪神間の道路ネットワークは十分に機能すると考えますが,どうでしょうか。  また,都市計画決定権者である井戸兵庫県知事が8月22日の記者会見で,西伸部の区間は六甲アイランドとポートアイランドの間と和田岬の間に2つの大きな橋をかけることになり,有料道路としてだけではやり切れない事業であり,公共事業と合併施行せざるを得ないと発言し,高速自動車国道事業に導入されている新直轄事業に準じた事業方式を求めていると述べています。  しかも,採用された場合,地元負担は4分の1とし,神戸市と県の負担割合が問題になるが,政令都市の場合,政令市がすべて負担するというのが通例だと述べています。全体事業費は 5,000億から 7,000億と言われています。4分の1と仮定しても, 1,500億円近い負担を神戸市がかぶることになります。  ここで質疑しますが,この井戸県知事の記者会見での,政令都市では,政令都市がすべて負担するのが通例との発言を市長はどう思われるでしょうか。  また, 1,500億円を超える莫大な事業費が予想されますが,都市計画決定の前に幾つかのシミュレーションで費用対効果分析を神戸市みずから行うべきと思いますが,どうでしょうか。  以上,新社会党神戸市会議員団を代表しての質疑といたします。30分しかありませんので,明快な答弁をお願いいたします。  (「議長」の声あり) 56 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 57 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から敬老優待乗車制度についてご答弁を申し上げたいと思います。  おっしゃいますように,この敬老パスは高齢者の社会参加という点で大変意義のある制度であるということでございますが,この敬老パスの経済効果,そしてまた介護保険・国民健康保険への効果という点で今お話がございましたので,こういった効果の算定というふうに考えましたときに,パスを使って実際に外出をされ,そしてまた消費をされるというふうな,そういうことにおける効果,そしてまた社会の中にさまざまな形で参入されて交流をされるというふうな点で,心身に対して好影響を与えるという効果,こういろいろ分かれてきますね。  それと同時に,高齢者の外出の手段でございますが,このバス・地下鉄等のご利用以外にも,例えば車で動かれたり,あるいは自転車で動かれたり,あるいは実際に歩いていかれる方もたくさんいらっしゃるわけでございますから,そうしますと買い物などの効果ということになりますと,どういう手段を使われたかという非常に詳細な分析も必要であろうと思いますし,そしてまた介護保険・国民健康保険ということになりますと,その実際の健康状態との関連が,一体このパスとの関係でどうであったかということを把握しなければいけないわけでございますので,こういった点について,パスによって生まれてくる経済効果というものを推計するというのは,大変難しいもんではないかなというふうに感じております。  しかし,何らかのそういう好影響を与えていただいておるということは,これは予測できるわけでありますけれども,経済効果そのものについてということになると,大変難しい状態ではないかなと,このように思っております。  そういう意味で,今の制度そのものの維持を図りながら,安定的にこれを存続していくためにどうあるべきかということで,今懇話会を開いていただいておるわけでございますんで,そういった中での議論をしていただく際に,別途アンケートもとらせていただいておりますが,そういう中では現行のままでいいというご意見もありますが,またもう1つでは何らかの方法で自己負担もしなければという回答も寄せられておるということでございまして,今後のあり方として,懇話会で現在意見を交わしながら議論をいただいておる中で,この利用者負担というものを導入しなければいけないんではないかなという意見は確かにございます。それと,低所得者の方々に何らかの配慮を講ずるということもあわせて考えなければいけないというのが,今の懇話会の検討されておる状況ということでございます。  もう1点,利用者が乗車をするときに一定額を自己負担する方式を検討の対象から除外するべきであるというふうに今お尋ねがございましたけれども,利用者負担のあり方につきましては,今お尋ねございましたように,利用者が乗車時に一定額を自己負担していただく方式と,パスを交付する際に利用者の所得の状況に応じまして一定額を負担していただくというような方式が,懇話会で検討をいただいておるわけでもございますが,そういったときに利用者が乗車時に今おっしゃいました一定額を自己負担する方式は,利用頻度が高い場合に非常に負担感が大きくなるんではないかというお尋ねがございましたが,これは実際にその額を負担していただきますと,確かに頻度が高まると多くなるということにはなろうと思います。しかし,将来一定の財源確保を図っていく,制度を維持するために財源確保を図っていくというふうに見た場合には,そういった方式も非常に有効な方式であるという議論がされておると聞いてございます。  そして,また交付時に1回,利用者の所得に応じて一定額を負担する方式という場合には,所得の差による公平性という点については,これはその内容について公平性が図られるということに言われておりますが,ただ財源確保を図るという点で──安定的な制度を維持していくための,そういう財源確保を図るという点では,少し問題がこの方式はあるなというふうなご指摘もあるわけでございまして,その際に先ほどもちょっと申し上げましたが,所得の低い方についての対応ということにつきまして,これは十分配慮するという意見もございますんで,どういう形で,この懇話会の検討結果を踏まえた上で,これを市民の意見もいただきながら理解していただくのかという点に関しまして,今後の制度の維持そして存続ということをベースにしながら検討していく必要があろうと,このように考えておるところでございます。  (「議長」の声あり) 58 ◯議長(前島浩一君) 石井副市長。 59 ◯副市長(石井陽一君) 私の方からは,大阪湾岸道路の西伸部について答弁させていただきます。  まず,1点目が,この西伸部につきまして,既存のハーバーハイウェイあるいは港湾幹線あるいは現在整備中の阪高の神戸山手線等々を利用することによって,この西伸部がなくても神戸-阪神間の道路ネットワークについては十分機能するんじゃないか,こういうことでございますけれども,ご案内のように大阪湾岸道路につきましては,垂水ジャンクションからりんくうジャンクションを結ぶ80キロの自動車専用道路でございます。このうち名谷ジャンクションから六甲アイランドまで約21キロ,この部分だけが未整備だと,こういう状況の中で,ある意味では本来の機能が十分果たせていない。そういうことで,現在未整備区間のうちの名谷ジャンクションから長田区の駒ケ林南までの区間,この 6.4キロでございますけれども,これは既に平成6年の9月に都市計画決定がなされております。このたび,駒ケ林から六甲アイランドまで14.5キロ──約でございますけれども,この間につきまして,この7月に国土交通省の方から兵庫県あるいは神戸市に対しまして計画案の送付があった。そういう中で,現在兵庫県によりまして都市計画決定の手続が進められておると。  そういう中で,神戸市の既成市街地におきます高速道路網につきましては,現在六甲アイランドより東側でございますけれども,東側につきましては,阪神高速の3号神戸線それと5号の湾岸線と,これは車線数で申し上げますと,足して10車線ございます。一方,ポートアイランドから西側でございますけれども,こちらについては3号神戸線のみと,4車線だけということで,車線数から見ましても非常に不均衡な状態でございます。  また,そういう状況の中で交通量に対しまして道路が不足をしておるということで,3号神戸線の慢性的な渋滞あるいは事故等々,あるいは神戸線と湾岸線,これは乗り継ぎをやっておりますけれども,乗り継ぎに伴いまして摩耶ランプ付近での渋滞あるいは周辺一般道路渋滞ということで,都市活動に非常に支障を来しておる。そういうことで,大阪湾岸道路がない現状におきましては,神戸-阪神間の道路ネットワークというものがやはり十分ではないというふうに考えております。  そのため,大阪湾岸道路が──西伸部,こういうものが整備されることによりまして,3号神戸線に集中しておる交通量を分散させ,43号線をはじめとしまして沿岸部の幹線道路の交通渋滞あるいは沿道環境の改善に寄与するものと考えておるとともに,大阪湾各都市が結ばれるということで,神戸港の競争力の強化,あるいは空港の利便性の向上,あるいは医療産業都市構想のさらなる推進という意味で,神戸の経済の活性化にも十分寄与するというふうに考えております。  また,当然災害時の事故等々において経路の選択肢,こういうものがふえるわけでございますので,私どもとしましては,単に神戸市ということだけではなくて関西圏全体についても……(「簡単に」の声あり)  もう1点でございますけれども,8月22日ですか,井戸兵庫県知事がいわゆる地方負担の話としまして,政令指定都市がすべて負担するのが通例ではないか,こういうふうな表現をされたということについてでございますけれども,現在これは都市計画の手続中ということで,現段階では事業化の時期なりあるいは事業手法等は未定な状況でございます。  今から関係者でいろいろ協議をしていくという状況でございますけれども,知事の発言の中で,すべてが通例指定都市の負担だということをおっしゃっておるわけでございますけれども,実際それに続きまして,阪神高速道路の整備は県と市が2分の1ずつ出資してきた経緯もあるので,これから適切な負担割合について神戸市とよく相談をさせていただくというふうに述べられておりますし,また今後徹底したコスト縮減が必要であること,さらには有料道路事業と公共事業を組み合わせた施行にならざるを得ないだろうと,そういう中で公共事業には直轄事業に準じたいわゆる新直轄事業ですね,こういうものの採用について国に要望していこうと,こういうことも述べられておるわけでございます。  神戸市としましては,現在都市計画手続が進められておる段階で,事業化の時期等は未定でございますけれども,やはり事業手法の検討,こういうものに当たりましては,大阪湾岸道路そのものが当初阪神高速道路として整備する予定であったと,そういうことも踏まえまして,やはり有料道路事業をできるだけ導入していただきたい。また,公共事業との組み合わせが必要であるというのであれば,やはり地方の負担が少ない新直轄事業に準じた何か新たな事業手法,こういうものを採用していただき,できるだけ地方の負担が少なくなるようにということで,今後とも国等に働きかけていきたいと思っております。  また,費用対効果,この問題でございますけれども,やはり今後事業手法あるいはコストの縮減あるいは事業費の精査,そしてどのようなスケジュールでどの部分からやっていくのか,こういうことを十分検討していくわけでございます。その結論が出た中で十分費用対効果,こういうものを検証した上でないと事業着手が可能となるわけでございませんので,そういう時点で我々についても国と一緒になりまして検討していきたい,こう思ってます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 60 ◯議長(前島浩一君) 51番あわはら富夫君。
    61 ◯51番(あわはら富夫君) 若干時間がありますので,再質問させていただきたいと思いますが,今の湾岸道路の西伸部建設問題ですが,知事が国に要望している新直轄事業というのが,地元負担4分の1と,既に幾つかの有料国道で行われているということなんですけれども,ただこの新直轄事業でやった道路はどういう道路かということをちょっと調べてみますと,実は無料道路であると。新直轄事業で地元負担4分の1の場合には,その部分は道路は無料になると。そうなれば,例えば負担が幾らであっても,それを料金で賄うことができないというふうなことになる。こうなると,この新直轄事業,しかも県の方は通例は4分の1負担してもらわなあかんということになると,これ一体どうなるんだろうか,この辺は県とちゃんと十分に詰められているんだろうかと。県知事はもう記者会見の中で,国に要望していると,この制度を要望していると明確に言ってます。  それと,先ほどの答弁でちょっと問題があるのは,有料道路部分というのと──多分新直轄事業でやっても,いわゆる有料道路部分というのと,いわゆる直轄事業でやる部分というのが分かれて,どうも有料部分については,今まで2分の1,2分の1と国と県と市がやってきたんだから,そこは割合があるんじゃないかというふうにもとられるような記者会見の実は内容になっているということもあって,実際に知事からこういう新直轄事業でやるんだという要望が出ているということに対して,例えば市長と知事との話があったのかどうか。県知事はもう新直轄事業でやってんやけど,市にはそういう相談があったのかどうか,これをちょっとお聞かせいただきたい。これが1点です。  それと,もう1つは,私はこの有料道路──今,都市機能というんですか,都市の機能にこれがつながってないことによって障害を与えているというふうに言われたんですけれども,確かにバブルのころはそこら辺で渋滞があったと思います。ところが,最近の道路事情,僕は車は乗ってるわけじゃありませんけれども,いろんな人に聞くと,それほど大した──何とかしてもらわなあかんというほど渋滞が慢性化しているとか,事故が多発しているとかというふうな声は余り聞いてないんですね。  で,例えば 1,500億という金額になるかどうかわかりませんけれども,多額の費用をかけてわざわざつくらなければならないほど今神戸の交通事情が逼迫しているかなということを考えると,そうじゃないんじゃないかなという思いを持つんですが,その辺はどういう感想でしょうか。これが2つ目です。  それと,敬老優待パスの話ですけれども,私なぜシミュレーションみたいなものをやってほしいかということを言ったのは,財源の問題がずっと議論になっている。財源の問題があるから,いわゆるワンコイン方式という言い方がいいかどうかわかりませんけれども,乗るたびにお金を支払う方式であれば多分──例えば2つ交通機関を今使っている人がいたとして,これは4回乗ることになりますわね。ワンコインだとすると,1回 100円ということになると1日 400円かかる。今まで無料だったものが 400円になる。 400円で,例えば20日間それを使用すると,そうすると 8,000円,掛ける12カ月,10万円と,10万という負担が新たにふえる人というのが出てくるわけですね,このワンコイン方式でいけば。  で,いわゆる定額方式という考え方もある。定額方式の場合は,これは定期と同じですから,ある意味では使えば使うほど意味がある。それを採用しろということを今言っているわけじゃないんですけれども,少なくともこのワンコイン方式でやればやるほど,ある意味では非常にこの制度の趣旨,社会参加という趣旨を抑え込むことに極めて力を果たしてしまうんじゃないかというふうに思いますので,この制度否定になっているんじゃないかなと。制度を存続させるということを先ほどから市長言われているわけですから,このワンコイン方式でやると,制度を存続させない制度を一生懸命検討しているというふうに,本来の趣旨が生かされない制度を一生懸命検証しているというふうに私は思えてならないので,これについてはやっぱり除外をして考えていただかないといけないんではないかというふうに思いますので,それと見解とですね。  それと,シミュレーション──ちょっと話が飛んだんですけれども──の話で言うと,例えば介護保険で,一般会計から,一般財源から 123億円,今年度の決算で出ている。老健の方には 102億円,それから国保の方は 135億円と,これ全部足し算すると 360億円のお金が一般財源から投入されている。実は敬老優待パスは,その1割の36億円ですよ。  ということは,この 360億円の投入というものをある意味で減らしていくというのは,一般財源を削れという意味じゃなくて,病気になる人,介護を受けなけりゃならなくなる人で重度の病気をしないようにすること,いろんなやり方があると思うんですよ。そういうことによって,それを抑制していくということは可能であると,その役割に──敬老優待パスというのは非常にやっぱり役割を果たしているんじゃないかな,そういう観点で一般財源を投入するということを,財源も含めて議論することは本当は可能なんではないかな。  ところが,検討委員会では,そんな議論がされてない。とにかく今の現状から,これだけ高齢者がふえるから,お金がこれだけかかるからという話だけが先行して,実際に今 360億円も介護や老健やそして国保に投入されているわけですから,例えばそれを減らしていく──料金を上げるという意味じゃないですよ。減らしていくという,健康づくりだとかいろんな活動によって減らしていくという中で,敬老パスの位置づけというものがもっとあるんじゃないかというふうに思うんですが,その辺どうでしょうか。  (「議長」の声あり) 62 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 63 ◯市長(矢田立郎君) まず,今のお話ですが,これについてシミュレーションを実際にやるということになりますと,さっきも申し上げましたように多様な手法でもって皆さん外出され,また移動もされているわけですから,それと同時にその使い方もいろんな使い方がございますんで,これを一概に何か一定の要件を与えながらシミュレーションして効果を出すというのは大変難しい。ただ,実際に外出されて,例えばそれが健康づくりに結びつくというふうな好影響といいますか,そういったものは私はあるというふうには思っておりますけれども,なかなかそれをシミュレーションするということについては難しいんではないかな,ということを先ほど申し上げたわけであります。  それから,知事との話があったんかということですが,当然これは地域全体の広域交通ネットワークの中でこれをどう対応していくのかということで県とも話をしております。まして都市計画の手続を進めていく際には,県との話し合いが要るわけでありますから,ですからそういう中でこれに関して知事と,この取り組みの今後の方向とまではいってませんけれども,とにかくこの関係について,広域の関係をどう処理していくのかという点については話をしておるわけでありますが,細かいさっきおっしゃったような新直轄の部分がどうやこうやというふうな,そういうところまでお話をしておるわけではございませんけれども,しかし思いとしては,やはり地方負担を減らしていくという観点から,そういう点でのいろんな方式を国に提案しようというお考えであるというふうな点ではなかろうかと思っております。  それから,この問題は神戸だけの問題ではございませんで,実はかなり広域にわたって交通アクセスというものがめぐらされておるわけでありますから,そういう中での位置づけとしてとらえていかなければいけないんじゃないかなと,私は思っております。現にもうご承知でありましょうけれども,毎日生田川から摩耶あるいは摩耶から高羽に至る間が大渋滞を起こす時間帯もあるわけでありまして,それはとりもなおさずそういった整備が必要とされているにもかかわらず,実際に物流の体系に対して対応できてないという点もあろうかというふうにも感じておりますんで,ちょっとつけ加えさせていただきます。  (「議長」の声あり) 64 ◯議長(前島浩一君) あわはら君。 65 ◯51番(あわはら富夫君) 今──もう再質問するつもりはなくてすぐ終わりますが…… 66 ◯議長(前島浩一君) もうすぐ終わってください。時間が経過しておりますから。 67 ◯51番(あわはら富夫君) わかりました,わかりました。  今の市長が言われた細かい問題というのは,本当は財源が僕は一番大切な問題ではないかなと,実際に財源がどうなるかということが一番大切な問題だというふうに思います。  それだけ指摘しておいて,あとは委員会の方でさせていただきます。 68 ◯議長(前島浩一君) ご苦労さまでした。(拍手) 69 ◯議長(前島浩一君) 次に,53番大野 一君。  (53番大野 一君登壇)(拍手) 70 ◯53番(大野 一君) それでは,早速でありますが,平成18年度各会計決算に関しましての質疑をいたします。  平成18年度決算を見るに,景気が回復してきたことなどが反映され,税収が2年連続で増収となったことなどの要因もあって,一般会計では 9,265万円の実質収支の黒字を,また企業8会計での単年度損益は前年度から大幅な改善で 130億円の単年度黒字となるなど,決算数値を見る限り,財政状況はよい方向に向かっていると言っても過言ではないと思います。市長が6年前に就任して以降,行政経営方針を打ち出し,市長をはじめ職員一丸となって着実にその成果を上げることによって見出された結果であり,評価をいたすところであります。  また,これまでの財政悪化を改善するといった目標だけでなく,市民にとっては夢と希望を与えるような目標が一方では必要であり,平成17年度に策定した神戸2010ビジョンも順調に進んでいるのではないでしょうか。  私は,この行政経営方針にしろ,神戸2010ビジョンにしろ,これらを着実に実のあるものにし,市民の皆様のみならず,日本じゅうの自治体から注目を浴び,彼らから感服されるようなものにしていかなければならないと考えますが,そのために一番のかなめとなってくるのが神戸市の職員の資質ではないかと思います。  そこで,きょうは,市の職員に関しての質問を2点したいと思います。  昭和63年の5月,私は市会議員として初めて本会議場の壇上に上がり,当時の宮崎市長に対して神戸市政に関する質疑をいたしましたが,まさしく「山,海へ行く」神戸の都市経営の最盛期でありました。そのため,市の職員には土木・建築・造園といった職種の方々が数多く採用され,毎日まちづくりについて技術面からソフト面まで,さまざまな角度から議論を交わしておられました。そのほか,民生関係・病院等に勤める職員として保育士・保健師・医師・看護師,さらには市バス・地下鉄,道路建設,港湾整備などにかかわるまさに多くの専門職が,神戸市職員として誇りを持って市民のために仕事をされていました。  しかし,規制緩和に伴い,最近官から民への移行が叫ばれ,PFI事業,指定管理者制度,民間移譲,民間委託,独立行政法人化などの制度の波が自治体に押し寄せることによって,これまで公でなければできないと考えられていた分野ででも民間で行うことが可能となり,ここ数年で神戸市においても急速に民間事業者を意識した取り組みがなされているところであります。  行政のむだを省き,弾力的な財政の構築に向けて,行政経営方針では平成22年度までに 3,000人の職員の削減が打ち出されており,まさしく官から民へという大きな施策の指針となっておりますが,私が常に申し上げておりますとおり,まだまだ思い切った取り組みが可能なのではないかと考えています。  私は,究極論ではありますが,市役所で働く職員の方々は,いわばまちの状況をじっくりと見て,やるべき施策を企画し,それに必要となってくる事業は民間事業者にゆだねる,そういったことをコーディネートしていく頭脳集団だけでよいのではないかと考えております。もちろん行政が直接とり行わなければならない業務はまだまだありますので,そこに限っては市の職員にやっていただくことにはなると思いますが。  そこで,市長にお尋ねしたいのですが,今後神戸市にどのような専門的な知識を持った職員が必要とお考えになるのでしょうか。  次に,職員の資質向上策について質問をいたします。  神戸市は,震災で大きな打撃を受け,財政状況が一変して悪化したことを契機に,全国の諸都市に先駆けて行財政改善に取り組んできました。職員の総定数は,平成7年度に2万 1,728人であったものが,平成18年度には1万 8,231人となり,この10年余りで約 3,500人の職員を削減したことになります。事務を民間にゆだね,また廃止をすることにより,それにあわせて職員定数が減ってきているのですが,残った職員の方々1人1人がさらに見識を高め意欲的・効率的に,そして神戸を愛する気持ちを持って業務を行うことが欠かせないのではないでしょうか。  神戸市では,職員研修はもとより平成15年度に神戸市職員いきいきプラン──神戸市人材育成基本計画を策定しています。民間企業等の職務経験者の採用試験の実施や,新たな人事評価制度を設けるなど組織の活性化,意識改革などに取り組んでいますが,その成果はなかなかあらわしにくく,はかりにくいものでもあります。  そこで,市長にお尋ねをいたしますが,職員の育成について,現時点でどのような評価をされ,今後どう改善していこうとお考えでしょうか。  簡明なご答弁をお願いいたします。  (「議長」の声あり) 71 ◯議長(前島浩一君) 矢田市長。 72 ◯市長(矢田立郎君) まず,最初にお尋ねがありました,どんな資質を持った職員が必要と考えておるのかというお話でございますが,現在,平成12年に地方分権推進一括法ができましてから,地方自治体の権限とか責任が増加しておるということは否めません。また,社会経済情勢の変化という中で,さまざまな市民ニーズの多様化・複雑化というようなこともございまして,職員に求められておるその能力あるいは知識というようなものも専門性が非常に高まっておる分野もあるということは,十分に認識をしてございます。  そういう意味で,特に公務に携わる職員で,例えば政策法務にかかわるような職員とか,あるいは政策立案に関して携わっていくような立場にある職員という場合には,これはやはりそういった点に対する専門性の知識というものも必要でございますし,また俗に言いますプロ意識も必要であろうと思ってございます。  それと同時に,今市民との協働という点が重要でございますから,そういう中で対市民との間のコミュニケーション能力というようなものも当然に必要でございますし,また共同的に作業をしていく際における,そういったプレゼンテーションの能力というようなものも当然に必要でございます。そういうことをやっぱり高めていくための研修もやらないけませんし,さらにそういうスペシャリスト的な人材の養成ということも一方で重要でもございます。  そういった点では,人事の異動というふうな内容で考えてみました場合には,その人材が本当に適材適所で生かしていただけるような,そういうことも考えていかなければいけません。そういう意味で,やはり過去から持っておる知識とか経験とか,そういうようなものの検証も十分にしておかなければいけませんし,それらに対してどういうふうにその人材を生かしていくのかということが必要であろうというふうに考えてございます。  それから,そういう職員を育成するのにどういうふうにしていくのかというお尋ねでございますけれども,先ほどいきいきプランのお話をいただきましたけれども,個々人の能力が最大に生かせるような,そういう育成を図っていくということは,これはとりもなおさずまさに人材を生かしていくということにつながるわけでございますから,そういう中でできるだけ目標を達成していただけるような形で仕事に取り組んでいただくということで,目標チャレンジ制度というふうなものもやってございますし,また業務実績の評価制度というものもございます。  こういう中から,そういう人材としてどういう能力を発揮していただいておるのかという点の検証もしておるわけでございますが,そのほか,どうしてもこういう仕事をやりたいというそういう人材がやっぱりおるわけでありまして,その場合には庁内公募と言ってますが,自分でこの仕事に携わって,とにかく成果を自分で上げるというふうな責任感を持って仕事をやろうという職員に手を挙げていただきますが,そういった方が約もう 200人近く今までにそういう仕事についていただいておりますけれども,こういった形で人材を生かしていく,人材を登用するということも大変重要であると思ってます。  そのほかに,やはり民間企業で経験を踏まれて,ぜひ公務に自分がついてそういう能力を生かしたいという人物も出てくるわけでございまして,現在そういう点で民間企業で経験したそういう方を採用するという形で,現在までに25名採用しております。ちょっと近年,採用数を減らしておりますんで,数がまだ伸びておりませんけれども,そういった形で入っていただいた人物は,それぞれの分野・職場で相当な能力をやっぱり発揮していただいておるということで,一定の我々が考えた成果が上がっておるんではないかと思っております。ですから,こういうことは,今後とも庁内公募とかあるいは民間企業の職務経験者を採用するということは重要であろうと思っております。  これからも,やはり職員が自分の仕事に対して本当にやりがいを感じて,そして情熱を持ってやっていくというふうなことが重要でございますんで,それに対してのその状況をつくるような場面というものも考えなければいけませんし,またその実際に取り組みがどのように遂行しておるのかということも検証しなければいけないと思っております。  そういう点で,人材育成の手法というのは,どんどんといろんな形のやり方が,他都市でもそういうことをやっておられますので,そういった例も参考にもしながら進めていくことも必要ではないかな,こんなふうに考えております。  (「議長」の声あり) 73 ◯議長(前島浩一君) 53番大野 一君。 74 ◯53番(大野 一君) 今市長のご答弁をお聞きしてまして,これからいよいよ市政運営の中で市の職員が果たす役割というのは非常に高度化していくという感が非常にしました。そして,またその高度化する仕事を担っていく人材をつくっていくために,非常に我々は努力をせないかんねやなと,こう思ったんですけれども,そんな中で,ずっとここんところから外部評価をして事務事業の見直しをしてきて,大分民間の方にシフトできるものをしてきた。で,あんこの部分,どうしてもこれは公でやらなければいけないというような部分を残しているという形はとっていらっしゃるのですが,先ほども質問の中で若干触れましたけれども,まだまだ不足をしているんじゃないか。  これはどういう意味かと言いますと,神戸市の──持っている能力をもう少しレベルの高い,高度化した,本当にコーディネートできるような,市民との間のコミュニケーション能力をつくる,プレゼンテーション能力をつくる,そういったものに特化をしていかなきゃいけないのに,どうしても単純作業が残っていっている。本来事務事業の見直しで,その部分についてはアウトソーシングできるものはしていくということをしていたけれども,なかなかまだ十分ではないんじゃないかという気が実は私はしてます。  一方,病院の事業を今拝見しますと,すごい涙ぐましい努力をされていらっしゃって,外部の方と内部の人間とが入り組みながら,できる限りのアウトソーシングをしてやっている。恐らく企業会計の部分は非常にそういう意識も高いでしょうし,数字が表に出てきますから,絶えずそういう目で見ている。しかし,一般会計の方は,その部分じゃなくて,どうしても過去の部分に引きずられていくということによって,本来なさなければいけない高度な専門的な,そういう知識の積み重ねと専門的な業務,これもちろんやっていらっしゃるでしょうけれども,それに特化することなく,もともとの事務の事業であるとかそういったものに引きずられる。  きのうの答弁でもありましたけれども,労務職の問題がありました。あの答弁をお聞きしてまして私が感じたのは,ああやっぱり労使問題,組合との話になってしまうんやなと。我々の意見なりそういうものはどうしても肩透かしになって,労働組合との話がやっぱり大事だと。これは当たり前のことやと思うんです。私は,それ自身を否定しているんじゃないんです。でも,そういうことに大事な資力,大事な能力を使っていってもいいんやろうかと。  神戸市役所として,本来市民なりそういったところにもっと大事な能力は使っていかなきゃいかんのじゃないかというふうに思いまして,そういう意味も込めて,市長にはあえてお話をしているんでありますけれども,今後ますます厳しい財政運営が控えているわけでありますから,そういう意味で,今既にやってはいただいておりますけれども,今の路線,もう少し掘り下げて進めていただくことを最後にお願いしまして,もう終わります。ありがとうございました。 75 ◯議長(前島浩一君) ご苦労さまでした。(拍手) 76 ◯議長(前島浩一君) 以上で質疑は終了いたしました。  この際お諮りいたします。  ただいま議題となっております平成18年度神戸市各会計決算並びに関連議案,合計28件は,正副議長及び監査委員に就任している議員を除く議員65名をもって構成する決算特別委員会を設置し,これに審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 77 ◯議長(前島浩一君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 78 ◯議長(前島浩一君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際申し上げます。  この後,直ちに決算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は28階第4委員会室にお集まり願います。  本日はこれをもって散会いたします。ご苦労さまでした。   (午後2時59分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. 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