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  1. 神戸市議会 2007-03-02
    開催日:2007-03-02 平成19年予算特別委員会第3分科会〔19年度予算〕(産業振興局) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時2分開会) ◯主査(松本 修) おはようございます。  ただいまから予算特別委員会第3分科会を開会いたします。  また,本日,私自身も質疑者となっておりますので,その間の分科会の運営につきましては,平井理事に行っていただくことにいたしたいと存じますので,ご了承願います。 (産業振興局) 2 ◯主査(松本 修) それでは,日程によりまして,産業振興局関係の審査を行います。  当局におかれましては,説明,答弁とも簡明にお願いします。  それでは,当局の説明を求めます。局長,着席されたままで結構でございます。 3 ◯坂本産業振興局長 おはようございます。  産業振興局です。よろしくお願いいたします。  それでは,ただいまから予算第1号議案平成19年度神戸市一般会計予算のうち産業振興局関係分,予算第2号議案神戸市市場事業費予算,予算第3号議案神戸市食肉センター事業費予算,予算第7号議案神戸市農業共済事業費予算,予算第11号議案神戸市農業集落排水事業費予算,予算第12号議案神戸市海岸環境整備事業費予算のうち関係分,そして予算第1号議案のうち地域の力を活かしたまちづくり事業関係分についての報告及び産業振興局所管のその他の議案2件につきまして,一括してご説明申し上げます。  まず,予算の編成方針でございますが,お手元の予算説明書の2ページをお開き願います。  先月,内閣府から発表されました平成18年の10月から12月期のGDPは,年率4.8%の実質成長と,8期連続のプラス成長となったとのことであります。  また,2月19日発表の国の月例経済報告によりますと,景気は消費に弱さが見られるものの,回復しているとのことであります。企業収益は改善し,設備投資は増加,雇用情勢は厳しさが残るものの改善に広がりが見られる。個人消費はおおむね横ばい,輸出も横ばい,生産は緩やかに増加としております。  こうした動きを受け,神戸経済におきましても,市内企業の業績は,地域,規模,業種によっていまだ大きなばらつきはあるものの,総じて言えば,景気の回復は徐々にではありますが,ようやく中小零細企業にも波及し始めてきたとの感がいたします。雇用状況におきましても,着実に改善の傾向が見られております。  こうした動きを受け,平成19年度におきまして,産業振興局では,神戸経済全体が景気回復の広がりを真に実感できるよう,市内企業の大半を占める中小企業の高度化・活性化を図るため,先月策定いたしました中小企業活性化プログラムを推進してまいります。  また,将来を見据えた新たな産業による活力づくりとして,企業誘致による市内投資促進,新規創業や第二創業の促進,医療産業都市構想や神戸RT構想の推進を図ってまいります。そしてこれらの施策を通じて,市民生活の基盤である働く場の確保とその就業促進に取り組んでまいります。  さらに,農漁業の振興として,担い手の育成,地域振興,生産振興を重点テーマとする神戸市農漁業ビジョン2010の実現を目指し,あわせて中央卸売市場の活性化に取り組んでまいります。  それでは,以下,具体の主要な施策についてご説明申し上げますので,3ページをお開き願います。
     新規施策には二重丸,拡充施策には一重丸を付してございます。  まず,1,2万人の雇用創出では,引き続き18年度から21年度までの4年間で,新たな2万人の雇用の場の創出を目指してまいります。19年度は,5,000人の働く場の確保に取り組んでまいります。  (1)神戸ワーク・ネットワークでは,大企業の採用意欲の高まりに伴い,中小企業においては,人材が容易に確保できないという状況を踏まえ,意欲ある人材が神戸に集まり,育ち,かつ市内中小企業への就業につながる取り組みを行うとともに,若年者・女性・高齢者の就業促進に取り組んでまいります。  (2)では,産学官連携による各種人材育成事業への支援を通して,すぐれた技術者の育成や,市内中小製造業の技術のさらなる高度化を図ってまいります。  4ページに参りまして,(3)の企業誘致の推進では,神戸エンタープライズプロモーションビューローのもと,全職員が一丸となって精力的に企業誘致を進めてまいります。また,首都圏での情報発信を強化するとともに,アライアンス企業や民間人材・県・商工会議所など関係機関との連携をより強化・緊密にし,効果的・効率的な企業誘致に取り組んでまいります。  (4)医療関連企業の誘致では,ライフサイエンス分野スーパークラスター形成に向け,国内外の有力展示会への出展やセミナーの開催などにより,医療関連企業を積極的に誘致するとともに,そのフォローアップに努め,進出企業の市内定着を図ってまいります。  (5)では,今日世界の工場のみならず,巨大マーケットとして全世界からの注目を浴びている中国市場への販路開拓を目指す地元企業に対して,各種支援を行ってまいります。  (6)では,神戸で開催される第9回世界華商大会への支援を通じて,世界各国の華商と地元企業とのビジネスネットワークの構築を促し,中国企業や観光客の誘致をアピールしてまいります。  5ページに参りまして,(7)では,神戸を拠点にして起業や第二創業,新分野への展開や抜本的な経営改善などに果敢にチャレンジする中小企業を神戸の挑戦企業と位置づけ,これら挑戦企業の意欲的な取り組みに対し,総合的に支援いたします。具体的には,医療・健康・福祉・ロボットテクノロジー・ファッションその他の分野における研究開発や事業化のほか,低廉な家賃でのオフィスの提供や,ドリームキャッチプロジェクトなどを支援いたします。  (8)物づくりクラスター支援では,神戸の強みの1つである物づくり産業をさらに飛躍させるべく,ものづくり復興工場内のリエゾン・ラボの機能を強化するなど,物づくりの総合的な支援を充実させることによって,市内中小企業の新技術,新製品の開発などをバックアップいたします。  6ページに参りまして,(9)では,地元中小企業の医療機器などの開発を促進するため,引き続き研究開発や事業化への補助を行うとともに,アドバイザー派遣や総合相談窓口である医療機器サポートプラザへの支援を行います。  また,(10)神戸RT構想の推進では,ロボット分野においてビジネスにつながる成功事例を生み出すため,キメックセンタービル内にRTビジネスプラットフォームを開設し,産業化に向けた取り組みを強化いたします。  また,市民や企業に対する普及・啓発を図るため,ロボット関連のイベントを開催いたします。  (11)では,農業地域の活性化のため,集落営農組織・農作業受託組織,女性や高齢者のグループ,さらには新規就農などの多様な担い手を育成してまいります。  7ページに参りまして,2,中小企業支援では,今年2月に策定いたしました中小企業活性化プログラムを関係機関と連携して着実に実行し,効果あるものにしてまいります。  このプログラムでは,人財・資財・ネットワークの3つの要素を中小企業活性化の重要な柱と位置づけ,総合アクションプランとして掲げました。また,これらの3つの柱を具体的に推進するため,神戸らしさを生かした展開としてテーマ別アクションプランを定めております。今後,このプログラムに沿って中小企業施策を進めてまいります。  (1)では,市内での設備投資の促進と企業の市内定着を図るため,中小製造業の投資促進助成制度を創設いたします。市内中小製造業が工場集積地などで行う工場の新増設や設備投資を後押しすることで,意欲ある中小製造業の新たな挑戦を応援したいと考えております。  8ページへ参りまして,(2)中小企業の融資制度の充実では,市内中小企業の資金繰りを改善し,さらなる成長を支援するため,融資制度の創設・拡充・再編を行ってまいります。具体的には,責任共有制度の導入に伴い新設される小口・零細企業の保証制度に対応した仮称小口零細企業融資の創設,ローン担保証券CLO,社債担保証券CBOの継続実施など,多様な資金調達手段により円滑な資金供給を行ってまいります。  9ページに参りまして,(3)中小企業ネットワーク構築事業では,大企業に比べ経営資源に乏しい中小企業が,外部の資源を活用できるネットワークづくりを促進するための各種事業を実施いたします。  (4)中小企業デザイン力強化事業では,神戸芸工大や県立工業技術センターなどと連携し,工業デザインを活用した付加価値の高い製品化への取り組みを支援してまいります。  10ページに参りまして,3,地場産業の振興でございますが,(1)では,今日日本最大級のファッションイベントに成長した神戸コレクションを核として,その前後の一定期間に魅力あるイベントを集中的・連続的に開催する神戸ファッションウイークを支援し,神戸ブランドの効果的な情報発信と滞在型集客観光を推進してまいります。  (2)「神戸ブランドMeets上海」への支援では,神戸コレクション・イン・上海への出展支援を通じて市内ファッション産業の中国での情報発信・販路開拓を進めてまいります。  (3)では,真珠業界においては,これまでの仲介的なビジネスから脱皮し,付加価値の高いファッション製品へと最終製品化を目指したビジネスへの転換に取り組もうとしており,市としてもこうした意欲的な取り組みに対して支援を行ってまいります。  (4)では,中小企業の新たな販路開拓のため,神戸らしい,おしゃれなデザイン商品をセレクトし,ネットによって情報を発信し販売する神戸ブランドのネット版アンテナショップの立ち上げを支援してまいります。  11ページに参りまして,(5)では,引き続きケミカルシューズ産業の情報発信拠点,神戸シューズ情報ネットの運営を行い,ケミカルシューズの高付加価値化・販路拡大を支援してまいります。  (6)では,神戸ファッション振興の拠点として,ファッション美術館を引き続き運営いたします。  4,商業の振興の(1)地域力アップ事業では,地域そのものの発展なくしては地域商業の活性化はなし得ないという観点から,商店街や小売市場が主体となって行う地域力アップにつながる意欲的・先進的な取り組みや活動を支援してまいります。  (2)では,商店街・小売市場におけるアーチ・アーケードの整備や防犯カメラの設置に対し,引き続き支援を行うほか,12ページに参りまして,イベントの開催や空き店舗活用に対して支援してまいります。  13ページに参りまして,(5)では,引き続き神戸ながたTMOの取り組みを支援してまいります。  (6)では,水産物の流通業界が一体となって鋭意取り組んでいる魚のあら,魚腸骨のリサイクル事業を引き続き支援してまいります。  5の農漁業の振興では,神戸市農漁業ビジョン2010に基づき,神戸らしい農漁業の実現に向けた取り組みを進めてまいります。  (1)は,引き続き里づくりを推進するほか,(2)では,農漁業ビジョンの実現に向け,エコ・ビレッジ創造の観点から,国が19年度から実施いたします農地・水・環境保全向上対策事業を活用し,地域と一体となった農地やため池などの農業資源の保全と環境に優しい効率的な農業の推進に取り組んでまいります。  14ページに参りまして,(3)では,安全・安心を求める消費者ニーズにこたえ,環境に優しい農業を実践するため,農業環境規範,神戸版GAPに基づき,生産段階での環境保全への取り組みを推進してまいります。  (4)では,食育ボランティアの育成や地域主体の食農活動の支援など,食育推進活動を実施してまいります。  (5)では,現在,水稲・麦・家畜を対象としている農業共済事業に,神戸農業の特徴でもあるビニールパイプハウスなどの園芸施設も新たにその対象に加えてまいります。  (6),(7)のイノシシ,アライグマ等被害防止の推進では,引き続き市民啓発活動や捕獲活動を進めてまいります。  15ページに参りまして,(8)の神戸ワイン事業につきましては,19年度目標の単年度黒字を目指して鋭意改善に努めておりますが,今日みのりの公社の資金状況は依然厳しいことから,同公社に対して必要最小限の資金融資を行います。  (9)フルーツ・フラワーパークにおきましても,現在集客対策を強化し,コスト削減に努め,単年度黒字経営を維持すべく懸命に経営努力をしておりますが,これに対し引き続き運転資金の貸し付けを行ってまいります。  (10)水産基盤施設の整備では,東須磨漁船だまりの係留施設の整備を進めていくとともに,垂水漁港・塩屋漁港における改修を行ってまいります。  6,農業基盤整備では,引き続き,圃場整備を実施するとともに,農道整備や老朽化したため池の改修を進めてまいります。  16ページに参りまして,引き続き,7,農業集落排水事業を進めてまいります。  8,卸売市場の活性化の(1)では,本場施設の再整備を進めてまいります。19年度は,施設の建設を進めるほか,引き続き西側跡地の利用のあり方について検討してまいります。  (2)では,卸売市場の活性化に向け,講習会や施設のリニューアルなどを実施してまいります。  17ページに参りまして,9,備蓄体制の整備では,大規模災害発生後,1日目の10万人分の非常用食糧・物資の備蓄に続き,災害発生後2日目の5万人分を平成18年度から10カ年計画で備蓄してまいります。  18ページをごらん願います。  各会計別歳出予算でございますが,19年度の産業振興局予算は,一般会計及び5つの特別会計から成る599億4,143万円で,前年度に比べ10.6%減となっておりますが,これは主として金融機関と協調で行っております中小企業の制度融資におきまして,融資残高が減少したことなどに伴う預託額の減によるものでございます。  それでは,各会計の予算内容につきましてご説明いたします。  まず,一般会計からご説明いたしますので,20ページ及び21ページの歳入歳出予算一覧表をごらんください。なお,金額につきましては,1万円未満は省略いたします。  20ページの歳入合計は450億6,912万円,21ページの歳出合計は509億5,845万円でございます。  22ページをお開き願います。  歳入予算の中身でございますが,第14款分担金及負担金は,東播用水事業などの地元負担金,第15款使用料及手数料は,ファッション美術館・産業振興センターなどの使用料及び手数料でございます。  第16款国庫支出金は,漁船だまりの改修に係る国からの補助金など,23ページに参りまして,第17款県支出金は,大型空き店舗対策に係る補助金や,県を経由して交付される国の補助金等でございます。  第18款財産収入は,24ページに参りまして,大型直売所やワイン工場などの貸し賃料,第19款寄附金は,地元からの寄附金,第20款繰入金は,土地改良等基金からの繰入金などで,25ページの第22款諸収入は,土地改良事業に係る受託収入,中小企業融資の預託額の返還金,みのりの公社などからの貸付金返還金などでございます。  次に,歳出予算でございますが,27ページをお開き願います。  第2款総務費,第2項企画費は,中国・アジアとの交流促進等の経費でございます。  28ページをお開き願います。  第4款民生費,第1項民生総務費は,非常用食糧及び物資の備蓄に要する経費でございます。  29ページに参りまして,第7款商工費,第1項商工振興費は,商工業振興に係る経費,中小企業の金融対策費などでございます。  33ページに参りまして,第2項貿易観光費は,貿易や経済交流の促進経費及び海外事務所の運営経費でございます。  34ページをお開き願います。  第8款農政費,第1項農業委員会費は,委員報酬や運営経費など,第2項農政総務費は,職員費や人と自然との共生ゾーンの推進等に係る経費でございます。  36ページをお開き願います。  第3項生産振興費は,畜産振興・漁業振興,農業公園及びフルーツ・フラワーパークの管理運営経費などでございます。  38ページをお開き願います。  第4項農林土木費は,土地基盤整備などの経費でございます。  39ページには,損失補償などに係る債務負担行為を記載いたしております。  続きまして,特別会計につきましてご説明いたします。  まず,市場事業費でございますが,42ページ及び43ページをお開き願います。  予算額は,歳入・歳出とも49億3,788万円でございます。  44ページをお開き願います。  歳入予算でございますが,第1款事業収入は,使用料や償還金など,第2款県支出金は,再整備事業に係る補助金,第3款繰入金は,一般会計からの繰入金,第4款繰越金は,存目でございます。第5款市債は,市債の承認見込額でございます。  次に,45ページの歳出予算でございますが,第1款事業費,第1項職員費,第2項運営費,及び46ページに参りまして,第3項施設整備費につきましては,それぞれ記載のとおりでございます。  第2款繰出金,第1項他会計へ繰出金は,公債費への繰出金を,第3款では,予備費をそれぞれ計上いたしております。  また,47ページの4,債務負担行為は,仲卸業者等への融資に係る損失補償でございます。  5では,地方債の説明をいたしております。  次に,食肉センター事業費でございますが,50ページ及び51ページをお開き願います。  予算額は,歳入・歳出ともに10億9,406万円でございます。  52ページをお開き願います。  歳入予算でございますが,第1款事業収入は,施設の使用料や償還金,第2款国庫支出金は,施設整備に係る補助金,第3款繰入金は,一般会計からの繰入金,第4款繰越金は存目でございます。  53ページの歳出予算でございますが,第1款事業費,第1項職員費,第2項運営費,及び54ページに参りまして,第3項施設整備費につきましては,それぞれ記載のとおりでございます。  第2款繰出金,第1項他会計へ繰出金は,公債費への繰出金,第3款では,予備費をそれぞれ計上いたしております。  4では,汚水処理設備整備に係る債務負担行為を記載いたしております。  次に,農業共済事業費でございますが,56ページ及び57ページをお開き願います。  予算額は,歳入・歳出ともに3億5,612万円でございます。  58ページ及び59ページをごらん願います。  歳入予算でございますが,第1款事業勘定収入は,共済掛金収入など,第2款業務勘定収入は,賦課金,一般会計からの繰入金,基金からの繰り入れなどでございます。  60ページをお開き願います。  歳出予算でございますが,第1款事業勘定支出,第1項農作物勘定支出は,水稲及び麦の被害に対する共済金等,第2項家畜勘定支出は,家畜の死亡・事故に対する共済金等,61ページに参りまして,第3項園芸施設勘定支出は,園芸施設の被害に対する共済金等の経費でございます。  第2款業務勘定支出,第1項業務費は,職員費及び運営費で,その内容は,それぞれ記載のとおりでございます。  62ページに参りまして,第3款では,予備費を計上いたしております。  続きまして,農業集落排水事業費でございますが,64ページ及び65ページをお開き願います。  予算額は,歳入・歳出ともに17億8,005万円でございます。  66ページをお開き願います。  歳入予算でございますが,第1款事業収入は,使用料及び工事負担金,第2款県支出金は,施設整備に係る補助金,第3款繰入金は,一般会計からの繰入金,第4款繰越金は,存目でございます。  第5款市債は,市債の承認見込額でございます。  次に,歳出予算でございますが,67ページをごらん願います。  第1款事業費,第1項施設整備費,第2項運営費につきましては,それぞれ記載のとおりでございます。  68ページをお開き願います。  第2款諸支出金,第1項他会計へ繰出金は,公債費への繰出金,第3款は,予備費を計上いたしております。  4では,債務負担行為を,5では,地方債をそれぞれ説明いたしております。
     次に,海岸環境整備事業費でございますが,70ページ及び71ページをお開き願います。  予算額は,歳入・歳出ともに8億1,486万円でございます。  72ページをお開き願います。  歳入予算でございますが,第2款財産収入は,商業施設用地及び駐車場の貸し賃料,第3款繰入金は,一般会計からの繰入金でございます。  73ページに参りまして,歳出予算でございますが,第1款漁業施設整備事業費,第1項マリンピア神戸建設費は,施設建設に係る経費を,第3款では,予備費をそれぞれ計上いたしております。  次に,報告事項でございますが,76,77ページをお開き願います。  地域の力を活かしたまちづくり事業(区局連携事業)のうち,産業振興局関連分を記載いたしておりますので,ご参照願います。  続きまして,予算関連議案につきまして,ご説明いたしますので,81ページをお開き願います。  第12号議案神戸市立公設市場条例の一部を改正する条例の件でございます。  公設市場につきましては,昭和62年7月の公設市場問題検討会議での,公設市場はもはやその役割を終えたのではないかとの報告を受け,これまで公設市場の活性化や民営化・廃止を進めてまいりました。その結果現在では,市内に残る公設市場は,宇治川・長田・西須磨の3市場のみとなっております。こうした中,平成18年度の事務事業評価におきまして,公設市場については早期に廃止・民営化されるよう努力されたいとの評価を受けております。  これら3市場のうち,宇治川・長田につきましては,商業者がセルフ化を行い活性化を図っておりますが,西須磨におきましては,昭和12年建築の建物の老朽化が著しいこともあり,活性化が難しく,閉鎖する方向で商業者等と調整を進めており,このたび公の施設を廃止しようとするものであります。  次に,83ページをお開き願います。  第13号議案神戸市農業共済条例の一部を改正する条例の件でございます。  本市の農業共済事業は,これまで水稲・麦・家畜を対象としており,園芸施設については,生産者の意向もあり,その対象には加えておりませんでした。しかしながら,平成16年度の台風被害を契機に,農業者等から事業化の要望が上がり,17年度,18年度の2カ年にわたり,農業者・JA・県共済連合会・市で構成される研究会で事業化の検討を行いました。また,農家を対象としたアンケート調査を実施した結果,園芸施設についても共済事業の対象とすべきであるとの結論に至ったため,このたび本市の農業共済事業に園芸施設共済を追加しようとするものでございます。  以上,産業振興局に係る予算議案6議案,報告事項1件,その他の議案2議案につきまして,一括してご説明申し上げました。何とぞよろしくご審議のほど,お願い申し上げます。 4 ◯主査(松本 修) 当局の説明は終わりました。  引き続いて,順位により質疑を行います。  なお,委員会運営の効率化のため,答弁は,適当なものについては担当部課長からも答弁されるよう,この際,特に申し上げておきます。また,質疑者が要望にとどめた項目については,コメントを要しませんので,念のため申し添えておきます。  また,委員各位におかれては,質疑の要点をおまとめの上,簡明にお願いいたします。  それでは藤本委員,発言席へどうぞ。 5 ◯分科員(藤本浩史) おはようございます。  それでは,産振局に対する質問をさせていただきたいと思います。  震災後,大変な状況の中で,神戸市のほとんどの産業を総括いただいております産振局の仕事を引き受けてこられて,坂本局長,今回の予算編成ですね,最後になると,こういうふうにお聞きをいたしております。そういった景気の非常に定やかでない時期から,あるいはまた税収等の伸びが非常に厳しかった,あるいはまた神戸市の中小企業を中心とした分野が非常に伸び悩んでおった,つい最近までの状況──こういった世の中という,日本全体の流れの中で,神戸市も例にたがわず厳しい状況の中での予算措置が続いてきたと,こういうふうに私は考えております。  鵜崎助役から引き継がれて,坂本局長として非常にご苦労いただいた部分が,私はかなりあるんではないかなと,こう思うんですが,その5年間の総括をちょっと簡単にまとめて述べていただくことができればと思っております。  それから,次は,企業誘致の話でありますけれども,先ほどからいろいろ説明がございました。医療産業関連だけで100社を超える企業が集積をすることができたと,こういうふうな報告をいただいております。しかし,この医療産業都市を神戸市が標榜して,いろいろ大学あるいは産官学合わせて運動を展開してきた中で,神戸市だけじゃなしに,いわゆる東北の仙台を中心とした東北大学,あるいは北海道・札幌を中心とした北大,それから新潟を中心としたそのエリア,それから関西の京都・大阪・神戸ということでの,その中での神戸の医療産業のいろんなクラスターの立ち上げについては,ご苦労があったと思いますし,まだまだこれからそういった面が,表に出ない部分が非常に多いわけでありますけれども。そういう状況の中で,本当に中核になるクラスターというのは,私は理化学研究所ぐらいではないかなというふうな感じもするわけでございますけれども,理研以外にもっともっとやっぱり,最初の時期から比べて──そういうふうなスタートをした時期から比べて,いろんな模索の中で,日立であるとか,日本の国内でも大きな分野を占めるような企業もあるし,あるいは市内産業でも大きく伸びた産業,会社もございます。そんな集積をずっと積み重ねてこられたわけでございますけれども,この誘致が今の段階でどういうふうに局として評価をされておるのか,このことについてもお伺いをしておきたいと思います。  それから,上海・長江のお話でございますが,いわゆる震災のあの大打撃の中で,政府から下河辺さんを中心とした委員会が結成されて,いろいろご苦労いただいて──私自身も上海・長江の現地を見たことがあるんですが,あの重慶から上海までの都市部の中で,どの都市をとっても人口何百万というようなすごい,あるいは何千万に近いような都市があります。特に笹山市長は,南京あるいは上海,それから天津も含めて,その周辺ですね,武漢とか,いろいろあるんですが,そういう,重慶を出てからずっと大きな都市がありますけれども,総括として,いわゆる今日の神戸市の今の段階で,そういうかつての姉妹都市と言いますか,あるいは港湾の方面での姉妹港と言いますか,そういうふうな分野で,天津についてもかなりの重きを置いてきた中国戦略と言いますか,そういった行政の立場で,震災から立ち直ってきた今日において,その周辺と言いますか──そういうところがやっぱり上海だと,あの大都市上海に拠点を置いて,神戸市としても活動するということが最大のメリットだというふうにとられておるのかどうか。あるいは今までそういった交易の見本市等,相互にやってきた南京とか,そのほかの大都市についても,どんなお考えでこれから臨もうとされておるのか,そこらを総括としてお聞かせをいただきたいと,考えを,こう思っております。  それから,次は,神戸のロボットテクノロジーの構想でございますけれども,ことしですか,サンボーホールで1つの産業ロボットのコンテストをやるというふうなことを書かれておりますけれども,いろんな民間の企業も──まだ大企業が多いんですけれども,あるいは学校関係にいたしましても,高専をはじめとして大学もそうでございますけれども,いろんなところの分野でのロボット化が進んでおります。  企業のロボット化の現象を見ておりましても,非常に人手の大変なところにロボットがかわりに働いておる現況も,テレビ等で放映されております。そんなことを見ながら,神戸のロボットテクノロジー構想についても,一体何を目指しておるのか。これはまだ本当に緒についたところではないかと思いますけれども,構想だけはかなり前からいろいろ言われております。本当は,どういう部分のロボット化を目指しておるのかということについて,鮮明にしていただきたいと,こういうふうに思います。  それから,中央市場の問題でありますけれども,中央市場の建てかえの話がございます。PFIでやろうということでございますけれども,その再整備に絡んで,先日の新聞で,明石の明果ですね,明果と神果の合併の話が載っております。最近の情勢を考えると,前から言っていますように,中央市場機能を通さない流通機能と言いますか,そういったルートでかなり大きな量が流れておるということも,また事実でございます。あるいはまた,中央市場を通さない,そういうほかのルートもあるということもあります。それからJA等でやっております直販,これも道の駅等を含めて,兵庫県下でもいろんなところで道の駅等の構想と一緒になって,JAが中心になって,地域の方々巻き込んで,そういった直販システムを展開をいたしております。  こういうことと,いろいろそういう悪条件の中にありながら,神戸市のこの市場機能の活性化のために,こういう方法で踏み込まれるわけでございますけれども,それが明果と合併することによって,どんな効果が出るのか。本当のことを申し上げて,私たちJAのメンバーでも,かなり明果に流れておった事実はあります。こんなことも当然,背後にはあるわけでございますけれども,そういったことについてのメリット,あるいはこれをどう将来,もっとこう──私はなぜか言うたら,2社制にせいということを前から言っておったんですが,いや,1社制がいいんだというふうに,昨年だったか,沼田次長のお話がございました。そういう2社制のメリットを考えた場合に,この明果と合併することがどう影響してくるのか,そこらのメリットを述べていただきたいとこういうふうに考えております。  それから,農政に関する問題について,何点かお尋ねしておきたいと思います。  建議書でもいろいろと,毎年農業委員会の方から,農政部会の方から上がっておるんですが,なかなかやっぱり建議書のとおりにおこたえいただくことは非常に難しい。それは予算の関係もございますし,行政のかかわる範囲も決まっておりますので大変だと思いますけれども,そういった建議書に対して一番大きく期待をされておる部分,こういったことについて,もっと私は積極的にかかわっていただく必要があるというふうに考えております。  市長との予算懇談会にしても,そういう話をするわけでございますけれども,結局答申で出てくるものは,総論的なことしか出てこない。何が今のこの神戸の農政にとって一番大事かということを的確に考えていただいて,その問題の解決のために全力を集中していただくということをやっていただくことが一番私はベターではないかと,こう考えております。  後継者の問題とか──それから後継者ということは担い手になるわけですけれども,そういうものとか,それから里づくり関係とか,こういうふうないわゆる調整区域の活性化,これはもう平成8年の人と自然の共生ゾーン,いわゆる法律に基づく里づくり条例を上げていただいたときに,調整区域といえども,私は土地利用はやっぱり決めるべきやという話をして,どの町の土地も同じ色で生産中心だという考え方はおかしいと。でないと,若い者もそこに張りつかないし,残っていかないし,市街化区域に住居を求めて出ていくしかない。そういうふうな状況の中で,あの試案をおまとめいただいた中で,いろんなことを私自身も提言を申し上げてきたわけですが,10年経過をいたしております。  私は,モデル事業として立ち上げていただくことが,その他の全体のかさ上げになるというふうに,活性化になると,こういうふうに申し上げてきたわけでございますけれども,10年たって,いろいろ考えてみますと,いずれもやっぱり中途半端になってます。いうのは,本当にその立ち上げから後の3年間は,何とか面倒──多少いろんなところで技術的な面も含めて,あるいは財政的なこともちょっと加味しながら面倒見ていただいておるわけですけれども,その後が大変なんです。それは,最初はみんな勢いがつくんです。その後をどういうふうにフォローしていくか,それからこの対象の地域は160以上,私は集落があると思うんですが,その中で実際,こういった方向で調整区域の活性化のために働きがいのある,あるいは自分たちの集落を活性化をしたいという願いを持って頑張っておられるところ,あるいはそれを立ち上げたところ,本当に数えるほどしかないんではないかなと,現実は。こういうふうに考えております。  そういうことを思うときに,もっともっとやっぱり現場に入って指導していただくということが一番大事。皆さんが何を考えておるのか,何を悩んでおるのかということを,やっぱり行政の皆さんも一番肌で感じていただいて,今どういう手だてをしてあげることが行政としてできる最大限の効果になるか。それはやっぱり行って,現場で苦しんでおる皆さんの声を聞いてもらうということが大きいんではないかなと,こういうふうに考えております。だから,そういう方向でこれからも頑張っていただくように,その決意をちょっと局長,お答えをいただきたいなと,こういうふうに思います。  この里づくり計画等については,特に西区の場合は,ほとんどの町村がずっと昔からさかのぼって自分たちの誇りとしております太山寺の国宝から始まって,各町がそういうシミュレーションをやっています。それをかなりお金をかけてやっています。それがみんな埋もれて,まだいまだに日の目を見てないという実態でございますので,財政状況はよくわかりますけれども,管財の,自分たちが預けておる金を利用してでもやりたいというふうに皆さん思っておりますので,そこらの点のご了解もいただいて決意をいただきたいと,こういうふうに思っております。  それから,みのりの公社のお話,これは外郭団体になるわけでございますけれども,いわゆる農政の施策の中で行政の唯一,農政関係での唯一の私は外郭団体になるんではないかと思いますけれども,これは原口市長がおっしゃったいわゆる六甲山の観光開発ですか,ああいったところから始まって,今は海づり公園からかなりの,本当に局でやれないようなところ,全部面倒見ていただいているわけでございます。そういったところに,神戸ブランドという農業の持っておる,いわゆるワインとか,それからビーフ,こういったものも包含されて,そういった面倒を見ていただいておるわけでございますけれども,非常に最近のお話を聞いておりますと,お寒い限りでございまして,それぞれの施設が後退をするばかりで,人員削減はもちろんでございますけれども,前向きに職員が働くことができないような状況になっております。  そういう方向で,農業公園を中心とした,あるいはフラワーパークを中心とした,そういったエリアでの活動,そういうものを,これはもうつくったけれども,これはもう転売してしまうんだと,途中でやめるんだと。農業公園なんか特にそうですが,あれはもう売るんだというふうな考え方でおられるのかどうか。神戸ワインは,私はいろいろと皆さんの,生産者の協力もあって,介錯をしながら,いろんな犠牲をしながら,自分の生活も顧みないで,赤字を続けてきて,JAに相当な借金をしながら今日まで経営を続けてこられた。その結果が,震災のあれもあるんですが,ストックが非常に厳しい。売れない神戸ワインということになってしまったわけでございますけれども,お話を聞くと,最近かなり明るくなったような情報が聞こえてきます。  このワインの株式会社の問題にしても,ぜひ私は,神戸のブランドの1つとして残してほしい。あるいは神戸ビーフもそうでございますけれども,非常にお寒い限りで,かつてはかなりの肥育農家もあったし,乳牛にしても和牛にしてもそうなんですが,だんだん下降傾向で,特定の方々だけが,ごく一部の方が飼育しておられると。こういう状態で本当に神戸のブランドが守れるのかどうかということをお聞きしたいわけでございます。  そのために,農業公園の中でもいろんな努力をされておりますけれども──農業公園じゃない,みのりの公社──みのりの公社に努力をしていただいておりますけれども,しかしそれは,それもだんだん,1日1日──何か聞いておりますと,お寒い限りで,その機械の耐用年数も5年ぐらいのものを10年以上に延ばせとか,いろんな厳しい話が伝わってまいります。そういうことを思うときに,何とかそういったことに対する立ち直り策,これをどうお考えになっておるのか,お聞きをしておきたいと思います。  きょう,昨年の六甲のめぐみです,あれの数字をちょっと集計したものがあったんですが,ちょっとそれを見るのをちょっと忘れてきて,きょう急遽,朝問い合わせたんですが,JAに。神戸市からあれだけの面積を借りて,17年度で58万人,年間──の方があそこへ行かれておるんです。売り上げが11億から12億円,こういう結果です。こういうことを見ても,その背後の農業公園,あれだけの立派な財産がありながら,何もしないでこまねいておるというのでは,私は非常にもったいないという気持ちでおります。何とかあれをもう1度,日の目が出るような方向に,この流れ,この人の流れ,金──売り上げです,これ1人1人にしたら,そんなに私は大きな金額ではないと思うんですが,あそこへ行ったら,六甲のめぐみで買いながら,農業公園の中で,駐車場もただになったし入園料も要らんという状況の中で,何かやっぱりひらめくものがないんかなと,こういう知恵がないんかなと,こういうことを率直に思います。これに連動するような方向を,JAとも協議をいただいて,何も神戸市,財政が厳しい神戸市,産業振興局だけでなしに,一緒になって,何か知恵を出していただきたいなと。あるいはこういったことをいろんな団体に問いかけていただきたいなと,こういうふうに思っております。これについてのご回答もいただきたいと思っております。  当面,以上です。 6 ◯坂本産業振興局長 私から数点お答えいたします。  ちょうど矢田市政がスタートしましたのが,5年余り前の13年11月ですけど,私は,14年の1月に今のポストを拝命しました。当時は,非常に厳しい経済情勢だったと思います。失われた10年と呼ばれた最後の時期だったと思いますし,なかなか長い暗いトンネルから抜け出ないというふうなことで,いわゆる企業も3つの過剰,債務・設備・雇用という3つの過剰を抱えた。それをさばくのにきゅうきゅうとしとった時代だったというふうに記憶しております。まさにデフレ不況の真っただ中であったように思います。  当時の最大の課題というのは,やはり働く場を確保することと,市内産業をどう活性化するかということであったように思います。特に,雇用関係は非常に厳しい時期で,大卒の新卒者においても,就職氷河期と言われておった時代でした。失業率も非常に高かったし,有効求人倍数も低うございました。そういったことで,まずは,市民の暮らしの基盤となる働く場の確保をしようということで,14年度から4カ年計画で2万人雇用創出をスタートさせました。矢田市長がみずから本部長となりまして,雇用対策本部を設置して,まずは,働く場を生み出そうという施策をとったように思います。おかげで,14年から17年までの4年間で約2万5,000人の働く場の確保ができたといったことで,一定の役割を終えたんじゃないかなと思います。  次に,市内産業の活性化でございますけども,やはりこれは2本柱だと私は思っております。神戸経済の将来を見据えた新たな産業による活力づくりと,そしてこれまで神戸経済を支えてきた既存産業の高度化・活性化,この2つの柱だというふうに思ってます。  まず,新たな産業による活力づくりですけれども,これはやはり企業誘致と新産業をどう育成していくかということであります。企業誘致につきましては,もう市長がみずからキャプテンとなりまして,エンタープライズプロモーションビューローを設置して,トップセールスに努めてございます。  私は,企業誘致は,熱意とスピードと粘り強さだというふうに思っておりますけれども,まず,熱意というのは,市長のトップセールスです。スピードというのは,ワンストップサービスといったことで進めてございます。  このチームでは,やはり役所の知恵だけでは限界がございますので,民間企業とか専門人材の持つノウハウとか人脈をフルに活用したいといったことで,アドバイザリーボードとか,企業との協定とかいったことで進めております。  特に企業誘致で大事だと思いますのは,後のフォローアップだと思います。一たん進出してきた企業に対して,いかにきめ細かなフォローをして,市内定着あるいは設備投資の拡大につなげるかといったことが非常に大事だというように思ってます。  新産業の育成としては,大きなものとしては,医療産業都市構想,それと先ほども出ました神戸RT構想ロボット。ロボットについては,まだ種まきの状況ではございますけれども,医療産業都市構想につきましては,今100社を超える企業がポートアイランド2期に集積しておりますし,2010年までに200社を誘致しようということで,今鋭意進めてございます。  あと,既存産業の高度化・活性化でございますけれども,市内の企業の99%は中小企業であります。こうした市内企業の大半を占める中小企業が元気にならないと神戸経済は元気にならないといったことで,神戸2010ビジョンの部門別計画として,中小企業活性化プログラムをことし2月に策定いたしました。学識経験者や関係機関あるいは産業界などの識者の参画を得て,神戸の中小企業の活性化に向けての理念とか方向性を民・学・産・行政で共有して,これまでいろんなことをやってますけども,そういった施策を整理・体系化して,何が漏れているか,何が必要か,そういったことの議論を願い,できるだけ具体的に取りまとめたところでございます。人財・資財・ネットワーク,こういったものを3つの柱として,神戸の強みとか神戸らしさを生かした展開をそのプログラムでは掲げてございます。そういった思いの中で,19年度予算も編成をしたところでございます。  もう1つの柱の農業振興策でございますけれども,神戸は非常にそういった港とか,いわゆる産業の面で非常に言われておりますけれども,農業としても県下有数の農業地帯でございます。大都市にありながら,野菜とか花などの園芸を中心に水稲・畜産がバランスよく営まれておりまして,地産地消を推進する上では非常に恵まれた条件にあります。ただ,今日神戸の農業は,農業従事者の減少あるいは高齢化,農産物価格の低迷等によって農業生産額が非常に減少し,耕作放棄地も増加傾向でございます。ただ,都市住民からは,神戸市農業に対する期待は大きいということがございます。  先ほども今後の考え方みたいなご質問がございましたので,少し私の考えを言わせていただきたいと思いますけども,農業というのは,これまでかなり国によって手厚く保護されてきた施策であります。ただ,これが大きく見直されました。これまでみたいに農業者を一律に支援するんじゃなくて,やる気と能力のある農業経営者を後押しして,付加価値の高い農業生産あるいは高品質で安心な農産物の供給,そういった攻めの農業への取り組みを国も積極的に支援するという方向になってございます。  そういった中で,どうしたらいいんかということでございますけれども,これはもう農政通の藤本先生に生意気なことを申し上げますけれども,これまでの生産農家というのは,農業技術を身につけて,農産物さえつくっておれば,それでよかった。これ,ちょっと言い過ぎになるかもわかりませんけど,国が決める農業政策に基づいて,それに基づいて補助金も出る。県や市・農協が営農指導もしてくれる,資金も貸してくれる,できた農作物も売ってくれる。そういったことで,ひたすら農家は品質のよい農作物の生産に専念しておればよかったんじゃないかなというふうに思います。ただ,これからはそうはいかんという流れになってきてると思います。農家も単に生産するだけやなくて,企業経営的な感覚が必要であります。  今の時代,物の足りない時代ではありません。物はもうあり余ってます。幾らいいもんつくっても,消費者が求めるものでなければ売れない。それと今の暖冬でもあれですけども,農業は常に自然と向き合ってるということで,片や,干ばつや暖冬などで減る場合もありまして,とれ過ぎてもまた別の問題があるといったことで,これは当然セーフティーネットと言いますか,共済制度というものは,これは必要になってくるし,これは行政が参画しなければならないというふうに思います。外国からどんどん安い物が入ってくるから,それとの競争になるということで,私はやはり生き残っていくには,ここにしかないという付加価値の高いブランド物をどう育てるかということに尽きるんじゃないかなというふうに思います。  消費者ニーズというのは,もう刻々と変わりますし,二極分化してますし,そういったことを機敏にとらえて,すぐ手を打っていかなければ農業経営も成り立たないんじゃないかなというふうに思ってございます。  そういった中で,今の里づくり計画の問題ですけども,里づくりというのは,これまさにまちづくりの農業版で,自分たちの地域はどうするかということで,みずからで青写真をかいて,それに沿った施策を進めていくというのが基本でございますけども。これにどの程度補助を出していけるのかどうかということですけども,私次を担う若者とかJAなんかの会に行って,いつも言うとるんですけども,市が補助するのは,あくまでそういった取り組みの立ち上げを支援する。だから,せいぜい2年か3年が限度やと。その2年か3年でそれが事業として補助金なしでやっていけなければ,もうその事業というのは基本的には成り立たないんじゃないかなということを常に言うております。ただ,この里づくりのように,ちょっとこう基盤整備的なものは少し話が違ってくると思います。ですから,その里づくり計画をするときは応援する。あとそれに沿って,いろんな施策を進めていく場合には,当然そういった制度に対する補助制度というのがあると思いますから,そういった流れの中でやっていきたいと思っています。  ただ,先生おっしゃるように,現場に足運んで直接ニーズ聞けということ,これはもうおっしゃるとおりで,私はもう職員にも常々,別に農業の分だけやなくて,そういうふうに申し上げておりますので,これは今後ぜひ取り組んでいきたいと思います。  みのりの公社でございますけれども,これも余り長くなったらあれですけども,外郭団体のあり方そのものが,もうできたときと全く変わってきたということで,いわゆる委託事業というのも,いわゆる行政改善の中で徹底的に見直していった。そして収入源の大きかった公の施設の管理そのものも指定管理者制度に移っていったと。いったことで,これからやはりみのりの公社も,1つの形態として独立採算でやっていけるような仕組みをかっちりやはり確立しなければならないというふうに思います。  ずっとこう事業が膨らんでいったときには,派遣職員だけでは当然足りませんから,プロパー職員もかなり採用しております。こういう事業が減ってきたときに,まさにもろにそのあおりを受けるわけですけれども,やはりこれはもう乗り切っていかざるを得ないというふうに思っています。そういったことで,今確かに急激な変化の中で,一部モチベーションが下がっていることも事実やと思います。給与制度につきましても,いわゆる職務の内容と能力に応じた給与体系──従来の年功序列じゃなくて,新たな給与体系を取り入れましたし,事業そのものをかなり見直して,不採算なものについては徹底的に見直す。そして従来,市が委託しておった事業でも,本来行政がやらなければならないものについては,市である程度引き上げたといったようなことでございます。いずれにしましても,ゼロベースの視点から,新たにいわゆるイノベーションをやっていかなければならないというふうに思ってございます。  ワイン事業につきましては,平成15年度にワイン事業検討会を開きまして,提言を3つもらいました。1つは,民間の経営手法を取り入れること,2つには,早急に過剰在庫を処理する,3つは,全量買い取り制度──できたやつは全部買うといったその制度を見直すと,この3つ。これが3年以内にできなかったら,もうワイン事業は廃止せざるを得ないという厳しい提言をいただいたわけですけれども,そういったことから直ちにワイン事業本部を立ち上げて,その副本部長にこの検討委員会のメンバーであった経営コンサルタントを入れました。そういったことで,今のいわゆる人材マネジメントと言っておりますけれども,そういった制度が取り入れられたわけであります。  生産者にも非常にご無理を言いました。ピーク時の今3分の1ぐらいの量になってると思います。しかし,ブドウ生産者の皆さん方も,このワイン事業を何とか残していこうということでやっていただいております。  最後,過剰在庫,これも17年度末ですべて処理をいたしました。そういったことで,徐々にではありますけれども,その結果があらわれつつあると思っています。そしてそういった中で,ワイン事業は何とか継続しようと,私はもうこのワインというのは,神戸というイメージに合うと思ってますし,先人が20年の歳月かけ,手塩にかけてきたこういった事業ですから,あとは採算性だけの問題やと思ってますので,何とかこれを頑張っていただきたいということで,公社の一層の職員の頑張りを期待しているところでございます。  私からは,以上でございます。 7 ◯伊藤産業振興局参与 私の方から,医療関連の企業誘致についてお答えいたします。  今,重点に取り組んでおります医療産業都市構想,現在ポートアイランド2期には,先端医療センターや理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター,それと最近では,分子イメージング研究開発拠点など,いろんな中核施設がそろっておりまして,先ほども局長が申し上げましたように,100を超える企業がもう既に進出しております。その進出された企業の中には,例えばアルブラストさんという会社ですが,角膜の再生技術をされています。それから,市内の大手企業シスメックスさんは,がんの早期診断の研究をされております。いずれも医療技術の革新につながっていくような先端的な取り組みというふうには言われているんですが,先ほど委員ご指摘のように,なかなか表には,なかなか出にくいような状況でございます。  ただ,一方では,昨年の11月にドイツに本社があります世界有数の製薬企業でありますベーリンガーインゲルハイム社が神戸に研究開発拠点を置くというふうに発表いただきました。その直後に,もうベーリンガーさんが出られるんならという形で引き合いもいただいておりますし,既に進出された企業の中には,そのベーリンガーインゲルハイム社と具体的に共同研究とか,取引の拡大なんかを期待の声が聞こえてきております。やはりその中核となる企業が出てこられるということは,関連する企業を引き寄せる,さらに新たな業を起こす可能性も生まれてくるんだなというのを改めて実感しているところでございます。  アメリカのミネソタ州には,大きな医療クラスターがありますが,それはいろんな文献で紹介されてますが,世界有数の医療機器メーカーでありますメドトロニック社というのが中核にあって,その企業が関連企業を呼び寄せ,さらにみずからスピンアウトして,新たな起業の可能性を生んで,企業の集積を進めていったというのが,いろいろ紹介されておりますが,先ほど委員から神戸も札幌や仙台・新潟・京阪神など,いろんなところの医療クラスターをリードして発展していくためには,やはりこの核となる企業を誘致していくことが非常に重要だというふうに認識しております。  先日,井村先生を座長とする有識者から提言がありましたライフサイエンス振興ビジョンを読ませていただきますと,ポートアイランド2期には,400名を超えるドクター号をお持ちの研究者がおられるというふうに書かれてございました。神戸の強みは,やはりこの優秀な人材の集積,要するに知の集積とネットワークが形成されつつあるというふうに書かれております。この強みを十分に生かしまして,この中核となる企業の誘致に取り組んでまいりたいと思っております。  以上でございます。 8 ◯吉武産業振興局次長 神戸RT構想でございます。  現在の我が国のロボット産業の現状でまいりますと,今後少子・高齢化あるいは労働力の減少ということが見込まれているということで,これからさらに産業用ロボットについては,製造業の生産工程あるいはサービスの工程の中で,一層その自動化とかロボット化が進んでいくということで,さらに有望な市場になっていくだろうと。  もう1点,次世代型のロボットにつきましては,こういう次世代型のロボットの技術,例えばセンサーの技術であるとか,あるいは動いていく移動の機能であるとか,ITの機能であるとか,次世代型のロボットは,こういったいろいろな幅広い技術の統合体ということなわけでございますけれども。もともと日本の物づくり産業の特徴が,こういったいろいろな技術をすり合わせていくということに非常に有能であって,国際競争力を持っているといったことで,この両面から,国の方ではロボット産業あるいは次世代型ロボットにつきまして,今立てておられます新経済成長戦略あるいは新産業創造戦略の中でも,ロボット産業というのは,一番有効な,主要なプロジェクトと言うて位置づけをされておられます。  こういった国の動きに合わせまして,神戸のRT構想というのを取り組んでおるわけでございますけれども,やはり神戸の持つすぐれた物づくり技術と,それから人材を最大限に生かして,ロボット技術あるいはロボット自身の研究開発を通じまして,地元の中小企業の,例えば機械あるいは電気あるいはプラスチック加工,そういった幅広い物づくり産業へ波及していくということをねらいとして取り組んできております。  神戸の特色といたしましては,もちろん震災の経験があったということ,あるいは医療産業都市構想を進めておるということで,神戸のロボットでは,特にレスキュー・医療・福祉・介護,このあたりを重点分野というふうに位置づけて取り組んできておるわけでございます。  現状でございますけれども,レスキューの方でございますけれども,これは一番早く取りかかったわけですけれども,国のプロジェクトを受けまして,平成14年度からNPO法人が神戸におきまして研究開発をされておるわけでございますけれども,これから5年たったわけでございますけど,現在実証実験あるいは防災訓練,特に消防局さんも参画していただきまして,実際に訓練に使っていく。その中で,どういうふうなさらなる課題があるかという段階に入ってきております。  そういったことで,人が入っていくには危険な場所とか,あるいはテロ現場において,いわゆる探査ロボット,そういったロボットを中心に,今実用化にかなり近づいてきている段階になったのかなというふうに見ております。  全般の話でございますけれども,このレスキューロボットの分野に限らずでございますけれども,非常に有望な産業であると言いながら,産業ロボットはもちろん全く問題なく,これからどんどん需要がふえてまいるわけでございますけど,次世代型のロボットにつきましては,なかなか市場が見えてないと。一時,ソニーのAIBOが発売されましたけれども,あれも発売が終わりましたけれども,やっぱりまだまだニーズが見えていないということで,これは国の方も大きな実用化・産業化というものを大きな課題に思っておられます。  そういったことで,やはりこれからの課題は,研究開発だけでなしに,どうやって実用化・産業化していくかということがポイントになってくると思います。  神戸の方といたしましては,今までの物づくり企業さんと大学研究者だけの連携でなしに,何か新しいサービス業の方とも組んで,新しいニーズをつかまえた商品というのを考えていくべきでないかという取り組みを始めていきたいと思っております。  それと,やはり新しいサービス事業をつくられるのは,やはりベンチャーの方が多うございますので,やはりロボット関係のベンチャーを育てていきたいということで,18年度からそのねらいでロボットテクノロジービジネス創出セミナーという形で,人材育成を図っておるところでございますけれども,これをもう少し進めていって,有望な人材の発掘あるいは案件をフォローアップをしていきたいと思っております。  それと,キメックセンタービルの2階の先ほどのレスキューロボットが,この平成18年度末で国のプロジェクトが終わりますので,その後を使いまして,この場所を産業化を促進する拠点というふうに再編をさせていただきまして,ここを大げさな名前ですけど,ロボットテクノロジービジネスプラットフォームというように名づけまして,いろいろなロボット関連ビジネスの相談とか異業種交流であるとか企業間連携であるとか,それを進める場としてつくっていきたいと思っております。そんな形で何とか実用化に向けて,一歩でも進めていきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 9 ◯安藤産業振興局次長 里づくりの関係でございます。  先ほど局長が申しましたように,農業に関するフォロー,これは意欲的な取り組みに対する立ち上げの支援を中心とすると,基本的にはそういうふうに考えてございます。  しかし,一方で先生ご指摘のように,里づくりに関しましては,協議会が立ち上がったけれども,なかなか計画策定に至らない,あるいは計画をつくったけれども,その後の実践活動がなかなか伴ってこないという形で停滞しているところがあるのも事実でございます。  その原因は,いろいろあろうかと思いますけれども,中には地域の方が,主体的に取り組もうとする意欲はあるんですけれども,どうやって里づくりを活性していったらいいのかわからない。情報がないと,そういった事情がある場合もあろうかと思います。  その意味で,取り組み事例の参考になるような情報発信をすると,こういったことも大切だろうと思っておりますので,今年度の初めての試みですけれども,里づくり計画賞というものをつくり,その発表の場を設けると,こういったことで参考事例になるような情報発信をしていくと,こういったこともやりたいと思っております。  それから,農業公園のご質問がございました。農業公園,今基本的には,フルーツ・フラワーパークの施設を買い取った際の借入資金の償還財源にするというのが基本でございますけれども,ワインの工場ですとか,ホテル・レストランがあるセンターゾーンは,ワイナリーの特徴を生かして活性化をするということも検討課題の1つになろうかと思っております。  そこで,入り口の方,めぐみ──非常にたくさんのお客さんがございまして,こういったお客さん,めぐみの非常に新鮮な野菜を目当てに来られるということで,ある意味,新鮮な安全・安心な野菜に対する関心が非常に高いお客さんだと思っておりますので,このお客さんの流れを何とか農業公園の中に呼び込みまして,レストランとかにも活用できないかと,そういった形の検討をしていきたいと考えておりまして,JAとも協議を重ねてまいりたいと思っております。 10 ◯大崎産業振興局参事 上海・長江プロジェクトについてでございます。  上・長プロジェクト,確かに復興委員会におきまして提案されました復興特定事業の1つということでスタートいたしました。当初,上海・長江エリアと交易・交流を促進することで,地元経済の活性化に結びつけていこうということでありますけれども,確かに中国につきましては,当初,世界の工場と言われて騒がれておりました。近年は,世界の市場という形で注目を浴びております。その中でも,上海・長江のエリアというのは,ぬきんでた形で中国の中でも着目される地域かなというふうな形で思います。  一方で,中国経済につきましては,よくドッグイヤーと言われますように,非常に経済のテンポが速いと言いますか,短い時間で発展いたしております。その反面で,逆に最近言われておりますのが格差の問題という問題等が指摘されております。また,一方で,地域差による問題もいろいろあろうかと思います。  そういったことで言いますと,先生ご指摘のように,天津というところも,最近は浜海新区というふうな開発と言いますか,新しいエリアが指定されて,今国を挙げての注目すべき,発展すべき地域として指定されたようでございます。  一方で,県におかれましては,広東省と友好しようという形で,広東の南の方も非常に発展が著しいところで,最近は発展の形態もまた新たな段階に入ったと言われております。そういった意味で,中国を1つという国で見るというのは非常に難しいかなという感じがいたします。  そういったことから,私どもとしましても,1つは友好都市の天津,それと同じように上海・長江プロジェクトでとらえております上海・長江エリアもその1つ,そしてまた広東というふうな拠点と言いますか,情報網を集約することで個別のニーズにこたえていけるんではないかなと。そういった意味で,上海・長江プロジェクトもその1つに大きく利用していきたいというふうに思います。  また,上・長プロジェクトの中での,南京か上海かということなんですが,これもなかなか,確かに南京には事務所を設置いたしておりますけども,南京だけあるいは上海だけということにはならないのかなと。例えば,上海につきましては,神戸コレクション・イン・上海という形で先般もさせていただいたんですけれども,経済の発展,製造の基地というよりも,むしろ最近は販売というふうな意味で非常に大きく注目されるところではないかなと思います。あるいは南京,それから南京から少し──どう言いますか,東の方へ行く,上海との間に無錫・蘇州というふうな大きなまちがあります。こういうところには,神戸からも企業がたくさん進出されております。先般も,そういう小さなところからご相談もございました。  そういった意味で,むしろ個別の地元の企業なり産業界の方から,いろんな個別の事情に応じて相談なりありますので,そういうことに応じて我々としても,今申しましたような天津,上海・長江,広東というふうな3つのエリアをうまく利用しながらやっていきたいと,そういうふうに考えます。
     以上でございます。 11 ◯上運天産業振興局中央卸売市場本場長 中央卸売市場の活性化策の取り組みと,最近の神戸と明石の卸会社の合併の効果はどうかと,こういうご質問でございますけれども,先生ご指摘のように,市場の場外の取引は,ある意味で商社でありますとか,それからまた量販店,また外食産業のいわゆる産直──直接入れる。また特にJAさんが最近されているような道の駅とかいうことで直販──直接に販売される。そういう状況の中で,市場を通る荷物──生鮮食品,こういう低下傾向に確かにございます。そういうことが,今続いている状況でございます。  さらに,加えまして,この2年先──実は平成16年の市場法の改正がございまして,出荷者の販売手数料,これが2年先に自由化になるという状況がございます。現在全国一律,法律で出荷者の手数料が法定されております。例えばJAさんから100円の品物をいただきますと,菜っぱの場合,野菜の場合,約8円──100円のやつで8円50銭の収入を卸会社がいただく。また,果実であれば7円をいただくと,こういうようなことが法定で決まってございます。それが2年先になりますと,それぞれの卸会社のサービス等の内容に応じて自由化されると。こういう状況がございまして,そうなりますと,2年先以降,価格それから量,品ぞろえの面で全く有利に立つ東京・大阪に,そういう卸会社がここにだんだん集中する可能性が出てございます。そうなってきますと,その他残りの──販売手数料がほとんどの収入に占める青果卸会社を中心に──市場間競争が激化することが想定されるわけでございます。  そういう状況の中で,開設者としましても取り組みとしまして,まず卸業者とともに新たな取引・販路拡大,これにつながる取り組みを側方から支援していくと,そういう活性化策が考えられるわけでございます。  ソフト面で申し上げますと,量販店の社長さんとか商事会社とか,そういう講師を招く中でそういう実務的な実践的な講習会,これ今年度どっかやってございますけれども,それをやると。意識改革という形です。それとさらに卸・仲卸業者・開設者には,毎月荷物の集荷それから販売会議,これを開催してございます。  さらに3番目,県下に20数ほどあるんですけれども,県内の卸市場は,ある意味で共同して青果類を集荷・販売に取り組むという協働ネットワーク,ここへの参画がございます。その他,出荷者主催のPRイベント,また出前講座等,いわゆる食の文化の発信に向けて取り組んでございます。  また,ハード面でございますけれども,食の付加価値化,安全・安心といった時代のニーズに対応するべく,本場再整備事業により老朽化施設,これも市場施設を更新して,加工機能それから配送施設等の充実を図ることによって,衛生かつ効率的な施設を目指しております。  そのほか,卸売り場の低温化等に取り組みますし,さらに仲卸店舗は従来から20年を経過して,かなり古うございます。それをある意味で2年間かけて,店舗部分このあたりの美化整備,リニューアルという形で,明るさを2倍にするなど取り組んでおります。  さて,先生が先ほど言われましたように,神果神戸青果株式会社と明石明果という卸会社2社が,実はこの2月1日に対等合併してございます。新生神果神戸青果株式会社として新たなスタートを切ってございます。  先ほど申し上げました手数料自由化を迎えまして,開設者としましても,従前から神果神戸青果に対して経営・財務体質の強化策を指導してまいったわけでございますけれども,このたびの合併によりまして,経費削減効果さらに経営規模の拡大のメリットを生かすとともに,これまでの神戸青果の全国的な,特に果実を中心とした全国的な集荷力,例えば北海道からはジャガイモですとか,鹿児島のというふうに,全国レベルのそういう集荷力と,さらに先ほど申されましたように,明石明果さんの明石それから西区の近郊野菜,このあたりの集荷力が,最も特質でございます。それぞれの特徴を生かす中で,その卸会社としても競争力の強化,また集荷力の向上,また仲卸さんに対するそのあたりの品物の集荷を,ある意味で双方のメリット持ってこられると,そういう面で十分期待できるなと考えております。  以上です。 12 ◯分科員(藤本浩史) いろいろお答えをいただきました。  わかりづらい部分もあるわけでございますが,まず,医療産業都市のお話でございますけれども,よくお話が出ております大阪から武田製薬が神奈川へ出ましたですね。神戸として,あれだけ大きなネームバリューのある,歴史のある製薬会社が──製薬会社だけではないかもわかりません。そのほかの関連の分野も備えた,ノウハウを持ったところが,なぜ神奈川かなというふうな話が,テレビ等でも知事会談で出ておりましたけどもね。  だから,そういうこともあわせて,神戸は今新しい魅力を求めて来ていただく努力をやってますからいいんですが,だからそういう既成の──そこで成り立って成長した産業を守っていくということも大事です。そういう世界から──ドイツですか──新しい大規模な企業の誘致ができるというふうなこととか,そういうのはやっぱりもうちょっとPRも当然していただく必要はありますし,そういったメーカーが神戸で立地して,どの分野でどういうふうな活躍を期待しておるかというふうなことについても,書かれた物があるならば,もうちょっと皆さんに知らす必要があるんではないかなと。シスメックスさんはよくわかっております,地元の企業なんでね。かなりの広範なことをやっていただいておるということもわかっておりますけれども,しかし,これがそういったそれぞれの会社が大きくなると同時に,やっぱり神戸市そのものに,あるいは神戸の中小でありますとか関連会社でありますとか,そういったところに早くいろんなメリットが波及する,そういうところまで持っていっていただくスピード,これが私は大事ではないかなと。こういうふうに思いますので,できるだけそういうふうなすばらしい企業が進出してきていただくならば,理研さんも含めて,何とかスピードアップをやっていただく努力をしていただきたいなと,こういうふうに考えております。  そのほかにも,たくさん世界のあるいはアメリカにも,立派な企業あるいは大学・研究所,いっぱいございます。それぞれの大学・研究所でも,やっぱりそういう自分の知的財産をどのようにして今度大学の方に還元するか,そういったことで非常に知恵を働かせておりますので。機会があるごとにそういったものも勧誘するなり,あるいは知識をいただくような関連のところに働きかけるとか,そういうことも大事ではないかなと,こういうふうに思います。  際限なくということは言いませんけれども,大事な部分はやっぱり──医療産業に関する大事な部分は,肝心な部分はぜひそういう努力をいただきたいというふうに,こう考えております。  そういったことで,今それ以外に何か取り組んでいただいておるところがあるんだったら,ちょっとコメントいただきたいなと,こういうふうに思います。  それから,農政施策でございますが,アメリカの農業あるいはオーストラリアそれからドイツにいたしましても──坂本局長の方からは,補助金政策というのは甘えだと,こういうふうなお話がありましたけども──この大国,いわゆる世界を動かしておる大国でも,やっぱり自分とこの職業には莫大な金をかけとるんです。そういう実態が余り表に出ないで,そういった国々はすべて輸出の方へ回ってます,農産品も。だから,なぜそれだけの力があるかということは,面積は違いますけども,そういった資金的な裏づけもあると。そういう条件の中で,安い品物がどんどんできていっとるというふうに私は考えております。  ワインでもそうですし,ブドウでもそうです。かなりの補助金がやっぱり国から出てますよ。だから,そういう上に立って,世界で冠たるブランドができていって,海外に出ていくと。そういうふうな状況で,神戸ワインとか神戸ブランドなんかもやっぱり競争せないかんという厳しさは私はあると思います。だから,立ち上げるときにだけ力をかしていただいて,あとは自力で,自分で立ち上がれということもございましたけれども,それももちろん大事な姿勢──基本姿勢ではありますけども,しかし農業という分野から考えましたら,それをほんま言うて競争させて,それをその地域全体あるいはその県全体に及ぼしていくとか,そういうふうなことを考えますと,今言われたようないろんな成果の発表,もっといい方法があると。同じ品物をつくっても,そういうふうなことの伝承をいただくような機会を──行政としては当然私はできるんじゃないかと,こういうふうに思います。  みのりの祭典なんかもそうです。長いこと,ずっと歴史持って続けておられますけれども,あれをやめようかというお話もあります──のようです。しかし,やっぱりそのわからない,いわゆる新しい市民,若い市民にとったら,神戸でやっぱりこういうものがあるんだと,できていっておるんだと,生産されておるんだということも大きな勉強になるんではないかなと,こういうふうに思いますので,ああいうことはやっぱりどんどん,金は要っても続けていただく必要があると,こういうふうに思っております。  そういうふうにして,かなり時間が経過しておりますので,余り長いことしゃべりませんけども,やっぱり行政がある程度,里づくりの話もそうでございます,立ち上げて,手を挙げつつあるけれども,挙げたけれども,あとは何もできないと。やっておる項目は,みんな市民農園なら市民農園を基調とした土俵でやってますから,過当競争になります。それじゃ,それが立ちいかなくなると,こういうふうな状況を今露呈しています。それぞれの,一生懸命やっているところは。今,だから神戸市はやめましたけどね,製造。やめましたけども,そういうふうな画一的な方法で,里づくりを立ち上げていくということではなしに,それぞれの個性がまちにはあるんですから,顔はあるんですから,そういったものを大事にして,立ち上げに協力をしてやっていただきたいというふうに考えておりますので,そのことについて局長の最後の一言,お願い申し上げます。 13 ◯坂本産業振興局長 やはり農業として,これから大事なんは,今確かに物は余ってますけど,これ自給率の問題がいろいろ言われておるように,事あるときには,生産ができるような形で,いわゆる農業資源を維持しとかないかんということは,もう間違いありません。  ですから,今回国の方でできました農業・水・環境保全対策事業という長い名前ですけど,それはやはりそういった環境に優しい農業資源というものを保全しながら,かつ産業として成り立つ農業を育成しようという趣旨のもとだというふうに私は理解しています。  ですから,そういったものを今の里づくり計画といかに連動させてやりながらやる──ただ,個々の具体の,やはり経営とかいう観点については,ある程度の期間で,自分で立ち上がれるようにしていただきたい。それに対する応援はやるしかないなと。そういったことで,これからも十分現場に足を運んで,よく議論しながら農業政策を進めてまいりたいと思います。  よろしくお願いします。 14 ◯伊藤産業振興局参与 医療産業都市構想,いわゆる医療関連の企業誘致について,市民向けのPRが足りないというのは,もうご指摘のとおりでございます。痛感しております。子供たちの施設見学会なども開催しておりますけれども,いろいろ工夫してやっていきたいと思います。  それと,中核企業の誘致につきましては,やはり医療関係については大きな会社は世界でございまして,日本で一番大きい製薬メーカーの武田でも10数位というぐらいですから,予算がいただけましたら,もうことし3年目になりますが,連休明けにはボストンの方へ出かけてまいりましてPRをしてまいりますし,ヨーロッパの方のクラスターとも連携を深めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 15 ◯分科員(藤本浩史) これで最後にします。  上海・長江に絡む関連のお答えがございました。やっぱりそこに,それだけの人脈を送って,太いパイプができるということになりましたら,神戸のやっぱりいろんなブランドですね,たくさんありますけれども,向こうでつくるんではなしに,やっぱりこっちでつくった物を,物づくりじゃないですけど,つくった物をいかに安くして,ああいう新しいマーケットに売り込んでいくかということも,中国だけじゃなしに東南アジアを目指して,私は頑張っていく──これは行政だけじゃなしに,商工会議所とか関連のところと協力しながら,精いっぱい頑張っていただきたいなと,こういうことを考えておりますのと。新しく今度,おかげで条例に上げていただいた共済問題です,園芸関係の。これも長らくの懸案でございましたので,これからいろんなことがあるかもわかりませんけれども,既にやっております2つの共済事業とあわせて万全を期していただきたい。  要望して終わります。 16 ◯主査(松本 修) 委員の皆様に申し上げます。午前中の審査はこの程度にとどめ,この際,暫時休憩いたします。午後0時40分より再開いたします。   (午前11時40分休憩)   (午後0時43分再開) 17 ◯主査(松本 修) ただいまから予算特別委員会第3分科会を再開いたします。  午前中に引き続き産業振興局に対する質疑を続行いたします。  それでは大井委員,発言席へどうぞ。 18 ◯分科員(大井敏弘) それでは,早速ですけれども,民主党会派を代表させていただいて,質問をさせていただきたいと思います。  局長の方が昨年の予算委員会でおっしゃっておられることの中の1つに,神戸経済を活性化して,これから神戸の産業を引っ張っていくのは──牽引していくのは,大企業・中小企業を問わず,それぞれみずからの強みを生かしながら,絶えず変化に適応すべく挑戦をし続ける人や企業だとおっしゃっておられます。そういった点を今後,産振局として応援していきたいというふうに思っているとおっしゃっておられます。また,物づくり産業の中小企業のすぐれた技術力,こういったものをさらに高めたいというのが,物づくり産業支援拠点としての神戸ものづくりクラスター支援センターをつくったねらいだともおっしゃっておられました。  そこで,お尋ねをいたします。  物づくり中小企業への支援ということで,この中小企業の支援の中で販売力の弱い地元の物づくり中小企業の支援として,販路開拓に一層の支援を図るべきと考えますけれども,そのことについて,まずお伺いをしたいと思います。  また,製品の開発支援として,昨年ものづくりクラスター支援センターを創設されましたけれども,この物づくり支援装置の拡充あるいはさらなる開発力強化を進めるべきと考えますけれども,この辺のところについて,局長のご見解をお尋ねしたいと思います。  それから,2つ目が,この神戸の産業を牽引していくのは,先ほども大企業・中小企業を問わず,それぞれみずからの強みを生かしながら,絶えず変化に適応すべく挑戦をし続ける人だと言われました。  そこでお尋ねしますけれども,この人という意味で,技能の継承ということについてお尋ねをしたいと思います。  かつて大手の製造業には,名人という方がたくさんおられました。いろんな技術に秀でた方が,名人ということで職人気質というような形で,仕事のあるときにはもうばりばり,そしてだれよりも技が一番やという,そういう技を誇っておられた方々がたくさんおられました。しかし,今そういう製造業でも,世界と勝負ができる技術よりも,実は多能工化──多い能力の工業と書きまして多能工,例えば1つの技術で名人よりも,7割程度の力で3つも4つも技術をお持ちの,平均点よりちょっと上で,70点ぐらいの技術を4つも5つも持っておられる方の方が優秀やという形で多能工化というのが進んでおりまして。そして仕事をしていく上では,工程を確保していく上では,こういう方々が便利でいいわけですけれども,しかし世界で競争していくとなりますと,今どんどん中国や東南アジアは,技術力も上がってこられてまして,そういう意味では,その技能にすぐれた名人が日本では育たなくなっておる。これでいいのかなと思っております。  そういう意味で,特に中小企業,特に物づくりの現場においては,こういう仕事を受けていく,受注を取ってくるというためには,その企業しか持たないすぐれた技能と言うんですか,また技術もですけれども,そういうもので勝負をしていかないと,生き残っていくことは難しいんじゃないかと思うわけです。そのときに,この技能の継承という,技術とはちょっと違う。技能というのは,1年や2年で習得できるものじゃないと思います。10年,20年,あるいは40年,50年かかるんじゃないかなと,そういう技能の継承というものが大きな課題となっているんじゃないかなと思うわけです。  そういう意味で,今回の中小企業活性化プログラムの中で,人財の確保あるいは育成,物づくりの振興プランというのをうたっておられるわけですけれども,実際の現場におけるこの辺の技術・技能の向上・継承ということに関して,どのように対応していこうと考えておられるのか,お尋ねをしたいと思います。  3つ目が,この中小企業の資金調達という観点からお尋ねをしますけれども,中小企業の活性化を図っていくためには,やはり企業の資金ニーズに的確に,そしてスピードと──やはり早く対応できるような,そういう多様な資金調達手段というものを講じていかなければならないと考えるわけですけれども,この活性化プログラムにおいても,資財の強化としての資金調達の多様化が掲げられておるわけでございますけれども,具体的にこの中小の利用者の方々にとって,どのように変わるのか,お尋ねをしたいと思います。  4つ目が,格差是正ということでお尋ねをしたいわけですけれども,この有効求人倍率──全国の有効求人倍率も1倍を超えております。その中で,働く場の確保というよりも正規・非正規職員の格差問題というのが取りざたされておるわけでございますけれども,産振局においては,この2万人雇用創出のほか,神戸ワーク・ネットワーク,就業促進協議会ということで取り組んでおられますけれども,この辺の格差問題に対して産振局としてどのようなお考えをお持ちなのか,お尋ねをしたいと思います。  そして5つ目が,企業誘致の推進ということでございます。神戸エンタープライズプロモーションビューローが創設されて3年目を迎えております。3年間で50ヘクタールの土地売却の目標に向けて,どのような意気込みで取り組もうとされておられるのか,お尋ねをしたいと思います。特に,神戸テクノ・ロジスティックパーク──複合産業団地ですね,この辺の処分が重要と考えるわけですが,尼崎市の松下電器のような案件について,県とどのような調整を図って取り組んでおられるのか,その辺についてもお尋ねをしたいと思います。  6つ目が,世界華商大会でございますけれども,この9月に開催される世界華商大会,2,500人規模の華商の方々が集まることが予想されておるわけでございますけれども,観光面での効果が大きいと思いますけれども,産業振興面においても,この神戸市内の企業とのビジネスネットワークを構築していくチャンスでもあると思います。産振局として,この世界華商大会への支援を行う意義と具体的な取り組みについてお伺いをしたいと思います。  中央卸売市場の関係ですけれども,先ほどもご質問がありましたけれども,中央卸売市場の本場と東部市場について,平成18年度より機能の分担や組織のあり方について,業界の関係者とも検討しておられるということでございますけれども,今の時点での,現段階での取り組み状況というのをお伺いしたいと思います。  また,関西圏におけます卸売市場の動向なども踏まえまして,今後の方向性や展望についてもお伺いをさせていただきたいと思います。  そして,最後ですけれども,最後は,神戸コレクションということで,神戸コレクションは民間の人たちが主体となって,神戸発のアパレルメーカー・セレクトショップ・若いデザイナー,そして神戸の女性に愛される国内外ブランドを招きまして,2002年の秋・冬から年に2回のペースで開催しておられますけれども,いよいよあした,3月3日,神戸公演ということで,神コレが開催されるわけですけれども,今回の10回目を迎えました神戸コレクションと連携しながら,神戸ファッションを今後どのように発展させていこうかとお考えなのか,お伺いをしたいと思います。  そして,神戸コレクション・イン・上海ということで,先月の2月の10日に行われております初めての海外進出ということで,この神戸コレクション・イン・上海というのを行ったわけでございますけれども,どうなんでしょう。余り神戸市民,一般市民にはその結果などの報道がなかったように感じておるんですけれども,この辺の現地での反響あるいは神戸発の製品がどのように評価されて,今後の課題は何なのかと。その辺のところについてお聞きしたい。また,これを一過性で終わらせるべきではないとも考えておりますけれども,この辺の神戸コレクション・イン・上海の今時点での評価というんですか,そういうものをお尋ねさせていただきたいと思います。  以上です。 19 ◯坂本産業振興局長 私から,2点ほどお答えしたいと思います。  まず,技能の継承でございますけれども,まさに中小企業がこれから生き残っていくためには,その生命線というのは人と技術だと私は思っています。先生おっしゃるように,昔は,その道の達人とか名人とかおられました。ちょうど私なんかが高校に入学する時分に,市内の大手製造業の養成工という制度があって,今もやはりそこで,いわゆるしごかれたと言いますか,技術をたたき込まれた人というのは,かなりのやっぱりいい腕を持っている職人さんに育っているというふうに思います。こういったいわゆる職人わざによって,神戸の強みの1つである物づくり技術というのが磨かれていったんだと私は思っております。  ただ,最近は若者の理科離れと言いますか,もう技術はしんどいと言いますか,そういったことで,親もなかなかそういうことを勧めへんというようなことで,なかなかそういった人が育たないと。今ちょっと先生の方から多能工というお話ありましたけども,いわゆるハイテク技術がどんどん進展する中で,なかなかそういった名人わざというのを,生かすところがないといったこともあるんだと思いますし,偏差値教育の中で,いわゆる知識偏重で,余り手先──手先が器用言うたらちょっと言葉悪いですけど,いわゆる技術があるとか技能というものを余り重視しなかったということも,やはり大きな影響じゃないかなというように思います。  そういった中で,なかなか人が育たないということと,いわゆる団塊の世代が大量に退職するといった,いわゆる今まで技能を担ってきた人がいなくなるといったことで,今企業でもそういった技術・技能の継承あるいは技術・人材をどう育てるかということが非常に大きな問題になっています。  私も今のポスト柄,川重さんやら神戸製鋼さんやら,重工さんなんかの幹部の方々といろいろお話しする機会があるんですけれども,そのときに,昔養成工あったんは,今,どんな形で育ててますんやとか,その技術継承なんか,どう考えてますというようなお話するんですけれども。今大学の工学部の卒業生でも,すぐには役に立たん。言葉悪いですけど,役に立たん。要するに中へ,会社へ入ってから,そこから育てていくというような話をしておりました。いわゆる入社してから,かなりトレーニングを必要とするというようなことのようであります。  ただ,大手企業は,独自のそういうトレーニングシステムがあると思いますけれども,中小企業では,なかなかそういった余裕がないということが実態だと思います。  そういったことで,今回中小企業活性化プログラムの中でも,神戸の持つ強みの中で,いわゆる物づくり技術を掲げ,そしてそういった技術・人材の養成,あるいは技術力の向上,そういったものを,いわゆる産学──いや,民・学・産・行政が連携して強化していこうというようなことを掲げたわけであります。  そしたら,具体的にどうやるんかということでございますけれども,やはり基本はもう産学連携かなという気が私はしております。  1つは,今NIROという技術軍団があるんですけれども,これは,いわゆる大手あるいは中堅の製造業で,今までいろんな技術力・ノウハウをお持ちの方が技術移転アドバイザーとして,かなりの人数が参画されています。こういった方のすぐれた技術とか豊富な経験,そういったものをいかに中小企業の技術力につなげていくかというのが1つ。  もう1つは,場所としては,ものづくり復興工場,これを活用したいなと。今ものづくりクラスターセンターというのがありましたけれども,そういった形で,物づくりクラスターの支援センターとして,この場を活用したい。それに,今のNIROの技術軍団に協力を願って,そしてまた神戸高専・神戸大学工学部・芸工大──最近工業デザインというのも非常に大きな役目をしてきていますが,こういった方々に参加してもらって,いろんなセミナーなり,ある意味では──実際にどうやるかと,そういったことについても協力していただきたいなというふうに私は思っています。  それと,技能という面ですけれども,これは確かにおっしゃるように,物すごい,かなりの──一朝一夕にはできません。そういったことで,今我々お願いしますのが,神戸マイスターという制度がございます。いろんな分野で,その道の達人,いわゆる全国的にも通用するわざ・技術,いわゆるたくみのわざをお持ちの方々に,今小・中学校でいろんな──実際,実演を交えながらお話をしてもらっておるんですけれども,これが非常に好評です。機械金属工業会の皆さん方と時々話するんですけども,やっぱり物づくりというのは,知識やそんなんだけでなくて,やっぱり現実に物ができ上がっていくという達成感がありますから,今非常にそういったことが小・中学生にも大事ではないかなというふうに私は思っております。  それと,ものづくり職人大学──これはなかなかその後,わざを磨いても,仕事がなかなか今のところ見つからないので苦しいとこがあるんですけども,神戸の地場産業である洋服とか靴とか洋家具,こういったものを非常にそういった熟練の方々に伝授していただいているといったことでやっております。  いずれにしましても,こういった技術・技能にかかわるいろんな人的支援の──わざとかノウハウを活用すると言いますか,連携をさせていただいて,仕掛けをやっていくことが重要ではないかなというふうに思っています。  今後とも中小企業や業界の声を十分聞きながら,こういった教育機関あるいはそういったたくみの名人,そういった方との連携も強めながら,技術・技能の継承に努めたいというふうに思います。  もう1つは,いわゆる格差是正の問題ですけども,これは産振局の考え方というよりも,私個人の意見になってしまうかもわかりませんけれども,これはにわか勉強の域を出ませんけれども,少し申し上げたいと思いますけれども。最近,雇用状況は確かに改善してきてますけども,非正規雇用と言いますか,非正社員の比率が非常に高まっているところです。これは,やはり企業が3つの過剰の中で,雇用という過剰を抱えて,それを解消せないかんといったバブル後の景気低迷の影響もありますし,いわゆる経済の国際化に伴う競争力のためにやむを得ず人件費を抑制しているというところもあると思います。  まさに今,国内の労働者は,発展途上国の低賃金労働者との競争を余儀なくされているということが言われています。技術革新が非常に進んで,知識集約的な労働に対する需要が非常に高まっておりまして,知的労働と単純労働のいわゆる賃金格差がはっきり出てきているというようなことが言われております。  そのほか,実際女性とか高齢者の中には,体力とか就業動機などで個々のライフスタイルで,もうフルタイムは堪忍してほしいといった,そういった方も,それを望む方もいらっしゃいます。しかし,やむを得ず非正規で辛抱しているという方も当然おられます。  いわゆるこの正規と非正規というのは,従来から非常にそういう格差があったわけですけれども,今までそういった非正社員というのは,主婦とかパートの方が比較的多かったから,それほどそういった差があるということはわかっておりながら,それほど──容認してきたというか,してきたけれども。ところが今,将来世帯主になるような若い人が非正規になるといったことで,この格差が非常に今問題になってきていると。ヨーロッパでは,何か同一賃金とか──同一労働に同一賃金というのは,何か考え方が非常に浸透しているようですけれども,日本はまだなかなかそうなっていないということです。  ただ,そのときに,要するに非正規が悪いから正規にせいというのがよくあるんですけど,私自身は,もう今のように技術革新が激しくって,もうさまざまなリスクに直面して,柔軟な対応に迫られている企業にとって,経営戦略として,非正規雇用もやるということは,あながち悪とは思いません。が,ただ,その正社員と非正社員のその格差──賃金とか福利厚生とか,そういう労働条件で余り差があるというのは,これはやはり非常に問題だし,若い人がそういう状況に置かれとるのは,非常に問題であるし,企業経営においても,それはもうベターではないんじゃないかなと。これからはもうそういうことが通用しないんじゃないかなというふうに私は思っています。  フルタイムの勤務を望まない女性とか高齢者については,非正社員も含めて,多様な雇用形態が私はあってもよいと思いますけれども,やはりその格差の程度が問題になると思います。ただ,次の世代を担う──次代を担う若者にとっては,正社員になる道というものは,これはやはり企業としても用意すべきだというふうに思います。そういうことをすることが社員のモチベーションを高めて,結果として企業の業績のアップにもつながるんじゃないかなというふうに思っています。  そのときに,若者に対して,その企業が求める能力開発のその機会を与えることが重要ですし,若者自身も,まずそういう努力をしないといけない。いわゆる知識や技術など,その能力を身につけんといかんということは思います。  今,私5年ほど前は非常に雇用条件が厳しいと言いましたけども,今若干新聞情報が過熱してるかもわかりませんけども,大卒の新卒者というのは,今まさに引っ張りだこで,超売り手市場です。したがって,大企業がそういった採用意欲を示しましたから,中小企業はなかなかその人材が確保できないという状況であります。ですから,企業も当然,能力ある社員は,非正社員であったって,その非正社員の労働条件を改善するとか,正社員になる道を用意しなければ,もうどんどん逃げていってしまうという事態だと思います。  先般,アパレルのワールドが優秀な人材を囲い込むために,契約社員などを正社員に切りかえましたし,きょう朝,新聞でも,アシックスがそういうことをやるといった記事が出ておりましたけども,こういったことはもう必然的にこれからそうなるんではないかなというふうに私は思ってます。  そういったことから,我々産業振興局としましては,兵庫県とともに働く意欲のある若者で,今安定した職場に就職できていない人を対象に能力開発支援,こういったものを講じておりますけれども,今後ワーク・ネットワークなんかを通じて,こういったことも充実しながら就業環境の改善に取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上であります。 20 ◯伊藤産業振興局参与 私の方から,企業誘致についてお答えいたします。  企業誘致を加速させるために,市長をトップに平成17年4月に神戸エンタープライズプロモーションビューローを設立いたしました。それまでは,7階と19階に主に企業誘致の部隊がいたわけですが,それが今は23階の1つのスペースになりました。ワンストップサービスということで,積極的に企業誘致に取り組んでいるところでございます。  ビューローが発足しましてから,この2月末まで,1年11カ月が経過しておりますが,その間に,数字で申し上げますと,分譲で54件,32.1ヘクタールでございます。それから賃貸でも106件,51.8ヘクタール,両方合計しますと,160件で83.9ヘクタールの処分をいたしました。特にポートアイランド2期など臨海部の用地は,神戸空港の開港などでアクセスが非常に向上しました。そういう効果を直接的に受けておりまして,土地の分譲件数は急増してございます。現在も交渉中の企業が多くありますので,それを確実に成約に結びつけていくよう,一丸となって取り組んでまいりたいと思います。  ビューローとしては,設立時に3年間で50ヘクタールの用地を処分しようという目標を掲げております。その目標達成のためには,委員ご指摘のように,内陸部の神戸テクノ・ロジスティックパークへの企業集積が重要であるというふうに認識しております。具体的に,昨年の10月には,神戸エンタープライズゾーン条例の対象地域に加えまして,固定資産税などの軽減などのインセンティブが適用できるようになりました。また,この団地独自のパンフレットも作成し,ダイレクトメールも兵庫県下ないし大阪西部地域に送付いたしましたし,地元紙には,ある期間を限って連続的にPR広告もやりました。それから東京の物流展なんかにも積極的に出かけてまいりまして,さまざまな取り組みを進めて積極的な誘致活動を行っているところでございます。  県との関係でございますと,県の外郭団体でございますひょうご・神戸投資サポートセンターというのがございますが,こことも定期的に情報交換,日ごろから情報の共有を図っておりまして,常に連携して,時には一緒になって共同で誘致活動もやっております。  今重点にしております神戸テクノ・ロジスティックパークにつきましては,県の産業集積条例の産業集積促進地区の指定をいただいておりまして,進出した企業に対しては,不動産取得税の減免の措置がございますし,尼崎の松下電器のプラズマ工場に対して100億円を超えるような補助金というふうな新聞記事ございますが,それの設備投資補助制度・雇用補助制度も,この団地には適用いただけるようになっております。これらを活用しまして,具体的に今誘致活動を行っているところでございます。  この内陸部にありますが,神戸テクノ・ロジスティックパーク,三宮からでしたら30分ほどでございます。県下には,各インターチェンジごとぐらいに産業団地・工業団地がございますが,非常に都心に近く,また比較的大きなロットに対応できる団地というのは,もう少のうございます。先ほど申し上げましたように,大規模な投資を行う企業に対する県の補助制度,市の補助制度も適用できますし,大ロットを希望する企業さんには,有利な団地じゃないかなと考えております。  今後も引き続きまして,県とは十分に連携をとりながら,3年,50ヘクタールの目標達成に向けて,企業誘致に取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 21 ◯吉武産業振興局次長 2点お答えさせていただきます。  1点は,物づくり中小企業支援でございます。先生のご指摘のように,物づくり中小企業支援といたしまして,やはり販路開拓それから製品開発の支援といったものが,2つの大きな柱になってくると思います。  そのうち,販路開拓支援でございますけれども,やはりまず販路開拓を支援していくということで,中小企業の場合はすぐれた技術は持っておるわけですけれども,それの情報発信というのが十分にできてない。まず,ここの支援をしていく必要があるということで,情報発信の支援を行っております。具体的には,産業振興財団のホームページで,「神戸ものづくり企業情報」というものを持っておりまして,これは17年度に全面リニューアルをいたしましたけれども,現在地元の中小製造業1,032社の企業情報をインターネットで公開をしております。さらに,この中で特にすぐれた技術力を持つ地元中小製造業につきましては,神戸発・優れた技術ということで認定をさせていただきまして,ホームページで,これもやはり積極的にPRを行っております。現在のところ,90社を認定しておるわけでございますけれども,間もなく100社を認定できるものと思っております。そういったことで,19年度はこの認定した後の企業さん同士の交流であるとか連携を,一層促進させるというような形も進めていきたいというふうに思っております。  販路開拓のもう1つの手法といたしましては,受注機会を拡大するための商談会の開催ということでございます。現在は,ひょうご産業活性化センターと一緒になりまして,年2回,中小企業商談会を開催をしております。それと兵庫県下で最大の総合見本市でございます国際フロンティア産業メッセを県と一緒に開催をしておりまして,その中で地元中小企業のすぐれた技術あるいは製品の情報発信を行って,新たな販路開拓を支援しております。回を重ねるごとに,内容的にも数量的にも充実してまいっておりまして,随分好評いただくようになってきておりますので,一層の充実を図っていきたいというふうに思ってございます。  それから,製品開発力の強化でございます。これは先生ご指摘のとおり,一番の核になるのは,18年度から設けましたものづくりクラスター支援センターでございます。この支援センターの中に,NIROものづくり試作開発支援センターがございます。これが一番の中心の施設でございますが,ここではNIROの技術スタッフが地元中小企業からのいろいろな個別の技術相談に応じております。また,神戸大学のご協力も得まして,三次元CADシステム,それと5軸対応加工機など,製品開発の企画から試作・製造までを一貫して支援できる物づくり一貫支援システムを地元中小企業に提供しておりまして,大変好評でございまして,年々利用件数は増加をしておるところでございます。この利用ニーズの増加に対応するために,今年度NIROさんの相談体制を強化をいたしました。常時2名体制に強化をいたしましたのと,それから三次元CADシステムにつきましても,複数同時利用できるよう増強したところでございます。  さらに,19年度におきましては,利用者からのニーズに一層こたえていくために,1つは利用企業の増加に伴いまして,企業さんの相談時にやはり企業秘密というのが重要でございますけれども,今1部屋しかございませんものですから,これを倍増させまして,現在70平米のスペースを140平米に倍増させていきたいと思っております。それと,現在24時間フル稼働しております,最も機械の中で利用頻度の高い三次元樹脂造形装置を,現在1台しかございませんのを2台にさせていただきたいというふうに思っております。  こういった形で,ハード・ソフトの環境は整えていくわけですけれども,やはり重要なのは,先生のご指摘にもありましたように,やはり人に尽きると思います。やはりここの支援センターが好評を得てますのは,何よりもNIROの技術スタッフの方が,親身になって中小企業の立場に立って相談に応じていると。なおかつNIROだけでなしに,神戸大学あるいは高専その他の支援機関とネットワークを組んでいるというところにあると思いますので,この人のネットワークの強化,一層の強化ということも非常に重要ではないかと思いますので,これもやっていきたいというふうに思っております。  もう1点でございます。神戸コレクションでございます。  神戸コレクションは,先生もご指摘になられたとおりでございまして,現在──10回目をあしたファッションマートで開催をいたしますけれども──今や日本最大級のファッションイベントというふうに言われてございます。それの人気の秘密はいろいろあるんだろうと思いますけれども,1つはファッション雑誌あるいはテレビそれからウェブサイト,こういったメディアを総動員して情報発信するというところが,一番の特徴ではないかと思っております。
     今回,その神戸コレクションの初の海外公演といたしまして,先月10日に神戸コレクション・イン・上海を──トライアルをやってみました。上海は,これまで魅力的な市場というふうに言われておりますけれども,現実には商慣習の違いであるとか,あるいはやはり欧米ブランドが圧倒的にファッションの世界では強うございますので,日本ブランドの認知度というのは,やはり低いということで,企業さん単独の進出というのは,なかなか難しいところだというふうに言われておりました。  一方,私どもといたしましても,今後,人口減少社会の中で,ファッション産業の需要増というのは望めないわけでございまして,海外にやはり新たな販路を求めていく必要があるということで,商工会議所とも連携いたしまして,国のご支援もいただきまして,今回神戸コレクション・イン・上海ということで,この神戸コレクション・イン・上海の中に,神戸の地元企業が出展する,そういった支援をやっていくことによって神戸ブランドをあわせてアピールしていくという,そういうプロジェクトを立ち上げました。  こちらの方は,一応,神戸コレクション・イン・上海の本体と少し区別しまして,神戸ブランドMeets上海という名前であわせて行ったわけでございますけれども,結果といたしまして,神戸コレクション本体の方は,想定の1,500人ということでございましたけれども,それを上回るお客様が集まられまして,非常に華やかな雰囲気で行われたわけですけども,やはり日本とどうも同じようでございまして,ショーのさなかにいろんな若い歓声が上がる場面というのは多々あったようでございます。  やはり日本ブランドは,車であるとか電化製品はもちろん圧倒的に強いわけですけども,ファッションの分野ではなかなか知名度がまだ足りておりませんで,今海外進出を果たしておられるのは,オンワードさんであるかとワールドさんであるとか田崎さんだとか,ごく一部の企業さんだけでございます。  今回の神戸コレクション・イン・上海の反応から,中国での日本のファッションの市場性というのがやれるんではないかという気持ちを皆さん持ったようでございます。特に出展されました市内企業が9社ございます。9社がショーに出展されたり,あるいはブースを設置されたわけでございますけれども,出展企業の方からは,正直こんなに人気が出て注目を集めるというふうには思ってなかったというような評価をいただいておりまして,来場者にアンケート調査をするそうでございますけれども,ショーの中では,人気で1番と2番になったのは,神戸のアパレルブランドが1位,2位になりました。それから,出展ブースの方では,これは神戸企業が共同で出展しているブースというのを特に設けたわけですけれども,一応1位がソニーだったんですけど,2位がこの我々神戸企業の共同出展ブースが人気を,投票をいただいております。そんな形で,地元の市内企業の上海への進出の何とか足がかりみたいなのを──役には立っていくんではないかという感触は持つことはできたのかなというふうに思っております。  先生ご指摘のように,そうやとしても,余り一般紙やなんかで見ないぞというお話で,確かに専門誌とかファッション雑誌では,露出はされておるんですけども,一般紙は神戸新聞さんが少し書いていただいたという状況でございますけど,神戸コレクションの場合は,メーンがテレビのMBSさんがメーンになっておられまして,その親局のTBSさん,このあたりが今後放送されるというふうにお聞きをしております。  いずれにいたしましても,第1回目のトライアル,私どもは勝手にプレやというて言うておるんですけれども,こういった反響でございましたように,何とか来年度から本格開催をさせていただきたいというふうに思ってございます。次回からは,さらにもう少し消費者,それからビジネス──特に百貨店とか上海のバイヤーさんに対して,もっともっと効果的な情報発信の方法を考えるというのと,できればデパートあたりでこの神戸コレクションをやっている間に,期間限定のショップを──神戸のブランドのショップみたいなのもあわせてするというようなことができないかというようなことを,そういった新しいメニューも考えていきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。 22 ◯大崎産業振興局参事 華商大会についてでございます。  第9回の世界華商大会につきましては,世界各地で活躍する華僑・華人の経営者たちが,2年に1回集まるという大きなイベントでございます。華僑・華人といいますのは,全世界に4,000万とか5,000万とか言われまして,インドネシアあるいはマレーシア・タイといったような国では,その国の経済の5割から7割を握っておると言われるほど大きな経済力を持っておりまして,これに中国本土を加えまして,非常に大きな経済的な存在ということでございます。  神戸大会──9回目でございますけども,これは地元華僑の方々と神戸市が協力しまして粘り強く誘致活動を進めた結果,日本では初めて神戸で開催されるというふうになりました。いうことで,香港とかシンガポールといったような各国から,有力な華僑の経営者の参加が期待されるところでございます。  大会の開催によりまして,1つは,地元観光産業への経済効果,これはもとよりとしまして,震災から復興しました元気な神戸の姿をお披露目する場として活用しまして,世界に広がる華商のネットワークに対して神戸を積極的にPRしていきたい,そういうことで神戸を強く印象づけていきまして,ビジネスチャンスの提供とか地元経済の活性化につなげていきたいというふうに考えてございます。  産業振興面での具体的な取り組みとしましては,大会期間中に行われますビジネスマッチングフェアに神戸のブースを確保しまして,地元企業あるいは産業のアピールの場としますほか,分科会が開催されます。ここで,神戸の投資環境とか医療産業をテーマにいたしまして,華商に対しましてビジネスの場としての神戸の魅力を発信していきたいというふうに考えてございます。  それに,基本的には参加申し込みをした華商しか参加できないプログラムがございます。開幕式とか基調講演とかレセプションなどでございますけども,こういった行事につきましても,地元企業の参加枠を確保しまして,大会参加者との交流の機会の場を設けてビジネスネットワークの構築につなげていきたいというふうに考えてございます。  さらには,昨年12月でございますけども,本市をはじめまして県・会議所,それから地元華僑団体が中心になって,世界華商大会地元協力会を設立しております。ここで歓迎事業を開催しまして,神戸のまちと企業をアピールしていきたいというふうに考えてございます。  中国人とビジネスする場合におきましては,人脈が非常に大きなポイントであるとよく言われておりまして,この華商大会の開催を支援しまして,成功に導くことで今後の観光客誘致に結びつけていきたい。また,こういったことで大会が単なる一過性のイベントに終わらないように,華商ネットワークと地元経済界のつながりを構築するためのきっかけづくりの場になるように努力していきたいと考えております。  以上でございます。 23 ◯高橋産業振興局中央卸売市場東部市場長 私の方から,中央卸売市場のあり方,これについての現段階での取り組み状況,今後の方向性や展望についてどうかということ,これについてお答え申し上げたいと思います。  先ほど午前中にもございましたけれども,最近の全国的な生鮮食品の流通というのが,消費の不振あるいは市場外流通の増大,直販・直売の増加,こういったことによりまして,中央卸売市場の取扱高の減少という傾向がずっと続いてございます。  また,一方,産地が大型化してまいりまして,卸売市場を選ぶ,例えば関西圏で申しますと,大阪本場のような大きな拠点市場へ集中する傾向がございます。そういう意味で,市場間の競争が非常に激化している,こういう状況でございます。さらに,平成21年には卸売手数料が自由化されます。ますます激しくなる市場間競争の中で,加速度的に変化していくんじゃないかな,こんなふうに考えてございます。  既に国の第8次卸売市場整備基本方針に基づきまして,ことしの4月からは尼崎の中央卸売市場が地方卸売市場に転換をいたします。こういった全国の中央卸売市場で再編の動きが高まっているという状況でございます。  私どもの,こういう状況の中で本場と東部市場の今後のあり方,これについてはどうかということでございますけれども,既に事務事業の外部評価におきましても,十分に検討すべきであるというご指摘もいただいてございます。県下の拠点市場である本場,一方,交通アクセスのよさ,あるいは近畿で唯一,花の中央卸売市場を持つ東部市場,こういったそれぞれの特性・特色を踏まえ,神戸市場トータルとしての機能分担,あるいは再編の可能性についても視野に入れた検討が必要な時期に来ているんじゃないかと。そういう認識に立ちまして,業界・開設者が一体となって検討する場として,この18年度から神戸市中央卸売市場の業務運営協議会の専門部会として,業界代表それから学識経験者等19名で成る中央卸売市場機能等検討委員会を設置いたしました。おおむね2年をめどに,神戸市場の今後のあり方について提言をいただくよう,熱心な討議・検討を進めていただいているところでございます。  ことしの──初年度の平成18年度としましては,8月に第1回検討委員会を開催しまして,その後,9月に東部市場では分科会,本場におきましてはアンケートと聞き取り調査を行いまして,それぞれ業界関係者から出された意見をもとに,10月には第2回検討会で非常に熱心な議論をいただきました。  これらを踏まえて,平成19年1月に開催されました神戸市中央卸売市場業務運営協議会において,これまでの経過,それに加えて委員長による取りまとめ報告をいただいております。その中で示された今後検討すべき課題といたしましては,まず,神戸市場の今後のあり方を考える上で必要な本場・東部市場に共通する次の2つの課題がございます。  1つは,卸・仲卸の連携強化,もう1つは,卸売手数料自由化対策でございます。卸・仲卸の連携強化と申しますのは,今は川上──産地でございます,産地とそれから川下の量販店等,販売される側に対しまして,私どもの卸・仲卸が連携をしっかりやっているんだぞということが見えるような強化策,これを考えていく。それから,卸が持っている産地の情報,それと仲卸が持っているマーケットの情報を互いに共有し合って,新しい機能,例えば取引商品の自動照合システムの開発など,こういったことに対応できるような人材を共同して開発していく必要があるんじゃないか,確保していく必要があるんではなかろうか。  また,卸売手数料自由化対策につきましても,私ども市場としての特色を出して,産地に主張できるような機能──中央卸売市場にはマーケット情報,これを集めることができるわけですけれども,生きのいい情報を提供する。それから,産地からお預かりした商品を,生産物をきちっと全部売り切っていく,こういった機能。それから,もう1つ,安心して任せられる決済機能,こういった機能を改めて再構築していく必要があるんじゃなかろうか。それによって,神戸市場に預ければ大丈夫だと,こういう信頼感を醸成しようと。  それから,もう1つ,こういったことに対応できる仲卸組合やら市場業界等の業界団体がございますけれども,これの体力のある組合機能の強化,こういったことが共通課題として挙げられてございます。  これらを踏まえて,さらに実態を分析していく必要がございます。まず,第1に,最近の取扱高の推移や集荷状況,これをきちっと緻密に分析をし,さらに先生ご指摘がございました関西圏の動向──2府4県に私どもを含めて10の中央卸売市場ございますけれども──こういったところの動向,とりわけ大阪あるいは京都,こういったところの比較・分析,それに加えて本場・東部市場の卸・仲卸業者の経営分析など,こういった実態を踏まえた分析を進めまして,平成21年かなと予想しておりますけれども,国の第9次卸売市場整備基本方針の方向性も見据えながら,引き続き両市場の機能分担,さらには再編の可能性等も視野に入れた議論を深めてまいりたいと考えております。  それぞれの立場からの率直な意見を積み上げた上で,今後の方向性,展望を開いていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。 24 ◯主査(松本 修) 当局に申し上げます。質疑時間が残り少なくなっていますので,答弁は簡明にお願いをしたいと思います。 25 ◯平川産業振興局中小企業振興センター所長 それでは,私の方から中小企業の多様な資金調達についてお答えをさせていただきます。  市内には,成長性はあるんですけれども,信用力・担保力の弱い中小企業やベンチャー企業など,規模や成長段階の異なるさまざまな企業が数多く存在をしてございます。これらの企業の資金ニーズに,きめ細かく対応していくためには,従来とは異なる新しい手法として,不動産を中心とした物的担保の提供でありますとか,あるいは第三者保証人を原則不要とする多様な資金調達手段を提供していく必要があるというふうに考えております。  神戸市では,制度融資以外に資金調達の多様化への取り組みとして,平成16年度からローン担保証券というふうに言われておりますが,CLO融資を大阪市あるいは横浜市と連携して広域的に実施をしてございます。  また,平成17年度から社債担保証券と言われておりますが,CBOを東京都・大阪市・横浜市等と連携をして広域的に実施するとともに,全国的にも先進的な取り組みでございますが,神戸リレーショナル・ベンチャーズファンド,これを地元信用金庫等と協力して立ち上げまして,株式公開を目指す成長性の高い中小それからベンチャー企業を融資ではなく,直接投資により支援をしております。  さらに,平成18年度からベンチャー,第二創業を総合的に支援するドリームキャッチプロジェクト事業を金融面からサポートするため,国民生活金融公庫や日新信用金庫と提携して,本プロジェクトの認定企業に限定した独自の融資を設けてございます。  2月に策定いたしました中小企業活性化プログラムでは,先生ご指摘のとおり,資財の強化として資金の円滑な調達を掲げておりまして,中小企業がそれぞれの規模や成長段階に応じて,経済変動等に左右されず必要な資金を安定的に調達することができるよう,資金調達の多様化を目指すこととしてございます。  現在検討中のものとしては,先ほど申し上げました広域型のCLO融資やCBOのほか,中小企業金融公庫との間に信用金庫や信用組合など地域に密着した金融機関参加型のCLO融資を導入し,保証協会の保証枠外での利用を可能にしたいと考えております。もちろん無担保で第三者保証人は不要ということでございます。  また,国民生活金融公庫と創業支援融資で連携し,成長力はあるんですが,創業後まだ日が浅いために信用力・担保力等が弱い中小企業を支援することを検討しております。  今後も中小企業の資金ニーズや経営状況に応じた多様な資金調達手段を整え,さまざまな中小企業・ベンチャー企業が規模や成長段階に応じて必要な資金を円滑に調達できるよう支援していきたいと考えております。  以上でございます。 26 ◯分科員(大井敏弘) そうしましたら,ちょっと時間あるんで,もう1度お尋ねしますけれども。先ほど局長の方が人の育成というところで──実は私も民間の会社で働いておりまして,実は民間の会社で韓国に行ったことがあるんですけれども,中国にも行きましたけども,韓国へ行ったときに,実は韓国で見せていただきました。ただ,私たちが見たのは,大手の企業は見せていただけませんでした。やはり私たちの時代は,どんどん韓国からこちらの民間のところに技能・技術を教えようということで育て上げて,皆さん帰られて,今度私らが行くと見せていただけなかったんですけれども。そのときに感じたことが1つありまして,実は韓国は,今すごい受験競争というか,本当にガリ勉というか,優秀な方をどんどん輩出というか,大学の韓国の東大と言うんですかね,そういうところの人たちと日本の東大,どうやと言ったら,韓国の方の方が優秀違うかと,今。そんな世界でつばぜり合いをしておる企業では,そういう方々同士の争いというのがあるんですけれども,そのときに,韓国の採用というのは,どういう形でやっておられるかと言いますと,財閥,例えばヒュンダイなり,そういう大手の財閥が自動車なり鉄鋼なりいろんな財閥,1つのヒュンダイが持っておられる財閥のグループで採用される。そしてその採用された大学の一番優秀なんがどこへ行くか言うたら,神戸なんかの基幹産業の造船なり鉄鋼のこういうところに一番優秀な子らが,韓国では一番に採用されておられる。  日本どうや言いますと,今東大や阪大や京大やと言っても,造船科とか,そういうもう科もなくなったような状況の中で,そういうところと大学同士がそういう人たちで競争しますと,当然負けるんです。しかし,日本が韓国と勝負ができるのはどこやと言いますと,工業高校,こういうところなんです。  実は,先ほどいみじくも局長は,大学・高専とおっしゃられましたけれども,工業高校の話はされなかったんですけども,実は今の民間の会社がもっておるのは,優秀な大学の卒業の方たくさんおられますけれども,はっきり言いまして,世界と勝負をしているのは,この工業系の人たちが──先ほど養成工と言われましたけれども,養成工というのは中学出た方です──この方々が,優秀な方々がおって,世界と今も勝負ができているというのが,実は民間の会社の今実態ではないかと思います。  そういう意味でいきますと,やはり私なんか採用というのを担当もしておりましたんで,そういう学生諸君を見ておりますと,神戸の学生というのは,はっきり言いますけど都会っ子,やはり生きがいい。そして中小のこのプログラムにもあったんですけれども,進取の気風と言うんですか,要するに──いやいや,いいふうに言や,そういう言い方で,何でもいっちょかみで,何でもすぐ一番にというのが,これは物づくりというか,こういう人たちにとっては,やっぱり一番大事なところなんですよ。そういう意味でいきますと,今は市高・御影というのが合併されて,今は科学技術高校という形になってますし,県は県工というのがありますけれども,この辺の方々をやっぱり上手に育てていただいて,神戸は神戸のそういう物づくり産業という気風もあるし,そういう進取の気風ってありますんで。そういう子供たちの──どう言ったらいいのか,先ほども言ってはりましたけど──楽しみというか喜びというか,こういうのは小っちゃいときから,高校じゃなくて,もっと小さいときから,例えば民間では進水式とか,ああいうところに小学校ぐらいの子供たちがたくさん見に来られる。その子たちが,あんなところへ行きたいなとか思って工業高校へ行かれる方もおられるようですし。ただね,今どんどん民間の会社にそういう見学に来られている方々を見ると,自分たちは無理やなと,もうはなからそう思っておられるんです。こんなすごいもん,つくられへんと,これが今の工業高校の実態なんです。やっぱり大学,大学ということで,どちらかというと,工業高校いうのは落ちこぼれみたいなところがあるのかなと。そうやないんやと,やはりそういうところの物づくりの,今の民間の会社は,そういうところでもってるんやぞと。そういうのをもっと教えていただいて,できればそういう若い人たちを育てるような仕組み,あるいは先ほど技能と申しましたけれども,やはり中小に入ったからどうと言うんじゃなくて,そういう方々がどんどんと,行く行くは技能五輪とか,ああいうのに中小の方々が金メダルがとれるような,そんなことを神戸の中小の方から出してほしいなと,そんな育て方でけへんのかなと。そこのところ,もう1度お聞きしたいと思います。  あと時間が余りないんで,もう1つ,中央卸売市場の件なんですけど。大体わかりましたけれども,中央市場の本場,あと西側の跡地というのがあるわけなんですよね。これは,今回の予算の中では,検討委員会というか,そういう形で検討するというふうな言い方されておりましたけれども,やはりこの西側の跡地というのが本場の活性化と,やはり大変大事なファクターというか,取り組みになると思います。できるんであれば,この20年,21年度には,供用開始ということであるんであれば,できれば西側の跡地もそれに連動したような形で,やはり早い検討というんですか,その辺はどんどん,先ほども局長,スピードとおっしゃられましたから,そのスピードで,21年の供用開始に向けて西側跡地をどうするんやと。できれば,両輪のように,両方がうまいことかみ合って人が流れるような,あるいは物が流れるような仕組みというのをご検討されたらどうかと思います。  この2点について,ちょっとお伺いします。 27 ◯主査(松本 修) あと1分ですので,坂本局長。 28 ◯坂本産業振興局長 確かに工業高校の生徒いうのは大事やと思います。やはり今工業高校の生徒も,いきなり仕事ができるわけやなくって,今神戸の中小企業も非常に技術力を持った企業もありますので,まずそういう企業を知らないというところがありますので,できるだけ生徒にも知ってもらって,会社訪問をやったりインターンシップをやったり,そういった形でこれから育てていきたいというふうに思ってます。  それで,西側跡地についても,いずれコンペをしてやることになると思いますので,今そういった前段階でいろいろ検討しておりますんで,できるだけ早くできるようにやっていきたいと思います。  以上でございます。 29 ◯主査(松本 修) それでは,平井理事と交代いたします。 30 ◯副主査(平井まち子) 松本副委員長,どうぞ。 31 ◯主査(松本 修) それでは,質問させていただきたいと思います。  まず,本年度の,19年度の予算に対して,市長の方から提案理由と言いますか,説明がありました。その中で,平成19年度の予算というのは,市民の暮らしの満足度と市民の所得の向上を目指し,市民もまちも生き生きと輝く豊かさ創造都市・神戸を実現するために,神戸2010ビジョンと区の中期計画言うんですかね──を必ずやり遂げるという決意のもとに編成した予算でありますと,市長はこのように述べられました。各局の予算も,この市長の述べられたことに沿って編成をされてると,このように思います。それに,そういう観点から,何点か質問をさせていただきたい,こう思います。  まず,中小企業の活性化プログラムについてお伺いをしたいと思います。  午前中のちょっとご答弁の中にもありましたけれども,市内の中小企業というのは,事業数で言いましたら98.9%,99%ですかね,もうほぼ100%,従業員数でも79.5%ということで,市内に住んでおられる方というのは,もう多くの方がほとんどと言ってもいいぐらいの方かもしれませんが,中小企業で何らかの形でかかわっておられる,働いておられたり。ということは,神戸市内の中小企業が本当に元気でなければ,神戸の2010に掲げた価値を創造する元気な産業のまち,こういったものは実現できない,このように思います。  そういう意味では,今回策定された中小企業活性化プログラムというのは,これが果たす役割というのは非常に大きいなと,このように思います。この中で,何点か,ちょっと質問をさせていただきたいと思います。  まず,いろんなところがあったんですけれども,3つの柱ということで,人財・資材・ネットワークですか,というのが掲げられて,そのテーマ別アクションプランということで,神戸らしさを生かした展開というふうなことが5つのテーマですかね,掲げて書いておられますけれども。これ,委員の方の意見の中にもちょっと幾つかあったかなと思うんですけれども,この神戸らしさというのが,この5つのテーマと言うんですか,こういうものに言い切ってしまっていいのかなという,何かそういうご意見が委員の方の中にも,議事録なんか見せていただいていたらありました。私もちょっと,この5つのテーマというか,神戸らしさということが,なかなかちょっとぴんと来ないかなというところがあります。局として,これが神戸の強みなんだと打ち出されたと思うんですけれども,その辺の考え方と言いますか,背景と言いますか,そういったことについて,まず1点,お伺いをしたいと,こう思います。  それから,もう1点は,これを,あくまでもプログラムをつくりました──局長も委員会の最後の方で言われてましたけれども,これはつくったので終わりではないと,これからがスタートであると,このようにも言われてますけれども。やっぱしどういうふうにこれを実現するというか,実効性のあるものとしていくのか,そういうことが今これは本当は大事なことだと思うんです,これからの問題ですけれども。  内容的には,どちらかと言うと,元気な中小企業をある意味ではターゲットにしているというような内容ですけれども,それが神戸の中小企業の中の言うたら1%にも満たない,僕は数かなと思うんです,思ってはるかもわかりませんけれども。大多数の中小企業というのは,ある意味では本当はしんどい状況にあると思うんです。そういった企業に対して,このプログラムがどういうふうに波及をしていくことができるのか,その辺が本当は大事だろうなと思いますので,この点についてもお伺いをしたいと思います。  それから次,大きな2点目ですけれども,他局との連携ということについてお伺いをしたいと思います。  先ほどもちょっと話がありました。この活性化プログラムだけではなしに,この中小企業の活性化であるとか雇用の問題というのは,産業振興局だけの取り組みで,なかなか解決できるものではないなと思うんです。もちろん青少年の問題もあります。あるいは学校教育の問題もあります。教育委員会であるとか,あるいは市民参画推進局であるとか,あるいは保健福祉局であるとか,そういったいろんなところでの連携が必要だと思うんですけれども。そういったことについて,ある意味ではもっと局として,自分たちのところだけ頑張ればといいという話ではなしに,よその局のことにまでも口出しをするぐらいの,僕はやっぱし責任感と言いますか,迫力というか,そういうものが必要ではないかなと思います。例えば教育委員会なんかで,子供たちのキャリア教育といいますか,そういったものを実際には委員会で質問しますと,やってますという話になってますが,実際にほんなら,それが実際に卒業して,会社に勤めていきますと,こうなったら7・5・3と言いますかね,中学卒で7割,高卒では5割,大卒でも3割の人が,もう1カ月,2カ月でやめてしまうという,それが現実なんです。それに対して,じゃあどういうふうな教育を本当はしていかないかんの違いますかという,この現場に即した話を,例えば委員会なんかにもしっかり言うていく。先生方にも,こういうことをしっかり教えてほしいんだ,何でかと言いましたら,学校の先生は知らないんです。ほとんどの方が社会で働いたことがない人ですから,社会はどんなに厳しいんやとか,知らないまま子供たちを卒業させていくわけですからね。それわかるのは,担当している皆さんですから,そういったことが本当は必要ではないかなと思います。  もう1点,実は実際に会社に勤めて働いていったときに,やっぱしもっとスキルアップをしたい,そういった人たちがたくさんいてると思います。実際に,じゃあそういった人たちがもう1回勉強をしたいと思っても,今の日本というのは,なかなかそういう場所がない。語学を勉強したいと思ったら,非常に高い,危なっかしい語学学校があったりとかしたりするときもあります。そういうことやなしに,例えば今既存の神戸市内にある学校施設なんかをうまく活用すれば──先ほどもちょっと工業高校の話がありましたけれども,例えば工業高校なんかというのは,施設・設備なんていうのは,それなりのものを今回の科学技術高校なんか持ってます。そういったものも活用できるんじゃないかな。講師だって,民間にたくさんいろんな方がおられるわけですから,そんな方にも来ていただいて──高専なんかでそういう教育をされていると,始めるということをお聞きしましたけれども,もっと身近なところにもたくさんそういうものがあるんだろうと思いますので,そういったことを,連携も考えていく必要があるかなと思います。  もう1つは,神戸の中小企業は元気で頑張りたいと言いましても,先ほどもちょっとありましたが,なかなか金銭面で大変である,資財といいますかね。そしたら,行政として何かできるのか,融資の問題がある──さっきもたくさん言われてましたけれども,なかなかそれだけではちょっと厳しいやろうなと。実は,首都圏というのは,今お金がだぶついてます。だぶついてると言うたらおかしいですけれども,東京がひとり勝ちという状況かもわかりませんけれども,ある委員の方も言ってましたけども,東京以外は全部田舎やと,こういう話もありましたけれどもね。もっと神戸というのは,住みたいまちなんや──これは確かに言えると思います。また,仕事をしたいまちなんやと,神戸にもっと投資をしたいまちなんやと,そういう神戸の魅力増進と言いますか,神戸の都市イメージをどうやったら上げていけるのかということをやっぱり考えていく必要があるなと思います。この辺についても,ちょっとお考えがあれば,お聞きをしたいと思います。  それから,もう1点,ちょっとこれ視点が変わるかもわかりませんけれども,神戸の中小企業,これ私なりにいろいろ考えて,いろんな企業がたくさんありますから,すべて押しなべてというわけにはいかないと思うんですけれども。産業振興センターですかね,神戸の,あそこで中小企業支援センターとか,ありますね。そういうところでいろんな支援策をいっぱいされてます。非常に僕はすばらしいなと思うんですけれども,なかなかそれを利用されている方も少ないのは事実かなと思います。その辺,ちょっとまた後でお聞きをしたいと思うんですけれども,ただ,神戸の企業がこれからどんな企業になっていかないかんのか。あそこで発行されている何か雑誌E─Tipsですか,何かちょっと見させていただいて,最新号の中にオンリーワンとかいう話が出ておりましたけれども,まさに,例えばよその他都市でまねできるようなことを神戸で一番最初にやるというのは大事な話なんですけれども,一番最初の質問でも言うた,本当の神戸らしさみたいなものを出していこうと思ったときに,これからはただ企業がもうけるためとかだけではなしに,質的な向上というのが本当は必要なんと違うんかなと思うんです。人を集める,人材を集める。例えば中小企業で,1つでは難しいですから,その地域の中小企業幾つかが集まって,自分たちの会社に勤める人のための保育所をつくりましょうと,そしたら女性の方も,そこの企業には安心して就業できるんじゃないですか。そういう言うたら企業としてある程度何か社会的な責任といいますか,そういったものをやっぱしつくっていく,そんな仕組みも必要じゃないかなと思うんです。  その辺,これはすぐにというわけにはいかないかもわかりませんけれども,例えば企業に働いている人あるいは起業家の人,市民,皆さんがやっぱり今までの価値観とは違うものをどうやってつくっていくのか。いつも何か神戸が高まっていくような,それはやっぱり市民1人1人が高まっていくような,そういった神戸のまち全体がそういう風土をつくっていかへんかったらあかんの違うんかなと。それはちょっと時間がかかるかもわからへんですけれども,本当の意味での神戸のレベルを上げることになるし,それが市民所得の底上げにもなっていくんじゃないかなと思います。その辺についてご見解があれば,お伺いをしたいと思います。  それから,商店街・小売市場の活性,これは今までも何回もいろんなことで質問をしてきました。確かに特効薬というのはないとは思います。だけども,何かをやっぱりしていかなければならない。ただ,やっぱりそのときに,一体今──例えば市場の空き店舗があって,シャッターが閉まってて,それでまた商店街の魅力がなくなっていく。そのまま手をこまねいている中で,何というか商店街,まちそのものが廃れていってしまうような,そんな危機感があると思うんです。その辺の,1つはいろんな原因があると思います。その原因,どんなものを考えておられるのか。原因がわからないと,じゃあそれに対する手を打てないわけですから。どういう手を打っていこうとしているのかということをお聞きしたいと思います。  最後,6点目ですけれども,地産地消の取り組みについてお伺いをしたいと思います。これは,今まで我が会派としても,いろんな形でこの地産地消というのは取り組んでいくべきだと,いろんな局でも話をさせていただいてまいりました。神戸──国でも食育基本法ですか,そういったものが制定されて──神戸でも神戸市食育推進計画というものをつくられたと思います。これ,つくられたのは保健福祉局ですけれども,産振局としてこれについてどうかかわって,神戸の農産業と言いますかね,農漁業というか,そういったものがこれからどういうふうに役割を担おうとしていこうとしているのか,この辺をお伺いをしたいと思います。  以上,6点,ちょっとたくさんですので,簡明にお願いいたします。 32 ◯坂本産業振興局長 私からは,2点ほどお答えいたします。  まず,中小企業活性化プログラムでございますけども,これも9カ月ほどかけて,いろんな議論をしたわけですけども,先生おっしゃるとおり,中小企業が元気にならなければ,神戸は元気にならんといったことで,そしたらどないしたらええんやろうということが基本的な話でございますけども。この3つの柱はともかくとしまして,あとそれを展開していく上で,いわゆる神戸らしさとか神戸の強みが,なぜそういうあれになってきたんかということですけども,やはりこれからの都市間競争に勝ち抜いていくためには,いわゆるほかに,どこでもあるようなものではあかん。要するに神戸ならでは,神戸の強み,そういったものがどうしても必要だと,それを今から,一からつくるよりも,今ある,既にあるものはどんなものがあるかといったことで,まず議論をしていったわけであります。  午前中の方からでも申し上げましたけども,まず1つは,物づくり技術というのがあるだろう。神戸では重厚長大産業が経済を引っ張ってきて,下請企業がいろんな技術を磨いてきて,そういった形でやはり物づくり技術がある。これを生かさない手はないといったことで,1つは,物づくり技術をさらに高度化して,オンリーワンにシフトして高めていく,それを情報発信していくといったことが必要ではないかというのが1点。  次は,いわゆるこの独自の文化と言いますか,神戸は1868年の開港以来,外国からいろんな文化が入ってきました。そういったことで,いわゆる神戸発祥のものというのは非常にたくさんあります。そういったことで,いわゆるファッション産業,いわゆる生活文化産業,こういったものをやはり生かしていく必要があるだろう。特に,洋菓子なんかは,もう非常に神戸の洋菓子というのは,全国にもブランドになっている。酒は今いろいろちょっと厳しい状況ありますけど,やはり灘の酒,清酒というのは,やはり神戸のみであると。ケミカルシューズにしたって,従来とは変わったやり方で,いわゆるファッション性を高めた形で,今新たな展開をしつつある。真珠もある。そういった形で,いわゆる独自の文化をどう,いいものを,より高いレベルに育てていくか。  3つ目は,今先生の方からお話ありましたけれども,神戸の都市イメージ,いわゆるハイカラ・おしゃれ・ハイセンス,そういったイメージ。神戸が引っ張ってくる企業というようなこともございましたけれども,やはり外資系企業なんかが日本への進出を決めるときに,研究者とか,そういった技術者もかなりやってまいりますから──午前中に申し上げたベーリンガーインゲルハイムなんか,まさにそうでございますけれども──そういったいわゆる知的レベルの高い人が来るときに,特に女性のイメージが,やはり神戸というのはいいんだと。こういったことで,やはり高めていくと。ですから,通常の製造工場とかいうことになりますと,やはり土地の値段とか,そういうことが大きく作用しますけれども,研究施設なんかいうことになりますと,そういった人材がいかに集まるかどうか。今いる人材がそこへ行きたがるか,行きたがらないかということが非常に大きな要素でございますので,我々としては,やはりそういった今医療産業都市構想が着実にこれ進行してますから,そういった研究部門といったものも視野に入れた形で考えております。  第4番目の地域のきずなは,これもう震災で多くの命,多くの財産を失いましたけれども,その一方で,やはり人と人との助け合いだ,いわゆる地域の連帯感,そういった地域のきずなという教訓を得たと。こういった地域のきずなというのは,商店街とか小売市場,いわゆる地域力をアップする上で非常に必要ではないかといったことで,地域のきずなというもの。  最後は,成長性のあるもの。神戸の進取の気風あるいは挑戦の風土,何でも一遍やったろかといったことでのこのチャレンジ精神,そういったものを生かして,そしてそういったものをいろんな分野に生かして,中小企業の活性化につなげていけないかということで考えました。  ただ,この5つでええんかという話は当然あると思います。ただ,この中小企業活性化プログラムにつきましては,先ほども先生ご指摘のように,つくったら終わりのもんではありません。これは,そして実行するのは市だけでもできません。いわゆる民・学・産・行政が共同してやる。ただ旗振り役はうちがやります。やりますけれども,みんなに協力していただく。それぞれが自分の役割・スタンスをかっちり守って,そういった形で総合的にそれをかっちりつなげていくということです。  これは,毎年検証しようと思ってます。PDCAサイクルの中で,今やっているけど,うまいこといってるのかどうか。また,新たな課題が出てくるんじゃないか。そういったことは当然ございますから,その中で神戸の強みあるいは神戸らしさ,そういったもので,こういうものをもう少し加えたらどうかと。前はこういう形があったけど,余り──もう今は終わったん違うかというようなことは,どんどん私はやり変えていったらいいというふうに思っております。  いずれにしましても,市長は,やり遂げるということを,我々にいつも叱咤激励いただいてますので,それは十分我々も思っておりますので,ぜひやり遂げたいというふうに思います。  ちょっとあとの先生からのいわゆる神戸らしさの中で,市民所得の底上げどうかというのと,ちょっとダブってるかもわかりません。ただ,市民所得というのは,いわゆる雇用者報酬,いわゆる本来の個人の所得の方か,いわゆる財産所得と,それと企業所得というのも,かなり大きな要素になっています。ですから,こういったいろんな仕掛けをすることによって,いわゆる元気な企業が神戸に集まってくるということが結果的に神戸の1人当たりの市民所得の底上げになると私は思っております。  以上でございます。 33 ◯吉武産業振興局次長 まず,他局との連携の問題でございます。  先生のご指摘のように,中小企業の活性化であるとか,特に雇用の問題といったものというのは,産業振興局単独ではとても解決できるものではないということで,他局との連携が必要であるというふうに認識をしております。  雇用の問題で参りますと,神戸ワーク・ネットワークには,国・県の機関あるいは経済界のほかに市の方では教育委員会にも参画をいただいて,取り組んでいるところでございます。その中で,先生が特にご指摘の職業能力の開発と言いますか,能力形成の機会に恵まれない方の対策ということでございますけども。基本の話で参りますと,神戸市民が利用できる職業能力の開発施設といたしましては,独立行政法人の雇用・能力開発機構が,離職者が再就職するために必要な能力開発支援ということで,尼崎と加古川にポリテクセンターを設置しておるんですけれども,これはもちろん神戸市民も対象になっておる。あるいは兵庫県の方では,高等技術専門学院を設置されておられまして,これは新しく高校を卒業した方とか,あるいは仕事を探している方に技術・技能を向上させていくことを目的に設置をされておるわけですけども,こういった能力開発の支援というのはあるわけですけども,市の方としてどうしていくかということで,先生の方から,例えばせっかく工業高校にはいい設備・機械があると。これをそういった能力の開発であるとか,あるいは中小企業の支援に使えないかというご指摘でございます。  済みません。少し前に,工業高校の前に高専の話をさせていただいて恐縮なんですけども,実は,18年度からは経済産業省が高専を活用した中小企業人材育成事業というのを始められまして,これに神戸高専が明石高専と一緒に手を挙げまして,兵庫工業界が一応の受け皿という形で,国の指定を受けまして,今年度から中小企業向けの若手技術者育成講座を開設されたところでございます。産業振興局としては,非常に重要な事業であるということで,19年度は新規の予算でお願いしておりますけれども,市内の中小企業の──ぜひこの講座の受講機会を確保して,高専とそれから地元の中小企業がもっともっと交流できて,できるような場の提供であるとか,あるいは技術とか人材育成のアフターフォローなんかもやっていくということで,高専と中小企業との連携を一層強化させていただきたいというようなことを予算でお願いしておりますけども。今後のことでございますけども,19年度の,今度また──これは経済産業省と文部科学省の新規事業なんですけれども,今度は工業高校などの専門高校とそれと中小企業の連携による実践的教育の導入ということで,新規事業が出ておりまして,実は,何とかこれを──公募になっておるんですけども,これを何とか教育さんと一緒になって,せっかくの──先生の全くご指摘のとおりでございまして,科学技術高校の設備とか,あるいは先生方の能力を地元の中小企業との間で何とか生かせるようなことにできないかということで,今,何とか応募しようやないかという話で,科学技術高校の先生方とも少しお話をしていまして,何とか手を挙げて,公募でございますので,選ばれるか選ばれないかいうのはあるんですけど,何とかいい案を出して,これの採択をいただいて。内容的には高専の生徒自身が企業での実習をやっていく,それから企業の技術者さんが学校にやってきて実践的な指導を行う。そういったスキームに多分なるのかなと思うんですけど,何とかぜひこういうことをやれたらいいなと思って,頑張りたいと思います。よろしくお願いします。  それから,商店街の問題でございます。空き店舗ができていく原因というのをどう考えておるかということでございます。  市街地の商店街・小売市場の今厳しい状況にある原因といたしまして,当然のことながら,消費者のニーズが多様化しているという現代の風潮,それから流通構造がどんどん変わっていって,大手スーパーがどんどん出てきているということ,それからモータリゼーションによりまして,郊外型の大規模スーパーが多くできてきているといったことで,市街地の中にある商店街・小売市場というのが厳しい環境の中にあるわけですけれども。この空き店舗というのは,そういった環境の変化の中で,やはり一番厳しい状況を受けているところに空き店舗が発生してしまっている。それは個別の問題──マクロ的に言うと,そういうことなんだろうと思いますけど,個別にはやはりいろんな問題をそれぞれ抱えておられます。  例えば,店主の方が高齢化で後継ぎがいないといったようなお話もございますし,非常に個々具体的な話でいきますと,そういったことで高齢になられてリタイアされても,空き店舗を新しく人に貸さないで,そのまま住居であるとか倉庫のままでお使いになっているとか,あるいはやはり新しい──貸すことによって,たな子とのトラブルが出てくるといったことは嫌だということで,貸し店舗として拠出しないと,そういった問題もいろいろございます。  ただ,やはり空き店舗ができてしまうというのは,商店街・小売市場がもともと集積をしているということで消費者の支持を受けているわけですから,空き店舗ができてしまうというのは,小売市場・商店街全体の魅力低下あるいはそれが地域の活力の低下まで招くものやというふうに認識をしております。  そういったことで,空き店舗対策といたしましては,現在神戸市で行ってますのは,空き店舗ができた場合に,その地域コミュニティの形成に資するような店舗を設置される場合と,それから新規創業者のためにチャレンジショップという形でお貸しする場合と,それから不足業種の補完を図る──魚屋さん,お肉屋さんが出ていってしまって,その不足する業種の方が入られる場合のみ支援をするという3種類にしておったわけでございますけれども,これ19年度から新たに,先ほどの不足業種という要件を取りまして,既存の業種と同じ業種を誘致されても,補助の対象にするという形でやっていきたいと思います。  それと,あと市場・商店街さんが,その空き店舗解消に向けた活動を行う場合に,専門家を派遣して,この専門家のアドバイスをいただきながら,いろんな検討をしていただくということで,派遣制度を新たに設けました。こういった形で対応していきたいと思います。  ただ,基本的にやはり重要なのは,商店街・小売市場の魅力づくりというのを常にやっていかないといけないということで,こちらの方についても取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上でございます。 34 ◯坂本産業振興局長 済みません。今の中小企業活性化プログラムで,零細企業はどうなっとるんやという話でございます。  これ,本当にどの企業にターゲットを当てるかということが非常に議論になりまして,中小企業といったって,もう大企業に近い中小企業もあれば,本当に小規模・零細の企業もあるといったことで,いろいろ議論あったわけですけども。ただ,マクロ的に考えた場合,ある程度中堅とかの企業の方が,いろんな下請に──零細企業もそこからの下請なんか,いろいろもらってますから,そのあたりぐらいがまず頑張らんと,親ガメこけたら皆こけるみたいなところがやっぱり出てくるん違うかということで,まず,頑張れる企業をどう頑張らすかということが,まず1つあるかと。ただ,そのときに,頑張ろうと思っても,なかなか頑張り切れないという,いわゆる零細企業もある。そういったところには,特にセーフティーネット的なもので対応しようということで,例えば人材の確保なんかでも,今中小企業で共同で募集しましても,やっぱり大きいとこへ行くんです。ですから,なかなか零細のとこへは集まらない。だから,今のワーク・ネットワークでも,そういった本当に小規模・零細の企業が,どのようにしたら確保できるのかという面に焦点を当ててるとか,例えば融資についても,最近信用保証協会の保証が,一部銀行にも責任共有させるというふうになりました。そしたら必然的に銀行の貸し渋りが起こるおそれがある。特に小さいとこほど影響を受けやすいといったことで,その場合に,いわゆる小口・零細企業に対しては,信用保証協会100%のやつを残すような融資をするとか,そういった形で対応しました。あとは,この制度をよく知ってもらうために,できるだけきめ細かなPRをしないといけないということで,産業振興センターなんかの活用とか,いろんなパンフレット・リーフレット・ホームページ,そういったものを活用しながらやっていきたいというふうに思っております。  以上です。 35 ◯安藤産業振興局次長 地産地消の取り組みの件でございますけれども,取り組みの第1点は,消費者に生産者の情報をきちんと伝える仕組みをつくる,こういったことがあろうかと思います。従前は,例えば農薬を減らした減農薬栽培,神戸の旬菜をつくりました。これがこうべ旬菜ですよと,そういった表示をしてきたわけなんですけれども,来年度からそれを発展させまして,消費者の方が店頭で安全・安心の取り組みも直接確かめられる,そういった産地表示カードを取り入れたいと思っております。  見本を持ってまいりました。これが産地表示カードの見本でございます。これを市内の農産物と一緒に店頭に置かしていただくと,そういうことを考えておりまして,まず,産地の表示でございます。神戸市の──これは西区と書いてございますけども──どこでとれたか,産地の表示。それから文章を書いてございますが,これは生産者の方が,例えば私は土づくりにこだわりましたとか,私は水にこだわりましたとか,そういった安全に関する生産者のこだわりをここで表現いたします。当然,生産者の顔写真も載せるし,場合によってはこっちから圃場ですとかハウスの実際の生産現場の写真を載せるということも考えられます。さらに興味があって,どんな取り組みか詳しく知りたいという方には,ホームページのアドレスを書いておりますので,ご自身で確かめていただくと。そういったことができる産地表示カードを来年度から取り入れるというふうに考えております。  それから,取り組みの第2点は,農業体験については,ふやしていくということが重要だと考えておりますので,これまでやっておりました消費者学習会ですとか小学校の野菜教室,これを発展させまして,生産者みずからが講師となり地域でいろいろ学習会をしていただく。そういった食農ボランティア制度の仕組みをつくりたいと考えております。今現在,生産者それから生産者団体にボランティアの登録を呼びかけておりまして,来年度,30名ぐらいのボランティアの方でスタートしたいというふうに考えております。  それから,取り組みの3つ目は,市内農産物を食べたり買ったりする,そういう場をふやすということでございます。これまで直売所を整備しましたり,あるいは学校給食の利用を推進してきたりと,そういったことがございます。最近では,市内のレストランですとかホテルとか,あるいは洋菓子店で地域食材を使っていますと,そういうことを売りに出されるところが出てきましたので,こういったところで生産者から直接自分の生産物を売りに行くと言いますか,営業活動をしていく,そういったことに対して,ちょっと行政として支援をする,応援すると。そういった制度も来年度からやっていきたいというふうに考えてございます。  それから,食育の件でございますけれども,神戸市の食育推進会議,産業振興局は,食糧と農業に対する関心を深めると,そういった観点から参加をしてございます。
     先ほど申しました地産地消の取り組み,これは逆に言えば,そういった情報を消費者の方が得るという意味では,それが食育になるということでございますので,近く策定をされる予定であります神戸市の食育推進計画,ここには先ほどのボランティア派遣でありますとか,それから学校給食の利用促進とか,そういったことを位置づけたいというふうに考えております。  こういった形で地産地消それから食育の推進を含めまして,地元神戸産の野菜なり米が安全・安心で環境にも,それから健康にも一番優しいということをアピールしまして,神戸の農業発展につなげていきたいと考えております。 36 ◯吉武産業振興局次長 済みません。都市イメージの高揚に努めることが重要であるという先生のご指摘でございます。  そこで,先生がおっしゃられた住みたいまちという問題については,もちろん緑の多い,住環境の整った,あるいはおしゃれな都心でショッピングを楽しめるようなまち,そういったまちづくりの要素というのが1つあると思うんですけど。あと仕事をしたいということでありましたら,特に,やはりベンチャーさんが神戸へ行ったら何とかなるというような形にまで何とか持っていきたいということで,ドリームキャッチプロジェクトというのをやってます。今年度,かなりの応募がございました。少しそういう形に近づきつつあるのかなというふうに思っております。  当然のことながら,企業誘致を進めていって,仕事の場というのは当然広げていかなければならないということでございます。  それから,投資をしたいまちということでございます。もちろん,これも外からの企業誘致の問題があるわけですけれども,今年度新規予算でお願いをしております投資促進助成も,まさに中小企業が設備投資を行う場合に,インセンティブを加えて,何とか中小企業の設備投資を促進させていきたいということで,今年度お願いをしております。  そういった形にやはりプラスいたしまして,特に産業振興局としては,神戸ブランドというものにやはりもっともっと磨きをかけて,なおかつ発信するということが,先生のご指摘の都市イメージのさらなる高揚,あるいはそれが産業に結びついていくということであろうと思います。  神戸ブランドの磨きをかけていくということで,これはいろんな形があろうかと思うんですけれども,やはり個々の商品の磨きをかけていくということもございますし,業界全体のブランドを上げていくということもございますし,あるいはまさに神戸全体の,「神戸」という名前のブランドを広めていくということも必要だと思います。いろんな──これについては取り組みをやっていきたいと思いますけれども,午前中にも少し申し上げた神戸コレクション・イン・上海を利用して,何とか神戸ブランドの情報発信をやっていきたいというのも,その中の1つの取り組みということでございます。そういった形で都市イメージの高揚というものに努めていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 37 ◯主査(松本 修) 済みません。ちょっとお答えにくいような話をしてしまったので,申しわけないとこありますけれども,中小企業活性化プログラムのことで,これを実行していく,毎年検証をしてということで,非常に大事だと思うんですけども,これ実際には2010年目標ですから,4年間ですか,正味で言うたら3年ぐらいしかないんかなと思いますけど,言うたら,それだけの短い期間の中で,このプログラムをどういうふうに,ほんまに実のあるものにしていくかという,非常にある意味では至難のわざなんじゃないかなと思うんです。  また,逆の見方からすると,ここに書かれてある内容というのは,ある意味では,今まで産振局として取り組んでこられたことを,1つは整理をされた部分もあるだろうし,もう1回見直しをされた部分もある,そんなふうにも取れたりもします。そういう意味で,しっかり頑張っていただけたらなと思います。  ただ,これをいろんな業種の方にヒアリングをされてるやつがありましたですね。この中に,いろんな方がいろんなご意見を出されてましたけれども,非常に興味深く読ませていただいた部分がございました。1つは,人材の確保ということで──もちろん2007年問題,中小企業には関係ないという方もおられましたけれども──実際には大手の企業が今,どんどん人を雇ってくる。中小企業にいい人材が集まらない。中小企業として,じゃあ人材を確保するために,大学なり高校なり,自分たちが行って,求人を取りにいくという,なかなか難しい──実は仕事だろうと思うんですね。僕も高校にいたことがありましたけれども,実際には,中小企業の経営者の方と──学校に来るのは求人票1枚なんです。だから,それを見て,子供たちが選んでくる。そうすると,やっぱり名前をよく知ってるところは希望が多い。知らないところは行かない。だけども,学校の教師と会社の社長さんなんかが話を1回でもされている,あるいは企業に訪問したり,また企業の方が学校へ来ていただいたりして話をしてると,その中身がわかれば,先生方も子供たちに,この会社は小さいけれども,こんないい技術を持った会社なんですよと,こう勧められるんです。実は,そういう形で生徒たちの就職というのは決まっていくケースが多いんです。  そういうことが,もう少し具体的に何かできる方策はないのか。これは委員会とも話をしていただかなあかんと思いますけれどもね,大抵,就職のことになると職安が全部やるんです。神戸市のそういう中小企業なんかでも,職安のところに集まってきたものが学校にそのまま行ってという,それだけのルートなんでね。本当に神戸の企業にいい人材を集めようと思ったときには,やっぱしそれなりの努力をしないかんと思うんです。行政としてどういうかかわりができるのか,1つは考えていただきたいなと思います。  それから,もう1つ,実際に我々がいろいろ企業の方たちとお話をする機会というのがあって,我々は特にもうどうしようもなくなって相談に来られるというケースが結構多いんです。産業振興センターなんかを──中小企業支援センターですか──をご紹介させていただいて,喜ばれるんです。喜ばれるんやけれども,どうしようもないから手を挙げてしまうという方もおられるんですけれども,もう少し早い時期に,そういう相談が受けれたら,実はそこまでいかなくても済んだ方というのは結構おられるんだろうと思います。  この支援のあり方と言いますか,行政の窓口というようなところで,これはいろんな金融機関とか製造業の方とか,書いておられるのを見ましたら,こんなときには,ここに相談,わかりやすいQ&Aが欲しいとか,ワンストップの窓口が一番ありがたい。またいろんな問題抱えたときに,どこに,どうやって相談をしたらいいのかわからない。あるいは中身のメニューが多過ぎて,もうそれだけでわけわからんようになってしまう。中小企業の経営者の方なんかは,ある意味で言うたら,自分たちの仕事が精いっぱいですよね。だから,なかなかそこまでの余力がない。そういうワンストップサービスと言いますか,ここに行けば,こんなサービスが受けれる。何というか,どんなことでもいいから,まず,ここに相談に来てくださいと。そういった窓口をつくる必要があるんじゃないかなと。ありますと言われたら,あるんですけれども,あったとしても,それがほとんど,もう多くの商店とか企業の方,知らないわけです。だから,それをどうやってPRしていくのか,この辺のことも,このヒアリングの中でも出ておりましたけれども,その辺,2点,最後ちょっとお聞きをしたいと思います。 38 ◯坂本産業振興局長 本当に人材の確保の問題で,このワーク・ネットワークなんかでもいろんな議論してる中で,やっぱり大学とのコネが欲しいと。いわゆる学校に,どなたに頼みに行ったらええかという,そういうルートが欲しいというのが結構多いんで,私はこのワーク・ネットワークの場というのは,私,自分で言うのもあれですけど,かなりクリーンヒット違うかなと自分で思っとるんです。雇用行政いうのはなかなか──私はもう本来市の仕事やないでといつも言うて,皆さん方からおしかりを受けてますけども,今回行政も,いわゆる国・ハローワーク・労働局・県も,国・県・市が入って,それで大学の就職担当をされたり,いろんな計画の設定とか,それとNPO・教育委員会,外大の事務局長も入っていたと思いますけど,それと労働界,そういった中で何が一体問題なんかと。お互いに,我々はこう求めておるけども,そういう意味での情報のミスマッチみたいなもんがかなりありまして,そういった──この場でやはり本当に企業が求める人材,学校にしても,幾ら中小企業でいい技術持ってましても,やはりそれなりの待遇でなかったらよう勧めんという話もいろいろあります。ですから,そういった生の情報交換みたいなものも1つの取っかかりになればというような感じがいたしております。  相談窓口につきましては,まず最初財団の窓口で,おっしゃるようなことをできるだけしていこうということで,会議所が一緒に入りましたり,いわゆる国金やら,そういった融資の相談もある程度できるといった形で広げていってるんですけど。ただ,1カ所ですべてのことを相談内容もそこでできるというのは,これ現実問題として非常に難しいと思います。ただ,少なくとも,できたら仕分けをしようと。そういう方が相談に来られたときに,これはここでお答えできます,ですが,この分はここではできないけれども,どこへ行ったらよろしいよと,そういったことはやっていく。今後もう少し充実したいと思いますし,それと今おっしゃいましたように,それを知っていただかんといけませんから,やはりどうしても小口の零細業者の方は,もう自分で精いっぱいやから,なかなかそこまで回らんというのがあるんですけども,やはり若干,余計なおせっかいもせないかんかもわかりませんけれども,それはそれで,できるだけそういう零細中小企業の方もやはり自分の会社の経営の問題ですから,できるだけそういう意識を持っていただいてと思いますけども,今後そういったPRには十分努めたいというふうに思います。  以上です。 39 ◯主査(松本 修) じゃあこれで最後にしますが,局長もこれでつくられて,終わりなんですかね。そういう意味では,あと残された皆さん方で,またしっかり頑張っていただかなあかん部分があるんですけれども,要は,本当に神戸の中小企業が元気になってこそ,神戸は本当に復興したと僕は言えると思います。新しい神戸つくるために,全力で産振の方たちも頑張っていただきたいと思いますので,よろしくお願いします。  以上で終わります。 40 ◯副主査(平井まち子) この際,約20分間,休憩いたします。   (午後2時33分休憩)   (午後2時58分再開) 41 ◯主査(松本 修) それでは,ただいまから予算特別委員会第3分科会を再開いたします。  休憩前に引き続き産業振興局に対する質疑を続行いたします。  それでは,西下委員,発言席へどうぞ。 42 ◯分科員(西下 勝) それでは,数点質問します。  まず,正規雇用の対策についてでありますが,格差社会,とりわけワーキングプアが社会問題となっておるわけで,この間,格差をつくり出した原因,それは派遣労働法とか労働基準法の改悪にあるということは,本会議でも述べてきたところであります。  また,この間,市にも関係するわけでありますが,雇用対策法が改正をされたと。ここで地域の実情に応じた雇用に関する必要な施策を講じる必要,努力義務が課せられたということがあります。職業安定法が,これも平成16年に改定をされまして,職安以外でも無料の職業紹介ができるということなどが行われてきました。  昨日は,厚生労働省が派遣労働を請負労働のように装って働かせるいわゆる偽装請負,これを是正するためにということで,派遣への切りかえを認めずに,正規雇用にするよう指導する通知を出したというふうに言われております。つまり,国も一定の改善措置をとるということになっているわけであります。  こういう状況の中で,私どもは行政として住民の暮らしを応援する手だてをとることが大事だということで,その1つとして,神戸市が補助金やインセンティブ策を与えた企業に対して,正規雇用を義務づけるようにすべきだと,こう求めました。本会議で助役は,県は雇用補助に関して来年から正社員や週30時間以上勤務する者に限定して補助すると,派遣や短期のパートは除くんだということだという答弁をされました。県でもこうして正規雇用を一定重視をするという取り組みになっておる。では,神戸ではどうかということが問題だろう。  本会議での我が党会派の質問に対して,誘致した企業については,正規雇用の増をお願いするという助役の答弁でした。このお願いだけでは不十分だと私は思うんです。つまり,正規雇用増の,つまり対策が要ると私は思うんですが,これをどうとられるのかということを,まずお伺いをいたします。  2点目は,若者の就職に関連して,数点聞きますが,日本民主青年同盟が行った1万人アンケートというのがありますが,青年の置かれておる実態がこの中でかなりリアルに出ております。回答された5割が非正規の雇用という状況も明らかになりました。例えば,大手のパン工場で働いておった青年が2年前にリストラされて,この間に8回転職して,今は派遣でこん包の仕事をしとるという状況でありますとか,別の青年は,メールで仕事の指示が来ると。京都や大阪に2時間かけて往復すると。社に帰っても,正社員が帰ってくるまで帰れないと。帰るのは,いつも夜の9時から11時だと。毎日働いて休暇も取れないと。年収は200万円以下と,まさにワーキングプアと言えると思うんですが,この方は,いっそのこと自給自足──農業も厳しいとは思いますが,自給自足の農業でもしたいというふうに言っておられるという状況が出ておるわけであります。  こういうふうに話をして,いろいろお聞きをしても,働いておられる皆さんも,青年の場合,働く者の権利も何もわかってないという状況があるんです。  そこで,具体的にちょっと青年対策ということで聞いてみますが,1つは,先ほどちょっと触れられました神戸ワーク・ネットワーク,局長は,クリーンヒットや言われましたが,ヒット打ってないと私は思ってます。予算でつけただけやから,そんなん,まだバッターボックス入っただけで,どないなるかわからへんという状況だと思っとるんです。キーワードは,神戸で働くというキーワードになっとるんですが,企業の採用の向上,それから若年・女性・高齢者就業促進プログラム,これは事業概要にも書かれております,午前中も紹介されました。これだけでは弱いんではないかと私は思うんです。つまり,雇用対策法が改正されて,地域の実情に応じた雇用に関する必要な施策を講じる義務があるわけですよね,法改正になって。こういうことに真正面から対応することになっとんかと思うわけで,この神戸ネットワークがまだヒットではありませんから,ヒットにするための具体的な策を,この2つだけでなくて,いや,これからだと言われるかもしれませんが,踏み込んでいただきたいと思いますが,その踏み込みはどうされるのかお伺いをいたします。  2つ目は,このワーク・ネットワークが,この3月の5日に若者のいわゆる合同就職面接会を行われると,リーフもいただきましたが,これ1回だけですよね。これ自身はええことやと思うんですが,1回ではあかんと,もっと地域ごとにやるとか継続すべきやというふうに思いますが,どうされるのか。これが2点目。  3つ目は,これは昨年決算で質問しましたが,職安法が改正をされました。そこで,無料職業紹介事業というのができるようになった。大阪はやっとるいうて言いましたが,次長は,ハローワークでやっとるから考えておりまへんという答弁でしたが,そういう態度でええのかと思いますから,制度的にできるようになっとるんですよ。なぜしないのかと。ハローワーク任せではあかんと思いますから,お伺いをします。  それから,先ほども申し上げましたが,若い人というのは,働く者の権利などについては,全く知らない方が非常に多いと。そこで,だれにでもわかるような労働法ハンドブックとか,あるいはポケット労働法とか,こういうチラシやパンフ等々,雇用のルールをわかりやすく書いた冊子などを行政としてつくって対応していただきたいと思いますが,いかがか。この4つであります。  最後でありますが,魚腸骨再資源化,フィッシュミールでありますが,平成13年度から毎年2億円,この間,合計約12億円が補助金として出されておるわけであります。今の時期に,年2億円いうのは非常に大きいわけで,処理量を見てみますと年々減っとると。平成13から16年までは,大体3,000トンから3,700トン,ところが17年,18年度,まだ終わって──締めてはおりませんが,2,400トンと,月当たりにしたら200トンそこそこの処理量ですよね。売り上げはどうかと言うと,これも3,000万円程度というようであります。  そこで,具体的に聞きますが,処理量が減っておりますが,組合員数は今何人なのか。処理量を確保するために,どういう手だてを打っておられるのか,お伺いをします。  2つ目は,この再資源化で売り上げが年間3,000万ということでありますが,組合に対して経営改善対策をどのように指導されておるのか,具体的にお聞きをいたします。簡明にお答えください。  以上。 43 ◯坂本産業振興局長 まず,インセンティブで正規雇用を義務づけという話でございますけども,まず,この企業誘致のインセンティブ,もう本当にこれ各都市インセンティブ合戦になっておりますけども,投資促進に着目したインセンティブと雇用創出に着目したインセンティブがあると思います。  今我々がいわゆるエンタープライズゾーン条例によって,固定資産税とか事業所税などの軽減している,あるいは県が不動産取得税の軽減とか設備投資補助,こういったもの,そして県・市協調の金利補助制度,これは投資促進に着目したインセンティブであります。  今三重県があの補助制度をつくって以来,各都市とも猛烈な,これでもかこれでもかというインセンティブ合戦になっております。今県と市の制度をあわせて企業誘致に取り組んでおりますけれども,ここに正規雇用をしなければならないといった条件をつけるということになりますと,このインセンティブの効果,私はないと思います。そういったことで,この今の企業誘致のインセンティブに正規雇用を条件づけるといったことは,今のところ考えてございません。  そして,今の雇用の分でございますけども,雇用創出に着目したこのインセンティブは,今県・市全体の役割分担の中で,兵庫県にお願いしております。それで今おっしゃいましたように,来年度から派遣職員などを対象外として,正規職員にウエートを置いた制度に改正されるというふうに聞いてございます。  それで,ワーク・ネットワーク,クリーンヒットやないということでございますけど,私はいわゆる雇用政策あるいは労働行政いうのは,いつも言うてますけども,本来,国の仕事だというふうに私は思ってます。なぜ,今この2万人雇用とか就業促進の施策をやってるかと言いますと,やはり神戸の企業を元気にするためには,働く場だけでなくて,そういったいわゆるすぐれた従業員,そういった労働力を育てなければならない。そして着実に就業につなげるという必要からやっております。  ただ,今回のこのワーク・ネットワークは,午前中も申し上げましたように,いわゆる行政機関──国・県・市,そしてそれぞれの教育機関・労働団体・NPO,そういったいろんな分野が,就業に絡むいろんな分野が入っておる。そういった場ができたということについて,私はクリーンヒットだと申し上げましたけれども,これからこの中で,このワーク・ネットワークを活用して,今後いろんな課題が出てくると思いますけれども,そういったことについては,今後取り組んでいきたいというように思っております。  私からは以上です。 44 ◯吉武産業振興局次長 まず,魚腸骨の再資源化事業でございます。  魚腸骨の再資源化事業につきまして,神戸市におきましては,市内の小売・仲卸・卸の皆さん方が協同組合をつくられて,魚腸骨の処理を目的とした協同組合を設立をされまして,フィッシュミール工場を建設しリサイクル事業に取り組んでおられます。神戸市としても,一般廃棄物の処理責任にもかんがみて,引き続きリサイクル事業を推進していけるよう支援する必要があると思ってございます。  先生ご指摘の経営改善でございます。事業の実施に当たりまして,フィッシュミール協同組合に対しまして,日ごろから効果的かつ効率的な事業運営ができるよう指導してきておりまして,組合におかれましては,経営改善あるいは安定操業のための改善策が講じられてきております。具体的には,効率的な人員配置をはじめとする操業効率の改善であるとか,排水設備の改善あるいは工場内清掃の徹底による環境対策の充実,あるいは毎日の朝礼における作業内容の確認あるいは安全操業の周知徹底,こういったことに取り組まれてこられました。  この結果,機械トラブルの減少あるいは製品の安定化,人員の削減あるいは汚泥処理経費の経費削減など,そういった経営改善が図られてきたところでございます。  産業振興局といたしましても,こういった工場の操業状況を把握するために,組合の方から作業日報を翌日には提出していただき,また定期的に工場に赴きまして操業状況の確認等もしてございます。また,経理状況につきましても,魚腸骨の搬入記録あるいは支出伝票・通帳など,そういった関係書類の提出を求めまして監査も行っておるところでございます。  そういった中で,魚腸骨のリサイクル事業を取り巻く環境というのは,事業の性質上,悪臭あるいは排水などの環境対策が必要であること,それから産地加工の進展に伴いまして,市内で発生する魚腸骨の量が減少といった傾向にあって,採算面では厳しい状況になってございます。  先ほど先生の方から,処理量が減っているというご指摘の1つの原因が,市内での発生する魚腸骨の量が減少傾向にあるというのも1つの原因になってございます。  そういった中で,もう1つの先生のご質問でございますけれども,それの収集量の増のための努力をどんなふうにしているのかということでございますけれども,1つは,環境局と協力いたしまして,魚腸骨のリサイクルの啓発のチラシ等によりまして啓発を行っていく,それからフィッシュミール工場におけます搬入手数料を,平成18年の4月よりキロ4円から無料に引き下げをしております。そういったことで魚腸骨収集のための努力をしていきたいというふうに思ってございます。  そういった中で,採算面が厳しい状況の中で,水産物流通業界が冒頭申し上げましたように,魚屋さんから仲卸・卸の皆さん方が一体となって,リサイクル事業に取り組んでおられるということでございますので,フィッシュミール協同組合に対して一層の経営改善はもちろん促していくわけでございますけれども,一般廃棄物の処理責任の観点から,引き続き事業を支援していきたいというふうに思ってございます。  若者の関係の中で無料職業紹介所の件でございます。  先生ご指摘のように,平成16年の3月施行の改正職業安定法で,地方公共団体がみずからの施策に関する業務に附帯して行う無料職業紹介事業について,届け出をすれば実施可能になったということでございます。先生ご指摘のように,やろうと思えばできるという──法的にはできるということになりました。  それから,一方で,神戸市内におきます職業紹介というのは,神戸・灘・西神のハローワーク3カ所に加えまして,若者向けにはハローワークプラザ三宮に,ヤングワークプラザが設置されております。実は,このヤングワークプラザというのは,全国に5カ所しかないものの1つが三宮にございます。それから,女性を対象にしたマザーズハローワーク,これもこの三宮にございますんですけれども,これも全国に12カ所しかないうちの1つが三宮に設置をされております。  それと,一方では,神戸駅前に兵庫県が設置いたしました若者仕事クラブ,いわゆるジョブカフェでございますけれども,これも設置されておるという形でございます。(発言する者あり)  あれはやめるんじゃないみたいです。そういった形で,神戸市内における職業紹介というのは,非常に充実してるというふうに思いますし,先生のご指摘のハローワーク任せということじゃなしに,無料職業紹介を本来やるべきところは,国のハローワークの仕事でございます。それが神戸市内で不足しているといった状況あるいは利用状況が少ないといった状況ではございませんので,神戸市みずからが無料職業紹介所を設置するということは,同じ答弁で恐縮ですけども,考えてございません。  その一方で,やはりこれだけの機関がありますから,やはり神戸市は神戸市のチャンネルを持っておりますので,特に若者でございますけれども,こういった機関を紹介して,相談業務を相当充実しておりますので,そういったPRをやはりやっていくということ,それから,いろいろなセミナー等を各機関がそれぞれやってございます。できるだけ神戸市も連名で,一緒になってそういったセミナー等も開催していくというようなことも必要だというふうに思っております。そんな形で,職業紹介については,神戸市としても参画をさせていただいて,取り組んでいきたいというふうに思ってございます。  それから,あと済みません。組合員数を──済みません,魚腸骨に戻ります。組合員数でございますけれども,今現在183社でございます。(発言する者あり)  全部でございます。  以上でございます。 45 ◯田中産業振興局主幹 雇用のルールにつきまして,わかりやすく解説したものを行政としてつくるべきではないかというご指摘でございますが,この法律改正につきましては,最近も国会で審議されているところでございますが,改正のたびに厚生労働省の方でパンフレットをつくりまして説明されているところでございます。  神戸市といたしましては,こういう法の改正等ありましたとき,または法の趣旨を徹底するために,このようなパンフレットのPRに協力をしたいというふうに考えております。具体的には,神戸市のホームページでありますジョブナビですとか,または,例えば男女雇用均等法に関するパンフレットでございますと,男女雇用機会均等に関するセミナーをするときに配布するなど,PRに努めているところでございます。  次に,合同就職面接会でございますが,この3月5日にワーク・ネットワークの事業として,市内の中小企業と求職者を対象にした就職面接相談会を開催する予定でございます。これは,神戸市とハローワークが中心になりまして開催するものでございまして,来年度も開催する予定でございます。来年度は,県民局も中心メンバーに入りまして,充実した形でしたいと考えております。  また,これ以外にも神戸市が後援・共催といたしまして,若年者を対象にしたセミナーなどを開催しております。これも来年度も共催・後援で実施する予定でございます。 46 ◯分科員(西下 勝) まずは,正規雇用の問題でありますが,インセンティブ策として雇用とその投資というか,というふうに言われて,正規雇用の義務づけ──つまりインセンティブで来てもらうんやから,その段階でそんなもん義務づけできませんがな,とりあえず来てくださいということでしょう。そら,それでまあ,そこでうまくいけば,張りついていただければ,その次の段階ではそしたらやるのかというのがあるわけですね。それはどうされるのかというのはあると思うんですが,それはどうされるのかというのはある。  ただ,労働行政は,そら国・県だと。ただ,私が申し上げたいわゆる改正雇用対策法,これをどう受けて,どうしようとしとんのかというのが問題だと思うんです。例えば,そういう意味で言うと,市が補助金やインセンティブをやったとこは,それはそれで,これは引き続き──それはそういう角度で張りつけば,当然ながら正規を求めてもらうということをやってもらわないかんと思うんですが。この雇用対策の──つまり労働行政という側面からだけでなくて,雇用と,あるいは2万人雇用と,こういうふうに皆さん,おっしゃっておられるわけでありますから,いわゆる改正雇用対策法で,この5条で言われとる中身です。わざわざここが変えられたわけですよね。地方公共団体は,国の施策と相まってと,こうなっとるんです。だから,国と県だけではないですよと,公共団体と言えば,指定市も県ももちろん入ると思うんですが,当該地域の実情に応じ,雇用に関する必要な施策を講じるように努めなければならないですよ,こうなったんでしょう。これが,正面から受けとめられて皆さんが具体化をしとんかと,その点で弱いんと違いますかと私言っとるんですよ。  ですから,神戸において雇用に関する必要な施策を講じる努力,これに対してどうされとんかということをお聞きしとるわけですから,お答えください。  他都市のことを言うのは,皆さん余りお好きでないんですが,大阪の例を私,いろいろ,前回の──先ほどの次長が答えられた職業紹介もそうなんですが,大阪で取り組まれとる。余り大阪大阪言うなと言われるんでしょうが,いろいろやっておられるんですよね,これ。びっくりしました。まずは,雇用対策で30億円の基金を組んで,もう全部申し上げませんが,雇用施策その他で,今言った無料紹介事業もそうなんですが,ほかに就職困難者の就職に向けた支援が必要な人への就業促進とか,若者の職業観醸成事業とか,あるいは生活保護・野宿生活者への自立の支援とか,そういう人たちに雇用の施策を展開する。あらゆる手だて,7項目ありますが,基金を積んででもやると,こう言われておるんです。それと比べてみて,今のような答弁で,基本的には労働行政は国・県だと。この視点はあかんと思うんです。  こういう,つまり法改正が行われとるのに,これを皆さん,どう受けとめてやっとるのかと,ここのお答え全然ないんですが,それもう1遍お答えください。何も大阪と同じことをせい言いませんが,極めて踏み込んどるわけですよ,数年前から。大阪5万人超えたと──皆さん,2万人や言われとるけど,5万人雇用だけでなくて,さらに5万人雇用するには,何をどうするかというの,数値目標も全部出されてます。新しい開拓も含めてですよ。そういうところから比べて,同じ指定市でしょう。弱いと思いますから,もうちょっと,局長は最後ですから,いろいろ考えてもうて,あと後輩に譲って,これやっとけというぐらい言ってもらわないかん。だから再度お聞きをします。  それから,若者ですが,これ面接会を来年もやります言うて,年1回であかんねんからと言うとるんやから,もうちょっと具体的に──1年に1遍しかせえへんというこっちゃね,それではあかんということを言っときます。もうちょっと,あらゆる機会つくる必要あるんですよ,やっぱり。  それから,無料職業紹介所,次長,同じ答弁してええかいなと。届け出したらできるいうんやったら,ハローワークに任さんと,市がその気になって若者対策やると言うんであれば,やったらどうですか,これ。そういう受け身で──そんなもん,全国で5つや12あるやつが,1つ三宮にあるからいうて,それはそれでよろしいやん。プラス,市として何をするんかと。やれることが現に法改正によって,できるようになっとるんです。それもせえへんというのは,怠慢と言うと皆さん怒るかもしれませんが,これは極めて不十分だと思いますから,こんなことで,はいそうでっかということでは済まされない。やるまで私,質問しますが,もうちょっと前向きに検討してもらわな,これ困ります。  パンフレット,厚労省つくっとる,何冊つくっとんですか。そらインターネットあります,こう言われるかもしれん。それでは不十分だから私は求めとるんですよ。  例えば働くことについて基本的なことが全くわかってないという,高学歴で卒業された皆さんでも,もうほんまに僕もちょっと話をしても,働くということの──僕らから言うと権利とか,規則とかいろいろあるが,これすらもう全くわかってないという驚くような実態が実はあるんです。  そこで,例えば私が求めとるのは,労基法とか,派遣でも,そらきのうの厚労省の通達にもあるんですけど,製造業で3年働いた場合,3年超えたら受け入れ企業は派遣労働者に直接雇用を申し出る義務が生じるんやけど,それすら知らないという実態,あるんですよ。だから,そういう人たち,若者に対して,こういう──つまりわかりやすい労働法であるとか,関連施策について行政としてやっぱり若者に手だてをとってやるということは必要だと思うんです。  現に,成果上げとるとこ,あるんです,これ。例えば岡山ではサポートセンター,これは県ではありますが,設置をして,窓口で就職が決まった人の7割,正規雇用やと,こう言われとんです。高校卒業生全員に労働者の権利を啓発するためのヤングサポートガイドを配ったと,これがやっぱり何にも知らん人にとっては,ああ,こんなものかという受けとめされとるんですね,やっぱり。ですから,行政として,知らん人おるんやから,皆さんの手で,別にそれは厚労省に,国に任すんやなしに,市としてやるべきことはやるべきだと思うので,もう1度,それぐらいのことはやられるのかどうか,お伺いをしておきます。  無料紹介所やらんと言われましたが,大阪で,平成16年で1,474件あって6,307人の開発・開拓をした。具体的な数値目標持ってやっとるんですよ,やっぱり。これだけの数値も持ってやっとると。神戸市は知りまへん言うて,そんなんでええのかということなんです。だから,そういう多様な施策を行政が責任を持ってやるということが要るわけですから,改めてもう1度,今の点,もう繰り返しませんが,お答えください。  それから,魚腸骨ですが,183社,キロ4円から無料やと,こう言われておりまして,改善も一生懸命,環境と協力してやっとると言われますが,この間努力されてきたんでしょう,とは思います。しかし,例えば今4円か──無料にしとると言われとるけど,余り具体的に言うとどうかと思いますが,市場の魚屋さん,組合がやっとるからということで,今までは安かったけど──一律1万円ですよね,払うてはるの。2万円の人もおります,それはね。そら努力ですから,それはそれでいいんですが,もう耐えられない言うてます。つまり,だんだん売り上げが落ちてきたということでね。もう零細事業は大変やと,事業系ごみ,これ環境局とPRいうて言われてますけど,逆です。もう少ないとこは──そら,でっかい頭があるとこは別ですよ。小さいやつは,いわゆる事業系ごみで出してますというふうに,むしろ逆になりよんですよ,これ。環境局と協議して──ふやします言うてますか,環境局。そんな話,全然ないん違いまっか。だから,むしろ量は減っていきよると。今いろいろ協議して,何やかんや言われとるけど,現に減っとんのにやね,歯どめかかってませんやん。組合の皆さんは,組合費出して,1万円取られて,もうこの1万円,払われへんというふうになってきたと。そんなら,あらの確保,まじめにやりよんかと,神戸市は指導しとんかと。例えばスーパーやとか,ダイエー──固有名詞出すとどうかと思いますが,そういう大きな店舗の確保なども本来せなかったら,もうもてへんと,こう言ってますが,そういうような指導やっとんですか,これ。2億2,000万は出すと,10人にですよ。10人と言えば失礼でありますが,量が減ってきよっても,改善策は目に見えてないわけでありますから。現に私広島まで行って,民間がやっておられるとこ見てきました。利益上げてはるんです。ごみ出す方に──ごみ言うたらあれですが,あら出す方に,お金出してもらわんでも結構ですと,何ぼか買いましょうというとこまでやって,現に売り上げを上げてはるんです。ここは2億,毎年ずっと出すと。このまま出し続けるということでええのかと思いますから,例えば営業努力を求めるんであれば,来年は1億5,000万にしますと,どう努力するんですかと。その次は1億に下げますよと──ぐらいの目標を持って当たっていただかなかったらいかんと思いますが,どうされるか,お伺いをいたします。 47 ◯主査(松本 修) 当局,済みません。質疑時間が残り少なくなっておりますので,答弁,簡明にお願いをしたいと思います。 48 ◯坂本産業振興局長 インセンティブの問題ですけども,一たん進出した企業も,今後定着が当然必要ですから,お願いが限界です。  それで,次に,雇用対策法の5条の改正ですけども,ちなみにこれは義務規定ではございません。努力義務で,地方公共団体はというのは,都道府県と市ということになろうと思いますけども,ただ,ワーク・ネットワークの場で一体どういったことが今必要かという議論をしながら,役割分担をして,同じことを県がやるのに,市も同じことをやる気はありません。それぞれが,神戸市民は兵庫県民でもあるし,日本国民でもあるわけですから,要するにトータルとして役割分担をしながらやっていきます。その中で,どうしても神戸市がやらなければならないことについてはやります。  私からは以上です。 49 ◯吉武産業振興局次長 無料職業紹介所及びその面接会,あるいはパンフということでございます。基本的に,先生は行政とおっしゃるわけですけども,行政の責任であります。行政の中で,国の責任の業務でございます。  雇用対策法のことでございますけれども,神戸市としてハローワークさんあるいは兵庫労働局さんと一緒になって,神戸市として何を一番したらいいのかというお話をしていたときに,やはり就業あっせんの方は自分たちがやると。神戸市としては,やはり企業をもっと引っ張ってきてほしいと,雇用の場をつくってほしいと。それからやはり景気・経済情勢をよくしてほしい,求職がもっと出るようにしてもらいたい。それからやはり自分たちのチャンネルでは,なかなか末端までいかないのを,神戸市は神戸市の独自のチャンネルを持ってるから,周知というのに協力してもらいたい。基本的なこういうお話を受けて,ワーク・ネットワークをやり──面接会でもパンフでも,国等でいろんなものをやっておられます。面接会もいっぱいやっておられます。ただ,その中で,ハローワークさんの方で,やはり例えば3月の時期というのは,存外空白の時期で,特に4年生で就職が結局できなかった人の面接会というのは,やはり少ないと。ですから,そういうすき間について,この時期にやろうということで,面接会もやらせていただいたというような経緯がございます。  そういったことで,無料職業紹介所の件につきましても,何度もお答えして恐縮ですけども,神戸市として今設置するという考えは持ってございません。  それから,フィッシュミールの方でございますけれども,指導をきちんとしてるのかという,引き続きお話でございます。収集量の増の努力は,大きな店舗について,個別に回って収集の努力をしておるわけですけれども,先生,先ほどおっしゃられた17年度の2,300トンよりは,18年度は何とか2,600トンぐらいまで持っていけるという見込みを持っております。非常に厳しい中で,業界の皆さん方がやってる事業ということで,引き続き支援をさせていただきたいというふうに思ってございます。  以上でございます。 50 ◯主査(松本 修) 西下委員,あと残りわずかでございますので,よろしくお願いします。 51 ◯分科員(西下 勝) もう質問しませんから。  これね……(発言する者あり)  別にすねてないけど。その2,300トンが2,600トンいうてね,とにかく私言うとるのは2億2,000万ですよ。これにもう手かけて,減らしてでも努力を求めるということがなかったら,支援支援って,いつまで2億続けるんですか。10年たったらもう──もうすぐですけど,20億ですよ。だから,方向転換を考えるなり──いうことを含めて必要だというふうに思いますから,それはそう求めておきます。  次長とは,いつまでたっても,こんな議論せなあかんのかなと思うのが,若者や雇用の問題で,これはちょっと,よし頑張ろう言うまで,私はやらないかんなと思っとるんです。  局長,最後ではありますが,県と同じようなことはせえへん,トータルでやと,こう言われると。この間,23日にシンポジウムやってますよね。市長がどんな発言したか,見てみました。とんでもないね,この発言。全くまじめに考えてない。
     例えば,最初は,神戸のまちの魅力について──ちょっとやっとうから美しいまちをつくろう思ってますというのはいいんですよ。そこで,松浦さんが,労働市場の激しい変化,どういうふうに見ればいいんでしょうかいうて,ずっと言われてきてね,フリーター云々もやられとるんですが,市長,どう言うたか,雇用問題に。こうですよ。雇用の体制ということで,雇用問題も契約社員やパート・アルバイトといった多様な組み合わせが出てくる可能性もあると思ってる,これで終わりですよ。方針も施策も何にもないじゃないですか。皆さんがもっと具体的に施策を,私が先ほど申し上げた大阪の例は気に入らんか知りませんが,もうちょっと突っ込んで,県はそれ一緒にやりまへんと言うんやったら,そしたら市で何するんかということぐらい考えて,市長がパネラーとして出とんやったら,ここでこういうことをやるというぐらいのことを発言できるぐらい,事務方の皆さんが頑張らなあかんの違うかと,私はそう思うんです。  ほかにも,先ほど言われた業を興すこととかいうのは,これ,ちょっと言われとるんですけどね。キャリア形成は,ネットワークで形成ができたらいいと思います,これだけですよ,市長言うとんのは。だから,努力義務やと言われましたが,国がそういう形で変えて,自治体もちゃんと真剣に取り組めということで変えとうわけですから,そういう点で言うと,もっと真剣に皆さん取り組んでもらって,市長がこんなしょうもない発言しかでけんというようなことは,もう変えてもらうと,皆さんの方で。それぐらいの施策を持ってもらわないかんと思いますので,頑張ってください。  局長,長いことご苦労さんでした。 52 ◯主査(松本 修) 次に,浦上理事,発言席へどうぞ。 53 ◯副主査(浦上忠文) 朝から大変激しい議論が続いておりまして,特にきょう,大会派順に話をする,正常な形言うたらおかしいですが,それで。今回やめられる藤本先生から,農業問題はじめなかなか格調の高い質問がありまして,民主党さんからは,技能の問題,工業高校の問題等,これまた勉強になりました。公明党の先生からは,中小企業の問題について,確かにそうやなというふうな,中小企業に対する熱い思い。また私の敬愛する共産党の団長さんからは,雇用の問題について,なかなかいろいろ激しい問題が論議されているんですが。私は私なりに,私なりの角度で質問したいと思うんですが。  まず,2つのお話を前置きとしてしたいんですが,大体,生命が地球上に誕生したのは,40億年前やそうで,それから綿々と命というものが続いてきて,それでずっとずっと農業とか狩猟とか漁業が中心に皆暮らしてきて。私とか今の局長が生まれたのは昭和21年ですが,そのころの日本の東京を見てますと,もう圧倒的に第1次産業の人が多い。それから第2次産業がおって,第3次産業なんか,円グラフで言うたらぴゅっとあるぐらい。それから私が成人して,大丸に入るころになると,もう1次・2次・3次ぐらいが並行するようになって──明治維新のころの福沢諭吉先生は,自分の一生で2つの世の中を生きるようやとおっしゃいましたが──私とこや坂本さんの人生というものは,2つの時代どころか,もう幾つもの,今までの時代を全部生きてきたみたいな,多分。私なんか生まれた家,電球が1つしかなくて,必要なとこにつけ変えるような家でしたからね,まち中でですよ。それが今,もうこういう時代になってて,いろいろ時代というものは本当に発展していくなと。  しかも,命というものはずっと連綿と続いてますから,坂本さんや私のような1946年製のコンピューターやなしに,例えば井坂君のような1970何年代のコンピューター──明らかに発達している。そういうことがまず1つあって,こういう時代にどう対応していかないかんかなということが1つあると思う。  2つ目は,行政の役割ということについて,私よく考えるんですが,実は昭和44年に大丸というデパートに就職しまして,高槻という研修所で20日間,教育を受けてました。最後の3日ほど前に志望する店を書けと。当時,4つありました。東京の八重洲口にあったんですが,私は小学校の2年生から東京の少年でしたら,もう東京はええわなと。京都という道もあったんですが,京都に行ったら,何かだまされそうな気がする。大阪,心斎橋は何かごじゃごじゃしてるなと。これはもう神戸がええなと思って,神戸に丸をつけて,神戸にやってきました。そのときに,神戸市の──こう見えてちょっとまじめなとこもありまして──データをちゃんと見れば,当時,5大都市ですよ。横浜・名古屋・京都・大阪・神戸,こんだけ神戸って貧乏なんかと思った。勤労者の所得が低い。だからこそ原口さんが人口広めなあかんな,いろいろせないかんなと思って,一部にこの中でも反対する人おられますが,山を削って,海を埋め立てるということは,これは行政の仕事としては一番のことやなかったかな。  当時,当時ですよ,それが効いてきてですよ,今ね。私が入った38年前の大丸というものは,もう圧倒的な戦艦が心斎橋にあって,巡洋艦が京都ですか,ちょっと若い人にはわからんでしょうけども,昔の連合艦隊の話をしてますからね。大戦艦が心斎橋で,大きい巡洋艦が京都で,小さい巡洋艦が東京で,元町の店は駆逐艦みたいなもんでしたからね。それから38年たって,どうですか,今。今大丸を支えてんのは神戸大丸ですよ。今や──僕この前,大丸の奥田さんという会長に会って話をしたんですが,当時は,戦艦,心斎橋店やったけど,今神戸店はもう戦艦の時代やなしに空母やと。神戸店は,空母の上に旧居留地のプラダやとか何やらのショップを乗せている,そういう店の形態に変わってしまった。もう外商頼りの心斎橋なんてものは,例えば松下電器の鉛筆から納入してたような百貨店は──鉛筆なんか,みんなアスクルとか,ああいうとこで買いますわな。店の形態が全然変わってしまった。だけど,神戸が──そのとき僕は,ほんなら神戸,ええまちになったなと言ったから,いやいや私が主体になって12年,私が神戸を支えてるんですという話をしてたんですが──それは置いときまして,行政がやった時代を見据えて,とにかく山を削って人口をふやそうと,そういう施策をしたということは,非常に立派なことやと思う。  ほんなら,この時代が進んできたときに,今何をやるべきかということが,一番問われていることやと思うんです。私が思うのに,もうこれからの,今の1次産業・2次産業・3次産業というよりも,我が会派の一番若い,32歳の井坂信彦君は,これから浦上さん,4次産業・5次産業の時代です。4次産業は何や言うたら,それは情報やとこう言われる。5次産業は何かと言うと,これは感性やと言われる。今までの1次産業・2次産業・3次産業という,その区分もあいまいになって,例えば1次産業と4次産業というのを組み合わす。先ほどのパネルなんかそうですよね,1次産業と4次産業を組み合わせる。ほんなら,レストランなんかでも,あれは3次産業やけれども,3次産業と芸術とか,そういうものの5次産業と組み合わされるみたいなこともある。そういう枠組みをどう考えていくということが──もう多分,1946年製のコンピューターでは無理ですから,後ろの方に座っている皆さん方にお願いしたいと思うんですが,そういう前提の中で,大小取りまぜて5つの質問をいたします。  1つ目は,要するにベンチャー日本一のまち神戸というものに,私はしたいと思うんです。しかも神戸市もベンチャーは大切にしたいしたいとおっしゃっているんですが,しかし,本当に神戸というものが,何かしたい人は来なさいというふうなまちの仕組みになっているかと。例えば,いろんなこの産業振興局のいろんな施策を見てても,いろんな細々したことはあるけれども,それが本当にワンストップというか,1つまとめて,一体神戸に行って,どこに行ったらどういう相談ができるんやとか。あるいは産振センターのインキュベーションオフィスみたいな,私好きなんですが,あんなものがどんどんあるのがええと私は思うんですが,いやいや,あんなんは古くて,ちょこちょこいろんなとこにあるのがいいんですという意見もあるかと思いますが。私はとにかくああいう小さいものが集まって,まとまってみんなが議論するみたいな場があることは大変重要なことやと思うんですが,それについてどうお考えかということが1つ目の質問です。  2つ目は,それに関連してですけれども,私本会議でも神戸をアジアの創造首都にしたらどうかと,そのためにはデザインや職人や芸術家や研究員など,いろんな人が,うわさがうわさを呼んで,みんなが神戸に行ったら何かおもしろいことがありそうやぞと,神戸は住んだら楽しそうやぞと,神戸に行ったら仕事がありそうやぞと,そういう人たちが集まってくるみたいなまちにしたらいいと思うんですが,それについてどういうまちづくりを展開しようと考えておられるかというのが2つ目の質問です。  3つ目は,がらっとちょっと角度が違うんですが,中小企業や地場産業が,例えばホームページぐらいは自分とこでつくるぐらいの力とか,友達なんかの力を使って,そういうことはやっておられますが,もっともっと目を海外に向けるために,英語であるとか中国語であるとか,あるいはスペイン語でホームページをつくって,海外に向けてそれを発信して,中小企業ですから,それをそういう返事が来たら受けとめることは,初めのうちはできないかもしれませんけれども,そういうことを支援していくみたいなことを考えることは大切ではないかと思うんですが,それについていかがかというのが3つ目の質問です。  4つ目は,さきの本会議で公明党の吉田議員が,神戸で英語が使えるようなまちにしたらどうかというふうな質問をされてましたが,吉田議員も神戸のまちで,外人と英語で議論するみたいなまちを考えているわけじゃないと思うんですけれども,とにかく買い物なんか来たときに,簡単に話できるようなまちにしたらどうかと。例えば,私が勤めていた大丸でも,ストアガイド制度というのがありまして,これは英語できる人がバッジをつけておったんですが,そんなたくさんおるわけでないんで,だれか外人が来たら,何か店員さんが,何か浦上さん英語しゃべれそうやいうて連れていかれるんですが,もう手振り身振りですわ。言える英語いうたら,「メイ・アイ・ヘルプ・ユー」ぐらいしかあらへん。「アイ・キャン・スピーク・イングリッシュ・リトル」ぐらいなんですね。それでもう,ないないとか,あるあるとかも。それにちょっと毛が生えたぐらいの何かシートかCDでも渡して,ちょっとお店の人に勉強してもらって,ちょっと簡単な試験でもして,これやったら買い物ぐらいに対応できるなというたら,ここは英語が使えますというシールでもプレゼントして張って,まちじゅうが,初めはセンター街とか,ああいうとこから始まってもいいですが,行く行くは長田の丸五市場へ行っても英語が使えて,何かおもしろいおつまみが買えるみたいな,それこそ国際都市でないかと思うんですが,いかがかということ。  5つ目は,我が浦上事務所に相談に来るお年寄りの中──これ,元気なお年寄りが多いんですが,浦上さん,東灘区に畑をつくってくれへんかと,こう言うわけですね。もうゴルフも飽きたと,テレビも飽きたと,映画も音楽も何も飽きて,旅行も飽きたと。子供のころ,疎開しとったころにしたサツマイモつくったり,トウモロコシをつくりたい。何か市民農園いうもんが北区や西区の方へ行ったらあるそうやけど,あそこまで行くのは面倒くさいと。それで自分のマンション──失礼いたしました。今のこと,議事録から削除してくださいね。自分のマンションから見てたら,六甲アイランド,あれ広々しとるやないかと。当面,あそこを使う予定ないんやったら,あそこを貸し農園にしたらどうか。それとまちを歩いてたら,御影の辺でも何かフェンスが張ってあって,神戸市都市計画総局という看板が張ってあって,いつまでたっても草が生えては刈ってるみたいなとこあるけれども,あんなとこ,簡単にもうすぐ返してくださいみたいな畑にしたらどうかとこう,よう言われるんですが。市民農園の実態と,そういうことについてどう考えられるかということについて質問いたします。  以上でございます。 54 ◯坂本産業振興局長 神戸をどんなまちにしたいかということでございましたけども,神戸のまちいうのは,開港以来,港を中心に発展してきましたけども,明治の初めには,いわゆる新しい夜明けを迎えて夢と希望を抱いて,何か新しいこと始めたいといういわゆるごんたくれが割と集まってきたまちでないかなと思います。中には,もう無一文で一旗上げたろうということで来た人もおりましょうし,別に生活に困ってるわけやないけれども,新しいことにチャレンジしようという,そういった進取の気風あるいは挑戦の風土のあるまち,これは神戸のまちという──受け継がれていると私は思ってます。そういった神戸の強み,神戸らしさというのをいかに維持し伸ばしていくかということが大事ではないかなというふうに思ってます。  午前中にも中小企業活性化プランの中でも,神戸らしさという中で,今の4次・5次だけがすべてというような感じを受けましたけども,当然やっぱり1次・2次,特に物づくり産業というのは,これは原点ですから,4次・5次の情報とか感性という産業もこれから必要になってくるでしょう。だけど,それだけでは成り立たないと思います。ただ,神戸というまちは,そういったものを受け入れる土壌があると私は思っています。ですから,神戸の都市イメージ,これは先生が大丸神戸店を選んだときのように,やはりこの神戸のまち,あるいは美しさ,神戸のイメージ,ファッション,おしゃれ,女性があこがれる,そういったものというのは,着実に今の居留地を中心に,特に伸びてきていると思いますけども,そういったものを大事にしていくことが大事じゃないかなと思っております。  今医療産業都市構想進めてますけども,あの中でもかなりのやはり知的集団が神戸に集まっています。そういった方を医療だけやなくて,いろんな異業種との交流の中で融合しながら,新たな価値創造につなげていく。こういったいわゆる神戸の元気──らしさいうものをやっぱり伸ばしていく必要があると思います。  私も神戸を日本一起業しやすいまちにしたいということを常々あいさつのとこでも言うとるんですけれども,そういった挑戦という,そういう風土をどんどん伸ばしていきたいなというふうに思っています。  多言語の問題についても,やはりサインなんかも非常に大事ですから,徐々にそういった形にしてますし,私はちょっと英語がようしゃべれませんから──ですけども,しゃべれたらええなというふうに思いますし,いずれにしても神戸のまちらしいものに,これは行政だけでできる問題ではありませんから,みんなでそういうまちにしていく,その必要があると思います。  何か,答えになったかならんか,わかりませんけど,私はそのように思ってます。 55 ◯吉武産業振興局次長 企業のホームページに英語あるいは中国語・スペイン語といった,そういった外国語表記を進めていくべきではないかというご指摘でございます。先生のご指摘は,多分,日本語のホームページをやっとつくったと,そこにとどまらず,自分たちは海外にもっともっと飛躍していくんだという,やはりそういう意気込みを持って,それであわせてそういうものをつくれというご指摘だと思います。基本的におっしゃるとおりだと思います。  個々の企業ではございませんけど,たまたま調べてみたんですけど,業界の方はどうしてんのかなというので調べてみました。神戸にはアパレルあるいはケミカル・清酒・洋菓子とか団体がございますけれども,たまたま調べてみますと,日本真珠輸出組合とそれと灘五郷の酒造組合が,英語だけですけども,それは持っておりました。割と外人の方が見られる──私英語も私も余りあれではないんですけども,つたない語学力で言いますと,結構読ませることのできる,真珠の本来のよさ,アコヤガイのよさ,あるいは歴史みたいなものとか,お酒もどんな種類のお酒があって,どういうふうにつくられていってという,味わい方,結構読みごたえのあるものつくっています。ほかの業界は,英語表記はなかったです。やはりこの辺が,海外に出ていこうという意欲の差が出てきてるのかなというふうに思います。  いずれにしても,先生のご指摘は,やはりそういう気持ちを持って特にベンチャーあたりを応援していかないかんということだろうと思います。そういった気持ちを持って,単に英語のホームページを持つということだけやなしに,そういう戦略を持って,海外に事業展開していきたいというような事業者あるいは業界がありましたら,今ファッションの関係でブレークスルーという補助金を持ってるんですけれども,こちらの方で採択していくというようなことも考えられるのかなというふうに思っております。そんなふうに対応していきたいと思います。  以上でございます。 56 ◯安藤産業振興局次長 市民農園のことで現状から申し上げますと,昭和58年ごろから産業振興局の方で農地を借り上げまして,それを市民農園として提供してまいりました。これは北区・西区だけでなく,垂水区と須磨区にございます。2,300ほど区画がございます。  ただ,この市民農園事業は,民営の農園がふえてきたということもございまして,行政がやる必要性が薄れてきたんじゃないかという指摘を──大分量がふえまして,これは22年度までに元の地主の方が直接運営する形で民営化すると,そういう方向になってございます。  それで,先生ご指摘の土に親しむ,食の大切さを知る,その体験はどこでするのかということでございますけれども,市内にはそういうことで神戸市が提供してきた農園以外に民営の方がされている農園含めまして,6,000以上の区画がございます。現在これ少しあきがある状況でございますし,民営でされている方の中には,申し込みがふえてくればふやしたいと,そういうご意向の方もございますので,そういうところの利用が十分できるかなというふうに考えております。  産業振興局は,朝もちょっと申しましたんですけど,都市と農村の交流を推進する立場でございますので,土に親しむということであれば,北区とか西区とか,そういうところへ行っていただきたいなというふうに考えております。 57 ◯杉村産業振興局商業課長 買い物をするときに,英語で普通にやりとりができる商店街あるいはまちを目指すということでございますけれども,三宮センター街などでは,昨年2月,三宮インフォメーションギャラリーが設置されまして,買い物に来られた方々に店の案内を行っているところであります。また,この窓口には,英語・中国語・韓国語もですが,使える人材を配置しておりまして,窓口での案内はもとより各お店でどうしても外人の方が来られてわからへんときは,そこへ行って対応できるようになっております。  それと,もっと実際的には,それぞれのお店で何か困ったときには,斜め向かいのお店に行って──ふだんから英語をしゃべれる人を知ってるらしいです。ちょっと頼むわということで行かれて,そういったことで実際には対応してスムーズにいってると。ふだんからつき合いが大事やということを言われておりました。  それと,こういった事業ですね,産振局で地域力アップ事業というのをやっておりますが,そういったことを商店街などで取り入れたいということであれば,支援していきたいと考えております。  以上です。 58 ◯副主査(浦上忠文) それじゃ,余りおもしろかったんで英語のことから申し上げますが,今のはそれで,なかなか実態がそうで,おもしろいんでっせ。そやけど,私が思っている本当のその国際都市というのは,例えば長田──長田ばっかり出てきますが,長田の辺の,例えばお好み焼きがあると,なぜか外人が入ってくると。ほんなら,ダブルがどうやとか豚玉がどうやいうことを,ばあさんが,ぱっとこう英語で言うとるわね,例えばそれは,映画とかドラマの1シーンとしても,そういう何か細かいことが何となく神戸やなということがあるやないですか。例えば,御影のケーキ屋でもいいんですよ。アルバイトの大学生みたいなんが,何かリボンしてくれと言うたら,いきなり何かフランス語か何かで,こんなリボンでええかみたいな話をしとると。そういう何か細々としたことの積み重ねが,大々的に国際都市や何やら言うよりも,市民全体にそういうことがわき上がってくればいいなということなんで,そういう意味で言えば,今の答弁には非常に不満足なのであります。西下流に言うたらでっせ。それでいいのかと。  その辺は,これ以上言いませんが,その辺のことをまた心にとどめておいていただいたら,ありがたいなと思います。  一番初めの問題に戻りますが,日本一起業したいまちと,それ,いつもそういうふうに言われる。そういうふうに,それは行政だけでできることではありませんと言われましたが,ほんなら日本一起業したいまちにするために,それこそ,どういうことをされておって,それに対する問題点は何かと。それ民間とどういうふうなことをしていかないかんのかという前に,産業振興局として,その日本一起業したいまちにするという意気込みはいいですよ。意気込みは,そら私だって,まちではでっせ,世界一元気な市会議員と,よう演説してるんですが,この前もあるビジネスマンの方から,その根拠は何かと聞かれて,いやいや,それはこれから考えていくんですと,それとちょっと似たようなところがあるような気がしますので。日本一起業したいまちにするんやったら,本当に日本じゅうのありとあらゆる──どこの行政だって,うちはベンチャーやりたいうちはベンチャーやりたい言うのは──あらゆることを精査して,それをベースにしてアイデアを出して,将来こういうふうにしたいという方向性を持っておられるのかどうか。その辺について,ちょっと,それぐらいのちょっと最後,ぴしっと答弁していただかないと,ちょっと納得できんではないですか。 59 ◯坂本産業振興局長 私の願望でもあるわけですけれども,ただ,今インキュベーション施設の話も出ましたけれども,これは1カ所に全部まとまっているわけやありませんけれども,産業振興センターほか民間のオフィスも借り上げたりして,かなりあると思います。  そして,今一番力入れてますのは,いわゆる神戸の挑戦企業を総合的に支援するという,いわゆるドリームキャッチプロジェクト,これは専門家がどういうことをやりたいかという提案を受けて,目ききをして,そういった内容でこれは可能性があるなというものについては徹底的に応援すると。いわゆるコンサル派遣も当然するし,最後ファンドも今そういったことを用意している。そういったことで,かなりこれは,創設して2年になるわけですけれども,神戸市のメニューだけやなくって,国やら県にあるメニューもそこに一緒に組み込んで,そしてやってるということで,企業の口コミで非常に応募数が多いということで,他都市からも1つのモデルとしていろいろ注目されております。  これだけで済むというふうに思ってませんけれども,そういったものをずっといろんなこと拡大しながら,業を興す人が何か神戸へ行ったら何とかなるん違うかと,おもろいことやっとるなと。そういったことを広げながら,私,これは願望でございますけれども,日本一起業しやすいまちに近づきたいというふうに思っております。  以上でございます。 60 ◯副主査(浦上忠文) 今,最後にですな,いろんな地方,いろんな人がでっせ,何か神戸へ行ったら,何かおもろいことがあるなとおっしゃいますが,その前に答弁されたみたいなこと,それおもろいですか,何か。いやいや,いろんな支援策があって──いやいや,何も責めてるわけ違いまっせ,すべてが。柔和な精神でこう,あれしてるんですけどね。いろんな支援策があって,何やらいうことが,それ自体がいみじくも企業の口コミによってとおっしゃいましたが,普通に何か寝転がっとってでっせ,何にもないから,ちょっと神戸へ行ったら,うわさだけ聞いてでっせ,神戸へ行ったら何か起業しやすいまちや言うから,明治の初めみたいに,何か神戸にだれか,何かいろいろアイデア持ってる青年がやってきたと。その人は,どっかへ行ったら──いやいや,もう神戸は起業しやすいまちですよ,どうぞ,よくお越しくださいませ,みたいなそういう窓口があるとか。あるいは本当におっしゃるように,もっとまちづくりを含めて,これ産業振興局だけの話じゃないですけど,とにかくわい雑な,おもろいまちやなと。そのことは置いといて,もうちょっと産業振興局それ自体として,もう1つおもろいとこやなという,もう少し何かこのわかりやすくおもろい,おもろさをちょっと説明してくださいませんか。 61 ◯坂本産業振興局長 そのおもろいということだけ言われたらあれなんですけども,やはりこのドリームキャッチプロジェクトですね,結局そういう事業に参画して,現実に上場する企業が出てきたとか,実際応募した人が,後々こういう面倒も見てくれたと,ずっとそういう成長過程において。そういった実績で,成功事例が出てくることによって,特にそんなにPRしなくても伸びていくと。ですから,実績をいかに上げて成功事例を生み出すかということで,今力を入れておりますので,そういった何社か上場企業も出てきておりますから,そういった実績をふやすことによって,結果的におもろいことやっとるん違うかというふうに思ってもらえるものと私は思っております。 62 ◯副主査(浦上忠文) 何かちょっと話がずれてることが,今初めて気がついたんですけど。いやいや,局長がおっしゃってるのはね,何かちょっと,大きい人の事業というか,企業が何かするときに,こうじゃというような話やと思うんですね。ただ,浦上忠文が考えてるのは,ほんまにさっき言うた,明治維新のころにもう無一文やと,神戸にやってきたと。そやけど──私も実は1つアイデア持ってるんですが,これを言うと,ちょっと不都合があるんで,そのアイデアは言いませんが,そのアイデアを神戸に,どこへ行っても相手にされんけど神戸に行ったら,このアイデアは何か神戸に行ったら,事業が興せそうやなという,そういうまちにしたいということではないんですか。そのことだけ,ちょっと聞いておきたい。 63 ◯坂本産業振興局長 実際,このドリームキャッチに応募してるのは,まだそんなに大きな企業やなくって,これからベンチャー立ち上げたいといった企業がたくさんあります。現実に産業振興センターの中で,企業育成室というところへ入って,実際入っている企業同士の交流もしながら,着実に力をつけている企業があります。ですから,そういったことを着実に進めることによって,初めてこれからやろうと思っている人も寄ってくるんじゃないかというふうに私は思ってます。 64 ◯副主査(浦上忠文) とするとですね,東京から無一文でやってくると,それで,アイデア持ってきたと。産振センターに行って,今おっしゃった──あれ何という窓口でしたか,育成何とか窓口……(発言する者あり)  いやいや,委員長,いいですか。  ほな,行って,その育成何とかいう窓口に行ったら,何らかの相談はできるようになっとるんですか,それだけちょっと,最後に。 65 ◯坂本産業振興局長 産業振興センターの窓口に行けば,そういったことについては懇切丁寧にご説明いたします。 66 ◯副主査(浦上忠文) それじゃ,私も一度訪ねてみたいと思いますんで。でも,本当にいろいろ教えていただいてありがとうございます。  と言うのは,私が言いたかったのは,本当に起業のまちにしたいという思いは,これはアイデアはね,ここにおるだれでもが──なかなかこれからの話ですけど,常にそういう気持ちだけは持って,本当にそういうまちがお互いに力を合わせてできるように頑張っていきたいと思います。どうもありがとうございました。 67 ◯主査(松本 修) 次に,加納委員,発言席へどうぞ。 68 ◯分科員(加納花枝) ちょっとトーンが変わってきまして,皆さん少しリラックスされたかと思うんですが,質問させていただきたいと思います。  本会議の方でも,格差社会とか──若い人たち,また私たち女性の働き方の中に格差がたくさんあるということで,新年度予算では,一たんやめた人たち,女性が再チャレンジできるような施策されるということで,それはそれで評価はしているんですけれども。この前,ちょっと時間がなくて十分質問ができなかったんですけれども,私たち女性は,日本の場合は,一応学校を卒業して働いても,結婚して子供ができると,やっぱり多くの人が退職せざるを得ないという状況に追い込まれて,また一定,子育てをするなりして,もう1回働こうという,それがそのときにはパートであったりアルバイト──正規にはなかなか戻れないということで,M字型雇用というふうに日本では言われていると思うんですね。  それで,男女共同参画プランを進めるために,神戸市ではいきいき事業所表彰というのをやられてまして,18年度の表彰も4カ所でありましたが,大変優秀な──女性も若い子育て中の人も働きやすい職場環境をつくられたところが表彰されておりまして,大きい企業と,また小さい企業とありました。せっかくこういうふうに表彰制度なんかをつくって,優秀な企業を発掘されて表彰しているわけですけれども,やはり問題は,それをいかにたくさんの企業に広めていただくかということだと思うんです。  局として,男女共同参画を進める局にお願いするのが本来だと思うんですが,多くの企業と窓口がある産業振興局──そしてまた女性が正規として働き続けるということは,市税収入にもかかわってきますし,そういう立場で企業の窓口として,産業振興局の皆さんにもう少し企業の方にも子育てしやすい環境をつくってほしいという,そういう何かアクションをしていただきたいと思うんです。  とりわけ,今保育所が足りないということ,そして0歳児はなかなか入れにくい,また長時間労働で,おじいちゃん,おばあちゃんが近くにいないと,正規では残れないという社会現象で,先日,NHKのクローズアップ現代でもやってたんですが。長時間働くために,長時間保育もまた行政がある程度責任を持ってやってくださってるんですけれども,そういう行政ばっかりが責任をとるのではなくて,企業がもう少し企業責任を持って子育てを支えていくという,そういう気風をつくるために産業振興局の方で何か,何かと言いましょうか,企業に対して働きかけをしていただきたいというのが第1番目の質問です。  それからもう1点,農業問題についてなんですけれども,朝,農業公園の入り口の六甲のめぐみの話も藤本先生の方から出てたんですけれども,とりわけことしは大変暖かい冬で,温暖化が大変農業にも大きな影響を及ぼしておりまして,テレビとか新聞見る限りでは,すごくすき込みをしておりました。私が質問を考えた時点では,国の方もこういうすき込みとか,もったいない,そういう投書とか電話があったんですかね,国の方でも国民の皆さんの意見をしっかりと受けとめて今後に備えていくという,そういう取り組みがあったようなんですが,2月23日で募集が終わってしまいましたので,もう終わってしまってるんですが。これも農業における気候の変動というのは,1つの危機管理だというふうに思うんですけれども,何としても,私は──すき込みというものがなかったというふうに報告は聞いておりますので,神戸市の場合は,キャベツが対象品目で──すき込みはしなかったという報告で,安堵はしてるんですけれども,今後やはり気候のこういう変動の中では,いろいろこういう状況にまたこれからも遭遇するかもしれませんので。それについて予算書を見ますと,農政費のうちの生産振興費というのは,10億ほどあるんですかね,そういう少ない予算の中でどういうふうに対応されるのか,まず,農業問題についてはこの問題でお尋ねしたいと思います。 69 ◯坂本産業振興局長 男女いきいき事業所表彰ですけど,私もこの選考委員の1人になっておるんですけれども,産業振興局としては,やはりこれをいかに企業に周知するかということがまず第一だということで,いわゆる産業振興財団で季刊的に発行してますE─Tipsとか,毎月発行してますこうべ経済つうしんとか,そういったものでそういったことをまずPRする。そしてちょうど午前中から出てますワーク・ネットワーク,この場を通じて,今後の──いわゆる女性の両立支援した,ライフスタイルに応じた,そういった働き方の中で,男女共同参画課が企業セミナーとかやってますので,いろいろそれなりにはPRしていると思いますけれども,そういった場でもやっています。  私もこれまで受賞した企業の経営者とは,かなりよくおつき合いすることがあります。そういった中で,これから思いますのは,非常に採用が今度は厳しくなってきていると,企業が。そういった働きやすい職場づくりというものを,企業も本当に真剣に考えていかないと,人が集まらないということになってくると思います。  現実に,最近ロックフィールドさんなんかが企業内保育所をつくられましたけれども,実際それができたことによって,女性のパートの方が,非常に優秀なパートさんが集まると。自分は働きたいけれども,どうしても子育てがあってできなかったということで,これはやっぱりそういった働きやすい環境づくりに努めるというのは,企業にとっても,そういった地域貢献的な,あるいは社会的責任を全うするということで,非常に企業イメージも高まって,ええことになっていると思いますので。企業そのものも,企業規模によりまして,いきなりどの程度できるかいう問題ありますけれども,そういった気持ちは持っていると思いますので,今後我々いろんな機会をとらえまして,企業にもそういったことを周知していきたいというふうに思っております。  私からは以上です。 70 ◯安藤産業振興局次長 野菜の廃棄の件でございますけれども,ご指摘のように,神戸では発動されませんでしたけれども,全国的にキャベツ,大根,白菜──産地廃棄,これは国の制度ですけども,緊急需給調整対策事業ということで廃棄をされております。これは,廃棄がされますと,それまで耕作に必要だった種代ですとか肥料代ですとか,そういうふうな物的なコストが発生してまいりますので,それを耕作者と国が半分ずつ出し合って基金を積んでおります。そこから保険が出される,そういう仕組みの制度でございます。  これは,価格が下がった場合に,いきなり廃棄ということではなくて,まず,出荷の後送りと,そういうことをやって,それでもなおかつ価格が下がってしまった場合には,やむなく廃棄という,そういう制度でございます。  廃棄でなく,有効利用ができないのか,それからそういう声もあることも十分承知しております。何よりも農家の方自身がせっかく育ててこられたものを廃棄しないといけないということで,非常に残念に思っておられると思うんですけれども。逆に,これを何らかの形,例えば加工に回すとか,そういうふうにいたしますと,もともと必要量に対して多い量が出ていったために価格が暴落しているわけですから,市場にのせてしまうと,さらにそれを促進してしまうと,そういったこともございまして,現状では,なかなかこの廃棄にかわる妙案がないというのが実態でございます。  危機管理というご発言がございましたけれども,実は,平素から生産者の部会ごとに,市況の情報を得ながら計画出荷ということをやってございます。ただ昨年のように全国的にああいうふうな温暖の気候になりますと,影響が非常に大きくなってしまいますので,最終的には廃棄ということを選ばざるを得なくなったということで。農家の状況を考えますと,7割を切ってしまうと,もう完全にコスト割れしてしまうという状況になってしまいますので,現状では,最後の手段としてはやむを得ない制度かなというふうに考えております。 71 ◯分科員(加納花枝) これまでにも女性の就業率が神戸市は低いということで,何度か質問はさせていただいてきたんですけれども,17年度の国勢調査の結果が──大きいものが出てきましたので,ちょっと見ておりましたら,とりあえず神戸の女性の労働力率というものは,平成12年の国調のときは39.9%だったものが,17年度の国勢調査では42.5%に上がったということになっております。  しかし,男女共同参画施策推進のためのまとめが毎年1回出ます。それは全庁挙げて男女共同参画を進めていくんだということで,局長なんかもお入りになる場合があるかと思うんですが,やはり調べておりますと,どう言いましょうか,正規の職員が,正規の雇用が女性の場合は低いと。先ほど局長は,女性,主婦の場合は──ちょっとはっきり覚えてないんですが──主婦の場合は正規,長時間働かなくてもいいので余り問題にしなかったけれども,若者の場合は次世代を担う世代だし,ちょっとこういう状況では何とかせんといかんなというようなことを言われたんですが,若者も女性も一緒で,やはり女性であっても,非正規にならざるを得ない状況だから,パートやアルバイトで働いているわけで,明らかに賃金格差が6割とか半分ぐらいの実態にもあるということなので,そういうことも少し考えていただいて,具体的にこれから企業とどういうふうにしていただくのか,きょうは即難しいことだとは思うんですけれども,やはりもう少し産業振興局としても,労働という立場で男女共同参画社会が実現できるようにお願いしたいと思いますので,お時間があったら後でコメントだけいただきたいと思います。  もう1点,今農業問題なんですけれども,たくさん一遍にでき過ぎた,それをどうしておくかというのでは,素人的には白菜なんかだったら,私たちは買いますと,新聞紙にくるんで1カ月ぐらい置いておけますよね。ことしもそういう中でやってきましたので,もう少し工夫を日ごろからしておいた方が危機管理ができるんじゃないかと思うんです。  午前中に農業公園の入り口の六甲のめぐみには,年間50万余りの人たちがいてという,そういう中で農業公園に対する手だてが余りできていないということで,それでちょっと質問のところで言ってなかったんですが,農業公園の問題も大変深刻な問題だと思うんです。私たち記憶している中では,農業公園に対して公債基金からお金を貸しているという部分については,もうぼつぼつ3年ぐらいの間の猶予か何かで返す時期が来ているんじゃないかなと思うんですが,この予算書を見ておりますと,基金へ返す分というのは,公債基金借入金返還金というのは,2,290万1,000円だけなんですけれども,この公債基金への借金返しということについては,どうなっているのかということをもう1回お伺いしたいのと。それと,とりあえずそれをもう1度質問いたします。 72 ◯安藤産業振興局次長 公債基金の償還の件でございますけれども,この基金の償還の期限は19年,ことしの10月に到来をいたします。この基金の償還の財源として,農業公園,フルーツ・フラワーパークと機能統合した後の余剰地を売却してこの償還に充てると,そういうスキームになってございます。  これにつきましては,いろいろ処分等方策を検討しているところでございます。まだ──10月でございますので,いろんな話が今来ておりまして,少し面積も広いということもございまして,なかなかこれだというのが,決め手がないのが実情でございますけれども。最近,少し景気の回復に伴いまして,処分方策に関する企業等からの問い合わせも来てまいっておりますので,もう少し一番有利な形で処分できるような方策の検討に時間をかけさせていただきたいというふうに思っております。 73 ◯坂本産業振興局長 先ほど,女性は非正規でもいいというふうな受け取り方になったかもわかりませんが,私は,フルタイム勤務を希望しない女性の方とか高齢者の方は,そういう非正規という形態もあってもいいんじゃないか,ただ,その格差が大きいのは問題だというふうに申し上げました。当然,能力があって,正規を希望される方というのは,これからやはり非常に労働力が減ってまいりますから,企業もそういった能力のある方で,それだけ勤務をできる方というのは,当然そういうふうな形になってこようかと思いますし。これは将来的に,例えばフルタイムでなかったって,短い時間であったって,その人の職務と責任に応じた雇用形態いうのが出てくるんじゃないかなと,これは私の思いだけですけれども,そういうふうに思っています。  今の,19年度に企業に採用力アップセミナーと,要するに今までは明らかに買い手市場でしたけれども,今はもう売り手市場ですから,ある意味では。企業がどうしたら優秀な人材が来てもらえるかということを逆に訴えなければならない。そういったセミナーをやる中で,女性を含めた働きやすい環境づくりといったものも求めていきたいというふうに思っています。  以上でございます。 74 ◯分科員(加納花枝) 時間ないですね。  教育委員会の所管の中でも議論があったんですけれども,神戸の場合は,就学援助がたくさんふえているということで,保護者の経済力が大変落ちているということもありますので,女性といえども自立して働くためには,しっかりとした収入を得て,生きていきたいという思いもありますので,今いただいたお答えで,またしっかり仕事をしていただきたいと思います。  それから,農業公園の売却によって,初めて19年度分に返す予定の基金は返すということで,努力をされているということなんですね。予算書を見ておりますと,フルーツ・フラワーパークへの支援とか,神戸ワインへの支援とかで80億ぐらいお金が出ておりますので,これは1つの農政の中で大事な仕事であったのかとは思うんですけれども,今大きな負担になっているということは,予算書見てもわかりますので,また考えていただいて,しかし自給率を上げるためにも神戸の農業をしっかりと進めていただきたいということをお願いして,終わります。 75 ◯主査(松本 修) 次に,大野委員,発言席へどうぞ。 76 ◯分科員(大野 一) もう最後でありますんで,簡単にご質問いたしますが,局長も,もう5年ですか──ということで本当にご苦労さまでございました。この5年間で,いろいろとお仕事をしていただいて,神戸の経済が,きょうも朝から議論を聞いてまして,本当に難しいんやなということを改めて感じました。  古くは,重厚長大で,固有名詞を言っちゃいかんけれども,神戸製鋼やら川鉄やらといったような重厚長大,そしてまた港を中心にした物流,こういったところで神戸の経済が半分ぐらい,神戸の経済をそれで占めてきたんやというふうな時代もあったと思うんですけれども,それがこの10年,20年の間に著しく変わりましたですよね。その変化に対応していくために,行政の方々もリーダーシップをとって,次の時代はどんな産業がということを一生懸命考えながら進めてきていただいたこの5年間であったろうというふうに思いますが。  今その答弁の中で,局長はキーワードとして挑戦やと,神戸市の経済,神戸市とはということに対して挑戦やということを言いました。どうも挑戦といいますのは,経済的に言いますと,もうひとつしんどい話やなと。ざっと書いてみますと,挑戦という言葉で,イメージとして思うのは,不安定・低収入・青いと。いい言葉でいくと,将来の楽しみとか可能性とか創造力とか若さとか。非常にそういう意味じゃ,なかなかこの挑戦という言葉をベースにして,150万人市民が飯を食えるんかと。今市長が盛んに言ってます10%アップを目指すというような,そういう具体的なところまで,もちろんまだ掘り下げなり積み上げなり,そういった作業は,この局ではまだされてらっしゃらないんでしょうけれども,当然,市長があそこまでおっしゃったんですから,時間がたつにつれて,10%どないして所得アップしていくんやと。我々も非常に気になります。どんなことして10%アップしていくんやということに対して,本当に挑戦という言葉で賄っていけるかなという,非常に心配に思っています。  物が成り立ってきた,新しい物を生み出した,そのときに当然資金力がない。それをカバーしていく人材が果たしてそこまで集まるでしょうか。それだけの技術力がついてくるんでしょうか。小さなものをつくるときはよかったけど,マスプロになったときには,本当にそれができるんでしょうか。技術転換できていくんでしょうか。いろんな悩み事がいっぱいこれから出てきますよね。  そういう意味では,やっぱりドリームキャッチプロジェクトというのは,まさしくこの挑戦という言葉をベースにして,まさしく今生み出したところだと。これからこのドリームキャッチプロジェクトと言いますか,挑戦というこのキーワードをどう大きくしていくか。どんな工夫を皆さん方がしていくかというのが,これからの勝負どころやと思う。  局長は,残念ながらあと1カ月しかございませんので,これを機会に,後ろにいらっしゃる皆さん方に,どんなことを注意せなあかんねんでと,どんなふうにして仕事のスタイルを持っていかなあかんねんということをおっしゃっていらっしゃるのか,一度ここでお話しください。 77 ◯坂本産業振興局長 市民を守ることが神戸市政の使命であるというのが,矢田市長の口癖でありまして,目標を決めたら,とことんやり抜けというのが市長のモットーでございます。  その中にあって,産業は市民の暮らしのまさに基盤であり,私は血液とも言える重要な要素だというふうに思っています。そういう中で,私ども産業振興局の使命は,市内の産業を元気にして神戸経済の活性化を導く,こういうことにあると思っています。  そういう意味で,私の40年余りの役所生活の最後を産業振興局長というポストで終わらせていただくということは,恥ずかしながら一応経営学部に籍を置いておった者として非常に感謝をしておるわけでございます。  ただ,私は経済というのは,まさに生き物で,人の行動や心理に大きく左右され,なかなか理屈どおりには動かないんだというふうに思っています。経済活動というのは,あくまで民間の自律的な取り組みが基本だというふうに思ってます。我々行政の役割というのは,自律・自己責任の意識を持った元気な企業が神戸に集まって,神戸で育って,そして神戸に定着する,そういった条件整備あるいは環境づくり,そういったものだと思っています。  また,やる気を持った企業の意欲ある取り組みに対して,これを行政が支援して,後押ししてサポートすると,そういったものだというふうに思っています。そうした中で,少しでも成功事例を生み出して,その輪を広げていって,そういう効果をもたらして,そして活性化に結びつける,そういった施策が必要であると思ってますし,そういうことが求められていると。そういった思いで,私は5年余り取り組んできたつもりです。  私は,もう少しでこのポスト終わりますけれども,職員には,私は2つのことをいつもお願いしてきました。  それは,まず,現場ニーズの把握と,そしてスピードある挑戦です。時代は刻々と変化しておりますし,これまで常識であったことが,もう今常識でなくなっていることがたくさんあります。また,きょうの花形企業があしたには斜陽になりかねないといった非常に厳しい過酷な時代でもあります。そういったことで,まず,現場に足を運んでやれと,机の前で頭だけで考えたことは,自分はええ思うとっても,なかなか相手が望んでないことが非常に多い。そういったことで,現場が一体行政に対して何を望んでるんか,そういったことをまず自分の足運んで,自分の目で見て,自分の頭で考えてほしいと,そして肌で感じてほしいということを,1つみんなにお願いしました。  そして,もう1つは,自分がもう必要やと信じることは,すぐ手を打てと,すぐやれ,挑戦せいと。スピードが大事であるというふうに私は思っております。そういったことを言い続けてきました。役所によくあることですけども,ああでもないこうでもないと言うとる間に,もうタイミングを外してしまうということで,私はとりあえずやってみて,うまくいったらそれでいいし,うまくいかなければやり直したらいいと思ってます。場合によっては,やめたらいいと思ってます。職員には,仕事の結果──悪いことしたやつは知りまへんけど,仕事の結果責任は私がとるから,思い切ってやれということを今まで言うてきました。仕事の方向性を示すことと,仕事の結果責任をとることが,私の役割であるというふうに自分に言い聞かせて,これまできました。  何か,みんなに言いたいことないかということですけども,私,公務員というのは,あくまでサービス業やと私は思ってます。民間のように,営利追求型のサービスではないけれども,公共サービス業やというふうに思ってます。昔は,休まず,おくれず,仕事せずと,親方日の丸とかいう言葉がありましたけれども,今やその言葉は死語になってますし,そんな時代ではありません。  私は,手前みそになりますけども,神戸市職員とりわけ産業振興局の職員は,私を除いては,非常に優秀な人材が集まっているというふうに私は自負しております。そうしたことから,職員には,まず行政のプロになってほしいというふうに願ってます。  何か最後,お別れの言葉みたいになりましたけれども,最後に一言だけ言わせてください。  産業振興局は,略して産振局と言います。どうせ三振するねやったら,空振りの三振をせいと私は言い続けてきました。見逃しの三振だけは絶対するなというふうに,これは自分にも言い聞かせながら,5年間これを言い続けてきました。産業振興局の職員の皆さんには,4月以降も新局長のもとで,明るく,楽しく,前向きに仕事に励んでほしいというふうに思ってます。  どうもありがとうございました。 78 ◯主査(松本 修) 以上で,産業振興局関係の質疑は終了いたしました。  当局,どうもご苦労さまでした。
    79 ◯主査(松本 修) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。  長時間の審査,お疲れさまでした。  次回は,3月5日午前10時より,28階第4委員会室において,交通局関係の審査を行いますので,よろしくお願いいたします。  本日は,これをもって閉会いたします。  ご苦労さまでした。   (午後4時33分閉会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...