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  1. 神戸市議会 2006-09-11
    開催日:2006-09-11 平成18年第3回定例市会(第2日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時2分開議)  (浜本議長議長席に着く) ◯議長(浜本りつ子君) おはようございます。  ただいまより本日の会議を開きます。  最初に,諸般の報告を申し上げます。  去る9月8日付をもって人事委員会より提出されました「職員の給与に関する報告及び勧告」について,人事委員会委員長の報告を求めます。  細目人事委員会委員長。  (人事委員会委員長細目正璋君登壇) 2 ◯人事委員会委員長(細目正璋君) それでは,人事委員会が去る9月8日に市会議長と市長に行いました平成18年度「職員の給与に関する報告及び勧告」につきまして,ご説明申し上げます。  人事委員会の給与報告・勧告制度は,本市職員が労働基本権の制約を受けていることの代償措置として設けられており,職員の給与を社会一般の情勢に適応させる機能を有しております。  本委員会では,4月時点の民間企業の従業員の給与を正確に調査・把握し,職員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本に報告・勧告を行っております。  本年度の官民給与の比較ですが,人事院は研究会及び懇話会を設け,その比較方法の検討を行った結果,比較対象企業規模を 100人以上から50人以上に改め,民間企業の従業員の範囲についても,ライン職の従業員の要件を拡大するなどの見直しを行いました。  本委員会においても,同種・同等の業務を行う民間企業の従業員の給与をより広く反映させることが適当と考え,比較する企業規模や従業員の範囲について,国と同様の見直しを行うことといたしました。  職員と民間企業従業員の給与をラスパイレス方式により正確に比較しました結果,職員の月例給44万 5,485円は,民間の月例給44万 5,182円を 303円,率にして0.07%上回っておりました。  次に,特別給ですが,市内民間事業所で年間に支払われた賞与等の特別給は,平均給与額の4.43月分に相当し,職員の特別給である期末勤勉手当の支給月数4.45月分とおおむね均衡しておりました。  なお,参考に,比較方法の見直しを行わない場合を試算いたしますと,職員の月例給が民間の月例給を 4,769円,率にして1.07%下回り,市内民間事業所の特別給は平均給与額の4.51月分に相当しておりました。  ところで,職員給与の参考となります国家公務員の給与につきましては,去る8月8日,人事院から勧告が出されております。  それによりますと,国家公務員と全国の民間企業従業員の月例給の官民較差は,額にして18円,民間が上回る結果となっており,民間事業所で年間に支払われた賞与額等の特別給は平均給与額の4.43月分に相当し,国家公務員の期末勤勉手当の支給月数4.45月分とおおむね均衡しておりました。その結果,月例給・特別給ともに改定が見送られました。  また,少子化対策に対応し,3人目以降の子らに対する扶養手当の支給月額を平成19年4月から 1,000円引き上げることといたしております。  私ども人事委員会といたしましては,以上のような状況を受けまして,本年度の本市職員の給与改定の取り扱いとして,まず月例給について,給料表の改定を見送り,公・民の手当額の均衡を考慮し,配偶者に係る扶養手当の支給月額を 500円引き下げ,特別給については改定を見送ることが適切と判断いたしました。
     なお,配偶者に係る扶養手当の支給月額の改定の実施時期でございますが,条例の公布の日の属する月の翌月の初日,公布の日が月の初日である場合はその日から実施されるよう勧告いたしております。  さらに,本年12月期の期末手当の額において,本年4月からこの改定の実施の日の前日までの間の公民較差相当分について制度的に調整するよう,所要の措置を講ずる必要があるといたしております。  また,少子化対策に対応し,3人目以降の子らに対する扶養手当額を平成19年4月1日から 1,000円引き上げるよう勧告いたしております。  次に,給与構造改革につきましては,職務・職責や個人の能力と実績が適正に反映される新たな人事給与制度を構築する必要があると考えており,その内容といたしましては,年功的な給与上昇を抑制し,職務・職責に応じた給料構造への転換,勤務実績の給与への反映を柱とする給料表,昇給制度等,全般にわたる改革を講ずることと勧告いたしております。  最後に,給与報告・勧告にあわせて言及しております本市職員に係る諸課題について,給与構造改革に関する事項のほか,以下の3点を報告いたしております。  1点目は,人材の確保・育成・活用でございます。  団塊の世代の退職に伴い,来年度実施の採用試験から新規採用予定者数の増加が見込まれることから,優秀な人材の確保に一層努めることが必要といたしております。  係長昇任選考制度においては,職場において管理監督者が中心となり,より一層受験を奨励する職場環境をつくっていくことが必要といたしております。  2点目は,女性職員の登用・活用でございます。  管理職への登用を促進するとともに,先輩女性管理職による女性職員向けの説明会や,自分の経験をもとに助言する先輩であるメンター制度の研究も行う必要があるといたしております。  3点目は,職員の勤務環境の整備等についてでございます。  職業生活と家庭・地域生活との両立支援では,特定事業主行動計画に基づき,仕事と子育ての両立ができるよう,職場を挙げて支援することが重要といたしております。  公務運営の改善については,質の高い市民サービスの提供や市民所得の向上を図る取り組み,公務員倫理と服務規律,及び公正な職務執行,法令遵守の確保が肝要といたしております。  さらに最後に,職員1人1人に向けまして,日々職務に精励し,市民福祉の向上と危機的な財政状況の克服に懸命に努力されてきたことに敬意を表するとともに,全職員が引き続き高い士気を保持しながら,神戸2010ビジョンの実現を目指し,市民1人1人が真の豊かさを実感できる神戸のまちの創造に向けて,一層精励されるよう要望しております。  以上が本年度の報告及び勧告の概要でございます。  最後になりましたが,議員各位におかれましては,職員の給与に関する報告・勧告制度の趣旨をご理解いただき,適切に対応されますよう,何とぞよろしくお願い申し上げます。 3 ◯議長(浜本りつ子君) 人事委員会委員長の報告は終わりました。  以上,報告を終わります。  これより議事に入ります。  本日までに受理いたしました請願のうち,請願第 158号は,お手元に配付いたしております請願文書表のとおり,都市消防委員会に審査方を付託いたします。 4 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,お諮りいたします。  請願第 157号は,その趣旨から見て,空港・新産業に関する特別委員会に審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 5 ◯議長(浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。  それでは,さよう決定いたしました。 6 ◯議長(浜本りつ子君) それでは,日程によりまして,日程第1 予算第28号議案より日程第28 第78号議案に至る28議案,一括議題に供します。 7 ◯議長(浜本りつ子君) これより委員会審査の経過並びに結果について,関係常任委員長の報告を求めます。  まず,総務財政委員会委員長安達和彦君。  (42番安達和彦君登壇) 8 ◯42番(安達和彦君) ただいま議題となりました諸議案中,本委員会所管分の予算第28号議案の関係分,予算第30号議案,第57号議案から第59号議案に至る3議案,第77号議案及び第78号議案,以上合計7議案について,一括ご報告申し上げます。  まず,予算第28号議案の関係分は,起債認証見込みによる市債の増等に伴い,  また,予算第30号議案は,公債の元金償還金の増に伴い,それぞれ予算を補正しようとするものであります。  次に,第57号議案は,行政手続法の改正に伴い,条例の一部を改正しようとするものであります。  次に,第58号議案は,住居表示を実施する区域を追加し,当該区域における住居表示の方法を定めようとするものであり,  第59号議案は,住居表示の実施,宅地造成及び土地区画整理事業の施行に伴い,町及び字の区域並びにその名称を変更し,並びに町の区域を新たに画そうとするものであります。  次に,第77号議案は,工事請負契約案件であります。  次に,第78号議案は,市政の透明化の推進及び公正な職務の執行の確保に関し必要な事項を定めるに当たり,条例を制定しようとするものであります。  委員会は審査の結果,第78号議案に対して提出された修正案を否決した上で,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 9 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,文教経済委員会委員長土居吉文君。  (49番土居吉文君登壇) 10 ◯49番(土居吉文君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予算第28号議案の関係分,第60号議案,第75号議案及び第76号議案,以上合計4議案について,一括してご報告申し上げます。  まず,予算第28号議案の関係分は,県営ほ場整備事業における国庫補助の追加認証に伴い,予算を補正しようとするものであり,  第60号議案は,神戸文学館について指定管理者を指定しようとするものであります。  次に,第75号議案は,障害者自立支援法の施行に伴い,神戸市立学校の学校医,学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正しようとするものであり,  第76号議案は,長尾小学校の移転改築先の用地を,独立行政法人都市再生機構から買い入れようとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 11 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,福祉環境委員会委員長芦田賀津美君。  (37番芦田賀津美君登壇) 12 ◯37番(芦田賀津美君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予算第28号議案の関係分,予算第29号議案,予算第33号議案及び第61号議案より第68号議案に至る8議案,以上合計11議案について,一括してご報告申し上げます。  まず,予算第28号議案の関係分は,現代的教育ニーズ取組支援プログラムの国庫認証決定及び事業系一般廃棄物指定袋制度の導入に伴い,予算を補正しようとするものであります。  次に,予算第29号議案は,保険財政共同安定化事業拠出金の予算を補正しようとするものであり,  予算第33号議案は,神戸市立中央市民病院整備運営事業に係る債務負担行為を設定しようとするものであります。  次に,第61号議案は,障害者自立支援法の施行に伴い,サービス事業所等の設置等を行おうとするものであります。  次に,第62号議案より第65号議案に至る4議案は,国民健康保険法等の改正に伴い,  第66号議案は,出産育児一時金の変更等に伴い,いずれも条例の一部を改正しようとするものであります。  次に,第67号議案は,事業系一般廃棄物指定袋制度を導入するに当たり,  第68号議案は,事業系一般廃棄物手数料の変更等を行うに当たり,いずれも条例の一部を改正しようとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 13 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,建設水道委員会委員長亀井洋示君。  (51番亀井洋示君登壇) 14 ◯51番(亀井洋示君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予算第28号議案の関係分,予算第31号議案,第69号議案及び第70号議案,以上合計4議案について,一括ご報告申し上げます。  まず,予算第28号議案の関係分は,国立公園等休憩施設整備に伴い,  予算第31号議案は,高金利債の借りかえに伴い,それぞれ予算を補正しようとするものであります。  次に,第69号議案は,桂木53号線をはじめ 155路線を市道として認定し,六甲村71号線をはじめ22路線などを廃止しようとするものであります。  次に,第70号議案は,神戸市道路公社が新神戸トンネル有料道路事業の一部変更について,国土交通大臣の許可を受けるに当たり,道路管理者である本市に対して同意を求められたので,これに同意しようとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 15 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,港湾交通委員会委員長田路裕規君。  (64番田路裕規君登壇) 16 ◯64番(田路裕規君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の予算第32号議案についてご報告申し上げます。  本件は,ポートアイランド及び六甲アイランド港湾関連用地売却に伴い,予算を補正しようとするものであります。  委員会は審査の結果,原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 17 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,都市消防委員会委員長梅田幸広君。  (22番梅田幸広君登壇) 18 ◯22番(梅田幸広君) ただいま議題となっております諸議案中,本委員会所管分の第71号議案より第74号議案に至る4議案について,一括ご報告申し上げます。  まず,第71号議案は,相手方に対して,神戸国際港都建設事業鷹取東第二地区震災復興土地区画整理事業における建物の不法占拠による使用料相当損害金の支払いを求めて,神戸地方裁判所に訴えを提起しようとするものであります。  次に,第72号議案は,神戸市営番ケ平住宅の建てかえ事業により,五色山南住宅を設置しようとするものであります。  次に,第73号議案は,北区緑町における本市所有の土地を事業用地として売却しようとするものであります。  次に,第74号議案は,消防組織法の改正等に伴い,条例を改正しようとするものであります。  委員会は審査の結果,いずれも原案を承認することに決定いたしました。  以上,報告を終わります。 19 ◯議長(浜本りつ子君) 以上で関係常任委員長の報告は終わりました。  委員長の報告に関し,ご質疑はございませんか。  (「なし」の声あり) 20 ◯議長(浜本りつ子君) ご質疑がなければ,次に赤田勝紀君外12名から,第78号議案神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例の件に対する修正案が提出されておりますので,これより提出者の説明を求めます。  52番段野太一君。  (52番段野太一君登壇)(拍手) 21 ◯52番(段野太一君) 私は,日本共産党議員団並びに新社会党議員団を代表して,第78号議案に対する修正案についてご説明申し上げます。  本修正案は,第78号議案神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例のうち,要望等の対象に市長や助役,職員を加えようとするものであります。  提案されている条例案では,定義第2条の(4) 要望等の定義は,職員等以外のものが職員等に対して行う当該職員等の職務に関する要望,提言,相談などとされています。この定義では,市長や助役,市職員などからの要望や依頼は除外されることになります。  修正案は,この(4) を一部修正して,「職員等以外のものが職員等に対して行う」という部分を「職員等に対する」に変更するよう求めるものであります。  この修正によって,要望者とされる対象を公職者と市民だけにとどめるのではなく,市長・助役をはじめ職員全体を含めることになり,一層市政の透明化に寄与すると考えるからであります。  そもそもこのコンプライアンス条例は,村岡 功,龍男親子があっせん収賄,受託収賄で逮捕,起訴されるという事件を検証し,二度とこのような事件を起こさないようにとの思いから,政治倫理確立委員会等で議論し,提案されたものであります。  この事件は,神戸市政 120年の歴史上初めて市長室や助役室まで司直の手で捜索されるという事態となり,市民に大きな衝撃を与えました。
     この間,既に功被告,龍男被告と,2つの裁判の公判が開かれ,村岡被告と贈賄業者とのかかわり,村岡被告と市長・局長らとの関係が具体的に明らかにされています。  また,この事件は,あっせん収賄の名のとおり当局幹部が深くかかわって引き起こされた事件でありますが,にもかかわらず事件に関する記録は全く残されていないのであります。  また,事件後,実施された関係職員のヒヤリング内容も,市会にも市民にも公開されておりません。しかし,先ごろ開かれた2人の被告の公判で検面調書として読み上げられた職員の証言は,当局幹部がかかわりを持っていた事実を明らかにしました。  この間,市長はじめ幹部職員は一切責任なしとしてきましたが,公判で明らかになった事実を見れば,責任なしとして逃れられるものでないのは明白であります。  さらに,この事件のほかにも政治倫理確立委員会で議論された一連の疑惑で,市並びに関係機関の幹部と与党議員とのかかわりが問題になってきました。これらの論議経過を通じて市政の透明化が切望されているとき,あえて要望等の定義から市長などを除外する必要はありません。  また,本条例は,このたびの事件を教訓としてつくられるものでありますが,同時に今後の市政運営の倫理規程として,市民や議会と行政との関係についての規範としなければならないものであります。  その際,市長や職員等を,要望する者から除外することは,将来に禍根を残すことになります。市長から局長・部長などへの相談や依頼は常に職務命令ばかりとは限らず,日常会話の中で要望されるというのは十分考えられることであります。また,市長に限らず職員間での要望も日常的にあり得ることであります。  市長・助役などを要望等の中に含めるべきとの意見は,政治倫理確立委員会の中でもほとんどの会派から出された共通の意見であり,与党会派からも本条例の規定は釈然としないと発言されています。  このように本条例案を修正案により修正することは,いわば議会の総意であります。議会としてのチェック機能を発揮するためにも,提案している内容で修正すべきと思います。  以上,提案理由についてご説明申し上げました。議員各位のご賛同をお願いして私の提案説明といたします。ありがとうございました。(拍手) 22 ◯議長(浜本りつ子君) 提出者の説明は終わりました。  本件に関し,質疑の通告もありませんので,直ちに一括討論に入ります。  これより発言を許可いたします。  2番井坂信彦君。  (2番井坂信彦君登壇)(拍手) 23 ◯2番(井坂信彦君) 第78号議案コンプライアンス条例について,我が会派は賛成の立場ですが,なお残る3点の課題についてご指摘申し上げたく,この場をかりて討論させていただきます。  4月に発覚した神戸市会汚職事件では,ボス議員の口ききが事件の大きなかぎを握っていました。このたびのコンプライアンス条例にて,議員の口ききが,要点のみとはいえ記録・公開の対象になったということは,事件の再発防止のための重要な第一歩であると考えています。  しかし,肝心の村岡被告の口ききが不当要求だったのかどうかという私の質問に対して,市長は本会議で2度も答弁を避け,局長は村岡被告の口ききは基本的には政策提言だったが,不当要求だった可能性もあるなどと答弁する始末です。  村岡被告の口ききがもし不当要求でなかったのなら,コンプライアンス条例による再発防止は果たせず,そもそもこの条例は何の再発防止を目的としているのか,わからなくなってしまいます。  市長が二度とあのようなことがないようにとおっしゃる,あのようなことは何なのか,このような矛盾が生じるのは,条例が悪いからではなく,市長が当然反省すべきことをいまだに反省していないからです。条例以前の根本的な問題が解決されていないと言わざるを得ません。  2点目は,条例可決後の課題です。コンプライアンス条例では,議員の口ききを職員が要点のみ筆記し,その場で内容を確認したいという議員の要求や,記録内容が言った中身と違うという訂正要求に応じることとされています。  これは具体的に口きき現場を想像すれば明らかですが,職員がなかなか正直に記録しづらいだろうということが心配されます。議員の発言のうち何を記録して何を記録しないかという判断には,記録者の主観が大いに関係してきます。  要点筆記と言っても,何が要点で何が要点でないのか,客観的な線引きは不可能です。ICレコーダーによる全文記録,そしていざ事件となれば,全文公開という仕組みをつくることが今後の課題であると考えます。  人の話を聞くときにICレコーダーを机の上に置くのは失礼だというような話もありましたが,それこそが不当要求に対する抑止力となるのではないでしょうか。  3点目は,議会と行政が互いに監視し合うというチェック・アンド・バランスの問題です。先ほどの話もありましたけれども,この条例では,市長・助役の口ききが記録公開の対象とはなっていません。今回の汚職事件はたまたま議員の口ききが発覚しましたが,他都市の事件を見れば,市長や市の幹部が口きき汚職をする例も後を絶ちません。  この条例の中でこれらの仕組みを実現する方法もありますが,それができなかった場合は議会側の主導で市長・助役の口きき防止の仕組みを条例として実現すること,これを議員の皆様にご提案申し上げます。  以上,なお残る3点の課題についてご指摘申し上げ,我が会派の討論とさせていただきます。ありがとうございます。(拍手) 24 ◯議長(浜本りつ子君) 討論は終わりました。  これより順次お諮りいたします。 25 ◯議長(浜本りつ子君) まず,第78号議案及びこれに対する修正案について,順次お諮りいたします。  最初に,第78号議案に対する修正案についてお諮りいたします。  本修正案に賛成の方の起立を求めます。  (賛成者起立) 26 ◯議長(浜本りつ子君) 起立少数であります。  よって,本修正案は否決されました。 27 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,第78号議案についてお諮りいたします。  本件は,委員長の報告どおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 28 ◯議長(浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。  よって,本件は,原案のとおり可決されました。 29 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,予算第33号議案についてお諮りいたします。  本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。  (賛成者起立) 30 ◯議長(浜本りつ子君) 起立多数であります。  よって,本件は,原案のとおり可決されました。 31 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,第62号議案より第66号議案に至る5議案についてお諮りいたします。  本件を委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。  (賛成者起立) 32 ◯議長(浜本りつ子君) 起立多数であります。  よって,本件は,いずれも原案のとおり可決されました。 33 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,予算第28号議案,第67号議案及び第68号議案,以上合計3議案についてお諮りいたします。  本件を関係委員長の報告どおり決することに賛成の方の起立を求めます。  (賛成者起立) 34 ◯議長(浜本りつ子君) 起立多数であります。  よって,本件は,いずれも原案のとおり可決されました。 35 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,予算第29号議案より予算第32号議案に至る4議案,第57号議案より第61号議案に至る5議案,第69号議案より第77号議案に至る9議案,以上合計18議案についてお諮りいたします。  本件は,関係委員長の報告どおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 36 ◯議長(浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。  よって,本件は,いずれも原案のとおり可決されました。 37 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,日程第29 決算第1号より日程第37 第56号議案に至る平成17年度公営企業会計決算並びに関連議案,合計9件,一括議題に供します。  本件に関する説明は,去る9月5日の本会議において終了いたしておりますので,直ちに質疑に入ります。  44番たけしげ栄二君。  (44番たけしげ栄二君登壇)(拍手) 38 ◯44番(たけしげ栄二君) 私は,自由民主党議員団を代表いたしまして,平成17年度企業会計決算及び関連議案について,市長並びに当局に質問をいたします。  平成17年度企業会計決算の状況を見ますと,8事業会計のうち5事業会計で黒字を計上しており,企業会計全体で見ましても18億 2,800万円の黒字と,平成3年度以来13年度ぶりに黒字化が図られているところでありますが,各事業会計の累積損益は 2,258億円であり,依然として厳しい経営状況にあります。  各会計とも徹底した経費の節減などにより歳出を抑制し,より一層の経営改善に努めたことが単年度損益の改善に結びついていることについては評価をいたしますが,まだまだ予断を許さない状況であると言わざるを得ません。  また,一般会計においては,市税収入は平成9年度以来8年ぶりに対前年度62億円の増収となったものの,公債費負担や生活保護費など扶助費は依然高い水準にあるなど,本市財政は依然として厳しい状況にあり,平成17年度末の各企業会計の企業債残高1兆 1,695億円を一般会計で支え切る体力はないと感じております。  そこで,いま1度原点に立ち返り,厳しい一般会計の財源の状況を踏まえると,地方公営企業は経費について経営に伴う収入をもって充て,一層の自助努力により独立採算制の原則に立脚した経営に努めることが必要であると考えます。  そのために昨今の規制緩和の進展など公営企業を取り巻く環境が激変する中で,時代の変化に適切に対応していくためには,各企業会計とも仕事を進めるに当たり,従来の枠を取っ払って全く新しい発想で,またこれまで以上に果敢に事業に取り組んでいくことが必要だと思うのであります。  具体的には平成16年6月に閣議決定された経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004の中に,地方公営企業の民営化・民間譲渡・民間委託といった地方行政改革の推進が必要とされているとおり,事業の公共性及び一定のサービス水準の確保を前提としつつ,受け皿となる民間企業の存否や民間事業者とのコスト比較など,あくまでも地域や各事業所の実情を考慮し,PFI事業,民間委託などの民間的経営手法の導入をより一層推進していく必要があると考えております。  まず最初に,港湾事業会計についてお尋ねをいたします。  2005年の神戸港のコンテナ取扱量は 226万個と前年度比プラスとなっています。一方大阪港も 209万個と大きな伸びを示し,神戸港に肩を並べるところまで来ています。両港は切磋琢磨し競争する一方,スーパー中枢港湾として相互に協力し,アジア諸国との厳しい港間競争をしているところであります。  小泉内閣の5年間は,日本の国際競争力を高めるため多くの分野で民営化が進み,経済の弾力的な運営が実現をしています。港湾の分野でも国際競争力の強化は緊急の課題であり,そのためには港湾コストの削減が必要不可欠であります。  港湾コストの中でも3割程度を占めるターミナル関係の経費削減は重要な課題であり,神戸港埠頭公社のターミナルは神戸港全体の外貿コンテナ貨物の8割強を取り扱うなど,港湾政策上非常に重要な位置を占めているため,埠頭公社のあり方を抜本的に見直す必要があると考えます。  こういった状況の中で,2006年5月に特定外貿埠頭の管理運営に関する法律が成立し,埠頭公社について民営化が可能となりました。これを受けて早速東京港では,2008年度当初を目指して東京港埠頭公社を株式会社化することを発表いたしました。  東京港は,コンテナ取扱個数 300万個を超えるリーディング港湾であり,動きも非常に速い。こうしたほかの港の動きにかんがみ,神戸港も埠頭公社の株式会社化を迅速に進め,一層の効率的な港湾を目指すべきだと思いますが,ご見解をお尋ねいたします。  また現在,公社ターミナルと公共ターミナルを市と公社がそれぞれ運営するという二元構造であり,民営化の検討とあわせてこの二元構造の解消を検討する必要があるのではないか。港湾コストを削減し,神戸港の復権を果たすため,市長の決意をお伺いいたします。  次に,新都市事業会計についてお尋ねをいたします。  新都市事業会計については,須磨のベルトコンベヤーの撤去工事も進み,新たな開発事業は実施されないとされていますが,これまでに造成した土地を引き続き処分を進め,起債の返済に充てていかなければならないし,神戸市民の雇用を確保し,神戸経済の新たな姿を形成していくという意味で,この役割はこれからもますます重要になってまいります。  そのため昨年度,神戸エンタープライズプロモーションビューローが設置され,市長以下幹部の皆さんのトップセールスを展開され,16年度, 1.5ヘクタールの売却が10ヘクタールを超す結果となったことは大変すばらしいニュースだと思っています。今後ともこの成果を踏まえ,トップセールスをもって大きく展開していただきたい。  そこで,企業誘致についてお尋ねをいたします。これまで大まかに言ってポートアイランドは医療産業都市関連あるいは小売関連の施設,また港湾では中古の自動車や建設機械などにターゲットを絞って誘致しており,そういった確固たる方針が関連の企業の進出まで促しているのではないかと思います。  一方で複合産業団地については,大手のガス関連企業の進出はあったものの,団地自体の特徴がはっきりしない。表通りには物流,自動車ディーラーがあるかと思えば,一歩入るとリサイクルセンターがあったり,建設機械の保管ヤードがあったり,ばらばらであります。  類似の兵庫情報公園都市がすぐ隣の三木市にあって,ここは兵庫県がアクセスのよさを材料に食料品関連企業のクラスターに育てようと,複合の半分程度の値段で各企業に攻勢をかけています。  そういう意味で複合産業団地を取り巻く環境はかなり厳しいものがあります。産業団地そのものは,商業や集客施設とは違ってその地域に一般の人が集まってくるわけではないので,一般の方々にはなじみのあるものにはなりがたい。現にこの複合産業団地には産業界でさえまだまだその名は浸透していないのではないでしょうか。  誘致を強力に進めるためには,神戸の複合産業団地がここにあってこんな企業があるといったような,だれもが知っているほど認知度を高めるべきであります。この産業団地の基本的なイメージを描いて,だれにもわかるようなイメージを持ってもらう。そして,それに関係のある大手を呼び水に誘致を進めるなどの戦略をもって進めるべきではないかと考えますが,いかがでしょうか。  2点目,企業誘致は,神戸に今まで縁のなかった企業を新たに誘致して新規雇用を確保するのも1つの考え方でありますが,これまで神戸で操業してきた大手企業に機能を増強してもらうよう進めるのも1つの方法であると思います。  神戸を代表する大手企業,例えば日本や世界をリードしてきた新幹線,その他航空機などの大手会社がその拡張として,ポートアイランド2期か複合産業団地に進出すれば,神戸にいる企業は発展するというイメージを内外に与えることにつながり,結果として市外の企業を誘引することにもなるのではないでしょうか。対外的なインパクトとして非常に効果的であると考えますが,いかがでしょうか,お尋ねをいたします。  3点目,全国的に見れば,例えば機械メーカーなどの中には,大手であれば,都心の地価の高いところや住宅地の近くなど大きな敷地を持って操業しているような工場も少なくないのではないでしょうか。  そういう大手をターゲットとして神戸のポートアイランド2期に進出してもらえば,都心に近い立地を生かしながら,港にも近いという物流のメリットもあり,その企業にとって複数の利点があるため進出しやすいのではないでしょうか。その上,大手の機械工場となると雇用効果,関連企業,中小への波及効果など地元が受けるメリットも大きいと考えます。このような企業をターゲットとすることも大切と考えますが,いかがお考えか,お伺いをいたします。  次に,病院事業会計についてお尋ねをいたします。  市民病院群は,市民の生命と健康を守り,患者の立場に立って,人間性豊かな温かい医療をより多くの市民に効率的に提供するという使命を果たすために,市の基幹病院として,あるいは地域の中核病院として高度医療・救急医療・急性期医療を重点に質の高い医療の提供に努めており,神戸市における病院経営はかなり充実していると思われます。  特に中央市民病院においては,平成17年度には入院延べ患者数約29万人,外来延べ患者数50万人という非常に多くの市民が利用し,市の基幹病院として重要な役割を担い,市民の信頼を含め一定の成果を上げてきているものと評価いたします。今後,21世紀にふさわしい病院として新中央市民病院の整備も進められ,市民の期待はますます大きくなっていくと思います。  しかしながら,現在医療を取り巻く環境は大きく変化をしており,世界的にも例を見ない急速な高齢化の進展,医療費の増大,また日進月歩で進歩する医療技術への対応,さらに患者みずからが受ける医療を知りたい,選びたいといった要求の高まりなど,こういった時代の変化にどのように対応していくのかが問われます。医療を取り巻く環境の変化に適切に対応し,より質の高い効率的な医療サービスを提供するための改革や取り組みが課題となってまいります。  まず1点目,運営形態についてお尋ねをいたします。  国において行政改革推進法も成立し,官から民へが大きな流れとなっています。一方,現在全国の自治体病院の約6割が赤字であり,環境の変化に対応し,さらなる経営改善を行っていくため,運営形態そのものの見直しにも踏み込んだ検討を行っている自治体がふえております。  市民から頼りにされ,多くの患者に病院は非常に重要なものであり,質の高い医療を安定的・断続的に提供していく必要があります。17年度の決算でも5億円を超える赤字を計上する中,提供するサービスの質を落とさず,運営の効率化を図っていくには,より独立性が高く,責任の明確な独立行政法人化することが急務であると考えます。議論が必要なのはわかりますが,早く進めるべきではないでしょうか。  2点目,新中央市民病院についてお尋ねをいたします。  神戸市が推進している医療産業都市構想は,最先端の医療を神戸市に集積させ,新たな技術や産業を生み出し,高度な医療サービスを市民に提供する一大プロジェクトであり,産官学民が協力し,整備・研究が進められています。  これはこれできちっと進めてもらわなければなりませんが,この構想がさらに実のあるものとなり,真に市民の健康や生命に役立つためには中央市民病院が果たす役割が非常に重要であります。
     特に新中央市民病院は,子供から高齢者まですべての人にとっての市民病院として今後もあり続けなければならない。これと先端医療の提供をどのように両立させ,実現していこうとしているのか,お尋ねをいたします。  3点目,医師の確保についてお尋ねをいたします。  少子・高齢化を迎え,市民が安全で安心な生活を送るためには,地域における医療環境の整備・充実が極めて重要な課題であります。全国的な問題でありますが,医師臨床研修制度の必修化に伴う大学による医師の引き揚げ,医師の地域偏在,診療科偏在などにより,地域医療を担う医師の不足が深刻化しています。  特に小児科や産婦人科については医師志望者が減少し,各地で診療の縮小・休止・廃止に追い込まれる病院もあり,少子化が進む中で産婦人科や小児科が減っているのは大きな問題であります。  こうした状況下において市民に安定した医療を提供するため,市民病院群としても質の高い医師の確保をしていく必要があります。どのように取り組んでおられるのか,お尋ねをいたします。  4点目,地域連携についてお尋ねをいたします。  医療制度改革による病床数の減や医療費の増加などにより,お年寄りが入院しにくい状況が懸念されています。高齢者が増加する中で,限られた医療資源を有効活用し,個々の市民に適切に提供するためには,今後とも地域全体での機能分担と明確な役割分担による地域完結型医療を目指す必要があります。  市民の命を守る市民病院がその役割を果たしていくためには,市民病院群,地域の医療機関,さらには特養やグループホームなど保健福祉との連携が必要不可欠であり,このために送り出す市民病院から積極的につながりをつくっていかなければならないと考えますが,お考えをお聞かせ願いたいと思います。  次に,自動車事業会計についてお尋ねをいたします。  まず,経営計画の目的達成に向けて,全力を挙げた努力が求められることをよく認識され,抜本的な対策を講じなければならないという意気込みと決意で危機感を持って取り組まれ,その結果が17年度決算に集約されていることを評価いたします。  この経営改革は,管理の受委託制度などを具体的方策の1つの柱として設計しているもので,18年度には黒字経営に転換されることが公約されています。その意味で自動車事業の将来を左右する重要な時期であると言えます。  しかし,目指すべきは収支均衡という量的経営改善だけではなく,財政制度の見直しや高齢化・人口減少社会の本格的な到来など,経営環境の変化や新たな需要に積極的に対応できる弾力的かつ持続可能な経営基盤の確立てあります。  今後も大幅増収を見込むことは困難な状況の中で,地域に密着したバス路線の新設・拡充をはじめ,神戸のまちの将来を見据えた施策の展開に積極的に取り組んでいかなければなりません。  過去の負の遺産に対しても,問題を先送りすることなく,将来にわたって財政の健全性を維持していくために,独立採算制を基本とする自主・自立した経営体質を構築することが必要と考えます。19年度以降を含め,どのような経営方針で臨まれるのか,お尋ねをいたします。  次に,高速鉄道事業会計についてお尋ねをいたします。  海岸線沿線地域では,神戸ウイングスタジアムなどの都市再開発を目的としたリーディングプロジェクトが実施されているものの,現状の乗客数は約4万人にとどまっています。今後,海岸線の利用者を大幅にふやしていくためには公的施設の整備や誘致が必要ではないかと考えますが,いかがでしょうか,お尋ねをいたします。  最後に,安全都市の推進についてお尋ねをいたします。  昨年策定した2010ビジョンの中でも位置づけられているように,安全都市推進プランは,市民が安全で安心な生活を送る上で欠かせない施策であり,震災を経験した都市として必ず実現していかなければならない施策でもあります。  下水道事業も,降った雨を速やかに排除し,都市を浸水被害から守ることをはじめ,この安全都市の実現に当たっては重要な役割を担うべきであると考えます。ことしも台風シーズンを迎える時期であり,下水道事業として安全都市の推進のために具体的にどのような施策を展開しているのか,今後の方向性についてどのように考えているのか,お尋ねをいたします。  以上,明快な答弁を期待して,質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 39 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 40 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から数点にわたりまして,ご答弁を申し上げます。  まず,神戸港埠頭公社の民営化の件でございます。神戸港も埠頭公社の株式会社化を進めて,より一層効率的な管理運営を図っていくべきではないかという点と,あわせまして現在の公共ターミナル,また公社ターミナルの二元構造を解消することによって神戸港のさらなる復権を果たすべきでないかというお尋ねでございます。  これにつきましては,ご指摘ございましたように,国は港湾の国際競争力を強化するために埠頭公社のあり方につきまして,民営化も選択肢の1つとして提示をしてきてございます。  おっしゃいましたように平成18年5月に特定外貿埠頭の管理運営に関する法律が成立をいたしまして,埠頭公社が管理をいたします埠頭の管理運営者に,現行の財団法人に加えて,港湾管理者が株式の2分の1以上を保有していくという株式会社方式も認めておるわけでございます。  また,公益法人制度の改革によりまして,公益法人改革3法が平成18年5月に同様に成立をいたしました。平成20年度中に施行することになっておりますが,この移行期間──5年ございますけれども,これを経まして埠頭公社も営利法人と同等の扱いということになっていくということでございまして,そうなりますと税制特例が廃止をされまして,法人税が課税をされるという見込みになってまいります。  国は,民営化に向けての具体的支援として,民営会社に対しまして平成18年度におきまして提示しましたのは,1つはコンテナ埠頭に対する固定資産税,これの民営会社に移行後10年間,2分の1にする減免措置をうたっております。  それから,2点目としましては登録免許税の減免,また3点目としては不動産の取得税の非課税ということを決定してございます。  そういった支援をしようとしているわけでございますが,しかし港湾コストの低減につながります埠頭公社の岸壁なり,あるいは埠頭用地の取り扱いにつきましては,今後の課題というふうにされております。  私どもは,今までに国に対して協議を求めておりますのは,岸壁・埠頭用地の扱いにつきましての,何とか分離方式ができないかという点も含めて申し上げておるわけでございます。  こういった状況の中で東京港は,おっしゃいますように民営化を表明しておるわけでございますが,他港におきましては,公社のあり方についての検討を進めていくというふうに聞いてございます。  神戸の港の国際競争力を強化するために,国とも協議をしながら,今までにもコスト・スピード・サービスというふうな点においてどう扱っていくのかという点について進んでまいりましたが,今後公益法人改革の動向なり,あるいは他港の動向を踏まえまして,将来の神戸港の発展に資するような,そういう埠頭公社のあり方について検討しなければいけないというふうに考えております。  また,公共ターミナルと公社ターミナルによります二元構造でございますが,港湾法施行令の改正によりまして,ユーザーに公共ターミナルの長期専用貸し付けが新たに認められるといった動きが出てきてございます。  これは他社との競合性がなくなるという点があるわけでございますけれども,一方で使用料そのものについての内容が固定化するというふうな点もあろうかと思います。  こういった動きを踏まえながら,神戸港の国際競争力の向上につながるような管理運営方法につきまして,利用者のご意見も伺い,埠頭公社のあり方とあわせて検討をしていく必要があろう,このように考えてございます。  次に,新都市事業会計の中で複合産業団地の点についてのお尋ねでございます。複合産業団地の進出企業が,業種がさまざまで団地自体の特徴がはっきりしていないんではないか,そしてこれからさらに複合産業団地の企業誘致を進めるためには認知度が必要だ,そういう意味で特定業種の集積を図るとか,あるいは団地の特徴を明確にすることによって認知を高める,そういった点で関連のある大手企業を誘致して,呼び水にしてはどうかというお尋ねでございます。  神戸の複合産業団地への企業誘致は,今最も重要な課題であるというふうに考えてございます。企業誘致に当たりましては,土地価格だけではなく,物流にかかります時間あるいは経費,また働いていく方々の労働力の確保の問題という面で容易性が求められますし,そういった総合性の観点から,複合産業団地の積極的なアピールをしてきたところでございます。  さらに,企業側のニーズを把握しながら,進出の決め手になるような情報──例えば交通の利便性でありますとか,あるいは今申し上げた労働力確保の容易性,そういったこととか,ワンストップサービス等のサービスの提供に努めるというふうな工夫をし,誘致活動を行ってきたところでございます。  複合産業団地は,仕入れから生産・出荷までと,そして製造・流通の一連の機能をあわせ持つ利便性が高く,相乗効果の期待できる産業団地でもございます。  そういった意味で企業ニーズに対応しまして,13年度からは初期賃料の減額を盛り込んだ事業用借地などの定期借地制度また長期分割制度の導入を図りました。  平成14年度からは兵庫県の産業集積条例の適用をやっておりますし,17年度からは新たに期間・エリアを限定した分譲価格の割引制度というものを導入いたしております。  その結果,17年度におきましてでありますが,分譲4社,定期借地4社との契約が成立し,現在も数社と交渉中でございます。現在までに61社──うち分譲は31社でございますが,企業が進出をいただいております。  複合産業団地は,流通業務の用地また製造工場の用地あるいは複合機能の用地を持っておるわけでございまして,団地内に神戸西インターチェンジがあるという,これも他にはない大きな特徴でございます。  また,市街地で確保することが難しい大規模用地の供給も可能というメリットを持っておる点もございます。  また,企業の設備投資意欲が高まっております今のこの時期でございますんで,さらなるインセンティブによりまして企業集積を加速させていきたい,このように考えてございます。  このために県の産業集積条例によるインセンティブと相乗効果を発揮させるために,神戸エンタープライズゾーン条例に基づく優遇措置の適用を検討してまいりたい,このように考えてございます。  次に,病院事業の運営形態についてでございますが,今後サービスの質を落とすことなく運営の効率化を図っていくために,より独立性が高く責任の所在が明確な,そういう方向で独立行政法人化などを早く進めることが急務ではないかというお尋ねでございます。  現在自治体病院を取り巻く環境というものは大変厳しい状況にございます。市民病院群でも職員一丸となって経営改善にずっと取り組んできておるわけでございますが,しかしさらなる経営改善を図っていくためには,経営責任をより明確にするとともに,運営の機動性なりあるいは柔軟性を高めるということが重要でございますし,より効率的な運営形態の見直しということが必要というふうに考えております。  現在外部委員を含みます経営計画委員会におきまして検討をいただきました結果,地方公営企業法の全部適用または地方独立行政法人への移行,いずれかを第5次の市民病院経営計画期間中──これは平成17年から19年の間でございますが,その間に市として結論を出すようにということになってございます。  そこで,平成17年度には監査法人など外部委員に参画いただきましたワーキンググループを設置いたしまして,両制度の比較の検討また課題の整理など,運営形態の見直しに向けまして検討を進めてきておるところでございます。  今ワーキングのまとめでございますが,1つはまず地方公営企業法の全部適用のケースにつきましては,一部適用と比較をすると自立的な運営が可能になるけれども,一方で単年度予算あるいは契約制度の制約があること,また機動的な職員配置ができないなどの柔軟性に係る課題が残されたままであるというふうに意見が出されております。  一方で地方独立行政法人につきましては,患者ニーズにきめ細かく対応した診療時間の設定でありますとか,あるいは医療需要の変化に迅速に対応した弾力的な職員配置が可能になるという点も言われておりますし,また法人独自の人事給与制度を構築して,期限つきの任用あるいは成果主義に基づく業績給与等の弾力的な人事給与制度の導入が可能になるという点,さらに中期目標,中期計画に基づく運営なり,あるいは評価委員会による第三者評価の法定によります透明性の確保が可能になる,さらに中期計画の範囲内で法人の裁量によります迅速な意思決定と弾力的な病院運営が可能となるといったメリットが挙げられております。  以上から,ワーキングといたしましては,地方公営企業法の全部適用より地方独立行政法人の方が,より機動性・柔軟性・透明性を発揮するために実効性のある制度であるとされておるところでございます。  しかしながら,あわせて地方独立行政法人を選択する場合の制度上の課題でございますけれども,1つは管理部門が少し現状よりも大きくなるという点,そして2つ目は初期経費及び経常的経費がふえていくんではないかと,そして3点目でございますが──これは大変重要でございますが,不良債務の解消及び財産的基礎の確保が必要だ,そして4点目としましては新たな人事給与制度の構築──これはもう当然でございますが,そういうものが必要だというふうに指摘をされております。  現在全部適用の団体あるいは地方独立行政法人の現状も調査をしておるところでございまして,今後両制度を比較し,ワーキングで指摘された課題の解決などに鋭意検討を進めてまいりたい,このように考えてございます。  次に,自動車事業会計につきまして,将来にわたって財政の健全性を維持していくために独立採算制を基本とする自主・自立の経営体質を構築することが必要だ,19年度以降も含めてどのような経営方針で臨んでいくのかというお尋ねでございます。  まず,神戸市の交通事業の経営改革プラン──レボリューション2004でございますが,これはモータリゼーションの進展,あるいは少子・高齢社会への移行等により歯どめのかからない乗客数の減少に対する対応,あるいは運輸分野での規制緩和など,公営交通事業を取り巻く厳しい環境の中で,神戸市交通局が危機的な財政状況から脱却をして,市民の足でございます市バス・地下鉄を将来に向け維持し続けるために,平成16年9月にレボリューション2004を策定したところでございます。  自動車事業におきましては,財政目標を平成18年度の単年度収支均衡として,市バス営業所の管理委託を中心に抜本的な経営改革に取り組んできたところでございます。  17年度で数字的な点を申し上げますと,実質的な経営改革プランによる取り組みの初年度では,平成16年度と比較いたしますと,16年度は純損失が26億 3,800万円ございましたが,17年度にはこれが8億 7,700万の損というふうになっておりまして,比較しますと17億円の収支改善が図られております。  そして,目標年次の18年度の──これは予算の段階でございますが,約 3,000万円の黒字を見込んでおるところでございまして,これは平成4年度以来の黒字を計上する状況でございます。  サービスの充実といたしまして,これは乗客増の対策またサービスの充実の取り組みの1つとして,地域密着型のバス路線の充実等を図ってきてございますが,地域密着型バス路線はこれまで平成12年から灘区の南北路線でありますとか,あるいはHAT神戸脇の浜の路線でありますとか,また13年には東灘の南北路線,そして17年からはJRの垂水から星陵台を経由しましてJR舞子駅というふうな形で路線をつくっております。  また,18年の段階では,妙法寺駅前から緑が丘を経由して,ひよどり台までを結んでいくというふうな路線も開始をいたしまして,地域の皆さん方に喜んでいただいておるという状況でもございますが,今後も市民福祉の維持向上を図り,そして市民の足を守るという市バスの使命をより一層発揮いたしまして,道路状況を考慮するとともに採算性等の課題を解決しながら,お客様の立場に立ちまして積極的に新たな路線展開を図っていきたい,このように考えております。  19年度以降の経営方針でございますが,経営改革プランでは,道路運送法上等の限度であります2分の1までの管理委託を柱に各種の経営改善策に取り組んでまいりましたが,効率的な経営基盤の確立が図ることができるものと考えてございます。  今後も営業所の管理委託で得られる民間のノウハウあるいは知恵を生かしまして,さらに効率的な経営を進めて経営基盤の強化を進めるとともに,乗客数の確保・増加,また広告などの関連事業を含めて収入増の対策にも努めまして,19年度以降も黒字基調を維持し,安定した経営を維持していきたいと考えてございます。  さらに,福祉・環境・まちづくりなどの行政施策との連携はもとよりでございまして,そういった意味でこれからの少子・高齢社会への対応,あるいはICT化への対応,また雇用形態・ライフスタイルの多様化等,変化する時代のニーズ,また地域・市民の皆さん方のニーズに対応した次世代の市営交通サービスの提供を目指した運営を行ってまいりたいと考えてございます。  さらに,ご指摘でございました独立採算制を基本とした経営体質の構築でございますけれども,これにつきましては先ほど申し上げましたように,道路運送法上の限度の2分の1までの管理委託を施してきておるわけでございますが,各種の経営改善策を講じた上でも採算性の取れない不採算路線も抱えておる状況でございますが,しかし市場原理のもとでは成立がしがたい不採算路線も,最も身近な市民の足として福祉・まちづくりの観点から必要な路線は維持していくというところに市営交通の存立意義があるというふうにも考えてございます。  そういった不採算路線を含めまして,現在の市バスのサービス水準を維持するためには,現在のところ一定の行政支援も必要であろうというふうに考えてございます。  今後も営業所の管理委託で得られました,先ほど申し上げました民間のノウハウ・知恵等を生かしながら,効率的な経営を進めてまいりまして,経営基盤の強化を図っていきたい,そしてまた収入増の対策にも努めながら安定した経営を維持し,市民の足である市バス事業を維持してまいりたい,このように考えてございます。  次に,安全都市推進のための下水道事業でございますが,都市を浸水被害から守るという点で下水道事業は重要な役割を担っておるというご指摘でございます。今後下水道事業として安全都市推進のために具体的にどのような施策を展開するのかという点でございます。  平成17年に策定をしました神戸2010ビジョンにおきましては,災害に強い安全都市基盤の構築といたしまして,自然災害対策の推進でありますとか,あるいは災害に強いライフラインの整備という点が重要でございまして,下水道事業として取り組むべき施策として位置づけてございます。  下水道におきましては,神戸2010ビジョンの実現を目指しまして平成18年につくりましたが,平成18年から22年度までの5カ年を期間とする神戸アクアプラン2010という中期経営計画をつくってございます。  このプランでは平成16年度に起こりました──たび重なる浸水被害が居留地等の南に対して起こったわけでございますが,これらに対する本格的な内水排除施設の整備をこの平成26年度までに完成をさせたい,そして和田岬地区の浸水地域の強化という点も課題でございまして,現在整備中の新和田岬ポンプ場を平成19年度までに供用開始をしたいというふうに考えております。  また,南駒栄ポンプ場が老朽化をしておりまして,雨水排除能力が不足をしておる長田の南部地区の再整備に向けまして,平成23年度の新ポンプ場の供用開始を目指すというふうな施策を現在進めておるところでございます。  また,災害に強いライフラインの構築でございますが,平成22年の完成を目指しております下水処理場間のネットワーク化事業,また国道等の緊急輸送路下の管渠の耐震化という点,また公共下水道を利用する仮設トイレの整備などを計画いたしておりまして,浸水また地震などの大規模災害に対する下水道システムの強化を図っていこうとしてございます。  これらアクアプランにおきます重点事業を効率的かつ着実に実施をいたしまして安全都市の推進に努めてまいりたい,このように考えてございます。  私の方から以上,ご答弁を申し上げました。  (「議長」の声あり) 41 ◯議長(浜本りつ子君) 梶本助役。 42 ◯助役(梶本日出夫君) たけしげ議員のご質問のうち,病院事業会計について3点,ご答弁を申し上げます。  まず,中央市民病院が子供から高齢者まですべての市民に対して市民病院としての役割を果たす,また高度先進医療を提供していくことが求められる,どのように両立をさせ実現をしていくのか,こういったご質問でございます。  中央市民病院の果たすべき役割・機能につきましては,ことしの6月に策定いたしました基本計画にもお示しをいたしておりますとおり,地域医療機関との連携や役割分担のもとに24時間・ 365日,市民の生命と健康を守っていくことが第一であると認識をいたしております。  新病院におきましてもこの基本方針には変わりはございませんで,現病院と同様,市民のための総合病院として標準的な医療を高いレベルで引き続き提供していく必要がある,このように考えております。  新病院では標準的な医療をより高いレベルで実施するために,今後特に重点を置くべき医療分野に関しまして高度専門医療センターを新設・再編をいたしました。  このセンターのもとに医師,看護師,薬剤師,技師等によるチーム医療を徹底することによりまして,新たな医療需要にも的確に対応できるよう体制強化を図っていくことといたしております。  具体的には6つのセンターを設置する予定にいたしておりまして,1つは高齢社会において増大が見込まれます3大疾病に対する心臓センター,それから脳卒中センター,がんセンターの3つ,それからもう1つはお母さんと子供のための成育医療センター,さらに新興感染症から市民を守る感染症センター,血管再生など新しい医療をできるだけ早く市民に提供する移植・再生医療センター,この6つのセンターを予定いたしております。子供から高齢者まで市民の求める最適な医療の提供に努めてまいりたいと考えております。  また,将来の医療の変化に合わせまして,患者さんにできるだけ多様な治療の選択肢を提供することも新病院に求められる重要な役割であると考えておりまして,医療産業都市構想の臨床部門の核として先端医療センターをはじめとした周辺機関との役割分担・連携のもとに,臨床の現場において求められます新たな技術あるいは治療方法などの医療ニーズを発信していくことによりまして,医療の進歩に寄与するとともに,新たな研究成果を安全性・倫理性・科学性が認められ,また通常医療として臨床に導入された段階でいち早く市民へ提供していく,こういったことで標準的な医療と高度先進医療を提供する機能の両立を図りまして,市民全体の医療サービスの向上につなげてまいりたい,このように思っております。  いずれにいたしましても,新病院の実現に向けまして,市民の期待や信頼に十分こたえてまいりますとともに,21世紀のリーディングホスピタルとしてモデルケースとなるような病院を目指して今後努力してまいりたい,このように考えております。  もう1点は,地域医療を担う医師の不足が深刻化する点で,市民に安定した医療を提供するために市民病院群としても質の高い医師の確保をしていく必要がある,どのように取り組んでいくんかと,こういったご指摘でございますけれども,ご指摘のように今日臨床研修制度の必須化に端を発しました大学による医師の引き揚げの影響,あるいは過酷な病院勤務による開業医志向など,さまざまな要因によりまして病院に勤務する医師の不足・偏在が全国的に顕在化をしてまいっております。  従来は地方における医師不足が問題であったわけですけれども,昨今では都市部におきましても特定の診療科で医師の偏在が生じておるのが現状でございます。  現在市民病院におきましては,中央におきましてはこの9月1日現在で 128名の正規の医師に加えまして研修医・後期研修医──専攻医と言っておりますけれども,専攻医が86名おりまして,合計 214名の医師を配置いたしております。  また,西市民病院におきましては,50名の医師に加えまして研修医あるいは専攻医が19名おりまして,合計69名の医師を配置いたしております。現在一部の診療科──麻酔科,循環器内科で欠員がございますけれども,中央市民病院からのローテーションなどによりまして対応いたしております。全体としては充足をいたしております。  市民病院の医師確保のこれまでの取り組みといたしまして,従来から市民病院におきましては,医師の採用に当たりましては院長・副院長等による複数の候補者について厳しい選考を行いまして,採用の可否を決定いたしております。また,全国から研修医・専攻医を公募いたしまして,幅広く人材を確保・養成しているところでございます。  さらに,市民病院間の人事交流を軸といたしまして,医療水準の向上につながるよう,幅広く優秀な人材の確保に努めてまいっております。  具体的な取り組みといたしまして,医師が診療に専念できるように,中央市民病院の各病棟におきましては診療報酬請求のチェック,あるいはカルテ・検査書類の整理などを行います委託職員──病棟クラークを配置いたしまして医師をサポートいたしておりますほか,研修医に対する研修制度の充実,あるいは専攻医に対する処遇改善を図ってまいっております。  今後の取り組みといたしまして,国や県におきましても医師の偏在を解消するために,大学にかわって都道府県が地域に必要な医師の確保・調整を行うシステムの構築,あるいは産婦人科・小児科をはじめとする急性期医療チームで担う拠点病院づくりなどの対策が打ち出されております。  市民病院といたしましても,国や県と協力・調整をしながら,安定した医師確保を図れるよう対策を講じてまいりたいと考えております。  また,近年の他都市の公立病院におきまして,過酷な勤務実態が原因となりまして医師の不足が生じている,こういった状況から今後市民病院におきましても,医師の救急当直体制など勤務実態に即した処遇改善あるいは勤務形態の見直しが必要であると考えておりまして,さらに医師の確保が困難な場合には,積極的に公募を実施することによりまして優秀な人材の確保に努めてまいりたい,このように考えております。  それからもう1点,地域完結型医療を目指す上で,市民病院群が中心となって積極的に地域の医療機関等と連携強化に取り組む必要があるんではないか,どのような具体策を検討しているのか,こういったご指摘でございますけれども,市民の命と健康を守り,患者にとって最適な医療を提供し,患者のQOLの向上を図るために,従来の1医療機関で完結をする自己完結型医療から,市民病院群をはじめ地域医療機関がそれぞれの医療機能に応じて,より適切に医療を提供していく,いわゆる地域完結型医療への移行を進める必要があると考えておりまして,そのため市民病院群として地域医療機関等とのさらなる連携は重要な課題であると認識をいたしております。  平成17年から19年度の第5次の市民病院経営計画におきましても,地域完結型医療提供体制を進めていくために,医師会,歯科医師会や私立病院協会など医療団体と協力をして地域医療水準の向上への貢献,あるいは地域医療機関との連携の中でこういったものを進めていく,こういったことをこの計画の中で明言をいたしております。
     従来からさまざまな形での連携の取り組みを進めておるわけでございまして,具体的に申し上げますと地域医療機関へのアンケート調査の実施でありますとか,あるいは地域合同カンファレンス,あるいは病診病病連携学術集談会の開催,さらに逆紹介システムの積極的な活用,さらにはまた市・区医師会との連絡会の開催,あるいはまた市民病院の医師が講師としてこういった講演会に積極的に参加する,こういった形での地域医療機関等との連携を進めておるところでございまして,これらの取り組みの結果,市民病院での患者の紹介率というのは近年飛躍的に高まっておりまして,紹介率あるいは逆紹介率もかなり高い水準で推移をしているのが現状でございます。  さらに,積極的な今後の地域医療機関等との連絡づくりといった点では,病院幹部が直接地域の医療機関に出向きまして,市民病院の医療機能のPRなどを行っておりまして,17年度の実績といたしまして中央市民病院で12病院・ 414診療所,西市民病院で22病院・ 182診療所をそれぞれ担当の副院長,あるいはまた担当部長が具体的に訪問をして連携を図っているところでございます。  また,訪問看護ステーションや,老人保健施設等との連携といった点では,看護職との交流セミナーを開催いたしておりますほか,平成16年度からは市内連携先病院の看護職との交流会を開催いたしまして,市民病院群の認定看護師による講演会等も行っているところでございます。  今後とも地域医療機関等との連携をさらに進めてまいりまして,地域完結型医療の実現を目指して取り組んでまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 43 ◯議長(浜本りつ子君) 鵜崎助役。 44 ◯助役(鵜崎 功君) 企業誘致の関係と地下鉄の関係についてお答え申し上げます。  まず,企業誘致の中で地元の大手企業を誘致すべきではないかというお話がございました。地元の大手企業──特にポーアイとか複合等へ進出していただくということにつきましては,特に同業種の企業あるいは関連企業の誘致につながるという,そういう波及効果が非常に大きいものですから,そういう意味では産業団地全体の活性化だけじゃなしに,雇用創出あるいは神戸経済の活性化という大名目にも合致するということで考えてございまして,そういう観点から市長によりますトップセールス,こういうことを今やっている真っ最中でございます。  その成果というわけじゃないんですけれども,その働きかけが功を奏したと私たちは思ってございますけれども,バンドー化学の本社なり研究所が実はポーアイ2期への進出を決定いただきました。近く着工というふうに承知をいたしてございますし,あるいはビオフェルミンですけれども,これもサイエンスパークに誘致の成功──土地売却の上,誘致ということで成功を見てございます。  ただ,最近例えば──固有名詞で申しわけありませんけれども,川重が車両工場ございますけれども,その近くに設計専門の事務所を高層でつくっておられますけれども,そういうこととか,あるいは西神でジェットエンジンの部品工場を近々完成というふうに承知してございますけれども──使っておられますとか,あるいはシスメックスさんがテトラパックの跡を買収されて,研究関連棟なりあるいは特別実験棟をつくっていくんだという,そういうお話がございますけれども,これらもいずれにいたしましても,実は自分ところの主力工場の隣接地をまず最優先に考えておられる,あるいは自分の工場の遊休地をまず最優先に考えられているというのが実は状況でございます。  私たちも,そういう企業の動きに対しましてさらなる情報を収集しておく,ふだんから情報を収集していくことによって,ビオフェルミンなりバンドー化学でやってきたようなことを今後ともやっていく必要があると。  企業が最近の景気の右肩上がりの状況を踏まえまして,設備投資意欲が非常に強いものがあるというふうに承知してございますので,ご指摘の考え方に沿って今後とも一層努力をしていきたい,そのように思ってございます。  同じ企業誘致の関係で,市外にございます大手の機械工場の誘致を働きかけるべきだというご提言をいただきました。確かに都心の地価の高いところ,あるいは住宅地に近いところに既に企業が張りついている場合が,特に阪神間あるいは大阪近辺では多うございます。  私たちも,そういう企業をターゲットに絞りながら,企業誘致を実は進めてございますけれども,大工場といった場合どこまでを大工場かというのがあるんですけれども,特にご指摘がございましたようにポーアイ2期でございますけれども,特に立地状況──特に医療産業を中心でございますけれども,おおむね50%にまで実はもう既に達しているというふうに私たちは理解をしてございます。  そうなってまいりますと,10ヘクタール程度と,あるいは5ヘクタール以上の大規模ロットが要るような機械工場の誘致はなかなかポーアイに限っては難しいというふうに思ってございますけれども,いずれにいたしましても研究機能を備えた実験棟,あるいは付加価値を高めるような工場,小規模でも頑張っていけるような工場,そういう工場につきましてはポーアイ2期を中心に頑張っていきたいと思ってございますけれども,特に大ロットということになりますと,これから複合産業団地というものの工場ゾーンが具体的に稼働してまいりますので,私たちは複合産業団地を中心に,これからあらゆる手を使って企業誘致に邁進していきたい。  お話がございましたように,機械工場というのが中小企業への波及効果が非常に高いというふうに理解してございますので,これにつきましてもご指摘の線に沿って頑張っていきたいと思ってございます。  それから,高速鉄道事業会計の件でございますけれども,これまでもこれご案内ですけれども,兵庫・長田南部地域の活性化のために都市インフラとして地下鉄海岸線も整備されましたけれども,その沿線で23のプロジェクトを基本としながら,地域の活性化を実は図ってございます。既に10事業が完了いたしまして,残り13すべて事業着手済みという状況でございます。  これらのプロジェクトの取り組みが地域の活性化なりあるいはにぎわいの創出につながっていく,ひいては海岸線の乗客増に寄与していくんだというふうに考えてございまして,まずはこのプロジェクトの着実な推進,これに力を入れていきたいというふうに思ってございます。  ただ,今後ですけれども,平成21年度以降なんですけれども,中央卸売市場の本場の西側──運河沿いの方ですけれども,利用可能な土地になってまいります。それから,平成22年度末には中部下水処理場が廃止というふうなスケジュールになってございます。  このうち本場の西側用地につきましては,実はことしの8月より学識経験者によります研究会を立ち上げまして,有効活用についての基礎的あるいは客観的な研究を進めてございますけれども,中部の下水処理場の跡につきましても引き続き検討していく必要があるというふうに考えてございます。  これらの跡地の具体的な利用につきましては,新たなプロジェクトとして地域の活性化のための起爆剤となるような,そういう方向で検討を進めていくことになるというふうに思ってございます。  検討に当たりましては,先ほど申しました既存のプロジェクトにより整備されました施設などとも相まって,人の流れが生まれ,そして兵庫・長田南部地区全体の活性化につながっていく,そして海岸線の乗客増にも寄与する,そういう方向での検討になるというふうに思ってございます。  なお,兵庫県に対しましても,地下鉄海岸線沿線の活性化を図るために集客性の高い文化施設なりあるいは利便施設,そういう立地について要望を行っておりますけれども,県におきましては,特に本場の西側あたりが初代県庁が置かれた県庁発祥の記念地ということで,広くそれを情報発信するために初代県庁の復元に向けた基本構想を策定されているというふうに実は聞いてございます。  いずれにいたしましても,いろんな動きがございますので,そうした動きも踏まえながら公的施設の誘致をはじめ乗客増につながるような,そして長田南部地域全体の活性化につながるような,そういう取り組みを今後とも精力的に進めさせていただきたいと思ってございます。  以上です。  (「議長44番」の声あり) 45 ◯議長(浜本りつ子君) たけしげ議員。 46 ◯44番(たけしげ栄二君) それでは,いろんなご答弁をいただきまして,非常にご丁寧なご答弁であったので,感謝を申し上げます。  再質は1点にいたしますが,要望を2件今から申し上げます。  これは複合団地の企業誘致の件でありますが,私はかねがねこう思っておりました。神戸は灘の生一本という清酒産業が中心であり,海岸部に多くの清酒工場が並んでいました。原料になる米は三木市周辺にとれる山田錦が中心であります。水は西宮の宮水が中心であるということでありますが,最近生産量の関係で水は宮水でない,使ってないということであります。  とするならば,この原料の米の生産地であります三木市近辺,こういったところを考えますと今の複合団地,やっぱりそれを持ってきてもいいのではないか。また,地価の高い茨木あるいは西宮で大手のビール会社が操業しております。こういったものを誘致して,市民に夢を与えるようなリカーパークを構想するようなものが必要だと思いますので,その辺を誘致展開していただくよう要望いたしておきます。  要望の2つ目,地域密着型バス路線についてでありますが,さまざまな地域から住民要望が出ています。要望に対して真摯に受けとめ,バスの確保などさまざまな問題があると思いますが,実現ができるよう交通局に頑張っていただきたいことを要望いたします。  で,1点再質をいたしますが,これは港湾関係であります。港湾のコストの削減は,民間を含めて官民一体となって考えるべきであります。そのために検討会を設置すべきと思いますが,いかがでしょうか。  この1点だけです。  (「議長」の声あり) 47 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 48 ◯市長(矢田立郎君) 先ほどご答弁申し上げましたように,神戸港のただいまの復興途上におきます段階で,とにかく神戸の港勢を上げていこうということで,コスト・スピード・サービスという観点から多大な取り組みを官民一体となってやってきてございます。  やはりそういった諸方策を取り組んでいく際に,関係する業界団体また関係する諸官庁そしてまた労働組合などとより一層協議をし,またそれに向けて推進をしていくということが,今おっしゃいましたような港湾コストの問題にも,またサービスの問題にもつながっていくことでございますんで,それらに向けて,より一層これについての取り組みを続けてやっていくことが重要でございますし,また最近他港との連携──大阪湾の他港との連携という点も視野に入れながら,そして日本の国全体としての港湾のあり方,メリットというものをどう追求するかという点についても考えていかなきゃいけない,このように考えてございます。  以上でございます。  (「議長44番」の声あり) 49 ◯議長(浜本りつ子君) たけしげ議員。 50 ◯44番(たけしげ栄二君) 終わります。 51 ◯議長(浜本りつ子君) この際,暫時休憩いたします。  午後1時より再開いたします。ご苦労さまでした。   (午前11時49分休憩)   (午後1時4分再開)  (片岡副議長議長席に着く) 52 ◯副議長(片岡雄作君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,公営企業会計決算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  11番川原田弘子君。  (11番川原田弘子君登壇)(拍手) 53 ◯11番(川原田弘子君) 私は,民主党神戸市会議員団を代表して,平成17年度公営企業会計決算及び関連議案につきまして,市長並びに当局の皆さんに質問をさせていただきます。  17年度企業会計決算では,自動車・地下鉄・病院の3会計で赤字計上となったものの,残る5会計で単年度黒字を計上し,8会計合計では前年度比44億円の損益収支の改善が見られ,回復の兆しを見せる景気の影響のみならず,経営改善に向けた公営企業としての努力の成果があらわれてきているものと評価いたします。  しかしながら,依然として累積損益は 2,257億円であり,少子・高齢化の影響などによる使用料収入などが低迷する一方で,原油高など経営を圧迫する外的な要素も加わり,引き続き厳しい経営努力が要求されております。  こうした背景の中,各事業においてさまざまな経費削減の取り組みが行われておりますが,その見返りとして安全を失うことになってはならず,市民に対して最高品質の安全サービスを維持し続けることをまず第一の使命と再認識願いたいと思っています。  また,一方で循環型社会の実現に向けてリーダーとなっていくべき事業でもあるといった観点も踏まえて,各事業について質問をいたします。  最初に,下水道事業会計についてお伺いします。  下水道事業会計では,使用料収入が2年連続で前年度を上回り,物件費の削減,昨年の一括償還による利子負担の軽減等により,14億円の純利益が生まれることとなりました。今後5年間の経営方針を示したこうべアクアプラン2010でも,市民負担をふやさずに累積赤字を半減する方向性が出されており,評価できるものとして,引き続き経営努力を期待いたします。  物件費削減を行う一方で,東灘処理場で取り組まれているこうべバイオガスは,自動車用天然ガス燃料として実用化される日も近いと聞いており,循環型社会の実現に向け,大きな期待を持てるものと評価をいたします。  しかしながら,一方で消化ガスを取り出しても,なお残る8万 2,000トンに及ぶ下水汚泥については,現在重油を使って焼却するという状況となっています。この下水汚泥ですが,国もバイオマス資源の重要な1つとして最近注目をしてきており,自治体によっては,炭化処理を行ってから燃料として再利用する取り組みも進められてきております。下水汚泥はお荷物ではなく,資源としてとらえ,利用の検討を進める時期に来ていると思いますが,市の今後の方針についてお伺いいたします。  また,先ごろ老朽化した和田岬ポンプ場の建設更新工事の海底調査において,環境基準を超えるダイオキシンが検知されました。ダイオキシンの処理などについては,現在専門家による対策委員会が立ち上がり,9日初会合が開催されたところで,今後の対応を検討していくという状況ですが,2年前の台風での浸水被害や,最近の集中豪雨などを考えると,昭和35年に建設された現在のポンプ場は一刻も早い更新が必要であると思われます。  9日の委員会より,対策が終わるまで運転は延期するようという意見が出されておりますが,午前中の市長のご答弁で,19年度までに運転を開始したいというご答弁がありました。もしダイオキシン対策に多大な費用が必要であった場合も,ポンプ場の建設を先送りにしてはいけないと思いますが,この問題につきまして市長のご見解をお伺いします。  次に,港湾事業会計についてお伺いします。  神戸税関より先ごろ発表されました神戸港の上半期の輸出入総額は4兆円を上回り,過去最高となったと伝えられており,喜ばしいニュースであると思っております。しかしながら,国内他港と比較すると,その伸び率は小さく,シェアは下がるという傾向にあります。  今後も港湾事業は世界の港湾との激しい競争が予測されますが,阪神港としてスーパー中枢港湾のプロジェクトが推進される中,港湾施設のハード面の整備だけでなく,リードタイム短縮,3割のコスト削減という要求にこたえるため,コンテナ管理や手続の簡素化,コスト削減など,ソフト面での取り組みを加速させる必要があると考えます。  コスト面において,現在東京湾では3港が1港として扱われ,税が1港分なのに対し,大阪・神戸では2港分の税を支払わなければならないという点について,阪神港としての一体化を国に要望しているとも伺っております。  また,先ごろコンテナ輸出入管理を想定した遠距離型ICタグの使用が解禁になるというニュースも伝えられました。コンテナ管理は今後ますます新しく,競争も厳しくなってくるものと予測されます。神戸港EDIシステム,JCL-netといった普及の取り組みも含めて,市の取り組み状況,また国への要望の状況などについてお伺いします。  次に,病院事業会計について質問いたします。  病院事業会計では,医師不足により診療科を一時閉鎖せざるを得ないなどが影響し,診療収入が減少するなど, 5.8億円の赤字となりました。医師不足・看護師不足は国全体の問題でもある中で,西市民病院では,糖尿病専門医・麻酔科医に欠員を出すという状況であり,患者数の減少につながったということのようですが,午前中のご答弁でも,今年度は何とか工夫をして診療科を維持しているとお伺いしました。  人材確保には最善の努力を願いたいと要望しますが,採用面では厳しいという状況が続く中で,一度採用した人材をいかに優秀な人材に育て上げるか,また定着してもらえるかに力を入れていただき,医師や看護師にとって,働くことでみずからのポテンシャルも上がっていくような魅力ある病院にしていただきたいと,今後も要望いたします。  中央市民病院は,急性期医療・高度医療の専門市民病院として確固たる地位を築いているならば,西市民病院は,長田・兵庫・須磨の地域に貢献する病院という位置づけとなっています。  ここで,西市民病院の患者満足度調査によりますと,満足と答えた患者さんの割合が若干減っており,17年度の赤字の原因が先ほどの医師不足によることのみなのか,もう1度考えてみる必要があるのではないでしょうか。これらを分析・再検討した上で,今後は西市民病院も,医療面での地域の実情に沿った特色を出していくことにより,存在感を打ち出していくことが必要ではないかと思います。西市民病院の病院長の経営方針には,在宅医療への支援やNST──栄養サポートチームの導入などが挙げられていますが,患者満足度を向上させつつ,特色ある病院へとつなげていく取り組みをお伺いします。  6月に発表された新中央市民病院の基本計画には,ICTの導入と積極活用が挙げられています。病院の電子化は意外に進んでおらず,電子カルテも現在の病院では導入されておりません。今後,地域の医療機関との連携がより一層重要視される中,病院だけの電子カルテの導入にとどまらず,将来的には地域とも情報共有できる方向性を視野に入れ,整備の計画を進めることが必要と思われますが,電子化の計画はどうなっていますか。  また,地域医療機関との電子化による情報共有がまだまだ困難な場合も考えられますが,その際にはまず市民病院との情報共有を図っていくということも選択できると思いますが,ご見解をお伺いします。  次に,自動車事業について質問いたします。  自動車事業における17年度決算は,レボリューション2004の計画時では,12.8億円の単年度赤字の予算となっておりました。景気回復の影響を受け,予測時より乗客減が踏みとどまったこと,さらなる人件費の削減等により,この12.8億円が 8.8億円の赤字にとどめており,約4億円という収支改善を達成することができました。これは,交通局労使一体となり取り組んできた結果として評価をいたします。平成18年度において,残り2営業所の管理委託や景気の動向を踏まえると,レボリューション2004の目標である単年度収支均衡が達成できる見通しが立ってきました。  こうした財政基盤の強化とともに拡充されてきました地域密着型バス路線については,市民からの評判も高く,乗客増へと結びついていると聞いています。レボリューション2004の目標達成後,黒字を維持して, 310億円に及ぶ累積赤字の解消をできるだけ速やかに行っていくことが必要ですが,一方で市民の足を守るという市営交通本来の役割を果たすことも求められます。中型・小型バスを活用した地域密着型バス路線を今後さらに充実し,加速させることは,市民要望にこたえ,また乗客増によって経営改善を図っていく両面から必要であると考えますが,ご見解をお伺いします。  次に,高速鉄道事業についてお伺いします。  この地下鉄の事業におきましても,レボリューション2004という目標が立てられ,平成18年度に海岸線のランニング収支の赤字を全線で解消するという目標を,17年度決算において前倒しで達成することができました。しかし,西神・山手線では,17年度決算でも39億円の黒字を計上していますが,海岸線を含めると約40億円余りの赤字という危機的な財政状況は続いています。既にこれまで,海岸線駅業務の委託拡大や保守業務の外注化等経営改善策に取り組んできており,引き続き安全を重視した上でのコスト削減の努力は続けてもらいたいと思います。  景気回復の影響を受け,定期乗車の乗客がふえるなど,少し明るい兆しはあるものの,一方で団塊の世代が定年退職を迎えるといった社会情勢を考えれば,地下鉄の乗客動向にも大きな影響を与え,運輸収入が減ることが予想されます。このような状況をかんがみれば,交通局にとって乗客増・収入増対策が喫緊の課題であると考えます。  せんだってプロ野球オリックスがスカイマークスタジアムでの試合数を減少するといった,交通局だけでなく神戸市としても残念な意向表明があったものの,新聞報道によれば,知事・市長連名で阪神タイガースにスカイマークでの試合開催を要望したという前向きの取り組みもあり,ぜひ実現に向けて努力していただきたいと考えます。  また,J2に転落したヴィッセル神戸ですが,5月中からは負けなしで現在2位となっており,J1復帰への期待感は,市民にとって,また海岸線にとって明るい話題でもあります。  今後,海岸線を含めた地下鉄全体の乗客増・収入増対策について,交通局として,職員一丸となって目標を定めて取り組んでもらいたいと思いますが,ご見解をお伺いします。  また,乗客増に結びつけるため海岸線の沿線プロジェクトが実施をされているところですが,地域活性化も踏まえて,このプロジェクトを再構築して,さらなる乗客増を図るべきと考えますが,市長のお考えをお伺いします。  次に,安全面での取り組みに関連して質問いたします。  ことしの冬,2月2日に西神・山手線で停電事故が発生しました。通勤時間帯であったこともあり,線路を歩いたり列車に閉じ込められた人など,6万人に影響しました。開通以来初めてという列車の非常発報装置が誤作動により動作したことが原因と聞いています。  西神・山手線では,一部開業から30年が経過しており,機器・設備等の老朽化が原因で人命にかかわる大事故にもなりかねないことから,老朽化等に伴う事故を可能な限り未然に防ぐためにも,機器・設備・土木施設を再点検し,安全性の確保に係る投資については優先的に行うべきと考えますが,ご見解をお伺いします。  最後に,水道事業会計について質問いたします。  水道事業会計では,上水道・工業用水道ともに節水機器の普及や少子・高齢化の影響などにより給水収益が減少に転じる中,経費削減の結果,いずれも黒字会計とすることができました。工業用水道では,経年化施設の第2次改築事業に取り組み中ですが,先日西宮市で発生した水道管の漏水事故では,計7件の床上浸水が発生するなど,お隣のまち西宮の方々にご迷惑をおかけしてしまったことになります。また,最近では,呉市において水道管の送水トンネルが崩落し,約3万世帯に断水が起きる事故が発生しており,復旧に時間を要することから,市民生活には大きな負担がかかっています。  六甲山を貫通して淀川の水を西へと運んでいる当市においても,同様なことが心配されます。工業用水道については,昭和初期から埋設した配管を数年かけて更新する計画の途中であったと聞いていますが,前倒しでこの計画を実施するべきではないでしょうか。  また,工業用水道よりは少し新しい上水道の配管ですが,六甲山トンネルの点検も含めて現在の更新計画に不備はないか,検証すべきと思いますが,ご見解をお伺いします。  以上,簡明なご答弁をお願いいたします。(拍手)  (「議長」の声あり) 54 ◯副議長(片岡雄作君) 矢田市長。 55 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から数点にわたりましてご答弁を申し上げます。  まず,和田岬ポンプ場の関係でございますが,和田岬ポンプ場につきましては,先ほどお話がございましたように,既に40年以上経過をしておりまして老朽化が大変著しい,そして震災の影響も受けておりまして,この改築・更新が急務になっております。  一方で,都市化の進展によります雨水流出量の増大でありますとか,あるいは遠矢浜町等の排水区域の追加がございまして,能力の増強が必要な状況でございます。  現在,そういうことで新和田岬ポンプ場の設置工事を進めておるところでございますが,このポンプ場の放流する前の海域が少し浅いということがございまして,雨水排除のために放流渠の出口の海域を掘削する必要がございまして,工事に先立ちましてこの水域の底質を採取・分析いたしましたところ,環境基準値 150ピコグラムを超える数値のダイオキシン類が底質の中から検出をされたということで,この汚染につきましては,直接口に入る機会はないと考えられますが,しかし市民の健康という点が重要でございますんで,また環境保全の観点からも汚染状況の把握そして対策手法の検討が必要でございますから,危機管理室をはじめといたします庁内の会議を開催し,そして7月14日から緊急の環境調査を開始しておりまして,現在も継続して実施をしておるところでございます。いずれにしましても,早急な対策をとって進めていく必要があるというふうに認識をしてございます。
     また,汚染状況の評価,対策の方針などについて検討をしていくために,ダイオキシン類に詳しい学識経験者の参画を得まして,遠矢浜北側水域ダイオキシン類対策検討委員会の設置を行いました。9月9日,一昨日でございますが,第1回の委員会を開催をしまして,現状の状況また今後の検討方針について議論を行ってきてございます。  この新しいポンプ場は,19年当初の供用開始を目指しておりまして,14年度から工事を進めてまいりました。既にポンプ場本体の土木・建築工事は完了しておりまして,ポンプ場の設備工事,及び先ほど申し上げました放流先までの陸上部の築造工事等は既にでき上がってまいります──年度内完成でございます。  そういうことで,このポンプ場をできるだけ早く供用開始をするためには,先ほどのダイオキシンに対する対策が早急に進められることが重要でございます。一方で,やはり地域の浸水対策を急ぐということは,これはもう大変重要なことでございますので,検討委員会の結果に基づきまして必要な措置を講じ,そして残る浅くなっておりますポンプ場放流先前面の海域の掘削工事を完了させてまいりたいというふうに考えてございます。  次に,港湾事業についてでございますが,港間競争に勝ち抜くために阪神港の入港に係る港の税の問題でございますが,これの一元化など国に対する要望,また情報システムとしての神戸港EDIシステムなりJCL-netの普及という点でのお尋ねでございます。  こういった点で神戸港の特色をどう生かしていくかという点でございますが,神戸の港の国際競争力を強めるためには,以前から申し上げておりますようにコスト・スピード・サービスの向上というのは,これはもう最重要の課題でございます。これに向けましての取り組みを進めてきてございますが,そういう中でポートアイランド2期におきますマイナス16メーター岸壁,また共同デポの整備等のハードを進めるということと,ご指摘のソフト面の取り組みを充実していく必要がございます。  神戸港は,特に東アジアとの結びつきが大変現状強くございます。特に近年の中国・韓国の台頭ということで,この両国の近海航路を就航する船舶が年々増加をしてきてございます。その多くが大阪湾の複数港に寄港する船舶でございます。大阪湾は,各港ごとにトン税・特別トン税が徴収をされておりますんで,港湾コストの低減に向け,大阪湾諸港の一開港化の実現が課題でございます。  昨年,関西全体の活性化を目指そうということで,特に物流の活性化という点で,産官学一体となった国際物流戦略チームが設置されまして,既にもう会議を重ねておりますが,そこでも大阪湾諸港の一開港化の実現が取り上げられておりまして,国の関係機関に対しまして,今年の3月に大阪湾の港湾管理者が共同で要望活動を行いました。また,4月には国際物流戦略チームとして政策提言書も提出をしております。  また,この8月の5日でございますが,大阪で国際物流シンポジウムがございましたが,その際に北側大臣から,明年にも法令を改正して大阪湾諸港の一開港化を実現したいという積極的な発言をいただいております。それを受けまして,早速に国の関係機関また港湾管理者での推進会議が既にもう設置をされました。大阪湾諸港の一開港化をはじめ,また包括的な連携施策の具体的な検討を始めておりまして,神戸市もその中に積極的に取り組みに入ってございます。  また,船舶の入出港届などをパソコンで申請できる神戸港EDIシステムでございますが,これにつきまして,他の主要港が3割から5割の電子申請率の中で,神戸港の場合には既にパソコンで6割の申請をこのシェアとして持っておりますし,また神戸港独自のFAX-OCR申請を加えますと,9割を超えるという高い電子化率となっております。また,それに加えまして,今年度からは携帯電話による申請方法などを新たに追加もしてきたということで,まさに利用者の利便性向上を図っていっております。  また,コンテナの搬出入業務の電子化システムでございますJCL-netでございますが,これは平成17年6月に全国に先駆けましてPC-18で導入をしてございます。さらに,利用者の拡大を図るために神戸港独自の取り組みとして,ターミナル事業者に対しましてJCL-netを接続するためのインセンティブ補助を行うということとともに,今年度は国の支援も得まして,このJCL-netの活用実験を実施する予定でございます。現在3社ぐらい予定をしてございます。  その他のソフト面の施策でございますが,メガターミナルの形成は重要な事項でございますので,ヤードの共同利用,また自動ゲートシステムの設置といったふうに情報化の社会実験を昨年度実施をしてきております。また,瀬戸内諸港との間の内航フィーダーの活性化に向けまして,今年度からモーダルシフト補助制度も実施をしておるところでございます。  港間競争を勝ち抜いていくためにも,今後も神戸港がスーパー中枢港湾としてハード面だけではなくて,港湾EDIシステムまたJCL-netの普及などソフトの取り組みを進めていくことが,ひいては充実した内航・外航定期航路網また背後圏とも密接に結ばれている道路網を持つ神戸港の特色を生かした取り組みにつながっていくというふうに考えてございまして,こういった点を最大限生かしていきたいというふうに考えてございます。  ICタグに関してでございますが,ICタグの取り扱いにつきましては,港湾地域また物流地域におきまして,ICタグで使う電波の規制が解除されるということでもございますので,コンテナ物流の情報化がさらに進むものと期待をしておりますが,これは共通して港がそういう設置をしていかなければいけないものでもございますので,そういう点で,今後ICタグを実際使う可能性のある荷主・船会社など物流関係事業者の動向をまたポートセールス活動等を通じて把握しながら,必要な対応をしていく必要があろうというふうに思っております。そういった点で,今後の少し課題でございますが,これについて取り組むということが重要であると思っております。  それから,病院でございます。病院の電子化についてでございますけれども,特に地域医療機関との連携という中で,地域との情報共有はどういうふうに進めていくのかというお尋ねでございます。  近年は,院内完結型の医療から,手術など高度な技術を集積しまして,より安全で質の高い急性期医療を提供するとともに,病状が安定してからは療養環境のよい病院なり診療所で治療を行う地域完結型医療への転換が国全体で進められてきておるところでございます。地域医療機関との連携・役割分担のもとで地域完結型の医療を推進するために,今後ますます地域医療機関との情報共有が重要でございます。  さらに,診療情報の電子化によりまして,従来紙ベースで行ってまいりましたこと,さらに情報量が膨大でできなかった情報交換が,より迅速に行うことが技術的には可能になるわけでございまして,患者・家族にとっての利便性が向上するというふうに考えます。  現在,市民病院群でございますが,ICTを活用した情報共有の取り組みとして,神戸市医師会在宅医療情報システム,俗に逆紹介──病院から診療所あるいは病院等へ紹介する逆紹介でございますが,これに平成17年2月から参画をしてございます。平成17年度実績としましては,3病院で 124件とすべての利用の中の7割を占めておりまして,随分活用いただいておるというふうに思っておりますが,中央市民病院の紹介目的でございますが,がん終末期,また総合的プライマリーケア,また在宅でのみとり,それが約9割を占めております。従前に比べまして迅速に適切な情報の入手ができ,役立っているんではないかというふうに評価されているところでございます。  今後の状況でございますが,診療情報の電子化という点で,厚生労働省もこの保険医療分野の情報化に向けてのグランドデザインというのを既に平成13年に発表しておりますが, 400床以上の病院を中心に電子カルテの導入がそれで現在進んできてございます。  しかし,電子カルテは,メーカーごとに独自に開発される,そしてまた病院ごとにカスタマイズが行われてきたという経緯がございまして,システム間に互換性が残念ながらないという状況がございますし,また医療施設間の情報共有に十分活用されていないのが現状でもございます。  しかし,これらの課題解決のために,厚生労働省は,平成17年に標準的電子カルテ推進委員会から電化カルテの標準化への枠組みなり基盤というものを示しました。これを受けまして,1つは電子データの交換規格あるいはソフトウエアの標準化,また病名とか処置・薬品など用語・コードの標準化について,医療情報システム開発センターをはじめ各関係機関で取り組みが進められております。先ほど用語・コードと申し上げましたが,これは大学の病院で,それぞれに違った何か特徴のある扱いがあるようでございまして,そういうものも今後統一していく必要があろうということでございます。  また,個人情報保護法の観点から,情報共有システムの実際の運用に際しましては,1つは患者の方々の皆さんの同意,2つはシステムのセキュリティーの確保,そして3つ目は各医療機関におきます個人情報の厳格な取り扱いと,さらなる課題もございます。  新しい中央市民病院の電子カルテ導入に際しましては,まずはこれらの動向を見きわめまして,できる限り標準化を図っていく中で,将来の地域医療機関との情報共有を想定した整備を行っていきたい,このように考えてございます。  地域医療機関との電子化がまだまだ困難な場合に,まず西市民病院との情報共有化を図ってはどうかというお尋ねでもございますが,西市民病院との関係でございますが,現在は別々の実は医療情報システムで運用されております。両病院の医療情報システムに電子カルテ機能がないことから,今の状態では情報連携をスムーズに行うということができかねるところでございます。  ただし,病院間連携を前提に考えた場合に,個人情報保護法の観点から課題がございますが,必要に応じて市民病院間で情報共有することについては,データの方式──先ほど申し上げた用語あるいはコードの標準化また患者の同意,システムのセキュリティー確保,さらに個人情報の一元的な運用といった点で,この地域医療機関より取り組みが西市民病院との間ではやりやすいというふうに認識をしてございます。  今後,機能の拡充をはじめとして,どのように市民病院間で情報共有していくか,新しい中央市民病院の整備を進めていく中で検討をあわせてやらせていただきたい,このように考えてございます。  次に,地域密着型バス路線の拡充についてでございます。  レボリューション2004の中で,公営交通事業を取り巻く厳しい環境の中からどう脱却するかということで検討を進めてまいりまして,市バス・地下鉄を将来に向けて維持し続けるため──これは市民の足を守るという点でございますが,そういう点でレボリューション2004を一昨年導入したわけでございます。  自動車事業におきましては,民間活力を維持しながら,市バス営業所の管理委託を実施し,そして抜本的な経営改革に取り組んできたところでございます。また,サービスの向上,乗客増対策という面では,地域密着型バス路線の充実などを中心に取り組んでいるところでございますが,平成18年度では約 3,000万円の黒字を予定するという目標を立ててございます。  このように民間活力あるいは民間バス事業者のノウハウの導入をいたしまして,市民の足を守る,そして福祉,環境,まちづくりといった観点からの先導的な役割も担うということで,地方公営企業としての企業性・公共性を両立させ,市民のニーズにこたえて事業展開をしていくことが市バス事業の使命であろうというふうに認識をしてございます。  こういった中で,中型あるいは小型のバスを活用しました地域密着型バス路線についてでございますが,新たな乗客需要の対応として,これまでの道路事情等において大型バスで運行できない地域等におきまして,福祉とか環境,まちづくりの観点から,区役所・病院・商店街あるいは駅,そういったものを結ぶ路線として,東灘区,灘区あるいはHAT神戸あるいは垂水等で,またことしに入りましては須磨区内でひよどり台と結ぶというふうな路線を新設し,地域の方々の利便性の向上を図っておりますが,これらの地域密着型バス路線につきまして,大変多くのお客様に好評をいただいておるというのが現状でございます。  今後の対応としましては,平成19年度以降も単年度収支の黒字基調を維持していくということが重要でございますし,少しでも累積赤字の解消を図るということが大きな前提でございますが,高齢社会の中では市バスの役割というものは大変重要なものだという認識でございます。新たな乗客需要をどう引っ張り出していくのか,あるいは公共交通機関として,また福祉,環境,まちづくりの観点から市バスの意義・役割を充実・強化していく必要がございます。そのためには,道路状況,採算性等の課題が解決できるということが必要でございますんで,地域密着型バス路線の充実を図っていくために,そういったことも考慮しながらやってまいりたいと思ってございます。これ,地域密着型バス路線以外の市バス路線も当然に,お客様のニーズに十分対応しながら路線の見直しとかダイヤの編成での工夫をやる必要があろうと思っております。  いずれにしましても,市民の利便性に合った形でバス事業の運営を図っていくということが重要でございますし,またバス路線全体として乗客増・収入増を図っていくような手だてを考えていくことが重要である,そのように考えてございます。今後ともこういった努力を積み重ねていきたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 56 ◯副議長(片岡雄作君) 梶本助役。 57 ◯助役(梶本日出夫君) 川原田議員のご質問のうち3点,私の方からご答弁申し上げます。  まず,下水汚泥の処理について,他都市では下水汚泥を炭化し,燃料として再利用に取り組んでいる都市があると聞いておるということで,神戸市においてもこうした取り組みを進めるべきだと,こういったご指摘でございますけれども,本市の下水処理におきましては,消化ガスや焼却廃熱の有効利用に努め,省エネルギーや環境保全への取り組みを進めているところでございます。  中でも,こうべバイオガスにつきましては,余剰ガスとして焼却しております3割の消化ガスを精製いたしまして,自動車燃料として供給するものでございまして,ガソリンを使うことで排出されます二酸化炭素を削減することができる,こういった点で環境に優しいエネルギーとして期待をされているところでございます。  このこうべバイオガスの精製設備につきましては,平成18年度・19年度2カ年で建設工事を行いまして,20年の春から供給を開始する予定でございます。  また,東部スラッジセンターにおきましては,下水汚泥を焼却する際に発生する熱を汚泥の乾燥あるいは燃焼空気の予熱に利用することによりまして,省エネルギー化に努めてまいっております。  また,従来は利用できなかった低温の焼却排水を熱源といたしまして,地域温水供給事業として,今六甲アイランドの住宅約 3,600戸に温水を供給することによりまして,全体として効率のよい熱利用システムを採用しているところでございます。各住宅には摂氏40度程度の温水が供給されまして,夏にはそのままシャワーなどに利用できる,こういうことから住民から好評を得ているところでございます。  ご指摘の他都市におきます下水汚泥を燃料として再利用する取り組みにつきましては,下水汚泥から炭をつくりまして,火力発電所の燃料の一部として利用する,こういった新しい試みでございます。このような新しい取り組みにつきましても注視する必要がある,このように考えておりまして,今後神戸市といたしましても循環型社会の実現に向けましてさまざまに調査・研究してまいりたい,このように考えております。  それから,西市民病院でございますが,この患者満足度調査による患者さんの満足度が若干下がっておるということで,医療面で地域の実情に合った特色を充実させていくことが病院の存在感を打ち出すことにつながるんではないか,こういうことで患者満足度を向上させる上でどういった具体的な取り組みを行っているのか,こういうご質問でございますけれども,西市民病院につきましては,地域の中核病院として市民の命と健康を守るために,質の高い心のこもった医療を提供する,こういった基本理念のもとに患者サービスの向上に努めてまいっております。  ご指摘の平成17年度の患者満足度調査におきましては,外来患者の満足度は市民病院群で一番高いわけですけれども,入院患者につきましては一番低い。また,ご指摘のとおり,昨年度と比較いたしまして入院・外来とも満足度が若干下がっております。  西市民病院の今後のあり方につきましては,第5次の市民病院経営計画におきましても,施設や職員数の点から制約もあるが,市街地西部地域の中核病院としての位置づけからの需要も勘案をして,長期戦略を立てて医療機能の見直しを検討していくことが必要である,こういったことが計画に読まれておりまして,西市民病院の医療機能の見直しが必要であると認識をいたしております。  なお,特に平成17年度の決算におきましては,医師不足が原因となり経営が悪化したことにつきましては,厳しく受けとめているところでございます。  今後のあり方の検討の方針でございますけれども,西市民病院につきましては,高齢者が多い,こういった地域特性なり市民・患者の声を尊重した医療機能の見直しを図る必要があるといったこと,それからまた医療者,特に医師にとって魅力ある病院づくりを進めてまいりまして,医師の定着率を高めていくことが必要である,さらにはそのためには診療科の再編まで含めた市民病院群間の役割分担の見直しを検討する,こういったあり方の方針のもとに,医療機能の見直しを開始したところでございまして,地域特性を生かしたこういった専門性の高い病院となるように検討を進めているところでございます。  ご指摘のような医療面での地域の実情に合った特色を充実させる一環ということで,在宅医療への支援ということで考えておりまして,在宅医療への支援策につきまして,ことしの5月,西市民病院の11階病棟に亜急性期病床20床を設置したところでございます。  この亜急性期病床は,急性期の治療を終えた患者さんが在宅に帰って日常生活を送れるように必要なリハビリ,あるいはまた家族に対する在宅医療処置の訓練をすることを目的とする病床でございまして,開設当初のことしの5月は延べ 371人の入院,病床利用率で59.8%でございましたが,7月には延べ 515名,病床利用率の方でも83.1%となっております。患者さんからは,急性期病院において比較的長期に治療を受けられることから,在宅に帰る自信がついたと,こういったご意見もいただいているところでございます。  もう1点,チーム医療に関しましては,西市民病院におきまして栄養サポートチームの活動など,チーム医療の推進にも力を入れておりまして,これを1つの病院の重点目標といたしております。この栄養サポートチームは,医師をはじめ管理栄養士・看護師など多くの職種の職員が携わりまして,毎週1回病棟回診なり月1回の院内機関紙の発行,また月に2回の勉強会などを活発に活動しているところでございます。  栄養状態の改善による早期退院といった医療面の効果のほかに,複数の職種が患者さんのベッドサイドに集まり診察することによりまして,患者自身が早くよくなろうと考え,満足されて症状が改善される,こういった副次的な効果もございまして,チーム医療の効果は大きい,このように考えております。  今後とも,こうした在宅医療支援あるいはチーム医療の推進など,地域特性や市民・患者の声を反映したきめ細やかな取り組みに加えまして,市民病院群の連携によります診療科の再編を含む特色ある西市民病院づくりを進めてまいりまして,患者満足度のさらなる向上に努めてまいりたい,このように考えております。  それから,もう1点,水道管の更新でございますが,工業用水道で先日の西宮市で発生した送水管の漏水事故を踏まえて更新を前倒し実施すべきだと,また上水道におきましても,六甲山送水トンネルの点検も含めて,現在の更新計画に不備がないか検証すべきであると,こういったご指摘でございますけれども,本市の工業用水道事業につきましては,神戸港を中心とする臨海部に進出する企業の産業用水の需要に応じるため,昭和39年から一部給水を開始したところでございます。  給水に当たりましては,施設の有効利用を図るため,上ケ原浄水場から本山調整池に至る送水管や,本山調整池から下流の配水幹線などは,上水道で使用していた管路を転用いたしております。そのため,昭和45年から実施をいたしました2期工事の際には,管路の内面を点検いたしまして,必要な箇所は補修するなど,その都度適切な措置を施しながら使用してまいったところでございます。  また,昭和61年度からの改築工事あるいは阪神・淡路大震災における災害復旧工事では被害の多かった配水管を主体に耐震化を図ったところでございます。  さらに,平成13年度から22年度までの第2次改築事業におきましては,経済産業省の補助事業を活用いたしまして,管路を対象に計画的に更新を進めてまいっております。  今回の漏水箇所につきましては,西宮市における道路計画もありまして,そういったことがありましたので,最終年度であります平成22年度の施工を予定いたしておりましたが,今回の事故を踏まえまして,関係機関と調整を図り,早急な対応を検討してまいりたい,このように思っております。  一方,上水道につきましては,六甲山の東西方向に2本の送水トンネルがございまして,昭和32年に供用開始したトンネルにつきましては,昭和50年代から60年代にかけまして順次可能なところから点検を行い,必要に応じて更生を行ってまいりました。震災後も,内部の点検を行いまして更生をしているところでございます。  また,昭和39年に供用開始したトンネルにつきましては,震災後に送水をとめて点検することができませんでしたが,現在整備を進めております大容量送水管の完成した区間から順次送水を切りかえることによりまして,点検・更生を行う計画でございます。大容量送水管が既に完成をしております西宮市から東灘区にかけての区間につきましては,今年度内に点検を開始する予定でございます。また,現在鋭意工事中の大容量送水管の奥平野浄水場までの区間を早期に完成をさせまして,トンネルの点検・更生が行えるように努力をしてまいりたいと思っております。  今後とも市民に安全で良質な水を安定して供給するため,大容量送水管などのバックアップ機能を整備してまいりますとともに,管路や施設につきましても点検や更生など,今後とも適宜実施をしてまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 58 ◯副議長(片岡雄作君) 鵜崎助役。 59 ◯助役(鵜崎 功君) 地下鉄の財政問題と西神・山手線の安全対策について,お答え申し上げます。  ご案内のとおり,交通局ではレボリューション2004も策定いたしまして,駅業務の委託の拡大,そして人件費とかあるいは経費の削減ということで財務体質の強化を最優先に取り組んでいるところでございますけれども,おかげで17年度決算では,ご案内もありましたけれども,全線で40億の純損失になったということで,これは16年度に比べると18億円の改善ということで,当初レボリューションで目標としてございました,平成18年度に海岸線のランニング収支の15億円の赤字を全線で解消するという目標を前倒しで達成できたことになります。そういう意味で,交通局の全職員,非常に頑張っているという状況だというふうに認識をいたしてございます。  そうした中で乗客の問題でございますけども,地下鉄全線ですけども,乗客人員がマイナス──2%の減ということを見込んでございましたけれども,平成17年度以降,実は増加傾向で推移してございまして,海岸線を取り上げましても,18年度に入りましては1日当たり大体4万人を超えるということで,定期客を中心に増加傾向にあるということで,沿線住民の足としてさらに定着を図っていくような取り組みをしていきたいというふうに思ってございます。  しかしながら,ご指摘ございましたように,公共交通機関の共通の課題でございますけれども,少子・高齢化の問題,あるいはモータリゼーションの急激な進展の問題,あるいはこれもご指摘ございましたけども,団塊世代等を含みます雇用形態の多様化の問題,そういうことで乗客数の自然増加を期待することは難しいというふうな認識を持ってございます。  こんな状況の中で経営の安定化をまず図っていくためには,乗客増対策が何よりも大きな問題でございますので,そのためには,この10月の初めからもう実行しようとしてございますけれども,ICカードシステムの導入,あるいは今年度中にもやりたいと思ってございますけども,ホームページでの経路あるいは運賃検索サービスの提供もやっていきたいというふうにも思ってございます。従来からやってございますけども,エコファミリー制度あるいはエコショッピング制度,あるいは各局の,あるいは企業の皆さん方のご支援もいただきます市場やあるいは進水式の市民向け見学会や,あるいはキャナルレガッタ,いろんなイベント等,相乗効果を発揮するような形で今後とも乗客増対策を確実に実行していきたいというふうに思ってございます。ご指摘のありました,ウイングスタジアムなりスカイマークスタジアムの活用についてもしかりでございます。  それから,乗客増とあわせまして別の収入,附帯の収入増対策も非常に大事だというふうに思ってございます。収入増対策の1つとして広告事業でございますけども,これにつきましては,特に地下鉄の場合,柱巻きの広告を導入しよう,あるいはエスカレーターのハンドレール広告もやっていこうということで,新しい広告媒体を導入してまいりましたけれども,17年度決算では4億 3,000万の増収になったということでございます。今後ともこういう積極的な営業活動は続けていきたいと思います。  それから,それ以外の附帯事業でございますけども,例えばですけども,駅の売店のウオークイン化,これを西神南駅でやってございますし,三宮駅でも店舗の改修なんかも実はやってございまして,賃料の増収を図っていく,これも大きな財源になるというふうにも考えてございます。今後こういうことを,施設の有効活用に順次取り組みながら,さらなる増収を図っていくようなことをやっていきたいと思います。  それから,交通局独自の取り組みのほかに全市でどういうふうにして,特に海岸線に対して支援していくのかということでございますけども,これにつきましては,午前中たけしげ議員の質問にもお答え申し上げましたけれども,いわゆる23のプロジェクトのうち残りのすべて,13のプロジェクトについて早急な完成を目指す,そういうことで各局にお願いをしていきたいと思いますし,特に中央卸売市場の本場の西側の跡地の問題,あるいは中部下水処理場跡地の問題,こういう新たなプロジェクトをどのように立ち上げていくか,その立ち上げ方を海岸線の乗客増に対してどのように結びつけていくかということを今後真剣にやっていきたいと思いますし,あわせて今月の13日からですけれども,兵庫・長田南部地域産業めぐり5DAYSということで,新たなイベントを連日開催していきたいというふうに思ってございます。  こういうプロジェクトとソフト戦略としてのイベント,これらをうまく組み合わせながら,乗客増につながるような取り組みを今後とも従来以上に力を入れて,各局の支援も得ながらやっていきたいと思ってございます。  それから,西神・山手線の安全面でのご質問がございました。  まず,2月2日の停電事故によりまして,多くの利用者の皆様にご迷惑をおかけしました。改めておわびを申し上げたいというふうに思います。  この西神・山手線ですけども,ご案内がございましたように,既に一部開業から30年近くが経過しているということで,老朽化に伴います事故を未然に防止するということで更新計画を持ってございますけども,この更新計画に基づきまして安全性の確保を最優先に,継続して設備更新に取り組んでいるところでございます。  例えばですけども,安全運行の最重要設備でございますATCの地上設備につきましては,名谷駅とそれから新長田駅間,この更新を実は完了させていただいてございます。車両につきましても,ATCあるいはATO,それからモーター,それから制御装置等の更新も順次行っている真っ最中でございます。  また,安定的に電気を供給するということで,実は18年度から名谷変電所と妙法寺の変電所を統合していきたい。統合することによって,新しいものに更新していきたいという計画を持ってございます。  さらに,列車の安全運行に直結する線路につきましても,福知山線の脱線事故後に実は総点検を行いまして,平成17年度に補正予算も実はお願いさせていただきましたけれども,レールあるいはまくら木,それから分岐器の交換を更新計画を前倒しして一部やらせていただきました。  電気・車両・土木施設の設備の更新費用ですけども,安全確保のための投資額は実は17年度で11億 6,000万円,それから18年度でも12億 1,000万円を投じてございまして,これは地下鉄会計の全投資額の73から77%に相当する額を優先的に投入させていただいてございます。  今後とも,2月2日の停電事故を教訓といたしまして,安全への認識をさらに深めるということとともに,安全性の確保に関する投資を優先的に行いまして,お客様に安心して地下鉄をご利用いただける,そして事故の未然防止と安全運行に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 60 ◯副議長(片岡雄作君) 川原田君。 61 ◯11番(川原田弘子君) もうちょっと時間がありませんので,再質問は行いませんが,市長・助役から安全に関して市の姿勢を聞かせていただきました。例えば和田岬のポンプ場にしても,費用がかかっても必ずやり遂げるというような,そういうご答弁であったと私は理解しております。地下鉄とかに関しましても,今経費削減が非常に言われておりますが,経費削減をする際には必ず安全を,これで安全面に問題がないかということをあらゆる面で検討していただいて,これから経営努力を続けていただきたいと思います。  あとは決特委の方で詳しく聞かせていただきます。ありがとうございました。 62 ◯副議長(片岡雄作君) 次に,17番山田哲郎君。  (17番山田哲郎君登壇)(拍手) 63 ◯17番(山田哲郎君) 私は,公明党神戸市会議員団を代表して,平成17年度企業会計決算並びに関連議案について質疑いたします。  公営企業会計全体では,8会計のうち5会計が単年度黒字を計上し,前年度対比で約44億円損益収支が改善しています。その意味で,全体的には当局の経営改善努力を多としたいと存じます。  しかし,平成17年度単年度の状況だけではなく,バブル経済崩壊以降の公営企業を取り巻く社会経済の変化を見ると,個々の事業会計における経営改善努力では克服し得ない状況が出来しているのではないかと懸念いたしております。少子・高齢化と人口の伸び悩み,産業構造の変化と経済成長の低成長などが震災以前から進行しており,この変化に公営企業が対応し得なくなっているのが実態ではないでしょうか。  そのような変化の中,公営企業の運営形態につき,公営企業法の全部適用か独立行政法人化を求める流れがあります。午前中に市民病院の運営形態について質疑がありましたが,それは公営企業の経営責任を明確にして効率を高めようとする試みであろうと思いますが,社会経済の変化は,既にこのような試みでも対応できないところまで来ているのではないでしょうか。  ここでお尋ねしたい第1は,改めて公営企業の対象事業がどうあるべきかという問題であります。公営企業とは,言うまでもなく公益性があり,受益者負担を求めるべき事業でありますが,事業に要する設備や資金が膨大であったり,事業が長期間にわたるために発生するリスクを通常民間で負えないことから公が担っているというのが事業であります。  しかし,民間資金の増大や金融制度の充実,公営企業と同様なサービスを行う民間企業の存在など,必ずしも行政が担わなくてもいいと思われる状況があります。これは,ある意味で高度に成熟した経済社会のたまものという側面でもあると思います。  そこで,公営企業として継続すべきもの,見直すべきものについて,改めて検討すべき時期にあるのではないかと思いますが,この点のご見解をお伺いしたいと思います。  また,中央市民病院の新築に際して,PFIの手法を用いるべく手続を進めておられますが,民間資金の活用についてもさまざまな手法が考えられると思います。この点についての研究も重大な課題ではないかと考えるところでございますが,あわせてご見解をお伺いします。  欧米では,既に病院・鉄道・水道・有料道路・空港・港湾など,さまざまな分野で民間資金や民間ノウハウによる運営がなされております。制度の違いから,我が国ではまだまだ多くの課題がありますが,特に自治体における事業に関心を持つ金融機関も少なくないと仄聞しております。  以上2点,先進的な取り組みが本市の評価を高めることにもつながると存じますので,個々の事業会計の問題に先立ってお伺いいたします。  次に,局地的集中豪雨による都市型水害への対策についてお伺いいたします。  下水道事業におかれては,平成17年度事業において,10年に1度の強い降雨に耐え得る浸水対策に鋭意努力をされております。新中期経営計画──こうべアクアプラン2010における事業目標の1つに,浸水のない安全・安心なまちづくりを掲げておられます。  しかし,局地的集中豪雨が増加するという近年の気象状況の変化を見ると,そもそも10年に1度という降雨強度の基準自体を見直す必要があるのではないでしょうか。例えば,近くは先月の29日にも局地的な大雨によって国道2号線が数百メートルにわたって冠水しました。また,平成10年9月には1時間に55ミリと61.5ミリの豪雨が,ほぼ連続して発生いたしました。
     全国的に見ても,昭和50年代と比較して,時間雨量50ミリ以上の降雨の発生回数はここ10年の間で約4割増し, 100ミリ以上に至っては2倍を超える発生回数となっております。  神戸市における10年確率の降雨強度は,1時間当たり49.1ミリということですが,この基準に沿った対策では十分に浸水を防ぎ切れないのではないか,その結果として社会的費用が増大するのではないかという懸念が生じます。したがって,基準そのものの見直しを含めた雨水整備の課題と解決策の検討が求められると思いますが,いかがでしょうか,ご見解をお尋ねいたします。  次に,病院事業についてお伺いいたします。  病院事業会計では,平成15年度には1億 8,600万円の黒字を計上したものの,その後一般会計から基準外繰入金の大幅な見直しにより収支構造が一変し,平成16年度には6億 7,700万の赤字となり,さらに平成17年度の決算においては,会計全体で5億 7,900万円の赤字となっています。会計全体では約1億円の収支改善が見られるものの,病院別に見れば,中央市民病院が改善する一方,西市民病院は悪化し,患者数や診療単価など医業収益が減少しております。  そこで,西市民病院の経営と今後のあり方についてお伺いいたします。  西市民病院の経営は,第4次市民病院経営計画に沿って改善努力を着実に続けてこられましたが,途中負担区分の見直し等もあり,2年連続悪化している厳しい状況にあります。しかし,一方では地域住民からの信頼も厚く,患者満足度でもほぼ高く評価され,さらに地域の医療機関との地域連携も円滑・順調と言われ,西市民病院としての地域での重要性はますます高くなってきております。  では,現在の経営を圧迫している要因は何か。まず,診療圏となる長田・兵庫・須磨本区の人口回復が,全市では 100%を超えているのに比べ90%を切っており,極めておくれているのが1つ。さらに,患者からは高度医療を求められているのに反して,例えばリニアックなどが不備では,がん治療すら病院内で完結できないということになり,病院としての魅力が低下しています。これと直接関係するかはともかく,医師の確保も困難となっています。この3年間で医師定数48人中23人もの方が退職・交代しています。臨床研修の必修化以来,全国の公的病院で医師の不足が叫ばれていますが,この数字は極めて憂慮すべきと考えます。  以上のことを総括すると,西市民病院は,まず医療機器及び医師の確保など緊急的な対策を講じるべきと考えますが,いかがでしょうか。  また,医師の不足に関しては,西市民が深刻とはいえ,先日厚生労働省から発表されたように臨床研修制度の影響調査でも,全国的に医師の大学病院・公立病院離れがとまりません。中央市民も西神戸医療センターも,この影響を免れません。  そこで,提案ですが,市民病院群として女性医師の増員で医師不足解消に取り組んではと考えます。厚生労働省の統計によれば,女性医師の比率は,医師全体では20%を切っておりますが,29歳以下では35.3%,新人医師では3分の1が女性と仄聞しております。国においても,女性医師の就業環境を向上するため,病院内の保育所や子育て後の再就職支援のため,(仮称)女性医師バンクの創設が新医師総合確保対策に盛り込まれています。さらに,兵庫県でも国の支援策の上乗せが検討されています。医療ニーズとしても,産科・小児科及び女性専門外来などで女性医師の需要は日増しに高まっております。西神戸医療センターでの女性医師の比率は21%を超えていますが,中央・西ではともに15%をわずかに上回っているにすぎません。  そこで,国及び県の施策も活用し,女性医師の就業環境を向上することで,他市に先駆けて女性医師の確保に積極的に取り組むべきと考えますが,いかがでしょうか。  次に,新都市整備事業会計について2点お尋ねいたします。  まず,第1点は,ポートアイランドへの企業誘致,特に医療産業都市構想における今後の企業誘致方針についてであります。  ポートアイランド2期では,既に約90社の医療産業関係の企業が進出しています。内容としては研究開発部門の進出が多く,医療産業都市構想の中核をなす重要な施設集積という意味で大きな意義があります。ただ,従来から指摘しているように,今後これを核として都市の活力に寄与するためには,建設投資の促進,雇用吸収力や生産額のアップを目標にしていかなければなりません。  そこで,お尋ねしたいことは,企業誘致の方針であります。その1つは,従来から指摘してきた研究開発施設から医薬に関する生産工場を誘致できないかという点であります。また,もう1つは,生命科学の治験を活用した美容や健康増進などの生活関連産業の誘致の可能性はどうかという観点であります。世界的なレベルでの研究機関なり設備関連企業の研究所が集積する医療産業都市構想を神戸の新たなブランドイメージとして,目標を明確にした企業誘致活動を積極化すべきと考えますが,見解をお伺いいたします。  2点目は,ニュータウンのオールド化についてであります。  高度成長期に旺盛な住宅需要を背景に開発された団地が,まち開きから30年以上が経過し,オールドタウン化の問題が全国的な話題になっております。神戸市も,昭和35年ごろより鶴甲・高倉台・名谷・多聞台・ひよどり台団地とニュータウンを開発しましたが,現在地域住民の少子・高齢化,住宅施設の老朽化,商業施設の衰退,土地利用のニーズの変化,交通利便性の確保の必要など,多くの課題が生じております。  整備して30年を過ぎたひよどり台団地を例に,昭和55年当時と平成17年現在を比較すると,人口は1万 1,134人から 8,117人に減少し,年少人口率は34.5%から12.3%に激減,高齢化率は何と 2.6%から15.1%,そしてこの人口減少と少子・高齢化はますます進行する状況にあります。さらに,市場は半数が空き店舗となり,集合住宅は空き部屋が目立ち,老朽化しています。この状態を放置し続ければ必ず空洞化が進み,まちの活力が失われるばかりではなく,人口流出によるコミュニティの崩壊,購買量低下による商業施設の衰退,さらには犯罪の増加,治安の乱れ等の原因ともなり,これらがさらに人口減少を招くという悪循環に陥る可能性があります。  このように神戸市の開発した団地においての問題の解決を図るためには,全市的な課題として取り組んでいかなければなりませんが,まずは新都市事業会計の関連する範囲として,近隣センターの商業等の施設についても人口減少や高齢化の影響も大きく,団地のために供給されたせっかくの利便施設が衰退し,空き店舗が目立つなどの状況にあります。この状況は全市的な課題であり,神戸市の開発した団地のオールドタウン化に伴う課題解決に向けて積極的な対応が必要と考えますが,いかがでしょうか。  最後に,都心ウオーターフロントの活性化についてお尋ねいたします。  都心ウオーターフロントの活性化については,平成17年度において新港第1突堤の再開発に着手したほか,中突堤旅客ターミナルに外航クルーズ客船が着岸できるように施設整備を行い,また国産1・2号上屋を文化交流のための拠点として再開発するなど,さまざまな取り組みを行っています。また,中突堤周辺地区のほかにも,HAT神戸では既にハーバーウォークの整備が完了しているほか,神戸空港島にも船着き場や親水護岸──ラグーンといった新たな親水スポットが生まれてきております。  このように都心ウオーターフロントの各拠点で魅力的なスポットができつつありますが,それらを有機的につなぐ回遊性を高める仕掛けや動線の整備について,いまだ具体的な検討が進んでいません。  東西の動線としては,海辺の景色を満喫し,散策できるようなプロムナードのようなものが必要と考えますが,現実にはハーバーランドとメリケンパークの動線が整備されているにすぎません。また,南北の動線としては,国道2号線が障害となってなかなかウオーターフロントに近づきにくいのが実態であります。さらに,海上のアクセスとして,海上タクシーといった神戸港らしいアクセスも必要ではないかと以前より申し上げてまいりました。本年度は新港第1突堤の再開発は具体化していくということですが,まずは回遊性を高めるため,都心ウオーターフロントの各拠点をつなぐアクセスの整備について,陸上・海上も含めて早急に検討すべきではないでしょうか。  次に,神戸市では,都心における持続可能な交通体系の確立調査を進めていますが,その交通手段の1つとしてLRTについて検討していると聞いています。そのような中,地元企業がニッケル水素電池を搭載した新たな次世代路面電車の実用化にめどをつけ,走行試験に成功したとの報道もありましたが,こういったものも都心ウオーターフロントのアクセスの手段の1つとして検討を進めてはどうかと考えます。ご見解を伺います。  以上,市長の明快なるご答弁をお願いいたします。(拍手)  (「議長」の声あり) 64 ◯副議長(片岡雄作君) 矢田市長。 65 ◯市長(矢田立郎君) まず,公営企業の基本的な原則についてのお尋ねでございます。  公営企業につきましては,今おっしゃいましたように,その本来の目的でございます公共の福祉を増進するように運営しなければいけないというのは,基本の原則でございますが,一方で民間企業と同様の合理性あるいは能率性といった経済性を発揮することが求められております。  各企業会計におきましては,それぞれ積極的に経営改善に取り組みを続けておるところでございますが,公営企業の運営主体につきましては,法律などで規定されている場合もございます。例えば下水道事業は市町村が行うこと,また港湾管理者は地方公共団体であるといった規定がございますが,そのような法的規制のない部分については,民営化または民間委託を行うことが制度的に可能であるというふうに言われております。  民営化,民間委託に関しまして,平成15年に公表いたしました行政経営方針によりまして,全市的に民間活力の導入に積極的に取り組んでいくこととしてございますが,各企業会計におきましては,これまでにも市バスの路線移譲なり5営業所の管理委託を行いましたほか,市民病院におきましては,診療報酬請求事務あるいは受付・会計事務を委託,また下水道事業では,従来からの汚泥・沈砂処理業務に加えまして,平成18年度からはポートアイランド処理場の運転管理業務を委託いたしております。また,水道事業では水道料金のコンビニ収納,また港湾事業では岸壁給水事業での直接給水業務の民間委託など,民間活力の導入を進めてまいったところでございます。  今後は,新中央市民病院整備事業におきまして,PFIを活用いたしたいと思っておりますほか,水道メーター検針業務の一部につきましても,19年度に民間事業者も含めて競争性を導入するべく準備を進めてございます。また,下水処理場の運転管理業務につきましては,さらに委託の業務範囲を広げて,小規模処理場における包括的民間委託の導入を検討しておるところでもございます。  今後とも,公営企業と同様のサービスを行います民間企業が成長してきたことについては,常に意識をしていくべきであると考えてございます。事業ごとに法律上の制約なりあるいは公共性,運営上の専門性また独自性といった事業の性格などを考慮しながら,より一層行政の行っていくということの妥当性また効率性といったものを検証いたしまして,それぞれの事業に適しました民間活力の導入に努めていく必要があろうかと,このように思ってございます。  また,ご指摘がございましたが,欧米では公共施設の設置・管理において,さまざまな官民パートナーシップの手法によりまして民間活力が導入されているということでございます。例えば事業の権利を20年から30年程度の一定期間譲渡をし,その間,民間事業者みずからが調達した資金で施設の建設あるいは維持管理を行うといったコンセッション契約などが行われております。また,自治体,公共インフラへの融資を中心とした金融機関があるということも聞いてございます。そうした新たな資金調達につきましては,従来からのPFI事業または信託方式などに加えて,民間活力を導入する手段の1つではないかと考えられます。  今後,海外の事例また国,他都市の動きなど情報収集に努め,法的な問題,メリット・デメリットを整理していくなど研究をしてまいりたい,このように考えてございます。  次に,都市型水害の関係でございます。おっしゃいますように,局地的集中豪雨が増加するという近年の気象状況の変化を見ていきますときに,10年1度の降雨強度の基準では十分に浸水を防止できないというお尋ねでございます。そして,基準そのものの見直しを含めた雨水幹線の整備の課題,あるいは解決策の検討が必要ではないかというお尋ねでございます。  下水道の浸水対策でございますが,全国的に5年から10年に1度の大雨を対象に事業を進めてございます。神戸市におきましても,10年確率の降雨──ご質問ございました1時間当たり49.1ミリでございますが,これを採用いたしまして浸水対策に取り組んできてございます。  また,平成7年度においてでございますが,都市化の進展に伴います雨水流出の増加に対応するために雨水流出係数,これは降った雨が一気に地表に流れ出す割合でございますが,これを70%から85%に引き上げまして,浸水対策のレベルアップを図ってございます。  また,神戸市におきます平成17年度末の浸水対策の進捗率でございますが,71%となってございまして,全市的な対策の完了を目指しまして,引き続いて雨水幹線,ポンプ場等の整備を着実に推進していく必要がございます。  具体的には,ご質問にもございましたが,平成16年度に浸水をいたしました三宮南地区における本格的なポンプ場の整備でございますとか,あるいは既設のポンプ場設備の能力が不足しております長田南部地域の再整備などを推進していく必要がございます。  一方,近年全国的にも1時間に50ミリを超える集中的な局地的豪雨が頻発をしておりまして,神戸市においても重要なこれは課題であるというふうに考えてございます。このために,神戸市では,瞬時に対応できるポンプ──先行待機型とも言っておりますが,これを各ポンプ場に設置しておりまして,そういったポンプ施設を今後とも導入していく,あるいは降雨レーダー情報を活用して事前の対応を図っていくといったふうな危機管理体制の強化に努めていく必要があろうと思っております。  また,市民に対しましては,情報提供の充実でありますとか,平素からの啓発ということが重要でございますんで,この降雨レーダー情報の携帯端末への配信でありますとか,ハザードマップによる浸水危険箇所の周知などの対策に取り組んでございます。  今後は,さらにこの雨水をためてゆっくり排除する雨水流出抑制の考え方も取り入れなければというふうに考えてございます。そのためには,透水性舗装の推進でございますとか,あるいは浸透側溝,浸透ますの導入でありますとか,あるいは雨水貯留施設の整備──俗に言う調整池的な役割でございますが,現状東灘の本庄の地域にそういった施設を高橋川の対策として設置してございますが,こういったことをさらにより進めていくことによりまして,集中豪雨に強いまちづくりを進め,安全な神戸のまちづくりを進めていくということが重要であろうというふうに考えてございます。  次に,ポートアイランド2期の企業誘致方針でございます。例えばの例でおっしゃっていただきましたが,医薬に関する生産工場を誘致すべき,あるいは美容・健康増進などの生活関連産業を積極的に誘致して,新たなブランドイメージを立ててはどうかというお尋ねでございます。  現在,この医療産業都市構想の推進に合わせまして,ポートアイランド2期には,おっしゃいますように研究開発部門を中心として91社の医療関連企業が進出をしてございます。そうした中で,ライフサイエンスのクラスター形成の上で研究開発部門は重要な役割を担っておるということをおっしゃっていただきましたが,神戸経済への波及効果という観点では,この研究開発部門のみならず製造部門の誘致が必要であるということは重要でございます。  こういった考え方のもとに,これまでも医薬品等の製造工場の誘致を行ってございます。既に放射性医薬品で国内最大手の日本メジフィジックスのPET診断用医薬品の製造工場が操業をしてございますが,このほかにも数社と交渉をしているところでもございます。  先般マルセイユの45周年の行事の際にドイツに赴きまして,大手の医薬品メーカーとトップセールスをしてまいりましたが,その際にその製造工場を視察させていただきました。医薬品の製造現場というところは,原料の測定から始まりまして滅菌,充てん,検査,包装まで最先端の製造設備を多く使用した,まさに物づくりの現場でございます。こういった工場が立地することによりまして,地元の中小企業との連携ということで波及効果が及ぶんだなというところもあわせて感じた次第でございます。  製薬業界におきましては,画期的な新薬は今生まれにくくなっている状況もあると聞いてございますが,医薬品の製剤技術の改良によります新薬の開発が,今大変重要な役割を担っておるというふうにも言われております。ポーアイ2期のパイロットエンタープライズゾーンでは,ベンチャー企業が国内でも珍しい医薬品製剤の受託開発施設を建設中でございます。これはASPIONという企業でございます。既に多くの製薬企業から引き合いが来ているとのことでございます。神戸市としましても,この施設を1つのインフラととらえまして,医療産業都市構想の研究開発機能の強みを生かしまして,関連する医薬品製造メーカーへの誘致活動を行っていきたいとも考えております。現在,分子イメージングの拠点をつくってございますが,これもこの製薬業界では大変関心の的でございます。  次に,生活関連産業の誘致についてでございますが,特に神戸の市民は,震災の経験から健康についての重要性を非常に強く持っていらっしゃるということでもございます。医療産業都市構想におきましても,先日認定もいただきましたが,健康を楽しむまちづくりを展開いたしております。ポートアイランド2期に進出をしております研究機関・企業は,主な研究テーマとして,医療機器の研究開発,また医薬品等の臨床研究支援,そして再生医療等の臨床応用のみならず市民の日常の美容・健康といった生活関連産業にも応用できる分野にも取り組んでいらっしゃいます。例えば発生・再生科学総合研究センターまた先端医療センターでも行っております再生医療の研究には,美白でありますとか,あるいは毛髪再生など,美容分野からも大きな期待が寄せられておりまして,既に化粧品会社から共同研究等の申し入れが寄せられてございます。  また,健康分野でございますが,産学連携によりまして健康食品の研究開発を行いますベンチャー企業など数社の健康関連企業が進出してございます。今月末にも完成をいたします健康産業開発センターも活用いたしまして,今後とも積極的にこれらの企業の誘致活動も行ってまいりたいと考えてございます。  このほか,現在建設中の分子イメージングの開発拠点が稼働すればというふうに申し上げましたが,製薬企業にとりましてますます魅力あるエリアとなるように今後とも努力を重ね,そしてその他の健康関連の分野の集積も図っていきたいと思ってございます。そのほか,アクセスのよさ等を生かしながら企業誘致に努めていきたい,このように考えてございます。  次に,都心ウオーターフロントの活性化についてでございます。これにつきましては,都心ウオーターフロントを有機的につなぎ,回遊性を高めるような仕掛け,動線の整備について具体的な検討が進んでいない,そういう点で各拠点をつなぐアクセス手段の整備について,陸上・海上を問わず早急に検討をすべきというご質問でございます。  都心のウオーターフロント整備におきましては,ご指摘のように市街地との動線,あるいはウオーターフロント各地域を連携する回遊性・連続性が重要でございます。平成16年策定のみなと神戸-いきいきプランにおきましても,近づきやすいウオーターフロント,そしてまた動きやすいウオーターフロントということをうたってございますが,港の風景を満喫できるような回遊性のある親水空間が必要でございます。  ただ,この都心ウオーターフロントには,既存の公共港湾施設なり民間の物流業務施設だけではなくて,港の運営にとりまして必要な官公庁施設の機能も集積をしておりますんで,都心ウオーターフロントの連続性を実現するためには時間がかかるだろうというふうにも考えられます。  こういった中で,合同庁舎南側の高潮対策とあわせたプロムナードの整備につきましては,ハーバーランドから新港第1突堤の入り口となります京橋までの東西方向の水際線沿いの歩行者動線を現在確保してきたところでございますが,案内板がまだ整備が進んでおりませんので,これを早急に進めていきたい,このように考えております。また,南北の京町筋の方──南北線でございますが,これから港へ入っていけるような,そういった整備も今進めておるところでございます。  いずれにしましても,港へ人を誘導する仕掛けとして,バナーとかあるいは案内板の多言語表示などに取り組んでございますが,さらにこういった誘導表示が必要であろうと思ってございます。  それから,路面電車の点についてのお尋ねもございましたが,現在都心の回遊性を高める交通機関の候補の1つであろうと思っておりますが,シティー・ループなどを現在運行してございますが,こういった既存の公共交通を含めて,都心の回遊性向上のあり方について検討を進めているところでございます。その中でLRTの導入の可能性についても検討をしてまいりたい,このように考えてございます。  今後でございますけれども,ハーバーランドからHAT神戸までのかなり長い動線につきまして,これを整備していくということが重要であろうというふうに考えてございますが,時間を少しいただかなければいけない点が多々あろうと思っておりますが,いずれにしてもこれがやはり神戸の1つの大きな魅力であるというふうにも考えてございますので,今後ともその連続性・回遊性を確保するために努めてまいりたい,このように考えております。  (「議長」の声あり) 66 ◯副議長(片岡雄作君) 梶本助役。 67 ◯助役(梶本日出夫君) 病院事業につきまして,2点ご答弁申し上げます。  まず,西市民病院の関連で患者数が減少し経営を圧迫している,医療機器の整備あるいは医師の確保に関して緊急的な対策を講じるべきではないか,こういったご指摘でございますけれども,西市民病院では患者サービスの向上と経営改善に努めてまいりましたが,平成17年度におきましては,医師の確保が十分でなかった等から病床利用率が大幅に低下したことによりまして,予算に比べまして収支が約2億円悪化をいたしまして,単年度収支が5億 1,000万円の赤字決算となっております。この西市民病院の赤字の解消が大きな課題であると厳しく受けとめているところでございます。  西市民病院の赤字の原因となりました医師不足につきましては,臨床研修制度の必修化に端を発した大学による医師の引き揚げや,あるいはまた医師の開業が相次いでいることに影響が大きいものでございまして,この2年間でご指摘のように医師の半数が入れかわるといったような低い定着率,あるいはまた中央市民病院からの応援,あるいは後期研修医による対応をいたしておりますけれども,一部の診療科におきまして,医師がまだ十分充足していない状況にあるというのが現状でございます。  そこで,西市民病院につきましては,高齢者が多いといった地域特性,あるいは市民・患者の声を反映した医療機能の見直しを図る必要があること,さらに医療者,特に医師にとって魅力ある病院づくりを進め,医師の定着率を高めていく必要があること,さらにはそのためには診療科の再編まで含めた市民病院群間の役割分担の見直しを進めること,こういった方針で今後のあり方を検討していくことが必要である,このように考えております。  現在,中央・西市民病院をはじめ西神戸医療センター,神戸リハビリテーション病院,先端医療センターなど神戸市関連の病院の医師による5病院連携推進ワーキングを設置いたしておりまして,西市民病院の医療機能の見直しを含めまして,5病院全体の役割分担あるいはまた医療機能の見直しにつきまして検討を行っているところでございます。  その中でも特にこの西市民病院につきましては,あり方の方針を受けまして,議員ご指摘のとおり,医師の安定的な充足を達成できるような医療機能の見直し,診療科の再編また医療機能の見直しに対応した医療機器や施設の整備,こういったことにつきまして検討を進めてきておりまして,できるところから早急に取り組んでまいりたい,このように考えております。  それから,もう1点,医師不足の解消のために,国・県の施策も活用して女性医師の就業環境を整備することにより,他都市に先駆けて女性医師の確保に取り組むべきだと,こういったご指摘でございますけれども,市民病院における女性医師の割合は,ご指摘のように全体で約16%でございますが,後期研修医あるいはまた研修医における割合は25%を上回っております。医師国家試験の合格者のううち約3分の1が女性,こういった点からも,今後市民病院におきましても女性医師の割合は高くなるものと予想されるところでございまして,医師確保の観点からも,女性医師が働きやすい環境を整備することは不可欠であると認識をいたしております。  また,全国的に病院勤務の医師が不足しております産婦人科あるいは小児科では女性医師の割合が高い,こういったことから,医師不足の解消策としても,この女性医師の確保が重要な課題となっております。  また,男性医師に診察されることに抵抗がある,こういった女性患者に対しまして,診療を受けやすい環境を提供する,こういった観点でも女性医師の配置が患者サービスの向上につながるものと考えられます。  国におきまして,ご指摘のように新医師総合確保対策の中で,(仮称)女性医師バンクの創設が盛り込まれておりますけれども,これは一時的に臨床の場を離れた女性医師の復帰が困難となっている一方で,産婦人科や小児科などの特定の診療科において逆に医師不足が生じている,こういった需給のミスマッチを効率的に解消するために創設しようとするものでございます。  一方,県におきましては,女性医師の割合の高い診療科につきまして,結婚・出産等により離職あるいは退職をした女性医師を中心とした研修を実施いたしまして,再就職を支援するなどの対策が打ち出されているところでございます。  女性医師の確保対策を考える上で,出産なり子育てといった女性のライフステージに合わせた勤務体系を構築することが重要でございまして,このため市民病院におきまして,医師につきましても院内保育所の利用を既に認めております。出産後も引き続き勤務ができるように配慮をいたしているところでございます。今後,院内保育所の保育時間の延長など,サービスの充実を図ってまいりますとともに,救急当直などの夜間勤務の免除,こういった制度を整えるほか,育児により一時的に臨床の場を離れた女性医師が復帰しやすいようパートタイムの雇用を行うなど,出産・育児をする女性医師が継続して市民病院で勤務できる体制づくりを検討してまいりたいと考えております。  今後とも,女性医師の定着・確保に積極的に取り組んでまいりまして,患者サービスの向上と医師不足の解消に対応してまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 68 ◯副議長(片岡雄作君) 鵜崎助役。 69 ◯助役(鵜崎 功君) ニュータウンのオールドタウン化についてお答え申し上げます。  特にご指摘もございましたけども,昭和30年代の中ごろ以降に特に多いんですけども,人口が非常に急激にふえてきている,あるいは大都市への人口集中に対応していく必要があるということで,神戸も特にそうなんですけども,特に大都市近郊に計画的な団地が数多く建設されてきた,それが今日の状況の引き金になっているということでございます。  これらの団地におきましては,子供世代の巣立ちといいますか,そういうことで人口が減ってきたり,あるいは高齢化率が上昇していくということで,いわゆるご指摘にございましたけどもニュータウンのオールドタウン化ということで,全国的に深刻な現象となりつつあるということでございます。  特に神戸市内では,開発から20年以上経過した団地が数多くございまして,これらの団地の現状あるいは課題,これを整理するために,昨年度,17年度から実は調査をさせていただいてございます。この調査では,昭和60年の時点で人口が 1,000人以上であった市内の団地──実は51団地あったわけでございますけども,この 1,000人以上であった市内の51団地について,人口なりあるいは世帯数なり高齢化率の状況なり,あるいは住宅の種別や子供さんの数のデータ,こういうものを収集して現状を把握させていただきました。  さらに,モデル団地を抽出していこうということで,北区のひよどり台団地あるいは垂水区の多聞台団地,この2つをモデル団地といたしまして,アンケート調査なりヒアリングなども行わせていただきまして,地域の方々と意見も交換しながら課題の整理,こういうことを行ったのが昨年度でございました。  個々の団地でございますけども,それぞれの団地の固有の問題も当然あるわけでございますけども,あわせましてこの2つのモデル団地におきまして具体的な課題を検討することによりまして,オールドタウン化と言われてございます共通の課題,この共通の課題をひよどり台と多聞台から抽出していきたいということで,解決に向けた対策を検討するために2つの団地を抽出させていただいたわけでございます。  こういうことを続けていくためには,17年度限りで終わるということでは当然あきませんので,18年度以降におきましても引き続きこの51団地を対象にいたしまして,人口なり世帯数などの基礎データ,これを用いましてパターン化していこう,類型化していこう,そういうことで分析を行ってございますけれども,この2つのモデル団地におきましては,特に地域の方々とあるいはワークショップを行い,課題の抽出あるいは今後取り組むべき内容などについても検討を行っているところでございます。  一方,この問題につきましては,全国的な問題ということもございまして,実は国におきましても,昨年度に計画開発住宅市街地の今後のあり方検討委員会というのを国の方でも立ち上げていただきました。こうしてオールドタウン化の検討が国を挙げて進みつつあるという状況でございますけれども,神戸市といたしましては,この国の取り組み,あるいは千里ニュータウンとか,あるいは東京の多摩ニュータウン,あるいは兵庫県でも明舞団地もそうなんでございますけども,こういう先行する団地の再生の動き,こういうことを参考にさせていただきながら,ニュータウンのオールドタウン化への対応について真剣に取り組んでいきたいと考えてございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 70 ◯副議長(片岡雄作君) 山田君。 71 ◯17番(山田哲郎君) もう時間がございません。1点だけお伺いしたいと思うんですけれども,西市民病院の医療設備について質問をしたんですけど,その回答が余りなかったと思うんです。要はがんの放射線治療ですね。がんの死亡率は昭和56年からずっと1位で,さらに高齢化が進展する昨今,さらにがん患者がふえてくる,こういう予想もされている中で,経費の問題あると思いますけれども,病院自体の規模とか患者のニーズとかいう観点から見ても,あってしかるべきやと,病院内でがん治療が完治できるような体制は西市民病院であってしかるべきだと,こう思うんですけれども,再度お伺いしたいと思います。  さらに,その上で,西市民病院の地域中核病院としての役割とか,地域の特性というものを明確にしながら,患者に合った,また医師にも魅力的な病院というものを再度検討して再整備していくべきだと,こう考えております。  簡単で結構ですので,ご答弁をお願いします。  (「議長」の声あり) 72 ◯副議長(片岡雄作君) 梶本助役。 73 ◯助役(梶本日出夫君) 西市民病院に望む医療機能ということで,患者さんから意見をいただいておりますけれども,やはり3大成人病医療がこの満足度調査の結果でも出ておりまして,上位に上がってきております。特に今後高齢者のがん患者が増加する,こういったことが予想されることから,西市民病院におきましても,がんの放射線治療を充実させまして,がん治療には3つの治療法がございますけれども,この3つの治療法を選択的に患者に提供できるようにしたいと考えております。  しかしながら,ご指摘のような放射線治療を行うには,1つはやはり高額の医療機器の整備あるいは施設の整備が必要となってまいりますし,また放射線治療医をはじめとするスタッフの確保など,これを整備するに当たりまして課題が大変多いということもございます。今後こういった点を十分検討してまいりたい,このように考えております。  以上でございます。 74 ◯副議長(片岡雄作君) この際,暫時休憩いたします。   (午後2時53分休憩)   (午後3時19分再開)  (浜本議長議長席に着く) 75 ◯議長(浜本りつ子君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     直ちに議事に入ります。  この際,申し上げます。  本日は,議事の都合により,あらかじめ会議時間を延長いたします。  休憩前に引き続き,公営企業会計決算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  30番森本 真君。  (30番森本 真君登壇)(拍手) 76 ◯30番(森本 真君) 私は,日本共産党議員団を代表して,平成17年度公営企業会計決算について,市長に質疑いたします。  小泉内閣は,終わりを告げようとしています。小泉内閣の5年間は,規制緩和,官から民へのかけ声のもと,社会保障の連続改悪,郵政民営化,指定管理者制度など公的責任を投げ捨て,大企業や資本家の利益確保の政治を推し進めてきました。  その結果,国民生活はどうなっているでしょうか。貧困と格差の拡大は,だれの目にも明らかになっています。若者をはじめとする就職難,派遣・請負の不安定雇用の増大など,国民全体に将来不安が広がり,さらに増税・負担増という痛みは耐えがたいものになっています。  また,規制緩和と民営化の促進によって,JRの脱線事故,耐震偽装問題,プール事故など,国民の命や安全を全く無視した大事件が多発しました。お金もうけのためなら何をしてもよいというライブドアや村上ファンド事件を引き起こしました。国民に痛みを押しつけながら大企業の利益を最優先する,これが小泉自民党・公明党内閣が行ってきた5年間の実態です。  さて,今回の公営企業会計決算について,審査意見書では,8事業のうち5事業が黒字,3事業が赤字,全体として好転と評価しています。しかし,公営企業のあり方については,地方公営企業法3条で言われているように,本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されているかどうかという点から見ることが最も重要だと考えます。  当局は経営が好転などと評価しているものの,内容を見れば,本来のそれぞれの企業会計の目的から外れた職員削減による人件費の減少や,土地の売却等による特別利益の増加が主な要因となっています。本来の事業が好転したものではないのです。  さらに,神戸市の公営企業に取り組む姿勢にも大きな問題があります。市民生活に直結しているバス・地下鉄・病院事業などについては,民間委託をはじめ市民サービスを低下させるような対策が中心です。  例えば市民の足である自動車事業では,市民の声をよそにバス路線を廃止・分断した結果,大幅な乗客減を招きました。その後も乗客数の減少が続いています。そして,営業所の半分が民間委託され,大幅な職員削減が行われました。市民の命のとりでである病院事業でも,中央市民病院を今より遠いポートアイランド2期に移転し,ベッド数も削減しようとしています。  他方,新都市整備事業会計や港湾事業会計では,これまで同様,大規模な開発,むだ遣いがそのまま進められているのです。新都市整備事業では,これまで開発した広大な土地は売れず,借金の返済も苦しくなっています。港湾事業では,取扱貨物量が震災前の半分程度にとどまっているのに,なお 300億円もの莫大なお金をかけてスーパー中枢港湾を建設しようとするなど,むだ遣いを重ねています。  こうした神戸市のやり方は,市民の願いにも,本来の公営企業のあり方とも逆行しています。公営企業法第3条の精神に立ち返り,公共の福祉を増進するよう公営企業を運営すべきだと考えますが,ご見解をお伺いいたします。  次に,個別の事業の中から数点質疑いたします。  初めに,病院事業会計の中央市民病院の新築・移転問題についてお伺いします。  私たち日本共産党議員団は,中央市民病院については,移転ではなく現地改修を行い,市民の命を守る,市民のための病院をと主張してきました。その理由は,一刻一秒を争う救急救命の拠点が,今よりも 1.3キロも遠方になること,ベッド数を 912から 640と 300近くも削減をすること,さらに先端医療センターの中核病院,医療産業都市構想の中心的な病院とし,お金持ちしかかかれない病院にしようとすることなどです。  その上に神戸市は,神戸市民の命のとりでとされる中央市民病院を利益追求を旨とする民間企業に運営をゆだねるPFI方式によって,30年間にわたり 1,100億円もの債務負担行為を行って新築・移転を進めようとしています。これらは,市民のための病院という中央市民病院の本来の性格を大きく変えてしまうものになります。  こういった批判は,これまでも市民だけでなく開業医の皆さんからも指摘されています。去る3月24日,神戸市医師会のビジョン委員会から,神戸医療産業都市構想への神戸市医師会の対応についてという答申書が出されました。この答申では,新中央市民病院の移転問題について,立地条件,病床削減,PFI方式などを詳しく検証した結果,中央市民病院のポートアイランド2期への移転と病床数削減には反対すべきであるとされています。この答申の指摘について,市長はどのように受けとめているのか,ご見解をお伺いします。  次に,新都市整備事業についてお伺いします。  新都市整備事業会計は,神戸市の開発行政の象徴として,これまで広大な土地を開発してきました。ところが,この土地が売れず,同事業会計は行き詰まり,借金返済も苦しくなっています。剰余金処分案では,これまでは一般会計に繰り入れていた剰余金を今回は繰り入れず,減債積立金に積み立てるとしていることからも明らかです。現にポートアイランド2期では,売却予定面積 190ヘクタールのうち売れたのは約16ヘクタール, 8.4%だけです。複合産業団地は,15.5%の売却率です。  これまで市長は,開発した土地が売れていないことに対して,長期の計画だからなどと言い逃れしてきています。そして,インセンティブだと言いながら,採算度外視の大安売りまで行っています。しかし,今のやり方では借金返済のめどは立ちません。  特に神戸空港の土地の売却については,全くめどが立っていません。市長は,建設当初には,海から土地が見えたら売れると言っていました。そして,土地ができてからは,航空会社が決まったら売れると言いました。そして,航空会社が決まったら,路線が決まったら売れると言い,路線が決まったら,開港したら売れると,その場しのぎの答弁を繰り返してこられました。2009年には 265億円,2010年には 650億円もの借金返済が迫っているのです。  しかし,開港後,半年が経過しましたが,売れたとしているのは滑走路部分等です。借金を返還するために民間に売却しなければならない土地で売れたのは,レンタカー会社への 0.3ヘクタール,6億円のみです。まさに惨たんたる状況です。市長は,この現実に真摯に向き合うべきです。売れない土地を売るため,30名の特別体制の組織としてエンタープライズプロモーションビューローを発足させています。市長がキャプテン──責任者です。にもかかわらず,売れていないのが現実です。  市長は,ビューローの責任者として空港の土地をどのように売却するのか,そして 2,000億円もの借金をどう返済していくのか,市民の納得できる答弁を求めます。  次に,海上アクセス,ベイ・シャトルについてお伺いします。  K-JETが休止になってから4年,再び関空を船で結ぶ神戸-関空ベイ・シャトルが7月13日に運航を再開しました。負債は 128億円,累積赤字を 160億円も抱えたままの再開です。しかし,再開後の利用客は,1便当たり 120人の定員にもかかわらず,平均15名にすぎません。惨たんたる状況であります。私も先日乗船をしましたが,神戸から関空の乗船客は,私たちを除くと8名,帰りの関空から神戸はたった2名でした。  もともと再開を危惧する声は広く出されていました。その声を押し切って再開をしたのです。この危惧が現実のものになりました。だれがどう考えても,さらなる借金をふやすことは明らかです。市バスは,毎日22万人もの市民が利用しています。しかし,赤字を理由に,市民と働く人たちに犠牲を強いています。この態度と,余りにも落差が大き過ぎます。ベイ・シャトルは中止をすべきだと考えますが,いかがでしょうか。  最後に,市民の足である自動車事業についてお伺いいたします。  バスは,4年前,市民の反対の声を押し切り,多くの市民が利用していた長大路線は廃止・短絡されました。さらに,経営改革プランいわゆるレボリューション2004で,営業所の半分を民間委託し,西神の5路線など民間移譲も進められました。そして,職員も大幅削減されました。今,民間委託された現場では,1年契約で低賃金,不安定雇用,運転距離数の増加など,労働強化が進められ,安全性の確保が懸念されています。  こうした神戸市のやり方は,市民の足を奪い,商店街や地域経済にも悪影響を広げています。バスの乗客数も減少し,赤字となり,さらに合理化することで利用者を減少させるというものです。事実,この間,営業キロ程,在籍車両数など事業実績は,すべて減少しています。まさに縮小再生産の道を歩んでいるのです。  公営バスは,市民生活に不可欠な都市機能です。市内では,JR・地下鉄・民間鉄道などの主な鉄軌道は東西に走っています。バス路線は,南北にも広がり,全市をつなぐ役割を担っています。毎日22万人もの市民が利用しています。交通局長も市長も,公営交通を守るとこれまで何度も表明されています。公営交通事業が,地域経済,高齢者の外出,障害者の移動手段など福祉面,市民生活上で果たしている役割を改めて認識すべきです。そして,縮小ではなく,路線を拡充させるなどして乗客をふやす手だてをとることこそ必要ではないでしょうか。市長の答弁を求めます。  以上,市長の明快な答弁を求め,私の質疑といたします。(拍手)  (「議長」の声あり) 77 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 78 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から2点にわたりましてご答弁を申し上げます。  地方公営企業法の条文に触れてお尋ねがございました。地方公営企業法第3条の規定は,地方公営企業の経営の基本原則でございまして,その中で,「常に企業の経済性を発揮するとともに,その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない。」という定めでございます。これは,地方公共団体は住民の福祉の増進に努めていくとともに,最小の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないというふうに規定をされております。地方自治法における地方公共団体の事務処理に当たっての一般原則に加えまして,民間企業と同様に企業の経済性を発揮して効率的・合理的な業務運営を行うことで,最小の経費で最良のサービスを提供することをより強く求めたものと解されております。  地方公営企業が地方公共団体によって経営されるものである以上,民間企業のように単に営利を目的とするものではございません。公共の福祉の増進という観点に立って運営されるべきことは当然であります。  しかし,地方公営企業の活動は,給付をその受益者の負担により賄う独立採算制を基本とする点におきまして,民間企業の経済活動と何ら異なるものではございません。企業の経済性の発揮と公共の福祉の増進の両立が法に規定されているものと理解をしております。神戸市の公営企業も,このような法の精神にのっとり経営を行っているところでございます。  市民の暮らしに直結する事業の整理・縮小が行われているとのご指摘でございますが,例えば自動車事業における営業所の管理委託につきましては,モータリゼーションの進展,さらにライフスタイルの変化,また少子・高齢社会の到来などにより乗客数の減少に歯どめがかかっておりません。また,事業の存続すら危ぶまれる危機的な経営状況の中で,公営交通ならではの福祉,環境,まちづくりとの連携を図りつつ,市民の足を守るために取り組んでいるものでございます。  また,新中央市民病院の整備につきましては,質が高く効率的な医療提供体制の整備が求められる中で,将来にわたって基幹病院として市民が求める救急医療・高度医療また急性期医療を提供し続け,24時間・ 365日市民の命と健康を守るために取り組んでいるものであります。  病床数につきましては,少子・高齢社会の進展による新しい患者数の動向でありますとか,また地域医療機関との役割分担,また医療技術の進歩,将来の平均在院日数の見込み,また効率的な病床運営といった要素を勘案して必要病床数を確保しております。そういった意味で,基幹病院としての役割を十分果たしていけるものと考えております。  いずれも経済社会環境が急激に変化をする中で,地方公営企業のサービスのあり方を見直し,増大・多様化する市民ニーズに柔軟かつ的確に対応できる持続可能な仕組みへと再構築を図っているものでございまして,市民の暮らしに直結する事業の整理・縮小とのご指摘は全く当たらないものと考えてございます。  また,各企業とも,徹底した経営改善に取り組む中で積極的に市民サービスの拡充に取り組んでおります。例えて申し上げますと,病院事業におきますセカンドオピニオン外来あるいは脳卒中センター,外来化学療法センターの開設など,きめ細かい患者サービスの充実でありますとか,自動車事業におきます地域密着型バス路線の拡充,あるいは路線の新設・変更,増便また始終発の延長,ノンステップバスの積極的な導入,そして地下鉄駅舎のバリアフリー化,また市バス・地下鉄利用促進とあわせて環境対策,また商業振興を図る意味でのエコファミリー・エコショッピング制度の創設など,市民サービスの充実に努めております。  なお,大規模投資については,就任以来,私は「開発から環境と福祉へ」という基本姿勢のもと,企業会計におきましても,限られた財源の中で投資効果を厳しく見きわめて,特に市民生活に身近な生活環境また市民福祉への投資,市民の安全・安心を守る事業,並びに21世紀のまちづくりのために不可欠な事業を優先させるとともに,必要性・緊急性などを総合的に勘案いたしまして,選択と集中によりまして事業を展開してございます。その総額も全体として抑制を行っているところでもございます。  いずれにしても,公共の福祉の増進ということは市政の基本でございます。市政をお預かりする私に課せられた1つの使命でございまして,今後も常に市民のために施策・事業を遂行するという信念のもとに,将来世代を含めたすべての市民の暮らしと安全・安心を守ることを基本に,常に市民の目線に立った市政運営を行ってまいりたい,このように考えてございます。  次に,自動車事業会計についてでございます。  交通局では,21世紀を担う公営交通を築いていくためには,厳しい事業環境の中で,引き続き市民の足としての役割を果たしていくために,平成11年に神戸市交通事業経営健全化計画を策定いたしまして,その大きな柱として,平成11年度から13年にかけて市バス路線の再編成を実施いたしました。この路線再編成によりまして,路線の統廃合など運行の効率化を図ったわけでございますが,一方で新たな需要に対応するために多様なバスの導入を図っております。例えば小型・中型等でございますが,こういった小型・中型バスを活用した地域密着型バス路線新設など,お客様サービスの向上を図っております。その結果,全体として市民サービスを低下させることなく,バス・地下鉄等鉄道との公共交通ネットワークの一層の維持・向上を図ってきたというふうに考えてございます。  また,路線再編成の後も,市バス交通調査を行ったり,あるいは地下鉄の交通調査を実施してございまして,市民の方々からいただいたご意見・ご要望を参考にして,路線再編成についての総合的な評価・検証も行い,平成15年には一部の路線について路線延伸などを行い,一層の利用者利便の向上に努めてございます。  また,営業所の管理委託についてお話がございましたが,路線の再編成後も乗客数の減少がさらに進んでまいりました。危機的な経営状況になったために,さらなる経営の効率化・健全化が必要でございますんで,それで平成16年にレボリューション2004を策定いたしまして,そして管理委託を実施いたしましても市バスであることに何ら変わることなく,安全そして安定運行を確保し,委託前の運行サービス水準を維持することを基本として路線の変更,増便また始発時刻の繰り上げ,終発時刻の繰り下げなど,民間事業者のノウハウも活用しながら,市民・利用者の利便性が向上するように取り組んできてございます。  また,市民サービスの向上が図れるように,丁寧な接客・運転に努めるというふうなことも積極的に対応していただいておりまして,市民・利用者の方々から評価もいただいておるというところでございます。  また,乗客増の対策として,新たな乗客需要への対応が重要でございますんで,これはレボリューション2004の中でも乗客増・サービス向上対策として,地域密着型バス路線の拡充ということがうたわれてございます。これまで大型バスで運行できなかった地域に,そういった小型・中型のバスを導入して,そして地域の皆さんのご要望も伺い,区役所・病院・商店街とか駅を結びまして,これまでに5つの地域密着型バス路線を開設いたしております。これらの路線につきましては,高齢者をはじめ多くの皆さんから,大変便利になったというふうに好評をいただいておるところでもございます。  そういったところで,今後のやはりお客様サービスの向上に努めていくことが重要であり,ニーズに柔軟に対応していくところで,今後ともさらなるその工夫を凝らしていきたいと思ってございます。  こういった形で進めてきまして,現在のところ乗客数の減少にもやや歯どめがかかりつつあるという状況でございまして,平成18年度には市バス事業は単年度収支均衡の達成というのが目標でございまして,ぜひこれを達成したいというふうに考えております。あわせて,市民の皆さんの利便性の向上に向けて努力をしてまいるつもりでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 79 ◯議長(浜本りつ子君) 梶本助役。 80 ◯助役(梶本日出夫君) 中央市民病院の移転につきまして,私の方からご答弁申し上げます。  神戸市医師会ビジョン委員会が,神戸市医師会に対しまして,中央市民病院の移転・新築と病床数の削減に反対する旨の答申,こういった答申の指摘に対しましてどう考えておるんかと,こういったご指摘でございますけれども,神戸市医師会の医師会報7月号の記事によりますと,ご質問の答申は,平成16年7月に神戸市医師会から,医師会の将来のあり方を検討するために医師会内部に設置されました神戸市医師会ビジョン委員会へ諮問された神戸医療産業都市構想への神戸市医師会の対応について審議した結果を,この3月24日付で神戸市医師会長あてに答申されたものでございます。  この答申書には,中央市民病院の移転・新築と病床数の削減の妥当性についても記載をされておりますけれども,ここで懸念されていることは,要約いたしますと,医療産業都市構想が推進されておりますポートアイランド第2期に中央市民病院が病床数を減らして移転することによって,高度先進医療に重点を置く病院となり,市民から期待されている救急・急性期医療が後退するんではないか,こういうことであると認識をいたしております。  この指摘に対しまして,これまでも何度も申し上げてきておりますけれども,中央市民病院の役割につきましては,ことし6月に策定をいたしました基本計画にもお示しをしているとおり,地域医療機関との連携や役割分担のもと,救急医療・高度医療・急性期医療を重点に担い,24時間・ 365日市民の命と健康を守っていくことが第一であると認識をいたしております。新病院におきましても,現病院と同様,市民のための総合病院としての使命を果たしていくことに何ら変わりはございません。  また,移転・立地場所につきましては,現在地に開設以来26年目を迎えておりますけれども,今後とも市の基幹病院としての役割を果たし続けていくためには,将来に向けての抜本的な機能改善が必要である,このように考えまして,医療機能改善の観点,あるいはまた先端医療センターとの連携の観点,さらには財政的な問題の観点,患者の利便性の観点から総合的に判断をいたしまして,ポートアイランド2期への移転・新築が妥当と判断したものでございます。  また,病床数につきましては,高齢化や少子化による新患者数の増減,地域医療機関との役割分担,また医療技術の進歩による入院手術の日帰り化,さらに平均在院日数の短縮,病床一元管理による効率的な病床運営,こういったことを勘案いたしますと, 640床で市の基幹病院としての機能を十分果たしていけるものと考えているところでございます。  救急・災害時の対応につきましても,患者・家族が安心できるよう,救命救急センターに許可病床数に含まれない経過観察用のベッドを設置したり,あるいはまた重症患者のための集中治療室の充実を図るなど,救急患者の受け入れ体制を強化してまいりたいと考えております。  さらに,この 640床に加えまして,別途 300人程度の患者が収容できるように,共用のロビーあるいは会議室等に医療用配管の設備を設置するなど,万が一大規模事故,自然災害等が発生した際には,あわせて 1,000床規模での運用が可能となるように整備をいたしまして,災害拠点病院としての使命も果たしていきたいと考えておるところでございます。  いずれにいたしましても,24時間・ 365日市民の命と健康を守る最後のとりでであります中央市民病院の整備は先送りをできない,こういったことから選択と集中による施策の重点化を図る中で,最優先で取り組むべき事業として決断したものでございまして,地域医療機関との役割分担・連携を図りながら,市民全体の医療サービス向上に努めてまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 81 ◯議長(浜本りつ子君) 鵜崎助役。 82 ◯助役(鵜崎 功君) 私の方からは,新都市会計の問題とベイ・シャトルにつきまして,ご答弁申し上げます。  まず,神戸空港の開港がございましたけれども,これによりまして,企業誘致におきまして神戸空港の役割が非常に大きな役割を果たしているということをまず申し上げたいと思います。例えば,午前中も申し上げましたけれども,バンドー化学あるいはBMWといったような企業が,空港を意識した上でポーアイ2期に──実は空港に近いということもございまして,新たな進出をされてございます。  私たちは前々から,3年で50ヘクタールの産業用地を処分していきたいということで,17年度も15.2ヘクタールの処分に成功してございますけれども,18年度におきましても,今時点の段階で成約あるいは確実な申し込みがあるということが既に14.6ヘクタールにも実は及んでございます。空港の効果が,少しずつですが,動いているということをまず申し上げておきたいと思います。  そういう意味では,前からも申し上げてございますけども,土地売却につきましては,前もお願いしたと思うんですけども,過去完了形でとらえないでいただきたいということでございます。私たちはすべてどんな仕事でも,相手もあることでございますけれども,常にすべて現在進行形でとらえてございまして,そこに対していろんな知恵を注ぎ込んでいるということをまずご理解いただきたいと思います。そういう意味で,3年50ヘクタール,10年 100ヘクタールという目標に向かって進んでいきたいと思います。  そうした中で空港島につきましてですけども,これもアイ・エヌ・ジーでございますけども,旅客・貨物の新たな流れが生まれる,そして用地の付加価値が高まっているということは申し上げたとおりでございますけども,関西圏の一大マーケットに近いということも実はございまして,そういう優位性なんかをアピールしながら,積極的な誘致を計画に基づいて進めているというところでございます。  特に航空の物流関連の企業からは,宅配の貨物が最近ふえてきてございますけども,生鮮食料品あるいは花卉類,あるいは荷動きの多い那覇便とかあるいは新千歳への関心が非常に高いということもございまして,今後の神戸空港での取扱量の推移を見ながら,物流倉庫あるいは配送センターなどの設置を検討したいという声をちょうだいしてございます。これもアイ・エヌ・ジーでございます。  また,小型航空機関連企業では,企業活動の中心地に近いということもございまして,駐機あるいは整備スペースが十分に確保できるということで,そういう神戸空港のメリットを生かしまして,ビジネスジェットなどの小型航空機用の格納庫を整備したい,あるいは運航支援事業を行いたいという企業も実は複数ございまして,具体的な協議を進めてございます。アイ・エヌ・ジー形でございます。  新都市事業会計は,質問にもあったかもわかりませんけれども,とにかく大規模かつ長期間を要する事業ということでございまして,これまでも民間活力あるいはインセンティブ策の導入あるいは起債の活用,いろんなことを利用しながら,好不況の波にかかわらず安定した財政運営を行ってきたつもりでございますけども,確かに平成21年から起債の償還が少しふえてくる──大きくふえてくるということでございまして,今後エンタープライズプロモーションビューローを中心に,既に訪問してございます企業のフォローアップ,あるいは航空物流関連企業あるいは小型航空機の関連企業に対するアプローチなど,全庁一丸となって,さらに粘り強く誘致活動をしていきたいと思います。土地売却収益を上げるということを第一義に掲げながら,今後とも起債償還の資金確保に努めてまいる,そういう覚悟でございます。  それから,ベイ・シャトルの問題でございました。このベイ・シャトルにつきましては,神戸空港とそれから関空,これを最短でつなぐ公共交通機関ということでございまして,そしてこの2つの空港のシンボルとして,神戸市及びその周辺地域にとって非常に公共性の高い重要な事業であるということで,7月13日に再開したところでございますけれども,この事業につきましては,国土交通大臣の実は意向も受けまして,国の関連機関も入りました関空-神戸海上アクセス利用促進協議会におきましても,利便性向上等について取り組みを強化していくということが確認されてございます。若干関空から神戸へ来る便のお客さんが数人で少なかったというお話でございましたけれども,そういう意味では,まだまだ関空側についての誘導につきましても働きかけていく余地があるというふうに思ってございます。  再開後,9月7日までの約2カ月間で,実は3万 8,000人余りの方が利用されてございまして,1便平均すると17人程度になるわけでございますけども,利用者からは,これも当初の──あっ,1便ですけどね,1便17人。当初は 120人関係なしに,1便30人程度のご利用を見込んでいたわけですけれども,私たちの努力不足もあるのかもわかりませんけれども,17人にとどまってございます。これにつきましては,これもアイ・エヌ・ジー形でとらえていただかなくてはいけませんけれども,いろんな手を実は使ってございます。いろんな働きかけもしてございます。こういう働きかけを1つずつ積み上げることによって,私たちはご指摘のございましたような累積赤字の解消に向けても取り組みを進めていく必要があるというふうに思ってございます。  そういう意味では,すぐに何でもかんでも,すぐにやめ,やめというのは,もう少し──もうちょっと頑張れと言っていただくようなことが本当はいいんではないかなあと思いますけれども,そういう意味では,今後とも皆さん方にもよりPRをしていただく必要があるというふうにも思ってございます。  さらに,団体客なんかを特に確保する必要がございますので,そういうことにつきましても旅客数を伸ばす形で今後とも取り組みを進めていきたい。  引き続きご支援を賜りますよう心からお願いを申し上げまして,答弁といたします。ありがとうございました。  (「議長」の声あり) 83 ◯議長(浜本りつ子君) 森本 真君。 84 ◯30番(森本 真君) それでは,再質問させていただきます。  まず初めに,空港の土地やベイ・シャトルの問題です。いつまでアイ・エヌ・ジーが続くのか,これが市民が一番心配していることであります。借金を払わないといけないのにアイ・エヌ・ジー,アイ・エヌ・ジーと言っといたら,その借金が──市民が払わなくてはいけない,市民負担がのしかかることを心配しています。  ベイ・シャトルもそうです。だれが考えても,どういろいろPRしても,バスで三宮から行く方がずっと便利なんです。与党の皆さんも附帯決議をつけましたけれども,本当に心配をしてて,この借金だれが責任をとるのか。土地の開発の問題も,ベイ・シャトルの問題も,その借金の責任はだれがとるのか,お伺いしたいと思います。  それから,中央市民病院の問題です。助役が何度も言われていると言いましたけども──言われているんですけど,専門家の医師の皆さんが集団で論議されて,この助役が言ったすべての問題について大変な危機感があると。特に先端医療財団と先端医療センター,中央市民病院が実験的医療の倫理的な問題,混合医療がもたらす経済的余裕のある人のみが受けられる階層性の問題,そして税金を投入して市民の命を守る市民病院が変質をされてしまう危険性を指摘されているんです。  で,いろいろ問題があるんですけども,ここでは中央市民病院と先端医療センターとの診療部門の連携に係る基本協定で,事実上一体運営がされていると思うんです。このことは,先端医療の研究,実験的医療を中央市民病院の患者を利用しながら行うことを意味しているのですか。だからこそ,わざわざ先端医療センターの隣に,病床数を削減して市民病院を移転しなければならないのですかということをお伺いしたいと思います。  さらに,バスの問題ですけども,中央市民病院は脳卒中とかいろんなセンターをつくるとか言ってますけども,バス事業と鉄道事業を体に例えると,JRや地下鉄は大動脈です。バスは毛細血管です。路線廃止や分断をすると,血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞になる。そして,市民生活や商店街など,地域経済に大きな影響を与える。だからこそ死なないように,壊死しないように,十分な栄養のある血液を──バスを市内に循環させないといけない。その栄養となるものは市民の声だと思うんです。無理やりいろんなところを切って,それで後で小型や中型や地域密着だと言っているんですけど,本当に市民の声は,81や82,91や92などのバス路線をもとに戻してほしい,それから本当に地域に活用できるバス路線を知恵を出してつくってほしい,そういうことが願いだと思うんです。  だからこそ,ベイ・シャトル,ごっつい赤字が見込まれますけども,ベイ・シャトルにお金をかけるんだったら,市民の声・ニーズを聞いて,バス事業を見直すべきだと思いますが,いかがでしょうか。  3点質問します。  (「議長」の声あり) 85 ◯議長(浜本りつ子君) この際,当局に申し上げます。  あと1分しかございませんので,簡明にご答弁をお願いいたします。 86 ◯市長(矢田立郎君) まず,バスの件でございますけれども,先ほど申し上げましたように,とにかく市民の声をさまざまにお聞きしながら,地域密着型バス路線というものを構築してきたという点がございますんで,その点,誤解のないようにお願いしたいと思います。  それから,市民病院の点で,実験的医療を市民病院の患者に適用していくのかということをお尋ねでございましたが,そういったことを私どもが申し上げているんではございませんで,むしろ先進的医療をやはり市民の多くの方々にこの中で使っていただくということが大切ではないか。ですから,そういった今進んでおります世界全体の動きを見ていく中で,やはりこの先進医療というものは大変重要であるというふうに感じております。  また,空港等の関係のお尋ねでございますが,先ほど助役からアイ・エヌ・ジーがつくんだということについて,いつまで続くんかというお話でございますが,これはやはりこの中で,これを進めていく場合においてそういう状況があるんだということを申し上げておりますんで,ですからこれについては,全力でこれに対して対応するということでございます。
     以上でございます。 87 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,15番高山晃一君。  (15番高山晃一君登壇)(拍手) 88 ◯15番(高山晃一君) 私は,住民投票☆市民力市会議員団を代表しまして,平成17年度神戸市公営企業会計決算並びに関連議案について,きょうは3点お伺いをしたいと思います。  まず,1点目に高速鉄道事業に関して,乗客増対策についてお伺いをします。  昨年の浦上議員の代表質疑で公営企業の民営化,民間委託についてお聞きをしました。それに対し地下鉄事業を民間企業に売却する考えはないというご見解がありました。  私は,高速鉄道事業を民間へ売却するとすれば,神戸市営地下鉄との相互乗り入れに関心を示している阪急が適当ではないかと勝手に考えていました。しかしながら,阪急は村上ファンドが阪神電鉄株の大量購入に端を発する阪神電鉄株の公開買いつけで体力を消耗してしまいましたので,まず神戸市営地下鉄を買収することは不可能だと思われます。  高速鉄道事業の売却が難しいとしましても高速鉄道事業がスルッとKANSAI協議会に加盟し,10月から決済機能を持つPiTaPaを導入する以上,関西の私鉄各社との連携をさらに強化するべきだと考えます。  神戸市の高速鉄道事業は,余り意識をされていないかと思いますが,阪急・阪神・山陽をはじめ関西の私鉄各社は,JRの関西一円に張りめぐらされた鉄軌道網の圧倒的な輸送力とスピードに苦戦をしております。JRのひとり勝ちという状況です。  関西の私鉄各社は少子・高齢化,人口減少で乗客が減る中,どのように乗客を確保すべきか,悩んでいるところです。  阪急と阪神が経営統合しますが,保有する鉄軌道網を比較すればJRが圧倒的に優勢だと思われます。つまり関西私鉄のすべてが手を組み,束になることが関西の私鉄が元気を取り戻す道だと考えられます。  そのような流れの中で神戸市の高速鉄道事業は何をすることが得策かと考えると,今でもスルッとKANSAIカード1枚で乗りおりができたり,企画乗車券が発売されていますが,関西の私鉄との連携をさらにさらに強化し,相乗効果を生むべきだと考えます。連携強化というより私は経営統合,合併したも同然という状況をつくり出すことが必要だと考えます。  関西の私鉄は沿線にさまざまな遊園地・球場などのレジャー施設やホテル,百貨店などを保有しております。一方JRは駅ビル以外に施設を持っていません。私鉄各社が保有する施設のすべてをPiTaPaカードの利用者が快適にお得に使える環境をつくり出すことが私鉄の魅力を高めることにつながると考えます。  PiTaPaカード1枚で自宅から会社や大学まで通勤・通学でき,沿線で食事や買い物が楽しめる。そして,PiTaPaカードの利用額に応じて,神戸市が保有する王子動物園や六甲山牧場をはじめ甲子園球場や宝塚歌劇場が無料で利用できる。オテル・ド・摩耶やフルーツ・フラワーパークあるいは阪急系列の六甲山ホテルに無料で宿泊できる。  このように関西の私鉄各社と,そして神戸市の高速鉄道事業がそれぞれの鉄道施設をはじめ各社が関西一円に保有の施設をあたかも自社のものであるかのように共有し,利用者の利便性を飛躍的に向上させることが,関西の私鉄各社そして神戸市の高速鉄道事業の乗客増につながると考えます。  このような方針を明確に立てることが乗客増対策のみならずマイカーから鉄道への利用転換を促進することにもつながると思います。ご見解をお伺いします。  2点目に新都市事業会計,ニュータウン開発についてお伺いをいたします。  新都市整備事業がかつて開発した,分譲したニュータウンでオールドタウン化や防犯対策,コミュニティ形成がされにくいなどの問題が顕在化し,また新たな行政課題となっております。  ところが,現在分譲中のニュータウンがそれらの課題を解決すべく,何らかの仕掛けを含んだ形で売り出されているのかというと,そういうこともないようです。現在分譲中の宅地も30~40年後には現状と同様の問題を露呈することが避けられないと考えられます。この点にニュータウン開発に携わられる新都市整備事業は課題意識を持つべきではないのかというのが質問の趣旨です。  入居者の流動性を確保する手だてはないか,陳腐化・老朽化する設備・施設の更新費用を捻出する手だてはないか,時代の新たな要請にこたえられるよう,あらかじめリザーブ用地を確保して対応できないか,入居者の年齢構成が偏らないような工夫は不可能かなど,知恵を絞ってチャレンジしていただきたいと考えます。  私が考えた取り組みを3つ紹介します。  1つ目,防犯対策,子供の安全・安心,コミュニティを醸成する仕掛けとして,5~6軒程度の家や玄関が見渡せる場所に,電柱ではなく石でできたベンチと木陰を用意し,高齢者が一服したり,幼い子供が遊んだり,井戸端会議もできる共有空間を設けてはどうでしょうか。  また, 600戸の住宅が建つ大阪府岬町リフレ岬のように,公園をはじめ街区全体に設置されたライブカメラの映像がウェブ経由で配信されるというハイテクで防犯──安全・安心に取り組むというのも一案です。  2点目,日本では,ペットを飼う世帯が飛躍的に増加しており,平成15年に15歳未満の子供の人口と犬や猫の飼育数が逆転し,平成17年には15歳未満人口 1,760万人に対して,犬・猫は 2,520万匹に達します。  そうした時代のニーズを取り込み,リードを外して犬を遊ばせることができる広場,ドッグランの設置,ペットのふんなどによるトラブルを減らす仕掛けを導入してはどうでしょうか。  3つ目,ニュータウンの住宅は見事に夫婦2人,子供2人,車庫も2台という住宅が見受けられます。これでは入居者の年齢構成が偏るのも当然と思われます。  そこで,単身者用,2人用,2世帯用,単身者とペットなど,ニーズ実態に合わせた多様な住宅・宅地が提供されてもいいのではないでしょうか。  以上,ご見解をお伺いいたします。  最後に,下水道事業,雨水の統合的なマネジメントについてお伺いをいたします。  住民投票☆市民力は,これまでにも下水道普及率などと同様の目標値,達成時期などを設定しながら,雨水利用を統括的に進めていく体制をつくるべきではないかといった質疑をしてまいりました。  これに対して松下元助役からは,雨水利用を数値的に把握することは難しいが,雨水を貴重な水資源として貯留または利用することについては今後とも積極的に取り組んでまいりたいという回答がありました。  きょうは市長から雨水排除施設整備を強化するとともに,雨水を一たんためたり地下浸透させる流出抑制の考えを取り入れたいという回答がありました。  神戸市がこのような見解を示す一方,日本国内では雨水を地下に浸透させる施設が,昭和45年ごろから整備が始まっております。千葉県などでは,宅地開発を行う場合,従来のように調整池を設置するだけではなく,雨水貯留施設や浸透升などの浸透型施設を開発地区内に分散配置する方法も同時に採用し,流出抑制効果を算定するなどしながら,雨水排水計画を策定し,雨水流出を抑制することを開発者に勧めております。それにより調整池を小さくするというようなことも可能だそうです。  そこで,平成16年の台風23号による国道2号線の冠水被害,北区道場地区での浸水被害,先月29日に国道2号線の冠水被害などが発生しておりますこの神戸市でも,従来からの雨水排除に加えまして,雨水貯留施設や雨水浸透型施設の設置による流出抑制効果を算定して上乗せすることが,今後の浸水被害をなくす,あるいは被害をより小さくすることにつながると考えます。  そこで,お伺いしますが,下水道普及率などと同様に,雨水貯留施設や雨水浸透施設が設置可能な市内の住宅・建物あるいは地域にそれらの施設が普及するよう,普及率を示しながら取り組んではいかがでしょうか。  また,神戸市でも雨水貯留施設や浸透型施設の設置による流出抑制効果を算出することなども含めて,統括的に雨水管理するよう取り組んではいかがでしょうか。  以上です。(拍手)  (「議長」の声あり) 89 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 90 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から,ただいまご質問ございました雨水の関係についてご答弁を申し上げたいと思います。  これは先ほどにもご答弁申し上げておりますが,10年に1回の降雨に対応した雨水幹線あるいは雨水ポンプ場の整備ということを進めてまいりましたが,浸水に対して安全なまちづくりを進めていくためには,やはりさらに都市化の進展に伴う雨水流出の増加に対応する必要があるということで,雨水流出係数を70%から85%に引き上げまして,浸水対策のレベルアップを図ろうということも以前から行ってきておるわけでございます。  そういった意味で,これもご答弁申し上げましたが,東灘の本庄地域におきます雨水の貯留の装置,あるいは住吉公園等にも雨水の貯留施設の整備等が進んだわけでございますが,一方で全国的に時間雨量が50ミリを超えるという集中豪雨が多発しております。先月の29日に中央区の国道2号の一部において滞水が起こりましたが,10分間雨量が13ミリというまさに豪雨が発生をいたしました。こういった局地的な集中豪雨への対応ということは,重要な課題であるというふうに考えております。  昨日も雷が鳴りまして,途端に集中的な雨が降ったのを皆さんも覚えていらっしゃるかもわかりませんが,本当にゲリラ的にこういう集中豪雨が起こるということに対してどう対応するかということは,やはり市民の安全・安心という観点からも関心の的であることは間違いございません。  そういったことで,集中豪雨によります浸水被害を軽減・解消するためにはやはり基本的には雨水幹線,ポンプ場,また雨水の貯留施設などの施設整備を着実に推進していくことが重要でございます。  今後さらに地面への雨水の浸透によりましてゆっくり排除する雨水浸透の考え方,排水に時間差をつけるということでもございますが,透水性舗装の推進──現にこういった取り組みはもう既に始まってございますが,そのほか有孔パイプでございますとか,あるいは浸透側溝,あるいは浸透升の導入──しかしこれは地盤が相当しっかりしておるところでそういったものが可能であるというふうにも見てございますが,そういった総合的な浸水対策に取り組んでまいりまして,安全都市の推進に努めることは重要であるというふうに考えてございます。  こういった取り組みは,震災を経験した神戸としてはやはりさまざまな災害に対処するという点で重要でございますので,ご指摘の目標値の設定という点について,今後どういう形がいいのか,研究をさせていただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 91 ◯議長(浜本りつ子君) 鵜崎助役。 92 ◯助役(鵜崎 功君) PiTaPaの件と,それからニュータウンでの募集のことにつきまして,ご答弁申し上げます。  まず,PiTaPaでございますけれども,10月1日からスルッとKANSAIが運営いたしますICカードシステム,いわゆるPiTaPaを導入していきたいというふうに考えてございますけれども,このPiTaPaは実は平成16年8月にサービスが開始されてございまして,現在関西圏14の事業者が導入して利用エリアも実は拡大をしてございます。  さらに,JR西日本との相互利用も大事だということで,PiTaPaでJR西日本のICOCAエリアでの乗車が実は可能となってございます。  この10月1日から市営地下鉄にも導入されますけれども,これが導入されますと,市内では神戸電鉄を除きます鉄道事業者で利用ができるようになるということで,1枚のICカードで神戸地域はもとより関西圏の公共交通機関の利用が可能になる,そういうふうな非常に便利なものでございますけれども,このことによりましてお客様の利便性の向上を図って,公共交通機関の利用促進につなげていきたいというふうに考えてございます。  さらに,このPiTaPaですけれども,料金後払いの特徴を生かしまして,従来のといいますか,今のスルッとKANSAIカードにはなかった割引サービスが可能となってございます。  市営地下鉄でも,PiTaPaカードを利用された場合は,1カ月の間に地下鉄にご乗車いただいた乗車料金の合計金額が 1,000円以上の場合につきまして,乗車料金の割引を受けることができる,いわゆる利用額割引を行いまして,さらなる利用促進を図っていきたいというふうに考えてございます。  加えまして,現在関西圏を中心に1万店舗以上においてPiTaPaのショッピング機能が利用可能でございますけれども,利用に応じてたまったポイントで交通代金が割引になるようなサービスも既に行われているところでございます。  また,神戸地域の鉄道事業者と連携いたしましてKOBEカード協議会というものを設立してございますけれども,この協議会が発行いたしますKOBE PiTaPaでは,市立博物館やポートタワーなどの公共施設,あるいは飲食店舗などでカードの提示による割引も行うということでございます。  今後ですけれども,鉄道事業者なりスルッとKANSAIと商店街が連携いたしまして──京都でやられているんですけれども,ICカードを使った実験的な取り組みが実は既になされてございます。  PiTaPaを使って電車に乗って,指定された店でクレジットで買い物をすると,乗車料金相当分を商店街がキャッシュバックするという,そういう仕組みでございますけれども,神戸市の交通局におきましても,他の交通事業者と連携しながら,PiTaPaを活用した取り組みについていろいろと検討し,実行してまいりたいと考えてございます。  それから,新都市会計の関係で宅地造成で公募のやり方のお話がございました。  ニュータウンでの宅地供給ですけれども,いわゆる一般的には一般宅地分譲,あるいは住宅供給公社等への特別分譲,それとあわせて民間事業コンペがございますけれども,現在では民間事業コンペ中心による住宅供給が中心でございます。  民間事業コンペの実施に当たりましては,募集要件で,安心して生活できる住環境の整ったまちづくりを目指す,それから多様な市民ニーズに対応し得る,質の高い,そして経済性にすぐれた住宅の供給,こういう観点から民間の皆さん方から提案をいただいているところでございますけれども,この結果,当選事業者の計画を見てまいりますと,安全・安心そして良好な環境が整った,質の高い住宅が提案されているというふうに評価をさせていただいてございます。  例えばですけれども,多様な世代への対応といたしましては,子育て世帯あるいはシニア向け,あるいは3世代向け,そういう多様な住戸タイプの供給,あるいはライフステージの変化に対応した可変間仕切りの設置,そういう提案もございますし,あるいは防災・防犯面でも団地入口に防犯カメラを設置していただいたり,あるいは防災備蓄庫あるいは貯水槽の設置なんかを提案していただいてございますし,あるいはコミュニティヘの配慮という面につきましても外構の工夫,例えばオープン外構でございますとか,あるいは公園の一角を利用したコミュニティガーデンの設置,あるいは各種イベントの支援,そういういろんな提案を実はいただいてございます。  これによりまして多様な世代への対応,あるいは防犯・防災面に配慮した住宅を供給することができているというふうに考えてございます。  また,リザーブ用地を活用いたしまして,高齢者向けの施設,あるいは若年層の流入を促していくということで保育所の併設を公募の条件とする,そういうことで地域のニーズに対応したコンペも実施をさせていただいてございます。  今後ともご指摘の趣旨も踏まえながら,時代の変化あるいは地域のニーズに配慮した民間事業コンペを心がけてまいりたいと思ってございます。  以上でございます。  (「議長15番」の声あり) 93 ◯議長(浜本りつ子君) 高山晃一君。 94 ◯15番(高山晃一君) それでは,数点,質問させていただきたいと思います。  まず,乗客増対策ですけれども,私の発言の趣旨は,私鉄と手を組んで経営を統合したような状況を生み出すというようなことが必要ではないかという趣旨でございました。  それで,現状もそれぞれのサービスがあるんですけれども,さらにさらに踏み込み,利用者の乗り継ぎのストレスをなくすために,例えば神戸市営地下鉄から私鉄各社とか,あるいは逆に私鉄各社から神戸市営地下鉄に乗り継ぐ場合は初乗り料金がかからないとか,あるいは大胆な乗継割引をする。そして,利用者が,今は私鉄から神戸市営地下鉄に乗りかえると言いますけれども──表現しているかと思いますけれども,乗りかえるじゃなくて乗り継ぐというふうに感じるような状況,それぐらいストレスをなくしていくようなことをしないと,乗客増対策にはつながっていかないんじゃないかなというふうに考えています。  利用者の方がPiTaPaのグループはあたかも1つの鉄道会社みたいだわと感じるような,強い連携を実現することが必要ではないかなと思うんですけれども,いかがでしょうか。  それから2点目は,最近の報道で阪急と阪神との経営統合により,市営地下鉄と阪急との相互乗り入れ構想が前進というようなものもありました。これに対して私は,かなりの設備投資が必要なので,それに耐え得る体力が神戸市にも阪急にもないだろうと思います。  ですので,物理的にはそういった乗り入れじゃなくて,先ほど申し上げたような大胆な乗継割引によって乗客,利用者の利便性を高めていくというようなことが得策ではないかと考えるんですけれども,阪急との相互乗り入れに対する神戸市の考えをお伺いできればと思います。  それから,雨水利用については,研究をさせていただきたいというご回答でした。それで現状,東灘区で一部雨水の貯留施設の購入助成をしているわけですけれども,浸水対策というようなことを考えますと,これは事業者がまた新しい管を持ったり,強制的にポンプアップするような施設を増強していくという考え方もありますけれども,やっぱり都市住民1人1人が自分たちが山を,緑を切ってそこに住んでいる,それによって浸水被害というものも発生しているんだというような意識づけ,こういうことも必要だと思うんですね。  ですから,購入助成という取り組みもいいと思いますけれども,もうちょっと市民の1人1人が関心を高める──雨水貯留とか浸透に関心を高めるような情報提供をしていくとか,そういうことで助成をしていない地域でも雨水貯留施設とか浸透施設が普及していくような取り組み,こういったことも必要ではないかと考えるんですけれども,いかがでしょうか。  以上,再度お伺いします。  (「議長」の声あり) 95 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 96 ◯市長(矢田立郎君) 今雨水の点でご提案がございましたが,先日私ドイツの方へちょっと,トップセールスも兼ねて参りましたが,そのときに感じた点がまさに緑ですね,緑をいかにまちの中にふやしていくか,それがやはりこれからのまちづくり,またさらに災害に対する対応という点にもつながるんではないかなという感を強くいたしておりますが,そういう点で今おっしゃられたような,さまざまな手だてをふやしていくというのも1つの方法であるということは間違いございません。そういった上に加えて,やはりまち全体に緑をふやしていく,そして保水性を保つということが大変重要であると思います。  前に湊川で洪水がありましたときに,よく言われたのはやはり背後地の北区の方で相当な開発が進んでいったことによって,即雨水が流入して量をふやしたというふうなことが言われたわけでございますが,今は石井ダムができておりますんで,そういう点の懸念が少し除かれたというふうに言われておりますけれども,基本的にはやはりそういった自然との協調といいますか,そういうことが大事だというふうに感じております。  (「議長」の声あり) 97 ◯議長(浜本りつ子君) 鵜崎助役。 98 ◯助役(鵜崎 功君) まず,PiTaPaのことですけれども,経営の統合というお話をされましたけれども,非常に大胆なご提案だというふうに思いますけれども,これにつきましては私どもだけではございませんで,全私鉄あるいは時にはJRも巻き込んだ,ICOCAも巻き込んだ料金体系を根本的に改革していかなくてはならないという問題です。  そういう意味で極めて大胆で,実質上1社になるという,そういうお話でございますけれども,現時点で私ども交通局を預かるものの立場からすると,それからどのような戦略が描けるのかということは非常に大きな問題でございますので,これにつきましては現時点では,即答するということであれば難しいとお答えせざるを得ませんけれども,こういう視点で物事を考えていくというのも,今後の経営改善を考えていく場合の1つのアイデアだというふうに考えてございますので,貴重なご意見として承っておきたいと思います。  それから,阪急との相互乗り入れというお話がございました。これにつきましては阪急の社長が数年前にお話をどこかでされて,新聞に載ったことがございますけれども,これにつきましてはお話もございましたけれども,膨大な投資になります。阪急と神戸の地下鉄の接点の工事が数百億円のお金が要るんではないかと思いますけれども,一般的に言いますとこれは折半ということになりますんで,今の交通局に新たな投資をする余裕は現時点ではないと申し上げざるを得ないのが現状だと思います。  そうした中で,先ほど午後の質問にもございましたけれども,私たちは地下鉄の投資については74~75%ほどは──つまり安全・安心を最優先に今はやっていきたい,そのことによって市民から信用される,信頼される地下鉄を目指していきたいというふうに思ってございまして,そうしたことではまず地下鉄全体の経営収支,市民の足の確保,そのことに伴います乗客の確保,そのことによります経営の改善ということをまず最優先に取り上げさせていただければというふうに思ってございます。  そうした上で関西全体での大きな投資の問題につきましては,当然国土交通省もかんでくる問題がございますし,そのときに改めて原点に立ち返っての対策が求められてくるんだろうと思いますけれども,いずれにいたしましても現時点で神戸市の方から阪急との相互乗り入れにつきまして積極的な姿勢を持つということはございません。  以上でございます。  (「議長15番」の声あり) 99 ◯議長(浜本りつ子君) 高山晃一君。 100 ◯15番(高山晃一君) 前向きなご答弁をいただいたと理解しております。  雨水利用に関してですけれども,災害は本当に一瞬,地震も一瞬でしたけれども,集中豪雨の場合も10分間とか,その一瞬で被害が出てきます。それを防ぐためにどれだけの設備投資をするかというところで,集中的な設備投資をするというやり方もありますけれども,やはり市民1人1人がちょっとずつ投資をして貯留槽をつくる,そんな形の整備というのが私たちが考えている,市民力を高めていこうという取り組みの1つでもありますので,ぜひご検討いただければということを申し上げて,終わりたいと思います。(拍手) 101 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,36番加納花枝君。  (36番加納花枝君登壇)(拍手) 102 ◯36番(加納花枝君) 私は,新社会党神戸市会議員団を代表し,2005年度神戸市公営企業会計決算について質疑をいたします。  「山,海へ行く」,開発行政の象徴とも言われた須磨ベルトコンベヤーが,昨年9月に仕事を終えました。須磨海岸の積み出し施設も撤去され始め,海岸線も姿を変えています。私は2002年度の決算質疑で,ベルトコンベヤーの撤去に伴い開発行政の終息プログラムを求めました。昨年は,あわはら議員が神戸の海の埋め立ての終息宣言をするときではないかと質疑をいたしましたが,改めて開発行政の検証・総括の必要を求めて,お尋ねいたします。  昨年の質疑でも,新社会党議員団は,埋立事業の終息に当たり,起債総額もほぼ確定するこの時期に,土地売却や賃貸収入,基金や借換債など,どのように活用して起債償還を行っていくのか,現実的な見通しを市民に説明することを求めましたが,鵜崎助役は,起債償還はあくまで土地売却収益による資金が基本と答弁されました。2010年──平成21年ですが──からは4年間で 1,800億円の償還については,新都市事業会計に現金預金あるいは基金の基金現金合わせて 1,350億円ほどあるので,とも答弁されました。  あれから1年ですが,土地処分の状況はどうでしょうか。売却という言葉が処分という言葉に置きかえられ,17年度も新たなインセンティブ策による定期借地などの賃貸が続き,利便性の高い土地の大幅な値下げは,造成原価はどうなっているのかと思うほどです。鵜崎助役は,昨年の答弁で,全部定借にしてしまって売る土地がなくなるようなことなんか一切考えていません,その都度その都度判断していますと答えられておりますが,市民の目には,場当たり的に土地処分をしているのかと映っています。  一般会計へ繰り出されてきました新都市整備会計の剰余金も,今決算では1億円が建設改良積立金に処分され,一般会計への繰り入れはなくなりました。通常35億円の一般会計への繰り入れが,この5年間は24億,18億,12億,15億,5億と減り続け,今決算ではとうとうなくなったのです。
     収入は思うようにふえず,償還額は多額になります。現時点での検証をし,財政問題を先送りせず,新都市整備事業会計の長期的方針と財政計画を市民に明らかにすべきだと思います。いかがでしょうか。  次に,交通事業についてお伺いします。  地下鉄山手線は,開業から30年になりました。17年度決算では,山手線の純利益は39億 489万円の利益を上げていますが,海岸線の79億 8,599万円の損失補てんに消え,累積欠損金もふえ続けています。同じ会計であり,海岸線の赤字を補てんすることはやむを得ないことでしょうが,ようやく黒字に転じてきた山手線の経営努力を示すためにも,黒字分の幾らかを市民全体に還元する基金に積み立てることを提案いたします。とりわけ多くの市民から要望のある全市のバス路線の充実に充てれば,多くの市民に喜ばれるはずです。検討してはどうでしょうか,お尋ねいたします。  次に,また住宅団地における高齢化は深刻な課題でございます。団地開発のときには若かった住民も30年,40年を経て,高齢化により団地の入り口のバス停まで行くことが大変になっています。須磨区の中でも,87系統妙法寺からひよどり台の新路線を拡大していただき,多くの市民が喜んでいます。しかし,多井畑東町のように全くバスが走っていない地域,高尾台や東白川台,菅の台7丁目など坂道の多い地域では,バス路線の拡大が待たれています。  団地入り口までのバスの運行を団地内にも走らすことや,金沢市で取り組まれておりましたが,市場の中にもバスを入れるなど,人を動かす手段・装置として小型・中型バスへの切りかえを進め,福祉の観点,環境の観点のまちづくりから,都市の装置としてバス路線拡大を進めるべきと考えます。  これまでの質疑の中で,地域密着型という質疑の中で,市長は毎年1路線の新設を答弁されましたが,9区もある市全体で1年に1本,こんなペースでは高齢化に到底間に合うものではありません。改めて市民を参加させた検討会を持つなど,福祉のまちづくりの観点から取り組んでいただきたいと思います。  以上,質疑をいたします。よろしくお願いします。(拍手)  (「議長」の声あり) 103 ◯議長(浜本りつ子君) 鵜崎助役。 104 ◯助役(鵜崎 功君) 私の方から新都市事業会計の財政の問題,それから地域密着型のバス路線の問題,それから西神・山手線の黒字を基金化する問題について,お答えを申し上げます。  まず,新都市整備事業会計の問題でございますけども,先ほどもお答え申し上げたんですけども,新都市整備事業,これはもうご案内ですけども,非常に大きな投資額が要る,しかも長期間を要するということでございまして,これまでも景気の好況・不況の波を乗り切りながら,どうすれば安定的な──堅実と言ってもいいんかもわかりませんけれども,財政運営ができるのかということで,民活なりインセンティブの導入なり起債の活用など,いろんな手法を駆使しながら過去の経済変動に対応してきたというふうに思ってございます。  特に住宅団地におきましては,民間活力を最大限活用して売却を進めてございますけども,一方産業用地につきましては,昨年度エンタープライズプロモーションビューローというのを発足いたしまして,3年間で50ヘクタールを売っていきたい,10年間で 100ヘクタールを売っていきたいという,まさに処分という言葉じゃなしに分譲という目標を掲げて積極的に企業誘致に取り組んでまいりました。16年度は1ヘクタールそこそこの分譲だったわけですけども,17年度につきましては15.2ヘクタールの分譲になってございますし,先ほども申し上げましたけども,今年度に入りましても,今現在決定──契約済み,あるいは申し込み済み,あるいは申し込みの確率が非常に強いというものを含めまして14.6ヘクタールに既に達してございます。そうした意味で,3年間で50ヘクタールの分譲目標を掲げ,これをできれば前倒ししながらでも,少しでも土地を売っていきたい,そのように思ってございます。  その結果,いわゆる起債償還が2010年から大幅にふえてまいりますけども,それに対応する備蓄について今取り組んでいるということでございます。経済の回復基調が実はございまして,用地処分につきましては,用地の小型化する傾向もございまして,依然厳しい状況にあることは事実でございますけども,今後とも,先ほど申し上げましたように前倒ししながらでも用地処分といいますか,用地の分譲に取り組んで,起債の償還に当たっていきたいと思います。  さらに,新都市会計におきまして,現在 1,360億というふうに申し上げましたけど,現預金がございますので,この保有資金と土地売却の資金を合わせまして今後の償還に対応していくというふうに考えてございます。いずれにいたしましても,まず土地処分ということを第一義に考えて今後とも取り組まさせていただきたいと思います。  それから,西神・山手線の黒字の問題でございます。平成17年度の決算におきまして,西神・山手線では39億の黒字を計上いたしてございますけれども,海岸線ではご案内のとおり79億の赤字ということで,全線で40億の赤字となってございます。  西神・山手線の黒字を市民に還元するために基金を積み立ててはどうかというお話でございましたけれども,現状では高速鉄道事業全体で,先ほども申しましたように単年度でも40億の赤字となってございまして,多額の累積赤字, 1,119億の赤字を抱えているわけでございまして──ことから,まずは高速鉄道事業全体の赤字解消を最優先すべきだろうというふうに考えてございます。  また,地下鉄からバスにつきましては,決算書にも書いていると思いますけども,交通事業基金の果実を実は地下鉄から市バスの会計の方に毎年──もう15年ぐらいたつんだと思いますけども,5億円を毎年繰り出させていただいてございます。そういうことから考えましても,これ以上難しい。特に 100億円の資金不足の状況に実は今も陥ってございますので,こういうことを考えますと,さらに増額していく,この5億に上積みしていくことは非常に難しい状況だということでございます。  一方,自動車事業につきましては,事業を継続していく上で収支均衡することが必要であるということから,レボリューション2004を策定しまして,営業所の民間委託など,その抜本的な経営改善につきまして取り組んだ結果,18年度予算では若干の黒字を予定しているところでございますけれども,しかしこれにつきましても現在の原油高の悪化要因がございまして,予断は許さない状況でございますけども,何とか18年度の決算におきましても経営改善計画の目標が達成できるように,まず努力していきたいというふうに思ってございます。そうした中でも新たな乗客増,市民サービスの水準の向上を図るために,地域密着型バス路線の拡充について取り組んでまいったところでございます。  なお,地下鉄事業におきましては,安全・安心な運行が何よりも重要というふうに考えてございまして,設備の計画更新あるいは保守管理などの施設・設備面での対策に取り組んでいるところでございます。9月末に西神・山手線の全駅の改札付近への地下鉄の運行状況を表示します総合乗客案内表示システム,これを設置する予定でございますし,10月からは,先ほどもご答弁申し上げましたようにPiTaPaを導入する,そういうことで今後ともお客様の利便性の向上に努めてまいりたいと思ってございます。  それから,地域密着型バス路線でございます。このバス路線の新設・変更につきましては,お客様あるいは地域にお住まいの方々,あるいは自治会等からのご要望に対しまして,乗客需要あるいは採算性,運行の効率面あるいは既設路線との整合性,いろんな面から考慮しながら,きめ細かく対応していく必要があるというふうに考えてございます。  その際ですけども,地域の道路幅員あるいは信号設置状況などの道路事情,そしてあるいは人の流れなどの調査,こういうことを実施しながら,各種懇談会において,職員みずからが地域に出向いて,地域の方々のご意見・ご要望を生の声としてお聞きさせていただいてございます。その上で,さまざまの視点,先ほど申しましたようないろんな視点に立ちまして,幅広い観点から検討を加えながら,あわせて区役所とかあるいは警察署などとも意見交換を行ってございますし,狭隘な道路を路線に含む場合には,安全なバス運行の確保についても特に十分な検討を加えた上で,バス路線を開設してまいっているということでございます。  ご指摘の地域密着型バス路線ですけども,いわゆるレボリューション2004の中で,乗客増対策あるいはお客様サービスの向上の観点からも大きな柱の1つとして位置づけられてございまして,これまで道路事情等によって従来の大型バスでは運行できなかった地域におきましても小型・中型バスを導入して,そして高齢者の地域生活を支えるために,路線上に鉄道駅あるいは区役所・病院・商店街を結んでございまして,現在市内でも5路線を運行させていただいてございます。これまで実施した地域密着型バス路線につきましては,地域の皆様方から区役所・病院あるいは商店街等への行き来が便利になったというふうな評価をいただいてございます。  市バスの路線の新設につきましては,これまで市内各地域からご要望をいただいてございますけれども,道路状況など物理的な条件あるいは乗客需要,採算面,依然として対応が難しい地域があるのも事実でございます。  一方,これまでは道路状況あるいは騒音や振動・排気ガスなどの問題で,乗り入れ──むしろバスが入ってくることに消極であった住宅団地もあったわけでございますけども,これらの団地におきましても,高齢社会の進展に伴いまして近接する駅あるいは商業施設への市バス路線の要望も実はいただくなど,地域のニーズにも変化が生じている例もございます。  こうした地域におきましては,地域からの要望を踏まえながら,道路状況等の何度も申しますけど物理的条件なり,乗客需要なり,採算性なり運行効率面,あるいは既存路線との整合性などの課題が解決できるようでございますれば,小型・中型バスを活用した地域密着型バス路線の拡充に取り組んでまいりたい,そのように現在考えてございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 105 ◯議長(浜本りつ子君) 加納花枝君。 106 ◯36番(加納花枝君) 毎年同じ質問で,同じ答弁ということですが,大事な問題ですので聞かせていただきました。  それで,現預金があるその使い方というものが,私たち大変どういうふうに──どの範囲まで使われるのか,借金にそれが消えてしまっては困るということもありますし,ほかにもっと──開発利益の積み立てであるというふうに考えますれば,もっと使う範囲は広くあって,使っていただきたいところもたくさんあるわけですが,まず現預金の使途の範囲について,ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。  それから,バス問題ですが,きょうも市長が朝からおっしゃっておりますように,緑が丘のように長い間バスを求められていたところは本当に喜んでおいでです。ひよどり台にようやくつながったということで,ひよどりの団地がもう少し明るくなればという希望も持っているんですが,今助役は,要望はわかるが,採算性と狭い道路ということでございました。中型バスと小型バスも少しずつ導入をされておりますので,もう少し積極的に導入をして切りかえていくというふうにしていただくか,それとももうやはり高齢化の中で歩くのが大変,バス停まで遠いというところを,福祉の施策として思い切って別でやっていただくかという,そういう検討をしていただくときに来ているんじゃないかと思います。  申し上げるまでもないと思いますが,大阪は幹線を走るバス,それから駅へつなぐフィーダー系と地域密着のコミュニティというふうにすみ分けをしながら,財源は別で地域密着バスのコミュニティバスをやっていらっしゃると思いますので,そういう検討だけでもやっていただくというふうにならないのか。そうでなければ,いつまでも要望しているところの人たちは待ってられないというときに来ておりますので,市長の政治責任といいましょうか,福祉という視点からぜひとももう1度答弁をいただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 107 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 108 ◯市長(矢田立郎君) バスの点でございますけれども,先ほど助役ご答弁申し上げましたように,さまざまな課題があるわけでございますが,具体的に我々が検討する中で,坂の多いまちでございますから,そういったところにバスを入れたいというふうに思いましても,実際にバスが回転できないというふうな状況もございまして,苦悩しておるところでございます。  できる限りそういった点で地域の皆さん方の声を反映しながら,それについてどんな解決策がとれるか考えていきたいということで今対応してございますので,ご理解いただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 109 ◯議長(浜本りつ子君) 鵜崎助役。 110 ◯助役(鵜崎 功君) 新都市会計に関しまして,現預金の範囲がというお話があったと思いますけども,現預金の範囲は,ご案内のとおり貸借対照表上にあらわれてます現預金ということでございまして,それが 1,360億ほどあるということでございます。  私たちはそれだけでは──今後の安定的な新都市会計を維持するために,それだけでは当然不足するわけでございますので,未成土地も含めまして,そういう土地を早急に処分していきたいと思ってございます。  3年間で50ヘクタールというふうに申しましたけども,わかりやすく申し上げますと,50ヘクタールがもし10万円で売れますと 500億円になります。10年間で 100ヘクタールと言ってますので 1,000億になる。それを何とか,10年間ということじゃなしに,今の勢いのまま,景気の動向にも左右される面がございますけれども,いろんなインセンティブなりいろんな働きかけ,あるいは情報の早期収集による先手必勝と,いろんな手を使いながら,少しでも土地をうまく処分し,そのことによって工場が市内に建設され,そのことによって雇用が生まれ,固定資産税へも影響してくる,そういうことを考えてございます。  そういう意味では,単なる土地売りということだけじゃなしに,まちづくりの観点から企業誘致についても進めていきたい,そのような覚悟で今後とも取り組ませていただきたい,そのように思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 111 ◯議長(浜本りつ子君) 加納花枝君。 112 ◯36番(加納花枝君) 鵜崎助役の希望とか頑張るという決意はよくわかりましたけれども,全体的に市としての方針とか計画はどういうふうになっているのかということは,市民は知りたいと思います。ぜひその情報を──情報といいましょうか,長期的な,最低一番悪くてもこれ以上は土地の値段は下げてはならないとか,これだけはという,そういう最低ラインもあると思います。社会状況の変化も加味して,少し方針というものをもう少しまとめていただければというふうに思います。  あとの問題は,決算委員会でまたあわはら議員につないでいきたいと思います。 113 ◯議長(浜本りつ子君) 次に,29番山下昌毅君。  (29番山下昌毅君登壇)(拍手) 114 ◯29番(山下昌毅君) 私は,新政会市会議員団を代表して,平成17年度企業会計決算並びに関連議案について,市長並びに関係当局に質問いたします。  平成17年度企業会計決算は,さまざまな要因に起因する厳しい財政状況と長期にわたる構造的な社会経済情勢の転換期を見据えて,今日まで実施してきた経営改善への取り組みの成果があらわれた決算だと評価しております。とりわけレボリューション2004を着実に実践してこられた労使協調による交通局の経営改善については,敬意を表したいと存じます。  景気の回復による税収増が明らかになる昨今ではありますが,多額の累積欠損金を抱える企業会計も多くあり,経営改善への取り組みを緩めることなく,将来を展望しての企業経営に邁進していただきたい,そんな思いの中,数点の質問をいたします。  最初に,水道事業会計に関してお尋ねいたします。  先日,広島県営水道で発生しました送水幹線トンネル内での崩落事故により,呉市と江田島市の多くの利用世帯が断水を余儀なくされる事態となりました。新聞報道によると送水幹線トンネルの代替がないために,長期にわたり点検がなされなかったことが1つの原因だったと伝えています。  大きな河川や湖沼による水源を持たない神戸市水道は,琵琶湖から淀川を経て阪神水道企業団から六甲山系を縦走する2本の送水トンネルによって利用者に届けられています。この送水トンネルのうち再度までの間の旧トンネルの補修は,昭和61年から63年に実施されたと聞いていますが,今回の広島の事故を教訓として再点検する必要があると考えますが,状況をお聞きいたします。  また,全面補修を視野に入れて,送水トンネルの代替としての機能を果たす大容量送水管布設を平成22年完成予定で進めているが,奥平野浄水場までの整備については,少しでも早く整備するために積極推進すべきと考えるが,ご見解をお伺いいたします。  次に,港湾事業会計についてお尋ねをいたします。  今年度決算を見ると,新分野への展開やポートセールスの積極的な取り組みの成果により取扱貨物量等も増加,また土地売却収益も寄与して久しぶりに明るい決算内容だと評価いたしております。  しかし,累積欠損金は 370億円以上に上り,またコスト面やソフト面において国内外諸港との港間競争はますます激烈なものになると予測をされております。  また,アジア諸港においては将来を見据えて,国策による大水深バース等の港湾整備が進められている中,これまでのイメージから脱却し,神戸といえば港との存在感を維持しながら,神戸港の特性を生かし,身の丈に合った港づくりを考えていくべきだと考えます。  そのために20年,30年後の神戸港の将来を見据えてのプロジェクトを組んで目標に向かうべきだと考えますが,ご見解をお願いいたします。  2点,要望を付したいと思います。  新都市整備事業において要望をいたします。  神戸市では,良質な宅地を供給するために新都市整備事業会計による開発・造成したニュータウンでの宅地分譲を行ってきていますが,バブル経済が崩壊してからは,地価の下落とともに宅地の売れ残りが目立つようになっております。  売れ残った宅地については,たびたび募集していますが,長期にわたり空き地のままの宅地も多く,隣接する住宅からは,草刈りにコストがかかるし,コミュニティの形成や安全・安心のまちづくりの面においても早期の販売を希望されております。先日も,空き地に囲まれた自宅を売却するという声の中で,コミュニティが形成されない,そういった声を耳にしました。  こうした点在する売れ残り宅地については,一定の地域ごとにハウスメーカー等に一括購入してもらう等の方策を考えていただきたい,そういったことを要望しておきたいと思います。  次に,要望の2点として,病院事業会計について要望したいと思います。  既に他会派からの質問として取り上げられましたので,西市民病院について要望をしたいと思います。  総合的な医療サービスが十分に西市民病院では提供されていない現状があると耳にします。患者さんにとって必要な検査を,地域の他の病院で受けてもらい,その結果を持って再び西市民病院で診察することがあったと聞きました。地域の中核病院としての機能を果たすためにも,市民の医療ニーズにこたえ得る医療機器の整備を図るべきだと思いを込めて要望しておきます。  以上,新政会市会議員団を代表しての質問といたします。簡明なるご答弁をよろしくお願いいたします。  (「議長」の声あり) 115 ◯議長(浜本りつ子君) 矢田市長。 116 ◯市長(矢田立郎君) まず,港湾事業につきまして,ご答弁を申し上げたいと思います。  累積損失の内容については,ご承知のとおり,あの阪神・淡路大震災でこうむった被害が港湾会計を圧迫しておるということをまずご理解いただきたいと思います。  現状の中で,東アジア諸港また国内主要港の港湾整備が進展をしておることはご承知のとおりでございますが,今後とも諸港ともそういった港間競争の上で整備が進んでまいります。そういった点にやはり目を向けながら大水深バース等の取り組みを進めていかなければいけない,このように感じております。  最近の神戸港のコンテナ取扱個数は,ご承知のとおり年々増加をしてき出しております。これにつきましては特に中国貨物また内貿貨物が伸びておるという点がございますが,平成18年の状況でございますと,1月から8月までの外貿コンテナ個数も,速報値でございますけれども,今までの伸びよりも高い伸び率で推移をしておるというふうになってございます。そういった点でこれを逃すことなく港勢の回復・拡大につなげていかなければいけない,このように思っております。  神戸港の特徴でございますけれども,これは以前から世界に向けた定期航路網を持っておるということでございまして,現在航路数は 100というふうに言っておりますが,日本の中でも特にアジア諸港とのトランジットタイムが最も短いという有利性もあるわけでございます。また,内航ネットワークの点では瀬戸内及び九州と結ぶという,そういう地の利を持っておるという点もございます。さらに,国際フェリー──これは中国との関係でございますが,天津・上海と結んでおる。  さらに,今道路の背後地のアクセスという点では,まだ整備がこれからというものもございますが,しかし全体としてアクセスがよいということ,それからこれはよくお耳にされておることでございますが,神戸港のやはり技術者・労働者の質が高いという点が評価をされておるという点がございます。  こういった特質を生かしながら,西日本のハブ港としての機能を果たしていかなければいけないという点で,特に先ほども申し上げました内航船によって神戸港に荷物の集積を図ることが重要でございます。  またもう1つは,滋賀・北陸地域の貨物が一時釜山等に動いておったわけでございますが,それを神戸港に引き戻すということでボリュームインセンティブを出しておるところでもございます。  さらに,中国からの輸入貨物を誘致するという点では,例えばクレーンの使用料を落とすとかいうふうな形で,これもインセンティブを出しておるという点で,この対応をしてございます。  また,神戸港周辺に貨物を創出していただける,そういう企業を誘致していく,そのために神戸港の輸出入貨物がふえるという結果に結びつくような形のことが重要でございますんで,今物流センターあるいは中古建機・自動車の集積がどんどん進んできておるというふうな特徴も現在あるわけでございます。  今後もやはり西日本全域から貨物を誘致してくるということが神戸港の港勢拡大につながりますんで,またあわせて中国との関係等も含めて現在ポートセールスチームを結成しておりますが,これは民間人材も入っていただいて,やり続けてきておるわけでございます。  そういう点で,今後ともそういう情報を素早くキャッチしながら貨物誘致に対応していく必要がある,また企業訪問も行う必要があるということでございます。  今後の10年後の神戸港の目指すべき姿としては,お示ししておりますように,みなと神戸-いきいきプランを策定しまして,目標としてスーパー中枢港湾への取り組みを進め,そして西日本のハブ港としての取り組みを強化しようというふうにしてございます。  それとあわせて,やはりフィーダー機能の充実,さらにIT化,こういったことが欠かせないわけでございまして,そういうことを含めながら,これからの神戸がかつての大きな地位を占めておった状況に一歩一歩近づいていけるような,そういう状況をつくり上げていくことが今求められておるんではないかということで,それに対して対応していくことが重要であるというふうに認識しております。  (「議長」の声あり) 117 ◯議長(浜本りつ子君) 梶本助役。 118 ◯助役(梶本日出夫君) 水道事業につきましてご答弁申し上げます。  先日発生した広島県営水道の送水トンネル崩落事故に関連いたしまして,神戸市の上水道の大動脈である六甲山の送水トンネルについて再点検する必要があるんではないか,そのために平成22年度完成予定の奥平野浄水場までの大容量送水管の整備について,少しでも早く整備するようにということのご指摘でございます。  水源の約4分の3を阪神水道企業団からの受水に依存しております神戸市にとりまして,その水を送る2本のトンネルを健全に保つことは大変重要なことでございまして,そのためには絶えず適宜点検を行いまして更生していくことが必要でございます。  そこで,この2本の送水トンネルのうち,昭和32年に供用を開始いたしましたトンネルにつきましては,送水を停止することが可能であったことから,昭和63年に点検・更生を終えまして,さらに震災後にも点検を実施いたしております。  一方,昭和39年に供用を開始したトンネルにつきましては,水量も多く,現状では送水を停止することができないために,本格的な点検は実施をしておりません。このトンネルを点検するためには,同等の送水能力を持つ大容量送水管を建設いたしまして,送水を切りかえる必要がございます。  そこで,未点検の送水トンネルを点検・更生することを目的の1つとして,平成8年から厚生労働省の補助を受けまして,芦屋市境から兵庫区の奥平野浄水場までの区間におきまして,大容量送水管整備事業に着手をいたしました。  平成14年度には住吉川以東の区間が完成をいたしまして,既に供用を開始しております。引き続き奥平野浄水場までの区間において,平成22年度の完成を目指して,鋭意整備を行っているところでございます。  また,現在東灘区の本山で大容量送水管と既設送水トンネルを結ぶ工事を行っておりまして,今年度内に送水を切りかえまして,本山以東のトンネルの点検・更生を実施していく予定でございます。  このように大容量送水管の整備にあわせまして,既設の送水トンネルと接続することによりまして,段階的にその効果を発揮しながら整備を進めております。今後とも本事業の早期完成に向けまして,より一層努力をしてまいりたい,このように考えております。  以上でございます。  (「議長29番」の声あり) 119 ◯議長(浜本りつ子君) 29番山下昌毅君。
    120 ◯29番(山下昌毅君) 送水トンネルの問題でございますけれども,六甲山には 1.8メートルと 2.5メートルということで,岩盤をくり抜いてトンネルがあるわけでございますけれども,旧のトンネルについては,点検をして隧道の中にパイプというんですか,塩ビを巻いて,そしてその中へ通したということがございます。そのときは阪神水道が篠原までということで篠原から再度までを神戸水道が担当したんですけれども,その工事をするために,新隧道から再度を経由して北野まで水を逆送するような,そういうような方法で工事をいたしました。  そのときに船を流して,岩盤の内容,トンネルの内容を撮ったんですけれども,かなりのひびが入って水漏れがしている。あるいは,水が滴り落ちているというふうなことがございまして,それを見て,先ほど申し上げましたような工事をしたんですけれども,この2本のトンネルが神戸の水道を支えていると言っても過言でないぐらい重要なトンネルでございます。  今回の呉の事故そのものがまさしくトンネルが崩落をして起こったということで,非常に大きな断水になったわけでございます。もちろん日々点検をしておられることは十分承知をいたしておりますけれども,この大容量送水管,将来的には名谷のポンプ場まで行って,これができれば神戸の水道は六甲山系のトンネルと,それから市街地の大容量送水管ということでネットワークができるわけですけれども,そういう点検を怠ることなく完成に近づけるために日々の努力をしていただきたいということを要望しておきます。  それから,港湾事業会計の中で,市長はきょう朝から,コスト面あるいはスピード面,サービス面ということと,それからEDIシステムを中心とするネットワーク,これがこの4~5年で日本あるいは神戸において格段に進歩をしまして,外国の港湾の,あるいは船会社のそういった整備されたところと肩を並べる,そういうところまで来ておりますけれども,今回スーパー中枢港湾ということで,大阪と神戸が1つの港ということで機能を分担しながらやっていくという国策が発表されたわけでございますけれども,その中にあっても大阪というヒンターランドと神戸というヒンターランドはやはりおのずとまちの規模が違うわけで,歴史は神戸の港の方が長いですけれども,どうしても大阪にとられてしまうんじゃなかろうかというふうなことが危惧をされます。  そういったことで神戸は神戸としてのよさというものを十分に生かしながら,国際港という立場で今後も神戸は港というふうな,そういうふうな港にしていただきたいというふうに思っております。ウオーターフロントもさることながら,神戸が神戸の港であるための施策をこれからも続けていっていただきたいと思います。  特に現在外国では,もう既に釜山・高雄が上海や他港の港勢に押されて横ばい状態になってきたというふうな状況の中でございます。外国の諸港も大水深バースを大きく拡張しております。  そういった中で日本の中でもいろんな問題がありますので,ぜひとも私たちの子・孫の時代まで神戸が港の神戸であるというふうな,そういうまちづくりに努力をされんことを要望して,終わります。 121 ◯議長(浜本りつ子君) 以上で質疑は終わりました。  この際お諮りいたします。  本件は,議員22名をもって構成する決算特別委員会を設置し,これに審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 122 ◯議長(浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。  なお,決算特別委員会委員は,委員会条例第6条第1項の規定に基づき,議長より指名いたします。  委員の氏名は,事務局が朗読いたします。  (藤本市会事務局議事課長朗読)  ──────────────────  決算特別委員会委員     西 本 ただし 君     森 下 やす子 君     川原田 弘 子 君     赤 田 勝 紀 君     高 山 晃 一 君     山 田 哲 郎 君     上 脇 義 生 君     梅 田 幸 広 君     山 下 昌 毅 君     森 本   真 君     金 澤 治 美 君     恩 田   怜 君     芦 田 賀津美 君     米 田 和 哲 君     松本 しゅうじ 君     たけしげ 栄二 君     池田りんたろう 君     土 居 吉 文 君     大 野   一 君     あわはら 富夫 君     浜 崎 為 司 君     田 路 裕 規 君  以上22名。  ────────────────── 123 ◯議長(浜本りつ子君) 以上で決算特別委員会委員の指名は終わりました。  決算特別委員会委員は,ただいまご指名申し上げましたとおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 124 ◯議長(浜本りつ子君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 125 ◯議長(浜本りつ子君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際申し上げます。  次回本会議は,来る9月27日午前10時より開きます。  なお,ただいまご在席の皆様には,文書による開議通知は省略させていただきますから,さようご了承願いたいと存じます。  また,この後,直ちに決算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は,28階第4委員会室にお集まり願います。  本日はこれをもって散会いたします。   (午後5時12分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...