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  1. 神戸市議会 2002-11-28
    開催日:2002-11-28 平成14年第4回定例市会(第3日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時3分開議)  (横山議長議長席に着く) ◯議長(横山道弘君) ただいまより本日の会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 決算第9号より日程第18 決算第26号に至る18件,一括議題に供します。  昨日に引き続き,質疑を続行いたします。  53番西下 勝君。  (53番西下 勝君登壇)(拍手) 2 ◯53番(西下 勝君) 私は,日本共産党市会議員団を代表して,市長に質問いたします。  今,長期の不況と震災の影響により,多くの市民の暮らし・生活が押しつぶされそうになっています。市民の暮らしや福祉を守ることは,待ったなしの緊急課題となっています。  ところが,小泉内閣は,さきの国会で医療改悪を強行し,国民に負担を押しつけました。さらに,来年度は医療改悪,年金の引き下げ,雇用保険の給付削減,介護保険料の引き上げなど,相次ぐ社会保障制度の改悪で3兆円以上の負担を国民に押しつけようとしています。政府税制調査会は,11月19日に来年度の税制改正を答申しました。この答申は,大企業には先行減税を行う一方で,配偶者特別控除等特定扶養控除の廃止,たばこや発泡酒の税率引き上げ,外形標準課税の導入など,国民や中小企業には増税を強いるものとなっています。  また,この間,小泉内閣は,アメリカに約束した不良債権の早期最終処理を推し進め,多くの中小企業の融資の道を断ち,倒産に追い込んでいます。大企業のリストラもすさまじく,失業者はこの1年間で25万人もふえています。小泉首相は,さらに不良債権処理を加速するとしています。日本総合研究所の試算によりますと,この不良債権処理が加速されたら,貸し渋り・貸しはがしが一段と激しくなり,今後新たに 332万人の失業者が生まれるということであります。小泉内閣は,国民生活に痛みを押しつけていることへの自覚も反省も全くなく,経済を立て直す展望も示せず,構造改革なくして経済成長なしと繰り返すだけであります。  日本共産党は,不況から抜け出す一番の近道は,日本経済の6割を占める個人消費,つまり国民の懐を暖めることと考えています。これはだれもが感じていることで,国民生活の再建なくして日本経済の再建はありません。  日本共産党は,今日の大不況から国民の暮らしを守り,経済危機を打開するため4つの緊急要求を提案しています。その第1は社会保障の3兆円の負担増計画を中止すること,第2は庶民や中小企業への増税計画をやめること,第3は不良債権処理の名による中小企業つぶしの政策を転換すること,第4はサービス残業など職場の無法を一掃するとともに,失業者への生活保障を充実させることです。  小泉内閣は,医療改悪をはじめ年金・雇用保険など社会保障制度の連続改悪をしようとしていますが,ニッセイ基礎研究所がWeekly「エコノミスト・レター」というレポートで,来年度に向け検討されている社会保障関係の負担増は,個々は小規模でも,全体では個人消費を落ち込ませ,景気悪化の引き金になりかねない規模のものである,こう指摘して,負担増計画を見直すべきと言っているのであります。財界系のシンクタンクでさえ,このような分析をしているのです。  今日,いずれの都市も財政は厳しく,とりわけ震災被害を受けた神戸市はさらに深刻であります。政府は,昨年来,臨時財政対策債などを導入するとともに,地方交付税の削減を行っています。今,地方交付税そのものが危うくなっています。国の悪政から国民の暮らしを守ることは,自治体の本来の責務であります。  そこで,質問ですが,市長は市民の暮らしを守る姿勢に立ち,社会保障制度の改悪をしないこと,また地方財政を守るためにも,地方交付税の財源保障機能を維持し,地方交付税の削減を行わないよう国に要求すべきですが,いかがでしょうか。  2001年度神戸市予算は,笹山前市長が編成されました。昨年10月の市長選挙で当選された矢田市長は,「変える,創る,進める」などをキーワードとしてその予算を執行され,丸1年になります。 '01年度の一般会計決算は,長引く景気低迷や地価の下落により市税収入は減少を続けています。財源確保のため,禁じ手と言われる公債基金の繰替運用を行うなど,極めて深刻な状況と言えます。財政力指数は,震災の平成7年に0.83でしたが,それが年々低下して,本決算では0.69にまで低下をしています。また,市債残高は,全会計で3兆 2,000億円,一般会計・特別会計合計で2兆円を超え,起債制限比率は24.2%となっているのです。  一方,今神戸市民の暮らしは,大企業の人減らし・リストラの強行で失業率が8%近くとなり,生活保護世帯も2万 2,400世帯にもなり,兵庫や長田区では人員保護率が50パーミルを超える事態になっています。神戸での自殺者は1年間に 360人,働き盛りの男性の自殺が目立っています。公営住宅の応募倍率も激震行政区では40倍にもなり,さらに公営住宅家賃が払えなくて明け渡しを強要され,退去せざるを得ない人も後を絶たない状況です。市内の市場・商店は,大店舗やスーパーなどの出店によって市場丸ごと閉鎖をするとか,シャッター市場という状況すら生まれているのです。不良債権処理によって,強制的に倒産に追いやられている中小企業の例も少なくありません。  今,市民の暮らしと営業を守ることは緊急の課題となっています。市民の暮らしも市財政も大変な中で自治体に求められるのは,地方自治法で明記されている住民の福祉の増進を図るという自治体本来の仕事を遂行することであります。
     我が党は, '01年度当初予算に対して,市民生活を守ることを優先しながら,市財政を立て直す方向を示し,予算組み替え動議を提案しました。しかし,市は,神戸空港建設ポートライナーの複線・延伸化事業など大型公共事業を聖域扱いにして強行し,その一方で老人医療費助成制度の所得基準の引き下げ,介護手当の廃止,国民健康保険料の引き上げなど,市民に新たな負担を強行しました。  さらに,今後は財政再建に向けたゼロベースからの改革,聖域なき改革などと言って,敬老優待乗車証の見直しや市バス路線の民間移譲,保育所など福祉施設の民営化などを打ち出し,市民と職員に犠牲を押しつける一方で,財政危機から脱出を図ろうとしています。聖域なき改革と言いながら,神戸空港や新交通ポートライナーの延伸,神戸市婦人団体協議会などからも厳しい批判の声が出ている震災復興公園建設事業などは,聖域扱いとして全く手をつけていないではありませんか。これでは,市民の福祉の増進を優先すべき自治体が逆の方向に向かい,自治体が自治体でなくなってしまいます。  今,新しい流れが地方から広がっています。長野県や高知県・鳥取県でも,そして尼崎や熊本市でも,住民は開発優先,福祉や暮らしに冷たい政治にきっぱりとノーを突きつけています。今,市民が求めているのは,自治体が自治体本来の姿を取り戻すことです。市長が市民の暮らしを優先する市政と言うなら,優待乗車証の見直し,保育所の民営化,市バスの民間移譲など,市民サービスを後退させるのではなく,市民の反対の声が強い空港などの建設はやめるという政治に転換すべきであります。明快な答弁を求めます。  次に,市民参画についてであります。  矢田市長は,市長選挙でも,今年度予算説明でも,「1人1人の市民が主役のまちをつくるために,市政への市民参画をより一層進めていく。」と明言されました。市民参画の推進は,その大前提に情報公開があるのは当然です。今回,神戸市行財政改善懇談会の報告では,情報公開を適切な受益と負担を図るための説明責任,行政評価の構築の視点からとらえるとされています。情報公開が,市民への財政負担を納得させるために使う手段に矮小化されていいのでしょうか。市長はこの行財懇の見解をどのように考えているのか,お伺いいたします。  次に,被災市民の暮らしについてであります。  私たち議員団は,これまでにも被災者の暮らし,住宅の再建問題や中小企業の営業など,市民生活の実態調査を行ってきました。各分野で共通して切実に求められているのは,住宅再建支援策の確立と,個人補償・公的支援の強化であります。当初予算の組み替え提案でも,被災者の生活再建を優先させるよう求めてきました。市長にも,被災者生活再建支援法見直しに際して,最大の被災地の長として国に意見を上げるよう求めてきたところです。  ところが,市長は,法が適用された地域の意見を国が聞くと言い張っていました。その後,我が党が政府との交渉も行って,国は神戸の意見も聞くとの態度であることを指摘すると,さきの市会で「国に意見を述べ,情報を発信する。」と,今までと発言の内容を変えられました。  しかし,情報の発信程度の認識では困ります。支援金額の増額や所得制限の緩和,店舗への補償など被災者の生の声をもとに,被災者生活再建支援法の抜本的な法改正と住宅再建支援制度の確立を国に求めていただきたいのでありますが,いかがでしょうか。  次に,国連の社会権規約委員会は,阪神大震災の被災者に十分な相談の機会が与えられていないこと,多数のひとり暮らし高齢者がふなれな環境で生活していることなど,被災者の住宅再建問題を懸念事項として日本政府に勧告を出しました。これら国連勧告に対して,被災者は当局の誠意ある対応を求めてきました。しかし,当局は事実誤認などとして,国連勧告にまともに対応をしていないではありませんか。  このたび私たち議員団は,被災住民が置かれている現状について,改めて調査を行いました。その1つが,被災8周年を前に,改めて当議員団が実施した災害公営住宅での実態アンケート調査です。このアンケートには 1,000名を超す住民から返事が寄せられ,被災者の今日の実態が明らかになりました。災害公営住宅では,年金世帯が65%を占め,収入は15万円以下の世帯が44%にも及んでいます。生活保護世帯は14%と高く,病気や家賃の値上げに多くの人が不安を抱えており,家賃低減策の継続は住民の切実な願いとなっています。  そこで,アンケート結果に基づいて2点,質問いたします。  第1は,コミュニティについてであります。  今,災害公営住宅だけでなく,市営住宅の家賃滞納が大きな問題になっています。アンケートでは,地域とのかかわりが深いほど家賃滞納が少ないという結果が出ています。例えば団地内に友人・知人がいる世帯,自治会行事に参加している世帯などは,友人・知人がいない世帯あるいは自治会行事に参加しない世帯に比べて,家賃滞納の経験が少なくなっているのです。また,市の福祉職員や民生委員などの訪問がある世帯も,訪問のない世帯に比べて滞納経験は少なくなっています。  災害公営住宅には,多くの人が住みなれた地域から離れて入居をしているため,コミュニティづくりが困難だということは当初から指摘されていました。我が党議員団は,当初からコミュニティ形成に行政として積極的にかかわるように求めてきました。この4年間で災害公営住宅で孤独死した人は 134人にもなっています。行政によるコミュニティ形成の努力がもっと行われていたなら,こうした悲劇は減っていたのではないかと悔やまれてなりません。  神戸市は,入居者の所得状況も家族構成・高齢者比率も正確に把握できます。災害公営住宅はどんどん高齢化が進み,地域コミュニティづくりが困難というのもご承知のはずであります。もちろん入居者の努力によって自治会や老人会などの立ち上げが進んでいる団地もありますが,行政としてコミュニティづくりにどう協力・支援できるのか,真剣に検討すべきです。そのために緊急に対応すべき問題を提案したいと思います。  まず,福祉職員や民生委員・地域見守り推進員などの配置をふやし,入居者が抱えている生活上の悩みなどを把握すべきです。また,自治会づくりや生活相談の窓口を設置すべきです。人員については,緊急地域雇用特別交付金なども活用すべきと思いますが,いかがでしょうか。  第2に,家賃滞納に関してです。  家賃滞納があると答えた世帯は16%もあります。この1年間に市営住宅全体で 200件の住宅退去の強制執行が行われていることでも,生活の厳しさがうかがわれます。家賃滞納は失業や病気などによって始まり,それにより家賃減免が打ち切られ,通常家賃がカウントされ,ペナルティーさえかけられます。こうしたことで滞納金額が雪だるま式にふえ,支払えなくなる例が多いのです。神戸市は,昨年11月から徴収担当者を3名ふやし13名で滞納の克服に当たっていると言いますが,滞納の初期の段階で具体的な相談が行われていたなら,訴訟などに至る前に解決できる事例も多くあります。単なる徴収員の配置だけでなく,住宅局の責任で福祉事務所などとも連携し,生活の相談にも乗れるような温かみのある対応を求めますが,いかがでしょうか。  次に,介護保険についてです。  まず,介護保険料についてでありますが,現在,来年度に向けて介護保険の事業計画並びに保険料の見直しが進められておりますが,この3年間で介護保険制度が致命的な欠陥を持っていることが明らかになりました。  その1つが,保険料決定の仕組みにあります。介護保険制度は,事業費の半額を公費で負担し,残りは被保険者が負担することになっております。後期高齢者の増加に伴い,要介護者がふえるのは明白で,それによるサービス量の増加並びにホームヘルパーやケアマネジャーなどサービス提供者の労働条件の改善のための介護報酬の引き上げなどによって事業費が膨らみ,それに伴い保険料は際限なく引き上げられる仕組みになっています。しかも,高齢者それぞれに負担させ,たとえ本人は所得がわずかでも,家族に市民税を課税されている人がいる場合には基準額を徴収され,年金が年18万円以上あれば有無を言わせず天引きするという過酷なものです。  高齢者の収入は,市の実態調査によっても明らかなように, 100万円以下が約27%を占めています。要介護となりサービスを受けられるようになれば,利用料も必要となります。高齢者の保険料を引き下げるために,国の負担をふやす根本的な改善を要求すべきと思いますが,いかがでしょうか。  また,神戸市の第1号被保険者の保険料が来年度から10%近く引き上げられる計画ですが,低所得者に対する減免制度を保険料によってではなく,一般会計で対応すべきと考えますが,いかがでしょうか,お伺いいたします。  第2に,介護保険制度発足に当たり,政府はサービスの自由な選択ができることを強調してきましたが,介護施設は全国的に不足し,自由な選択とはほど遠い状況にあります。神戸市は,介護施設については,介護療養型施設・老健施設・ケアハウス・痴呆性グループホームなどニーズは多様なので,全体の施設整備で対応すると言ってこられたのです。しかし,私たちは特養の待機者は極めて多いため,その建設目標数を引き上げるよう求めてきました。  当局は,1年以内に特養に入居を希望している人は 922人あるが,その大半は入居のめどが立っていると,ことし3月の予算市会総括質疑でも答えられたのであります。その後,特養の入居指針をつくり,対応されてきました。しかし,待機者は6月で 2,517人,そして9月末では 2,682人と,どんどんふえているではありませんか。  しかし,介護保険事業計画見直しでは,平成19年度の整備目標は 4,710床ですから,平成14年度の 4,191床と比べても,5年間でわずか 519床の増設です。老健施設の長期入所が可能になったとしても,これでは余りにも少な過ぎるではありませんか。介護保険制度の趣旨からいっても,行政責任も果たせていません。抜本的な特養の増設計画を求めますが,いかがでしょうか。  次に,中小企業問題についてであります。  小泉内閣が進める不良債権最終処理の影響は,神戸でも激しい形であらわれています。神戸商業信用組合関西西宮信用金庫の破綻など,中小業者の営業と暮らしを直撃しています。信用保証協会の保証つきで,返済の意思と能力があり,本人が申し出ているにもかかわらず,調査もせずに,整理回収機構に送られています。しにせと言われる企業も,ベンチャー企業も,次々と倒産に追い込むこの不良債権処理は許しがたいものです。  そこで,2つの提案をいたします。その1つは,貸し渋りや貸しはがしを防止する条例,地域金融機関の活性化に関する条例の制定についてです。  中小企業への融資では,今までなら融資に際し事業計画書を提出すれば融資を受けることができていたのに,現在は保証人をふやせとか,担保をさらにふやすよう求められ,言われたとおり準備しても,さらに厳しい条件をつけられて断られるなど,貸し渋りが横行しています。  また,ある飲食業の方が 1,000万円の融資を受け,順調に返済していました。元金の残が 500万円になったため,新たな営業資金を借りようとすると, 500万円の一括返済を求められたため,工面して完済したにもかかわらず,新規融資を断られるなど,貸しはがしも相次いでいます。  こうした金融情勢の中で,兵庫県の中小企業家同友会は,地域経済の発展に望ましい金融機関のあり方を盛り込んだ金融アセスメント法の制定運動に取り組まれています。既に全国 416議会で決議や意見書が採択をされています。そこで,我が党は貸し渋り・貸しはがしを防止し,地域金融機関が地域経済に果たす役割を正しく評価し,育成することが大事と考えます。神戸地域の金融の活性化に関する条例,つまり貸し渋り・貸しはがし防止条例でありますが,緊急に制定すべきではないかと思いますが,いかがでしょうか。  提案の2つ目は,借りかえ融資制度の創設であります。  神戸市は,長引く不況や震災,取引先の倒産などに対応するセーフティーネット資金融資を設けています。ところが,多くの中小零細業者は,既に借入限度額いっぱい融資を受けています。これ以上低利で借りやすい制度ができたとしても,新たな借り入れは難しい状況です。今必要なのは,複数の借入金を一本化し,月々の元利返済額を減らすことによって経営改善に役立つ支援策です。市のセーフティーネット資金融資を活用して,複数借入資金残金の一本化ができる,いわゆる借りかえ融資制度の創設を提案しますが,いかがでしょうか。  次に,神戸空港問題について伺います。  ことし2月,朝日新聞が行った世論調査で,あなたは神戸空港の建設についてどう思いますかとの設問に対し,中止と答えたのが71%,推進と答えたのが15%であり,圧倒的に神戸空港の建設に反対する世論が多かったのであります。工事の進捗率は50%を超えた段階で,今月神戸新聞が行った神戸空港についての世論調査では,中止・延期が60%,推進はわずか26.2%になっています。  我が党は,神戸空港の必要性や需要予測・採算性など多くの解決不可能な問題があるとして,神戸空港の建設中止を求めてきましたが,工事が半分進んだ段階でも市民の世論は,なお神戸空港の建設は中止すべきというものであります。  市長は,この世論を重視し,神戸空港の建設を即時中止し,埋め立てたものをどうするか,市民的議論にかけるよう要求します。市長の決断を求めますが,いかがでしょうか。  最後に,神戸製鋼の石炭火力発電所問題です。  神戸市は,神鋼の石炭火力発電震災復興特定事業として推進してきました。この石炭火力発電は,二酸化炭素の大量発生による地球温暖化の促進,硫黄や窒素酸化物による健康破壊,さらに地域の環境悪化を招くもので,大問題であります。我が党は,これまでもこれら問題点について,繰り返し本会議でも取り上げてきたところです。  さて,神鋼火力発電は,ことし4月から1号機の営業運転が開始されましたが,6月1日には石炭貯蔵サイロの異常で神鋼が消防局に通報するとか,6月にはボイラー給水ポンプの故障で8日間運転を休止しています。また,近隣住民から硫黄のにおいがするとか,異常に気温が高いとか,電磁波が心配など,不安の声が寄せられています。  そこで,電磁波の問題について伺います。先日,国立環境研究所が,高圧送電線から出る低周波の電磁波で子供の白血病の発症率が2倍以上になる,こういう分析結果を発表しました。この結果は,WHOの研究結果と全く一致するそうです。国は,今まで本格的な疫学調査をしていません。しかし,今回,国立環境研究所国立がんセンターなどの疫学調査がWHOと同じ数値になった以上,無視することはできないのです。  アメリカ・テネシー州の電力会社は,学校から 400メートル離すことを決めています。また,スウェーデンでは,幼稚園・学校の近くの送電線を撤去し始めているのです。今後,安全基準の判断になるのは,4ミリガウス, 0.4マイクロテスラではないでしょうか。日本の電力会社は,これまで1987年にWHOが出した環境保健基準69で,5万ミリガウス以下なら被害はないとして安全説をとっています。  しかし,日本でも欧米並みの電磁波低減対策を求める声が上がっています。このたび神鋼火力の送電線の電磁波を住民の皆さんが調査をしたところ,最高で70ミリガウスもの電磁波が検出されているのであります。神戸市当局は,こうした実態をつかんでおられるのでしょうか。電磁波低減対策をどのように指導されるのか,お伺いいたします。  以上,簡明な答弁を求め,質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 3 ◯議長(横山道弘君) 矢田市長。 4 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から数点ご答弁を申し上げまして,あと助役等からご答弁申し上げたいと思いますが,まず財政問題からの関係で,公共事業を見直して,市民の暮らしを優先する市政へ転換すべきであろう,こういうお尋ねでございますが,今やっております,市民本位そしてゼロベースの視点に立ったすべての事務事業の総点検という作業を行っておりますし,さらにご指摘にもございましたが,行財政改善懇談会からの報告の中で,財政再生へ向けたまさにゼロベースからの改革ということの提言をいただいておるわけでございますが,その具体化に取り組んでいかなければいけないというふうに認識をしております。  これは,神戸市がすべての事業についてどのような形でこれから,この時代の変化あるいは市民のニーズ,そういったものに適合しておるのかどうか,そういったことを点検し,そして本当に多くの市政の課題を解決していくために,これを有効に機能させるよう事業のあり方を見直していくということを目的としておるものでありまして,財政難を1つの理由として,そういった市民サービスの切り下げというふうな点についてのことを申し上げているわけではございません。  また,公共投資についてでございますけれども,これは従前から申し上げておりますように,市民生活に身近な投資を優先したいということでございます。既存の施設も再評価をし,そしてその中から資源として幅広い活用を進めていくということも考えております。  そういった点で具体的に申し上げますと,限られた財源の中でその投資効果,こういったことをやはり厳しく見きわめて事業の優先順位を明確にすることが必要でございますし,また効率的な執行ということに努めることも重要であります。さらに,復興事業に関しましては,早期の完成ということを目指して進んでいくことが重要でございますんで,これに対しては従前どおり,必要な国費等の財源の確保に努めていく必要があるということでございます。  そしてまた,新行政システムにも挙げてございますけれども,PFIの制度などの活用をして,公共事業の効率性あるいは経済性の向上にも積極的に取り組んでいくということなどの点に留意をしながら,厳しい財政状況の中におきましても,展開すべき事業については,昨日も申し上げておりますが,慎重な検討を重ねて進めてまいりたいというふうに思っております。  また,神戸空港に関しましては,神戸都市圏の国内航空需要を担うという点と,最近特にこの地に訪れられた方々からご意見をいただいておりますが,医療産業都市構想との連関という点が非常に大きく印象づけられておるようでございまして,そういう点で21世紀の神戸のまちづくりを進めていく上で不可欠な都市基盤であるという点は申すまでもございません。安心して元気に暮らせるまちの実現に不可欠な事業として推進をしてまいりたいと思っております。  また,ポートライナーの延伸事業に関しましては,ポートアイランド2期の企業の進出というものに備え,そしてまた神戸医療産業都市づくりあるいは神戸空港の整備に伴う新たな需要があるわけでございますんで,神戸経済を総合的に活性化していくという長期の視点にも立って,これは不可欠な事業というふうに位置づけております。  次に,被災市民の暮らしについてのお尋ねに関してでございます。  ご案内のとおり,被災者生活再建支援法──これは震災後の平成10年11月に施行された法律でございますが,阪神・淡路大震災には適用がございませんでしたが,法の附帯決議に基づきまして,被災者の生活再建支援については,復興基金に基づく自立支援金の支給など,生活再建あるいは住宅再建のための施策を実施してきております。これらの実績を踏まえて,被災者の支援に関する意見を述べ,そしてまたあの大震災からの教訓を伝え,備えとしての仕組みなどを国内外に情報を発信していこうということを私は以前に申し上げたわけでございまして,このようなことについては,被災地として当然のことというふうに考えてございます。  そういったことで,これまでもさまざまな場面におきまして,国に対して被災地としての経験あるいは考え方も申し上げておりますし,また国家予算に対する要望という中にも,被災者の生活再建支援の項目が当然に掲げられておるわけでございまして,そういった点の申し入れを続けていくつもりでございます。  支援法の見直し等につきましては,既にご案内でございますけれども,この施行後5年の時点で,平成15年11月をめどに,実際に法律が適用されました10の自然災害の事例を踏まえて,国で見直しを検討するというふうに言われておるわけでございますんで,それらに向けましての点に関して,神戸の経験を国の方にも申し上げてまいりたいということでございます。  いずれにしましても,復興に関して,市民と力を合わせまして復興計画推進プログラムを現在進めているわけでございますんで,これを着実に実行して,そしてその中で残されておる問題等については,さらに検証を進めるということが必要であるというふうに考えております。いずれにしましても,完全復興に向けて,全力で取り組んでまいりたいと考えております。  (「議長」の声あり) 5 ◯議長(横山道弘君) 梶本助役。 6 ◯助役(梶本日出夫君) 西下議員のご質問のうち国への要望等数点につきまして,私の方からご答弁申し上げます。  まず,社会保険制度について国に対して求めるべきではないか,こういったご質問でございますけれども,急速な少子・高齢化の進展,また経済の長期にわたる低迷,国民の意識の変化など,社会保障制度を取り巻く環境は大きく変化をしてまいっております。  医療保険につきましては,保険料収入が伸び悩む一方で,老人医療費を中心とする国民医療費が年々増大をしてきております。各医療保険の運営を一段と困難にしている状況でございます。これに対応するために,この10月に医療制度改正が実施をされまして,またその中で持続可能で安定した医療保険制度の確保を図るため,医療保険制度の体系のあり方等について平成14年度中に基本方針を策定することとされております。これを受けまして,国におきましては,保険者の将来像また新たな高齢者医療制度などにつきまして,基本的な検討を進めているところでございます。  年金につきましては,給付に対する国庫負担割合の増加を含めまして,長期的な年金給付と負担の見直しが課題とされております。平成16年度の次期年金改正に向けての検討がなされているところでございます。  医療・年金をはじめとする社会保障制度を将来にわたって安定的に運営していくため,所要の見直しが今進められているものでございまして,今後とも国の動向を注意深く見守ってまいりたいと考えております。  次に,国への要望の中で地方交付税の問題でございますが,国に対して財源保障機能の維持を要求すべきではないか,こういったご指摘でございます。  国と地方の役割分担に応じた事務事業のあり方等につきましては,本年10月末に地方分権改革推進会議におきまして,事務事業のあり方に関する意見が取りまとめられました。この中で,1つは補完性の原理に基づく国と地方の役割の適正化,そして地方における自立的な財政運営が可能なシステムの形成,こういったことの改革の方向が示されたわけでございます。  また,政府におきましても,経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002が閣議決定をされております。この中で,国庫補助負担事業の廃止・縮減について,年内をめどに結論を出すこと,また国庫補助負担金・地方交付税・税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討し,具体的な改革案を今後1年以内をめどに取りまとめることなどとされております。  これら地方財政制度につきましては,議長をはじめ市議会の先生方のご支援をいただきながら,本市の単独要望また指定都市の要望,さらには大都市財政の財源拡充要望など,あらゆる機会を通じまして,国に対して地方税財源の充実強化を強く要望してまいっているところでございます。  この具体的な要望内容でございますが,国・地方間における租税配分が実質配分と大きく乖離している実態を踏まえまして,租税配分を当面1対1とするよう速やかに税源配分を是正し,地方税源を拡充すること,また国と地方公共団体との役割分担に応じた税源移譲等により地方税源の充実確保を図ること,さらに大都市特有の財政事情に対応するため,都市税源,特に法人所得課税,消費・流通課税などの配分割合を拡充強化すること,また地方交付税につきましては,その所要額の確保を図るとともに,見直しに当たっては地方への税源移譲と一体となった措置を行うこと,また国庫補助負担金の見直しに当たっては地方税を基本とした措置を行うこととし,単に地方に財政負担を転嫁するような措置を行わないことなどの要望を行っているところでございます。  ご指摘の財源保障機能につきましても重要なものと認識をいたしておりまして,今後とも地方全体の財源確保に努めてまいりたいと考えております。  それから,災害公営住宅に関連いたしまして,行政としてのコミュニティづくりについての協力・支援,こういったものの検討をすべきではないか,あるいはまた窓口の設置といったことのご指摘でございますけれども,ご指摘のとおり,災害公営住宅におきましては,高齢化率が45%,それから単身高齢化率が38%と非常に高い率となっておりまして,今後もさらに高齢化あるいは単身化が予想されております。このため,地域活動の担い手が得られず,コミュニティが育ちにくい状況がありまして,ひとり暮らしの高齢者などは孤立しがちな状況になります。  そのため,バランスのよい世代形成によるコミュニティの活性化支援といたしまして,多子世帯向け住宅,またコミュニティ支援住宅を平成13年の5月から別枠で募集をいたしております。また,コミュニティの形成を図るため,住民同士が話し合う場を設定いたしまして相談に応じるなど,自治会活動への側面的な支援を行っているところでございます。  一方,平成9年度から高齢世帯支援員などを配置いたしまして,災害公営住宅への見守りを行ってまいりました。さらに,平成13年度からは地域見守りの全市展開といたしまして,見守りサポーターにこれを切りかえまして,安否確認などの訪問活動の充実を図ったところでございます。特にコミュニティの育成が十分でない災害公営住宅のエリアに対しまして,地域のあんしんすこやかセンターなどに見守りサポーターを別途複数配置をいたしまして,重点的な見守り活動を行ってきたところでございます。  この見守りサポーターにつきましては,地域の民生委員・児童委員また友愛訪問ボランティアグループと連携をいたしまして,訪問活動などを積極的に行い,安否確認に努めてきておりまして,地域見守りの役割を十分果たしておりまして,大きな成果を得ている,こういうふうに考えておるところでございます。  今後とも引き続き見守りの充実を図りながら,地域の中でお互いに支え合えるコミュニティづくりを支援してまいりたいと思っております。  それから,介護保険の問題でございますが,介護保険料の負担の問題で,高齢者の保険料の引き下げのために抜本的な改善要求をすべきではないか,こういったご指摘でございますけれども,介護保険制度は保険給付費の2分の1を公費──税金で,残り2分の1を保険料で賄う,こういうふうにされておりますけれども,保険料につきましては,現役世代と分かち合うことを基本にして,人口比に応じて現役世代には給付費全体の3分の1を,また高齢者には6分の1をご負担いただく仕組みになっております。したがいまして,高齢者自身もこの制度の担い手として,世代間のバランスの中で財源の一部をご負担いただくことが,今後のこの高齢化の進展の中で介護費用が増大していく中におきましても,国民全体の理解を得ながら安定的にこの制度を運営していくためのかぎである,こういうふうに考えております。  介護保険制度は,このように給付と負担の関係が明確になった制度でございまして,今後とも各世代間での負担のバランスは配慮していくことは必要ではございますけれども,少子・高齢化社会における社会保障制度の負担のあり方としてご理解をいただかなければならないといったことで考えております。  なお,高齢者全体としての負担部分を,高齢者の中で所得等に応じてどのように分かち合うか,こういうことに関しましては,本市におきまして,低所得者対策として,これまでもこういった独自の減免制度を実施してきたわけでございまして,今後とも適切な負担ということに配慮しながら考えてまいりたいと思っております。  それから,介護保険制度の低所得者に対する減免制度を保険ではなくて市費で対応すべきだと,こういうご指摘でございますけれども,これにつきましては,次期事業計画につきましては高齢化の進展や要介護認定率のアップ,さらにはサービス利用の普及などによりまして,本市におきましても保険料のアップは避けられないと考えております。介護保険は,保険から給付されますサービス費用の約6分の1を高齢者全体でご負担いただく仕組みとなっておるわけですけれども,サービス費用が全体として伸びれば,高齢者の保険料負担も増加していく,こういうことになりますので,この点はご理解をいただきたいと思います。  65歳以上の高齢者の保険料につきましては,所得等に応じまして5段階制の保険料が全国標準とされております。既に低所得者に配慮されたものになっておるわけでございます。さらに,本市におきましては,ご承知のとおり生活困窮者に対する独自の減免制度を実施いたしておりまして,次期の事業運営期間におきましても,この減免制度を継続実施してまいりたいと思っております。  なお,保険料減免につきましては,市費いわゆる一般財源により対応すべきとのご意見でございますけれども,保険給付費の2分の1は既に税金が投入されております。また,国も保険料減免の3原則の中で,現役世代にさらなる負担を求めることになります一般財源での補てん,これにつきましては不適当だといったことで明示してきているところでございますんで,ご指摘のような形で市費での対応はできないと考えております。  なお,低所得者対策につきましては,全国共通の課題であることから,13大都市の共同で国に要望してきております。今後とも引き続き要望を続けてまいりたいと思っております。  それから,介護保険の関連で特養の増設計画を抜本的に考えるべきではないか,こういうことでございますけれども,特養の入所申込者数は,平成13年12月末時点で 4,211人でありましたが,平成14年4月から入所指針を導入いたしまして,入所に当たっての優先順位を,それまでの申込順から入所の必要度の順に変更いたしました結果,予約的な申込者が減少いたしまして,この9月末現在の申込者数は 2,682人となっております。これらの入所申込者の中でも,入所の必要の高い方につきましては,長い間待つことなく入所を希望する施設に入所できている,こういった状況でございまして,特養の整備につきましては,震災後,被災高齢者の受け皿確保などのために前倒しにより進めてまいりました結果,平成7年度から約7年間で 2,000床を整備してまいっております。その結果,現在は,この10月1日現在で 4,071床が稼働いたしておりまして,整備中のものを含めました特養の病床数は 4,191ということで,高齢者人口の比でいたしますと,政令指定都市の中ではトップといったような水準になっております。  この特別養護老人ホームなどの介護保険施設の整備計画につきましては,現在,次期介護保険事業計画に合わせて策定中でございますが,この平成19年度の目標設定に当たりましては,高齢者人口に対するベッド数の比率として国が示しております参酌標準がございます。これは,グループホームあるいはケアハウス合わせました5つの施設で 3.5%ということになっておりますけれども,こういったもの,それからまた平成14年7月に県が市内の医療機関に対して調査をいたしました介護療養型医療施設への転換の意向,さらにはこの4月からの新たな特養の入所指針の運用に基づく再申込者の状況,こういった点を踏まえまして検討しておるところでございます。  高齢者の施設ニーズにつきましては,この特養以外にも老健施設あるいはグループホームなど多様でございまして,また入所の申込者の中には医療的なケアの必要とされている方,また痴呆症状の重い方,いわゆる医療が必要とされる方も含まれております。そういった面で施設整備計画の策定に当たりましては,これらの高齢者のニーズあるいはまた心身状況に応じた多様な受け皿をバランスよく確保していく必要があるんではないか,こういうことでの対応を考えておるわけでございます。  こうしたことから,特養の整備数につきましては,平成15年度からの5カ年でおおむね 500床の増床を図りまして,平成19年度には 4,710床を確保するとともに,他の老健施設やグループホームなども積極的に整備を図りまして,施設系のサービスとして平成19年度には1万 2,810床,高齢者人口比で3.93%を確保することといたしております。  それから,神鋼の火力発電所の問題でございますが,火力発電に関連いたしまして,電磁波の低減対策への指導,こういうことのご指摘でございますけれども,送電線のまず調査結果でございますけれども,この9月10日に関電が送電線の磁界測定を行ったということでお聞きをいたしております。  関電に確認をいたしましたところ,2ないし69ミリガウスの範囲であったということでございまして,この電磁波の規制に関しましては,送電線から発生をする50から60ヘルツの低周波の磁界につきまして,現在国の規制はございません。  一方,身近にありますヘアドライヤーあるいは電気カーペットなどの家電製品からも最高で 530ミリガウスの電磁波が発生をいたしております。これらの電磁波につきましては,距離減衰が非常に大きいため,国際非電離放射線防護委員会において示されております 830ミリガウスのガイドラインを十分下回っていると考えております。  これら市の対応でございますけれども,現在国の方から送電線の電磁波が人体の健康に悪影響を及ぼすという確固たる証拠は示されておりませんが,市としてはできる限り情報収集を行い,今後の国等の動向を見きわめてまいりたいと思っておるところでございます。  それから,市民参画の関係で行財政改善懇談会の報告の中で,情報公開が市民への財政負担を納得させる手段としてとられておるんではないか,こういったご指摘でございますけれども,行財政改善の取り組みに対する市民の理解と協力を得るためには,現在の本市の置かれております財政状況や課題について,積極的に広報・情報公開を行っていくことが必要不可欠であると考えております。これまでも広報紙なりホームページ,また市政懇談会などを通じてPRに努めてきておるところでございます。  また,現在の新行政システムの 100項目におきまして,「市民との対話を進めることにより,市民と行政の相互理解を深め,市民との新たなきずなの創生を図るとともに,市民サービスの効果について,納税者への責任ある説明などを推進する。」,こういったことを掲げております。具体的には,出前トークの実施,またパブリックコメントの制度化への取り組み,さらには情報公開条例の制定などに取り組んできたところでございます。  今回の行財政改善懇談会の報告におきまして,ご指摘の適正な受益と負担を図るための説明責任,行政評価を構築する情報公開の視点,こういったことをご指摘されたわけですけれども,これに加えまして,地域社会力を高めていくといった市民本位の視点と,それから時代の変化に対応した市民と行政の役割を再認識する補完性の視点,こういったものを合わせ持った視点として提言をされておるわけでございますんで,決して情報公開の視点だけが取り上げられておるものではないということをご理解いただきたいと思います。  この情報公開につきましては,したがいまして市民に財政的負担を納得させる手段としてではなく,あくまで今申し上げましたように市民本位の視点と,それから補完性の視点による取り組みの内容を真に効果的なものとするための説明責任を果たしていくことである,こういうように考えておりますので,この点ご理解をいただきたいと思います。  また,行財政改善は,財政難を理由とした市民サービスの切り下げではなく,これまでの事業の意義あるいは必要性や効果につきまして,現時点において市民本位の視点からどうあるべきか,こういったことを検証し,必要であれば改善・改革を行おうといったことで考えておるところでございまして,今後はこの懇談会で指摘されました情報公開の考え方を具体化するために,行政評価システムの構築あるいはコストも含めたすべての行政活動,行政プロセスなどをわかりやすく説明していくための取り組みを進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり)
    7 ◯議長(横山道弘君) 鵜崎助役。 8 ◯助役(鵜崎 功君) まず,市内の中小企業問題に関しましての不良債権処理に係ります金融行政の問題でございますけれども,もうこれご案内ですけれども,神戸市の中小企業対策の柱の一番大きな柱と言ってもいいんでしょうけれども,そういう柱として実は制度融資に力を注いできたという気持ちでございます。  神戸市の制度融資の取扱機関,今現在36行──もちろん都銀から地銀・第2地銀・信託・信用金庫・組合,それから政府系といろいろありますけれども,特に12年度の数字をちょっと見てみますと,信用金庫・信用組合,特に中小企業に対して大きな融資をされているこの金庫と組合につきましては,件数でも金額でも,実は40%を超える水準にまでございまして,特に零細企業を中心とする制度融資の中核的な担い手──もちろん国民金融公庫なりあるいは中小企業金融公庫が大きな役割を示してますけれども,神戸市の制度融資におきましても,1つの大きな役割を果たしていただいているというふうに思ってございます。  したがいまして,市内の中小企業者への円滑な事業資金の供給,これを通して地域経済の活性化に対して金融面で貢献していく,この銀行,特に信用金庫とか組合をはじめ地銀も,あるいは普通の銀行もそうですけれども,非常に大きいものがあるというふうに考えてございまして,私たちとしましては,そういう地域の銀行等の機能も維持しながら,活用させていただきながら,制度融資を充実させてきたという経緯がございます。  ただ,金融行政というものは,これも本当ご案内のとおりなんですけれども,私が今中小の大きなウエートと言いましたけれども,大手にしましても中小にしましても,あるいは政府系の金融機関にいたしましても,とにかくすべて国の指導・監督のもとにあるということでございまして,法律そのものでその目的と役割が定められているということでございまして,しかも全国レベルあるいは少なくとも広域圏レベルでの対応すべき課題であろうと実は思ってございまして,神戸市という一地方公共団体が独自の立場で条例を定めるということには,なかなかなじみにくいんではないかというふうにも思ってございます。  また,何よりもご指摘の質問の趣旨が,金融アセスメント委員会のような,いわゆる評価委員会のようなものを条例をつくってやって,地域の活性化に関する条例案というようなことのご指摘がございましたけれども,これを金融行政から独立した委員会を市で設置して,銀行の経営姿勢なり融資姿勢を公正に評価する,そういった専門的──極めて専門的,極めて技術的な能力が要ると思いますけれども,そういう能力というのは,これも率直に申し上げまして,そういうことは先ほど申しましたけれども,まさに国の権限になっているんではないかというふうにも思いまして,魂がなかなか入りにくいんではないかという思いも持ってございます。  そういう意味では,このモデルというのは,多分アメリカでやられています地域再投資法をモデルにされているんだと思いますけれども,これもアメリカというあんな広い国でも,恐らく全部,アメリカ全体でしなくてはなかなか──まさに経済は国際化しているといいますけれども,日本経済そのものでも非常に広域化している状況でございますので,なかなか経済そのものを大きな,つまり哲学が要るような仕事を一地域でやっていくということには,なかなか難しいものがあるんではないかというような感想を実は持ってございます。  現在国でも,中小企業の信用保証枠の拡大等で,きょうの新聞にも一部載ってましたけれども,補正予算の中でセーフネットの対策をやると言われてございまして,神戸市におきましても,まずその中身が十分わかっておりませんので,その動向を把握し,その対応を考えていく。そして,神戸市として何ができるのか,ご指摘以外に神戸市として今までやってきた政策の延長線上で何が足らないのか,どうすればより公平・公正の視点という観点も含めながら金融政策,中小企業を守っていくようなことができるのかということを真剣に考えていますので,もう少し時間もいただきながら,中小企業の雇用を守っていくという観点から取り組んでいきたいというふうに思ってございます。  それから,もう1つ,複数の借入金を一本化してはどうかと,そして多分,A・B・Cという3つの借金があったときに,借りた時期も返す時期もばらばらなやつを,一たん全部一本にして新しく借りて,過去の分を相殺して何とかするというお話だろうと,まさに──というお話ですけれども,これにつきましても,震災以降も中小企業は非常に厳しい状況にあるということで,何とかそれを経営の安定に資していきたい,あるいはさらなる経済への夢を持っていただきたいということから,貸し渋り対策,あるいは職の維持・確保,あるいは本格復興の促進,あるいは神戸経済の高度化,それから失業率の増加に対する対応という観点から,新たな制度を実は弾力的にその都度その都度行ってきたんではないかと思ってございます。  とりわけ小規模の事業資金融資等から無担保無保証人融資におきます,いわゆる 300万以下のもんですけれども,信用保証料の市負担制度を設けてございますけれども,これは多分全国でも一ではないかと僕は思ってございますけれども,非常に手厚いものになってございまして,またつなぎ資金としての季節資金融資なんかにも拡充をその都度やってきた。適時適切に,しかも年度途中であってもやるんやということで弾力的にやってきたというふうに思ってございます。  特に決算の13年度につきましても,新規借入負担の軽減を図るということで融資制度全体,融資利率の一斉引き下げというのもやりましたし,それからベンチャー資金の融資も新しくつくっていこう,あるいは雇用を拡大していただければ融資をふやしていこうとか,あるいはつなぎ資金として3月が非常に厳しい状況ですので,3月末の資金融資も超低利でやろうとか,そんなこともやらせていただきましたし,そういう効果もあって,ずっと融資は国の特別保証枠の問題もありましたので,神戸市の融資,低下傾向にあったんですけれども,13年度は増加に転じたという,減少傾向に歯どめがかかったという一定の効果をしているんではないかと思ってございます。  それだけでも安心できませんので,14年度に入りましても,これらの施策に加えまして,不況対策として,今ご指摘がございましたセーフネット資金融資,これを 121億円という融資枠を確保いたしまして,融資限度額を引き上げしたり,利率も引き下げたり,融資対象枠も拡大しようということでセーフネット充実を図っている,あるいは小規模の零細事業者に対します信用保証料の市負担制度によりまして,融資対象に占めます利用実績の大体6割までふえてきた,そういうふうなきめ細かな対応にまでなってきたのではないかと思ってございます。  そうした中で,ご指摘の借りかえ制度を導入するということですけれども,いろいろ難しい条件があるわけですけれども,既存債務の借りかえによりまして事実上の償還期限を延長する,あるいは月額の返済額の負担軽減を行う,そういう意味で1つの方法だろうとは実は思ってございますけれども,もともと私たちが進めてございます制度融資といいますのは,いわゆる中小企業信用保険法,これに基づきます信用補完制度──これは県の信用保証協会の保証つきということでございますけれども,これを基礎といたしまして,金融機関の協力のもとに協調融資という形でやっていこうと,あるいは中小企業の経営に直接必要な事業資金といたしまして,長期・固定──普通は固定なんですけれども,長期で固定で低利で融資を行っていこうとするものでございまして,基本的に言えば,より広く満遍なく中小企業の方々への資金が回るようにしたい。金融が経済の血液であるならば,より血が回らなくてはいけないということで,広く回るようにしたいということで考えてございまして,だから一定のところに濃い血と薄い血をするということになると,なかなか血液がうまく循環しないんではないか──というやり方で進めてきたわけでございます。  なお,融資の返済で現実に困っている方,それを今のご指摘では借りかえ制度というお話──他都市でやっている例も実は承知しておりますので,勉強はしておるんですけれども,そういうことでなしに具体的に融資の返済で現実に困っている方には,取扱金融機関あるいは信用保証協会におきまして,返済能力等一定の条件ついてございますけれども,もちろん他都市でやっております借りかえ制度も厳しい条件がついてますんで,制度をつくったからうまくいくっちゅうようなもんじゃないんですけれども,そういうことばっかり言ってても進まないんで,現実問題として返済能力等一定の条件はございますけれども,個別に融資条件の変更等の相談に乗っていただいてございまして,いたずらに代位弁済に陥らないように,売り上げ低下等によって資金繰りが苦しくなっている方々の資金繰りの安定化,あるいは経営改善を進めるための──例えばですけれども,複数口の借り入れがある場合に1口に集約して約定返済額の軽減を行ったり,あるいは借入残高によって相殺を認めるといった返済の延長等の条件変更に対しまして,弾力的に対応していただくように働きかけもしてございますし,現実にそういう実績も,具体的な数字は私どもの方では掌握できる立場にございませんけれども,具体的にそういう変更もあると伺ってございます。  例えば具体的に金額の変更とか,いろんな大きな変更,ちっちゃな変更,いろいろあるんですけれども,県信用保証協会の承諾件数の13年度を見ましたら,4万 5,000件のうちに変更条件に応じたのが半分ぐらいの2万 4,000はあったということでございます。だから,こういうことも一個ずつ進めながら,一定の改善が進められれば,それが一番現実的であり望ましいんではないかと現在考えてございます。  それから,神戸空港につきましてですけれども,これも従来からお答え申し上げておるとおりで恐縮でございますけれども,神戸空港,神戸経済の発展あるいは雇用確保,これが第一でございます。だから,まさに神戸の経済を活性化していくためには,何とかこの神戸空港を1つの起爆剤にしていきたいという思いで進めさせていただいてまして,市長が先ほど申し上げましたけれども,新しい医療産業都市構想,そういうものとの連携というものによっても,より大きな効果が生まれるというふうに思ってございます。  また,この空港,何度も申し上げますけれども,昭和57年に基本構想を発表したときから,市民の代表でございます市議会にも何回もお諮りをしながら進めてきた事業でございまして,平成2年には全会派一致で推進決議がなされ,以後,予算や法手続に関してその都度その都度議決も得ながら進めてきた経緯だということを,改めて申し上げさせていただきたいというふうにも思ってございます。  神戸空港の建設につきましては,10月現在ですけれども,もう既に60%の工事進捗を認めてございまして,17年度の開港に向かって着実に進んでおりますし,私たちも進めていきたいという思いでございます。  なお,神戸空港に対する市民の方々の理解の問題でございますけれども,私たちといたしましては,適宜空港ニュースあるいはホームページによります最新情報,いろんな情報提供を媒体も利用しながらやってきました。さらに,講演会とかセミナーの開催,あるいは出前トーク,さらに空港島への見学会,いろんなことをやってきましたけれども,今後とも今まで以上に神戸空港の必要性とあわせてその活用方法についても,市民のご理解をいただくように一層努力を続けていきたい,そして市民の皆さんの考えもいただきながら,いい空港にしていきたいという思いでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 9 ◯議長(横山道弘君) 松下助役。 10 ◯助役(松下綽宏君) 私から市営住宅の家賃滞納対策について,お答えを申し上げます。  市営住宅の滞納件数につきましては,平成14年10月末現在で約 9,000件ございまして,そのうち3カ月未満のいわゆる初期滞納件数は約 4,600件でございまして,滞納月数・滞納金額の少ない初期段階での滞納対策に力を入れているところでございます。  そのために,ご指摘ありましたように,滞納徴収員の体制強化ということで,13年度から10人を13人という形にふやしております。また,督促文書の送付をするだけではなくて,電話によるお願いやら,また職員による毎月の夜間訪問の徴収などに取り組んできております。  しかし,家賃の支払能力があるにもかかわらず長期間滞納を続けておられる方については,明渡訴訟を経て強制執行で住宅の明け渡しを求めておりまして,今後ともこれらについては厳正に対処してまいります。  これらの初期滞納対策等によりまして,収納率の向上等,一定の成果を得てきてございます。  一方,家賃の支払意思がある生活困窮者につきましては,初期滞納段階から分割納付の相談に応じましたり,また福祉事務所での相談を勧めたり,きめ細かな対応を行っておりますが,急病等にかかるなど,なかなか連絡がとれなくて日時がたってしまうケースなどが出た場合につきましても,さらにきめ細かい対応をしてまいりたいと思っております。  滞納徴収員につきましては,単に督促をするだけではなくて,1カ月でも滞納が生じた場合については,すぐ連絡をして事情をお聞きするなど対応をしておるところでございますが,今後も保健福祉局と住宅局とが連結を一層深めて,引き続ききめ細やかな温かみのある対応に努めてまいりたいというように考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 11 ◯議長(横山道弘君) 西下君。 12 ◯53番(西下 勝君) まず,行財政懇の報告で聖域なき改革だと。私は,ゼロからのスタートと言うなら,神戸空港こそ,その対象にすべきだということを,まず最初に申し上げておきたいというふうに思います。  それから,ポートライナーでありますが,新たな需要があって長期の視点だ,こう言われるわけであります。ポートライナー,この間,在来線でも黒字になるか,とんとんになるかという運営をされてきたわけでありますが, 213億の赤字を今現に抱えておるわけであります。そして,神戸空港の需要予測は,今見直しをやっておりますから,恐らくお客さんは減るでしょう。その上にポートアイランドの2期は雑草が繁って,当局が張っておられるフェンスがいろいろありますが,ペンペン草が生えておるその上をポートライナーの延伸をやるわけですね。だれが乗るんですか,これ。こんなことを市民が知れば,むちゃだと言うのは当たり前じゃないでしょうか。それをあなたたちはやっておるんですから,この見直しこそが要ると,こう言っておるわけでありますから,ゼロからと言うなら,これもその対象に加えていただきたい。再度これについてはお伺いをしておきたい。  行財政について,市民サービスの切り下げはしないと助役が答えられ,市長は財政難を理由に切り下げてはいないんだと,投資効果とか効率性だと,こう言われるんです。  私,この行財懇のメンバーがどういう発言をされておるかというのは,議事録で見せていただきました。そうしたら,例えばIT研の社長とかオー・グー社の社長とか,いわゆる経営者の皆さん方が──それはほかにも発言されておられる方ありますけれども,行政の経営とか品質,いわゆる経営の論理,利益追求,こういうことがたくさん発言をされておって,それをそのままこの報告書にまとめていっておると思うんです。つまり,本来利益追求を最優先にするような企業の論理を自治体に持ち込んでいいのかと。  今,我々あるいは皆さん方が考えていかなければならんというのは,住民の福祉の向上をするという自治法,あるいはその前提になっておる憲法,この視点をどう盛り込むのかということだと思うんですが,こういう視点は全く入ってないじゃないですか。それは市長が諮問をして,こういう形でやってくださいと,それに沿って,いわゆる審議会方式と今までも我々批判をしてきましたが,結論はこういう形で出される。  そして,その項目を見たら,何が挙げられておるか。敬老パス,見直しでしょう。条件よくするんですか,これ。さらに,保育所・福祉施設の民営化。保育所で言えば,年次を区切って一刻も早く民営化やろうと。昨日の市長の答弁聞いておったら,期限を区切ってやりたいと,こういうふうに言っとるんですから,まさに自分で絵をかいておいて,そのまま走ろうとしているんじゃないでしょうか。さらに,バスの民営化も同様であります。  つまり聖域なきと言っておきながら,大きいものには手をつけないけど,市民の福祉やとか暮らしには全部ダメージを押しつけとるんじゃないですか,これでは。つまり市民サービスの切り下げ,これが行財懇の報告だと言えると思うんです。こんなものをそのままやられたんでは,市民はたまったものではありませんから,やらないようにしていただきたい。  もう1つは,ゼロからのスタートと,こういうふうに言われておりますけれども,空港とポートライナーはその対象に当然すべきと,こう思うわけですけれども,つまりゼロというのは,今まで積み上げてきたものをなくするということでしょう。そういう前提に立っとるから,市独自で上乗せしてきたものも引き下げようかということが公然と出てくるんじゃないですか,これ。逆さまにというか,つまり逆立ちしておると,考え方が──というふうに言わざるを得ないんです。  つまり改めてもう一遍聞きたいが,市長は聖域なき改革と言うが,現に聖域をつくっとるんじゃないですか。この点について,改めてお伺いをしたい。  それから,市民参画・情報公開の問題もいろいろお伺いもして,答弁もありましたけれども,その視点というのは僕は極めて大事だというふうに思うわけでありますが,出前トークとかあるいは情報公開・パブリックコメント,こう言われました。市長は,まちかどトーク,いろいろやられております。私は公営住宅のアンケートを例に述べましたけれども,市長のまちかどトークの10数回やられておられる中を見ましたら,HAT神戸の公営住宅に行かれてますよね,去年の12月ですか。ここで具体的にどんな要望を出されたんか,それにどう対応されるんか,ちょっとお伺いしたい。これは住宅との関係も,コミュニティとの関係もありますので,お伺いをしたいわけであります。  それから,介護保険でありますが,今までの梶本助役の答弁,繰り返し,何回もやりとりもしてきましたが,希望する施設に入居できていると,こう言い切られました。  実は私,先般お葬式に行きました。その方は,HAT神戸に住んでおられて,86歳の男性の方であります。地元にも特養はあります。灘区にも数か所できておりますし,他の老健施設その他も新たにできております。しかし,どこを申し込んでも入れなかったんです。お母さんも痴呆症が出てきた。だから,何とかしてほしいと,必死に市内を探し回ったけれどもなかったと言うんです。入れなかったんです。どこへ行かれたか。四国ですよ。そして,この間お亡くなりに残念ながらなったんです。こんな状況であるにもかかわらず,希望する施設に入居できとると言い切られるんですか。現にこういう実態があるわけですから,今の助役の答弁では全く納得がいかんわけであります。  全体の施設合わせたら1万 2,810床ですか,確保すると,こう言われるんですが,この間の議論で,特養一生懸命つくって,計画,全体の施設の中でやってきておるんですと言われて,ことしの3月でしたか,梶本助役ともいろいろやりとりしましたが,待機者なくするんだというて,こう言い切られまして,いまだなくなってない,現にふえとるから。小学生でもわかるような, 922人の待機者が 2,682人にふえとるのに──これ,ふえとるんじゃないんですか。いろいろ説明されて,何やわからんような,ごまかしのようなことを言われるけれども,この数字は明らかにふえとると私は思いますが,梶本助役,もう一遍ですね, 922人が 2,682人になっとるのは,ふえとるのか,減っとるのか,もう一遍具体的にお答えいただきたい。つまり,ふえておるということを認めてこそ,そこからまともな対策が出てくるんですよ。だから,この点について再度伺います。  中小企業問題でありますが,鵜崎助役,いろいろ全国一だと──そういう面,私も知っております。しかし,例えば4万 5,000のうち約2万という話もありました。これ,そういう形で対処されとるんです。ところが,これが問題なのは,この借りかえされた方たちがどういう扱いされるかというと,前に借りとったのは傷扱いにされるんですよ。つまり事故扱いにしますから,もう一遍貸してほしいと言っても,貸してくれないんですわ。これではだめだと。つまり制度として,仮にここでいうセーフティーネット融資でもいいんですが,制度として,借りかえの制度を認めますよというふうに言えば,窓口に行って,多くの人たちは,これはあきません,あんた傷ありますがなというて断られとるんです。それを,そうではなくて,受けましょうと,まずこの窓口をつくることが制度として必要だと,こう言っておるんです。  今,助役がおっしゃったように,他都市でやっておる例も知っておると,こう言われました。京都では,府と市でやっておりますが,京都府で 730件,市の方で 511件ですから, 1,200件,これほど多くの利用があるんです。制度としてあるから,これがあると,多いと思うんです。  神戸の実績を見てみましたら,この今のセーフティーネット資金融資を見てみますと,平成12年が 112件,平成13年度は 293件ですから, 2.6倍にふえとるんですよね。ことしの途中までももらってますが, 116で,ほぼ──これはまだふえると思うんですけれども,つまりこういう形でふえてきておるわけですので,そういう今の貸し渋り・貸しはがし,横行しておる中で,切実にこれは求められておる中身だと思いますから,いろいろやっておると言われるんであれば,制度として認めてほしいと思いますが,いかがでしょうか。  以上,再質問です。  (「議長」の声あり) 13 ◯議長(横山道弘君) 矢田市長。 14 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から数点にわたってお答えを申し上げますが,まず行財政改善懇談会の関係についてでございます。  これは,ゼロからのスタートというふうな中の例をおっしゃっておられますけれども,行財政懇というものは,やはり財政再生緊急宣言を2月に発したという点からの1つの視点ということは確かにございます。そういう中で,やはりこれからの21世紀のまちをどのように構成していくのか,その際に今までのこの長い間の積み重ねてきた考え方で果たして乗り切っていけるのかということは,これは市のみならず国の段階でも問われておるということは,もうご承知のとおりでございます。  そういった中で,こういう今の国政,あるいは地方の財政状況,あるいは地方行政というようなものの中で,時代の変化に対応してどのように進めていくのか,本当に民間の企業における状況というのは,先ほど来おっしゃっておられるわけでございますが,その中で切々とした形で,一体行政と私どものそういう形とはどのように考え合わせていけばいいのかというお尋ねも聞くわけでございます。そういった点を考えましても,やはり大きな変化が今起こっておるということは間違いございません。  そういう中で,やはりこの行政そして民間との役割分担というようなものも見直していかなければいけない。そして,さらに今までに私どもが積み重ねてきた,例えば予算のやり方の方法1つを申し上げましても,今までのやり方が昭和40年代に実はつくり上げたものでございます。それまでは,本当に大変厳しい財政の中で,1つ1つ鉛筆1本から査定をしながら進めてきたというふうな時代であったわけでございますが,やはり40年代に入りまして,少し高度経済成長の中で,そういった状況で査定をするということが時代の背景に合わないというようなことから,枠査定というふうに変えていったわけでございますが,そういった点がずっと続いてまいりますと,やはり中の内容というものの点検ということが少しおろそかになってきたんではないかというような点もございます。  そういうような点も含めて,やはり全体をこの際制度として考え直して,その中から本当に大切な,市民サービスに対して,あるいは市民の暮らしに対して重要なものをどのようにとらえていくのかということを考えようということを今やっておるのが,ゼロベースの見直しという点でございます。そういった点を長く話をしておりますと,時間が足りませんから,申しませんけれども,そういった一例を申し上げております。  ですから,こういった点で,現在さまざまな都市あるいは地域でいろいろと取り組みが行われておりますのは,ご承知のとおりでございましょうけれども,行政品質といいますのは,やはりどういったそういう風土をつくっていくのか,あるいはミッションを持つのか,そういったことまで問うような内容を,検討を始めておるということでございます。  そういう中で,やはりこのこれからの厳しい時代に対してどう対応するかということを原点に置きながら,そして一方で市民の暮らしというものを最重視しながら進めていこうということでございますので,そういったふうに私は理解をしておりますし,そのようにさせていただきたい,このように考えております。  それから,まちかどトークの件でございますけれども,これに関してはHAT神戸に参りまして,向こうの地域のコミュニティのお世話をされていらっしゃる方と,いろいろお話をさせていただきました。  その中で,特にあの震災後に避難所から仮設住宅にかわられまして,そして災害公営住宅にかわられた段階で,大変あの地域がコミュニティの問題があったわけでございます。それが近隣の岩屋の自治会の皆さん,あるいは灘区の職員,その他灘区の民生委員の方々,多くの方々がこの中に入っていかれまして,そしてコミュニティづくりに努めていただいたわけでございますが,そういった点で,その状況が推移して約2年半ほどたっておったと思いますけれども,そういう中からリーダーとして務めてこられた方々とお話をさせていただきましたときに,やはりサブリーダーあるいは地域で役割分担をするというふうなお話をたくさん伺いました。その中では,見守りとか,あるいはまちづくりというふうな問題だけではなくて,やはりその地域全体をよくしようということについて,自分たちが一つの役割を分担しながら進んでいくんだというお話も伺っております。  そういう点で今後とも,この地域の中に区の方もまだ入っていろいろとご相談をしておりますし,あるいはあの中の特養のメンバーとの連携ということも進んでいっておるようでございますんで,こういったコミュニティが,本当にネットをうまくつないでやっていけるように取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。そういうようなお話もしてまいりました。  それから,先ほどの行財政懇の点に関してのお話で,ゼロのものということで,積み上げたものをなくしていくんではないか,逆立ちしているというお話でございますが,そういう点に関してでございますけれども,私どもはやはりこれからの神戸のまちの地域経済の発展ということがなければ大変なことになるという認識でございます。そういう意味で,この地域経済の発展あるいは雇用の確保に資する,そういう事業は前向きにこれを進めていかなければいけないというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 15 ◯議長(横山道弘君) 梶本助役。 16 ◯助役(梶本日出夫君) 特養の待機者の関連でございますけれども,以前の議論として待機者が 922人,この解消を目指して取り組んでまいったわけですけれども,この 922人が 2,682人になって,ふえたんか,減ったんかと,こういうご指摘でございますけれども,これはもう当然ふえております。  先ほど申し上げましたのは, 922人というのは,昨年のたしか──申し上げた数字だったと思いますけれども,この 922人につきましては,早期に解消を図りたいということで取り組んでまいりまして,施設整備あるいは自然退所等によりまして,この 922人についてはほぼ待機の解消がこの時点では図られたんではないかと思っております。  しかしながら,やはり高齢化の進展また要介護者が年々ふえてきておりまして,12年度の実績で申し上げますと,要介護者が2万 9,264人,このときの65歳以上の第1号の被保険者が25万 3,000人でございますので,大体認定者が11.6%というのがこのときの要介護の認定者の比率でございました。これが昨年度の実績では26万 4,000人ということで,被保険者,65歳以上の方がふえておりますのにあわせまして,要介護者もふえておりまして,3万 4,600人ということで,13.1%になっております。さらに,14年度の推計では,先ほどご答弁申し上げましたが,65歳以上の第1号被保険者が27万 6,000人,これに対して推計で約4万 1,000人の方が要介護者になるんではないか,こういうことでございますんで,率にいたしまして認定者数が14.9%,こういうことで年々要介護の認定がふえてきておる,これがこの特養の待機がふえてきておる原因ではないかと思っております。  ご答弁申し上げましたように,当初はこの特養につきまして,入所の申込順で受け付けておりました。そのレベルでいきますと, 4,600人余りの申し込みになるわけですけれども,新たに今年入所指針をつくりまして,入所の申込順ではなくて,必要の高い方,この方に優先的に申し込んでいただく,こういうことで入所指針に基づく申し込みをやりました結果 2,682人,こういうことになったわけでございまして,以前の申込順でいきますと 4,600,こういうような形でございますんで,私どもといたしましては,ふえたのは,これは当然高齢化率あるいはまた要介護者がふえてきておる,これが待機の増につながっておるということでございます。  それからもう1つは,希望する施設に入れたと,こういうことでございますけれども,以前のように長期にわたって待機することなく入れてきておるというのが,今の施設側の意見でございまして,以前のように,例えば申込順でございますんで,1年も待っても入れなかったとか,こういう状況ではなくなってきているんではないか。もう少しこの入所指針に基づくところの待機の実態を調べないけませんけれども,そういったことで改善をされてきておるんではないか,こういうふうに思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 17 ◯議長(横山道弘君) 鵜崎助役。 18 ◯助役(鵜崎 功君) 借りかえの問題でございますけれども,京都の例がお話あったんですけれども,実は京都と神戸の融資体系というのは,体系はよく似ているんですけれども,ご案内のとおりだと思いますけれども,神戸の方がすべて進んでいると。今さっきの借りかえ制度が京都が進んでいるという前提に立てば,それが進んでいるんでしょうけれども,それ以外は金利にしても据え置きに──多分神戸の方が段ちなんですね。  例えばの話なんですけれども,京都の場合,複数何口か借りているやつをまとめてするときに,もともと金利が非常に京都の場合高いんですね。神戸が,ちょっと制度によって違うんですけれども,大体神戸は 0.7%というようなやつがありますし,京都が一番安いやつでも神戸の倍の 1.5ぐらいですので,それを一緒にしていくときに,すると多分高いところから高いところへ行くと思うんです。神戸の場合は,そうするとどんな金利になるんやというのが,ほんま実は想像もつかないようになります。  一番──多分中小企業の方も大変ですので,いろんな手を考えなくてはいけないんですけれども,神戸の場合するとしたら,一番大きいのは京都にない震災復興融資なんです。その震災復興融資の問題をどうしていくんやと,うちは,神戸市が今までそれを何とかしてくれと言って,最近も認められたところですけれども,1年おくらせてくれ1年おくらせてくれと言って,そうしてきたときに,その問題との整合性というのを詰めずして,非常に難しい。現実的には──理論的には,これはこれ,あれはあれですでいいんでしょうけれども,現実的にはそういうことも考えながら引き続き検討していくような,そういう制度のもんであろうということと思ってございます。  だから,私どもとしましても,経済の状況,今後どんな動きになるかわかりませんけれども,そういうタイミングなんかも含めながら,引き続き研究していく課題だというふうには十分認識してございます。  そういうことを申しましても時間ばかりかかりますんで,しかも現在の経済状況が非常に厳しいということもございますんで,先ほども申しましたけれども,私たちも働きかけをしながら,複数の窓口を弾力──制度ではありませんけれども,それほど力が銀行に対しては神戸市もないんですけれども,それでも神戸市としてのいわゆる制度融資をやっているという,神戸市の金融行政としての一環として銀行に働きかけていく。多分,もう既に前々から言っているんですけれども,12月には年末の厳しい経済状況を踏まえて銀行を回れよということを言ってますんで,多分私どもの中小企業担当の方も責任を持って銀行を回って,中小企業の現状もお聞きし,私たちの希望も伝えながら,より弾力的な運用をしていただけるような働きかけをしていただく,そのように思ってございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 19 ◯議長(横山道弘君) 西下君。 20 ◯53番(西下 勝君) 時代の変化にどう対応するか──変化が起こっておるというふうに市長はいろんな例も挙げられました。その変化の中身でありますが,長野へも行ってきましたし,鳥取へも私行ってきました。例えば長野県では,いろいろありますが,ダムをやめて,30人学級やってますよね。お聞きをしたら,ダムのかわりに,地元の中小業者の皆さんを,例えば植林だとか改修工事等に,今までよりも1.数倍雇用をふやしておられるんですよ。これは私,変化だと。鳥取にも行ってきました。もう言うまでもないわけでありますが,ダム建設やめられて,ご承知のように 300万円,個人補償をされたんです,被災者に。30人学級もやられておられます。そして,仕事はどうか。例えば鳥取の西部の方で被害が多かった。その住宅の再建は,みんな西部の地域の中小業者の工務店にやらせておられるんですよ。仕事があり過ぎると,こうおっしゃっておられました。これが本来のやり方ではないのか。  徳島では,空港拡張,周辺整備事業で市民から,県民から批判が出たんです。そうしたら,今の知事どうしたか。一たんその事業を凍結をされたんですよ。そして,タウンミーティングを7回やって,知事みずからが出かけて──結果は,あんまりええ結果でないんですが,この姿勢なんです。全然ないじゃないですか,皆さんには。それでは,市民の皆さんに納得が得られないというふうに思うんです。ですから,今の市長の,変化が起こっておると言われるなら,多くの市民が拍手を送れるような変化にしていただきたい,こう求めておきます。  それから,特養でありますが,ふえとることは初めて認められたと私思います。そこからまともな対策が打たれなければならんと,こう思うんです。ところが,助役は 922人については解決図れたやろと言うたって,新たにまた 2,600人になっとるんですから,ここにメスを入れなかったら何にもならんじゃないですか。  つまり今,事業計画見直しやってますけど,医療保険なら,Aというお医者さんに行った,気に入らん,あるいは長いこと待たされると,それならBにも行けますし,Cにも行けますやん。これが保険の制度と違うんですか。この特養に入りたい,しかしAは無理やったけど,Bには入れると,こういう状況をつくってこそ,まともな対応と言えるんじゃないかと私思うんですよ。それをやらんと,言いわけばっかりして,どんどんふえてくるんやというてね。私も,この予算のときも言いましたが,こんな議論はもうやめていただきたいんですわ。ふえるのは当たり前やないの。当初の事業計画を立てたときからわかっとるわけや。ふえるからできまへん,ふえるからできまへんいうて,いつまで言うんですか,これ。こんなことを言うのはもうやめてもらって,当初から言われてきたように,受けたい人には受けさせる,入りたい人には入っていただくという整備を求めておきます。答弁は要りません。  鵜崎助役,一生懸命説明されるし,答弁ようわかっとるんですわ。神戸がよく進んでおるということもわかっております,それは。それを否定するもんではないんです。例えば神戸,震災やと,こう言われます。これは何も国の方からも認めてもらっとるんですから,市だけでそんなに返済しておるわけでもありませんし,困っとるわけでもない。あんまり一緒にせんとってほしいんですが,京都の例も,いろいろ問題があるというのは,銀行任せにしておるという問題もあると思うんです。しかし,制度つくって,来てください,相談に乗りますと,それで 1,200件あるわけでしょう。これが必要だと,こういうふうに言うとるんです。  京都の場合は,預託金積まれる。神戸の場合も積んでますけど,この預託金を積んで,仮にその年度締め切ったとしても,あとは不用額で落とさない,次に回して充実をしていく。神戸は違いますよね。だから,そういうところもやっぱり再検討をいただいて,この点については,いろいろ努力をされておるという鵜崎助役の答えはわかるんですが,1点だけ,前向きにやるとお答えをいただきたい。再度求めます。  (「議長」の声あり) 21 ◯議長(横山道弘君) 鵜崎助役。 22 ◯助役(鵜崎 功君) 中小企業の金融問題については,最重点事項やと実は思っているんです。その中でご指摘の制度,いろんな制度,別に京都だけじゃなしにそれぞれ──神戸もそうなんですけれども,それぞれのまちでそれぞれの実態,一番困っているところにどう手を差し伸べていくかということと,あるいは神戸市だけでできるもんじゃございませんし,ご案内のとおり兵庫県との協調がなければできませんし,信用保証協会がどう言うかという大きな問題もあります。  そういう意味で,神戸にとって,今中小企業の方々にとって,しかも神戸市の,オール神戸市の財政状況とかいろんなこともトータルで考えながら,どういう手を打てば効率的で効果的な制度になるんか。しかも,今既に持っている制度にも魂が入ってない制度も実はあるんです。その制度にどう魂を入れるかということも含めて,こういう時期だからこそ,中小企業の制度融資のあり方について,ご指摘のことも頭に入れながらですけれども,考えさせていただく,いろんな有効な制度を探っていく努力をしていくということで,答弁を終わらせていただきます。 23 ◯議長(横山道弘君) この際,暫時休憩をいたします。  午後1時より再開をいたします。   (午前11時44分休憩)   (午後1時4分再開)  (野尻副議長議長席に着く) 24 ◯副議長(野尻範明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,決算第9号より決算第26号に至る18件に対する質疑を続行いたします。  46番安井俊彦君。
     (46番安井俊彦君登壇)(拍手) 25 ◯46番(安井俊彦君) 私は,自民党新政会を代表いたしまして質問いたします。  市の財政は,震災による市税の大幅な減収と膨大な復興財源という厳しい状況の中で,市長は行財政改善に取り組み,平成14年2月財政再生緊急宣言を出され,職員給与の削減を視野に入れるなど懸命の努力をされています。  しかしながら,今まで市の行政に知恵を出し,汗をかき,頑張ってきた担当の課長・係長・担当者などは,一線で働く彼らにとって,給与を下げられることよりか,自分の提案が,あるいは夢が実現できなくなってしまうことが悲しいという声があります。やる気に響いてこないのか,大変心配をいたしております。  この点について,市長として職員の士気をどう高めるか,夢を,提案をどう実現させていくのか,乏しい予算の中で市民のニーズにこたえる政策についての考え方をお伺いいたします。  次に,神戸空港建設事業は,平成11年9月の着工以来順調に進み,空港島の造成は約60%の進捗と聞いています。今空港の玄関となるターミナルビルについても,その建設・運営主体となる第三セクター,つまり株式会社でありますが,設立の運びとなるなど,事業全体が順調に進められてまいっております。  平成17年度開港が段々と具体化する時期を迎え,従来のハード面での取り組みに加えて,ソフト面での取り組みがいよいよこれから重要になってまいります。つきましては,この点について数点お伺いいたします。  神戸空港は,海上空港ということもありまして,工事の進捗状況が市民にはわかりにくいのではないでしょうか。着工後3年を経過してもなおまだ市民理解が低いのは,そのことも影響しているのではないかと思います。事業進捗を幅広く市民の人々に理解していただくよう,さらなる取り組みが必要ではないかと思うのですが,いかがでしょうか。  次に,神戸空港の需要予測については,現在需要検討会を設置され,精査作業中と聞いておりますが,従来にも増しまして精度の高い予測をお願いしたいものであります。  ただ,需要予測は,過去の実績に将来の変動要素を加味したものだけでは受け身の考え方になるのではないか。むしろ関西3空港の役割分担のもとで,神戸空港がさらなる活用を図られるようにするには,積極的に航空需要を創出しながら考えていくという工夫が必要ではないかと思うのですが,この点についてお伺いいたします。  また,今年度から兵庫県・神戸市・商工会議所により,エアポートセールスに取り組んでいかれているわけでありますけれども,さらに発展・拡大して,市民・民間企業・行政が一団となって空港をどのように活用していくのか,全国からのお客様を迎えるという取り組み方について,いよいよ考え方を開示すべきではないかと思うのですが,いかがでしょうか。  次に,空港は飛行機が飛んでこその都市装置であります。ついては,エアライン各社への路線就航の働きかけが重要と思われます。誘致活動を積極的に展開するべきだと思うんですが,当局のこの誘致活動についての基本方針をお伺いいたします。  加えて,誘致に当たってエアラインが負担する着陸料というのが非常に重要な項目となってまいります。神戸空港の着陸料についての考え方が決まっておれば,重ねてお伺いをいたしたいと思います。  次に,教育問題であります。  教育改革国民会議は,日本の教育は危機に瀕していると認定した上で,現在教育の憲法と呼ばれている教育基本法をめぐり,検討がされつつあります。  特に愛国心をめぐり,日教組や共産党の反発に応じて,日本人としての日本の伝統文化の尊重,郷土や国を愛する心と置きかえて,いよいよ昭和22年以来タブー視されていた改正に向けて論議が始まったことは,大いに評価するべきことであります。  そして,11月14日,中央教育審議会において中間報告がなされました。その中に第2章第2項の4において,学校・家庭・地域社会の役割と連携を訴え,教育共同体として新たに連携・協力等についての規定をすることが適当であるとしてあります。  確かに地域には子ども会,少年野球あるいはまた少年サッカー,だんじりなど,地域で子供たちを,何の報酬も利益も求めずにボランティアで子供たちの教育をしてくださっている方々がいます。  しかし,これらの組織とのかかわりは校長・教頭となっており,これら校長や教頭さんの休みは全くありません。これでは不十分であります。  そこで,これからこれらの組織と──つまり地域とどう取り組み,教育についてどう情報交換をするのか,お伺いいたします。  さらに,中教審の求める3者の協力についての具体化する施策をお伺いいたしたいと思います。  次に,神戸市のこれからの新しい産業を創立し振興させるために不可欠であります産官学の提携についてお伺いいたします。  文部科学省が国立大学の独立法人化を打ち出すことにより,産官学連携等の事業を大学の判断で弾力的に行えることになりました。そして,このことにより一挙に産官学が一体となって進もうといたしております。このことは都市にとって大変重要なことであります。  例えば先般島津製作所の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞されたことは喜ばしいことであります。しかし,この開発も社内の評価よりも外部からノーベルという光が当たったとされており,製品化するのが少しおくれたとの声も聞かれます。産官学の協力体制があったら1兆円市場と言えるバイオ市場を席巻できていたかもしれません。  大学は知的財産の宝の山であります。国立大学の教員個人が保持する知的財産が約85%を占めていると言われております。しかし,外部からは,だれが何のどんな特許を持っているのか全くわかりません。つまり大学の世間知らずの宝の持ちぐされとなっているのであります。  そこで,文部科学省は,全国40大学に宝の持ちぐされをなくするために,知的財産本部を設置して活用する方法の検討に入っています。  我が神戸市と神戸大学と産業界との連携をどのようにするかは大変重要であります。幸いにして市は,神戸大学のみならず甲南大学・神戸高専と,神戸リエゾン・ラボを平成13年6月に発足させ,医療用機器やロボットの研究を進められています。  そこで,地域活性化の起爆剤であるこの連携をどの方向に進めていこうとしているのか,また官の役割は一体何なのか,またこの3者の見合いの場と契約をどのようにするのか,より深い関係をどのようにしていくのか,お伺いをいたします。  また,今まで市はずっと産官学と言ってまいりましたが,ここで市民つまり民を入れるべきではないでしょうか。つまりこれからは市民が大学に要求すること,市民の中にはNPO・NGOがあり,自治会があります。そして,市民が大学をこよなく愛し,支え,誇りとするときがきっと来ると思われます。これは大学を頂点にするのではなく,産官学と市民がサークルとして,連携として,市の基盤づくりを一体となって考えていく時代が来ると思うのですが,いかがでしょうか,お伺いいたします。  次に,北朝鮮における拉致事件であります。  先般,神戸議会におきましても,平成14年10月9日に早期解決を求める意見書を政府に提出したところであります。神戸には拉致された有本恵子さんがいらっしゃいます。さらに,今問題となっている田中 実さんであります。田中 実さんは,神戸市内の児童福祉施設で生活され,神戸市東灘区青木のラーメン店主に1978年海外旅行へ行こうと誘われ,出国,北朝鮮の元工作員が拉致を暴露して明らかになったものであります。  施設で育ち,身寄りのないために,探す人も心配する人もなく,ついに恩師渡辺友夫さんが我が子のように心配され,知事に訴えるとともに,救う会兵庫代表の長瀬様より兵庫県警に告発状が出されるなど,拉致の確定に向け懸命の努力をされているところであります。  そこで,市長におかれましては,知事とも協力して,警察の結果を待たずとも,これだけ疑わしいこともあり,政府に対して北朝鮮との拉致問題での協議の場で,田中 実さん問題を提出するよう働きかけることが,神戸市民であり,神戸の福祉施設で育った神戸の子供のためであると思うのですが,考え方をお尋ねいたします。  次に,矢田市長が誕生いたしまして1年になります。わずか1年で大きな成果を期待することは早計かと思います。しかし,いろんな変化が徐々に見えてまいってきています。  この中で目につく変化は住宅局と思われます。住宅局は,かつて市営住宅の建設と管理,公共建築物の営繕,建築に伴う確認行為などが主たる仕事と見られてまいりました。  しかし,今や民間住宅への支援策として,単に家賃補助でなく民間住宅のバリアフリーを促進したり,また宅地建造物組合との連携により民間住宅のより積極的な利用促進など,民間住宅市場の活性化への展開を図るなど,より市民生活に近づきつつある感があります。  さらに,市営住宅を利用してグループホームに開放し,地域の福祉を支えるなど,その方向が少し変わってきてまいっております。これは住宅局が市全体の住宅局に変貌しつつあることでありまして,難しい財政基盤の中で,住宅局は良好な住環境整備を促進するために今後さらにどうやっていくのか,また高齢者と若い世代との住みかえ促進をどう誘導していくのかについてお伺いいたします。  さらに,ここまで変化してきた住宅局がまた市営住宅管理局に戻らないために,どのように方向づけをしていこうとしているのか,お伺いいたします。  以上数点,よろしくお願いをいたします。(拍手)  (「議長」の声あり) 26 ◯副議長(野尻範明君) 矢田市長。 27 ◯市長(矢田立郎君) それでは,私の方から数点にわたりましてお答え申し上げまして,他につきましては助役からご答弁を申し上げたいと思います。  まず,現状の財政が厳しい中で,職員の提案とかあるいは夢が本当に実現できるのかという点で,職員の士気をどう高めていくかというお尋ねでございます。また,市民のニーズにどうこたえるかというふうな点であろうかと思っております。  おっしゃいますように財政的な問題というのは,ご案内のように本当に大変現状の税収入の落ち込み,そして市債の元利償還の増大というふうなもの,さらに社会保障関係の経費,あるいは医療費の増大というふうな点があるわけでございまして,現状の日本の国の経済の状況というものが非常にすそ野広く影響を与えておるということは言うまでもございませんが,財政面におきましてもこういった点が顕著でございます。  そういった中で,私も何回も申し上げておるわけでございますけれども,厳しいからといってそれを理由にせずに,本当に全力でやはり市民サービスというものに対してどう取り組むかということを考えていかなければいけないというふうに申し上げております。  課題として復興の問題は当然ございますし,さらに現状の少子・高齢社会に対する対応,また循環型社会に対する対応,あるいは教育の問題,またそれにつながる子育ての問題等々,多岐にわたるわけでございます。  そうした時代の変化にも対応しながら進めていくためには,やはり職員がいろんな知恵を出すことも必要でございますし,私自身は市民の皆さん方からの多くの提言をいただき,またお知恵をいただきながら,その中から進むべき方向というものも見出していきたいというふうに申し上げておるわけでございます。  そういう状況の中で,やはり考え方といたしましては,私はやはり今の財政状況を非常につらい,あるいはピンチだというふうに言っておるだけではだめでございますので,やはりここでいい知恵と工夫を凝らして,まさに行財政改革というふうな発想の視点も入れながら,今度は1つの大きなステップとしてこれをとらえて,前向きに新しいものを生み出していくというようなことも必要ではないかというふうに思っておりまして,職員にもそういった話をしておるところでございます。  今後ともやはり市民のニーズにどうこたえていくのかというふうな点,また市民の視点に立ってゼロベースからのこういった点検を進めていく際に,やはり職員1人1人が不断の努力をしなければいけないというふうにも考えておるところでございます。  そういう点ではやはり新たな発想による職員の自由な提案あるいは夢というようなものが組織として重要でございます。そういうものをはぐくんでまいりたいと思っておりまして,その中から職員のやる気あるいは誇りというものが生まれてこようと思っておりますし,また現在もそういった気持ちで仕事をしていただいておると思っておるのでありますが,さらにそれを風土としてそういうものを育成しなければいけない,このように思っております。  そういう点で先日もご答弁申し上げておりますけれども,私が直接職員に向けてEメールを発信して,その中から職員からの思いあるいは提案というようなものも既にかなり今来ております。そういったものを見ますと,本当に職員が多くの課題について自分がやっておる仕事,あるいはその他の仕事についても随分と考えておるんだなということは実感できるわけでございます。  そういう点でやはりこういう思いを大切にしながらやっていくということが重要でございますので,そういった点では各セクションあるいはポジションにおけるテーマもございますが,全市的な立場に立って,市民とともにどう市政をつくっていくのかという観点から,これから職員とそういう議論もしてまいりたいというふうに思っております。  また,私は市民とともにつくるという,このことを重視する観点からは,地域をやはり重視しなければいけないというふうに思ってございます。  1年間,まちかどトークあるいは政策提言会議,また大学の学長等との懇談とか,さまざまにやってまいりましたけれども,その中で感じますのは,やはりこれからの時代の1つの大きな要素としてあります福祉の問題,あるいは環境の問題,あるいは教育の問題,また防災・まちづくり,さまざまな視点におけるそういったことの取り組みが,地域を拠点として取り組むということがいかに大切かということが市民の皆さん方のお考えでございますし,また私自身もそういうふうに感じておるわけでございます。  そういう点に関しましては,そのやり方が地域の特性がいろいろございますので,さまざまでございましょうけれども,そういった特性を生かしながら,この地域コミュニティに近い状況であるこの権能といいますか,あるいはそういった予算というものについて配慮をしてまいりたいなというふうに考えております。これは全庁挙げてやるべき点でございますけれども,そしてそういう特徴をつけてはどうかということでございます。  そして,これからのこういう施策を展開するに当たりましては,やはり効率あるいは効果というようなものをよく見きわめていく必要もございますので,そういった点をよく職員と話を進めながらやらせていただきたいと思っております。  いずれにしましても,この厳しい財政状況の中ではやはり市民の暮らしを守っていくということが最重要でございますので,そういう中から市民とともに21世紀の神戸の新しい礎を築くということを最優先として取り組んでまいりたい,このように考えております。  それから,空港の関係でございます。航空需要の積極的な創出をすべきでないかというご質問でございます。また,全国からのそういう方々をどのようにお迎えをするのかといったご質問でございます。  この空港需要の創出という点につきましては,予算の中で説明をさせていただきましたけれども,エアポートセールスチームを県と市,そして神戸商工会議所でそういうチームを立ち上げてございます。  これも既に北海道あるいは東北方面に当面キャンペーンを実施しておるわけでございまして,その方面には所在する各空港,あるいは県庁・市役所,また商工会議所,あるいは旅行代理店,そういったところを中心として訪問をいたしまして,神戸空港の進捗の状況でありますとか,あるいは兵庫・神戸の観光情報などもあわせてお知らせをしておるというところでございます。  今後は引き続き全国の各拠点の空港所在地,例えば九州方面はまだ行ってございませんし,沖縄も行ってございませんから,そういうふうなところ,あるいは北陸方面というところ,また四国というような各地域ごとにこういったエアポートセールスの展開を図ってまいりたいというふうに考えております。  今まで参りましたところでお聞きしておる範囲でございますけれども,特に東北・北海道のあたりからは,やはり関西圏との航空ネットワークがふえておるということを言われておりまして,ぜひそういったネットをやっていこうというふうな期待の声も聞かせていただいておるという状況でございますので,これらについてさらに一層きめの細かい取り組みをしていかなければいけないと思ってございます。  また,全国の情報発信といたしまして,全国には旅行代理店の関係等が,約 6,000の会員を持つ旅行業協会というのを結成されておられます。そちらの方への働きかけが重要であるという認識もございますので,当面はこの旅行業協会の機関紙がございますけれども,その機関紙の12月号に記事を掲載することを手始めとして,今後そういった協会でございますとか,あるいは旅行代理店,また観光業界に対していろんな形でこの神戸空港の利用について企画を持ち込みたいというふうに考えております。  また,県内あるいは市内の観光業界また交通機関,さらには県人会また商工団体などに対しましても,神戸空港の利用促進についての働きかけをしていくということにしてございます。  そういったさまざまな機会,また団体への働きかけ,あるいは広報媒体を活用しながら全国に向けて情報発信をし,そして神戸空港の利用促進に向けて取り組んでまいりたい,このように考えてございます。  さらに,エアラインへの誘致活動の展開,また着陸料についてという点でございますけれども,神戸空港を本当に利便性の高い空港にすることが重要であるということは申すまでもございませんけれども,そのためにもお客様にとって使いやすい就航路線また時間帯の設定が望まれるわけでございます。  これまでも大手のエアラインに対しまして,トップセールスという形で私自身も参っておりますし,また助役も参りましたし,また関係する局長,あるいは空港整備本部長等々がセールスに走ってございますけれども,現在のところこの路線の就航について話が始まっていったということでございまして,今後継続的にこの話を進めていくということでございます。  また,今回のターミナル会社の設立に当たりまして,大手エアラインにも出資をいただいたわけでございますが,この路線就航の具体的な検討というものも引き続き,先ほど申し上げましたように一層進めさせていただきたいというふうに申し出をしております。  大体一般的に具体的に就航路線が決定されるのは──これはエアラインの方のお話でもございますが,大体開港1年前ぐらいというのがその決定時期ではないかというふうな点も聞いてございますが,できるだけ早くこの路線就航について具体的な協議が進展できるように努めてまいりたいと思っております。  現在JALとJASの統合の関係等もございましたりしまして,少しそういう状況で話がずれてきておるというような,そういう側面もございますので,精力的に進めていかなければいけないと思ってございます。  また,着陸料でございますけれども,現在のところ第三種空港は,国土交通省の通達がございまして,通常料金の3分の2に減額をされておりますが,昨日の新聞でございましたか,この辺の扱いに関してまたもとへ戻すというふうな話も出たりしておるようですが,まだ結論には至っていないわけでございますけれども,ちょっとその辺が揺れ動いておりますが,神戸の空港の場合の着陸料の設定につきましては,国土交通省の指導もいただきながら,神戸市の条例で定めていくことになるわけでございます。  そういった点では,エアラインとの話し合いの中におきましても,当然着陸料というものが就航の1つの大きな要素でございますから,そういう点をよく見きわめて,そして収支も見ながら,このエアラインに対して進出がしやすいような料金設定になるように,そして他の第三種空港の状況も見ながら検討してまいりたい,このように考えてございます。  それから,拉致問題でございますけれども,拉致問題につきましては本当に,有本恵子さんのご両親にも私自身お会いもいたしましたし,また何回か手紙でのやりとりもさせていただいたわけでございますが,先日も田中 実さんの恩師の渡辺先生にもお会いをさせていただきましたが,神戸にお住まいであった方々がこういった形で,拉致問題の中で本当に生命と安全にかかわる問題として,そういうことに巻き込まれたということに関しまして,私は深く憂慮しておるわけでございますけれども,これまでも国に対しまして事件の全容の解明,また早期解決のための取り組みに対して強く求めてきたところでございます。  そして,この有本恵子さんをはじめとする拉致事件につきましては,これまでも,先ほども申し上げましたように有本さんのご両親また支援団体の代表者の方々ともお会いをいたしまして,市としての支援の意思を表明させていただきました。また,議会におかれましても,2度にわたり国に対し意見書をご提出をいただいたところでございます。  そして,田中 実さんに関しましては,実はお聞きしますと,先ほどおっしゃいましたように児童福祉施設でずっとお過ごしだったようでございますが,学校がちょうど私と同じ小学校・中学校ということでございました。そういうふうな点で非常に何か人ごとではないという思いでございますけれども,この田中 実さんにつきましては既に兵庫県警が拉致の可能性が高いということで捜査に着手をしております。また,10月にマレーシアで行われました日朝国交正常化交渉におきまして,日本政府が北朝鮮側に田中 実さんの所在の確認を求めたというふうに聞いております。  先月の25日には,知事と連名で国に提出をいたしました要望書がございますが,その中でも拉致認定がされていない行方不明者の方々を含めて,適切な対応を要望したところでございまして,当面政府の交渉というものの状況を見守ってまいりたいと思っております。  拉致問題の解決というものは,基本的には政府の外交交渉にまつことになるわけでございますけれども,拉致被害者の地元をはじめ幅広い支援の力を結集して政府の交渉を後押しすることが重要であると考えておりますし,本市では既に県及び県警本部とともに拉致問題にかかわる一元的なそういう窓口を設置いたしております。  今後ともこの3者の連携を密にして,拉致被害者に関する情報の収集あるいは交換また共有化を図りながら,政府関係機関に対して共同で要望を行ってまいりたいというふうに考えております。その上で拉致問題への的確な対応を図っていくように努めてまいりたい,このように考えております。  以上で私の方からの答弁とさせていただきます。  (「議長」の声あり) 28 ◯副議長(野尻範明君) 鵜崎助役。 29 ◯助役(鵜崎 功君) まず,神戸空港の問題でございますけれども,ご案内のとおり神戸空港の造成事業でございますけれども,10月末で工事が60%の進捗率という状況になってございまして,ご指摘にございましたようにターミナル会社も年内には発足できる状況になったということで,平成17年度の開港に向けて着実に進めていきたいというふうに思っているところでございます。  実は神戸空港の工事の進捗状況につきまして,市民の方々の理解を深めていくということが非常に大事だと思ってございますけれども,今まで空港ニュースを24回発行したり,また来年2月ごろにはこの空港ニュースの中で,現在作業を進めてございます需要検討会の結果なり,あるいはさらに進んでいるであろう工事の進捗状況などもお知らせするようなことも実は考えてございます。  また,ホームページでは随時空港の最新状況をお知らせしてございますけれども,さらにいろんな広報媒体を利用して空港情報を行っていきたい,今もしておりますけれども,さらに行っていきたいというふうに思ってございます。  講演会とかセミナーの開催,あるいは出前トーク,そんなこともやってございますし,船によります空港島の見学会を通じても,神戸空港の広報に努めているところでございます。  今後さらに市民の理解を深めるために,百聞は一見にしかずという言葉がございますけれども,とにかく現地見学会を中心に事業を展開していくことが,PRしていくことが有効ではないかというふうに思ってございまして,具体的に例えば今も少しやってございますけれども,港務艇を最大限活用する方法はないのかどうか。そして,各種団体の方々を中心にして船上見学会ができないのかどうか,あるいはポーアイの2期の南の方に展望スペースのようなものを設けて,そこでの見学会も──あそこからでも十分高さがありますので,空港島を見ていただくことができますので,その見学会なんかできないものか,そんなふうにも今考えてございます。  あと,ターミナルや人が集まる公共施設におきます神戸空港の進捗状況のパネル展示などについても,いろんな工夫をしてまいりたいというふうに思ってございます。  来年度には空港島の連絡橋が仮供用する,空港島への上陸も可能になる,そういう予定になってございますので,その時期に合わせまして空港島内での工事の見学会,それを実施するとともに,市民のウオーキングとかあるいはエアラインとタイアップした親子航空教室,それから市民参加型のイベント,そんなことも計画してまいりたいと思ってございます。それらを通じまして,さらなる理解が得られるように最大限の努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。  それから,産業の問題で,知的財産のお話がございました。今知的財産は,数字が若干変わったかもわかりませんけれども,大学だけじゃなしに企業の分も合わせて大体40万件ほどが眠っているんではないかというお話がずっとございましたし,それは多分従来の経済構造そのものが大量生産・大量消費の時代に多くの特許が生み出されたわけですけれども,やはりそういう大量生産・大量消費の時代に合うような特許と,現在のような多品種少量生産時代に合う,いわゆるポスト産業社会への特許の見方というのがやっぱり変わってきているのじゃないか,そういう意味で改めてご指摘のありましたような眠っている財産──知的財産をさらに発掘して,マッチングといいますか企業と研究とのマッチングを進めるということが非常に大事かなというふうに思ってございます。  今まではどちらかというと特許がとれたら終わりというような感じも,若干なきにしもあらずでなかったのかと思っておりますけれども,実は特許がとれたら終わりではありませんで,企業とどう組んで事業化していくか,そして世の中にどんなふうに役に立っていくか,そういうことにこそ特許の意味があるというふうに思ってございまして,大学の方にしましても,最近大きく変わってございますけれども,大体契約の概念が少し薄かった面も実はあったんだろうと思います。そのためにご指摘のようなジョイントあるいはパートナーづくり,そういうことがこれから大事だろうと思ってございます。  市内の企業を見ましても,物づくりの高度な技術とか,あるいは製品を有しておりますけれども,国内だけではなくて海外との厳しい競争のもとで高品質・低コスト,そういう製品が実は求められてございます。そのためには実際の保有する技術とかノウハウだけでは今や難しくなってきておりまして,大学等の研究機関との連携・交流,そして交流から融合へという新しい概念がこれから求められているというふうに思っています。  そのために神戸市でも産業振興財団なんかとも連携しながら,生産関連技術の向上を図るための生産技術研究会,あるいは各種情報交換を行います交流会を開催してございますし,近年では復興支援工場の中にそれをもう1歩進めていこうということで,リエゾン・ラボということで,産学の連携の研究工房をつくろうということで,神戸大学の工学部やあるいは高専,あるいはNIROとも一緒になってリエゾン・ラボをつくったりしてございます。  ことしに入ってからはもう1歩ベンチャーの方にもそれを進めていきたいと──市民すべてがベンチャーやという概念もございますので,何とか家庭におる奥さん方でも新しい起業家ととらえていけないかということで,大学と連携いたしまして,例えば甲南大学ではビジネスリサーチラボ,あるいは神戸大学の方でも事業創造戦略支援室という部屋を──まさにビジネススクールの1歩手前のようなものかもわかりませんけれども,そういうのもつくっていただきました。  そういうことと連携しながら,新しい学者の考えていること,あるいは特許化されていることを産業化する企業化するような仕組みをさらに強化していきたいというふうに思ってございます。  それから,出会いの場といいますか見合いの場のお話もございましたけれども,これも最近では今月の6日に高専と,あるいは機械金属工業会によりまして産学官の技術フォーラムを産振センターで,ロボット技術に関しますシンポジウムあるいはポスターセッション,こんなことを行いましたし,来月13日にも高専の先生7名によりまして,そのリエゾン・ラボのあります復興支援工場なんかでの見学会,あるいは企業の方々との技術懇談会,こんなことも行っていきたいと思ってございます。  そして,これも来月もうすぐなんですけれども,12月の3日に神戸大学の工学部としては学内で初めてとなります企業との見合いの場──出会いの場ですけれども,ここで工学フォーラムというものを開催するような手はずを今進めてございます。  多くの企業が大学の研究シーズに触れることを望んでございますので,今回のフォーラムをきっかけにさらに連携が進んでいけばと,そんなふうな期待もしてございます。  あわせまして,市内の企業の実態や意向を把握する必要もあるということで,産学連携ネットワーク事業ということを実施してございますけれども,これもNIROとかあるいは県の工業技術センターと一緒に企業訪問する。あるいは,その企業の持っている課題について取り組んでみようということでやってございますし,あわせてヒアリングも行ったり,マッチングもその場でできればというふうなことも進めてございます。  それで,産学官あるいは民との連携ということで,特に都市のキーワードとなってございます再生医療,特に医療産業都市づくりのための産学官の取り組みにつきましては,ご案内のとおりでございますけれども,実はレスキューロボットにつきましても,神戸大学との連携,企業との連携が今進められつつございます。  そうした中で行政あるいは民間あるいは研究──NIROも含めての研究機関,そんなことによって特許などの権利化といいますか,権利化を行って技術移転が進めばというふうな思いがございます。
     そうした中で,TLOひょうごというのが実は既に設置をされてございまして,研究会員も 550名ということでかなりの大きないわゆる特許センターになってございますけれども,これも有効にしていきたいと思って,現実に実績としても特許出願が85件になってございます。ライセンスの実績としても16件ということで着実に成果は上げているんだと思います。  このTLOひょうごが従来神戸の強みであります物づくりということをテーマにしてございましたので,さらにこれが医療という分野でどういうふうな機能を持たしていくのかということが新たな課題として今惹起してございますけれども,そういうことにも何らかの取り組みをしながら,特許化といいますかTLOひょうご,あるいは新しいTLOということも視野に入れながら考えていく時期に来たのかなと思ってございます。  そういうことで,産学連携を進めてございますけれども,実は産と学だけの新しい取り組みというのも最近起こってきてございます。そうした中で特に環境問題をテーマに絞りまして,地域活動との連携を産学でやろうということで,これも復興支援工場の中でございますけれども,ワット神戸という会社が新しくできました。  そういうことの中でNPO法人としてともに取り組んでいくという新しい試みもいろいろと模索されてございますので,そうした中でご指摘のようなことが1歩ずつであるかもわかりませんけれども,着実に進んでいるんだろうというふうにも思ってございます。  大学も再来年の4月には独立行政法人化していくということもございまして,大学にとっても研究成果の産業化,あるいは大学発ベンチャーということが今非常に大きなテーマになってございますので,そういう創出がこれから期待されていくんではないかと思いますし,そうしたことを1個ずつ積み上げながら,神戸経済の活性化のために新しい取り組みができればと思ってございます。  折しも今,神戸市では神戸ブレインセンターということで,特にロボットとか医療産業とか神戸の持っている新しい技術でナノテクにまでいけばという強い願いもございまして,ブレインセンターづくりをしていきたいということで,研究会をしてございます。  それが多分そういう提言の中には,ご指摘の産学民官の具体的な方策が提言されるんだろうと思ってございます。そういうことを1個ずつ着手しながら,ご指摘の線に沿った神戸経済の活性化策を進めていきたいと思ってございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 30 ◯副議長(野尻範明君) 松下助役。 31 ◯助役(松下綽宏君) 住宅施策についてお答えを申し上げます。  ご指摘のように住宅局の仕事の中で,良好な住環境整備の推進ということは非常に大きなウエートを占めた仕事だと思っております。良好な住環境の保全と育成を図っていくために,地域の住民の皆さんが主体となることはもちろんのことでございますが,市が地域の住環境整備について積極的に調整・誘導していかなければならないというふうに思っております。  地域での建築に関する問題を解決するに当たっては,神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例により事前に建築計画の周知を図り,住環境について地元の皆さんあるいは施主の皆さんとが話し合いをするように調整を行っているところでございます。  今後ともこの条例の趣旨に沿いまして,住民の方々からの相談に応じ,住民の視点に立って地域の住環境が守られるよう,施主側の理解と協力が得られるべく調整を行っていきたいと思っております。  また,地域の特性に応じた住環境を守っていくということで,地区計画あるいは建築計画というものを活用しまして,住民の方々が共通のまちづくりの方向として合意されれば,市としてはその実現に向けて全面的に支援をしていきたいということで,その普及にも力を入れていきたいと思っております。  また,高齢者と若い世帯との住みかえ促進ということでございますが,やはりまちはお年寄りの皆さんと若い人たちが一緒に生活をしていくということが望ましいと考えております。しかし,人口の減少,少子・高齢化などによりまして,地域の活力は低下をしたり,空き家とか空き地が発生することによって住環境が悪化しないようにしていくことが大切だというふうに思っております。  地区内居住者の高齢化が進んでいる地区につきましては,例えば高齢化率とかあるいは人口動態とともに現在の生活に対する評価,また将来の生活設計なりについてサンプリング調査を実施するなど,高齢者とまた若年者世帯の住みかえのそれぞれの意向というものを踏まえながら,それぞれの地域の課題また特殊性に応じた方策について研究をする必要があるというふうに思っております。  それから,民間住宅等のことでございますが,昨年4月に策定をいたしました,先生方にも入っていただきまして,神戸市住宅基本計画ということを定めておりますが,これにつきましては公・民あわせた住宅ストック全体を対象として,住まいに関する総合的な施策を展開するということといたしております。  ご指摘のように民間住宅,これは8割以上の市民が住んでおられます。そういった面でその質の向上,あるいは市場の活性化というものが大きなテーマとなっておりまして,この民間住宅に対しても重点的に取り組みを進めようということにしております。  例えば民間住宅ストックの質の向上とその有効利用を図るために,昨年度から全国に先駆けて実施をしております共同住宅バリアフリー改修補助につきましてもやっておりますし,また今年度から新たにエレベーターの設置を補助対象にするなど大幅に拡充をしてございます。  また,民間住宅市場の活性化と環境整備のために,市民の住まいに関するワンストップの相談窓口としまして,平成12年10月に開設をいたしましたすまいるネットにつきましては,その来訪者が年々増加をしております。現在の2年間で延べ7万 9,000人の方々が訪れていただきまして,着実に市民に浸透しつつあると思っております。  一方市営住宅につきましては,その本来の役割はあくまで自力で住宅を確保できない困窮者のためにあるということでございます。グループホームあるいは多子世帯,そういったことに対しましても的確に入居をしていただくということとしております。  また,そのため今年度から知的障害者向けのグループホームを積極的に展開しているほか,多子世帯向けの特定目的住宅を新設するということで,その福祉的活用を進めているところでございます。  今後の住宅施策につきましては,基本的にはこのような方向を維持しながら,その取り組みをさらに発展していくことが必要であると思っております。  民間住宅については,すまいるネットにおける情報提供・相談体制の充実を図るなど,市場の環境整備を一層促進するとともに,市営住宅につきましては,より困窮者に配慮した方向性を強めるなど,民と公,そういう両方の住宅ストック全体を見据え,市民の暮らしを視野に入れた総合的な住宅施策を展開してまいりたいと考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 32 ◯副議長(野尻範明君) 西川教育長。 33 ◯教育長(西川和機君) 学校と地域の協力についてお答えを申し上げます。  今回の中央教育審議会の中間報告では,学校と家庭と地域がお互いの役割を分担しつつ,相互に連携を深めていくことが重要だという考え方が新しく加わってございます。  ご質問に,その連携に当たってのかかわり,校長・教頭が大半でこれでは不十分だということでございましたが,ご案内のとおり学校教育の役割は,子供たちが学校内でじっくりと基礎・基本が確実に身につくように毎日指導していく,これが第一義でございまして,その役割を担っておりますのは一般教員でございます。この家庭・地域・学校の3者間の連携・協力を進めていく際に,やはり渉外役としては校長・教頭が学校の代表として窓口になっているのが現状でございます。  しかしながら,一般教員といえども,子供を介しましていろんな形で今日地域とかかわっております。ご存じのように生徒指導担当の教員,これは小学校の場合はクラスも持ってございますが,青少協あるいはふれあい懇話会の地域の皆様方と,そして復興担当教員は防災福祉コミュニティほか地域のいろんな団体の方々と接触を──かかわって,いろいろご助言をいただいたりご支援をいただいております。  また,クリーン作戦や夏祭り,もちつき大会など,地域の催しに子供たちが出てまいります場合,子供たちだけということでございませんで,やはり一般教員がその子供たちとともに参加をいたしておりますし,特に夏の行事の場合は夜間補導やら,あるいは年末等の校外補導など地域の皆さん方とご一緒にさせていただいておるわけでございます。  ただ,一般教員が表に余り目立っていないということなんですが,これからはやはり総合的な学習というのがことしから本格的に始まりましたが,これが進展してまいります。そうしますとその内容が地域とかかわるということになりますとやはり一般教員,担任の先生方がその関係者のところへ出向いていくということが多いわけでございます。内容を充実させることによって,一般教員が地域の皆様方とかかわることが今後多くなろうかと思います。  今後この3者間の連携を強化する施策をどうするんだというお尋ねでございますが,4つほど挙げられます。やはり情報発信を積極的に学校からやっていくということでございます。授業公開あるいは学校公開,あるいはみんなの学校推進委員会などによって,学校の教育活動を保護者や地域の方々に知っていただくということがまず1つでございます。  その上で2つ目でございますが,地域の皆さん方に学校現場へ入っていただけるような取り組み,これは既にゲストティーチャー,市民専門講師,あるいは部活動におきます外部指導員という形でご協力をいただいております。  また,学校教育そのもの──図書館活動でありますとか,算数の授業などにも地域の方々が入っていただくということもございますように,学校の職員室と地域の方々との接触の機会を多くするということが必要かと思います。  それから,3つ目でございますが,実際には地域の方々と交流が始まった場合には,できるだけ実践活動を展開していくということかと思います。子供の健全育成等でふれあい懇話会というのがございますが,その中で今までの情報の交換だけじゃなくて,実際に行動連携をしていこう,こういう動きが出てまいっております。これを伸ばしてまいりたい,こういうように考えております。  最後になりますけれども,先ほどご質問にもございましたように,だんじりのような地域の伝統行事・伝統文化がございます。ここに学習の場をぜひ広げてまいりたい,このように考えております。  こうすることによって地域の文化・伝統行事に積極的にかかわっていくことによりまして,一般教員がいろんな地域の方々と接触をし,そして視野を広め,啓発ができるということになろうかと,かように考える次第でございます。  以上でございます。  (「議長46番」の声あり) 34 ◯副議長(野尻範明君) 46番安井俊彦君。 35 ◯46番(安井俊彦君) ご答弁いただきましたが,少しお聞きしたいと思います。  まず,市長が,まさにやる気が大事なんだ,職員の夢をどう引っ張り出してどうやっていくのかということが大事なんだという認識の中で,Eメールというふうな方法,あるいはまた地域の特性を生かした施策づくりということについては賛成であります。  ただ,Eメールであるとか地域の特色を生かしたということは,ある意味ではまだ閉鎖性ではないかと思っています。むしろ今財源がない神戸市において,市民の皆さん,職員の皆さん,この中でどう施策を生かすのかという大きな,むしろオープンにした中での論議が必要ではないか,そういうふうに思うわけであります。  例えば財政のない中で,もうこれ以上開発をやるというのは不可能でありますし,あるいはまた市民の要求の中でも,市民もこのごろは理解してきて,財政がないからなという言葉がまくら言葉についた上で,こうしてくれないかああしてくれないかという,市民自身も私たちのまちの財政を認識しつつあるわけです。  そういう行政と市民と議会とがオープンな中で話し合いながら施策を進めていく,それが例えば自然を利用していくのか,あるいはもっと違った文化,そういったものについての施策を打ち出していくことによって,ある意味での市民のニーズにこたえていけるんではないかと思います。  それは確かに市長の言うようにEメールであるとか,地域の特色を生かしたということでも非常に大事かと思います。それも大事かと思いますけれども,大きな議論としてやっぱりテーマを投げかけていくということが必要ではないかと思いますので,その点についてお伺いいたしたいと思います。  それから,神戸沖空港でありますけれども,今鵜崎助役もおっしゃいましたけれども,10月末で60%の完成率であるということ,恐らく神戸市民の70%ぐらいは知らないであろうと思います。  だからこそ,もう既に何回も選挙をくぐり,いろんな試練をくぐって,市民の審判を仰いできたこの空港問題に,また今度いまだに反対論を巻き起こして,そういうような形で利用されつつある。そうではなしに,既にもう60%でき上がってきた神戸沖空港を市民サイドの中でどう使っていくのか,どう生かしていくのかというところに議論を運んでいかなくてはならないと思います。  そういう意味で,今助役がおっしゃったように,あらゆる手段を通じて市民に見てもらう,そしてその中で議論を闘わせていくということが,今後市民が空港を利用する観点に立っての議論ではなかろうかと思いますので,今の意見については支持いたしたいと思いますし,進めていただきたいと思います。これについてのコメントがあればいただきたいと思います。  それからもう1つ,空港に関しては就航のラインが発表できるのが大体開港の1年ぐらい前ということは,いろんな関係があるんでしょう,それまではいいんではないかと思います。ただ,着陸料について,これは非常に大事なポイントであろうかと思うんです。  先般も市長・知事,兵庫県・大阪府集まって,大阪伊丹空港の格下げについては考慮するようにという,むしろ反対であるという旨の宣言をされたということをマスコミを通じて聞いたわけであります。  そういうことを含めて着陸料を今言うということは非常に差し支えがあるんではなかろうかと思いますが,重ねてお聞きできるならば,対伊丹空港との対比,その辺をどう考えておられるのか,お聞きしたいと思います。  その次に学校教育の問題でありますけれども,教育長がよく理解していただいておりますことについて敬意を表したいと思います。確かに一般教員が地域の中へ入って地域活動をしていくということが,今大変大事であるということは中教審の中でもはっきりと今度うたわれたわけであります。  インディアンは村で子供を育てるといいます。つまりまち全体で,地域全体で子供たちを育てるという体制にやはり昔からあるわけであります。そういう意味では,地域で子供たちを学校教育のほかで育ててくださっているボランティアの皆さん方,子ども会とか少年野球・サッカーあるいはまただんじり,いろんなことがあるでしょう。それらの人々と連携をとることによって子供たちの社会性,あるいはまたいわゆる学問だけではなしに,いろんな教育の方面が発揮できるんではないかと思いますので,その点について──これは再質問は必要ないかと思います。  ただ,申し上げたいのは,産官学の中で,今大学が非常に地域に入りつつ──大学の教授・助教授が地域に入りつつあります。そういう意味ではもっと私たちの小学校・中学校・高等学校の先生が地域に入っていただきたい。これも時間がありませんので,要望にしておきたいと思います。  それから…… 36 ◯副議長(野尻範明君) 安井議員に申し上げます。残り時間が少なくなっておりますので,おまとめ願います。 37 ◯46番(安井俊彦君) はい,わかりました。  それでは,産官学の問題でありますが,産官学の問題については確かに助役のおっしゃったように成果が上がっております。私も手元にその報告を持っております。ただ,これからは民がどう参画するかという参画の方法が大事であります。  例えば民の中にNPO・NGOがありますけれども,この民が大学,例えば神戸大学,これはもうすぐに彼らは国家公務員ではなくなって,いわゆる教員になるわけであります。自分たちの研究費は自分たちで稼ぐという時代になってきます。そうなってくると,大学が研究費の出る研究だけをしておってはこれは意味がありません。そういう意味では,市民と結びついていく,その中でどういうものが市民の基盤づくりについて大事なのか,何が大学のなすべき姿なのかということについては,やはり公がある意味でのパイプ役をしなければならないと思います。  そういう意味では,これから産官学民という形で表示し,そして民をその中に入れて考えていくということについてお願いしたいと思います。  もう時間がありません。あと拉致問題についても言及したいんでありますけれども,市長のお気持ち,よく理解できました。どうかこれは神戸の子供ということもありますけれども,さらに人権の問題あるいは1つの命の問題にかかわってくる重大な問題でありますので,より強力な力添えをお願い申し上げたいと思います。  (「議長」の声あり) 38 ◯副議長(野尻範明君) 矢田市長。 39 ◯市長(矢田立郎君) 最初に,先ほど例で申し上げましたメールの関係あるいは地域の取り組みというふうな点は,1つの例を申し上げたわけでございまして,市政全般にわたる中でそういった取り組みを考えていかなければいけないことは言うまでもございません。  おっしゃいましたように例えば何かテーマを決めて,それを職員の中で,あるいは市民と一緒に議論をしていくというふうなことは,これはこれから私も,テーマミーティングと言っておりますが,そういうことを始めたいなと,こういう意識でございまして,この中でやはり自由な発想を持った提案というものが生まれてくる可能性もあるんではないかな,こんなふうに期待をしたいと思っております。  それから,空港については,どう生かすかどう使うかということは,これは今もうその時期に来ておると思っておりますので,そういう方向で取り組みを進めていくということでございます。  着陸料に関しましては,今伊丹との対比というお話がございましたが,一種空港と三種空港の違い,あるいはその就航する機種,さまざまな態様によりまして着陸料はすべて条件が変わってまいりますので,そういう条件をいろいろ精査しながら今後詰めていくことになります。  ただ,これを余り時間をかけてということになりますと,先ほど申し上げましたように開港までの期間,あるいはエアラインとの交渉の期間というふうなものを考えましたときに,できるだけ早くこれを詰めていかなければいけないなと──国とも協議をする必要もございますが,できるだけ早く詰めていかなければいけないんではないかと,このように認識をいたしております。  それから,産学官民の関係につきましては,これは私は大学の学長さんと2回今まで懇談をしておりますし,また続いてやるということに決まっておるわけでありますが,そういう中で特に皆さんおっしゃっておられますのは,やはり独立行政法人化が──特に国立大学・公立大学を中心としてそういう動きが強まっておりますので,その中から今後大学が果たす役割として,地域と連携をした,そうした方向がこれからの大きな役割だというふうにもおっしゃっておられますので,そういう観点でともにやはりまちの資産として,あるいは財産として取り組むんだという気持ちでございます。  以上でございます。  (「議長46番」の声あり) 40 ◯副議長(野尻範明君) 安井議員に申し上げます。予定時間がオーバーしておりますので,簡潔におまとめいただきたい。 41 ◯46番(安井俊彦君) ありがとうございます。今の市長の答弁で結構かと思います。これからの大学は,むしろ市民がお金を出して支えていくという時代を迎えねばならないと思います。どうか愛する大学,そして産官学がうまく──民がまとまりますようお願い申し上げて,終わります。 42 ◯副議長(野尻範明君) 次に,2番小林るみ子君。  (2番小林るみ子君登壇)(拍手) 43 ◯2番(小林るみ子君) 私は,新社会党神戸市会議員団を代表しまして,市長に質問をさせていただきます。  神戸市の財政危機が深刻さを増してきています。2001年度一般会計決算では,歳入が 8,546億円,歳出が 8,435億円となり,それに繰越財源を差し引くと,実質収支は 6,300万円の黒字となっています。しかし,財源対策として公債基金繰替運用 150億円,財政調整基金繰り入れ1億円,これに土地売却代48億円を含めれば,2001年度は約 198億円の赤字ということになり,13年連続で実質的な赤字となります。この背景には,長引く不況や地価の下落に伴う市税収入が前年度よりも59億円,震災前の1993年度よりも 250億円の落ち込みがあります。この傾向は,今後毎年 400億円,3年間で 1,200億円の財源不足が出ることになってまいります。  また,市債残高も昨年度より若干減少したものの1兆 5,861億円もあります。しかしながら,起債制限比率は昨年度の23.4%から24.2%にふえ,2004年度にはピークを迎え,新たな市債の発行は困難になっており,1993年度には 2,733億円あった投資的経費も,2001年度には 1,323億円にまで減少してしまっています。これに対して,借金返しである公債費は,1993年度で 983億円であったものが,今年度では 1,515億円と 532億円もふえています。言いかえれば,過去の借金が現在の市民へのサービスを低下させることになっているということです。  このような経営のあり方を省みず,問題を先送りしてきた結果が,今日の財政危機をもたらしたものと考えます。まずは,過去の反省を認めた上で,今後財政再建へと踏み出していかなければなりません。  矢田市政が誕生して1年を経過しました。現在,さまざまな視点で市政が検証されています。財政難を理由に金がないの一言で,福祉・医療・環境・教育等々,暮らしが次々に切り捨てられ,その一方で相変わらず神戸空港建設が進められている現状から,「安心で元気なまちへ」,「変えます,開発から環境と福祉へ」の選挙公約どおりに市政が変えられてきたのか,このような視点で大きく4点について質問をさせていただきます。  まず初めに,男女共同参画条例についてお伺いします。  1999年に男女共同参画基本法が制定されました。基本法は,男女共同参画推進のための根拠法ですが,具体的に何をすべきか述べられていません。しかし,条例を制定することが,具体的な施策を実施するための強力な根拠となってまいります。  このような中,埼玉県を皮切りに多くの自治体が条例制定へ向け動き出しています。神戸市もこの4月,市長より神戸市男女共同参画懇話会に対し提言依頼があり,それを受け,条例検討部会が設置され,この間数回にわたり条例についての検討が重ねられてきました。また,その間にワークショップや市民の意見を聞く会等々も開催され,それらを通じて市民の声が条例に反映されるような機会をもつくられてきました。今後,年内にも懇話会による最終答申が出され,来年度制定に向け予算化されてまいります。  しかしながら,多くの人の手によって,よりよい条例ができたとしても,その条例がただ単なる文言で終わってはなりません。先日,懇話会の中間取りまとめが作成されました。その中では,神戸市は,男は仕事,女は家庭という性別役割分業の意識が全国に比べ大変強いこと,女性の就業率が42.7%と政令指定都市の中で最も低いこと,同様に教育現場での男女混合名簿の導入率も大変低いこと等々が指摘され,神戸市は総じておくれていると分析されていました。このような状況下で条例を絵にかいたもちに終わらせないためにも,実効ある条例を制定しなくてはなりません。  そこで,以下2点についてお伺いいたします。  まず,苦情等の申し出の処理についてです。  条例に盛り込む内容として,市長は市の男女共同参画の推進に関する施策,男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に関する苦情,または男女共同参画の推進を阻害する要因による人権侵害の相談について,市民及び事業者からの申し出に適切に対応するための機関を設置することが挙げられています。神戸市においては,苦情等の申し出の処理について具体的にどのような機関を設置されるのか,対応をされるのか,お伺いいたします。  次に,男女共同参画審議会についてです。  条例に盛り込む内容として,審議会は市長の諮問に応じて男女共同参画計画をはじめ男女共同参画の推進に関する重要事項の調査・審議を行うこと,審議会は市の男女共同参画の推進に関する施策の実施状況についての意見陳述及び提言を行うこと,審議会は市の男女共同参画の推進に関する施策についての苦情の申し出について,申出処理機関から求められた場合に意見陳述を行うこと等々が挙げられています。条例制定後設置されるであろう,設置されなければならない男女共同参画審議会が具体的にどのような役割を持つものになるのか,お考えをお伺いいたします。  次に,現在介護保険の見直しについて進められておりますが,2点お伺いいたします。  介護保険は,制度についての市民への周知徹底が決して十分とは言えない中でのスタートでした。そのような意味からも,走りながら改善をしていくことの意義は大変大きいものがあります。このたびの見直しにおいて利用者・介護者・介護労働従事者,それぞれの声がより反映される,生かされるものになるよう希望するものです。  介護保険が導入されまして2年8カ月を経ました。昨日の答弁では,介護保険はおおむね順調に進んでいると評価されていました。しかしながら,導入される前から危惧されていたことですが,介護現場では多くの問題点があらわになっています。財源として新たに40歳以上の被保険者から徴収されるようになった保険料は,低い所得の高齢者・年金生活者にそのしわ寄せをかけてきました。また,サービスを民間事業者に全面委託してしまったことで,措置から契約に変わったために,経営難を強いられている事業者は,そのやりくりから,しわ寄せを介護現場で働くケアマネジャーやホームヘルパー等々にかけてきました。このままでは安心してサービスを提供することも,また利用することもできない状態です。  このような現状を踏まえた上で,まず保険料改定についてお伺いいたします。  この間,スライド式に引き上げられてきた保険料は,高齢者人口・要介護者等数,在宅及び施設サービス料の変化を踏まえた上で,さらに来春に向け改定が予定されています。平成15年から17年度における第1号被保険者の介護保険料の試算結果から,1つは第3段階の基準額 3,137円が15.2%引き上げられ 3,613円になるという試算です。もう1つは,激変緩和策として,第1期の剰余金の2分の1を取り崩し保険料に充当したとして, 3,137円が10.4%引き上げられ 3,463円になるという試算です。今後,来年1月の介護報酬単価の改定,第1期の剰余金の見込額,並びに保険料への充当方法等により変更があり得ると聞いていますが,いずれにしてもこのままだと保険料は引き上げられてしまいます。  ある市営住宅では,70歳以上の人が14人居住しています。全員が非課税世帯です。そのうち無年金者が1人,国民年金者が9人,年金額は5万円前後です。神戸市では,非課税世帯のうち年収 120万円以下の世帯が保険料を第1段階に減免されています。この市営住宅では2人が対象者です。そのほかの人は,年収 120万円にわずか1万円から2万円超過の人です。この人たちにとって,保険料第2段階の 2,353円が年金から天引きされていることで,日々の生活であらゆる面で切り詰めなければならない状態です。このような状況に置かれている人にとって,さらなる保険料の引き上げはますます暮らしを圧迫することにつながります。  一例を取り上げて実態を述べましたが,多くの高齢者の実態でもあります。このことからも,保険料の引き上げは極力避けるべきだと思いますが,お伺いいたします。
     次に,保険料滞納者への給付減額の措置についてお伺いいたします。  介護保険では,第1号被保険者が特別な事情がないのに保険料の滞納を続けた場合,さまざまなペナルティー,さまざまな制裁が科されることになっています。納期限から1年間保険料を納付しない場合,償還払いに支払方法が変更されます。納期限から1年6カ月間保険料を納付しない場合,償還払いされる保険給付の支払いを一時差しとめられてしまいます。納期限から2年以上保険料を納付しない場合,給付額が減額され,利用料の自己負担額が今の1割から3割にふえてしまいます。既に神戸市の場合,介護保険導入後2年8カ月を経た現在,1年以上の滞納期間がある要介護認定者は31人,2002年度中に給付額減額の対象者となる人は 4,444人だと聞いています。まさに金の切れ目は命の切れ目という状況に置かれてしまいます。このような制裁は,憲法第25条生存権にも抵触するものだと考えられます。  神戸市は,だれもが,いつでも,どこでも介護が保障されるように努力するべきだと考えますが,どのように対応されるのか,お伺いいたします。  次に,障害者の支援費制度について,2点お伺いします。  長年措置制度のもとで安心してサービスを利用していた障害者にとって,今回の支援費制度への移行は,まさに寝耳に水という状況です。既に神戸市では,移行手続が始まっています。10月の時点で,支援費制度・居宅サービスの申請を受け付けていますというリーフレットと,居宅生活支援申請書と所得調査等に関する同意書が返信用封筒とともに郵送されてきた障害者や家族は,何をどのように考えたらよいのかわからず,大変な混乱に陥りました。このような粗っぽいやり方は,障害者の不安を募らせる以外の何物でもありません。とりわけ居宅サービスを受けている障害者は,日々サービスの綱渡りで,ぎりぎりのところで暮らしています。長年続いた制度が変わることは,障害者にとって生活を大きく左右するとても大変な問題です。  介護保険の場合に比べ,余りに早急過ぎる支援費制度移行に当たって,障害者や家族にもっと丁寧な説明,情報提供が必要だったのではないかと思います。今後どのような手段で周知徹底していくのか,お伺いいたします。  次に,このたびの支援費制度は,自己決定の尊重から,障害者が事業者と対等な立場で契約を結び,サービスを選択できる制度と言われています。しかしながら,事業者は採算が合わなければ経営は成り立っていきません。そもそもそうなれば,早々撤退してしまう事業者が出てくることも考えられます。それは介護保険の場合でも明らかになったことです。「サービスを自由に選択できる。」がうたい文句として挙げられていますが,来年春の制度スタートを前に,サービスは十分に,いや十二分に保証されているのかどうか,基盤整備についてお伺いいたします。  最後に,保育所待機児童解消についてお伺いいたします。  働く女性がふえてきました。背景には,働く意欲を持った女性がふえてきたことはもとより,昨今リストラ・賃金カット,教育費・住宅費増等々により,1馬力では到底暮らすことができないという社会的状況があります。女性が安心して働き続けるためには,それを下支えするシステムづくりが必要とされてまいります。保育所をはじめ学童保育所の充実が不可欠です。  しかしながら,それらの需要に比べ供給,つまり保育所整備が追いついていけてないのが現状です。この4月の保育所待機児童は,全市で 1,076人です。2001年度末には待機児童を解消すると言われていましたが,解消どころか,ますますこの問題は深刻化してきています。  今年度当初3カ所の民間保育所新設で 210人,1カ所の公立保育所増設で90人,合計 300人,規制緩和による設置認可で 165人,さらに4月,定員15%までの受入枠拡大等で17カ所 318人が既設の保育所へ入所できました。その受入枠は,5月以降25%まで拡大されてまいります。そのために事務室・遊戯室・廊下の改修で保育室を設けたり,市営住宅の空き家を保育所に利用するなどして対応しています。また,園庭も0から5歳児全員で遊ぶには余りに狭くなり,5歳児はボールを投げたり蹴ったり,また思いっ切り走ったりすることもできない状況です。まさに詰め込まれているという状況下ではトラブルも絶えず,児童の安全面や心の成長に大きな影響が出てきてもおかしくはありません。  また,この間,保育士は,延長保育実施保育所拡大,また障害児加配保育士削減・パート化,一時保育開始等々で,十分な人員配置がなされているとは言えない中で,それでなくても負担が大きくなっています。その上,受入枠拡大を緊急的なこととして,アルバイト・パートで対応しようとすることは,正規の保育士の負担や責任がますます大きくなることにもつながってきます。  このように,人的・物的条件も不十分なままに待機児童を解消しようとすれば必ず無理が生じ,そのしわ寄せは結果として児童に,保育士にかかってきています。これ以上保育環境の悪化を促進させないためには,既設の保育所の入所で解消しようとしていくのではなくて,保育所の新増設,それに伴う保育士増に主力を置くしかないと考えますが,お伺いいたします。  以上です。よろしくお願いいたします。(拍手)  (「議長」の声あり) 44 ◯副議長(野尻範明君) 矢田市長。 45 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から保育所の問題についてご答弁を申し上げまして,他につきましては助役からご答弁申し上げます。  神戸市のこの保育需要についての点でありますが,全体的な少子化傾向にあるわけでありますけれども,平成11年4月からこの10月までの時点の受入数の増という点で考えてみますと, 3,180人この受け入れの増が図られておるということでございます。神戸は,長い歴史を持って,全国に先駆けて1万 5,000人保育ということを始めたわけでありますが,これがこの状況のもとで,平成10年から2万人保育というふうにシフトをいたしております。  そういった中で,この増加の傾向を受けて保育所の新増設という点に努めていくわけでありますが,こういった増加の傾向は大都市共通の状況の問題でございまして,これは実は数年前に10分の10の補助という国の特別なそういう扱いによりまして,大都市がそういった点で緩和を図られたわけでありますけれども,現状はそういった国の措置もございませんが,しかし受入枠の拡大に努めるために現在努めておるというところでございますが,そういった中でも少しでも待機を解消していくために,厚生労働省の通知がございますけれども,その中で超過入所を行わざるを得ないということでございます。  超過入所に当たりましては,おっしゃいましたように児童1人当たりの基準というものがございます。保育室あるいは園庭あるいは職員配置,そういった児童福祉施設の最低基準の遵守を前提にして,そういうものがこの超過入所の場合にもございますが,これは施設あるいは人的に対応が不可能な状況の施設では実施はしてございません。超過入所につきましては,先ほども申し上げましたが,待機児童対策の一環としてやむを得ず緊急的に行っているものでございますが,そういう点は保護者及び職員の方のご理解をお願いしております。  今年度もこの規制緩和による保育所の新設,あるいは認可外保育所の認可化,あるいは廃止幼稚園,市営住宅の暫定利用としての空き部屋の活用というようなことで,保育所のこの対策を進めておりますが,今後も引き続き待機解消に努めていきたいということでございます。  (「議長」の声あり) 46 ◯副議長(野尻範明君) 梶本助役。 47 ◯助役(梶本日出夫君) 小林議員のご質問のうち介護保険と障害者の支援費制度につきまして,ご答弁申し上げます。  まず,介護保険の関連で,この保険料の値上げ極力避けるべきだと,こういったご指摘でございますけれども,15年度から始まります次期の事業計画につきましては,高齢化の進展,あるいは要介護認定率のアップ,さらにはサービス利用の普及などによりまして,全国的にも保険料のアップが想定をされているところでございます。  介護保険は,保険から給付をされますサービス費用の約6分の1を高齢者全体にご負担をいただく仕組みになっておりまして,サービス費用が伸びれば,その分,当然この保険料負担にはね返ってくる,こういうことでございまして,一方ではこの低所得者対策でございますけれども,これにつきましては,次期の事業運営期間におきましても,引き続き生活困窮者に対しまして,本市独自の減免制度を継続実施してまいりたいと思っております。  また,次期の保険料の算定に当たりまして,その軽減策といたしまして,現在の事業運営期間に発生をいたしております剰余金──介護給付費準備基金でございますが,この一部を充当していきたいと考えております。  介護保険専門分科会におきましても,将来の保険料負担の平準化及び継続性の観点から,事業運営期間ごとに急激にこの保険料が上昇することは避けるべきであり,基金は2分の1程度の取り崩しが妥当,こういったご意見をいただいているところでございます。最終的には議会におきまして,予算の審議の中で議論していただくことになりますけれども,ことし6月値の全国平均のアップ率11.3%と同程度には抑えていきたい,このように考えております。  それから,滞納者に対する対応でございますけれども,介護保険制度につきましては,高齢者の介護を社会全体で支える,こういった相互助け合いの保険制度でございます。65歳以上の方も負担能力に応じて保険料を負担していただくことになっておりまして,特別な事情がないのに保険料の滞納を続けた場合は,被保険者間の負担の公平を確保するために,介護保険法等の規定によりまして一定の介護サービスの利用を制限する,こういったことで定められております。  その内容といたしまして,1年間保険料を滞納した場合は,介護給付費の支払方法が償還払いに変更されることになります。また,滞納期間が1年6カ月を経過いたしますと,保険給付の一時差しとめを行うとともに,差しとめられております保険給付の額を滞納保険料に充当することができると,こういったことになるわけでございます。さらに,滞納期間が2年以上になりますと,保険料の未納期間に応じまして一定の期間,利用料の自己負担が1割から3割にふえますとともに,高額介護サービス費が支給されなくなる,こういったようなことになるわけでございます。  これらの措置につきましては,保険料滞納者の給付を受ける権利を全面的に制限をするものではなく,支払方法の変更あるいは給付額の一部減額等の部分的制限にとどまるものでございまして,滞納の解消を目的として法令に定められた制度でございます。  本市におきましても,その適用に当たりましては,一律・機械的に適用するのではなく,個々の心身の状況,家庭の状況,経済状況など,その滞納者を取り巻くさまざまな状況を十分に把握するとともに,粘り強く滞納解消に努めた上で給付制限制度を適用していきたい,このように考えております。  それから,障害者の支援費制度の関連でございますが,この内容の周知徹底についての今後の対応のあり方,こういった点でございますけれども,平成15年4月から社会福祉基礎構造改革の趣旨でございます利用者の自己決定の尊重,また地域での総合的な支援を目指した支援費制度がスタートすることになります。この本制度によりまして,障害者福祉は,従来の行政がサービス内容等を決定する措置制度から,今後は障害のある方が,みずからが必要なサービスを選択することができる利用者本位の制度へ転換されることになります。  この制度内容の周知につきましては,もう既に実施をしてきておるわけでございますが,従来から出前トーク等の制度を活用いたしまして,関係団体なり保護者会などに制度の説明を行っております。これはもう既に延べ49回,約 3,000人の方を対象にして説明会を行っておりますし,また広報こうべ,障害者団体の機関紙等に制度のご案内を掲載しておるところでございます。制度を説明しましたリーフレットも5月と9月の2回発行いたしまして,説明会等で配布をさせていただいております。  また,移行対象者につきましては,申請書やパンフレット等を直接郵送いたしておりまして,現在のところ居宅サービスの移行対象者の約96%から,既に申請を受理いたしておりまして,調査中でございます。こういったような状況で,かなりの部分,大半がもう既にこういった申請をしておる,こういった状況をご理解いただきたいと思います。  それから,相談窓口といたしましては,福祉事務所での相談体制に加えまして,今年度から相談窓口の機能,それからケアマネジメント機能などを有します,市内3カ所に障害者地域生活支援センター──これは東・中・西の3カ所の在宅障害者福祉センターに置きますけれども,地域生活支援センターをスタートさせたわけでございます。現在,この支援費制度のテレホンセンターを開設いたしまして,電話やファクスで制度内容のご案内,あるいはまたあらゆるご質問にお答えをしておるところでございます。今後ともこのような相談・支援体制や出前トークの実施等によりまして,制度内容の周知に努めてまいりたいと思っております。  なお,支給決定を行った後,事業者と個々に契約をしていただくことになりますけれども,改めて契約等に関する説明会を開催いたしますほか,支給決定の内容を記載いたしました受給者証を発行する際には福祉事務所等の窓口で説明するなど,きめ細やかな対応を行っていきたいと思っております。  それから,支援費制度の実施に当たって,サービスの質・量の確保は保証できているのかと,こういったご指摘ございますけれども,やはりこのサービスの質・量を確保していくためには,サービス供給基盤の整備が必要でございまして,民間活力を導入しながら,既存の事業者の移行を促すとともに,新規事業者の参入を推進していくことによりまして,サービス供給量を確保してまいりたいと思っております。  また,契約に当たって重要事項の説明,またサービス内容に対する苦情解決の体制整備など,利用者本位のサービス提供に事業者が積極的に取り組めるよう,行政として指導・監督を行いまして,サービスの質の向上にも努めてまいりたいと思っております。  障害のある方の生活を支援する観点から,まず現在のサービス水準を確保するように努力してまいりたい。それでまた,財政面の制約あるいはまたサービス供給基盤の整備状況をも勘案しながら,今後とも障害のある方のニーズにこたえてまいりたいと思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 48 ◯副議長(野尻範明君) 鵜崎助役。 49 ◯助役(鵜崎 功君) 男女共同参画条例に関してでございますけれども,まず1つ目の苦情処理に関しましてですけれども,これは男女共同参画社会基本法の中で,国の基本的施策としてまず位置づけられてございまして,その法律の中で,地方公共団体は国の施策に準じて施策を実施する義務を負うと,そのように法律に規定されてございます。私どもの方でも,苦情処理ということをやる必要があるというふうに考えてございます。  共同参画懇話会の中間取りまとめにおきましても,市の基本的施策の1つに苦情等の申し出の処理という言葉が盛り込まれてございまして,具体的には市の男女共同参画の推進に関する施策等に関する苦情,あるいは男女共同参画に関する人権侵害の相談について,市民等からの苦情の申し出に適切に対応するということで,機関を設置することというふうに盛り込まれているところでございます。  この機関,実は申し出についての調査を行う,あるいは必要があれば市関係機関あるいは関係者に対して助言あるいは是正指導等を行う,そういうことが想定されているものでございます。  現在,懇談会におきまして,中間とりまとめに対します市民意見の募集結果を踏まえての条例の基本的な考え方につきましての提言が作成中でございますけれども,市といたしましては,提言をいただいた後に,そういう趣旨に沿った条例案,これを作成して,議会のご審議を仰ぎたいというふうに考えているところでございます。  したがいまして,具体的に今後の検討になるわけでございますけれども,苦情処理については,特に条例の実効性を担保する部分であるというふうにも考えてございまして,条例が制定されますれば,条例に基づいて市民等の利用のしやすさ,あるいは申出処理機関の中立性の確保,そういった観点から具体的な検討をしていく,そういう必要があるものと考えてございます。  それから,あわせて参画審議会のことでございます。この審議会につきましても,中間取りまとめの中に記載されてございまして,男女共同参画審議会については,その取りまとめの中でも盛り込むべき内容といたしまして,1つ目は,お話がございましたけれども,参画の推進に関する重要事項の調査・審議,それから実施状況についての意見陳述とか提言,そして苦情の申し出についての申出処理機関からこの審議会に対して求められた場合の意見陳述,あるいは委員の数は20人以内とか,任期は2年とか,男女の比率はどちらかが4割以上でなかったらあかんとか,いろんなことが規定されてございますけれども,そういうことが提言としてなされてございます。  したがって,この審議会ですけれども,条例に基づいて神戸市の男女共同参画計画の推進状況あるいは施策の実施状況について,そういうことについての審議とかあるいは助言を行う,そういう役割が与えられるわけでございますけれども,社会経済情勢等の変化により生じてまいります新たな課題について調査・研究を行っていく,そして総合的・専門的な見地から,神戸市におきます男女共同参画社会づくり,このづくりに関して意見を述べる機関となる,そのようなものになるものだと考えてございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 50 ◯副議長(野尻範明君) 小林るみ子君。 51 ◯2番(小林るみ子君) そうしたら,少しだけ再質問をさせていただきます。  最初に,男女共同参画条例制定に向けての苦情等の申し出の処理,これについてなんですけれど,先ほどのお話だと,これは義務だと,そして調査それから助言・是正指導をやると,そういうふうにご答弁いただいたわけなんですけれども,私も男女共同参画懇話会,何度か持たれましたが,4回ほど傍聴をさせていただきました。市政アドバイザーの方ももちろん参加しながら,それぞれの分野の方が委員として参加していたわけなんですけれども,非常にお話の中というのは評価できるものがありまして,職場それから地域そして家庭の中の女性の状況というのを突き合わせていく中で,よりよい条例をつくるために非常にいい話し合いがされていたと思います。  確かに実効ある条例をつくる──ただ単に文言だけでなく,ただ単に絵にかいたもちにならないようにしていくためには,実効ある条例にしていかなければいけないわけなんですけれども,そのために苦情等の処理機関,そしてまたその審議会の有効性,これが必要になってくると私は思っています。それできょうはあえて質問をさせていただいたわけなんですけれども,この苦情等の申し出の処理機関,これが先ほどのお話の中である程度わかったんですが,私としてはあくまでも独立した第三者機関として位置づけていただきたいという,そういう思いがあります。  例えば埼玉県などは苦情処理委員,こういう委員が設置されまして,訴訟支援制度なんかもあって,今非常に頑張っている県なんですけれども,鳥取県や山口県にしましても,同じように推進委員,相談委員というのが設置されておりまして,独立した形でやっています。それでいろんな苦情があった場合に,自治体に対して意見とか勧告する,そういう機能を有している処理機関なんですけれども,今回神戸市の方で考えておられます処理機関としては,そういう意味でも独立性があるのか,第三者機関としての機能を持つのか,そこら辺をもう1度お聞きしたいと思います。  それから,あわせて罰則の必要性があると思うんですけれども,それも考えることがあるか,それもあわせて聞きたいと思います。  それから,男女共同参画審議会の方なんですけれども,これは先ほどのお話でもある程度わかったんですが,簡単に言えば,具体的に言えばチェック機関,そういうふうに考えていいのか,そのことをもう1度お聞きしたいと思います。  それから,介護保険の問題なんですけれども,これももう何度も同じような質問をして,同じような答えをいただいてきたわけなんですけれども,この10月で老人医療の制度が改悪されまして,今までお年寄りは窓口で1回 850円だったのが,一律1割に変わってしまいました。元気なお年寄りは,今まで病院に行ってなかった方は,1回 850円が大変負担で,今回の老人保健法が変わったことで大変よくなった,こういう声もほんの少しございます。  ただ,高齢者というのは,お年寄りというのは,1つの病院だけでなくて,内科それから眼科そして整形外科と,いろんな病院に通っているわけで,そういう方にとって今回の改悪は本当に厳しい状態にお年寄りを置いてしまいます。そういう中で,ある方は,今までの負担が,医療費が4倍から10倍になった,こういうふうにも聞こえてくるわけで,そういう状況にあるお年寄りにとって,来年の春にもし介護保険料が引き上げられるということは大変厳しい,もっともっとしんどい状態に置かれていくことにつながってまいります。  で,今神戸市は利用率,サービスの支給限度額に対しての利用率は42.1%です。38%の以前に比べて随分と利用率は上がってきたんですけれども,こういうふうに医療の問題,それから介護保険の保険料の引き上げ,こんなことが出てくる中で,お年寄りにとったらますます医療機関や介護の機関から遠ざかっていくんではないかと私は思うんですね。そういう意味で,この利用率が下がっていくんではないかということが考えられますので,その点についてもう1度お聞きしたいと思います。  それから,保険料滞納者の問題なんですけれども,今の時点で 4,444人の方が2年間滞納しているんではないか,こういう統計が出ているわけで,これから督促状を送っていくというふうにお話があったと思うんですけれども,丁寧な,きめ細やかな対応をするということもお約束していただいたわけなんですけれども,実はこの 4,444人の中には,例えば介護保険制度について,制度自体をよく知らない,そういう方もおられます。それから,自分は元気だから介護の世話は受けない,そんな方が介護保険料を払っていない,そういう方もおられます。  それから,一生懸命に払おうと思っているんだけど,なかなかお金がなくて払えない,そんな方も随分といる中で,この 4,444人の方に対しての対応は,助役のおっしゃったとおりに,本当にきめ細かな対応で接していただきたいという思いがあります。市民に対して介護保険についてのお知らせの中にも,こういう場合がありますという表現で書かれていると思いますので,ぜひきめ細かな対応をお願いしたいと思います。それは要望です。  それから,支援費制度についてですが,先ほどの答弁だと,ほぼ完全な状態で順調に進んでいる,そういう答弁だったと思うんですが,例えば介護現場の最前線のいろんな事業者,それから区役所の福祉部,そして先ほどお話にあった障害者の地域生活支援センター,ここの方々は支援費制度について余りよくわからない,そういうことを言っておられます。そういう理解の中で対応しているので非常に不安だ,そういうこともおっしゃっているわけで,そういう意味でももっともっと中での周知徹底というか,それも必要ではないかと私は思います。  それと,また介護保険の場合はケアマネジャーさんというプランナーがいたわけなんですけれども,やはり今回の支援費制度移行に当たっても,障害者に対してのプランナーも必要なんではないかという思いがありますので,それについてもお答えいただきたいと思います。  それから,あと,もういろんな場で出前トークなどを通じて市民に対して,障害者に対して説明をしているということで,これはこれからもどんどん説明していただきたいと思います。  2点,お願いいたします。  それから,もう1点,障害者の支援費制度のサービスの提供の問題なんですけれども,私がここにいただいてます資料の中に,支援費制度移行に当たっての,神戸市内にあります19の民間事業者の支援費制度に移行になった場合の収支ですね,収支の表があるんですけれども,19の民間事業者のうちの18がすべて赤字なんですね。 100万円から 2,000万円の赤字を出しているというのがその試算なんですけれども,こういうことを取り上げてみましても,これがもし4月からスタートした場合に,本当に事業者が事業者としてやっていけるのかどうか,非常に不安があるわけなんですね。そういう意味でも経営困難に陥る可能性が十分にあるわけです。  これに対して,神戸市が何らかの助成をする必要もあるんではないかと思いますし,国に対して,介護報酬の単価が来年決まるんですけれども,単価の引き上げということも国に対して言っていかなければならないのではないかと思いますので,それもあわせて質問をさせていただきたいと思います。  最後に,保育所の問題なんですけれども,私が一番言いたかったのは,保育所はもっともっとふやす,それは神戸市の考え方でもありまして,私もふやしてほしいという思いはあるんですけど,ただ待機児童解消というのが詰め込みであってはいけない,これが一番私の言いたいことなわけですね。受入枠拡大が15%から25%,これを受け入れるということになっておりまして,何ら法律に違反はしてない,そういうふうにおっしゃっておりまして,国の基準も満たしているというふうにおっしゃっているわけなんですけれども,例えば0歳児は保育士1人に対して子供3人,1歳から2歳児は保育士1人に対して6人,3歳児は保育士1人に対して20人,4歳から5歳児は保育士1人に対して30人,こういう国の基準がありまして,神戸市の場合はその最低の基準のところにある,それをまず聞いております。  それに加えまして,保育士1人というのが正規の職員であるならばまだしも,必ずしもそうではなくて,この1というのがパートやアルバイトの方,つまり1日4時間・5時間で対応する,そういう方たちがこの1でもあるということなんですね。これは言いかえれば,本当の基準を満たしている,こういうふうにも言えないわけで,そういう意味ではむちゃくちゃな条件の中で今子供たちが詰め込まれているという,それに対して保育士さんも大変な状況で働いている,このことが明らかになったわけなんですね。  このことについて,これが本当に国の基準を満たしていると言えるのかどうか,これは詰め込みではないかという,このことに対してもう1度お答えいただきたいと思います。  以上,よろしくお願いいたします。  (「議長」の声あり) 52 ◯副議長(野尻範明君) 矢田市長。 53 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から保育所についてお答えを申し上げたいと思いますが,この状況については,先ほど申し上げたとおりでございます。その状況の中で,やはり地域地域によりまして,さまざまな状況の特性というものがございまして,これは何も今に始まった状況ではございませんで,そういったときにやむなくそういう状況でやってございますが,その際の関係に関しましては,先ほども申し上げましたように,やはりその施設とのお話し合いの中で人的・施設的に無理がないかどうか,そういったことをきちっと検証しながら進めておるというふうにご理解をいただきたいと思います。  何か今,むちゃくちゃという言葉をお聞きしましたけれども,どうも私はその言葉は好きでございません。施設について,きちっとそういう点を検証しながらやっておるというふうにご理解いただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 54 ◯副議長(野尻範明君) 梶本助役。 55 ◯助役(梶本日出夫君) まず,介護保険料でございますけれども,いわゆる介護保険料のアップによって利用が制限されるんではないか,こういうご指摘でございますけれども,今までの過去のこういった利用者の実態を見る限りにおきましては,今の介護度の軽い人から重いところまであるわけですけれども,実際の利用状況を見てまいりますと,やはり介護の必要に応じて利用していただいておる,こういったような傾向が見られるわけでございまして,決して利用者の負担あるいは保険料が壁になって,障害になって利用できない,こういうことではございませんで,この利用率のアップといいますのも,介護保険制度が周知が進んだ結果,この利用率が上がってきておると,こういうふうに理解をしていただいたらいいと思いますし,決して保険料のアップが利用の制限につながるもんではないというふうに思っております。  それから,支援費制度に関連しまして,窓口でこの制度がよくわからないと言っておると,こういうご指摘でございますけれども,当然そんなことはありようがないと思いまして,特に窓口では,こういった支援費制度についてよく周知徹底をして対応させていただいておりますので,先生ご指摘のような点は,どういうところでそういうご意見が出たんか,よくわからないんですけれども,今申し上げましたように,市内3カ所の生活支援センターにおきましては,24時間の相談に応じておりますし,そういった面で今ご指摘の,この新制度について窓口の職員がよくわからないと言っておると,こういうようなご指摘でございますけれども,仮にそういうことであれば,制度の内容について,今後とも周知徹底をしていくように努力をしてまいりたいと思っております。  それから,支援費制度に関連しまして,サービスの提供の量,この問題でご指摘がございました。今,障害者のこういったサービスをやっていただいている事業者が,居宅介護それからデイサービス・ショートステイ・グループホーム,こういった4つのサービス,居宅サービスにかかわっていただいております事業者が市内で 142事業者ございまして,これらの事業者が引き続き支援費制度におきましてもサービスを供給していただく,こういうことになりますと,今申し上げましたようにサービス面での量の確保は十分できる,こういうふうに思っておりますんで,先ほどご答弁申し上げましたように,新規事業者の参入の促進とあわせまして,従来からこのサービスを提供していただいております市内の 142事業者に対しまして,引き続きサービスを提供していただけるように,今お話を進めさせていただいておるところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 56 ◯副議長(野尻範明君) 鵜崎助役。 57 ◯助役(鵜崎 功君) まず,男女共同参画の苦情処理に関する機関の話でございますけれども,ご質問の,市から独立したという機関なのかというお話がございました。提言・中間取りまとめ,十分お読みだと思いますけれども,提言に盛り込むべき内容と,議論された内容等という仕分けを実はさせていただいていると思います。  そうした中で,ご指摘が質問の中でもございましたけれども,いろんな役割があるわけですけれども,その議論された内容等の中に,ご指摘のように運用上,行政から独立して活動するような機関を設置するのがよい,あるいは市から独立した権限を持つ合議制の機関が処理するのがいいという,そういう議論も懇話会の中でされてございます。  ただ,それがこの表の条例に盛り込むべき内容としては,そこまでは踏み込んでございませんけれども,今現在,先ほどから申し上げてございますように,最終的な条例案の取りまとめを進められてございますので,その中で,そういうご指摘のようなことも踏まえて議論がされていくんではないかというふうに思ってございます。そういう意味で,私も最初の答弁の中で「申出処理機関の中立性の確保」という表現を使わせていただいたということで,ご理解いただいたらというふうに思ってございます。  それから,2番目の参画審議会。参画審議会の中で機能はチェック機能かというご指摘がございましたけれども,これも申し上げましたけれども,1つは男女共同参画の計画,とにかく計画もつくらなくてはいけないわけですけれども,その計画をはじめといたします男女共同参画の推進,いろんな推進に関する重要事項の調査・審議を行うと。どの審議会もごらんいただいたらそうなんですけれども,まず重要な施策を時代時代に合わせた形で,洋服を着がえるようにしていかなくてはいけない。どの審議会にも同じような──まず最初の第一義の役割は重要事項の審議だと,調査をして審議して,必要があれば条例を変えていくんだと,そういうことがまず第一の役目だろうと思います。  そして,2つ目の役目の中で,先ほども申し上げましたけれども,もう少し詳しく申し上げますと,その施策に対する苦情の申し出があったときは,必要に応じて,その関係機関に対して説明及び資料の提供等を求めて,それで助言・指導・勧告等を行うなど,適切に処理するという役割をこの審議会が持つんだと──ごめんなさい。この審議会につきましては,そういうことが,申し出があれば,それをもう1回必要があれば先ほどの審議会にも諮っていきながらやっていくんだというふうなことも言われてございますので,当然そのチェック機能だけということじゃなしに,まさに未来も見,現在も見,そしていろんな事象があったときのきのうを見ると,そういう3つの役割があるんだ,大きく言ってあるんだということでご理解いただければというふうに思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 58 ◯副議長(野尻範明君) 小林るみ子君,どうぞ。 59 ◯2番(小林るみ子君) ご答弁いただいた中で,少しだけもう1度お聞きしたいことがあります。  男女共同参画条例の場合,先ほど中立的な立場をとる,そういうふうな機関にするというふうに助役おっしゃってましたけれども,中立的な言葉というのと,第三者的なと,ほぼ同じというふうに考えていいんだと思うんですけれども,あくまでも神戸市,自治体に対していろんな意見とかそれから勧告をする,そんな苦情が入ってくる可能性は十分にあるわけで,そういう意味でも第三者でなければ,それは中立な立場にならないと私は思ってますので,あくまでもそういった機関を設置していただきたい,こういうことを要望しておきます。  そして,あわせてこのような苦情機関があることを,市民に対してもいろんな形で広報・啓発をしていただきたいという,そういうこともあわせて要望しておきます。  それから,男女共同参画審議会の件ですけれども,3つの役割があるというふうにおっしゃってました。そのうちの1つがチェック機関,これは本当に助かることなんで,あくまでも数値の目標を出した上で,こういうチェック機関を機能させていただければ,この条例も本当に実効あるものとなっていくんではないかと思いますので,それもあわせて要望をしておきます。  それから,介護保険の問題なんですけれども,確かに保険料が上がることが即利用率に響く,響かない,こういう問題ではないですけれども,やはり本人というのは財布は1つでございますから,保険料の問題と利用率の問題,それはやっぱり個人としてはどうしてもつながったものと考えていきます。利用率の問題には,当然利用料の問題にもかかわってきますから,そういう意味でも利用率が下がっていくんではないかという危惧があります。それはこれからいろんな形で見ていかなければいけないと思っています。  あくまでも市民の負担というのはでき得る限り少なくて,それでいてサービスは充実する,それが行政が考えていかなければいけない姿勢だと私は思っていますが,剰余金を減らしてできるだけその保険料の値上げを低くというふうに,そういうふうにおっしゃってましたけど,あくまでも引き上げないように,それが私の思いでもあるんですけれども,それでも無理であれば,少しでも剰余金を多く出すことでその引き上げを少なくしていただきたい,こういう思いはあります。
     それから,減免に対しても,これもずっと平行線なんですけど,一般会計からという話は,助役の方は既に税金は投入しているというご答弁でいつもあるわけなんですけれども,さらなる税金を投入して,減免策をもっともっと拡充していただきたいという,そういう思いはありますので,それもあえてまた意見として言いたいと思います。  保険料の滞納者の問題ですけれども,これはよろしくお願いいたします。  それから,支援費制度のことなんですけれども,ある方が神戸市なりそれからセンターなりに問い合わせをしたときに,まだよくわからないというのは,制度というものはわかっているんですけれども,その制度がどういうところにサービスを求めるのかとか,いざというときにはどういうところに苦情を持っていったらいいのかとか,そういうことが余りよくわからないという,そういう答えだったと思います。そういう意味では,もっともっときちんとした丁寧な周知徹底が必要なんではないかと思います。  先ほども言いましたけれども,ケアマネジャーのようなプランナー,こういう方はぜひ私はつくっていただきたいという思いはあります。いろんな書類が届いたときに,障害者の方は,自分がどんなサービスを受けているのか,それがわからないという方は結構多いんですよね。毎日サービスを受けているんですけれども,これが何というサービスなのかというのがわからない,そういう方も随分いるわけなんです。そういう方もいるので,やはりこういうプランナーは必要なんではないかと思いますので,ぜひお願いしたいと思います。  神戸市からの調査員も,今は全身性の障害者のみ行ってますけども,でき得る限り全体の障害者の方には必ず調査に行っていただきたいという,そういう思いもあります。それもあわせて意見として言いたいと思います。  それから,支援費制度のサービス料の問題ですけれども,あくまでもここにあります19の民間の事業者は,このままいけば──支援費に移行されたら,このままいけば本当に赤字になってしまう,そういう声が上がっているわけなので,この事業者が本当に経営がうまくいかなければサービスも提供できないわけなので,ぜひその辺のところをきちんと見ていただいて,先ほども言いましたように,介護報酬単価次第なんですけれども,もしそれでしんどい状態であれば,補助は絶対していただきたいという,それから介護報酬の単価も少しでも上がるように国に対して働きかけていただきたいということ,これに対してもう1度コメントいただきたいと思います。  最後に,保育所の問題なんですけれども,あくまでも今の保育所の実態を聞いている限りでは,国の基準は空洞化していると私は思っています。やむなく今やっているんだという市長のご答弁だったと思うんですけれども,この保育所の待機児童,保育所に子供たちを預けるというこの傾向は,これからもっともっと,どんどんふえてくる,これはおわかりだと思います。  そういう意味でも,主力は──詰め込むんではなくて,あくまでも保育所をふやす,増設をする,そういうことにきちんと主力を置いていただきたい。詰め込んでいって解消するんではなくて,そういうふうな方向に持っていっていただきたいということを,あえてまた言っておきたいと思います。  その一方では,この12年間で6カ所保育所が廃止されました。2年後には,1カ所保育所はなくなるというふうにも言われております。一方でなくなる,一方では保育所をつくるという,こういう矛盾というのが,今子供たちや保育士さんに突きつけられているわけなんですけれども,こういうことの中で,子供の保育を受ける権利というそういう面から,今回のこの保育所待機児童の問題を考えたときに,どのようにお考えになるのか,この点についてももう1度コメントいただきたいと思います。  以上,よろしくお願いいたします。  (「議長」の声あり) 60 ◯副議長(野尻範明君) 矢田市長。 61 ◯市長(矢田立郎君) まちというものを長期的に眺めていただいたらおわかりになると思いますけれども,地域によりまして,そのときの人口動態あるいは年齢構成というものも変わってまいります。かつてニュータウンであったものがオールドタウン化をする,そういう中でこの高齢者問題が,逆に以前は若年者の問題が多かったものが,高齢化問題に変化するというふうな点もたくさんあるわけであります。そういう中で,こういう点はやはり昭和40年代,例えば50年代の状況で建設をしてきた地域のそういう施設が,今の状況で見ると,やはり転換を迫られるというものも当然あるわけであります。  そういったように,新しいニーズというものがどんどん出てくる地域に対して対応していく際に間に合わない,しかし少しでも待機を解消しようということで,そういった施設の状況あるいは人的な状況を見ながら,現在の過員の受け入れをやっておるわけでございますんで,そういった点については,むしろ保育をどう進めていくかという原点の問題がございますけれども,やはり暫定的な緊急措置というものも必要である,こういう認識であります。  以上です。  (「議長」の声あり) 62 ◯副議長(野尻範明君) 梶本助役。 63 ◯助役(梶本日出夫君) 支援費制度の関連でございますけれども,居宅サービス事業者の介護報酬の関係でございますが,これにつきましては,現在国に対して介護報酬に関連した要望をいたしておりまして,最終的には国の予算で決まることになる,こういうことでございます。  それから,もう1点,生活支援センターに関連しまして,少し答弁が不十分でございましたので補足をさせていただきますと,いわゆる介護保険のケアマネジャーに相当する機能・人,この点につきましては,実は今申し上げました市内3カ所の生活支援センターにおきましてコーディネーターを置いておりまして,それぞれ3名ずつコーディネーターを置いております。このコーディネーターが,身近な地域で障害者の方々が暮らしていくための必要なサービスの相談に応じて,あるいはまた必要に応じて訪問もしていただいておる,あるいはまた問題解決のために関係機関との連絡・調整をやっていただく,こういうような活動をやっていただいておりますんで,このケアマネにかわるものが,この生活支援センターでのコーディネーター,あるいはまた福祉部の職員がさまざまな障害者の方々の相談に乗っておる,こういうような体制で進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 64 ◯副議長(野尻範明君) この際,暫時休憩いたします。   (午後3時8分休憩)   (午後3時34分再開)  (横山議長議長席に着く) 65 ◯議長(横山道弘君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  休憩前に引き続き,決算第9号より決算第26号に至る18件に対する質疑を続行いたします。  15番浦上忠文君。  (15番浦上忠文君登壇)(拍手) 66 ◯15番(浦上忠文君) それでは,質問いたしますが,朝からあるいはきのうから話を聞いておりますと暗い話ばかりで,これで本当に変わっていけるのかと心配になります。財政でも経済でも,福祉でも環境でも教育でも,神戸には解決不可能な問題が山積みされている,そういう意見が続いていきます。しかし,解決不可能な問題といえば,皆さん方をはじめ我々だって今までの人生の中で1つや2つ,あるいは多い人なら3つ,4つ経験したんではないでしょうか。  例えば私浦上忠文の場合,高校3年生のときに母親が亡くなりました。ちょうどだんだん寒くなる今ぐらいの季節であります。本当に一生懸命勉強しても,もうわかってくれる人はいなくなってしまった。それよりも何よりもあしたから一体ご飯をだれがつくってくれるんだろうと心配になりました。  しかし,1週間ぐらいたちまして,そうだ,こういうときこそ未来は明るいと信じて,元気な夢を掲げて,そして自分から変わっていこうと,素直な浦上になろう,謙虚な浦上になろう,一生懸命勉強する浦上になろう,もっと豪快にダイナミックに生きていこうじゃないか。そうやって決めて,それから38年の歳月が流れました。(発言する者あり)  ありがとうございます。そういう観点から,きょうは市民参画条例について,およそそれに関連した質問を3点,そして市役所がもうちょっと元気になれよと,そういう質問を1つ,合計4つをいたします。  まず,市民参画条例についてでありますが,私は笹山市長からも大変薫陶を受けましたが,兵庫県知事の貝原さんからもいろいろ教えをいただきました。4年前ぐらいのことだったでしょうか。ある学会の懇親会のときに,貝原さんから,浦上さん,こういう議員になってくれと頼まれたのであります。  それはどういうことかというと,貝原さんは,自分も自治省の出身だけれども,憲法に主権在民となっているけれども,申しわけないけれども,その主権とお金を自分たちが預からなければならなかった。なぜなら,例えば赤ん坊に熱が出る,芦屋とか神戸の東灘とか灘区の阪神間に住んでいる人はすぐ救急車がやってくる,そして病院に運んで点滴なり何やらして,まあ大体の病気は治る。これが但馬の山奥とか秩父の山奥では,お母さんは,ごめんねごめんねと言いながら,冷たくなっていく赤ん坊を抱いていくしかなかった。  こんな日本ではいけない。とにかくすべてを平等に,最低限のインフラ整備をするために主権を,お金を国が預かり,そして皆さんに,自分らが中心になって,私たちに任せてくださいと仕事をやってきた。そのインフラ整備は済んだ。しかも,世の中はがらりと変わってしまった。浦上君は,君は大丸の出身だからよくわかると思うけれども,今売場にある商品が10年前の何%ですか。多分10年前になかった商品がほとんどやないですか。それぐらいに世の中の変化は激しい。  そうなってくると,いよいよもって主権を皆さん方にお返ししなければならない。本当の市民の皆さんにその権力やお金をお返しして,これからは市民の皆さんに政治をやってもらわなければならない,そういう先頭に立つ,市民を元気づける議員になってくださいと,私は貝原さんに頼まれたのであります。  そこで,このたびの選挙が済んだときに,矢田市長が市民参画条例をつくりますと,こうおっしゃったときに,ああなるほど,これが貝原さんのおっしゃっていた市民参画ということを,いよいよ神戸市でも真っ正面から取り組もうとされたんだなと,こう思っているところであります。  すなわち参画やとか協働という言葉はよく耳にしますし,神戸市も昔からやってきましたとおっしゃるんですが,それならその参画や協働とは一体何なのかということがさっぱりわからないではありませんか。何でも参画と言えば参画,協働と言えば協働。  しかし,先ほどの話で貝原さんが言われたような,市民が主役になって,そしてもう行政では賄い切れない仕事をみんなでやっていくときに,参画とは何か,協働とは何か,そういうことのルールを決めていかなければ成り立たないのではないかと,私浦上忠文は思うのであります。  そこで,参画ということになりますと,どういう参画があるかということになりますが,例えばよく市民参画条例ということが話題になりますとすぐ,じゃあ住民投票がどうなんだということになります。あるいは,議会制民主主義との関係がどうなんだということになります。  私,この前,ふとんの中で考えていたんですが,参画には3つあるなと。1つは政治的な参画,これは例えば先ほど申し上げました住民投票であるとかリコールであるとか監査請求であるとか,そういう政治的な参画というものがあるなと。  もう1つは,行政的な参画というものがあるなと。これは川をきれいにするとか,道の計画をどうするとか,あるいはごみの問題に地元の皆さんがどう取り組むとか,そういう行政的参画というものがあるなと。  もう1つは,NPOとかNGOのような社会的な参画というものがあるんじゃないかなと。  とかく参画条例ということが話題になったときに,住民投票がどうやこうやと言いますが,それはたまたま市民が参画するうちの政治の部分にしかすぎないのであって,あとの行政的参画あるいは社会的参画というところに1つのルールというものをつくっておかなければ,市民と行政とがやっていけないんではないか,あるいは参画条例というものをつくって,市民の責任というものをはっきりしておかなければ……。  先ほど主権を皆さん方にお返しすると言いましたが,権利というものには必ず義務がありますし,責任もある。その辺のめり張りを失ってしまうと,市民と行政とが参画し合うと言ったってあいまいのままで,まあまあみんなで仲よくやっていったらいいんではないかな,めり張りのきいた世の中には変わっていかないんではないかと,その辺を心配しております。  そこで,今私はとうとうと浦上忠文の考えを述べてきたんですが,きっと矢田市長も,まあ浦上とその辺までの考えは一緒だなと,こう思うのであります。違っていたら,そのことをお伺いしたい。  そして,その市民参画条例そのものは,行政と市民とのかかわりをきっちり整理する以上,それは市政運営の基本条例になるんではないかと私は考えますが,その辺の考えをお伺いしたいのであります。これが市民参画についての1つ目の質問であります。  2つ目の質問,情報公開の問題であります。  情報公開の質問がほかの議員の皆さんからでもよく出ますが,その場合の答えは,いやいや広報紙で発表しております,ホームページでも情報を流しています,あるいは市民懇談会をしております,神戸市では情報の公開については積極的に取り組んでいるんですと,こう言うのであります。  しかし,実際に市民参画を進めるときに,あれほどの情報が一体どれぐらいの人が見て理解をできるだろうか。私がきょう提案したいのは,市役所は棚卸しをして,困っている問題や課題など今のすべてを市民の前にさらけ出して,そして情報を市民と共有化することが本当の市民参画を進めるために不可欠だと考えるんですが,その辺についていかがかという問題であります。  何でも,我々が市役所に質問しますと,こういうことをやっております,ああいうことをやっておりますと,完全無欠とは言いませんが,とにかくやっております,それについてはこう考えておりますと,何ら問題がない,何ら困っていることがないような姿に見えてしようがないのであります。  そういう姿だからこそ,もっと素直になって,謙虚になってこそ人々の協力というものは得られるのであります。真に市民とコミュニケーションすることによって市役所を理解してもらう。例えば外郭団体でもこんなとこが困っています,赤字ですと,そういう事業があれば,それだったらうちの企業で買おうじゃないかという人が出てくるかもしれない。  あるいは,空き教室がこれだけあります,保育の待機はこれだけあります。それについては,我々はこれだけの数がないんですから,本当に困っているんです。皆さん,もっと家で何とかするような工夫も含めて,あるいは保育所を立ち上げる人を望みますというふうな,さまざまな困っている問題や課題などの情報をもっともっとオープンにして,そして素直に謙虚にコミュニケーションを図って,協力をしてくださる市民というものを求めていったらどうか,これが市民参画についての2つ目の質問であります。  3つ目は,そうなると市民参画市民参画と言いますが,問題点というものを共有しなければ本当の参画も自治もないんじゃないか。例えば浦上忠文,今心の中では東灘共和国という国を独立したらどうかという運動を密かに進めているんですが,地方・地方あるいは地元・地元の抱えている課題というものは,東灘なら東灘,住吉なら住吉,御影なら御影という規模であってこそ,問題点を共有できて解決していくことができるんではないか。あるいは,そういうことを活動することによって市民とお世話をしている行政とのつながりというものがもっと深くなっていくんじゃないか。  そういう観点から,神戸市 150万という規模だけで考えるんじゃなくて,市民参画をはじめさまざまな問題を,市を分割するとか区を独立するとか,そういうダイナミックな改革プランを考えてみれば,さまざまな問題の解決方法がちらっと見えてくるようなこともあるんじゃないか。  いずれにしても,神戸市 150万という規模は大き過ぎるんではないかと考えるんですが,その辺についてどうお考えか,あるいは浦上の言うことは荒唐無稽にすぎないと思われるのか。  1つの例として,神奈川県に逗子市というところがありますが,あれは横須賀というところと一緒だったんですが,住民投票で分割をして逗子市になって,逗子と横須賀との違いというものをはっきりしながら両方のまちに活気が出ている,そういう例もあります。  今全国で統合することがはやりでありますが,統合ということがあれば当然分割ということもあるんではないか,そういう考えからの質問であります。  4つ目は,市役所の活性化についてであります。  活性化といいましても,人事制度とか評価やとか教育のあり方について,あるいは職員の意識や仕事の仕組みを変革するために内部で検討しておられますが,本当に内部だけでそんなことができるだろうか,その辺に対しての心配であります。  およそどんな企業であれ,どんな団体であれ,自分らの内部でやることにはおのずから限りがあるということは,これは多分市長でもご存じだと思います。あるいは,人間のことですから,人間は意識して行動しているのが5%,無意識で行動しているのが95%といいます。例えば私がこのコップを持ちますね。意識して割れんように持とう,壊れんように持とうというんやなしに,無意識のうちにコップというものはこれぐらいの力で持つんやということで,私は持っているわけです。  例えば矢田さんは40年ほど神戸市役所におると思いますが,40年の中で身についたものを1日や2日あるいは1週間の研修で,やる気を出せ,意識を変えろと言ったってなかなか変わるものではありません。  そこで,市役所の中だけで考えるんじゃなしに,もっと外部のシンクタンクとか,あるいは市会議員の浦上さん,手伝ってくれと言われれば,私いつでも参りますが,みんなのほかからの意見を聞いて,謙虚に仕組みを変えていこうという努力をしなければ,神戸市はなかなか変わっていけないんではないかと,そのように思うのであります。この辺について,思い切った対応をとる考えがあるかどうか,これが4つ目の質問であります。  きょうは,不規則発言も少なく,野次も少なく,多少寂しい思いがいたしますが,これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)  (「議長」の声あり) 67 ◯議長(横山道弘君) 矢田市長。 68 ◯市長(矢田立郎君) 私の方から1点,お答えを申し上げたいと思います。  今,浦上議員がおっしゃいました東灘区独立共和国というふうなお話がございました。私は初めて聞きましたけれども,都市というものが発展をしていく中でさまざまな経緯があることもよくご承知の上だと思いますけれども,そういった点でなぜ神戸のまちがこういう今 151万都市になっておるのかということもお考えをいただいたらいかがかと思います。  といいますのは,明治の22年,この時期に市制ができたわけでございますけれども──全国でできておりますが,この当時の市域の面積というのは大体今の兵庫・長田,あのあたりが中心でございましたけれども,大体21平方キロ程度でございまして,これは都市化が大分進んできておる状態で,当時の人口 135万程度でございました。  これが戦争前の昭和15年に大体83平方キロ程度になっておりまして,この時点で人口が 100万という時期であります。  そして,あの戦争の後のまさに廃墟と化した都市の面積,これは当時 115平方キロであります。そして,人口が大体38万という状態に減少をした。  そして,昭和35年の段階で,これは戦後からいろいろな地域の皆さん方が神戸市との合併ということについていろんな論議をされながら今日に至っておるということはご承知のとおりであろうと思いますけれども,この昭和20年から昭和35年の間に大変なそういう議論を重ねながら,こういった神戸のまちの骨格的な形成が図られたわけでございまして,昭和35年には 533平方キロ程度になっております。それ以後若干の修正等がございますが,現在この 550平方キロというふうな形でございまして,人口が今の 151万という点でございます。  先ほど何か明治22年の人口を私が 135万と言ったようでございますが,13万 5,000人でございます。これはちょっと申しわけないです。  そういったふうな点の変遷を考えていただきますと,やはりまちというものはそれなりにその地域が持つ特性をどのように生かしていくのか,そしてまたその中からまちの経営というふうなものをどのようにしていくのかという点がやはりありまして,昭和20年から35年の間に至る面積の増大というふうなものがございますし,また人口の増加という点もあったわけであります。  そういう点から神戸市では,マスタープランにおきまして人口容量というものを検討いたしたわけでございまして,都市の容量というものを考えておりますけれども,これが震災前に検討いたしました段階で適正人口というものを容量と言っておりますが,これはごみの問題あるいは水の問題,その他そこに生活をする際の環境,そういったものを加えて考慮をしておりますけれども,大体人口が 180万というふうなものを想定してマスタープランの検討がなされたということでございます。  そういった意味で,都市というものを形成していく場合には,当時のさまざまな状況を抱えながら経緯を踏んできておりますが,現在の状況の中で,社会経済情勢あるいは高齢・少子社会あるいは循環社会,こういった状況を迎えている中で,今後もまちの容量というふうなものに関してどのように考えていくのかという点があろうかと思います。  しかし,全体としまして,神戸のまちそのものがやはり現状の形態を持って,そしてこの中からおのおのに特性を生かして発展を期するという点が重要ではないかなと私は思っておる次第であります。そういった点では,多くの皆さんにお会いをいたしましたけれども,東灘独立共和国というような話をお聞きするのは初めてでございます。  そういう意味で,こういった点が本当に私は今の社会全体の自治体に関する流れの中でどのように評価をしていいのか,私自身としては逆ではないかなというふうに思っておりますので,つけ加えさせていただきたいと思います。  (「議長」の声あり) 69 ◯議長(横山道弘君) 梶本助役。 70 ◯助役(梶本日出夫君) 市役所の活性化についてお答えを申し上げます。  人事制度や仕事の仕組みを変革する上で,内部で検討するのではなくて,思い切って外部に提案をしてもらったらどうかと,こういうご指摘でございますけれども,現在神戸市におきましては,危機的な財政状況を克服し,トータルとしての市民サービスの維持・向上を図るために,全庁を挙げて新行政システムの確立に向けた取り組みを行っているところでございます。  その成果を上げるためにも,個々の職員の意識改革は大変重要な要素だと考えております。その観点から職員が仕事に情熱ややりがいが感じられるよう,新しい時代に応じた制度について検討し,その具体化を図っていきたいと考えております。  現在神戸市人材開発基本計画の策定を進めておるところでございます。この策定に当たりましては,民間企業等の人事管理制度等の調査や分析が重要であると考えておりまして,これにつきまして外部委託によりまして行っているところでございます。  この人材開発基本計画の策定に当たりましては,もう少し時間がかかる見込みでございますが,この策定を待たずに先行をして一部実施してまいっております。  その1つは庁内公募でございまして,これにつきましては先般国体の準備業務ということでやらせていただきました。これは職員の意欲と能力を直接職務に反映させることによりまして,職員の市政への参加意欲の高揚を図る,また職員が持つさまざまな能力を多様な分野で有効に活用し,育成することを目的にいたしておりまして,大変大きな反響があったわけでございます。  また,同じく先行実施をいたしました民間企業等経験者採用につきましては,民間企業等で培われた知識や経験,また多様な発想,柔軟な思考等の資源や能力を市政に生かしてもらえるような人物の採用をねらいとしたものでございますけれども,結果として期待をしておりました優秀な人材の採用内定ができたものと考えております。  今後とも引き続き市内部での検討や改善を図る一方で,いろいろな方々からのご意見をいただきながら,外部からの幅広い提案・意見も積極的に取り入れまして,さらなる職員の意識改革を図ってまいりたいと思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 71 ◯議長(横山道弘君) 鵜崎助役。 72 ◯助役(鵜崎 功君) 市民参画の関連でございますけれども,ご案内のとおり神戸ではこれまでから多種多様な市民参画の仕組みをその都度その都度設けて,市民参画を図ってきたという思いでございます。  特に最近は地方分権あるいは少子・高齢化,あるいは環境問題,社会状況は大きく変化してきてございますので,当然市民もライフスタイルの変化ということも踏まえながら,市民のニーズも非常に多種多様化してきて,全く新たな地域課題が次々と出てきているという状況でございます。  特に神戸の場合,震災というものもございましたので,そういう財政状況のもとでもございまして,さまざまな市民ニーズあるいは地域課題に的確に対応していくにはどうしたらいいのか,その中で市民1人1人が主役のまちを実現するにはどうしたらいいのかということでいろいろ模索している中で,議会制民主主義を基本としながら,市民の知恵とか経験とか,あるいは地域の力・エネルギーを最大限に引き出せる仕組みはどうしたらいいのかということで,参画と協働という2つをキーワードにしながら新しい仕組みを模索しようとしている,その仕組みの1つとして市民参画条例を検討していく,そういうことだとご理解いただきたいと思います。  この条例の制定に向けましては,まず協働と参画の姿は何なのかと,そういうことから市民と一緒に議論を進めているところでございますけれども,具体的には神戸市民あるいは市職員によります各区別のワークショップを開催したり,あるいは今後各地域で地域実践活動をされている方々を対象としたワークショップ,これも予定してございます。一方,できるだけ多くの市民の意見を把握するということで,市民1万人アンケートも実施してございます。  これらの取り組みを1個ずつ積み重ねながら,協働と参画の姿がある程度見えてきた段階で具体的な仕組みづくりに入る,そして公開フォーラムあるいはパブリックコメント,こんなことを実施しながら条例化につなげていきたい,そういうふうに考えてございます。  それで,地方分権の方向はこれからも当然進んでいくというふうに考えてございますけれども,そのためにも市民の協働と参画はますます重要になってくる,そのように思ってございまして,これからも市政運営の柱の1つとしていきたいというふうに考えてございます。  それから,市が抱えている課題や問題,いろんな問題がございますけれども,これを市民に対して率直に伝えていくということが今後ますます大事になってくる,必要になってくるだろうというふうに思ってございまして,市政を取り巻く現下の厳しい経済雇用状況なり,あるいは環境問題,先ほど申しました分権の問題にしても財政の問題でもそうなんですけれども,これを情報公開の充実やあるいは情報開示という形で市民にさらけ出していくと,ご指摘のようなことも大事だろうと思ってございます。  あわせて,そういう情報の一方通行だけじゃなしに,やはり市民から知恵をいただくような仕掛けづくり,あるいは政策提言会議やまちかどトークを市長はやられてございますけれども,そういう中から市民の生の声を聞いていく,そういうことを政策化していくということがますます大事になってくるんだろうと思ってございます。
     で,問題やあるいは課題の中には,行政だけでは抱え切れないそういう分野も当然ございますし,それらにつきましては市民の積極的な取り組み,そういう知恵を出すだけじゃなしに汗もかかせていただくという積極的な取り組みを得て解決を図っていくということで,市民と行政との協働,あるいは市民同士のネットワーク,そういうことにより課題の解決を図るといった,まさにグルーピングといいますか,市民同士の協働も求められてきているということでございます。  このことが先ほど申しました協働・参画のまちづくりを進める上で2本の柱として重要であろうというふうに考えてございます。特に市民同士のネットワークとしましては,各地区で活動していただいてございます子育て支援のサークルのネットワークや,あるいは障害者関係の施設のネットワーク,あるいは六甲山と市民とのネットワーク,あるいは新興住宅と農村地域の交流会のネットワーク,あるいは商店街を中心とするコンパクトタウン同士の交流会,あるいはコミュニティビジネス,こんな取り組みが今市民の間の中で進められてございます。  こういう市民として,これをどういう言い方をしたらいいのかわかりませんけれども,従来神戸市は今まで行政と企業との間では第三セクターを設け,行政と地域の間では第四セクターに取り組み,地域と企業の間では第五セクター,あるいは自治体と企業と地域との間ではジョイントセクターというやり方をしていましたけれども,まさに新しい第七セクターといってもいいような,まさに地域同士,地域の中で新しいセクターが生まれつつあるということでございまして,行政としてはこれらの方向を十分踏まえながら,必要なものにつきましては支援もしていき,そして参画と協働が実になるようなものに引き上げていきたい,そのように思ってございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 73 ◯議長(横山道弘君) 浦上君。 74 ◯15番(浦上忠文君) 鵜崎助役さん,鵜崎さん,私の質問を聞いてましたか。僕はけんかをするつもりでも何でもないんですけれども,もっとにこやかに話をしていきたいと思うんですけれども,今答弁された最後のことなんか,何にも私は聞いてませんで。さらけ出せと言ったのに,第何セクターがどうやとかネットワークがどうやとか。聞いたことに答えるという姿勢をせんから,だから僕らが何かを質問しても,あれをやってこれをやっています。さっきの梶本助役でも,公募したのはたったの2名やないですか。あれが市役所の仕事の中の,いやいやこれからは20%ぐらいを公募でやるように変えたんですというんやったら,堂々とやっていますと言われたらいいですけれども,2名の公募をして,外からもあれまた2名でしたか,採用したのは。その倍率が高かったといって喜んで,そりゃあ市役所,楽しそうやからみんな行きますよ,ほかのリストラなんかに遭った人から見れば。  そんなことを言っている時間はないんです。要するに,何を言っても壁に向かっているみたいなところがあるんですよ,今。こんなんで本当に市民参画をやっていけるのかどうか,私は心配するんですが,時間があと4分しかないんで,1点だけ市長さんにお伺いしますが,きのうでも参画条例のときに必ず議会制民主主義というのが出てくるんですが,これは市長さんを我々が選んでいたら議会制民主主義ということに触れるということが問題になってくるかと思うんですが,我々議員というものは市民の代表やないですよ。市民の代表はまさに市長1人なんです。これまた1人を投票して,そして矢田さんが市長になっておられるから,矢田さんは政治的ないろんな考えがあるでしょうけれども,その思惑を乗り越えて,みんなの市民を代表するそういう責任があると思うんです。  つまり市長は執行機関ですし,そこにおられる皆さん方は補助機関ですから,つまり地方自治体というものは市民に対して矢田さんが直接的な責任を持っているんですよ。議員というものはそれぞれの地域とかいろんな層を代表して,そしてここでいろいろ物事を調整したり何かしていますけれども,この地方議会というものは二元的になっていることがあって,そして市民の意見を市長等がやりとりするということについては,議員はそれに口を別に差し挟む必要はないんじゃないですか。その辺についての地方自治の二元的な方法についての市長のご意見をちょっとお聞かせ願いたい。  (「議長」の声あり) 75 ◯議長(横山道弘君) 矢田市長。 76 ◯市長(矢田立郎君) 改めて,地方自治法の条文をよく読んでいただきたいと思うんでありますけれども,この地方自治というものは確かに首長の制度そして議会の制度というものの両輪で成り立っておることは申すまでもございません。これは地方自治法上の定めであります。  そういう中でやはり民意を,全体の代表の議員の皆さん方にご審議をいただくということが議会制民主主義というものでありますので,そういった観点からのご理解を十分にいただいた上で,これをやはりお考えいただきたいというふうに考えております。  (「議長」の声あり) 77 ◯議長(横山道弘君) 浦上君。 78 ◯15番(浦上忠文君) 今,矢田さんは──矢田市長に質問したのは,市民の代表というのは市長やないですか。そのことについてお伺いしたい。  もう1つは,我々が市長を選んでいるのじゃなくて市民が市長を選んでいる。議会というものは別に市民と市長とのやりとりに関して,議会というものは口を差し挟む必要は,そういう権限はないんやないですかということについて質問したんです。その点についてお答えいただきたい。(発言する者あり)  (「議長」の声あり) 79 ◯議長(横山道弘君) 矢田市長。 80 ◯市長(矢田立郎君) ですから,私が申し上げておるのは,地方自治法をよくもう1度お読みいただきたいということでございます。 81 ◯議長(横山道弘君) 次に,18番高山晃一君。  (18番高山晃一君登壇) 82 ◯18番(高山晃一君) 無所属の高山晃一です。15分の持ち時間ですので,大きく2点だけお伺いしたいと思います。  まず,行財政改善の推進に関してお伺いをします。事業評価の方法として,ABC手法導入について伺います。  私は,この提案を昨年からしてまいりました。ABCとは,アクティビティー・ベースド・コスティングの頭文字で,個別具体の業務についてのコスト計算手法のことです。活動基準原価計画と和訳されています。尼崎市が住民票の写し発行コストが 1,900円などの公表をしたということで,皆さんもご存じかと思います。  昨年からきょうまでに神戸市はABCに対して,次の5点の理由から導入は考えていませんという見解を示されています。1つは,公的サービスは,業務内容,市民との対応・相談など画一的には計数化が非常に困難なものが多く,民間企業と同じようにはいかない,2つ目に,人件費・減価償却費などのコスト計算上の課題が多い,3つ,政令市の中でこの手法を導入しているところがない,4つ,尼崎市の取り組みは,尼崎市独自の評価方法のため,市民にはわかりやすいかもしれないが,他都市との比較が不可能,5つ,事業作業量が大変膨大であるというものでした。  神戸市が示したこれらABCを導入しない理由は,余り説得力がないのではないかと私は受けとめています。以下,その理由を簡単に述べたいと思います。  まず,民間と同じようにはいかないという点です。確かにサービスによる成果は,民間の場合,収益が幾らになったというように明確になるのに対し,行政の場合,市民は満足したかどうかなど,成果を明確に示すのは確かに難しいと思われます。しかし,業務内容などから,サービス提供に費やしたコストをはじき出す場合は,公と民の差はなく,同様の作業によってコスト計算が可能だと考えられます。  次に,人件費・減価償却費などのコスト計算上の課題が多い,政令市での導入例がない,独自評価では他都市と比較できないという3点です。確かに,コスト計算上の課題は多いでしょう。しかし,事業評価は他都市と比較することが本来の目的ではなく,神戸市民,神戸市自身が現状のままでよいのか,あるいは民間に委託した方が効果的であるのかなど,みずからが判断できるデータを持つことこそが目的です。ですから,尼崎市と同様,神戸市が最も実態を示すと判断した数値データを使ってコスト計算すればいいのではないでしょうか。他都市と比較するのなら,人件費の中に退職準備金を入れるとか入れない,減価償却費を入れる,入れないといった修正を必要に応じてすれば解決ができます。評価の目的は,他都市と比べることではないということです。  最後に,事務作業量が大変膨大という点です。職員みずからがコスト計算のための調査・作業をしようとすれば,確かに膨大な作業を抱えることになります。しかし,外部企業に作業を委託すれば,職員の負担はありません。成果主義で,コスト削減効果の何%かを委託先企業にお支払いすれば,だれにもしわ寄せがなく,納税者である市民も,市の職員も,委託企業も,オールハッピーなのではないでしょうか。  以上,簡単ですが,神戸市が述べたABCを導入しないとする理由は,余り説得力がないということがおわかりいただけたのではないかと思います。これに対してご所見をお聞かせいただくか,まだほかにもABCを導入しない重大な理由があればお聞かせいただきたいと思います。これが1点目の質問です。  次に,神戸市立幼稚園の適正規模・クラス数について,お伺いをいたします。  神戸市では,平成7年7月,神戸市幼稚園教育振興検討委員会報告書に基づいて,公立と私立幼稚園の連携・協調のもと,神戸市立幼稚園の2年保育の実施,統廃合による適正規模化が実施されてきました。  この報告書には,統廃合等の必要性について,次のように書かれています。「幼児数が減少するなかで,神戸市の市立幼稚園は,園数が多く,1園当たりの幼児数が少なくなっている状況にあり,幼児数の推移にみあった形での適正規模あるいは適正配置を確保するために市立幼稚園の統廃合等が必要であると考えられる。」そして,適正規模を次のように説明しています。「公立幼稚園においては,子どもどうしが,集団のなかで社会性を身につけていくために,あるいは教員が互いに切磋琢磨して保育内容を豊かにしていくために,異年齢かつ複数クラスの幼児集団の実現に向けて,集約化を図っていく必要がある。」,つまり4歳児・5歳児,それぞれ2クラス以上の幼児集団の実現に向けて,統廃合する必要があると述べています。  それに対して,現状はどうかというと,統合された幼稚園で4歳児・5歳児,それぞれ1クラスしかないというところが多くなっています。そのため,応募数が定員を上回り,入園できない園児が毎年発生し,その数は年々増加傾向にあります。統廃合を実施後,幼児数の推移に伴って市民ニーズが高まり,適正規模が実現できる状況にあるのに,教育委員会が統合された当初のままクラス数を調整しないため,適正規模化が実現していないというのが現状です。  果たしてこの現状の中,さきに述べましたが,子供同士が集団の中で社会性を身につけていくといった理想的な幼児教育が実現,実践されているのか,疑問を感じます。適正規模に対する教育委員会の見解があれば伺いたいと思います。  2点目に,私が教育委員会からのデータを読みまして,目にとまった点をざっと述べたいと思います。  平成12年から毎年定員オーバーしている園は,東灘区は東灘のぞみ,灘区は灘すずかけ,北区・すずかぜ,垂水区・青空台こばと,西区・岩岡です。次に,定員オーバーで入園できなかった4歳児数は,平成12年度は 130人,平成13年度は 142人,14年度は 162人,そして来年度は 208人と,年を追って増加しています。来年度の定員オーバー数が多いのは,魚崎の26人,東灘のぞみ53人,灘すずかけ28人,北区のすずかぜ17人,やまびこ19人,垂水区の奥の池9人,多聞ひまわり8人,西区・伊川谷の31人などです。東灘のぞみなどは,3園が統合されて設立されましたが,現在も4歳児クラスは2クラスしかありません。そのため,定員を毎年30人近く超えて応募があり,来年度は53人もオーバーする状況です。灘・東灘区のように人口が目立って増加していない北区鈴蘭台にあるすずかぜや,花山にあるやまびこの定員オーバー数も,17人,19人と少なくありません。  そこで,お伺いします。統合後のクラス数が,統合前のクラス数を大幅に超えることは,私立幼稚園の経営に影響を及ぼし,公立・私立幼稚園の連携・協調の観点から問題です。したがって,施設規模など物理的な条件も考慮しながら,上限は当然設定されるべきですが,幼児数の推移に柔軟に対応してクラス数を調整するべきではないかと考えます。ご見解をお伺いします。  以上です。  (「議長」の声あり) 83 ◯議長(横山道弘君) 西川教育長。  時間が少ないもんですから,簡潔にご答弁を願います。 84 ◯教育長(西川和機君) 幼稚園について,お答えを申し上げます。  まず,適正規模についての見解をということでございますが,平成8年度から,ご案内のとおり市立幼稚園の統合と2年保育を進めてまいりました。これは平成7年に,将来の公立・私立ともどもの幼稚園教育のあり方を検討する神戸市幼稚園教育振興検討委員会報告書という,今高山先生がお読みになりましたその報告書,これに沿って進めてきたわけでございます。園児数やクラス数などの幼稚園の規模と,そして公立・私立幼稚園全体での園の配置を適正にして,希望いたします4歳児が公立・私立いずれかの幼稚園に就園できるということで,こういう事業を進めてきたわけです。  なるほど報告書の中では,今読み上げられましたように,異年齢かつ複数クラスの幼稚園集団の実現に向けての集約化を図っていくと,まさにその途上にあるわけでございます。  公私が協調・連携しながら,この2年保育を実現していくためには,やはりもうご存じのとおり個々の統合に当たりましては,周辺の私立幼稚園の受け入れの状況や,そして通園範囲と地域内の園児数との状況なども考慮する必要がございます。4歳・5歳で少なくとも各1クラスを有する幼稚園の統合ということで,今やってきたわけでございます。その結果,15年度には全園が2年保育が実施できるということになった現状をご理解いただければと思います。  そして,流動化に柔軟に対応していくべきだというご質問でございます。  市立幼稚園のクラスについては,地域の4歳児の数や,あるいは周辺の私立幼稚園の受入能力,これに関係するんだというのは,今申し上げたとおりでございます。私立幼稚園には,受け入れに余裕のある園もございます。公私いずれかの幼稚園への就園が全市的には可能と,私どもは考えております。また,全市的に見ますと,少子化傾向は依然として続いておりまして,4歳・5歳の就園希望者が大幅に増加するとは考えにくい状況にございます。  ただ,今お触れになりましたように,東灘区や灘区の一部地域では,園児数が増加いたしております。募集に当たりまして,大幅に超えてる幼稚園,今名前を挙げられましたようなところがございます。そこで,本年でございますが,市立幼稚園の中でも受け入れに余裕のありました遊喜幼稚園,これにつきまして,東灘区全区を園区に,対象にいたしました。  したがって,今後も余裕のある園の園区の見直しというのは,引き続きやってまいりたい,このように考えております。  以上です。  (「議長」の声あり) 85 ◯議長(横山道弘君) 岡田行財政局長。 86 ◯行財政局長(岡田耕作君) 行政評価のABC手法について,お答え申し上げます。  自治体にもコスト意識が必要であると言われている中で,ABC手法等はコスト意識醸成のための具体的な管理手法の1つであります。これは,言われましたように,事業費に加えまして人件費とか減価償却費などを含めたフルコストを算出して,業務1件当たりのコストを測定するものであり,昨年尼崎市がその発表をしておったわけでございます。  各都市が行政評価を実施する際には,コストの削減あるいは職員の政策形成能力の醸成,またサービスの質の向上など,それぞれの固有の目的を持って導入しております。評価項目・方法についても,それぞれの自治体がその目的に沿って設定しているというのが現状であるというふうに理解してございます。  神戸市のまちづくりを市民と協働で進めていくためには,情報の共有が不可欠であるというふうに私も思っております。そのためには,市民の目線に立って,本当にわかりやすいものになっているのかどうか,そういうことを検証しながら情報提供を行い,説明責任を果たしていく必要があるんではないかというふうに考えてございます。  ABC手法につきましては,費用対効果も勘案する必要もあります。今後,民間企業における経営手法や他都市の事例に学びながら,昨日助役の方から答弁がありました行政評価をやっていく中で,個別の事務事業を市民の視点から評価・見直しをしていきたい,そういうふうに考えてございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 87 ◯議長(横山道弘君) 高山議員に申し上げますが,予定時間が来ておりますので,簡潔におまとめください。 88 ◯18番(高山晃一君) はい。それでは,市立幼稚園ですけれども,神戸市立幼稚園の保育といいますのは,保護者の方が送り迎えをしないといけないとか,私立に比べてかなり制約が多いと思うんですね。それにもかかわらず,これだけ応募が多いというのは,やはり神戸市立幼稚園の保育に対して,かなり市民の評価が高いというふうに私は認識していますので,ぜひ私立の連携とか協調とか,そういうこともあるんですけれども,いかにしてそういう市民ニーズにこたえていくかというところで知恵を絞っていただきたいなあと思います。  それから,ABCの方ですけれども,行政評価,これから構築していきたいということですが,神戸市の取り組みというのは,どちらかというと,サービスが提供された後の市民満足度とか,そちらの方にかなり力が入っているように思います。私が言うてるそのABCとかは,サービスが提供されるまでの部分でのコスト分析ということで,やはりこのバランスをとる必要があるんではないかなと思います。行政懇の報告書にも,一番最後のところに事業別コスト分析など,ちゃんと出てきていますので,今後の取り組みをしっかり私も見ていきたいと思っています。  以上で終わります。 89 ◯議長(横山道弘君) 次に,佐藤けん一郎君。  (36番佐藤けん一郎君登壇) 90 ◯36番(佐藤けん一郎君) 私は,自由党市会議員団を代表いたしまして,以下,若干ご質問をさせていただきたいと思うのであります。  まず,第1点は,市長など常勤の特別職員の退職手当に関してであります。  某全国紙が記事にしておりましたが,財政状態ワーストワン・ワーストツーの神戸・大阪が,市長の退職金はベストワン・ベストツー,これでは世間おさまりませんということで,東灘区の三木英明さん,西 恒夫さん,藤野由紀子さん,小出正代さん,西山千鶴子さん,伊東洋一さんなど,多数の市民の方々から是正を求める請願が提出をされ,その審査が去る11月22日総務財政委員会で行われたわけであります。  その審査の中で,市当局は,市長などの退職金に関する条例は誤解を招く点もあるので,訂正したいと申し出られたわけでありますが,どのように訂正をされるのか,明確になっていないのであります。職員団体──職員組合といいますか,職員組合との関係もあるのかもしれませんが,納税者たる市民との関係もあるわけでございますから,早急に作業を進めていただかなければならないのであります。  私たちの計算では,1期当たりの比較でございますけれども,市長に対する退職金額は,12大都市で最頻値─一番多いところ。最頻値は 4,360万プラス・マイナス 110万で,この幅の中に6市が入ってくる。  そこで,現在の段階,今日の段階では中の下というような穏やかな目安もあるわけでございますから,本日は少なくともそのあたりのめどを当局としておっしゃっていただけないか。これで12大都市の中での位置づけが常識的におさまるわけでありまして,そして財政状態ワーストワンということとの市長の実績といいますか,そういうものとの関連については,それこそ明年2月市会までにじっくりお考えいただいて,市民に受け入れられる案をつくって,来年2月市会にご提案をいただきたい,このように思うわけであります。  なお,一般の職員との関係でありますが,余計なことを計算したのかもしれませんけれども,市長が最高であれば,一般職員も12大都市で最高ではないか,こう思っておりましたが,どうもそうでもないようであります。  平成10年,11年,13年の3年間の実績支払額,市民1人当たりの負担額という視点で計算をし,比較をいたしますと,最高額は大阪,市民1人当たりの負担額は1万 3,480円であり,次いで北九州,川崎,京都と来て,我が市は第5位, 7,063円であります。  したがって,一般職員との関係,要するにいろんな団体交渉や何かあるのかもしれませんけれども,それにかかわらない範囲での市長の退職金については引き下げが可能ではないかというふうに思いますので,念のため申し上げ,早急な作業をお願いいたしたい,このように思うわけであります。  質問の第2は,外郭団体の抜本的な見直しということで創設された経営評価委員の選任に関してであります。  これは,平成9年の地方自治法改正に伴う外部監査制度の導入との関係もあるでしょうけれども,主たる原因としては,神戸市行財政改善懇談会の報告を受けて,市外部の有識者による分析・評価ということでの制度創設でありますけれども,外部の有識者という以上,地方自治法第 252条の28第3項の規定に準じて選考すべきであると考えるのであります。  ところが,私の手元に,地方自治法施行令第 174条の49の22に規定する非適格者──適格者ではない。非適格者。そこに規定されている非適格者が委員に選任されているとの話が届いているのであります。  私も外郭団体特別委員会の委員をした経験がございますけれども,地方公営企業法に規定されている地方公営企業との比較で1つの大きな特徴は,外郭団体,支払項目の種類が極めて少ない。地方公営企業は50項目を超える支出の種類が地方公営企業法施行規則の中に表示されているのに,外郭団体は任意設立ということもあるのかもしれませんけれども,実際に当市の外郭団体特別委員会に出されてくる資料を見ますと,支出の項目数は1項目とか2項目とかということで,10分の1以下であります。外郭団体とは何なのか,大きな疑問を抱かざるを得なかったのを覚えているのであります。  それだけに,このたびの外郭団体の経営評価委員会の創設には,それなりの関心を持っていたわけでありますけれども,地方自治法上,外部監査人の非適格者が委員に選任されているということであれば,これは形ばかりを整えた──法的な義務はございませんけれども,任意の設立団体ですから,法律的な義務はないのかもしれませんけれども,形ばかりを整えただけではないかと言わざるを得ないのであります。  任意に創設された委員会ではありますけれども,殊さらに外部の民間の専門家と大きく表示をされているわけであります。このあたりについて,当局のご見解をお尋ねいたしたいと思います。  質問の第3は,神戸市道路公社の路線利用料金に関するものでありますけれども,答弁の時間もあるわけでございますので,明日の建設局の決算審査でお尋ねをいたしたいというふうに思います。ご了承いただきたいと思います。  また,昨日・本日と男女共同参画法に基づく条例の問題が,先任議員の方からいろいろと出ていたわけであります。男女,機会は均等,その機会均等の実現の中での男女双方がお互いを尊重し,相協力して,この人間社会をよりよい内容のものに構成していく,築き上げていく,そのような内容となるよう,ゆめゆめ結果均等を強制されることのないよう要望をいたしまして,私の質疑を終えたいと思います。  ご清聴ありがとうございました。  (「議長」の声あり) 91 ◯議長(横山道弘君) 岡田行財政局長。 92 ◯行財政局長(岡田耕作君) 市長等の退職手当につきましては,現在その手当額は,常勤職員としての退職手当として,神戸市退職手当金条例第9条により,また特別職の加給分として特別職の職員で常勤のものの給与に関する条例第5条第1項により,それぞれ条例に規定されてやっておるわけでございます。  せんだっての常任委員会で,現在の条例の立て方が今申し上げましたように2本になっておるということで,そういうことで今回是正するときには,その条例の立て方も1本にしていきたいということで,私なりの考え方で明快にお答えをさせていただいたというふうに考えてございます。  なお,額の問題につきましては,そのときにもお答え申し上げましたが,現在国におきまして,退職手当の見直しの動きがあるわけでございます。また,他都市の動向も考慮する必要があるわけでありまして,そういう状況も踏まえた上で考えていって,来年の予算市会に議会にお諮りさせていただきたいと申し上げたわけでありまして,そのとおりで,現在も変わってございません。  なお,先ほど職員の退職手当を市民1人当たりで割られたのはいかがかなという感じが──率直に申し上げまして思ってございます。職員が半分になったら退職手当倍でもいいんかということにはならないと思っておりますので,いかがなものかなという感じがいたしております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 93 ◯議長(横山道弘君) 大麻企画調整局長。 94 ◯企画調整局長(大麻博範君) 外郭団体の経営評価委員について,お答えを申し上げたいと思いますが,ご案内のとおり,今回この委員を選任いたしましたのは,先般の行財政改善懇談会から報告を受けまして,民間の専門家による外郭団体の経営評価あるいは助言と提案をいただくということで創設した制度でございまして,去る11月15日に発足したところでございます。  その委員でございますが,いずれも企業経営に精通した民間の方3名にお願いしてございまして,お1人は公認会計士の方,さらにお1人は経営コンサルタントの方,さらにお1人はマーケティング論専攻の大学の教授にご就任をいただいておるところでございます。  その委員の活動内容でございますけれども,市長の要請に基づきまして,外郭団体の経営状況等を調査いたしまして,単なる法令上の,あるいは会計上の審査ではございませんで,経営面での評価・助言・提案を行うということでございます。  具体的には,それぞれ各委員が各団体を直接ヒアリング調査いたしまして,その調査結果に基づきまして各団体の経営評価を行いまして,そしてその結果を市長の方に助言・提案をいただく,こういう制度でございます。  そして,議員ご指示のありました外部監査委員制度でございますが,これはご案内のとおり,平成10年に自治法の改正によりまして施行されてございまして,私ども平成11年度から導入してございます。この制度は,長が契約いたしました包括外部監査人が必要と認める特定の事件について財務監査を実施する,こういうことになってございまして,その結果は議会・長・監査委員等に提出すると,こうなってございます。  ただ,その外部監査人につきましては,おっしゃるとおり欠格条項がございます。当該地方公共団体の職員であった者ということを除外してございまして,これは外部監査人制度が独立性を担保する,こういうふうに解されているわけでございます。
     そういうところから,議員ご指摘の今回の人選については,市の職員であった者は非適格にすべきではないかと,こういうことかと思います。確かに3人の委員の中には,元市の職員であった者がおります。それは当初から承知の上で,今回委員に就任を要請したものでございます。  それは,先ほども申し上げましたように今回の経営評価委員は,自治法上に基づく監査制度でもございませんし,先ほど申し上げましたように法令上・会計上の監査をするものではなく,外郭団体の経営面についてのいろんな助言・提案を市長に対して行っていただくというものでございまして,独立性を担保されました外部監査委員制度とは性格を異にしているものでございます。  そういうことでございまして,懇談会の趣旨にもありますように,企業経営や外郭団体の実情に精通した,現在民間の方にお願いするべきものということで人選をした次第でございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 95 ◯議長(横山道弘君) 佐藤議員に申し上げます。  予定時間が過ぎておりますので,簡潔におまとめ願います。 96 ◯36番(佐藤けん一郎君) まず,市長の退職金の──市民1人当たりの負担というのはいかがなものかと,こういう見解が出されたわけですけれども,我々の方には何人やめたかという人数なども全く知らされてないわけですから,金額は,これは自治省の出している「市町村別決算状況調」でもって出てくるわけですから,比較をしようと思えば,やはりボリュームとしては市民の数と,これに合うた形で市民税だとか固定資産税だとか,いろんなものが負担をされているという前提の中での比較でありますから,ひとつご理解を賜りたい。  それから,外郭団体経営評価委員の件でございますけれども,外郭団体の抜本的な見直し・経営改善を推進するため,民間の専門家によると,こう堂々と打ち出しているんですから,そうであれば,少なくとも法が禁じている非適格者でない方々だって,たくさん民間に専門家いるわけですから,その中から選ぶべきではなかったのか。意見として申し上げておきます。  以上,終わり。 97 ◯議長(横山道弘君) 以上で質疑は終了いたしました。  この際,お諮りいたします。  本件は,議員45名をもって構成する決算特別委員会を設置し,これに審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 98 ◯議長(横山道弘君) 異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。  なお,決算特別委員会委員は,委員会条例第6条第1項の規定に基づき,議長より指名いたします。  委員の氏名は,事務局が朗読いたします。  (梅村市会事務局議事課長朗読)  ──────────────────  決算特別委員会委員   小林るみ子君   山田哲郎君   松本 修君   溝端和比己君   向山好一君   崎元祐治君   金澤治美君   松本則子君   浦上忠文君   恩田 怜君   赤塚恵一君   大澤和士君   守屋隆司君   安達和彦君   吉田基毅君   池田林太郎君   白井洋二君   本岡節子君   森脇英雄君   亀井洋示君   桝田伸二君   佐藤けん一郎君   米田和哲君   佐伯育三君   平野章三君   浜崎為司君   大野 一君   安井俊彦君   土居吉文君   田路裕規君   三好道夫君   西下 勝君   原 和美君   大西きよじ君   植中 進君   藤森万也君   藤本浩史君   村岡 功君   北山順一君   長谷川忠義君   荻阪伸秀君   浜本律子君   田島俊三君   森原健一君   堀之内照子君  以上45名。  ────────────────── 99 ◯議長(横山道弘君) 以上で決算特別委員会委員の指名は終わりました。  ただいまご指名申し上げましたとおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 100 ◯議長(横山道弘君) 異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 101 ◯議長(横山道弘君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際,申し上げます。  この後,直ちに決算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は28階第4委員会室にお集まりを願います。  本日はこれをもって散会いたします。   (午後4時40分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...