ツイート シェア
  1. 神戸市議会 1999-02-24
    開催日:1999-02-24 平成11年第1回定例市会(第3日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午前10時3分開議)  (長谷川議長議長席に着く) ◯議長(長谷川忠義君) ただいまより本日の会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 予算第1号議案より日程第52 第27号議案に至る平成11年度神戸市各会計予算並びに関連議案,合計52議案,一括議題に供します。  昨日に引き続き質疑を続行いたします。  69番吉田多喜男君。  (69番吉田多喜男君登壇)(拍手) 2 ◯69番(吉田多喜男君) 私は,こうべ市民連合議員団を代表して,平成11年度神戸市当初予算並びに関連議案について,市長並びに関係当局に質疑をいたします。  まず,予算案に対する基本的な評価と笹山市長の今後の市政運営についてであります。  大震災から5年目の節目に当たる年度の予算として,平成11年度予算は一般会計が2年ぶりにプラスに転じるなど,笹山市長の,21世紀に向け早期に神戸の本格復興をなし遂げたい,そのための道筋をつけたい,この強い意欲がうかがえるところであります。特に30年来の課題でありました神戸空港建設に 378億円の本格予算が,市会決議のとおり市税を一切使わないで初めて計上されたことは,高く評価するところでございます。  神戸空港については,空特委員長の報告にもありますように,市会が毅然として着工への意思を明確にしたことで,運輸省内部でも理解が深まり,ビジネスジェット機国際チャーター機への対応ができる拠点空港として,大いに期待が強まっているところでございます。今後も着実な事業執行を強く望むところでございます。  一方,予算編成の大きい柱として取り組まれた不況対策も,厳しい財政事情にある自治体として限界はある中で,精いっぱいの努力がされております。個々の施策が目的を十分発揮できるよう万全の取り組みを求めたいのであります。  こうべ市民連合として,笹山市長のこれまでの努力を多とし,改めて評価をいたしたいところであります。  復興計画は,おおむね5年以内とそれ以降の5年間の2段階として,平成11年度の予算審議を通じて前期5カ年の総括と検証を行い,残された課題については,政府に強く要望していかなければならないと思うのであります。  政府の復興本部は,来年2月に解散することになっているように承知をいたしておりますが,阪神大震災の体験が,予想以上の速さで風化しつつある状況の中で,今後の課題を明確にし,これを引き継ぐことで確実に実行への道筋をつけてもらいたいのであります。このことについては,昨日三好議員の質問と重複するところがございますが,改めてお伺いをいたしたいのであります。  緊迫する市財政問題については,直ちに現金化できる基金は,今次予算編成で底をついた中で,公債費の危機的な増嵩など,文字どおり後がない財政危機に直面しているところでございます。  一方,高金利債の借りかえなど,神戸市の財政危機を打開するために国の特段の支援措置を引き出すことができ,県・市の協調も財政措置に組み込んだ新しい局面を迎えたことは,まことに朗報と言わねばなりません。  いたずらに悲観することなく,新産業育成や神戸港規制緩和の成果に期待するとともに,市長以下行政,議会ともに一体となって,一層の内部努力と創意工夫を図り,この難局を乗り切るべきだと思うのであります。このことをしかと受けとめていただきたいのであります。改めてこのことを強く要望いたしておきます。  さて,公共事業の地元企業への発注についてであります。
     小さい問題にも割に気を配った思いやりのある予算案でありますが,その思いやりが,その意図のとおりに不況に苦しむ市内の現場に本当に浸透していくのか,これが問題であります。予算計上の目的・意図がわかっていながら,果実を他に持って行かれ,事業者である市民の期待外れになるのは,まことに困ると言わねばなりません。  不況対策として市長が掲げられた予算は,新規施策である短期無担保融資も含めて 174項目, 3,208億円であります。毎日の資金繰りに苦しむ市民にとって,市の予算は砂漠にオアシスを求めるがごとくに最も期待感が強く,予算を編成した側にとっても,ありとあらゆる努力をした上で,必死の思いで編成した予算だと思うのでございます。だからこそ,市はプレミアムつきの商品券を全国最大の規模で発行してでも,市民の消費を市内の商店街・市場に吸収し,少しでも活気を戻そうとしているのだと思うのであります。  このことは,地下鉄海岸線に代表される公共事業のあり方についても,同じことであります。土木・建築など市の発注する公共事業をいかに市内の景気浮揚に効果あらしめ,雇用に結びつけるか,このことが古くて新しい課題でありますが,今最も問われている緊急かつ重大な問題であります。  予算書にも毎年地元企業の受注機会の確保はうたわれておりますけれども,今まで当局の姿勢を見ている限り,この趣旨がしり抜けになっているにもかかわらず,穏やかな表現でないかもしれませんけれども,対策に手をこまねいて,何もやらないで見ているというのが実態ではないでしょうか。地元企業への発注工事の規模拡大,技術力の評価,いずれを見ても,地元企業を育てようという意欲が伝わってこない。下請企業の地元優先,資材の地元購入に至っては,紙切れ1枚の指導だけではないか。  震災直後は,復旧優先で市外企業,大手建設会社への依存はやむを得ない面もあったとしても,4年たった今日もそのままルーズに続き,関係者は市政への信頼を大きく失っているのが実態であると申し上げて過言ではございません。指摘をすれば,市の幹部は,やっております,わかっておりますと連発をするけれども,具体的に是正されたためしが本当にないではありませんか。  私は,今の契約方法なり構造自身が問題だと思うのであります。私たちの血のにじむようなこの血税である市の予算を,市内の企業に還流させるという当たり前のことができないのであれば,契約の締結時にもっと厳格にペナルティーを含めた効果ある措置を講じるべきではありませんか。  今回,空港建設予算が 378億円計上されておりますが,こうした大型プロジェクトでも,あらゆる段階で絶えず地元企業を優先し,雇用確保と地元企業の飛躍への機会を提供することが自治体の責務だと強く申し上げたいのであります。必死で頑張っている地元企業が,きょう倒産するのか,あすは危ない,こういった厳しい状況の中でうめいているのが現実であります。予算を雇用に直結させる意気込みが欲しいのであります。  市民みんなが,市内の企業に元気になってほしい,雇用を守ってほしいと願っている今日,市長は公共事業の地元企業への発注についてどのように考えているのか,どう改善しているのか,改めて市長に問いたいのであります。  次に,国際マルチメディア文化都市──KIMEC構想についてお尋ねをいたします。  雇用を直接喚起するこれまでの道路・港湾などに対する公共事業と並んで,今日一番経済的な波及効果が期待できるのは,情報通信産業関連への投資だと思うのであります。震災前,平成6年に発表されたKIMEC構想には,我が会派として大いに期待し,アニメーションに代表される映像関連産業の集積など,政策提供を積極的に行ってまいりました。こうした意味で今回,株式会社デジタル情報企画へ増資し,KIMEC構想の中核的組織として事業会社化に踏み出すことで,足踏みしているキメックワールドが実現に向かうことを大いに期待したいところであります。  今,世界で一番コンピューターネットワークが進んでいるのは,人口当たりのサーバーの設置台数から見ますと,北欧のフィンランドがトップで,2番がアメリカ,そして日本は何と20番目だと言われております。日本の自治体レベルでコンピューターネットワークの順番をつけたときに,郵政省の情報化指数調査を調べてみると,神戸は全国で2位にランクされておるようであります。  このような高い評価を得たのは,震災後いち早く郵政省が 115億円の補正予算をつけて,郵政省の特殊法人である通信・放送機構──通称TAOが,平成8年6月,神戸リサーチセンターを発足させ,全国に群を抜く情報インフラとして,市内に全長53キロ,六甲アイランドからポートアイランドを経て西神中央に及ぶ光ファイバー網を敷設,高度情報処理システムなどを整備した結果であります。  この全国的に羨望される情報インフラを活用した研究開発実験も,平成11年度で終了し,後の活用は神戸市の手にゆだねられるわけであります。私たちは,この情報インフラが市民のために,市の活性化のために活用されることを強く願っているところでありますが,ただいまのところでは,具体的な成果・活用事例について定かではありません。陳腐化が早い情報インフラだけに,役所間の折衝のペースでは,せっかくの情報インフラがむだにならないかと心配をしているところであります。  そこで,以下3点についてお伺いをいたしたいのであります。  1つ,KIMEC構想を構成する4つの核プロジェクトの進捗状況はどうなっているのか。いずれも民間の協力が不可欠だが,長引く不況が民間企業の投資意欲を減退させているのではないか。神戸市として,KIMEC構想は神戸空港と並ぶ最優先プロジェクトであることを示し,メディアポート神戸を内外に強くアピールするべきではないか。  2番,それと同時に,民間企業というと,市はすぐに大手企業を頼りにするけれども,この際地元で頑張っているベンチャー起業家の意欲にこたえる手法を積極的に検討するべきではないか。  3つ,光ファイバー網など高度情報設備機器の神戸市への譲渡見通しと,譲渡後の具体的な活用策,例えば医療・教育等はどうなるか,宝の持ちぐされに終わらせないでいただきたいのであります。  4つ目は,キメックワールド具体化の見通しはどうなっているか,いつ開業の予定なのか,お伺いをしたいのであります。  次に,神戸医療産業都市構想についてお伺いをいたします。  今年度 6,000万円の予算が計上されておりますが,効果的かつ迫力ある事業の展開を期待したいと思うのであります。神戸空港が実現へのめどが立った今,先ほども申し上げましたように,運輸省高官もビジネスジェット機やチャーター便など,神戸空港の国際的運用に前向きに理解をし始めていると聞いているところであります。今こそ医療産業など国際的な新産業誘致,神戸経済変革のチャンスととらえて,積極果敢な行動をとるべきであります。  年明け1月から,米国を中心に外資系企業誘致に向けて積極的な取り組みをされ,見るべき動きがあったというふうに仄聞をいたしておりますが,それらに対応するポイントは,かねて言及しておりますように,また昨日の平野議員が指摘いたしましたように,スピードであります。それも意思決定と行動にかかるスピードでございます。日本の自治体のスローペースと,外資系の巨大企業の行動様式は絶対に相入れないということを厳しく認識するべきであります。  そこで,2点についてお伺いをいたします。  迅速機敏,海外事情に対応できる執行体制の確立についてでございます。これは直接職制をさわらなくてもできると,私は考えているところであります。横断的に関係局の頭脳を結集した,市長直結のプロジェクトチームをつくり,情報の収集,意思決定の迅速化を図るべきであります。それが市長を先頭にしたトップセールスと結びついたときは,極めて大きな効果を発揮すると確信をいたしております。この点について,市長自身の判断と決断を促したいと存じますが,いかがでしょうか。  さらに,昨年秋,市長が神戸医療産業都市構想を発表されて以来,国内外からの聞き合わせが数百件に及んでいると聞いております。このような各方面からの関心が高まっている現在,神戸市からの情報発信,特に海外を含むメディアに積極的に発信するべきではないかと思うのであります。  2つ目,新産業関連企業,とりわけ外資系企業の誘致を促進するために,これまでのインセンティブ策に続く強力な第2弾について,今から検討するべきであります。通産省をはじめ関係省庁の理解と支援を得るよう全力を挙げ,神戸市の悲願であるエンタープライズゾーンを実質的に実現することを展望するべきであります。見解をお伺いいたします。  次に,県・市協調事業の拡大についてであります。  平成11年度の予算で特筆すべきことは,長年の課題であった県・市協調が,具体的な施策を伴って一挙に進んだことでございます。国・県・市が協調した北神急行料金値下げ支援,北神急行の利便性・安全性向上に対する支援,市による県の神戸電鉄複線化事業に対する利子負担,そして県による神戸市営地下鉄西神山手線建設費償還に対する補助2億 2,400万円が実現いたしました。いずれも県・市のトップの大きな決断によるもので,これにより兵庫県と神戸市は新しい,望ましい時代を迎えたと言えます。私たちは,これを好感を持って迎えたいのであります。  特に神戸電鉄複線化事業でとられたような,県の起債に市が利子補給をする方法は,市の財政状況が極めて厳しい中での特例的な措置とはいえ,県・市協調の大きい前進の象徴とも言えるものではないかと思うのであります。  そこで,これを契機に,神戸空港をはじめとする神戸市の大型プロジェクトはもとより,福祉・環境などの分野でも新たな発想で県・市協調を展開させ,円滑に進むように取り組んでいくべきであります。その観点から,今後の多様な県・市協調の展開について,基本的な考え方をお伺いいたしたいのであります。  次に,垂水に誘致されました掖済会病院についてでございます。  神戸市が,垂水区学が丘で進めてきた掖済会病院の移転・新築が,昨年現地着工の運びとなり,垂水区内に公的病院誘致を求めてきた立場からすれば,大変望ましいことでございます。掖済会病院は,もとが海員関係の病院でもあり,市民に公的病院としての認知がそれほど進んでいるわけではございません。区民が待望していた市民病院並みのサービスを確保するためには,バス路線などアクセスはもとより,病院運営についても,神戸市側からのかなりの強い働きかけや助成が必要であると考えるのであります。  私は,掖済会病院には,垂水区民23万人の人口規模にふさわしい地域中核病院としての機能を求めたいのであります。また,救急部門についても,現状の2次救急輪番制病院の1つとしての役割だけではなく,小児科・脳神経外科を充実させた救急部門の整備が不可欠だと考えているのであります。市民の命を守る自治体として,政策医療に係る分野についても強力なサポートをして,準市民病院としての機能を確保するべきだと思うのであります。公的病院を誘致してきたから,市の役割はこれで終わりというような考えでは困るのであります。見解をお伺いいたします。  次に,介護保険についてお尋ねをいたします。  いよいよ来年4月に実施が迫ってまいりました介護保険は,21世紀初頭の市民生活に大きな影響を及ぼす大事業であり,神戸市にとっても 500億円規模の事業になると予想されております。事業の円滑なスタートを願う立場から,最大の課題である介護サービスを担う基盤サービスの拡充を強く要望するとともに,介護保険そのものの意義,仕組みと,サービスを受ける側の人々──お年寄り,家族にもっと理解していただく必要があることを指摘いたしたいのであります。  以下,3点についてお伺いをいたします。  要介護認定の全国モデル事業の結果に対して,自治体の現場から多くの意見が出ております。認定された5段階評価──実際は6段階のようでありますけれども,家族が実際に必要と思う介護サービスとの間に整合性がない,実態と合っていないとの声が多いのであります。また,介護者の男女差,家族構成,介護保険法第27条で言う要介護者の置かれている環境が,全国のモデル事業の結果では反映されていないとの指摘がございます。  神戸市でも,昨年9月30日から12月末までの間に 865の事例について,モデル事業が実施されました。要介護認定の判定結果に対する家族や本人の満足度はどうであったのか,大いに注目されるところでございます。  要介護認定の妥当性は,申請の窓口はもとより,十分な訪問調査を通じて家族らの声を反映させることで高まり,それによって85項目の調査項目と特記事項を入力したコンピューターシステムが,より信頼できるものになるのではと私たちは思うのであります。要介護者の置かれている環境がさまざまな中で,それを介護認定にどう反映させるのかということも,これからの難しい大きい課題だと思うのであります。  基盤整備では,当局の努力により,政令指定都市の中で上位にランクされるまでになっております。さらに,要介護認定でも,神戸市は全国一だと言われているように,努力をさらに重ねていただきたいのであります。そうした観点から,要介護者の置かれている環境など,要介護認定が実態に即した正確な判定ができるよう取り組みを強める必要があると考えているのであります。見解をお伺いいたします。  2つ目,現在検討が進んでいる在宅サービス利用者の要介護度別人数の測定の前提・根拠はどうなっているか,見解をお伺いいたします。  3番,介護保険は,申請・調査・給付が別々になることが考えられておりますが,要介護者本人や家族の立場から見て,できるだけ窓口を一本化するべきではないでしょうか。申請・調査・給付のそれぞれの段階で,家族が同じことを繰り返して申し上げなければならないというようなことでは困るのであります。  次に,コンピューター教育についてであります。  我が会派が,予算要望の最重点としてまいりました教育予算の伸び率が,財政困難の中で 1.8%確保されました。決して大幅とは言えませんけれども,市長以下の教育重視の姿勢が反映され,頑張った結果と理解するものであります。  今,世界の指導者がこぞって挙げている,政治的な課題の最重点に教育を挙げ,取り組みを強めているときに,神戸市の教育予算を他局と同じように一律に削るようなことは,いかなる場合でもしてはならないと思うのであります。教育は市民の財産という思いで,今後も教育神戸を市政の看板にする気迫で頑張っていただきたいのであります。  そうした立場から,コンピューター教育について伺いたいのであります。  KIMEC構想でも言及をいたしましたが,情報関連産業への投資が生み出す経済効果は,在来の公共投資に,数値的には倍ほどの需要創出効果があることが明らかにされております。先般お会いいたしました通産省の幹部の方々のお話を伺いますと,この通信情報産業は 2.7%ぐらいに回るというふうに言われております。アメリカが好景気が長続き,持続しているのも,情報関連産業の伸びとともに,それを学校における情報教育が支えていることが大きいと言われております。それも,高度情報機器への対応能力を身につけるには,13歳までの早期コンピューターの教育が必要だと言われております。  教育について,各都市がそれぞれ工夫を凝らして,特色を出そうと必死に頑張っている中で,私は教育神戸のこれからの柱にコンピューター教育を置くべきだと考えております。現在でも,コンピューター教育にかなり力を入れておられるようでありますけれども,それでも現在小学校に設置されているコンピューターの台数は12台だそうであります。ちなみに文部省の基準は22台ということになっておるようであります。  さらに徹底を期すために,以下2点についてお伺いをいたします。  基本となる通信回線を抜本的に増強・充実し,従来の学校園の視聴覚教室などの情報機器・設備を一新する必要があると考えますが,いかがでしょうか。  コンピューター教育を前提にした人材配置を急ぐべきだと考えるところでありますが,いかがでしょうか。  以上をもって私の質問は終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 3 ◯議長(長谷川忠義君) 笹山市長。 4 ◯市長(笹山幸俊君) 吉田議員のご質問に,まず私から数点お答え申し上げます。  まず,今後の震災復興の取り組み等についてでございますが,ご指摘がございましたように,この震災の期限というのがございまして,これは基本方針及び組織に関する法律というのがございますが,それの附則に,法の施行から丸5年ということで,平成12年の2月23日で失効ということになってございますので,当然復興本部も解散ということと伺っております。  そういった問題が既にわかっておりますので,私どもにしましては,当初つくりました復興計画の完全達成というのを最大の重要課題として取り組んでまいりました。この必要な事項というものがございますので,これについてまだ未解決の問題については,それぞれ復興特定事業なりあるいはそういった事業化に向けてをひとつ決めていただきたいということで,引き続き国に支援を求め,また制度をつくっていただく,こういう立場で現在も来ておりますし,もう既に説明にかかってございます。  そこで,政府は,解散までに当然この総括・検証ということもしなければいけないということも十分承知をしております。そういった問題について,この7月概算要求までにある程度の方向づけをしていこうということについて,既に話が進んでおりまして,私の方としましては,事前にやることが実はございます。内部の調整と県との調整,また各省でございますけれども,本省の方の各省に事前に説明をするということが現在ございますので,こういったことについて今,手続あるいはそういった説明にかかっております。そういうことによって,まとめる段階で復興本部がそれぞれについて意見を聞き,またそれの実施の方向づけをするというやり方になってございますので,私どもとすれば,やはり復興本部はそれぞれの分野について,今後解散後も引き続いて支援をしていただく,また支援が得られるというようにしていただきたいということをお願い申し上げております。  ですから,この5年目は,そういう意味では非常に大事な時期でございますので,当然この復興計画の総点検をやりながら,それぞれの分野で可能な問題,あるいは現状ではできないという問題,こういったものの振り分けをやりまして,今後の仕事の完全完成を目標としていきたい,こう思っております。  ということで,そういった問題を今後,復興の進捗に歯どめがかからないようにということがございます。そのためにも,議会の先生方にはぜひご支援を賜りたい,こう思っております。  それから,医療産業都市構想の問題でございまして,この問題につきましても,今後の大きな課題として神戸が将来,いわゆる都市構造あるいは産業構造の変化の中で一番最適と思われる事業ではないか,こう思っております。  既に一般的にはこの集積といいますか,そういったものがございます。これは何かと申し上げますと,まず健康という問題から入ってまいりますので,現在では国連のアジア情報センター,これも都市と健康ということになっております。それから,WHO神戸センター,これもそういった意味では同一でございます。それから,私どもがそれを受けてアスリートタウンということを言っております。これはやはり健康を重視した1つの施策でございますので,こういった問題を受け入れるためには,やはりそのこと自身だけではなくて,それに関連する企業がございます。これは非常に大きなシェアを持っておりますので,そういった企業は神戸にとっては非常に有利な形になるんではないかと思います。これはそれぞれ中小企業の方々,特に機械金属の方々で,現実にそういう仕事をしておられる企業がございます。非常に技術も高うございまして,海外からの注文も多いという企業もございますので,こういった方々を含めて,神戸が持っておりますそういった技術を高めていくということが,この医療産業都市構想の大きな柱に実はなってございます。  そういうことと,この立地,なぜ立地をしていただきたいかということは,この成長産業について,それぞれ立地条件というのが彼らにはございます。例えば陸・海・空の交通ネットワークが非常にいいということが1つ,それからそれに情報インフラができ上がりつつある,こういった問題がこの先端産業,特に医療技術の研究・開発,あるいは普及拠点,こういったものを整備する上で,国内外から医療企業のあるいは材料あるいは研究者,こういった方々が非常に神戸に集まりやすい,こういうことでございます。少し離れますけれども,西播磨のスプリングエイトなんかは,その最たる機能を持っていると思います。そういったことが非常に手近に,身近にあるということが,非常に立地条件としては高いんではないか,こういう考え方にあります。  ですから,具体的にじゃどういう方法で,どんなものをつくっていくかということでございますが,既に申し上げておりますが,井村中央市民病院の院長を中心にしまして,今懇談会をやっております。これは京阪神の国立大学の医学部あるいは循環器病センター──これは国の施設ですが──の先生方にお寄りいただいて,その枠組みといいますか,産業と治験とよく言いますが,そういった問題をやる,そのためには中核的なものが必要である,こういうところまで行っておりますが,これの最終報告をこの3月29日の3回目の懇談会でいただこうとしております。その基本的な枠組みというものを具体的にする1つの手がかりとして今後進めていこうと,こう思っております。  ですから,この構想の具体化は,少なくとも事前に海外の医療あるいは教育機関と,それから関連の企業の誘致が非常に大切でございますので,今後できるだけ早くこの趣旨,目的,中核施設の提案の具体化と,それとそれを具体的な情報発信ができるようにしていきたい,こう思っております。ですから,平成11年度に予定しております懇談会の枠組みを根拠にしまして研究会を持ちます。これは相当具体的になると思いますが,その中核施設あるいは医療機関とのネットワーク,あるいは国内外の企業の誘致,こういったものがここに入ってきておりますので,ご指摘がございましたように当然いろいろな規制がございますけれども,柔軟に対応していけるように努力をしたい,こう思っております。  こういった機関は,先ほど申し上げました技術の方の問題として,例えば先ほどのような機械金属等,いろんな技術を持っておられますが,そういう面でのNIRO──新産業創造機構がございますが,それが今そういうことをやっております。それから,その中でも既に医療機器をつくりつつあります。アイデアですね,そういうものができ上がりつつあります。これはアメリカのMITなり,あるいはイギリスのケンブリッジなりの先生が来て,直接神戸で研究をしていただいておりますので,これとよく似たようなタイプになるんではないかな,こう思っております。  ですから,今後海外とのつながりを強めるためには,そういった人材が神戸に来る,その来るのにはそれだけの基盤がある,こういうことでなければだれも来てもらえません。ですから,そういった基盤づくりを進める,こういう考え方でございます。  ですから,そのときに神戸に来ていただく施設のインセンティブを考えるということの中に,エンタープライズゾーンというのが当初復興計画の中で議論になりました。当然そういう制度がないと,皆さんにはすぐにはいと言うわけにいかないという状況でございますし,また国によっては,その条件が違うということも実はあります。そういうことがございますので,この問題については,国の方に再三申し上げておりますけれども,非常に難しいということが言われております。しかし,それにかわる制度を県・市協調して,現在ポートアイランド2期,いわゆる起業ゾーンという名に変えまして今やっているのが実情でございます。ですから,この起業ゾーンについて,それぞれ優遇措置をしていこうということでございます。  ポートアイランド2期の中身ですね,土地利用について多少問題がございますので,今までは生活・文化,あるいは情報通信,国際化,集客,物流,こういう5つの分野を対象としておりましたけれども,今回拡大をしまして,外資系の企業,国際化と関連をしてそういう少し緩和をしたらどうかというようなことを申し上げ,また税の軽減,こういったものもやっていこうとしておるところでございます。六甲アイランドあるいはポートアイランドには,もう既にジェトロの関係の外資系への支援をしていただいております。また,国際会館に入っていただくために,いわゆるワンストップサービス,こういうものも考えております。最近,近畿通産局が中心となりまして,関西対日投資促進会議ということで,外資系の企業の誘致体制が整備されつつございます。それから,神戸シティーセールス推進協議会の中で,外資系の企業を現地説明をさせていただいております。また,ことしの終わりぐらいか,あるいは中ごろとなりますが,ビジネスマッチングといいまして,シアトルあるいはサンディエゴ,こういった西海岸の方々が神戸においでになります。それで神戸の企業と話し合いをしていただく,こういったことが現在計画をされております。  ですから,エンタープライズゾーンの中で,これを拡大解釈をしていただけたらということが1つ大きな問題でございますが,1国2制度ということで,非常に難色を示されておりますが,しかし新たな発想の転換をして国に要望していく必要があるんではないか,こう思っております。ですから,特定のゾーンを決めて,そこに重点的に誘致するという1つの方法ですけれども,国際経済拠点というような名前でやっていったらどうかということを考えております。  そういうことで,現在兵庫県を中心にしまして,大都市圏の自治体で共同研究をしておるところでございますので,こういった問題もよく見ながら進めていきたい,こう思っております。  それから,県・市協調の問題でございますが,ご指摘がございましたようにいろいろと県・市話し合いの中で,過去からいろいろと協議機関がございます。県・市幹部会がございますし,また県会オール神戸会の先生方にも,今回は非常にご理解をいただいて支援をしていただきました。お礼を申し上げたいと思います。  ですから,今後1つの方法として,どういう方法をとるか,またどういう内容のものを県・市で協調して進めるかということなんですが,今回この北神急行の問題は別にしまして,それ以前に,例えばHAT神戸については,基盤事業は神戸市と住宅公団でやりますと,そのかわり上物については県でやってくださいと,それからポートアイランド2期については神戸市が主としてやりますと,こういう役割分担を既にやってきておるわけです。しかし,問題があれば調整をすると,こういうことになっておりますので,そういう意味では非常に協力をしていただいておる実例としてあります。こういったことが今後,たくさん問題が出てくる場合があり得ると思いますので,この点につきましては,十分県・市協調の体制をつくっていきたい,こう思っております。  それから,掖済会病院でございますが,これも長年懸案の事項でございまして,昨年の12月に着工することになったわけですが,完成は平成13年ということになります。病床その他については,それぞれ医師会等との話し合いの中で, 317床で,診療科目は17診療科の予定と聞いております。ですから,新しい病院の診療機能あるいは病診連携あるいは救急医療についても,それぞれ関係の皆さん方と協議を続けていただいております。  移転後についても,当然でございますけれども,救急機能も,従来から参加しております2次救急の病院群輪番制の中で,脳神経科あるいは循環器系のいわゆる当番回数の増をやっていただくということが1つ,それから小児科輪番を新しく参加をお願いするということで,今話を進めさせていただいております。  こういった病院に対する支援については,基幹あるいは中核病院として,西の方は西神戸医療センターがございますし,また国立の神戸病院もございます。この3病院が1つの大きな地域を受け持ってもらいますが,それぞれ機能分担もしていただく必要がございますので,今後当然でございますけれども,お話し合いをさせていただこうと,こう思っております。  それから,病院へおいでになる皆さん方のための足の問題でございます。それは,あの場所はちょうど鉄道の中間,ちょうど真ん中ぐらいになりますから,バスしか今のところないわけでございますので,市バスと山陽バスの共同運行になっておりますので,それぞれこのバスのルート等について,多少検討しないといけない分があろうかと思います。というのは,バスが横づけできないようなルートになっておりますので,その辺の問題も今後出てこようかと思いますので,十分地元の皆さん方との話し合いを今後進めていきたい,こう思っております。その垂水のバスルートの再編については,今後それぞれ検討の対象になっておりますので,そういった中でいろんな施設を通過する場合のバスの運行状況というものを,今後十分検討させていただきたいと思っております。  以上,私からお答え申し上げました。他は助役等からお答え申し上げます。  (「議長」の声あり) 5 ◯議長(長谷川忠義君) 前野助役。 6 ◯助役(前野保夫君) 私から地元業者への発注,それから介護保険について,お答えをいたします。  まず,公共事業の地元業者への発注でございます。吉田議員は,地元企業への発注,幹部は口先だけといったご指摘がございましたが,私どもやっぱり本気で地元企業に発注しなければならないなと,そのためにどういった手だてをする必要があるのか,これは本気で考えていく必要があるということでございます。まず冒頭にそういったことをお答えさせていただきたい。  もちろん従前から,地元優先発注あるいは分離・分割発注あるいはJVの活用等による地元企業の受注拡大といったことはやってきたわけでございますが,特に最近では公募型指名競争入札,そういう大型工事の発注においても,可能な限り地元業者に限定した工事としたり,またJVの構成員に地元業者を必ず参加させるように条件づけをしたり,そういったことをしております。また,これも昨日もご答弁申し上げましたけれども,一般競争入札,これはなかなか地域条件を付すことはできないというのが本来でございますけれども,それでもやっぱり可能な限り地元業者の参加可能な条件を設定する,そういうことによって一層地元企業の受注拡大に努めているところでございます。  それから,吉田議員は特に技術力の評価あるいは規模の拡大,ランクアップ,そういったことご指摘がございました。私もやっぱりこういったことについては対応をしていく必要があろうと,これは率直に思っております。最近特に大手と地元とのジョイントといったような契約方法もしております。私自身は地元企業と話をするときに,やっぱり地元企業も大手のそういうノウハウをこの際貪欲につかむべきであるといったことをしょっちゅう言っております。地元企業にも努力をしてほしい,それで地元企業自身もやっぱりそういった技術力を身につけてほしいといったことを常に言っておりますが,私どもそういう中でランクアップにつなげていきたいというふうに考えております。  それからもう1つ,神戸市では,これまで神戸市の実績がどうかということだけで,なかなか指名に入れてもらえないといったような苦情をよく聞きますが,最近──これからは,国なりあるいは他の自治体,そういう実績も考慮をしていって,そういうことによってランクアップの機会が増大するように努めている,そういう状況でございます。それによってやっぱり規模の拡大にもつながるんではなかろうかというふうに考えているところでございます。  それから,下請として仕事が受注できるよう,これは元請に対し地元業者を優先的に使用することについて,これも吉田議員,紙1枚でといったご指摘がございましたが,どないいいますか,ペナルティーを含めた効果的な措置というのは,やっぱり請負契約の一般的な性格からして,なかなか難しいと考えております。ただ,そうはいいながら,今年度から下請の実態調査による施工体制の実態の把握なり,あるいはことしの1月からすべての下請人を記載するよう,下請人の届け出を改正いたしました。また,下請に地元企業を優先的に利用している業者の優先指名あるいはランクアップ,そういったことも考えてできるだけ,どういいますか,地元を優先的に使用する──してほしい,そういう手だてを講じているところでございます。  それから,空港建設,そういう大型プロジェクトにおける工事発注,地元企業を使うべきだといったご指摘がございました。空港発注については,どういう工事発注になるのか,まだ定かでございません。ただ,やっぱり額的には一般競争入札のような形になるであろうということは予測できるわけでございますが,私たちとしてはできる限り地元企業の参入が可能なように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  吉田議員ご指摘のように,今後とも地元経済の一日も早い回復のため,また一層地元企業の受注機会の拡大が図れるように努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから,介護保険でございます。これの実態調査で,なかなか家族や本人の意向が反映していないやないかといったご指摘でございます。やっぱり私ども介護保険制度,本人はもとより家族もよかったなと思うようなことを基本に,そのためにいろんな課題がありますが,今それを1つ1つ詰めているところでございます。  介護保険制度では,お年寄りの心身の状況,そういったものから介護の必要度を判定し,それに基づき介護サービスを利用することが基本とされているのは,ご案内のとおりでございます。要介護認定の前提となる訪問調査につきましては,調査対象者本人の心身の状況,それからその本人が置かれている環境についても調査をしなさいといったことが定められているところでございます。国から今現在示されている要介護認定基準には,やっぱり家族の状況なり,あるいは生活環境についての要素,これは今のところは含まれておりません。これはあくまでも本人自身の要介護認定基準ということだけしか含まれておりません。  ただ,私ども具体的なサービスの内容や量を決定するケアプラン,これを作成する段階では,こうした訪問調査の結果を十分に考慮して,特に在宅者の場合には家族の状況も反映させた適切な介護サービスが提供されるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  なお,介護保険制度では,公正・公平な要介護認定を確保するため,認定に先立って実施される訪問調査に従事する者は,これは法律上,公務員とみなされるほか,調査結果とかかりつけ医の意見書の両方でチェックが行われ,矛盾や疑義がある場合には審査会として再調査を命じたり,調査結果の修正を行う,そういった制度的にもいろんな対策が講じられているところでございます。  吉田議員ご指摘の,昨年の国のモデル事業の結果,これは新聞でもいろいろ報道されておりましたが,これは全国的にコンピューターによる1次判定に対して,実態に合わないといったことがいろいろ報告されておりました。その結果,厚生省は今,調査項目の見直しなど,実態に即した判定となるよう,現在改善をしておるという状況でございます。  神戸市としては,より正確な判定ができますように,独自に調査マニュアルを作成し,調査を委託する介護支援専門員に対し専門性を高めるための研修を実施するほか,必要な場合には再調査を行い,あるいは訪問調査のチェックについても検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。  なお,平成10年度の要介護認定等モデル事業につきましては,これは審査会の判定結果を本人や家族に提示をしておりません。これはまだ要介護認定基準が決定していない段階でございます。その本人や家族に提示することによって,いたずらに誤解や混乱を生じてはいけない,そういった理由から,まだ国の実施事業の事業内容にも含まれておらず,神戸市においても実施していないというのが実態でございますので,この点はご理解を賜りたいと思います。  それから,2点目の要介護度別人数についてでございます。国の指針によりますと,要介護度別人数については,介護保険事業計画に盛り込む事項とされておりまして,要介護者の実態把握のための調査結果と国が示す全国的なルールによって,各市町村が算定するということになっております。このルールは,昨年に行われました,全国の市町村において実施された要介護等認定モデル事業の結果を反映して設定することとなっておりまして,現在国においてその検討が行われておるというふうに聞いているところでございます。  具体的には要援護高齢者の需要調査で,調査員が高齢者本人それから家族からも聞き取りを行う中で,日常生活上での寝たきりの程度あるいは痴呆の程度,これを一定のルールに基づき判定を行っており,その調査結果を活用して要介護度別の人数を予測することとなっております。これらの調査結果の活用方法につきましては,今後国から全国共通の基準,これは換算率と言っておりますけれども,これが示される予定でございます。  どういいますか,例えば痴呆度でもいろんなランクがあるわけでございまして,痴呆性の方で寝たきりの方もいらっしゃいますし,あるいは身体的には日常生活ができる,ただ徘回はするといった方もございます。こういった方,かえって身体的に異常がなかって徘回をするというような方は,常に介護が必要でございます。むしろ介護度が重くなるといったようなケースがございます。逆に寝たきりの方でも,自分で寝返りできるとか,あるいは寝返りできないとか,いろんなケースがあるわけでございまして,ただこういった方々については,排せつなり食事の介護とか入浴とか,定時的なそういった介護でいいんじゃないかというように,いろいろランクづけがございます。そういったランクをクロスして一定の換算率,これを今国が決めておるところでございますので,私どもそういった寝たきり度と痴呆度を組み合わせることによって,各市町村において要介護度別の人数を算定してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから,申請・調査・給付の業務,これができるだけ窓口を一本化すべきであるというご指摘でございます。介護保険制度を利用し,介護サービスを受けるためには,まず市民の方々に要介護認定のための申請を行っていただく,それから訪問調査を受けていただく,それからケアプラン,これは介護サービス計画でございますが,これを作成していただいて,その上で具体的な介護サービスを利用する,こういった一連の手続が必要となるわけでございます。ご指摘のように,要介護者本人あるいは家族にとっての利便性の向上,あるいは手続の迅速化,これは非常に大事なことであると考えておりまして,これらが一元化・一体化されることが望ましいというふうに考えているところでございます。  神戸市としては,介護保険制度において市民の身近な窓口となる在宅介護支援センターの整備,これを後期実施計画を上回る大幅な前倒しを図ってまいることによりまして,介護に関する相談,それから申請の代行,あるいは訪問調査,それからサービスの利用調整,こういった手続を一元化できる体制をつくっていきたいというふうに考えているところでございます。  また,こうした体制整備とあわせて介護支援専門員,ケアマネージャーと呼んでおられますが,こういった方々に訪問調査も委託をしまして,訪問調査と一体的にケアプランを作成したり,あるいは申請代行も行っていただくことによって利用者本位の運営を図り,介護保険の利用手続について,本人あるいは家族の負担軽減が図れるように考えているところでございます。
     また,要介護認定の申請は,最終的にはあんしんすこやか窓口,これは行政でございますが,これに集約されることになるわけでございますが,その際にはやはり保健・福祉の専門職の方々が総合的な相談にもあわせて対応していきたいというふうに考えております。  なお,給付管理につきましては,これは各区の市民部保険年金課での対応を予定しておりますが,電算システムによる情報の共有化などによりまして,あんすこ窓口とも十分な連携を図ってまいりたい,できるだけ利用者本位の運営を図ってまいりたいと考えておりますので,そういった努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 7 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 8 ◯助役(山下彰啓君) 私の方からKIMEC構想につきまして,数点お答えを申し上げたいと存じます。  先生ご指摘のとおり,神戸のKIMEC構想は,地震の前──1年前ぐらいに発表いたしまして,非常に大きな反響を呼んだわけでございますが,マルチメディアという手段と文化,こういったものを融合できないか,それを神戸に取り入れられないか,またそれをビジネス化できないか,こういった観点から構想を打ち立ててまいったわけでございます。  ただ,この構想,ちょうど1年後に地震がありまして,いろんな面で苦労いたしたわけですが,逆に防災システムあるいは情報通信システムの緊急時における今後の対応はいかに大事かという1つの警鐘にもなりまして,郵政省等がTAOという機構を通じて,ご指摘のように 100億を超える財政支援をいただいたということも事実でございます。  その後,当時はまだ日本の社会が,ゴア副大統領の情報通信というような言葉だけが先行しておった時代でございまして,日本の中では余りそういう議論が沸かなかったわけですが,平成7年を期して,逆に大変なメディアの時代が来た。現在では,世界を席巻するような形にまで発展を期してまいってございます。  神戸のKIMEC構想は,そういった次世代といいますか,21世紀に向けて進めていかなきゃならないものだと思っております。今全国で2位というお話がございましたが,地震がなければ,はるかに先頭を走っておったという自負は持っておりますけれども,今後着実に,しかもスピードを上げながら進めていかなければならない1つの大きな柱である,そのように思っておる次第でございます。  なお,この構想の推進に当たって,具体的な提案がいろいろございました。中核的な推進機関として,デジタル映像やあるいは情報通信分野での先進的な研究開発と,その人材育成の拠点となりますデジタル映像研究所,またアニメーション神戸とデジタル映像作品を世界に発信するとともに,その人材を発掘・育成するアワード──賞でございますが,そういったものを核として展開するデジタル・ハリウッド・フェスティバル,またケーブルテレビや光ファイバーなど双方向ネットワークを構築し,実験・事業を展開するデジタル・ネットワーク・サービス,さらにはマルチメディアを活用した集客と産業のショーケースでございますテーマタウンを目指しますキメックワールド,この4つの核プロジェクトを展開していきたいということで,構想から実現に向けて努力をしてまいったわけでございます。  なお,最初に申し上げましたデジタル映像研究所につきましては,平成9年2月に企画調査会社でございます株式会社神戸デジタル情報企画が設立をされました。デジタル映像研究所で想定されますさまざまな事業展開について企画・調査を行いまして,その収益性あるいは採算性等についての検討を加えてまいりまして,その結果,現在事業化へのめどが立ちました。この平成11年春──間もなく,何とか4月ぐらいにと思ってございますが,そのオープンに向けて準備を進めてございまして,KIMEC構想推進の1つの大きな中核としての機能をさらに発揮をさせてまいりたい,そのように思っておる次第でございます。  なお,アニメーション神戸につきましては,今後期待をされます映像クリエーターを表彰するとともに,今年度新たにワークショップを開催いたしまして,アニメーター等の養成を実施しまして,今後とも映像クリエーターを神戸から世界に紹介していく,国際的な登竜門として何とか定着をさせていきたい,そういう気持ちでやってまいりたいと思っております。  また,デジタル・ネットワーク・サービスにつきましては,従来から進めてまいりましたCATV事業と,震災を機に通信・放送機構により整備をされました光ファイバーとを接続したネットワークが整備されておりまして,現在これを活用し,約17万世帯に対して市政情報の提供を行っておりますけれども,今後このネットワークをさらに有効に活用してまいりたい,そのように思っております。  また,キメックワールドにつきましては,非常に厳しい現下の経済状況下にございまして,事業主体の確定にはいまだ至っておりませんけれども,今後関係企業やあるいは会議所と具体化の方法について検討を進めてまいりたい,そのように思っております。  また,KIMEC構想を発展させる次のステップとしてKIMEC2000──これは仮称でございますが,そういった計画を現在策定したいということで,いろいろ検討を進めております。この中で盛り込まれました施策を,産・学・民の協力を得ながら進めることによりまして,市民生活の向上や,さらには産業振興,文化の振興を図ってまいりたい,そのように思っております。  また,KIMEC構想は,マルチメディアと文化──エンターテインメントをテーマといたしまして,神戸にさまざまな人・物・情報を呼び込みまして世界に発信する,こういうことで市民生活の質の向上や,あるいは既存産業の高度化,新しい産業の集積を図るということをねらいといたしたものでございまして,大きく発展を期したい,そのように思っておる次第でございます。  それから,2番目に大手企業とベンチャーとの関係のお話がございました。少し解説が要るんかもしれませんけれども,情報通信といいますのは,情報インフラといいますか,インフラはもう超大企業の分野に入ってます。これはもう全世界,通信衛星からいろんな分野,世界を超えて,もう既にして大企業なんていう分野を超えて,世界じゅうの企業が連携をする,そういったところに入っておるのは事実でございます。また,そういった機器の整備につきましても,これは大変な世界的な規格が必要になってくる,そういう時代に入っていることも事実でございます。  ただ,一方これはあくまでも手段でございます。我々が追求するのは,そういう情報通信インフラあるいは機器の整備ということではなくして,それを利用して市民の文化あるいは芸術活動あるいは情報の発信,こういったものをどうやっていくか,あるいはアニメーション等のソフトをどうつくり上げていくか,こういうことが非常に大事である。それには人の力,若い人の力,ベンチャーの人たちの力がなければならない,そういう思いで,これは最初からそういう形で我々は考えておりまして,こういう形の中でベンチャー企業の育成あるいは才能を持った若い人たちの育成ができればと,そういう思いでやらせていただいておるわけでございまして,クリエーターをどうつくり上げていくか,これが今後の神戸のKIMEC構想の成否にかかっておる,そのように思っておる次第でございます。  なお,またこの中で神戸情報通信研究開発支援センター,いわゆるテクノラボと,こういうのがございますけれども,ここにおきまして,事業化の研究に必要となります実験施設とかあるいは環境を提供いたしておりまして,常駐の研究指導員を研究開発のアドバイザーとして配置をいたしておりますが,ベンチャー企業をはじめとする皆様への支援,こういったことも今後非常に大事であろう,そのように思ってございます。  また,一方ベンチャー企業にとりましては,例えば経済的な問題あるいは融資の問題を抱えておるわけでございまして,中小企業センターや,あるいは神戸市も出資をいたしております産業復興推進機構における新規事業や,あるいは起業──業を起こすことでございまして,起業への融資制度等がございまして,情報化関連のベンチャー企業に対して,神戸起業ゾーンにおける優遇措置等も配慮してまいってございます。また,会議所におきましては,マルチメディア関連の中小企業に対し,インキュベーションルームとして,情報化設備を備えた事務所スペースを提供する,こういったこともやっておりまして,今後ともこういったベンチャーを支援する施策というものを充実して人材育成に当たりたい,そのように思っておる次第でございます。  それから,3番目にTAO──通信・放送機構からの譲渡の見通しというお話がございました。また,医療や教育への転用の問題,こういうご指摘があったわけでございますが,通信・放送機構の研究開発は,実は平成11年3月に,この3月に終了する予定でございまして,資産の引き取りが今後の重要な課題となってまいります。同機構は,郵政省の認可法人でございまして,その資産については厳格な管理が求められておりまして,通常は組織内部で転用し,転用できない場合には売却するということが原則になってございます。現在,その処分方法を決めます審査会開催の準備が行われているというふうに聞いてございます。  神戸市といたしましては,復興支援という,このプロジェクト自身がそういう中で決まった趣旨も理解をいただきたいということで,従来から何とか無償譲渡を要望してまいってございます。国の方でも,こういった復興支援の趣旨は理解をいただいておりますけれども,機器は国家予算の支出により取得をされたものであり,また他のリサーチセンターの機器処分との兼ね合いもあって,いまだ最終的な結論に達していないということでございますが,引き続き積極的に協議をしてまいりたいと思っております。  また,機器の活用は大変重要でございまして,庁内での検討のほか,キメック企画をはじめマルチメディア関連企業とも随時勉強会を持ちますとともに,KIMEC2000懇話会の委員の先生にも現在ご意見をいただいておりまして,当然のことながら現時点で具体的な利用案をいろいろ持っておりますが,譲渡を受ける際の条件とか運用経費,こういったことも当然問題になりますけれども,こうべ防災ネットの運用とか,あるいはクリエーターの養成,あるいは新産業の創造支援,あるいは光ケーブルにつきましては,研究により接続をされた開発管理事業団のケーブルテレビ事業と東西のケーブルテレビ会社の3者の接続を継続していくほか,地下鉄の溝内に整備をされておりますから,例えば駅の電力監視,あるいは将来的には駅務管理システム,あるいは駅でのワンストップシステム,こういった行政面での活用,さらには神戸地域全体をにらんだ学校教育,あるいは生涯学習,あるいは介護保険関連での社会福祉法人や医師会等福祉・医療関係団体との連携の上での活用,こういったところまで視野を広げて積極的に対応したい,そのように思っております。  さらに,キメックワールドの具体化の見通し,いつなのかと,こういうことでございますが,キメックワールドはマルチメディアとエンターテインメント──文化というものをテーマにやってまいりまして,今研究会をやっていただいておりますけれども,いろんな提案が出されておりますが,今後こういった研究会の主要メンバーと十分協議をしながら,前向きに調整を進めてまいりたい,そのように思ってございます。  以上です。  (「議長」の声あり) 9 ◯議長(長谷川忠義君) 鞍本教育長。 10 ◯教育長(鞍本昌男君) コンピューター教育につきましてご質問がございましたので,ご答弁申し上げたいと思います。  平成14年──これは2002年でございますが──から始まります新教育課程におきまして,このコンピューターを活用した調べの学習というのが新設される予定でございまして,そういう意味でも情報教育の充実は必須である,このように考えております。今後は,多くの児童・生徒があらゆる分野でコンピューターが活用できるような最新の機器への更新,あるいはソフトの充実等々について十分配慮していきたい。また一方,子供たちを指導できる教員の養成にも力を入れていきたい,このように考えております。  現在,各学校には防災用ネットワークが配線されておりまして,これの端末を使いまして,試験的にホームページを作成している学校も徐々にふえてきておりますし,インターネットや電子メール等が積極的に授業に活用できるような環境整備にも努めてまいりたい,このように思っております。  一方,そのコンピューター教育の前提としての人材配置の面でございますが,神戸市では平成2年度から総合教育センターでコンピューター研修を進めてきております。体系的には初級・中級・上級というふうに分けて実施をしておりますし,さらに小学校教員にはコンピューター利用研修,あるいは中学では情報基礎研修というような形のものもやっております。さらに,平成9年度からは,従来からの操作中心の基礎研究に加えまして,さらに教育ソフトの活用あるいはコンピューター授業への活用といった講座も設けまして,指導できる教員の育成にも努めているところでございます。  そういうことで,教員の研修につきましても,子供を指導できる教員,それから教員を指導できるさらなる教員,こういうものの研修に十分力を入れてまいりたい,このように思っております。  以上でございます。  (「議長69番」の声あり) 11 ◯議長(長谷川忠義君) 吉田議員に申し上げます。  予定時間が経過しておりますので,簡潔によろしくお願いします。  吉田議員。 12 ◯69番(吉田多喜男君) 既に時間が経過しておりますので,再質問はいたしませんが,前野助役のご答弁でありました公共事業について,1つは直接入札参加をすることと,1つは下請の問題でありますが,この下請については,ご答弁のとおり非常に難しいということを知り抜いているんですよ,向こうは。ですから,地下鉄の工事からいうと, 1,800億から追加予算を組んで 2,200~ 2,300億になっているはずですけれども,あの現場へ行ったら,ほとんど大阪ナンバーの車やないですか。兵庫ナンバーの車があるというのはダンプカーだけですよ。  それで私は理財に話をしても,交通局に話をしても,現場の監督に話をしても,これほど神戸市が無力だというふうに感じたことはありませんよ。できないじゃないですか。紙1枚でというけど,紙1枚もどうにもならないというようなことで,それならば例えば 2,000円するものは 600円でも 700円でもいいから来いやと,こう言われると,赤字を出すのは少々のことならともかくも,半分以下というようなことで,そんなことで地元の物品を納入することはできないということで,その返しは東京でするから東京までやってこいとか,実際にできないことを平気でやられておるにもかかわらず,現場の監督を含めて局の幹部から,全然こういうことについて手をつけるすべがないというようなことを,難しい,下請を使うことについて難しいということを十分知り抜いてやっているんですよ。ですから,そういうふうなことを知り抜いてやっていることに対しては,ペナルティーを科するんだというような方法を考えないでやると,これからもやってますやってますというて助役がおっしゃっても,現場は無力の限りでございます。  どうかこれを頑張って,どういう方法をとられるのかということについては,委員会質問の中でまたお聞きをいたしますから,ええ答えを出していただきたい。  終わります。 13 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,50番原 和美君。  (50番原 和美君登壇)(拍手) 14 ◯50番(原 和美君) 私は,住民投票議員団を代表しまして,1999年度神戸市各会計予算案並びに関連議案につきまして,市長にお伺いいたします。  1999年度予算は,暮らしを早期に復興し,やさしさとぬくもりのある福祉・教育のまち,安心・安全なまち,活力あるまち,市民との新しいきずなを創生するまちのため,極めて深刻な財政状況のもと,抜本的な行財政改善に取り組み,国の支援を得ながら諸施策を推進していくとのことです。これらにつきまして,基本的なお考えお伺いしていきたいと思います。  まず第1に,復興事業の総点検の視点について,お伺いいたします。  復興計画の策定から4年が経過し,人口をはじめとした復興状況を検証し,復興計画の総点検を行うとのことです。特に被災市民の生活再建が最大の課題とされていますが,ここまで被災者の生活再建がおくれている理由について,新たな支援制度を提案していくソフト面での作業になり,後に残るものについて,システム,制度をつくっておくとのお話がありました。被災者自立支援金制度は,小田 実さんたちの市民運動が実ったもので,市長はなぜ来ないのかとの政府・役人の声が印象的でした。当時私も本会議で,市長を一緒に東京まで行きましょうとお誘いしたはずですが,ご一緒していただけませんでした。  新しい制度,新たな支援策とは,しかし今回提示されようとしておりますけれども,どのようなものをお考えなのか,お聞かせください。  また,昨日も議論がありましたが,例えば個人の土地を一定期間借り受け,そこに仮設住宅をなぜ建設できなかったのか。そうすれば,地域のコミュニティを壊さずに,自立も早かったのではないか。さらに,避難所の食事はどうして福岡県や愛知県などから運ばれなくてはならなかったのか。市場や商店街がやっと店をあけても,だれも買いに来ないという状況が続きました。これらについて,もし国の制度上できないとしたら,制度を変えていくべきとの検証になるのかどうか,今回の復興事業の総括の検証ということでお伺いをしたいと思います。  あわせて昨日,市長は抜けている点について研究するため,アンケート調査も行うとのことですが,施策の見直しも含めていただきたいと思いますが,いつごろ,どのように行われようとしているのか,お伺いをしたいと思います。  2点目としまして,財政問題についてお伺いいたします。  震災復興で多額の起債をし,その償還も始まり,98年度末で起債制限比率は20%を超えるのは確実とのことです。さらに,不況対策も公共事業中心で,結局はまた市債の発行と市債残高がふえ,市財政悪化の大きな要因となっています。例えば一般会計では 2,859億円の税収で,公債費が 1,319億円,実に税収の半分が借金の返済に使われていると言えます。全会計では 3,459億円の返済額となり,単純に比較はできないとしても,市税と交付税で 3,994億円という数字を見ると不安になります。  今回,大規模公共事業であります空港島事業に着工として 378億円が計上されています。現状の財政状況では中止をすべきです。かねてから財布は別論がありますが,1家族に例えれば,親の借金も子供の借金も,それぞれ会計は別でも,最終的には神戸一家が責任をとらなくてはなりません。今後起債の抑制を図っていくべきと思いますが,具体的にはどのようなことが考えられるのか,考え方についてお伺いをいたします。  3点目といたしまして,市民との新しいきずなを創生する協働のまちづくりとして,市民と行政との対話を深めるため,市民参加の新しい手法・方策を検討するとされています。さらに,市政に関する説明,情報の提供のため出前トークを実施するとのことです。市民参加の新しい手法・方策とは,一体どのようなことを考えておられるのか,お伺いいたします。  昨年市長は,住民投票条例の制定を求めた市民の直接請求に対して,「住民投票条例制定の必要なし」との市長意見を付されました。しかし,市民の市政への参加方法としては,住民投票はそのきわみだと思います。市民と行政の協力体制を築き,本当の意味での協働のまちづくりを進めようとするならば,昨年市長に請求された住民投票をまず実施すべきと思いますが,いかがでしょうか。  次に,神戸空港問題についてお伺いいたします。  神戸空港計画につきましては,必要性,採算性,財源調達・償還などの財源見通し,大阪湾への環境影響,海上交通・空域管制の安全性など,いまだに未解明の課題が山積していて,多くの市民が建設に疑問の声を上げております。  また,昨年行われました環境アセスメントも,大阪湾の埋め立てであるにもかかわらず,関係地域を中央区のみに限定したこと,アセスメント終了後に明らかになった六甲アイランドからの建設残土の積み出しなど,アセスメントのやり直しが必要です。  また,長引く景気の低迷で地方空港は路線の撤退が相次ぎ,航空業界は冬の時代を迎えております。  このような状況のもとで,空港島埋立免許認可申請が出されましたが,昨日のマスコミ報道によりますと,世論調査の結果,神戸空港建設に反対の人は6割に達したとのことです。このような現状をどう認識しているのか,市長の見解を改めてお伺いいたします。  次に,行財政改善についてお伺いいたします。  今後の行財政改善の一環として,客観的評価基準を導入するとのことです。行政施策にあえて費用対効果を持ち込むことになり,施策の公共性はどう担保しようとしておられるのか,公共性そのものについての考え方はどうでしょうか,お伺いをいたします。  また,昨年末の神戸市行財政改善懇談会の報告書によりますと,前提として市民とすべての情報を共有することが必要とされていますが,どのように情報の共有を進めていこうとするのか,具体的にお伺いいたします。  また,客観的評価だけが先行し,本当に必要な施策が評価が低いとの理由だけで,廃止されたりするおそれはないのか,お伺いをいたします。  次に,福祉施策について,公が担うべきものの範囲,考え方について,お伺いいたします。  福祉施策につきましては,介護保険制度の導入をにらみ,施策の見直しが進められています。65人の公務員ヘルパーさんについても,99年度末で廃止をされることが,労使で合意をされているとお聞きをいたしました。我が会派といたしましては,これまで幾度となく指摘をさせていただきましたが,在宅介護を支える重要な役割をホームヘルプサービスは担っており,公的に保障していくべきだと考えております。  来年4月の介護保険制度がスタートされる時点で,ヘルパーさんの数は足りるのかということにつきましては,公務員ヘルパーさんの動員や市民福祉振興協会の登録ヘルパーさんの正規職員化で,一定の安定した人員体制を確保することが必要であると考えますが,昨日の答弁では,民間の企業を各区1社導入してとのことでした。  これまで公務員ヘルパーさんは,最後のとりでとして,民間では引き受けられないようなケースを担ってまいりました。振興協会のヘルパー派遣事業から返されてきたケース,精神疾患やアルコール依存症,性格異常などの処遇困難などで,身体・機能的には自立とみなされたり,直接援助するヘルパーさんからは敬遠される場合など,現状ではサービスの対象から外されてしまいかねない多くのケースを担っているわけです。神戸市には65人だけど公務員ヘルパーさんがいるということは,市民にとって,いざというときには行政が支えてくれるという大きな安心感です。  やさしさ,ぬくもりの福祉行政,市民の期待は何だと考えるのでしょうか。安易な廃止については再検討すべきだと思いますが,いかがでしょうか,お伺いいたします。  震災の被害に遭った都市として,この不況下にあっても最低ラインの弱者は行政が守るのだという姿勢は,市民の信頼を得ることができると思います。  また,各区にあります在宅福祉センター・あんしんすこやか窓口につきましても,介護保険制度の導入に向けて,今以上に活用されるべきと思いますが,お考えをお伺いいたします。  次に,教育問題についてお伺いいたします。  最近では,子供たちを取り巻く社会環境の大きな変化の流れの中で,子供たち自身が精神的にも大変不安定な状況に置かれています。非行の低年齢化やいじめ・暴力,学校では学級崩壊といった言葉が使われ,低学年クラスでの授業が成り立たなくなるなど聞かれます。  このような中で,新学習指導要領の実施により2002年からは完全学校週5日制となり,地域で子供たちが生活する時間が多くなります。かねてから子供たちの問題は,学校・家庭・地域の連携でと言われますが,具体的に公教育と地域との連携をどのように図っていくか,検討を進めていく必要があると思います。これまでは,教育委員会が教育委員会の立場で検討されてきたと思いますが,今後は区も含めて横断的な立場からの検討が必要ではないかと思いますが,いかがでしょうか。  また,いじめや不登校対策は,場当たり的で,抜本対策になっていないのではないでしょうか。問題が起きてからでは遅いのです。次代を担う子供たちを地域でどうはぐくんでいくかが課題となります。昨年実施したトライやる・ウィークは,賛否はいろいろあるにしても,1つのヒントになるかもしれません。実施に当たっては,教職員の負担が大変大きかったとお聞きします。例えば地域の情報を持つ区などでコーディネートができないだろうかと思いますが,いかがでしょうか。  次に,平和問題についてお伺いいたします。  今,国会では,新ガイドラインに基づく関連法案が議論され,地方自治体の協力規定が問題となっています。この自治体協力に疑問を持ち,各市町村議会が反対・懸念の声を上げています。しかし,外交は国の専権事項で,地方自治体が関与することは許されないとする国の態度のもと,1975年以来,今では固有名詞化されている非核神戸方式を続けてきた神戸市の動きが全国自治体の注目を浴びています。  昨日は高知県の橋本知事が,外務省に外国艦船の非核証明書の提出を求める案を県議会に提案することを決められたそうです。また,函館市議会でも議員提案で条例化を目指しているという中で,笹山市長はマスコミの取材の中で,「今後とも市議会決議を尊重して事務を進めていきたい。」とのコメントを発表されたそうです。  改めて神戸港の軍事利用を断固拒否する上でも,非核神戸方式に基づき,いかなる艦船も非核証明なしには入港できないことを港湾管理者として明言すべきと思いますが,いかがでしょうか,ご見解をお伺いいたします。  最後に,住民運動から新しい神戸を創る会について,一言申し上げておきます。  代表委員は,須田 勇さん・元神戸大学学長,北山六郎さん・元日本弁護士連合会会長,早川和男さん・神戸大学名誉教授,荒木譲次さん・税理士,金 守良さん・朝日病院院長,佐藤三郎さん・神戸空港・住民投票の会代表世話人,武田康生さん・元川崎重工業専務,中田作成さん・神戸空港を考える会事務局長の8名の方です。  それで,事務所は,神戸市中央区元町高架通2- 285,電話・ファクスは 371-8201であることを申し上げておきます。  以上です。(拍手)  (「議長」の声あり) 15 ◯議長(長谷川忠義君) 笹山市長。 16 ◯市長(笹山幸俊君) 原議員のご質問に,まず私からお答え申し上げます。  被災市民の生活再建について,今後の扱い方といいますか,そういった問題についてのご質問もございましたが,実は今回の予算についてのお話が最初にございました。内容をよく見ていただくとおわかりになると思いますが,市政の最重要課題ということで,昨日も申し上げましたが,復興計画そのものの組み立て方は,医・職・住──字が違いますが,医・職・住で始まっております。ですから,全般にわたってそれがずっと続いてきておるわけでございまして,平成11年度予算でも,生活再建支援施策として 196事業, 1,750億円が計上されております。これは福祉あるいは健康あるいはまちづくり──コミュニティですね,こういう分類で足していきますとそういうことになります。そういうことが,別の仮設等の問題は,これは県がやる仕事でございますが,それをそこに挙げておるということになっております。  それともう1つは,暮らしですが,まちづくりの支援あるいは営業機会の回復,こういった問題については特に力を入れておると思っております。これは問題点が非常に多過ぎるということですね,各個人個人によって非常に違いが出てきております。よく個別化とか細分化とか言うておりますけれども,それぞれの皆さん方のご事情が違うというところに問題がございます。ですから,共通事項で,それを一律でこれですと言っても,その中に差し引きマイナス・プラス,こういうぐあいに出てまいりますから,完全にありがとうございましたというような話には絶対ならないということになります。  しかし,全体的に見ますと,こういった制度については,今までこれはなかったことなんですね。こういうことの考え方で災害復旧をやっていくということは,ほとんどなかったと思います。そういう時代に入って来ているということもそうですけれども,今回の震災に対しては,神戸市民はもちろん,議会はじめ全国の皆さん,また世界からのご支援があって,そういう意味での仕事がそこまで来たんではないか,こう思っておりますし,懸案として残りました住宅再建の問題についても,1つの目鼻といいますか,1つの方向づけができたということでございます。  先ほどちょっとお話がございました中に,個人補償の団体の皆さんですね,平田先生じゃなしに小田先生のグループが,私と会いました。それで,将来の情報交換をやるために連絡会をつくりましょうということで,1回ぐらいやったと思います。ところが,いろいろご事情があって,それ以降ぷっつり切れた──私の方が切ったわけじゃございませんので。そういうことが実際にあったわけです。しかし,私どもは自分たちの仕事のうちですから,当然そういった「個人補償的」というような表現を使いながら公的支援を──中身としては公的支援なんですね。ところが,表現だけを変えて,私は最初から申し上げているわけです。  ですから,それが実現をしたということについては,皆さん方の議会をはじめ住民の皆さん方のご協力があってできたわけですから,1つの大きなこういった問題に対処するための足がかりをつくったということは,これは非常に大事なことで尊重すべきだと思います。しかし,そういう経過について議論をしていくというのは,少し踏み込み過ぎではないかと私も思っておりますし,それぞれ思いが違いますけれども,結果的にはよかったなと,こう思っていただかないと,経過だけで議論をするというのはちょっと後戻り,こういうことになるんではないか,こう思います。  それから,今後の問題で,生活再建についていろんなアンケートなり調査をしていこうと,こう思っておりますのは,先ほど申し上げましたように,被災の状況というのは個人個人でほとんど違います。個別化・細分化,そういうことでお聞きをしないとわからないという面がたくさんございます。ですから,それぞれ検証する。それの検証の仕方ですね,意見を聞くということになります。個人別のいろんな被害状況というのは,もう既に調査しております。しておりますけれども,それが実際にその当時と現在とどう変わったかということは,まだしてないですね。それぞれまだ違っております。ですから,この問題についてお聞きをしようと。  しかし,客観的に見てやろうとすれば,復興計画審議会がございましたので,これもずっと続いているわけですから,この先生方にアンケートで調査をするという方法もあろうと思います。それぞれ情報を持っておられますので,そういった調査なり,またそれの中に市民意識も入ってこようかと思います。それから,復興活性化推進懇話会,こういったものもございますので,その委員の先生方にもひとつ検討していただく,こういうぐあいに考えております。ですから,いろいろシステムがありますから,例えばアドバイザーの方々のシステムもあります。そういった方々の意見も生で聞けるわけですから,それをお聞きする機会があればお聞きをしていくということでございます。中身については,非常に内容が複雑でございますから,その点については検討の最中でございます。できるだけ早くしないと間に合わないということになりますので,やっていきたいと思います。  ですから,その調査の結果,集約して,どこを考えれば全体的に皆さん方のご意見に近くなるかということを,今回の検証・総括でやろうとしているわけです。ですから,具体的な話になってまいります。ですから,国の支援が必要だと,継続してもらわないと解決できませんよということになれば,期限の延長をしてもらう,それからその制度がなければ必要な制度をつくってほしいと,こういったことだって,実際の問題として解決手段としては必要になろうかと思います。ですから,こういった問題が今後出てまいりますので,昨日も申し上げましたように,ひとつ議会の先生方にもそれぞれの分野でご協力をいただきたいと,こう思っておるわけです。  それから,行財政改善について,それぞれ考え方があろうかと思いますけれども,従来からは最少の経費で最大の市民福祉を実現するというのが基本的な理念だと思います。ですから,トータルとして市民サービスを維持・向上するというのが,第1番の市政運営の取り組んできた基本方針でもあるわけです。ですから,その中に今後は客観的事業基準というのを表現しておりますけれども,過去にも1回,議会の先生方にいろいろとご議論願った道路の問題で,審議会のようなのをやっていただいたことがあります。これは各路線ごとに評価をしていただいた。これはアメリカ式で悪いですけれども,プライオリティーレーティングという手法でやってきたわけです。それで,ここはちょっと延ばしたらどうかとか,こういったことで過去やってきた実績がございます。  ですから,それぞれ行政が分担しなければいけない役割というもの,これをはっきりするということが1つ,それからその目的とその成果を,これは1つの指標化するわけですね,数字に置きかえていくわけですが,それのトータル,その項目ですね,そういうものも今研究しておりますので,その成果と指標化,数字化をして,そのトータルでどうだと,こういうことでやろうということになっております。  ですから,その中に費用対効果というものもございます。効率とか費用とかそういう問題もありますので,こういった問題をトータルして市民サービスになるかどうかということになります。ですから,全体的に見て効果があるかないか,サービスに着実にその結果としてなったかどうか,こういったことも当然出てこようかと思います。  ところが,一般的に,私はよく地元の方に言うんですけれども,非常に苦労してつくった公園あるいは道路については,でき上がってしまいますと,全然ご記憶になくなるんですね。記憶がなくなるという──これは非常に苦労して地域の方々がつくった公園もあるわけです。道路もあるわけです。たとえ1メートル・2メートル広げるにしても,いろいろご苦労いただいたわけです。ところが,後は,そこを使っている人はもちろん知ってますけれども,それ以外の人は昔からあったんですかねというようなことで済んでしまうんです。ですから,その効果というのは,非常に判定しにくい。人によって違います。ですから,そういったものが全体的に見て,やはり環境がいいですねとか,全体的に住みやすいですねと,こういった漠然とした評価でしか出てこないということになろうかと思います。  ですから,そういったことで今後の選択を,そういう数字ではあらわしますけれども,全体的にはそういった漠然としたところになってしまうおそれがありますので,十分この辺は市民の皆さん方のご理解をいただかないと,この道路ができた,いつできたかというと,いやきのう完成しましたと,こういうことでご苦労でしたというような話に──地元の方に対してですよ,私は言ってほしいと,こう思っておるわけです。
     ですから,こういった基準をつくる場合には,財源とか人材とかこういうものが必要になってまいりますので,やはり見直しを進めていくためには,物差し──先ほど言いましたように指標化する,数字化するということが必要であります。ですから,これの判断材料の1つとその指標化が1つである,こういうぐあいに考えております。  しかし,実際には数字化したからそのとおり評価されるかということになると,今申し上げましたように多少の問題,心配はあると思っております。ですから,市民との情報を共有化するということは,先ほど申し上げましたように物1つつくって,公園1つつくって,そしてお互いにどういうことでそういうことができたかということをまず知るということですね,共有化するということは,そういうことを考えて,そして使っていく。使う側にすれば,もうでき上がってますから,何も議論をする必要はないんですと言われてしまうと,情報の共有化はできなくなります。ですから,こういった問題について,全体的な,最初から最後まで共有化していただきたい,そのための努力はしていきたい,こう思っております。  ですから,やはり最終的に判断するのは市民だと思います。しかし,数字的に挙げておりますので,その数字と,でき上がった段階での現状とを判断するのはやはり市民であるし,市のいわゆる政策判断と思っております。ですから,そういったことを今後は自治体みずから考え,そして責任を持ってそのサービスに,住民の皆さん方が──サービスを私どもは提供するとよく言いますけれども,サービスと思っていただけるということが分権社会に対応するためには必要だと,私はこう思っております。ですから,新しい行政システムを考えると,こう私どもは申し上げておりますが,その中に市側あるいは住民側の皆さん方が,それぞれそれを評価するということをお互いにやるということではないか,こう思っております。  以上,私からお答え申し上げました。  (「議長」の声あり) 17 ◯議長(長谷川忠義君) 前野助役。 18 ◯助役(前野保夫君) 私から財政問題と福祉施策の2点について,お答え申し上げます。  財政問題で,特に今後起債の抑制をどう図っていくのかといったご質問でございます。  震災以降,市債残高,これは確かに急増いたしております。ただ,これは一日も早い市民生活の安定と,神戸のまちの復旧・復興をなし遂げるため全力で取り組んできた,そういうことによるものと私ども認識をいたしております。  一方,神戸市の財政は,震災の影響,これが本当に大きく影響しております。加えて,不況が重なってまいっておりまして,極めて厳しい状況にあることは,ご指摘のとおりでございます。このため,11年度予算の編成に当たりましては,できるだけ経常経費,これを徹底して削減していこう,それから財源対策についても可能な限りそういった対策を行っていこうと,その上に事務事業の優先順位,これを明確にしていこうということで施策の重点化を行う,そういういろんな検討の上で起債の抑制にも努めているところでございます。  今後とも大規模事業につきましては,その投資効果,これをやっぱり厳しく見きわめる必要があろうというふうに考えておりますし,効率的・効果的な執行に努めていく必要があろうというふうに考えております。  ただ,一方,福祉をはじめとする市民ニーズの増大に対応していくために,どうしていくのかといった課題が大きくあるのも事実でございます。やはり私ども税財源の涵養といったことは不可欠であるというふうに認識をいたしておりまして,震災復興とそれから産業発展につながる都市基盤の整備については,やはり積極的に対応していく必要があろうというふうに考えているところでございます。  それから,福祉施策でございます。  介護保険制度で,どういいますか,公務員ヘルパーの廃止,再検討をすべきだというご指摘ございますが,これもよく言われておるわけでございますが,このたびの介護保険制度,これはまさに少子・高齢化を迎えて,そういった要援護高齢者の方々を社会全体で支えていこうと,こういう趣旨でございます。行政だけで支えていく,とんでもない話でございます。社会全体で支えていこう,こういう趣旨でございます。  その中で行政は基本的な,例えば苦情処理であるとか,あるいは認定の公正さであるとか,そういったことを考えておこうということでございまして,実際にヘルパー1つとって見ましても,民間事業者の積極的な参入がなければ私は到底不可能であると,これはもう確信しております。実際にやっぱり私も,民間事業者の方々とも懇談会でお会いしました。こういった方々の意欲なり,やっぱりいろんな研修意識なり,これはすばらしいものをお持ちでございます。そういうことを前提にして,市職員によるホームヘルプサービスにつきましては,これは確かに先導的な役割,これについては私も評価をいたしておるところでございますが,介護サービスを取り巻く環境,これが大きく変化することから,'99年度で廃止することとしたものでございます。  なお,福祉部ヘルパーを派遣しているケースにつきましては,すべて民間のサービス提供事業者に引き継ぐことが可能であるというふうに判断をいたしております。  それから,あんしんすこやか窓口,在宅福祉センターの活用の問題がご指摘ございました。あんしんすこやか窓口でございますが,平成5年に開設して以来,高齢者の保健・福祉総合相談窓口として市民に親しまれ,評価を得ているところでございます。介護保険制度の導入に伴いまして,要介護認定に関する業務,それから保健・福祉の総合的な相談への対応,そういったことを一体的・総合的に実施することになるというふうに考えております。  なお,在宅福祉センターでございますが,これは今現在その運営の仕方について検討いたしているところでございまして,いましばらく時間をいただきたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 19 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 20 ◯助役(山下彰啓君) 私の方から3点お答えを申し上げます。  まず,住民参加の問題と住民投票の実施のお話がございました。  神戸市では,従前から市民参加による行政を標榜いたしておりまして,全国に先駆けてさまざまな広聴制度を実施してまいったわけでございます。今回さらに,より時代の要請に即応した市民参加制度とするために,学識経験者あるいは市民代表等から構成されます研究会を設けまして,現行の広報・広聴事業の検証を行いますとともに,市政情報の提供のあり方,あるいは審議会等の会議の公開の検討等,広報・広聴を取り巻く広範な視点からの検討を行いたい,そのように考えておるわけでございます。  なお,出前トークにつきましても,細部についてはいろいろ検討をいたしたいと思っておりますが,市民からの要請を受けまして幹部職員が地域に出向き,市政に関する説明あるいは情報提供を行いますとともに,質疑応答を通して,市民からの意見・提言を受ける双方向型の広報・広聴,こういったものを実施したいと考えております。  なお,住民投票についてのお話がございましたが,住民投票につきましては,現行の地方制度が基本といたします間接民主制を補完する1つの手段であると認識をいたしておりまして,制度そのものについては尊重しなければならんという思いがございますが,ただ実際に住民投票の実施に当たりましては,対象となる案件,実施の時期について慎重に判断する必要があると考えております。  なお,神戸空港に関する住民投票につきましては,昨年の11月の議会を開いていただきまして,そこで明確な意思形成がなされた,そのように考えております。  それから,空港問題についてのご指摘がございまして,現状の認識はどうか,こういうお話がございました。  神戸空港につきましては,市民の代表で構成されます議会の意思を確認いたしながら,1つ1つ着実に手続を進めてまいりました。ご指摘のようなさまざまな点につきましても,これまでも慎重な審査をいただき,昨年11月の臨時市会においては,改めて神戸空港の推進に関する決議をいただいたところでございます。また,12月市会におきまして,公有水面埋立免許に係る同意議決をいただきまして,去る1月26日に運輸大臣に対し,公有水面埋立免許の認可申請を行ったところであります。  公有水面埋め立てに係る環境アセスメントにつきましては,国要綱及び神戸市環境アセスメント条例に基づき,適正に実施をしてまいっております。アセスメントでは,空港島が環境に及ぼす影響につきまして,国・市の技術指針に基づき,大気汚染・騒音・潮流・水質等について予測評価を行っているほか,環境保全対策や事後調査に関する事項を明らかにしており,それらの内容につきましては,県・市の環境影響審査会での審議を経て,おおむね適切であるとの答申を得ております。  現在は,景気の低迷期にございますが,このような中にあっても,関西圏における国内航空需要は顕著な伸びを示しているところであり,神戸空港は航空需要の旺盛な2大都市圏における,全国的にもまれな利便性の高いまちの空港であるという認識を持っております。  また,神戸空港は,震災から神戸の本格的な復興をなし遂げるために不可欠な都市基盤であり,神戸空港の必要性は震災以前より増大していると考えております。  採算性につきましても,かねてより説明しているところでございますが,市民負担をかけない空港として整備してまいりたいということでございます。  なお,神戸空港については,平成17年度の開港を目指して,今後とも着実に進めてまいりたいと思っております。  それから,非核神戸方式のご指摘がございました。  これにつきましては,新聞紙上等で市長のコメントが明確に出ておりますし,また昨日もご答弁を申し上げ,また委員会等でも港湾整備局長から申し上げておりますけれども,もう1度繰り返して申し上げますと,神戸港では,昭和50年3月の市議会での全議員一致の核兵器積載艦艇の神戸港入港拒否に関する決議に基づきまして,核兵器を積載していないことを証明する文書を提出することを条件に,本市の管理する係留施設の使用を許可しているところでございます。今後とも神戸港が国際貿易港としての役割を果たしていくとともに,市民,利用者が安全で安心できる港でなければならないと考えておりまして,今後とも決議を尊重して事務を進めていく,以上でございます。  (「議長」の声あり) 21 ◯議長(長谷川忠義君) 鞍本教育長。 22 ◯教育長(鞍本昌男君) 教育につきまして2点ご質問がございました。  まず,1点は,地域で今後子供たちが生活する時間が長くなるだろう,その関係で教育委員会だけでなしに区も含めて子供たちの地域の過ごし方について考えるべきじゃないか,こういうご質問だったかと思います。  私どもは,子供たちを育てていくためには,学校・家庭・地域がそれぞれ役割分担のもとに互いに連携して取り組んでいく必要がある,こういう認識を持っておりまして,平成14年度から実施されます完全週5日制,これでは子供がゆとりを確保し,家庭や地域社会での豊富な生活体験・社会体験・自然体験の機会を与えることを目的としており,今後地域社会の中での環境づくりが重要になってくる,このように認識しております。  これまでも学校教育におきましては,例えば中学校区ではふれあい懇話会とか,あるいは昨年実施しましたトライやる・ウィークなどの体験活動・交流活動をはじめとする地域の人材の活用についても,市民専門講師の起用など,地域との連携については取り組んできたつもりでございます。  また,地域におきましても,平成10年度から学校・家庭・地域社会が連携して子供たちを育てていくために新たな事業といたしまして,学校開放事業をもとにしながら,学校拠点地域生涯学習ふれあいモデル事業,あるいは学校拠点地域生涯スポーツ振興事業,いずれもモデル校を設定しまして,今実施中でございます。文部省でも,子供たちが地域で参加する学校外活動を大幅に拡充するために,2001年までの緊急3カ年計画として,この平成11年度から全国子どもプランというのを実施する予定だと聞いております。  地域におきましては,既にPTA活動や少年団活動のほかに,各区が窓口となっての青少年問題協議会活動,あるいは子供会活動なども,さまざまな形で地域での青少年の健全育成に取り組んでいただいております。これらの事業を効果的に実施していくために,それぞれが個別に事業を進めるということではなくて,地域レベルでも十分連携していくことが重要であるということから,今年度から青少年育成推進本部のもとに,特に関係の深い市民局,保健福祉局,私ども教育委員会,そして代表区からなる政策推進会議というのを設けまして,関連事業の調整を進めてきておりますし,今後とも子供たちの地域での交流,体験機会の拡充,事業の効果的な推進につきましては,区を含めた関係部局と一層の連携を進めてまいりたい,このように考えております。  次に,もう1点,トライやる・ウィークの実施に当たりまして,教職員に負担が大きかったというふうに聞いている,区の持つコーディネーター機能でスムーズにできないか,こういうご質問であったかと思います。  このトライやる・ウィークにつきましては,実施後のアンケート調査によりましても,生徒・保護者・教職員あるいは地域の方々の本事業に対する評価は非常に高いものがございまして,教育的効果は大であったというふうに考えております。  ただ,一方で今後の課題につきまして,今ご指摘がございましたように,教職員の負担がふえたという意見も確かにございます。本年度は初年度ということもございまして,本来なら事業の原動力となるべき校区推進委員会の組織が十分機能しなかったところもございまして,受け入れ先確保への教職員の負担が大きかった面もあったかと思います。ただ,地域の組織の充実というのは,これは一朝一夕にはなかなかできませんで,少々時間がかかってまいります。平成11年度については,この点については,10年度よりも少しでも前進させるように私たちも努力してまいりたいと思っております。  区の校長会と区とは常に連携をとっておりまして,区の持っている情報等を活用しながら,本事業を今後とも積極的に進めてまいりたい,このように考えているところでございます。  以上でございます。  (「議長50番」の声あり) 23 ◯議長(長谷川忠義君) 50番原 和美君。 24 ◯50番(原 和美君) それでは,時間がありますので,幾つか再質問したいと思います。  まず,第1点目の復興事業の総点検といいますか,検証ということなんですが,市長の方から,例えば公的支援といいますか,こういうものが市や,それから議会,それから住民の協力でできたのはよかったというお話がございました。ただ,私たちにとりまして言いますと,この公的支援についても,もう少し早く,そして今の場合では 100万円という金額が1つ出されておりますけれども,もっと早く,そしてもっと多くの金額が必要ではないか,そしてもっと早くすべきではなかったかということがありますし,そして金額についても不十分だということがあります。  もっと早くという意味は,どうして被災直後,市民の生活そのものが,あしたをどうやっていいかわからない時期に,そのことに対して行政が,例えば市長がその先頭に立って国に対して,今一番大切な被災者の生活の自立のための,再建のための新しい法律──今回でいいますと被災者自立支援金制度ということになりますけれども,例えばこのようなものをどうして早くできなかったのかということ,このことも1つは検証の中身として問われなくてはならないのではないかと思います。  それから,もちろん今残されている問題というのは個別で,そして個人個人によって違うという個別の解消策ということを言われましたけれども,これは当然そうだと思います。ただ,被災市として,まず市民生活再建のために何が,どのような制度が──先ほどちょっと申し上げましたけれども,必要であったのかということを,神戸市がもう1度きちんとした制度としてつくり上げるために,ぜひこれが後世の例えば被災地──地震だけではなくて風水害というような自然災害もありますけれども,こういった自然災害に遭った場合,いち早く立ち直る生活再建の制度というものを,やはりもっときちんとした十分な形として提案していくという,その責任があるのではないかと思っております。  例えば,どういうんですか,抜けている分といいますか,不十分な点について,市政アドバイザーやそれから推進会議ですか,先生方というお言葉がありましたけれども,そういう方ももちろん必要だと思いますが,実際に残された,仮設住宅で本当に最後まで残されてしまった,残らざるを得なかった人たちが,一体どういう支援策がもっと早くあれば早く立ち直ることができたのかということについても,やっぱり声を聞き,検証していく必要があると思うんですけれども,こういった点について,もう1度市長のご見解をお伺いしたいと思います。  それから,財政問題についてですけれども,税財源の涵養ということは,これまで幾度となく言われております。確かに将来的に税財源の涵養ということは,これは必要かもわかりません。ただ,目下の経済情勢の中では,果たして税財源の涵養策になるのか。それよりも市債の発行ということで,市民が負担をしなくちゃならない借金の方が,今その重たさが大きいのではないかというふうに思います。ですから,例えば大規模な事業についての1つの提案としては,やはり起債を制限していくという立場から,今は見送るべきではないかというふうに言わせていただいております。  投資効果を厳しく見きわめるということですけれども,このことについても結論というのはなかなか出ませんので,例えば先ほど住民投票の話がありましたけれども,これは私の意見ですので聞いておいていただければいいと思うんですが,将来的に私たち神戸市民がこの大規模な投資によって利益を得ることができるのか,それとも本当に大きな借金を背負う,その負担を強いられることになるのか,このことはやっぱり市民全体が責任を持って判断していくという形で──これは神戸空港の事業についてですけれども,住民投票はそういった立場でぜひやるべきではなかったかなというふうに私は思っておりますので,これは私の考えとして申し上げておきたいと思います。こういうことがやっぱり市政の選択の中で事業を進めるに当たって,その借金の返済の部分と,それから借金をするということのバランスみたいなものについて,今市民といいますか,私たちは大変今の状況では不安だということを申し上げておきたいと思います。  それから,市民との新しいきずなということで協働のまちづくり,これは審議会の公開など,これから審議会について見直しがされるということのようでありまして,これについては歓迎をしたいと思いますけれども,これもいつも施策の中で参加と対話という言葉があったり,新しいきずなとか,市民参加の新しい手法とか,いろいろ言われますけれども,結局は市民の方から具体的な提案をされたということについて──提案をしようということについて,なかなか私たちの立場からすると手が届いていないといいますか,行政の中に声としては反映されにくいという,つまり行政が敷いたレールの上であれば意見を聞きましょうと,しかし私たちの方から提案したことに対しては,なかなか意見を聞いていただけないという,こんなケースが多いように思います。  このように,例えば新しいきずなを創生するという,言葉は随分といい言葉なんですけれども,今回の住民投票の運動の中で,そしてまた例えば神戸空港について,先ほども着々といいますか,手続を踏みながらということをおっしゃいますけれども,市民の多くの皆さん方は,まだ多くの疑問を持っておりますし,先日も丁寧な空港に関してのニュースが出されましたけれども,しかしなおそれによっても,例えば建設に反対という意思表示をしている方が6割もいらっしゃるということです。こういった中で,議会のいろんな手続を踏んで事業を着々と進めているということではありますけれども,しかし市民は置き去りにされたままということになってしまいます。こんな状況の中で,市民との新しいきずなを創生していくということは,これはとても大変なことではないかと思います。申し上げておきます。  そして,次は質問なんですけれども,福祉施策について,前野助役の方からご答弁ございましたホームヘルプサービス事業について,民間事業者の参入について必要だと思いますということについては,これは現状では実際に足りていないということから,これはもう本当に必要なことかと思いますが,私がお聞きをいたしましたのは,取り残されてしまう最低限のところの部分については,行政が支えるというそういう姿勢が必要ではないかということを申し上げております。  例えば,市民福祉振興協会でヘルパーさんとして行かれた方のお話を聞きますと,自分が例えば行きたくなかったら行かなくても,断ってもいいわけなんです。そしてまた,自分は振興協会のヘルパーさんとして週5日間勤務するという約束で行ったのに,3日しか仕事が来なかったという,こういうこともあります。その人にとってみれば,例えばもっと働きたいのに,そのケースをどうして自分のところに回してもらえないのか。例えばその場所まで,訪問されるお宅までの通勤のといいますか,交通の便ということもあったかもわかりませんけれども,やりたい人はやれない。そして,もしもそのケースが自分に合わないと思えば断ることができる,こういうとても不安定な,ホームヘルプサービスを受ける側にとってみましても,そのサービスにかかわる,仕事に携わる人にとりましても,大変不安定な状況に今置かれているのではないかと思うんです。  先ほど,ホームヘルパーさんが担っていたケースについては,すべて民間に引き継ぐことが可能と判断しているというご答弁がございました。先ほどの例えば精神疾患やアルコール依存症の方,性格異常などということでの処遇困難扱いをされている方は,今回の介護保険制度の中での判定は自立ということにされてしまいまして,このヘルパー派遣の対象から外れるということです。そういった場合に,すべて民間で引き継ぐことはできないのではないかと思いますが,いかがでしょうか。  私は,やはりこういった神戸市の福祉というもの,公が支えなくてはならない最低ラインというものはあると思います。そのことが,例えば今回公務員ヘルパーさん65人というのは余りにも少ない数ですけれども,その方たちが担ってきた役割ではなかったかと思います。もう1度お伺いをしたいと思います。  それから,教育問題につきましては,教育長さんのお話をお聞きしますと,そういうことかなというふうにいつも思うんですけれども,ただなかなか,どういうんですか,地域でお聞きしますと,何か自分たちがというよりも,上からこういう例えば組織をつくったり,それからこういうことをするということが決められていくというのか,今の現状の組織の中でいうと,例えば若い人がなかなか参加しにくいような形になっている。PTAとか自治会とか婦人会とかいろんなことがありますけれども,なかなか参加しにくいような形になっているということも指摘をされております。  だから,例えば私が行って見ましたのは,いろんな地域の子供たちというものを見守るという施策が,例えば区でいいますと,まちづくり推進課というのがありますけれども,ここに教育委員会も単なる参加団体という,まち推が催す会議の一参加者ということだけではなくて,この中に積極的に入っていくなりしながら,もう少し区の中での──区といいますか,行政の中での教育委員会との連携みたいなものを──ちょっとうまく言えないんですけれども,強くしていくことが必要ではないかなと思っております。何かちょっとコメントがあれば,お聞きしたいと思います。  最後の平和問題ですけれども,山下助役の方のご答弁でもう1度確認したいんですけれども,ということは,いかなる艦船も非核証明なしには入港できないということになるのでしょうか,そのことをもう1度確認しておきたいと思います。  (「議長」の声あり) 25 ◯議長(長谷川忠義君) 笹山市長。 26 ◯市長(笹山幸俊君) 私から公的支援の問題を──震災直後,早急にやるべきであったんではないか,これはもう当然そうあってほしいです。しかし,そういう状態の中で,ルールに,あるいは制度にないことを,即できるという状態というのは──実際上はですよ,実際上はできないんじゃないかと思います。そして,それより幾ら金が要るとか,そういう議論になって,支援金がどういう性質のもんだと,こう言われてきますと,収拾がつかなくなるわけです。  ですから,この問題について,いろいろ一方には義援金があったということになります。しかし,それだけ金があるんなら,この義援金要らんじゃないかと,こういう議論になって──した人がおります,私に。ですから,そういうことじゃなくて,ルールを早くつくるということについては,国に対して私は言っております。将来は必ず来ますよと,これは。  といいますのは,支援金の根拠になったお話を聞いたわけですけれども,ノースリッジでロサンゼルスがやった方法をそのまま持ってきておられるわけですから,金目にしてもそうですね,1万ドルあるいは2万ドル,こういう数字も合ってるんですね。ですから,そういうことではなくて,むしろそれだけでやれるんなら,ほか何にもしなくていいですね。ロサンゼルス,そうですよ。皆さんそれを話として出ませんから私が言っときますけれども,お金だけで済ましているわけです。それで一応民間住宅をあっせんしますと,それに対して家賃補助をしましょうと,これは市がやるわけですね。ですから,そういったことで割り切って彼らはやっているわけです。  ところが,今回の場合は,それは割り切ってません。もう相前後して──できるものはどんどん相前後してやってきたわけです。ですから,恐らく世界的にいろんな問題が起こります。風水害があります。これだけのことをやっている国は,ありません。私は聞いておりますけれども,ないと思います。そういったことで,今回は1つの大きな事例として,やっぱりこれはやるべきではないかということで,制度をつくってもらったことを私は評価しているんです。今後建物の問題も出ます。この国内でも早速あっちこっちであるわけですね,風水害は。だから,それに対して何らかの手当てをすべきだということについては,これは当然のことだと思います。  しかし,早くルールをつくるというところを皆さんにご協力をいただきたい,こう思っておるわけです。ですから,これができない限りは,いつもこの話で前に行かない,こういうことが,国内だけでもそういうことが起こりますので,そういうことのないような手当てをしてほしいと,私自身はそう思っております。  それから,もう1つお答えしておきますが,協働・参加,これはなぜ「協働」という字を使ったかということをお考えいただきたいと思います。お互いに,例えば提案をしていただく,そうすると提案をした方は,それに対して提案をしただけのことの働きをしてもらわないかんわけですね。皆さんで働くということです。協同して働くわけですから,だれが提案しても,いいことであれば,それに対して皆が協力して働く,議論する,また実際にそれを実行するというところまでやることが提案制度なんですね。ただ言いっ放しで,提案しましたよということにはならないんです,これは。ですから,いいことであっても,そういうことについてはお互いに皆理解をして,協力して,お互いに実施に向けてやっていく,協力してやっていく,これのために協働という言葉をつくっていただいたんです,これは。  ですから,最近はあっちこっちでこの協働の字を使っておられます。これはそういうことで,市民参加ということになれば,そういうことをしないと参加にならないということです。決着まで,最後まで見届けてもらう。先ほど言いました公園の話,道路にしてもそうです。非常に地元が苦労してつくった公園,これは昔からあったんですかというようなことでは,地域の方も気の毒です,これは。我々がつくった公園ではないかと,それを何かよそごとみたいに言われると,これはもう大変なことになると思うんです。  ですから,そういったことがないように,皆が参加をしていただければ,そういうことは言えないはずです。そういうことを私は申し上げておるんで,こういった問題についてそれぞれご意見があるのはわかってますし,こうした方がいいということであれば,そうしていいわけです。皆さんがそれを承知をしていただければ,それでいいわけですから。  以上です,私からは。  (「議長」の声あり) 27 ◯議長(長谷川忠義君) 前野助役。 28 ◯助役(前野保夫君) ホームヘルパーについての質問でございます。  今現在市の職員のヘルパーがやっております仕事は,これは原議員もよくご案内のとおりだと思いますが,主に生活保護ケースの方々の家事援助で,どちらかといえばやっぱり軽介護のヘルパーであるということでございます。今ホームヘルパー,盛んにいろいろ養成をいたしております。コープこうべであるとか,あるいはJA,いろいろ養成をしておりまして,NPOが実際に開所するところも出てまいっております。  したがって,私が申し上げたのは,家事援助あるいは軽介護,こういうものでは十分に対応できるということを申し上げたわけでございます。むしろこれからは,やっぱり重介護のヘルパーをどうするか,この辺が私どもとしては非常に大変であろうなというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 29 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 30 ◯助役(山下彰啓君) 先ほどの見解を何遍も繰り返す必要はないと思いますけれども,言葉の使い方というのはいろいろあると思うんですけれども,人によって違うでしょうし,行政の場合も違います,政党によっても違うと思いますが,はっきり申し上げているはずなんですよ。全会一致の50年の決議をお持ちだと思いますが,それを尊重して事務を進めるということを申し上げているんで,それ以上申し上げることは何にもありません。  ただ,世界情勢が非常に大きく変わってきております,50年から。で,核を持っている国と持っていない国も,はっきり大分わかってきたわけですね。あの当時,わからなかったのが随分あるわけです,どこが持っているのか。ところが,持ってない国があるわけですね。持ってない国に出せと言うのもおかしいかなと思いながら,実は昨年は求めました。しかし,それについては,余りにもはっきり持っていない国について求めるのは,ただ入り口に入ってくるのを,お前はこういう人間かと,違う人間に向かって,明らかな場合にまで求める必要があるのかなという,そういう反省は実はいたしておりますが,前回は求めました。  以上です。  (「議長」の声あり) 31 ◯議長(長谷川忠義君) 鞍本教育長。 32 ◯教育長(鞍本昌男君) 区との関係につきましては,先ほども──政策推進会議で区にも入っていただいておりますし,特にこれから,ご指摘もございましたように各区の校長会と区との連携についてはもう少し意を払っていきたい,このように思っております。  以上です。  (「議長50番」の声あり) 33 ◯議長(長谷川忠義君) 50番原 和美君。 34 ◯50番(原 和美君) それでは,ちょっとあれなんですけれども,生活再建の部分については,市長の方から,ルールにないものを,実際上はできないことであったんだけれども,努力してできてきたということがありました。まさにやっぱりルールにないものをいかにつくり出していくかということが,被災市ですか,神戸のまちに課せられたやっぱり一番大きな,これからの都市に対しての大きな課題ではないかと思います。このルールにないものをその生活再建のためにやはり十分な内容にしていくということで,これはぜひお互いに努力をしていかなくてはならないと思いますので,そういった意見を言っておきます。  それから,ホームヘルパーさんの関係ですけれども,家事援助についてはできるのではないかと言いつつも,しかし本当に必要な──来年の介護保険制度が始まったときに本当に必要なホームヘルパーさんの数が,果たしてどれだけ確保できるのかということは,先ほど助役の答弁の中でも,例えばJAとか,それから民間非営利団体の活動に期待をするとか,コープの活動に期待をするとか,これはとても不確かな,不安定な内容ではないかと思うんです。本当にこの保険制度が,事業主体として市町村が担うということになったときに,やっぱり最低必要なヘルパーさんの数というのは,行政が公的に確保していくべきだというふうに考えます。  そのために,例えば先ほど公務員ヘルパーさんのお話を申し上げましたけれども,実際にこのヘルパーさんは重介護もできる資格を持っておられます。1級ヘルパーの資格を持っておられますし,介護福祉士の資格も持っておられる方もいらっしゃいますし,もちろんケアマネージャーとしての資質もあります。この方たちを,どうしてその持っておられる能力をなくしてしまうのでしょうか。これはとても市民にとって,神戸市にとっても大きなマイナス,財政的にも逆に言えばマイナスだというふうに思います。この方たちも重介護が担えます。ちょっともう1度その点だけについてお聞かせいただきたいと思います。  あとの非核神戸方式につきましては,山下助役の答弁で,世界情勢が変わったということも言われました。その情勢の変化というのは,核保有国が明らかになったということだけを,というふうに理解していいのであれば,核保有国については必ず非核証明を求め,そして非核証明なしには入港させないんだというふうに理解をしてよろしいでしょうか,それだけ確認したいと思います。  (「議長」の声あり)
    35 ◯議長(長谷川忠義君) 前野助役。 36 ◯助役(前野保夫君) ヘルパーが介護保険実施時に何人必要かというのは,昨日の本会議で答弁したと思います。 4,200人,あるいは将来もっと多いかもしれません。そのための確保を今懸命にやっておる,これは民間事業者も含めてやっておるというのが実態でございます。  それから,もう1つ介護保険制度の大きな特徴は,ケアマネージャーそれからホームヘルパー,それぞれの方々が,介護保険で定められた介護サービス費用でやるというのが原則なんです。だから,その辺で社会全体で支えていこうと,そういうことも1つの要素としてございます。ケアマネージャーの方々も結構その資格を取っておられますし,介護保険の実施時には十分対応できるんじゃなかろうかというふうに期待をいたしております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 37 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 38 ◯助役(山下彰啓君) 何も足さない,何も引かないという言葉がありますが,先ほど来,先般来,また昨日も,先ほども申し上げたとおりです。  以上です。 39 ◯議長(長谷川忠義君) この際,暫時休憩いたします。  午後1時40分より再開いたします。   (午後0時42分休憩)   (午後1時44分再開)  (武貞副議長議長席に着く) 40 ◯副議長(武貞健治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  午前に引き続き,平成11年度神戸市各会計予算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  60番寺坂光夫君。  (60番寺坂光夫君登壇)(拍手) 41 ◯60番(寺坂光夫君) 私は,自民党新政会を代表いたしまして,平成11年度予算案並びに関連議案について質問いたします。  震災から4年余りが経過をいたしましたが,この間市民生活の一日も早い安定に向け,総力を挙げて取り組んでまいりました。その結果,ハード面については復興が進んできたと思います。しかしながら,現在戦後最悪という極めて厳しい経済情勢の中,市民は震災と不況といういわば二重の重荷を背負っており,被災者の生活再建と神戸経済の早期復興のためのきめ細かい対応が求められております。  そのため昨年12月,昭和54年度以来20年ぶりに不況対策協議会が開催をされ,その提言に基づき,一刻も早い不況の克服に向け早急な対応が必要なものや,中長期的な視点で推進を図るべき施策など, 3,000億円を超える規模の施策が新年度の予算に計上されております。  厳しい経済情勢の影響を受け,多くの都市が対前年度比マイナスの予算編成を強いられている中にありましても,神戸市は新規事業をはじめ多くを望めない厳しい状況にありながらも,市民生活の早期再建と神戸経済の復興に意を配した積極的な予算を編成されたことを評価をいたしております。  しかしながら,歳入面では,長引く景気の低迷による法人市民税の大幅な減収や個人市民税の減税により,市税収入が大幅に減少しており,一方歳出面では,災害復旧債等の元金償還の本格化に伴う公債費の大幅な増加をはじめ,約1年後に迫った介護保険制度のスタートをにらんだ福祉施策の充実,さらには少子・高齢化社会を見据えた対応など歳出増加要因は数多く,今後の不透明な景気動向を考慮いたしますとき,財政運営は極めて深刻な状況にあると言わざるを得ません。  そのため平成11年度予算におきましては,基金の取り崩しや市有地の売却,企業会計からの支援を可能な限り実施した上で,なお不足する財源につきましては公債基金からの繰替運用を実施するなど,精いっぱいの財源対策が実施されておりますが,財源対策としてすぐに使える基金も11年度の予算編成では底をつき,財政事情の悪化が一層鮮明になったのも事実であります。  また,平成11年度は神戸市復興計画・前期5カ年計画の最終年度であり,復興事業の総括・検証と残された課題を明確にする年と位置づけられておりますが,その一方国の復興対策本部は12年2月中に解散する予定であり,震災が全国的な不況の陰で風化してしまう可能性があるのではないかと危惧をいたしておるところであります。  このような中,先般来議会と行政が一体となって政府系資金による高金利債の繰上償還の実施を政府・自民党に対し要望してまいりましたが,このたび実現をいたしました。  この制度は事実上,神戸市のための財政支援策と言っても過言ではなく,震災を風化させてなるものかという我々の切なる願いが国を動かしたものと思うと同時に,政治を動かすのは我々議会人の役目であり,今後とも議会と当局がスクラムを組んで頑張っていかねばならないと決意を新たにしているところであります。  今後かなりの長期にわたって厳しい行財政運営が予想されますが,一日も早い市民の暮らしの復興と福祉需要などの市民ニーズの増加・多様化に対して的確に対応していくためには,財源を確保する一方で,今まで以上に積極的に行財政改善を推進する必要があります。  震災後策定した行財政改善緊急3カ年計画で残された課題に取り組むのはもちろんのこと,既存事業の総点検を実施し,執行体制・方法の見直しにより,公と民の役割分担を含め,行政サービスのあり方そのものの再検討が必要であると考えます。  また,景気の悪化にあえぐ事業者の不安をはじめ,介護保険制度や年金・医療問題など将来を不安に思う市民も多く,このような市民の不安感を払拭するためには,被災市民や中小企業等への支援はもちろん,市長の言われるきめ細やかで多様な支援の言葉どおり,将来を見通せる手だてを具体的に示していく必要もあると思います。  今後解決しなければならない課題は山積しておりますが,直視せねばならないのは,この難局をなんとしても乗り越えないと神戸の将来は開けないという厳しい現実であります。  以下,これらの点を踏まえ,11年度予算に係る問題点について,重複する内容もありますけれども,数点にわたり質問をいたします。  まず,地域経済を活性化するための公共工事の発注についてであります。既に各会派から質問があり,答弁もなされておりますけれども,あえて質問をいたします。  平成11年度予算では,厳しい財政状況にあっても景気対策を最優先にとの観点から,10年度補正と抱き合わせて,昨年度並みの投資的経費を確保されておりますが,要はその公共事業を市民経済の活性化につながるように,地元企業が潤うような発注にできるかどうかがポイントであります。  倒壊家屋の再建などの復興に係る民間需要も一巡をし,全国的な不況が重なった今,市内の中小企業は日々の仕事確保に血のにじむような努力をしており,このような状態がこれから先も続けば,倒産や人員整理が発生をし,市民経済の一層の停滞をもたらすものではないかと危惧をしているところであります。このため,神戸市の公共事業を受注できるかどうかは,これら地元中小企業にとっても,また市内経済の動向を考える上でも重要な課題であると思うのであります。  一方,公共投資は経済成長に与える影響が相対的に低くなっているとは言われておりますけれども,社会資本がまだ不足いたしております我が国,特に都市部におきましては民間投資の誘発効果も含めて,依然として有効な景気対策であるのは論をまたないのであります。  もちろん本市の厳しい財政状況をかんがみるとき,残念ながら公共投資の額を今後大幅に増加させるだけの余地が乏しいのは事実でありますけれども,それだけに予算化された公共事業を市内経済活性化のために最大限,有効活用を図ることが重要であると思っております。  当局も常日ごろから分離・分割発注やJVの活用など,地元優先発注に向けて努力していることは承知をいたしておりますけれども,地元中小企業の声は切実であり,不況克服や市内経済活性化のためにも,発注に当たりましてはさらなる努力と工夫が必要と強く感じているところであります。  そこで,お尋ねをいたします。発注に当たっては従来からの対応に加えて地元企業のさらなるランクアップ──兵庫県では国の定める経審より若干これをしんしゃくいたしております。ランクアップや下請への地元企業の参加についての条件づけ,さらには年度当初の地元企業向け発注目標額の設定・公表など,さらに踏み込んだ対策を講じるべきであると考えますが,当局の見解を伺います。  次に,客観的事業評価基準を活用した事務事業・施設の見直し方針の決定方法についてであります。  昨年12月24日,神戸市行財政改善懇談会から,「新行政システムの構築に向けて」と題して客観的事業評価基準の具体的方策について市長に提言がなされました。懇談会における議論の過程は,総務財政委員会の正副委員長が委員に加わっていることからも,我々市会の側にも伝えられてきております。  さきの決算特別委員会においても総務局に対し,「この客観的事業評価基準を具体的にどのように活用していくのか。」と質問をいたしました。その際の局長の答弁は,「客観的事業評価基準は,あくまでも施策や施設を改善対象として俎上に乗せるための手段にすぎず,最終的な見直しの方針は,この基準を適用した結果を踏まえながら,総合的に判断して決定されることになるであろう。」というものでありました。  確かに提言では,事業・施策について,社会情勢の変化を踏まえながら,行政の役割分担と行政効果の判定について段階的に評価を行い,その結果を踏まえて執行体制・執行方法の見直しや事業の廃止・見直し,公平性の確保,需要喚起など最善の改善策を検討の上,最終的に政策判断をするという見直しの手順が示されていることは,十分承知をいたしております。  ただ,そこで私が懸念いたしますのは,せっかく指標化までして検討された改善方策が,最終的な政策判断の段階がブラックボックスになって,ねじ曲げられるような可能性はないかということであります。私は,客観的事業評価基準を適用して素直に判断すると,これは明らかに民間に委託すべきだという検討結果になったものが,最終的な政策判断の段階になって現行のまま継続されるというような決定がなされることは,絶対に避けなければならないと思っております。そのためには,この政策判断の過程に公平・公正といった観点を担保できるような,市民のだれもがなるほどと納得できるような決定が下される仕組みが必要ではないかと考えるものであります。この点について市長のご見解と決意をお伺いいたしたい。  次に,行政課題の解決に即した組織・ポストのあり方についてであります。これは職員定数とも関連するという立場から,本市の組織とポストのあり方についてお伺いをいたします。  国においても地方においても,縦割り行政の弊害が指摘されて久しいものがあります。これは我が国の社会経済の発展と住民のニーズの多様化に伴い,従来からの組織の守備範囲からこぼれ落ちる,いわば組織と組織のすき間の部分で行政課題が生じていることに起因しているのではないかと思われます。  このような状況に対し,国も地方も組織やポストのあり方についてさまざまな工夫や試みを行っており,例えば本市におきましても保健・福祉・医療の総合的推進を図る立場から,民生局と衛生局を統合したり,また区長の調整機能の拡大という観点から,福祉事務所・保健所を福祉部・保健部として区の組織の中に組み入れるという改革を行ってきております。  また,震災被災者の生活再建を強力に推進するため生活再建本部を設け,さらに上海・長江交易促進プロジェクトの推進を図るため,震災復興本部総括局,産業振興局,港湾整備局の関係メンバーによりチームが形成をされております。  こうした改革につきましては,既に相当の成果を上げているものもあり,評価すべきは適切に評価をいたしているところであります。しかしながら,例えば生活再建については本市の最大の課題と位置づけられているものの,生活再建本部自体が市役所の局レベルの組織の1つであるため,被災者のニーズに即して言えば,これは保健福祉局の事業,これは市民局の意向が優先しますといったぐあいに,生活再建本部で一元的な対応が困難になっているのではないのか。また,上海・長江プロジェクトチームも,構成員としてはやはり本来所属している,いわば本籍地の局の立場から抜け出すことは今のままではなかなか難しい,そんな懸念をいたしております。  したがって,今後はこのような局を超えて調整が必要な重要課題,あるいは局を超えて強力に推進しなければならない事業,そういったものについて局という縦割り組織に縛られずに,直接市長なり助役の意向を反映して仕事ができるポストを設けるなど,市役所の組織のあり方を従来の常識と枠組みに拘束されることなく,検討していく必要があるのではないかと思うものであります。  例えば兵庫県では,知事を本部長とする阪神・淡路大震災復興本部に2名の理事を置いて,震災復興・災害補償制度,総合調整・行政改革という重要課題を担わせるというシステムをとっております。これにはそれなりのメリット・デメリットもあるとは思われますけれども,私は必ずしも兵庫県のまねをせよということではありませんけれども,神戸市においてもそろそろこういったシステムの導入を検討してもよいのではないか。そして,このことは行財政改善推進の立場から,ポスト削減とは別の次元の問題であるのは当然であります。  1つの提案として申し上げましたが,行政課題の解決に即した組織・ポストはどうあるべきか,市長のご見解をお伺いいたします。  次に,子育て支援についてであります。  新年度予算では,介護保険制度をはじめとする高齢者施策について重点的な予算配分がなされており,これを評価しているところでありますけれども,若年世帯向け敷金補助の創設など,子育て支援策については拡充が図られておりますものの,今後の深刻な少子化問題を考えますとき,より一層の施策展開が望まれるものであります。そこで,子育て支援に対する市長の考え方についてお伺いをいたします。  神戸市における年間出生数は,昭和48年には2万 4,800人あったものが,昭和52年に2万人を割り,平成10年には1万 3,200人まで低下をしてまいっているのであります。市立小学校の在籍児童数につきましても,ピーク時の昭和56年の13万 3,100人に対し,平成10年は8万 5,200人と大幅に減少をいたしております。  このような少子化に伴い,厚生省の推計によりますれば,我が国の総人口は2007年以降減少に転じ,2050年には約1億人になると見込まれております。そして,これは人口構成にも大きな影響をもたらし,平均寿命の伸長と相まって高齢者人口が総人口に占める割合は約32%に増加する。つまり1人の高齢者を1.7人の現役世代で支えなければならなくなり,現役世代にかかる負担が極めて大きく,年金等の社会保障制度が深刻な状況となることが懸念されているところであります。  この少子化の要因といたしましては,子育ての時間的,心理的,肉体的負担感のほか,子育てに係る経済的負担が上げられております。そこで,子供を産み育てる上での障害を取り除く,こうした負担を緩和していくことが行政の役割として求められているのでありまして,国と地方がそれぞれの役割に応じた少子化対策・子育て支援を推進していく必要があると考えるものであります。  国においては,平成11年度税制改正で子育て減税を実施することとしたほか,児童手当の所得制限の緩和により,多子世帯を中心とした受給対象者の拡大を行い,経済的負担の軽減を図るなどの対策を実施しようとしております。  一方,神戸市についても,平成11年度予算において乳幼児医療費助成制度の対象者を,入院について3歳未満から6歳未満に拡大するなど子育て支援の充実を図っており,その姿勢を評価はいたします。  本市では,平成9年度に神戸市児童育成計画を策定し,すこやか子育て支援のまちづくりの実現を目指して施策を実施してきたのであります。平成11年度はこの計画の目標年次である平成13年度までの中間年に当たり,折り返し点を抑えることとなります。近年の厳しい財政状況の中で限られた財源を有効活用するために,より優先度が高い施策に思い切った重点的な財源を投入することによって,効果的かつ効率的な事業執行を図る必要があり,施策の抜本的な再構築が求められております。  そのためこれまでの事業を検証・評価した上で,あるべき子育て支援策の姿を明確にし,今後どのように施策を展開していくのかというビジョンの下で,さらなる子育て支援の推進に取り組んでいただきたいと考えるものであります。  そこでまず,児童育成計画についてお伺いをします。  児童や家庭を取り巻く社会経済情勢の変化,児童福祉法の改正や市民のニーズの多様化など,計画策定後の状況の変化が見受けられ,これらに対応して神戸市としても出生率を回復させる抜本的な施策展開を考えていくべきであり,そのため計画の見直しを行う必要があろうかと思います。  また,それとともに,子育て家庭への支援として,夫婦共働き家庭に対して,夫のみならず妻の税負担も緩和するような税体系の見直しを国に対して要望するなど,国の施策とともに総合的な少子化対策を実施すべきではないのか。  2点目は,女性の高学歴化と社会進出により晩婚化が進んでおり,このことが少子化の一因でありますけれども,一方で将来の労働力人口の減少を緩和させる効果も持つことから,就労と出産・育児の両立を可能にする支援策の一層の充実が求められます。そのため質的にも量的にも十分な保育サービスの提供が必要であり,特に保護者のニーズの強い延長保育等の多様な保育サービスの充実を図っていく必要があると考えますが,いかがでしょうか。  また,核家族化に伴う家庭における養育機能の低下とともに,地域コミュニティが希薄化していることから,地域社会の子育て機能も低下しております。このような状況の中で,子育て中の親の育児不安や孤立化が問題となっておりまして,家庭や地域での子育て支援の充実が必要であると考えますが,どのような対策を講じていくのか,お伺いをいたします。  次はWHO神戸センターについてであります。  WHO神戸センターは,平成8年3月に神戸に設置をされました。昨年春には東部新都心に移転をいたしましたが,国際社会への貢献にとどまらず,国際会議の開催による人的交流や健康分野における情報発信・集積などのほか,神戸医療産業都市構想を進める上で核と相なり,震災復興にも大いに期待できるものであります。  地元神戸市といたしましても,財政面をはじめセンターの運営に対する支援をいたしておりますけれども,せっかくの国際的機関が神戸に立地しているわけであり,その効果を市民にもわかるような形で地域に還元できないかと考えているところであります。  そこで,地元関係団体とWHO神戸センターとが常に密接に意思疎通を行うシステムづくりが必要であり,そのためには行政では保健所や中央市民病院,また関係機関では医師会等との連携をさらに深める必要があると思います。  WHO神戸センターの具体的なテーマと活動内容につきましても,センター独自で決定するのではなく,保健福祉行政の一環として地元の意向なり意見が組み入れられるように働きかけるべきではないのか。  例えばアトピー性皮膚炎やシックハウス症候群など,都市における健康関連の問題などが研究されることに相なれば,市民にとっても一層理解が深まると思うのであります。  ことし,センターの所長が日本人になりました。研究スタッフにも厚生省の方々が来ていただくなど,コミュニケーションもより図りやすくなったことでもあり,WHO神戸センターのことを神戸市民にもっとよく知っていただくためにも,地元密着型の研究機関を目指し,保健福祉行政の向上を図るべきと考えます。市長の見解を伺います。  次は,市営住宅マネジメント計画についてであります。  現在当局は,マネジメント計画を2年かけて策定中であると聞いております。この検討の中で2点注文を申し述べたいと思います。  1点目は,市営住宅は緊急3カ年計画達成後は5万 5,000戸のストックと相なります。本市の世帯数に占める割合も10%を超え,大都市の中でもトップであります。この際新規建設は当分の間見合わせ,郊外地の老朽住宅などは思い切って用途廃止することにより総数管理をすべきであるということであります。  また,2点目は,ストックの管理につきましては,団地カルテをつくってそれぞれの団地の処方箋を書いていくということを聞いておりますけれども,この検討の中でハード面だけではなくソフト面,すなわち良好な居住環境,コミュニティが確保されるよう入居実態や居住者の希望,言いかえれば顧客満足度も考慮して,廃止・建てかえ・統合・改善・修繕の判断を下すべきであると考えます。  以上の点を考慮して,同計画を早急に策定をし,新旧住宅をそれぞれ良質なストックとして維持・管理していくべきだと思いますけれども,この点についてもお伺いをいたします。  次に,都市計画の問題であります。  都市の再構築について市長は,「21世紀を目前に控え,神戸を新しい時代にふさわしい,活力に満ち,魅力あふれる都市として発展させていくため,神戸のまちの特性を生かしながら,時代の潮流を読み取り,いかなる社会情勢の変化にも対応できる,持続的発展可能なまちづくりに取り組むことが重要である。」と述べられております。  都市計画事業は,まさにそのまちづくりのビジョンを描くということであります。都市は,人が住み,働き,憩うといった市民の日常生活の諸活動を支える器であり,加えて将来こうあるべきだという都市の全体像を市民に示し,市民とともに推進していくことが求められております。  神戸市は,大都市でありながら豊かな自然にも恵まれ,これまで緑を保全・育成するとともに,自然災害を克服し,自然との調和を図りながら都市整備を進めてまいりました。良好な都市環境を維持・創造するためには,都市の容量にゆとりを持ち続けるように配慮をし,抑制策と促進策とのバランスを確保し,持続的な都市成長を誘導しなければなりません。  これからの都市は,暮らす,働く,学ぶ,楽しむという,生活の各側面に着目した総合的な都市空間の整備を進める必要があります。例えば住・商・工のバランスをとりながら総合的なまちづくりを実施し,居住環境の改善や交通渋滞の解消など,大都市につきものの課題に市民とともに取り組んでいく姿勢が求められているのであります。  このような観点で,今回提案されております平成11年度予算の中に,都市の再構築は,まさにまちの現状や課題,将来像を市民にわかりやすく示し,あわせて将来像の実現に向けた手法のメニューを,それぞれの地域の実情や特性に応じて選択する仕組みを示し,継続的にまちづくりを推進するもので,大いに期待をしているところであります。  そこで,この都市の再構築という新たな政策を具体的にどのように進められていこうとされるのか,またまちづくりのメニューとしては,これまでの区画整理事業や再開発事業といった都市計画事業とどのように違うものか,そしてこれを検討しようとしているのか,市長の見解をお伺いいたします。  2つ目は,土地の有効利用についてであります。我が国の経済は2年連続マイナス成長という戦後最悪の不況に陥っており,これを打開するためには内需主導の景気回復が必要であります。  そのための1つの手段として土地の有効利用があります。神戸市では,特に震災後,住宅であったところが駐車場になっていたり,いまだに空き地のままで放置をされているところが多くあります。土地の流動化なども含めた有効利用は喫緊の課題であり,いわゆる白地地域のまちづくりの観点からも空き地をどうするかという問題が残されております。この点に関して何らかの施策を展開しないと,真の復興をなし遂げることができないと言っても過言ではないと思います。市長の見解を伺います。  次に,都市計画事業の大きな柱として,規制・誘導による土地利用のコントロールがあります。まちづくりを推進し,良好な市街地環境を確保しつつ,土地の有効利用を図るため,何らかの規制緩和を行うべきであります。都市の再構築の中には,用途地域の見直しの議論も含まれていると聞いておりますが,どのような視点で見直しをされるのか,お伺いをいたします。  次に,産業政策についてお聞きをいたします。  新年度予算に盛り込まれている不況対策関連施策を見るとき,不況対策協議会からの4つの視点,1つは消費喚起,2つは企業活力,3つは中小企業融資,4つは雇用など 100の提言の実施に向けて,さまざまな工夫により,きめ細やかな対策がとられております。神戸市の置かれている財政危機の中で 174事業,3,600 億円を超える予算が計上されたことは,市長の不況対策への積極的な姿勢が読み取られ,高く評価をいたしたいと思います。  しかし,市民や企業のあすへの不安が一日も早く解消され,前向きに経済活動が展開されるためには,予算が前倒しで執行され,地元企業に優先発注されることも必要でありますし,中長期的な視点から既存産業の高度化と新産業の誘致・育成により具体的に取り組むことこそが一番大事ではないかと考えます。  そうした観点から予算案を見ますとき,神戸空港関連は動き出しますが,KIMEC構想,アスリートタウン構想,医療産業都市構想,20世紀博物館群構想,21世紀復興記念事業などの市民・企業が元気づく事業のほとんどが,いまだに調査費計上にとどまっており,これを一日も早く立ち上げていくことこそが一番求められている経済政策ではないかと思います。  市税の収入の減少と起債制限,そして財産の枯渇という3つの財政課題を抱えている市政にとって,確かにこれら大プロジェクトを推進していくことは大変なこととは承知をいたしておりますけれども,こういうときにこそ知恵を出すことが必要ではないでしょうか。知恵を出し,これら大プロジェクトをできるだけ早く実現することにより,いずれその何倍かの税収増として返ってくるものだと思います。  幸い明石海峡大橋とその関連道路の開通により,神戸は日本でも有数の好立地条件を持つ都市になりましたし,今日まで市が蓄積してきた都市経営のノウハウはいまだになくなっていないのであります。また,神戸には,まちそのものの魅力があります。先ごろ運輸省の外郭団体である運輸政策研究機関が発表した観光地の魅力の評価でも,神戸,京都,長崎の3都市が5つ星と高い評価を得ております。観光入り込み客数を見ましても,平成10年は震災前の6年を上回る 2,528万人もの人が神戸を訪れております。これら神戸の持つ特性・魅力を改めて集約し,一日も早い集客産業の事業化を望むものであります。  私は,まちづくりで住み,働き,憩い,集うと言ってきたものを,まず働き,住み,憩い,集うというふうに言いかえてもいいぐらいに思っています。今やそれほどに産業政策が重要になっていると考えております。  市長の,これら大構想に対する夢と取り組みの決意のほどを改めてお聞きをいたしたいと思います。  次に,最後でありますけれども,次代を担う青少年の健全育成についてであります。  青少年をめぐる諸問題については,市においてもさまざまな施策を講じ,市民活動の組織づくり,支援もされてきておるところでありますけれども,新しい課題が次々と生じてきているという印象を持っております。  不登校やいじめの問題も言われて久しく,最近は少年非行の低年齢化や凶悪化,学校では学級崩壊などと言われる現象が低学年でも生じてきていると報告を受けております。  一方,子どもたちの家庭環境,社会環境の変貌も著しいものがあり,家庭では核家族化や少子化の進行で,子どもに対して過保護や過干渉の傾向が見られます。地域の教育力とも言われる,地域のコミュニティの弱体化も懸念をされております。また,マスメディアや情報機器を通じた有害情報のはんらんも目に余るものがあります。
     このような中で,来る2002年からは学校も完全週5日制の導入が決まりました。その目標はまさに子供たちにゆとりある生活と生きる力を育てることにあると思います。家庭・学校・地域に向けた施策が11年度の予算案にも各局から計上されております。  私は,いつも言うことでありますけれども,教育委員会,市民局,保健福祉局などなど各局がばらばらに対応していって重複とか,またそれに対する漏れはないのか。  急激な社会変化で確かに子供たちは変わってきております。モデルとなるべき大人社会もモラルやマナーの欠如が見られます。青少年問題が複雑化,社会問題化している今日,大切なのは総合的な対応であります。どこがどんな形でやっていくのか,行政の強力なリーダーシップで閉鎖的な状況を変えていかなければなりません。これについてお伺いをいたします。  以上で質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 42 ◯副議長(武貞健治君) この際当局に申し上げます。  時間が大分経過をいたしておりますので,答弁は簡明にお願いいたします。  笹山市長。 43 ◯市長(笹山幸俊君) 寺坂議員のご質問に,まず私から数点お答え申し上げます。  WHO神戸センターにつきましてのご意見またご示唆をいただいておりますが,このWHO神戸センターにつきましては,ご承知のとおりジュネーブにございます本部直轄の研究機関として,独自にいろんな計画が決定できるようになってございます。  そういうことで,世界的な都市化の問題,それから高齢化社会に対するそれぞれの起こり得る問題,そういうものを研究するということになってございます。そういうことで,そういった健康の問題につながります。これはかねて申し上げておりますように,都市化という問題は人口問題に関連をいたしておりまして,都市のあり方によっては人口問題にかかわる,こういったことで健康に直接かかってきます。  ですから,こういった独立したWHO神戸センターと,国連でやっておりますいわゆる人口基金による調査,こういった問題については同じような格好でございますけれども,それぞれ観点が少しずつ違っておりますが,神戸にその2機関がございますので,これをうまく使っていきたいというのが,今回のWHO神戸センターが神戸に来ていただくための努力をしたのは,そういう理由からでございます。  ですから,こういった都市化の問題あるいは高齢化の問題で,それぞれの国が抱えておりますいろんな問題,これは絶えず放送されておりますので,ご承知のとおりだと思いますが,そういった国際社会への貢献が目的でございますWHOに対して支援をする,こういうのも1つの神戸の役割ではないか,こう思いますし,国際都市として発展した神戸にとっては当然のことではないかという考え方もございます。  ですから,この健康・福祉──高齢化ということになりますと当然福祉にかかわりますので,それを研究されたものについて,このWHOのやり方は研究内容をそれぞれの国の行政機関にアドバイスをする,こういうことで実際に実行していくのはそれぞれの国と,こうなっております。それで,私の方の人口基金によるアジア情報センターは,相手が都市になっております。そういうことになっておりますので,それぞれ振り分けをしていきますが,そういった情報を発信できる,また知的な集積力を高める都市神戸をねらう,こういうことになろうかと思います。  ですから,こういったことをやっていきますと,当然それに医療・福祉の関連の研究と,それが直接産業の問題につながる,これが地元企業あるいはそういった技術を持っておられる方々に対する,高度化したりあるいは技術を取得したりするチャンスができる,こういう中身になってございますので,ぜひこれは支援をして,今後進めていっていただくことに対する努力をしていきたいと思います。  特に地元として,前の所長のボイチャック氏に申し上げましたのは,神戸はそういった技術力も持っておりますし,また病院群も十分レベルの高い病院があります。そういったところと十分連絡をとっていただくような内容で進めてほしいということを申し上げてきたわけです。  しかし,諮問委員会というのが中にございまして,その諮問委員会は地元から1名ということになっております。そういうことでその1名の方は,ご承知だと思いますが,神戸大学の馬場先生に参加をしていただいております。馬場先生を通じてそれぞれ意見を申し上げる,また年に何回かそういった会合がございますので,その都度意見を申し上げる,こういったことになってございます。  ですから,地元とのいろいろな連携の事業としては,昨年11月に都市における高齢化と健康に関する国際シンポジウムが開催されております。この中に出てきました内容のものを,やはり専門家が有している知識・経験ですから,そういったものを一般の保健医療関係者あるいは市民の皆さん方にお伝えするということでタウンミーティングというのが行われました。数カ国の権威者が来てやっておりました。また,近隣の大学等に対しましても,WHOの研究内容についての講義を行う,こういうようなことにもなっております。  ですから,今回川口所長に交代をされましたけれども,前のボイチャック氏は,やはり日本の大学で一部教鞭を取りたいと──取ってほしいという大学がありますから,またしょっちゅう神戸に来ますと,こういうようなことでございますから,そういった先生方が神戸においでいただくということが,そういったいろんな研究の内容が私どもに伝わってくる,また市内の保健所あるいは病院,医師会,こういった方々にもこれをお伝えすることができるチャンスがふえてくる,こう思っております。ですから,WHO神戸センターと医師会との間で研修会をやろうということも,もう既に決定をいたしております。  そういうことで,できる限り地元に情報を流していただく,研究成果を流していただく,こういうことをお願いいたしておりますし,いろんな国に対しての直接アドバイスも彼らはやりますので,それが神戸にとって相手国が非常に緊密な関係にある国が相当ございますので,そういった方々に対してのフォローも当然していく必要があろうかと,私はそう思っております。  それから,都市の再構築ということなんですが,ちょっと表現がかたくなっておりますけれども,現在建設省なりがいろいろと議論をしている中で,いろんな表現を今まで使ってきておりますが,まちはどんどん無制限に──放置しますとまちの形というよりは,むしろスラム化していきますから,そういうまちは意識的につくっていく必要があるんですけれども,そういう場所だけではないわけでして,それを新しくつくり直そうというのが今回の考え方なんですけれども,しかしどんなまちをつくっても,要は市民が生活をしていくわけですから,よく私は言いますが,安全・安心ということを満たさないといけないということになります。  ですから,公共施設が整備をされたからといって安全・安心というわけにいかない場合も,現実にはあるわけでございますので,そういったまちではなくて,市民の皆さん方にとって,やはりこのまちというのはどういう中身なんだということの再確認をしながら,決めるものは決め,実施するものは実施していくというような状態になるのではないかなと,こう思います。  ですから,それを具体的にやっていくということになりますと非常に難しいんですけれども,今回の震災でいろいろといわゆる教訓を受けたわけですけれども,やはり時代時代によってまちの様子も変わります。人も変わります。価値観も変わります。そういう状況の中で,その都度対応できるようなまちというものはないのか,こういうことになります。  ですから,いろんな現在やっておりますのは,都市基盤としてつくってきた都市のストックですね,こういうものが将来どういうまちにする場合でも,これが活用できるという──よく言っておりますように持続的に発展可能なまち,この中身が多少変わっていってもそれは十分受けられる,対応できる,こういうまちであってほしいと思います。  ですから,物理的な問題も当然あるわけですが,それ以外に大事なのは,そこでお住まいの方々の,そのまちをつくるための努力がここに生まれてこないとできません。そういうことで,今後そういう意味での再構築と,こういうぐあいに考えていただければと思います。  具体的に表現してますのは,総合的なまちづくりというやり方,あるいはわかりやすい協働のまちづくりとか,あるいは地域特性を生かした持続的なまちづくり,こういった表現をしておりますが,確かに総合的にやるという場合に,今回でも出てきておりますけれども,かねてからコンパクトタウンということを言っておりますが,これもわりに新しい表現なんですが,実際には昔からあるんです。言葉が変わっただけでして,例えば近隣住区とか地区計画とか,そういうやり方というのがあるんです。しかし,それがこういった方向に表現を変えておりますけれども,それに今回出ておりますエコタウン,こういった問題も,まちにとって必要だから,そういうことは頭に置いてまちをつくっていかないといけませんねと,こういうことでございますから,いつもそういったことを職員には言っているわけです。  特にまちの中で,最近私は特に言っておりますのはバリアフリーのまち,こういうような表現がよく出ます。ですから,それはもうまちをつくっていくのに当たり前ではないかというぐあいに考えないと,今申し上げましたようなエコタウンであろうと,都市の再構築をするための手法にしても,それが原点にあるということを考えておけば,自然とそういうまちができていくんではないかな,こういう考え方です。  ですから,それをやるためには,まちの構造というんですか,都市計画法上からいえば,例えば用途地域であったり,例えば先ほど言いました道路であったり,こういう具体的な問題にぶち当たるわけです。  ですから,用途にしてもそれぞれ裏表で,あるいはお向かいと西・東で接続したところが用途の切れ目になっている,そのためにいろいろとトラブルが起こる,こういうこともありますから,そういった問題も含めて土地利用等について総合的に展開していこうと,こういう言い方でございます。  ですから,そういったことを皆さんが理解をして,問題点があればそこで整備課題として取り上げて,そしてやっていくということ,それから将来はどういうまちにしましょうかと,それは時代に応じて変わるという前提でいいんだと私は思います。そのときにはこういう方法が一番いいなと言っておりますけれども,将来はやはりちょっと邪魔になるねというような話もないことはありません。ですから,そういうところでの理解をお互いにしてやっていくということが必要なんではないかな,こう思います。  ですから,もう1つの地域特性は,少なくとも地域には特性があります。例えば東灘とか灘とかそれぞれまちの生い立ちが違いますから,その生い立ちによって現在でも残っておるもので地域のためになっているもの,目標とされているもの,例えば東灘ならわかりやすく申し上げましたら酒蔵の道であったり,現在あります異人館群であったり,そういう特性を生かしたまちというものがつくれるんではないかなと,こういうぐあいに考えております。  ですから,こういった問題をみずから選択して,仕事のやり方を皆さんで考える,しかし,法律的な手続を取らないと事業化できないという場合がありますので,そういった決定なり手法を考えて,みずから選択できる仕組みをつくっていこうではないかというのが今回の再構築の考え方です。  ですから,そういった問題をやっていく上で,どこかモデル地区でも考えてやっていったらどうかと,こういうぐあいに考えております。  特に地区計画にしてもそうですし,今度のエコタウンにしてもコンパクトタウンにしても,ある地区をモデルにずっとやっておりますが,これをばらばらにやりますと非常にむだなことがありますので,これは恐らく一緒にやりなさいと,こういうことを言っております。同じところでそれを詰めていくということになろうかと思っております。  そういったことで段階的にまちはずっと続きますので,短兵急にやるところも,急を要する場合もありますけれども,時間をかけてやっていくということになろうかと思います。  ですから,今ありますいろんな仕事のやり方については,いいところを取ってやっていこうということですし,また決められた法律を全面的に採用していっておりますから,今後はそれをいかにうまく利用できるか,利用するかという観点から議論をしていただければと,こう思っております。  特にこういった部分的にいいストックが地域的にありますので,そのストックを生かしていくためのまちづくり,こういうことではないかと思います。  それから,産業誘致の問題で,不況対策も含めてですけれども,特に現在の不況については相当深刻な状況でございますので,できるだけ早くそれが回復するめどが立っていけばと,それに対する不況対策関連施策を大分細かいですけれども,挙げておりますけれども,これが十分機能しないということもあり得ることですけれども,全体として神戸のまちが少しでも力をつけていくための仕事をどんどん進める,それを利用して活性化を図っていく。例えば情報通信,KIMEC構想にしてもそうですし,また空港の話でも皆そうです。  ですから,そういったものが地域にとって,また神戸にとって必要な将来の仕事をつくり出す根拠になるのではないか,こう思っております。そういうことをやることによって,人材が神戸で養成され,神戸で働ける場所ができる,こういうことになろうかと思います。  先ほどもお話がございましたようにまず働く場所,そこへ人が集まる,そして住む,こういうことになるんではないかと思っておりますので,そういうプロセスでまちはでき上がってきたわけですので,それは逆にするというようなことにはならないんではないか,こう思っております。  ですから,今重要に考えておりますのは,先ほど2つほどの,WHO中心に要は健康──これはもちろん人体もそうですが,いわゆるまちの健康ということもあるわけですから,健康体のまちと少し老齢化したまちもあるわけですから,これの活性化を図ることがそのまちに住む人たちの健康につながる,こういう見方をしていきたい,こう思っております。  それには,毎日の生活の中には,そういった仕事場というのがございますので,関連産業は当然医療産業都市構想にしても,そういった最終目標があって,そして企業がそういうふうにくっつくということにならないと,ただ議論だけして,そこに何も神戸市民にとっても返りがない,こういうことではいけませんので,やはり神戸でそういった人たちが働いていけるような産業が育つということが必要ではないかと思います。  ですから,この段取りは,企業の参画を得た研究会をできるだけ早く立ち上げて,4月ぐらいには相当詳しく話ができるんではないかと思います。午前中も申し上げましたように,3月末には最終的な意見をいただいて枠組みを決めていただく,そして研究会に持ち込む,こういう段取りでございます。  また,他にいろんな構想が今までからあったものがございます。これは将来,この問題は時間がたてば進める必要があるものだと思っております。例えば20世紀博物館群構想もそうです。淡路の震災の記念事業にしてもそうです。ですから,こういった問題は現在それぞれ詰めておりますので,どういう方法で事業化していくかということを考えていきたい,こう思っております。  記念事業については2001年というような目標を立てております。これは県がジャパンフローラを2000年にセットしておりますので,継続・連続してそういったものを開催していこうということでございます。  ですから,こういったいろんなことが出てくるわけですけれども,やはりこの構想は,非常に一般的なやり方は調査研究,基本計画,実施計画そして事業と,こうなるわけですから,ちょっと時間がかかるのが難点なんですけれども,中長期的な範囲内でものを考えていかないと,まとまらないということもございます。  そういうことで,できるだけ早く,タイミングを失することなくやっていく必要があろうかと思います。特にそれぞれ情報なり健康・スポーツ,あるいは医療関係,福祉関係,それぞれの構想が今立ち上がりつつございますので,それをできるだけ早く,その構想を実現化するための事業手法も含めて検討させていただきたい,こう思っております。  特にこういったものにつきましては,国なり関係機関の協力,また民間の活力も必要でございますので,ぜひご協力をいただきたいと思っております。  それから,青少年の健全育成の問題ですが,これはかねて庁内でいろいろ議論をしているんですけれども,今回問題がいろいろ出てきたことを取り上げて,どういうやり方をすれば,連続して小さな子供さんから高校生ぐらいまでの方々,それから青年というところ,そういったところについてどんなシステムになっているかと言いますと,現在では小さい子供さんは保健福祉局なんです。それから,幼稚園・学校へ行きますと教育委員会,その中間といいますか,それからちょっと大きくなったところでは市民局が担当しています。  ですから,ご指摘がございましたように一体その切れ目はだれが責任を持つんだということになります。そのとおりずっと行く場合はいいですけれども,最近はそうはいかないですね。横っちょへ外れていく場合がありますから,外れた人たちもたくさんおるわけですから,それは一体だれが見るんだ,教育かあるいは市民局かと,こういう議論がありますので,今回の予算編成のときにも,こういう問題についてははっきりしないとお金のつけようがない。つけても,同じような仕事をばらばらにやる,こういったことではいけませんので,特に3局ですけれども,その重複や漏れはないか,その余分なことをしないで,例えば3つの同じような仕事を一緒にやれば相当浮くわけです。浮くといったらおかしいですけれども,ほかにまだ仕事ができるということになりますから,そういったやり方を考えないと,市民局の場合はよかったけれども,教育委員会は余りサービスがよくないとか,こういう話になりますので,やはり地域活動をやっていただく方々にとっても,こういったすき間ができることは当然避けなければいけないと思います。  ですから,よく言われます家庭なり学校なり地域,こういうことがよく言われますが,この3つ申し上げましたけれども,その3つの中にすき間があるわけです。ですから,それを何とかすき間を埋める。それから飛び出しますと,例えば青少協とかPTAとかそんなのがありますから,そこにもまたすき間がある,こういうことになりますので,今回いろいろとそのすき間を埋める方法として考えてやろうとしたのがトライやる・ウィークであるわけです。  しかし,これも日を決め,月を決めて一斉にやるのもいいですけれども,私は前から学校開放というのは,地域に先生と子供さんが出てくださいということを言っているわけです。それはこのトライやる・ウィークと一緒でございまして,地域のいろんなところに顔を出していけると,こういうことを言っておったわけです。ですから,これは何も日を決めてやらなくても,時間があって,またいいものがあれば,随時これは実行してもいいんではないかということを言っております。  ですから,そういうことが自由にできるような時代に,5日制等になってきますとそういうことにそろそろなってくるんではないか,こう思います。  ですから,分け方の問題については非常にやりにくい点もございますけれども,やはり3局がそれぞれご相談を受けるような場所をつくって,それぞれ違うというところがあるようですから,子供と話をするのに違うはずがないわけですね。教育委員会と市民局と違うはずがないんで,そういう違うということであれば5カ所に分けて,それぞれ違った相談をするようなことは余りよくないんではないかというようなことを言っておりますけれども,3局は「いや,それでやらせてもらいたい。」と,こういうことを言っておりますから,今後いろんなマニュアルをつくるときに合同でやらせる,こういうことを考えております。  ですから,そういったことが子供たちにとっていろんなことを経験できる素地といいますか,基盤というものをつくっていって,子供たちにそれを使ってもらう,自分で考えてやってもらう,こういう時代になることです。  それから,私はいつも言うんですが,縦にならないで横だけでやりますと,例えば小学校と中学校の高学年とが一緒になれば,やはり先輩ですからいろんなことを教えてくれるわけです。それが1つの大きな経験を得る要素になるわけです。  先日もあるところで話があって,これは笑い話みたいなことを申し上げたんですけれども,「用水池があります。それを親水性の池にしてください。」と,こういうことをよく言われます。子供でも入って何でも取れるようにしてほしいと。ところが,池というのはよっぽど気をつけないと,用水池なんかやったら皿池になっている場合がありますから,ちょっとはまりますともとへ戻れないというような構造になってます。  ですから,そういうことをよく知っていてやらないと事故が起こる。これは先輩の方がよく知っているわけです。親ももちろん知っていないといけませんので,先輩はそういう経験を踏んでいますから,やはりそういった先輩と一緒に行くということでやっていくようにというようなことも申し上げたんですが,確かにそういう縦でのつながりというのが非常に薄くなっているというのが今の私どもの感ずることなんですけれども,これについての今後の努力をしていきたいと思います。  以上,私からお答え申し上げました。  (「議長」の声あり) 44 ◯副議長(武貞健治君) 時間が相当経過いたしておりますので,答弁は簡明にお願いいたします。前野助役。 45 ◯助役(前野保夫君) 時間の関係で答弁を簡略にいたしますので,失礼を最初におわびいたしたいと思います。  まず初めに,地元企業への発注でございます。これは昨日,きょうも申し上げましたように非常に極めて重要な課題であるというふうに認識をいたしております。  ご指摘のランクアップでございますけれども,これは工事実績を見て,成績優秀な企業についてランクアップを現にいたしております。また,最近では神戸市の実績だけじゃなしに,国なり他の自治体での実績も考慮する,そういうことによってランクアップの機会が増すように努力をいたしております。  それから,下請への問題でございますが,これもあらゆる機会をとらえて元請に対して要請をいたしております。特に契約時に口頭で要請したり,あるいは工事担当課において現地説明会に要請をしたりいたしております。  それから,年度当初の地元企業への発注目標額の設定でございますが,これはやはり発注するまでに,どういいますか,工事の規模なり内容によってかなり時間がかかるということで,やはり年度当初に確定することは難しいと思いますが,できる限り補正とともに新年度予算も一括して前倒し発注に努め,景気の回復に努めてまいりたい,このように考えているところでございます。  それから,子育て支援でございますが,これは国において有識者会議,閣僚レベルの取り組みがなされたということ,これは寺坂議員ご指摘のとおりでございますが,神戸市におきましても,関係局長あるいは代表区長から成る子育て支援推進会議を新年度早々に立ち上げたい,そこでいろんな各部局の施策の連携なり,一層充実させてまいりたいというふうに考えております。  また,有識者会議におきまして,子育ての経済的負担を社会的に支援するという税制のあり方,これについても提言がされております。私ども,その辺を十分見ながら各都市と連携を図って,特に13大都市と連携を図って抜本的な少子化対策を引き続き国に対して積極的に要望してまいりたいというふうに考えております。  それから,就労・出産・育児のための延長保育の要望が高まっているのは,十分に承知をいたしております。私ども,平成9年度から朝7時半からの特例保育を全園で実施をしてまいっておりまして,朝の時間延長のニーズについては,ほぼ対応できているのではないかと考えておりますが,ただ夕方のニーズについては,まだまだニーズが高いことは十分に承知をいたしております。現在40カ所で夜7時また8時までの延長保育を実施いたしておりますが,平成11年度はさらに5カ所拡大して45カ所で実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから,地域コミュニティが希薄化しておる家庭や地域の子育て支援の充実でございますが,これもいろんな形でやっております。特に児童館では,すこやかクラブといったようなもので親子遊び,あるいは子育てについての学習,母親同士の仲間づくりを行ってまいっております。10年度は親と子のふれあい講座として,子供の成長に合わせた年齢別のビデオ・テキストを作成するなど,いろんなモデル講座を実施いたしております。  11年度は児童館以外の場所も含め,例えば保育所とか保健センターとか,そういったところでも拡大をしてまいりたいというふうに考えておりますし,また各区社協に子育てコミュニティ推進員を配置いたしまして,地域ぐるみでの子育てを推進するために,児童館を日曜なり祝日に開放して,子供向けの行事を実施するためのコーディネート役,そういったものも考えております。  また,本多聞に移設しました子育て支援センターの子供の家なり,あるいは保育所の地域子育て支援センターにおきましても,いろんな育児相談,子育てサークル,こういったことを実施してまいりたい。特に11年度からはすこやか子育て窓口──これは各区の保健部に設置いたしまして,保健婦等による相談を行ってまいりたい。こんなふうなことで,それ以外にもいろいろあるわけでございますが,多様な子育て支援に努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 46 ◯副議長(武貞健治君) 山下助役。 47 ◯助役(山下彰啓君) 私の方から2点お答え申し上げます。  まず,客観的事業評価基準の問題のご指摘がございました。ご指摘のように市民ニーズの的確な把握であるとか,あるいは行政の役割分担のあり方,あるいは施策の優先順位,こういったこととあわせまして,最近やはり横割り的な発想で仕事をしなければできない分野が多うございますので,それを客観的に評価できる基準はないかということでいろいろ考えてまいったわけでございます。  ブラックボックスに入ってしまうのではないかというご指摘でございますが,むしろ我々は公平・公正といった観点からこの基準を考えまして,できる限り適用した結果を市民の前にも公表して市民の方に知っていただく,そういう趣旨でつくったものでございますから,ある一定のところですっと消えてしまうということはむしろ避けて,議論をしていただく,そういうつもりでやらしていただきたいと思います。  また,組織のあり方でございますが,確かに今申し上げましたように,大きな事業というものは,特に横割りといいますか1つの部局で対応し切れない事業がございます。特に最近出ております,先ほど来問題になっております,例えば文化情報都市にしても,健康・医療にしても,あるいは集客都市づくりにしても,これは全市挙げて取り組まなければいけない課題,しかもこれを民活とか,民間の企業の方の参画を得るとかいうことになりますと,民間の方々の場合には,役所の縦割りの中ではまり切らないのは当然でございまして,こういった非常に事業主体も目的も効果も多様な面につきましては,いろんな組織のありようを考えていかなきゃならん,そういう思いもございます。  縦割りと横割りをどう組み合わせていくか,1つの組織の永遠の課題でございますけれども,できる限り横割り的な,あるいはプロジェクト的な発想をもって対応ができるように検討してまいりたいと思います。  (「議長」の声あり) 48 ◯副議長(武貞健治君) 鶴来助役。 49 ◯助役(鶴来紘一君) 私の方から市営住宅のマネジメント計画と土地の有効活用についてお答え申し上げます。  議員ご指摘のとおり,平成11年度末で市営住宅が5万 5,000戸という形になります。全世帯の約10%ということで,東京都を入れます13大都市でトップというのはご指摘のとおりでございます。したがいまして,当面新規の建設は考えておりません。ご指摘のとおりでございます。  それから,現在平成11年度中にまとめるべく,マネジメント計画を策定中でございますが,住宅の規模あるいは老朽度から大体 150団地,半数の2万 7,000戸程度が検討の対象になるわけでございまして,これについてはご指摘のとおり,各団地の入居状況あるいは敷地の効率化,立地条件,そういうことも検討しながら,用途廃止を含めて段階的な建てかえあるいは住戸改善,それから計画的な修繕という形で検討してまいりたいと思っております。  いずれにしても,市民の皆さん方のご理解を得ながらこの計画を実施していくということはもちろんでございますが,必要に応じては団地の統廃合ということも考えてまいりたいというふうに思っております。  それから,空き地の有効活用でございますが,ご指摘のとおり被災市街地の中で,特に白地地区では空き地あるいは暫定利用の駐車場ということで非常に多く見られるわけで,これのいわゆる活用ということで,我々としても土地の共同・協調化,あるいは道路整備型グループ再建制度,また小規模の組合区画整理と,そういう事業などでできるだけ有効活用を図るということで実施をしてまいりました。  また,神戸市の都市整備公社におきまして,土地のいわゆる定借に対する希望者と,活用の意向を持っておられる所有者とのいわゆる仲人といいますか仲介をやって,これについては20区画ほど成果が上がっております。  また,当面利用の決まっていない空き地については,地元の皆さん方の管理あるいは維持ということで,まちづくりスポット創生事業というのもやっておりまして,これについては10年度中では何とか6カ所ぐらいできるんではないかということで,現在取り組んでおるわけでございます。  いずれにしても,今後もそういう空き地については,できるだけ有効活用するべく,地元のまちづくりを支援してまいりたいというふうに思っております。  それからもう1点,用途地域の見直しでございます。これについては都市計画の中で非常に大きな柱でございまして,土地の規制誘導について用途地域がいわゆる基礎になるわけでございまして,昭和48年に決めましてから,今まで全市見直しということで3回やっております。次回は平成13年度を予定いたしておりまして,平成11年度にはその方針を一応決めるということで考えております。  これについては当然震災後における土地利用の変化とか,ご指摘の空き地の有効活用ということを重点に置いて,魅力ある,あるいはまた安心・安全なまちづくりということを目指した土地利用を考えていきたい,そういうのを策定の基本にしたいというふうに考えております。  ですから,ご指摘のような良好な市街地環境のそういうものを確保しつつ,土地利用の有効活用ということを第1番的に用途地域の見直しの基本方針にしてまいりたいというふうに思っております。  また,これは用途地域は全市的になりますので,地区レベルあるいは街区レベルという形で,これについても地区計画あるいは高度利用地区,特定街区,そういう特に斜線制限とか容積の割り増し,そういうような規制緩和といいますか,そういうことも十分活用してまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。 50 ◯副議長(武貞健治君) 寺坂議員,おまとめをお願いいたします。 51 ◯60番(寺坂光夫君) 終わります。 52 ◯副議長(武貞健治君) 次に,63番北山順一君。  (63番北山順一君登壇)(拍手) 53 ◯63番(北山順一君) 私は,自民党市会議員団を代表いたしまして,平成11年度当初予算案について質疑をいたします。
     まず,子育てについてであります。  私は,さきの決算市会を含め,日本一子育てのしやすいまち神戸を目指していくことを提案してまいりました。21世紀の活力ある神戸をつくるためには,さまざまな子育て支援策をとり,若い世帯を神戸に呼び寄せ,出生率を回復させるとともに,新産業の創出や活性化に寄与するものとの考えから申し上げてまいりました。  平成11年度予算では,子育て支援策の連携を図るための子育て支援推進会議の設置や,区保健部を窓口とするすこやか子育て窓口の設置,乳幼児医療費助成制度の入院における対象年齢の拡大,若年世帯向け民間賃貸マンション敷金補助や,市営住宅への若年世帯の優先入居などについて実現がなされており,評価するものであります。  しかしながら,日本一子育てのしやすいまち神戸を築き上げていくためには,さらに踏み込んだ施策を展開していかなければなりません。具体的には国の子育て減税や児童手当に上乗せをした市単独での拡充策,乳幼児医療費助成制度の通院への拡大,民間賃貸マンションの家賃補助など,神戸市独自の施策展開がぜひとも必要であると考えております。そうすれば,神戸に若者が集まり,税源の涵養にもつながるという波及効果は絶大であります。そこで,まずこれらの政策の実現性についてお伺いいたします。  また,ご提案されている子育て支援推進会議を中心に,今後どのように新たな子育て支援策を展開していくおつもりなのか,あわせてご見解をお伺いいたします。  次に,介護保険制度についてお伺いいたします。  介護保険制度の導入を目前に控え,神戸市でも介護基盤の整備,準備経費など,介護保険制度に関連する事業についての新年度予算が提案されております。平成12年4月から制度がスムーズに実施されるためには,その前提となる介護基盤の整備の推進が求められており,特に介護サービスの給付の受け皿となる施設サービスの拡充が期待されているところであります。特別養護老人ホーム,老人保健施設,療養型病床群等々,制度の円滑な実施を図るためには,どの施設も早期の完成が望まれております。  また,施設サービスとともに,在宅福祉サービスにおけるホームヘルプサービスの拡充や,介護保険の事務処理についての体制整備など,まだまだ課題が山積している状況にあります。  そこで,介護保険に関連して,きのうからの重複を避けて1点お伺いいたします。  それは,介護保険制度における保険料は低所得者に配慮し,所得段階別の設定がなされる予定でありますが,被保険者間の公平の確保を図る観点から,保険料を納めた人と納めない人とが同じように介護サービスを受けられるとしたら,これは大きな問題であると考えております。また,国民健康保険の滞納者のように介護保険でも滞納者が出るようでは,介護保険制度そのもの自体が成り立たないものとなってしまいます。  そこで,まずは滞納者が出ないようにどんな対策を考えておられるのか,また滞納者に対してはどんな措置を講ずるのかを,あわせてお伺いいたします。  次に,復興のまちづくりについてであります。  大震災直後から新長田地区では,災害に強い,安全で快適な市街地の形成を進めるため,駅の北側では復興土地区画整理事業が,駅の南側では復興市街地再開発事業が鋭意進められております。  さらに,中心市街地活性化法の指定地区として,住・商・工の調和のとれた活力ある復興と,西の副都心としてのにぎわいと地域の活性化を目指して,早期の事業の完成が望まれているところであります。  駅南の復興市街地再開発事業については,全体でおおむね30棟の再開発ビルが計画され,住宅供給に関しては賃貸で 1,000戸,分譲で 2,000戸の合計 3,000戸の計画となっております。まちづくりの基礎となる住宅につきましては,ただ単に受け皿住宅を建設して,もといた人たちが戻ればいいというわけではなく,特色ある住宅や多様な住宅を建設し,総合的なまちづくりを推進していくことが肝要であると考えております。  そのために例えば今年の3月に掘削しようとしている温泉については,まず仮設の風呂場など暫定利用をご検討をいただき,さらに進めて温泉を給湯できる住宅や,多様なライフスタイルに適用できる住宅などを建設していただきたいものと考えております。  また,この地区は,子供から高齢者まで幅広い世帯が住み,働き,憩うことができるまちにしていかなければならないと考えております。高齢者対策に関しては,高齢者総合保健福祉施設を二葉町5丁目に設置するなど,一定の施策が見られます。しかしながら,若者が集まるまちという視点からのまちづくりについては,不十分であると感じております。新長田地区は,現在でも地下鉄山手線とJRの駅があり,今後地下鉄海岸線が完成すると,まさに交通の結節点として利便性が非常に高い地域となります。  そこで,1つの提案ですが,再開発ビルのうち分譲が 2,000戸予定されておりますが,その一部を学園都市などにある7大学1高専の学生寮として大規模に誘致することなど,思い切った方策を検討していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。  さらに私は,今までも長田のまちづくりについては,都市計画局にとどまらず,全庁的に取り組むべき課題であると申し上げてきました。長田を魅力あるまちにしていくためには,どういうビジョンで取り組むのかを明確にした上で,総括局,産業振興局,住宅局,交通局など,各局が連携してまちづくりを進めることで,新しい発想も生まれてくるものと信じております。今後全庁的体制についてどのような取り組みを考えておられるのか,市長の決意のほどをあわせてお伺いいたします。  次に,長田のまちづくりの課題のうち,2カ所の未利用地の活用についてお伺いいたします。  1カ所目は大阪ガス跡地の活用についてであります。大阪ガス跡地につきましては,西部市街地に残された貴重な土地であり,私はこれまでにも西部インナー地域の活性化策と,平成13年度の秋に開通が予定されております地下鉄海岸線の乗客増対策の切り札として早期の事業着手を求めるとともに,いろいろな提案をしてまいりました。  その結果,この平成11年度予算におきまして 100万円ではありますが,大阪ガス跡地の事業化に向けての検討調査費が計上されており,評価をするものであります。大阪ガス跡地の活用につきましては,これまでの当局の答弁から,まず市街地西部の活性化に資するよう集客性の高い施設を予定していること,2点目として神戸アスリートタウン構想の考え方を組み込み,スポーツ,レクリエーションあるいは健康などの機能を持たせ,その中にはレジャープールを設けること,3つ目にさらに民間活力を導入することなどが明らかになっております。  予算の計上に伴い,今後事業化の検討が本格化されるものと思いますが,私は事業化の検討に当たり,対象者層をどうするのかが重要な問題ではないかと考えております。つまりヤング層なのかファミリー層なのか,また高齢者層を対象とするのかということであります。私は,ファミリー層がよいのではないかと考えますが,市長のお考えはいかがでしょうか,お伺いいたします。  また,民間活力を導入するとのことですが,現在の厳しい経済状況のもとでは,通常のやり方では事業展開を図ろうという事業者を確保していくことは極めて難しいと言わざるを得ません。定期借地権方式や土地信託,またPFIなどいろいろな手法が考えられますが,まずは土地を無償で貸与するぐらいの気持ちで思い切った方法をとる必要があると考えますが,いかがでしょうか。  さらに,施設の中で公共性の高いもの,例えばプールについてはのびのびパスポートの適用施設に位置づけ,子供たちの料金の免除分に対して一定の公費負担をするなど,民間の進出を導くための公的負担が必要ではないかと考えます。  以上のことを含め,大阪ガス跡地の事業化に向けた市長のビジョンと決意をお伺いいたします。  もう1カ所は,長田区大日丘町の用地についてであります。この土地は,平成3年度から4年度にかけて神戸市が取得したものでありますが,震災前の計画では丸山福祉地区の老朽化に伴う建てかえに際しての移転用地として考えられていました。しかしながら,造成にかなりの工期を要することや,震災後の本市の財政状況が悪化したこともあり,丸山福祉地区については現地建てかえとなったため,大日丘町の用地は利用されないままの状態が続いております。丸山地区の皆さんからは,現在沈滞化しかけているまちの活力と魅力をよみがえらせ,住民が夢と希望の持てるまちづくりのために,この土地を早急に有効活用してほしいという声を多数伺っております。  市長,考えてみてください。もし市街地に民間の大規模な空き地があり,地元から強い要望があれば,市としても民間に対して,有効活用を図るように後押ししていくのではありませんか。そういった意味では,ここは既に神戸市の土地になっているところであります。現在保健福祉局で管理をしていると伺っておりますが,今後早急かつ積極的に取り組んでいただきたい。  そして,まずその第1ステップとしては,丸山地区の新しいまちづくりの拠点として,また起爆剤としてこの土地を何に使えばいいのか,至急に調査・検討していただきたいと思うのでありますが,いかがでしょうか。ご見解をお伺いいたします。  次に,神戸21世紀・復興記念事業についてお伺いいたします。  昨年11月に神戸21世紀・復興記念事業懇話会から,記念事業の開催に関して基本構想が提言されております。神戸市では過去,昭和25年に戦災復興の起爆剤にとの願いを込めて,日本貿易産業博覧会を開催し,結果は赤字となりましたが,会場跡地には王子動物園や陸上競技場が整備されるなど,ある意味ではそれなりの成果を上げたとも言えます。  それから30年を経て,ポートアイランドの完成のお披露目として開催されたポートピア '81は,その後の地方博ブームの先駆けとなりました。これに続き,総合運動公園などの完成を祝う '85年のユニバーシアード神戸大会,しあわせの村を記念する '89年のフェスピック神戸大会など,その都度まちづくりを記念するイベントとして開催され,その効果を発揮してきたものであります。  今回の記念事業については,8割復興とも言われる復興の停滞感を打ち破っていくとともに,来るべき新しい世紀に向けて,大きな意義と役割を担うものでなければならないと考えております。  大震災直後の平成7年2月17日付の日本経済新聞には,ポートアイランド第2期で防災とマルチメディアをテーマに大規模な博覧会の開催を行い,パビリオンの建設などで大規模な需要創造と4万人を超える雇用の創出が期待できると報道されております。  このように博覧会イベントは,経済的な波及効果や内外へのアピールなど,さまざまな効果が期待されるところ大でありますが,これが単なる一過性のイベントに終わるならば,波及効果も一時のものでしかあり得ません。そのため神戸の将来を踏まえてのビジョンのもとに構成され,中身が組み立てられるべきと考えます。  そこで,ポートアイランド第2期を中心に博覧会を開催し,今後の企業誘致をにらんで,ポートアイランド第2期のイメージアップを図り,企業の進出意欲がわくような内容で,広く国内外に打って出ることが必要であると考えております。  また,夢と希望にあふれる大規模集客施設や,神戸レジャーワールドのようなものへと引き継がれ,次なる神戸の発展へのステップとしていくようなものでなければなりません。  そこで,2001年まで残すところ2年足らずとなり,この短期間で準備が本当に間に合うのか,非常に心配しているところでありますが,今後のスケジュールも含めて,記念事業をどう位置づけ,どのようなものとしていくのか,構想と決意のほどについてお伺いいたします。  次に,今後の行財政改善の進め方についてであります。  行財政改善緊急3カ年計画のフォローアップと,中長期視点からの新たな経済改善指針の提案を目的に行財政改善懇談会が設置され,平成8年度から10年度の3カ年間で組織のスリム化,事務事業の見直し,民間活力の導入などに取り組んでおられますが,まだまだ改善すべき点,いや改革していかなければならない点が相当あると考えております。  11年度の予算編成方針において,行財政改善については中長期的な視点で具体的な目標を掲げた行財政改善を進め,21世紀に向けた新たな行政システムの構築を目指すとともに,今後の行政ニーズに対応していくために,新しい行財政改善計画の策定に向けて全庁的な取り組みを進めるものとしており,そのため公共性と行政効果の観点から,行政の役割の厳しい見直し,行政目的をより効果的に達成するための執行体制・方法の抜本的な見直しを掲げておられます。  私は,従来から再三再四学校給食をはじめ,公立の保育所や幼稚園などを民間へ事業移管すべきであると申し上げてきたところでありますが,加えて先ほど申し上げた介護保険についても,民間委託を大幅に進めるべきであると考えております。  この際,市内部で見直しを検討するのではなく,行財政改善懇談会のような民間の専門家も入った第三者機関において,神戸市が行っている事務事業全般にわたって行政がやるべきものと民間に任せるべきものを選択していくべきだと考えますが,いかがでしょうか,ご見解をお伺いいたします。  最後に,神戸空港についてであります。  神戸空港については,先月国に対し空港島の埋立認可申請がなされ,いよいよ現地着工のための本格的な予算が計上されております。これまでの長年にわたる経緯を振り返りますと,まだ感傷にひたるのは早いとは申せ,やはり感激ひとしおのものがあります。  今後,当局に必要なことは,円滑な事業の推進とともに市民の皆さんに空港の必要性について,わかりやすく,理解される広報の充実に努めていくことであります。  私は,間近に迫った21世紀は,人・物・情報の大交流時代になると考えております。このような時代を支える重要な社会的インフラが情報通信と航空の分野であることは明らかであります。  既に貨物の分野では,随分以前から一番多くの貨物を扱っている港は,神戸港でも横浜港でもなく,空の表玄関である成田空港であることはよく知られているところであります。また,毎日の食卓を飾る生鮮食料品のほか花卉類など,我々の日常を支える多くの品々が空港を経由して運ばれているのであります。  人の移動の面から見ても,飛行機は決してぜいたくな,一部の高額所得者の乗り物ではなく,新幹線と同じような感覚で,ごく身近にビジネス・観光・帰省などに利用できる,すばらしい交通機関であります。既に国民の3人に2人が年間1回は国内線を利用しているとの統計が,航空ニーズの着実な増大を如実に物語っております。  そもそも 150万都市神戸に空港がないという事実がまことに奇異なことであり,欧米諸国では考えられないことと申しても過言ではありません。ちなみに,欧米の人口 150万以上の主要都市で空港のない都市というのは,私が知る限り存在しないはずであります。  市民の中には,関西にはほかにも大きな空港があるから,神戸には空港が要らないのではないかという声もあるようですが,神戸空港は何よりも都心に近くて便利な空港であることが最大のセールスポイントであり,全国に空港多しといえども,こんなに利便性の高い空港は他に例を見ないのであります。この抜群のフットワークのよさによって神戸空港は大きなポテンシャルを持っていると思うのであります。  当局も最近の神戸空港ニュースで,都心との近接性に着目した広報も行っておられるようですが,このような神戸空港が持つメリットはもっと強調されてしかるべきであります。  神戸は単に住みやすいだけのベッドタウンであってはなりません。我々の子々孫々に思いをいたし,将来とも子供たちが神戸で活躍してもらえるような,そんな活力のある神戸のまちを今のうちから築いていくのが,今を生きる我々の責務であるとの思いを強くしております。空港は,我々の世代が将来に引き継ぐべき大切な財産であります。  これらの点を含めて,要は市民の心に響く,効果的な市民広報が今こそ求められていると考えられますが,今後どのように取り組もうとされているのか,お伺いをいたします。  以上でございます。(拍手)  (「議長」の声あり) 54 ◯副議長(武貞健治君) 笹山市長。 55 ◯市長(笹山幸俊君) 北山議員のご質問に,まず私からお答え申し上げます。  日本一子育てのしやすいまち,こういうご提案を昨年もいただきました。こういった問題につきましては,確かに物理的な問題もございますが,その地域の感覚といいますか,そういったものも必要なわけでございます。特に生活のしやすいということと,教育のあるいは文化の,そういったにおいのする,強いところがいいんではないかというのが一般的な考え方でございます。  ですから,今回もご指摘がございましたように,国において諮問機関で提案があったんですけれども,有識者の方々から 150項目ぐらい出ておりますが,経済的負担を社会的に支援する,これが1つ大きな問題ではないか,こういうことでございます。税制あるいは社会保障制度,こういうものも検討が要るんですよと,こういうことを挙げられております。  また,具体的には今よく議論になっておりますが,扶養控除の引き上げあるいは児童手当の額の引き上げ,あるいは支給期間の延長及び所得制限額の引き上げ,こういったものを検討するようにというような提言がされております。  ですから,国の11年度予算案では扶養控除の引き上げ,いわゆる子育て減税と言われておりますが,児童手当の所得制限の緩和,こういうものが出てきております。そういうことで子供さんの問題について,非常に厳しい財政状況ではございますけれども,やはり一番大事なことでは,やはり一番大事なことの1つではないかということでございます。  国の方のそういった施策と考えておりますけれども,やはり神戸市としても財政的な余裕が少しでもあるという時代になりましたら,やはり拡充していく必要がある内容の仕事ではないか,こう思っております。  ですから,今後いろいろと研究をさせていただきます。特に乳幼児の医療費等の助成もございますが,これも県・市の共同事業になっておりますけれども,現状では非常に難しゅうございますけれども,今後の大きな課題ではないか,こう思っております。  家賃補助といった問題につきましても,敷金はやりましたけれども,これも短期間ということになりますが,こういった問題は特に子供さんのおられるご家族にとっては非常に大事ではないか,こう思っております。敷金等をやりますけれども,家賃補助については今のところご辛抱いただきたい,こういうことでその状況を見て考える。ある人は,子育ての方々がどんどん入ってこられる,お年寄りの方と隣り合わせになる,それが親子であればもっといいねと,こういったことをよく言われます。ですから,そういう状態が一般市民の皆さん方のご理解を得られるというような時代が多少,建物・住宅に余裕ができた段階ではあり得るんではないかということを言われます。  ですから,一般に募集をする場合に,お年寄りのご夫婦がおられる,そこへ一般的には子供さんのある家族を優先的に入れるというのが1つ,それももう1つ考えればご家族が入ればもっといい,こういった議論をされる方がおられますので,いましばらく──すぐにはできませんけれども,落ち着いてきましたら当然そういうご議論も出てくると私は思っております。  ですから,今後そういった問題も含めて,来年度には子育て支援推進会議というものをつくりまして,いろんな面から議論をしていただいたらと,こう思っております。  これは有識者の会議の提言を参考にするわけですけれども,やはり国なりの考え方と,あるいは自治体それから地域住民の皆さん,また事業者の役割分担というのははっきりしておかないといけないのではないか,こう思っております。  ですから,こういった施策がどんどん出てまいりますので,先ほどもお話がありましたけれども,その施策のすき間というのがどうしても出てまいります。そのすき間,空白部分をどうして埋めていくかということが今後必要になろうかと思っております。  ですから,こういった問題を,行政として各局のすき間を埋めておかないと,実際の仕事の上でも空白はあくまでも空白と,こうなってしまいますので,こういった問題についても,全局を挙げて議論をしておきたい,こう思っております。  それから,新長田の全体のまちづくりでございますけれども,これもいろいろと西の副都心にふさわしいまちづくりを目指そうということで,プロジェクトチーム等が要るんではないかと,これはご指摘のとおりなんですが,この1つの考え方なんですけれども,民間の皆さん方に協力をしていただこうということで,もう既にできておりますけれども,新長田まちづくり株式会社があります。これは地域の方々が入っておられまして,それからまちづくり協議会もございます。  そういった団体がございますので,よく言っておりますようにTMO──タウンマネジメントの機構が成長すれば,それにかわれるんではないか。かわれるといいますのは,ただ管理するだけじゃなくて,まち全体をつくったり,あるいは補修したり,あるいはそれぞれの事業,営業をやっておられる方,いろんな企業の方々がおられますから,そういった方々を誘致したりするというようなところまで発展をしていきますと,地域の皆さん方が寄ってつくった株式会社で,まちというものを継続的にまた持続的に経営・管理していけるのではないかなという気持ちを実は持っております。  ですから,市の仕事をそんなに簡単にやれるかと,こういうことになるんですけれども,やはりそういう目標を立てておかないと,ただ管理だけという会社ではタウンマネジメントとは言えない,こう思いますので,そういう意味での,新長田で将来まちとして持続的に発展させようと思えば要るのではないか,こう思っておりますので,これについて検討させていただきたいと思います。  ですから,当然住宅だけでなくて店舗,あるいは集客施設,あるいは公共的な施設,今計画的にやっておりますから,それについてもこのタウンマネジメントの会社でやれれば,もっと実現性が高いのではないかというような気もいたします。  この辺ちょっともう既に出発しておりますのに,それをかぶせるというのは多少問題もあろうかと思いますけれども,1つの新しいまちづくりの手法としていいんではないか,皆さん方地域の方々は直接寄れますので,いいのではないかなと,こう思っております。  それから,大阪ガスの跡地利用の問題ですが,ご指摘がございましたようにできるだけ早く地下鉄が開通するまでには,何らかの人が寄れるような施設が暫定的でもいいからできないかと,こういう考え方を持っております。  ですから,集客施設としていろいろと過去から言っておりましたのがプールの問題なんですが,ご指摘がありましたように何とか集客施設の中で健康・文化というようなものをコンセプトとしてやっていったらどうか,こう思っておりますし,ファミリーがいいかというご指摘・ご意見でございますが,その辺ちょっと規格といいますか,例えばプールの場合にその規格──レジャー用につくるかあるいは競技用につくるか,競技用でも25メートルにするか50メートルにするか,そういったいろんなことがございますので,そういった点で特化するかどうかですね。25メートルで子供さん──大人でも25メートルでやれるんですけれども,大会はできないけれども,ふだんは使える,こういったようなことを考えるか,その辺ちょっとまだはっきりしないところが,決まらないところがありますので,できるだけ早くそれは詰めたいと思っております。そういうことで,地下鉄海岸線の竣工にあわせて地域の活性化につながれば,非常にありがたいと思っております。  土地の貸し方あるいは売り方,こういった問題ももっと工夫したらどうかというご意見でございますので,こういった点についてはそこに立地をする内容によってはできるだけ検討していったらどうかということを今考えております。  以上,私からお答え申し上げました。  (「議長」の声あり) 56 ◯副議長(武貞健治君) 前野助役。 57 ◯助役(前野保夫君) まず,介護保険で保険料の滞納が出ないような対策,あるいは滞納者に対してどういった措置をとるのかというご質問でございます。  介護保険制度は,あくまでも相互扶助の考え方に基づく社会保険制度でありまして,保険料の公平な負担によって介護を社会全体で支えていくものであるということは,申すまでもございません。  したがいまして,保険料の収納の確保につきましては,被保険者の負担の公平を図るとともに必要な財源を確保する,そういった観点からも極めて重要なものであるというふうに考えております。  なお,40歳から64歳のいわゆる2号被保険者,これの保険料につきましては医療保険に上乗せして徴収されるということとなっておりまして,それから65歳以上の1号被保険者の保険料につきましては,原則として年金からの天引き徴収となっておりまして,大体8割程度の方々が天引き徴収に該当するのではなかろうかというふうに考えているところでございます。  1号被保険者の保険料でございますが,これは所得に応じた段階別の保険料が設定されることとなっております。私ども,どういいますか,滞納が出ないというよりも,まずは低所得者対策として国庫負担による減免などをしていただいて,低所得の方でも払える保険料の設定といったものを今国に要望しているところでございます。  それから,2点目としましては,滞納とならないように介護保険制度の必要性,そういったものについて被保険者の方々の十分な理解を得るため,広報・PRをやっていく必要があろう,あるいは口座振替払いの勧奨なり督促・催告,そういう保険料納付にかかわるきめ細やかな相談や納付指導,そういう対策を図ってまいる必要があろうというふうに考えているところでございます。  それから,滞納者に対する措置についてでございますが,今国において検討されておりますのは,サービス費用──これは介護サービスですけれども,サービス費用を滞納している方については,全額立てかえ払い化させよと,あるいは保険給付の支払いを一時差しとめるとか,それからその差しとめの額から滞納保険料を相殺していくとか,こういうことのほか,過去に保険料の未納がある方々に対しては利用者負担を増加させる。今1割ですけれども,これを3割程度まで増加させるとか,いろんな措置が検討されているようでございます。  ある面ではやはり社会全体で支えていくための1つの適切な措置,一見厳しいように見えますけれども,やはりそういった適切な措置ではなかろうかなというふうに私どもも考えておるところでございます。  それからもう1点,長田の大日丘の土地でございます。これは北山議員ご指摘のとおり,丸山福祉地区の施設が現地建てかえへ計画変更をいたしましたことによって未利用地になっているのが現状でございます。  この土地の活用でございますけれども,場所が第1種中高層の住居専用地域に指定されております。したがいまして,原則的に住宅・公園・福祉施設それから学校,あるいは 500平米以下の店舗以外は建築に当たっての制限がございまして,有効な活用方法は見出せないという状況でございます。  それから,今の現状に近い状態で仮にこの土地を利用するにしても,やはり引き込み道路が要ります。引き込み道路の敷設をするためにはやはり地盤の切り下げもしなければならない。それから,外周部の法面整備もしなければならない。それから,この土地の現在の平面部分が 7,000平米ございますけれども,これを拡大して土地の有効利用も図る必要もあろうということで,そういったことを何やかや考えますとかなりの額,40億円近い額がかかるわけでございまして,震災後の厳しい財政状況のもとで今直ちに事業に着手することは,ちょっと難しいんじゃないかなというふうに考えているのが実情でございます。  ただ,そうは言いましても,長田区という市街地に残された貴重な土地であるという認識を持っておりまして,その活用方法につきましては,財政状況あるいは経済状況を見ながら検討していくことが大切であろうというふうに考えております。いましばらく時間をいただきたいというふうに考えるところでございます。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 58 ◯副議長(武貞健治君) 山下助役。 59 ◯助役(山下彰啓君) 私の方から3点お答え申し上げます。  まず,復興記念事業のご指摘がございました。  神戸では,過去いろんなイベントをやってまいりましたが,ポートアイランドの完成とその時々の状況とか,あるいは背景のもとに開催をいたしました。神戸を楽しみ,考える場を,こういったことを創出してまいったわけでございます。  なお,今回の神戸21世紀・復興記念事業は,1つは震災支援への感謝と復興のお披露目にしたい。また,2つ目としまして,震災体験を通じて得た人々のやさしさなり,あるいはぬくもり,こういった心を再確認した上での住み続けたいまちづくり,あるいは訪れたいまち,あるいはアーバンリゾート都市づくり,こういったものをさらに進めたい,そういう思いで開催をしたいということでございまして,基本構想の提言の中にそういったことが盛り込まれておるわけでございますが,その懇話会の中では,時代の趨勢あるいは神戸の状況等から,パビリオンを中心として博覧会方式でやる,そういうことではなくして,まち全体を会場として復興のお披露目をしていくべきである,こういったご意見をいただいておるところでございます。
     そういった意味で,アーバンリゾート都市づくりの一環として,それぞれ神戸の各地域でのまちづくり運動として取り組んでいけたらと,そういう思いが強うございます。  ただ一方,新生神戸をアピールし,国際都市としての魅力を発信していくためにも,ポーアイ2期などでのシンボル的な事業にもやはり取り組んでいかなければならないという思いもございまして,ご指摘のように期間がわずかでございます。事業のフレームづくりなどを新年度早々に行いまして,12年度は開催に向けての実施準備ということで,2001年春の開催に向けてまいりたい。  なお,これにつきましては兵庫県も,復興と同時に県域全体の21世紀のまちづくりに向けてのイベントをやりたいという話もございますので,全体的な調整を兵庫県とも図りながら進めてまいりたい,そのように思っております。  それから,行財政改善のご指摘がございました。ご承知のとおり本市の財政はこれまでにない景気の低迷による市税の減収,あるいは公債負担の急激な増大等により極めて厳しい状況にあることは事実でございまして,こういった状況の中でトータルとしての市民サービスの維持・向上を図るためにどうすればいいのか,やはり抜本的な行財政改善を行わなければならない,そういう思いで取り組ませていただいておりまして,新たな行政システムを構築する必要があるということでございます。その中で民間の活力の導入ということも,非常に大きな重要な要素であると思ってございます。  幼稚園とか保育所のご指摘もございましたが,これまでも適正規模・適正配置,こういった観点から統廃合を進めて,トータルとしてのコスト削減を進めてまいりましたが,今後ともそういった取り組みも必要であろうかと思います。  また,介護保険につきましては,要介護認定のための訪問調査やケアプラン作成,あるいは介護基盤の整備などにおきまして,民間事業者の十分な活用も必要かなと,そんな思いもいたしてございます。  現在行財政推進本部におきまして,抜本的な行財政改善に向けた,まず庁内での全庁的な検討を始めておりますけれども,業務・事業全体にわたって,すべての事業全般にわたっての総点検を行う必要があろう,そのように思っておりまして,行政の役割の厳しい見直しなり,あるいは執行法の効率化を十分に検討しながらやってまいりたいと思っております。  ご指摘のとおりこういった抜本的な行財政の取り組みに当たりましては,単に内部の人間だけの考えだけではなくして,外部の方々のご意見なりを十分お聞きしながら進めることが当然重要である,そのように思っておりまして,新たな分権型の社会に向けての行政システムのあり方を検討してまいりたい,そのように思っております。  神戸空港についてのご指摘がございました。  ご指摘のとおり,神戸空港は21世紀の活力と魅力ある神戸をつくる上で不可欠な都市の基盤である,そういったことで整備をするものでございまして,特に神戸空港の市民生活に果たす役割として,新たな働く場をつくり出し,市民に安定した就業の機会を提供する,具体的には開港に伴い,全国から神戸に大勢の方々が訪問いただくことによる観光関連産業の発達,あるいは臨海型産業の新規立地,あるいは地場産業等既存産業における新たな販路の開拓,こういったことに大きな力を発揮する,そういう考え方でございまして,各種の広報手段を通じまして,広く市民にお知らせをしてまいりたいと思っております。  最近では,本年1月に発行いたしましたニュースでも,イラストを交えてできるだけわかりやすい表現に留意をしたい,そういう思いでやらせていただいておりますが,また神戸空港は他の空港と比較いたしまして,都心と一体となって極めて利便性の高い空港でございまして,気軽にご利用のいただけるいわゆるまちの空港として整備を進めたい,だれもが訪れ,楽しめる空港,あるいは親しまれるまちづくりの1つの大きな要素にしたい,そのように思っておる次第でございます。  以上のような立場に立ちまして,今後市民生活とのかかわり,空港の役割,あるいは財政の考え方,あるいは環境保全への取り組み等につきまして,できる限りわかりやすくご理解をいただけるように,的確に広報に努めてまいりたい,そのように思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 60 ◯副議長(武貞健治君) 鶴来助役。 61 ◯助役(鶴来紘一君) 学生寮の件ですが,これについてはご指摘のとおり新長田南の再開発で 3,000戸の住宅供給という計画をいたしております。これはいわゆる単なるファミリー世帯だけではなしに,若年世帯から高齢者世帯まで対応するという,多種多様な人が住んでいただくということで計画をいたしております。  そういうような観点から,ご指摘の学生寮の誘致といいますか,それについてはいわゆるまちの活性化という点から,ぜひとも誘致をしたい施設というふうに思っております。  これについては,地元のまちづくり協議会からも,そういうまちづくり提案をいただいておりまして,これについては既に学園都市の大学の協議会の方には,協力してほしいということで,説明あるいは要請を行っております。  いずれにしても通学の時間とか,それからアルバイト先,それから特に飲食店,そういうもの等が必要でございますので,まさに適地ではないかというふうに思っております。  以上です。  (「議長63番」の声あり) 62 ◯副議長(武貞健治君) 北山議員に申し上げます。予定時間が既に経過をいたしておりますので,簡潔におまとめ願います。  北山議員。 63 ◯63番(北山順一君) 既に時間が経過をしておるようでございますから,2~3聞きたいところもありましたけれども,これは今後の委員会で聞くことにいたしまして,この質問はこれで終わります。 64 ◯副議長(武貞健治君) この際,暫時休憩いたします。   (午後3時58分休憩)   (午後4時25分再開)  (長谷川議長議長席に着く) 65 ◯議長(長谷川忠義君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  直ちに議事に入ります。  休憩前に引き続き,平成11年度神戸市各会計予算並びに関連議案に対する質疑を続行いたします。  この際申し上げます。  本日は,議事の都合により,あらかじめ会議時間を延長いたします。  3番高山晃一君。  (3番高山晃一君登壇)(拍手) 66 ◯3番(高山晃一君) 私は,さわやか神戸・市民の会市会議員団を代表し,平成11年度神戸市予算並びに関連議案に関して4点,笹山市長にお伺いいたします。  まず,神戸空港についてですけれども,神戸に空港を建設すれば神戸の景気が上向く,経済が活性化する,雇用が増すという趣旨のご発言が昨日からの本会議でもありました。しかし,これには疑問を感じます。公共事業をすれば景気がよくなるのであれば,明石海峡大橋をつくったり,阪神高速をつくり直したり,港をつくり直したり,30年分の大量の住宅を一気に建設しているこの神戸の景気は,今ごろよくなっていなければなりません。神戸空港をつくったら解決する,景気がよくなるという簡単な問題ではないと思います。  今消費が冷え込んでいるのはなぜだろうか。失業者が多いのはなぜだろうか。景気が低迷しているのはなぜだろうか。その答えを導き,正しく対処していくためには,政府そして行政そして我々市民・国民は,自分たちの過去を否定する勇気を持たなければ,この日本も神戸もこのままずぶずぶと沈んでいってしまうような気がします。  さて1点目,神戸空港の広報についてですけれども,笹山市長は11年度予算説明で,市民にわかりやすい広報の充実に一層努めるとおっしゃいました。参考資料にもきめ細かな情報提供を行うとあります。  現状はというと '93年の11月, '94年の1月, '94年の11月, '96年の3月に発行されました神戸空港ニュースにも出ていた記事が,また今月の1日発行の神戸空港ニュースでも取り上げられておりました。わかりやすい広報,きめ細かな情報提供というのは,同じ説明を何度も繰り返すことではありません。  一方,市民からは具体的かつ詳細な意見・疑問が出されております。これに答える内容の広報をした方がずっと市民の理解が深まるのではないでしょうか。次の神戸空港ニュースで,市民の意見・疑問に答えるご用意はあるのかどうか,お伺いします。  具体的に市民の意見・疑問を幾つかこの場で挙げてみます。  まず1つ目,大阪湾に複数空港があっても安全だという理論の説明に,フランスのパリやアメリカのニューヨークの例が挙げられている。しかし,これらの地域は平たんな土地で大阪湾のように六甲山や生駒山のような山がありません。空が 360度使えるところと単純に比較していいのかどうか。  2つ目,空港ニュース第1号で,神戸空港離着陸機の飛行高度が図で示されています。明石海峡上空を離陸機が 1,200メートル以上の高さで飛行,着陸機が約 900メートルで飛行することを示しています。しかし,明石海峡上空は,関空の着陸機が約 900メートルで飛行しております。この図のまま24時間飛行すればぶつかってしまいます。この図は,関空の着陸機が飛んでいない時間帯のものか,あるいは関空の着陸機の飛行ルートが変更された場合のものか,そうであれば関空の着陸機はどこをどう飛行するのか,その説明が欠落している。  3つ目,新幹線や地下鉄・バスなら,近所に駅やバス停ができれば,それだけ便利になりますけれども,2点間を結ぶ飛行機という交通はそうはいかない。よく飛行機を利用する人にとって,近所に複数空港ができると余計に不便になるという理論です。  例えば羽田行きの路線は,伊丹1空港の時代なら伊丹から全便出発していました。飛行機で東京へ行くならとにかく伊丹へ行けばよかったのです。それが関空ができたことによって飛行機が2空港に分散し,神戸空港ができるとさらに分散します。伊丹空港だけなら1時間に1便くらい出ていたものが,2時間から3時間に1便という,歯の抜けたような状況が生じてしまいます。搭乗時間によって空港を選択しなければなりません。また,満席で乗れなかった場合,次の羽田行きの飛行機が同じ空港から出るとは限りません。しかし,他の空港に移動したとしても搭乗に間に合うとは限りません。よって,神戸空港は便利な空港にはなれないという意見です。  4つ目,国際貨物便──具体的にはフェデックスを誘致するという話が出ていました。現在日本向けの国際航空貨物の需要は,成田 156万トン,関空47万トン,新千歳0.4万トンとなっています。UPS──貨物会社ですけれども,UPSの日本向貨物便は成田に毎日1便飛んでいるだけで,関空には来ていません。沖縄に来ていたフェデックスは,昨年末撤退しました。24時間空港の新千歳でも成田の 390分の1の取扱量です。空港をつくったからといって期待するだけの需要はありません。国際航空貨物の需要というものはこの程度にすぎないわけです。それでも神戸にフェデックスが誘致できるのでしょうか。  5番目,海と空の港が両立するのか。騒音による音の信号の誤認,航路を変更するが,大型船の航行が強風時に可能なのか。  6つ目,空港島の土地を売却する予定だが,関空でも成田でも空港関連用地を売ったりしているのか。そういうことはしていません。土地を売却してしまうと,私権が入り込んで混乱のもとではないのか。  7つ目,国際チャーター機が 2,500メートルの滑走路の花巻空港から飛んでいますが, 2,500メートルでは燃料を満載できず,新千歳か関空に一度立ち寄って,燃料を満載にして,それから海外に飛んでいるのが実情です。神戸空港の滑走路も同じく 2,500メートルです。  8つ目,ビジネスジェット機ですけれども,需要に疑問があります。日本のエプソンという会社も社用機を持っていましたけれども,これを廃止。日本ではジェット機よりもヘリコプターの需要の方が大きくなると言われています。  等々ですけれども,残念ながら口頭ではこの程度の説明しかできませんけれども,資料をお渡しすることもできます。空港ニュースでこれらをはじめとする市民の意見・疑問に答えるご用意があるのかどうかをお伺いいたします。  2点目に,神戸市の保育のあり方についてお伺いします。  保育の現状として,入所待機者が多く,保育所でなかなか預かってもらえないといった声は相変わらず多く,また民間の保育施設の車がひっきりなしに走っている光景もよく目にいたします。子供が健やかに生まれ育つことができる社会を構築していくための指針として,神戸市は児童育成計画をまとめ,保育所の保育時間の充実などに取り組まれています。  この保育──児童育成計画には,5つの基本目標があり,その中には地域での子育て支援という目標が上げられています。育児中の親が孤立しないような,身近な人々が支え合うまちづくりを促進すると書かれています。先ほど言いました身近な人々が支え合うまちづくりを促進するとは,具体的にどう計画書に書かれているかというと,「社会全体の子育てに対する意識の醸成,福祉教育・活動の推進,児童館の整備・充実,保育所地域子育て支援センターの新設など,子供会活動等の充実」等々となっています。  もちろんこれらの取り組みが必要で,今後も力を注がなければならないことは言うまでもありませんが,私の考える,地域での子育て支援に対する思いを述べますので,それに対する笹山市長のご見解をお伺いいたします。  それは歩いて行ける範囲内で保育を望む親と,子育て経験が豊かで地域社会に貢献したいという意識の高い熟年世代とを結びつけることができないかということです。若い母親たちの奮闘の陰で,かつての母親・父親──シルバー世代の子育て支援の知恵やパワーが出番を終えて眠っているのではないでしょうか。そういうシルバー世代と若い母親との交流の機会や,保育のどこかの部分で知恵や力をかりられるような何らかの形を模索できないものかとかねがね思っていました。昔でいう子守りです。子育て支援センターなどの窓口で,子育て経験が豊かで地域社会に貢献したいという意識をお持ちの熟年世代が登録をし,保育を望む親に紹介をするといった取り組みです。  きめの細かい施策になろうかと思いますが,教育の荒廃,家庭や地域の教育力の低下が社会問題となっている現状を考えると,モデル地域を設けて試行する価値があるかと思います。当局のご見解をお伺いします。  3点目,家庭ごみの減量対策についてお伺いします。  環境局の予算編成方針として,「地球的規模でのさまざまな環境問題が生じているような社会から転換し,将来への持続的な発展を可能とする社会づくりが求められており,そのため環境負荷の少ない,資源循環型の都市が構築されなければならない。そこでは,市民1人1人の暮らしが環境問題や廃棄物問題と密接な関係があることを理解し,市民・事業者・市がそれぞれの協力と役割分担によって環境保全や廃棄物の再利用,資源化,適正処理を一層推進し,環境に調和した社会を築いていくという視点が重要である。」このように書かれております。大変すばらしい内容になっていると思います。  神戸市の平成10年度ごみ処理計画によると家庭ごみの年間43万トンを含め,年間トータル69万トンのごみが焼却処理されているというのが現状です。しかしながら,水分90%以上の生ごみを焼却処理するという手段は,大きなエネルギーロスでもあり,有効な資源循環型の処理ではないことは言うまでもありません。しばらくは焼却に頼らざるを得ないけれども,将来的には焼却処理量を減らす取り組みが必要です。  ごみ対策がおくれていたそうですけれども,名古屋市では「ごみ先進都市を目指し,生ごみの堆肥化を促進する」という新聞記事が載っていました。神戸市でもこの生ごみの堆肥化が始められないものでしょうか。笹山市長にお伺いいたします。  私が提案することは,全市一斉にというわけにはいきませんので,農村地域とそこに隣接する地域でモデル的に始められないかということです。神戸市は西区や北区に広大な農村地域を抱えており,有機肥料の需要も多いと思います。農業政策に関するアンケートを見ましても,都市近郊農業として単に農作物を生産するだけじゃなく,生産地と消費地が結びついた取り組みの必要性が取り上げられていました。  消費地の生ごみが堆肥化されて農家へ供給されるという従来の消費構造とは逆の資源の流れをつくり,資源循環を試みるべきではないでしょうか。せっかく近郊に農業生産地がある神戸の特色を大いに生かさなければもったいないと思います。  消費者の安全な食品に対する関心は,近年ますます高まっています。少々高くても安心できる商品を選択する時代です。この生ごみの堆肥化は,消費者の近郊農業についての関心をさらに深め,近郊農業の振興にも寄与すると思います。  特に家庭で生ごみの堆肥化をしても家庭菜園などでの利用がしにくい集合住宅などがふさわしいように思います。私自身,市販の生ごみ処理機ではなく,神戸ごみ問題連絡協議会の香嶋先生が考案されました生ごみと土と米ぬかと乾燥鶏ふんを容器の中で混ぜるという方法での生ごみの堆肥づくりをベランダで始めまして,かれこれ1年以上になりますが,大きな魚の骨や梅千しの種以外の生ごみは,この間一度も家庭ごみとして捨ててはいません。1年間で 100キログラム以上の生ごみを堆肥化し,家庭ごみとして出さずに済みました。米ぬかや鶏ふんも産業廃棄物になっているので,ごみの減量につながります。さらに効率のよい処理方法を研究する必要があるでしょうし,生ごみの量がまとまれば大型の設備が必要になりますが,当局のご見解をお伺いします。  最後に4点目,学校教育でのノーマライゼーションについて伺います。  神戸市は,すべてのハンディーを持つ市民が快適に市民生活を送ることができるように福祉施策の充実に努めておられ,ますますの充実が望まれています。学校教育の場においても,障害を持つ児童・生徒の在籍する学校などを優先的にエレベーターを設置するなどの取り組みが続けられています。  私は,集団で学ぶという義務教育の場は,単に知識を習得するだけではなく,背の高い友達,計算の早い友達,髪の毛が赤い友達,肌の色が黒い友達,右手が不自由な友達等々,いろいろな人が同じ地域社会で暮らしているんだということを学ぶ場でもあると考えます。まず,その点について神戸市ではどのようにお考えになっておられるのか,お伺いします。  また次に,弱視学級──視力の弱い子供のための学級についてお伺いします。  学校には普通学級のほかに知的あるいは身体的な障害を持つ子供のためになかよし学級や,視力に障害を持つ子供のために弱視学級などを設置することができるようになっています。神戸市は弱視学級の設置をせずに,視力に障害のある子供は盲学校に在籍するとか通級──通うというような体制で対応をしています。  障害を持つ保護者の方の中には,盲学校などで専門的な学習をさせたいとお考えの方もおられるでしょうし,地域の普通の小中学校に通って,地域の子供や人々の中で育てたいとお考えの方もおられます。  子供のことを考えて,どちらがふさわしいのか,専門家の意見を聞きながら,保護者・委員会が十分話し合うことがなくてはなりませんが,いずれにせよ弱視学級は設けないという神戸市の方針では,保護者のニーズ,子供に最良の教育環境を提供することにはこたえ切れないのではないでしょうか。この点,お伺いいたします。  以上です。(拍手)  (「議長」の声あり) 67 ◯議長(長谷川忠義君) 前野助役。 68 ◯助役(前野保夫君) 私から保育のあり方についてお答えをいたしたいと思います。  高山議員のおっしゃるのは,なかなか待機児童が多いではないか,ある面ではマンパワーの不足によって生じているのかといったような質問にも受け取れるわけでございますが,決してそうではございませんで,これは地域的,年齢的な,そういったアンバランスによって待機児童が生じておるというふうに理解をいたしております。  それから,子育て経験が豊かなシルバー世代,しかも地域に貢献したい,そういった方々と若い保母さんとの交流ということをご指摘されました。これはやっぱりいろんな面で考えていくことも大事であろうというふうに考えますが,どういいますか,子育て経験があるというだけで保母さんにかわるということ,これはできないことはご案内のとおりでございます。  今現在におきましても,高齢者の方々,シルバーの方々と子供との交流についてはやっておりまして,保育所がそれぞれの実情に応じて地域の交流事業を行っております。これは各保育所でさまざまなことをやっております。  その中でどういいますか,子育て経験が豊かな方々のそういう体験を身につけるようなこと,例えばお手玉やとかあや取りやとか折り紙を教えてもらうとか,あるいは地域福祉センターで運動会とか劇遊びであるとか,例えば地域の自治会との花祭り,七夕祭りであるとか,あるいは地域福祉センターでの歌とか手遊び会とかあるいは音楽会とか,いろんなさまざまなことをやっております。そうすることによって世代間の触れ合い活動を行っているところでありまして,子供の豊かな人間性づくりにもつながっているものであるというふうに考えておりまして,そういうことについてはやはりどんどんやっていく必要があるんではないか──現にやっておりますし──というふうに考えております。  それ以外にも,保育所の場を活用して,在宅の乳幼児の方々に集団生活の場を与え,育児相談あるいは子育てサークルなどの育成支援を通じて地域における子育て家庭の育児支援,そういったものも図っていく必要があるということで,保育所の地域子育て支援センターが実施活動をいたしておりますが,さまざまな現在ある保育所あるいは児童館,そういったものを通じながら,地域における子育てセンターといったものについては積極的に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 69 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 70 ◯助役(山下彰啓君) 私の方から2点お答え申し上げます。  まず,神戸空港に係る広報でございますが,1993年以来いろいろな広報紙を見たけれども,繰り返しが出てきておるということでございましたが,よくご指摘を受けましたのは,行政というのは最初にこうした資料が残っておるものですから,一度やったものは繰り返さないということが多かったんですけれども,そういうのは見たことがない,最近になって知らなかったという話もいろいろ聞きます。  ご指摘で,いろんな市民層の方から,何度も聞かせてもらわないとわからんというお話もお聞きをいたします。そういう中でいろいろ最初に戻ってやらなければいけないなという反省もありまして,やっておるということでございまして,先生は最初からきちっと読んでいただいておられるようですから,非常にありがたいと思いますけれども,なかなか我々自身もそうなんですけれども,最初から時系列に沿ってまとめるということが難しいのがむしろ当たり前かなという思いもいたしておりまして,そういう反省の上に立って,何度も繰り返し,できるだけわかりやすい方法をとるべきではないか,そういう思いでやらせていただいております。  それから,空港についての役割等いろいろご指摘がございましたけれども,それはどうだとか,あるいは環境上の問題とかいろいろご指摘がございました。可能な限りさまざまな人々のご意見,こういうことがわからんとか,こういうことについて聞きたいとか,そういうご意見もたくさんいただいておりまして,市長への手紙等でもいろいろいただいておりまして,そういったものを整理・分類しながら,できる限りわかりやすく今後とも呼応していかなければいけないな,そういう思いでやらせていただいておるわけでございます。  なお,国際便に関することにつきましては,我々の範疇でございませんので,広報はいたしておりませんが,ご指摘のような内容については割と空港ニュースを読んでいただければ,たびたびお知らせをしてきてまいっておると思いますし,いろいろとこれからもご疑問の点が市民の各層から出てくると思いますが,丁寧に繰り返しやらせていただきたい,そのように思っております。  それから,家庭ごみの減量対策で肥料化というお話がございました。大変貴重なご意見だと思っておりまして,重さで大体生ごみというのが市内で約4割を占めておるんです。ごみ全体の減量・資源化のために,この生ごみをどう処理するかというのは非常に大事であると思っておりまして,何とか減量化を図れないか,資源化を図れないか,こういった研究も今後ますます強めていかなければならない,そういう思いがいたしてございます。  ただ,ご指摘の家庭から発生する生ごみを堆肥化して,農業生産者への肥料に使えというご指摘でございますけれども,生ごみというのは内容が非常にいろんな内容を含んでおりまして,これが大量に家庭から出てきますものですから,これを安定した成分を持つ肥料にするため分別をさらに進める,これを各家庭で今骨なんか別にしていただいているというお話がありましたが,これは全家庭にそういった成分を分類して生ごみを出していただくということが,ある程度大枠で成分ごとにできればいいんですけれども,非常に難しい問題がございます。  なお,例えば油分とか塩分等を含んだ食料品があるわけでございますから,これが大量に何十万人分が集まってきますと,長期間農地に投入していくということについての処理,そういうことについても研究を進めなきゃならないだろう,そのように思っておりますし,また異物が混入してこないように,徹底した分別が必要です。特に堆肥というのはやはりそこを通ってもう一遍人の口に入っていくわけですから,相当衛生管理あるいは環境面でもダイオキシン等の話もありますけれども,やはり徹底した調査あるいは分別が必要であろう,そのように思っておる次第でございます。  また,有機農業を営む農家ということで,有機農業は最近非常にいろんな面で人口に膾炙してきてまいっておりまして,そういうことを有機農業によって,あるいは有機農業野菜しか食べないという人も大分出てきておるということで,推奨されてまいっておりますが,実は神戸の農家の中で有機農業をやっておられる農家というのは非常に少数です。ごく数軒というふうなこともお聞きいたしておりまして,堆肥の需要を今後有機農業をどんどんやっていこうという農家の出現,やはり出てきていただくことによってこういったこともある程度生産性が高まり,1つの循環ができるかなと思います。これは1つの農家の方々のいろんな形の改善なり,あるいは試行なり,あるいは生産の中で考えていかなきゃならない,そのように思っておる次第でございます。  したがいまして,現時点ではまず何よりもできる限りやはりごみになるものを買わないといいますか,ごみになるものを控えていただくということ,あるいは生ごみにならないようにできるだけ使い切っていくということも1つではないかなと,また十分に水を出し切って,水切りしてからごみとして出していただきたい。そんなことをいろいろ今後PRなり情報活動をして,市民の方々のご理解を得て減量化を図らなければならない,そのように思っておる次第でございます。  ただ一方,店舗等から生じます生ごみについては,比較的実はごみの質というのが安定しているわけです。野菜なら野菜,魚なら魚というふうに安定をいたしておりますから,割と肥料化技術も進展をいたしておりまして,大規模事業所のごみ減量指導の中で実はできる限り堆肥化を行うように,我々も啓発を行っておりまして,やはり大量処理しかもそれが分類がきちっとできていきますれば,1つの採算性にも乗りますし,大量に堆肥化もできる,こんな思いもいたしておりますので,今後そういった堆肥化の事例とか,あるいは堆肥化技術の向上を見守りながら,生ごみの減量化についてはやはり必要だというふうに思っておりますので,研究をさせていただきたい,そのように思っております。  以上です。  (「議長」の声あり) 71 ◯議長(長谷川忠義君) 鞍本教育長。 72 ◯教育長(鞍本昌男君) 教育について2点,ご質問がございました。
     まず1点目は,学校教育の現場におけるノーマライゼーションということでございますが,本市は基本的に人間尊重,それから人権尊重を教育の基本理念としておりまして,この認識のもとに教育を進めているわけでございます。  そして,教育の努力目標の中で,お互いの違いを認め,よさを生かし,助け合い,ともに生きる力をはぐくむということを教育の重点目標として取り組んでいるわけでございます。  こういうことにつきましては,人権尊重の教育の推進についてという指針を定めまして,人権に対する鋭い感性をはぐくむことが大切であるというふうなことで,具体的には1つは人権意識や感性を高めるための体験的学習及び参加型の研修をやっていこう,2つ目には人権学習に関する教材や指導法の開発をしていこう,3つ目には研究指定校制度の活用等によって取り組んでいるということでございます。  それで,その関連の質問としまして,弱視学級の設置について神戸市の方針をお尋ねでございました。私たちは一応,障害のある子供の教育につきましては,その子の可能性を最大限に伸ばし,持っている力を十分発揮することができるよう,その子に応じた教育の場を設定し,きめ細かな教育を行っていこうということを方針にしております。  その教育の場についてでございますが,障害の比較的重い子のためには盲学校あるいは養護学校,それから通学ができない子供に対しては訪問教育,それから2つ目には障害の比較的軽い子供のためには小学校・中学校における障害児学級,それから3つ目に通常の学級で学んでいる障害の軽い子供に対しては,その上に通級指導教室というのを設置していこう,この3つの観点から取り組んできております。  それから,教育の場の選択に当たっては,現行の教育的措置基準というのが学校教育施行法にございますが,これを尊重しながらその子の実態に即して,保護者の意向,関係機関あるいは専門家の意見を参考に保護者──子供さんがより適切な教育の場が選択できるように指導をしてまいっております。  神戸市における特に視覚障害の教育につきましては,全盲の方それから弱視者ともに基本的には市立盲学校で対応しております。それから,弱視者の中で地域の学校への就学を希望する保護者に対しては,その意向を尊重しております。  ただ,地域の学校では,弱視者に対しましてはできるだけの範囲での対応ということで,例えば拡大の読書器──字を大きくして読む読書器,あるいは部屋の照明器具を増設して明るくするとか,あるいは黒板の文字を拡大できるような工夫をするとか,学校の中での黄色のテープの表示をするとか,こういうことには努めておるわけでございます。  また,弱視教育の充実のためにここ2~3年ほど検討いたしました結果,小中学校の通常学級に通う視力の障害のある方に対しまして,この場合には大体眼鏡をかけた矯正視力が0.1から0.3未満の方々に対しましては,盲学校において通級指導教室というものを開きまして,そこで弱視の方の特別な教育も受けていただくように,こういうふうにしておりまして,基本的には弱視学級を設置する考えはございません。  以上です。  (「議長3番」の声あり) 73 ◯議長(長谷川忠義君) 高山議員。 74 ◯3番(高山晃一君) まず,空港の広報についてですけれども,空港ニュースが月1回のペースで現在出ているわけですけれども,ちょっと手段が──市長さんのおっしゃったことなどからすると随分手段の方法が少ないように思うんです。今私がずらっと8つほど疑問点を挙げましたけれども,やはりこれだけの疑問に対して何も返事がないということでは,認めたことになるというか,論理の世界ではそうなっちゃいますね。反論がなければそれは認めたことになっちゃうんですから,やはりこれに対してはぜひ,いやそうじゃなくてこうなんですよということを答えていただきたいんです。  今は本当に便利になっていますから,インターネットのホームページで答えるとかいろんな手段があると思うんです。ですから,やはりこれに対してはもっと本当はあるんです。今時間がなかったからこれだけしか言いませんでした。だから,これに対してお答えをいただきたいと思いますけれども,それは不可能でしょうかどうでしょうか,もう一度お伺いをいたします。  弱視学級の件ですけれども,子供の可能性ということを一番に考えて取り組む,そして現在のところ神戸市教育委員会では弱視学級を設けないという方向で取り組んでおられるということだったんですが,たとえそうであっても,親御さんが希望されれば普通校へその子は行くわけですね。それで,受け入れざるを得ないわけです。弱視学級がもしあれば担任の先生がつくわけですけれども,弱視学級がないということで担任の先生がつきません。ということは,他の先生方が時間を工面したりしながら対応をしていかなければならないということにつながってくるわけです。結局現場の先生方の負担が大変大きくなってしまうということにつながるように私は思います。  今神戸市の現場はどうなっているかというと,すごく問題が複雑化して,震災復興担当の教師を各校で取り合いしているといいますか,獲得合戦を繰り広げているというような状況があるわけです。そんな中に,弱視学級を設けずに弱視の子供を入れるということになったら,これはやはりなお負担が重くなってしまうことにならないでしょうか。神戸市は,なかよし学級はあるけれども,弱視はないという,客観的に見ても私はバランスがとれてないように思うんですけれども,もう一度ご答弁をいただければと思います。  2点,お願いします。  (「議長」の声あり) 75 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 76 ◯助役(山下彰啓君) メディアといいますか広報の手段については,空港ニュースとかインターネットとかいうご指摘もございましたが,多様なメディアをできる限り利用させていただきまして,広報を続けていかなきゃならない,そのように思ってございます。  それから,今ご指摘の中身につきましては,空港本部長の方からお答え申し上げます。  (「議長」の声あり) 77 ◯議長(長谷川忠義君) 鞍本教育長。 78 ◯教育長(鞍本昌男君) 弱視学級の件でございますが,基本的に普通学校に小学校で19人,中学校で3人の弱視の方が現実に入っておられます。この方々は,先ほど申し上げましたように拡大器とか照明を明るくすることによって,普通の子供たちと一緒の教室で勉強する,それがまた一方ではノーマライゼーションになるわけでございまして,そういう意味で弱視学級を設けるということは,1つの部屋に隔離とは言いませんが,別の部屋で教えるということになるわけでございまして,先生の最初におっしゃいましたノーマライゼーションの精神からすると,普通学級で勉強できる以上は普通学級で対応するのが本来であろう,このように思います。  以上です。  (「議長」の声あり) 79 ◯議長(長谷川忠義君) 平野港湾整備局空港整備本部長。 80 ◯港湾整備局空港整備本部長(平野志郎君) 空港ニュースについてでございます。空港ニュースは,これまで20回発行をしてまいりました。基本的に空港ニュースに何を取り上げるかということでございますが,これは私どもが,市会であるとかあるいは各種の説明会であるとか,あるいは市長への手紙等々から,市民の方々が何を疑問に思っておられるか,そういう中から多いものについてこれまで載せてきたわけでございます。  高山議員,先ほどおっしゃいました,例えば大阪湾における複数空港があっても安全かとか,あるいは空港ニュースに関空機との飛行ルートの関連とか,複数空港ができれば不便になるとか,個々におっしゃいました。それらにつきましても,複数空港であってもいわゆる一元管制ということでやりますから安全ですよと,また飛行ルートにつきましても3つの空港からの飛行を考えて運輸省は設置許可をおろしてきましたとか,あるいは不便になるとは申し上げておりませんけれども,関西の航空需要に対して3つの空港がお互い分担して航空需要にこたえていくとか,そういう形でそれぞれ取り上げてきたところでございます。  以上でございます。  (「議長3番」の声あり) 81 ◯議長(長谷川忠義君) 高山議員。 82 ◯3番(高山晃一君) まとめますけれども,まず学校の弱視学級ですけれども,これは弱視学級をつくって隔離するとか,そういうご答弁がありましたけれども,これは本当に何といいますか,なかよし学級でも親学級があって交流があり,よりよい教育をするために設けるということであって,隔離というような目的では全くありませんので,その辺は鞍本さんもよくご理解されているかと思いますので,私はそういう意図で言っているのではありません。  ただ,兵庫県下に5校,弱視学級が認められていまして,ぽっかり神戸だけがあいていて,県の方に聞けば,神戸から申請がないから弱視学級は設けないんですよというようなご答弁だったわけです。  私は,きちんと神戸市としての方針を持っておられるというのはわかるんですけれども,保護者の期待とか子供の可能性ということを考えた場合に,弱視学級はなしでよいとはとても考えられませんので,ぜひその状況に応じて弱視学級を設置することを県に申請するということも,ぜひ今後検討していただければと思います。  空港の広報ですけれども,これは市長さんへの手紙とか,そういう形で出せば必ずご返事はいただけるんでしょうから,そういう形で出せばいいのか,その辺はまた教えていただきますけれども,わかりやすい広報というのは,少なくともやはり感情的なものだとか情緒的に訴える内容じゃなくて,やはり論理的に正しい,筋の通った内容で市民に説明をしていただければと思います。  保育それから家庭ごみについてですけれども,地域の力を具体的にどう生かすという点から,ぜひご検討はしていただきたいと思います。  山下助役の方から,最初は否定的なご発言が多くてちょっと残念だったんですけれども,やはり始めないことにはこれは間に合わないように思いますから,ごみの処理それから保育について,地域の力をどのように生かしていくのか,ただ単に何でもかんでも行政がやるといったら本当にお金がかかって仕方がありませんので,そういう点でのご検討をぜひもう始めていただきたいと思います。  以上で終わります。 83 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,22番吉田基毅君。  (22番吉田基毅君登壇)(拍手) 84 ◯22番(吉田基毅君) 私は,自由民主党みらい市会議員団を代表しまして,平成11年度予算案及び関連議案について,市長並びに関係当局に質問をいたします。  笹山市長は,震災から5年目の平成11年度を復興事業を総括・検証する年と位置づけられ,一日も早い市民の暮らしと神戸経済の早期復興を目指すという視点から,平成11年度予算を編成されております。一方,神戸経済は震災と不況という二重の重荷を背負っており,市税収入も震災後初めて減少するという,まことに厳しい状況に陥っております。  このような厳しい状況にあっても,市民生活の早期再建と神戸経済の復興に意を配した積極的な予算を編成された市長のご努力に対し敬意を表します。  また,新年度の予算編成に当たっては,通常投資・通常物件費の削減や事務事業の見直しにより,一般財源ベースで 400億円を超える額の見直しを行い,復興事業など優先的な事業に充てる一方,財源確保のため基金の取り崩しや市有地の売却,企業会計からの支援,さらには公債基金からの繰替運用を行うなど,考え得る限りの財源対策が実施されております。このため,財源としてすぐに取り崩せる基金もとうとう底をつき,12年度以降の予算編成が大いに危惧されるところであります。  今後,かなりの長期にわたって厳しい行財政運営が予想されますが,個別化する被災市民への生活支援の継続展開や,少子・高齢化を見据えた福祉の充実などを進めていくためには,財源を確保する一方で抜本的な行財政改善を継続して推進していく必要があります。行財政改善緊急3カ年計画で残された課題に取り組むのはもちろんですが,既存事業の総点検を実施するとともに,復興の総括・検証という言葉どおり,本当に市民が求めている施策は何か,現在のニーズに本当に合致しているのかどうか,前例にとらわれることなく,いま1度原点に立ち返って考えてみる必要もあるのではないでしょうか。  震災被害と厳しい不況の中にあっても,復興行政の停滞は許されません。市民の暮らしと神戸経済の早期復興に向けて,今後解決せねばならない問題はまだまだ山積しておりますが,以上のような観点を踏まえ,11年度予算に係る個別事業について,数点にわたりご質問いたします。  第1番目として,行財政改善の推進と民間活力の積極的導入について,お伺いいたします。  改めて申すまでもありませんが,戦後初めて2カ年連続マイナス成長となる経済情勢に加え,震災の復旧・復興に係る公債費の急増などにより,神戸市の財政は極めて厳しい状況にあります。その一方で,介護保険制度をはじめとする新たな行政需要にも積極的に対応していく必要があり,今後の行政運営に当たっては行政がすべてを直接行うのでなく,可能な限り民間の力を活用すべきであると考えます。民間も既に市民サービスに対応できるだけのノウハウを持つ事業者も多く存在しております。民活の導入を単に行財政改善の観点からのみではなく,昨今の不況・低成長時代にあっては,景気拡大策といった観点からも積極的に推進していく必要があると思いますが,市長のご見解をお伺いいたします。  第2点目として,神戸経済の復興についてお伺いいたします。  神戸の経済は,全国的な不況の影響もあり,復興のスピードが緩慢なものとなってきております。そのため昨年,不況対策協議会を再開し,さまざまな施策の提言を受けました。その中には,早急に対応すべきもの,中長期的な視点から取り組むべきものの双方が挙げられております。即効性という観点から,集客・観光にかかわるものが大きく取り上げられております。市内の観光関連産業は,事業者数で3割,従業員数で2割を占めるとも言われており,ルミナリエの経済効果が 640億円との計算もあるように,市内への集客を図ることは,消費の喚起に大いなる効果があると思われます。  先ごろ運輸省の外郭団体である運輸政策研究機構は,観光地の魅力評価を発表しましたが,その中で神戸は京都・長崎と並び5つ星と高い評価を得ました。この評価自体,大変喜ばしいものであります。今後とも神戸をさらに魅力あるまちにし,より多くの集客を図ることが,神戸のまちの活性化,経済の復興を牽引していくことになると考えられます。  11年度予算で見ますと,有馬の太閤の湯殿館の開設,旧居留地 100周年記念事業の開催,須磨水族園アマゾン館の整備などが盛り込まれ,またマリンピア神戸では民間事業者によるアウトレットモールが秋ごろにはオープン予定と聞いており,集客に寄与するものと大いに期待をしているところであります。  しかし,一方では摩耶ロープウエー,摩耶ケーブルがいまだ再開されてないことや,交通局が11年度中に定期観光バスから撤退するといったように,観光客の足の確保の点では,大きなマイナス要素を抱えております。  21世紀を間近に控えた今,神戸の観光をどのように進めていくつもりなのか,経済復興を早急に進めていくという観点からも,市長のご見解をお伺いいたします。  第3点目として,副都心としての六甲道駅周辺の活性化について,お伺いをいたします。  神戸の玄関口である三宮駅周辺は,若干の空き地はありますが,大半の業務商業ビルが再建・改修され,国際会館も完成に向けて鋭意建設が進められております。これらの中枢管理機能を持つ都心に加えて,副都心については,都心と一体となり,地域住民が住み・働き・学び・憩いの場となる広域的な生活文化圏としての早期の復興・活性化が緊急の課題なのであります。  マスタープランでは,東西の副都心として,六甲道・新長田駅地域が位置づけられております。新長田駅周辺地域では,昨年中心市街地活性化基本計画が策定され,くつのまち・ながた構想などを核として,一体的な取り組みの第一歩が踏み出されようとしております。一方,六甲道駅周辺地域では,復興事業として六甲道駅北地区及び西地区復興区画整理事業や,六甲道駅南地区復興市街地再開発事業により,副都心にふさわしい活力・魅力があり,かつ防災機能を備えたまちづくりに地域住民と一体となって取り組んでいるところであります。  しかし,こうした面的整備以外においても,東部副都心軸としてのまちの一体的な連続性や,つながりを考慮した商業機能のバランスや適正配置が求められております。それに加えて,文化の香りや潤いのあるまち並みとして八幡線などを軸とした阪急六甲から六甲道,新在家に至る地区全体のトータル活性化を加味したまちづくりも望まれているところですが,その実現に向けての方策について,ご見解をお伺いいたします。  第4点目として,小規模校対策についてお伺いをいたします。  我が国の社会全体が本格的な少子・高齢化社会を迎えようとしておりますが,神戸市においても例外ではなく,15年前には1万 9,051人もあった小学校1年生の数が,今年度は1万 3,236人と,約 5,800人,率にして30%も減少してきております。当然のことながら学級数についても減少の一途をたどり,その結果,旧市街地では1学年1クラスといった極めて小規模の学校も珍しくなくなりつつあるのが現実であります。  小規模の学校では,よりきめ細やかな教育が行われるといったよい面がある一方,体育や文化活動において制約を受ける場面が生じたり,クラスがえが行われることがないため,子供たちが多くの友と切磋琢磨しながら成長を遂げる機会が少なくなるなどの弊害も懸念されるところであります。  教育委員会では,これまで市街地の小規模校を再編することにより,学校環境の改善・整備を行う学校再開発事業を進めてきてはおりますが,PTAをはじめとする関係者との事前の調整に相当時間がかかっているようであります。とても現在進行しつつある急速な少子化の波には対抗し切れていないのではないかと思われます。  新年度の予算を見てみますと,旧市街地へ若年子育て層を呼び戻し,人口定着を図るための施策として,民間マンションへ入居する場合の敷金補助などが行われようとはしていますが,すぐに大幅な人口増を得ることは難しいと思われ,学校の児童数を増加させるためには,もう少し柔軟な対応をとる必要があるように思われます。  最近の学校において空き教室が生じている現状を踏まえ,例えば施設に余裕のある学校では,現在の校区を見直すなどにより子供たちの数をふやし,結果的に複数学級を維持するようなことを早急に検討すべきであると考えますが,教育委員会のご見解をお伺いいたします。  第5点目として,今後の都市交通政策についてお伺いいたします。  今日,都市交通を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。1つには,交通運輸分野において規制緩和が進展しており,平成11年度には鉄道・貸切バス事業,平成13年度までには乗合バス事業については需給調整規制の廃止など規制緩和が実施さる予定であり,交通事業者間の競争激化が予想されるところであります。  2つ目には,地球環境への関心の高まりであります。例えばフランスのストラスブールなどヨーロッパなどでは,路面電車が公共交通機関として活用されているところでありますが,日本においても,環境にやさしい乗り物として路面電車の復活の動きも出てきております。また,乗用車についても,車両の小型化やハイブリッド車の開発など,地球環境への配慮が大きな流れとなりつつあります。  本市においても,地球環境にやさしい公共交通機関の充実としては,現在地下鉄海岸線が建設中でありますが,将来的には須磨方面や,東部新都心を経てJR六甲道など,東西に延伸していただきたいと考えております。これまで大都市におきましては,こうした経済成長とリンクする形でマイカー普及など,モータリゼーションが進行し,利便性が向上する一方,交通渋滞や交通公害などの弊害が発生しております。また,高齢社会の到来やノーマライゼーションの実現を考えた場合,高齢者や障害者をはじめいわゆる交通弱者の足の確保を図っていく必要があります。  神戸を,環境への負荷が小さく,より利便性の高いまちにしていくためには,公共交通優先のまちづくりを考える必要があると思われます。つきましては,公共交通優先の施策を各局の縦割りではなく,総合的に進めていく必要があると考えますが,具体的な施策とともに市長のご見解をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。(拍手)  (「議長」の声あり) 85 ◯議長(長谷川忠義君) 笹山市長。 86 ◯市長(笹山幸俊君) 吉田議員のご質問に,まず私からお答え申し上げます。  神戸経済の復興について,特に神戸の場合は観光事業が非常にシェアが高うございます。そういう意味で,将来観光客対策も重要なファクターではないか,こういうご意見,そのとおりでございまして,確かに平成10年度は今までよりは少し入り込み客が大きくなってまいりました。これはいろいろ理由があると思いますが,交通機関といいますか道路状況,そういったものができたということと,例えば明石海峡大橋もそうですが,また舞子周辺にもできた,また北野の工房等ができて,まだ北野の異人館群はそれほどもとへ戻ったという状態ではないんですけれども,北野の工房のまちがオープンしたということ,またルミナリエの効果,そういったものがあって相当観光入り込み客がふえた,こういう状況にございます。  ご指摘がございました中で,交通機関で,この震災で復旧・復興をしてないものがございます。これが,ご指摘があった摩耶のケーブルとロープウエーでございます。これにつきましては,かねて六甲摩耶鉄道といろいろ話をさせていただいて,これは親会社の阪神電鉄の中で今議論をしていただいております。ある提案を私の方から申し上げておりますので,提案についてご回答いただきたいと,こういったことの条件の話に入っておりますので,近く何か回答があるんではないかと期待をいたしております。  それから,六甲山全体の問題にかかるんですけれども,こういった問題は,震災によって六甲山へおいでになるお客さんが減ったということは確かでございまして,これの活性化については,今懇談会を実は持とうとしております。関係の業界の皆さんと私ども,あるいはできれば環境庁にも入っていただく。これは国立公園でございますので,環境庁にも入っていただいて,ひとつ取りまとめをしていったらどうか,こう思っております。  神戸市の場合は,市街化区域,調整区域にするときに,現状である程度の規制がかかっております。このある程度というのが非常に厳しいわけですけれども,増改築を認めないとか,改築をする場合は,面積的には 1.2倍か 1.5倍までとか,そういった非常に細かいことを言っておりますが,これについてどういう方法である程度緩和ができるか,こういうことを今私どもが考えておりますので,ぜひこの具体案を委員会で決めていただければと,こう思っております。  そのためには,やはり摩耶ケーブル・ロープウエーはもとどおりにしていただかないと完成しない。それから,ケーブルを上がったところの土地ですね,中段にありますが,ああいったところの整備ももちろんするという条件で,今話をさせていただいております。  ですから,今回バスの中でも観光バス──定期バスですけれども,これが非常に今のところ苦しゅうございます。先ほどもご指摘ありましたように,平成13年には民バス・公営バス,それぞれそのルート等について自由にということになってまいります。ですから,公営の方のバスが非常に苦しくなるというのは,これ確かでございますので,こういった問題についてもこの観光バス,例えば観光バスが今まで市が受け持っておったのを,民間にやってもらうとかというようなことを探っていきたい,こう思っております。もちろん私バスが参入してくる場合のルートがあいたり競合したりしますので,そのバスルートの競合を避けるためにルートを変えるとか,いろんな手だてが今後要るんではないか,こう思っております。  ですから,バスの運行の仕方ですが,東西が非常に交通機関としては発達している神戸ですから,南北にうまくつないでいく,まあいえばループ的な考え方も考えられるんではないか。かつてゾーンバスというのを検討したことがありますが,そういったものも場所によっては考えてもいいんではないか。そのためにはバスの形ですね,こういうものも十分検討して,その地域に合うようなバスでないといけないんじゃないか,こう思っております。  全体的に高齢者の方々がたくさんおいででございますし,またニュータウン等でも今は若い人がたくさんおられますけれども,20年ほどしましたら,もう既に名谷なんかは高齢者が非常にたくさんできている。そのためには普通のバスではいかんのではないかというような議論も出ておりますので,こういった問題もひっくるめて交通局で今検討をするようにしております。  また,この神戸の場合に観光行政としてのサービスが,そういった乗り物あるいはそういった案内,こういったものについて,ときどき欠落している部分があるではないかというようなことをよく言われるんですけれども,そういったことについては十分今後検討しながら,それに対応できるようにしたいということでございます。ですから,神戸においでになる人は,神戸の何を──逆に言いましたら,何を魅力と感じておいでになるかということですね。  こちらが,こういうものがありますからいらっしゃいと,こういう言い方は今までですね。ところが,今後は皆さん方が神戸においでになる魅力は一体何でしょうかと,こういうことが言われる時代になってまいりましたので,これについては,今後いろんなところを通じてそういった魅力を聞きたい。一般的によく言われているのは,ハイカラとかそういったことを言うておりますが,グルメとかエキゾチックだとか,こういったことを言うているわけですけれども,果たしてこれは感覚的に見れば,自分たちが住んでいる場所で見つけられないもの,日常的でないものが神戸にある,だから行くんだと,珍しいから行くんだと,こういった気持ちというのは,単純に考えればそういうことになるということですから,そのものをできるだけいいものを仕上げておく,こういうことを今からやっていく必要があろうかと思います。  ですから,まちづくりの中で,その地区地区で特色のあるまちをつくろうという中に,観光に,あるいは歴史・伝統,そういったものにかかわるような施設が実際にありますから,それを生かしていくということで今後進めていきたい,こう思います。そういったものが,神戸は資源が他の大都市に比べてすべてそろっておるということになっておりますので,これを今後それ以上の魅力を発揮するような仕事を進めていきたい,こう思っております。  それから,都市の今後の政策なんですけれども,確かに今後いわゆる環境にやさしいまちということ,これはいつも言っておりますけれども,都市の環境容量というもの,いろんな容量がありますが,容量の基準がありますけれども,それを超さないというものにまちをするべきではないか,こういうぐあいに考えております。これは非常に抽象的ですけれども,そういったことが言われるわけです。  ですから,環境問題については,都市全体をつかまえて環境にかかわる仕事を始めたのが昭和47年でございます。そこで人間環境都市宣言というのを出しまして,すぐに市民の環境をまもる条例を,日本では初めてですけれども,そういったものをつくったわけでして,それに合うように仕事をしていく,こういうことでございまして,最近では特に環境負荷の軽減ということで,どんどん車がふえてまいります。当時は車の台数がこんなに早くふえるという予測はしてなかったわけですけれども,それの何倍もの車の増ということになってまいりましたので,やはり車自身を変えるということが必要になってきたわけでございます。ですから,低公害車を入れるといったこと,あるいはこれも昭和63年から始まっておりますけれども,大々的にそれをはっきりしていこうということで,神戸市では民間の会社をつくっていただきまして,ちょうどことしの2月1日から出発をしておりますが,エコカーセンターが誕生しております。  このエコカーセンター,低公害車については,一般の車が使いますガソリンスタンドがすぐに使えないということで,まずそういったものの配置を考えるということを業界の方もいろいろと苦労しておられますので,これに対する支援策というものが要るだろう,こう思っております。特に私の方に直接関係がありますのは,バスですね。ですから,バスの形あるいはノンステップバス,こういったものをどんどん入れていく,こういう状態が現状ではないかと思っております。それから,かねてからやっております──パーク・アンド・ライド方式というようなことも既にやっておりますので,これを進めていく,こういうことが現在でございます。  ですから,こういったバス,公共交通機関にできるだけ乗ってくださいと,こういうことを言っているわけですけれども,じゃ電車かバスかということになります。ですから,そういったバスなり公共交通機関が運行しやすいように図っていく必要があるんではないか。例えば駅舎のエレベーターの話も出ましたけれども,これも1つの大きな転換するチャンスを与えるということになりますので,そういうところからやっていく必要があろうかと思います。できるだけ自動車を使わないようにというのが本旨でございます。  今もうアメリカなんかでも,西海岸なんか特に地下鉄は昔はなかったんですけれども,今つくっているような状態がありますから,そういった意味でも大変な仕事になりますけれども,神戸のまちで走っておる公共交通機関は非常に環境にやさしくて,福祉的な要素を十分持っておると,こういうまち,交通機関にしたい,こう思っております。また,いろいろとアイデア等がございましたら,お教えをいただきたいと思います。  かつて路線バスの廃止のときに,新交通を入れる,入れないという議論のときにあったんですけれども,垂水がバスしかない,南北にひとつ何か入れたらどうかという話も実はございました。まだ話としては残っております。そのときに舞子多聞線に電車,いわゆる路面電車を復活したらどうかというような議論もあったんですけれども,それぞれそこまでまだ話が進んでおりませんが,これをバスで,非常に有効な手段として,周辺に迷惑をかけないようなバスを走らせる,こういうような考え方でいきたい,こう思っております。  以上,私からお答え申し上げました。  (「議長」の声あり) 87 ◯議長(長谷川忠義君) 山下助役。 88 ◯助役(山下彰啓君) 私の方から行財政改善の推進と民間活力の積極導入ということについて,お答えを申し上げます。  もうご指摘のとおり,財政が厳しい状況の中で,一方行政需要というのは,例えば介護保険にも出てきますように,新しい行政需要がどんどん出てまいります。こういったものにどう対応していくかということが非常に大事になってきておるわけでございますが,1つは行財政改善ということで,財政状況の改善のために必要でございますが,一方いわゆるサービスの提供主体というのが非常に多様化してきているように思っております。  従前は,官とか民とか言うんですけれども,その民の中でも,例えば福祉法人とか医療法人とか,公的法人ですね,財団法人あるいは協同組合,こういったものがどんどん出てまいっておりますし,例えばNPOというような新しい概念で出てきておりますし,これはいろんな事業をやるわけですけれども,営利じゃないけれども,いろんな人材が集まって事業を行いたい,そこには当然公的分野についてやれるものがたくさんある,こういったことが実はもう出てきておるわけです。  そういった中で公と民,あるいはその民の中でもNPOとか公的法人であるとか,あるいは株式会社であるとか,こういった中でのサービスの供給の多様性といいますか,そういうものが非常に求められる時代になったのかなと思っておる次第でございまして,こういったものにやはり今後対応していく必要があるんではないか。  先生ご指摘の,単にリストラあるいは行財政改善,効率化ということじゃなしに,民間の方々の例えば職場の拡大のために必要ではないかというご指摘もあります。これは当然そういったことも考えていかなきゃならない,こういう非常に厳しい経済情勢の中でどれだけ皆さんで,公も民も,今言いましたように多様な主体が分け合うのかといった観点も必要であろう,そのように思っておる次第でございます。  そういう中で,建設自身もPFIというような新しい手法も出てきておりまして,これを本当にどうやって具体化していくのか,若干実験的といいますか,先取りしたような形で御崎公園のスタジアムをやりましたし,あるいは舞子ビラについても土地信託というような制度を導入して始めておりますけれども,こうした手法についても非常に多様化してくるであろう,こういったものをどう取り入れながら公的な政策の使命を達成していくか。この手段はいろいろあろうかと思いますので,こういった点について,やはりトータルとしての市民サービスの向上のためのシステム,こういったものをつくっていく必要があるのではないか,そのように思っておる次第でございます。
     以上でございます。  (「議長」の声あり) 89 ◯議長(長谷川忠義君) 鶴来助役。 90 ◯助役(鶴来紘一君) 副都心の件について,お答えを申し上げます。  吉田議員ご指摘のとおり,マスタープランでは六甲道駅周辺を東部の副都心というふうに位置づけをいたしております。また,震災後つくりました復興計画におきましても,JR六甲道駅周辺の整備に合わせて,行政機能の強化あるいは交流施設等の導入ということで,副都心にふさわしい拠点機能の充実を図るということと同時に,阪急六甲から阪神の新在家の方にかけての拠点を結ぶ東部副都心軸の形成というのがうたわれております。また,区別計画においても,六甲生活文化軸として整備するというふうな位置づけにいたしております。  そういうことに基づきまして,ご指摘のように現在駅の周辺,JR六甲道駅の北あるいは西側では,復興区画整理事業を実施いたしております。また,南側でも,再開発事業を現在実施しておりまして,公園の整備あるいは道路の整備等,いわゆる公共施設の整備等,市場あるいは商店街の復興,核店舗・専門店の誘致,あるいは区役所の設置,また良質で多様な住宅の供給ということで,活力あるまちづくりに現在取り組んでおるわけでございます。  さらに,その六甲道駅を中心にした歩行者ネットワークの整備,また主要道路については無電柱化をしていこうということで,そういう配慮を行っておるわけでございます。  特に八幡線につきましては,副都心の南北の非常な主要な道路ということで主要軸という形になっておりまして,シンボルロードという位置づけにしておりまして,いろいろそれにふさわしい整備を行っていくということで,現在実施を予定しております。  また,これは主に公的な事業という形でやっておりますが,いわゆる地元のまちづくり活動の支援ということで,ご案内のように桜口3丁目では,既に民間再開発が完了いたしまして,パニエという形で既に供用しておりますし,また桜口・備後町3丁目あるいは新在家南町でも,地元組織による地域特性を生かしたまちづくりが現在進められておりますので,こういうことを支援して,地区全体として活性化を図っていくということで現在推進をしております。  いずれにしても,副都心にふさわしい軸形成ということで,土地利用の誘導あるいは水と緑のモール,それから特に先ほど申し上げました八幡線の景観形成という南北軸の強化,それと南へ行きますと酒蔵の道,あるいはウオーターフロントの東西軸──これはなぎさ海道というふうに呼んでおります。そういうネットワーク化というようなことで,総合的に東部の副都心軸の形成を図ってまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。  (「議長」の声あり) 91 ◯議長(長谷川忠義君) 鞍本教育長。 92 ◯教育長(鞍本昌男君) 学校の小規模化校の対策についてのご質問がございました。  既成市街地では,従来からドーナツ化現象が起こっておりますのに加えまして,最近の少子化傾向ということ,震災等での若干の学齢児の減少ということもございまして,確かに小規模校が多数発生しているのは事実でございます。  今議員ご指摘のように,小規模校は子供たちがお互いによく知り合えるという意味でのよさはあるんですが,一方でクラスがえがございませんで,少人数のために学校行事にも支障がある,こういうことで,従来からこの学校の規模の適正化を図るためにということで,本市では学校再開発事業を進めてきております。  ただ,議員ご指摘のように,そのほかにも校区境界の変更とか,あるいは一方の学校が一方の学校を吸収する統合・合併,こういうものも方法としてはあるわけでございますが,旧市街地では先ほど申し上げましたように基本的にはもう校舎が老朽しておりますし,それから空き教室がありましても,校舎そのものが老朽しておりますし,校地そのものが狭隘ということもございまして,従来からこの既成市街地の中での小規模校対策は,学校再開発による新しい適正規模の確保ということをやってきておるわけでございまして,ただ現在でも既成市街地の中でも,特定の地域では復興のための大規模な再開発事業等が行われている地域もございます。これは区画整理事業とか再開発事業など都市計画事業なんでございますが,そういうところでは民間のマンション等,相当数建つというふうなお話も一方では聞いております。  したがいまして,こういう地域の校区につきましては,今後もその事業の進捗等を見ながら考えていきたいということでございますが,それ以外の区域の小規模化している学校につきましては,時間がかかるというご指摘がございましたが,できるだけ地元あるいはPTAのご理解を得ながら,学校再開発手法を取り入れて規模の適正化を図っていきたい,このように思っております。  以上でございます。  (「議長22番」の声あり) 93 ◯議長(長谷川忠義君) 22番吉田基毅君。 94 ◯22番(吉田基毅君) 残されました問題につきましては,後ほど開かれます委員会の方で質疑を深めたいと思います。  以上で終わります。 95 ◯議長(長谷川忠義君) 以上で質疑は終わりました。  この際お諮りいたします。  ただいま議題となっております平成11年度神戸市各会計予算並びに関連議案,合計52議案は,正副議長を除く議員68名をもって構成する予算特別委員会を設置し,これに審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 96 ◯議長(長谷川忠義君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 97 ◯議長(長谷川忠義君) この際お諮りいたします。  本日までに受理いたしました請願は,お手元に配付いたしております請願文書表のとおり2件でありまして,本請願は,その趣旨から見て予算特別委員会に審査方を付託いたしたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 98 ◯議長(長谷川忠義君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 99 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,日程第53 議員提出第62号議案を議題に供します。 100 ◯議長(長谷川忠義君) 本件は,社会保険関係事務の法定受託事務化と同事務に従事する地方事務官の地方移管を求める意見書を政府に提出しようとするものであります。 101 ◯議長(長谷川忠義君) 本件に関し,発言の通告もありませんので,本件は委員会の付託を省略し,原案のとおり決しまして,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 102 ◯議長(長谷川忠義君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 103 ◯議長(長谷川忠義君) この際お諮りいたします。  ただいま議決いたしました議員提出第62号議案に関する取り扱いは,議長にご一任いただきたいと存じますが,ご異議ございませんか。  (「異議なし」の声あり) 104 ◯議長(長谷川忠義君) ご異議がないと認めます。  それでは,さように決定いたしました。 105 ◯議長(長谷川忠義君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際申し上げます。  この後,直ちに予算特別委員会を開会いたしますから,委員の方は28階第4委員会室にお集まり願います。  本日はこれをもって散会いたします。   (午後5時51分散会) 神戸市会事務局 Copyright (c) Kobe City Assembly, All Rights Reserved. No reproduction or republication without written permission. ↑ ページの先頭へ...