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  1. 神戸市議会 1998-11-18
    開催日:1998-11-18 平成10年第2回臨時市会(第2日) 本文


    取得元: 神戸市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-24
    本文へ移動 ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1   (午後2時3分開議)  (長谷川議長議長席に着く) ◯議長(長谷川忠義君) ただいまより本日の会議を開きます。  これより議事に入ります。  日程によりまして,日程第1 第68号議案を議題に供します。 2 ◯議長(長谷川忠義君) これより,委員会審査の経過並びに結果について,委員長の報告を求めます。  空港等に関する特別委員会委員長平野昌司君。  (41番平野昌司君登壇)(拍手) 3 ◯41番(平野昌司君) ただいま議題となりました第68号議案「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例の件について,委員会審査の経過並びに結果をご報告申し上げます。  本件は,地方自治法の規定に基づき,条例制定の直接請求が受理され,市長の意見を付して議会に付議されたものであります。  委員会は,去る11月12日に本件の審査方を付託されて以来,連日委員会を開催し,極めて長時間にわたり精力的に審査してまいったのであります。  すなわち13日には,参考人として条例制定請求代表者のお1人である須田 勇氏を委員会にお招きし,条例制定請求の要旨などについて意見を聴取した後,同氏に対して,委員会を代表して私から,数点にわたり質問を行ったのであります。  そして,その後,港湾整備局及び市民局に対して,神戸空港計画に関する質疑を中心に審査を行ったのであります。  また,第2日目の16日は総務財政委員会との連合審査会を開催し,港湾整備局・市民局のほか,総務局及び選挙管理委員会にも出席を求め,住民投票制度を中心とした審査を行うとともに,約3時間にわたる陳情提出者からの口頭陳述を通して,広く市民の声に耳を傾けたところであります。  さらに,翌17日は,神戸空港計画に関する審査をより一層深めるため,港湾整備局震災復興本部総括局及び環境局に対して質疑を行った後,同日午後にはそれまでの審査でなお残された問題について市長・助役に対する総括質疑を実施するなど,極めて慎重かつ熱心に審査を行ってきたところであります。  それでは,以下,委員会審査の中心となった論点について,数点にわたりご報告申し上げます。  まず1点目は,神戸空港の必要性についてであります。  さまざまな観点からの,その必要性を問う委員の質疑に対する当局の答弁は,おおむね次のとおりに要約できます。  神戸空港は,都心近接型の空港として,新しい神戸のまちづくりを行っていく上で大きな役割を果たす。  空港は都市の交流窓口として,神戸が目指す集客都市づくり,健康・医療・福祉関連の産業集積などを目指す医療産業都市構想,さらにはアスリートタウン構想の実現にとって欠くことのできない都市装置である。
     また,空港が整備されることで新産業の立地が促進されるなど,その経済効果によって大きな所得増加・雇用増加が見込まれる。  一方,航空需要との関係でも,神戸空港は,関西国際空港大阪国際空港との適切な役割分担のもとに,増大する関西圏の航空需要を賄うこととされている。  2点目は,神戸空港の財政計画についてであります。  神戸空港に係る総事業費とその財源,そして市民負担についての当局の答弁は,おおむね次のとおり要約できます。  神戸空港の総事業費は,空港島の造成,滑走路などの空港基本施設や連絡道路,空港消防,上下水道の整備等に要する費用に建設利息を加えて約 3,140億円となる。これ以外に必要な経費としては,国の直轄事業である管制塔や無線施設等の整備費用とターミナルビル会社への出資がある。  また,その財源は,土地造成事業については起債と土地処分収入を,空港整備事業については国庫補助金と起債,そして一時的な不足資金については新都市整備事業基金を充てることを考えている。したがって,神戸空港については,一切市民負担はない。  3点目は,神戸空港の需要予測についてであります。  現下の経済情勢を踏まえての需要の見通しを問う委員の質疑に対する当局の答弁は,おおむね次のとおりに要約できます。  我が国の国内航空需要は,景気が低迷する中にあって極めて順調に増加しており,今後とも同様に推移することは国においても予測されている。  また,最近の実績では,旅客需要の伸びは経済成長率の伸び率を大きく上回っており,関西国際空港大阪国際空港が存在することを前提としても神戸空港の需要は十分に見込まれる。  4点目は,住民投票制度についてであります。  住民投票の意義などを問う委員の質疑に対する当局の答弁は,おおむね次のとおりに要約できます。  住民投票は,法律に直接の根拠はなく,地方自治法条例制定を請求できる権利に基づくものである。  国の地方分権推進計画においても,住民投票は住民参加の拡大のための1つの手法であるとしながら,「現行の代表民主制を基本とした地方自治制度のもとで,議会や長の本来の機能と責任との関係をどう考えるかといった点に十分留意する必要があり,その制度化については引き続き慎重に検討を進める。」としており,相当慎重に判断しないと間接民主主義を否定することにもなりかねない。  5点目は,条例案そのものについてであります。  条例案に対する評価,及びこの条例案に基づく住民投票についての当局の答弁は,おおむね次のとおり要約できます。  神戸空港計画については,議会の議決を得ながら1つ1つ順を追って手続を行い,現在に至ったものであり,議会制民主主義のルールに基づいて,最大限の市民参加を図りながら進めてきた。構想段階ならともかく,推進の意思形成を終えている現在の状況下で,住民投票は実施する必要がないものと考えている。  条例案そのものについては,住民投票の結果の確定まで,空港工事などの市長の権限を停止することとした第14条第1項は,地方自治法の趣旨から見て不適切であると考える。また,投票運動に公職選挙法を準用しないことによる弊害も予測される。  以上,委員会審査における主な論点について述べましたが,そのほか環境への影響,空港ターミナル事業,市民への広報・広聴などについても,熱心な議論が交わされたことをご報告いたしておきます。  こうした経過の後,昨日17日,委員会において,議案について結論を出すかどうかを諮ったところ,結論を出すことを多数決で決定し,その後議案の採決を行った結果,第68号議案は否決すべきものと決定いたしました。  以上,報告を終わります。(拍手) 4 ◯議長(長谷川忠義君) 報告は終わりました。  委員長の報告に関し,ご質疑はございませんか。  (「議長51番」の声あり) 5 ◯議長(長谷川忠義君) 51番南原富広君。 6 ◯51番(南原富広君) 私は,ただいまの平野空港等に関する特別委員会委員長の報告に対して質疑を行います。  「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例案は,昨日空港等に関する特別委員会で一方的に,直前の理事会での約束をほごにして採決が強行されました。しかし,この採決は次の理由により明らかに無効であります。日本共産党議員団は,この採決の取り消しを求める立場で,委員長に質疑を行います。  第1に,昨日17日,夕方の空港等に関する特別委員会の理事会で確認されていたのは,総括質疑終了後の委員会では,今後の委員会審議の方向性,つまり条例案を本日採決するかしないかという議論をするということだけでありました。しかも,この提案は委員長自身からなされたものでした。  にもかかわらず,平野委員長はこの確認を一方的に破り,採決を強行いたしました。これは理事会での約束に違反するものであり,また会議運営上のルールにものっとっていなかったという理由から,この採決は無効であります。委員長はどうお考えでしょうか。  第2に,委員長の採決を行いたいという提案の直後,私を含む複数の委員から休憩動議が提出されていたにもかかわらず,その動議は諮られず無視されました。これは明らかに会議規則違反であります。いかがでしょうか。  第3に,各会派の意見表明もなされないまま採決が強行されましたが,これも議会運営上の慣例を破るものであります。いかがでしょうか。  このように数々のルール違反のもとで強行された採決が無効であることは明らかだと思いますが,委員長,明確にご答弁ください。  (「議長41番」の声あり) 7 ◯議長(長谷川忠義君) 空港等に関する特別委員会委員長平野昌司君。 8 ◯41番(平野昌司君) 今,南原議員から種々質問をされました。私から申し上げたいと思います。  まず,空港等に関する特別委員会に付託される直前から,付託される予定をもって理事会を再三再四開きました。当然理事会でいろいろ議論がある中で,いろいろ相談を申し上げて方向性をまとめながらやってまいりました。  その中で私自身も,南原委員と約束をしながら見事に破られた件がございます。連合審査会で強く求められたのは,「総務財政委員会に本来付託されるんではないか。しかし,それが空港特別委員会になったから,何とか連合審査をしてくれ。」という中で,私は,「本来,空港特別委員会に付託されたら,それだけの能力と自信が皆あるんではないか。それを総務財政委員会にわざわざする必要はないんではないか。」と言いながら,また思いつつ,しかしその提案をのみました。  その中で,原則として総務局あるいは選挙管理委員会の出席を求めておりますので,条例についての質疑をと申し上げたところ,名前を申し上げますが,段野委員また西下委員は,その質問の大半は空港整備本部であったと思います。  私は,2回にわたって注意を申し上げました。しかし,それも皆さんの議論を聞いた上で,制止することなく注意を後でいたしました。  また,環境局と震災復興本部に,たっての出席を求められたのも最後の17日の日でございました。あれは17日の総括質疑ということで10時から,皆さんの要望もあるということで,特に2会派──共産党,住民投票の会の要望があるということで,総括質疑を予定しておりました。しかし,たっての依頼ということでこの2つについて出席を求めました。ただし時間をと,そしたら午前中ということに約束をしましてやりましたところ,1時間半以上長く議論をされたというのもご理解いただけると思います。  そうした中で,きのうの件でございますが,きのうは皆さんのご意見を聞きながら,せっかくの機会ですから,議員同士のいろんな議論をしたいという私の当初の思いから,それも途中で議事進行の中で私も口を入れながら,そういう趣旨であるということを申し上げた中で,会議場が再開直後から大変混乱をしておりました。  委員長という立場は,議事運営に対して責任を持っておりますから,傍聴席の混乱ぶりあるいは出入口の,あるいは外の混乱ぶりも,大変私も気にしておりました。しかし,その中にあって,いろいろ議論を重ね,私が注意をする段階にあっても大変な混乱がありました。  私は,そこに参加されている傍聴の方に万が一があってはならないということと,議会委員会室の混乱を避けるために,私自身,これ以上議事運営に責任がとれませんと,よって議事を進めますというお断りをして申し上げました。  そういう事情でございますので,今の南原議員の意見は,私自身は,まことに申しわけありませんが,私は十分委員長としての責任を果たしたと思っております。  また,意見表明についても,あの段階でそういうことができたのかということも含めて申し添えておきます。  同時に,皆さんは採決と同時にきっちりと意思表示をされました。あの怒号の中で何を私が神経を使っていたかということも含めて,休憩動議とかいろんなことが言われましたが,傍聴席の大変な罵声もありますから,全く私は理解しておりません。そういった中で私自身が採決を諮りましたときに,皆さんはきっちりと意思表示をされたという事実もご理解いただきたいと思います。  そして,最後に私が休憩を宣言して,特にすぐ理事会を開きたいということを申し上げましたら,粟原委員の方から,「もう決まったことやないか。そしたら,やる必要はないではないか。」ということを言われて現在に,まだ開けないままに至っていることもご理解をいただきたいと思います。  以上,私の答弁にいたします。(拍手)  (「議長51番」の声あり) 9 ◯議長(長谷川忠義君) 南原議員。 10 ◯51番(南原富広君) 委員長が言われました連合審査の件でありますけれども,当初より委員長は,積極的な審議を進めたいと,極めて審議については積極的でありました。そのことについては,お互い認め合いたいと思います。  ですから,我々が提案いたしました積極的な連合審査についても理事会の中での確認事項でありました。しかも,私たちが提案いたしました連合審査の中で,条例のみに限らずに空港の問題についても積極的な質疑をやりたいと私が提案したことに,どなたも理事の方々は反対はなされなかったわけです。委員長も,そのことは積極的だと推奨されておられたではありませんか。それを約束を違反して,二度にわたって委員が質疑しているその質疑をとめたのは委員長であります。これは約束違反を犯したのは委員長であると述べなければなりません。  その他のことについてもそのとおりであります。理事会を無視して私が一度も突出したことはないということを明確に申し述べておきたいと思います。  さらに,今回の条例案は,神戸市の有権者30万 7,797人もの人たちが署名し,直接請求したものであります。昨日の強行採決は,こうした多数の市民の願いを乱暴に踏みにじるものであります。  日本共産党議員団は,全国的にも注目されている今回の条例案については,慎重審議を尽くすため,十分な日程の確保,公聴会の開催,特別委員会の設置,口頭陳述を希望するすべての陳情提出者口頭陳述を保障することなどを委員長に求めてきましたが,これらは最後まで受け入れられませんでした。  この間の審議を通じて,市民負担がないという当局の見解がごまかしであること,関連事業も含めた資金計画もいまだに不明であることなど,未解明な点が多く残されていることが改めて明らかになりました。  さらに,住民投票を拒否する理由として,空港は住民投票になじまない,意思形成は終わった,既に着手しているなどとしている点についても,何ら解明されていないままであります。  このような点を指摘し,引き続き委員会を開き,継続して審議を深めるよう強く求めましたが,突如数々のルール違反を犯して採決が強行されたものであります。  日本共産党市会議員団は,断じてこの採決は無効であることを主張するものであります。  よって,平野委員長の報告は承認できないことを述べまして,質疑を終わります。(拍手)  (「議長41番」の声あり) 11 ◯議長(長谷川忠義君) 平野議員。 12 ◯41番(平野昌司君) 口頭陳述の件で,あたかも一方的に打ち切ったということを言われましたので,申し上げます。  まず,議会でございますから,議論というものが最優先するであろうということは,皆さんも一致して了解をされました。そうした中で,口頭陳述はできるだけ受けたいけれども,議論という──私に与えられた時間は当然のことながら本会議で決定した会期でございますから,私はその中での議事運営ということで諮りました。  そうした中で口頭陳述については,物理的に議論をする時間を担保できなくなってしまうではないかということで,2日目の4時ということで了解をとり,その選出についても公平を期して抽せんということに相なったわけです。私が聞いている範囲では,30名は絶対に私は確保したい,1人とも欠かないようにしてほしいと,最大限30までだという中で,30名の抽せんをいたしましたら,9名が辞退をされておりました。そして,繰り上げを入れまして30をしたわけでございます。  口頭陳述については,その重要性をかんがみ精いっぱい努力をしたということを重ねて申し添えて,今の誤解ないように申し添えて,私の反論にかえます。  (「議長51番」の声あり) 13 ◯議長(長谷川忠義君) 南原議員。 14 ◯51番(南原富広君) 口頭陳述につきましても,議会運営委員会の中で,継続審査もあり得るということが当初から明確でありました。ですから,私たちは市民多数の意見が今ここに寄せられている 200にも上る人たちの意見を聞くべきだと…… 15 ◯議長(長谷川忠義君) 南原議員,委員長に対する質疑ですからね。 16 ◯51番(南原富広君) はい,その意見を最終的に述べさせていただきます。  そういうことで審議を継続するべきだと私たちは言ってきたわけであります。しかし,それについては認められなかったということを述べておきます。  以上です。 17 ◯議長(長谷川忠義君) 質疑は終わりました。  他にご質疑はございませんか。  (「なし」の声あり) 18 ◯議長(長谷川忠義君) ご質疑がなければ,これより討論の通告がありますので,順次発言を許可いたします。  72番堀之内照子君。  (72番堀之内照子君登壇)(拍手) 19 ◯72番(堀之内照子君) 私は,日本共産党市会議員団を代表して,第68号議案住民投票条例案についての委員長報告に反対し,条例制定賛成の討論をいたしたいと思います。  短い会期の決定と,それに伴い,空港特別委員会では陳情陳述者の制限が行われ,審議を尽くさないまま,動議や慣例を無視して採決を強行し,多数で条例制定に反対を決めたことに抗議をするものであります。  改めて当本会議で与党会派の皆様の翻意を求めて,30万人余の署名を尊重し,条例案の制定にご賛同賜りますようお願い申し上げ,賛成討論に入ります。  このたびの臨時市会は,神戸空港建設についての住民投票を求める,有効30万余の直接請求署名に基づいて開かれたものであります。炎天下での30万人を超える署名には,環境の破壊を恐れ,震災と不況の中での暮らしと営業の再建を願う市民のエネルギー,激しく進む地方財政の危機の中での開発行政への不安と疑問が結集したものであります。  神戸空港の建設の可否を問う直接請求署名運動は,実は市民の要求そのものであったことが運動の展開の中で明らかにされてきたことも,この運動の特徴であります。  この運動は多くの,初めて参加した2万 8,400人余の収集人の情熱と無償労働によって支えられたものであります。この運動を不正な手段によって集めたかのように主張し,また住民投票運動も買収や供応,脅迫が行われる可能性があると述べた議員がおられたことは,まことに残念であり,その品性を疑わせるものであります。日本共産党が買収などに全く無縁の政党であることは,天下周知の事実であります。  また,多くの市民にとっては,この運動は現在と未来の環境と暮らしを守りたいというものであり,個人の利益とは全く無縁なものであることを申し上げ,反省を求めたいと思います。  この運動で多くの受任者は,もっと時間があればもっとたくさんの人に署名をいただけたのにと,大変残念がるほど,この運動は無限の広がりを持っていたものであります。党勢拡大の運動,選挙運動だというのは,神戸市民を愚弄した発言だということを指摘したいのであります。  この条例制定に対する態度は,結局はこの30万人余の署名の重みをどう受け取るかという政治姿勢の問題だと思います。市民が知らない間に,また納得しない間に一方的に空港の着工を進めないで,市民の意見を聞いてほしいというのは,だれもが認める正当な要求であります。  なじまない,遅すぎた,条例に不備があるなどと,形式的な手続を理由にしてこれに反対をしても,30万余の署名の前には余りにも無力ではないでしょうか。  日ごろは市民のために,市民が主役などと言われている人が,30万人のこの意思を聞こうとしないのは,結局は言行不一致のそしりを免れないことでしょう。  震災前は,空港反対は3分の1程度の人と言われていたのに,震災後は過半数を超えるに至っているこの市民の意識の変化をどのようにとらえておられるのでしょうか。数百年に1度という大震災,多くのまちまちを廃墟にした震災があっても,震災前に決定した計画は変えられない,検討は加えられないということは,到底市民の理解を得ることはできないと思います。  空港の必要性の理由として,既存産業の高度化,新産業の発展のために,時間のメリットが強調されておりますが,関空も近くにあるのに,それが決定的とは思えないのであります。  陳述者の意見の中に,筑波の研究都市は,交通アクセスは悪いのに情報が集まり,来訪者が多いことが陳述されておりましたが,留意すべきことだと思います。  空港問題での一番残念な,大きな問題の1つは,情報の公開,民主主義の問題であります。私は,今回の空港特別委員会を通じて,議員にも資料の多くが与えられていないことを痛感いたしました。  総事業費が最後まで明らかにされず,最後の土壇場で──今まで何度もそのことについて触れる機会があったにもかかわらず,最後の土壇場で一般会計負担分,出資金,繰入金,財源不足分などは,新都市整備事業の開発利益を充てるということが明らかにされたことなどは,全く驚きであります。議員でさえこんな状態ですから,市民がもっと知らせてほしい,十分論議をして決めてほしいという住民投票条例を求めるのは当然ではないでしょうか。  この住民投票の運動は,情報の公開によって空港の市民的論議が巻き起こり,空港に対する住民の関心を高める結果となり,地方自治の活性化につながることが期待されてきました。全国的にも,また多くの識者も,このことを注目してきていたものでございますが,この機会が失われたことを大変残念に思うものであります。  私は,この民主主義を否定する条例反対は,市民の中に回復しがたい亀裂をつくり出し,市政への信頼を大きく傷つけるものとなることは明らかだと思います。歴史の審判に耐えないものになるに違いありません。  私たちは,今後も30万人余に込められたこの願いを実現するために,全力を挙げて奮闘することを表明し,賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手) 20 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,54番大西きよじ君。  (54番大西きよじ君登壇)(拍手)
    21 ◯54番(大西きよじ君) 私は,公明党神戸市会議員団を代表して,ただいま上程されております「神戸空港」の是非を問う住民投票条例案の採決について,委員長報告に賛成をし,条例案に反対する立場から討論をいたします。  まず,当該条例制定の可否に際して,ここで検証しておかなければならないのは,どういう経緯・背景でこの条例案が議会に提出されてきたかであります。  本年8月19日付朝日新聞の「どうなる住民投票」という連載企画の中で次のような説明がありました。  引用いたしますと,「条例を求める運動の引き金となったのは,昨秋の神戸市長選挙だった。事実上の一騎打ちで,新顔候補を推した市民グループが,昨年11月に選挙戦の総括をする中で提唱した。」とあり,さらに続けて,「会則づくりの準備会で,革新色が出ると運動が広がらないとの意見が続出した。このため,「住民自身が決める」を合言葉に決めた。」とあります。  このことから明らかなことは,そもそもこの住民投票条例制定運動は,空港反対を唱えて,昨秋の市長選挙に敗退したグループが,空港建設阻止の手段として住民投票制度を持ち出したという事実であります。  政治運動として住民投票制度を利用すべきかどうかはともかくとして,賛成の人も反対の人も,みんなで意見を表明して決める住民投票というキャッチフレーズは,少なくともその出発点の意図からすれば,欺瞞以外の何物でもありません。  さらに,今回の運動の背景を考えるとき,その実態を一言で表現するならば,情動であります。これは13日の空港特別委員会の冒頭で,請求代表者が陳述された内容によくあらわれています。  代表者は,今回署名された30万人の声を上げられ,「言葉で議論していては出てこない。知的な判断で出てくるものではない。情動をたたき込まなければ伝わらない。情動,情緒あるいは感性を込めた議論をすべきで,人は言葉ではなくイメージで動かされるものだ。」という趣旨のことを述べられ,「条例をどう判断するかを理論的判断でやられては困る。」との結論を告げられました。代表者自身も,「阪神大震災の後,神戸市長が,空港は引き続きやると言うのを耳にして唖然とした。」と,代表となった動機を語っていますが,まさに情動であります。  このような経緯・背景を踏まえつつ,現在及び将来にわたる市民生活に責任を持つべき我々は,当然ながら情動によるのではなく,知的議論によって判断しなければなりません。  そこで,我々は空港反対で住民投票をせよという会派の皆さんが,市民が懸念を持っておられるという諸点について,改めて審議を行い,明らかにしてきました。  その第1は,市民負担の問題であります。本来市民負担とは何を意味するのか,議論のあるところですが,ここでは空港建設に一般会計から多少なりとも支出するのかどうかの議論でありました。  これについては,昨日の市長答弁の中で明確に,空港建設本体の資金はもとより,空港ターミナルの出資金,アクセスとなるポートライナー延長に必要な資金についても,一般会計からの支出はしない旨の方針が示されました。  さらに,あくまで仮定の話でありますが,市債償還財源となる空港用地売却が予定どおり進まない場合にも,一般会計からの支出は行わないとの答弁もあり,空港反対派の指摘してきた市民負担の懸念は解消されたのであります。  第2は,環境の問題であります。  なかんずく空港島が海流に与える影響の問題が議論になりました。水理模型実験の状況が空港反対派から出されましたが,そもそも水理模型では,河川からの水の量は再現できないし,海の深さが面積縮尺と同じ割合にすると模型上では浅過ぎて実験ができないため,垂直縮尺を変えざるを得ないことなど,実験結果の信憑性が低いという問題があります。また,最近ランドサットなど衛星から大阪湾の海流を観測すると,かなり水理模型による結果と違いがあることもわかってきています。  そういうことから,神戸空港島に関する海流の流況については,数値シミュレーションの方が信憑性が高いとして,その結果から影響のないことを証明しているのです。  ちなみに,このことはもう何度も説明されていることであり,代表質問でも触れましたが,ある研究者が平成6年に行われた通産省中国工業技術研究所の水理模型実験の結果を,あたかも神戸空港島を前提にした実験として,いまだに大阪湾の海流に悪影響を与えるとして空港に反対する議論は,ためにする議論としか思えないのであります。  平成7年から11年までの予定で,同研究所で行われている新たな実験もあり,これは神戸空港島を置いて行っているものですが,詳述は避け,大阪湾への影響は軽微である結論が出されていることだけを申し上げておきます。  第3は,空港の採算性や経済効果についてであります。  空港反対派は,いずれも当局の答弁が根拠希薄として批判をされますが,人口も経済構造や規模,交通環境も何もかもが違う但馬空港や佐賀空港を何度も例に出されるばかりで,航空需要が経済成長率が下がっても伸びている事実を無視しているのであります。  また,空港の経済効果を疑うのであれば,震災からの復興のおくれと不況に苦しむ市民生活を救済するための代替案を出さねばなりません。無責任であると指摘をしても,いまだ具体的な代替案が示されないのであります。  空港が市民に負担をもたらすだけで経済効果なしとして中止させるなら,その後どう対策を講じるのか,代表質問でこの問いかけを行ったところ,代表質問で紹介した,本年10月8日,本会議場で空港反対派委員から,「福祉・保健・医療や環境・防災などの視点から都市をつくり変えるならば,市民の望む方向で雇用がふえ,経済が活性化し,税収もふえ,また市民が安心した生活を送ることができます。」と同じ提案を,別の反対派議員が繰り返しただけであります。  空港反対の質問を彼らに返すなら,具体的に神戸市をどのようにつくり変えるのか,雇用効果はどれぐらいか,収入増はどれぐらい見込めるのか,その結果税収はどれほど伸びるのか,財政負担は要らないのか,具体的な説明は何らないのであります。これでは本当に空港計画をとめても,その後,不況にある市民生活を責任を持ってつくっていけるのか,大いに疑問であります。  さらに言うならば,代表質問でも指摘したとおり,住民投票で空港の賛否を問う以上,反対派は代替案を市民に提示すべきだというのが学者の意見ですが,出す必要はないと考えているのか,ぜひお答えをいただきたいと思うのでありますが,いかがでしょうか。  次に,条例案の具体的問題点について述べたいと思います。  先ほど申し上げたように,空港建設阻止の立場から住民投票運動を進めてきたため,条例案上で幾つもの矛盾点,問題点が明らかとなったのであります。  その中で最も重要なのが条例案第14条第1項であります。これは「条例施行から住民投票が確定するまでの間,神戸空港建設のためのすべての行政事務及び工事を停止するものとする。」というもので,条例によって上位の地方自治法を制約する条文であり,昨日の総括質疑における山下助役の答弁でも,違法性を帯びるとして指摘されたものです。  その第2項では,投票結果を尊重せよとしているだけで,条例賛成議員も連合審査での発言で,市長を縛るものではないと言われるように,法的拘束力はないのであります。しかし,投票結果に拘束力を持たせていないのに,なぜ結果が出る前に,市長をして停止するものとすると拘束するのか。  この点,同じく住民投票を実施せよとする別の議員は,連合審査の中で,埋め立てをやってしまうととめようがない,だから14条第1項なんだという趣旨の発言をされました。この議員は,条例制定に向け署名運動を進めてこられた立場ですから,立法趣旨つまり条例を制定しようとする目的を示されたものと思いますが,これでは実際笹山市長は,空港建設推進を方針としているわけですから,条例の規定と地方自治法との間に矛盾を生じることは明らかで,司法の判断を仰ぐ場合には,当該条例が違法となるのは間違いのないところであります。そのような事態が想定されるにもかかわらず当該条例案を可決するのは,議会人として不見識であります。  さらに,この14条第1項の大きな問題点として,賛成でも反対でも住民投票で決めようという彼らの運動の理念に反する問題があります。すなわち第14条第1項がある限り,条例を可決したら,公布・施行の後,2カ月間は市長の権限停止を法的拘束力をもって求めているわけですから,賛成側からすると,一昨日の陳述にもあったように,一日も遅滞なく空港建設の作業を進めてほしいというのが思いですから,その意見が容認されなくなるのであります。  つまり賛成意見の立場からは,条例をつくってその上で意見表明をすればいいという単純なものではなく,この条文がある以上,一日も事業の遅滞を許さない賛成意見に忠実であれば,条例案そのものに賛同できないのであります。  この条例案は,あたかも空港に賛成・反対に関係なく,大切なことは市民で決めようという,一見だれもが反対できないような趣旨を体現しているかのように見えますが,事実上空港建設をとめるための工夫が加えられているとしか言いようがないのであります。  このことは,冒頭空港建設阻止の目的で住民投票運動がスタートしたこと,情動に訴えて市民の誤解を増幅し,運動を進めてきたことの結果であり,法理論上の矛盾も検討する余地すらなかったことのあらわれと言わざるを得ないのであります。  以上の検討結果から,当該条例案は,対象となる空港にかかわる議論においても,また特に条例案そのものについては,まず違法性を帯びていることから,そして賛成・反対いずれにも公平を保障すべき住民投票において,恣意的な条文が盛り込まれているこの1点だけからも容認し得ない条例案として否決せざるを得ないのであります。  最後に,今回の審議では何度となく民主主義について語られました。直接民主主義が民主主義の基本であるかのような議論や陳情もありました。しかし,議論を経て,直接民主主義が間接民主主義を補完するものであることは,空港に反対される方も認められることになったと存じます。  ところが,いまだ住民投票が住民の声を聞く最良の方法であるかの誤解があり,実はその誤解を解消しない限り,本来の表決型の住民投票が真に住民の意見を適正に行政に反映させる方法として検討・整備されないのであります。  何でもいいからとにかく住民にマル・ペケ式で聞けというのは暴論であり,市長・議会の無責任を招いてしまうことは多くの学者の指摘しているところであります。  今回の条例案にとって言えば,例えば投票執行者は本当に市長でいいのか,市長提案の住民投票の場合,市長の政治目的に利用されるのを避けるなら,選挙管理委員会のような中立的機関にゆだねるべきでしょう。  沖縄の場合は,4つの選択肢を設けていましたが,投票方式も二者択一でいいのでしょうか。投票期間は重要な問題で,また複雑かつ多面的な問題ですから,情報を理解するのに2カ月では短いのではないでしょうか。  投票までの運動も,買収・供応を避けるために,いかに法的拘束力がないといいながらも罰則規定は検討すべきではないでしょうか。  住民からではなく,権力側からの住民投票提案の可能性もあるわけでありますから,さらに単純な自由運動にとどまらず,より一層住民に情報提供と賛成・反対の議論を聞いてもらうために,公費負担による立ち会い演説会やテレビ等での討論会,広報・宣伝物の発行等々工夫も検討されていいのではないでしょうか。  直接民主主義の重要な手法として表決型の住民投票制度を尊重するなら,対象の適否も含め,以上のような検討が必要であります。このような検討を十分せず,一遍やってみたらぐらいの軽い気持ちでは,あるいはまた昨日条例制定を求める議員から出た,実験してみる感覚では,まさに単にそのときの情に訴えて政治目的を達成するための道具にしかならないのであります。あるいは,無責任なガス抜きにしかならないのであります。  そのような問題点は,実定法上に明文規定がないためであり,だからこそ制度設計議論がなされているのであります。  今回,政令指定都市で初めて,それも30万人を超える大量の署名をもって請求された住民投票条例の審議を行いました。我々神戸市会議員は,今回の議論を通して,被災者の皆さんの苦境を一日も早く解消しなければならないと決意を新たにしました。  それだけに一日も早く豊かさと希望を創造するための空港建設という神戸市民の将来をかけた計画の重要性と必要性を改めて確認するとともに,市民への広報・広聴事業を質・量ともに再検討すべきことを申し上げ,第68号議案に反対する討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 22 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,3番高山晃一君。  (3番高山晃一君登壇)(拍手) 23 ◯3番(高山晃一君) 私は,さわやか神戸・市民の会市会議員団を代表し,第68号議案「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例に賛成されることを求める討論を行います。  その理由を6点述べます。  まず第1点目に,30万 7,797人という署名の数が政治的な思惑などによって集めることのできる限界をはるかに超えたという点です。署名運動等の活動をご経験されたことのある方は,その経験から署名数が想像をはるかに超えたものであるということがきっと理解できるでしょう。  これだけの署名が集まるということは,神戸市営空港に対して市民の思考の中に確信を伴う大きなまとまった疑念がどっしりと腰を据えており,一時的にかぜをこじらせているような状況ではないということ,そしてこの疑念をこれまでの神戸空港に対する笹山市長をはじめ市当局や議会の対応が着実に育ててしまったということです。  今回30万 7,797人という数は,歴代の神戸市長が市長選挙でだれ1人として獲得したことのない数でもあります。市長は,選挙と署名集めでは条件が異なるので比較できないとおっしゃっていますが,そのように突っぱねることにも勇気が要るのでしょうが,今回のような場合,市長は数の重みを誠実にどんと受けとめる勇気を持つべきだと主張いたします。  2点目に,日本全体の空港の整備を進める運輸省は,神戸市営空港の必要性を認識していない節がある点です。  震災後,運輸省の方から空港推進のペースを落とすことを提案されたそうです。ところが,笹山市長が神戸空港は神戸市の百年,二百年の大計を考えた場合にどうしても必要と,極めて熱のこもった説明をされたので,運輸省としてもおつき合いをさせていただこうということで,設置許可をしたということです。このことは,平成9年3月18日,参議院予算委員会で小島慶三委員の質問に対する,黒野現運輸省事務次官の答弁から明らかになっております。  第3点目に,この住民投票条例案自体に,この条例案を否定しなければならない重大な欠陥がないという点です。  この住民投票条例は,むだなぜい肉がなく,コンパクトにまとめられ,完成度が高いと思います。今後日本各地で行われる住民投票条例制定運動でお手本として扱われることは間違いありません。  これまでの本会議や委員会で条例案に対する意見が数点出されましたが,一番検討しなければならないことは,この条例案の条文の中に,条例案そのものを否決しなければならないほどの重大な欠陥があるのかということでした。  出された問題点に対して,私は1つ1つ取り上げ,私なりの見解をあらわしました。第4条の投票資格者の中で,外国人の参政権をどうするのかというような問題,第7条の投票の方式の中で賛成・反対の二者択一では選択肢が少ないというような問題,第11条の投票運動の中で買収や脅迫に対する問題,第14条の住民投票に対する市長の義務の中で,市長権限を侵すのかどうかというような問題,附則の施行期日で公布がないというような問題などです。  ここでそれらに対する見解をまた1つ1つ述べることは控えようと思っておりましたが,先ほどの討論の中で上がってまいりましたので,その2点についてだけ簡単に述べておきますと,第7条の投票の方式の中で,公明党の方から選択肢が少ない,凍結という選択肢がないというような問題が出されました。しかしながら,賛成・反対の反対という選択肢と凍結という選択肢が結果としては同じところに行き着くという形で私は説明をしました。  神戸空港の問題を,たとえこの住民投票条例で反対したとしても,未来永劫神戸市民は空港の問題を口にしてはいけないのかというと,そうではありません。 200年後, 300年後また考えるということも考えられるわけです。ですから,凍結という選択肢があったとしても,反対の場合と全く同じ結果が導かれるという解釈を私はいたしました。  第2点目の第14条の市長権限を侵したという問題ですけれども,これは条文を読みますと,一見この条文が市長の権限を侵しているように思われます。ところが,この住民投票自体を執行するのは市長です。ですから,自分で自分の権限を侵すというのは非常に難しい。自分で住民投票を執行するわけですから,自分の意思によって早く住民投票を行うとかゆっくり行うとか,幾らでも自分の意思によってこの住民投票条例の執行,そして空港に対する予算執行が行えるということです。ですから,自分で自分の首を絞めるという解釈には行き過ぎを感じます。  私は委員会で当局に対して,私の見解に対して重大な問題があれば聞かせてくださいと求めました。しかしながら……(場内喧騒) 24 ◯議長(長谷川忠義君) 議員も傍聴席も静かにしてください。静粛にお願いします。 25 ◯3番(高山晃一君) もう一度言います。  私は,委員会で当局に対して,私の見解に対して重大な問題があれば聞かせてくださいと求めました。しかし,当局からは一言も発言がございませんでした。つまりこれはこの条例案の条文の中に,条例案そのものを否決しなければならないほど重大な欠陥はないということを示しています。  第4点目に,住民投票を行う時期は,笹山市長の言うように構想段階に限定されないという点です。  笹山市長は,住民投票条例案に対する意見の中で,「構想段階ならともかく,推進の意思形成を終えている現在の状況下で改めて是非を問う住民投票条例は制定する必要がないものと考えております。」と述べています。神戸市営空港計画の構想段階が終了するのは平成5年8月だと当局は明言しています。  当局の言う構想段階の終了後である平成8年3月1日,市会本会議で私は,神戸市民全世帯アンケートについて笹山市長に質問しました。私が「全世帯アンケートに神戸空港建設の是非を問うような項目が含まれていると理解してよろしいでしょうか。」と質問すると,笹山市長は,「空港の問題は,きょうあすに着工するようなお話でございますけれども,工事費は上がっておりませんので,予算書をごらんいただきたいと思います。」──予算書というのは言っておられませんけれども,これは文章の解釈上私が入れましたが,もう一回言います。「空港の問題は,きょうあすに着工するようなお話でございますけれども,工事費は上がっておりませんので,ごらんいただきたいと思います。」と回答されました。  つまり空港問題については,今は──今はというのは平成8年3月1日ですけれども,今はきょうあすにも着工するような段階ではないから,住民に神戸空港建設の是非を問う必要はありません。きょうあすにも着工するような段階ならば,住民に神戸空港建設の是非を問う必要がありますとおっしゃっているのです。  平成8年3月当時も,今の住民投票条例を議論している現在も,どちらも構想段階ではないんですけれども,笹山市長は全く別の発言をしているんです。明らかに矛盾しているのです。よって,住民投票をすることに構想段階ならいいというような時期を限定する考え方には根拠が薄弱だと言えます。  第5点,平成2年3月の神戸空港の第6次空港整備5箇年計画への組み入れに関する意見書は,笹山市長が全会一致による賛成議決から住民合意が得られたと判断するよりどころである根拠にはならないという点です。  笹山市長が全会一致による賛成議決から住民合意が得られたと判断するよりどころである平成2年3月の意見書には,関西圏の空港の整備状況を次のように表現しています。「首都圏その他の地域と比べて格段におくれている空港の整備を進めていくことが必要不可欠であり」と書かれています。この当時は伊丹空港しかありませんでした。現在は伊丹空港は廃止されずに存続され,そしてまた2本目の滑走路が建設されている関空の2つの空港が存在しています。関空の2本目の滑走路が完成すると,2空港の離発着能力は37万 7,000回に達します。  これに対して現在の関西の離発着実績は──関西のというのは伊丹と関西空港を合わせたものですが,年間21万 700回で能力の55%しか使っていない状況になります。この事実が現在の関西の空港の整備状況は首都圏その他の地域と比べて格段におくれているという問題を解決してしまっています。時間が問題を解決してしまったのです。この意見書の存在意義自体が消滅しています。よって,平成2年3月の意見書は,笹山市長の言う,神戸空港に対する住民合意が得られたと判断するよりどころにはならないのです。  最後,第6点目に神戸市営空港に対する市民合意形成は,いまだなされていないという点です。  笹山市長は,平成2年3月の神戸空港の第6次空港整備5箇年計画への組み入れに関する意見書を議会が全会一致で賛成議決したこと,これによって住民合意が得られたと判断されています。  これに対して宮崎前市長は,神戸市営空港計画の構想段階のスタート地点でもある昭和57年6月30日の市会本会議の冒頭で次のように発言されています。「神戸沖新空港計画試案を実現するに当たっては,大きく4つの前提条件が必要でございます。」途中略しまして,「第3点といたしましては,市民多数のコンセンサスであります。市会の承認はもちろんのこと,市民の理解と協力を得なければなりません。今後この点については最も重要な問題と考えております。」このように発言されているわけです。なお,この発言は,議会の質疑に先立って,発言を議長に求めて行われたもので,推敲を重ねた原稿に基づいており,その場しのぎの思いつきの発言ではないと断言できます。  笹山市長は,あくまでも間接民主主義を通して神戸空港に対する市民合意をとらえられております。しかし,宮崎前市長は市会と市民を別個にとらえ,市民理解を市会より上位に据えています。笹山市長は,宮崎市政を継承していることは今さら言うまでもなく,また宮崎前市長のこの発言が神戸市営空港計画の構想段階のスタート地点であるという重要な時期であるということも注目されます。  ところが,2人の市長の発言は明らかに違うわけです。笹山市長は,宮崎前市長の発言にあるとおり,最も重要な問題である市民多数のコンセンサスをいまだ得ていないということが第4点目に述べました理由とあわせて断定できます。  よって,神戸市営空港に対する市民合意形成はいまだなされておりません。  以上で私の討論を終わります。(拍手) 26 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,19番岡島亮介君。  (19番岡島亮介君登壇)(拍手) 27 ◯19番(岡島亮介君) 私は,自由民主党新こうべ21市会議員団を代表して,今回上程されております第68号議案「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例の件について,委員長報告を支持する立場から討論をいたします。  神戸空港については,長年にわたる論議を通じて,神戸が21世紀に活力と魅力を持ったにぎわいのあるまちであり続けるため,また我々の子供や孫の世代にわたって安定して働く場が確保されるなど,豊かな都市づくりに不可欠な都市基盤であるとの認識のもとで進められているものであります。  空港は,このような市民の福祉,雇用の確保,あるいは所得の増大を通じて税源の涵養という効果をもたらすなど,今後ますます多様化する市民福祉の一層の向上と神戸経済の活性化を図っていくための基礎となるものであります。  今回上程されている「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例については,現行の憲法や地方自治法では,代表民主制度を基本とし,直接民主制度は例外的に設けられているものでありますが,神戸空港については,かねてより議会・市長ともども推進の立場を表明し,手続を進めてきたものであり,市会の論議を通じて円滑に意思決定がなされており,間接民主制度は十分に機能を果たしているのであります。  したがって,住民投票という直接民主制度の発動が必要とされる理由は見出せ得ないと判断し,この条例案について否決するものであります。  会派の意見を申し述べ,討論とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 28 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,45番谷本徳太郎君。  (45番谷本徳太郎君登壇)(拍手) 29 ◯45番(谷本徳太郎君) 私は,民社市民連合市会議員団を代表して,空港等に関する特別委員会委員長報告に対し,賛成の立場から討論をいたします。  「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例案については,委員会冒頭,意見陳述をされました代表の方へ,この条例に対して不備な点はございませんかとの委員会を代表しての委員長の質問に対して,不備なものは出しませんと代表の方は明言をされました。  したがって,私どもは条例に対しての加筆,訂正や修正は考えずに,会派として新潟県巻町に出向き,調査をいたしましたことなども参考に審議に臨みました。  この審議過程で,事前運動は原則として自由とし,公職選挙法は適用されないこと,条例が法の定めた市長の行政権限を制約していることなど,地方議会として責任の持てない面を条例等が内包しているとの判断を持ちました。  神戸空港の建設につきましては,平成2年3月30日の神戸市会本会議場において,共産党の皆さんも,当時社会党におられました現在の住民投票会派の一部の皆さんも含め,72名が全会一致で市議会として神戸空港計画を国の第6次空港整備5箇年計画への組み入れに関する意見書を議決,その線に沿ってその後は建設促進の取り組みとして,共産党の市会議員の皆さんも委員として参加をされました,空港等に関する特別委員会を中心に中央関係機関への活動を展開してまいったわけであります。神戸空港プロジェクトは,まさに神戸市議会の自治としての行為そのものと考えています。  したがって,第三者行為で始まったことではないわけであります。将来の神戸のまちづくりに欠かせない主要プロジェクトとして,震災という不幸な出来事はありましたが,過去8年間の議会としての決定と,それに基づく行動に対して責任を持ちながら,引き続き努めるべきと考えております。  このたびの審議過程で寄せられました需要予測,財政計画,採算見通し,周辺諸事業との関連などに対してご意見をいただいております。今後の諸活動に生かし,ともに喜び合える日が来るよう努めてまいりたいと存じます。  以上,空港等に関する特別委員会委員長報告に対して,賛成の立場からの討論といたします。ありがとうございました。(拍手) 30 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,48番安井俊彦君。  (48番安井俊彦君登壇)(拍手)
    31 ◯48番(安井俊彦君) 私は,こうべ市民連合議員団を代表して,本条例に反対の立場から意見を表明するものであります。  まず,連日にわたって深夜に及ぶ真剣な審議の上で,住民投票条例を否決されたことに賛意を表するものであります。本決定に至る過程において,公平な委員会運営を行った正副委員長ほか委員の皆様の労を多といたすものであります。  神戸空港計画については,皆様ご承知のように,平成2年3月の本会議で,神戸空港の第6次空港整備5箇年計画への組み入れに関する意見書を全会派一致で採択し,その後,平成8年3月には空港設置・管理者を神戸市とする決議を行いました。この2度の促進議決を受けて,平成9年2月に運輸大臣から飛行場の設置許可を得たのであります。  この間の手続,意思決定過程については,その後検証しても何らの不備もなく,この点からも住民投票条例はなじまないものと考えます。  市民の空港計画に対する懸念,市民負担や環境問題などは,審議を通じて市長より,市民負担がないこと,環境には万全を期すると明言されたのであります。  さらに,条例案では,神戸空港計画への市民の意思表明が,マル・ペケ式に限定されており,住民の自由な意思をあらわす投票とは言えません。  さらに,14条の1に,住民投票の結果が確定するまで,神戸空港に係るすべての行政事務及び工事を停止するとあるのは,さきの討論でも指摘のあったとおり不適切であり,条例より上位にある法律に抵触する疑いが濃いのであります。  私たちの会派は,神戸空港は神戸の将来にとって絶対に必要な都市基盤であると確信して,空港を活用した医療産業都市構想などを推進して,雇用の拡大と経済の活性化を強く求めてきました。  提案された住民投票条例案は,空港の賛否のみを市民に問いかけようとするものです。議会として,議員として重要なことは,神戸の将来のあるべき姿を考え,そのために何をしなければならないか,真剣に考えることであります。  神戸の議会は立派に機能しております。誇るべき開かれた議会であると認識していることを申し上げ,私の討論といたします。ありがとうございました。(拍手) 32 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,23番大野 一君。  (23番大野 一君登壇)(拍手) 33 ◯23番(大野 一君) 私は,自民党新政会を代表して,第68号議案を否決するとした空港等に関する特別委員会委員長の報告に賛成する立場より討論を行います。  阪神・淡路大震災から3年10カ月,神戸のまちもようやく落ちつきを取り戻し,新しい時代に向けて再スタートを切ろうとしたときの今回の住民投票条例審査,私たち議員に議会とは何ぞやという大きなテーマを与えられた審査でありました。  確かに,まだまだ市民に空港は理解されていないという気持ちはありました。空港のPRが足りない,空港の広報は難し過ぎる,そんな中で,地道にまちで空港の必要性を説いて回る私たちの仲間の議員はたくさんいました。次の私たちの選挙のテーマは,空港是非論になるという予感もありました。でも,自信はありました。私たちの話を聞いた市民1人1人が,そうか,そんなことならぜひ空港が要るねと,どんどん変わっていってくれたからであります。  そんな途上での30万人署名,もちろん予測されたことではありましたが,私たちが市民に語りかけることができるようになったのは,空港財政計画が発表された10月6日以降のことです。わずか1カ月の間に何人の市民に会って話ができるのでしょうか。  そもそも住民投票とは何でしょうか。市民に直接意見を求める,求めて得た結果は,政治の世界で最も大事な主権者の声です。私たち議会人は,主権者である市民の声に絶対服従しなければなりません。主権者市民は,私たち議員には絶対の権利を持つと同時に,その命令には責任を持たねばなりません。空港よりも震災復興を,空港に使うお金を福祉に回せ,そんな議論がまかり通る中で,どうして住民投票ができるのでしょうか。  主権者市民みずからが十分に考え,議論し,10年先を思い,運輸省の実態を知り,大阪の動きを知った上,私たちに命令するのであれば,私も自分の意に反してもそれに服従します。  主権者市民は,みんな仕事を持っています。私たち議員は,政治が仕事です。私たちが何年も議論し,何回も話し合った,とても大きな大きな問題である神戸空港の議論を,もう1度 140万人市民と一緒にするのですか。主権者市民は,そんなに時間がありますか。主権者市民は,そんなに余裕がありますか。  この運動のリーダーになっている人,そしてテレビの前でパフォーマンスを気にしている人,そしてこの運動で神戸市民を実験材料にしようとしている人,もっと主権者市民を大事にしてください。私たち議員の一番大事なものをもう1度考え直していただきたいと思います。  以上で終わります。(拍手) 34 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,63番北山順一君。(傍聴席より発言する者あり) 35 ◯議長(長谷川忠義君) 傍聴席の皆さん,静粛にお願いします。  (63番北山順一君登壇)(拍手) 36 ◯63番(北山順一君) 私は,自民党議員団を代表して,第68号議案「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例の件について,委員長報告に賛成する立場から討論を申し上げます。  まず初めに,今回の審議に当たって,当局は誠意を持って質問に答えて,今あると思われる情報についても,すべてを明らかにして議論をしており,実質的に十分審議を尽くしていたと考えることであります。  次は,現在の神戸の経済情勢を考えるとき,今日までの神戸経済を支えてきた海の港だけでは,21世紀の神戸経済を支え切るには問題があり,そこに神戸空港の果たす大きな役割があると考えること。また,きのうからの審議の中でも明らかにされているように,神戸空港は国内空港でスタートをするが,その実はチャーター便による国際線も含めて,今後の規制緩和の中で実質的な国際空港を目指していくこと。  次に,きのうの採決について申し上げますが,きのうの採決を強行採決と言っておる人もいらっしゃるんですが,実態は,委員長の採決の呼びかけに対して賛成の委員の挙手を求めたもので,それに対して自発的に挙手に応じたものであり,これは強行採決には絶対当たらない,こういうふうに考えております。  次に,真の福祉都市を目指す神戸には,それを支える税源の涵養は不可欠であります。そのためには,空港の建設による経済の活性化が何よりも重要であると考えることであります。  なお,今回の30万を超える市民の声にこたえるためにも,市民参加についての検証を十分され,広報・広聴については,なお一層工夫されて中身の充実に努められることを望みます。  以上のような見地から,神戸空港の早期建設に取り組むべきであると考えており,本件条例案は制定の必要は認められません。  以上であります。(拍手) 37 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,21番安達和彦君。  (21番安達和彦君登壇)(拍手) 38 ◯21番(安達和彦君) 私は,自由民主党みらい市会議員団を代表いたしまして,ただいま上程されております第68号議案「神戸空港」建設の是非を問う住民投票条例の件について,委員長の報告に賛同する立場から討論をいたします。  まず,請求代表者の陳述にもありましたように,30万人いれば30万通りの考え方があるとおっしゃいましたが,事ほどさように多様な意見を,迷惑施設の建設などとは違い,マル・バツ式の二者択一に集約し切れないものと考えます。  30万人という署名者の数を決して軽いとは思いませんが,空港建設促進の強い思いで署名を断った人もたくさんいたと聞いております。さらに,中小企業の経営者は,震災後大変苦しく,空港のもたらす経済効果に大いに期待していることも事実でございます。  また,議会においても,長年にわたって慎重に議論を重ねた上で,神戸空港が将来の神戸のまちづくりにとって必要不可欠の都市装置として位置づけ,推進を決めてきたものであり,議会の意思は明確であります。  今臨時市会においても,市民が一番不安に思っている財政面・環境面について熱心に審議を尽くし,その過程で市長から,市民に負担をかけないことが明言されたのであります。  現在,必要な手続を進め,市民負担のない空港として,既に着手済みであり,今,住民投票を実施する必要はないと考えます。  よって,本条例案に反対し,討論といたします。ありがとうございました。(拍手) 39 ◯議長(長谷川忠義君) 以上で討論は終わりました。  これよりお諮りいたします。  本件採決の方法は,記名投票により決することにいたします。  直ちに議場の出入口を閉鎖いたします。  (閉扉) 40 ◯議長(長谷川忠義君) この際申し上げます。  第68号議案を可決することに賛成の方は白票を,反対の方は青票を投票願います。  白票,青票は,お手元にあらかじめ配付いたしておりますが,配付漏れはございませんか。  (なし) 41 ◯議長(長谷川忠義君) 配付漏れなしと認めます。  投票箱の点検をいたします。  (投票箱点検) 42 ◯議長(長谷川忠義君) それでは,1番芦田賀津美君より,順次投票を願います。  (投票) 43 ◯議長(長谷川忠義君) 投票漏れはございませんか。  (なし) 44 ◯議長(長谷川忠義君) 投票漏れなしと認めます。  よって,投票は終了いたしました。 45 ◯議長(長谷川忠義君) これより開票いたします。  開票立会人を指名いたします。   1番  芦 田 賀津美 君   4番  守 屋 隆 司 君   6番  梅 田 幸 広 君   7番  白 井 洋 二 君   9番  崎 元 祐 治 君   13番  本 岡 節 子 君  以上6名の方をご指名いたします。  それでは,開票立会人の方はお願いいたします。  (6立会人立会・開票) 46 ◯議長(長谷川忠義君) 開票の結果をご報告申し上げます。  議長を除く出席議員数  62名  投票総数        62票   有効投票       62票  有効投票中   賛 成(白票)    12票   反 対(青票)    50票  以上のとおりであります。  よって,第68号議案は否決することに決定いたしました。(拍手)  ─────────────── (賛成議員)   3番  高 山 晃 一 君   13番  本 岡 節 子 君   14番  森 脇 英 雄 君   18番  佐 藤 けん一郎君   31番  亀 井 洋 示 君   32番  段 野 太 一 君   33番  津 田   勲 君   51番  南 原 富 広 君   52番  西 下   勝 君   53番  田 島 俊 三 君   71番  森 原 健 一 君   72番  堀之内 照 子 君 (反対議員)   1番  芦 田 賀津美 君   2番  大 澤 和 士 君   4番  守 屋 隆 司 君   5番  松 本 周 二 君   6番  梅 田 幸 広 君   7番  白 井 洋 二 君
      8番  土 居 吉 文 君   9番  崎 元 祐 治 君   10番  橋 本 秀 一 君   15番  上 脇 義 生 君   16番  米 田 和 哲 君   17番  布 施 典 子 君   19番  岡 島 亮 介 君   20番  平 野 章 三 君   21番  安 達 和 彦 君   22番  吉 田 基 毅 君   23番  大 野   一 君   24番  田 路 裕 規 君   25番  三 好 道 夫 君   26番  池 田 林太郎 君   27番  藤 原 武 光 君   34番  佐 伯 育 三 君   35番  吉 田 謙 治 君   36番  片 岡 雄 作 君   37番  野 尻 範 明 君   38番  浜 崎 為 司 君   39番  福 浪 睦 夫 君   40番  植 中   進 君   41番  平 野 昌 司 君   44番  井 川 弘 光 君   45番  谷 本 徳太郎 君   46番  前 島 浩 一 君   47番  横 山 道 弘 君   48番  安 井 俊 彦 君   54番  大 西 きよじ 君   55番  佐 藤 清 次 君   56番  中 村 治 助 君   57番  藤 森 万 也 君   58番  藤 本 浩 史 君   59番  村 岡   功 君   60番  寺 坂 光 夫 君   61番  竹 田   達 君   63番  北 山 順 一 君   64番  武 貞 健 治 君   65番  浜 本 律 子 君   66番  小 田 伍 郎 君   67番  田 中 健 造 君   68番  荻 阪 伸 秀 君   69番  吉 田 多喜男 君   70番  吉 本 泰 男 君  ─────────────── 47 ◯議長(長谷川忠義君) 議場の閉鎖を解きます。  (開扉)  (「議長」の声あり) 48 ◯議長(長谷川忠義君) 亀井議員。 49 ◯31番(亀井洋示君) 私は,先ほど我が党の南原議員の空特委の委員長報告の質問に対する平野昌司空港等に関する特別委員会委員長の答弁,並びに昨日からの委員会運営に関して委員長がとった態度について,委員長不信任案を提案いたします。(拍手)  それでは,ただいまから平野委員長の不信任案について,その提案理由を述べさせていただきます。  私と平野議員は,同じ兵庫区選出議員であって,不信任案を提案することは大変心苦しいことではございますけれども,あえて提案をさせていただきます。  特別委員長として……(発言する者あり) 50 ◯議長(長谷川忠義君) 静粛にお願いします。 51 ◯31番(亀井洋示君) ……昨日までの臨時議会の委員会運営につきましては,会期延長や口頭陳述人の人数問題については,意見を異にいたしましたが,深夜まで議論を続けるなど,公平な運営に努力されました。  しかしながら,昨日,最後の最後になって,委員会強行採決を行った委員長の態度は,到底容認できるものではございません。(拍手)(発言する者あり) 52 ◯議長(長谷川忠義君) 発言中です。静かにしてください。 53 ◯31番(亀井洋示君) その理由の第1は,直前の理事会で合意ができておりました,まずこれからの委員会審議の方向性の議論を行うと決めたことを,委員長みずからが破ったことであります。委員会審議において,理事会で決めたことを委員長みずから破ることは,絶対に許すことはできません。まさに委員会運営の責任を持つべき委員長としての任務を逸脱した行為と言えるものであります。  次に,南原議員など複数の休憩動議を無視をして,採決を強行したことであります。この動議を無視することは,まさに議会運営の規則違反でございます。  また,採決に際して,日本共産党住民投票議員団の4人の委員が挙手したことから,採決は有効だとの態度をとっておられますが,平野委員長は条例について賛成の方の挙手を願いますと,こう言われました。もし4人の委員の方がこの暴挙に従って手を挙げなければ,賛成ゼロで実は否決をされて,全員が賛成をした,こういうことにされてしまうのであります。やむを得ない行為でございます。  そして,逆に今,平野さんが言われたように,委員会が混乱をしていたということは,このことを逆にとりますと,採決は前の部分では何の妨害もなくやられたのでございます。したがいまして,動議についても,それを当然採択する余地は委員長にあったのではないでしょうか。このことを実は無視をしたのでございます。  3番目に,平野委員長は,神戸市会の委員会運営のしきたりであります,採決の前には必ず各会派の意見表明を行うという慣例を破ったことであります。議会運営の民主主義は,規則や要綱など明文化されていることだけを遵守するだけでなく,慣例を遵守することによっても守られるのであります。  以上3つの理由により,住民投票条例案の採決は無効であり,この採決を強行した平野委員長の責任は重大であります。  さて,今回,神戸空港建設の是非を問う住民投票条例案の論議の核心は何だったのでしょうか。空港建設の問題はもちろん関連してはおりますが,直接空港建設に賛成か反対かが議論されたのではありません。空港建設の賛否について住民投票で決めようと,こういうことであって,いわば民主主義を発揚させる論議だったのであります。  市長をはじめ条例反対派議員の諸君は,最初から最後まで議会で決めればよい,代表民主制だと,口を酸っぱくして主張されました。ところが,最後になって,先ほど述べた3つの点に関して,議会制民主主義の初歩的ルールさえ破ったのであります。条例反対派議員の代表民主制というのは,この程度の水準だったのであり,皮肉なことに代表民主制をみずから破ることになったのでございます。この暴挙を指揮した平野委員長の責任は免れることができない,こう考えております。  今回の神戸市会は, 140万神戸市民と民主主義を愛する全国の人々の注目のもとで開かれました。その目前での暴挙であります。長年の神戸市会の歴史に大きな汚点を残したのではないでしょうか。  以上の理由を述べて,空港等に関する特別委員会平野昌司委員長の不信任案の提案といたします。十分なご審議をお願いいたします。(拍手) 54 ◯議長(長谷川忠義君) ただいま亀井洋示君より,お聞きのとおりの動議が提出されましたが,動機の成立には他に1人以上の賛成者を要しますので,賛成の方はご起立願います。  (賛成者起立) 55 ◯議長(長谷川忠義君) 所定の賛成者がありますので,動議は成立いたしました。 56 ◯議長(長谷川忠義君) 本動議は,日程追加を要する動議であります。(「議長,議事運営」の声あり) 57 ◯議長(長谷川忠義君) お諮りいたします。(「議長,議事運営」の声あり) 58 ◯議長(長谷川忠義君) 本動議を日程に追加することに賛成の方の起立を求めます。  (賛成者起立) 59 ◯議長(長谷川忠義君) 起立少数であります。  よって,本動議を日程に追加することは否決されました。 60 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,日程第2 議員提出第58号議案を議題に供します。 61 ◯議長(長谷川忠義君) これより……  (「議長」の声あり) 62 ◯議長(長谷川忠義君) はい,どうぞ。 63 ◯18番(佐藤けん一郎君) さわやか神戸・市民の会佐藤けん一郎でございます。  ただいま亀井議員から,平野空港特別委員会の委員長の不信任案の動議が出されたわけであります。この扱い方につきまして,とりあえずお尋ねをするわけですが,採決に……(「もう終わった。」の声あり) 64 ◯18番(佐藤けん一郎君) いやいや,採決まだしてないやろう。(「採決したよ,終わった。」の声あり) 65 ◯18番(佐藤けん一郎君) だから,私は議事運営言うてるんじゃないか。何で議事運営を私が言うてるのに,指名しないんですか。どうするんですか,これ。もう1回やり直すかどうか。やり直しなんかできないだろう。どうするねん。あれだけ私が議事運営と言っているのに,何で耳に入らないんですか。(発言する者あり) 66 ◯議長(長谷川忠義君) 動議の採決中ですから,次の動議があれば,次の動議はそのときにやってください。  今,どうぞ。 67 ◯18番(佐藤けん一郎君) 次の動議──いやいや,今の亀井議員提出の動議について,私はその扱い方について議事運営の発言を求めたんですよ。次の動議とは何ですか,一体。 68 ◯議長(長谷川忠義君) どうぞ。 69 ◯18番(佐藤けん一郎君) いやいや,意味のない動議になるんだ。採決をした後では意味のない動議になるんだ。 70 ◯議長(長谷川忠義君) 動議の採決中ですから,あなたの動議は,採決が済んだ後で動議を受けますと。 71 ◯18番(佐藤けん一郎君) いやいや,その採決に関して動議があったんだ。議事運営の発言があったんや。だから,私はそのときに手を挙げたんですよ。いいですか,このことだけはっきり申し上げておきます。  これ以上話をしてもしようがない。結構。 72 ◯議長(長谷川忠義君) これより提案理由の説明を求めます。  19番岡島亮介君。  (19岡島亮介君登壇)(拍手) 73 ◯19番(岡島亮介君) 「神戸空港の推進に関する決議案」の提案者を代表して,提案説明を申し上げます。  私たちは,過去16年間,神戸空港は21世紀の神戸のまちづくりにとってなくてはならない都市基盤であるとの信念に基づいて,空港計画を推進してきました。  この思いは,今も全く変わるものではございません。  しかし,市民の間には,神戸空港ができると市民の負担がふえるとか,関空・伊丹があるのになぜ3つも空港が必要かといった,不安や疑問が上がっています。  したがって,こうした空港に関する市民の不安や疑問を解消すべく,市長において格段の努力を求めるため,本決議を提案する次第であります。
     以下,本文を朗読いたします。   ──(決議案朗読)──  以上であります。  何とぞ議員各位のご賛同をお願いいたしまして,提案説明といたします。ありがとうございました。(拍手) 74 ◯議長(長谷川忠義君) 提案理由の説明は終わりました。  本件に関し,質疑の通告がありますので,発言を許可いたします。  32番段野太一君。  (32番段野太一君登壇)(拍手) 75 ◯32番(段野太一君) 発言をする前に,少し皆さん方に申し上げたいことがあります。  きょう,住民投票の会の議員団の皆さん,来られておりませんけれども,きのう不当な採決が強行された,このことからたくさんの市民の皆さんが今,議場外に来られています。こうした傍聴に入り切れなかった皆さん方とともに議場外で報告をし,頑張っている。議場内・外,いろいろ分かれましたけれども,私たちは心は1つであると,このことを前置きにして申し上げて,以下,質問をさせていただきます。  さて,神戸空港の推進に関する決議,今案が提案をされました。この1・2・3とありますけれども,この3点について,それぞれの項目でご質問をさせていただきたいと思います。  まず,第1の「空港建設にあたって,本体工事はもちろん,ターミナル会社やアクセスとしての神戸新交通株式会社に対する出資には,市税を一切投入しない。」そして,「空港島の土地処分が計画どおり進まない場合にあっても,その負担を市民に転嫁しないこと。」こういうふうなことであります。  しかし,皆さん,これまでの審議の中で,神戸市の言い分にはいささかの疑問もない,持ってない,こういうふうな質疑をされた皆さん方が,なぜあえてこの最終段階でこのような要望を出されたのか,まさに語るに落ちたのではないかと私は思います。やっぱりいろいろな疑問や不安や懸念を持っていることを,皆さん方ご自身が表明されたというふうに私は理解します。そのように理解していいのかどうか,これは提案者にまずお聞きをしたいと思います。  2つ目,市税そのものを直接投入しない,こうありますけれども,市民の負担になるのは何も市税だけではありません。多様な形で発生をするわけでありまして,市税という形で投入さえしなければ,例えば料金値上げもその1つでありますけれども,そのようなものが起こっても,これは容認されるのかどうか,この点についても明らかにしていただきたい。  先ほど大西議員は,声を大にして「市民負担は解消された。」とおっしゃいました。にもかかわらず,このような要望をあえて出される,ここにも──決議案を出される,この中にも,皆さん方ご自身が実は自信がないんだということの表明以外の何物でもありません。  3つ目に,空港島の土地処分が進まない場合に負担を市民に転嫁しない,こう書いてあります。それじゃ一体だれが負担をするんですか。国が負担するんですか,それともどこかの民間会社に負担させるんですか,皆さん方ご自身が負担するんですか。市民に転嫁をしないならば,これらの大きな──小さなものではありません。大プロジェクト,空港島の建設がもし失敗したらどうなるんですかということは,私たちは質疑の中で繰り返し繰り返し当局に質問をしてまいりました。  しかし,このことに関して,赤字問題──これは赤字になるんだという懸念すら,当局からは一切なかった。一体だれが負担するのか,この点についても,皆さん方のこの決議案の中で明らかにしていただきたい疑問であります。  3つに,あらゆる方途を講じて市民の理解を得なければならない,こういうふうに書いています。これは図らずも市民の皆さんの中に理解されていないということを,皆さん方ご自身が明らかに表明されたわけであります。こういうふうな事実を皆さん方が表明され,特に財政の見通しがどうなのか,財政見通しあるいは需要見通し,そのことについても私たちは質疑の中で追及してまいりました。  しかしながら,これから先,あたかも従来どおり右肩上がりの経済成長が続くかのような当局の提案でありました──当局の回答でありました。しかし,その中で市民の理解が得られない,当たり前であります。そして,そういう市民の理解が得られていない,このことを認めながら,当局が今構想段階は既に終わったんだと,こういうふうな言い分をされたわけでありますけれども,なぜこれに賛成をするのか,なぜ空港建設を市民の理解が進んでいないということを認めながら促進されようとするのか,市民のだれもが疑問に思うところであります。  3つ目に,情報開示の問題,これについても,財政計画や需要予測あるいは環境への影響,こういう点で市民が不安を抱いている,これも認めています。  しかしながら,皆さんが審議の中で言われたことは,市民の不安に対して追及をするよりも,バラ色一色に,つまり雇用が促進をされるであるとか,あるいは財政が豊かになるだとか,バラ色の考え方,ユートピアのような考え方を振りまかれた,それであります。  私たちは,この市民に対して情報をもっと明らかにしなさい,こういうふうに言ってきましたけれども,これについては,当局が最後まで明らかにしませんでした。  この最後の3つ目の「参加と対話」ということを言われておりますけれども,ここには主語がありません。だれが参加をするのか,だれと対話をするのか,このことについて,市民が加わらない参加というのはありません。そして,市民を対象にしない対話というのもありません。市民に対話と参加と言いながら,市民の実質的な参加を皆さん方は保障することを,今回このような形で強引に否定をされたわけであります。  私たちは,このような市民参加あるいは対話,このことをうたいながら,実質的にこのようにして否定された。そして,最後に皆さんこの決議案の中で書かれているのは,「参加と対話の市政をより一層推進する。」──より一層推進する,つまりこれまでやられてきたことを,これまでのことを是として,これからも促進するんだという意向の表明にほかなりません。  このことを,皆さん方はこれまでやられてきたことを是とした上で,一層このような形を推進すると,このような立場に立ってこの決議案を出されたのかどうか,これらに関してぜひ聞かせていただきたいと思っています。  以上で終わらせていただきます。(拍手)  (「議長」の声あり) 76 ◯議長(長谷川忠義君) 19番岡島亮介君。   (19番岡島亮介君登壇) 77 ◯19番(岡島亮介君) 私の提案に対しまして,段野議員から語るに落ちる,こういった発言等もございまして,遺憾ながらあえて甘んじて議員の性格かなと,私はここであなたと個人的な論議をするつもりはございません。  さて,ただいま段野議員は,まずこの決議案に対しまして,どういう理由でこういうのを提案されたのか,こういったことがありましたが,私はこの決議案を朗読する前に,ご提案の文言等をお話をさせていただいております。  お聞き逃しであったとすれば,もう1度読み直しをさせていただきますが,これは神戸空港の件に関しまして,市民の多くの方が財政見通しあるいは環境問題,いろんな疑問の声が上がっておったことは,段野議員ご承知のことだと思います。私たちも少なからずそういった声があることも承知をいたしておりますし,今回のこの条例の案件に対しても,多くの方々が関心を寄せられ,そんな中で不安があることも承知をしておるわけであります。  こういったことに対しまして,私たち空港を推進する立場の議員が,市長に,この空港推進に当たって市民の理解を得るために,こういった決議をなしておるということをご理解いただければ,答えはおのずと出てくるんではないでしょうか。  今,段野議員がおっしゃられた第1点目の市税を投入しないこと,こういったことを中心にお話がありました。これは文字どおり,市民の税金は使わない,こういうことであります。昨日の総括質疑で市長が,「空港の本体工事,ターミナル会社への出資,新交通への出資には税金を使わない。また,土地処分が計画どおり進まない場合でも,新都市整備事業会計の基金の活用を考える。」こういった答弁があったわけでございます。  神戸空港に関する論議の中で,空港ができると市民の税金がふえるだとか,そういった心配をされておられる方がたくさんおられました。こういった大きな焦点になっておりますことの上に,議会として,改めて市長にこの点の実行を強く求めたという趣旨であります。  また,2つ目に「市民の理解を求めること」という文言がありますが,これを逆手にとって,市民に理解は今まで求められていない,市民が理解がないというふうなご発言がありましたが,あなたと私とは見解の相違があります。  市民に理解を求めるということは,空港の必要性については,これまでも市当局をはじめさまざまな形で何度も市民の理解が得られるよう,空港ニュース等におきましても,十分市民の理解が得られるようにとのことでいろんなニュースを出してきました。また,そういった中で市民の方々も十分に認識をされておられると,私は思っています。  したがって,まだまだ不十分だという声もあるのを取り上げ,広報のあり方をもっと工夫するなど,市民に直接訴えていく手法をもっと考えるなど,あらゆる努力をして,市民の理解をさらに求めてくださいという趣旨のものであります。  それから,第3点目でありますが,「参加と対話」,ましてや「より一層」というふうな発言がありました。参加と対話を今までしなかったんではないか──あんた,笑っておらないで,こっち見ておいてくださいよ──そういった裏返しの議論でありますが,我々は参加と対話がなされていないとは認識をしていないのであります。  ただ,今回市民から住民投票条例の直接請求がなされたこともあって,いま1度市民参加の施策を検証して,より一層これを充実・強化すべきであると考え,皆さんに決議を求めておるのであります。  私たちはこの決議の中で,繰り返し申し上げますが,市税を一切投入しない,建設について。今申し上げた部分について,あるいはなお一層市当局をはじめ我々議会も含め,市民の理解を求められるように,しっかり市民の理解を得るように努力を重ねなければいけない,こういったことが主たるこの決議案であります。  何とぞ皆さん方にご理解をいただいて,この決議案にご賛同賜りますようにお願いを申し上げます。  以上であります。(拍手)  (「議長32番」の声あり) 78 ◯議長(長谷川忠義君) 32番段野太一君。 79 ◯32番(段野太一君) 若干すれ違いというよりも,若干というよりも全面的にすれ違っておりますが,ただはっきりしておきたいことが幾つかあります。  1つは,市税を投入しないというのは,これまで神戸市当局の方から何度も繰り返し言われてきたこと,そのことを改めて決議として出されている,一体何を言われているんかという思いがあります。  同時に,この新都市整備事業でとおっしゃいましたけれども,新都市整備事業というのは神戸市の行っている事業の1つであります。直接市税を投入しなければいいんだという発想で,ほかから,ほかの項目からであれば何でもいいんだということにはなりません。  ですから,新都市整備事業も,これは重要な神戸市の事業の1つ,そこで生み出されたお金というのは…… 80 ◯議長(長谷川忠義君) 段野議員,決議案に対する質問を。 81 ◯32番(段野太一君) ええ,決議案に対する今の答弁に対して,私は疑問を持っておりますから,今新都市整備事業とおっしゃいましたからね。ですから,新都市整備事業というのは,市税というふうな概念に入っていないという立場でおっしゃっておりますから,これさえ使えばいいんだということには市民は納得しません。  これが,これまで一般会計等に対して繰り入れをされてきました。この事業の中から繰り入れてきたことを空港に移す,例えば50億円繰り入れられた,それを空港が土地が売れなければそっちへ移す,これは明らかに市民に対する負担の転嫁以外何物もありません。これを1つはっきりと申し上げておきます。  それから,同時に,ニュースを18号も出して,いろいろとこれは市民の理解を得るように努力をされた,これは同じように当局の方からも言われています。しかし,なおかつその上で30数万の方々がわからない,理解できない,こういうふうに訴えられたのでありまして,これは全く私は理解されていない──恐らく理解されていないというのは同じ認識かなというふうに思っていたんですが,同じことを繰り返し繰り返しニュースで出されても,市民は理解しないというふうに思います。  なぜ理解をされないのか,市民の本当の疑問に答えないからです。都合のいい質問を自分たちで書いて,自分たちで答えを出しても,市民は納得をしないんです。市民が1つ1つ──例えば空港が赤字,8割の地方空港が赤字やと,8割のことを調べたんか,こう言えば,調べていないという回答,これでは何ら市民の疑問に答えることにはなりません。何号ニュースを出しても,これは明らかにされないというふうに私は思います。  もう1つは,参加と対話の話もされました。参加と対話というのは,市民が実際に参加させてほしいという形態の1つが,今回の住民投票の制定であります。したがって,こうしたことに対して否定的な見解を明らかにされたんでは話になりません。 82 ◯議長(長谷川忠義君) 段野議員,質疑をやってください。 83 ◯32番(段野太一君) 私は,この点だけ申し上げて,もうこれ以上幾ら質疑しても平行線,すれ違いになると思います。  私は以上を申し上げて,終わらせていただきます。(拍手) 84 ◯議長(長谷川忠義君) 質疑は終わりました。  この際,お諮りいたします。  本件については,委員会の付託を省略し,即決いたしたいと存じますが,本件について討論の通告がありますので,順次発言を許可いたします。  まず,53番田島俊三君。  (53番田島俊三君登壇)(拍手) 85 ◯53番(田島俊三君) ただいま議題となっております神戸空港の推進に関する決議案について,日本共産党議員団を代表して,反対の討論を行います。  その第1は,今なぜ決議かという問題です。  さきに議題となりました住民投票条例案は,地方自治の本旨を実現するため,市民の意思を明らかにするとともに,そのために市長は行政資料を縦覧に付すことを明記しています。しかし,この条例案を否決した上で,市長に対して市民の理解を求めること,情報の開示に努めると,決議案で提案をしています。このことは,条例案の否決そのものが不当であることを,提出者みずからが認めていることになります。そして,昨日,住民投票条例の採決を空港等に関する特別委員会で強行したことにより,解明すべき課題を決議として残さざるを得なかったことへの証明でもあります。  本来,議会は市民参加が必要であり,またこれだけ重要な課題が残されているという認識ならば,会期を延長してでも徹底審査をし,その解明を図ると同時に,条例を制定し,住民投票を行うべきであります。決議は,議会としての本来の機能と役割を果たさなかったことを物語るものであります。  第2に,決議案に盛り込まれている内容についてであります。  決議案では,市民負担問題,財政計画,需要予測,環境への影響などについて,市長に強い決意で対処するよう求めています。これらは,我が党が一貫して課題として取り上げ,市民の疑問の中心点でもあります。本臨時市会の中でも,未解明のままとなったものです。このような内容の決議は,市民の疑問に答えられていないことをみずから認めるものであります。幾ら決議で市民の疑問点や未解明の課題を指摘しても,それが市民の前で解明されなければ,市民の議会や行政への不信,空港建設への疑問を取り除くことはできないのは明らかであります。  第3に,この決議の最大の問題点は,神戸空港建設が前提となっている点であります。  決議案の中に,「空港が神戸のまちづくりにとって,不可欠の都市装置」と位置づけ,大震災など情勢の大きな変化にもかかわらず,大震災からの復興がままならぬから空港が一層必要などと,およそ市民の感情とかけ離れたことを強調しています。  さらには,「空港建設は,将来の市民の生きる糧として必要不可欠である。」という奇妙な論を展開しているのであります。市民の疑問や未解明の問題を決議として提起しても,まず建設ありきで,市民の意見を聞こうとしない内容では,むなしいものになるのであります。  今,議会として対応すべきことは,神戸空港について,一たん立ちどまって,空港の情報をすべて開示するとともに,住民投票を実施して市民の声に耳を傾ける,市民を主人公とした方向が強く求められていることを表明し,反対の討論といたします。(拍手) 86 ◯議長(長谷川忠義君) 次に,18番佐藤けん一郎君。  (佐藤けん一郎君登壇)(拍手) 87 ◯18番(佐藤けん一郎君) 私は,さわやか神戸・市民の会市会議員団を代表し,ただいま提出されている議員提出第58号議案神戸空港の推進に関する決議の件に反対をし,これを議決しないことを主張し,以下,意見を述べるものであります。  当神戸空港推進決議案は,神戸空港の必要性を主張し,その推進を目的として提出されたものであります。しかし,なぜ神戸空港が必要なのか,その根拠は具体的に全く触れられていないのであります。  この決議案は,「神戸市会は,昭和57年の神戸空港構想発表以来,空港が神戸のまちづくりにとって,不可欠の都市装置と位置付け,その推進に努めてきた。」と主張しているのであります。  昭和57年,今から16年前であります。関西には,まだ空港は伊丹の大阪空港しかなかった。朝の7時から夜の9時まで,14時間しか使えない欠陥空港しかなかった。だから,昭和57年の時点では,神戸空港構想にはそれなりの意味があったかもしれません。  しかし,今は事情が異なるのであります。平成6年9月4日関西新空港がオープンし,また一昨平成8年度には関西新空港は滑走路を1本増強,1兆 5,600億円の総事業費でスタートいたしました。(「同じことばっかり言うなよ。」の声あり)  何回でも言いますよ。黙って聞いてらっしゃい──伊丹の大阪空港も含め,航空機の離発着能力は年間38万回,昭和57年当時に比べて3倍近くも大幅に関西の航空機離発着能力は拡大をされているのであります。これに引きかえ,空港の利用率,その実績は平成9年で21万回,能力を55%しか現在使っていないということになるのであります。国際級の大規模なあの関西新空港,半分近くも遊んでしまう。だからこそ,関西新空港はわずか3年半の操業で 1,098億円もの赤字が累積してしまっているのであります。  その上に,また神戸に今度は市営空港をつくる。神戸空港を中心としまして,半径24キロ圏内に空港を3つもつくる。半径24キロというのは,時速 800キロの飛行機で1分50秒しかかからない距離であります。遠距離交通専門の空港を,こんなに狭い地域に3つもつくる。神戸のまちづくりにとって何が必要不可欠なものなのでありましょうか。とんでもない話であると言わなければなりません。  運輸省大阪空港事務所の進入管制官の話によれば,3空港の一元管理は,管理能力の限界を超えていると言っているのであります。危険がいっぱいではありませんか。  また,当決議案は,たとえ空港島の処分計画が計画どおり進まないとしても,これを市民の負担に転嫁させないようにと,こう記載をされております。51名の提案議員諸君は,地方財政法をどのように理解しておられるのか,疑わざるを得ないのであります。  たとえ空港事業が特別会計として設定をされましても,その借入金の名義人,金銭消費貸借の契約書における借入人の名義は,神戸市長笹山幸俊であります。現在,一般会計・特別会計合計をいたしまして1兆 9,000億円の借り入れ残がありますが,これはすべて神戸市長笹山幸俊の名義で借り入れられているのであります。  こういうことが行われ得るのは,言うまでもありませんけれども,笹山市長個人が1兆 9,000億の資産を持っているということではもちろんないわけであります。これは,年間 3,000億円という市民が納入する市税が裏づけとなっているからこそ,その執行権限を持っている神戸市長に対して貸し付けが行われているわけであります。  空港島の処分が計画どおり進まなければ,空港島造成のための借入金の返済や利息,だれが支払うんですか。借金の返済や利息を支払うために,また神戸市は現在借金をするということをやっておりますけれども,最終的には市民が納める税金が充当されてしまうわけであります。子供の教育に使われるべき税金が,高齢者対策に使われるべき税金が削減をされて,空港島の借金の元利返済に充当されていく,これが市民に負担とならなくて何でありましょうか。  市民に負担を転嫁しないことなどと,この決議案は記載をしておりますけれども,できもしないことを言って市民を欺瞞するにも限度があると言わなければならないのであります。  現在の日本経済の不況・停滞は,役に立たない無用の長物・箱物に巨額の税金を投入し続けてきたところに原因がある,学者はこのように指摘をいたしているのであります。ケインズ的な物の考え方──投入をすればそれだけ生産がまた波及をしていく,消費も広がる,このようなケインズ的な物の考え方は,高齢化・少子化の日本の現在の社会には,ただただ重荷になるだけなのであります。  夢のまた夢そのものの神戸空港推進決議案,バブルの夢を,バブルの過ちを再び犯してはならないのであります。  私は,そのことを主張いたしまして,この決議案を採択しないよう強く求めて,討論を終えるものであります。(拍手) 88 ◯議長(長谷川忠義君) 以上で討論は終わりました。  これよりお諮りいたします。  議員提出第58号議案を原案どおり決することに賛成の方の起立を求めます。  (賛成者起立) 89 ◯議長(長谷川忠義君) 起立多数であります。  よって,議員提出第58号議案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) 90 ◯議長(長谷川忠義君) 以上で,本臨時市会に提案されました案件は全部終了いたしました。  これをもって平成10年第2回臨時市会を閉会いたします。   (午後4時28分閉会)
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