• "和田賢治議員"(/)
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  1. 大阪府議会 2023-09-01
    09月28日-04号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    令和 5年  9月 定例会本会議    第四号 九月二十八日(木)◯議員出欠状況(出席七十八人 欠席一人)      一番  市來 隼議員(出席)      二番  浦本ともえ議員(〃)      三番  堀江ゆう議員(〃)      四番  橋本ゆうと議員(〃)      五番  森田彩音議員(〃)      六番  岩本ゆうすけ議員(〃)      七番  くすのき好美議員(〃)      八番  大野ちかこ議員(〃)      九番  木下昌久議員(〃)      十番  横道淳子議員(〃)     十一番  大竹いずみ議員(〃)     十二番  堀川裕子議員(〃)     十三番  吉田忠則議員(〃)     十四番  由井聖太議員(〃)     十五番  松浪武久議員(〃)     十六番  石川たえ議員(〃)     十七番  山田けんた議員(〃)     十八番  野々上 愛議員(〃)     十九番  須田 旭議員(〃)     二十番  うらべ走馬議員(〃)    二十一番  中井もとき議員(〃)    二十二番  奥村ユキエ議員(〃)    二十三番  山下昌彦議員(〃)    二十四番  中川誠太議員(〃)    二十五番  前田将臣議員(〃)    二十六番  牛尾治朗議員(〃)    二十七番  魚森ゴータロー議員(〃)    二十八番  角谷庄一議員(〃)    二十九番  三橋弘幸議員(〃)     三十番  西元宗一議員(出席)    三十一番  みよしかおる議員(〃)    三十二番  中川嘉彦議員(欠席)    三十三番  岡沢龍一議員(出席)    三十四番  山本真吾議員(〃)    三十五番  上田健二議員(〃)    三十六番  永井公大議員(〃)    三十七番  前田洋輔議員(〃)    三十八番  中川あきひと議員(〃)    三十九番  置田浩之議員(〃)     四十番  紀田 馨議員(〃)    四十一番  いらはら 勉議員(〃)    四十二番  河崎大樹議員(〃)    四十三番  泰江まさき議員(〃)    四十四番  中野 剛議員(〃)    四十五番  藤村昌隆議員(〃)    四十六番  山下浩昭議員(〃)    四十七番  大橋章夫議員(〃)    四十八番  肥後洋一朗議員(〃)    四十九番  杉本太平議員(〃)     五十番  しかた松男議員(〃)    五十一番  笹川 理議員(〃)    五十二番  橋本和昌議員(〃)    五十三番  内海久子議員(〃)    五十四番  加治木一彦議員(〃)    五十五番  八重樫善幸議員(〃)    五十六番  川岡栄一議員(〃)    五十七番  垣見大志朗議員(〃)    五十八番  西林克敏議員(〃)    五十九番  広野瑞穂議員(〃)     六十番  植田正裕議員(〃)    六十一番  杉江友介議員(〃)    六十二番  徳村さとる議員(出席)    六十三番  金城克典議員(〃)    六十四番  和田賢治議員(〃)    六十五番  富田武彦議員(〃)    六十六番  中野稔子議員(〃)    六十七番  坂上敏也議員(〃)    六十八番  中谷恭典議員(〃)    六十九番  久谷眞敬議員(〃)     七十番  鈴木 憲議員(〃)    七十一番  西田 薫議員(〃)    七十二番  森 和臣議員(〃)    七十三番  西野弘一議員(〃)    七十四番  土井達也議員(〃)    七十五番  三田勝久議員(〃)    七十六番  大橋一功議員(〃)    七十七番  岩木 均議員(〃)    七十八番  横倉廉幸議員(〃)    七十九番  西野修平議員(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         松井芳和     次長         大河内隆生     議事課長       佐藤 実     総括補佐       山本英次     課長補佐(委員会・記録)                高山泰司     主査(議事運営総括) 古石勝寛    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第四号 令和五年九月二十八日(木曜日)午後一時開議 第一 議案第一号から第三十三号まで及び報告第一号から第二十五号まで(「令和五年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件」ほか五十七件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○議長(久谷眞敬) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○議長(久谷眞敬) 日程第一、議案第一号から第三十三号まで及び報告第一号から第二十五号まで、令和五年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件外五十七件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により中井もとき議員を指名いたします。中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 自由民主党大阪府議会議員団の中井もときでございます。 早速ですが、通告順に従い、順次質問を行ってまいります。 まず、大阪・関西万博についてお伺いします。 一九七〇年大阪万博は、人類の進歩と調和をテーマとして開催され、国内外から約六千四百万人の方が訪れました。一九七〇年大阪万博では、会場となった大阪万博記念公園で、太陽の塔や日本庭園などがレガシーとして残され、今なお、当時の話を多くの人からお聞きするものです。 また、先月の十一日には、万博記念公園にあるEXPO‘70パビリオンにおいて、万博当時のにぎわいや熱気などが体感できる別館がオープンいたしました。太陽の塔に設置されていた黄金の顔が展示され、映像で当時を体感できるゾーンなどが新たに設けられているところです。 私自身は、一九七〇年大阪万博をリアルタイムで体験していませんが、その展示等を拝見し、当時の万博の盛り上がりを感じるとともに、万博の熱気や盛り上がりが、その後の日本社会全体に大きな影響を与え、我々が暮らす現在の日本の礎をつくり上げたのだと改めて感じました。 知事も、一九七〇年大阪万博をリアルタイムで体験されてはいませんが、約五十年が経過した今、一九七〇年万博が日本全体にもたらした影響についてどのように捉えられていますか。また、それを踏まえて、二〇二五年に開催する大阪・関西万博をどのような万博にしたいのか、知事にその思いを伺います。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 一九七〇年万博では、ワイヤレステレフォン、今でいう携帯電話ですが、こういったものであったり、電気自動車をはじめ近未来の技術やサービスなどが初公開されて、そして数多くの来場者の方にたくさんの驚きと感動を与えたものであります。この間、そういった新しい技術については製品開発が重ねられて、今では日常生活の必需品となって現代社会に幅広く普及をしています。 こういったように、万博には新しい時代をつくる大きな可能性が秘められていると思っています。今回の大阪・関西万博においても、未来社会の実験場をコンセプトに、世界百五十か国を超える国々の英知が結集された最先端の研究成果が発信をされます。まさに未来の方向性を示す万博に向けて、様々な準備が今進められています。 私としても、万博にはこうした新しいイノベーションが次の時代を切り開いて、世界の課題解決に貢献する力があると確信をしています。今回も、そうした未来をつくる大阪・関西万博にしていきたいと思います。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) ぜひとも万博を成功させ、大阪、関西を発展させていかなければなりませんが、現状では、残念ながら、万博を取り巻く環境はあまりよい状況とは感じません。 ここからは、万博成功に向けて、課題を一つ一つ確認させていただきたいと思います。 まず、全国の自治体への機運醸成の働きかけについて伺います。 大阪・関西万博の開幕まで六百日を切りました。万博の機運醸成に当たっては、民間の取組もさることながら、まずは自治体がしっかりとPRを進めていく必要があります。 そのような中、府内では公式キャラクターのミャクミャクを目にする機会も増えてきましたが、府外に出るとまだまだこれからといった印象です。 そこで、全国の自治体において、万博の機運醸成に向けた取組を進めていくことが重要と考えますが、府としてどのような働きかけを行ってきたのか、万博推進局理事に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 奥村万博推進局理事。 ◎万博推進局理事(奥村健志) 全国の自治体におきます万博の機運醸成につきましては、これまでも全国知事会指定都市市長会、首長連合などの行政ネットワークを通じ、働きかけてきたところでございます。今年度は、これに加え、全国の各地域ブロックで開催される知事会に、国や博覧会協会と共に、各都道府県の知事へ直接協力依頼を行っているところでございます。 また、東京都や神奈川県、横浜市などの首都圏の自治体などにも個別に訪問し、庁舎におけるのぼりやポスターなどの掲出を勧めるほか、二〇二五年世界陸上や二〇二七年国際園芸博覧会と連携したPR等にも取り組んでいるところでございます。 さらに、千葉県、福岡市との三都市で、全国的な万博の盛り上げに向けたイベントを順次開催していくこととしており、北海道知事からも応援メッセージをいただいたところでございます。 こうした全国的な取組は、博覧会協会とも連携しながら進めているところであり、昨年度は十八都道府県で行われましたが、今年度は現時点で二十五都道府県まで広がっております。 今後も引き続き、全国の自治体と連携しながら、様々な万博PRを展開し、協会と共に万博機運をさらに盛り上げてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、魅力のある万博開催について伺います。 万博を一過性のイベントにするのではなく、万博の成功を大阪経済の発展に寄与するものとすることに、その開催意義があると考えます。 そのためには、まずは万博そのものを魅力あるものにして、大勢の方に来場いただくことが必要です。 万博を魅力あるものとする大きな要素が、海外パビリオン、中でも約五十数か国の参加国が自ら建設するいわゆるタイプAパビリオンだと考えます。 このタイプAパビリオンについて、建設の遅れから、協会が躯体を建設し、内装や外装は参加国で行う、いわゆるタイプXへの変更を検討の選択肢として提案するといった動きがあります。 海外パビリオンの建設は促進してほしいのですが、タイプXという簡易なパビリオンが増えることにより、万博の魅力が低下するのではないかと懸念しますが、お考えはどうでしょうか。 また、この先、工事が集中することとなっても、開幕までにパビリオン建設を間に合わせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。万博推進局理事に併せて伺います。 ○議長(久谷眞敬) 奥村万博推進局理事。 ◎万博推進局理事(奥村健志) お示しのとおり、海外パビリオンのいわゆるタイプXとは、参加国に代わって博覧会協会が躯体を建設し、外装や内装は自国で行う建築方式のことでございます。 この方式は、参加国において、躯体建設に要する工期や人材を、外観のデザインの工夫や、趣向を凝らした展示制作等に集中することが可能になるものと考えております。 こうした建物の躯体をシンプルにする方法は、これまでも、ドバイ博の日本館や愛知万博のアメリカ館にも活用されており、とりわけドバイ博の日本館は、大規模パビリオンカテゴリー展示デザイン部門におきまして金賞を受賞しております。 引き続き、国や協会と連携し、万博の華とも言えるタイプXも含めた海外パビリオンの建設を促進し、二〇二五年四月に万全の状態で開幕を迎えることができるよう、しっかりと取り組んでまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、博覧会協会との連携について伺います。 海外パビリオンの建設の遅れについて、先般、八月十日ですけれども、出演された民放番組の中で知事は、二〇二二年秋に建設業連合会から博覧会協会に対して、このままでいくと海外パビリオン建設が遅れるのではないかと懸念を指摘されていたことは事実であり、自身が建設の遅れの実態を把握したのは今年の春頃、協会との間に縦割り意識があったことを反省すべきと発言されていました。 知事は、万博の誘致に始まり、大阪府市の共同設置組織万博推進局を設置し、これまで国、博覧会協会、経済界と連携して、国家プロジェクトである万博開催の準備を進めてきた地元自治体の長であり、また、博覧会協会の副会長でもあります。 そうであれば、もっと早くから海外パビリオンの状況を把握し、課題の解決に向けて、先頭に立って府市と博覧会協会の両組織を牽引し、関係者と連携した取組ができたのではないかと、その発言に私は違和感を抱きましたが、改めて、どのような考えで反省点の発言をされたのか、またその反省点を踏まえ、残された時間の中で、開幕に向けてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 御指摘の縦割り意識の発言についてですが、今振り返ってみまして、協会が建設業界からの指摘を受けた昨年秋頃の段階で、海外パビリオン建設の課題について関係者間で共有ができていれば、今とは違った状況もあり得たのではないかという考えから発言したものであります。 その後、春以降、夏にかけて、また近々では八月三十一日においては総理官邸において、大阪・関西万博に関する関係者会合が総理主宰で開催もされました。これまで以上に緊密に連携をして、国、大阪府市、協会、そして経済界のオールジャパン体制で取り組んでいくことや、協会の体制強化などが確認をされました。 万博開幕まで、およそあと一年半になります。引き続き、関係者が一丸となって、二〇二五年四月に万全の状態で開幕できるよう、私自身のリーダーシップの下で、府庁の総力を挙げて全力で取り組んでいきます。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 万博の開催が決定したのは約五年前で、この間に国際情勢は大きく変化し、資材価格も上昇しました。予期せぬ状況があったとはいえ、海外パビリオンの建設に関し、早い段階からその課題に対して情報発信されていたのに、関係者で共有ができていなかったのが一番大きいと思います。 官庁の縦割りや官民の役割分担の曖昧さが露呈された形になってしまいました。責任回避や様子見を決め込んだりすることは許されません。海外の参加国を含め、関係者間での意思疎通を強化するとともに、工事車両等に係る交通円滑化にもぜひとも注力していただきたいと思います。 次に、大阪・関西万博の会場建設費について伺います。 会場建設費は、国と府市、経済界がそれぞれ三分の一ずつ負担する枠組みとなっており、令和二年に一千二百五十億円から一千八百五十億円に増額しているので、府市で約六百十七億円を負担することとなっています。 当時、我が会派からは、コロナ対策がある中で、府民の理解が得られるのか、今後もコスト削減についてあらゆる検討を行っていくべきといったことを申し上げたところです。 この会場建設費について、昨今の物価高騰もあり、博覧会協会において、改めて会場建設費の精査を行っているとのことであります。 先日の報道では、会場建設費が二千三百億円程度に上振れする見通しといった発言もありました。このことに対して、他会派より、増額分の負担についての言及もありましたけれども、改めて、万博の会場建設費についての知事の御所見を伺います。
    ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 大阪・関西万博の会場建設費については、この間、博覧会協会に対し、工事の適切な進捗管理など、その抑制を求めてきたものであります。 ただ、先日から、昨今の急激な資材価格であったり労務費等が高騰するという状況の中で、増額の見通しという報道が続いていることを受けまして、国や協会に検討状況の確認や、適切な情報共有の申入れを行いましたところ、現在におきまして、必要な額の精査中と聞いています。 精査結果が示されれば、府市としても、まずはその内容をしっかりと確認、精査するとともに、府民や市民、議会の皆様に対して丁寧に説明していきたいと思います。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 建設費の増大について、現在精査中とのことですが、それこそ協会役員でもある知事を筆頭に、内容の把握に努めていただき、正確な情報を発信していただかなければなりません。知事は、政党の代表として、我々が万博を誘致した、責任を持って最後までやり切るといった趣旨の発言をされておられましたが、最近、大阪の責任とかではなく、国を挙げてやっていくといった趣旨の発言が幹部の方から見受けられます。こういったスタンスは、府民が、あれっと思うのではないでしょうか。確かに、万博をめぐる状況はあまりよくありませんが、我々は、万博の成功に向け総力を挙げて取り組んでまいりますし、ここは党派を超えて乗り越えていく必要があると考えます。 いずれにしても、建設費の増大については、府民の理解が得られるよう、しっかりと内容を精査していただきたいですし、議会に対しても丁寧に説明をしていただきますようお願いを申し上げます。 次に、大阪ヘルスケアパビリオンへの中小企業、スタートアップの出展に対する支援について伺います。 大阪ヘルスケアパビリオンに設ける中小企業、スタートアップ向けの展示・出展ゾーンでは、企画運営を担う大阪産業局大阪商工会議所が中心となり設立した中小・スタートアップ出展企画推進委員会が、このゾーンへの出展参加を目指す中小企業、スタートアップを支援する実施主体を募り、金融機関などの実施主体から提案された事業企画をリボーンチャレンジと名づけ、昨年十月に認定しました。 その後、認定されたリボーンチャレンジごとに、中小企業、スタートアップの募集がなされ、出展する中小企業やスタートアップは今年度末までに決定する予定とのことでありますが、参加を希望している中小企業から、一週間の出展に際して、金銭面や展示入替え時の搬出入の負担が大変だとの声を聞いているところです。 府内の中小企業、スタートアップに対し、府として負担軽減策を実施することはできないのか、商工労働部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 大阪産業局大阪商工会議所が企画運営いたします展示・出展ゾーンは、より多くの府内中小企業スタートアップが出展できるよう、二十六のリボーンチャレンジの実施主体を公募により選定しております。 その出展料につきましては、中小企業、スタートアップにとって過度な負担とならないよう、上限を百万円として各実施主体が設定しており、既に企業募集を終えたところにつきましては、出展予定数を上回る応募があったと聞いております。 大阪府といたしましては、大阪産業局を通じて、効率的な運営により出展企業の手間が少しでも軽減できるよう努めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 次に、私立学校の授業料無償化について伺います。 府は、八月の戦略本部会議で、私立高校等授業料無償化制度標準授業料を六十三万円とする制度案について、正式に決定しました。 今回の制度改正により、今後数年間は私立高等学校等の経営と教育の質の確保について対応できると推察しますが、時の経過とともに物価はスライドいたします。そのとき、私学の経営と教育の質をどのように確保していくのか、教育長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 今回の私立高校等授業料無償化制度の改正は、府の補助上限である標準授業料経常費助成の増額を組み合わせることにより、学校負担額の軽減と私学教育のさらなる魅力、特色づくりを支援することとしたものでございます。 このうち標準授業料につきましては、原則として五年間は継続して、今回の改定額六十三万円を適用いたしますけれども、その後は、授業料に加えまして、各私立高校の経費支出や教育活動の状況などの諸要因を基に改定の必要性を検証することとしております。 また、経常費助成につきましては、府立高校に要する経費を基に算定をしているため、物価の影響等が反映するものと考えております。 今後とも、授業料完全無償化私立高校等の教育の質の向上の両立を図るという考え方に基づき、取組を進めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、私立高校等へのインセンティブについて伺います。 さらなる教育の質の向上のため、少人数編制クラス最新ICT機器の導入、STEM教育や英語教育の充実など、大阪府教育庁が必要と認める水準を上回る取組を実践する私立高校を新たに(仮称)特定就学支援推進校に指定し、経常費補助金の増額や標準授業料額を引き上げるなどのインセンティブを与える仕組みを導入してはいかがでしょうか、教育長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 今回の私立高校の授業料無償化制度の改正案では、先ほど御答弁申し上げましたように、現行制度より私学の負担が増えることのないよう、府の補助上限額であります標準授業料を六十万円から六十三万円に引き上げますとともに、経常費助成の補助単価を令和八年度に向けて段階的に増額することとしております。 これらの措置によりまして、私立学校等の教育のさらなる魅力、特色づくりを支援することとしております。 教育庁としましては、まずはその効果をしっかりと見極めていきたいと思っております。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、私立高校等の授業料の改定について伺います。 今回の制度改正により、授業料が六十三万円未満の学校においては、六十三万円までは授業料を値上げしても生徒や保護者に負担が生じることなく、学校の収益が増加することとなるため、合理的な理由なく授業料を六十三万円まで近づける値上げの動きが生じないか懸念をしているところです。 また、授業料収入が、一人当たり六十三万円が上限となるため、入学金の値上げに踏み切る学校も出てくるのではないでしょうか。 こういった安易な値上げによる府の財政支出や保護者負担の増加を防止する観点から、府が指定する就学支援推進校の授業料等を改定する場合においては、私立学校審議会等を諮問機関として活用するなど、第三者機関を巻き込んだ制度を構築する必要があると考えますが、教育長の所見を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 就学支援推進校が授業料を改定する場合には、事前に府と協議することを義務づけております。協議におきましては、授業料の改定が生徒の安全安心及び教育環境の充実を図ることを目的とするものかどうかを確認しております。授業料の改定は、府の補助金交付額に直接影響しますことから、府が責任を持って審査すべきものと考えております。 入学金につきましては、制度上、協議の対象とはしておりませんが、八月九日の知事と私立中学校高等学校連合会との意見交換の際に、今回、学校負担が増えないよう制度を設定したので、入学金を引き上げることがないよう配慮していただきたいと、知事から申し上げたところでございます。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、府外へ通う場合の授業料の保護者負担について伺います。 府外の私立高校等に通う場合の授業料無償化については、府内と同様に、授業料が六十三万円を超える場合は、その超えた額を学校が負担する制度設計となっています。府外校からは、大阪府の生徒とそれ以外の生徒で不公平が生じるなどとして、制度に反対する声も上がっていると聞いております。 府外校が、府の授業料無償化制度に参画しない場合は、その学校に通う府民である生徒は府の補助が受けられないことになりますが、大阪府民であることには変わりなく、大阪の全ての子どもたちを対象に授業料の完全無償化を目指すとした制度趣旨に鑑み、何らかの補助が受けられるようにすべきだと考えます。 そこで、府外の私立高校等に通う場合は、標準授業料六十三万円までを府が負担すればよいと思うのですがどうでしょうか、教育長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 私立高校等授業料無償化は、これまで所得制限はあるものの、標準授業料の額までを公費で負担し、それを超える授業料を私立学校側が負担することにより実現してまいりました。このたびの制度改正は、所得制限を撤廃するとともに、府外の私立高校等に府制度への参画を働きかけ、授業料の完全無償化を目指すものでございます。 六十三万円まで府が負担してはどうかというお話でございましたが、それを超える部分につきまして、保護者に負担が生じるということになれば、完全無償化とは言えず、制度の趣旨に合致しないというふうに考えます。 よって、府外の私立高校に通う場合につきまして、六十三万円まで府が負担して、それを超える部分は保護者側が負担をするということは考えておりません。 府外の私立高校等に対しましては、今後、各府県の私学団体に府の制度趣旨を丁寧に説明し、より多くの学校に参画いただけるよう働きかけてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 六十三万円の軽減補助は考えていないとの御答弁でした。そうすると、府の授業料無償化制度に参画しない学校に通う生徒は、完全無償化の対象ではなくなります。 知事が求めているのは、大阪の全ての子どもたちが授業料完全無償化となることではなかったのでしょうか。新政度が目指す授業料完全無償化とはどのようなものなのか、知事にお伺いをいたします。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) このたびの制度改正は、大阪の子どもたちが、どのような家庭環境であったとしても、自分の可能性を追求できる社会の実現に向けて、そこの社会に一歩でも近づけたいという思いで授業料の完全無償化を目指すものです。 このため、府と私立学校が協力して授業料を負担する現行制度の仕組みを維持したまま、所得制限をなくすことで、所得や世帯の子どもの人数に関係なく、全ての大阪の子どもたちを対象とする制度としました。まずは大阪が教育の無償化に向けて大きな一歩を踏み出すということになったと思います。 府外の私立学校については、これまで制度の対象外であったため、各校の理解、賛同を得るには一定の時間も必要であると考えます。また、本制度が私立学校の協力で成り立つ制度である以上、現行制度と同様、制度へ参画することを強制はできません。 このような制度の限界はありますものの、制度の理念、趣旨を丁寧に説明して、府外の私立学校に参画を働きかけていきます。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 初めに断っておきますが、府外の学校も含む所得制限がない高校授業料の無償化の理念には、我々としても賛同するものですし、とても画期的だと思っています。この間の制度改定に対する理事者側の御労苦も相当だったと推察いたしますし、敬意を表するところでございます。 しかしながら、大阪府の制度の仕組みとその名称にこだわることにより、結果として府の制度の恩恵を全く受け取ることができず、犠牲者となっている子どもたちや家庭が存在していることを忘れてはならないと思っています。それが仮に制度の限界によるものであったとしてもです。 大阪の子どもたちが、生まれ育った環境に左右されることなく、この学校で学びたいと思えば、自分の進みたい道が開かれている社会を、子どもたち自身の可能性を追求できる社会を実現するために、府として無償化施策を進めているわけですが、それには私立学校側が府の制度に理解、賛同するという前提条件があります。 今回の無償化制度の改定において、所得制限が撤廃されたその思い、府外の私立学校も対象とされた知事のその思いを鑑みいただき、ぜひとも教育の質をしっかりと担保された上で、真の意味で、大阪府の子どもたち、保護者であれば、私立高校に通うことによって生じる受益者としての負担が少しでも軽減される仕組みも検討していただき、結果として大阪の教育施策の充実につながりますよう要望をいたします。 次に、金剛バス廃止後の代替交通の確保について伺います。 このたび、長きにわたり南河内地域において路線バス事業を続けてこられた金剛自動車株式会社から、令和五年十二月二十日をもってバス事業を廃止される旨発表がありました。 バス事業の廃止の通知を受けて、沿線四市町村が、代替交通の確保に向け、地域で路線バスを運行している近鉄バスや南海バスに協力依頼を行い、両者からは、既存の路線バス運営に支障が出ないことを前提に、可能な範囲で協力するとの回答があったと報道されています。 しかし、バス事業全体として人手不足が厳しい状況で、どれだけの路線が確保されるのか大変心配しており、また、現在運行されているエリア全ての代替交通を確保することは、沿線の市町村にとって財政的にも大きな負担になると思います。 そこで、代替交通の確保に向けた市町村の取組に対して、府としてどのように支援していくのか、都市整備部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 金剛バス廃止後の代替交通の確保につきましては、近鉄バス及び南海バスの具体的な協力内容を基に、沿線の四市町村、学識経験者、交通事業者、国、府、住民等で構成する広域の地域公共交通協議会で、運行路線、ダイヤ、運賃等の計画を作成し、運行を担う交通事業者が運行開始の三十日前までに届出を行い、国の認可を取得することとなります。 府といたしましては、この協議会での議論を通じて、地域公共交通確保維持事業等、バスの運行経費や車両購入等に対する様々な国の補助制度につきまして情報提供を行ってまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 様々な情報提供を行っていただくということでした。 国からは、全国都道府県の中で、大阪府だけが路線バスの運行経費への補助を行っていないと仄聞しているのですが、金剛バス廃止後の南河内地域の交通手段の確保について、知事の所見を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 府としては、広域の地域公共交通協議会の場を通じて、国と共に、代替交通の確保に向けた関係市町村の取組に協力をしていきます。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 南河内地域における新たな交通事業体が金剛バスの事業継承や認可手続を迅速かつ正確にできるように、一連の動きに府としてもしっかりと積極的に関わっていただき、情報を共有していただきたいと思います。 地域公共交通は、事業者がたとえ民間であっても、市場原理で動くものではなく、運転手に対し、時間外労働の上限規制が課せられる二〇二四年問題も踏まえ、行政の関与も一定必要なのではないかと考えます。 知事からの答弁では、大阪府として運行経費補助等の具体的な補助策についての言及がありませんでしたが、代替交通の確保に向けた関係市町村の取組に協力していただけるということですので、大いに期待をしておきます。 南河内地域の住民にとっては、本当に死活問題と言っても過言ではありませんので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、府立高校の再編整備について伺います。 府立高校の再編整備については、先日開催された教育委員会会議において、西野田工科高校を今宮工科高校に機能統合、布施工科高校と城東工科高校を統合整備する案が決定されましたが、今後も中卒者数の減少が進む地域では定員割れする学校が増えて、募集停止に至るのではないかと府民は心配しています。 我が会派では、これまでも、府立高校を募集停止することにより地域の学校がなくなり、子どもたちが通学時間や通学費などの問題によって就学に困難を来すといった懸念を指摘してまいりました。 そこで、地域の学校を子どもたちから選ばれる学校とするため、例えば様々な学科を併置するなど、地域のニーズに応じた特色のある学校となるよう、府立高校の在り方について検討していくべきだと思いますが、教育長の見解をお伺いいたします。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 府立高校には、就学の機会を確保する役割がありますことから、再編整備を進めるに当たりましては、地域の中学生が高校の就学を断念することがないように、これまでも留意してきたところでございます。 今年度、工業系高校について再編整備計画に基づく募集停止校(案)を公表いたしましたが、今後、生徒数がさらに減少する中におきましても、工業に関する学科の就学機会が確保できるように、ほかの学科との併置など、幅広くその在り方を検討してまいります。 また、普通科につきましては、現在開催されている学校教育審議会において、地域と連携した取組の推進など、普通科の改革に関して御議論をいただいているところでございます。 今後、本審議会の答申などを踏まえ、府立高校全体の魅力化や特色化を検討してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 次に、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用について伺います。 物価高騰の影響は長期化しており、国では、ガソリン代や電気・ガス代支援などを全国的に展開するとともに、地方に対しては、地域の実情に合わせて必要な支援をきめ細かに実施できるよう、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を交付してきたところであります。 大阪府においては、こうした国の動きを受け、当該交付金を活用し、様々な物価高騰対策を実施してきており、六月の補正予算では、子育て世帯への食費支援や各種事業者への光熱費の支援などに取り組み、今議会においても補正予算案が提案されています。 そこで、今回の補正予算案における物価高騰対策の内容と考え方について、政策企画部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 川端政策企画部長。 ◎政策企画部長(川端隆史) 本府では、物価高騰対策として、これまでから国の地方創生臨時交付金を活用して、子育て世帯への食費支援や子ども食堂への食料支援、社会福祉施設等への光熱費支援、公共交通事業者への燃料費支援等に取り組んできたところでございます。 一方で、七月における消費者物価指数は、前年同月比で三・三%、企業物価指数は三・六%の上昇となるなど、依然として生活者や事業者に幅広い影響が続いております。 このため、今回の補正予算においては、当該交付金を最大限活用し、生活者に対しては、コロナの五類感染症への位置づけ後も感染対策の徹底等が求められている社会福祉施設従事者等にギフトカードを配付するとともに、従業員の奨学金の代理返還等を行う中小企業等への支援を通じて、働く若者の奨学金返済の負担を軽減することといたしました。 また、事業者に対しては、これまでの取組でニーズの高かった中小企業における新事業展開やLED化に向けた支援について、増額を盛り込んだところでございます。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 次に、奨学金返還支援制度について伺います。 先ほどの交付金の中にも項目立てがありましたけれども、この件について、昨年の九月議会において、我が会派は、奨学金の返還が負担となる若者を応援するため、奨学金代理返還制度が府内企業で広く活用されるように、補助制度を検討するよう申し上げました。 今般、府が実施する奨学金返還支援制度導入促進事業は、奨学金の返還支援制度を導入する中小企業に対し必要経費を助成するもので、一定の評価はいたしますが、事業のスキームを伺うと、現在奨学金を返還している従業員を雇用していなくても、返還制度を導入すれば支援金を給付する仕組みとなっています。 企業に返還制度の枠組みを整備してもらうという趣旨は理解できますが、中には給付金をもらうだけで、奨学金を返還している従業員を雇用する前に返還制度をやめたりするような企業が出てくることも予想されます。 こうしたことが起きないよう、府としてはどのような対策を講じているのか、また、起きた場合はどのように対応するのか、商工労働部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 奨学金返還支援制度導入促進支援金の給付に当たりましては、制度を五年間継続するという誓約書の提出、府ホームページ等において制度導入した企業名一覧を公表することへの同意、自社の求人票またはホームページ等において制度導入企業であると明記することを支給要件にすることといたしております。 また、本事業の給付を受けた企業が、奨学金返還支援制度の対象となる従業員を雇用しているにもかかわらず、従業員の返還支援を実施していないことが確認された場合には、その返還を求めることとしております。 本事業を活用し、より多くの企業が奨学金返還支援制度を導入していただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) パネルを御覧ください。 今回の府の制度では、導入企業にとってもメリットがありますし、制度の悪用防止策もきちんと担保されており、評価できるものと考えます。今回の制度は、国の交付金を使ったスポット対応とのことですが、ぜひとも制度の周知、広報に努めていただくとともに、その効果検証をしっかりと行っていただいて、企業にとっても奨学金利用者にとっても有益な制度となるよう、制度の継続化も視野に入れて取り組んでいただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 次に、子どもが複数人いる多子世帯や、双子、三つ子のいる多胎児家庭への支援について伺います。 国では、本年六月に閣議決定されたこども未来戦略方針において、児童手当の多子加算の増額や、多子世帯の高等教育費の負担軽減などに取り組むことを表明しています。 また、自治体においても、独自に多子世帯の育児に係る経済的支援や、多胎児を養育する家庭を対象に外出に要する費用を助成する事業や、育児用品を購入、レンタルする際の費用を補助している自治体もあります。 大阪府としても、経済的負担の大きい多子・多胎児家庭の負担軽減を図るため、これらの家庭への支援に取り組むべきと考えますが、福祉部長の所見を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 吉田福祉部長。 ◎福祉部長(吉田真治) 多子世帯では、子どもさんの人数に応じて育児費用が必要であること、また多胎児のおられる世帯では同時期に費用負担が生じますことから、これら世帯は経済的負担が大きくなると認識しております。 お示しのとおり、国のこども未来戦略方針では、第三子以降の児童手当につきましては、零歳から高校生まで全て月額三万円に増額するほか、高等教育の授業料減免及び給付型奨学金について、対象を多子世帯に拡充するなど、多子世帯への支援につきましても示されているところでございます。 今後、府におきましては、令和七年度からの新たな子ども計画の策定に取り組みますが、それに当たりましては、国が年内に策定予定のこども大綱等を踏まえつつ、多子・多胎児の世帯に対する支援の視点も含め、地域の実情に応じて取り組まれる市町村のバックアップ等を検討してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 地域の実情に応じて取り組まれる市町村のバックアップ等を検討するという答弁でしたが、地方公共団体の財政規模や運営方針の違いにより、地方公共団体の事業として実施しない事例が当然出てきます。 居住地域により必要な施策を利用できないことは、多子及び多胎児世帯のニーズの充足促進を満たすことができません。多子・多胎児世帯は、結果として少子化の軽減に貢献されている世帯です。ぜひとも、府としても、市町村のバックアップにとどまらず、主体性を持ってこれらの家庭への支援を行っていただきたく要望いたします。 次に、不登校の児童生徒の教育環境の充実について伺います。 全国、大阪府ともに、公立中学校の不登校生徒数の千人率は年々上昇しており、特に平成三十年度以降、急激に増加しています。 そのような状況もあり、本年三月には文部科学省が誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策--COCOLOプランを取りまとめました。 不登校の児童生徒に必要な支援は、子どもたち一人一人の状況によって異なり、また支援策も様々となることから、国、大阪府、市町村、学校、そして家庭などが相互に理解や連携をしながら取り組んでいくべき問題だと認識しています。 そこで、教育庁では、これまでどのような不登校の児童生徒の支援を行ってきて、今後はどのように市町村を支援していくのか、教育長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 不登校は、学業の遅れや社会的自立への影響が危惧されますことから、府として、これまでスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど専門家の配置や、市町村とフリースクールが連携協議する場を定期的に設けるなど、学校が個々の状況に応じた支援を進められるよう取り組んでまいりました。 さらに、今年度より、小中学校に設けられている校内教育支援センターに支援人材を府が新たに配置し、児童生徒のペースに応じた学習等ができる環境の整備を支援しているところでございます。 また、国の来年度予算概算要求におきましては、学びの多様化学校設置後の運営支援などを含む不登校対策事業が新規・拡充予算として要求されております。 府教育庁としましては、今後も市町村教育委員会と協力し、不登校の子どもたち一人一人の状況に応じた支援を進めていくとともに、府内において国の不登校対策事業が活用できますように、市町村教育委員会と共に国に働きかけてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、市町村におけるスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置について伺います。 不登校児童生徒への支援として、SCやSSWを配置しているとのことですが、学校の先生方が不登校児童生徒に対し丁寧に対応すればするほど、その負担は増大することから、SCやSSWがケース会議等に参加し、支援の方向性を的確に示すなど、専門家の必要性が高まってきています。 そのような中、市町村からは、SCへの相談などの予約が取りにくい状況にあることや、府が雇用する指導的役割のスクールソーシャルワーカースーパーバイザーの活動時間が不足しているといった声を聞いていますが、教育庁がこれまで行ってきたSC等専門家の配置状況や、今後の専門家の配置拡充に向けて、教育長の考えをお伺いいたします。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 不登校につきましては、児童生徒の状況が一人一人異なりますことから、家庭との連携や心理面のケアなど、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーによる支援が重要であります。 府としましては、中学校区に一名のスクールソーシャルワーカーを配置できるよう市町村に補助を行いますとともに、スクールソーシャルワーカースーパーバイザーによる指導、助言や研修等を行っております。 また、スクールカウンセラーにつきましては、これまで府内全中学校への配置に加え、令和三年度より小学校での活動時間を拡充いたしましたが、不登校の低年齢化等によりまして、小学校児童や保護者からの相談依頼が大きく増加しており、予約を取れない状況があるとの声を私も市町村から聞いております。 今後、市町村や学校の状況をより詳細に把握しながら、効果的なスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活用について検討してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 不登校のみならず、いじめや暴力、自殺、児童虐待などの予防や早期の対応には、学校がチーム学校として、SCやSSWなど、多職種の専門家と共に組織的に問題に取り組むことが必要だと考えます。 とりわけSCが義務標準法により定数配置されれば、チーム学校として、より適時適切かつ安定的に対応することが可能となり、学校の問題解決力の向上につながることが期待されるため、国への要望を引き続きお願いいたします。 あわせて、義務標準法による定数措置が行われるまでの間は、引き続き府において、今年度の規模以上のスクールカウンセラー等活用事業を継続していただきますようお願いをいたします。 次に、新型コロナウイルス感染症対応での課題を踏まえた新興感染症発生時、蔓延時の保健所の体制整備について伺います。 新型コロナウイルス感染症対応においては、感染拡大に伴う保健所業務が逼迫し、一部保健所ではファーストタッチや療養決定に遅れが見られるなど、府民対応にも影響を及ぼしました。 新型コロナでの課題を踏まえ、今後、新興感染症が発生、蔓延する場合に備え、保健所業務が逼迫することがないよう、どのように保健所の体制整備に取り組まれていくのか、健康医療部長にお聞きします。 ○議長(久谷眞敬) 西野健康医療部長。 ◎健康医療部長(西野誠) 新たな感染症予防計画におきます保健所体制につきましては、新型コロナ対応での教訓を踏まえ、平時の取組といたしまして、ICTを活用した業務の効率化や、感染症有事の際に速やかに体制移行できる人員の確保、研修訓練による人材養成に取り組むこととしております。 あわせまして、有事の際には、健康観察などの業務の外部委託に加え、府独自の取組といたしまして、入院調整や相談業務の一元化など、業務の重点化を迅速に行うこととしております。 また、新興感染症の発生・蔓延時に業務が逼迫しないよう、業務体制の整備に関するマニュアルとなる保健所健康危機対処計画を今年度策定する予定でございます。 府といたしましては、保健所が地域の感染症対策の中核的機関として機能し続けられるよう、これらの計画に基づき、着実に取組を進めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 保健所業務の効率化や重点化、応援体制の整備等により、新興感染症発生・蔓延時の業務逼迫を防いでいくとのことですが、新興感染症の患者にとっては、保健所が身近に存在し、相談しやすい環境にあることが望ましいと考えます。 大阪府では、地域保健法の規定などに基づき、おおむね人口三十万人を基準として保健所の所管区域を設定し、九つの府管保健所を設置されていますが、府民が相談しやすいよう、おおむね人口三十万人を基準とした所管区域の設定を、人口要件だけではなく、区域特性などを考慮、配慮して見直し、府管保健所を再配置することもぜひとも御検討いただきたいと思います。 次に、咲洲庁舎地下駐車場での美術作品保管に関する原因究明と今後の対策や管理体制について伺います。 府が所有する美術作品の一部が咲洲庁舎の地下駐車場で保管されているとの報道がありました。 知事は、他会派からの質問で、作者に対してリスペクトが足りなかったとして謝罪の言葉を述べられましたが、なぜこのようなことが起こってしまったのか、原因の究明をはじめとした総括がなされていないと思います。 また、知事は、本事案を報道等で初めて知ったと私は認識しているのですが、基本的な管理体制であるホウレンソウができていないのではないかと思います。 本事案が発生した原因と、部局から知事に報告がなかった原因について、どのように考えておられるのか、また、それらを踏まえ、今後どのように対策をしていくのか、府民文化部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 咲洲庁舎の地下駐車場で保管されておりました美術作品につきましては、咲洲庁舎の活用促進の方針を踏まえ、平成二十九年度に当面の間という前提で、それまで保管していた咲洲庁舎低層階から地下三階に移転して保管することとなったものでございます。 その後、外部施設を含めた適切な保管場所や、作品の展示による活用等につきまして、学芸員の意見も聞きながら継続して検討を行ってまいりましたが、適切な保管場所が確保できず、知事への報告等も行わないまま、不適切な保管状態が継続することとなりました。 これにつきましては、美術作品の管理に対する考え方や作者へのリスペクトが足りなかったこと、また組織としての情報共有を含め十分な意思疎通ができなかったことが原因と考えており、作者等に対して申し訳なく思っております。 これらの点を踏まえ、今後は事業の課題等についての情報共有、報告を徹底いたしますとともに、作品については、美術の専門家による検討チームにおきまして、活用、保全の検討を進めているところであり、その御意見を基にしっかりと対応を進めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) ただいまの府民文化部長の答弁を受けて、改めて知事の御見解をお伺いしたいと思います。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 本件につきましては、不適切な保管状態が続いており、府として作者に対する、美術に対するリスペクトが足りなかったということについて、率直に申し訳ないと思っています。 今回の事案の報道を受けまして、直ちに部局に対しまして早期の移転の指示をいたしました。先日、移転が完了したところです。今後、こうしたことがないように、美術品の適切な管理等については、行政だけではなくて、有識者によるアート作品活用・保全検討チームを立ち上げ、これを設置いたしました。専門家からいただいた御意見を基に、より適切な保全、そして活用を進めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 今回の事案に対し、大阪府のトップとして、きちんと議会の場で総括の内容発表と謝罪を知事はなされました。発言を聞いていても、知事の心の内が私には伝わってきた感じがします。 しかしながら、時系列で見てみると、順番としては、事案が発覚した際に検討チームを云々ということで矛先を変えるのではなくて、まずはトップとしてその場で謝罪すべきであったのではないかということだけは指摘させていただきたいと思います。 いずれにしても、今回の事例を教訓に、同種の事故の防止に努めていただくとともに、美術品等のより適切な保全、活用に努めていただきたいと思います。 次に、万博記念公園のアリーナ計画について伺います。 万博記念公園駅前周辺地区活性化事業について、事業予定者からは、アリーナと併せて、外周道路内側にある千里万博公園スポーツ・レクリエーション地区内の敷地と、外周道路外側の敷地に共同住宅を建築する計画が示されています。 しかしながら、吹田市千里万博公園スポーツ・レクリエーション地区内における建築物の制限等に関する条例では、原則、同地区内に住宅を建築してはならないと規定されています。 事業予定者の計画を受けて、吹田市議会では令和三年六月に「万博記念公園地区内での住宅建設は認めないことを求める決議」が採択されました。 また、地元の自治会からは反対の意向を示しているところもあります。 このように、地元が反対している中、当該地区内の共同住宅の建築を伴う計画に基づく基本協定書を締結した理由について、府民文化部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 今回の基本協定は、本事業を的確かつ円滑に実施することを目的に、今後締結予定の定期借地契約等に関する基本的な項目や、行政協議、地元説明等の具体的な手続につきまして、公募要項に基づいて締結することとなっているものでございます。 そのため、今般締結いたしました協定書におきましては、事業予定者が、本事業の実施に当たって、地元関係者等との協議調整等を行うこと、またその協議調整等に当たりましては、本事業の事業計画や工事内容等を地元自治会等へ適切に説明し、府はそれに協力することを規定しているところでございます。 これまで、府として、共同住宅も含めた提案内容について、地元自治会等に対し情報提供や御意見をお聞きするなど、丁寧な対応に努めてきたところでございますが、今後は、本協定により、事業予定者においても、地元自治会等に対し、事業計画や工事内容など、より詳細な事業説明を行うことができることとなります。 府としては、今後とも本協定に基づき、地域の方々の御理解と御協力を得られますよう、事業予定者とさらに連携し、丁寧に対応してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、用地の貸付契約の時期について伺います。 事業予定者の提案は、アリーナと共同住宅がセットです。アリーナ等用地の貸付契約を結べば、府が千里万博公園スポーツ・レクリエーション地区内の共同住宅の建築を推進しているように映り、吹田市へのプレッシャーになるのではないかと危惧をしています。 吹田市が千里万博公園スポーツ・レクリエーション地区内の共同住宅の建築の可否を示す前に、アリーナ等用地の貸付契約をすべきではないと考えますが、府民文化部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 本事業の実施に必要な用地の貸付契約につきましては、公募要項において、事業実施に必要な協議等の手続を終了後、借地借家法の規定に基づきまして、一般定期借地権設定契約として締結することとなっております。 具体的には、アリーナ等用地の貸付契約につきましては、事業予定者において環境アセスメントや地元市との開発協議、建築物の許可申請等、事業実施のための様々な手続を経て、全体の事業計画を策定し、府の承認を受けた後に、その内容等を踏まえ契約を行うこととなります。 今後、事業予定者の開発協議等の進捗を踏まえ、府として適切に契約手続を進めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、基本協定書の取決め内容について伺います。 土地の貸付料について、基本協定書に、「貸付契約に基づく貸付料は、乙からの減額申請書の提出をもって、一平方メートル当たり年額二千九百三十三円とする」と定められていますが、公募時に示された公募要項上は、一平方メートル当たり年額四千三百九十九円と定めた上で、「大阪府が、府の施策上の必要性、関連性などの観点から十分考慮し、『特に必要がある』と認めたときは、三分の一を減額することができる」こととなっています。 そこで、今回、基本協定書に「減額申請書の提出をもって一平方メートル当たり年額二千九百三十三円とする」と規定したこの経緯について、府民文化部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 本事業における土地の貸付料の減額につきましては、府公有財産規則にのっとり適正に行うこととしております。そのため、事業者の公募に当たりましては、要項に貸付料の減額の基準と手続について明示いたしますとともに、今般、事業予定者と基本協定を締結するに当たりましても、府と事業予定者双方で、その趣旨、内容については合意しているところでございます。 お示しの基本協定につきましては、今後、事業内容が確定し、事業予定者から減額申請書が提出されれば、府の施策上、特に必要なアリーナ等の施設設置・運営事業について、民間事業者が府有地を活用して行う事業であることなどを踏まえ、規則等にのっとり、減額決定の手続を進めていく趣旨を規定したものでございます。 ただ、規定の文言については、こうした経緯や双方の合意内容について、誤解を招くことがないよう、今後より適切な表現について事業予定者と協議検討してまいりたいと思います。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 続いて、共同住宅の建築許可について伺います。 基本協定書が締結されたことで、今後、環境アセスメント、開発許可のための協議などが進んでいくと思われます。 千里万博公園スポーツ・レクリエーション地区内の共同住宅の許可について、吹田市長は市条例の原則どおり許可しないのか、ただし書に合致するとして許可するのか、どのタイミングで吹田市の考えが示されると考えておられますでしょうか。 また、原則どおり市長が許可しないという判断を出され、事業予定者が辞退し、契約締結に至らなかった場合は、大阪府はどのような対応を取るおつもりなのか、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(久谷眞敬) 江島府民文化部長。 ◎府民文化部長(江島芳孝) 共同住宅の建築許可につきましては、まず開発許可の事前協議と併せて地区の機能増進のために必要な内容を吹田市において確認の上、事業予定者により開発許可申請及び建築物の許可申請が行われることとなります。その上で、建築物の許可申請に対し、市条例に基づき、吹田市建築審査会の意見を聞いた上で、市長が判断するとされております。 現時点では、こうした市の判断が出ていない中、その対応について申し上げることは難しいところでございますが、公募要項の中におきましては、事業予定者の辞退等により契約締結に至らなかった場合は、次点提案者を事業予定者としますと規定しているところでございます。 引き続き、大規模アリーナを中核とした大阪、関西を代表する新たなスポーツ、文化の拠点の実現に向けて必要な対応を図り、全力で取り組んでまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) アリーナ建設と併せて計画される万博公園地区内への住宅建設については、吹田市議会、地元自治会から反対の声が上がっており、最終的に条例に基づき吹田市長が判断することになります。 我が会派は、アリーナ建設については賛成してまいりましたが、住宅建設については吹田市の判断を見守るべきと考えています。 府は、アリーナ建設を推進するあまり、公園地区内への住宅建設の判断に圧力を与えるようなことがあってはならないということを指摘しておきます。 次に、IR事業に関する課題について伺います。 IRについては、先週末に実施協定締結の認可が国から出され、今後は事業実施のステージとなるため、事業者との契約内容について確認しておきたいと思っております。 先日公表されました事業用定期借地権設定契約書の骨子案では、土壌汚染対策、液状化対策、地中障害物撤去の土地課題対策においては、IR事業者の負担が増加した場合、当該増加負担のうち妥当と認められる額を大阪市が負担することになっています。 念のために確認しておきますが、IR開業に必要となる土地課題対策費用の債務負担行為の上限額である七百八十八億円を上振れすることはないのでしょうか。 また、土地に関連することとして、国からの認定の際の条件において、沈下量計測のモニタリングの実施が求められており、また今回公表された「立地協定(土地所有者)」の第九条第四項の規定において、「市及びSPCは、大阪・夢洲地区の国際観光拠点開発における地盤沈下管理の取扱いの重要性を認識し、双方協議の上、大阪・夢洲地区における適切な地盤沈下対策の実施等に係る事項を定めることについて、別途書面で確認するものとする」と記載がされているとおり、やはり地盤沈下管理は大変重要であると考えています。 このことについて、今後どのように取り組んでいくのか、IR推進局長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 坂本IR推進局長。 ◎IR推進局長(坂本篤則) IR開業に必要となる土壌汚染対策、液状化対策等の土地課題対策の費用については、事業用定期借地権設定契約書等において、大阪市が支払う負担額は、債務負担行為として予算に定めた限度額の範囲内に限定される旨を規定しております。 したがって、土地課題の対策費用について大阪市が負担する金額は、債務負担行為の限度額七百八十八億円の範囲内であり、負担に当たっては事業者からの請求額をそのまま負担するものではなく、対策の必要性やその内容、方法等に合理性があると認めた場合に、大阪市の設計・積算基準等により妥当と認める金額を負担するものです。 今後、事業者の詳細な施工内容の積算を市基準等に照らし合わせて精査の上、市負担額を現年度予算に計上していくとともに、限度額七百八十八億円の範囲内での執行となるよう適切に取り組んでまいります。 また、地盤沈下については、建物建設時及び開業後の対応ともに事業者が適切に対策を実施するものでありますが、大阪府市及び事業者等の関係者が連携して、夢洲における地盤沈下管理体制を構築し、夢洲内の中長期的な沈下計測の継続・充実、沈下状況の把握・モニタリング等を行い、適切に対応してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 同じく公表された実施協定の骨子案によると、IR事業者は、事業前提条件に基づく解除期限である二〇二六年九月末日までの間、事業条件が成就していないと判断する場合には、実施協定を解除できることになっています。 一方で、事業用定期借地権設定契約書の骨子案の第五条の規定によると、事業前提条件充足日の三営業日後の日にIR用地を引き渡すこととなっています。 つまり、二〇二六年九月末日まで解除権の行使期限があるものの、IR事業の工程どおり二〇二四年夏頃にIR準備工事の発注及び着手とする場合には、それまでに事業前提条件が充足している必要がありますが、スケジュールどおり進むと見込まれているのか確認をいたします。 また、今後、事業者による解除権行使等がなされた場合に、大阪市が負担した土地課題対策費用の取扱いについてもIR推進局長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 坂本IR推進局長。 ◎IR推進局長(坂本篤則) IR事業については、解除権を付しているものの、事業者は、これまでも継続的に相当な資金を投下し、基本的な設計や調査など様々な準備作業を進めてきたところであり、引き続き、事業実現に向けた強い意思を有しており、二千億円近い事業費増加についても、自らの追加投資という判断をされ、今後より詳細な設計等が進められていく状況であります。 IR事業者においては、今後、本年秋頃に液状化対策工事に着手し、その後、事業前提条件の充足状況を判断し、二〇二四年夏頃、準備工事に着手することを想定しており、引き続き公民連携して、二〇三〇年秋頃の開業を目指して着実に取組を進めていくものであります。 また、液状化対策等の土地課題対策工事の一部については、土地引渡しの前から実施することになりますが、費用の支払いは、前提条件充足後の土地引渡し及び建設着工が行われた場合、つまり解除権の失効以降としております。 なお、事業者の帰責事由により、開業までに実施協定等が解除された場合には、事業者はそれまでに大阪市から支払いを受けた土地課題対策費用を市に返還することとしております。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 次に、円安、物価高の影響について伺います。 ポストコロナや円安、物価高等の影響により、業況にプラスとなっている業界もあれば、小売業のニトリさんのようにマイナスとなっている業界もあると思います。 現在の府内企業の景況感についての認識と対策を商工労働部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 大企業を含みます府内の業況を示す大阪府景気観測調査二〇二三年四-六月期の結果におきましては、企業業況判断DIは依然としてマイナスであるものの、三・四半期連続の改善となるなど、景気は緩やかに持ち直していると認識しております。 輸出を行う製造業やインバウンド関連業種などにおいては、円安が好材料となっている様子が見受けられるものの、一方で、下請企業や小売業など中小企業を中心に幅広い業種において、原材料価格の上昇や燃料費高騰の影響を受けるとともに、人材確保も喫緊の課題となっております。 さらに、コロナ関連支援として実施されました実質無利子・無担保融資、いわゆるゼロゼロ融資の返済の本格化や、中国の景気減速の影響にも注目していく必要がございます。 大阪府としましては、国の新たな経済対策なども踏まえ、引き続き景気動向を注視しつつ、資金面、経営面、人材面において、厳しい環境にある府内企業支援に努めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) どうぞよろしくお願いいたします。 次に、大阪市に移管した府営住宅への市外入居募集について伺います。 大阪市に移管した府営住宅について、市外に居住する府民の応募枠の設定を令和六年度に終了するとの説明がございました。 これまで我が会派は、府民が府営住宅の移管によって不利益を被らないよう、議会の場においても丁寧に議論を積み重ねてまいりました。 それにもかかわらず、今回、急に府と市の協議によって、市外に住む府民の応募枠の設定を終了するということになったわけですが、このことについて知事の所見を伺います。
    ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 公営住宅の経営は、地域経営の主体である基礎自治体が担うことが望ましいという考え方に基づいて府営住宅の移管を行っており、入居の応募枠などについても、移管先の市町の制度に基づき運営していただくものと認識をしています。 しかしながら、これまでの経緯を踏まえまして、大阪市においても、移管当初の平成二十七年から経過措置として一定の応募枠を確保してまいりましたが、今年四月の移管完了を踏まえまして、改めて府市で協議いたしました結果、令和六年度で募集が終了するということとなりました。 府としては、引き続き、公営住宅だけでなく、民間賃貸住宅も含めた住宅ストック全体を活用することで、府民の居住の安定確保を図ってまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 今回、急に府市の協議で市外の方の応募枠を廃止しますという説明がなされたことは、議会軽視もさることながら、府民の方が到底納得できるものではないと思っています。 貴重な府の財産を市に無償譲渡した上、移管先以外の府民が応募できなくなっていることは、府民にとって不利益になっていると言えるでしょう。 そもそも、府営住宅の新たな移管は進んでおりませんし、移管したところで、府民にとっては不利益になる、このような状態になっています。つまりは、府営住宅の移管施策は失敗だったのではないかと指摘し、この項目を終わります。 次に、光明池運転免許試験場のコース開放について伺います。 運転免許を新たに取得しようとする府民の方が、安全運転に必要な技能を安全かつ効果的に身につけるために、その練習の場として、現在、門真運転免許試験場においてコースを開放していただいているところです。 免許取消しになった方がもう一度取得したい、また外国の運転免許を日本の運転免許に切り替えたいと希望されている方に対し、広く練習の機会を与えるためにも、大阪府南部地域にある光明池運転免許試験場のコースを開放していただきたいと思うのですが、どのようにお考えでしょうか、警察本部長にお伺いをいたします。 ○議長(久谷眞敬) 向山警察本部長。 ◎警察本部長(向山喜浩) 光明池運転免許試験場のコース開放につきましては、コースの利用がない休日の開放が想定されますが、同試験場は、周辺地域の住民の方々との間で、休日はその静穏、静けさを保つために閉場するということで建設合意に至ったという経緯がございます。 このため、コース開放につきましては、地域住民の方々の御意見を考慮の上、慎重に検討する必要があると考えております。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 次に、副首都ビジョンの推進に関する取組について伺います。 三月に改定された副首都ビジョンでは、首都機能のバックアップに関し、大阪自らの安全・危機管理機能の強化の上に、さらに経済力を背景に、経済面、行政・政治面でのバックアップ機能を強化し、非常時に日本を支えるバックアップ拠点、言わば重都として名実ともに広く国内外の信頼を得るという考え方が、大阪が目指す副首都の姿として掲げられています。 我が会派においても、大阪を第二首都圏とする構想を進めており、東京一極集中の是正に向け、以前から首都機能のバックアップに関し、大阪から関係機関へ働きかけを行うよう求めてきたところであります。 大阪の行政・政治面でのバックアップ機能の向上は、どの地域に首都機能のバックアップを委ねるかという国の考え方に左右されるため、より積極的な取組が必要になると考えますが、副首都推進局長の所見を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 舟橋副首都推進局理事。 ◎副首都推進局理事(舟橋正徳) 首都機能のバックアップに関する行政・政治面での取組といたしましては、国の関連計画での位置づけがなされるよう、毎年度、国家要望や個別省庁への働きかけを進めてきたところでございます。 その結果、本年七月に改定されました国土形成計画と国土強靱化基本計画におきまして、大阪府市の意見が一定考慮され、東京圏、名古屋圏との併記ではございますが、日本中央回廊の形成に伴うバックアップ体制の強化という方向性に、大阪圏という地域名が明記されました。 国の全国計画において、地域を特定してバックアップに関する記載がなされたことは大きく、これを機に、国において具体的なバックアップ体制の検討が進むよう、働きかけを強化してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 首都機能のバックアップを担う副首都の実現に向け一歩前進したとのことで、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 本日はお越しになられておりませんけれども、新局長には改定した副首都ビジョンを具体化していくという大きなミッションがあります。これまで以上に副首都推進局が全庁のマネジメント機能を発揮できるよう頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 次に、インバウンド戦略について伺います。 国は、これまでの外国人観光客を呼び込むという観点から、ビジネスや教育・研究、文化芸術、スポーツなど、さらに視野を広げて、インバウンド需要をより大きく効果的に根づかせる方策として、新時代のインバウンド拡大アクションプランを本年五月に策定いたしました。 このアクションプランでは、観光の観点からは重視されていなかった分野においても、国際的な人的交流を伴う取組を広く掘り起こし、我が国が世界との結びつきを深めながら、さらに世界の人々を引きつけていくことが重要としており、こういった新しい観点や視点、取組でインバウンドを拡大していくことも大変有効だと思っています。 大阪・関西万博まで二年を切った今、大阪府においても、さらなるインバウンドの拡大を図るため、幅広い分野からインバウンド拡大に向けた取組を進めるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 国外から多くの人を呼び込み、様々な分野において国際的な人的交流の拡大を図るに当たっては、インバウンドを観光の観点のみならず、幅広い分野で捉え取り組むということは重要だと認識をしています。 本府では、世界に誇る魅力あふれる都市を目指し、観光関連施設はもちろん、MICEの誘致や国際的な文化芸術、スポーツイベントの開催、大学、企業等と連携した高度外国人材の育成等に取り組んでいるところです。 今後、大阪が世界で存在感を示す都市となるために、万博のインパクトも生かしつつ、より幅広い分野でインバウンドを取り込み、都市魅力のさらなる向上や世界への発信に向けて取り組んでいきます。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) ぜひともよろしくお願いをいたします。 次に、交通死亡事故抑止対策について伺います。 大阪府内で交通死亡事故が多発しており、統計史上初めて交通事故死者数が全国最多となった昨年に引き続き、本年も全国ワーストの状態が続いていると承知しています。 交通死亡事故を抑止していくためには、取締りはもとより、安全教育や広報啓発、さらには道路交通環境の整備をベースとした総合的な安全対策を進めることが大切であると思いますが、中でも交通ルールの根幹となる公安委員会が管理する道路標識や道路標示といった交通安全施設の整備が最も重要であると感じているところです。 老朽化した標識や薄くなった標示を更新することで視認性や安全性も高まり、交通死亡事故抑止につながるのではないかと考えておりますが、大阪府内における交通死亡事故の発生状況と抑止対策について、警察本部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 向山警察本部長。 ◎警察本部長(向山喜浩) 交通死亡事故の発生状況につきましては、昨日現在、死者百十三人で、前年比十人増加し、大変残念ですが、御指摘のように全国ワーストとなってございます。 交通死亡事故抑止対策といたしましては、二輪車や自転車が関係する事故、交差点での事故が多発していることから、信号無視などに対する交差点における指導取締りや、幹線道路を中心とした速度違反の取締りを強化しております。 さらには、自分本位でゆとりのない運転をいらち運転と称し、その撲滅に向けた広報啓発活動を推進しているところでございます。 また、道路交通環境の整備につきましては、交通死亡事故多発路線を重点に置き、道路標識や道路標示の集中的な更新を進めております。 引き続き、交通事故の発生状況を的確に分析しつつ、交通死亡事故抑止に向けた取組を一層強力に推進してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 交通死亡事故の削減に向けては、ソフト面での取組とハード面での取組の両面から取り組んでいく必要があると考えます。 ソフト面での対策は、広報啓発活動のより充実を、ハード面では、交通事故多発路線を重点に、道路標識や道路標示の集中的な更新をさらに図っていただきたいと思います。特に、規制標示、指示標示の更新作業については、大阪府下一円が対象となり、その作業量も膨大になろうかと思います。交通管理者と道路管理者の役割分担の中で、更新作業をする際に、お互いにとってより有用となるやり方があるかもしれません。引き続き、この点については議論をさせていただければと思いますし、何よりも二年連続ワースト記録とならないよう、死亡事故抑止に向けた取組強化をよろしくお願い申し上げます。 次に、府立学校の学食について伺います。 学校の食堂、いわゆる学食というのは、単に食事をする場というだけではなく、その味や雰囲気、従業員の方々との会話がもたらす人格形成など、青春の一ページになる場所だと私は思っています。 しかしながら、生徒数の減少やコロナによる様々な制限、物価の高騰などの要因から、一部食堂事業者が撤退を余儀なくされています。さらには、コンビニエンスストアの活用等により、子どもたちの食事スタイルも変化してきています。 もちろん、今、府立学校で頑張って経営してくださっている食堂事業者の皆様方には、これからも運営を継続してもらいたいと考えておりますが、学食が入っていない府立学校が百四十九校中九校あるとも伺っており、我が会派としては、府立高校における学食の今後の在り方を考える局面を迎えているのではないかと思っています。 全ての子どもたちが安心し、友人たちと楽しみながら食事を行うことができる環境を整えるという原点に立ち返り、学食を必ず学校に備える必要があるのかどうかも含めて、府立高校における学食の今後について考えるべきだと思いますが、教育長の所見を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 府立高校の食堂は、友人同士で共に語らいながら食事を取ることができることにとどまらず、様々な理由で弁当を持参することができない場合などに、安価で温かい食事を取ることができるといった役割があり、多くの生徒にとって必要な場所であると考えております。 一方で、御指摘のとおり、生徒数の減少、生徒の食に対する意識や食事スタイルの変化など、府立高校の食堂事業者を取り巻く状況は厳しさを増しております。 府教育庁としましては、食堂利用促進のため、メニューについて生徒の意見を積極的に取り入れるなどして、食堂の利用が進んだといった好事例もありますことから、まずはこういった情報を各校に提供してまいります。 新たな食堂事業者の誘致がどうしても困難な場合につきましては、コンビニエンスストアの誘致やフードデリバリーサービスの利用等の事例もありますことから、各校の状況に応じた食事の提供の在り方について、学校と共に検討してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) ただいま教育長から御答弁をいただきましたけれども、府立高校の食堂は、多くの生徒にとって必要な場所であるがゆえに、食堂の利用促進をしていきたいという教育長の思いは理解できたと思っています。 その一方で、新たな食堂事業者の誘致が見込めない学校について、事業撤退もやむなしとの答弁であったことについては、教育庁単独の部局の取組としては一定限界があるのではないかと私は受け止めています。 そのため、今後、関係部局と連携をしっかりと図っていただきながら、食堂事業者を支えていけるような仕組みづくり、これについて考えていただきたいと要望しておきます。 次に、スタートアップ育成について伺います。 令和二年七月、京阪神がグローバル拠点都市として選定され、スタートアップの創出や育成について、三都市が連携し取り組んでいるところでございます。現在のグローバル拠点都市の大阪の進捗はいかがでしょうか。 また、昨年十一月、国においてスタートアップ育成五か年計画が策定されました。本計画においては、創業の数、すなわち開業数のみではなく、創業したスタートアップの成長、すなわち規模の拡大にも同時に着目することが重要とされています。 スタートアップの規模拡大を考えるには、市場規模の大きなグローバルマーケットへの挑戦が不可欠であり、海外での競争を勝ち抜くには、高い技術力が望まれます。 高度な技術力を有するディープテックと呼ばれる研究開発型スタートアップの育成、支援に関して、グローバル拠点都市である京阪神、また大阪府としてどう取り組んでいくのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 大阪におけるスタートアップ育成に係るKPIにつきましては、設立数や資金調達はおおむね目標どおり進捗しておりますが、しかしながら、ユニコーン輩出件数は、目標三社に対しゼロ社でございます。 次に、ディープテックの育成に関してですが、京阪神におきまして、大阪大学、京都大学など優れた大学や研究機関が集積し、令和四年度の経済産業省の調査によりますと、大学発の起業、創業は五百八十三社あり、ディープテックを生み出すポテンシャルは高いものであると認識しております。 ディープテックの事業化には、長期の研究と実証実験などに多額の資金を要し、また研究者が起業いたしますことから、経営や人材面のサポートも必要となってまいります。このため、京阪神の自治体、大学などがコンソーシアムを構築して、国の制度を活用して支援に努めているところでございます。 大阪府では、ディープテックの規模拡大に必要となる海外展開の事業計画立案などの伴走支援を行っております。また、資金調達や人材の供給、オープンイノベーションの促進を目的に、在阪企業等とのスタートアップ支援のコミュニティー形成にも取り組んでいるところでございます。 今後とも、京阪神のグローバル拠点都市の実現に向け、事務局を担う大阪産業局と共に、自治体、経済団体等と連携し取り組んでまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 次に、スタートアップ創出促進保証制度について伺います。 スタートアップ創出に向け、国においては様々な政策が導入されました。そのうちの一つが、スタートアップへの挑戦を後押しするスタートアップ創出促進保証制度でございます。 この制度は、法人を設立する創業予定者や、創業から五年未満の法人企業に対して、事業が失敗した場合に個人が返済義務を負う経営者保証を求めないとする創業時の新しい信用保証制度であります。三千五百万円を上限に、運転資金や事業に必要な設備資金の融資に対して、信用保証協会が一〇〇%保証するもので、本年三月より制度が開始されています。 私は、この新しい保証制度をスタートアップの資金調達支援にも資するよう、本取組を一層周知する必要があると考えますが、大阪府の取組について、商工労働部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 国のスタートアップ創出促進保証制度につきましては、本年四月より、既存の開業サポート資金に、一定の要件を満たすことで経営者保証を不要とする無保証人対応として追加し、拡充いたしました。 開業サポート資金は、現状、飲食・サービス業などを中心に昨年度から利用が増加傾向にあり、今年度の実績は八月末現在で百七十二件と、昨年度を超えるペースで御利用いただいております。 本制度は、アーリー期のスタートアップの創出や成長にも資することから、大阪産業局などのスタートアップ支援機関や金融機関などに対し、積極的に事業者へ紹介するよう働きかけるとともに、ビジネスプランコンテスト等のスタートアップ関連のイベントの機会等を通じまして、さらなる周知に努めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 制度的には本当に有用な保証制度であるというふうに思っております。既存の開業サポート資金制度をベースに運用されているとのことで、実績も上々とのことでありました。ぜひとも、制度のさらなる周知、広報に努めていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 その際、一つお願いがあるのですが、制度のネーミングについて、既存の開業サポート資金という名前では、スタートアップ用の資金として使えるというイメージがあまり湧いてきません。ぜひとも御検討をお願いいたします。 次に、運輸事業振興助成交付金について伺います。 我が会派では、かねてから、運輸事業振興助成交付金について、中央出捐金事業を含め、法の趣旨に基づいた予算計上を行い、減額措置をやめるよう求め続けてまいりましたが、大阪府は独自の考え方に基づき、省令の基準額から大幅に減額された額を交付しています。 そこでまず、直近三年間の省令で算定される本来交付すべき基準額と、実際に大阪府がトラック協会に交付している額について、商工労働部長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 省令で算定される基準額は、過去三年間、いずれも十億円余りで推移しておりますが、これに対して、令和三年度と令和四年度の補助金交付実績及び令和五年度の交付決定額は、いずれも同額の五億八千万円余りとなっております。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) パネルを御覧ください。 答弁のあったとおり、省令の基準額と府の交付額には毎年大きな差があります。その理由の一つとして、府が中央出捐金を補助対象と認めていないことにあります。その額は、令和五年度においては、本来交付されるべき省令の基準額から計算すると二億四千六百万円余りに上ります。 全日本トラック協会は、中央出捐金を原資として、交通安全の実現に向けた交通事故分析調査や、運輸事業者へのエコドライブの普及啓発などの運輸事業の振興に資する様々な事業を行っており、大阪府内の運輸事業者や府民もその恩恵を受けているはずなのですが、府が補助対象として中央出捐金を認めないのはいかなる理由によるものなのか、また府が補助対象としているのはどのような事業なのか、商工労働部長にお伺いをいたします。 ○議長(久谷眞敬) 馬場商工労働部長。 ◎商工労働部長(馬場広由己) 運輸事業の振興の助成に関する法律によりますと、交付については都道府県の努力義務であり、知事の裁量に委ねられております。 これを踏まえ、中央出捐金を補助対象としていない理由といたしましては、一点目が、府がその使い道に関与できないこと、二点目は、全国統一的に実施しなければならない全日本トラック協会の事業は国が措置すべきとの考え方によるものでございます。 府が補助を行う事業につきましては、全国一律ではなく、府域の状況を踏まえて大阪府トラック協会が行う府民や運輸事業者にとって意義のある交通安全対策や環境に関する事業を対象としております。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 答弁では、府がその使い道に関与ができない、言い換えればすなわち府民に使い道を説明できないから中央出捐金を補助対象と認めない、減額しているという趣旨の御答弁になろうかというふうに思っています。それならば、省令の基準額と府の補助額との差額、つまり令和五年度で言えば約五億円は一体何に使われているのか、府民に分かりやすい説明を知事にお願いいたします。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 運輸事業振興助成交付金については、これまで、緊急輸送体制の整備や、脳ドック検診への補助などの増額を行うとともに、昨今の燃料価格の高騰に際しては、国の臨時交付金を活用し、燃料高騰対策支援などを行ってきたところです。 なお、この補助金は、軽油引取税の暫定税率の導入に伴い創設されたものであります。この補助制度の基となる軽油引取税は、その使途が特定されない一般財源であり、府の貴重な自主財源として、施策全般を推進するため有効に活用しているところです。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 前段で様々、緊急輸送体制の整備や脳ドックへの検診の補助の増額等と話されましたけれども、この部分は既に振興助成金の交付をされている部分であって、質問いたしました差額の部分、つまり五億円はどのように使っているのかという答えにはなっていないというふうに思っています。答えとしては、一般財源として、府の貴重な自主財源として有効に活用しているというところで、府民に使い道を説明できないことを理由に減額をしておきながら、知事は、貴重な自主財源として有効に活用していると、非常に抽象的な説明をされていました。これは、やっていることが矛盾しているのではないかと考えています。 大阪府内には、大阪のトラックだけではなくて、全国のトラックが大阪に来て給油し、その税金は大阪に入っているわけです。でしたら、その恩恵が他府県のトラックにもメリットとして存在しても、当然あっていいんじゃないかなというふうに思っているところです。それを出捐金として交付する仕組みがあるのにできていない。これは大阪だけだというふうに思っています。こんなことを長く続けているのは大阪府だけであるということを改めて強く指摘し、次の質問にいきます。 次に、阪神高速道路の上限料金の見直しについて伺います。 先日、府から、首都圏の料金見直しによる効果や近畿圏の交通課題、国土幹線道路部会によるヒアリング実施など、今後のスケジュールについて説明を受けました。 その説明によると、近畿圏と首都圏では都市部の渋滞状況など共通の課題があり、首都圏と同様の見直しを行うことによって渋滞緩和などの効果が期待できるとのことでしたが、首都高速道路の上限料金である一千九百五十円は、阪神高速道路の上限料金から五割増となり上げ幅が大きいため、必ずしも首都高速道路に合わせる必要はないと考えています。 これまでの料金見直しの実績から、今後、阪神高速道路も首都高速道路と同じ上限料金になるものと推察されますが、阪神高速道路の上限料金の見直しについて、都市整備部長の見解を伺います。 ○議長(久谷眞敬) 谷口都市整備部長。 ◎都市整備部長(谷口友英) 料金見直しを先行実施した首都高速道路では、都心部の交通が外側の環状道路へ転換し、深夜利用の増加などにより日中の利用が減少するなどの効果が、国の部会で示されたところでございます。 今回の料金見直しは、公平な料金体系へのステップであり、また戦略的な料金施策などを講じることにより、都心部の渋滞緩和などが期待されます。 上限料金は、現時点で示されておりませんが、利用者の負担感と見直しによる効果とのバランスを踏まえ、国において、料金の見直しについての方針が示される予定でございます。 今後、議会との御議論を踏まえ、府としての考えをまとめ、国土幹線道路部会のヒアリングの場で提案してまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 公平な料金体系の必要性は十分理解しておりますが、上限料金を一千三百二十円から一千九百五十円に見直すのは実質の値上げです。ガソリンをはじめ様々な物価の高騰が続いている状況や、物流事業者にとって大きな転換点である二〇二四年問題を抱えているこの時期に、なぜ料金の見直しをするのかが疑問です。 国から近畿圏の料金案が示されていない中、府民の代表である知事としての答弁は難しいと思いますが、阪神高速道路の料金見直しの時期について、知事の率直な見解をお聞かせください。 ○議長(久谷眞敬) 吉村知事。 ◎知事(吉村洋文) 料金の見直しについては、今年度、国土幹線道路部会において、関係団体からのヒアリングを踏まえ、年内を目途に方針が示される予定でありまして、この機に府の考えを国に示す必要があると認識をしています。 今後、議会との御議論や関係団体の声を聞きながら、府としての考えをまとめていきたいと思います。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 阪神高速道路の料金見直しについて、具体的な料金が示されたわけではありませんが、首都高速道路の値上げ額を参考に議論することが本当に適切なのか、料金の値上げが渋滞の解消策として本当に有効なのか、ハード面での渋滞解消策は考えられないのかなど、様々な思いはございます。 そして、阪神高速の料金値上げと直接関係ないかもしれませんが、かつて存在した回数券制度やマイレージ還元サービスが今となっては廃止され、利用者サービスがそもそも低下したという事実を忘れてはいけないと思います。 いずれにいたしましても、府としての考えを利用者目線でまとめていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 最後に、私立幼稚園における幼児教育への関わり方についてお伺いをいたします。 大阪府として、私立幼稚園の教育に対する関わり方について、幼児教育は、子どもの基本的な生活習慣や態度を育て、道徳性の芽生えを培い、学習意欲や態度の基礎となる好奇心や探求心を養い、創造性を育むなど、小学校以降将来にわたり生きる力の基礎を身につけ、豊かな心の基礎となる人間性を形成する上で重要な役割を担っています。 そこでまず、大阪府として、私立幼稚園における幼児教育への関わり方についてどのように考えているのか、教育長に伺います。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 幼児教育は、議員お示しのとおり、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を果たしております。 このような認識の下、第二次大阪府教育振興基本計画において、幼児教育の充実を重点取組の一つとして位置づけ、幼児教育の質の向上を図りますとともに、保護者の働き方の多様化等に対応するため、地域の子育てを支援する機能の強化や、保育サービスの拡大等に取り組んでおります。 今後とも、幼児教育の重要性に鑑み、幼児教育の推進に取り組む私立幼稚園の支援に努めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 大阪府の私立の幼稚園教育に対する考え方については承知をいたしました。そうであるならば、もっと府として幼児教育に力を入れることはできないのでしょうか。 国においても、様々な幼児教育に対する補助メニューが用意されていますが、その中に、都道府県が、教育の質の向上に取り組む学校に助成を行う場合、国が都道府県に対してその助成額の一部を補助するという教育改革推進特別経費補助金制度が用意されています。 この制度は、文部科学省が示した取組メニューについて、どの項目に取り組むかは各自治体で自由に決めることができると伺っています。 幼児期の教育の重要性を鑑み、より質の高い教育環境を実現するためにも、府としてもこの補助金をより一層活用すべきと考えますが、教育長の御見解をお聞かせください。 ○議長(久谷眞敬) 橋本教育長。 ◎教育委員会教育長(橋本正司) 私立幼稚園等におきまして、質の高い教育環境の整備が図られるよう、国の教育改革推進特別経費補助金を活用して、預かり保育への支援や交通安全教育など学校安全の推進に対する補助を行っております。また、増加傾向にあります配慮が必要な障がい園児に対応する教職員や保護者からの子育て相談などに対応するため、臨床心理士を配置する私立幼稚園等に対しても補助を行っております。 この補助金につきましては、国の補助率が二分の一、府の財政負担が二分の一となっております。そのため、限られた財源の中で、国の補助メニューの中から重点を置いて事業を実施しているところでございます。 今後とも、国の補助事業を効果的に活用し、質の高い幼児教育の確保に努めてまいります。 ○議長(久谷眞敬) 中井もとき議員。 ◆(中井もとき議員) 私立幼稚園等が、幼児教育の質の向上に取り組むことは大変重要です。そのため、国や都道府県からの補助金をしっかりと活用していただき、着実に取り組んでいく必要がございます。 しかし、現在、大阪府では、国の補助事業を活用しているものの、まだ活用ができていないメニューがあります。であるならば、残りのメニューを活用できるように、まず府としてこの分野に対する予算配分を見直していただき、あわせて、この補助金をより活用しやすくなるように、国に対して制度改正を強く働きかけていただきたいと思います。 また、子育て支援は、少子高齢化が急速に進む中で重要施策であり、優先順位の高いものであります。しっかりと予算確保に努めていただき、必要な事業を実施していっていただきたい、このことを強く要望しておきます。 最後に、我が会派は少人数会派ではありますが、少人数だからこその利点を生かしながら、また政府・与党とのパイプをしっかりと生かしながら、大阪、関西の安全安心、経済、暮らし、教育や文化などの維持発展に全力で取り組んでまいります。 以上、自由民主党大阪府議会議員団を代表しての代表質問を終了とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(久谷眞敬) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明九月二十九日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」) ○議長(久谷眞敬) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。    -------◇------- ○議長(久谷眞敬) 本日は、これをもって散会いたします。午後二時五十八分散会...