大阪府議会 2017-09-01
10月04日-04号
平成29年 9月 定例会本会議(1) 第四号 十月四日(
水)◯議員出欠状況(出席八十四人 欠席〇人 欠員四) 一番 上田健二君(出席) 二番 永井公大君(〃) 三番 前田洋輔君(〃) 四番
中川あきひと君(〃) 五番 永野耕平君(〃) 六番 山本 大君(〃) 七番 いらはら 勉君(〃) 八番 河崎大樹君(〃) 九番 原田 亮君(〃) 十番 うらべ走馬君(〃) 十一番 原田こうじ君(〃) 十二番 田中一範君(〃) 十三番 冨田忠泰君(〃) 十四番 今西かずき君(〃) 十五番 松本直高君(〃) 十六番 中野 剛君(〃) 十七番 石川たえ君(〃) 十八番 藤村昌隆君(〃) 十九番 中村広美君(〃) 二十番 山下浩昭君(〃) 二十一番 大橋章夫君(〃) 二十二番 冨山勝成君(〃) 二十三番 橋本邦寿君(〃) 二十四番
西川のりふみ君(〃) 二十五番 奥田悦雄君(〃) 二十六番 豊田 稔君(〃) 二十七番 杉本太平君(〃) 二十八番 泰江まさき君(〃) 二十九番 西林克敏君(〃) 三十番 松浪武久君(出席) 三十一番 笹川 理君(〃) 三十二番 横山英幸君(〃) 三十三番 やまのは 創君(〃) 三十四番 杉江友介君(〃) 三十五番 池下 卓君(〃) 三十六番 うるま譲司君(〃) 三十七番 欠員 三十八番 欠員 三十九番 欠員 四十番 金城克典君(〃) 四十一番 橋本和昌君(〃) 四十二番 和田賢治君(〃) 四十三番 富田武彦君(〃) 四十四番 中野稔子君(〃) 四十五番 坂上敏也君(〃) 四十六番 中谷恭典君(〃) 四十七番 欠員 四十八番 久谷眞敬君(〃) 四十九番 鈴木 憲君(〃) 五十番 西田 薫君(〃) 五十一番 みつぎ浩明君(〃) 五十二番 徳永愼市君(〃) 五十三番 釜中優次君(〃) 五十四番 しかた松男君(〃) 五十五番 肥後洋一朗君(〃) 五十六番 内海久子君(〃) 五十七番 加治木一彦君(〃) 五十八番 八重樫善幸君(〃) 五十九番 川岡栄一君(〃) 六十番 大山明彦君(〃) 六十一番 垣見大志朗君(〃) 六十二番 徳村さとる君(出席) 六十三番 中村哲之助君(〃) 六十四番 宮原 威君(〃) 六十五番 林 啓二君(〃) 六十六番 三浦寿子君(〃) 六十七番 三宅史明君(〃) 六十八番 西 惠司君(〃) 六十九番 吉村善美君(〃) 七十番 西野しげる君(〃) 七十一番 森 和臣君(〃) 七十二番 上島一彦君(〃) 七十三番 中司 宏君(〃) 七十四番 松本利明君(〃) 七十五番 西野修平君(〃) 七十六番 土井達也君(〃) 七十七番 中川隆弘君(〃) 七十八番 三田勝久君(〃) 七十九番 大橋一功君(〃) 八十番 岩木 均君(〃) 八十一番 今井 豊君(〃) 八十二番 岡沢健二君(〃) 八十三番 横倉廉幸君(〃) 八十四番 奴井和幸君(〃) 八十五番 花谷充愉君(〃) 八十六番 朝倉秀実君(〃) 八十七番 岩見星光君(〃) 八十八番 吉田利幸君(
〃) ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局 局長 上田達也 次長 西野栄次 議事課長 中岡敬二 総括補佐 中島茂雄 課長補佐(委員会) 中村靖信 主査(
議事記録総括) 松井博之 主査(
議事記録総括) 山本英次 主査(
委員会総括) 神志那 隆 主査 太上利宏
~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第四号 平成二十九年十月四日(水曜)午後一時開議 第一 議案第一号から第三十八号まで及び第四十号並びに報告第一号から第二十三号まで並びに第一号諮問(「平成二十九年度大阪府
一般会計補正予算(第一号)の件」ほか六十二件) (質疑・
質問) ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件 ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議
○議長(大橋一功君) これより本日の会議を開きます。 -------◇-------
○議長(大橋一功君) 日程第一、議案第一号から第三十八号まで及び第四十号並びに報告第一号から第二十三号まで並びに第一号諮問、平成二十九年度大阪府
一般会計補正予算(第一号)の件外六十二件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により大橋章夫君を指名いたします。大橋章夫君。
◆(大橋章夫君)
公明党大阪府議会議員団の大橋章夫でございます。我が会派を代表して、順次質問、提案をさせていただきます。松井知事、理事者の皆様には、どうぞよろしくお願いいたします。 モニターをごらんください。 読まれた方もいらっしゃると思いますが、この年表は、未来の年表という本に書いてあります
人口減少カレンダーから一部抜粋したものです。 二〇二四年には、団塊世代が全て七十五歳以上となり、
社会保障費が大きく膨らみ始める。二〇三五年には、男性の三人に一人、女性は五人に一人が生涯未婚という未婚大国になる。二〇四〇年には、全国の自治体の半数近くが消滅の危機にさらされる。 この未来の年表は、かねてより我が会派が持っている強い問題意識と重なるところから、参考までに紹介をさせていただきました。 万博も大事であります。また、IRについても議論が今進められておりますけども、少子化、高齢化、人口減少により都市を直撃する深刻な
課題一つ一つを確実に解決していくような具体的な政策体系が求められていると思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 初めに、万博の誘致についてお伺いします。 万博誘致をかち取るためには、国内全体の機運を醸成していく必要があります。しかし、盛り上がりは、まだまだ足りないと感じております。大阪市は、市長が署名を集めると言われていますが、他の市町村の動きが余り見えず、府民全体にまで機運醸成が図られているとは思えない状況ではないでしょうか。 まずは、大阪全体が盛り上がり、それを全国へ波及させる取り組みを戦略的に進めていく必要があると考えます。例えば、我が会派が提案いたしました私の考える
万博絵画展の応募作品は、
子どもたちが自由な発想で描いた未来社会のデザインであり、ぜひとも今後の機運醸成のために生かしていただきたいと考えます。 こうしたさまざまなツールを活用し、国民全体にしっかりと目に見えるアピールや情報発信を行うことが必要と考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、
政策企画部長にお伺いをいたします。
○議長(大橋一功君)
政策企画部長山口信彦君。
◎
政策企画部長(山口信彦君) 万博実現に向けました国内の機運醸成についてでございますが、これまでの取り組みにより、
誘致委員会の会員数も八万を超えるなど、徐々に広がりを見せているところでございます。こうした賛同の輪を大阪、関西から全国へと波及させるには、さらなる機運醸成が必要と認識をいたしております。 機運情勢の今後の戦略につきましては、先般、
誘致委員会から、自治体、企業などの各主体が創意工夫を凝らし、自発的な取り組みを進めていくという方針が示されたところでございます。
ホストシティーである大阪府といたしましては、
誘致委員会の中核的な役割を果たし、地元の熱意や開催意義を発信していくことといたしております。 今後は、
誘致委員会と連携いたしまして、例えば関西のみならず、北海道、九州などからも二千点を超える作品の応募がございました
万博絵画展の
子どもたちの作品を多くの方々が訪れる空港や鉄道駅、
ショッピングセンターで展示するなど、工夫を凝らした取り組みを行うことにより、地元大阪、関西の機運の盛り上がりを目に見える形で発信いたしまして、全国へと広げてまいりたいと考えております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ただいまありましたように、
万博絵画展にも、関西のみならず、北海道、九州からも応募があったということでございますので、しっかり活用していただきたいと思います。 先日、我が会派の
万博誘致プロジェクトチームが、
万博誘致委員会の東京本部を初め外務省、経済産業省などに視察に行ってまいりました。 モニターをごらんください。 特にJICAの地球ひろばでは、SDGs--持続可能な開発目標の理念や行動が大変わかりやすく展示されており、感銘を受ける内容でありました。 国が目指す万博開催の理念は、まさに国連が掲げるSDGsの理念とも一致しています。万博誘致を通じ、SDGsの理念をわかりやすく伝えていくことで、
万博そのものに対する理解も広がると考えます。
JICA地球ひろばでの展示をここ
万博開催誘致を目指す大阪で開催すべきと考えますが、
政策企画部長にお伺いをいたします。
○議長(大橋一功君)
政策企画部長山口信彦君。
◎
政策企画部長(山口信彦君) 我々が目指す万博のテーマ「いのち輝く未来社会」は、まさにSDGsが達成された社会であり、両者の理念は一致するものと考えております。SDGsは、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和社会に関することなど非常に多岐にわたる内容を含んでおります。その理念をわかりやすく伝えることが重要だと考えております。 JICAなどの関係機関のみならず、吉本興業などの民間企業や経済団体におきましても、SDGsの理念を広めるための積極的な取り組みがなされているところでございます。 大阪府といたしましても、パネルや展示品などを通じて、SDGsの理念をわかりやすく伝えることにより、万博に対する理解が深まりますよう、JICAなどと協議を進めてまいりたいと考えております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 来年秋の投票に向け、日本の近隣諸国などの票を確実に獲得することを念頭に置いた
プロモーション活動をしっかりと進めていく必要があります。海外とのコネクションについては、国が外交戦略として全面に立ち、進めていくものであることは理解いたしますが、開催都市である大阪としても、独自に誘致戦略に取り組む必要があると思います。とりわけ、大阪には、幅広い分野の多くの中小企業が集積しており、
世界トップシェアを持つ企業を初め、海外展開している企業も数多く存在します。 こうした大阪の強みを生かし、地元企業と連携するなど、海外への誘致活動を戦略的に進めていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。 また、この考え方を全国レベルに置きかえ、海外展開している国内企業との連携も検討していくべきと考えますが、あわせて
政策企画部長の所見をお伺いします。
○議長(大橋一功君)
政策企画部長山口信彦君。
◎
政策企画部長(山口信彦君)
海外誘致活動を効果的に行うためには、国による外交交渉に加えまして、民間企業の経済交流、自治体の友好関係など、あらゆるルートを活用して
ロビー活動を実施する必要があると認識をいたしております。 国内企業の中には、経済活動や
国際貢献活動などを通じまして、
BIE加盟国と結びつきを有する企業もございます。八月の
アフリカ開発会議、いわゆる
TICAD閣僚会合ですが、ここではアフリカとつながりが深い大阪の企業の方が参加をし、官民一体で非常に有意義な
誘致プロモーションが行われました。 今後も、国や
誘致委員会と連携し、民間企業の強みなども生かしながら、効果的な
プロモーション活動に取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 万博誘致は、ぜひとも成功させなければなりません。しかし、それだけが目的ではありません。誘致の過程において、経済界と自治体、住民が一体となって、世界の「いのち輝く未来社会」の姿を考え、知恵を絞り、万博誘致という一つの目標のもと、大阪、関西の取り組みを国内外に発信していくことが重要だと考えます。これにより、大阪の
情報発信力が高まり、大阪の成長へもつながるものと考えます。 知事には、ぜひともこのような思いで誘致活動に取り組んでいただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
知事松井一郎君。
◎知事(松井一郎君)
公明党大阪府議会議員団を代表されましての大橋議員の御質問にお答えをいたします。 万博は、誘致することのみが目的ではないというのは、私も同じ考えであります。万博開催にふさわしい都市として、「いのち輝く未来社会」を地元大阪、関西から世界に発信をし、課題解決に貢献していくことが重要であります。 大阪、関西には、
ライフサイエンス関連企業や研究機関、高い技術を持ったもの
づくり企業の集積があり、世界の課題解決に向けたポテンシャルが十分にあると認識をいたしております。 府においては、万博誘致を機に「大阪からいのち輝く未来世界をめざすビジョン」を策定し、自治体や経済界と一体となって万博の理念を実現し、世界に貢献できる大阪、関西づくりを目指してまいります。 この
オール大阪での取り組む熱意、やる気と、それを実現できるパワーを世界に伝えることで、誘致をかち取っていきたいと考えております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 万博誘致は、大阪が未来に向けて大きく変わる絶好のチャンスであります。来年十一月のBIE総会まで残された時間が限られている中、財源も人員も集めて対応すべきです。今議会で
補正予算案が提出されていますが、
万博誘致実現に向けて人員体制も強化していただき、府の総力を挙げて誘致活動に取り組んでいただくよう、強くお願いしておきます。 次に、咲洲庁舎の活用策についてお伺いします。 咲洲庁舎については、府が購入して以来、ずっとあいていた七階から十七階に
ホテル事業者の入居が決定したことで、稼働率が六四%から八四%に上がり、
常々空きスペースの民間活用を主張していた我が会派も、大変喜ばしいことだと思っております。 しかし、咲洲庁舎のさらなる活性化のためには、今後、十八階以上に残っている
空きスペースについても積極的に民間活用を進めていくべきと考えますが、現在の
空きスペースの状況と、今後どのように活用を進められるつもりか、総務部長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
総務部長岩田教之君。
◎総務部長(岩田教之君) 咲洲庁舎の十八階以上の利用可能な床面積四万九千六百七十平方メートルございますが、そのうち現在
空きスペースは約一万一千百八十平方メートルでございます。府の部局と
民間テナントが混在する中に残っているため、まとまった面積の
空きスペースが少ない状況にあります。 このため、今後の
入居者募集に当たりましては、高層階にある府の部局が使用する会議室や書庫などを部局の執務室が多くある中層階に移転集約をさせることで、高層階にまとまった
空きスペースを確保したいと考えています。 今後は、
ホテル事業者が開業に向けて行う工事や、来年度から府が実施予定の
ダンパー工事などと調整を図りながら、会議室などの
移転集約作業を進めまして、できるだけ早い時期に
入居者募集が実施できますよう取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) モニターをごらんください。 今後、集約化によって、低層階はホテル、中層階は府の部局、高層階は
民間スペースというゾーニングになるということですが、高層階のまとまった
民間活用ゾーンは、このビルのみならず
咲洲エリア全体の活性化につながる重要な役割を担うものであることから、大阪府は、明確な誘致戦略を持って取り組むべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
知事松井一郎君。
◎知事(松井一郎君) 今回のホテルの入居によりまして、咲洲庁舎の人の流れは確実にふえることになります。民間活用の可能性の幅がさらに広がったと考えています。 今後、近接する夢洲への万博及びIRの
誘致推進等に取り組み、
にぎわい創出を図る中で、咲洲庁舎に残る
空きスペースの
テナント誘致にも戦略的に取り組み、
咲洲エリア全体の活性化につなげてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 咲洲庁舎については、先ほど御答弁いただいた方向で積極的な取り組みを進めていただき、さらなる民間活用の促進をお願いしておきます。 加えて、我が会派は、府庁舎の大手前への統合についても主張してまいりました。 モニターをごらんください。 今まさに、大手前においては、西館撤去後の跡地を含め、本館西側に約一・二ヘクタールにも及ぶ府有地の確保が現実のものとなったと聞いております。二〇二五
日本万国博覧会を初めとする夢洲の開発や、今後府において取り組まれる咲洲庁舎の民間活用の促進等により、咲洲庁舎への
民間ニーズが高まれば、知事が常々発言されている
ベイエリア活性化の司令塔として活用するという咲洲庁舎の役割を民間に任せることもできるようになるのではないでしょうか。 咲洲庁舎の活用とあわせて、府庁舎の統合の検討につきましてもしっかりと進めていただきますようお願いをしておきます。 次に、大阪府
教育振興基本計画に関連してお伺いいたします。 教育庁では、現在、大阪府
教育振興基本計画の
後期事業計画を策定中とお聞きしています。学力向上においては、前期五年間でさまざま取り組んでこられ、一定の成果が出ているものの、依然として課題が残っている状況です。 この間、問題行動の減少に向けては、学校に支援人材を配置することで効果を上げておられます。また、小学校のときに手厚く支援を受けた
子どもたちは、中学校において学力も伸びている状況があると思われます。大阪の
子どもたちを取り巻く環境は厳しいですが、小学校への支援、例えば大学生の
ボランティア等の外部人材の配置を充実させることも有効ではないかと考えます。 現状をどのように捉え、今後どのような方向性を考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) この間、課題の大きい中学校に対しまして、大阪府教育庁から直接指導主事等を派遣し、授業改善に向けた指導助言を行い、重点的に支援をしてまいりました。 それにより、
PDCAサイクルに基づく学力向上の取り組みが定着をし、今年度の全国学力・
学習状況調査では、
平均正答率の全国平均には若干届かないものの、これまでの経年で見ると改善傾向にございます。 一方、小学校におきましては、ここ数年、
平均正答率が全国平均よりやや低い状況が続いておりました。特に今年度におきましては、国語に課題があることが顕著となりました。また、この調査結果からは、
小中学校ともに家庭での学習状況や学習意欲にも課題が見られました。 今後は、引き続き
教育振興基本計画に掲げております小中学校の
教育力充実に向けまして、課題の大きい国語に対する施策の検討や、加えて学習意欲の向上を図るための外部人材を初めとする支援人材の配置など、これまで以上に市町村と連携を深め、一層の改善を図ってまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、公私連携について伺います。 教育行政の一元化として、教育庁が発足して一年半が経過し、この間教育庁においては、
公私連携プロジェクトチームを立ち上げ、
公私連携事業に取り組んでおられます。
教育振興基本計画に掲げる公私の切磋琢磨により高校の教育力を向上させるという基本方針を達成していくためには、
後期事業計画期間の平成三十年度以降の五年間で、より一層の公私連携の取り組みが必要であると考えます。 そこで、事業計画を策定するに当たり、
教育行政一元化後の公私連携の取り組みによる現時点での成果と、今後五年間の公私連携の方向性をどのように考えておられるのか、教育長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) 公私連携を一層充実強化するため、昨年五月、教育庁内に
公私連携プロジェクトチームを設置し、
連携メニューの拡充に順次取り組んでまいりました。
連携メニュー総数につきましては、教育庁発足前の平成二十七年度の三十五から平成二十九年度は八十六へと拡充をいたしました。そのうち、
府教育センターで実施をしております教員研修につきましては、
私立学校教員にも開放する講座を平成二十七年度の二十九から平成二十九年度は六十八へと拡充をいたしました。 また、私立側のノウハウを公立で活用する事業といたしましては、専門学校の授業を府立学校の生徒へ無料で開放する講座数を平成二十七年度の五十から平成二十九年度は八十五へと拡充をいたしております。 これらの公私連携の拡充強化につきましては、学校現場からは、私立では他校の情報を知る機会が少ないので、公立の教授法等を学べることはとても有意義で刺激になる、情報交換を通じて互いの
取り組み事例を知ることができてよかったといった声を聞いておりまして、大阪の教育力のさらなる向上に一定の成果があらわれていると実感をいたしております。 今後、
後期事業計画の策定に当たりましては、これらの実績を踏まえた上で、障がいのある
子どもたちへの支援や
教育相談体制の充実、教員研修や公私の教員の相互交流を通じた授業改善など、
公私連携施策を質、量ともに一層充実してまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、
私学授業料無償化制度についてお伺いをいたします。 全国で先んじて平成二十三年度から実施している府の
授業料無償化制度は、家庭の
経済的状況にかかわらず自由に学校選択ができる大変有意義な制度であります。また、今年度からは、東京都でも実施されたと聞いております。 そこで、改めて、最新の数値を盛り込んだ上で、
私学授業料無償化制度の効果について教育長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君)
授業料無償化制度の効果といたしまして、
公立中学校卒業者のうち私立高校に進学する生徒の割合が、
無償化制度導入前の平成二十二年度は二七・四%であったのに対しまして、平成二十九年度は三四・二%と大幅に増加をいたしました。 また、私立高校の中退率につきましても、平成二十二年度は二・一%と全国平均を上回る状況でございましたが、平成二十七年度には全国平均を下回る一・一%となりまして、制度導入前に比べ半減をいたしております。 さらに、平成二十五年度から毎年度実施をいたしております
私立高校生保護者を対象といたしました
アンケート調査におきまして、年収五百九十万円未満世帯の約九〇%の保護者が、
無償化制度があったから私立高校を選択したと回答いたしております。 このように、本制度が、家庭の経済状況にかかわらず自由に学校選択できる機会を保障するとともに、大阪の教育力の向上につながっているものと考えております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ありがとうございました。 我が会派は、常々、
私学授業料無償化制度の必要性を訴えてまいりました。今御答弁でもありましたように、公私の流動化の状況や中退率などさまざまな指標においてしっかりと効果があらわれていることから、引き続き
無償化制度を維持拡充していくことが必要であると強く考えております。 教育長の御見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君)
授業料無償化制度につきましては、中学校卒業時の進路選択段階で、家庭の経済状況にかかわらず、みずからの希望や能力に応じて自由に学校選択できる機会を保障するとともに、学校間の切磋琢磨を促し、大阪の教育力の向上につなげるために実施をしてまいりました。 平成三十一年度以降の
無償化制度のあり方につきましては、自由な学校選択の機会の保障と大阪の教育力の向上に資するという制度の根幹を維持しつつ、平成二十八年度の制度改正の影響や
公立中学校卒業者数の大幅減など、私立学校を取り巻く状況を踏まえまして、より効果的な制度となるよう検討を進め、平成二十九年度中にお示しをしてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) よろしくお願いいたします。 次に、今後の支援教育のあり方についてお伺いいたします。 モニターをごらんください。 先日、北河内地区にある枚方支援学校を公明党議員団で視察させていただきました。平成二十七年四月に開校してわずか三年で、小学部、中学部、高等部合わせて既に三百七十人を超える児童生徒が通っておりました。 創立五十周年を迎える中河内地区にある八尾支援学校も訪問させていただきました。ここも、小学部、中学部、高等部で三百七十人を超える児童生徒が通っており、まさに支援学校は、どこも過密状態となっております。 府教育庁では、本年三月、大阪市域を含む府立支援学校における知的障がいのある児童生徒数の今後十年にわたる将来推計を発表されました。この推計では、子どもの数が大きく減少している今日にあっても、知的障がいのある児童生徒は、今後十年間で千四百人増加するとのことです。 府教育庁では、今後千四百人の増加が見込まれる児童生徒の教育環境の整備を検討されているとのことですが、この対応策として、従前のような手法をとるとなりますと、三百人規模の支援学校をさらに四校以上も新設するということになります。これは、財政的に大きな支出を伴うとともに、時間も相当要するものと考えられます。 例えば、本年四月、北海道は網走の地に日本体育大学附属の高等支援学校が開校しました。私立の支援学校が新たに開校するというのも画期的な話でありますが、この支援学校は、日本体育大学の学長の弁をかりますと、スポーツ、農業、芸術活動を教育の三本柱に据えて、自主自立できる生徒の育成を目指すとのことで、こうしたスポーツ教育、労作教育、情操教育を日常的に積み重ねていけば、生徒とともに生徒自身が納得できる将来を切り開くことができるとのことでした。 また以前、我が会派で、平野区にある芸術とデザインに特化した知的障がい者の通所授産施設を視察した際に、施設長から、知的障がい者の方が芸術やデザインなどの能力を十分に発揮できるよう、芸術に特化した学校をつくってほしいという御意見をお聞きしたこともあります。 障がいのある
子どもたちも、スポーツや芸術などを通じて自立し、社会参加していくための、いわゆる複線型の社会参加と言われる手段も必要ではないかと思います。 そこで、新たな支援学校の建設も一定は必要とは思いますが、府立高校には、スポーツや芸術、農業や工業などさまざまな専門性を有する学校があります。これらの府立高校の一部を支援学校の分教室として活用し、知的障がいのある生徒たちにも、これらの高校の特色ある教育を受けることにより、自立や社会参加への沃野がさらに広がっていくのではないでしょうか。こうした特色ある教育を行う支援学校の分教室の設置により、新たな支援教育の姿も描けるのではないかと思います。 教育長としての御見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) 大阪府教育庁におきましては、本年三月に発表いたしました府立支援学校における知的障がい児童生徒の将来推計の結果を踏まえまして、今後の教育環境の充実方策について検討を行っているところでございます。 この検討に際しまして、新校設置というハードによる対応策だけではなく、知的障がいの児童生徒や保護者の今日的な教育ニーズを十分踏まえた支援学校の教育内容の充実や発展につなげることを目指し、その方策を取りまとめてまいります。 御提案にもありましたスポーツや芸術、農業や工業などのものづくりにおいて専門性を有する高等学校に支援学校の分教室を置くことは、既存の府立高等学校を活用するといった点からはコストの縮減が図られ、またこれらの高等学校の特色ある教育を支援学校に取り入れることで、これまでの職業教育に加え、それぞれの個性や能力を発揮し、卒業後も活躍できる生涯にわたる学習の充実にもつながるものでございます。 また、同じ世代の生徒同士が交流及び共同学習をしながら、自立をし、社会参加していくことは、支援学校の生徒だけではなく、高等学校の生徒にとりましても貴重な経験になるものでございます。 今後は、教育環境の充実方策の一つとして、どのような教育課程を編成できるかといった観点から検討を深めてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 二〇二〇年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、障がい者スポーツに注目が集まっております。また、障がい者アートについても、世界的な市場があり、そこで経済的にも自立している障がい者の方もたくさんおられると聞いております。障がいのある
子どもたちが、さまざまな形で社会参加し、生きがいを感じることのできるように検討をお願いいたします。 次に、大阪府立大学と大阪市立大学の統合の件について伺います。 大阪府立大学と大阪市立大学の統合については、本年八月の副首都推進本部会議において、新大学設計四者タスクフォースの検討結果の報告とともに、両大学法人の統合に関する計画が報告され、府市の方針が確認されたということで、今議会において法人統合の関連議案が提出されています。 この法人統合に関しては、両大学の経営の一元化とガバナンスの強化を図り、大学の改革と資源の効果的な活用を進めるとともに、新理事長のもとで新大学の実現を目指すことが目的であるとの説明がありました。 我が会派は、これまでも両大学を統合することにより全国一の規模を有する公立大学となることで、大阪の成長発展に貢献できる強い大学となり、国内外から学生や研究者、企業などを引きつけることができる魅力あふれる新しい大学となることを目指して、着実に検討を進めるよう求めてきたところであります。 今後、新大学の学部・学域などの教育研究組織について議論していくためには、大学の基本的な役割である教育面でどのような人材を育成していくのかも含めた具体的なビジョンが必要だと考えます。 そこで、法人統合を実施した先にどのようなビジョンを持って新大学を実現しようと考えておられるのか、府民文化部長の所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 府民文化部長岡本圭司君。
◎府民文化部長(岡本圭司君) 両大学が取りまとめました新公立大学大阪モデル基本構想におきましては、大学間競争が激しくなる中、国内外の優秀な学生や研究者から選ばれる大学となり、グローバルに展開できる高度研究型大学を目指すとされています。これを踏まえ、新大学のビジョンでは、大学が有する人材や資源を最大限に活用して、基本機能である教育、研究、地域貢献の一層の向上を図ることとしております。 あわせて、今般、都市問題の解決を図る都市シンクタンク機能と産業競争力の強化を図る技術インキュベーション機能という二つの新たな機能を充実強化していくこととし、スマートシティー、バイオエンジニアリングなど四つの戦略領域をお示ししています。 また、統合により教育面では、教員数約千四百人のスケールメリットを生かすことができます。具体的には、外国語を初めとする基幹教育の充実や提供学位プログラムの拡充などにより、柔軟な構想力と行動力を備えたグローバル人材の育成が期待できます。 さらに、リーディング大学院プログラムなどの研究活動を強化することで、産業界を牽引し、グローバルに活躍できる若手研究者や起業家が輩出されることも期待できます。 今後、大阪の発展を牽引する公立大学として、すぐれた人材が育成され、研究者や企業も呼び込める魅力ある新大学の実現を目指して、両大学及び大阪市とともにしっかりと取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) よろしくお願いいたします。 次に、がん対策についてお伺いします。 国の第三期がん対策推進基本計画の策定議論では、全体目標の一つとしてがんの予防が盛り込まれ、避けられるがんを避けることで、がんの罹患者を減らすことを目指そうとしています。 もちろん、大阪府で策定中のがん対策推進計画の素案においても、がんの予防として、生活習慣の改善による一次予防、がん検診を通じた早期発見、すなわち二次予防を推進することとしています。また、先日には、近畿大学と健康づくりに係る事業連携協定を締結し、若い世代の子宮頸がん検診の受診を促進するため、検診受診体験やセミナーといったイベントをキャンパス内で行うなど、大学生からのがんの予防にも取り組む予定と聞いています。 まず、がんを防ぐには、喫煙や飲酒など生活習慣を改善することが必要ですが、そのためには、子どものころからがんという病気をしっかりと理解することが前提となります。 その意味で、我が会派は、以前から、がんの予防につながるがん教育の推進を訴えてきており、実際に大阪府では、中学生、高校生を対象としたがん教育を先駆的に進めています。 さきの二月議会の一般質問において、我が会派の三宅議員は、東大病院の中川准教授の言葉を引用して、がん教育の重要性と、外部講師として専門的な知識を持った医師やがん経験者等を積極的に活用するよう改めて訴えたところであります。 そこで、二月議会で教育庁からは、学校におけるがん教育の推進のため、二十九年度においては、教員を対象とする研修会を新たに実施するとの答弁でしたが、現在の状況についてお伺いいたします。 また、本年告示された中学校の新学習指導要領において、新たにがんについて取り扱うことが明記されました。東京都では、外部講師を活用して、がん教育を円滑に進めるよう、がん教育推進協議会を設置したと聞きました。 私は、大阪のこれまでの取り組みからも、がん専門医やがん経験者といった外部講師から生徒が話を聞くことは、学校でがん教育を展開するために非常に有効だと考えております。 そこで、大阪府では、今後の学校におけるがん教育にどのように取り組むつもりなのでしょうか、あわせて教育長の見解をお伺いします。 また、がん検診を通じた早期発見については、検診受診率の向上が重要となります。大阪府におきましては、平成二十四年度に精度管理センターを立ち上げ、市町村の受診勧奨の技術的支援を行っており、また市町村においても、一日で全てのがん検診を受診できるようにするなど、市民が検診を受けやすい環境整備を進めています。 モニターをごらんください。ちょっと見にくいですけど。 こうした取り組みにより、大阪府のがん検診受診率は年々上昇し、昨年度には全国最下位を脱したものの、依然として全国より低い状況にあります。 大阪府では、精度管理センター事業を通じて、がんの早期発見につながる質の高いがん検診を行っているだけに、がん検診の受診率向上による効果が期待できると考えますが、がん検診の受診率向上に向けてどういった取り組みを強化されるのか、健康医療部長の見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) がん教育を進めるため、大阪府教育庁におきましては、平成二十八年度までの三年間、国の事業を受託し、がんについて学ぶ授業に取り組みましたモデル校における成果を生かしまして、本年七月に、府立学校と私立学校の教員を対象とする研修会を開催いたしました。 この研修会では、健康医療部と連携をし、がん専門医による講演や、モデル校においてがん教育に取り組んだ教員による実践発表を行い、百七十九校から百八十三名の教員が参加をいたしました。また、本年十一月には、公立、私立の中学校の教員を対象にした研修会を実施する予定でございます。 議員お示しのように、がん専門医やがん経験者が生徒に直接語りかけることは、単に知識の習得にとどまらず、命のとうとさや他者への思いやりにつきましても、より深く考える機会を与えるものでございます。 今後とも、外部講師の活用につきまして、健康医療部と十分連携をしながら、学校におけるがん教育を推進してまいります。
○議長(大橋一功君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) がん検診の受診率向上に向けましては、市町村において、無料クーポンやリーフレットを活用して受診勧奨や再勧奨を行ってきたほか、府としても、精度管理センター事業を通じて市町村への技術的支援などを行ってきたところです。 この結果、お示しのように受診率は年々向上しているものの、依然として全国平均には届いておらず、さらなる取り組みが必要であり、特にがんの罹患リスクの高まる働く世代を対象に、職場における受診啓発が重要と考えています。 現在、包括協定を締結した保険会社の社員の皆さんをがん検診受診推進員に認定し、個別の普及啓発を行っています。 新たに、企業の労務担当者を対象に、労働関係機関や医療保険者などと連携して、がん検診の必要性を啓発するセミナーを実施するなど、市町村への支援とあわせ、職域におけるがん検診の浸透に力を注いでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ただいま答弁のありましたがんの予防につながるがん教育は、子どものころからがんに関する正しい知識を取得し、がんにかからないよう生活習慣を整えてもらうことで、がんを未然に予防する最も有効な取り組みの一つです。また、がん検診は、がんに関する正しい知識の普及啓発を図ることが受診率向上につながります。 モニターをごらんください。 これまで大阪府がん対策基金を活用して、がんの予防につながるがん教育やがんの早期発見、早期治療につながるがん検診の受診率の向上に向けた啓発活動などに取り組んでこられましたが、がん対策基金の一層の充実、活用が必要と考えます。ところが、現在の大阪府がん対策基金条例では、設置期限は平成三十年五月までとなっています。 今後、がん対策基金については、がん対策に資する事業に活用していくためにも、継続設置することが不可欠であると考えますが、健康医療部長の見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) これまで大阪府がん対策基金につきましては、府民の皆さんからの善意をもとに、患者団体などの活動に対する支援や、がん専門医などによるがん教育の実施など、さまざまな主体との連携による先駆的ながん対策に活用してきました。 今後も、こうした社会全体での取り組みを充実させる必要があることから、平成三十年度以降も、がん対策基金の継続を検討してまいりたいと思います。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) モニターをごらんください。 大手前地区において、民間事業者が整備を進めてきた重粒子線がん治療施設については、平成三十年三月に開設され、同年十月から患者に対する照射治療が開始されると聞いております。 重粒子線がん治療は、従来の放射線治療に比べ、重粒子線をがんの病巣にピンポイントで照射し、治療するもので、がん患者の体への負担が少ない最先端の治療法として、その期待も非常に高いものであります。 また、その一方、治療に係る技術料が三百五十万円と高額であり、公的医療保険の適用も一部に限られていることから、患者自身が多額の費用を負担することとなり、治療を受けたくても受けることができない患者もおられるのではないかと考えられます。 そのため、我が会派としては、かねてから患者負担を軽減させる大阪府独自の支援制度を創設していただくよう要望を行ってきたところであります。 重粒子線治療施設の開設にあわせ、多くのがん患者が施設を利用しやすくなるよう、具体的な支援制度を創設すべきであると考えますが、健康医療部長にお伺いをいたします。
○議長(大橋一功君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 粒子線治療を受診する患者への支援制度につきましては、他府県では治療費の減免や金融機関からの借り入れに対する利子補給など、さまざまな取り組み例があります。 府における重粒子線がん治療に関する患者支援策については、これら他府県の支援制度の運用状況や課題などを調査するとともに、金融機関へのヒアリングなどをこれまで行ってきたところです。 今後、来年度の治療開始を見据え、先行事例を参考に、金融機関の協力も得ながら、さらに検討を進めてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) モニターをごらんください。 既に重粒子線がん治療施設がオープンしている神奈川県と佐賀県では、県民の患者負担を軽減するため、利子補給制度と助成制度があります。 がん対策日本一を目指す大阪府として、重粒子線がん治療施設のオープンにあわせ、府民の患者負担を軽減するためにも、少なくとも先行している神奈川県と佐賀県と同等、それ以上の支援制度を創設するべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
知事松井一郎君。
◎知事(松井一郎君) 来年の春、重粒子線がん治療施設を開設し、大阪国際がんセンターとの相乗効果によりまして、大手前地区ががん医療の拠点となることに大きな期待をしております。 府といたしましても、がんと闘う府民が安心して重粒子線がん治療を受けられるように、具体的にどのような支援や周知ができるのか、他府県も参考に検討していきたいと思っています。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ぜひとも、がん対策日本一の大阪府として検討をお願いしたいと思います。 次に、昨年十二月、いわゆるIR推進法が成立し、国は、同法の施行後一年以内を目途として、必要なる法制上の措置、いわゆるIR実施法を講じなければならないこととされています。 この法律に基づいて、国は、IR推進本部を設置し、四月から七月にかけて、有識者会議である国のIR推進会議において制度設計の検討を進め、七月末にその議論の取りまとめが行われたところです。 また、八月には、この取りまとめに対し、広く意見募集が行われたところですが、IRについては今後もさらなる国民的な議論が必要だと思います。 こうした状況のもと、今府議会に平成二十九年度から三十二年度にわたる債務負担行為を設定した統合型リゾート事業化推進事業費の
補正予算案が提出されました。IR実施法が成立していないにもかかわらず、債務負担行為を設定して予算計上することには疑問があります。 そもそも、今の段階でなぜ補正予算が必要なのでしょうか、IR推進局長にお伺いします。
○議長(大橋一功君) IR推進局長坂本篤則君。
◎IR推進局長(坂本篤則君) 国の取りまとめでは、我が国のIRは、世界の人々を引きつけ、大人も子どもも楽しめる新たな観光資源を創造し、日本を世界で勝てる観光先進国へと大きく飛躍させるものとしております。 こうした状況のもと、大阪としても、世界最高水準のIRの早期の実現を目指しており、IR実施法案の成立後、速やかにIR事業者の募集、選定に向けた準備を進めることが必要でございます。 IRの事業化は、国内に先例のない新たな取り組みであり、海外のIR事業に精通した高度な専門性を有したすぐれたアドバイザーによる一貫した継続支援が不可欠であり、平成三十二年度までの複数年契約を行う債務負担行為を設定し、早い段階から周到に準備を進めたいと考えております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ただいまの答弁では、早い段階から周到に準備を進めたいということでございました。 さきの二月議会においても質問いたしましたが、カジノを含むIR導入については、ギャンブル依存症が増加することへの懸念が大きく、府民の理解が十分に進んでいないのが現実です。 カジノのない現在においても、ギャンブル等依存症に苦しんでおられる方がいらっしゃって、カジノ施設の設置により、さらに依存症者が増加するのではないかと懸念をしているところであります。 そのような中、国においては、八月二十九日にギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議が開催され、依存症対策の強化について取りまとめられました。大阪府市においても、大阪IR基本構想案の中間骨子において、想定される依存症対策や府民理解の促進に関する取り組みが示されたところであります。 モニターをごらんください。 ことし六月から八月には、IRに関する理解を促進するため、府民理解セミナーが開催され、そのセミナーのアンケート結果では、大阪にIRができた場合の心配として、二六・五%の方がギャンブル依存症患者の増加と回答しています。IRが、カジノだけでないことは理解しておりますが、依存症患者の増加を心配する声が依然として根強いと考えています。 大阪へのIRの実現を目指すのであれば、まずはギャンブル等依存症対策にしっかりと取り組むべきではないでしょうか。その上で、府民の合意形成を図る必要があると考えますが、今後これらの課題にどのように取り組まれるのか、IR推進局長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) IR推進局長坂本篤則君。
◎IR推進局長(坂本篤則君) ギャンブル等依存症対策につきましては、お示しの国の関係閣僚会議や依存症対策基本法案の動向も踏まえつつ、カジノ施設を設置することでギャンブル等依存症の増加を招かないようにすることはもとより、他のギャンブル、遊技等に起因する依存症も含め、府市関係部局等とも連携を図りながら、有効な対策を講じることでギャンブル等依存症を抑制してまいります。 府民の合意形成につきましては、府市の目指すIRについて、タイミングを逸することなく、ステージに応じ、プラスの効果や不安を払拭するための懸念事項の最小化に向けた取り組みなど、適切な説明が必要と認識をしております。 特に府民の関心の高い依存症への対応につきましては、しっかりとした対策を講じるとともに、一方的な情報発信にとどまらないよう、府民の声に耳を傾け、よりきめ細かな丁寧な対応によりIR推進への理解を得られるよう進めてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ただいまIR推進局長から、カジノを含むIR導入に伴うギャンブル等依存症への対策について説明いただきました。IR推進局には、関係部局とも連携を図りながら、ギャンブル等依存症患者の増加の抑制についてしっかりと取り組んでいただきますようお願いをしておきます。 一方で、ギャンブル等依存症のみならず、アルコール、薬物などの依存症の対策は、大阪府として取り組むべき課題であると認識しています。 モニターをごらんください。 依存症の医療や相談支援においての対策としては、医療機関における治療だけではなく、依存症者やその家族からの相談対応、そして医療機関や、地域における生活を支援する回復施設や自助グループなど、依存症者にとって必要な支援を行う機関へつなぐためのネットワークが大事であります。 これまでも、大阪精神医療センターでは、依存症の治療プログラムの開発と実践や医療機関向けの研修の実施によって、治療体制の充実に取り組んできたところです。また、大阪府こころの健康総合センターでは、相談窓口である保健所や市町村等の職員向けの研修を行うことで相談体制の充実を図ってきました。その上で、支援ネットワークである大阪アディクションセンターにより、自助グループや関係機関とをつなぐための体制整備を行っているなどの対策を進めているとの報告を聞いております。 しかしながら、依存症は、回復が十分可能な疾患であるにもかかわらず、自分自身、病気であることを認めようとしない性質の病であるため、みずから支援を求めにくいこと、医療機関が少ないこと、相談機関の情報が不足していること、さらに治療や支援にかかわる機関同士の連携が十分でないことなどから、必要な治療や支援が受けられていないという現状が課題となっています。実際に、府民の方から、どこに相談をしたらいいのかわからないといった声を聞くことがあります。 モニターをごらんください。 大阪府保健所やこころの健康総合センター及び大阪精神医療センターにおけるアルコール依存症、薬物依存症及びギャンブル等依存症で相談をした人数は、平成二十七年度は七百六十八人でしたが、平成二十八年度には九百二十四人となるなど、依存症に悩んでいる府民の方が次第にふえている傾向にあります。 これらの方を必要な治療や支援に結びつけていくために、今後、依存症対策をさらに推し進めていかなければならないと考えますが、どのように強化していかれるのか、健康医療部長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 依存症対策については、まず治療体制の強化に向けた新たな取り組みとして、府依存症治療拠点機関と専門医療機関の指定を始めており、先日、全国に先駆けて大阪精神医療センターを拠点機関に位置づけたところです。さらに今後、治療の充実を図るため、診療報酬の加算や補助制度の創設について国に働きかけていきます。 また、依存症患者は、生活面や経済面での悩みを抱えていることが多く、いち早く依存症の兆候に気づき、適切な機関につなげる必要があるため、今年度は、市町村などの生活困窮者の相談担当者を対象に研修を実施するなど、相談体制のさらなる充実に取り組んでいきます。 あわせて、当事者が必要なサポートを受けられるよう、治療相談窓口を広く周知するとともに、支援ネットワークである大阪アディクションセンターの拡充など、引き続き依存症対策の強化を進めていきます。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 今健康医療部長より治療や支援の充実について御答弁いただきましたが、大阪府は、これまでも国のモデル事業を実施するなど先進的な取り組みを行ってきており、今後も全国の中で最も依存症対策に取り組んでいるトップランナーであるべきだと考えております。 トップランナーとなるためには、必要な治療と支援が受けられる体制を充実強化することはもとより、未然防止の対策も含め、教育、青少年対策、福祉など全庁的な取り組みを進めるとともに、行政と社会全体で取り組んでいかなければならないと考えております。 例えば、全国に先駆けて依存症対策の計画やガイドラインの策定、さらには条例の制定を視野に入れた検討を行うなど、未然防止を含めた総合的な取り組みについて、行政と社会全体でどのように進めていかれるのか、知事の意気込みをお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
知事松井一郎君。
◎知事(松井一郎君) 依存症対策については、患者への治療や支援を充実するだけではなく、予防やその後の生活支援など、医療や教育、福祉などさまざまな分野が一体となった取り組みが必要だと考えています。 今後、国の動向を踏まえつつ、全庁的な推進体制を整備し、全国で最も総合的な依存症対策の取り組みが進んだ自治体を目指してまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 今知事より、全国で最も総合的な依存症対策の取り組みを目指すというお話がありました。どうぞよろしくお願いいたします。 次に、福祉医療費助成制度の再構築についてお伺いいたします。 福祉医療費助成制度は、重度障がい者やひとり親家庭等に対する医療にかかわる重要なセーフティーネットです。この重要な役割を果たす制度を大阪府として充実し、継続していかなければならないものと考えます。 そこで、平成三十年四月の再構築の実施に当たり、幾つかの課題が残されていると考えます。 一つは、老人医療の整理統合です。 老人医療については、制度の持続可能性の確保の観点から、より医療を必要とする方々へ選択、集中するとして、六十五歳以上の重度以外の精神通院医療対象者、難病患者、結核患者の方々を助成対象外とし、当初一年の経過措置期間を設定する予定となっておりました。さきの平成二十九年二月議会において、我が会派が、一年の経過措置期間は短く、せめて三年の経過措置期間は必要ではないかと指摘し、経過措置期間が一年から三年に延長されたところであります。 この点については、我が会派として一定評価しているところですが、今回助成対象外となる老人医療経過措置対象者や、一部自己負担額の引き上がる障がい者医療対象者については、もともと所得も低いこともあり、今回の再構築に伴う生活面での影響は大きいものがあります。 まずは、平成三十年四月の再構築の実施に向けて円滑な移行に努めることが重要ですが、この三年の経過措置の間に、今回対象外となる老人医療経過措置対象者も含めた障がい者医療対象者の生活面への影響を検証すべきであり、その検証結果をもとに、障がい者福祉の向上の視点から、対象者も含め、どのような制度が必要か再度検討すべきであります。福祉部長の所見をお伺いします。 さらに、償還払いの課題もあります。 今回の再構築では、老人医療経過措置対象者、障がい者医療対象者の一部自己負担額について、新たに院外調剤の自己負担が導入され、一つの医療機関等での上限日数が撤廃されるため、この償還払いの件数が増加することが想定されています。 とりわけ、障がい者にとっては、市町村の窓口に手続に行かなければならないことは大きな負担であり、実際、障がい者団体等から我が会派に同様の意見が来ております。その増加する償還払いへの対応の一つとして、自動償還の導入が考えられ、平成二十九年二月議会でも同趣旨の附帯決議が付されたところであります。 市町村における自動償還の導入に向け、大阪府として積極的に働きかけるべきと考えますが、あわせて福祉部長の所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 福祉部長酒井隆行君。
◎福祉部長(酒井隆行君) 今後の重度障がい者医療費助成制度のあり方につきましては、国の医療制度改革の動向を初め、再構築後の制度の施行状況、障がい者の自立と社会参加を支援する本府の施策全体の中での位置づけを踏まえまして、必要に応じて検討を行ってまいります。 また、自動償還についてですが、障がい者の皆さんの償還払いの手続の負担を軽減する有効な手段であります。その導入は、地域の実情に即して各市町村において判断されるものでありますが、現段階で三十七団体において導入する方向と伺っております。 府といたしましては、この自動償還を導入する市町村を側面的に支援しなければなりませんので、福祉医療費助成制度の再構築に伴う市町村での今年度のシステム改修等補助において、これを導入する市町村と導入しない市内市町との間で補助上限額に差を設けることとしております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、乳幼児医療費助成制度についてお伺いいたします。 乳幼児医療費助成制度は、重要な子育て支援施策であり、市町村では制度拡充に向けた取り組みを進めています。 大阪府の補助制度は、助成対象年齢が小学校就学前で所得制限もありますが、多くの市町村では、助成対象年齢が中学校卒業の年度末までとなっており、所得制限をかけていない市町村が多いのが現状です。 子どもの貧困対策に全庁を挙げて取り組む大阪府としても、例えば新子育て支援交付金の倍増を図るなど、市町村の乳幼児医療費助成制度の拡充の動きを支援すべきと考えますが、福祉部長の所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 福祉部長酒井隆行君。
◎福祉部長(酒井隆行君) 乳幼児医療費助成制度につきましては、府と市町村が共同で設置をした研究会におきまして、府と市町村の役割分担として、セーフティーネット部分は府が基準を設定し、子育て支援は市町村が独自に制度設計を行うという整理をした経緯がございました。 こうした整理を踏まえまして、平成二十七年度、医療のセーフティーネットの観点から補助対象年齢の引き上げなどの再構築を行いますとともに、子育て支援の観点から新子育て支援交付金を創設し、乳幼児医療費助成を含む子育て支援施策全般の充実につながりますように市町村支援を拡充したところであります。 府といたしましては、引き続き乳幼児医療に係るセーフティーネット部分の役割をしっかりと果たすとともに、新子育て支援交付金によりまして、市町村の子育て支援施策をバックアップしてまいります。 なお、今回の再構築に当たりましては、子どもの貧困対策の重要性が増していることや、府議会、市町村から慎重に検討すべきとの御意見が多かったことを踏まえまして、乳幼児医療、ひとり親家庭医療費助成制度の一部自己負担額については現状維持としたところでございます。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) よろしくお願いします。 次に、国民健康保険制度改革についてお伺いします。 平成三十年度からの国民健康保険制度改革は、制度創設以来の大改革であります。都道府県単位で国保を運営することになる中、大阪府では、保険料率を府内全市町村で統一する方向で検討を進められています。 現在、大阪府において、平成三十年度からの公費拡充を踏まえ、保険料の試算が行われておりますが、市町村ごとに賦課割合や賦課方式が異なる中で、保険料水準は現行より上がるところも下がるところもあると考えられており、保険料が上がる場合は、被保険者の大幅な負担増とならないよう必要な措置を講じるべきです。 新制度の詳細については、現在大阪府と代表市町村で構成する大阪府・市町村国民健康保険広域化調整会議において議論されているところですが、広域化調整会議に参画していない市町村にもしっかりと情報を届けていくことが重要と考えます。 今後、市町村に対し、被保険者への激変緩和措置も含め、保険料率の統一に向けてどのように理解、納得を得ていかれるのか、福祉部長にお伺いいたします。 また、現在、地方公共団体が独自に行う医療費助成については、国保の国庫負担が減額されています。これが平成三十年度からとはなりますが、未就学児までを対象とする地方単独事業については減額措置をせず、国からも自治体の少子化対策の取り組みを後押しすることとされました。 今回の制度改革においても、平成三十年度から子どもの被保険者に着目した公費が拡充されることとなっており、新制度の運営に当たっては、特に多くの子ども持つ多子世帯への配慮という視点が強く求められると考えますが、あわせて福祉部長の所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 福祉部長酒井隆行君。
◎福祉部長(酒井隆行君) 国保制度改革についてですが、市町村とともに広域化調整会議を設置し、統一的な方針となる国保運営方針の策定に取り組んでおりまして、この中で保険料率の府内での統一についても定めることとしています。また、それに伴いまして保険料が上がる市町村については、被保険者への影響を考慮いたしまして、激変緩和のための措置を講じるということにしております。 広域化調整会議における検討結果については、保険料率の統一に伴う激変緩和措置も含め、市長会、町村長会に適宜御報告をするとともに、市町村国保主管課長会議や地域別のブロック会議などにおいて報告、説明を行ってきたところでございます。 この国保運営方針については、来年四月からの制度改正に向けまして、この秋には法律上の手続として市町村からの意見聴取を行い、その後、国保運営協議会への諮問、答申を経まして知事が決定をするということになりますので、引き続き市町村の意見をしっかりとお聞きをし、その理解を得られるように努めてまいります。 次に、多子世帯への配慮についてでありますが、国保制度においては、同一世帯内の被保険者がふえる、例えば子どもの数がふえるということで、それに合わせて保険料が増加をするという仕組みになっております。 平成三十年度からの国の財政支援には、子どもの被保険者に着目をした公費の拡充が示されておりますので、本府といたしましても、少子化対策の観点から多子世帯への配慮は重要であると認識をしていますので、広域化調整会議において検討を進め、国保運営方針に盛り込んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、肝炎対策についてお伺いいたします。 国は、平成二十六年度からウイルス性肝炎の重症化予防を目的に、初回精密検査と定期検査に係る費用助成制度を創設しており、現在、大阪府及び長野県を除く四十五都道府県で検査費用の助成を行っていると聞いています。この事業は、一次検査の陽性者で、かつ同意した者に対し、都道府県が受診勧奨を実施するものです。 一方、大阪府では、市町村や約三千六百の医療機関と連携し、一次検査受診前にあらかじめ全ての受診者から同意を得て、陽性者に対する精密検査の受診勧奨を実施してきたことで、これまで高い精密検査受診率を上げてきました。国の助成制度が適用されない大阪府内の肝炎患者の皆さんは、初回精密検査の費用を全て自己負担されることから、これまで再三、検査費用助成の導入を我が会派にも要望されてきました。 こうした府民の声を受けて、我が会派は、大阪府に対してこれまで要望し、さらに我が党の国会議員とも連携して、大阪府独自の現行のウイルス性肝炎患者等の重症化予防推進事業を国の助成制度として位置づけられるよう尽力してまいりました。その結果、少しずつ国と大阪府との協議も進んできたものと考えます。 国の制度は、初回精密検査、定期検査に係る費用の双方をセットで助成する仕組みだと理解しています。 制度創設から三年が経過した今こそ、初回精密検査と定期検査に係る費用助成について、大阪府においても助成が受けられるよう早期に制度化すべきと考えますが、健康医療部長の見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) ウイルス性肝炎患者などの重症化予防に向けた検査の費用助成については、昨年九月定例会の御議論も踏まえ、府のすぐれた事業手法を維持しながら、国の補助制度を活用できるよう多方面からの働きかけもあり、この間、厚生労働省との調整が進んでいるところです。 今後、議員御指摘の助成制度に係る各都道府県の取り組み状況も見据えながら、とりわけ肝炎の重症化予防にとって重要である初回精密検査について、国との調整状況、府の財政負担、費用助成による精密検査受診率向上への効果などを十分踏まえつつ、制度化についてしっかり検討していきます。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ぜひとも、制度化に向けて一歩でも二歩でも進めていただきたいと思います。 国の制度趣旨としては、初回精密検査と定期検査をともに費用助成することになっていますので、初回精密検査だけではなく、定期検査の助成もあわせて要望しておきます。 なお、費用助成に当たりましては、さきに自己負担をいただいて償還払いになる仕組みだと伺っていますが、患者さんの負担軽減を少しでも図れるような工夫をお願いいたします。 さらに、重症化予防の取り組みとあわせて、昨年九月定例会で議論させていただいた肝炎医療コーディネーターにつきましても、設置に向けた検討をあわせてお願いをいたします。 次に、大阪府警察における警察官の採用情勢と対策についてお伺いします。 安全安心のまちづくりを実現するために、警察活動は必要不可欠であることは言うまでもありません。何よりも、まず警察組織の人的基盤を強化する優秀な人材の確保が重要であると考えています。 モニターをごらんください。 現在の少子化に伴う労働力人口の減少や民間の就職情勢の好転等の影響により、近年における大阪府警察官の採用情勢については、平成二十四年度に受験者約八千二百人であったところ、平成二十五年度以降年々受験者は減少傾向を示しており、受験者数を合格者数で割った合格倍率も低迷していることから、非常に厳しい状況であると認識しております。 そこで、優秀な人材の確保に向けた大阪府警察の取り組みについて、府警本部長の所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 警察本部長村田隆君。
◎警察本部長(村田隆君) 優秀な人材の確保に向けた大阪府警察の取り組みについてお答えいたします。 御指摘のとおり、優秀な人材の確保は、大阪府警察における最重要課題の一つとして認識をしております。特に今の若者は、現実志向、地元志向が極めて強い上に、自分の能力と個性を生かせる職場で働きたいといった点を重視する傾向にあると言われており、こうした志向に着目した上で、警察の魅力をわかりやすく発信する採用募集活動が必要だと考えております。 そこで、本年九月一日に、大阪府警察内部に副本部長を長とする大阪府警察官採用募集活動推進委員会を設置し、採用募集活動を抜本的に強化することとしたところであります。 当推進委員会では、厳しい採用情勢や採用業務の重要性を組織全体に認識させるとともに、優秀な人材の確保に向けた各種施策の総合的な検討を行うことを任務としております。 今後は、この委員会を通じて、語学力、IT技術能力を初め幅広い分野から多種多様な能力、実績等を有する人材を採用する自己推薦制度の効果的促進、若手警察官による若者目線に立った受験勧奨を行う指定リクルーター制度の充実強化、SNSを効果的に活用し、若者に大阪府警察への関心を持たせる魅力的な警察情報の発信、警察署による採用募集活動の支援や各部主催イベント等における採用募集広報を実施するための体制強化、警察活動の実態を実感させる体験型説明会の促進を行うなど、引き続き採用情勢を的確に分析し、時代の趨勢に応じた効果的な施策を組織全体で取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、働き方改革についてお伺いします。 大阪府では、時間外勤務は減少傾向にあるとはいえ、年三百六十時間の上限規制を超えて残業する職員が、この三年で一・七倍にふえたと聞いております。新規採用職員の五割以上が女性で、このような傾向は続く見込みであります。 今後、大阪府庁内において、女性が管理職としても活躍でき、男性の家庭への積極的参加を可能とする職場環境を構築していくためには、さらに一層時間と場所にとらわれない柔軟な働き方を進め、誰もが出産や子育て、介護を行いつつ、十分に能力を発揮できる環境づくりが必要であります。これにより、労働生産性や組織力も高まっていくと考えます。 大阪府は、昨年十一月策定の府庁版働き方改革第一弾に引き続き、その取り組みをさらに強化するため、今般働き方改革第二弾を策定されました。その中には、我が会派が繰り返し主張してきたテレワークも盛り込まれており、評価するものでありますが、大阪府として、今後、柔軟な働き方をさらに推進していくため、どのように取り組んでいかれるのか、総務部長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
総務部長岩田教之君。
◎総務部長(岩田教之君) 職員の柔軟な働き方の取り組みについてでございますが、まず子育てや介護を行う職員の仕事と家庭の両立支援に向けましては、これまでから各種の休業休暇や短時間勤務の制度などを整備してきておりまして、本年八月には、始業時間を最大一時間まで繰り上げることができる早出・遅出勤務の拡充を図ったところでございます。 また、職員が妊娠や出産、育児に係る制度の理解を深められるよう、子育てハンドブックを冊子としてわかりやすく取りまとめ、先月全庁に配布をいたしました。 さらに、府庁版働き方改革の取り組みとして、本年四月に泉北府民センターで運用を始めましたサテライトオフィスについて、従来の育児や介護の要件、あるいは出張のときだけではなく、資料作成などソロワークを行う場合にも幅広く利用できるよう、先月から要件を拡大したところでございます。 また、同じく先月からの新たな取り組みとして、タブレット十台を活用したテレワーク、いわゆる在宅勤務を総務部の職員--私も含めてですが、試行を始めたところでございます。 今後、こうした取り組みによりまして、得られた課題をしっかりと検証して、全庁においてさらなる柔軟な働き方が進むよう取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ただいま御答弁いただきました柔軟な働き方への取り組みは、課題を検証して推進していくとのことでありますけども、自宅近くで働くことができるサテライトオフィスは、育児や介護を抱える職員が仕事と両立する上において有効な手段の一つであり、こうした職員の能力を最大限に生かすことは、業務効率を高める上においても重要なことであると考えます。 柔軟な働き方ができる環境づくりをさらに進めていくためには、サテライトオフィスについては、泉北府民センター内の設置にとどまらず、全ての府民センターなど、あらゆる地域への展開を要望しておきます。 柔軟な働き方の推進や長時間労働の是正を含めた働き方改革には、制度や環境を整えるだけではなく、上司の部下への働きかけや日々の業務効率化に向けた取り組み、職員への意識改革が必要であるなど、上司の果たす役割は重要であります。 我が会派では、本年二月議会において全庁横断的な推進体制の設置を要望したところであり、そうした場を通じて、各職場における上司の働き方を変えていき、部下の模範となるよう取り組むことが重要です。 そこで、今後、上司の意識改革をどのように進めていかれるのか、総務部長にお伺いします。
○議長(大橋一功君)
総務部長岩田教之君。
◎総務部長(岩田教之君) 職員が、業務効率を意識して、仕事の質を高めながらこれまでの働き方を変えていくためには、部下に対する上司のパフォーマンスが大きく影響いたしますので、上司みずからが意識を変え、マネジメント力を発揮していくことが重要と考えます。 このため、昨年の府庁版働き方改革第一弾においては、上司がイクボスとして率先する行動例を示し、また今般の第二弾では、仕事の棚卸、部下への指示の明確化、定時退庁や年次休暇の取得促進など、みずからの意識改革につながる具体的なアプローチ例を示したところでございます。 また、これまで毎年度、府の管理職を対象にした研修の講師に民間企業のトップをお招きし、管理職に求められるマネジメントや女性の活躍推進などに係る意識改革に取り組んでおりますが、こうした研修に加えまして、新しいワークスタイルやイクボスなど、先進的な民間企業の取り組み紹介を行います働き方改革・ITセミナーを来月新たに開催をするとともに、各部局次長で構成します働き方改革推進責任者会議を通じまして、各部局で取り組んでいる先進的、模範的な事例を全庁が共有することによりまして、上司の意識改革を進め、職員のワーク・ライフ・バランスの実現、組織パフォーマンスの維持向上を図ってまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ここで、一つの事例を紹介したいと思います。 出版や教育事業を手がけるある企業では、従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や管理職、いわゆるイクボスを育成するための研修を導入しているそうです。その研修は、子育て経験のない管理職が子どもを持つ社員の家庭を訪れ、一日数時間の家事、育児を体験するというものです。当事者の気持ちなんてわからないと感じていた管理職が、研修後、本音を言ってもらえるよう日ごろのコミュニケーションを大切にしたいと気持ちの変化を語っていたそうです。 年齢や性別、境遇が違う人の悩みを理解することは容易ではありません。しかし、相手の立場や置かれている状況を少しでも知ろうと行動すれば、新たな気づきが生まれ、相手との心の通い合いが始まります。人の悩みに共感し行動することは、自分のためにもなります。このウイン・ウインの関係は、プラスの相乗効果をもたらします。 大阪府庁の幹部の職員の方々におかれましては、みずからイクボス宣言をするなど、部下の立場にも配慮して、より一層働きやすい職場環境づくりに尽力いただきますようお願いいたします。ちなみに、イクボスの反対語は、ダメボスと言うそうですので、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。 大阪庁内内の取り組みについては伺いました。 次に、民間事業の取り組みについてお聞きします。 働き方改革については、国において本年三月に働き方改革実行計画が決定され、長時間労働の是正のための罰則つき時間外労働の制限などの法改正が議論されているところです。 一方、民間企業における働き方改革は、一部の企業の取り組みが話題となっているものの、まだまだ取り組みは途上にあり、特に中小企業には広がっていないと聞いております。中小企業においても、育児や介護での離職を防止し、柔軟な働き方を推進していくには、保育所等のハード整備のほか、企業における長時間労働の是正や育児休業制度の活用などソフト面での改革、上司などの意識の改革が重要と考えます。 そこで、仕事と家庭の両立実現に向け、大阪府として民間企業に対してどのような働きかけを行っているのか、商工労働部長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 商工労働部長西田淳一君。
◎商工労働部長(西田淳一君) 働き方改革につきましては、大阪府のほか、大阪労働局等の国の機関、府内の経済団体や労働者団体、金融機関等が参画する大阪働き方改革推進会議におきまして、女性や若者の活躍促進、非正規雇用者の処遇改善、職場環境の整備などの働き方改革に係る基本方針を定め、一体となって取り組んでいるところです。 商工労働部では、これまで長時間労働の是正やダイバーシティーに取り組む企業の先進事例の紹介、育児・介護休業法の改正などの周知啓発や、テレワークを活用した柔軟な働き方に関する情報提供などについてのセミナーを市町村等と連携して府内各地域で開催し、中小企業の働き方改革への取り組みが推進されるように努めてまいりました。 本年九月には、男女がともに働きやすい職場づくりに向けた一層の意識改革が進むよう、女性従業員と男性の同僚や上司が実際の職場を想定した実践的なワークショップを行うセミナーを開催したところです。 また、ホームページやメールマガジン等でワーク・ライフ・バランスの取り組みの必要性や企業にとってのメリットなどの情報発信を行っており、今後、公民連携をさらに進めて、金融機関のメルマガ等での情報発信を拡充するなど、より一層の広報活動に努めてまいります。 なお、これまで女性を対象に作成、配布してきました啓発冊子「女性のための働くルールBOOK」を職場や家庭において男性と一緒に意識改革に取り組んでもらえるよう内容を改訂する予定でおります。 今後とも、企業における働き方改革が進むよう、国や市町村、関係団体と連携しながら、情報発信や周知啓発、意識改革等に取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) ありがとうございました。 次に、企業主導型保育推進事業についてお伺いします。 近年、中小企業の人材確保は一層厳しい局面を迎えており、今後の大阪産業の活性化、都市活力の創造に必要な人材の確保は急務となっています。大阪産業を支える多様な人材を確保するためには、企業で働く人々にとって魅力的な環境を整備することが不可欠です。 我が会派では、かねてより女性の活躍推進をあらゆる側面から訴えてまいりました。折しも、国においては、平成二十八年四月より仕事と子育ての両立に資することを目的とした企業主導型保育事業の助成制度をスタートさせました。これは、企業による保育施設の設置を推進し、仕事と子育ての両立を目指す女性の就業にとって大変大きな価値があるものと思われます。 大阪府は、昨年度より、商工労働部と福祉部が連携し、企業主導型保育施設の設置を進めるため、企業向けの相談窓口を設置するなど積極的に取り組んでおります。 人材不足が叫ばれる中で女性の活躍を推進するためには、本事業は非常に重要であり、今後一層後押しする必要があります。企業支援の観点から商工労働部長の見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 商工労働部長西田淳一君。
◎商工労働部長(西田淳一君) 企業主導型保育施設の設置は、企業等において女性の定着を図り、また新たな人材を確保するために効果的な取り組みと認識しております。 現在、特に中小企業における設置を一層強力に進めるため、大阪商工会議所などと連携して、先進事例の紹介や保育施設見学会の開催、共同利用のための企業間マッチングなどに取り組んでいるところであります。今年度、既に約百五十社に参加いただいております。 今後は、設置の推進に加え、設置した保育所を活用した中小企業の人材確保につながるよう、保育所を設置した企業のPRや、企業と求職者のマッチング会を開催するなど、きめ細かな支援に取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 働き方改革や、また今御答弁いただきました企業主導型保育推進事業については、これからの我が国にとって大変大事な大事な政策となりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 次に、国際ビジネスの促進についてお伺いします。 昨今、社会経済を取り巻く環境は、目まぐるしく変化しており、厳しい環境下にあります。一方で、少子高齢化、人口減少社会を考えると、国内市場の縮小が今後見込まれる中、企業はさらなる成長を目指して海外へ展開しています。 モニターをごらんください。 本年三月に発表されましたジェトロの日本企業の海外事業展開に関する
アンケート調査によりますと、今後三年程度の海外進出方針では、拡大を図る企業の割合が六割を超えたとの調査結果になっており、まさに企業の海外進出への関心が高まっています。 大阪府では、海外市場へ打って出る中小企業を後押しするため、かつては海外事務所を設置していましたが、その後見直しが行われ、現在は上海事務所と東南アジアを初めとした世界の九地域に大阪ビジネスサポートデスクを設置しているとのことであります。 これまで、あらゆる機会を通じてデスクの周知を図り、その利用実績もここ数年は増加している状況であるとお聞きしています。 今後、さらに企業に対する海外販路開拓等の支援が必要となってくると考えますが、大阪ビジネスサポートデスクの活動など、今後どういった戦略を持って国際ビジネス支援を進めていくべきと考えておられるのか、商工労働部長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 商工労働部長西田淳一君。
◎商工労働部長(西田淳一君) 大阪ビジネスサポートデスクは、現地にネットワークを持つ日系企業等に府が業務委託し、取引先候補となる現地企業リストの作成や海外出張時のアテンドサービスなど、中小企業が進出検討段階や進出初期で必要とするメニューを提供し、活用いただいております。 今後、アジアを中心に中小企業の海外展開支援により一層注力していくため、今年度からは国際ビジネスの促進を商工労働部における部局運営方針の四本柱の一つとして位置づけたところです。 限られたリソースの中で、このサポートデスク機能を初め在阪領事館やジェトロ、関経連、大商といった国際ビジネスの関係機関とより密接に連携しながら、それぞれが持つ強みや機能を有効に活用し、適切な役割分担のもと、ベストミックスで支援していきたいと思っております。 また、私自身の商社での経験と国内外のネットワークも活用し、成長著しいアジアの活力を取り込み、大阪産業・経済の成長につなげていきたいと思っております。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、動物愛護管理センターについてお伺いします。 少子高齢化、核家族化の進展などにより、犬や猫を初めとする動物は、単にペットとしてだけではなく、人生のよきパートナーあるいは家族の一員、いわゆる伴侶動物として日常の生活に欠かせない存在となってきております。 しかし、適切なしつけや世話を怠り、生活環境被害を引き起こしたり、また飼い主の勝手な都合で飼育を放棄するなど、動物に関する課題は尽きないのが現状です。 モニターをごらんください。 この間、大阪府では、動物の愛護及び動物がその命を終えるまで適切に飼育する、いわゆる終生飼養等の啓発を進めるとともに、犬、猫を新しい飼い主に譲渡するなどの取り組みを進めてきました。その結果、犬、猫の引き取り数は減少し、譲渡率もおおむね向上しています。しかしながら、おおさか動物愛護アクションプランに掲げる社会全体で殺処分がなくなることを目指すためには、さらなる取り組みが必要と認識しています。 さて、府議会でも長年審議を行ってまいりました大阪府の動物愛護管理行政の拠点となる施設、動物愛護管理センターが、このたび開所し、我が会派も同センターを視察してきたところであります。 これまでの施設は、譲渡を進めるにはスペースが限られており、ケージの中で見ていただくような状況であったため、十分な取り組みができませんでした。新しいセンターは、みどり豊かな環境の中で、動物の専用運動場や、府民の皆様がいつでも譲渡動物を見ていただけるスペースが設けられるなど、さまざまな工夫がなされ、人も動物も快適に過ごすことができる施設となっており、とてもすばらしいものでありました。この施設が、多くの方々に長く愛される施設となるよう、今後の取り組みを注視していきたいと考えております。 そこで、同センターが動物愛護の拠点施設として整備した内容と、同センターにおける譲渡の具体的な取り組みを環境農林水産部長に伺います。
○議長(大橋一功君) 環境農林水産部長竹柴清二君。
◎環境農林水産部長(竹柴清二君) 府におきましては、動物を愛護する心を育み、正しい知識や理解を深めることで、人と動物が共生できる社会の実現と社会全体で殺処分がゼロとなることを目指しております。 そのため、動物愛護管理行政を推進する拠点として、大阪府動物愛護管理センターを整備し、あわせて箕面、四條畷、泉佐野の三分室を地域における全ての愛護動物の相談窓口として支所に再編、機能強化したところでございます。 この新たなセンターでは、人と動物との正しいつき合い方を考える施設学習型ゾーン、自然の中で人と動物の共生を考える自然活用型ゾーンを整備し、子どもから大人まで幅広い世代の方々に訪れていただけるよう、土、日、祝休日も開所しております。 特に施設学習型ゾーンにおきましては、動物収容能力の向上や飼育環境の充実とあわせ、見学者コースやふれあいコーナーなどの動物学習エリアを活用することにより、譲渡希望者とのよりよいマッチングの機会を創出してまいります。 また、引き取り動物の譲渡をより一層進めるため、譲渡前の講習会、譲渡会の開催、譲渡後の相談を実施するなど一貫した支援を行い、譲渡の推進に努めてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 社会全体で殺処分がゼロとなることを目指すためには、譲渡を推進するとともに、引き取り数を減少させることが必要です。そのため、飼い主が覚悟を持ち、動物がその命を終えるまで飼育する、いわゆる終生飼養の徹底が重要となります。 これまでも、大阪府では、飼い主教育など終生飼養の普及啓発に取り組んできたところでありますが、今後、終生飼養の徹底のためにどのように普及啓発していかれるのか、環境農林水産部長にお伺いします。
○議長(大橋一功君) 環境農林水産部長竹柴清二君。
◎環境農林水産部長(竹柴清二君) 飼えなくなった動物の引き取り数をさらに減少させるため、飼い主としての責務である終生飼養の徹底などの普及啓発が重要であり、これまでもパンフレットの配布やポスターの掲示のほか、動物愛護フェスティバルなどのイベント等に出向き、終生飼養の徹底に努めてまいりました。 今後は、これまでの取り組みに加えまして、当センターの施設を活用して、飼い主がペットを伴って参加できる飼い方教室を開催するなど、さらなる普及啓発に努めてまいります。 さらに、次世代を担う
子どもたちを対象に、ふれあい教室などを通じて、動物とのふれあい方だけでなく、命の大切さや動物飼育に対する責任などを学んでいただきたいと考えております。 また、動物を飼えなくなった方からの引き取り相談では、飼い主の責務を果たすよう飼い続ける努力、新しい飼い主を探すことなど、適切なアドバイス、指導を継続してまいります。 今後、当センターを拠点として動物愛護の機運醸成を図り、府民とともに人と動物とのよりよい関係づくりを進めてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、公民連携に係る市町村支援についてお伺いします。 公民連携については、これまで三百五十社を超える企業とネットワークを構築し、包括連携協定については昨年度は十件締結、障がい者の就労支援や子育て家庭への支援、府民の安全安心に係る取り組みなど、約二百二十件の積極的な取り組みを進めてこられました。 今年度に入ってからは、既に七件の包括連携協定を締結し、万博の誘致に向けた機運醸成や府民の健康意識の向上に向けた取り組みなど、府政の課題に適応した取り組みを企業と連携して進めておられます。 我が会派は、ことし二月の本会議において、一つ目に、公民連携は福祉やまちづくりなど住民に身近な課題を抱える市町村にとってもメリットが大きく、ニーズやシーズは多い、二つ目に、公民戦略連携デスクが蓄積したノウハウや企業ネットワークといった知的資産を活用し、広域自治体として公民連携に前向きな市町村を積極的にサポートすべきと提案したところであります。 これまで、公民連携に前向きな市町村に対してどのようなサポートをしてこられたのか、また今後どのように充実しようとされているのか、公民戦略連携デスクを所管される財務部長にお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 財務部長中野時浩君。
◎財務部長(中野時浩君) 公民連携に係る市町村支援につきましては、これまでに十一の市町村から相談があり、府が実施した事例の紹介や具体的な連携協定締結の進め方について助言してきました。また、企業から個別の市町村と連携したいという申し出を十の市町村につないでまいりました。このうち七市において、具体的な取り組みが実現しております。 こうした中、本年四月には、大阪市において一元窓口が設置され、河内長野市において現在窓口の設置に向けて準備を進めております。 先月、市町村向けのフォーラムを開催しましたところ、十四市から参加がありました。終了後のアンケートによりますと、ほとんどの参加者が、市町村にも専任部署が必要である、また市町村と連携を進めたいという企業からの情報の提供を希望するとの回答を多くの参加者から得ました。 今後とも、企業から具体的な提案を前向きな市町村に情報発信していきますとともに、実際に進めていく上で相談があれば丁寧に助言してまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、大学との連携についてお伺いします。 先般、我が会派は、大学等との連携を進めていくことについて知事に要望させていただきました。大学は、知的財産の宝庫であり、地域や社会への貢献に役立ててもらうべく、大阪府に積極的に役割を担ってほしいという思いから、新たに要望に加えたものであります。 大阪府においては、これまで地元の大学とインフラの長寿命化への技術支援、首都圏の大学とUIJターンの就職促進支援など、分野ごとに連携を図ってこられましたが、こうした取り組みをさまざまな分野に広げていくために、大学とも包括連携協定を締結するなど、積極的な取り組みを進めていくことが重要だと考えますが、財務部長の所見をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君) 財務部長中野時浩君。
◎財務部長(中野時浩君) 御指摘のように大学は、科学分野における研究開発や社会課題に関する調査研究を進めるとともに、人材を育成し、外国人留学生を受け入れるなど、知的財産とネットワークの宝庫です。これらの豊富な資源を大阪の活性化や地域課題の解決につないでいくことは大変重要であると考えます。 現在、企業とはやや異なる大学の特性を踏まえながら、複数の大学と包括連携協定の締結に向けた協議を進めているところです。今後、関係部局と連携し、一つでも多くの実績、成果を上げていけるよう取り組んでまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 次に、新たな大都市制度についてお伺いいたします。 先日の法定協議会において特別区素案が公表され、八月に発表された総合区素案とあわせて、新たな大都市制度に係る議論をスタートさせる土台が整いました。 我が会派は、人口減少、少子高齢社会を迎える中で、府民の暮らしをよりよいものにするためには、これからの世の中に合った自治体へ改革していかなければならないという思いから、協議会の設置に賛成いたしました。 三大都市圏の中でいち早く到来する人口減少、少子高齢社会への対応に加え、児童虐待問題や地域の安全安心対策、さらには教育問題など、大阪が抱える課題は、より一層複雑多様化しております。府民、市民の暮らしを預かる行政としては、住民の皆さんが安心して生活できる大阪を実現していく必要があり、そのための大都市制度改革は待ったなしの状態だと感じております。 現在、総合区と特別区の検討が進められており、今後、法定協議会の場において、総合区、特別区の両制度について具体的な議論がされていくことになります。 我が会派としては、住民の暮らしをよくする改革は、大阪市を廃止する特別区ではなく、大阪市を維持したままで、これまで培ってきた高い専門性やノウハウをもとに、住民に身近なサービスを区役所で提供できる総合区がふさわしいという立場であります。 しかしながら、総合区、特別区のそれぞれの制度によって大阪がどう変わるのか、住民の暮らしがどう変わっていくのかなど、住民の皆さんに御理解いただくことが重要だと考えます。そのためには、大都市制度改革の必要性やメリットを打ち出していくべきと考えていますが、知事の御見解をお伺いいたします。
○議長(大橋一功君)
知事松井一郎君。
◎知事(松井一郎君) 私が目指す豊かで強い大阪を実現すること、そのためには東西二極の一極として、日本の成長エンジンの役割を果たす副首都大阪を確立し、その果実をもとに豊かな住民生活を実現させていく必要があります。 副首都としての基盤を整え、大阪を成長発展させつつ、人口減少、少子高齢化社会にきめ細かく対応できる身近な行政を実現していくためには、現状のままではなく、大都市制度の改革が必要であるという、その強い思いは、公明党の皆さんと共通するところであります。 私としては、特別区がふさわしいと考えていますが、公明党さんが主張されている合区を前提とした総合区も、基礎自治体機能を今よりは充実をさせる点は同じだと思います。特別区素案と総合区素案が出そろったことで、いよいよ法定協議会で具体的な議論が始まります。 今後、大都市制度改革の必要性やメリットなどをしっかりと議論し、府民の皆さんにも発信して、よりよい案をつくり上げまして、最終的には住民の皆さんの御判断を仰ぎたいと思っています。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 二年前の住民投票では、結局大阪市を廃止するのか、存続させるのかだけが争点となり、大阪市民の皆様にとって一番大事である生活がどう変わるのかの議論が全くできなかったという反省があります。 今後、法定協議会において、総合区、特別区の具体的な協議が始まっていきますが、大阪市の廃止といった単純な議論ではなく、なぜ大都市制度改革が必要なのか、総合区制度と特別区制度で大阪がどう変わるのか、住民の暮らしがどう変わるのか、十分な議論を重ねたいと考えております。 我が会派としては、スケジュールありきではなくて、住民が両制度を十分理解し、大阪の将来像としてどちらがふさわしいか判断できるよう、住民目線でわかりやすく議論していくつもりであり、そのスタンスで法定協議会に臨んでまいりたいと考えております。 最後に、少子化対策についてお伺いします。 少子化対策の一環である結婚支援について、本年五月議会で我が会派からの一般質問をしたところ、今年度、国の交付金を活用したおおさか結婚応援カード事業を十一月ごろを目途に実施するとの御答弁でありました。この事業の現在の実施状況はどうなっているのでしょうか。 また、出会いの創出として、今年度、民間のノウハウや資金を活用し、イベントを実施するとのことでしたが、現在の実施状況はどうなっているのでしょうか、あわせて福祉部長にお伺いをいたします。
○議長(大橋一功君) 福祉部長酒井隆行君。
◎福祉部長(酒井隆行君) まず、おおさか結婚応援カード事業についてですが、プロポーザル方式による公募に対しまして、二つの企業などから応募がございました。選定委員会を経て、JTB西日本と凸版印刷の共同企業体を事業者に決定いたしました。本年十一月一日の事業スタートに向けまして、カードやポスターなどの作成、企業への協賛の働きかけなどを進めています。 また、出会いの創出につきましては、本年七月に株式会社リクルート・マーケティング・パートナーズと事業連携協定を締結し、二回のいわゆる婚活イベントを実施いたしました。 具体的には、異性とのコミュニケーションのとり方などに関する事前セミナーを織りまぜながら、一回目は女性を福祉現場で働く人に限定し、二回目は男性を消防の現場で働く人に限定をしたイベントといたしまして、合計七十六名に御参加をいただきまして、その場で十組のカップルが成立をしたところであります。 引き続き、民間企業などと連携を図るとともに、そのノウハウを活用しながら、さらなる結婚支援の取り組みを進めてまいります。
○議長(大橋一功君) 大橋章夫君。
◆(大橋章夫君) 国のまち・ひと・しごと創生長期ビジョンでは、人口減少は静かなる危機と呼ばれており、究極的には国としての持続性すら危うくなると警告をされております。 大阪府においても、既に人口減少の状況に突入しており、このままでは経済機能等の流出とともに、さらなる大阪の活力低下を招くことになります。 少子化は、社会的な制度やシステムを初め複数の要因が複雑に絡み合った結果であることや、地域の状況等によって要因が異なることから、少子化対策については、婚活だけではなく、福祉、保健、医療、雇用、住宅、教育等、幅広い分野との連携が必要となります。 また、少子化対策は、行政だけで解決できるものではなく、府民、事業者、学校、関係団体等あらゆる主体がみずからの課題と捉え、連携協働していくことが重要ではないかと考えます。 こうしたことからも、我が会派は、いち早く少子化対策プロジェクトチームを立ち上げるなど、さまざまな角度から議論を重ねてまいりました。さきの二月議会において、我が会派の代表質問を受けて、政策企画部と福祉部を初め関係部局が参画して、結婚支援のあり方検討プロジェクトチームがことし四月に設置されたところではありますが、このような部局横断的な取り組みが婚活支援だけにとどまらず、大阪における少子化の要因、課題の洗い出し、子育てや、ライフデザイン、教育、住宅など、各部局で計画する関連政策と連携させ、
オール大阪で総合的かつ計画的な対策が構築されることを強くお願いしておきます。 最後に、もう一回モニターを。 最初に冒頭で紹介をさせていただいた
人口減少カレンダーであります。皆さんしっかり見ていただきたいと思いますけども、二〇一八年には十八歳人口が大きく減り始めて、国立大学も倒産の危機に陥るというところがあります。また、二〇二一年には団塊ジュニア世代が五十代に突入し、介護離職がふえ始める。また、二〇二二年には団塊世代が七十五歳に突入し、ひとり暮らし社会が本格化し始めると。 次お願いします。 また、二〇二六年には高齢者の五人に一人が認知症患者、約七百三十万人の方が認知症患者になるというふうに書かれておりますし、また二〇三三年には空き家が二千百六十七万戸を数え、三戸に一戸が人が住まなくなる等々、非常にもう辛辣なカレンダーでございますけども、否定はできないような内容になっていると私は思っております。 この
人口減少カレンダーに見られるように、我々が主張してきた若者の結婚促進や少子化対策は、子どもが安心して育ち、次代を担う人材へと成長させるために必要な政策であります。そこには、子育て支援や教育、労働施策やまちづくり等のさまざまな施策が有機的に連携して実施されなければならないと考えます。 もう世代別でくくるような政策の打ち方は既に古く、社会保障を初めとした政策も全世代型へと移行していくべきと考えており、これからも府議会でしっかり議論をさせていただきたいと考えております。 以上で、代表質問を終わります。御清聴、ありがとうございました。
○議長(大橋一功君) この際、休憩いたします。午後三時七分休憩 ◇午後三時三十一分再開
○副議長(奴井和幸君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。 通告により土井達也君を指名いたします。土井達也君。
◆(土井達也君) 大阪維新の会、土井達也でございます。 初めて大阪府議会議員に当選をさせていただきました年、大阪府は沖縄県と同じく失業率が全国で最悪の状態でありました。大阪府内には、仕事がない。当時、何で自分の子どもを就職に東京に送らなあかんねんと、府民の皆さんから大変なお叱りを頂戴したのを懐かしく思い出します。時を経まして、今、大阪府内では、有効求人倍率は平成に入って過去最高、有効求人人数は、昭和三十年代の統計をとり始めてから、過去最高という時代を迎えました。 さて、さきの統一地方選挙におきまして、私は、選挙区が阪南市単独から二市二町、田尻町、泉南市、阪南市、岬町という大阪府の最南端、最西端を含みます非常に広大で広域に及ぶ地域に変更となりました。 また、大阪府内では唯一の、関西圏でもわずか数市町村、三市町村と言われておりますけども、不交付団体であります田尻町も含みます。今まさに、改めて新人として活動をさせていただいております。 これだけ広域になってきますと、首長選挙、そして議会の選挙は、選挙区の中で任期中に八回あります。八回の選挙におきまして、首長さんの退職金や報酬、また議員さんの報酬とかどういう状況なんやろう、また大阪府内ではどんな状態なんかなと。身を切る改革と相まって、選挙のたびに確認するようになりますと、この大阪府内がすごい状況であることがわかってきました。 例えば、このパネルなんですが、大阪府内で知事含めて、首長さん四十四人いらっしゃいます。その中で、みずから退職金をゼロとしている首長さんは、大阪府内で何と十四人いらっしゃいます。退職金ゼロ以外にも、退職金七割カット、五割カット、三割カットなどなどなどさまざまな取り組み、十八の首長さんが行っています。それに、退職金以外にも、さまざまな割合で報酬のカットも二十九の首長さんが行っております。このパネルのとおり、報酬、期末手当を含めて、年間総支給額と退職金を含めた額で比較してみると、また府内は違った見え方がしてくるわけですね。 今回は、市町村議会は取り上げておりませんけども、府議会では、平成二十年八月から報酬一五%カット、平成二十三年四月から三〇%カット、そして府議会議員百九名から八十八名へと定数削減など行いまして、平成三十一年の任期満了までの議員報酬等削減効果額でいいますと、約四十六億円となります。大阪府議会議員の報酬は、都道府県議会の中で全国最低という状況であります。 以上のように、これほどの取り組みは、大阪が全国でトップであると想定されるところです。身を切る改革として、このような大阪府内の状況についての御見解、そして退職金を含めた過去の大阪府知事の報酬等最高額、ピーク時と比較しまして、松井一郎大阪府知事のこの二期八年の削減効果額や全国順位等について、お伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君)
知事松井一郎君。
◎知事(松井一郎君) 土井議員の御質問にお答えをいたします。 市町村長の報酬は、団体の規模、もともとの水準や減額の程度に違いがあることから、金額の多寡だけで評価することは難しいですが、厳しい財政状況のもと、みずからの報酬額の見直しに取り組むことは意義あることと、こう思います。 次に、私の給料、期末手当につきましては、一期目就任時から三割カットを続け、退職手当は二期目に廃止をいたしました。仕事じゃないんで、なりわいとしてやってるんじゃありませんので、僕は、仕事のときはすごくお金にこだわってやっていました。でも、今は、なりわいではありませんから、もうあんまりお金にこだわらずにやろうということでやっていまして、余りお金の話をすると、ちょっとショックも受けますから言いたくありませんが、過去最も高かった平成三年四月から八年間の報酬と比較をしますと、約一億九千五百万円少なくなっています。一任期四年間の総報酬額では、全国知事の中で下から二番目、四十六番目です。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) ありがとうございます。上品な御答弁いただきました。ありがとうございます。 次に、岬町なんですが、大阪湾南ルートに人、物、金の流れを創出しようということで、社会実験として十六年ぶりに岬町深日港と淡路の洲本港の航路復活をさせました。これは、民間企業に進出してもらうためのデータ、また課題などを把握するためです。そして、この九月三十日に、三カ月以上にわたります社会実験を終えました。これ、最終日の風景です。 岬町の深日港は、かつては四国や淡路島を結ぶ定期航路の港としてにぎわいを見せておりましたが、平成十三年に定期航路が全て廃止となりました。グランドデザイン大阪都市圏では、大阪湾の海上交通の図が掲載され、この深日--洲本航路も記載をされておりますけども、万博やIRによります大阪のさらなる成長を経て、もっと大阪湾内の海上交通が活発化していくことを期待しております。 そこで、まず航路再生を含め、深日港の活性化に向けた取り組みにつきまして、都市整備部長にお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) 大阪府では、岬町が行う深日港フェスティバルに毎年参画するとともに、みなとオアシスみさきの基幹的施設である岬町観光案内所や駐車場の敷地の使用、また社会実験における岸壁の使用について協力を行うことにより、岬町の取り組みを支援しております。 先ほど議員お示しのありました、先月末まで実施しておりました航路再生に向けた社会実験では、一万人を超える利用があり、淡路島を自転車で楽しむサイクリストにも大変好評でございました。 今後、社会実験の結果を踏まえ、深日港洲本港航路に関する連携協議会の場において、需要や採算性の検証を行うとともに、自転車で回れるルートの紹介や観光資源のPRなどによる需要拡大方策についても、検討を進めてまいります。 今後とも、岬町や関係機関と連携し、深日港の活性化に取り組み、港湾を生かしたまちづくりを支援してまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 次に、ことしの八月二十六日、二十七日、泉南市のタルイサザンビーチにおきまして、第一回大阪泉州夏祭りとして、MUSIC CIRCUSや肉フェス、カスタムカー、夢花火、海水浴や盆踊り、またたかじんAWARDなどを含めたイベントが開催をされました。十三年ぶりに花火が復活となり、会場内外含めて、数十万人の人出となりました。知事も、出席いただきました。この片田舎で、民間事業者がゼロから数十万人の人出をつくり出すのを目の当たりにしまして、公共が出張っている時代ではなく、可能な限り規制を緩和して、民間が大活躍すべき時代であると痛感しました。 景気循環の中、私が府議初当選したころの不景気で失業率が全国最悪の大阪の時代には、下支えのために公共の活躍が大いに期待されたわけでありますが、今のこの局面、民間事業者さんに大いに活躍してもらう局面であると実感したところであります。 この地は、大阪府でありますが、協定書を交わし、泉南市が市営公園を整備することになっています。その公園整備手法は、民間活力による公園整備であるということであります。今後、市営公園の整備が着実に進むよう、府市連携のもと、大阪府としても積極的に取り組むべきであると考えますが、都市整備部長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) りんくう公園は、りんくうタウンのにぎわいづくりや活性化に重要な役割を担うことから、大阪府と地元二市一町が密接に連携、役割分担しながら、着実に整備を進めております。 泉南市域については、市営公園として開設が予定されておりますが、整備が計画どおり進むよう、大阪府といたしましては、用地の買い戻しを平成三十一年度に完了させるとともに、グラウンドゴルフ場とはらっぱ広場のビオトープ池の整備が予定されている公園の南端区域についての造成などの基盤整備を進めてまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 続きまして、この市営公園は、泉南市が民間の活力を活用するPFI方式で整備する予定で、この公園に隣接しまして府有地が存在します。この府有地、サザンビーチに極めて近接しておりまして、宿泊施設など、市営公園と相乗効果を発揮する施設を誘致すれば、りんくうタウンのさらなる活性化につながると考えます。今後、府は、この府有地の活用に向けましてどのように取り組むのか、住宅まちづくり部長にお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 住宅まちづくり部長山下久佳君。
◎住宅まちづくり部長(山下久佳君) 市営公園整備予定地に隣接する府有地についてでございますが、市営公園につきましては、現在、泉南市において、その整備内容や周辺も含めた店舗、宿泊施設等の立地可能性などについて市場調査を実施しております。府としても、隣接する府有地について、りんくうタウンの魅力や集客力を一層高める施設の立地が可能となるよう、市と連携して、この三月に近隣商業地域への用途変更を行ったところです。 今後、市営公園の整備の動向を踏まえ、年度内をめどに、市営公園と相乗効果が発揮される施設の立地を図り、りんくうタウンのさらなる活性化に取り組んでまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 次に、和泉葛城山の国の天然記念物、ブナ林伐採についてお伺いをします。 山頂には、たくさんの碑とか看板があるんですが、左側、石碑ですが、「史跡名勝天然記念物保存法により 大正十二年三月七日 内務大臣指定」というのがあります。右側は、「昭和三十八年十一月三日 大阪府教育委員会 貝塚市教育委員会」という石碑があります。 貝塚市、岸和田市にまたがりまして、国の天然記念物、和泉葛城山のブナ林があるわけなんですが、八ヘクタールの範囲が、文化財保護法により国の天然記念物に指定をされております。国内でのブナ分布の南限に近い標高が低い場所で見られる貴重な原生林として、大正十二年に指定をされました。 何で貴重かといったら、原生林もあるんですけども、かつては山には木がなかったよと、大阪の森林を知りましょうというんで、こういうのを環農さんが出してくれているんですね。要は、燃料やったから、大阪の山には木がなかったんです。だから、もともとある森林は物すごい重要やと。これも、環農さんが出していただいている資料です。こんな状態であったよということなんです。 この和泉葛城山のブナ林におきまして、一本の古木が無断で伐採をされました。現地を確認しましたが、伐採されたブナは、周辺を見渡す限りでも最大規模の巨木です。切り株の年輪を数えますと、樹齢三百年を超えているといいます。 貴重なブナを伐採すべきかどうかは、地元市や関係各者を交えた協議を重ね、合意の上になされるべきでありますけども、ブナ林の管理を託されている公益財団法人大阪みどりのトラスト協会が、通行者の危険回避のためには現状変更申請が必要ないと判断し、伐採したと聞いております。 本来、指定されている文化財につきましては、法に基づき、文化庁長官の許可なく現状変更することはできません。伐採に当たっては、岸和田、貝塚両市の教育委員会、大阪府教育庁を通じまして、文化庁との協議と許可手続が必要でありますが、市教委にも相談はなかったということであります。この事案につきまして、教育長に文化財保護法上の解釈と見解についてお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) 文化財保護法第百二十五条では、国指定天然記念物を現状変更する場合には、文化庁長官の許可が必要であると定めております。今回の伐採は、現状変更に当たりますが、公益財団法人大阪みどりのトラスト協会は、必要な手続をとっておりませんでした。今回の事案につきましては、文化庁と協議をした上で、トラスト協会からのてんまつ書を添えまして、所有者による毀損届を本年六月一日付で文化庁長官に提出をいたしました。 大阪府教育庁といたしましては、国指定天然記念物の現状変更手続を徹底するため、トラスト協会に対しまして、和泉葛城山ブナ林保護増殖検討委員会など関係機関の指導助言を踏まえて天然記念物の保護に当たりますよう、強く指導したところでございます。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 国の天然記念物としてのてんまつにつきましては、ただいま教育長から説明いただきまして、理解をいたしました。環境農林水産部としましても、みどり環境の保全の観点から、トラスト協会とともに保護増殖に努めているという立場でございます。 そこで、環境農林水産部として、これまでの取り組みと、今回の事案に対する認識及び今後の再発防止に向け、どのように取り組んでいくのかを環境農林水産部長にお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 環境農林水産部長竹柴清二君。
◎環境農林水産部長(竹柴清二君) 天然記念物である和泉葛城山のブナ林の保全に資するため、平成四年から五年にかけて、当該ブナ林のエリアを取り囲む周辺森林約四十七ヘクタールをバッファゾーンとして府が取得し、平成八年にそのエリアを自然公園法の特別地域に指定し、その保全に努めてまいりました。 あわせて、このバッファゾーンにおいては、府教育庁、地元市やトラスト協会、また関係団体との連携のもと、専門家の知見も得て、ブナの苗木の育成や生育調査などブナ林の保護増殖に資する取り組みにも努めてまいりました。 このような取り組みが進められている中、今回のトラスト協会による天然記念物であるブナの伐採につきましては、府としてまことに遺憾であり、事案発生後、直ちに同協会に対して経緯の説明を求めますとともに、再発防止に向けた取り組みを進めるよう強く指導をいたしました。 今後とも、当部や教育庁、地元市、トラスト協会等で構成する和泉葛城山ブナ林保護増殖検討委員会の枠組みのもと、天然記念物ブナ林の保全が適切に図られますよう、トラスト協会の活動を指導してまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、昨年五月に、岸和田市におきまして発生しました土砂の無許可堆積事案につきましては、梅雨の本格化前に、行政代執行によりまして土砂の撤去が済んだと伺っておりますけども、一方で、行為者に対する搬入土砂撤去の大阪府の指導の中で、昨年七月には、岸和田市の土砂の一部が泉佐野市の土地に搬出をされました。その土地には、同じ行為者によって、岸和田市以外の場所からも、さらに多くの土砂が持ち込まれて、当該土地の面積は、大阪府の条例の規制の対象規模の三千平米未満でありまして、現在でもこんなふうに放置されたままで、土地の所有者が大変困っているという状況にあります。ぎりぎりのところでやめたわけですよね。 この事例につきましては、市町村において、府の条例の対象規模未満の埋め立て等を規制する条例を制定すれば、ある程度抑えられるのであろうと思うわけなんですが、実際に泉佐野市以外に京田辺市にも持ち込んでおります。京田辺市では、規制条例があって、行政指導で食いとめたよということであります。 特に泉南地域におきましては、岬町を除きまして条例未制定であり、今後、中山間部を有する市町村に不適正な土砂埋め立て等が多発する可能性もあります。条例を制定していない市町村への働きかけや制定の状況についてお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 環境農林水産部長竹柴清二君。
◎環境農林水産部長(竹柴清二君) 市町村が、土砂埋め立て等の規制条例を制定しますことは、市町村において、地域の実情に即した指導ができることに加えまして、土砂埋め立て行為の早期把握にもつながることから、府として、その制定について働きかけを行ってまいりました。 府内では十一市町村が条例を制定しており、八市町が制定を検討しています。とりわけ、中山間部を有する市町に対し、条例制定を強く働きかけますとともに、本年六月には、府と市町村によるワーキンググループを設置し、市町村における条例の制定や運用面の支援に努めているところでございます。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) ありがとうございます。 もう皆さん御承知のとおり、これ、大阪府内で全部、条例を市町村が整備したからといって、じゃ大阪府内じゃなくて他府県へ持っていこうと考えたら、それまでの話でありまして、おんなじ状況がほかの都道府県で大阪が指導することによって生じてくるという事態を招くわけですね。 ということで、条例で幾らやっていったとしても、罰金上限百万円、懲役二年という地方自治法上の上限がありますんで、抑止力としては、地方にとっては不十分であるということであります。だから、国に対して法の制定を求めていこうということでありまして、我が会派としましても、法律制定に向けた国への働きかけの必要があるんだなと思います。引き続き、大阪府のほうも要望をしていただきたいと存じます。 次にいきます。 泉南市の兎田地区では、樫井川の河川改修に伴いまして設置されたゴム堰により、農業用水を取水しております。このゴム堰は、現在、目立った支障が生じているわけではありませんけども、耐用年数が近づきつつあります。大がかりな補修や更新には、非常に高額な費用がかかるので、農家の皆さんは、将来の費用負担を懸念しております。 このような大がかりな補修や更新が必要なゴム堰に対しまして、大阪府では、モデルケースにて対策を検討していると聞いておりますが、その取り組み状況と兎田地区のゴム堰への今後の対応につきましてお伺いをいたします。よろしくお願いします。
○副議長(奴井和幸君) 環境農林水産部長竹柴清二君。
◎環境農林水産部長(竹柴清二君) ゴム堰につきましては、その更新に当たりまして、大規模なものは事業費も大きく、地域の農業者が、将来の費用負担などに不安を抱えておられることにつきましては認識をいたしております。 このため、都市整備部と連携し、農業者の負担の軽減に向け、ゴム堰としての更新だけでなく、他の取水方法への変更や代替水源への転換などを含め、地域の実情に合った対策をモデルケースとして検討し、その具体化を進めているところでございます。 お示しの兎田地区のゴム堰につきましては、本年の七月にも、地域の農業者から実情を確認しております。引き続き、将来にわたって農業用水が安定的に確保され、安心して農業が行われるよう取り組んでまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 続きまして、瀬戸内国定公園に近くて、すぐれた景観に恵まれましたせんなん里海公園、壮大な海と森両方の自然環境を楽しむことができまして、この環境を生かした取り組みの可能性は、まさに無限大であると考えます。先ほども述べましたとおり、現在の局面は、公共は二、三歩引いて、民間事業者が活躍できる環境を整えていくことが重要であろうと考えます。この恵まれた環境を最大限に生かして、せんなん里海公園の魅力をさらに高めていく、これまでの既成概念にとらわれることなく、大胆な発想で利活用を考えていくことが重要であろうと考えます。 民間のノウハウや企画力を活用しまして、ここでしか味わうことのできないイベント、またこの公園のすばらしいロケーションを生かした施設の誘致など、さらなるにぎわいづくりに向けまして積極的に取り組んでいくべきでありますが、都市整備部長の御所見、お伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) 大阪府では、府営公園において、より質の高い多様なサービスの提供を目指し、カフェ、コンビニなどの誘致や各公園の特性を生かした集客力の高いイベントの実施などにより、にぎわいづくりを進めております。 この取り組みを一層加速させるための新たな手法として、今年度、服部緑地と箕面公園において、民間事業者との対話を通じて幅広くアイデアを求める、いわゆるサウンディング型市場調査を実施いたしました。この結果、十二の民間事業者から、健康や食をテーマにした施設整備や新技術を活用した管理手法など、これまでにない新たな提案がありました。 せんなん里海公園には、恵まれた海辺の環境を生かした魅力づくりの可能性があると考えており、まずはサウンディング型市場調査を実施するなど、民間事業者のノウハウを生かした、さらなるにぎわいづくりに取り組んでまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 次に、人口減少が進行する中で、漁業につきましても、担い手不足が課題となっております。 大阪府におきましては、漁業者のうち四十歳未満の割合は、全国平均一六・九%と比較しまして、二〇・一%と比較的高い割合であると伺っておりますけども、漁業がなりわいとして成り立ち、新たな担い手を安定的に確保できるように、どのような取り組みを行っているのか、環境農林水産部長にお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 環境農林水産部長竹柴清二君。
◎環境農林水産部長(竹柴清二君) 大阪の漁業を活性化し、さらに発展させていくためには、漁業に意欲的に取り組もうとする新たな担い手の確保を図ることが必要であると考えております。 そのため、これまでも大阪府漁業協同組合連合会と連携しながら、府内の漁業協同組合に対して、全国規模で実施される漁業就業支援フェアにおける求人活動への参加や、新たな担い手に対する研修制度など、国の支援制度の活用について働きかけ、新たな担い手の参入につながったところでございます。 また、漁業を志す方々にとって、大阪の漁業が、将来にわたり魅力あるものとなるよう、漁場環境の整備や稚魚放流、資源管理等の取り組みを進め、水産資源の維持、回復に努めております。 引き続き、これらの取り組みを通じて、新たな農業の担い手の確保に努めてまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) ありがとうございます。漁業への新たな担い手を安定的に確保できるよう、引き続き取り組みを進めてください。 加えまして、新規就業者が定着するためには、生活のトータルサポートが必要ではないかと考えます。例えば大阪府の最西端にある集落、岬町の小島地区では、アパートや賃貸住宅というのがありません。山原學組合長は、後継者をつくらなくちゃいけない、どこで魚がとれるのか、漁場を引き継いで、その知識を次の世代へ引き継いでいかなければならないということで、遠方から小島の漁師に若者をリクルートしてきています。なのですが、住宅の確保一つにも苦労する実態があるんですよというお話をお伺いしました。ないんですよね。 大阪府では、市町村と連携しまして、全国に空き家情報とまちの魅力を発信します大阪版空き家バンク事業を実施しておりますけども、その中で岬町での暮らしやまちの魅力を空き家情報とともに発信し、若者を呼び込むような工夫を凝らした取り組みを実施していただくなど、大阪府としましても支援をお願いいたしておきます。 最後に、川から木です。 さきの台風のときの大阪府管理河川、これは西川というところです。 次に、これ先週末に撮影しました大阪府管理河川の東側です。これもおんなじですね。川から木というタイトルなんですけど、もはや川なのかという状況なんですが、これが、大阪府の端の大阪府管理河川の風景であります。珍しい風景じゃなくて、こういう風景ですね。 だからといって、現場の職員の皆さんが怠けているわけじゃなくて、本当に真摯に取り組みしていただけておるということはつけ加えておきます。 大阪府では、河川の堆積土砂状況の調査をもとに作成しました河川特性マップを平成二十九年七月末に公表をしておりますけども、河川特性マップなどを活用しまして、このような河川内の草木を含む堆積土砂対策につきまして、しっかりと取り組んでいただきたいと思うのですが、都市整備部長にお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) 河川の堆積土砂対策につきましては、土砂の堆積状況の調査結果を先ほどお示しいただきました河川特性マップにまとめており、この調査結果に加え、川沿いの市街化の状況や洪水、氾濫による影響度などを考慮の上、計画的に進めております。 実施に当たっては、単に土砂を撤去するだけではなく、撤去した土砂を利用し、河床が低下している区間や川底が深く掘られた箇所へ埋め戻す工夫をしております。 また、樹木につきましては、流水を著しく阻害する場合、伐採を行っているところであり、議員お示しの箇所につきましては、平成二十七年度に伐採を行ったところですが、樹木が短期間で非常に著しく繁殖しておりますので、今後、河床を掘り起こし、根こそぎ取り除くなど抜本的な対策を講じてまいります。 引き続き、河川の特性に応じた効果的、効率的な対策を行い、府民の安全安心の確保に努めてまいります。
○副議長(奴井和幸君) 土井達也君。
◆(土井達也君) 以上をもちまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。
○副議長(奴井和幸君) 次に、うらべ走馬君を指名いたします。うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 自由民主党・無所属 大阪府議会議員団のうらべ走馬でございます。 一般質問の機会をいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。 まず初めに、チャレンジテストに関してお伺いいたします。 大阪府では、調査書の評定の公平性を担保するためにチャレンジテストを行っていますが、テストの結果を活用して評定が決定するまでのルールが複雑でわかりにくいという声が届いています。府教育庁では、中学校の先生や生徒、保護者に対して、この制度をどのように周知しているのかをお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) チャレンジテストを活用いたしました府内統一ルールにつきましては、毎年、市町村教育委員会に通知をし、市町村教育委員会及び中学校の校長、教員を対象に説明会を開催いたしますとともに、大阪府教育委員会のホームページに入学者選抜のページを設けまして、周知徹底を図っております。 また、今年度は、制度をわかりやすく解説いたしましたリーフレットを新たに作成し、市町村教育委員会に依頼の上、各中学校を通じまして、中学生や保護者に配布をしたところでございます。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) チャレンジテストの仕組みや活用方法の周知がまだまだ不十分に感じますので、より丁寧に説明をお願いいたします。 また、チャレンジテストは、年間二億円余りの予算を投入して実施していると聞いております。多くの予算を使い、このテストを実施して成果があったと考えているのかをお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) チャレンジテストは、府内の中学生の学力向上を図るとともに、高等学校入学者選抜におけます評定の公平性を担保するという、主に二つの目的で実施をいたしております。 平成二十四年度に、調査書評定を絶対評価で行うと決定をし、他府県の事例も参考にさまざまな観点から慎重に検討を重ねまして、平成二十七年度からチャレンジテストを活用した府内統一ルールを導入いたしました。このルールは、各中学校の調査書評定につきまして、大阪府全体の状況に照らした目安を示しておりまして、これまでその目的を十分に達成しておると考えております。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) チャレンジテストを活用した府内統一ルールを導入して三年がたっておりますが、五教科の結果を活用して九教科全体を判断することには、無理があるのではないかと思っております。また、絶対評価が定着し、中学校での評価基準が安定したものになっているということであれば、多くの予算を使ってチャレンジテストを続ける理由はないのではないかとも考えております。他県では、大阪府と異なる方法とはいえ、調査書の評定の公平性を保つ仕組みを取りやめた例もあると聞いております。 さらに、私立は、そもそもチャレンジテストに参加していないこともあわせ考えれば、選抜制度におけるチャレンジテストの活用ありきで考えるのではなく、この制度をいつまで続けるのかという観点も含めて、今後、制度の検証を続けてほしいと思います。 次に、大阪府では、支援学級に在籍する児童生徒が、通常の学級の児童生徒とともに学び、ともに育つ教育を全国に先駆けて推進していると聞いております。大阪府において、支援学級に在籍する児童生徒数が増加する中、支援学級の児童生徒が、通常の学級に入って交流する際には、人的支援を含めた、よりよい環境づくりが必要になるのではないかと考えます。 私の地元茨木市においても、支援学級に在籍する児童生徒数の増加により、この交流の時間において、児童生徒数が四十名を超えるなど、クラスが過密な状況になっている学校もあると聞いております。府教育庁では、このような状況を把握しているのか、お答えください。
○副議長(奴井和幸君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) 府内小中学校の支援学級に在籍をする児童生徒数は、この十年間で約二・五倍となっておりまして、大阪府教育庁におきましては、障がいのある児童生徒へのきめ細かな対応ができますように、市町村教育委員会とも連携をし、知的障がい、肢体不自由、弱視、難聴など障がいの種別ごとの支援学級の設置を進めてきたところでございます。 また、
子どもたちの社会性や人間性を高めていくためには、支援学級と通常の学級の児童生徒がともに活動することが極めて重要であることから、交流及び共同学習を推進してきております。 交流及び共同学習を行う際には、支援学級と通常の学級の児童生徒が一緒になるため、一部の学校におきまして、一クラス四十名を超える状況があることは承知をいたしております。交流及び共同学習を進めるに当たりましては、担当教員に加えまして、支援学級を担当する教員、また市町村が雇用する特別支援教育支援員等も交流学級に入り込むことによりまして、児童生徒への指導と支援の充実に取り組んでおるところでございます。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 府の教育庁が、障がい種別ごとの支援学級の設置を進めてきたことと、交流及び共同学習の状況は理解いたしました。 ただ、今後とも支援学級に在籍する児童生徒は増加していくだろうと思われることから、交流及び共同学習を行う際、先ほどのようなクラスが過密となる状況は、これからも生じるものであると考えます。この課題にどのように取り組んでいくのか、教育長の見解をお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) 発達障がいなどさまざまな支援を必要とします児童生徒の増加に対しましては、支援学級の設置とともに、通常の学級に在籍する児童生徒が、障がい特性に応じた専門的な指導、支援を受ける通級指導教室の設置を進めてまいりました。 通常の学級は、通級による指導を受ける児童生徒も合わせた人数をもとに編制されますことから、障がいのある児童生徒の状況に応じまして、通級による指導を行った場合には、一クラス四十人を超える状況は減少をいたします。また、今年度、新たに交流及び共同学習の充実に必要な財源措置、また通級指導教室の基礎定数化の確実な実施を国に要望しておるところでございます。 今後とも、市町村教育委員会と連携をし、通級による指導の充実を図るとともに、支援学級を含めた多様な学びの場において、一人一人の障がいの状況に応じた指導、支援が一層充実するように取り組んでまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 引き続き、取り組みをよろしくお願いいたします。 それでは、次に移ります。 平成三十一年(二〇一九年)の八月に全国中学校体育大会が開かれ、大阪では、陸上競技と剣道の二競技が行われると聞いております。オリンピック・パラリンピックイヤーの前年に開催されるこの大会を地元としてもしっかりと支援をして、成功させてもらいたいと思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。
○副議長(奴井和幸君)
教育長向井正博君。
◎
教育委員会教育長(向井正博君) 全国中学校体育大会は、昭和三十六年に始まりまして、中学生に広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とアマチュアスポーツ精神の高揚を図り、心身ともに健康な中学生を育成するとともに、相互の親睦を図ることを目的として実施をされてきております。 この大会は、全国八ブロックの持ち回りで開催をされてきておりまして、近畿ブロックでは、前回は平成二十三年度、次回は平成三十一年度の予定であり、大阪府では、陸上と剣道の二種目が行われることとなっております。 大阪府教育庁といたしましても、全国から大阪に集まる中学生が実力を存分に発揮できますように、開催準備に取り組んでまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 全国から大阪に来る中学生を温かく迎えることはもちろんのこと、大会を成功させるために、予算措置や運営体制の充実に向けて、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いをいたします。 それでは、次に、彩都東部のまちづくりについてお伺いをいたします。 彩都東部地区については、まず彩都の西部地区、中部地区、東部地区を貫き、まちの骨格となる茨木箕面丘陵線について、大阪府が施行する予定の中部地区と東部地区の間の未整備区間について、東部地区の事業化にあわせて、しっかりと整備してほしいという声があります。 私も、この茨木箕面丘陵線は、本年十一月に開通予定の新名神高速道路へのアクセス道路の役割も担い、東部地区のまちづくりに欠かせない重要な路線であるため、全区間の早期供用が必要であると考えております。 また、本年一月の大阪府の戦略本部会議において、モノレールについては彩都西駅までとし、彩都西駅から東部地区への公共交通は、バスの導入を調整する方向が示されておりますが、地元から、東部地区に隣接する既存の住宅地を含めて、地域全体にメリットがあるよう検討を進めてほしいという声もあります。 今後、これらの地元の声にしっかりと耳を傾け、彩都東部地区のまちづくりの早期事業化を図ってほしいと考えますが、住宅まちづくり部長に所見をお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 住宅まちづくり部長山下久佳君。
◎住宅まちづくり部長(山下久佳君) 彩都東部地区のまちづくりにつきましては、新名神高速道路の開通や、大阪府内での新たな産業用地を求める企業ニーズ、事業化を求める地元の声に対応するためにも、速やかに進めていく必要があると考えています。 茨木箕面丘陵線については、彩都東部地区のまちづくりの進捗に合わせて全区間を整備することとしており、現在、東部地区の地権者協議会において、産業系中心へ転換する土地利用計画案や、全体で約二百八十ヘクタールに及ぶ地区を段階的に整備する事業化プランの合意形成が進んでいることから、都市整備部や地元市などと早期事業着手について協議を進めてまいります。 公共交通については、周辺地域を含めた利便性の高いバスネットワークの形成を目指し、既存路線の再編なども含め、地元市やバス事業者などと協議を進めてまいります。 今後、彩都建設推進協議会を通じ、平成三十年度の都市計画変更に向けた手続を進めるなど、彩都東部地区のまちづくりの早期事業化に取り組んでまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) さまざまな地元の声を十分に把握しながら、地元の地権者の負担軽減策や、企業が進出の決断をしやすい工期の短縮などの取り組みについて検討を一層深めることにより、彩都東部地区の早期事業化に向け、取り組んでいただきますように要望をしておきます。 また、彩都のまちづくりに加え、新名神高速道路の川西インターチェンジから高槻インターチェンジの開通に向けて整備が進むなど、刻々とその周辺の環境が変化し、交通の流れも大きく変わろうとしております。この周辺地域における交通の円滑化を図るためにも、新たな道路ネットワークの整備はもちろんのこと、既存道路の渋滞対策が急務であると考えております。 具体的には、新名神高速道路への主要アクセスとなる都市計画道路大岩線の整備を着実に進めていただきたいことと、さらに大岩線につながる府道茨木亀岡線と国道一七一号とが交差する西河原西交差点の立体交差化事業の早期完成も重要であると考えます。 そこで、これらの事業の進捗状況や今後の予定について、都市整備部長にお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) まず、都市計画道路大岩線につきましては、昨年度に用地買収が全て完了し、現在、工事を着実に進めております。このうち、新名神高速道路の茨木千提寺インターチェンジから府道茨木摂津線までの区間は、既に概成しており、新名神高速道路の開通と同時に供用する予定でございます。残る府道茨木摂津線から茨木亀岡線までの区間につきましては、現在、橋梁工事などを行っており、平成三十一年秋の供用を目指しております。 次に、西河原西交差点の国道一七一号を越える立体交差化につきましては、平成二十八年度に建設事業評価審議会において、事業実施が適切であるとの意見具申を得ており、現在、橋梁の設計を実施しております。来年度から現地工事に着手する予定であり、早期完成を目指し、着実に事業を推進してまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 早期完成に向けての取り組みをしていただいているようでありがとうございます。地元の皆さんも非常に期待をしておりますので、より早く実現ができますようによろしくお願いをいたします。 次に、自転車道についてお伺いをいたします。 私は、前回、平成二十八年二月の一般質問にて、自転車利用の促進の観点から、自転車レーンの整備を進めるように要望をいたしました。 その後、大阪府では、平成二十八年十月に大阪府自転車通行空間整備緊急三カ年計画を策定し、府管理道路の自転車レーン整備を進めており、平成二十八年度に十キロメートルを整備し、平成二十九年度には二十三キロの整備予定とのことであります。 さらに、市町村のネットワーク計画策定の促進にも取り組んでいると聞いており、前回質問時には、策定済みは五市でありましたが、その後、泉大津市、吹田市、枚方市で策定され、合計八市で策定済みと聞いております。 これは、茨木市のネットワーク計画図です。自転車ネットワーク計画に基づき、府と市が連携をしながら自転車レーンの整備を進めており、駅周辺の道路などでは、自転車レーンが目にとまるようになってまいりました。 また、先ほどの取り組みとは別に、公園や観光施設、レクリエーション施設を結ぶ北大阪サイクルラインなどが整備されておりますが、この図にある大阪府管理道路では、万博公園を挟む二本のラインで自転車レーンの整備が進められております。そのうち、東側の大阪高槻京都線では、茨木市から吹田市までの整備が進められておりますが、大阪の都心まではつながっていないという状況であります。 そこで、まず自転車通行空間の整備に関する現在の取り組み状況について、都市整備部長にお伺いをいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) 現在、大阪府の管理道路において、自転車や歩行者の安全確保の観点から自転車通行空間の整備を進めており、緊急三カ年計画に基づき、平成三十年度までに六十キロを整備することとしております。 この自転車通行空間は、市町村道とネットワーク化することでより大きな効果を発揮することから、特に自転車関連事故の多い市町村や自転車を利用する住民の割合が高い市町村に対して、重点的に助言や意見交換、情報提供などを進め、自転車ネットワーク計画の策定を働きかけているところでございます。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 府内市町村のネットワーク計画策定を働きかけているということでありますが、私は、自転車レーンは長距離にわたって移動できてこそ意味のあるものであると考えており、広範囲に広がっている河川敷を活用して整備することが有効であると考えております。 淀川や大和川、石川など一部区間には、サイクルロードが整備されておりますが、ぜひほかの河川にも広げてほしいと思います。 そこで、河川敷の活用も含めた自転車ネットワーク整備に向けた今後の取り組みについて、都市整備部長にお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) 自転車通行空間は、現在、車道で整備を進めておりますが、自動車の通行量が多い道路や、幅員が狭くスペースが十分にとれない道路に並行して自転車通行が可能な河川がある場合、より安全な自転車通行空間整備のため、ネットワークの一部として河川敷を活用することも有効であると考えております。 このため、河川敷の活用という観点も踏まえ、計画策定を進めることとし、市町村に働きかけるとともに、府管理道路についても、平成三十年度を目途に十カ年整備計画を策定してまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 今後とも、交通安全の観点とあわせて、自転車利用の促進の観点からも、大阪府は、どこでも自転車で移動できる都市と言えるくらいの広域的に自転車レーンの整備を拡大していただきたいと思います。 一方、自転車愛好者から、既に河川敷を活用している箇所において、例えば淀川の河川敷では、自転車利用は可能であるものの、強固な車どめが設置されているため、その都度、自転車をおりなければならないなど、支障となっているという声も聞いております。 これは、過去に河川区域内でバイクと歩行者の死亡事故が起こっており、河川利用者の安全のために設置しているということは理解できますが、自転車が快適に利用できるよう、車どめの改良を行うなど、河川管理者である国とも連携をし、対策を検討していただきますように要望をしておきます。 次に、万博五十周年に関してお伺いをいたします。 万博記念公園は、一九七〇年に開催された大阪万博の跡地に整備された公園で、太陽の塔など博覧会当時の施設は、今でも公園のシンボルとなっております。 二〇二〇年には、博覧会開催から五十周年を迎えますが、この年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、日本が世界に注目をされる年になると考えられます。二〇二〇年に向け、万博記念公園の魅力を高める取り組みを進め、世界から注目される公園になることを願っております。 二〇二五万博の開催地決定は、二〇一八年十一月と聞いておりますが、五十年前に開催した博覧会の跡地につくった公園が今なおにぎわいを持ち続け、世界から注目されることは、二〇二五万博誘致によい影響を及ぼすと考えます。 そこで、万博記念公園において、二〇二〇年の五十周年記念イベントを盛大に行っていただくとともに、二〇二五万博誘致に貢献していただくためにも、さらなる魅力アップや集客に努めていただきたいと考えますが、府民文化部長の所見をお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 府民文化部長岡本圭司君。
◎府民文化部長(岡本圭司君) 万博記念公園の魅力創出につきましては、大阪都市魅力創造戦略二〇二〇の重点取り組みに位置づけており、現在、四季折々の催しやイルミナイト万博など、年間七十五件に及ぶイベントを開催し、集客を図っています。また、今月開催している大阪文化芸術フェスティバル二〇一七のメーン会場にもなっております。 さらに、来園者の利便性の向上のため、今年度は、公園パンフレットと園内マップの多言語化や日本庭園における案内サインの充実などに着手しています。あわせて、三月には太陽の塔の内部一般公開を四十八年ぶりに復活すべく、現在、再生工事を進めています。このような取り組みを通じまして、公園のさらなる魅力アップを推進してまいります。 大阪万博五十周年を迎える二〇二〇年は、都市魅力創造戦略の最終年度でもありますことから、五十周年記念事業を大いに盛り上げるとともに、国内外から多くの方に訪れていただき、大阪が誇る文化観光拠点となるよう、公園の魅力の創出、発信に力を尽くしてまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 万博五十周年の記念イベントについては、インパクトのあるイベントをしていただきたいと思っております。 一つの提案でありますが、私としては、アート・バーゼルを万博公園で開催してはどうかと考えております。アート・バーゼルは、スイスのバーゼルで毎年開催されている世界最大の国際アートフェアで、アートの専門家と収集家のための見本市であります。約三百のギャラリーが一堂に会し、出展アーティスト二千五百人、一万点もの作品が集まり、二〇一三年には六万人を超える愛好家が来場するといったものであります。 また、アメリカのマイアミや香港でも、それぞれアート・バーゼルマイアミ、アート・バーゼル香港として開催をされました。 アートフェアとしては、大阪でも、本年七月にART OSAKA二〇一七がホテルグランヴィアで開催をされております。 このアート・バーゼルは、五日間で百億を超える売買があったと言われており、まさに知事が推し進めるインバウンドの効果が期待される事業でもあります。 万博五十周年の節目である二〇二〇年に万博記念公園で開催をしていただき、世界中の現代芸術が万博記念公園に集まり、それを目当てに世界中から人が集まる、このように世界が注目するイベントを企画していただきますようにお願いをいたします。 次に、安威川ダムについてお伺いをいたします。 安威川ダムは、JR茨木駅から直線距離で六キロと市街地から近く、現在、建設が進んでおります新名神高速道路の茨木千提寺インターチェンジからも三キロメートルほどの距離に位置しております。また、周辺地域には、豊かな自然環境に加え、隠れキリシタンの里など文化的な資源も有しております。 この都市近郊に位置するアクセスのよさや文化的な資源に加え、安威川ダム完成後は、新たに創出されるダム湖や周辺の豊かな自然環境を生かし、茨木北部地域が、多くの府民に愛され親しまれるものとしていくことが重要であると考えております。 ダムの事業区域も含めた周辺地域の利活用については、大阪府とまちづくりの主体である茨木市において、平成二十一年八月に安威川ダム周辺整備基本方針が策定され、この基本方針の中で、パネルのように、ゾーンごとの利活用の方針が示されております。 この方針に基づき、平成二十五年度からは、利活用に向けたさまざまなアイデアや意見を募るため、地元の方々や一般府民などを対象としたワークショップが開催をされており、ワークショップで出たアイデアや意見を含め、安威川ダムの周辺整備を実現するため、茨木市が民間活力を導入することを検討していると聞いております。 私は、この安威川ダム及び周辺地域の利活用については、地域との連携を図りつつ、スケジュール感を持って府と市がより密接に協議を重ね、進めていく必要があると思いますが、都市整備部長の見解をお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 都市整備部長井出仁雄君。
◎都市整備部長(井出仁雄君) 安威川ダム完成後のダム及びその周辺地域のあり方につきましては、安威川ダム周辺整備基本方針で示されたゾーニングを踏まえ、現在、茨木市とともに民間活力を導入した利活用を検討中です。 具体的には、大阪府が、河川区域で民間事業者による営業活動ができるよう規制緩和を検討しており、茨木市が、昨年度より民間事業者へのヒアリングを実施したところです。このヒアリングにおいて、カフェ、レンタサイクル、アウトドア事業者などが興味を示しているとのことであり、現在、利用者の安全性を確保できる立地場所やそのアクセスなどについて、茨木市と連携して検討を進めております。 引き続き、安威川ダム及び周辺地域の魅力創造につながるよう、茨木市と丁寧に協議調整するとともに、地域とも意見交換を重ねながら、年内には民間活力の導入エリアを含めた安威川ダム周辺整備の全体像を取りまとめてまいります。
○副議長(奴井和幸君) うらべ走馬君。
◆(うらべ走馬君) 茨木市では、安威川ダム本体並びにダム湖周辺を観光資源として積極的に活用していくという計画を進めております。周辺整備におきましても、茨木市と協議を進め、魅力あるものとなるよう、スケジュール感を持っての対応をお願いいたします。 また、府では、大阪ミュージアム等の広域的な観光施策を展開しているということでありますが、府の観光施策は大阪市内に集中をしており、衛星都市には何もしてくれていないという声も届いております。大阪市内だけではなく、こうした衛星都市の魅力もしっかりと活用して、より強力に府内全域の観光施策を推し進めていただきますように要望をしておきます。 最後に、茨木市域の大阪府立北摂自然公園について要望しておきます。 茨木市の北部には、北摂山系が連なり、平成十三年八月に竜王山地区を初めとする三地区、計三百二十四ヘクタールが、府立北摂自然公園に指定をされております。指定後十六年がたちますが、茨木市に府立北摂自然公園があるということが余り知られていないと思っており、もっと多くの人に利用してもらう取り組みが必要であると考えます。 府立自然公園の指定に当たり制定された大阪府立自然公園条例では、自然公園の区域内における開発の規制等により、すぐれた自然の風景地を保護することのほか、利用の増進を図り、府民の健康で文化的な生活の確保に資することが目的であると定められております。 そこで、安威川ダムの建設に伴い、市域北部への道路整備が進展し、府立自然公園の近くに新名神高速道路の茨木千提寺インターチェンジも設けられるなどアクセスの充実も進む中、府として、府立自然公園の利用促進に取り組んでいくべきであると考えております。 北摂山系には、全国的にも有名な東海自然歩道のほか、地元市で独自にルートに設定されている自然歩道が整備されております。地元市や観光協会などと連携を図りながら、府立自然公園のPRや自然歩道を軸にした利用促進の取り組みを進めていただきますように要望をしておきます。 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴、ありがとうございました。 -------◇-------
○副議長(奴井和幸君) この機会に、あらかじめ会議時間を延長いたします。 -------◇-------
○副議長(奴井和幸君) 次に、河崎大樹君を指名いたします。河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 大阪維新の会の河崎大樹でございます。 それでは早速、通告に従い、順次質問をしてまいります。 先日の法定協議会で、いよいよ待望の特別区素案が示されました。我が会派としても、大阪を成長に導く新たな大都市制度の姿をできるだけ早く示していただきたいとお願いをしていたところ、本当によく応えていただいたと思っております。 副首都大阪にふさわしい大都市制度は、特別区なのか総合区なのか、法定協議会はもちろんのこと、議会や委員会、さらには住民説明会や座談会などでも、今後、十分議論、説明を尽くしていきますが、その際には広域機能と基礎自治機能の二つの面、これは車の両輪のように議論を深めていく必要があると考えます。 そこで、広域機能と基礎自治機能の二つの面に関し、今回示された素案で特別区設置の効果をどのように整理しているのか、副首都推進局長にお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 副首都推進局長手向健二君。
◎副首都推進局長(手向健二君) 特別区の設置の効果につきましては、特別区素案では、広域機能の一元化による効果として、司令塔機能を一本化することで責任主体の明確化が図られ、統一的な戦略のもと、大阪の全体の発展を支える取り組みが迅速に推進できること、ソフト・ハード両面で大阪の成長に向けた施策を強力に推進できること、広域的な視点のもと、大阪が有する資源の最適活用により、取り組みを効果的に推進できることなどをお示ししております。 また、基礎自治機能の充実による効果といたしましては、選挙で選ばれた区長、区議会のもと、地域の実情や住民ニーズに合った施策を展開することで、住民サービスを最適化できること、特別区ごとに教育委員会や児童相談所、保健所などが設置され、きめ細かいサービスを提供するとともに、中核市並みの事務を担うことで、専門的かつ包括的なサービスを提供できること、現在の二十四区単位に地域自治区、地域協議会を設置することで、住民の利便性の維持や地域の意見を行政に反映できることなどをお示ししております。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 広域機能の一元化のところでは、経済成長、広域ネットワーク、都市拠点、そして危機管理と四分類で説明をされていたり、あと期待される効果、これも具体的な例示があったりと、メリットの部分が、前回に比べて、いろいろ表現を工夫されているなと感じております。 さきの我が会派の代表質問で、今回の特別区の制度設計の基本方針として、制度改革に対する住民不安の解消のために配慮した点について、知事より御答弁をいただいております。その内容について、局長から、もう少し掘り下げて御説明をいただければと思います。
○副議長(奴井和幸君) 副首都推進局長手向健二君。
◎副首都推進局長(手向健二君) 特別区の制度設計に当たりましては、住民不安を解消するため、特別区の財政基盤の安定化、均衡、住民サービスの継続、地域コミュニティの維持等に配慮することを方針といたしました。 具体的には、区割り案については、人口のバランスや地域のコミュニティなどとあわせ、財政基盤の安定化を考慮し、個人住民税などの自主財源の格差が特別区間で均衡化するよう策定いたしました。 また、現在、大阪市が実施している幼児教育無償化などの特色ある住民サービスにつきましては、特別区に適正に承継するとした上で、地域の状況やニーズを踏まえながら、内容や水準の維持に努めるという考え方を素案に明示いたしました。 なお、こうした住民サービスに必要な財源につきましては、財政調整制度において、事務分担案に応じて特別区に配分される仕組みとなっております。 さらに、地域コミュニティの維持や窓口サービスなどの住民の利便性を確保するとともに、住民の意見を区政に反映するため、現在の二十四区単位に地域自治区、地域協議会を設置することとしたところでございます。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) ありがとうございます。 特色ある住民サービスを適正に承継するとか明示するとか、あとは地域コミュニティの維持、こういったところも、地域自治区、地域協議会設置と、いろんなことを書いていただいております。 また、財政基盤がより安定する、特別区間での均衡化がより図られるという点も、ここは特に住民の皆さんに御理解いただけるようにしっかり説明をしていかなければいけませんけども、財源保障制度とか財政調整制度、かなり専門的ですし、非常にわかりにくい。前回の住民投票のときには、大阪市のお金が大阪市以外で使われるといった--これは完全な誤解ですけども、なかなか払拭できなかったということもありました。 今回の財政調整制度の設計においては、特にどのようなところに留意をして検討されたかをお尋ねいたします。
○副議長(奴井和幸君) 副首都推進局長手向健二君。
◎副首都推進局長(手向健二君) 特別区素案の財政調整制度につきましては、事務分担案に応じ、特別区と大阪府それぞれが大阪市の住民サービスを承継し、適切に提供できるよう財源を配分いたしますとともに、特別区間で財政格差が生じないように、義務的な経費を実態に応じて算定するなど、大阪の実情を踏まえた財源配分となるよう制度の設計を行っております。 また、大阪府に配分される財源は、現在、大阪市が担っている広域的な役割を果たすための事業に充当することを素案に特に明示した上で、財政調整に係る経理の透明化を図るため、大阪府に財政調整特別会計を設置することとしております。 さらに、大阪府が、財政調整制度の運用状況とあわせて、配分された財政調整財源の使われ方なども公表し、大阪府・特別区協議会--仮称でございますが、その場に報告することで、毎年度検証を行うこととしております。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 局長の後半の御答弁にもあった、現在、大阪市が担っている広域的な役割を果たすための事業のところですけども、これは成長戦略にしても、交通インフラにしても何にしても、現在でも別に大阪市内だけでお金を投じているわけではなくて、まさに広域的に、大阪市の外にもお金が使われているというわけでして、その広域的な仕事を大阪府に一元化すれば、その仕事に見合ったお金をつけますと、そういうシンプルな話なんですが、ここがなかなか伝えにくい、伝わりにくいというところもありますので、その方法も含めて、また今後も議論をさせていただきたいなと思っております。 あと、前回には示されていた財政シミュレーション、今回、素案ではまだ示されていないんですけど、いつぐらいに示されるか、教えていただけますでしょうか。
○副議長(奴井和幸君) 副首都推進局長手向健二君。
◎副首都推進局長(手向健二君) 財政シミュレーションにつきましては、その前提となる事務分担や組織体制などの制度設計、特別区設置時のコスト等の内容をもとに作成するものとなっております。作業には一カ月強かかりますので、今現在、鋭意作業を行っているところでございます。 この財政シミュレーションは、大都市制度協議会にお示しすることになりますので、その提示時期につきましては、今後の協議日程なども考慮し、協議会の会長と相談してまいりたいと考えております。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 一カ月強かかる作業で鋭意作業中ということですので、恐らくは次回の法定協で示されるのかなと思います。よろしくお願いします。 あと、最後に、十一月から行われる総合区の説明会について、一点お尋ねをしておきます。 前回の都構想の住民投票でも、僕が感じた最も多かった意見というのは、とにかくわかりにくいというものです。私も、これまでも、とにかく二つ並べて比べてもらう、それでわかりやすくするというのが肝だ、肝要だという話も指摘をさせていただいておりましたが、今回の説明会、あくまで総合区の説明会というのは僕も理解しているんですけども、ただ説明だけじゃなくて、質疑応答とかそういう場面も出てくると思うんですね。その質疑応答の中で、例えば特別区と総合区って、じゃどう違うのなんて聞かれた場合はどのように説明するか、ちょっとイメージをお聞かせいただけますか。
○副議長(奴井和幸君) 副首都推進局長手向健二君。
◎副首都推進局長(手向健二君) 総合区制度につきましては、八月に素案を取りまとめておりまして、大阪市会では議論も進んでいるところでございます。 また、総合区素案の概要につきましては、広報紙「大阪市総合区素案に関するお知らせ」によりまして、大阪市民への周知も行ったところでございます。 あわせまして、ことしの十一月から十二月にかけては、大阪市内の二十四区で住民説明会を開催する予定となっておりまして、総合区素案のわかりやすい資料を作成することなどにより、住民の皆さんに理解を深めていただけるよう説明を行ってまいりたいと思っております。 その際、議員から御指摘のございました制度的な違いについての御質問があれば、もちろん丁寧にお答えしていくことにはなりますけども、基本的に、今回、総合区素案の説明会であるという趣旨を踏まえて、私どものほうは対応してまいりたいと考えております。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 住民の皆さんに理解してもらうための説明会なので、柔軟な対応をしていただけるように要望をしておきます。 あと、さっき並べて比べるという話なんですけども、住民理解を深めるための議論、これはもちろん総合区と特別区を比べるということもそうなんですけども、今回出されている特別区案、さらに理解を深めていくために、前回の案と比べるとか、さらには東京都制度との比較、こうした視点で、これはまた法定協の場で議論をしていくことだと思いますけども、どうぞよろしくお願いをいたします。 次のテーマに移りますが、大阪府立大学と大阪市立大学の統合については、平成二十七年二月に両大学みずからが作成した新公立大学大阪モデル基本構想を受けて、昨年四月からは、府、市、両大学の役員のみならず教職員も交えて、インタビュー、意見交換を重ねながら、都市シンクタンク機能、そして技術インキュベーション機能といった新大学に求められる二つの新たな機能、そして四つの具体的な領域というものが取りまとめられ、新大学のビジョンというものが明確に示されております。 さらに、両大学の間で、府立大学工学研究科と市立大学医学研究科による新たな脂肪肝診断装置の開発といった連携共同事業も進められております。 今議会で提出されている法人統合の関連議案ですが、まず平成三十一年四月に法人統合を行い、その後、平成三十四年四月の大学統合を目指すという方針で進められておりますが、法人統合から大学統合へと段階的に取り組む意義について、府民文化部長にお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 府民文化部長岡本圭司君。
◎府民文化部長(岡本圭司君) 大学の統合に当たりましては、法人統合を先行して行うことにより、新法人の理事長を経営のトップにして、両大学の経営面の一元化を図ることができます。また、大学統合に向けたそれぞれの大学の意見についても、より円滑で効率的な調整を進めることができるものと考えております。 こうしたことから、まず法人統合を行い、運営体制を整えた上で、新大学の学部・学域再編についての検討や新大学への移行準備を着実に進めてまいります。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 今の御答弁にもありましたが、理事長が一人になって経営のトップに立つ、経営面の一元化が図られるというところがポイントだと思うんですけども、これから迎える少子化、高齢化、そして人口減少社会において、大学としても現場レベルで強い危機感を持ちながらベクトルが統合へ向かっているという中で、我々議会も、しっかりとこれは後押しをしていく必要があると考えております。 ところで、今回の法人統合について、両大学の国が定める基準財政需要額を比較すると、市は、市立大学に対し、ほぼ同額の運営費交付金というのを支出しております。一方で、府は、府立大学に対し、基準財政需要額を下回る金額しか支出をしていない。府としての財政支援は大丈夫なのかという議論が、実は先日の大阪市会であったんですけど。 パネルをごらんいただきたいんですけども、これは新聞報道でも取り上げられたんですけども、地方交付税を算定するときに出てくる基準財政需要額、それと実際に支出されている運営費の関係で、赤の折れ線が運営費交付金、青の棒グラフが需要額なんですけど、府大のほうが、需要額が運営費からちょっとはみ出しているというか、そういう形になっているんですが、実はパネルは平成二十四年からしかないんですが、二十三年以前は、右の市大と同じような、運営費と需要額がほぼ同額のようなグラフで推移していたんですが、ここ数年で、特に二十五年ぐらいから需要額が府立大学のほうがふえているのは、これは学域の再編というのが行われた関係で、需要額の算定単価の高い文系の学生から理系の学生がふえたというのが主な要因です。 そもそも、理論上の数字と実際に必要なこの数字、金額というのは、地方財政制度とか地方交付税制度においては乖離するというのはよくあることなんですけども、肝心なところ、実際の府として、統合後の大学運営に係る財政支出については、どのように考えているか、府民文化部長に伺います。
○副議長(奴井和幸君) 府民文化部長岡本圭司君。
◎府民文化部長(岡本圭司君) 府から府立大学への財源措置といたしましては、今お示しのあった運営費交付金のほかに、施設改修などに充てる施設整備費補助金を支出しております。 平成二十九年度においては、運営費交付金九十七億円に加えまして、この施設整備費補助金約二十一億円を交付しておりますので、その合計額は約百十八億円となっており、結果的に基準財政需要額約百二十三億円とほぼ同額になっております。こうした財源措置により、円滑な大学運営が行われているところでございます。 また、統合後の大学における財政支援の考え方につきましては、府としては、現状の支援水準を維持するとともに、さらなる投資につきましては、リターン、メリットを精査して判断することとしておりまして、大阪市とともに責任を持って適切に支援を行ってまいります。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 繰り返しますけど、この基準財政需要額は交付税をあくまで算定するためのものであって、需要額でイコール交付金の支出額が決まるというものではありません。 府からの補助金が、今の御答弁で、別に二十一億円の財源措置もあるということですし、現状の水準を維持するとともに、さらなる投資についても適切に支援をしていくというお答えですので、お答えどおりの対応というのをよろしくお願いいたします。 次のテーマに移りますが、ことし三月の委員会で私も指摘させていただいたんですが、大阪府域の医療機関における積極的な外国人患者の受け入れについて、これは松井知事もさまざまな場面で発信されておりますけども、大阪が医療の国際化を本気で目指していく中で、積極的に取り組む課題だと考えております。 昨年三月に開設されました大阪国際がんセンター、最先端のがん医療を追求しつつ、まさに国際がんセンターというその名のとおり、国際貢献の取り組みを行うことも期待されておりますが、センターでの外国人患者の受け入れ状況や国際貢献の具体的な取り組み状況はどうなっているのでしょうか。また、今後はどのような取り組みを行っていくのか、健康医療部長にお尋ねいたします。
○副議長(奴井和幸君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 大阪国際がんセンターにおいて治療を受けられた国外在住の外国人患者数は、新センター開設後から本年八月末までで七名となっておりまして、これは昨年同時期の約二倍です。 受け入れに当たっては、通訳のボランティアの方々に活躍いただいておりますが、引き続き案内表示や書類の多言語対応、患者との明確な意思疎通の確保などの課題にも取り組まれる予定です。 また、国際貢献については、これまでも海外の大学や医療機関との協定締結を進めていますが、本年六月、センター内において、国際化推進プロジェクトチームを新たに設置し、国際医療交流シンポジウムを開催するなど、医療関係者などの人材交流や共同研究を初めとする国際的な連携を強化することとされています。 今後とも、こうした取り組みを通じて、府民サービスはもとより、医療の国際貢献の観点からも、医療水準の向上を目指して取り組んでいただきたいと考えております。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 昨年度比二倍ということでしたけども、これ七名というのは、ちょっとやっぱりがんセンターの規模からいっても、まだまだ少ないなと思います。府民サービス第一というのはもちろんそうなんですけども、外国人患者の受け入れの話は、いろんな課題もあるし、抵抗も受けることもあるとは思うんですが、ぜひとも藤井部長のリーダーシップでこれを推し進めていただければなと思っております。 もう一点、がんセンターに関連してお尋ねしておきたいのが、通りの渋滞の問題なんですが、ちょっとパネルをごらんいただきたい。 これ、ちょっとパシャッと撮ったおととい月曜日の朝の写真ですかね。もう一枚あるんですけど、出てこないですかね。これ、ずらっと、特に朝の時間帯には、こうやって多いときは向こうの交差点の先まで並ぶような状況もあるんですけども、こういう感じですね。結構です。 一方で、本館、西館の撤去工事、これも今、始まっております。完了するのが一年半後の平成三十一年春で、今の西館が撤去されたら、来庁者用、公用車、あと議員用の平面駐車場になると聞いておりますけども、一年半後もこうした渋滞が頻繁に起こるということであれば、府庁本館の駐車場のところにも、がんセンターの利用者の方が駐車できるようにしてはどうかなと思うんですが、総務部長、お答えいただけますでしょうか。
○副議長(奴井和幸君)
総務部長岩田教之君。
◎総務部長(岩田教之君) 大手前庁舎に車で来られる方の駐車場につきましては、これまで周辺の二カ所の府有地に設置をしておりましたが、その土地が大阪国際がんセンター及び国の第六合同庁舎の用地に活用されたため、昨年度末までに廃止となっておりまして、現在、来庁者用の駐車場は一時的にない状態でございます。 このため、府民の利便性を図る観点から、今般提供いたします府庁本館の西館の跡地に、来庁者用の駐車場を確保することにしたものでございます。 この駐車場につきましては、平成三十一年春ごろ開設の見込みではございますが、御指摘の庁舎周辺の駐車場の利用状況も踏まえまして、来庁者に限ることなく、近接をする大阪国際がんセンターの利用者などにも御利用いただけるものにいたしたいと考えてございます。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 部長の前向きな御答弁、ありがとうございます。 これ、西館が撤去されたところというのは、議員用の駐車スペースだけでも恐らく数十台分の数もあると思いますし、その分は、基本的に議会側がこれは同意すれば使えるということになるでしょうし、そんな渋滞がわっとあるところで議員さんが反対するとも思えませんので、ぜひこれは検討していただければと思います。 次に、住吉母子医療センターの関連で幾つかお尋ねをしてまいります。 先ほどの渋滞問題、駐車場問題なんですけど、住吉母子の平成三十年、来年の春の供用開始に向けて、私も地元ですので、しょっちゅう前を通るんですけども、工事も着々と進んでおりますし、同センター、今の急性期・総合医療センター内に、もともと平面の駐車場があったところに建物を建てて、その奥に立体駐車場をつくると、そういうことで増設されるわけですから、来院者は、今よりももちろんふえるわけです。病院前の道路が、地元で一三号線とかいうんですけど、南北の幹線道路で、もし先ほどのがんセンターのような渋滞が起こってしまうと大変なことになってしまいますので、この点の駐車場の確保とか渋滞対策について、お尋ねをしておきます。
○副議長(奴井和幸君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 急性期・総合医療センターの駐車場については、住吉母子医療センター供用開始時には四百二十四台を確保する予定です。現在、駐車台数がピークとなる時間帯においても、三百八十台程度の利用状況となっており、これに新しい母子医療センター供用開始後の小児・周産期における患者数の増などの需要を見込んで試算したところ、予定台数で対応できるとのことであり、患者サービスに支障のないよう、しっかり取り組んでいただけるものと考えています。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 今の急性期センター分だけで四百三十五台、実は駐車場あるんですけど、ピークで今大体三百八十ぐらいということですから、いろんな精緻な試算をして計画されていると思うんですけど、実は母子医療センターの供用開始時は四百二十四台、前の部分から十一台減っちゃってるんですよ。だから、そういうのもちょっと本当に心配だなというのがありますので、今できることをしっかり検討しておいていただければと思います。これは要望しておきます。 次に、母子医療センターの建設費の問題でお尋ねをいたします。 先日の新聞記事ですか、当初計画で約三十億円だったのが、現在八十三億円に膨らんだとありましたけども、これは知事も会見で否定をされておりましたが、この記事の内容ですね。三十億円が八十三億円にふえたのかどうか。増加したというのであれば、その要因についても改めてこの場で説明いただけますでしょうか。
○副議長(奴井和幸君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 平成二十四年五月に開催した府市統合本部会議では、小児・周産期医療に特化した大阪市による住吉市民病院建てかえ案と比較検討するため、急性期・総合医療センターへ機能統合する案については、全体整備費を概算で約六十億と想定した上で、小児・周産期医療部分の概算整備費を約三十億としたものでございます。 全体整備費が約六十億の概算額から、最終的に約八十三億に増加した要因は、病室面積の見直し、立体駐車場の建設などによる附帯工事の増、物価上昇及び消費税率の改定などによるものです。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 藤井部長、ちょっと関連して再質問させてもらいたいんですけど、この六十億円という概算なんですけど、当時、大阪府と大阪市で共有はできていたのでしょうか。
○副議長(奴井和幸君) 健康医療部長藤井睦子君。
◎健康医療部長(藤井睦子君) 平成二十四年五月の府市統合本部会議前に開いた府市の担当者会議においては、急性期・総合医療センターに機能統合して新たに整備する建物を当時八階建てと想定しており、比較検討の対象である小児・周産期医療部分は、その一部の三・五階相当分であることを伝えておりました。 府市統合本部会議には、小児・周産期医療部分の整備費を概算で約三十億円とする資料を府健康医療部、当時の大阪市病院局及び府立病院機構で作成し、提出したものでございます。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 共有していたというお答えですけど、ここは細かい部分、いきさつとか、また後日の常任委員会でも議論になると思いますし、我が会派からも質問させていただくことになると思いますので、またよろしくお願いいたします。 最後に、次世代自動車をテーマにしてお尋ねいたします。 最近、フル充電すると、航続距離が四百キロといった電気自動車の新モデルが発売をされまして、いよいよこのEV--電気自動車の販売が飛躍的に伸びるんじゃないかという感もありますし、あと二酸化炭素を排出しない水素を燃料とする燃料電池で走る、いわゆるFCVは、車両価格が高いということもあるし、水素ステーションの普及がこれからということもあって、まずEVのほうが先行するとは思うんですけども、行く行くはこのFCVも次世代自動車としての主力になっていくのかなと思うところです。 ちょっとパネルを見てほしいんですが、平成二十八年度末の時点の数字なんですけども、大阪、東京、愛知においてのEV、FCV、そして車の登録台数と充電インフラと水素ステーションの設置数というのを並べてみました。 大阪、東京、愛知の三都物語の比較なんですけども、ぱっと見て、これどうですか。大阪は、少ないなという感じを思われると思うんですが、FCVについては、大阪七十五台です。もう全然桁が違いますけども、一桁少ないんですが。一方で、水素ステーションが七基あるというのもあって、割合からすれば、先行投資が進んでいるのかなとも言えるんですけども、東京都は、御存じの方もいらっしゃると思うんですが、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けて、水素エネルギー導入促進に向けて四百億円の基金があるそうなんですね。水素だけで四百億、東京都で基金があると。FCVの車一台買うと、今、国からたしか三百万の補助が出ると思うんですけど、東京だと、さらに都から二百万補助が出ると。ちょっとやり過ぎな感もあるんですが、そう考えると、大阪府も、お金がない中で頑張ってるやんと評価できるところもあるにはあるんですけど、数としては、先ほどお示ししたとおり、東京、愛知--愛知はトヨタさんのお膝元というのもあるんですが、かなり水をあけられております。 大阪が、副首都として経済成長を遂げていこうという中で、次世代自動車の普及拡大について、具体的にどのような取り組みを進めていくつもりなのか、商工労働部長にお伺いいたします。
○副議長(奴井和幸君) 商工労働部長西田淳一君。
◎商工労働部長(西田淳一君) 大阪府では、低炭素社会、水素社会の実現及び次世代自動車関連産業の振興を一体的に推進するため、従来、個別に活動しておりましたおおさかFCV推進会議と大阪EVアクション協議会を発展的に統合させ、平成二十八年一月に、自動車メーカー、インフラ事業者、大学、行政機関などで構成する大阪次世代自動車普及推進協議会を設置いたしました。 協議会では、統合以来、EVの普及拡大を推進するため、積極的に充電インフラの拡充を検討してきております。特に都市部での普及の鍵となるマンションなどの集合住宅における充電設備のあり方などの協議を開始しております。 FCVについても、まずは水素ステーションの整備を進めるため、国の普及方針に沿って、平成二十九年度末までに九カ所、平成三十七年度末までに二十八カ所の整備を目標と定め、水素ステーションとして活用可能な用地情報を事業者に提供するなどの取り組みを進めているところでございます。 さらに、燃料電池フォークリフトや燃料電池バスについても、次世代の産業車両や自動車として、大阪への導入に向けた取り組みを進めております。例えば、関西国際空港におきまして、四月には、今後の燃料電池フォークリフトの導入を加速させるため、大規模な水素供給施設が開設されました。また、五月末から約一週間、トヨタ自動車、関西エアポートなど関係企業の協力のもと、西日本初となる燃料電池バスの乗車体験イベントが開催されました。今後、このような分野での展開にも注力してまいります。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) いろいろやってくださっているというところなんですが、ちょっとパンチも弱いかなという気もするんですけど。 いや、この議論、皆さんも御存じのとおり、ヨーロッパを初め世界的にも自動車のEV化というのは、動きがここに来てほんと活発になっておりまして、イギリスとフランスの政府は、先々月、七月にガソリンディーゼル車の販売を二〇四〇年ごろまでに禁止するという方針を打ち出していたりとか、あと九月末には、中国政府が、二〇一九年以降、自動車メーカー各社にEVを中心とする新エネ車を一定割合でつくるようにと義務づけするというような発表もありました。 ガソリン車から電気自動車、電動車へ大きくトレンドが変わっていくということは、さまざまなニーズに対応する、特に製造業にとっても需要拡大になるのは明らかであります。 ある民間シンクタンクでは、次世代自動車に向けての電池に限っても、その世界市場が一兆四千二百六十億円--これは二〇一六年ですが--から六兆六千百三十八億円と、二〇二五年、十年間でそれぐらい成長すると予測もしておりますし、さまざまな関連部品も同じような傾きで伸びていくと思うんですが、大阪は、製造業の事務所数では全国一位、特に金属製品製造業、化学工業などの基礎素材産業の割合が高いという特徴もありますので、積極的に取り組んでいくべきと考えているんですけども、部長のお考えをお伺いします。
○副議長(奴井和幸君) 商工労働部長西田淳一君。
◎商工労働部長(西田淳一君) 大阪には、EV自動車分野では、蓄電池やモーター、インバータメーカー、またFCV分野では、水素供給業者、高圧水素タンクメーカー、さらにはこれらの関連部品・材料メーカーなどが集積しております。次世代自動車関連産業の拡大は、在阪企業の新しいビジネスにもつながるものとして重要でございます。 また、この分野については、世界市場はこれからも右肩上がりで成長していくことが期待され、新規参入も見込まれますことから、大阪の中小企業への積極的な支援が必要と考えております。 大阪の中小企業と海外の次世代自動車関連企業との結びつきを強めるため、大商やジェトロとも連携しながら、北米、欧州に企業ミッション団を派遣するとともに、大阪においても、海外の業界関係者を招いた国際的な会議を開催しております。 さらに、蓄電池や材料の研究開発に対する資金支援や水素ステーション等の構成機器メーカーの技術ニーズと中小企業の技術を結びつける取り組みを進めているところです。 こうした取り組みを今後も着実に進めることにより、大阪での次世代自動車の普及とその関連産業の一層の拡大につなげてまいります。
○副議長(奴井和幸君) 河崎大樹君。
◆(河崎大樹君) 民間出身、しかも大手総合商社の御出身で、大阪市役所でも御活躍をされた西田部長には、これまで培ってこられた経験、人脈、国際感覚等々を生かし、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。 二〇二五年の万博誘致を目指すこの一年間でも、次世代自動車の普及拡大について、何かしらチャレンジングな目標を掲げるとか、関連産業の振興、大阪のものづくりの力を世界に発信できるチャンスでもありますので、鋭意取り組んでいただきたいと思います。 以上で、私の質問を終わります。 -------◇-------
○副議長(奴井和幸君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、明十月五日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。 (「異議なし」「異議なし」)
○副議長(奴井和幸君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。 -------◇-------
○副議長(奴井和幸君) 本日は、これをもって散会いたします。午後五時二十三分散会...