• "基幹災害医療センター"(1/1)
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  1. 大阪府議会 2016-09-01
    09月30日-02号


    取得元: 大阪府議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-19
    平成28年  9月 定例会本会議(1)    第二号 九月三十日(金)◯議員出欠状況(出席八十四人 欠席二人 欠員二)      一番  上田健二君(出席)      二番  永井公大君(〃)      三番  前田洋輔君(〃)      四番  永野耕平君(〃)      五番  山本 大君(〃)      六番  いらはら 勉君(〃)      七番  河崎大樹君(〃)      八番  泰江まさき君(〃)      九番  原田 亮君(〃)      十番  うらべ走馬君(〃)     十一番  原田こうじ君(〃)     十二番  田中一範君(〃)     十三番  冨田忠泰君(〃)     十四番  今西かずき君(〃)     十五番  松本直高君(〃)     十六番  中野 剛君(〃)     十七番  石川たえ君(〃)     十八番  藤村昌隆君(〃)     十九番  中村広美君(〃)     二十番  山下浩昭君(〃)    二十一番  大橋章夫君(〃)    二十二番  冨山勝成君(〃)    二十三番  橋本邦寿君(〃)    二十四番  西川のりふみ君(〃)    二十五番  奥田悦雄君(〃)    二十六番  豊田 稔君(〃)    二十七番  杉本太平君(〃)    二十八番  西林克敏君(〃)    二十九番  松浪武久君(〃)     三十番  笹川 理君(出席)    三十一番  横山英幸君(〃)    三十二番  やまのは 創君(〃)    三十三番  杉江友介君(〃)    三十四番  永藤英機君(〃)    三十五番  池下 卓君(〃)    三十六番  うるま譲司君(〃)    三十七番  徳村さとる君(〃)    三十八番   欠員    三十九番   欠員     四十番  金城克典君(〃)    四十一番  橋本和昌君(〃)    四十二番  和田賢治君(〃)    四十三番  富田武彦君(〃)    四十四番  中野稔子君(〃)    四十五番  坂上敏也君(〃)    四十六番  中谷恭典君(欠席)    四十七番  青野剛暁君(出席)    四十八番  久谷眞敬君(〃)    四十九番  鈴木 憲君(〃)     五十番  西田 薫君(〃)    五十一番  みつぎ浩明君(〃)    五十二番  徳永愼市君(〃)    五十三番  釜中優次君(〃)    五十四番  しかた松男君(〃)    五十五番  肥後洋一朗君(〃)    五十六番  内海久子君(〃)    五十七番  加治木一彦君(〃)    五十八番  八重樫善幸君(〃)    五十九番  川岡栄一君(〃)     六十番  大山明彦君(〃)    六十一番  垣見大志朗君(〃)    六十二番  くち原 亮君(出席)    六十三番  中村哲之助君(〃)    六十四番  宮原 威君(〃)    六十五番  林 啓二君(〃)    六十六番  三浦寿子君(〃)    六十七番  三宅史明君(〃)    六十八番  西 惠司君(〃)    六十九番  吉村善美君(〃)     七十番  西野しげる君(〃)    七十一番  森 和臣君(〃)    七十二番  上島一彦君(〃)    七十三番  中司 宏君(〃)    七十四番  松本利明君(〃)    七十五番  西野修平君(〃)    七十六番  土井達也君(〃)    七十七番  中川隆弘君(〃)    七十八番  三田勝久君(〃)    七十九番  大橋一功君(〃)     八十番  岩木 均君(〃)    八十一番  今井 豊君(〃)    八十二番  岡沢健二君(欠席)    八十三番  横倉廉幸君(出席)    八十四番  奴井和幸君(〃)    八十五番  花谷充愉君(〃)    八十六番  朝倉秀実君(〃)    八十七番  岩見星光君(〃)    八十八番  吉田利幸君(〃)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議会事務局     局長         上田達也     次長         辻本秀也     議事課長       武田一雄     総括補佐       中島茂雄     課長補佐       米澤清美     課長補佐(委員会)  中村靖信     主査(議事記録総括) 高山泰司     主査(議事記録総括) 松井博之     主査(議事記録総括) 山本英次     主査(委員会総括)  松永充宏    ~~~~~~~~~~~~~~~◯議事日程 第二号 平成二十八年九月三十日(金曜)午後一時開議 第一 議案第一号から第五十三号まで、第五十五号及び第五十六号並びに報告第一号から第二十五号まで(「平成二十八年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件」ほか七十九件)    (質疑・質問)    ~~~~~~~~~~~~~~~◯本日の会議に付した事件 第一 日程第一の件    ~~~~~~~~~~~~~~~午後一時開議 ○議長(今井豊君) これより本日の会議を開きます。    -------◇------- ○議長(今井豊君) 日程第一、議案第一号から第五十三号まで、第五十五号及び第五十六号並びに報告第一号から第二十五号まで、平成二十八年度大阪府一般会計補正予算(第三号)の件外七十九件を一括議題といたします。 ただいまより上程議案に対する質疑並びに府政一般に関する質問を行います。 通告により青野剛暁君を指名いたします。青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 大阪維新の会大阪府議会議員団の青野剛暁でございます。我が会派を代表いたしまして、質問を行わせていただきます。 知事は、昨年十一月、府民の強い支持を受けて二期目の府政を担われることになりました。この間、どのような思いで府政を担われてきたのでしょうか。その中で、特に力を入れて取り組んできたことは何でしょうか。また、その実現を図るため、国に対してどのような働きかけを行ってこられたのでしょうか。それによって、この五年で大阪のここが変わったと実感している点は何か。さらには、大阪が改革を進めてきたことで国の評価も変わってきたのではないかと考えます。いかがでしょうか。 今後、さらなる大阪の成長に向け、どのように取り組みを進めていくのか、知事に伺います。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪維新の会大阪府議会議員団を代表されましての青野議員の御質問にお答えをいたします。 私の使命は、成長と安全安心のよき循環により、府民の皆さんの願いである豊かな大阪を実現すること。就任以来、その実現に向け、スピード感と府民目線を持って、目の前の課題に正面から向き合い、府政運営に取り組んでまいりました。 その第一の取り組みは、府市一体による改革の推進です。厳しい財政状況の中にあっても、大阪の成長を確実なものとするために、府市の壁を取り払い、経済成長、都市魅力の向上、府民の安全安心などの施策を展開してまいりました。 さらに、国に対して府市一体で規制改革を求めてきた結果、国家戦略特区の指定などに結びついたところであります。この府市一体の取り組みを今後後戻りさせないことが、私の責務であります。 また、未来を担う人づくりのため、教育への投資も積極的に行ってきました。この間、公私の切磋琢磨を促しながら、公私の連携を一層強化することにより、大阪の教育力向上を図ってきたところです。 こうした取り組みによって、改革の成果は上がりつつあり、大阪は、着実に変わってきていると実感をしております。また、大阪みずからが改革を進めていることについては、国においても十分認識いただいていると感じています。 これまでの成果の集大成として、副首都大阪の確立を掲げ、今後、都市インフラの充実や大阪の成長を牽引する人材の育成など、ハード・ソフト両面において大都市としてのポテンシャルをさらに磨き、日本の未来のために、東西二極の一極として成長エンジンの役割を果たしてまいります。さらには、二〇二五年の万博開催を起爆剤に成長を加速させ、府民の皆さんに豊かな大阪を感じてもらえるようにしたい、こう思っています。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、副首都についてお伺いします。 我が会派としては、副首都化に向けた中長期的な取り組み方向が、他都市の模倣や無難な内容におさまるものではなく、大阪府民にとっても、日本国民にとっても、副首都大阪の将来に大いに期待を感じさせるような内容となるよう要望してきたところであります。 知事が考える副首都とは、何でしょうか。それによって、将来どういう大阪をつくり上げたいのか、知事に伺います。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 私の考える副首都ですけども、日本といえば東京と大阪、東西二極と誰もが認める、そのような大都市、それが私の考える副首都大阪であります。具体的には、副首都推進本部で整理したように、西日本の首都、首都機能のバックアップ、アジアの主要都市、民都といった役割を果たせる大都市をつくり上げたいと考えています。 そのためには、まず首都東京とともに、他の大都市に先行するトップランナーと認められる存在になることが必要です。大阪みずからが、副首都に必要な機能面、制度面における取り組みを進め、二〇二〇年ごろをめどに副首都としての基盤を整え、そしてこのみずからの取り組みを推進力として副首都の確立を図ってまいります。 あわせて、副首都としての経済成長をなし遂げ、リニア開通で実現する世界一のスーパーメガリージョンの西の核を確立するとともに、住民にとっても、その成長の果実により、健康・長寿で豊かな都市生活が送れる未来の大阪を実現してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 副首都大阪の実現に向け、中間整理では機能面、制度面の取り組みを進め、二〇二〇年ごろをめどに副首都としての基盤を整え、並行して経済成長による副首都としての発展を目指すとのことですが、先ほども二〇二〇年というような時期を明記されております。 具体的にどのように取り組みを進めていくのか、知事にお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪には、既に大都市としての大きなポテンシャルがあると考えています。このポテンシャルを最大限発揮することで、これまで府市の統合案件を初め、みずからできる改革を市長とともに全力で取り組んでまいりました。まずは、この改革をさらに推し進め、鉄道、高速道路のネットワークなどのハード、大学や産業支援機能などのソフトの面での都市機能の充実に向けた取り組みを進めるとともに、副首都にふさわしい大都市制度への改革を進め、副首都としての基盤を揺るぎないものにしてまいります。 並行して、副首都として発展を遂げるために、大阪のグローバルな競争力を高めるための経済成長面での取り組みの強化を進めてまいります。 今後、経済界などを含めてさらに議論を深め、年度末には、より具体的な取り組みの方向を示していきたいと考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) この間、さまざまな議論がありましたが、年度末にはこの副首都というものの考え方がしっかりと固まっていくということだと思います。まさに、しっかりとした議論が、これから大阪府議会でも行われるということであります。 そこで、お聞きしますが、中間整理案では、機能面、制度面、経済成長面からの取り組みを進めることになっていますが、いずれも欠かすことのできない重要な要素と考えます。それぞれの要素ごとの取り組みについて、さらに詳しく副首都推進局長から説明を求めます。 ○議長(今井豊君) 副首都推進局長手向健二君。 ◎副首都推進局長(手向健二君) 中間整理案での機能面、制度面、経済成長面での取り組みについてお答えいたします。 機能面につきましては、首都機能のバックアップを担う能力の確保や、副首都にふさわしい都市機能を充実するため、ハード面においては、交通ネットワークワークなどの都市インフラの充実や消防防災体制などの基盤的な公共機能の高度化を、ソフト面におきましては、規制改革や特区による環境整備、産業支援、研究開発体制や人材育成環境の充実などの取り組みを検討することとしております。 制度面につきましては、大阪が副首都として発展し、その果実によって豊かな住民生活を実現するための土台づくりとして、副首都にふさわしい大都市制度や基礎自治機能、そして広域機能の充実、副首都化の取り組みを支援する仕組みの働きかけなどを検討することとしております。 経済成長面につきましては、副首都大阪として継続的に経済成長を遂げていくため、ライフサイエンスクラスターの形成やイノベーションの促進といった健康・長寿を基軸とした新たな価値の創出、世界水準の都市ブランドの確立、内外から多様なプレーヤーが集い、活躍できる場の創出などを検討することとしております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 中間整理案も取りまとめられ、副首都についての議論は深まってきていますが、国を初め首都圏では、残念ながら副首都の必要性について知られていないのが実情だと思います。もっと言うならば、首都圏からしてみたら、副首都よりかは首都圏を強化するほうで十分いけるんじゃないかと、こういうふうな考え方も一方であるんじゃないかと僕は思っております。 そういう意味では、副首都を実現していくためには、大阪だけの取り組み、関西だけの取り組みだけではなく、全国でその必要性を認知していただくことが必要であります。日本全体の中で成長していくためには、副首都というバックアップの都市が必要であるということを幅広く国民に伝えることが、これから政治的にも重要だと僕は思っております。 そういう意味では、例えば副首都推進本部会議を東京で開催するといったような、副首都の必要性についての発信を積極的に首都圏などで行っていくような取り組みが今後必要だと思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。
    ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 副首都化は、東京一極集中や日本の存在感の低下という我が国の現状を打破し、国際競争力の強化や国土の強靱化、分権型社会の構築など、国全体のあり方を変える非常に重要な意味を持つものであります。 このことを国や首都圏でも広く認知していただくことが必要であり、まずは副首都に向けたみずからの取り組みを着実に進めるとともに、オール大阪、さらには京阪神や関西圏などの近隣府県等としっかりと議論を深め、国や首都圏に対して副首都の必要性について訴えかけてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、大阪万博についての質問をさせていただきます。 我が会派は、かねてから万博を起爆剤とした経済成長の重要性を訴えてきました。二〇二五年に万博が大阪で開催されることになれば、その開催効果は、はかり知れないほど大きいものがあります。 万博の大阪開催は、二〇二〇年東京オリンピックの後も経済成長を維持発展させ、大阪が東西二極の一極として日本の経済を牽引するという、大阪と我が国の成長戦略にとって重要な意義を持つものであると考えております。 「人類の健康・長寿への挑戦」をテーマとして、超高齢社会のモデルを発信するような、人類社会に貢献する国際博覧会を大阪で目指すことは、さまざまな先進的な取り組みや事業を誘発するなど、将来に向けて大阪を大きく変えていく絶好の仕掛けとなり、我々としても大いに期待しているところです。 このような中、昨日の基本構想検討会議において府の基本構想素案が提示されたところですが、府としてどのような万博を目指すのか、また夢洲を会場と決めた考え方とあわせて、いつまでに基本構想の成案化を目指すのか、政策企画部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) 万博に関する御質問にお答えをいたします。 高齢化の波が、先進国から世界各国へと拡大する中、健康の問題は、人類社会全体の課題でありますことから、テーマ案を「人類の健康・長寿への挑戦」としたところです。世界中の人々が、健康に関するさまざまな課題を克服し、また人生九十年時代における可能性について世界から知を集めることで、未来社会に向けた行動を呼びかける、そのような万博を開催したいというふうに考えております。 また、会場につきましては、更地で百ヘクタールの整備が可能であることに加えまして、ベイエリアの発展の重要性や、誘致を目指しているIRとの相乗効果が期待できますことから、夢洲での開催としています。 あわせて、会場への交通アクセスにつきましても、中央線の延伸や主要駅等からのシャトルバスによる来場者の輸送が可能と考えているところでございます。 素案に対します府議会や経済界等の御意見を賜りながら、十月末を目途に府の基本構想を取りまとめ、国への提出を目指したいというふうに考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 一方で、最大のライバルでありますフランス・パリでは、官民の協力体制の構築が早期から進んでおり、立候補に向けての動きを加速されております。仮に、この十月にもフランス・パリが立候補した場合、二〇二五年国際博覧会の大阪誘致を実現するためには、今年度中にどういう手続が必要になるんでしょうか。また、立候補してから開催地決定までのスケジュールはどうなっているのか、政策企画部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) 今年度中に必要な手続についてお答えをいたします。 仮に、本年十月にフランスからBIE--博覧会国際事務局でございますが、ここに立候補がなされた場合、六カ月後の来年四月には開催希望通告の受け付けが締め切られることになります。受け付け期間内に政府として立候補するためには、府の策定した基本構想をもとに、国による検討を経て、年度内に閣議了解をいただく必要があるというふうに考えております。 次に、開催地決定までのスケジュールについては、立候補の後、BIEによる審査が行われ、その結果をもとに総会での投票を経て、二〇一八年ごろに開催地の決定がされるのではないかと想定をしております。 大阪誘致を実現するためには、地元での万博開催に向けた機運を高めることが重要でございます。できるだけ早期に官民共同の誘致推進組織を設置し、大阪府のみならず、経済界、関西各府県と協力しながら機運醸成を図ってまいりたいというふうに考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 万博開催の意義は、一過性のイベントではなく、健康と長寿という一つの方向性を示し、大阪が経済成長を遂げるための起爆剤であり、手段であると考えます。 経済界からは、これまでの寄附を募るやり方ではなく、企業の投資を呼び込むなど、これからの時代に即した新しい方式で費用分担を求める声が上がっております。我々も、万博を開催することで、企業の投資を呼び込み、それが各企業の競争力の強化と新たな雇用の創出につながり、さらには我が国の経済成長に結びつくと考えており、この夏の知事提言にも同様のことを示させていただいております。 そこで、万博開催を契機に、府が考える健康と長寿を軸とした成長のシナリオを描くということは、知事自身が強く考えられたテーマであります。そのことについて、知事の認識をお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 万博のテーマである健康・長寿は、先端医療だけではなくて、ヘルスケア、スポーツ、食、エンターテインメント、さらにはAIやロボットなどのものづくりに至るまで極めて裾野の広い分野への展開が可能であります。 大阪、関西は、iPS細胞を初めとした再生医療などライフサイエンスの分野においても、世界でのトップランナーであり、今後、研究拠点の整備に向けて検討が行われる予定の中之島地区やうめきた二期を中心に、府としてもさらなる飛躍的な発展に向けて取り組みを加速させていきます。 万博開催を契機に、これらの研究の成果や技術などを世界に向けて発信することで、健康・医療分野で人類、世界に貢献をしながら大阪の成長を実現してまいります。 また、一昨日の国会答弁では、万博に関し、安倍総理から、我が国を訪れる観光客が増大をし、地域経済活性化の起爆剤となるという御発言があったところです。万博誘致は、日本再興戦略で掲げるイノベーションの創出や観光立国の実現にも大きく寄与するものでありまして、私としましても、実現に向け、全力で取り組んでまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 万博について再度ちょっと知事に確認しますが、先ほど政策企画部長の答弁の中で、十月をめどにして成案を政府に提案していくということでありますが、言うならば、今現在は大阪の中での取りまとめ、経済界の取りまとめということは、確実に皆様方が一丸となってやっているということであります。もう成案を十月末に提案すれば、今度は物すごく政治的な動きというものが、知事の中でも必要になってくるということだと思います。言うならば、国主導、国会を主導とした中での取りまとめていくということが非常に僕は大事だというふうに考えております。 そういう意味では、この十月めど以降を知事自身がどのような形で、政府として閣議決定がされるまでどのような動き方をとられるのか、お考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 十月末に取りまとめるのは、大阪府として基本構想案の最終案になるわけです、今は中間報告案ですから。この基本構想の最終案を取りまとめ、国に--所管省庁は経産省ですけど、提案をさせていただきます。その後、この基本構想案が、いよいよ実施構想案という形になってくるわけで、その実施構想案を取りまとめられて閣議決定ということになります。 だから、今の現状の基本構想案の中に、より具体的にさまざまな肉づけをしていく、これはやっぱり我々は大阪開催ということで、万博開催地大阪の行政を預かる知事といたしまして、さまざまな具体案に対して大阪の持つポテンシャルをどんどん入れ込んでいって、ライバルである--パリが多分ライバルになると思います。いよいよそういう形での競争になったときに、大阪が選ばれるように努力をしていきたいと思っています。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) ぜひとも、よろしくお願いします。 我々の夏の知事提言の中にも、大阪のみならず、関西、そして日本全体が万博開催によって物すごく恩恵をこうむる、言うならば巻き込んでいくというような仕掛け、取り組みというものをその肉づけの部分ということと同時に期待をいたしておりますので、ぜひとも成功、実現に向けて、夢の実現に向けて邁進していただきたいと思いますし、我々大阪維新の会も、しっかりとそれをサポートしていきたいということでありますので、よろしくお願いいたします。 次に、ベンチャーエコシステムについての質問をさせていただきます。 大阪が、東西二極の一極として世界に存在感を発揮する都市となるためには、ベンチャー企業が自発的、連続的に創出される社会を実現させ、成功したベンチャー企業が新たなベンチャー企業を育てる中長期的な仕組みづくりをつくり出すことが重要です。起業家と支援機関や既存企業が結びつくことで、ベンチャー企業を次々と生み出し、それがまたすぐれた人材、技術、資金を呼び込み、発展を続ける支援環境、ベンチャーエコシステムの形成がその鍵となります。 大阪府においては、昨年度から、株式の新規上場などを目指す成長志向のベンチャー企業に対して、成功経験のある先輩企業が支援を行う成長志向創業者支援事業--大阪ベンチャー企業プロジェクトBooming!二・〇を実施して、ベンチャー企業の成長を支援しています。 しかし、彼らと話をする中でも、今までは大阪で成功していても、結局市場の大きい東京に行ってしまう、そして向こうで上場してしまうというような形があり、首都圏へ企業が流出していくケースというものが見られます。せっかく大阪で有望なベンチャーが生まれても、それが首都圏へ出ることなく、この流れを変えるために挑戦するベンチャー企業を大阪に定着させるのは、現在の取り組みに加え、販路拡大や業務提携の獲得といった成長課題を地域ぐるみで解決するベンチャーにやさしい大阪とも言える環境づくりが必要であります。とりわけ、ベンチャー企業が集積する大阪市の支援施策との連携も強めなければなりません。 大きな市場、豊富な資金を有する首都圏を競争相手と捉えるだけでなく、大阪のベンチャー企業の成長にそのリソースを積極的に活用する、連携するといった手法を考えるべきではないでしょうか。 ベンチャー企業を大阪に根づかせるため、戦略性を持った大きな視点で取り組みを進めるべきと考えますが、商工労働部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 商工労働部長津組修君。 ◎商工労働部長(津組修君) ベンチャーエコシステムについてお答えいたします。 大阪府におきましては、上場経験のある成功起業家十人の御協力のもと、経済界や各種支援機関にも参画をいただきまして、府内の有望ベンチャー企業に対する成長支援を核として、ベンチャーエコシステムの構築に取り組んでいるところでございます。 この取り組みをさらに加速するためには、大阪市や経済界とともにオール大阪でビジョンを共有し、関西の企業とのマッチングの場の創出など、ベンチャー企業を支援する仕組みをつくることが重要であると認識をしております。 今後、この取り組みの具体化を図るとともに、首都圏の支援ネットワークの活用など、新たな展開も視野に入れつつ、ベンチャー企業が大阪で成長し続けることができるよう支援環境の整備に努めてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) このベンチャー支援につきましては、スタートアップしていくようなベンチャー、上場を目指していくようなベンチャー、こういうような企業が大阪の中にもたくさん出てきております。そこを今大阪府の事業と大阪市の事業ですみ分けをしながら分担をして行っていっているということでありますが、こういうような分野におきましても、企業は同じような企業でありますし、大体今ベンチャーで盛り上がってきているところというのは、類似しているところが多いと思います。 そういう意味では、先ほど述べられましたように、府と市とが、例えばこのベンチャー支援をしっかりと底上げしていくところなんかでも、一足一はプラスアルファの効果を出せるような取り組みというものは、しっかりそのところは取り組んでもらいたいなと思います。 次に、企業の海外展開による大阪への富の還流について伺います。 日本のGDPは、約五百兆円ですが、これ以外に海外子会社からの配当収入など約二十兆円を稼いでいると言われています。今や大阪の中小ベンチャー企業は、果敢に海外でのビジネス起こしに挑戦し、生産を拡大し、海外から稼いでいます。事実、世界九地域に設置している大阪府のビジネスサポートデスクも、ことし八月末時点で昨年一年間の年間利用件数を上回る実績と聞いております。 中小企業の中には、海外技術協力として受け入れていた外国人技能実習生が戻った本国に、日本で養った彼らの技能を発揮できる現地法人を立ち上げるといった海外展開のケースもあります。将来を見据えた企業戦略であると言えます。海外展開のきっかけは、さまざまですが、人口減少化が進む中、大阪の企業が海外に打って出て、外からいかに稼ぐ力をつけるかということも重要です。 他方、大阪が副首都を目指す中、経済面でもアジアに冠たる国際経済都市を目指すべきで、さきの二月議会でも発言しましたが、例えば海外の金融機関と連携協力をする中で、特に現地での情報を重視し、それを企業にフィードバックすることによって、大阪企業の海外展開を後押しすることにもつながります。 このような手法はいろいろありますが、大阪府として、世界の成長、富を大阪に還流させる仕組みづくりが必要であり、海外へのチャレンジは、中小企業においても先を見越した重要な戦略であると考えますが、商工労働部長の所見をお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 商工労働部長津組修君。 ◎商工労働部長(津組修君) 中小企業の海外展開支援についてお答えいたします。 企業のすぐれた技術、製品の積極的な海外展開は、少子高齢化による国内経済成長の鈍化が懸念される中、今や大企業のみならず、中小企業においても大きなチャンスであると認識しております。 議員お示しのとおり、企業が海外での生産、販売を拡大して稼いでいくことは、大阪経済にとってもプラスに働くものであり、そうした活動を行政が後押しするのも重要な政策であると考えております。 府では、これまで知事みずからが大阪企業の魅力をセールスし、その海外展開を後押しする海外トッププロモーションを実施してきたところでありまして、つい先日も、水素・燃料電池分野で有望な市場であるカナダへ売り込みに行ってきたところでございます。 これからも、あらゆる分野で海外にチャレンジする企業を後押しするため、本府のサポートデスクやジェトロの活用はもちろんのこと、海外に拠点を持つ大手企業との連携や現地での日系企業のネットワーク形成を積極的に進めるなどして、中小企業の海外展開に対して、よりきめ細かな支援を実施してまいります。 具体的には、新たなビジネスチャンスを掘り起こすため、サポートデスクから現地の生きた情報を大阪に集め、最新ビジネス事情を提供するセミナーを定期的に開催するほか、国内外の金融機関を初めとする民間企業との連携協定をさらに進め、その事業展開として海外での商談会、展示会への企業出展を実施するなど、中小企業の海外展開に寄与する取り組みを強化し、大阪経済の発展につなげてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 副首都を目指す大阪府として、都市格を向上させ、東西二極の一極として世界に存在感を発揮する都市になるためには、とりわけ経済産業分野において都市間競争に打ち勝つための大胆な改革が求められます。 商工労働部では、これまで大阪産業の活性化や、大阪で働く方々の働きやすい環境づくりについて真摯に取り組んでこられました。大阪の産業を世界に向けて飛躍的に発展させていくためには、観光、文化、医療、福祉、教育などあらゆる分野で海外と垣根なく、成長ビジネスが生まれてくるようなビジネスしやすい大阪を推し進め、大阪のイメージブランドを確立し、世界に向けて発信していくことが必要です。 既に他の部局においても、観光戦略、医療戦略などの戦略に基づき、ビジネスにつながる取り組みが始められていますが、こうした取り組みは、各部局縦割りにやるのではなく、商工労働部がこれまでの積み重ねてきた実績を生かしながら一元化し、商工業支援のみならず、グローバル化する未来の経済産業戦略を担う司令塔となるような組織再編をすべきと考えます。また、名は体をあらわすと言います。その司令塔が、これからの大阪を牽引していくことを内外にアピールするため、部の名称も変更してはどうでしょうか。 世界を見据えた経済戦略の司令塔として、商工労働部の組織体制の強化と名称変更について知事のお考えをお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 商工労働部では、商工業の振興を図るために、商業者やものづくり中小企業などに対する資金、経営、技術の各面からのトータルサポートを実施するとともに、新エネルギー分野、ライフサイエンス分野といった成長産業の創出、さらには雇用促進や人材の育成など総合的に取り組んでまいりました。 今後、ますますグローバル化が進展をし、IoTなど第四次産業革命と言われる産業構造の転換が進む中で、大阪の産業を世界に向けて発展させていくためには、さまざまな部局、分野で進めている取り組みも産業振興の観点から検証し、ビジネスになるものを戦略的に支援していくことが重要であります。 このような情勢の変化に柔軟に対応し、大阪産業の成長を強力に推し進めていくためには、どのような体制がいいか、名称がいいか、議会の意見も十分お伺いをしながら検討してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) グローバル化が進展する中で、大阪が都市間競争を勝ち抜き、アジアの主要都市として発展していくためには、それを支える労働力というものが欠かせません。知事が掲げる大阪の成長戦略を推し進めるには、質の高い労働力を確保する戦略を並列して推し進めることが重要であります。 人口減少社会の中で、大阪の成長を支える人材をどのように育成し確保していくのか、知事のお考えをお伺いします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 人口減少社会の到来に向け、大阪府人口ビジョンを本年三月に策定したところでありまして、大阪を持続的に成長させる鍵は、大阪の産業を支える人材の育成、労働力の確保であると認識しています。 このため、大阪産業人材育成計画を策定し、産業振興と一体となった人材育成や多様な職業能力開発機会の提供に取り組むとともに、大阪経済を牽引するものづくり企業を初め、運輸、建設分野に女性や若者が積極的に参加できる取り組みを進めるなど、産学官が連携して大阪の成長を支える人材の育成、確保に努めてまいります。 こうした取り組みにより、女性や若者、高齢者、障がい者など全ての人がその能力を高め、さまざまな分野で活躍できる全員参加社会の実現と大阪産業の持続的な発展を目指してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次の質問に入ります。 この夏のリオオリンピック・パラリンピックでの日本選手の活躍は、記憶に新しいところです。また、四年後の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本中でスポーツ分野に対する機運は、ますます高まっていくことであります。 今回の日本選手の活躍には、日本が持つスポーツ科学への強化策が大きく寄与し、選手をバックアップしているところが注目されるところであります。男子四百メートルリレーの銀メダルに象徴されるような日本選手の活躍が、屈強な世界のトップアスリートにも劣らない活躍は、アジアの人たちの大きな刺激となるとともに、スポーツ関係者からも高い注目を浴び、日本のスポーツ科学に対する注目がますます高まっております。 経済成長著しい東南アジア諸国においても、今後スポーツ分野への投資がされていくこと、このようなことを考えれば、アジアの中での存在感ある都市大阪を目指すに当たり、スポーツ科学やバックヤード分野への強化を行うことは、大阪の成長にとっても必要であります。こういった視点に立てば、今の大阪には、スポーツ科学を基盤とした戦略が欠けているように思われます。 スポーツを核として、関係する各部それぞれにおいての役割を発揮し、連携して戦略的、効果的に展開していくことにより、より発展的な大阪の魅力創造、活性化に取り組んでいただきたいと考えますが、府民文化部長のお考えをお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) お答え申し上げます。 スポーツの振興は、スポーツ産業の活性化や健康の維持増進による医療費抑制につながるなど、その社会的意義は時代とともに多様さを増しております。 大阪には、スポーツ関連企業やスポーツ、健康を取り扱う大学が多くあり、これらのポテンシャルを生かしていくことは重要であると認識しております。今般、取りまとめました大阪都市魅力創造戦略二〇二〇案におきましても、産学官の連携によるスポーツ人材の育成やスポーツ健康科学の推進などを主な取り組みとして位置づけております。 また、現在、国で検討されているスポーツ産業ビジョンにおきましても、スポーツを通じたヘルスケア産業の振興や、アスリートが競技者として培った能力などを社会において最大限に発揮できるサポートシステムの構築などが、今後の具体的な取り組みとして示されております。 こうした戦略案や国の動きをしっかりと踏まえ、来年度に予定しております次の大阪府スポーツ推進計画の策定に当たりましては、庁内関係部局はもとより、関係機関とも連携を図りながら、しっかりと取り組んでまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 一人のアスリートをバックアップしていくために、物すごくスタッフというものがたくさんいます。そのスタッフがアスリートを支えていくためには、そのスタッフもありとあらゆるような知見を持ちながらトレーニング方法、栄養方法、さまざまなことをやっていき、そして爆発的に能力を発揮できるようなタイミングというのを図っていく、まさにスポーツ科学というのはこういうところだと思います。 現在でも、大阪というものは、そういうようなことに取り組んでいる企業も大学もあると思いますが、それが一体となってやっていくことが可能性を広げることだと思っております。さらには、四年後の東京オリンピック・パラリンピックにおきましても、とりわけパラリンピックにおきましても、リオのパラリンピックで世界中でも注目されるように、さまざまな人間の可能性というものが産業と一体となって、科学と一体となって能力を引き出していくと、こういうのを映像で間近に見てきました。 そういうような取り組みを大阪の中で、まさに科学のシーズというものを集めていく取り組みというものが、これから僕は必要だと思っておりますので、ぜひともそういう観点で取り組んでいただきたいということをお願いいたします。 次に、大阪都市魅力創造戦略二〇二〇案では、二〇二〇年の来阪外国人旅行者数を倍増の一千三百万人と高いハードルを設定しています。これは、他都市との競争を勝ち抜いていくとの強い意志のあらわれだと受けとめています。これを達成していくため、戦略に基づいて他都市にはない突き抜けた施策をどんどん展開することが必要です。 どのような施策を展開するのか、府民文化部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 大阪の魅力をさらに向上させるためには、まちづくりや観光、文化、スポーツを初め、さまざまな角度から都市としての魅力を高めることで、交流人口の拡大、消費喚起、投資拡大、まちの活性化を図り、さらに都市魅力が向上するという持続性のある好循環に結びつける施策展開が重要であると考えております。 そういった中で、例えば昨年、御堂筋で実施いたしましたF1カーの走行とスーパーカーのパレード展示のような話題性があり、国内外から多くの人を誘客できる起爆剤となる事業にも取り組んでまいりました。ちなみに、昨年の御堂筋でのF1カースーパーイベントでは、テレビで取り上げられたのが十九件、その中にはTBS、日本テレビ、テレビ朝日など東京キー局にも多く取り上げられました。さらには、新聞、雑誌、ウエブで大量に取り上げられ、大阪のいわゆる魅力を全国あるいは世界に向けてプロモーションとして発信できたと考えております。 今年度も、大阪城を使った「戦国・ザ・リアルat大坂城」という大規模なショーの開催が決まったり、昨年に引き続き御堂筋を使ったインパクトのあるイベントを十一月に実施すべく、現在企画を進めております。 今後も、戦略に基づき、大阪が世界的な創造的都市、国際エンターテインメント都市を目指すために知恵を絞り、ほかの都市にはないキラーコンテンツを創出し、戦略的に展開してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 一千三百万人という高いハードルをクリアしていくためには、府域全体への展開が避けられない課題です。これまでのように、大阪市内を中心とした重点エリアだけがにぎわっていても、遠く離れた地域に効果はなかなか感じられないものであります。府内のさまざまなところのにぎわいを引き起こすよう、中核となる拠点を見きわめ、いろいろな取り組みを集中させ、魅力を集大成させていかなければなりません。 府域各地の魅力づくりという観点で、さまざまな手を打っていく必要性がありますが、戦略に基づいて内外の人を引きつけるよう府域全体の魅力を高めるためには、具体的にどういうことをやっていくのか、府民文化部長にお伺いします。 ○議長(今井豊君) 府民文化部長岡本圭司君。 ◎府民文化部長(岡本圭司君) 府内各地には、さまざまな魅力ある観光・文化資源があり、これらを生かして府域全体への誘客や活性化につながるよう、広がりのある取り組みを展開していくことが重要であると認識しております。 このため、府内各地にある多彩な魅力のうち、特に観光資源として打ち出すことができるものをストーリー性を持たせて再編集し、観光客のニーズに合わせた魅せ方で発信していく取り組みなどを考えております。 こうした取り組みを府内市町村や民間の協力も得ながらより効果的に展開するとともに、府内各地にある多彩な観光・文化資源をさらに磨き上げ、府域全体の魅力として高めてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 他都市との都市間競争に打ち勝つため、二〇二五年万博に向け、大阪の存在感を高めていくということであります。そのためには、世界を意識したマーケティング力、情報発信力を強化していく必要があります。このような都市魅力の向上に対する思いを、国内外に向けたプロモーション戦略について知事の考えをお伺いします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪は、近年とりわけアジアからの旅行者が急増するものの、一方で世界における大阪、関西の存在感はまだまだ薄いと言わざるを得ません。このために、新たな戦略に基づき、その成果を二〇二五年万博誘致、さらにはその先につなげていけるように大阪府、大阪市が連携を一層強化して都市魅力施策を推進するとともに、府内市町村や経済界などの関係者と一体となって世界における大阪のプレゼンスをより一層高めてまいります。 国内外に向けた大阪のプロモーションについては、先日も、在関西総領事と意見交換会を開催いたしまして、私みずから大阪の魅力をアピールし、母国の皆さんにお伝えいただけるようにお願いをいたしました。さらに、今後、大阪観光局がDMOとして国に登録をされ、マーケティング力、情報発信力が一層強化をされることから、府としても大阪観光局と連携をして観光客のニーズに応じたプロモーションを戦略的、効果的に展開してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、府市の施策の一元化についてお伺いします。 世界の都市間競争が激化する中、大阪が、世界とつながり、存在感を発揮する都市となるためには、待ったなしの課題に対して、スピード感を持って対応できるよう現状の二重行政の解消を行うことが急務であります。 平成二十四年の府市統合本部会議において、二重行政の解消を図るため、経営形態の見直し項目であるA項目及び類似重複している行政サービスであるB項目の進め方がまとめられましたが、このA・B項目は、数多くある二重行政の中のごく一部にすぎません。 A・B項目以外の二重行政の解消は、平成二十四年八月時点で、部局長マネジメントとして、百八十七件の府市連携、政策統合が図られたものの、うち百三件は協議継続中であり、その後の経過は不明のままであります。 八月の我が会派の知事への提言において、府市政策一元化の進捗状況を明らかにするように求めましたところ、副首都推進局より進捗状況を調査するとの回答をいただきました。 今後も、引き続き政策の一元化を各部局において責任を持って進めていくのは当然ですが、副首都推進局として、引き続き進捗状況の的確な把握に努める必要性があると思いますが、お考えをお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 副首都推進局長手向健二君。 ◎副首都推進局長(手向健二君) 平成二十四年の大阪府市統合本部会議で整理されました、お示しのA・B項目以外の事務及び事業につきましては、同会議で確認された方向性に沿って、府市の部局において部局長マネジメントのもと、自律的に取り組みが進められているところでございますが、取りまとめから一定期間が経過していますことから、進捗状況について把握するため、今回改めて調査を行ったところでございます。 今回の調査結果を見ると、予定どおり連携を実施または実施予定となっているものがある一方で、中には、連携に向けて事務的な課題があり、引き続き検討中のものなどがございます。今後、適宜、進捗状況については把握してまいりたいと存じます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) この百三件の項目につきまして、この間、我が会派のほうで調べさせていただきますと、ぶっちゃけて、慌ただしくこの本会議に合わせる形で調査が進んで、現状がまだ継続中であるというような実態も出てきておるというのは事実であります。これは、僕自身は、平成二十四年のこの府市統合本部の会議しているから、この事務的なところの一元化というのはどうなっているのか、僕は物すごい気にはかけておりましたし、追っかけておりました。言うならば、特別区の話とか都市のあり方、そちらのほうの議論に意識が行き過ぎている中で、結局は職員全体の中には、このことについて棚上げしていくというような空気感が僕はあったんじゃないかなというふうに推測しております。そのようなことでは、本当の意味のこの大阪全体の中での一元化というものを目指す中では、まだまだ僕はぬるいような気がしています。 そういう意味では、今回、問題を提起させていただきました。このような百三件の分は、全部各委員会ごとに振り分けをしております。引き続き、委員会のほうでもしっかりとこの議論は進めていくんですが、ここのところにつきましても、これはぜひとも知事に対しましても、大阪市の市長と一緒になって、まずはこの百三件の協議の状況というのをしっかりと取りまとめていくことと同時に、当時のときの事務レベルでは、これは一体化であったとしましても、現時点の中でも一緒にできるような項目も再度出ているんじゃないかなと僕は思っています。 先ほど、ベンチャーの話もしましたが、そのようなところももう一度点検していく中で進めていただきたいと。これは、ちょっと再度、再質問になりますが、知事のお考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 府政、市政全般にわたりまして、住民のサービスの向上と行政の効率化を図るなどの観点から、府市の事務事業の連携、一元化を着実に進めていくことが重要と認識しております。二重行政の解消により、こうした効果に加え、機能強化などの一層大きな効果を生じさせることが期待されると考えておりまして、現状でもできるところから連携や一元化を進めていくというのが私の考えであります。 御指摘のA・B項目以外の事務及び事業については、部局長マネジメントのもと、府市でしっかりと協議を行い、取り組みを進めるように指示をいたします。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 人口減少化が急速に進展する中、水道事業においても、給水人口の減少や施設の老朽化の進行による維持管理コストの増加など、収益環境の悪化が懸念されています。安心で安全な水を少しでも安く安定的に供給するため、効率的な経営を行うことが急務となっております。 現在、大阪市内の水道事業は、大阪市水道局が担い、それ以外は、大阪広域水道企業団が取水及び浄水を、各市町村水道局が給水を担っています。 大阪府水道整備基本構想においては、平成四十二年を目標年度として、水道事業の府域一元化を掲げているものの、現在の統合の時期が確定または検討協議中となっている自治体は、全体の約四分の一にすぎず、残念ながら府域一水道に向けた取り組みは停滞していると言わざるを得ません。 住民サービスの向上を図るため、早急に府域一水道を実現することが必要であると考えますが、今後の府域水道一元化の進め方について知事のお考えをお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 水道統合については、現在、三市町村について大阪広域水道企業団との統合が予定をされており、さらに七市町で検討が開始されるなど、府域一水道に向けた取り組みが進んでおります。一方、大阪市においては、府域一水道を見据えた民営化に向けた議論が行われております。 本府といたしましては、これらの動きを踏まえ、水道事業の経営や運営面のあり方について企業団、市町村と議論を深めてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 水道の議論につきましては、かつては大阪府、大阪市の上水道統合などで非常に議論になりましたが、ここ数年、企業団に移行してからは、この議論というのがちょっと寂しくなっております。まさに、もともとワン大阪というような広域の一元化の議論というものが、この水道の議論に象徴されるように認識が薄くなっているんじゃないかなと僕自身は思っておりますし、僕は、この水道問題をしっかりと進めるために、市町村議会から広域の議会に来たというものであります。 そういう意味では、今後は、まさに今この企業団の中の議論というものは、行政の目線、お役所の目線の単なる統合ということであります。これからの時代というのは、経営のあり方、運営のあり方、そこのあり方についての議論というものをしっかりとした中でやらないことには、単なる行政同士の首長の議論の枠内でおさまると。僕はそういうような危機感を持っておりますので、今後、引き続き松井知事におかれましては、水道の経営のあり方がどうあるべきかという観点を持った中で、これから市町村の首長の方々とも違いというものを示していきながら取り組んでいただきたいというふうに思いますが、再度、知事のお考えをお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 府域一水道、非常にそれを目指すべきという考えは、青野議員と同じであります。 ただ、現在は、大阪市以外は大阪広域水道企業団との中で各市町村の給水を含む統合というものが予定をされておりまして、要は企業団が水道事業の運営、経営について権限を持たれているわけです、大阪府からそちらに権限を移しまして。その企業団の中の各首長の意見が、なかなかまとまりません。大阪府として、これを上からの指導によってまとめるというのは無理です、やはり自主的に企業団での運営がなされているわけですから。 したがって、企業団の皆さん方、各市町村の首長の皆さん方に、まず企業団の中で完全統合することによって、いかに受益者に対して水道料金が下がっていくのか、そういうプランニングを各首長に伝えて、各首長の皆さんに府域水道一元化を促していく。各それぞれのエリアの受益者である皆さん方の民意がそちらのほうに向いていくように、我々としても一元化に向けた、大阪府として一元化に向けたバックアップというか支援、そういうものをしていきたいと思います。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、大阪消防庁の設置について御質問します。 パネルは、平成二十四年の資料ですが、消防力と投資の関係について、小規模消防本部は、消防費を上げても消防力が上がりにくいことが統計上も明確に出されています。広域一元化の中でも、とりわけ府内二十七消防本部を一本化し、府域一本部体制とする大阪消防庁の実現は、早急に行う必要性があります。 大阪消防庁が設置され、東京消防庁同様の強力な消防組織が実現することにより、大阪が大規模災害や特殊災害に見舞われたときのみならず、西日本において広域災害が発生した際に迅速かつ的確に対応することが可能となります。 我が会派では、本年六月から七月にかけて、府内消防本部に対し、消防の現状や課題について意見聴取を行いました。その結果、四年前にヒアリングしたときに比べ、大阪消防庁設立に期待する積極的な意見が多く聞かれたものの、大阪消防庁になることによる財政的な不安や統合効果が不明確であることに対する懸念が示されました。 大阪消防庁の議論をより一層進めるためには、九月に立ち上がった消防力強化のあり方に関する勉強会において、まず統合によるメリット、デメリットを示す財政シミュレーションを提示し、統合する効果を明らかにすることが必要と考えますが、知事の御所見を伺います。 また、我が国第二の拠点、副首都たる大阪の大阪消防庁が西日本の拠点としていかなる役割を果たすべきなのか、西日本、関西、大阪に求められる特殊業務について検討するべきであると考えますが、消防力強化のあり方について今後具体的にどのように実行していくのか、知事の御所見を伺います。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪消防庁構想は、府内の消防を一元管理することにより、消防業務の効率的、効果的な運営はもとより、指揮命令系統の一本化による大規模災害への対応力の強化などを目指すものであります。 一方で、消防の現場を担っている市町村からは、議員お示しのとおり、さまざまな課題や懸念が上げられていることも承知をしております。 現行制度のもとにおいては、実現には市町村の理解と協力が不可欠であることから、今月開始をいたしました消防力強化のための勉強会を通じて、まずは事務レベルで府内の消防が抱える問題やその解決策などについて検討を行っていきます。その中で、消防一元化の効果やクリアすべき課題などについて、財政面も含め検討していきます。 南海トラフ巨大地震や首都直下型地震など国家的な非常災害の発生を考えますと、東京消防庁に並ぶ強い消防力を大阪に確立することは、喫緊の課題です。できる限り早期に実現できるように取り組みを進めてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 大阪府立急性期・総合医療センターは、基幹災害医療センターとして大阪のDMATの中心的な役割を担っています。一方で、大阪には、国立病院機構大阪医療センターがあり、こちらは日本DMATの西日本事務局の役割を担っています。東京DMATでは、東京のほぼ全域を管轄する東京消防庁と密な連携のもと、効果的な災害医療が行われていると聞いています。 大阪においても、大阪消防庁として消防行政を広域一元化することで、DMATとの効果的、効率的な連携が可能になると考えますが、健康医療部長のお考えをお伺いします。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 本府においては、災害等の訓練や会議を通じまして、これまでもDMATと消防機関との連携を図っておりますが、熊本地震の際には、緊急消防援助隊とともに現地に出動したところでございます。 大阪の消防行政を広域で一元化することとなれば、消防における指揮命令系統が一本化され、消防とDMATとのより迅速な連携が可能になるものと考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 我が会派では、日本のDMATが置かれている状況について調査するため、東京と大阪の両事務局を視察し、担当者からお話を伺ってまいりました。その結果、都道府県DMATや災害拠点病院以外の医療機関との連携不足など、DMATが置かれているさまざまな課題が浮き彫りになりました。 災害時には、医療機関はもちろんのこと、消防など複数機関が連携して府民の生命を守る必要があります。そのためには、平時から顔の見える場を充実強化すべきと考えます。 また、処遇や予算などDMATが抱える課題について、大阪府としても取り組めることは多々あると考えますが、あわせて健康医療部長にお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 先ほども申し上げました熊本地震での活動を見ましても、災害派遣医療チーム--DMATは、災害発生直後の急性期医療を担う重要な存在です。 大阪府では、災害医療に関する事項について協議検討するため、大阪府災害医療推進協議会を設置しておりまして、DMATの活動につきましても、その協議事項の一つとして位置づけております。このほか、広域的な医療搬送を迅速、円滑に行うための協議会や実災害を想定した訓練に関する検討会議も開催しておりまして、医療だけではなく、消防機関や陸上自衛隊などの関係機関との連携も図っているところでございます。 来年度は、南海トラフ巨大地震を想定した内閣府主催の医療活動訓練が、大阪、兵庫、和歌山を被災地と想定して実施される予定でございます。この大規模訓練を契機といたしまして、医療、消防、自衛隊などによる新たな会議を設置することとなっておりまして、これらの現場で活動する方々のみならず、日本DMAT事務局などの関連機関との連携もより密接にしていきたいと考えております。 この会議を通じて出てきた新たな課題につきましては、国に対しましても必要な要望を行ってまいる所存でございます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、先般公表された当面の財政運営の取り組み素案について伺います。 素案の中で示されている中期見通しの収支不足見込み額は、平成二十九年度は五百六十億円で、半年前の平成二十八年二月試算の七百四十億円と比べ、百八十億円改善しております。その後も、年二百億円規模で改善が続くこととなっています。 今回の中期見通しの収支が、平成二十八年二月の粗い試算と比べて改善した主な要因について財務部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 財務部長中野時浩君。 ◎財務部長(中野時浩君) 今回の中期見通しの収支が、本年二月の粗い試算と比べて改善した主な要因についてお答えいたします。 まず、歳入面では、税収が平成二十七年度決算で上振れしたことや、今年度の税収が七月まではほぼ予算どおり進捗していることを踏まえ、税収見込みを上方修正したことが一つあります。もう一つ、消費増税の延期に伴いまして、大都市に不利となる地方法人課税の偏在是正措置が延期されたことなどにより、実質税収と地方交付税等の合計が年間約四十億円から二百四十億円程度増収となりました。 歳出面におきましては、公債費について本年七月に発表されました内閣府試算の長期金利が下がったことに伴い、府債の利払いが減少したことなどにより、年六十億円から九十億円程度縮減できたことが主な要因です。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 中長期試算を行う場合は、内閣府試算の経済見通しなどその時々の前提を置いて推計しているため、この半年において年二百億円規模で改善したものが、来年二月に改めて試算すれば、さらに変動することが十分に予測されます。 今後の変動要素としては、どのようなものが考えられるんでしょうか。また、現時点で収支に悪影響を与えるような動きがあるのでしょうか、財務部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 財務部長中野時浩君。 ◎財務部長(中野時浩君) 中長期試算を来年二月に改めて試算した場合に、今後変動が予想される要素についてお答えいたします。 まず、税収につきましては、平成二十九年度の税制改正や足元の経済情勢を踏まえた府税の動向により変動することが予想されます。 次に、地方交付税及び臨時財政対策債につきましては、十二月に決定されます地方財政対策の影響を受ける可能性がございます。また、内閣府の経済財政に関する新たな試算が発表されますと、本府の試算の前提となります経済成長率、物価上昇率、長期金利も変動する可能性があります。さらに、今年度の本府の人事委員会勧告も、変動要素の一つです。 現時点で収支に悪影響を与える動きとしましては、先般総務省が公表いたしました平成二十九年度の地方財政収支の仮試算によりますと、臨時財政対策債が今年度より二四・五%伸びており、将来の公債費がふえることが懸念されます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 素案では、歳入の確保、歳出の見直しと財政運営上の対応、取り組みを講じても、なお平成二十九年度以降三百五十億から四百二十五億程度の収支不足が見込まれていますが、どのように対応されるのでしょうか、財務部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 財務部長中野時浩君。 ◎財務部長(中野時浩君) 平成二十九年度以降、対策を講じてもなお見込まれる収支不足にどう対応するかにつきましては、当面の財政運営の取り組み素案の取り組み例に掲げた府有財産の売却、有効活用などの取り組みなどを予算編成過程でさらに具体化を図ってまいります。それでもなお埋め切れない収支不足に対しましては、財政調整基金の取り崩しを予算に計上せざるを得ませんが、効率的、効果的に予算を執行していくことなどによりまして、財政調整基金の取り崩しの圧縮を図ってまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 今後の財政運営においては、財政調整基金に頼らざるを得ない厳しい状況が続くとのことですが、橋下前知事、松井知事による八年余りの府政運営によって、貯金に当たる財政調整基金の残高が、平成二十七年度末で一千六百二億円に積み上がるとともに、公共施設等整備基金は、大阪府都市開発株式会社の株式売却などで五百四億円の残高となっています。さらに、平成十九年度までに減債基金から借り入れた五千二百二億円は、今年度末までに三千二十二億円が復元される見込みとなっています。 このように、八年前と今とでは、人間の体に例えると、筋肉質な財政体質に転換したと考えますが、いかがでしょうか、財務部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 財務部長中野時浩君。 ◎財務部長(中野時浩君) 本府の財政を人間の体に例えるのは難しいですけれども、一言で申し上げますと、過去八年余りでストックが改善し、健全性が高まりつつありますものの、なお道半ばであると考えております。 ストック面におきましては、臨時財政対策債等を除く地方債残高が、平成十九年度末の四兆一千百二十一億円から二十七年度末には三兆千五百三十八億円となり、約一兆円減少しております。 また、歳入に減債基金からの借り入れではなく財政調整基金の取り崩しを見込めるようになっており、さらに南海トラフ巨大地震対策や鉄道延伸などに公共施設等整備基金が活用できるようになっております。しかしながら、減債基金の積立不足に対応するため、平成二十九年度以降、さらに二千百八十億円復元していくことが必要であります。 一方、フロー面におきましては、歳入の約七割を占める府税や地方交付税等が国で決められます地方財政対策の影響を受けることや、景気に左右されやすい法人二税が府税収入の約三割を占めることなどから、毎年度の地方財政対策を踏まえて将来推計を点検しながら、慎重に財政運営を行う必要があると認識しております。 このように、府の財政は、ストック面では改善してまいりましたものの、フロー面においては依然厳しい状況にあると考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 今後とも、慎重に財政運営を行う必要性があるということですが、今後大阪府において高齢者人口の急増と同時に人口総数が減少する中で、働く世代が社会全体を支えていくためには、経済のパイを拡大していかなければならないと考えます。そのためには、経済成長に向けた産業構造の転換やイノベーションの促進が不可欠であり、今の段階から将来を見据えた着実な投資が重要です。 府においては、さまざまな改革に取り組んできた成果を踏まえ、大阪の成長、安全安心を支える財政基盤が確立しつつあると思いますが、今後の財政運営に臨む知事の基本的な考えをお伺いします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 知事就任以来、政策創造と行財政改革を柱に府政運営を行ってきました。毎年度の予算編成に際しては、大阪の成長戦略の具体化や府民の安全安心の確保のための施策に財源を重点的に配分してまいりました。 今後とも、将来世代に負担を先送りしないことを基本にしながら、大阪が西日本の核として世界で存在感を発揮できるように、成長と安全安心のよき循環による豊かな大阪の実現に向けて取り組んでまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、森之宮地域の都市戦略についてお伺いします。 我が会派は、府立公衆衛生研究所が所在している森之宮地域において、地域の中核施設である府立成人病センターが平成二十九年三月に移転することが決定していることを踏まえ、森之宮のまちづくりの問題と地方衛生研究所の機能強化の問題とは切り離して、それぞれ進めていくべき問題であると主張してきました。 今般、副首都推進本部会議や戦略本部会議における議論を踏まえて、知事から最終的に、新研究所が果たす役割や機能を発揮するために担保すべき指揮命令系統や、将来的な費用対効果等を考慮して施設形態は一元化施設として整備すべきこと、そして新たな施設は旧健康科学センタービルの空き室を活用し、建物を改修した上で不足分を隣接地への新棟建設で対応するという方針が示されました。 そこで、伺いますが、地方衛生研究所は、私たちの暮らしの安心安全を守るために不可欠な施設であり、感染症や食中毒等の健康危機事象が発生した際、迅速かつ効率的に対応することはもちろんのこと、副首都大阪にふさわしい西日本を代表する研究所としての役割を果たせるよう、地方衛生研究所としての機能強化や施設のあり方について十分に検討した上で決められるべきですが、このような点を踏まえて、どのような検討がされたのか、健康医療部長に伺います。
    ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 府立公衆衛生研究所、市立環境科学研究所の統合につきましては、タスクフォースを設置し、国立感染症研究所長を初め専門家の意見を聴取するなど、地方衛生研究所としての機能強化、施設のあり方について検討を深めてまいりました。また、知事、市長にも、東京都健康安全研究センターを直接御視察いただきました。 このようにして検討しました結果、新研究所が果たすべき役割を発揮するために担保すべき指揮命令系統や将来的な費用対効果に鑑み、一元化施設が望ましいと判断したものでございます。 施設の候補地につきましては、健康危機管理の観点から、迅速に対応できる立地要件等を総合的に勘案し、森之宮地区における整備方針を府市において決定したところでございます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) これまでの検討結果を踏まえて、どのような機能強化が図られるのか、健康医療部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 新研究所の機能強化に向けては、二つの研究所が有する高度な専門性を生かして、これまで以上に府域全体のセーフティーネットを高めていくことが必要でございます。 まず、機能面では、試験、検査の信頼性確保の向上、疫学調査研究の推進、地方衛生研究所機能の強化、特に感染症や食中毒発生時の対応力の向上、そして四番目に中核市保健所への支援等が求められます。このため、検査の信頼性確保のための精度管理室、疫学調査研究チーム、健康危機管理情報の専門部署の設置などにより、健康危機事象へのさらなる対応力の向上を進めてまいります。 また、設備面では、一元化施設の整備によりまして、指揮命令系統や機能面での統合、新たな設計による施設、設備面の機能強化も可能となると考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 知事は、本年六月に吉村市長とともに東京都健康安全研究センターを直接視察されましたが、その際、大阪にはどういった研究所機能が欠けていると思われたのでしょうか。 また、今後、統合後の研究所において機能強化を展開していく上で、最終的に一元化施設の立地場所については森之宮地区が最適だと判断されましたが、その一番の要因について、あわせて知事にお伺いします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) まず、東京都健康安全研究センターについては、BSL3実験室の施設の数や最新の検査機器の配備といった施設面のみならず、調査研究、専門職員の研修や育成、健康危機情報の収集といったソフト面においても、地方衛生研究所として一歩進んでいると実感をいたしました。大阪全体の広域的なセーフティーネットをこれまで以上に高めていくためには、東京都に匹敵する新しい研究所を早急に整備する必要性を改めて確信をしました。 次に、立地場所については、健康危機事象の発生時には、私や市長からの要請に迅速に対応し司令塔機能を発揮するため、府庁及び市役所に近い場所であることに加え、府内保健所からのアクセスも重要でありまして、森之宮地区が最適と判断をしたところです。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 先日、我が会派のほうにも、近隣の住民の方々が要望に来られまして、その際、この新研究所移転に対して非常に不安を抱いているというような御意見も聞いております。 今後、どのようにして近隣の方々を踏まえまして住民に御理解を得ていくのでしょうか、健康医療部長のお考えをお伺いします。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 森之宮地区の近隣住民の皆様に対しましては、公衆衛生研究所の単独移転を行うこととしておりました一昨年度より御説明しておりましたけれども、改めて今般の新研究所の施設整備につきまして、近隣の住民の皆様に御理解をいただけるように丁寧に説明を尽くしてまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、老朽化の進んだ福祉三センターの移転集約については、四年前の盲人福祉センターの視察において、知事みずからが森之宮地区での早期実現を約束されました。その後、時間がかかっておりましたが、このたび森之宮地区での施設新築に向けた基本計画に係る予算案を提出されるに至っております。 これまでどのような検討を行われたのか、知事にお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 社会参加促進センター、盲人福祉センター、谷町福祉センター、いわゆる福祉三センターについては、平成二十四年に私みずからが現地を視察し、耐震化に対応するための必要性を痛感したために具体的な検討へ着手をいたしました。 その翌年、平成二十五年に、平成三十一年度中の移転集約、平成三十二年度中の供用開始することについて、それぞれの施設に入居している当事者団体と合意をいたしました。その後、当事者団体との意見交換などを経て、障がい者が主に利用するという前提から、アクセス面を最重要視し、森之宮地区に移転集約する方針を決定したところです。 このたび、改めてスケジュールやコストなどについて精査検討した結果、同地区において新たな施設を立地することを決断し、その基本計画を策定する予算案を提出させていただいております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) そもそも、三センターの耐震化への対応の必要性からこの検討が始まっており、今後これ以上の検討のおくれは絶対に許されません。 平成三十一年度中の移転集約、そして平成三十二年度中の供用開始というリミットをしっかり守る上でも、森之宮地区の住民の皆さんへの説明を尽くしていくべきと考えますが、福祉部長にお伺いします。 ○議長(今井豊君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) スケジュールにつきましては、御指摘のとおり、検討を始めてから四年が経過し、既に三センターの耐震化の年限も過ぎているという状況にありまして、これ以上のおくれは許されないものと認識をしております。 今後、スピード感を持って検討作業を進めさせていただきますが、その際には、とりわけ近隣の住民の皆様に対しまして、しっかりと設置される施設の意義等について御説明をし、御理解をいただけますように努めたいと存じております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、来春予定されている大阪府立成人病センターの移転に伴い、今後は跡地の有効活用が問題になってまいります。対象になっているのが、大規模な医療施設ということもあり、解体、撤去にはそれなりの期間と経費がかかると思いますが、そのための予算や解体、撤去工事のスケジュールはどうなっているのか、健康医療部長に伺います。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 森之宮地区の成人病センター敷地につきましては、跡地利用の方針を踏まえて処分することとなりますが、建物を全て撤去する場合の工事につきましては、現時点での粗い見積もりでは、四十億円から五十億円程度の費用と三年から四年の工期が必要になるというふうに見込まれております。加えて、撤去前に不要となった例えば放射線機器等の処分などに半年から一年程度はかかる見込みであると府立病院機構から聞いているところでございます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 府立成人病センターの解体、撤去に当たっては、土壌汚染の状況についてもしっかり調査を行い、その結果、明らかになった問題点についてきちんと対応を講じていかなければなりません。 この点についてどのように取り組むのか、健康医療部長にお伺いします。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 森之宮地区の成人病センター敷地の土壌汚染調査につきましては、関係法令に基づきまして、使用者であった府立病院機構が行うものでございます。その結果、対策が必要な場合には、府立病院機構と協議の上、適切に対応してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 府立成人病センターの解体、撤去及び土壌汚染対策を行う場合、近隣住民への説明を尽くしていくべきと考えますが、健康医療部長にお伺いします。 ○議長(今井豊君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 成人病センターの建物撤去及び土壌汚染対策等につきましては、本府といたしましても、府立病院機構と連携して近隣住民の皆様に丁寧に説明してまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 大阪城東部のまちづくりについて伺います。 我が会派では、大阪城東部に位置する森之宮地域を都心東部のにぎわい拠点として府の成長戦略の重点目標として位置づけるとともに、あらゆる可能性を考えて有効活用などの検討、協議を図っていくことと、大阪府、大阪市が同じ方向性を持って大阪の活性化につながるまちづくりの実現に向けて取り組むことを提唱しております。 この大阪城東部のまちづくりについて今後どのように進めていくのか、住宅まちづくり部長にお伺いします。 ○議長(今井豊君) 住宅まちづくり部長堤勇二君。 ◎住宅まちづくり部長(堤勇二君) 大阪城東部のまちづくりについてでございますが、大阪城東部地区は、大阪都心部の最大のみどりを有します大阪城公園の東側に隣接をしており、成人病センター跡地を含めますと、その面積は約四十ヘクタールに及び、うめきたの二十四ヘクタールをはるかにしのぐとともに、JR森ノ宮駅など主要な四駅に近接しているといった交通利便性などの高いポテンシャルを有しております。この七月には、大阪城東部地区のまちづくりの方向性の素案を大阪府、大阪市が一体となって取りまとめたところでございます。 この中では、二〇二五大阪万博の基本構想府案やうめきた二期のテーマにも通じます健康・医療を初めとして、人材育成、観光集客などの機能の集積により、多世代、多様な人々が集い、交流を育むまちづくりをコンセプトといたしております。 今後、大阪府といたしましては、大阪市とともに、この地区の市有地の有効活用を検討するための市場調査などを参考にしながら、まちづくりの方向性の検討を深め、民間主導によるまちづくりの具体化に取り組みます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) これまでの部長答弁で、府立公衆衛生研究所と市立環境科学研究所の統合を契機に、西日本の研究拠点となる大阪健康安全基盤研究所として森之宮地域に立地し、これに連動して福祉の交流拠点となる三施設がその南側にあわせて建設され、また大阪城東部のまちづくりも進められることがわかりました。これが実現すれば、森之宮地域は、府民の安全安心の中核拠点、交流拠点として重要な役割を担うこととなり、にぎわいと安心安全の一大エリアとなります。 この大阪城東部地区は、グランドデザイン大阪の象徴的エリアである大阪城・周辺エリアの一部であり、その事業推進の責任者である住宅まちづくり部は、今回のグランドデザイン大阪都市圏策定を機に、都市空間創造を担う部として庁内横断的な事業調整を担える体制に再編強化すべきと考えます。 この地域の非常に高いポテンシャルを最大限に生かし、大都市としての成長を導くためには、幅広い府民の皆さんの理解のもと、関係部局による庁内横断的な取り組みとあわせ、大阪府、大阪市が一体となった取り組みが不可欠と考えますが、今後の進め方について知事に伺います。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 大阪城東部は、大阪府、大阪市が一体となって策定したグランドデザイン大阪において、大阪が成長発展するための象徴的なエリアであります。大阪城・周辺エリアの一部であるこの地区は、うめきたにまさるとも劣らないストック、ポテンシャルを持っておりまして、ライフデザイン・イノベーションをテーマにするうめきた二期の動きとも連動しながら、健康・医療、人材育成などをコンセプトに、今後とも地権者など関係者や地元の声も十分聞きながら、新しい大阪の顔になるように取り組んでいきます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) この森之宮のことにつきましては、各部局--福祉部長、健康医療部長、住宅まちづくり部長の皆さんに御答弁いただきました。これから、先ほど部長の方々は、皆さん、住民に対しては丁寧に説明されていくということであります。 しかし、成人病センターを核としたこれからの進め方は、健康医療部、福祉部、住宅まちづくり部、それぞれが住民説明を行っても、対象となる方々は同じ方々であるということの認識を強く持っていただきたい。言うならば、トータルに物事が判断、説明できる方々がしっかりとここ数年間、長期の中で対応していくということが僕は重要だと思いますが、そういう観点に関しまして、知事の考え方を再度お伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 今議員からのお話のとおりでありまして、地域の住民の方が、それぞれの部局の事業について入れかわるわけではありません。その地域で健康医療部の仕事、福祉部の仕事、住宅まちづくり部の仕事があるわけですから、地域の皆さんにとっては、その全てが大阪府が関与する事業だという認識で説明会に来られると思います。絶えず健康医療部、福祉部、住宅まちづくり部それぞれの課題を認識した者が、地域の皆さんに丁寧に説明をして、地域の皆さんの理解を求めていきたいと考えております。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、グランドデザインについてお伺いします。 うめきた二期のエリアが、大阪の顔であり、みどりが少ないと言われている大阪におきまして、これからさまざまなポテンシャルが生み出されていく圧倒的なエリアとしていく新しい魅力を創造するためには、うめきたの全面みどり化が不可欠であり、それに向けての取り組みというものを住宅まちづくり部長にお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 住宅まちづくり部長堤勇二君。 ◎住宅まちづくり部長(堤勇二君) うめきたの全面みどり化についてでございますが、うめきた二期のみどりは、まちの中に公園や緑地を確保するということにとどまらず、国内外から資本や優秀な人材等を集積させ、新しい産業を創造するイノベーションを生み出す基盤となるものでございます。 現在、二期区域におきましては、中央部に大阪府、そして大阪市が一体となって都市公園を整備するということとしておりますが、その周辺部の民間敷地につきましても、建築物と一体化したみどりを創出し、都市公園と連続したまち全体を包むみどりの空間となりますよう、全面みどり化を実現したいというふうに考えております。 今後、例えば寄附などでございますけれども、府民や企業等から幅広く協力を募るなど、うめきた二期の圧倒的なみどりの実現に全力で取り組みます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 先日、市町村の首長なども対象に踏まえまして、我々のところにも配布されましたが、グランドデザイン大阪都市圏というものが策定されております。府域にとどまらない広い視野で新しい都市構造を示すべきというようなお考えだと思いますが、住宅まちづくり部長にお伺いいたします。 ○議長(今井豊君) 住宅まちづくり部長堤勇二君。 ◎住宅まちづくり部長(堤勇二君) グランドデザイン大阪都市圏についてでございますが、グランドデザイン大阪都市圏は、二〇五〇年を目標に、関西全体を視野に、都市の活力の源は人であるとの考え方のもと、多様な人々が集積し、生き生きと働き、学び、楽しむことができる都市空間の創造を目指し、その大きな方向性を示すものでございます。 こうした都市空間創造を進めるに当たりましては、都市構造を行政区域にとらわれず、広く活動する人を中心に捉え直し、広域的な観点から都市間連携を進める必要がございます。この都市構造の姿をグランドデザイン大阪都市圏では、新たに広域連携型都市構造として提示し、紀淡トンネルのような紀淡海峡につながります関西大環状道路や府県間道路、淀川舟運の活性化等広域インフラ沿線の市町村が持つ個性豊かなストック、そしてポテンシャルを生かしましたさまざまな取り組みを大阪府のリーダーシップのもと連携をさせることで、強い大阪都市圏づくりを進めることとしております。 今後とも、広域的な視点による市町村間での連携を積極的に進めますことにより、府域全体が圧倒的な魅力を備えた都市空間となり、東西二極の一極を担う大阪都市圏の実現に取り組みます。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、阪神圏の高速道路料金体系の一元化について伺います。 府は、シームレスな高速道路料金体系を実現するため、対距離料金を基本に料金体系や車種区分を統一、ネットワークする道路公社路線の高速道路会社への移管等を国へ提案してきました。 先般、府の提案等を踏まえ、国土交通大臣の諮問機関である国土幹線道路部会において高速料金に関する基本方針案が取りまとめられ、いよいよ料金体系一元化が本格的に動き出すことになりました。 また、基本方針案では、料金体系の統一等に加え、ミッシングリンクである淀川左岸線延伸部など、早期ネットワークの充実の必要性も示され、その整備財源を確保するため、新料金において利用者に追加的な料金負担を求めることも示されています。 淀川左岸線延伸部の早期整備のために、利用者に一定の負担を求めることはやむを得ないと考えますが、できるだけ利用者の負担感を軽減するなどの工夫が必要であります。 今後、具体的な料金案について引き続き検討が進められ、来年二月定例会で阪神高速の新料金を審議する予定と聞いていますが、利用しやすい料金体系の実現に向け、どのように取り組んでいくのか、都市整備部長の所見をお伺いします。 ○議長(今井豊君) 都市整備部長吉村庄平君。 ◎都市整備部長(吉村庄平君) 阪神圏の高速道路料金体系一元化に向けた取り組みについてお答えいたします。 国土幹線道路部会において取りまとめられた基本方針案では、対距離制を基本とした料金体系の統一や道路公社路線の高速道路会社での一元的管理など、シームレスな料金に向けた本府からの提案内容がおおむね反映されました。 平成二十九年度からは、料金体系一元化の第一ステップとして、長距離利用者などの急激な負担増に配慮し、当面の間、阪神高速道路などで上限料金を設定するといった激変緩和措置の導入を提案しております。 また、ミッシングリンク整備財源確保のため、利用者に負担を求めるに当たって、利用者の負担感を軽減するため、無利子出資金の償還繰り延べや更新事業の債務償還期限内における料金収入の活用などの工夫が必要であると考えております。 今後、公平で利用しやすく、必要なネットワーク整備にも資する料金体系の実現に向け、国に対して議会での御議論を踏まえた具体的な提案を行い、地方の意見が反映されるよう引き続き関係自治体と連携して取り組んでまいります。 ○議長(今井豊君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) これは、これから議論が深まっていくことと思いますが、少し要望させていただきます。 この対距離料金のことであるんですが、今後その都市整備、国交省との話だけではなくて、大阪府全体の政策のところも捉まえた観点というのが必要じゃないかなと僕は思っています。二〇二五年に万博開催をする、一千三百人のインバウンドを求めていくということで、その方々が大阪に入ってくる窓口というものは、新大阪であったり関西国際空港ということであります。 そういうふうなことを考えていけば、そこからお客さんが来て、都市部に来るところのいわゆる高速道の料金というものが高額であれば、逆に言うとインバウンド施策にも影響を与えていくということが考えられると思います。 これは一例でありますが、そういうふうなことを考えていけば、都市整備だけの議論じゃなくて、まさに大阪府が進めておる施策の観点からも、この料金の捉まえ方ということも僕は必要だと思っておりますので、府庁内で横断的にこれは取り組んでいくということをぜひとも要望させていただきたいと思いますので、お願いします。 以上です。 ○議長(今井豊君) この際、休憩いたします。午後二時五十三分休憩    ◇午後三時十六分再開 ○副議長(花谷充愉君) これより休憩前に引き続き質疑質問を続行いたします。青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、医療戦略会議提言についてお伺いいたします。 平成二十六年一月に提言として取りまとめられた大阪府市医療戦略会議提言では、医療関連・ヘルスケア分野の産業育成や医療・健康づくりサービスのあり方など、今後の超高齢化社会に向けた対応方策を検討し、府民の健康寿命の延伸と生活の質の向上のための新たな仕組みの構築を目指したもので、非常に意義ある提言と認識しています。 提言で示されている戦略案は、七つの具体的戦略から構成されており、内容は多岐にわたり、その手法や実施主体もさまざまです。こうした多彩な取り組みを推進していく過程で、おのずと進捗状況に差異が生じます。全体を進行管理し、提言の理念、戦略目標を一つでも多く着実に達成していくためには、それぞれの取り組み状況を丁寧に把握し、実情に応じて柔軟に所管部局や実施主体と調整や協議を進めていくことが求められます。 そうした観点から、医療戦略の現在の取りまとめ部局である政策企画部において、現下の状況を踏まえ、どのようなスタンスをもって提言の進捗管理と達成に取り組もうとしているのか、政策企画部長の認識を伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) 大阪府市医療戦略会議提言に関する御質問にお答えいたします。 平成二十六年に策定されましたこの提言は、今後急速に超高齢社会に突入していく大阪府が地域の活力を維持し、経済的に持続可能な社会を構築していくために必要な戦略であるというふうに考えております。提言に示されました七つの戦略は、現在それぞれの所管部局におきまして、着手可能な取り組みを優先しつつ、戦略の実現に向けた検討や調整が進められているところでございます。中でも、市町村における住民の健康増進のため、マイレージ制度を活用した取り組みでありますとか、スマートエイジング・シティに関して民間の事業主体と連携した取り組みなどは、東淀川区、河内長野市などで既に事業化されまして、全国的にも注目を集めているところでございます。 このように、取り組みが順調に進んでいる事業がある一方、関係者が多く、調整に時間を要するなど課題がある分野もございます。こうした事業につきましては、関係者間で意見の相違の有無やその内容、事業実施に必要な費用の調達、確保といった観点から、解決手法を検討し、具体的な対応策につきまして所管部局と連携調整するなど、その進捗を図っているところでございます。こうした対応を通じまして、所管部局や実施主体における取り組みが事業化へとつながりますよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。 また、医療戦略会議提言は、事業に参画する官民の実施主体を一つでも多くつくることが実現への近道であるというふうに考えております。市町村や民間事業者等への情報収集を行い、関係部局にフィードバックするなど、事業への取り組み環境を整えてまいりたいと考えております。これらの積み重ねにより、提言の実現、超高齢社会に対応した大阪独自のヘルスケアの仕組みづくりを目指してまいりたいと存じます。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 我が会派が注目している戦略は、戦略二、三のレセプトデータを含む医療関連ビッグデータの活用です。医療機関が、医療関係データを共有化することで、医療事故の防止や医療費の適正化を図るだけでなく、データの適切な活用により、ヘルスケアの増進、医薬品の開発に寄与するなど、医療制度や健康づくりの仕組みをより先進的なものに変えていく内容です。これは、医療戦略会議提言の中でも目玉となる重要な戦略であると考えます。この戦略が、実現に至らず、府民が恩恵を享受できないのであれば、大変残念なことです。医療戦略会議提言そのものの存在意義が、問われかねないと思います。 確かに、医療・診療情報というデリケートな情報を最新のIT技術のもとで共有化し活用していくには、個人情報の取り扱い、関係者の意見調整、またコスト面での事業化に向けた費用負担などさまざまな課題が存在することは理解しております。ただ、こうしたことは、少しでも進めるためにも始めていくことが大事です。例えば、府の関係医療機関からというのも一つの方法だと思います。 提言に掲げられた医療関連ビッグデータの活用に向けて、現在どのような検討をされているのでしょうか。また、医療戦略が、少しでも具体的になるよう政策企画部として関係部局と連携し、事業の主体を後押ししていくことが肝要と考えますが、政策企画部長の見解を伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 政策企画部長山口信彦君。 ◎政策企画部長(山口信彦君) レセプトデータを含む医療関連ビッグデータの戦略的な活用は、府民の健康寿命の延伸につながる医療・保健政策の充実につながることはもちろんのこと、創薬などの産業振興にも寄与するなど、これらが具体化されますことは、府民にとっても大きなメリットがあるというふうに認識をいたしております。 現在、本府では、直ちに取り組み可能なものとして、関係者と連携しレセプトデータを分析することにより、地域医療体制のあり方や健康増進施策の検討を進めるとともに、医療費の適正化も図っているところでございます。 また、府立病院機構におきましては、災害時における被災者に必要な医療を継続して提供するといった観点から、患者情報の共有化に向けた検討などを進めているところでございます。 一方で、医療関連データを共有し活用していくための具体的な仕組みを地域で構築していくに当たりましては、御指摘のようにさまざまな課題が存在をいたします。例えば、個人情報のセキュリティーをどのように守るか、医療機関により技術的に異なったシステムが併存している中で、どのように統一をしていくのか、データベース、ネットワーク構築にかかる莫大なコストを誰が負担するのかといったことなどがございます。 このように解決すべき課題は多くありますが、地元医師会や医療機関、シンクタンクなど関係者間で、ICカードを活用した健康・医療関連データの共有化に向けた研究、検討が既に始められている地域もございます。 政策企画部といたしましては、こうした動きを支援し、医療データの共有化、活用が実現できますよう国における医療情報の扱いに関する検討状況、活用可能な助成制度などに留意するとともに、関係者間の協議調整などが円滑に促進されるよう必要な調整を担い、早期に具体化できるようサポートしてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 現在、市町村が運営している国民健康保険制度については、平成三十年度からその運営を都道府県単位に一元化し、都道府県も府内市町村とともに国保を運営することとなりました。 大阪府では、平成二十二年以降、府内市町村と府内統一保険料率の実現に向けた法改正の要望や累積赤字の解消、収納率向上といった統一に向けた環境整備を進めてきました。昨年五月、市長会、町村長会と合意し、国保広域化調整会議を立ち上げ、代表市町村と検討を重ねていると聞いております。平成三十年度からの制度改革に向けた方向性について伺います。 大阪府内の市町村国保の累積赤字額は、平成二十年の約八百三十億円をピークに、この間、解消が進んできたところですが、依然として平成二十六年度決算において十九市町で約三百十億円の累積赤字があります。これは、全国の累積赤字額の実に約三割を占める状況です。平成三十年度から新たな国保制度における財政運営の責任主体となる大阪府としては、市町村国保財政のさらなる健全化を進めていく必要性があると考えますが、今ある市町村国保の累積赤字に対する認識と解消に向けた取り組みについて福祉部長に伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) お示しのとおり、現在の府内の市町村国保の累積赤字は、全国の約三割を占めておりまして、その早期解消は喫緊の課題であると認識をしております。 新たな国保制度施行後は、現在の累積赤字を都道府県に引き継ぐのではなく、引き続き市町村に残ることになるため、当該市町村の責任で原則として平成二十九年度までに解消していただくということでございます。現在、府の基準に該当する十五の市町において赤字解消計画が策定をされており、進捗状況などに応じて特別調整交付金を交付するなど、累積赤字の計画的な解消に向けた取り組みを支援しているところです。 引き続き、計画に基づきまして当該市町村の責任において解消するように指導、助言、支援に努めてまいりたいと存じております。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 現在、国保広域化調整会議において、被保険者の負担の公平化を目指して、統一保険料に向けた検討を進めているということですが、負担の公平化ということであれば、あわせて保険料などの減免基準についても、そのあり方について検討する必要性があります。 国保制度においては、それぞれの市町村の条例に基づいて保険料の減免制度や医療機関の窓口で支払う一部負担金の減免制度がありますが、これらの基準は現在市町村ごとに異なっています。国民健康保険制度は社会保険制度であり、相互扶助の精神のもとで加入者全員で支え合うという観点からすれば、これらの減免制度について適正、厳正な運用のもとで、真に必要とされる方々に対して適切に適用される必要性があると考えます。 新たな国保制度でも、大阪府下での一つの国保となることや、財政運営の責任主体が大阪府となることなども踏まえ、新たな国保制度における減免制度のあり方や今後の検討の方向性について福祉部長に伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 新たな国保制度では、被保険者の負担の公平化を図る観点などから、保険料率の統一に加えまして、保険料や一部負担金の減免に関する規定につきましても、府内の共通基準を設定し、統一をする方向で検討を進めているところです。 減免の共通基準を設定するに当たりましては、国保という保険制度の枠内で実施すべき範囲、加入者全員で支え合う範囲を検討する必要があると考えております。このため、国の例示や判例などを踏まえ、減免制度のあり方を整理し、市町村とも十分に議論を重ねて検討してまいりたいと存じます。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 新たな国保制度が平成三十年度から始まるということは、準備に残りあと一年半です。新制度における安定的な財政運営や効率的な事業運営を確保するためには、府内の統一的な方針として国保運営方針を定める必要性があります。 今議会には、その運営方針の作成や市町村が府に納める事業費納付金など、国保運営の重要事項を審議する公益代表や医師等で構成する大阪府国保運営協議会の設置条例案が提案されています。制度が大きく変わることで、市町村や府における電算システムの構築を進めることも大変重要であります。 新制度まで一年半、これからどのように進めていくのか、福祉部長に伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 国保の運営方針は、医療費や財政の見通し、市町村の保険料の標準的な算定方法などを定めるものとされています。現在、これに盛り込む内容などについて、国保広域化調整会議において鋭意検討を進めているところです。年内にも国保運営協議会を立ち上げ、意見をお聞きしながら、府としての運営方針を来年の夏ごろまでに決定をする予定であります。 次に、システム関係では、本年十月に本府に事業費納付金算定システムを整備するとともに、今年度以降、国の補助金の活用を促し、市町村においても新制度に向けたシステムの改修などを進めていただきます。その費用につきましては、府に設置をしています国保広域化等支援基金の運用益を活用できるように九月補正予算に所要額を計上させていただきますなど、新たな制度の円滑な施行に向け支援を実施してまいります。 今般の制度改革は、昭和三十六年に国民皆保険制度が確立をいたしましてから初めてとも言える大きな改革であります。府として、万全の準備を行い、円滑に制度を移行し、国保の安定的な財政運営を確実に行ってまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、福祉医療助成制度の再構築についてお伺いします。 福祉医療助成制度は、障がい者やひとり親家庭、乳幼児に係る医療費の負担を軽減する制度です。 府では、この制度を将来に向け持続可能な制度とする観点から、今後のあり方について市町村と検討し、現在、府としての考え方を整理していると聞いております。 府では、セーフティーネットの役割を果たしているこの制度について、どのような再構築を考えているんでしょうか。対象者や受益者負担については、どういった改正を考えているのか。また、この制度は、市町村が実施主体と聞いていますが、市町村からはどういった意見が出されているのでしょうか、福祉部長に伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) まず、今回の福祉医療費助成制度の再構築のポイントを申し述べます。 障がい者医療につきましては、精神障がい者、難病患者を対象に加え、年齢に関係なく重度の方を対象といたします。六十五歳以上の重度ではない精神通院医療受給者、難病患者、結核患者の方々は、対象外といたします。また、ひとり親家庭医療では、裁判所から保護命令が出されたDV被害者を対象者に加えます。 受益者負担につきましては、一回当たりの単価五百円は維持をいたしますが、現在は無料となっております院外調剤に自己負担をお願いしたいというふうに考えております。また、一医療機関当たり月二日までとなっている負担上限を撤廃し、再構築に係る所要額の増加分は、受益者負担での対応をお願いしたいと考えています。その場合に、仮に精神病床への入院を三月限定の助成といたしますと、月額上限額は現行の二千五百円から四千五百円程度となる見込みであります。 次に、市町村からの御意見でありますが、対象者の再構築については、おおむね妥当であるという趣旨の御意見をいただいています。受益者負担につきましては、厳しい財政状況にあって引き上げもやむなしという意見のほか、一回当たりの単価五百円の維持、子ども医療とひとり親家庭医療は現行を維持すべき、あるいは入院と通院で月額上限額を別々に設定してはどうかなどの御意見をいただいています。 今後、福祉医療費助成制度を取り巻く情勢や府の財政状況などを勘案し、実施主体である市町村の御意見を伺いながら、受益と負担の適正化、持続可能性の観点から、引き続き検討をさせていただきたいと存じます。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) これまで対象となっていなかったDV被害者や、障がい者の定義に含まれる精神障がい者や難病患者に拡充することは、一定評価に値すると考えます。また、医療費が無料になることでモラルハザードが起きるという意見があることや、受益と負担の観点から考えて、一日当たりの負担を一定額に軽減するのであれば、院外調剤への負担や一医療機関の三日目以降にも負担を求めることについては、おおむね理解できます。 ただ、対象者の中には、慢性疾患を患っている方や、障がいがあることで医療にかかる頻度が高く、複数医療機関を受診せざるを得ない方もいます。とりわけ、ひとり親家庭においては、育児などのために働きたくても働けない方や、育児優先にならざるを得ないことで、雇用形態としても常勤雇用が少ないと聞いております。結果として所得も低く、経済的困窮度が高い方もいることを考えれば、月額上限額が幾らになるかについては気になるところです。月額上限の引き上げ抑制などを目的に、わずかでも一般財源の投入ができないかもあわせて検討すべきと考えますが、知事にお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 平成二十七年度決算を踏まえた中期見通しを見ましても、平成二十九年度以降も当面は四百億から五百億規模の収支不足が続く見通しでありまして、府の財政状況は非常に厳しいと認識をいたしております。 受益者負担については、厳しい財政状況の中、自然増の部分を除く再構築に伴う所要額への一般財源の投入というのは慎重にならざるを得ず、なかなかそう簡単には決められません。議会におけるこれからの議論なども見きわめさせていただきまして、福祉医療制度の再構築の中で、できる限り負担をふやさない形をつくり上げていきたいと、こう思っています。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、介護の問題についてお伺いします。 高齢化の進展に伴い、大阪府の役割について伺いますが、本年三月に厚生労働省が公表した介護費の地域差分析によりますと、都道府県ごとの高齢化率を一定にそろえた際に、大阪府は、要介護認定率、第一号被保険者一人当たりの介護費がともに全国一高くなっていることが判明しました。都市部である大阪府では、団塊の世代が七十五歳を迎える平成三十七年には、平成二十七年と比べて七十五歳以上人口が一・四倍強、約四十五万人余りも増加するなど、全国屈指のスピードで高齢化が進展していくと見込まれています。 こうした中、認定率や介護費が全国一高い状況を改善しなければ、介護保険財政の悪化や介護保険料の上昇を招くだけでなく、支える側の介護人材の確保も一層困難になっていくことは明らかです。府内市町村の認識には、まだまだばらつきがあることを踏まえれば、保険者支援を役回りとする大阪府こそが、主導的に要介護認定率、介護費が高くなっている原因を分析するとともに、必要な対応策を提示していくことなどが求められるのではないかと考えます。福祉部長に見解を伺います。 また、平成二十五年、介護保険法改正により、来年度までに全市町村での実施が求められているいわゆる新総合事業について、府内市町村の取り組みがおくれていると聞いています。介護需要が増大し、高度な介護ニーズに対応する人材の確保が課題となっていく中、掃除やごみ出し、調理や買い物代行などといった家事援助的な支援ニーズに対しては、プロのヘルパーではなく、NPOやボランティアなど地域の住民主体の支え合いによって対応することが求められるようになっていると考えますが、こうした住民主体型のサービスづくりは、市町村にはノウハウがなく、特に対応は苦慮するという実態です。 増大する介護ニーズや財政負担への対応の必要性を踏まえれば、新総合事業のうち、住民主体の支え合いサービスが、着実に地域で創出されるよう大阪府における広域的な支援策が強く求められると思いますが、福祉部長の見解を伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 福祉部長酒井隆行君。 ◎福祉部長(酒井隆行君) 本年三月の厚生労働省の公表資料によりますと、大阪府は、年齢調整後の要介護認定率が二二・四%、六十五歳以上の被保険者一人当たり介護費が三十一・九万円となっておりまして、いずれも全国で最も高いという結果となりました。 来年度、第七期の高齢者計画を策定する必要があることなどから、これらの検討に先立ちまして、ことし七月に、有識者や大阪市、堺市など十一市町村を交えて専門部会を設置し、認定率や介護費が高い原因の分析を行うとともに、必要な対応策を検討しています。専門部会における検討を通じまして、市町村とも問題意識を十分に共有しながら、必要な対応に果敢に取り組んでまいりたいと存じております。 次に、総合事業の実施につきましては、府内四十三市町村のうち、平成二十七年度から取り組んだ市町村が一つ、今年度取り組む市町村が四つにとどまるなど、全国的に見て取り組みがおくれている状況にあります。既に取り組んでおられる市町村におきましても、御指摘の住民主体による支援にはほとんど取り組めていないために、今般の補正予算案におきまして、府による広域的保険者支援策を検討するための協議会設置経費を計上させていただいているところであります。市町村やNPO、社協などの御意見をよくお伺いしながら、必要な支援策を検討してまいりたいと存じております。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、児童虐待の根絶に向けた体制の強化についてお伺いします。 先月、八月四日、厚生労働省が発表した平成二十七年度児童虐待相談対応件数によると、大阪府内の八カ所の児童相談所の対応件数は一万六千五百八十一件と全国で一番多く、前年比二割増となっています。府子ども家庭センターでは、職員がオーバーワークにより疲労し、十分な対応ができなくなっている状況になっていると考えます。 そのような中、国においては、児童福祉法が改正されました。児童相談所における児童福祉司の配置数については、これまでの担当地域の人口四万人から七万人に一人としていた配置数を人口四万人に一人以上配置した上で、全国平均より虐待相談対応の発生率が高い場合には、その業務量に応じて上乗せを行うと新たに定められたと聞きました。 その基準を府の子ども家庭センターに当てはめると、現行よりも約八十人の増員が必要となります。 私自身、本件については、かねてから問題意識を持ち、現場の実態をこの目で確かめるため、九月二十六日、今週の月曜日に東大阪子ども家庭センターを視察しました。現場を視察した結果、職員は朝九時から夜遅くまで、緊急対応もあり、非常に過酷な勤務体制を強いられていると痛感しました。そのため、人員体制の強化は当然として、専門性を維持するためには、長期的な採用計画と職員の育成が必要だと感じました。加えて、プロとして職員みずから実施する業務と一部民間団体と連携して分担ができる業務があるのではないかということも現場で感じました。 今回の児童福祉法の改正や児童福祉司の配置数の見直しを踏まえ、専門性を持った職員の配置を計画的に進めていかなければならないと考えますが、さらに人員体制強化を受けた柔軟な勤務体制の検討などを進めていくべきと考えますが、知事の考えをお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 児童虐待に関する質問にお答えします。 大阪府子ども家庭センターにおける児童虐待の相談対応件数は、平成二十七年度一万四百二十七件になり、全国の約一〇%を占める割合であります。これは、府の所管の人口が全国四・二%であるのに対して、人口比では二倍以上の件数に対応している状況にあります。このため、府では、増加する児童虐待に適切に対応するために、平成二十八年度においては、地方交付税措置されている児童福祉司数の百二十三人に対しまして、一・三倍に当たる百六十二名を配置し、体制強化に努めているところです。 御指摘のとおり、今回の児童福祉法改正による国の児童福祉司の標準的な配置基準を踏まえた対応が求められており、今後、府といたしましても、必要数を精査するとともに、民間団体との連携やICT化などを進めながら、効率的かつ効果的な体制構築に努めてまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、待機児童対策についてお伺いします。 ニッポン一億総活躍プランで示されたように、政府では、保育の受け皿整備に加えて、保育士の処遇改善、多様な人材の確保・育成、生産性の向上を通じた労働負担の軽減を柱として保育士の確保に取り組み、待機児童の解消に取り組むとされているところです。 保育士確保のための取り組みを推進していくことは、極めて重要ですが、一方で国制度による就職準備金の貸し付けでは、保育士資格登録後一年未満、離職後一年未満の保育士が対象外となっており、府内の一部の市町においては、こうした国制度では対象とならない保育士などを対象に独自に給付事業を実施する動きがあります。府内基礎自治体が、それぞれの判断で保育士の確保や処遇アップを図ることで、保育士のなり手がふえ、待機児童の解消に寄与することは好ましいことであり、このように積極的に取り組む市町村が続くことは大いに期待したいところです。 また、保育士確保における市町村の切磋琢磨とあわせ、ベースとなる府内全体での保育士確保策の底上げが図られるよう、府としては、なるべく多くの人材を対象として保育士確保の可能性を高めていくため、さきに申し上げた就職準備金制度の改善について国に対して要望していくべきと考えますが、福祉部長の所見を伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 福祉部長酒井隆行君。
    ◎福祉部長(酒井隆行君) 待機児童の解消のためには、保育の受け皿整備とあわせまして保育士の確保が急務であります。このため、本府では、保育士資格取得のための修学資金や潜在保育士の再就職時の就職準備金などについて国補助制度を活用し、返済免除のある貸し付け事業をこの十月からスタートさせるなど、府内の保育士確保に取り組んでいるところであります。 本府といたしましては、府域全体の保育士確保の底上げを図る観点から、お示しのように国の貸付事業における保育士資格登録後一年以上、離職後一年以上といった要件の緩和について国に強く働きかけているところであります。今後とも、市町村においてより効果的に保育士が確保できますように、府としての役割を果たしてまいりたいと存じております。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 府内の公立病院のシステムの連携についてお伺いします。 来年三月、大阪府立成人病センターが府庁の近隣地域に、隣に移転します。機能を強化した上で、大阪国際がんセンターとしてオープンします。我が会派が注目しているのが、近隣の大手前病院、隣接地に建設が予定されている重粒子線がん治療施設との患者情報の共有システムです。これら三つの医療機関では、治療に関しては、医療機関が患者から収集するデータは本来は患者のものであるという考えのもと、患者情報を共有し、一体性をもって患者の治療に当たることで、利便性と治療効果の向上につながることを期待しています。 この取り組みは、当初は周辺の三つの医療機関で始める予定ですが、将来的には大阪府急性期・総合医療センターを初めとした四つの府立病院との連携につながることも視野に入れていると聞き及びました。高齢化が進む中、医療機関が保有する患者情報の共有は、我が会派として今後大阪府が取り組むべき重要な課題であると認識しております。 府内の全ての医療機関が連携して患者の治療に当たることで、患者を中心とした治療が確立し、利便性や治療効果がより高まるとともに、医療資源の有効活用や医療費の適正化につながります。また、患者情報の共有により、大規模災害時において、人工透析など個別的対応が必要な被災者への対応がよりスムーズになります。こういったことを一つ一つ積み上げていくことが、住みやすいまちづくりに結実し、ひいては大阪の都市格向上にもつながっていくことです。 まずは、大阪府がリーダーシップを発揮し、府内の公立医療機関での情報共有から進めてはいかがでしょうか。この点について、健康医療部長のお考えをお伺いします。 ○副議長(花谷充愉君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 患者情報を電子化し共有化することは、異なる医療機関の連携が密になり、それぞれの強みを生かし、一貫した医療の提供につながるとともに、災害対策にも資するものと認識しております。 現在、府としましては、公立病院を含めました府内に約五百三十あります全ての病院が果たす機能の整理を踏まえまして、他の医療機関等と連携して、地域で一人一人に適切な医療を提供する取り組みを進めているところでございます。その中で、患者情報の共有のあり方につきましても、個人情報の取り扱い等の課題を認識しつつ、模索しながら取り組みを進めているところでございます。 このたび、成人病センターが大手前へ移転することを契機に、大手前病院及び重粒子線がん治療施設との間で、がん治療の分野における患者の症状や治療方針などの情報共有に取り組まれることは、疾病単位の連携のモデルとして期待をしております。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、感染症対策についてお伺いします。 関西国際空港で、麻疹の感染が発生しました。関西国際空港の従業員三十三名を含む四十名の感染者が、確認されています。今回の麻疹の集団感染は、これまで通例とされていた子ども世代を中心とした感染ではなく、関西国際空港に出入りする従業員や一般市民が主たる感染者となったという点で、今までの集団感染と異なっています。ここ数年、国内に由来する麻疹ウイルスによる集団感染は確認されておらず、今後は多くの海外渡航者が行き来する空港やフェリーターミナルからの輸入感染が中心になっていくものと思われます。 大阪府は、東京オリンピックが開催される二〇二〇年に一千三百万人のインバウンドを呼び込む観光戦略を立てていますが、それは同時に海外からの感染症が持ち込まれるリスクもふえるということであります。今後、行政として情報提供体制をどう構築していくのか、医師の治療経験が乏しい感染症の診療体制をどう構築していくのか、水際での抑止体制をどう構築していくのか、さまざまな角度から検討していく必要性があります。 大阪府として、海外から持ち込まれる感染症対策について今後どのように取り組んでいくのか、健康医療部長の所見をお伺いします。 ○副議長(花谷充愉君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) 御指摘のとおり、今回の関西空港内事業所での集団感染につきましては、大人の世代の感染、国際空港での集団感染という特殊な事例でございまして、事業所や従業員のみならず、医療機関においても麻疹--はしかに対する理解が十分でないことが明らかになりました。 本府といたしましては、今回の事案を教訓として深く受けとめ、今後より一層府民の安全確保に向けた取り組みを進めていく必要があると考えております。 今回の集団感染につきましては、四週間にわたり新たな患者が発生していないことから、昨日、国のガイドラインに基づきまして終息を宣言いたしましたが、関西空港を擁する本府といたしましては、はしかに限らず、常に海外から感染症が入ってくるリスクを抱えているということを認識しておく必要があると考えております。このため、輸入感染症に対する医療提供体制として府内に六カ所の感染症指定医療機関を備えているほか、今回の海外から流入した大人の麻疹--はしかのような感染症につきましては、一般医療機関においても適切に診療していただけるよう体制づくりに向けて研修を充実させてまいります。 また、国際空港内の事業所を含む、特に海外との接点が多い府内の事業所に対しましては、例えば入社時における予防接種歴の確認や従業員のワクチン接種の勧奨などを積極的に働きかけてまいります。あわせて、旅行や出張などの渡航者に対しても、必要なワクチン接種などを促してまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 今回のこの麻疹の件につきまして、今健康医療部長が今後の対策も踏まえてお答えになられました。ただ、これもしっかりと部局横断した中での物の認識というのを捉まえていただきたいと思っております。 先ほど、海外に渡航される方々はありますけど、例えば商工労働部長、企業の方々との接点というもの、セミナーって多いと思います。やはり、特に我々四十代の世代でこれから海外に出張へ行かれる方々、そういうような企業のあるところに対しましても、しっかりとそういうような認識を行っていくようなセミナー、チラシの配布、そんなことも横断的にできるんじゃないか。府民文化部長においても、観光戦略の中でさまざまなそういうようなところでの場面の中でも同様のことができるんじゃないかと僕は思っております。単なる健康医療部だけの問題でなく、しっかりと府民がこういうような情報を持って、しっかりと海外への渡航など安全にできるような認識の意識を高めていく、これは非常に大事なことだと思いますので、要望とさせていただいておきます。 次に、災害時における透析患者及び難病患者に対する支援についてお伺いします。 今後、発生が予測されている南海トラフによる巨大地震では、府内でも大きな被害が発生し、多くの被災者が出るとの予測がされています。中でも、透析患者や在宅で療養されておられる重症の難病患者は、地震そのものから直接の被害を免れたとしても、災害時において適切な医療提供体制が整備されていなければ、命にかかわる重大な危機に直面します。 さきの熊本地震では、透析医療施設が被災したことで人工透析治療が困難となるなど混乱が生じ、大阪府内でも不安に感じられている方は多いと聞きました。 このような方々の不安を解消し、人工透析患者や重症の難病患者が安心して避難生活を送られるためには、適切な支援体制の確保が重要であると考えます。府の取り組み状況についてお伺いします。 また、災害時のみならず、平時においても、患者や患者団体に対して的確な情報を提供することも重要と考えますが、どのように取り組まれているのか、健康医療部長にお伺いします。 ○副議長(花谷充愉君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) まず、災害時における人工透析患者への支援に当たりましては、日本透析医会が運営しております災害時ネットワークや大阪府救急・災害医療情報システム、これらを通じまして人工透析施設の被災状況や受け入れ体制などの情報を把握し、被災者の支援を行う市町村や保健所に対して速やかに提供することとしております。各保健所においては、災害対策マニュアルを策定するとともに、人工透析を行っている医療機関に災害時の対応を確認するなど、平時より情報収集に努めております。 重症難病患者に対しましては、支援の優先度を四十八時間以内と一週間以内に区分した患者リストを作成しておりまして、発災時におきましては、このリストをもとに保健師が安否確認や支援ができる体制を整備しております。中でも、人工呼吸器装着患者の生命維持には、電力の確保が最も重要でございます。そのため、電力会社のお客様番号などを記載した手引き、こういったものをベッドサイドに常備しておくなど、平常時から個別に指導しているところでございます。 引き続き、各保健所において避難行動要支援者計画、こういったものを作成する地元市町村と会議や訓練を行うほか、ホームページ等による情報提供にも努めてまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) ウイルス性肝炎患者の重症化予防推進事業についてお伺いします。 国は、二十六年度からウイルス性肝炎陽性者の重症化を予防することを目的に、初回精密検査と定期検査に係る費用助成制度を創設したところです。現在、府を除く四十六都道府県で精検費用の助成を行っていますが、府は独自の取り組みにより重症化予防に取り組んでいると聞いています。なぜ、府は、国の助成制度を活用せず、府独自の取り組みを進めているのでしょうか。府は、何に重点を置いて取り組んでいるのでしょうか。 また、府独自の取り組みを進めつつ、国の助成制度も活用できないのでしょうか、健康医療部長にお伺いします。 ○副議長(花谷充愉君) 健康医療部長上家和子君。 ◎健康医療部長(上家和子君) ウイルス性肝炎の重症化を防ぐためには、精密検査を受診していただくことが重要でございます。 国の重症化予防推進事業は、精密検査の受診を促すために費用を助成する事業でございます。受診勧奨の対象は、一次検査の陽性者で、かつ同意した者に限られていることから、精密検査受診率の把握につながる仕組みになっておりません。また、他府県では、国の事業を通じて一五%の受診にとどまっている状況でございます。 一方、本府におきましては、全国に先駆けまして、市町村や約三千六百の医療機関と連携して、一次検査受診前に同意を得ておき、医療機関から精密検査の受診勧奨を行っております。さらに、繰り返して受診勧奨することによって、府内の精密検査受診率は約六割に達しております。重症化予防の観点からは、同じ目的ではございますが、国の事業に比べ、圧倒的に高い成果を出しております。 受診者の経済的負担軽減も考慮し、府の事業体制をこの効果の高い制度を継続したまま国の助成事業の対象となるように国に対しては要望しているところでございますが、今年度も九月に国に直接出向きまして、府の取り組み、効果を説明し、理解を求めたところでございます。引き続き、さまざまな機会を通して国に働きかけてまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 部長の引き続きの国に対しての要望、力量を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、教育行政の一元化と公私連携についてお伺いいたします。 教育庁の発足による教育行政の一元化についてお伺いしますが、今月二日に開催された大阪府総合教育会議では、公私の切磋琢磨と連携協力による英語教育の充実を目指して、私学と府教委がお互いに英語教育の取り組みを紹介し合い、意見交換が行われました。このような機会は、大阪全体の教育の質の向上につながる、まさに教育行政一元化による新たな取り組みであり、教育庁が創設されたことによる利点だと思います。教育庁が発足され、どのような効果が生じているのか、教育長にお伺いします。 また、私学側を対象に行ったアンケート結果によると、公私連携に期待するものとして、生徒指導に関する研修や障がい者理解に関する研修、英語教育推進事業や教科指導に関する実践報告会などへの参加に高い関心が示されているとお聞きしています。特に研修に関しては、大阪府教育センターが行っていますが、今後さらに私学側にも開かれたセンターとなり、公私連携による大阪全体の教育の質の向上や教育力の底上げが総合的に図られるよう、例えば将来的に大阪総合教育センターと改称するなど、公立、私立の垣根なく、より一層の研修内容の充実に努める組織となっていただきたいと考えますが、教育長の御所見をお伺いします。 ○副議長(花谷充愉君) 教育長向井正博君。 ◎教育委員会教育長(向井正博君) 教育行政一元化の効果及び大阪府教育センターにおけます研修内容の充実についてお答えをいたします。 一元化による効果につきましては、本年四月以降、各私学団体の役員の方々と意見を交わしてまいりました。公私が一緒になったので、この機会を十二分に生かして、これまで以上に連携協力を進めていくといった前向きな意見をたくさんいただきました。また、英語教育や障がいのある児童生徒への支援などの教育課題は、公私共通であると改めて認識をいたしました。 そこで、公私連携を一層強化充実していくため、本年五月に教育庁内にプロジェクトチームを設置いたしまして、私学へのアンケート調査によるニーズ把握を行い、その結果を踏まえた連携事業等につきまして検討を行ってまいりました。直ちに連携できる事業につきましては、今年度から実施をすることにし、例えば非常勤講師が不足をしているという声に応えまして、私学の講師登録用紙を公立教員採用選考テストの会場に設置をしましたり、学校体育活動におけます事故防止、また学校安全教育のための研修会につきましては、既に私学にも参加をいただいております。 また、発達障がいの可能性のある児童生徒等に対する支援に関しますフォーラム等につきましても、今年度から新たに私学にも参加をいただくことといたしております。 さらに、私学から高い関心のありました事業、また公立、私立の情報共有等のための場づくりなどにつきましては、次年度に向けまして予算や人員措置等の検討を進めているところでございます。 引き続き、こうした公私の課題やニーズをしっかりと捉え、公私間の情報共有や交流をより一層進めてまいります。 次に、大阪府教育センターで実施をしております研修につきましては、主には公立学校の教員を対象としてまいりました。ただ、これまでも幼稚園教員向けの研修など私学教員も対象にしているものがございまして、昨年度は九百十七名の私学教員の参加がございました。 今般、私立学校に対して行いましたアンケート調査では、参加をしたい教育センターの研修といたしまして、とりわけ生徒指導に関する研修、また障がい者理解に関する研修が上がっております。今後は、これまで公立学校のみを対象としておりました学校経営に関する発表大会の門戸を私学に広げたり、私学の教員を研修の講師として招聘するなど公私間の連携を進めてまいりますとともに、希望する研修への私学教員の参加がさらに進みますように、まずは実施方法の工夫改善、また研修内容の充実を図ってまいります。 今後とも、公私それぞれのよいところを伸ばしながら、相乗効果を引き出しまして、公私が切磋琢磨し合うことで、大阪の教育力のさらなる向上につなげてまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、広域通信制高校の問題についてお伺いします。 大阪において子どもたちの不登校、発達障がい、学力不足、府立高校の中退などの背景によって、通信制高校のニーズや役割は高く、現在一万九百九十二名の大阪府在住の生徒が広域通信制高校に通っており、うち大阪府認可の広域通信制高校には六千五百六名が在籍しており、他都道府県認可の広域通信制高校には四千四百八十六名が在籍しています。 このように、多くの大阪の子どもたちが在籍する広域通信制高校ですが、他都道府県が認可した学校に対して大阪府には指導権限はなく、その施設においてどのような教育が行われているのか、実態を把握することができない現状であります。 先日も、全国的なニュースとして、一部の広域通信制高校において不適切な方法によって単位認定していたことや、不正に国の就学支援金を受給していたことが明るみになりました。府立高校では、年間約一千八百名の生徒が中退している現状の中で、その受け皿の一つとなる広域通信制高校について、府に権限がないからといって、どのような教育をしているか把握せずに放置することは許されないと考えています。 府教育庁として、このような現状に対し、どのような見解を持ち、またどのように改善されようとしているのか、教育長にお伺いします。 ○副議長(花谷充愉君) 教育長向井正博君。 ◎教育委員会教育長(向井正博君) 広域通信制高校についてお答えをいたします。 現在、大阪府内には、大阪府以外の自治体が認可をいたしました広域通信制高校の教育施設が三十八校、百十二施設存在しております。議員御指摘のとおり、大阪府には、他府県が認可をしました広域通信制高校への指導権限がないことから、当該学校のサテライト施設が行う教育活動の実態を直接に把握し指導することは、法律上できないこととなっております。 大阪府教育庁といたしましても、このことを大きな課題と認識をいたしておりまして、これまでも文部科学省に対しまして、三つ以上の都道府県で活動する広域通信制高校の実態を把握し指導を行うことは、認可自治体のみでは困難であり、生徒にとって良好な学習環境を維持する上で問題があることを申し上げてまいりました。 このような中、一部の広域通信制高校での不適切な運営が発覚したことを受けまして、文部科学省では、平成二十八年度中に高校通信教育の質の確保向上に向けたガイドラインを策定し、平成三十年度までの集中取り組み期間内に徹底的な実態把握と点検調査を行った上で、広域通信制高校に係る制度を見直すこととなっております。 大阪府教育庁といたしましては、府内の子どもたちのよりよい教育環境を確保するため、国に対しましては、大阪府がこれまで申し上げてまいりました課題を解決するよう指導監督のあり方の改善を働きかけてまいります。また、国の検討結果を踏まえまして、府内にサテライト施設のある広域通信制高校を認可した自治体からよりきめ細かく情報収集を行うなど、府内教育施設の現状把握に努めてまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 他の都道府県に比べましても、人口が減少してきているといえども、大阪というのは、まだ地方から見れば大都市と捉まえられて、子どもの数が多いというふうな捉まえ方だと思います。だから、どうしても市内中心といたしまして、このような学校がふえてくるということだと僕は思っております。こういうことは、あってはいけないですが、単なるビジネスを目的としたような、そういうような経営者がふえないためにも、しっかりと何らかの方法で早期に権限を持てるような改善に対して力強く動いていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、能勢高校の分校化による再編整備についてお伺いします。 先日の教育委員会会議で、能勢高校を豊中高校の分校とする案が示されました。分校という言葉は、大阪府立学校条例にはなく、府立・市立高校再編整備計画の中にも出てきません。また、効率的かつ効果的な学校配置や規模という観点からも、府立高校の分校化は、例外的な措置であって、原則的な再編手法とは異なるという認識です。 しかしながら、今回の分校化は、地理的な制約の中で、地元の子どもたちの高校への就学機会の確保という観点から判断されたものと理解しております。ただ、今回の再編手法が、この地域の子どもたちの就学機会の確保だけに重きを置くのでなく、分校化をチャンスと捉え、豊中高校との一体的な経営のもと、魅力ある特色を掘り起こし、さまざまな地域から生徒が就学する学校へ新しく生まれ変わっていただきたいと考えております。 能勢高校につきましては、我々教育部会のメンバーを中心としまして、現地のほうまで足を運ばせていただきました。能勢高校のあの自然の中での教育環境、いいところも、また園芸高校として積み上げてきたその技術の蓄積、歴史、すばらしいところもありますが、ただ地域性によって甘えてしまっているようなところも僕は正直感じたところであります。そういうようなところを子どもたちの可能性というものをしっかりと見出して、そして出口、いわゆる大学や就職というもの、また特性を生かしたような形でつながっていくために必要じゃないかなと、僕は現場に行って思いました。 また、豊中高校の子どもたちにとりましても、出口というものの可能性を広げる中で、能勢高校がどういう可能性があるのかということも、僕は改めて考えるべきじゃないかなと思っております。いずれにしましても、僕は現場でそういうような感想を受けております。 そこで、分校とは、何を目的として、どのような状況の際に置かれ、どのような学校を意味するのか、また本校と分校はどのような関係なのか、さらに今回豊中高校能勢分校とする狙いはどのようなものなのか、教育長にお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 教育長向井正博君。 ◎教育委員会教育長(向井正博君) 能勢高校の再編整備についてお答えをいたします。 高校における分校の設置につきましては、小中学校の分校に定められた学級数の基準のような法令上の規定はございません。大阪府教育庁といたしましては、学校の小規模化が進んでおり、また地理的な事情により他の府立高校に通学することが著しく不便で、その地域の生徒の就学機会を確保する必要がある場合に分校を設置するものと考えております。能勢高校は、一学年八十人の募集定員に対しまして、十年連続して定員が満たない状況が続いておりまして、また能勢町内の中学校卒業者数は、今後五年間で約四割減少する方向にありますことから、他の府立高校の分校に改編をし、教育活動におきまして本校、分校間で効果的に連携していくことが、両校の生徒にメリットがあると判断をしたものでございます。 次に、本校と分校の関係につきましては、一人の校長のマネジメントのもとで分校に置きます管理職と役割分担を行い、教育活動の中で両校の生徒や教員の交流の機会をできるだけ多くするよう工夫してまいります。具体的には、両校のそれぞれの強みや特色を生かしたカリキュラムを策定いたしますとともに、学校行事や部活動などを通じて交流することや、両校の教室をIT技術によって結ぶネット教室の活用によりまして、選択科目等における遠隔授業や土曜講習において交流するなど、連携の手法につきまして検討を進めてまいります。 本校の選定につきましては、能勢分校と地理的に交流しやすい位置に立地をしている学校で、分校のスーパーグローバルハイスクールの取り組みと交流を深めることができるなど国際理解教育に力を入れていること、また今後分校において重視をいたします大学等への進学に対応する教育を重点的に行っていることなどから、豊中高校とすることといたしました。 なお、能勢高校の再編整備手法の検討に関するプロジェクトチームの最終まとめにおきまして、能勢分校の呼称については、豊中高校能勢キャンパスとするという結論を尊重してまいります。この改編によりまして、能勢町内生徒の就学機会の確保に加え、能勢分校におきましては、大学等への進学対応など町内、町外の生徒にとってより魅力ある教育内容とすること、また豊中高校におきましても、分校とのスーパーグローバルハイスクールの取り組みの交流や能勢の里山における生物の野外調査、探求活動の充実などにより、グローバルリーダーズハイスクールとしてより特色ある教育を行うことなど、両校にとってプラスになると考えておりますので、この目標の実現を目指してまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) これからの個人質問であったりとか委員会でも、この問題につきましてはいろいろと意見が出てくると思いますし、活発な議論をすべきだと僕は思っております。とにかく、子どもたちにとって、どれが将来にとって真っすぐに力強く育っていくのか、そういうような観点で議論をしていく上において行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、警察署の整備についてお伺いいたします。 ことし五月の定例会において、我が会派に所属しておりました浅田議員が、地元から特に建てかえや新設の要望が強かった東住吉警察署、中堺警察署、守口警察署、八尾警察署の四つの警察署について知事に質問した際、知事からは、これら四つの警察署については着実に話を進めていくとともに、着工の時期については九月に判断すると答弁をいただいています。これら四つの警察署の進捗状況と今後どのように進めていくのか、警察本部長にお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 警察本部長村田隆君。 ◎警察本部長(村田隆君) 四つの警察署の整備の進捗状況と今後の進め方についてお答えいたします。 議員お示しの四つの警察署につきましては、大阪府警察といたしましても、老朽化、狭隘化、犯罪情勢等を考慮し、また地元の方々の要望を踏まえ、優先的に建てかえ、あるいは新設を進めていくこととしております。 まず、東住吉警察署の建てかえについてでありますが、既に平成二十八年度当初予算において事業認知していただきましたので、現在は現地建てかえに向けて関係機関と調整を行っているところであります。このため、平成二十九年度当初予算におきまして、新庁舎と仮庁舎の建築に必要な設計費等の所要額を要求することとしております。 次に、堺市中区における警察署の新設につきましては、人員の確保の問題がありましたが、検討の結果、内部捻出することといたしました。また、建設用地につきましては、堺市から無償で提供していただけるなど前向きな回答もいただいておりますので、平成二十九年度当初予算におきまして、建築設計等の所要額を要求することとしております。 次に、守口警察署の建てかえについてでありますが、移転用地につきましては、守口市から無償で提供していただける予定であるなど前向きな意向を示していただいておりますので、平成二十九年度当初予算におきまして、建築設計等の所要額を要求することとしております。 最後に、八尾警察署の建てかえについてでありますが、現在、八尾市等の関係機関と協議をしながら、移転用地につきまして調査検討を重ねているところであります。引き続き、関係機関と調整を図りながら、条件が整い次第、適切な時期にその所要額を要求することとしております。 大阪府警察といたしましては、これらの警察署の建てかえ、新設の実現に向け、スピード感を持って鋭意取り組んでいく所存であります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 東住吉警察署、中堺警察署、守口警察署、八尾警察署の四警察署の整備を進めるに当たって、予算化に向けた取り組みはどうなっているのか、知事のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 先ほどの本部長からもお話ありましたけど、まず東住吉警察署については、今年度の基本計画費等の予算措置を行っているところであります。基本計画ができ上がれば、実施計画と実施設計という形で、着実に工事着工に向けて進んでおります。工事の期間についても、できる限り期間を詰めて、早期に新しい東住吉警察署ができるようにしていきたいと思っています。 次に、新設予定の堺市中区の警察署及び移転建てかえ予定の守口警察署については、警察本部での検討状況を踏まえ、先ほど二十九年度で予算要求をするということですから、その要求を受けまして二十九年度の予算に盛り込んでいきたい。もちろん、議会の皆さんに予算の判断をいただきたいと思っています。 最後に、八尾警察署については、府警本部での検討状況を踏まえまして、今後、事業着手の時期を判断してまいりますが、なかなか検討状況のほうが、土地が今のところうまく見つかっていない状況でありますので、そこを含めて府警本部で現在八尾市と協議していただいておりますんで、その協議を見据える中で事業に着手する時期を判断していきたいと思っています。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、公民連携による性犯罪被害者支援についてお伺いします。 大阪においては、民間の支援団体である性暴力救援センター・大阪SACHICOが、平成二十二年四月に全国初の病院拠点型のワンストップ支援センターを立ち上げ、被害者の心情に寄り添いながら心身の回復に向けた支援サービスに努め、多大な成果を上げています。 府は、これまで大阪SACHICOを核にした府内八カ所の協力医療機関とのネットワーク構築・強化事業や、国がワンストップ支援センターを対象に平成二十六年度から三年間の時限措置として実施するモデル事業を活用するなど、大阪SACHICOの取り組みと連携する形で被害者支援の強化を図ってきました。 その一方で、知事は、これまで国に対し、性犯罪の被害者支援を一層進めるため、大阪SACHICOのような民間主体のワンストップ支援センターの取り組みに対し、必要な財政支援措置を行うことを要望してこられましたが、現在、内閣府では、来年度予算に向けてワンストップ支援センターのための財政支援を予算要求されています。 民間のワンストップ支援センターは、性犯罪や性暴力の被害を受けた子どもや女性を心身両面から支援していく重要な役割を果たしており、その取り組みを将来にわたって安定的に持続させていくために、行政が一定の支援をする必要性があると考えます。 府としても、これまで要望してきた国における新たな財政支援措置の動きに応じ、適切な公民連携を基本として、大阪方式とも言えるような被害者のための効果的かつ効率的な支援のあり方を検討していくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 この間、このことにつきましても、他会派の先輩方もこのことに関しましては関心ある質問を多くされていたと思いますので、知事におかれましても、それもあわせての御答弁をよろしくお願いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 子どもや女性を狙った性犯罪は、被害者の心身に深刻な影響を与えるだけではなくて、二次被害や被害の潜在化などの問題があり、被害者に対する支援は極めて重要な課題であると、こう認識しています。 府では、性暴力救援センター・大阪SACHICOの取り組みと連携する形で、被害者支援のネットワークづくりに取り組んでまいりました。また、民間で先進的取り組みを行う大阪SACHICOに対する財政支援を国に要望するとともに、国のモデル事業を活用した支援の拡充に取り組んでまいりました。 国のモデル事業は、本年度で終了いたしますが、今後、国の動きも見きわめつつ、府として性犯罪被害者に対する支援について公民の適切な連携を基本にしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、咲洲庁舎についての質問をさせていただきます。 咲洲庁舎については、これまで長周期地震動への対応が課題とされてきましたが、大阪府は、今般、二百六十八台の制震ダンパーを追加設置する方針を決めました。追加対策については、この八月の専門家ミーティングでは、中間免震や減築などダンパーよりも揺れを抑える効果が高い工法も検討されていましたが、最終的にダンパー工法を府が選択した理由をわかりやすく説明を願います。 また、咲洲庁舎では、これまでにも約三百台の制震ダンパーや非常用発電機、津波止水板等の防災対策工事が実施されてきましたが、今回の追加対策によって庁舎の安全性は確実に担保できると考えてよいのでしょうか、総務部長にお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 総務部長岩田教之君。 ◎総務部長(岩田教之君) 咲洲庁舎の安全対策についてお答えいたします。 咲洲庁舎では、国の従来の知見に基づきます長周期地震動対策工事を既に実施しておりますけれども、昨年十二月、南海トラフ巨大地震の長周期地震動に関する新たな知見が国から示されたことを受けまして、本年二月から八月、計四回、専門家ミーティングを開催し、追加ダンパー、減築、中間免震、トラス架構、そしてTMDと呼ばれます振り子式制震装置、この五つの対策工法について効果やコスト、工事施工の面から検討を行いました。 まず、費用対効果の面ですけれども、中間免震、それから減築につきましては、制震効果は比較的高いものがございますけれども、高コストであるということ、またダンパー、トラス架構、TMD、この三つについては制震効果は同程度、うちダンパーが最も低コストであるという結果になっております。 次に、工事実施の確実性という点に関しては、中間免震というのは、既存の超高層ビルで実績がございません。また、風揺れ対策など工事中の安全確保が難しいという点があります。また、減築は、地震動の周期によっては効果が十分でない場合があるという指摘がございます。また、TMDについては、振り子のような制震装置、これを新規に開発する時間を要するなどの課題がございました。これに対して、ダンパー並びにトラス架構については、特に工事施工上留意すべき技術的課題はございませんでした。 以上を総合的に評価いたしました結果、費用対効果にすぐれ、工事実施の確実性も高いダンパー工法を採用することにしたものでございます。 咲洲庁舎については、現時点でも現行の耐震基準が求める安全性は確保されておりますけれども、今回の追加工事の実施によりまして、国土交通省から示された新たな構造安全基準、これを満たすことができますため、咲洲庁舎の安全性はさらに高まるということになります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 建物の安全性が確認できれば、次の課題は、空きスペースをいかに有効活用するかです。昨年から先行的に公募している一階から三階の店舗フロアは、いまだ入居希望者があらわれない状況であります。また、七階から上のオフィスフロアについては、これまで長周期地震動対策を検討中などの理由で公募していませんでした。 今回、大阪府が、咲洲庁舎の空きスペースへのテナント誘致に本格的に踏み出したことは評価できます。テナント誘致を促進するには、従来の庁舎という固定観念にとらわれることなく、思い切った手を打つことが必要だと思います。また、入居者募集を行う際は、希望者があらわれるのをただ待っているのではなく、府内企業はもちろん、広く国内外、世界に、企業や投資家、金融業界などに向けて、まずはそういうような動きがあるというような情報を積極的に出していくことが大事であります。そして、そういうような情報発信を行うことによって、誘致に対しての打開策というものを見出していく、そういう考え方が今回必要だと思います。 今後、ベイエリアというものが大きなビッグプロジェクトに取り組んでいこうというような状況であるがゆえに、こういうようなところは戦略的に考える必要性があると思いますが、総務部長にお伺いいたします。 ○副議長(花谷充愉君) 総務部長岩田教之君。 ◎総務部長(岩田教之君) 咲洲庁舎の空きスペースの有効活用に向けた取り組みにつきましてお答えいたします。 まず、現在の空きスペースの大半は、オフィス仕様になってございまして、これをオフィスに限らず、店舗やホテルなど入居を希望される方に対して間口をできるだけ広げたいというふうに考えておりまして、都市計画で事務所、店舗等に限定されている用途制限を緩和すべく、大阪市と連携して計画変更に向けた取り組みを現在進めているところでございます。 今後、この制限緩和の手続を終え次第、来年度のできるだけ早い時期に事業者の公募が実施できるよう取り組んでまいります。 なお、この公募に当たって、応募される方が一体利用など多様な事業形態を展開できますよう、七階から十七階、このまとまった空きフロアを対象に募集を実施する予定でございまして、現在、関心表明の募集を通じまして事業者ニーズの把握に努めているところでございます。 今後、公募の実施に当たりましては、御提言の趣旨を踏まえまして、幅広く情報発信を行っていくなど、咲洲庁舎へのテナント入居の促進に全力を挙げて取り組んでまいります。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 次に、地方議会議員の新たな年金制度についてお伺いします。 地方議会議員年金制度は、国会議員互助年金や公的年金とは異なり、政策的に設けられた互助年金制度でしたが、制度が破綻する見込みとなったことから、平成二十三年に廃止されました。しかしながら、本年七月、全国都道府県議会議長会において、突発的に、廃止された地方議会議員年金にかわる新たな地方議会議員の年金として、知事や勤労者が加入する基礎年金に上乗せの報酬比例部分のある公的年金制度への加入を求める決議がなされ、今月には、各地方議会において同制度への加入を求める決議がなされることを求める活動方針が示されています。 廃止された年金制度は、元議員などの既存支給者への給付を公費対応としたため、この制度の完全廃止までの地方自治体の負担は、平成二十三年の制度廃止当時の総務省の試算によれば、約一兆一千四百億円にも上る巨額なものとなっています。原資は、全て税金であり、国や各地方自治体の財政運営に少なからず影響を与えていきます。景気は依然として低迷する中、国民の日常生活は厳しい環境に置かれている中で、地方議会議員年金制度の廃止の後始末のために莫大な税金投入がこの先数十年も続く上に、さらなる税金投入が必要となる特権的地方議会議員年金制度を復活させることは、到底国民の理解は得られないものと我々は考えております。 新たに地方議員が厚生年金に加入することが制度化された場合、自治体による公費負担の総額は年間百七十億円になると言われています。我々大阪府議会議員にかかわる公費についても、廃止された議員年金制度の後始末に対する年間負担額約一億五千万円に加えて、新たに年間約一億五千万円余りが必要になると見込まれます。 そこで、改めてこの地方議会議員の公的年金制度への加入に向けての動き、財政負担を強いられる可能性がある知事の見解を伺います。 ○副議長(花谷充愉君) 知事松井一郎君。 ◎知事(松井一郎君) 平成二十三年度に廃止された地方議会議員の公的年金制度を復活させるには、法の整備が必要でありますから、これは国においてどういう法整備がされるかということだと思います。僕は、今知事ですから、行政を預かる側なんで、議会の皆さんの身分について私自身がどうこうと言う立場にないんですけど、国民感情、府民感情と考えると、ちょっといかがなものかなと、こう思いますし、政治家として答えるんであれば、またこの場所ではない違う場所ではっきり答えさせていただきたいと、こう思っております。 議会での議論が必要なんで、府議会においても十分議論をしていただきたいと思います。 ○副議長(花谷充愉君) 青野剛暁君。 ◆(青野剛暁君) 長らくの御清聴ありがとうございました。最後に、締めの御挨拶をさせていただきます。 僕自身は、政治家になりましてもう十七年です。市議会議員を経験して、府議会に来させていただいてというような経緯でありますが、その間、落選というような経験もさせていただきました。この議場の中にも、私と同様な経験をされた先生方もたくさんおられると思います。落ちた者にしかわからないつらさというものは、共有できるものだと僕は思っています。 しかし、ここにおられる私と同様な経験をされた方が、もう一度はい上がってきたと、はい上がってくるというものは、政治家としてやり遂げていきたい、こけてもやり切っていきたいと、そういう思いが再挑戦というものを後押ししたものだと僕自身は思っております。 そういう中で、昨年の五月十七日、我々大阪維新の会が進めてきた大阪都構想につきましては、住民投票の結果、敗北をしました。そのとき、この間、大阪の形を変えるために全力で先頭に立って走っておった松井知事、大きな僕は心の中でも思いががくっとなったという推測と同時に、あの五月十七日の前橋下市長と松井知事の記者会見をそばで見ているときに、そういうようなことを僕は感じました。恐らく僕の推測の中では、知事自身もやり切ったという中で、もう自分の中では、前市長と同時にこの政治というものから去ろうというような思いになったんじゃないかと、僕は横で肌で感じていました。 しかし、松井知事自身が政治家として、先ほど冒頭で言いました、こけてもやっぱり進まないといけない、そういうような再挑戦への思いというものは、政治家としての思いがしっかりと根づいており、そしてそのもとによって、自分がやらないといけないこと、大阪都構想というものに対する再挑戦をもう一度次の任期中に住民投票を求めて動いていく、こういうようなことを掲げて、昨年のダブル選挙で圧倒的な民意、二百二万票というような得票数、相手方には百万票近い差をつける、同じく吉村市長においても五十九万票、二十万票の相手方との差をつけるというような圧倒的な民意を得たわけであります。 松井知事におかれては、残り三年とちょっと、我々大阪府議会のメンバーといたしましても二年と半年ちょっと、任期というもの、いわゆる商売でいう納期というものが刻々と迫ってきております。みずからが掲げた政策、府民に掲げた、お約束した公約というものを確実に進めていくのが、それぞれの政治家に求められているものと思っております。立場は違えど、府民の前で約束したことを本気でぶつけて邁進していく、その政治家の強さというものが、ひいては大阪の成長のエネルギーに僕はつながっていくものと思っております。 現在、この大都市制度のあり方についてさまざまな提案がなされてきておりますが、僕自身は、松井知事におかれましても、引き続き昨年のダブル選挙で掲げたこの大阪都構想への再挑戦を任期中にもう一度住民投票に向けて取り組んでいくというこの思いを強く強く、消すことなく前に出して、活動を活発にしていただきたいということだと思っております。 冒頭述べました我々のこの八年間のさまざまな改革、政治的なムーブメント、そのことによりまして国の見方も変えてきた。これは、大阪府民の皆さん、みんなが実感してきていることだと思っております。大阪が成長するために、新しい大阪の創造にしっかりと取り組んでいくために、引き続き我々大阪維新の会も頑張ってまいりますので、そのことを述べまして、大阪維新の会府議団の代表質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。    ~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(花谷充愉君) お諮りいたします。本日はこれをもって散会し、十月三日午後一時より本日同様の日程をもって会議を開きたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」「異議なし」) ○副議長(花谷充愉君) 御異議なしと認め、そのように決定いたします。    -------◇------- ○副議長(花谷充愉君) 本日は、これをもって散会いたします。午後四時五十分散会...