平成18年 2月 定例会(第2回) 平成18年第2回 京都市会会議録 第2号 (定例会) 平成18年2月23日(木曜日)出席議員(65名) 1番
村山祥栄議員 2番
湯浅光彦議員 3番 隠塚 功議員 7番 巻野 渡議員 8番
樋口英明議員 9番
宮田えりこ議員 10番
加藤あい議員 11番 木村 力議員 12番 曽我 修議員 14番
山岸たかゆき議員 15番
砂川祐司議員 16番
安孫子和子議員 17番
寺田一博議員 18番 津田大三議員 19番
中川一雄議員 20番
田中英之議員 21番
玉本なるみ議員 22番 赤阪 仁議員 23番 くらた共子議員 24番
河合ようこ議員 25番
久保勝信議員 26番
津田早苗議員 27番
井上教子議員 30番 宮本 徹議員 31番 中村三之助議員 32番 加地 浩議員 33番
橋村芳和議員 34番
小林正明議員 35番
加藤盛司議員 36番 繁 隆夫議員 37番 せのお直樹議員 38番
井坂博文議員 39番
岩橋ちよみ議員 40番 井上けんじ議員 41番
西野さち子議員 42番 柴田章喜議員 43番
久保省二議員 44番
大道義知議員 45番
日置文章議員 46番
谷口弘昌議員 47番
今枝徳蔵議員 48番
鈴木マサホ議員 49番
小林あきろう議員 50番 富 きくお議員 51番
内海貴夫議員 52番
田中セツ子議員 53番
磯辺とし子議員 54番
井上与一郎議員 56番
北山ただお議員 57番 山中 渡議員 56番
藤原冬樹議員 59番
倉林明子議員 60番 山本正志議員 61番
佐藤和夫議員 62番
ふじい佐富議員 63番
宇都宮壮一議員 64番
山口幸秀議員 65番
高橋泰一朗議員 66番 椋田知雄議員 67番
中村安良議員 68番 北川 明議員 69番
国枝克一郎議員 70番
西脇尚一議員 71番
青木ヨシオ議員 72番
加藤広太郎議員欠席議員(1名) 55番
川中増次郎議員欠員(3名) 議事日程 開議日時 平成18年2月23日(木)午前10時第1 議第1号ないし議第22号,議第24号,議第26号,議第27号,議第33号ないし議第39号,議第43号,議第607号,議第609号ないし議第612号及び議第614号ないし議第616号 平成18年度京都市
一般会計予算ほか40件
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕
○議長(巻野渡) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付致しておきました。 本日の
会議録署名者を指名致します。津田大三議員と隠塚功議員とにお願い致します。
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○議長(巻野渡) この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理致しました請願20件及び陳情2件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付致します。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。
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○議長(巻野渡) 日程に入ります。 日程第1,議第1号ないし議第22号,議第24号,議第26号,議第27号,議第33号ないし議第39号,議第43号,議第607号,議第609号ないし議第612号及び議第614号ないし議第616号,平成18年度京都市
一般会計予算,ほか40件,以上41件を一括議題と致します。 前回の議事を継続し,これより質疑を行います。発言の通告がありますので,これを許します。
田中セツ子議員。 〔
田中セツ子議員登壇(拍手)〕
◆(
田中セツ子議員) 私は,南区選出の田中セツ子でございます。
自由民主党市会議員団を代表致しまして質疑をさせていただきます。久しぶりの質問でございます。理事者におかれましては,前向きな御答弁をお願い致します。 初めに市政改革についてお尋ね致します。日本経済は,長い停滞から脱しつつあり,京都の景気動向も上向きとなってきております。これも小泉政権によって,様々な軋轢や雑音に憶することなく改革なくして成長なしと首尾一貫して改革が断行されてきたたまものでございます。京都市におきましても,桝本市長就任以来,実に10年間にわたって改革が進められてきました。小泉政権が発足したのが平成13年です。桝本市長は,4年も早く国に先んじて大胆な改革を行われてきました。
全国トップクラスの2,732人に及ぶ職員の削減や政令指定都市で先陣を切って行われました全職員にわたる給与カットなど,できる限り市民生活に影響を与えないように配慮した内部努力によるコスト削減,また全国的にも高い評価を受けている
行政評価システムとそれを活用した
戦略的予算編成システムの構築など
行財政運営方法の改革,更には4月に竣工する御池中学校へのPFI手法の導入をはじめとする民間活力の積極的な活用とその成果は数多くございます。 これらのたゆみない改革の努力の結果,今回の予算案は,市民生活の安心安全と京都創生をはじめとする未来を展望する予算として市民生活をしっかりと守り,50年後,100年後の京都の将来を見据えた未来志向の様々な新規施策が盛り込まれております。一般会計総額で6,957億円と今年度当初予算と比較して55億円,0.8パーセントと微増ではありますが,3年連続のプラス予算であり,政府予算の伸び率がマイナス3パーセントであるのと比較を致しましても,改革に取り組まれてきましたことが功を奏したと言えるのではないでしょうか。しかし,油断大敵であります。国も本市もいまだ財政は火の車であり,一層の改革が必要であることは衆目の一致するところでございます。改革を止めるなというのが大半の心ある国民,そして京都市民の声でございます。 国においては,今国会において
行政改革推進法案や,いわゆる
市場化テスト法案が提出され改革が更に加速されようとしております。本市におきましても,改革を緩めることなく,引き続き全国最高水準の行財政改革を断行するとのことであり,先日公表されました京都市
集中改革プランでは,1,000人の職員削減目標を更に158人上積みされるとともに,外郭団体の30パーセント,13から14団体の統廃合や派遣職員の40パーセント削減と従来の計画を大幅に上回る目標に修正されました。これは我が党が桝本市長に提出した平成18年度京都市予算及び今後の市政方針に対する要望の中で求めていた職員削減と外郭団体の統合を真正面から受け止めたものと評価しており,改革を進めてこられた桝本市長の手腕と職員の努力に敬意を表するわけですが,市長3期目の折返しとなる大きな節目を迎える中で,改めて改革の取組を振り返っての御感想と今後の新たな改革のスタートに当たっての決意をお伺い致します。 次に区役所の顔,区民の最前線の市民窓口課の仕事についてお伺い致します。市民窓口課は,市民が生活する上で誕生から死ぬまでの人としての最も基本的な法制度に関しての事務を行っています。出生届から始まり戸籍,住民登録,
外国人登録事務など他の制度の根拠になるものや民間の契約関係を保障する印鑑登録など滞りなく業務が進むのは当然のことであり,間違いなどあってはならない業務であります。しかしながら,市民窓口課の職員配置は,病気休職後の職員や,やむを得ず休職に入る可能性の高い職員などが在職しており,一見簡単なような業務でも制度改正は目まぐるしく,短期間にこれらを習得し,かつ市民への説明責任を確実にこなせる職員は非常に少ないのが現状だと伺っております。 一方で,この制度改正のすきを突いて言葉巧みに別人に成り済まし,窓口で職員をだまし金融機関などに被害を与える事件や住民票の異動事件などが発生しております。こうした制度改正や問題に即対応できるような人材確保は緊急の課題でございます。こうした中で2点について提案致します。1点目は,仕事の都合等で時間内に区役所に行けない方のために昼休み窓口の拡大,開庁時間の延長です。2点目は,簡素で効率的な
窓口事務処理体制の確立。これは住民異動に関連する国民健康保険や
国民年金業務関係及び税証明といった諸手続を1箇所でできるような
ワンストップサービスの導入です。区役所の手続で二度手間を取らせないいわゆるたらい回しを防止する
市民サービスについて,どのような取組を考えておられるのか,この2点について御所見をお伺い致します。 次に
指定管理者制度についてお尋ねします。国においては,小泉内閣によって郵政民営化をはじめとする官から民への構造改革が着実に進められています。私は,このように民間でできることは民間に任せ,効率的でスリムな行政を目指す改革は今後も推進していくことが大事であると考えており,その最も重要な取組の一つとして注目しておりますのが公の施設の
指定管理者制度であります。これまで文化会館やスポーツ施設など市民の皆さんが利用される多くの公の施設は,いわゆる外郭団体などの公共的な団体への
管理運営委託しかできなかったものが平成15年6月の地方自治法の改正によって民間企業やNPOなどに広く門戸が開放されました。そして3年間の猶予期間を経て,この4月から本格的に指定管理者による管理運営が開始されます。 本市では,昨年11月市会において288施設,183の指定管理者に係る議案が提案され可決したところでありますが,
指定管理者制度の導入に当たっては,経費節減はもとより人口減少社会の到来や,いわゆる団塊の世代の大量退職など新たな環境に適合した新しい自治体経営,つまり民間の持つ技術やノウハウなどをうまく行政に活用するようにしなければなりません。この制度の導入に当たって,本市は他都市に先んじた積極的な取組をされてきたと伺っていますが,しかし問題なしとは言い切れません。今回の指定管理者の大半がこれまでの既存の外郭団体などであることは,官から民へという趣旨からして問題があるのではないでしょうか。このことは11月市会における
指定管理者制度についての付帯決議の中でも指摘したところであります。またその付帯決議の中では,この制度導入を機に,より一層の派遣職員の縮減や外郭団体の統廃合の推進と併せて選定委員会の構成の在り方などの問題点も具体的に示しております。特に11月市会の審議中に問題だと痛感した点は,まず応募条件,資格が管理及び運営の実績をおおむね2年以上としていることであります。これは京都市の既存の外郭団体への有利な条件設定になっています。2点目は,選定委員のメンバーに市職員やそのOBが数多く就任している点であります。そこでお尋ね致しますが,
指定管理者制度の導入に当たって,現時点での京都市としての総括と今後の取組についてお聞かせください。 また,先日まとめられました人材育成方針では,女性職員の登用拡大について部長級以上の女性職員の全局区への配置が掲げられましたことは評価致します。仕事漬けになることを良しとする評価では,バランスの良い人材育成はできないと考えます。家族や社会活動なども大切にしてこそ市民の目線に立って仕事をする優秀な人材が育成できるのではないでしょうか。今後5年間の計画の中で女性職員の育成計画と部長級以上の全局区配置計画について,どのような見通しを持っておられるのかお伺い致します。 次に観光客5,000万人構想の実現についてお尋ね致します。去る1月18日,市長は観光客5,000万人構想の総仕上げを図るため,平成22年度までの5年間を取組期間とする新京都市観光振興推進計画ゆとりうるおい新おこしやすプラン21を発表されました。今回の計画は,これまでの市の計画にはない特筆すべき点が幾つかあります。それはまず第1に,京都市の取組だけではなく京都府や
京都商工会議所などとの共同事業も盛り込み,正にオール京都で取り組むプランとなっている点であります。次に,それぞれの地域,界わいが一つの観光都市に匹敵するほどの魅力を有しているとしたうえで,京都のまちをゆっくり,じっくりと楽しんでいただくゆとりの旅を提案するとともに,単に観光客数のみを追求するのではなく,受入環境の整備や外国人観光客の誘致などにもしっかりと取り組み,市長の観光に懸ける熱い思いが凝集された内容になっている点であります。 市長が初めて5,000万人構想を発表されました平成12年当時,入洛観光客数は約4,000万人でありました。それが4年後の平成16年には4,554万人と増加し,いよいよ5,000万人という目標が現実味を帯びてきました。その経済波及効果は1兆円を上回っています。改めて市長の先見性と
観光関連団体の皆さんの御努力に敬意を表する次第であります。一口に5,000万人と申しますが,これは大変な数字です。昨年開催の愛知万博,私も3月の開会式と6月に行きましたが,この入場者数が2,205万人であったことからも5,000万人という数字の大きさが分かります。計画には多彩な施策が盛り込まれておりますが,幾ら立派な計画を作っても,これらが計画倒れになってはいけません。オール京都で観光振興を図っていくことについては私も重要な視点だと考えます。つい先日の議員研修も,観光こそ21世紀の基幹産業との持論を展開される京都府出身の須田寛さんから観光の魅力や将来性,京都が果たすべき役割などについて講演を受けたところであります。それだけに計画に掲げられた施策を着実に推進する仕組みを構築する必要があります。市長は,これらの施策をどのように活用して5,000万人観光都市・京都を実現されようとしているのか,施策の進捗を客観的にチェックする仕組みを含め御所見をお伺い致します。 次に5,000万人観光都市・京都の実現に向けた原点ともいうべき
修学旅行誘致対策についてお伺い致します。京都は修学旅行のメッカであり,全国から多くの修学旅行生が京都を訪れます。我が国の歴史や文化を学び,そして心に焼き付くような楽しいたくさんの思い出を京都で作る修学旅行は,正に京都へのあこがれの源泉であり,京都を魅力的なまちとして感じる原点が修学旅行にあります。昔,修学旅行で九州から京都に来て京都のすばらしさに感動し,将来は学生生活を京都で送り京都のまちづくりをしたいと中学生のときに思ったという京都市の幹部職員もおります。統計によりますと,京都への
修学旅行生徒数は昭和60年の144万人をピークに平成9年には94万人まで落ち込み,その後少しずつ回復して現在何とか100万人の大台を維持している状態であります。確かに少子化の進行による対象生徒数の減少を勘案すれば健闘していると思いますが,5,000万人観光都市・京都の実現を目指していくには,
修学旅行誘致を重要施策と位置付け真剣に取り組まなくてはならないと考えます。今や北海道,沖縄を含め
修学旅行誘致の都市間競争が激化してきており,そのうえに
高等学校修学旅行は外国へシフトしつつあると言われております。こうした点も加味し,少子化の進行,都市間競争の激化,国際化の流れの中で,今どのような
修学旅行対策を講じ,どのような実効を上げつつあるのか今後の取組と併せ市長にお尋ね致します。 次に観光資源として非常に大きなウエイトを占めております私たちの貴重な文化財について幅広くお伺いしたいところですが,今回は以前にも質問致しました京都市が直接管理運営をしております二条城の保存整備の取組に絞って質問致します。元離宮二条城は,平成6年に世界遺産にも登録され年間120万人を超える観光客が入城する市内屈指の文化観光施設であります。私も何度か入城しておりますが,国宝の二の丸御殿をはじめ四季折々にその姿を変える庭園や1,000枚を超える狩野派の障壁画など多くの人を引き付けるお城だと感じております。しかしながら,実際に鑑賞してみると老朽化のため損傷している箇所も一部見受けられ,最近でも二の丸御殿の障壁画の亀裂などについてマスコミの報道もされたところであります。 私も数年前から委員会等におきまして老朽化してきた二条城の整備計画の必要性などについて質問して参りました。その後,二条城では,平成14年に
保存管理計画と整備計画を策定され,平成15年に迎えた築城400年には,築城400年記念展示・収蔵館を建設し,障壁画を良質な環境の中で保存できるよう取り組まれるなど,それなりの努力はされていますが,入城料収入が多い反面,保存整備に十分な還元ができていないとの意見が依然としてあるのも事実であります。そこでお伺い致します。この度,
二条城計画的整備費として新たに1億円を予算化され,二の丸・本丸御殿の耐震調査や本丸の西橋の改修などを実施すると伺っており,その点は大変評価するところでありますが,広大な敷地や由緒ある多くの文化財,また入城者の便益施設などの改修は,一朝一夕にできるものではなく加えて相当の経費が見込まれると考えます。また2008
主要国首脳会議京都開催,いわゆるサミットを誘致されていますが,京都開催ともなれば
同伴者プログラムで夫人等が二条城へ観光に来られましたら,たちまち女性トイレ等の整備が不十分であります。京都市の数多い施設の中で二条城は安定した黒字の運営であります。質の高い整備を継続的,計画的にどのように図っていかれるつもりなのか,二条城の適切な保存整備に向けた将来展望をお聞かせください。 次に同和問題についてお伺い致します。特別施策終結後の平成14年11月市会から昨年の9月市会まで,
自由民主党市会議員団は同和問題について,北川明議員,二之湯智議員,
小林正明議員,そして私が本会議で質問を行いました。その質問を継続しながら質問を行います。京都市では,約半世紀にわたり同和問題の解決を市政の最重要課題の一つとして地域の環境改善,生活改善や子供たちの自立に向けた教育の充実など各種施策に取り組んできました。とりわけ昭和44年の
同和対策事業特別措置法施行以来,3,200億円余りの予算を投じ,多くの職員が心血を注ぎ総合行政として同和問題の一日も早い解決に取り組んで参りました。京都市の同和問題の解決に向けた様々な取組により,地域の住環境と住民の生活実態は大きく改善され,今日においては,市民意識や教育,一部の地区における環境改善などにおいて課題は残っているものの大きな成果を上げてきました。これらを踏まえ,平成14年3月をもって特別施策としての
同和対策事業を終結したことは評価するところであります。しかしながら,一方で長年にわたる特別施策の継続により,住民の自立意識の妨げや行政依存の傾向など幾つかの課題があることも事実であり,議会においても問題にし同和行政に関する決議を提案し可決して参りました。 私は,特別施策としての
同和対策事業が終結したことで同和問題がなくなったという認識はありません。京都市の方針である個々のニーズを的確に把握し地域住民の主体的努力や市民の共感と理解を得ながら,広く市民を対象とする一般施策での取組を進めることにより同和問題の解決を図っていく姿勢が必要であります。この5年間でこの方針が浸透したと思っておりましたが,11月市会で再び同和行政の完全終結を求める決議を可決しなければならなかったことは誠に残念であり,これまでの市会決議の軽視と言わざるを得ないものです。 また平成15年7月の補助金問題での報告書の中で,今一度原点に立ち返り市民の共感と理解の下,本市が主体性を持って取り組み市民の信頼の回復に努める決意であると京都市の主体性の大切さが教訓として述べられていますが,昨年10月に
上鳥羽建設協同組合という一民間建設業者が京都市の施設を占有しているとして住民監査請求がなされました。市長は,
決算特別委員会において速やかに対応していくと答弁されたところですが,このようなケースに接しますと補助金問題が教訓となっておらず,やはり京都市は受け身であり,主体性が発揮できていないのではないかと危惧の念を抱くものであります。 同和問題の解決は,市民に理解の得られる手法で推進しなければなりません。しかし先の決議にもあるとおり,いまだに特別な対応を指摘されることは,市民の同和問題に対する認識を誤らせ,市長が言われる社会正義の実現という理想から離れていくものであります。11月市会の決議に対してどのような姿勢で臨もうとされているのか市長の決意をお聞かせください。 次に市立浴場についてお伺い致します。市立浴場は,地域住民の保健衛生及び生活環境の改善,向上を図ることを目的として設置したものであり,現在においても大部分の改良住宅に浴室が設置されていないため生活に必要不可欠であることは理解しております。今では広く市民に開放され,延べ年間80万人が利用していると聞いております。そのため浴場をすぐに廃止することは無理であっても,浴場数を計画的に減らすよう年次計画を立てるべきと思いますがいかがお考えでしょうか。今後とも維持,運営をしていかなくてはならないとは思いますが,市立浴場に対する多額な運営費は問題であります。入浴料金については,一般入浴料金と比較して110円の格差があり,また地域を限定し高齢者の入浴料金を一定回数無料としていることも市民の目線に立てば理解し難いものであります。 市立浴場の運営を行っている
市立浴場運営財団は,平成18年度から指定管理者となる予定であり,これを機に抜本的に
浴場運営財団の経営改善を行うこととし,入浴料金を見直して収入増を図ることや
高齢者入浴助成などの財団独自の事業や人件費の更なる見直しも行う必要があるのではないでしょうか。このことは他の赤字を抱える外郭団体においても行っていることでありますし,京都市も厳しい財政状況の下,職員の削減率に取り組んでいるのではないでしょうか。市立浴場も含め市会決議で指摘した事業等について具体的にどのように対応されるのか御答弁をお願い致します。 最後に私の地元であります南区で現在進められている事業についてお伺い致します。まず第1点目がJR東海道線の西大路駅と向日町駅の間で計画されている新駅についてであります。平成15年5月にキリンビール及びJR西日本が新駅整備について合意に至ったことを市長記者会見で公表され,先日の1月31日には100人を超える規模の地元説明会が開催されたと伺っております。この新駅の完成は,京都市の南西部地域の市民の皆さんが大変期待されている事業であります。現在の事業の進捗状況をお聞かせください。また新駅が予定されている
JR東海道本線との交差部で工事が進められている久世北茶屋線の4車線への拡幅工事につきましても,平成18年度末には4車線で供用開始ができると伺っておりますので,新駅と同様できるだけ早期に完成させていただくよう要望致します。 次に向日町上鳥羽線及び第二久世橋の整備についてであります。整備着手から10数年にわたり取り組んでこられましたが,最近ようやく橋桁の架設が進み橋の外観が確認されるようになり,いよいよ完成の時期が近付いてきたと楽しみにしております。用地買収につきましても困難なことがあるとは思いますが,本路線の完成は,私たち南区民にとりまして長年の悲願です。
予定どおり平成19年度に完成できるのかどうか最後にお聞き致しまして私の質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(巻野渡) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
田中セツ子議員の御質問にお答え致します。 初めに市政改革についてでございます。私は,市長就任以来,
バブル経済崩壊後の大変厳しい財政状況の下,高品質で満足度の高い
市民サービスを提供するためにはどうすべきかという命題を常に念頭に置き,改革に邁進して参りました。改革を進めるに当たっては,痛みが伴うものもございましたが,それは次代を担う若者たちに今以上に光り輝く我がまち京都を伝え,また職員一人一人が職務に自信と誇りを持てるようになるためのいわば産みの苦しみであったと考えております。
田中セツ子議員御指摘のとおり,今回更なる職員削減や外郭団体の3割と派遣職員の4割の削減という思い切った数値目標の上乗せをし,改革を更に加速させることと致しました。今後も時代に合わなくなった仕組みや事業など変えるべきものは断固改革し,時を超え光り輝く京都の景観など変えるべきでないものはしっかり守る,こうした京都の活力と創造力をはぐくむ攻めの行革を凜とした姿勢で推進して参る決意でございます。 次に区役所における窓口サービスの向上についてでございます。私は,個性を生かした魅力あるまちづくりの推進と市民の目線で良質なサービスを提供する区役所づくりを一層推進するため,区政改革に積極的に取り組んで参りました。窓口の取扱時間の拡大につきましては,ターミナル証明書発行コーナーを平日の夜間及び土曜日に開所しており,重要課題であった昼休み時間帯の窓口業務につきましては,既に平成16年6月から区役所,支所の全課に拡大して実施致しております。また田中議員御指摘の同じく重要な課題である開庁時間の延長につきましても,できるだけ早期に実現するよう取り組んで参ります。次にいわゆる
ワンストップサービスにつきましては,順次区役所の総合庁舎化を進めるとともに,他の政令市に先駆けて証明書発行窓口を市民窓口課に一元化致しております。各種届出等においては,制度内容を十分に説明する必要があることから,それぞれ専門の窓口を設けておりますが,御提案の趣旨も踏まえ
市民サービスの更なる向上のため方策を検討して参ります。 次に
指定管理者制度についてでございます。本市では,いち早く
指定管理者制度の導入の取組に着手し,公募を原則とするとともに選定委員会への外部委員の参画の義務付けや委員会の原則公開など,他都市を先導する積極的な取組を展開して参りました。その結果,開館時間の延長やサービス向上のための市民意見の反映など,より一層利用される方々に御満足いただくための様々な改善が図られるとともに,平成18年度予算案において約5億円の財政効果が見込まれるなど多くの成果を上げられるものと考えております。しかしながら,今回の取組を通じて幾つかの課題が明らかになったものと認識しております。特に11月市会での付帯決議を重く受け止め,現在,これまでの取組の総括,分析作業を精力的に進めており,より公正かつ透明度の高い選定委員会の在り方や民間参入を促進する上で高度な資格要件がなかったかといった観点から基準の見直しを行うなど,制度がより有効に活用できるよう更に取組の強化を図って参ります。 次に観光客5,000万人構想の実現についてお答え致します。先ほどは
田中セツ子議員から新京都市観光振興推進計画に対し高い評価をいただき,また大変示唆に富んだ御提案を賜り誠にありがとうございます。この度のゆとりうるおい新おこしやすプラン21は,本市が主導的役割を果たしながら,オール京都の体制で今後5年間に取り組む観光政策,事業を策定したものでございます。それぞれの地域,界わいが一つの観光都市に匹敵するほどの優れた京都の魅力を最大限に生かし,季節変動に対するオフシーズン対策を戦略の基本に置きつつ,市民,観光客双方にとって快適な受入環境づくり,そして更なる外国人誘致を戦略のかなめとして5,000万人構想の確かな実現を図って参ります。 御指摘の計画の進行管理につきましては,京都府,
京都商工会議所,京都市観光協会,京都府観光連盟と共に設立する連合組織においてオール京都の立場から,更に市民の皆様の御意見をお聴きし反映できる仕組みとして学識経験者や市民公募委員から成るフォローアップ委員会を設置して参りたいと考えております。観光立国日本の牽引役として大きな役割を果たし,歴史都市京都の創生を図るとの強い決意の下,新計画に定める21の戦略的施策を含む121施策に全力で取り組み,5,000万人観光都市の早期実現を目指して参ります。 修学旅行の誘致についてお答え致します。議員御指摘のとおり京都があこがれの修学旅行目的地であり続けることは,日本文化の母なる地であり,次代の日本を担う全国の子供たちの心豊かな人間教育の場でもある歴史都市京都の使命と認識しております。このため全国的にも他に例を見ない
観光関連団体の皆様との年間150箇所を超える全国学校訪問活動の展開や各種の割引優待が受けられる修学旅行パスポート事業,また修学旅行生困り事相談所の開設など,きめ細かな取組を図って参りました。こうした対策により,平成13年には100万人の大台を回復するとともに,今年に入りまして,これまで九州に限定されていた沖縄県の公立中学校が京都を目的地として検討を始められるなど新たな成果も生まれてきております。これまでの取組を更に強化するとともに,海外からの修学旅行,大学,専門学校の研修旅行等,新たな分野も積極的に開拓し,修学旅行生の維持拡大を図って参る決意でございます。 次に同和行政についてお答え致します。私は,市長就任以来,年間約90億円を要した
同和対策事業の見直し,運動団体にかかわる交渉,職免,カンパ,雇用の廃止をはじめ凜とした姿勢で同和行政全般にわたる改革に取り組み,特別施策としての
同和対策事業については平成13年度末をもって終結致しました。昨年の11月市会において,進路支援事業のように必要な経過措置を講じている事業以外にも特別施策的なものがあると市会において指摘されたことは誠に遺憾なことでございました。田中議員御指摘のように同和問題の解決のためには,市民的共感と理解が不可欠であります。市会決議を受けて再度徹底した点検と問題点の早急な見直しを指示したところであります。御指摘のありました改良住宅における高齢者向けの住戸改善につきましては,直ちに本年度末をもって廃止し,今後公営住宅との整合性を図り一般事業化して参ります。また高齢者の入浴助成事業等,残る事業につきましても,できるだけ早期に廃止,見直しができるよう強く指示しているところでございます。 同和問題の解決は,社会正義の実現であります。今後とも市民の皆さんの共感的理解を賜りながら,一般施策の中でその解決を図り,人権文化の確立に向けて努力して参る所存でございます。 以下,副市長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(巻野渡) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは,女性職員の登用についてお答え致します。本市におきましては,男女共同参画社会の推進という観点から,これまで女性の積極的な登用に努めて参りました。しかしながら,女性の課長クラス以上の職員はわずか7.9パーセントであるのが現状であり,その一層の拡大を図るため,過日策定した京都市人材育成方針に5年後に女性の部長クラス以上の職員の全局区への配置という目標を掲げたところでございます。これを実現するためには,中長期的な視点を持って必要な経験や実績を積んでいただけるような機会を設けるなど計画的な取組が重要であります。そのため来年度から,まず第1段階として,全局区に女性の課長クラス以上の職員を配置する所から始め,5年後には女性の部長クラス職員が各局区で大いに活躍できるような取組を推進して参りたいと考えております。以上でございます。
○議長(巻野渡) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕
◎副市長(星川茂一) 二条城の保存整備についてお答え致します。元離宮二条城は,言うまでもなく400年の歴史を刻み,多くの入城者の方々を魅了している世界遺産でございます。京都市では,後世にこの姿を立派な形で残すべく保存整備に力を注いで参りましたが,議員御指摘のとおり近年施設の老朽化が進み,早急な対策を講じる必要が生じてきているところでございます。そこで,とりわけ緊急性の高い対策と致しまして重要文化財である二の丸御殿障壁画につきましては,従来の事業費を大幅に拡充致しまして,18年度から5箇年で総額3億4,000万円に上る経費を掛けまして保存修理に取り組んで参ることと致しました。また障壁画以外のものにつきましても,本年度政策重点化枠予算と致しまして別途1億円を措置してございまして,西橋や東大手門など緊急に対策を必要とする箇所から順に継続的,計画的な改修に取り組み,トイレ,大休憩所等の便益施設につきましても改善,充実を図って参ります。更に中長期的な対策と致しまして,二の丸御殿及び本丸御殿等の耐震調査の結果や専門家の御意見も踏まえまして,本格的な保存整備の方向性につきましても併せて検討して参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 柴田文化市民局長。 〔柴田文化市民局長登壇〕
◎文化市民局長(柴田重徳) 市立浴場についてお答え致します。市立浴場は,ほとんどの改良住宅に浴室が設置されておらず,住民の日常生活に欠かせない施設であることから今すぐの廃止は困難であります。浴場を減らすことにつきましては,今後改良住宅の建て替えなどまちづくりを進める中で検討して参ります。
浴場運営財団においては,これまでから嘱託化の推進等経営改善に努めて参りましたが,平成18年度からは当財団を指定管理者とする予定であり,本市としては,市立浴場の設置者として人件費の削減など更なる経営改善に向けてしっかりと指導して参ります。なお,民間浴場との入浴料金の格差につきましては,これまでの料金改定により民間料金の7割までに到達し,本年度その上限を廃止致しました。今後は年次計画に基づき早期に格差が解消するよう取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕
◎建設局長(中島康雄) 私からは2点についてお答え致します。まず
JR東海道本線西大路向日町間の新駅整備事業の進捗状況についてでございます。JR新駅の設置及び自由通路,駅前広場等の関連公共施設整備につきましては,平成15年5月の市長記者会見の後,JR西日本及びキリンビール株式会社と施設整備計画や費用負担等について鋭意協議を進め,平成16年9月に都市施設,地区計画及び土地区画整理事業について都市計画決定を行いました。平成17年5月には,市会において自由通路に係る工事委託契約締結の議決をいただき,新駅及び関連公共施設の着工準備に取り組んで参りました。その後,本年1月に工事説明会を開催するに至り,2月から本格的な工事に着手しております。本事業は,本市南西部地域の活性化と市民の皆様の利便性の向上に大いに寄与するものと考えておりますので,今後ともJR西日本及びキリンビール株式会社と十分に連携を図り,できるだけ早期の供用開始を目指して精力的に取り組んで参ります。 次に向日町上鳥羽線及び仮称第二久世橋の整備についてでございます。本路線につきましては,京都市南部地域の活性化と久世橋付近の著しい交通渋滞の解消を図るため,国道171号から桂川左岸の吉祥院下鳥羽線に至る区間の整備を進めております。このうち国道171号から大藪街道までの区間につきましては,既に一定の整備が完了し現在暫定供用を行っております。残る大藪街道から吉祥院下鳥羽線までの区間につきましては,地元の皆様の御協力を得て鋭意用地買収を進めるとともに,桂川渡河部となる仮称第二久世橋につきましても下部工工事を既に完成させ現在桁の架設を順次進めております。本路線が担う役割の重要性や南区をはじめとする市民の皆様の強い思いを踏まえまして,今後も引き続き残る用地の確保及び整備工事に全力で取り組み平成19年度の完成を目指して参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 次に
内海貴夫議員に発言を許します。内海議員。 〔
内海貴夫議員登壇(拍手)〕
◆(
内海貴夫議員)
田中セツ子議員に引き続きまして自民党京都市会議員団を代表し質疑を行います。 まず最初に,自民党京都市会議員団では,この度,自民党京都市役所構造改革戦略会議を設置したことを御報告申し上げます。昨年の9月定例会において北川明議員が自民党武部幹事長よりの公文書通達に基づき,ヤミ専従問題,違法な組織活動など本市における職員団体,労働組合の活動について質問をされました。その後,市民の皆様より自民党市会議員団に対し,市民の理解と共感を得ることができるパートナーシップに基づく市政運営が図られるよう市民の目線に立ってより一層の点検をしてほしいとのメールが寄せられました。この市民要望にこたえるため自民党京都市役所構造改革戦略会議を設置した次第です。 そこで今回は,京都市職員の福利厚生に関して2点お尋ねします。第1の質問は,京都市の職員厚生会への職員1人当たりの公費支出額は,政令指定都市,都道府県の中で上位にあるということです。このことは自民党市会議員団としても問題視しており,我々の平成18年度京都市予算及び今後の市政方針に対する要望においても職員厚生会への公費支出の見直しを要望致しております。職員厚生会に対する公費支出については,次の二つの視点から点検し,適正なものでなければなりません。一つは,公費と職員の掛金との負担割合が適正かどうか,もう一つは1人当たりの公費支出額が適正かどうかという視点であります。第1の視点の公費と職員の掛金との負担割合は,平成18年度に1.5対1から1対1に引き下げられると聞いているところであり,徐々に見直しが進められていると感ずるところなのですがいかがでしょうか。また第2の視点の職員1人当たりの公費支出額ですが,負担割合の見直しにより削減されるものの依然として高い水準であります。今後は職員の福利厚生事業の見直しを一層進めることにより,職員厚生会の財政規模の縮減を図り,公費支出額の更なる削減に取り組むべきですがいかがですか。これらについてお答えください。 福利厚生に関する第2の質問です。職員厚生会の保養所は,かつて新聞でも豪華施設,金ぴかと報道され記憶に新しいところですが,建設及び運営維持に対しては,職員厚生会が資金を負担しているとはいえ,その職員厚生会は京都市からの交付金と職員からの会費で運営されているのですから,豪華,金ぴかと称された保養所に市民の税金が投入されていることに違いはないのです。現在,保養所運営の見直しについては売却も含め検討されていると聞いておりますが,売却するとなると,ほかの例を見る限りでは二束三文で売却されるケースも少なくありません。そもそも保養所の利用は職員に限定されていることから,その稼働率が開設された時点から比べると徐々に低下してきており,そのことが保養所ちりはまの年間1億4,000万円をはじめとする運営赤字の原因となっていることが非常に大きな問題なのであります。だからといって売却という手法は余りにも短絡的な考え方であり,むしろ公費を投入して建設された優良な施設が有効に活用されていないことが問題なのであり,その解決のためには市民に対して保養所を広く開放すべきだと思います。保養所の市民開放という手法を通じて,
市民サービスの向上を図ることにより職員の福利厚生事業に対する市民の理解を得ることが必要であると思います。いかがですか,松井副市長お答えください。 ただ今は職員厚生会への公費支出の見直しと福利厚生事業の一つ保養所についてお尋ねしましたが,自民党京都市役所構造改革戦略会議を通じ,職員の福利厚生事業はもとより,あらゆる不適切な厚生事業,組織活動等について根絶すべく今後も質問を重ねていくことを表明致しておきます。 次に家庭ごみ収集における有料指定袋制導入についてお尋ねします。ごみ袋の有料化制度の意見交換会の折,地球温暖化を防ぐためにはごみを減らさなあかんと聞いたけど,ごみと地球の温暖化とどんな関係があるんですか,また温暖化温暖化とおっしゃるが,温暖化とこの寒さとどう関係あるんですかとの質問がありました。私は,地球全体が気候変動すれば個々の地域でも当然異常気象が増えると思いますし,現在起きている集中豪雨や大雪もそういった異常気象の一つと考えていいと思うのですが,地球温暖化を食い止めることは人類共通の課題であり,議定書発効の地として京都市が地球温暖化防止に果たすべき歴史的使命は大きく,また市民一人一人は温暖化防止にどのような責務を果たすことができるかを考える必要があるのではないでしょうか。 この度のごみ袋有料化の提案は,市民にごみの減量を通じて資源の節約と焼却処分からの脱却を呼び掛けるもので,更に行政と市民が地球温暖化防止への責務の一端を共に担う一歩であると思っています。しかし意見交換会で今日まで交わされた意見や市民のパブリックコメントが示すように課題は幾つかあります。一つは,市民への説明と市民の納得の形成です。意見交換会には私も参加しましたが,意見交換会というより市政への苦情聴取の場であり,意図的に動員されたともいうべき集団の一方的な反対意見の場と化しました。この条例が導くべき使命を説明しようとする環境局職員の発言を制して,反対の持論をとうとうと述べ,真剣に意見交換を願う他の人の発言時間をなくしてしまう人もありました。使命感あふれる環境局職員とごみ減量に取り組むことで少しでも温暖化防止への責務を果たしたいと願う市民の意見交換会の時間が取り上げられてしまったのです。反対の立場からは,意見交換会は有料化ありきの実績作りであったとおっしゃるが,私は,環境局職員の血のにじむような御苦労を特定の政治活動に悪用し市民をミスリードしようとする策謀を感じます。あまつさえ環境局の職員の中に有料化に反対する市民運動をけしかけている者がいます。一部配付されたビラでは,京都市職員労働組合清掃支部として,ごみ減量につながらない有料指定袋制に反対すると市長に要望しています。(発言する者あり)これから市民の皆さんとごみ問題,環境問題について語り合い,環境共生都市への道を着実に歩み出そうとしているときに,環境局職員としての自らの職責を忘れて環境行政の発展に背を向ける全くの御都合主義で市民に混乱と誤解をもたらすものと断じざるを得ません。(発言する者あり)意見交換会等において市民の御理解を求めるために取り組んでこられたこの間の取組の評価と今後の課題について市長の見解を求めます。 第2は,市民の理解についてです。市の廃棄物条例を改正してごみ袋を指定し,それ以外は回収しないとしても何日もそのままごみを放置できないし,結局は市が収集するのであれば誰も有料ごみ袋を買ってくれない心配があります。有料化する意味を十分市民に説明し,納得を得る必要があるのではないのでしょうか。これからが本当の意見交換会だと思います。それと共に不心得者へのきっちりとした制裁が必要ではないですか。正直者がばかを見ない制度にしていただきたい。 第3は,市民負担をお願いする以上,市民の満足度を上げることが大切だということです。有料指定袋の手数料収入については使途を市民に明らかにすべきです。例えばごみの減量を進めていくために使うとか温暖化を防止するための市民活動を支援するとか,市民が世界に自慢できる環境先進都市をつくっていくための息の長い施策にきちっと充てていくことが必要です。ここで1点申し上げておきたいことは,この収入の財源について,理財局は,今後使い方に注文を付けるべきでないし,環境局に任せるべきだと思います。一般財源の補てんに使うとか他の公共事業に回すとか,ましてや職員の給与や福利厚生に使うようなことがあっては市民に説明が付きません。環境局が将来にわたって先進的な取組を進めるためには,環境局の裁量を広く認めるべきだと思いますし,一方,環境局は,その使途につき市民及び議会より厳しくチェックされるということを自覚すべきであります。市長いかがですかお答えください。 第4は,11月市会で
田中英之議員が質問されたいわゆるふれあい収集作業についてです。私はこの際,積極的に検討すべきだと思っています。なぜなら高齢者世帯にとって朝のごみ出しは負担なんです。過日,何とかふれあい収集をと願っておられた方が,残念ながらとうとう交通事故に遭われてしまいました。大変残念な思いを致しました。障害者福祉,高齢者介護の現状認識と将来展望を踏まえて,公共の何らかの支援が必要ではないでしょうか。まち美化事務所と福祉事務所とがタイアップするとか知恵を絞って財政負担を掛けない方法もあるのではないですか。松井副市長お答えください。 最後は,有料化の目的はごみの減量であって収入確保ではないと理解していますが,この理解で一致しているかということです。であるならば,仮にごみが目標どおりに減ってきたらごみ袋の有料制はやめられるのか,こういうことを論議しなければならない日が将来来るかもしれないし,むしろそうなってほしいと願っています。逆に制度は作ったがなかなかごみは減らないし,市民の意識も一向に向上しないということもあり得ます。そこで今後ごみ減量の推移と市民のごみ減量意識,環境意識の向上について,毎年毎年効果測定して市会に報告し,袋の規格や収入を活用した施策について見直すべきは見直し,改善すべきは改善していただきたい。単なる点検,改善の作業ではなく,ここに市民の意識の変化についての確認をしっかり入れていくことが大切です。京都市は有料指定袋の導入を通じて,市民の心に環境問題を訴えたということを深く確認してこの制度を運用していただきたいが,桝本市長の思いをお聞かせください。 さて地球環境の悪化が年々懸念される中で,地域完結型の循環型社会の構築は必要不可欠かつ緊急の課題であります。人間の体が動脈と静脈によりその健やかな生活が保たれることに例えるならば,私たちの生活も生産を担う動脈産業と適正な処理を担う静脈産業が適正に機能しなければ,京都市全体としての循環型社会の構築は確保できないと考えます。この京都市の静脈産業を見てみますと,家庭ごみのように京都市が責任を持って実施している部分と産業廃棄物のように民間にその処理がゆだねられている部分があります。家庭ごみのように京都市が処理する施設については立派なものがありますが,民間の処理施設については様々な理由により設置が困難になっております。京都市内で生じた産業廃棄物の処理を市域外にゆだねることは決して好ましいことではなく,また地域外での受入れが困難となるような事態も心配です。このような民間における静脈産業の問題について,京都市としてどのようなお考えか環境局長お答えください。 次に男性特有の疾病に対する市立病院における対応についてお尋ね致します。市民の皆様の医療ニーズは多様になってきています。そしてその中にはすぐにでも始められるものもあると思います。その一つとして私が考えているのが男性特有の疾病への対応です。平成15年に市立病院では女性総合外来を開始され,この取組も私は大変評価しておりますが,男性にも固有の病気や悩みがあります。私の周りでも中高年の男性の方から漠然とした体の不調をお聞きすることが多くあります。男性にも更年期障害があることが次第に知られるようになっていますが,社会全体としてみれば,まだまだ男性固有の悩みに対応できる体制は不十分と言わざるを得ません。更に排尿障害などプライベートな問題であり,かつそれが内科的問題なのか精神科的問題から来ているのかよく分からないといったこともあるようです。通常の診療の場では専門的な相談ができない。また女性看護師の前では言いにくいなどのために受診そのものがためらわれるなどのケースもあり,男性もまた女性と同じように専門的な相談を望んでおられる方が多くおられるのではないでしょうか。京都市立病院は,自治体病院として率先してこのような課題に取り組むべきと考えます。大きな施設整備を伴うことなく対応していくことが可能であり,総合病院としての強みを生かした取組もできるのではないかと思います。そこでお尋ね致しますが,この男性固有の病気や悩みに対応した医療サービスを京都市立病院で提供することについて,男性である市長はどのようにお考えなのか思いをお聞かせください。 次に醍醐和光寮についてお聞き致します。醍醐和光寮は,京都市が設置し運営している知的障害のある方の入所施設で,その歴史は古く昭和13年に公立施設としては全国で初めてとなる知能の発達に障害がある人たちの施設として誕生したのが始まりです。その後,昭和22年の児童福祉法の制定を契機に児童の入所施設が昭和23年に建てられ,昭和42年には改築が行われ,また成人の施設が昭和48年に建て替えられ現在に至っています。 〔巻野議長退席,日置副議長着席〕
◆(
内海貴夫議員) (続)このように醍醐和光寮の歴史は,京都における知的障害のある方に対する福祉を推進していくためのとりでとして幾多の苦労を重ねながら,今では正式に自治会を結成し地元である春日野学区自治町内会連合会に加入されるなど地域の皆様の温かい理解も得ながら運営されています。一方,既に建物が建築されてから30年以上が経過し,施設そのものは老朽化が進んでおります。また入所期間が長期化し入所されている障害のある方自身も高齢になられるなど,その状況も大きく変化してきています。このような課題について直接目で確かめるため,昨年12月に私も含めて自民党京都市会議員団で現地を視察させていただきました。その居住環境を見ますと,バリアフリー化などの多くの課題があり,やはり改修による対応は確かに限界が来ていると肌で感じました。 11月市会において我が党の中村団長が市長総括でこの問題を取り上げ,市長から来年度建て替えに向けた調査を行うと表明され,この度,来年度予算案に計上されたことは大きな喜びであります。そこで来年度取り組まれる調査に当たって提言を申し上げます。それは建て替えという機会を捉え様々なことを総合的な観点から検討していただきたいということです。来年度は,障害者自立支援法が施行される初年度です。今後この法に基づいてサービス体系も再編されるとお聞きしています。これからの障害者福祉の在り方を踏まえて,現在の入所施設だけでなく在宅サービスや相談支援,就労支援の機能など,あらゆる角度からどのような施設機能が必要なのか,行政内部だけでなく現在の入所者や障害者団体,学識経験者など外部の意見も十分お聴きして議論し決定していただきたいと思いますがいかがでしょうかお伺い致します。 次に,先日運行2周年を迎え利用者が50万人を突破するなど,すっかり地元の皆様の足となった感のある醍醐コミュニティバスへの敬老乗車証の適用についてお尋ねします。この件につきましては,昨年2月市会におきまして我が党の橋村議員から質問させていただき,市長から次の大きな課題であるとの認識が示されました。この醍醐コミュニティバスの取組は,自らの地域のために地域住民が一体となってバス運行を支えていくという極めて先駆的なものであります。地域住民のニーズを反映させ,身近な生活圏をきめ細かなルートで運行しており,とりわけ高齢者にも利用しやすい地域の足となっております。また,この2年間安定した運行実績を持ち多くの高齢者が御利用されています。これらのことから,この醍醐コミュニティバスは,その運行形態や内容から見ましても高齢者の社会参加の促進に寄与する交通体系の一つに数えられるものであり,敬老乗車証という福祉制度を適用するにふさわしいものと思います。先日2月18日の運行2周年50万人突破記念感謝イベントでも,敬老乗車証を是非とも適用してほしいという期待の声を自民党京都市会議員団はお聴き致しております。地域住民の熱い期待の声に是非ともこたえていただきたいと思いますがいかがでしょうか,誠意あるお答えをお願い致します。 次に構造計算偽装事件に関連してお尋ね致します。今回の構造計算偽装事件発覚後3箇月経過しましたが,被害者の方々の補償もままならず,また福岡県では別の建築士による構造計算書の偽装が明らかになるなど,国民の不安は一向に解消されておりません。今回の事件は,建築士個人の犯罪だけにとどまらず,我が国の建築確認制度の根幹を揺るがすとともに建築生産システム全体の構造的問題にかかわると考えます。その第1は,一部の建築主,設計者,そして施工者と建築に携わる人たちの倫理観,使命感の欠如であります。 〔日置副議長退席,巻野議長着席〕
◆(
内海貴夫議員) (続)今回の事件では,建築主は建物を単なる商品としてしか考えず,見栄えは良くても一番大切な骨組みをおろそかにし,また設計者や施工者もこれに追随した所に根本的な原因があると考えます。第2には,設計と施工の発注形式の問題があります。官公庁のほとんどの建物や民間の主要建物では,設計監理と工事施行を別々に発注するいわゆる設計施工分離を基本としていますが,ゼネコンや住宅メーカーでは,同一会社で設計監理と施工をする設計施工一貫方式も多く存在しており,これが施工の利益を優先する余り建物の品質確保を二の次にされるおそれがあります。第3には,建築士の社会的地位の弱さがあります。弁護士や医師など他の国家資格と比べて施工者等への権限も弱く,報酬規定もあるとは聞いていますが,国民や建築主の理解を得るには至っていません。第4に,建築確認制度をはじめとしたチェック体制の更なる充実が必要ということです。今回の事件では,民間の確認検査機関のみならず自治体でも偽装が見抜けませんでした。建築確認審査の中でも構造の審査は専門的な知識と技術を要すると聞いております。建築基準法が制定された昭和25年は,戦後の木造建築や100尺すなわち31メートルまでの高さの建物しか想定されておらず,今日のように建築が大型化した状況の下,建築基準法に定められた21日という審査期間は実情と乖離していると言わざるを得ません。第5の問題は,建築の設計体制であります。建築の設計には大きく分けて意匠設計,構造設計,設備設計の三つがあります。1級建築士は,建物の規模や用途に関係なくこの三つとも設計監理ができることになっておりますが,建築が技術的に高度化,複雑化,大型化している状況において,1人の建築士あるいは1社の建築士事務所ですべてを設計監理するのは難しくなってきており,ゆえに構造設計の専門職,設備設計の専門職が確立してきているのです。建築主や設計事務所も,そういった構造や設備の専門職とは下請としての従属的な関係ではなくパートナーシップによる連携の下,設計を行う必要があると考えます。 さて,こうしたことを踏まえて京都市の現状はどうでしょう。京都市内の建築物の確認申請のうち98パーセントを民間確認検査機関が担っています。私が仄聞した京都市の構造審査のチェックは厳しいことで全国的に有名ですよとまで言われた市役所の構造審査担当の高いレベルというものは,民間確認検査機関にもしっかりと引き継がれているものとは思いますし,京都市内の建築物の安全性は,これまでの市役所の歴代担当者によって継承されてきた高度な技術力のたまものでありましょう。そこで次の点について御質問を申し上げます。まず今回の事件を機に,市長は直ちに三つの対策を講じるとの強い決意を述べられましたが,その成果はいかなる効果を生み出すのかお答えください。また民間が98パーセントの確認申請を受けている現状の中で,民間確認検査機関との連携をいかに密接なものとし,今後の事件防止に努めていかれるのかお答えください。そして今回の事件で図らずも明らかになった問題点をどのように克服して,これまでにも増して市民が安心して暮らせる建築物の供給に努められるのか,市長お答えください。私は,今回の事件の解決には,官民の差こそあれ安全で安心できるまちづくりの一翼を担っている職人さんをはじめとした生産技術者の再評価はもとより,何よりも地元で培ってきた技術や技能,そして伝統を大切にする施策が必要であると要望しておきます。 さて東山区では,ほかの各行政区と同じように平成13年2月に東山区の基本計画である東山・まち・みらい計画2010を策定致しました。計画の策定に当たっては,区民の代表や有識者の方々で論議を重ねるとともに,東山区の全世帯を対象として区民意見の募集,区内の小中高生を対象とした作文募集など,あらゆる機会を捉えて区民の皆さんの御意見をお聴きし,これを最大限に採り入れられました。そのときの区長北田貞雄さんの御苦労が思い浮かぶとともに,舩橋区長さんに受け継がれ,現在の伊藤区長さんの頑張りとなっております。あの当時の東山区民のひらめきがきらめきとなって輝いている現在,東山区基本計画が策定されて良かったと思います。その東山区基本計画では,安全・便利・快適な交通環境の整備を進めるため,歩行者や自転車が安全で快適に運行できる道路づくり,三条四条間の鴨川歩道橋の建設など七つの項目が取り上げられておりますが,今日はその中の交通渋滞緩和策の推進とJR東大路駅構想の検討についてお尋ねします。 まず交通渋滞緩和策の推進についてです。市長は,年頭の記者会見で御池通,河原町通,四条通及び烏丸通に囲まれた歴史的都心地区の交通環境の改善を目指した歩いて楽しいまちなか戦略を発表されました。これは全国の大都市にあって先駆的な取組であり,その企画力と実践力には甚だ感服するばかりであります。今後,交通量調査や地元や関係機関等の協議を経て何らかの交通社会実験を実施される予定と伺っており,それらの成功と将来に向けた交通環境の改善に大いに期待するところであります。この件につきましては,後ほど
加藤盛司議員が質問されますが,私は東山区で実施されました交通社会実験の視点よりお尋ねします。それは現在の車社会,とりわけ古都京都を目指して多くの観光客の方が車で訪れられる現状を考えたとき,周辺地域でこれらの流入車両を食い止めるための大型駐車場の設置及び駐車場と都心地区や観光地をつなぐ交通網の充実は不可欠であると思うことです。東山区では,去る16年,17年の秋の観光ハイシーズンにおいて交通社会実験を行政,関係機関,地域住民が一致協力して実施して参りました。中でも昨年11月19,20日,26,27日の実験では,五条坂における交通規制を行うという画期的な取組がなされ大きな評価が与えられたところであります。中間報告では,渋滞を誘引する大きな原因が駐車場の絶対数の不足であることが明らかとなりました。すなわち自家用車やバスを利用して来られた観光客が駐車場の空きを待って道路まであふれ出して並ばれることで一車線をふさぎ,これが大渋滞の大きな要因となっているのです。市長のおっしゃる観光客5,000万人構想の実現,そして更なる発展のためにも受入体制の充実は必要です。 更に平成23年には,東山区の知恩院において法然上人没後800年大遠忌を,また下京区にあっては東山区に祖廟,本廟を持つ東西両本願寺にて親鸞上人没後750年大遠忌大法要をほぼ同時期に迎えます。これら周年事業で京都を訪れられる信者の数は1日当たり約8,000人,バスに換算すると1日当たり約200台が京都,とりわけ東山地区,下京地区周辺を訪れることとなります。そのため更なる観光バス駐車場容量の不足と道路渋滞の激化が想定されることは明らかであります。ちなみに50年前のこの事業の実施に当たって,西本願寺では五条バイパス施工前の大和大路通から東大路通までの五条通のセンター部分を借り切ってバス駐車場にしたり,知恩院では初日に6万人の信者が集まったことを付け加えさせていただきます。こういった懸念を払うためにも,車での入洛拠点である名神高速道路の東インター,南インター又はその近辺,京都縦貫自動車道の洛西の近辺に大型駐車場の整備を検討されること,そして京都市全体の交通政策を専門に考える組織を設置されることが歩いて楽しいまちなか戦略を実現させることになるのではないのでしょうか。いかがですか市長にお尋ねします。 最後にJR東大路駅構想の検討についてであります。この件の今日までの経過を振り返りますと,まず昭和31年8月25日に竹村昭,岩本健一,熊野憲成,富森菊一,岩坪真次郎,小西てい子,生水徳松の各議員の紹介を得て国鉄東海道線東大路今熊野付近に駅設置に関する請願書が1度目の採択をされております。更に昭和33年2月24日に富森菊一,岩坪真次郎,生水徳松の各議員の紹介を得て今熊野国鉄停車場設置に関する請願書が2度目の採択をされております。そして平成16年10月8日にJR東海道線東大路駅新設の検討の請願書が全会派賛成で3度目の採択がされました。これを受け,この度500万円の検討調査費を付けていただくことになり,実に50年を掛けた喜びに浸り感謝している次第です。ありがとうございました。そこでお尋ね致しますが,この度の調査はどのようなことを調査項目とされるのか市長お答えください。以上,東山区基本計画に基づきまして2点をお尋ねし私の代表質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(巻野渡) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
内海貴夫議員の御質問にお答え致します。 初めに有料指定袋制の導入についてお答え致します。大量生産,大量消費,大量廃棄の社会経済活動が地球温暖化をもたらし,世界各地で異常気象が頻発していることは人類の未来への警鐘であるとの
内海貴夫議員の御指摘を強い共感を持って受け止めております。内海議員の御指摘いただきました先日の全国環境先進自治体会議では,50を超える自治体の参加の下に熱心な議論が重ねられ,地球温暖化対策の重要性を改めて実感したところでございます。地球温暖化問題の解決のためには,本市の果たすべき使命は大きく,また市民の皆様お一人お一人に果たすべき役割を考えていただくことが極めて重要であることも議員御指摘のとおりでございます。そこで私は,有料指定袋制の導入について,本市としては前例のない各学区等を対象とした意見交換会を通じて,有料化によりごみが減り,子や孫のためになるのなら少々の負担はいとわないといった趣旨の御意見を伺うなど,市民の皆様のごみ減量への熱い思いや環境意識の高まりを感じることができました。私は,この貴重な体験,経験を糧に有料指定袋制の実施を不退転の決意で推し進めて参ります。(発言する者あり) また手数料収入につきましては,市民の皆様の御負担に基づく貴重な財源であることを真摯に受け止め,ごみ減量やリサイクルの推進など市民の皆様が脱温暖化社会,循環型社会の構築に実感を持ってかかわっていただけるような施策に活用して参ります。 次に市民の皆様の環境意識についてでございます。有料指定袋制は,
内海貴夫議員御指摘のとおり市民の皆様にごみを出さないライフスタイルへの転換を促すことによって,ごみの減量を図るとともに環境意識の向上を目指すものであります。議員御承知のように本市の環境行政はKES認証制度の創設など京のアジェンダ21フォーラムの活動や廃食用油の拠点回収の取組,更にはまちの美化に向けた市民総行動の取組などなど先進的な環境意識をお持ちの地域のリーダーの皆様の献身的な活動に支えられ大きな成果を上げて参りました。こうした取組の輪をより多くの市民の方々に広げることにより環境意識の更なる向上を図り,環境共生型都市京都の実現に向け取り組んで参ります。また環境意識の変化を把握し,ごみ量の推移を公表するなどにより,市民の皆様とのパートナーシップの下,制度の継続的改善に努めて参ります。 次に男性固有の病気や悩みに対する京都市立病院での対応についてであります。近年,漠然とした健康への不安や体調不良,軽いうつ症状など男性にも更年期障害があることが認知されるようになり,また男性不妊症や性機能障害,排尿障害など男性特有の医療ニーズは高まりつつあると認識致しております。このような医療ニーズにつきましては,かねてから市立病院の患者様からお聴きしており,病院内で議論を重ね,その準備がようやく整ったことから来年度当初から新たに男性専門外来を開設致します。これは男性医師のみによる診療とするなど気軽に受診できる診療環境にするとともに,予約診療によりきめ細かな相談,診断を行うものであります。具体的には,泌尿器科のほか,内科,外科に加えてうつ症状を伴うような場合にも的確に対応できるよう精神神経科が連携し総合的な診断治療を行うという先進的な取組でございます。今後とも市立病院が市民の皆様に信頼される病院であり続けられるよう市民ニーズに的確に対応した取組を進めて参ります。 次に醍醐コミュニティバスへの敬老乗車証の適用についてでございます。醍醐コミュニティバスは,地域住民の皆様が自ら協力施設や個人パートナーを募り運行財源を確保する市民協働方式を構築し,地域の身近な足となるバスを市民手作りで運行するという正に全国が注目するシステムであります。敬老乗車証につきましては,かねてから地元選出議員及び地域住民の皆様から御要望をお受けしており,その御期待に何とかおこたえできないものか様々な視点から検討するよう指示して参りました。この結果,営利追求を目的としたものでないことや,運行以来,安定した実績を有していること,更には地域に密着した路線で多くの高齢者の方々が利用されていることなどを総合的に勘案し今年10月から適用することと致します。高齢者の皆様の一層の社会参加と生きがいづくりに役立てていただきたいと考えております。 次に構造計算書偽装事件に伴う本市の対策についてでございます。今回の事件を受け直ちに,第1に構造審査体制の強化,第2に民間機関の建築確認に対する抜き打ちチェック,第3に建物が完成するまでに行う中間検査制度の拡充を実施したことにより,事件再発への抑止力が働き建築確認及び工事施行の適正化に大きく寄与するものと確信しております。民間確認検査機関との連携につきましては,指定確認検査機関連絡会議に構造部会を設け,今回のようなことが二度と起こらないように構造審査の更なるレベルアップを図って参ります。また建築生産システム全体の構造的問題につきましては,昨年12月,私が自ら国に対して抜本的な再発防止策を緊急提案,要望し,今国会で京都市の要望を織り込んだ法改正が行われようとしております。私と致しましては,今後とも市民が安心して暮らせるよう,これまでにも増して先進的な建築行政の推進に努めて参る所存でございます。 交通渋滞緩和策の推進についてでございます。東山地区におきましては,平成16年度から地元の皆様や関係機関との協力,連携の下,交通社会実験を実施しており,とりわけパークアンドライドは,利用者の方から高い評価を得るとともに自動車の流入抑制に一定の効果を上げております。ただ今議員から御提案いただきましたインターチェンジ周辺での大型駐車場の整備につきましては,渋滞などの交通問題の解決のために大変重要な視点であると考えております。5,000万人観光都市を目指す京都市にとって交通問題の解決は重要な課題であると認識しており,交通政策にかかわる推進体制の充実を図るとともに,パークアンドライドを含む駐車場整備の在り方を検討するためのプロジェクトチームを設置するなど歩くまち京都の実現に向け全力を傾注して参ります。 次にJR東海道線東大路駅構想についてお答え致します。新駅設置に関しましては,お説のとおり昭和31年以来3度の請願が出され,東山区の基本計画においても位置付けられるなど住民の皆様の長年にわたる熱い思いであると真摯に受け止めております。また新駅の構想は,東山地域を訪れる観光客や地域住民の皆様の利便性向上はもとより,京都の交通まちづくりに寄与することが期待されていることから来年度調査を行うことと致しました。具体的には,地形や既存施設などの基礎的な調査,それから駅舎設置に係る技術的課題,更に整備費用などについて検討を行うとともにJR西日本をはじめとする関係機関等との協議を進め新駅設置の可能性について積極的に検討して参りたいと考えております。 以下,松井副市長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(巻野渡) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは4点についてお答え致します。初めに職員の福利厚生についてであります。本市では,職員が心身の健康を保つことで公務能率の向上が図れるよう,これまでから職員厚生会を通じ福利厚生事業を実施して参りました。それぞれの事業の在り方につきましては,時代の変化に合わせ不断の点検,見直しを行ってきており,平成18年度からは職員厚生会への公費と職員の掛金との割合を1対1に引き下げることとしております。今後とも保養所の運営手法の変更をはじめ福利厚生事業の点検,見直しを行いながら職員1人当たりの公費の支出額も含め公費負担がより一層適正なものとなるよう努めて参ります。 次に保養所についてでございますが,職員厚生会は,福利厚生事業の一環として現在市内2箇所,市外2箇所の保養所を運営しております。内海議員御指摘のとおり保養所を市民の皆様に開放し利用していただくことは,本市の福利厚生事業に対する市民の皆様の理解を深めるとともに,施設の有効活用により利用率が向上し財政負担の軽減につながるものと考えております。現在,職員厚生会において保養所の抜本的な見直しが行われており,市民開放につきましても,その見直しの中で積極的に検討して参ります。 次に高齢者等に対するごみ排出への支援についてでございます。本市の高齢化率は,既に20パーセントを超え,市民の5人に1人は高齢者であります。そういう意味で,あらゆる分野の対策に全庁挙げて取り組むことが必要であります。高齢化が更に進行する中で,高齢者のみの世帯の増加や加齢による身体機能の低下により,収集場所までごみを持っていくことが困難な方が増えて参ります。今後このような課題に地域社会の中で対応していくためには,自助,共助,公助のそれぞれの役割を構築していく必要がございます。このためには,自助としては,自立した生活に向けた御自身や御家族の自らの努力をどのように引き出していくかを,共助としては,地域社会の中でどの程度まで支援できるのかを,公助としては,どのような方を支援の対象者とし,どの程度の人数となるのか,またどのような方法で自宅からのごみの排出を行っていくのかを検討していかなければなりません。また平成19年度中にプラスチック製容器包装分別収集の全市拡大を予定する中で,ごみ収集作業を効率的に進める観点からの検討も必要でございます。今後,高齢者等のごみの排出の実態把握やごみ収集作業との連携などについて,保健福祉局と環境局でプロジェクトチームを立ち上げさせ更なる検討を進めるよう指示致したところでございます。 次に醍醐和光寮についてでございます。本施設は,これまで知的障害のある方に対する生活支援や社会適応訓練を実施する入所施設として先駆的な役割を果たして参りました。また近隣住民の皆様の温かい御理解を得ながら地域に根差した施設として今日に至っております。一方,入所者の高齢化,入所期間の長期化に伴い居住環境の確保やバリアフリー化など多くの課題を抱えており,改修による対応はもはや限界を迎えていることから,平成18年度予算において建て替えに向けた調査費を計上させていただきました。建て替えに当たりましては,議員御指摘のとおり入所している方や御家族をはじめ障害者団体や地域の方々など広く御意見をお伺いするとともに,学識経験者等専門家によって構成されている京都市社会福祉審議会での御審議や障害者自立支援法の動向も十分に踏まえ,また建物につきましては,本市が進めておりますユニバーサルデザインを具現化したものとなるように致して参りたいと存じております。以上でございます。
○議長(巻野渡) 高橋環境局長。 〔高橋環境局長登壇〕
◎環境局長(高橋修) 産業廃棄物の処理問題についてでございます。産業廃棄物につきましては,法律で広域での処理が認められておりますが,議員御指摘のとおり広域での処理には遠方への運搬に伴う環境負荷などの課題がございます。そこで平成16年3月に策定しました京都市産業廃棄物処理指導計画京の産廃戦略21におきましては,市内での処理率の向上を目標に掲げております。しかし産業廃棄物処理施設の建設につきましては,地元の合意形成など多くの問題があることから,計画の目標達成に向けて18年度には計画の推進状況の調査を行い,その調査結果を踏まえ引き続き学識経験者をはじめとする関係者の皆様に広く意見を求めその評価を行うなど,処理施設の建設を巡る諸問題について検討して参ります。以上でございます。
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○議長(巻野渡) 暫時休憩致します。 〔午前11時46分休憩〕 〔午後1時1分再開〕
○議長(巻野渡) 休憩前に引き続き,会議を行います。
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○議長(巻野渡) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行致します。
加藤盛司議員に発言を許します。加藤議員。 〔
加藤盛司議員登壇(拍手)〕
◆(
加藤盛司議員) 10年前の平成8年2月26日,桝本市長は,第25代目市長として就任されました。田邊前市長の突然の辞任によって,当時教育長をされていた桝本市長は共産党を除く政党から推薦され,初当選のときこそ接戦でしたが,その後2回の選挙では圧勝され,この10年間,バブル経済の崩壊以後の低迷する経済状況の下,果敢な行財政改革や
戦略的予算編成システムの導入など,50年,100年先の京都の将来を見通した京都市政の舵取りをされてきたと思います。そして平成18年度予算は3期目の折返しであり,桝本市長にとりましても節目の年であります。提案されています18年度予算案について,午前の
田中セツ子議員,
内海貴夫議員に引き続き自由民主党京都市会議員団を代表し質疑をさせていただきます中京区選出の加藤盛司です。 平成18年度予算は,
戦略的予算編成システム導入以来3度目の予算となります。私は,
戦略的予算編成システム導入が発表された15年9月市会において,政策評価や事務事業評価を活用した新しい予算編成システムの導入は政令指定都市では初の試みであり,この二つの評価制度が有効に機能するのか質問しました。昨年11月市会で16年度決算審議を行いましたが,率直な感想をいえばいち早く
戦略的予算編成システムを導入していたから16年度予算が有効に働き,局の主体性が発揮でき厳しい財政状況を克服できたのだと思いました。 18年度予算は,景気の回復を反映して市税こそ15億円の増収を予想されていますが,地方交付税収入等が減少するなど引き続く財政非常事態の下,編成は困難なものであったと想像されます。しかしながら,そのような状況にあっても財政健全化を着実に進め,基本計画第2次推進プランに掲げる施策を中心に154項目の新規事業を立ち上げるなど積極的な予算編成であると評価しています。とりわけ財政健全化の取組では,財政健全化プラン策定時に見込まれていた453億円の財源不足額をその半分となる226億円にまで圧縮し,市債発行額も17年度を下回り,プライマリーバランスも引き続きの黒字となっています。しかし市債残高は218億円増え1兆1,105億円となっていることについては,いささかの不安を感じていますが心配ないのでしょうかお答えください。 また
戦略的予算編成システム3度目にして二つの評価システムが有効に活用され,政策の選択と集中が一層徹底できたからこそ18年度予算において政策推進と財政の健全化が一体的に進められたのではないかと考えています。そこで,このいわゆる
行政評価システムが18年度予算に果たした役割についてどのように考えておられるのかお答えください。 引き続き,今日の京都市政の重要施策であります京都創生のうち都心部の景観問題と交通問題についてお尋ねします。グローバル化の時代にあって,日本のアイデンティティを確立し日本の価値を世界に発信していくことが国策として大きなテーマとなっています。このことを具体化していくために,日本を代表する歴史都市である京都の果たす役割は大きく,それはむしろ使命ではないかと考えています。そう考えたとき,京都の京都たるゆえんは何なのかということであります。美しい自然と優れた伝統や文化,そしてそれらを背景に形成された歴史的な町並みを今なお守り続けている都市の風情。京都市は,景観面からも日本の歴史を語ることのできる代表的な都市であると言えます。しかしながら,古い町並みを残しているというならば京都以外にもありますが,147万人の人口を有し大都市としての機能と活力も有し,伝統的景観と現代的景観の調和が図られていればこそ歴史的都市としての価値があるのではないでしょうか。 昨年秋に韓国のキョンジュ市で開催された歴史都市会議に参加したときも,各都市から出された課題に共通していたのが保存と開発でした。古いものを残さなくてはならないが,都市としての活力を維持し続けるために,いかに開発との調和を図るかということでした。また今回の京都創生の取組のきっかけになったのも,平成14年6月に日本建築学会が行った京都の都市景観の再生に関する提言であったことを考えるならば景観問題が果たす役割は大きいと思われます。 さて我が国では,昭和40年代に入って核家族化の進行とも相まって都心部から周辺部に住宅化が進むいわゆるドーナツ化現象が起こり,都心部の空洞化が大きな問題となりました。この現象は京都市においても例外ではなく,都心部から人口の流出が顕著に進む中で,都心への人口呼び戻しが大きな課題であった時期もありました。一方,本市では,本市都心部特有の狭小な敷地において古い町家が取り壊され,その跡地にペンシルビルやせんべいビルと呼ばれる建築物が景観上の問題となりました。バブル期に建設されたマンションには,京都という名前を付加価値とした投資目的のものもあり,都市居住,都市の活性化という課題に対して貢献するものではなかったと思います。 私が初当選させていただいた平成3年に,まちづくり審議会はこのような状況下で設置され,京都市の景観と土地利用に係るまちづくりの在り方について審議されました。この中で都心部は,調和を基調とする都心再生地区として職と住の適切な共存の下に優れた景観の形成と住環境の整備を必要とすると答申されました。この答申の効果は,バブル経済の崩壊に伴った地価の下落と相まって現在のマンション建設ラッシュを迎えたのでした。この結果,中京区の人口も21年ぶりに10万人を超えることになりましたが,景観面では従来の町並みにそぐわない建築物も出現し大きく変貌してきました。御池通や堀川通から入った通りでも31メートルのマンション建設が行われたのです。この都心部で,現在残っている町家等によって構成される歴史的町並みと調和した都市景観を創出していくことが重要な課題となっています。そこでお尋ねします。今,本市は桝本市長を先頭に京都創生に取り組んでいますが,田の字の内部の職住共存地区と呼ばれている地区について,今後どのような景観形成を目指そうとしているのか。またこの地区には今もマンション建設が続いていますが,そのデザインや色についても京都らしいものが必要であると考えますがいかがでしょうか。 次に京都創生を実現する上で景観問題と並んで重要な課題である交通問題について質問します。言うまでもなく京都の魅力を高めていく上からも,特に都心部における交通環境の改善は避けて通ることはできません。京都一の繁華街であり京町家が残る都心部は,京都の財産であり多くの観光客の皆さんを引き付ける魅力があります。そこに安心して歩ける空間を実現することは,京都の魅力アップに直結するものであると思います。このような観点から桝本市長が先月,1月4日の記者会見でも発表された都心部の交通問題について質問します。本市における交通の歴史を顧みると,明治28年に全国に先駆けて路面電車を開通して以来,市電と市バスが京都市民や観光客の貴重な足として親しまれてきました。しかし昭和40年代からのモータリゼーションの急速な進展と共に,本市では昭和48年にマイカー観光拒否宣言を出したり,交通環境の悪化と共に昭和53年に市電が全面廃止されるに至りました。 さて人がどのような手段で移動するのかを調べるパーソントリップ調査によると,昭和55年と平成12年の結果を比較すると,20年の間に徒歩の割合が36パーセントから24パーセントへと3分の2に減少し,自動車は16パーセントから25パーセントへ1.5倍に増えています。当然この結果,市内の道路では車の渋滞がひどくなっているのです。また繁華街である四条通では,歩道が南北に3.5メートルずつ7メートルあり,車道は片側2車線,両方で4車線で15メートルあります。この四条通は土曜,日曜,祝日は自動車は身動きがとれないぐらい渋滞しますが,休日の午前7時から午後7時までの12時間に通行する乗用車は1万2,000台だそうです。仮に1台に2人乗っていたとすれば,車道を利用した人は2万4,000人となります。一方,歩道は4万6,000人おられたそうです。面積では,車道は歩道の2倍の広さがあり,人の割合で見ればほぼ2分1なのです。効率でいえば,車道は歩道の4分の1しか利用されていないことになります。更に歩道には,自転車やバイクが不法駐輪されており歩きづらさに拍車を掛けています。自動車中心の社会は環境問題からも好ましくなく,観光客の不満に感じているもののトップが交通問題であるという結果からも憂うべき状況です。 このように過度に自動車に依存する社会は,あらゆる面でマイナス効果を生じさせており,今こそ交通問題を単に人や物の移動手段としてだけでなく,まちづくりの基本に据えて考えるべきです。18年度予算案に都心部における交通環境の改善に取り組むべく予算が計上されていますが,将来を見据えた重要な政策であると思います。念のために申しておきますが,市内の交通まちづくりを考えるとき市民生活や経済活動における都市間交通を支える大動脈は鉄道や自動車であり,そのためのインフラ整備はしっかりと進める必要があると思います。そのうえで徒歩や公共交通と自動車交通の適切な分担を行っていくことと,共産党の皆さんが言っているような歩くまちを盾にとって高速道路は必要ないという意見とは根本的に考え方が違うということを言っておきます。 そこで年頭の桝本市長の記者会見や予算案にも計上されている歩いて楽しいまちなか戦略についてお尋ねします。会見翌日の新聞記事では,マイカー排除といった言葉が踊っていましたが,今すぐ都心部からすべての自動車を完全に排除することは混乱をもたらし,余りにも影響が大きすぎ現実的でないと思います。例えば外国では40以上の都市で,一つの手法として幹線道路で一般の自動車の通行を規制して公共交通と歩行者の空間とするトランジットモールが実施されています。我が国では,観光シーズンに嵐山や東山地区で実施されているような社会実験としては行われていますが,大都市の中心部での実施例はなく様々な困難が予想されます。1月末に行われた交通調査を基に,来年度には関係者による協議会を設置し交通社会実験の実施を目指されているそうですが,この実験においても関係者の協力や合意なしでは実現は無理だろうと思います。どのような姿を目指して今後どのように進められるのかお答えください。それは単に社会実験だけなのか,それともいずれは恒常的なものと考えておられるのかどうでしょうか。 そして都心部の交通問題を考えるとき,自転車問題は避けて通ることができません。気軽に利用できて環境にも優しい自転車は,脱車社会の主役として脚光を浴びていますが,現実にはまち中の至る所に放置され,狭い歩道でも猛スピードで走ったり,走行禁止の四条通や河原町通でもお構いなしといったマナーが余りよくない乗り物になっているのも事実です。しかし自転車の利用を呼び掛けるなら,中心部に駐輪のためのスペースを確保することが必要です。土地がないから出来ないと言われるなら,広い御池通の歩道の利用なども考えるべきだし,都心部の大規模店舗に義務付けられている駐車場の設置を駐輪場に替えるなど本市の努力も求められています。歩いて楽しいまちづくりを進める上での自転車対策についてお答えください。 次にかねてから私が関心を持ち質問してきました外郭団体や第三セクターについてお尋ねします。本日は,18年度予算案において本市が99億円の債務保証をしようとしています京都御池地下街株式会社ゼスト御池について質問致します。NTT無利子貸付金等を活用して公的施設を民間に造らせ,その収益で建設資金を返済していこうという第三セクター方式は,公的資金の投入を最小限に抑え,民間の資金力,創意工夫,経営能力等を最大限に活用することができる制度として大いにもてはやされた時代もありました。しかし全国各地で幾つもの第三セクターが破綻しており,そういった報道を耳にする度に本市の第三セクターは大丈夫なのだろうかと心配していたのは,ここにいる議員も市民も皆同じだったと思います。(発言する者あり)第三セクター問題に関しては,その対応に莫大な税金を投入せざるを得なくなる危険性をはらんでいるため,当初から我が自由民主党議員団はこの方式を危惧し,従前から大胆な改革を要求してきたところであります。私自身も過去2度にわたり市会でこの問題を取り上げ,決して問題を先送りすることなく抜本的な改革を求めて参りました。特にここ市役所の目の前のゼスト御池への対応につきましては,私の地元ということもあり,平成13年の5月市会でもその改革を求めてきたところですが,今日に至るまで結果的に抜本的な改革がなされることはありませんでした。そして今回,桝本市長が熟慮に熟慮を重ねられた上での判断だとは思いますが,債務負担行為を設定して99億円を上限とした損失補償をすることが上程されています。そこで私は,市長が苦渋の決断のうえで提案された今回の対応についてお尋ね致します。 まず第三セクターで思い浮かぶのは,お隣の大阪市における相次ぐ特定調停や会社更生法による処理の例であります。最近の新聞にも大阪ドームの記事が大きく載っていましたが,改めて言うまでもなく金融機関等に債権の放棄を求めて,第三セクターの抱えている債務を返済が可能な程度まで軽減しようという手法ですが,ゼスト御池への対応に当たっては,こういう法的整理等の手法は検討されなかったのでしょうか。またこれらの第三セクターとゼスト御池にはどんな違いがあるのでしょうか。 次にゼスト御池は,地下駐車場事業はそれなりに順調だとお聞きしているものの,やはり課題は地下街の活性化であります。今日のゼスト御池の厳しい経営状況の一因は,当初から収支の見込みを誤り,地下街の収益が思うように上がっていないことだというのは誰しも思うところです。本市は,その責任を重く受け止め,改めて営業面の強化を図り地下街を活性化させていくことが何よりも改善への近道ではないでしょうか。地下街を活性化し収益が増えれば,借入金の完済も早まります。ゼスト御池の活性化方策についてどのようにお考えなのかお答えください。 また本市の第三セクターに対し,損失補償に係る債務負担行為の設定をするというのは初めての事例ではないものの,今回は20年間という長期にわたってであります。このような将来に責任を伴う重要な判断を我々も求められているわけですが,今回の予算案の提案では,損失補償が現実化する場面は起こらないということを十分にシミュレーションされた上でのものなのでしょうか。以上について今回の債務負担行為の設定を決断された桝本市長の思い,決意も含めて市民の皆さんに明らかにしてください。 次に教育問題,とりわけ教員養成についてお尋ねします。昨年12月に国の行政改革の重要方針が閣議決定され,児童生徒の減少に伴う自然減を上回る教員の純減を実施するとされ,給与についても,いわゆる人材確保法によって教員の給与が一般公務員よりも優遇されている措置について,廃止を含めた見直しを平成20年までに行うとされています。国家財政が破綻寸前の下では,見直しは当然とする意見もあるかとは思いますが,米百俵を言っておられた小泉内閣の下で閣議決定されたことについては,山積する様々な教育課題に多くの教員が昼夜を分かたず献身的に取り組んでいる本市の教員の姿を見ている一人として,また現場にいた一人として誠に残念に思います。しかし閣議決定された事実を率直に受け止め,今の公教育にとってどこが問題なのか分析する必要があると思います。 いずれにしても最終的には教育は人であります。教員にとって厳しい時代になる中で,情熱にあふれ使命感と責任感のある教員を養成することはますます重要となります。こうした中で本市では,団塊世代の教員が大量に退職する2007年問題も視野に入れ優れた教員の養成と確保を喫緊の課題と位置付けられ,現在38大学と協定を結び教員を目指す多くの学生をボランティアやインターンシップとして受け入れるとともに,今年の夏には,こうした教員を目指す大学生や社会人を対象に京都教師塾を開き,現場の実地体験研修なども採り入れ大学とも連携しながら人材の養成に乗り出すとのことです。また平成19年4月には,塔南高校に全国初となる教員養成学科を開設するなど着々と準備を進められています。私は,こうした教員を志す段階からの教員養成と同時に,現職教員についても更にパワーアップするような仕組みも整えながら大学のまち京都と教育先進都市京都の機能が連携するような取組を期待するものです。中央教育審議会の教員養成部会の委員も務められている門川教育長は,その重要性を十分認識されていると思います。今後,本市の現場教員の教員養成についてどのように取り組まれるのかお答えください。 次に障害者自立支援法の施行に伴う本市独自の利用者負担軽減策についてお尋ねします。障害者自立支援法は,障害者福祉施策の大改革であります。その理念は,障害のある方に対して,その人の心身の状況等に応じた生活全般にわたる支援をこれまで以上に充実させ障害のある人がもっと働ける社会に変えていこうとするなど,地域社会や職場で障害者が当たり前に存在し努力さえすれば自立して生活できる世の中に変えていこうとすることにあると思います。 そこでこの理念を現実のものに変えていこうとする際に大きな問題となるのは,その負担をどのように分かち合っていくかということです。国においてもこの問題については相当の議論がなされ,最終的には障害者にも掛かった費用の1割を応分に負担していただくことを原則としたうえで所得の多寡に応じた負担上限額を設けるなどの配慮が講じられました。国の基本的な部分,つまり障害者自らも制度を支えていく一員となり,所得の違いや障害の重さ,サービスを受ける頻度の違い等を踏まえたうえで一定の割合を負担していただくことは今後の基本的な考え方であろうと思います。しかし一方で,国の考え方を踏まえ地方それぞれの固有の状況に応じて実行していくために市長に提言等を行っていくのが我々の使命でもあると思います。 自由民主党京都市会議員団は,一気に国の考え方に従って負担していただくのが本市における障害者の自立に向けた生活を阻害しないのか,またこれまで実施されてきた本市独自の費用負担の減免や京都市におられる障害者の所得状況等を踏まえ配慮する必要がないのかということについて論議してきました。その過程で様々な障害者団体の代表の皆さんからも生の声をお聴きして参りました。例えば在宅福祉サービスや更生医療では,全体の95パーセント以上の方がこれまでは負担がない状況であり,国の考え方をそのまま適用すると余りにも急激な変化となり必要な医療を受けるのを差し控えるといったことになるのではないかという懸念も生じました。この懸念を昨年11月市会で決議を採択し,所管する保健福祉局には厳しい現実を踏まえた対応を行うよう障害者団体の皆さんと共に求めて参りました。その結果が今回の京都市独自の利用者負担軽減策であり,第1には,京都の障害者の実情を踏まえた負担額となり,自立した生活を推進していくのではないかということ。第2には,桝本市長と山田知事がしっかりと手を携え府市協調事業として京都府でも同様の減免措置が講じられることとなったことです。そこで障害者自立支援法施行を見据えて,今回独自の利用者負担軽減策を予算案に盛り込んだことなど障害者に対する支援推進に対する施策等について桝本市長の思いを含めてお答えください。 最後に現在工事が進められています地下鉄二条天神川建設工事についてお尋ね致します。地下鉄は,定時性に優れ大量輸送もでき,環境にも優しい公共交通機関であることは今更言うまでもありませんが,その整備に巨額の建設費が掛かり,特に東西線建設では当初見込額2,450億円が4,515億円と大幅に増え,それが本市財政に大きな影響を与えました。それは現在の地下鉄経営にも響き,平成16年度決算においても単年度で192億円の赤字を出し累積赤字も2,384億円に上り大変厳しいものがあります。しかし一昨年開通した東西線の六地蔵醍醐間では,この建設費膨張問題の教訓を生かし努力された結果,156億円の工事費の削減を達成されました。これは京都市の公共工事の歴史上特筆すべきことだと思います。更に現在建設中の二条天神川間の建設費については,交通水道委員会では削減に努力していると答弁されていましたが,18年度予算の中で,総建設費745億円の予定が220億円削減され525億円となる見込みとされました。これらの建設費の削減は,京都市民をはじめ厳しい財政状況の下にある京都市及び交通局にとっても喜ばしいことであると同時に,現在進められている地下鉄事業経営健全化計画を展開する上でも良い影響を及ぼすことになるでしょう。桝本市長を先頭に努力されてきた交通局の皆さんの成果と受け止め高く評価致します。 さて1月13日に交通水道委員会から建設現場に視察に行きました。天神川駅舎のプラットホームが建設されている様子や直径9.3メートルのトンネルが開通している状況など工事が順調に進んでいる様子を見て安心したのは私だけではなかったと思います。この天神川延伸工事については,平成19年度中,すなわち平成20年3月までに開通の予定ですが,開通後の地域の発展や交通の利便性の向上を願う中京区や右京区をはじめとする住民にとっては一日も早い開通を望んでいるところです。今後も無事故で工事に取り組まれることを強く求めるとともに一日も早い開通を目指して努力していただきますようお願いします。天神川延伸に向けた今後の見通しと決意についてお答えください。以上,私の第一質問を終わります。(拍手)
○議長(巻野渡) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
加藤盛司議員の御質問にお答え致します。 初めに都心部の景観形成についてでございます。田の字の内部,いわゆる職住共存地区につきましては,147万人の市民を擁する京都市の商業業務の中心地区であると同時に,京町家等の古い伝統建築や歴史的町並みが今なお残る歴史的都心地区であります。近年この地区において高層のマンション建設が盛んになり,京町家の消失とも相まって非常に残念なことにこの地区の歴史的風情が変容してきたことは
加藤盛司議員御指摘のとおりでございます。私は,この地区の景観形成については,第1に京都らしい歴史的な町並み景観,第2に都心における良好な居住環境,そして第3に都市としての活力,この三つの調和が重要なキーワードと考えております。このため平成15年に町並み整備審議会の答申を受け,美観地区の拡大など三つの法制度を組み合わせた京都市独自の方式によって,中高層建築物に対する建築規制の強化とにぎわい施設の誘導の仕組みを緊急に整備したところでございます。その成果は現れつつあるものの,高さの上限規制を変更していないことから歴史的町並みと調和した景観の保全,創出のための規制としては限界があったことは否めない事実でございます。そこで私は50年後,100年後の京都の将来を見据えた優れた景観形成のために更なる高さ規制等の見直しが必要と考えております。また建築物に対する評価は,高さのみでなく加藤議員御指摘のようにデザインや色彩も重要な要素となるものであります。この点において,歴史的町並みと調和した中高層の現代建築に対する明確なデザイン基準の策定が求められております。京都の景観問題は,時間との勝負,待ったなしであると認識しております。この3月には,時を超え光り輝く京都の景観づくり審議会から中間取りまとめをいただくこととなっております。その内容も踏まえながら,私は平成18年度にこの職住共存地区にふさわしい高さ規制の見直しと京都様式ともいうべきデザイン基準の策定に取り組んで参りたいと考えております。 次に歩いて楽しいまちなか戦略についてお答え致します。議員御指摘のとおり京都の魅力と活力が凝縮した歴史的都市において歩いて楽しい空間を実現することは,京都創生の取組との相乗効果で京都の魅力を更に高めるものでございます。そこで歩行者が主役の交通まちづくりを進めるため,来年度の早い時期に対象地域,すなわち四条通,河原町通,御池通,烏丸通に囲まれた地域の住民や商店街の皆様,交通事業者や京都府警をはじめとする関係機関に呼び掛けて協議会を設置致します。協議会では,過度に自動車に依存したライフスタイルや物流の仕組みを見直すことについて幅広い御意見をお聴きしながら合意形成を図り,具体的な施策化を視野に入れた交通社会実験を平成19年度に実施することを目指して参ります。その際,幹線道路において自動車交通を抑制し,歩行者と公共交通が共存するいわゆるトランジットモールは,私の思い描く姿の一つであり,その是非についても検討いただきたいと考えております。歩くまちの実現は,京都発展の命運を握る重要な政策でございます。単なる社会実験にとどまることなく,市民,事業者の皆様と力を合わせて全国の大都市のモデルとなる新しい都心部の交通まちづくり戦略に果敢に挑戦して参りたいと決意しております。 次にゼスト御池についてでございます。ただ今
加藤盛司議員から思いのこもった,また核心に触れる御質問をいただきました。私は今回,本市を代表するシンボルロードである御池通に展開する都市計画駐車場や地下街という市民の貴重な財産を将来にわたって守っていくため,熟慮を重ねたうえでゼスト御池の借換えに伴い本市が信用補完,すなわち損失補償の上限枠として債務負担行為を設定することと致しました。ゼスト御池は,累積赤字こそありますが,この2年連続黒字を計上するなど長期間にわたり借入金の返済を行っていくため経営改善努力を続けております。また他都市において破綻した第三セクターのような債務超過に陥っているわけでもありません。したがいまして法的整備等はなじまないだけでなく,結果的に地下駐車場や地下街の灯が消えてしまうこと,テナント入店者の13億円の保証金や71億円の本市の貸付金,出資金の回収もできなくなるなど多大な負担を強いることなどから採り得ないものと判断致しました。今回の措置は,本市の財政支出を伴うことなく,ゼスト御池の金利負担を20億円以上も軽減させることができ,同社の長期的な経営基盤の安定化に大きく資するものであります。また将来的な収益や金利負担を厳しく見積もるなど損失補償を現実化させないための十分なシミュレーション,検証を行ったうえでのものでございます。更に議員御指摘のように,思い切った活性化策を展開することこそ経営改善の近道であります。私は,市民の大切な財産である地下駐車場を守るため,ゼスト御池に対して大胆な活性化等を求めていくとともに規制の緩和など本市も積極的に支援して参りたいと考えております。私は,あらゆる要素を総合的に判断し京都市にとって,また市民にとって正に何が最善かという観点から信念を持って決断したところでございます。炯眼の士である各位の御理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 次に障害者自立支援法の施行に当たっての私の考え方でございます。私が求めている姿は,まず障害のある方自身が社会的援助の受け手としてだけでなく,自らが地域社会の一員として持てる能力を発揮し自立して生活していけるようにしていくことであります。更に社会全体としては,障害の有無にかかわらずすべての人が個人としての尊厳を保ち,共に暮らすことができるよう制度の仕組みを整えていくことであり,これがノーマライゼーションの実現であります。議員御指摘のとおり障害者自立支援法は,身体,知的,精神の3障害共通の枠組みとして障害のある方の社会生活全般を支援していくものであり,ノーマライゼーションの理念に基づいた今後の障害保健福祉施策の在り方を定めた大変有意義なものであります。一方,利用者負担につきましては,障害者団体の皆様からの強い要望や,それを受け止められた市会決議を十分に踏まえ市民生活をしっかりと守る観点から検討を重ねて参りました。この結果,国の考え方を基本とし,定率負担の上限額をおおむね国の2分の1とすることや,障害福祉サービスと自立支援医療等を重複して利用した際の負担を軽減する総合上限制度の創設など京都方式ともいうべき本市独自の画期的な制度を創設致しました。障害者自立支援法の施行に当たりましては,その理念に基づき障害保健福祉施策を着実に推進することはもとより,障害の有無にかかわらずすべての市民の皆さんがいつまでも京都に住み続けたいと実感いただける安らぎ先進都市京都の実現に向け全力で取り組んで参りたい決意でございます。 以下,毛利副市長,公営企業管理者,教育長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(巻野渡) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕
◎副市長(毛利信二)
行政評価システムが平成18年度予算編成に果たした役割についてお答えさせていただきます。まず事務事業評価におきましては,1,296の事務事業を対象としまして必要性や目標達成度,効率性などを丹念に吟味し,その4分の1に当たる333事業の見直しによりまして約43億円の財政効果を上げ,政策重点化枠に振り向ける貴重な財源をしっかりと確保することができました。また政策評価では,市民の生活実感調査におきまして,市民の皆さんが生活の安全と福祉を最も重要と考えられ施策として更に充実を求めるという結果が示されたところでございます。他方,データから評価しますと,この7年間で京町家が13パーセントも減少し,京都らしい町並みが大きく変容するなど景観の保全が急務であります。これらのことから平成18年度の政策重点化方針におきましては,歴史都市京都の創生と美しいまちづくり,安心安全で個性ある地域まちづくりをはじめとする六つの政策分野に重点を置くことと致しました。平成18年度の予算編成におきましては,事務事業評価によって生み出した限られた貴重な財源をこれら六つの政策分野に重点的に配分したところであり,
戦略的予算編成システムの中で正に
行政評価システムを予算編成にフルに活用したからこそ政策の選択と集中を一層徹底できたものと考えております。 次に市債残高についてでございます。本市では,投資的経費の抑制などにより議員御指摘のとおり市債発行の抑制指標でありますプライマリーバランスの黒字を確保し,適正な市債の発行と残高の抑制に努めているところであります。その結果,市債残高は,地方交付税の不足分の代替財源として平成13年度から発行を余儀なくされました臨時財政対策債と旧京北町から引き継いだ市債を除けば,この5年間で年平均0.2パーセント程度の増とほぼ横ばいにとどめております。また市債の発行に当たりましては,可能な限り有利な市債の活用に努めておりまして,元利償還金の半分近くが地方交付税で措置されることとなっております。更に今年度からは局別の市債残高なども明らかにしたところでありまして,今後ともこうした努力を重ねながら引き続き市債残高を適正に管理し,将来の財政運営に過度の負担とならないように努めて参ります。
○議長(巻野渡) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕
◎建設局長(中島康雄) 自転車対策についてお答え致します。本市におきましては,平成12年3月に策定致しました京都市自転車総合計画に基づき,自転車等駐車場整備をはじめとする自転車利用環境の整備と放置防止啓発や自転車等撤去の利用マナー,ルールの確立を両輪として放置自転車対策に取り組んでおります。これらの取組により市内全体で放置自転車数は減少傾向にございますが,都心部におきましては,依然として多くの自転車が路上に放置されており,歩いて楽しいまちの推進のためにも自転車等駐車場の確保が大きな課題となっております。都心部における用地の確保は難しい課題ではございますが,既存自転車駐車場の拡充や公共空間の活用等,様々な工夫をしながら駐輪スペースの確保を図って参りたいと考えております。 歩道を利用した自転車駐車場の確保につきましては,景観の観点を含め他都市の事例も参考にしながら調査研究して参ります。また集客施設の自転車駐車場につきましては,これまでに2万1,820台が設置され,放置自転車対策に効果が上がっております。今後は,対象施設の拡大や店舗面積の引下げ等の見直しによる付置義務の強化について検討して参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 島田公営企業管理者。 〔島田公営企業管理者登壇〕
◎公営企業管理者(島田與三右衞門) 地下鉄東西線の天神川延伸事業につきましてのお尋ねでございます。本事業につきましては,本市西部地域の発展に大きく寄与するものであり,議員御指摘のとおり早期の開通は地元をはじめすべての市民の皆様が待ち望んでおられるところでございます。建設工事につきましては,交通水道委員会で御視察いただきましたとおり,昨年12月には二条駅から天神川駅間の全区間のトンネルが開通するなど,土木工事はほぼ9割方完成し順調に進捗しております。また総建設費につきましては,かねてより桝本市長から六地蔵延伸工事並みの削減を行うよう強い指示をいただく中,徹底したコスト削減に取り組んで参りました結果,当初計画の745億円を525億円に削減できる見込みとなりました。今後行う軌道工事や駅設備等の工事においても引き続き削減の努力を行って参ります。 開通までの今後の見通しでございますが,当初の計画では,平成19年度中の開通と致しておりましたが,平成20年3月を待つまでもなく,できるだけ早期に開通できるよう工程の適切な管理と工事の安全管理を徹底し,市民の皆様の御期待にこたえるべく万全の体制で取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕
◎教育長(門川大作) 熱意と専門的指導力にあふれる教員の養成についてでありますが,2年前,全国の市長を代表して文部科学大臣の諮問会議の委員に就任されていた桝本市長が現場の教育実践に根差した大学での教員養成に取り組む専門職大学院の設置など抜本的な改革を提言され,現在私も参画している中央教育審議会で幅広い論議が進められております。 本市では,こうした改革の論議を先取りし,現在38の大学と協定を結び約1,200名もの学生が教育現場で実地体験などを深めるとともに,教育委員会主催の現職教員の研修やカリキュラム開発支援センターを大学生に開放するなど現場主義を貫く教員養成支援を進めております。また本年夏に学生,社会人を対象に本市独自に創設する京都教師塾や,来年4月に塔南高校に新設する全国初の教員養成学科は大学からも大きな関心と期待が寄せられております。こうした教職志望段階からの教員養成と共に,現職教員の専門性と実践的指導力を一層高めるため,現在,国で具体化が進められております教職大学院制度の発足も視野に入れながら,本年4月に教育委員会に教員養成支援室を新設致します。この支援室を中心に大学のまち京都の特性と学校現場の熱意あふれる教育実践や市民に支えられた教育先進都市京都ならではの一貫した教員養成を組織的,体系的に推進,支援し,優れた教員を輩出する教員養成都市京都の実現に全力を傾注して参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 加藤議員。 〔
加藤盛司議員登壇(拍手)〕
◆(
加藤盛司議員) ただ今,市長はじめ理事者から答弁をいただきました。その中で二つのことについて要望なり御意見を申し上げたいと思います。まず地下鉄の二条天神川間の開通問題でありますが,醍醐六地蔵間の工事のときに石田駅工区で出水事故がありました。それで工事が5箇月間止まりました。しかし結果的には,予定どおり開通にこぎ着けたわけであります。今この二条天神川間では,そういうトラブルがあったということは聞いておりません。ということは順調に進んでいると思うのですけれども,利用する中京区や右京区の住民は一日も早くその開通時期を迎えることを望んでおりますし,またその具体的な日時をはっきりさせていただきたいと思っております。 それとゼスト御池の問題ですが,市長から苦渋の,そして重大な決断を聞かせていただきました。今やゼスト御池も駐車場も市民の大切な財産であり,それを守ろうとされる市長の姿勢は分かりました。我々もこうした市長の姿勢を十分に重く受け止め責任を持って判断していくことを申し述べて,私の質疑を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(巻野渡) 次にせのお直樹議員に発言を許します。せのお議員。 〔せのお直樹議員登壇(拍手)〕
◆(せのお直樹議員) 西京区選出のせのお直樹です。私は,日本共産党京都市会議員団を代表して2006年度予算案について質問致します。 最初に予算案に対する市長の基本姿勢について伺います。小泉構造改革の一環である官から民へ,小さな政府の掛け声で進められた規制緩和万能路線の害悪が今次々に明らかになっています。マンション建設の耐震強度偽装事件は,国民に大きな衝撃を与えました。この事件の根本は,1998年の建築基準法改悪で建築確認を官から民へと言って民間検査機関に丸投げできるようにした規制緩和にあります。我が党は,法改悪の際,民間任せでは検査の公正,中立性の確保は困難になる。安かろう悪かろうという検査になると警告し,法改悪に厳しく反対致しましたが,この警告は現実のものとなりました。法改悪に賛成した自民,公明,民主などの責任は重大です。京都市でも建築確認審査が民間任せとなり,行政のチェック体制が不十分になっています。法改定までは,100パーセント行政の審査で実施していたものが5年後の2004年度には8,012件のうち228件,2.8パーセントにまで減少しました。建築確認を行う職員数は33名から17名にまで減っています。民間機関が建築確認した後に条例違反が分かった下鴨セレマの件では,葬儀場建設反対の住民運動が起こったため市が再調査して条例違反が判明しましたが,運動がなければそのままになっていたでしょう。正に規制緩和万能路線の弊害です。東横インの違反改築事件は,改めて行政によるチェック体制の充実が必要であることを示しました。ライブドア事件もその根本にあるのは規制緩和万能路線です。株式交換,株式分割,投資事業組合という三つの手法を組み合せて錬金術を行うというものであり,株式交換は99年の商法改正で導入され,株式分割は2001年施行の改正商法で自由勝手にできるようになったものです。 規制緩和万能路線は格差社会と貧困の広がりを進めています。生活保護世帯は,1997年と比較して全国で60万から100万世帯に増えました。教育扶助,就学援助を受けている児童生徒は6.6パーセントから12.8パーセントになっています。貯蓄ゼロの世帯は10パーセントから23.8パーセントにどれも激増しています。京都市においても,この5年間で生活保護世帯は1万8,700世帯から2万4,300世帯に増え,就学援助を受けている児童生徒数は5,000人増えて全体の2割近くになっています。市民生活はますます厳しさを増しています。大企業,財界は,正社員を減らし派遣,パートなど非正社員への置き換えを進め,労働者の3人に1人,若者の2人に1人は不安定雇用の下に置かれています。その8割は月収20万円未満という極端な低賃金です。格差社会と貧困の広がりの根本に派遣労働の自由化など小泉政権の進めた規制緩和万能路線があります。市長は,今の市民の厳しい暮らしの実態をどのように認識されていますか。小泉政権の進める構造改革路線とその一環である規制緩和万能路線をどのように評価されていますかお答えください。 地方自治体の責務は,住民の福祉の増進を図ることです。来年度予算案が,京都市が本来の役割を発揮し市民の暮らしを守る内容になっているのか,その点が大きく問われています。17年度の予算では,保育料の値上げ,敬老乗車証の有料化,公共施設の使用料など31項目で総額14億円,国民健康保険料で8億円,障害者医療の有料化で2億円などの市民負担増が強行され,市営葬儀の廃止など56億円もの
市民サービスがカットされました。保育料では,国基準を超える負担の世帯も出ました。国保料が2倍,3倍に跳ね上がったと通知を持った市民ら2万6,000人が区役所に殺到致しました。敬老乗車証の有料化によって交付率は有料化する前の年の71パーセントから58パーセントにまで落ち込みました。前年比で2万5,000人以上のお年寄りが敬老乗車証をあきらめたことは重大です。小児慢性特定疾患無料制度廃止では,1箇月以上入院の対象者は市の現行制度を継続するとされましたが,市の予想を大幅に下回り,助成利用はたった7件となりました。助成を受けられなくなったぜん息の子供さんの重症化が本当に心配されます。学校運営費の削減で授業になくてはならない実習教材費を半分に減らさざるを得なくなった学校も生じています。 市民,関係者の反対の声に冷たく背を向けて強行された
市民サービスの切捨てによる影響は,私たちが指摘したとおりになっています。これらの実態を見れば,これ以上の市民負担増や
市民サービスのカットが許されるものでないことは明らかです。ところが来年度予算案では,一般家庭ごみの有料化半年分で10億円,学童保育所の利用料の値上げで5,600万円,芸術大学の授業料値上げで1,500万円の市民負担増をはじめ,民間保育所等維持補修費の前年比3,500万円の削減,障害者自立支援法施行に伴い本市独自の事業予算を削減するなど市民負担増と
市民サービスのカットが目白押しです。京都会館をはじめとする各種の施設の利用料は,今年度値上げされましたが,値上げ分は施設改善に使うと説明していたのに多くの施設で運営費がカットされており,市民をだますものです。事務事業の見直しでサービスカットも含め43億円も縮小されています。この予算案は耐え難い痛みを市民に押し付け市民生活に重大な影響を与えます。 小泉内閣の2006年度予算案では,定率減税の半減に続く全廃で働き盛りの世代に総額3兆3,000億円の増税を背負わせ,医療制度を改悪して高齢者の医療費自己負担を現行の1,2割から2,3割への引上げを計画しています。定率減税の廃止で平均収入年収600万円程度の世帯の増税率は2割を超え,4人家族で6万円弱の増税になります。また消費税率引上げも取りざたされています。既に実施された税制改正により来年度は,増税が市民生活に大きくのし掛かります。市民税への影響は,定率減税の半減で26億円,老年者控除で11億円,年金本体の控除の縮小で4億円,総額41億円を超える規模の庶民増税であり保険料などへの影響も出ます。市長,あなたは国による市民負担増の計画を知りながらも,新たな負担を市民に押し付けるつもりなのですか。市民の暮らしを守る立場で国の増税路線に明確に反対の意思を示し,市による市民への負担の押し付けはやめるべきではありませんか。御答弁ください。 一昨年,京都市は,市政改革実行プラン,財政健全化プランなど3プランを公表し,職員削減,民間活力導入の推進,4年間で総額400億円の
市民サービス予算削減,都市再生法の活用などの方向が示されました。日本共産党議員団は,これらは行政の仕事の民間開放を促進し市民に自立,自助を強要して公的役割の後退と公共サービスを削減し市民負担増を推し進め,民間投資の呼び込みによる開発を進めるものであると指摘してきましたが,この2年間でその指摘の正しさが証明されました。予算案には,御池地下街株式会社に対する94億円の損失補償と店舗改装のために新たに5億円を投入する救済策を打ち出していますが,民間活力導入のうたい文句で進められた開発型の第三セクターの破綻が一層明らかになったものです。失政の付けを市民に押し付けることは許されません。プランでは,今後2008年度までに毎年80億円,120億円,160億円と削減額を拡大することになっています。更にせんだって発表された
集中改革プランでは,計画年度を上積みし更に
市民サービスの切捨てと職員リストラを進めるものとなっています。これ以上の市民への痛みの押し付けは絶対に認められません。これら市民
サービス切捨てのプランは撤回すべきです。併せてお答えください。 今回,家庭ごみの有料化が提案されています。しかしこれは二重三重に市民を欺くものです。その第1は,市民の意見を聴くという点で極めて不十分であり,しかも当局による意見の集計結果は,有料化ありきで意図的にゆがめられているからです。市の集計結果でも,市内212会場で行われた意見交換会での発言では,否定的な意見が1,324件,肯定的な意見が554件と圧倒的に反対意見の方が多くなっています。また意見募集,パブリックコメントでの意見件数でも否定的が2,342件で肯定的が2,244件と否定的が上回っています。意見数では,肯定的が否定的を上回っているというのが当局の言い分でありますが,市の集計結果は,有料化に導くため事実をねじ曲げた作為的なものです。ある主婦の方は,不法投棄が増えることや経済的な負担などを理由に,有料指定袋については結局反対ですと書いておられます。それなのに市の集計結果では,この意見が賛成に入れられています。(発言する者あり)また分類できない意見として集計されている中にも反対の意見が多くありました。これでは結果の偽装,粉飾結果ではありませんか。有料化ありきで事実をねじ曲げての提案は絶対に認められません。 2点目は,有料化ではごみは減らないということです。当局は,有料化でごみが減ることは他都市の例で証明されていると言いますが,他都市でごみが減らせているのは分別やリサイクルを進めているからです。また行政が住民との対話を進め,ごみ減量への意識改革を進めているからです。有料化だけでごみを減らした所などありません。逆に横浜市や名古屋市で分別リサイクルを進めて焼却するごみを減らしている実践は,有料化しなくてもごみを減らせることを雄弁に物語っています。やるべきことをやらずに有料化だけを押し付けることは絶対に許せません。 三つ目は,厳しい市民生活を省みない負担の押し付けだという点です。45リットルのごみ袋を1回につき2袋,週に2回出している御家庭では年間1万円もの負担になります。国が増税路線を突き進んでいるときこそ市民の暮らしを守る立場で頑張るのが地方自治体の役割ではないでしょうか。市長は,常に市民とのパートナーシップを言われますが,提案までの経過のどこにパートナーシップがあるのですか。家庭ごみの有料化提案は撤回し,市民との徹底した対話と分別リサイクルを進めるべきです。御答弁ください。 市民に負担を押し付ける一方で無駄遣いが進められています。予算案では,焼却灰溶融炉施設建設費で昨年の34億8,000万円に続いて37億3,000万円が計上されていますが,この施設は,全国でも爆発事故などが頻発しており安全性すら確立していないものです。専門家からは溶解時にダイオキシン類が再合成される危険性も指摘されています。焼却灰溶融炉は,北部クリーンセンター建設を国が認めるに当たって抱き合わせに押し付けてきたものです。総額230億円,ランニングコストだけで年間18億円で市財政を大きく圧迫します。この施設を造れば最終処分場が長持ちすると言いますが,安全面でもコスト面でも建設に踏み切れる前提を満たしてはいません。しかも昨年5月に京都市が国に提出した循環型社会形成推進地域計画には,溶融炉建設と同時に家庭ごみの有料化が既に明記されています。この両者は,いずれも国が全国の自治体に働き掛けて誘導しているものです。クリーンセンターの建設費を獲得せんがために溶融炉建設を引き受ける。今度は,溶融炉建設費を要求する傍らで一般家庭ごみの有料化を国に約束する。ここには住民不在で国言いなり,平気で市民に負担を押し付ける無責任な国と京都市の姿がはっきりと示されています。分別リサイクルなどやるべきことをやらずに家庭ごみの有料化を押し付け,そのうえ不要不急の無駄な施設を建設することは認められません。こんな施設を造らなくても分別リサイクルなどの徹底でごみを減らせば最終処分場の延命も十分に可能です。安全性も確立しておらず,膨大な建設費とランニングコストで市財政を圧迫する焼却灰溶融炉建設はやめるべきです。答弁を求めます。 市民負担増,
サービス切捨ての一方で,京都市と国,京都府一体で進めている京都高速道路建設に予算案で89億円も盛り込まれていることは重大です。五つの路線のうち油小路線の斜久世橋区間は,京都市が街路建設事業として引き受けることになり,事業費270億円のうち56億円が市の負担になるとのことです。京都府も12億円負担するとしています。この斜久世橋区間の整備費として来年度予算案には62億7,000万円も計上されています。ランプつまり進入路の工事も京都市がすることになっており,工事費320億円のうち来年度予算案で6億3,000万円が計上されています。建設中の新十条通と油小路線だけで京都市は既に出資金として93億円も負担しておりますが,予算案では更に17億円を計上し出資総額は110億円になります。出資金の負担率は引き上げられており,市の負担は膨張する一方です。まだ着手していない3路線は,本体工事だけで2,900億円必要だということですが,久世橋通の全長3キロメートルを超える膨大な用地買収費は別に必要ですし,名神高速道路とのジャンクションまで考え合わせたら市の財政がどんなことになってしまうのか想像に難くありません。京都高速道路建設が市の財政を圧迫し市民の暮らしに重大な影響を与えることは明らかです。阪神高速道路株式会社も新規3路線はやらないと言っています。現在建設中の2路線については凍結,見直しを行い,残る3路線については,早急に計画を白紙に戻して市民の暮らし優先の税金の使い方に転換すべきです。明確な御答弁を求めます。 京都市と国,京都府が一体となって進めているのは公共事業の無駄遣いだけではありません。市民の願いに背を向けるという点でも三者一体の姿が明確になっています。府民本位の新しい民主府政をつくる会は,昨年,府内全域対象の府民アンケートを行いました。今日までに寄せられた回答は3万1,000通を超えます。回答では,今の府政について大いに不満が30パーセント,少し不満が30パーセント,合わせて60パーセント,大いに満足,ある程度満足の合計の18パーセントをはるかに上回っています。今の府政に対して圧倒的多数の府民の皆さんが不満を持っていることが示されています。しかしこれは京都府の問題としてのみ捉えることはできません。なぜならばアンケートに回答したうちの6割以上が京都市民だからです。アンケートに回答したうちの6割が京都市民であることを考えると,京都府政への不満は同時に京都市政への不満として表れていると見るのが正確です。子供たちの成長や教育に関する施策の評価でも,大いに不満と少し不満で50パーセントを超え,大いに満足,ある程度満足はわずか17パーセントです。特に子育て世代では,大いに不満が第1位でした。子供たちの成長や教育に望むことの第1位は,医療費無料化の充実拡大で,市民の切実な願いであることが改めて浮き彫りになりました。しかし国はどうでしょう。少子化対策を叫ぶも国民の願いにまともにこたえてはいません。また京都府の自治体への援助も極めて不十分です。京都市は通院についても就学前まで拡充したとしていますが,月8,000円を超える分だけで府に倣えです。財政が厳しい,国,府の動向を見てと言われても市民は納得しません。国と京都府,京都市が一体となって市民の願いに背を向けていることは大問題です。 高齢者が安心して暮らせるための京都府の施策についての結果では,この問題に直面してくる40,50,60歳代では大いに不満が第1位で,安心して暮らせるために何を望まれますかの問いに対しては,第1位が医療制度の充実で48パーセント,続いて在宅介護サービスの充実が33パーセントとなっています。京都府政に優先的に取り組んでほしいものでは,第1位が国民健康保険,介護保険の負担を軽くするで61パーセント,第2位は医療,福祉,保健のサービスなどの充実で56パーセントと,暮らしの中の問題でもとりわけ命に直接かかわる項目に府民の要求が集中しています。この間,小泉構造改革による痛みの押し付けで市民負担は増大しており,市民負担の軽減,暮らしの応援は待ったなしであることがよく分かります。ところがこの間,京都府は生活保護世帯への夏季歳末見舞金の廃止,老人福祉対策事業費の44パーセントカットなどを行い,住民の反対を押し切って洛東病院を廃止しました。京都市も生活保護の見舞金を廃止し,低所得者を直撃する国保料の引上げを行いました。国民健康保険証の事実上の取上げである資格証明書の発行は,2000年の2,262世帯から2005年は3,640世帯,この5年で何と1.5倍以上に増えています。京都市内での話です。敬老乗車証有料化による影響は先ほども述べたとおりです。この点でも国と府,市による負担増と福祉の切捨てが進められています。市長は,民主府政の会のアンケートに寄せられた住民の願いを真摯に受け止めるべきです。具体的な要望として一層明らかになった子供の医療費助成制度の充実拡充を進め,国民健康保険料を払える額にして短期証,資格証明書の発行をやめ,正規の保険証を市民に渡し医療を受ける権利をみんなに等しく保障すべきです。御答弁願います。 府民アンケートでは,民間企業従業員5人以上の経営者の所で中小商工業者の支援,青年などの雇用対策をはじめとした経済対策が要望の第1位になっています。自由記入欄には,友禅関係の仕事をしているが景気が悪く昇給はもちろん賞与もない。後継者はここ15年ほど入社していない。何とかならないか。京都には誇れる産業が多くあるが,安価な労働力で国内より安価な製品が作られ,技術を子供に託すのも無理。伝統産業,地域の業者を守ってほしいなど切実な声が多く寄せられています。 小泉内閣の構造改革路線は,中小零細企業と地域経済に深刻な打撃を与えています。不良債権処理の号令での貸渋り,貸はがしの横行,規制緩和による大型店の野放図な出店,大企業による下請切捨て,消費落ち込みによる経営への圧迫などで年間4,000人を超える中小零細企業の経営者が経済苦などから自殺に追い込まれていることは痛ましい異常な事態です。一方で国の中小企業予算は,今年度わずか1,730億円。米軍への思いやり予算にも満たないものです。大企業への手厚い補助金や開発支援に比べても微々たるものでしかありません。京都府はどうでしょうか。企業誘致補助金が1社当たり5億円から20億円と4倍に引き上げ実行しながら,京都で3万人が働く和装,伝統産業の予算は前年の半分2億2,000万円に引き下げて雇用対策予算を大幅に削減しています。 京都市の伝統産業予算も,その位置付けや役割からいえば極めて不十分であり,国の緊急雇用対策事業が始まる前の99年度で3億2,220万円あったのが今年度は1億7,638万円と半減しています。来年度予算案でも京ものファン創出事業など新規事業はあるものの,伝統産業技術の保存育成の予算が減額されているなど,市民,関係者の要望にこたえるものとはなっていません。その傍らで南部開発,キリンビール跡地開発など呼び込み型の開発には熱心です。経済対策でも,国と京都府,京都市の3者による地元業者いじめが進んでいます。大企業優遇,開発優先ではなく中小零細,伝統地場産業を振興するために抜本的な対策の強化が必要です。京都市が実施した市政総合アンケートでも9割以上が伝統産業に魅力を感じていると答え,市が取り組むべき対策では後継者育成が63パーセントに及びました。来年度予算は,伝統産業活性化推進条例制定後初めての予算であり関係者も市民も注目しています。条例を実効あるものにするため,伝統的工芸品72品目について就業状況等を含む実態調査を行い関係者の声を十分に聴いて実効ある振興計画指針を策定すべきです。また技術の継承,後継者育成を進めるため,適正な工賃など経営や労働環境を整えるための施策を講じること,伝統地場産業製品の海外生産,逆輸入の実態把握を行い,規制,原産国表示義務付けを国に求め,同時に本市独自の行政指導を行うこと,そして振興策を進めるため伝統産業予算を大幅に増額すべきです。いかがですか。 昨年の9月議会で我が党は,緊急に求められる伝統地場産業支援策として,大量の重油を使用する友禅の蒸し水洗,黒染めの業界などに対して都市ガスへの転換をするに当たって国の天然ガス化推進補助事業も活用した新たな助成制度の創設を提案しました。また11月議会では,京都議定書発祥の本市こそ国の補助事業に上乗せして効果的な支援策を実施すべきと求めました。1月28日のサンケイ新聞夕刊でも,昨年13社あった蒸し水洗業者が昨年末に1社廃業し,今月更に2社が廃業に追い込まれる見込みと報道しています。深刻な実態として南区の業者の実例が出されておりました。年間売上げが700万円で,160万円ほどだった重油が廃業前には300万円にもなっていたとのことでした。ガスへ転換していれば200万円程度の燃料費になったはずです。もっと早い段階で市としての対応がなされていればと悔やまれます。一刻の猶予も許されません。市として早急に対策を講じるべきです。併せてお答えください。 京都府内での大型店出店ラッシュの商店,商店街への影響はますます深刻になっています。私の地元西京区,洛西ニュータウンは中央にラクセーヌ,高島屋があり,学区ごとにある4箇所のサブセンターが身近に買物ができる場所として位置付けられています。ところが周辺での大型店出店の影響も受け,4箇所のうち3箇所でスーパーが廃業し買物ができなくなっています。急速に高齢化する洛西にあって極めて深刻な事態です。その近隣に8万平米もの大型商業施設がキリンビール跡地に造られたらどうなるでしょうか。ラクセーヌの存在すら危うくなるのではないでしょうか。個人商店,商店街は幾ら消費者のニーズにこたえる努力をしても大きな資本力を持つ大型店に太刀打ちできません。中京区にある西新道錦会商店街と壬生京極会商店街は,高齢者への給食サービス,ファクスやインターネットを利用した宅配サービスなど活性化に努力し地域にも貢献している商店街ですが,この10年間に周辺500メートルから700メートル以内に大型店7店舗が出店し大苦戦を余儀なくされています。 2000年に中心市街地活性化法,改正都市計画法,大店立地法のまちづくり三法が施行されましたが,大店法の廃止で需給調整ができなくなりました。その結果,大型店の出店は野放しで増え続けています。内閣府の世論調査でも6割の人が大型店への規制が必要と答えています。2004年7月には,日本商工会議所など中小企業4団体がまちづくり三法の抜本的見直しの要望をまとめ,市場主義の行きすぎにより,コミュニティの衰退,伝統文化の継承の困難,治安や青少年問題の深刻化,高齢者の生活の不便など社会問題が増大していると告発しました。政府は,今国会に都市計画法の改正案を提出し,同法に基づき出店規制を厳しくする方向で検討を進めていますが,需給調整は含まれていません。まちづくり三法の見直しに当たっては,京都市内においても実効あるものとなるよう地域的な需給調整を可能とするよう国に求めるべきです。また事実上の大型店誘致策である商業集積ガイドプラン,京都市まちづくり条例を大型店出店を規制するものに見直し,大型店撤退についてもルール化を図るべきです。御答弁ください。8万平米もの大型商業施設計画を含むキリンビール跡地開発は,中心市街地の空洞化,荒廃を招くものであり,西京区,洛西も含めた商店,商店街に大きな打撃を与えてまち壊しを進めるものです。今回の三法見直しにも逆行する計画ではありませんか。計画を白紙に戻し跡地開発にストップを掛けるべきです。お答えください。 次に同和問題です。繰り返し特別扱いをやめるように市会決議を上げているにもかかわらず依然として継続していることは正に議会軽視,市民無視と言わざるを得ません。昨年11月議会で上げた同和行政の完全終結を求める決議を正面から受け止め即刻改善し廃止すべきです。同和奨学金は,来年度廃止としていますが,今,受給している生徒が卒業する2009年まで続きます。奨学金返済の肩代わりである自立促進援助金は2029年まで続き,京都市の支出は48億5,000万円,来年度予算案では5億円が準備されています。こんなひどい特別扱いがあるでしょうか。更に昨年の11月議会では,改良住宅に住む65歳以上の高齢者,身体障害者に対する無料の住宅改修制度が2000年に創設され現在も続いていることが明らかになりました。所得制限もなく,昨年で160件,約2,000万円支出されていました。事もあろうに同和施策の終結が宣言される直前にこの制度は作られているのです。終結とは名ばかりであったことが一層明らかになりました。保健所分室の問題では,養正分室では一部初期医療として医師が診察し,薬まで無料で出しています。市立浴場の入浴料金は見直しているというものの,民間の370円に対して260円,高齢者には無料の入浴券がいまだに配付されています。コミュニティセンターは一般開放されたというものの,旧同和地区優先の差別的使用条件が温存されています。このような特別扱いは即刻やめるべきです。それぞれについてはっきりとお答えください。 最後に平和の施策について質問します。京都市無防備・平和都市条例の制定を求める4万1,125筆の署名を受けて臨時議会が開かれました。この運動は,市民の平和への願いがいかに強いかを示したものでした。政府が憲法9条を変えて日本を戦争に参加できる国に作り替えようとし,アメリカと一体となっての軍事機能の強化を進める米軍再編の動きも強まる中でのこの運動は,憲法9条を守りたいと願う広範な人々と結ぶ貴重な取組だったと思います。残念ながら我が党だけの賛成で否決されましたが,市長も議会も市民の平和への願いを真摯に受け止めるべきだと思います。市長意見では,条例案に賛成できない理由として,平和,文化財保護の取組は既に実施しているということが挙げられていました。ところが実際には,戦後60年の節目の取組は一切行われておらず,中央図書館の平和関連図書コーナーも期間限定で常設されておらず,被爆者団体への補助金がこの間削減されているなど平和への取組は他都市と比べても不十分であることが明らかになりました。平和への取組は既に行っているというなら市民が納得できるものにしなくてはなりません。平和の取組は,来年度予算案でどのように進められているのですか。また被爆者団体などに対する補助金を復活すべきですが,いかがですかお答えください。今年は憲法が公布されて60年,来年は施行されて60年の節目が続きます。改めて市長が憲法改悪反対の姿勢をはっきりと示されることを求めて私の第一質問を終わります。(拍手)
○議長(巻野渡) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) せのお直樹議員の御質問にお答え致します。 初めに国の構造改革に関するお尋ねでございます。小泉内閣においては,日本経済再生のシナリオとして平成13年6月に骨太の方針を示して以来,これまで金融システム改革,税制改革,歳出改革,規制改革など我が国の構造改革を進めてこられました。経済の構造改革と企業の自助努力とが相まって我が国の経済は,バブル経済の崩壊以降続いてきた長い停滞からようやく脱しつつあり,加えて本市独自のきめ細やかな景気対策の実施により京都を取り巻く景気動向も雇用情勢を含めて明るい兆しが見えて参りました。本市における構造改革特区の仕組みを活用した具体的な取組と致しましては,不登校生徒学習支援特区など全国をリードする目覚ましい成果を上げておりますが,その一方で乗合バス事業の自由化が不採算路線を脅かすなど規制緩和はすべての分野において効果を発揮するものではありません。私は,乗合バス事業の規制緩和については,公営交通の存続を危うくするものとして一貫して反対して参りましたが,法令が改正された以上,これに現実的に対処するため管理の受委託や小型バス,ジャンボタクシー代替モデル実証実験などあらゆる手立てを講じて市民の足を守って参りました。我が国が引き続き活力のある国家として発展していくためには,今後とも構造改革やその一環である規制緩和を進めていくことが必要でありますが,その際は,国民生活の安心安全が確保されたものとなるよう公民の役割分担を十分吟味し,セーフティネットにもきめ細かく配慮しながら進めていくことが重要であると考えております。 次に市民負担についてでございます。右肩上がりの経済成長が期待できない成熟社会においては,今後も高品質で満足度の高い
市民サービスを安定的に供給するため,サービスに応じた適正な市民負担をお願いすることは避けて通れないものと考えております。一方,私は,市長就任以来,福祉,教育は断じて後退させないとの強い決意で市政運営に臨んで参りました。このため適正な市民負担を求める際にも,これまでから例えば一般会計からの財政支援による国民健康保険料や地下鉄運賃の改定率の抑制など市民生活に可能な限りの配慮を尽くして参りました。更に平成18年度予算におきましても,障害のある市民のセーフティネットとして障害者自立支援法施行に伴う1割負担の導入に対する本市独自のいわば京都方式の負担軽減策の創設や市会の先生方の御意見,市民の皆様との意見交換会での御指摘等を踏まえた有料指定袋の低価格化などきめ細かな対策を講じることと致しております。 国における税制や社会保障制度の改革につきましては,少子長寿化の急速な進展や人口減少社会の到来など我が国の経済社会構造の劇的な変化に的確に対応し,持続可能な社会の構築を図る上ではやむを得ないものと認識致しております。今後の制度改革につきましても,歳出改革を徹底しつつなお必要となる社会共通の費用を広く公平に分かち合うとの観点から国民的論議を尽くしたうえで社会経済状況も十分踏まえつつ取り組むべきものと考えております。 次に京都市
集中改革プラン等についてでございます。本市では,これまで10年以上にわたり全庁挙げて積極果敢に改革に取り組んで参ったところであり,その取組は,他の都市のモデルケースとして高い評価を得ております。しかしながら,景気に明るい兆しが見え始めてはいるものの,本市の厳しい財政状況は,まだまだ続くと想定されます。また人口減少社会の到来や団塊の世代の大量退職など新たな環境の変化を迎えており,これからの5年,10年の改革の取組が京都市の将来を大きく左右すると言っても過言ではございません。このため市政改革実行プラン及び財政健全化プランに引き続きしっかり取り組むとともに,この度この二つのプランを補強するものとして
集中改革プランを策定し公表致しました。市政改革は,社会経済環境の変化に的確に対応して市民福祉の増進や明日の京都にとって今必要な施策の推進を図るため行財政運営方式や施策,制度等を見直していくものであり,京都市におきましては,全国的にもその先進性を評価されている京都市版
行政評価システムを用いて市民の皆様の御意見を採り入れながら施策の選択と集中の徹底に努めているところでございます。今後とも京都市民の皆様に京都に住んでいて良かったと実感していただける時を超え美しく人輝く歴史都市京都の創生に向け更なる改革を推進して参ります。 以下,副市長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(巻野渡) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは有料指定袋制の導入についてお答え致します。この豊穣な地球環境を良好な状態で次の世代に引き継ぐためには,脱温暖化社会,循環型社会の構築が重要であります。こうした認識の下,ごみの減量に極めて効果的な有料指定袋制の導入をこの度自信を持って御提案したところでございます。提案に際しては,1年数箇月にわたる審議会での慎重な御議論を経てまとめられました答申を尊重し,本市では前例のない市内各学区等における意見交換会の開催や市民意見募集など様々な機会を通じて広く市民の皆様に御説明し多くの御意見をいただきました。これらの御意見を可能な限り採り入れ最終方針を決定したところでございます。今後ともこうした市民の皆様とのパートナーシップをより一層深め,ごみの減量に向けた取組を進めて参ります。また本市では,従来から他都市と遜色のない分別リサイクルの取組を進めており,今後とも更なる品目の拡大などに取り組んで参ります。 なお市民意見等の集計は事実をねじ曲げたものだとの指摘がありましたが,そうしたことは全く行っておりません。(発言する者あり)パブリックコメントでは肯定的な意見が多数であったことは,厚生委員会等で御報告申し上げましたとおりでございますので,この場でこのことについて明確にしておきたいと思います。以上でございます。(発言する者あり)
○議長(巻野渡) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕
◎副市長(毛利信二) キリンビール京都工場の跡地開発についてでございますが,この跡地は,本市の都市計画マスタープランや都市再生緊急整備地域の地域整備方針におきまして,交通の利便性を生かした複合的な都市機能の導入による新たな拠点を形成する地区として位置付け,商業集積ガイドプランとの適合に配慮しながら京都市南西部の活性化に資するプロジェクトとなるように誘導してきたものでございます。今回の都市計画法等の改正案でも,新しい地区計画制度の活用など都市計画手続を経ることによりまして工場跡地のような工業地域でも大規模集客施設の立地が可能とされております。本市におきましては,今後ともJR新駅や必要な都市基盤の整備を着実に進めますとともに,本開発に関しこれまでの方針に沿ってにぎわいと潤いのあるまちづくりの実現に積極的に取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕
◎副市長(星川茂一) 私からは3点についてお答え致します。まず大型店対策についてでございます。現在,通常国会に提案されておりますまちづくり三法の改正法案は,少子長寿化社会の到来を見据えまして様々な都市機能を都心に集約し中心市街地の活性化を図ることを目的としたものであり,これまでの商業調整を行わないという政策の方向性が継続される一方で,一部地域において大規模集客施設の立地規制が行われることとなっております。京都市と致しましては,今後法案審議を注意深く見守りながら,改正都市計画法と京都市商業集積ガイドプランとの整合を図りつつ引き続きこれを適正に運用することにより京都のまちづくりにとりまして望ましい商業集積の実現に努めて参ります。更にこれと併せまして,地域を支える商業者を積極的に支援し消費者に支持される商業の振興に取り組んで参ります。なお大型店が撤退する際の地元対応等につきましては,基本的には企業の社会的責任の一環として自主的に対応されるべきものと認識致しております。 次に同和施策についてお答え致します。京都市では,平成13年度末をもって特別施策としての
同和対策事業を終結致したところでございますが,昨年11月市会において経過措置事業以外のもので特別施策的な事業の存在が指摘され,同和行政の完全終結を求める決議がなされましたことにつきましては大変重く受け止めております。この間,特別施策としての
同和対策事業の終結という本市の方針の下,また市長の強い指示を受けまして全庁的な点検を行い,決議で御指摘の事業につきましても再度見直しを図って参りました。その結果,この度指摘のありました改良住宅の高齢者向けの住戸改善につきましては,今年度末で直ちに廃止し一般事業化することと致しております。その他一保健所分室における夜間の健康相談事業につきましても,現在廃止,見直しに向けて取り組んでいるところでございます。また市立浴場入浴料金につきましては,今後年次的に民間料金との格差解消に努めて参ります。なおコミュニティセンターの活用及び保健所分室における一般の健康相談事業につきましては,周辺地域の皆さんの利用にも供し一般施策として運用しているものでございます。今後交流を促進するためにもより一層の利用の拡大が図られるよう方策を講じて参ります。(発言する者あり) また平成18年度末で廃止する就学奨励金と一体のものとして運営して参りました自立促進援助金につきましては,平成16年度に見直した要綱に基づきまして,制度上必要な期間,適正厳格に運用して参ります。なお,ただ今御指摘のありました今後48億円の支出という御指摘の援助金につきましては,そのまま市に返還されるものでございまして,新たな財政負担となるものではございませんので,念のため申し添えさせていただきます。(発言する者あり) 最後に平和に関する施策についてでございます。京都市では,昭和25年の京都国際文化観光都市建設法の制定以来,戦後一貫して平和を都市の基本理念として参りました。この理念の下,これまで戦争の悲惨さや平和の尊さを次の世代に伝えるための平和理念の普及啓発や学校での平和教育,外国の方々との相互理解を図るための国際交流など平和に寄与する様々な取組を行って参っております。更に軍縮や核兵器廃絶などを議論する国連軍縮会議をこれまでに6回京都市に誘致,開催致しましたほか,平成6年度に京都で開催致しました第4回世界歴史都市会議において,世界平和の達成に貢献できることを願い世界歴史都市連盟を設立,昨年10月には連盟の総会におきまして桝本市長が提案した平和メッセージを世界に向けて発信するなど世界の都市を先導する取組を行って参りました。平成18年度におきましても,こうした取組を継承しつつ,国際交流の諸事業や市政の様々な行事,機会を捉えまして人類共通の願いである世界の恒久平和の実現に向け市民の皆様と共に努力して参ります。 なお被爆者団体の補助金につきましては,国の援護事業とは別に本市が独自に実施して参ったものでございますが,全市的な補助金改革の一環として減額したものでございまして,残念ながら,現時点での減額前の補助金の復活は困難な状況でございます。以上でございます。
○議長(巻野渡) 高橋環境局長。 〔高橋環境局長登壇〕
◎環境局長(高橋修) 焼却灰溶融施設の整備についてお答え致します。焼却灰溶融施設は,クリーンセンターの焼却灰を高温で溶融することによってその容積を半減させるとともに,更に安全な形に変化させ,より環境負荷を少なくするとともに路盤材などにも再利用するなど循環型社会形成のために必要な施設で,安全性は十分に確保されております。本施設は,長い歳月と多大な経費をもって建設された本市唯一の埋立処分地である東部山間埋立処分地を一日でも長く活用するために必要不可欠な施設でございます。また地元の皆様から建設に向けて強い御要望をいただくとともに協定書を締結させていただいており,これにこたえて一日も早い完成に向け着々と工事を進めて参ります。なお建設費とランニングコストにつきましては,今後とも適宜見直しを行い一層の経費節減に取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 中野産業観光局長。 〔中野産業観光局長登壇〕
◎産業観光局長(中野美明) 伝統産業の振興についてでございます。伝統産業活性化推進計画につきましては,業界団体や職人さんの個別調査などを経て提出されました伝統産業活性化検討委員会からの提言や昨年11月に実施致しました市政総合アンケートを基に,現在審議会におきまして協議をいただいており,今後更に業界への調査,市民意見の募集等を行い,具体的施策を盛り込んだ計画を本年秋に策定し19年度予算に反映して参ります。 またそれに先駆けて,18年度新たに京ものの魅力を全国発信し需要拡大につなげる京ものファン創出事業と,消費者へ正確な情報を提供して他産地製品や海外製品との違いを明確化し業界の仕組みづくりを支援する京もの履歴表示を実施して参ります。なお労働環境の施策や輸入規制及び原産国表示の義務付けにつきましては,必要に応じて国等関係機関に要望を行って参ります。 原油価格の高騰に関する中小企業対策についてお答え致します。原油価格の高騰は,中小企業の方々の経営収益に大きな影響を及ぼすことから,本市ではいち早く中小企業支援センターに特別経営相談窓口を設置するとともに,京友禅を支える染色業の方々のコスト軽減につながる省エネの手引を作成配付致しました。また国に対し金融セーフティネットの拡充,エネルギー転換補助制度の充実を強く要望した結果,あんしん借換融資の利用が可能となるとともに国の天然ガス化推進補助事業の補助額が55億円に拡大されることとなりました。原油価格は,なお高水準で推移しており,引き続き中小企業の方々への影響に細心の注意を払い,経営,金融の両面にわたるきめ細かな対応や国の補助事業の利用促進など総合的な支援に努めて参ります。
○議長(巻野渡) 折坂保健福祉局長。 〔折坂保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(折坂義雄) 国民健康保険制度並びに乳幼児医療制度の拡充についてであります。まず国民健康保険料及び資格証明書,短期証の発行についてでございますが,国民健康保険料は,平成17年度に所得割保険料の算定方式を変更し中間所得者層の負担軽減を図ったところであり,これによりまして低下が続いていた保険料徴収率は大幅に改善しております。また保険料を滞納されている方に対しましては,個々の事情を十分にお聴きし対応しているところでありますが,特別な理由がない方に対し資格証明書や短期証を交付することはやむを得ないものと考えております。 次に乳幼児医療費助成制度の充実につきましては,本市の厳しい財政状況を踏まえつつ,引き続き受診動向等を見極めながら京都府とも協議を続けて参りたいと考えております。以上でございます。
○議長(巻野渡) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕
◎建設局長(中島康雄) 京都高速道路の建設についてお答え致します。京都高速道路は,京阪神都市圏を結ぶ道路ネットワークを形成することはもとより,国際文化観光都市京都の更なる発展にとって必要不可欠な都市基盤施設でございます。更に災害発生時などの緊急輸送道路としても機能する市民生活を守る上で真に必要な道路であると認識致しております。したがいまして現在事業中の京都高速道路新十条通及び油小路線はもとより本市の街路事業となる斜久世橋区間につきましても,今後とも国や京都府,阪神高速道路株式会社等と十分な連携を図りながら一刻も早い完成を目指して全力で取り組んで参ります。 また事業主体が決まっていない久世橋線など残る3路線につきましては,今後本市の財政状況や社会経済情勢といった様々な要因を検討する中で事業化に向けた取組を推進して参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) せのお議員。 〔せのお直樹議員登壇(拍手)〕
◆(せのお直樹議員) 松井副市長は,ごみ有料化問題にかかわって市民意見の京都市の集計でのねじ曲げはないということを随分声を荒らげておっしゃっておりましたが,私は,京都市に寄せられたパブリックコメント,市民意見の内容はちゃんと見ているのです。その中で,有料指定袋については結局反対ですと書かれている主婦の方の意見が肯定的な意見だとカウントされているのです。副市長は,きちっとこの内容について確認されたうえで答弁されたのでしょうか。 市長は,市民負担増と
サービス切捨ての予算をあくまでも推し進める旨答弁されました。午前中の答弁では,家庭ごみの有料化に至っては不退転の決意とまで言われました。市民の厳しい暮らしの実態を直視するならば,どうして負担の押し付けをするのに不退転の決意などと言えるのでしょうか。(発言する者あり) 先ほども申し上げましたが,予算案では高速道路に89億円,焼却灰溶融炉に37億円。焼却灰溶融炉の施設というのは建設後,毎年毎年ランニングコストだけでも18億円掛かるものです。市民の切実な要求である子供の医療費の助成制度の拡充は,小学校に上がるまで進めても年間に掛かる経費は12億円です。公共事業の無駄遣いをやめれば市民の暮らしを守りながら財政再建を進めることも可能です。市長は,聖域なき行財政改革を断行すると言われておりますが,改革の対象とすべき所を見間違えておられるのではありませんか。予算特別委員会で引き続き議論致します。 京都市と国,京都府が一体となって進める無駄遣いと市民負担増,
サービス切捨てにストップを掛けて市民の暮らしを良くするために,4月の京都府知事選挙での府政の転換が求められます。(発言する者あり)日本共産党市会議員団は市民の暮らしを守るため全力で取り組む決意を申し上げ質問を終わります。(拍手)
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○議長(巻野渡) 暫時休憩致します。 〔午後3時4分休憩〕 〔午後3時28分再開〕
○議長(巻野渡) 休憩前に引き続き,会議を行います。
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○議長(巻野渡) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行致します。
玉本なるみ議員に発言を許します。玉本議員。 〔
玉本なるみ議員登壇(拍手)〕
◆(
玉本なるみ議員) 北区選出の玉本なるみでございます。私は,日本共産党市会議員団を代表し市長並びに関係理事者に質問致します。 まず初めに4月から制度が大幅に変わる介護保険制度の問題についてです。今回の制度改定は,発足からわずか6年足らずで国民への大幅な負担の増大と利用者からサービスを取り上げるもので,安心できる介護どころか国民を不安にさせる大改悪です。第1の問題は,大幅な値上げとなる保険料についてです。65歳以上の第1号被保険者本人非課税の方の基準額は,2000年当初2,958円から今回の値上げ案では月額4,760円と1.6倍にもなります。しかも公的年金控除の縮小や老齢者控除の廃止など高齢者には大増税が同時に襲い掛かっています。高齢者の非課税措置の廃止により保険料段階が2段階以上上がる方は約3万人もおられます。急激な保険料の増大に激変緩和措置を採られますが,2倍の保険料となる例もあり年間3万円弱の負担増です。結局は年金収入は減り,保険料が上がるのですからたまったものではありません。しかもこれらの方々は,今年度の国保料の算定方式の変更に伴い国民健康保険料が大幅に値上げとなったばかりです。 〔巻野議長退席,日置副議長着席〕
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玉本なるみ議員) (続)ある御夫婦の年金暮らしの方の負担の増大状況をグラフにしてみました。御覧のとおり緑色で示した国民健康保険料が17年度大幅に上がっていますが,この方の場合,18年度も公的年金控除縮小,老年者控除廃止で課税世帯となり,国保の2割軽減と経過措置の所得割部分の3割軽減が対象外になり,また国保料が値上げとなってしまいます。所得税,市府民税も掛かります。そのうえにグラフの青,赤で示したとおり介護保険料は夫婦共に2段階以上の大幅な値上げとなり,結局2人で平成16年度は年間14万5,740円の保険料等が平成18年度には29万4,190円と倍以上になります。正に雪だるま式負担の増大です。 そもそも介護保険制度は,国の負担割合を50パーセントから半分の25パーセントに削って国民の負担となる保険料がどんどんと高くなる仕組みになっており,国民はもはや負担の限界に来ています。介護保険財政の矛盾の是正は,国の負担率を50パーセントに戻すことが重要です。保険料の値上げを繰り返すようなやり方は,サービスを使うなと脅しているようなものです。まずは国に負担率を上げるよう強く求めるべきです。同時に一般会計からの繰入れを増額し,保険料減額措置を継続,充実すること,利用料の独自減免を作るべきです。いかがですか。 第2に,介護サービスを使いにくくしサービス提供者も締め付ける問題です。昨年10月から施設利用者に食費,居住費の新たな負担,更に新設される介護予防給付では,デイサービス及びヘルパー派遣について,週1回と回数制限を掛けるなどサービス利用の押さえ込みをしようとしています。ある方は,折角週2回のデイサービスを楽しみにして元気になってきて,できれば週3回にしたいと思っていたのに,2回どころか1回に減らされるかもしれないとショックを受けておられます。施設,事業者側からも運営そのものが脅かされる危機的な状況になっています。昨年の改悪で100人規模のある施設では,年間約1,000万円の赤字になると聞いていますが,今回の改悪で更に700万円の収入減になると試算されています。施設としても存亡の危機に様々な対策をされていますが,このままでは施設の倒産,若しくは人件費のカットが進み,労働者は,低い賃金でくたくたになりサービスの低下や事故などを巻き起こしかねない状況となります。退職者も絶えず悪循環に陥っている実態もあります。利用者には,なるべく負担を掛けない方針でやればやるほど経営は厳しくなりますし,負担を強いれば結局利用抑制につながり,困るのは介護を必要とする利用者であり家族です。本来の目的である介護の社会化からも遠のくような今回の改悪は,財政先にありきの冷たいものです。こんな介護保険制度の改悪を強行した自民党,公明党,民主党の責任は重大です。(発言する者あり)京都市において,利用者に不安を与えず事業所の経営が成り立つのか実態をしっかりと把握すべきです。現在の利用者がサービス利用に不都合が起こらないように努めなくてはなりません。そのうえで低すぎる報酬額を引き上げること,利用者負担の軽減を国に対して改善を求めるべきです。いかがですか。 なお今国会に提案されている医療保険の改悪は耳を疑うような内容です。2008年の4月から75歳以上を対象に高齢者医療制度を創設し,年間約7万円の保険料を年金から天引きするものです。また70歳から75歳の医療費負担を1割から2割に引き上げる案もとんでもない冷たい仕打ちです。高齢者を中心とする負担の増大等,特に公的な医療保険制度,国民皆保険制度を土台から崩すものであり,日本医師会も反対の声を上げられています。市長としても市民の命を守るために市民負担の増大に反対の意見を上げるべきです。いかがですか。 次に障害者自立支援法について質問します。障害が重く制度の利用の多い人ほど負担が重くなるという応益負担の導入には,提案から負担額の上限枠が下げられるなど訂正もされ,京都市においても独自の負担の軽減策を設けました。このことは障害者の暮らしの実態を無視したひどい法であることを証明するものです。京都でも,障害者自立支援法に異議あり,応益負担に反対する大集会実行委員会の皆さんが開催されたシンポジウムや国会要請行動には,本当に多くの方々が参加され切実な実態が明らかになりました。 ある授産所に通う方の場合,障害基礎年金2級と作業所の工賃1万円で収入は7万6,208円です。支出は食費や交通費,日用品などで残るのはわずかで既にぎりぎりの生活です。自立支援法の施行に伴って1割負担が生じ,京都市の軽減策があったとしても7,500円,更に昼の食費負担が1万4,300円掛かり,合わせて2万1,800円の負担が増えることになります。1万円の工賃のために倍以上の負担が掛かる矛盾は,折角社会参加し頑張っている気持ちを奪うものです。もちろん大幅な赤字で今までどおりの暮らしはできなくなります。京都市独自に負担の上限額の設定を国の半分にするという軽減措置は,障害者の願いにこたえるものです。ただし軽減措置は,申請制を採っており,すべての対象者が漏れなく申請できるようにする必要があります。しかし今月第2週目ごろより送付された申請書は,書類の量が多く分かりにくいことや初めて負担が掛かることを知って驚く方があるなど混乱されています。申請を待つだけでなく,説明会の開催や訪問なども行い丁寧な対応が必要です。職員の体制を強化して対応することを求めますがいかがですか。 更に軽減措置が3年間の暫定措置ということは問題です。障害者の雇用状況や年金保障などの改善が見込めない中で,暫定措置で終わらせるのではなく負担軽減の対象者を広げるなど更に充実すべきです。これまでから保険料の徴収年齢を下げることを視野に介護保険への統合を進める提案などもありましたが,障害者や関係者への混乱を招き負担を増大させるものです。介護保険の統合には反対の立場を表明すべきです。いかがですか。 地域生活支援事業については,市町村が実施主体となる事業が大きく広がり,地方自治の観点からも地方の自主性が求められることになります。ガイドヘルパーなどの移動支援やコミュニケーション支援の手話通訳などは更に充実が求められます。視覚障害者にとってのガイドヘルパーは,移動支援という役割と同時にコミュニケーションをとるための手段としても重要な支援です。小規模作業所は地域生活支援センターに移行することになっていますが,現在の利用者や関係者が心配しているのは自己負担の問題です。地方自治体の自主性を発揮し地域生活支援事業については,これまで同様に自己負担を導入せずにやるべきと考えますがいかがですか。 併せて自立支援法の施行に伴って見直しをする障害者福祉計画の策定に当たっては,現在の京都市障害者推進プランの総括をしっかりと行い支援内容を再編することで,これまで受けていたサービスが受けられなくなったり未達成の事業がなおざりにならないようにすべきです。施設やサービスは不足していることは明白です。京都市障害者基礎調査を行うに当たっては,京都市における当事者のニーズを把握することと,社会資源の整備がどこまで出来ているかも明確になる調査となるよう求めます。そのうえで国と自治体の責任で緊急に整備を進めることを強く求めます。 次に障害者自立支援法で負担増となる精神通院医療についてです。これまで精神通院医療では5パーセント負担でしたが,自立支援医療ではすべて原則1割負担になります。負担額が大幅に増え受診を中断,延期して障害の重度化を招く事態が生じかねません。とりわけ京都市は,精神通院医療については独自に国民健康保険加入者に付加給付制度を設け5パーセント負担も免除してきました。それを社会保険の方との不公正をなくすことを理由に11月末でやめてしまおうとしていますが,不公正をなくすというのであれば負担の少ない方に合わせるべきです。精神通院医療の付加給付制度は残すべきです。いかがですか。 次に少子化対策について質問します。若い世代の皆さんの声を聴いて,その深刻さを改めて実感しました。これからの社会に希望が持てない。結婚したくても給料が安すぎてやっていく自信がない。結婚はしているし,できたら子供も欲しいけど今の暮らしの状況では考えられない。最低賃金,時間給680円を上げてほしい。また,もう1人子供は欲しいけど,育児や教育費の負担も大きくとても無理などなど,これらは少子化問題の生の声です。こういった実態をしっかりとつかみ光を当てる必要があります。合計特殊出生率1.57ショックと呼ばれた1989年から16年,政府は,出生率低下に歯止めを掛けるどころか拍車を掛ける政治を進めていると言わざるを得ません。京都市においては1.12となり全国平均を大きく下回る状況です。つまり小手先の対策ではどうにもならない所に来ているということです。子育てには,本当にお金が掛かります。親として,経済的理由で子供に行きたい高校や大学に行かしてやれない,やめなくてはならないということほどつらく悲しいことはありません。しかし現に日本ではこんなつらいことがたくさん起こっているのです。OECD経済協力開発機構の比較調査では,日本の貧困率は15.3パーセントと10年前の約2倍に増加しています。根底に人間らしい雇用の破壊があります。非正規労働者は3人に1人,若者では2人に1人が非正規労働者として働いています。アルバイト,パートの掛け持ちで働いても,安い賃金で苦しいという状況で身体を壊す若者もいます。労働基準法を連続改悪し,製造業にも派遣労働を拡大したり非正規雇用に置き換えるリストラを後押しするなど,政府が労働法制の相次ぐ規制緩和を推進してきた結果が少子化を悪化させてきたのです。安心して子育てできるよう政府に若者の正規雇用の確保,最低賃金を抜本的に引き上げるよう強く求めるべきです。 まずは京都市としても出生率全国ワースト2の京都の実態をしっかりと把握することが重要です。少子化白書で子供が増えない理由の一つに,30歳代男性の長時間労働とそれに伴い女性に育児の負担が掛かることを挙げています。男女共同参画計画にも大きくかかわる問題です。前段述べました若者の実態調査を行うべきです。更に京都市が子育て支援策をいかに推進しているかが問われます。京都市の次世代育成計画新京・子どもいきいきプランにおいて具体的なニーズ調査をされています。理想とする子供の数より少ない理由という調査結果から,経済的に余裕がない,教育費にお金が掛かると子育て費用に関する負担感があることを分析しています。しかしながら,今回の予算案では,保育料が平成17年度に引き続き上がる方や学童保育の利用料の値上げが提案されており問題です。保育料は,国基準を上回る世帯が出てきており負担は増大しています。子育て支援というなら保育料や学童保育の利用料は引き下げるべきです。いかがですか。 次にBSE対策について質問します。アメリカ産牛肉は,輸入再開からわずか1箇月で危険部位である脊柱の除去が行われないままの輸入の実態が明らかになり,再び輸入停止となりました。これは国民の命にかかわる深刻な問題です。政府の輸入再開は,危険部位の除去,月齢20箇月以下という二つの条件をアメリカが遵守することを前提に行われたものでしたが,この前提が守られる保障が全くなかったことを今回の事態は明らかにしました。加えて深刻なことは,アメリカが二つの条件を守っているかどうかを確認するために,農林水産省と厚生労働省がアメリカ国内の食肉処理施設を査察し適切と認定したという報告が輸入再開前ではなく再開後であったことです。一連の経過は,政府のBSE対策なるものが国民の安全よりもアメリカの要求を優先させた正に偽装対策だったことを示しています。京都市は,輸入再開後も全頭検査を実施するとともに,小売店が肉の履歴書を入手してちゃんと消費者に説明しているか,体制も採って調査や指導を行ってきました。それは市民の不安にこたえてのことではなかったでしょうか。国民の不安が増大する今日,京都市において市長は改めて全頭検査の堅持を表明すると同時に,輸入牛肉対策を根底から見直し,全頭検査,全月齢の危険部位除去といった日本と同様の安全基準が確保されるまでアメリカ産牛肉の輸入は再開しないことを国に強く求めるべきと考えますがいかがですか。 最後に賀茂川上流の環境保全について質問します。私は,これまでから賀茂川上流における産業廃棄物中間処理施設のダイオキシンの問題や環境破壊の実態を示し改善策を求めてきました。しかし積極的な取組がされない状況の中で,ここ数年でも更に賀茂川上流の環境は悪化しています。美しい山々と川の風景に11の資材置場などがどんどんとトタンの壁を広げ通る度にがっかりします。産業廃棄物中間処理施設上村組においては,敷地内に大きな穴を掘り,野焼きをしていたころの土はそのままに施設はどんどん拡大され,残土を積み上げているのではないかと心配の声が上がっています。 これは街道から見る施設の状況ですが,上の写真を御覧ください。以前は石垣は1段でしたが2段に積み上げられ,更にその上にたくさんのがれきが見えています。街道沿い南側にも石垣が増設され,下の写真のように木はなぎ倒され,最近ではそれを隠すのに汚いトタンが立てられ隠されています。1ヘクタールを超える開発は森林法違反になるわけですが,京都府の報告では0.998ヘクタールだそうです。しかしそれにはからくりがあります。崩落を防ぐための土砂の搬入や植栽させた所は面積にカウントしないというのですから抜け道だらけです。 しかも心配していたダイオキシンの問題では,昨年10月21日の大気調査の結果,基準値10ナノグラムを上回る16ナノグラムの値になっていたことが今年1月の検査報告で分かりました。この間ずっと高い濃度のダイオキシンで汚染され続けてきたことになります。現在,原因究明と改善対策の指導をされているとのことですが,徹底した調査を求めます。2002年に,新基準に合わせて軽微の施設変更としてバグフィルターや送風機などを設置したにもかかわらず高濃度のダイオキシンが検出されています。プラスチックなどの指定許可以外の焼却をしていなかったのか,野焼きをしていたこと,敷地面積がどんどんと広がっていること,賀茂川に隣接した施設ということからも徹底した原因究明の調査と結果の公表,改善対策を明らかにすべきです。原因究明は業者任せにせず,専門家の協力も得て京都市の責任で徹底して土壌を含めた調査をやるべきです。 私は,2002年に賀茂川の清流を保全するために環境保全条例の制定を提案してきました。乱開発行為を規制し,厳しい清流基準を作り森林業者と協力して上流域の森林の保水力向上や流域における自然の浄化機能の向上に取り組むべきです。賀茂川の清流を守る立場で環境保全条例を制定し,京都市独自の産業廃棄物施設の設置規制を実施していくことの決断を強く求め私の質問とします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(日置文章) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
玉本なるみ議員の御質問にお答え致します。 まず障害者自立支援法の施行に伴う本市独自の負担軽減策についてでございます。この度の1割の定率負担を原則とした利用者負担については,国においても様々な負担軽減措置が講じられたところでございますが,京都市におきましては,この間,市会における決議も踏まえ障害のある方の生活実態,重度重複障害の方への配慮の必要性など様々な観点からその在り方を検討して参りました。その結果,厳しい財政状況にはありますが,京都方式とも言える思い切った軽減策を講じることと致しました。なお3年間の暫定措置は,国において介護保険制度を含む社会保障制度全般にわたる見直しや障害のある方々の就労支援を含めた所得保障の在り方について,3年間をめどに検討するとされていることによるものでございます。 次に地域生活支援事業につきましては,相談支援や手話通訳のコミュニケーション支援等,市町村が独自に実施すべき事業として位置付けられているものであります。本市では,これまで全国をリードしてきた京都市聴覚言語障害センターや京都ライトハウスでの手話通訳や点訳奉仕員の養成,派遣等の取組実績があり,平成18年度におきましては,各養成講座の充実や急病等のニーズに対応する24時間体制の手話通訳コーディネーターを設置するなど安全で安心な地域生活を一層支援して参ります。 なお利用者負担につきましては,相談支援やコミュニケーション支援については,これまでどおり負担を求める考えはございません。またその他の事業につきましては,今後国から示される事業のガイドラインに基づき決定して参ります。 以下,副市長,子育て支援政策監及び局長が御答弁申し上げます。
○副議長(日置文章) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは障害者自立支援法の施行に伴う減免等の申請勧奨についてお答え致します。支援費等の現行制度を御利用の皆様には,申請手続に要する時間等を考慮し4月1日の施行に間に合うよう,議員の皆様の御理解を得て2月上旬に制度周知を含め申請を勧奨する文書を対象者全員に送付致しております。また事業者のほか障害者団体への説明会も実施しております。今後,福祉事務所等において順次申請を受け付けて参りますが,窓口相談はもとよりケースワーカーがこれまでの経験を生かし,きめ細やかな対応ができるよう既に職員研修や臨時的任用職員の配置などの体制を確保しております。今後とも申請漏れがないよう受付状況を注視しながら市民の皆様への親切丁寧な心の通う対応をして参りたいと思っております。以上でございます。
○副議長(日置文章) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕
◎副市長(星川茂一) 私からはBSE対策についてお答え致します。京都市におきましては,食の安全の確保を市政の最重要課題の一つとして位置付けておりまして,議員から御紹介いただきましたように平成16年,市長が国の方針にかかわらず肉牛の全頭検査を行うと表明致しておりまして,既に実施しているところでございます。御指摘の外国産牛肉の輸入条件につきましては,国の食品安全委員会におきまして20箇月齢以下で特定危険部位を除去したものという科学的見地からの基準が示されているところでございます。今後の輸入再開問題につきましては,安全を求める国民の意見も受けながら,政府において適切,慎重に判断されるべきものと考えておりますが,京都市と致しましては,今後とも中央卸売市場第二市場における全頭検査を継続し,市民の皆さんの食の安全の確保に全力を挙げて参ります。以上でございます。
○副議長(日置文章) 浅野子育て支援政策監。 〔浅野子育て支援政策監登壇〕
◎子育て支援政策監(浅野明美) 保育所保育料及び学童保育利用料についてでございます。保育料につきましては,国基準を大幅に下回る設定を行い約25億円に及ぶ負担の軽減を図っております。平成17年度における長時間保育である特例保育の利用料の見直しにつきましては,利用者間の負担の公平性の観点から格差是正を図ったものでございます。 次に学童保育利用料金の改定につきましては,国庫補助基準額の改定に併せて最小限の見直しを行うものであり低所得階層にも配慮したものでございます。併せて保護者要望の多い土曜日や学校長期休業中の開始時間を早めて内容の充実を図って参ります。 本市では,保育所,学童保育とも国基準を大きく上回る運営費を支出しているところであり,両制度を合わせた経費は,国基準の約256億円に対して1.4倍となる約347億円となっております。保護者負担はこれらの安定的な運営のための必要最小限度のものであり御理解いただきたいと考えております。以上でございます。
○副議長(日置文章) 高橋環境局長。 〔高橋環境局長登壇〕
◎環境局長(高橋修) 賀茂川上流の産業廃棄物焼却施設に対する対策などについてでございます。当該施設につきましては,本市が独自に実施しております排ガス中のダイオキシン類の検査で基準を超過したことから直ちに施設の使用停止と改善を命じるとともに,周辺環境への影響を調査するために学識経験者の意見に基づき既に土壌調査に着手を致しております。更に当該施設に対する基準超過の原因調査と施設改善の指導につきましても,学識経験者の協力を得て万全を期して参ります。なお賀茂川上流の水質保全につきましては,国の基準を上回る本市独自の厳しい基準を設定して水域の常時監視を行っております。以上でございます。
○副議長(日置文章) 柴田文化市民局長。 〔柴田文化市民局長登壇〕
◎文化市民局長(柴田重徳) 若者の雇用状況の実態把握と国への要望についてお答え致します。若者の労働条件や雇用状況の実態把握等につきましては,雇用労働行政を所管する国及び京都府において既に取組が進められております。本市では,中京青少年活動センターにおけるヤングジョブスポットきょうとの設置など青少年の職業観の形成や就業支援につながる取組を通じて若者の職業的自立の促進に努めております。今後とも国や京都府の施策と連携しながら若者の職業的自立の支援に努めるとともに,本市としてどのようなことができるか研究して参ります。以上でございます。
○副議長(日置文章) 折坂保健福祉局長。 〔折坂保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(折坂義雄) まず介護保険料減額措置の充実等についてお答え致します。介護保険制度は,全国一律の社会保険制度であり,国,都道府県,市町村と40歳以上の被保険者の皆様が介護に要する費用の一定割合をそれぞれ負担する仕組みとなっております。長寿化の進行に伴い介護サービスの利用は確実に増加することから,この度の保険料改定はそれに応じたものとなっておりますが,低所得の方に配慮した独自の保険料段階,保険料率の設定や税制改正に伴う激変緩和措置を講じる案をかねてからお示ししているところであり,また独自の保険料減額制度についても現行と同様の基準で継続することとしております。低所得の方への対応や介護報酬の設定につきましては,国において適切な措置が講じられるよう今後とも要望して参ります。 次に医療保険制度改革についてでございます。今回の改革案は,予防を重視して医療費の適正化に取り組むことと併せ,75歳以上の高齢者の医療費を世代間で公平に負担する新たな制度の創設や都道府県単位を軸とした保険者の再編統合を目指す内容となっており,将来にわたって国民皆保険を堅持し患者本位で持続可能な医療制度の確保を図るものとされております。本市と致しましては,これまでから市民の皆様や地方自治体に過重な負担となることなく長期的に安定した医療保険制度改革の実現を要望しており,今後とも国の動向を注視しながら引き続き他都市とも連携して必要な要望を行って参ります。 介護保険と障害者施策の統合についてでございます。両者の統合に関しましては,障害種別,年齢,疾病等にかかわりなく介護ニーズに対応していくいわゆる介護の普遍化と,統合に伴う介護保険の被保険者の範囲拡大による両制度の財政の安定化という二つの大きな観点から議論されて参りました。介護の普遍化としましては,発達障害や高次脳機能障害など現在制度の谷間にある方への対応には有効となる一方,介護保険制度の要介護認定によって多様な障害分野における介護の必要性を適切に捉えることができるのか,また必要なサービス量を確保できるのかなどの懸念があることや,財政の安定化としましては,障害保健福祉施策は税で実施すべきなど様々な意見があるものと認識しております。こうした中で,介護保険と障害者施策との統合につきましては,広く国民的議論が行われたうえで結論を得るべきものであると考えております。 最後に精神・結核医療付加金についてでございます。本市国民健康保険におきましては,被保険者の皆様が精神通院医療を受けられた際に医療費の自己負担相当額5パーセント分をこれまで給付しております。しかしながら,対象者が国民健康保険加入者に限定されているため社会保険加入者との公平性が課題となっておりました。このため国民健康保険における精神・結核医療付加金については,被保険者証の交付時期に合わせて平成18年11月末をもって廃止することとし,これに代わるものとして障害者自立支援法の施行に伴う本市独自の利用者負担軽減策を実施して参ります。以上でございます。
○副議長(日置文章) 次に
樋口英明議員に発言を許します。樋口議員。 〔
樋口英明議員登壇(拍手)〕
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樋口英明議員) 左京区選出の樋口英明です。日本共産党市会議員団を代表して質問致します。 初めに学童保育についてお聞きします。市長は,昨年度策定した新京・子どもいきいきプランで2009年度までに児童館を130館まで整備するとしています。2006年度当初が104館ですから,1年に7館の整備が必要ですが,予算案を見ますと2006年度が3館の建設,その次の年度も3館の建設にとどまる可能性が大きいことが分かります。目標に対して建設数が余りにも少なすぎます。前のいきいきプランでの120館目標が掛け声だけだったのと同様に,今回の130館目標も実行が伴わない計画にするつもりなのでしょうか。学童保育の箇所数が少ないことも影響し,今ある学童に許容範囲を超えて子供が集中し,まさにすし詰め状態で放課後を過ごしている所が少なくありません。ある学童では,建物が狭いために宿題をしている子の横で剣玉をする子がいる,こまを回す子がいる,相撲をとる子がいるといった状況で,まさに騒然としています。職員さんにお聴きすると,土曜日は比較的子供が少ないため子供が穏やかな表情をしていると言われていました。土曜日のようにゆったりとした状況が日常的に確保されてこそ児童福祉法にうたわれている適切な遊び及び生活の場と言えるのではないでしょうか。2005年度までに待機児童をなくすという市長公約に責任を持つためにも,子供のすし詰め状態を解消するためにも児童館建設数を増やすべきです。市長の答弁を求めます。 地域に学童保育を作ってほしいという保護者の皆さんの切実な要望を受け,学童分室での対応も始まっており,4月からは九つの分室になります。しかしこの分室は,正規職員の雇用でなく臨時職員での対応となっており,ここには安上がりの保育を進めている本市の姿勢が特徴的に表れています。保護者が安心して学童保育に子供を預けることができるよう条件の整備を行っていこうと考えたら,施設の床面積や指導員の配置などについて,設置,運営基準を持つことが必要です。全国の自治体でもこうした基準づくりの取組が広がってきています。埼玉県や石川県で策定されているものを見ると,児童福祉法に基づき家庭に代わる生活の場を確保することや児童の健全な育成を図ること,仕事と子育ての両立支援を図ることなどを目的とするとされており,これらを達成するために必要面積,職員配置,定員規模の基準などが定められています。本市でもこのような設置,運営基準を設けるべきではないですか。またこうした基準づくりを推進するために保護者や指導員など関係者が入った検討委員会を立ち上げるべきと考えますがいかがですか。 次に子供の安全の問題についてお聞きします。昨年末に広島,栃木,宇治,そして先日は滋賀でも子供が犠牲になる事件が引き起こされ,私も同年代の子供を持つ親として何ともやりきれない気持ちで一杯です。御家族の皆さんに心からのお悔やみを申し上げます。京都府警の発表では,中学生以下の子供に対する不審な声掛け事案の届出件数が321件にも及び過去最高を大幅に更新しています。京都市内に限って言いますと,2004年の119件から2005年は198件へと倍増の勢いです。こうした事件の背景には,国連からも指摘を受けている世界でも異常な競争主義の教育があること,勝ち組,負け組を当たり前とし,社会的弱者に対する攻撃に痛みを感じない風潮があることが指摘されており,根本的な解決のためには,これらの問題を改善することが必要です。 一方で子供を事件から守るために地域ぐるみの真剣な取組が次々と始まっていることは重要です。ある学区では,PTAが中心となって地域の皆さんに子供の登下校時間をお知らせし,その時間に合わせて門掃きや犬の散歩,井戸端会議をするといったことが意識して行われるようになりました。こうした見守り活動に協力していただいている皆さんは,この地域だけでも100人を超す規模になっています。大事な点は,割当てや強制でなく自発性や自主性に依拠した取組となるよう工夫されている点です。そうすることで長続きもしますし,更に保護者や地域に子供たちを見守る自然な環境や気風が生まれ,子供たち自身が大切にされていると実感できる取組になっています。地域で始まっているこうした様々な努力を行政が最大限支援することが求められています。また学校関係者や地域の皆さん,保護者,そして子供も一緒になって通学路や公園,遊び場などの総点検を行い,危険な箇所については緊急に改善する必要があります。本市でも地域の安心安全ネットワーク事業でモデル地域での安全マップ作りと地域への普及が進められていますが,この取組を早急に全学区に広げることが必要と考えますがいかがですか。 登下校の問題では,学校からの帰り道だけでなく学童保育の行き帰りの際の安全も保護者にとっては切実な課題です。京都市は,学童保育からの帰り道に職員が同行するよう指示を出しましたが,3月までの対応ということになっており余りにも不十分です。また職員の補充がされたわけでもないため,同行できる範囲も極めて限定的です。子供の安全の確保のためには職員体制を強化することと財政的な措置を図ることが必要であることを指摘しておきます。 次にアスベストの対策についてお聞きします。先日,石綿健康被害救済法が成立しました。一定の前進面はあるものの,国の行政責任と関係企業の加害責任をあいまいにしているため被害者への救済内容が極めて不十分になっています。国と企業の責任を明らかにし,被害者に対し労災並みの補償をすることや飛散防止などの総合的な対策を図るよう改めて国に求める必要があります。また市民の安心安全を守る立場から,本市としてあらゆる手立てを尽くすことが求められていますし,まずは市民の皆さんが的確な対応ができるよう本市におけるアスベストの使用実態やアスベスト含有材への対応の仕方など行政の持っている情報を積極的に公開するよう強く求めます。 国は50年も前からアスベストが有害という認識を持っていながら,規制はヨーロッパなどから比べても大きく遅れました。国内ではこれまでに1,000万トン以上のアスベストが使用され,9割は建材製品に使われたと言われています。建設の現場では,吹き付けアスベストなど飛散しやすい建材はもちろんのこと,石綿スレート板などアスベストが固定化された成形板であっても加工や解体が行われるため粉塵として飛散しています。建設従事者であれば,直接アスベスト製品を扱う職種でなくてもアスベストを吸い込んでいる可能性が高いと言えます。私が話をお聴きした左官屋さんも,アスベストが舞う中で仕事をした後は家に帰ってからも体中がちくちくしたことを覚えていると言われており,健康被害を心配されていました。 全京都建築労働組合が現在行いつつあるアスベスト検診では,レントゲン検査の後,検診受診者全体の13パーセントの方がCTスキャンの2次検査を受けるよう言われているということです。市内の建設従事者が5万1,000人ほどであることを考えれば,レントゲン検査だけでなくCTスキャンを受ける必要がある方が数千人規模に上ることが予測されます。本市の場合,レントゲン検査は無料で受けられることになっていますが,CTスキャンを受ける際には本人への負担が重くのし掛かってしまいます。本来,国の責任でこれらの検診は行われるべきでありますから国へ要望することを求めるとともに本市としても独自の対策を採る必要があります。市民の健康を守る立場で,希望するすべての人にCTスキャン等の2次検診も無料検診に含めて行うべきと考えますがいかがですか。また事業所が従業員の健康を確保するために検診を行おうと思っても長引く不況の下では,検診費用を捻出することは大きな負担となり実施したくてもできない所が多いというのが実態です。こうした事業所などに対して検診費用の助成を行う必要があると考えますがいかがですか。 公共施設のアスベスト対策は進められつつありますが,民間の建物の対策も急がれます。阪神大震災では,倒壊した建物の解体作業が飛散対策を全く採られないまま行われ大気中から高濃度のアスベストが検出されました。その濃度は,アスベストを採掘していた採石現場周辺とほぼ同じであり,その周りを一般の住民が何の防御もなしに行き来していたことが報告されています。地震のような特殊な状況でなくても,町工場などでアスベストの吹き付けが露出している場合は事態は深刻です。石綿障害予防規則で吹き付けられたアスベストの管理と除去,封じ込め,囲い込み等の措置が義務付けられていますが,中小業者は対応できないというのが実態です。先日お話をお聴きした方は,4人の職人さんを抱える事業主さんで,35坪ほどの工場は20年ほど前,本市の指導に基づき防音対策が行われ四方の壁全面にアスベストが吹き付けてありました。露出したアスベストの中で長年仕事をされてきたそうです。除去に掛かる費用は800万円ほどで,更にその工事中に20日ほど事業所を閉鎖することになるので,とてもそんなお金は出ないと言われていました。こうした中小業者に対して,理事者は融資制度で対応すると言われていましたが,今年度のアスベスト対策での融資実績はわずか1件であります。たとえ低利であったとしても,中小業者が新たな借入れをすることは難しい実態を示しています。 またマンションなどの共同住宅でもアスベスト対策に頭を悩ませています。東京都港区では,2005年度からアスベスト対策として共同住宅と事業所の除去工事に対して上限200万円で費用の2分の1を助成する制度を既に作っていますし,検査費用に関しても助成制度を作っています。国がアスベスト除去費用への助成制度を作ろうとしている今,本市でも除去や検査への助成制度を作るべきと考えますがいかがですか。 次に地域経済の振興策についてお聞きします。市長は,予算説明の冒頭で京都を取り巻く景気動向も上向きとなり明るい兆しが見えてきているなどと言われましたが,市民の皆さんの実感とは余りにも懸け離れています。ある建設関係の職人さんは,12月10日から1月いっぱいまで仕事がなかった。本当に寂しい正月だったと言われていました。1月に京都市が発表した中小企業経営実態調査を見ても,昨年末の景況感は前年同期と比べて下降していると答えている中小企業が相変わらず多数を占めています。これが京都経済の実態であります。京都では,規模が19人以下の事業所が全体に占める割合は92パーセントと政令指定都市中トップであり,中でも4人以下の事業所は65パーセントを占めています。京都は正に零細企業のまちであります。 本市が製造業を対象に行ったものづくり産業調査でも現状がリアルに報告されています。少し紹介しますと,過去3年間,設備投資を行っていない事業所が76パーセントを占め,今後の事業継承でも事業継承したいが後継者がいない,事業継承は未定と答えた企業が52パーセント,そのうち廃業すると答えた企業も54パーセントに上り,報告書にも,この数は市内製造業者数の4分の1を超える深刻な値であると書かれています。中小企業の実態が調査から浮き彫りになり問題点を自ら指摘しているにもかかわらず,いまだに具体的な施策が作られていない所に大きな問題があります。 〔日置副議長退席,巻野議長着席〕
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樋口英明議員) (続)京都の企業の圧倒的多数が中小企業というだけでなく,物の調達や雇用を地域内で行って商品やサービスを作り出し,それを地域内で販売するという地域内循環型の経済活動をしているのが中小企業ですから,ここを元気にしてこそ地域経済の活性化が図れます。埼玉県は,中小企業振興基本条例の中で行政の認識を明らかにし,景気が低迷する状況の中,中小企業は極めて厳しい経営環境にあり,経営の安定と活力の回復を図るために効果的な支援を行う必要があると述べています。そして条例制定の目的は,中小企業の健全な発展によって埼玉県経済の活性化を図ることとしています。同様の条例が東京墨田区,大阪八尾市など全国136の自治体で作られていますが,中小零細企業のまちである京都でこそ中小企業振興基本条例の制定が求められていると考えますがいかがですか。 我が党議員団で視察した東京都日野市には,中小企業振興基本条例と同様の趣旨の小規模事業者育成条例があり,この条例の具体化の一つとして公共施設小規模修繕等委託制度を持っています。これは日野市の公共施設の50万円以下の修繕工事を市に登録した小規模事業者に発注するという制度で,同様の制度は,さいたま市や広島市などの政令市も含め全国289の自治体に広がっています。本市では,各担当部署の判断で随意契約が行える100万円以下の小規模修繕工事が都市計画局だけ見ても億単位の額であり,各局のものをすべて合わせると相当な金額になります。この小規模修繕工事を他の自治体のように積極的に地元の小規模事業者へと発注する仕組みを作るべきではないでしょうか。京都市にも入札の項目の中に小修繕というものがあり,建設業の許可と経営審査を必要としない特例が設けてありますが,ここに申し込まれた業者に積極的に仕事を発注するということになっていません。また飽くまでも入札の1項目ということなので,小規模の事業者にとっては敷居が高くなってしまい登録業者数もごくわずかであります。申込みの方法を入札の制度の1項目ではなく,他の自治体のように独立した登録制度にし手続の簡便化を図ること,また登録された業者に仕事を積極的に発注することが必要です。小規模事業者を応援する施策の一つとして採り入れるべきと考えますがいかがですか。 最後に除雪と道路の凍結防止対策についてお聞きします。この冬は,例年になく雪が多くなっており全国的にも大変な事態となっています。雪下ろしなどの事故も相次ぎ亡くなられた方は134人に上ると報道されています。こうした犠牲者の多くは高齢者ですが,左京北部でも市民の皆さんが同じような状況の中で毎日を過ごされています。12月から降り積もった雪が1メートル50センチから60センチにまでなり,別所,花脊,広河原,久多,百井の地域はすっぽりと雪に覆われました。どの地域も高齢化が進み65歳以上の方の割合は40パーセントを超え,雪かきをできない世帯が増えてきています。今年になってから私も雪かきのボランティアに参加したのですが,そのときに地元の方にお話をお聴きすると,90年以上この地域で暮らしているけれど,12月からこれほど雪が降ったのは初めてだと言われていました。この方も独り暮らしをされていて,まち中に住む家族の方が週末になったら帰ってきてはいましたが,それでも雪かきを十分に行うまでは手が回っていませんでした。家によっては道路から玄関までの雪かきもできず,幅わずか50センチほどの道が10メートル,20メートルと付けられているような所もあります。屋根に積もった雪が軒下に落ちてきて家の周囲に雪の壁が出来てしまい,この雪と軒が接してしまうと,今度は雪が落ちなくなり家が雪で押しつぶされてしまう危険も出てきます。市民の命にかかわるような事態となっており行政の支援が必要ではないでしょうか。京都府内でも,宮津市では高齢者や障害者世帯などを対象にした屋根の雪下ろしなどの費用の助成が実施されており,同様の制度は福知山や綾部でも実施されています。こうした制度を本市でも作る必要があると考えますがいかがですか。 また道路の凍結防止対策も切実な課題です。地元自治会から出されている要望事項にも毎年載せられていますが,この冬は特に凍結している区間が長いこともあり対策が急がれます。花脊峠を通勤で毎日通われている方は,慣れた道とはいえ朝晩は特にアイスバーン状態でつるつるなので本当に怖いと話されていました。花背山の家と山村都市交流の森の利用者も冬の時期だけで3万人に及んでおり,地元の皆さんと外から訪れる皆さんが安心して安全に道路を通行するためにも除雪と共に凍結防止対策の強化が必要です。京北では,委託された業者の方が車に凍結防止剤を散布する機械を積み,朝の通勤時間前に道路の凍結防止の作業を行っています。交通量などを考慮する必要はありますが,同じ対策を左京や他の道路凍結地域でも採るべきと考えますがいかがですか。市民の命と安全を守るために十分な対策を採るよう求めまして私の質問を終わります。(拍手)
○議長(巻野渡) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
樋口英明議員の御質問にお答え致します。 中小企業振興基本条例の制定についてお答え申し上げます。本市の景況につきましては,1月に発表致しました中小企業経営動向実態調査で,主要3指標の景気動向指数がすべて上昇に転じ明るい兆しが見えて参っております。私は,中小企業が本市の経済活動の中核を成す担い手であり,その振興を図っていくことが極めて重要であると認識致しております。このため,ものづくり産業調査により最重要課題であると判明した販路拡大を促進する京都ものづくり企業縁むすびプロジェクトを今年度創設致しました。約7箇月間で企業訪問は延べ350社,約100件の取引先紹介を数え,また11月に開催した受注商談会においては135社の参加を得,多くの商談が成立するなど着実に成果を上げております。今後とも条例を制定するまでもなく,京都経済の活性化に向け経営診断事業の充実や小規模企業おうえん融資をはじめとする制度融資の更なる推進を図るなど,経営,金融の両面から中小企業振興に万全を期して参りたい考えでございます。 以下,副市長,子育て支援政策監及び局長が答弁申し上げます。
○議長(巻野渡) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からはアスベスト検診についてお答え致します。本市におきましては,昨年9月から身近な保健所,支所等においてアスベスト関連事業所の元従業員等を対象にしたアスベスト関連疾患の検診と同様の検査を無料で実施し,診療として精密な検査が必要な方には適切に医療機関の紹介を行っております。また京都市立病院におきましては,12月からアスベスト専門外来を新たに設置するなど市民の皆様の健康不安に的確に対応できる体制を整えております。なお事業所などでの検診費用につきましては,労働安全衛生法において事業者の責任で実施することが義務付けられており,本市と致しましては費用の助成を行う考えはありません。以上でございます。
○議長(巻野渡) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕
◎副市長(毛利信二) アスベスト対策としての助成制度についてでございます。中小企業者のアスベスト除去工事等につきましては,国においても融資制度が創設されましたけれども,本市では従来からその除去や処理,周辺の環境測定を対象に京都市環境保全資金融資制度を設けております。これまで既に事業所ビルの改装に伴うアスベスト除去について融資の手続に至ったものもありますほか,多くの中小企業者の方々から相談を受けており,今後ともその活用を働き掛けて参ります。また今月,民間建築物等におけるアスベスト除去等への国の助成制度が創設されたことから,昨年,本市が実施致しました吹き付けアスベスト等の使用実態調査を踏まえてこの制度の活用についても検討して参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 星川副市長。 〔星川副市長登壇〕
◎副市長(星川茂一) 子供の安全対策を中心とした地域の安心安全ネットワーク形成事業の展開についてお答え致します。京都市では,子供を巡る痛ましい事件が相次ぐなど市民生活を脅かす深刻な事態が続く中,安心安全の実現を市政の最重点課題に掲げまして取組を推進しているところでございます。その重要な施策の一つと致しまして,平成16年度から学区を単位に区民の皆さんと関係行政機関が連携し子供の安全や防犯,防災など様々な課題に幅広く対応できる地域の安心安全ネットワーク形成事業を実施致しております。平成17年度には,この事業をより効果的に進めていくために作成致しました安心安全のまちづくり取組事例集や暮らしの救急箱も活用致しまして,現在25の学区において地域特性に応じた取組が進められているところでございます。平成18年度は,新たに45学区を加えた70学区で事業を展開することと致しておりまして,今後これをできるだけ早期に市内の全学区に拡大致しまして子供見守り隊や安全マップ作りなど子供の安全対策がすべての学区において進展致しますように関係団体,市民の皆さんと連携を強め全力を挙げた取組を進めて参りたいと考えております。以上でございます。
○議長(巻野渡) 浅野子育て支援政策監。 〔浅野子育て支援政策監登壇〕
◎子育て支援政策監(浅野明美) 私からは2点についてお答え致します。まず学童保育の待機児童の解消についてでございます。子育てと仕事の両立支援を進める観点から学童保育を必要とするすべての方に利用いただけるようにしていくことが必要であります。このため新京・子どもいきいきプランにおいて,今後の利用者を見込んだうえ学童クラブ機能を有する児童館を130館整備する目標を掲げ取組を進めております。また新設だけでなく既存施設の増築なども併せて行っているところであります。平成18年度におきましては,前年度を上回る児童館3箇所の新設整備,3箇所の設計の計6箇所の109館まで達成する予算を確保することによって引き続き待機児童ゼロを継続して参ります。 続きまして学童クラブの設置,運営基準についてでございます。本市におきましては,地域における児童数や児童の生活圏などを総合的に勘案して学童クラブ機能を備えた児童館の建設を進めており,その施設規模につきまして,国基準を基におおむね60名としているところであります。また活動指針につきましては,既に平成11年に児童館長や職員にも参加いただき先駆的な取組として全国的に評価を受けている京都市児童館活動指針を策定し,平成17年3月には新京・子どもいきいきプランの策定に併せて改定し,これでございますが,これに基づいて運営していただいております。今後とも計画的な整備を進めるとともに必要に応じて活動指針の改定を行うなど児童の健全育成の推進を図って参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 小池理財局長。 〔小池理財局長登壇〕
◎理財局長(小池裕昭) 小規模修繕についてでございます。本市におきましては,建設業の許可や建設業法に基づく経営事項審査を受けていない小規模事業者であっても,施工に必要な資格を備えていることや税の滞納がないことなどの確認ができれば随意契約の方法による受注の機会を確保できるよう,平成11年度から原状回復を目的とする小規模修繕を対象として登録種目の中に新たに小修繕の項目を設け小規模事業者の育成に努めてきております。また平成18年度からは,登録の有効期間をこれまでの2年間から4年間に延長するとともに登録申請書類を無料化するなど申請者の方の負担の軽減を図ったところでございます。今後とも本市公共事業の発注に当たりましては,地域経済のより一層の活性化を図るため市内中小事業者への発注を基本としその健全な育成に努めて参ります。以上でございます。
○議長(巻野渡) 折坂保健福祉局長。 〔折坂保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(折坂義雄) 久多地域をはじめ左京区北部の山間地域における雪かきや雪下ろし等への対応についてでございます。久多地域におきましては,左京区社会福祉協議会や左京医師会を中心とした保健,医療,福祉のネットワークを生かし,かねてからスノーバスターズという雪かきのボランティア活動が実施されております。今年度は,とりわけ積雪量が多かったことから毎年1回のところを2回に増やし,また実施に当たりましては本市職員もボランティアとして参加しております。このような課題に対しましては,地域活動を通して対応していくことが望ましいと考えております。以上でございます。
○議長(巻野渡) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕
◎建設局長(中島康雄) 道路の凍結防止対策についてお答え致します。冬季における道路交通の安全確保は重要な課題であると認識し路面の凍結防止対策に努めて参りました。旧京北町域は,法律に基づく積雪寒冷特別地域に指定されており,国の補助事業として国道や府道において業者による凍結防止剤の機械散布を行っております。その他の地域では,道路脇に凍結防止剤を設置し道路を通行される皆様に御利用いただいておりますが,特に凍結しやすい箇所である左京区の花脊峠については,現地の天候や路面状況に応じて左京土木事務所の職員やバス事業者の協力による散布も行っております。また新たな取組として,今月半ばから地元自治会の御協力を得て凍結防止剤の機械散布を試験的に行っていただくこととなり,既に散布が実施されております。今後とも効果的な道路の凍結防止対策について引き続き検討して参ります。以上でございます。
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○議長(巻野渡) 本日の審議は,この程度にとどめ延会致したいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(巻野渡) 御異議なしと認めます。よって本日は,これをもって延会致します。 〔午後4時45分延会〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 議長 巻野 渡 副議長 日置文章 署名議員 津田大三 同 隠塚 功
△(イメージ)請願文書表「受理番号826~835」「30人学級の実現など教育条件の改善」
△(イメージ)請願文書表「受理番号836~844」「特別な支援が必要なLDなどの教育条件の改善」
△(イメージ)請願文書表「受理番号845」「夜間定時制高校の存続」・陳情文書表「受理番号60」「障害者自立支援法施行に伴う施策の充実」
△(イメージ)陳情文書表「受理番号61」「介護保険制度の改善等」...