平成15年 2月 定例会(第1回) 平成15年第1回 京都市會會議録 第2号 (定例会) 平成15年2月27日(木曜日)出席議員(72名) 1番
小島健市議員 2番 竹内 譲議員 3番 小川ひろき議員 4番 砂川祐司議員 5番 田中英之議員 6番 中村三之助議員 7番 磯辺とし子議員 8番 井上けんじ議員 9番 玉本なるみ議員 10番 東山洋子議員 11番 中村十一議員 12番 井上教子議員 13番 山口 勝議員 14番
安孫子和子議員 15番 石黒利雄議員 16番 天方晶英議員 17番 加地 浩議員 18番 橋村芳和議員 19番 加藤盛司議員 20番 繁 隆夫議員 21番 せのお直樹議員 22番 岩橋ちよみ議員 23番 中村かつみ議員 24番 西野さち子議員 25番 安井 勉議員 26番 柴田章喜議員 27番 久保省二議員 28番 大道義知議員 29番 宮本 徹議員 30番 鈴木マサホ議員 31番
小林あきろう議員 32番 富 きくお議員 33番 内海貴夫議員 34番 大西 均議員 35番 巻野 渡議員 36番 田中セツ子議員 37番 北山ただお議員 38番 倉林明子議員 39番 井坂博文議員 40番 加藤広太郎議員 41番 佐藤和夫議員 42番 日置文章議員 43番 谷口弘昌議員 44番 高嶋弘恵議員 45番 中西賢治議員 46番 可児達志議員 47番 中西正三議員 48番 今枝徳蔵議員 49番 梅林 等議員 50番 伊藤義浩議員 51番 二之湯 智議員 52番 中野竜三議員 53番 井上与一郎議員 54番 川中増次郎議員 55番 高橋泰一朗議員 56番 森 ます子議員 57番 藤原冬樹議員 58番 若宮 修議員 59番 山中 渡議員 60番 山本正志議員 61番 三宅誠孝議員 62番 有吉節子議員 63番 宇都宮壮一議員 64番 山口幸秀議員 65番 椋田知雄議員 66番 中村安良議員 67番 北川 明議員 68番 国枝克一郎議員 69番 西脇尚一議員 70番 青木善男議員 71番 津田幹雄議員 72番
坂口芳治議員欠席議員(なし) 議事日程 開議日時 平成15年2月27日(木)午前10時第1 議第1号ないし議第21号,議第23号,議第25号ないし議第29号,議第31号ないし議第49号,議第52号ないし議第55号,議第57号及び議第275号 平成15年度京都市一般会計予算 ほか51件
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○議長(磯辺とし子) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付致しておきました。 本日の会議録署名者を指名致します。田中英之議員と
安孫子和子議員とにお願い致します。
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○議長(磯辺とし子) この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理致しました請願11件及び陳情5件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付致します。なお請願第788号は,お手元に配付してあります文書のとおり,請願者から取下げ届が提出されましたので取下げを認めることと致します。 次に,包括外部監査人から平成14年度包括外部監査の結果報告書が提出されました。原文は,市会事務局に保管してありますから随時御覧願います。 次に,人事委員会から議第57号京都市教職員の給与の額の特例に関する条例の制定についてに関する意見書が提出されました。この写しは,お手元に送付致しておきました。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。
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○議長(磯辺とし子) 日程に入ります。 日程第1,議第1号ないし議第21号,議第23号,議第25号ないし議第29号,議第31号ないし議第49号,議第52号ないし議第55号,議第57号及び議第275号,平成15年度京都市一般会計予算,ほか51件,以上52件を一括議題と致します。 前回の議事を継続し,これより質疑を行います。発言の通告がありますので,これを許します。北川明議員。 〔北川明議員登壇(拍手)〕
◆(北川明議員) 桝本市長の与党第一党の
自由民主党市会議員団のトップバッターとして,この不況の中でまじめに働き頑張っている市民の皆様と同じ思いを抱いて質問を致します。分かりやすく透明感あふれる答弁を期待致します。 まず最初に,昨年10月8日徹夜で審議した共産党と密接な関係にあり,命と暮らしを守るを標榜している
民医連京都中央病院の一連の不正事件は,同病院が4年9箇月間に2,505件,実に2,505件のですよ,検査を実施せず虚偽の報告を行いました。(発言する者あり)因果関係は調査中ですが,243名の方々が死亡されました。この虚偽報告と死亡とは決して無縁ではありません。(発言する者あり)強い怒りと義憤を覚えます。(発言する者あり)そして何よりも恐ろしいのは,共産党の諸君が命にかかわる問題を私
たち自由民主党が党利党略に使っていると批判をしていることであります。(発言する者あり)全くの言い掛かりであります。(発言する者あり)これら医療事故を起こしながら政治活動,選挙活動を露骨に行っている共産党の恐ろしい一面をかいま見た思いが致しました。改めて亡くなられた243名の方々に自由民主党京都市会議員団として心より御冥福をお祈りする次第でございます。(発言する者あり) しかし,こんな恐ろしい不正事件もございましたが,昨年は京都の島津製作所の田中耕一さんの
ノーベル化学賞受賞というすばらしいニュースが飛び込んで参りました。作業服姿のインタビューは新鮮で朴訥,感動しました。京都新聞によるインタビューの京都についてどう感じているかとの質問に,福井謙一先生をはじめ世界的な研究者が多くおられ研究を進める雰囲気がある。私が研究を続けてこられたのも京都という場所にいたからだと思う。京都の自然が好き,特に嵐山の紅葉や桜が大好き,暮らすなら嵐山の近くと決めていた。電車も好きなので嵐電沿線の太秦に住むことにした。通勤のときには,必ず運転席の後ろに立つことにしている。これほど京都の存在を日本に,世界にアピールしてもらえる言葉はない,再び私は感激したのでございます。桝本市長から民医連問題と田中耕一さんについての感想を改めてお聞かせください。 しかるに,この嵐山嵯峨野観光の重要ポイントである丸太町西端にある市営住宅の老朽化が著しいということで,昨年11月から鉄筋コンクリート3階建ての建て替えが進行しています。市営住宅の建築用地は,市内の他の場所で求められますが,モータリゼーションの進む嵯峨野観光に役立つ用地はこの場所以外にはありません。本市は,
嵐山交通対策委員会を設け3年目,その重要性を認識し,今年も4,300万円の予算を計上しパークアンドライドに取り組んでいます。そして入洛客5,000万人構想は桝本市長の公約ではありませんか。誰か忘れましたが,近ごろ公約はないがしろにされています。市長もまたその轍を踏まれるのですか。(発言する者あり)調べてみますと,市営住宅建築の原局である都市計画局と観光を司る産業観光局との話合いは一度もなく,ばらばらであり行政末端の整合性は失われております。イエローカードを一枚進呈致します。今からでも遅くありません。88戸の住宅のうち取壊し寸前の居住は73戸でしたので,計画を73戸まで縮減するとともに,従前は平家建てでしたが,今回の新しい市営住宅は3階と一部2階建てですのでスペースは十分にあります。このスペースを十分に活用し,観光バスのプールが無理なら定期観光バス,路線バスだけでもせめて導入し,観光客を温かく迎え得る施設を造るべきであります。住宅の方々の通勤通学にも利便になります。京都で一,二を争う観光スポットであり,千年の歴史を秘め雄大な景観を誇り,生きた日本の歴史を体で感じることのできる嵯峨野への観光客は必ずや飛躍的に増加するものと信じ期待しています。市長からお考えをお聞かせください。 新年早々,マスコミ各紙に
京都サンガ天皇杯V,日本一の活字とカラー写真が大きく躍っていました。その後,
立命館大学アメリカンフットボール部,
洛南高校バスケットボール部の優勝,日本一が続き,誠に御同慶に堪えません。特にパープルサンガは,昨年J2で優勝しJ1に昇格しましたが,開幕直後に4連敗し,J1は少し荷が重いのではとささやかれていました。その後8連勝して波に乗り,年間5位の上位進出を果たしました。元旦の天皇杯決勝の相手は,
ワールドカップ出場者が5名,ブラジル人が3名もいる大変な
強豪鹿島アントラーズでありました。挑戦するパープルサンガは,外国人と言っても同じ東洋の韓国の朴智星選手1名の準国産のチームであり,京都出身者も4名いました。先取点を取られながら取り返した逆転勝利は精神力の強さを示し,京都の市民へ大きなプレゼントでありました。私
たち京都市議会パープルサンガ応援議員連盟は自民,民主,公明,共産各党の有志45名で組織致しておりますが,ホームゲームの応援や地下鉄の頑張れサンガのステッカーの貼付,チームの若返り進言,スタジアムの建設等々微々たる力ではございますが一生懸命応援して参りました。元旦の京都新聞トップに,横大路に
サンガスタジアム建設の記事が掲載されました。桝本市長さん,子供たちへの遅いお年玉となりますが,子供に分かりやすい言葉で現在の段階での詳細を市議会で御報告ください。 私たちは間もなく統一地方選挙を迎え立候補者となります。市民の声を反映する政治を行います,地元のために働く決意です等々のことを言って選挙戦を行いますが,市民の声,私たちが好んで口にする言葉であります。その市民とは誰を指すのですか。市民の声は常に多様です。多様な声をどうやって反映させるのですか。市民が自分の利益をみんなで主張し始めたら収拾が付かなくなる,だから代表を選んで任せる代議制民主主義であります。したがって候補者たる者は,私の考えはこうです,皆さんのお考えはと聞き,価値観,ビジョンを共有すべきであると私は信じています。 長い間,良い政治家の基準は,地元にあふれんばかりの公共事業や補助金,すなわち道路や橋であったり,お国や市のお金を取ってくるという意味でありました。その結果,有力国会議員の地元に立派な道路や建物が出来たことも事実でした。これはおかしなことです。国全体がゆがんでしまうことになります。今,京都市では予算を獲得しようと思っても,本市の財政は昨年は580億,今年は730億円の予算不足であります。もうこんな予算獲得の時代は過去のものとなりました。政治の最大の任務は,京都市会では市の意思を決めることであります。地元優先や目先の党利党略を優先させる共産党諸君とは申しませんが,京都市全体を見渡して考える議員を一人でも多く増やしていくべきであります。(発言する者あり)現在の市政は,市会議員が市の意思を決めていないところに問題があります。残念ながら議員提案の条例,法案も少なく,市の意思を決めているのは京都市の職員,官僚であります。京都市会議員は奮起一番,市の官僚の手から奪い取る決心をしなければならない,その手始めが官製の市民不在の一部ボス的市民の圧力や参加によることが予測される
市民参加推進条例の制定です。市議会の声を聴き,提案されるべきであります。その推移についてお尋ね致します。
乳幼児医療費助成制度の拡充についてお尋ね致します。この制度の拡充については,かねてから私
たち自由民主党は桝本市長にその声を届け続け,市長与党としての責任を果たして参りました。この度,15年9月から小学校就学前まで対象年齢を拡充することが予算に計上されました。今,我が国にとり少子高齢化は深刻な重要問題です。女性に元気な良い子を出産していただくために安心して子供の産める環境整備が必要です。総医療費は大きな負担になっています。医療の原点は病気にかからないことです。つまり予防医学と,病気になっても初期治療を充実させ慢性化させないこと,
プライマリーケアに尽きます。小児のネフローゼや小児慢性腎炎に公的助成を行い,大人になってからの人工透折者を大幅に減少させました。大きな医療費の節約になりました。乳幼児の
プライマリーケアに公的助成を行うことは次の時代の元気な若者を育てることであります。本人の幸福だけでなく次の時代への先行投資であります。この制度を小学校就学前まで拡充することや所得制限を引き続き導入しないことなど,京都市は他の政令指定都市の中でもトップクラスの水準となっていますが,外来については月額8,000円を超える額のみが対象となっており,どの程度の方が真に救われることになるのかなど不安もございます。子育て家庭に対する経済的支援を一層推進していくために,拡充後の制度実施状況を踏まえて更なる拡充も必要と思います。お考えをお聞かせください。 次に,子供たちの教育は京都市の小学校が一番良いという高い評価もあります。元気な良い子に育てよう,これを合言葉に少人数教育について12年度から市独自の講師を配置し推進を図ってきたところであります。更にこの取組の充実を図るとともに,子供たちがスムーズに学校生活のスタートを切れるように生活集団と学習集団とが区別しにくい小学校の低学年では一体として指導する方が効果的という学校現場や保護者の声を受け,自由民主党として少人数学級の実現について要望してきたところであります。教育委員会では,来年度の35人学級導入に向け市独自の常勤講師の採用を行うなど準備を進めて大きな成果を期待しているが,今後の少人数教育の充実推進に向けての取組についてお伺い致します。 中学校給食は,桝本市長の最初の選挙において共産党の市民サイドを離れた党利党略によって論争の焦点になったことは記憶に残り,私は今でも遺憾に思っております。桝本市長は,公約どおり13年度からの3箇年計画で全市展開の方針で,全国でも例を見ない迅速さで取組を進め来年度から10億3,000万円の予算で全校実施される運びとなりました。保護者からも好評であり,何よりも多感な年齢の子供たちにとり,家庭からの親子のきずなを深める愛情弁当持参か給食かを生徒,保護者が選べる自由選択制による本市の中学校給食は,他に例のないユニークかつ優れた方式であり私たちも評価を惜しまないものであります。 また総合制の養護学校再編に伴い,障害の種別の枠を取り払い一人一人の障害の実態に応じての対策が検討されていますが,これらの要望も踏まえ平成16年度の養護学校の総合制移行を機に,民間業者による最新の調理,保存技術を駆使したクックチル方式を導入し,抜本的な改善を図るとのことであります。このクックチル方式は既にホテル,病院,介護施設等で導入され,安全性は折紙付きであり,養護学校についても一人一人の子供の障害の程度や体調に合わせ,食材の選択から献立の内容まで細やかな対応が可能であると期待しています。共産党の皆さんは,民間委託というと機械的に反対する動きもありますが,(発言する者あり)民間活力を利用した適正な方式であると私
たち自由民主党は考えています。食は命を養う根源であります。全校実施を契機に中学校給食と養護学校給食について,望ましい食生活の充実と本市のユニークな給食制度の確立について基本のお考えをお聞かせください。 西京商高が117年の歴史を経て
エンタープライジング科の西京高等学校に生まれ変わります。昨年8月31日の説明会には,
国立京都国際会議場に入り切れないほどの2,600人の保護者,生徒さんを集めました。志願倍率も5.33倍を数え府下でトップの応募となりました。西京の21世紀型高校とは,夢,希望にあふれ,大学進学を目指す徹底した進学指導,IT環境での情報発信能力の育成,高大,産学連携による先進教育というすばらしい未来を開く言葉が躍っています。しかし,教育の大切さはいかに人間性を回復するかに懸かっています。そうでなければ政治も経済も救われない。テロや平和という問題も根本的に解決しないのであります。だから世の中が騒々しくなればなるほど根本に返って人間性という問題を解決しなければならない。結局,教育というところに帰していくのであります。早い話が弘法様やお釈迦様は,太陽が東から昇って西に沈むのでなく,地球が太陽の周囲を自転しながら公転していることや水がH2Oであることを御存じなかったでしょう。今日では小学生でも知っていることです。だから弘法様やお釈迦様は,ばかだと考える人はいないでしょう。そんなことを考える人がいたら,そんな人こそ大ばか者であります。人間の本質に何ら関係がないのです。知識や技術の習得は当然としても,例えば心の明るさ,清らかさ,それから人として人を愛する,人に尽くす,恩を知る,報いる,正直,勇気,忍耐等,そういう心の働きが徳性というものだと私は考えます。仮に人間が明るさを失って暗くなったり,清らかさをなくして不潔になったり,不正直になったり,人が人を愛せなくなり,人が人のために尽くさなくなり,勇気がなくなり忍耐心もなくなるということになったら,これは大変な社会になります。どんなに知能や技術があっても話になりません。人間を形成する徳性というものが本質的に大事だということが分かっていただけたと思います。最近では,ノーベル化学賞を受賞された田中耕一さんにほのぼのとした温かい人間性を感じたのは私一人ではなかったと思います。島津製作所と隣組の西京高等学校は田中耕一さんのノーベル賞効果もあり,新しい校舎,内容と共に京都一商の伝統もよみがえり,OBの
芸術院会員中路融人先生の100号の絵画も掲げられ,同窓の
京都市立芸術大学名誉教授,
日展理事中井貞次先生の緞帳など先輩の温かい思いに包まれて京都一番,いや我が国でも有数の学校になるという予感が致します。第二の田中耕一さんを産み出すには,知識と技術以外の人間の本質,徳性が必要です。本市には
道徳教育振興市民会議のあることは存じ上げていますが,具体的に新しい西京高等学校でどのように教えられるのかお聞き致します。 本市交通事業について質問致します。まずこの発言からお聞きください。京都市営バスは平成12年,52億円の赤字を出しており,正に破綻である。民間企業であれば直ちに会社更生法の適用を受けなければならない団体である。また,バス,地下鉄事業は巨額の不良債務を抱えているが,借りた金は利息を付けて必ず返さなければならない。これは将来,京都市全体の財政問題の大きな手かせ,足かせになる。一般会計の財源不足が生じるという客観状況の中で,まさに市バス,地下鉄の不良債務,経営問題は京都市の近い将来の非常に大きい重石になると理解している。 これらの言葉は,バス,地下鉄事業の現状が21世紀へ船出した本市財政の福祉,教育,まちづくりの重荷になると予言した発言であります。私たち議会側からではなく,市の責任者,桝本頼兼市長の13年9月市長総括での発言であります。更に1年前の
予算委員会市長総括で,税収が下がり金がない。市バス乗客の増加は将来的に見込めず,このまま健全化策を継続しても収支が好転する見込みはないと断じざるを得ないと答弁されております。私は,今回の発言は,市長として,交通事業のオーナーとして誠に大きな意味を持つ発言であると受け止めています。この市長答弁をまつまでもなく,平成8年に今後の展望についてを実施し,平成12年度よりは
経営健全化プログラム21を打ち出していますが,私はきれいごとにすぎると思います。内容は土地の資産の売却であり,そして京都市からは,土地を売ると同等の予算が経営健全化という不思議な名目で出されていました。五条車庫を26億円で売り,26億円の
経営健全化補助金が出ているのは一例であります。つまり26億円で土地を売ると52億円の収入となるのであります。私は,今回提案された
ルネッサンスプランは一定の評価は致しますが,冒頭の市長の危機的状況を把握された大局的発言との厳しさの違いを指摘するとともに,議会側からの再建に向けた発言とも厳しさに格段の差があると申し上げておきます。言葉の遊びではなく具体的な追求を一言で言い表すべきであります。すなわち本市交通事業のルネッサンスとは,復興,再生を目指すものであると,このプランの初めに記されていますが,私はこのような悠長なことを言っているときではない。小泉総理ではございませんが,バスと地下鉄の構造改革なくして市民の足を守る公営交通の存続はあり得ない。幹部職員のリーダーシップの発揮で職員の一層の奮起を促し,分かりやすい言葉で市バス,地下鉄こそ非常事態宣言をすべきであります。市長はいかがお考えになりますか。市長自身が交通行政に対しての危機感を市民皆様に呼び掛けるべきであると思いますがいかがでございますか。 ここに大変おもしろい資料があるので開陳致します。昭和58年11月に,当時の交通管理者から,選ばれた有識者に経営の在り方4項目の検討を委託しました。その中から不採算路線についての提言を見てみますと,不採算路線は原則として黒字路線で賄える範囲で維持していくべきであるとし,度を超えて維持する必要がある場合は特別運賃を取りなさい。受益者負担の徴収を検討すべきです。これは不採算路線を維持することがバス事業全体として運営コストを押し上げ,その路線以外の利用者にも高額の運賃負担を強いることになり,特にその格差が大きい場合は社会的公正の立場から均衡を失するという問題があります。また,それによる全体の運賃の高額化は,バス事業全体の利用者の減少につながるから経営を一層悪化させることになります。そして経営の悪化は,公共助成すなわち税金による負担であり,行政施策全般との比較において行われるべきで,おのずから一定の限度があるとしております。皆さん,これは20年前の話であります。そして不採算路線対策として,系統設定や運行回数について効率化を図り,その利用実態を沿線住民,事業所を対象に周知徹底を図り市バスに乗る運動を展開すべきである。営業係数200以上,欠損額1億円以上,乗車密度10人未満といった基準を設け,廃止等を検討すべきであると記してあります。不可欠な地域には,自治会やOB職員によるミニバス運行,需要の極端に少ない時間帯や地域にはタクシーによる代行輸送,地域特別運賃,経営主体や運営方法を検討すべきであるとしています。正にこの提言が行われて20年間,交通局は何らの対策も行っていません。交通行政は怠慢の一語に尽きます。乗客の飛躍的増加が見込めない今日,人件費の削減と共に赤字の大きな原因の一つが不採算路線であるとし,管理の受委託,嘱託運転手,系統の見直し,運賃など現在と同じテーマをしっかりと具体的に提言しているのであります。しかるに
ルネッサンスプランでは,不採算路線を分かり難い,分かりにくい生活支援路線という名称,新語を作り,後退したとも思える対策を採っております。20年前にこれほど明確な方向を示されながらその後検討したのか。現在の理事者は寡聞にして知らなかったのですか。私は,現在の審議会答申も58年の提言同様にお蔵入りになるのではないかと恐れているのであります。今後の不採算路線の在り方についてお聞かせください。 本市バス事業の人件費は,運送収益を上回り平成12年度決算では107パーセント,13年度は106パーセントとなり,お客様のバスに乗っていただくバス代では人件費は賄えない状況であります。特に横大路営業所は,管理の受委託以前は2系統もそれぞれ2億円の赤字を出すなど不採算路線を多く抱え,年間15億円もの赤字を出すに至っております。市議会としても付帯意見4回,決議2回を付し,また
自由民主党市会議員団の意見広告10項目でも横大路営業所に新しい運営方法を採り入れるべきだと勧告しました。その後の管理の受委託の交渉も,阪急バスや京阪バスが1年間テーブルに着かなかったりして当初より遅れて平成12年3月にやっとスタートしました。画期的な手法で赤字に悩む全国の都市,東京都や横浜,仙台から視察も多くありますが,不思議なことに本市に見習って実施している都市は数少ないのであります。なぜでしょうか。それは委託費に問題があります。福利,退職金を含んだ人件費で比較すると,管理の受委託を行っている阪急バス職員は892万円,京阪バスは816万円で,市バスの正規の職員は1,272万円,同じく129期生539万,一般の嘱託運転手は480万であります。私は,バスの乗務という単一労働の給与体系が5形態と異なり,勤務体系も管理の受委託している京阪,阪急とではハンドル時分,つまり勤務時間で43分もの開きがあります。同一労働であるのに賃金と勤務体系が異なるということで市民の安全,安心の足,市バスを守れますか。将来に大きな破綻を来すと思いますがいかがですか,お答えください。また,まじめに働く交通局職員の中には,このような変則的経営に不満を覚え身分は保障されているのかという素朴な質問もあります。安心して働けると確約してください。 次に横大路や洛西の管理の受委託を,今後はもっともっと民営志向の方向で管理を受委託してもらえる会社を透明性のある競争制度,話合いで決めるべきであります。更に5億程度が削減されます。例えば阪急バス,京阪バス以外のバス会社と話をされる余地があるのかお尋ね致します。そして市民の足として安全な市バスの立場から勤務体系の一元化を求めます。また給与体系の5形態は異常であります。簡素化を求めます。これらについてもお答えください。 待望の地下鉄西伸の工事が始まります。御池天神川までの延長2.4キロ,745億円の建設費は巨額であります。現在の国の厳しい財政状況の中で,745億円の建設財源を確保するために私たちと自民党京都選出国会議員は国に対し積極的に働き掛けて参りました。地下鉄天神川延伸の建設費に初めて道路特定財源が充当されることになりました。これは画期的なことであり,西伸への確固たる道筋が出来たのであります。しかしながら,更に桂坂,洛西ニュータウンまでの延伸工事は,本市の財政状況と,1年間に186億もの赤字を出して走る東西線は乗車率も我が国最低,これから30年間で償還するころにはタクシーの初乗り料金と同じ設定にしなければならない料金制度や,そのころは京都高速鉄道株式会社の返済金も1年間に100億円以上となり問題になって参ります。内容はお寒い限りであります。私たちには天神川以西への西伸は不可能に近く無謀と映ります。しかし洛西には8万人の市民と知的クラスター,桂サイエンスヒル,イノベーションパークなどナノテク創成事業で象徴される京都大学工学部が4月に開校致します。将来は京都の発展と活力の発信基地となる所です。請願も採択され,菊池潤治西京区自治連合会長をはじめ,区民は一日千秋の思いで地下鉄の来るのを待っています。建設費の比較を申し上げますと,地下鉄桂坂まで約8キロ,キロ当たり300億として2,400億,高架にするとキロ当り150億で1,200億,地上を走らせるとキロ30億で240億,約10分の1で済みます。天神川以西には,車庫も地上に設置することが必要であります。電車が天神川で地上に出ると京福電車との乗り継ぎも便利になり,醍醐から嵐山までがつながります。地上を走ることを原則とし,あるときは高架を組み合わせて走るべきであります。洛西,桂坂への目的達成の最短距離は,この工法が最良であると信じております。商工会議所が推進しているLRTの実現にも一歩も二歩も近付くことになります。私
たち自由民主党は,心ある市民の皆様方と共に早期に洛西へ向かう工法の検討を申し入れたいと思います。桝本市長は,21世紀京都の大動脈である交通機関,地下鉄西伸実現のため英断あるお考えをお聞かせください。 先日,韓国の大邸市において地下鉄の列車火災が発生し,130人を超える方々が死亡された大惨事となりました。犠牲者の方々に心から御冥福をお祈り申し上げます。本市地下鉄は1日30万人を超えるお客様を運んでおります。新聞では,京都の地下鉄は排煙設備や避難経路など防災設備の基準を満たしていると報道されていますが,安心できますか,安全性は保証できますか。防災対策の現状と今後この事件を契機にどのように取り組まれるのかお聞かせください。 次に,上下水道局について質問致します。交通事業におきまして,プログラム21に引き続き
ルネッサンスプランを策定し,人件費の削減はもとより管理の受委託等の効率化に取り組んで市民の足を守ろうとしております。一方の上下水道局につきましては,16年度までの5箇年計画におきまして計画どおりの効率化の実施により財政状況の改善は着々と進捗し,安全,安心,安くておいしい水のキャッチフレーズを八条口の駅前庁舎に掲げ,水道コストにおいては大都市の中で一番廉価な水を供給し,その努力は評価するものの,不況の長期化やデパートやホテルの膜処理ろ過による井戸水の上水道への転換利用の拡大等による大口水需要先の減少により,逓増制料金体制下で料金収入が著しく減少し続けております。将来において市役所をはじめISO14001の取得事業所の増加により更に水需要が減少することが予測されております。今予算では2年前の平成13年度に料金改定したにもかかわらず両事業とも赤字が計上されていますが,今までのように財政計画期間終了後の値上げは我々自由民主党としては安易にすぎるとし,料金改定すなわち値上げは許せない状況であります。このまま推移すると両事業とも大変なことになります。大きく警鐘を鳴らすものであります。交通事業同様,上下水道局においても,改革なくして市民の命の水と水環境を守ることはできないと思います。財政健全化の取組が必要です。大胆な自助努力による構造改革なくして上下水道局の明日はないと考えます。市長のお考えを伺いたく存じます。以上で第一質問を終わります。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) 北川明議員の御質問にお答え致します。 まず京都民医連中央病院問題についてでございます。この問題は,人間の尊厳の上に成り立つ崇高な医療現場において治療に必要な検査の虚偽報告と診療報酬の不正請求が併せて行われたものであり,医療に対する市民の信頼の根幹を損なう二重の背信行為であり,誠に許し難い思いを持っております。不幸にもお亡くなりになられた方々には,この場をお借り致しまして心から御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。(発言する者あり)
○議長(磯辺とし子) 御静粛に願います。
◎市長(桝本頼兼) (続)私はこの問題に対し,事件発覚後,直ちに庁内に対策チームを設置するとともに(発言する者あり)昨年10月8日の市会決議を重く受け止め,市民の皆様の医療に対する不安,不信感を一刻も早く払拭できるよう国や京都府とも連携しながら事実の解明に全力を挙げており,その結果を受け厳正に対処して参りたいと考えております。(発言する者あり) 次に田中耕一さんについてでございますが,昨年の田中さんのノーベル化学賞の受賞に対する思いは北川明議員と全く同感であり,先ごろ京都市市民栄誉賞を贈らせていただいたことは私の喜びとするところでございます。京都には,1200年の歴史にはぐくまれてきた研究開発の土壌や改革の遺伝子が現在も息づいており,京都を代表する島津製作所の田中さんがノーベル賞を受賞されたのも正にこのことが体現されたものと考えております。田中さんの常識に捕らわれない発想や失敗を恐れず果敢に挑戦するチャレンジ精神など研究への熱意には,これはよく使われる言葉ではございますが,記憶に残る新鮮な響きがあり,非常に感銘を受け今年の職員に対する年頭訓示にも引用させていただき,私も改めまして果敢にチャレンジする精神をもって光り輝く京都をつくり上げるため全力を傾注して参る決意を強くしたところでございます。 次に嵐山嵯峨野の観光振興についてでございます。この地域は,四季折々の美しい自然を背景に数多くの社寺等の歴史的建造物が作り出す景観や,門前に集積する個性的な店舗などの魅力により年間を通じて多くの観光客が訪れる京都を代表する観光地であります。このような市内有数の景勝地に立地する嵯峨市営住宅の建て替えに当たりましては,厳しい土地利用規制がある中で基本計画策定段階から地域の方々とのパートナーシップによる取組を進め,電線の地中化や周囲の山並みに配慮したデザインを採り入れるなどの工夫を行い現在工事を行っているところであります。議員御指摘のとおり,このすばらしい地域の魅力をより多くの方々に体感していただくうえで交通環境の改善は重要な課題と認識しており,先般,地元,警察,交通事業者,観光関連業界等とも連携して交通社会実験を実施したところであります。ただ今の北川明議員の年間観光客数5,000万人構想実現に向けた熱い思いは,正に私の思いと方向性を一にするものであり大変心強く感じております。今後は様々な場面におきまして議員の御提案の趣旨を踏まえ観光振興に全力を傾注して参ります。 京都パープルサンガの本拠地となりますいわゆるサンガスタジアムにつきましては,多くの市民の方々からその建設について強い要望をいただいておりましたが,この度スタジアムの整備用地として横大路運動公園の一部を充てることとし,先般,構想として基本的な考え方を発表したところでございます。この構想の実現に当たりましては,建設費,管理運営費とその主体,新駅設置,地元との調整など様々な課題もありますことから,現在これらの解決に向けて全庁的に検討を進めると同時に関係者との協議を行っているところでございます。本市と致しましては,この構想は単にスポーツの拠点施設を造るということにとどまらず,京都市南部地域の活性化,発展にもつながるものであり,市民の皆様とのパートナーシップの下,多くの市民の皆さんの力強い御支援をお願いし,その早期実現に向けて全力で取組を進めて参りたいと考えております。
市民参加推進条例についてでございます。信頼とパートナーシップによる市政運営は,私の市長就任以来の基本姿勢でございます。自己決定,自己責任を基本とする地方分権の時代にあって,市民の目線に立った個性豊かな21世紀のまちづくりを進めるためには,現行地方自治制度の根幹である代表民主制を基軸にそれを補完するものとしての市民参加,そして情報公開が必要不可欠であります。私は,これまで進めてきた市民参加をより一層推進するための制度的基盤の仕上げとして,市民参加推進計画の策定に続いて条例の制定に向けた準備を進めてきたところであり,昨年8月以降,条例の骨子や素案をお示しするなどできる限り早い段階から市会の先生方の御意見を伺って参ったところでございます。この
市民参加推進条例は私の2期目の公約でもございます。議員御指摘のとおり一部の市民の市政参加では全く意味がないのであり,もっともっと多くの市民の皆様が市政やまちづくりに参加できるためのより所となる条例でなければならないと考えております。今後とも市会の先生方の御意見を更に十分お聴きしたうえ,できるだけ早い時期に条例案をお示しし,提案,御議決を賜りたいと考えております。 次に
乳幼児医療費助成制度の拡充についてでございます。少子化が進行し次代を担う子供たちに対する政策の充実と更なる少子化対策への工夫が求められております。子育て家庭の経済的負担の軽減を図り,安心して子供を産み育てていただくことは京都市の重要な政策であります。このため厳しい財政状況の中ではございますが,自由民主党をはじめ市会の先生方の御意見を踏まえ,府市協調の下,他の政令指定都市の多くが導入している所得制限を設けず,本年9月から入院,外来とも小学校就学前まで対象を拡大することと致しました。更なる制度拡充につきましては,事業実施後の受診動向などその状況を十分見極めたうえ京都府とも協議を行いながら検討して参りたいと考えております。 次に本市交通事業の
ルネッサンスプランについてのお尋ねでございます。本市交通事業は,規制緩和に伴う民間事業者との競争の激化など今後より一層厳しい経営環境が見込まれることから,私自身,市バス,地下鉄運営はまさに非常事態にあるものと極めて深刻に受け止めております。北川議員御指摘のとおり,この危機的状況を広く市民の皆様に訴え十分な御理解をいただくことが市民の足である市バス,地下鉄を守っていくために不可欠であると考えております。バスと地下鉄の構造改革なくして市民の足を守る公営交通の存続はあり得ない,誠におっしゃるとおりであります。そうした決意の下,本市交通事業の経営形態を抜本的に見直す京都市交通事業
ルネッサンスプランを策定致しました。市バス事業の管理の受委託を事業規模の2分の1まで拡大することや給与の5パーセント相当以上の削減などによる更なる経営健全化に取り組み,市民の皆さんの足を守って参る決意でございます。今後とも市民とのパートナーシップの下,愛され信頼される市バス,地下鉄となるよう私を先頭に事業の存続が懸かった最大の危機を乗り越えるため,全職員の知恵と努力を結集して活力ある21世紀の京都のまちづくりに全力で取り組んで参ります。 地下鉄東西線の洛西への延伸につきましては,京都市西部地域の発展はもとより京都大学の桂キャンパスやイノベーションパーク等への足の確保のためにも是非とも必要な都市施設であり,私の悲願でもあります。その大きな第一歩となります二条から天神川までの延伸事業につきましては,平成15年度から建設費に道路特定財源が充当されることになりました。国の財政状況が大変厳しい中,これにより建設財源の確保が担保できました。自由民主党をはじめ与党の先生方のお力添えに深く感謝申し上げます。(発言する者あり)天神川以西への延伸につきましては,道路の整備状況や大変厳しい交通事業の経営状況及び本市の財政状況などを勘案する必要がありますが,北川明議員御指摘のとおり建設費の縮減は,計画実現のための大きな要素でありますことから,工法につきましても今後御指摘の考え方を踏まえ十分検討して参ります。 次に上下水道事業の財政健全化についてお答え致します。経済性を発揮し最小の経費で最大のサービスを行うことは公営企業の基本的な責務であると認識しております。このため現在,効率化推進計画における100名の人員削減をはじめ物件費削減,建設事業計画の見直し等の実施に努めているところでございます。しかしながら,環境意識の高まりによる節水意識の浸透や長引く不況のために今後とも水需要の増加は見込めず,財政状況はいよいよ厳しくなって参ります。こうした状況を踏まえるならば,上下水道事業においては凜とした姿勢でこれまで以上に経営努力に努め,現行料金をできる限り維持していくことが求められております。次年度以降に向けてなお一層の企業経営の効率化と市民サービスの向上を図るため,上下水道両局の統合を含む組織のスリム化並びに大胆な企業改革に取り組むよう上下水道事業管理者に強く指示しているところでございます。 以下,河内副市長,公営企業管理者及び教育長が御答弁申し上げます。
○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕
◎副市長(河内隆) 私からは地下鉄の防災対策についてのお尋ねにお答え致します。この度,韓国大邸市での地下鉄火災で犠牲になられた多くの方々の御冥福を心からお祈り致します。さて本市の地下鉄の場合は,国の厳しい火災対策の基準を満たした排煙設備や避難誘導設備などを備えております。本市では,韓国大邸市での地下鉄火災を重大かつ深刻に受け止め,火災の発生当日から地下鉄の緊急点検及び一斉立入検査を実施したところですが,その結果,防災設備などに異常は認められませんでした。しかしながら,1日30万人を超えるお客様に安心して御利用いただけるよう消防,交通の両局が連携し地下鉄の安全輸送確立のため万全のうえにも万全を期すべく,市長の強い指示の下,京都市高速鉄道防火安全対策委員会を2月24日に設置したところでございます。公共交通機関にとって安全性,快適性,利便性はお客様サービスの基本であり,とりわけ安全性は基本中の基本でございます。韓国の大惨事を対岸の火事とせず,不測の事態でも迅速かつ的確な対応が採れるようにする必要がございます。このため今後,議員の御指摘を踏まえ火災発生時などの緊急時には職員の適切な対応が不可欠であるという見地から,地下鉄での列車火災を想定した訓練を早期に実施するなど職員の教育訓練の充実を図り,より安心,安全な地下鉄を目指して取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 江草公営企業管理者。 〔江草公営企業管理者登壇〕
◎公営企業管理者(江草哲史) まず最初に本市バス事業における不採算路線の在り方についてのお尋ねにお答え致します。市バスの不採算路線につきましては,これまでから系統や運行ダイヤの見直しを行うとともに,管理の受委託による効率化を図ることなどに加え利用促進にも取り組んできたところであります。今後においても,これらの取組を継続して参りますとともに,バスがその地域にとって唯一の交通機関となっているいわゆる生活支援路線については,現在京都市交通事業審議会においてその在り方を御審議いただいているところであります。その中間報告では,市民生活に欠かすことができず,かつ民営並みのコストでも赤字となる路線について,その存続や運営に関し負担の在り方など新たな維持方策を構築することが必要であるとされております。今後,年度内にいただく審議会の提言をバス事業改革の最後の機会と捕らえ,その実現に全力を挙げて取り組んで参ります。 次に職員の給与体系と管理の受委託の拡大についてのお尋ねでございます。交通局では,これまでから大変厳しい財政状況を踏まえ,給与制度や雇用形態の異なる職員を活用することにより費用のうち大きな割合を占める人件費の抑制を図り経営の健全化に努めてきたところであります。更に今後も公営交通を堅持していくために,今回の京都市交通事業
ルネッサンスプランにおきましては,平成12年度から実施しております
経営健全化プログラム21を上回る給与の削減や,既に横大路営業所において導入致しております管理の受委託を事業規模の2分の1まで拡大することと致しております。この管理の受委託の受託者の決定に当たりましては,安全で安定的な運営を前提とし,先生御指摘のように選定過程の透明性を確保し競争原理を幅広く発揮できるよう外部からの有識者を加えた選定委員会を設置し決定して参ります。今後とも交通局全職員が一丸となって
ルネッサンスプランを着実に実行することにより将来にわたって市民の足を守るという公営交通としての責務を果たして参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕
◎教育長(門川大作) 少人数教育についてであります。義務教育の学級編制や教員配置は,基本的には国の責務でありますが,本市では保護者,市民の強い御要望を踏まえ本市独自で15年度から小学校1年生を対象に,16年度からは2年生に対象を拡大して35人学級を導入する考えであります。現在,全国市町村で初となる少人数学級のための独自常勤教員採用に向けた選考試験の実施など万全の準備を進めているところであります。今後については,本市独自の措置である35人学級と国及び府の措置による少人数教育の取組と併せて教育活動の一層の活性化を図りつつ,少人数教育の制度がより一層充実したものになるよう引き続き国,府に働き掛けて参ります。 次に学校給食についてでありますが,今日食教育の重要性が増す中で,小学校では自校調理方式による手作り給食の一層の充実を図り,中学校では嗜好の多様性にも配慮した愛情弁当との自由選択制の給食の全校導入を平成15年度中に完了致します。更に養護学校では,平成16年4月の全国に先駆けた総合制,地域制の養護学校の新設再編を契機として,保護者の要望にこたえ専門業者による最新のクックチル方式の導入により重度重複化する一人一人の障害の状態や年齢に応じたよりきめ細やかな給食の実施に努めて参ります。今後とも児童生徒の発達段階や状況に応じ本市独自の豊かな学校給食を展開することにより,家庭と共に望ましい食生活の実現に努めて参ります。 次に新生西京高校における教育についてでありますが,御指摘のとおり教育の根本は豊かな人間性の育成であり,新生西京においても倫理観,道徳観の育成を教育目標の大きな柱の一つに位置付けております。このため西京高校では,学術顧問の導入や大学,企業の特別講義など実社会との直接的なつながりを通して社会性や倫理観を涵養するとともに,文武両道の教育を行う中で習得した知識や技能をより輝かせる人間性をはぐくんで参ります。更には中高一貫教育を導入し,ゆとりある6年間一貫した教育理念の下,計画的,系統的な教育を行う中で未来社会を創造する有為な人材を育成して参ります。以上です。
○議長(磯辺とし子) 北川議員。 〔北川明議員登壇(拍手)〕
◆(北川明議員) 先ほど私は自民党京都市会議員団を代表し質疑と提言を行いました。自由民主党議員団の試算によりますと,この提言による削減額は約10億円に上ると考えられます。やるかやらないかは理事者の行政手腕に懸かっています。私たち
自由民主党市会議員団25名は,4月の地方統一選挙を試練の場と考え,新人4名と共に市民皆様の正しい御理解を求めて精進致します。何卒よろしくお願い申し上げ,質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 山中議員。 〔山中渡議員登壇(拍手)〕
◆(山中渡議員) 先ほど自民党議員から中央病院の医療事件に関する発言がありました。虚偽報告と医療事件については絶対にあってはならないことです。その上に立ちまして発言中,事実無根の発言がありましたので取消しと謝罪を求めるものです。(発言する者あり)一つは,医療事件について因果関係は調査中と言いながら243名の死亡と虚偽報告は決して無縁でないと言い切る発言がありました。(発言する者あり)今回の事件と死亡との因果関係を証明する事実は一切ありません。(発言する者あり)医療機関を犯人扱いする極めて不当な中傷です。(発言する者あり)二つ目,医療事故を起こしながら露骨な選挙活動を行っている共産党の恐ろしい一面を見たとの発言も事実無根の共産党への誹謗中傷であります。(発言する者あり)根拠も証明もなしに事件と死亡と政党活動を強引に結び付けようとする発言こそ一方的な言い掛かりです。重ねて発言の取消しと謝罪を求めます。議長におかれましては,後刻,適切な対処をされますよう求めます。以上です。(拍手)
○議長(磯辺とし子) ただ今山中議員から北川議員の発言の一部取消し等を求める発言がございました。この件については,後刻速記録を調査のうえ議長において措置致したいと思いますので御了承願います。 進行致します。 次に,高橋泰一朗議員に発言を許します。高橋議員。 〔高橋泰一朗議員登壇(拍手)〕
◆(高橋泰一朗議員) (発言する者あり)お静かにお願い致します。おはようございます。北川議員に引き続いて,自由民主党を代表して国内外を取り巻く環境の殊のほか厳しい状況下,まさしく激動の真っただ中,2期目の最終ラウンドを迎えられ日夜御奮闘賜っております桝本市政に対して御質問を申し上げます。 私は,昭和50年春,その当時,下水道も地下鉄もない伏見区と市内中心部と行政的な格差が余りにも大きいことに憤慨して,無名の新人でありましたが36歳の若さを買ってくださいと叫んで,地盤もかばんもない雑草のように生い立った高橋泰一朗でございますが,伏見区民の温かい御支援の下,初陣を飾らせていただき,早7期28年が過ぎ去ろうと致しております。その間,有権者の皆様はもとより,この議場に同席の先輩,同僚議員諸公と理事者の皆さんには,常に温かい目線でお付き合い賜りましたことに対して厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(発言する者あり)その間,4大市長にもお付き合いを賜りましたが,今から思えば高度成長期で拡大路線を歩んでこられました舩橋市政,古都税紛争に明け暮れた今川市政,人の命を大切にされ健康と環境に力点を置かれた田邊市政,そして今日,福祉と教育と人権に力点を置かれ,殊のほか厳しい財政下で日夜御奮闘賜っている桝本市政下であります。我々
自由民主党市会議員団は,三つの大きな使命を担って市政運営に当たって参ります。それは先人が築いてこられたより良い京都を継承し,いかに厳しい財政下であってもその活力を失うことなく創意工夫を凝らし,現在25名の知恵と情報を結集し市民の負託にこたえるべく,昨年秋から議員団ニュースを発行し,国会,市会,府会議員がお互いの立場で汗して,市民の負託にこたえるべき集団として日夜奮闘している次第であります。 3年前に地方分権がスタートし,政治の根幹を成す本来のあるべき姿に政治の流れが変わって参りました。これからは地方自治体が知恵を生かし個性的な魅力あふれるまちづくりができるものと期待して参りましたが,現実は権限が移譲されても税財源が保障されていないため,いまだに自立できない状況にあります。 私たち自民党市会議員団は,あらゆる困難を克服し忍耐強く名実共に地方の時代が到来するように不退転の決意で難関を切り開く勇者として頑張る覚悟であります。申すまでもなく京都は,794年の平安京の建都以来,1200年を超える長きにわたり都市としてその時々の登場人物により変化成長を遂げて参りました。その長い歴史を振り返るとき,先人たちは建都以来,幾度となく試練を乗り越え,そこに住み続けるために知恵とエネルギーを結集し,時にはタイムリーに外国の文化や思想や技術を積極的に採り入れ,先取気鋭の精神を培養しながら,伝統に創造を加え山紫水明の自然の中に常に個性あふれるまちを築いてこられました。今日,桝本市長の口癖と位置付けられている華やぎと潤いのあるまちを目指して持続的に努力することが今我々に課せられている使命であります。時あたかも今春3月,人間の生命に欠くことのできない要素であります水について,世界のあらゆる専門家が水問題の解決を目指す国際会議,第3回世界水フォーラムが京都において開催されます。環境先進都市として,我が京都にとって,山紫水明の都から生命の源である水の大切さや京都の水文化を世界に発信するために絶好の春を迎えております。 そこで質問に入ります。まず初めに京都市の水害対策についてお伺い致します。本年1月17日に京都市全庁挙げての災害対策本部運用型訓練が実施されるなど,その対策が着実に進んでいることは喜ばしい限りであります。しかし,その一方で水害に関しては内陸都市であるがゆえに心配であります。今までの地震対策に比べて不十分ではないかと思います。昨年6月14日に国土交通省淀川土木事務所から淀川水系浸水想定区域図が公表されましたが,この区域図では河川の氾濫時に浸水のおそれがある区域が示されており,特に伏見区には淀川,桂川,木津川が流れ,また淀地域は三川合流地域に隣接していることから伏見区は過去において度々大きな水害を経験している地域であります。最近は天ヶ瀬ダムや日吉ダムの構築により以前のような大きな水害は幸いにして発生しておりません。しかしながら,今般の淀川水系浸水想定区域図の公表後,区内では約4万世帯を超える住宅が浸水想定の対象となっております。一部にはその高さ5メートル以上に達すると想定されておりますから,遅れております水垂樋瓜地区の引堤工事を促進するなど,この際伏見区西南部の居住の安全確保のため早急に対応を確立していただくとともに,避難場所の確保の問題など地域住民の間に不安が広まっておりますので,今後,本市の対策はもとより国土交通省と連携を密にしていただきますようお願い申し上げます。折しもこの3月には,京都市を主会場に水問題の解決に向けてその重要性を訴える第3回世界水フォーラムが開催されますので,こうした時期にこそ水の危険性にも目を向け,水害対策を図ることが急務であると思いますので水害対策についての御所見をお伺い致します。 次に,人体の3分の2が水で司どられているとも言われますが,今回の世界水フォーラム京都開催は一昨年から伝えられ,いよいよ来月開催の運びとなって参りました。しかるに私たちに伝えられているのは水のえん2003年in京都と歓迎レセプションと十石船乗船のみで,市民全体で歓迎し,その意義を高めようとするうねりが伝わってこないことに一抹の寂しさを感じるものであります。京都には,茶の湯の宗家が裏千家,表千家をはじめとしてたくさんございますので,各お家元総出でイベント会場のみならず,茶を楽しむ市民挙げてのおもてなしこそ京都にふさわしいイベントとなり感謝されると思いますので,この状況をこの際明確に御披露していただきたいと思います。また,この期間中,京都市の喫茶店で100円コーヒー,100円紅茶の協力店などの御協賛を賜るなど今からでもその対応に御尽力いただきたいと思います。 次に京都市財政についてお伺い致します。京都市の平成15年度当初予算を見ますと,長期の借入金である地方債の発行額は847億円に上り,1年間の収入に占める割合,いわゆる地方債依存度は13.1パーセントとなっております。本市が整備する公園や道路などの施設は,私たちの子や孫までもが何十年もの長い期間にわたって使い続けるものでありますから,このような施設建設の財源に地方債を活用することは当然有用なことであります。むしろ現下の状況では市税収入が思うに任せない今日,本市財政の非常事態の下では地方債をもっとうまく活用し,市役所のサービス水準を維持するという工夫が必要であります。地方債の発行による元利金の支払は将来の財政運営にとって負担になるだけに,発行額はより厳正に管理することは必要でありますが,大都市財政緊迫下の折,財源調達の手段として地方債の重要性はかつてなく高まっていると考えているところであります。本市では,地方債の多くを金融機関や証券会社を通じて発行されております。低金利時代,個人の方が京都市債を購入される機会も増えているとお伺いしておりますが,まだまだ一般の方々にはなじみの薄いものであります。その理由を私なりに分析してみますと,京都市債の発行を十分にPRしていないことにあると思います。それと同時に,市民の皆様が購入された京都市債でどんな施設が造られているかもう一つよく分からないということもその原因ではないでしょうか。 そこで一つ提案があります。資金を調達する目的や利率などを明確にして,できれば名称も京都市債といった堅苦しいものではない新しい形で市債を発行すれば市民の皆さんの関心も高まるのではないでしょうか。このことは昨年末,私は,伏見の労金が旧京都みやこ信金大手筋支店へ移転され,その跡地を購入して障害者のふれあいサロンと授産所を構築したのですが,もとより資金の乏しい団体でしたのでNPO法人を立ち上げゼロからの出立でしたが,ある資産家のオーナーが銀行の普通預金並みで御利用くださいと高額な支援をいただきましたことにヒントを得たからであります。今まさに低金利の時代ですから,いわゆるたんす預金もあると思いますので,かかる資金を10万円,いや5万円でもよいので京都市債に回していただければ,本市にとっても資金調達手段の多様化につながり大きなメリットとなるでしょう。また市債を購入していただいた方には,株主というくらいの気持ちで情報を公開するようになれば非常事態宣言も解かれ,市民の皆さんも市政参加で夢も一層膨らむのではないでしょうか。御所見をお聞かせください。現在凍結されております伏見区役所や消防署も前向きに建設に向かって動き出すように思います。ネーミングも安心安全の市債と位置付けられ早期に対応していただければ幸甚です。要望しておきます。 次に,京都市民が京都府に納めている税金は不況下の環境で減少しつつあり,山田知事様も困惑しておられますが,例えば平成13年度では個人や法人を含めて年間約1,921億円にもなっております。これは府税収入の65.7パーセントに当たります。これが目に見えた形で京都市民に還元されているのかということになると余り還元されておりません。京都府は京都市民から税金を吸い上げておいて,京都府下の市町村に還元しすぎているのではないかと思います。こうした観点で私なりに調査し,また本市の財務当局から説明をお聴きすれば,平成13年度では府税交付金や府支出金として京都府の予算から直接京都市に支払われているものはおよそ3分の1の580億円とのことです。国と府から対応している小中学校の教職員や警察官の人件費等が巨額に計上されておりますが,京都府は府税のほかに地方交付金や国庫支出金などを活用しながら負担しているものがほとんどであります。かかる観点から,こうした経費を京都府が負担することによって京都市民が納めている府税が京都市民に還元されているということはそれなりに理解しておるところでありますが,しかし自己決定,自己責任が今何よりも問われている地方分権時代にあっては,市民の税負担と受益の関係が直接目に見えるような仕組みが求められております。今まで以上に大切であり,現在の京都市民による府税負担と受益の関係は余りにも分かりにくい関係になっていると思うのは私一人ではないと思います。特に本市のような大都市では,京都府下の人口の61パーセント強が京都市民であり,納めた税の3分の2は京都市域に還元されるべきであります。京都市域選出の府会議員には,我が党所属の議員を含めて本市のために更なる努力を期待するものであります。 また,政令指定都市の制度は,常に名を求めて実を取らなかった出発点に問題ありとスタート時点から言われておりますが,分権社会が進む中,今こそ府県との在り方について実効性の伴うよう議論を深めていかねばならないと考えております。論議を進めていくうえで負担と受益の関係を明確にするという視点が極めて重要であります。今まさに地方の時代と標榜されて久しい今日,今後は147万市民と我々市議会のメンバーと共に府知事に遠慮なく物申していただきたい限りであります。今こそ改革の時代,京都府との二重行政を解消することにエネルギーを燃やし続け,名だけの京都市,京都府の協調ではなく市民が納得いく実効性と合理性のある京都市,京都府の協調に,一層効果的,効率的な無駄のない市民サービスを提供するために府機関と定期的に会合を重ねられ,その前進に努力されていることは我々も高く評価しているところであります。そこで,根本的には住民に身近な基礎的自治体に税財源移譲などにより市民の汗の結晶である財源を集中させ,自治体が抱えている課題を自己決定,自己責任の下で処理できる構造,仕組みを一日も早く構築することによって透明性の高い信頼される市政運営が展開されると思いますが,負担と受益の関係を明確にし,二重行政解消に今こそ我々議会人も一緒に努力する時を迎えていると思います。桝本市長の御所見を賜ります。なお2月25日の新聞報道で,京都府知事が特別市構想に反対であると表明したとありますが,市長には,これまでどおり特別市の実現に向かってお取組を進めていただきたい。これは
自由民主党市会議員団の総意であります。昨日,中村団長以下強力に申し伝えておりますので,このことについて強く市長に要望しておきます。 次に,前段でも申し述べましたように健康都市構想の下,市民の健康と環境に御尽力され,その当時,大文字山やのゴルフ場建設阻止に心血を注がれ,その任期半ばで倒れられた田邊市長に対して死者にむち打つ判決が下されたことについて,その御遺志を引き継がれた桝本市長に明快な答弁を求めるものであります。(発言する者あり)去る2月6日に大阪高等裁判所にて言い渡された故田邊市長を被告とするいわゆるポンポン山ゴルフ場用地住民訴訟の控訴審判決は,亡くなられた前市長に26億円もの巨額の損害賠償金の支払を命じるという本来金額で買うことのできない三山保全と環境と生命を脅かす公害防止という大前提が欠落した問題判決であると認識するものであり,(発言する者あり)そう感じるのは私一人ではないと思います。その判決の中で,ゴルフ場開発業者から80億もの損害賠償を求められる調停に関して,簡易裁判所が職権で行った京都市がこの土地を約47億円で購入することの決定に異議を申し立てない旨の議案を前市長が市会に提案され,全会派の議員が真摯な審議を尽くして,係争の早期解決と世界に誇る国際文化観光都市である京都の自然環境を後世に引き継ぎ,大原野をはじめとする周辺地域の振興と環境保全を具体的に進めるには,この問題の先送りは許されないと判断した市会の議決自体が違法と指摘しているものであります。(発言する者あり) その当時,私は議長として議会の推移を見届けておりましたが,近隣の高槻市からは,命の水源が汚染されるのでゴルフ場は絶対阻止願いたいとの悲痛な訴えの下,異例というべき4日間も会期を延長して普通予算委員会に託し慎重かつ真剣な審議を尽くし,数多くの同僚議員の精査のうえ,苦渋の中で共産党の諸君の主張するような,いたずらな問題先送りは将来に一層の負担と市民的な利益を損なうとの判断の下,金額で償うことのできない健康と環境保全を重んじて善良なる議員により可決されたものであります。(発言する者あり)私は,この慎重に審議を尽くした議会制民主主義に基づく正当な手続による市会議決が何ゆえ違法にされるのか到底理解し得ないのであります。(発言する者あり)地方分権を一層推し進めていかなければならないこの重要な時期に,正当な手続に基づく地方議会の政策的な判断と裁量権ですら一切認められない判決は,憲法及び地方自治法が定める地方分権の根幹と自治体運営の実情についての基本的な理解を欠く全く常識を逸脱した判決であります。このような(発言する者あり)誤った判決は絶対に許してはならないものであります。この議案の判断に深くかかわっていただいた善良なる議員諸公と共に,精魂を尽くして審議に当たった同僚議員はもとより豊かな市民生活を目指して精魂込めて健康都市構想を制定され,(発言する者あり)三山の景観保全や自然環境保護行政を積極的に進められた今は亡き田邊朋之市長の御生前の御功績に報いるためにも,この議決の正当性を市民の皆さんに明らかにしていただきたいものです。この度の大阪高裁の判決について桝本市長の御所見と今後どのように対応されるのかお伺い申し上げます。(発言する者あり) 次に,本市交通事業について新たに打ち出された京都市交通事業
ルネッサンスプランについてお伺い致します。昨年2月,乗合バス事業の規制緩和が実施され,自由競争時代がその幕を開けてから早1年が経過しました。その間,本市交通局はその動向に追随し管理の受委託に奔走して参りましたが,大きな忘れ物をしていることに気付いていないと思うのであります。口では市民の足と言いながら,現在のバス路線が本当に市民の足のネットワークとして完全に構築されているとは誰一人思わないでありましょう。本年1月から運行を開始したヤサカバスなど,規制緩和の2年目を迎えるに当たり民間事業者の新規参入の動きは本格化することも予想されるところであります。また,依然として先行きの不透明な景気の状況などから旅客数の減少傾向に歯止めが掛からず,加えて本市財政状況においては非常事態宣言が発せられ,本市交通局を取り巻く企業環境は今までのような運賃改定は認められず,ますますその厳しさが加速しております。交通局理事者におかれましては,平成12年度の
経営健全化プログラム21に基づき給与の5パーセントカットなど人件費削減を中心とした大変厳しい経営健全化に取り組まれて参りましたが,更に今日,管理の受委託の拡大や人件費の削減で新たなる経営健全化計画として京都市交通事業
ルネッサンスプランを策定され,昨年末に労働組合と大綱妥結するに至ったと表明されております。これは労使にとって苦渋の選択だったと思います。しかし,労働の糧は労働に値する喜びがなくてはなりません。今一度原点に立ち戻って,乗っていただけ市民に愛されるバスとしての位置付けを徹底的に模索すべきであると思いますが,労使が真剣にお取組をいただき夢多き前進のプランを市民をも巻き込んで考えていただきたいと思います。そして一日も早く市民に期待され愛される市バスとして,この変革の時代を乗り越え有機的な市バスの路線化を早急に確立していただきたいと思いますので,名実共に市民に愛され親しまれるバス路線の構築と健全運営に対する真摯なる強い決意を管理者からお伺い致します。 次に,潤いと安らぎのあるまちと常々標榜されておりますが,我がまち伏見区にも,最近,殺人,強盗といった凶悪なる犯罪が連日発生し,その警告は幼子の集団であります保育園にも発せられておるのが現実であります。特に伏見警察署は犯罪も府下ナンバーワンの発生率ですが,交通事故件数もナンバーワンであると仄聞しております。そこでお伺い致します。本来,警察行政は現状をすべて府にゆだねられております。そのことは百も承知しておりますが,余りにも現状に対応するだけの人的体制も能力も欠落していると思いますので,本市としてどのような対応をすればよいのか定かでありません。この際お教えいただきたいと思う次第です。特に本市には,おおむね各警察署ごとに少年補導委員会が長年組織され,少年少女の非行防止に心魂を込められ,健全育成に春休み,夏休み,冬休みはもとより,最近は土日の学校から解放される児童生徒に対して心温まる事業を計画し,ボランティア精神の下,各地域で真摯なる御努力が展開されておりますが,すべて手薄な警察行政では対応できないことがしばしばありますので,それに長年携わる者としては,本市にその直接的な窓口を設けていただき,お互いの立場で21世紀の主権者であります子供たちの健全育成に努めるべきであると思います。市長様はいかがお考えでございますかお伺い致します。特に最近,新聞報道では日常茶飯事のごとく,あるまじき犯罪が外国人も含めて報道されておりますが,警察権力が対応し切れていないことに起因することが多々ございますので,由々しき現実を踏まえてこの際御所見を賜っておきます。 また国会答弁の中で,我が党が誇るべき谷垣国家公安委員長が駐車違反は民間に移譲するなどの発言がございますので,市内のメーンストリートの違反摘発には雇用の再生産にもつながると思いますので要望しておきたいと思うと同時に,毎日のように押小路通りで駐車違反の摘発に遭っておられる方について行政指導するとか,ビラの1枚か看板でも提示されることが市民に優しい行政だと思いますので御要望しておきます。 最後に開けゆく洛南伏見を中心にお伺い申し上げます。南部地域は,京都市基本構想において21世紀の京都の活力を担う創造のまちづくりを進める所と位置付けられております。京都の将来は可能性豊かな洛南伏見の発展に懸かっていると言っても過言ではございません。奥山代議士をはじめ我が党選出の国会議員の支援の下,国から大きな支援で大きな改革がなされております。そして目まぐるしい変革を遂げ,都市再生緊急整備地域としての指定や飛躍的に改善されつつある道路基盤の進展など洛南伏見区は音を立てて大きな変化が生まれております。この動きを更に加速し,活力みなぎるまちとして企業立地の促進をはじめとする高度な都市機能を集積していくためにも公共交通網の充実が緊急の課題となっております。伏見区の長年の悲願であります地下鉄は,実現可能なLRT方式で三栖,更には将来開発が予定される陸の孤島,神川,水垂までの延伸に向けて是非とも御検討をお願いしたい次第です。また急がれるのは,油小路通や洛南道路及び第二京阪道路が飛躍的に改良されて参りますので,南北の幹線道路の整備に伴うバス路線の未来像についてお伺い致します。また,活力みなぎる可能性豊かな高度集積地区の新しいまちと中心市街地活性化の伏見地区を結び,更にまた市域を越えて乙訓,宇治市など京都府南部のバス路線を拡充していただきたいと思います。 更に伏見区における観光振興についてお伺い致します。京都市は,京都市基本計画において年間観光客5,000万人構想の下,おこしやすプランを策定し全庁的に積極的な展開をされております。私の住む伏見区においては月桂冠や中書島を中心とした大きな観光プランがたくさんございますので,これを生かしていただきたいと思います。また昨年12月に桝本市長と山田知事のトップ会談で,来年1月から京都市を舞台に始まるNHKの大河ドラマ新撰組が始まろうと致しております。私もファンの一人として特に伏見区は坂本龍馬を筆頭に幕末の数多い志士たちが活躍した所でありますので,これを採り入れた観光客5,000万人構想に匹敵する事業を採り入れていただきたいと思います。 新年早々,先ほど北川議員も指摘されましたパープルサンガのビックなニュースが飛び込んで参りました。
○議長(磯辺とし子) 高橋議員,時間ですのでまとめてください。
◆(高橋泰一朗議員) (続)分かりました。これについてもひとつ温かい御理解をお願いしたいと思います。時間がございませんので,雑駁な質問になりましたことをお許しいただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) 高橋泰一朗議員の御質問にお答え致します。 まず水害対策についてでございます。本市では,河川改修,下水道整備や排水機場の整備等治水対策の進捗により,この30年間は大規模な床上浸水等の水害は発生しておりません。しかしながら,気象変動をもたらす地球温暖化等の状況を考えますと,淀川水系の浸水想定に見られますように今後は現在の治水能力を大きく超える不測の事態を想定し,ハード,ソフト両面からの総合的な水害対策の充実に取り組んでいく必要があると考えております。そのためには水害対策の基本となる河川改修,下水道の雨水処理能力の一定の拡大などハード面からの治水対策を引き続き進めるとともに,ソフト面の取組につきましてもハザードマップの想定等地域防災計画を見直すなど,市民の皆さんへの情報提供の充実や水害に対ししなやかに対応できる防災体制の強化に取り組んで参ります。更に雨水の循環という新しい視点をもって雨水の流出の抑制を図る京都市水共生プランの策定に着手致します。また特に淀川水系につきましては,河川管理者である国に対し桂川改修の促進等を要望致しますとともに,水防団,消防団との連携した活動や,今後,自助,共助の面から市民の皆さんにも水への備えの充実を働き掛けて参ることと致しております。 次に本市と京都府との間における二重行政の解消についてでございます。高橋泰一朗議員から御指摘がありましたように,私も地方分権を真に実現するためには地域自らが自らの選択と財源で施策を実施できるようにすべきであり,自己決定,自己責任の原則を税財政面にも広げるとともに,住民から見て受益と負担の関係が分かりやすい税財政構造に改めていくことが必要であると考えております。二重行政の問題は,都道府県と市町村という我が国の統治構造そのものに起因するものであり,最終的には国に対して見直しを求めていくべき課題であります。しかしながら,現行制度の下においても京都府との協調によって二重行政を解消し効率的な行政を進められる事業もあることから,これまで知事と私との懇談会をはじめ様々なレベルで京都府と率直な意見交換を行っているところであり,今後とも市会の先生方の力強い御支援をいただきながら,147万人の京都市民にとってメリットのある効率的な行政の推進に努めて参りたい所存でございます。(発言する者あり)いわゆる特別市構想につきましては,21世紀においても京都が存在感のある世界の京都として発展するために,更に明るい京都の未来を切り開いていくために議会の先生方としっかりと議論し市民や府民の御意見も十分伺って参りたいと考えております。 西京区大原野石作町のゴルフ場計画跡地の取得に係る住民訴訟についてお答え致します。本件土地は,京都三山の一つである西山をゴルフ場開発から守り自然と触れ合う市民の憩いの場として整備することにより地域の振興を図るという当時の田邊市長の強い信念に基づき取得したものであり,現在は豊かな自然環境を生かした大原野森林公園として自然を愛する多くの市民の方々に親しまれている所でございます。高橋議員御指摘のとおり本件土地の取得は,簡易裁判所の決定に基づき市会の慎重かつ十分な御審議を踏まえて議決をいただいたうえで行ったものであり,適法かつ適正なものであると考えております。(発言する者あり)去る2月6日の大阪高等裁判所の判決につきましては,こうした一連のプロセスと地方自治法の解釈等について基本的な理解を欠く重大な誤りのある判決と考えております。(発言する者あり)本件につきましては,2月18日に御遺族が上告されたことを受けまして被告側参加人京都市長として上告手続を行ったところであり,今後改めて上告審である最高裁判所の判断を仰いで参りたいと考えております。(発言する者あり) 次に子供たちの非行防止と健全育成についてお答え致します。京都は,まちに息づく自治の伝統の下,自治会,町内会などの地縁組織が強固に連携し,また少年補導委員会,市政協力委員や地域生徒指導連絡協議会といった優れた組織を有し,子供たちの健全な育成はそうした地域を基盤とした活動により支えられて参りました。しかしながら,近年青少年の非行は低年齢化,粗暴化しており,これまでの常識を覆す事件が続発し,まさに従前以上に地域全体で青少年を守り育てる意識を高めていくことが必要でございます。このため京都市と致しましても,昨年3月,京都市ユースアクションプランを策定し,青少年活動センターでの取組や人づくり21世紀委員会の活動などを積極的に推進しており,今後とも地域の団体とより一層連携し子供たちの健全育成に取り組んで参る所存でございます。更に誰もが安心して暮らせるまちの実現に向け,今日まで京都のまちが培ってきた地域のパワーを結集し,地域団体や事業者,警察等関係機関が一体となった生活安全推進協議会を全行政区に設置致しました。今後とも警察の活動と連携し,この協議会を中心に地域における身近な安全安心が確保されるよう努めて参ります。 次に南部地域におけるバス路線の未来像についてでございます。南部地域におきましては,油小路通や洛南道路など幹線道路の整備が進む中,多様な都市活動を支える公共交通網の整備が重要な課題であると認識致しております。このためまちづくりの将来ビジョンや交通の現状,課題を踏まえ,地下鉄竹田以南の南北交通軸やこれを補完するバス路線網の整備方針など,南部地域全体の公共交通体系について現在総合的に調査検討を進めているところでございます。バス路線網につきましては,高度集積地区や伏見地区など本市の南部地域のみならず隣接市町村も視野に入れた広域的な発展と活性化に寄与するよう整備する必要がございます。このため平成15年度には,京都府の協力を得て府立伏見港公園の敷地内にバス転回場を新設するとともに,京阪電鉄が計画されている中書島駅南側のバスターミナル整備に対しましても支援を行うことと致します。今後これらの取組を推進し,民間事業者の活用も視野に入れながら21世紀の京都の活力を担い創造のまちづくりを進める南部地域にふさわしい公共交通網の実現を目指して検討して参りたいと考えております。 以下,副市長,公営企業管理者及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕
◎副市長(高木壽一) ドラマ新撰組に伴います観光振興策についてお答え致します。京都は,幕末維新の歴史的なドラマが繰り広げられました正に舞台でございまして,幕末群像をたどる観光客が絶え間なく訪れておられます。平成16年のNHK大河ドラマが新撰組に決まりましたことは京都の観光振興にとって絶好の機会であります。京都府をはじめ関係機関と連携を図りながら,幕末や維新に関連する隠れた観光素材の発掘や新たな観光コースを設定するなど,従来からの新撰組ファンだけでなく修学旅行生を中心とした若年層にとっても魅力のある観光プログラムの開発に取り組んで参ります。高橋議員御提案のとおり,激動の舞台となり豊かな文化観光資源を誇る伏見にも大いに期待しているところでございます。今後,京都市観光協会やおこしやす京都委員会,そして伏見をはじめとする各地域の取組と連携致しまして,多くの市民の参画を得ながら更なる京都の魅力を発信し観光客5,000万人の実現に向けて取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕
◎副市長(河内隆) 私からは財政運営に深く関連致します市債の発行についてのお尋ねにお答え致します。本市におきましては,これまでから金融機関などを通じて資金を調達する市場公募債を発行して参りました。最近はペイオフ対策などの影響もあり市場公募債を購入される市民の方が増加しておりますが,なおその多くが金融機関などの機関投資家によって引き受けられているのが実情でございます。議員御提案の資金の使い道をあらかじめ明らかにして市民の皆様に競って御購入いただけるような工夫を凝らした新たな市債,いわゆる住民参加型のミニ公募債の発行は,本市における資金調達手段の多様化はもとより市民の皆様の市政への参加意識を高めていただくためにも大きな役割を果たすものであり,大変有意義な御提案と受け止めております。したがいまして平成15年度予算案に計上致しております施設整備事業のうち,ミニ公募債にふさわしい事業を対象と致しまして,本年秋の発行を目指して鋭意準備を進めて参りたいと考えております。発行に際しましては,その利率は低金利の時代にありましても比較的有利なものとなるよう努めて参りますほか,その名称につきましても愛着の持てるネーミングを検討して参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 野嶋建設局長。 〔野嶋建設局長登壇〕
◎建設局長(野嶋久暉) 世界水フォーラムに対する取組についてでございます。本市におきましては,21世紀最大の課題である水問題への市民の皆様の関心と理解を深めていただくために,これまで京都水の語らいをはじめ,連続公開講座やシンポジウムなど多彩な取組を多くの方々の参加を得て市民とのパートナーシップの下に展開して参りました。また間近に迫りました世界水フォーラムを成功に導くため,延べ2,000人を超える市民ボランティアの方々がおもてなしの心をもって積極的に参加し,市職員と一体となって運営,支援を行っていくこととしております。更に京都を挙げた取組と致しましてフォーラム期間中にみやこめっせで開催する水のえん2003in京都では,水がはぐくんだ京都の美と心の象徴でもある茶道,華道をはじめ水と文化,歴史,産業を幅広く世界に紹介するとともに自ら体験していただくこととしております。なお議員御提案のコーヒー,紅茶の割引協賛につきましては早急に呼び掛けを行って参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 江草公営企業管理者。 〔江草公営企業管理者登壇〕
◎公営企業管理者(江草哲史) 本市バス事業の健全経営に関してのお尋ねでございます。本市交通事業につきましては,今後一層厳しい経営環境が見込まれるため,新たな事業再生計画である京都市交通事業
ルネッサンスプランを策定したところであります。この計画では,事業再生に向けた取組の方向性として管理の受委託の拡大や更なる人件費の削減などによる経営体質の強化に加え,利用促進の取組強化及び財政構造の強化を三つの柱に据え,職員の意識改革と市民とのパートナーシップにより事業を推進することと致しております。とりわけ市民の皆様の利用促進の取組強化と致しましては,カード乗車券による乗り継ぎ運賃の改善や市バス路線ダイヤの改善などに取り組みますとともに,お客様満足度調査や市民モニター制度の実施などによりお客様ニーズを事業運営に反映させて参ります。御指摘の市民に親しまれる市バス路線の在り方につきましては,現在,京都市交通事業審議会において審議いただいているところであり,今後その提言を踏まえた取組を積極的に進めて参ります。今後とも将来にわたり147万人の京都市民の足として,愛され信頼される市バスとなるよう全職員が一丸となって取組を進めて参ります。以上でございます。
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○議長(磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午後0時0分休憩〕 〔午後1時1分再開〕
○議長(磯辺とし子) 休憩前に引き続き,会議を行います。
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○議長(磯辺とし子) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行致します。富きくお議員に発言を許します。富議員。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕
◆(富きくお議員) 山科区選出の富きくおでございます。自民党市会議員団を代表致し市政一般に関し,経済対策,福祉,環境,教育など順次質問致します。 従業員数が10名に満たない企業が京都市内では84パーセントを占めており,これらの企業を取り巻く資金調達の環境は特段に厳しく,平成13年から14年にかけては大型倒産が相次ぎ,その影響を受ける企業の数も非常に多くなっております。こうした中,昨年1月,全国に先駆けて借換融資制度を京都市,京都府の協調により創設致しました。この融資制度は,緊急の新規融資だけでなく,これまでの借入金が経営の努力と結び付くように実りのある思い切った自治体独自の対応が必要であるとかねてより私たち自民党京都市会議員団が本会議や委員会での質疑を通し強く求めていた提案にこたえて実現したものであります。そして今年1月27日から実施されているあんしん借換制度へと一層拡充発展して参りました。このあんしん借換制度は,民間金融機関からの借換えと新規借入れも可能で,かつ年1.5パーセントの大変有利な固定金利となっております。これを利用して非常に効果的な資金繰りの改善を図ることができるようになっております。市と府で始めたこの借換制度は,厳しい経済状況が長引く現状を十分に踏まえたうえでの発想に基づくものであり国においても高く評価され,2月10日からの国の資金繰り円滑化借換保証制度の創設に至ったものであります。国のモデルケースとなったわけであり高く評価致すものであります。この制度を十分に利用あるいは活用していただくには,受付窓口となる銀行また融資機関に対し,きめ細かくかつ親切に対応していただけるよう是非とも京都市から強力に働き掛けるべきであると思いますがいかがですか。そして中小企業支援センターの相談体制をより一層充実強化し,適切かつ心のこもったアドバイスをしていただきたいと思います。そこで市長にお伺い致します。中小企業施策に求められるのは,まずきめ細かい対応のできる相談体制であると思いますがいかがでしょうか。また,あんしん借換制度については,今のところ実施期間が6月末までとなっておりますが,経済状況によっては実施期間の延長も必要であると思いますがいかがですか。この制度を利用していただければ資金繰りで苦しむ相当数の企業を救えるはずであります。 次に福祉に関連致しまして質問致します。京都市内の出生率は1.16と過去最低となり,将来の社会経済に対する深刻な影響が懸念されております。少子化の背景には,現場優先の企業風土や核家族化や受験戦争など子育てそのものに対する負担感が増大していることなどが考えられます。そして子供は母親が育てるものという社会認識が依然として強く,夫婦共働きの場合でも育児休業を取るのは圧倒的に女性が多く,厚生労働省が昨年少子化対策の一環として男女別育児休業取得目標を定め男性の目標値を10パーセントとしたものの1パーセントにも満たないのが現状であります。制度や目標値を作るだけでなく実効あるものにするためには,女性の方が子育てに適しているという考え方から家庭は男女双方がお互いに協力し合って営むものであるという考え方に意識変革が必要で,同時に家族や家業の大切さを認識してもらう必要があります。そのためには家庭や地域社会の中だけでなく学校教育の中でも,そのような認識をしっかりと根付かせていく教育が必要であると思いますがいかがでしょうか,市長にお尋ねを致します。 現在1中学校区1児童館を基本に整備を進めておりますが,地域によって子供の数も面積も違うのですから柔軟に対応するとともに,そろそろ1小学校区1児童館を目指して準備を進めてはいかがですか,保健福祉局長に伺います。また障害のある児童については,小学校4年生まで学童クラブ事業が利用できるようになりました。これについては評価致しますが,その受入体制は十分整っているのでしょうか。職員の人数などで受入側が不安に感じているようなことはないでしょうか関連してお聞き致します。学校の放課後対策については,現在のように児童館に頼るだけでなく教育委員会も学校も一緒に考え取り組む必要があると思います。保健福祉局と教育委員会の連携は取れているのか,役割分担はどうなっているのか,副市長からお答えください。 次に障害児教育についてですが,昨年の秋,学校教育法の施行令が一部改正され,障害児も各市町村の教育委員会の判断で普通学級に在籍することが可能となりました。養護学校と普通学級の両方に在籍することができ,埼玉県では2004年度実施に向け協議を進めておりますが,実は私の大変お世話になっている友人も重度の障害を持つ娘を育てております。両親はじめ家族の献身的な介護により,この春,呉竹養護学校に入学する予定ですが,両親は近くの小学校の音楽の授業だけでも参加したいと真剣に願っております。彼女自身が言葉や歌で表現することはできませんが,同じ年ごろの子供たちの中にいるときの表情や体の動きは大人の中にいるときとは違い本当に生き生きとし,うれしそうなのです。一緒に学ぶことによりお互いの違いを認め個性を尊重し合う意識を高めていくことになります。京都市においても早急に取り組んでいただくよう強く要望致しておきます。 近年,アレルギーに悩む子供が増えております。この10年でほぼ倍増致しております。東京都内では5人に1人がアトピー性皮膚炎とも言われており極めて深刻な事態になっております。また最新の調査によりますと,1970年代に生まれた人の約9割がアレルギーを起こしやすい体質で,世界でも例がないほど高率となっております。またアナフィラキシーショックと呼ばれる重度の食物アレルギーでは,小麦や卵,牛乳,そば粉など発症原因となる食物が体内に入ったり接触すると嘔吐や呼吸困難などに陥り命にかかわる緊急事態が発生します。こうした重度アレルギー児の食事は,発症原因となる食物を取り除いた食事すなわち除去食が不可欠であり,現在市内の保育所には除去食が必要な乳幼児が約700人もおりますが,除去食の調理費は保育所や保護者が全額負担致しております。昨年の12月に京都アレルギーの子を持つ親の会の皆さんからの陳情を受け,市では来年度から食物アレルギーで緊急事態に陥る児童が通う保育所に除去食の調理や食物管理の人件費として障害児保育補助金を交付することを決定致しました。またインターネットや福祉事務所で公開している保護者向けの保育施設情報に,食物アレルギーへの対応状況などを盛り込む予定です。アレルギー児は急速に増えており,個人の問題としてではなく社会全体の問題として捕らえ,早急な対策が必要です。とりわけ学童期の子供へのきめ細かな対応が必要ですが,親の会が実施したアンケート調査では,医師や保健師など医療従事者にもアレルギーに対する理解が十分でないのが現状であります。またアレルギーがあると保育所への入所を断られたり,通園していても手間を掛けていることに対し気兼ねしている親も多く,アレルギー児を持つ親の経済的,精神的負担は極めて大きいものがあります。今回の京都市の措置は,まず最初の一歩を踏み出したところでありましょう。今後社会全体がアレルギーに対する正しい知識と認識を持てるよう広く啓発していくとともに,保健所とも連携を取りアレルギー児や保護者の心のケアも含め対応していくべきであると思います。今後どのように対応を進めていかれるのか,特に保育所における対応の早急な拡充が必要と思いますが,子育て支援の見地から市長にお伺い致します。 次に介護保険制度と国民健康保険制度の問題点についてごく簡単に述べ要望致します。まず介護保険制度については,サービスの量だけではなく,いかに質を高めていくかが今後の課題であります。そのためには第三者による公正かつ客観的な評価システムづくりを早急に確立する必要があると思います。また苦情や相談についても適切に対応し,内容を分析して事業者の提供するサービスに反映できるシステムを作るよう強く要望致しておきます。国民健康保険制度につきましては,増加する一方の医療費に対して保険料収入は伸び悩み,財政的に国民健康保険制度自体が立ち行かなくなりつつあります。保険料の負担ももう限界です。京都市も,我が自民党議員団からの要望を受け一般会計から過去最高の146億円を繰り入れ保険料の据置きを2年連続で行うなど,その対応に関しては一定の評価を致すものであります。しかし累積赤字も膨大になり,お互いに扶助し合う保険制度の運営自体が限界に達しており,こうした状況については京都市だけの努力で解決できる問題ではなく,国は今こそ幅広い市民や関係団体と意見を交換し,皆が納得できる抜本的な制度改正を行うべきであります。市長は,今までも国に対し再三再四にわたり要望してこられましたが,更に粘り強く国に対し要請されるよう強く求めておきます。 最近,園芸福祉と呼ばれる活動が全国的に注目されております。園芸によってもたらされる幅広い効果は,農林業が持つ環境保全や自然環境の形成といった観点からも極めて重要であると思います。三重県で開催された園芸福祉全国大会をはじめとし,京都市におきましても京の園芸福祉研究会が設立され,園芸福祉ボランティアの育成も含めその活動をスタートさせております。また国レベルでも,国土交通省などが提唱するまちの駅計画の一環として園芸福祉の里が群馬県内に開設され,園芸福祉の実体験や研究の場として人気を博しております。高槻市では街かどデイハウスという65歳以上のお年寄りに,お年寄り言うたら失礼でございますね,熟年に園芸や農作業の場を提供し,自然の中で過ごすことにより予防医学ならぬ介護予防の効果を挙げております。長野県諏訪中央病院のハーブガーデンは,リハビリの歩行訓練の場を中心として作られ約50人の園芸福祉ボランティアによって維持管理が行われています。また子供たちにとっても植物を育てるという作業を通して自然や環境への配慮,命への慈しみなど大切な感性がはぐくまれていきます。今,各小学校で取り組んでいるビオトープも園芸福祉分野そのものだと思います。ようやく動き始めた園芸福祉の理念や活動を具体的にどういう形で施策の中で生かしていけるのか検討してみてはいかがでしょうか。園芸といえば農林部の所管で,福祉といえば福祉部の所管と行政上別々でありましたが,園芸福祉という新しいジャンルでは,その垣根を取り払い福祉の観点から高齢者,障害者,子供たちと園芸を組み合わせてお互いの生活の質を向上させていくのが望ましいと思います。京都市各局と京の園芸福祉研究会をはじめとする関係諸団体との協議機関を設け検討してみてはいかがでしょうか,副市長にお伺い致します。 次に医療に関連して午前中,北川明議員に引き続き京都民医連中央病院の検査虚偽報告問題についてお尋ね致します。既に新聞報道などで御承知のとおり共産党の大きな支援組織である京都民医連中央病院は,約5年間にわたり,たんや尿などの培養検査などを行わずに,あたかも検査したかのようにうその報告を2,505件にもわたって行っていたというものでありますが,先ほど市長も答弁で述べられたように手抜き検査をしながら検査費用は患者から取っているわけですから,手抜き検査と診療報酬の不正請求という二重の悪質な許し難い行為であると言わざるを得ません。京都市は府と合同で中央病院への立入検査を実施するとともに,原因究明委員会が虚偽報告と健康被害,また死亡患者との因果関係を調査しています。私たち与党会派は,市民の医療に対する不安や不信を払拭し信頼を回復するためにも徹底かつ厳正に原因を究明するよう強く求める決議案を去る9月定例市会に提出し,共産党を除く賛成多数で可決致しました。また,この民医連問題は国会においても度々採り上げられ,2月6日の衆議院予算委員会においては我が党の西野陽代議士が再発防止のためにも中央病院などの関係責任者の参考人招致を要請,同時に選挙における同病院,民医連関連診療所と共産党との密接な関係についても明らかに致しました。更に京都府議会の2月12日の本会議で(発言する者あり)選挙との関係でのかかわりと言うとるんだ。(発言する者あり)医師で病院経営者でもある我が党の清水議員が代表質問で,医師がオーダーした検査を検査技師がやりもしないで異常なしと報告したが,治療が誤った方向に行き,その結果,患者は重症化し,場合によっては死亡するケースが予測される。単なる診療報酬の架空請求とは違う極めて悪質な事件であると指摘。そのうえで,府も市も病院を持っているのだから呼吸器,感染症,臨床検査などの専門家でプロジェクトチームを構成し,一定期間,死亡された243例だけでも徹底的に検証できないかとただしました。(発言する者あり)清水議員の指摘のとおりプロジェクトチームを作り,徹底した原因究明を行うべきであると考えますが,副市長にお伺い致します。また,併せて原因究明委員会及び立入検査による報告の取りまとめはいつごろになりますかお伺い致します。 先ほど我が党の北川明議員の質問に対し(発言する者あり)共産党から,皆さん,これだけ野次を飛ばすんです,民医連の関係については。(発言する者あり)よく見てください。一部削除発言がありましたが,民医連のこととなると共産党の諸君は非常にヒステリックになり(発言する者あり)あなた方は,彼らは涙ぐましいほど民医連をかばい立て致します。(発言する者あり)言い換えますと,それほど民医連と共産党との関係は密接であり両輪であることを露呈したと言っても過言ではありません。(発言する者あり) 次に環境問題です。環境問題に移ります。国レベルで限りある資源を有効に活用し環境に優しい循環型への転換を図るための様々な方針の策定が行われています。バイオマスと呼ばれる木や紙類や食品廃棄物など生物に由来する資源を最大限有効に活用するための国家戦略,バイオマスニッポン総合戦略が策定されました。京都市においては,使用済天ぷら油をリサイクルしたバイオディーゼル燃料化事業や生ごみを発酵させることによってバイオガスを取り出し電力や熱に変換して利用するバイオガス化実証事業など先進的な取組が既に行われております。環境先進都市京都を目指し多くの市民の皆さんや事業者の皆さんの御協力の下,行ってきた成果が国を動かしバイオマスニッポン総合戦略へと発展していったのであります。また昨年度からは,京都市中央卸売市場の協力を得て今まで使っていた年間24万箱にも上る石油原料の発泡スチロール製の魚箱を,とうもろこし原料の生分解性プラスチック製のものに切り替えて,使用後は回収して京都市のバイオガスプラントで発電に利用する取組が開始されます。この事業は卸売市場の皆さん,魚箱の製造メーカー,プラントメーカーなど多数の民間企業の協力を得て行う予定で,京都市が提唱しております産学公連携のバイオシティ構想の具体化を図る重要な事業でもあります。このようにバイオディーゼル燃料化事業にしてもバイオガス化実証事業についても,これらを今後とも発展継続させるためには更に品質や性能を高める取組や実証事業の成果をより推進させる取組が重要であります。このような観点から今回の予算を見ますとき,ハード面での予算措置は行われておりますが,品質や性能の向上を図るための研究開発や企画推進などソフト面での具体的な方策が明確にされておりません。温暖化の防止や循環型社会への転換を図るためには今後の具体策が非常に重要であります。この点についてどうお考えですか市長にお伺い致します。また,こうした先駆的な事業に果敢に取り組むためには,組織立った体制と専門知識を持った職員の充実が不可欠であります。是非ともその充実に向け積極的に進めていただくよう強く要望致しておきます。 温暖化防止には更なるごみの減量化が必要です。現在ごみ処理基本計画の見直しが行われておりますが,透明な指定袋を導入し,正しいごみの出し方の啓発指導による分別マナーの徹底を図るべきであると思いますがいかがですか環境局長にお伺い致します。同時にごみ処理基本計画についても,その作成の過程を市民の皆さんに明らかにしていくべきだと考えますが,その具体的な方策についても併せてお伺い致します。 次に教育問題です。京都市では,既に平成11年10月に京都市中学高校一貫教育研究会議が発足し,研究,検討が積み重ねられ,今年の春開校する京都市立西京高校の未来社会創造学科
エンタープライジング科の中学部として設置し,平成17年度の開設に向け着々と準備が進められております。内容については先ほど北川明議員がおっしゃったとおりでございますが,昨年8月の説明会には2,600名もの生徒や保護者が詰め掛けるなど関心も極めて高く,私たちも大いに期待しているところであります。ところが昨年12月の京都府議会本会議で,府立洛北高校において平成16年度,中高一貫教育を導入するとの武田京都府教育長の発言が突然ありました。言うまでもなく学校の設置,運営,教職員の採用や人事,教育内容など義務教育のほぼすべての責任を京都市が負っているのであります。こうした状況の中で,京都市内に府立中学校を設立することになる府立洛北高校における中高一貫教育の導入に当たっては,京都市と事前に十分な協議を行い合意を得ておくべきであるのは当然のことであります。しかし,今回の武田京都府教育長による突然の発表は,事前の協議や合意が全くなされておらず,京都市はもとより学校現場をもないがしろにしたものと言わざるを得ません。この問題で京都市立の小中学校校長会が何の説明も受けておらず,保護者にも説明できない状況で学校現場が混乱していると武田教育長に対し白紙撤回を文書で要求されたのも当然のことであり,私自身も地元の多くの小中学校の校長先生方から困惑した切実な声を聞いております。また今回のことは府立高校関係者にも混乱を与えるものであり,かねてより京都市,京都府協調を掲げておられる山田啓二府知事の方針とは全く相入れない府教育委員会の暴走ともいうべきものではないかと非常に残念に思います。同時に地方分権推進のためにも,京都市,京都府協調が極めて重要なときに今回の出来事は全く(発言する者あり)静かに聞きなさいな,一生懸命言うとるのに。(発言する者あり)共産党とはこういう政党です。(発言する者あり)皆さん本当に黙って聞いてください。議長,制止してください。
○議長(磯辺とし子) 御静粛に願います。
◆(富きくお議員) (続)我々自民党京都市会議員団は,この事態を極めて重く受け止め,今回の京都市内における府立高校での中高一貫教育についてはいったん白紙に戻して双方の教育委員会の協議が行われるよう京都府に対し知事同席の中,武田教育長に強く求めて参りました。それを受けて府教育委員会の姿勢も改善され,両教育委員会による協議や小中学校の校長会やPTA代表と府教育委員会との懇談会の開催など話合いが進められていると聞いております。しかし今回の問題の発端を考えてみますと,私は今後の協議においてまず原点に立ち返ることが必要であると思います。京都府は反省すべきは反省し,早期に双方の教育委員会の一致点を見出すことによって学校現場の混乱や不安を収拾し,雨降って地固まるとなるよう切に望むものであります。そして今後は,京都市の合意なしに市内に府立中学校が設置されるようなことが二度とあってはなりません。同時に小中学校の現場を代表する意見を十分に踏まえつつ,入学者決定方法などについても過度の受験戦争をあおらないよう,子供たちの望ましい成長を見通したうえで小中高校教育全体の課題として検討し双方が一致することが大切であります。 更に公立高校制度の改革についても,市内に公立高校が府立が15校,市立が9校あるという状況の中で,市と府の協調と合意の下,学校現場や保護者の意向も十分に尊重したうえで改革が進められるべきであります。そこで教育長にお伺い致しますが,まず京都市の教育を進めるうえで,政令指定都市として今後京都府との関係をどのように考えておられるのか。また今回の事態から中高一貫教育の導入,更には公立高校の教育の改革を進めるうえで再びこうしたことの起こらないよう何を教訓としていかれるのか。また中高一貫教育に関しては,様々なメリットもあるものの受験戦争を助長させるのではないかという議論もあります。今回西京高校で実践されるわけですが,今後全市的に拡大させていく方針なのか,併せてお伺い致します。 今年の元旦,京都パープルサンガが天皇杯を制してから京都のスポーツ界の活躍には目をみはるものがあります。スポーツ政策監である山口良治先生は,長年教師として京都市立伏見工業高校ラグビー部監督として多くの子供たちを指導してこられました。ともすれば脇道にそれていきそうな子供たちもスポーツを通じ,その熱血あふれる体当たりの指導で立派に育ててこられました。そしてカリスマ性ともいうべき人を引き付けて放さないお人柄と,教育現場とスポーツを通じて培った豊富な経験を生かされスポーツ政策監としての重責を見事に果たされ,京都のみならず日本全国の様々な団体や自治体からの講演依頼が殺到していることも聞き及んでおります。そこでお尋ね致しますが,本市スポーツ行政の責任者として大いに手腕を発揮されてきたこれまでの歩みを振り返り,今後のスポーツ行政の在り方についてどのようにお考えなのか。また教育者として,御自身の経験を通してこれからの教育行政に何を望まれるのか率直な御意見をお聞かせください。 次に京北町合併問題についてです。平成の大合併が全国的に推進されております。こうした中,京北町では当初,船井郡,北桑田郡8町の枠組みの中で合併の問題を検討してこられ,日常生活圏から見て京都市との合併が望ましいとの意見が多数出されました。そして有権者の8割を超える約4,500名もの署名を町議会に提出し,その住民の意思を反映して編入合併の要望書を京都市に提出されました。京北町の有権者のほとんどが京都市との合併を熱望されており,住民の意思を十分に酌んだものであり,私は合併に係る大きな障害はないと考えております。合併となると,その過程で克服すべき課題はあると思いますが,細かいことをあげつらうのではなく大きな視点で合併のメリットが生かされるよう合併問題研究会で検討してもらいたいと思います。そこで市長にお尋ね致しますが,合併に向けた検討の進捗状況はどのようになっているのか。また京北町と合併するメリットはどのようなものがあると考えておられるのかお聞かせください。 更に合併を円滑に進めていくうえでの課題としては京都府との関係があります。当初知事は,制度上,感情面,技術上の問題をクリアしなければならず,簡単ではないとやや否定的な見解を示されたと報道されておりましたが,2月13日の京都府議会の答弁で,政府の地方制度調査会の西尾私案に対し,地方自治というものは自治の基本である住民の選択がどう確保されているかが一番の論点であると当初の見解とやや異なった発言をされました。京北町との合併については,町民の民意を反映したものであり,市町村間の利害が衝突するようなことは全くないと思われ,私は京都府がその調整をする必要もないと存じます。かつての大原野村の編入合併の折にも大きな問題が生じたとは聞いておりません。市長は,合併についての都道府県の関与の在り方についてどのようにお考えなのかお聞かせください。 最後に新十条通についてお尋ね致します。平成15年度に完成予定でありましたが,今のところ伏見区側で工事が停滞し完成めどが立っておりません。新十条通は山科区民にとって悲願の事業であり,早期完成を強く望んできたところであります。用地買収も山科側は全面的に協力し,工事に関しても区内13学区,特に当該地元学区の自治連合会をはじめ住民の皆様の御協力の下,工事も順調に進められております。今後は,用地買収が難航している箇所については公団と市が一体となって地元の説明に当たり,土地収用法等の法的手段も含め一刻も早い完成を目指すことを強く求めます。建設局長より今後の考え方と早期完成への決意をお伺い致します。また従来から私どもが一貫して主張致しておりました換気塔の土壌脱硝システムに関連致しましては,環境保全と景観の観点からも土壌脱硝システムを利用したお花畑を造るべきであると思いますが,どのような方針になっているのか併せて建設局長にお伺い致します。 時間の関係上,早口で述べさせていただきお聞き苦しいことも多々あったと思いますがお許しいただきたいと思います。以上でもちまして私の代表質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) 富きくお議員の御質問にお答え致します。 まずあんしん借換融資につきましては,現下の厳しい経営環境にある中小企業の方々への新しい支援策として,自由民主党をはじめ与党の御要望を踏まえ他都市に先駆け府市協調により創設したものでございます。この制度が有効に活用されるためには,富きくお議員御指摘のとおり金融機関の積極的かつ丁寧な対応が不可欠であり強く要請して参ります。また当然のことながら中小企業支援センターにおきましても中小企業の方々の信頼にこたえる責任ある相談に一層努めて参りますとともに,金融機関をはじめとする関係機関との連携を強化し,その円滑な実施に努めて参ります。実施期間を本年6月末までとしておりますが,制度の運用状況や国の動きを見極め,その延長については御要望どおり柔軟に対応して参ります。 次に子育てに関する教育についてでありますが,少子化が進む下,子供を産み育てる喜びを社会全体で共有することは重要であり,そのため学校の果たす役割は大きいと認識致しております。 〔磯辺議長退席,高嶋副議長着席〕
◎市長(桝本頼兼) (続)現在,男女共同参画推進条例制定の取組を進めており,その中で御指摘の家庭において男女が互いに協力して子育てを担うことの大切さを子供たちに身に付けさせることを含めた学校教育の役割についても検討すべきものと考えております。既にそうした趣旨から教育委員会において指導資料や副読本の作成が検討されており支援して参りたいと考えております。 次に富議員御指摘のアレルギー児への対応についてでございます。本市におきましては,21世紀の主人公である子供たちの健やかな成長を社会全体の力で支えていくため様々な施策を積極的に推進しているところであります。御指摘のとおり昨今アレルギー疾患を持つ子供たちが増加し,その症状も多様化しております。保育の一環としての給食の質の確保と食物アレルギー児に対するきめ細やかな配慮が必要と考えており,共に給食を食べる喜びを共有できるようアレルギーを起こす食品を除去した給食の提供にかねてから取り組んでいるところでございます。また命にかかわる重篤なアレルギーショックを起こす児童への新たな対応として,本市独自に職員加配の対象とすることと致しました。今後とも幅広くアレルギーの啓発に努めるとともに,保育所における対応などの情報提供の充実や保健所の乳幼児健診における保護者からの相談,医療機関への紹介など児童の状況に応じたきめ細かな対応ができるよう取組を進めて参ります。 地球温暖化防止,循環型社会への転換のための方策についてでございます。本市では,地域での資源循環の促進や地球温暖化の防止を目指し,COP3開催都市にふさわしい取組としてバイオディーゼル燃料化事業やバイオガス化実証事業に積極的に取り組んで参りました。これらの先進的な取組は国におけるバイオディーゼル燃料の品質規格化に向けての動きを促進するとともに,バイオガス化技術が有力な再資源化手段として国の認定を受けるなど全国に誇り得る大きな成果を挙げてきたところでございます。今後の具体的な取組方策と致しましては,国や関連事業所との連携を図りながら,バイオディーゼル燃料化事業については学識経験者等を中心にしてより一層の品質向上に向けた調査研究を先導的に進めて参ります。またバイオガス化実証事業につきましては,京都バイオシティ構想に掲げる循環型の産業システムの構築に向けて,産学公の連携により中央卸売市場第一市場の生分解性プラスチック魚箱を活用した全国初のリサイクルの実証研究を実施するとともに,その普及,実用化を目指した研究開発を精力的に取り組んで参りたいと存じております。 次に京北町との合併問題についてでございます。明治維新,戦後改革に次ぐ第3の改革と言われる地方分権改革の時代においては,複雑高度化する行政課題や多様化する住民ニーズ,著しい財政状況の悪化などに的確に対応していくことが求められております。このため住民に最も身近な基礎的自治体である市町村の行財政基盤の強化や広域的対応を図る必要から全国的に市町村合併が推進されているところでございます。こうした中,京都市においては京北町から合併の申出を受けたところでありますが,京北町は,豊かな自然や貴重な歴史文化に彩られた正に京都の奥座敷と呼ぶにふさわしいたたずまいを持つ町であり,こうした魅力ある地域が加わることは京都市の政策の展開の幅や可能性が広がり将来の京都の発展のためにも望ましいものであると考えております。しかし市町村合併には様々な課題があります。これらについて事前に十分協議検討するため,去る1月29日に京都市京北町合併問題研究会を設置したところであり,両市町の事務事業の比較検討や財政に与える影響,課題の抽出等を行い,本年5月を目途に今後の方向性を取りまとめて参りたいと考えております。更に今回の京北町からの合併申出は有権者の8割を超えるいわば京北町民の総意に基づくものであり,京都府に調整をお願いしなければならない状況が生じることは想定されませんが,現在京都府が直接執行されている福祉や保健衛生など大都市特例に基づく事務の移管も受けることから,今後とも府市協調の精神を大切にしながらできる限り京北町民の皆様の御期待に沿えるよう検討を進めて参りたいと考えております。 〔高嶋副議長退席,磯辺議長着席〕
◎市長(桝本頼兼) (続)以下,松井副市長,スポーツ政策監,教育長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは学童クラブ事業ほか2件についてお答え致します。障害のある児童の学童クラブ事業への受入れにつきましては,ノーマライゼーションの観点から積極的に進めているところでございます。平成15年度からは障害のある児童の受入れを4年生まで拡充することとしており,受入れに当たりましては,これまでと同様,障害の状況を把握し介助者の派遣を基本として実施するとともに,教育委員会の協力も得ながら進めて参ります。また放課後対策に関しましては,教育委員会が校庭開放や部活動などを,保健福祉局が昼間留守家庭児童に対する学童クラブ事業を担っているところであり,日々の運営において双方が密に情報交換を行いながら連携を図っているところでございます。今後ともより一層の連携を強め放課後児童の健全育成に努めて参ります。 次に園芸を通して心と体の健康の保持や生きがいを高める園芸福祉についてでございます。土に触れる機会を持ち草花を愛する心を育てていくことは,都市生活の中で子供たちや高齢者,障害のある方に生活の潤いといやしを与えるとともに,環境に対する理解を深めていくことや仲間と共に地域コミュニティづくりを進めるなど様々な効用があると認識致しております。本市におきましては,既に高齢者の方に園芸を行っていただく場として現在老人園芸広場を市内各地17箇所に設置を致しております。園芸福祉の活動は,先生御指摘のとおり全国的にも広がってきているところであり,本市と致しましても今後その取組について関係団体と共に研究して参りたいと考えております。 次に民医連中央病院の検査虚偽報告にかかわる対応についての御質問でございます。虚偽報告による治療への影響につきましては極めて専門的な判断が必要であり,原因究明委員会においてカルテやレントゲン写真等の資料に基づいて専門的かつ多角的な視点から,死亡者については全例を検証すべく作業を進めていただいておるところであり,現在最終段階に至っていると認識致しております。また究明委員会の委員の先生方には,本件の重大性や委員会の重要性を十分に御理解いただき精力的に取り組んでいただいております。したがいまして新たなプロジェクトチームの設置は考えられず,原因究明委員会において徹底した検証を行っていただくことが本件の早期解明に必要であり,3月中を目途に最終報告ができるよう取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 山口スポーツ政策監。 〔山口スポーツ政策監登壇〕
◎スポーツ政策監(山口良治) 私からは本市におけるスポーツ行政の今後の在り方についてお答えさせていただきます。桝本市政が目指す光り輝く元気都市京都の実現に向けて,すべての市民が心身共に健やかで明るく生き生きとした生活を営むうえでスポーツ文化の果たす役割は誠に大きいものがございます。一昨年に策定致しました新世紀スポーツごころ推進プランに掲げております誰もがいつでもどこでもいろんな形でスポーツに親しむことができる環境条件を一層整備充実させるとともに,多くの市民に熱き感動の場面を提供していくことがこれからのスポーツ行政に求められている課題ではないかと考えております。 続いてこれからの教育行政に何を望むかとのお尋ねには,大変僣越ではございますが,私がこれまで大切にして参りました教育の信条の一端をお聞きいただきましてお答えに代えさせていただきます。皆さんも御覧いただいたかと思いますが,一昨年のNHKのプロジェクトX,突っ張り生徒と泣き虫先生の番組は,私にとりまして誠に面映ゆい思いでいっぱいでございましたが放映後の大きな反響には大変驚きました。そこに登場した子供たち,当時は誰からも見放され疎外された存在でしたが,ラグビーというスポーツを通して心身を鍛え人間として大きく成長し,周りの人たちに感動を与えられる存在となりました。それは私があえて子供たちの自己責任を徹底して求めてきた結果だと思っております。スポーツの果たした大きな役割と指導者として働き掛けた教育的意義は,人間としての誇りときずなの大切さに気付かせてやることではなかったかと考えております。このことは,今の大きな社会的問題となっております携帯電話やテレビゲーム等により所を求める孤立状態の青少年にとってこそ今日的な課題ではないかと考えられます。スポーツは,自ら汗を流して新たな自分を追い求めながら夢の実現を図り,指導者と生徒,親と子,仲間同士が目的と責任を共有して共に感じ,共に育ち共に生きる営みとして自然に人間同士のきずなが培われるという意味で大きな教育的意義を持つものであると確信しております。教育委員会においても,かねてより子育てから生涯学習を通して,家庭,学校,地域ぐるみの教育力を確かなものとしていく取組がなされているところでございますが,この取組を実りあるものとするためには,我々大人一人一人が子供に対する自らの責任を実感することが急務であろうかと考えております。皆さんと共に京都の子供たちの健やかな成長を願ってやみません。ありがとうございました。
○議長(磯辺とし子) 上原環境局長。 〔上原環境局長登壇〕
◎環境局長(上原任) ごみ減量の取組についてでございます。ごみ処理に要する経費や分別ルールに関する情報を広く市民の方々と共有することは御指摘のとおり極めて重要であり,これまでからごみの出し方等のパンフレットやビラの全戸配布,テレビ,ラジオや地元説明会等機会あるごとにお知らせしており,今後とも市民への情報の提供を一層強化して参ります。 次に,ごみ処理基本計画の策定過程につきましては,廃棄物減量等推進審議会及びその部会とも報道機関等を通じて事前に市民の皆様に呼び掛けたうえで公開で開催しており,その際の審議資料は本市ホームページにも掲載しております。今後は審議の中間まとめを5月に発表するとともに,市民の方々からの意見募集,意見交換会の開催などに取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(西晴行) 児童館の整備についてお答え致します。児童館の整備につきましては,京・子どもいきいきプランに基づき学童クラブ機能を有した児童館について,平成18年度末までに120館を設置するという目標を掲げ整備を推進しているところでございます。平成15年度につきましても,非常に厳しい財政状況の中,新たに2館の整備,2館の設計を行うこととしており,15年度末には101館を設置し,達成率は84パーセントになります。今後につきましても引き続き子供の生活圏とのかかわりや児童数の動向等を考慮しながら必要性の高い地域での整備を進め,まずは現在の目標の達成に向け最大限努力して参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 野嶋建設局長。 〔野嶋建設局長登壇〕
◎建設局長(野嶋久暉) 京都高速道路新十条通についてお答え致します。議員御指摘のとおり新十条通につきましては,事業用地の確保が難航していることから,阪神高速道路公団において昨年10月には鳥羽街道団地に対し土地収用法に基づく収用裁決申請が行われ,また他の用地確保ができていない箇所につきましても,今月収用裁決申請のための現地調査が行われました。本市と致しましても公団と連携を一層強め新十条通の早期完成に向けて全力で取り組んで参ります。 また土壌脱硝システムにつきましては,環境に及ぼす影響をなお一層低減させるために,その導入に向け平成15年度には詳細設計を実施する予定でございます。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕
◎教育長(門川大作) 京都の教育に責任を負う府市両教育委員会の関係についてでありますが,言うまでもなく児童生徒の学びと育ちの視点に立ち府市協調の下,連携を密に図りながら進めていくことが重要であり,双方で今日まで努力して参りました。この度の府立洛北高校での中高一貫教育に関する経過につきましては,御指摘のとおり府市協調のうえで誠に残念なことと思っております。中高一貫教育そのものは,中等教育の多様化を促進し有意義なものでありますが,小中学校をはじめ関係者の理解も得るなど,その円滑な実施のための手立てが重要であります。そのため府と精力的に話合いを続けており,できるだけ早期に合意点を見出し市民の皆様に御安心していただきたいと考えております。更に,御指摘のとおり今回のことを教育委員会として,今後こうしたことが将来にわたって二度と起こらないよう指定都市である京都市として府とこの機会に確認すべき事項について明確にし,府市協調の精神を再度徹底して参りたいと考えております。 また京都市立学校における中高一貫教育校の拡大につきましては,西京高校での取組や小中学校教育への影響,保護者,市民,児童など市民のニーズを見極めつつ慎重に検討して参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 次に,藤原冬樹議員に発言を許します。藤原議員。 〔藤原冬樹議員登壇(拍手)〕
◆(藤原冬樹議員) 日本共産党の藤原冬樹です。2003年京都市予算案に対し議員団を代表し,倉林明子議員,佐藤和夫議員と共に市長に質問致します。 先ほど自民党議員が民医連中央病院の医療事件を党略的に利用して日本共産党を不当に誹謗中傷する質問をしましたが,人の命を政争の具にするもので断固抗議し謝罪を求めるものであります。(発言する者あり)自民党議員は,死亡と虚偽報告は無縁でないと言いましたが,因果関係が明確でない段階でなぜそう断定できるのか。中央病院は,自主的に調査を行い,死亡された方の虚偽検査結果と個々の診断,治療の影響について医師団によるカルテ全数調査をやり,死亡との因果関係はないと判断しており,検査の未実施による治療への影響の有無を含め(発言する者あり)京都府,市が推薦する専門家で構成する原因究明委員会に依頼し,個々の点検を受けているところです。発言の撤回と謝罪を要求したものであります。また,市長も死亡が虚偽報告事件と関係あるように発言したのは許し難く,厳しく抗議するものであります。 民医連中央病院での検査虚偽報告事件は,医療人として絶対に許されない行為です。中央病院は自浄作用を発揮し,自ら公表し関係者を厳しく処分し(発言する者あり)行政の真相解明にも協力し再発防止のために努力しています。(発言する者あり)再発防止に努めている病院や医療機関を支援することこそ政治の責任です。9月議会で我が党議員団は,病院の責任を求め再発防止に政治が果たすべき役割を明確に示した決議案を提案しました。ところが11月30日発行の自由民主党京都市会議員団ニュース,ナンバー2では,我が党議員団への不当な誹謗中傷を行い,加えて市民の請願権に難癖を付け,市民の政治活動の自由を攻撃しました。(発言する者あり)我が党市会議員団が自民党市会議員団に抗議,撤回を求めたのは当然ですが,自民党からは回答がありませんでした。そのうえ本日,また事実をねじ曲げる誹謗中傷を行うことは許し難く,厳しく抗議するものであります。議会の場でその医療機関を攻撃することは,真剣に医療事故をなくす立場とは無縁の党利党略であります。(発言する者あり)ましてや自民党議員が中央病院が共産党の支援組織であると述べたことや(発言する者あり)何の論拠も証明もなしに中央病院の医療事故と日本共産党の選挙活動を結び付けたこと,これらは誹謗中傷であり許し難く(発言する者あり)先ほど山中議員が抗議と撤回を求めたのは当然であります。(発言する者あり)
○議長(磯辺とし子) 御静粛に願います。
◆(藤原冬樹議員) (続)なお,国会での西野発言については(発言する者あり)事実無根箇所があると野党4党が削除を求めており,この発言こそ問題になっているのであります。(発言する者あり) さて,病院の職員が自主的に日本共産党の後援会の活動を勤務時間外に行うのは,憲法で保障された思想信条,政治活動の自由であります。(発言する者あり)日本共産党は,民医連だけでなく様々な組織や団体に我が党の推薦,支持を求めたことは一切ありません。(発言する者あり)自民党のように団体推薦を押し付けて個人の思想信条の自由を奪い,団体や企業に金も票も頼って選挙をやることこそ憲法違反であります。(発言する者あり) ところで,2001年の参議院選挙で公明党は健保本人3割負担は反対と公約しました。ところが与党入り,厚生大臣のいすに座った途端にこの公約を投げ捨てて,自民党と一緒に国民に負担を押し付けてきたのであります。今,自民,公明両党が命と健康を守るために頑張っている民医連と我が党に党略的に攻撃を加える狙いは,市民に医療改悪への我慢を押し付けることであり許せるものではありません。公明党の福祉の党の看板は今や福祉切捨ての党となっているのではないでしょうか。(発言する者あり) さて小泉政権1年9箇月,まるで国民の暮らし破壊の暴走車です。内閣発足以来,金融本来の姿を壊し,中小企業を切り捨て不況を加速しました。これ以上耐えられないの声が起こるのは当然で,経済失政や福祉切捨てに怒りの声が広がっています。医療費改悪に対し日本医師会,日本歯科医師会,日本薬剤師会,日本看護協会の皆さんが立ち上がりました。ある歯科医師は,一生に1度や2度は国政と戦うことが必要ですと書いた掲示を待合室に張っています。京都でも2月20日付け京都新聞で医療費負担を4月から中止すべきの意見広告が出されました。(発言する者あり)京都社会保障推進協議会のもので,京都府全域の各地域医師会が賛同しています。また昨年11月7日,全国の中小企業団体の日本商工会議所,全国商工会連合会,全国中小企業団体中央会,全国商店街振興組合連合会は,外形標準課税阻止など中小企業つぶしに反対する総決起大会を開きました。日本共産党は,深刻な経済危機から暮らしを守る緊急要求4点を示して国民の皆さんに戦いを呼び掛けました。医療団体,中小企業団体の中心要求である医療費の負担増反対,健康保険の3割負担をやめよ,庶民増税反対などは私たちの緊急要求ともほとんど一致しています。 さて11月議会で我が党議員が市長に,中小企業つぶし,痛み押し付けの小泉構造改革は根本から再検討するように求めるべきと質問しました。ところが返ってきた答弁は,構造改革に強く期待しているというもので驚きました。昨年10月4日付けの京都府中小企業団体中央会の国会議員にあてた要望書では,不良債権の早期最終処理は金融機関の貸し渋り,貸しはがしを加速させ,中小企業を倒産に追い込み大量の失業を生み出した。実体経済を冷え込ませ新たな不良債権を生じさせる負の遺産に陥っていると書かれています。歯を食いしばって頑張っている中小業者の思いを市長はどう受け止めるのでしょうか。また,京都府医師会も昨年10月26日付けの定期代議員会決議で,10月からの老人医療費の自己負担定率化により高齢者にも深刻な負担と述べたうえで,今後の改革の行方は,更なる国民の負担増をはじめとして患者,医療機関により過重な痛みを求めるものである。このような暴挙は到底容認できるものではないと断じています。医療費が上げられて,体が悪くても医者に行けないお年寄りの悲しみを市長はどう思われるのでしょうか。諸団体が今までとは違った非常な決意で臨んでおられることを市長は感じませんか。もし前回の答弁の認識で市政運営するならば,市民の暮らし,営業を守る自治体の長と言えるかと批判されても仕方がない。この認識は誤りであります。市長の見解を求めるものです。 次に,アメリカなどのイラク攻撃と有事法制に関して伺います。アメリカ,イギリスのイラク攻撃の企てに反対する行動が2月15日,世界中の600以上の都市で繰り広げられ1,000万人以上の人々が参加しました。国連の3分の2を占める非同盟諸国首脳会議は,武力の不行使,問題の平和解決を盛り込んだ声明を採択しました。日本国内での世論調査も,毎日新聞80パーセント,京都新聞が配信を受けている共同通信社は78パーセントと反対の世論は大きく,このように戦争が起こされる前に大きな反戦の声が広がったのは史上空前のことであります。国際社会の大多数が求めている査察の継続,強化によるイラク問題の平和的解決は現実に可能であります。2月24日,アメリカ,イギリス,スペインは,武力行使へ決議案を国連安保理に提案しましたが,これは国際社会の平和的解決への努力を無視し,有効性が明らかにされている査察への妨害以外の何ものでもなく許せるものではありません。また,日本政府のアメリカ追随は異常です。小泉首相のイラクが正しいという誤ったメッセージを送らないようにという発言や16日のテレビ討論会での公明党冬柴幹事長の戦争反対は利敵行為だとの発言に怒りが更に広がっています。公明党は,平和の党と言ってきましたが,今やその看板ははがれ落ちたのではないでしょうか。(発言する者あり)先の11月議会でイラク攻撃について高木副市長は,平和的解決を期待していると答弁されましたが,それは国連の査察を無視して武力行使を狙うアメリカにきっぱり反対してこそ初めて生きるのです。反対を言明すべきです。 有事立法は,昨年の2度の国会で阻止をしましたが,その強行を狙う政府は,国民保護の輪郭なるものを自治体などに示しています。しかし,それは言葉とは裏腹,国民の生命,財産を危うくするものであり,その強制を自治体にやらせようとするものであります。この有事立法について,先日,全国市長会でも批判が続出しました。先の11月市会での答弁は,国民の生命,身体,財産を守る観点から更に十分な審議が尽くされるべきとのことでありましたが,アメリカのイラクへの武力行使と直結する問題であり重大です。有事立法にもきっぱり反対すべきです。見解を求めます。 自治体の使命は,自治法第1条の2に規定されるように住民の福祉の増進を図ることを基本にすることであります。ところが全国的に長年の自民党の自治体支配から自治体が自治体でなくなるというべき変質が進み様々な矛盾が現れてきています。他方で自治体らしさを取り戻そうという新しい希望ある変化も生まれています。今,自治体が自民,公明政権の悪政に対する防波堤の役割を果たし,自治体らしさを取り戻し,自治体独自の力を発揮して住民の暮らし,営業を守ることが問われています。医療改悪に反対している日本医師会坪井会長が3割負担の凍結を自民党に要請し,応じない場合は統一地方選挙での自民党候補の支持を見送る可能性も示唆し自民党の地方組織に動揺が広がっているとマスコミは報道しています。医療4団体は,従来は自民党を支持してきた団体でした。その方々が自民党に反旗を翻しているのです。自民党政治ではやっていけない,自民党には愛想が尽きた,こう思っている人が増えているのであります。人々のこれらの声は,自治体首長の選挙では明白な形で現れました。徳島県,長野県,熊本市,尼崎市,守山市,和知町,これらの自治体選挙での共通点は,政権与党自民党,公明党を中心とした相乗り現職の首長が無党派と共産党応援の候補に敗れたことであります。(発言する者あり)また岩手県陸前高田市で10人目の共産党員首長が生まれました。そしてこれらの自治体で脱無駄,暮らし応援の自治体を作る仕事が広がっています。 新しい変化は,全国の自民党主導の自治体でも現れています。京都では,この1年で35人学級,子供の医療費助成の拡大,借換え制度の実施が実現しました。長い間頑張ってきた住民の皆さんと日本共産党の協働の成果です。35人学級は,(発言する者あり)オール与党が30人学級の請願書をことごとく反対するか審議打切りにしてきたのを乗り越えての成果でした。昨年3月,オール与党を代表して討論を行った自民党議員は,誠に身勝手で非現実的な請願,いたずらに不安感を助長させ混乱を招くとののしり,請願書を否決する理由を,教職員定員を決定するのは国及び都道府県の権限に属することで,府の同意や抜本的な予算が必要であり,本市の権限を越えるからと述べましたが,半年もたたない間に京都市教育委員会は,関係者の声を聴いて市独自で35人学級を決定したのであります。オール与党がいかに今の情勢の発展を読んでいないかを物語っています。また就学前までの子供の医療費の助成は,今回の予算で入院は無料に,通院は1月8,000円を超える金額を助成することとなりました。日本共産党は1972年国会質問を行いましたが,若いお母さん方と運動を共にしてきた住民運動の成果です。前の知事は,絵にかいたもちと攻撃し,府議会では,オール与党は請願書,決議,意見書をことごとく否決してきました。それを乗り越えての実施です。借換え制度も歯を食いしばって頑張っている中小企業の皆さんと共に作り上げた住民運動の成果です。 議会の請願も,日本共産党は草の根で市民の皆さんと協働を広げ多く採り上げてきました。ところが自民,公明,民主などオール与党は30人学級,教育条件の整備,小型循環バス,市バス系統の復活などは繰り返し反対し,何と232件の請願を不採択にしました。(発言する者あり)京都では全国と比較して子供の医療費助成や介護保険料,利用料の減免制度が遅れました。オール与党が住民要求に反対することが一つの原因です。結局オール与党は,住民要求実現の障害物,ハードルでしかなかったのではないでしょうか。しかし,住民こそ政治の主人公です。住民の皆さんが粘り強く暮らしや営業の願いに基づく運動を行えば,ハードルを乗り越えて暮らしの応援策を実行に移すことができる,その確信を深めてきた1年ではなかったかと思います。 さて,住民運動を背景にこのような変化が起こっているとはいえ自民党政治の矛盾は集中的に自治体に現れており,京都市では自治体が自治体でなくなる事態が進行しています。第1に営利企業化の道です。老人クラブの人たちと協働で運動し敬老パスの見直しの凍結を表明させましたが,それを解凍して負担をお年寄りに押し付けようとする動き,長い間,お年寄りや中小業者などに援助してきた市税減免制度の廃止など市独自の施策を切り捨てようとしているのは,行政を営利企業に変えるものではないでしょうか。また,今回浮上してきた養護学校の給食を民間委託するなどの民間任せもひどいものです。重度の障害児は一人一人,刻み食,流動食など食事の内容も違ったものであるのが当たり前で,養護学校の教職員は大事な教育と位置付け,子供さんの食を守ってきました。それを民間委託するとは何ということでしょうか。残った自治体の仕事もコスト,効率主義の導入など民間手法の押し付け。受益者負担の名で市長の1期目の4年間で保育料や国保料の値上げ,大型ごみ有料化など94億円,2期目の3年間で上下水道料金,国保料,保育料の値上げなど87億円もの負担増を押し付けました。ひどいものです。介護保険料の908円引上げで市民の怒りが爆発しています。 第2に開発会社化です。批判の多い京都駅,更に100メートルビルが増え,市内中心部にも45メートルのマンションなどが増えてきています。地下鉄東西線の工事費大膨張や二条駅周辺開発など5大プロジェクトなど借金を膨らませて財政危機に陥り,その原因がはっきりしているにもかかわらず,市長とオール与党は見直しをするどころか都市再生の名による新たなまちこわし,高速道路建設,南部開発を進めようとしています。今,市民に必要なのは,この道をきっぱり転換し,住民の暮らしを守る自治体本来の仕事に立ち返ることです。長野県は,大型公共事業費を6割に減額したうえで生活道路整備,21箇所の保育所整備など生活重視型に切り替え,地元業者の仕事を確保,教員を245人増やし小学校3年生までの30人学級を実施しました。特別養護老人ホームを5箇所新設しています。長野県の例は,転換はやる気になればできることを示しています。 さて,来年度予算が提案されました。一般会計は4年連続減額の超緊縮型6,468億円です。その特徴は,第1に2002,2003年度の2年間の財政非常事態宣言に基づく自治体リストラにより福祉,暮らし切捨てがますます進行,自治体らしさを失っている予算であること。第2に市財政危機の本質にはメスを入れず,無駄で破綻した大規模公共事業と呼び込み型開発継続の予算であること。第3に臨時財政対策債の大増発など市債発行847億円で,2003年度末市債残高1兆357億円という財政硬直化予算であること。第4に昨年来の公共工事の入札を巡る疑惑,同和補助金不正支出に何ら反省もなく教訓も生かしていない予算です。第5に住民運動と我が党議員団の協働による市民要求を一定反映した予算でもあります。マスコミの評価も選択と集中というが目を引く事業は少なく,熱意と工夫は伝わってこない,市民とのパートナーシップをお題目に終わらせず財政構造の転換をなど厳しいものです。 予算を暮らし,中小企業応援にどう切り替えるかについて質問致します。第1に財政の基本についてです。今年度予算は730億円の財源不足を補うため前年度比18.2パーセント増の847億円の市債を発行したため市債残高は1兆357億円となりました。市民1人当たりの借金は70万6,000円と前年度より1万5,000円も増加しています。借金返済と利子払いである公債費は953億円で歳出に占める割合は14.7パーセントと過去最高であり,一層の財政硬直化を進めるものです。報道では,市長は非常事態宣言による緊急対策を更に延長すると言っていますが全く無責任です。財政危機の原因にメスを入れ,住民の納得のいく打開策を示すことが今必要です。長野県の田中知事は,そのことを切り開いているではありませんか。市長は財政再建をどう考えているのですか見解を求めます。 第2に京都経済の再生と福祉,教育予算についてです。今,京都の中小企業の倒産は,2002年度は,過去最高の2000年度534件を上回り539件となっています。破産の申立てが全国21万件と急増していますが,ある法律事務所にお聞きしますと,京都の市内と南部地域で2001年度約3,600件,2002年度約4,500件と900件増えているとのことで大変な事態が進行しています。したがって中小業者の実態をつぶさに知り,手を打つことが広範囲に求められています。ところが市の中小企業支援の予算も人員も少なく,そのうえIT化の対応や新産業創出に限られたものが多く,多くの業者がそれどころではない実情の下で,今不況打開の緊急対策本部の設置,経済対策予算の重点的な増加,全分野の多くの業者の要望に沿った対策が必要です。更に福祉,教育予算の増額です。市長は,福祉,教育に重点と言いますが,マスコミからも大半は生活保護費など義務的な支出の膨張と言われるように生活維持のための出費が増えています。生活保護受給者は,1996年以降増えるばかりで,96年3,181件だったのが2001年には4,354件と1,173件増えました。それでも厚生労働省からの適正化方針で生活保護基準以下の生活を強いられている人が増えています。また,特別養護老人ホームの待機者は2,033人と福祉施設の建設も重大な遅れを来しています。35人学級や老朽校舎対策も更に前進を図る必要があります。福祉,教育予算の拡充は焦眉の課題ではないでしょうか。中小企業対策,より一層の福祉,教育予算の増,これらの点について答弁を求めます。 第3に予算を暮らし,中小企業への応援に思い切って転換するためにも無駄な大型公共事業はやめなければなりません。高速道路は,今までの方式でも新十条,油小路の2路線を建設するのに329億円必要ですが,もし国直轄で造るというのならそれを数倍上回る出資,建設費が必要になるのは目に見えています。この2路線を凍結し残りの3路線を中止するなど,思い切って無駄な公共事業をやめること,公共事業を学校の改修や改築,福祉施設建設,生活道路建設,住宅などに切り替えるべきです。この転換をやらなければ,財政再建しながら暮らし応援の政治を進めることができない情勢であることは自明であると思います。見解を求めます。 次に,京都市行政をむしばむ不正事件についてです。かつて3億円,2億円事件があったとき,同和行政はこれら不正の温床になっていました。当時,我が党議員団は,不正は用地買収の分野だけでなく許認可業務,契約,人事,教育など市政のすべての分野でゆがんでいると指摘しましたが,今もまだ続いていると怒りを覚えるものです。第1に公共事業にかかわる不正事件です。深い所でうんでいる,そんな実感がしたのが昨年の諸事件でした。京都市内の同和地区に六つの建設協同組合があり,そこに優先的に仕事が回されています。上鳥羽建設協同組合が2000年,2001年度に入札参加した10件のすべてを落札,七条建設協同組合は2001年度の崇仁地区の住宅除去工事を本来災害など緊急復旧のための特命の扱いで39件すべてを落札したことを我が党は追及しました。同和関連業者へのこの特別扱いは,同和の終結には程遠い事態です。元クリーンセンター所長による偽計入札妨害事件が発覚,5回に及ぶ市役所への家宅捜索という異常事態となり,自殺者を生み,担当部長と水道関連業者が逮捕されました。その1人は京都市公認水道協会会長でした。水道局の宅地内漏水工事に関する談合もひどいものでした。水道局の九つの営業所の仕事を過去5年間,それぞれ同一の業者が落札,いわば分捕りをしているのであります。我が党議員団は,そういう仕切りをする組織,人物が存在することではないかと厳しく追及しました。高木副市長は,外圧についてきちっと報告すると答えましたが,競争入札妨害容疑事件及び収賄容疑事件に係る調査報告書が提出された後の答弁は全く後退し,外圧を加える者からすれば痛くもかゆくもないものです。どういう圧力や口利きがあったのかを明らかにしない限り問題の解明にはなりません。市長は,昨年の一連の事件を通じてうみを出さねばならないと決意を述べていますが,これら諸事件の重大性から,行政の主体性を確立して外部圧力についての解明と毅然たる対処を行うべきです。答弁を求めます。 第2に解放同盟支部への不正支出問題です。京都地裁の嘱託調査で1997年から1999年の3年間の京都市の同和補助金の不正支出が浮き彫りになりました。その実態は1月26日,文教委員会に示された調査委員会の中間報告では,部落解放同盟の各支部の温泉地でやる学習会なるものが,すべてその実態がなく行ったことにする空事業16件870万円。行ったとはいえ申請より少ない人数の水増し事業26件2,512万円。実態は学習など全くやらず宴会,マージャンのやり放題でありました。問題は解同の各支部長に京都市職員がいることなど京都市と解放同盟の癒着した組織的な公金詐取事件であります。なお昨年の決算審議では,醍醐10校区自治町内会連絡協議会,醍醐地域公害防止等対策協議会が温泉地で開いた研修会に職員が動員され,1人3万円ずつ会費として払っていた事実も明らかになりました。解同の支部にとどまらず,旧同和地区を含む地域自治会でも同様の実態があるなどもってのほかであります。ところがこの1月,解同の市協幹部が新年のあいさつに来たときに,市長はこの相手ともパートナーシップを強調しました。これは驚くべきことで,公金詐取した相手に怒りを感じないのか,市民の税金を支出し続けてきたことへの反省はないのかと疑わざるを得ません。市の主体性はどこにあるのですか。更に具体的に調査結果報告を2月中にと言っていますが,なぜはっきりした事実から公表しないのか。更にこの事件は明白な公金詐取事件であり,当然刑事告発したうえで補助要綱第5条に基づき返還を求めることが必要であります。なお受け取っている解同支部長の多くが市の職員です。これらの処分はどうするのか。そして市長並びに直接執行に当たってきた幹部職員の責任をどう明確にするのか。更に事実上の集団交渉となっている解同の企画推進委員会に多数の市幹部を含む市職員が出席することはきっぱりやめるべきであります。見解を求めます。 第3にポンポン山の不正買収について,上告を取り下げ疑惑の解明を行うことです。大阪高裁は2月6日に,1992年に京都市が約47億5,600万円で買収したポンポン山元ゴルフ場建設予定地の価格が不当に高かったとする原告側の主張を一部認めた京都地裁判決から更に踏み込み,前市長に対し評価額との差額分すべてに当たる26億1,200万円の返還を命じました。この事件は,第1にゴルフ場ができる場所でなく,たかだか10数億円の価格がなぜ47億なのかが判明しないまま買収が行われたことが問題です。第2に京都市に9人の不動産鑑定委員会があるにもかかわらず,不動産鑑定を民間の1社だけで行ったこと。第3に自民党の故金丸元副総裁の巨額脱税事件にかかわった山梨県の丸金コーポレーションの介在があったとされ疑惑に満ちています。47億円を振り込んだ日が92年7月8日,参議院選挙の告示日,支払先の会社は半年後,税の申告もせず解散しました。市民の税金が政界工作に使われたのではないかとの疑惑であります。これらを日本共産党を除くオール与党は,疑問を呈しながらも,いたずらに解決を先送りすれば将来に一層の負担と市民的利益を損なうことになると精査のうえ判断したと一夜にして賛成してしまったのであります。今回の裁判では,行政をチェックすべき議会の役割が問われました。高裁は,当然なすべき実体的な調査や審議を尽くさず,手続的にも内規にも反し違法と議会を批判しました。買上げに賛成した当時の自社公民,今の自民党,公明党,民主党の議員の責任は重大であります。日本共産党は,問題点を徹底して調査し議会で追及致しました。今言いましたように,高裁判決を受け止めるとすれば,オール与党議員は反省すべきであります。我が党議員団が追及した諸点が高裁判決において具体的に指摘され,正義を守ることができ大きな前進であったと考えております。 さて市長に質問します。19日,裁判の参加人である市長は,被告と共に上告しましたが,もってのほかです。今からでも上告を取りやめ,市民にも議会にも真相を明らかにし疑惑の解明に全力を尽くすべきです。見解を求めて第一質問を終わります。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) 藤原冬樹議員の御質問にお答え致します。 我が国の経済再生に向けた取組についてでございます。今日,我が国は予想を上回る長期の経済不況に見舞われ,また少子化と長寿化に伴う人口構造の大きな変化など,かつて経験したことのない大きな時代の転換期を迎えております。こうした状況の下,確固たる日本の将来を切り開いていくためには,経済はもとより行財政や社会保障などの新しい枠組みを構築していくことが求められております。現在,政府におきましては,日本経済の再生に重点を置く構造改革の取組が推進されておりますが,これは京都経済の再生,発展と市民生活の安定を図るうえでも大変重要な意味を持つものでございます。昨年10月には,不良債権処理の加速策をはじめとする金融,産業の再生,都市再生緊急整備地域の指定などによる経済の活性化,信用保証の拡充など中小企業支援策の充実などを柱とする改革加速のための総合対応策が取りまとめられたところであります。そしてこの1月には,中小企業の金融セーフティネット対策を盛り込んだ3兆円規模の14年度補正予算が編成されるなど経済再生と総合デフレ対策の取組が進められております。国内外の厳しい経済環境の下で,こうした取組はいまだ十分成果を挙げるに至っておりませんが,一日も早く我が国経済が自律的な回復軌道に乗るよう今後とも雇用や中小企業のセーフティネットに十分配慮したより実効性のある施策を国に対して求めて参りたい考えでございます。 西京区大原野石作町のゴルフ場計画跡地の取得に係る住民訴訟についてでございますが,先ほど答弁致しましたとおり,本件土地は,京都三山の一つである西山をゴルフ場開発から守り,自然と触れ合う市民の憩いの場として整備することにより地域の振興を図るという当時の田邊市長の強い信念に基づき取得したものであり,現在は豊かな自然環境を活用した大原野森林公園として多くの市民の方々に親しまれております。本件土地につきましては,京都市の開発不許可行為に対しゴルフ場開発業者が申し立てた80億円の損害賠償を求める調停に関して,簡易裁判所が職権で行った調停に代わる決定に基づき市会の議決をいただいたうえ47億円で取得したものでありますが,(発言する者あり)その手続は適法かつ適正なものであったと考えております。去る2月6日の大阪高等裁判所の判決につきましては,こうした一連のプロセスについての認識と地方自治法の解釈等について重大な誤りがあると判断しております。本件につきましては,私,京都市長としても被告側参加人として上告手続を行ったところであり,今後は控訴審判決の法令解釈の誤りを中心に最高裁判所の判断を仰いで参りたいと考えております。なお議員は,本件に関しまして種々の疑惑があるとのことでございますが,私どもと致しましては,そうした点を知り得べき立場にはございませんし,また事実一切承知致しておりません。(発言する者あり) 以下,副市長が御答弁申し上げます。
○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕
◎副市長(高木壽一) まずイラク問題についてお答え致します。イラクの大量破壊兵器の保有,開発疑惑につきましては,御承知のとおり昨年11月の国連安全保障理事会において採択されました対イラク決議に基づきまして現在査察が実施されているところでございます。近く安全保障理事会において,国連監視検査査察委員会の報告に基づいて査察継続の是非についての協議が予定されておりまして,大きな節目を迎えようと致しております。平和を都市の理念と致します京都市と致しましては,引き続き平和的な解決が図られることを期待致しているところでございます。 次に,いわゆる有事3法案についてでございます。この法案は,我が国に対する外部からの武力攻撃事態に対処するために制定されるものでございまして,今国会で引き続き審議されることになっております。現在,政府において審議に向けて国民の保護のための法制の骨子の作成が進められているところでございます。京都市と致しましては,国と地方の役割分担や地方自治体にかかわりのある事項の明確化など,先に全国市長会から行いました要望を踏まえて国会において更に十分な審議が尽くされるものと期待致しております。 同和補助金に係る御質問にお答え致します。まず,この度訴訟対象となっております部落解放同盟各支部が平成9年度から11年度に実施致しました61件の学習会事業に対する補助金の交付について,裁判所の嘱託調査の結果,不適切な事実があることが明らかとなり,市民の皆様や市会の市政に対する信頼を裏切ることとなりましたことは誠に遺憾でございまして深くお詫び申し上げます。この問題は,今後の人権文化の構築及び同和問題の解決に向けた取組に大きな障害になりかねないと危惧致しておりまして,毅然とした姿勢で事実関係や本件が生じた背景などを明らかにするために,昨年12月4日に京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の交付に係る調査委員会を立ち上げたところでございます。この調査委員会におきましては,当該61件の学習会事業につきましてあらゆる角度から事実関係等について徹底的に究明するとともに,調査致しました内容につきまして,再度当時の要綱に照らして精査しているところであります。近く中間報告として取りまとめ御報告する予定でございます。その後,不適切な補助金の交付に係るものにつきましては返還を求めますとともに本市職員の責任を明確にするなど厳正に対処して参ります。 次に部落解放同盟京都市協議会との懇談についてでございますが,京都市におきましては,特別施策としての同和対策事業は平成13年度末をもって終結し,平成14年度以降は教育や啓発など同和問題を解決していくうえで残された課題を解決するために一般施策による取組を進めております。私どもは,この取組を効果的に推進するために必要に応じて企画推進委員会との意見交換を行っているものでございます。また醍醐10校区自治町内連絡協議会及び醍醐地域公害防止等対策協議会主催の合同研修会についてでございますが,これは東部クリーンセンターや石田下水処理場の運営,地下鉄東西線の建設など地域での課題をテーマとした地域の自主的な研修会であります。こうした研修会に京都市の職員が参加し住民の皆様と直接対話し様々な御意見をお聴きすることは,パートナーシップによる市政を推進していくうえで大変重要なことであると考えております。しかしながら,市民団体,業界団体等が開催する総会等への本市の職員の出席につきましては,結果的に過度と見られる対応が慣例化しているものがありましたので,昨年12月に各種団体との意見交換等の対応に関する指針を示したところであります。今後,市民の皆様方に疑問を持たれることがないようにこの指針を徹底しているところでございます。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕
◎副市長(河内隆) 私からは二つの御質問にお答え致します。まず本市財政の再建と予算配分の見直しについてのお尋ねにお答え致します。少子長寿化の進展をはじめとする社会構造の大きな変化に本市が的確に対応し,市民の暮らしを守るセーフティネットとしての役割を果たしていくためには,市政運営の一層の効率化や企業経営手法の導入など市政改革に積極果敢に取り組むことは必要不可欠であります。このことは議員が指摘するような行政の営利企業化や行政の開発会社化とは全く異なるものであります。本市では,平成7年度以降,間断なく行財政の改革に取り組み計画的な財政運営に努めて参ったところでありますが,とりわけ平成10年度以降は,職員数の削減や組織の整理統合などにつきまして具体的な数値目標を掲げて取り組み大きな成果を収めてきたところであります。しかしながら,世界的なIT不況と急激な景気の減速により我が国経済も未曾有の不況に陥り,低迷を続けていた税収が更に大幅に減少したことが大きな原因となりまして,本市の財政運営は一段と厳しさを増す事態となっております。こうした事態は,国や他の自治体にも共通するわけですが,本市は元々税収基盤が脆弱なだけにその影響はとりわけ深刻であります。こうした財政状況の下においても,自治体としての責務を果たし市民生活を守るために他の政令指定都市に先んじて財政非常事態を宣言し緊急対策を講じたところでありますが,これはあくまで緊急避難的な措置でございます。本市の財政健全化を抜本的に進め分権時代にふさわしい自己決定,自己責任による財政運営を実施するためには,歳入の自治の確立を目指した自主税財源の拡充と歳出構造の改革など,従来にも増して行財政改革を大胆に進めていくことが是非とも必要であると考えております。 そこで平成15年度予算の編成に当たりましては,市税の引き続く大幅な減収などから平成14年度をも上回る730億円にも上る巨額の財源不足を見込まざるを得ない状況となりましたが,第1に緊急対策2年目の取組の確実な実施,第2に凜とした姿勢での市政改革の推進と選択と集中の一層の徹底,第3に国の地方財政対策に基づく歳入の確保に全力で取り組みました。いわばこの3本の矢を束ねることで歳出削減と財源の捻出に最大限の努力を図ったところであります。確かに平成15年度予算案は,4年連続して前年度を下回る超緊縮型予算となったわけですが,本市の直面する課題をしっかりと見極め深刻な不況に苦しむ市民の暮らしを守るため,また将来の京都発展のため今何が必要かを徹底的に考え抜いたうえ縮小一辺倒に陥ることなく正に課題直視の重点配分型予算として編成したところでございます。とりわけ福祉や教育の分野を引き続き桝本市政の最重点政策と位置付けております。具体的には待機児童解消のための保育所の新設や特別養護老人ホームの建設,高等学校等の普通教室の冷房化や学校施設の耐震補強の推進などに見られますように限られた財源を福祉や教育の分野に重点的に配分したところであります。また,使用料,手数料につきましては,国民健康保険料も含め据え置きましたほか介護保険料につきましても新たな保険料の設定に当たり本市独自の軽減策を講じるなど現下の厳しい市民生活にも最大限の配慮を致しております。 さて,国が今般改定致しました改革と展望では,我が国経済の集中調整期間が1年程度延長され,今後も厳しい経済状況が続くものと憂慮されておりますが,この状況を踏まえ本市の中小企業支援に関しましては,市内企業の99パーセントを占める中小零細企業が長引く不況を乗り切ることができるよう本年1月のあんしん借換融資制度の創設をはじめ新規融資額700億円を引き続き確保するなど,本市経済活動の中核的な担い手である中小企業の方々への支援に採り得る最大の対策を講じたところであります。また21世紀の本市の基幹産業となる企業の立地を促進するため,本市南部地域の高度集積地区における都市基盤の整備を強力に推進致しますほか,西京区の桂イノベーションパークにおきましては,誘致に成功した研究成果活用プラザ,大学連携型インキュベーターと一体となって世界最高水準の知的産業創造拠点の形成を目指すなど全庁を挙げて本市経済活動の活性化に向けた諸政策を積極的に展開することと致しております。なお社会資本整備に関連して申し上げますと,京都高速道路は,本市の慢性的な交通渋滞の抜本的な解消と社会経済活動の活性化に不可欠な都市基盤であり,21世紀における本市の発展と豊かな市民生活の実現にとって是非とも必要な都市基盤施設であります。京都市基本計画においても,その整備及び計画の促進が明確に位置づけられております。したがいまして新十条通及び油小路線については,事業の早期完成に向け積極的に取り組みますとともに,残る3路線につきましても国の動向や社会経済情勢などを見極めながら事業化に向けた取組を推進して参ります。 次に公共工事を巡る贈収賄事件への対策についてのお尋ねにお答え致します。去る12月26日,東部クリーンセンター事件対策委員会としての調査報告書を取りまとめ事件の原因及び再発防止策を明らかに致しました。職務の厳正な執行については,依命通達により全職員に周知するとともに,管理監督すべき立場にあった者を含めて関係者の処分を行ったところであります。一連の公共工事に係る事件の発生要因となった問題点のうち,外部からの要求等については,公共工事を執行する一連の流れの中でそれぞれの場面において種々の要求がなされ,その中にはその相手方が本市との関係で様々な利害関係を有しているなどの理由から対応に苦慮する場合があることが確認されています。これらの外部からの不当な要求等に厳正に対処するため,第1に公正職務執行委員会,仮称でありますが,弁護士,警察OB,学識経験者及び職員で構成する新たな委員会の設置,第2に口利き等の文書化,報告義務付け,第3に公共工事不当要求防止責任者制度の拡充などに取り組むこととしております。また公共工事の入札及び契約関連の事務に関しましては,既に本年1月より入札予定価格の全面的な事前公表を行いましたほか,今後,電子入札の導入や見積合せによる契約の廃止などを行って参ります。これらの取組を組織的に進めることにより不当な要求等を未然に防止できることになると考えております。今後,二度とこのような不祥事及び不幸な犠牲を出すことのないよう公正性,透明性の観点を根幹に据え,これらの再発防止策を早急に実施することにより市政に対する市民の皆様の信頼の回復に努めて参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 藤原議員。 〔藤原冬樹議員登壇(拍手)〕
◆(藤原冬樹議員) 御答弁がありました。厳しい暮らし破壊の自民,公明政権の下で自治体本来の姿へと質問したのですが,住民の皆さんの願いにこたえるものではありません。財政非常事態の打開方針がなく,市民いじめの自治体リストラの強化では市民には納得は得られません。特に経済の落ち込みの下,呼び込み型開発で一旗揚げようと呼び掛けても,仕事の安心がもたらされなければ人は付いてきません。自公の悪政で最悪の経済失政に陥っているからこそ,暮らし応援,中小企業支援が緊急に必要です。また福祉,教育1歩前進,次に2歩,3歩とまさにやらなければならない状況だと思います。 不正事件の厳然たる対処に背景の同和問題への主体性を指摘しましたが,まともな答弁ではない。ポンポン山問題は容認し難い答弁です。最高裁は不正買収の真実を明確にするだろうと思います。驚くのはポンポン山の悪狸だけではない,このことを申し添えておきたいと思います。私どもは引き続き厳しく要求していきたいと思います。 さて,住民の皆さんの声は大きくなっています。署名の数がこの間30人学級で60万人,住宅改修助成に24万人,子供の医療費に11万人,医療改悪凍結に34万人です。この声を受け止めるか,それともハードルを置いて妨害するか,政党の資質が問われます。日本共産党は,政治の主人公は住民である,このことを原点に頑張ります。質問を終わります。(拍手)
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○議長(磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午後2時58分休憩〕 〔午後3時21分再開〕
○議長(磯辺とし子) 休憩前に引き続き,会議を行います。
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○議長(磯辺とし子) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行致します。倉林明子議員に発言を許します。倉林議員。 〔倉林明子議員登壇(拍手)〕
◆(倉林明子議員) 私は,日本共産党市会議員団を代表して市長並びに関係理事者に質問致します。 政府による医療費負担増に猛烈な批判の声が広がっています。4月実施の医療費負担増の中止を求め,野党4党が共同で実施凍結を求める法案を提出しました。既に六つの道県議会で健康保険本人医療費3割負担の4月実施の延期,凍結を求める意見書が可決され,京都市議会にも請願が提出されています。国民への負担増を押し付けるこんな医療制度に賛成したのが国会の自民党,公明党でしたが,本日上程されている負担増の実施延期を求める請願の紹介議員の欄には自民党議員も数名見受けられます。関連する請願は幾つか出されていますが,公明党の皆さんの名前はどこにもありません。負担増の改革に最も熱心な勢力がどこなのかはっきりしたのではないでしょうか。国民への負担増だけを求める医療改革は,国民の命と健康を破壊するだけでなく,重症化は医療費そのものを増大させ医療保険財政の破綻につながる道です。誰でもどこでも安心して医療が受けられる国民皆保険制度が世界一の長寿を支えてきました。自民,公明による医療改革は国民皆保険制度を崩壊させるものと厳しく指摘するものです。日本共産党は,医療4師会をはじめ多くの市民の皆さんと力を合わせ医療改革の実施凍結,社会保障の負担増の中止を求めて奮闘する決意です。同時に痛みから市民の暮らしを守り,福祉,教育を充実する地方自治体として京都市が役割を発揮するよう求めるものです。 まず高齢者の医療費負担の軽減について質問致します。昨年10月から完全定率制が導入され,1割の窓口負担が高すぎて病院に掛かれない方,必要な治療や検査まで拒否される方が出ています。一部には以前より負担が軽減した方が生じているのも事実ですが,深刻なのは症状の重い患者ほど負担も重くなっているということです。京都府保険医協会の影響調査によりますと,患者負担増が原因と思われる受診,治療の中断があったと答えた医療機関は3割を超え,在宅医療に集中しているのが特徴です。とりわけ在宅酸素治療患者の実態は深刻です。京都市を含む京都府南部に在宅酸素を納入している業者によると,10月だけでも104人もの方が経済的理由で契約を中止するというかつてない事態です。これまでは経済的理由で中止することはほとんどなかったのに,10月は契約中止総数の4割を超えているのです。正に政府による医療改革が高齢者の健康も命さえも脅かす事態を生んでいるのではないでしょうか。国の制度を改善させることが必要ですが,自治体としても緊急に対応すべきです。既に障害者医療助成制度の対象に在宅酸素の必要な呼吸器障害者を含めている政令市は神戸市や名古屋市など六つあります。これらの指定都市では,本人負担がなく安心して在宅酸素治療が続けられているのです。呼吸器障害を持つ患者さんにとって酸素は命綱です。お金がなければ京都市では酸素が取り上げられるなど,あってはならないことだと考えます。一刻も早く制度の拡充を求めるものですがお答えください。 高齢者の窓口負担の軽減策として支払の上限額が所得に応じて設定されました。ところが京都市では,上限額を超えた医療費の返還がいまだに実施されていません。11月以降,上限額を超えた分はどうすればいつまでに返ってくるのかと問い合わせが相次いでいます。高齢者の医療費負担が重くなりすぎないように設けられた軽減措置です。法案成立から制度スタートまでの期間の短さや複雑な事務手続で混乱をもたらした国の責任は重大ですが,発足から既に4箇月になろうとしています。返還の遅れは年金収入だけが頼りの高齢者世帯の生活設計を大きく狂わせてしまっています。迅速な償還ができるよう必要な体制及び予算措置も採って対応すべきです。いつまでに高齢者に上限額を超えた医療費を返すのか明確にお答えください。 高齢者の負担を軽減するために,せめて窓口での負担が上限額までに抑えられる仕組みを作ることが必要です。現在の償還払制度では,いったんは病院の窓口で1割あるいは2割を全額負担しなければなりません。上限額を超えた分を後から請求するという仕組みでは高齢者に大きな負担となります。年金収入が唯一という高齢者世帯が圧倒的に多い中,医療費の負担が家計に占める割合は3割を超えるという調査結果も出ています。病院の診察現場では,もうすっかり良くなりました。お世話になりましたと言って高血圧や糖尿病など慢性疾患の治療継続が必要な患者さんが外来を去っていくとお聞きしました。良くなってなどいないのです。支払が耐えられないから来られなくなっているのです。せめて委任払いや貸付制度の活用などで窓口での支払が上限額までとなるよう自治体が知恵を出すべきだと考えますがいかがですか。 65歳以上の市民にとって重い負担となっているのが介護保険料です。2000年から始まった介護保険料の徴収は強制的な天引きで事実上毎年の年金切下げとなりました。更に今年,政府は初めて年金の給付を削減すると言い,その額は3,700億円にもなります。こうした状況で京都市は,当初介護保険料月額の基準額を3,931円と値上げ幅も額も政令市で最も高い値上げを準備していました。報道された途端に高すぎるという怒りが広がる中,公明党以外の与党会派からも減額を求める緊急要望が出されました。上程直前に月額3,866円とわずか65円引き下げての提案となったものですが,3割増しの大幅な値上げであり到底容認できるものではありません。軽減措置として保険料減額措置が一定拡充されたことは,過重な保険料負担の軽減を求める市民要望にこたえたものとして評価するものですが,対象はわずか4,000人にとどまっています。 介護保険制度は,サービスを充実させると保険料が上がる仕組みになっています。この根本矛盾を解決するためには,国の負担分を現在の4分の1から2分の1へ抜本的に引き上げることがどうしても必要です。当面,値上げ凍結へ直ちに国庫負担分を30パーセントへ引き上げるよう求めるべきです。同時に特別対策として実施されてきた低所得者への訪問介護の利用料を現在の3パーセントから6パーセントに引き上げようとしていますが,据え置くために必要な財源は国全体でも10億円程度にすぎません。値上げの撤回と当面すべての在宅サービスの利用料を3パーセントとするよう求めるべきだと考えますがいかがですか。 今,京都市に問われているのは,国の仕組みをそのまま持ち込んで高齢者にその負担を押し付けて良いのかどうかではありませんか。65歳以上の市民は27万人。その暮らしの実態,介護が必要となっている方々の現状を踏まえた対応が求められているのです。介護保険法では,一般会計からの繰入れを想定してはいないものの繰入れを禁止するものではありません。だからこそ介護保険が赤字になった自治体では,自治体の判断で独自の繰入れを実施する所も出ているのです。京都市が一般会計から繰入れを行うこと,低所得者を対象とする減免制度の免除規定も含め思い切った拡充を求めます。負担増から市民の暮らしを守る手立てを直ちに打つべきです。保険料の値上げ幅の減額にとどまらず大幅値上げはきっぱり中止を求めるものです,いかがですか。 国民健康保険料の負担は市民にとって既に限界を超えています。高すぎて払えない,払うのが精一杯で病院に掛かれないという現状が広範に広がっています。自営業の夫が病気を抱えながら仕事をしてきたが,年末,年明け全く仕事がなく,公共料金さえ払えない。何とか保険証だけはと頑張ってきたがもう無理だとの声が届いています。本来,市民の命や健康を守るべき国保制度が逆に市民を病院から遠ざけ,医療を受ける権利を奪っています。4年前の99年から資格証明書と短期保険証の発行が急増し,98年度と比べて資格証明書は約9倍,短期証は4.4倍です。窓口負担が10割になる資格証明書は保険証ではありません。保険料も払えない世帯でどうして10割の窓口負担ができるでしょうか。正に行政による保険証の取上げにほかなりません。資格証明書の急増は,1年間保険料の滞納があれば市町村に資格証明書の発行が義務付けられたことも一つの要因となっています。同時に深刻な不況の下で97年,2001年と国保料の値上げを強行したことが大量の滞納世帯を生み大量の資格証明書の発行につながっているのではないでしょうか。資格証明書の発行は義務付けられたものの,病気治療中や世帯主の事業廃止,休止など特別な事情がある場合は発行の対象外となっています。かつてない失業,かつてない長引く不況で市民の暮らしは正に非常事態です。かつてない特別な事情が市民に起こっているのです。保険料の滞納があっても自治体の判断で資格証明書の発行はやめることはできるのです。市民の生命を脅かす資格証明書は原則発行しないことを求めます。同時に短期証は明らかに保険料滞納に対する制裁措置であり,保険料の督促状です。短期でも保険証の再発行のために借金する事例さえ出ています。短期証の発行は,保険料徴収率を上げるためだという口実は既に破綻しています。発行はやめるべきです。まして治療継続中の方への短期証の発行は,保険証の期限の切れ目が治療の切れ目になりかねません。直ちに中止すべきです。答弁を求めます。 私は,そもそも過酷な負担となっている現在の保険料を引き下げることを求めるものです。今回一般会計からの繰入れを増額し保険料を据え置いたとされていますが,その中身はあくまでも国の負担分の増加に伴うものであり,京都市独自の繰入れは逆に減らしているではありませんか。更に据え置いたというものの,介護保険料の値上げがされるため,多くの市民にとって国保料は実質的な値上げとなるものです。京都市独自の繰入れを増やし,高すぎる国保料の値下げを行うこと。更に安心して医療が受けられるよう条例減免の拡充及び一部負担金免除制度の条件を緩和するよう求めるものです。いかがですかお答えください。 次に
乳幼児医療費助成制度について質問します。来年度予算に助成制度拡充が盛り込まれましたが,小学校に上がるまで拡充してほしいという要望にこたえられた点は評価するものです。残念ながら通院については月額8,000円の上限を新たに定めた京都府の助成制度と横並びとなっています。実際に京都府保険医協会も参加する乳幼児医療ネットの調査では,小児科の外来で月額8,000円を超えるような患者は0.7パーセントと極めて少なく,動向を見守るまでもなく事実上通院は拡充なしとなってしまいます。この制度の対象の多くは通院ですから,このままではせっかくの制度拡充が保護者には実感していただけないのではないでしょうか。実効ある拡充となるよう通院も小学校入学まで無条件に拡充すべきです。いかがですか。 深刻な長引く不況は,子供たちにも大きな影響を与えています。今年卒業を迎える高校生の就職希望者の内定状況は昨年度10月末で69.2パーセントと過去最悪です。定時制に至っては,求人さえないという事態です。このままでは就職先さえ決まらないまま卒業を迎える生徒が出かねません。就職の受入先となる中小企業が過去最高の倒産を記録する中,生徒の就職支援に特別の対策が求められています。一部に定職に就かない若者に責任があるかのような意見がありますが,まともな仕事がないのが実態ではありませんか。社会人のスタートに当たって誰もが自分の力が発揮できる安定した仕事に就きたいと願うのは当然です。一人一人の生徒への個別支援を強めることと併せ,京都市としても一歩踏み込んだ対応をすべきだと考えます。ワークシェアリングの導入で職員の残業を減らして新たな新卒者の採用枠を作る動きが全国で実施されています。北海道,秋田,兵庫県にとどまらず,仙台市では,約50億円と昨年と比べて事業費を倍増し1,000人の雇用を創出するとしています。緊急地域雇用創出特別基金を活用するなど高校新卒者を対象にした雇用そのものを増やす取組が緊急に求められます。いかがですかお答えください。 同時に現在学んでいる児童生徒の実態も年々深刻さを増しています。小中学校では,国の制度として就学支援制度があり給食費や教材費など一定の支援が実施されていますが,利用者は今年度小中学校で1万5,000人を超え,5年前と比べ利用率で約1.5倍に増えています。ここ数年,お母さん方から中学入学を前に制服を譲ってもらえる所がないかという御相談をお聞きします。中学校入学時に掛かる費用はかばん,体操着,靴に制服とまとまったお金が必要になるけれど,就学支援で定められた中学入学時の費用は2万2,900円。制服代は到底賄えないのです。中学校入学は,親や家族にとっても成長の喜びを新たにする時です。千葉市でも実施しているように京都市独自の上乗せも行って新しい制服が購入できるだけの支援を求めるものです。 市立高校生の授業料減免制度の利用者も増加し続け,現在1,293人の生徒が利用しています。積立てが困難で修学旅行に行けない生徒や仕事との両立が困難だと退学する生徒が定時制だけでなく全日制にも出てきています。私立高校生に至っては,親の失業,離婚などが退学に直結しています。奨学金制度を所管である京都府に対し更に充実を求めると同時に,京都市独自の修学支援策の拡充が求められています。すべての生徒を対象とした独自の奨学金制度を作るべきです。児童生徒が学び続けられるよう修学支援の一層の強化を求めるものです。答弁を求めます。 定時制高校について質問します。今年度の定時制高校の定数が突然100名削減され関係者に衝撃を与えました。この間,明確な理由も示されないまま定時制高校は募集休止,停止を続け,6年間で市内の高校定時制の定数は520人も削減されました。一方,定時制志願者数は増加傾向となっているため2001年度から希望者数より定数が少ない逆転現象が起こっています。更に家庭の経済的状況からやむなく定時制を希望せざるを得ない状況も新たに生まれています。なぜ希望者数よりわざわざ少ない定数にする必要があるのでしょうか。教育委員会は,高校教育が義務教育ではないこと,最初から定時制を希望する生徒は多くないと説明しますが,納得できるものではありません。定数削減は結果として不合格者を作りました。同時に定数削減は定時制そのものを大きく変えました。それまでは1クラス20人程度だったものが,定数いっぱいを受け入れるため1クラス40人が定時制でも当たり前となりました。定時制高校は様々な困難を抱える生徒の貴重な受皿となり困難があっても学び続ける条件を保障してきました。それは少人数のクラスでこそ保障されてきたのです。定時制高校が果たしてきた役割をなし崩しにする定数削減は容認できません。定数削減は撤回し,定時制高校は20人学級を堅持すべきです。いかがですかお答えください。 次に西ノ京中学校の教育環境の改善を求めて質問します。西ノ京中学校は生徒数485人,中京区で最大規模の中学です。建設当時の昭和30年代は,市内生徒数の急増に対応し学校建設が急ピッチで進められていました。敷地の確保にも大きな困難を伴ったことでしょう。西ノ京中学もそんな中で当時既に都市公園だった朱雀グラウンド内に間借りする形で建設された経過があります。西ノ京中学は中学校専用グラウンドを持たない唯一と言っていい学校です。生徒のクラブ活動にも体育での使用にも市民との共用グラウンドであるため制限を受けざるを得ません。一方,市内で貴重な野球ができる市民のグラウンドでもある朱雀グラウンドを中学校だけに分けてもらうわけにもいきません。そのうえ学校校舎は公園に本来あってはならないものですから建て替えもできません。都市公園を間借りして既に40年余り,生徒の専用グラウンド確保を真剣に考える時だと考えます。近隣での土地確保を視野に入れ教育委員会だけの問題とせず京都市全体で解決に向け検討すべきだと考えますがいかがですか。 最後に二条駅地区の文化施設について質問致します。96年の事業計画発表以後,98年にはキーテナントである松竹株式会社が撤退し,次の契約先は破産寸前のローズ社でしたが,1年もたたない間に破綻しました。次のテナントとなったヴァージン社が今度は東宝に買収されるという経過をたどっています。昨日,新聞報道で,東宝が大規模駐車場付きのシネコンを建設し来年開業すると報じられていますが,京都市の計画は一体どこへ行くのでしょうか。二条文化施設構想はいつの間にかシネコン建設ありきに変わり,このままでは一民間映画会社の利益のために市民の貴重な財産である土地を貸し出すことになりかねません。京都市が映画館構想に固執し,破綻を繰り返した責任は極めて重大です。改めて構想を白紙に戻す時ではないでしょうか。そのうえで市民の意見を十分に伺って土地利用の再検討こそすべきだと考えます。市長の答弁を求め私の質問と致します。ありがとうございました。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) 倉林明子議員の御質問にお答え致します。 まず介護保険制度についてでございます。この制度は,超高齢社会に対応するため高齢者の介護を社会全体で支えていくという理念に基づき運営されている全国一律の社会保険制度でございます。介護サービスの提供に要する費用の負担割合については,市町村の一般会計からは全体の12.5パーセント,第1号被保険者の割合は18パーセントと法令で定められており,今回の改定はそれに基づいて行うものであります。また保険料の軽減のため制度の枠外で一般会計から繰入れを行うことは制度の根幹を揺るがすものと考えております。低所得者対策としての本市独自の保険料減額制度につきましては,平成15年4月以降,適用基準を大幅に緩和することと致しております。 次に国民健康保険料についてでございます。平成15年度予算における一般会計繰入金につきましては,医療分保険料を前年度と同水準に維持するため過去最高となる約146億円を確保致しました。これは極めて深刻な財政状況にあっても市民生活への影響を最低限に抑えるという強い思いから,限られた予算を重点的に配分した一つの現れでございます。また第2号被保険者に係る介護分保険料につきましては,全国での介護給付費の増加に連動して改定が必要となるものでございます。御指摘の保険料の引下げや減免制度の拡充につきましては,約90億円にも上る多額の累積赤字を抱える本市の国民健康保険財政では実施は困難でございます。 以下,松井副市長,教育長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは介護保険ほか1件についてお答え申し上げます。介護保険制度の改善についての国への要望についてでございます。訪問介護の利用料軽減につきましては,制度施行前に無料で利用していた低所得者に対する激変緩和のための措置でありまして,制度施行後,新たに利用された方との公平性の観点から,国の基準に従い平成15年7月からこれまでの3パーセントから6パーセント負担にしていくことと致しております。介護保険制度の安定的な運営のためには,市民の方や地方自治体に過重な負担を招かない国の支援が不可欠であり今後とも国に対して要望を続けて参ります。 次に
乳幼児医療費助成制度の拡充につきましては,子育て家庭の医療費の軽減を一層図るため府市協調の下,他の政令指定都市の多くが導入している所得制限を設けず,本年9月から対象年齢を入院,外来とも小学校就学前まで引き上げる内容で拡充を行うことと致しております。更なる制度拡充につきましては,事業実施後の受診の動向などその状況を十分に見極めたうえ京都府とも協議を行いながら検討して参りたいと考えております。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(西晴行) 私の方から3点お答えさせていただきます。まず在宅酸素治療患者に対する障害者医療費助成制度の対象拡大についてでございます。この制度は,重度の障害のある方に対する医療費の窓口負担を全額公費で負担するものであり,現在,身体障害者手帳1,2級の所持者や療育手帳A判定を受けた知的障害のある方などを対象に実施している福祉医療制度の一つであります。福祉医療制度の対象を内部障害のある3級の身体障害者手帳の所持者に拡充することにつきましては,非常に厳しい財政状況の下にあっては困難であると考えております。 次に高齢者に係る高額医療費の支給手続につきましては,様々な要因が重なり返還手続の開始に時間を要し市民の皆様に御迷惑をお掛け致しております。3月中には対象となる方に勧奨通知をお送りし随時申請をお受けすることができるようにして参ります。なお受領委任払い制度につきましては,通院の窓口負担が比較的少額なため実施の必要性は小さいものと認識しており,貸付制度は,各区社会福祉協議会が窓口となる生活福祉資金を御利用いただきたいと考えております。 最後に国民健康保険制度における資格証明書及び短期証の発行についてでございます。本市では,保険料滞納者に対して区役所,支所への来所を指導するなどできる限りの接触を図り,国民健康保険制度の趣旨を十分説明するとともに減免制度の活用を含めたきめ細かな納付相談を行っており,資格証明書や短期証の機械的な発行は従来から行っておりません。しかしながら,保険料を特別な理由もなく滞納している方に対しましては,法令に基づき資格証明書や短期証を交付することはやむを得ないものと考えております。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 野嶋建設局長。 〔野嶋建設局長登壇〕
◎建設局長(野嶋久暉) 二条駅地区の文化施設整備事業についてお答え致します。本市におきましては,地区内に新たなにぎわい拠点を求める地元意見を踏まえるとともに,本市の財政負担が生じない手法により本事業に取り組んでいるところでございます。昨年末には事業主体から地域の活性化に向けた集客性や事業の採算性を重視した本事業の実施に係る計画が提出され,現在,本市において関係金融機関への直接確認や法的,財務的な面からの検証作業を行っているところであります。今後とも本事業の早期実現に向けて積極的に取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕
◎教育長(門川大作) 高校生の就職支援についてでありますが,全国の高卒者求人数が過去最低となる厳しい状況の中,京都市立高校では,生徒の努力と学校の組織を挙げての懸命な求人開拓や進路指導,更には関係者の御理解により本年2月14日現在,昨年を上回る全国でもトップクラスの89.6パーセントの就職内定をいただいております。引き続き生徒の希望実現に向け全力投球して参ります。更に高校卒業生全体の雇用確保は今後も厳しい状況が予想されることから,企業,業界団体への働き掛けを強化するとともに,雇用労働行政を所管する国,京都府に対して雇用施策の一層の充実を強く要望して参ります。 次に中学校における就学援助の拡充についてでありますが,本市におきましては,国基準を超えて校外活動費などを上積み支給するなど独自の就学援助施策を実施するとともに,対象人数の大幅な増加に対応できる予算を毎年増額確保しております。しかしながら,義務教育の就学援助は国の制度として実施されているものであり,本市と致しましては現行制度の下,最大限の努力をしており,これ以上の独自施策の新設は困難であります。今後とも就学援助制度の内容の充実について国に要望して参ります。 次に奨学金制度についてでありますが,現在の我が国の行財政制度の下では,高校生への奨学金事業については国と都道府県が実施することとなっております。こうした中,今年度京都府において新たに国庫補助を受けての奨学金制度が創設されました。また本市においても既に独自の奨学金制度である京都市教育扶助資金給付制度を実施しており,これ以上の奨学金制度を創設することは困難でありますが,引き続き国及び京都府に対し奨学金制度の充実を要望して参ります。 次に定時制高校についてでありますが,公立高校募集定員については,京都府と私立高校の団体との三者協議により中学卒業生の減少を踏まえつつ生徒の進路希望の実現を図る観点から決定しております。例年本来的な進路希望と見込まれる中学3年生の9月時点での進学希望調査では,定時制は定員の1割程度であり,一方,全日制は超過する状況が生じており,三者協議の中で生徒の本来希望を踏まえて卒業者に対する全日制高校の定員の割合を3年間続けて引き上げて参りました。今後とも中学生の本来的な進路希望の実現と生徒の実態に応じたきめ細やかな定時制教育の実践に努めて参ります。 最後に西ノ京中学校のグラウンドにつきましては,利用者の御理解と関係者の御尽力を得て,隣接する朱雀グラウンドを活用し体育授業や野球,サッカーなどの部活動を実施しております。今日,都心部の限られた空間を学校教育や市民スポーツの場として相互利用し有効に活用することが求められており,教育委員会と致しましても,学校の運動場や体育館,教室を市民スポーツ,更には生涯学習施設として市民に利用していただいているところであります。このような観点から,学校教育と市民スポーツの調整を図りつつ朱雀グラウンドにつきましても有効に活用して学校教育の充実に努めて参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 次に,佐藤和夫議員に発言を許します。佐藤議員。 〔佐藤和夫議員登壇(拍手)〕
◆(佐藤和夫議員) 私は,日本共産党市会議員団を代表して市長並びに関係理事者に質問します。 第1に地域金融の在り方や不況対策など京都経済の再生について質問します。小泉内閣が推し進める構造改革の下,京都経済は正にずたずたに破壊されてきました。99年から01年の民営事業所の減少率は政令市第一で,倒産件数も史上最高を更新するなど悪化の一途です。小泉構造改革の不良債権処理の加速策とは,まじめに融資を返済している企業も収益性が悪いとか停滞しているとか決め付けて不良債権のレッテルを張り倒産させる政策です。貸しはがし,貸し渋りが横行しているのはそのためです。金融庁の統計では不良債権の7割は中小企業への融資とされていますが,京都経済の主役はその中小企業なのですから,本市はこの政策の影響がとりわけ大きく現れている都市です。実際,京都府内の中小企業向けの貸出額は,5年前から63パーセントにまで落ち込み,小泉内閣発足後の1年間だけでも2,250億円も減っています。市長,あなたは不良債権処理の現場が一体どうなっているのか御存じなのですか。自殺,夜逃げ,一家離散,手形の不渡り,連鎖倒産,賃金未払,従業員の失業,授業料滞納による学業の断念など社会問題になっているではありませんか。貸しはがしという言葉が昨年の流行語大賞になったほどです。 私の地元伏見区では,創業70年を超える酒造会社が長引く不況で売上げが減っていることを理由に金融機関から借入金の圧縮を迫られ,酒蔵を処分せざるを得なくなったとお聞きしました。酒造業者にとって酒蔵は命です。酒蔵を売り飛ばさせるとは廃業せよと言うのと同じです。酒蔵はただの空間ではありません。一季醸造の伝統の手作りの技術,杜氏さんや蔵人の長年にわたってはぐくまれた技術が染み込み生かされる場です。その酒蔵を金融庁の検査マニュアルどおり収益性の良しあしだけで不良資産のレッテルを張ってつぶすことは,そこで働く人々の職を奪うだけではなく伏見が誇るものづくりの技術,食文化,観光客を呼ぶ歴史的な町並みなど地域社会全体を破壊することになるのです。伏見に住み伏見を愛する者の一人として黙っておれません。同様のことが西陣,室町など市内各地で起こっているようです。老舗企業の倒産は京都らしさを奪うものになります。中小企業の多くが赤字に陥っているのは,政府の失政による未曾有の不況の結果なのです。不良債権処理を加速し更に倒産を増やせば不況をますます深刻化させます。また銀行は,不良債権の処理に必要な資金のために黒字企業への金利の引上げも強要しています。これでは成長分野の裾野まで掘り崩すことになるではありせんか。構造改革路線の失敗はもう証明済みです。デフレ不況退治のために一番にやるべきことは,小泉総理と竹中大臣の不良債権処理の加速化政策をやめさせること,そして国民の家計消費を応援する政治への切替えが急がれているのです。そこで改めてお尋ねします。市長,国に対して不良債権処理の加速化政策をやめるよう求めるべきですがいかがですかお答えください。 こうした深刻な金融事情であるだけに制度融資の役割は重要です。京都府と京都市が協調して昨年創設した全国初の借換融資制度を更に充実し,本年1月27日,中小企業あんしん借換融資制度を立ち上げたことは,創設とその改善も求めてきた立場から我が党議員団も大いに評価するところです。また2月10日スタートした国の借換保証制度すなわち資金繰り支援保証制度の実施に当たって,日本共産党の西山登紀子参議院議員に対し平沼経済産業大臣が西山議員に京都の例などを出してもらい審議したと答弁したように,国会,府会,そして市会,この連携した日本共産党の活躍が大いに光ったものであります。この中小企業あんしん借換融資制度は,2月24日現在で府内全域で相談件数2,200件,申込金額は178億円。これまでの旧借換制度の1年間の申込金額の167億円をわずかスタート1箇月で上回りました。ものすごい反響です。効果が期待されているのです。そこでお尋ねします。この大きな期待にこたえ,この間,財政総務委員会で私自身も6月末までの受付期間を更に延長するなど機動的な運用をすべきと要求してきたところですが重ねてお伺います。いかがですか。また返済期間についても,国の借換え保証は10年とのことですから,同様に本市の中小企業あんしん借換融資制度も10年に延ばすべきです。いかがですかお答えください。 無論,借換融資制度などは緊急避難措置ではあっても根本的な解決にはなりません。貸しはがし,貸し渋りを防止し,地域金融を円滑にするための対策が必要です。この程我が党は,貸しはがし,貸し渋り防止条例大綱案を発表致しました。第1に,地域金融に携わる金融機関は,都銀であろうが地銀や信金であろうが,地域に安定的に資金を供給し地域経済を振興する責務と役割があることを明確にする。第2に,地域経済の担い手である中小零細企業や自営業者を保護育成する立場で金融機関の貸出し状況や地域経済への貢献度を評価する。第3に,第三者機関の地域金融活性化委員会を作り苦情対応もする,こういう3点が柱です。 〔磯辺議長退席,高嶋副議長着席〕
◆(佐藤和夫議員) (続)条例大綱案を基に金融機関や銀行協会,業界団体などと地域金融の在り方について懇談を進めてきましたが,ある地域金融機関の幹部も我々も同じ気持ちと共感の声を寄せました。大手都銀が企業に対する金融仲介機能から投資運用機能へ営業方針を転換しつつある中で地域金融の在り方が今問われています。しかも都銀などから不良債権とレッテルを張られた個人事業者の中には,バブル時代に不動産を担保に提案融資の名の下に無理やり過剰な借金をさせられていたのに,今は地価の下落で追加担保か競売かと迫られている方々がいます。このような金融被害に遭っている銀行の貸手責任を問う会の方々も金融機関と対等の話合いを応援する第三者機関,すなわち貸しはがし,貸し渋り条例に基づく地域金融活性化委員会のような駆け込み寺を求めておられます。本市としても貸しはがし,貸し渋り防止条例のようなローカルスタンダードとして京都スタンダードが必要ではないでしょうか。 昨年,長野県では貸付110番を立ち上げました。貸しはがし,貸し渋りの苦情など金融に関する県民からの相談すべてを知事が把握し,場合によっては知事自ら金融機関に改善の申入れを行うというものです。また埼玉県議会は,指定金融機関の選定に当たり銀行の頭取を参考人として招致し,中小企業向け融資の強化を宣言させています。現行法の下においても,やる気があれば貸しはがし,貸し渋りを正す地方自治体独自の努力はできるのであります。せめて本市でも貸付110番を設置することぐらいできるはずです。いかがですか。 さて,こうした地域経済の振興に向けた努力を無にしてしまう消費税増税計画が持ち上がっているのは大問題です。日本経団連の奥田会長は,毎年1パーセントずつ値上げし10年後には16パーセントにするよう提言しました。このようなことをやれば家計消費を一気に冷え込ませて景気は底割れ,中小企業に致命的な打撃を与えることになります。最も効果的な景気対策は,家計消費を応援する消費税減税でありますが,少なくともこの消費税増税計画には反対を表明すべきと考えますがいかがですか。 次に京都高速道路計画と都市再生緊急整備地域指定などについて質問します。先ごろ京都高速道路新十条通のトンネル建設にかかわって,阪神高速道路公団は公団として初めて土地収用法に基づく強制的な土地収用を行いました。留守中の家に断りもなしに押し入り,測量調査するなどということは余りに理不尽だと地元の方々は怒っています。また稲荷山のトンネル工事による水脈切断と地盤沈下の不安に対する話合いを中断し,土地収用のための測量を強行したことも断じて許せません。そもそもこの新十条通と一体となって建設中の油小路線は,昨年,道路関連4公団民営化推進委員会の審議の中でも採算が取れない路線として,いったん凍結し計画を見直すべきだと指摘されていました。また民営化委員会の最終答申では,造るのならば国と自治体の負担で造るべきとされたのです。京都市は,これまでも建設中の2路線約10キロと関連取付道路に329億円も使っています。残り3路線約10キロのうち,久世橋線は構想止まりの京阪連絡道に接続することを前提に需要予測を立てていましたが,国土交通省はその京阪連絡道の調査すら中止し見通しさえないのです。接続先を失った久世橋線が不採算路線となることは,油小路線以上にはっきりしているではありませんか。これまで我が党議員団は,京都高速道路計画について,都心部に自動車を引き込み歴史都市の景観を破壊し,大気汚染をもたらすものとして反対してきました。その先見の明は西淀川,川崎,尼崎,名古屋,更に昨年の東京など一連の道路公害裁判で大気汚染による環境破壊が断罪されたことで立証されました。しかも高速道路や取付道路に多大な財政負担が掛かるため必要な生活路線の整備を遅らせることもこの間我が党議員団の追及で明らかになりました。過大な需要予測が破綻し採算見通しが立たず,本市の追加負担だけをもたらす京都高速道路計画を今こそやめるべきですがいかがですか。 高速道路の都心部への引込みが都市に破壊的な環境負荷を押し付けることがはっきりしてきた以上,それに代わる新しい総合的な交通体系を確立することが求められています。今年の1月,京都弁護士会の公害対策・環境保全委員会の弁護士の方々が,LRTすなわち次世代型路面電車のネットワーク網を作るよう京都都市圏交通マップを提言されました。また,これに先立ち昨年9月には地球温暖化防止京都ネットワークの皆さんもLRTの導入を提言しています。どちらにも共通するのは,京都高速道路計画をやめて人と環境に優しいエコ交通体系づくりをしようというものです。まさに環境との共生を考えれば結論は一致してくるのであります。元々1970年当時,市民の反対を無視して当時のオール与党が市電を撤去し,マイカー依存に拍車を掛けた結果,道路を混雑させ,その解消のために更に道路を造るといういたちごっこを生み出してきました。そのうえ市バスの定時運行に支障を来し市バス経営を行き詰まらせているのであります。今こそLRTや小型循環バスの導入,自動車の乗入規制など総合的な交通対策の確立に向け市民合意を形成すべきでありますが,見解を求めます。 次に都市再生について質問します。先ごろ京都の財界と京都南部における企業懇話会が京都駅南と伏見区高度集積地区での開発構想を明らかにしました。民間資金を利用する開発手法すなわちPFIによる施設建設,また高度集積地区から長岡京駅前再開発,向日市をも含む南区のキリンビール跡地を経て京都駅南を鉄軌道でつなぐ環状ルートを確保するとしています。いずれの地域も府,本市からの申請によって政府から都市再生緊急整備地域に指定されており,都市再生の名の下での巨大な環状都市圏域構想です。小泉内閣の総合デフレ対策は,景気対策の目玉として都市再生を掲げていますが,中身は従来型の大型公共事業の看板の塗り替えにすぎません。民間都市開発機構に塩漬け土地を抱えさせている京都駅南地区,進出企業が思うように呼び込みできない伏見区の高度集積地区,撤退した大企業の遊休地であるキリンビール跡地などに都市再生のお墨付きを与え,都市計画や資金調達上の優遇措置など開発のための特権を与えるのが目的です。本市は,伏見区の高度集積地区での85メートルビル構想にしても,キリンビール跡地の地区計画決定による都市拠点づくりにしても,今どれだけのオフィス床需要があるのかまともに調査すらしていません。京都市内の貸事務所や賃貸マンションの空家率は13.6パーセントもあり明らかに過剰供給の状態です。結局無駄な大型公共事業になるだけではありませんか。バブルの時代には,やれテーマパークだ,やれ駅前再開発だ,やれリゾート開発だと第三セクター方式がもてはやされましたが,バブルがはじけ赤字の第三セクターが残っただけです。今度は都市再生と名前を変え,三セクからPFIにやり方を変えるだけです。しかもこれらの緊急整備地区でどのような開発が行われるのか具体的なことは全く明らかにされていません。しかも住民を排除しての都市計画変更が可能というのですから,無駄な大型公共工事推進という点でも住民無視のまちづくりであるという点でも大問題です。京都の都市の規模に見合った民主的な開発に切り替えるべきです。市内3箇所の都市再生緊急整備地域指定は一から見直し,市民的な論議を進めるべきですがいかがですか。 次に地元伏見区の大岩街道周辺の土地利用にかかわる将来構想の策定について質問します。先日の都市計画審議会で,大岩街道にある産業廃棄物焼却場の跡地に破砕処理施設を造ることを認める議案が審議されましたが,判断を下すには情報の提供が不十分かつ都市計画上問題ありとの意見が出され,異例の保留となりました。当然であります。そもそもこんな議案を京都市が出してくること自体,地元住民の苦しみを理解していないと断ぜざるを得ません。これまで地元の方々は30年以上も産業廃棄物の不法投棄,野焼きによって飛んでくる灰や悪臭や大気汚染に苦しんできました。1996年当時には30社以上もの産廃処理業者が集中し,慢性気管支炎やぜんそくなど呼吸器系の疾病が多発し健康不安が大問題となってきました。今回の破砕処理施設を計画した業者は,廃掃法改正後の1998年,247操業日のうち何と不適正な焼却により京都市から116回も指導を受けていた業者です。2日に1回しか遵法精神を発揮しなかったのであります。その業者が転業に当たり産業廃棄物処理施設に伴う生活環境影響調査結果書,いわゆるミニアセスをやりましたが,地元の方々が信頼できないというのは当たり前です。本市は,大岩街道周辺地域の将来構想素案を発表して地元の方々と協議を続けている最中ではありませんか。住民と合意ができていないのに,将来構想策定前に産業廃棄物の破砕施設や中間処理施設などを駆け込みで認めてしまえば,次々に産業廃棄物の処理施設が進出してくることになるではありませんか。そんなことは火を見るより明らかであります。個々の処理施設が環境基準を仮に満たしたとしても,集中立地することによる複合公害に地元はまた苦しめられることになります。大岩街道周辺地域の将来構想を策定するまで,産業廃棄物処理施設の新設や増設は一切認めるべきではありません。いかがですか。 〔高嶋副議長退席,磯辺議長着席〕
◆(佐藤和夫議員) (続)また既設の焼却施設についても,なくしていくことを求めている地元住民の皆さんと力を合わせ,深草の自然環境を再生させる将来構想を作るべきですがいかがですか。 最後に,伏見区のような市内周辺部の市民にとって深刻な問題である鉄道駅周辺などの放置自転車問題や敬老乗車証の選択制について質問します。本来,京都市内のすべての鉄道駅の自転車の放置対策をしっかり行うべきでありますが,とりわけ駅前の構造や駅周辺の交通事情などから市内周辺部では駐輪場設置が切実な願いとなっています。例えば伏見区のJR桃山駅には駐輪場がなく,利用者がやむなく駅前通りに自転車を放置するためボランティアの方が歩行者安全のために見るに見かねて整頓しています。最近は近鉄の桃山城キャッスルランドの閉園に伴って近鉄バスもなくなり何かと交通事情が悪くなりました。更に自転車で桃山駅に来る人が増えると予想されます。JR桃山駅のような空き地もあるような所は鉄道事業者に格段の協力を求めるべきであります。また既設の駐輪場の整備,拡充を進めるとともに適切な駐輪場確保の見通しが立たない所でも,もっと啓発指導員を配置し放置対策を進めるべきであります。いかがですか。兵庫県尼崎市などは,広めの歩道に駐輪ゾーンを造るなど工夫し,そこに指導員を配置して公的なつなぎ就労の拡大にもなっています。本市も独自の方法で努力すべきです。 次に敬老乗車証の共通化です。伏見区の向島や淀の際目など宇治川の左岸地域には市バスも地下鉄も走っていません。交通手段は民間頼みです。そのため敬老乗車証は,民営バスか市バス,地下鉄かどちらか一方の選択を押し付けられています。しかし個々の民営バスの営業エリアもあり,市内中心部に出る際,大変不便になっています。しかも金銭的な負担もかさみ大変な不公平となっています。伏見区向島ニュータウンにお住まいの方の場合,市内の掛かり付けのお医者さんに行くため近鉄バスに往復360円で乗り,更に近鉄電車に向島駅から竹田駅まで往復400円掛け,やっと地下鉄竹田駅から市バス,地下鉄利用の敬老乗車証が使えるようになります。点滴をする通院のため交通費は1回当たり760円。月に年金の1割にも当たるとのことです。余りにも酷です。この度敬老乗車証の市バス,地下鉄と民営バスの共通化を求める請願が全会派が紹介議員になって提出されているところでもあります。この際,敬老乗車証を市バス,地下鉄に乗り継げるよう民間鉄道や民営バスにも乗れる全線共通の乗車証に改善すべきではありませんか。いかがですか。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました 。(拍手)
○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) 佐藤和夫議員の御質問にお答え致します。 総合的な交通対策の確立についてでございますが,本市におきましては,慢性的な交通渋滞など自動車交通による問題が観光地の魅力の低下を招いたり市民生活に影響を及ぼしております。そのため自動車の特定地域への流入抑制や分散化,自動車交通から公共交通への転換策など様々な交通需要管理施策,いわゆるTDM施策を積極的に推進することと致しております。現在こうしたTDM施策推進の指針となる歩くまち京都交通まちづくりプランの素案を作成し,市民の皆様に御理解を求めるとともに広く御意見をお聴きしているところでございます。今後,お寄せいただいた御意見を踏まえてこのプランを取りまとめるとともに,市民の皆様とのパートナーシップの下,自動車交通に過度に依存しない歩くまち京都にふさわしい交通体系の確立を目指して参ります。 以下,副市長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕
◎副市長(高木壽一) まず国の金融経済対策についてお答え致します。いわゆる総合デフレ対策に基づきまして,国の不良債権処理が加速される過程において,本市では中小企業への影響が懸念されることから,昨年12月に中小企業のセーフティネット保証の積極的な運用を国に対して強く要望致しました。本年1月には拡充されましたセーフティネット保証を積極的に活用し,あんしん借換融資制度を創設したところでございます。不良債権の処理そのものは避けて通れないものと認識はしておりますが,その過程で厳しい経営環境にあります中小企業の実態に配慮した施策が実施されますように国に対して引き続き強く働き掛けて参りますとともに,本市の中小企業への支援に全力を挙げて取り組んで参ります。 次に大岩街道周辺地域における廃棄物処理施設につきましては,これまでから廃棄物処理法に基づきまして指導あるいは改善命令など厳正に対処して参りました。この度の新たな廃棄物処理施設の設置につきましても,この地域の環境改善を図るために焼却施設から環境への負荷が少なく循環型社会に貢献するリサイクル施設に転換させようとするものでございます。このリサイクル施設は,廃棄物処理法上の法的要件はすべて満たし,かつ当該敷地が市街化調整区域内の既存宅地の確認を受けておりまして,都市計画上も支障がないと認められるものでございます。こうした条件の土地は,この大岩地域では他に皆無に等しく,今回リサイクル施設の設置を認めましても,これがそのまま拡大につながることはあり得ないと考えております。今後ともこの地域での厳しい指導を継続致しますとともに,将来構想につきましても現下の経済情勢や本市の財政状況を踏まえまして引き続き検討協議して参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕
◎副市長(河内隆) 私からは南部地域における都市再生緊急整備地域の指定についてのお尋ねにお答え致します。21世紀においても京都が安らぎと華やぎのある都市として発展し続けるためには,南部創造のまちづくりの推進が必要不可欠でございます。このため多くの市民の御意見等を踏まえて昨年5月に策定致しました京都市都市計画マスタープランにおきましても,南部地域につきましては国の都市再生の取組等を踏まえながら重点的に取り組むこととしている所でございます。都市再生緊急整備地域においては,民間事業者が行う公共施設整備に対する金融支援など都市開発事業を促進するための制度が用意されておりますことから,この度の地域指定は本市の南部創造のまちづくりの具体化に向けた大きな弾みとなるものと期待しております。今後,良好な民間プロジェクトを誘導するなど公民の適切な役割分担の下,都市計画マスタープランやそれぞれの地域整備方針に基づくまちづくりの推進に努めて参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 成瀬理財局長。 〔成瀬理財局長登壇〕
◎理財局長(成瀬英夫) 消費税についてお答え致します。昨年6月に発表されました政府税制調査会のあるべき税制の構築に向けた基本方針におきましては,消費税は少子長寿化など社会構造の変化に的確に対応していくため世代間の公平の確保や経済社会の活力の発揮,また安定的な歳入構造の構築,こういう観点からその役割を高めていくべき重要な税であるとされております。また地方消費税につきましても,地方公共団体が福祉,教育をはじめとする幅広い施策を自主的,自立的に進めていく上で大きな役割を果たしておりますことから,その拡充が求められているところでございます。このような消費税の重要性を考えますと,その在り方につきましては,単に当面の景気対策という観点だけではなく,我が国の税体系の在り方や地方分権の推進などより幅広く総合的な視野に立って論議されることが必要であると考えております。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 島田産業観光局長。 〔島田産業観光局長登壇〕
◎産業観光局長(島田與三右衞門) 中小企業あんしん借換融資制度の受付期間につきましては,国のセーフティネット保証制度と連動させており,この保証制度に係る国の指定期間に合わせ6月末までとしておりますが,今後利用状況や国の動向を十分に見極め対応して参ります。また利用期間につきましては,本市制度融資の中でも最も有利な年1.5パーセントの固定金利とするとともに,できるだけ長期の返済となるよう従来の借換融資よりも1年長い8年以内としたところでございます。 次に貸付110番につきましてでございますが,銀行取引に関する苦情処理につきましては,平成14年10月に金融庁や全国の財務局に貸し渋り,貸しはがしホットラインが開設されるとともに,各地区の銀行協会におきましては,苦情処理機関として銀行よろず相談所を設置しているところでございます。また本市におきましては,これまでから中小企業支援センターに総合相談窓口を設置し,中小企業者の方々の幅広い御相談にきめ細かく対応致しますとともに,近畿財務局や京都銀行協会なども出席致します地域融資動向に関する情報交換会等を通じまして関係機関と連携し中小企業者への資金が円滑に供給されますよう取り組んでいるところでございます。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(西晴行) 市バス,地下鉄敬老乗車証制度につきましては,昭和48年度の制度発足以来,多くの方々に御利用いただき高齢者の社会参加や生きがいづくりに大きな役割を果たしております。しかしながら,高齢化の進展に伴い対象者は年々増加し,民営バス敬老乗車証を含め平成15年度予算においては約48億円もの経費を要しております。このため民営バスや民間鉄道との全線共通化につきましては,更に多額の経費を必要とすることから本市の厳しい財政状況の下では困難であります。なお今後の制度の在り方につきましては,存続を前提に引き続き検討を続けて参ります。以上でございます。
○議長(磯辺とし子) 野嶋建設局長。 〔野嶋建設局長登壇〕
◎建設局長(野嶋久暉) 私からは2点でございます。まず京都高速道路計画についてお答え致します。 京都高速道路は,21世紀の本市の発展と豊かな市民生活の実現にとって不可欠な都市基盤施設でございます。道路関係4公団民営化推進委員会の意見書では,個別路線の扱いまでは触れられておりませんが,民営化により本市の財政負担の増大と京都高速道路の事業進捗に影響が生じないよう国に強く訴えて参ります。環境問題につきましては,環境影響評価においておおむね妥当との評価をいただいておりますが,更に土壌脱硝システムの導入を進めて参ります。本市と致しましては,厳しい財政状況ではございますが,高速道路などの幹線道路から生活道路に至る体系的な道路網の整備を着実に推進して参ります。 次に鉄道駅での自転車等駐車場の整備等についてお答え致します。平成12年3月に策定致しました京都市自転車総合計画に基づきまして,本市においてはJR円町駅,阪急桂駅,近鉄上鳥羽口駅に自転車等駐車場を整備して参りました。一方,鉄道事業者の協力によりましてJR嵯峨嵐山駅,京阪深草駅,京阪藤森駅で自転車等駐車場が整備されてきました。また現在,阪急洛西口駅,近鉄十条駅及びJR太秦駅において自転車等駐車場の整備を進めているところでございます。今後も引き続き鉄道事業者に協力を求めるとともに,自転車等駐車場の整備を促進するため様々な手法を含め調査研究を行って参ります。以上でございます。
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○議長(磯辺とし子) 本日の審議はこの程度にとどめ,延会致したいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって本日は,これをもって延会致します。 〔午後4時40分延会〕
--------------------- 議長 磯辺とし子 副議長 高嶋弘恵 署名議員 田中英之 同 安孫子和子
△請願文書表「受理番号861」「被用者保険3割自己負担の実施延期」・請願文書表「受理番号862」「被用者保険3割自己負担の実施延期」
△請願文書表「受理番号863」「被用者保険3割自己負担の実施延期」・請願文書表「受理番号864」「医療費,国民健康保険料,介護保険などの住民負担の軽減」
△請願文書表「受理番号865~869」「敬老乗車証の改善」・請願文書表「受理番号870」「葬儀場建設の指導」
△請願文書表「受理番号871」「上下水道料金の減免制度実施」・陳情文書表「受理番号82」「羅城門資料館の建設」
△陳情文書表「受理番号83」「産業廃棄物処理施設の設置反対」・陳情文書表「受理番号84」「障害者共同作業所の補助金の増額」
△陳情文書表「受理番号85」「朱雀大路の復活」・陳情文書表「受理番号86」「マンション建設の指導」
△請願の取下げ・平成14年度包括外部監査
△平成14年度包括外部監査
△平成14年度包括外部監査
△平成14年度包括外部監査
△平成14年度包括外部監査
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△地方公務員法第5条第2項の意見について...