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09月12日-03号

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  1. 京都市議会 2002-09-12
    09月12日-03号


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    平成14年  9月 定例会(第3回)     平成14年第3回               京都市会会議録 第3号     (定例会)               平成14年9月12日(木曜日)出席議員(71名)   1番 小島健市議員   2番 竹内 譲議員   3番 小川ひろき議員   4番 砂川祐司議員   5番 田中英之議員   6番 中村三之助議員   7番 磯辺とし子議員   8番 井上けんじ議員   9番 玉本なるみ議員   11番 安井 勉議員   12番 井上教子議員   13番 山口 勝議員   14番 安孫子和子議員   15番 中村十一議員   16番 石黒利雄議員   17番 加地 浩議員   18番 橋村芳和議員   19番 加藤盛司議員   20番 繁 隆夫議員   21番 せのお直樹議員   22番 岩橋ちよみ議員   23番 中村かつみ議員   24番 西野さち子議員   25番 柴田章喜議員   26番 久保省二議員   27番 大道義知議員   28番 日置文章議員   29番 天方晶英議員   30番 宮本 徹議員   31番 鈴木マサホ議員   32番 富 きくお議員   33番 内海貴夫議員   34番 大西 均議員   35番 巻野 渡議員   36番 田中セツ子議員   37番 北山ただお議員   38番 倉林明子議員   39番 井坂博文議員   40番 加藤広太郎議員   41番 佐藤和夫議員   42番 谷口弘昌議員   43番 高嶋弘恵議員   44番 中西賢治議員   45番 可児達志議員   46番 中西正三議員   47番 今枝徳蔵議員   48番 梅林 等議員   49番 小林あきろう議員   50番 伊藤義浩議員   51番 二之湯 智議員   52番 中野竜三議員   53番 井上与一郎議員   54番 川中増次郎議員   55番 高橋泰一朗議員   56番 森 ます子議員   57番 藤原冬樹議員   58番 若宮 修議員   59番 山中 渡議員   60番 山本正志議員   61番 三宅誠孝議員   62番 有吉節子議員   63番 宇都宮壮一議員   64番 山口幸秀議員   65番 椋田知雄議員   66番 中村安良議員   67番 北川 明議員   68番 国枝克一郎議員   69番 西脇尚一議員   70番 青木善男議員   71番 津田幹雄議員   72番 坂口芳治議員欠席議員(1名)   10番 東山洋子議員   議事日程   開議日時 平成14年9月12日(木)午前10時   一般質問 (1) 市政一般について  岩橋ちよみ議員 (2) 市政一般について  井上けんじ議員 (3) 市政一般について  安孫子和子議員 (4) 市政一般について  砂川祐司議員 (5) 市政一般について  久保省二議員 (6) 市政一般について  山口 勝議員-------------------------------- 〔午前10時1分開議〕 ○議長(磯辺とし子) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、席上に配付致しておきました。 本日の会議録署名者を指名致します。佐藤和夫議員小島健市議員とにお願い致します。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) この場合、議長から御報告申し上げます。 今回受理致しました請願6件は、お手元に配付してあります文書表のとおり、所管の常任委員会に付託致します。 以上、御報告申し上げます。御了承願います。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) 昨日に引き続き、これより一般質問を行います。発言の通告がありますので、これを許します。市政一般について、岩橋ちよみ議員。 〔岩橋ちよみ議員登壇(拍手)〕 ◆(岩橋ちよみ議員) 私は、日本共産党市会議員団を代表して環境、交通問題を中心に質問致します。 今年は本当に暑い夏でした。中国やヨーロッパでは大洪水に見舞われるなど地球の温暖化を実感する日が続きました。7月、環境省は、温室効果ガスの2000年度の排出量が前年比0.2パーセント増加、90年比8.0パーセント増で、議定書の6パーセント削減には14パーセント削減が必要と調査結果を発表しました。リオデジャネイロの地球サミットから10年、京都議定書採択から5年、持続可能な社会への転換は極めて立ち後れていると言わざるを得ません。今、あとは野となれ山となれとフロンや二酸化炭素を増やし生産を無制限に拡大することによって、地球が31億年掛けて作り上げた生命維持装置を自らが壊し、地球の管理能力を超える事態を生み出しています。環境保全を優先させる社会への転換こそ21世紀、人類が生き続けられる道ではないでしょうか。 本市でも市職員労働組合が取り組んだ市民アンケートでは、健康への不安で、食の安全に次いで環境問題が第2位、20代、30代ではトップという結果でした。先日、京都市環境審議会が答申を行いましたが、現状では、温室効果ガスが2010年には90年比で18パーセント増加すると厳しい予測です。運輸部門は二酸化炭素排出量の4分の1を占め、自動車からの排出はそのうち94.3パーセントとなっています。8月26日からヨハネスブルグで環境・開発サミットが開催され、実施計画や政治宣言が採択されました。市長は、10パーセント削減を世界に宣言したと報道されましたが、現状は、削減どころか増加しています。市の環境審議会委員も、多少の努力では二酸化炭素は減らない。相当本気で取り組んでいただく必要がある。TDMを言いながら市内に高速道路を建設するなど脱車社会に逆行しているとの厳しい批判が報道されましたが、本市の従来の対策では、温暖化を防止することはできないことは明らかです。京都議定書を世界に発信した本市こそ温暖化防止へ率先して本気で取り組むことが求められています。 併せて市民的な合意で自動車の総量規制を進めることです。理事者は、総量規制は難しいと消極的ですが、市民3万人アンケートでは、自家用車を減らす何らかの制限もやむを得ない、自主的に控えるべきを合わせると8割にもなります。自動車の規制について市民的な合意の条件はあるのです。答申でも、運輸部門対策の充実強化の取組が提案されていますが、車の総量規制を位置付け、運輸部門対策に本気で取り組むことが必要です。市長の温暖化防止、車の総量規制への基本的お考えをお示しください。 また、市バス、地下鉄の利用促進に努めると言いながら市バスを廃止、縮小し、地下鉄とのネットワークを断ち切り、結果として車を利用せざるを得ない状況を作り出しています。環境審議会で、環境局以外の事業部局で環境が政策課題の上位に位置付けられていないと指摘されているように、京都市総体としての取組は不十分と言わなければなりません。市長を中心に各部局が一致して取り組む組織を作り、環境問題を市挙げて取り組むことが必要と考えますが、市長の答弁を求めます。 環境問題のもう一つはごみの問題です。廃棄物部門で二酸化炭素の排出量の大部分を占めるのが一般廃棄物です。市職労のアンケートでは、京都市に優先的に取り組んでほしいものとして、10代、20代ではごみ対策がトップです。環境行政で感じることとして、これも10代、20代では分別収集をもっと進めるべきがトップです。本市は、このような市民の声に真剣にこたえているでしょうか。本市のごみ処理基本計画では、2010年までに15パーセントのごみ減量計画で見直しも行われていますが、缶、瓶、ペットボトルの3種混合収集、焼却と埋立てに頼る方式でリサイクルも進んでいません。先日は、左京、伏見区の2,000世帯でモデル実施している容器包装プラスチックの分別収集で、収集したプラスチックをリサイクルせず一般ごみと一緒に焼却されていたことが大きく報道され、市民からも驚きと批判の声が寄せられました。モデル地区で分別に取り組んでいる方は、頑張って分別しているのにがっかりだと怒りの声を上げ、大学教授は、言語道断だ、今回のような事態は不信感と失望を与えてしまうなど厳しい指摘をしておられます。私も同感です。今回の問題は、本市のごみ行政の遅れを象徴的に示したものであり、市民の熱意や努力を裏切り、不信と失望を与えた市長の責任は重大です。先のアンケートでは、分別に協力すると答えた市民は94パーセント、他都市から来て、京都市のごみ収集には驚くと新聞の投書もいまだに続いています。分別収集への市民の合意の条件は整っているのです。実際に左京区聖護院地域や市原でのプラスチックごみの分別の取組によって、ごみ減量につながる経験も生まれています。パッカー車による3種混合収集でなく、徹底した分別収集リサイクルを行うこと、大型ごみもばりばりと壊すのではなく、リサイクルプラザを造り再生利用、再資源化に踏み出すべきと考えます。答弁を求めます。 次に交通問題について質問致します。温暖化を防止するうえでも、人と環境に優しい公共交通優先の施策が求められています。先日、視察した長崎市では、交通渋滞は深刻でTDM交通需要管理施策の具体的な取組が行われていました。100円の路面電車を軸にバスと組み合わせたまちづくりが行われ、共通バスカードパークアンドライド駐車場、100円コミュニティバスの運行が行われ、路面電車の延伸も検討されています。更にバス空白地域の調査で、住民の要望にこたえ昨年9人乗りのジャンボタクシーの試行実験を行い、採算のめどが立ったと今年度本格的に運行を始めています。また岡山市では、超低床式次世代型路面電車ももが7月から走り出しました。市民団体の長年の運動、熱意が事業者を動かし実現したものですが、町並みに溶け込む外観のみならず、座席や床にむくの天然木を使い、和風でまるで住まいのような空間でした。町中では交通規制がしっかり行われ、車と電車がゆったり走っていました。岡山電鉄の方は、京都こそ路面電車が似合うまちでしょうと言われたのがとても印象的でした。大阪市では、100円の小型循環バス、赤バスが21の行政区すべてで走っています。乳母車に赤ちゃんを乗せた若いお母さんは、思わず乗ってしまうんですとすっかり市民の足となっています。大阪市交通局は、不採算でも生活の足を確保すると、生活路線の維持は福祉施策と位置付けて赤字分を一般会計から補助する方式を新たに作りました。仙台市では、バスを中心にしたまちづくりオムニバスタウン構想を進め公共交通利用促進課が設置されています。全国では広島、熊本、豊橋で新型路面電車が走り、コミュニティバスは171の自治体で運行されるなど車を規制し公共交通優先の積極的な取組が進んでいます。先日、日本建築学会も京都の景観、まちづくりの視点から交通の提案を行いました。本市でも商工会議所や経済同友会、交通運輸労働組合京都地方協議会など各層から様々な提案が行われ、自転車タクシー、町中を歩く日など市民団体の取組も行われています。これらは京都が歴史都市であり続けるために公共交通優先の交通政策の様々な分野からの提案や実践です。今、歴史都市京都こそ、このような全国や市民の取組にこそ学ぶべきではないでしょうか。本市では、政府の自動車を戦略産業とするモータリゼーション政策の下で1963年3月、自民党高山市政のとき、京都市総合計画試案で初めて市電撤去が盛り込まれ、66年、京都市長期開発計画案で、都市とは車を受け入れる器であると市電の撤去へと進んでしまいました。当時、日本共産党市会議員団は、公共の大量輸送機関である市電の撤去の強行は、必ず市バスの破壊につながるものと警告してきましたが、本市は、今、市バスの廃止縮小、民営化、公営交通破綻の道を突き進み、同じ過ちを繰り返そうとしています。本市は、この秋にもTDM交通需要管理施策を発表するとしていますが、人と環境に優しい京都の交通TDM施策に欠かせない課題について、以下具体的にお伺い致します。 一つは、市バス民営化の道でなく、公営を堅持し、市民に愛される市バス事業へ転換することです。本市は、市バス事業の管理の受委託、民営化を進め、桝本市長になってからだけでも山科、醍醐、岩倉北部から市バスがなくなり、地下鉄の開業があったとはいえ乗客が1日12万5,000人も減ってしまいました。92号の廃止でライトハウスに通っている重度の視覚障害者は、訓練によってやっと1人で通えていたのが乗継ぎが必要になるなど生活リズムの変化で体調を壊され自立への大きな障害となるなど市民の足を奪ってきました。昨日の本会議で市長は、市バスの本格的な民営化の道として平成20年までに市バス事業の半分を民間に委託し、1,200人の交通職員を600人に減らす京都市交通事業ルネッサンスプランを示しました。これは将来、委託した民間バス会社が自分の所で営業する等新たな参入をすればどうするのですか。そのエリアでの市バス事業は存在できなくなり、公営の市バス事業を破綻に導くものではありませんか。公営交通、自治体の役割を投げ捨てるもので、これでは市民の足は守れません。どうすれば市バスに乗ってもらえるかを真剣に考え、市民に愛される市バス事業への積極的な転換が必要であり、公営交通を堅持すべきと考えます。いかがですかお答えください。更に八つの行政区基本計画で提案され、全国の流れになっている低料金の小型循環バス導入の具体化を進めるべきです。いかがですかお答えください。 二つは、LRT次世代型路面電車の導入の具体化です。市基本計画でもLRTの導入の検討が盛り込まれTDM施策の中で検討すると答弁されてきましたが、理事者は、専用軌道の確保のために既存道路での自動車の制限など課題があるとも答弁されています。その課題を解決するためにも導入予定路線を決定し、そこへの自動車の乗入れを規制するなど実験を行い市民合意を得ることが必要です。歴史都市京都市こそ一日も早く導入すべきと考えます。どう具体化するのかお答えください。 三つは、パークアンドライドの導入で市内中心部への鉄道利用を促進し、観光地へのマイカー規制を行うことです。私たちは、以前からその提案を行ってきましたが、昨年嵐山で交通実験が行われました。この秋には本格的なパークアンドライド実験が行われますが、実験を踏まえて、その後どう取り組むかがこの地域の交通問題を解決していくうえで重要です。今回の実験では、嵐山交通研究会が作られましたが、実験後の取組では一般公募を行うなどより多くの市民の声を生かす体制を作るべきと考えます。いかがですか。更に清水など東山地域の観光交通も深刻です。引き続いて対策、実験を行うべきと考えます。今後の取組についてお示しください。 四つは、京都市と隣接の自治体と市域を走る私鉄、民営バス、タクシーの代表、市営地下鉄、市バス代表による京都市域公共交通推進協議会を作り、運賃、乗継制度の改善を行うなど行政が強力なイニシアチブを発揮し、市民の移動と暮らしに役立つ交通体系を確立することです。いかがですかお答えください。 次に上下水道料金福祉減免制度について伺います。長引く不況で市民生活は大変です。先日、年金月に4万ほどもらっていますが、水道代、電気代、ガス代を引くと1日当たり900円の生活。これで食べていけますか。こんなお葉書が届きました。最近、水を家で使わないようにとスーパーで1日過ごすのを日課にしているお年寄りを見掛けます。上下水道料金の負担を少しでも抑えようと苦労されている姿です。私は、改めて政令指定都市の取組を調査して驚きました。上下水道どちらも減免制度がないのは本市だけです。大阪市では、生活保護世帯だけでなく身体障害者、知的障害者、母子家庭、高齢者世帯が対象になっていますが、3年前から精神障害者、父子家庭、高齢の親子世帯にまで広がりました。福祉施設は料金の40パーセントが減免されています。厳しい財政の中でも努力し、20万を超える世帯が対象で約24億円の予算が計上されています。下水道料金については、すべての政令市で生活保護世帯を減免の対象にしているのです。本市だけなぜ減免制度がないのでしょうか。理事者は、生活保護の中に盛り込まれている、これ以上の財政負担はできないと答弁されてきましたが、本市だけが生活保護費の中に含まれ財政が大変なのでしょうか。結局、本市だけ減免制度がないというのは、上下水道料金さえ払うことが困難な人、市民の暮らしや命には全く心を寄せない冷たい姿勢を示しているものではありませんか。今、料金を4箇月滞納すると給水が停止されます。厳しい市民生活の中で福祉減免制度が実現すれば、こうした人たちの暮らしを支えることになるのです。市長はいつも福祉は後退させないと言われますが、本来、福祉は後退させないのではなく、市民生活がますます厳しくなる中で更に前進させるべきものです。住民の暮らしと福祉を増進させる地方自治体の役割を果たし、低所得の世帯、生活保護を受けておられる方や高齢者世帯、母子父子世帯、福祉施設など福祉の施策として命の水を守る減免制度を作るべきです。市長の答弁を求めます。 最後に今年4月に施行されたドメスティック・バイオレンスDV法の実施について質問致します。DV法は、深刻な社会問題にもなっている配偶者やパートナーの暴力から女性を保護し自立を支援するもので、被害者はもちろん関係者から成立が強く望まれていたものでした。ところが京都市の現状は、法の施行前よりも被害者保護ができなくなっているのです。相談、対応の窓口が京都府婦人相談所1箇所に限定されたために、以前は受入施設として役割を果たしていた市内の母子生活支援施設が保護施設の機能を果たせないでいるのです。3月に制定されたばかりの京都男女共同参画プランでも、DV被害者の支援を掲げながら法の完全実施から5箇月、こんな状態を放置していることは許されません。一刻も早く被害者の保護と自立支援へ実効ある具体的な対策を採られるよう求めるものです。いかがですか。最後にお伺いし私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 岩橋ちよみ議員の御質問にお答え致します。 まず地球温暖化防止に向けた基本的な考え方についてでございます。本市では、二酸化炭素10パーセント削減という目標を掲げ様々な取組を進めてきており、運輸部門対策としては低公害車の導入、歩いて暮らせるまち京都の推進などに取り組んできたところでございます。また、おっしゃるとおり平成13年度から嵐山において自動車の流入抑制や交通渋滞情報の発信、自動車から他の交通手段への誘導策などの交通社会実験を実施し、温暖化防止につながる車の総量抑制策を持ち込んだ人と環境に優しい交通政策に取り組んで参っております。今後とも自動車交通に過度に依存しない歩くまちにふさわしい交通体系の確立を目指し、本市におけるTDM施策を推進するうえでの基本的な方向を示す京都市TDM施策総合計画の策定に取り組むなど運輸部門対策をはじめとする温暖化防止の取組を推進して参ります。 次に環境問題に対する取組体制についてでございます。私は、平成13年1月に策定致しました京都市基本計画で環境を基軸とした政策を展開することを掲げ、環境への負荷の少ない持続可能なまちの実現を目指した市政を推進して参りました。現在、新京都市環境管理計画の実施に当たり、京都市環境保全推進会議を中心に全庁的に取り組むとともに、本市役所、本庁舎でのISO14001の認証取得を目指し各局が連携して環境に配慮した施策を進めることを指示しているところでございます。今後とも私が先頭に立ち、京都市を挙げて環境共生型都市京都の構築に向け邁進して参る所存でございます。 以下、副市長、公営企業管理者及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) ドメスティック・バイオレンス対策についてお答え致します。ドメスティック・バイオレンスは、女性の人権を侵害する重大な社会問題であると認識致しておりまして、被害者の保護につきましては、緊急を要する場合にはこれまでと同様に母子生活支援施設において一時保護を実施しているところでございます。更に配偶者暴力防止法に基づきます一時保護に関しましても適切な対応が図られるよう京都府に働き掛けておりまして、引き続き精力的に府と協議を進めて参ります。今後とも京都市が京都府、府警、法務局、民間団体等に呼び掛けて設置致しました女性への暴力に関するネットワーク会議を通じて配偶者暴力相談支援センターなど関係機関との緊密な連携の下に被害者の支援に努めて参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 私からはLRTの導入についての御質問にお答え致します。ライト・レール・トランジットすなわち軽量軌道の新しい公共交通機関あるいは次世代型路面電車と言われておりますLRTにつきましては、人や環境に優しく経済的にも優れた公共交通システムと評価されておりますことから、京都市基本計画におきましてもLRT等新しい公共交通の在り方について検討するとしているところでございます。しかしながら、実際に導入するに当たりましては、専用軌道を確保するために既存の道路における自動車交通を制限する方策に関します課題はもとより事業主体の問題、更には需要量と採算性の確保の問題などハード、ソフトを含め解決すべき課題が数多くあり、本市の総合交通体系の中に位置付けて考える必要がございます。このため今年度は、具体的な検討に向けての前段階として国内や国外の事例把握や導入に係る課題を整理することとしております。今後とも市民や各界の皆様とも幅広く議論しながら環境共生型都市である本市にふさわしい総合的な交通政策を推進して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは上下水道料金の福祉減免問題についてお答え致します。まず生活保護世帯につきましては、生活保護制度において上下水道料金をはじめとする光熱水費、食費など最低限度の生活を維持するために必要なすべての日常一般の経常的需要に対応する費用は生活扶助基準に含まれているところであり、上下水道料金についてもその中で対応できるものと認識致しております。 次に低所得者世帯や高齢者世帯などへの減免制度につきましては、本市の極めて厳しい財政状況の下で実施は困難であります。社会福祉施設を対象とした減免制度につきましては、昨年度の上下水道料金の改定に際し一定期間料金を据え置く経過措置を行ったところであります。以上であります。 ○議長(磯辺とし子) 上原環境局長。 〔上原環境局長登壇〕 ◎環境局長(上原任) ごみの分別リサイクルについてでございます。本市においては、他都市に先駆け空き缶の分別収集に着手し、平成9年から缶、瓶、ペットボトルの収集を全市において実施するとともに、プラスチック製容器包装についても平成11年10月から政令市の中でいち早くモデル調査を開始して参りました。また本年10月からは新たに全世帯を対象として小型金属類の分別収集を試行実施するとともに、プラスチック製容器包装モデル分別収集を全市約1万4,000世帯へ拡大致します。御指摘のプラスチック製容器包装に関する先般の報道については、本格的実施に向けた収集運搬や選別処理等の在り方を検討する実験としてモデル地域の住民の皆様に説明し御理解と御協力を得ながら取り組んでおります。また缶、瓶、ペットボトルの3種混合収集も、収集効率や環境への負荷等の総合的な観点から合理的な手法として実施しているものであります。今後におきましてはリサイクルだけでなく発生抑制や再使用などに重点を置き温暖化防止にも貢献する循環型社会を目指して参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 海堀都市計画局長。 〔海堀都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(海堀安喜) 小型循環バスの導入についてお答え申し上げます。小型循環バスなどのコミュニティバスにつきましては、高齢者や身体に障害のある方などに対する輸送サービス、また商業施設などを中心とした輸送サービスなど様々な形態で利用されるとともに、広く地域住民の利便性向上のため運賃、ダイヤなどを工夫するといった特性を有することから全国的に取り組まれる事例が増えております。しかしながら、他都市の事例の中にはコミュニティバスの利用者の減少や採算上の問題など課題も多いことから、全国での事例調査を行うとともに地元での取組状況を踏まえたうえで利用対象者の状況や事業主体、更には採算性など多面的に検討して参りたいと考えております。 次に観光地における交通問題についてでございますが、嵐山において取り組んでおります交通社会実験として今年度は鉄道など公共交通機関の利用を促進するとともにパークアンドライド、嵐山中心部における自動車流入抑制などの手法も採り入れ、歩いて楽しい嵐山を目指す本格的な実験を実施して参りたいと考えております。また実験終了後につきましては、この結果を広く市民の皆様にお知らせするとともに、いただいた御意見なども参考にして引き続き地元を主体とする取組を推進して参りたいと考えております。更に本実験の成果は、他の観光地の交通対策に活用することはもとより、今年度に策定する交通需要管理施策いわゆるTDM施策推進のための方向性を示す京都市TDM総合計画にも生かして参りたいと考えております。 次に民間事業者を含めた交通体系の確立についてでございます。本市では、市民の基幹交通として市バス、地下鉄による公共交通ネットワークを構築するとともに、より便利な交通手段とするため私鉄や民営バスとの結節機能を強化するなど都市圏の公共交通ネットワークの充実に努めております。その取組の一つとしてスルッとKANSAI協議会にも加盟し乗車チケットの共同発行などの取組を推進しております。また本市の交通政策を推進するに当たり、近畿地方交通審議会や京都市交通バリアフリー推進連絡会議など目的、趣旨に応じて鉄道やバス事業者、国や京都府などの関係機関が集まり交通分野における迅速な計画づくりなどに成果を挙げております。今後とも本市が主体的にこうした協議会を活用するとともに、関係行政機関などと連携し安全で利用しやすい交通体系の確立を目指して参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 江草公営企業管理者。 〔江草公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(江草哲史) 本市交通事業の新たな経営健全化計画についてお答え致します。この計画は、本市交通事業が危機的な財政状況にある中で公営交通を堅持し147万人の京都市民の足を守ることを目的に策定したものであります。具体的には、本市が路線、運賃等の決定に責任を負いつつ、民間並みの低コストでの運営が可能な管理の受委託方式を事業規模の2分の1まで拡大することや、経営健全化プログラム21に引き続く更なる人件費の削減に取り組むとともに、乗継運賃制度の充実などにより経営形態の抜本的な見直しを行い経営体質の強化を図るものであります。市民の足を守るため、市バス、地下鉄のネットワークを積極的に活用し、全職員が一丸となって事業の存続の懸かったこの危機を乗り切り、本市交通事業の再生に全力で取り組んで参ります。以上でございます。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) 次に、市政一般について、井上けんじ議員に発言を許します。井上議員。 〔井上けんじ議員登壇(拍手)〕
    ◆(井上けんじ議員) 南区選出の井上けんじでございます。私は、日本共産党市会議員団を代表して市長並びに理事者の皆さんに質問します。 まず最初に医療と介護についてお尋ねします。日本医師会、歯科医師会、薬剤師会をはじめ医療関係者や多くの国民の怒りや不安の声を踏みにじって自民、公明など政府与党は健康保険法の改悪を強行しました。サラリーマンは保険料値上げと共に窓口での支払も現行2割が3割への値上げ、老人の窓口負担は定額から1割又は2割の定率への値上げ、1箇月の限度額はいずれも大幅引上げのうえ、いったん窓口で支払って二、三箇月後の払戻しとなります。老人医療費の値上げはもう半月後に迫っており、お金は幾ら持っていけばいいのだろうか。体よりもそっちの方が気に掛かるなど大変な心配が広がっています。既にこの4月には診療報酬が引き下げられ、これではまともな治療ができないと命を預かる医療機関から痛切な声が寄せられています。また6箇月を超える入院患者への診療報酬も大幅に引き下げられ、今、私もまさにこのケースの方から御相談を受けておりますが、この4月に入院した人はいよいよ来月から行き場がなくなるという大変な事態に直面しています。そこへ今度の改悪が決定的とも言える追い打ちを掛けています。しあさっては敬老の日というのに、自民党、公明党などからのとんでもない贈物ではありませんか。特に公明党は、昨年の参議院選挙で医療の負担増に反対と公約しておられました。高齢化社会でやむを得ないなどと公明党の大臣は弁解していますが、参議院選挙のときはまだ高齢化社会ではなかったとでも言うのでしょうか。(発言する者あり) 老人医療について南区のある診療所の試算によると、現行3,400円から来月は1万5,310円へ、月1万円以上も窓口負担が増える人もおられるなど、特に例えば在宅酸素など医療器具を自宅で使っておられる患者さんなどを中心に大幅な負担増が待ち受けています。既に受診抑制と重症化が進んでいます。ある業者の団体の調査では、この2年間に亡くなられた方の45パーセントが初期の受診を我慢しておられたなどのため、初診からわずか10日以内に亡くなっておられます。いつでもどこでも安心してお医者さんに掛かれる早期発見、早期治療、これこそが医療の基本ではありませんか。市長は、政府に対して実施の凍結を求めるなど強く声を上げていくべきであります。そもそも限度額の1万2,000円が高すぎます。せめてそれを超える老人の医療費窓口負担について、現物給付や委任払など限度額を超える額は負担しなくてもいいように直ちに対策を立てるべきであります。 そこで質問です。6箇月を超える入院患者は、全国的には今春の段階で医療関係団体の調査では10万人、政府の国会答弁では5万人ということですが、京都市内では何人おられますか。行き場のない老人が生まれないよう最大限の手を尽くすべきであります。定率負担や限度額引上げによって老人の負担増はどれくらいになるでしょうか。国保や老人保健、老人医療など市民への負担、本市への財政的影響はどれくらいの規模になるでしょうか。実態をつかんでおられますか、明らかにされたい。つかんでおられなければ早急に実態を把握し明らかにされるよう求めます。お答えください。 次に介護保険については多くの改善すべき課題がありますが、そのうち特に保険料、利用料の軽減策と基盤整備について質問します。まず保険料ですが、来年度からの次期計画の策定に当たって値上げの不安が広がっています。これ以上の負担増は特に高齢者の生活をますます窮地に追いやるものであり、ましてスライド凍結解除で年金収入が減らされようとしているときに保険料は引き上げるべきではありません。そもそも非課税のお年寄りから保険料を取ること自体が問題です。市内のお年寄りの老齢国民年金の平均は月5万円にもなりません。老齢福祉年金よりも少ない人や生活保護の対象でありながら受けておられない人たちが少なくありません。このことからも特に保険料第2段階の人たちへの軽減策の積極的な拡充は緊急の課題であります。 利用料についても、本来必要なサービス量よりも負担できる範囲内に抑えてプランを立てている例が多いとのケアマネジャーさんの話であり、これが利用が支給限度額の4割程度にとどまっている大きな理由の一つになっています。以前から訪問介護を利用している非課税の人は現在3パーセントの利用料ですが、来年度は6パーセント、その後10パーセントに引き上げられていくと言われています。例えば、何とか月5,000円の利用料でヘルパーを利用している人も1万円、1万6,000円以上になっていくことになりますが、元々その5,000円が必要なサービスの費用ではなく払える限度なのですから、結局はその分だけサービスを抑えなければならないことになってしまいます。せめて最低限の前提として現行の軽減措置を継続すべきです。そのうえで抜本的な保険料、利用料軽減の仕組みについて国にも強く求めるとともに、市独自としても一般会計繰入れも含めて実現すべきだと思いますが、いかがでしょうかお答えください。 基盤整備については、やはり特別養護老人ホームが圧倒的に足りません。今やっと介護保険発足前から申し込まれていた人たちが入所できつつあるという段階で、2年待ち3年待ちは当たり前という状態になっています。施設の皆さん方に聞いてみますと、うちの施設では申込者数は約400人ですとか、うちでは500人くらいですなどとの返事が少なくありません。今年の初め、やっと本市でも待機者数を2,033人と発表しましたが、特養老人ホームの今年度の定員は3,620人ですからいかに待機者が多いかが分かります。まして先ほども質問しましたとおり、このままでは6箇月を超える入院患者が病院を追われ行き場のない老人が更に増えることが予測されることを考えれば、施設整備はまさに待ったなしの課題であると言わなければなりません。また併せて痴呆対応型グループホームももっと必要です。これらの増設、整備についてお答えください。 次に市内高速道路計画や二条駅周辺整備事業、第三セクター、PFIや都市再生などまちづくりや都市計画の分野について質問します。まず市内高速道路についてお聞き致します。日本共産党市会議員団は、これまで一貫して市内高速道路計画を凍結、中止するよう求めてきました。都心に車を集中させて渋滞をひどくし景観と環境を破壊するばかりでなく、巨額の財政負担を必要とするからであります。全く歴史都市京都にふさわしくありません。今こそ高速道路優先の交通政策を改め、一般道路の油小路通をはじめ生活道路の整備を進めるとともに、公共交通優先の人と環境に優しい総合的な交通政策に転換すべきときであります。それでこそ渋滞解消も進めることができます。政府の道路4公団民営化推進委員会は8月30日に中間報告を出しましたが、この中で京都市内高速道路の油小路線を含め事業の進捗率が低い路線については建設を凍結すること、仮に建設を継続する場合には国と地方が事業費の全額を負担するなど大幅な見直しをすることを確認しました。この報告によれば、油小路線だけでなく油小路線と第二京阪道路を結ぶ予定の洛南連絡道や第二京阪のうち枚方以南の建設が凍結される可能性が高くなっています。ところが新聞報道によると、京都市は凍結論は受け入れられないと反対の姿勢を明らかにし、あくまで高速道路の建設を続けようとしています。仮に建設を続け国と自治体で建設費を全額負担することになれば、油小路線だけで、しかも出資金だけで本市の負担は現在予定されている額の4倍、260億円を超える膨大な額に膨れ上がります。貴重な市民の税金をこれ以上無駄な高速道路建設に使うことは許されません。財政非常事態ではないのですか。新たな展開の下で油小路線をはじめ京都市内高速道路計画を凍結、中止するよう改めて求めるものであります。いかがでしょうか。 さて二条駅地区では、これまでにも誘致予定企業の撤退や関連会社の破綻など二度にわたって暗礁に乗り上げてきましたが、この度、複合型商業施設の事業主体である二条プラザのオーナーが経営していた京都プラザが経営破綻するに及び、もはやこれ以上の計画継続と度重なる失敗の上塗りは許されない事態に至っています。そこでこの事業の推進役である本市出資の第三セクター京都二条開発については即刻事業を中止し法人を解散すべきであります。二条駅地区の複合型商業施設建設計画は撤回し、計画の根本的見直し、情報公開、そして一から住民の声を聴き直して地区の将来像や活用計画を市民的に検討していくべきであると思いますがいかがでしょうか。 ところで、この二条開発をはじめいわゆる三セク全体の破綻が明らかになっているのに全くその反省もなく、新たに導入しようとしているのがPFIであり、また都市再生と呼ばれる手法であります。そこで次にこれらについて質問します。まず都市再生推進の狙いも含めて登場してきたのが民間主導の公共事業と言われるPFIという方法であり、既に本市でも今後取り組む事業について導入するための指針との文書が出されており、市役所と看護短大が例に挙げられています。しかし、このPFIは三セク以上に問題の大きいものであります。まず第1に民間企業への事業機会の創出という動機から出発しており、その事業が必要かどうかの検討があいまいにされるおそれがあります。第2に財政にしても自治体にとって安くて済むという保障や根拠はどこにもありません。第3に破綻の場合の危険性が回避できるとうたわれていますが、例えば市役所庁舎が差し押さえられることもあり得るなど、結局最終的な破綻の付けは自治体が負うことになってしまいます。更に建設管理運営を一括して特別目的会社が行うため、今まで以上に地元中小企業に仕事が回らなくなるという問題点も指摘されるなど検討すべき課題が数多く存在しています。安易な導入はすべきではありません。 また、与党と民主党などの賛成で成立した都市再生法等によりますと、政府によって緊急整備地域として指定されると、その地域では容積率や高さ規制、用途規制など既存の都市計画規制がすべて取り払われ、開発業者が都市計画の決定や変更を提案できるようになります。また無利子貸付、政府保証、おまけに業者の利子負担軽減などのため自治体は6箇月以内に計画決定しなければならないなど開発業者にとっては至れり尽くせりの条件が整えられます。大手ゼネコンや大銀行のための新たな事業展開の場が提供され、一方で景観破壊や住環境悪化、住民追い出しにもつながりかねない重大な内容をはらんでいます。それなのに何と本市では南部の高度集積地区や京都駅八条口などでこの指定が受けられるよう申請を検討中とのことであります。また京都経済界では、この駅前と伏見の南部地域とを二つの重点開発地域とする構想を発表していますが、この立案には市の幹部もオブザーバーとして加わっています。ところが、この京都駅八条口の一画は4年前、国土交通省の外郭団体である民間都市開発推進機構という団体が駅前の松下興産の土地を購入、ここに10年以内にビル建設など何らかの開発をして、また松下興産等に払い戻す予定などと言われている地域であります。大企業の遊休地を公的支援するものとして全国的に批判されてきたやり方ですが、ともあれこの間の推進機構と松下興産との協議には本市も加わっているのに、その経過は全く明らかにされていません。そこへこの都市再生であります。しかし、京都駅八条口前付近は、静かな住宅地や商店街で高齢者も多く何よりもまず市民の生活の場であり、目の前には稲荷大社のお旅所、すぐ近所には、それより高い建物は京都には似合わないとの象徴となってきた世界遺産東寺の五重の塔がそびえ立つ地域で、開発や規制の在り方などについても慎重な対応や情報公開、合意と納得が必要です。住みよいまちづくりを願う地域住民の気持ちを逆手にとるべきではありません。日本建築学会の京都の都市景観の再生に関する提言でも建築規制の強化で町並み保存という方向が打ち出されています。南部であれ駅前であれ、具体的な計画や協議内容を秘密にしたまま整備地域指定の申請などすべきではないと考えますがいかがですか。八条口駅前についても推進機構や松下興産との協議の経過や駅前と駅周辺の動きや計画について、この際全面的に明らかにし広く市民的な討議の材料を提供すべきであります。併せてお答えください。 次に市民からの相談窓口の充実、特に働く人たちからの相談窓口の開設について質問します。今、小泉内閣の経済政策の失敗などで企業の廃業、倒産、失業や不安定雇用の増加、リストラ、下請単価の未払や切下げなど不況の一層の深刻化が市民生活を直撃しています。昨年、自ら命を断たれた方は全国で3万人を超え、京都市でも約350人、府内の個人の自己破産申請は4,000件近くにも上り、いずれも不況の影響が大きいとのことであります。何ということでしょうか。ハローワークはいつも人で一杯です。市民からの相談については、市民生活センターや区役所地域振興課でもそれぞれ頑張って対応していただいておりますが、特に今日、サラ金、多重債務問題なども深刻化しており一層の充実を強く期待するものであります。そこで特に労働行政についてですが、従来市長は、国や府の仕事だと労働者への支援を避けてこられました。しかし、こんな世の中で相談に乗り適切なアドバイスをすることは自治体として当然の仕事ではないでしょうか。例えば横浜市では労働情報センターという部署でミニ図書館とも言えるほど労働関係資料もそろえられ、各種労働調査報告や月刊誌の発行、更に平日はもちろんこの7月からは土曜日の午後も相談室を開かれています。大阪市でも労働職業相談情報ルーム、仕事情報ひろばという部署が開設されています。本市でも勤労者向けハンドブックも発行されるなど情報の発信に努めておられますが、もっと体制を充実し、市民である労働者、勤労者の生活実態の把握や支援の方策を考えるべきであります。当面、勤労福祉青少年課について、青少年施策の充実はもちろん勤労者支援策を独自の課題としてもっと充実させるとともに、働く人たちへの労働相談窓口を開設すべきだと考えますがいかがでしょうか。 最後に南区の桂川に架かる第二久世橋の早期完成について要望しておきます。昨年建設局は、今年の秋から橋本体の工事に掛かる、そのため昨年12月に地元説明会を開くと言っておりました。ところが、その後説明会は開かれないまま、実に今日にまで至り、やっと最近になって開催のめどが立ったとのことであります。この間、地元の皆さんは大変心配してこられました。説明会開催が大幅に遅れたことについて本市の責任は誠に重大です。そこでこの遅れを一気に取り戻し、必要な手続も経て、5年と言われている工期をできる限り短縮し早期完成を目指して最大限の努力を払われますよう強く要望して締めくくりと致します。大手開発業者などへの優遇措置の一方で、まち壊しや不況、医療改悪など国民に激痛を押し付ける小泉政治の下で、今こそ住民の福祉の増進という自治体の存在意義が問われています。それぞれ各項目に対して積極的な御答弁を求めまして質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 井上けんじ議員の御質問にお答え致します。 医療保険制度改革についてでございます。我が国におきましては、かつて経験したことのない少子長寿社会が進行しており、医療保険財政はまさに危機的な状況にございます。今回の改革は、患者、保険者、医療機関等の関係者がそれぞれ負担を分かち合うことにより世界に冠たる国民皆保険制度を維持していくためのやむを得ない措置であると理解しております。改革の影響につきましては、ほとんどのものが10月以降の施行となるため今後の推移を十分に見守って参りますが、本市の国民健康保険及び老人保健財政におきましては、中長期的には給付費や公費負担の増加から財政状況は厳しいものになると見込まれております。私は、市民の皆様の安心の基盤である医療保険制度を将来にわたって着実に継続していくためには、保険者の統合、再編などの更なる抜本的改革や財政支援の強化が必要不可欠であると考えております。国に対し、これらの早期実現を引き続き強く求めて参りたいと存じております。 以下、副市長及び局長が御答弁致します。 ○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 私からは都市再生特別措置法に基づく緊急整備地域の指定についての御質問にお答え致します。都市再生緊急整備地域は、都市の環境の保全、改善などへの配慮を求めた都市再生基本方針や地域ごとに定める地域の整備方針の下に都市の再生拠点として都市開発事業を通じて緊急かつ重点的に市街地整備を推進すべき地域と法令上位置付けられているものでございます。この緊急整備地域では、都市計画の特例や民間事業者が行う公共施設整備に対する金融支援等の制度が用意されておりまして、民間の都市開発事業を促進することによって都市機能の高度化や都市の居住環境の向上を図ろうとするものでございます。このような制度の趣旨を十分踏まえまして、効果の見込まれる地域を的確に選び緊急整備地域の指定を受けますことは本市にとりまして都市の再生を進めるうえで重要なかぎとなるものであります。このため南部創造のまちづくりを支える拠点地域等への地域指定に向けて引き続き精力的に取り組んで参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) まず介護保険制度における訪問介護の経過措置でございますが、低所得者世帯で制度施行前から訪問介護を利用していた方を対象として、制度開始前と比べて負担が大きく変わらないよう施行後5年間は自己負担を軽減する激減緩和措置であり、平成15年度、16年度の内容については現段階において国からまだ示されておりません。また平成13年10月から実施しております本市独自の保険料減額対策につきましては、昨日桝本市長から答弁致しましたとおり、15年度以降も継続と併せて適用基準の拡大を図って参りたいと思っております。なお一般会計からの繰入れにつきましては、制度において必要とされているもの以外は行うべきではないと考えております。 次に特別養護老人ホームをはじめとした介護サービス基盤整備についてでございますが、第2次京都市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画に基づき必要な施設整備を着実に進めているところでございます。今後の介護基盤整備につきましては、平成14年1月に実施致しました高齢者の生活と健康に関する調査結果や治療を必要としないにもかかわらず入院を継続しているいわゆる社会的入院の問題などを踏まえ施設サービスのニーズに十分対応できるよう国が示した参酌標準を上回るサービス利用見込量を平成14年5月の京都市介護保険等運営協議会においてお示ししたところでございます。次期計画における最終的な目標量につきましては、今後、介護保険等運営協議会での議論やこの秋に実施を予定しております市民説明会やパブリックコメントを通じ市民の皆様方の御意見等をいただき策定して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 杉原文化市民局長。 〔杉原文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(杉原和彦) 勤労者への相談窓口の開設についてお答え致します。労働行政は国及び都道府県が所管する分野とされておりますが、本市と致しましては、勤労者福祉の充実に向けて様々な支援策を実施致しているところでございます。具体的には勤労者のニーズに対応した仕事に役立つ資格取得講座などを京都労働学校において行い時代に即応した勤労者教育を実施致しております。また勤労者が安定した生活を営めるよう府市協調によります労働者生活資金特別融資制度等を設けております。更にホームページを開設し、勤労者にとって役立つ関係法令をはじめとする最新の情報を提供致しております。また従来から市民生活センター等の相談窓口におきましては、勤労者の様々な相談について対応しているところであり引き続き適切に対応して参ります。 ○議長(磯辺とし子) 海堀都市計画局長。 〔海堀都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(海堀安喜) 京都駅南口の開発計画についてお答え致します。本市では本年5月に取りまとめました京都市都市計画マスタープランにおいて、京都駅南口周辺地区のまちづくりの方針として京都南部の玄関口にふさわしい良好な都市環境の形成を図るため民間活力の導入などの手法も用いながら広域的なターミナル機能の整備に合わせた商業業務サービス機能や文化機能などの集積を促進することを掲げております。財団法人民間都市開発推進機構と松下興産株式会社の協議経過については本市として承知しておりませんが、事業者から京都駅南口地域に関する具体的な開発計画について相談があれば京都市都市計画マスタープランに沿ったまちづくりに資するものとなるよう協議して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 野島建設局長。 〔野島建設局長登壇〕 ◎建設局長(野嶋久暉) 京都市内の高速道路計画の凍結中止の御質問にお答え致します。京都高速道路につきましては、道路関係4公団民営化推進委員会の審議におきまして油小路線の凍結を求める意見が一部の委員から出たことは報道等によって承知致しております。しかし、これは同委員会の審議の中で各路線の進捗率のみから出された一つの意見でありまして、高速道路の必要性の論議から出たものではなく、同委員会の中間整理では見直しとなる個別路線や国と地方による事業費の全額負担等は示されておりません。京都高速道路は、21世紀における本市の発展と豊かな市民生活の実現にとって必要不可欠な都市基盤施設であり、早期完成に向け取り組むとともに、費用負担につきましても地方にこれまで以上の負担を求めないよう関係自治体と共に国、関係機関に強く働き掛けて参ります。 次に二条駅地区の複合型商業施設についてお答え致します。本市におきましては、二条駅地区を21世紀にふさわしいにぎわいのある拠点とするためJR二条駅の西側において文化施設の整備を進めているところであり、その早期実現に地元の皆様の大きな期待が寄せられております。現在、事業主体である株式会社二条プラザから提案のあった新たな資金調達方法など事業を推進するための仕組みについて慎重に協議、調査を行い確実に事業が実施できるよう取り組んでいるところでございます。なお京都二条開発株式会社につきましては、事業主体との調整等の重要な役割を担っているところであり解散する考えはございません。以上でございます。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) 次に、市政一般について、安孫子和子議員に発言を許します。安孫子議員。 〔安孫子和子議員登壇(拍手)〕 ◆(安孫子和子議員) 中京区選出の安孫子和子でございます。民主・都みらい京都市会議員団を代表し市政一般について質問致します。平成11年に市会へ送っていただき3年半、3度目の質問をさせていただきます。7人目ということもあり重複して質問させていただく部分もございますがお許しいただきたいと思います。 専業主婦の傍らボランティア活動に参加し、2人の子供も独立、平々凡々と暮らしていたおばさんが時の流れと人の助けをいただき、市会議員という大変な仕事を与えていただきました。主婦の目線で市政を見る議員にというのが周囲の方々の声でした。主婦の目線であったかどうか自分で判断するのは難しく、とにかく一生懸命に歩いてきた3年半でございます。歩んで参りました議員活動を検証する意味で、第1回目の代表質問のときにお尋ねした痴呆性高齢者対策及びグループホームについて、二条駅地区における基盤整備事業の2点、その他について質問致します。 初めに痴呆性高齢者向けのグループホームについてお尋ね致します。痴呆性高齢者の数は年々増加の傾向にあり、推測ではありますが全国で160万3,000人、京都市においては1万9,000人と言われています。その痴呆介護の切り札と呼ばれているのがグループホームですが、小規模で家庭的なホームにおいて炊事や掃除など簡単な家事を手伝い、残存能力を引き出しながら行う介護が痴呆症の進行を遅らせたり痴呆症状を和らげることが分かっています。私は、機会があるごとにグループホームの整備について要望して参りました。それを受けて本市では平成12年から平成14年の間に238名分、22箇所のグループホームの整備がされており、これは整備目標の198名分を大きく上回っております。今日までの関係者皆様の御努力に深く感謝申し上げます。しかし、整備されている痴呆性高齢者用グループホーム22箇所を地域別に見ると、北区に5箇所、山科区、西京区に4箇所ずつ、伏見区、左京区にそれぞれ3箇所、上京区、下京区にも1箇所ずつといった配分になっています。高齢者の多いと言われている中京区、東山区においてはゼロとなっています。本来グループホームの理念は、痴呆症になっても住み慣れた地域で暮らせるということであり、平成12年に策定された第2次京都市高齢者保健福祉計画におきましても基本理念とされているところでございます。数字上の目標は達成されているとはいえ、更に高齢者の多い地域にグループホームを整備するという地域的な適正配置を考えるべきではないでしょうか。特に高齢化率の高い中京区、東山区には早急にグループホームが必要と考えますので御見解をお聞かせください。 今述べましたようにグループホームの整備が急速に進んでいることは大変喜ばしいことです。しかし、そこでどのような介護サービスが行われているのでしょうか。グループホームは6人から9人という小規模であるだけに家庭的な介護が行われる反面、一歩間違えば密室での介護で虐待などが起こり問題になっているケースがあります。全国的にもグループホームの介護の質がぴんからきりまであることが問題視されています。グループホーム事業については、都道府県の定める基準に基づいてサービスの自己評価を行うことが平成13年度から義務付けられていますが、その客観性を高めるために厚生労働省は今年10月から都道府県が選定した評価機関の実施するサービス評価を受け、その評価結果を参考としたうえで自己評価を行うことを義務付けるいわゆる第三者評価をスタートさせますが、本市としてこの痴呆性グループホームの適正な運営を確保するためどのように取り組まれていくのか御見解をお聞かせください。 今、介護保険の見直し作業が進められていますが、痴呆症への対応という点では介護保険に課題も多いことが指摘されています。高齢者のいる家族300人に介護保険実施直前の2000年春とその1年後に行った調査では、在宅の寝たきり高齢者の家族ではストレスが減ったが、足腰のしっかりしている痴呆性高齢者の家族のストレスは逆に増えていたという結果でも分かるように痴呆性高齢者の介護に疲れる家族への支援も急がれます。更に痴呆性高齢者の数は増加の一途をたどることは間違いなく、歳を取っても痴呆にだけはなりたくないという声ほどには痴呆症への認識が不足していることも痴呆の早期発見にはつながらず、物忘れなど痴呆の兆しが疑われる変化があっても、歳のせいとつい思い込んでしまい治療やケアが遅れることが多いと指摘されています。昨年、首都圏と大阪市、仙台市で行った住民の意識調査でも40パーセントを超える人が痴呆は病気だと思っていないという結果が出ています。しかし、早期発見により症状を遅らせたり硬膜下血腫などのように治せる病気が約1割あることなどから早期発見、予防に対する取組が始まっています。寝たきり予防については様々な取組が行われ大きな効果を挙げていますが、痴呆予防に関してはその効果が多くの地域で実証されているにもかかわらず、取組が行われている都市とそうでない都市があり、本市では疾患の予防に対する取組はされていますが痴呆予防の取組が行われていないように思われます。痴呆になってからの対応も重要ですが、その予防もより重要と考えます。痴呆予防に関する今後の取組の予定についてお聞かせください。 私の住まいしております二条駅一帯で長年にわたり進められています二条駅地区における基盤整備事業に関連してお尋ね致します。まちづくりの中の土地区画整理事業につきましては、大正14年の施行を最初に今日までの長い歴史を有しながら都市基盤の整備が行われてきました。この事業を通じて道路、公園をはじめとした基盤整備や居住環境の整備により活力ある市街地の形成が図られてきたことは周知のとおりでございます。しかしながら、これら事業の多くは完成までにかなりの年月を要し、時として周辺住民に様々な思いを呼び起こします。二条駅東口交通広場の完成、御池通りの千本から西大路間が完成し、御池通りを挟む南北の町並みが変わり、西大路通りから見える二条駅のホームを眺めながら大きく変わるであろう一連の二条駅地区区画整理事業の展開に周辺住民の皆様と一緒に駅裏地区に日が差したことを喜び合ったものでした。しかし、あれから1年半、西口交通広場の整備事業は全く手付かずのまま放置され、整備されていた場所のあちらこちらに雑草が生い茂り、それを刈り取る人々の報酬の出所も我々の税金を使っているのではないかと言われる今日このごろです。普通、事業を進められない原因には色々な理由があるわけで、私もこの間の事情については当局にお尋ねし地域の皆様に理解を深める努力をしているわけですが、長引く不況に日々の暮らしを圧迫され不安な思いで生活している地域住民の人々にとって、放置されたままの工事現場を見ながら生活することは原因いかんにかかわらず許し難い思いをされるのも当然のことと考えます。西口交通広場については12年度に3分の2の整備を行っているが、接続する御池通りとの取付部分に補償交渉中の物件があり、全面の工事ができない状況にあり鋭意補償交渉に取り組んでいる。これが当局からいただいた答えです。1軒の家で1年半止まったままの公共事業、大変難しい問題を含んでいることは十分理解できますし、担当されている職員の皆さんの努力も十二分に承知していますが、この状態をこのまま放置されることは工事の遅ればかりでなく、京都市政に対する不満、不信につながることは間違いありません。早急に説明責任を果たされるべきと考えますがいかがですか、併せて事業の完成に向けての確実な取組をお示しください。 引き続き二条駅西口交通広場に隣接して計画発表された文化施設整備事業についてお尋ね致します。経済産業省の発表した全国の映画館の状況は、4年前と比較しますと676館、41.3パーセント増と大幅に増加し、年間売上高が32.9パーセントの増加、入場者数は1億3,152万人となり37.2パーセント増加しているということです。平成13年1月に本市のまちづくりの取組の一環として、事業用定期借地権制度を活用したPFIに似た手法を用いて二条駅地区に潤いとゆとりのある都市拠点の促進を図りましょうということでシネマコンプレックスを核とした次世代の複合型エンターテイメント施設の建設が発表されたわけですが、この計画は元々松竹株式会社と本市の間で第三セクターが開発する手法を用いて整備が進められており、本市は二条開発株式会社を設立、その後、松竹グループからの事業継続が困難であるとの申出により平成11年に松竹株式会社の撤退を発表されたわけです。その後も事業主体となる民間側の会社が二転三転し、平成13年1月に本市、京都二条開発株式会社、二条プラザ三者の間で協定書が締結され、同年10月には施設の核となるテナントをヴァージンシネマジャパン株式会社とする計画を承認、現在もこれに沿った計画が進められています。これが今回の二条駅地区における文化施設整備事業いわゆるシネコン事業の経過であるわけですが、平成13年10月に着工、平成14年12月にオープンと発表されながらいまだ手付かずのままです。私は、議会が終わるごとに市政報告書を発行していますが、その報告書の中でシネコンに関する市の発表を2度紹介しました。平成11年12月発行の第2号、続いて平成13年6月に発行の第8号とそれぞれの時点で中京区に関連した施策を報告する一つとして掲載したわけですが、当時寄せられたメールには、二条駅界隈のにぎわいを呼び起こせる企画と喜んでいる、映画が好きなので期待してますと完成を待たれる方の声をいただいた記憶がございます。それが2度目の掲載時には、本当にできるのか、計画を見直すべきではないかというお尋ねに変わり、私も当局に何度か詳しい説明をお願いしたこともありました。今また建設に必要な資金の確保が長引く不況の下、極めて困難な状況であるとも聞いております。しかしながら、公用地を活用する以上、事業主体となる民間会社側に信用不安があるということでは市民にとって許されることではなく、21世紀にふさわしい施設を造るということであれば、この際きちっとした取組を市民にお示しになる必要があると考えます。市民の納得のいく取組を早急に示されることを強く要望致しておきます。 次にスポーツ振興、特に施設に関しての拡大利用についてお尋ね致します。京都市は昨年、スポーツ振興策として平成22年度を目標年次とした新世紀スポーツごころ推進プランを策定されました。その計画の具体化の一つとして7月20日、西京極総合運動公園にプール施設アクアリーナがオープン致しました。夏休みに入ったこともあり連日多くの方が利用されているということで、その後見学に寄せていただいたときも家族連れの方で大変にぎわっていました。8月30日現在、既に4万6,415名の入場者があったとお聞きしています。このようにスポーツ施設の整備は、スポーツごころ推進プランの基本理念である誰もが、いつでも、どこでも、色々な形でスポーツに親しめる環境づくりの基礎的な条件であると確信致します。私も地域でスポーツ活動のお世話をさせていただいていますが、多くの市民の余暇活動が土、日、祝日に集中し、とりわけ勤労者にとってはスポーツをしたくても場所の確保が大変難しいというのが現状であることはよく御存じだと思います。中京区におきましても平成9年、統廃合による小学校跡地活用について旧教業小学校跡地に地域体育館を建設するとした活用基本方針が委員会に報告されたところではございますが、現在の本市の財政状況から見て立派なプールは出来たものの、今後のスポーツ施設の早期新設に関しては極めて困難な状況にあると言わざるを得ません。そこで平成12年11月の定例会で質問致しましたPFI手法の導入ということになるわけですが、このことに関しましては、本年6月に基本指針が示され検討に入っているということでございますので結論を待つと致しましても、スポーツを楽しむ場所を確保するのが大変困難なことには変わりありません。しかし、増え続けるスポーツ愛好者のニーズには何らかの形でこたえる必要があります。こうした現状を解消する方法の一つとして既存施設の活用を考えられてはいかがでしょう。京都市では他都市に先掛けて全小学校校庭に夜間照明設備を設置し多くの市民が利用している実績があります。しかし、小学校校庭でのナイタースポーツはテニス、バレーボールに限られ、近年特に盛んになったサッカー、野球、ソフトボールなどについては利用できないことになっています。この二つの問題を解消するためにも中学校、高等学校の校庭に夜間照明設備を設置されるお考えはございませんか。現在、市内中学校80校のうち15校にナイター設備が設置されています。中京区においては4校、これは統廃合により小学校がなくなった地域に限り設置されているようですが、是非全中学校、高等学校にまで広げていただきたいと思います。そのほか既存のグラウンド、運動公園などにもナイター設備の整備をされてはいかがですか、お答えください。 また、14年度の予算に対して民主・都みらい議員団は、子供たちのスポーツ施設使用料については減額すべきであると要望致しましたが具体的な回答がいただけておりません。改めて前向きな答弁をお願い致します。その他利用時間の工夫、休館日の見直しなど京都市の今後のスポーツ施設の整備に関する基本的な考え方を含め、市が所管する既存施設の有効活用についてのお考えを市長にお尋ね致します。 次に文化行政、特に今後の動物園についてお尋ね致します。本市の人づくり21世紀委員会の座長をはじめ京都市政に深くかかわっていただいていた河合隼雄先生が文化庁長官になられて8箇月が過ぎました。15年度の国の施策において本市文化行政への応援を期待する気持ちが大きいわけですが、市長におかれましては、本市の基本計画を基にどのような要望を国になされるおつもりかお考えをお示しください。 ところで皆様、最近岡崎動物園に行かれたことがございますか。私は2年前、成人式に出席した後、懐かしさもあって30数年ぶりに動物園を一周致しました。それ以来何度か足を運んでいるわけですが、15年度に100周年を迎える動物園を考えるとき、果たしてこのままでよいのかしらという思いが致しまして、今まで市議会においてどのような取組がされてきたのか過去の議事録を調べてみますと、岡崎という水と緑豊かな京都を代表する文化ゾーン全体の整備を議論された記録はありましたが、動物園整備に関しての質疑、答弁は見当たらず、平成4年に在り方に対しての質問、平成9年に移転に言及した質問が記録として残っていました。ほかに委員会においても若干の議論がされているものの、現在の地における再整備を検討された記録はありません。岡崎動物園は市民有志の拠出金に市費を補てんして設立、運営されてきた大変歴史ある動物園であることは御承知のとおりでございます。長年、京都市民や観光客にとっては憩いの場所であるとともに、動物を通じ自然保護や環境保全の必要性を感じ子供たちが優しさや命の大切さを学ぶ場所、情操教育のための貴重な施設として100年の歩みを続けてきたわけですが、今一度21世紀における動物園、新世紀の動物園として明確な方向性を打ち出すべきときではないかと考えます。長年にわたり検討されてきた結論と現状をどのようにとらえ、今後の在り方をどのように考えておられるのか、100周年を目前にして、このときを動物園再整備スタートの機会にすべきだと考えますがお考えをお聞かせください。 岡崎動物園の面積は大都市動物園の平均面積の5分の1であり決して広くはありません。しかし、昨年1歳半になる孫と一緒に動物園に行ったとき、走り回る男の子を追っ掛けながら一日おばあちゃんを経験したわけですが、疲れを感じずに孫と1日を過ごせたことでつくづく動物園の狭さをありがたく思いました。ゆっくり動物を見て回り、おとぎの国の長蛇の列の中で順番を待って生きた動物と触れ合い、疏水の噴水を見ながらお弁当を食べる、公園にいるような安らいだ気分で余り疲れを感じないで過ごせる動物園。動物園の持つ従来の責務ばかりではなく、押し寄せる高齢社会の下、市民が動物園に何を望んでいるのかを理解し、財政難の今だからこそじっくりと長期的な展望の下、新世紀の動物園に取り組んでいただきたいと重ねてお願い致します。 また、京都市では、過去に自治記念日に二条城、動物園などの入場を無料にし広く市民に開放していた時期があったと聞きます。これらの施設が二条城400周年、動物園が100周年という記念すべき年を迎える今、市民の皆さんにこれらの施設の良さを再認識していただくことが大事だと考えます。来年に実施を計画されている記念行事の取組の一つに加えられてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 去る8月29日の夜、京都市の都市計画局住宅営繕課担当課長が逮捕されました。当局の説明によると、事件は2年前の5月と9月に競争入札の際、設計金額を業者に教え、その見返りに海外旅行の招待を受けた疑いであるということでしたが、今年5月には東部クリーンセンターの元所長が逮捕されたのと同じ部局で起こったことです。先の事件では1人の幹部が心痛の余り自死されるという悲しい事件の痛みがまだ残っている矢先のこの事件です。5月市会では、元市幹部職員の不祥事に関する徹底糾明と一層の綱紀粛正を求める決議を市会で可決したばかりでした。半年もたたないうちにまた逮捕者を出し家宅捜索も受けるなど、市民の顰蹙を買い、京都市政への信頼が揺らぎ、まじめな職員の皆さんも落胆されています。今回の逮捕者の中には民間の水道業者も逮捕されており、他局への波及や根の深い問題があるのではないかと憂慮しているところでございます。この際、うみを出し切り信頼回復に努めるべきだと思います。市長におかれましては、この間の不祥事をどう考えどう対処されるのかお聞かせください。 最後に市政に注がれる147万京都市民の目線はこの時期にあって大変熱いものがあり、しかし、大変厳しいものがあるということを私はこの質問原稿を作成する間に感じました。そのことをお伝えして私の質問を終わります。御清聴感謝致します。ありがとうございます。(拍手) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 安孫子和子議員の御質問にお答え致します。 痴呆予防に関するお尋ねでございます。私は、世界一の長寿国である我が国において痴呆症は日常生活の中で市民の誰にでも起こり得る病気であり、しかも一度生じると本人や御家族にとって深刻な問題となることから、その予防対策は大変重要であると認識致しております。現在、各区の保健所やこころの健康増進センター等において痴呆の原因となる脳卒中等生活習慣病予防に関する知識の普及啓発を行うとともに、痴呆の早期発見、早期治療につながるための相談を実施しております。今後とも専門の医療機関や介護施設等との連携を図り、これらの取組を更に推進するとともに健康すこやか学級をはじめ高齢者の方々の社会参加の機会を拡大するなどの痴呆予防の取組をより一層充実し、市民の皆様が心身共に健やかに暮らせるまち京都の実現に努めて参ります。 次にスポーツ施設の有効活用等についてでございます。本市では、昨年策定致しました新世紀スポーツごころ推進プランでお示し致しておりますように、施設の整備はスポーツを楽しんでいただくための基礎的な条件を整える重要なものであると考えております。本年4月には市民待望のプール施設京都アクアリーナを開設し、これまで整備して参りましたスポーツ環境の更なる向上を図ったところでございます。また既存施設の有効活用を図るため、本年4月から京都市体育館の休館日を廃止したほか、京都アクアリーナにおきましても子供たちが夏休みとなる7、8月を無休とするなど市民のスポーツ心にこたえるための創意工夫にも努めて参っております。今後ともスポーツを愛する市民のニーズを把握し利用拡大に向けて取り組んで参りたいと存じております。 文化行政についてでございます。河合隼雄先生が文化庁長官に就任されましたことは、文化首都を目指す京都にとりましては誠に心強い限りでございます。京都市におきましては、市民、芸術家、企業とのパートナーシップの下、市民自らが京都の文化を担い支えていく仕組みを構築するため河合長官の提唱に呼応致しまして文化ボランティア事業の推進に取り組むことと致しております。平成15年度の国への要望におきましても文化ボランティア事業の全国展開、本市を拠点とするネットワーク化の推進、文化ボランティア活動への支援制度の充実等を提案致しており、河合長官の支援を期待しているところでございます。私と致しましては、新しい知恵の都たることを目指した京都市基本計画に掲げる文化振興策を着実に推進し、文化を原動力として京都のまちの活性化を図り広く日本の文化の振興に貢献して参りたいと考えております。 次に周年を記念する本市施設の市民への無料開放についてお答え致します。御指摘のとおり平成15年に二条城は築城400年、動物園は100周年、美術館は70周年という記念すべき年を迎えます。これらの文化施設が節目の年を迎えるに当たり入場料を無料にする日を設け市民や観光客に開放することは,文化施設の魅力を再発見していただくとともに施設建設当時の先人たちの気概や施設が刻んできた歴史に思いをはせる機会を作る貴重な御提案であり実現致します。こうした取組により多くの市民や国内外の観光客の皆様にもお越しいただき京都の活性化につなげたいと考えております。 職員の不祥事についてお答え致します。安孫子和子議員の御指摘のとおり、不祥事は市政に対する市民の信頼を失わせる背信行為であり、また誠実に職務に精励している職員の士気をも低下させるなど断じて許されないものであります。この度の発覚致しました収賄容疑事件は、先の入札妨害容疑事件に引き続くものであり大変遺憾に思っております。今後対策委員会を中心にうみを出し切る覚悟で全容の解明に努め、組織としても問題がなかったかという視点から問題点の分析、対応策の検討に取り組み、倫理条例の趣旨の徹底はもとよりのこと、すべての工事の予定価格の事前公表をはじめとする不正不法行為を介在させない公共工事に係る発注の仕組みを考え出しまして、二度とこのような不祥事が起こらないよう早期に抜本的な再発防止策を取りまとめしっかりと対応して参りたいと思っております。 以下、副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 私からは2点お答え致します。まず夜間照明の設置についてでございますが、市民が身近な場所でスポーツを楽しんでいただけますように昭和51年度から順次小学校等の校庭に夜間照明を設置してきたところでございます。その結果、政令指定都市の中で最も多い201箇所に設置し、多くの市民の方々に御利用いただいております。京都市の財政事情は誠に厳しく、新たな施設の建設が極めて困難な状況にございますので、より多くの校庭や既存施設に夜間照明を設置することはスポーツ環境を整えていくうえで大変有効な手段であると考えております。今後とも市民の皆さんのスポーツ心にこたえていくため、議員御提案の趣旨を踏まえまして教育委員会や学校関係者と協議して参りたいと考えております。 次に100周年を契機と致します動物園の再整備についてでございます。京都市動物園は明治36年の開園以来、京都の文化ゾーンであります岡崎公園の一画にあって自然や動物を愛する多くの人々に親しまれて参りました。御指摘のとおり動物園は市民や観光客の憩いの場所であり、子供たちが優しさや命の大切さを学ぶことができ、また家族の触れ合いの場としても必要な施設でございます。このような動物園に寄せられる期待はますます大きくなっておりますので、100周年を契機に致しまして豊かな水と緑に恵まれた環境や交通の利便性など立地のよさを生かして、現地での再整備を前提に今後の動物園の在り方の検討を始めて参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 私からは二条駅周辺におきます都市基盤整備についての御質問にお答え致します。二条駅地区では土地区画整理事業に着手以来、地元の皆様や関係者の方々の御協力をいただいて参りました結果、完成まであと一歩となりました。しかしながら、議員御指摘の西口交通広場などその機能を果たせていない公共施設があり、地元の皆様をはじめ多くの市民の方々に御不便をお掛けしていることを重く認識致しております。このため、これらの懸案の解決に向けて権利者と移転の具体的な協議を精力的に重ね一日も早い事業の完成が迎えられるよう総力を挙げているところでございます。とりわけ西口交通広場につきましては、市民の皆様の利便性の向上のために今年度中には広場南側歩道部分の利用が可能となるよう整備して参ります。西口交通広場をはじめとするすべての公共施設を早期に完成させるべく不退転の決意で臨んで参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 杉原文化市民局長。 〔杉原文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(杉原和彦) 青少年がスポーツ施設を使用する場合の使用料についてでありますが、本市では青少年の健全な育成を図るうえで大きな役割を果たすスポーツ活動の環境づくりを目的として、これまでから全市的に組織された団体などが実施される競技大会につきましては減額基準を設けて対応しているところでございます。かねてから御要望のありますいわゆる子供料金の設定につきましては、本市の厳しい財政状況をはじめとする様々な課題がございますが、今後ともスポーツ施設の使用実態を把握しつつ、使用料の在り方と共に現行の減額基準の緩和についても検討を進めて参ります。 ○議長(磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(西晴行) 痴呆性高齢者グループホームの整備についてでございますが、この施設は家庭的な雰囲気の中で少人数での介護を行う場であることから、痴呆の進行を遅らせたり症状を緩和できる有効な施設であります。第2次京都市高齢者保健福祉計画においては各区に2箇所、198人分という目標を掲げておりますが、現在既に目標量を超え238人分が設置運営されているところであります。しかしながら、議員御指摘のとおり地域的には偏りが生じております。このため今後の整備につきましては、平成19年度におけるサービス見込量として現計画の2.5倍に当たる495人分を平成14年5月の京都市介護保険等運営協議会においてお示ししたところであり、これに基づきまして新たな計画を策定し地域的なバランスにも配慮しながら整備を進めて参りたいと考えております。 次に痴呆性高齢者グループホームの適正運営についてお答え致します。痴呆性高齢者グループホームは一般的に判断能力が低下している痴呆性高齢者の特性などから密室性が高く利用者保護を確保していくための仕組みづくりが求められております。このため実地指導を行っている都道府県の責務において第三者評価が平成14年度中に新たに実施され、利用者本位の運営がなされているかを確認していくことになっております。一方、保険者である本市では、利用者が施設を選択するに当たっての情報提供を行っていくことが責務とされており、事業所の運営体制や利用料等の情報を把握し台帳として整備して各区役所、支所において市民の閲覧に供しております。今後とも介護保険等運営協議会のワーキンググループにおいて痴呆性高齢者グループホームの利用者保護とサービスの質の向上について京都府との役割分担も踏まえ議論を重ね取り組んで参ります。以上でございます。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午前11時55分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(磯辺とし子) 休憩前に引き続き、会議を行います。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) 休憩前の一般質問を継続致します。 次に、市政一般について、砂川祐司議員に発言を許します。砂川議員。 〔砂川祐司議員登壇(拍手)〕 ◆(砂川祐司議員) 私は、伏見区選出の砂川祐司でございます。民主・都みらい議員団を代表致しまして市長及び関係理事者に対して市政全般について7点質問致します。 まず義務教育における学力低下の心配に関してお尋ね致します。今年4月から新しい学習指導要領と完全学校週5日制が実施され早くも2学期を迎えたわけでございますが、京都市の学校では、夏休み中も連日多くの教職員の努力によりまして補習授業やクラブ活動、更には充実した研修が行われるなど活気ある教育活動が繰り広げられたところであり、私も大変頼もしく感じた次第でございます。週5日制は子供たちの生活の中でゆとりを保障し、自ら考え行動できる生きる力をはぐくんでいこうとするものでございます。 〔磯辺議長退席、高嶋副議長着席〕 ◆(砂川祐司議員) (続)学力は単なる知識の量としてとらえるのでなく、体験活動や基本的知識を基に自ら課題を見付け、主体的に判断し行動することができ、生きていくうえでの働く力と考えております。様々な体験や地域での活動を通じて、この力を子供たちに身に付けてほしいものでございます。このように今回の5日制により、ゆとりはできたものの授業時間の削減により児童生徒の学力の低下に拍車が掛かるのではないかとの心配が叫ばれていることもまた事実でございまして、世の親御さんが不安になられるのは当然でございます。ゆとり教育のすばらしさと同時に、またこれと全くの反対の意見もございます。目を海外に向け、欧米の先進諸国ではこの問題について過去においてどのような見解を示していたでしょうか。例えば、もう過去の事実になるかもしれませんが、フランスではミッテラン大統領の時代に、児童中心主義・ゆとり教育がフランスのフランスにしてフランスを喪失させ我が国に損害をもたらしたと言い切り、アメリカではレーガン大統領の時代に、危機に立つ国家という報告書、更にブッシュ元大統領政権時にはアメリカ2000年教育戦略という二つの報告書が出されました。さて、この中で共通している二つの国の主張は、教育荒廃の原因と学力低下は児童中心主義すなわちゆとり教育にあると結論付け、原因をあいまいにすることなく明確に教育の荒廃の原因が何であるかを指摘しておりました。そして、これらの国が一つの目標として、当時伸び盛りだった日本の教育を大いに参考にしようとしていたことが大変興味を引く点でございます。しかしながら、大きく踏み出したこの制度そのものを元に戻せ、土曜日は休むなとは決して私は言っておりません。船はもう沖に出てしまいました。その船には市内の小中学生約10万人が乗っているところでございます。今後この制度をもって間違いなく良い方向に機能して子供の教育を実のあるものにし、世界に通用する子供の学力を保持しなければなりません。そのためには子供自身はもとより、家庭と学校はよほど努力し連携していかなければなりません。そのことなくして日本の教育の未来はありません。外国においても猛烈に努力しております。日本では算数の二二が四、二三が六、二四が八、例の九九でございます、1桁でございますが、インドでは何と2桁の22×20は440まで徹底して学び詰め込んでおります。インド社会ではそれが当然と思われておるわけでございまして、また子供たちもどんどん慣れ、これにこたえているそうでございます。22×18はと先生が尋ねると生徒は396、22×19は418という具合でございます。その壮大なスケールが今やIT革命と言われる21世紀においてインド人が世界で最も活躍できる理由がここにあるとも言われております。かといって、私は何も必要のないものまで詰め込め詰め込めとは言っておりません。マスコミや社会は、以前は詰め込み大反対、ゆとりは、伸び伸びは、教育のすべてと言っていたのは一部であるかもしれませんが、今度は手のひらを返したように、ゆとり教育は学力低下に直結、だから心配だ、反対だとも言っております。要はバランスの問題であります。いかにゆとりをもたらしながら学力の低下を来さないようにするか、また心豊かな人格形成をはぐくむか、これが学校教育における大きな課題であり目標でもあります。 そこで教育長にお尋ね致します。このバランスを保持するためにはモニタリングをする必要があると思います。モニタリングとは見直す、検証すると訳します。例えば介護保険制度の中で介護支援専門員、これは別名ケアマネジャーと言いますが、この介護支援専門員が要介護者のために介護計画、ケアプランと言いますが、この介護計画を立てます。その計画を実行する途中において、これでよいのだろうか、間違っていないだろうか、相手の障害のある老人にとっては満足いく計画となっているだろうか。そこで静かにもう一度途中において客観的に見直そう、これがモニタリングというものです。完全学校週5日制が発足してまだ数箇月しかたっておりませんが、常にモニタリングしていただいて謙虚に教育の目的達成の成果を見定めていただきたい。このモニタリングについてどのようにお考えでしょうか。まだまだ2箇月、3箇月でございます。拙速的に結論を出せないというものの、ただ今のところの学力の低下について見解を少しお聞かせくださいますように。 次に2点目の質問でございますが、街路樹の里親制度でございます。今年の夏は特に暑く、街路樹の葉の緑が幾分その暑さを和らげてくれておりました。街路樹は都市景観に重要な役割を果たすほか、自動車の排気ガス浄化、遮音や吸音、ヒートアイランドすなわち熱の島現象の緩和、火災の際の延焼防止など多面的な効果がございます。直径12センチ、木の高さ6メートルの標準的な街路樹12本から14本で普通乗用車の1年分の二酸化炭素が光合成によって消費されます。新鮮な空気を供給する空気清浄機でもあります。ところが近年、私の見るところでは病虫害や環境悪化、気候の変化によって街路樹の衰えが目立つようになってきております。また、せっかく大きくなった木が枯死する例が度々でございます。また道路管理者は、まだ葉が落ちていないにもかかわらず落ち葉に対する苦情を避けようと早めに剪定を行っているのも事実でございます。これらの色々な問題がある中で、その解決のために宇都宮市では市の道にある街路樹の里親制度を普及させております。私は、先日宇都宮市に行って参りまして、この制度を篤と見、聞いて参りました。里親制度とは、市民が街路樹の管理者である宇都宮市と3年ごと契約し街路樹の世話を引き受ける制度でございます。市民は目線より下を受け持ち、落ち葉の掃除、周囲の草刈り、街路樹の周りに花を植え、家族や地域が協働で一本一本大切に守っていく。この姿はまさしく家族愛和であり、コミュニティ社会のすばらしい姿だと思って京都に戻って参りました。住民が地球環境保全の大切さを知る機会を持つことができ、長期的には地域社会の合意形成やまちの活性化にも役立つものです。宇都宮市では四つの大きな通り、その長さ5,630メートルにて646本、その一本一本には里親さんのお名前と木の名前がかまぼこ板2枚くらいの大きさでぶら下げてありました。何も京都市内すべての街路樹に里親制度をとは私は言っておりません。自主的に申し出られたあるまちのある通りの一画にそれをすれば十分でございます。そこで、本市においてもこの制度を採用されてはどうかと考えましたがゆえに街路樹を御担当の建設局長に御見解をお聞かせいただきたいと思います。 3番目の質問は林業の振興と緑の保全についてでございます。江戸時代初期に熊沢蕃山という儒学者がおりました。彼は岡山藩に仕え、当時、干ばつ、洪水、飢饉などで疲弊し切った藩を立て直すため、まず山林に木を植えることから始め、徐々に藩財政を豊かにし、最後には幕府にも登用された優れた学者であり実践家でもありました。彼の代表著書である集義外書は、現代の緑の環境問題にそのまま通じます。その一節を引用してみましょう。 それ山林は、国のもとなり。山は木あるときは、神の雰囲気盛んなり。木なきときは、神の雰囲気衰えて、風と雨を起こす力少なし。それだけでなく草木繁る山は、土砂を川の中に落とさず、大雨降れども草木に水を含み、10日も20日も自然に川に出てくるが故に少しも洪水の憂いなし。山に草木なければ、土砂川中に入り、川底高くなり候。これは天井川のことです。大雨蓄えるべき草木なき故に、一度に川に流入。しかも川底高くにて、洪水の憂いあり。そのこと子孫衰えると申し候。 現代の生態学者が緑の環境問題について述べていることを既に400年以上も前に蕃山がかくも明確に論じていることは誠に驚くばかりでございます。更に蕃山は、大学惑問という本の中で緑の治水工事について、50年、60年の間はその結果を見るべからずと述べています。すなわち山の保全は50年以上の長期展望を持って事を行わなければならないと強く主張していたのであります。私は、林業の衰退が今日騒がれている深刻な事態であり、その結果、緑の保全に危機感を持つ者として質問をさせていただきます。森林の造成と緑の保全は多くの労力と長い年月を要し、その成果を得るまでには少なくとも1世代から数世代にわたる努力の積み重ねという誠に息の長い取組が必要であることは言うまでもありません。一方、今日の林業は国産材の利用率はたった18.2パーセントで、市場は年々安価な外材に占領され国内林業は長年の労力と技術と愛情を費やしたことが全く報われず、ますます厳しい状況下に置かれております。森林所有者や森林組合の努力のみでは到底森林の適切な保全と利用は困難であると憂えております。幸いにも桝本市長におかれましては、林業の活性化と緑の保全を公約に掲げられ努力なさっていることを存じ上げておりますが、より一層の御尽力をいただき、これまで以上に京都市域にある林業の活性化、緑の保全、そして森林所有者の意欲向上を助長する施策を積極的に推進されますよう強く要望致します。私は、森林が有する多面的な機能は計り尽くせぬ、また計り知れない奥深いものがあり、市民生活に大きく寄与していると思います。しかしながら、市民は誠、多大な恩恵を受けているにもかかわらず、表に出てこないため評価に結び付けていないのではないかと危惧しております。そこで市長に具体的なお願いがございます。本市の公共事業を担っている建設局、都市計画局等に積極的に市内で生産された市内材の活用を図っていただきたいと思います。また、大きな公共の施設建築に木材を使うことは、建築基準法の色々な規制がありましてなかなか難しいとのことでございます。そこで建築基準法の改正に向けた運動を本市から国に働き掛けていただけないかとお願いするところであります。地方分権社会の構築にも大きく貢献するもので、他都市においても注目され、きっと支援されると思いますが市長の御所見はいかがなものでしょうか。 次に伏見区の久我、羽束師、淀地域のまちづくりについてお尋ね致します。昨年70周年を迎えた我が伏見区は28万8,000の人口と11万8,000の世帯数を抱える市内最大のマンモス行政区、日本でもトップクラスのマンモス行政区でございますが、21世紀の新しい活力を担う産業都市機能が集積する活力あるまちを目指して発展して参りました。大きな行政区であるがゆえに区民のニーズは多岐多面にわたっております。中でも久我、羽束師地域と淀地域は、急増する人口を背景に道路交通網や住環境の整備が喫緊の課題となっており、また水垂の埋立地の今後の利用についても気になって仕方がございません。今や人口は神川出張所管内で2万5,481人、淀出張所の人口は2万2,521人に達しております。両出張所の6学区の人口を合わせますと約4万8,000人となり、東山区の4万3,000人よりはるかに多うございます。そこで私は、この久我、羽束師地域と淀地域のまちづくりについてお尋ね致します。久我、羽束師地域では、今日まで小規模な宅地開発を中心に人口が急増して参りましたが、今後も道路や公園などの都市基盤整備の遅れとも相まって無秩序な乱開発による市街化の進行が懸念されております。こうした無秩序な開発は、良好な地域コミュニティの形成を阻害する要因ともなるのではないかと心配するところでございます。今後この地域においてどのようなまちづくりを目指しておられるでしょうか。また淀地域では、淀城跡公園再生事業や京阪本線淀駅付近の高架化事業に伴う淀駅周辺の整備に併せて今後のまちづくりの方向性についていかがなものでしょうか。更に人口4万8,000を抱え、なおかつ今後の人口増加が見込まれる神川出張所、淀出張所について、地元住民のニーズに対応し良質で満足度の高い住民サービスを供給するために取扱業務の拡大や、それに伴う体制の充実など出張所機能の充実を図っていただきたいと願うところでございます。いかがなものでしょうか。 五つ目は防災対策に関する質問でございます。9月1日は防災の日でございました。大地震とそれに伴う火災などを想定した防災訓練が中京区全域を舞台に市消防局や府警などが、いざに備え訓練を実施され、その姿を見て私も心強く思いました。また各学区の自主防災会も活発に活動されていることもお聞きしております。昨年の9月、政府の地震調査委員会は、今後30年以内に東南海地震は50パーセント、南海地震は40パーセントの確率で発生すると発表しました。あれから早いもので1年でございます。ということはそれだけ確率がまた高くなったということでございます。東南海、南海地震は同時に起こる可能性が高いとも言われております。その場合、同時性の大地震の被災域は関東から九州までの広範囲にわたります。京大防災研究所の河田教授は、阪神・淡路大震災のときは被災地が局所的だったので周りから助けに行くことができました。しかし、広域で同時に発生する宝永地震のような場合は陸の孤島となる自治体がたくさん出来てしまうだろうと予想されております。広い範囲が被災しているため近隣から救援に行けない。日本海側から来てくれるだろうが、余震があったり広域的に交通網が遮断されているためなかなか円滑な救助にはならないと思われます。1週間ぐらいは町や村だけでしのがなければならないような状況も出てきます。更に自衛隊の災害派遣にも混乱が起こる可能性があります。幾つもの自治体からSOSの派遣要請が殺到するでしょうと。京都は東南海、南海から離れているからといって決して安心はできません。こうした広域の被害ですから、社会システムの混乱が京都の市民生活や経済活動に及ぼす影響は大なるものがあります。それを心配しております。また花折、黄檗、桃山、最近では宇治川断層等地震の巣の上に建っている京都は、南海地震が近付くに従い、その巣が活動的になり大地震を起こし甚大なる被害を起こすことが想定されます。つまり寝てる子を起こすといいましょうか、よそから来た地震がぐらぐらと動かして、この京都の断層を揺り動かすんですよ。そういうことがありまして、それが私は非常に怖うございます。 これだけ想定することができる中で、現実的で切迫した状況にあるにもかかわらず京都市民の中であの阪神・淡路大震災の悲惨な状況すら忘れつつある、風化しつつあると危惧するのは私だけでありましょうか。例えば実のところ市内にはたくさんのデパートや大型スーパーがありますが、どこへ行っても数年前まであった防災グッズコーナーがもうありません。売れないのか、買わないのか、もうそろっておりまして必要ないのかそれは分かりませんが。そこで大地震が起こるという想定をして、市民に対してこれに関する情報提供をいかに今日まで熱心に行ってこられたか。またどのような災害弱者対策を講じておられるかをお伺いしたいと思います。 さて、次に最近大きな社会問題となっております自殺者急増に対する対策でございます。警察庁の発表では、昨年1年間の自殺者数は全国で3万1,042人で、4年連続で3万人を超えたそうでございます。本市におきましても、この数年間、自殺者数は急増しております。京都市統計情報によりますと、平成四、五、六年ごろまでは年間自殺者数200人前後だったのが、この数年間は300人をはるかに超えておりまして、1日平均1人の自殺者が出ているということでございます。この数字の事実を思うとき、暗澹たる思いに駆られます。どんな手助けがあれば死なずに済んだものか。本人にとって、悩んでいるよりも自殺を選ぶ方が楽だという考えに至るとは何ということでしょうか。悲しみの極みでございます。国が国民の平和と安全を守るために自衛隊を持つがごとく、市長はやはりこの事実の中で、いかに自殺防止を図るべきか真剣に取り組んでいただきたいと考えるものでございます。例えばスウェーデンやドイツランドでは、徹底して心の病に対する理解や教育などの啓発活動を行い、また命の大切さを教えており、失業率が上昇しても自殺率は減少する傾向が見られるとのこと。失業率と自殺率が必ずしも相関関係にないことが分かっております。これはあくまでスウェーデンとドイツランドでございます。市内にはこころの健康増進センター、救命救急センター、保健所、社会福祉法人立の京都いのちの電話などがありますが、これらの関係機関が連携して多角的に実態把握を行い自殺予防対策を採るべきではないでしょうか。市長におかれましては、命の大切さを市民と共にしっかりとかみしめながら、この問題にどのように取り組まれるお考えを持っていらっしゃるかお伺い致します。 最後に精神障害者福祉問題について市長にお伺い致します。この問題は、私の議員としてのライフワークでございます。本会議代表質問のチャンスがあるごとに、その時々の時世に沿った質問をさせていただきます。さて8月26日は精神に障害のある方、心に風邪を引いている方、またその御家族の方にとってとても良い日でございます。8月26日でございます。その日は日本精神神経学会総会が開かれ、精神分裂病の病名が統合失調症へと変更されました。作って参りました。見てください。大切なことでございますので。精神分裂病から統合失調症へ。精神分裂病という言葉の響きが障害者の人格を否定し、人格が崩壊するような恐ろしい不治の病という誤ったイメージを与え、そして精神障害者への差別や偏見を助長するとの反省から今回の変更に至ったものでございます。私に言わせますと遅すぎた感がございます。新しい病名は統合失調症でございます。16歳から40歳ぐらいまでの比較的若い時期に発症し、その割合は成人100人に1人弱とされております。民族、地域、性別に関係なく誰にでも起こり得る病気なのです。長く治らないと思われていたこの統合失調症も、良い薬の登場で治療は良い方向に大きく変化しました。しかし、病名が変わったという事実だけでは意味はありません。なぜ変えなければならなかったのか。それは偏見によって患者やその家族が苦しんできた事実であり、それを少しでも解決するためであります。早速市長は今日からでも市立病院、看護短期大学、各保健所等々に向けて病名変更を指示し、また市民しんぶんにて啓発をしていただくようお願い致します。市長には今後たくさんの仕事が控えております。精神障害者に対する施策を総合的に進めなければ問題の根本的な解決にはならないでしょう。法制度の整備は幾分進んだとはいうものの、精神障害者に掛けられる国及び本市の予算は、身体や知的障害などほかの障害者福祉に比べるとはるかに少ないのであります。申すまでもなく精神障害者への支援は、精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律にはっきりとうたわれております。市長には、これまで苦しんできた精神障害者やその家族が安心して地域で暮らしていけるための取組をこれからも進めていただきたいと願っているところでありますが,その決意をお伺いしたいと思います。 結びに当たりまして、思いを込めて精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律第2条を読ませていただきます。ここには市長あなたですよ、自治体の義務規定がうたわれております。作って参りましたので読ませていただきます。 精神保健福祉法第2条国及び地方公共団体の義務。国及び地方公共団体は、途中を略しまして、施策を総合的に実施することによって精神障害者が社会復帰をし、自立と社会経済活動への参加をすることができるように努力するとともに,精神保健に関する調査研究の推進及び知識の普及を図る等精神障害者の発生の予防その他国民の精神保健の向上のための施策を講じなければならない。 以上をもちまして私の思いを込めた質問を終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(高嶋弘恵) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 砂川祐司議員の御質問にお答え致します。 初めに公共事業への木材の積極的な活用等についてでございます。我が国は、長い歴史の中で木の文化をはぐくんで参りました。特に日本人の心のふるさと古都京都におきましては、この木の文化の象徴である木造建築物は歴史的な町並みを構成する大切な要素であり、その普及は本市のまちづくりを進めていくうえで極めて重要なことでございます。そのように引き継ぎをして参っております。国においても近年建築基準法に一定の性能を満たすものであれば多彩な材料や設備、構造などを採用する性能規定を採り入れるなど木造建築の普及に向けた柔軟な考え方が導入されつつあります。しかしながら、大規模な建築物全体を木造で造り上げるには木造建築物が火や水に弱いなどまだまだ解決しなければならない課題が多く残されております。今後とも京都市におきましては、京町家などによって歴史的な町並みが形成されているこの特性に合わせたまちづくりを推進していく中で適切な木造建築の促進が可能となるように地元の方々とも一体となって研究を進めるとともに、国への要望もしっかりと行って、こうした課題解決に懸命に取り組んで参りたいと思っております。 次に自殺予防対策についてでございます。砂川祐司議員御指摘のとおり、本市におきましても平成13年には300人に上る自殺による死亡者があり、私と致しましても大変心を痛めております。自殺者の増加には複雑な現代社会が抱える様々な背景があり、その一つに心の健康問題があると存じております。本市におきましては、本年3月に策定致しました京都市民健康づくりプランにおける休養、心の健康の項目中で自殺による死亡率を引き下げる数値目標を定めたところであり、これを達成していくためには人に生きるための勇気と力を与えるような支援体制と環境づくりが必要であると思います。このため今後心の健康問題に関する市民への普及啓発や相談機関の周知を図っていくとともに、医療機関、保健所、こころの健康増進センターなどおっしゃるとおりの関係機関の連携を一層強め、自殺予防に向けた取組を進めて参りたいと存じております。 次に精神障害者福祉についてでございます。精神保健福祉施策を推進していくためには精神障害に対する正しい知識の普及と理解の一層の促進を図っていくことが非常に重要な課題であると認識致しております。御指摘の病名変更につきましては、統合失調症とすることにより精神的に障害のある方々やその家族が病気を前向きに受け止めていくことをより可能にすることや、市民の誤解と偏見をなくし自立と社会参加の促進に大きく貢献するものでございます。このため直ちに保健所をはじめ医師会などの各関係機関に病名の変更及びその趣旨を周知致したところであり、今後市民しんぶんにおける周知も図って参ります。私は、平成11年3月に京都市こころのふれあいプランを策定し、このプランに掲げる数値目標の最終年度である今年度につきましては、予算を前年度比で約10パーセント増額し全力を挙げて取り組んできたところでございます。また今年度策定する次期プランにつきましては、これまでの成果を継承するとともに、市民ニーズや障害者特性を十分に踏まえた身体、知的、精神の3障害を統合した計画として策定し総合的かつ横断的な取組を進めていくことと致しております。今後とも精神に障害のある市民やその御家族が地域で安心して暮らしていけるよう最大限の努力を払って参る決意でございます。 以下、河内副市長、教育長及び局長が御答弁申し上げます。 ○副議長(高嶋弘恵) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 私からは二つの御質問についてお答え致します。まず久我、羽束師地域及び淀地域のまちづくりについてでございます。このうち久我、羽束師地域につきましては、農地と住宅等が共生するまちづくりを目指していきたいという地元の皆様の御要望を踏まえまして、平成12年度から久我地区において地元主導による土地区画整理事業の検討を進めて参りました。しかしながら、周辺道路の整備状況や現下の経済情勢等から現時点で土地区画整理事業を事業化することが極めて困難と判断せざるを得ない状況でございます。したがいまして今後都市計画マスタープランに掲げる農地と住宅や産業が共生し新しいコミュニティが展開する緑豊かなまちとなりますよう、そのための重要な要素となります周辺の都市基盤整備と併せまして新たな市街地の形成を目指して参りたいと考えております。また淀地域につきましては、地域の活性化を図るため地元の皆様と連携し歴史的に意義深い淀城跡公園の再整備や京阪本線淀駅付近立体交差化、駅前広場整備、更には伏見西部第五地区土地区画整理事業などといった都市基盤整備の充実に取り組んでいるところでございます。今後ともこれらの事業を推進することによりまして伏見区基本計画でもうたっております水と歴史が漂う潤いとにぎわいのあるまちづくりを進めて参ります。 次に地震対策に関します御質問にお答え致します。まず防災情報の提供につきましては、各家庭や地域への防火防災指導はもとよりでございますが、全市や区での総合防災訓練等の機会を通じまして、また市民防災センターにおける体験学習や区役所、学校等での防災物品の展示、更には市民しんぶん、各種防災パンフレット、インターネットなど様々な手法で実施して参っております。また市民の皆様が自発的な防災活動に取り組む身近な地域の市民防災行動計画づくりの中で,地域の防災に関する情報を地域で共有する取組も推進しているところでございます。阪神・淡路大震災の記憶が薄れるに従い市民の防災意識も低下していくことのないよう更に積極的に情報の共有を進めて参ります。 次に災害弱者対策につきましては、点字版、弱視版、外国語版の啓発パンフレットを作成致しておりますとともに、福祉施設への取組としては防災訓練の実施や地域との応援協定の締結を指導、助言致しております。更に在宅の高齢者や障害のある方に対しましては、訪問による安全指導や防火アドバイザーの養成、自主防災活動を通じての地域で災害弱者の安全を支える体制づくりなどに取り組んでいるところでございます。議員御指摘のとおり震災時には弱者の方により大きな被害がもたらされることを十分認識致しまして今後更に積極的な取組に努めて参ります。以上でございます。 ○副議長(高嶋弘恵) 杉原文化市民局長。 〔杉原文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(杉原和彦) 区役所出張所機能の充実についてお答え致します。出張所は、町村合併等の経過を踏まえ市民の方の区役所へのアクセスなど立地条件を考慮し、行政サービス面における不十分さが生じないよう京都市内に15箇所設けているものであり、現在戸籍や住民基本台帳事務を中心とした業務を行っております。出張所の機能を考えていくうえにおきましては、御指摘のように宅地開発が進むことなどによりその管轄地域に比較的多くの人口を抱える出張所と山間部等に位置する小規模な出張所があり、このような地域の実情に応じて業務の在り方や執行体制について検討し不均衡が生じないように是正していく必要があると認識しているところであります。今後とも地元住民の方々のニーズを踏まえ、これからの時代に求められる出張所の機能や業務内容などその在り方について、この度設置致します行政区制度検討調査会等において検討を進めて参りたいと考えております。 ○副議長(高嶋弘恵) 野島建設局長。 〔野島建設局長登壇〕 ◎建設局長(野嶋久暉) 街路樹の里親制度等の導入についてお答え致します。議員御指摘の里親制度につきましては、街路樹を我が子のように慈しみはぐくむ気持ちを形にしたものでございます。国土交通省におきましては、地域の方々が道路の清掃美化活動を自主的に行うためにボランティアサポートプログラムとして取組が始められたところであります。他の政令指定都市においても道路里親制度等の名称で行われております。本市におきましても里親制度の名称ではありませんが、既に地元の商店街等と覚書を交わし、国及び他の都市と同様に清掃、除草、水やりなどの美化活動に取り組んでいただいている道路もございます。更に平成14年度からは地元の方々の申出を受けまして街路樹の植樹枡に草花を植えたり植樹帯に花壇を造ったりと御協力いただいているところでございます。御指摘のように、このような取組は環境の大切さを知る契機となり、地域コミュニティの形成や地域の活性化に役立つものと考えておりまして、今後とも市民とのパートナーシップの下、その活動を大切に育て広げていくよう積極的に取り組んで参ります。以上でございます。 ○副議長(高嶋弘恵) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 学校週5日制についてでありますが、本市におきましては平成4年の試行実施以来、地域各種団体等の御協力をいただき子供たちの活動の場を確保するとともに、保護者と連携し休日の過ごし方の実態把握と指導に努めて参りました。御指摘のとおり、完全学校週5日制の実施に伴い子供の生活実態や学びの状況の把握と保護者、地域を含めたモニタリングの充実が必要であり、全国に先駆けて昨年度全校に設置した学校評議員や保護者の意見を集約し学校、保護者の代表も参画する教育改革推進プロジェクトにおいて必要な点検見直しを行って参ります。 次に子供の学力についてでありますが、教職員の研究会と教育委員会が連携し長年にわたって全小中学校で実施してきた全国で唯一の研究会テストによれば、学年、教科、年度によって若干の変化は見られるものの、本市では子供たちの学力は低下致しておりません。今後とも本年7月に小学校6年から中学校3年までの全児童生徒4万4,000人を対象に本市独自で実施した学力実態の調査の結果を踏まえ、普通授業の充実はもとより放課後や長期休業期間中などの補充学習、発展学習などの取組の一層の推進により子供たち一人一人に確かな学力の定着と向上を図って参ります。以上でございます。-------------------------------- ○副議長(高嶋弘恵) 次に、市政一般について、久保省二議員に発言を許します。久保議員。 〔久保省二議員登壇(拍手)〕 ◆(久保省二議員) 西京区選出の公明党の久保省二でございます。1年前の9月11日、アメリカにおける同時多発テロというあの驚くべき事件の翌日、私は、世界が騒然としている中で代表質問を行いました。丁度1年後の今日、同じ日の同じ時刻に壇上に立ち、改めてテロの撲滅と世界の平和を願うものであります。本日は、市政一般につきまして公明党京都市会議員団を代表して質問させていただきますが、1年前よりは一歩前進の質問に努めますので、市長並びに関係理事者におかれましても市民にとって一歩前進の答弁をお願い申し上げます。 初めに障害者問題に関し2点についてお伺い致します。1点目は、知的障害者の支援費制度についてであります。平成12年に社会福祉事業法が改正され、障害者関連の福祉サービスがいよいよ来年平成15年度から今までの措置制度から支援費制度へ移行します。すなわちこれまでの行政がサービスの利用者を特定しサービスの内容も行政が決定する措置制度から、利用者がサービスを自分で自由に選択しサービス事業者と契約する支援費制度に変わるというものです。この支援費制度は、障害者の自立と社会参加というノーマライゼーションの理念の下、障害のある方が自ら決定することを尊重し、利用者の立場に立ったサービスを提供することを目的とした制度です。しかしながら、現実は知的障害等で意思表示の困難な人にとって果たして本当に制度が機能するのか危惧されるところです。来月から全国で支援費の申請受付が始まりますが、行政は支援費が必要か、どれだけの量のサービスが必要かを審査するため本人への聞き取り調査を実施するとのことですが、調査人の人的確保は大丈夫なのか、障害者の希望するサービスの受皿は十分なのか、また契約は、知的障害など意思表示に困難さのある人も保護者が本人に代わることができないとのことであり、成年後見制度や地域福祉権利擁護事業の活用が十分にできるのかなど多くの課題もあると言われています。実際、知的障害者を持つお母さん方の声は、いつも自分たちがいなくなった後、この子がどうなるのか、それが心配ですと、これは全国のお母さんの声だと思います。そんなお母さんの声を受けて、この7月に横浜市では全国初の後見的支援を要する障害者支援条例を施行されました。その法律は、親亡き後の不安を解消するため行政当局と市民の責務を明確化し行政の支援策を明記しています。市内全行政区に個々の障害者について親亡き後の対応をどうするか、あらかじめ登録を受け付け専門の相談窓口を開設、24時間対応のシステムや医療体制の整備やグループホームの増加に着手していると伺っています。本市は、本年初めに地元西京区に知的障害者の入所施設が新設され、また右京区には初めて通所施設が開設し施設整備が大きく前進したところですが、来年度の支援費制度移行に向けて、親亡き後の不安解消と障害者の自立と社会参加という理念の両立にどのように取り組んでいかれるのか、横浜市のような支援条例化への見解と今後の具体的な対応策をお聞かせください。 2点目は身体障害者福祉についてであります。最近は癌をはじめ多くの内臓疾患で若くして重い障害になり、人の手を借りないと生活が困難な人が増えております。しかし、現行の制度ではヘルパー派遣を受けることができないのです。現在の障害者手帳制度は、当初戦争の傷痍軍人の救済を目的に昭和25年に制定されたと言われ、主に事故による障害で等級が細かく明記されております。しかし、疾病による障害で身が不自由になった場合は幾ら寝たきりでも手帳の等級は5級止まりなのです。現行の制度は、在宅サービスを受けるにはまず障害者手帳を持っていることが前提で、しかも1級から3級でないとヘルパー派遣はできないことになっているのです。そこでお伺い致します。障害者手帳制度の在り方は国の制度上のことではありますが、現行の在宅サービスの在り方を来年度の支援費制度の移行に当たり、本市として障害者手帳がなくても疾病等で重度の障害との診断書が提出されれば審査のうえヘルパー派遣ができるように見直しをすべきだと思いますが、いかがですかお答えください。 次に自然共生のまちづくりを推進する立場から3点について質問致します。1点目は公園の在り方についてお伺い致します。地域における快適空間として近所の公園は大切な位置を占めております。しかしながら、その公園が果たして本当に地域に快適な空間となっているか、21世紀の公園の在り方はどうあるべきか、今一度現行を見直すべきだと考え、私ども公明党西京支部でこの夏、西京区内中の地元の方々に公園実態調査アンケートを配り、御協力をいただいて地元公園すべての実態調査を実施致しました。回答用紙は全部で488枚回収し、公園数は53箇所を調査することができました。調査項目は遊具、トイレ、樹木、清掃状況の実態や地元の活用、貢献具合を聞き、良い点悪い点要望等を聞きました。その結果、多くの遊具の不具合、犬猫のふんで汚い砂場、ごみの散乱等の指摘があり、要望として子供たちが気軽にサッカーやキャッチボールのできる公園や特色のある公園を求める声が多くありました。この6月は日本中がサッカーのワールドカップで沸き返りましたが、ヨーロッパや南米のサッカー王国は、幼児のときからまちの片隅でサッカーボールを蹴って大きくなったと言われています。日本では都市化が進み、道路は駄目、公園は駄目、学校は駄目で本当に小さい子供が伸び伸びとサッカーボールの蹴る所もない状況です。本年4月から小中学校が完全週5日制になり、土、日の休日の過ごし方が問題にもなっています。そこで、例えば地元状況を見て、今ある公園の三つのうちの一つを子供たちが気軽にサッカーボールを蹴る公園に変えることはできないのか、また一つは年中花一杯の公園にするとか、もっと個性的で京都らしい公園を工夫してはと思います。本市の公園は、児童公園も都市公園も皆同じ顔をしているとの指摘もあります。平成11年2月に緑の基本計画を策定され、現在750箇所の公園を持ち市民1人当たり都市公園面積は4.5平方メートルで、10平方メートルを目指し整備を図ってこられましたが新たな公園の用地取得は難しく、今後は公園の在り方を地元の声も入れ,時にはワークショップ方式も採り入れて生きた地域空間にしてはどうかと思います。このアンケート結果は、先日京都市に要望書として提出したところです。新たな公園の構築に向け、本市のすべての公園の実態調査を行い、現在の取組を見直し京都市公園創造プランを策定するなど市民のために公園の創造を図るべきだと思いますが、御所見をお聞かせください。 2点目は屋上緑化の推進について質問致します。今年の夏は大変な暑い夏でした。とりわけ都市中心部の気温が異常に上昇する都会の熱帯化いわゆるヒートアイランド現象が深刻な問題となりました。今その緩和策として大変注目を集めているのが屋上緑化です。夏の日中では緑の有無によって屋上表面の温度は約30度の差が発生すると言われています。この屋上緑化は,それだけではなく景観の美化や断熱効果による冷暖房費の節約や、特に都市に住む人の多くは花や野菜作りをしたくても園芸用の土地がないのが現状で、こうした園芸好きな人々に推進されています。東京都墨田区役所本庁舎に屋上緑化の見本モデルが今年5月22日にオープン。その4階テラスには屋上緑化用に開発された材料で作られた芝生庭や和風庭園など約30種類の緑化システムが展示されています。墨田区は緑被率が9.4パーセントで東京23区中20番目という低さで、ビル形式の住宅が多く緑の増える余地がないのです。そこで区内の緑被率を高めるために、区民に正しい屋上緑化の知識を持ってもらい、業者には、一般住宅にも目を向けて販売してもらおうと見本モデルの開園をしたとのことです。東京都は2001年4月に自然保護条例を改正し、敷地250平方メートル以上の公共施設と1,000平方メートル以上の民間施設の新改築に適用され、屋上面積の20パーセント以上の緑化を義務付けています。一方、本市は周囲を三山に囲まれ、市内の市街化区域の60パーセントは古都の景観を守るために三角屋根を推進してきた経緯があり、屋上緑化はできにくい形状となっています。しかし、あとの40パーセントの区域での屋上緑化は可能であり、緑被率アップよりもCO2削減の環境対策として推進しなければなりません。本年6月に西京極プール京都アクアリーナが完成し、その屋上にすばらしい公園が出来上がりました。屋上緑化の先駆けになればと期待致します。我が公明党は、ヒートアイランド対策として全国的に屋上緑化を推進するために来年度予算への補助金計上を訴え、国において強力に推進される方向となっています。そこでお尋ね致します。京都議定書を推進した環境先進都市京都として本市の屋上緑化への今後の具体的な取組方針をお聞かせください。 3点目は森林保全について質問致します。京都は1200年の歴史と伝統が三山の山並みに囲まれた盆地の中に息づいてきました。今その三山が危機に瀕していると言われています。京都の観光の目玉は桜と紅葉であり、特に秋になると京都の山々は赤く色付きます。この紅葉などの落葉樹は冬になると落ち葉となって土地の肥料となり草花が生え、虫や小動物が生息し、そして樹木も毎年成長していくのです。ところが近年京都の三山は山の手入れができず、荒れてきて紅葉等の落葉樹や松が枯れ、生命力の強い年中葉の青い常緑樹の樫や椎の木がどんどん増え、冬でも葉が落ちないため土地がやせ草花も生えなくなり、山の保水力が衰え自然のメカニズムが壊れ、雨のシーズンになると鉄砲水となって山崩れを起こしたり山裾に水害を起こす原因となるのです。3年前の清水寺の茶店が土砂でつぶされたのはそのためだったと言われています。そんな京都にあって三山の一つ西山の一角にある嵐山は、13世紀以来、桜や紅葉や松を育て、その風光明媚な景観を守るために山の手入れを何百年も地元の方々が続けてきたと言われています。明治の一時途絶えたときがあり、あの桂小五郎が時の京都市長に進言して再開され今日まで続いていると言われています。今は毎年2月25日を嵐山植林育樹の日と決めて、国と地元の嵐山とが一緒に植樹を続け嵐山の景観を守り育てておられます。ところが今東山のふもとは、寺の所有地や国有林が広がっていて嵐山のような組織もなく手入れができず、松や紅葉が枯れ樫や椎の木ばかりになり、秋になっても色付かないという京都の観光の面からも危機的な状況になっています。我が京都にとって千年の都の土台が問われています。100年、200年先を考え、地域を挙げ京都市を挙げて三山を守り育てていかなければなりません。そこでお伺い致します。本市は、三山を歴史的風土特別保存地区に指定していますが、危機的状況の今、その再生と保全への市長の御所見と森林保全の今後の具体的な取組をお聞かせください。 次に夜間の安全、快適なまちづくりの観点から市街灯についてお尋ね致します。私の地元西京区の洛西ニュータウンは、人口4万5,000人のベッドタウンで昼は緑豊かな閑静な住宅街ですが、夜は逆に市街灯の照明の届かない所が多く、歩行者や自転車走行に通行上も防犯上も大変安全が危惧されております。しかしながら、この市街灯の設置については、国の法律上は昭和56年3月27日に都市局長、道路局長通達として全国の各道路管理者に通知された道路照明施設設置基準が唯一のもので、その中に道路照明は、夜間において、あるいはトンネルのように明るさの急変する場所において、道路状況、交通状況を的確に把握するための良好な視覚環境を確保し、道路交通の安全、円滑を図ることを目的とすると書かれ、自動車走行のためのみに決められているのです。そこには地域社会にあって最も大切な歩行者や自転車走行の安全や女性や子供への防犯という概念は全く抜け落ちていると言っても過言ではありません。本市は、この国の基準にのっとり簡単な設置基準を設けて運用しているのが実態です。そこでお尋ね致します。本市は3年前に生活安全条例を施行し、地域住民の安全と内外の観光客の安全を図ってきたところです。歩行者と自転車走行の安全や女性や子供への防犯を考慮して市街灯の設置について、現行の道路照明灯設置基準を時代に見合うように見直すべきだと思いますが、いかがですかお答えください。 次にホームレスの自立支援についてお尋ねします。長引く不況や高い失業率が続く中でホームレスと言われる人たちが増え、全国で3万人に上り大変な社会問題となっております。その背景は、倒産やリストラなどで職を失う人が増えていることに加え、日雇い労働力を吸収してきた建築、土木の仕事も激減しているなどの要因があると言われ、寒さや飢えによる路上死の問題や集団暴行によるホームレスの殺傷事件や公園や路上を占拠して地域住民とのトラブルなど多くの問題を生んできました。我が公明党は1999年に国会で初めてホームレスの問題を採り上げ、地方自治体だけに任せず国が乗り出すべきだと訴え、党内にプロジェクトチームを設けるなどホームレス問題に積極的に取り組んで参りました。その結果2000年から国による初めての自立支援事業が始まりました。そしてこの度7月31日にホームレス自立支援法を成立させることができたのです。このホームレス問題は、欧米や韓国でも大問題になっております。イギリスのブレア政権は97年にソーシアル・インクルージョンという理念を打ち出し、誰もが排除されない一つの社会をスローガンに野宿者を限りなくゼロにすることを目指しています。また韓国では2000年に生活保護制度を抜本的に改革し、ホームレスの増加を防ぐ根本的な対策として国民基礎生活保障法が制定されました。本市にあっては492人のホームレスが確認され、下京区役所では宿泊施設として中央宿泊所に50人の収容が可能であり、2年前から政府のホームレス自立支援事業にのっとり仕事と住居の相談にも乗り自立への支援をしてきたところです。この度の法律は、自治体にホームレスの実態調査を求め実施計画の策定を求めておりますが、今後国と自治体とが一体となってホームレスの支援が大きく進むことが期待されます。そこでお尋ね致します。本市として国の法施行に伴い今後全庁的にどのような体制を組み、いつから実態調査をし実施計画を策定されるのかお示しください。 次に学校施設の耐震化促進についてお尋ねします。本年7月末に文部科学省がまとめた公立小中学校施設の耐震診断の実施状況をまとめた調査結果によると、本年4月現在で全国13万3,000棟のうち66パーセントに当たる約8万8,000棟が建築基準法の耐震基準が強化された1981年以前に建てられたもので、このうち7割に当たる約6万棟は耐震診断が行われていないことが判明したのです。新しい建築基準に基づいて建築された建物と既に耐震性が確認されたり改修が済んだ建物は全体のおよそ6割で、また耐震診断の実施が6割以上進んでいる所は東京、神奈川等4都県のみで京都府をはじめ全国27道府県は2割未満の実施率であることが分かったのです。最も安全性を問われる学校施設が4割も耐震診断が行われていないことが分かり早期の対策が求められております。我が公明党は、学校施設は子供の安全と同時に地域の防災避難場所にもなっており、以前から学校施設の耐震診断を訴え、昨年9月には党女性委員会に学校施設改善対策プロジェクトを立ち上げ積極的に推進してきました。今秋の臨時国会には、学校施設耐震化促進特別措置法を議員立法として提出し、その成立に全力を挙げることになっています。この度国は、調査結果により直ちに先月末までに全国都道府県に3年以内に小中学校施設の耐震診断を終える計画書の提出を求めたところです。京都市は小中学校施設1,086棟中846棟がまだ耐震診断が出来ていないため早期実施を目指し耐震化の促進が求められております。そこでお聞き致しますが、本市の今後の小中学校施設の耐震化に向けてどのようなスケジュールで耐震診断と耐震化を進めていかれるのかお示しください。 最後に観光客5,000万人構想実現に向けて2点について質問致します。「雨中 二次 嵐山に 遊ぶ 両岸の蒼松 幾株かの桜 夾じる 到り尽きる処 突かに 一山の高きを見る 流れ出ずる泉水 緑かくの如く 石をめぐりて 人を照らす」1919年4月5日、日本での修学を断念し中国へ帰る直前に立ち寄った嵐山にて21歳の周恩来元総理が詠んだ詩の一節です。嵐山の亀山公園の一隅にある石碑に刻まれています。人民に奉仕するという姿勢を生涯貫き、逝去されて26年、今もなお13億の民から慕われる周元総理、受験に失敗し予備校通いの苦学生であった周元総理が日本に留学していた期間はわずか1年7箇月でしたが、その経験により日本のよき理解者、日中友好の懸け橋になったと言われています。今年は日中国交正常化30周年の佳節を刻む年です。教育交流は国家を人々に変えるとアメリカのフルブライト上院議員が世界の教育交流を唱えて発足したフルブライト・プログラムは日米間でスタートしてから今年で50年の節目に当たります。日本は2010年までに留学生10万人計画を掲げていますが、現在は7万9,000人です。その6割は中国の出身であります。そこで市長にお尋ね致します。京都の宿泊外国人客も年々中国が増えてきておりますが、21世紀はアジアを中心に大交流時代が到来すると言われています。京都市は来年度の国への予算要望に初めて施策の提案をされ、その一つに外国人観光客の訪日促進のための施策展開について提案されましたが、周元総理の詩碑を次から次に訪れる中国人の姿に触れ、大学のまち京都の今後の留学生受入れの拡大策と中国の観光客増加への具体的な方策について、日中国交正常化30周年への市長の所感を交えてお聞かせください。 今年の観光調査年報によりますと、平成13年の修学旅行客が102万6,000人で前年より4万1,000人増加したと報告されています。全国の修学旅行生410万人の4人に1人が京都に来ていただいたことになります。昔から修学旅行生は、心に焼き付いた京都を求めて京都の大学生となり、また就職に観光にとつながっていくと言われています。京都に来られる観光客の半分以上が10回以上来ておられます。修学旅行に1人でも多く京都に来てもらうことが観光客5,000万人構想実現に近付く道だと思います。先日新聞に、体験型修学旅行が人気で大手旅行各社が笛や太鼓等を持ってにぎやかに大阪のまちを練り歩くちんどん屋体験や福祉施設に研修に出掛け体が不自由な人と一緒にまちの構造の問題点などを探る車いすの方と巡る京都などユニークなプランを導入しているとの記事が載っていました。しかし、私は修学旅行を通じて、この21世紀こそ本物の京都の心、日本の心を学んでもらう機会にすべきだと思います。世界一の大国アメリカは、1776年建国のまだ226年の歴史です。京都は実に1200年の歴史を有し、日本のあらゆる文化芸術の蓄積と世界の最先端を行くハイテクベンチャー企業の融合するまちであります。これから日本を背負っていく全国の小中高校生の方々に、日本のすばらしさ、京都のすばらしさを学んでいただいて、世界に雄飛し世界中に誇りを持って日本のことを語れる人間に導く使命を京都に感じるのです。そのために二つの提案をしたいと思います。その一つは、これまで京都観光というとすぐお寺という古いイメージを持ちがちですが、今や京都は世界の最先端を行くハイテクベンチャー企業のメッカとなっています。そしてこの度、来春完成の京大桂キャンパスの南隣に桂イノベーションパーク構想が発表されました。これは京大を核にして国の研究機関やナノテクノロジーやライフサイエンスなどの国内外の研究開発型企業を誘致し、産官学連携の知的産業創造の一大拠点を目指すものです。京大キャンパスを桂坂に誘致し、またこの度は桂イノベーションパーク構想の発表にこぎ着けられた桝本市長のリーダーシップに心から拍手をお贈り致します。この実現の暁に京大桂キャンパスと桂イノベーションパークを一体にして観光コースに組み入れることを提案致します。桂イノベーションパークの設計段階から修学旅行生を案内して見ていただくことを前提に見学コースを用意し学んでもらうことは、将来京都に学び京都で働く力にもなり、また大きな観光資源になると思います。 もう一つは、全国に京都を売り込むセールス作戦を展開することを提案致します。私は、市会議員になる前は30年間車のセールスをして参りました。セールスは、まず商品にほれよ、次に自分を売り込めと言われます。京都市には京都という商品にほれ込んだ人がたくさんおられます。観光地でボランティアを買って出る人、黙々と美化運動を続ける人などで第二の人生を歩んでいる市民の中から、初めは1人か2人でもいいから京都の代表者として親善大使の思いで活動していただけるボランティアを募るのです。おこしやす京都に所属して全国の市町村の教育委員会や学校を訪問して京都への修学旅行のセールス活動を展開するのです。ほうっておいても人の来る京都がそこまでと思われるかもしれませんが、それは京都の価値を下げることではなく逆に京都を高め京都が尊敬されることになるのです。先哲の言葉にあります、鏡に向かって礼拝をなすとき浮かべる影また我を礼拝するなりのとおりです。京都市は昨年京都市観光振興推進計画おこしやすプラン21を策定し、その中で修学旅行生の誘致強化をうたい、体験学習プログラムの充実やインターネット、CD-ROMの活用や修学旅行生優待パスポート発行やキャンパス体験ツアーなど多くの施策を展開中ですが、多くの予算も付いております。私の提案するこの事業は、交通費等の実費のみの負担で手当や交際費は一切なしです。その宣伝材料は修学旅行生ハンドブックですが、今の本はお寺ばかりが書かれています。お寺は少しにして伝統の文化芸術からハイテクベンチャー企業まで京都のすべてを網羅したハンドブックに作り替えることです。京都に来てもらうときはコーディネーターの役割を果たし、事業者や京都市の各局と連携をとり最大のもてなしで接待し、そして大満足で帰ってもらうことができたなら、その積み重ねは一波が万波を生み、修学旅行生にとどまらず日本中、世界中の観光客を京都に誘引し世界一の国際観光都市京都を作り出していくことが可能になると思います。京都の顔として活躍された成績優秀者は市民表彰で大いにたたえて、このおこしやす京都の親善大使として1人が10人、100人、1,000人と、そして日本から世界へ、10年、20年とその流れが続けばすばらしいことだと思います。この修学旅行生増大への二つの提案について市長の御所見をお聞かせください。以上で私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(高嶋弘恵) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 久保省二議員の御質問にお答え致します。 まず公園の在り方についてお答え致します。私は、都心における公園緑地は都心に住む人々に安らぎと潤いのある緑の都市空間を提供するとともにレクリエーションやスポーツの場として、また防災上の拠点として魅力あふれる美しいまちづくりに不可欠な施設であると考えております。本市では平成11年2月に策定した京都市緑の基本計画に基づき、豊かな自然環境を生かした大原野森林公園や市民スポーツの拠点となる京都アクアリーナなどの特色ある公園整備を進めてきたところでございます。また宝が池公園の新こどもの楽園の整備基本計画の策定に当たりましては、市民の皆様とのパートナーシップの下、ワークショップを開催するなど新しい公園整備手法にも取り組んでいるところでございます。久保省二議員御指摘の公園創造プランでございますが、現在本市では三山の保全活用や淀城跡公園再整備の具体化、町中の身近な公園の再整備など特色のある公園づくりを盛り込んだ新たな中期整備計画を今年度中に策定することと致しております。久保議員を通して頂だいしました貴重なアンケート結果に基く要望書の趣旨を十分生かしながら公園の現状や周辺住民のニーズの把握に努め計画の策定に取り組んで参ります。 次に、三山すなわち森林の保全についてでございますが、おっしゃるとおり森林が持つ機能には多様なものがあり、地球温暖化の原因である大気中の炭酸ガスの吸収、水源や治水など緑のダムとしての役割、更には森林浴や景観など市民の安らぎ、いやしの場としても欠かせないものがございます。幸いにも京都市は、北から南へなだらかに傾斜する盆地を成しており、東西及び北の三方は緑の連山で囲まれております。東は比叡山、東山連峰が優美な姿を見せ、北は北山の連山がそびえ、西は愛宕山や諸峰が保津川を挟んで小倉山、嵐山の山系を造り出すなど風光明媚な自然環境に恵まれております。私は、これら三山が市民共有の貴重な財産であると認識致しております。本市では、古都保存法はもとより風致地区制度や自然風景保全制度により世界に誇る歴史的な文化遺産や豊かな自然に恵まれた美しい景観の保全に努めているところでございます。こうした中、本年5月に策定致しました都市計画マスタープランにおきましても魅力的な京都のまちをつくる方針の一つとして三方の山々をはじめとする自然景観の保全を掲げており、今後とも農林業との調和を図る総合的な施策を実施することにより先人たちによってはぐくまれ守られて参った古都京都ならではの美しい自然、歴史的景観を後世に残し伝えて参りたいと考えております。 次に中国からの留学生の受入れについてでございます。京都で学び育った将来有望な人材が京都をよく理解し世界各地で活躍されることは京都のイメージアップのみならず市民レベルの友好親善、国際交流の拡大につながるものと確信致しております。こうしたことから留学生等を支援する各種施策を実施しており、昨年度はこれら施策に加えまして新たに京都地域留学生住宅保障制度を創設し、住宅確保についての支援を充実して参ったところでございます。今後とも留学生の宿舎確保や外国からの研究者の滞在施設の設置に向け積極的に検討を進めて参りたいと存じております。 次に中国の観光客増加への具体策につきましては、現地の旅行業関係者やテレビ局等メディア関係者に対して京都の魅力を積極的にPRする事業や京都における観光案内図板の中国語を含む4箇国語表記などの受入れ環境整備を行ってきているところでございます。また毎年アジア各地の海外観光展に参加し京都への誘致宣伝に努めておりますが、本年11月には上海で開催されます国際観光見本市に京都の業界と連携し初めて参加することと致しております。本年はおっしゃるとおり日中国交正常化30周年という節目の年でございます。京都は古来からの文化交流はもとより、日中国交正常化に尽力されました故周恩来総理が青年期に勉学に励まれるなど中国とは大変縁の深い土地でございます。周青年が帰国前に詠まれた雨中嵐山の詩碑が日中平和友好条約が調印されました際に子々孫々にわたる友好を願って嵐山亀山公園に建立されましたことはおっしゃるとおりでございます。私は、この30周年を契機にアジアの隣人である両国の交流が今まで以上に深まりアジアの平和、ひいては世界の平和につながることを切に願うものでございます。 次に修学旅行誘致につきましては、5,000万人観光都市実現のための最も重要な取組の一つと認識致しております。京都は歴史と文化、学術、産業をはじめとする多彩な魅力を有したまちであり、これらを十分に生かした修学旅行生のための見学体験コースを設定し絶えず新しいものを採り入れ充実させていくことが御指摘のとおり大切なことであると考えております。これまでにも大学キャンパス体験ツアー、更には企業見学などを紹介し好評をいただいているところであり、御指摘の桂イノベーションパーク構想の推進につきましても御提案の趣旨をしっかり踏まえて検討して参りたいと思っております。 次にボランティア親善大使による修学旅行誘致活動についてでございます。現在観光関連業界の皆様と共に全国学校訪問活動を展開しております。大変な成果を挙げているわけでございますが、更にはまた市田ひろみ委員長を先頭におこしやす京都委員会の皆様が観光大使として誘致活動に取り組んでいただいております。今後御提案の趣旨を生かしながらボランティアとの連携強化を図り修学旅行生の一層の増大に努めて参りたいと存じております。 以下、副市長、教育長及び局長が御答弁申し上げます。 ○副議長(高嶋弘恵) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 私からは二つの御質問についてお答え致します。まず屋上緑化の推進についてでございます。議員御指摘の屋上緑化につきましては、ヒートアイランド対策の一つとして有効な取組であると考えており、他都市の制度等の調査を進めて参りました。本年5月に環境審議会から頂きました新京都市環境管理計画の進捗及び今後の課題についての答申におきましても地球温暖化防止に向けた17項目の充実強化すべき取組の一つとして屋上緑化等のヒートアイランド対策の推進が提案されたところでございます。本市では今後この答申を踏まえ、具体的にはヒートアイランド現象の発生の仕組みや原因等の調査及び実態の把握に努めますとともに、西京極総合運動公園プール施設京都アクアリーナや高齢者福祉施設紫の塔に続きまして新たに建築する公共公益施設においても屋上緑化を含む総合的な緑化をより積極的に進めるなどヒートアイランド対策の一つの有効な手段として屋上緑化施策の検討を鋭意進めて参ります。 次に道路照明灯の設置基準の見直しについての御質問にお答え致します。現行の本市の道路照明灯設置基準は、専ら自動車の安全走行を目的としている国の道路照明施設設置基準に対しまして、自動車の安全走行にとどまらず歩行者等の安全や防犯にも配慮したものになっているところでございます。また、近年京都の歴史がはぐくんだ地域コミュニティの弱体化により、地域社会における犯罪や事故の防止機能が低下していることを踏まえ、誰もか安心して暮らせるまちづくりを進めるため京都市生活安全条例を平成11年4月に施行し、更に京都市生活安全基本計画を平成12年8月に策定したところであります。これら条例や計画にも沿った道路照明灯設置基準の運用が可能であり、かつまた求められるものであります。したがいまして現時点においては御指摘の趣旨を踏まえまして現行の基準を十分に生かして参りたいと考えております。なお道路照明灯の設置につきましては、厳しい財政状況下ではございますが、議員御指摘の趣旨を踏まえ自転車走行の安全や高齢者、女性の方、更には子供への防犯など市民生活の安全確保のためにも今後更に重点的な整備に努めて参ります。以上でございます。 ○副議長(高嶋弘恵) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からも二つの点についてお答えさせていただきます。まず障害のある市民の支援費制度についてでございますが、本市では京都市障害者いきいきプランに基づき施策の充実と施設整備を推進し、支援費制度に移行する施策については数値目標をほぼ達成するとともに、知的障害のある方の地域生活を支援する地域療育等支援事業の拡充を行うなど円滑な移行が図れるよう努めてきたところであります。また知的障害のある方等の権利を守り地域で安心して生活できるよう京都市高齢者障害者権利擁護ネットワーク連絡会議を設置し、成年後見制度や日常の金銭管理等を行う地域福祉権利擁護事業の普及に努めて参りました。御指摘の横浜市の条例は、知的障害のある方の地域生活の支援と保護者の方々の安心の確保を目的に制定されたものでありますが、本市におきましては、今年度策定する新たな障害のある市民のための基本計画において、今後とも安心してサービスを利用していただけるようサービス提供の基盤整備や相談支援体制の整備目標などを定め、障害のある方の自立と親亡き後の不安解消に向けた支援の拡充に取り組んで参ります。 次にホームレスの方々への自立支援についてでございます。本市におきましては、法施行前からホームレスに対する福祉施策として福祉事務所における生活相談や中央保護所への入所、医療の給付が必要な方に対する生活保護の適用をはじめ自立に向けた本市独自の様々な支援策を講じているところでございます。ホームレスの自立支援等に関する特別措置法につきましては、生活保護等の福祉施策のみならず雇用の確保や住宅の提供等といった総合的な施策の展開によって自立を支援することとしており、その前提としてホームレスの実態に関する全国調査を行い、その結果を踏まえて国において基本方針を策定したうえで都道府県、市町村が必要に応じて基本方針に即した実施計画を策定することとされております。本市と致しましては、国からの法施行に関する具体的な通知が届き次第、実態調査の準備や関係部局による実施体制の在り方を検討して参りたいと考えております。以上でございます。 ○副議長(高嶋弘恵) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(西晴行) 身体障害者に対するホームヘルパーの派遣についてでございます。身体障害者福祉法に基づくホームヘルパー派遣は、事故や疾病などを原因とする障害によって日常生活が長期間にわたって制限を受ける心臓や腎臓の内部障害のある方も対象となりますが、疾病によって一時的に身体の機能が低下した状態においては対象とはされていないところであります。平成15年4月から施行される障害のある市民の支援費制度においても、身体障害者福祉法等に基づき実施されることから身体障害者手帳の保有を前提として日常生活に支障を来している状況等を総合的に判断し派遣されることとなっております。このため議員御指摘のホームヘルパーの派遣については多くの課題を含んでおります。本市と致しましては、障害のある市民に対する新たな制度である支援費制度の円滑な施行と充実に向け今後とも国への要望を続けて参ります。以上でございます。 ○副議長(高嶋弘恵) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 学校施設の耐震化についてでありますが、阪神・淡路大震災後、直ちに避難施設となる体育館を建築年代ごとに抽出して耐震診断を実施致しました。また従来から取り組んできた校舎改築に加え、平成8年度から今年度までに約78億円の巨額の経費を投じ校舎の耐震補強とリニューアルを計画的に推進して参りました。しかし、耐震基準が強化された昭和56年以前の建物が全体の7割以上を占め耐震化に莫大な経費を要することや児童生徒数などの推移を見据える必要があり、校舎改築計画等を踏まえ効率的に耐震化を推進する必要があります。またその際、国と連携し耐震診断、耐震補強手法の研究を行うことも不可欠であります。今後国へ事業量確保をはじめ耐震補助制度の拡充等を要望するとともに、3年以内を目標に耐震診断を行ったうえ長期的な計画の下に耐震補強を推進して参ります。-------------------------------- ○副議長(高嶋弘恵) 次に、市政一般について、山口勝議員に発言を許します。山口議員。 〔山口勝議員登壇(拍手)〕 ◆(山口勝議員) 公明党の山口勝でございます。私は、先の同僚議員に引き続き公明党京都市会議員団を代表し桝本市長並びに関係理事者に当面の京都市における市政の諸課題に関し質問致します。最後の質問者ですので、これまでの方々と重複する部分もありますが、桝本市長におかれては市民に分かりやすい明快なる答弁をお願いするものであります。 初めに介護保険制度について質問致します。介護を必要とする状態になっても、自らの意思に基づき自立した質の高い日常生活を送ることができるよう社会的に支援すること、すなわち介護の社会化を構築する国民の共同連帯の考えに基づく社会保険方式を導入し、高齢者自身も被保険者となり、現役世代と共に制度を支えていく担い手となる。そのような理念の下、開始された介護保険制度もはや2年半が経過し様々の課題も採り上げられている現状であり、現在、平成15年度以降の事業計画の新たな策定に着手されているところであります。私ども公明党は、本年5月から6月にかけて全国の市町村や介護サービス事業者など3,406の団体、個人に対し介護保険制度の課題につきアンケート調査を行いました。アンケート調査の結果、種々の課題が浮き彫りとなりましたが、その結果を基に施設サービスに関しては、施設不足による入所待機者が急増している現状を打開するため宅老所やグループホームなどの受皿づくりの早期整備、ショートステイの整備拡充、介護予防、健康づくりの施策の充実、また低所得の高齢者については、保険料と介護サービスの利用料に関する抜本的な対策の実施と支給限度額以上のサービスが必要な利用者の超過分の自己負担分軽減などを急務の課題として、介護現場の生の声として制度の改善要望を坂口厚生労働大臣に行ったところであります。財政的に京都市の保険制度は早くも赤字の状況であり、平成14年度の当初予算で財政安定化基金の借入れも14億2,000万円を超え、次期計画のサービス量を確保し実施していくための財源確保のための保険料の改定に関しては,現在検討中とは思いますが、長引く不況の折、第1号被保険者、第2号被保険者とも急激な負担増は現下の情勢の中、できるだけ避けなければなりません。そのためにも調整費5パーセントを別枠化し、国庫負担分を30パーセントに拡大させることや国の統一した減額措置の創設を求めるなど地方からの強き要望の声を上げ最大限の御努力を求めるものであります。そこでお尋ね致しますが、低所得者に対し昨年10月より実施されました保険料の軽減措置は、平成15年4月以降も継続、拡充されるべきでありますが、改めてその御決意をお聞かせください。 次にこの度国の厚生労働省から特別養護老人ホーム等の入所、入院の基準について必要性の高い者の優先的な入所に関する省令改正が示されました。内容は、入所申込数が入所定員を超えている場合には、介護の必要の程度及び家族等の状況を勘案し入所サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならないというものであり、老人保健施設、療養型病床群も同様であり努力義務規定となっております。この省令の運用に当たっては当然のことながら透明性、公平性が求められるところであり、特に特別養護老人ホームについては入所希望者が多数あるため、その運用については慎重を期さねばなりませんが、公平な観点から指針が作成、運用されれば、特に今緊急性がある待機者や家族にとっては一つの光明になるかもしれません。しかし、優先入所が可能となった場合、逆に既に申込みをして順番を待っている方々にとっては他の高齢者が先に入所するという結果にもなり、実施される移行期においては相当混乱も予想されます。京都市において、この省令改正に伴う介護施設等の優先入所に関する関係団体との協議及び実施についてどのように取り組まれるのか、スケジュールも含め答弁を求めます。 介護相談員派遣事業は、利用者の苦情に至る事態を未然に防止し利用者や家族の日常的な不平、不満、疑問に対し改善の道を探る事前対応を目指すものとして平成12年11月から実施されておりますが、私は、更にこの事業の拡充を図るべきであると考えます。新たに利用する介護保険制度に関し、利用者はおおむね契約時において制度の不安や疑問を感じるものでありますが、それらを払拭し安心して介護サービスがスタートできるような環境づくりを図ることは重要なことであります。名古屋市においては、やや京都市の制度と異なりますが介護保険アドバイザーとして単なる苦情聞き係から一歩踏み込んで利用者の介護保険サービスの利用契約に関する助言、介護保険の利用契約締結時に同席する、介護保険サービスの現状把握と利用者と事業者との意見交換など積極的な相談事業を展開しておられます。京都市において、今後この介護相談員派遣事業の内容と体制の拡充にどう取り組まれるのかお伺い致します。 次に子育て支援策の今後の取組について質問致します。私ども公明党は、21世紀における重要な政策課題は子育て支援と位置付け、少子化からの転換へ、その対策の充実強化を図るため先月23日に提言、子どもと子育て家庭のためのプログラム23を発表致しました。提言において、共働き家庭に対しては保育所入所待機児童の解消、多様な保育サービスの充実、放課後児童クラブの充実、障害児への対応強化、独り親家庭に対する就労支援や養育費の確保、家賃保障などの支援策を講じる。地域における子育て支援策としてはファミリーサポートセンターの計画的増設。更に児童虐待の対策の強化。更に慢性疾患の子供の家庭の経済的、精神的負担の軽減を図る福祉制度の構築、小児医療救急体制の充実など細部にわたる総合的対策についての提言であります。少子化の影響は20年後に出てくると言われておりますが、今こそ長期的展望に立った対策の拡充は急務の課題であります。こうした我が党の提言、来年度の予算要望を受け総額1兆400億円の少子化対策を盛り込んだ厚生労働省の概算要求が先般提示されました。2002年度の当初予算に比べ4.6パーセントの増であり、特に少子化対策では地域社会を通じた子育て家庭の支援を拡充するため主任児童委員を中心とした子育て支援委員会を小学校区ごとに設置するほか、多様な子育て支援サービス情報を提供する子育て支援総合コーディネーターの配置。またパート勤務の親が週に二、三日又は午前か午後のみ必要に応じて柔軟に利用できる特定保育事業の創設、周産期医療の拡充などが実施される方向となりました。京都市においては、現在平成9年3月に策定された京・子どもいきいきプランに基づき、平成18年度を目途に10箇年計画の推進に取り組まれているところですが、はや半分が経過し、計画の進捗状況も精査されなければなりません。この間、我が党も推進しました国の予算措置であった少子化対策臨時特例交付金の執行もあり追い風になった経過もありますが、昨年は京都市財政の非常事態宣言もあり、本年度の予算においては計画達成の危惧も現れている状況にあります。特に目標数値を設定されている児童館の建設は、本年度と同様の2箇所程度の新設規模の予算が続けば18年度までに120箇所の目標を達成することは事実上不可能であります。保育施策の充実、児童館の適正な設置、放課後児童クラブ事業の拡充は子育て支援を望む保護者からの最も切実な要望であります。そこでお尋ね致しますが、国の方針である待機児童ゼロ作戦に対し京都市としていかに取り組まれていくのか。横浜や東京では認可外保育施設や独自の認証保育所を定義付け待機児童の解消を図っております。民間参入の規制緩和も実施されましたが、地域事情もあり拙速な対応は許されません。定員の地域調整を図り、特に待機児童の多い地域に対しその拡充を図るべきでありますが、今後の取組の決意をお聞かせください。また児童館は中学校区に一つを目標に取り組まれておりますが、先ほど述べましたように、このままでは目標達成は困難な状況であります。児童館設置に関し、今後の取組の御所見を伺います。また、学童保育の量的な問題を含め質的な充実も課題の一つであります。特に障害を持つ子供の学童保育の充実も図られなければなりません。重症の心身障害児の保護者の介護時間は1日7時間を超え、当たり前の暮らしを営めない状況にあります。これまで私的、家族責任主義が強調されてきた中で母親の社会福祉的サポートは意識化されませんでした。しかし、今後においては障害を持つ子供の豊かな放課後生活の保障と障害を持つ子供を育てながら当たり前に働き続けることのできる条件整備は児童福祉法の精神からも自明の理であります。学童保育の中に障害児を更に受け入れ、低学年のみならず高学年をも受け入れる体制の整備が望まれますが、今後の学童保育の拡充にどう取り組まれるのか御答弁ください。 次に養護学校の高等部教育の拡充について質問致します。現在、比較的障害が軽度の高等部の生徒は白河養護学校、東養護学校、西養護学校の3校へ公共交通機関を利用し通学されております。卒業後の進路は企業への就職、福祉施設での就労など様々ですが、大きな希望を持って社会へ巣立っていかれます。しかし、長期の不況の中、障害を持つ生徒の就職についてはより一層厳しい状況にあることは言うまでもありません。私は、昨年この問題を採り上げ、養護学校の地域制、総合制の再編成に伴い高等部の教育内容を実社会への就労支援につながるIT技術の習得をはじめとする内容を積極的に導入することを訴えました。教育委員会からは、生徒や保護者の願いにこたえるため、生徒全員の企業への就職を目指し、産業現場実習を中核としたより専門的な教育内容や指導法の創造に努めるとの御答弁がありました。また、障害の程度にもよりますが、たとえ対象が1人であっても地域の学校で学ばせてやりたいとの保護者の要望に可能な限りこたえるため、障害のある児童生徒が学ぶ学級の設置にも我が党の要望などを受け積極的に取り組んでこられました。その結果、6年間にこれらの学級で学ぶ生徒が約250名も増加する中で、将来、職業的自立を目指しつつ養護学校の高等部を希望する生徒も今後増加するのではないかと予想されます。そこでお尋ね致しますが、雇用を巡る厳しい状況の下、養護学校の地域制、総合制を先駆的に進めている京都市において、企業就職を目指す生徒の希望や保護者のニーズにこたえるため養護学校高等部についても思い切った見直しと新たな取組をお願いしたいと思いますが、今後具体的にどう取り組まれるのかお聞かせください。 次に電子自治体確立に向けた京都市の取組について質問致します。2001年1月に発表されたe-japan戦略において電子政府の実現が採り上げられ、電子自治体の構築はこの電子政府の実現の一環として推進されることとなりました。国家戦略としての電子自治体を推進しなければならないことが自治体の当面の課題でありましたが、本当の意味での電子自治体とは、各地域で自らの理想を追求し新たな自治行政を創造していくところにあります。電子自治体を論じるとき、おおむね次のような観点が重要とされています。第1は行政経営の視点であります。管理から経営へと発想を変え行政内部の自立的変革を促していくこと。第2は地域社会のコーディネーターとして役割を果たす自治体という視点であります。ITの急速的進歩により変貌しつつある市民生活や各種の事業活動を支援するコーディネーターとしての役割を担い地域社会の活性化を図っていくこと。第3は今後最も重要になってくると考えられるCRMすなわちカスタマー・リレーションシップ・マネジメントと呼ばれる電子的行政サービスの構築であります。ワンストップ、ノンストップ、マルチアクセスなどの言葉で表現される市民が便利になった、楽になったと感じられるサービスを提供していくことであります。自宅や会社にいながらインターネットを使って情報収集や電子申請ができる。公共の情報端末や携帯電話のIモードなどで行政へアクセスできるなど、市民をお客様とした観点に立ったサービスの展開であります。現在、京都市においては2001年5月に策定された新高度情報化推進のための行動計画e-京都21の取組をなされているところでありますが、今後の方向性について質問致します。本行動計画の中で最も市民に対し分かりやすいものとしては行政情報の電子的提供、行政サービスの情報化であります。ITの活用によって行政窓口の一本化を進める。また複数の手続ができるインターネット上での行政情報総合窓口を設置し、ワンストップ、ノンストップサービスを開始していく。既に消防関連などの申請手続の一部が電子化されているとお聞きしておりますが、今後のインターネットを使っての行政への申請手続などができるこの行政情報総合窓口の広範な構築をいかにして図られるのかお聞かせください。 〔高嶋副議長退席、磯辺議長着席〕 ◆(山口勝議員) (続)また公共情報端末の設置も時代の趨勢です。首都圏の地方都市でもコンビニエンスストアや駅構内に行政情報端末を設置し、住民票の交付だけでなくその他の情報へアクセスできるサービスを開始しておりますし、東京の豊島区でも既に民間金融機関に端末機を設置し市民サービスに対応されております。課題は費用対効果や必要性でありますが、コンテンツを十分確保し構築していくことが重要であります。今後の情報端末機の設置の考え方とサービス内容の方向性に関し御答弁ください。 最近注目を浴びているのが電子入札の導入であります。電子自治体構築の中でも電子入札の導入は契約事務の効率化、談合などの不正行為の抑止、参加業者の拡大、参加機会の拡充など導入のメリットは多いとされております。昨今、残念なことに公共事業に関する不祥事が後を絶ちません。京都市においても、これまで度重なる入札に関する不祥事が起きたことは誠に遺憾なことであります。再発防止の一つの手段として、契約事務の透明性を図り参加業者を拡大させるなど電子入札の早期導入は時代の流れでもあります。電子自治体の先進都市と言われる神奈川県横須賀市では、市のホームページに公共工事の発注情報を掲示し、入札参加申込み、質問、入札書の送付などインターネットで行えるシステムを導入し電子入札が行われております。システム導入前は落札率が平均95.7パーセントであったものがシステム導入後は85.7パーセントにまで下がり市内の業者の受注率も大きく増加したそうであります。公共工事に対する市民の不信感を払拭し、公平性と透明性を確保し、事務部門の効率化を図るためにも種々の課題もあろうと思いますけれども、それを克服し早期に試行実施を含め導入すべきと考えますが、いかがお考えか答弁を求めます。 情報流通基盤整備としての京都ONE構想については、市民が超高速大容量で快適なインターネットを利用できる環境づくりとして推進されておりますが、この取組については産業界、大学、そして行政が連携を図り情報発信都市京都としての機能を高め、より大きなビジネスチャンスの拡大や知的交流などが期待されております。特に京都大学をはじめとする大学間のネットワークは他都市にはない大学のまち京都としての魅力あるコンテンツとしての情報流通基盤の整備として推進されるものでありますけれども、この大学間のネットワークづくり、その他中小企業の分野における京都ONE構想の推進をどのように図られるのか、スケジュールも含め具体的に御答弁ください。 次に地元伏見区のまちづくりについて要望及び提言も含め質問致します。京都市においては、本年5月に京都市都市計画マスタープランを策定され、都市の活性化を進めるため都心の創造、南部創造のまちづくり、都市機能の拠点整備を具体的に都市計画の中心課題に据えその取組を開始されました。私ども公明党京都市会議員団は、今から4年前の平成10年9月に、桝本市長に新しい福祉文化とヒューマニズム創造の社会を目指してと題し、当時策定中でありましたグランドビジョンに対し提言を行いました。その内容は、新産業創造都市構築のため市南部を核とする新たなまちづくりとして高度集積地区、水垂地区、洛南新都市の計画を含む宇治川南部地域の3軸を設定し、新しい京都のまちづくりの起爆剤にしようとするデルタ構想というものでありました。具体的には、交通局竹田車両基地の高度利用と市庁舎機能の一部移転による高度集積地区の活性化、水垂地区の効率的活用、宇治川南部地域に自然公園などの整備、そして3地域の有機的連動のため新交通システムの確立及び道路整備を図るというものでありました。今回策定されたマスタープランにも活性化政策として南部創造のまちづくりの取組の中に高度集積地区を中心軸にゾーニングがなされ、この度優遇税制の創設をはじめその誘導策が展開されており、企業立地に向け今後の進展が期待されております。私どもが提言した内容とマスタープランには重なる部分もあり極端な乖離はないと思いますが、特に高度集積地区への企業などの進出を阻む大きな理由として交通アクセスの悪さや公共施設の不足などが過去の調査においても指摘されております。竹田車両基地の高度利用は、高度集積地区に大きなインパクトを与えるものと思います。行政が主導的に具体策を講じることが望まれます。現在の財政状況からすれば困難な状況とは思いますが、一定の具体策を提示していく努力が求められております。竹田車両基地の高度利用を含めた有効活用及び交通機関の整備に早期に着手されるべきでありますけれども、御所見を伺います。このままでは油小路通沿いは郊外型のロードサイドショップのみが林立する潤いのないまちとなっていきます。高度集積地区を中心とした南部創造のまちづくりに対する御所見をお伺いします。 最後に昨日日本共産党の井坂議員から、公明党が平和の党ではないとの趣旨の私ども公明党に対するいわれなき非難中傷の発言がありましたので、厳重に抗議するとともに具体例に基づき明確に反論させていただきます。(発言する者あり) それは日本の平和にとって最も重要である非核三原則に関して、当時の日本共産党がとった無責任な態度は、日本共産党がいかに平和を語る資格のないものであるかが明白であるということです。(発言する者あり)1971年の沖縄国会では、沖縄返還協定を巡って国会は1週間にわたって紛糾し空転しておりました。公明党は事態収拾のため返還協定の中で不備であった核兵器の撤去、再持ち込みの拒否並びに沖縄米軍基地の縮小についての国会決議を提唱し、自民党との粘り強い交渉の下、非核三原則を明文化した非核兵器並びに沖縄米軍基地縮小に関する決議を上程、自民党、公明党、当時の民社党の各政党の賛成で可決させました。(発言する者あり)この非核三原則の国会決議は、我が国の歴史において画期的な意義を刻むものであり、この事実は第67回国会の衆議院会議録に厳然と残されているのであり、日本共産党が本会議を欠席し、この非核三原則の国会決議に賛成しなかったことは歴史的事実であります。(発言する者あり)そのような政党に我が国の平和を語る資格はありません。本年は、沖縄復帰30周年の佳節を迎え、日本の中でも最も平和に熱き思いを持つ沖縄県、この沖縄で先日多くの地方選挙が行われました。沖縄の選挙では、有事立法を含む平和の問題を訴えずして選挙を戦うことはできません。選挙結果はいかがであったか、共産党は現職6名を含む10名が落選。(発言する者あり)地滑り的大敗を喫しました。それに比べ我が党は4議席増の全員当選を果たし、党所属議員数では県内では共産党を抜き第一党となりました。この厳粛な選挙結果こそが我が党の平和に対する姿勢が沖縄の方々に評価された証拠ではないでしょうか。(発言する者あり)日本共産党の皆さん、もういいかげん不毛な他党批判を繰り返すのはやめて、なぜ選挙に負けたのか、御自身の足元を見詰められて自己反省をされてはいかがかと御忠告申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)(発言する者あり) ○議長(磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 山口勝議員の御質問にお答え致します。 初めに介護保険料に対する取組についてでございます。介護保険制度を長期的かつ安定的に運営していくために市民や地方自治体の急激な負担増を招かないよう、また市民サービス、利用が抑制されることがないよう強く国に対しまして支援を求めて参りました結果、平成15年度からは財政安定化基金拠出金の率が引き下げられるなどの一定の改善が図られ、本市の努力が実を結んで参っております。また本市独自の介護保険料減額制度につきましては、昨年9月に市会与党各会派の総意として提出されました要望書の趣旨を重く受け止めながら、直ちに平成15年3月までの時限的措置として実施致しましたが、依然として厳しい経済情勢は続いており、真に保険料負担が困難な方に対しましては平成15年度以降も現在の減額制度の継続と併せて適用基準の拡大についても実施して参りたいと考えております。(発言する者あり) 次に介護施設の優先入所についてでございますが、介護保険制度は、高齢者の介護を社会全体で支えていく制度であり、本市におきましては、その円滑な運営と介護基盤の整備に全力を挙げて取り組んできていることから着実に利用者数が増加しております。本制度は、利用する施設を選択できることが重要な考え方の一つでありますが、一方で複数申込みや予約的な申込みがされていることもあり、必要度の高い方が必ずしも優先的に入所できないといった状況があるのも事実であります。このため介護施設の入所につきましては、山口勝議員御指摘の点や厚生労働省の省令改正の趣旨を踏まえまして透明性、公平性を確保し、またこれまでの申込期間にも十分に留意しつつ真に入所の必要な方が少しでも早く入所できるような基準を関係団体と十分協議して検討し、深刻な介護問題に直面されている方々を支援して参りたいと考えております。 次に公共工事における電子入札の導入についてでございます。電子入札は、山口議員御指摘のとおり入札事務の効率化、省力化はもとより入札の公平性、透明性、競争性を高め、不正行為の排除にも大きな効果が期待できるものと考えております。このため本市においてもその導入に向けて検討を進めているところであり、平成17年度に導入予定の財務会計システムを活用し、平成19年度に本格的に実施することと致しております。しかし、それまでの間におきましても財務会計システムの導入を機に議員御提案の試験的な実施も含め大規模工事など公共工事の一部に電子入札を先行導入し、入札制度の改善と本市公共工事に対する市民の皆様の信頼向上に力を尽くして参りたいと考えております。 京都ONE構想についてでございます。京都ONE構想は、21世紀の京都において急速に進展する高度情報通信社会に的確に対応できる基盤づくりを進めることにより産学公の連携による研究開発の促進、新事業の創出等を目指すものでございます。私は、全国に先駆けた本市独自の取組である情報通信ネットワークの構築を促進し、その実現に全力を傾注しているところでございます。この最初の取組として既に京都大学、キャンパスプラザ、高度技術研究所の3拠点を大容量の超高速回線で結び終え、現在引き続き各拠点と大学との接続に取り組んでいるところでございます。更にITを活用した観光振興や中小企業のIT化を促進するためのプロジェクトを今年度中に立ち上げまして、京都をインターネットにおける一大拠点にし地域の更なる活性化に邁進して参りたいと存じております。 次に南部創造のまちづくりについてでございますが、高度集積地区や水垂地区など南部地域は21世紀の京都の活力を担う重要な地域であり、中でも高度集積地区は創造のまちづくりの中核を担っております。山口議員御指摘のとおり高度集積地区において企業立地の促進や魅力あるまちづくりを推進していくためには交通基盤の整備促進が重要であり、本年度は油小路通をはじめとする道路整備が大きく進展致します。更に鉄軌道も含めた公共交通機関の在り方についても南部地域の発展につながるよう検討を進めて参ります。竹田車両基地の高度利用につきましては、御承知のとおり地下鉄の車庫機能を有していることから多くの課題がございますが、引き続き前向きに検討しなければならないと考えております。私と致しましては、都市基盤の整備と新たな産業集積の促進を強力に推し進め、市民の皆様や経済界との揺るぎないパートナーシップの下、全庁一丸となって21世紀の新しい京都を切り開く南部創造のまちづくりに懸命に取り組んで参りたい所存でございます。 以下、松井副市長、教育長、情報政策監、局長が御答弁申し上げます。 ○議長(磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは2点につきましてお答えさせていただきます。まず保育所待機児童についてでございます。本市では保育所の新設や定員増の取組により就学前児童数に対する定員の設置割合が政令指定都市の中で最も高く入所しやすい保育環境にあります。更に本市独自のみやこベビーハウスの活用などにより待機児童は着実に減少致しております。しかしながら、共働き世帯の増加や就労形態の多様化により、保育需要が質量とも増加する中で良好な保育環境の確保や一部地域における待機児童の解消がなお課題となっております。このため今後とも保育所の新設をはじめ山口議員御指摘の定員調整を行い、認可保育所による待機児童の解消に向けて取り組んで参ります。また児童館の設置につきましては、京・子どもいきいきプランの整備目標に向け財政の非常事態宣言下における新規施設原則凍結の中にあっても、新たに2館の増設予算を確保し99館まで達成したところであります。今後とも120館の整備目標の達成に向け全力を挙げて推進して参ります。 次に障害のある児童の学童クラブ事業への受入れについてでございます。本市におきましてはノーマライゼーションの観点から障害のある児童の積極的な受入れを行っており、現在71館で148人の児童が登録しており、その数は年々増加しております。この受入れに当たっては介助者の派遣を行って対応しているほか、本市独自に事業費の加算や主任厚生員による巡回指導を実施しているところであります。学童クラブへの高学年の受入れについては自由来館での利用により対応しているところですが、4年生以上の児童とりわけ障害のある児童の受入体制の整備が望まれているところであり、今後学童クラブ事業の一層の充実に向け鋭意検討して参る考えでございます。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 折坂情報政策監。 〔折坂情報政策監登壇〕 ◎情報政策監(折坂義雄) 電子自治体の構築に向けた取組についてお答え致します。インターネットを活用した行政サービスの情報化につきましては、市民の皆様が御自分にとって便利な場所から御自分に合った方法を選んでいただき、いつでも簡単に一度の手続で行政サービスを受けていただける利便性の高い電子市役所を構築するうえで重要な課題の一つであると認識しております。電子的な行政情報相談窓口につきましては、現在申請書をインターネットで取り寄せていただけるサービスの拡大に取り組んでおりますが、今後安全な電子申請を実現するためには申請者御本人であることを確かめる個人認証の仕組みや個人情報の保護をはじめとした情報セキュリティの確保に対する市民への信頼が欠かせない前提条件となってございます。またシステムの構築には多額の経費を要することから、国に対して汎用システムの開発提供を要請しております。これらの課題を解決し、市民の目線に立った行政情報総合窓口の構築に努めて参ります。 次に公共情報端末につきましては、現在スポーツ、生涯学習、観光等の情報提供を主な目的として市内の公共施設に70台を設置しているところでございます。今後ホームページのより一層の充実や機能の拡大を進めますとともに、費用対効果や有効性を十分に見定め民間の施設の利用も含めた公共情報端末の拡充を検討して参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(西晴行) 介護相談員派遣事業についてでございますが、現在10箇所の事業所で20名の介護相談員により実施致しております。本事業は、あらかじめ研修を行った介護相談員を施設等へ派遣し、直接利用者等からの話を聞き相談に応じるとともに利用者の疑問や不安の解消を図るため事業者との調整を行っております。本事業の実施により利用者側からはサービス利用に対する満足感や事業者に対する信頼感が深まり、事業者側からは日ごろ気付かない問題点を再認識できる等、双方からサービス向上に役立ったとの反応を得ております。今後はこの実績を広く周知することなどにより他の事業者においてもサービスの質の向上につながるよう取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 養護学校高等部の教育についてでありますが、御指摘のとおり障害のある子供たちの雇用を巡る厳しい状況の中で生徒や保護者の願いにこたえるためには高等部教育の抜本的な改革充実が必要と考えております。このため平成16年4月、働くための幅広い知識や技術を学ぶ新たな職業学科として白河養護学校普通科を製造加工を中心とした産業総合科に改編するとともに、鳴滝養護学校高等部に生活衛生関連のサービスを中心とした生活産業科を新設致します。今後、働く意欲を高めより自立的に生きる力を育成する職業教育を構築し、これまで以上に企業等への就職を目指して取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(磯辺とし子) これをもって一般質問を終結致します。-------------------------------- ○議長(磯辺とし子) 本日は、これをもって散会致します。 〔午後3時14分散会〕--------------------------------          議長    磯辺とし子          副議長   高嶋弘恵          署名議員  佐藤和夫          同     小島健市 △請願文書表「受理番号780」「乳幼児医療費無料制度の拡充」・請願文書表「受理番号781」「介護保険制度の改善」 △請願文書表「受理番号782」「高齢患者の負担軽減」・請願文書表「受理番号783」「高齢者の医療費窓口負担の改善」 △請願文書表「受理番号784~785」「市バス路線の改善」...