滋賀県議会 2024-07-02
令和 6年 6月定例会議(第2号~第8号)-07月02日-05号
令和 6年 6月定例会議(第2号~第8号)-07月02日-05号令和 6年 6月定例会議(第2号~第8号)
令和6年6月定例会議会議録(第6号)
令和6年7月2日(火曜日)
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議事日程 第5号
令和6年7月2日(火)
午 前 10 時 開 議
第1 議第88号から議第97号まで(令和6年度滋賀県
一般会計補正予算(第1号)ほか9件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(42名)
1番 谷 口 典 隆 2番 田 中 英 樹
3番 谷 成 隆 4番 小 河 文 人
5番 菅 沼 利 紀 6番 桐 田 真 人
7番 岩 崎 和 也 8番 野 田 武 宏
9番 森 重 重 則 10番 田 中 誠
11番 河 村 浩 史 12番 柴 田 栄 一
13番 中 山 和 行 14番 赤 井 康 彦
15番 河 井 昭 成 16番 佐 口 佳 恵
17番 小 川 泰 江 18番 田 中 松 太 郎
19番 清 水 ひ と み 20番 井 狩 辰 也
21番 本 田 秀 樹 22番 柴 田 清 行
23番 重 田 剛 24番 白 井 幸 則
25番 村 上 元 庸 26番 桑 野 仁
27番 周 防 清 二 28番 海 東 英 和
29番 加 藤 誠 一 30番 目 片 信 悟
31番 有 村 國 俊 33番 川 島 隆 二
34番 奥 村 芳 正 35番 駒 井 千 代
36番 木 沢 成 人 37番 清 水 鉄 次
38番 大 野 和 三 郎 39番 角 田 航 也
40番 冨 波 義 明 43番 今 江 政 彦
44番 中 沢 啓 子 45番 節 木 三 千 代
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会議に欠席した議員(1名)
41番 九 里 学
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会議に出席した説明員
知事 三 日 月 大 造
教育長 福 永 忠 克
代表監査委員 河 瀬 隆 雄
副知事 江 島 宏 治
副知事 大 杉 住 子
知事公室長 小 林 雅 史
防災危機管理監 山 下 將
総合企画部長 松 田 千 春
総務部長 岡 田 英 基
文化スポーツ部長 東 郷 寛 彦
琵琶湖環境部長 中 村 達 也
健康医療福祉部長 山 田 忠 利
子ども若者部長 村 井 泰 彦
商工観光労働部長 林 毅
農政水産部長 中 田 佳 恵
土木交通部長 波 多 野 真 樹
会計管理者 谷 口 義 博
企業庁長 藤 原 久 美 子
病院事業庁長 正 木 隆 義
警察本部長 中 村 彰 宏
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議場に出席した事務局職員
事務局長 箕 浦 宏 昌
議事課長 一 丸 裕 介
議事課参事 内 田 吉 行
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午前10時 開議
○議長(有村國俊) これより本日の会議を開きます。
直ちに日程に入ります。
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△議第88号から議第97号まで(令和6年度滋賀県
一般会計補正予算(第1号)ほか9件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
○議長(有村國俊) 日程第1、議第88号から議第97号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。
発言通告書が提出されておりますので順次これを許します。
まず、2番田中英樹議員の発言を許します。
◆2番(田中英樹議員) (登壇、拍手)おはようございます。
自由民主党滋賀県議会議員団の田中英樹です。
まず、昨日10時過ぎに豪雨によって米原市伊吹地区で土砂崩れが発生しました。住宅や県道551号線など道路に土砂が流れ込むなどのことをニュースで見ました。米原市は伊吹地区の世帯に警戒レベルで最も高い緊急安全確保を発令していて、住民が小学校に避難しているということでした。
現在の状況は分かりませんが、けが人や逃げ遅れた人は確認されてないということです。被害に遭われました皆様には心からお見舞い申し上げます。
県のほうでも県民の安全・安心のために御尽力いただくとともに、避難場所等の良好な環境と、できるだけ早い平時の生活の回復と復旧をお願い申し上げます。
話は変わりますが、5月末に大津市で保護司の新庄博志さんが殺害されました。新庄さんとは同い年で、青年会議所時代から始まり、20年以上のお付き合いになります。
2003年、
日本青年会議所滋賀ブロックでは私が副会長、そして新庄さんは幹事の立場で、一緒に滋賀の価値を見いだすために活動してまいりました。2004年にはその滋賀ブロックで私は草津青年会議所の理事長として、新庄さんはブロックの
水事業推進委員会の委員長として、琵琶湖、水に関わる事業を通して滋賀の魅力を発信してまいりました。そのとき、田中松太郎議員も
ブロック運営委員会の委員長をされてたというふうに仄聞します。その後はロータリークラブで活躍され、クラブは違えど共にロータリアンとして奉仕の精神の下、活動してまいりました。私が県議会議員になってからも会う機会もあり、親しくお話をさせていただいたことが昨日のように思い出されます。
新庄さんは保護司として更生保護や再犯防止に活躍され、道半ばで倒れられ無念であったと思います。ここに謹んで哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたします。
先日は、目片副議長のほうから再犯防止と支援する方々の安全についての質問がありました。また、事件後には、JCの先輩でもあります保護司の方から私のほうにお電話をいただきました。その先輩から、新庄さんと話をしていたんだけど、今度、保護司が取り巻く環境について県と話をつないでもらうため、田中英樹と一緒に話をしようとしゃべっていたんやでとのことでした。近いうちに新庄さんの思いを届けられればと思います。
新庄さんたちの更生保護活動が停滞することがないよう、県は取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、一般質問の許可をいただきましたので、通告に従い、人口減少を見据えた未来へと幸せが続く滋賀総合戦略の改定について、分割方式で質問させていただきます。
県では、まち・ひと・しごと創生法に基づき、人口目標をはじめとする地方創生に関する目標や、講ずべき施策に関する基本的方向および講ずべき施策を総合的かつ計画的に実施するため、総合的な計画として総合戦略を策定されています。
現行の総合戦略の計画期間は今年度末となっていますが、コロナ禍を経て出生数の減少がさらに加速する現状、少子化対策をめぐる国の動き、子供政策に取り組む本県の動きなど、人口減少を取り巻く環境が大きく変化する中で、基本構想で目指す未来へと幸せが続く滋賀の実現に向けてさらに強力に取り組むために、終期を待たずに総合戦略の改定をされるところです。
この総合戦略では、人口に関する目標として、合計特殊出生率が2060年までに国民希望出生率とされる1.8程度まで向上、社会増減が2025年にプラス、いわゆる社会増となるように取り組み、これらにより2040年には約134万人、2060年には約119万人を確保することを目指すとされています。
そこで、まず1つ目の質問として、これらの目標に対する経過と実績はどうであったのか、また、実績を踏まえどのように総括されているのか、知事に伺います。
次に、2つ目の質問として、中でも、6月5日に厚生労働省から2023年の人口動態統計の概数が公表されました。それによりますと、1人の女性が一生のうちに産む子供の数の指標となる合計特殊出生率は全国では1.2であり、本県では1.38でした。総合戦略では、「合計特殊出生率が、2060年までに希望出生率の1.8程度まで向上するよう取り組みます」とあります。この結果を見てどう受け止めておられるのか、知事に伺います。
また、3つ目の質問として、人口減少の中で、とりわけ子供が今後も減っていくと予想される中で、どういったことに重きを置いて取り組んでいくのか、知事に伺います。
去る4月下旬、24日には、民間有識者でつくる人口戦略会議が自治体の消滅可能性の試算の結果を公表されました。全国744市町村で、2020年から2050年にかけて20歳から39歳までの若年女性人口が半数以下となり、将来消滅する可能性があると報告されました。
本県内では
消滅可能性自治体として2自治体、高島市と甲良町となる一方で、
自立持続可能性自治体として2自治体、守山市と栗東市となっています。
消滅可能性自治体という言葉にインパクトを受けたのは私だけではないと推察いたします。
4つ目の質問として、今回の人口戦略会議が公表した若年女性人口の減少を踏まえた試算結果についてどのように受け止めておられるか、知事に伺います。
本県の総人口は2023年で約140万6,000人。2013年の約142万人をピークに減少傾向にあります。その内訳を見ますと、社会増減は、2023年には日本人のみでは677人の減少であり、外国人を含んだ人数で見ますと2022年が1,555人の増加、2023年が12人の増加となっております。増加幅が小さくなっております。
県内の外国人人口は2023年末で約3.9万人となり、直近10年間で約1.6万人の増加となっています。
5つ目の質問として、外国人人口が増加している背景や状況をどのように捉えているか、知事に伺います。
我が国では1990年代から15歳から64歳までの生産年齢人口が減り続けており、これが労働力不足に直結し、外国人労働者の受入れが今後の社会経済を左右するような重要なテーマの一つであります。
政府では、
外国人技能実習制度に代わって、新たに育成就労制度の創設を決め、6月14日、参議院本会議で可決成立しました。育成就労法では、外国人が働きながら技術を学ぶこれまでの技能実習制度に代わる育成就労制度が新たに設けられます。この法律は2027年までに施行される見通しです。
技能実習制度は帰国を前提としていますが、今回の育成就労は、育てた人材が熟練労働者として日本に残り、働いてもらえる点に強みがあります。
6つ目の質問として、本県で働く外国人労働者のうち約5割、46.2%が製造業に従事しており、今回の育成就労制度の創設による本県への影響は大きいと考えますが、本制度に対する期待や課題について、
商工観光労働部長にお伺いします。
また、7つ目の質問として、今後、外国人人材の活躍がますます重要になると考えますが、課題や必要な取組について、知事に所見をお伺いいたします。
今後、全国的にさらに人口減少が進行することは明らかです。こういった中で、最後に8つ目の質問として、未来へと幸せが続く滋賀の実現に向けどのように進めていくのか、知事の所見をお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
○議長(有村國俊) 2番田中英樹議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)総合戦略につきまして、私には7点御質問いただきました。
まず1点目、現在の総合戦略の経過と実績および総括についていただきました。
現総合戦略で掲げる目標のうち、県内総人口につきましては減少が続き、2025年──令和7年の目途である140万8,000人に対して、総務省の統計によると、2023年──令和5年時点で140万7,000人と、既に下回っている状況にございます。
また、合計特殊出生率につきましても近年低下が続き、2023年──令和5年の実績は1.38と、2025年──令和7年の目途である1.65からは乖離している状況でございますが、社会増の維持につきましては、直近の2023年──令和5年の実績で12人の社会増と、目標を達成できている状況にございます。
コロナ禍の影響もあり、出生数の低下が加速している状況ではございますが、社会減の道府県が多い中で本県は社会増となっており、結婚、出産、子育ての希望を実現できる環境づくりや就労環境の充実などの取組に一定の効果があったのではないかと捉えているところでございます。
2点目、合計特殊出生率の低下についてでございますが、2023年──令和5年の本県の合計特殊出生率が1.38で過去最低となった事実は重く受け止めているところでございます。
一方で、子供を持つ、持たないといった選択は一人一人の価値観、人生プランに深く関わるものであり、子供を産むことを無理強いするようなメッセージを発していくことは慎まなければならないと考えており、同時に、子供を持つことに対するポジティブなイメージ、前向きな印象を醸成していくことも我々の重要な役割ではないかと考えているところでございます。
3点目、少子化が進む中での取組ということでございますが、重要なことは、主体としての子供一人一人が大切な存在だということ。数が少なくなってきたからこそ、一人一人の子供たち、子供が欲しい人たち、今まさに育てている人たち、子供のために頑張っている人たちを応援する社会の仕組みをつくることが重要だと考えております。
その上で、子供を産み育てたいと希望している人が何らかの事情によりその希望をかなえられていないとするならば、その希望を諦めなくても済むよう、引き続き全力で希望をかなえられる環境づくりに注力してまいりたいと存じます。
4点目、人口戦略会議の試算結果についてでございますが、今回の分析レポートは、20歳から39歳の若年女性に注目した上で、独自の視点、仮定に基づき将来の可能性を示されたものであり、一つの重要な討議材料として受け止めておりますが、その試算結果をもって
消滅可能性自治体といった強い言葉で表現することは、当該自治体に対してネガティブなイメージを与えるのではないかと憂慮する面もございます。
同時に発せられた共育、共に育てる、共同養育、ともいく社会づくりというメッセージは強く共感するところでもございます。
次に、5点目、外国人人口が増加している背景、状況についてでございますが、本県の外国人人口は、令和5年──2023年12月末時点で過去最多を更新いたしました。また、県内で働く外国人労働者数も、令和5年10月末時点で2万4,791人と、過去最多となっております。
コロナ禍以前の令和元年──2019年には、就労目的で在留が認められている方が全体の約27%でございましたが、直近の令和5年──2023年には約33%となりました。その内訳は、多い在留資格順に、技能実習が5,743人、技術、人文知識、国際業務が4,617人、特定技能が2,519人となっており、本県の経済を支える人材の増加が外国人人口増加の一因となっているという、こういう状況がございます。
6点目、外国人材の活躍推進、その課題、必要な取組等についてでございますが、様々な背景を有する外国人材が能力を十分に発揮し活躍するためには、言葉や習慣の壁に配慮し、寄り添った支援が必要だと考えます。
このため、本県では、
外国人材受入サポートセンターにおける相談支援や、日本語と
コミュニケーション能力向上を図る講座を実施しているところでございます。
地域社会や経済の持続的な発展のためには、外国から就労目的で来られた方々を、単なる労働力ではなく、地域を支える県民の一員として迎え入れ、活躍していただく多文化共生社会の実現が必要であると考えているところでございます。
7点目、今後の取組方針についてでございますが、新たに策定する人口ビジョンでは、結婚、出産、子育ての希望を実現できる環境づくりの充実や、県内外から選ばれる滋賀を目指す取組により、生み、育てること、人を呼び込むことの両方にアプローチすることに加えまして、人口が減少してもなお持続可能な地域をつくることを取組の方向性としてお示ししているところでございます。
人口減少には様々な課題がある一方、既存の価値観を見直し、社会の在り方を変革する好機でもあると認識しており、人口増加時代には得られなかったものを享受する視点も持ち、包摂性と寛容性を持った社会をつくることや、様々な負担を社会的に分かち合っていくことも含め、子育てや子供との関わりに前向きな印象を持てる働きかけも大事にしながら、人口減少が進む中でも、未来へと幸せが続く滋賀の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
◎
商工観光労働部長(林毅) (登壇)8点の質問のうち、私への1点の質問にお答えをいたします。
育成就労制度についてでございますが、育成就労の在留資格は、就労を通じた人材育成および人材確保を目的として新たに創設されたものでございます。
外国人材のキャリアアップの道筋が明確化され、労働者としての権利が適切に保護されるなどの制度改正によりまして、長期にわたり産業を支える人材の確保につながることが期待されるところでございます。
一方で、より待遇のよい都市部との人材獲得競争が激しくなることなどの懸念もございまして、今後の国の制度設計等の動向を注視してまいりたいと存じます。
◆2番(田中英樹議員) (登壇)御答弁いただきました。何点か再質問させていただきたいと思います。
まず、社会増減の状況において、年齢階級によって転入超過、また、転出超過があると思いますが、そうした特徴を捉えた年齢階級別に見た取組も重要であるかと思いますが、その点について現状と必要な取組について、知事にお伺いしたいと思います。
次に、世界での人材獲得競争が生じる中で、円安の影響等により日本の魅力が低下しているとも言われています。また、育成就労制度の創設により、地方から都市部への人材流出が懸念されていることなどもお聞かせいただきました。
そういった中で、滋賀が選ばれるよう取り組む必要があると考えますが、
商工観光労働部長に所見をお伺いします。
◎知事(三日月大造) 年齢階級別の転入超過、転出超過についてでございますが、本県では20歳から24歳の若者が男女ともに転出超過となっておりますが、30代以上のいわゆる子育て世代の転入超過は続いており、結果として本県は全国でも数少ない転入超過の県となっており、滋賀が子供を産み育てやすい地域として一定評価していただいている結果がこの数字に現れているのではないかと考えております。
引き続き、子育て支援や働く場の創出など子供を産み育てやすい環境づくりや若者の選択肢を増やすこと、訪れる人、関わる人の創出などに取り組み、選ばれる滋賀を目指した取組を総合的に進めていきたいと考えております。
◎
商工観光労働部長(林毅) 選ばれる滋賀となるためには、働きやすさ、住みやすさといった面から、外国人が安心して働ける環境づくりが重要であると考えているところでございます。
本県では、外国人材向けに日本語や
コミュニケーション能力向上を図る講座を実施するほか、受入企業の日本人社員を対象に、外国人材との円滑な
コミュニケーションの取り方を学び、活躍や定着につなげるための研修を実施するなど、効果的な
コミュニケーションの確保に努めているところでございます。
こうした取組とともに、滋賀が外国人の皆さんにとって安心して働ける環境であることを広く発信することによりまして、選ばれる滋賀を目指してまいりたいと考えております。
◆2番(田中英樹議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
先ほどから合計特殊出生率のお話をさせていただいたんですが、2023年の厚生労働省の発表によりますと、この6月5日に発表されたんですが、先ほどから滋賀は1.38であると、都道府県で一番合計特殊出生率が高いのが沖縄の1.6であると、最下位が東京で、1を切って0.99であるということでございますが、その中において国民の希望出生率が1.8というふうな設定をされているわけなんですが。
また、総合戦略の中でも見直しが行われるかと思いますが、今回の現総合戦略を独立させた滋賀県人口ビジョンの素案を見てますと、県総合戦略では人口に関する目標として、2040年には134万人が131万人、2060年には約119万人が113万人を確保することを目指すと仄聞しますが、早期の改定は人口ビジョンに対する乖離が生じたのか、そしてまた、希望出生率の減少と実際の合計特殊出生率の乖離について、もう一度知事にお伺いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) 先ほども答弁させていただきましたとおり、人口は想定を上回るスピードで減少してきております。とはいえ、これは一定不可避だと考えますが、できるだけ減少のスピードを緩めるということと併せて、減少してもなお持続可能な地域づくりを進めていく、そのために、関わる人を増やす、また、若者の希望をかなえる、さらには、様々な産業面でも観光面でも選ばれる滋賀をつくっていく、こういう取組を着実に積み重ねていきたいと思っております。
また、後段お尋ねいただいた希望の出生率とそして現実の出生率の間に差があるではないか、ここは我々も大変重要なところだと思っておりまして、そのためにも、希望がかなう、それぞれのカップルであれ人々の希望がかなうという、こういったことが重要だと考えておりますので、様々な要素はあると思います。教育的なこと、経済的なこと、働いてもなかなか結婚して子供を持てる収入が得られないというようなことごともあろうかと思いますので、総合的に捉えながら進めていくということが肝要だと思いますので、このあたり、注意深く見ながら、これからの施策に活かしていきたい。
また、併せて、そういったことが可能になるためにも、ジェンダーはじめ、様々なこれまで大事だと言われてきた少し固定的な観念、こういったものも見直しながら、包摂性、寛容性のある社会をつくっていくということも重要なのではないかという視点で、様々な投げかけをさせていただいているところでございます。
◆2番(田中英樹議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
まさにその希望出生率と合計特殊出生率の差を縮めるためにいろんな政策を考えていただかないといけないというふうに思いますし、今その乖離が逆に広がっていっているのかなというふうに私は感じますので、ぜひぜひ本県としても出生率を上げていただくようにお願いしたいと思います。
転入、転出のお話をさせていただいたんですが、実際には県外から転入していただいてる方が増えているということでありますが、県内市町に目を向けますと、例えば私の住む栗東市におきましては、合計特殊出生率が1.92というデータがあります。一番低いのは草津市が1.37。これは先ほどの1.38のちょっとデータとは合わないんですが、調べてるとこが違うというか、年度が違うということやと思うんですが、そういうふうな情報もあります。
こういった中において、私の住む栗東市においては合計特殊出生率は高いんですが、若者世代、20代から30代ぐらいの転出が非常に多いというふうな結果が出てて、もちろん関東のほうに行かれる方もいらっしゃったりとかしますが、ちょうど結婚して第1子を産む、結婚して住むんだったら栗東市というのを選んでいただいているのかなというふうには思ってますが、子供が例えば2人目が生まれると、ちょっと今住んでるとこ、借家であったりするのかもしれないですが、そういった方の新たな住まいを求めようと思うと、栗東以外を選ばれてるのが非常に多いというふうな傾向が出てるというふうに思います。
実際今のこれで見ますと、草津市なんか人口がどんどん増えてるいうとこで、栗東市も微増してたりとか現状維持してるような状態だと思うんですが、そういった県内の中の人口のこの移動が非常に多くて、できるだけ便利のいいとこ等を選ばれてるのかなというふうに仄聞するところではございますが、そういったとこら辺の各市町差ももちろん出てきてですね。
市長はいつも北部振興やということをおっしゃっていただいてますが、(発言する者あり)失礼、知事、知事でございます。そういった中で、失礼しました。しっかりと今後もそういうことを見据えた中で、南部のほうでもそういうことが実際起こってるんで、そういうことも見据えて今後そういうふうな施策を考えていただきたいなというふうに思います。
今、冒頭お話しさせてもらった人口減少を見据えた未来へと幸せが続く滋賀総合戦略は、次の時代をしっかりと見据えた取組を通して、世界から選ばれる滋賀を目指すというふうにあります。
実際、先ほどからお話ありましたとおり、円安の影響もあるのかもしれませんが、外国人の方が日本を選んでくれる国も少なくなっているような、そういうふうなデータもありますので、また、一人一人が自分らしく健康で幸せを感じながら滋賀の地で安心して暮らすことができ、また、社会や産業の仕組みが変わる中であっても、新しい時代に対応した働き方を通じて、それぞれの夢や希望をかなえられ、一緒に地域づくりを担っていく、そんな活力ある社会を目指されていると思います。
今回の改定で新たに策定する人口ビジョンにおける取組の方向性として、結婚、出産、子育ての希望を実現できる環境づくりや、先ほどお話もありました、ジェンダーギャップのお話もあります、の解消、誰もが働きやすい就労環境の充実、さらには、子供を真ん中に置いた社会の実現に向けて取り組まれるということでございます。
若い世代の大都市圏等からの転入者のさらなる増加に向け、子育て支援や働く場の創出など子供を産み育てやすい環境づくりや、訪れる人、関わる人の創出に取り組むと。また、これらの基盤となる豊かな自然環境の保全再生、活用、住み続けたいと思えるまちづくり、自分らしさが大切にされ、誰もが活躍できる共生社会の実現など、選ばれる滋賀を目指して取組を進めるとあります。
地域産業を支える人材の育成、確保、デジタル技術を活用した暮らしをより豊かにする新たな価値の創造、人口減少社会に適したまちづくりの推進など、人口が減少しても持続的な地域をつくる取組を進めるともあります。
ということですので、県民が幸せで、滋賀に誇りを持って、いつまでも住み続けたい滋賀にしてまいらないといけないというふうに思いますが、最後に、市長。知事。失礼。申し訳ございません。何かお言葉があればいただいて、最後の質問としたいと思います。
◎知事(三日月大造) いや、今私が言いたいなと思ったこと全部議員がおっしゃっていただきましたので、返す言葉、共有できてるなと思ってお返しする言葉がないんですけど、冒頭お触れいただいたそれぞれの市町の中にも差があって、必ずしも市総体で人口が増えてるからといってそうではなくて、増えてるところ、減ってるところがあるということですとか、年代ごとに見ると、様々な入りが多いところ、そして出が多いところがありますので、そういったところにニーズを把握しながらきめ細やかな施策を打っていく、また、市町と連携しながら様々な諸施策をつくっていくということが重要だと思いますので、今回改定を機に様々な対話を行いましたが、引き続き、これから夏のいろんな市町との対話なんかも始まってまいりますので、よく伺いながら、今後のまちづくり、滋賀づくりに努めていきたいというふうに思います。
◆2番(田中英樹議員) (登壇)よろしくお願いします。
終わります。(拍手)
○議長(有村國俊) 以上で、2番田中英樹議員の質問を終了いたします。
次に、23番重田剛議員の発言を許します。
◆23番(重田剛議員) (登壇、拍手)おはようございます。
この後、我が会派の奥村代表が質問いたしますので、しっかり露払いができるように質問させていただきたいと思います。
自転車の安全走行について伺います。
自転車の交通違反に反則金を納入させる、いわゆる青切符による取締りの導入を盛り込んだ改正道路交通法が、本年5月17日の参議院本会議で全会一致で可決成立いたしました。
改正法は、自転車が関係する事故が増加傾向にある中、車やオートバイと同様、交通違反に対して反則金を納入させる、いわゆる青切符を導入するもので、16歳以上を対象に適用され、113の違反行為が対象となります。このうち、信号無視や一時不停止、携帯電話を使用しながらの運転など、重大な事故につながるおそれのある違反について重点的な取締りが行われることになります。
また、これまで罰則の対象外だった自転車での酒気帯び運転について、3年以下の懲役、50万円以下の罰金が設けられました。反則金制度を導入する背景には、自転車に関係する事故が増加する中で、実効性のある取締りをする必要があったためということです。
まず初めに、本県の交通事故の発生状況について、警察本部長に伺います。
○議長(有村國俊) 23番重田剛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎警察本部長(中村彰宏) (登壇)お答えいたします。
令和5年中の交通事故につきましては、発生件数2,767件、死者数43人、傷者数3,375人となっております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)このうち、自転車の関係する事故について、警察本部長に伺います。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
令和5年中の自転車事故につきましては、発生件数516件、死傷者数504人となっており、自転車条例、滋賀県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例でございますが、自転車条例が施行された平成28年と比較いたしますと、発生件数は282件、率にすると35.3%の減少、死傷者数は288人、率にすると36.4%の減少となっております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)減少しているわけなんですね。
また、2023年4月から、自転車に乗る全ての人にヘルメットの着用が努力義務化されることになりました。
本県のヘルメット着用状況について、警察本部長に伺います。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
令和5年中における自転車事故の死傷者数504人のうち、ヘルメットの着用者数は86人となっており、着用率17.1%となっております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)ちょっと全国平均よりはいいんですかね。全国13%ぐらいだと思うんですけど。
そのうち、中高生のヘルメットの着用状況について、警察本部長に伺います。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
令和5年中に自転車事故で負傷した中高生のヘルメット着用状況につきましては、中学生は、傷者数52人のうち着用者が33人、着用率63.5%となっており、一方で高校生は、傷者数91人のうち着用者数が6人、着用率6.6%となっております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)県民の皆様にヘルメットの着用をどのように周知しておられるのか、警察本部長に伺います。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
県警察におきましては、ヘルメットの着用を促す啓発動画をテレビCM、免許センター等のデジタルサイネージ、SNS等で発信をしております。
また、学校における交通安全教室、関係機関と連携した街頭啓発、着用を推進するモデル事業所の認定などを行い、幅広い年齢層に対してヘルメットの着用を呼びかけております。
ヘルメットの着用は被害軽減効果が高いということがございますので、義務だからということではなく、自分の命を守るために着用していただきたいと考えておりまして、引き続きヘルメット着用の重要性を周知してまいりたいと考えております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)いいことをおっしゃいますよね。義務じゃなくて命を守るため。自転車事故の半数ぐらいは頭部を打撲してというのを出てますんでね。
それでは、本県の子供たちの自転車通学時のヘルメット着用状況について、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。
まず、中学生の通学時のヘルメット着用率につきましては、市町の教育委員会としてヘルメットの着用を義務づけられているところもあり、また、各学校の校則による指導もございまして、かなり高い率になっているものと認識をいたしております。
一方、県立高校の高校生のヘルメットの着用率は、昨年6月に調査いたしましたところ、1.6%と令和2年の調査の0.2%に比べまして増加はしているものの、まだまだその必要性の理解が進んでいないものと認識をしておりまして、これは今後の課題の一つであると考えております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)中学生の通学を見てると、ほとんどの子供たちがヘルメットを着用してるんですけどね。高校生がヘルメットかぶってるのってなかなか見たことがないので、1.6%ということは60人に約1人。令和2年は0.2%ということは1,000人に2人ですよね。
この状況をどのように捉えておられるのか、教育長に伺います。
◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。
高校生自身が交通事故の危険性などをより自分ごととして捉え、そして自分の命は自分で守るという意識を高め、自らの意思で着用することになるような働きかけが必要であると考えているところでございます。
昨年度は、県立高校2校をモデル校といたしまして、生徒の視点を活かした啓発を進めまして、その成果をポスターとして作成し、これを県内全ての学校に配布し、生徒の意識づけに努めたところでございます。
今年度につきましては、このモデル校を新たに3校設定いたしまして、モニター活動を通して、生徒の意思や主体性を活かした取組を広報いたしまして、生徒自らが自分で自分の命を守る意識を高め、行動化につながるよう啓発をする予定でございます。
◆23番(重田剛議員) (登壇)警察庁によりますと、2023年の、交通事故の発生件数はずっと減少してたんですけど昨年は増加に転じているという一方の中で、自転車が関係する事故が全国で7万2,339件あったと。この中で死亡が344名、重傷者が7,117人、このうち約70%以上に当たる人が、自転車側に前方不注意や信号無視、一時不停止といった交通違反が確認されたという結果も出ております。
高校生、おしゃれをしたい年頃で、気持ちも分かるのですが、先ほど警察本部長の答弁にございましたように、やはり命には代えられませんので、しっかりと着用してほしいと思います。また、高校生、学校でもしっかり指導を行うようにお願いしておきます。
最後に、県内の自転車に関する交通事故を防止するために、ビワイチを進めてもおられる知事に、どのように取り組んでいかれるのか、知事に伺います。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
自転車は、子供からシニア世代まで幅広い層が利用することから、事故の防止には全ての世代への交通ルールに関する啓発活動が重要であり、本県では、自転車安全利用指導員による講習や街頭啓発などを継続的に行ってきたところでございます。
また、自転車が安全に走行できるよう、路肩拡幅や自転車通行帯のハード整備などにも取り組んでいるところでございます。
さらに、事故に遭った際、お取り上げいただいたように、被害を防止、軽減するにはヘルメットの着用が不可欠であり、その促進策につきましては、先ほど警察本部長や教育長から答弁させていただいたところでございます。
今後も、交通安全協会などの関係団体と連携いたしまして、自転車の事故防止はもとより、大切な命を守るヘルメットの着用が当たり前となる社会の実現を目指して取り組んでまいりたいと存じます。
◆23番(重田剛議員) (登壇)大切な命を事故でなくさないように、しっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、次に、北部振興と地域交通について伺います。
本県は人口減少が最小に推移していますが、北部地域の減少幅は大きく、深刻な問題であります。
本県の人口動態について、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) (登壇)お答えいたします。
滋賀県推計人口年報により本県の人口を直近10年間の動向で見ますと、2013年には約141万7,000人でございましたが、2023年に約140万6,000人と約1万1,000人減少し、その増減率はマイナス0.8%という状況でございます。
◆23番(重田剛議員) (登壇)それでは、本県北部地域の人口動態について、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
同様に滋賀県推計人口年報により2013年から2023年の10年間の県北部地域の人口動態を増減率で見ますと、長浜市がマイナス9.0%、高島市がマイナス12.5%、米原市がマイナス8.1%でございまして、全県の増減率がマイナス0.8%でございますので、北部地域の人口減少が先行しているというふうになっております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)本県北部地域の人口減少対策としてどのような取組をされているのか、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
先ほどお答えいたしました状況を踏まえまして、令和5年度から、移住者や関係人口の増加を目標といたしまして、北部3市と連携の下、地域資源や地理的特性を生かした振興策である北の近江振興プロジェクトに取り組んでいるところでございます。
このプロジェクトでは、大学生、高校生に農山村体験のプログラムを提供するしがのふるさと応援隊事業や、県外で開催される移住フェアへの出展、首都圏での県北部地域の魅力発信などを実施しております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)以上の取組の実績を総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
昨年度実施いたしましたしがのふるさと応援隊事業では、北部3市の中山間地域での農山村体験プログラムに県内外の大学生、高校生13名が参加し、農作業体験や地域との交流会などを通じて地域との絆を深めていただきました。
北部3市と連携して出展した名古屋市での移住フェアでは、延べ34人の来場者から相談を受けたところでございます。
また、「ここ滋賀」での魅力発信といたしましては、北琵琶湖まつりを開催し、市や団体、事業者などと共に特産品や食材、歴史文化、移住先としての魅力などをPRいたしました。
さらには、北部地域で学ぶ高校生が卒業後も地域に関わっていただくことを目的に開催いたしました高校生サミットでは、北部地域全9校の高校生が、市や企業、地域の方々と関わりながら、地域資源や魅力、課題などを探り、研究成果や提案を発表いただいたところでございます。
◆23番(重田剛議員) (登壇)北の近江振興プロジェクトの目標に、移住プラス地域とつながる人、関係人口を3,000人増やすとか、こういう目標を掲げておられるんですけど、本県北部地域の移住促進や関係交流人口を増加させるための条件を総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
昨年度の県政世論調査において、「県北部地域に住んでみたい(住み続けたい)と思うための必要なこと」についてアンケートを行いましたところ、交通の利便性や自然の豊かさ、生活や子育てのしやすさが上位となっておりまして、子育てを含む生活基盤の充実や緑豊かな生活環境などが重視されていることが分かります。
また、「県北部地域に訪れたくなるもの」として、「風景・自然」や「美味しい食べ物」「歴史資源・文化遺産」の割合が高いことから、北部地域が有する豊かな地域資源や文化を活用し、より多くの人に北部地域の魅力を知っていただくことが大切だと考えております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)それでは、世間一般的に、全国的に、人が住みたいと思えるまちの条件について、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
人がそのまちに住みたいと思う条件は、それぞれの価値観、ライフスタイルなどにより様々なため、一概に断定することは難しいと思いますけれども、例えば、日常生活で必要な施設やサービスが充実しているか、公共交通機関などの移動手段が整っているか、子育てしやすい環境が整っているか、公園や自然環境が近くにあり心地よい生活が送れるか、コミュニティや就労環境などを活躍できる場が整っているか、治安がよく安心して暮らせるかなどが、住みたいまちを考える際にポイントになるのではないかと考えております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)民間の調査会社、いろんなところが調べてるんですけど、住宅メーカーもそうですけど、住みやすいまちの条件として、今、部長が答弁くださったように、まず、公共交通機関が充実している、駅や主要な施設へのアクセスがよい、それから、商業施設が充実している、お買物ができる、子育て環境、医療が充実、そして、滋賀がそうですけど、災害が少ない、治安がよい、そして、今自然環境と、大体この辺のところがどこを調べても大体選ぶところに入っている項目なんです。
それでは、本県北部地域の課題について、総合企画部長に伺います。
◎総合企画部長(松田千春) お答えいたします。
北部地域では、過疎地域を多く抱えるとともに、高齢化や人口減少がほかの地域より先行しております。
高齢化の進展や生産年齢人口の減少に伴いまして、中小企業の後継者や地域コミュニティを維持するための担い手不足などが今後より深刻化することが課題と認識しております。
また、公共交通機関は地域の血管とも言える重要なインフラでございますが、特に子供や高齢者など、移動手段として自ら自動車を使用できない人たちの生活を支えるために、維持、活性化を図ることも重要と考えております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)県北部地域のJR線の運行本数が少ないこと、減便もされてますし、それから、湖西線の強風による度々の運休など、交通の課題も多いように思います。
私の知人が近江八幡駅からICOCAを利用して名古屋へ行かれたときに、名古屋駅の改札でICOCAをタッチするとエラーが出て驚いたと話してくれました。知人は名古屋駅でも普通に利用できると思っていたらしく、そのとき初めて利用できないことを知ったようです。
例えば、ICOCAを利用してJR西日本エリアのそこの大津駅から乗り、JR東海エリアの同じ県内の醒ケ井駅で降りようとするとエラーになるわけです。同じ県内の駅でありながら、JR西日本エリアと東海エリア間でICOCAのまたぎ利用ができないのです。皆さん御存じでしたか。北の方、そうでしょう。私もお話を伺うまで知りませんでした。
JR西日本エリアと東海エリア間でICOCAのまたぎ利用ができない現状を承知しておられるのか、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(波多野真樹) (登壇)お答えします。
現状、ICOCAをはじめとする交通系ICカードについて、定期券区間内の利用を除いては、JR西日本とJR東海の各社のエリアをまたいで利用することができないという現状は承知しております。
これは交通系ICカードを常用する多くの利用者に不便を強いるものであり、従来から課題であると認識したところでございます。JR各社に対して、改善に向けた要望を現在行っているところです。
◆23番(重田剛議員) (登壇)土木交通部長の神戸はICOCAで行けるんですよ。
またぎ利用ができない利用者が現にどのような対応を強いられているのか承知しておられるのか、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(波多野真樹) お答えします。
JR各社の管轄エリアをまたいで乗車する場合は、あらかじめ乗車駅にて降車駅までの切符を購入するよう案内がなされているところです。
また、交通系ICカードを用いて乗車し、エリアをまたいだ先の駅で降車する場合は、降車駅の改札口係員または車掌に申し出て、必要な精算処理をしてもらうこととなっております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)昨日も米原駅で降りたんですけど、大垣行きとか言って案内は入るんですけど、ホームと時間の。そんな放送、なかなか入らないんですよね。
それでは、県内のJR東海の駅には無人駅もありますが、係員対応ができない状況もあることを承知しておられるのか、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(波多野真樹) お答えします。
県内にはJR東海管轄の在来線の駅が、醒ケ井駅、近江長岡駅、柏原駅の3駅、3つございます。
うち、近江長岡駅は令和6年2月から無人駅となりましたが、ICカードの精算などを遠隔処理できるテレビ電話つきの券売機が設置されています。
一方、醒ケ井駅および柏原駅においては係員が常駐されていますが、夕刻以降は不在となっていると伺っております。
◆23番(重田剛議員) (登壇)そうなんですよね。醒ケ井と柏原は人はおられるんですけど、これ、米原市が費用負担してシルバー人材センターに乗車券の発売業務を委託しておられて、おられる時間も、醒ケ井駅が朝の7時半から夕方の6時半まで、それで、柏原駅は7時35分から夕方の5時5分までというふうになってるんですよね。
それでは、またぎ利用ができない理由を承知しておられるのか、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(波多野真樹) お答えします。
JR各社からは、自動改札機で管轄エリアを越えたまたぎ利用に対応するためには、大きなデータ処理を伴う運賃計算が必要となり、システム面や運用ルール面で課題があるというふうに聞き及んでおります。
◆23番(重田剛議員) (登壇)住民や観光客の利便性向上のため、ICOCAのまたぎ利用の実現に向けて、県としてできることはないのでしょうか、土木交通部長に伺います。
◎土木交通部長(波多野真樹) お答えします。
まず、エリアをまたぐ定期券につきましては、従前からの改善要望が実を結び、令和3年3月より彦根─大垣間において交通系ICカードでも発売され、通勤通学利用者などの利便性が向上したところでございます。
JR西日本によれば、定期券以外のまたぎ利用については、現在のところ具体的な計画はないが、実現に向けた勉強は行っていきたいとのことであります。
今後とも、北部地域はもとより県内全域の公共交通の利便性を高めるためにも、またぎ利用について改善がなされるよう、今後も粘り強くJR各社へ働きかけてまいります。
◆23番(重田剛議員) (登壇)この議会でも何度も出てますが、現在、路線バスでICOCAが利用できて、鉄道で利用することができない近江鉄道線も、令和7年度からICOCAの利用は可能になると私は仄聞してたんですが、この議会で厳しいのかなというような返事もありました。醒ケ井駅、近江長岡駅、柏原駅、この3駅を利用される住民や、それから、京阪神から観光などで来られる方々にとっても、そんな不便やったらちょっと行かんとこかなっていう敬遠される要因の一つになるように私は思われます。
高速道路のETCは、NEXCO東日本、中日本、西日本、どこでも、これ、利用できるんですよ。瞬時に料金、ぱっと出ますしね。そういうふうにならないものかなと私は思っておりますし、ぜひとも改善をしていただきたいと思います。
駅の無人化やダイヤの減便がされれば安全性や利便性が損なわれることがあるため、県民に影響が出ないよう、対応をしっかり行っていただきますようお願いしときます。
北の近江振興プロジェクトに掲げる、住み続けたくなる還りたくなる北部、挑戦する若者が育ち、集う北部、訪れたくなる北部の実現のためには、強風で度々運休する湖西線、県北部地域の減便、醒ケ井、近江長岡、柏原3駅のICOCAのまたぎ利用の問題など、JR線の課題解決が重要であると考えます。
最後に、滋賀地域交通ビジョン、令和6年──本年3月策定で示す滋賀県が目指す地域交通の姿に、誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通の実現を目指しておられる知事の決意を伺います。
◎知事(三日月大造) お答えします。
お取り上げいただきましたように、地域振興のためには、とりわけ県で今取り組んでおります北部地域の振興のためには、こういった交通の問題、これは大変重要な課題だと捉えております。
御指摘いただいた自然災害、風等で度々止まるという湖西線の問題、また、一定駅以北が減便されるという問題ですとか、そして、JR東海、JR西日本のエリアをまたぐとICカードでスムーズに乗り降りできないという、こういった問題はそれらを阻害する、また、こういったところに住みたいという気持ちをそぐ、そういった課題になっているということは認識いたしますので。これは一つのJRになった副作用といいますか、会社が違うがゆえの非常に大きな問題だと私も捉えております。
これまでも、申し上げてきたつもりではあります。定期は一定改善されたということでございますが、一般利用の方が切符を買わないと、もしくは精算していただかないと降りられないというようなこと、これらをぜひ改善できるように、私たちもしっかりと取り組んでいきたいと存じます。
また、こういった課題についても、今月からそれぞれの地区で開催されますワークショップ等でもみんなで共有しながら意見としてまとめ、これらを会社等につなぎながら、できるだけ早く改善につながるよう努力をしてまいりたいと存じます。
◆23番(重田剛議員) (登壇)ありがとうございます。
本庁にもこの3駅の中から通勤されて、県民のために日々頑張ってくださってる職員さんもおられますしね。名前は言いませんけど。知事にはJRに対して強く要望していただきますようお願いいたします。
先ほど知事も少しおっしゃってくださいましたが、滋賀の未来の地域交通について考えるワークショップも、今月13日の米原市役所で開催される湖北地域を皮切りに、県内6地域で行われるようであります。豊かな自然のある北部地域が内外から魅力あるまち、地域になることを願って、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(有村國俊) 以上で、23番重田剛議員の質問を終了いたします。
次に、34番奥村芳正議員の発言を許します。
◆34番(奥村芳正議員) (登壇、拍手)知事の標語ならびに政治姿勢について、分割方式で知事および総務部長に伺います。
1年間議長を務めさせていただきましたので、1年以上空けての質問となります。
私は昨年2月にシン・ジダイについて質問をさせていただきました。シン・ジダイは、昨年県議会で初当選された議員の皆様にはなじみのない言葉かもしれませんが、知事が昨年の新年の挨拶、そして2月定例会議の提案説明で発言された標語であります。
新型コロナの影響やリモートワークの普及などにより社会の価値観や働き方が大きく変化する中で、未来の様々な滋賀の在り方をシン・ジダイを担う子供、若者たちと共に描いていこうという意気込みが伝わり、新しい豊かさの創造と相まって、よい標語であったと思っているところであります。
しかしながら、今年は「ともに生きる」となりました。共生社会づくりは重要であり、否定するものでは全くありませんが、私の気に入っていたシン・ジダイは1年で消えてしまいました。
ちなみに、知事が連合長を務めておられます関西広域連合の標語はずっと変わらず、「関西から新時代をつくる」であります。
令和に入ってから健康しがや卒近代、シガリズム、シン・ジダイ、ともに生きる、これに基本構想の基本理念「変わる滋賀 続く幸せ」なども加わって、県民の皆さんも全くついていけないのではないでしょうか。
特にシガリズムについては、今は観光の標語に成り下がっております。正直なところ、変え過ぎと考えております。また、標語の総括ができていないままで新たな標語が出てきているのではないかとも思っております。
そこで、まずは、昨年の標語、シン・ジダイについて検証をしていきたいと思います。
ちなみに、シン・ジダイを分かっておられない方に説明をさせていただきますと、シン・ジダイは片仮名表記であり、シンには新しいの新、一歩先に進むの進、未来に伸びるの伸、一本芯が通ったの芯、こころの健康重視の心、みんな仲よく親しくの親、本当の意味、真実の真、探究、深めるの深など多くの意味とともに、これから新しい時代を切り拓いていくのは滋賀県にいる私たちという知事の思いも込めて表現されておられます。表現が皆様が思い浮かべておられる漢字の新時代とは違う、非常に凝ったものであります。
ちなみに、関西広域連合の新時代は普通の漢字であります。
まず、新しいの新についてでありますが、新しい豊かさ研究会をつくり、新たな指針づくりを検討するとされていたところであり、知事は、根源性と先進性と長期性は追求したい、新しい豊かさの中で健康しがを追求していきますが、先を見通しながら、さらに何が必要なのか、大切にすべきなのかということを、知事だけでなく、行政だけでなく、世界の最高の知見もできれば取り入れながら、何か見いだすことができないか考えている旨答弁されましたが、1年が経過して方向性が見えてきたのでしょうか、知事に伺います。
次に、未来に伸びるの伸として、「子ども、子ども、子ども」を挙げられておられます。この中で最重要政策課題の一つとして少子化の克服があります。
去る6月に厚生労働省が令和5年度合計特殊出生率を公表しましたが、全国平均で令和4年1.26から1.20に0.06ポイント低下しました。本県では1.43から1.38へ0.05ポイント低下、東京に至っては衝撃の0.99と、1を切ったとのことであります。
一方、平成26年5月に日本創成会議が消滅可能性都市を発表してから10年がたちましたが、去る4月に民間の有識者を中心として構成する人口戦略会議が国立社会保障・人口問題研究所の推計を基に、20代から30代の女性の数、若年女性人口の減少率を市区町村ごとに分析されたことを公表されたとのことであります。
その結果、2050年までの30年間で若年女性人口が半数以下になる自治体は全体の4割に当たる744であり、これらの自治体は、その後、人口が急減し、最終的には消滅する可能性があるとしています。
その中で、滋賀県は、高島市と甲良町の2自治体が
消滅可能性自治体として分類されています。平成26年の消滅可能性都市は竜王町、多賀町、甲良町でしたが、今回、竜王町、多賀町が外れた一方で、高島市が新たに入ることとなりました。
日本創成会議の発表から消滅可能性都市をなくすため、地方創生の取組を県でも懸命に行ってこられたところであると思いますが、町ではなく市が加わったことは衝撃であります。
高島市長は、若年女性の推計だけで消滅の可能性があるとされたことは心外とのコメントを出されたと仄聞しておりますが、出生数は若い女性の人口の増減に影響されることは、前回の質問でも指摘させていただいたとおりであります。
1年前は、県全体で若年女性数の推移についてただしたわけでありますが、県全体では現在は増えているものの、地域別では県西部地域の減少が特に著しいことが今回の報告で顕在化していると思われます。
県西部地域の地方創生や少子化対策については、これまでから高島市と連携されており取り組んでおられるかと思いますが、現在の取組状況について知事に伺います。
また、人口戦略会議の報告を受けて、今後、西部地域に対してどのような対策をされようとしているのか、知事に伺います。
一方、1年前にも、少子化対策に係る知事の決意をただしたところではありますが、この報告を受けて、改めて知事に伺います。
親しいの親として、世界とのつながりについて前回ただしたところであります。
第4、第5の友好交流提携先の可能性を探ることについて、昨年3月の時点では具体的に考えられていない旨答弁をされていますが、その後の検討状況について知事に伺います。
特に、真実の真とこころの心の文字2つを組み合わせた真心の籠もったおもてなしとして、観光について伺います。
外国人観光客をコロナ以前より増やすことの知事の意気込みを尋ねましたが、コロナ以前と比較して昨年度どの程度増えたのか、さらに増やすための考えについて知事に伺います。
次に、今年の標語「ともに生きる」について伺います。
2月定例会議の提案説明において、今を共に健やかに生き、世界とともに、水とともに、共に明日を生きるためともに生きるを大事にしたいと表明されたところであります。
しかしながら、「ともに」は文法的には品詞として副詞のため、標語としてはあまり印象に残っていないような気がいたしますし、事実、私も提案説明の中で、今年の標語と気づかずにきました。
また、この「ともに生きる」は新年の挨拶ではなかった言葉であります。能登半島地震などを受けて、被災者に寄り添うなどの心境があったのか定かではないのでありますが、今年の標語として「ともに生きる」を選ばれた背景について知事に伺います。
いまだに続いているロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルの紛争、地球温暖化、地震、感染症など、世界全体としても我が国としても課題が山積しております。
特に、能登半島地震がまさかの元旦に発災し、震度7の激しい揺れによる建造物の倒壊、津波、土砂災害、大規模火災などの多大な被害が石川県を中心とする広い範囲にもたらされたところであります。
発災から半年が経過しましたが、これから暑い夏本番であり、住民の自宅を失った方にとりましては、仮設住宅に入れない方々等への生活再建対策のほか、仮設住宅に入られた方に対しても、災害関連死や孤立を防ぐ対策も課題となっております。
こうした自然災害が起きても、被害を最小限にとどめ、迅速な回復を成し遂げるためには、災害の影響を適時かつ効果的に防護、吸収し対応するとともに、しなやかに回復する能力を高める施策をさらに講じていくことがあります。
また、新型コロナ感染症の拡大は、国民の健康と社会経済活動に多大な影響を及ぼすところであります。したがって、感染症に対しても、自然災害に対する備えと同様の備えをしていくことが求められています。
このような中で、当県議会では、複合災害など様々な緊急事態に対処するため、災害や事態の種別に関わらず総合的に指揮監督する権限を持つ危機管理体制を整えること、災害などの事態に応じて民間団体の能力と知見を活用するため、平時から連携体制を構築するとともに、民間団体から安心して活動できるよう、法整備や補償などの制度を確立すること、緊急時において現行法では対応できない事態を回避するため、緊急事態条項の創設に向けた審議を促進するなど、国民の命と生活を守るための法制度を構築することを国会および政府に求めた我が国のレジリエンスを高める施策の推進を求める意見書を賛成多数で可決したところであります。
本県でも、琵琶湖西岸断層帯地震や南海トラフ巨大地震、いつどこで発生するかも分からない局地的大雨や線状降水帯による集中豪雨など、大規模自然災害の備えは待ったなしであります。
また、新型コロナでも、マスク、消毒液や病院の病床数の不足などの課題解消が難しかったところであります。
緊急時でも県民の皆さんと共に生き、また、自然災害と感染症に強い滋賀をつくるためには、平時の今に考えなくてはなりませんが、今の知事の考えについて伺います。
特に、緊急時において現行法では対応できない事態を回避するため、緊急事態条項の創設に向けた議論は今から国で進められるべきであり、緊急時の対応に苦慮していた地方からも声を上げるべきと思いますが、知事の立場での見解を伺います。
次に、知事2期目から続いている健康しがについて伺います。
その中でも、職員の健康であります。
まだ梅雨の最中ですが、連日うだるような暑さが続いております。春と秋の心地よい気候の期間が短くなり、冬が終わったらすぐに夏が来るといった感覚になります。
一昔前は、地球温暖化防止の観点から、行政、企業や家庭では冷房は極力控えていたものの、近年、冷房を入れていないまま一晩過ごしたお年寄りを中心に熱中症になられる方が増えており、中にはお亡くなりになられる方もいらっしゃいます。
我が
自由民主党滋賀県議会議員団では、6月3日から本館2階にて要望の聞き取り調査をさせていただきました。7日あたりから28度以上が続いたにもかかわらず、県庁舎内は冷房が入っておりませんでした。11日からようやく試運転の名目で冷房が入りましたが、冷房が入っていても17時にぴったりと切れてしまい、途端に汗が噴き出したことを覚えております。
また、日が暮れて窓を開けて夜に残業していると虫が入ってきて仕事にならないとの職員からの声も仄聞しております。
また、冬になると夕方から冷え込みがきつくなるにもかかわらず、暖房の空調は切れてしまい、ガスストーブをつけても室温も上がらないと仄聞しております。
気候変動が著しい中、また、働き方改革を加速する必要がある中で、職員の健康管理上、職場環境の整備は待ったなし、試運転などといった曖昧な取扱いではなく、通年で冷暖房の柔軟な運用が必要と考えますが、総務部長の見解を伺います。
次に、職員の皆さんの懐の健康であります。
一方で、依然として原油高や物価高が続いております。去る6月に政府より骨太方針が示されましたが、豊かさを実感できる所得増加を実現し、物価上昇を上回る賃上げを定着させると掲げられております。そのような中で、知事や職員の皆さんの報酬、給与は物価上昇分以上に上がっているのでしょうか。
ちなみに、議員報酬も物価上昇分の上昇どころか、平成27年より据え置かれたままであり、様々な経費が高騰する中で厳しい状況があります。
少子化、人口減少の中で、賃金上昇は優秀な人材確保の観点からも重要であります。職員の給与を物価上昇分以上に引き上げることについて、知事はどのように考えておられるのか伺います。
また、優秀な人材を確保する観点から、職員給与に至っては、人事委員会勧告を踏まえるだけでなく、滋賀県独自の規定を加える必要があると考えますが、知事に見解を伺います。
最後に、県民に取組のアピールしていきたい政治家にとって、目新しさの重要性は理解するところであります。毎年標語を変えるとシン・ジダイのようによい標語もすぐに埋もれてしまいます。
そのような中、新しい豊かさは1期目から使っておられます。また、健康しがについても、謎の2.0にいつの間にかバージョンアップをされておりますが、2期目から使い続けておられます。
昔、小泉元首相が郵政民営化という1点で選挙を戦われました。見事に大勝されました。また、あまり使いたくないんですが、嘉田前知事はもったいないという一つの論点で通され、県民の皆さんには分かりやすかったと思われます。また、強いメッセージとして伝わったと思われます。
県民に分かりやすい方針の伝え方について知事の考え方を伺い、私からの質問とさせていただきます。
○議長(有村國俊) 34番奥村芳正議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)知事の標語ならびに政治姿勢ということで13点御質問いただき、私には12点御質問いただきました。順次お答えいたします。
まず、方向性についてお問いいただきました。
県政を進める上で、根源性と先進性と長期性は追求したいという思いを絶えず持っておりまして、根源にある生、生きることや死、死んでいくこと、亡くなっていくことに真摯に向き合いながら、次の時代の健康しがの姿について、みんなで研究できないかと考えてきたところでございます。
方向性は常に模索しているところでございますが、今後、社会の構造が大きく変化することが想定される中、これまでの考え方や価値観のままに行動するのではなく、大切なものは残しながらも、既存の仕組みや前提そのものを見直し、柔軟に変革していく姿勢が大切だという思いを強くしているところでございます。
こうした考えの下、産官学で議論の場を持つしが2100未来研究会も立ち上げたところであり、2100年頃の滋賀の未来像を展望しながら、進むべき方向感や共創、共に創る共創の形について研究、極めてまいりたいと存じます。
2点目、高島市と連携した取組状況についてでございますが、地方創生につきましては、平成27年──2015年に県で人口減少を見据えた豊かな滋賀づくり総合戦略を策定し、国の交付金も活用しながら、地域特性に応じた取組を県、市町と連携して進めており、高島市では、移住施策やシガリズムの推進等でこれを活用し、地方創生に取り組んでまいりました。
令和5年度──2023年度からは、高齢化や人口減少に伴う諸課題に対処するため、高島市を含めた県北部地域を対象とする北の近江振興プロジェクトに着手したところでございます。
このプロジェクトの始動に伴い、新設した北の近江振興事務所に各市の担当職員を置き、各市や地域住民の方々と課題を共有し、連携しながら、地域資源を生かした振興策に共に取り組んでいるところでございます。
その高島市におきましては、例えば、在原地区でのしがのふるさと応援隊事業や、今津地区の診療所たまのおうちにおける医療型短期入所受入促進モデル事業ですとか、市が行う近江今津駅のリニューアルや安曇川での中江藤樹記念館の改修の支援などを実施しているところでございます。
3点目、人口戦略会議が発表した報告を受けた県西部地域に対してでございますが、高島市も含め、現在先行的に実施している県北部地域の振興をさらに進めることで、地域資源を生かした魅力ある地域づくりや、未来を支える人材の育成などを推進していく所存でございます。
その成果を県全域に広げられるよう取り組むことで、県西部地域をはじめ、人口減少局面にある地域の個性や実情に応じた、活力ある地域づくりを進めることが重要であると考えているところでございます。
4点目、少子化対策にかける決意でございますが、人口戦略会議の報告は、若年人口を自治体間で取り合うことは問題の根本的な解決にはならず、国全体で取り組む姿勢を問うものと捉えることもでき、全国知事会の子ども・子育て政策推進本部長としても、地方の声を国に届けることに引き続き尽力してまいりたいと存じます。
また、一人一人を尊重しながら、包摂性と寛容性を持った社会をつくること、子育てや子供との関わりに前向きな印象を持てるようにすること、教育や医療にかかる負担を社会的に分かち合うことなども大事と考えており、そうしたことが、全ての人が将来にわたって幸せに暮らし、子供を持つことも含めた選択肢の持てる社会につながるよう取り組んでまいりたいと存じます。
5点目、今後の姉妹友好交流の検討状況です。
世界とつながる滋賀の実現に向けて、新たな交流先につきましては、国や地域ごとに、どのように向き合えば県にとってメリットがあるのかを考え、戦略的に検討を進めているところでございます。
昨年11月には、オーストリア最大の湖であるノイジードラー湖を有するオーストリア国ブルゲンラント州との間で、文化や観光など幅広い分野にまたがる交流と協力に関する覚書を締結し、取組を始めたところでございます。来年の大阪・関西万博などを通じて、両県州の関係をより一層発展させてまいりたいと存じます。
このほか、経済成長著しいインドにつきましては、駐日インド大使館等と連携してインドへの進出を考える県内企業向けのセミナーを開催し、ベトナムにつきましては、これまで取り組んできた経済、環境等、個別分野の交流をさらに発展させるなど、様々な可能性を探っているところでございます。
6点目、外国人観光客の状況等についてです。
国の宿泊旅行統計調査では、本県の昨年度の外国人宿泊者数は、コロナ禍前の平成30年度──2018年度比でマイナス29.8%の状況にありますが、令和6年──2024年3月、一月だけの状況を見ますと、平成31年──2019年同月比でプラス39.6%と、全国平均を大きく上回る伸びが見られるところでございます。
インバウンドのGPSデータを見ると、特に、欧州、米国、豪州──オーストラリア、欧米豪からの来訪者が大きく伸びている状況でございます。
大阪・関西万博の開催を来年に控え、さらに多くの外国人観光客が関西を訪れるチャンスを生かすため、本県ではターゲットに応じたインバウンド誘客を進めているところでございます。
例えば、本県の来訪が多い台湾におきましては、ビワイチや雪体験などアクティビティでの誘客を、開拓市場の欧州に対しましては、宿坊体験やナイトミュージアムなどの文化コンテンツを生かしたツアー造成などに取り組んでおり、今年に入り、台湾からのビワイチツアーやオーストラリアからの複数回のツアーが催行されているところでございます。
私自身も現地に赴きましてトッププロモーションを実施することを計画しており、滋賀のおもてなしの心や魅力ある観光ルートを海外旅行会社等に直接アピールすることにより、本県が世界から選ばれるよう積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
7点目、ともに生きるという形で皆さんに投げかけている背景についてでございますが、議員から御質問にもございましたように、能登半島地震によって多くの被害がもたらされ、尊い命が失われたこと等にも思いを致しておりますし、戦争もある、また、コロナ禍もあった等々、やはり生きていることの尊さ、ありがたさ、また、共に生きることの難しさ、こういったことを実感する毎日でございますので、こういった実感覚を施策に反映していきたい、県庁文学で、どこの誰かの世界のこと、暮らしのことを書かれてるようなことではない県政をつくらなければならないというこういう思いの下、ともに生きるというこういった言葉を投げかけながら、悩みや苦しみに直面しても、みんなで力を合わせて生きることを大事にしたいということを呼びかけているところでございます。
変化に対応しながら、シン・ジダイをみんなでつくる中で、命を大切に、自分らしく健やかに、みんなで助け合い、支え合って生きていける健康しが2.0、これは進化させる形でつくり、進めていきたいと存じますし、老いや病、弱さや衰え、死を直視しながら、共に生きていることに喜びや楽しさを感じられる滋賀をみんなでつくっていきたいという思いを、ともに生きるという言葉に込めて表現させていただいているところでございます。
何より、奥村議員はじめ、多くの皆様方に御理解、御共感いただけるように、さらに努力を積み重ねてまいりたいと存じます。
8点目、自然災害と感染症に強い滋賀をつくることについてでございますが、自然災害や感染症はいつ発生してもおかしくないことから、平時の備えの強化が大変重要であると認識しております。
このことから、関連する計画や災害対応体制、災害時応援協定等を見直すとともに、訓練でできないことは実際でもできないことを常に肝に銘じ、能登半島地震やコロナ禍での教訓を生かした、より実践的な訓練を実施することとしております。
併せまして、市町、関係機関や民間との連携強化を推進し、緊急時でも県民と共に生き、誰一人取り残されない滋賀を目指してまいりたいと存じます。
9点目、緊急事態条項についてでございますが、武力攻撃や大規模な自然災害、感染症のまん延等から県民の命と生活を守るため、大変重要なテーマであると認識しており、私自身、高い関心、強い関心を持って注視しているところでございます。
折しも先の国会において地方自治法が改正され、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態の発生時等に国が地方公共団体へ指示できる特例が盛り込まれたところであり、その運用に当たりましては、国からの指示は必要最小限であること、かつ、地方の意見や実情を適切に踏まえたものとすることなどを求めた附帯決議も付されたと承知をしております。
緊急事態条項の創設に当たりましては、国民主権や基本的人権の尊重、平和主義、さらには地方自治の本旨も踏まえた上で、安全・安心が確保できることが大切であると考えているところであり、まずは国会においてしっかりとした議論がなされるべきものと思っております。
10点目、職員給与の問題についてでございますが、地方公務員法の規定により、職員の給与は、生計費、国および他の地方公共団体の職員ならびに民間事業の従事者の給与等を考慮しなければならないとされているところです。
このため、県内の民間事業者の給与等を調査し、行われる人事委員会勧告を踏まえて、職員の給与改定を実施してきたところでございます。
人事委員会勧告は、議員御指摘の物価上昇の影響も含めてなされるものでありますことから、勧告を踏まえて対応することが適当であると考えております。
11点目、人材確保のために県独自で規定を加えるということについてでございますが、公務職場に多様で有為な人材を確保していくためには、給与は大きな要素であると認識しております。
一方で、先ほど申し上げたとおり、職員の給与決定につきましては人事委員会勧告制度があり、県独自で勧告を超える措置を行うことは困難だと捉えております。
しかしながら、近年、労働市場の流動化が進む中、本県でも民間企業等における経歴を有する職員の採用が増加しているところであり、人材確保の観点から、経験者採用における初任給の運用について工夫ができないか研究してまいりたいと存じます。
最後、12点目、県民に分かりやすい方針の伝え方についてでございますが、私自身、どのようなメッセージが県民の皆さんにより響くのか常に考えながら、表現や言葉の選び方を意識し、できるだけ分かりやすい伝え方を心がけているところでございます。
ただ、度々御指摘いただいておりますように、変え過ぎじゃないかという、こういった印象を与えてしまっているとすれば自戒しなければならないと思います。
健康しがや基本構想の基本理念である「変わる滋賀続く幸せ」は、施策の基礎として、一本芯を通しながら、その時々の情勢や社会の変化、県民の皆さんの思いや実感に沿うよう、常に表現を模索しているところでございます。
今後も、こうした日々の暮らし、地域の中に根差したこういう生活感覚でありますとか、ずっと変わらずに持ち続けている思いを表現しながら、皆様方に共感、御理解、御支援いただけるようなそういった発信方法を工夫し、実施してまいりたいと存じますので、今後ともよろしく御指導賜れればと存じます。
◎総務部長(岡田英基) (登壇)13点の質問のうち、私への1点の質問にお答えいたします。
冷暖房の柔軟な運用についてでありますが、これまで職員などの健康への影響を配慮しつつ、CO2ネットゼロ推進の観点から、運転時間や時間帯を定め運用をしているところでございます。
そうした中、冷房につきましては、期間外におきましても、室温28度以下および湿度70%以下となるよう、弾力的な運転に努めてきたところでございます。
今後は、働きやすい職場環境の整備という観点からも、設備点検などの期間を除き、通年で柔軟な運用ができるよう見直してまいりたいと考えております。
◆34番(奥村芳正議員) (登壇)分かりやすい答弁ありがとうございました。
特に総務部長、最後、よかったですよ。柔軟な運用に努めていく。それがないばかりで、縛られた時間になったらぴたっと止まる。何度も経験してるんです。あ、静かになったと思ったら、もう冷房や暖房が止まっている。これについては時間制限が、規則は見させていただきましたけれども、やっぱりこれから健康しがを目指す、まず県庁からということで、引き続きの対応をよろしくお願いをしておきたいと思います。
これは多くの職員の方が御覧になってますので、総務部長、ああいう答弁してくれはったさかい、今年の中で乗り切れるなと思っておられます。よろしくお願いをしておきます。
次、少子化対策について、私の目から見ておりますと、なかなか積極的な姿勢が見えてこないような思いをしております。前回の消滅可能性都市の公表から10年経過し、町ではなく市である高島市が加わっております。合計特殊出生率も滋賀県も過去最低を更新しております。そんな悠長な姿勢では、滋賀県西部地域は壊滅してしまうと思っております。積極的な姿勢を見せないままでは、県民の皆さんに危機感が伝わらず、裸の王様になってしまうのではないでしょうか。
知事は県のトップとして、少子化の危機感を強いメッセージを出す必要があると考えますが、知事の決意を改めて伺いたいと思います。
◎知事(三日月大造) 私たちが共に生きてる、また、共に住んでいるこの滋賀をよりよく持続的に発展させていくために、こういった子供を持ちたいとか、この地域で暮らしたいというこの希望をかなえていくことは、とても重要だと思っております。
人口戦略会議に言われたからとか、メディアで言われるからとか、数字に左右されて言うのではなくて、やはり「子ども、子ども、子ども」、子供のために、子供と共につくる県政をつくろうじゃないかということをいち早く打ち立てながら、皆さんにも御理解をいただき、様々な諸施策を今充実させようとしているところですので、私はそういった危機感ということよりも、むしろ前向きな、みんなで一緒にやろうという、こういう取組を醸成させていくことこそが重要ではないかと考えております。
また、子供を持つこと、生きていくことの大宗は個人の価値観によるところが大きいですので、そういった何か一様な考え方だけにみんなを誘導するということよりも、一人一人が持ってる考え方を尊重するという、こういう言い方とやり方というのも、これからの時代、大事なことではないかと思っておりますので。
あと、我々大人の世代が、これから祖父母になっていく世代がどういう生き方をしているのかというのを、次の世代、またその次の世代が見てると思いますので、こういった我々が親であることを楽しんだり、また、子供と一緒にいることをポジティブに捉えられるような、そういう生き方もぜひ社会全体で醸成させていけたらいいなと思っております。
ゆえに、高校生と意見交換をする機会でありますとか、子供を真ん中に置いた条例をつくるというようなことを今やろうとしているところでございますので、議員のおっしゃる言い方、やり方とは違うアプローチかもしれません。もっと危機感を前面に出すというアプローチの仕方もあるのかもしれませんが、滋賀県らしく、三日月らしくやれればなという思いも持ってやっておりますので、そのことに御理解がいただけるように、これからも対話を丁寧に積み重ねてまいりたいと存じます。
◆34番(奥村芳正議員) (登壇)知事も答弁上手になりますね。もう一回突っ込もうかなと思ってたんですけどそれで、今日はこれぐらいしておきましょう。
警察本部長にも教育長にも答弁を求めてないんですが、給与の面は、本当に厳しい状況の中で日々御苦労いただいている教職員、そしてまた警察官の皆さんのお姿を拝見すると、本当にこれ、言わはるんです、見合う給料もらってへんと。そんなことを職員の皆さんがおっしゃってるということも声として聞き届けていただけたらと思います。
そして、そんなことを踏まえて、これからの人事委員会勧告にはしっかりと対応もしていただけたらと思っておりますし、特別職、知事やここにいる議員、そういったことの報酬を引き上げるための報酬審議会は、令和元年に開いてからこの間開いておりませんし、令和元年のときには据置きという決定でございまして、この10年以上変化がありません。
そういったことを考えますと、世の中これだけ変わって、給与アップ、我々も一生懸命取り組まさせていただいておりますが、率直な話、今年あたりやっぱり考えるべきやなと、このように思ってるんですが、報酬審議会の開催についての知事の考えを伺いたいと思います。
◎知事(三日月大造) 今お尋ねいただきました知事や議員などの特別職の報酬等の額につきましては、社会経済情勢の変化や他の都道府県の特別職の状況、一般職の給与改定の状況等を見て、適切な時期に特別職報酬等審議会に諮問し、現行の報酬等の額は適切か、改定の必要はないか等について御審議いただいているところでございます。
御指摘いただいた物価上昇の影響や、今年度の職員の給与改定の状況等についても踏まえながら、審議会へ諮問するかどうかについて検討してまいりたいと存じます。
◆34番(奥村芳正議員) (登壇)私の立場からぜひよろしくお願いしますと言うと、またある新聞社に書かれますので。
最後に、我々議員に対して、一緒にやりましょうの言葉が最近では少なく感じます。4年前の9月でも同じことを知事に言いましたので、知事選挙が終わって2年くらいすると中だるみがあるのでしょうか。
県民の皆さんに対しても、「こんにちは!三日月です」と称する県民と知事との直接対話についても、令和5年度以降、ホームページが更新されておりません。ということは、1年以上対話をされていないのでしょうか。
広域連合長で忙しいのかも分かりませんが、いま一度姿勢を正して初心に戻っていただき、県民の皆さんや職員の皆さん、そして我々議員に対しても真摯に向き合ってほしいと思いますが、知事に所見を伺います。
◎知事(三日月大造) まず、多くの皆さんと対話しながら、共感を得て、一緒につくる滋賀県政、この初心、初志は忘れず、これからも頑張ってまいりたいと存じます。
「こんにちは!三日月です」は、昨年度もやってたんですけれども、すいません、ホームページが更新できておらず、皆様方にきちんとお知らせすることができてなかったということは、早急に改善し、きちんとお知らせできるようにしていきたいというふうに思います。
確かに、関西広域連合や全国知事会のお仕事もございますので、以前とは違う公務等も増えてきましたけれども、やはり原点、現場はここ、滋賀でございますし、県民の皆様方の暮らしや思い、お声、しっかりと承る活動はこれからも積み重ねてまいりたいと思います。
また、私自身が1人で全県、あらゆる立場の方々とお話しするというのは物理的にも困難な面もございますので、ぜひ議員の皆様方、県民を代表される議員の皆様方との対話もしっかりこれからも積み重ねてまいりたいと思いますので、厳しいことも含めてぜひ今後も賜りますよう、よろしくお願い申し上げ、私の答弁とさせていただきます。
最後に言わせてください。一緒に頑張りましょう。
よろしくお願いします。ありがとうました。
◆34番(奥村芳正議員) (登壇)私もそれを最後に言おうと思ってたんですけれども、先に言われましたけれども。
こうして1年間ずっと知事の傍らでいろんな挨拶を伺ってますと、県民や企業家の皆さんに向かっては、一緒にやりましょうは時々使ってはりますよね。それが我々議会に向けるとなかなか言葉として表現がない。これ、ちょっと一抹の寂しさを覚えておりましたので、しっかりと今後とも議会と対峙するのではなく、向かい合って、県民の幸せのために頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
一緒に頑張りましょう。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(有村國俊) 以上で、34番奥村芳正議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午前11時56分 休憩
────────────────
午後1時 開議
○副議長(目片信悟) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、17番小川泰江議員の発言を許します。
◆17番(小川泰江議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従い、大きく2問質問をさせていただきます。
まず、警察と消防分野での女性活躍推進についてを質問いたします。
先日、世界経済フォーラムがジェンダーギャップ指数2024を公表しました。日本は146か国中118位と、前年の125位から僅かに前進したものの、先進7か国では最下位となっています。
政治分野での遅れがよく取り上げられますが、経済分野においても、女性管理職の少なさや男女間の賃金格差が課題として指摘をされています。
県行政におきましては、この議場でも言えますように、本日は農政水産部長がいらっしゃいませんが、(「ずっといるで」)大変失礼いたしました。中田農政水産部長もいらっしゃいますように、知事のリーダーシップの下、知事部局行政職員に(発言する者あり)大変失礼をいたしました。知事部局行政職員に占める女性の割合が着実に増えており、2023年度の一般行政職の女性割合は、全国平均とほぼ同じ31.1%となっています。
一方、全国的な課題として、消防や警察の分野の女性比率は、勤務体系や職務内容の厳しさもあり、伸び悩んでいるのが実情です。
そのような中、先日、守山市内に交番と消防署出張所が相次いでオープンし、内部を見せていただく機会がありました。驚いたのは、女性専用施設の充実です。両施設とも、女性用トイレはもちろん、外から自分で鍵がかけられる女性専用仮眠室が完備し、消防署では仮眠室内にバスルームや専用ランドリー、姿見まであり、女性が活躍するための環境整備がハード面からも進んでいることを実感いたしました。
これらのことを踏まえ、さらなる女性活躍の推進を願い、以下、質問をいたします。
まず、警察本部長にお伺いいたします。
滋賀県警では、女性の活躍推進を目指して、令和7年度までの6年間にわたる滋賀県警察特定事業主行動計画を策定し、様々な取組をされています。
最初に、滋賀県警における女性比率や育児に係る休暇休業制度などの本計画の推進状況を、推移も含めて警察本部長にお伺いいたします。
○副議長(目片信悟) 17番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎警察本部長(中村彰宏) (登壇)お答えいたします。
特定事業主行動計画は、令和2年度から令和7年度までを期間とし、女性警察官の割合や男性職員の育児に関する休暇の取得率、育児休業率について目標数値を掲げております。
女性警察官の割合については、12%にすることを目標としており、令和3年度当初で10.7%、令和4年度当初で11.1%、令和5年度当初で11.4%、令和6年度当初で11.8%と年々上昇をしております。
男性職員の配偶者出産休暇の取得率につきましては、100%とすることを目標としておりますが、令和2年度は95.2%、令和3年度は93.9%、令和4年度は87.7%、令和5年度は87.6%でありました。
男性職員育児休暇の取得率についても、100%とすることを目標としておりますが、令和2年度は40.3%、令和3年度は55.8%、令和4年度は70.0%、令和5年度は59.0%でありました。
育児休業取得率については、女性職員は100%取得していますが、50%を目標としている男性職員については、令和2年度は0.8%、令和3年度は7.6%、令和4年度は18.3%、令和5年度は22.0%でございました。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
数値的には年々上がっているということで、さらなる取組にも期待いたしますが、採用に際しては、受験者や採用者における女性比率はどうなっているのかを、推移も含めて警察本部長にお伺いいたします。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
採用試験の受験者における女性比率でありますが、令和2年度は18.9%、令和3年度は24.6%、令和4年度は23.3%、令和5年度は23.6%となっております。
今申し上げましたのが受験者の女性比率でございますが、採用時の比率につきましては、令和3年度は16.2%、令和4年度は20%、令和5年度は25.4%となっており、令和6年──本年4月1日に採用した警察官につきましては、総数81人に対して、女性は21人で25.9%となっております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
それでは、男性も含めた受験倍率の推移ですね。こちらについても警察本部長にお伺いいたします。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
近年の警察官採用試験における男性も含めた受験倍率でありますが、令和2年度は6.9倍、令和3年度は7.0倍、令和4年度は6.4倍、令和5年度は4.1倍となっております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)令和5年度はちょっとがくっと下がったということで、どうしても今の社会情勢上、確かに受験倍率がこれからも減り続けていくのではないかと考えられます。
そのような中、やっぱり女性の参画ということですね。先ほども女性の率が、受験者数に占める割合も採用者数に占める割合も毎年結構上昇傾向にあるということも伺いましたが、女性の参画はより重要になってきているのではと考えます。
それでは、採用に際して、女性を増やすための取組はどのようなものがあるのでしょうか。警察本部長にお伺いいたします。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
警察官の採用につきましては、男性警察官と女性警察官を区分して実施をしておるところでございます。
このうち、女性警察官の採用を増やすために、女性限定の業務説明会を開催し、各部門で活躍をする女性警察官による業務説明や座談会を行っておりますほか、女性リクルーターによる積極的な募集、勧誘活動などを展開しております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
ただいま採用に際して女性枠が設けられているというような御答弁だったかと理解いたしますが、分かるようでしたら少し詳しく教えていただけますでしょうか。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
今、議員から女性枠というお話ございました。基本的にはその女性枠と考えていただいて結構でございますけれども、総数のうち、男性警察官は採用が何名程度、女性警察官は何名程度、それぞれいわゆる高卒程度、大卒程度を分けまして、それぞれの枠を設けまして対応をしております。
したがいまして、女性が何人ぐらい採るというのは、あらかじめ枠があるといった形になります。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
計画的に女性が増えていくように取り組んでおられるということと理解させていただきます。
それでは、次に、女性が仕事を続けていくためのサポート体制はどのようになっているのか、警察本部長にお伺いいたします。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
女性がその個性と能力を十分に発揮して活躍することができるよう、例えばつわりの時期の妊娠障害休暇や授乳などのための育児時間休暇など各種休暇制度を設けますほか、勤務時間等に制約のある警察官を対象に、希望に応じて専門的な業務に定員外で配置するキャリアチャレンジ支援制度を設けるなど、働きやすい職場づくりを推進しております。
また、警察学校におきましても、女性教官を複数配置するなど、入校する女性職員をサポートする体制を整えているところでございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
それでは、次に、先ほど最初に施設のことを申しましたが、女性に配慮した施設整備の状況について、警察本部長にお伺いいたします。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
女性に配慮した施設につきましては、女性専用のトイレ、仮眠室、シャワー等の設備を整備することとしておりまして、例えば、交番におきましては、専用トイレの整備率は72.1%、仮眠室は54.1%となっており、現在、女性が配置されている全ての交番には、勤務上必要な女性専用の仮眠室およびトイレを整備しております。
なお、平成27年度以降、交番を整備する際には、専用のトイレ、仮眠室、シャワーを設置いたしますとともに、その配置については、女性職員からも意見を取り入れながら、男女が共に働きやすい環境の整備に努めているところであります。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)こちらのほうも、ぜひとも引き続きよろしくお願いいたします。
これまで伺ってきましたように、警察行政における女性活躍はかなり改善してきたとも言えるかと思います。ただ、一般社会に比べるとまだまだ低い水準であるということも事実です。
特に気になるのが、先ほども伺いました男性の育児休業の取得率です。冒頭で伺ったように、令和5年度は22.0%ということで、知事部局では男性職員の育児休業100%宣言をスローガンとして、令和5年度は77.4%を達成していることに比べると、際立って低いのが現状かと思います。
男性の育児休業取得率向上に向けたさらなる取組について、警察本部長の見解を伺います。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
男性職員の育児休業取得率でございますが、今ほど議員から御指摘のあったとおりでございまして、県警察では、近年の男性職員の育児休業取得率が上昇はしておりますことに鑑み、目標数値を本年の4月1日にこれまでの13%から50%に上方修正をいたしまして、さらなる取組を進めることといたしました。
また、本年度から、警察署における育児休業による欠員状況に応じまして、警察本部から支援要員を派遣する制度を試行的に開始しておりまして、男性職員が気兼ねなく育児休業を取得できるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
この分野はやっぱりトップのリーダーシップが何より重要だと思います。県庁においても知事が100%宣言を発出して、それまでですね、一気に上がったという事実もあります。
警察本部長のリーダーシップの下、最終的には100%を目指すべきではないかと考えますが、見解を伺います。
◎警察本部長(中村彰宏) お答えいたします。
議員御指摘ございましたように、リーダーシップは大変大事だと思っておりまして、育児休業等の取得につきましては、警察本部長としても、私自身からもこれまでから積極的に取得を呼びかけてきたところであります。
ただ、警察官の育児休業の取得に当たりましては、その代替職員を確保するといった場合に、臨時の警察官を雇用するといったことが難しいということもありまして、その代替職員の確保が非常に困難だといった課題もあるところであります。
ただ、いずれにいたしましても、各種施策を推進して、取得しやすい職場環境づくりに努めることが大切であろうと思っておりまして、希望する職員全員が育児休業などを取得することができるように、組織全体を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。
午前中に奥村議員のほうから標語についての質問がありましたが、やっぱりこれ、100%を目指すというようなスローガン、標語というのは大事なことになるかと思いますので、ぜひとも掲げていただいて取り組んでいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、次に、消防行政について伺います。
令和6年3月、消防庁より、女性消防吏員の活躍推進に向けた取組のさらなる推進についてという文書が都道府県消防防災主管部に発出をされています。令和8年度までに女性比率を5%まで上げるという共通目標を達成するための様々な助言が記載されており、都道府県は市町や消防事務組合に対して周知を徹底するように求めているものです。このことを踏まえて、以下、問わせていただきます。
まず最初に、滋賀県の消防吏員における女性比率の状況について、防災危機管理監にお伺いいたします。
◎防災危機管理監(山下將) (登壇)お答えいたします。
県内の消防吏員における女性比率は、令和6年4月1日現在、総数1,685人に対しまして、女性は51人で3%となっております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
3%ということで、これ、全国平均が令和5年4月1日ですが3.5%ということで、全国的にも少し低いのかなという認識も伺います。
そして、ただ、今回冒頭紹介しました湖南広域消防の施設見学の際には、女性比率が今年度5.6%になるという話を伺いまして、私この質問をすることにさせていただきました。
これは地域によって差があるということでよろしいんでしょうか。防災危機管理監にお伺いいたします。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
県内各地域の女性比率は、1.3%から議員御指摘の5.6%となっておりまして、地域によって差が見られるような状況でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)1.3%から5.6%と、かなりのやっぱり地域差があるということを今伺いました。
では、次に、採用時の受験者や採用者に対する女性の比率、こちらのほうはどのようになっているのか、推移も含めて防災危機管理監にお伺いいたします。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
採用試験の受験者における女性比率は、令和2年度は7.9%、令和3年度は6.8%、令和4年度は1.9%、令和5年度は1.9%となっております。
また、採用者の女性比率は、令和3年度は7.4%、令和4年度は10.3%、令和5年度は3.2%で、令和6年に採用されました女性消防吏員は1.3%となっております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)令和6年1.3%ということで、今年度の女性の採用は1名ということになるかと思いますが、それでよろしいでしょうか。防災危機管理監に確認をいたします。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
今年度採用となりました消防吏員は77名、うち、女性は1名でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)それでは、男性も含めた受験倍率の推移について、防災危機管理監にお伺いいたします。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
受験倍率は、令和2年度は4.7倍、令和3年度は5.1倍、令和4年度は5.0倍、令和5年度は2.7倍となっております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)全国的には受験者数が減ると言われてますが、滋賀県は割とまだ保っているということで、ただ、ちょっと令和5年度、また令和6年度、少し下がってきているのかなという気がいたします。
そのような中、滋賀県においては、特にここ2年、女性の受験者数も採用者数もかなり伸び悩んでいるという状況が伺えるかと思います。まずはやっぱり多くの女性に消防の仕事を知ってもらって関心を持ってもらって、採用に応募してもらわないと始まらないと思います。
また、消防吏員は他府県からの応募も多いということを伺っておりまして、各地の医療系専門学校への働きかけも重要かと思います。
幅広い広報活動は、市町や各事務組合だけに任せるのではなく、県として広域で取り組むことも有効だと考えますが、防災危機管理監の見解を伺います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
議員御指摘のとおり、県が広域的に広報することで、消防吏員の魅力について幅広く効果的に周知できると考えており、これまでから、消防学校の入校式や修了式の様子をしが防災フェイスブックやパブリシティを通じて広く発信してきたところです。
こうしたことに加えまして、今後は、消防学校で教育訓練に励む女性消防吏員の姿や、今年度本県で開催される女性消防官業務研修会でのグループディスカッションの様子などをホームページやSNSを通じて積極的に紹介することにより、やりがいや魅力を広く発信し、女性消防吏員の増加につなげてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)粘り強い取組も必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、消防学校について伺います。
以前、総務・企画・公室常任委員会で消防学校に伺ったとき、2名の女性訓練生が県民参画委員会に参加してくださり、男性とほぼ同じ訓練をこなす大変さについてお話を伺う機会がありました。周囲の男性も含めて、助け合いながら必死で一つ一つ乗り越えておられるということで、志の高さに感銘を受けた覚えがあります。
一方、消防庁が女子学生等に取ったアンケートでは、「消防官になりたいと思わないのはなぜか」という設問で、「体力的についていけなさそうだから」「訓練が大変そうだから」「女性が少なそうだから」という答えが上位に並んでおり、消防学校についてのイメージでは、「訓練が厳しい」「教官がこわい」という答えが並んでいます。
今後さらに幅広く女性人材を確保していくためには、消防学校や訓練のこのイメージを払拭し、不安を緩和していく必要があると考えますが、防災危機管理監の見解を伺います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
消防学校における訓練は、時には体力的に厳しいものもありますし、災害から県民の生命、身体および財産を守るためには必要なものと考えております。
しかしながら、教官は訓練生に対し、精神的、身体的苦痛を与えることなく、また、決して人格や尊厳を害することのないよう接しており、また、女性の訓練生が少ないことから、消防学校に女性職員を配置するほか、先輩の女性消防吏員を招き、女性の訓練生の相談に乗ってもらうなどの配慮を行っており、今後も不安なく訓練に取り組めるよう努めてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)今伺いました消防学校の女性職員の配置というのは、どういう立場の方で何名ぐらい配置されているのか分かりましたら。すいません、今初めて伺いましたので、少し詳しく伺えたらと思います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
現在消防学校では、事務の職員で1名女性を配置させていただいております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)すいません、事務の方1名ということで、その方が例えば女性訓練生のサポートをしたりとかいうこともあるという理解でよろしいでしょうか。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
配置しておりますのは県の正規の職員でございまして、事務室におりながら女性の訓練生の日々の相談に乗ってるような状況でございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)まだ全国的にも女性の消防学校の教官というのは、多分1名、2名誕生したというのがニュースになったぐらいまだいらっしゃらないという状況ではありますが、ぜひともこれから消防学校の中でもそういった女性が増えていったらいいなと思っておりますので、事務の方、頑張ってくださっているということですので、引き続き、増やせていけるような方策を練っていただけたらと思います。
警察学校とか消防学校は、厳しい県ランキングといった情報がネットでも結構流布しておりまして、例えば、厳しいと評判の某県の警察学校は、食事時間が5分で食べ切れなかったら残飯になるといった話が、若い世代はSNSで共有したりもしています。
これは甘くしろと言ってるのではなくて、必要な厳しさと理不尽な厳しさを仕分けることが、これからの時代、必要になってくるのではないかと思いますので、またその点も含めて様々な見直しを進めていただきたいと思います。
こういった苦楽を共にした消防学校の同期というのは、横のつながりも強く、連携もしやすいとも言えます。
現在、各消防本部間での人事交流は一部行われているとは聞いていますが、例えば女性の少ない地域に多い地域から派遣するなどの人事交流も女性活躍推進のために有効ではないかと考えますが、交流促進に関する防災危機管理監の見解を伺います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
消防吏員の人事交流につきましては、各消防本部で判断されるものでございますが、女性消防吏員の交流の場を設けることは重要であると認識しております。
このため、消防学校では女性消防吏員に対しまして女性活躍推進を図るための教育を実施しており、女性消防吏員の交流を図っているところでございます。
こうした取組を通しまして、より一層女性活躍推進に努めてまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)それでは、次に、女性に配慮した消防署施設整備の状況について、防災危機管理監に伺います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
県内の消防署と通信指令センター合わせて57施設のうち、女性用のトイレ、シャワー室、また、仮眠室などが整備され、女性が24時間勤務できる環境が整っておりますのは27施設となっております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)こちらも地域によって差があるのでしょうか。防災危機管理課に確認をいたします。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
女性消防吏員の多い消防本部では、施設も比較的女性に配慮がなされておりますが、女性消防吏員の少ない消防本部では配慮されている施設は限定されており、地域によって差があるものと認識しております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)これもほんま卵が先か鶏が先かの話にもなりますが、やっぱり受入体制も整わないと女性も増やしにくいかなとも思います。
こういった女性専用施設の整備に当たっては、国からの財政措置もあると伺いましたが、いかがでしょうか。防災危機管理監に伺います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
消防本部等の女性専用施設の整備につきましては、措置率が0.5の特別交付税措置が講じられているところでございまして、整備に当たりまして各消防本部からお尋ねがあった場合には、これまでから御案内させていただいているところでございます。
また、今後もこういった国の制度に係る最新の情報の入手に努めるとともに、そういった情報を各消防本部へ周知していきたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
ただいま尋ねられたら答えるということではありました。こういったことの周知に関しては、国のほうからも通達に県の役割としても明記されておりますので、ぜひとも積極的にそういった働きかけをよろしくお願いいたします。
これまで様々申してまいりましたが、実際に県が直接できることは限られているのも現状です。各消防本部における女性活躍推進を県として今後どのように進めていこうと考えておられるのか、防災危機管理監の考えを伺いたいと思います。
◎防災危機管理監(山下將) お答えいたします。
県といたしましては、女性消防吏員の魅力を伝える効果的な広報や女性消防吏員同士の交流を深める消防学校での教育カリキュラムの充実、さらに、女性が働きやすい環境整備に係る情報提供など、様々な取組を通じまして各消防本部における女性活躍推進を後押ししていきたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。
それでは、次に、小児保健医療センターの再整備について伺います。
この問題に関しては、今議会の我が会派の代表質問でも問わせていただき、また、節木議員、柴田議員も一般質問をされました。重なる部分もありますが、幾つか論点を絞って議論を深めたいと思います。
まず、費用面についてです。
令和3年に示された再整備事業の見直しの際には、経営状況の悪化がその一番の理由に挙げられていました。現総合病院の経営を過去の巨額の施設整備の債務が圧迫していることを考えると、一定やむを得ないとも見えますが、この見直しが本当にコスト縮減につながるのかについてを検証したいと思います。
見直しの時点では実施設計も完成していたということです。それまでに発生した経費が幾らだったのか、以下、全て病院事業庁長にお伺いいたします。
◎病院事業庁長(正木隆義) (登壇)お答えします。
計画見直しの時点である令和3年度──2021年度までに、小児新棟とそこに合築する療育部を合わせました設計業務と、設計内容の検証を行うためのコンストラクション・マネジメント業務に合計約1億9,500万円の経費が発生しております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)1億9,500万円ということで、決して安い額ではないかと考えます。
最初の計画では、令和6年1月供用開始ということで、そのままなら既に完成したことになっています。それが最終的に令和11年1月まで5年間延期されることになりましたが、御承知のとおり、この間の物価高騰は著しく、直近では、御承知のとおり、高専の施設整備費が87億円から138億円と約1.6倍に膨れ上がるという事態も発生をしております。
令和2年に概算で78.3億円とされていた整備費はどれくらいになると見込んでおられるのでしょうか、お伺いをいたします。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
現在、新たに整備しようとしている小児新棟につきましては、施設内容の見直しを行っているところであり、概算事業費を示せる段階には至っておりません。
ただし、近年の建築資材費や労務費などの高騰により、現在の建築コストは、さきに概算事業費をお示しした令和2年度──2020年度当時と比べると、上昇しているものと考えられます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)近隣では、昨年度、野洲市民病院の整備費が24.5%増額となった事例も発生をしております。一般社団法人建設物価調査会総合研究所のデータでは、この5年間での建築コストの上昇率は、種類によって差はあるものの、おおむね130%とされており、今後さらに上昇することが見込まれています。
最初に述べましたように、計画見直しの一番の理由は経費に関することでした。最も重要視すべきこの点がいまだ不明では、見直した必要性が揺らぐのではないでしょうか。結果として、施設規模は縮小し、そのことで多くの県民から不安の声が上がり、経費は縮減されるか不透明で、今、事業庁長のほうからは上がっているということもありました。場合によっては増額するかもしれません。供用開始も大幅に遅れることになりました。一体整備とされている療育部と養護学校にも影響が出ています。
できるだけ早く経費面も含めた具体的な内容を示す責任があると考えますが、見解を伺います。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
新棟の整備につきましては、高度で安全な医療を提供するという役割を果たしていくために非常に重要なものであることから、慎重な検討が必要と考えております。
一方で、患者、家族の皆さんから大きな期待を寄せられていることから、できるだけ早く具体的な内容をお示しできるよう、着実に取組を進めてまいります。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)また別の方向から見させていただくと、コロナという特殊な事情があったとはいえ、先ほど伺った1億9,500万円を投じ実施設計も終えているにもかかわらず変更となった最初の計画の決定過程に問題はなかったのかという疑問も湧いてきます。この点に関して見解を伺います。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
計画の策定および見直しに当たりましては、患者動向等を踏まえた検討を行い、患者家族をはじめとする関係者への説明会の開催や、議会のほうにも御報告し、御意見を賜りながら策定や見直しを行ってきたところでございます。
建築コストの上昇という予期しない要素はあるものの、それぞれの時点において適切に判断してきたものと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)今、患者動向の検討とおっしゃいました。これは当初の計画でも、患者動向はしっかりと勘案して計画をされたことだと理解を普通はいたしますが、それが2年、3年の間にそんなに動向というのは変わるものという理解でよろしいんでしょうか。見解を伺います。
◎病院事業庁長(正木隆義) 患者動向につきましては、当然、令和2年度の時点で一定68床という推計値を出しておりました。ただ、その後、コロナの発生以後の受診行動を見てますと、全国的にも入院患者の数はどこの医療機関も平均しますと約10%減少して、いまだに戻っていないというような新たな要素も加えた上で、今回また見直しの病床数というのは再度検討させていただいたところでございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
今の御答弁ですと、やっぱりコロナという要素が大きくここは関わってきたというふうに受け取れますが、その理解でよろしいでしょうか。御意見を伺いたいと思います。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
今ほど申し上げましたとおり、コロナ以降の患者さんの受療行動というのは大きく変化しているというふうに医療関係者の間では認識されておりまして、我々もそう思っております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)本当に今まで述べてきたこと、実際今さらという話でもありますが、高専のこともありましたし、今後の様々な公共施設整備施策の構築に当たって、特にこの需要動向ですね。需要の見込みに関して教訓とすべき点もあるかと思い、問わせていただきました。
それでは、次に、代表質問の御答弁についてももう少し詳しく伺いたいと思います。
御答弁では、いまだ不安の声があることは承知しており、今後も県民の皆さんに安心していただけるよう、様々な機会を設け説明を尽くしていきたいということでした。
具体的な取組について伺います。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
これまで患者家族の皆様を対象とした説明会を開催するとともに、小児保健医療センターのホームページにおける統合に関するQ&Aの掲載、また、院内掲示板における告知ポスターの掲示や説明チラシの配布などを行ってきたところでございます。
今後もこうした取組に加え、リモート形式での説明会の開催や出前説明会の実施などの工夫をしながら、県民の皆様の不安の声に丁寧に対応してまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)今伺いました掲示板へのポスターですね。最近やっていただいたということで。最初私も拝見したとき、結構文字ばっかりであまり目立たないなと思ったんですが、実際小児保健医療センターに伺った際には、そのポスターを熱心に見ておられる保護者の方がいらっしゃって、やっぱり関心のある方にとっては大きな告知になったのではないかなと思いました。
このポスターとかQ&Aと同じものが、今もおっしゃいましたようにホームページにも上げられていますが、PDFをダウンロードする形です。経営統合という大きなトピックスでもありますので、やはりトップページにもっと分かりやすくメッセージとして入れるべきではないかと考えますが、見解を伺います。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
病院統合につきまして、患者や保護者に分かりやすく伝えることは重要であると考えており、トップページにつきましては、より効果的な掲載内容となるよう、早急に工夫してまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)よろしくお願いいたします。
先ほども言っていただきました説明会、Zoomや出張もされているということで、先日、会派の政調会に来られた方から、重症の心身障害の子供を抱えていると説明会に足を運ぶこともままならないというお話も伺いました。ぜひともこのやっているという周知も含めて、広げていただけますようよろしくお願いいたします。
また、御答弁で、医療の専門性の維持や強化に関して、専門性の高いチーム医療体制を構築する、対象疾患の拡大とありましたが、具体的にどういうことなのか教えていただけるでしょうか。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
チーム医療体制につきましては、例えば、総合病院の医師や施設、設備を活用することにより、現在の小児保健医療センターでは実施できなかった疾患の手術が可能になる体制づくりなど、障害児者に係る幅広い疾患の治療につなげることができるものと考えております。
対象疾患の拡大例としましては、現在、滋賀県歯科医師会さんが口腔衛生センターで実施されている障害者歯科治療について、統合後の総合病院に機能移転を行い、全身麻酔を活用した治療の充実を検討しているところでございます。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ただいまの御答弁にありました現在の病院では実施できなかった手術というのは、例えば具体的にどういったことがあるのか、少し詳しく教えていただけますでしょうか。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
小児保健医療センターには、現在、常勤の外科の医師がおりません。総合病院には外科の医師がおりまして、例えばその外科手術ですね。いわゆるヘルニアであるとかといった、そういった外科手術、障害児の方の。そういったことが可能となるチームづくりができるのではないかというふうに考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
ちょうど県立総合病院の広報紙「FACE」で、今回、小児救急について総合病院のお医者さんが触れておられて、こういったふうに、現総合病院のお医者さんの中でも、そういった小児のことまで熱心にやっていきたいという方がまたさらに増えていくことを、ぜひとも取り組んでいただけたらと思います。
再整備に当たっての医療に係る運用面に関しても、例えば保護者の方から聞いた話では、小児新棟供用開始までの移行期に外来と入院病床が道をまたいで離れるとか、新棟完成後も急性期小児病床が別棟の9階と外来と離れるとか、あと、重度心身障害の子供たちやその保護者にとっては負担が増えるのではと危惧する声でしたりとか、あと、総合病院の一般患者と動線が重なることへの抵抗感など、いろんな声を伺います。
変わることに対する一つ一つの不安に具体的に丁寧に応えていくことが必要だと思いますが、今後の対応について伺います。
◎病院事業庁長(正木隆義) お答えします。
現時点では、小児病棟の移転後や小児新棟整備後の具体的な病院運営について詳細が決まっていないことから、患者家族の皆様に不安を抱かせる部分があったものと認識しております。
議員御指摘の外来と病棟間の移動についても、詳細は固まっておりませんが、入院の可能性がある患者を入院病棟内で診察するなど、患者の皆様の安全を確保できるような検討を進めているところでございます。
こうした検討事項をできるだけ早く具体化し、患者家族の皆様に安心していただけるよう、丁寧に説明してまいりたいと考えております。
◆17番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。
変わることに加えて、やっぱりなかなか具体的に見えてこないということに関する不安もあるかと思います。
今回、私、冒頭に経費のことを様々申し上げましたが、決して経費縮減に努めろと当たり前のことを言っているわけではなく、大前提として、子供たちの健康と命に関わること、必要なことにはしっかりと予算をつけるべきだと考えております。
県民の将来負担を減らす意味でも経営改革は必要な観点だと理解はしておりますが、公立病院として果たすべき役割を最優先として、そのことにこそ県民理解を得られるように尽力いただけることをお願い申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(目片信悟) 以上で、17番小川泰江議員の質問を終了いたします。
次に、37番清水鉄次議員の発言を許します。
◆37番(清水鉄次議員) (登壇、拍手)3年ぶりに一般質問させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
まず初めに、昨日発生しました米原市伊吹地区の土砂災害には心からお見舞いを申し上げます。一刻も早い復旧を願っております。
今年の2月に監査という役をいただきまして、伊吹高校に視察に行きました。私、毎日朝起きますと、琵琶湖の反対側から伊吹山を毎日何回も見ております。伊吹高校に行ったときに、目の前に、ほんまの目の前に雪の伊吹山を見まして、まさに感動したというか、大変うれしく思いました。ぜひ皆さんも雪の伊吹山を間近で御覧いただければと思います。ちょっと気持ちが高ぶると思います。長浜、米原の方は思われんかもしれませんけど、私は思いました。
それと、先ほど重田議員から本当に北部振興に対してエールの質問いただきました。本当にありがたいなと思ってます。それで、奥村議員からも人口減少でいろいろと御心配をいただきまして、これからできるだけそうならないように頑張っていきたいと思いますので、何とぞ御協力いただきたいと思います。
それでは、質問に入ります。
湖西線開通50周年記念事業と利便性向上につきまして、2月議会に桑野議員から湖西線利便性向上の質問いただきまして、また、初日に海東議員からも湖西線について御質問いただき、昨日も谷口議員からも北陸新幹線のことでも質問いただいて、もう答えいただいてるんですけど、改めてちょっと質問させていただきます。
また、高島市議会でも、今6月議会でJR湖西線の自然事象による運転の見合せへの対策強化を求める意見書を全会一致で採択されております。高島市民にとりましては湖西線は市外につながる大切な公共交通機関であり、通勤通学、日々多くの市民が利用しております。それほど大変重要な公共交通機関です。
湖西線は昭和49年、旧国鉄により琵琶湖西岸の旧江若鉄道に代わる基幹路線として整備され、7月20日に開通50周年を迎えます。大変ありがたいことです。
近江塩津駅から高島市、大津市を通り、京都市の山科駅を終点として1974年──昭和49年7月20日に開業しました。駅数は21で、路線距離は74.1キロメートルです。
思い起こしますと、1974年7月20日の開業日は、私は高校3年生でした。当時、甲子園の滋賀県予選の開会式に参加するために、初めて湖西線に乗車しました。そのときの印象は、それまで江若バスでぎゅうぎゅう詰めで毎日学校に通っておりましたので、湖西線に乗ったら、何とクーラーが効いてるやないけと。ゆったり座ることもできまして、しかも1区間30円ですよ、当時。私が通学していた近江今津駅と近江高島駅間が60円で乗車できました。本当に驚きました。
そして、湖西線開通40周年のときには三日月知事が知事に就任され、初めての公務として高島市民会館で開かれましたJR湖西線開通40周年記念式典に参加されました。私も参加しておりました。今後、湖西線利便性向上に向けて大きな期待を持ちました。
そして、湖西線開通50周年記念事業と湖西線の利便性向上について、これから全て知事にお伺いします。
まず1点目、湖西線50周年を迎えるに当たり、知事として、今後、湖西線利便性向上や観光振興など、どのように考えておられるかお伺いします。
2点目、7月20日に湖西線開通50周年記念事業が実施されます。質問を書いているとき、50周年記念、地元ではあんまり話題にもなっておりませんでしたし、盛り上がってなかったんですけれど、今月、私、自治会長をしている関係で広報誌が早めにちょっと来まして、その中に、表紙が湖西線50周年、そして4ページにわたって非常に詳しく広報されてました。高島市民に全戸配布の広報誌7月号でようやく湖西線50周年記念が広報され、地元ではこれから盛り上がるではないかと期待してます。
そして、様々な記念事業を展開されるとお聞きしていますが、広報周知、PRについて、どのような状況かお伺いをします。
3点目、先ほども言いましたが、湖西線は高島市民の生活にとりましては大変重要な公共交通で、湖西線の運行状況によっては市民生活にも大きな影響が出てしまいます。14.6キロメートルにわたって防風柵を設置していただきましたが、近年、強風等による運転見合せが増加しており、住民の方から湖西線に対する運転見合せの改善をしてほしいとの要望が多く寄せられています。
JRのプレスリリースによると、運転見合せが短期間で今までないほど発生しており、今年1月から3月までで11回発生しました。これが人口流出や移住、定住施策にも影響を及ぼし、就職するにも影響が出ているかもしれません。運転見合せの回数の削減、運転見合せのときの代替手段の検討、速やかな運転再開、迅速かつ正確な情報発信について対応が必要と考えます。
また、湖西線利便性向上プロジェクト推進協議会の目的は、観光振興、利用促進、強風対策となっておりますが、改めてこの強風対策について、県として、また、湖西線利便性向上プロジェクト推進協議会の一員として、JRに対してしっかりと要望していただき、改善できるようにしていただきたいがいかがか、お伺いをします。
4点目、今話題になっております北陸新幹線が3月に敦賀まで開通しました。特急サンダーバードは大阪─金沢間が大阪─敦賀間に短縮され、本数は昨年度と変わらず上下25本と聞いております。
来年度以降、ダイヤ改正により特急が増便され、JR堅田駅やJR近江今津駅への停車本数が増えることで、湖西線を利用した観光振興につながればと期待をしておりますが、どのような見込みであるのかお伺いをいたします。
最後に、北陸新幹線ルートが敦賀─大阪間は、小浜─京都ルートに決定されていると聞いております。改めて、関西広域連合の長として、知事として、湖西線が並行在来線にならないことを確認したいと思いますが、いかがかお伺いをいたします。
○副議長(目片信悟) 37番清水鉄次議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)湖西線に関して5点御質問いただきました。
1点目、湖西線の今後ということについてでございますが、50周年を迎えた湖西線の利便性を向上させるには、今後も50年、100年と沿線の住民の皆さんに愛され続け、多くの皆様に御利用いただく取組と、沿線の魅力ある観光資源を活かした観光誘客を一体的に取り組んでいくことが必要だと存じます。
これまでも、住民参加型の駅の魅力向上アートイベントや沿線風景のフォトコンテスト、駅発のレンタサイクルによる観光周遊コースの発信等に取り組んでまいりました。
このたびの50周年イベントは、今申し上げた取組成果をさらに発展させ、次なる50年、100年につなげていく契機としてまいりたいと存じます。
2点目、記念事業のPRについてでございますが、記念事業につきましては、湖西線利便性向上プロジェクト推進協議会の本県および沿線3市と、共催であるJR西日本と連携いたしまして、幾重にもわたりプレスリリースを行い、多くの皆様と共に50周年を祝う機運の醸成に努めているところでもございます。
また、滋賀ふるさと観光
大使の西川貴教さんには、開通記念日の7月20日に近江今津駅の一日駅長に御就任いただくとともに、御自身のSNSから情報発信をいただいたことで、延べ30万人以上の方々に御覧いただき、県内外の幅広い世代にPRできたのではないかと考えます。
これらの取組によりまして、記念列車のヘッドマークデザインや車内に展示するお絵かきのコンテストでは、沿線在住の子供たちから多くの御応募をいただいたところでございます。また、記念列車の乗客募集におきましても、県内外から定員の5倍を超える申込みをいただいていると聞いております。
開通記念日まで日も迫ってまいりましたが、沿線3市やJR西日本と共に、残された日、一日一日を無駄にすることなく、粘り強くPRに取り組んでまいりたいと存じます。
3点目、強風対策のJRへの要望についてでございますが、生活基盤である鉄道が度々運転見合せになるという状態は、高島市民をはじめ、沿線住民に大きな不便をもたらし、また、沿線の魅力が失われかねないものだと存じます。
そのため、湖西線の強風対策のさらなる推進は、沿線市の定住促進や観光誘客に必要不可欠であると認識しております。
本県といたしましては、JR西日本と様々な課題で個別に意見交換を開催するとともに、協議会の会長として、沿線3市長と共にJR西日本と定期的に意見交換を開催し、強風対策について重ねて要望してきたところでもございます。その成果として、平成31年──2019年3月には現在の防風柵の設置につながったものと認識しております。
今後も、例えば、運転見合せの判断材料となる強風予測の精度向上をはじめ、一層の強風対策をJR西日本に対し粘り強く、様々な機会を通じて働きかけてまいりたいと存じます。
4点目、ダイヤ改正の見込みについてでございますが、来年度以降のダイヤ改正については、現時点でJR西日本から何も公表されておりませんが、県内の駅に停車する特急サンダーバードは、1日に上下合わせて8本にとどまっておりますことから、本県といたしましては、今後も国やJR西日本に対して、県内での停車駅や停車本数の増加を要望してまいりたいと存じます。
また、せんだっても一部をお話しいたしましたが、はるかを延伸させることも含めて、ぜひJR側には働きかけを行ってまいりたいと存じます。
5点目、並行在来線についてでございます。
本県といたしましては、これまでの整備新幹線において、当該新幹線の通らない県の在来線や大都市近郊区間の在来線が並行在来線として経営分離された事例はないことを踏まえ、敦賀─大阪間の新幹線整備に伴う並行在来線は存在しないものと認識しております。
この考えは、関西広域連合においても共有しているところであり、早期にこのことを御確認いただくことが着工条件を整えることであるという認識を、これからも引き続き、繰り返し粘り強くお伝え申し上げてまいりたいと存じます。
◆37番(清水鉄次議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
北陸新幹線が敦賀まで来まして、何か湖西線を活用した形で、湖西線の利便性がよくなるんじゃないかなという期待もしておりまして、そういった意味でも、少しでも特急の便数、そしてJR堅田駅、近江今津駅に止まってほしいと今後も期待をしておるところでございます。
そして、今、並行在来線にならないというお言葉を賜りまして、非常に力強く感じております。本当にそうなっていただきたいと思っております。
再質問ですけど、現在、湖西線が昼間の間が近江舞子駅以北が1時間に2本から1本に減便になっているのは御存じかと思います。そういった状況で、今、湖西線を利用してる高島市民の皆様は大体約5,000人、1日約5,000人ぐらいおられて、定期利用者は3,000人ぐらいおられると聞いているんですけれど、運休になっても定期利用者に関しては何ら見返りはないんですけど、湖西線の運休は、やはりこの住民の皆さんにとっては日常生活に大きな影響を及ぼしております。
運行再開の情報の提供を分かりやすく速やかにいただけるとか、分かりやすい状況でお知らせいただければと、そういう仕組みにならないかなということを思っておりますし、中には、計画運休ということでお知らせいただいてるんですけれど、計画運休後に、場所によっては風が吹いていないんじゃないかなと、それなのになぜ止まってるんやと。場所によるんですけどね。その感覚なんですけど。そういったことで納得されておられない方も結構少なくないんです。
そういう意味でも、情報提供ですね。風で運休になって、それからどうなるんやということを速やかにお知らせいただきたいと、そういうことをちょっと再質問させていただきたいと思います。
◎知事(三日月大造) おっしゃるとおりだと思います。
湖西線に乗られる方、また、とりわけ通勤通学などで定期的に利用されている方々が、いつ運休となるのか、また、いつ運行が再開されるのか、また、どういう場合に止まり、どういう場合に運行が再開されるのか、できる限り早く、そして詳しく知りたいと思うのは当然のことだと存じます。
本県といたしましても、また、協議会としても、そういった運休情報や運行再開情報を迅速かつ的確に提供いただけるよう、JR西日本に対して強く求めてまいりたいと存じますし、その求めているこういう答えがあった、こういうことが改善される見込みという、こういうやり取りをぜひできるだけ多くの方々に共有できるよう努めてまいりたいと存じます。
◆37番(清水鉄次議員) (登壇)どうぞよろしくお願いをいたします。
それでは、次の質問に行きます。
コロナ後の県内中小企業、小規模事業者の状況につきまして。
新型コロナウイルス感染症が5類感染症の位置づけとなって1年が経過しました。中小企業に対する様々な補助もなくなり、コロナの際に活用してきたゼロゼロ融資の猶予も終了し、本格的な返済が始まっている状況です。
そのような中で、県内の地域づくりやまちづくりに大変御協力いただいている中小企業、小規模事業者の今後についてお聞きしたいと思います。
県内の約99%は中小企業、小規模事業者であり、そこには県内の就業者の84%が雇用されています。
ところが、東京商工リサーチの発表によりますと、令和6年5月の全国倒産件数、負債額1,000万以上が、前年同月比43%増の1,009件となりました。倒産件数は26か月連続で前年同月を上回り、増加数においては、リーマンショック直後の2008年9月に次ぐ2番目の多さとなったとお聞きしました。
業種別にはサービス業の倒産割合が高く、特に2024年問題でも取り上げられている道路貨物運送業、建設業の倒産、廃業は過去最多となっています。また、円安倒産の懸念があり、輸出関連の大企業は好況であるが、円安により資材高騰や価格転嫁が十分に進まない中小企業を中心に、今後、円安倒産が増加する恐れがあると予想されます。
政府は、物価高と人手不足を解消するために賃上げを要請されました。大企業は満額回答されましたが、中小企業においては価格転嫁が難しく、コスト増加の要因となる賃上げにはなかなか難しい厳しい状況とお聞きしております。
そこで、以下について
商工観光労働部長にお伺いします。
1点目、県内のコロナ後の中小企業、小規模事業者の状況について、円安による輸入資材や食材の高騰、人件費の高騰などでコストが増大する中、その増大分を製品価格に反映する、いわゆる価格転嫁が進まない状況だと聞いています。そのため、県内の中小企業は大変厳しい状況になっていると予想されます。
県はこのような経済状況をどのように考えておられるのかお伺いします。
2点目、県内の中小企業、小規模事業者の賃上げ状況についてお伺いします。
政府は労働者の賃上げを要請され、賃上げをすることによって個人消費の拡大が景気の回復につながるとしています。大企業は春闘で満額回答されましたが、中小企業はそのような状況になっていないのが現状です。
この状況について県はどのように捉えておられ、先ほど申し上げました県内の雇用の84%が中小企業、小規模事業者に雇用されていることを踏まえ、県として何らかの対策を実施されているのかお伺いをします。
3点目、先ほども言いましたが、全国の企業倒産件数が9年ぶりに9,000件を超え、今年度は1万件を超えるという予想もあります。
新型コロナウイルス感染症の流行の中で行われたゼロゼロ融資の猶予も終了し、本格的な返済が始まり、返済が厳しいところは伴走支援型特別保証への切替えが殺到しており、それも6月で終了しました。ゼロゼロ融資では保証料が無償でしたが、こちらは企業負担になっています。それでも経営を継続するためにはやむを得ない対応だと思います。このような中小企業は、今後新たな融資を求める場合は大変厳しい対応が迫られています。
そして、当局と協議をしているさなかに、国のほうから、7月1日に新たな保証制度、経営力強化保証制度が開始されることになりました。国の新しい保証制度は大いに評価するものですが、内容を確認しますと、さらに保証料の増額等、条件的にも厳しくなっています。
この国の新たな保証制度を活用し、県として今後どのような支援を行っていくのかお伺いをします。
4点目、多くの企業が人手が足りないとのことですが、人材確保、人材育成について、先日、知事が高島市の新旭電子工業に訪問された際に同行させていただきました。事業所では約80人のベトナムの方を雇用されていました。ベトナム人の従業員の方は日本語を話され、技術力も高く、また、この地域で将来移住したいとお話を聞かせいただきました。大変うまくいってるなと感じました。
県内企業では多くの外国の方が働いておられると思いますが、どのような雇用状況でしょうか。また、どのような課題があるのかお伺いをします。
5点目、人材育成について、その中でも女性の活躍についてですが、日本はジェンダーギャップ指数118位で、先進国では最下位と言われています。これからの社会を考えた場合、特に地方では女性のさらなる活躍、管理職の登用などが求められています。
国立社会保障・人口問題研究所によると、今回消滅都市として高島市と甲良町が発表されました。これは若い女性が減少しているからと言われています。
女性が活躍でき、働きやすい環境を進めていくことが地方にとって重要と考えますが、その点について県としてどのようにお考えかお伺いします。
6点目、高齢者の雇用について、滋賀県も令和5年度から定年延長が始まり、65歳に延長される予定です。既に民間企業では65歳まで働くことがスタンダードになり、場合によっては70歳まで雇用があります。このような人材を確保するために、高齢者の雇用は必要不可欠な社会になっています。
高齢者雇用についてどのようにお考えかお伺いをします。
7点目、専門人材の活用によるリスキリング・DX人材の育成支援について、県が進めておられる施策をお伺いします。
8点目、最後ですが、事業承継についてお伺いします。
2023年帝国データバンクによると、滋賀県の後継者不在率は3年連続低下しているとはいえ、52.9%といまだに深刻な状況と捉えています。特に滋賀県においては、北部地域の事業者数の減少割合が平成21年から令和3年の間に高島市で19%減、長浜市で16.6%減、米原市で13.5%減と、滋賀県平均の9.4%減を上回っています。
中小企業は従来、自分の子供や親族、信頼できる従業員を後継者として経営を継続するのが一般的でしたが、近年では後継者が見つからないまま経営者が高齢化したり、休廃業、解散を余儀なくされる企業が見られます。このままでは、日本経済を支える雇用や技術が失われる可能性があります。これ以上技術力のある優良な中小企業を失わないために、事業承継、世代交代は企業の成長にとって必要であると考えます。
特に滋賀県においては、北部地域の事業者数の減少がですね、これにより北部地域の経済の活性化、経営資源の承継、雇用維持の観点から事業承継の重点的な支援が求められていますが、現在どのような施策を進めておられるのかお伺いします。
◎
商工観光労働部長(林毅) (登壇)コロナ後の中小企業、小規模事業者の状況につきまして8点の質問にお答えをさせていただきます。
1点目のその状況についてでございます。
県で取りまとめます今年度第1四半期の景況調査の速報では、エネルギー、原材料価格上昇に関しまして、9割を超える中小企業が悪い影響がある旨回答されております。
また、価格転嫁につきましては、改善の兆しが見られるものの、他社との価格競争や取引先、消費者の理解が得られず転嫁が困難との回答も多く、十分に進んでいない状況にございます。
事業者からは、原材料価格の上昇による企業コストの増加が経営を圧迫、人件費まで含めた価格転嫁は道半ば、さらなる価格の上昇など先行き不安といった声も聞かれまして、中小企業を取り巻く経済状況は引き続き厳しい状況と認識しているところでございます。
2点目の賃上げについてでございます。
本県が実施しております令和6年──2024年春季賃上げ妥結状況調査につきましては、現在調査中でございますが、全国の状況といたしましては、一般社団法人日本経済団体連合会の令和6年──2024年春季労使交渉第1回集計によりますと、従業員500人未満の中小企業では、従業員500人以上の大手企業に比して、賃上げ額では9,060円、率では1.66ポイント低くなっており、本県においても同様の状況にあると推察されるところでございます。
こうした中、本県では、本年2月に政労使の代表者が集まり、適切な価格転嫁を伴う持続的な賃上げの推進に関する共同メッセージを発出するなど、国とも連携しながら、賃上げの機運を醸成しているところでございます。
また、中小企業における賃上げや人材確保に向けた環境整備を後押しするとともに、賃上げの原資となる付加価値額の増加を図るため、事業者が行う生産性向上や新事業展開等の取組を支援しているところでございます。
さらには、先月、国に対して、賃上げに取り組む中小企業への継続的な支援を要望したところであり、今後とも、これらの取組を通じまして、中小企業における持続的な賃上げにつなげてまいりたいと考えております。
3点目の国の保証制度を活用した支援についてでございます。
国におきまして再生支援の総合的対策が策定されまして、本年7月以降の資金繰り支援については、コロナ前の水準に戻しつつ、経営改善、再生支援に重点を置くことを基本とする方針が示されました。
この方針を踏まえまして、県制度融資におきましても、国の新たな保証制度を活用したセーフティネット資金(経営力強化新規枠・借換枠)を昨日7月1日に創設いたしまして、金融機関等による経営改善を図りながら、資金繰りを支援してまいるところでございます。
また、県といたしまして、金融機関に対し、当該資金の利用と併せまして、借換えの柔軟な対応等を改めて要請したところであり、より多くの中小企業者に活用いただけるよう、寄り添った取組を進めてまいります。
4点目、外国人の雇用状況および課題についてでございます。
四半期ごとに実施している県の景況調査によりますと、令和6年度──2024年度第1四半期調査結果の速報値におきましては、雇用水準のDIがマイナス34.3でありまして、依然として企業の人手不足感が強い状況と認識しております。
人口減少が進むと予想される中、人材不足に対応するためには、多様な人材の活躍促進が重要と考えているところでございます。
滋賀労働局が発表いたしました令和5年──2023年10月末時点の外国人雇用状況によりますと、県内における外国人を雇用する事業所数は2,752事業所、外国人労働者数は2万4,791人で、いずれも過去最高となっており、人材不足の中、外国人の雇用が進んでいる状況でございます。
課題といたしましては、県が令和6年──2024年4月に実施しました企業向けアンケートによりますと、人材不足の解決や優秀な人材の確保のため外国人の雇用を検討しておられるものの、言語や慣習の相違、社内の受入体制整備を挙げられているところです。
こうした中、本県では、高度人材を対象に就労場面での日本語能力向上およびビジネスマナー習得を図る講座を開設するなどし、県内企業における外国人材の長期活躍を促進してまいりたいと考えております。
5点目、女性が活躍できる環境づくりについてでございます。
若い女性が地方から減少することを食い止めるためには、女性が希望に応じた働き方を実現でき、働きがいを感じられる環境づくりが重要でございます。
本県の女性を取り巻く状況を見ますと、管理職に占める女性の割合は、令和2年──2020年国勢調査によると14.4%で、全国37位と低い状況にあり、また、女性の就業者に占める非正規雇用者の割合は、令和4年──2022年就業構造基本調査によりますと53.1%で、全国で最も高い状況となっていることから、女性が能力や経験を十分に発揮するには、まだまだ取り組むべき課題があると認識しているところでございます。
女性が達成感や働きがいを感じながら仕事を続けるためには、企業の経営者層の意識を変えることが大変重要でございます。
そこで、今年度は、県内企業の経営者層を対象とした湖国のリーダーの会シンポジウムの開催や、女性活躍の先進的な取組を行っている企業の事例集作成により、女性活躍の理解促進を図っていくこととしております。
滋賀県女性活躍推進企業認証制度におきまして、このほど最高ランクの3つ星企業が2社誕生し、計7社となったところでございます。引き続き認証制度を広く周知することにより、柔軟な働き方や女性管理職登用など、企業における女性活躍の取組を一層推進してまいりたいと考えております。
6点目、高齢者雇用でございます。
平均寿命、健康寿命が全国上位である本県におきましては、企業の人材確保の観点からも高齢者の活躍が期待されるところでございます。
一方で、令和5年度──2023年度の55歳以上の有効求人倍率は0.55倍と低く、就労を希望する中高年者と企業との需給ギャップが生じているところです。
このため、県では、シニアジョブステーション滋賀を設置し、求職者に対し相談支援を行うとともに、企業には、短時間勤務制度など柔軟な働き方の整備や幅広い年齢層の雇用を促しているところでございます。
併せて、65歳を超える人材の雇用を推進する助成金やスキルアップ講座等の取組を行う国とも連携しながら、高齢者の雇用促進に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
7点目、専門人材の活用によるリスキリング・DX人材の育成支援についてでございます。
本県では、滋賀県プロフェッショナル人材戦略拠点を設置いたしまして、専門人材を活用した課題解決を提案するとともに、県内中小企業とのマッチングを支援しておりまして、昨年度実績で、雇用、副業合わせまして304件の活用につながっております。
今年度からは新たに、専門人材を活用した企業内リスキリングを推進するため、同拠点を通じまして人材とのマッチングが成立した際には、手数料補助などの支援を実施しているところでございます。
加えて、経済団体と連携いたしまして、DXを推進するためのリーダーの養成を支援するなど、企業におけるDX人材の育成を促進しているところでございます。
最後、8点目の事業承継支援の施策についてでございます。
県では、商工団体や金融機関等と共に滋賀県事業承継ネットワークを運営いたしまして、案件の発掘や事業承継計画の策定を支援するほか、承継準備に係ります経費への補助等を通じて、事業承継を促進してきているところです。
特に北部地域の状況に鑑み、この4月から新たに北部3市に事業承継に係る特任相談員を設置いたしまして、日々の巡回訪問や窓口相談を通じて5月末までの2か月間で257件の相談に対応し、うち116件を国の事業承継・引継ぎ支援センターへつなぐなど、承継ニーズの掘り起こしとともに、切れ目のない支援に取り組んでいるところです。
今後も関係機関が一丸となり、地域の様々な実情も踏まえながら、円滑な事業承継を推進してまいる所存でございます。
◆37番(清水鉄次議員) (登壇)再質問をさせていただきます。
いろいろと教えていただきまして、ちょっと驚いた数字もありまして、ちょっとコメントだけさせてもうて再問させていただきます。
中小企業の皆さんが賃上げしようと思ったら、やっぱり利益を出していかなあかんわけなんですけど、やっぱり国や県の様々ないろんな施策を活用しないとなかなかできない状況ではないかなと思いますので、様々なメニューを、施策をいろいろ展開していただければと思います。
また、保証制度ですね。新たな保証制度が7月1日からスタートしたんですけど、国の保証制度を活用していただいて。県のほうで先ほどおっしゃった経営力強化保証制度ですね、これを策定していただきまして、今後、状況を見ながら、いろいろと先、先を考えていただけた保証制度をまたお願いしたいと思います。これ、つくっていただいたことは大変ありがたいと思ってます。
外国人雇用におきましても、先ほど、現在2,752社と2万4,791人の外国人労働者も雇用されているということをおっしゃいまして、これは過去最高ということで、それほど今雇用に対して外国の方に御協力をいただかな非常に事業運営が難しいというような状況ではないかと思ってますし、先ほども申し上げました新旭電子工業さんは、雇用されている方は専門的な高度人材の方で、非常に労使関係はうまくいっておられます。
今後、企業にとって課題といえば、先ほどもおっしゃいましたけど、やっぱり言葉の問題などですね。生活もとかですね。そういったことでまたアドバイス等を御協力いただければと思います。お願いしたいと思います。
女性活躍も、先ほど滋賀県が全国で非正規率ですね、非正規雇用が一番多いという大変ショッキングな話で、管理職登用も14.4%、37位ということです。これはやっぱり改善せなあかんという意識を持っていただきたいと。それには、中小企業さんの会社の方針もやっぱり御協力いただくというような指導も今後お願いしたいなということで、やっぱり女性が活躍されるとやっぱりいろんな面で変わってくると思いますので、その点、県のほうも主体になって御指導賜りたいなと思います。
それで、再質問ですけど、人材確保なんですけどね。高島市のもう民間の団体が、人材確保の取組として、今まで専門学校と協力してすばらしい事業を今計画しております。当然民間ですので、自分らで資金を出し合って、そして、結果が出ないとなかなか継続というのは難しいんですけど、これをやっぱり継続していただくためにも、何らかの形で協力してやってもらえないだろうかとか、新しいメニュー、施策を出していただけないかなと、来年に向けてですね。それをぜひ検討していただきたい。資料は部長に渡してありますので、ぜひこの点、御検討いただきたいなと思います。
それと、8点目です。8点目の事業承継なんですけど、本当に地域のこの活力にも影響しておりますので、今現在、事業承継は滋賀県や事業承継・引継ぎセンター、金融機関、商工会、行政、公的機関など、弁護士などが連携しながら今対応しておられるわけなんですけど、1年や2年で結果なんかなかなか出るものではありませんので、あれだけ、2か月で257件の相談があったぐらいですので、ぜひともこれも継続的な事業として続けていただければと思いますので、その点についてお伺いしたいと思います。
◎
商工観光労働部長(林毅) 2点の御質問いただきました。
1点目、人材確保についてでございます。
議員御紹介の取組につきましては、企業と学生の接点をつくるものとして、人材確保のミスマッチの防止につながる大変有効な取組であるというふうに考えているところでございます。
現在、県では、今年度新たに設置いたしました産業づくり懇話会、それと協議会におきまして、喫緊の課題であります人材不足への対応でありますとか中長期を見据えた人への投資等について、産学官の関係者で議論をしているところでございます。
この懇話会、協議会の中で、若者の確保、定着に向けた取組についても議論、それから施策について検討しているところでございまして、議員御提案の取組も含めまして、財源等の限られる中で、さらにどのような取組が必要か、効果があるのか等、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
2つ目の事業承継についてでございます。
特に北部地域につきましては、議員も御指摘のように、経営者の高齢化や後継者不足ということがございます。それを背景とした事業者の減少が懸念されるということとともに、事業承継に至るまでには多くの関係者との調整や相当の時間を要するということがございますので、今後も継続的かつ重点的な支援が必要と認識しているところでございます。
取組の成果を十分に検証しながら、貴重な経営資源が次代へ円滑に引き継がれていきますよう、引き続き、効果的な事業承継の施策を講じてまいりたいと考えております。
◆37番(清水鉄次議員) (登壇)議長、終わります。(拍手)
○副議長(目片信悟) 以上で、37番清水鉄次議員の質問を終了いたします。
次に、27番周防清二議員の発言を許します。
◆27番(周防清二議員) (登壇、拍手)昨日、最後のほう、未成年者の禁煙の話をされまして、禁煙は愛とのことでございまして、そう言われると我々喫煙者は非常に声を上げにくいわけなんでございますが、今日はもうサイレントマイノリティーといいますか、少数派である喫煙者からのたばこへの愛を込めて、人の健康について質問させていただきたいと思います。
2002年──平成14年に公布された健康増進法は、2018年──平成30年には健康増進法の一部を改正する法律、いわゆる改正健康増進法として公布され、2020年──令和2年4月1日に全面施行となりました。
この法律は、望まない受動喫煙をなくす、受動喫煙による健康への影響が大きい子供、患者等に特に配慮する、施設の類型、場所ごとに対策を実施するを基本的な考え方としています。つまり、喫煙に特化した形で改正されたわけで、望まぬ受動喫煙は避けたほうがよい、これは当然のことでありますが、本当に喫煙が健康に悪いのかという疑念は私は残っております。
なぜなら、喫煙率は、健康増進法公布前の男性で約50%ありました。今現状30%へと下がり続けております。女性はほぼ10%で変わらない状況にもかかわらず、がんの罹患率、死亡率ともに肺がん、大腸がんが増え続けているのはなぜなのか、常々疑問に思っていたわけであります。
人間の体は水と空気と食べ物からできております。水道水がそのまま飲める日本、空気のきれいな日本、安心・安全な食べ物にあふれたこの日本で、そんな日本でなぜがんが増え続けるのか。たばことは別の、目に見えない何かほかに原因があるのではないかと思っていた矢先、NHKで放送された内容に衝撃が走りました。
岡山の山間、およそ1,000人が暮らす小さな地区、吉備中央町で昨年10月、水道水が有害とされる化学物質PFAS──ピーファスとも呼ばせていただきますが──が高い濃度で汚染されていることが分かりました。
PFASとは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、1万種類以上が存在するとされており、ペルフルオロオクタンスルホン酸──PFOS、言いにくいですね、とペルフルオロオクタン酸──PFOAというのが代表例であります。水や油をはじく特性を持ち、かつては泡消火剤や精密機器の製造、フライパンのコーティング、撥水スプレーなど幅広い分野、用途に使われていました。
長く環境に残留することから永遠の化学物質とも呼ばれ、欧米の研究では、PFASの一部の物質が発がん性や子供への成長の影響など有害性が指摘されております。
日本ではPFASのうち3種類の物質について輸入、製造が禁止されている状況と承知していますが、まずもって、PFASの国の暫定目標値はどれだけなのか、琵琶湖環境部長に伺います。
○副議長(目片信悟) 27番周防清二議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) (登壇)お答えいたします。
PFASの一種でありますPFOSおよびPFOAに対しまして、水道水および水環境における暫定目標値が設定されているところでございます。
水道水では水質管理目標設定項目といたしまして、水環境中では要監視項目として、それぞれPFOSおよびPFOAの合算値で1リットル当たり50ナノグラムの暫定目標値が設定されているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
それでは、この物質を吸引、摂取した場合、どのような健康被害があるのか、健康医療福祉部長に伺います。
◎健康医療福祉部長(山田忠利) (登壇)お答えいたします。
令和6年──2024年6月の国の食品安全委員会の評価書では、健康被害について、肝機能への影響や脂質代謝への異常、また、ワクチン接種後の抗体低下、出生時の体重低下について、関連は否定できないが証拠としては不十分、人体への影響は不明とされているところでございます。
また、発がん性につきましては、PFOAと腎臓がんなどの関連について、結果に一貫性がなく証拠は限定的であり、また、PFOSと肝臓がんなどの関連性につきましては、証拠は不十分とされております。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
PFASは、環境省の呼びかけにより、令和2年度から検査を実施する自治体が増えて、環境省は自治体の調査結果を取りまとめて公表を始めております。
そんな中、米国では発がん性や免疫力の低下など人体に及ぼす悪影響の可能性が指摘されており、2024年──今年の4月に飲料水の基準値を最終決定しました。米連邦政府がPFASについて法的拘束力のある前例基準を定めるのは初めてのことでありまして、PFOS、PFOAは4ナノグラム1リッター当たりという、これまでの基準値より大幅に厳しく設定いたしました。
米国が基準値を厳しくした理由はどのようなことからか、健康医療福祉部長に伺います。
◎健康医療福祉部長(山田忠利) お答えいたします。
令和6年──2024年4月の米国環境保護庁の発表によりますと、PFOS、PFOAはヒトに発がん性がある可能性があると評価し、目標値をゼロとした上で、実行可能な処理方法として、それぞれの基準値につきまして、分析能力の下限値の1リットル当たり4ナノグラムとされているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)いや、それは今私が言いましたやんか。今、違うとすれば、目標をゼロにするという、厳しく設定をするわけですね。
日本では実は毒性が明らかになってから規制値をつくるというのが慣習であります。一方、欧米というのは疑わしきは罰する。毒性が分かった時点で、一番予測される毒性に合わせて基準値をつくるということであります。ですので、ゼロというのが一応目標ですけども、実質上4ナノグラムという話になろうかというふうに。ということで、早め早めに手を打っていくわけであります。
近畿1,450万人の水利用を支える水がめ、琵琶湖を預かる滋賀県としての責任があり、また、その水を12市6町の県民、1日37万トンの飲料水として、また、農業かんがい用水、また、1日7.7万トンの工業用水として利用しているわけでありまして、併せて、絶好の遊水地でもありますから、フィッシングや、また、夏には多くの方が水泳に来られることから、琵琶湖の水質は早めに手を打っておく必要があるかと思います。
水質は常に把握されていることとは思いますが、琵琶湖や流入河川のPFAS検査はしているのか、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
令和2年──2020年5月、国におきまして、PFOSおよびPFOAが公共用水域等の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する要監視項目に追加されたところでございます。
これに伴いまして、令和3年──2021年度から本県の公共用水域水質測定計画の測定項目にPFOSおよびPFOAを追加し、琵琶湖8定点および琵琶湖に流入する24河川の定点で調査を実施しているところでございます。
これまでの調査結果では、PFOSおよびPFOAの暫定目標値でございます1リットル当たり50ナノグラムを超過する地点はないという状況でございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
令和3年から検査していただいてるということで、まだ今のところを超えていないということでありますね。
県民の飲料水は、琵琶湖や流入河川のみならず、地下水が原水となっていると思われますが、県が供給をする水を含めて、県内の水道水はPFASの検査をしているのか、その状況を健康医療福祉部長に伺います。
◎
健康医療福祉部長(山田忠利) お答えいたします。
企業庁を含む県内20の水道事業体のうち、令和5年度──2023年度に14事業体でPFOS、PFOAの検査を実施しておりまして、その結果、全ての事業体において、暫定目標値であるPFOS、PFOAの合算で1リットル当たり50ナノグラムを下回っている状態でございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
一安心ですけど、6事業体が残ってるわけですので、またその辺に対しては御指導よろしくお願いいたします。
発生源について確認していきたいと思います。もう既に輸入や製造などが禁止されていることから、現在は使用されている企業はないかと思いますが、これまでの間、県内でPFASの使用履歴のある企業を把握しているのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
県では、水質要監視項目に追加されました令和2年度──2020年度から、県内の工場、事業場に対しまして、工場の立入り等の機会にPFOS、PFOAの使用履歴の確認を行ってございます。
その結果、令和6年──2024年3月末現在で約320事業場の状況を確認してございまして、そのうち11事業場から、PFOSまたはPFOAを過去に工程で使用した履歴がある旨の回答がございました。
これら使用履歴があった事業場でのPFOSおよびPFOAの使用量は、化学物質の取扱いを国へ報告しなければならない量よりも少なく、国内での製造、輸入も原則禁止されていることから、現時点におきまして、環境汚染を懸念するレベルにはないと考えているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。一安心でございます。
それでは、もう1点、下水処理場についてお伺いします。排水は琵琶湖で薄まっていることになるんですけど、やっぱり排水の状況も確認しておかなければなりません。
下水処理場における放流水中のPFAS濃度は把握されているのか、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えをいたします。
下水処理場の放流水におけますPFASについてでございますが、現在のところ法令による基準も定められていないことから、県および市町の処理場におきまして分析は実施をしていないところでございます。
現在、国でも関係府省庁が連携をいたしまして、科学的知見の集積を図るための検討を行うというふうにされているところでございまして、今後、公共用水域におけますPFASの環境基準、これが定められ、下水道としての対応が必要となったときに備えまして、国と連携をいたしまして知見の集積に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)さっきも言いましたけど、やっぱり琵琶湖を預かってる滋賀県としては、国とそろってという話よりも、先に先手を打っておくべきだと思います。発生源になってもらうと困るんですけど、やっぱり先に、国より先に検査をしておくべきやと思うんですけど、再質問でもう一度答えてください。
○副議長(目片信悟) 答弁者を指名してください。
◆27番(周防清二議員) 琵琶湖環境部長でございます。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) 現在、先ほども申し上げましたように、琵琶湖やその流入河川での水質の定点調査、これにおきましてPFOSおよびPFOAの暫定目標値の超過は現時点では確認されてございませんし、その濃度に上昇の傾向、これもないことを踏まえまして、現時点におきましては調査ということは考えておりませんけれども、今後必要に応じまして、国とも連携しながら実施することも考えてまいりたいというふうに思ってございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)琵琶湖の定点検査もされてるんで、しっかりその辺の数値を把握して、早めに対処してもらえるようによろしくお願いします。
静岡市の清水区の化学工場で、有機フッ素化合物のPFASのうち、有害性が指摘されている物質を買って使用していた従業員の血中から高濃度のPFASが検出されていたことが、当時の親会社が作成した内部文書で分かっております。
また、先ほど言いました岡山県吉備町での水道水の汚染ですが、原因として指摘されているのが、水源のダム上流に放置されていた大量の袋で、中に入っていたのは使用済みの活性炭でありました。そこに含まれていた高濃度のPFASがしみ出し、水源を汚染したと見られております。
活性炭には水に含まれるPFASを吸着する性質があり、工場などでPFASを除去するために使用されていた使用済み活性炭でありまして、雨などにさらされていることで吸着していたPFASが流れ、汚染が広がっていたと見られております。
また、兵庫県明石市で水道の水源として利用されている明石川では、過去5年にわたって国の目標値を超えるPFASが検出され続けており、水路の先には産業廃棄物処分場があることが分かりました。
滋賀県においてもクリーンセンター滋賀やRD処分場など廃棄物処分場における排水の状況を把握しているのか、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
廃棄物最終処分場に関しまして、法令によるPFASの規制基準は定められておらず、測定義務も現時点ではございません。
このため、県の行政調査では県内処分場から排水中におけますPFASの分析調査は実施しておらず、その他実施されたとの情報も得ていないところでございます。
さっきも申しましたが、現在では、国において科学的知見を集積し、必要な対応の検討を進めているところでございまして、廃棄物最終処分場につきましても、県としてその動向を注視いたしまして、国と連携しながら知見の集積を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)基準がないということですね。
ちょっと併せて次の質問もさせていただきます。
PFASを使っていた大阪にあるフッ素樹脂化学工場周辺では、今も地下水からPFASの高い濃度での検出が続いているようでございます。工場の敷地だけの問題ではなく、周辺の影響の調査も行う必要がありますが、PFASに係る土壌汚染対策をどのように考えているのか、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
県内では、現時点でPFASに係ります土壌汚染の情報はないものの、沖縄県ではPFOS等が土壌から検出されたとの情報もございます。
また、環境省が設置いたしましたPFASに対する総合戦略検討専門会議、これが作成いたしましたPFASに関する今後の対応の方向性、これにおきまして、「土壌については、自治体と連携して地域の実情に応じて知見の集積を進めていくことが望ましい」とされてございます。
県といたしましては、必要に応じまして、環境省と連携をいたしまして土壌の知見の集積に努める一方で、まずは水環境中のモニタリングを引き続き実施していくことで、県内のPFOS等の状況を把握してまいりたいというふうに考えてございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)それでは、もう1点お聞きします。
PFASは泡消火剤に使用されていましたが、現状は使用禁止となっていることから、新たな泡消火器に関しては問題ないと思いますが、いまだPFAS含有泡消火器の回収というのは進んでいないと聞きます。
PFOS、何かPFOSらしいですけど、PFOS含有泡消火薬剤の在庫状況はどのようになっているのか、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
PFOS含有泡消火薬剤でございますけれども、一般家庭での使用はほとんどなく、空港、自衛隊関連施設や石油コンビナート等で主に使用されているところでございます。
これら施設等に対しまして、環境省が令和2年度──2020年度に実施いたしましたPFOS含有泡消火薬剤全国在庫量調査、この結果では、全国の泡消火薬剤の量は338.8万キロリットルとなっておりまして、そのうち県内の在庫状況は約0.7リットルで、全体の約0.2%の量にとどまってございます。
現在、国の関係省庁におきまして、PFOSを含まない泡消火薬剤への代替を促進を図っているところでございまして、県でも引き続き、工場の立入りや企業研修会、この機会を捉えまして、泡消火薬剤の代替についても周知啓発をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
滋賀県においては工場も含めそう心配は今のとこないかもしれませんが、静岡でもあったように、企業での検査とか、あるいは健康管理ですね。もし住民の方からそういった形で相談等がありましたら丁寧な対応をしていただく、あるいは迅速な対策をしていただくことをお願い申し上げたいと思います。
こういったことからがんにつながっていくとなればなおさらでございますので、大きな影響にならないまでに早く手を打っていただきたいなと思うところでございます。
ここまでは水による健康被害について議論してきましたが、ここからは空気について質問させていただきます。
春になると杉やヒノキの花粉症がメディアでは話題になりますが、PM2.5が話題に上ることはほとんどありません。
PM2.5とは大気中に浮遊する粒子で、直径が2.5ミクロンメートル以下の小さな粒子をいいますが、その成分は炭素成分、硝酸塩、硫酸塩などのほか、ケイ素、ナトリウム、アルミニウムなど無機元素が含まれ、物の燃焼によって排出されるものと、大気中で化学反応により生成されるものがあります。
PM2.5によってどんな健康被害があるのか、琵琶湖環境部長でよかったんですか、に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
PM2.5は、ボイラーやたばこの煙等にも含まれておりまして、先ほどございましたけれども、非常に小さな粒子であるため、健康被害としては、ぜんそくや気管支炎等の呼吸器系疾患への影響のほか、肺がんのリスクの上昇や呼吸器系への影響も懸念されているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
そうなんです。PM2.5というものはそんな影響があるということで、まず御説明いただきました。
喫煙だけに限ったことでないということを言いたいわけなんですけども。改正健康増進法というのは喫煙だけがターゲットになってるわけですが、さきに述べたように、喫煙率は下がり続けているのに、がんの罹患率、死亡率ともに肺がん、大腸がんが増えている。この原因はどう理解すればいいのか。PM2.5、たばこ以外のね。PM2.5が原因の一つになってるんじゃないかと。
喫煙率が下がっているのに肺がん死亡率が高い理由は何なのか、
健康医療福祉部長にお伺いいたします。
◎
健康医療福祉部長(山田忠利) 肺がんの死亡率増加の主な原因は、高齢化とされてございます。
なお、高齢化の影響除きました年齢調整後の死亡率は、1990年後半頃から低下傾向にございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)よく分からないですね、今の説明。私の持ってるデータでは年々がんの死亡率は増えてるんです。今のおっしゃってるのは年齢にどういうふうになるのか、もう一回ちょっとそこら辺、詳しく説明してください。
○副議長(目片信悟) 答弁者は。
◆27番(周防清二議員)
健康医療福祉部長。
◎
健康医療福祉部長(山田忠利) 繰り返し申し上げますと、確かに議員おっしゃいますように肺がんの死亡率は増加の傾向にございますが、これは高齢化が進んでいるというようなことも原因だというふうに理解してございまして、いろんな分析の世界でございますけれども、年齢を調整した後の死亡率につきましては低下してるんではないかと理解してございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)もう1つその年齢調整したというのがもう1つ理解しにくいんですよね。高齢化で亡くなることが多くなるのはよく分かりますが、一応今のデータで持ってる限りでは死亡率はどんどん増えている。年齢に関わらず増えていることが国立がんセンターのほうのデータで出ておりますので、それはちょっと何とも理解しがたいところであります。
ただ、たばことがんの発症に明確な因果関係はない、喫煙ががんの原因とは医学的には証明されていないというふうに私は聞いております。学術的にはっきりしているのは、喫煙とがんの発症に関連があるということだと聞いております。
米国では新たにがんになる人が減少に転じており、米国がん協会のがん予防のための栄養と身体活動に関するガイドラインでは、日本のがん予防ガイドラインでまず挙げられる危険因子、たばこが全てのページで見当たらないとのことでありまして、そのガイドラインの序文では、たばこを吸わない人を対象に、吸わない人にとって最も重要ながんの危険因子は体重、食事、運動との文章で始まります。つまり、喫煙しない人が増えたことから、がん予防の対象は非喫煙者が対象になっているということであります。
ほかにちょっと論文を紹介させてもらいますと、喫煙者はコロナに強いという論文があります。なぜなら、喫煙者の気道の粘膜が細菌やウイルスの感染を防ぐ免疫力を高めているということは既に知られているということであります。ニコチンが免疫系を選択的に抑制することから、ウイルスに関しても重症化しづらいということで、新型コロナでの入院患者に喫煙者が少ないという事実があるようであります。
おまけに、喫煙が認知や記憶、情報処理などの知的能力を高め、鎮静効果や筋肉の疲労を回復させ、何よりお通じがよくなるとの効果もあるとの報告があるようであります。
だからといって、改正健康増進法を否定するものではございません。望まない受動喫煙は、それはまたストレスになることから、しっかりと分煙するということは大事なことかと思いますが、もう一回話をPM2.5のほうに戻しますが、たばこ以外のPM2.5はどこで発生するのか、琵琶湖環境部長にお伺いします。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
たばこ以外の主要な発生源には、ボイラーや焼却炉などのばい煙発生施設や自動車の排ガスなどの人為由来のものと、火山、黄砂などの自然由来のものがございまして、それらの中には大陸からの越境汚染によるものも含まれてございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
そうなんですね。越境してくるんですね。
ちょっと先にもう1点聞きますが、かつて四日市ぜんそくなどの公害が社会問題になりましたが、おかげで日本のばい煙処理技術が高度化したこともございます。日本は澄んだ空になりました。しかし、PM2.5はどうなのか。
県内の企業のばい煙発生施設等の大気の検査状況を琵琶湖環境部長にお伺いします。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
県内の企業が設置いたしますばい煙発生施設などにつきましては、大気汚染防止法によりまして自主測定が義務づけられてございます。また、本県では、これらの施設に対しまして、毎年約30施設程度、行政検査を実施しておりまして、近年、排出基準の超過はございません。
一般大気中のPM2.5の濃度につきましては、県内16か所で24時間連続測定してございまして、環境基準を達成していること、また、濃度は年々低下していることを確認しているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)ありがとうございます。
低下しているという状況でありますが、平成25年でしたか、非常に大気中のPM2.5の濃度が上がったことはあります。これは先ほどおっしゃられた越境してくるPM2.5でありまして、大陸から来る。
こういったことを気象庁も多少の情報を出してくれてると思うんですが、全然目には見えないわけですから、常に県民にアラートを発信する仕組みが必要かと思うんですけど、どのような対応ができるのか、琵琶湖環境部長に伺います。
◎琵琶湖環境部長(中村達也) お答えいたします。
注意喚起基準を超過した場合でございますけれども、県で整備をしております連絡体制、これに基づきまして、庁内関係機関や市町を通じまして学校や病院等に連絡をするということになってございます。
また、ホームページ等で公表することとともに、しらしがメール、そして県のLINE、さらにはFM放送、これを通じまして広く県民へ注意喚起を行うこととしているところでございます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)迅速で確実な周知をしていただけるように努力していただきたいと思います。
目に見えないというのは何より一番怖いものですから、あるのかないのか、来てるよ、来てますよという周知が早く伝わるようにだけよろしくお願い申し上げたいと思います。
ここまで喫煙以外でがんの原因となり得る物質について、水と空気の関係で議論してまいりましたけど、これは本当に一部であって、ほかにもたくさん原因があるでしょうし、食べ物、特にファストフードとか加工食品の添加物、原油にも原因があるんじゃないかなと思ってます。
免疫力の低下ががんを発生させているのではないかと思うわけでありますが、こういった議論とともに、また、分煙に対して知事のお考えを伺わせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
PFOS等につきましては、人への健康被害を含め、まだ十分な知見がなく、国において最新の科学的知見に基づき検討が進められておりますことから、県では県内の状況を把握するとともに、国の動向も注視してまいりたいと存じます。
また、県でも水道水源でPFOS等の検査に取り組んでおりまして、琵琶湖や河川を含め、現時点で暫定目標値の超過は確認されておりません。今後もし県内で汚染等が発見された場合は、早急に対応できるよう、水道部局や環境部局等の関係部局でしっかりと連携し、取り組んでまいりたいと存じます。
一方、PM2.5は現状、一般大気汚染において問題はないものの、黄砂等の飛来時に高濃度になる場合があるため、その際は、県民に周知や注意喚起をきちんと行ってまいりたいと存じます。
分煙につきましては、望まない受動喫煙が生じないよう、管理権原者に施設や周囲の状況に応じた対応を求めるなど、健康増進法の遵守を周知啓発しているところでございます。
県庁舎等では、来庁者等の受動喫煙防止を図るとともに、健康しがを掲げる本県が率先し、望まない受動喫煙が生じない環境をつくるため、令和元年──2019年5月31日から敷地内容全面禁煙とさせていただいているところでございます。
引き続き、喫煙ルールの周知をはじめ、喫煙者御自身や周囲の人の健康のため禁煙に向けた支援等を行っていくので、ぜひ御理解をいただければと存じます。
◆27番(周防清二議員) (登壇)それでは、知事に、もう一度本音で議論したいと思います。
今もおっしゃられました健康しがの掛け声の下、県庁が率先して取り組むという趣旨、これは理解しておりますし、2019年の5月31日から、県庁や各地方合同庁舎での受動喫煙防止対策として敷地内禁煙をされました。
先ほども申しましたけど、もう既に喫煙者はマイノリティーになっております。もうかなり吸われなくなった方も多いと思いますし、物言わぬ少数派でもございます。知事は誰一人取り残さないと常々言われておられるわけでありますが、喫煙者にも寄り添ってもらうことはできませんか。
令和4年の7月定例会において、当時の竹村議員の質問でも指摘されましたが、近隣のコンビニエンスストア等の屋外喫煙場所を利用する県職員の喫煙者による近隣への迷惑をやめるためにも、また、県庁へ来訪される喫煙者の利便のためにも、また、何より県庁職員や来訪者の非喫煙者の受動喫煙を防止するために、誰にも迷惑をかけずしっかりと分煙できる三方よしの分煙施設を必要ではないかなと思うわけであります。もちろん喫煙者のマナーも大事なことは言うまでもございません。
4月1日には、総務省自治税務局長により、地方たばこ税の安定的な確保と望まない受動喫煙対策の推進のための分煙施設の整備促進についての通知がなされたと承知しております。また、滋賀県たばこ商業協同組合連合会からも要望書が出ておりますが、どちらも望まない受動喫煙防止のための屋外分煙施設の整備をすべきというふうにされておられるわけであります。
改正増進法の下、非喫煙者の受動喫煙を防ぎ、社会に迷惑をかけず、喫煙者の人権を守るために、敷地外でもいいので、三方よしの分煙施設を設置するという考えを持ってもらえませんか。知事に再度質問させていただきます。
◎知事(三日月大造) 私も知事になる前まではたばこを吸ってましたし、どちらがマジョリティー、マイノリティーということではなく、吸われる方のお気持ちというのは私のところにもたくさん届いております。
現に今御紹介いただいた令和4年7月の定例会議でしたか、議員から御指摘をいただきまして、再度、特定屋外喫煙場所の設置について、これは令和4年度──2022年度に関係所属で検討も行いました。
また、お触れいただいたように、税をいただいている関係上、こういったことについてどう考えればいいのか、また、そのことを産業にされる、商いにされる方々もいらっしゃいますので、そういった視点でどうなのか、また、吸う人、吸わない人、特に受動喫煙を防止するという観点で何かできることはないのかということも検討させていただきましたが、やはり、健康しがを掲げて健康寿命の延伸を推奨する県として、この県庁内に、敷地内に、この全面禁煙には引き続き取り組んでいこうと、そして受動喫煙のない環境づくりを進めていこうという、こういう結論に至ったものでございます。
また、総務省から本年4月1日付で通知が来ていることについても承知をしております。技術的助言として受け止めさせていただいておりますが、とはいえ、改正健康増進法において敷地内禁煙とすることが原則とされておりますし、ちょっと以前になりますけれども、2019年──平成31年、厚生労働省健康局長通知においても、特定屋外喫煙場所を設置することを推奨するものではないとされているところでございますので、先ほども申し上げましたように、特定屋外喫煙場所の設置はせず、引き続き、全面禁煙の御協力をお願いしてまいりたいと存じます。
尊敬する周防議員に愛を込めて申し上げますので、一日も早い禁煙をお勧めしたいと思います。
◆27番(周防清二議員) (登壇)知事にはもう本音で語ってほしかったなと思うんですけど、表向きにはそういうふうに言うしかないかもしれませんけど、どこかの時点で、まだまだそういった方もおられますので、そうした方にも寄り添っていただければと思ってますので。
私が禁煙するかはまた別の話でございますのでね。それはそれでまた努力してまいりたいと思いますし、皆さん本当にそういった方にも愛の手を差し伸べていただきますようよろしくお願い申し上げまして、また質問させてもらいます。よろしくお願います。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(目片信悟) 以上で、27番周防清二議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後3時23分 休憩
────────────────
午後3時44分 開議
○副議長(目片信悟) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
次に、43番今江政彦議員の発言を許します。
◆43番(今江政彦議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団の今江でございます。よろしくお願いいたします。
本日、田中議員あるいは清水議員から言及ありました米原市伊吹で土砂災害が起こりまして、人的被害はないということでありますが、被災をされた皆さんに心からお見舞い申し上げたいと思います。
昨日、本会議終了後、我が会派の地元議員である角田議員が避難所である伊吹小学校にお邪魔いたしまして、お見舞いを申し上げるとともに被害の状況を確認してこられました。私も今朝ほど報告を受けましたが、チームしが 県議団といたしましても、しっかりと復興支援をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、まず、内部統制制度につきまして、分割方式で、知事、代表監査委員、総務部長にそれぞれお尋ねをいたします。
内部統制制度、これをもう1つ優しい言い方にしますと、滋賀県事務適正化推進方針という制度ですが、これは第31次の地方制度調査会の答申に基づきまして、地方自治法の改正によりまして令和2年4月1日から実施をされている制度でございます。
この制度の基本的な考え方は、ちょっと長い文章になりますが、限られた人員で複雑、多様化する行政需要に的確に対応し、県民サービスのさらなる向上を図っていくためには、政策的な課題に対して重点的に資源を投入することができるように、事務の適正性を確保することが重要であり、そのために、知事自らが、組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして識別および分類して対応策を講じることによって、不適切な事務処理の発生を未然に防止し、県民から信頼される県政の実現を目指すとともに、職員にとっても、安心して働きやすい職場環境の実現を目指すというふうにされております。
しかし、この内部統制制度につきましては、知事の最高事務適正化責任者をはじめ、大変広範囲に推進、評価体制を構築して取り組んでおられますが、本来の県民サービスの向上や県民の信頼を得るという目的が十分果たせていないのではないかという感が正直ございます。
そして、令和6年度になってからも補助金の請求漏れや交付金の受給漏れなどの事案が報道されています。その中でも、こころのサポートしが業務委託という事業では、幼小中教育課と子ども家庭支援課でそれぞれ交付金の受給漏れが報告されている事例がありましたが、内部統制制度を導入して、なぜこのような不備が起こるのか、疑問に思っているところでございます。これは別に担当者を責めているわけではなく、むしろどういうチェック体制であったのかということが問題であるというふうに認識をしております。
私はこの内部統制制度の導入前の試行を行っておられた令和元年11月定例会議におきまして、実施を前にした課題と思われる幾つかの事項について質問をいたしました。以後、令和2年度から令和5年度の4年間について内部統制の評価報告書も作成されていますので、まず初めに、最高事務適正化責任者であります知事に、この4年間の取組の成果と課題についてお尋ねをいたします。
次に、前回の質問の際にもお尋ねをいたしましたが、地方自治法で定める内部統制制度では、知事が内部統制の整備、運用について不断の見直しを行うため、監査委員は内部統制評価報告書の審査を行い、意見を付すことになっています。
既に令和2年、3年、4年については、審査が行われ、令和5年についてはこれから審査を行われるのだというふうに思いますが、代表監査委員の立場から、内部統制制度のこの3年間の取組についてどのように評価をされているのかお尋ねをします。
併せて、前回の質問の際に、この内部統制制度の導入によって監査の在り方も変わっていくのではないかとお尋ねをいたしましたが、当時の代表監査委員は、内部統制制度が適正に機能している場合は検査項目の数を減らしたり、不備があった場合は深掘りするなどのめり張りをつけた監査が可能になり、内部統制制度に依拠した監査を行うことで、人的、時間的資源を監査の充実に振り向けて、監査の質の向上につなげたいという趣旨の答弁をされています。
この3年間の評価を踏まえて今後どのような監査を行っていくのか、代表監査委員にお尋ねをしたいと思います。
次に、内部統制制度の総括事務適正化責任者の総務部長に何点かお尋ねをいたします。
手元にある令和2年から4年までの評価報告書を見ますと、内部統制の重大な不備の是正に関する事項として、令和2年度が15件、令和3年度が2件、令和4年度はなしとなっています。
それぞれについて、内容、重大な不備と判断した理由、是正の内容、再発防止策など詳細な報告をなされていますが、理由については、社会に重大な影響を与えたとか重大な損害が発生したというような記述が多いわけでありますが、そもそもこの制度としては、重大な不備を予見し、あらかじめ防止策を定めておくことが重要だというふうに思っております。
そのためには、重大な不備の定義や判定基準を明確にすることが必要と思われますが、この点につきまして総務部長にお尋ねをいたします。
次に、推進、評価体制の中に内部統制アドバイザーという立場の方がおられますが、具体的にどういう方がどのような役割をされているのか、これは総務部長にお尋ねしたいというふうに思います。
前回の質問でも申し上げたのでありますが、地方自治法では、都道府県や政令指定都市以外の市町村では内部統制制度の導入は努力義務とされており、地方自治法の改正時に衆参両院で市町村でも早期に導入をされるよう助言や情報提供すべきとする附帯決議がつけられておりました。
この制度が始まり4年を経過しましたが、滋賀県内の市町において導入実績はありますか。併せて、導入に向けて県からの助言をされているのか、総務部長にお尋ねします。
次、総務省のガイドラインの中にある内部統制の基本的要素であるICT、いわゆる情報通信技術への対応については、前回の質問で当時の総務部長、今の江島副知事でありますが、ICTに係るリスクへの対応は内部統制制度に不可欠であり、その利用や統制について適切に対応すると答弁をされています。
その後4年を経過して、他府県ではチャットGPTの活用などを含めて個人情報の漏えいなどの事例も見られますし、また、コロナ禍においては、県民のクレジット情報が漏えいするなどの事案もありました。昨日、田中松太郎議員が質問で取り上げた自動車税の納付書の誤送付の問題も同様だというふうに思います。
こうした状況も踏まえて、内部統制制度の中でICTに係るリスク回避についてどのような取組をされているのか、総務部長にお尋ねをします。
この制度は地方自治法に基づくもので、法が改正されない限り継続をされます。前回の質問の際にも申し上げましたが、こうした制度は事務の適性化のためのツール、いわゆる手段と言えるもので、使いこなせれば重大な不備やリスクを事前に回避できますが、それぞれの所属全員で制度への理解を深めないと、負担感だけが強くなります。
この制度の基本的な考えの中に、職員においても、先ほど申し上げました、安心して働きやすい職場の実現を目指すとありますが、職員に向けたこの制度の浸透をどのように図られているのか、総務部長にお尋ねをします。
併せて、制度の見直しや改善も必要となると思いますが、現在取り組まれていることがあれば、総務部長、お答えをください。
以上の9点について御答弁をお願いいたします。
○副議長(目片信悟) 43番今江政彦議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)内部統制について9点御質問いただいたうち、私には最初に1問賜りました。
まずは、議員も御指摘いただきましたけれども、このところ国の補助金の受給漏れなど事務処理の誤りが続いておりまして、県民の皆様に御心配や、また、様々御負担、御迷惑をおかけしていることについて、知事としておわび申し上げたいと存じます。
その上で、内部統制の4年間の取組の成果と課題についてでございますが、入札手続の誤りや支払いの遅延などの不適切な事務処理の件数につきましては、令和3年度──2021年度以降減少傾向であり、一定の成果が出ているのではないかと考えております。
課題といたしましては、職員の負担に配慮しつつ、いかに不適切な事務処理の減少につなげていくかであると認識しておりまして、今後も人はミスを起こしてしまうという前提に立った上で、これまでの不適切な事例を、その原因も含めて分析をし、重点化を図るでありますとか、再発防止に向けた対策を講ずる、まさに最初に議員が御紹介いただきました基本的な考え方の中にありますように、知事自らが組織目的の達成を阻害する事務上の要因をリスクとして識別および分類し、対応策を講ずるなど、不断の見直しを図ってまいりたいと存じます。
◎総務部長(岡田英基) (登壇)内部統制制度についての9点の御質問のうち、私への6点の御質問についてお答えいたします。
1点目の重大な不備の定義等についてでありますが、内部統制制度の不備のうち、事務の管理および執行が法令に適合していない、または、適正に行われていないことにより、県や県民に対し大きな経済的、社会的な不利益を生じさせる蓋然性の高いものもしくは実際に生じさせたものを重大な不備として、内部統制評価要領において定義しております。
2点目、内部統制アドバイザーの属性と役割についてでありますが、内部統制アドバイザーにつきましては、外部有識者の知見を活かすことにより、内部統制制度をより効果的、効率的な制度とするために、令和2年──2020年4月から設置しております。
内部統制分野およびヒューマンエラーについて知見をお持ちの学識経験者2名の方に委嘱をしているところでございます。
自動化により、人の作業をなくすことや、心理的安全性がない組織だと重大なミスが発生しやすいことなど、専門的な見地から会計事務などの個別の業務や内部統制制度の運用方法について御助言をいただいております。
3点目、県内市町における内部統制制度についてでありますが、地方自治法に基づく内部統制制度につきましては、地方公共団体にとって過度な負担とならないよう、組織や予算規模が小さい政令指定都市以外の市町村は努力義務とされております。
現在、この内部統制制度につきまして、県内では長浜市で導入されておりますほか、独自の制度で運用されている市町もあると承知をしております。
県内の市町に対しましては、これまでから国の通知やガイドラインの伝達、担当者向け説明会の開催、情報交換の場の設定などを行ってきたところでございます。
本制度は地方公共団体の事務の適正化の確保に資するものでありますことから、今後、導入を検討する市町に対しましては、必要な情報提供や助言を行うなど、支援を行ってまいりたいと考えております。
4点目、内部統制制度の中でICTのリスク回避についての取組状況についてでありますが、滋賀県情報処理規程および情報セキュリティ対策基準を策定し、システム構築の適正化や情報の機密保持などの体制を整備するとともに、職員に向けましたセキュリティや個人情報保護対策の研修、教育を行っているところでございます。
生成AIにつきましては、生成AIの活用方針におきまして、非公開情報を入力しないことを定め、個人情報の漏えいが起こらない利用を促しているところでございます。
ICTに係るリスクへの対応は、不適切な事務処理の防止のために不可欠な要素と認識しており、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
5点目の職員に向けた制度浸透の取組でありますが、内部統制制度の推進に当たりましては、各所属の事務を総括する職員を事務適正化推進員に選任し、所属の業務内容等に応じたリスクを洗い出し共有するなど、事務適正化の取組を推進しているところでございます。
加えまして、今年度から職員向け掲示板を活用し、事務適正化だよりの配信を開始し、実際に発生した不適切事案の共有などを通じまして、内部統制制度の必要性や取組を分かりやすく職員に伝える取組を行っているところでございます。
このような取組を通じまして、今後さらに職員一人一人に対する制度の浸透、意識啓発を進めてまいりたいと存じます。
6点目、制度の見直しなどに係る取組状況でありますが、内部統制制度の運用に当たりましては、年度ごとに実際に発生した不適切な事務処理の内容を分析し、新たなリスクの洗い出しやリスク回避策などを検討し、チェック項目の見直しなど制度の改善を図っているところでございます。
併せて、実務の面では、人による作業を最小限に抑えるための業務の電子化を推進しますとともに、会計事務等の所管課において、マニュアルの整備や研修等を実施いただくなど、ミスの防止につながる取組も行っているところでございます。
先進的な自治体の運用や内部統制アドバイザーの意見等も参考にしつつ、よりよい制度となるよう、引き続き改善を進めてまいりたいと存じます。
◎代表監査委員(河瀬隆雄) (登壇)内部統制制度についての私にいただきました2点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の内部統制制度の3年間の評価についてでありますが、監査委員は、評価報告書について、知事による評価が評価手続に沿って適切に実施をされたのか、内部統制の不備について重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているかといった観点から審査を行いまして、意見を付すものとされているところでございます。
これまでの3年間の審査結果につきましては、いずれも重要な点において評価手続および評価結果に係る記載は適切でありましたことから、相当であると認められたところでございまして、再発防止に向けた取組が全庁的により実効性のあるものとなるよう、内部統制制度に係る不断の見直しを行われたいなどの意見を付したところでございます。
次に、2点目の今後の監査の在り方についてでございますが、先ほど申し上げましたように、重要な点におきまして、評価手続および評価結果の記載は適切であることから、相当であるというふうに考えておりますが、先ほど議員御指摘がございましたような事務処理の誤りが続いていると、こういう状況を踏まえますと、内部統制制度は全ての職員が主体的に取り組む制度ということで浸透をしている状況にあると言い難い状況にあるのではないかというふうに考えております。
引き続き、監査といたしましては、内部統制推進部局等に対しまして、この制度がより実効性のあるものとなるよう不断の見直しを促していくとともに、今後は、リスクに応じた監査を実施するなど、効率化、重点化を図りながら、内部統制制度に依拠した監査を行うことによりまして、監査の充実に努めまして、さらなる質の向上、ひいては県民サービスの向上につながるようなこういった監査に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆43番(今江政彦議員) (登壇)それぞれ御答弁ありがとうございました。
総務部長からは、市町の状況あるいは職員に向けた制度の浸透、見直し、改善策などについて御答弁いただきました。
私は19市町でチャレンジしているところはないと正直思っていましたが、長浜市が取り組んでいるということで、その前向きな姿勢に大いに敬意を表したいというふうに思います。
総務部長も触れましたが、この制度とは別な形で実施しているとこもあるというようなことが御発言ございました。
特に私は群馬県の太田市が行政で初めて取り組んだISO9001の品質管理の取組をよく似た制度だなということを思ってますし、地方制度調査会の中でも会社法等の内部統制制度ということで、民間の手法を行政に取り入れたということでありますが、ISO9000あたりは企業はようけ取ってはるし、企業のいわゆる格を上げるというあれにもなるんでなじみがあるんですが、行政はなかなか難しい、こういう制度は。
私も近江八幡市役所時代、ISO9001に取り組みました。常になかなか道具として使いこなせず、特にコンサル監査で落第すると認証が取り消されるということもあって、そうした緊張感が先行しまして、先ほど申し上げたツールとして扱うということはなかなか難しいというふうに思いますので、先ほど部長おっしゃったようないろんな見直しも含めて、ぜひ、これはもう地方自治法が変わらん限り制度としては存続していくわけで、職員の皆さんに根づくように、そして、しっかりと効果を発揮できるように、ぜひお努めいただきたい。これは要望しときたいというふうに思います。
そして、知事には1点だけ再問させていただきたいと思います。
内部統制制度の対象事務は、基本的に財務に関する事務ということであります。令和2年度、例えば評価報告書を見ますと、重大な不備の是正に関する事項として、プロポーザルの事務処理誤り、あるいは入札事務誤り、物品紛失等が挙げられています。これは当然県民の皆さんの信頼を損なう事例でありますんで、回避すべき重大な不備だというふうに思います。
それで、今回、代表質問でも取り上げられました高専の入札不調の問題、あるいは2月定例会議で工業技術センターの事前調査の不備ということで補正予算が組まれたわけですが、こうした問題も当然県民の皆さんの信頼を失う可能性のある事案と言えるかと思います。
この内部統制制度の導入経緯から言えば、あらかじめリスクがあることを前提として対応策を整備し、庁内で共有すべき事案というふうに定められています。先ほど私が紹介したISO9001の最新の2015年バージョンでも実は同様のことが示されていました。
今後、今申し上げた高専の入札問題あるいは工技センターの問題は、個別にどうしてああいう事態が起こったのか再発防止策も含めて議論をされると思うんですが、私はこうした内部統制制度を持っていながら、こうした事案が発生したのはいかがなものかという印象を持っています。評価報告書には上がってこない事例かもしれないのですが、内部統制制度のルールあるいはその基本的な考え方に従った検証も併せてすべきではないかというふうに思っています。
最高事務適正化責任者の知事のお考えをお聞きしておきたいと思います。
◎知事(三日月大造) この内部統制制度の最高事務適正化責任者の自覚を改めてしっかりと持ちながら、この制度の運用に当たってまいりたいというふうに思います。
大事なことは、やはり起こった事案、過去もそうですし、現に起こった事案の検証結果、どこに原因があって、なぜこれが起こったのかというようなことについて、やはりその部局での共有はもちろんのことですけれども、部局を超えて共有することが重要だと思います。
今、コンプライアンス推進会議の仕組みもございますので、こういったものも活用しながら共有するということと併せて、場合によっては、経営会議などでも共有をいたしまして、チェック体制、強化できるようにしていきたいというふうに思っております。
やはり、あらかじめリスクを想定して対応策を講じるという内部統制制度の考え方も参考にしながら、むしろ評価報告書には上がってこない事例についてもということがございました。どこまでやるかというのは、事務拡大というのはまた本末転倒なところもございますので、感性を持ちながら、こういう事例は共有したほうがいいだろうと、また、議会等、監査等で御指摘いただいたような重大な不備につながりかねない事案については、事例を共有しながら対策を講じていくということについても積極的にやっていきたいと存じます。
◆43番(今江政彦議員) (登壇)リスク管理ということで言いますと、民間企業、大企業、中小企業も含めて、リスク管理ができなければその組織が存続できないということが起こるわけでありますが、行政は結構ミスがあってもなくならないというところで、職員の皆さんもそれぞれ一生懸命やってらっしゃるのは分かりますが、せっかくこうした内部統制制度、あるいは先ほど知事がおっしゃったコンプライアンス制度もそうですし、また、内部通報制度とか、様々な制度がありますんでね、ここはもうちょっと緊張感を持って、県民の皆さんに本当に信頼される県行政となるように、しっかりしたこのツール、例えばこの制度はしっかりと職員一人一人のものになるように、総務部長などの研修も含めてよろしくお願いしたいと思います。
それでは、時間の関係もありますので、次の質問に移ります。
次に、滋賀県が締結する契約に関する条例について、分割方式で知事にお尋ねをいたします。
この条例が施行されまして2年余りが経過をし、令和4年3月に策定をされた滋賀県の契約に関する取組方針に従って、現在様々な取組がされているところでございます。
この条例は、ほかの自治体で制定されているいわゆる公契約条例に当たるものと私は理解をしておりまして、連合滋賀などがこれまで制定を求め、私自身もこれまで本会議において何度となく質問してまいりました。そして、庁内で検討チームを設けて調査研究をされ、産業界、労働界、そして学識経験者などによる審議会の議論を経て条例案を提案されて、全会一致で可決、制定をされたものであります。
労働組合の出身の三日月知事の下でこの条例が制定されたことは大変感慨深いものがあります。私たちが求めてきた賃金条項は設けられませんでしたが、取組方針の中に、県の契約の履行に係る業務に従事する者の労働環境の整備に関する取組が設けられまして、その中に適切な賃金水準等の確保がうたわれておりますので、こうした方針の中で、官民を問わず公共サービス部門で働く方々の労働条件の向上に努めていきたいというふうに考えております。まさしくダンピング受注などを排除し、事業者も適切な利益を得て、同時に公契約の現場で働く人の労働条件を守ることができる公契約の発注と受注を実現していきたい、そのために努力をしていきたいというふうに思ってございます。
さきの令和5年6月定例会議では、白井議員が入札参加事業者に対するアンケートや土木交通部の取組などについて質問されたところでございますが、私は今回の質問で、取組方針の中の労働環境の整備に関する取組についてお尋ねをしたいというふうに思います。
まず初めに、この2年間の条例の取組に対する評価と課題、そして今後どのような取組を目指していくのか、知事にお尋ねをしたいと思います。
2点目として、取組方針の中で、最新の設計労務単価、資材等の実勢価格を適切に反映するとされています。また、庁舎管理業務については、適切な積算を行うための基準を作成することも挙げられております。
例えば、県発注の工事の契約について設計労務単価で積算され、単価が改定されればそれに応じて契約変更もされていると承知をしているところでありますが、情勢に応じた独自の単価設定も考えるべきではないかというふうに思います。
そして、冒頭申し上げました賃金条項のようなものは今後は必要ではないかと考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。
3点目です。さきの2月定例会議におきまして、我が会派から価格転嫁対策の円滑な実施と実効性確保を求める意見書を提案いたしましたが、残念ながら賛成少数で否決をされました。
公正取引委員会では、労務費転嫁のガイドラインを公表されまして、下請法の重点立入りを行うなどされていますが、今も厳しい状況が続いています。先ほど清水議員のお尋ねもありましたように、特に中小企業の皆さんは価格転嫁というのは大変難しい状況がある、部長も答弁されたところでございます。そういうことを考えましても、今後の条例の取組方針の実施に際しては、この価格転嫁対策が重要な課題になるというふうに私は認識をしておりますので、このことに関する知事の御所見をお尋ねしたいと思います。
今回この以上3点について知事の答弁をお願いしたいというふうに思います。
◎知事(三日月大造) 滋賀県が締結する契約に関する条例に関する3点の御質問にお答えいたします。
まず、1点目の条例の取組に関する評価と課題、今後の取組についてでございますが、取組方針に掲げた197項目については、庁内に部局横断で設置しております推進委員会や、有識者で構成する契約審議会に諮りながら実施してきたところでございます。
例えば、修繕や庁舎管理業務に係る仕様書作成等の支援体制を整備いたしましたほか、物品および業務委託の発注見通しを公表するなど、一定の取組を進めてきたものと考えております。
現時点では、取組方針のうち13項目が未実施になっておりますものの、条例施行後の社会情勢の変化も踏まえ、新たな項目の追加など取組方針の改定も必要と考えており、引き続き、事業者のお声等もお聞きしながら検討を進めてまいりたいと存じます。
2点目の賃金条項についてでございます。
条例制定時の検討において、賃金等の労働条件は、関係法令に違反しない限り労使が自主的に決定することが原則でありますことから、下限報酬額を規定するいわゆる賃金条項を条例には定めないこととしたところであり、その考えは今も変わりないところでございます。
ただ、昨今の物価高騰や労務費の上昇局面においては、県発注業務の受注者が労務費等の必要経費だけでなく利益も確保できるよう、最新の実勢価格を踏まえて積算を行うことが重要であり、従前からその旨、庁内にも周知を行っておりますが、改めて先月の県政経営会議におきまして、私から資材価格や労務費の上昇分をしっかり加味して契約額に反映するよう、各部局長に指示、示達したところでもございます。
3点目、価格転嫁対策の重要性についてでございます。
コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みます中、特に中小企業者、小規模事業者の皆様方は、物価高騰、人手不足等の課題に直面されておられ、その克服のためには、価格転嫁を取引慣行として定着させることが必要だと存じます。
そこで、本年2月に開催された働き方改革推進協議会、いわゆる地方版の政労使会議において、その重要性を共有し、共同メッセージを採択したところでもございます。
また、県は発注者の立場でもありますことから、先ほども申し上げたとおり、労務費等の上昇分を契約額に反映させるよう各部局長に指示したところでもございます。
受注者の労働環境の整備だけでなく、地域経済の活性化のためにも、適正な価格転嫁は必要であると考えておりますことから、引き続きその対策に取り組んでまいりたいと存じます。
◆43番(今江政彦議員) (登壇)御答弁ありがとうございます。
それぞれの工事契約とか詳細について、またこの条例の進行状況を見て、また改めて機会を設けて聞きたいと思います。
取りあえず、大きな課題3点について知事にお答えをいただきました。
何度も申し上げます。私はいわゆる公契約条例、あるいは公共サービス基本条例、ちょっと似たとこがあるんですが、こうしたものについて、議員当選以来数度にわたって質問させていただきましたが、なかなか調査研究しますという段階から前に進まなかったもどかしさが実はあったわけでございますが、三日月知事が就任されてやっと条例が制定されたことに対しては、心から改めて敬意を表したいというふうに思います。
これから条例や取組方針に従っていかに実のある制度とするのかが重要であるというふうに思っています。賃金条項があるのかないのかというのは、要望していた組合の立場からは課題と言えるかもしれません。しかし、このことは他の自治体のいわゆる公契約条例の制定過程でも賛否が大きく分かれています。先ほど知事がおっしゃったような、最低賃金法があるのに、どう整合性が取れるかというのも議論の対象になって、否決された例もあるようですし、申し上げたようにいろいろ賛否は分かれるところであります。
最近の公契約条例の制定状況を見ましても、賃金条項が盛り込まれた条例は市や区では29自治体、これ私の承知する数でありますが、都道府県ではありません。賃金状況を盛り込まず公契約の総則的事項を規定しているものは滋賀県をはじめ10県、そして市や区では46自治体あるというふうに承知しております。
滋賀県の条例制定については、冒頭にも申し上げましたとおり、長く庁内チームで研究された成果を基に、産業界、労働界、学識経験者などで審議会の議論を重ねて、この議会でも全会一致やったということですね。
私も質問の中で申し上げたんですが、別に労働組合の立場だけでなく、やはり事業者もしっかりと相応の利益を得るという意味で、これは別に労働者の立場だけでなく、県内のいろんな事業者にとっても重要な条例だというふうに思いますので、まだまだ幾つか課題はあると思いますけど、しっかりとこの条例を育てて、今後も公契約では、先ほど申し上げたダンピング受注みたいなものが行われないように、あと、総合評価方式とか様々な契約制度もありますので、そうしたものと併せてしっかり機能するということは大きな期待でございます。
最後にもう一度、この条例の今後の施行について、改めて三日月知事の決意をお伺いしておきたいと思います。
◎知事(三日月大造) この条例の制定に当たりましては、先ほど来、議員から私のことをおっしゃっていただきますが、むしろ今江議員をはじめとする議会議員の皆様方が、働く人たちのことを考えられたり、また、県内事業者の適正な利益のこと、もって持続可能性のことについて御議論いただいて、それが全会一致での制定ということにつながったんだと思います。そういう意味で、私のほうからも、今江議員をはじめとする議員の皆様方の御尽力に敬意を表したいと存じます。ゆえに多くの皆様方の御期待も高く強い条例だと思いますので、先ほど申し上げた取組方針を含め、具体のことごとがしっかりと履行されるように、今後も県庁内一丸となって取り組んでいくということがまず重要だと存じます。
また、とはいえ、ついつい県庁も、行政側も最少の経費で最大の効果ということが一方で課されておりますので、小さく見積もって、そして、できればこれで実行、契約をという、そういう誘因がないわけではありませんので、そのことがひいては賃金のこと、価格転嫁を阻害するような要因にもなりかねないというこの自戒、自覚を常に持ちながら、そうならないように、適正な価格で契約ができるよう努めてまいりたいと思います。
また、事業者の皆様方がそういった契約ができない事情があるという、こういった兆候等を共有していただけるならば、そういったこともしっかりと受け止めて、制度改善につなげていけるように今後も努力してまいりたいと思いますので、引き続きよろしく御指導のほどお願いいたします。
◆43番(今江政彦議員) (登壇)ありがとうございました。
知事がおっしゃるように、先ほど私が申し上げた条例が否決される例、反対される中に、行政は最少の経費で最大の効果を上げるという自治法で定める大きな目的との整合性とか、様々な議論があると思いますが、昨今のこの議会でもいろいろ、先ほど清水議員からもお話ございましたが、春闘でも賃金は上昇しましたが物価高騰に追いつかないということで、実質賃金はいまだ上がらないままの状態で、県民の皆さんも大変苦しい生活を強いられてるというとこで、これは事業者においても同様のことが言えると思いますので。どうかこの条例を一つの大きな弾みといたしまして、滋賀県の県内業者さん、そして公共サービス含めて、働く皆さんの労働条件がぜひ改善するように我々も努めていきたいというふうに思いますので、そのことを申し上げて、一緒に取り組んでまいりたいと思います。
終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(目片信悟) 以上で、43番今江政彦議員の質問を終了いたします。
次に、15番河井昭成議員の発言を許します。
◆15番(河井昭成議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、2項目にわたって質問を行います。
最初の項目は、災害発生時の避難所の開設について、分割質問方式にて質問を行います。
指定避難所は、各市町が地域防災計画などに基づき指定をしています。公共施設が指定されることが一般的で、滋賀県が有する施設も、県立高等学校などをはじめとして、各市町の避難所に指定されている建物があります。
災害の中でも、大規模地震は、風水害と異なり、災害が起こる前に避難所を開設して準備することができない、また、広域に被害が及ぶことになるため、いざ災害が発生したときに適切に避難所が開設できるように、日頃から様々な備えをしておく必要があると考えます。
大規模地震が発生した際には、地震の発生直後から、地震などによって住居を失った多くの被災者が自宅などから避難所へ避難することが想定されます。避難をしてきた被災者の安全を確保する観点から、限られた時間の中で避難所となる建物の安全確認を行った上で、建物での待機や被災者や帰宅困難者の受入れを判断する必要があります。東日本大震災は、震災直後に建物の安全確認ができていないうちに、被災者が避難所に押し寄せるといった状況もあったと仄聞をしています。
余震などのことを考えても、避難所の建物の安全は、避難している被災者の安全に大きく影響するため、避難所が安全に開設されることが求められます。そして、ここに責任を持つのは、施設管理者となっております。今回は、大規模地震が発生した際の避難所の開設について、特に建物の安全確認に焦点を当て、全て防災危機管理監に質問をいたします。
通常は市町の所有する施設である地域の小学校や中学校の体育館などが指定されていることが多いと思いますが、市町の指定避難所の開設までの一般的な流れについて伺います。
市町から指定避難所として指定されている県有施設がありますが、この場合の避難所の開設について、建物の安全確認をどのように行うことになっているのかなどを含めて、その流れについて伺います。併せて、その際の課題の認識について問います。
避難所となる建物の安全確認は、本来は専門的な知識が必要な内容となります。平時の間に専門家の知見、力を借りるようにするなど、大規模地震発生時に避難所となる建物の安全を適切に確認する仕組みをつくる必要があると考えますが、見解を問います。
○副議長(目片信悟) 15番河井昭成議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎防災危機管理監(山下將) (登壇)災害発生時の避難所の開設について、3点の御質問にお答えいたします。
1点目の市町の指定避難所開設までの一般的な流れについてでございますが、市町の小中学校の体育館など避難所の開設に当たっては、まず、市町職員または施設を管理する関係者が建物の安全を確認した後、避難所として使用されることになると認識しております。
2点目の指定避難所として指定されている県立施設の開設までの流れ、課題についてでございますが、避難所開設までの流れについては、各市町の避難所運営マニュアルに基づき、市町職員と県立施設の職員が連携して安全確認を行った上で開設されるものと考えております。
また、課題については、地震はいつ発生するか分からないことから、発災後、速やかに避難所として開設するために、建物の安全確認を確実に実施できるかであると考えております。
3点目の避難所となる建物の安全確認の仕組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、速やかに避難所を開設するためには、安全確認を確実に行う仕組みが重要であると考えております。
このため、建物の安全を確認するためのチェックリストに技術的知見を取り入れるなど、先進的に取り組まれている市町の事例などを県全域に広めることにより、各市町の速やかな避難所の開設につなげてまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)地域で防災訓練がよく行われるんですけど、避難所の運営は訓練で実際に取り組むことが多いと感じますが、避難所、開いてますよね。実際には災害が起こったときに避難所ってどういうふうに開設されるのか、避難をした先が開いてるのかどうかってことはあまり知られてなかったりします。
私、議員になったときに最初に聞かれたのは、自分の地域に高校があるけれども、県立高校は避難所としてどうやったら開くのか聞かれました。なので、この質問につながってるんですが。
市町のそれぞれ冒頭にも申し上げましたけど、地域防災計画などに従って開設されることになるんですが、市町の災害対策本部から開けますよという、もしくはある規定、超えたときに自動的に開設、地震なんかもそうなるかもしれません。ある規定震度を超えると自動開設をしますよという行動をしなさいというふうなマニュアルにあったりするんですけど、このマニュアルに従って開設に向かって動き始めることになります。
ポイントになるのは、誰かが鍵を開けて、そのまま使えるかっていうとそうではなく、安全確認をした上で使えるようになります。ここの安全確認は、適切に行われるのか。だけど、ここについて訓練も実はあまりされてなくて、その場でいきなりやることになります。これがきちっと機能するのかということが課題だと私は考えまして、今回のこの質問に至っています。
きちっとマニュアルどおりの答弁をしていただいたんですけども、実際にはここのところを明らかにすることが必要で地域の皆様にも、特に防災の関係者に、どういうことがきっかけで避難所っていうのは開くのかということをお知らせする必要があると思いますし、特に県の施設はそうだと思います。ここについてあまり知られていない現状をどのようにしていこうとお考えなのかを防災危機管理監に問いたいと思います。これが1つ目の再質問です。
もう1点、これ、県の施設を避難所として開設するときには、その管理をしている県の職員もしくは指定管理者になるのかもしれませんけども、その職員さんが安全確認をしなければならなくなります。ただ、この職員さんは、通常この施設とか建物に対する知識を十分に持ち得てるかというと、そうでもないんではないかと。チェックリストは確かにあるんですけども、このチェックリストを見るだけでその対応ができるのかということは、なかなか難しいんじゃないかなと思います。ここもひょっとすると訓練が必要なのかもしれませんし、技術的にサポートするような資料が要るんではないかというような問題提起を専門の方からいただいたりしています。
ぜひともここに対しても、事前に準備できることですので、災害に備えて、大規模地震に備えて、この被災避難所が開設されるまでどのような手続でどんな手順でやるのか、鍵を開けてくださいという担当になられる方も県の職員さんにおられるわけですから、この方々がしっかりと心の準備をして、この任務に当たれるようにする必要があるのではないかと考えますが、この点についても防災危機管理監にお伺いをしたいと思います。
以上です。
◎防災危機管理監(山下將) お答えします。
まず、1点目の訓練も含めたどういった開設の流れになるかということを周知するかについてでございますけれども、住民が円滑に避難できるように、県立施設の職員にも避難所の開設の流れというのはきちっと理解をさせるということが大事だと考えております。
このために、人事異動に伴う担当者の変更などにより避難所開設に支障が生じないよう、議員御指摘のとおり、例えば、市町職員と一緒に避難所の開設に当たる準備をすることになりますので、市職員と一緒に例えば県立施設の解錠の方法であるとか、あとは施設の安全確認の仕方、そういったものを一緒にやっていくといったような訓練を市町と連携して実施してまいりたいと考えております。
続きまして、あと、県職員の施設の安全確認に関する技術的なサポートの件でございます。
先ほど答弁もさせていただきましたけれども、県内の市町の中には、チェックリストを作成する際に技術的知見を取り入れられている市町さんもございますので、そういったところの取組を周知していくということと併せまして、その内容をきちっと我々も理解して、担当職員にお伝えできるようにさせていただきたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)あまり焦点が当たらないところっていうか、普通に取り組んでるとすっと通り抜けてしまって、このマニュアルの中でも表現がそんなにたくさん書いてあるところではないですので、安全確認をして開設するぐらいのことしか書いてなかったりします。ここのところ、でも、詰めてしっかり丁寧にしておくことは非常に大事なんではないかと思いますので、建築士の皆さんの専門的な知見を活用させていただくなど、また、先進の事例でいうならば、あらかじめこの避難所の応急危険度判定ができるような体制を構築できないかなどということを模索されている自治体もあるように伺ってますので、先進事例を研究していただきたいと思います。
ということで、この質問は以上で終わらせていただきまして、次の項目に移ります。
2つ目の項目では、和装文化について、一問一答方式で質問をいたします。
和服、和装、着物、これは日本の文化の根幹をなすものです。例えば、茶道、華道、弓道や柔剣道、能や文楽、歌舞伎、日本舞踊、落語、神社、仏閣、祭礼など、正式にこれらを演じたり、表現したり、執り行ったりする衣装は和装となります。和装は日本の伝統芸能や伝統文化の要と言えます。
一方で、かつては1兆8,000億円であった呉服小売市場は、生活様式の変化や冠婚葬祭の簡素化など様々な要因から呉服需要は減少に歯止めがかからず、同支場は2,000億円余りと、ピーク時の8分の1以下の規模まで縮小しています。
これに伴って、染呉服メーカーや機屋など全国の着物の産地の疲弊が進み、実質消滅している産地、消滅が危惧されている産地が数多く認められ、再生産ができない素材や商品がある状況となっています。私たちの国の伝統衣装である和装を取り巻く環境は、川上の製造、川中の流通、川下の小売に至るまで、このままでは消滅という危機的な状況にあると言えます。
まず初めに、和装文化の現状や課題などについて、知事の認識を伺います。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
明治時代以降、洋装化が進んだことから、和装は冠婚葬祭などの際に身につける特別なものとなり、日常的に着用する機会は少なくなってきております。
今日も和装で来ればよかったんですけれども、どなたもお召しになっていらっしゃらないというようなこともありますので、あに図らんやというところもあるのかもしれませんが、それに伴いまして、着物の手入れや着付け、季節や場面に応じた装いや所作といった和装にまつわる日本ならではの生活文化に触れる機会は、近年ますます少なくなっていると認識しております。
また、和装に係る消費の低迷により、市場も議員御紹介いただいたように小さくなり、生産地は厳しい状況に置かれており、担い手の育成や技術の継承等に課題が生じていると承知をしております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)私も和装で来ればよかったんですけども。
今ちょっと知事の現状の認識についてお伺いいたしましたが、日本の文化の根底にあるものでありまして、現在はまだ辛うじて産業としてあるものであります。
このまま産業が衰退すると、次の時代につなげるのかというところが不安になるなと考えて、この質問をしてるわけですけども、和装の文化っていうのは次の時代につないでいくべき非常に大切な日本の文化の根幹であるという認識でよろしいか、これ、知事に再度問いたいと思います。
◎知事(三日月大造) 先ほども申し上げましたとおり、春夏秋冬、様々なこの日本の四季の中で、生活文化というのがございますが、そういったものと密接にこの和装というのは関わっておりますので、所作含め。
やはり日本古来の、そして将来にも継承していくべき大切な伝統文化であるという認識を持っております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)次に、滋賀県には全国に誇る着物産地があります。中でも、長浜ちりめん、湖東麻織物、高島綿織物は、かねてから近江の地場産業として位置づけ、県としても継続的に支援をしてきていますが、これらをはじめとする県内の和装に関わる産業の現状について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(林毅) (登壇)お答えいたします。
県内の和装に関わります地場産業のうち、湖東麻織物や高島綿織物につきましては、現在、大半が和装分野以外に用いられているとお聞きしております。
一方、長浜ちりめんにつきましては、生地のほとんどが着物用として生産されており、生活様式の変化による和装需要の低迷や、輸入品あるいは化学繊維等との競合、さらにはコロナ禍による冠婚葬祭の簡素化等の影響を大きく受けており、コロナ禍前の3分の1以下、ピーク時と比べると1%以下まで生産量が減少している状況と把握しております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)着物の素材となります反物を作っている産地が滋賀にはありまして、そこから着物になろうとすると、染めてということから始まっていくんですけども、そもそも素材がないと、キャンバスがないと絵を描けないので、こういう生地が生まれなくなるという今状況にあるのではないかと思います。
市場が非常にちっちゃくなってるということで、割合で示していただきましたが、事前の答弁協議のときには少し申し上げていたんですけど、数字が分かるようであれば、規模感をぜひとも皆さんにお伝えしたいと思いますので、長浜ちりめんの反物の生産の状況、推移などを含めてお答えいただけたらと思いますが、お願いいたします。
商工観光労働部長にお願いします。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
単位は反でお答えをさせていただきますが、一番のピーク時は昭和47年で、169万2,000反でございました。それがコロナ禍前になります令和元年になりますと2万7,500反、そして、直近の情報を持ち合わせております令和4年ですと、1万1,900反という数字になっている状況でございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)1反で1着の着物と考えると、どれだけの着物が以前は作られていて、今どれだけの着物が作られる状況なのかということが今の数字でよく分かるのではないかと思います。
長浜ちりめん、湖東麻織物や高島綿織物、この後の2つは今着物のほうでの素材としてあまり使われなくなったということではありますけども、これらをはじめとする和装に関わる産業に対して滋賀県がこれまでに行ってきた支援について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
和装文化を守る上で、生地の生産は欠くことのできない産業でございますが、産地では、需要の低迷による生産量の減少に加えまして、織物に携わる従業者の減少、それから高齢化による技術継承の問題、設備等の老朽化による生産基盤の弱体化など、非常に厳しい状況が続いており、しっかりと支える必要があると承知しております。
このため、省人化や生産性向上につながる設備、消費者ニーズに即した商品開発に必要となる設備の導入、販路開拓等への支援、今年度からは新たに環境負荷低減につながる製品開発など、消費者を意識した取組に対して支援を行っております。
こうした支援の中では、優れた技術を活かした和装以外への展開、海外への展開など、産地が産業を守るために取り組んでいる新たな挑戦への支援も行っているところでございます。
また、東北部工業技術センターにおきましては、洗えるシルク、ヤサシルクと申しますが、の開発、化学薬品を用いない精錬、灰精錬と言いますが、の技術の開発や試織、試し織りによります新しい生地の提案や、製品や製造工程に発生しました問題への相談対応など、日々、各産地、事業者への技術的な支援を行っているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)様々に地場産業として守っていくという観点で取組が行われていて、支援も行われてきたと理解をしています。
ただ、一方で、和装以外のところに、この素材を使ってもらう販路の開拓などの支援を、後半特に大きく取り上げていただきましたけども、これ、実は駄目なんじゃないかと思ってまして。でないと、和装、残っていかないんではないかと。これまでの取組で、この和装以外の分野に振り向けたんですけども、結果として、今、和装の産業、伸びてるかっていうと伸びてないですよね。ただ、技術は残っていってるのかもしれないですけども。
この点について見解があれば、
商工観光労働部長にお伺いしたいと思います。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
和装の生地としてそのまま生産を続けていただくことは非常に大事であるというふうには考えておりますけれども、それに限らず、地場産条例にもうたっておりますけれども、事業者等の競争力を強化して、新たな需要を開拓することはもとより、優秀な技術や技能を活用しながら、消費者の需要に即した新商品の開発や新たな事業の展開を図る等の時代の変化に適合していくための新たな取組を積極的に推進していくとうたっているところでもございまして、時代の変化の中でいかに産地を守っていくことができるかという点におきましても、力を注いでまいりたいというふうに考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)という御答弁をいただいたんですけども。
和装文化をこの先も守っていくためには、和装産業が産業として残ること、すなわち着物の生産者が着物を作ることで生計を立てることができるという状況になる必要があると考えます。
しかし、残念ながら、現状では生産者が生活できなくなっています。特にここ数年で、コロナ禍の影響もありまして、冠婚葬祭やお茶会など儀式や集まり事が極端に減ってしまっています。これに伴って着物が売れない、イコール仕事がないというふうになっているからです。
これまで培ってきた伝統的な技術が失われようとしています。本物がなくなるという危機は目の前に来ていると言えますが、日本の文化の根幹をなすとも言えるこの和装、着物がなくなってよいというものではありません。
この際、支援が呼び水となっててこが効くこと、物が売れると川下から川中、川上へと効果が及ぶことなどから、需要側に働きかける購入支援が有効ではないかと考えますが、現在の危機的な状況を打開するため、県内の着物の生産者など和装に係る産業への支援、特に需要側に働きかける購入支援、この必要性があると考えておりますので、この点について
商工観光労働部長の見解をお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
需要者側に働きかける購入支援についてでございます。
産地で製造された生地が着物として販売されるまでには様々な工程があり、また、様々な素材のものが流通している状況にございます。
このため、購入支援をすることが、県内産地の生産者への支援に直接どの程度つながるのか、また、その効果も一過性にとどまらないかなど、費用対効果の面からも慎重に検討する必要があると考えているところでございます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)滋賀の素材が使われてるかどうかが分からないということであるならば、最近の考え方でいうとトレーサビリティーですね。生産地がどこなのかっていうことが分かると、これはこれでブランドをつくる効果もあるんではないかと思います。
例えばそういうことに支援をするということも一手かもしれません。直接の購入支援が効くような仕組みをつくるところから検討していただくということもできるんではないかと思いますが、
商工観光労働部長の見解をお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
ただいまの議員のお話も含めまして、あるいは状況の大変厳しい他の産地、例えば彦根仏壇などもございます。そういったところとの均衡、あるいは財源の問題も含めて考えてまいりたいというふうに思っております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)ぜひ研究をしていただきたい、検討をしていただきたいと思います。
長期的な視点で見ると、私たちの生活において着る機会が減っている状況へのアプローチが必要であると考えます。
着る機会が減っている状況ではありますが、和装、着物を着ることに意識がない状態なのかというと、そうでもないと私は感じています。成人式でも多くの新成人が色とりどりの着物で参加をしていますし、小学校の卒業式では、このことの是非は取りあえず、はかまを着用して出席する児童が多くある状況など、特に節目や晴れの席で着物を着る選択をする人は、若者においても決して少なくない状況にあると言えます。節目や晴れの席以外でも、夏の花火大会やお祭りなどの行事など、浴衣をはじめとする和装が合う生活の一こまもあります。
和装、着物を着る機会を意識的に増やす取組が、地場産業である和装に係る産業を守る一手となると考えますが、
商工観光労働部長の見解をお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
和装、着物を着ていただくためには、まず、和装に関わる産地のことや、歴史的な背景や用いられている技術など、その魅力を広く知っていただき、和装に関心を持っていただくことが重要であると考えております。
このことから、今年度実施を予定しております地場産業・伝統的工芸品魅力発信ベース検討事業におきまして、長浜市、米原市、高島市の北部地域で地場産業、伝統的工芸品の製作実演、体験、展示による魅力発信の拠点について検討することとしております。
この事業におきまして、多くの方に和装に係る生地などの魅力に触れていただけるよう、工夫してまいりたいと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)和装に触れる機会を、これを増やすというのも非常に大事だと思うんですけども、実際着る機会を増やす、この機会がそもそも減っているので、この取組が要るのではないかという趣旨で問うておりますので、この点について
商工観光労働部長に伺います。
◎
商工観光労働部長(林毅) お答えいたします。
ただいま御紹介いたしました地場産業・伝統的工芸品魅力発信ベース検討事業におきましては、現在、体験、展示等に関する検討を行っているところでございまして、着る機会を設ける場合には、様々な調整が必要になるため、具体的にどのような体験、展示等を行うことができるか、今後検討していきたいというふうに思います。
また、これまでから、歴史的な町並みや神社仏閣、特色ある各地の祭りなど、本県の特徴を活かしまして和装を楽しんでいただくイベント等が各地で開催されております。
地場産業振興に直接つながるかどうかは不明な点もございますが、こうした各地の取組も踏まえながら、県としてできることに取り組んでまいりたいと思います。
例えば、今年10月に予定されております長浜出世まつりの中で、長浜kimono AWARDSというイベントがございます。そういったところに支援も予定をしておりまして、そうしたことも含めまして、どういったことが可能か考えてまいりたいというふうに思っております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)和装文化を守っていくためには、次の世代への継承が重要であり、子供たちが学ぶ学校での取組がその基礎となると考えます。学習指導要領では、全ての中学生が、和装、和服、着物について学ぶことになっていると認識をしています。机上での学習だけではなく、実際に着用する機会が重要だと考えます。和装について学ぶ、ここでは和装教育と表現をさせてもらいますが、県内の初等中等教育段階における和装教育の取組の状況について、大杉副知事の見解をお伺いいたします。
◎副知事(大杉住子) (登壇)お答えいたします。
中学校や高等学校の家庭科におきまして、日本の伝統的な衣服である和服について触れるということとされておりまして、冠婚葬祭や儀式などで着用されていることや、和服と洋服の違いなどについて学んでいるところです。
県内では、実際に、地域の専門の方にお願いをしまして、浴衣の着付け体験を行うなど、和服の基本的な着装を扱っている学校もあり、近年、地域の方の御協力を得て、そのような学校が増えてきているという状況でございます。
このように実際に着用することは、和服のよさを体感したり、興味、関心を持つきっかけになるものと考えております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)実際に着るという体験があったほうが学びが深くなりますし、興味、関心を得る機会にもなりますので、非常に大事だと思ってるんですけども、おっしゃってるほどそんなに多く和装、実際に着用している学校があるかというと、実はそうではないんではないかなと思ってるんですけども。
たくさんの中学校で、ないしは高校で、実際に着て体験をしてという授業が行われているというふうに認識をされてるのか、改めてお伺いをしたいと思います。大杉副知事、お願いいたします。
◎副知事(大杉住子) まだまだたくさんと言えるほどではないのかなとは思いますけれども、学習指導要領の改訂なども踏まえて、加えて、やはり地域の方々の御協力というのがかなり得られやすくなっているという状況の中で増えてきている、この傾向をもっともっと推し進めいく必要があるのかなと認識しております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)着物の着付けなど、地域の方で力を貸していただける方、名のりを上げてくださる方は実は結構いらっしゃるので、ぜひとも御相談いただいて、多くの子供たちにこの和装、実際に体験してもらう機会を。これは、本来だったら、家庭で今までは学んでこれたことなのかもしれません。ただ、核家族化が進んでこのような状況になってまして、なかなか家庭の中でこういうことができなくなっています。でも、日本の文化の根幹となる和装の話ですので、家庭で、今担えなくなってるんであれば、社会でここを担うと、ならば、学校の教育の中で、という趣旨だと、この中学校の学習指導要領で取り扱ってるのはそういうことだと理解もしますので、ぜひともその機会をしっかりとつくれるように取組を進めていただけたらと思います。
和装文化を守るという観点でいうならば、直接的でなくても、古典文化の教育も重要な視点であると考えます。お茶、お花など、これらの日本の文化に触れると、自然と和装、着物にたどり着くことになるからです。
これらの広く日本文化に触れる、学ぶ機会は十分ではないと考えます。県内の初等中等教育段階における日本文化に関する学び、教育の状況について、大杉副知事に伺います。
◎副知事(大杉住子) お答えいたします。
県内の小中学校におきましては、講師を招いて茶道、華道の体験をしたり、琴の演奏体験をしたりする学校がある状況です。
また、中学校の総合的な学習の時間では、伝統文化学習としまして、琴、尺八、剣舞、華道等の学習をしている学校もある。これらの学習を通じて伝統的な日本文化を学び、どのように受け継ぎ、伝えていけばよいかを考え、実践できる生徒の育成を目指しているというところでございます。
県立高等学校の部活動では、40校の生徒が茶道部、華道部に在籍し、自分の興味、関心に基づいて、より専門的な知識、技能を身につけるために日々活動をしております。こうした部活動ですね、文化祭などの発表の場では浴衣、はかまといった和服を着て、日頃の成果を披露する場があるというふうに認識をしております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)高等学校において魅力化の取組が進められています。この和装教育は、文化面、産業面からも高等学校の魅力化のコンテンツの一つになり得るのではないかと考えます。和装文化を継承するため、県立高等学校での和装教育への取組について、大杉副知事の見解を伺いたいと思います。
◎副知事(大杉住子) お答えいたします。
産業教育として家庭を学習する高等学校では、衣生活、ファッションについての専門的な学びを行う中で、主体的に和装について学びを深めている生徒もいるところです。
例えば、大津高等学校では自らがデザインした服を製作し、ファッションショーや発表会で披露をしています。また、彦根翔西館高等学校では学んだ知識や技術を活用して浴衣を製作し、和服への興味、関心を高めております。
このような学校の魅力的な取組がさらに工夫されることにより、また、国際交流の中で自国の文化を紹介するというのも大事かなと思います。私も先日、ローマに着物をしょって行かせていただく機会を得ましたけれども、そうしたいろんな機会の中で多くの生徒が和装に触れる機会をつくり、和装文化が継承されることを期待しております。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)ここまで質問を行ってきましたが、和装、着物とその文化を次の世代に継承しようとすると様々な分野にまたがります。これまでは、産業、教育、文化など、それぞれの分野で各個、個別の対応となっていたと感じます。和装文化の直面している状況を鑑みても、和装文化を守るという共通の目的意識を持って、各分野で相互に連携する必要があると考えます。
最後に、和装文化を次の世代に継承する今後の取組について、知事に所見をお伺いします。
◎知事(三日月大造) 議員も御指摘のとおり、また、この間やり取りをしていただきましたとおり、和装文化を継承していくためには、まつわる、関わる産業をどう振興、支援していくのかという視点、また、そもそもこういった和装文化に親しむ教育ですとか、それに関連する伝統的な日本文化をどのように学んでいくのかということも重要だと思いますし、そういったことが進んでいくためにも、やはり日常生活の中であらゆる機会を活かして着る、まず着てみるという、こういったことも重要ではないかと思いますので、そういった視点でどういったことができるのかというのを相互に連関させながら考えていくということが重要だと思います。
先ほども一部、大杉副知事が言われましたけれども、近年、外国人観光客の方が、ちょっと着方が違うのかもしれませんが、和装文化に親しみ街を歩かれる、浴衣などお召しになりながら日本の町並みを楽しまれるということも増えておりますし、海外に行けばそれぞれ民族衣装で交流するということがありますので、私も昨年ミシガンに行くときに和装を背負って持っていって、自分でホテルで着付けをしながら臨んだということもございます。
ぜひこの国際交流の中で、世界との関わりの中で日本文化を改めて見直しながら、私たちもそのことを実践していくという視点も大事にしながら、この和装文化を改めて見直し、そして親しむ機会を増やし、継承させていくという、こういう好循環を一緒に生んでいければというふうに思います。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)国際交流やインバウンドの観点も出していただきました。
外国の方が着方はどうかというのはありますけども、あれもやはり日本の文化として皆さんが認識をしていて、本物だから見に来ているという面があると思います。だからこそ本物を残すということが大事なのかなと。
なので、今、産業で非常に危機的な状況にありますけども、まだある、その産業をしっかりと守ることは非常に大事なんですけども、専門家の意見を聞くと、この状況、あと10年もつかどうかではないかと言われていて、あまり残された時間がないんではないかということもあります。なので、ぜひその面もちょっと意識を持っていただいてこの後取り組んでいかなければならないと思うんですけど、この時間的な感覚、これについて知事の見解をお伺いしたいと思います。
◎知事(三日月大造) おっしゃるとおり、この間の市場の縮小具合、ピーク時の1%以下の生産量であるとか、また、コロナ禍でさらにそういう機会が減ってしまって、そのことが負の循環を生んでしまっているという、こういう状況を鑑みれば時間との戦いという面もあるのかもしれませんが、ゆえに、隗より始めよで、まずできることからやっていくということも重要だと思います。
お隣、京都などでは、議場でみんなが着物で臨むというようなこともなさっているようですし、私も新年の行事がメインですけれども、和装を召して、そして臨ませていただくというようなこともやっておりますので、ぜひそういったことに賛同が得られるならば、いろんな機会をみんなでつくっていくということからこの滋賀県内においても始めるということがいいのかなというふうに思いますので、ぜひ皆さんでいろんな相談をしていければというふうに存じます。
◆15番(河井昭成議員) (登壇)最後まで和装で来ればよかったと反省をしながらですが。でも、私が何で洋装で質問してんだみたいなことをちょっと言ってもらいながらも、でも、現状やっぱりこういう状況にある面もあります。
ぜひとも、この日本文化の根幹をなす和装、着物について皆さんにもうちょっと意識を持ってもらって、今の状況を知っていただいた上でこの後何ができるのか、みんなでしっかりと取り組んでいけたらと思っております。
どこかで和装で議場に登場するということをやってみたいと思いますので、皆さんもどうでしょうか。御賛同いただけるなら一緒にやりませんかということを申し上げ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(目片信悟) 以上で、15番河井昭成議員の質問を終了いたします。
最後に、10番田中誠議員の発言を許します。
◆10番(田中誠議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告書に従いまして御質問させていただきます。
今回は、児童や保護者を取り巻く環境に視点を置いた質問を知事をはじめ執行部の方々にさせていただきますので、どうか県民に寄り添うお気持ちで真摯な御答弁をお願い申し上げます。
それでは、待機児童問題について、知事と子ども若者部長に一問一答方式でお伺いいたします。
まずもって、待機児童の定義としては、保育施設等に入所申請をしており、入所の条件を満たしているにもかかわらず入所ができない状態にある子供のことを指しますが、保育施設等の運営に関する施策の実施主体が各市町であるということから、実は平成28年度までは、全国の各市町によってその待機児童の考え方にはばらつきがあり、平成29年3月に有識者会議の検討を踏まえ、各市町ごとの運用上のばらつきを是正し、全国的に統一するために、その年の平成29年度から待機児童の定義が見直されるという経緯がありました。
その定義をもって待機児童と認定された児童数が今でも各メディアでも大きく取り上げられ、国全体の待機児童数は、定義改定がなされた平成29年からは6年連続で減少し、改定当初の2万6,081人から約10分の1の2,680人まで減少したと報道され、滋賀県においても、平成29年の356人から見ると、令和5年4月1日時点では169人と、半数以上減少したことになりますが、果たしてこれは本当に正しい数字と言えるのでしょうか。
これは先ほど述べましたように、国がばらばらだった各市町における待機児童数を一定の枠組みに定義づけする中で発表された数であり、裏を返せば、その枠から外れた児童は待機児童と見なされないという状態に陥ってしまうということを意味し、保育施設等に入所させたくてもできない人数や実態の把握からは乖離が生まれてしまうと考えられます。
この枠から外れた児童、いわゆる隠れ待機児童と呼ばれる人たちに着目してみますと、現在、滋賀県においては、この隠れ待機児童のことを保育所等入所待機児童数から除かれるものとして、待機児童とは別の資料として滋賀県のホームページに掲載されていますが、人数は年々増え続け、平成28年から7年連続で増加し、平成28年の319人から、令和5年には約3倍の929人まで増加してしまったのです。
そして、さらにその保育所等入所待機児童数から除かれる者と定義される人を細分化してみると、以下、大きく3つに分けて定義づけなされています。①求職活動中のうち、求職活動を休止している者、②特定の保育園等のみ希望している者、③育児休業中の者。
このように、①と③の保護者については、子供を保育園等に入所できない代わりに、保護者自らが自宅で子供を育児している状態にあるのであろうと推測できますが、②に該当する保護者においては、その実態が文面だけでは見えづらく、恐らく現在就業中の人であろうということぐらいしか読み取れません。
ここで1問目として、県内の②の特定の保育園等のみ希望している者とは、実際には希望の保育園等に入所できないから在宅ワークで子供を見ながら仕事をしている状態にあるのか、または自身の親や親族等に子供を見てもらいながら仕事に出ているのか、または認可外保育施設等に子供を預けながら仕事に出ているのか、はたまたもっと別の状態にあるのかといった状況の内訳、割合を県としては把握されておられるのか、子ども若者部長にお伺いいたします。
○副議長(目片信悟) 10番田中誠議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎子ども若者部長(村井泰彦) (登壇)お答えいたします。
県では、国の調査要領に基づきまして、待機児童ならびに求職活動中のうち、求職活動を休止している者、また、特定の保育園等のみ希望している者、そして、育児休業中の者、それぞれの数を市町からの報告に基づき把握をしております。
議員御指摘の、特定の保育園等のみ希望している者に区分されている方につきまして、詳しい状況、詳細な内訳は把握しておりません。
◆10番(田中誠議員) (登壇)では、次に、1問目に県内で②の特定の保育園等のみ希望している者についてなぜ細かく伺ったかと申しますと、現時点で最新の保育所等入所待機児童数から除かれる者の資料の中で、②だけが県内において飛び抜けて多く、全体として1,098人中、①が28人、③が113人の中、②は788人と約85%を占めるほど圧倒的に高い数字となっており、特に大津市においてはより顕著で、①と③ともにゼロ人で、②の特定の保育園等のみ希望している者だけが285人とひときわ目立つ数字が出ており、これは看過することができない数だと言えるのではないでしょうか。
そこで、この②の特定の保育園等のみ希望している者の数字だけずば抜けて多い原因はどこにあるとお考えなのか、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
保育園等に入所できない理由は様々あるというふうに考えられますけれども、国の調査区分によると、待機児童に含めない者のうち、求職活動を休止している者や育児休業中で復職意向の確認できない者、これら以外の方々は全て特定の保育園等のみ希望している者、ここに含まれるということになるためというふうに考えられます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)簡単に言うと、その他ということなのかなとは思うんですけれども。
次に、特定の保育園等のみ希望している者に対して、国が定めた別の保育園等を案内可能な前提条件としては、開所時間が保護者の需要に応えている、例えば、希望の保育所と開所時間には差異がないなど、または立地条件が登園するのに無理がない、例えば、通常の交通手段により、自宅から20から30分未満で登園が可能などに該当する者という規定がなされています。この前提条件は、滋賀県の各市町においても国と同じ条件で、特定の保育園等のみ希望している者に対しては、その条件に該当する保育園等を案内しておられるものだと仄聞しますが、その場合はどのようにして入所可能な園を周知しておられるのか、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
本県の待機児童の多い市町におきましても、国と同じ条件で案内しているというふうに伺っております。
また、入所可能な園につきましては、保護者の希望する条件、これらが様々ございますので、その時点で空いている全ての園を一覧表にしまして、保護者に情報提供していると伺っております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
全ての園をということだったんですけれども、これ、国が定めているのでね、かつではなく、または自宅から20分から30分未満で登園が可能という立てつけなので、この開所時間さえ守っていれば、変な話、1時間ぐらいかかっても別に案内するということになってしまうので、この辺は、またはではなく、本来はかつであるべきなのかなと思いますので、そういった意味での細やかな周知がしてもらえたらなと思いますので、またこれは御意見として考えてもらえたらと思います。
次に、そもそも待機児童か隠れ待機児童かという線引き自体が、国が定めた定義に沿って枠組みに当てはめただけの数字であるということでしかなく、実際に保育施設等へ入所を待機している世帯からすればその事実に何の違いもないわけで、もし待機児童と隠れ待機児童の数を合わせて考えると、平成29年4月1日の716人からほぼ毎年増加を続け、最新の令和5年4月1日の時点では1,098人と、300人以上が増加していることになります。
そうした実数を把握するためには、待機児童と隠れ待機児童の数字を合算した真の待機児童の数を、滋賀県の公式ホームページや各メディアに向けて発表し、全県的にこの問題に取り組むべきだと考えますが、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
これまでから、待機児童と待機児童から除かれる者、これらにつきましては、同じ日ではあるんですが別々のページにおいて公表をしてきたところでございます。
今後の公表につきましては、他府県などを参考にしながら、より分かりやすい資料の作成ということを検討してまいりたいと思います。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ぜひ分かりやすく表記してもらえるようよろしくお願いします。
次に、前述してきました真の待機児童ゼロを目指すためには、何といっても保育士の保育所等への新規就業数増加と既存保育士の就業継続が一番の打開策になると思われます。
そこで、滋賀県全体として保育士の保育場等への新規就業者獲得の年間目標数は毎年掲げておられると思いますが、その目標数に対して毎年の実績値としてはどれくらい到達しているのか、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
新規就業者数の年間目標としては設定していないんですが、県と市町で構成します滋賀県待機児童対策協議会におきまして、令和2年度以降は、毎年保育士としての就業者数が前年に比べ365人純増すると、こういったことを目標数としております。
実績でございますけれども、令和2年度は207人、令和3年度は194人、令和4年度は186人、令和5年度は96人の増加となっております。しかし、目標である365人の純増には達していないところでございます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)次に、保育士の保育所等への新規就業数増加と既存保育士の就業継続のために、滋賀県として進めている事業としては、滋賀県保育士・保育所支援センター運営事業がございますが、この事業の具体的な取組内容を子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
滋賀県保育士・保育所支援センター運営事業は、保育士の専門性向上と質の高い人材を安定的に確保することを目的とした事業でございます。
具体的には、学生等を対象とした就職フェア、これの開催や、大学、高校への保育の仕事出前講座、こうしたことによる魅力発信のほか、保育人材バンクや研修等を通じました潜在保育士の再就職支援等の取組を実施しているところです。
また、現任保育士への就業継続支援策として、各種研修や相談支援等を実施しております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)いろいろやっていただいているようで、ありがとうございます。
次に、先ほどおっしゃっていただいた就職フェアの実績について、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
就職フェアの参加者数の推移ですが、令和3年度は535名、令和4年度は504名、令和5年度は441名というふうになっております。
また、実績として、参加者のうち県内で保育士として就職された方は、令和3年度は65名、令和4年度は97名、そして令和5年度は77名でございました。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
次に、その実績から見ると、就職フェアを契機に保育所等に就職した保育士を一定程度獲得できていることにつきましては、その御努力に大変感謝申し上げるところではございますが、まだまだ県全体として掲げている年間365人の増加という目標数とは乖離があり、今後、就職フェアの参加者をさらに増加させることと並行して、就職フェア参加者を就業に結びつける取組も必要となってくると思われますし、さらに言えば、そうした様々な取組をされている滋賀県保育士・保育所支援センターの存在自体をもっと多くの方に知っていただく必要があると思うのですが、県としては、このセンター自体をどのような媒体を使って保育士や保育士を目指す人たちに周知をなさっておられるのか、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
センターの周知につきましては、ホームページのほか、広報用リーフレットや情報誌など、各種媒体を通じて行っているところです。
保育士を目指す学生向けには、出前講座や就職フェアで参加者全員にリーフレットを配布するほか、県内の養成施設や高校を通じて情報誌を配布しているところです。
また、潜在保育士向けには、再就職支援研修や相談会でリーフレットを配布するほか、県内に全戸配布されている地域情報誌に潜在保育士の職場復帰事例と併せてセンターの紹介記事を掲載することで、周知に努めているところでございます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
次に、現時点では年齢的に保育士に今すぐなれないような世代に向けても、保育士が夢のある職業として認識してもらい、将来の人材発掘の観点から、そうした裾野を広げていく活動も重要になってくると思われますが、子ども若者部長の見識をお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
保育士という仕事に夢と憧れを持ち、将来保育士になりたいと思っていただけるように、センターではこれまでから、高校生、大学生向けの出前講座を実施しているところです。
また、今年度からは、新たに中学生向けのリーフレットを作成し配布する予定でして、より早期の段階から保育士の魅力を知ってもらうことで、将来の保育人材確保につなげてまいりたいと存じます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
中学生向けにリーフレットを配布されるということなんですけど、これ、再質問で、どういった形で配布する御予定があるかっていうのがもしも決まっていれば、お答えいただけたらと思います。子ども若者部長、よろしくお願いします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
保育人材の確保は市町にとっても大変重要なことでありますことから、市町と連携しまして、管内の中学校を通じて配布するということを計画しておるほか、中学生チャレンジウィークにおきまして職場体験を受け入れる保育所などでも配布をしたいというふうに考えております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。そうした裾野を広げる活動もぜひよろしくお願いいたします。
それでは、次に、先ほどの答弁で県全体として保育士の保育所等への新規就業者獲得の年間目標数は365人の純増とおっしゃいましたが、これは単に新たに就業される保育士の数のことを指すのか、それとも新たに就業される保育士の数から離職された保育士の数を差し引いた保育士の数を指すのか、どちらなのか。再度確認のため、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
新たに就業する保育士の数から離職者数を引いた数でございます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。
それでは、今ほどの御答弁を整理いたしますと、保育士の新規就業者がたとえ増えても、同時に離職者も増えてしまえば、その目標はもう一向に達成されないということになってしまいますので、いかに離職者を減らすかという観点も必要になってくると思われます。
そこで、先ほどの支援センター運営事業の中で、保育士が就業継続をするための施策として保育士の相談支援を行っておられるということでありましたが、やはり保育士は仕事の性質上、小さな子供を相手に仕事をし、また、その保護者にも気を配りながら、当然園の仕事仲間たちにも気を遣う、大変ストレスを抱えやすい仕事であると推測できるため、就業を続けていくためには、良好な労働環境や安定した精神状態を保てることは何より重要な要素だと思われますが、支援センターでは具体的に保育士の相談支援における施策としてはどんなことをなされておられるのか、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
センターでは相談専用ホットラインを設けておりまして、就業継続支援アドバイザーが電話やメールによる相談を受け付けております。
さらに、相談内容に応じまして、社会保険労務士や臨床心理士といった専門家による相談支援も実施しているところです。
◆10番(田中誠議員) (登壇)それでは、その相談専用ホットラインの対応日時、人数を子ども若者部長に再質問させていただきます。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
相談専用ホットラインの電話による受付時間は、センターの開所時間内である平日の9時から17時まででございまして、就業継続支援アドバイザー1名が対応しております。
専門家による相談支援は、社会保険労務士および臨床心理士それぞれ1名で対応しておりまして、センターの開所時間内でアドバイザーが調整の上、別日を設定しまして相談に応じております。
◆10番(田中誠議員) (登壇)では、その対応日時は、言ってしまえば、平日の9時から17時とおっしゃっていただいたんで、多くの保育士が就業中であると考えられると思うんですね。なので、本当に困っている方の声を聞き取ることが難しいと思われるので、例えば、専門家へのオンライン面談を含めて保育士のお困り事に幅広く対応できるよう、対応日時、人数の拡大もやはり必要なことだと思うんですけれども、子ども若者部長の見解をお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
就業継続支援の取組として、保育士に対する相談業務は大変重要な事業であるというふうに認識しております。
今後の取組につきましては、議員から御提案のありました専門家へのオンライン面談などを含めまして、人材の確保、定着に向けて、どういった対応が有効であるのか、関係者の皆さんの御意見も伺いながら考えてまいりたいというふうに思います。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ぜひ前向きに検討していただきますようよろしくお願いします。
次に、やはり離職者を減らすためには、保育士の煩雑な仕事をいかに省力化できるかということも重要な視点であると言えますが、先日ある保育士の知人からお話を伺ったところ、子供が大好きなその方は、子供と触れ合っている時間は幾ら長くても全く苦にはならないけど、それ以外の事務作業があまりにも多過ぎて、持ち帰りの隠れ残業が本当に苦痛で仕方がないとつぶやいておられたことが本当に印象的でありました。
こうした声は一部の方だけのものではなく、隠れ残業を含めた煩雑な業務内容は保育業界全てに関わる大きな問題だと思いますが、こうした問題を打開する一つの手段として、保育ICTシステムの導入が挙げられると考えられます。
そこで、現在、滋賀県では保育施設等にはどのようなICTシステムに対する助成があるのか、ICTシステム導入による優位性を含めて、子ども若者部長にお伺いいたします。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
ICTを活用した業務システムの導入費用、これらなどに対します国庫補助制度がございます。
既に導入を行っている保育現場からは、子供の登降園管理ですとか保護者への連絡調整など、事務的業務の時間短縮につながったとの声を聞いているところです。
◆10番(田中誠議員) (登壇)では、県内の保育施設等に対して、その保育ICTシステム導入の促進のために、県としてどのような働きかけをされておられるのか、子ども若者部長に再度質問させていただきます。
◎子ども若者部長(村井泰彦) お答えいたします。
各市町に対しまして、国からの予算や制度改正の内容について、都度周知は行っております。また、県内の保育施設向けには、施設管理者が集まる園長研修会の場におきまして、こうした国庫補助制度の積極的な活用を呼びかけているところでございます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひこういうICTシステム導入が広がるように、よろしくお願いいたします。
それでは、次に、これまで子ども若者部長にさせていただいた質問や要望を順を追ってまとめますと、そもそもの待機児童と隠れ待機児童の定義やその考え方の見直しを求めた上で、実情に見合った真の待機児童の数値を滋賀県の公式ホームページを含めた各メディアに対して明瞭に公表することをお願いし、見えてきた真の待機児童の数をゼロ人にするためには、保育士の保育所等への新規就業数増加と既存保育士の就業継続が必須で、それを現実にするに当たって、我が県が所管する滋賀県保育士・保育所支援センター運営事業の改善や拡充を求めてまいりました。
基本的に保育所等に対する施策の実施主体は各市町であったとしても、真の待機児童ゼロに向けて県として取り組めることはこうしてまだまだたくさんありますし、各市町への旗振り役としての県の存在は大変大きな役割を担っているとも言えます。
また、特に今年度より子ども若者部を新設された三日月知事の手腕には県民の皆様から大いに期待の目が注がれている中、誰一人取り残さない社会の実現を目指すのであれば、令和5年4月1日時点で1,098人いる真の待機児童数をゼロ人にすることは必須課題であると言えるため、滋賀県保育士・保育所支援センター運営事業を含めた県が担う保育人材確保対策の充実、真の待機児童数ゼロに向けての意気込みを知事にお伺いいたします。
◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。
私自身も二十数年前、滋賀に帰ってきたときに、4歳、2歳、ゼロ歳の3人の子供を抱えて帰ってきて、当時、就労証明、取れませんでしたので、候補予定者でしたので、保育所を探し回って大変な思いをしていたことを思い出しながら議員の質問を聞かせていただきました。
やはり待機児童の解消には、保育人材の確保、定着が重要で必要不可欠だと思います。県もこれまでから、るる御紹介、答弁で申し上げたとおり、保育の魅力発信、働きやすい職場環境づくりなど、保育人材の確保と定着の両面から取り組んできたところでございますが、そもそも実態を示す定義づけをどのように考えたらいいのか、これは世の中、社会、多くの方々に知っていただくことも必要ですので、そういった対策の必要性ですとか、保育人材の新規就業者を増やすためには、離職者を減らす努力ですとか、離職者が出ないようにそういった相談に応じられるような滋賀県保育士・保育所支援センター運営を拡充すること、相談時間が9時から17時だけでいいのかという、こういったことも含めて、まだまだやれることがあると思いました。
また、現場では一つ一つ丁寧に子供たちの様子を日々記録し、保護者とやり取りしていただく保育士の皆さんの努力があると思いますので、そういった業務を軽減するための業務ICTシステムの導入促進でありますとか、潜在保育士の方々を職場復帰していただくような取組も、まだまだできることがあるんじゃないかなと思いました。
情報誌「Hoikie」ですか。こんないいものがあるんだということを知りませんでしたし、保育の仕事を紹介するリーフレット、こういうものももっともっと有効に活用してお届けする努力もできるのかもしれません。
いずれにいたしましても、子ども若者部を設置し、「子ども、子ども、子ども」と申し上げておりますので、保育所だけではなくて、幼稚園やこども園、小学校に入るまでの子供たちを見るために、育てるために、一生懸命頑張っていただいている方々のことも含めて、こういった人材を確保するための取組を、さらに県を挙げてやっていきたいと思いますので、今日の御指摘、様々受け止めてまいりたいと存じます。
◆10番(田中誠議員) (登壇)ありがとうございます。本当に知事から力強い御答弁いただきまして、ありがとうございます。ぜひ待機児童ゼロに向けてお願いしたいところなんですけども。
やはり今後も、こどもまんなか社会を実現するべく子ども若者部を新設された知事におかれましては、決してパフォーマンスではなくて、本当の意味で、定例会議の提案説明の冒頭でもおっしゃられた、ともに生きるという言葉をしっかりと念頭に置いた上で、県民に寄り添い、全ての施策を推進力を持って取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(目片信悟) 以上で、10番田中誠議員の質問を終了いたします。
以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。
明3日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時42分 散会
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