滋賀県議会 2024-06-25
令和 6年 6月定例会議(第2号~第8号)-06月25日-02号
令和 6年 6月定例会議(第2号~第8号)-06月25日-02号令和 6年 6月定例会議(第2号~第8号)
令和6年6月
定例会議会議録(第3号)
令和6年6月25日(火曜日)
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議事日程 第2号
令和6年6月25日(火)
午 前 10 時 開 議
第1 議第88号から議第97号まで(令和6年度滋賀県
一般会計補正予算(第1号)ほか9件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(43名)
1番 谷 口 典 隆 2番 田 中 英 樹
3番 谷 成 隆 4番 小 河 文 人
5番 菅 沼 利 紀 6番 桐 田 真 人
7番 岩 崎 和 也 8番 野 田 武 宏
9番 森 重 重 則 10番 田 中 誠
11番 河 村 浩 史 12番 柴 田 栄 一
13番 中 山 和 行 14番 赤 井 康 彦
15番 河 井 昭 成 16番 佐 口 佳 恵
17番 小 川 泰 江 18番 田 中 松 太 郎
19番 清 水 ひ と み 20番 井 狩 辰 也
21番 本 田 秀 樹 22番 柴 田 清 行
23番 重 田 剛 24番 白 井 幸 則
25番 村 上 元 庸 26番 桑 野 仁
27番 周 防 清 二 28番 海 東 英 和
29番 加 藤 誠 一 30番 目 片 信 悟
31番 有 村 國 俊 33番 川 島 隆 二
34番 奥 村 芳 正 35番 駒 井 千 代
36番 木 沢 成 人 37番 清 水 鉄 次
38番 大 野 和 三 郎 39番 角 田 航 也
40番 冨 波 義 明 41番 九 里 学
43番 今 江 政 彦 44番 中 沢 啓 子
45番 節 木 三 千 代
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会議に欠席した議員(なし)
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会議に出席した説明員
知事 三 日 月 大 造
教育長 福 永 忠 克
選挙管理委員会委員長 吉 田 清 一
人事委員会委員長 池 田 美 幸
公安委員会委員長代理 北 村 嘉 英
代表監査委員 河 瀬 隆 雄
副知事 江 島 宏 治
副知事 大 杉 住 子
知事公室長 小 林 雅 史
防災危機管理監 山 下 將
総合企画部長 松 田 千 春
総務部長 岡 田 英 基
文化スポーツ部長 東 郷 寛 彦
琵琶湖環境部長 中 村 達 也
健康医療福祉部長 山 田 忠 利
子ども若者部長 村 井 泰 彦
商工観光労働部長 林 毅
農政水産部長 中 田 佳 恵
土木交通部長 波 多 野 真 樹
会計管理者 谷 口 義 博
企業庁長 藤 原 久 美 子
病院事業庁長 正 木 隆 義
警察本部長 中 村 彰 宏
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議場に出席した
事務局職員
事務局長 箕 浦 宏 昌
議事課長 一 丸 裕 介
議事課参事 内 田 吉 行
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午前10時 開議
○議長(有村國俊) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(有村國俊) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として
北村嘉英委員が出席されておりますので、御了承願います。
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○議長(有村國俊) これより日程に入ります。
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△議第88号から議第97号まで(令和6年度滋賀県
一般会計補正予算(第1号)ほか9件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問
○議長(有村國俊) 日程第1、議第88号から議第97号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。
本日は、会派代表による質疑ならびに一般質問であります。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、22番
柴田清行議員の発言を許します。
◆22番(
柴田清行議員) (登壇、拍手)先月、大津市で保護司の方がお亡くなりになるという、本当に大変悲惨な、大変悲しい事件が起こってしまいました。お亡くなりになりました保護司の方の御冥福を心からお祈り申し上げます。保護司の方の活動が安全・安心な形で行われる施策のほうをよろしくお願いをしたいと思います。
それでは、
自由民主党滋賀県議団を代表して質問をさせていただきます。
三日月県政の3期目の中間点を過ぎようとしております。後半戦の2年には、滋賀での国スポ・障スポ大会や大阪・関西万博の開催など、
ビッグプロジェクトを抱えております。また、県立高専の問題や、これから建設をされる
琵琶湖文化館、このような大きな建設や設置の行事も控えております。また、急務な課題として、今後起こり得る災害対策、琵琶湖の問題や滋賀の経済、どのようにしていくのか、大きな、また、様々な課題も抱えております。
令和6年度
滋賀県議会の
質問トップバッターとしてやらさせていただきます。よろしくお願いをしたいと思います。
まずは、
能登半島地震などを踏まえた
災害対応体制の強化について、知事にお伺いをいたします。
本年元旦に発生しました石川県
能登半島地震から半年が経過しようとしています。この地震の震源の深さは16キロで、マグニチュード7.6でしたが、これは発生から30年を迎える阪神・
淡路大震災よりも大きな規模でありました。また、地震の犠牲者は関連死と合わせて282名となり、熊本地震を上回ったと石川県が6月18日に発表されました。
その被害は、特に古い瓦屋根の木造住宅の倒壊や土砂崩れにより多くの犠牲者が出ました。また、輪島市では、観光名所、朝市通りで火災が発生し、200棟以上が焼失をしました。加えて、山間地を結ぶ道路が各地で寸断され、これまでにない多くの孤立集落も発生しました。
徐々に復興は行われていますが、インフラや住居の再建には多くの時間を要し、災害前の生活に戻るにはなお時間がかかる状態にあります。改めて、被災された多くの皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
そして、発生直後から、本県から県、市町職員をはじめ、様々な人材が現地に派遣されました。大変混乱しているという状況の中、派遣された職員をはじめ、多くの皆様の御努力にまずは感謝を申し上げます。
本県は、総務省の
応急対策職員派遣制度に基づき、石川県能登町の
総括支援団体として支援を行ってこられたと伺っておりますが、これまでの大震災とはまた違う様々な課題が認識されたところです。
地震は、いつ、どこで発生するか分かりませんが、本県におきましても大規模な地震は必ず発生するとの認識を持たなければなりません。
そこで、まず、滋賀県における地震発生時に想定されるリスクについて、これまでの教訓からどのように認識しておられるのか伺います。
特に近い将来確実に発生すると言われる
南海トラフ巨大地震につきましては、これまでの地震と比較してさらに甚大な被害との予想がなされ、しかも、影響は我が国全体に及ぶことが危惧されるところであります。今こそ、これまでの阪神・
淡路大震災や
東日本大震災の教訓や今回の
能登半島地震に見る様々な対応から、災害対策の見直しに早急に取りかかる必要があります。
そこで、
能登半島地震などで得られた教訓や課題を踏まえ、県の防災対策に対してどのように検討を進め、特に発災時の体制をどのように構築していくのか伺います。
また、今年度は、国の
防災基本計画や滋賀県
地域防災計画の見直しのほか、重点的に取り組む防災対策について、その基本的な考え方やスケジュールを定めた滋賀県
防災プランの改定が予定されています。対策や取組の礎となる計画やプランを早急に改定し、加えて、様々な訓練など、その実効性を高めていくことが求められています。
この項の最後に、
能登半島地震や過去の災害も踏まえ、これから起こり得るであろう地震災害から県民の命を守ることについて、知事に伺います。
次に、本県の
財政健全化に向けた取組について、知事に伺います。
我が国の経済は、コロナ禍による停滞を出し、力強さを取り戻しつつあります。しかし、滋賀県経済は、県が実施した景況調査において、円安などの影響による相次ぐ物価高で価格転嫁が追いつかない、人手不足で需要に対応できないなどの事業者からの声があるところであり、全体として持ち直しの動きが弱まっているところです。
そのような中、本県において、令和5年度から令和8年度を対象とする
行政経営方針を策定され、
財政調整基金は毎年100億円の残高を維持し、
臨時財政対策債以外の県債残高は令和8年度末において7,200億円以内とすることとされています。
今年度はこの方針の2年目であり、引き続き取組は進められるものと考えますが、まず、このような円安の進行や長期金利の上昇などが本県の財政運営に与える影響をどのように認識しているか伺います。
県における将来の
財政収支見通しについて、発表された令和6年3月の試算によると、令和6年度から令和12年度までの累計で808億円もの財源不足が見込まれています。この財源不足を補うための中心的な役割を担う
財政調整基金も、令和10年度には底をつく可能性もあるとのことです。
申し上げるまでもなく、
財政健全化に向けての基本は入るを量りて出ずるを為すであります。県民の生活を守り豊かにする施策を今後も着実に進行するためには、歳入の安定化と拡充に向けた取組が不可欠であると考えます。
そこで、将来にわたって安定的な歳入確保を図るため、どのような方針で取り組もうとされているのか伺います。
また、いよいよ来年度は国スポ・障スポ大会や大阪・関西万博の開催年度であります。さらに、今般大幅な増額となる
高等専門学校や
希望が丘文化公園の整備など大型施設の整備や、滋賀県への投資を呼び込むための
産業立地助成など、重大な大規模事業が控えています。将来にわたり、たとえ厳しい財政状況の中であっても、県内経済の活性化や地域課題の解決、県民福祉の向上に対しては、しっかりとニーズを把握し、将来への必要な投資を行っていくことが重要と考えます。
そこで、
財政継続性、安定性を図りつつ、新たな行政需要にも的確に対応する中での歳出の見直しについて、どのような方針で取り組むのか伺います。
人口減少を見据えた未来へと幸せが続く
滋賀づくり総合戦略の改定を進めていますが、正直、先を見通すことが難しい
社会経済状況の中、財政規律を維持しつつ、県民への必要なサービスを質、量の両面で維持するためには、
財政健全化に対しては県を挙げて取り組むべきと考えますが、この項の最後に、
財政健全化に向けてどのように取り組むのか、決意を伺います。
次に、
県立高等専門学校について、知事に伺います。
令和4年9月、設置場所を野洲市の旧
野洲川跡地に決定した、滋賀県の産業を支える工業系の
高度専門人材の育成を図る県立の
高等専門学校の整備が、令和10年4月の開校に向けていよいよ本格的に始まろうとした矢先、全ての
入札参加者が辞退され、入札を中止したと発表されました。
先日の提案説明では、設定された事業費が51億円もの巨額の増額となることを明らかにされました。また、併せて発注方法を変更するともされ、これも大きな転換との印象を受けたところであります。
そこで、施設整備について知事の考えを伺います。
1年前の令和5年3月に県立高専の
グランドデザインとして基本構想1.0を発表し、さらに進化した基本構想を2.0とし、本年3月に改めて公表されたところであります。その
施設整備費は約87億円とされましたが、それが僅か2か月しか経過していない中で、入札辞退から再検討の結果が1.6倍となる約138億円にもなぜ膨れ上がるのでしょうか。知事のメッセージを添えて県民への約束として公表された基本構想の土台が大きく揺らぐ事態と言わざるを得ません。
改めて、膨れ上がる巨額を投じての
県立高専設置の必要性を伺います。
提案説明では簡単に社会の実勢が捉えられていなかったと述べられましたが、そんなレベルと受け取れない金額であり、それならば、今設備計画が進められている
希望が丘文化公園をはじめ、今後予定されている事業の事業費も膨れ上がるとのことなのでしょうか。
さらに、同じく3月に公表された
財政収支見通しと今後の
行財政運営についても、そうした見通しの甘さがあるならば基本が崩れるのではないでしょうか。
こうした現状も踏まえ、膨れ上がる
施設整備費について、最初の構想から今日までの検討や議論を振り返って、要因をどのように分析されているのか、大幅な
事業費増額に対する知事の認識を伺います。
また、令和10年4月という開校時期を目指し、発注方法を変更して設計と施工を切り分けると表明がありました。これまで進めてきた
PFI方式を捨てて別の発注方式を採用することは、大きな方向転換であります。
そこで、なぜこのタイミングで発注方法を見直し変更するのか、また、これまでの増額は財政的にもピンチと思いますが、その見込みについて伺います。
基本構想2.0では、校長の人物像についての記載があります。滋賀県立大学の建学の精神である「キャンパスは琵琶湖。テキストは人間。」は、日本の
動物行動学の第一人者である
日高敏隆県立大学初代学長の思いから生まれたものと伺っており、施設もその思いに基づいて施工がされています。
そういったことから、我が会派では、これまでから早期に校長を選任し、建学の精神から施設整備に至るまでその思いを反映できるようにと指摘してきたところであります。今回の設計を先に行う方法は、まさに校長の建学に対する魂を入れるチャンスでもあります。
そこで、魂の籠もった施設とするためにも、校長の早期選任に対する認識と方向性について伺います。
県立高専は、知事が令和3年9月に県立での設置を決断し、その後、設置場所の様々な検討を行う中、当初、最短で令和9年4月とした開校時期を1年延期して、令和10年4月に変更した経緯があります。
既に県内外から多くの注目、期待をされているところであり、我々も次代を担う子供たちのための必要不可欠な投資であると認識をしております。だからこそ、施設整備をはじめ、校長の人選、カリキュラムの検討、教員の確保など、多くの山積みする課題も解決し、令和10年4月の開校に向け、着実に事業推進を図っていくことが何よりも重要であると認識をしております。
この項の最後に、いま一度、令和10年4月に向けた知事の意気込み、開校時に入学を迎える子供たちに向けての決意を伺います。
次に、魅力ある国スポ・障スポの準備状況について、知事に伺います。
県において、来年の国スポ・障スポ大会や大阪・関西万博のその後に残る
滋賀ならではの
レガシー創出に向け、庁内にレガシー2025
創出推進本部が立ち上がりました。推進本部では、これらの大会が一過性のものでなく、健康しがづくりにつながるイベントにすることにあります。このことは、かねてから知事はそういった思いを議会においても発言されておられ、いよいよ具体的な検討に入られたものかと思います。ぜひとも、なるほどという県独自の
レガシー創出に期待するものであります。
また、このことは、いよいよ
総合開会式まで460日と迫った、魅力あるわたSHIGA輝く国スポ・障スポの成功のための準備の一つでもあろうと思います。
そこで、県民の皆さんと盛り上がるためにも、秒読みに入った今、開催に向けた
開催準備状況について伺います。
「段取り八分、仕事二分」という言葉があります。仕事の準備、段取りの大切さを表す言葉で、事前に準備をきちんとしておくことで仕事の8割は完了したという意味の格言です。まさに国スポなど大きなイベントこそ、この言葉を重視すべきではないでしょうか。
まず、国スポにおいて、正式、特別、公開合わせて45の競技が行われる会場です。この協議会場は、国スポのために新たに整備された施設や既存の施設のリニューアル、また、県外でお借りする施設があります。
その会場における
ハード整備はもちろん、円滑な情報伝達のための
Wi-Fiなどの整備状況について課題があれば、その対応方針なども併せて伺います。
また、これらの競技運営などは、各市町において
実行委員会を立ち上げての対応となりますが、選手や来県者の宿泊も含めた
おもてなし準備なども含めて、各
市町実行委員会の準備は順調に進んでいるのか伺います。
今回の国スポは、平成25年2月に誘致を表明し、10年が経過しました。特に、主会場が彦根市に新たに整備する
陸上競技場となり、周辺の道路整備が大きな課題とありましたが、現在
インターチェンジ付近の整備も進んでいます。主会場に限らず、大会の各会場を中心とする道路など
アクセスインフラ整備は
予定どおりの整備が完了となるのでしょうか。円滑な大会運営と、来県者にも気持ちのよい道路などの環境整備の状況を伺います。
さて、本年10月5日から、佐賀大会、国スポ・障スポ大会と大会名が変わります。本県での開催前年度の
佐賀国スポの目標は3位ということであります。当然、滋賀県で開催される第79回
国民スポーツ大会では、
天皇杯獲得を目指しています。
競技力向上対策本部を設置して、
次世代アスリートの発掘から
トップレベル選手のさらなる向上まで幅広く競技力の向上に取り組まれていますが、選手の育成は順調に進み、競技力の向上はどのように進んでいるのでしょうか。課題と
現状取組状況について伺います。
さきにレガシー2025
創出推進本部のことに触れました。国スポ・障スポ大会、そして大阪・関西万博のその後ということです。知事は、大阪・関西万博の開催においては、いち早く子供たちを万博に連れていくと表明をされました。滋賀からは一定の距離もあり、現在、子供たちをどのような形で万博に連れていくのか検討がされていると聞きますが、足元の滋賀での国スポ・障スポ大会にこそ、滋賀の子供たち全てに世界に通じる
アスリートの競技や演技を目の前で観戦できる機会を与えるべきではないかと思います。
この項の最後に、国スポ・障スポ後の県独自の
レガシー創出のために、大会期間中に滋賀独自の取組があってしかるべきと考えます。国スポ・障スポの子供たちの観戦についての考えや大会期間中の県独自の取組について、具体的な考えを伺います。
次に、滋賀の水でつながる環境政策の方針について、知事に伺います。
滋賀県
環境総合計画では、2030年の目指すべき将来像を「滋賀をとりまく環境の恵みといのちを育む持続可能で活力ある
循環共生型社会」とし、従前の環境負荷の抑制だけでなく、いかに適切に環境に関わるかというより広い視点を取り入れ、環境と
経済社会活動をつなぐ健全な循環の構築を目指して、山、川、里、湖をつなぐ取組が行われています。
水は上から下に流れるように、健全な循環を支える基盤はやはり山であり、森林を守り生かしていくことが基本であります。
知事は、就任当時からやまの知事を表明され、やまの健康に取り組まれているが、その健全な循環を支える基盤となるやまの
健康づくりには何が重要であるか伺います。
申し上げるまでもなく、本県の山は琵琶湖を取り囲むよう位置し、一滴のしずくから大小様々な川を通じて琵琶湖に注がれています。ならば、やまの健康は川や琵琶湖の健康にもつながると考えます。山や琵琶湖は魚をはじめとした様々な生き物の生息場所であるとともに、農業や漁業、生活用水として人々の生活と密接に関わっています。
そこで、水質の保全など、川や琵琶湖の健康ということも意識すべきであり重要であると考えますが、さて、どのように取り組まれるのか伺います。
さて、川や湖の水質保全には下水道が大きな役割を担っていることは言うまでもありません。本県の下水道は、琵琶湖の水質保全を目的に県と市町が一体となり整備を進めてきた結果、令和4年度末現在で
下水道人口普及率が92.5%となり、全国6位となりました。琵琶湖の水質改善に大きく貢献してきました。
一方、下水道の普及につれて、処理過程で発生する汚泥も増加し、その処分をどのようにするか大きな課題であると認識しています。近年では、下水汚泥は貴重な資源として、肥料や燃料として有効利用するよう努力義務が課せられるなど、資源循環の観点からもより一層の有効活用が求められているところです。
そこで、県が管理する
浄化センターで発生する下水汚泥の有効活用の考えや現状について伺います。
また、全国の
下水汚泥リサイクル率は令和3年度末現在で77%となっている中、残念ながら滋賀県のリサイクル率は20%ということであります。
県における下水汚泥の有効活用の今後の見込みと課題について伺います。
この項の最後に、大量生産、大量消費、大量廃棄を前提とするこれまでの社会経済システムは、気候変動や資源の枯渇、生物多様性の喪失、プラスチック汚染など様々な問題を引き起しています。近年は、世界的にあらゆる段階で資源の効率的、循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を図るサーキュラーエコノミー──循環経済の概念が出てきております。
サーキュラーエコノミーについての現状と本県における状況はどのようになっているのか伺います。
持続可能な社会の実現に向け、下水道汚泥を含め、サーキュラーエコノミーへの移行に向けて、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
次に、健康長寿滋賀づくりについて、知事に伺います。
我が国において、平均寿命と健康寿命は着実に延伸しており、人生100年時代を迎える一方で、高齢化や生活習慣の変化により、
健康づくりを社会全体で進めることの重要性が増しています。
厚生労働省が令和4年12月に発表した最新の都道府県別生命表において、本県の男性の平均寿命は全国1位、女性の平均寿命は4位から2位に上昇しました。全国トップクラスの長寿県になった主な要因ですが、今まで県民お一人お一人が健康的な生活習慣を続けてこられたことや、行政や保険者などが長年各地域で
健康づくりに取り組んでこられた結果と考えます。
本県では平成30年度から、健康しがの取組を行われていますが、コロナ禍によって足踏みもあったのではないかと思います。
滋賀県の課題とする健康寿命の延伸などの政策について、その効果をどのように受け止めているのか伺います。
そして、国スポや障スポをきっかけに、健康しがづくりをどのように推進していくのか伺います。
誰もが自分らしく幸せを感じられる健康しがを実現するためには、医療福祉人材について、保健、医療、福祉が一体となって暮らしを支える医療福祉の推進が重要です。日本の高齢者人口のピークである2040年には、本県において看護職員が最大5,000人、介護職員が約9,000人不足すると見込まれます。
地域の暮らしを支える体制づくりにおいて、医療や介護、福祉を担う人材の確保について、医療福祉拠点整備に取り組んでいますが、新たな人材養成機関の卒業生が就職するまで8年程度かかります。それまでの人材確保の取組について伺います。
併せて、健康しがを支えるために、そうした多様な専門職の連携によるサービスの向上、切れ目のない患者や要介護支援者など質的向上が求められます。どのように滋賀らしい施策を進めるのか伺います。
やはり健康は自らつくるということも必要です。そのためには、まず、ストレスをためないことです。皆さんの中にストレス発散のためにお酒を飲まれる方もおられるでしょう。確かに「酒は百薬の長」という言葉があります。適度な酒はどんな薬にも勝る効果があるという意味ですが、しかし、適度な量が超え、さらになくてはならない依存症に発展する可能性があることを忘れてはいけません。
この依存症に対して、国は、平成26年6月にアルコール健康障害対策基本法、平成30年10月にギャンブル等依存症対策基本法が施行され、薬物依存症については、再犯の防止等の推進に関する法律に基づき対策が進められています。
令和4年度の県立精神保健福祉センターおよび保健所における依存症の相談件数は1,821件で、そのうち、アルコール依存症が880件、ギャンブル依存症が527件、薬物依存症が367件、ゲーム障害が47件でした。令和元年と比較すると約1.3倍に増加しており、依存症は本人だけでなく家族にも被害が及ぶなど、社会に及ぼす影響は非常に大きいと考えます。
県では、県民が依存症について正しく知り、必要な支援につながり、安心して暮らすことができる社会の実現を目指し、本年3月に滋賀県依存症総合対策計画を策定されました。
そこで、その計画を策定した背景となる滋賀県の依存症を取り巻く状況について伺います。
本計画に基づき依存症対策を進めるに当たり、医師や保健師をはじめとする人材確保が必要不可欠です。令和6年度は、保健所での相談支援体制を整えると想定をされていますが、適切な相談体制の確保に向けて取組を伺います。
この項の最後に、この依存症総合対策には、正しい情報による啓発や、各依存症家族会をはじめ、個人、団体の力をお借りすることが必要です。関係する団体などとの協力、または育成、支援も含め、対策推進についてのお考えを伺います。
次に、子供政策について、知事に伺います。
令和5年度4月にこども家庭庁の設置やこども基本法施行をはじめ、12月にこども大綱、こども未来戦略などが決定されるなど、子供、子育て政策をめぐる大きな転換期となりました。
また、知事は、7月に全国知事会の子ども・子育て政策推進本部の本部長に就任されています。知事が「子ども、子ども、子ども」と発言されたのは令和4年1月から。いち早く子供施策の重要性を示し、昨年度は全国を牽引する立場となった知事に、まずは、これまでの県の子供施策の成果を伺います。
次に、当事者である子供の権利や意見を尊重し、子供の声を県政に反映させることを規定した(仮称)滋賀県子ども基本条例の年内の策定を目指すと知事は表明されています。途中経過において、条例検討部会の中で委員と事務局側との間で意見の相違が生じているとの報道もあったところですが、子ども若者審議会から去る6月21日に答申を受けられたと聞いています。
答申のポイントと、答申を受けてどのような方向性で新条例案をまとめていくのか伺います。
答申では、子供をいじめや差別などの権利侵害から守るための取組と、第三者機関として(仮称)滋賀県子どもの権利委員会の設置が提言されています。子供の権利を保障するため、(仮称)滋賀県子どもの権利委員会の具体的な仕組みと、どのように考えているのか伺います。
(仮称)滋賀県子ども基本条例で規定される子供の権利として大きなものが、子供の意見を聴取、反映することです。子供の意見を聴く、反映するといっても、一人一人の子供をめぐる状況は様々であり、声を上げられない子供たちも多くいます。また、集めた声を県の施策に反映する必要があると考えます。
子供の意見を聴取、反映する仕組みを実効性あるものとすることはもちろん、できないことに対して説明、フィードバックすることも大切であり、新条例に基づき、どのような仕組みを整えようとしているのか伺います。
子供の権利について、条例の基本理念では、子どもの権利条約4原則、つまり、差別の禁止、生命、生存および発達に対する権利、子どもの意見の尊重、子どもの最善の利益とされています。
しかし、例えば民法において夫婦同姓が法律上の原則となっていますが、今、選択制夫婦別姓の議論があります。生まれてくる子供はどちらの姓を名のるのかというとき、夫婦の話合いで決めることになりますが、どのようにその子供の権利が尊重されるのか。また、離婚後の親権制度を見直す改正民法が成立し、令和8年に施行される見込みで、これまでの父、母のどちらか一方を親権者とする単独親権から、双方が子育てに関わる共同親権を選択することになります。別れた後も親として責任を自覚し、共に子供の成長に関わることは非常に期待感があります。ただ、DVや虐待の被害が継続してしまうという不安もあります。
改正法では、離婚後の親権の在り方は父母が協議して決定し、折り合えない場合は家庭裁判所が判断することになり、どのように子供自身の意思、権利が尊重されるのか。これらを含めて多くの課題を残しているのが現状だと考えます。こうしたことも、この条例制定の中で議論されていくのでしょうか。
子供の権利は、県や市町、保護者、学校など社会全体で守るだけではなく、子供の権利は子供自身が行使できるという考え方が必要ではないでしょうか、お考えをお伺いします。
この項の最後に、令和2年3月に改定された子ども・若者教育支援施策を総合的かつ計画的に推進する淡海子ども・若者プランについてであります。今年度末までの5か年が計画期間であり、今年度中に次期プランの策定が予定されています。国において、5月末にこどもまんなか実行計画が策定されたところであり、都道府県においても、本計画の基となるこども大綱を勘案し、計画策定に努めることとされています。
県において、昨年4月、部局を超えて子供に関する施策を強力的に推進するため、滋賀県子ども政策推進本部が設置され、子供・若者政策の庁内司令塔として子ども若者部を新設されたところですが、子供政策を議論する上で、子供、教育、福祉、医療、労働などの分野横断的な取組を進めていく必要があると考えます。
こうしたことを踏まえ、子供・若者の状況やニーズをより的確に反映した計画にする必要があると考えますが、次期プラン策定への決意について伺います。
次に、本県経済の活性化について、知事に伺います。
昨年、コロナが5類に移行し、社会経済活動は本格的に再開し、この春の賃上げや株価は三十数年ぶりという高水準の動きが見られました。また、一方で、物価の上昇に賃上げが追いつかず、実質賃金は対前年同月比で過去最長となる25か月連続でマイナスという状況が続き、今月に発表された本年1月から3月期のGDPの実績成長率は年率換算でマイナス1.8%となり、特に個人消費のマイナスは4期連続となりましたが、今後、春の賃上げや今月から実施される定額減税の効果が現れてくることが期待されるところであります。
そこで、本県経済の現状について、本年3月期決算の上場企業の利益は過去最高となる見通しであることが報じられる一方、県内の中小企業に目を向けると、コロナ禍のゼロゼロ融資の返済が昨年度から本格的に始まっている中、記録的な円安などを背景とする原材料費高騰の影響を受け、非常に苦労をされている声を多く聞きます。
本県経済にどのように影響を与え、また、現状や中小企業を取り巻く環境をどのように認識しているのか伺います。
中小企業は、本県経済や地域の重要な担い手であります。県内企業の活性化は中小企業の活性化と言っても過言ではありません。まずは、足元の賃上げの流れを中小企業にまで広げ、それを持続可能なものにしていくためには、国の対策と併せて県の取組が重要であます。
すなわち、本年4月からスタートした改正後の中小企業の活性化の推進に関する条例の実効性です。地域社会の課題解決、産業を担う人づくり、危機管理上の向上の取組を強化されるとされていますが、今回の改正条例も踏まえ、本県経済や地域の重要な担い手である中小企業をどう支援していくのか伺います。
特に、物流や建設、医療の分野では、本年4月から時間外労働の上限規制など適用が始まっています。2024年問題として、経済活動への影響という点では、製造業が集積する本県では、人手不足の深刻化による物流の停滞が懸念されているところであります。
3か月が経過する中、物流業界において2024年問題による本県における経済活動の影響について伺います。また、県としてどのような対策に取り組んでいるのか伺います。
同時に、人口減少、少子高齢化への対応やDX、GXの推進など、時代の変化をしっかりと捉え、新しい産業の創出や設備投資を一層促進していく必要が重要です。
県では、今年度の組織改正により、商工観光労働部に産業立地課とイノベーション推進課を新たに設置されましたが、今回の組織改正を機に、本県経済の成長からどのような点に重点を置いて取組を進めていくのか伺います。
この項の最後に、観光について伺います。
令和5年、滋賀県観光入込客統計調査速報値では、コロナ禍前の水準の約9割まで回復、しかしながら、外国人観光客について見れば約7割にとどまっている状況です。
日本全体の3月の訪日外国人客数は初の300万人を突破し、過去最高を記録いたしました。また、1年後には大阪・関西万博の開催や、次なる大河ドラマが本県も大きく関わる「豊臣兄弟!」と決まるなど、こうした流れをしっかりと取り込み、また、チャンスを生かすことが求められるところであります。
そのために仕掛けや戦略が重要でありますが、本県として、こうしたチャンスを生かしてインバウンドの誘致などに取り組むのか伺います。
次に、食料・農業・農村基本法見直しを踏まえた本県の農業と漁業政策の課題について伺います。
農業の担い手の減少、高齢化は着実に進んでいます。特に高齢化によって就農人口が減っているのではないかと考えられます。また、新規就農者は減少傾向にありますが、若年層の就農形態は雇用によるものが半数を占めています。基幹的農業従事者数の増加では、60歳以上は大幅に減少をしています。
こうした状況を踏まえ、人口減少における農業生産の維持、発展において、望ましい農業構造の確立について伺います。
滋賀県環境こだわり農業推進条例を制定し、滋賀県環境こだわり農業推進基本計画を策定、県は環境こだわり農業を進めてこられてきています。平成29年をピークに、水稲全体の作付面積の減少などにより環境こだわり農産物の栽培面積は減少をしていますが、特に滋賀の環境こだわり農業は、全国的にも評価されなければならない基準なのですが、評価されずにいます。有機農業は海外市場への転換を図る上で効果的な手段と考えます。
そこで、これまで進めてきた環境こだわり農業をさらに進め、環境と調和の取れた産業へと転換するための考えを伺います。
琵琶湖漁業の魅力を高め次世代につなぐには、一人一人が精鋭となるもうかる漁業への転換が必要であると定義づけられています。10年後のあるべき姿を漁業者1人当たりの年間水揚げ高1,000万円と掲げていますが、価格に転嫁されておらず、また、昨年の猛暑の影響などで琵琶湖のアユが著しい不漁になっているとして、滋賀県内の4つの水産団体が4日、アユの資源を回復させる対策を緊急に実施するよう県に要望され、6月補正予算として上程をされています。
これらのように、自然環境にも左右され、もうかる漁業への転換への道のりは険しい状況であります。同じく、農業分野においても、農業法人の財務状況は脆弱であり、法人の売上高が苦しい経営環境であります。実際の対価に見合う価格転嫁がされておらず、収支が伴わないことが大きな要因であると考えます。また、ひとたび気候の不安定な状況になりますと、存続することも不可能になってきます。価格転嫁については現在国において議論が進められており、その検討結果を大いに期待するところであります。
もうかる農業と漁業の実現に向け、本県農業、漁業の生産性向上、付加価値の向上のための県としての施策について伺います。
人口減少に伴い、農業集落内の戸数が減少する中、農地の保全はもとより、農業用排水路の保全や伝統的な祭り、文化、芸能の保存など、集落活動が急激に低下しています。また、
能登半島地震では、農業関係者についても、ため池などの農業水利施設の損傷、農地のひび割れによる農地のり面の崩壊など被害が発生しました。
本県においても、琵琶湖総合開発で造成された農業水利施設の老朽化、また、ため池については、堤体の決壊などにより、営農面だけでなく、下流の家屋や人命への影響など、甚大な被害につながるおそれがあります。頻発する豪雨や巨大地震の発生リスクが高まる中、人口減少や高齢化が進む農村地域において、防災・減災の積極的な推進と併せて、地域コミュニティの強化を図る必要があると考えます。
そこで、人口減少下における農村の地域コミュニティの維持と防災・減災対策についての考えを伺います。
次に、道路、河川などの社会資本、インフラ整備など、国との連携について、知事に伺います。
道路、河川などの整備は、県民生活の向上や安全・安心の確保、本県経済の活性化を図るために必要不可欠なものであり、国土強靱化対策などによってその取組が強化されているところであります。
近年の社会資本、インフラ整備の進展には、国の直轄国道や県事業への財政支援などが大きな役割を果たしてきたところであります。今後も大変重要であると考えています。
そこで、県内各地の慢性的な交通渋滞は県民生活や企業活動にも影響を及ぼしており、激甚化、頻発化する近年の自然災害に備えるために、幹線道路ネットワークとしての役割を担う直轄国道の早期整備が必要不可欠です。
現在、国土交通省滋賀国道事務所において、直轄国道の機能強化対策として、多くの事業を精力的に同時展開していただいているところです。
残念ながら全線開通が遅延することになった国道8号野洲栗東バイパスと国スポ・障スポ大会開催前の令和7年秋の開通が示されている国道1号栗東水口道路、国道8号米原バイパス、国道161号小松拡幅14工区および湖西道路4車線化の早期開通に向け、直轄国道事業の推捗状況と今後の取組について伺います。
本県の幹線道路ネットワークはまだまだ不十分なところもあり、これらの事業が開通した後も、引き続き直轄国道の整備を推進していく必要があると考えます。
そこで、今年度は直轄調査箇所として公表された国道365号栃ノ木峠道路や国道1号滋賀─京都間、国道8号彦根─東近江間、近江八幡─野洲間、国道161号小松拡幅13工区、さらに名神名阪連絡道路など、事業化を目指し調査が進められている次なる大規模プロジェクトについて、国と県のつながりの中、今後どのような取組を考えているのか、現状と併せて伺います。
近年、地球温暖化に伴う気候変動により災害が激甚化、頻発化しており、全国で毎年のように大規模な水害が発生をしています。被害が発生する前に防災・減災対策を実施し、県民の命を守り、社会経済活動への被害を最小限にとどめることが極めて重要でありますが、現在の河川整備や維持管理の取組状況と、特に気候変動に伴う災害の激甚化、頻発化を考慮した河川整備や維持管理を具体的にどのように進めていくのか伺います。
県として大きな課題である大戸川ダム建設事業は、令和3年8月に策定された淀川水系河川整備計画に位置づけられ、おおむね3年が経過したところであり、丹生ダム建設事業は中止からおおむね8年が経過している。
今年度における大戸川ダムおよび上流河川の整備と丹生ダム建設事業の中止に伴う地域整備事業の取組方針と進捗状況を伺います。
令和3年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害により甚大な人的、物的被害が発生したことを受け、危険な盛土などによる災害から国民の生命、身体を守るため、宅地造成等規制法を抜本的に改正した宅地造成及び特定盛土等規制法、通称盛土規制法が施行されましたが、これに伴う盛土などに対する規制開始に向けた県の取組状況、今後の対応を伺います。
この項の最後に、自然災害の激甚化、頻発化は水害だけにとどまらず、本年1月に発生した
能登半島地震では、道路や建物など主要インフラに甚大な被害をもたらしました。我が県においても、南海トラフ地震や琵琶湖西岸断層帯などの活動による地震の発生も危惧されており、国土強靱化の推進は喫緊の課題であります。
国土強靱化加速化対策は、国が策定した国土強靱化基本計画や県の国土強靱化地域計画に基づいて進められてきたところでありますが、本県の社会資本整備に与えた効果に対する知事の評価と、これに続く新たな取組をどのように国に求めていくのか伺います。
次に、滋賀の教育について、教育長に伺います。
まず初めに、滋賀の県立高校魅力化プランが令和5年3月に策定されてから各県立高校の魅力化への取組が進められており、来年度から伊香高校に森の探究科、守山北高校にみらい共創科が設置されます。
去る6月1日と8日に新学科の説明会が開催されましたが、参加者からの期待または課題としてどのような意見があったのか、また、課題に対してどのように取り組んでいくのか、誰一人取り残すことのない教育を目指されている教育長に伺います。
次に、学校教育の情報化の推進に関する法律が令和元年6月に公布、施行され、本県でも滋賀県生きる力を育むための学校教育の情報化の推進に関する条例が令和4年4月1日に施行されました。国のGIGAスクール構想により、1人1台端末の整備が本年度で完成年度を迎えました。
児童生徒がICTを活用し、個別最適な学びや協働的な学びの充実を図るとともに、教員がICTを効果的に活用し、学ぶ力の向上に取り組んでいただいていますが、令和5年3月に滋賀県学校教育情報化推進計画が策定され、その中で施策の柱として4つの方針が設定されています。ICTを活用した児童生徒の資質、能力の育成、教職員のICT活用指導力の向上、ICTを活用するための環境の整備、ICT推進体制と人材確保です。
そこで、1人1台端末が導入されて以降の児童生徒の資質、能力の向上、教職員のICT活用指導力の向上について、どのような成果と課題があり、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
次に、教員の人材確保について、本県において昨年度より改善はしているものの、令和6年度も年度初めの4月12日現在で小学校2名、中学校5名、高等学校で12名、特別支援学校で1名、計20名が時間講師である非常勤講師による補充もできない完全未補充の状態であったと聞いております。相変わらず教員不足の状況が続いていると思料します。また、近年の特別支援学級の増加や男性の育児休業取得者の増加も重なり、臨時講師の需要も増えていると聞いています。
一方で、公立学校の教員採用選考試験において、教員採用数の拡大に伴い、臨時講師を続けながら採用選考に再チャレンジしてきた受験生の多くが正規教員として採用されたことで、講師登録者が減少していることなどにより、各校での臨時講師の確保が難しい状態となっていると伺っています。
全国的に教員採用選考試験の採用倍率が低い状況が続いており、本県も例外ではなく、現在実施している令和7年度教員採用選考試験における志願者倍率は全校種、職種で3.4倍と、教員採用選考試験日の変更により志願者が増加した平成29年度以降最低の倍率となったと伺っています。
国からも、民間企業への人材の流出を止めるために、教員採用試験のさらなる前倒しを図るよう通知があったと伺っています。
この教員不足の解消のためには、正規教員の確保と臨時講師の確保の両方が喫緊の課題だと思いますが、教員採用試験の見直しも含め、その確保策について考えを伺います。
教育長は2期目の就任時に、笑顔あふれる学校現場を目指すと発言されています。子供が笑顔でいられるようにするためには、教員にも笑顔でいてもらわないと駄目です。教職員の子供たちのためという熱い思いや献身的な努力に支えられて、様々な課題に取り組んでこられたと思いますが、長時間にわたる超過勤務の常態化は、教職員の心身の健康を損なうおそれがあるだけでなく、教職員が創造的に教育に取り組む活力や子供と向き合う時間を奪うことにもなりかねません。
このことが子供たちの成長に影響を与えることを考えれば、学校における働き方改革は何としても取り組まなければならない喫緊の課題だと考えます。併せて、人を増やすことで教員の仕事を減らすことも、教員の負担軽減につながると考えます。
笑顔あふれる学校現場の推進に向けた思いを伺います。
教育長就任2期目も今年が最終年になります。この5年間、県立高等学校の魅力化、教員の働き方改革、そして、何よりも子供たちの可能性を引き出し、生きる力を高めるための取組をされてきたと思います。また、確かな学力、豊かな心、そして、読み解く力にも注力されたと思います。
そこで、この5年間の取組を振り返って自己評価と、最終年における教育施策の取組に向けた教育長の決意を伺います。
最後に、滋賀県警察の警察力強化について、
警察本部長に伺います。
日本は安全・安心な国だと多くの国民が考えているものの、近年の治安状況から懸念する声も多く聞かれる現状です。とりわけ、高齢者が被害者となることが多い特殊詐欺の認知件数は滋賀でも増加し、SNSで実行犯を募集する手口が、特殊詐欺のみならず、強盗や窃盗にまで拡大しているようです。
また、和歌山県で岸田内閣総理大臣の演説会場で爆発物が投げつけられる事案や、長野県で猟銃などにより警察官を含む4名の方が殺害されるなど、凶悪事件の発生は、安全・安心な国から遠ざかっているように思います。本県においても殺人事件の発生や様々な事件が絶えませんし、警察官が殉職される事故なども発生をしています。
また、科学技術の発展をはじめ、社会情勢は目まぐるしいスピードで変化しており、インターネットでも武器や爆発物の情報が安易に入手できるなど、社会の変化は治安面も多大な影響があります。
こうした社会における治安の課題には的確な警察の対処が求められています。そして、そのためには、多彩な能力や豊富な知見を有する人材の確保、育成とともに、こうした人材の力を発揮することができる警察環境を整備することが重要でないかと考えます。
令和5年の警察白書の副題も「複雑化する社会に適応する警察組織と多彩な人材」でありました。警察官の人員については、滋賀県は全国的に非常に低い状況であって、長年、我が
自由民主党滋賀県議団も国家公安委員長などに対し要望を続け、結果、令和5年と令和6年で30名の増員を図ることができました。しかし、我々
自由民主党滋賀県議団は、さらなる増員が必要との認識であります。
さて、中村滋賀県
警察本部長が昨年3月に御就任をいただき、はや1年が経過しました。本部長は、捜査、交通、防犯部門など幅広い分野で御活躍をされ、大所高所から様々な知見で判断をしていただいていると思います。
そこで、就任1年を経て、まず、刑法犯全体の認知件数や検挙率、犯罪率など、全国から見た最近の滋賀の治安の状況やその認識、また、滋賀の地勢的な面から重点的な取組をどのようにお考えか伺います。
本部長は、昨年の就任直後の本会議において、県民などが安心に暮らすことができる社会の実現が警察に課せられた使命であるとの認識の下、常に県民のための警察であれということを着任早々指示されるなど、決意を述べられました。そして、県民のためになる行動を自ら考え、こうした心がけの下で組織力を結集し、組織一体となって安全・安心の確保に努めるとの思いから生まれた取組の一つだとお察しするのがぽけっとポリスしがの導入であります。このアプリ、ぽけっとポケットしがの導入は、県民と県警察の距離がより身近に感じるとともに、県民の安心の向上にもつながると思っております。
改めて、このぽけっとポリスしがの導入の意図と、始まったばかりでありますが、この運用状況と今後の展開について伺います。
本部長も御承知のように、県の組織に新たに子ども若者部が設置されました。そして、さきの質問にありましたように、子供の権利を柱に置いた条例の制定に向けた検討もされています。子供の権利は権利として、生まれてから特に児童と言われる時代は、大人が子供を守らなければなりません。その意味では、ぽけっとポリスしがは、女性、高齢者はもとより、子供を守る点において多くの方に活用していただきたいものです。
また、歩行者の交通安全対策として、警察庁は生活道路の法定速度の見直しの方針も明らかにされました。
そこで、本県の子供を犯罪や交通事故から守ることについて、現状と県警察の取組方針について伺います。
さて、来年はいよいよ国スポ・障スポ大会を迎えます。県民はもとより、来県者の安全・安心にも県警察の活動は非常に重要です。警察白書は「警察組織と多彩な人材」を取り上げましたが、加えて、警察活動の環境、すなわち身近なパトカーや捜査に係る最新の資機材の充実も重要です。
最後に、滋賀県警察の組織や警察署、捜査資材などをはじめとする警察力強化に向けた環境整備の方針を伺い、自由民主党滋賀県議員団の代表質問とします。(拍手)
○議長(有村國俊) 22番
柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)自由民主党
滋賀県議会議員団を代表されての柴田議員から賜りました御質問にお答えをいたします。
私には大きく10項目の御質問をいただきました。順次お答えいたします。
その前に、まず、
能登半島地震のことをお尋ねいただいておりますが、発災から間もなく半年を迎えようとしております。被災された方に心からお見舞いを申し上げますとともに、昨日は滋賀県が対口支援してまいりました能登町の大森町長が御来庁され、滋賀県をはじめとする様々な支援に対し御礼のお言葉を賜ったところでございます。
まだまだ復興道半ばということでございますが、この間、多大なお力添え、御支援を賜りました関係各位に私からも改めて御礼を申し上げたいと存じます。また、発災直後より危険を顧みず現地被災地に赴いた県庁職員にも、ねぎらいの言葉をかけたいと存じます。
まず、1問目にいただきましたこの
能登半島地震等を踏まえた
災害対応体制の強化につきまして、こちらは3点賜りました。
1点目、本県の地震災害のリスクについてでございますが、平成26年3月に見直しました地震被害想定では、例えば、県内の数ある活断層のうち、最も被害が大きい琵琶湖西岸断層帯を震源とする地震が発生した場合、最大震度7、最大で2,000人を超える死者を想定しております。
また、
南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率は70から80%とされており、陸側で発生した場合、県内では最大震度6強、300人から500人の死者を想定しているところでございます。
さらに、これらのリスクに加えまして、今回の
能登半島地震では、道路網の寸断により救命、救助や支援活動に大きな影響が出たことなどから、本県においても同様のリスクがあると改めて認識したところでございます。
2点目、今後の検討の進め方等についてでございますが、
能登半島地震は元日に起こるなど、地震はいつ発生してもおかしくないことから、大規模災害への備えの強化が喫緊の課題であると認識しております。
したがいまして、今年度当初に各部局長等により構成いたします
災害対応体制等の強化、見直しに係る検討会議を設置し、発災直後から全庁、全職員で対応できる体制や被災市町への膨大な支援が円滑に受け入れられるよう、全庁的に検討を進めているところでございます。
今後、市町など関係機関との連携を図りながら、県庁全体の災害対応力を強化するとともに、市町支援の仕組みを整えてまいりたいと存じます。
3点目、地震災害から県民の命を守ることについてでございますが、現在、
能登半島地震等の教訓や今後示される国の
防災基本計画の修正内容および県の
災害対応体制の検討を踏まえまして、滋賀県
地域防災計画の修正を進めさせていただいております。
このうち、道路の寸断をはじめとするインフラ被害への対応や受援体制の強化等、今後重点的に取り組む防災対策等につきまして、
地域防災計画のアクションプランであります滋賀県
防災プランに位置づけ、計画的に取り組むこととしております。
地震災害をはじめ激甚化する自然災害から県民の命を守るため、市町と共に自助、共助、公助による地域防災力の向上を図り、災害に強い滋賀を創ってまいりたいと存じます。
続きまして、大きな2項目め、
財政健全化に向けた取組についてでございますが、こちらは4点いただきました。
1点目、円安や金利上昇の影響についてでございますが、円安の進行等に伴う輸入価格やエネルギー価格の高騰による物価の上昇は、個人消費の低迷や中小企業の価格転嫁の遅れによる企業業績の悪化の要因となり、こうした地域経済の動向が県税収入等を通じて本県財政に影響してくるものと認識しております。
また、歳出面では、人件費や物価高騰等に伴う諸経費、長期金利の上昇に伴う公債費の負担増など、最近の経済情勢の影響を受けた歳出増も見込まれるところでございます。
2点目、そうした中で、安定的な歳入の確保の取組についてです。
産業誘致の推進など地域経済の活性化による県税収入の確保や国費の獲得に最大限取り組むとともに、地方交付税の総額確保、拡充にも努めてまいります。
また、寄附等の獲得におきましては、県の取組を積極的に県内外へ発信するとともに、事業の企画段階から企業等と連携し、事業の趣旨に御賛同いただくことで、さらなる寄附獲得につなげてまいります。
財産活用では、スリム化の観点から、まずは未利用資産の売却に努めておりますが、民間のノウハウやアイデア等を積極的に取り入れ、貸付けなど売却だけではない利活用方法も検討いたしまして、柔軟な発想を持って取り組んでまいりたいと存じます。
引き続き、全庁が一丸となって安定的な歳入の確保につなげられるよう取組を行ってまいります。
3点目、歳出の見直しについてです。
滋賀の将来の発展に必要な施策や課題に的確に対応していくためには、全ての施策、事業について不断の見直しを徹底し、新しい行政需要にヒト、財源を振り向けていく、まさにヒト、財源の配分のシフトを進めていくことが重要だと考えます。
このため、令和5年度──2023年度から3か年を
行政経営方針に掲げるヒト、財源の配分のシフトを強力に進める集中取組期間として、既存事業につきまして、経済性、効率性の観点から事業成果を踏まえた見直しや、終期、終わりの期の設定により事業検証時期の明確化などに取り組んでいるところです。
こうしたことを通しまして、限られた財源の中で、施策の重点化を図りつつ、最少の経費で最大の効果が上げられるよう取り組んでまいりたいと存じます。
4点目、
財政健全化の取組の決意についてです。
社会保障関係費をはじめとした義務的経費や物価高騰等による諸経費の増加、県立高専の
施設整備費の大幅な増加などにより、将来に向けた財政負担が高まるものと認識しております。
このような中におきましても、本県の持続的な発展のためには、人づくりや地域振興、経済の活性化など、滋賀の将来に向けた投資による好循環を生み出していくことが重要であり、県立高専の設置や
希望が丘文化公園の活性化、産業誘致などに着実に取り組んでまいりたいと存じます。
そのため、
財政健全化に向けましては、定期的に
財政収支見通しを更新し、物価高騰等の影響を的確に反映するとともに、安定的な歳入のさらなる確保に加え、集中取組期間の2年目として、事業見直しや業務の効率化に向けた不断の取組を強化してまいりたいと存じます。
続きまして、大きな3項目め、滋賀
県立高等専門学校につきまして、こちらは5点御質問いただきました。
1点目、高専設置の必要性についてです。
本県は、内陸工業県でありながら、高専がない全国5県のうちの1県でございます。そのため、高専の設置に関し、これまでから産業界等から大きな御期待をいただいているところでもございます。
加えまして、将来にわたって競争力のある力強い産業の創出、育成、経済の発展や雇用の維持、拡大に加え、地域社会の今後の持続的発展のためには、これからの滋賀の産業を支える専門的技術を用いて価値創造ができる実践的な
高度専門人材の育成が必要との考えの下、県立高専の設置を判断させていただいたところでございます。
多くの事業費を伴いますが、未来に対する重要な投資であり、県立高専の設置は必要であると認識しております。
2点目、
施設整備費増額の要因の分析、そして認識についてです。
基本構想2.0記載の
施設整備費は、昨年9月の補正予算編成の際に、県内等の類似施設の整備実績に物価上昇等を加味して算定した単価を基礎としたものでございます。
その算定の際、物価高騰が見込まれましたことから、物価上昇の反映を入札公告時点から契約時点まで延長するとともに、各施設の面積につきまして、事業者の裁量による変動可能範囲を拡大する等の対応を行ったところでございます。
しかしながら、県内類似施設のデータ採用に関しまして、妥当性の検証が不十分であったことなどの要因により、結果として大幅に事業費が不足するという事態が生じたところでございます。
そのため、算定に用いる実績データを全国の可能な限り直近のものに改め、また、実例数を増やすとともに、可能な項目については積み上げによる試算を行うなど、算定方法を見直しました結果、51億円という大幅な事業費増加が必要となったところであり、このような状況に至ったことは誠に申し訳なく、改めておわび申し上げたいと存じます。
急激な物価上昇が発生する中では、サウンディング等に基づき情報を把握するなどにより、入札公告までに事業費を見直すべきであったところだと考えます。同様の事案が発生しないよう、本事業の状況を庁内で共有し、対策を講じてまいりたいと存じます。
3点目、発注方法の見直し理由等についてでございますが、令和5年2月にVFM──バリュー・フォー・マネーが3%程度発生することが見込まれたこと、維持管理がしやすく予防保全を前提とした施設となるなど、サービス水準の向上が見込まれたことなどから、
PFI方式により整備を行うことを決めたところでございます。
しかしながら、本事業につきましては、入札中止に当たり再検討する中で、
PFI方式では入札スケジュールの確保が難しい一方で、従来方式ならば、可能な限り期間圧縮、工区分割等の工夫を凝らすことで開校時期を維持できる可能性が高いと判断し、発注方法を従来方式に変更することとしたところでございます。
また、
PFI方式による施設整備には20%の交付税措置がありますが、県立高専の整備につきましては27%の交付税措置が見込まれる有利な県債を活用できることが判明し、発注方法の変更が財政に与える影響を縮小できる見込みが立ったことも、見直しの理由の一つでございます。
今後とも、公立高専に対する交付税措置の拡充や、高度情報専門人材の確保に向けた機能強化のための大学・高専機能強化支援事業の対象期間拡大などを国に働きかけるなど、財源の確保に努め、増加する財政負担の低減に努めてまいりたいと存じます。
4点目、校長の選任についてです。
校長は、県立高専の行く末を左右するかじ取り役となりますことから、その予定者の早期の選任は開校準備の最重要事項と認識し、私自身、高専関係や産業界など様々な方面の方々から紹介や助言を得ながら、具体的に人選を進めてきているところでございます。
昨年度末に県立高専の概略設計となります基本構想2.0を策定し、今年度からは、これに基づき、施設整備はもとより、カリキュラムの精緻化や学校運営方法の具体的構築など詳細設計を順次進めていく段階に入ってきております。
つきましては、施設の具体的設計をスタートをするこの秋には、校長予定者を選任してまいりたいと存じます。
5点目、開校時期維持に向けた意気込み等についてでございますが、県立高専につきましては、有為な
高度専門人材の輩出に向けて早期の開校が重要だと考えており、スケジュールが厳しく、事業費も増加する状況でございますが、令和10年──2028年4月の開校時期を堅持すべく、取り組む所存でございます。
今後人口が減少していく本県において、社会の活力を維持し、産業を持続的に発展していくために最も重要なのは人だと思います。
県立高専は、子供たちに新たな学びの選択肢を提供し、人生の可能性を大きく広げるとともに、滋賀発で次の時代、次代の社会を支える
高度専門人材の育成と技術者の育成交流のためのハブとして地域産業、社会に貢献するものだと考えます。
既に130社を超える企業等が共創フォーラムに御参加いただくなど、ムーブメントが起こり始めているところであり、様々な主体との共創により、本県の将来における持続的発展の光となる県立高専を創ってまいりたいと存じます。
続きまして、大きな4項目め、魅力ある国スポ・障スポの準備状況につきまして、こちらは5点賜りました。
1点目、競技会場の整備状況についてです。
常設施設につきましては、ほぼ完了しており、一部の整備中施設につきましても、来年度の本大会には間に合う予定と伺っております。
今年度、各競技会場では、リハーサル大会の実施と併せまして、本大会の円滑な開催に向けて、観客等の動線の確保やテント、プレハブなど大会運営に必要な仮設設備の設計を行う予定であり、おおむね順調に準備が進んでいるところでございます。
競技会場内の
Wi-Fi設備等の通信環境につきましては、各
実行委員会において、協議会場の状況を踏まえ、競技運営に必要となる設備の準備を進めており、リハーサル大会の結果などを踏まえ、本番環境の整備等について検討、準備してまいる所存でございます。
2点目、各
市町実行委員会の準備状況です。
競技会場となる全ての市町において
実行委員会が立ち上がっており、順次、リハーサル大会を開催し、競技運営上の課題を検証するとともに、地元の観光団体等と連携し、来場者をおもてなしする準備も進めていただいているところでございます。
また、宿泊、輸送につきましては、県と市町が連携して配宿・輸送センターを開設する予定であり、必要な客室やバスの確保などに取り組んでまいります。
昨年度の鹿児島大会では、約75万人の来場者があったと伺っております。本県の大会におきましても多くの方に県内で宿泊いただき、自然や食、歴史、文化をはじめとする本県の魅力を御堪能いただけるよう、本番に向けた準備を進めてまいりたいと存じます。
3点目、円滑な大会運営、道路等の環境整備についてでございます。
円滑な大会運営に当たりましては、道路等の環境整備も重要であると認識しており、大会に向け、開閉会式会場や各競技会場周辺のアクセス道路や河川、都市公園において、舗装の修繕や伐木、木を刈ること、除草、植栽管理に集中的に取り組むこととしております。
また、地元自治体や
交通事業者等とも連携し、交通集中が見込まれる開閉会式会場周辺の道路における交通規制の周知や、企業へのテレワークの推奨など、渋滞対策を検討してまいります。
大会期間中、来場者の皆さんが気持ちよく過ごしていただくとともに、県民生活への影響なども配慮し、着実に準備を進めてまいりたいと存じます。
4点目、選手育成の取組状況についてです。
これまでより
次世代アスリートの発掘、育成やターゲットエイジからの一貫した選手強化に取り組んでまいりました。
天皇杯獲得には、直近2大会連続で優勝している東京都を上回ることが必要であり、そのためには、特に団体種目および少年種別での強化が課題であると認識しております。
現在、さらなる競技力の向上に向けて、スポーツ特別指導員をはじめとするトップ
アスリートの獲得や、全国クラスの指導者の招聘を通じまして、少年種別をはじめとする本県代表選手団が勝ち切る力を獲得できるよう取り組んでいるところでございます。
開催年までに残された期間において、強化事業の質と量のさらなる充実を図り、総合優勝、
天皇杯獲得という目標の達成を目指すとともに、滋賀の子供たちが世界の舞台に駆け上がる選手育成の仕組みをレガシーとして継承してまいりたいと存じます。
5点目、子供たちの観戦、県独自の取組等についてでございますが、子供たちにとって、競技を観戦し応援することは、スポーツへの興味、関心を高めるだけではなく、選手から勇気や感動、努力の大切さを学び、自分自身の可能性を広げる貴重な学びの場になると認識しております。
県内の小中学校や特別支援学校の児童生徒の皆さんには、会場での観戦や応援を通じてスポーツの魅力を感じていただき、また、高校生の皆さんには、教育活動の一環として大会運営に携わっていただくなど、様々な形で子供たちが両大会に関われるよう準備を進めてまいります。
また、滋賀県独自の取組といたしまして、環境に配慮した大会、おもてなしと滋賀の魅力発信、そして誰もが主役として輝ける大会を目指しており、レガシーの検討を含め、一人一人が輝く未来の滋賀の創出につなげてまいりたいと存じます。
続きまして、大きな5項目め、滋賀の水でつながる環境政策ということで、こちらは6点いただきました。
1点目、やまの
健康づくりについてでございます。
本県の森林は、琵琶湖の水源涵養をはじめ、県土の保全、地球温暖化防止、生物多様性の保全、木材生産といった多面的機能を有しており、県民の生活に様々な恩恵をもたらしております。その森林資源は、多くが利用期を迎え充実しつつありますことから、伐って、使って、植えて、育てる循環利用の推進が必要だと認識しております。
このため、やまの
健康づくりには、森林の適正管理、林業の成長産業化に加え、農山村地域の資源を活かしたビジネスの創出などを一体的に進めるとともに、命の水や自然の営みの源になる森林を健全に保つことが重要だと考えております。
令和5年──2023年3月に制定されました滋賀県県産材の利用の促進に関する条例や、この6月の森林組合の合併を好機と捉え、環境と経済が両立する滋賀らしいグリーン成長の実現に向け、やまの健康を推進するやまの知事として、これまで以上に取組を進めてまいりたいと存じます。
2点目、川や琵琶湖の健康についてです。
川は、森、里、湖をつなぐ大切な役割を担っており、やまの健康とともに、川や琵琶湖の健康も欠かせない視点であると考えます。
川や琵琶湖には、水害を防ぐ治水の役割、飲料水や産業用水、漁業やレクリエーションの場、景観形成などの多様な機能があり、これらの機能が十分発揮され、人々がその恵みを享受できるよう、健全な姿で次世代へと引き継ぐことが重要であると認識しております。
水質汚濁の防止や水産資源の回復など、琵琶湖を守ることと、環境に配慮した農業の普及や環境関連産業の振興など琵琶湖を活かすことの好循環に係る取組と、それを支える調査研究、協働、環境学習など、琵琶湖を支える取組を進めることにより、川や琵琶湖の健康へとつなげてまいりたいと存じます。
3点目、下水汚泥の有効活用についてです。
下水汚泥は資源・エネルギーポテンシャルを有しており、処理方法により、肥料や燃料、建設資材などに活用が可能であると考えております。
過去には溶融して建設資材として有効活用しておりましたが、省エネの観点から順次運転を終了し、現在は焼却して産廃処分としておりますため、リサイクル率は全国に比べて低い状況にございます。
汚泥の有効活用に向けましては、各
浄化センターの規模や地域特性を踏まえ、湖西
浄化センターにおいては固形燃料化を行っておりますほか、高島
浄化センターにおきましては地域の資源循環を目指したコンポスト化を行っており、この6月から肥料の一般販売を開始したところでございます。
湖南中部
浄化センターにおきましては、バイオガスおよび燃料化を行うため、施設建設を令和8年度──2026年度供用開始を目指して進めているところでございます。
4点目、下水汚泥の有効活用の見込みとその課題についてです。
現在建設中の湖南中部
浄化センターのバイオガスおよび燃料化施設の完成により、令和8年度──2026年度にリサイクル率50%まで向上する見込みでございます。
今後も社会情勢や技術開発の状況などを注視しつつ、県といたしましても新技術の研究を進めながら、汚泥処理施設の更新時に有効利用できる施設を導入し、令和16年度──2034年度を目途に
下水汚泥リサイクル率100%を目指してまいる所存でございます。
課題といたしましては、下水汚泥は日々大量に発生いたしますため、処理の安定性や環境への配慮が求められるとともに、コストとのバランスを見ながら進めることが肝要と考えます。
5点目、サーキュラーエコノミーについてです。
まず、国は、本年夏頃を目途に策定する第五次循環型社会形成推進基本計画において、サーキュラーエコノミーへの移行を将来世代につなげる国家戦略として明確に位置づけることとしております。
本県におきましても、琵琶湖を取り巻く環境の恵みと命を育む持続可能で活力あふれる
循環共生型社会の構築に向けて、サーキュラーエコノミーへの移行が必要と認識しており、まずは最も身近な素材であるプラスチックの資源循環を進めているところでございます。
具体的には、昨年10月から、しがプラスチックチャレンジプロジェクトを開始し、毎月1日にプラごみ削減に取り組むしがプラチャレンジの日の創設や、プラスチック代替製品の普及、動画等を活用した子供向けの広報、イベントでの啓発活動などを行っているところでございます。
加えまして、今年度から、先駆的な取組に対する表彰制度を設けるとともに、優良な取組を広く情報発信していくことで、さらなる機運醸成と取組の横展開を図ってまいりたいと存じます。
6点目、サーキュラーエコノミーへの移行に向けた取組についてです。
これまで3R──リデュース、リユース、リサイクルに加えまして、製品の設計段階から循環利用を前提にデザインすることや、再生可能資源への代替を図るリニューアブルを推進することにより、生産、流通、消費、廃棄のライフサイクル全体で循環の輪を構築していく必要があります。
このため、今年度は、製造業等の動脈産業と廃棄物処理、リサイクルを行う静脈産業の事業者間連携を目的としたセミナーを開催し、業種分野の垣根を越えた循環利用の取組へとつなげてまいりたいと存じます。
また、消費者である県民の皆さんに対しましては、引き続き、しがプラチャレンジの日に日常生活でできる身近な循環の取組を呼びかけるなど、理解増進と行動変容を促してまいりたいと存じます。
循環共生型社会の実現には、県民、企業、関係団体、市町など、それぞれが主体的に関わり、互いに連携することが重要であり、県といたしましても、気づきと行動変容を促しながら、サーキュラーエコノミーへの移行に向けて、先頭に立って取組を進めてまいりたいと存じます。
続きまして、大きな6項目め、健康長寿の滋賀づくりということで、こちらは7点いただきました。
1点目、健康寿命の延伸などの政策効果の受止めについてでございますが、本県におきましては、これまでから、健康いきいき21-健康しが推進プラン-等の着実な実施によりまして、平均寿命はもとより、健康寿命につきましても、おかげさまで全国トップクラスの水準を維持しているところでございます。
この成果は、御案内のとおり、一人一人の日々の心がけでありますとか、みんなの支えあいによるものが大きくございますし、県だけではなく、市町や保険者、また、医療機関、民間企業、関係団体が一丸となって取り組んできた結果と考えており、継続して実施していくことが大変重要であると認識しております。
また、健康寿命の延伸は、個々の生活の質の向上だけではなく、医療費の軽減も期待できますことから、引き続き、さらなる健康寿命の延伸に向けた取組を推進してまいりたいと存じます。
2点目、国スポ・障スポをきっかけにした健康しがづくりについてでございますが、本県におきましては、両大会が開催されることは、みんなでつくる健康しがを県民と共有する重要なきっかけになると認識しております。
このため、大会の準備や開催を契機といたしまして、県民の
健康づくりの機運を醸成いたしますとともに、多様な人々が共に理解し支え合う共生社会の実現につながる施策を積極的に推進していきたいと考えております。
また、大会終了後も、関係者と連携し、継続的な取組をさらに前に進め、健康しがの実現に向け、健康長寿日本一を目指してまいりたいと存じます。
3点目、人材の確保についてです。
これまで仕事の魅力発信や、学生を対象とした修学資金の貸与のほか、ICTの導入支援による勤務環境の改善、潜在有資格者の再就業支援等に取り組んできたところでございます。
今年度は、滋賀医科大学の医師の地域枠を増員するとともに、県内看護系3大学にも地域枠を新設したところでございます。また、介護や福祉人材につきましても、介護事業所の業務改善の支援を行うサポート窓口の設置も進めているところでございます。
引き続き、時代のニーズに応じた様々な取組を進め、医療や介護、福祉をつなげる全県的なネットワークを構築することにより、さらなる人材の確保、育成、定着に全力で取り組んでまいりたいと存じます。
4点目、滋賀らしい、施策の促進についてでございますが、本県では、在宅で療養する方が住み慣れた地域での暮らしができるよう、保健、医療、福祉の専門職が一体となった多職種連携の取組を推進しております。
現在、県内で44の多職種による協議会が形成され、在宅でのみとりの事例研究など、地域において多様な専門職の質的向上を図っているところでございます。
また、全県的な取組であります医療福祉の地域創造会議において、地域での活動を横展開することにより、医療福祉サービスの向上を図り、誰もが自分らしく幸せを感じられる健康しがをさらに前に進めてまいりたいと存じます。
5点目、依存症について、取り巻く状況いかんということでございますが、今回の計画におきましては、依存症全般では、県民に対する普及啓発が不十分ということ、問題を抱える人が適切な支援や治療につながっていないなどの状況にあると認識しております。
個々の状況を申し上げると、例えば、アルコール健康障害では、多量飲酒をしている方の割合が高まっていることや、ギャンブル等依存症では、県内の相談件数が増加する中、身近な相談窓口がないなどといった状況になっております。
これらの状況を解決するためには、依存症に関する正しい知識の普及や医療、保健、福祉活動の充実、当事者の回復や社会復帰に向けた相談支援体制の強化が必要であるものと考えております。
次に、依存症の相談支援体制の確保についてです。
本県では、これまでから、依存症全般に関しては精神保健福祉センターを、また、アルコール健康障害に関しましては保健所を、それぞれ相談拠点に指定し、相談体制を整えてまいりました。
また、今年度からは新たに保健所をギャンブル等依存症および薬物依存症の相談拠点として指定し、相談支援員を配置することにより、依存症への相談体制の強化を図ってきたところでございます。
今後とも、相談を必要とされる方々のニーズを十分に把握しながら、必要な体制の充実、強化に努めてまいりたいと存じます。
7点目、依存症総合対策の推進についてです。
本人や家族がお互いに支え合い、回復し続けるためには、関係団体が行う情報交換や悩みを共有するための活動等が極めて重要な役割を果たすものと認識しております。
このため、これまでから依存症に関する普及啓発活動や身近な地域で相談できる場所づくりに当たりましては、関係団体とも連携し取組を進めてきたところでございます。
また、今年度は、関係団体や滋賀医科大学と連携し、ギャンブル等依存症の実態調査も行い、依存症の早期発見、早期介入のための施策につなげていくこととしております。
今後におきましても、これまで以上に県と関係団体との連携を密にしながら、依存症対策に全庁挙げて取り組んでまいる所存でございます。
続きまして、大きな7項目め、子供政策につきまして、こちらは6点いただきました。
まず1点目、これまでの子供施策の成果についてでございます。
コロナ禍におきまして、全国に先駆け3万人を超える子供たちの声を聴き、子供の笑顔を増やすための行動指標である「すまいる・あくしょん」を策定いたしました。こうした取組が国におけるこどもまんなか社会という大きな流れにもつながったものと認識しております。
その中で、本県として、「子ども、子ども、子ども」を県政の最重要課題に掲げ、令和3年度──2021年度には子ども・若者基金を創設し、ヤングケアラー・コーディネーターの配置やこどなBASEの取組など、子供・若者施策を強化してまいりました。
昨年4月には滋賀県子ども政策推進本部を立ち上げ、医療費助成の高校生世代への拡充によるセーフティネットの構築や、地域の実情に応じた子供施策の充実のための交付金の創設など、県と市町の連携による全国でも先駆的な施策を構築するとともに、教育委員会と連携し、しがの学びと居場所の保障プランを策定したところでございます。
これらにより、全国の子供施策を牽引するとともに、淡海子ども・若者プランに掲げる「子どもの笑顔と幸せあふれる滋賀」の実現に向け、子供・若者施策を着実に前進させることができたのではないかと認識しているところでございます。
2点目、(仮称)滋賀県子ども基本条例に係る審議会からの答申、そのポイントについてでございます。
1つは、子供の権利を守ることを明確に位置づけ、社会全体で取組を推進していくこと、2つ目に、子供の意見を尊重、反映し、意見聴取に当たっての配慮事項を盛り込んでいること、3つ目に、子供を権利侵害から守る個別救済や制度提案などを行う第三者機関(仮称)滋賀県子どもの権利委員会を設置すること、この3つが挙げられます。
今後、答申のこれらの3つのポイントを踏まえまして、子供を真ん中に置く取組が社会全体に広まることにつながる条例となりますよう、議会の皆様はもとより、子供や若者、保護者、関係団体等、幅広く御意見をお聞きし、年内制定に向けて取組を進めてまいりたいと存じます。
3点目、権利委員会の仕組みについてです。
子供の権利を守るために、1つは、権利侵害を受けている子供を救うため、委員として弁護士等が公平、公正な立場から調査、調整を行う個別救済、2つ目といたしまして、相談窓口や権利侵害事案などからの子供の声を踏まえた制度提案、3つ目といたしまして、県と連携した子供の権利などに関する周知啓発、これら3つを行う附属機関が必要だと考えております。
こうした機能を発揮させるために、事務局の体制や子ども・子育て応援センターの機能強化、様々な相談窓口、他機関との連携体制の構築などを検討するとともに、今後、実施状況を検証し、発展させてまいりたいと存じます。
4点目、子供の意見聴取と反映についてです。
県では、これまでから、子ども県議会や子供版知事への手紙など、子供の意見を聴き、施策に反映する取組を行ってまいりました。
意見を聴く仕組みにおいて、自らの意見がどのように検討され反映されたのか、あるいは、なぜ反映されなかったのか、その理由も含めて伝えることが大事であると考えております。そうしたことをホームページで公表するなど、意見を聴いた子供へフィードバックすることが、子供自身の学びや社会参画につながる重要なプロセスであると考えております。
今後、策定に向けて検討を進めております次期淡海子ども・若者プランにおきましても、意見反映を重要な取組として位置づけるとともに、庁内で取組を推進するため、聴いた声へのフィードバックの実施や、声を上げにくい子供への配慮などを盛り込んだガイドラインを作成するなど、全庁を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。
5点目、子供の権利の行使についてでございます。
権利の主体は子供であることを踏まえまして、子供自身が子供の権利を知り、そして学ぶことにより、子供自身の判断で行動できるようになることが重要であり、子供に対して分かりやすく子供の権利を伝えることが必要であると考えます。
また、先ほどお答えいたしましたとおり、声を上げにくい子供にも十分配慮しながら、子供の意見を聴き、反映し、フィードバックする仕組みを設けることで、子供の権利が守られる社会をつくっていくことが大切であります。
議員御指摘の様々な制度におきましても、こども基本法にあるとおり、子供の意見が尊重され、子供の最善の利益が優先して考慮されるという基本理念が、私としても重要だと考えております。
6点目、次期淡海子ども・若者プランの策定についてです。
(仮称)滋賀県子ども基本条例の理念を実現するための計画として、子供の権利が守られる社会づくりに向けた推進力になるものと考えております。また、子ども若者部を新設し、本県の子供、若者政策を総合的に推進していく上でも大変重要なものと認識しております。
その策定に当たりましては、教育、福祉、医療、労働等の分野横断的な計画とするとともに、子供や若者の意見を聴き、反映し、フィードバックするよう、全庁挙げて検討を進めてまいりたいと存じます。
次期プランが本県の子供、若者政策の礎となり、子供や若者の笑顔と幸せあふれる滋賀につながるよう、県民の皆様と共に取組を進めてまいりたいと存じます。
続きまして、大きな8項目め、こちらは本県経済の活性化というお題でいただきました5点の質問にお答えいたします。
まず1点目、本県経済への影響等についてです。
県において来月取りまとめる予定でございます今年度第1四半期の景況調査の速報では、原材料価格の高騰や円安の進行により、仕入価格や燃料費、光熱費が上昇し、収益を圧迫するなど、本県経済に広く影響が及んでいると認識しております。
また、中小企業に係る業況DIにつきましてはマイナス15.8であり、物価高騰や人材不足等を理由に、前期と比べると2.3ポイント悪化しております。
県内では、新事業展開などの未来を見据えた投資の動きや価格転嫁の状況に改善の兆しが見られますものの、ゼロゼロ融資の返済が資金繰りに影響しているということや、相次ぐ物価高で価格転嫁が追いつかない、また、人手不足で受注できない等のお声も聞かれ、本県経済の現状や中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあると認識しております。
2点目、条例改正も踏まえた中小企業への支援についてでございます。
本県経済の活性化に向けては、価格転嫁や賃上げなどの喫緊の課題に取り組みますとともに、未来を見据えた意欲的な取組を後押しできるよう、改正条例を踏まえた施策の強化を図る必要があると認識しております。
具体的には、中小企業による地域社会の課題解決に向けて、地域に根差した小規模事業者の強みを生かした新事業創出に向けた取組等を推進しておりますし、ひとづくりの面では、今年度新たに立ち上げた滋賀県産業ひとづくり懇話会等において、中小企業の経営者にも御参画いただき、産業人材の確保と定着、リスキリング等の人材育成に向けた議論を始めており、産学官で連携し、実効性ある施策に結びつけてまいりたいと存じます。
3点目の危機管理の強化に向けましては、引き続きBCP対策に向けた取組を促してまいりますほか、7月の滋賀県ちいさな企業応援月間に合わせまして、特に経営者層に向けてサイバーセキュリティー対策の必要性を訴求するシンポジウムを開催するなど、中小企業における危機意識の向上や対策の強化に取り組んでまいりたいと存じます。
こうした活性化施策を一層推進していくことにより、本県経済の重要な担い手である中小企業の持続的な成長、そして発展につなげてまいりたいと存じます。
3点目、物流の2024年問題についてでございます。
本年3月に株式会社しがぎん経済文化センターが公表された滋賀県内企業動向調査によりますと、調査対象の62.8%の事業者が、「既に影響が生じている」または「今後、影響が生じる可能性がある」と回答されているとのことでございます。
今年度に入り、様々な機会を通じ、物流事業者からは、ドライバー不足やコストの上昇等の声をお聞きしており、引き続き動向を注視していく必要があると考えております。
このため、本県では、昨年度から、各種媒体を活用し、運送事業者と荷主との適正運賃による契約等を啓発いたしますとともに、2024年問題の課題解決に向けたセミナーを開催しております。
また、中小トラック運送事業者が荷主等に対して行う価格交渉や、人材確保や労働環境改善に資する取組に対して支援をしているところであり、引き続き、国や関係団体と連携いたしまして、2024年問題への対応に取り組んでまいりたいと存じます。
4点目、こうした本県経済の成長に関してどのような点に重点を置くのかということについてです。
社会経済の変化が世界規模で一層加速する中、新たな課題に積極的に対応し、本県経済の持続的な成長を図るため、今回組織改編を行い体制を強化させていただいたところです。
産業立地の推進におきましては、旺盛な設備投資意欲に応えるため、産業立地戦略に基づき、企業との関係構築強化、産業用地の確保、設備投資に対する助成金や税制優遇等、5つの柱に沿って重点的に取組を進めることとし、4月以降、市町からの用地開発に係る相談対応や、市町と連携して企業を訪問し、支援制度を活用した設備投資の働きかけを行っているところでございます。
また、新たな産業の創出の面では、技術シーズの発掘から事業化に至る各段階を切れ目なく一元的に推進する体制を活かし、企業の新たな挑戦への支援やスタートアップの育成、さらには、次世代の産業を見据えた産学官の連携体の構築等を進めるなど、大学と産業界との連携の深化を図りまして、オープンイノベーションを一層加速させてまいりたいと存じます。
インバウンドの誘致等についてです。
まず、万博からの広域的な誘客の取組といたしまして、EXPO2025関西観光推進協議会に参画いたしまして、観光コンテンツの開発や商談会、海外プロモーションなどの誘客事業に取り組んでいるところです。
本県独自の取組といたしましては、万博開催前から本県への注目を高めるよう、本年秋からシガリズムをテーマに観光キャンペーンを展開し、国内外からの誘客を図ることとしております。
特に東アジアに対しましては、先月の韓国メディアとの対談で手応えを感じたゴルフやビワイチなどのアクティビティを活かした誘客を進めるとともに、ヨーロッパに対しましては、本県ならではの宿坊体験やナイトミュージアムなどの文化コンテンツを活かした本物の価値を体験いただけるツアー造成に取り組むなど、ターゲットに応じた誘客を推進してまいりたいと存じます。
また、万博を機に、関西での各種国際会議も開催されますことから、いわゆるエクスカーションの誘致やビジネス目的での来訪に向けた検討も進めてまいります。
さらに、議員も御紹介いただきましたが、万博翌年の令和8年には大河ドラマ「豊臣兄弟!」の放映が決定されるなど、本県の歴史、文化が注目されることから、さらなるインバウンドを含めた本県への誘客につなげてまいりたいと存じます。
続きまして、大きな9項目め、こちらは本県の農業、漁業政策に関して4点御質問をいただきました。
まず1点目、農業構造の確立に向けた取組についてです。
農業従事者が減少する中、食料生産のみならず、国土の保全、水源の涵養にも重要な農地を保全し、農業生産を維持、発展させていくためには、認定農業者や集落営農組織などの担い手が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立する必要があると認識しております。
とりわけ、意欲あるこれらの担い手が農地の受皿となり、規模拡大を図ることが重要です。
このため、地域での話合いによる農地の集約化、大区画化や雇用、設備投資の拡大、マネジメント力の強化に向けた取組を市町や関係団体と連携し支援してまいりたいと存じます。
2点目、環境と調和の取れた産業への転換についてです。
県では、令和5年──2023年3月に策定した環境こだわり農業推進基本計画に基づきまして、有機質資源の活用やスマート化を推進し、生産性と持続性を両立させること、また、オーガニック農業について、米や茶におけるさらなる拡大や、大豆や野菜等での栽培技術を検討すること、そして、県内外、さらには海外への輸出に向け、オーガニックを含めた環境こだわり農産物の魅力や価値を輸出協議会等を通じて発信することなどを、環境を意識した取組として進めているところでございます。
食料・農業・農村基本法に「環境と調和の取れた食料システムの確立」が盛り込まれたことを追い風といたしまして、生産と消費に至る各段階の関係者と連携をさらに深め、琵琶湖の保全はもとより、地球環境問題にも対応した環境こだわり農業をより一層進めてまいりたいと存じます。
3点目、生産性や付加価値の向上についてです。
農業におきましては、生産性向上として、スマート農業技術による省力化、農地の集約化と大区画化、気候変動に対応した新品種の導入などの取組を進めているところです。
また、付加価値向上として、環境への配慮とおいしさにこだわるきらみずきなどの高品質な品種導入や、みおしずくの加工品開発など、農産物を活用した新たな事業創出などの取組を進めているところです。
漁業におきましては、生産性向上として湖魚の持続的な利用に向けて、科学的な調査と評価に基づく資源管理型漁業を推進するとともに、付加価値向上として湖魚のブランド力強化を図るため、鮮度や大きさなどの品質を統一した流通を促進しているところでございます。
こうした取組を消費者の理解と共感を得ながら着実に進め、もうかる農業、漁業の実現を目指してまいりたいと存じます。
4点目、地域コミュニティの維持、防災・減災対策についてです。
安心して住み続けられる地域づくりのためには、地域が一体となった効果的な防災・減災対策の推進と集落での共同活動を通じた地域コミュニティの維持が喫緊の課題です。
自然災害リスクが高まります中、豪雨、地震により特に甚大な被害をもたらすため池の廃止等を含めた整備や、ハザードマップの周知、警戒管理体制の強化など、ハード、ソフト両面から防災・減災対策の取組を積極的に推進してまいります。
また、平時における農地、農業用排水路の保全や文化、芸能の継承などの集落活動への支援に加え、人口減少が進む中、大学や企業等との連携を一層推進し、関係人口の拡大により地域コミュニティの強化を図ってまいりたいと存じます。
続きまして、最後、10問目に、社会資本、インフラ整備などについて、こちらは6点いただきました。
1点目、直轄国道事業の進捗状況についてです。
国道1号栗東水口道路や国道8号米原バイパス、国道161号小松拡幅14工区および湖西道路真野─坂本北の4車線化の4つの事業につきましては、国土強靱化5か年加速化対策により重点的な予算配分をしていただき、令和7年──2025年秋の開通に向け、目に見える形で工事が進められているところでございます。
本県といたしましては、国スポ・障スポの開会に間に合うよう、引き続き、国に要請してまいりたいと存じます。
一方、国道8号野洲栗東バイパスでは、現場の一部で確認されたアスベストの撤去作業が進められており、撤去完了後に事業全体の工事工程が精査されると聞いております。本県といたしましては、一日も早く全線開通されるよう、国に協力してまいりたいと存じます。
2点目、次なる大規模プロジェクトについてです。
まず、国道365号栃ノ木峠道路につきましては、昨年度、福井県の杉本知事や関係市町の首長と共に、斉藤国土交通大臣にも直接地元の熱意を伝えるなど要望を重ねました結果、本年4月、国による権限代行に向けた調査への着手が示されました。柴田議員をはじめ議員各位の御協力に感謝申し上げたいと存じます。
また、滋賀─京都間の新たな国道1号につきましては、先月開催した期成同盟会の総会で、会長である私から、こやり政務官や国土交通省幹部の皆様に対し、計画の具体化に向けて直接要望させていただいたところです。その際、国からは「皆様の熱意に負けぬよう取り組んでいく」との強い御発言もいただいたところでございます。
これらに加え、本県にとって次なる大規模プロジェクトとなります国道8号彦根─東近江間や近江八幡─野洲間、国道161号小松拡幅13工区、さらには名神名阪連絡道路につきましても、計画の具体化や事業化が早期に実現されるよう、同時に、本県の財政スタミナも十分に勘案しながら、国に要望してまいりたいと存じます。
3点目、河川整備と維持管理についてです。
取組の状況につきましては、国土強靱化5か年加速化対策を積極的に活用し、築堤や堤防強化を進め、昨年度までの第2期河川整備5か年計画の目標延長10キロメートルに対し、目標を上回る12キロメートルの整備が完了いたしますとともに、国の緊急浚渫推進事業債を活用し、従前と比較し約1.6倍の堆積土砂の撤去を実施したところでございます。
気候変動への対応につきましては、令和4年──2022年10月に策定いたしました県管理河川における気候変動を踏まえた治水計画のあり方に基づき、降雨量の増大への対応が必要な8河川のうち、昨年度は1河川で、今年度は1河川で治水計画の見直しを行う予定としております。
また、治水計画に基づく事業を早期に実施するため、国の大規模補助事業の採択や、本年度で終了する緊急浚渫推進事業債の制度延長に向けた要望にも取り組んでいるところでございます。
さらに、ハード対策はもとより、地先の安全度マップを活用した避難体制の充実や安全な住まい方への誘導など、ソフト対策も組み合わせた滋賀の流域治水の取組を着実に推進してまいりたいと存じます。
4点目、ダム事業についてです。
まず、大戸川ダム事業につきましては、今年度も国より本体工事の着手に向けた環境調査や設計が進められており、本県といたしましては、事業が円滑に進むよう、引き続き、国に協力してまいりたいと存じます。
また、大戸川につきましては、ダム下流の大津市域で本年3月に河道掘削や護岸整備がおおむね完了いたしましたことから、ダム上流の甲賀市域でも、ダムの完成を待つことなく、下流の流下能力に見合った河川整備に向けて、今年度設計に着手することとしております。
次に、丹生ダム中止に伴う地域整備事業につきましては、実施計画に位置づけられた主な事業が令和8年度──2026年度末に完了するよう、県や国、水資源機構で全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
さらに、本年度創設いたしました余呉地域振興事業交付金を活用し、北の近江振興プロジェクトとも連携を図りながら、地元や長浜市を継続的に支援するとともに、国や水資源機構とも連携し、一層の地域振興に取り組んでまいりたいと存じます。
5点目、盛土等に関する規制開始への対応についてでございますが、これまでの取組状況といたしましては、昨年度、中核市である大津市を除く本県管轄区域において、既存盛土の分布を把握する基礎調査を行いました。その結果、既存盛土が756か所確認され、そのうち1か所は応急対策が必要と判明いたしました。
そのため、この盛土の土地所有者に対し、早急に対策を講じるよう求めるとともに、下流の土地、建物所有者に対し、地震や大雨の際には盛土の崩落に警戒いただくよう注意喚起を行ったところでございます。
今後の対応といたしまして、大津市とも連携し、来年4月に県全域を規制区域に指定するとともに、一定規模以上の盛土が本県管轄区域で行われる場合は本県の許可が必要となりますことから、審査体制の整備に加え、県民が盛土の位置や状況を検索できるシステムを構築するなど、規制開始に向けて着実に準備を進めてまいりたいと存じます。
6点目、国土強靱化についてでございます。
本県では、さきに答弁したとおり、国土強靱化の予算を活用させていただくことで、道路や河川などの社会資本整備が従前よりも加速度的に進捗し、県土の強靱化に大きく寄与したものと評価しているところでございます。
今後も国土強靱化の取組は必要不可欠であり、先日の国への政策提案では、5か年加速化対策終了後も継続的、安定的に予算が確保されるよう、県選出国会議員や国土交通省幹部に要望し、さらに、山梨県の長崎知事と共に財務省主計局長にも要望をさせていただいたところでございます。
引き続き、私自身も先頭に立ちながら、県土の強靱化をより一層推進するための予算、財源確保に向けて強力に取り組んでまいりますので、議員各位の御支援も賜れれば幸いでございます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)滋賀の教育についての5点の御質問にお答えをいたします。
1点目の県立高校2校の新学科についてでございますが、去る6月1日と8日に実施した説明会には多くの御参加をいただき、会場での質問やアンケートを通じて様々な意見を頂戴したところでございます。
伊香高校の説明会では「学習内容が自然に関連したすばらしいものに思った」、守山北高校では「インターンシップに大胆に取り組めそうで魅力がある」といった、新学科に対する期待の意見がございました。
一方、その後の進学や就職に対する意見や進学を希望する生徒を幅広く受け入れるための環境整備についての意見もあったところであり、今後の課題として受け止めているところでございます。
このような意見を踏まえまして、進学を希望する生徒への進学先に応じた学習のサポートや、就職を希望する生徒への多様なインターンシップ先の確保などに力を入れてまいります。
併せまして、多くの生徒が進学してもらえるよう、地元市と共に環境整備についても検討していく必要があると考えているところでございます。
来年4月の開設に向けまして、新学科が中学生や保護者にとって一層魅力あるものとなるよう取り組んでまいる所存でございます。
2点目の端末導入後のICTを活用した滋賀の教育の成果と課題、今後の取組についてでございますが、令和5年度の全国学力・学習状況調査の学校質問紙の結果では、令和4年度におきまして、週3回以上、1人1台端末を授業で活用している小学校は92.3%、中学校は77.5%でありました。1人1台端末を授業に導入することにより、例えば、発表が苦手だった子供たちも自分の考えを発表することができ、より主体的に学習できるようになったこと、また、子供一人一人が端末を利用することで、それぞれの学習状況に応じた個別学習が進められているところでございます。
一方、ICTを活用して指導できると回答した教員の割合は、令和5年3月時点の文部科学省の調査結果において、前年度結果より増加が見られますものの、全国の中ではまだ低い状況でございます。
また、令和5年度の文部科学省の調査では、1人1台端末を家庭に持ち帰り活用している小中学校の割合は79%でございますが、毎日持ち帰っている割合は15%でありますことから、今後、家庭での有効な取組事例を共有することにより、活用を促してまいります。
今年度から総合教育センターにおいて、各学校で導入されている端末とアプリケーションを組み合わせた実態に即した研修や、生成AIを実際に使用する場面を設定するなどの取組を進めておりまして、今後、先進的な事例収集に努め、現場の状況を把握しながら、教員のICT活用指導力の向上に努めてまいります。
3点目の教員確保策についてでございますが、正規教員につきましては、これまでから採用数を増やしているところでございまして、定年引上げの移行期間も活用して、段階的に正規教員の割合を増やすよう、積極的に確保に努めているところでございます。
そのため、教員採用選考試験を見直し、実施時期の前倒しや第一次選考におけます集団面接、第二次選考におけます小学校教員の音楽実技の廃止など、受験者の負担軽減を図ったところでございます。
さらに、昨年度から実施しております他府県の現職教員を対象にした秋選考において、今年度は募集校種を拡大して実施をいたします。
また、大学3年生夢チャレンジ専攻を新設いたしまして、滋賀県の教職を目指す大学生に対して受験機会を増やしたところでもございます。
臨時講師の確保につきましては、教員免許保持者で教育現場で働くことに興味をお持ちの方などを対象に、昨年度から教員へのファーストステップセミナーを開催し、潜在的な教員希望者を掘り起しているところでございます。
昨年度は112名の参加をいただき、50名近くが講師登録をされ、現在は30名を超える方が学校で働いていただいております。
また、県で作成しております講師登録名簿の更新回数を増やしたり提供方法を工夫したりするなど、改善に努めております。
文部科学省からは採用試験のさらなる前倒しを求められているところでありますが、その見直しも含めまして、引き続き、正規教員と臨時講師の確保を図ってまいります。
4点目の笑顔あふれる学校現場の推進についてでございますが、教員がやりがいを持って笑顔で生き生きと働くことで、子供たちの笑顔があふれる学校となると考えており、そのためには、さらなる働き方改革と学校の指導運営体制の充実が必要であると認識をしております。
働き方改革では、教員業務支援員──スクール・サポート・スタッフや部活動指導員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを拡充し、教員の業務の負担軽減を図っております。
学校の運営体制につきましては、小学校におけます教科担任制のさらなる拡充を図っているところであり、併せて、教職員が安心して休暇、休業制度を利用できる職場体制を実現するための定数改善や、不安を抱く初任者への人的支援の体制構築などを国に要望しております。
教員が心と時間にゆとりを持ち、誇りややりがいを感じ、健康で生き生きと勤務できるよう、子供も教職員も笑顔あふれる学校づくりを目指し、さらなる取組を進めてまいります。
最後、5点目の自己評価と決意についてでございますが、平成31年──2019年4月に教育長に就任して以来、読み解く力の育成、働き方改革の推進、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの拡充、医療的ケアが必要な児童生徒の保護者への支援など、知事とも思いを共有しながら多くの施策に取り組んでまいりました。
また、コロナ禍では、子供たちの学びに大きな影響がございましたが、ICT環境の整備を速やかに進めたこと、また、うみのこ学習では、中止するのではなく日帰りで実施するなど工夫をしながら、子供たちの学びの継続に努めてきたところでございます。
この間、学校現場をはじめ、市町、家庭、地域、企業など様々な皆様のお声を聞き、多くの方々の御協力をいただくことで、教育振興基本計画の基本目標でございます「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」を皆さんと一緒に推進することができたと感じております。
本年度は第4期教育振興基本計画の1年目に当たりますことから、未来を担う子供たちが主体的、協働的に学べる場の実現に向けまして、様々な主体との連携を図りながら、教育委員会が一丸となって全力で取り組んでまいる所存でございます。
◎
警察本部長(中村彰宏) (登壇)警察力の強化につきまして、私いただきました4点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の滋賀県の治安の現状や認識、地勢的な面からの取組についてでありますが、滋賀県では、近年減少傾向にあった刑法犯認知件数が2年連続で増加に転じ、犯罪率が同規模県に比べて高くなっていることに加え、SNS型投資、ロマンス詐欺の被害が大幅に増加傾向にあるなど、その治安情勢は憂慮すべき状況にあると認識をしております。
滋賀県は、近畿、東海、北陸地方を結ぶ交通の要衝にあり、人の流動が激しいということが、犯罪率が高い要因の一つではないかと考えられます。また、県中央に琵琶湖が位置するという大きな地勢的特徴も有しております。
このため、各警察署だけではなく、県下全域での広域的な対応が可能な警察本部からの支援も重要であり、引き続き、警察本部と警察署が一体となって、効果的、効率的な警察力の運用に努めてまいります。
2点目のぽけっとポリスしがについてであります。
ぽけっとポリスしがについては、その名称のとおり、県民の皆様に滋賀県警察からの安全・安心情報を常に持ち歩いていただきたいという願いを込め、本年3月1日から運用を開始しております。
これまで、特殊詐欺の予兆電話や子供に対する不審者情報といった注意情報を、アプリの機能を生かしてタイムリーに発信をしているところであります。
ダウンロード数は、本年度中、県民人口の約1%となる1万4,000件を目標としているところ、現状1万3,800件と、日々増加をしているところであります。
今後は一層の利用者数の増加を図るとともに、交通安全などのさらに幅広い分野での発信、活用を行い、県民の安全・安心のための総合的な情報発信ツールとしての運用を目指してまいります。
3点目の子供を犯罪や交通事故から守るための現状と取組についてですが、犯罪被害防止につきましては、これまでから学校等における不審者対応訓練や登下校中の見守り活動、子供への声かけ等の行為に対する検挙、警告を実施してきております。
また、SNSを通じて児童が面識のない被疑者と知り合い、性犯罪等の被害に遭う事犯が全国的にも高水準で推移していることから、インターネット上での不適切な書き込みに対する注意喚起や、学校での防犯教室等における被害防止のための知識の普及啓発に努めております。
一方で、子供の交通事故につきましては、前年同期と比べて件数、死傷者数ともに減少しておりますが、登下校中の子供が重傷を負う事故が発生するなど、予断を許さない状況であると認識をしており、通学路等における見守り活動、交通指導取締り、交通安全施設の整備などに取り組んでいるところであります。
安全・安心な滋賀の実現には子供の安全が不可欠でありまして、引き続き、これらの取組を推進してまいります。
4点目の警察署・捜査資機材等の整備方針についてでありますが、警察力強化に当たりまして、警察活動の拠点となります警察署等の警察施設や捜査資機材等の整備は必要不可欠であると認識をしております。
警察署の整備につきましては、現在、大津北警察署の建替えに向け、建物基本設計および移転用地の取得などを進めているところであります。
ほかの警察署や交番、駐在所におきましても、老朽化や狭隘化に加え、設備等に不具合を抱えている施設もあり、時代の変化に即した各種警察活動に支障が生じないよう、緊急度、優先度を見極めながら計画的に整備をしてまいりたいと考えております。
また、犯罪の手口が高度化、多様化する中で捜査活動を効率的かつ効果的に進めるためには、車両や装備資機材の更新整備に加え、新たな犯罪に対応できるよう先進的で高度な捜査資機材を導入する必要があると考えております。
時代の流れに後れを取ることなく、捜査資機材等の充実、高度化を推進し、限られたリソースの中で最大限の効果を上げるよう努めてまいります。
○議長(有村國俊) しばらく休憩いたします。
午後0時9分 休憩
────────────────
午後1時10分 開議
○議長(有村國俊) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、14番赤井康彦議員の発言を許します。
◆14番(赤井康彦議員) (登壇、拍手)チームしが 県議団を代表して、大きく11の質問をいたします。明快なる御答弁をお願い申し上げます。
6月19日、改正政治資金規正法が成立いたしました。裏金問題がいまだに不明で、原因究明が十分でない状況において改正法が成立したことは非常に残念であり、国民の不信を払拭するには程遠く、むしろ不信を増長するような改正法であると思っております。
政治資金規正法の第1条の目的には「民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」と明記されておりますが、果たして民主政治の健全な発達に値しているのか甚だ疑問であります。国民が納得し、政治離れを食い止めるためにも、真っ当な政治を目指すことを誓い、以下、質問してまいります。
まず初めに、滋賀
県立高等専門学校の施設整備事業について、知事にお伺いいたします。
令和10年4月に開校を目指す滋賀
県立高等専門学校──以後、県立高専──の運営を担う滋賀県立大学は、去る5月8日、県立高専の施設整備事業に関する入札手続を中止すると発表いたしました。
野洲市に設立される予定の県立高専施設整備事業の予定価格は約110億円とされており、民間の資金と経営力を活用し、設計、建設、そして開校後15年間の維持管理を落札者が一括管理する
PFI方式を導入するとされています。これに基づき、令和5年11月21日に入札公告が行われ、本年5月9日に入札、翌10日に開札手続が実施されることになっておりましたが、入札への参加を予定していた3企業グループ全社が辞退したことを受けて、中止されることになったものであります。
この事態を受けて、知事は5月14日の定例会見で、入札に当たって、県の予定価格と入札業者の想定事業費の間に大きな乖離があったことを第一に挙げられています。一方で、高度なものづくり人材の育成に熱い期待を抱いている、志や夢を実現できるように、この事業を前へ進めていきたいと、また、開校時期についても変えずに進んでいきたいとも述べられています。
そこで、まず、今回中止に至った要因をどのように分析され、今後どのように対応しようとされているのか、改めてお伺いいたします。
知事は5月14日の定例会見において、開校時期について、令和10年の開校を目指して、まだまだやれることはある、開校時期を変えずに進んでいきたいと述べられ、令和10年4月の開校は堅守すると表明されております。大変力強いメッセージ、不退転の決意と頼もしく感じましたが、今後の資材費や人件費のさらなる高騰により、円滑な進捗に懸念があると考えます。
そこで、令和10年4月の開校時期を守るために、本事業の内容をどのように見直し、工夫していこうとしているのかお伺いいたします。
県立高専の開校時期については、当初は令和9年の4月の予定でしたが、その後、令和5年1月に校舎建設や教員確保などに必要な時間を検討した結果、令和10年4月と修正された経緯がございます。
その際には、令和9年4月入学生に該当する児童やその保護者、県民の皆様から多くの落胆の声が上がり、現在、令和10年の入学を目指して希望に燃えている児童や保護者、そして県民の皆様に再び同じような思いを与えることは許されないと考えます。
そこで、今回の見直し、検討に当たり、最も最重要視されたのはどのような点なのかお伺いいたします。
少子化の波により生徒数の減少が続いていく中で、県内に新しく高等専門教育機関を設置することは、県内公立高校との関係も視野に入れた極めて高度な判断の下で行われる事業であり、本県の教育や産業経済を包括する大事業であります。それだけに県民や県内産業界への影響も大きく、期待も大きい大事業とも言えます。県立高専が末永く本県教育や産業振興に貢献し得る持続可能な教育機関として設置され、運営されるよう願うものであります。
この項の最後に、
県立高専設置という大きな事業に対する知事の思い、決意をお伺いいたします。
次に、過疎対策について、知事にお伺いいたします。
過疎地域に係る特別措置法として、昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が10年間の時限立法として施行されて以来、これまで5回の時限立法が制定されてきました。
過疎地域を取り巻く社会情勢を踏まえた上で、過疎地域に求められる役割や過疎地域振興の理念、過疎対策の意義、必要性について検討され、新たな立法措置が講じられてきたところであり、現行の過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法は令和3年4月1日に施行されております。
滋賀県においては、滋賀県過疎地域持続的発展方針を定め、県内の過疎地域の現状や過疎地域を抱える市町の取組等を踏まえた中で、令和3年度から7年度までの5年間の過疎地域の持続的発展を図るための大綱としております。
現在、長浜市の旧虎姫町、旧木之本町、旧余呉町、旧西浅井町、高島市の旧朽木村、東近江市の旧永源寺町、旧愛東町、そして甲良町が過疎地域として指定されており、人口減少が続き、高齢化率も高く、コミュニティの維持、活性化が困難な地域も出始めております。
滋賀県は、北部振興として今年度も様々なメニューで県北部の活性化に取り組み始めている反面、県北部でない地域においても過疎地域と指定されている自治体や旧町などが存在する中、対策を急ぐことを願い、以下、質問してまいります。
まず、過疎地域の持続的発展に当たっては、①多様な主体と幅広く連携したソフト事業の取組の充実および人材の育成・確保、②過疎地域の魅力、資源を活かした多様な関わりの創出、③情報通信技術の活用、④過疎地域の実情や過疎地域を抱える市町のまちづくりの考え方を尊重の4つの基本的な考えに沿って取組を推進されておりますが、現在の進捗状況と課題についてお伺いいたします。
また、県の責務として、社会情勢の変化を踏まえ、全県的な見地から過疎地域の市町の区域を越える広域的な施策を担うとともに、市町相互間の連絡調整ならびに市町に対する人的および技術的援助、そのほか必要な援助を行うよう努めますと明記されておりますが、実際、過疎地域にどのような支援を行っているのかお答えください。
加えて、滋賀県として様々な支援事業はありますが、過疎地域に限定した事業は、過疎地域等政策支援員事業や県税の課税免除など数種類のメニューしかございません。過疎対策メニューを増やす考えはないのでしょうか、お伺いいたします。
次に、過疎地域持続的発展計画に定める人口目標として、長浜市、令和7年度11万394人以上、高島市、令和7年度4万5,700人以上、東近江市、令和7年度11万326人以上、甲良町、令和8年度6,200人以上の目標を定めておられますが、現在の状況と達成見込みをお伺いいたします。
この項の最後に、今年度、北部振興として事業を活発に展開される中、北部地域以外にも人口減少著しい過疎地域があることを知事はどのように考え、今後どのようにしていくのか、見解をお聞かせください。
次に、世界水フォーラム参加の評価について、知事にお伺いいたします。
間もなく7月1日、びわ湖の日を迎えます。滋賀県では1980年7月1日に県民による石けん運動の盛り上がりを受けて、琵琶湖の富栄養化の原因となる窒素やリンの排出規制を定める滋賀県琵琶湖富栄養化の防止に関する条例が制定され、条例の施行1周年を記念して7月1日をびわ湖の日に決定されたのは、皆様御承知のとおりであります。
また、2015年に公布、施行された琵琶湖保全再生法に基づく第2期の琵琶湖保全再生施策に関する計画により、様々な取組をしているところですが、滋賀県の宝でもある琵琶湖を将来に向かって守っていくためには、行政と県民が手を取り合って着実に取組を進めるしかありません。滋賀県が提唱して始まった世界湖沼会議への参加や、世界的な課題になっている水問題の解決に向けて滋賀県が提唱している世界湖沼デーの制定に向けた取組などもその一つであります。
5月18日からインドネシアで開催された第10回世界水フォーラムには三日月知事も参加をされ、私たちの湖を守るための緊急要請として、持続可能な湖沼管理のためのグローバルアジェンダと協働努力の推進、世界湖沼デーの提起などが行われました。
そこで、海外で開催される世界水フォーラムへの知事の参加は三日月知事が初めてとお聞きしていますが、まず、今回のフォーラムへの参加について、知事の感想をお伺いいたします。
加えて、滋賀県で取組を進めているMLGs(マザーレイクゴールズ)を紹介されたと思いますが、フォーラムではどのように受け止められたのかお伺いいたします。
世界湖沼デーについては、これまでも外務省、国土交通省、環境省に取組の推進を要望されてこられましたが、世界水フォーラムの成果文書に盛り込まれたことによって、今後の国連総会での決議の見込みはどのように考えておられますか、お伺いいたします。
冒頭申し上げましたように、琵琶湖を守ることをはじめ、湖沼会議の提唱など世界の水環境を守る取組について、滋賀県は常に先導的な役割を果たしてきたと思います。そして、今回の世界湖沼デーの制定が実現すれば、滋賀県民の琵琶湖に対する思いはますます高まると思います。
こうしたことを県民の皆さんと共有するための広報啓発は重要でありますが、今後どのようなことを考えておられるのかお尋ねいたします。
次に、森林政策について、知事にお伺いいたします。
さきに行われた4月招集会議で、琵琶湖・GX推進対策特別委員会について、GXの推進と活用に関する付議事件を造林公社の諸問題を含む森林政策に関する付議事件に改め、琵琶湖・森林政策特別委員会に変更されました。琵琶湖の水源林としても滋賀の森林をいかに守り活用していくかというのは、県議会においても最重要政策として今後も推進していく責任がございます。
このことを踏まえ、以下、喫緊の森林政策に関わる課題について質問をいたします。
令和4年6月5日に甲賀市をはじめとする県内各地を舞台に開催された全国植樹祭では、多くの県民の皆様や関係機関の御支援、御協力の下、無事終えることができました。コロナ禍の影響により1年遅れましたが、式典、サテライト会場、一般植樹会場も含めて約1万4,000人の皆様に御参加いただきました。
知事は、植樹祭だより「緑のしずく」の感謝号において、大会を通じて高まった森林づくりへの関心を絶やすことなく、森、川、里、湖のつながりを大切に、碧く輝くびわ湖と健全で緑豊かな森林を次の世代に持続的につないでいくと総括されています。まさにそのとおりだと思っております。
植樹祭では、事前の取組も含めて、地元や緑の少年団の子供たちなど多くの方々に関わっていただいており、それらの方々の思いを開催後もしっかりとつないでいくことが植樹祭のレガシーにつながると思います。
植樹祭が終了してはや2年がたちますが、その思いを継承した取組をどのように展開しているのかお伺いいたします。
次に、滋賀県造林公社を取り巻く課題についてですが、造林公社では、平成23年3月の特定調停成立以降、長期経営計画と5年を計画期間とする中期経営改善計画を策定、実行することにより、経営改善に向けた取組をしているところであります。しかしながら、包括外部監査では、両計画にそごがあることや、長期収支や弁済可能額の試算を行い現実的な返済策定をするよう指摘されています。
また、航空レーザ計測による森林解析の結果、造林公社事業地の森林生育状況が想定より悪い状況にあり、必要な伐採材積量の3割程度しか確保できず、債務額の大部分が弁済不可能の見込みということであります。
分収造林事業のあり方検討では、こうした事態になった検証も含め、次の100年の森づくりについて議論されると推察しますが、県ではどのような検討をされるのかお尋ねいたします。
併せて、造林公社問題は国の拡大造林施策の推進のために行われた事業であることを鑑み、財政支援を含めてさらに国の対応を求めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
次に、知事は、これまでやまの知事となると宣言されてこられましたが、やまの知事として森林づくりに係る施策の取組について、当然知事にとって最重要施策の一つであります。
琵琶湖森林づくり基本計画については、今年から令和7年にかけて見直しを行うとのことですが、令和5年3月に議員提案で制定された滋賀県県産材の利用の促進に関する条例や、県内の8森林組合のうちの6森林組合により県内最大の森林組合誕生という大きな動きを踏まえて、森林政策へのやまの知事としての決意をお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、子ども若者部新設と教育行政について、知事ならびに教育長にお伺いいたします。
知事は、さきの2月定例会議の我が会派の代表質問に対し、社会全体で未来への希望である子供の健やかな育ちや子育てを支える環境をつくり、子供、若者一人一人がいかなる状況にあっても愛され、夢を持って自分らしく健康で安心して大切に育まれてこそ、笑顔で暮らせる社会が実現できる、そのためにも、社会全体で子供を育み、若者を支える滋賀を実現するため子ども若者部をつくると答弁されました。
具体的な効果として、スピード感を持った対応が求められる子供、若者施策については、意思決定の迅速化により効果的、効率的な施策の充実を図ること、関係部局と連携し、多岐にわたる施策の司令塔として総合的かつ複合的な課題に的確に対応すること、さらには、子供を取り巻く課題に福祉と教育の観点からチームで対応することで、子供の居場所づくりや学びの機会の一層の確保を図ることの3点を期待する効果として挙げられました。
昨年度まで教育委員会や総務部、健康医療福祉部などが所管していた事業や予算を今年度から子ども若者部に移し、新たな施策にも積極果敢に取組を始められていることについては、我が会派も大いに期待するところであります。
本県で実に5年ぶりに子ども若者部として新設、スタートされましたが、狙いどおりに進捗しているのでしょうか、知事にお伺いいたします。
子ども若者部新設1年目の本年度当初段階での部所属職員数や当初予算規模を見ましたが、人員的にも財源的にも部局が新設されたのに少なく、心もとなく感じております。徐々に考え充実していくことも大事なのかもしれませんが、待ったなしの県民要望や課題解決のため新設されたことを考慮すれば、もっとスピード感を持って対応すべきではないかと私たちは考えます。
部新設により、県民要望にどのように対処し、解決に向け全庁挙げて取り組もうとされているのか、また、未来を見据えて子供を主軸に置いた施策に取り組もうとされているのか、既存部局から子ども若者部ができたことにより人員や予算が今後どう充実されるのかを含めて、知事にお伺いいたします。
次に、令和7年度から策定、変更される本県プラン、計画についてお伺いいたします。
来年度から令和11年度まで5か年計画で新たに策定される予定の淡海子ども・若者プランやしがの学びと居場所の保障プランの目標実現に向けて具体的にどう取り組んでいかれるのか。本年度はプラン策定目的や具体的方針、施策づくりの調査や基本方針をつくる上で大変重要な年度となります。
これら2つのプランや計画の策定、変更にとって重要な年度となる最初の議会ゆえに、子供を核とした年間を通したプランをどういったスケジュールで近年の課題や内容を各部局に指示し、具体的に進捗していかれるのか、知事にお伺いいたします。
この項の最後に、本年度から新たにスタートします滋賀の教育大綱(第4期滋賀県教育振興基本計画)についてお伺いいたします。
本県教育委員会は、本計画の基本目標に掲げられました「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」、三方よしで幸せ育む滋賀の教育の実現に向け、大きく3つの柱を掲げられました。
1つには夢と生きる力を育むこと、1つには学びの基盤を支えること、そしてもう1つは、みんなで学びに関わることを中核に、重点的に取り組む施策を新大綱施策体系にのっとり、子供の立場や目線を真ん中に置いて、それぞれの目的の達成を目指して取組を始められましたが、新たにできました大綱、基本計画で本県教育がどう変わるのか、教育長就任後6年目となられる自身が今感じている現状と課題、今後の方向性について、教育長にお伺いいたします。
次に、観光施策について、知事にお伺いいたします。
昨今円安の影響もあり、日本政府観光局が発表した単月の訪日外国人客数は、令和6年3月にコロナ禍前を上回る過去最高の308万人となりました。コロナ禍で落ち込んだ観光需要が回復し、喜びの声が聞かれる一方で、京都をはじめ、国内各地でオーバーツーリズムの課題が深刻化しており、観光における光と影が浮き彫りになってきております。
一方で、本県の令和5年の観光入込客統計調査の速報値によりますと、延べ観光入込客数はコロナ禍前の令和元年の約9割まで回復しているものの、外国人の延べ観光入込客数は約7割程度にとどまっています。また、今年に入ってからの観光庁の宿泊旅行統計調査によると、本県の外国人宿泊者はコロナ禍前の令和元年の同月並みにまで回復しているものの、全国平均と比較すると低い水準にあります。
インバウンド需要をうまく取り込めていない現状が浮き彫りになっていますが、この状況をどのように捉えているのかお伺いいたします。
昨年の6月定例会の代表質問において、アフターコロナのインバウンド需要にどのようにつなげていくのかという質問をしたところ、常に相互往来というものを視野に入れながら、重点市場である東アジアでの現地プロモーションの強化や開拓市場である欧米豪に対するPRを実施いたすとともに、ターゲットやニーズを踏まえた
滋賀ならではの旅の楽しみを創出することにより、さらなる誘客につなげてまいりますと答弁されております。
その後1年が経過し、答弁いただいた取組が結果につながっていない状況を踏まえ、今後、大阪・関西万博の開催に向けたインバウンドの獲得について、どのように取り組もうとされているのかお伺いいたします。
また、昨年の6月定例会議の代表質問において、琵琶湖や森林の自然を生かしたアウトドアのレジャーや、ビワイチ、シガリズムをはじめとした体験型の観光需要の今後についてどのように捉えているのかという質問を行いました。これに対し、コロナ禍を経た旅行需要の変化として、自然やアクティビティに対する需要、文化や暮らしを地域でじっくり体感する観光への関心が高まっていると捉えており、これらの需要を取り込むために地域資源を生かした観光や付加価値の高いコンテンツの充実に取り組んでいく必要があると答弁されております。
今回新たに取り組まれているTHE シガパークは、地域資源を生かした取組の一つとも考えられますが、昨年同様天候に恵まれたこの5月のゴールデンウイークにおける観光客の状況についてどのように分析されているのかお伺いいたします。
次に、本県の観光を戦略的に推進していく上で、観光DXの推進は重要と考えます。観光DXとは、業務のデジタル化により効率化を図るだけではなく、デジタル化によって収集されるデータの分析、利活用により、ビジネス戦略の再検討や新たなビジネスモデルの創出といった変革を行うものと位置づけられます。
観光地においては、課題の解決に向けて、地域や関係事業者と連携を図りつつDXに取り組んでいくことが重要で、DX対応については、旅行者の利便性向上、周遊促進、観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、観光デジタル人材の育成、活用の観点を踏まえ、地域の実情に応じて推進していくことが求められ、観光庁においても観光DX推進プロジェクトに基づき様々な実証事業が行われております。
本県では、令和4年から滋賀県DX推進戦略に基づき、観光のDXも進められておられますが、現在の観光DXの成果と課題、今後の取組についてお伺いいたします。
次に、食料・農業・農村基本法改正と今後の滋賀県の農政について、知事にお伺いいたします。
第213回通常国会において、食料・農業・農村基本法改正案が可決成立いたしました。この法律改正は25年ぶりであり、日本の農業の現状を踏まえれば大変重要な法案であります。
しかしながら、基本理念や基本施策については曖昧で不十分であるとして野党から修正案が提出されるなど、また、今回の基本法の改正に当たり、昨年12月に超党派の地方議員による食料自給の確立を求める自治体議員連盟が結成され、議員連盟では、年度ごとに食料自給率の目標数値を明確にし、進捗状況の公表をすることや農業予算の大幅拡充による具体策の展開、また、欧米並みの直接支払制度の拡充と政府買上げによる需要創出政策の導入など、7項目にわたって国に対して要望しています。
基本法制定から25年を経て、これまで様々な施策が講じられてきましたが、農業に従事する人は減少し、併せて農地面積も減少いたしました。
こうした中での基本法改正であり、これまでの農政の取組を十分検証して実のあるものにすべきですが、現在の農政を漫然と続けていこうという今回の改正案では、滋賀県はもとより、日本の農業を守ることはできません。今こそ、日本中の全ての農地、全ての地域が守られ、自国民の食料は自国で作るという当たり前の農政が確立されるように、滋賀県でも取組を進めていくべきと考えます。
滋賀県におきましては、今回の法改正に伴い様々な対応をされることと思いますが、以下、お尋ねいたします。
まず、令和8年度から12年度を計画期間とする滋賀県農業・水産基本計画について策定が予定されており、本年度には骨子案が示されると伺っておりますが、今回の法改正に伴い、どのように策定に取り組むのかお伺いいたします。
次に、食料の価格についてであります。今回の法改正では合理的な価格とされていますが、野党からは適正な価格に修正することが求められていました。
滋賀県の環境こだわり米では有利販売されている事例もありますが、掛かり増しの費用や手間の割に価格に反映されないという不満があります。
今年から本格的に作られるきらみずきについては、コシヒカリを超える価値のPRをされると伺っておりますが、その価格は重要であります。具体的な対応についてお伺いいたします。
また、基本法改正においては農村振興が基本理念の一つに位置づけられており、「農村については農業者を含めた地域住民の生活の場で農業が営まれていることにより、農業の持続的な発展の基礎たる役割を果たしている」とされております。
農村振興に当たっては、地域の共同活動により、農村の重要な構成要素である農地、農業用施設を持続的に保全、管理していくことが極めて重要であります。
そこで、地域の共同活動を支援する日本型直接支払制度について、滋賀県の取組をお伺いいたします。
次に、法では水田の畑地化が規定されていますが、このことについては、水田農業を中心とする本県の今後の方向性についてお伺いいたします。
法では、種子の安定生産と供給について明確な規定がないのですが、これは滋賀県の農産物を守っていくためには非常に重要な課題であります。種子法が廃止された後、滋賀県では条例を制定して取り組んでおられます。種子生産の現状と今後の取組をお尋ねいたします。
今回の改正では、食料安全保障の確保および環境の調和のとれた食料システムの確立が新たに追加されたことが大きなポイントでありますが、今後、県民への安定した食料教育に向けた本県農政について知事の決意をお伺いし、この項の質問を終わります。
次に、交通政策について、知事にお伺いいたします。
県民の日々の生活に密着した地域交通に特に焦点を当て、様々な社会情勢の変化に対応した持続可能な交通ネットワークの維持、活性化を目指し、今年3月に滋賀地域交通ビジョン──以下、交通ビジョン──が策定されました。
このビジョンの実現に向け、鉄道、バス、タクシーをはじめ多様な移動手段を活用し、より利便性が高く、かつ、効率的で地域に最適化した地域交通ネットワークを具体化するための施策とその施策の実施に必要な財源の在り方、いわゆる交通税の在り方についても検討し、交通ビジョンのアクションプランとなる滋賀地域交通計画を策定するため、滋賀地域交通活性化協議会が発足されました。
協議会は、今後2年間の議論を進め、再来年の2026年3月に滋賀地域交通計画をまとめることとしていますが、今年度、県内の各地域ごとの地域交通の在り方の検討について、どのように進めていこうとされているのかお伺いいたします。
また、交通税については、納税者である住民が、単に費用を負担するだけではなく、負担をめぐる議論を通じて共に地域の将来像を描いていく仕組みが必要と考えますが、今後どのように交通税の議論を進めていこうとされるのかお伺いいたします。
交通ビジョンを策定するに当たって、内容を分かりやすく県民、
交通事業者、市町などの関係者の皆さんにお伝えし、このような社会を皆で一緒につくりませんかと議論する際の素材として、昨年度、動画と特設ウェブサイトが制作されました。この動画と特設ウェブサイトのタイトルは「SHIGA SMART ACCESS 2040s」で、これらは交通ビジョンを検討する際の参考として県民向けに制作されたものと理解しておりますが、3月に策定されたビジョンの表紙には、「SHIGA SMART ACCESS 2040s」と記載されており、動画や特設ウェブサイトで使用されたイラストなどがそのまま掲載されております。これでは、動画で取上げられていた様々な先進的な交通施策そのものが交通ビジョンの内容であり、動画の施策が全て実行に移されていくのだというように誤解されかねません。
そこで、改めて、「SHIGA SMART ACCESS 2040s」とはどういうものなのか、交通ビジョンの表紙に掲載した思いについてお伺いいたします。
次に、滋賀県版ライドシェアについてお伺いいたします。
ライドシェアについては、以前から過疎地において自家用有償旅客運送という制度が活用されており、昨年12月に規制緩和されたことから、全国的に導入自治体が増加いたしました。
また、この4月からは自家用車活用事業として、タクシー会社が実施主体となり、タクシーが不足する地域、時期、時間帯において、地域の自家用車や一般ドライバーによって有償で運送サービスを提供することが可能となりました。東京、神奈川、名古屋、京都の4つのエリアを皮切りに他地域へと広がっており、日本版ライドシェアとして広く報道でも取り上げておられます。さらには、他事業者の参入への全面解禁についても、引き続き法改正も含めて議論が続いているところであります。
一方、本県では、交通ビジョンにおいて、滋賀県版ライドシェアとして、マイカーの活用による自家用車有償運送を検討することとしています。これは以前から過疎地において運用されてきた自家用車有償旅客運送に係るものと受け止めていたところですが、知事は、運転手が懸念される2025年の国スポ・障スポ大会に向けたライドシェアの試行に意欲を示しておられ、これは新たな日本版ライドシェアに係るもののように感じられます。
そこで、改めて、本県において進めようとされている滋賀県版ライドシェアとはどのようなものなのか、また、事業者や国との調整等、今後どのようなスケジュールで進めようとされているのかお伺いいたします。
この項の最後に、自動運転についてお伺いいたします。
知事は、6月18日に、自動運転の実証、実装に向けた調査事業の実施について発表をされました。今回の調査は、来年度の自動運転の実証運行を見据え、フィールド調査として、都市構造や移動特性、ニーズ、人口密度、交通資源等を踏まえ、自動運転技術に適した地域を洗い出すものとされています。
現在、全国において、運転士不足など地域交通の維持に関する社会課題が深刻化しています。この解決策として、自動運転等のモビリティ技術の活用は必要不可欠であると考えます。
地域交通ビジョンで描く「誰もが、行きたいときに、行きたいところに移動ができる、持続可能な地域交通」の実現に向けて、自動運転技術をどのように活用していこうと考えておられるのかお伺いいたします。
次に、公立学校の教員確保について、教育長にお伺いいたします。
教員の人材確保対策を検討してきた文部科学省──以後、文科省──の諮問機関である中央教育審議会──以後、中教審の特別部会は、残業時間の大幅削減や処遇改善を並行して進める方針を示していますが、学校現場からは、このような努力にも限界もあるとして、学校における人員増などの抜本的な業務軽減策を求める声が上がっております。
そこで、本県における教員確保の方策について、以下、教員の処遇改善の観点からお伺いいたします。
まず、本県の教員不足の現状についてお伺いいたします。
4月22日付の日本教育新聞に掲載されたNPO法人スクールボイスプロジェクトなどが共同で実施した教員不足の実態調査によると、回答を寄せた公立小中学校教員合計1,064人の集計では、年度初めの4月段階に欠員1人以上だった学校は、小学校37.1%、中学校37.0%でした。しかし、これが年末の12月段階になると、小学校は64.2%、中学校では55.9%となりました。また、年度当初には欠員3人以上の小中学校は皆無でしたが、12月段階には小学校で10.3%、中学校で9.9%となりました。このデータからは、年度初めから常勤教員に欠員を生じている実態を表すと同時に、時間とともに欠員が増えていく実態、そして代替教員が手当てできない現状を現しています。
本県でも、小中学校で年度当初や年度途中に教員不足のままで授業が実施されたり不足教員の補充ができない現状があると聞き及んでいますし、また、そもそも補充の対象である臨時講師など教育人材の絶対数があるかとの疑問の声も上がっているところであります。
そこで、まず、本県の教員不足の現状とその原因についてお伺いいたします。
次に、新規採用教員の退職防止についてお伺いいたします。
文科省の令和4年度学校教員統計調査によりますと、採用1年未満で退職した公立学校新任教員の数は前年度比98人増の635人に上り、データのある2009年以降で最多となっております。このうち、精神疾患を理由とする教員の数は292人となっております。
本県の公立学校における新規採用教員の退職の状況と、これを防止するための方策についてお伺いいたします。
次に、教員の時間外在校等時間、いわゆる残業時間の縮減についてお伺いいたします。
文科省の令和4年度勤務実態調査では、時間外在校等期間の上限指針である45時間を超える教諭は、小学校で64.5%、中学校では77.0%に上るとされております。平日の時間外在校等時間が最も長かったのは男女ともに30歳以下の教員で、若手教員の退職、休職が増加傾向にある原因に長い勤務時間が挙げられております。また、さきにも述べましたが、採用1年未満で退職した公立学校新任教員の数が最多となった最大の要因としても、長時間勤務が挙げられているところであります。
本県教員の勤務時間の現状と、これを解消する方策についてお伺いいたします。
次に、教職調整額の改正についてお伺いいたします。
1972年度に施行された教員給与特別措置法──以後、給特法──では、公立学校の教員に時間外勤務手当、いわゆる残業代を支払わないと規定されており、その代わりに月額給与の4%相当の教職調整額を支給するとされているところであります。
この教職調整額について、中教審特別部会は現行の月給4%相当から少なくとも10%以上への引上げを提言していますが、政府は、経済財政運営の指針である骨太の方針に、この中教審の提言も踏まえ、教職調整額の根拠となる給特法改正案を2025年通常国会に提出することを明記されたと報道されています。
しかし、教職調整額は実際の給与体系でも退職金に反映される本給扱いですから、時間外労働等の対価と言われるいわゆる固定残業代ではありません。したがって、本来は管理職が残業を命じることのできない制度でありますが、実際には、黙示の業務指示が存在するヤミ残業となっており、教育現場からは、調整額が上がっても結局は定額働かせ放題であり、教職調整額の増額では長時間勤務の問題は解決しない。残業代を支払う制度改正に向けた議論を継続すべきとの声も届いているところであります。
教員の働き方改革で最も重要なのは、残業を教員の自主、自発的活動などとして実態から目をそらすのではなく、長時間残業が横行している実態をどのように是正するのか真剣に議論すべきと考えます。
教職調整額を引き上げることは果たして教員の処遇改善につながるのか、教育長の所見をお伺いいたします。
この項の最後に、教員採用試験の見直しについてお伺いいたします。
本年4月26日、文科省は、令和7年度実施される公立小中学校の教員採用試験を1か月程度前倒しし、一次試験の実施日は5月11日を標準とすることや、年間で複数回採用試験を実施すること、そして、大学3年生も受験できる仕組みづくりにも努めることを全国の教育委員会に通知しました。
本県でも、本年度に実施する教員採用試験では、大学3年生から一次筆記試験を受験できる新たな制度、大学3年生夢チャレンジ選考を設けられたと仄聞しております。大学3年生にとって受験の機会が増えることはメリットとなり、教員を目指すことを諦める学生を減らす効果はあるかもしれませんが、そもそも教員になろうという学生が減っているという現実がある中で、受験の早期化が志願者確保にどれだけの効果を及ぼすのかは未知数であります。
一人でも多くの学生に滋賀の教員になってもらうためにも、教員採用試験について不断の見直しが必要だと思いますが、今後の在り方に関わる基本的な考え方についてお伺いいたします。
次に、小児保健医療センターの再整備について、知事ならびに
病院事業庁長にお伺いいたします。
今定例会議に県立総合病院と小児保健医療センターの病院統合に関する条例改定案が上程されております。小児保健医療センターの再整備に関しては、コロナ禍という特殊な状況も相まって、これまで二転三転した経緯もあり、ここで改めて議会としてもしっかりとした議論を重ね、よりよい方向性を見いだす必要があると考え、問わせていただきます。
小児保健医療センターは昭和63年3月に開設し、築36年が経過し老朽化、狭隘化が課題として、平成24年より再整備の検討をはじめ、丁寧な議論を重ね、小児保健医療センター、療育部、守山養護学校の一体整備について基本計画が平成30年3月に策定されました。様々な意見を取り入れたすばらしい計画で、保護者からは、ここまでやってくれるんだという声が上がり、執行部側からも、よし、これでいこうと思ったと聞いております。
令和6年1月供用開始を目指し、令和元年から設計業務を開始、しかし、令和2年に基本設計が策定された際、コロナ等感染症対策に係る検証を理由に設計期間の1年間の延長が提案され、療育部を含む小児保健医療センターと守山養護学校の供用開始は令和7年1月に延期されることとなりました。
翌令和3年には実施設計も半分まで進んでいたところで、経営状況の悪化、患者ニーズの変化等の理由で計画の見直しが提案され、供用開始もさらに4年延期されることとなりました。
令和4年7月定例会議の我が会派の代表質問で、これまで当事者の子供たちや保護者、地元自治体などと積み上げてきた議論がなおざりになるのでは、一旦停止ではなく後退となるのではと危惧する声も聞かれる。今回の計画見直し延期について、保護者をはじめとする県民への説明責任をどのように果たし、どのように整備を進めていこうとするのかと問わせていただいたところ、小児保健医療センターは県内唯一の小児専門医療機関であり、ほかの医療機関では対応困難な難治、慢性疾患の治療や小児保健サービスの中核としての機能を有する本県にとってかけがえのない施設、検討に当たっては、これまで積み重ねてきた議論や関係者の思いを大切にしながら、患者サービスの充実と経営の持続性、安定性向上に資する計画にしていく必要がある。節目節目で見直しの考え方等をお示しし、利用者や関係者の皆さんの御意見も丁寧にお伺いしながら、医療と経営の両面で最適な見直し計画をつくり上げていきたいと答弁いただいております。
しかし、令和5年に示された第五次滋賀県立病院中期計画の回答に係る骨子案では、小児病床数の減少が提案され、患者の御家族をはじめ、関係各所から様々な不安や危惧の声が聞かれる事態となっております。また、一体整備とされていた療育部、養護学校については触れられず、検討過程も前回計画と比して不透明で、拙速感が拭えません。
この一連の流れを顧みて、積み重ねてきた議論を大切にし、関係者の意見を丁寧に伺いながら説明責任を果たしてきたとは果たして言えるのか、
病院事業庁長の見解をお伺いいたします。
次に、病院統合についてお伺いいたします。
小児保健医療センター最大の特徴は、その専門性であります。スペシャリストとして難治や障害のある子供たち、そしてその保護者に寄り添い、きめ細やかな対応を行ってきた医師や看護師のその専門性とスキルが病院統合により損なわれるのではないかと危惧されております。
専門性をどのように維持、そして強化されようとしているのか、
病院事業庁長にお伺いいたします。
小児保健医療センターは、多くの子供たち、そして保護者のよりどころになってきた、本県としても誇るべき施設であります。平成30年に初めて統合案が示された際には、病院統合は事務的な処理に限定しており、一定独立した組織として示されていましたが、今回示された中期計画の回答では、総合病院への吸収合併にしか見えない状況となっております。
条例案では小児保健医療センターの名称はなくなることとなっていますが、名称も含めて、これまでの小児保健医療センターが獲得してきた県民からの信頼を目に見える形で残すべきと考えますが、
病院事業庁長の考えをお伺いいたします。
この項の最後に、知事にお伺いいたします。
知事は「子ども、子ども、子ども」と折に触れおっしゃっており、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとしても様々な取組をされています。全国でもあまり類を見ない子供専門の医療が、今回の再整備で後退することがあってはならないと考えます。
小児保健医療センターの再整備を今後県民の理解を得ながらいかによい方向に進めようとされるのか、知事の見解をお伺いいたします。
最後に、特殊詐欺について、
警察本部長にお伺いいたします。
令和5年の県内における特殊詐欺の被害状況は、被害件数266件、被害額は6億円を超えるなど、統計の取り方に変遷はあるものの、過去最悪となりました。昨年の下半期以降、有名人のウェブ広告やマッチングアプリ等をきっかけとする投資名目の詐欺が全国的にも増加しており、県内においても多数の被害が出ております。
これらの詐欺は、SNS等を通じて、対面することなく交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、指定した預貯金口座への振込そのほかの方法により金銭をだまし取るもので、特殊詐欺とは別の手口としてSNS型投資、ロマンス詐欺と呼ばれ、被害は年々増加しております。県民の安全・安心を保つためにも、滋賀県警察本部の詐欺被害防止に向け、強い思いと取組が必要でありますので、以下、質問してまいります。
まず、SNS型投資、ロマンス詐欺の被害状況について、被害の特徴についてお伺いいたします。
また、特殊詐欺においては、様々な詐欺の種類があり、オレオレ詐欺、預貯金詐欺、架空料金請求詐欺、還付金詐欺、融資保証金詐欺、金融商品詐欺、ギャンブル詐欺、交際あっせん詐欺、そのほかの特殊詐欺、キャッシュカード詐欺等の10に分類されておりますが、県内における特殊詐欺のそれぞれの特徴はあるのでしょうか、お伺いいたします。
加えて、全国の都道府県では、アクションプログラムをつくり、詐欺被害防止に取り組んでいるようでありますが、警察本部として被害防止に向けた同様の取組はされているのでしょうか、お伺いいたします。
次に、SNS型投資、ロマンス詐欺については、対策する上で、特殊詐欺と共通する面が多いことから、重層的に取り組んでいるところであり、全国的に先駆けて本部長自らが県民に向けた注意喚起をするなど、被害防止に向けた取組を進めておられますが、詐欺の被害防止に向けた対策はどのようなものでしょうか、お伺いいたします。
最後に、県消費生活センターが主催するセミナーにおいて警察官が直接防犯指導するなど、県と連携した取組も進めておられ、県民が特殊詐欺等の被害に遭わないようさらなる注意喚起が必要でありますが、
警察本部長の決意をお聞かせください。
以上をもちまして、チームしが 県議団代表質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(有村國俊) 14番赤井康彦議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(三日月大造) (登壇)チームしが 県議団を代表されての赤井議員の御質問にお答えいたします。
まず1つ目、県立高専について4点御質問いただきました。
1点目、入札中止の要因分析と今後の対応についてでございます。
5月8日の入札中止を受けまして、事業者からの聞き取りとその後の分析で、県内類似施設のデータ採用に関しまして、妥当性の検証が不十分であったことが、予定価格と実勢価格の間に乖離を生じさせた要因であると判断したところでございます。
そのため、算定に用いるデータを全国の直近のものに改め実例数を増加させるなど、算定方法の見直しを行い、
施設整備費を約87億円から約138億円に引き上げさせていただくこととしたところでございます。
2点目、この本事業の見直し内容と工夫についてでございますが、この事業につきましては、入札中止に当たり再検討する中で、
PFI方式では入札スケジュールの確保が難しいと見込まれたことなどを踏まえまして、発注方法を従来方式に見直させていただくこととしたところです。
従来方式を採用するに当たり、開校準備期間や入札準備期間を可能な限り圧縮し、また、最も工期を要する校舎棟の施工のみ先行して入札に付すなどの工夫を検討しているところであり、スケジュールは極めて厳しい状況ではございますが、開校時期を維持するべく、引き続き、様々な工夫を凝らして対応してまいりたいと存じます。
3点目こういった見直し、検討に当たり、最も重視した点についてでございますが、県立高専につきましては、開校時に第1期生となる現在の小学6年生の子供たちやその保護者の御期待はもちろん、産業界からも大きな御期待もいただいているところであり、可能な限り早期の開校が必要と認識しております。
そのため、見直し、検討に当たりましては、令和10年──2028年4月の開校時期の維持を最も重視しているところでございます。
4点目、
県立高専設置に対する思い等についてでございますが、県立高専は、滋賀の将来を担う子供たちに新たな学びの選択肢を提供し、その後の人生の可能性を大きく広げるとともに、
高度専門人材育成の拠点、技術者の育成、交流のハブとして地域産業、社会に貢献する、次代、次の時代の滋賀に必要不可欠な教育機関であると考えます。そういう意味で、未来への重要な投資であると認識しております。
多数の企業の共創フォーラムへの参加や理系人材育成に向けた取組の活発化など、県立高専を中心としてムーブメントが起こり始めているところであり、この流れを確実なものとしていくためにも、令和10年4月という開校時期を堅持すべく、引き続き取組を進めてまいりたいと存じます。
大きな2点目、過疎対策について、こちらは5点御質問いただきました。
まず1点目、これまでの取組の進捗等についてでございますが、県では、令和3年度──2021年度から7年度──2025年度までを対象期間とする滋賀県過疎地域持続的発展方針および滋賀県過疎地域持続的発展計画に基づき、過疎地域を有する各市町と連携協力ししながら、移住、関係人口の創出、地域おこし協力隊の活用、エコツーリズム、僻地病院の運営支援などの施策を地域の実情に応じ進めてまいりました。これによりまして、それぞれの過疎地域の振興が一定図られてきているのではないかと捉えております。
一方で、各市町におきましては人口減少や少子高齢化がなお著しく、地域公共交通網の維持、医療、介護人材の確保、集落の維持、活性化などにおいて課題があると認識しております。
2点目、過疎地域に対する支援についてでございますが、県では、先ほど申し上げた過疎地域持続的発展計画により、移住、定住、地域間交流の促進、農林水産業、商工業、情報通信産業その他の産業振興をはじめ、12にわたる分野において、過疎地域を有する市町に協力し、各種の県施策を進めているところです。
このほか、過疎地域等政策支援員制度を活用した人的支援や各種協議会等を通じた市町の連携促進、国の支援制度に係る情報提供や利用に当たっての助言等も行っているところです。
こうした支援を通じて、例えば、地域おこし協力隊による林業振興や豊かな自然環境を活かしたエコツアーなどで、魅力ある地域づくりが一定進められているところでございます。
3点目、過疎地域への支援メニューを増やす考えについてでございます。
国の支援制度であります過疎対策事業債や国庫補助金の補助率のかさ上げ、税制特例措置、地方税の減収補填措置、集落支援員制度等について、これまでから各市町に御活用いただいているところです。
また、このほかにも、過疎地域持続的発展支援交付金や特定地域づくり事業協同組合制度など、市町が活用できる支援メニューが用意されておりますことから、各市町の実情も踏まえながら、まずは現行制度を十分に御活用いただくよう、引き続き丁寧な支援に努めてまいりたいと存じます。
4点目、人口目標に関する現状等についてでございますが、令和6年──2024年3月31日現在の人口は、長浜市が11万3,297人、高島市が4万5,379人、東近江市が11万1,765人、甲良町が6,476人となっております。
直近1年の人口減少率で推移すると仮定した場合、おおむね目標の達成が見込まれる状況にあると捉えております。
5点目、北部地域以外の過疎地域に対する見解です。
担い手の確保や地域社会の維持といった課題は、過疎地域をはじめ、僻地や山間部等を有する県内の多くの地域で共通して現れていると認識しております。
県北部地域は、こうした地域を多く有し、課題が先行して現れている地域でもありますことから、現在、北部地域の振興に取り組んでいるところです。
その成果は、課題を抱える他の地域の取組に広く活かすとともに、議員御質問の北部地域以外の過疎地域に対しましても、県として方針および計画に基づき、関係の市町と連携し、引き続き課題解決に資する取組を進めてまいる所存であります。
3つ目の世界水フォーラムについて、こちらは4点いただきました。
1点目、参加した感想はどうだったのかということについてでございますが、今回の会議には世界各地から過去最高となる6万4,000人もの御参加があったと聞いておりまして、世界中で水問題への注目や関心の高まりを強く実感したところでございます。
インドネシア政府に御招待いただき、私も湖沼に関するハイレベル・パネルディスカッションに登壇させていただき、琵琶湖の保全再生の経験やマザーレイクゴールズの取組を世界に発信できたことは、今後の湖沼を通じた国際連携を進めていく上で有意義な機会になりました。
とりわけ、私が制定を呼びかけた世界湖沼デーについては、インドネシアのジョコ大統領がその必要性を訴えられたほか、会議の成果文書である閣僚宣言において、今後制定に向けて国連での議論に進むことが示されたところであり、実現に向けて手応えも感じたところでございます。
2点目、マザーレイクゴールズの受止めについてでございます。
今回の会議では、私の発表のほか、職員にも国連地域開発センター主催のセッションをはじめ多くの登壇の機会をいただき、本県の取組を発信させていただきました。
参加者からは、びわ湖の日や学習船うみのこなど、コミュニティの力を活かした取組に大きな関心が寄せられたところでございます。
とりわけ、マザーレイクゴールズは、地域に根差したローカルSDGsの好事例として高い評価をいただいたと認識しております。
3点目、世界湖沼デーの国連総会での決議の見込みについてです。
今回フォーラムを主催されたインドネシア政府の御提案により、今後、国連総会で諮られていく見込みでございます。
このことから、本県といたしましては、先日、有村議長と共に上川外務大臣やこやり国土交通大臣政務官に面会するなど、関係各省庁に対し、世界湖沼デーの制定に向けた取組を推進するよう要望を行わせていただきました。
上川大臣からは、グローバルな水問題の重要性や御自身のこれまでの水問題への取組についても言及があり、本県と緊密に連携するとともに、関係省庁とも協力していきたい旨の御意向が示されたところでございます。
引き続き、世界湖沼デー制定の実現に向けて、関係省庁と情報を共有し、緊密に連携してまいりたいと存じます。
4点目こうした事々の広報啓発についてでございます。
世界湖沼デーは、滋賀県がこれまで世界湖沼会議などを通じて訴えてきた、人類にとって貴重な水資源である湖沼問題の解決には、世界の人々と協力する必要があるということを改めて認識する好機になると考えます。
このことから、国際湖沼環境委員会──ILECをはじめ、国際機関や国際NGOなどとも連携し、琵琶湖を愛し、琵琶湖とともに生きてきた私たちの暮らしが世界から見ても大きな価値を持つことを国内外に発信することで、県民の皆さんだけでなく、世界の人々の新たな気づきとさらなる自発的な行動へとつなげてまいりたいと存じます。
大きな4項目め、森林政策についてです。こちらは4点賜りました。
1点目、全国植樹祭後の取組についてです。
開催地である甲賀市におきましては、企業や緑の少年団、県や市などによる植樹活動であるポスト植樹祭を現在も継続して開催していただいているとともに、びわ湖水源の森づくり月間であります10月に県内各地で県民参加型の森づくりイベント等を開催することで、多くの方々に森林づくりに関わる機会を提供させていただいております。
また、植樹祭を機に団員数が倍増した緑の少年団につきましては、植樹祭後には新たに中学校団が結成されるなど、現在6,000人を超えるまで増加しており、県内各地で緑の募金や植樹活動、交流大会など、活動の幅をますます広げていると聞いております。
さらに、企業が森林づくりに関わる事例も増えており、これら多くの主体が参画した植樹祭への思いを継承した森林づくりに取り組むことで、緑豊かな森林を次世代につないでいくことを一層進めてまいりたいと存じます。
2点目の造林公社の今後の検討についてでございます。
本年2月議会で造林公社の抜本的見直しについて表明させていただき、平成23年──2011年の特定調停以来2度目の見直しに着手させていただいております。
今回は、債務問題の解決はもとより、これまで公社が造林してきた県内2万ヘクタールにも及ぶ水源林の整備や管理も含めた造林公社問題の真の解決を目指したいと考えているところでございます。
まず、債務問題を含めた公社経営について、新たに学識経験者や公認会計士等の外部有識者による分収造林事業あり方検討委員会を設置し、長期経営計画に基づく取組を総括しつつ、今後の分収造林事業の在り方、公社経営の在り方を検討してまいりたいと存じます。
また、既に森林審議会へ諮問しております公社の公益的役割につきましては、関係する様々な方々の御意見も伺いながら、次の100年の森林づくりを見据え、これからの時代にふさわしい森林経営管理モデルの構築に向け、検討を進めてまいりたいと存じます。
3点目、国への要望についてでございます。
造林公社問題は、国の拡大造林政策も一因であり、平成21年──2009年にまとめられた造林公社問題検証委員会の報告書でも、国、公庫、県のそれぞれに責任があると指摘されております。
このため、去る6月5日には、総務省および林野庁に対し、金融措置や地方財政措置の拡充、森林整備に係る予算の確保について政策提案を行わせていただきました。
造林公社が造成した水源林を健全な状態で次世代に引き継ぐためにも、今後とも引き続き、他県とも連携しながら、あらゆる機会を通じて国の対応を強く求めてまいりたいと存じます。
4点目、やまの知事としての決意ということでございまして、本県の森林資源は、多くが利用期を迎え充実しつつありますことから、これまでの育てる林業から森林資源の循環利用による林業、木材産業の成長産業化に移行する大きな転換点にあると認識しております。
昨年3月の滋賀県県産材の利用の促進に関する条例の制定や本年6月の森林組合の合併を契機に、川上では木材生産の拡大、川中では県産材の供給体制の整備、そして川下では県産材の利用促進を図り、その基盤となる人材育成やスマート林業もさらに推進してまいりたいと存じます。
本県の森林は、近畿1,450万人の水を育み、地球温暖化の防止、生物多様性の保全など、様々な恩恵をもたらしてくれております。山を守り、活かすことは、森、川、里、湖、そして海のつながりを健全に保つ初めの一歩であると考えます。
やまの知事として、林業、木材産業の発展に加え、地域資源を生かした農山村の活性化を図り、環境と経済が両立する滋賀らしいグリーン成長を実現することにより、命の水の源であり、人々や自然の営みの源である滋賀の森林をより健全な姿で次の世代へ継承してまいりたいと存じます。
大きな5項目め、子ども若者部新設に関する御質問をいただきました。私には3点賜りました。
1点目、子ども若者部の進捗についてでございます。
当初の狙いとして、意思決定の迅速化、庁内の司令塔、福祉と教育の観点からのチームでの対応を掲げておりました。
新年度、およそ3か月がたとうとしておりますが、医療費助成の拡充や、子ども・子育て施策推進交付金などの新事業を順調に立ち上げるとともに、子供の意見聴取や政府への提案、要望などについて庁内の調整を進めているところです。
併せまして、不登校の状態にある子供の支援や学校での自殺予防への取組など、子供の育ちと学びの支援の充実に向けて、福祉と教育のワンチームで取組を進めております。
このように、子ども若者部の設置は当初の狙いどおりスタートしたものと考えております。
2点目、子ども若者部の人員や予算の充実についてでありますが、令和6年度の子ども若者部の当初予算額は、総務部から移管された私学振興に係る予算を差引きましても、昨年度の子ども・青少年局の当初予算額と比較して約25億円の増加となっております。また、本庁で14名の職員を増員いたしまして、人員体制も充実させたところでございます。
本年度は、特に、県の子供施策の根幹となる(仮称)滋賀県子ども基本条例の年内制定を目指しており、子供の権利を守るための第三者委員会の体制につきましても検討を進めているところでございます。
子供、若者を取り巻く環境には様々な課題があり、子ども若者部を司令塔として庁内の調整を進め、必要に応じて滋賀県子ども・若者基金も活用するなど、子供、若者施策の充実を図ってまいりたいと存じます。
3点目、2つのプランについてです。
次期淡海子ども・若者プランは、子供、若者政策の総合的な計画として今年度末に策定しようとするものであります。策定に当たりましては、教育、福祉、医療、労働等の分野横断的な計画とするとともに、子供や若者の意見を聞き反映させるよう、全庁を挙げて検討を進めてまいりたいと存じます。
しがの学びと居場所の保障プランは、不登校の状態にある子供への支援のために本年3月に策定したもので、教育委員会と一丸となって着実に取組を推進するとともに、市町、学校関係者、不登校経験者等で構成する協議会の御意見や、児童生徒、保護者のお声もお聞きしながら、支援の充実に向け、今年度末の改定を検討してまいりたいと存じます。
今年度は、本県の子供、若者施策を推進する上で、こうしたプランに加えまして、児童虐待防止や配偶者からの暴力の防止等に係る計画の策定、改定を行う大変重要な年であると認識しておりまして、子ども若者部の設置効果を最大限発揮させ、子供や若者の笑顔と幸せあふれる滋賀につながるよう、県民の皆様と共に取り組んでまいりたいと存じます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)子ども若者部新設と教育行政について、私にいただきました本県教育の現状と課題、方向性についてお答えをいたします。
人口減少やグローバル化の進行、DXをはじめとする技術革新を基盤とした社会構造の変化が見込まれる中、教育が果たすべき役割は一層重要性を増しており、社会が求める資質、能力を見極めながら、子供たちが自ら未来を切り拓いていくことができる力の育成が課題であると認識をいたしております。
こうした認識の下、第4期教育振興基本計画には、これまでの経験も踏まえまして、多くの関係者と意見交換をさせていただく中で、私自身の思いを込めたつもりでございます。
具体的には、愛情と幸せ(ウエルビーイング)を根本理念に加えまして、三方よしや近江の心など、本県の自然、歴史、文化が持つ強みを学びに生かす姿勢、社会全体で教育に取り組む姿勢を示し、未来社会を見据えた教育施策の構築を掲げているところでございます。
とりわけ、体験的な学びや情報活用能力の育成、働き方改革を通じた笑顔あふれる学校づくりの推進を図りますとともに、困難な環境にある子供たちの学びへの支援につきましては、子ども若者部と連携して取り組むこととし、こうした施策の展開を通じまして、「未来を拓く心豊かでたくましい人づくり」の実現を目指してまいる所存でございます。
◎知事(三日月大造) (登壇)大きな6項目めの観光政策についてでございまして、こちらは4点御質問いただきました。
1点目のインバウンドの現状をどのように捉えているのかということについてでございますが、国の宿泊旅行統計調査における令和6年──2024年1月から3月までの外国人延べ宿泊者数は、平成31年──2019年比で3大都市圏がプラス47.6%であることに対し地方部はマイナス0.17%と、大都市圏に集中していた状況でございます。
しかしながら、3月の一月だけの本県の状況を見ますと平成31年──2019年比でプラス39.6%と、全国平均を上回る伸びも見られるところでございます。
実際に重点市場の東アジアにおいては、香港の旅行会社や韓国メディアの視察が続きますほか、台湾現地での旅行会社のセールス活動を契機とし、3月末に本県でビワイチツアーが実施されたところでございます。
また、開拓市場の欧米豪におきましては、これまでの誘客施策により関係を構築したフランスなどの欧州の複数の旅行会社からの視察や、オーストラリアやイギリス、アメリカからのツアーが実際に実施されるなど成果も上がってきており、まさに丁寧なおもてなしができる本県への注目度の高まりや成長の兆しがあると感じているところでございます。
2点目、インバウンドの獲得についてでございますが、まず、広域的な取組といたしまして、EXPO2025関西観光推進協議会に参画し、観光コンテンツの開発や商談会、海外プロモーションなどの誘客事業に取り組んでいるところでございます。
本県独自の取組といたしましては、万博開催前から本県への注目を高めるよう、本年秋からシガリズムをテーマに観光キャンペーンを展開するとともに、重点市場の東アジアに向けては、台湾で積極的に発信しているビワイチや、韓国メディアを活用したゴルフツーリズムなど、アクティビティを中心としたプロモーションを積極的に展開してまいりたいと存じます。
また、開拓市場の欧米豪に向けましては、滋賀の魅力ある文化観光を推進するため、宿坊体験やナイトミュージアムなどを組み入れたツアーの造成やプロモーションの取組を開始しているところでございます。
さらに、万博を機に、関西での各種国際会議も開催されますことから、いわゆるエクスカーションの誘致やビジネス目的での来訪に向けた検討を行うなど、世界とつながる滋賀を目指し、さらなるインバウンド誘客に努めてまいりたいと存じます。
3点目、ゴールデンウイークの状況についてでございますが、今年はコロナが5類感染症に移行後、初めてのゴールデンウイークであり、天候にも恵まれましたことから、主要観光施設へのヒアリングによりますと、観光入込客数は昨年に比べおおむね増加傾向にあったということでございます。
例えば、石山寺の大河ドラマ館では、ゴールデンウイーク期間中に約1万2,000人の方が来館され、当初の来館者数目標を10万人から16万人に引き上げられたと伺っております。マキノピックランドでは、1日当たりの人数は昨年比112%、比叡山延暦寺では105%、ビワイチは過去最高であった昨年の90%ということでございます。
THE シガパークの関係では、
希望が丘文化公園で102%、びわ湖こどもの国で116%となっており、また、湖岸緑地でも利用適正化の取組により、県内外の多くの方々に快適に御利用いただけたと感じているところでございます。
開放的でゆとりある空間でのアウトドアなど、自然体験への興味、関心が高くなっていることに加えまして、コロナ禍から発信してきたシガリズムの魅力ある観光コンテンツが浸透し始め、多くの方にお越しいただけたのではないかと分析しております。
4点目、観光DXの取組についてです。
本県では、これまでDX推進戦略に基づき、観光ビッグデータの取得や見える化、観光事業者等のデータを活用した事業展開への支援などを行ってまいりました。
これらの取組により、例えば宿泊施設が来訪者の属性や周遊分析を行いました結果、連泊需要を高めるため花火や夜景を見ながらディナーを楽しむ高付加価値な宿泊プランの造成に取り組まれたほか、市町観光協会が観光客の位置情報の分析を踏まえたマーケティング戦略を策定するなど、ビッグデータを活用した新たな事業展開の取組につなげることができた部分もございます。
また、ビワイチアプリでは、取得できる利用者情報を基にサイクリストの行動等を分析し、ターゲットを絞ったプロモーション等に活用しているところです。
課題といたしましては、観光DXの有用性をさらに周知していくことや、データを正しく理解し活用できる人材の育成が必要と考えており、引き続き、事業者支援を行うなど、観光事業者等の生産性向上や戦略的な事業展開に向け、観光DXの取組を進めてまいりたいと存じます。
続きまして、大きな7項目め、基本法改正と今後の滋賀県の農政に関する6点の質問にお答えをいたします。
1点目、滋賀県農業・水産業基本計画の策定についてでございますが、この現計画は、新型コロナウイルス感染症の影響も勘案し、令和3年度──2021年度から令和7年度──2025年度までの農業、水産業の中期的な施策の方向性を示す計画として策定されました。
一方で、国においては、世界および我が国の食料をめぐる情勢が大きく変化していることを受け、今般基本法を改正されたところでございます。
本県におきましても、農業者の減少や高齢化、農村における地域のコミュニティ機能の低下に加え、肥料や飼料などの資材価格の高騰、各産業分野における人材確保に向けた賃金の上昇などの新たな課題が顕在化してきたところでございます。
これらのことを踏まえまして、本計画を県民の皆さんと一緒に取り組む計画とすべく、各地域での生産者や関係機関との意見交換を丁寧に行い、策定してまいりたいと存じます。
2点目、きらみずきの価格への対応についてでございますが、きらみずきの最大の特徴はおいしさであり、小学校では約8割、直売所で実施したアンケートでは約9割の方からおいしいと御評価いただきました。
そこで、より多くの消費者においしさを実感していただくため、量販店等で購入ポイントを加算して販売し、購買行動を起こすという新たな取組を予定しているところでございます。御指摘いただいたように、価格は非常に重要だと考えております。
加えまして、琵琶湖の保全はもとより、地球温暖化の防止や生物多様性保全にも配慮した方法で栽培していることを消費者に分かりやすくお伝えし、農業者の努力に応えられるよう、安売りせずに高価格で販売できるよう努力、対応してまいりたいと存じます。
3点目、日本型直接支払制度の取組についてでございますが、これまで、農業、農村の有する多面的機能の維持発揮を図るため、世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策や中山間地域等直接支払の両制度により、地域の共同活動を支援し、農地、農業用施設など地域資源の適切な保全管理を推進してきたところでございます。
これにより、現在、県内の約7割の農地において共同活動に取り組まれておりますが、高齢化や人口減少が特に進む中山間地域では、活動の継続が困難な地域が見られる状況となっております。
このため、体制強化に向けた活動組織の広域化や活動に関わる新たな人材の確保に向けた大学、企業等との連携を市町と共に進め、地域資源を健全な姿で次代に引き継げるよう取り組んでまいりたいと存じます。
4点目、畑地化についてでございます。
本県の現状といたしましては、野菜や果樹等の栽培を行うため、国の支援を活用し、令和5年度──2023年度に約3ヘクタールが畑地化され、本年度においては約7ヘクタールが計画されております。
水田農業を基幹とする本県の今後の方向性としては、水稲、麦、大豆を中心としたブロックローテーションが定着している地域では、引き続きその取組を維持し、水田の有効利用を進めてまいりたいと考えております。
一方、高収益作物などを導入し、経営発展を目指す意欲ある担い手が畑地化に取り組まれる場合は、地域のブロックローテーションなどの水田利用に影響を与えないよう、周辺農業者や関係団体との十分な話合いを働きかけてまいりたいと存じます。
5点目、種子の生産についてです。
本県では、持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例に主要農産物(水稲、麦類、大豆)の種子の安定生産を規定し、必要な措置について、滋賀県水稲、麦および大豆の種子供給に係る基本要綱を定め、優良な種子の生産と供給を行っております。
現在、令和6年度──2024年度の種子生産計画に基づき、県内16地区、約400ヘクタールで、水稲、麦、大豆19品種、約1,300トンの種子生産を進めているところです。
今後も引き続き、種子生産のもととなる原種の生産を行うとともに、滋賀県種子センターやJA等と連携し、種子の生産圃場における審査や農業者への技術指導などを通じ、種子の計画的かつ安定した生産と供給に取り組んでまいります。
6点目、そういった事々に対する私の決意というお尋ねをいただきました。
県民へ安定した食料供給に向けましては、生産力の向上と流通、消費の好循環を生み出す仕組みづくりが重要であります。
もとより食料の安定供給というのは極めて重要な課題、テーマだと受け止めているところです。
そのためにも、生産におきましては、スマート農業による省力化や農地の大区画化による効率化で生産性の向上を図り、オーガニックを含めた環境こだわり農業による持続可能な食料供給を推進してまいります。
また、流通、消費では、環境こだわり農産物など本県の農畜水産物の魅力を消費者へ伝えることができるよう、多様な民間事業者と協働し、びわ湖魚グルメをはじめとする世界農業遺産琵琶湖システムの発信などを通じて消費拡大を図ってまいりたいと存じます。
こうした施策を通じて、人口減少をはじめ社会情勢が大きく変化する中におきましても、県民の皆さんが滋賀の食と農を通じた幸せを実感できるよう、私自身も全力で取り組んでまいりたいと存じます。
交通政策についてです。こちらは5点賜りました。
1点目、地域交通の在り方の検討につきましては、まず、県内を6つの地域に分け、各地域のワークショップで、高齢者や子育て世代、学生など幅広い層の県民や企業の皆様と共に、便利に移動ができることでどんな暮らしが実現できるのか、また、どのようなまちづくりが進められるのかといった未来の視点を共有しつつ、地域特性に応じた交通手段の検討と財源の在り方について議論を重ねていきたいと存じます。
また、全県を対象とするフォーラムを開催し、各地域のワークショップでの議論を相互に共有するとともに、県域レベルでの課題も認識しながら、各地域での議論をさらに深めていければと考えております。
その上で、有識者や利用者等で構成する協議会において、滋賀地域交通計画骨子を取りまとめてまいりたいと存じます。
2点目、交通税の議論についてです。
地域交通を支えるための財源の一つの選択肢に、地域交通を支えるための税制として交通税をワークショップやフォーラムにおいて提起し、参加型税制の観点から県民や企業等の皆様に議論いただきたいと考えております。
今年度は、ワークショップで、まず、地域ごと望ましい交通軸の姿を描き、その実現に必要な施策を積み上げるとともに、その費用をどのように賄うべきかという議論を進め、年明けの県民フォーラムにおける県域レベルでの議論につなげてまいりたいと存じます。
また、これらの議論を踏まえ、年度内に策定を目指している滋賀地域交通計画骨子にも、必要な施策案とその財源、負担分担の在り方について盛り込めるよう取り組んでまいりたいと存じます。
交通税を含めた財源の在り方につきましては、適宜、議会等にも報告をし、御意見も賜りながら議論を深めてまいりたいと存じます。
3点目、「SHIGA SMART ACCESS2040s」につきましては、地域交通ビジョンの策定に当たり、私が常に心がけております公論熟議や民公共創の姿勢を体現するキャッチフレーズでございまして、様々な資料や動画で積極的に活用いたしましたところ、県民との対話を重視し、共にビジョンを策定しようとする姿勢にも一定共感が広がり、学識経験者等からも高い御評価をいただいたと認識しております。
地域交通計画の策定に当たりましても、高校生や大学生等の若者はもとより、多くの県民の皆様に興味を持っていただき、自分ごととして捉え、一緒に考え、議論するきっかけとなることを期待し、「SHIGA SMART ACCESS2040s」を全面に掲げて取り組んでまいりたいと考えているところです。
4点目、滋賀県版ライドシェアについてでございます。
交通空白地や交通不便地において住民や来訪者の移動を支えるために、例えば県や市町が支援を行いながら地域の
交通事業者と連携し、持続可能な移動手段の確保に取り組もうとするものでございます。
来年の国スポ・障スポ大会には、交通空白地などにある競技場に選手やその御家族、競技ファンなど多くの方が来訪されますことから、そうした地域でライドシェアにチャレンジし、課題や可能性を整理し、本格運行に向けたノウハウを蓄積する機会としたいと考えております。
今後、速やかに具体的なスケジュールなどをお示しできるよう、スピード感を持って取り組んでまいりたいと存じます。
5点目、自動運転についてです。
交通ビジョンで描く目指す姿の実現に向けて、既存技術のみならず、新たなモビリティ技術の可能性を含めて考えていくべきテーマであると捉えております。
中でも、自動運転技術につきましては、運転士不足の解消やドライバーのミスに起因する事故の削減など、社会的な課題の解決につながる手段として期待をしております。
今回、本県とNTT西日本グループや株式会社マクニカ様の共同で申請した自動運転社会実装推進事業の活用に加え、他の事例も参考にさせていただきながら、自動運転の実装に向けた様々な課題を乗り越え、便利で安全な、乗ってみたくなる、わくわくするような新しい新たな交通モードを構築してまいりたいと存じます。
◎教育長(福永忠克) (登壇)公立学校の教員確保についての5点の御質問にお答えをいたします。
1点目の教員不足の現状とその原因についてでございますが、令和6年5月1日現在、臨時講師による対応が必要な場合で、時間講師である非常勤講師による補充もできていない人数につきましては、小学校で1人、中学校で3人の計4人でございます。
定年引上げに伴う退職者数の減少の中においても、新規採用者数を維持し、定数内臨時講師の減少に努めたことによりまして、昨年同時期の28人から4人に減少し、教員不足の状況は一定改善の方向にあるものと考えているところでございます。
教員不足の原因についてでございますが、特別支援学級が増えたことにより教職員定数が増加したこと、産前、産後休暇、育児休業をはじめとした休暇や休業を年度途中に取得する教員が増えたことなどに伴い、臨時講師の確保が十分にできていないことによるものと分析をいたしております。
2点目の新規採用教員の退職の状況とこれを防止するための方策についてでございますが、令和5年度、県内の公立学校に正規で採用された516人の新任教諭のうち、1年以内に退職した人数は11人でございます。そのうち9人が30歳未満で、主な退職の理由といたしましては、メンタル(精神疾患)や他の職業への転職などが挙げられます。
県教育委員会といたしましては、早期の退職を防ぐために、新規採用教員の負担が大きい小規模の小学校に対しまして、今年度から新任者業務改善のための非常勤講師を配置したところでございます。
これによりまして、新規採用教員の授業の一部を非常勤講師が担う体制を構築いたしまして、新たに教員になられた方々が管理職や同僚教員と相談する時間を確保するなど、安心して働くことのできる環境づくりに努めております。
併せまして、教職員が安心して休暇、休業制度を利用できる職場体制を実現するための定数改善や、不安を抱く初任者への人的支援の体制構築などを国に要望しているところでございます。
3点目の勤務時間の現状と解消方策についてでございますが、令和5年4月から12月におけます小学校教員の時間外在校等時間は、教職員1人当たり月39.4時間、一月当たり45時間を超えた者の割合は39.7%、80時間を超えた者の割合は6.1%となっております。
また、中学校教員は、教職員1人当たり月48.3時間、一月当たり45時間を超えた者の割合は50.2%、80時間を超えた者の割合は14.7%となっております。
前年度と比較をいたしますと時間数は減少しておりますが、依然高止まりの状況でございます。また、令和5年度の働き方改革のアンケートによりますと、30代以下の教員の時間が多い状況となってございます。
これを解消するため、学校における働き方改革取組計画に基づきまして、今年度は、全ての公立学校に教員業務支援員──スクールサポートスタッフを配置できるよう予算措置をし、部活動指導員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを拡充して配置をさせていただいたところでございます。
また、業務の見直し、ICTのさらなる活用により教員の負担軽減を図り、計画の目標の一つである超過勤務が月80時間を超える教員をゼロ人とするの達成に向けて、超過勤務の縮減に努めてまいる所存でございます。
4点目の教職調整額の引上げについてでございますが、これは教員の職務等の特殊性を踏まえた処遇改善でございまして、教員がより魅力ある職となり、優秀な人材を確保していくために必要なことと考えております。
教員は未来を切り拓く人材を育成する極めて複雑、困難な職務を担っていただいており、専門的な知識や技能が求められる高度専門職でございまして、教育調整額の引上げは、専門職にふさわしい教員の処遇を実現するために行われるものと理解をいたしております。
併せまして、教員の魅力を向上させ、教員の長時間勤務を減らしていくためには、学校における働き方改革の一層の推進や、教職員定数の改善等による指導運営体制の充実に一体的に取り組んでいくことが重要であると考えております。
5点目の今後の教員採用試験の考え方についてでございますが、今年度は、一次選考におけます集団面接、二次選考におけます小学校教員の音楽実技の廃止など、受験者の負担軽減を図ったところでございます。
また、大学3年生夢チャレンジ選考を新設し、滋賀県の教職を目指す大学生に対しまして受験機会を増やしたところであります。
さらに、昨年度から実施している現職教員を対象とした秋選考において、募集する校種を拡大して実施をいたします。
文部科学省からは選考時期のさらなる前倒し等を求められているところでありますが、民間企業も含めまして他職種で早くから学生の皆さんが内定をもらっているというこの現状を踏まえまして、採用試験を見直していくことにより、教職を目指す学生が安心して学生生活を送れるよう配慮してまいりたいと考えております。
なお、その見直しに当たりましては、他府県の採用試験の動向を注視しつつ、大学との情報交換を重ねながら進めていく予定をしております。
こうした取組を通じまして、一人でも多く優秀な教員を滋賀で採用できるよう、引き続き努めてまいります。
◎知事(三日月大造) (登壇)大きな10問目の小児保健医療センターの再整備ということで、私には1問賜りました。
令和7年──2025年1月の病院統合後も難治、慢性疾患の治療をはじめとする小児保健、医療、福祉サービスの中核としての役割を引き継ぎ、拡充していくことが必要だと考えます。
このため、重症心身障害児等の専門的医療を提供するためのこども医療センターの設置や、いわゆる小児期から成人期への移行期医療に係る対応力の向上など、子供を真ん中に置いた医療、保健サービスの維持、充実を図り、安心、信頼、満足の得られる高度専門医療の提供を推進することとしております。
引き続き、県民の皆様の不安の払拭に努めながら、子供から大人まで切れ目なく医療を提供できる体制の構築に向け、丁寧に取組を進めてまいる所存でございます。
◎
病院事業庁長(正木隆義) (登壇)小児保健医療センターの再整備について、私にいただきました3点の御質問にお答えいたします。
1点目の説明責任を果たしてきたと言えるのかにつきましては、平成30年──2018年3月の基本計画策定後、設計概要や病床数など内容に変更が生じた場合には、関係者との意見交換や説明会の開催、ホームページなどにより情報提供に努めてまいりました。
昨年度には、中期計画の改定に併せまして、総合病院への病棟移転時期や病床数などを明らかにし、県民の皆様からいただいた疑問などにお答えしてきたところでございますが、いまだ不安の声があることは承知しております。
今後も、県民の皆さんに安心していただけるよう、様々な機会を設けまして説明を尽くしてまいりたいと考えております。
2点目の専門性の維持、強化についてでございますが、統合後も、小児保健医療センターが担ってきた機能を将来に向けて確実に引き継ぎ、強化していくことが、大変重要であると認識しております。
このため、統合後の総合病院におきましても、重症心身障害児等に対する包括的かつ専門的な医療や福祉サービスを提供することができるよう、こども医療センターを設置することとしております。
また、専門性の高いチーム医療を提供できる体制を構築するなど、病院の総合力を高めながら、対象疾患の拡大や重症心身障害児の成人後の対応強化なども進めてまいります。
3点目のセンターが獲得してきた信頼を目に見える形で残すべきについてでございますが、小児保健医療センターは、前身である滋賀整肢園から現在まで、将来を担う子供を心身ともに健やかに育てたいとの願いをかなえるために、小児への医療や保健サービスの提供機能を充実してまいりました。
こうした歴史的な経緯を踏まえ、統合後においても、小児専用の病棟を設置するほか、これまで標榜してきた診療科についても引き続き設置するなど、センターが果たしてきた役割を確実に引き継ぐこととしております。
患者や御家族をはじめ、関係者の皆様の意見を真摯に受け止めながら、県民が望む質の高い医療を提供することにより、皆様の信頼に応えられるよう取り組んでまいりたいと存じます。
◎
警察本部長(中村彰宏) (登壇)私にいただきました特殊詐欺に関する5点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目のSNS型投資、ロマンス詐欺の被害状況と特徴についてですが、令和5年における被害は、SNS投資詐欺が31件、2億8,500万円、SNS型ロマンス詐欺が80件、約8億7,000万円、合わせて111件、約11億5,500万円であります。
これに特殊詐欺の被害を加えますと、令和5年まで特殊詐欺の一部として計上いたしておりましたSNS型投資詐偽の二重計上分を差し引いた上で、令和5年、合計で346件、約15億円の被害となります。
本年の被害は、5月末現在で、SNS型投資先が66件、約5億5,600万円、SNS型ロマンス詐欺が54件、約3億2,200万円であり、特殊詐欺の101件、約3億200万円と合わせまして、221件、約11億8,000万円に上ります。
SNS型投資、ロマンス詐欺につきましては、幅広い年代に被害が及んでおり、特にお仕事をされている現役世代の方が多く被害に遭われているといった特徴がございます。
2点目の特殊詐欺被害のそれぞれの特徴についてでありますが、本年5月末の特殊詐欺の被害につきましては、前年より件数は減少、被害額は増加し、被害件数の約半分以上が高齢者の被害となっております。
特殊詐欺の分類別では、パソコンの復旧費用を名目として電子マネーで金銭をだまし取るといった架空料金請求詐欺が被害件数の半数を占めており、息子や警察官をかたり、示談金等を名目として金銭をだまし取るオレオレ詐欺が約2割を占めております。
このほか、税金等の払戻しを名目とした還付金詐欺、融資の手数料等の名目で現金を振り込ませる融資保証金詐欺が前年よりも増加をしております。
一方で、犯人が自宅まで訪れてキャッシュカードや通帳をだまし取る預貯金詐欺は激減をしており、キャッシュカードを別のカードにすり替えるキャッシュカード詐欺盗は発生をしておりません。
3点目の他県のアクションプログラムのような取組についてでありますが、本県警察におきましては、県の安全なまちづくりアクションプランに基づき、詐欺被害防止に向け、被害の現状や具体的手口、被害に遭わないための対策などについて、県警公式ホームページへの掲載や防犯アプリでの配信、各種啓発活動等により周知を図っております。
また、高齢者が被害に遭わないための取組として、高齢者世帯に対する集中的な個別訪問を実施し、詐欺電話の8割を占める国際電話番号の発着信休止手続や防犯機能つき電話機の設置の推奨といった、犯人との接触を防ぐための取組を推進しております。
このほか、滋賀県特殊詐欺根絶官民会議の枠組みを活用し、県や市町、関係機関、団体と情報を共有した上で、官民連携して被害の防止に向けた取組を推進しております。
4点目の詐欺の被害防止に向けた対策についてですが、SNS型投資、ロマンス詐偽につきましては、現役世代による被害が多いことから、県内の企業や事業所に対して被害に遭わないための注意喚起を行っておりますほか、自治体や金融機関が開催する金融セミナー等において、被害事例を具体的に示した上で防犯指導を行うといった活動にも取り組んでおります。
また、県警察公式防犯アプリ、ぽけっとポリスしがをはじめとするデジタルツールを活用して被害防止に向けた注意喚起を行うほか、Xやユーチューブ等のSNSの機能を積極的に活用し、タイムリーかつ効果的な情報発信にも努めてまいります。
5点目の私の決意ということでございますけれども、昨年中、犯人が滋賀県を訪問して敢行した特殊詐欺については、9割以上を検挙しております。
しかしながら、SNS型投資、ロマンス詐欺をはじめとする犯人が滋賀県を訪問しない詐欺については、匿名性が極めて高く、検挙が難しいのが現状です。
詐欺被害者の多くは、誰にも相談することなく、一度も会ったことのない人にお金を送金するなどしています。幅広い年代に被害が及んでおり、被害を人ごとと思わず、誰もが被害に遭うおそれがあるという認識を持ち、気軽に誰かに相談することが重要と考えております。
こうした現状を踏まえまして、官民連携の下、専門家の知見も取り入れつつ、より一層の被害防止対策に取り組みますとともに、犯人逮捕に向け、全国警察と情報共有し、本年4月、7都府県に発足しました特殊詐欺連合捜査班とも連携の上、検挙対策を強化してまいる所存であります。
○議長(有村國俊) 以上で、会派代表による質疑ならびに一般質問を終わります。
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△休会の議決
○議長(有村國俊) お諮りいたします。
明26日および27日は、議案調査のため休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」)
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
────────────────
○議長(有村國俊) 来る28日は、定刻より本会議を開き、上程議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。
本日はこれをもって散会いたします。
午後2時58分 散会
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