滋賀県議会 2013-12-11
平成25年11月定例会(第25号〜第31号)−12月11日-06号
平成25年11月定例会(第25号〜第31号)−12月11日-06号平成25年11月定例会(第25号〜第31号)
平成25年11
月滋賀県議会定例会会議録(第30号)
平成25年12月11日(水曜日)
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議事日程 第6号
平成25年12月11日(水)
午 前 10 時 開 議
第1 議第186号から議第265号までおよび諮第1号(平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)ほか80件)の各議案に対する質疑ならびに質問
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(46名)
1番 佐 藤 健 司 2番 有 村 國 俊
3番 大 野 和 三 郎 4番 岩 佐 弘 明
5番 山 本 進 一 6番 富 田 博 明
7番 目 片 信 悟 8番 青 木 甚 浩
9番 山 本 正 10番 大 橋 通 伸
11番 駒 井 千 代 12番 冨 波 義 明
13番 井 阪 尚 司 14番 清 水 鉄 次
15番 成 田 政 隆 16番 九 里 学
17番 柴 田 智 恵 美 18番 江 畑 弥 八 郎
19番 今 江 政 彦 20番 木 沢 成 人
21番 粉 川 清 美 22番 宇 野 太 佳 司
23番 細 江 正 人 24番 高 木 健 三
25番 川 島 隆 二 26番 小 寺 裕 雄
27番 奥 村 芳 正 29番 野 田 藤 雄
30番 西 村 久 子 31番 石 田 祐 介
32番 宇 賀 武 33番 佐 野 高 典
34番 赤 堀 義 次 35番 家 森 茂 樹
36番 吉 田 清 一 37番 辻 村 克
38番 三 浦 治 雄 39番 蔦 田 恵 子
40番 梅 村 正 41番 山 田 和 廣
43番 山 田 実 44番 西 川 勝 彦
45番 大 井 豊 46番 谷 康 彦
47番 中 沢 啓 子 48番 沢 田 享 子
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会議に欠席した議員(なし)
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会議に出席した説明員
知事 嘉 田 由 紀 子
教育委員会委員長代理 佐 藤 祐 子
選挙管理委員会委員長代理 三 宅 忠 義
人事委員会委員長代理 益 川 教 雄
公安委員会委員長代理 宮 川 孝 昭
代表監査委員 谷 口 日 出 夫
副知事 西 嶋 栄 治
知事公室長 東 清 信
総合政策部長 北 川 正 雄
総務部長 北 村 朋 生
琵琶湖環境部長 堺 井 拡
健康福祉部長 那 須 安 穂
商工観光労働部長 羽 泉 博 史
農政水産部長 青 木 洋
土木交通部長 美 濃 部 博
会計管理者 谷 口 孝 男
企業庁長 南 史 朗
病院事業庁長職務代理者 多 胡 豊 章
教育長 河 原 恵
警察本部長 山 本 仁
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議場に出席した事務局職員
事務局長 安 田 全 男
議事調査課長 丸 尾 勉
議事調査課課長補佐 松 本 勉
午前10時1分 開議
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○議長(宇賀武) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(宇賀武) 日程に入るに先立ち、諸般の報告を行います。
教育委員会藤田義嗣委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として
佐藤祐子委員が、また、
選挙管理委員会伊藤正明委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として
三宅忠義委員が、また、
人事委員会宮崎君武委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として益川教雄委員が、また、
公安委員会堀井とよみ委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として宮川孝昭委員が、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。
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○議長(宇賀武) これより日程に入ります。
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△議第186号から議第265号までおよび諮第1号(平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)ほか80件)の各議案に対する質疑ならびに質問
○議長(宇賀武) 日程第1、議第186号から議第265号までおよび諮第1号の各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、2番
有村國俊議員の発言を許します。
◆2番(
有村國俊議員) (登壇、拍手)今年度の全国学力・
学習状況調査において、本県が46位という結果を受け、さきの9月定例会で、教育長は以下、述べられました。「市、町、教育委員会、学校、そして、家庭教育を預かる保護者の方々と力を合わせ、また、子供自身の頑張る力を引き出すことで、全国一の教育を目指し、毎年確実に向上するよう着実に粘り強く教育を進めてまいります」と、はね返るばねのごとく答弁をいただきました。なるほど、全国一の教育とは、実に晴れ晴れしい決断に、議場は拍手喝采でありました。
今定例会では次のフェーズ、すなわち、全国学力・
学習状況調査の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについて一般質問いたします。
11月29日付で、
文科省事務次官から、平成26年度全国学力・
学習状況調査の実施について通知が出されました。宛先は、各
都道府県教育委員会、各
指定都市教育委員会、各
都道府県知事、
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長、附属学校を置く各
国立大学法人学長であります。
来年、平成26年4月22日火曜日に行われる全国学力・
学習状況調査の実施要領にて、市町の教育委員会において独自の判断で学校ごとの結果を公表できるように、
県教育委員会においては、
市町教育委員会の同意を得た場合には、市長名、または
市町教育委員会が設置する学校名を明らかにした調査結果の公表を行うことが可能であると、これまでの方針を文科省が転換いたしました。公表する際は、結果に対する分析や改善の方策などを一緒に発表するように求めています。
文科省が、これまで、市町別や学校別の結果公表を禁じてきたのは、過度な競争や序列化を防ぐとの理由でありました。しかし、調査は、授業内容が身についているか否か、基本的な学力を見るのが狙いであり、心配は杞憂なことと、私は長らく考えてまいりました。というのも、自治体の判断で市町村や学校の成績を公表した大阪府や秋田県、佐賀県武雄市などで、いずれも過度な競争は報告されていないことが、その裏づけの理由でもあります。
50億円以上の国費を費やして実施する全国学力・
学習状況調査は、今年度3万962校、約115万人の小学校6年生、約113万7,000人の中学校3年生が参加いたしました。今回の文科省通知は教育の現況を知る上で価値あるものですし、教育委員会が独占せず公表をするのは順当な処置であります。むしろ、私は、競争を一律に悪いと決めつけ、切磋琢磨を怠り、公教育への不信を募らせたこれまでの全国学力・
学習状況調査の非公開こそ問題があったと感じております。結果は、できる限り、教育委員会や教師、保護者で共有する、それが学校運営への理解と協力を得ることにつながると考えておりますが、教育長の見解を求めます。
一方、保護者は学力・学習調査の結果を把握したいようであります。実例ですが、
学校別成績公表をどう思うかの、皆さん御存じのヤフーみんなの政治によるアンケートの設問に対して、10月21日から31日までの10日間で、3万1,913票中、全国一律で公表すべきが59.6%、1万9,009票も入っていました。およそ特例でありますが、このアンケートについては万機公論に決すべきであります。
文科省の下村博文大臣は、11月29日の閣議後の会見で、学校の状況や改善方策について保護者や地域に説明責任を果たすことは重要である、教育施策や教育指導の改善につながるような公表を行ってほしいと語っています。大臣には、できればもう一息入れて、やるなら全国一律公表がベストぐらいの御発言をいただきたかったところであります。
とはいえ、公表については、長い道のりを経て、ようやく文科省がこれまでの方針を転換して、来年度から市町別や学校別の成績を公表できるようにした決定を大変重く受けとめ、評価すべきものであります。
ところで、7月に実施された文科省の
アンケート調査では、公表について、
都道府県知事は、賛成が44%、反対が約半分の24%ということで、賛成派知事が圧倒的に多かったわけですが、
市町村教育委員会は反対が79%と否定的でありました。
都道府県教育委員会は、賛成が40%、反対が43%で、大変拮抗していた調査結果が文科省の調査で明らかになりました。
改めて知事と教育長にお尋ねいたしますが、結果公表に賛成ですか、それとも反対ですか、現在のお考えを端的にお聞かせください。
あわせて、本通知の宛先に該当する知事、教育委員会は、この
文科省事務次官からの通知を捉え、全国学力・
学習状況調査結果の公表を滋賀の教育改善にどのように生かしていくおつもりか、問います。
大分
県教育委員会は、先週の金曜日、6日、来年度の全国学力・
学習状況調査の結果について、市町村別の結果を公表する方針を決めました。今後、
大分県内市町村教育委員会の同意を得た上で、公表内容や方法を協議するとしています。
市町教育委員会への助言を行う立場の滋賀
県教育委員会としては、
市町教育委員会の同意を得ることについては、受け身ではなく、大分県のように公表を
市町教育委員会へ促す働きをすべきと考えますが、教育長の御意向をお聞かせください。
多種多様な要素を考慮して、成績のよかった学校はさらに伸ばす、成績の低かった学校は、学力を伸ばすには何が欠けていたのか、あるいは何が必要であるのかを見出さなければならないはずであります。多くの子供たちは、大人ほどの強い意志があるわけではなく、確固たる信念や人生哲学があるわけでもありません。純粋で、周囲の環境に簡単に影響を受けてしまうものであります。だからこそ、大人である私たちが、調査の結果を真摯に分析して、どうすれば滋賀の子供たちが確かな学力を身につけられるようになるのかを考え抜かなければなりません。これまで幾度も申し上げてきましたように、決して子供たちの責任問題にしてはなりません。次世代へバトンを渡す私たち大人の責任はとても重いです。
ところで、「住み心地日本一の滋賀」を目指していらっしゃる知事に対して、昨年2月定例会で、学力日本一の滋賀は目指しておられるのかと問うたのに対し、知事は、子供が総合的な力をつけられるよう、私は県の教育の目標にしていきたいと思っておりますとの趣旨の答弁をされました。なぜ、学力日本一を目指しますぐらいの誓いを知事が発言できなかったのか、大きな期待や望みが持てないことに大変がっかりしたことを思い出しております。
続いて、前教育長へも、学力日本一の滋賀を目指しておられますか、イエスかノーかでお答えくださいと問いました。当然、イエスとお答えくださると思いきや、学力日本一を目指すというよりも云々と、全く予想もしない答弁に驚かされました。教育長ともあろうお方がかくのごとく及び腰では、何とも行く末に心細さを感じたことは言わずもがなであります。案の定、約1年後のことし、全国46位の滋賀になってしまったことは周知のことであります。
打って変わって、現教育長はさきの9月定例会で御自身のありのままの心境を包み隠さず述べられました。いま一度御紹介いたします。「昨年度の結果もそうですが、今回の全国学力・
学習状況調査結果は、私にとりましても大変ショックであり、悲しく、悔しい思いを持っております。しかし、これが現実であり、子供たちや保護者、県民の皆様に対し、申しわけなく思っております。全国学力・
学習状況調査の結果が低いということは、残念ながら、滋賀県の
教育行政そのもの、また、滋賀の教員の力や教育に取り組む姿勢に課題があるということであります」とのことでありました。公の場で、これまでにない自己反省のもと、挽回しようとする意欲ある姿勢が大変頼もしく、坂の上の一朶の白く輝く雲を見出した思いでありました。
同定例会で、知事は、以下述べておられます。「小学校、中学校とも、全国平均と比べて大変低い結果であります。基礎となる国語力が全国平均と比べてきわめて低いことがわかりました。ここで早急に具体的な手だてを講じなければ、次代を担う子供たちの未来に大きな影響を及ぼしてしまうことになり、大変強い危機感を持っております。今回の結果を受け、私は第2期滋賀県
教育振興基本計画の中で、確かな学力を育成するため、新たに
学力向上プロジェクトチームを設置し、学力向上を検討し、実施することとしております。また、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりについて、知事として責任を果たしていきたいと考えております」と答弁されました。
確認のために伺いますが、来年4月22日、約4カ月後に、次回の全国学力・
学習状況調査が実施されることが以前より決まっております。9月定例会から今日まで、これら一つ一つの進捗はどのように進んでいるのか、知事にお尋ねいたします。
○議長(宇賀武) 2番
有村國俊議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。
全国学力・
学習状況調査の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについての2点の御質問にお答えさせていただきます。
まず、1点目の結果公表に賛成か反対か、あわせて、結果公表を滋賀の教育改善にどのように生かすかについての御質問にお答えいたします。
まず、結果公表に賛成か反対かでありますが、全国学力・
学習状況調査は、子供の学習状況を分析して、授業改善など、一人一人の教師が子供と向き合う現場で役立てるためのものであります。結果の公表は、保護者、地域住民に対して説明責任を果たすという観点がある一方で、序列化や過度の競争が生じるおそれもあり、教育上の効果や影響等、十分配慮することが重要であると考えております。
特に、学力向上のためには、現場が、教師、子供、親自身が子供に力をつけようと取り組むことが何よりも重要でございます。そのような中で、市町別や学校別の優劣あるいは点数だけを公表することは決してプラスにならないと考えておりますが、11月29日の文科省の実施要領では、市町村教委の同意を得た上で公表は可能となりました。それだけ、現場の独自の判断が求められるという条件がつけられたわけでございます。そのような中で、現場の判断を私自身は尊重したいと思っておりますが、この後の結果公表の効果ということも、また課題ということも、それぞれの現場で慎重に判断をしていただきたいと思っております。
特に、11月29日の要領の中で、結果の公表に当たっては、学校や地域の実情に応じて、個別の学校や地域の結果を公表しないなど必要な配慮を行うことという項目もございます。そのような意味で、私自身は、実は、夏までは、結果公表ということで知事会のアンケートも答えさせていただきました。しかし、その後、今回の滋賀県内全ての小、中の結果を見せていただき、まさに地域、学校の実情に応じて判断が必要ということで、慎重という意見に傾いていることも申し上げたいと思います。
そのような中で、今後、次の御質問でございますけれども、結果公表を教育改善にどう生かすかでございます。
各学校においては、平均正答率などの数値だけを示すのではなく、保護者、地域住民の理解と協力が得られるよう、これまでの調査結果の分析からわかった課題を踏まえ、学校ごとに取り組むべき改善策を示すなど、学校地域の実情に応じた、プラス、前向きの改善に向けた取り組みに生かせるよう公表すべきと、公表する場合には改善に生かせるようにするべきと考えております。
次に、学力向上に向けての取り組みの一つ一つはどのように進捗しているのかとの御質問でございます。
9月の定例会で申し上げたとおり、今回の結果を受け、早急に具体的な手だてを講じるために、
学力向上プロジェクトチームを設置いたしました。その中で、調査結果の詳細な分析を行い、課題を明らかにするとともに、
県教育委員会が
市町教育委員会を訪問し、課題を共有するなど、具体的な学力向上の方向性を確認をしております。
また、全ての小学校の学力向上の担当者や市町の担当者を一堂に集め、文部科学省から、特に国語の教科調査官を招聘をいたしまして、県の課題となっております国語力の捉え方、あるいは授業改善のポイントについて指導を受けたところであります。
今後、必要な予算については第2期
教育振興基本計画の中に記載したとおり、具体的な取り組みの成果が上がるよう教育環境を整え、実効ある裏づけとなるよう、新年度、財政上の配慮、また体制づくりを確保してまいりたいと考えております。
◎教育長(河原恵) (登壇)皆さん、おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、有村議員の全国学力・
学習状況調査の結果公表を滋賀の教育改善に生かすことについての3点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の全国学力・
学習状況調査の結果の共有と学校運営への理解と協力についてですが、全国学力・
学習状況調査の結果につきましては、文部科学省が11月29日付で通知した平成26年度の実施要領の中に、調査の結果については、教育および教育施策の改善や各児童生徒の学習状況の改善等につながることが重要であるとしております。
また、調査結果の公表に関しては、教育委員会や学校が保護者や地域住民に対して説明責任を果たすことが重要である一方、調査により測定できるのは学力の特定の一部分であることなどを踏まえるとともに、序列化や過度な競争が生じないようにするなど、教育上の効果や影響に十分配慮することが重要であるとしております。
さらに、調査結果の活用に関しましては、各教育委員会、学校等においては、多面的な分析を行い、みずからの教育および教育施策の成果と課題を把握、検証し、保護者や地域住民の理解と協力のもとに、適切に連携を図りながら、教育および教育施策の改善に取り組むこととしております。
このようなことから、実施要領にある調査結果の取り扱いに関する配慮事項を踏まえた上で、結果を保護者等に公表し、説明することは、学校運営への理解と協力を得ることにつながると考えております。
次に、2点目の結果の公表に賛成、反対と、結果の公表を滋賀の教育改善にどのように生かすかについての御質問にお答えをいたします。
まず、結果公表に賛成か反対かについてですが、平成26年度の全国学力・
学習状況調査の実施要領については既に
文部科学事務次官より通知されていることから、
県教育委員会といたしましては、調査結果の公表に関する取り扱いも含め、この実施要領に基づき、実施するものでございます。したがいまして、私といたしましては、調査結果の公表に賛成か反対かを表明する立場にはなく、実施要領と具体的に配慮すべき点等に留意し、適切に取り扱っていくべきものと考えております。
次に、結果の公表を滋賀の教育改善にどのように生かすかについてでございますが、実施要領では、調査結果を公表する場合の配慮事項として、平均正答数や平均正答率などの数値のみの公表は行わず、分析結果もあわせて公表すること、分析結果を踏まえた改善方策についても速やかに示すことが示されております。このことから、結果の公表を実施要領に基づき適切に実施すれば、児童生徒や保護者に対し、学習状況の改善に取り組む手だて等を示すことができるものと考えております。
また、教育指導や教育施策の成果と課題およびその改善への取り組みを説明することにより、保護者等からの理解や協力を得ることが期待できるなど、教育の改善に生かしていくことができるものと考えております。
次に、3点目の公表への同意を
市町教育委員会へ促す働きかけについての御質問にお答えをいたします。
今回通知された平成26年度の実施要領では、平成25年度からの変更点の一つとして、
都道府県教育委員会が
市町村教育委員会の同意を得た場合は、市町村の状況について、当該市町村名を明らかにした公表を行うことは可能であることとされたところでございます。また、その際には、調査結果を公表する場合の配慮事項に基づくことが必要であるとされております。
都道府県教育委員会が市町村の状況を公表することについては、7月に実施された文部科学省の全国調査の中で、地域の実情に応じて市町村が判断すべきという意見や、地域の序列化につながるなどの意見があり、本県でもそれぞれの
市町教育委員会によって考え方はさまざまであると認識しております。
このことから、
県教育委員会による市町の状況の公表につきましては、十分に
市町教育委員会と意見交換をするとともに、実施要領および各市町の学校の状況を踏まえて判断するべきものと考えております。
◆2番(
有村國俊議員) (登壇)確認しておきたいんですけれども、賛成か反対か、公表についてですね、知事のほうの答弁では、7月の文科省のアンケートのときには、学校だけではなくて、
市町教育委員会も公表できるようにするのが適当であるとされましたし、また、市町の結果の公表について、県の教育委員会も公表できるようにするのが適当であると答えておられますよね。賛成の立場だったわけです。44%の全国の知事のこの中に入ってたわけです。
ところが、きょうの答弁では、要するに、公表の賛成の立場から反対の立場になったということで理解してよろしいでしょうか。間違いありませんか。
そうしましたら、反対の立場のほうに行ってしまった、その理由をもう少し詳しく聞かせていただきたいということと、それから、今回の文科省通知によって、加速度的に公表への動きが全国的に増加していくことは容易に推測できますが、反対の知事ですね、24%ですけど、反対の知事、あるいは反対の自治体首長、あるいは教育委員会など、関係者もいずれ考えを転換することになる可能性が十分にあります。これが趨勢なのだろうと私は感じております。
県としては、この流れを、様子を見て眺めるのではなくて、公表することによって、滋賀の子供たちのメリットを主体的に意欲的に模索すべきじゃないかなと、文科省の通知によってですね、それを生かして。で、大津市の首長は公表に賛成してますが、大津市の教育委員会は反対しております。報道でそのように出てますけれども。教育長、11月29日の文科省の通知以降、県内の各自治体の教育委員会の意向を把握されてるかどうか、その辺のところを聞かせていただきたいです。お願いします。
それと、知事、9月定例会で知事は、学力向上のために、その裏づけとなる財政上の措置や体制づくりについて知事として責任を果たしていきたいと発言をいただきました。来年度の学力・
学習状況調査は4月22日、26年度始まってすぐなんですけれども、当然、裏づけとなる予算を今定例会の補正対応として入れ込むべきでありました。9月議会でそのように私も申しましたが、どこに入っているのか、知事に伺います。
以上、お願いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
まず、前半の公表に賛成か反対かというところで、立場をはっきりしろということでございます。7月の時点では、文科省が公表を全てできないという状態の中で、公表という選択肢を残すというところで公表賛成と申し上げたわけでございます。
つまり、全て国が公表するなと言っている状態の中で、公表という選択肢はより現場で判断をするべきと考えたわけでございます。ですから、賛成か、反対か、その二つしか選択肢がございませんでしたので、公表ということには賛成だと。
そして、その後の、先ほど申し上げました二つの条件がございました。今回、文科省は、11月29日に、現場の教育委員会なり、独自の判断で公表できるというふうな方針を出したわけですから、7月の公表をできるようにしてほしいということは、文科省が応えていただいたわけです。
その上で、もう1つの条件といたしまして、今回の、今年度の調査結果、つぶさに、各市町、小学校、中学校、学校別のデータを見せていただきました。ここには、いつも申し上げておりますように、社会経済条件など、社会地域条件を配慮しなければならない事項があり、ここについては今回の文科省の要領の中にもございますように、地域の事情なども含めて、公表しない、必要な配慮もあり得るということで、今の状態の中では、現場の独自の判断、選択肢と、特に市町の教育委員会なり、市町の首長の独自の判断が大変大事だと思っており、そのことを申し上げたわけでございます。
次に、2点目の学力向上のための予算づけでございますけれども、現在、来年度予算に向けて、いかに学力向上のための具体的な施策を埋め込んでいくかというところで議論をしておりますので、当初予算対応をさせていただきたいと思っております。
◎教育長(河原恵) お答えいたします。
各自治体の意向を聞いているかどうかということでございますが、7月の文部科学省の全国調査以降の各
市町教育委員会の考え方につきましてはある程度認識をしているところでございますが、11月29日の文部科学省からの通知をいただいた後につきましては、まだ各自治体とお話をしたこともなく、意向につきましては承知をしておりません。
◆2番(
有村國俊議員) (登壇)そしたら、知事にまず伺いますが、7月の文科省のアンケートのときに賛成をされましたと、それが通知で転換されたので、それで役目は果たしたのかなと、それで賛成からちょっとスルーしてしまったと。果たして、そんなことで理論的に通じるものかと、私はちょっと首をかしげたいなと思っております。
そもそも、アンケートは滋賀の子供たちの学力のことを結果公表することによって、どうやって滋賀の底上げを図れるのかという視点で知事はアンケートに答えておられると思うし、賛成派の知事が44%いて、そこから24%のほうに今入ったと。まあ、24がちょっとふえちゃった、お互い、減ったりふえたりしてますけども。ちょっと非常に、その辺のところが知事としての方向性、滋賀県の行政のトップとしての方向性に私は疑問を感じます。
というのは、やっぱり、人間ですから、心境の変化はあるし、朝礼暮改もあります。現にありますね。だけれども、この件については、文科省が通知をすることによって目的は達成できたということで、賛成の立場から少し引いてしまうというのは、それは私はどうしても理解できない。
そのあたりをもう一度聞きたいのと、それから、来年度予算に学力の向上の裏づけとなる補正予算対応をするべきだと私は言ったんで、知事は当初予算ということをおっしゃってますが、4月22日にもう現にドン、スタートするんですね、その調査が。そこに対して、ことし46位だった現状が、また上がればいいなと思ってるんですけども、そのためにどうするかということを知事は9月議会定例会で答えてらっしゃるのに、具体的な施策を指示をしてたのか、補正予算対応は出てませんけれども、その辺のあたりをお聞かせいただきたいと思います。
それから、教育長は市町の教育委員会の動向を把握すべきでしょう。11月29日以降、どんな方向性を持っているのか。例えば、さっき申し上げたように、大津市は、首長は公表の可能性を検討してるし賛成だし、教育委員会は反対だし、それを各19市町の意向というのを把握しなきゃいかんと思います。リーダーシップを持つ、県、広域行政のトップとしてはそれをやっとかなきゃいけない。その指示をすぐ出していただきたいと思いますが、いかがかお伺いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
まず、前半のほうですが、いわば知事を、賛成か反対か、白黒ラベルを張るという調査ではないと私は思っております。ですから、夏の時点では、文科省が公表をできないという中で、公表できるようにするという選択肢をふやすべしと。何よりも現場の、特に小、中の場合には
市町教育委員会、また市の首長の責任者の判断が重要です。そういう判断の選択肢をふやすべきということで、公表できるように11月29日に要領がなったわけですから、その公表できるようにということの状況は改善されたと思っております。
そういう中で、改めて全市町の全小中のデータを見せていただいたときに、文科省の11月29日の要領にもございますけれども、地域の実情なりの判断、公表しないという配慮も必要だということも改めて見せていただき、そして私自身もデータを見ながら、ここは、慎重になるべきところは慎重になるべきだろうと。ただし、最終判断は市町の教育委員会と首長がするべきで、知事が一方的に右か左かと指示するべきことではないと考えております。
と申しますのは、常々申し上げておりますように、学力向上なり、教育力をつけるということは、現場の先生、そして家族、また一人一人の子供たちが本気でやる気を出して立ち向かわないといけませんので、そういう教育条件をつくることが知事としての責務だと思っているわけでございます。
2点目の御質問ですが、学力向上というのは、今申し上げましたように、経済条件あるいは社会条件含めて、家族条件含めて、大変中長期的にじっくりと立ち向かうべき問題であると、取り組むべき課題であると考えておりますので、当初予算でじっくり考えるようにということで、教育委員会には指示、お願いをしているところでございます。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
市町教育委員会に対する
県教育委員会としてどのように進めるかという再質問でございましたが、今回の公表も含めまして、
市町教育委員会の同意を得るということが必要ということになっておりますし、また、
市町教育委員会等は、今回のこの学力・
学習状況調査の結果を踏まえ、学力向上に対し、一体となって一緒になって取り組んでいくことが重要であることから、今後も
市町教育委員会としっかりと意見交換をすることで、今回の公表の問題も含め、今後も
市町教育委員会と意見交換をしっかりとしていきたいというぐあいに考えております。
◆2番(
有村國俊議員) (登壇)知事にまずお伺いします。知事の今の個人的なお考えでしょうから、それに対してどうのこうのというのは言っちゃいけないのかどうかわかりませんけれども、私は公表に賛成の立場の知事の県、それで、嘉田知事のように公表に慎重というか、反対のほうに転じたわけですけども、その知事のいる県、どちらがいいのか。果たして、嘉田知事のおっしゃるそんな考えで本当に滋賀の子供たちの学力は向上し、滋賀の教育改善につながるというふうに思っていらっしゃるのか、そのことをまずお伺いしたいのと、それともう1点、予算措置について、平成26年度予算でじっくりととおっしゃいました。じっくりと。ところが、もう4月22日に調査が始まる、その日に始まるので、だから、補正対応で何らかの指示をやっぱり出すべきだというふうに、私、初問でも申し上げましたけども、それはしてないということがわかりました。
では、じっくりというのは何をじっくり26年の4月1日からスタートするんですか。まずそれをお伺いしたい。
それから、教育長、教育委員会の立場としては、市町の意向を確認してほしいというふうに思っております。早急に取りかかっていただきたいというふうに思うので、その回答をいただきたいと思います。お願いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
今回のじっくり予算のじっくりの意味でございますけれども、全国の
学習状況調査と比べて、滋賀県の弱みが2点あると教育委員会のほうも判断をしております。
1つは、家庭での勉強の時間が少ない。
それから、もう1つは、地域、まあ、放課後など含めてですね、放課後などでの取り組みが弱いというようなこと、これ、昨日、議論があったところでございます。
そのあたりも含めて、どのようにしたら学力が条件づくりができるのか。そして、何よりも、子供本人、また、教師一人一人がどのようにしたら学力向上に取り組めるのかということを確実に埋め込む必要がございます。そのような意味で、じっくりと予算を準備をするようにしていただきたいということを教育委員会にお願いをしているわけでございます。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
結果の公表につきましては、調査の結果の分析等、今後の改善の方向をしっかり示すということがあり、そのことによって子供たちの力を伸ばすということが大きな目的であろうと思います。そういう意味で、市町との意見交換を行い、このことも含め、学力向上のことにつきまして、市町等の意向もしっかりと確認していきたいと考えております。
◆2番(
有村國俊議員) (登壇)予算措置については、これはもう知事である方の権限です。教育委員会から上がってきた要望についてもやっぱり査定をして、決定するのは知事の責任ある権限であります。その知事が当事者意識を、よく知事がおっしゃる当事者意識、自覚すると、当事者意識を自覚すれば、そんな、申しわけないですが、ぬるいと私は思います。子供たちは学校現場、何しに行ってるか御存じでしょうか。学校現場で学力をつけるために学校に行ってるんです。しつけじゃありません。学力を上げるために学校に行ってる。その学校のいろんな施策を矢継ぎ早に投入して学力アップを狙う、そのために滋賀県の予算を投入する。それは知事の確固たる責任であります。その知事がじっくりと26年度の、先ほどるるおっしゃったこと、あるいはじっくりと改善に結びつけるための施策となり得るのかといえば、私はまだまだぬるいと思います。
ということは、当事者として、9月定例会以降、しっかりとした検討を、指示を出してこられなかったんじゃないのかなと私は思うんですけれども、その辺のところ、もう1点、聞かせていただきたいと思います。
それと、教育長、公表に対しては、公表の立場に立つメリット、デメリットの出し方と、公表ではないほうに立つメリット、デメリットの出し方がおのずと変わると思います。だから、授業内容が身についているか、基本的な学力をテストで見つけるのが狙いですので、先ほどおっしゃるように、心配は杞憂であります。だから、初問で申し上げたとおり、弊害は出ていないので、その辺のところを、もう公表している先進地の情報をとって、しっかり
県教育委員会として情報をとった上で、各市町の教育委員会にサジェスチョンをしてあげるということが大事。
それから、各市町の意向を聞くとおっしゃいましたけども、大分
県教育委員会は先週金曜日、各市町の意向を聞かずして、
県教育委員会として決めたわけです。これはすごいイニシアチブを持ってると思います。その辺のところをどのように考えていらっしゃるか、教育長にもう一回伺いたい、お願いします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えいたします。
教育は県政の柱でございます。未来をつくる上で、子供たちの力をつけることこそが、教育、県政の柱でございますので、私自身は当事者意識を持ち、教育委員会と協力をしながら、いかにしたら子供たちの学力、生きる力、そして問題解決能力含めて総合力をつけられるか、日々、当事者として工夫もし、また、情報も集めております。
そのような中で、先ほど申し上げました家庭における学習、あるいは放課後学習などの課題、それとあわせて、実は教員の現場力についても、滋賀県の場合には、50代が大量退職をし、若い教員がふえているというところで、教員力をいかにつけるか。そのときに、退職教員の力などもどう現場に戻していただけるかなど含めて、具体的に教育委員会と相談、指示も出させていただいております。
体制づくりについては当初予算で、また、予算にかかわらず、先ほど申し上げましたように、文科省からの指導いただくとか、あるいは他地域への、先進地域への視察など、既にもちろん、予算にかかわらず、動いているところは動いております。そのような中での当事者意識はしっかりと持たせていただいてるということを答弁させていただきます。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
市町のことにつきましてですけれども、大分県のことを例に、市町の意見を聞かずにということでございましたけれども、
市町教育委員会におきましては、市町立の小中学校に対する責任と、また、その実施につきましての権限を持っておられます。さらに、学力向上のための考え方につきましては、それぞれ教育委員会の教育長が中心になって考えてるところでもございます。そういう意味から、やはり、先ほど申し上げましたように、市町との意見交換をしっかりしながら、今後、県全体で学力向上が図れるようしっかりと意見交換をしながら進めていきたいというように考えております。
また、2つ目の、先進地の情報についてでございますが、先ほど例に挙げていただきました大分でありますとか、その他の先進地の状況につきまして、教育委員会としても情報は一定掌握をしてるところでございますが、今後、11月29日に新たな通知で、文部科学省の考え方につきましても変更があったことから、全国の状況も大きく変わってくることと考えております。そういう意味では、しっかりと全国の、また先進地の情報を掌握をし、それぞれ市町との意見交換の中でも提供できるようにしていきたいというように考えております。
◆2番(
有村國俊議員) (登壇)恐らく、本件については、11月29日以前、9月定例会から11月29日、そしてまた今日まで、余り議論がなされてなかったんだなということがよくわかりました。知事もしかり、教育長もしかりであります。
その中で、きょうの質問を通して思ったのは、知事は賛成だったのに反対のほうに転じてしまったということがよくわかりましたし、本当にそれでよかったのかどうか、これから滋賀県の趨勢がどのように、全国のほうと比べながらですね、どのように変わっていくのかなといったところを見ていきたいし、そしてまた、知事もちょっと今、先進地を、さっき、調査したいというようなことをおっしゃいましたけど、それは学力向上の秋田県のことをおっしゃったんだと思います。私、さっきから聞いてたのは教育長に聞いてたんですけれども、11月29日以降、公表をしている自治体、県だとか武雄市ですね、そういったところの情報をとったり、そういったことを言ってたわけなんですけども、その辺はもういいです。
例えば、もう最後ですけど、健康診断ありますね。僕たち、受けに行きます、健康診断。健康診断で、どこが悪かったのか、どこが要は正常なのかというのは、私たち、結果を聞いて初めてわかるわけです、健康診断受けたら。消化器系が悪いのか、心臓が悪いのか、はたまた呼吸器系が悪いのか。学習調査も一緒ですね、悪かったところをどうやって改善するか。健康診断であれば、食事療法とか運動だとか、そうやって変えていくということであります。
そういうふうに考えると、全国学力・
学習状況調査を、結果を踏まえて、先ほど教育長がおっしゃったように、地域の保護者、教師、教育委員会、全て、情報を共有しながら、上げていくための、その公表というのはやっぱりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
今、教育長の答弁で、全国の流れを見ながら検討していくという、精いっぱいの答弁だったのかなというふうに思いますが、きょうを契機として、ぜひまた公表について、どんな公表がいいのか、それを見つけていただきたいということをお願いを申し上げつつ、終わります。(拍手)
○議長(宇賀武) 以上で、2番
有村國俊議員の質問を終了いたします。
次に、47番中沢啓子議員の発言を許します。
◆47番(中沢啓子議員) (登壇、拍手)通告に従い、災害の初動対応についてお伺いをいたします。
災害発生時は、混乱する中での初動対応が重要です。そのためには、平常時から備えていることが求められます。今回の台風18号では、多くの課題や参考になることがあったと思います。これからも今後の対応に生かすことが大切です。災害対応の多くは市町の権限に属しますが、県として連携して対応することも必要と考えますので、私は県民の視点を中心に以下お伺いをいたしたいと思います。
まず、災害発生時の対策のためには、市町と県で正確な情報を共有することが大切です。ただ、現場の市町は大変混乱している状況と考えますので、県として、市町に1人ずつ派遣して、県の情報を提供し、市町の情報や現場の状況を把握し、県に伝えることが賢明かと思いますが、危機管理局を所管する知事公室長にお伺いをいたします。
今回の台風18号に際しては、多くの方が不安を感じ、避難された方も多くいらっしゃると思います。避難勧告や避難指示の発令や避難所の運営は市町の責任ですが、県としても把握して次に生かしていくことが必要だと思います。今回の台風18号での避難勧告や指示の発令対象人数や実際に避難所に避難された方の人数、そして、避難所の開設場所について、知事公室長にお伺いいたします。
今回の災害対応では、夜に避難の発令があり、翌日午前中には解除されましたが、各市町でさまざまな取り組みがされ、その中で課題があったことと思います。避難について、県民の方や現場の方々などから次のようなことを伺いました。
高齢の方が多く、足の痛い方も多く、避難所に洋式トイレが少ないので並ばれたこと。避難所にテレビがないので、台風や被害の状況などの情報がわからず不安だったこと。駐車場が少なく、雨の中、消防団や教職員の方々が誘導していただいて運動場にとめてもらったが、多くの避難者が来られたところでは、ほかの川に近い駐車場に回されたところもあったらしいこと。エアコンのきいた部屋が少ないので、寒いとき、また暑いときはどうしようかと思った。洪水の避難に、その洪水を危惧される川を渡り、雨の降る暗い中、避難所となる小学校まで歩くのが不安、また、その中でこけたりけがをしても困るなどの多くの声を伺いました。
多くの避難所は小中学校や公民館ですので、施設管理者である校長先生や教頭先生などが対応していただいています。ある避難所では、校長先生がテレビや滋賀県土木防災情報システムの情報などを話して歩いて、避難者の方々と対話をされていたとも伺っております。
人の多さに気分が悪くなられた方もおられたとも伺っておりますし、要援護者の方の対応についての配慮など、養護教諭の方に参集していただくことも検討課題だと思っております。
また、現在、県立高校では、避難場所に指定されている高校も指定されていない高校もあります。今後、大規模災害が起こったときには、実際に県立の中学や高校が避難場所になる可能性もあることを考えれば、事前の準備も検討すべきだと思います。
住民の方々と市町と県で課題や参考となる取り組みを共有し、今後に備えることが必要と考えます。県としてどのような課題と気づきがあると把握され、それを市町とどのように情報共有されようとしておられますでしょうか、知事公室長にお伺いいたします。
ことし8月30日から特別警報の運用が始まり、第1号として、9月16日5時5分に台風18号の大雨による大雨特別警報が発表されました。特別警報は直ちに命を守る行動をとることが推奨されています。実際には、初めてのことで、日野町、竜王町は、夜明け前の暗い時間帯だったことで、特別警報の住民への周知を見送られました。現在の地球規模の気候変動を考えれば、今後も特別警報が発表される可能性があります。特別警報に関する対応も、マニュアルに加え、具体的な対応を示すべきと考えますが、知事のお考えを伺います。
また、今回の台風18号は、ちょうど、就職試験の時期で、9月16日は解禁日と重なりました。休日でもあり、当日、大雨特別警報が発表されていることでどうすべきか悩んだ生徒がいるとも仄聞しています。今後も、生徒が就職試験や受験など、休日に、特別警報など、災害により県内外での対応に困ることもあるかと思います。このような場合、高校としてはどのような対応をお考えでしょうか、教育長にお伺いをいたします。
災害時には、災害時要援護者など、災害弱者への支援が課題となります。滋賀県では、平成18年に災害時要援護者の避難支援対策マニュアルが作成されており、現在18市町で作成済みで、今年度、県内の全ての市町で名簿の整備ができることになります。名簿登載者はどれぐらいおられ、これは対象になる方の何%でしょうか、知事にお伺いをいたします。
現在でも、個人情報保護法や条例との関係で、情報共有がしにくいとの話もよく伺います。また、自助、共助の力を発揮するために、災害時要援護者名簿の活用は、災害時だけでなく、平常時から情報共有し、災害時のことを想定して備えることが、実効性ある対応につながると考えます。災害時要援護者名簿の情報提供先は、社会福祉協議会、民生委員、消防団、町内会・自治会等自主防災組織、警察組織など、その他の団体や、そのうちの幾つかなど、市町によってさまざまな状況です。また、平常時から提供するか、災害時のみ提供するかもさまざまな状態です。また、名簿は常に更新されていることが求められます。災害時要援護者名簿を活用するために、どのように情報提供されるのが理想とお考えでしょうか。また、課題を超えて対応することが、初動対応の中で少しでも災害弱者を助けるために必要と考えます。災害時要援護者名簿の活用に関して、知事のお考えをお伺いいたします。
また、障害者の方はなれないところでは落ちつけないことも多く、なれない多くの人がいる地域の避難所に避難することが難しい人もいらっしゃいます。連携できる場所を事前に決めて、平常時からなれておくことも求められると思います。これらの対応をするための個別の支援計画の策定は7市町で未着手ということですが、今後、県としてどのように支援されようとしているのでしょうか、知事にお伺いをいたします。
支援計画を策定しても、実際に対象となる高齢者や障害者、在宅療養者や難病の方、乳幼児や妊婦、日本語のわからない外国人に対するそれぞれの支援者の確保や災害現場ではさまざまな問題が起こると思います。
さらには、要介護者、けが人や病人の方、その都市の地理にうとい旅行者など、災害弱者と言われる方々の対応も必要となります。災害弱者への対応をどのようにお考えでしょうか、知事にお伺いをいたします。
次に、原子力災害の初動対応について、以下、お伺いをいたします。
原子力災害にはさまざまな事故が考えられます。地震による事故は気づきやすいですが、何らかの事故が原子力発電所内で起こった場合、飛行機事故などで原子力発電所に事故が起こった場合、MOX燃料や使用済み核燃料の輸送中に事故が起こった場合などは、放射能はにおいも色もないので気がつきにくい状態になります。すぐに多くの人に原子力事故の発生を知らせること、特にプルームの方向、SPEEDIの情報など、正確な情報を素早く伝えることが必要ですが、どのように情報伝達をされるのでしょうか、知事にお伺いをいたします。
原子力災害では、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、甲状腺がんなど、健康への被害が危惧されています。東日本大災害でも安定ヨウ素剤の使用の判断がつかず、まちまちの対応で使用されなかったことが問題にもなっております。とても後悔されていたお母さんの姿が心に残っています。
安定ヨウ素剤は、放射性ヨウ素が体内に取り込まれてから服用しても効果が極めて小さく、適切なタイミングで速やかに服用することが必要です。また、副作用の可能性も指摘されていることから、平常時に服用方法を知らせ、服用不適切者や慎重投与対象者を事前に把握することが求められると考えます。
原子力規制庁原子力防災課が、ことし7月、地方公共団体用の「安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって」を作成され、10月に修正されました。対象者の把握、備蓄の量、服用時に必要な薬剤師等の確保と整備、服用不適切者や慎重投与対象者の事前の把握、3歳児以下への対応、事前配布地域の設定の有無、服用に関しての情報の伝達方法など、滋賀県として、市町と連携して具体的に災害に備えることが求められます。災害発生の混乱時に、初動対応の中で効果が発揮できるよう安定ヨウ素剤の使用に関してどのような対応をされるのか、知事にお伺いをいたします。
現在、滋賀県では津波発生の可能性を調査されています。また、この気候変動の中、竜巻注意情報も発表される状況です。今後、竜巻に関しての対応も検討すべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
○議長(宇賀武) 47番中沢啓子議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)中沢議員の災害の初動対応についての御質問にお答えいたします。少し飛び飛びとなりますけれども、公室長とともども、お答えさせていただきます。
まず、最初の4点目の御質問、特別警報への具体的な対応についてであります。台風18号災害による対応を検証するため、7つの地域別に市町と意見交換を行い、特別警報の対応について伺っております。その中では、今回、全国的にも初めて出された特別警報でありまして、十分に住民の皆さんの理解が進んでいないということ、また、この警報を周知することにより、住民が混乱することを懸念され、発表時には、既に避難勧告等の業務に追われ、県からの受信や住民周知に支障が生じていた市町があったことなども報告受けております。
議員も御指摘のように、この特別警報は、直ちに命を守る行動をとってくださいと個人個人に呼びかける行動でございます。そのような意味では、県民自身の一人一人、あるいは家族家族の理解を深めることが重要であります。住民が特別警報発表時にどのように行動すればいいのか、市町と連携して啓発するとともに、確実な情報伝達のために、県からの連絡を市町が受信し、住民へ周知されたことを確認できるよう、市町と調整しながら具体的な対応を検討してまいりたいと考えております。
また、流域治水の水害に強い地域づくり協議会あるいは計画づくりの中では、まさに住民がそれぞれどういうふうに避難行動をとったらいいのかということも、具体的な出前講座あるいは現場での経験を積み重ねております。流域治水の条例づくりの中での地元の住民の皆さんとのやりとり、ここからも各種の経験則を積み上げて、各市町にもお伝えをしていきたいと思います。
このような中で、県としては特別警報発表時の災害対策本部の設置についても検討を行い、地域防災計画に実効性あるよう反映してまいりたいと考えております。
次に、6点目の災害時要援護者の支援名簿の登載でございます。
この問題につきましては、私自身、知事に就任して以降、大変大きな現場の課題を伺っております。個人情報を守るといういわばコンプライアンスの視点から見ると、なかなか着手できない。しかし、一方で、命を守るという意味では情報共有が必要だということで、改めて、日常的に、個人情報を守って命を失ったらどうするのかということで、現場での判断を促してきたところでございます。個人情報と命、どちらが大切かということでの判断でございます。そのような中で進めてきたわけですけれども、まだまだ途中でございます。18市町において名簿を策定済み、または策定途中のところは、11月1日現在において、名簿への登載者は7万638人と、対象となる方の総数から見ますと、まだ40%にとどまっております。残り60%のところに広げていく必要があると考えております。
7点目の災害時要援護者名簿の活用についてでございます。
現在、19市町のうち、14市町において、平常時から災害時要援護者名簿が自主防災組織に対し提供されております。いつどこで発生するかわからない災害に対し、自力で避難することが難しい高齢者や障害者等の方々を保護するためには、必要な支援内容が含まれた名簿が整っていることが重要でございます。県としては、災害時要援護者の名簿情報には、お体の状態、家族状況なども含まれるものであることから、漏えい防止のための措置を十分に講じながら、名簿が有効に活用されるよう、平常時より名簿が自主防災組織や民生委員、児童委員等に提供し、情報共有されることが必要であると考えております。
常々申し上げておりますように、ふだんやっていないことは緊急のときにできない。ふだんやっていることでも緊急のときにはなかなかできないということを、まさに生活防災というところでの平常時での取り組みの重要性、強調してまいりたいと考えております。
次に、8点目の個別の支援計画の策定が未着手の市町への支援につながっているかどうかでございます。
避難を助ける人や避難場所、あるいは避難方法等を定めた個別の支援計画については、自治会等の支援体制の確立が図られていないなどの理由から、策定できていない市町があります。支援計画の策定が進むためには、防災訓練への参加などを通じた住民理解を進める取り組み、あるいは地道な啓発を続けることにより、自治会等での支援体制づくりを市町において進めることが必要と考えております。
県では、市町や市町社会福祉協議会職員を対象とする研修会を開催をしており、この中で、自治会等での支援体制づくりが進むよう、県内の先行事例を活用したグループワークも行っております。今後とも、市町が中心となって、自治会等と協力しながら、実効性のある個別計画の策定が地域で進むよう工夫しながら市町への支援に努めてまいります。
次に、9点目の災害弱者の方への対応でございます。災害の発生時、災害弱者と言われる要援護者の安全を確保し、避難行動を手助けできるのは、まずは家族や近くの住民の方であります。阪神・淡路大震災のときでも命を救った方は、7割から8割が家族、近隣の住民という結果も出ております。個別の支援計画の策定を進めるとともに、日ごろからの声かけや顔を合わせるなどの信頼関係をつくり、要援護者が地域に溶け込みやすい環境づくりに努めることが大切であります。
また、消防団や自主防災組織等の地域の防災関係者との連携を図ることも重要であります。県においては、県や市町が実施する総合防災訓練において、実際に要援護者の方に訓練に参加してもらうよう働きかけ、取り組んでもらっております。災害時要援護者に対する支援については今後とも要援護者のニーズにきめ細かく対応するとともに、生活者目線、要援護者目線で、迅速かつ的確に対応できるよう、県と市町が連携して取り組んでまいりたいと考えております。
次に、10点目の原子力災害発生時における情報伝達でございます。情報伝達の原則的な考え方としては、伝える側の立場としたら、伝えられる側に、その情報がどのように受けとめられるのか、そこをも想像しながら発信しなければいけないという、まさに双方向の受発信の仕組みを理解をした上で発しなければいけないということ、これが情報伝達の原則であると考えております。
原子力災害発生時には、国の原子力災害対策指針に基づき、原子力事業者が定める緊急時活動レベル──EALに応じて、事業者から県および長浜市、高島市に対して通報がなされるとともに、国からは現地オフサイトセンターを通じて当該緊急事態に関する情報や国の警戒本部立ち上げ等の情報が伝達されます。
県はこれらの情報を受け、長浜市および高島市を初めとする県内市町や関係機関に連絡を行うとともに、災害警戒本部または対策本部の設置や緊急時モニタリング体制の立ち上げ、現地オフサイトセンターへの職員派遣等を行います。
県民の皆さんに対しては、国や原子力事業者からの情報やSPEEDIによる放射性プルームの拡散予測結果、緊急時モニタリングで得られた情報等をわかりやすくまとめ、市町の防災無線や広報車による巡回、県ホームページあるいはフェイスブックなどのSNS、マスコミ報道など、利用可能なあらゆる手段を幅広く活用し、繰り返し伝達することとしております。
これらの情報提供を通して、緊急時における県民の皆さんの心理的動揺や混乱を未然に防ぎ、あるいはその拡大を防止するとともに、屋内退避や避難の指示がなされた場合には、市町や警察などと連携して、その情報が迅速かつ的確に伝わるよう取り組んでまいります。
また、緊急時活動レベル──EALに該当しない、比較的軽微な原発事故については、原子力安全協定に基づき、原子力事業者から連絡を受けることになっており、県としてはその情報を的確に分析し、県民の不安を払拭するため、必要に応じて市町や関係機関、県民の皆さんに情報提供をしてまいります。
また、県民全体の中での情報リテラシーを高めるために、リスクコミュニケーションのレベルを上げる、ここについては学校などとも協力をしながら防災教育におけるリスクコミュニケーションの広がりを確保する必要があると考えております。
次に、11点目の安定ヨウ素剤について、災害発生の混乱時に初動対応の中で効果が発揮できるようどのような対応をするかについてであります。
国の原子力災害対策指針においては、本県のような原発からおおむね30キロ圏内のUPZにおいては、緊急時に備えて、地方公共団体が適切な場所に備蓄し、緊急時には原則として国が服用指示を出すこととされております。
県では、当該指針および議員御指摘の国の解説書で示された考え方をもとに、安定ヨウ素剤の取り扱いについて検討を進めております。今年度は、長浜市および高島市とも連携して、まず、県版UPZ内における備蓄場所および配布場所を決定し、それに基づき、今後、対象者の把握や必要な体制等の検討を進め、安定ヨウ素剤を計画的に購入してまいります。
国の指針では、安定ヨウ素剤の配布と服用に際しては、原則として医師が関与すべきこと、医師が関与できないときは薬剤師の協力を求めるなど、状況に応じて適切な方法によることが示されております。
しかしながら、混乱が予想される避難開始時、朝、昼、夜、時間的にいつなのか、曜日としては、学校があるときなのか、休日なのか、あらゆる状況で変わる、そのような避難開始を想定しながら、安定ヨウ素剤を迅速かつ安全に服用していただくことは、極めて緻密な計画が必要であると考えております。
平常時から対象住民の皆さんに、その効果や服用方策等を周知するとともに、アレルギーによる服用不適格者を把握しておくことが不可欠と考えており、そのために必要な手続を指針に盛り込むよう国に要請しているところであります。
次に、12点目の竜巻への対応についてでございます。
アメリカでトルネード──竜巻、日本にはほとんど起きないと言われていたものでございますけれども、気候状況の変化によって竜巻がふえております。滋賀県で、過去、最も有名な竜巻は昭和9年の室戸台風のときではないでしょうか。そのときの琵琶湖から堅田沖の竜巻の写真は今でも各地で知られているものでございます。決して、琵琶湖、滋賀県は竜巻発生から自由ではない、フリーではないと、いつ起きるかわからないという、そのような中での備えが必要であると考えております。
竜巻注意情報が気象庁から発表されるわけですけれども、その発表時には周囲の空に注意をして、急に暗くなり、大粒の雨が降り出す、雷が起こるなど、積乱雲が近づく徴候が確認された場合には、それぞれの、個人個人、家族家族、職場職場で判断をいただくことが大変重要でございます。頑丈な建物に避難する、あるいは建物の中でも、トイレなど、頑丈な空間をふだんから意識しておくということが大変重要でございます。我が身の安全を確保する行動をとることは、日常的に学んでおいていただきたいと思います。
こうした知識や情報が入手しやすいよう、県のホームページに気象庁が作成したリーフレットなども掲載をしております。今後は、しらしがメールを活用して竜巻注意情報を配信するとともに、平時には、テレビ番組「くらしSafety」や出前講座を通じて具体的な対処法を県民の皆様にわかりやすい形で示し、被害を最小限に食いとめるための啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
◎知事公室長(東清信) (登壇)災害の初動対応についての1点目から3点目の御質問にお答えします。
1点目の災害時の市町に対する職員の派遣についてでありますが、災害発生時、市町によっては情報収集や災害対応等で人手が不足し、県に対して速やかな被害報告ができなくなるおそれがあります。このため、県では、平成21年4月に防災危機管理体制の基本方針を定め、地域防災監の主な任務として、市町および関係機関との緊急連絡体制を確保し、必要に応じ、職員を市町へ派遣するなど、情報収集に万全を期すこととしております。
台風18号の際には、大きな被害が発生するおそれがあった7市町に対して、市町の意向を踏まえ、職員を派遣したところであります。
今後も、被害状況を速やかに把握する必要があるため、大きな被害が発生するおそれのある市町に対しては、情報収集や情報提供を目的として職員を派遣するとともに、市町に派遣された職員が円滑に活動できるよう平時から顔の見える関係を構築するなど、市町と連携を図ってまいりたいと思います。
2点目の台風18号での避難勧告、指示の対象人数と、実際に避難所に避難された人数および開設場所についてでありますが、県内15市町で発令されました避難勧告や避難指示の対象人数は5万9,913世帯、15万9,338人でした。このうち、市町が開設した避難所に避難された人数は9,506人と報告されております。避難所の開設場所はさまざまですが、今回、その多くは小学校、ついで市役所の支所、コミュニティーセンター等となっております。
3点目の避難の課題や気づきおよび市町との情報共有についてでありますが、台風18号災害によります対応を検証するため、市町と意見交換を行い、その中で、避難所の設置運営についての課題等をお伺いしました。
市町からは、議員からも御指摘のありました、避難者への情報提供のためにテレビ等が必要なことや、バリアフリートイレが少ないこと、職員が避難所開設にふなれであったことなどのほか、早い段階から準備をすることや、自治会など、地域で運営しているところはうまくいったなどの意見がありました。
県の地域防災計画では、避難所の円滑な設置運営ができるよう市町が施設管理者と協力し、テレビの設置やバリアフリートイレ等、高齢者や障害者に配慮した設備の整備に努めるよう明記しているところであります。しかしながら、避難所の運営経験がない市町が多く、今回の災害で、体制や設備の充実について、その必要性が改めて認識されたところであります。
今回明らかになりました課題を市町と共有し、市町の地域防災計画や避難所運営マニュアルに反映されるとともに、避難所運営ができる自主防災組織等の育成に努められるよう市町と連携して取り組んでまいりたいと思います。
◎教育長(河原恵) (登壇)災害の初動対応についての御質問のうち、高校生の就職試験や受験など、休日における特別警報などへの対応についての御質問にお答えをいたします。
議員御指摘のように、9月16日の台風18号に際しましては、本県に初めての大雨特別警報が発令されたこともあり、また、就職試験の解禁日と重なったこともあったため、県立高等学校31校114名の生徒が影響を受けました。
9月16日当日の対応としましては、学校では、進路指導の担当者や担任が中心となり、生徒や企業と連絡をとり合い、就職試験の対応に当たりました。また、生徒みずからが企業に電話で連絡し、対応したものも多くありました。その結果、試験日を延期することとなった生徒は4分の3に当たる86名となったほか、試験開始時刻をおくらせての受験となった生徒が12名となりました。また、前日から宿泊して県外の企業を受験した生徒も6名おりました。あとの10名につきましては、予定どおり、当日に試験がありましたが、家族に送ってもらうなどして、114名全ての生徒が無事受験することができました。
9月16日は休日での対応でありましたが、学校では今回の特別警報の運用開始に伴い、非常変災その他緊迫事態における非常措置要領において、これまでの暴風を含む警報に加え、特別警報も盛り込み、臨時休業等の措置を講じることとしたところであり、学校では、平日であっても今回と同様の対応をとらなければならないと考えております。
就職試験や大学受験等に際しましては、緊急時に生徒が自分自身で状況を確認し、適切に判断できる力をつけることも必要でありますが、これらの試験は本人の一生にかかわることでもありますので、学校においては進路指導の担当者や担任が責任を持って、企業や大学等と連絡をとり合い、生徒や保護者が安心していただけるよう今後も確実に対応してまいりたいと考えております。
◆47番(中沢啓子議員) (登壇)現場を知ってこそ、県としてすべきこと、また、タイムリーに適切な対応や応援ができると思います。想像力を働かせて、今後も市町と連携して災害の対応に当たり、少しでも被害を減らせる取り組みを行ってほしいと思います。
次に、河川の安全対策について、以下お伺いいたします。
台風18号では、大きな災害が起こりました。災害が起こらなかったけれども、災害が危惧された箇所もあり、不安に過ごされた方も多くおられたと思います。
今回の台風18号は30年に1回の確率の降雨とのことでした。滋賀県は天井川も多く、洪水において、最大のリスクは破堤による被害だと思います。中小河川整備実施計画では、Tランク河川という言葉が使用され、天井川で堤防が脆弱な河川を対象として、早期に対応するお考えを出されています。河川の洪水において、リスクとしては、破堤が一番大きな災害につながると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
以前は、河川行政では、破堤といえば、越流破堤の想定で、堤防を越えなければ破堤をしないという考え方から、計画高を想定し、その上に余裕高を見て、堤防を考えていました。しかしながら、昭和51年に、長良川の安八、墨俣地区において、計画高水位以下で破堤が起こり、越流なき破堤が問題になりました。
計画高水位以下での破堤の要因は、河川工学の問題として、堤防の表のり侵食とか、表側の堤脚の洗掘、土質や地盤の問題として、浸潤して裏のりすべりとかパイピングによる浸透破壊が言われております。
越流なき破堤では、堤防の強度、耐久性が問題になります。また、現実的には、しゅんせつができていない、木が生えているなど、容積が確保できなかったり、上流から下流に流れてきた木など、障害物が橋の橋脚を傷め、橋に打撃を与え、堤防の取りつけ位置が欠損するなども考え得る要因です。
破堤はさまざまな要因が考えられますが、その中でも滋賀県として一番可能性があるのはどのような状況とお考えでしょうか、土木交通部長にお伺いをいたします。
現在、芹川では、中芹橋下流左岸の堤防の改修工事に取り組まれています。住民の方から、私たちはそんなに危険やと思ってなかったのに、県のほうで対応して知らせてくれたので非常に感謝しているとの声も聞いております。ここは、堤防の点検時に、ファイバースコープにより、堤防の中の取水口の周辺が空洞化していることが判明し、改修されていると伺っております。この事業の内容を土木交通部長にお伺いいたします。
また、平成18年に、西沼波町の芹川右岸の堤防が崩れ、道が半分崩れ落ちたことがあります。当時、堤防の根が1メートルから1.5メートルぐらいあるはずが、実際は洗掘されており、堤防が基礎から崩れたとの話もありましたが、この事故の要因と、当時どのような点検をされていたのか、土木交通部長にお伺いいたします。また、このような状況に対する土木交通部長の所見をあわせてお伺いいたします。
現在の堤防は、昭和28年の洪水以降の昭和30年代以降に改修された堤防も多く見られ、洗掘や老朽化も危惧をされます。芹川の下流の堤防でも、石積みが膨らんできているとの声も聞いております。
また、堤防ののり面が少しずつ欠けていってる場所があり、堤防上の道路のアスファルトが欠けていっており、自動車が川のほうに落ちたこともあります。
また、老朽化による堤防のひびや、水の流れが当たるところは、河川水による堤防の基礎の部分の侵食や洗掘が徐々に進んでいることが危惧をされます。犬上川沿いの住民の方も、堤防の破堤を心配されておりました。
最近は、気候の変動により出水も多く、堤防に影響を与える可能性があると思います。滋賀の現在の堤防の把握と、今後、堤防の点検に注意が必要と考えます。河川の安全対策には、破堤を防ぐために日ごろの堤防のチェック、草木の伐採なども含め、維持管理が大切と考えます。
知事に、現状の認識と今後の対応をお伺いいたします。
◎知事(嘉田由紀子) 河川の安全対策についての2点の御質問にお答えいたします。
まず、1点目は、河川の洪水において、リスクとしては破堤が一番大きな災害につながると考えるがいかがかとの御質問でございます。
議員御指摘のとおり、天井川などの高い堤防の破堤は大量の洪水が一気に流れ出すことから、大きな被害が発生すると考えております。本県は、芹川など、天井川が81河川もございまして、全国で最も天井川の多い河川となっております。2番目が京都府の26河川ですので、いかに滋賀県が天井川が多いかということが理解できると思います。
そういう中で、河川改修をする上では、天井川の平地化や堤防強化対策が重要であると認識をしております。平成20年度に行った中長期整備実施河川の検討においても、河川整備の優先度とともに、破堤時に大きな被害が想定される天井川など、堤防が高くなっている河川をTランク河川と位置づけ、重点的に堤防強化対策に取り組むこととしてまいりました。
河川改修は、一般に下流から平地河川化を進めていくものですが、事業着手までに一定の期間を要する中上流部においても、Tランク河川として、ドレーン工、堤防の外側に水を抜くドレーン工や、あるいは遮水矢板工などの堤防強化対策を推進をしております。9月の台風18号豪雨では、天井川である金勝川、また鴨川の破堤や安曇川、日野川での堤防欠損が発生いたしました。このような被害の状況を踏まえ、破堤の原因を検証し、今後の対策を検討するため、学識者による今後の堤防管理に関する技術検討会を設置いたしまして、今年度中に取りまとめを行いたいと考えております。
次に、5点目の河川の維持管理に対する現状認識と今後の対応でございます。
河川の維持管理は、土木事務所ごとに策定した河川維持管理計画に基づき、職員による巡視点検や、河川管理パートナーを初めとした地域住民の方からの情報提供等により、河川の状態把握に努めております。治水上支障となる堆積土砂や河道内樹木が確認された場合には、速やかに撤去してまいります。
また、議員御指摘のように、堤防というのは、大変、それぞれの場所で状況が違っております。歴史的に、例えば、ある藩がつくった、粘土が入っている、鋼が入っている堤防は強いとか、あるいは右岸が強い、左岸が強いなど、さまざまな歴史的な状況がございます。そういう中で、見た目には同じように見えても、中は緻密な調査をしないと見えないというところがございます。
そのような中で、護岸の調査を確実にしながら、護岸の損傷は堤防に悪影響を与えるため、護岸の変状が確認された場合には、大きな損傷に至らないよう護岸の補強対策などに取り組んでまいりたいと考えております。
◎土木交通部長(美濃部博) (登壇)河川の安全対策についての2点目から4点目の3つの御質問にお答えいたします。
2点目の破堤はさまざまな要因が考えられるが、その中でも滋賀として一番可能性があるのはどのような状況かとの質問にお答えいたします。
破堤は、主に、洪水が河川の流下能力を上回り、堤防を乗り越えます越水、洪水によりまして河床や河岸が崩れます侵食、洪水により水位が高くなりまして、堤防内に水が浸み込む浸透による発生すると言われております。
このような破堤の要因に関係いたします条件を考えますと、実際の河川では、洪水の規模や洪水の継続時間、河川の流下能力との関係など、河川によりさまざまな状況となっております。
また、堤防自体も、堤防内部の状況や侵食防止のための護岸の状況、浸透防止のための遮水壁やドレーン工などの堤防強化対策の状況が河川ごとに、また同じ河川でも区間ごとにさまざまな状況となっております。このような状況から、どの河川のどの区間がどのような原因で一番破堤のおそれが高いかを特定することは困難と考えております。
このため、滋賀県では、沿線に人家があるなど、破堤時に大きな被害が想定される河川をTランク河川と位置づけまして、土質調査や堤防の安定解析を行いまして、必要な対策に順次取り組んでいるところでございます。
次に、3点目の芹川における中芹橋の下流左岸の改修工事についてお答えいたします。
平成23年6月、芹川沿線の住民の方から通報を受けまして、湖東土木事務所の職員が現地確認を行いましたところ、川側の護岸の裏が陥没をし、市道として利用されておりました堤防の舗装にもひびが入っていることを確認いたしました。周辺を目視で調査をいたしまして、応急対応として陥没部分の埋め戻しを行い、陥没原因を解明するために、詳細な調査を実施することといたしました。
平成23年9月、ファイバースコープによりまして、護岸裏側の詳細な調査を実施したところ、取水施設からの漏水が原因で、その周辺が空洞化し、陥没に至ったことを確認いたしました。平成24年度に補修方法の検討と設計を行い、本年の11月から補修工事を実施しているところでございます。
取水施設の補修は、護岸に沿って設置されております水路の漏水対策の工事を行います。また、取水施設を挟んで前後約90メートルの区間におきまして、既設護岸を取り壊し、新たに護岸を設置する工事を行います。あわせまして、護岸の基礎の洗掘防止のために、根固めのブロックを設置する予定をしております。
次に、4点目の平成18年に発生いたしました芹川右岸の護岸整備に関連いたしまして、堤防が一部崩壊した件についての質問にお答えいたします。
当時の堤防の点検状況から、まず御説明をいたします。土木交通部におきましては、平成16年度より堤防の点検に取り組んでおりまして、湖東土木事務所でも芹川の状況把握に努めておりました。その結果、議員御指摘の箇所では、護岸の大きなはらみと堤防上の舗装のひび割れを確認したため、既設護岸を取り壊し、新たに護岸を整備することといたしました。
既設護岸の取り壊しに着手したところ、護岸の老朽化が予想よりも著しかったことから、既設護岸が堤防の舗装とともに崩壊したものと考えております。
今回、議員から御指摘をいただきましたこの2つの事例につきましては、いずれも施設の老朽化に関連するものと考えております。このような施設の老朽化に伴います損傷は堤防に悪影響を及ぼしますことから、今後も芹川の堤防の安全性を維持するため、護岸等の劣化状況をきめ細やかに点検をし、適切な補修を行うことが大切であると考えております。引き続き、しっかり堤防点検に取り組んでまいりたいと考えております。
◆47番(中沢啓子議員) (登壇)いずれも、どこの河川も、多分、老朽化というのは起こっていると思いますので、ぜひ、常日ごろの維持管理、しっかりとやっていただきたいと思います。
終わります。(拍手)
○議長(宇賀武) 以上で、47番中沢啓子議員の質問を終了いたします。
次に、9番山本正議員の発言を許します。
◆9番(山本正議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、犬の保護と処分について、全て健康福祉部長にお尋ねいたします。
犬は太古の昔から人類にとって最良のパートナーであった。犬は人に対して実に忠実で、狩りを手伝い、獲物を運び、時にはけものと戦った。夜は、番犬として猛獣からの危険を知らせ、人類に安心して睡眠をとることを可能にした。また、道なきジャングルからも犬のおかげで戻ることができたからこそ、狩りに出る行動範囲が飛躍的に伸びた。人類に文明をもたらしたのは、ひょっとしたら犬であったのかもしれない、これは正確ではありませんが、今も記憶に残っている子供のころに読んだお話の一部です。
現代の今となってもなお、家庭ではペットとして家族の一員として溶け込んでいますし、また、警察犬、盲導犬、狩猟犬、牧羊犬、救助犬、麻薬犬、聴導犬、さらには介助犬やセラピードッグなど、犬はさまざまな分野で人間社会のために活躍しています。
しかし、一方で、心ない人間の勝手な都合や無責任な飼い方の末に捨てられた犬が後を絶たないのが現実であります。
滋賀県動物保護管理センターでは、苦情対応に始まり、捕獲、保護、返還、譲渡処分、そして致死処分、いわゆる殺処分などの業務が行われています。致死処分としての頭数は、一時期からすると年々減少傾向にはあるとはいうものの、まだ240頭を超える犬がこのセンターで人為的な死に至っています。
まず、迷い犬など、不明犬扱いとして引き取られた犬について伺います。
先日、犬舎の中を調査させていただいたときに、約10頭の犬がおりに入れられていました。それぞれに、捕獲されたり、連れてこられたりして、一斉にほえる姿に胸が締めつけられるような感覚を覚えました。威勢のいい威嚇するようなほえ方ではなくて、そのどれもが、クゥーンというような、何かを訴えるような鳴き声を交えていたのが、余りにも痛々しく感じました。わけもわからず、異様な雰囲気のおりに入れられた、この犬たちの気持ちを思うとき、その原因をつくっている無責任な飼い方をする人間に怒りを覚えます。
保護された後に、それぞれにある期間が過ぎると致死処分となっていきますが、行方不明になった犬を探す飼い主家族の願いや、家族が迎えに来てくれることをひたすら待っているであろう犬の気持ちを考えると、一日でも猶予期間が長いことを願うものですが、現行の7日から11日間というのは適正なのでしょうか。
致死処分に至るまでの、この日数を延ばすことについて、見解をお聞かせください。
次に、センターに運び込まれた犬や猫が1頭でも多く致死処分から助かるためには、行方不明となった犬猫を飼い主が短期間の間にセンターへ問い合わせたり確認に来たりしなければなりません。
しかし、保護されている犬や猫の状況はネット配信でしっかり対応されてはいるものの、ネットを利用できない飼い主も多数おられます。行方不明となったときに、センターや保健所へ問い合わせることにすら思いつかない飼い主もおられます。
法的な問題はありますが、捕獲場所や不明犬の引き取り場所などに写真入りチラシを張るとか、何らかの情報を残すことも必要ではないかと思います。
このように、ペットが行方不明になったときの対処方法の周知や啓発、捕獲場所での情報提供について、見解を伺います。
次に、センターでは、交通事故などで負傷した犬猫が持ち込まれることも多いということです。当然に治療が必要であると思いますが、治療するに当たって十分な設備はあるのでしょうか。また、治療に当たるスタッフに人的な余裕はあるのでしょうか。あるいは、民間の獣医と連携をとっているのでしょうか。現状と課題を伺います。
次に、安楽死の方法について伺います。
センターに引き取られた約半数近くの犬はもとの飼い主に返還されたり、新しい飼い主に譲渡されたりします。しかし、残念ながらそうならなかった犬は、最終的におりから機械で自動的にガス室へ追い込まれ、密閉された中で炭酸ガスの噴霧によって死に至ることになります。個体によっては、酸素欠乏に強く、炭酸ガスの濃度によってはなかなか死に至らないものもいるとか、炭酸ガスの場合は決して安楽な死ではないとする専門家もいるそうです。
コストの問題もあるのでしょうが、麻酔等による他の安楽死を検討することについて見解を伺います。
次に、現在の犬舎について伺います。
現在の建物は昭和57年築で、30年を越えています。見るからに、あちらこちらに経年の汚れや劣化が目立ち、耐震性能についても不明です。性能的にも、犬を入れておくおりは1頭ずつではなく、入所日ごとに入れるようになっていて、現在の他府県で見られる個体管理用にはなっていません。まさに、当時の考え方であるガス室までのおりというコンセプトであります。もとの飼い主のお迎えや新しい飼い主への譲渡を前提とした、保護する施設としての建物にはなっていないのが現状です。
全体的な建てかえの検討や、高くつく特殊機械はそのままにして、保護する場所の部分改修などについて見解を伺います。
次に、平成24年に、動物の愛護および管理に関する法律、いわゆる動物愛護法が改正され、この平成25年9月に施行となっています。
今回の改正では、特に終生飼養や繁殖制限、逸走防止等の飼い方について重点が置かれ、飼い主に一層責任ある飼い方を求めています。人間の都合だけで、あるいは飼い主の無責任な飼い方で飼養を放棄された犬が致死処分に至った、その数は、年間、平成24年度で242頭と、減少傾向にあるとはいえ、その数字自体が大き過ぎて、まだまだかわいそうな犬が後を絶ちません。
法改正を受けて、正しいペットの飼い方について、県として、広報啓発について見解を伺います。
○議長(宇賀武) 9番山本正議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎健康福祉部長(那須安穂) (登壇)犬の保護と処分に関します6点の御質問にお答えをいたします。
1点目の致死処分までの日数を伸ばすことについてでございますが、滋賀県動物の保護および管理に関する条例の上では、収容した野犬等の致死処分の期限を規定してるものではございません。
したがいまして、譲渡の可能性のある犬につきましては、新たな飼い主が見つかるまで保護してるというのが実情でございまして、25年度の平均飼養日数でいきますと23日、長いものでいきますと1年近く保護してるのもございます。
2点目のペットが行方不明になったときの対処方法の周知啓発や保護場所での情報提供についてでございます。
対処方法といたしましては、飼い主が、動物保護管理センター、保健所、市役所、町役場、大津市の動物保護管理センターのいずれかに問い合わせていただきますように啓発用のカードを作成し、配布しております。あわせまして、市役所であったり、役場、動物病院の窓口に、そのカードを配置して周知に努めているところでございます。
なお、保護場所での情報提供につきましては、全ての場所で掲示することは不可能でございます。また、飼い主の生活範囲を超えたところでの捕獲収容もございますので、そういった情報提供は、現状では難しいと考えております。
3点目の負傷した犬猫に対しまして、治療に十分な設備やスタッフの余裕があるかというふうなことと、また、民間の獣医院との連携についてでございます。
動物保護管理センターでは、医療設備を整備しておりませんので、ごく軽度の初期治療、こういったものに限られてます。こういった軽傷で治療対象となる犬猫は、年間、大体10頭ぐらいの状況でございまして、こういったものにつきましてはセンターの職員が対応しております。
そうした中でも、重症であって延命を見込める犬猫、こういったものにつきましては、昨年度からボランティアの12の民間動物病院、こういったところにお願いいたしまして、外科的処置等の協力をお願いしてるところでございまして、大体、年間10頭ぐらい、こういったものをお願いしているところでございます。
今後、こうしたボランティア動物病院の拡大、こういったものが課題かなと、このように考えております。
4点目の麻酔等によります他の安楽死を検討することについてでございます。
総理府によります動物の処分方法の関する指針につきまして、平成9年に日本獣医師会から解説が行われまして、炭酸ガスについては麻酔効果が認められており、広く犬猫の安楽死に用いられてるということでございますが、しかしながら、より麻酔効果があらわれるまで、やはり時間を要するということもございますので、麻酔薬の投与も有効な手段とされております。
しかしながら、麻酔薬を注入できる処分機が、大体1台1,000万程度いたしまして、大変高価でありますことから、また、当センターでは致死処分する頭数も年々減少してるというふうな状況もございますので、職員による麻酔薬注入、こういったものをあわせまして検討していきたいと、このように考えております。
5点目の全体的な建てかえの検討や保護場所の部分改修などについてでございますが、当該施設は昭和57年に竣工いたしまして、基準的には新耐震をクリアしてるというふうな建物でございますが、平成8年3月に第1期改修を行いまして、その当時は入所日ごとの収容ということにしておりましが、現在では、個別ゲージを用いまして、1頭ごとの個体管理をしております。
さらに、先ほど申し上げましたように、捕獲頭数が減っておりますことから、可能な改修を加えながら、1頭ごとの飼養スぺースを拡大いたしまして、保護施設に近づける、こういった努力もしているところでございます。
6点目の法改正を受けまして、正しいペットの飼い方の広報活動、啓発についてでございますが、県動物保護管理センターでは、犬と猫の飼い方講習会、大体毎月5回程度でございますが、開催しておりまして、終生飼養や繁殖制限、逃げないための対策など、飼い主の責務について重点的に説明しているところでございまして、昨年は、犬猫合わせまして、4,860名ぐらいの方が参加されております。
さらに、犬の引き取り時には、終生飼養の観点からも思いとどまるよう説得を行いましたり、街頭啓発により、犬猫の繁殖制限、こういったものの周知に努めているところでございます。
今後もこうした機会を通じまして、正しいペットの飼い方、こういったものの啓発に力を入れてまいりたいと考えております。
◆9番(山本正議員) (登壇)ありがとうございました。
見学に寄せていただいたときに、治療用の部屋が非常に狭くて、また、経年劣化および汚れのために、その部屋を見たときに、治療が、やはり設備がどうしても足りないなというのが実感でした。そしてまた、他県の例で、せめてレントゲン施設ぐらいがあって、その運び込まれた、交通事故等に遭って、その犬猫が助かるかどうか、その治療、応急処置といいますが、それぐらいの設備がやはりあるべきではないのかなというのが実感でしたので、質問をさせていただきました。
それから、麻酔についてですが、機械は確かにイニシャルコストが大変高うございます。今の答弁にありましたように、獣医の方が個別に、効かない場合は対処していただけるということでしたので、安心いたしました。子猫等の小さい、炭酸ガスが非常に効きにくいと言われることもありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。人間の無責任な飼い方で、つまり人間のせいで殺される犬が一匹でもなくなりますように、それを願って次の質問に入りたいと思います。
それでは、次に地域猫の取り組みについて、これも全て健康福祉部長にお尋ねいたします。
明治政府は、当時流行の兆しを見せていたペストの対策として、各家庭で猫を飼うことを推奨していました。ネズミをとるために飼い猫も家の内外を自由に生活していたという経緯があります。
また、猫は犬と違って縄張りの中で生きる動物であり、出没する猫が飼い猫なのか野良猫なのかがわかりにくい、その上、繁殖力は非常に強く、年に3回の出産をすることができる。これは1頭の母猫から最大で2年間で80頭を超える計算になります。
さて、全国各地で、飼い主不明猫の増加による生活環境の悪化や近隣トラブルが起きています。
生活環境の悪化というのは、縄張り内のどこにでも行ける猫のふんによる被害、繁殖力の強い猫ならではの発情期の鳴き声などです。
また、近隣トラブルの多くは、出没する猫に餌を与える人と、だから猫がふえて困ると言う人との間に起こる住民同士のトラブルです。
これらは一部住民だけの、愛猫家だけの問題ではなく、まして猫自身が悪いわけでもありません。社会全体の、地域全体のコミュニティーとしての問題であります。
これら生活環境の悪化や近隣トラブルの問題を解決する地域猫の取り組みは全国で広がりつつあり、大きな成果が上がってきていると聞きます。
飼い主不明の猫が徐々に減って町がきれいになってきたというだけでなく、近隣トラブルでは対立関係にあるふん害で困っていた住民と餌やりを続ける住民とが、飼い主不明のかわいそうな猫をこれ以上ふやさないという同じ目的のために、地域全体で話し合えたというのが最も大きな成果なのかもしれません。
いずれにしても、飼い主不明の猫や餌を与える人が悪いわけではなく、飼い主不明の猫をふやしている原因をもとから絶たなければなりません。それは飼い猫についても、飼い主不明の猫についても、驚異的な猫の繁殖力に対して、不妊去勢をするということです。
地域猫の取り組みについての大きな流れでは、地域での話し合いと合意がされた後に、捕獲、不妊去勢、リリース、もとの場所に戻すということです、餌やりやトイレのルールについての話し合いとなります。つまり、飼い主不明の猫も数をふやすことなく、その一代に限って、その場所で一生を終えてもらおうとするものであります。予算的には、途上の不妊去勢手術に大きな費用がかかります。一定条件を満たしたものについてはセンターで行われていますが、体制から、処置数に限りがあります。取り組みを拡大していくためには、この費用の出どころが問題となってきます。
1匹でも不幸な猫をふやさないために、あるいは地域の抱えるトラブルを解消するために、この取り組みは今後も推進されることが求められると思います。
また、専門的知見を有するセンターの役割と県予算に対する期待値は高いと思います。
そこで、今後、費用的な面で一定のルールを、市町関係者や関係団体も含めて決めていく必要があると考えますが、見解を伺います。
次に、支援の拡大について伺います。
各地で起きている飼い主不明猫のトラブルは、法的には県の責務ではありませんし、それぞれは狭い範囲で起きる各地域の問題であり、主体となるべきは地域、つまり、自治会等の単位となってきます。現在成果を上げている地域猫の取り組みも自治会が主体となって、行政やボランティアの協力を得て行われています。飼い猫も含めた地域の全ての猫の把握、飼い主不明の猫の捕獲、不妊去勢手術を施し、もとの場所に返す、そしてその後、地域住民の間で餌やりや飼い方についてのルールづくりをするといった一連の流れを、県と市町やボランティア、愛護団体等と連携して取り組んで成果を上げられています。
しかし、地域が主体とはいえ、現段階では、専門知識を持った滋賀県動物保護管理センターがリードしていかなければ、地域猫の取り組みが進まないことも明らかです。
また、ボランティアの役割も大変重要な位置を占めています。今後、全県的に地域猫の取り組みを支援、拡大していくべきであり、ボランティアの養成も重要であると考えますが、見解を伺います。
◎健康福祉部長(那須安穂) 地域猫の取り組みについての2点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の今後、費用面で一定のルールを市町関係者や関係団体と含めて決めていく必要があるというふうなことでございますが、地域猫対策では、不妊去勢手術が猫の数を減らす上で有効な手だてでありますことを住民に周知していくことが重要でありますが、不妊去勢手術の費用の負担、こういったものが問題になっております。
そこで、不妊去勢手術の有効性、こういったものを含めまして、市町と連携し、地元に説明してるところでございまして、その中で、手術費用の地域での負担、こういったルール化、こういったものを協議いただけるように丁寧に説明させていただいてるところでございます。
2点目の今後県全体的に地域猫の取り組みを支援、拡大すべきことと、ボランティアの養成についてでございます。
地域猫につきましては、地域にお住まいの方々が、地域全体の問題として正しく理解していただくことが大切でございます。飼い主のいない猫による生活環境問題に対応するために、役割分担やルールづくりなど、こういったものについてまとめた滋賀県猫と共に生きるためのガイドラインを作成いたしまして、市町と一緒になって地域猫の取り組みを支援してまいりたいと、このように考えております。
現在のところ、地域猫活動に協力いただいてるボランティアは非常に少ないというふうな状況でございまして、動物愛護推進員の活動、こういったものを拡大いたしまして、県、市町の支援をボランティアとしてサポートいただけるよう努めてまいりたいと、このように考えております。
なお、先ほど答弁させていただきました麻酔の処分機でございますが、私、1,000万とちょっとと言いましたが、正確には1億でございます。
それと、24年度の講習会参加、2,860と申し上げましたが、286名の間違いでございますので、訂正させていただきまして、おわびいたします。どうも済みませんでした。
◆9番(山本正議員) (登壇)ありがとうございます。桁が違うということですね、正確というか。
今の御回答をいただきましたように、この地域猫についての取り組み、かわいそうな猫による住民トラブル等の、我々人間社会での問題も含めてですが、全て人間が招いた結果であります。そして、それが、この地域猫という取り組みにつながっているわけですが、まだまだ正しく理解されていないのが現状やと思います。今、いろんなお話が後ろからも飛び交ってますが、正しく理解されることがまず第一やと思いますので、この地域猫の啓発につきましては、今後も、特に平成23年から3年間にわたって、県では取り組まれた数が、もうかなりの数が上がってると聞いてます。40を超える自治会、そして300を超える頭数の去勢不妊をして、そしてもとの場所へ戻して、今、その猫たちは、もうふえることなく、その一代を終える。そして、その地域ではそれ以上ふえない。それには大前提として、飼ってる猫の不妊去勢もしておかなければふえ続けるわけですから、そういった啓発が大事やと思います。
今、御答弁いただきましたように、ぜひ積極的な取り組み、よろしくお願いいたしまして、次の質問に入らせていただきます。
次に、最後に、災害時における愛護動物について、全て健康福祉部長にお尋ねいたします。
災害時におきまして、ペットの犬猫は飼い主と一緒に避難させることを原則とするとして、災害時におけるペットの救護対策ガイドラインが環境省から本年8月20日に発表されました。これは東日本大震災を教訓としてまとめられたものですが、ペットの同行避難を明記された指針は初めてとなります。この環境省指針に従うとすれば、今後、災害時において、ペットは原則一緒に避難することになります。これは、飼い主にとりましては、大きな朗報となるものです。
しかし、一方で、避難所においてそれぞれが極力周囲に迷惑をかけないために、飼い主自身がペットのしつけや病気の予防、非常食やトイレシートなどの準備をしておくということも重要になってきます。
今後、災害時においては、ペットの犬猫と一緒に避難できます、あるいは、飼い主の準備などの多面的な啓発と、避難所でのペットの受け入れ体制が必要であると思います。
まず、被災者である住民の精神的な負担軽減や支援にもつながる災害時の動物救護について、県の体制整備、防災計画を初め、さまざまな見直しや避難所での飼い主の責務などのルールづくりについて見解を伺います。
次に、災害時におけるペットの救護活動について伺います。
ペットを家族の一員と考える世帯が多い現在、災害時におけるペットの救護活動は、単に動物愛護という観点だけでなく、飼い主、つまり被災者の精神的な負担軽減や支援でもあることにも大きな意味を持ちます。
全国では、既に70を超える自治体が、獣医師会や動物愛護団体と災害時の動物救護協定を締結されています。大規模災害が発生した場合に、けがや病気のペットの治療、飼い主不明や避難所で飼うことの難しいペットの保護、飼い主の支援を行うものです。
また、先んじて、福岡県では、獣医師と動物看護師の数名で構成される災害派遣獣医療チームを発足されております。これはVMATと呼ばれ、発災直後のおおむね48時間に活動する機動的な獣医療チームの活動を想定したものであります。
そこで、滋賀県において、災害時の動物救護協定の締結や、災害派遣獣医療チームの発足について見解を伺います。
◎健康福祉部長(那須安穂) 災害時におきます動物愛護についての2点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の本県の体制整備、防災計画を初め、さまざまな見直しや避難所での飼い主の責務などのルールづくりについてでございます。
県の体制整備や防災計画につきましては、平成23年12月に見直しを行いまして、特定動物が逃げ出した場合の対策、被災地域における動物の保護対策、避難所における動物の適正飼養対策、こういったものを講じることとしたところでございます。
なお、避難所での対策の一環といたしまして、飼い主の責務などのルールづくりが必要と考えておりますので、災害時における動物愛護について、動物保護管理協会や県獣医師会と意見交換するなど、検討してまいりたいと、このように考えております。
2点目の災害時の動物救護協定の締結や災害派遣獣医療チームの発足についてでございますが、災害時の動物救護協定につきましては、県獣医師会と協議を進めているところでございます。
災害派遣獣医チームについては、先進的な取り組みである福岡県獣医師会の事例も参考にしながら勉強してまいりたいと、このように考えております。
◆9番(山本正議員) 議長、終わります。(拍手)
○議長(宇賀武) 以上で、9番山本正議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後0時12分 休憩
────────────────
午後1時15分 開議
○議長(宇賀武) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、7番目片信悟議員の発言を許します。
◆7番(目片信悟議員) (登壇、拍手)午後一番、昼下がりのひとときでございますけれども、しばらくの間、おつき合いをよろしくお願いをいたします。
早速ではありますが、大きく3つの項目、まず1点目に中学校の部活動について、2点目にペアレントメンターについて、そして3点目に産業廃棄物の受け入れに対する流入抑制について、それぞれ発言通告書に従いまして、分割方式にて伺います。どうぞよろしくお願いをいたします。
先ほど、午前中に有村議員のほうから、学校は学力をつけに行くところだというお話がありましたけれども、私は体力をつけに学校へ行ってまいりましたので、部活動について、特に御質問をさせていただきたいと思います。
中学校の部活動についてでありますが、学校教育において、部活動とは大きく運動部系と文化部系に大別されると思います。自分自身が部活動を経験してきた上で、私なりにこれまでの人生で大きく影響を受けたのは、上級生、下級生との人間関係、また、信頼関係をいかに構築するかでした。挨拶、返事、言葉の使い方など、社会において、本来なら大切にしなければならないことを学ぶ場であったと、今、思い返しますと、つくづく感じます。人としてあるべき姿、そうしたことを部活動を通じて体得する、もちろん、技術や体力の向上など、さまざまなことを修得することもあわせ持つのが、この部活動と言えるのではないでしょうか。
そこで、まず、運動部に限って言いますと、そもそも運動部活動の意義とは、学校教育活動の一環として、スポーツに興味と関心を持つ同好の児童生徒が、教員等の指導のもとに、自発的、自主的にスポーツを行うものであり、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で、スポーツの楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらすとされております。
先ほども少し申し述べましたが、私自身、中学時代の部活動が今日の私自身をつくったと言っても過言ではありません。しかしながら、現在においては、この部活動において、さまざまな課題が顕著に出てきていると考えます。
そこで、以下、私が考える課題について、
県教育委員会としてどのようにお考えか、教育長に伺います。
まず1点目に、滋賀県下において、それぞれ部活動の顧問をされている先生方が、部活動についてどのように考え、取り組まれているのか、伺います。
2点目に、部によっては、常時、顧問が活動に参加し指導していないところがあると仄聞しておりますが、実態はどうなのか。こうした場合、万が一、事故やけがをした場合の対応はどのようにされているのか伺います。
3点目に、滋賀県では学校完全週5日制が導入されて以降、週1日の休養日、また放課後の上限時間を3時間程度と定めておられます。現状の実態はどうなっているのか、伺います。
4点目に、県内の中学校における各部の責任教諭、いわゆる顧問について、25年2月定例会において、柴田議員が質問されましたけれども、さきの意義の中に、「教員の指導のもとに」とありますように、それぞれの部に、その競技を十分理解している専門の教員が100%配置されるのが理想と考えます。
しかしながら、現状では、指導できる教員の不足や高齢化等によって十分でないとの答弁をされております。これは、子供たちにとって、大変憂慮すべき状況だと考えます。大津市内の中学校においても、顧問が専門でないといった事例や、満足なケアができていないといった事例を耳にいたします。
そこで、4点目に、今、突発的な事故やけがと同様に、慢性的な故障も生徒にとって将来を左右する事態になるとも考えられますが、その競技に専門でない先生方が顧問をされている部活動において、メニューは誰がどのように作成されているのか伺います。
5点目に、例えばこれは具体の数字は持っておりませんけれども、私が活動していた三、四十年前から比べると、練習時間においてははるかに短くなっているのではないでしょうか。
また、私たちが教わったこととは今は正反対ということも少なくありません。
先般、新聞等で大きく取り上げられました中学校部活動における朝練習について、長野
県教育委員会が設置されました有識者委員会から、朝練習は原則廃止するべきだとの提言がなされました。滋賀県において、朝練習に取り組んでいる学校がどのくらいあるのか、また、朝練習に対する考え方を伺います。
次に、6点目に、障害者スポーツについて伺います。
本県スポーツ推進計画において、障害のある子供への運動機会の拡大と明記されております。その中で、本年6月の体育振興・健康づくり対策特別委員会におきまして、「全国障害者スポーツ大会の開催につきましては今後の状況を見て」と健康福祉部長が発言されておりますけれども、少なくとも、運動機会を拡大するためにも、こうした大会があって、目標を定めていくことが、子供たちの参加意識の高まりにつながっていくと考えます。
もちろん、個々の学校で活動することは難しいことだと思いますけれども、各学校が連携し、それぞれの生徒がスポーツに対し興味を持ち、取り組む意欲が芽生える環境をつくることこそが重要と考えますが、見解を伺います。
この項の最後に、これまでから部活動に参加する子供たちの数が年々減少しているということは言われてきました。本県においては、スポーツ推進計画を掲げられ、これからのスポーツ推進に積極的にかかわっていかれるものと信じております。
こうした状況の中で、計画に基づいて具体的な取り組みが求められております。私が懸念しているのは、これまでからさまざまな学校課題がある中で、教職員さんの皆さんの負担が限界を超えないかということであります。東京都杉並区の某中学校の事例が必ずしもよいというわけではありませんけれども、そろそろこれまでのあり方、また、やり方から脱却することも考える時期に来ているのではないかと考えます。先ほども申し上げましたが、長く子供たちにスポーツを続けてもらうために、特にけがの予防やスポーツ本来の楽しさなど、この多感な時期に吸収していただきたいと思います。
そのためには、忙しくてなかなか時間がとれない教職員の皆さんにだけ頼るのではなく、外部との連携をもっと深めていくことが重要だと考えます。これは部活動の活性化にも大いにプラスになると思いますけれども、そのための具体的な取り組みを現在されているのか、また、今後どのように進めていかれるのか、見解を伺います。
◎教育長(河原恵) (登壇)中学校の部活動についての7点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の顧問が部活動をどのように考え取り組んでいるかについてでございますが、中学校の顧問のうち、最も多いのは、部活動を通して、協調性や社会性を身につけさせたいというものであり、ほぼ半数の顧問がそのように考えております。
また、精神力や責任感を育てたい、将来にわたってスポーツに親しむようになってほしい、競技力を向上させ、大会で少しでもよい成績を修めさせたいなどの考えや思いを持って取り組んでおります。
一方、指導上の悩みにつきましては、公務が忙しくて思うように指導ができないと考えている者が最も多く、2人に1人が悩みとして挙げております。
また、自分には専門的指導力が不足していると考えている顧問が4割を超える実態も、文部科学省の全国実態調査等で明らかになっているところでございます。
次に、2点目の指導の実態と事故やけがをした場合の対応についてでございますが、部活動はその競技を専門とするしないとは別として、全ての部に顧問を配置しており、基本的に顧問が生徒の活動場所で直接指導することを原則としております。
しかしながら、議員御指摘のとおり、実際の学校現場では、会議や出張など、他の用務により、顧問がどうしても指導に行けない場合がございます。その場合には、他の教師にかわりを依頼するか、あるいはその日の活動を取りやめることとしており、生徒だけで部活動が行われることがないよう指導を徹底しているところでございます。
次に、部活動中に事故やけがが発生した場合の対応についてですが、顧問は速やかに状況および症状を確認し、養護教諭などによる救急措置を行うとともに、必要と判断した場合には、救急搬送の通報を行うこととしております。同時に、校長に報告をし、さらに関係機関に連絡するなど、迅速かつ適切な救護対応を行うことができるよう、日ごろから緊急事態発生時の対処と緊急体制を整えているところでございます。
次に、3点目の休養日や放課後の活動時間の実態についてでございますが、スポーツ活動においては、毎日休まず練習したり、長時間にわたって過剰なトレーニングをすると、身体が疲労状態となり、けがが発生しやすくなります。このため、生徒に適度な休養を与えることは大切な要素であり、生徒の生活にゆとりを与えるためにも、休養日の設定はきわめて重要なことであります。
こうしたことから、週当たり1日以上の休養日を設定すること、また、平日の活動時間は、放課後、最長3時間程度とし、学校の限られた施設や日々の時間の中で効率的な練習を行うこととしております。
次に、各学校の実態ですが、休養日につきましては、県内の全ての公立中学校で週当たり1日以上の休養日がとられております。また、放課後の活動時間につきましては、一部の学校において、夏場の活動時間が30分程度超過したものがあるものの、ほぼ全ての学校において3時間以内で行っているところでございます。
今後も、効率的な練習時間と生徒のゆとりある日常生活を確保するため、休養日や練習時間を適切に定めて運営がなされるよう指導してまいります。
次に、4点目の部活動のメニューについてでございます。
部活動のメニューは、年間計画に従い、数カ月や数週間といった周期で計画するものや、個人を対象に作成するものなど、さまざまなパターンがあります。メニューを作成する場合、顧問は、生徒の体力、技能、成長等に応じ、また、生徒の安全に十分配慮した上で、効率的、効果的な練習メニューとなるよう作成する必要があります。
専門でない競技の顧問にあっては、部活動指導に習熟した教員や、同じ競技を指導する他校の顧問に相談したり、中体連等が実施する指導者研修会に参加して学ぶほか、みずからが競技映像や専門書をもとに、指導方法や練習方法を研究するなどして、指導力を向上させながら、生徒の実態に合った練習メニューを作成しているところです。
次に、5点目の朝練習についてでございます。
朝練習には、短い時間で集中して練習に取り組めるといった効果に加えて、活動時間、活動場所の確保や早起きの習慣が身につくといった効果もあり、現在、県内の公立中学校のうち、7割を超える学校で行われております。
朝練習を行う学校は、通学バスの利用がしにくくなることや、睡眠不足といった生徒の学校生活への影響、また、朝早く子供を送り出す保護者の負担や生徒の疲労状態等に十分考慮した上で、安全で効果的に運営していく必要があると考えております。
次に、6点目の障害のある生徒のスポーツに取り組む意欲が芽生える環境づくりについてでございますが、議員御指摘のとおり、スポーツはフェアプレーの精神やコミュニケーション能力の育成を通して、他人に対する思いやりや豊かな心を育む等、子供の人格の形成に大きく寄与するものであります。そういう意味で、障害のある生徒とさまざまな人たちがスポーツを通して互いに交流を深めることは大変重要であると考えております。
現在、特別支援学級の生徒の中には、卓球や陸上競技などの部活動に取り組み、中体連の各種大会に参加している生徒もおります。
また、各学校の教員で構成する県特別支援教育研究会が主催する中学校交歓スポーツ大会には、障害のある生徒の多くが参加しており、6月には短距離走や走り幅跳び、車椅子競争などの種目による陸上競技の部が、10月には卓球やボウリングなどに親しむ球技の部が行われております。
さらに、今年度、障害者が地域でスポーツに取り組める環境づくりを進めるため、健康福祉部との共催により、地域でつながるスポーツフェスタ2013を湖北、湖南地域で開催し、各学校への参加も呼びかけたところです。
このイベントでは、障害のある生徒や保護者などが、フライングディスクやスポーツ吹き矢などのニュースポーツを体験したり、シドニー、アテネ、北京におけるパラリンピック大会にシッティングバレーボールの選手として出場とした田中浩二選手や、同じく、北京、ロンドン大会に水泳の選手として出場した木村敬一選手と一緒に試合をするなどして、楽しく気軽にスポーツに親しんでおられました。
今後も、障害のある生徒がさまざまなスポーツを体験することで、体を動かす喜びを味わうなど、障害のある生徒の運動機会の充実を図ってまいりたいと考えております。
最後に、7点目の外部と連携した取り組みの現状と今後の進め方についてでございます。
教員の高齢化が進行し、専門的な指導ができる教員数が減少することや、指導内容の専門性が高まっていることに対応するため、本県では、運動部活動地域連携再構築事業に取り組んでおり、これまでから、武道の有段者やスポーツ少年団の指導者など、地域におられるすぐれたスポーツ指導者を希望する中学校に派遣してるところでございます。
平成25年度は、この事業により、公立中学校16校で、18名のスポーツ指導者の方々に協力いただいており、全国中学校駅伝大会の出場を果たした運動部が出るなどの成果が上がっております。
今後は、こうした地域のスポーツ指導者だけでなく、学校現場をよく知る指導実績のある教員OBの派遣を拡大するなど、外部指導者をふやし、部活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。
◆7番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございました。いろいろと現状を御報告をいただいたんですけど、なかなか実態はそういうわけにはいかないという、例えば、今の顧問の先生がつくようにというふうなお話も、理屈はそうなんですけれども、なかなか本当にかわりの方がすぐに見つかるかというとそうでもない。かわりの方も、そう暇であるわけではないんで。そういったときに、万が一の事故、そういったことのないようにだけ徹底していただきたいというふうに要望しておきます。
それと、もう1点は、外部の方の招聘、今、教員のOBの方をということでありましたけれども、さまざまな、そういった外部の力を借りることによって、教員の皆さんのやっぱり負担を減らす。実は、昨日も私の中学校の会議をやってたんですけども、通信簿つけやとか何やとかいって、もう本当に忙しくされてると。そういった中で、教員の先生方がそういったことの負担で、それがあらゆるところへ悪影響を及ぼさないように、その辺の指導もあわせて要望しておきたいと思います。
それでは、次の質問に移ります。
次に、ペアレントメンターについてお伺いをいたします。ペアレントメンターについては、ことし2月定例会において、成田議員がさまざまな角度から、発達障害、ペアレントメンター等について質問がなされました。さきの成田議員の質問におきまして、発達障害について、さまざまなデータや本県の現状、また、今後の取り組みについて答弁がございました。
しかしながら、悲しいかな、ペアレントメンターに関しての知事の答弁が余りにもさらっと流されましたので、再度、このペアレントメンターについて取り上げ、知事の見解を伺いたいと思います。
そもそも、ペアレントメンターとは何かということでありますが、直訳しますと、親の信頼できる相談相手、つまり、同じ発達障害のある子供を育てる、また、育ててきた保護者が相談相手となって悩みを共感し、実際の子育ての経験を通して、子供へのかかわり方などを助言する支援者ということであります。
私は、今回なぜ再度質問をするのか。これは身近にこうした悩みを持つ友人がいたからであります。子供の様子がおかしい、ひょっとして障害があるのではと悩む方、また、診断を受けたら障害があると言われたけれども、そんなことはないと思う保護者、さまざまな家庭でさまざまな悩みを持ちながら子供の行く末を案じておられることを思うと、子を持つ親、保護者のケアがより重要であると考えます。こうした事情がある保護者の悩みは、私たちが考える以上に深く、深刻なものなのです。
そこで、1点目に、発達障害を持つ乳幼児の数値でありますが、県は数値上の把握は実質困難という見解でありましたけれども、ある一定の予測を立てておかなければ、対策が十分にとれないと考えますが、知事の見解を伺います。
2点目に、県は発達障害児に対する取り組みとして、研修会の開催や療育技術の助言などを広域的に専門サービスの提供を実施しているとのことですが、こうしたサービスが発達障害を持つ保護者に直接的にどう役立っているのか。また、こうした研修会等について参加状況はどのようになっているのか、知事に伺います。
保護者にとっては、もちろん行政機関が設置する専門的な施設、取り組みを大いに望まれ、また利用されているのだと思います。また、今後もますますその要望は大きくなっていくものと推察されます。その反面、そうした行政機関が保護者の信頼を得るのも大きな課題と言えるのではないでしょうか。そのための制度がペアレントメンターだと私は思います。経験のない者が、あたかも経験したかのように、机上の話だけで接しても理解が得にくいというのは、あらゆる場面でも考えられることであります。医師や行政として向き合うことはもちろん、メンターとして寄り添うことによって、保護者も安心する。自分がもし、そう考えたとき、メンターの存在というものは大きいと思います。
そこで、3点目に、ペアレントメンターについて知事は大変重要であるとの認識を示され、自閉症協会などの当事者団体の意見を聞き、その活用について検討するとのことでありましたけれども、具体的にその進捗状況について伺います。
4点目に、このペアレントメンターについて先進的取り組みをされている鳥取県においては、福祉保健部に子育て王国推進局があり、その中に子供発達支援課が組織されております。この中で当事者団体との連携を密にしながら、ペアレントメンターはもとより、発達障害に係る施策を行っておられます。これと同じようにすることだけがよいというわけではありませんが、障害のある子供たちへの支援について、知事は、糸賀氏の理念、発達保障という考え方に共感され、その原点に立ち返り、発達障害への取り組みについて先駆的に進めたいと言っておられます。さきの鳥取県ではありませんが、やはり、それには具体的に形にしなければ、かけ声だけになってしまいます。そうならないために、知事はその思いをどのような形で示されるのか、伺います。
また、子供の成長に合わせて、保護者としてはさまざまな悩みや思いがあるのではないかと推察いたします。中学校に行ったらどうなるのか、高校進学はなど、いろいろと考えることは尽きないと思います。もちろん、こうした子供たちに対して、学校を初め、関係機関がしっかりサポートされているとは思いますが、加えて、保護者の皆さんの交流、また情報交換できるネットワークがあれば、保護者の心の負担を少しでも軽くすることができるのではないでしょうか。
そのためにも、現在経験されている、また、経験してきた保護者が同じ境遇にいる保護者に対して何かできることをする、その一つがペアレントメンターなのだと私は思います。どうか、こうした保護者の取り組みが円滑に進むよう、県ならびに教育委員会を初め、関係機関のサポートを強く要望しておきます。
次に、このたび大津市において、子供の発達と教育に関する相談窓口と支援の一元化を図るため、(仮称)子ども発達相談センターを、平成27年2月の開設に向けて準備をされております。これまでから、発達に関する相談窓口が、福祉、保健、教育と、複数域にわたっており、保護者にとっては非常にわかりにくいということから、相談窓口を一元化し、連携した組織とすることにより、乳幼児期から学齢期まで、途切れることのない支援体制が構築されると期待をされております。
また、教育相談センターとの併設を予定されているということで、保護者にとっては相談しやすい環境、また、支援を受けやすい環境というのは何より望まれることではないかと思います。
そこで、大津市の今回のような取り組みを県下で進めている自治体がほかにあるのか、県内の状況もあわせて知事に伺います。
次に、基礎自治体との連携協力についてでありますが、子供とのかかわりから考えると、発達障害に限らず、さまざまな場面で基礎自治体の役割というものは非常に大きいことは言うまでもありません。
聞くところによりますと、県の取り組みは非常に消極的との指摘もありました。確かに、市町の発達支援センターに対し、県の発達支援センターの専門職員さんから助言がされたり、小児保健医療センターから市町の療育教室に対し、専門家等を派遣されているとは聞いておりますけれども、決して十分とは言いがたい状況と仄聞しております。名誉回復のため、今後、市町とどのように具体的に、かつ効果的な連携をされていくのか、あわせて、その思いを知事に伺います。
次に、発達障害に携わる医師について伺います。
大津市について言いますと、小児科、児童精神科といった専門医師の不足を課題として挙げておられます。保護者にとっては、受診を勧められたが、初診までに非常に時間がかかるといった問題が現実に起こっております。こうした中で、滋賀医科大学において、発達障害に携わる専門医を養成されており、県もその取り組みに対して補助されていると仄聞しております。専門医師の養成は一朝一夕になるものではありませんし、相当な時間を要すると思われます。また、費用においてもしかりであります。慢性的な医師不足に対してどう対処していくかは大きな課題でもあります。そこで、まず、滋賀医科大学による県内の医療機関への医師派遣実績について伺います。
また、今年度、県からの寄附により、滋賀医科大学が寄附講座を設置するとのことですが、スタッフを十分に確保することが難しいとお聞きをしました。発達障害に携わる専門医師の不足に対して、県はどのようなスタンスで今後取り組まれるのか、知事に伺います。
この項の最後に、県を初めとする自治体におかれては、県民、市民の福祉向上のためにさまざまな施策を展開し、その要望に応えようと、最大限の努力をされていることはよく理解をしております。
しかしながら、大局的にはそうであっても、さまざまな立場においては決して十分ではないと思うことがあるのも、これまた事実であります。発達障害のみならず、年々ふえるであろうと言われる社会的弱者である子供たちを育てられる保護者の方々から、希望を持ち、夢を語ることができる社会の実現が望まれるのではないでしょうか。そうした社会の実現に向けて、知事がどのように今後具体的に取り組まれていくのか、その決意をお伺いいたします。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)ペアレントメンターについての9点の御質問にお答えいたします。
まず、その前に大きく2点、大局的な見地での意見を述べさせていただきたいと思います。
2010年マニフェストに、私自身、問題意識をはっきり書かせていただきましたが、この発達障害においては、福祉、医療、教育という立場で、できるだけ早期発見、そして早期対応をすることで、本人にも家族にも社会にも望ましい対応ができるという問題意識を持っております。
そのような意味で、25年2月、成田議員の御質問にもお答えさせていただきましたが、福祉の場面での早期発見、そして医療の場面での専門医の養成、また、教育の場面では、教育委員に専門家をお願いするなど、大局的な見地で対応をとってきたものでございます。
あわせて、2点目ですけれども、このペアレントメンターという制度でございます。がんの対策でも、がんの経験者によるピアグループサポートということが大変注目されておりますけれども、この名前こそ違いますが、一種のピアグループ、当事者、子供たちはまだ幼かったりしますので、その親という当事者の信頼できる関係の中での相談ということで、これも大変有効な制度だと思っております。その2つの大局を共有させていただいた上で、9点の御質問にお答えさせていただきます。
まず、1点目の発達障害を持つ乳幼児の数値上の把握でございますが、担当のほうはかなり厳密に考えて、確定的な診断、あるいは確定的な数値の把握は困難とお答えしたと思いますが、平成24年、市町の乳幼児発達相談件数の実績報告としては、3つのカテゴリーで数値が挙げられております。1つは広汎性発達障害、ただし疑いも含むという点で917名、注意欠陥・多動性障害、これも疑いを含むところで203名、合計1,120名。また、精神発達遅滞、あるいは言葉のおくれなど、その他のところで2,280。合計3,400人の報告があるということで、一応の数値の把握はさせていただいております。
しかしながら、乳幼児健診の診査、ほぼ100%近く受診があるわけですけれども、心理判定員による発達相談などを通じ、なかなか、幼いこともあり、また、発達段階も違いますので、確定診断には至らないということでございますので、担当としては厳密に数値を申し上げにくいということを申し上げたのだと思います。
こうした子供たちについては、まずは市町において、健診後も、保育園、幼稚園と連携し、継続した相談支援が行われ、必要な対策を行っていただきたいと、そしてそれも進めていると考えております。
私も素人情報ではございますけれども、特定の困難を抱えている子供さんに、特定の運動機能を発達させるとか、あるいは認知機能を補完するとかいう形でのプログラムはかなりできておりますので、この辺を活用することが重要だと思っております。
次に、2点目の県の広域的な専門サービスが保護者にどう役立っているか、また、研修会等の参加状況でございます。
県では、市町の関係職員に対する研修や専門職員の派遣による助言を実施しております。こうした取り組みにより、市町の職員が保護者に対して、子育てに関してより一層適切なアドバイスができるようになると認識をしております。研修会の参加状況については、昨年度、市町の保健師や相談員等を対象とした研修会を3回開催し、79名の参加がございました。また、発達障害児が通所する市町の療育教室のスタッフに対して、作業療法士や言語聴覚士等の専門職を年間169回派遣し、療育方法に対する技術的な助言を行ったところであります。
次に、3点目のペアレントメンターの活用に関する検討状況です。滋賀県自閉症協会に御意見をお伺いしたところ、協会として既に保護者による保護者を対象とした相談を行っていることから、必要な基礎知識を学ぶための研修の機会が欲しいとのことでございました。こうした御意見を踏まえ、県内の当事者団体等において、ペアレントメンターとして活動していただける方を対象とした養成研修に取り組んでいきたいと考えております。
4点目の発達障害への取り組みを先駆的に進めたいという思いをどのような形で示すのかでございます。
発達障害児支援については、最初に申し上げましたように、乳幼児期から学齢期を経て成人期まで、教育、労働、福祉による横つなぎの施策が大変重要でございます。このため、県としては、各分野の連携をより一層高められるよう、県の体制について、人事交流を行うなどの連携強化とともに、これらの関係機関の間をつなぐコーディネート機能を誰がどのように発揮するかについて検討していきたいと考えております。
また、発達障害者支援に関する多岐にわたる現状と課題について、当事者やその御家族を初め、関係の皆様からしっかりと御意見をお伺いしながら、次期障害者福祉計画にも確実に反映させてまいりたいと考えております。
5点目の子ども発達相談センターの設置を予定している大津市のような取り組みに関する県内の状況についてであります。大津市も含めて、16市町において発達支援センター等が設置されており、大津市のほかに、野洲市においても教育相談センターが併設されております。これらのセンターにおいては、職員の体制などに差はありますが、いずれの機関においても、保健、教育、福祉の連携により、発達障害児に対する切れ目のない支援に向けた取り組みが進められていると承知しております。
次に、6点目の市町との連携についてであります。市町は、障害者により身近な地域において、福祉サービスの直接の提供主体として、重要な役割を担っていただいております。
一方で、県においては、広域的、専門的な観点から、県内の福祉関係従事者の人材養成や、市町に対する技術的支援といった役割が求められていると認識しております。
こうしたことから、県としては、先ほど申し上げたとおり、従来から市町の保健師や相談員等に対する研修、専門職を派遣しての技術的助言を行うなど、技術の向上に取り組んでおります。
さらに、本年7月に設置した障害者医療福祉相談モールでは、これは草津市のほうでございますけれども、この相談モールでは、障害が重複する場合、あるいは障害が特定しにくい場合など、これまで大変行き場所がなく、また相談窓口もなかったわけです。そこに対しても、医師や保健師等の専門職による支援チームを編成をいたしまして、市町と連携しながら障害者への支援を行っております。こうした取り組みにより、発達障害者やその家族が身近な地域で必要な支援を受けられるよう、市町と協力して取り組んでまいりたいと考えております。
7点目の滋賀医科大学による県内医療機関への医師派遣の実績についてでございます。県としては、昨年度より滋賀医科大学が実施する「子どもの心の診療ができる医師養成事業」に対して補助を行っております。この事業の一環で、現在、滋賀医科大学から東近江総合医療センターや守山市民病院等に専門医が派遣され、発達外来の診療が行われております。昨年度の実績については、県内6つの医療機関において、おおむね週1回の外来診療により、延べ650名の方に対して診療が行われたと承知をしております。
8点目の発達障害に携わる医師不足に対する今後の取り組みでございます。ことし8月に策定しました滋賀県地域医療再生計画に基づき、議員御指摘のとおり、本年度から滋賀医科大学に寄附講座を設置し、ここでは、発達障害に関する専門医の養成や、地域の医療機関への医師の派遣等を実施していただくことを予定しております。
また、そのほかにも、本年度より成人期の発達障害者の診療ができる医師の養成を目的として、県内の精神科医療機関の医師を対象とした研修を実施しております。こうした取り組みによりまして、発達障害のある方が必要な医療を身近な地域で迅速に受けることができるよう環境の整備を行ってまいります。
9点目の子供を育てる保護者が希望を持ち夢を語ることができる社会の実現に向けての決意についてでございます。
人口減少社会の到来などにより、時代が大きく転換する中で、次の世代が幸せを感じ、実感できる未来を開くためには、子育て環境日本一、滋賀に生まれてよかったと言っていただけるよう、人のつながりや地域のつながりの強化により、子供を安心して産み育てられるようにしていく必要がございます。
特に、発達障害については周囲の理解を得ることが難しく、また、個人差も大きいことから、支援施策の充実を図るとともに、発達障害についての周知、啓発により、県民一人一人がこの障害を十分理解し、子供やその家族に寄り添って社会全体で支えていくことが必要と考えております。個性豊かな多様な人間性を認め合えるような、多様性に基づく、しかも一人も落伍者を出さない、包摂的な全員参加型社会、滋賀県として求めていきたいモデルでございます。こうした観点に立って施策を展開していきたいと考えております。
生きづらさを感じる子供たち、これはいじめの問題、ひきこもりの問題、その背景に発達障害の問題が隠れていたりします。そういうときに、それぞれの個性を真っすぐに受けとめながら、周囲も理解をしながら、その子供たちが一人立ちできるように、そして家族にとっても、特に御両親にとってはいずれ自分が先に逝く、その後、この子供を残してどうなるのかという大変大きな不安があると思います。社会全体として支えられるような滋賀県づくりを進めていきたいと考えております。
◆7番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございました。
なかなか、先ほども御答弁にありましたように、いろんな御家庭があってお子さんがいる、それを一人一人、皆さん、状況も違いますし、悩みも違うというところで、先ほども申し上げましたけれども、そのきっかけが、私の友人がそういう御相談を私にされた。私も全然、そういう全く経験もないし知識もないというところで、行政機関への御紹介はするものの、なかなかそこで満足の得る、心の安らぎという部分では得られなかったという話を聞きますと、やはり、子育て支援なんかで、よく支援センターなんかに行きますと、同じような子供を持つ親御さんが集っておられる。そこでいろんな子供の子育ての悩みをされたりというようなことを、実際、いわゆる子育て相談と、行政に行かなくても、そういう空間で、その子育ての悩みを共有されるというようなところが、大津含めて、あちこちに今ある。そういうことを考えますと、こういった悩みを持たれる方というのは、なかなか、やっぱりこういうことを表に出して皆さんにお伝えするというのも、なかなかできないという実情もある中で、やはりそういったところの空間をつくってやっていただくというのが非常に重要ではないのかなという思いがいたします。
要は、そういった支援を、市町とどのように連携をしながらというふうに、直接、県がそんなサークルを運営するわけにもいかないでしょうから、当然、それぞれの基礎自治体がそれぞれの立場の中でされるというふうに思うんですけれども、そういった連携というものを具体的に私は思うんですが、そういったことを含めて、市町との連携というのをどういうふうに持っていかれるのか、お考えになられるのか、ちょっと再質問をお願いいたします。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
先ほどの9点の答弁、県はやってるやってる言うけれども、届いてないじゃないかという御不満がおありかと思います。これはサービス供給側の、いわば備えが、あるいは力が足らないのか、あるいは途中の通路が悪いのか、受けとめる側の、先ほど申し上げました、疑いも含めると、1年間3,400人という大変多くの子供たち、1年間に生まれる滋賀県の子供たち、1万3,000人から4,000人ですから、この3,400人というのが、複数の年代にわたっているかもしれませんけれども、その悩みを抱えておられるお一人お一人の親御さんにとっては、全然、県の動きも届かない、そして、基礎自治体の動きも届かないというところでの悶々とした思いがあると思います。
そこに対しては、まずは市町が身近なところで場をつくっていただける、それに対して県は、人材派遣、またさまざまな制度的な支援をできる限り工夫をしていきたいと思っております。
問題の深刻さ、そして鳥取県のような形で、また、糸賀一雄さんは鳥取で生まれ、昭和21年、近江学園をつくったときの糸賀さんの全集を見てみますと、やっぱり発達のプロセスにいかにトータルにかかわるかということが、この障害者福祉の根本であるということをいつも言っておられましたので、ここのところは、生誕100年というきっかけももとにしながら、県として、市町とできるだけ、医療、教育、福祉、それぞれの分野でつながるように、そしてその中で、やはり議員も御指摘のように、がん患者サロンも、仲間だから安心して共有できて、そして出口が見えるということがございますので、この仲間づくりというところに対して、できるだけ支援していきたいということで、また次の施策の提案も担当のほうから受けていきたいと思っております。
◆7番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いを申し上げます。
それでは、次に、産業廃棄物に対する本県への流入抑制措置について、以下全て
琵琶湖環境部長に伺います。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が正式決定され、そのメーンスタジアムである国立競技場のリニューアルに向けて、着々と準備が進められております。また、振り返ってみますと、今から49年前に、日本で初めてオリンピックが同じ東京で開催されました。終戦から19年、まさに戦後復興の象徴として、日本中がその成功に向けて頑張ってこられたのだと思います。
反面、その代償として、戦後の高度成長は、公害やごみ問題など、さまざまな負の問題を我が国にもたらしました。しかしながら、私たち国民は知恵と覚悟を持って、多くの問題、課題に対し、解決に向けて、今も努力しているところであります。
こうした状況の中、廃棄物の処理及び清掃に関する法律において、一般廃棄物は排出された自治体内での収集、運搬、処理が義務づけられている一方、産業廃棄物については明確なルールはなく、都道府県間を移動し、自治体間を広域的に処理されてきました。
そうした中で、香川県豊島における大規模な不法投棄事件等を背景に、県外産業廃棄物の不法投棄問題が改めて注目をされ、都道府県等の域外で発生する産業廃棄物に関し、自治体によっては、当該都道府県等への搬入を抑制する何らかの措置がなされているのが現状であります。
この流入抑制措置には、事前協議制度、事前届け出制度、そして原則搬入禁止等の措置があり、現在のところ、47都道府県のうち、35道県において、何らかの流入抑制措置がなされております。近畿では、和歌山県のみが導入されておりますが、本県にはこの事前協議制度等がいまだに導入されていない状況であると思います。これに間違いございませんか。確認をさせていただきます。
このような流入抑制措置制度は、各自治体での条例や要綱によって定められております。県外から搬入される産業廃棄物の種類、性状、量などの概要を把握するためにも、特に事前協議制度の整備が必要と考えます。そうした制度がないというのは環境熱心県と言われる本県にとって果たしてどうなのか。今も大きく問題となっております高島市の放射性セシウムを含む大量の木材チップが無断で放置されている問題も、こうした県の産業廃棄物処理に対する対策の甘さから引き起ったと言っても仕方がありません。
そこで、本県において県外産業廃棄物の事前協議制度等がない中、県として、これまでに県外産業廃棄物の搬入実態をどの程度把握されてきたのか伺います。また、実際に、県外から産業廃棄物の流入量はどのくらいか、あわせて、具体的にその品目も伺います。
次に、滋賀県から他県へ排出している産業廃棄物の量と品目についても伺います。
以前私が質問させていただきましたアスベストやフロン問題と同様、産業廃棄物の処理処分問題は今に始まったことではありません。では、なぜ、今日まで事前協議制度などの流入抑制措置をとってこられなかったのか、これまでの議論の経緯、また、導入されない特別な理由があるのか、理由があるなら明快な回答をお願いをいたします。
最後に、本県の産業廃棄物の適正処理について、流入抑制措置、つまり事前協議制度を導入されるのであれば、それに向けて、条例の整備、改正、また要綱の策定が必要になります。検討されるお考えがあるのか伺います。
◎
琵琶湖環境部長(堺井拡) (登壇)産業廃棄物の受け入れに対する流入抑制措置に関する6点の御質問にお答えします。
1点目の本県の事前協議制度等についてですが、御指摘のとおり、本県では導入しておりません。
次に、2点目の県外産業廃棄物の搬入実態の把握についてですが、県外業者を含め、本県の許可を受けた産業廃棄物処理業者からは、滋賀県産業廃棄物の適正処理の推進に関する要綱に基づき、毎年、処理実績の報告を受けております。また、県内において、年間1,000トン以上の産業廃棄物を排出する多量排出事業者から、廃棄物処理法に基づき、排出および処理の実績が報告されております。これらを突き合わせて解析し、県外から本県へ流入している産業廃棄物全体の動向を把握しております。
3点目の県外からの産業廃棄物の流入量と品目につきましては、確定数値のある平成23年度における県外から搬入された産業廃棄物は約64万4,000トンでございます。このうち、破砕、脱水、焼却等を行う中間処理量は59万7,000トンであり、その主な品目は瓦れき類40万7,000トン、廃油5万6,000トン、木くず3万5,000トン、汚泥2万8,000トンなどでございます。
また、埋め立てによる最終処分量は4万7,000トンで、主な品目はガラスくずおよび陶磁器くず2万8,000トン、瓦れき類1万2,000トン、廃プラスチック類6,000トンであります。
4点目の本県から他県へ排出している産業廃棄物の量と品目についてでございます。
平成23年度に県外へ搬出された産業廃棄物は約41万8,000トンであります。このうち、中間処理量は39万8,000トンであり、主な品目としましては、汚泥8万2,000トン、廃プラスチック類6万2,000トン、廃アルカリ6万1,000トン、鉱さい3万7,000トンなどであります。
また、県外で最終処分された量は2万トンで、主な品目は、廃プラスチック類4,000トン、汚泥、鉱さい、がれき類が約1,000トンであります。
次に5点目です。なぜこれまで流入抑制措置がとられてこなかったのかについての御質問にお答えします。
流入抑制措置を導入している多くの自治体では、平成2年をピークに、平成4年、5年ごろまでに制度化がされております。当時は、排出事業者責任や産業廃棄物処理業者への規制が今日のように強化されていなかったため、都市圏から地方へ産業廃棄物が流出し、議員御指摘の香川県豊島の案件など、不法投棄事案が頻発する背景がございました。こうしたことから、各自治体で流入抑制措置が講じられたものと認識をしております。
一方、本県におきましては、当時は県外に流出する産業廃棄物量が流入量を大幅に上回っておりまして、他府県に処理を依存する割合が高かったことから、流入抑制措置を導入する状況ではなかったこと、平成9年以降、相次いで法改正が行われ、悪質な産業廃棄物処理業者に対する行政処分が徹底されたことや、平成12年には、排出事業者責任ついて、従来は中間処理までであったものが、最終処分にまで拡張されたといった強化が図られております。こうしたことから、これまで流入抑制措置の導入に向けての検討は行われなかったところであります。
6点目の事前協議制度の導入に関する御質問にお答えします。
さきにお答えしたとおり、廃棄物処理法の改正によりまして、排出事業者責任や不適正処理に対する措置が格段に強化されました。
また、平成18年から廃棄物処理法施行規則の改正により、排出事業者は産業廃棄物の性状に関する情報を事前に伝え、処理を請け負った産業廃棄物処理業者もその内容を事前確認することが求められるようになりました。
平成18年には、環境省の産業廃棄物課から事前協議制度等の搬入規制により、産業廃棄物の処理が滞留したり、不法投棄等が生じないよう、円滑な処理が確保されることに留意するよう通知がされております。
以上のことから、流入抑制措置導入の必要性は、平成の初期のころと比べて、比較的少なくなっているものと認識をしております。
ただし、議員御指摘のとおり、産業廃棄物の適正処理は、生活環境を保全する上で重要でございます。平成28年度を始期とする第四次滋賀県廃棄物処理計画の策定のために、来年度から産業廃棄物の動向、将来予測にかかわる分析等を行う予定でありまして、そうした作業の中で、他県における事前協議制度等の運用状況、効果、課題等を調査、検証するなど、第四次計画に向けての検討課題とするように考えております。
◆7番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。
私は、流入抑制という言葉を聞くと、受け入れるなというようなニュアンスにとられるというふうに思うんですが、決してそうではなくて、どれだけの量が入ってくるのか、また、どういうものが入ってくるのかということをあらかじめ排出事業者と協議をするということは、以前、大津市で豊島の受け入れの問題があった、あれも本来なら、問題がなければ、何ら法的にペケというわけにはいかないというような、そういう状況、後になってそういった問題が大きくなってくることを思うと、事前にそういったことを含めて、しっかりと流入抑制という本来の目的を達するためには、そういった制度が有効なんじゃないのかなという、こんな思いがしておりますし、先ほどありましたように、不法投棄であるとか悪質なそういう排出事業者というのは、だんだん、それはもう減ってきてるのは確かですが、その分、やはり廃棄物も、ごみ減量とは言いながら、やっぱりどんどんどんどん減っていってるわけでは決してないというような状況がございます。
そういった意味での、ただ単に入ってくるなという意味じゃない、そういった意味でのこの制度というものが、今後いろんな意味で、受け入れる側の体制、例えば、処分場もどれだけの量で何年ぐらいのスパンで考えるのかという、いろんな計画においてでも、そういったことをやっぱり数値として把握しておく必要があるかなと、そんな思いがあるんですけど、その辺、もう一回、部長、ちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
◎
琵琶湖環境部長(堺井拡) お答えします。
産業廃棄物の流入量等を事前に把握していくという御指摘はごもっともかというふうに思っております。先ほどお答えいたしましたように、第四次の計画の中で、どれぐらい流入するか、また、県下のキャパはどれぐらいかというようなことも総合的に解析した上で新たな計画をつくっていくということにしております。そういう計画を考える中で、議員御指摘の点も考えてまいりたいというふうに考えております。
◆7番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。
もう1つ心配しますのが、南海トラフの巨大地震、ああいうものが起きたときに、これは産業廃棄物ということでお聞きしてますけども、震災瓦れき等については一般的な廃棄物の処理の仕方というのがいろいろあります。
ただ、そうはいうものの、こういったことが起きた場合に、そういった復旧復興に向けての廃棄物の処理というのが、東南海、南海等のああいう大きな地震が起きたとき、やっぱり考えておかなきゃいけないなというふうなことは私自身も感じておりますので、今の産廃のお話だけに限らず、これからこういった廃棄物の問題というのを総合的にいろいろと施策の中で考えていっていただくということを要望しておきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(宇賀武) 以上で、7番目片信悟議員の質問を終了いたします。
しばらく休憩いたします。
午後2時16分 休憩
────────────────
午後2時30分 開議
○議長(宇賀武) 休憩前に引き続き会議を開きます。
最後に、11番駒井千代議員の発言を許します。
◆11番(駒井千代議員) (登壇、拍手)今期定例会一般質問最後を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、中小企業の海外展開支援についてお伺いいたします。ASEAN──東南アジア諸国連合は、シンガポール、マレーシアを初め、インドネシア、ベトナムなど10カ国からなりますが、一部2018年となるものの、2015年、ASEAN経済連合に向けて、各国、活発な動きが見られます。その中でも、日本と異なり、インドネシア、ベトナム、マレーシアなどは二十歳未満人口が30%以上と、ピラミッド型の若い世代が多い人口形態であり、潜在的成長率が高いと言われております。
近年は、私が住む草津でも、企業へのベトナムからの研修生や立命館大学へのインドネシア、ベトナムからの留学生が増加しており、先般の防災訓練に参加していただくなど、滋賀県においても交流は加速度を増しているように感じます。このような中、今回、10月29日から11月2日の2泊4日で、インドネシア、バリクパパン市、スラバヤ市に、水環境ビジネスの動向調査に行ってまいりました。
インドネシアは雨期と乾期があり、飲料水確保のため多くのダム湖がありますが、土砂の流入が多く、利用されていないところがほとんどです。ペットボトルが広く普及をしておりますが、コスト高であることやごみの増加に課題があります。また、下水については、1次処理で川や湖に流すので、水環境の課題があります。
バリクパパン市では、CLAIR──財団法人自治体国際化協会の事業である自治体職員、教師、企業の環境責任者、地域リーダーなどを対象とした環境学習研修ならびにその後の展開を協議する会議に参加しました。バリクパパン市のワークショップでは、湖の保全に当たっては、人々の暮らしや工場の営みが湖に与える負荷や、上流、下流の人々の環境意識の改善が必要と、共通の認識を得るに至りました。
スラバヤ市においては、スラバヤ工科大学にて、滋賀の環境産業や琵琶湖保全の経験を生かすことのできる都市・湖に関してのヒアリング、現地の環境NGOの取り組み、集落の状況について調査をしました。
バリクパパン市、スラバヤ市ともに、ショッピングセンターの建設、国際空港の整備が進んでおり、町を回ると、人口増加と経済発展の勢いを感じます。
2020年、東京オリンピック・パラリンピックの開催時期においては、アジアの中間所得層が現在の5億人から、約3.5倍の17.5億人になると推測をされておりますが、それに伴い、今後ますます食品や日用品などの需要もふえていくことが予想されます。
しかし、このような人口増加、経済成長の一方で、インドネシアに限らず、新興国では、インフラ整備や廃棄物問題、先ほど述べたような水環境の問題など、大くの課題が生じてきています。
特に、今回のインドネシアの調査を通じて、国民全体への環境教育と経済発展は、環境と経済が両立される中で進めることが重要であると感じましたが、これはまさに滋賀県がこれまで取り組んできたことにほかならないのではないでしょうか。そこで、このような状況を踏まえ、滋賀県における中小企業の海外展開支援に関し、以下、一問一答で伺います。
中小企業に対する総合的な海外支援体制の構築を検討するために、ことし6月から、県内金融機関に県職員を派遣して研修を行うとともに、現地での調査をするという事業を実施されているところですが、どのような内容で現在調査されているのか、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(宇賀武) 11番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) (登壇)中小企業の海外展開支援に関して、金融機関に職員を派遣して調査している内容についてでございますが、中小企業の海外展開に係る課題や支援ニーズを把握し、あわせて支援業務に関する県職員の知識と能力の向上を図るということを目的といたしまして、本年6月から来年2月末まで、本県職員を滋賀銀行の国際部アジアデスクに派遣しております。香港、上海、バンコクにも拠点を持つ派遣先の体制を活用し、県内や海外において本県企業を訪問し、海外進出に至った経緯や進出における課題、また、行政に求められているニーズなどについて調査をしております。
さらに、海外における他府県の自治体事務所等も訪問し、自治体による企業への支援体制や支援内容などの調査も行っております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)まだ現在派遣をされているということですけれども、現状において、調査の結果、どのような成果があったのか、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
これまで、海外では、中国、タイ、ベトナムなど、7カ国で現地進出企業26社を初め、自治体事務所等32カ所などへの訪問調査を行ってきたほか、展示商談会やビジネスミッションの運営にも参画し、調査を行ってまいりました。
その結果、企業には現地での人材の確保や煩雑な許認可手続などに課題があること、また、地元政府と本県との協力関係の構築や、進出企業の間のネットワークづくりを進めてほしいといったニーズがあることなど、現地の事情を把握することができました。
一方、自治体による支援状況の調査では、府県が独自に事務所を設けているケースのほか、最近は、金融機関、保険会社など、民間を活用した支援の仕組みを設けるケースがふえていること、また、独自の事務所では、観光などを含め、幅広い活動が可能である一方、職員の駐在経費などの財政負担が大きいなどの課題があることもわかったところでございます。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)委託事業に関しましては、私、2月議会でもお伺いをしているところなんですけども、今おっしゃったように、なかなかどの国といった形でですね、ほかの県、一部されてるようですけども、なかなか委託事業をとっていくということは難しいのかなというふうに思うわけですけども、今、こういったような成果を含めまして、滋賀県として、現在、部長としてはどういった方向性をされようとしてるのか、お伺いしたいと思います。
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
今回の調査によりますれば、中国に加え、ASEAN諸国への進出意向が高まっていることから、これらの地域を中心に、県内での情報提供や相談体制の充実とともに、現地におけるビジネス支援の仕組みの構築を検討してまいりたいと考えております。
このうち、現地における支援の仕組みにつきましては、現地政府との行政間の協力関係の構築とともに、各地域の特性に応じた効率的な支援が行えるよう民間機関を活用した支援方策について検討してまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)この件に関しましては、最終、まだ派遣をされているということですけれども、先ほど御紹介いただいたように、金融機関や保険、そういったところと連携していくということであると理解しております。
それでは、次に、びわ湖環境ビジネスメッセIN海外について、
商工観光労働部長にお伺いをいたします。
環境と経済の両立を基本理念に、持続可能な経済社会を目指し、環境産業の育成、振興を図ろうと滋賀県で開催しているびわ湖環境ビジネスメッセもことしで16回目となります。毎年、全国各地から300社を超える出展者と3万5,000人の来場者を迎え、平均で、約4,000件の有効商談が交わされるとお聞きをしております。
ことしは、しが水環境ビジネス推進プロジェクトゾーンを初めて設けられたり、また、時宜にかなった多彩なセミナーは、私も毎回参加しても新しく得るものがあります。
さらに、今年度は、中小企業の海外展開支援施策の一環として、新たにびわ湖環境ビジネスメッセIN海外を、来年3月に開催される台湾台北市での第9回エコプロダクツ国際展に出展されるとお伺いしておりますが、その内容について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
出展先であります、第9回エコプロダクツ国際展は、アジア太平洋の20の国や地域が加盟するアジア生産性機構が主催する環境産業の国際展示会で、再生可能エネルギーや水環境ビジネス、廃棄物処理まで、幅広い分野を網羅しており、4日間で2万人の来場者が見込まれております。
また、展示会にあわせて、国際会議やシンポジウム、海外企業との商談会なども開催される総合見本市であり、本県からびわ湖環境ビジネスメッセIN海外として、びわ湖メッセの実行委員会が県内企業の参加を得て、びわ湖メッセコーナーを出展するものでございます。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)アジア20カ国参加されるということで、十分に知っていただくいい機会ではあると思うんですけども、今回初めて進出される、その狙いをどのように捉えていらっしゃるのか、
商工観光労働部長にお伺いをいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
メッセIN海外の狙いでございますが、まずはびわ湖メッセのPRを積極的に行い、海外企業のびわ湖メッセへの出展や来場促進を図ることでございます。あわせて、単独では海外出展しにくい中小企業の方々に対し、実行委員会がさまざまなサポートを提供し、まとまって出展することにより、海外出展をしやすくしようとするものでございます。
また、出展先として、東南アジアを中心に、世界中から企業が来場する国際見本市を選定することによりまして、海外展開を検討している県内企業に、この機会をぜひ活用していただきたいと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)では、今部長がおっしゃったその狙いといったものを達成するためにどれぐらいの規模、出展規模について
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
本県からの出展規模は、環境配慮型の製品や技術を有する県内中小企業10社程度として、現在募集をしているところでございます。既に水質検査、水処理のトータルサービス企業やバルブ関連のメーカー、ICTを活用した節電システムの開発企業などが出展を決めております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)さまざまな省エネ、節エネの企業が参加を予定をされているということですので、ぜひとも、まだまだ、びわ湖環境ビジネスメッセ自体が海外の多くのところに知られてないところもあるかと思いますので、そういう機会に知らせていただくともに、滋賀県の技術が広く知られるいい機会にしていただきたいと思います。
海外展開支援の取り組みの一つとして、今回出展を予定されてる中にもございますが、水環境ビジネスについても、その海外展開を図っておられます。
その中で、最近、台湾で、県の取り組みによる初めてのビジネス案件が成立したとの発表がありましたが、この内容について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えいたします。
台湾の案件でございますが、しが水環境ビジネス推進フォーラムのメンバーからの情報をきっかけに、台南市の工業団地の汚水処理についての改善ニーズを把握いたしました。
相手方の視察を受け入れ、その後、私も含めた当部とフォーラムメンバー企業などでチームを組みまして現地訪問を行いました。その際、汚水処理場等の視察や、多くの現地企業に参加いただいたフォーラムでの、滋賀県、また企業等によるプレゼンテーション、企業同士の商談のほか、台南市政府との意見交換なども行ってまいりました。
その結果、この10月に、フォーラムとして初のビジネス案件となりますメンバー企業が製造する排水処理設備の試験装置の採用が決定したものでございます。今後は、この装置により汚水の試験を行い、汚水処理関連設備の本格導入に向けた道筋ができればと思っております。
なお、この案件につきまして、メンバー企業の方々は、必ずしも商談規模にこだわらず、相手方の問題解決に寄り添うような形で、相手方の信頼を得られる丁寧な相談、そして提案をされておりまして、三方よしの精神というのを見た感じがいたしました。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)今回、台湾の方がいらした視察時に、実際に見られたときに、新たな、また企業の技術にも興味を持たれたというふうにお聞きしてるんですけども、今回行政が関与する意味、先ほど、中小企業の海外展開の全般的な調査結果の中でも、部長がおっしゃったように、中央政府との関係をどう構築していくかというような話をされたわけですが、この水環境ビジネスにおいて、今後さらにどのような展開を考えていらっしゃるのか、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) 先ほど申しましたように、滋賀県の中小企業の中に、水環境の技術でありますとか、ビジネスで、しっかりしたノウハウを持っているところがたくさんございます。既に80社以上の関係の者がフォーラムに入っているわけですが、行政側といたしましては、やはり、ある地域へ商談、あるいはそういうふうな形での交流を持っていくときに、県が一緒に同行するといいますか、一緒にビジネス展開について現地へ行くということで、一つの信用性といいますか、そういうふうなものも付加されて、ビジネスのチャンスが広がるのではないかと思っております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)今、部長、信用性ということをおっしゃいましたけれども、まさに、なかなか、中小企業単独で入っていく場合には、よほどの名の知れた企業でない限り難しいという点がありますので、この行政間の信頼関係、しっかりととっていただきたいと思います。
また、さらに、ASEAN諸国を中心とする新興国では、今後、水環境ビジネスの需要が見込まれているわけですが、県は先日、ベトナムの関係者の県内視察に合わせて、しが水環境ビジネス推進フォーラムによるセミナーを開催されました。その中で、ことしベトナムにおけるJICAの事業に応募をされましたが、残念ながら採択には至らなかったとお聞きをしております。そこで見えてきた課題について、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
JICAの草の根技術交流事業につきましては、JICAの指導も受けつつ、琵琶湖を初めとする本県のこれまでの取り組みを生かしながら、ベトナム都市部におけます公共水域の水環境のモニタリングと、これをもとにした住民啓発や対策案作成について提案をしたところでございます。
結果として、琵琶湖での取り組みをモデルとして展開していくということや、住民への啓発の意義については評価をいただいたものの、相手国政府や関係機関との連携した採択後の事業の実施体制に課題が残ったことなどから、残念ながら不採択となったところでございます。
しかしながら、今後もJICAなど、国や関係機関の支援を得ながら事業を展開したいと考えておりまして、このため、現地における状況の把握と関係者との協議を深め、提案内容の改善と実施に向けた取り組みを進めてまいる所存でございます。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)水環境ビジネスとして、滋賀県は琵琶湖モデルというものを訴えてるわけですけれども、やはり、このHOWの部分ですよね、はっきりと、このシステム自体がその相手国に対してどのように機能するのかという部分を、やはり今後クリアしていくということが必要であると感じております。
今回はベトナムのJICA事業への応募でしたが、ベトナムやインドネシアを初めとするASEAN地域での水環境ビジネスの今後の展開についてどのように考えていらっしゃるのか、
商工観光労働部長お伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
議員御指摘のとおり、ASEAN諸国では、経済発展や人口増加に伴いまして、水需要が増加するとともに、水環境改善のニーズも高く、フォーラムメンバー企業からもこれらの地域におけるビジネス展開に対する期待が寄せられております。
これまでの琵琶湖の水環境保全を進める中で、産・学・官・民に蓄積されていた技術、ノウハウに基づく総合的な取り組みこそが、本県の水環境ビジネスの強みであると考えておりまして、これを琵琶湖モデルとして発信しつつ、本県のすぐれた水環境関連企業の海外進出を促進をしていきたいと考えております。
こうした考えのもとに、フォーラムメンバー企業、大学等研究機関などからの提案も踏まえ、相手国政府や関係機関と連携しながら、具体的なニーズ発掘を進め、プロジェクト創出を目指していきたいと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)まさに今部長がおっしゃったように、相手国との関係の連携、また、さらには、NGO、特に海外においては大きな力を有しておりますので、そういった信頼できる現地カウンターパートとの協力、さらにはJICA、ILECなどとの連携が必要であると私も考えております。
そこで、今後、ILECなどが保有する世界の湖沼に関するデータベースやネットワークなどを水環境ビジネスの展開に活用していくことについて、
商工観光労働部長に所見をお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
ILECは世界の湖沼の実情や、その保全の取り組みのデータベースを持っているほか、現地の関係者の研修の受け入れなどの実績もあり、また、県内の関係大学にも、研究活動を通じた海外の情報や関係機関とのネットワークの蓄積がございます。
これらの蓄積は琵琶湖モデルの発信に大きな資源となるものでありますことから、フォーラムにはILECや大学の関係者にも既に参画をいただいておりまして、今後、現地ニーズの把握や関係者への研修の実施に協力いただくなど、連携を深めてまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)今回私が訪問したインドネシア、御承知のように、非常に島が多いわけであります。そうしますと、ジャカルタのように大きなところですと、割と大企業も入りますし、大きなシステムも入りやすいんですが、中小の都市などについては、なかなか大企業も入りにくい、だけれども、その現地のニーズに細かく対応していかないといけないわけであり、逆に、そういう意味では、そういったところに中小企業の技術が生かされる可能性があるのだと私は思います。ですから、その前提として、このデータベースを使って、やはりニーズがあるところを探ることが私は必要だと思っております。
さらに、この展開を進めるには、環境政策や都市政策、教育など、さまざまな分野における連携が必要となってくると思います。このため、ビジネス面だけではなく、環境面、さらには国際事情にもたけた人を配置し、庁内においては部局を超えて取り組みが推進できるような体制が必要であると考えますが、今後の組織体制について知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子) (登壇)駒井議員の中小企業の海外展開支援、特に水環境ビジネスにおける組織体制についてお答えさせていただきます。
本年度からスタートしました湖南省の汚水処理分野における技術協力プロジェクトをきっかけにいたしまして、庁内の連絡会議を設置をし、琵琶湖環境部、商工観光労働部の関係課のほか、琵琶湖環境科学研究センターやILECなども含め、情報の共有や対応の調整を行っております。
さらに、11月からは、琵琶湖モデルを生かした水環境ビジネスの展開を一層効果的に進められるよう、観光政策課の技術職員を商工政策課に兼務職員として配置をしたところであります。この水環境ビジネスのニーズ、相手方の状況によって違います。議員御指摘のように、島が多いところ、あるいはそれぞれの都市の発達したところ、さまざまございます。工場排水、農業排水といった対象も異なり、モニタリング、施設整備、環境教育など、求められる対策もさまざまございます。
これ以降は私自身の経験でもありますけれども、そもそも琵琶湖モデルというのは4つの主体がかかわっております。1つは住民。住民自身が、水なり環境の価値を理解をするという、石けん運動に端を発するような住民。それから、行政が制度的に、例えば富栄養化防止条例のような先駆的な条例をつくる、行政の法制度、そこに企業が主体的に取り組んで、環境改善をしようという企業、そしてそれらを支える研究なり技術者という、この4つの統合的なインテグレーションが必要でございます。それが琵琶湖モデルの強みであるということでございます。
そのようなことで考えますと、途上国の場合、例えば、水、上水道の施設を導入をしても、そもそも水代金を払ってもらえなければ、システムは維持管理できません。貧困によって払えない場合だけではなくて、それぞれの地域によって、水はただと思っていると、なかなか水の料金を払っていただけない。そうすると、施設の維持管理ができない、技術も生きてこないということになります。
下水道についてはもっと深刻でございます。そもそもトイレの習慣のないところで下水道を入れても、払っていただけない、ただで、そのあたりで処理をしている30億人の人口がおります。そういうところでは下水道というシステムそのものがなかなか受け入れにくいし、受け入れたとしても維持管理できない。
このあたりの文化的な背景も含めて、実は、ILECも、琵琶湖環境科学研究センター、そして琵琶湖博物館、滋賀県には、データというよりは、それを知っている人がおります。この人材をうまく生かすことで、国際的に求められている技術、制度、そして社会文化という形での総合的な支援が可能になると思っております。それが琵琶湖モデルの強みでもあると考えております。今後、大いに、ビジネスとしても、また、社会貢献としても発信をしていけたらと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)ただいま、知事、4つの視点からおっしゃいましたけども、まさにそのとおりだと思います。
先ほど申し上げたように、インドネシアにおいても、まずは国民の環境学習、なぜ環境に取り組まなければならないかという、国民であり、また企業の方、法律をつくってもなぜ守るべきなのかというような意識が醸成されるということがすごく必要であると思います。
ただし、この水環境ビジネスというものを進めていく中においては、スピード感というものが要求されるものであり、そういった意味では、今後、水環境ビジネスを捉えていく上での組織体制というものは、官民連携が一体になったとしても、機動力あるものをぜひともつくっていただきたい、今回、この程度申し上げて、よろしくお願いしたいと思います。
環境ビジネスを推進していくためには、一方で、中小企業においても、専門分野の理工系人材やグローバル人材が必要であり、そうした人がこれから滋賀の環境ビジネスを担っていくと考えます。特に海外展開を視野に入れられている企業の方にお話を伺いますと、能力さえあれば国籍は問わないとも言われております。中小企業が県に期待することの中で、人材育成が上位となっておりますが、高度産業人材の育成、確保に関して、
商工観光労働部長にお伺いいたします。
◎
商工観光労働部長(羽泉博史) お答えします。
人材育成、それから確保の件でございますが、まず、産業支援プラザにおきましては、中小企業支援の一環といたしまして、技術に関する人材育成のための研修や、海外展開に関する能力向上のための実務セミナーなどを実施しております。また、工業技術総合センター等におきましても、材料技術やものづくりITなどに関する研究会を実施するなど、高度産業人材の育成に取り組んでおります。
さらに、中小企業が県域を越えて、大学のインターンシップや留学生とのマッチングなどに参加することで、より効果的な人材育成・確保が期待できると思っておりまして、実は、関西広域連合におきましても、こうした取り組みの情報共有や連携の場としまして、高度産業人材に関する産・学・官連携会議が設置されたところでございます。
こうした場も活用しながら、今後の高度人材の育成、確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)ぜひとも高度産業人材の育成には取り組んでいただきたいと思います。多数の期待を受けておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移らせていただきたいと思います。
滋賀県は環境先進県として、これまでさまざまな取り組みをしてこられましたが、世界的にも環境問題への関心が高まる中、今後も環境分野において先導していくためには、環境人材の育成が欠かせません。
このたび、滋賀県環境審議会が課題解決型の学習を進めていくことが必要との答申をされましたが、滋賀県から多くの人材が輩出され、活躍されることを願い、環境問題に取り組む人材の育成についてお伺いいたします。
11月23日に、本県土木交通部が当番となる近畿「子どもの水辺」交流会が実施され、私も小学校5年生以来、29年ぶりにうみのこに乗船してきました。交流会では、近畿内の子供たちのエコクラブが発表し、小学生、中学生が学び合い、いい刺激が次なる活動へのつながりとなりました。
私自身、琵琶湖の透明度をはかり、予想以上の透明度の高さに驚きと感動を覚えたことも思い出の一つでありますが、近畿の子供たちが琵琶湖を船で回りながら、南湖と北湖の透明度の差を確認するなど、琵琶湖を知り、興味を持っていただく、とてもいい機会であったと思います。
さて、学校教育において、小・中学生については、うみのこややまのこ、しが環境教育リーディング事業の取り組みが進められています。
先日、地元中学校での環境学習発表会に参加しました。地域、企業、行政と、グループを分けて、課題と展望を探るなどといった取り組みを、パソコン、プロジェクターを使って発表することでプレゼンテーション能力の向上を目指され、また、今月にはシンガポールから来日予定の子供たちとの環境学習、交流に向けて、英語のホームページを立ち上げ、生徒みずからが更新されているなど、意欲的な取り組みを伺うことができました。
このように小中学校における取り組みは継続的な取り組みがなされていますが、一方で、高校における環境教育、学習が十分でないように感じられます。
そこで、高校における環境人材育成の取り組みについて、教育長に伺います。
次に、滋賀県立大学における環境人材の育成について伺います。
大学課程においては、研究課程に進む人材のみならず、卒業して企業で働く産業人材の育成といった、より実践的な環境人材の育成が求められるところです。滋賀県立大学は、環境省の持続可能なアジアに向けた大学における環境人材育成ビジョンの一環としての環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業に採択をされ、平成21年度から3年間、取り組んでこられました。この事業の概要と得られた成果について、また、その後の大学の人材育成にどのように生かされているのか、総務部長に伺います。
次に、琵琶湖博物館の環境学習センターにおける人材育成について、
琵琶湖環境部長に伺います。
滋賀県環境学習推進計画には、体系的な自然体験学習と低炭素社会づくりに係る環境学習の推進が大きな2本柱として位置づけられています。自然体験学習については、琵琶湖博物館のノウハウを生かして効果的な学習がされていると思いますが、低炭素社会の実現を含む環境全般について取り組む環境学習センター自体については、環境問題が複雑多様化する今日、もう少し総合的な取り組みをしてほしいと期待する声が聞かれるところです。
そこで、まずは、これまでの環境学習センターの成果を含めた現状と課題についてお伺いします。
さらに、琵琶湖博物館のリニューアルが予定されておりますが、これを機に、今後の環境学習センターの役割と機能について、どのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。
最後に第四次滋賀県環境総合計画では、滋賀らしい課題解決型の環境学習を展開していくことを考えているとのことですが、環境人材育成について、滋賀県の目指すべき環境人材の姿と、その育成の仕組みに関する所感を知事に伺います。
◎知事(嘉田由紀子) お答えさせていただきます。
滋賀県の目指すべき環境人材の姿とその育成の仕組みに関して、総論的なところでお答えさせていただきます。
各担当部長のほうで、それぞれの担当についてはお答えさせていただきます。まず、議員御指摘のように、環境問題は複雑化、多様化、広域化をしているわけでございます。それゆえ、その要因を確実に見きわめ、問題の本質を理解する、そういう人材が必要でございます。
現在の環境問題、歴史的にたどってみますと、公害・汚染問題であった時代の背景、それから、富栄養化防止条例にあるように、琵琶湖の生活環境問題のように、企業が原因というよりは、生活の中から環境汚染が生まれ出るという生活環境問題、そして、3点目には生物多様性のような生態系の破壊、知らず知らずのうちに生態系を破壊されている、このような問題、それぞれの本質を理解をし、それが今、私たちの日常生活、地域や仕事、さらには自分たちの社会経済のあり方とどうかかわっているのかを主体的に理解をし、自分ごととして捉え直すことのできる、そのような人材の育成が重要であると考えております。
このため、第4時滋賀県環境総合計画の素案では、基本目標の1番目に、環境の未来を拓く「人」・「地域」の創造を掲げさせていただきました。本県には、これまでも指摘してまいりましたように、既に1970年代から女性たちが動き出した石けん運動、その後の学校教育を中心とした環境教育、そして琵琶湖博物館などのより広い立場での環境教育の経過があります。そういう中で、先人の知恵を生かすとともに、県民、学校関係者、民間団体等で構成する課題解決型の環境学習の展開を考える協議会をつくるということで、現在、準備をしております。(仮称)環境学習推進協議会を通じまして、何よりも主体性を育む人材育成、そして、この人材育成の主体性、気づき、学び、考える、行動するという主体性とともに、結果として、経済や社会、環境に働きかけることができる問題解決型の行動につながるような、私自身はギアモデルと言っておりますけれども、このギアモデルが動かせるような形での人材育成が必要と考えております。
なお、滋賀県のこの人材育成の試みなりビジョンというのは、関西広域連合の中にも、広域の環境計画に位置づけさせていただき、議員御指摘のように、関西圏全体の子供たち、また大人の方が環境教育に関心を持っていただけるような、そのような一般モデルにも組み上げていきたいと考えております。
◎総務部長(北村朋生) (登壇)滋賀県立大学における環境人材の育成に関する御質問にお答えします。
議員御指摘の事業は、アジアの提携大学等と連携し、水環境改善などを担うための国際フィールドワークを初めとする環境人材育成プログラムの開発に取り組んだものであります。その成果として、開発したプログラムをもとに、平成24年度から、アジア地域で現地学生とともに学ぶ国際環境マネジメントを全学共通科目として創設し、昨年度はタイ北部のウドーンターニーで、汚水処理などについて、現地調査から課題解決に至るまでのプロセスを学生が実践、発表いたしました。
県立大学が開学以来実践してきた環境フィールドワークに加え、この科目を通じて、環境に関する知識や技術だけでなく、地域社会の実情や異文化を理解する能力もあわせ持った、より実践的な環境人材の育成に取り組んでいるところであります。
◎
琵琶湖環境部長(堺井拡) (登壇)2点の御質問にお答えします。
まず、環境学習センターの成果を含めた現状と課題についてでありますが、琵琶湖博物館環境学習センターは、地域団体やNPO、学校等から年間約250件の相談を受け、環境学習に関するコーディネートを行っており、相談者みずからが環境学習を企画、実施できるように支援してまいりました。
また、環境学習ポータルサイト「エコロしーが」を立ち上げ、自然環境や地球環境、エネルギー等、多様な分野で約320の学習プログラムや、約150人の指導者情報などを情報提供し、環境学習実践者の知恵袋となっております。
また、環境学習センターを琵琶湖博物館内に設置したことにより、博物館に蓄積された環境に関する知見を有効活用し、学芸員とともに、こどもエコクラブの活動交流会を開催するなど、環境学習支援機能の向上を図ってまいりました。
一方、地球温暖化問題を初め、複雑化、多様化、広域化する環境問題に対応し、総合的な環境学習を推進していくには、より一層多様な主体との協働、連携の強化が求められているものと考えております。
次に、琵琶湖博物館のリニューアルにかかわって、今後の環境学習センターの役割と機能についてでありますが、現在策定中の新琵琶湖博物館創造基本計画の素案では、交流の場としての博物館から、地域での環境保全行動の実践を担う、人が育つ博物館へ進化することを目指しておりまして、環境学習センターは、その中核的な役割を担うものと考えております。
リニューアルを機にしまして、学校と地域をつなぐコーディネート機能や、地球温暖化防止活動推進センターを含め、多様な主体とのネットワーク機能を一層強化することはもとより、先ほど知事がお答えしました(仮称)環境学習推進協議会の構成主体とともに、持続可能な社会づくりを目指す学習への支援を充実させたいと考えております。
さらに、環境学習センターと隣接する国際湖沼環境委員会──ILECとの連携によりまして、複雑化、多様化、広域化する環境課題にグローバルな視点から対応できる人材を育んでまいりたいと考えております。
◎教育長(河原恵) (登壇)高校における環境人材育成の取り組みについての御質問にお答えをいたします。
環境教育は、豊かな自然環境を守り、次の世代に引き継いでいくために、また、エネルギーの効率的な利用など、環境への負荷が少なく、持続可能な社会を構築するために大切であります。
そのため、高校においては、理科はもちろんのこと、地理や歴史、公民や家庭科の学習指導要領の中に、持続可能な社会をつくることの重要性を示し、環境教育に取り組むこととしております。また、環境問題の学習は、生徒みずからが関心を持ち、課題を見つけ、人と協力して解決しようとする能力や態度を育てることが大切であります。
さらに、発表する機会を設け、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力などの向上を図ることも重要であります。これらの資質や能力は、高校生にとって、これからの時代を生き抜くために必要なものであり、体験を通して、学び、育てなければならないと考えております。
具体的な取り組みといたしましては、例えば、工業高校の環境化学科では八幡堀の水質調査に取り組み、水温やpH、溶存酸素などの測定を経年的に行い、蓄積したデータから水環境の変化について学習し、それらを一昨年と今年の高校生国際みずフォーラムにおいて、英語でのプレゼンテーションやポスターセッションでの質疑応答を行いました。
フォーラムでは、アメリカ、台湾、シンガポール各国の高校生と国内20校の高校生が参加し、共通のテーマで環境問題について考える場とすることができました。
普通科高校におきましても、総合的な学習の時間における探究活動を通して、さまざまな環境の問題について取り組んでおります。2年生が各クラス6人程度のグループをつくり、例えば東日本大震災のごみ問題や海洋生物絶滅の原因などについて探究し、それらをポスターセッションの資料として英語でまとめ、大学の先生および他のクラスの生徒の前で発表し、議論するとともに、講評をしてもらっているところです。
今後もこうした取り組みを充実させる中で、持続可能な社会の実現に向けて、主体的に行動し、将来にわたって環境問題に取り組むことのできる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)教育長に再質問をさせていただきたいと思います。
私、先ほどのちょっと例で恐縮なんですが、インドネシアに行ったときに、川の汚れの依頼を受けました。この川の汚れというのは、川だけをきれいにする、そのものではなく、そこにはごみを拾った人々が川でプラスチックを洗ってるという実態、これが5,000人いらっしゃいます。そういった社会的問題にも立ち向かっていかなければ環境問題が解決できないという、非常に、この環境問題一つとっても、幅広い視点から捉えていくことが、今現在は必要なんだと思います。
そういう意味では、小学校は体験、中学校はみずから課題を見つけて、それに対して深めていく、高校はさらなる深掘りが必要であるかと思うんですが、そういった観点、課題解決型の環境学習といった観点から、この高校の、今おっしゃった取り組み、どのように捉えていらっしゃるのかが1点、さらに、先ほどの質問の中でも出ましたけれども、中小企業の環境技術、こういったものがどういった背景のもとに貢献されているのか、そしてまたどういう経営理念でされているのか、こういうことを学ぶこともキャリア教育の一環にもつながっていくのではないかなというふうに私は思うわけですが、こういったことが普通教育の中で、企業との連携ですね、そういうことがされているのかどうかについてお伺いしたいと思います。
◎教育長(河原恵) お答えをいたします。
社会的な視点で環境教育を捉えるということでございますけれども、そのことにつきましては、先ほども申し上げましたように、環境教育は、理科、家庭科だけではなくて、現在は地理や歴史、公民等を通しまして、社会的な視点からどのように捉えるかということが非常に重要になってきております。
また、課題解決型で深掘りをする教育をしていくということで、小中学校もそうですが、高等学校になりましたら、より一層ですが、課題解決を、まず生徒みずからが関心を持ち、課題を設定すること、そして、その中で仮説を立て、いわゆる人と協力をして議論をしながら研究を進めること、さらにはそれを発表するという機会を設けまして、そしてその中でしっかりと力をつけていくということが非常に重要であります。
また、体験を通す活動も大変重要でありますので、議員御指摘のように、課題解決的な形で進めていくことが大変重要であるというぐあいに考えております。
次に、中小企業等キャリア教育と環境問題の学習をいかに関連させるかということでございますが、特に工業高校、農業高校、また家庭科の専門学科におきましては、環境教育を企業等との連携の中で進めているところでございます。これまでも本県では、学校における環境教育の推進の中で、それらの取り組みをまとめ、発信をするという形で進めてるところでございます。
今後も環境教育が学校だけの問題ではなく、社会の問題とも関係することから、中小企業等としっかりつながりながら、キャリア教育の一環ということも視野に入れ、進めていきたいというぐあいに考えております。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)先ほど教育長も触れられましたけれども、持続可能な開発のための教育、これはESDなんですけども、来年10年目を迎えて、2014年11月、愛知県でESDユネスコ世界会議が開催予定されています。ということは、9年前にこういったようなことは言われているわけなんですけれども、そういう観点からしますと、今回、審議会から課題解決型の環境学習の必要があると指摘されたことというのは、私は大変厳しい指摘であるというふうに考えております。そういう意味でも、今後の環境学習センターの役割、大いに期待されるところですので、ぜひともよろしくお願いしたいと思い、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
それでは、最後の質問に移りたいと思います。がん登録等の推進についてお伺いいたします。ことし2月に開催されたがん医療フォーラムにて、講師の厚生労働省がん対策推進協議会会長である門田守人先生より講演いただいた第2期がん対策推進基本計画の中で、最新の全国の罹患率は、2007年の21府県の登録情報を用いて推計し、最新の5年生存率は1999年から2002年の6府県の登録情報を使用し、このデータをもとに現在のがん治療がされていることをお伺いしました。
がん登録は科学的知見に基づいたがん医療の質の向上、がん予防についての国民への情報提供の充実などを実施する上で中心となる重要な施策です。このようなことから、がん登録等の推進に関する法律が11月29日には参議院、そして今月6日に衆議院で可決されました。
そこで、今後、登録を推進するためにも、今回、滋賀県におけるがん登録の現状と課題、今後の取り組みについて、以下全て、健康福祉部長にお伺いします。
1点目に、全国がん登録のもととなる地域がん登録についてお伺いします。
地域がん登録は、がんの罹患状況を把握するためのものです。滋賀県においては、一般病床を有する病院45病院中22病院が地域がん登録に協力されていますが、がん登録の必要性からしますと、低い状況にあるように思われます。その原因について伺います。
また、地域がん登録は規模も大きく、地域でのがん罹患率の計測などへ果たす役割は大きいですが、国際的に見ても、その精度は十分とは言えないのが現状と仄聞しています。我が国において、地域がん登録の精度が低い原因について伺います。
さらに、地域がん登録は全ての都道府県で自主的に取り組んできた反面、標準化ができていないと仄聞しております。平成16年から25年度にかけての第3次対がん10か年総合戦略においても、地域がん登録における登録手順の標準化が検討項目となっているわけですが、この間、滋賀県での標準化は進んでいると言えるのか、お伺いします。
2点目に、院内がん登録についてお伺いします。
院内がん登録は、がんの診断、治療、予後などの情報収集、整理、分析するためのものであり、いわゆる5年生存率公表のもととなるものであり、がん診療連携拠点病院間の比較を目的に開始されたものですが、院内がん登録が整備されることで、地域がん登録への登録も容易になり、地域がん登録の登録数や精度の向上が予想されています。
滋賀県における院内がん登録の実施は、一般病床100床以上の病院32病院中17病院と、全ての病院で実施されていないのが現状です。そこで、院内がん登録推進に当たっての課題についてお伺いします。
3点目に、生存確認情報の収集について伺います。
予後調査については、現在は紙ベースで整理されているため、非効率で、転居や通院しなくなると把握ができないなど、課題が多く、特に死亡情報は生存率との関係で重要ですが、死亡票データとがん登録の突合をどうするかという課題があると仄聞しております。現在の状況と、今回の法改正によってどう変わるのか、お伺いいたします。
◎健康福祉部長(那須安穂) (登壇)がん登録等の推進についての3点の御質問にお答えをいたします。
まず、1点目の全国がん登録のもととなります地域がん登録の登録についての、まず第1項目の、地域がん登録に協力する病院が少ない原因についてでございます。
がん登録は発生源登録というのが原則になってまして、確定診断したところが登録するというのが、大前提がございます。そうした中で、平成23年度の実績では、一般病床を持つ45病院のうち、23の病院からは届け出がございませんでした。その原因は、その多くが当該病院においてがんを疑う患者を専門的な病院へ紹介していた、そういったことで確定診断を行ってないために届け出は要しないというふうなところが原因となっていると考えております。
届け出のあった病院数、議員御指摘の22病院でございますが、この病院は県内のがんの確定診断が行える病院とほぼ一致するものでございますので、したがいまして、がん診断をした届け出を要する病院に限って言いますと、広く協力いただいてるというふうに認識をいたしております。
次に、我が国において地域がん登録の精度が低い原因についてでございます。
原因は、地域がん登録を実施しない都道府県があったことでございまして、全国的には、平成25年度、今年度でございますが、今年度から全ての都道府県で実施されるようになったところでございまして、こういったところが精度を下げてる大きな要因でございます。
本県に限って言いますと、昭和44年から地域がん登録を実施しておりまして、登録の質を高めるための指標でございます、生存中に登録された者の割合、これは国が7割以上というのを目標にしておりますが、本県の場合、75%と目標を超えておりまして、他府県に比べて十分な精度があると、こういうふうに考えております。
次に、滋賀県で地域がん登録の標準化は進んでいるのかについてでございます。
国の第3次対がん10か年総合戦略におきまして、地域がん登録の標準化が推進されてまいりました。
同時に、標準的な登録システムが開発されまして、滋賀県では平成18年度にシステムを導入したところでございます。システム導入によりまして、届け出から登録、統計の作成まで標準化した業務を現在行っております。
また、医療機関からの登録様式につきましても、全国的にも早い平成19年から標準様式を用いて作業をしているところでございます。
2点目の院内登録の推進に当たっての課題についてでございます。
最も大きな課題は医療機関における人材の確保であると考えております。医療機関のうち、がん診療連携拠点病院とがん診療連携支援病院につきましては、国立がん研究センターが行いますがん登録実務者研修を受講した実務者が配置されておりますが、がんの確定診断を行うほかの医療機関におきましては、実務者の配置が十分とは言えない状況になっております。
また、研修受講後も実務の技能向上が必要でございまして、拠点病院と支援病院においては継続的な人材の育成が必要であると考えております。県では、こうした課題に対応するために、拠点病院と支援病院に対しましては、がん診療連携協議会のがん登録推進部会におきまして、実務研修会、あるいは実務相談会というのを実施しているところでございまして、あわせまして、その他の病院に対しましては、県立成人病センターを初めといたします拠点病院が個別の相談に応じるなど、各病院の支援をいただいているところでございます。
3点目の生存確認情報の収集に関して、現在の死亡票データとがん登録との突合の状況と、法成立によってどう変わるのかについてでございます。
地域がん登録へ届け出がなかった患者の把握や、登録患者の死亡情報の把握のためには、死亡診断書をもとに作成されております人口動態調査の死亡票の利用は欠かせません。
本県では、多くの都道府県と同様に、人口動態調査の死亡票のデータの提供を受けまして、地域がん登録に登録された患者については、その後の死亡情報を把握しているところでございます。
また、医療機関から届け出がなかった患者につきましては、死亡情報をもとに新たに登録いたしまして、当該医療機関宛てに、診断や治療に関する調査を行っております。このように、死亡票データと地域がん登録情報を突合しているところでございます。
現状における課題といたしましては、紙媒体の死亡票をもとに、手作業で入力を行っておりまして、この作業に多大な時間と労力を要しております。今後、がん登録等の推進に関する法律のもとで、死亡票をもとにする生存確認情報が、市町、保健所、県を通じて全国がん登録データベースに登録されることになっておりますので、そういった法施行に合わせまして、こうした作業の効率化のためのデータのシステム化といった環境整備が行われることを大いに期待しているところでございます。
◆11番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。
がん登録の、この推進の法律制定によって、がん登録、飛躍的に進んでいくと思われます。患者さんの情報提供が必要であり、これは個人情報としてしっかりとして管理をしていくとともに、データを構築するに当たっては、多額の費用がかかるという課題がございますけれども、この点に関しては、やはり私もがん議連のメンバーとして、よりよく、もっと学んでいきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(宇賀武) 以上で、11番駒井千代議員の質問を終了いたします。
以上で発言通告のありました発言は終わりました。
この際、関連質問はありませんか。
(「なし」)
関連質問なしと認めます。
以上で、質疑ならびに質問を終わります。
────────────────
△会第1号、議第186号から議第269号までおよび諮第1号(滋賀県がん対策の推進に関する条例案ほか85件)ならびに請願(各常任委員会付託)
○議長(宇賀武) 会第1号、議第186号から議第269号までおよび諮第1号の各議案ならびに請願は、お手元に配付いたしておきました文書のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
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平成25年11月滋賀県議会定例会議案付託表
平成25年12月11日(水)
〇総務・企業常任委員会
議第186号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳入の部 全 部
歳出の部 款3 総務費
第3条 地方債の補正
議第189号 滋賀県職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例案
議第190号 滋賀県税条例の一部を改正する条例案
議第191号 滋賀県税の課税免除および不均一課税に関する条例の一部を改正する条例案
議第192号 滋賀県使用料および手数料条例の一部を改正する条例案
議第193号 滋賀県行政財産使用料条例の一部を改正する条例案
議第214号 滋賀県工業用水道条例の一部を改正する条例案
議第215号 滋賀県水道用水供給条例の一部を改正する条例案
議第234号 契約の締結につき議決を求めることについて(危機管理センター新築工事)
議第242号 滋賀県奨学資金貸与金に係る返還金および延滞利息等の請求訴訟の提起につき議決を求めることについて
議第243号 貸付金返還請求事件等の和解につき議決を求めることについて
議第262号 平成26年度において発売する当せん金付証票の発売総額につき議決を求めることについて
議第266号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第8号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳入の部 全 部
歳出の部 款3 総務費
議第269号 平成25年度滋賀県水道用水供給事業会計補正予算(第2号)
諮第1号 退職手当支給制限処分に係る審査請求の諮問について
〇政策・土木交通常任委員会
議第186号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款8 土木交通費
款11 災害復旧費のうち
項3 土木交通施設災害復旧費
第2条 債務負担行為の補正のうち
1 追加 133 滋賀県立県民交流センター管理運営委託
134 しが県民芸術創造館および滋賀県立文化産業交流会館管理運営委託
135 滋賀県希望が丘文化公園、滋賀県立青少年宿泊研修所および滋賀県立希望が丘野外活動センター管理運営委託
137 大津港公共港湾施設(マリーナ施設を除く。)管理運営委託
138 滋賀県営都市公園(湖岸緑地生川木戸川地区、和邇真野地区、堅田雄琴地区および北大津地区、春日山公園ならびに尾花川公園に限る。)管理運営委託
139 滋賀県営都市公園(湖岸緑地山田新浜地区、志那地区、赤野井吉川地区および中主吉川地区に限る。)管理運営委託
140 滋賀県営都市公園(湖岸緑地能登川地区、新海薩摩地区、薩摩宇曽川地区、曽根沼地区、犬上川大藪地区、松原米川地区、長浜南浜地区および大浜安養寺地区に限る。)管理運営委託
141 滋賀県営都市公園(びわこ文化公園(文化ゾーン)に限る。)管理運営委託
142 滋賀県営都市公園(奥びわスポーツの森に限る。)管理運営委託
143 補助河川災害関連事業(鴨川)
2 変更 131 補助土木施設災害復旧事業(台風18号災害関連)
議第188号 滋賀県税条例に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人を指定する条例案
議第205号 滋賀県道路占用料徴収条例の一部を改正する条例案
議第206号 滋賀県公共港湾施設の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第207号 滋賀県港湾占用料等徴収条例の一部を改正する条例案
議第208号 滋賀県流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例案
議第209号 滋賀県都市公園条例の一部を改正する条例案
議第211号 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第212号 滋賀県立県民交流センターの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第213号 滋賀県希望が丘文化公園の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第219号 滋賀県立文化産業交流会館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第237号 契約の締結につき議決を求めることについて(木之本長浜線補助道路整備工事)
議第239号 契約の変更につき議決を求めることについて(葉山川広域河川改修事業国道1号横過部工事)
議第247号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立県民交流センター)
議第248号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(しが県民芸術創造館および滋賀県立文化産業交流会館)
議第249号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県希望が丘文化公園、滋賀県立青少年宿泊研修所および滋賀県立希望が丘野外活動センター)
議第252号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(大津港公共港湾施設(マリーナ施設を除く。))
議第253号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(大津港公共港湾施設(マリーナ施設に限る。))
議第254号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(湖岸緑地生川木戸川地区、和邇真野地区、堅田雄琴地区および北大津地区、春日山公園ならびに尾花川公園に限る。))
議第255号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(湖岸緑地山田新浜地区、志那地区、赤野井吉川地区および中主吉川地区に限る。))
議第256号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(湖岸緑地能登川地区、新海薩摩地区、薩摩宇曽川地区、曽根沼地区、犬上川大藪地区、松原米川地区、長浜南浜地区および大浜安養寺地区に限る。))
議第257号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(びわこ文化公園(文化ゾーン)に限る。))
議第258号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(奥びわスポーツの森に限る。))
議第263号 滋賀交通ビジョンの策定につき議決を求めることについて
議第264号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第7号)
議第265号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県営都市公園(びわこ地球市民の森に限る。))
議第266号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第8号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款2 総合政策費
款8 土木交通費
〇環境・農水常任委員会
議第186号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款4 琵琶湖環境費
款7 農政水産業費
款11 災害復旧費のうち
項2 農政水産施設災害復旧費
第2条 債務負担行為の補正のうち
1 追加 136 滋賀県立近江富士花緑公園管理運営委託
2 変更 98 琵琶湖・環境科学研究センター新水質実験調査船建造事業
議第187号 平成25年度滋賀県流域下水道事業特別会計補正予算(第5号)
議第202号 滋賀県醒井養鱒場の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第203号 滋賀県立近江富士花緑公園の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第204号 滋賀県国営土地改良事業負担金等徴収条例の一部を改正する条例案
議第210号 滋賀県琵琶湖流域下水道条例の一部を改正する条例案
議第235号 契約の締結につき議決を求めることについて(旧産業廃棄物最終処分場二次対策工事)
議第236号 契約の締結につき議決を求めることについて(琵琶湖流域下水道湖南中部浄化センター建設工事)
議第241号 財産の取得の変更につき議決を求めることについて
議第244号 琵琶湖流域下水道湖南中部処理区の管理に要する経費について関係市町が負担すべき金額を定めることにつき議決を求めることについて
議第245号 琵琶湖流域下水道湖西処理区の管理に要する経費について関係市が負担すべき金額を定めることにつき議決を求めることについて
議第246号 琵琶湖流域下水道東北部処理区の管理に要する経費について関係市町が負担すべき金額を定めることにつき議決を求めることについて
議第250号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(琵琶湖流域下水道(矢橋帰帆島公園および苗鹿公園に限る。))
議第251号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立近江富士花緑公園)
議第266号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第8号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款4 琵琶湖環境費
款7 農政水産業費
議第267号 平成25年度滋賀県流域下水道事業特別会計補正予算(第6号)
〇厚生・産業常任委員会
会第1号 滋賀県がん対策の推進に関する条例案
議第186号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款5 健康福祉費
議第194号 滋賀県立長寿社会福祉センターの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第195号 滋賀県児童福祉施設の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第196号 滋賀県立びわ湖こどもの国の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第197号 滋賀県立障害者福祉センターの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第198号 滋賀県立むれやま荘の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第199号 滋賀県立テクノファクトリーの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第200号 滋賀県立草津SOHOビジネスオフィスの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第201号 滋賀県立陶芸の森の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第216号 滋賀県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議第240号 財産の取得につき議決を求めることについて
議第266号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第8号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款5 健康福祉費
款6 商工観光労働費
議第268号 平成25年度滋賀県病院事業会計補正予算(第2号)
〇文教・警察常任委員会
議第186号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第6号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款10 教育費
第2条 債務負担行為の補正のうち
1 追加 144 滋賀県立長浜ドーム(宿泊研修館を除く。)および滋賀県立彦根総合運動場管理運営委託
145 滋賀県立長浜ドーム(宿泊研修館に限る。)管理運営委託
146 滋賀県立体育館および滋賀県立武道館管理運営委託
議第217号 滋賀県社会教育委員条例案
議第218号 滋賀県立青少年宿泊研修所の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第220号 滋賀県立安土城考古博物館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第221号 滋賀県立長浜ドームの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第222号 滋賀県立体育館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第223号 滋賀県立栗東体育館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第224号 滋賀県立武道館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第225号 滋賀県立スポーツ会館の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第226号 滋賀県立アイスアリーナの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第227号 滋賀県立彦根総合運動場の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第228号 滋賀県立希望が丘野外活動センターの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第229号 滋賀県立琵琶湖漕艇場の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第230号 滋賀県立ライフル射撃場の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第231号 滋賀県立伊吹運動場の設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第232号 滋賀県立柳が崎ヨットハーバーの設置および管理に関する条例の一部を改正する条例案
議第233号 滋賀県留置施設視察委員会条例の一部を改正する条例案
議第238号 契約の締結につき議決を求めることについて(石山高校耐震改修その他工事)
議第259号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立長浜ドーム(宿泊研修館を除く。)および滋賀県立彦根総合運動場)
議第260号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立長浜ドーム(宿泊研修館に限る。))
議第261号 指定管理者の指定につき議決を求めることについて(滋賀県立体育館および滋賀県立武道館)
議第266号 平成25年度滋賀県
一般会計補正予算(第8号)
第1条 歳入歳出予算の補正のうち
歳出の部 款9 警察費
款10 教育費
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請 願 文 書 表
△請願第10号 滋賀県内避難者の生活環境への支援を求めることについて
請 願 番 号 第10号
受 理 年 月 日 平成25年12月5日
件 名 滋賀県内避難者の生活環境への支援を求めることについて
請願者住所氏名 (略)
紹 介 議 員 目片信悟 青木甚浩 駒井千代 江畑弥八郎
付 託 委 員 会 政策・土木交通常任委員会
審 査 結 果
請 願 要 旨
昨年6月に成立した「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下「子ども・被災者支援法」という)の理念は、避難の権利が保障されるものとなっている。また、滋賀県子ども条例(基本理念)第3条2には「育ち・育てる環境づくりは、子どもが次世代の社会を担う大切な存在であるという認識の下に、社会全体で子どもを育てるとともに、子どもの成長を支援することを旨として推進されなければならない。」、3に「育ち、育てる環境づくりは、子どもにとって最善の利益が考慮されることを旨として推進されなければならない。」とあり、県では、この条例に基づいて子育て支援および教育を行ってきたと思料する。これは県内に避難した子供たちにもあてはめられるべきである。
子供たちの健やかな成長と安定した生活のためには、今後も長期的に安心して住める住居の確保と子供たちを守り育てる保護者の安定した就労が必要不可欠である。けれども、現実には母子のみの避難等で家族が別々に暮らす方は二重生活による経済的、精神的な負担を強いられており、家族で避難されていても、住宅や就労などの公的支援の年限打ち切りにより今後の生活に不安を抱える方も少なくない。県内の自治体の中には、避難者の方々には特例として市営住宅等の年限を切らないところもあるようであるが、一部の自治体だけが取り組むのでなく、県下全域で取り組まれたい。
ついては、福島第一原発事故により避難し、滋賀県内に居住する子供たちとその家族の生活環境整備に対して、「子ども・避難者支援法」の理念に基づき、滋賀県独自の支援施策を行うよう下記事項について請願する。
記
1.「子ども・被災者支援法」の理念に基づき、福島第一原発事故により避難し、滋賀県に居住する子供たちとその家族の生活環境を支えるため、公営住宅の年限を区切ることなく、それぞれの事情に応じて柔軟に対応すること。
2.避難者の就職活動にあたり、保育園等の一時保育利用などの支援を行うこと。
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請 願 文 書 表
△請願第11号 滋賀県内避難者の子供たちの健康診断および県下
保養プログラムへの助成等滋賀県独自施策の実現を求めることについて
請 願 番 号 第11号
受 理 年 月 日 平成25年12月5日
件 名 滋賀県内避難者の子供たちの健康診断および県下
保養プログラムへの助成等滋賀県独自施策の実現を求めることについて
請願者住所氏名 (略)
紹 介 議 員 目片信悟 青木甚浩 駒井千代 江畑弥八郎
付 託 委 員 会 厚生・産業常任委員会
審 査 結 果
請 願 要 旨
11月12日に発表された第13回福島県民健康管理調査の結果では、約22万6,000人の子供たちの検査で58人に甲状腺がんまたは強い疑いがあることがわかった。小児甲状腺がんの発生は、通常では100万人に対し5人と言われており、残念ながら、今回の結果においても大変高い発生率を示すもので、とても心配される。このことを考えると、未来を担う子供たちの健康管理を行う対策を練り、予防原則にのっとって、今すぐ動き出す必要がある。国際的には、「たとえ低線量であっても放射線が人体に与える影響は必ずある」という見解が主流である。東北、関東地方で甲状腺機能低下、白血球数の顕著な低下、免疫力の低下、心電図異常などがふえているという実態から見ても、今後の子供たちの健康状態をしっかり見守っていくことが将来のためにも大変重要であり、それが大人の果たすべき役割であると考える。
27年前に事故を起こしたチェルノブイリ原発による汚染地の子供たちの保養は、今もってベラルーシ政府、ウクライナ政府により国家的な優先課題として無償で行われている。子供たちの健康のためには保養や避難・移住は推奨されるべきものであるが、日本では現在、保養事業は民間のボランティア団体、慈善団体による実施に頼らざるを得ない状況である。ついては、福島第一原発事故により避難し、滋賀県内に居住する子供たちの健康管理と県下で行われる
保養プログラムについて、「子ども・避難者支援法」の理念に基づき、滋賀県独自の支援施策を行うよう下記事項について請願する。
記
1.「子ども・被災者支援法」の理念に基づき、福島第一原発事故により避難し、滋賀県に居住する子供たちの健康を守るため、甲状腺エコーを初めとする各種健康診断を受けやすくするための支援を行うこと。
2.滋賀県下で行われる
保養プログラムについて助成を行うなど、滋賀県独自施策を行うこと。
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△休会の議決
○議長(宇賀武) お諮りをいたします。
明12日から19日までは、委員会審査等のため、休会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」)
御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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○議長(宇賀武) 来る20日は、定刻より本会議を開き、付託案件に対する各委員長の報告を求めます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後3時34分 散会
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