滋賀県議会 2005-03-03
平成17年 2月定例会(第1号〜第7号)−03月03日-04号
平成17年 2月定例会(第1号〜第7号)−03月03日-04号平成17年 2月定例会(第1号〜第7号)
平成17年2月
滋賀県議会定例会会議録(第4号)
平成17年3月3日(木曜日)
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議事日程 第4号
平成17年3月3日(木)
午 前 10 時 開 議
第1 議第1号から議第59号まで(平成17年度滋賀県一般会計予算ほか58件)(質疑、質問)
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本日の会議に付した事件
第1 日程第1の件
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会議に出席した議員(43名)
1番 福 本 庄 三 郎 君 2番 若 山 秀 士 君
3番 上 田 昌 之 君 4番 蔦 田 恵 子 さん
5番 小 寺 裕 雄 君 6番 山 田 和 廣 君
7番 山 田 尚 夫 君 8番 太 田 正 明 君
9番 辻 貢 君 10番 小 杉 武 志 君
11番 西 川 勝 彦 君 12番 岡 崎 基 子 さん
13番 大 井 豊 君 14番 河 部 哲 幸 君
15番 谷 康 彦 君 16番 森 茂 樹 君
17番 桐 山 ヒ サ 子 さん 18番 中 沢 啓 子 さん
19番 徳 永 久 志 君 21番 北 野 加 代 子 さん
22番 出 原 逸 三 君 23番 青 木 愛 子 さん
24番 佐 野 高 典 君 25番 三 宅 忠 義 君
26番 上 田 彰 君 27番 家 森 茂 樹 君
28番 清 水 克 実 君 29番 吉 田 清 一 君
30番 杼 木 捨 蔵 君 31番 辻 村 克 君
32番 赤 堀 義 次 君 33番 冨 士 谷 英 正 君
34番 世 古 正 君 35番 三 浦 治 雄 君
36番 中 村 善 一 郎 君 37番 黒 田 昭 信 君
38番 上 野 幸 夫 君 39番 橋 本 正 君
40番 滝 一 郎 君 43番 黒 川 治 君
46番 梅 村 正 君 47番 朝 倉 克 己 君
48番 沢 田 享 子 さん
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会議に欠席した議員(なし)
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会議に出席した説明員
知事 國 松 善 次 君
教育委員会委員長 高 橋 啓 子 さん
選挙管理委員会委員長代理 深 田 作 治 君
人事委員会委員長代理 山 川 明 子 さん
公安委員会委員長 森 美 和 子 さん
代表監査委員 中 森 武 君
副知事 廣 田 義 治 君
副知事 安 藤 よ し 子 さん
出納長 池 口 博 信 君
政策調整部長兼知事公室長 川 尻 嘉 徳 君
総務部長 馬 場 章 君
県民文化生活部長 近 藤 月 彦 君
琵琶湖環境部長 伊 藤 潔 君
健康福祉部長 澤 田 史 朗 君
商工観光労働部長 河 本 光 明 君
農政水産部長 浅 田 博 之 君
土木交通部長 河 崎 和 明 君
企業庁長 三 谷 健 太 郎 君
教育長 斎 藤 俊 信 君
警察本部長 上 山 國 隆 君
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議場に出席した事務局職員
事務局長 小 川 啓 雄
議事調査課長 吉 田 哲 也
議事調査課課長補佐 林 田 長 吾
議事調査課副主幹 山 本 昌 男
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午前10時3分 開議
○議長(世古正君) これより本日の会議を開きます。
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△諸般の報告
○議長(世古正君) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。
選挙管理委員会委員長伊藤正明君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員深田作治君が、また、
人事委員会委員長市木重夫君が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として同委員山川明子さんが、それぞれ出席されておりますので、御了承願います。
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○議長(世古正君) これより日程に入ります。
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△議第1号から議第59号まで(平成17年度滋賀県一般会計予算ほか58件)(質疑、質問)
○議長(世古正君) 日程第1、議第1号から議第59号までの各議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。
発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。
まず、14番河部哲幸君の発言を許します。
◆14番(河部哲幸君) (登壇、拍手)おはようございます。きょうは3月3日、ひな祭りの日であります。お子様の健やかな成長を願うものであります。また、耳の日でもあります。今、国会では、聞く耳を持たない小泉総理のもと、国会審議が進められています。まことに残念な思いでございますが、私たちは県民の皆様の声に耳を傾け、湖国滋賀の発展の思いを込めて質問に移らさせていただきます。
まず初めに、
地球温暖化対策についてでありますが、昨日、三宅議員の質問にもありましたので重複する部分がありますが、要点のみ、質問させていただきます。
地球温暖化防止のための京都議定書が2月16日に発効しました。
温室効果ガス削減目標は国際公約となり、法的な拘束力が生じてきました。これを受けて、現在、政府は削減目標を達成するための
目標達成計画書の策定づくりが進められています。これによりますと、各自治体が
温暖化防止計画を策定し、国はそれを支援すると聞き及んでいますが、
環境こだわり県として環境対策にこだわりと熱意を持っておられる知事に、京都議定書の発効について御所見をお伺いします。
以下、
琵琶湖環境部長にお伺いします。
本県は既に2000年に、大気環境への負荷の低減に関する条例を制定し、
地球温暖化対策推進計画が実施されていますが、
二酸化炭素排出量は、ビルや世帯数の増加、さらには、自動車の大型化、保有台数の増加などで、現状では1990年を基準年とした6%の目標達成が厳しい状況と言われています。本県も国と同様に、
温室効果ガス削減に向けて厳しい取り組みが求められています。目標を達成するには、さらなる県民参加のもと、
エネルギー削減に向けての対策が必要と考えますが、御所見をお伺いします。
県としては、昨年10月に、しが新
エネルギー導入戦略プランを策定されました。
地球温暖化対策の一つであると思いますが、その現状と今後の取り組み、そして効果について、どのように考えておられるのか、お伺いします。
次に、環境学習の推進について、
琵琶湖環境部長にお伺いします。
本県は、中央に母なる琵琶湖を抱え、私たちの価値観や営みのありさまが琵琶湖に流入し、河川を通じて最終的に琵琶湖の水質や生態系などに影響を及ぼすという地域特性を有しています。そのような状況において、本県は今日まで
環境こだわり県として、いろいろな取り組みをしてきました。
平成8年3月には滋賀県環境基本条例が制定され、さまざまな場面や、個々の分野で環境学習が行われてきました。しかし、幅広い分野への対応が十分でないことや、一部の取り組みにとどまって広がらないという課題がありました。それを解消するために、地域の特性を生かした多様な環境学習の機会の提供や取り組みの広がりを図るために、県民、NPO、学校、事業者、そして行政が、それぞれの責任と役割を自覚し、主体的かつ積極的に環境学習に取り組むことが求められてきました。
そのような背景のもと、先日の代表質問にもありましたように、昨年、滋賀県環境学習の推進に関する条例が制定され、それに基づき、
環境学習推進計画が作成されました。その条例の制定により、滋賀県は名実ともに
環境こだわり県としてスタートしたものと期待するものであります。
そこで、環境学習の推進についてお伺いします。
まず初めに、環境学習は、幼児から高齢者まで、すべての世代の取り組みとして、また、家庭、地域、職場といったさまざまな場面で相互に連携をとりながら進めていくことが重要であります。中でも、特に心身の発達の敏感期である幼児期において、自然に触れ、全身で自然を感じる体験の中で、環境学習を通じての人づくりが大切であります。本県では平成13年度から、
幼児自然体験型環境学習事業を実施していますが、この事業の現状と今後の取り組みについてお伺いします。
次に、環境学習は、すべての県民が主体的に環境学習を協働で連携のもとに、そして、効果的かつ適切に実施されることが望まれます。それを周知徹底し、環境に対する意識づけと啓発活動がまず必要と考えますが、県民、各種団体、事業者、行政などにどのようにPRされようとしているのか、お伺いします。
次に、行政の役割は非常に大きいものがあります。行政の取り組みは、縦割り行政とも言われますが、全庁挙げての横断的な取り組みが不可欠であり、環境学習を推進するに当たっては、庁内関係課の連携が必要と考えます。庁内の取り組みについてどのように考えておられるのか、お伺いします。
また、条例の制定は、滋賀県挙げての推進であり、予算の裏づけも必要と考えますが、新年度予算にどのように反映されているのか、お伺いします。
この項の最後に、(仮称)滋賀県
環境学習支援センターについてお伺いします。
環境学習の取り組みは、一時的な体験や、楽しかったという満足感などの一過性のものに終わるのではなく、継続的な取り組みにつなげていくことが重要であります。また、自分たちの地域は自分たちでよくしていこうという自発的な参加のもとに、多くの住民が、地域の特色を生かした活動を住民や地域団体、NPOなどとともに考え、実践していくことが重要であります。
支援センターでは、それぞれの主体の連携、協働した環境学習の推進のため、どのような事業展開を通じて具体的に支援していかれるのか、お伺いします。
また、開かれた
支援センターとなるためには、県民参加の運営と組織づくりが必要と考えますが、
支援センターの運営と組織についてどのように考えておられるのか、お伺いします。
次に、
施策評価システムの改善と業務改革について、知事と総務部長にお伺いします。
まず初めに、施策評価についてお伺いします。
施策評価は、職員の皆さんの知恵と汗の結晶となり、膨大な資料として報告書にまとめられています。県がどんな仕事をしているかを知るには非常にまとまった資料でありますが、わかりやすさには課題を残すものであります。一方では、今までに何名もの議員の皆様が施策評価のあり方について質問をされていますように、作成にかかわる職員の労力は膨大なものでありながら、本当にその結果が活用されているのか、その労力に見合った成果は果たして上がっているのかなど、必ずしも明確でありません。
そこで、いま一度、施策評価がどのような目的で導入されたのか、また、施策評価を導入したことによりどのような成果があったのか、これまでの6年間をいま一度総括していただき、
施策評価システムについてどのように考えておられるのか、知事にお伺いします。
次に、施策評価については、なぜその仕事をしなければならないのか、仕事のやり方はこれでよかったのか、もっとよい方法はなかったかなど、職員の皆さんが仕事を振り返り、その結果を施策評価を通じて県民に説明することは必要不可欠であると考えます。それと同時に、大きなコストをかけて作成する施策評価表も間接的な業務であり、より効率化に向けて常に改善する努力を続ける必要があると考えますが、現時点での取り組みについて、知事にお伺いします。
次に、施策評価の作成経費について、総務部長にお伺いします。
平成16年度施策評価は、基本施策146本、個別事業は1,204事業から成っていますが、この作成には県庁全体で相当な経費がかかっていると思います。私は、直接事務を担当する
行政経営改革室の事業予算、担当職員の人件費のほかに、実際に施策評価を実施される部局の人件費も含めた総合計が施策評価に係る経費であると考えますので、この考え方に沿った経費について把握されているのか、お伺いいたします。
今後、
施策評価実施の費用対効果をチェックするためにも、次回の施策評価の実施時には、県庁全体が作成に係る経費を把握し、より少ない経費で作成できるよう改善に努めていただきたいと思いますが、御所見をお伺いします。
次に、県では未曽有の財政危機を乗り切るために
財政構造改革プログラムを改定し、県行政のより一層のスリム化と効率化の視点から、事業の費用対効果を厳しくチェックするなどして、選択と集中の徹底をされているところですが、事業費のチェックにとどまらず、県民に対して直接のサービスを実施する部門以外の、いわゆる管理部門の間接的な経費についても、今後は費用対効果をチェックして業務の改革をしていく必要があると考えます。民間企業においては、直接、間接的な業務に工数管理を導入し、事業費、適切な人員配置などの管理に活用され、効果を上げていますが、業務改革について、総務部長の御所見をお伺いします。
次に、スポーツのイベントについてお伺いします。
2000年、国の
スポーツ振興基本計画を踏まえて、県民の豊かな
スポーツライフを目指し、滋賀の生涯
スポーツ振興計画、滋賀の
スポーツデザイン2010が2001年度に策定されました。計画期間は2010年までの10年間で、実現すべき施策目標を示したものであります。目標は、県民の豊かな
スポーツライフを築き、明るく豊かな活力ある社会の実現を目指しています。地域におけるスポーツの充実、競技力の向上に取り組むことにより県民スポーツの総合的な振興を図り、成人の週1回以上の実施率を2人に1人、50%以上とすることを目標に、現在その計画が進められています。計画期間の3年目が経過をし、4年目を迎えようとしていますが、施策の進捗状況と今後の見通しについて、教育長にお伺いします。
また、スポーツの発展に教育委員会の役割は非常に大きいものがあります。滋賀県の
スポーツ振興の推進について、教育長の思いをお伺いします。
次に、基本計画では、スポーツを通じて、県民相互や県民と国内外の人々との交流が促進されるイベントや大会などを積極的に誘致、開催することを掲げています。本県では、その一環として、2007年に
日本スポーツマスターズ、2008年には
全国スポーツ・
レクリエーション祭の誘致がなされたものと思います。新年度予算にもその準備費の予算が計上され、県の両大会に対する意気込みを感じます。
両大会は、中高齢者の
スポーツライフや健康づくりを初め、国内のさまざまな人々と交流を図る上では最大の大会であり、本大会の開催を通じて、県民一人一人が高齢化社会を健康で生き生きと過ごせる、活力ある生涯スポーツ社会の実現に向けて極めて意義あるものであります。本県の生涯スポーツの飛躍的な振興につながることと大いに期待するとともに、
スポーツ愛好者にとっても喜びと、そして、大会の成功を願うものであります。
平成14年、広島県の
全国スポーツ・
レクリエーション祭は、選手、役員を含めて約3万人の参加のもとに開催され、国民体育大会に匹敵するほどのスポーツのイベントであったと仄聞しています。滋賀県では国体以来の大きなイベントとなりますので、湖国滋賀として、地域性を生かした滋賀らしいイベントになるように、それと同時に、この大会は湖国滋賀のPRをする絶好の機会でもあり、そしてまた、観光の発展にも寄与するものであります。庁内の連携を密にして取り組んでいかれることを望みますとともに、さらに、両大会を成功させるには、市町村、各種団体、ボランティアなどの協力と、県民挙げての取り組みが不可欠と考えます。
そこで、両大会を誘致するまでの経過、開催概要、今後の準備計画と県の役割について、教育長にお伺いします。
最後に、これを機会に、老朽化した施設の改修、施設不足の解消、指導者の養成と確保など、さらに充実した
スポーツ環境の整備をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(世古正君) 14番河部哲幸君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(國松善次君) (登壇)河部議員の御質問にお答えします。
まず、
地球温暖化対策について、京都議定書の発効を踏まえた所見についてであります。
宇宙船から見た地球は青く輝いているといいます。私たちの住むこの地球は、窒素、酸素、二酸化炭素など、絶妙にバランスのとれた大気に包まれ、安定した気候が確保され、年間の平均温度を15度に維持しながら、長い歴史の中で多様な、そして豊かな生態系をはぐくんできました。しかしながら、これまでほぼ280ppmで安定的に推移しておりました大気中の二酸化炭素は、私たち人間活動の拡大に伴いまして、現在では370ppm程度まで上昇し、このまま推移しますと、これからの100年で500ppmから1,000ppmにまで上昇すると推測されています。
気候変動に関する政府間パネルの報告では、
温室効果ガスがこのままふえ続けますと、今世紀末では年間の平均気温が最大で5.8度、さらに上がるといったことで、海面上昇を初め、水不足や水害の深刻化、生態系の急変、熱帯性伝染病の拡大などを引き起こすおそれがあると警告しています。大気中の
温室効果ガス濃度を安定化させるためには、世界では年間で、
二酸化炭素換算で230億トンとされる人為的な排出量を、最終的には自然の吸収量である年間110億トンへと減らさなければならないと言われております。
こうした地球温暖化の危機的状況にかんがみ、京都議定書では、
温室効果ガスの削減を求める国際的な枠組みを定めたものでありまして、その発効は多くの国や地域が待ち望んでいたことでもあります。
今後は、国内対策として、国においては、
京都議定書目標達成計画の策定が進められますとともに、本県におきましても、果たすべき責任と役割を見据え、具体的な削減対策を盛り込んだ新滋賀県
地球温暖化対策推進計画を策定することとしております。
地球温暖化の防止には、
省エネルギー技術や環境保全技術の分野で新しい科学技術の発展が期待されますが、同時に、それのみで解決できないと考えます。むしろ、新しい生活観や社会観に基づくライフスタイルや
ワークスタイルを構築し、すべての人々がその合意を共有化することであり、それにふさわしい産業を育てることだと考えます。新推進計画は、そうした視点をしっかりと見据え、きめ細かで現実的な方策を見出す施策として、着実に推進してまいりたいと考えるものであります。
次に、
施策評価システムの改善についての御質問にお答えします。
1点目の施策評価の総括でありますが、
施策評価システムは、成果重視の観点に立って、施策を職員みずからが振り返り、評価し、次のステップにつなげることによって、より効果的、効率的な行政経営を目指すものであります。行政改革の一環として、計画、実施、評価、反映という、いわゆる
PDCAサイクルが循環する
行政経営スタイルの構築を目的に実施しているものであります。これまで我が国では、行政サービスは評価できないものとして、評価しないまま続けられてきましたが、これを何とか客観的に評価できないかということで、そのシステムや技法の開発に取り組むべく、平成11年度、全国でも先駆ける形でこれに取り組んでまいりました。
導入以来、これまでの間における施策評価の成果を総括いたしますと、まずは、毎年度、客観的な指標を用いてみずからの仕事を評価するといったこととともに、県民に報告するという意識が職員の間に着実に定着しつつあると考えます。また、県民に対する説明責任につきましては、すべての施策と個別事業の評価表をホームページなどに公表するといった形で、県民の皆さんに事業の自己評価の結果を公開し、県政のオープン化に努めてきたところであります。
確かに施策評価はシステム自体が発展途上であり、手法についても試行錯誤を続けておりますことや、県の事業のほぼすべてを対象にしておりますことから、ある程度の作業と時間が必要でありますが、客観的な指標に基づき、事業の成果を確認する手法として、効果的な行政経営を行う上で有効なものであると考えます。
次に、2点目の改善努力についてでありますが、かつてない厳しい財政状況のもと、県として、よりよい施策展開に向けて、さらに間接的な業務の効率化という観点からも、
評価システムの、より改善に努めていく必要があると考えております。現在、
施策評価システムについては、まずはシステムの簡素化、そして、
PDCA型行政経営に役立つツールの開発という2つのことを柱に、抜本的な改善に取り組むこととしております。
まず、システムの簡素化でありますが、個別事業の評価表の作成を取りやめ、様式を思い切ってシンプルにし、評価表の作成作業の絶対量を軽減することで、より内容に力を注げるようにしたいと考えております。
また、
PDCA型行政経営を実現するために、職員が施策評価は役に立つと実感できるものに転換したいと考えております。その手法の一つとして、新たに相対評価や二次評価を導入することにより、あれもこれもというのではなく、あれかこれかという選択と集中のツールになる、そして、それを活用するように考えたいと思います。
このほか、予算編成や中期計画の進行管理、組織目標など、他のツールとの連携を図ることによりまして、総合的な行政経営の構築を目指してまいりたいと考えます。
この
施策評価システムの大幅な改善案につきましては、平成17年度にまず試行を行い、それを検証した上で、平成18年度以降に本格的な形で導入したいと考えております。
評価システムは、今や自治体にとって、いわば標準装備とも言えるツールであると認識しておりまして、本県におきましても、これまでの6年間の総括を踏まえまして、効率的で、より活用しやすいツールとなりますよう、改善を図ってまいりたいと考えるものであります。
◎総務部長(馬場章君) (登壇)河部議員の
施策評価システム改善と業務改革についての御質問にお答えを申し上げます。
まず、
施策評価システムに係る経費についてでございますが、実務的には、日常業務の一環として、評価表の作成作業や各階層での協議を実施しておりますことから、この業務だけを特定して算出することはなかなか難しい面がございます。そこで、ある特定の部を例にとって、施策評価にかかわった職員が協議などに費やした所要時間をもとに、人件費の平均単価を掛けて試算しました推計に、
行政経営改革室における事業費や担当職員の人件費等を合計いたしますと、県庁全体で、年間約1億6,000万円になります。
また、より少ない経費で作成できるような改善努力についてでありますが、議員御指摘のとおり、他のすべての業務と同様、
施策評価システムについても、それにかかわる職員は絶えず費用対効果を意識して取り組んでいく必要がございます。そこで、まずは、評価項目を絞り込むなど、作成資料を少なくし、さらに、システムの簡素化を追求するとともに、役に立つ生きたシステムとして
PDCA型行政経営に活用することを念頭に置きながら全庁的に試行し、システムの抜本的な改善につなげてまいりたいと考えております。
次に、管理部門の業務改革の必要性についての御質問でございますが、民間におきましては、厳しい経済情勢の中、いわゆる管理部門における間接事務等の省力化やアウトソーシング等の取り組みを幅広く実施され、効果を上げておられると伺っております。本県におきましても、現下の危機的な財政状況にかんがみまして、財政危機回避のための改革基本方針を取りまとめ、全庁挙げて財政構造改革に取り組んでいるところでございますが、その改革の視点の一つとして、県行政のより一層のスリム化と効率化を挙げており、組織体制の徹底した見直しに取り組んでおります。
その上で、限られた経営資源である予算や人員を、県民ニーズを的確に見きわめ、真に県民の皆様が求めておられる分野のサービスに、あるいは本県の持続的な発展の布石となるような行政需要などに的確に振り向けていくことがますます大切になってまいります。そのためには、今後は、特に全庁的に共通するさまざまな間接事務につきまして、業務の原点に立ち返って見直す業務改革が必要であると認識しております。とりわけ、給与、旅費、服務など、いわゆる総務事務は、代表的な間接事務の一つでありますことから、先行的に業務改革の対象として取り上げたいと考えておりまして、これら業務全般について、制度面、実務面から分析、検討をし、より一層の業務のスリム化に向けた取り組みを計画的に推進してまいりたいと存じます。
◎
琵琶湖環境部長(伊藤潔君) (登壇)
地球温暖化対策についての2点に御質問にお答えいたします。
1点目は、県民参加による
エネルギー削減に向けた対策についてでありますが、本県におきましては、2003年3月に滋賀県
地球温暖化対策推進計画を策定し、
温室効果ガスの削減のための8つの重点的な取り組みを位置づけております。このうち、環境にこだわったライフスタイルへの変革や、新エネルギーの利活用の推進、低燃費自動車の導入、事業活動からの排出量の削減、国、県の機関の率先実行、この5つの取り組みでは、主にエネルギーの消費削減や新エネルギーの導入によりまして
温室効果ガスの発生を抑制しようというものでございます。また、これらの取り組みは、県民を初めとして、事業者や行政などがそれぞれの役割のもとに連携して進めることといたしております。
加えまして、新年度からは、子供会やスポーツ同好会等のグループが協働して取り組む夏の消費電力の削減活動に対しまして、その削減量に応じて一定の助成をする事業でございますとか、新たに住宅に太陽光発電を設置し、余剰電力を売電する場合に、その売電量に応じて助成する事業など、県民の皆さんに主体的に実践していただける取り組みを計画いたしております。
こうしたきめ細かな取り組みが、幅広いエネルギー消費削減行動へと広がり、
地球温暖化防止と省資源・省エネルギー型社会の実現につながりますよう、現在策定を進めております新たな
地球温暖化対策推進計画の中でも十分検討してまいりたいと考えております。
次に、2点目の本県における新エネルギーの現状や今後の取り組みと効果についてでありますが、まず、本県の新エネルギーの導入実績でございますが、2001年には原油換算で4万8,600キロリットルとなっております。ちなみに、この量は、二酸化炭素に換算いたしますと7万6,200トンの削減に相当いたします。この7万6,200トンの内訳を、ウエートの高いものから順に申し上げますと、太陽熱利用で3万9,000トン、天然ガス・コージェネレーションで2万500トン、廃棄物燃料製造で8,500トン、太陽光発電で2,400トンとなっております。
また、今後の取り組みと成果についてでありますが、昨年10月に策定しました、しが新
エネルギー導入戦略プランでは、太陽エネルギー、バイオマスエネルギー、小水力エネルギーを戦略的に導入を図るエネルギーと位置づけまして、2010年における導入目標を、2001年の実績に対しまして、原油換算で約4倍、量にしまして18万6,000キロリットルとしております。この目標達成によりまして約24万トンの二酸化炭素を削減できる効果があるというように見込んでおります。
しが新
エネルギー導入戦略プランは、
温室効果ガスの削減とエネルギー自給型の地域社会の創造を目的にいたしておりますが、
温室効果ガスは、その約90%がエネルギーに起因する二酸化炭素で占められておりますことから、クリーンな新エネルギーへの転換は重要な課題でございまして、県民の皆さんの御理解と御協力を得ながら、積極的な取り組みを進めてまいりたいと、そのように考えております。
次に、環境学習の推進についての4点の御質問にお答えいたします。
まず、1点目の、
幼児自然体験型環境学習事業の現状と今後の取り組みについてでありますが、心身の発達の著しい幼児期での自然体験は、その後の成長にとってはかり知れない大きな意味を持つものと考えておりまして、県では、森の自然を楽しみながら学ぶというスウェーデンの自然体験プログラムを用いまして、県内の幼稚園、保育所の教職員を対象にした幼児自然体験学習指導者養成を平成13年から進めてまいりました。以来、この4年間で53の幼稚園等で、身近な里山でございますとか田んぼ、小川、公園などで、地域の自然を活用した体験学習が展開され、児童教育関係者の高い関心を集めております。そこで、今年度は、こうした取り組みをプログラム集として取りまとめ、430余りあります県内のすべての幼稚園等で活用いただけるよう、現在、編さんの作業を進めております。
次に、2点目の県民等への普及、啓発についてでありますが、環境学習の幅広い取り組みを促進するためには、まず、身近な環境に関心を持っていただくことから始まり、理解を深め、さらに行動へとステップアップをしていくことが望まれます。県では昨年の11月に、環境学習推進条例を普及、啓発する環境学習フェアを教育委員会とともに開催いたしましたが、参加いただいた方々の御意見には、こうした発表や交流の場づくりへの大きな期待がございました。環境学習の幅広い理解と関心を呼び込む大きな力になるものと思われますことから、今後も継続して開催をしていきたいと考えております。また、来年度には、琵琶湖の環境を学習目的に合わせて学べるよう、船によります体験型の啓発学習事業を計画しております。さらには、この4月には、
支援センターのホームページを立ち上げまして、学習への参加と実践活動につながる情報交流型の普及、啓発を進めてまいりたいと、そのように考えております。
3点目の庁内の連携体制と予算への反映についてでありますが、県ではこれまでから、環境にかかわる施策の幅広い分野で、また、幼児から大人までの多様な層を対象に、環境学習のための情報提供でございますとか活動を促進する取り組みを進めておりますが、これらを県民の皆さんのニーズに沿って、より効果的に進めるためには、関連します事業間の連携や情報の共有化が大切であります。このため、平成15年度から庁内の関係28所属で構成する滋賀県環境学習推進会議を立ち上げておりますが、
支援センターの運営につきましても、この会議の場で協議をしてまいりたいと考えております。
また、平成17年度の環境学習にかかわる予算でありますが、全庁で6億円余り計上されておりまして、人材の育成、環境学習プログラムの整備・活用、学習の場や機会づくりの充実、情報の提供、連携協力の仕組みづくり、さらには、取り組みへの機運を高める啓発、この6つの柱のもとに、94に及ぶ事業を推進することといたしております。
最後に、県民等の連携、協働への支援、および
支援センターの運営や組織づくりについてでありますが、環境は、人それぞれに興味や関心を寄せる分野がございますし、学び実践するフィールドも実に多様でございます。それだけに、活動の輪を広げるためには、互いの知識や経験、活動情報を交流、交換する機会と場が求められると考えております。
支援センターでは、そうしたつなぎの役割を積極的に果たすことによりまして、連携と協働を促進するセンター機能を発揮してまいりたいと考えております。
支援センターの運営に当たりましては、学校、NPO、市町、さらには学識経験者の方々などに参加いただく企画運営委員会を設置して、幅広い御意見をお聞きしながら進めていくことといたしております。また、意欲と行動力をお持ちの県民の方々をサポーターとしてお願い申し上げまして、センターの取り組みに参画いただく中で、学習と実践のリーダーとしてのノウハウを学んでいただき、地域や職域での活動に生かしていただけるような仕組みを計画しながら、県民の皆さんと一体となった運営を考えているところでございます。
◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)スポーツのイベントについての御質問にお答えいたします。
まず、私の
スポーツ振興の推進についての思いでございますが、スポーツは、生涯にわたって、明るく健康で、人生を豊かにし、世代を超えて生涯スポーツに親しむことは非常に大切なものであると認識しておりまして、さらにその振興を図っていく必要があると考えております。
さて、本県の生涯
スポーツ振興計画、滋賀の
スポーツデザイン2010の施策の進捗状況と今後の見通しについてでございますが、成人の週1回以上のスポーツ実施率は、平成12年度に21.8%でありましたが、平成14年度には34.4%に上昇いたしました。これは、振興計画の生涯スポーツの柱として掲げております総合型地域スポーツクラブの育成が順調に進んでおりますことや、近年、住民の身近な場所で健康づくりや人々の交流の場となるスポーツイベントなどが開催されていることによるものと考えております。
県教育委員会といたしましては、さらに広域スポーツセンターによる総合型地域スポーツクラブの育成支援や、地域の特性を生かしたスポーツイベントの開催などにより、目標としております2010年の成人の週1回以上のスポーツ実施率50%は達成できるものと考えております。
次に、
日本スポーツマスターズと
全国スポーツ・
レクリエーション祭の誘致に至るまでの経過と開催概要についてでございますが、
日本スポーツマスターズは、運営や開催費用のほとんどを日本体育協会が負担して行われるものであり、本県がかねてから健康長寿社会を目指して取り組んでおります生涯スポーツ社会の実現を一層進める上で大変意義のある大会であります。滋賀県体育協会が開催に名乗りを上げましたところ、近畿府県の各体育協会会長からも、「近畿は一つ」を合い言葉に、協力を惜しまないとの強い支持をいただいたことから、2007年の開催地として本県が決定されたものであります。この大会は、スポーツを愛する中高齢者が全国から6,000人余り参加され、4日間にわたり、水泳、サッカーなど13種目の競技が行われるものであります。
また、
全国スポーツ・
レクリエーション祭につきましては、国民の生涯を通じたスポーツ・レクリエーション活動の振興を図る目的で、国の補助を受け開催される祭典でありまして、県議会においても誘致に向けての要望がなされる中、平成9年に主務官庁より、2008年に行われる第21回大会の本県開催について、内定の通知をいただいたものであります。
この祭典は、健康・体力づくりを志向している幅広い年齢層の方々が全国から3万人余り参加され、4日間にわたり、都道府県代表選手で競うグラウンド・ゴルフやソフトバレーボールなど18種目と、開催県が独自に選択できるフリー参加種目が実施され、あわせて、ニュースポーツ体験やシンポジウムなども行われるものであります。
両大会の今後の準備計画と県の役割についてでございますが、県教育委員会といたしましては、平成17年度に準備委員会を立ち上げ、さらには、実行委員会へと拡大させるとともに、会場地選定を初めとして、文部科学省や日本体育協会など、中央の主催団体と、開催日程や大会全体にわたる基本計画や実施計画について協議を進め、市町や開催競技団体を初めとした県内関係団体と、実施に向けたさまざまな調整を図り、観光や保健衛生などの関係部局と連携し、協力を得ながら、滋賀らしい大会となるよう工夫を凝らし、開催に向け万全を期してまいりたいと考えております。
これらの大会開催に当たっては、体育指導委員協議会を初めとする体育関係団体や、市町の協力はもとより、多くのボランティアの皆さんの協力のもと、県民挙げて、参加者に満足していただける大会となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(世古正君) 次に、7番山田尚夫君の発言を許します。
◆7番(山田尚夫君) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして質問をさせていただきます。
まず、
県民文化生活部長に、本県の震災対策についてお伺いいたします。
昨年9月1日、浅間山が21年ぶりに突然の噴火、近畿地方でも東南海地震の前兆かと思わせる震度4クラスの地震が2回も連続して起き、底知れぬ不安がよぎったものでありました。その後、10月23日夕方、新潟県川口町で最大震度7の本震に始まる新潟県中越大震災の発生によって、死者40人、全壊家屋2,800戸を超える地震災害に見舞われ、その上、この冬の記録的な大雪と闘いながら、復興に向け、仮設住宅での生活から一日も早く帰村できることを願って頑張っておられます。
また、国外でも、インドネシアのスマトラ沖を震源とする地震で、想像を絶する大津波の発生によって30万人を超える死者が出るなど、地球の軸が少しぶれたのではないかと思うぐらい、各地で大きな被害をもたらしました。加えて、記録的な台風の上陸や集中豪雨による河川の決壊等、局地的災害の発生など、過去の気象データを参考にして防災対策を行ってきた経験値も今や根本から見直しを迫られる事態になるなど、まさに昨年は自然の脅威を改めて強く感じさせられた1年でありました。
ことしこそは、平和で穏やかな1年であることを心から願うものであります。
地震の損害、すなわち震災と地震とは全く別々であります。地震は人の力で押さえつけることはできませんが、震災は人の力で防ぎとめることができます。明治33年、関東大震災を予言した、東大地震学教室の今村教授は、後世の私たちにこんな言葉を残しております。
知事は議会冒頭、所信で震災に触れ、減災という視点で被災を最小限に抑える取り組みを強調されましたが、初動重視の視点はあらゆる災害に通じることであります。まさに、震災直後の県民の心構えや備え、そして行政の対応などが、その後の被害をいかに最小限に抑えられるかにかかっております。
本県の地震防災プログラムでは、大規模な地震による被害を軽減するために、県、市町村、県民、事業者が、それぞれの役割に基づいて、防災上重要な施設の耐震診断や避難路等の整備など、地震対策を進めるとして、今日まで防災体制の整備、強化を初めとして取り組みを進めていただいております。また、県民に対しましては、さきに発行されました滋賀プラスワンなどにより防災に関する意識啓発を行うなど、さまざまな取り組みを進めておられます。地域での自主防災組織の育成強化や、その達成目標も明らかにしながら御尽力をいただいております。加えて、琵琶湖西岸断層帯等による地震、東南海・南海地震の強震動評価や被害想定調査などの取り組みを進めていただいており、担当部局の御苦労に感謝をするものであります。
今日まで県が、地震防災プログラムに基づく防災対策の取り組みによって進展を見ていると思うのでありますが、例えば、震災を受けた直後、すべてのライフラインが寸断されることも予想され、大変な緊張と混乱が生ずることが容易に想像できます。その際、県民の安全確保の第一歩は、指示系統がしっかりしているかどうかにかかっております。したがって、知事の的確な判断と指示、指令にあると思うのでありますが、知事はいつも庁内で執務をされているとは限りません。時間との戦いとなる緊張の一瞬に、知事や副知事が公務で不在となる場合に、その危機管理マニュアルはいかになっているのか、お伺いをいたします。
また同様に、県下の自治体について、市長など首長が不在である場合を想定した初期対応は既に市町村防災計画でまとめられていると思いますが、どの程度、県として把握、指導されているのでしょうか。県下の状況について、その整備状況をお尋ねいたします。
続いて、大きな直下型地震では8万人の避難者が出ると予想し、3日間は県内で食料を確保するとして、震災当日は、被災住民みずからがそれぞれ確保し、次の日は地元の自治体、3日目は各振興局で備蓄確保分を提供する。それ以降は、他府県や民間などの支援を得て食料を確保するとなっていますが、どれだけこのことを県民一人一人が理解しているかどうか、疑問も感じるところであります。何よりも、住民の身体を守るために、そのまちの人口に応じた非常食を確保しておかなければなりません。そこで、県下の市町の食料備蓄状況についてお伺いをいたします。
次に、こうした非常食を備蓄する、耐震性の高い防災センターの設置状況であります。
平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を契機に、国土交通省は全国の市町村に対し、それぞれ防災センターの整備を促してまいりましたが、バブルの崩壊とともに、市町村財政の危機的状況が続いており、当初の目標からすると、およそ半分の自治体で一応整備ができたものの、残りの市町村は、長引く景気低迷によって税収が伸びず、財政事情の悪化から未着手状態で、しかも、今後の見通しもつかない状況と聞き及んでおります。
大規模災害に対処するには、何といっても、市町村や防災関係者との確かな連携をとることが重要な条件であります。そこで、県内の自治体における防災センター設置状況についてお尋ねをいたしますとともに、今後の見通しと課題、対策についてお伺いをいたします。
県民が、より安心を持っていただくためには、地震防災プログラムにうたわれているように、災害時に迅速な情報収集や伝達、的確な対応を行う拠点防災施設整備の推進についてであります。
本県では、目標達成に向けてのプロセスとして、本年度に防災センターの整備について見直しをするとしていますが、今、どのような議論がなされ、その作業の進展状況はどの程度進んでいるのか、また、いつごろに防災センターを建設しようとしているのか、
県民文化生活部長にお伺いをいたします。
次に、名神名阪連絡道路の取り組みについて、知事および土木交通部長にお伺いいたします。
本県には、東海道、北国街道、御代参街道、杣街道など、福井、三重の両県と結ぶ街道が古くから数多く存在し、中でも御代参街道は、東海道と中山道を結ぶわき街道として、かつては多賀大社、伊勢神宮への参宮に利用されてきました。いわば信仰の道であり、もう一つは、近江八幡、五個荘、日野などの近江商人の発祥の地がつらなる商いの道として利用されてきたのであります。
その御代参街道に沿って計画された名神名阪連絡道路は、地域高規格道路の計画路線として、平成6年と10年にそれぞれ国土交通大臣から指定されております。そして、この連絡道路は、現名神高速道路、第二名神高速道路、名阪国道との連結により、東西方向道路網の機能強化や広域的な交流を促進し、北陸自動車道、伊勢自動車道と一体となって、日本海から太平洋に至る南北方向の地域連携軸を形成する地域高規格道路として計画されているのであります。
関係する地域では、この高規格道路の整備促進に向けて、三重、滋賀両県の指導も受けながら、三重県側では伊賀市、名張市の2市、旧の行政区域でいいますと2市3町2村、滋賀県側では甲賀市、湖南市、近江八幡市、東近江市、蒲生町、能登川町、安土町、竜王町、日野町の4市5町の自治体で構成する名神名阪連絡道路整備促進期成同盟会を平成14年7月に設立し、伊賀市長を会長に、鋭意、実現に向けた熱い取り組みをされているところであります。
この路線は、現名神から国道307号までが12キロメートル、307号から第二名神までが8キロメートル、第二名神から名阪国道までが10キロメートルで、合わせて総延長30キロメートルを高規格道路として整備しようとするものであります。既に区間のすべてが平成7年から順次調査区間に指定され、今、整備区間指定に向けて、滋賀県、三重県と近畿、中部両地方整備局が、学識経験者も含めて、名神名阪連絡道路検討委員会が設置されており、この道路の効果や性格、効率的で効果的なルートや道路構造などについて、本格的検討をいただいております。
しかし、本年10月には日本道路公団が民営化される予定となっていることや、国、地方ともに厳しい財政状況にあることなどから、事業主体を決めるまでには、まだまだこれから時間を要するものと思われます。本県が将来に向けてさらに元気に持続可能な発展を遂げる上でも、高速交通網の整備、拡充に向け、知事として努力していただけるものと確信をしておりますが、名神名阪連絡道路の推進に対する知事の御所見をお伺いするものであります。
次に、土木交通部長にお尋ねいたします。
この道路は、当初、びわこ空港自動車専用道路として、空港アクセスのための道路として計画されましたが、平成9年以降、地元蒲生町では、インター予定地地域で県営圃場整備事業が計画され、事業着手に際し、土地改良法に基づく換地計画で、創設換地の手法を使って約6ヘクタールの非農用地を見出しながら、地元蒲生町では、県の指導も受けて、市町村振興資金や町村土地開発公社の資金を充当し、将来、インター用地としても活用できるよう想定し、土地の確保をしておられます。用地確保をするに当たって、借り入れた多額の資金の償還が今後の町の財政を圧迫するのではないかと懸念をしているものであります。こうした懸念される事態を解消する意味でも、できるだけ早い時期にこの連絡道路が整備区間に指定され、事業主体に処分されることを願っているものであります。
そこで、さきに述べました検討委員会の進捗状況と、名神名阪連絡道路の整備に向けての今後の見通しについて、土木交通部長に御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
○議長(世古正君) 7番山田尚夫君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(國松善次君) (登壇)山田議員の名神名阪連絡道路の取り組みについての御質問にお答えします。
本県を中心にして主要幹線道路のネットワークを見てみますと、名神高速道路や国道1号、8号といった我が国の主要幹線が横断しておりますし、加えまして、現在整備中の第二名神高速道路が全線整備されますと、近畿圏と中京圏を結ぶ東西軸の主要幹線は県内で一層充実したものになります。しかしながら、一方で、日本海から太平洋に至る南北の軸については、北は北陸自動車道がありますものの、南で三重県と連絡する幹線道路は整備されておりません。こういった状況の中で、地域間の交流を図る目的で整備されます高規格道路として、名神名阪連絡道路が計画されてきたところであります。
御質問の中にありましたとおり、この名神名阪連絡道路は、名神高速道路と第二名神高速道路および名阪国道をつなぎ、北陸自動車道、伊勢自動車道などとあわせて、南北方向の地域連携軸を形成する路線でありまして、本県経済を支える広域的な、人、物の交流を可能にするものであります。また、東南海地震、琵琶湖西岸断層帯による直下型地震などの大規模災害発生時における代替路としての機能など、多重な効果が期待されるものであります。
昨今の地方分権の流れの中で、地方は、より一層自立し、個性を生かした地域づくりを進め、かつ効果的、効率的な地域経営を図ることが求められており、本県では従来から、県境にとらわれず多様な連携を進めてきた福井県、岐阜県、三重県の各県と、より一層の交流、連携を図るべく、日本まんなか共和国4県で取り組みを進めてきたところであります。
これらの地域とは、文化、観光、環境、産業などの分野において、お互いが有する豊かな資源や基盤を活用し合うとともに、知識や情報を共有化し、互いにまた補完し合い、刺激し合いながら、本県としての自立性を高め、個性ある地域づくりを進めていきたいと考えているものでありますが、そうした意味でも、近畿圏、中部圏、北陸圏をつなぐ名神名阪連絡道路の果たす役割は大きいと考えております。
加えまして、県内においても、甲賀地域、東近江地域を結びます地域間の交流、連携の活性化や、地域経済の発展および交通面での利便性の向上などの効用が期待されるものであります。
道路関係4公団の民営化など、道路整備を取り巻く状況は今や厳しいものがありますが、今後も、三重県を初め、地元自治体との連携を密にし、名神名阪連絡道路の早期実現に向けまして、国土交通省等関係機関に強く要請してまいりたいと考えます。
◎
県民文化生活部長(近藤月彦君) (登壇)震災対策についての御質問にお答えいたします。
まず、震災時に知事が公務出張で不在となっている場合、その責任はだれが果たすかについてでございます。
大規模な地震の発災直後における初動対応は、被害を最小限に食いとめるためのかぎとなるものであり、適切な初動対応がとれるかどうかは、議員御指摘のとおり、指揮命令系統がしっかりしているかどうかにかかっております。
そこで、本県の初動対応の体制でありますが、県内で震度6弱以上の地震が発生した場合など、大規模な災害が発生したときには、滋賀県地域防災計画震災対策編に基づき、直ちに知事を本部長とする災害対策本部を設置し、応急対策に従事する職員を配置することとしております。特に緊急かつ優先的に対応しなければならない、情報収集、広報、救助、医療救護などにつきましては、災害対策本部および地方本部に緊急初動対策班を設置し、災害対策本部長のもと、迅速に応急対策を実施することとしております。
こうしたときに、災害対策本部長である知事が公務出張等で連絡がとれず、職務を知事みずからが行い得ない場合には、滋賀県災害対策本部条例の定めによりまして、副本部長である副知事が災害対策本部を総括するとともに、職員を指揮し、応急対策を実施することになります。
さらに、副知事とも連絡がとれない場合には、知事の職務を代理する吏員および職務を執行する吏員を指定する規則に準じ、総務部長が、総務部長とも連絡がとれない場合には、年齢等を考慮した次順位の部長職の者が本部長の職務を代理することになります。
次に、県内の自治体におきまして、市町の長が不在である場合を想定した対応策の整備状況についてであります。
県内各市町につきましても、県と同様に、大規模な災害が発生しました場合には、それぞれの市町の地域防災計画等に基づきまして、首長が不在の場合でも、あらかじめ定められております指揮命令権者によりまして災害対策本部等を設置し、応急対策を実施することされております。
次に、県内市町の食料の備蓄の状況でございます。
県の地域防災計画では、地震発生後3日間程度は県内で食料を確保することとしておりまして、市町におきましては、各家庭や自治会、自主防災組織と市や町が一体となりまして、発災後の2日間程度に相当する食料を確保する体制整備に努めることとしております。現在、市町では、乾パン、アルファ化米など、合計で約33万食を備蓄しておりまして、県でも、最大で8万人と想定している避難者の1日3食分の食料として約24万食を、県内7カ所の倉庫で備蓄しているところでございます。
しかしながら、市町ごとに見ますと、全く備蓄食料を持たない町があるなど、対応には大きな差異があります。今月末に取りまとめます琵琶湖西岸断層帯による地震の被害想定調査で、新たに避難者数の想定も行いますので、その結果をお示しして、備蓄食料を持たない町に対しましては食料の備蓄を、また、備蓄している市町に対しましては、備蓄食料の数量の見直しをするよう働きかけてまいりたいと考えております。
なお、県や一部の市町におきましては、備蓄物資だけでは不足する場合に備えまして、県内のスーパーなど流通業者と、災害時に必要な物資の調達に関する協定を締結し、
流通在庫方式による食料等の確保にも努めているところでございます。
次に、県内の市町の防災センターの設置状況等についてでございます。
県内の市町には、災害発生時の情報収集・分析機能を有し、通信設備、情報処理機器や、会議運営を支援する施設設備等が整備され、市町の災害対策本部機能を代替できる総合管理機能を持ったような防災センターはございませんが、資機材や食料等を備蓄する機能を有している施設は16カ所ございます。施設未設置の市町では、その必要性は認識しておられますが、厳しい財政状況の中、来年度以降、具体的にこの種の施設を設置する予定があるのは1カ所だけでございます。県といたしましては、地域防災力を高めるため、内閣府のモデル事業による補助ですとか、消防庁の起債事業を活用して、地域の防災拠点となる施設の整備が進みますよう、助言に努めてまいりたいと考えております。
最後に、県の防災センター構想の見直しについてであります。
県では平成11年3月に、防災センター基本構想を策定しておりますが、昨年3月に作成しました地震防災プログラムにおきましては、琵琶湖西岸断層帯等による地震の発生が危惧される状況や財政環境の悪化など、構想策定以降の情勢の変化を踏まえまして、今年度中に見直しに着手し、平成19年度末までに見直し作業を完了することといたしました。
防災センター基本構想では、県の防災センターが災害時に備えるべき機能として、災害対策本部設置機能、関係機関との連絡調整機能、防災行政無線の統制局機能、情報収集・分析機能などが必要であるとしております。また、平常時の機能として、防災啓発・教育機能や県民の研修機能などを備えるべきとしております。
そこで、構想の見直しについて、現在どのような議論をし、どの程度作業が進んでいるかでありますが、今年度は、構想の中で備えるべきとされております多くの機能につきまして、必要であるかどうかの判断材料を、先進事例の調査等を通じまして集めている段階でございます。一例を挙げて申し上げますと、平常時の防災啓発・教育機能につきましては、先進施設における利用状況などのデータを収集、分析して、県内市町や近隣府県の施設などにおいて代替できるのではないかなどといった議論を行っているところでございます。
次に、いつごろ防災センターを建設しようとしているのかでございますが、構想の中で備えるべきとされている機能のうち、防災対策会議室や防災情報システムなど、重要な機能については既に整備済みでありますことから、施設建設の必要性の有無につきましても今後検討していく必要がありますので、現時点では、建設につきましては未定という状況でございます。
◎土木交通部長(河崎和明君) (登壇)名神名阪連絡道路の取り組みについての御質問にお答えします。
まず、名神名阪連絡道路検討委員会の進捗状況についてでございますが、当委員会は、学識経験者、国土交通省の近畿地方整備局ならびに中部地方整備局、それに、関係自治体として滋賀県、三重県により構成され、平成14年10月15日の第1回委員会、幹事会を初めとして、これまでに4回開催されております。
検討委員会では、高速交通ネットワークの拡充による物流の効率化、沿線地域から中心都市へのアクセスの向上、地域の生活利便性の向上、観光の活性化、それに、さらなる広域連携の進展などといった視点から、名神名阪連絡道路の機能、役割、あるいは費用対便益についての検討が行われてまいりました。
こういった検討を通じまして、整備の効率性、日本海側の福井県から太平洋側の三重県までの所要時間が大幅に短縮となることといったことに加えまして、大都市圏からの所要時間が短縮されることにより、県境をまたがる広域観光ルートの一環としての観光入り込み客数の増加が見込まれること、あるいは、密度の高い道路交通網が形成されることにより、各地に立地する高度医療機関への搬送といった救急医療面や広域的な防災活動面での効果が見込まれることなどといった波及的効果について検証されてきております。次回の検討委員会は、こうした検討結果を一定取りまとめるため、今年度末あるいは来年度初めに開催することで調整が進められているというふうに聞いております。
次に、今後の見通しについてでありますが、先ほど知事がお答えいたしましたとおり、本路線は、本県の将来の発展に大きく寄与する基幹道路であると考えており、まずは、当委員会の次回の結果を大いに期待しているところでありまして、その後は、次のステップとして、名神名阪連絡道路が有すべき規格、構造、また、ルートの選定や整備手法、さらに事業主体などについての検討が行われていくものと考えております。
○議長(世古正君) 次に、8番太田正明君の発言を許します。
◆8番(太田正明君) (登壇、拍手)それでは、私は、教科書の採択について質問をさせていただきます。
現代に生きる我々は、祖先、先人の築いてくれた、この日本というかけがえのない国をしっかりと受け継ぎ、後世に引き渡す責任があります。しかるに、現在の日本では、凶悪、異様な犯罪の続出に象徴される著しい精神の荒廃が進み、これをそのままに放置すれば、国家の滅亡に至る深刻な事態であると、強い危機感を抱いております。日本が嫌いになった、日本人に生まれて恥ずかしい、このような言葉が、学校で歴史を勉強した子供たちの口から聞かれる。「おじいちゃんは人殺しだ」と言う子供もいます。学校で歴史の勉強をすると、自分の国を尊敬することができなくなり、自分のおじいちゃんたちを好きになることができなくなってしまいます。
このような現状を打開するためには、多くの取り組まなければならない課題があります。とりわけ、国民の精神的基盤を培う歴史教育は、祖先への敬愛、同胞愛、国や郷土を愛する心、日本人としての誇り、芸術・文化的心情、国際感覚、そして、人格の形成に大きな役割を持つものであり、歴史教科書こそは、その骨格をなすものであります。また、今、日本には国歌を歌えない子供たちがたくさんいます。今の教科書では、国家とは、抵抗し、権利主張する対象であり、政府、役所はいつも悪役。世の中は差別と矛盾だらけ。権利と自由を勝手気ままに主張することこそ正しい行為であるかのような風潮がはびこっているのです。このような教育を受けた子供たちが、将来、まともな社会人になれるでしょうか。
公民というのは公の民であります。公共の福祉とは何かということを生徒が体得できる教科書であるべきです。国民の自由や権利は公共の福祉に反しない限りという大前提の上に成り立っています。公民という教科では、社会生活を営んでいく上で、自分の欲望や権利だけを考えるのではなく、国益や社会の秩序を考えながら行動することの大切さを学ぶ科目です。しかし、今の公民教科書を見ると、権利や自由ばかりを強調し、義務や責任についてはほとんど無視しています。また、日本は戦前、アジアの国々に悪いことばかりをしてきたという思想に立ち、今の社会を悪く不当に低く評価するという内容になっています。
ところで、学習指導要領には、歴史教科書の目標として、「我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」と書かれています。しかしながら、現在、滋賀県立中学校および県下中学校で使用されている歴史教科書は、日本の過去について、これでもかこれでもかと、一方的な糾弾のことを書き連ね、これは日本の教科書なのかと我が目を疑う記述で満ちています。実際に県立の中学校2校で使用されている歴史教科書、大阪書籍の記述を紹介したいと思います。
1つ、「日本商人は、朝鮮の米や金を安く買い入れ、綿製品を高く売りました。そのため朝鮮では、食料が不足するなど経済の混乱が深まりました」。
1つ、「台湾を獲得した日本は、台湾の住民の抵抗を武力でおさえ、軍人を総督とする台湾総督府をおき、植民地として支配しました」。
1つ、「日露戦争後、日本は朝鮮の外交権をうばって韓国統監府をおき、次に朝鮮の内政権もにぎり、朝鮮の軍隊を解散させました」。
1つ、「日本は1910年、軍隊の力を背景に朝鮮を植民地にしました」。
1つ、「朝鮮全土に日本の軍隊や警察を配置して、抵抗運動をおさえました。学校では、日本語や日本の歴史を強制的に教えました。このように、朝鮮民族の習慣や文化を否定し、日本に同化させる政策を進めましたが、台湾と同様、朝鮮の人々には選挙権を認めませんでした」。
1つ、「韓国併合後の朝鮮では、日本が土地調査を進め、所有権が明確でない土地を農民などから取り上げ、さらに、企業の活動も規制しました。土地や職を失った人々は、日本や満州にわたり、日本人よりも低い賃金で働かなければなりませんでした」。
1つ、「日本の軍部や国家主義者などのなかには、満州を『日本の生命線』ととなえ、その侵略をくわだてることによって、不況に苦しみ、政治に不満をもつ国民の目を満州に向けさせようとする人々が出てきました」。
1つ、「当時の中国の首都の南京占領にあたっては、婦女子をふくむ多数の中国人を殺害し、諸外国に報じられて非難されました」。
1つ、「南京事件は、当時国際世論のはげしい批判をあびましたが、日本国民には知らされませんでした」。ただし、実際には国際連盟を初め、国際的な批判は、当時、一切起こっておりません。
1つ、「朝鮮では、神社をつくって参拝させたり、日本式の姓名を名のる『創氏改名』を強制して、日本に同化させる皇民化政策をおし進めました」。
1つ、「日本軍は、東南アジア諸国に植民地支配からの独立を支援すると宣伝しながら、約6か月でそのほとんどを占領しました。しかし、実際には独立を認めないまま、石油・鉄・天然ゴムなどの資源や食料を大量に取り立て、住民にきびしい労働をさせました。また、シンガポールやマレー半島などでは、占領に反対する中国系の住民などを弾圧し、ベトナムでは、凶作も重なって飢えで亡くなる人々も出ました」。
国内において、「兵役についていない15歳から50歳までの男性は軍事工場などで働かされ、中学生や女学生も勉強を中止してさまざまな職場に動員されました。そのうえ、朝鮮から約70万人、中国からも約4万人を強制的に日本へ連行して鉱山や工場などで働かせました」。
1つ、日本軍は「本土防衛のためとして、沖縄では中学生から女学生までを兵士や従軍看護婦に動員して戦いました」「なかには、スパイの疑いで日本軍に殺されたり、集団自決をせまられた人々もいました」云々。
連綿とこういう記述が続いております。つまり、時代錯誤の唯物史観、階級闘争史観の立場から、日本の国を断罪する目的で書かれています。
しかるに、先月の25日、上田埼玉県知事は、開催中の県議会で革新県議団の代表質問に対して、日本を担う子供たちには、何よりも自国の歴史に対する正しい理解と愛情をはぐくむことが必要と答弁し、具体的例を示しながら、歴史教科書に関する自身の考えを披瀝されております。知事は、御子息が使用していた歴史教科書に言及し、伊藤博文が朝鮮の青年安重根に射殺されるという記述箇所を読み上げ、本来、日本の教科書であれば、これは射殺ではなく暗殺ではないのかと批判、また、原爆投下についても、ポツダム宣言の受諾がおくれたので原爆が投下をされた、戦争を早く終結させるために原爆が投下されたなどと記述をされていることに対して、こうした残虐行為は国際法違反であり、そういう記述を日本の立場からは書くべきではないと指摘をしております。
日本だけを悪者に仕立て上げ、自国を敵視し、他国の視点で断罪するような倒錯した歴史認識からは、真の反省や歴史に学ぶ姿勢は生まれてきません。自国の国の歴史に対する軽蔑と憎悪を徹底的に教え込む自虐史観教育は、子供たちから、日本の国に生まれた喜びと倫理観、道徳観の機軸を奪い、祖先や先人への敬愛や同胞愛、日本国民としての誇りを内包した、心豊かな人格形成の機会を奪っています。さらに言うならば、子供たちは、自分の国や親、祖先を心の底では肯定し、心のよりどころとしたいはずであります。自分の生まれ育った国や祖先の歴史について、誇りや愛情ではなく自虐と憎しみを、これでもかこれでもかとばかりに教え込むことは、幼くやわらかな子供の心に加える精神的暴力とも言えます。
そのような意味で、平成17年4月から開始をされる中学校教科用図書採択事務は、かつてないほど重要な意味を持つものと認識し、次の諸点について質問をいたします。
1つ、県立中学校教科書の採択の仕組みについてただします。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の第13条第3項には、県立中学校の教科書の採択について、「学校ごとに、種目ごとに一種の教科用図書の採択を行うものとする」と定められております。これは、学校ごとに使用する教科書を、採択権者である県教育委員会がその権限と責任において選定、採択することを規定したものであって、決してそれぞれの県立中学校に、学校ごとに選定権を付与する趣旨の規定ではありません。
ところが、平成14年度に実施された県立中学校の教科書採択においては、各校に選定調査委員会が設置をされ、それぞれの選定調査委員長が県教委に、種目ごとに1種の教科書に絞り込んで申請をしております。歴史教科書においては、河瀬、水口東の両中学校が大阪書籍、守山中学校は東京書籍をそれぞれ選定し、それらがそのまま県教育委員会で追認採択をされております。事実上、各中学校に教科書の選定権を与えてしまっている。法の趣旨から逸脱していると思われるが、説明を願います。
2つ、学習指導要領の目標を踏まえているのか。
採択の対象となる教科書は、すべて検定済みとはいえ、教科書ごとに学習指導要領の踏まえ方に濃淡があるのが現実であります。先年の県議会9月定例会において採択された公立小・中学校教科書制度の改善を求める請願も、採択されている現行歴史教科書は必ずしもこの目的に沿っているとみなすことができないと述べています。文部科学省の検定にパスをしたということは、どんなタイムでもいいから100メートルを泳ぎ切れば合格するという試験にパスしたことと同じで、教育委員会の教科書選びに課せられているのは、パスをした中からだれを優勝させるのかを決めることなのであります。つまり、検定通過は最低限の要件の充足にすぎず、質の良否は採択過程で競われるべきものなのです。したがって、教育委員会の責任は極めて重大であり、特に社会科の教科書については、学習指導要領の冒頭に掲げられている、「我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」という目標理念が十分にかなえられているのかどうかをみずから判定する義務を絶対に回避してはならないと考えていますが、いかがでしょうか。
であるならば、採択のための選定資料および教育研究資料の作成に当たっては、内容、組織、配列、表現、造本、この5項目の評価基準を同列に並べる総花的な比較評価ではなくて、内容に最も重点を置き、学習指導要領の、「我が国の歴史に対する愛情を深め」という目標に沿う具体的な観点を掲げ、その記述について比較、検討を行うことが大事であると考えますが、いかがでしょうか。
そこで、具体的な観点の一つとして、私は、日露戦争の日本海海戦を取り上げることを提案したいと思います。これは、NHKの番組「その時歴史が動いた」でも何度か取り上げられており、国民的関心も大きいものであります。ちょうど100年前、当時のロシアは日本の10倍という国家予算、軍事力を誇った世界最大級の軍事大国であり、その朝鮮半島への南下は、日本として何としてでも食いとめなければならない、植民地化への危機を食いとめる、安全保障上の生き残りを賭した壮大な国民戦争でありました。日本はこれにかろうじて勝利をし、自国の安全保障を確立したのであり、近代国家として生まれて間もない有色人種の極東の小国日本が、当時世界最大の陸軍大国である白人帝国ロシアに勝ったことは、世界中の抑圧をされた有色人種民族に独立への限りない希望を与えました。東郷平八郎司令長官率いる連合艦隊は、世界の海戦史に残る驚異的な勝利をおさめました。教科書の比較、検討の具体的な視点の一つに、日露戦争日本海海戦と東郷平八郎の記述について取り上げることを提案いたします。
最後に、教科書の選定資料の調査研究の観点の見直しについて質します。
日露戦争の記述のみならず、学習指導要領にある日本の神話、歴史上の人物、文化遺産、我が国の文化と伝統と特色、国際関係等の記述を具体的な観点として取り上げていくべきであります。そのためには、選定資料および調査研究の観点を見直すべきであると考えますが、いかがでありましょうか。
歴史を学ぶということは、過去の人々の考えや行動を現在から一方的に見て断罪をすることではありません。そのときに考えたり行動したりしたことの背景や歴史的事象を広い視野にわたって学んで、自分の目でとらえ、自分の考えを持つ能力や態度を育てることが大切であります。日本の国を一方的に悪玉に仕立て上げ、偏った観念を子供たちに注入する教科書で、そのような能力や態度は育ちません。有史以来、他の国々から、文化、技術、制度を謙虚に学びながら独自の文明を発展させ、同時に、国家の自立に並々ならぬ努力を傾注してきた先人の労苦や勇気への共感と感謝、歴史への愛情をはぐくみ、この国に生きる子供たちに誇りと希望を持たせるには、どの教科書が一番いいものなのか、教科書を選定し採択をする教育委員会の責任は極めて重大であります。もし歴史教科書がきちんとしたものに是正されれば、現代の日本が抱える諸問題解決へ向け、本格的に動き始めることになるだろうことを確信いたしまして、質問を終わります。(拍手)
○議長(世古正君) 8番太田正明君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎
教育委員会委員長(高橋啓子さん) (登壇)太田議員の平成17年4月から開始される中学校教科書採択についての御質問にお答えいたします。
1点目の県立中学校教科書採択の仕組みについてでございますが、このことは法律や国の通知文によって定められており、基本的にはそれに沿って採択事務を行っております。その仕組みとしましては、教科用図書選定審議会の審議を経て、県教育委員会が採択に関する基本方針を策定し、それに基づき、各学校ごとに教科書の調査研究を行い、その報告をもとに県教育委員会が採択案を作成し、同審議会にかけた上で、県教育委員会の権限と責任において採択することとなっております。
したがいまして、平成14年度に実施いたしました県立中学校において使用する教科書の採択につきましても、各学校からの報告や採択に当たっての研究調査観点をもとに、教育委員みずからが教科書を研究し、選定審議会の審議を経て、さらに細部にわたって論議を重ね、それぞれの中学校の教育目標や理念に、より適した教材としての教科書を採択したものでございます。
次に、学習指導要領の目標理念が十分にかなえられているかどうかを教育委員会がみずから判定する義務を回避してはならないというお考えについてでございますが、県教育委員会といたしまして、学習指導要領の目標が十分達成される教育が行われるよう、各県立中学校ごとに教育目標や教育課程、生徒の実態に最も適した教科書を、採択の基本方針に基づいて採択してまいりたいと考えております。
特に社会科歴史的分野の教科書につきましては、学習指導要領に示されております「歴史的事象に対する関心を高め、我が国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ、それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野に立って考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」などの4つの目標が十分に達せられることは重要なことであり、このことを基本として、来年度の採択に当たりましては、採択権者としての責任は非常に大きいと自覚し、教育委員みずからも研究するとともに、慎重かつ十分な審議をした上で、みずからの判断においてその権限と責任のもと、採択を行ってまいります。
次に、選定資料および調査研究観点の作成についてでございますが、適切な採択のためには、教科書についての十分かつ綿密な調査を実施することが基本となります。したがいまして、その参考にされる選定資料の作成は県教育委員会の最も大切な仕事の一つであると認識しております。採択に当たりましては、学習指導要領に示されている目標に沿った調査研究とするため、教科書の内容にかかわる観点も含め、研究調査観点を具体的にどのようにするかにつきまして、教科用図書選定審議会における議論を踏まえつつ、県教育委員会で十分検討して決定をしてまいりたいと考えております。
次に、具体的な選定資料の観点への御提案についてでございますが、選定資料の観点は、調査研究を行う上で重要なものであるととらえております。例えば、学習指導要領の学ぶべき内容の社会科歴史的分野の「近現代の日本と世界」の項目におきましては、「急速に近代化を進めた我が国の国際的地位の向上と大陸との関係のあらましを、自由民権運動と大日本帝国憲法の制定、日清・日露戦争、条約改正を通して理解させる」とございます。このような内容が効果的に指導されることが大切であると考えております。観点の作成に当たりましては、こういう視点を持って、教育委員会において十分検討、審議してまいりたいと考えております。
最後に、選定資料および調査研究の選定資料の観点を見直すべきであるとの御質問についてでございますが、県教育委員会が作成します選定資料は、学習指導要領に示される内容を十分に学ぶための主たる教材となる教科書を採択するための重要な資料でございます。採択におきましては、教育委員みずからが、学習指導要領の目標に示されております、国家・社会及び文化の発展や人々の生活の向上に尽くした歴史上の人物や現在に伝わる文化遺産、国際関係や文化交流のあらまし、歴史的事象を多面的・多角的に考察することなどにかかわる表記や記述についてもしっかりと研究し、採択基準、選定に必要な資料の研究調査観点や、選定のための参考等につきまして、選定審議会を経て、教育委員みずからが議論を重ねて十分検討して決定してまいりたいと考えております。
◆8番(太田正明君) (登壇)ただいま答弁をいただきましたが、特に1問の採択の仕組み、特に14年度に実施された中学校の、実際に行われた採択について、具体的なことを挙げてただしたわけですが、それに直接には答えようとしていない。通り一遍の採択のあり方、また、流れを答弁されたにすぎないと、このように受けとめました。
本日の新聞報道によりますと、文部科学省はこの4月にも、全国の教育委員会あてに、採択手続の改善を求める通達を出すと報じられておりました。その内容は、通達では、検定を合格した教科書は、指導要領の目標にどの程度準拠しているか、具体的観点を挙げて、内容や量を比較し、各社の違いが明瞭にわかるような選定資料をつくるように求めるとなっております。
そもそも教科書採択の根拠は、地方自治法第180条の8において、教育委員会は教科書その他教材の取り扱いに関する事務を行い云々と定められており、これを受けた形での地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6項で、教科書採択は教育委員会が管理、執行すると定められております。そして、その逐条解説の1で、「教科書その他の教材が教育内容等に及ぼすところ多大の影響があるので特に設けられた」と、このように解説をされ、その5では、「教育委員会は地方公共団体の執行機関として」、「最も有益適切なものが使用されるようにしなければならない責任を有する」と規定をされております。また、文部省初等中等教育局長名で教育委員会あて通知文で、学校に使用する教科書を決定することは、教育委員会のなすべき仕事のうちで最も大切なことの一つと通達をいたしております。
しかしながら、先ほどの質問でも指摘をしましたように、実際は現場教師の意向で採択が決まるという不正常な慣行が続いてきております。この現状を打破するために、具体的にどのような改善を図ろうとされているのか、滋賀県の教育委員会の最高責任者としての
教育委員会委員長の存念を再度お尋ねいたします。
そして、最後に、少なくとも
教育委員会委員長を初め、教育委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中とは思いますが、いわゆる検定に合格した教科書すべてに、ひとつ目を通していただく。そして、御自分は御自分の考え、また、それをまとめられて、教科書の採択事務に責任を持って当たっていただきたい。
以上、再質問とさせていただきます。
◎
教育委員会委員長(高橋啓子さん) 太田議員の再質問にお答えをいたします。
採択権者としての権限と責任において、教育委員一人一人が各教科書を手にとり、ページをめくりつつ、責任と権限において採択業務を行ってまいりたいと思います。十分にその責務を果たせるよう心がけます。
○議長(世古正君) 次に、28番清水克実君の発言を許します。
◆28番(清水克実君) (登壇、拍手)予算制度改革について、まずお尋ねをいたしたいと思います。
本2月議会は、まさに予算議会と呼んでいいくらいに新年度予算が大きな比重を占めております。ところで、年中行事のように繰り返される予算編成は、その制度も含めて、何か変化を遂げてきているのでしょうか。先般も、いわゆる公共工事についての議論がありましたが、平成7年、ちょうど私が滋賀県議会に初当選した年でありますが、その額は、補助公共で882億円、県単独で385億円、10年後の、来年度平成17年度予算案では補助公共で554億円の約3分の2弱、県単独では133億円の3分の1強。トータルいたしますと約半分になっております。これはもちろん結果論ですが、今日の本県の財政論議は、国の経済対策につき合わせられ、後年度負担を地方交付税に組み込むという、地方交付税の目的外使用をまさに予算化したところに端を発しています。
そういった意味から見ると、地方分権が進んだとはいえ、いまだに県の予算は国の予算制度にがっちり組み込まれていると言っても過言ではありません。現に、5年前から開始されました介護保険制度におきましても、保険者は市町村であるにもかかわらず、実に細かいメニューまで指示され、保険者の立ち入るすきはほとんどありませんでしたし、国民健康保険においても事情は現時点でも同様であります。
そこで、最近のニュー・パブリック・マネジメントの観点から、予算制度改革についてお伺いをいたします。
まず最初に、予算編成にかける人と時間の膨大さであります。県という中二階的な地方政府の立場にあるとはいえ、予算編成時期は言うに及ばず、1年中、かなりの人と時間という県庁の資源が投入されているように見受けられますが、その実態はどのようになっているのでしょうか、総務部長にお聞きいたします。
さて、今申し上げました最近のニュー・パブリック・マネジメントにおいては、財政赤字と予算編成に関しておおよそ3点のことが指摘をされております。1つには、財政赤字というのは経済状態ではなく、むしろ予算編成のプロセスによって生まれるということ。これは、前段申し上げた、本県における起債残高の上昇時期の経済状況と現在とを比較していただければよろしいかと思います。2つ目には、民主主義という政治形態は、潜在的に財政赤字を拡大する要素を内包しているということであります。要するに、民主主義というのはお金がかかる政治システムであるということです。3つ目には、予算編成のプロセスを改革して、責任と意思決定を一元化する、あるいは透明性の徹底を図ることによって初めて財政赤字を封じ込めることができるということであります。以上の観点から、本県においてもそれなりの予算制度改革がなされ、それは今も進行中であります。
そこで、以下5項目につきまして、知事ならびに総務部長にお尋ねをいたします。
第1番目は、インプット重視から結果重視へ、つまり決算重視の予算をということであり、このことは、本県においてもそれなりに取り組まれてきた経緯がありますが、決算の時期的な問題、もととなる施策評価をめぐる諸問題、先ほど来いろいろと議論されておりますが、そういうことを考えてみますと、必ずしも当初期待されたほど成果が上がっているとは言えないというのが現状偽らざるところではないでしょうか。総務部長はどのようにお考えでしょうか。
次に、トップダウンの意思決定の重要性が挙げられます。
よく指摘されております、行政にも民間の経営感覚を取り入れてということの中身には、1つはコスト感覚ということもありますが、意思決定システムのわかりやすさということもあるような気がします。特に、慢性的な財政赤字が当面続くと予想される中での予算編成には、知事を中心としたトップの揺るぎない意思が必要不可欠であります。そういった意味で、一たん公表された
財政構造改革プログラムの改定案について、来年度予算編成において早々と撤回される項目が生じるなど、本県財政に取り組むトップの決意が疑問視されるような事態が生じています。
予算編成におけるトップの意思決定ということについていかがお考えでしょうか。本項目は、知事にお伺いをいたします。
第3番目といたしまして、予算単年度主義についてであります。
本問題についてはたびたび取り上げられていますので、重複は避けますが、弊害としては、マクロ的な見通しに欠けること、それと、単年度であるがゆえに、どうしても目玉的な施策を毎年打ち出さなければならないという宿命的なところがあるわけであります。ところが、現実にはそんな目玉施策が毎年あるわけではないのであって、そういったところではかなり無理が生じているのではないかと思料されます。
財政構造改革案に見られますように、短期的な収支バランスについて、あるいは、16年度から清掃業務などについて一部複数年契約を実施されるなど、それなりに制度改革に着手をされておりますが、まだまだ改革余地があるように感じられます。複数年度予算についての考え方、および今後どの程度の取り組みをされようとしているのか、お聞きをいたします。
第4番目といたしまして、予算裁量の委譲、つまり、項目別予算から一括予算へということであります。
現在の予算要求は、ある機関が事業をするためには、人は何人、パソコンが何台、車が何台必要かといった、いわゆる項目別に積算し、それを査定して予算化するという方法になっています。それをどのような手段で、また、どの事業の予算を執行するかは、その機関の裁量に任せようというのが予算裁量の委譲であります。
少し具体的に申し上げますと、今、健康福祉部で10事業、合計1億円の事業が見積もられたとします。10の各事業は、個別に従来の方法で積算され、内容にも問題がなかったといたしまして、予算案確定時に、歳入の関係で健康福祉部には8,000万円の予算しかつかなかったという場合、通常ですと、10事業から8事業に減らすという方式をとっています。それを10の事業を残したまま、どの事業を予算化し執行するか、あるいは、個々の事業費を減らし10の事業を全部執行するかも含めて該当機関に任せるということであります。
予算裁量の委譲について、どのような御所見をお持ちでしょうか。
最後に、言い尽くされた感がありますが、透明性と説明責任の徹底であります。
このことについては、ITの普及など、広報媒体をめぐる新しい動きなどもあり、予算編成過程について公開されるなど、それなりに工夫はされているのかなという感じは持っております。要は、議会制民主主義でありますから、議会に対しては当然でありますが、県民との協働をこれからの県政の柱に据えていくというのであれば、予算の透明性と説明責任というのはこの程度で済ませてしまっていいのかどうか、大いに疑問の残るところであります。幸い、県内の基礎自治体の再編も進んできているということから考えると、最新の機器を使った予算説明会なるものを各市単位で一般県民の方々にも参加いただけるような形で実施をするというのも時代の要請かなという感じは持っております。
予算の透明性と説明責任についていかがお考えでしょうか。
以上、総務部長にお尋ねをいたしまして、次に移りたいと思います。
安全、安心ということについてお伺いをいたします。
ここ四、五年でしょうか、安全、安心という言葉がセットで四文字熟語として使われることが多くなってまいりました。食の安全、安心、何々県安全安心まちづくり条例、さらには、政治家のホームページ。これが選挙運動中になりますと、候補者は、安全の次に安心をくっつけないと安心できないのか、選挙カーからマイクで、前後を略しまして、「安心安全の清水候補です」というようなことになりますと、さっぱり意味がわからないというような現象が起きております。
さて、広辞苑によりますと、安全は、「安らかで危険のないこと」の意味で、安全地域、安全物質のような使われ方をしています。一方、安心の方は、「あんじん」という仏教語読みもされるように、「心配、不安がなくて心から安らぐこと、また、安らかなこと」と記されているように、専ら個人の精神状態を表現した言葉であります。
最近のこのような社会状況について、独立行政法人産業技術総合研究所化学物質リスク管理研究センター長──随分長いのですが──の中西準子センター長は、次のような懸念を表しておられます。「安心・安全政策は、これまで比較的軽視されてきた安全問題にもっと力を注ぎ、資源を投入しようとする国や企業の意思表示であり、結構なことですが、もともと個人の精神状態である安心まで、国や企業が保障するように聞こえ、さらに、その責任は専ら国や企業にあるという考え方が広まりつつあり、そして、皮肉なことに、このことが国民の不安をかえって大きくしているのではないか」と指摘された上で、その理由として、まず第1に、安全には通常際限がなく、安全を得るためには莫大な費用がかかるので、自分で支払う場合にはほどほどのところで妥協するが、責任が他にあるとすれば、その要求も際限なく大きくなっていってしまう。安全は目指すべき方向性を示す目標のはずだったが、いつの間にか、際限のない安全を要求する権利があるという誤解に発展している。もちろんそれは満たされることがありませんから、人はますます不安になる。
第2番目として、安心という個人の心が大きく関係することが政策目標に入ってしまったことからくる問題。政策立案者が考えたことは、意思決定過程の透明化とか、製造物のトレーサビリティーであって、それはよいことではあるけれども、安心という心の状態はシステムで得られるものではないし、また、通常は、生きている間はなかなか得られない。もし得られるとすれば、個人が自己との戦いの末、ある種の欲求を捨てることと引きかえに得られるもののような気がする。その安心を与えるのが国や企業であるとすれば、だれもが自己との戦いをやめてしまい、結果として不安が大きくなるのではないか。不安との戦いという個人の心の課題が、いつの間にか国や企業の責任に変わりつつあるのではないか。これではかえって、不安、不安という人がふえる。
3番目には、現在の安全・安心政策を推進する構造的な問題。安心、安全を国や企業が国民──消費者と言ってもいいのですが、消費者に与え、大学や外郭団体などの支援機関が国や企業を支える。一方で、政策の不十分さを指摘する政治家、マスコミ、NGO、大学教官などの知識人集団の情報機能組織があり、国民はそれらの庇護の下にあるという構造であります。安心、安全を実行するためには、その問題をできるだけ早く発見し、伝える方が効果的なので、これらの集団は、現状がいかに安全でないか、安心できないかを必死で訴えるのが普通であり、しかも、危険性を強調し不安を訴えることは社会的正義と考えられていますから、どんどん大げさになる傾向があります。そのことが逆に不安を大きくしてしまうというわけですが、なるほどと思わざるを得ません。
阪神・淡路大震災から10年目の本年を減災ゼロ年と定め、限られた資源の中で県民の安全確保に努めることは県行政の責務であると考えますが、その結果として、個人の精神状態である安心という心の領域にまで行政が保障するかのような政策表示は、災害に対して強い自己を養うという観点からも疑問視せざるを得ません。安全という、地域空間の状況や物質に対して使われる用語と、安心という、個人の精神状態をあらわす用語が同一並列的に政策用語として使用されていることに対してどのようにお考えでしょうか。
さて、戦後60年、現代日本社会はリスクの多い社会だと言われていますし、我々も何となく感じています。車社会のリスク、食のリスク、災害、医療過誤、多発犯罪等、数え上げれば切りがありません。それでは、昭和20年から40年代にかけてはどうであったのでしょか。今、日本人の平均寿命も健康寿命も世界のトップクラスにあることは疑いの余地はありません。このことは、戦後一貫してリスクの多い社会からリスクの少ない社会への移行を示唆しています。戦後、おびただしい化学物質が発明、発見されましたが、それがもたらす負の効果よりも正の効果の方がはるかに大きかったことは、この事実一つをとってみても明らかであります。
では、なぜ、昔社会の方がリスクが少なく、現代社会の方がより多くのリスクにさらされていると感じるのでしょうか。事実は逆であるにもかかわらずです。少し前まで、ペットボトルの水を買う人は日本ではほとんどありませんでした。それが、今や一大水産業の登場であります。しかし、水道の水は昔から変わっていませんし、安全基準はむしろ厳しくなっています。塩素の投入量が多くなってきていることはあるでしょうが、それはむしろ安全強化のたまものであります。検査技術の向上や水源管理の強化等により、水道水は時代を追うごとに安全になっているのに、なぜ国民は漠然と、より悪化していると感じ、なぜこの不況の時代に高額なペットボトルの水が売れるのでしょうか。まことに不思議な現象であると言わなければなりません。
その原因は、まず第1に、情報化社会への移行に伴い、おびただしい情報が国民の前に開示されてきましたが、安全というものの定義が十分議論されないままにリスク情報ばかりが先行し、安全とリスクについて、十分というか、ほとんど説明されていないということにあるのではないでしょうか。毎日食べておりますお米や野菜、あるいは水道水にしても、多くの危険物質を含んでいますが、人が生存する期間と摂取量とを勘案して一定の最低含有量を定め、それを安全と称しているにすぎません。それに納得できない人は、さきに申し上げましたように、安全基準が明確に記載されていないにもかかわらず、高価なペットボトルの水を買うか、BSE騒動のときのように牛肉を食べないか、それらは個人の判断に任され、それで安心を得るわけであります。たとえそのことが科学的根拠を持たなく、幻想であるにしてもであります。
結局、現代社会のようにマルチプルリスク社会では、1つのリスクだけに着目しても余り意味がなく、特に行政サイドでは、多種多様なリスクを管理するリスクマネジメントが大切であり、そのことに県民も参加するという考え方が求められるのではないでしょうか。どうも日本人は、地震が起きれば地震対策に集中的に資源を投入というふうに、政策が大きく偏りがちであります。考えてみれば、本県においては地震よりも水害の方がより現実的ですし、実に10万4,000匹が死んだコイヘルペスにあっては、もう忘れかけているという状態であります。現在、本県においては、いわゆるリスクマネジメントはどのようにして行われ、県民理解、周知という面ではどのような手法がとられているのでしょうか。
最後に、リスクコミュニケーションについてお伺いいたします。余り聞きなれない言葉ですが、リスクコミュニケーションとは、リスクの原因、性質、大きさ、リスク回避の方法などについて、個人と集団・組織間で双方向的に情報を伝えることであると定義されています。
かつての環境ホルモン騒ぎに象徴されますように、最初の情報が誤って伝えられたり、誇張されてマスコミに流されたりすると、その影響は広範囲に及び、地域によっては壊滅的なダメージを受けかねません。さきに述べたコイヘルペスの件でも同様でありますが、さまざまなリスクが考えられるとき、リスクコミュニケーションのあり方をあらかじめ整備しておくことはぜひとも必要ではないでしょうか。類似の体制は整備されていることとは思いますが、こういったことは、国で行うには少し小回りがきかなく、といって市町単位では少し荷が重過ぎると思われ、まさに県レベルで対処すべき案件であるように感じられます。
報道機関も含めたリスクコミュニケーション体制の整備についてどのようにお考えでしょうか。
以上、
県民文化生活部長にお答えをいただきたいと思います。
最後に、3つ目の質問になりますが、久しぶりに記者室の登場であります。
今をさかのぼること4年、平成13年5月、長野県の田中知事が脱・記者クラブ宣言を発表されたことは、いまだ記憶に新しいところであります。ここで少し宣言文を思い起こしていただきたいと思いますが、「その数、日本列島に八百有余とも言われる『記者クラブ』は、和を以て尊しと成す金融機関すら『護送船団方式』との決別を余儀なくされた21世紀に至るも、連綿と幅を利かす。それは本来、新聞社と通信社、放送局を構成員とする任意の親睦組織的側面を保ちながら、時として排他的な権益集団と化す可能性を拭い切れぬ。現に、世の大方の記者会見は記者クラブが主催し、その場に加盟社以外の表現者が出席するのは難しい」。
「長野県に於いても、例外ではない。県民の共有財産たる県庁舎内の3ヶ所に位置する『県政記者クラブ』『県政専門紙記者クラブ』『県政記者会』は、長きにわたって空間を無賃で占有してきた。面積は合算で263.49平方メートルに及ぶ。部屋と駐車場の使用料に留まらず、電気・冷暖房・清掃・ガス・水道・下水道の管理経費、更にはクラブ職員の給与も、全ては県民の血税で賄われてきた。推計での総額は年間1,500万円にも上る。これらを見直されねばならぬ。すべからく表現活動とは、一人ひとりの個人に立脚すべきなのだ。責任有る言論社会の、それは基本である」。私が言っているのではないです。田中知事が言っている──とした上で、3つの記者室を廃止し、仮称としてのプレスセンターを設け、基本的にだれもが利用でき、また、長野県民が会見を行う場として利用できること、午前と午後の2回、プレスリリースを掲示し、質疑応答を受けること、さらに、記者クラブ主催だった知事の記者会見は、今後、県主催とすることなどが主たる内容の宣言であり、最後に、「なお、任意の親睦団体としての記者クラブの存在は、長野県に於いても加盟各社の自由意思であり、これを妨げはしない」という結びで締めくくられております。
ここで、記者室に係る本県の実態を整理してみたいと思います。
まず、政策調整部が所管する県政記者室ならびに地方記者室が本館3階に、教育委員会ならびに商工観光労働部が所管する教育労政記者室が新館4階に、警察本部が所管する県警記者室が警察本部に、要するに、都合4カ所、それぞれに該当の記者クラブのみが占有しており、占有料は無料、地方記者室以外は、それぞれに嘱託職員の1名が県の負担で配置。かかる通信料は実費。駐車料、光熱水費等は県負担。おおむねこのように理解をしていますが、間違いはないでしょうか。
このような実態を踏まえた上で、現在、各記者室に係る費用の県の負担額、および記者室を任意の親睦団体である各記者クラブのみに占有を許可されている理由、つまり、現実に記者室と記者クラブが同居している理由およびその根拠、占有料を免除されている理由について、政策調整部長、教育長ならびに警察本部長にお伺いをいたします。
次に、現在、知事の記者会見は、記者クラブの要請に応じて実施しているとのことですが、もともと県の重要な施策の一つである広報事業においては、その主体はあくまで県であり、県民生活の現況に照らして、要請があろうがなかろうが、必要ならば県の主体と責任において実施すべきものであります。もちろん、記者クラブでなくとも、他の機関からそのような要請があれば、事情が許す範囲内で対処すべきものと考えられます。現況、なぜ、知事の記者会見を記者室においてのみ、記者クラブの要請に応じる形で実施をしておられるのか、政策調整部長にお尋ねいたします。
田中知事の脱・記者クラブ宣言をさかのぼること2年、県議会当選から2年目の平成11年6月議会および平成12年6月議会において、不肖私は、滋賀県の記者室のあり方、グローバル化する世界情勢にあって日本の記者クラブのあり方が問われていること、さらに便宜供与の実態等について一般質問を行い、当時の公室長が答弁されたわけであります。本館における県政記者室と地方記者室という2つの記者室のあり方、記者室と記者クラブのあり方、かかる費用など諸問題については、平成12年度の新広報戦略策定作業の中で検討することとしたいとの答弁内容であったわけですが、過ぐること5年、検討結果はどのような内容であったのでしょうか。
今日、財政健全化をめぐる時代の要請は、県行政にもさまざまな制約が生じ、その影響は市町村行政や県民生活にも及んできております。記者室一つとってみても、本館と新館に2つの記者室、さらに地方記者室も合わせ3つもの記者室が本当に必要なのか。また、なぜ、各報道機関の営業活動に対して場所を無償提供されているのか。こういった現状を見るとき、県財政の危機的な状況をどのように理解されているのか、理解に苦しむのは私一人ではないと思われます。
問題提起から数年を経過しております。記者室をめぐる質問は今回で最後となるよう、明快な答弁を求めるものであります。
終わります。(拍手)
○議長(世古正君) しばらく休憩いたします。
午後0時14分 休憩
────────────────
午後1時2分 開議
○副議長(冨士谷英正君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
28番清水克実君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(國松善次君) (登壇)清水議員の予算制度改革についての御質問にお答えします。
まず、予算制度改革について、御紹介のありましたニュー・パブリック・マネジメントの観点から、財政赤字や予算編成のプロセスに関して、3点の指摘は、大変興味深く拝聴しました。
さて、予算編成におけるトップの意思決定についてでありますが、
財政構造改革プログラムの改訂に当たりましては、財政危機回避のための改革基本方針を定め、その中の行財政改革の4つの視点に基づきまして、歳出全般について徹底した見直しに取り組んだところであります。
この見直しは、今後3年間の財政収支見通しを試算する中で、多額の財源不足が見込まれましたことから、財政再建団体への転落を回避するために聖域なく行うということにしたものでありまして、同時に、かなり厳しい内容となりますことから、あらかじめ議員の皆様や県民の皆様に見直しの内容を十分御説明し、御理解と御協力をいただくことに意を用いたところであります。この過程で、さまざまな立場からこの原案に対しまして御意見をお聞きすることになり、そうした中で、施策の選択と集中をより徹底する観点から、よりよい改革案とするため、知事として全体を見て最終的に判断し、決定させていただいたものであります。
例えば福祉医療で申し上げますと、一定の自己負担をしていただくことに改めます一方で、低所得世帯にあっては現行どおり据え置きますとか、私学助成の関係では、特別修学補助については一定の見直しを行いますものの、私学振興補助金については現状を堅持するといったように、制度の大枠では見直すものの、さらに重点化を図ったものであります。
したがいまして、財政構造改革に取り組む私の基本姿勢はいささかも変わっておらず、揺るぎない思いで予算案を取りまとめたところでありまして、今後とも、議員各位や県民の皆さんの御意見を十分伺いながら、不退転の決意で行財政改革に取り組んでまいる考えであります。
◎政策調整部長(川尻嘉徳君) (登壇)記者室についての3点の御質問にお答えをします。
まず、記者室に係る費用負担の現状についてでありますが、記者室のあり方や県の費用負担の範囲などを見直してきました結果、政策調整部が所管いたします県政記者室と地方新聞通信社室につきましては、平成15年4月から報道機関各社がそれぞれ電話を敷設したことによりまして、お尋ねの通信費については県の負担がなくなり、年間で、光熱水費が約67万円、管理のための職員1名の派遣委託料が170万円の、合計237万円となっておりまして、見直し前に比べまして200万円程度の縮減となっております。
次に、記者室と記者クラブとの関係についてのお尋ねでありますが、県民の皆さんにタイムリーに県政情報をお知らせするためには、新聞やテレビ、ラジオのニュースとして取り上げてもらうためのパブリシティー活動は不可欠でございます。このため、県の広報活動と報道機関の円滑な取材の接点として記者室を設けておりまして、ここに、記者クラブに加盟する各社の記者が、その対応はさまざまでございますが、取材活動を継続して行うため、駐在をしているものであります。このように、記者室は県が情報を発信するという広報活動を行うために設置し、提供するものでありますことから、使用料の徴収はいたしておりません。
2点目の知事の記者会見につきましては、県政運営に関する方針や新しい施策を県民の皆さんに発表する効果的な機会でありますので、記者クラブからの要請に基づきまして、原則、月2回の定例会見を行っておりますが、急を要する場合などにつきましては、要請の有無にかかわらず記者会見の場を設けるなど、県としての説明責任を果たす必要があるというふうに考えております。
3点目の滋賀県新広報戦略の検討結果についてでございますが、平成12年12月に策定しましたこの戦略の中では、記者クラブと行政広報との関係については今後の検討課題というふうなことにしておりますし、また、平成14年1月には、記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解といったものも示されておりますことから、これらを踏まえまして、記者クラブと継続した協議を行ってまいりました。この結果、平成15年度には、さきにお答えをしましたように、通信費のほか、新聞購読料やテレビ放送受信料の県負担を改善したところであります。また、現在、記者室の管理に係ります職員配置の見直しや、県庁舎の本館と新館に設置しております3つの記者室について統合する方向で協議を進めておりまして、関係者の理解が得られるよう努力をしているところでございます。
記者室につきましては、議員御指摘のように、さまざまな意見もございますので、他の自治体での動向等も見きわめながら、今後とも関係者の協議を重ね、より効果的、効率的なパブリシティー活動が展開できるように取り組んでまいりたいというふうに思っております。
◎総務部長(馬場章君) (登壇)予算制度改革についての5点の御質問にお答えをいたします。
まず、予算編成に人と時間がどの程度投入されているかとのお尋ねでございます。
毎年度の予算編成の流れを簡単に申し上げますと、8月ごろから翌年度の政策課題についての具体的な検討が始まりまして、行政経営戦略会議や三役との協議を経て、10月に通知をいたします予算編成要領を踏まえ、施策の緊急度、重要度を十分精査した上で、11月に財政当局に予算見積書が提出されます。その後、事務的な調整作業を経て、知事査定の後、予算案を決定することとしております。
したがいまして、実質的な施策検討のスタートから予算案の決定まで、おおむね半年をかけ、県民ニーズを的確に把握し、行政課題等に効果的に対応できるよう、慎重に予算編成を行っているところであります。
御質問の人と時間がどの程度費やされているかにつきましては、正確に把握することは困難でございますが、おおむね、各部局は8月から10月にかけて、それと1月がかかっておりますし、また、財政当局におきましては11月から1月までが予算編成に集中的に取り組む期間であると言えます。なお、各部局が全庁的な視点に立ち、一定の責任のもとに主体的に予算編成を行う取り組みを進めており、庁内調整に係る作業は極力省力化できるように努めているところでございます。
次に、結果重視の予算についてでありますが、行政運営を進める上で、政策目的の達成に向けて最小の経費で最大の効果をもたらすことができるように、施策を重点化、効率化することは極めて重要なことでございます。そのためには、事業の実施の効果を適切に評価し、次の施策に生かすこと、すなわちニュー・パブリック・マネジメントで言う成果重視という考え方は必要不可欠な概念であると認識をしております。
本県では平成11年度から施策評価を実施しておりますが、今後、このシステムを簡素化し、2次評価を取り入れることによりまして、役に立つ生きたシステムとして
PDCA型行政経営や予算編成に活用されるよう改善をしてまいりたいと考えております。
また、9月議会で御審議いただいております決算につきましても、現状では十分に活用されているとは言いがたい面もありますが、決算審査資料の調製に当たっては、近年、議会の御指摘もいただきまして、極力、施策の成果をわかりやすく記述するなど、決算重視、成果重視の心構えが職員の間に徐々に根づいてきたようにも思っております。
今後とも、評価や決算を次のステップに活用し、適切な資源配分に結びつけることができますよう、さらに工夫を重ねてまいりたいと考えております。
次に、複数年度予算についてでありますが、御案内のとおり、地方自治法により、地方公共団体の予算は、一定の財政規律を保ちつつ、予算に対する議会のチェック機能も確保するという観点から、単年度主義を原則としており、債務負担行為、長期継続契約等についてのみ、例外的に複数年度にまたがる予算を設定することができることとなっております。一方、本県では、平成13年度の行政監査におきまして、契約についてさらなる競争原理を導入するようにとの意見が出されたことを受けまして、その手法の一つとして、債務負担行為を活用した複数年契約を平成14年度から実施しているところでございます。
対象業務につきましては、順次拡大をしてきておりますが、施設の維持管理的な分野での複数年契約にとどまっているところであり、政策的な分野につきましては、県行政推進のための指針となります中期計画に基づき、政策目標を着実に実施するため、毎年度の予算の中で具体的な施策を決定することといたしております。
今後の取り組みでございますが、現在行っております複数年契約の対象範囲の拡大に引き続き取り組んでいく必要があるものと認識しておりますが、政策的な分野では現行法上一定の制約もあり、複数年度化が困難な場合が多いものがございます。ただ、そうした中で、予算は単年度ごとに議決いただくものの、中期計画の推進に当たり、例えば主要な事業については、継続した取り組みの方向性を議会の皆様や県民の皆様にしっかりとお示しすることにより、実質的に複数年度予算と同じような効果が得られるよう心がけてまいりたいと考えております。
次に、項目別予算から一括予算へという予算裁量の委譲についてでありますが、本県では、各部局が施策の緊急度や重要度に、より優先順位をつけながら、主体的に予算の見積もりができますよう、部局単位に予算配分を行い、その範囲内で要求のあった事業については極力尊重する形で予算化しているという取り組みを進めてまいったところでございます。現在、私どもがとっております方法は、県民ニーズへの的確な対応や説明責任の明確化などの点におきまして一定効果があるものと考えておりますが、議員御提案の方法も含め、今後さらに政策目的の効率的、効果的な達成につながる予算編成方法につきまして工夫をしてまいりたいと考えております。
次に、予算の透明性と説明責任についてでありますが、来年度予算案につきましては、県財政の置かれております状況とあわせまして、各部局の予算見積もり要求の段階から、記者公表や県のホームページで明らかにしているところであります。また、県の主要事業につきましても、テレビの県政広報番組でお知らせしてまいりましたほか、当初予算が決まり次第、県の広報誌滋賀プラスワンの4月号で特集を組んで、詳しくお知らせをする予定をしてございます。
県民の皆さんとの協働を一層進めていくためには、県の財政状況や施策概要をまず知っていただく、そして、それを理解していただくことが何よりも重要であると認識しておりまして、より一層、透明性と説明責任の徹底が図れますよう、情報提供の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
◎
県民文化生活部長(近藤月彦君) (登壇)安全、安心およびリスクについての3点の御質問にお答えいたします。
1点目の安全、安心の用語が同一並列的に政策用語として使用されていることに対してどのように考えているかについてでございます。
BSE問題を契機として、地震、台風などの自然災害、さらには高病原性鳥インフルエンザやコイヘルペス問題など、安全、安心についての関心が高まり、今まで以上に安全・安心対策が求められております。政策用語としての安全は、本来、科学的な評価によって決められる客観的なもので、第三者が検証できるものであるのに対し、安心は、心理的かつ主観的なもので、他人が検証できないものであり、議員御指摘のとおり、2つの概念は異なっていると認識をしております。
安心は、科学的に安全と評価されることに加えて、安全に関する情報を迅速にわかりやすく提供したり、双方向の情報交換が行われることにより、県民、事業者、行政など、相互の信頼関係が確立されることによって生まれるものと考えております。
次に、2点目の本県においてはリスクマネジメントがどのようにして行われ、県民理解、周知にどのような手法がとられているかについてでありますが、地震、風水害、原子力災害や食品事故など、単一のリスク対策につきましては、地域防災計画、地震防災プログラム、食の安全・安心アクションプランなどをそれぞれ定め、安全確保に努めておりまして、危機発生事態に備えて、迅速かつ適切に対応することができる体制の整備や、部局横断的な対策本部を設置するなど、リスクの低減に向けて取り組んでいるところであります。また、これらに関する情報は、ホームページや広報誌を初め、あらゆる広報媒体を使って積極的に提供するとともに、政策決定過程の段階で、公聴会、委員会等の開催や県民政策コメント制度を実施しているところであります。
しかし、リスクについては、それぞれの立場や経験、知識などによって、関係者間で、そのとらえ方が大きく異なり、また、御指摘のとおり、今日の社会では多種多様なリスクが絡み合っている場合が多く、複雑かつ多岐にわたるリスクを総合的にマネジメントすることが求められております。そのためには、多様なリスクを把握し、おのおののリスクの大きさや、リスク低減コストと利益のバランス、さらには、技術的な実現可能性などを明らかにする必要があります。大変難しい課題ではありますが、今後、こうした点について研究していかなければならないと考えております。
3点目の報道機関も含めたリスクコミュニケーション体制の整備についてどのように考えているかについてでありますが、リスクコミュニケーションは、県民、事業者、利害関係者、行政などが、お互いの意見を聞き、また、お互いのニーズを知ることであり、その結果として信頼関係が築かれ、効果的かつ合理的なリスク低減対策についての合意形成を図れる有効な手段とされております。
特に、さまざまなリスクが混在する今日では、緊急時だけでなく、平常時から市町やマスメディアを含めて十分なリスクコミュニケーションを行っていくことが重要でありまして、各方面で取り組みが進められつつありますが、いまだ緒についたところであり、その実施内容、方法などについては課題も多いと感じております。
今後、リスクコミュニケーションをより効果的に推進していくためには、リスク低減目標の明確化、説明方法の改善、あるいは説明者のトレーニングなど、わかりやすい情報提供や双方向のコミュニケーションの実現のための手法についての議論を全庁的に進める取り組みが必要であると考えております。
◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)記者室についての御質問にお答えいたします。
まず、教育・労政・スポーツ記者室に関する県の費用負担額につきましては、年間、光熱水費として約35万円、記者室管理業務の委託料が約157万円となっておりまして、合計約192万円でございます。
次に、記者室と記者クラブが同居している理由についてでありますが、教育・労政・スポーツ記者室は、県教育委員会および商工観光労働部の労政部門が発信する情報を報道機関へ情報提供することで、これらの情報を迅速に県民の皆さんにお知らせできるよう、広報活動の拠点として設置しているものであります。
県教育委員会では、教育に関するさまざまな取り組みを多くの県民の皆さんに知っていただき、家庭や学校、社会が連携して、身近な地域で子供を育てる環境づくりを進めるため、教育広報誌や教育広報番組、あるいは報道機関への情報提供などの広報活動を行っているところでございます。中でも、報道機関を通じて発信される情報は、その速報性、広域性など、情報提供の効果が極めて高いものであり、これまでから教育・労政・スポーツ記者クラブの記者が記者室に駐在し、継続的に取材活動を行うことにより、迅速な対応がとれるようにしてきたところであります。なお、資料提供につきましては、他の報道機関につきましても同様に行っているところであります。
また、使用料につきましては、記者室は教育委員会が教育広報活動を執行するために設置し、提供するものでありますことから、使用料を徴収していないものであります。
記者室の問題につきましては、御指摘いただきました点も踏まえまして、記者室の統合など、今後、より効果的、効率的な活用が図られるよう、関係部局とも協議しながら見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
◎警察本部長(上山國隆君) (登壇)記者室についての御質問にお答えをいたします。
警察本部の記者室につきましては、警察に対する県民の理解と協力を確保するための広報活動を行う拠点といたしまして、警察本部庁舎内の一室に設置しており、現在、報道機関15社の記者が取材活動の場として活用しております。
まず、記者室に係る費用でありますが、光熱水費が約21万円、通信費が約25万円、嘱託職員の人件費が約166万円、合計で約212万円になります。このうち、平成17年度は、記者室の嘱託職員と通信費を廃止し、経費の削減を図ることとしております。
次に、記者室と記者クラブが同居している理由およびその根拠、占有料を免除している理由についてであります。
県警では、振り込め詐欺や子供への声かけ事案、重大交通事故など、犯罪や事故が発生した場合に、いち早くこれを県民にお知らせすることによって注意を喚起する広報、さらには、警察活動を周知する広報や法令改正の内容、警察窓口での事務手続に関する広報など、平成16年中は、県警記者クラブを通じて、企画物622件を含め、3,093件の資料提供を行ったところであり、近年の犯罪や事故の発生に伴って、前年比で357件、13%の増加となっております。
また、クラブ加盟社以外の報道機関の取材等に対しても、同様に積極的な資料提供に努めたところであります。
このほか、生命や身体に危険が及ぶおそれがある誘拐事件などでの報道協定を申し入れ、緊急、迅速な広報対応をとる必要があります。こうした県警の事務事業を遂行するため当該施設を提供しているものであり、占有に係る使用料は徴収しておりません。
県警といたしましては、県民の安全、安心を確保するため、引き続き効果的な広報に努めてまいる所存であります。
◆28番(清水克実君) (登壇)まず最初、教育長にお伺いしたいのですが、別に教育長にお伺いするのは恣意的ではないのです。たまたまです。
今、県立学校で公衆電話を置いておられますね。あれにも1,000円のお金を取っておられます。僕は、携帯電話を余り学校に持ってこないということからすると、当然、公衆電話は学校に必要だと思うのです。何か用事があったときですね、急用があったときに。そういう必要性があるにもかかわらず、それが営業活動であるからという理由で、年間1,000円のお金を取っているわけです。
その報道各社というのは、やはり、僕はNHKとそれ以外を分けて考えるべきだと思っています。NHKは基本的に営利団体ではありませんから、これはただにするというのはわかるのです。ほかの各社というのは、取材活動イコール営業活動なのです。利益を得るためにしている活動なのです。それが取材であろうと何であろうとです。そういうところに対してお金を取らないと。しかも、卑近な例ですが、1台の公衆電話、必要であるのにかかわらず取っているという、そういうのはどうも合わないのではないですかと私は思いますが、たまたま教育長が、1日ですか、卒業式へ行ったら目につきましたのでお伺いするのですが、整合性についてどう思われますか。
それから、
県民文化生活部長には、いろいろとあると思うのですが、結局、今、県内におけるいろいろなリスクがあります。例えば琵琶湖西岸の地震だとか東南海とか、あるいは、最近、単位時間当たり50ミリ以上の雨量が観測される日というのは、平成へ入ってから、今までだったら10年に1回ぐらいだったのが常態化しているのです。あるいはコイヘルペス、御承知のように、去年は10万4,000匹死にました。では、ことしはどうだと、皆、不思議に思っている人もいるわけです。あるいは、鳥インフルエンザが人に感染する。今まで余り感染しないと思われていたのが感染するようになって、現に東南アジアの方でそういうことが起きている。あるいは、ノロウイルスというのはよくわかりませんが、何かそういうことで病気になっている人も多いらしい。
例えば、県内の抱えているいろいろなリスクに対して、5月、新年度に入ってから、各市町、それから報道機関も含めて、そういったことについての情報を共有するような会議というのを一堂に持たれたらどうかなというふうに思うのです。そういうことで、一応、いろいろなリスク情報というのをそれぞれが共有している、一たんそういうベースをどこかでつくっておかないと、そういううわさとか、いろいろなことが飛び火するということになります。
コイヘルペスにしても、たくさんコイが死に出したから、市町に、どうか始末してくださいと。大変な仕事なのですが。しかし、それにしてもやはり、どういう病気で、どうなって、どういう性格のものかというのをきちっと説明しないと、ただ死んだから回収してくれと言われても、なかなか難しいということもあるわけです。
そういうことを考えると、そういった県内の行政機関、あるいは企業、それから報道機関も含めて、今あるリスクをそれぞれが持ち寄って共通認識をするという場所が必要ではないかなと考えるのですが、いかがお考えでしょうか。
◎
県民文化生活部長(近藤月彦君) リスク情報の共有化ということについてのお尋ねでございました。
危機管理を進めます上で、今おっしゃいましたように、いろいろなリスク、どんなものがあるのかというのをみんなが情報を共有しておくというのは大変大切だと思います。その辺で、実際にそこのところをどういうぐあいにできるか、検討させていただきたいと思っております。
◎教育長(斎藤俊信君) お答えいたします。
公衆電話の件で、県立学校、また記者室についての考え方ということでございまして、その整合性についてということでございますが、基本的には、使う人の受益者負担ということが基本的なことだと思います。ただ、それにつきましても、いろいろな背景というものも、その部署部署にあると思いますので、一概に言えないということも一面あろうというふうに思っております。
○副議長(冨士谷英正君) 次に、16番森茂樹君の発言を許します。
◆16番(森茂樹君) (登壇、拍手)2005年度滋賀県一般会計予算案について、知事に質問します。
滋賀県一般会計予算案は、今後3年間に1,340億円の財源不足が生じるとして、財政危機回避のための改革基本方針のもとに編成されてきました。同方針は、県財政は非常事態、早晩、財政再建団体に転落とし、処方せんに、聖域なき見直し、一層の選択と集中を掲げました。しかし、同方針は、計画的に進めるとした大規模事業は所要額を試算としています。聖域なき見直しをされたのは、大規模事業を除く分野であり、県職員給与と福祉、環境など、県民の暮らしに直結する予算だったのではありませんか。聖域なき見直しはごまかしであったことを知事は認めますか、質問します。
知事は提案説明で、これまでと同じような行財政運営を続ければ、早晩、財政再建団体になりかねないとしています。バブル経済破綻後、経済対策の名のもとに大型事業の推進が図られました。基金を大幅に取り崩し、大型借金を積み重ねたのです。大規模事業で歳入を無視した歳出を重ねたことこそ反省すべきです。にもかかわらず、なぜ大規模事業を聖域化するのか。これでは、これまでと同じような行財政運営を続けることになるのではありませんか。しっかりお答え願いたいと考えます。
今年度の予算で、土木交通費は対前年度当初比でマイナス16.9%となりましたが、これでも日本の公共事業は国際比較で異常に高いのです。財務省主計局は昨年10月25日の財政制度審議会に、教育、福祉、医療、文化施設などを除いた公共事業費が国内総生産に占める割合を示す資料を提出しました。日本は3.7%でした。イギリス0.3%、アメリカ、ドイツ、1%、フランス1.3%であり、日本はこれらの国の3倍から12倍の高さです。財務省は、我が国の公共事業費は、諸外国と比べて相当な高い水準としています。諸外国では、財政はまず国民の暮らしから配分されると言われます。
県予算の健康福祉費は、前年度比0.8%増ですが、自然増が28億円あるのに、福祉医療を初め、各種事業に大なたを振るって5億500万円の増に抑えた結果です。我が党は、健康福祉部の事業は県民の暮らしを支えている点でも、経済の6割を占める国民の消費購買力を冷え込ませ、景気回復にブレーキをかける点でも、削るべきではないと考えますが、知事の考えを問います。
知事は、財源不足と言いながら、取り崩した80億円の基金は2月補正で積み戻すとしています。基金にしても、平和祈念館5億円、新幹線新駅39億円、警察本部庁舎24億円、土地開発基金192億円を持っています。視点を変えれば、県民の暮らしを応援する県政を進めることは可能であると考えますが、いかがですか。
また、ダム建設計画は白紙撤回し、警察本部庁舎は大幅な進度調整、栗東新幹線新駅は中止の選択こそ、財政の非常事態の中でとるべき真の選択と考えますが、どうですか。
議第20号滋賀県国民保護協議会条例案、議第21号滋賀県国民保護対策本部および滋賀県緊急対処事態対策本部条例案に関して、知事に質問します。
私ごとですが、私の戦前の住所は京都市上京区出水通西洞院西入丁字風呂町といい、京都府庁の真横でした。府庁が爆撃された場合、類焼を防ぐとの名目で、府庁周囲数十メートル以内は強制疎開させられました。有無を言わさぬ撤去命令で、親戚を頼って膳所に疎開しました。
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、以下、括弧つきの「国民保護法」と呼びますが、第82条は、都道府県知事は、土地等を使用する必要があると認めるときは、当該土地等を使用することができる。土地所有者が同意しないときは、同意を得ないで当該土地を使用することができるとしています。私が戦前に受けた事態と同じです。
私は、国民保護法に基づいて今議会に提案された議第20号、21号の撤回を求めて質問するものです。
小泉首相は、備えあれば憂いなしと盛んに宣伝しました。自民党の代表質問者も、これでようやく有事の体制が整ったとの認識を示しました。日本有事への備えは、日本国憲法が示しています。憲法は、戦前の侵略戦争の反省から、日本の平和と安全は、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してかち取ると宣言し、第9条では戦争を放棄しています。国際協調と平和外交で日本の平和と安全を守ることを宣言したのです。戦争は政治の延長であって、ある日突然戦争がやってくるのではありません。戦争をしなくてもよい政治を進めることこそ、政治に携わった者の一番大事な仕事でしょう。その基礎に日本国憲法があるのです。
知事は戦前の戦争をどのように考え、現憲法の有事への備えに係る理念をどうとらえておられるか、問うものです。
それでも日本が攻められたらどうするが、政府や、これを通した政党の言い分です。知事も、ふだんから有事を想定して、国民保護のために万全の備えをしておくことは極めて重要で、だれもが願うことと答弁しました。まるで、現在の日本には有事に備える体制がないかのような答弁です。我が党が認めるものではありませんが、自衛隊法第76条、防衛出動は、外部からの武力攻撃に対して内閣総理大臣が自衛隊の出動を命じ、その際の武力の行使、防衛出動時における物資の収用等も定められています。知事は、日本に有事の備えがないように答弁しましたが、現行自衛隊法の存在をどう考えているか、質問します。
問題は、1999年制定の周辺事態法と、2003年制定の武力攻撃事態法、現行の武力攻撃事態法と現行の自衛隊法とどこが違うのかということです。決定的な違いは、自衛隊の防衛出動が、我が国が外部からの武力攻撃を受けたときに発動するのに対し、周辺事態法や武力攻撃事態法は、我が国が攻められてもいないのに、アメリカとともに戦争体制に突入する点です。周辺事態法は、日本周辺でのアメリカ有事の際、自衛隊が出動し、弾薬その他をアメリカ軍に補給するものです。ただ、周辺事態法では、自衛隊は戦闘地域には入らないことになっています。武力攻撃事態法の本質は、日本への武力攻撃への対処も含まれていますが、日本が攻撃される前の武力攻撃予測事態において自衛隊が行動を開始し、その行動に地方公共団体、指定公共機関とされた、民間も含む組織を強制的に協力させることができることです。また、武力攻撃事態や同予測事態では、自衛隊は戦闘地域に入らないのではなく、米軍とともに戦うのです。日本が攻められてもいないのに、アメリカとともに戦争する。それが、自衛隊法とこれら2法が決定的に違う点なのです。
アメリカは、ならず者国家と勝手に名づけた他国に対し、国連憲章を明白に踏みにじって他国に戦争をしかける恐るべき国であります。日本の近辺には、ならず者国家とアメリカが名指しする北朝鮮があります。日本共産党は、日本の政党の中でも北朝鮮の無法と真っ向から戦ってきた唯一の政党と言ってもよいと自負しています。日本共産党は、不審船問題で船体射撃を可能にする海上保安庁法改正に賛成したように、必要であれば法的措置をとることも含め、国民の生命と財産を守る確固とした立場に立っています。同時に、北朝鮮の無法が軽視できないものであっても、北朝鮮が日本を侵略し占領するような能力を持っていないこともリアルに見ています。むしろ、北朝鮮と戦火を交える危険性が高いのは、北朝鮮に対する軍事制裁の可能性を排除しないと幾度も口にするブッシュ現政権の方かもしれません。
もし米軍が北朝鮮に先制攻撃を行ったとすれば、有事法体制がどう作用するでしょうか。まず、周辺事態法で、自衛隊はアメリカへの支援準備に入るでしょう。これに対し、北朝鮮が態勢を整えるでしょう。この事態を見て、日本は、武力攻撃予測事態と判断するでしょう。これを発動すれば、日本はアメリカとともに北朝鮮と戦闘態勢に入ることになります。これは空想ではありません。既に現実の日本政治で起こったことです。1994年、アメリカが北朝鮮に核疑惑ありとして一触即発の事態となったことがあります。このときアメリカは日本に、米軍の艦船、航空機の国内港湾、空港の優先使用、国内上陸輸送のための道路の優先使用など、現有事法制に書かれているような1,599項目に上る要求を突きつけ、当時の自民党政府は非常に大きな衝撃を受けたといいます。
以来、1999年4月に周辺事態法成立、2003年の武力攻撃事態法成立、2004年に今回の国民保護法を含む有事7法がつくられたのです。国民保護法は、日本有事ではなく、アメリカ有事、リアルに言えば、アメリカがイラク戦争のような先制攻撃を他国に加えた場合に自衛隊が出動し、国民の権利を制限し、財産を奪うことが本質なのです。
知事は、武力攻撃法のこうした本質をどう考えていますか。日本の国を守るのではなく、アメリカの利益のために、知事がみずからの名前で県民の権利や財産を奪うことが正当と考えられますか。知事の所見を問うものです。
知事は、住民の避難や、避難住民への救援など、国民の生命、身体および財産を保護するための措置を実施すると言います。鳥取県が住民避難シミュレーションを立てたところ、同県東部の住民2万6,000人がバスで兵庫県に避難するのに11日間もかかるとしています。避難計画で住民の生命、財産は守れないでしょう。住民の生命、財産を守る道は、戦争そのものをさせない。憲法に従って、平和への備えを通じて、日本が戦争に巻き込まれないことではありませんか。知事が、住民避難計画が住民の財産、生命を守る上での現実的な意味を持つものと考えるなら、その根拠を明示していただきたいと考えます。
その上で、知事に、以下の何点かについてもまとめて質問します。
まず、国民保護法が制定されたといって、憲法に違反しているばかりか、アメリカとともに日本が侵略戦争の備えをするものですから、条例を急ぐ必要はありません。したがって、議第20号、21号の提案を撤回し、関連予算についても取り下げる考えはないか、問うものです。
2つ目に、あくまでも条例をつくるのであれば、憲法が定める基本的人権をじゅうりんするおそれが多分にある以上、県民の前にすべての情報を公開し、同時に、条例に反対の意見を持つ人もきっちりと参加させる仕組みをつくることが重要と考えますが、その決意を問うものです。
3つ目に、アメリカの先制攻撃で生じる武力攻撃事態や同予測事態に県は参加しないことを明確にし、マニュアルの性格も、戦争対応ではなく、大地震などの大規模災害に限定すべきと考えますが、決意を問います。
4つ目に、戦争対応の訓練に、病院、市町村、自治会などの住民や学校の児童生徒の参加を絶対に強制しないと宣言することを求めます。
5つ目に、既に自衛官OBを危機管理専門官として配置していますが、自衛隊の役割は、国民保護計画では武力攻撃災害の排除で、県民の災害救助が本務ではありません。この配置はやめるべきと考えますが、いかがですか。
次に、イラク派兵と県民の保護について、知事に問います。
イラクへの自衛隊派兵が続いています。1月には、今津駐屯地からも参加命令がおりた人があると新聞が報道しました。滋賀県からは何名行ったのか、県が持っている情報を明らかにしていただきたいと考えます。
イラク戦争が大義のないものであったことは明白になりました。同時に、日本の問題として考えた場合、イラク派兵が違憲であるばかりか、サマワが、イラク特措法に言う非戦闘地域とかけ離れた戦闘地域になっていることはだれの目にも明らかです。地方自治体の重要な役割は、住民の福祉の増進を図ることです。こうした危険な仕事に県民が出動させられることに、知事として国に、自衛隊を撤兵し、県民の命と財産を守りたいとの意思表示をすべきではないかと考えるものです。
防衛は国の専管事項と県は言いますが、県が県民の暮らしと生命を守る立場から物申すことに何らの問題はありません。その決意を問います。
市町村合併に対する県の異常な介入を中止することについて、知事に質問します。
全国3,200の市町村を1,000にすると始められた市町村合併ですが、3月末で2,500は残ると言われております。目標の半分にも達しません。合併は避けて通れないと、国に忠実だったのは、滋賀県などわずかで、少なくない市町村や都道府県は、究極の自治体リストラと言われる今回の合併に簡単に乗らなかったのが実際ではありませんか。昭和の大合併は、政府目標の達成は98%でした。今回の合併の進捗率が進まない理由がどこにあると知事は考えますか。県は、50市町村を7市にすると大綱を立て、合併は避けて通れないと、市町村に合併を押しつけてきました。特例法期限末を前に、昨今の押しつけは、まさに異常のきわみに達しています。
大津市が突如方針を転換し、志賀町との期限内合併で動き出しました。ことし1月に県は、自立のまちを歩むと決めていた安土町と竜王町に対し、近江八幡市との合併を求めました。竜王町は動じませんでしたが、安土町長は、住民アンケートを受け、町単独の自立のまちづくりを当面進めると言っていたことを忘れたかのように崩れ、2月14日の安土町議会も、法定協議会設置を8対5で可決しました。安土町民の間の怒りは沸騰し、町長も、18歳以上の成人に住民意向調査をすると、防災無線放送で言わざるを得なくなりました。
昨年12月に町長リコールで町長選挙が行われた湖北町では、新しい町長が合併の枠組みは白紙と公約したのに、当選直後、6町合併に走り出しました。町長の背信行為に怒った町民の追及に、町長は、住民の意向調査をすると言わざるを得なくなった途端、入院。高月町では、2月21日、たかつき大好き住民の会が3,695人の署名を、町議8名の紹介で議会に提出し、成立することが明確になりました。この中で、湖北6町合併はとんざしたのです。一方で、長浜市を中心とした1市2町合併の動きが昨年末から急速に出てまいりました。ここにも県が口を挟んでいます。
県が市町村に合併を押しつけてきた証言はたくさんありますが、私はここで2つ紹介したいと思うのです。去年の10月1日には北村高月町長が、「6月の浅井町の離脱の総括が不完全のまま、また、町民の皆さんに説明不足の1市8町が、県の指導もあり、拙速に動いたことが結果的に否めない事実もあり、深くおわびします」と、有線放送でわびました。竜王町は2月10日に全員協議会を開きました。その中で町長は、ことしに入って計3回にわたって県に呼び出され、合併するように指導されたと報告しました。
そもそも合併は市町村の自主性のもとに行われるべきです。それを上から特例法期限内に合併せよと押しつけることは断じて許せません。ここには、市町村の自主性を尊重する精神はかけらも見られません。こうした事例は、県による市町村の抑圧以外の何物でもありません。口先では、県と市町村は対等、今や指導の関係はないと言いながら、やっていることは、指導どころか引き回しそのものです。直ちにやめることを強く求めるものですが、知事の明確な答弁を求めます。
さらに、総務省のマニュアルでも、合併協議は最低でも20カ月かかるとされていたものです。それを、特例法の期限だといって、大事なまちづくり計画はそっちのけ、何よりも住民の意向を無視して、突如として市町長をして合併に走り出させるような行為は金輪際行わないと誓いますか、質問をいたします。
永源寺第二ダム計画は、ボーリングもしないでダムの位置、構造を決めたという、信じられない実態が明らかになりました。昨年2月県議会で、農林水産省が予定地の軟弱地盤等から、総事業費が当初の479億円から2.3倍以上の1,100億円に上がるので、ダム貯水量を3割削減して、事業費を当初の1.7倍の800億円に抑えるとしたことにつき質問しました。私は、この事態は、土地改良法施行令第2条第3項の定める、費用対効果が1以上であるとの法的要件を満たさないことは明白で、本計画は法的に破綻したと指摘をしました。今回、農林水産省の計画変更のための地元説明会、および永源寺第二ダム計画取り消し訴訟の大阪高裁の裁判で、さらに農林水産省の当初計画そのものが、ダムサイトのボーリング調査もしないでダムの位置や計画を決めた、極めてずさんなものであったことが具体的に明らかになりました。
本件計画決定には、必要性、技術可能性、経済性、負担の妥当性を確認せず、実態を踏まえない、事実と異なる専門技術者の報告に基づいて作成された重大な瑕疵があり、この瑕疵は、法が予定する変更計画手続によっても治癒することができない、原始的で重大な瑕疵と言わなければなりません。すなわち、479億円が1,100億円になったのは、1、計画決定後実施したダム本体建設地のボーリング調査等による岩質調査の結果、岩質がやわらかいと、ダムの堤帯の長さを当初計画よりも約10メートルも大きくしなければならない。2、ダムの底の部分が透水性のある岩質であるために、深くしなければならない。3、約2,500万トンの貯水ダムを計画し、地図の等高線をもってダムの高さを判定していたが、計画決定後、現地調査の結果、谷幅が狭いことが判明し、現計画のダムの高さでは2,500万トンの水がたまらない。2,500万トンためようとすれば、堤の高さを現計画より約10メートル高くしなければならないなども、明らかになった結果です。
こんなずさんな結果になったのは、土地改良関連法が要求している調査や、計画基準、手続に反して計画したからです。すなわち、土地改良事業に当たっては、全体実施計画要綱に基づき、地区調査の結果、直ちに工事に着手できるような制度を有する詳細な計画を作成するとしています。これは、土地改良法が、政令で定める基本的な4要件、必要性、技術的可能性、経済性、費用負担の妥当性に適合するものでなければならないとすることから発していると考えられます。
ところが、本計画は、こうした厳密な調査などはしていませんでした。農林水産省は、ボーリング調査の実施を申し入れたのですが、地元政所の地主がボーリングや立入調査に反対したためできなかったのです。その結果、ボーリング調査や現地調査もせず、全体実施調査だけで計画を決めたのです。例えば地形調査についていえば、国土地理院の測量表および測量成果を使用して調製した既成の公共測量図である2,500分の1地形図を利用しただけです。このような地図は、山岳部や河川上流部においてはしばしば信頼性に欠けるものであることは、この種の地図を使用した経験者の間では常識的な事柄と言われているのに、実地測量を農林水産省は何ら行いませんでした。地質調査にしても、健岩が露頭していたとしてボーリング調査を行わなかったことが、ボーリング調査をした結果、軟弱な岩質であることが判明したわけです。これでは、法が求める4要件にふさわしく直ちに工事が着工できるような精度を有する詳細な計画を作成していなかったことは明白で、その点で、現計画そのものが最初から持つ欠陥と言わなければなりません。
農林水産省は住民の同意を得て着工すると言いながら、地元の反対でボーリングができないままに計画を決め、後からボーリングをして、地盤がだめだったら変更すればよいとたかをくくっていたのです。しかし、これでは、法の求める要件を満たすものにはならないわけです。こんなずさんな計画では住民の安全は守られません。住民の反対でボーリングもしないで計画を決めたのは全国でも初めてのことと思われます。これこそ計画の原始的瑕疵で、違法、無効であることは明確です。
そういう意味で、永源寺第二ダム計画については、新年度予算に盛られた国営土地改良事業負担金3億9,378万9,000円は取り下げるとともに、国に向かって白紙撤回を求めるべきと考えますが、農政水産部長の所見を問うものです。
以上です。(拍手)
○副議長(冨士谷英正君) 16番森茂樹君の質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(國松善次君) (登壇)森議員の4点の御質問にお答えします。
まず、2005年度滋賀県一般会計予算案についてであります。
1点目の聖域なき見直しと言いながら、なぜ大規模事業を聖域化するのかというお尋ねでありますが、このたびの改革は、今後見込まれます大変大きな財源不足を縮減し、財政再建団体への転落を回避しなければならないことに加えまして、市町村合併の取り組みが本格化する中で、県民と行政、県と市町の役割分担を再検証し、分権型社会にふさわしい県の役割に照らして施策全般の抜本的な見直しを行い、施策の重点化を図りつつ、一段とスリムで効率的な行財政体質を構築することを目的として取り組んだものであります。
こうした中で、財政危機回避のための改革基本方針を策定し、この中で、改革に向けての4つの視点を定め、今後の行財政改革に取り組むべき基本的な方向を明示いたしました。そして、この改革を県民の皆さんとの協働で進めることとして、地域の自立と協働の自治へ県行政のスタイルを転換することを目指したものであります。
こうした基本的な考え方のもとで来年度予算編成に取り組みますとともに、財政危機回避のための改革プログラム案を取りまとめたところでありますが、大規模事業につきましても、その必要性や緊急性を個々の事業ごとに慎重に検討し、事業によっては計画の廃止や凍結、さらには進度調整を行うこととしたところであります。
したがいまして、大規模事業を聖域なき見直しの対象から除外したものではなく、一連の見直し作業の中で、本県の持続的発展につながるようなものや、県民の安全、安心に資する施設整備など、必要なものにつきましては着実に推進することとしたものでありまして、予算全体では、対前年度比マイナス6.2%の削減という戦後最大の削減となった中で、健康福祉費や警察費等、プラス予算を確保するなど、施策の重点化に意を用いたところであります。
2点目の健康福祉部関係の事業を削ることは、県民の暮らしを支えている点でも、景気回復にブレーキをかける点でも行うべきではないと考えるが、どうかということでありますが、来年度予算は、5つの大きな柱のもとに施策を構築しまして、その中の1つに、だれもが安心できる滋賀の健康福祉の推進を掲げたところであります。この柱のもとに、だれもが生涯を通じ、住みなれた地域や家庭で安心して暮らせる滋賀づくり、くらし安心県づくりを推進することとし、障害者の就労支援や子育て支援、さらには高齢者の介護予防や、認知症高齢者、その家族を支援する取り組みなどを積極的に進めることとしております。また、医療費や介護保険給付費などで28億円の自然増が見込まれる中で、健康づくりや介護予防などの取り組みを積極的に展開することが重要であり、また、限られた財源を効果的な施策展開につなげていくために、負担と給付のバランスに配慮することが必要となってまいります。
したがいまして、今までにも増して、国と県、県と市町の役割分担や、県民の皆さんとの協働にも十分留意するとともに、これまでの先人が積み重ねてこられました福祉の先駆的な取り組みを大切にしながら、新たな滋賀モデルの創造に向けまして、選択と集中に一層取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の基金を活用するなど、視点を変えれば、県民の暮らしを応援する県政を進めることは可能ではないかという話でありますが、現在ある各種基金は、それぞれの事業の着実な推進のために計画的に積み立ててきたものでありまして、特に大規模な施設整備事業にありましては、一度に財政負担を伴いますことから、県債の発行とあわせて、財政支出の平準化を行う目的を強く有するものであります。
また、県債管理基金につきましても、公債費の増嵩が見込まれる中、将来の財源不足に対応するため、財政調整的な基金として一定額を確保する必要があるところであり、来年度予算で地方交付税等の減少により新たに生じることになりました財源不足に対応するため、急遽取り崩すことといたしましたが、18年度以降の財政運営に支障を生じることのないように、同額はこの2月補正予算で積み立ててまいりたいと考えております。
本県の財政環境は極めて厳しい状況が続くものと予想されるところであり、少しでも多くの財源を将来に向けて確保して、健全な財政運営を図るとともに、真に必要な事業実施と施設整備を計画的に進めるために、各種基金の残高を一定水準維持しながら、その有効な活用に努めてまいりたいと考えます。
4点目のダムや警察本部庁舎、栗東新幹線新駅などの整備等についての御質問でありますが、御質問にもありました各事業につきましては、減災や犯罪抑止といった、県民の皆さんの安全、安心のためには不可欠な施設でありまして、県経済に大きく寄与し、確実に税収増につながる事業であるといったことなど、改革基本方針に沿って、その必要性を十分精査する中で、本県の将来に向けた重要な取り組みであると判断したところでありまして、必要なものは引き続き計画的に進めてまいりたいと考えます。
次に、国民保護法に係る幾つかの御質問にお答えします。
まず、我が国の過去の戦争と憲法の理念についてでありますが、我が国の過去の戦争では、多くの人々が命を失い、身体や心に深い傷を負いました。私自身も父を戦争で失い、寂しい思いや悔しい思いを体験し、育ちましたので、そうした経験からも、戦争は決して繰り返してはならないと考えます。現在の憲法も、そうした立場から、戦争の放棄や戦力の不保持等を定めているというように考えます。
一方、現憲法下においても自衛権は否定されないと解されておりますほか、外国からの侵害等の事態にあっては、国民の命や財産を守るための措置を行うことは当然でありまして、その備えを行うことも否定されるものではないと考えます。
次に、現行の自衛隊法の存在に対する私の考えでありますが、自衛隊法は、自衛隊の任務、自衛隊の部隊の組織および編成、自衛隊の行動および権限等を定めた法律であります。この法律の第3条に自衛隊の任務が規定されておりますが、その内容を見ますと、「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当るものとする」とされております。行動としては、防衛出動、治安出動、海上における警備行動、災害派遣、地震防災派遣、原子力災害派遣、および領空侵犯に対する措置に加えまして、国民の保護のための措置を実施するための国民保護派遣などがあり、国の安全と平和を保つ上で必要不可欠なものであります。
次に、武力攻撃事態対処法の本質をどのように考えているかについてでありますが、平成15年6月に成立いたしました武力攻撃事態対処法は、弾道ミサイル攻撃などの武力攻撃事態等において、我が国の平和と独立、ならびに国および国民の安全を確保するためのものでありまして、昨年6月に成立いたしました国民の保護のための措置について定めた国民保護法と相まって、国民の命、身体および財産を守るためのものであると理解をいたしております。
次に、アメリカの利益のために県民の権利や財産を奪うことが正当と考えられるかということでありますが、県民の権利や財産の制限につきましては、アメリカの利益のためにではなく、国民の命、身体および財産を守るためのものであると私は理解しております。また、憲法で保障する基本的人権が、武力攻撃事態の中でも最大限保障されなければならないことは当然であります。
武力攻撃事態対処法におきましては、第3条第4項に、「武力攻撃事態等への対処においては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならず、これに制限が加えられる場合にあっても、その制限は当該武力攻撃事態等に対処するため必要最小限のものに限られ、かつ、公正かつ適正な手続の下に行われなければならない」と規定されております。また、国民保護法におきましても同様の規定が設けられておりまして、憲法の範囲の中で最小限度の制約が設けられたものと考えております。
次に、住民避難計画が、住民の財産、命を守る上で現実的な意味を持つものと考えるのなら、その根拠を明示されたいとの御質問でありますが、国民保護法においては、国民保護措置として、住民の避難、避難住民の救援、武力攻撃災害への対処が主要な柱となっております。とりわけ住民の避難につきましては、国、県、市町の連携のもとに避難住民の誘導をするものとなっておりますが、県といたしましては、住民を安全な地域へ避難させることが大切な責務であると考えております。
最後に、滋賀県国民保護計画策定に係る5つの御質問にお答えします。
まず、条例案およびそれに係る予算を取り下げる考えはないかというお尋ねでありますが、国民保護協議会条例案などにつきましては、県民の命、身体および財産を守るために、国民保護法の規定に基づきまして、組織および運営に関し必要な事項を定めようとするものであります。また、予算につきましても、国民保護協議会の設置運営経費等、平成17年度に滋賀県国民保護計画を作成する上で必要な経費であると考えておりますので、取り下げる考えはありません。
2点目の計画作成に当たっては、県民に情報を公開し、反対する意見を持つ人にも参加させる仕組みをつくるべきとのことでありますが、滋賀県国民保護計画は、各界からの参画で構成されます滋賀県国民保護協議会において御審議いただきますほか、策定の過程においては、県議会の御意見はもとより、県民向けのフォーラムや県民政策コメントなどを通しまして、広く県民の御意見を聴取してまいりたいと考えます。
3点目の武力攻撃事態等に県は参加しないことを明確にすること、およびマニュアルは大規模災害に限定すべきであるとのことにつきましても、私といたしましては、県民の命、身体および財産を守る立場から、それも責任ある立場から、国民保護法に基づき、平成17年度に滋賀県国民保護計画を策定してまいりたいと考えます。
4点目の住民の訓練参加についてでありますが、国民保護法においては、「地方公共団体の長は住民の避難に関する訓練を行うときは、当該地方公共団体の住民に対し、当該訓練への参加について協力を要請することができる」と規定されておりますことから、協力は任意であり、協力の要請を受けても、実際に訓練に参加するか否かについては、住民お一人お一人の自主的な判断にゆだねられているものであります。しかしながら、県民の安全を確保するための避難訓練は大変重要であり、県民の皆さんの御理解を得た上で、御協力が得られますよう努めてまいる考えであります。
最後に、本年2月から自衛隊OBを危機管理専門官として配置したことについての御質問でありますが、国民保護計画を策定するに当たりましては、武力攻撃事態の類型や大規模テロ等の分野で専門的な事柄が多く出てまいりますので、関係者を配置したものでありまして、自衛隊、警察、消防などの協力を得ながら進めていきたいと考えております。
次に、イラクの自衛隊派遣と県民の保護についての御質問にお答えします。
まず、1点目の滋賀県からの自衛隊員のイラクへの派遣に関する情報についてのお尋ねでありますが、新聞等の情報はございますものの、関係機関からその種の情報が入るということにはなっておりませんので、承知いたしておりません。
次に、国に対するイラクからの自衛隊の撤退に関する意思表示についてでありますが、イラクへの派遣が我が国の外交および安全保障の基本にかかわる国の専管事項でありますので、私の立場からこれに関して意見を申し述べる考えはありません。
最後に、市町村合併についての御質問にお答えします。
まず、昭和の大合併に比べまして今回の合併が進まない理由がどこにあるのかという点でありますが、県といたしましては、今回の平成の合併の取り組みによりまして市町村数をこの程度にするといったような一定の目標値などを掲げたことはありません。これまでからも常に申し上げてきておりますように、市町村合併につきましては、新しい分権時代にふさわしい、みずからのまちの将来の姿や形をどのようにつくり上げていくのか、そして、同時に、住民の皆さんに最も身近な基礎自治体として、質的にも、量的にも、住民サービスに的確にこたえ得る地域経営主体としての体制がいかにあるべきなのかといったことを議論していただく中で、市町村合併を有効な手段の一つとして、それぞれの市町村で将来に責任を持って主体的に御判断いただいているところであります。
昭和の大合併につきましては、義務教育となる新制中学が合理的に運営できる人口規模を念頭に、全国一律に約8,000人を標準として、国挙げて合併が進められたという歴史的背景がありますが、昭和の大合併と今回の合併による市町村数の減少状況を比較するといったことは余り意味がないものと考えております。
なお、県が7つの市にすると大綱を立て、押しつけているという御意見がありましたが、県が平成12年12月にお示しした合併パターンにつきましては、これはあくまでも、何度も申し上げておりますが、県内市町村関係者の皆さんが市町村合併について議論していただくに際して、その素材としてお示ししたものであります。また、異常な押しつけは直ちにやめるべきで、今後も行わないと誓うべきとのことでありますが、これまでから、市町村に対しまして押しつけたようなことなどは一度もなく、今後も毛頭考えておりませんし、むしろ私は、市町村関係者や住民の皆さんを信頼いたしているところであります。
なお、押しつけているという御意見の中で幾つか挙げられておられました事例についてでありますが、県といたしましては、社会経済のさまざまな分野におきまして変革が求められている時代の中で、ぜひとも将来に誇れる新しい滋賀の自治を、市町村の関係者はもとより、県民の皆さんとともに築き上げていきたいという思いから、また、市町村合併につきましては、市町村を包括する責任ある立場として、さらには、みずからの自治のあり方にもかかわるという極めて重要な課題でありますことから、これまでから県みずからの課題として位置づけ、精いっぱいの支援に取り組んできたところであります。
こうした中で、要請等を受けて県職員が必要な助言や情報提供、さらには調整を行い、また、所要の会議に呼ばれて出席するといったことは、これは当然の責務であると考えているところでありまして、合併特例法におきましても、そうした県の役割につきましてはきちっと定められているところでもあります。
これまで、5年もの長きにわたり、県内各地域におきましては、行政、議会、さらには住民参加のもとで、本当に真剣な議論が重ねられ、そうした取り組みの中で、それぞれ責任ある判断をいただき、今日に至っているところであります。これまで県内各地域で積み重ねていただきました真摯な取り組みは、まさに分権時代における地方自治のあり方を探る姿そのものであると私は考えております。こうした取り組みは、間違いなく新しい滋賀の自治の創造につながっていくものと信ずるところでありまして、これまでの関係者の皆さんの熱心な御努力に対しまして、心から敬意を表するものであります。
◎農政水産部長(浅田博之君) (登壇)国営新愛知川農業水利事業永源寺第二ダムについての御質問にお答えします。
この事業につきましては、土地改良法の定める手続に従い、その計画概要等について、平成5年に受益者の同意を得た後、県との協議、専門技術者からの意見聴取等を経て、平成6年に事業計画が確定されたものであります。その際、国におかれては、土地改良法施行令で定める土地改良事業の基本的な要件である必要性、技術的可能性、経済性、負担能力の妥当性等に本事業計画が適合することを確認されたものであります。
そこで、ボーリング調査を実施しなかったことなどから、計画の精度が低く、したがって、計画に瑕疵があるとの御指摘ですが、一般的に本地区のような大規模な事業においては、土地改良事業計画の策定から、当該事業計画における個別施設の建設前に行う詳細設計に至る過程で、その設計精度の水準を高めていくことが通例であると認識しているところでございます。したがいまして、国による詳細調査の結果、ダム地点の地質や地形等の条件が当初想定したものと異なる部分があったとしても、そのことをもって、計画時点での精度が不十分であり、当初計画に瑕疵がある、あるいは当初計画が違法であると判断することは適当でないと考えております。
なお、この点につきましては、そもそも国の事業計画について県として答弁申し上げることが妥当であるのかとの思いもありますし、現在、大阪高等裁判所で係争中の本事業計画にかかわる行政訴訟において、国と原告との間の論点ともなっていると承知しているところであります。
御承知のとおり、本事業については、昨年2月に土地改良法に定められた計画変更要件に該当することが明らかになり、以降、近畿農政局において具体的な変更計画案の策定作業が実施されているところであります。県といたしましては、これまでにも議会で答弁申し上げておりますように、県水田面積の約15%を占める主要な農業地帯である当該地域における安定的な用水の確保は、持続的な水田農業を実施するための絶対の条件であると考えております。したがいまして、具体的な変更計画案の決定に際して、当該地域における恒常的な用水不足解消のための最適な方策が地元農家等の関係者の同意のもと、適切に策定されることが肝要であり、県といたしましても、今後とも国に対して、一層のコスト縮減、環境との調和への十分な配慮、および本県を含む関係機関や受益者との緊密な連絡調整を図るよう、引き続き要請を行いつつ、事業の推進に努力していく所存であります。
したがいまして、新年度予算に計上した国営土地改良事業費負担金を取り下げることも、国に対して本計画の白紙撤回を求めることも考えておりませんので、御理解を賜りたいと存じます。
◆16番(森茂樹君) (登壇、拍手)記憶の新しいところから、農政水産部長の答弁からちょっと再質問させていただきたいと思います。
今、農政水産部長は、詳細設計に至る過程で、精度を上げるためにいろいろな変更があることはあり得ると。これはあり得ると思うのです。私が申し上げましたのは、この計画が、先ほども申し上げましたように、法が求める4要件から、直ちに工事が着工できるような精度を有する詳細な計画を、本来そもそもから持っていなければならないということになっているのです。にもかかわらず、現地調査もボーリングもされずに、つまり、ダムの安全性も何も確認しないでやったと。そういうものに対して県が4億円近いお金を持つことは、県民の安全を守る上でいかがなものかということを考えれば、係争中であればあるほど、その間、執行をとめると。あるいは支出をしないということも、私は当然あるべきだというように思うわけです。
計画時点で違法性や瑕疵があるというのは、これから裁判の中でも議論になっていくでしょうが、これはやはり、土地改良法がそういう厳格な要件を求めている。日本の公共事業の中で費用対効果が1を上回らなければならないというようなことを決めているのは、日本の法律ではこれだけだそうでありますから、だからこそ、非常に厳密な計画を求めているわけです。ところが、それをしなかったということが明確になれば、これは原始的な瑕疵と言わざるを得ないし、そんな不安全なものをつくった農林水産省の計画に県が乗ることは、私は考えるべきだと。そして、少なくともこの係争中はそれの予算を計上しないというのは当たり前ではないかというように思うのですが、その点、もう一度、農政水産部長の御答弁をいただきたいと思います。
その次に、国民保護法関連でありますが、日本共産党も、日本国民は自衛権を持っているというぐあいに考えております。私は、本来、外敵から侵略をされるというようなことがあれば、普通の国民であれば、何はさておいても協力をするというのは当たり前だと思うのです。日本共産党も、中立自衛という方針を随分昔から掲げておりますけれども、その自衛策の大もとにあるのは、急迫不正の侵略が日本に対して行われる、外部から攻撃されるというようなことがあれば、国民の自主的な団結、連帯こそが侵略を排除する力になると、このように考えておりますし、世界的に見ましても、真の共産主義者というのは、外敵の侵略に対しては断固戦う。自国が侵略をされるときには、これを食いとめるために全力を尽くす。当たり前のことでありますが、それを行ってきました。
ところが、今度の武力攻撃事態法は、そういうものではなしに、日本が攻められるようなことではなしに、武力攻撃予測事態と名乗って、アメリカの戦争に日本が参画する、こういう、いわば集団的自衛権を果たそうという、とんでもないことなのであります。そういうものに対しては、当然、国民の反対が起こる。それを罰則で言うことを聞かそうというのが有事法制体制になっております。私はここに、アメリカとともに戦争すると、そういうところに本質があるということを知事にぜひ見ていただきたいというように思うのであります。
先ほど知事の答弁を聞いておりますと、私が──私というのは知事ですけれども、知事が立てる計画というのは、アメリカの利益のためのものではないと、こういうぐあいにおっしゃいました。アメリカの利益のためのものではない計画を立てるのだというのですけれども、だから、私は聞いたわけであります。この武力攻撃事態法が、武力攻撃予測事態という名で、日本が攻められてもいないのにアメリカと一緒に戦争をする。そのときにこの国民保護計画に基づいて知事がさまざまな指令、指示を県民に出すと、こうなるわけです。ですから、私は質問の中で言いましたけれども、3つ目に、アメリカの先制攻撃で生じる武力攻撃事態や同予測事態には県は参加しないと、知事はそう言われたわけです。アメリカの利益のために私は戦争をする気はないと。アメリカの利益のためのものとは考えていないと言われたけれども、アメリカの利益のために行われることが明確なアメリカの先制攻撃。ならず者国家と言われる北朝鮮に対して何らかの行動が起こったときに、しかも、武力攻撃予測事態で起こったときに、滋賀県のこの計画は発動しないということを明確にするのは当然ではないかというように思いますが、その点、知事の再度の、1回目の答弁とのかかわりでお聞きをしたいというように思うのです。
さらに、知事は、避難計画をつくるのは、県民の生命と財産を守るためにつくるものだとおっしゃいましたが、私が聞きましたように、この避難計画が本当に有効なものになるかどうか。そのロケット弾が撃ち込まれてくれば、11日間もかかって鳥取県から兵庫県に逃げている間に何千発撃ち込まれるかわからないと。こういう近代戦争のもとでそういう避難計画を立てて、本当に意味があるのか。それよりも、戦争をしない体制をつくることが大事なのだということについては、何らその有効性についての根拠は明示されませんでした。もう一度、知事が、そういう避難訓練というのが有効性を持つのかどうか、私は聞きたいと思うのです。
あの沖縄戦争の行われたときに、沖縄では、当時の軍部は、アメリカの上陸地点を、ここにあるということを、ある地点を指して、それの反対側に島民を誘導いたしましたけれども、アメリカは全く違う、日本が誘導したところに乗り込んでくるということがありまして、こんな避難計画というのは何の効果もないということが明らかになったわけです。
むしろ、私はその上で聞きたいのは、病院や市町村、自治会などを動員するなということを求めましたが、これは任意であり、参加するか否かは一人一人の意思にかかわるもの、しかし、できるだけ協力をしてもらいたいと言いました。実は、この避難計画というのは、国民の思想を動員するためにつくられる計画という側面を強く持っております。
この避難計画なるものをつくって、今、知事が言われたように、国民保護法には、国民の権利を保障するかのような文言もあります。書かなければしようがないから書いてありますけれども、しかし、今、知事が言われたように、任意であるけれども、それに協力を求めていくのは当然だという立場でこの避難訓練計画を進めることによって、日本が戦争への体制をつくっていく。そして、これに対して、アメリカの戦争に加わることはおかしいということを言えば、それ自体が非国民扱いを受けるような思想状況、世論状況、こういうものをつくるために避難計画がつくられる側面が極めて強いと言われておりますが、私は、そういうものとして考えた場合、今、知事が言われたような答弁では全く不十分。こういう……
○副議長(冨士谷英正君) 森議員に申し上げます。
◆16番(森茂樹君) まだあります。もうちょっとあります。
先制攻撃のための訓練をつくらない。そして、そのような訓練を強制させないということをもう一度明確に答弁を(「再質問と違うやないか」)していただく必要がある、そのように考えます。あなたのように原稿は読んでいない。
以上で再質問を終わります。(拍手)
◎知事(國松善次君) (登壇)森議員の再質問にお答えします。
まず、国民保護法に関連して、我々が考える対応に対して、そもそもアメリカとともに戦争をする云々というのがありましたが、私どもは、県民の権利や財産を守るという立場で、危険だというものに対して備えるものでありまして、そうした考え方は全くいたしておりません。
それから、避難計画に係るものでありますが、これは、単に国民保護法に規定されているということだけではなくて、県民の命、財産を預かる責任者として、これはあらかじめ予想されることとして、きちっと計画を立てて、みんなで対応できるという必要があり、そのための訓練ということにつきましては、それぞれが協力要請の中で御判断いただくことでありますが、議員の言われるように国民の思想云々というのは考え過ぎであろうと思います。
◎農政水産部長(浅田博之君) 森議員の再質問にお答えします。
当初計画が瑕疵があり、あるいは違法性があるのではないかという御質問であります。さらに、負担金の問題についてもお尋ねでありますが、県といたしましては、現計画は、土地改良法の手続や国の定める基準に従い適切に策定されたものと認識をしております。計画策定後に実施することとなっている詳細調査の結果、地質等の条件が、当初想定していたものと異なっているとしても、そのことをもって当初計画の精度が不十分であり、計画に瑕疵があったと判断することは適当でないと思っております。
なお、この件に関しました妥当性をめぐって、国は平成14年10月の大津地方裁判所の判決で全面勝訴しているところであり、現在、大阪高等裁判所で審理中であるということで、これも争点になっているというふうに認識しておりますことから、これ以上のコメントは避けたいと存じます。
なお、負担金の問題でありますけれども、この負担金は、過去に行いました事業費につきまして、建設した後、1年後から13年かかって支払うもので、3年の据え置き期間をおきまして10年で支払うこととなっておりますことから、これからつくるものではなし、過去につくったものに対する負担金でありますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆16番(森茂樹君) (登壇、拍手)知事は、先ほど、アメリカとともに戦争する云々と言われたけれども、そうした考えは全く持っていないとおっしゃいました。知事はそう思っておられると思うのです。しかし、その知事の認識は、現在の周辺事態法から武力攻撃事態法、国民保護法に至る有事法制のもとでは、知事の空想以外の何物でもないと思うのです。周辺事態法、改めて申し上げますけれども、日本の周辺、ただしこの日本の周辺は地理的限界はないと、こういうぐあいになっておりますから、まさにグローバルな、地球規模で行われること。ついこの間もアメリカの新しい国務長官と日本の外務大臣の間で地球規模に安保条約を広げるという声明が出されましたけれども、まさにこの周辺事態法というのは、地球規模でアメリカが戦闘行為を行ったときに日本の自衛隊がそのアメリカ軍に弾薬を送ると。武器は送らないとなっていますけれども、弾薬を送ると。ただし、後方支援に徹して、戦闘には参加しないと、こうなっているわけです。
ですから、知事が幾ら、アメリカとともに戦争するとは考えていないと言われても、現在の周辺事態法はそういう体系になっているのです。しかも、先ほど申しました1994年のあのアメリカと北朝鮮の一触即発の事態のときに、1,599項目の日本政府への要求をアメリカが出してきた、それはまさに今、有事立法に書かれている内容と同じものであります。しかし、そのとき日本の政府は、そんなものに対応できないということでつくられてきたのが、この武力攻撃事態法であり、武力攻撃予測事態法なのです。ですから、そのときにはどうなるかといえば、まさに日本が周辺事態法でアメリカについて出ていって、そして、相手が、先ほど申しましたような戦争準備態勢をとれば、直ちに武力攻撃予測事態として、今度は周辺事態法とは違って、日本の自衛隊はアメリカと一緒に戦端を開くということになっているわけです。
ですから、知事が何度言われても、(発言する者多し)アメリカとともに戦争する気はない──あなた方も勉強しなさい──アメリカとともに戦争する気はないと、こういうぐあいにおっしゃっても、アメリカと実際戦争するという法体系になっていることを知事はどのように思われるのか。
そして、知事が本当にアメリカとともに戦争する考えはないと言われるのなら、そういうものについては県民を動員するようなことは考えないと、はっきり答えるべきではありませんか。自分の空想、自分の願望、そういうものだけで、この国民保護法に対する体制をとろうというのは、私、間違いだと思うのです。その点、知事に、アメリカとともに戦争する気はないと言うけれども、法の体系をどう考えておられるか。
そして、知事があくまでもアメリカとともに戦争する考えがないと言われるのなら、そういうものについては県民を動員しないということを明確にお答えになるべきだというように思いますが、その点、知事の再度の答弁をお願いしたいというように思います。
避難計画についても、あらかじめ予想されることに対して行うのだということでありますけれども、何遍聞いても、知事は、この避難計画の有効性については何も言えない。本当に避難計画を立てたら、有効に県民の生命と財産が守れるというようなことは、一たん戦争が起これば、そんな単純なものではないということを考えれば、最も有効な計画は、そういう机上のプランになってしまう避難計画よりも、戦争をしない体制をつくることなのだという原点に知事が戻るべきだと思いますが、その点、もう一度、避難計画が有効であると知事が信じられるのなら、その信じる根拠を示していただくと同時に、そもそも避難計画そのものは机上のプランにならざるを得ないので、もともとの、戦争をしない、しなくてもよい政治をつくり上げるために知事が努力をされるべきだと思いますが、その点での決意をお聞かせいただきたいというように思います。
永源寺第二ダムの問題は、今、裁判で行われていることでありますけれども、同時に、私は、県として、国の計画だから、こういうものについて答弁をするのはいかがなものかと言われながらも、やはりこの国の計画につき従って滋賀県が対応しているものですから、答えざるを得ないと思うのです。
その場合に、土地改良法に基づく見直しの要件を満たしたから見直しをしたと。見直しをした場合には、例えば費用対効果の問題などについても、当初計画のままで、当初計画は費用対効果は1.04でありますけれども、その1.04を踏襲すればいいのだというお考えを持っておられるようですけれども、そもそもその当初計画が考えられもしない、現地調査もしなければ、ボーリングもしない、(「そんなことあるかい」)こういう──そんなことあるかいって、そうなのです。はっきりしたのです。そういうずさんな計画であったと。そもそも当初計画の要件を持っていなかったということなのですから、こういうものについて県が相乗りする根拠を私は問いたいと思います。そもそもそういうものであったということについて、滋賀県はどのように考えているのか。そんなものに乗る意味はどこにあるのか、もう一度お尋ねして、私の再々質問を終わりたいと思います。(拍手)
◎知事(國松善次君) (登壇)再々質問にお答えします。
要は、我が国が有事を想定して、国民の命、財産、そうしたものを守るということを備えるということでございまして、それの事態になるそもそものことを、それぞれがいろいろ解釈したり想像するのは勝手でございますけれども、少なくとも国民の命、財産を守るということについて万全の備えをしなければいけない、これが先般の法整備であり、また、私ども県といたしましては、当然そういうことを考えなければいけないという中で、そうした場合の避難計画というものをみんなが考える。そして、それが当然有効なものとして考えるわけでありますから、御意見のようなことは当たらないと思います。
◎農政水産部長(浅田博之君) 森議員の再々質問にお答えいたします。
土地改良法に定める手続によりますと、県は、計画概要等に基づき、国から協議を受けることとされており、国は県との協議等を経た後、専門技術者からの意見聴取等を踏まえて事業計画を策定することとなっております。県としては、国は土地改良法に定められたこれらの手続および基準に沿って適切な本事業計画を策定していることから、当初計画に瑕疵があると考えてはおりません。
以上でございます。
○副議長(冨士谷英正君) 次に、21番北野加代子さんの発言を許します。
◆21番(北野加代子さん) (登壇、拍手)「春ですね」という季節のごあいさつが交わされることになりました。きょうは桃の節句。このひな壇とも言われる執行部の席にも、そして、私たち議員席にも女性の姿がふえたことは大変喜ばしいと思いながら、県政の課題をたださせていただきます。
さて、47都道府県の知事でつくる全国知事会の会長に麻生渡福岡県知事が就任されました。会長の選出が初めて投票で行われることや、増田寛也岩手県知事が対立候補として出馬されたことで、広く国民の注目を集めました。昨年、国と地方の税財政を見直す三位一体改革で、サロンのような親睦団体とやゆされた姿から、正面から渡り合う、闘う知事会へと大きく変貌されましたが、その背後には、改革派知事たちの支えがあったとも言われております。
さて、知事の役割は、大きく2種類あると考えられます。行政を円滑に実施して、住民の要望にこたえる行政官としての役割、言いかえれば、組織の内側に向けての顔。もう一つは、住民の要望を十分酌み取った上で政策形成を行う政治家としての役割があります。そして、改革派と呼ばれる理由には幾つかの共通項がありますが、大切なのは、進む方向性が、住民にとって望ましいものであり、かつ行政と住民が二人三脚で県政に参加できるということではないでしょうか。その意味で、改革派知事のリーダーシップが、地域のことは地域が決めるという地方分権時代のかぎを握っていると言えます。地方分権が加速する中で知事の権限が強まり、存在感が増しています。
そこで、国の過剰関与等撤廃研究会の座長として提言を発表された國松知事に、どのように地方から国を変え、地方自治の確立をされようとするかについて、まずお伺いをいたします。
次に、流行語にもなった改革派知事について質問をさせていただきます。
私たち県民は、マスコミを通じて、独自の理念と方策で地方から国をも突き動かす全国の改革派知事を知るわけですが、國松知事みずからは、改革派知事と自認されるのかを、まずお伺いいたします。
多くの国民が求める改革派知事の資質についてもお伺いいたします。
地方は、今や国に頼れなくなり、自前と自立が求められています。すなわち、国がこう言っているからというのではなく、我が県にとって何が必要で何をすべきなのかが問われているのであります。このことから、國松知事が県職員の時代に仕事をともにされた経験から、当時の知事たちの統治の考え方や、県民や県庁内から期待された行政の手法との違いに大きなものがおありだと仄聞いたします。しかし、現職知事として、この激動の時代に知事の強いリーダーシップが問われるわけです。知事とはどうあるべきで、また、知事御自身はどのようにありたいとお考えなのかをお伺いいたします。
次に、行政経営改革の最重要課題である、職員の意識改革、組織改革などの県庁内の改革についてお伺いをいたします。
現在の県庁の組織は、中央集権型ピラミッド構造になっており、加えて、庁内の分権が十分に進んでいないために、政策判断や合意形成に多大な時間と労力を費やす結果となっていると、組織経営の視点からの指摘があります。このような指摘を踏まえつつ、どのように県庁内の改革を進めようとされるのかをお伺いします。
県庁が変化するためには、職員の意識改革が何よりも必要であることから、行政マンとしての社会道徳に対する自浄作用が求められます。つまり、コンプライアンスの制度に対する知事の御所見をお伺いいたします。
そして、全国の47人の知事の前職が、中央官僚が26人、うち、旧自治省出身が15人、国会議員が8人、市長が5人であります。県庁職員幹部出身はわずか4人でありますが、その特徴的な政治手法やその違いについての見解をお伺いいたします。
以上、知事に、トップリーダーとしての政治姿勢にかける思いや意気込みをお伺いいたします。
庁内の職場を回り、気軽に職員に声をかけることで職員のモチベーションが上がるという説もあるようですが、知事が年初、何かの会合の折に、県庁の東館に立ち寄られ、職員に声をかけられたことを複数の方から伺ったことを最後に申し添え、次の質問に移ります。
5年に1度の国勢調査から、2004年の日本の総人口が1億2,768万人であることが、総務省の人口推計で速報されました。1950年の調査以来、増加率が過去最低となり、約1億2,800万人をピークに、これから長期にわたる我が国の人口減少社会が予想されることになりました。そして、1947年から49年生まれの団塊の世代、いわゆる第1次ベビーブーム人口の人口割合が、全国では686万人の5.4%、滋賀県では、県人口137万6,611人の5.2%の7万1,559人となっています。団塊の世代が今後5年間で1,000万人が還暦を迎えることとなり、2010年ごろには総人口の3人に1人が60歳以上になるであろうと言われています。
さらに、この世代が今後5年間に、大都市圏から、故郷である地方への移住を予定するUターン率が15.1%と高い数字を示し、男女がその理由に、定年退職、生活環境を挙げています。
日本の高度成長を支えた団塊の世代が、社会や市場に大きな影響を与えることが、消費行動や生活意識調査からわかりました。つまり、60歳代の激増は、巨大なシニア市場を生み出す牽引役でもあるのです。
定年後の暮らしへの不満、不安については、年金など、将来の見通しが立てにくいこと、自分の健康、定年後の生活費が上位を占めています。男女別には、将来の見通し、定年後、年金受給までの生活費など、経済的な面の不満、不安は男性の方が多く、日常の生活面や健康や介護などは女性の方が大きく、とりわけ女性は、配偶者と顔を突き合わせて暮らす時間がふえること、自分の自由時間が減ることが男性より10ポイント以上も高く、定年後の夫との関係を心配している女性が多いことがうかがわれます。
さて、日本の平均寿命は、男性が世界第2位の78.36歳、女性は連続世界第1位の85.33歳と、毎年着実に延びており、60歳の定年退職といっても、まだまだ元気で、地域社会の担い手として活躍に期待ができます。
また、作家、評論家である堺屋太一氏はこうも言っています。人生80年時代の今は、60代は老人ではない。経験と体力とやる気のある優良な勤労者だ。そんな人々が大きな塊となって出現すれば、これまでにない新型の労働力が提供される。たとえ給与は低くとも、好みの仕事と勤労形態を選ぶ、これをどれだけ上手に活用するかで企業の盛衰も決まるだろう。日本の人口は2006年ごろから減少する。60歳代の人口増加は、知識の価値──知価時代における繁栄の大きなチャンスであると、団塊の世代の定年に期待し、エールを送っています。団塊の世代をネガティブな存在にしないためにも、その支援への課題を探り、本県の施策の方向性を、以下、問うものであります。
初めに、職員大量退職に伴う対応について、総務部長にお伺いをいたします。
経済産業省は、団塊の世代が短期的に大量に引退する見通しを2007年問題と呼び、民間企業では、技能や安全のノウハウを受け継ぐための仕組みづくりを早くから行っています。一方、県公務員──職員の定年退職見込み数が、2007年──平成19年度末から2009年──21年度末で、知事部局、学校、警察本部、各年度合わせて1,420人と見込まれています。平成16年4月の現員数が1万9,300人であることから、今後、組織を維持し、県民サービスの面などで行政運営に支障はないか。また、行財政改革との関係も含めてお伺いをいたします。
また、民間企業が福利厚生として、定年退職予定者を対象にライフプランづくりのセミナー等を実施されていますが、県ではそのような事業を実施されているかどうかについてもお伺いをいたします。
次に、アクティブシニアの社会参画について、
県民文化生活部長にお伺いをいたします。
団塊の世代は、既存の社会システムにこだわらず、ファッションや音楽、映像文化の分野で行動的に、常に新しいものを先取りしてきました。今後、社会活動に大きな影響力を持つ団塊の世代の知識や経験、自己実現の意欲をいかに地域に生かしていくかが重要であります。団塊の世代の退職後のセカンドライフを、暇がある有閑世代と評される今こそ、アクティブシニアの活用を施策に生かすべきであります。今後どのようなかかわりに期待されるのでしょうか。また、地域社会への参画の促進、誘導、情報提供、活性化への条件整備など、県の役割をお伺いいたします。
続いて、生涯現役社会創出の推進について、健康福祉部長にお伺いをいたします。
企業戦士という代名詞に象徴された団塊の世代が、企業組織から地域の個人へと大量にUターンをします。年金支給開始年齢前の離職も多いことから、健康、福祉、医療にかかわる問題も深刻であります。男女を問わず、体力には個人差があることから、健康管理の自立と保持は、医療費削減に関係する大きな課題であります。このことからも、今後、滋賀県が団塊の世代・元気県であるためにも、シニア向け自立メニューの支援策が求められます。どの世代の県民も健康で生き生きと暮らすことのできる仕組みと健康づくり計画をお伺いします。
また、高齢者予備軍が元気で生き生きと暮らすことのできる、施策のイメージアップをどのように図ろうとされるのかをお伺いいたします。
最後に、労働力、人材の活用について、
商工観光労働部長にお伺いをいたします。
厚生労働省において、2007年問題を控え、労働力の減少に歯どめをかけるべく、包括的な政策の検討に乗り出すこととしており、パートの待遇改善などによる働く女性の支援や、定年後の人材活用、さらにはワークシェアリングなど、多様な働き方ができるなど、柱になるものと思われます。また、経済産業省においても、60歳を迎える団塊の世代を製造現場に積極的に活用していく方針を固め、産官学の関係者による懇談会を設置するとも言われています。
こうした中、さきの通常国会においても、65歳までの継続雇用を段階的に企業に義務づける法律が成立しました。また、人材の募集、採用時の年齢制限の撤廃など、再就職できる環境の整備に力を入れることとしています。このように法整備が進められていることから、県の役割として、豊富な経験、高い能力、ノウハウを有する団塊の世代を社会的人材資源と位置づけ、有効に活用することを誘導する施策を図るべきであります。人材活用のニーズの把握、情報提供など、県の役割をお伺いいたします。
就業意欲にこたえ、活力ある滋賀県をつくっていくためには、豊富な知識や経験を持った方々を有効に活用することが必要であると考えます。県はどのように対応を考えているのか、最後にお伺いを申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○副議長(冨士谷英正君) しばらく休憩いたします。
午後3時2分 休憩
────────────────
午後3時21分 開議
○議長(世古正君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。
21番北野加代子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(國松善次君) (登壇)北野議員の求められる「改革派知事」の資質に関する御質問にお答えします。
まず、知事として、どのように地方から国を変え、地方自治の確立をしようとしているかについてでありますが、真の地方分権、地域主権を確立していくためには、国による改革の進展を待つのではなく、むしろ地方の側から国に積極的に改革を迫っていく必要があると考えます。現在の仕組みのどこをどう根本的に改めるべきか、そして、どのような自治の仕組みが望ましいのか、また、それを規定する法律はどうあるべきかなど、自治を担う地方の立場から考え、国や世論に対して具体的に提案、発信していくことが肝要であると考えます。
こうした観点から、さきに国の過剰関与・規制撤廃に関する調査を取りまとめたものでありますが、県としての具体的な取り組み例を申し上げますと、昨年、庁内に若手職員によるワーキンググループを設置し、21世紀の地域自治を確立するための法制度を研究、検討しておりましたが、その研究成果がまとまり、憲法改正や地域自治確立基本法の制定といった具体的な提案として取りまとめられたところであります。今後は、こうした提案をたたき台といたしまして、他県などとも協働し、研究を続けていきたいと思っております。本県のこうした取り組みがきっかけとなって、多方面で議論が喚起され、一つの潮流として全国に広がることを期待するものであります。
次に、みずから改革派知事として自認しているかについてでありますが、日本がなかなか元気を取り戻せない状況の中で、この閉塞感を打ち破り、日本を変えていくためには、中央集権体制という手法はもはや時代おくれであり、仕組み自体を変えていかなければならないという思いは、全国の知事に共通したものであると思います。こうした中で、地方から国を変えようという知事の志を結集して、分権改革に積極的に取り組もうとしているのが、闘う知事会を標榜する現在の全国知事会であります。そして、今やその思いは地方6団体共通のものとなっておりまして、改革の意思は特定の人に限ったものではなくなってきているというのが、私の認識であります。あるのは、せいぜい人それぞれのカラーや持ち味といった程度の差にすぎないのではないかと思ったりします。
次に、求められる改革派知事の資質、および知事はどうあるべきかであり、また、どのようにありたいと考えるかでありますが、今、平成の市町村合併が大きく進み、また、三位一体改革が進展する中で、戦後の我が国の地方自治の姿が目に見える形で変わり始めております。その中で、都道府県も、その存在意義や役割が問われ、地域の自主、自立が試される時代となってきました。こうした変革の時代にありまして、地域経営の責任者である知事には、時代の変化を敏感に感じ取って、改革を確実に進めていく実行力が求められていると思っております。改革を進める上で最も重要なのは、理屈ではなく実践であると考えます。私も、闘う知事会の一員として、他の知事とも議論を重ね、連携しながら、地域の特性や主体性を発揮できる、真に自立した自治の確立を目指して、改革に邁進していきたいと考えております。
次に、県庁内の改革についての御質問にお答えします。
私は、この大きな時代の節目の中で、これからの厳しい地域間競争を勝ち抜くかぎになるものが県庁の改革であると認識しております。そこで、これを真に実効あるものとするためには、つまるところ、職員の意識改革や県庁の風土改革が重要であると考え、思い切ってさまざまな改革手法を取り入れてまいりました。職員の意識改革といたしましては、平成11年度から施策評価を本格的に導入したのを初め、ベンチマークの設定や、民間出身の行政経営改革ディレクターの配置、さらには、成果重視の視点から、各部局等が組織目標を設定し、その目標管理など、行政に民間の経営手法の導入を目指すとともに、滋賀県庁五事を正すの具体的取り組みであります県庁改革実践運動──「OMI改革」と称しておりますが、そうしたものを通じまして、県庁の風土改革に取り組んでいるところであります。
また、県庁内の分権化を進めるために、平成13年度にはミニ県庁を目指しまして地域振興局を設置しますとともに、旧来の総務部にありました人事課、財政課の権限をできるだけ現場に近い部局に移譲するという体制をつくるなど、部局が機動的かつ迅速な組織運営を行う取り組みに取り組んでいるところであります。
今後は、一段と厳しさを増す県財政の状況や、国の三位一体の改革、市町村合併の進展等、新たな状況に的確に対応するため、財政危機回避のための改革基本方針のもとに、人員や組織体制の面で、より一層スリム化と効率化を図りますほか、市町との関係や、NPO、企業など、多様な主体との間での新たな役割分担や協働を一層進めまして、これまで以上に県民の視点に立って、県政の重要課題に的確に対応できる、柔軟で効率的な組織となるよう改革していくこととし、引き続き私はその先頭に立って全力で取り組んでいきたいと考えております。
次に、コンプライアンス制度についてお答えします。
本県では、職員が公務を執行する上での基本的な心構えや遵守すべき事柄を職員倫理規程で定め、職員は、職務の遂行に当たって、関係法令もしくは職務上の義務に違反し、または公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為を求める要求等には応じてはならないとしており、機会あるごとに職員に周知してきているところであります。
また、昨年4月には、適正な行政判断等を妨げるおそれのある外部からの執拗な要求等があった場合の対応方法についてルール化し、組織として、公平、公正な事務処理ができるようにするため、新たに職務に関する働きかけについての対応要領を定め、適正な職務の確保に努めているところであります。
議員御指摘のとおり、職員の法令遵守の意識を高め、職員の意識改革を積極的に図っていくことは重要なことと認識しております。また、昨年6月に、公益通報者保護法が公布され、2年以内に施行するということとなっておりますので、コンプライアンスを確保する新たな仕組みの導入について検討を進めてまいりたいと考えます。
最後に、県庁幹部職員出身知事に特徴的な政治手法や、他の知事との違いについてということでありますが、各知事のそれまでの経験や政治に対する考え方、姿勢は各人各様であり、それが政治手法の違いにもあらわれているのだと思います。
私について申し上げるならば、長年、府県の職員として行政にかかわってきました経験から、県政の課題と解決策は常に現場にあると考えておりまして、できるだけみずから現場に出向き、現場からの発想と体験に基づく改革というのを大切にしたいと考えております。県民の皆さんが真に求めているものは何なのかを的確に把握し、県政に反映していくため、これからもこうしたスタイルを大事にしながら、県民の皆さんと、自立と協働による県政を進めていきたいと考えます。
◎総務部長(馬場章君) (登壇)北野議員の団塊の世代「2007年問題」への課題と政策の方向についての御質問のうち、職員の大量退職に伴う対応についてお答えを申し上げます。
2007年は、いわゆる団塊の世代で一番多いとされます昭和22年生まれの人が60歳定年を迎える年であり、この年から二、三年間、大量の定年退職者が生じることにより、企業経営に深刻な影響が出ると懸念されているところであります。本県におきましても、平成19年度末の定年退職者は、知事部局等と学校、警察本部合わせますと、本年度末の約2倍の460人程度となると見込んでおりまして、以降も約460人、500人と続くことになります。なお、教員につきましては、年齢別職員数のピークは47歳、警察職員は48歳でありまして、行政職員よりもおくれて大量退職の時期を迎えることになると予測をしております。
そこで、今後の行政運営に支障がないかとのお尋ねでございますが、御承知のとおり、財政危機回避のための改革プログラム案に従い、今後4年間で知事部局等で約320人の人員削減に取り組むこととしておりまして、この間は採用人員を極力抑えてまいります。一方、この人員削減を終える時期と団塊の世代の大量退職が始まる時期が重なり、ダブルで減少することになりますことから、いずれかのタイミングで必要な人員の確保を行う必要が生じます。その際、年金支給開始年齢の引き上げに伴い、再任用制度が実施されておりますので、この再任用職員との関係も考慮して採用計画を策定することとなりますが、円滑な行政事務の執行に支障が生じないよう、また、同時に、スリムで効率的な体制となるよう、十分に意を用いてまいりたいと考えております。
また、年齢階層の平準化につきましては、総人件費抑制の取り組みとも関連して、平成11年度と12年度、そして、14年度から本年度まで、早期希望退職制度を実施しましたところ、この間における早期希望退職者数は全体で468人でありまして、一定の効果が見られたところであります。
次に、人材育成の観点からの課題でありますが、短期間で大量のベテラン職員が退職いたしますと、長年にわたる行政経験から蓄積された専門的知識や知恵、人脈やノウハウが途切れてしまうのではないかといったことが危惧されるところであります。こうしたことへの対応につきましては、ベテラン職員の専門的知識や経験の継承について、職場におけるOJTなどを通じまして、中堅や若手職員の人材育成に努めますとともに、そうした知識経験や事業執行上のノウハウなどを有する者を再任用することによりまして対応してまいりたいと考えております。
次に、定年退職予定者を対象としたライフプランセミナー等の取り組みでありますが、本県では、職員の退職準備を支援するため、年度末退職予定者を対象として、生きがいづくり、年金等の退職後の生活設計に必要な情報の提供を目的として、ライフプランセミナーを実施しております。地方公務員は、業務そのものが地域と密接な関係にあり、公務の中で地域社会活動に生かせる知識や情報を得る機会も多いことから、職員に対して、ライフプランセミナー等を通じて、退職後の新しい生きがいづくりとして、積極的に地域社会活動に参加していくことも奨励しているところでございます。
今後とも、職員みずからが健康で活力に満ち、安心して職務に専念できる環境を整えるためのライフプランづくりを支援することによって、職員一人一人が県民サービスの担い手として、質の高い行政サービスを的確かつ効率的に提供していくように努めてまいりたいと考えております。
◎
県民文化生活部長(近藤月彦君) (登壇)アクティブシニアの社会参画についての御質問にお答えいたします。
少子高齢化、人口減少などによる社会の変化に加えて、2007年から、いわゆる団塊の世代の多くが生産の場から生活の場に帰ってくることは、地域社会に大きな影響を与えると考えられます。
そこで、まず、1点目のアクティブシニアの地域に対するかかわりへの期待についての御質問ですが、平成15年7月に実施した県政世論調査によりますと、ボランティア、NPO活動への世代別参加状況は、60歳代が40歳代に次いで高くなっておりますが、今後活動に参加したい、条件が整えば参加したいという参加の意向につきましては、男性では、50歳代が他の世代に比べて一番高くなっております。また、昨年度、参加のきっかけづくりとして実施しましたボランティア・NPOファーストステップセミナーでは、50歳代の参加が最も多くなっております。
こうしたことから、今後、退職を迎える団塊の世代がボランティア、NPO活動に関心を持ち、退職後、積極的に活動に参加されることが予想され、さまざまな分野で豊富な知識や経験と自己実現の意欲を持った団塊世代が地域社会全体を大きく活性化させる可能性を有していると思われます。これらの方々に、現役時代に培われたマネジメント能力や技術者としての経験を生かし、さまざまな社会活動において中心的役割を担うことが期待されます。
例えば、この世代がNPO活動に参加されることで、これまで不足しがちだった組織運営などのマネジメントが強化されると考えられますし、自主防災組織のできていない地域における組織の設立に向けて、リーダーとして取り組んでいただけるということがあろうかと思います。
このように、アクティブシニアが積極的に社会参画を行うことで、より魅力あふれた地域社会の形成につながっていくものと期待をしております。
次に、2点目のアクティブシニアの地域社会への参画の促進、誘導、情報提供、活性化への条件整備など、県の役割についてでございます。
本県ではこれまでから、県民の社会貢献活動の促進を図るためにさまざまな取り組みを行っております。具体的には、参加機運の醸成やきっかけづくりとしてのシンポジウムやセミナー等の実施、協働ネットしがのホームページを通じてのボランティアやNPO活動に関する情報の提供、また、地域の課題を発見し解決する地域プロデューサーの養成を目的とした、おうみ未来塾や、地域の歴史を通した、個性あるまちづくりの推進リーダーを養成する近江歴史回廊大学の開設などの人材育成事業。さらに、NPO活動が広がるための条件整備として、おうみNPO活動基金による助成や相談事業を実施しております。
今後は、これらの事業を社会貢献活動への参加意欲の高いアクティブシニアの皆様に積極的に活用していただければと考えております。そのために、その多くが現在は企業などで働いておられる団塊世代に対し、これらの支援内容やNPO活動の参画の手引となるガイドブックについて、社内報等で紹介していただけるように情報提供を行うなどの取り組みも進めてまいりたいと考えております。
◎健康福祉部長(澤田史朗君) (登壇)生涯現役社会創出の推進について、2点の御質問にお答えいたします。
まず、1点目のどの世代の県民も健康で生き生きと暮らすことのできる仕組みと健康づくり計画についてでございます。
滋賀県では、平成13年3月に健康いきいき21プランを策定いたしました。主に小児期から中高年期を対象としまして、栄養、運動、休養など11の分野について目標値を設定するとともに、あわせて、身近な健康づくりの実践方法を10カ条という形で提案いたしたところでございます。その基本的な考え方としまして、従来の、自分の健康は自分でつくるという考えに加えまして、社会全体で健康づくりを支援する環境づくりを行うという、いわゆるヘルスプロモーションの理念に基づき健康づくりを進めることといたしました。そのような観点から、具体的な取り組みとしまして、例えば、事業所給食施設や飲食店における栄養成分表示や、企業や団体が県民の健康づくりを支援する健康づくりサポーター事業などに取り組んでいるところでございます。
そして、来年度は、これをさらに一歩進めまして、健康づくりをさらに重点的に取り上げたいと考えております。すなわち、従来の健康づくりを、がん、循環器疾患など、分野ごとの縦糸の施策とするならば、これからは、地域や圏域を単位といたしまして、市町や大学、企業等、さまざまな団体が連携協力する、いわば横糸の施策として積極的に展開してまいりたいと考えております。その具体的な展開としましては、各保健医療圏において、保健所が中心となりまして、心の健康あるいは糖尿病対策など、特定のテーマを設定いたしまして、地域、圏域ごとの健康づくりを進めてまいりたいと考えております。
さらには、これまで縦割りで連携がなかなか図れてこなかった職域保健と地域保健の連携も図ってまいります。具体的には、健診のデータなどの情報を共有するとともに、健康づくり事業を連携して行ってまいりたいと考えております。
このほか、全国で3番目、モデル県以外では全国初となります滋賀県保険者協議会が設置され、各保険者が一つのテーブルに着いて、医療費の現状分析を行うとともに、その対策を協議し、さらには、協働して保健事業を行うことも検討されております。これは国からも先進的な取り組みとして大いに注目をされております。
2点目の高齢者予備軍が元気で生き生きと暮らすことのできる施策についてでございます。
議員御指摘のように、団塊の世代を含む中高年期は、身体機能が低下していく時期でもございまして、これらの年代の健康課題は大変重要でございます。さきの健康いきいき21プランの中でも、中高年期を大変重要な時期であると位置づけまして、これまでもその対策に力を注いでまいりました。とりわけプランの中では、高齢になっても生き生きと暮らすことができることを目指し、生きがいという分野を設定いたしまして、その実現すべき数値目標も提示いたしたところでございます。
健康いきいき21は、来年度、中間評価と見直しを行うことといたしております。そこで、議員御指摘の、団塊の世代の健康づくりも視野に入れ、また、再来年度から新設されます介護保険の新予防給付の視点も取り入れながら、計画の中に施策を盛り込み、高齢になっても生きがいを持って暮らすことができるよう、滋賀のイメージアップを図ってまいりたいと考えております。
◎
商工観光労働部長(河本光明君) (登壇)労働力、人材の活用についての御質問にお答えします。
まず、県の役割についてでありますが、団塊の世代の大量退職は、今後予測される労働力人口の減少を考慮しますと、その活用が大きな課題であり、受け皿としては、まずは、企業において定年後の継続雇用やワークシェアリングの導入が重要であると考えます。
平成15年に滋賀労働局が実施した高年齢者の雇用状況調査によりますと、県内の従業員50人以上の599社のうち、定年後の継続雇用制度を導入している企業は62.0%となっております。しかし、そのうち、希望者全員を継続雇用の対象としている企業は33.2%にとどまっております。また、ワークシェアリングについても、仕事をより多くの労働者で分け合うことで短時間労働が可能となり、高年齢者にとって就業しやすい形態ではありますが、労働者と企業双方の合意という面で、なお課題が残っております。
このため、継続雇用に関しましては、その導入拡大に向けた指導、援助等を行うため、滋賀労働局、県、事業主団体などで、65歳継続雇用達成会議を組織しております。県といたしましては、この会議の場などを通じて事業主のニーズを把握するほか、人材の活用についての必要な情報提供や継続雇用の啓発を行ってまいりたいと考えております。
また、ワークシェアリングについても、啓発資料の配布やセミナーの開催を行い、その導入の普及を図ってまいりたいと思います。
次に、定年後の人材を地域で有効に活用するための県の対応についてでありますが、長年培った知識や経験能力を生かしていただくためには、地域で多様な就業の機会を提供していくことが重要であると考えております。このため、県内の各シルバー人材センターにおいて、新しい事業として開始される労働者派遣事業や、子育て支援、環境リサイクル事業など、地域の課題に密着した取り組みを支援してまいりたいと考えております。
また、地域資源を活用しながら地域の課題を解決し、あわせて地域経済の活性化を図ろうとするコミュニティービジネスは、地域に根差した多様な就業スタイルとして注目されており、定年後、地域に戻られた人材が重要な役割を果たすと期待される分野であることから、今後とも積極的な情報提供や啓発等を行ってまいりたいと考えております。
さらに、豊かな経験や能力を生かして、みずから創業を希望する方々に対しては、県は産業支援プラザを通じて創業支援を行っているところであります。その中には、大企業を定年退職した専門技術者などで組合を設立し、中小企業の新製品開発やISOの認証取得のコンサルティングを行い、実績を上げられている事例もあり、今後とも、こうしたシニア層の新たなビジネスの創出も積極的に支援してまいりたいと考えております。
団塊の世代の方々は、高度経済成長からバブル崩壊という時代の流れの中で、その時々の社会現象あるいは経済現象の主役でありました。そして、これからは、高齢社会の主役になろうとされており、今後、地域にとって重要な人材資源になると思います。県といたしましては、産業界や労働団体、市町等との協働により、こうした団塊の世代の人材が十分生かされるよう、環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○議長(世古正君) 最後に、17番桐山ヒサ子さんの発言を許します。
◆17番(桐山ヒサ子さん) (登壇、拍手)まず最初に、新幹線栗東新駅と草津線複線化、コミュニティーバスについて、知事ならびに土木交通部長にお伺いします。
新幹線栗東新駅建設をめぐっては、県が駅舎建設費の半額を負担すると大盤振る舞いを打ち出したものですから、難色を示していた関係自治体が歩み寄り、一気に進む気配を見せています。しかし、現実味が濃くなればなるほど、県民からは、新幹線の新駅が本当に必要なのか、財政危機と言って県民に負担と犠牲を押しつけながら、なぜ新駅建設には巨額の税金を使うのかなど、新駅設置の必要性や利便性、経済波及効果について疑問視する声が高まっているのが今日の状況です。
そこで、改めて次の5つの点から、知事ならびに土木交通部長の明確な答弁を求めるものです。
まず第1は、新駅設置の根本である、その必要性についてです。
知事は、県南部地域における玄関口としての役割を強調し、次の世代への価値ある贈り物、幾世代にもわたって受け継がれる恒久的財産であると、その必要性を強調されていますが、果たしてそうでしょうか。公共交通機関に求められるのは、安くて便利で安心が絶対条件です。自治体が巨額の税金を投じて建設するのですから、最もこの点が求められます。ところが、どうでしょう。私は、日本共産党の関係議員と一緒に改めて建設予定地を視察し、その必要性に疑問を強く感じました。
建設予定地は、JR栗東駅からは直線で1.3キロメートル、草津線の手原駅からは0.9キロメートル。草津線には新駅を建設すると言いますが、その予定地となる日清食品までは0.4キロメートルです。この位置関係にあって、乗り継ぎ時間は5分以内がどうして確保されるのでしょうか。
さらに、駅建設予定地の東側は、積水ハウス、積水化学の工場が隣接しています。西側は水田地帯です。計画では、開業時の乗降客、1日7,480人を見込んでおられますが、どうしてそういう数字が見込まれるのか、疑問です。例えば、その根拠となる数字を見てみますと、甲賀市だけで1日1,084人が栗東駅から新幹線を利用する、大津市民は1日1,606人が、京都駅へ行かないでわざわざ栗東駅を利用するというのですから、だれがこんなばかげた計算をしたのかと県民が怒るのも当然です。
その前提条件が余りにも実態とかけ離れているとは思いませんか。設置促進協議会が示した利用者予測についてJR東海側はどういう認識を示しているのか、協議の中で議論されているのかどうか、知事にお伺いします。
もちろん新駅ができれば乗る人はあります。しかし、利用者にとって考えれば、いかに乗り継ぎなしに早く目的地に着くかということです。特に利用頻度の高いビジネスマンにとっては絶対条件です。先月、伊勢湾に中部国際空港が開港しました。ここの1番のメリットは、国内線と国際線を同じビルで乗り継ぎができる利便性です。新聞紙上やテレビでも、不便な関西空港との比較が紹介されていましたが、利便性という点をとってみても、京都駅を利用した方がずっと便利です。栗東に新幹線新駅を設置する必要性は少ないのではないでしょうか。知事の認識をお伺いするものです。
必要性という点では、むしろJR東海の方ではないでしょうか。知事は、待避駅ではないと強調されますが、昨年12月議会で我が党の森議員が指摘したように、どんな言い方をしても待避駅です。待避駅という言い方が納得されないのなら、追い越し駅、追い越され駅と言ってもいいでしょう。とにかく、JR東海がのぞみ増発のために必要な駅なのではないでしょうか。この点で知事の御見解を改めてお伺いするものです。
第2は、経済波及効果です。
知事は、観光客の増加、企業、大学、研究機関の活動の活発化など、幅広い経済波及効果が見込まれるとして、約1兆円もの経済波及効果があると強調しておられますが、これは促進協議会の深度化調査報告書で示されている地域整備戦略が現実のものとなったという仮定のものです。地元の栗東市でも、新幹線新駅を核とした栗東新都心土地区画整理事業、アーバンアメニティープランが示されていますが、それらの開発のための経費は、駅舎建設費の4倍にも及ぶもので、地元栗東市でも、とても見通しがないことから、その事業規模が次々と縮小しているではありませんか。強引な開発計画に反対する地権者の方もおられます。経済波及効果というのは、駅周辺の開発と表裏一体のものと考えておられるのかどうか、知事の御認識をお伺いするものです。
駅舎建設費240億円の半額を負担すると大盤振る舞いの知事ですが、駅周辺の開発に対する県の負担は考えていないのかどうか。それは地元栗東市が全額負担するものなのか、お伺いするものです。
促進協議会のパンフレットでは、開業後の地域整備プラン、まちづくりのイメージイラストが描かれています。そこには、駅に隣接する積水ハウスも積水化学の工場もありません。2つの工場の移転なしに駅舎建設と駅周辺整備、経済波及効果が図られるのかどうか。工場移転のためには補償費だけで105億円が必要と言われています。最近のビラでは、それらのイメージ図がカットされて、ごらんのように実にシンプルな駅周辺になっています。(資料掲示)こんなふうに変わっています。最初はこんな立派なパンフレットでしたが、実にシンプルになりました。
促進協議会の深度化調査の新駅まちづくり基本方針の中にある新都心拠点ゾーンには、案として、県関連施設の大津市内から新駅周辺への移転、湖南地域振興局と甲賀地域振興局の合同施設、企業研修機能、観光情報機能などの公共施設建設が計画されていますが、どういう施設をどこへ移転しようと考えておられるのか、その移転費用にも多額の税金が使われるわけですが、県は全体計画をどう考えておられるのか、知事にお伺いします。
第3は、今、焦点になっている駅舎建設費についてです。
負担金をめぐって大津市が促進協議会からの脱退を表明するなど、行き詰まっていた負担金問題は、県が半額負担することで一気に関係自治体の合意を取りつけ、JR東海との工事協定締結を目指したい考えでしょうが、そこには大きな問題があります。県が117億円、栗東市が約85億円、草津市が約5億4,000万円、甲賀市が約4億2,000万円、守山市が約3億8,000万円、湖南市が3億円、野洲市が約2億7,000万円、さらに大津市にも3億円を要請、10億円の寄附を集めるという計画だそうですが、いずれの自治体も厳しい財政状況です。県と栗東市を除けば、基金を設けているわけではないために、財政運営に直接影響するだけに、負担額が少なくなったから合意というわけにはいきません。地元の栗東市では、さらに続く開発予算と合わせてですから、当初予定の80億円からの増額は非常に厳しいものがあります。それぞれの自治体で議論されるでしょうが、ここでは県の大盤振る舞いについて質問します。
幾ら上手に算定基準を説明されても、当初の80億円から約1.5倍の117億円を県が負担するのは事実です。知事のポケットマネーからの負担ならいざ知らず、県民の負担増となるのに、いとも簡単に1.5倍もの負担を決めるのは大きな問題があります。県はこの財源をどこに求めようとしているのか、お伺いします。
いずれにしても、この巨額な負担は県民の負担となることは必至です。だからこそ、決断した知事の政治責任は極めて重大です。当初の80億円でも大変なのに、40億円という負担増は、仮に知事がポケットマネーで出すとしたら、1カ月132万円の知事報酬を全額投じても、何と202年。18%カットしますと、247年間もかかる金額です。知事は、次の世代への価値ある贈り物、幾世代にもわたって受け継がれる恒久的財産と答弁されていますが、巨額の借金の返済を県民が負うとしたら、幾世代にもわたる借金返済を迫られることになるわけです。知事はそういう認識を持っておられるのかどうか、お伺いするものです。
駅舎建設にかかる経費負担だけでなく、開業後の維持管理費などについての負担は発生しないのかどうか、この点を含めて、お伺いするものです。
第4は、草津線複線化という関連です。
県は、新幹線新駅が草津線複線化と一体のようなイメージを広げていますが、これらは別々の問題です。知事の認識をお伺いするものです。
草津線複線化については、沿線住民の切実な願いであり、超党派で長年にわたって要望を繰り返しているところです。草津線沿線住民にとってみれば、新幹線新駅よりも複線化です。JRに実現を強く働きかけるべきと考えますが、土木交通部長にお伺いします。
湖南市長の施政方針によりますと、甲西駅構内の待避線設置については、圃場整備の進捗でめどがついたということですので、これについても事業化を進めるよう、JRに働かけるべきと考えますが、土木交通部長にお伺いします。
第5は、地域のコミュニティーバスについてです。
新年度予算では、コミュニティーバス運行対策費補助事業で、県の負担分を、わずかですが、カットしました。その影響額は県全体で4,130万円。うち、1,000万円が甲賀市です。甲賀市では、突然のことなので、1年間かけて今後の対応を検討したいということですが、市の財政を圧迫し、さらには利用者の負担増となりかねません。財源不足のために、県民の暮らし、福祉、教育にかかわる経費を大幅に削っています。財政危機の根本要因である大型公共事業には何らメスを入れないで、県民の暮らしに係る予算を削るのは、自治体のあるべき姿ではありません。知事が大盤振る舞いをぶち上げた駅舎建設こそ削るべきです。コミュニティーバス運行対策費補助率をもとに戻すとともに、充実すべきと考えますが、土木交通部長の御所見をお伺いするものです。
以上の諸点を含めて考えれば、今日のさまざまな事情を考慮に入れて検討すれば、新幹線新駅建設計画は中止すべきと考えますが、知事の明確な答弁を求めるものです。
次に、県立文化芸術会館の存続、拡充について、
県民文化生活部長、教育長にお伺いします。
地域文化の拠点として大きな役割を担っている県立文化芸術会館のうち、水口、長浜、八日市、安曇川の4館を、2005年度末で原則廃止する。余りにも突然の県の発表に、甲賀市長も、寝耳に水の話、新聞紙上で知ったと、昨年末の議会で答弁するなど、まさに驚きでした。水口文化芸術会館の館長さんにもお会いして実情を聞きましたが、館長にも事前の相談はなかったというのですから、さらに驚きです。なぜこんな強引なやり方をするのでしょうか。現場の声を聞き、利用者の声を聞き、地域の自治体の意見も聞いて、どういう方向が望ましいのか、検討して結論を出すことをなぜしないのか。今回の方針は全く納得がいきません。
2005年度末原則廃止という一方的な結論は直ちに撤回して、関係者の意見が十分反映する、文化芸術会館の今後のあり方を考える検討委員会などを設置し、検討を進めてからでも十分遅くはないと考えますが、
県民文化生活部長の答弁を求めます。
県が作成した報告書「県立文化芸術会館のあり方について」は、文化芸術会館を廃止することを前提に、その理由づけをしたものにほかなりません。その中で廃止の理由を3点挙げていますが、1点目の、全国的にもホールの整備水準が高いこと。これは喜ばしい、誇りにすべき内容であって、県が2001年に策定した「滋賀らしい文化創造の基本的な考え方」で、「1970年代後半以降、文化施設の整備が進められた結果、県民が身近で優れた芸術文化を鑑賞したり、創作活動を行えるような環境の面では、全国的に見ても非常に高い水準となっています」として、その特徴の一つが、各圏域に整備された文化ホールにあることを評価しています。自然と歴史文化のまち滋賀にふさわしいものです。それをみずからイメージダウンさせる必要はありません。
2つ目に、市町村合併の進展を挙げていますが、合併によって行政区画が変更されても、地理的条件や生活環境が変わるわけではありません。むしろ行政区の区割りが大きくなったために、例えば、甲賀市ではことしになってからも成人式や消防の出初め式などの貸し館業務も含めて、適切な規模の会館として、その必要性は増していると言えます。
結局、廃止の理由は、維持管理コストによる財政圧迫、要は維持管理費を削減するためだけのものではありませんか。今回の文化芸術会館廃止計画の起案はどこか、県の財源不足のために対応するために具体化されたのではないかと感じざるを得ないのですが、
県民文化生活部長にお伺いします。
県が作成した資料によると、廃止対象4館の維持管理費は年間3億7,000万円、びわ湖ホールの維持管理費は年間12億3,000万円ですから、4館合わせても3分の1です。こうした文化施設、教育施設、福祉施設、医療施設は、それぞれ大切な役割を担っています。営利を目的に、採算論だけでその存廃を決めるものではありません。そんなことをすれば文化行政はなくなってしまいます。
県民文化生活部長の肩書も必要でなくなるのではありませんか。そんなことを県民が望んでいるわけではありません。文化芸術会館は、地域の図書館とともに地域文化の拠点として本当に大きな役割を担っています。京阪神まで出かける機会の少ない人たちに、生の音楽、美術、芸術に触れる機会をつくることは、どれだけ県民の心を豊かにするでしょう。また、地域で活動する人たちの発表と交流の場として、そして、自由に使える貸し館としても、その充実こそ望まれているのが実態です。
長浜市議会が全会一致で出された、県立長浜文化芸術会館の運営継続を求める意見書では、「単に県の財政負担の軽減を図るための安易な切り捨てとも受け取れ、同時に市町村への財政事情の考慮が全くなく、大変残念なことである」と、抗議の意味も込めて、現状での存続を強く要望されています。4つの会館がそれぞれに地域の中で重要な役割を果たしているからです。
その存廃を採算だけで議論するのではなく、もっと総合的に、地域文化をどう発展させるかという観点に立った検討が必要と考えます。改めて
県民文化生活部長の答弁を求めるものです。
あわせて、「滋賀らしい文化創造の基本的な考え方」に関して、教育長にお伺いします。
この中で、「幼少期から文化を身近に感じ、楽しめるような機会の充実に努める」、「特に、学校教育において、人間性豊かな子供を育成するため」、略しまして、「文化を大切にする意識を育て、文化を享受する力、文化を幅広く理解する力を高めていきます」としています。もちろん、あらゆる機会や場所で子供たちが学び、体験していくことではありますが、地域の文化活動の拠点としての文化芸術会館を、演劇鑑賞を初め、身近な美術館として、子供たちの作品展示や発表、地域の伝統文化を学ぶ場、広域的な交流など、学校教育の中でも大いに活用すべきだと考えます。教育長の御所見をお伺いします。
次に、介護保険の「見直し」について、知事ならびに健康福祉部長にお伺いします。
介護保険制度が実施されて5年目を迎え、その見直しが進められていますが、具体化されている見直しの最大の問題点は、介護に対する国の財政負担抑制を口実に、高齢者の介護サービス利用を制限し、大幅な国民負担増を押しつけるというものです。
国会で議論されている法律は、介護予防の名のもとに、軽度の高齢者の要介護区分と給付を再編し、在宅介護サービスの利用を制限しようとしていることです。もう一つは、特別養護老人ホームなど施設に入所している人の居住費──ホテルコスト、食費を保険の給付外として、総額3,000億円の負担を高齢者とその家族に転嫁しようとしていることです。入所者1人当たりにすると、年間40万円の負担増という、とんでもない改悪です。しかも、国と自治体が行っている健康診査、機能訓練、給食サービスなどの福祉事業を介護保険に移すことも盛り込まれています。これにより、予防介護の名のもとで国の負担は400億円も削減される計算です。今以上に公的責任を投げ捨てようというものです。
見直すというのなら、だれもが安心して必要な介護サービスを受けられるように、特別養護老人ホーム待機者の解決を初めとした介護施設の基盤整備、国庫負担の引き上げによって介護保険料や利用料を引き下げることが重要です。介護不安を拡大するだけの介護保険制度改革関連法案は撤回して、だれもが安心して介護サービスが受けられるように政府に働きかけるべきと考えますが、知事の御所見をまず最初にお伺いします。
次に、具体的な問題で、健康福祉部長にお伺いします。
第1に、施設介護の問題です。
特別養護老人ホームに入所している人は、2004年、県内ですが、9月時点で3,482人。介護保険が導入されたときと比べると、施設数で15カ所、入所定数で約1,100人増となっていますが、今なお全県で、ダブりを整理しても4,151人の待機者がおられます。特別養護老人ホームに入りたくても入れないというのが実態です。県は入所ガイドラインを設けましたが、結局、入所を希望しながら入所できずに亡くなられたというお年寄りも少なくありません。県はこうした現状をどう認識し、今後どう打開しようとしているのか、特別養護老人ホームの増設計画も含めて、健康福祉部長の御所見をお伺いするものです。
今回の制度改定について、幾つかの施設を訪問し、実情をお聞きしました。口をそろえて心配されるのは、食費と居住費を新たに入所者から徴収するという問題です。食事はどこでも必要、ホテルコストはだれもが家賃を払っているというのが理由だそうですが、施設長は、今でも利用料を支払うのが大変な人がいるのに、自己負担額がふえればどうなるのか。わずかの年金収入だけに頼っている入所者にとっては死活問題です。家族にとっても、親が幾つまで生きるかがわかったら計算もできるのですが、と。これでは、安心した老後が過ごせるわけがありません。1カ月当たりの負担額は、特養ホームの個室に入っている要介護5の人の場合、1割負担の2万6,000円に加えて、居住費が6万円、食費が4万8,000円の、合計13万4,000円になります。4人部屋でも、利用者の負担は月額8万7,000円となります。これでは、介護の必要度が高くても、金がないと介護は受けられない、施設に入所できないという事態になりかねません。食費や居住費の自己負担はなしにすべきと考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いするものです。
施設の運営、経営にとっても大変です。ユニット型施設重視、入所する高齢者の介護度も重度化しています。それだけ介護に係る人的保障が増していますが、国の基準は、入所者3に対して職員1というのが配置基準です。実際はどうか。県も御承知のように、2対1を上回って1.8対1という施設もあります。それだけ施設に負担がかぶってくるわけです。この職員配置基準こそ見直すべきと考えますが、この点で健康福祉部長の御所見をお伺いするものです。
次に、在宅介護サービスの問題です。
現在、在宅介護サービスを受けている人は、全県で2万2,665人。そのうち、49%の1万1,197人が要支援と要介護1の人です。国の見直し基準でいけば、このうちの約7割の高齢者が新予防給付に移され、訪問介護サービスの対象から外されることになります。在宅介護サービスで一番よく使われているのが訪問介護です。ところが、介護保険導入後、訪問介護サービスの内容も利用時間も大きく変更されました。その結果、以前はつくりたての温かいものが食べられたのに、病院では一緒について待ってもらっていたのに、一緒に買い物もできたのになどの声が聞かれるように、身体介護も家事援助も制限されて、介護しているヘルパー自身も納得のいくケアができない状態です。この訪問介護を、手伝うことでかえって本人の生活機能を低下させるといって取り上げようというのです。こうした軽度者へのサービスを制限すれば、これまでの生活の質が低下し、病状の悪化、ひいては介護度の重度化も招き、在宅生活が困難になることは明らかです。これでは逆に介護費用の増大をもたらすことになり、介護予防で給付費を抑えるという国の思惑とも矛盾することになります。
この訪問介護サービスは、介護保険導入前は、利用者の8割が無料で利用することができました。それが、介護保険導入で一気に1割負担となったため、特別対策で利用料の軽減措置を設けていました。2003年6月までは3%の負担、同年7月からは6%でしたが、この3月31日で打ち切る予定です。そうなると、他のサービスと同じように1割負担となり、1日2時間の訪問介護を週5回利用している人は、現在の9,800円が1万6,000円になります。そこで、自治体独自で軽減措置を継続したり、新規利用者も対象にするなど、努力している市町村もありますが、県として国に対して継続することを働きかけるべきと考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いします。
第3は、保険料の問題です。
65歳以上の人が負担する保険料については、低所得者の人の金額の決め方と徴収方法の変更を打ち出しています。政府の増税計画で住民税非課税から課税となる高齢者がふえれば、保険料も上がります。また、年金からの天引きを障害年金や遺族年金にも広げることも検討しています。値上げではなく、保険料の減免制度の創設こそ必要です。また、負担は能力に応じて給付は平等にという社会保障制度の原則に基づき、応能負担の方向での見直しも必要ではないでしょうか。健康福祉部長の御所見をお伺いするものです。
第4は、国庫負担を直ちに25%から30%に引き上げることです。
そもそも保険料や利用料が高過ぎる最大の原因は、介護保険が導入されたときに政府が介護施策に対する国庫負担の割合を50%から25%にと、大幅に引き下げたからです。国の責任は重大です。現行では国庫負担25%のうちに調整交付金5%が含まれていますが、これを別枠化し、国庫負担全体を30%に引き上げることは、全国市長会や全国町村長会も繰り返し要望していることであり、財源的にも3,000億円ほどです。県からも国に強く働きかけるべきと考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いするものです。
第5は、介護保険事業に携わる労働条件の向上も必要です。
現状では、とても休むどころか、研修の時間もありません。労働条件が劣悪になっている原因は、介護報酬の低さにあります。介護報酬の適切な引き上げを含めた抜本的な措置が必要ではないでしょうか。また、介護保険で重要な役割を担っているケアマネジャーが、独立性、公共性を持って適切なケアプランを作成できるように、担当件数の削減、介護報酬の引き上げなど、適切な条件整備が必要と考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いします。
今回の介護保険見直しは、今後の社会保障制度全体をどうするのかという点でも重要です。介護不安を拡大する政府の見直しではなく、今も、そして将来も安心できる介護保険制度にしていく必要があると考えます。
以上の5点について、県の答弁を求めるものです。
関連して、合併した市の介護保険の認定のおくれについて、健康福祉部長にお伺いします。
合併した自治体で介護認定のおくれが著しく、いろいろなところに影響が出ています。問題の1つは、職員配置です。湖南市の場合は、これまで、石部、甲西の両町で担当していた、ほぼ同数の職員が介護保険課に配属されており、問題は余りなかったようです。ところが、甲賀市の場合は、旧5町の担当者の半分以下の職員数しか配置されていません。しかも、人口比で見た絶対数でも湖南市より少ない職員数ですから、遅延するのも当然です。人事はそれぞれの市の権限で、口を挟むものではありませんが、市町村合併によって介護サービスの利用者に大きな影響を与えるという点では、合併を推進してきた県として、公平なサービスになっているか、各市町村の認定状況など、把握して、指導に生かすべきと考えますが、健康福祉部長の御所見をお伺いします。
以上です。(拍手)
○議長(世古正君) 17番桐山ヒサ子さんの質問に対する当局の答弁を求めます。
◎知事(國松善次君) (登壇)桐山議員の御質問にお答えします。
まず、東海道新幹線(仮称)びわこ栗東駅に係る御質問にお答えします。
1点目の設置促進協議会が行いました利用者予測について、JR東海の認識と議論の状況についてのお尋ねでありますが、促進協議会が行いました新幹線新駅の需要予測および経済波及効果等の調査につきましては、新駅の負担を市民に説明できるよう、あらゆる効果を明確にしてほしいとの関係市町の意見を受けて実施されたものでありまして、これにより、新駅設置による効果を一定確認できたものであります。
JR東海にはこの調査結果はお知らせしておりますが、JRにおきましても、新駅を設置すれば、その後の維持管理費用はJRが負担することになりますことから、一定の需要があることを見込んだ上で新駅設置の決断が下されたものと考えております。
2点目の京都駅の利便性が高く、新駅を設置する必要性は少ないのではないかとの御質問ですが、これまで新幹線駅がなかった県南部地域に、県の新たな玄関口となる新幹線新駅を設置するということは、地域経済の活性化を促し、地域発展の起爆剤となりますことから、その必要性は極めて高いと考えるものであります。
また、促進協議会が実施いたしました調査では、新駅を利用した方が、京都駅など既存の新幹線駅を利用するのに比べ、より安く、より早く移動することができるようになる地域が、県南部地域を中心に広く分布することを確認しておりまして、利便性の点から考えましても新駅の必要性は高いと考えます。
3点目の新駅はJR東海がのぞみ増発のために必要な駅ではないかとのお尋ねでありますが、東海道新幹線におきましては、すべての車両が最高時速270キロメートルに統一されましたので、新たにそのための待避駅は必要はないということであります。
品川新駅開業、新型車両への統一、新しいブレーキシステムの導入等、技術の革新により、新駅設置の障害となっておりました運行ダイヤの逼迫状況が若干改善され、新駅を設置してもダイヤ編成に支障がないことが確認される中で、超党派による長年にわたる粘り強い要望にこたえて設置を決定されたものでありまして、のぞみ増発のために設置される駅ということではありません。
次に、経済波及効果は、駅周辺の開発と表裏一体のものと考えておられるのかどうか、また、駅周辺の開発に対する県の負担は考えていないのかというお尋ねでありますが、促進協議会で実施されました調査の前提条件は、地域整備戦略が先催事例並みに進み、人口増加や企業集積、観光入り込み客の増加があるという想定のもとに算出されたものとなっております。
もとより東海道新幹線は全国の主要都市を結ぶ、毎日35万人という人を運ぶ日本最大の大動脈で、日本経済を根底から支える広域高速交通網であります。その新駅の設置は、観光客の誘客による交流や企業立地、さらには雇用の拡大など、さまざまな効果を、県南部地域を中心に県内広い範囲で、しかも永続的にもたらすものと考えております。「桃李もの言わざれども、下おのずから蹊を成す」という中国の故事にありますように、新駅の設置を起爆剤にして、周辺の土地区画整理事業や交通アクセス、それを基盤として立地する企業や商業施設、集客施設などの受け皿施設の整備を、新駅から生まれる交流や価値を生かして、民間の企業や団体、住民、栗東市など関係者が一体となって自律的に取り組まれることによりまして相乗効果が高まり、その効果が最大限に発揮されるものと考えるものであります。
こうした中で、新駅計画地周辺で計画されている土地区画整理事業につきましては、新駅の効果を最大限享受するため、新駅周辺にふさわしいまちづくりの基盤整備として、栗東市が事業主体として取り組みがなされているものでありまして、基本的には栗東市の責任のもと、主体的に取り組まれるものと考えております。この実施に当たりましては、これまでの例でも、国庫補助制度の活用等が図られているというところでもあり、それに応じて、ルールに基づいた一定の県の支援もすべきものと考えているところであります。
続いて、新都市拠点ゾーンに関しまして、県関連の、どういう施設をどこへ移転しようと考えているのか、また、全体計画をどう考えているのかというお尋ねでありますが、促進協議会が行いました調査の報告書にも記載されておりますように、県関連施設の移転等は、新駅周辺の広域的な交流を促進する機能を検討する中で考えられたものであります。現在、県におきましては、学識経験者を初め、企業経営者や地元経済団体等の各分野の委員で構成されます新幹線(仮称)びわこ栗東駅活用方策検討委員会を設置し、そこで、新都市拠点ゾーンにおける、新駅に期待される集客効果を最大限に活用し、県南部地域の拠点としてふさわしい施設のあり方について御検討をいただいているところであります。今後は、その検討結果を踏まえながら、栗東市が主体となりまして、新駅周辺のまちづくりの中で新都市拠点ゾーンの全体計画が調整され、進められていくものと考えております。
次に、駅舎建設費の県の負担金と財源についてでありますが、新駅設置の負担金の支払いにつきましては、毎年、工事の出来高に応じて支払っていくという、工事期間での分割払いとする方向でありまして、支払いの長期化を図りますとともに、あわせまして、これまで、その負担に備えております基金も一定積み立てを行ってきたところであります。
さきに促進協議会が実施いたしました調査結果では、その税収効果は、開業後10年後の時点で、県税収入だけでも単年度で約47億円と試算されているところでありまして、県が新駅に投入した額は、開業後の10年間を待たずに回収できるとの試算がなされており、企業立地や観光誘致等を通じ、負担した費用を大きく上回る経済効果や税収効果を将来にわたり永続的に受ける有効なプロジェクトであると考えるものであります。
なお、新駅の開業後は、その維持管理経費や列車運行経費などのランニングコストは、すべてJR東海の負担となるものであります。
最後に、新幹線新駅と草津線複線化についてお答えします。
これまで、新幹線新駅の設置を目指した取り組みを進めてまいりましたし、その一方で、草津線の複線化に向けましては、県ならびに関係市町で構成する草津線複線化促進期成同盟会において取り組みを進めてまいりました。しかし、新幹線新駅の設置を決め、いよいよ実現に向けて動き出そうとする今は、草津線複線化の実現に向けた取り組みと一体となった取り組みを進めることが必要であると、私は考えております。
今後、草津線には新幹線新駅との接続新駅が計画されており、草津線に新幹線へのアクセス交通機関としての機能が付加されるわけで、その役割や機能は大きく向上すると考えます。また、このことは、新幹線を利用して訪れられる観光客の誘致を図る上におきましても、草津線沿線の各市を中心に極めて大きな効果を発揮するものと考えます。
草津線沿線地域は、人口増加率などを見ましても極めてポテンシャルの高い地域でありますが、その一方で、草津線の需要は減少傾向にあり、JRが複線化への着手に至らない要因の一つと考えておりまして、新幹線新駅は、こうした状況を打開する、むしろ起爆剤になると考えるのであります。このため、新駅を設置することが草津線の複線化の実現を促進するものであり、新駅を設置しなければ、複線化はむしろ遠のくものと考えるのであります。したがいまして、新幹線新駅の設置と草津線複線化に向けましては、一体となった取り組みを進めることが、相互の早期実現につながると考えるものであります。
次に、介護保険の「見直し」についての御質問にお答えします。
介護保険制度改革関連法案は撤回して、だれもが安心して介護サービスが受けられるように政府に働きかけるべきと考えるが、どうかということであります。
介護保険制度は、平成12年4月に導入され、要介護認定を受ければ、行政を介することなく、いつでも介護サービスを利用できるようになり、県民にとって介護サービスは確実に身近なものになるということで進められたものと認識しております。新たな共助システムとしての介護保険制度は、住民参加のもとに自治と分権を進め、NPOや民間事業者など、多様なサービス提供主体との協働によりまして、地域の福祉力を大いに高めているものと評価しているものでありまして、まさに地方分権のモデルとしてこれを見ているところであります。
一方で、施行後に見えてきた課題も幾つかありますし、さらに、世界でだれもが経験したことがない人口の急速な高齢化や、高い高齢化率で進むということを踏まえますと、高齢者介護のあり方を中長期的な視野でとらまえる必要があります。我が国の高齢化にとって大きな意味を持ちます、戦後のベビーブーム世代が65歳になり切る2015年までに実現すべきことを念頭に置くと、介護保険制度の見直しの最大の論点は、この制度の持続可能性であると認識しております。
特に危惧するのは、現行制度のままでは、県民が負担する介護保険料が将来大幅に上昇することが予想されることであり、必要に応じて給付の効率化や介護予防を重点的に行っていくという方向が求められていると思います。
今回の見直しは、高齢者の尊厳の保持と自立支援の徹底を基本としつつ、要介護者をふやさないために、介護予防重視型システムへの転換を目指すもので、小規模多機能施設を初めとする地域密着型サービスの創設や、サービスの質の向上のための事業者規制の見直し、事業所情報の透明性の確保など、基本的に評価できるものと考えております。
今後とも、県といたしましても、介護保険制度の最も基本的な理念であります、利用者がみずからの意思に基づいて主体的にサービスを選択できる環境整備と、制度の維持、安定に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えます。
◎
県民文化生活部長(近藤月彦君) (登壇)県立文化芸術会館の存続、拡充についての御質問にお答えします。
まず、1点目の県立文化芸術会館の廃止の方針を撤回して、関係者の意見を十分反映する検討委員会などを設置し、再検討してはどうかとのお尋ねについてであります。
県立文化芸術会館は、昭和47年に策定された文化の幹線計画の考え方に基づき、広域市町村圏を単位とする地域住民に芸術、文化の鑑賞機会や発表の場を提供することを目的として、全国に先駆けて整備してきたものであり、県民文化の振興に重要な役割を果たしてきたと考えております。
しかし、文化芸術会館の整備が完了して以降、市町村ホールの整備が急速に進んだことを踏まえて、平成14年度に策定いたしました
財政構造改革プログラムにおいて、県立文化施設については、県の役割、あり方などを見直すことにより、市町村や民間への移管、廃止などを進める施設の一つに位置づけたところであります。さらに、その後の市町村合併の進展もあり、文化振興施策を進める上で県の担うべき役割という視点から、今日まで検討を進めてまいりました結果、地域館としての文化芸術会館は平成17年度末をもって県の運営を廃止するという方針を打ち出したものであります。
今回の方針決定に当たっては、現場、利用者、地元自治体の声を聞き、望ましい方向を出すべきとの議員からの御指摘でございますが、まずは、県としての方針を取りまとめる必要があると判断し、その内容を県議会に御報告した後、関係市と協議することとしたものであります。県の方針を公表した後、県民の皆さんや利用者の皆さんにはいろいろ御心配や誤解を与えている面もあるかと存じますが、県による運営を廃止する文化芸術会館につきましては、それぞれの地域ニーズに応じて、地域館として活用いただくことが望ましいと考えており、地元市への移管を軸に、関係市と十分話し合ってまいりたいと考えております。
次に、2点目の県立文化芸術会館の廃止は、維持管理コストによる県の財政圧迫に対応するためだけに具体化されたのではないかとのお尋ねについてでありますが、もちろん財政事情も一つの要因ではございますが、それよりもむしろ今回の見直しは、文化振興における県の役割にふさわしい施設のあり方を考えるということでございます。市町村合併の進展により市の区域が広域化し、文化芸術会館と市町ホールとの集客エリアや事業が重複するという状況が生じてきたことから、住民に一番身近な市町には住民のニーズに即したきめ細かな文化の仕事に責任を持っていただき、市町でできないことは県が行うという考え方でございます。
また、廃止計画の起案はどこかというお尋ねについてでございますが、文化芸術会館の所管部局である当部が、関係部局と調整を図りながら検討を進めてきたものでございます。
次に、3点目の県立文化芸術会館の存廃を採算だけで議論すべきではないという点についてでありますが、文化施設においても採算性や収益性を全く無視するわにはまいりませんが、私も、地域文化を総合的にどう発展させるのかという視点は重要であると思っております。そのため、市町には、地域における文化活動など、住民のきめ細かなニーズに対応する部分を担っていただき、県は広域的、高度・専門的な分野を担うべきとの立場から、県立施設と市町施設間の事業連携や人材の相互連携などを進めてまいりたいと考えております。また、NPOや市町のホールとの協働、連携などによる多様なソフト供給の仕組みづくりや、文化、芸術を支える幅広い人材の育成、産業振興やまちづくりと連携した施策等に積極的に取り組むことで、地域の文化に活力を与え、ひいては県全体としての文化振興を図ってまいりたいと考えております。
◎健康福祉部長(澤田史朗君) (登壇)介護保険の「見直し」について、6つの御質問にお答えします。
まず、1点目の施設介護の問題についてのうち、入所を希望しながら入所できない現状の認識と打開策についてでございます。
特別養護老人ホームの入所申込者数について昨年7月に行いました調査では、病院や介護老人保健施設等の施設に入っている人の割合は61.4%と高く、一方で、入所の必要性が高いと考えられる在宅からの申込者で、要介護度4あるいは5の人の割合は11.9%であります。特に在宅からの申込者では、要介護度が高いほど申込者数が少ないという現状にございます。これは、施設志向のあらわれと見ることもできますし、また、予約的な申込者の割合が高いものとも考えております。今後とも、入所ガイドラインの適切な運用によりまして、入所の必要度の高い方が入所できるよう努めてまいりたいと考えております。
一方、特養ホームの整備についてでございますが、淡海ゴールドプランに基づき、在宅と施設サービスのバランスを勘案しながら基盤整備に努めております。平成17年度予算におきましても、厳しい財政状況下にあって、平成19年度の整備目標値に対しまして、進捗率94.3%の整備計画であり、精いっぱい取り組んだところでございます。今後とも、計画の実現に向けて着実に進めてまいります。
次に、施設の食事や居住費の自己負担についてでございます。
現行の施設入所者に係る自己負担額は、在宅と比べると割安感があるとの指摘がございます。国の調査によれば、居住費と食費の自己負担額の合計額は、在宅サービスを受けている人が月額9万9,000円、特養ホーム入所者は約5万円と、両者には5万円近くの差があるとの結果が出ております。こうしたことから、施設と在宅の利用者負担の公平性の観点から、施設入所に係る居住費や食費について、一定、受益に応じた御負担をいただくことはやむを得ないものと考えております。
また、ユニット型の施設における施設職員配置基準についてでございます。
ユニット型施設は入所者の個別ケアを行うところに特徴がございますが、介護報酬の算定においては、こうした職員配置が可能となるように、従来型施設に比べて高く設定されているところでございまして、施設経営の観点からは既に配慮がなされていると認識しております。
2点目の訪問介護利用料の軽減の継続についてでございますが、この軽減措置は、従来の措置制度から介護保険制度導入への移行に当たっての5年間に限って特別に設けられた激変緩和措置であり、これが終了するものであるというふうに考えております。
3点目の保険料の応能負担についてでございます。
介護保険は社会保険でありますので、まず、応益負担が基本であると思います。しかしながら、これまでの制度においても、低所得の方々に過重な負担とならないように、一定、応能負担の考え方が盛り込まれております。さらに、今回の見直しでも、より負担能力の低い層の保険料が軽減されることとされておりまして、応能負担の考え方も一層配慮されているものと考えております。
4点目の国庫負担率を引き上げることについてでありますが、介護保険の財源は、制度を安定的に運営していくための必要な枠組みとしまして、従来の老人保健制度や老人福祉制度との整合に配慮しながら、保険料、公費負担、利用者負担が決められているものと理解しております。これまで、高齢者の負担能力に一定の配慮が必要であるというふうに考えておりまして、制度の安定的、継続的な運営を図る観点から見直しがなされるよう、国に対して要望をしてまいったところでございます。
5点目の介護保険事業に携わる労働条件の向上についてでございます。
優秀な人材の確保、良質なサービスの提供、さらには、安定的な事業の運営のためには、安定した収入が得られることが必要であると考えております。次期介護保険料の見直しに当たっては、こうした観点から見直しがなされるよう、国に対して要望してまいりたいと考えております。
最後に、各市町の要介護認定状況の指導についてでございます。
要介護認定等市町事務につきましては、年1回、実地指導を行っておりまして、円滑な事務執行について指導を行っております。また、県といたしましては、合併に際しましても、住民の方々に混乱が生じないようお願いしていたところでございますが、今回のケースについては、認定審査がおくれているとの情報もございますので、甲賀地域振興局から指導したところでございまして、2月中旬以降は通常どおりの事務執行に戻っていると承知しております。
今後とも適切な事務執行がなされるよう、より一層指導、支援に努めてまいりたいと考えております。
◎土木交通部長(河崎和明君) (登壇)草津線複線化についてお答えいたします。
まず、草津線の複線化の実現を強くJR西日本に働きかけるべきとの御質問ですが、草津線の利便性向上に向けた草津線の複線化は、沿線住民の皆様の切実な願いであり、これまでから積極的な取り組みを進めてきているところであります。その実現に向けた最大の課題は、複線化後のランニングコスト負担に見合う利用が見込めないことです。
そこで、県および同盟会では、複線化に向けた現実的な対応として、一気に全線複線化を目指すのではなく、需要の動向に応じて段階的にダイヤ増発や時間短縮といった輸送改善を図る段階的整備を推進することとしており、同盟会にワーキンググループを設置して、草津線利用者数の増加を初めとする課題の検討を進めるとともに、JRへの要望活動を展開するなどの取り組みを推進しております。
知事が答弁いたしましたとおり、新幹線新駅の設置と草津線の輸送改善とを一体的に進めることにより、草津線の輸送改善に向けた、長年にわたる取り組みを結実させるものと考えております。言いかえますと、新幹線新駅の設置は、草津線輸送改善の実現に向けた千載一遇のチャンスであります。県といたしましては、このチャンスを逃すことのないよう、関係市町とともに取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、甲西駅行き違い設備の整備につきましては、段階的整備の第1段階に位置づけ、積極的にJRへの要望活動等を展開しているところであり、引き続きその事業化に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、コミュニティーバスについての御質問にお答えします。
コミュニティーバスの補助につきましては、従前、乗り合いバス事業者が廃止した路線をそのまま引き継ぐ形で運行するという廃止路線の代替を基本とした補助制度から、より利用促進に重点を置いたコミュニティーバスとして、市町が効率的、効果的路線へ柔軟に再編できるよう、平成15年度に抜本的な制度改正を実施し、支援を行っているところでございます。
しかしながら、車社会の一層の進展や少子化の影響に加え、不況の長期化など、さまざまな要因でバスに乗る人が減少し、昼の時間帯には多くの路線でほとんど乗客を乗せずにバスが走るという状況も見受けられているところであり、このため、県といたしましては、この制度改正を踏まえ、より一層の利用促進策を求める会議を昨年9月に持ったところでございます。
そこで、御質問の補助率をもとに戻すとともに充実すべきとの点についてですが、コミュニティーバス運行対策費補助につきましては、平成15年度の抜本改正により、欠損部分のうち、キロ100円までは県と市町で折半し、残りの欠損部分はバス利用者の運賃収入により充当されるべきものとの考えから、平成16年度までは、その5分の2を、平成17年度はその5分の1を激変緩和措置として補助することとしているものであります。
今般、欠損をより少なくするために、コミュニティーバス補助について、コスト削減と増収の両面からの取り組みに対し、県として支援をしていくこととしております。コスト削減につきましては、効率的、効果的路線への再編を促すため、平成17年度から、かねてから強い要望のあったデマンド運行等を補助対象とすることなどにより、補助の間口を広げ、制度を充実させることとしております。また、増収策としては、より利用を推進する観点から、これまで取り組みの少なかった、企業、商店街等の地域を巻き込んでバスの利便性をさらに高める取り組みや、安全で環境に優しいといったバスの特徴を住民の皆さん方に啓発するなど、地域と連携した新たな取り組みを促すこととしております。これらの取り組みによりバスの魅力を高め、利用者をふやし、運賃収入部分を大きくすることによって、長期的に市町と県双方の財政負担を軽減し、コミュニティーバスを将来にわたり安定して維持していけるような体系を構築していきたいと考えております。
◎教育長(斎藤俊信君) (登壇)県立文化芸術会館の存続、拡充についての御質問のうち、滋賀らしい文化創造の基本的な考え方に関しての御質問にお答えいたします。
学校教育において、子供たちが幼少期からすばらしい芸術を身近に感じ、表現活動や鑑賞活動などを通して、直接、芸術、文化に触れる体験や、それらを楽しめる機会を持つことは、美しいものに感動するやわらかな感性をはぐくみ、人間性豊かな子供の育成につながる大切なことと、私も感じております。
近年、県立文化芸術会館が整備完了して以降、各市町においても文化施設の整備が進み、身近な地域での文化、芸術に触れる機会が充実してきました。学校においても、学習成果発表会や美術展覧会、芸術鑑賞会、部活動などにこれらの施設を活用しております。今後も、県立、市町立を問わず、地域の文化施設を学校教育の活動の場の一つとして活用し、児童生徒が文化、芸術に触れる機会を大切にしていきたいと考えております。
◆17番(桐山ヒサ子さん) (登壇、拍手)新幹線栗東新駅について、知事に再質問をいたします。
その第1点目の利用者予測について、JR東海がどんな認識を示しているのかということに対して、知らせているけれども、JRがこんなずさんなというのか、何か考えられないような、こういう算出根拠に何の疑問も持たないのかどうか。要は、これから駅さえ建設することにちゃんと話が決まれば、客をふやしますよという話だけで、JRが後のランニングコストも任せておけと言って、私は全く素人ですが、プロのJRがこの予測をまともに受けとめているのかどうか、その辺、理解に苦しむのですが、その辺のJRの態度について、もう一度お願いしたいと思います。
そして、利便性という点で、県南部地域に新たにできれば、いろいろ、知事は繰り返しおっしゃっています。しかし、5分以内に乗りかえができれば、この栗東新幹線新駅は、京都から乗るよりも、京都ののぞみよりも東京へ早く着きますよ、お金も安くつきますよという、そういう宣伝もされているのですけれども、5分以内で乗りかえられるという、マニュアルというか、こうすれば手原駅でも新しい草津駅でも、もちろん駐車場へ直接乗り込めば……。それでもなかなか大変だと思う。私らでも、田舎者ですから、京都で新幹線の乗りかえ時間5分というと、非常に心細いのですけれども、県が言っているような、各在来線の駅から5分間でというのは、どういう計算になっているのか、ぜひ教えていただきたいと思うのです。ただ、5分以内にしないと、ここで乗るこだまやひかりがのぞみより早いという組み立てができないから5分以内にというふうにされているのではないかというふうに思うのですけれども、その点の解明をお願いしたいと思います。
よく知事は、新幹線がとまれば観光客がふえる、知名度も上がるとおっしゃいますけれども、栗東駅へ来てくれる、また乗ってくれる人は、どこからどこの観光地へ行くために栗東駅を使われるのか、ちょっと周りを見渡しても思いつかないのですけれども、具体的な例がありましたら、教えていただきたいと思います。
私も、錦帯橋へ行くのに新岩国駅でおりましたが、まず人っ子一人おられませんでした。錦帯橋といえば、日本で有数の観光地ですね。それがあっても、こだまがとまりましたけれども、その駅というのは本当にがらがら、それは1回きりのことで、繰り返し行っていないのでわかりません。だから、観光地に知名度があって、初めて、その近くの駅に乗ってくれるのであって、この新幹線ができたら知名度は上がるとか、そういう理屈もなかなか理解できないのですけれども、知事がよくおっしゃる、観光客がふえるという、その具体的な事例もぜひ挙げていただきたいと思います。
それと、必要性で待避駅ではないと。いろいろ技術も進歩して、全部270キロメートルで。これは繰り返し聞きました。では、なぜ京都から出たのぞみの方がこだまやひかりよりも早く着くのかといえば、とまる回数が多い。それぞれの駅で停車して、のぞみを通過させているから早いのです。駅間は270キロメートルで一緒であっても、こだまもひかりもよくとまって、のぞみはとまらないから早い。そのとまる駅をJRは栗東に求めているのではないかなというのが私の思いです。ただ、そういう点でも、おっしゃるような、同じ速度になったから、技術が進歩したから、この理屈は当てはまらない。のぞみに乗っている時間、こだまに乗っている時間というのは厳然として違うわけですから、この栗東駅を利用すれば便利というふうな理屈にはならないのですが、その辺の解明もぜひしていただきたいと思います。
そして、2点目に言いました経済波及効果。これもまたいろいろおっしゃいましたけれども、知事は、田んぼを区画整理事業するという、これも、工場の移転も全くできない。今の状況のままでも、要は駅建設に着工する、新駅を着工することを最優先されているのか。周りの事業が一定進まなければ、この事業はしないのか。その点で、経済波及効果と言っても、今、田んぼの中に新幹線新駅だけができても波及効果は望めないのですけれども、その辺、どのように考えておられるのか、もう一度お願いします。
それと、さっきも一定の支援をするとおっしゃいましたね、補助制度がいろいろあって。ですから、結局は117億円以外にも、これから県はどれだけ出すかわからないというふうにとらまえていいのか。いや、土地区画整理と工場移転と、そして地域振興局のいろいろ、今の全体計画、これを全部やったとしても、県が出すお金はこれだけだというふうな計算がされているのかどうか。何か言っただけというのではとても不安なのですけれども、その辺のこともぜひ、一定の支援というのはどういうことなのか、お聞かせいただきたいと思います。
先ほども、お金をどうするのか、出来高払いだというふうにおっしゃいましたけれども、相手はJR東海ですから、債務保証工事とか、契約工事の契約とか、やりますね。どんな方法なのか、ちょっと予測がつかないのですけれども、滋賀県とJR東海との結ぶ契約というのは、こういう場合はどんなふうになるから、安心してくださいよと。ことしお金がなくてもJRは待ってくれますよというふうに言われるのか。何カ年計画のどうなっている工事だから、毎年の県の持ち出しはこれぐらいでしょうというふうに目安を立てられているのか、今では全くわからないのですけれども、その点についてもぜひ解明をいただきたいと思います。
それから、知事もですけれども、土木交通部長に答弁をお願いしたいと思うのですけれども、草津線はJR西日本ですし、新幹線の方はJR東海です。先ほども、一体となってとおっしゃいましたけれども、これは全く別々の事業なのですから。ただ、一体じゃなしに同時にやるというのはわかると思うのです。一体でというと、やはり新幹線新駅ができなければ草津線は──さっきの論調もそうでしたね、新幹線ができれば草津線の複線化も見通しがつくというふうにおっしゃいましたけれども、この根拠は何なのか。全く別ですから、一体ではなしに同時にやるべき。そして、新幹線新駅ができなくても複線化はできるという、そういうための働きかけをぜひしていただきたいと思うのですが、その辺のお考えをぜひ聞かせていただきたいと思います。
そして、知事に、一番最初の質問の一番最後に、私が聞き漏らしたのかもわかりません。新幹線新駅の計画、きっぱり中止するように申し上げたことに対して、ちょっと私が聞き漏らしていたら申しわけないのですが、中止についての考えをぜひ聞かせてください。
それから、
県民文化生活部長に再質問をしたいと思います。
財政の要因もあるとおっしゃいましたけれども、100%財政なのです。県民文化生活部でこれだけ削減額を言われて、それに当てはまるもので出発したのではないかなというふうに思います。ですから、そういう点で、まだ時間があるわけですから、焦らないで、本当になくしていいのかどうか。いや、ほかの市立や町立のができてきたと。できてきたのはもう事実ありますから、県のを間引くわけではないのです。だから、県立であったのと市立であったのは今までと同じなのですから、市立がたくさんできたとか、合併したからという、この根拠は成り立たないと思うのです。そういう点でも、もっと納得のいく検討をぜひお願いしたいと思うのですが、その点についてお考えをお聞かせください。
図書館も採算で建てるものではないので、そういう点でも、県の採算を優先した、こういう今回の廃止論は非常に乱暴だと思うのです。ですから、ぜひ検討していただきたいと思うのですが、その点でのお答えをお願いしたいと思います。(拍手)
◎知事(國松善次君) (登壇)再質問にお答えします。
まず、新幹線びわこ栗東駅に係る利用予測に対して、JRはどう考えているかという話でありましたが、要は、JRは、滋賀県とやろうと決めたときに、もう乗降客の話は、将来、採算性を含めて長期的に一定の水準に達するということであるということでございますが、利用予測の話は、専ら我々の内輪の中で費用負担の問題を考えるのに必要な資料としてやったものでございます。したがって、そのことについては、先方に伝えてございますが、特にコメントはありません。
それから、乗りかえ時間との関係でありますが、もともと5分という話は、恐らくこの移動距離が400メートルを想定しておりますので、それを動く歩道で行くとそのぐらいで移動できるということですから、乗りかえ時間というのは、列車に乗るダイヤとの関係でその最短の時間があるとは思いますが、あとは列車が来るか来ないかで乗りかえ時間というのは決まってくるわけでございますので、要は、400メートルの移動ということは動く歩道を考えているということであります。
それから、びわこ栗東駅ができたらどこへ行くのかという話でございますが、それは人それぞれでございますけれども、ビジネスをされる方は、やはりここが一番利用しやすい駅だと選ばれるということで利用されるわけですし、したがって、この周辺のビジネス相手になりますし、観光でいえば、当然のことながら、琵琶湖が持つ、あるいは琵琶湖の周りにある歴史文化、あるいはエコツーリズムであるとか、いろいろなこれからの観光資源があるわけで、当然、いろいろ、ここが便利だということになると思います。これは、米原駅や京都駅よりもここがいいということになりますし、また、名前を、「びわこ」というのを大事にしたいと思いますが、そういう玄関口になるということですから、御心配のようなことはないのではないかと思います。
それから、経済波及効果の点で、周辺整備がされないと云々という話がありましたけれども、新駅は新駅でありますし、また、それにあわせて周辺整備が順次進められていくものだというように思います。そして、それに関連して県が支援するということを一定申し上げましたのは、通常の制度が使われるということでございまして、そのことによる支援があるということを申し上げさせていただきました。
それから、支払いで出来高払いというのがよくわからないというお話のようでしたが、要は、一遍に払うのではありませんということで、仕事量に応じて払わせていただきますということでございますし、仕事は一遍にできるのではなくて、時間をかけてやられるということで、そういう支払いになるということです。
そして、最後に、中止しないのかということについて答えなかったという話でありましたが、要は、全く考えておりません。(「前払いでもいいと言わなあかん」)
◎
県民文化生活部長(近藤月彦君) 文化芸術会館に関する再質問にお答えいたします。
文化芸術会館の運営廃止につきましては、財政状況だけから考えたのではないか、もう一度考え直せと、こういう御趣旨だったかと思いますが、先ほどもお答え申し上げましたように、財政上の要因はもちろんございますけれども、それも加えて、文化芸術会館設立当時に比べますと、市町村ホールが非常に充実してきた、こういう状況の中で、今の文化芸術会館をどうするか、県の役割をどうするかということで考えたものでございます。現実に、文化芸術会館の利用者、あるいはそこでやります公演をごらんになられる方も地元の方が大半でございますので、地元市での文化サービスの拠点として使っていただく方がいいのではないかというのが現在の考え方として方針を出したものでございます。
◎土木交通部長(河崎和明君) 草津線複線化についての再質問であったわけでございますが、議員が御指摘のように、新幹線につきましてはJR東海、草津線につきましてはJR西日本が経営主体でございます。そこで、草津線の状況でございますが、知事より御答弁申し上げましたように、需要というものは近年減少している傾向にあるわけでございます。そういった状況から、当然、複線化したとしても、そのランニングコストに見合うような利用も見込めないという状況にあるわけでございまして、今の状況では複線化というのはなかなか厳しいものがあるというふうに認識しているところでございます。
そういった中で、新幹線新駅ができまして、その乗りかえ等で草津線につきましても一定の需要増があるという状況の中で複線化に向けまして段階的な整備を進めていくことになるのではないかと、それを目指して、私ども活動していきたいと思っているところでございます。
ですから、先ほど一体化と申し上げましたが、より正確に申し上げますと、新幹線新駅がなかりせば草津線の複線化は難しいというふうに考えているわけでございまして、そういった意味で一体的に私どもとらえまして、要望活動を進めていきたいと考えているところでございます。
◆17番(桐山ヒサ子さん) (登壇、拍手)先ほど知事に再質問をしたのは、出来高払い、できたところできたところですけれども、その場合、県がする債務保証とか契約はどんな形になるのですか。本当に計画的に金額を明らかにしながらやっていけるのかどうか。何度お話を聞いていても、この出来高払いというのは見通しがなかなかつかないので、県民の大事な税金を払うという約束をするわけですから、見通しをきちんとつけて使っていただきたいと思いますので、その点の解明をお願いしたいと思います。
それと、この待避駅と利便性は全然食い違って合わないのですけれども、要は、促進協議会の算出根拠には、在来線すべて5分以内でというふうになっています。もちろんダイヤは違います。だけれども、5分以内に乗れるとしなかったら、30分に1本しかとまらないのですから、とてものぞみに勝てっこないわけですから、この5分以内という算出の根拠は余りにもいいかげんなものではないかなというのが私の聞きたいところですが、その辺について、もう一度回答をお願いしたいと思います。
そして、土木交通部長は、新幹線新駅ができなかったらとおっしゃるのですが、新幹線新駅ができなかったら草津線の複線化は断念しようと思っているのか。そんなことはぜひやめていただきたいので、まずそれを聞かせていただき、そして、そんなことにかかわらず、草津線の複線化には、もちろん利用者をふやすという点でのそれぞれの自治体の努力は必要だと思いますけれども、この点についても同時に進行していただきたいということについて、もう一度お願いしたいと思います。(拍手)
◎知事(國松善次君) (登壇)再々質問にお答えします。
まず、支払いの出来高払いと申し上げたのは御理解いただいたようですが、要は、払うことについては、当然、一定、JRとの間に約束をして、そして、実際払うのは、できた仕事の量に応じて払うということを申し上げさせていただきました。
それから、5分云々の話は、先ほども言いましたように、400メートルほど離れますので、歩く歩道で行くと5分ぐらいかかると、こういうことを申し上げているだけでございます。(発言する者多し)
◎土木交通部長(河崎和明君) 草津線の複線化の件でございますけれども、草津線の複線化というのは、地域の自治体のみならず、住民の皆様すべての長年の願いであるわけでございまして、県といたしましても積極的に複線化の実現に向けて努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○議長(世古正君) 以上で本日の質疑ならびに質問を終わります。
明4日は定刻より本会議を開き、上程議案に対する一般の質疑ならびに質問を続行いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後5時8分 散会
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