豊田市議会 2011-09-05
平成23年 9月定例会(第2号 9月 5日)
平成23年 9月定例会(第2号 9月 5日) 平成23年9月
豊田市議会定例会会議録(第2号)
平成23年9月5日(月) 午前10時開議
日程第1 一般質問
出席議員(45名)
1番 原田 勇司
2番 木本 文也
3番 板垣 清志
4番 山田 主成
5番 伊井 房夫
6番 深津 眞一
7番 山口 光岳
8番 古木 吉昭
9番 中村 孝浩
10番 田代 研
11番 青山さとし
12番 根本 美春
13番 鎌田ひとみ
14番 桜井 秀樹
15番 安藤 康弘
16番 吉野 博子
17番 山野辺秋夫
18番 清水 郁夫
19番 加藤 和男
20番 牛田 朝見
21番 太田 博康
22番 鈴木 章
23番 神谷 和利
24番 日惠野雅俊
25番 三江 弘海
26番 杉浦 昇
27番 近藤 光良
28番 都築 繁雄
29番 杉浦 弘髙
31番 作元志津夫
32番 小島 政直
33番 佐藤 惠子
34番 岡田 耕一
35番 大村 義則
36番 庄司 章
37番 山内 健二
38番 梅村 憲夫
39番 稲垣 幸保
40番 加藤 昭孝
41番 八木 哲也
42番 松井 正衛
43番 河合 芳弘
44番 加茂みきお
45番 岩月 幸雄
46番 光岡 保之
欠席議員(1名)
30番 山田 和之
説明のために出席した者の職・氏名
市 長 鈴木 公平
副 市 長 中村紀世実
副 市 長 永田 健
総合企画部長 太田 稔彦
総 務 部 長 福嶋 兼光
市 民 部 長 井上 隆広
社 会 部 長 水野 孝之
子ども部長 藤村 信治
環 境 部 長 岩田 信男
福祉保健部長 幸村 的美
保 健 所 長 竹内 清美
産 業 部 長 鈴木 辰吉
都市整備部長 加藤 泰
建 設 部 長 山田 正秋
会計管理者 太田 隆
消 防 長 西山 泰広
教 育 長 笠井 保弘
教育行政部長 倉橋 剛
学校教育部長 中島 敬康
上下水道局事業管理者 横地 清明
上下水道局長 岡田 純明
職務のために出席した事務局職員の職・氏名
事 務 局 長 水野 孝一
局 長 補 佐 杉山 基明
主 幹 近藤 雅雄
係 長 成瀬 剛史
主 査 有働 由佳
主 査 松井 俊幸
主 査 児嶋 勇吾
◎開議宣告
○議長(河合芳弘) ただいまの出席議員は45名です。
前会に引き続き会議を開きます。
開議 午前10時00分
◎議事日程決定
○議長(河合芳弘) 本日の議事日程は、お手元に配付しました日程表のとおりですので、ご了承願います。
◎一般質問
○議長(河合芳弘) これより本日の日程に入ります。
日程第1、一般質問を行います。
お手元の一覧表のとおり順次質問を許可します。
なお、発言時間は、答弁を含めて30分、40分、50分または60分以内とします。また、再質問にあたっては、挙手により質問を許可します。
ただいまから一般質問を行います。
○議長(河合芳弘) 29番、杉浦弘髙議員。
○29番(杉浦弘髙) それでは、
自民クラブ議員団団長として、さきに通告してあります大項目1点、市長の政治姿勢についてお伺いしてまいります。
大項目1、市長の政治姿勢について。
8月30日に第95代首相が誕生いたしましたが、国内のみならず海外でも、日本のトップが毎年交代しているこの事態に注目が集まり、警鐘も鳴らされているのであります。
今は、まさに三重苦をはるかに超える国難を抱える日本国となってしまいました。サブプライムローンに始まった世界的経済危機に加えて、これも世界的天変地異が頻発する中、我が国日本でも3月11日発生してしまった東北大震災、加えて、確実に人災と言っても過言ではない福島原発の失態、加えて、グローバル化に調子に乗ってうかつに飛びついた結果、世界経済の渦に巻き込まれ、為替問題を始めとする日本経済の疲弊化と日本産業の空洞化などの日本国としての経済戦略の失態など、数え上げれば切りがないわけであります。このような日本国の劣化は、まさに日本の、そして、日本人の油断と自然に対する畏敬の念を失い、自然に対する傲慢さの結果と認識することが肝要であるかもしれません。
このような国難に直面している日本国の将来を本当に憂うのであれば、新首相は残りの任期を、生活目線などという目先のマニフェストや民意だけを頼りにするのではなく、日本の国策として日本国を再生するために、日本の、そして、日本人の価値観の再構築をすることから始めないことには、日本の劣化を食いとめることは不可能であると思うところであります。
このような、国政ではトップが短期交代している中で、それに引きかえ地方自治体、少なくとも本市にあっては、安定した政治、市民への使命感で、国の指針がさまざまにぶれる中にあっても、鈴木市長のもと、真っすぐな指針を持って市政運営が行われていることを誇るものでもあります。
地方自治体に対する国の政策の全貌が不透明かつ朝令暮改の状況ではありますが、平成21年12月の
地方分権改革推進計画と平成22年6月の
地域主権戦略大綱、それぞれ閣議決定がなされ、本年1月には、総務省が
地方自治法抜本改正についての考え方も示しております。これらを踏まえて、関係法律の整備が動き出しています。
そこで、中項目1点に、地方分権改革と鈴木市長の進める都市経営について見解を伺いたいと存じます。
中項目1、地方分権改革と都市経営について。
政府は、政府が進める地域主権改革に関連した関係法案を制定いたしました。いわゆる第1次一括法、地方自治法の一部改正、国と地方の協議の場に関する法律の
地域主権改革関連3法が成立し、5月2日に公布されたのであります。また、権限移譲、そして、義務づけ・枠づけの見直しを行う第2次一括法案について、4月5日に衆議院に提出されました。
その中で、地方自治法の改正については、地方自治体の自由度の拡大を図るための措置としての議員定数の法定上限の撤廃、議決事件の範囲の拡大、市町村基本構想の策定義務など義務づけの撤廃など、また、直接請求制度の改正などが制定されており、大いに注目するところであります。
この12年間の地方分権改革の状況から特筆すべきものを振り返ってみますと、一つには、地方分権一括法の制定がありました。平成12年4月に施行され、国と地方の役割分担の明確化、
機関委任事務制度の廃止、国の関与のルール化などが図られたわけで、各地方公共団体が、自らの判断と責任により、地域の実情に沿った行政を展開していくことがねらいとされていたわけであります。
二つ目には、三位一体改革であります。
平成14年6月に閣議決定された骨太の方針2002において始まった国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方に関する三位一体改革であります。
三つ目は、合併であります。
政府は合併特例法により、平成17年3月末までの合併手続を完了した場合に限った合併特例債等の特例や地方交付税の大幅な削減などにより、市町村合併を強力に推進し、平成16年5月には合併関連3法案が制定され、そのうち、地方自治法改正では地域自治区制度が創設されたのであります。
地方分権改革の現状を見るに、政府は、平成18年12月の
地方分権推進法制定以降、この間に政権交代はあったものの、
地方分権改革推進委員会による勧告、
地方分権改革推進本部、その後の
地域主権戦略会議により取組が進められてきています。平成21年12月に閣議決定された
地方分権推進計画に基づく第1次一括法案が平成23年5月に公布、また、平成22年6月に閣議決定された
地域主権戦略大綱に基づく第2次一括法案が平成23年4月に国会に提出されているのです。
ところで、こうした平成12年の
地方分権一括法施行からの地方分権の動向は、まさに鈴木市政の間と重なるわけであります。そこで、翻って鈴木市長の市政12年を見てみますと、特筆すべき点として、一つに、豊田市
行政経営システムの推進が挙げられます。これは平成13年6月でございますが、地方分権の進展を始め、社会経済環境の変化や多様化する市民ニーズに的確に対応するため、真に自立した都市自治体として、仕事の質の向上、市役所の構造改革を目的とする豊田市
行政経営システムを提唱し、戦略プランを定め、実行してみえたわけであります。
次に、豊田市の権限移譲への対応であります。
本市は、平成10年より愛知県内初の中核市に移行し、移譲された事務を行使してきたところであります。平成12年の
地方分権一括法施行以降、その中核市としての立場で、豊田市ででき、住民サービスの向上につながる権限について、愛知県
事務処理特例条例に基づく県の権限について取り組んでこられました。
三つ目には、市町村合併であります。
合併にあたっては、都市と農山村の共生を目指した取組を推進するとともに、合併協議の中で合併後の地域自治のあり方を住民と協議し、自治の基本となる豊田市
まちづくり基本条例、具体の仕組みである豊田市地域自治区条例を定めるなど、全国に先駆けて地域自治区制度に取り組んでみえたのであります。
さらに、財政の健全性維持を忘れるわけにはいきません。財政の自立を図るために、独自の手法として新規借入れ額を元金償還額以内に抑制する、いわゆる豊田市
版プライマリーバランスの黒字化を始めとした財政の健全性維持の取組により、市債残高を削減し、資金積立て基金の充実を図ってみえました。このことが、さきのリーマンショックに端を発する市税収入の大幅な減少への対応ができたことになったと大いに評価させていただくところであります。
このように、まさに自治の現場の経営者として鈴木市長の取り組んでみえたことは、都市自治体の自立した住民による共働のまちづくりの推進でありました。そして、こうした
行政経営システムの取組による改革、地域自治区制度の創設による都市内分権の推進、市町村合併が評価され、平成19年11月20日には、愛知県内の自治体で唯一、総務大臣より地方自治法施行60周年記念表彰を受賞されたのであります。
そこで、まずは地方分権に向かい合い、自立した都市経営を実践してこられた鈴木市長から見られて、その経験を踏まえ、現在の国の地方分権改革に対する見解をお聞かせ願いたいと思います。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) それでは、まず、地方分権についてからお答えをしたいと思います。
政府による地方分権の取組につきまして、これが大きく動きましたのは平成12年の地方分権一括法の施行でございます。このときに
機関委任事務制度が廃止をされました。国が市町村に対して一方的に権限を持っておりました市町村が行うべき事務についても、国の関与が廃止されたということがございました。こうしたことを踏まえ、一定程度のルール化が進んだと思っております。
また、平成18年には
地方分権改革推進法が成立をいたしまして、国における方針、計画の作成、あるいは、
地方分権改革推進委員会の設置が定められました。そして、平成22年には
地方主権戦略大綱が閣議決定をされ、制度的には検討が進んでいるように見えてきたわけでございますが、これに対しまして、私たち市長会は、過去一貫して政府に対して、この権限移譲とあわせて、実は税財源の移譲を要望してまいりました。つまり、国と地方の税財源の配分は、国が6、地方が4でございます。これに対して、支出しておりますのは、国が4、地方が6という、このギャップがございます。したがって、せめて税財源の配分を半々にしてくれと、こういう要望を長年にわたって取り組んでまいりました。
ところが、これは議員ご案内のとおりだと思いますけれども、過去において数度にわたり我々地方自治体には痛い目に遭ってきたことがございます。
一つは、三位一体改革でございます。
そして、また一つは、合併に伴う地方交付税措置でございます。これも代表的なこととして申し上げますが、一方的に交付額を大幅に減額されてしまったという実例が過去にあるからでございます。
また、
地方分権改革推進委員会が勧告したにもかかわらず、地方への権限移譲はほとんど進んでいないのが現状でございます。例えば、
都市計画決定権限の包括的な移譲や教職員の人事権の移譲など多くございます。鳩山内閣は、当時、地方分権改革を1丁目1番地に位置づけられました。見える形で政府は進めていただきたいと、今、私も強く思っております。
次に、私の都市経営についての見解について、お答えをいたします。
私は、若いころのことを申し上げて恐縮ですが、上司から起債を頼んでこないといけないという言葉をよくよく聞きました。そして、しばしば上京されたという記憶が残っております。どのような子細かは、当時、私にはわかりませんでしたけども、明らかに言えることは、補助金をもらってくると同じ感覚で語られていたように思います。これは当時、地方自治体は当たり前の意識でもあったと私は思います。バブル経済が終えんいたしまして、経済が低迷するようになりますと、景気浮揚のための事業に借入れ資金を投入されました。これは皆様もご案内のとおり、国も地方も同一だったと思います。そして、また、それがある種のニーズともなっていったと思っております。
私は、市長に就任させていただきました当時、11年有余以前のことですが、当市の市債残高が他市等に比べて決して少なくないと気づきました。市は地方公共団体としての一つの法人でございまして、経営的視点が必要と考えたわけでございまして、その後、
行政経営システムの採用など経営的手法への転換を図らさせていただきました。その後、今日に至る各施策についての経緯につきましては、先ほど議員が述べられたとおりでございます。この間の議員団からちょうだいをいたしましたご理解、ご協力に、今は心から感謝しているところでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○29番(杉浦弘髙) それでは、続きまして、中項目2、第7次豊田市
総合基本計画基本構想の実現に向けてについてお伺いしたいと思います。
平成20年3月定例会におきまして議決した第7次豊田市
総合計画基本構想は、平成29年を目標年次と定め、長期的な展望、社会経済環境の変化、本市の都市特性を踏まえて将来都市像を描いています。「人が輝き、環境にやさしく躍進するまち・とよた」であります。これを実現するため、共働のまちづくり、環境への配慮など、市民・地域・都市を基本視点とした目指すべき姿が示され、将来人口、土地利用構想、重点テーマを掲げ、これからのまちづくりの基本的な方向が明らかにされています。
策定後、社会を取り巻く環境が大きく変貌する中にあっても、市長は確実な財政見通しのもと、基本構想の実現に向けて、さまざまな施策を着実に進めてみえました。
少しひもといてみますと、子育ちを支える視点で、幼稚園・保育園の一体化、母子保健の充実、市独自の学級編成による少人数学級、少人数指導の実施。
また、安心なまちの視点で、
中央福祉センター整備、
豊田厚生病院新築、足助病院改築への支援、
交通安全教育施設整備。
そして、新たな発展の視点で、エコドライブの推進や低公害車の普及支援、100年の森づくり構想の推進など、豊田市ならではの環境モデル都市への取組等であります。また、次世代エネルギー・
社会システム実証地域にも選定され、スマートハウス、低
炭素社会モデル地区も市民の目にとまるようになってきております。
また、都市山村交流の体制づくり、ものづくり基盤の充実、経済力・産業力の充実。特に
中心市街地活性化の取組では、豊田市
駅前通り北地区市街地再開発事業にかかわる基本計画案が地権者の皆さんによる準備組合でまとめられ、都市計画決定に向けた手続が進められることとなり、事業の全体像が見えてきました。
駅前広場整備事業への取組とあわせ、都心の顔づくりも、いよいよ仕上げの段階に入ってきた感があります。
多核ネットワークの核となる拠点地域核・地域核の整備も進み、足助地区では
重要伝統建造物群保存地区の指定を受け、歴史を生かしたまちづくりが形を見せてきました。
さらには、鉄道・基幹バスなど基幹交通の充実、豊田南バイパス・北バイパス・
主要幹線道路整備促進など、本市を取り巻く厳しい社会経済情勢にあって、よくここまで施策を進められたと評価させていただくとともに、市長の確たる政策の基本があってのことと推察いたしております。
そこで、前期実践計画を踏まえ、後期実践計画の課題をどのようにとらえ、どのような見通しを持っておみえになるのかお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) 実は、第7次豊田市総合計画に基づく前期実践計画を策定いたしました平成20年3月におきましては、私自身も考えもしなかったことが同年の9月、平成20年9月に発生したわけでございます。それは、リーマンブラザーズの経営破綻に始まった世界同時不況。豊田市の平成21年税収が大幅にダウンした、こういう実態が発生したということでございます。このことにつきましては、皆様もご承知のとおりだと思っております。
この計画に基づく前期実践計画は、それでも何とか財源を生み出して、できる限り実践するべく最大限の努力を重ねてまいりました。具体的には、選択と集中の考えのもと、必要な事業の絞り込み、事業内容の精査による効率的な事業化、事業費の平準化や基金の活用などでございます。その結果、中間期であります平成22年度末における
重点戦略プログラムの取組状況につきましては、全体の約65パーセントを計画どおり実施することができたとなっております。ほぼ、計画期間の中における計画が達成されたものでありまして、これにつきましては、議員各位のご協力に感謝したいと思っております。
そこで、後期実践計画につきましては、豊田市の成長戦略につながる新東名高速道路や
リニア中央新幹線を生かしたまちづくり施策としての都市基盤の整備、あるいは、中心市街地の整備が重要と考えております。
中心市街地北地区再開発事業につきましては、今年度内の都市計画決定に向け、現在、鋭意努力をいたしております。そしてまた、関係の方々につきましても大変なご尽力をいただいておりまして、準備組合においての理事、組合員には大変なご苦労をおかけしていると思っているところでございます。感謝いたしております。
また、環境モデル都市としての政府選定を受けての取組も進んでおりますけれども、新しいまちづくりへの重要施策ととらえてまいりました。このほか産業技術の拠点整備を始めとする産業の一層の振興や災害に強いまちづくりへの展開など、そして、農山村の振興始め地域社会の活力や福祉、医療など重要施策を重点化して、計画を策定していく必要があると感じているところでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○29番(杉浦弘髙) 以上、市の経営と施策について市長のお考えをお伺いいたしました。
続いて、中項目3に移りたいと思いますが、次期市長選に向けた考えについてでございます。
さきの6月議会で、平成24年2月に3期目の任期を満了するにあたり、進退の時期についてという小生の質問に対しまして、市長のご答弁は、支援者の皆さんのご意見を拝聴し、9月市議会定例会には結論を出したいとのご答弁をいただきました。
そこで、最後に小項目1点、3期12年にわたる市長の政治信条と、平成24年2月の市長選に向けての思いをお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) 私は、来年2月の市長選挙には立候補しないことにさせていただきました。ぜひ、ご理解を賜りたく存じます。
平成12年2月に豊田市長に就任させていただいて以来、3期にわたりまして、市民の皆様、議員の皆様始め、経済界や労働界の皆様など各方面から力強いご支援をいただき、おかげさまで今日があることに、ここに改めて、すべての人々に心から深く感謝申し上げます。この間、市長としての仕事をさせていただけたことを誇りに思い、満足をいたしているところでもございます。
本日、このように申し上げるに至りましたことにつきましては、私自身、自らの分として3期までとの思いからでございます。市政につきましては道半ばのものもございます、軌道に乗せたものもございますと思っておりまして、これからも市民の皆様と共働して、豊田市がさらなる発展を遂げられるよう願っております。また、その意味でも、残ります市長の任期5か月間、私はしっかりとその職務を全うしてまいります。まことにありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○29番(杉浦弘髙) ご退陣をなさるという腹づもりを表明していただきました。本当に言葉にすると言い尽くせませんけれども、そういう意味では、今、お言葉にありましたように、残りの任期、しっかりとお務めを果たしていただきたいと思いますし、また、今後の豊田市の市政運営につきましてもご尽力賜りたいと思っているところでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 以上で29番、杉浦弘髙議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 次に、13番、鎌田ひとみ議員。
○13番(鎌田ひとみ) 議長の許可を得まして、さきに通告してあります大項目2点について質問いたします。
始めに大項目1点目、子育て環境の充実についてお聞きいたします。
本市は、自動車産業を中心とした発展による都市化が進行し、それに伴った地域のつながりの希薄化や若年家族の増加なども指摘されております。特に子育てについては、核家族による母親の育児の過負担から起こる育児ノイローゼ、また、それが高じた結果の児童虐待や無理心中といった悲惨な事件に発展したケースも見られるのが現代の子育ての現状であります。このような子育て環境の育児環境を改善し、母親の育児不安を解消するため、地域全体で子育てを支援する基盤の形成を図ることが重要であります。
本市の
子育て支援センターは、乳幼児期の子育て家庭に対する支援として、子育て家庭の親とその子どもが気軽に集い、相互に交流を図る場として、さらには、親育ちの場づくりとなる重要な事業であると思います。
中項目の1点目は、この子育て支援施設についてお伺いいたします。
1点目は、こども園併設の
子育て支援センターと志賀子どもつどいの広場ゆうゆう、交流館の子育てサロンのそれぞれが地域に設置されております。設置箇所の基準はどのようにされているのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村子ども部長。
○子ども部長(藤村信治) 本市では、在宅で育児している母親の孤立感ですとか不安感を解消する場といたしまして、子どもつどいの広場、こども園併設の
地域子育て支援センター、交流館内の子育てサロンの3タイプの場を整備してまいりました。機能的には、子どもつどいの広場は交流、相談、遊びなどの総合施設、
地域子育て支援センターは交流、相談機能、子育てサロンは交流機能をメーンと、それぞれすみ分けしております。
したがいまして、各タイプの集客エリアを考慮いたしまして、広域型の子どもつどいの広場は拠点に、
地域子育て支援センターは旧町村単位でバランスをとり、配置しております。また、子育てサロンにつきましては、交流館の空きスペース等、条件が整うところから設置してまいりました。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) それでは、2点目。支援施設の今後の計画についてお聞きいたします。
子育てサロンは旧豊田市のみの設置で、合併した地区には、現在、設置されておりません。日曜日に利用できる施設がないということになりますが、今後どのように考えてみえるのか。
また、10年を迎えた子育て総合支援センターの評価と課題を踏まえ、今後の計画についてもお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村子ども部長。
○子ども部長(藤村信治) 子育てサロンは、そもそも
地域子育て支援センターが閉館している休日への対応として整備されてきたわけではございません。在宅での母親の孤立感を解消するという趣旨からも、休日におきましては、家族で、家庭で過ごしていただきたいというところでございますが、合併地区の交流館におきましても、条件が整えば整備を検討してまいります。
それから、子育て総合支援センターでございますが、年間16万人余りの利用がございまして、遊具等は耐用年数を考慮いたしまして、子どもにとって魅力のある楽しい遊び場であり続けるように、リニューアル等をしていきたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) それでは、中項目2点目、ファミリー・サポート・センター事業についてお聞きいたします。
ファミリー・サポート・センター事業は、子育ての援助を受けたい人と子育ての援助をしたい人がお互いに助け合う会員組織ですが、送迎や一時預かりなどが依頼できる、非常に便利で、これから重要となる制度であると思います。
1点目は、現在の利用状況、また、会員数の推移についてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) まず、利用状況でございますが、平成12年度の開業以来、年々増加いたしまして、平成18年度に、年間1万1,009件とピークを迎えました。その年を境に減少してまいりまして、平成22年度は8,056件、前年比約1,500件増と、増加に転じております。
活動の内容でございますけども、平成22年度では、こども園や放課後児童クラブ等への送迎、預かりが最も多くて、全体の76.5パーセントを占めてございます。
会員の状況でございますけども、平成22年度の会員数は、育児の援助を受けたい依頼会員が978人、援助を行いたい協力会員が236人、その両方を行う両方会員が145人で、全体の会員数は1,359人です。
会員数の推移でございますけども、平成12年度の発足以来、年々増加いたしまして、平成17年度の1,505人をピークに、以後、微減の状況でございます。
課題でございますけども、依頼会員978人に対しまして、協力会員が236人ということで、頼む人はたくさんいるが、こたえてくれる人が不足しているという点でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 次に、各地域での会員登録についてお伺いいたします。
利用したい方から、乳児の子どもがいるので、申請や登録、講習で子育て総合支援センターへ出向くことが非常に大変であるという声が出ております。このような負担から登録をあきらめる方も見えます。そこで、地域の交流館などでの申請や登録、講習ができないのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) ファミリー・サポート・センター活動でございますけれども、会員の互助、援助の精神に立っての、特に協力会員、支援をする側の会員のボランティア精神で成り立っている制度でございまして、お金でサービスを買うという性格のものではございません。新たに会員登録を希望する人たちには、この点をしっかり理解してもらう必要がございまして、会の趣旨ですとか、利用上の留意点などを学ぶ講習会を行っております。国の補助制度の中でも、この講習会の実施を義務づけております。
後々のトラブルを防ぐためにも重要な講習会だと思うのですが、講師陣の都合などから、とよた子育て総合支援センター1箇所で実施しているものでございます。子どもの同伴も可としておりまして、職員一、二名が託児にあたるなど、配慮をしているところでございます。
この講習会を簡略化することで、頼む人とこたえる人との意思疎通を欠き、結局、協力会員が減るような事態になれば、事業そのものが成り立たなくなることを心配しての運営でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) ただいま講習の簡略化と言われましたが、精神はよくわかっておりますが、乳飲み子を抱えて、子育て総合支援センターのある不特定多数の人が大勢出入りするデパートに出向いて申請や講習をすることについて、大きな負担があると思います。地域の交流館などで手続ができないかとお尋ねしております。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 依頼会員の登録受け付けと、それから講習会、同時に行いまして、毎月1回、とよた子育て総合支援センターで行っておりまして、その所要時間、1時間程度でございます。受講者は毎回20名程度でございます。
地域の交流館等での受け付けと講習をとのことでございますが、地域で行っても、それなりの頻度でなければ、かえって不便に感じられるでしょうから、実施いたしますと、全体では相当数の延べ回数を覚悟する必要がございます。
最初の1回限りの手続であること。それから、毎回20名程度という人数であること。それにかかわるスタッフの負担等を考え合わせると、現行でいかざるを得ないのかなと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 地域でそういうことをやっていただければ、協力会員のPRにもなっていいのかなと感じております。
それでは、次に、中項目3点目、(仮称)赤ちゃんの駅についてお伺いいたします。
赤ちゃんの駅というのは、母親が安心して行動したり、移動したりできるように、公共施設などの一部を活用し、おむつをかえたり、授乳をしたりするスペースを設け、粉ミルクを溶くお湯も提供するという場所を確保することであります。既存の施設を有効利用することで、予算をかけずに地域ぐるみで子育て世代を応援していく取組として注目がされております。
東京都板橋区は、赤ちゃんの駅を区立保育園や児童館などの一角をカーテンなどで仕切ったスペースを提供したのが始まりで、現在では区立施設のほか、私立幼稚園やNPO法人運営施設などに拡大がされております。
このような施設の玄関先には、目印となる表示や旗を掲げて、保護者が立ち寄ると、職員たちが利用場所まで案内してくださるそうで、授乳やおむつがえを必要とする子育て中の方々に大変好評です。市が子育てを応援しているというイメージアップにもつながり、近隣の市では、蒲郡市、尾張旭市、豊橋市においても赤ちゃんの駅を設置しております。
本市も、市役所や公民館、公共施設を始め商業施設、民間施設などにも呼びかけ、環境を整備していくことが大切だと考えます。母親の外出を応援する、この赤ちゃんの駅の設置についてのお考えをお聞きいたします。
現在、公共施設における赤ちゃんの駅設置箇所はどのようになっているのかお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 赤ちゃんの駅、なるほどそういうニーズもあるんだろうなとは理解できます。一方で、育児支援にかかわる保健師などからは、出産後間もない母親の、かつてなかったような心配な行動、相談が多くなりまして、母親の意識の変化を危ぐする声がございます。
例えば、出産後間もない時期に母親から、授乳中で友達と飲みに出かけられないとか、乳幼児を連れてカラオケルームへみんなで遊びに行くとか、深夜のファミレスで長時間乳幼児を連れてくつろぐなどです。
おむつ交換や授乳が頻繁に必要な乳幼児期前半には、安全で静かな環境に子どもを置くことが健やかな成長には必要でございまして、この時期の外出は、買い物や親のレジャー等、人込みの多い場所へ同行することによる感染の危険ですとか、安眠の妨害は避けるべきという考えで、育児支援、指導を行っております。そのような観点から、赤ちゃん連れの外出を積極的に支援する施策というのは考えにくい状況でございます。
そういう前提で、本市の赤ちゃんの駅の機能の状況ですが、おむつ交換、授乳スペース、調乳用のお湯の提供という三つの機能を持った施設は、市
子育て支援センター15箇所を始め、子育てサロン17箇所を含む交流館27箇所、公立こども園67園、合計109箇所が市内に点在し、既に満たされた状態であると感じております。
また、前述の施設を含めまして、乳児を連れた親子の利用が想定される市内公共施設180箇所を調べたところ、授乳できる場は168施設、対応率で93.3パーセントになります。おむつがえは172箇所、同96.0パーセントで対応可能でありまして、必要な施設は既におおむね対応できていると考えております。
ただ、これらは困った人があれば対応しますよという意味でございまして、積極的に外に向けて受入れるという意図はございませんので、施設玄関先での目印となる表示については整備されていない状況でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 今、答弁で、授乳中で友人と飲みに出かけられない、私も以前のように自由に飲みに行きたいとか、また、乳幼児を連れてカラオケルームにみんなで遊びに行くとか、また、深夜のファミレスで長時間くつろぐというような事例を出されましたが、赤ちゃんの駅の目的は、そのような自分の自由な時間を確保するための事業ではなく、あくまでも核家族によるやむを得ない外出先での子育て応援のためのものであります。
また、子どもが1歳ぐらいになれば、親子連れで外出するのは当然のことです。そんなとき使えるのが赤ちゃんの駅であります。そのため、全国的に広がっているものであります。本市も既に公共施設に赤ちゃんの駅が109箇所設置されているということが、必要なニーズであると判断されている証拠ではないでしょうか。その赤ちゃんの駅をわかりやすく表示するというものが赤ちゃんの駅の事業の目的でございます。その点についてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) やむを得ない外出への応援策という趣旨は理解しております。しかし、乳幼児健診、育児相談などからかいま見える昨今の母親の言動から、子育てのためには自身が我慢しなければならないこともあるという意識が薄れていることを痛感しておりまして、額面どおりの利用ばかりかどうか、懸念を持っております。
したがいまして、先ほどの箇所数も困ったときの備えとしては対応いたしますが、積極的には表示や呼びかけはしないことのほうが得策ではないかと考えます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 先ほどの答弁で、調乳のためのお湯の提供可能な施設については答弁がありませんでしたが、乳児を連れた親子の利用が想定される市内公共施設180施設のうち何箇所が、調乳用のお湯の提供がされているのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 170施設、対応率で94.4パーセントでございます。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) わかりました。
それでは、今後の取組についてお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) さきに述べましたように、赤ちゃん連れの外出を積極的に支援していくということは考えにくいところでございますけども、そもそも施設本来の目的として、親子での利用が多い施設には整備していく考えでございます。具体的には、本庁南庁舎に専用の授乳室を新たに設けるよう準備しているところでもございます。
今後も、子どもにとってどのような子育て環境が最適であるかということを見きわめまして、例えば託児を活用した大人だけでの外出やリフレッシュの勧めなどの啓発に努めていきたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 今、本庁の南庁舎に設置ということをお聞きいたしまして、本庁には乳児を連れての来訪者も、すごく皆さんいらっしゃいますので、皆さんが使っていただけるようなわかりやすい場所に、また、表示もつけていただければ、なおありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、中項目4点目、子育て支援マップについてお伺いいたします。
子育て支援マップ、ウエブでの情報提供について。
先日、ヤングパパから、休みに1歳未満の子どもを連れて買い物に行きたいが、赤ちゃんの授乳やおむつがえができる施設がどこにあるのかわからなくて非常に困っている、そんな施設のマップはありませんかと尋ねられました。子ども家庭課に問い合わせましたが、市ではつくっていませんが、わくわく事業で制作した平成22年度版があるということでお渡しいたしましたところ、とても喜ばれました。
こども未来財団が実施した子育て中の母親外出実態調査によると、いろんなところに積極的に外出したい、不安なく行ける場所であれば外出したいが計97パーセントと、外出意欲は高いのが実態でございます。
子育て支援センターや子育てサロン、授乳やおむつがえができる(仮称)赤ちゃんの駅が載った子育て支援マップやウエブでの情報提供は、ヤングママ、パパにとってはぜひとも必要であると思います。外出先での携帯電話からも利用できるサービスであれば、なお便利でありますが、お考えをお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 子育て支援に関する情報でございますけれども、受け手の年齢層を考えますと、紙での情報だけではなく、IT機器を駆使すべきとは承知しております。
子育て総合支援センターでは、毎月、子育てに関するメールマガジンを登録者950人余に配信しているところでございます。また、紙情報ではございますけども、市内全域と地区別子育て支援マップを掲載いたしました子育て応援ハンドブックを、すこやか親子手帳交付時に全妊婦に配布して、妊娠期からの各種の子育て支援サービスの情報を提供しているところでございます。
電子化についてでございますけども、市のホームページでは、とよたiマップという地図情報を統合した既存の仕組みはあり、子育て応援ハンドブックに記載された市内全域と地区別子育て支援マップを、この中に組み込むことは技術的には可能でございます。
しかし、マップをウエブに掲示した場合、高機能携帯電話については問題ございませんけども、通常の携帯サイトでは、情報量的に閲覧が困難であったり、利用者の料金負担の問題などもございます。加えまして、求められたようなものは、このハンドブックの子育て支援マップの情報以上の施設と、その施設ごとの機能でございまして、膨大な情報を収集し、メンテナンスしていくことは容易ではなく、費用ですとか、使い勝手等からも克服すべき課題は多く、子育て支援サークルなどとの共働も含めまして、研究課題としてまいりたいと思います。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) よろしくお願いいたします。
次に、大項目2、子どもの健康・安全対策についてお伺いいたします。
中項目1点目は、通学路整備についてお伺いいたします。
本市は、マイカーなどで渋滞が慢性的であります。特に朝夕の通勤時には、子どもたちの通学路や生活道路、また、あるいは農道にまで通勤カーが入り込み、登下校中の児童・生徒が危険な状況の地域がございます。児童・生徒の通学路の安全対策は最優先の課題であり、万全な対策が必要であることは言うまでもありません。
以下、通学路整備についてお伺いいたします。
1点目ですが、藤岡南中学校の通学路の整備についてお伺いいたします。
特に藤岡地区では、児童・生徒が朝夕、遠距離の通学をしております。国道419号沿いはダンプカーの走行も多く、見通しの悪い危険な箇所も多くございます。藤岡地区は、本年4月に藤岡南中学校が新設され、木のぬくもりと太陽光発電、壁面緑化や中庭の芝生化など、環境に配慮された中学校として注目も集めております。
遠距離通学は多少緩和されましたが、通学路の安全整備についてはどのような状況であるのか、現在の整備状況と問題点についてもお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 中島学校教育部長。
○学校教育部長(中島敬康) 教育委員会では、藤岡南中の開校前より指定される通学路を点検し、地元と協議を重ねながら、必要な整備について検討してまいりました。市道に関しては、開校までにおおむね整備を整えております。
ご指摘いただいた深見町方面からの通学路となる国道419号の歩道及び交差点等の整備がまだ必要であると考えております。また、藤岡南中学校、中山小学校が通学路としている農道の一部が通勤車両等の抜け道となっており、安全性の確保のための改善が必要であるとも認識をしております。
今後も、地元の皆様のご理解、ご支援、地元学校とともに早期の整備や改善を目指し、国や県など関係機関に対し継続的に要望を伝えてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) よろしくお願いいたします。関係機関に要望を伝えていただくことも、もちろん重要だと思いますが、未整備の通学路に対しては早急な対策をとっていただき、中学生の安全確保に努めていただくことを要望いたします。
それでは2点目、通学路の危険箇所対策についてお伺いいたします。
先日、私の地域ですが、深見町鳥目地区で横断歩道を渡っていた高校生が交通事故で亡くなるという痛ましい事故がございました。藤岡地区の飯野小学校区では、危険箇所がすごく多くて、自宅から通学団の集合場所に向かうまで歩道もなく、横断歩道もなく、もちろん信号もない見通しの悪い国道を横断していかなくてはいけない箇所もございます。そのため、保護者が朝夕毎日立ち会って、旗を出して横断をサポートして、集合場所まで引率しております。
このような危険箇所の状況については、本市はどのように把握されているのか。また、どのような対策を今後とられていくのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 中島部長。
○学校教育部長(中島敬康) 藤岡南中学校を始め、各学校では定期的に通学路の安全点検を行っております。教育委員会も、学校から提出される
通学路整備要望書の集約により危険箇所を把握している次第であります。また、教育委員会主催による通学路整備推進委員会を開催し、各整備要望を関係機関に伝達し、その対応について進めており、連携しているところであります。
今後も、学校からの通学路整備要望に基づき速やかな整備の実現に努めるとともに、保護者の皆様や地域の皆様の協力を得ながら、児童・生徒の安全な登下校のために努めてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) よろしくお願いいたします。子どもの安全を最優先するために、このような危険箇所については速やかな改善対策を優先的に取り組んでいただけますよう、さらに要望いたします。
次に、中項目2点目、防災の取組についてお伺いいたします。
始めに、防災教育について伺います。
東日本大震災を受け、学校での防災教育の重要性が再確認されております。岩手県釜石市は今回の震災で甚大な津波被害を受け、死者・行方不明者数は1,200人を超えましたが、学校管理下にあった約3,000人の小・中学生は1人の犠牲も出すことなく、全員が無事に避難することができ、釜石の奇跡として全国から注目を集めております。釜石市では、津波防災教育の3原則として、一つ、想定を信じるな、一つ、ベストを尽くせ、一つ、率先避難者たれと教えております。また、避難訓練においても、中学生が小学生の避難を手助けする合同避難訓練を実施しており、今回の震災でも釜石東中学校の生徒が小学生や保育園児の避難を手伝い、多くの命が救われたことは実践的な訓練のたまものと言えます。
避難訓練は、形式的になりがちですが、実践に即した訓練が行われることが重要であり、自分の命は自分で守るとの自助意識を高める防災教育の実施の取組が重要であると考えます。
近い将来発生が予測されている東海地震に備え、また、本市は水害なども多い地域であります。地域に即した防災教育を広め、被害を最小限に抑えることが重要であると考えます。
防災教育は、この大震災を受けた教訓を生かした、今後どのように、その防災教育に取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 中島部長。
○学校教育部長(中島敬康) 児童・生徒が、自分の命は自分で守る力を育成するための防災教育は、各学校の防災教育計画に従って、学校全体での避難訓練を年間3回から4回、学級活動を利用しての指導を年間五、六時間程度行っております。こども園での防災教育は、こども園の防災教育計画に従い、火災時及び地震時を想定した避難訓練を毎月1回実施しております。
このたびの震災を受けて、災害状況の想定を見直し、都市部や山間部等、それぞれの学校が置かれた状況に応じた取組が今まで以上に行われるようになりました。例えば、こども園と小・中学校による合同の迎え訓練や、自家用車を使用しない迎え訓練、堤防が決壊した場合の避難方法の検討など、さまざまな事態に対応した内容になっております。
今後も、ご指摘のように形式的な避難訓練や防災教育にならないように、各学校の置かれた環境など実情に合わせ、実効性のある内容を目指すよう指導してまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 防災教育を受けた子どもたちが大人になり、親になり、地域防災のリーダーに育つことが必要であると思います。その意味でも、新たな防災教育のさらなる取組をお願いいたします。
次に、小項目2点目、東京の杉並区の保育園では、災害時の緊急避難シミュレーションを細かく説明した「子どもを地震から守る」という冊子を作成しています。いざ災害が起こったとき、だれもがパニックになりますが、日ごろの訓練と緊急時の対応がしっかり構築され、かつ保護者、児童・生徒も理解、しっかり把握をしていれば、的確な行動ができると考えます。本市のこども園、小・中学校の危機管理マニュアルについてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 中島部長。
○学校教育部長(中島敬康) 小・中学校では、毎年4月に前年度の評価・検証をした上で、新たな危機管理マニュアルを作成しています。特に本年度は、先ほども申しましたように東日本の大震災を教訓に、災害による被害状況の想定を見直して作成するように指示し、4月中にすべての学校で作成が終了しております。
また、こども園では、保育課が地震防災対策マニュアルを必要に応じて改定し、こども園に配布しております。各こども園は、それに基づいて役割組織、緊急連絡網を作成し、職員室に掲示するとともに、保護者に周知しております。
子どもたちの保護者への引き渡しについては、こども園、小・中学校ともに緊急時に子どもを確実に保護者に引き渡すことができるよう、児童引き渡しカードなどを年度当初に作成し、実際にそのカードを活用した引き渡し訓練を毎年度実施して、万一の場合に備えております。
小・中学校では、年度当初に保護者に対して台風、地震等の緊急時の対応マニュアルを配布し、緊急時対応の共通理解を図っております。さらに、各学校のホームページに緊急時の保護者向け対応マニュアルを掲載するように指示しておりまして、緊急時の対応方法がいつでも確認できるように準備をしております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) よろしくお願いいたします。
それでは、中項目3点目の、熱中症予防対策についてお伺いいたします。
ことしの夏は、6月下旬より暑い日が続きました。そのため、記録的猛暑と言われた昨年を上回るペースで、熱中症の発症も全国的には増え続けました。総務省消防庁調べで、6月の熱中症搬送者数は6,980名で、昨年の約3倍に上りました。7月の熱中症による救急搬送人員も1万7,963人で、昨年7月と、これはほぼ同数でございましたが、一昨年の7月と比較すると3.39倍となっており、着実に増加している傾向が見られます。
本市の学校現場での熱中症予防対策についてお聞きいたします。
始めに、学校現場での熱中症例があったのか、その熱中症の実態についてお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 中島部長。
○学校教育部長(中島敬康) この夏に行われました小学校のブロック水泳大会、球技大会、さらには中学校における総合体育大会において、児童・生徒の熱中症による救急搬送はありませんでした。また、体育の授業を始め、ふだんの学校教育活動における熱中症による救急搬送や大きな事故の報告も入っておりません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) それでは、2点目、学校での熱中症予防に対しての指導はどのようにされているのか。また、ガイドラインの作成はどのようにされていらっしゃるのか、お聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 中島部長。
○学校教育部長(中島敬康) まず、学校での予防対策についてお答えします。
各学校では、全教職員による研修会を持つことで共通理解を図り、熱中症の予防対策に取り組んでおります。学校生活の場面では、児童・生徒の様子や室内の気温、室外の気温を把握し、定期的に水分補給をするように指示をしたり、部活動の時間を縮めたり、休養を多目にとったりするなどの対応をしております。また、保護者の皆様に対しても、家庭で起こり得る事態として、熱中症に対して正しい知識や予防策を知ってもらうために、学校・学年・学級・保健通信などを活用して呼びかけております。
それから、学校でのガイドラインについてお答えします。
6月に文部科学省から、例年以上に熱中症が起こりやすいということで、熱中症事故防止のための措置を求める通知がございました。その通知に基づき、文部科学省が作成した熱中症予防のためのガイドラインを含む資料を各校に配布し、適切な対応をするように指導をしたところでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 3点目の現場での予防対策も、今、答えていただきましたので、次、4点目の施設面での予防対策についてお聞きいたします。
熱中症の症状のあるときなどに静養する場となる保健室へのエアコン設置の状況について。また、普通教室への扇風機設置についてはどのように考えられていらっしゃるのか、お考えをお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 倉橋教育行政部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 保健室へのエアコン設置につきましては、平成5年度から開始して、平成21年度までにすべての小・中学校に取りつけを完了しております。また、普通教室への扇風機設置につきましては、今年度の教育委員会点検・評価、この中で、今後の計画的な設置に向けて検討を進めているところでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 学校での熱中症予防対策も、多くの保護者からの要望がございます。学習効果を高めるためにも、授業中の事故を防ぐためにも、ハード面での暑さ対策もぜひ必要かと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、中項目4点目の子宮頸がん予防ワクチンについてお伺いいたします。
本年度、子宮頸がん予防ワクチンの助成が、中学1年生から高校1年生を対象に実施されることになりました。しかし、全国的なワクチンの供給不足によりまして、今、接種が少し見合わされているということも聞いております。
1点目は、現状についてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 国の子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業が開始されたことを受け、当市では平成23年度から、子宮頸がん予防ワクチン始め3種類の任意ワクチン接種に対する豊田市子宮頸がん等ワクチン接種事業を実施しています。
子宮頸がん予防ワクチンについては、中学1年生から高校1年生相当の4学年の女子が事業の対象者ですが、今年度については、年度当初から全国的にワクチンの供給量が不足したため、国の通知に基づき、対象者への接種案内の通知を見合わせていました。その後、国からの再度の通知に基づき、ワクチンの供給量の確保が確認された時点で、まず、7月中旬に高校1年生相当の女子に対して、続いて、7月下旬に中学校3学年の女子に対して、順次、接種案内を個人通知しました。
当初、事業の対象となるワクチンは、サーバリックスという1種類のみでしたが、新たに承認され、8月下旬から発売されたガーダシルというワクチンが9月15日から事業の対象ワクチンとして追加されます。このワクチンが追加されたことにより、さらにワクチンの供給が安定し、接種率の向上につながるものと考えています。
また、当市のワクチンの接種状況ですが、7月の接種案内発送後、同月末までの約2週間での接種件数は約300件です。なお、8月分はまだ未集計です。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) それでは、新しいワクチンが承認されたということですが、このサーバリックスと、新承認されたガーダシルの違いについてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) この二つのワクチンには、2回目の接種時期に違いがあります。サーバリックスは、最初の接種の後1か月後に、ガーダシルは2か月後に2回目を接種します。ただし、3回目の接種は、どちらも最初の接種から6か月後です。
また、サーバリックスは2価ワクチン、ガーダシルは4価ワクチンと、成分上にも違いがありますが、国のQ&Aによれば、いずれも、子宮頸がんなどの原因となる高リスク型のヒトパピローマウイルス16型及び18型に起因する子宮頸がんに予防効果が認められています。
なお、この事業では、どちらのワクチンでも自由に選択できますが、合計3回の接種とも、すべて同じ種類のワクチンで接種しなければなりません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) それでは2点目ですが、接種の見合わせによって課題も起きていると思いますが、その課題についてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 現行では、国及び当市の事業は平成24年3月31日までの接種分に適用されます。
子宮頸がん予防ワクチンは合計3回の接種が必要で、その接種期間は最短でも6か月です。このため、今年度の事業を活用して合計3回の接種を完了するためには、遅くとも9月中に第1回目の接種を始める必要があります。しかし、ワクチンの供給のおくれにより接種開始可能時期が7月となったため、3回すべてを今年度中に完了するためには、少し期間が短いことが課題であると考えています。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) それでは、次に、その課題に対してどのような対策をとられるのかお聞きいたします。
ワクチンの品薄状態が解決されても、接種率が20パーセント程度という情報もあります。対象の家庭や本人にしっかりした周知徹底が重要ですが、その対策はどのように考えておられるのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) この事業は今年度からの新たな事業であり、接種率の向上を図るため、これまでも対象者には接種案内を個別に通知し、また、広報やホームページでの周知を図ってまいりましたが、早期の接種を勧奨するため、対象者へのさらなる啓発に努めます。
具体的には、教育委員会と連携して、中学校を通じての勧奨チラシの配布や、高校1年生相当の方への個別の勧奨通知の送付を行います。また、エイズや性感染症予防教育とあわせて、ワクチン接種の重要性を普及啓発していきます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 鎌田議員。
○13番(鎌田ひとみ) 期間を過ぎての接種は個人負担となるということですので、9月末までには1回目の接種がどうしても必要であります。しかし、接種期間が大幅に短くなってしまったことで、対象者の体調不良や、そういう期間内にどうしても接種が不可能な場合も考えられます。その場合は、何とか本市にとっても特別な措置がとっていただけますよう、よろしく要望いたします。
以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 以上で13番、鎌田ひとみ議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 暫時休憩します。再開は午前11時15分とします。
休憩 午前11時07分
再開 午前11時15分
○議長(河合芳弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。
36番、庄司 章議員。
○36番(庄司 章) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告してあります項目に沿って、順次質問をさせていただきます。
先ほど鈴木市長は、はっきりと4選出馬はないということで表明されまして、私の質問も少し気合いが抜けたかなというところもありますが、頑張ってやっていきたいと思っております。
日本列島に大雨被害をもたらしている大型台風12号の影響が本日も残った中での議会開会であります。けさのNHKニュースでは、死者24名、行方不明者54名と、2004年の台風23号以来の最悪の被害になっているというニュースがありました。その全容がまだ把握できていないようであります。また、政府も非常災害対策本部を内閣府に設置されたそうであります。特に和歌山県、奈良県、三重県の被害がひどく、雨の降り始めから1,000ミリメートル以上降った箇所も7箇所もあり、想像を絶する雨量であります。
東日本の大震災、大津波、そして今回の大型台風と、自然エネルギーは想像を絶するものがあります。私たち豊田市においても、豊田市地域防災計画の早期見直しと、市民の皆様には災害への備えを改めて見直す必要があると教えられたようであります。亡くなられた方のご冥福と、行方不明者の方の1日も早い救助、あるいは発見をご祈念申し上げます。
さて、私は市民フォーラムの代表として、大項目1点、市政運営について、本市の継続的発展のため、市長の思いを伺わせていただきます。
平成12年2月に鈴木市政が大荒れの海原に船出をしました。豊田そごう、豊田サティの撤退に伴う再生、9月の東海豪雨への対応、産業廃棄物処理施設問題等。しかし、現場主義に基づく巧みな操作により難局を乗り越えながら、民間経営感覚も取り入れた
行政経営システムの立ち上げ、豊田加茂8市町村合併研究会の運営、または、放課後児童健全育成事業の推進など、数々の諸課題に対し、的確に対応されてまいりました。
また、2期目には、近隣6町村との合併、都市内分権の確立、少人数学級への取組、農ライフ創生センターの設立、おいでんバスの運行、2学期制の導入等、リーダーシップを発揮され、時には英断を下し、また、将来の豊田市像を描き、公平公正な市政経営を常に念頭に置き、豊田市のまちづくりの先頭に立ち、進められてきました。
平成20年2月3日には3度目の当選を果たし、3期目の市政経営にあたり公表したマニフェストに、みんなでつくる!元気で幸せなまち・豊田をコンセプトに、子育ちを支える、安心なまち、新たな発展への3本の大きな柱と10点の具体的項目を挙げられております。
私ども市民フォーラムは、毎年度、政策予算要望書を提出するにあたり、マニフェストに基づいた要望事項を洗い出し、前年度の要望内容と結果の評価を行い、次年度の要望内容に結びつけています。
そこで、中項目1点目は、マニフェストの進ちょく状況と課題について、我々市民フォーラムが要望してきた内容に沿ってお伺いします。
鈴木市長は、子育ちを支えるの考えのもと、幼保一体化への先進的な取組、中学生までの医療費の無料化、市独自の少人数学級など、他市に先駆けた取組を行っていただきました。次世代を担う子どもたちに主眼を置いた施策として、私ども市民フォーラムとしても大いに評価をさせていただいております。加えて、今夏の電力安定化に向けた自動車産業の休日変更に対しても、子ども第一に考え、早急に対応いただいたことに感謝申し上げます。
この項では、七つの施策について私どもの考えを述べさせていただき、質問をしてまいります。
まず1点目は、少人数学級の拡大についてであります。
これまで、小学校1年生から3年生、中学校全学年と、国、県より先駆けて実施していただきました。これは、近隣の私たちの仲間から常にうらやましがられている施策でもあります。生徒、保護者、教育従事者からの評価も高く、よりきめ細やかな教育実現に向けて順次拡大を望むところであります。
次に、放課後児童の居場所づくりについてであります。
放課後児童クラブの対象年次の順次拡大は、今年度の夏休みに4年生までの受入れを試行的に実施し、検証を行った上で4年生以上への対象拡大を決定するとの回答は、長年の要望が一歩前進したと評価します。働く市民からの要望も強く、引き続き全学年への運用拡大を望むものであります。
地域子ども居場所づくり事業の推進についても述べさせていただきます。
地域と共働で進めたいとの理念は評価するものの、放課後児童クラブとも合わせた地域での放課後児童の居場所づくりが理想であります。地域間の連携強化、運営の一本化などの課題は多いと思われます。しかし、小学校1箇所を設置の基本として、行政サービスとして取り組むことが実現の近道と確信をしています。子どもにとって一番有益な、子どもが主役の居場所づくりの検討を望むところであります。
次に、医療提携体制の確保・充実についても述べさせていただきます。
読む救急箱、見る救急箱の活用、市民へかかりつけ医、機能分担との連携など、市民の適正な受診行動に向けた啓発活動の推進は評価するところであります。また、四つの基幹病院への補助のほか、医師会の病診連携や公益活動への支援など積極的な予算措置は、引き続き注目していきたい課題であります。
この項で気になるところが、豊田地域医療センターの再整備についてであります。
新・豊田地域医療センター基本構想では再整備の基本的な方向を示しており、今後も豊田市地域医療センターが、市民の健康を支える基幹病院の一つとして安定した医療提供体制の整備が求められています。再整備の早期決定が必要であると考えます。
次に、防犯・防災についても述べさせていただきます。
豊田警察署は、全国1,184署ある中で、犯罪発生件数3年連続ワーストワンという不名誉な記録をつくりました。このような中、警察署の早期建てかえのため、自治区長を中心に署名活動、県への要望活動など市と市民の連携活動によって、平成27年完成を目標に調査費用が3,700万円、県の6月議会で補正予算として計上され、警察力の増強については一定のめどがついたところであります。
本市としても深夜巡回パトロールの継続実施を行っていただき、犯罪件数も減少していることは大いに評価するものであります。引き続き第3次防犯活動計画の推進を図り、継続性のある施策を望むところであります。
また、防災活動においては、防災行政無線の活用など自助・共助・公助の推進の施策が行われていることは評価します。ことしの3月11日に発生した東日本大震災、大津波においても、災害発生時、復興時による自助・共助の重要性が再認識させられました。自助・共助の考えを広く市民に啓発するために、1年を通じ防災に関する情報を発信する施策が求められています。
次に、交通事故死傷者数削減に向けた取組についても述べさせていただきます。
平成22年供用開始の交通安全学習センターは、体系的・体験的に楽しみながら学び、多くの市民に利用されています。しかし、本市では高齢者にかかわる事故が増加傾向にあり、課題と考えます。また、市内幹線道路において事故多発交差点を順次整備していただきましたが、新たな新整備計画の推進が望まれます。
豊田市都市交通研究所が取り組んだ見通しの悪い生活道路の交差点のカラー化など、多くの社会実験で成果を上げた施策を織り込んだ計画を望むものであります。
次に、雇用・労働・中小企業支援についてであります。
我々市民フォーラムは、公契約条例の制定を要望してまいりました。残念ながら条例制定には至りませんでしたが、中小企業や労働者への利益配分等、実質的に要望内容を踏まえた基本方針が策定されたことを大いに評価させていただきます。
また、新規産業の開拓に向けた積極的な誘致については、企業誘致条例の活用で、製造業、次世代産業の立地誘導、雇用の拡大を推進するという面は評価しますが、戦略性、スピード感等の不足を感じます。
最後に、定住の促進についても触れておきます。
この定住施策については、我々市民フォーラムにとっても重点施策の一つであります。過去に何度となく一般質問もさせていただきました。本市が持続的に発展をし続けるためにも、重要な課題ととらえております。
現在、鉄道駅周辺等における土地区画整理事業の促進や街なか居住の推進、中山間地における定住化の推進等、施策を展開中でありますが、市街化調整区域における地区計画等への支援不足が感じられます。
以上、7施策について私どもの考えを述べさせていただきましたが、これらの施策の状況と評価、その施策への市長の思い、課題についてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) マニフェストということもありまして、そのうちから7項目それぞれにご質問をいただきました。順次それぞれにお答えをさせていただきたいと思います。
まず、少人数学級でございますけれども、逐次拡大ということで、現在、小学校4年生から6年生を除く全小・中学校に対しての少人数学級を拡大させていただきました。これもご理解をいただいて取り組めたと思っておりまして感謝しておりますが、現在までの実施状況につきましては、教育委員会のほうからも的確な成果が上がっているという報告を受けておりますので、中学校は全部実施させていただきましたが、今後も、残る小学校4年生から6年生について、財源の状況も見ながらですが、順次拡大をしていく必要があるという認識で、今、取組をさせていただいております。
それから、二つ目の放課後児童の居場所づくりでございます。
かねて拡大への要望があることは十分承知をいたしているところでありますが、現在のところは3年生までということでやっております。この夏休みに、4年生の受入れにつきまして試験的に実施をさせていただきましたので、まだ、この結果の検証について私は聞いておりませんが、恐らくは拡大の方向になっていくだろうと思っております。
一番の課題は指導員というか、その場でそれぞれの児童・生徒に対する対応をしていただくスタッフの確保ということがございます。施設の分野もありますが、どちらかというと、そちらのほうが大きいと思っておりますが、それらの課題も解決する方向で検討を加速させるように努力をしていく必要があると思っております。
続いて、豊田地域医療センターの再整備でございます。
4年間の任期が今年度で終わるという私にとりまして、最終結論が出し得なかったことにはいささかの思いもございます。さまざまな課題が余りにもたくさんあったということでございまして、少々弁解めきますが、お話をさせていただきます。
まずは、全国的な医師の大都市への集中と地方における医師不足という、これがいまだに解決しないということがございます。地域偏在が常態化する中で、本市におきましても、必ずしも医師が充足しているわけではございません。この医師の確保、医療スタッフの確保ということを踏まえながら、新しい地域医療センターの機能をどうするかという検討を進めさせていただいてまいりました。
それにつきましては、後ほど少し申し上げますが、私は、この豊田市における、西三河北部医療圏ですから、みよし市も入りますけれども、地域医療のあり方については、ずっと懸念を抱きつつ、取組を進めさせていただいてまいりました。これは議員もよくご承知のことかと思いますが、一番懸案となっておりましたのが、救命救急センターという機能がなかったということがございます。いま一つは、地震のおそれもある中で、災害拠点病院もなかったということがございまして、これにつきましては、公的医療機関である加茂病院にその役割を担ってもらって、そのために移転し、整備をする必要があるという方向で取組をさせていただいて、これにつきましても、おかげさまでそれぞれの機能を拡充する中で、今日、医療を別の場所で整備が完了しまして、やらさせていただけております。
あわせて、今年度からですが、中山間地域の僻地医療という分野で、これはまた大きな課題になっておりますことも、ご承知のとおりでございます。医師不足が色濃く反映している中で、中山間地域におきましては、日常の地域医療に支障が出ているということがございまして、これを基本的に確保していくためには、足助病院にその機能を担っていただくということが最も現実的だし、重要だという思いの中で取組を進めてまいりまして、この再整備にかからさせていただきました。
それぞれ進めさせていただく中で、あわせて豊田地域医療センターをどうするかということでございます。現在、一定の機能を4基幹病院の一つとして果たしておりますから、現在地で格別の問題があるというわけではないと思います。施設の老朽化だとか、あるいは、これからの地域医療のあり方を目指して、公的医療機関としての豊田地域医療センターの役割をさらに充実させるという、そういうニーズがあるということは、もう間違いないことだということでありますので、それにつきましても引き続いて検討し、新たな整備を進めていくという、この段階に来てるということで取組をさせていただきました。
これほどに医療圏の中における医療施設を公的関与の中で進めてきた市は、ちょっと自慢めきますけど、豊田市以外にほかにあるだろうかと思うぐらいだと私は思っております。この豊田地域医療センターの機能の充実と新たな施設整備が完了すれば、相当、豊田地域における地域医療のシステムというのは誇れるものになるのではないかと思います。
そんな中で、これまで議員もご案内のことかと思いますが、医療対策懇話会のご提言もありましたし、基本構想も踏まえていただきましたので、今年度から取り組んでおりますのは医療環境調査、実際の面で、段階を経てやっていく部分もあると思いますので、実際の面でどのような機能を当初付加するかという。あるいは、その規模ですね。規模というのはかなり大事でありまして、施設規模というよりは全体の将来を見据えた、土地なども含めた規模が必要でございます。例えて言いますと、現在の医療センターで再整備しようと思いますと、あの足助病院と同じように、診療を行いながら建物を壊してつくるみたいなことしかできないという点では、やっぱり支障があると思っておりますから、そういった点も視野に置きながら検討していく必要があるということで、今、やらさせていただいております。
いささか、いろいろ説明が多くなりましたけれども、さらにまた今後、医療側というか、医師会を始めとする方々との意見交換もさせていただかなきゃいけないということで、より詳細な検討をさせていただくということで、当面、私の念頭には、関係各位の協議を踏まえていきますと、来年度、次年度が最終めどかなというところでございますので、その辺でぜひ取組が進むように、残る任期、頑張ってみたいと思っているところでございます。
それから、防犯・防災についてでございます。
まず防犯でございますけれども、豊田市は刑法犯認知件数が多いということを言われておりまして、大変残念に思っておりますが、平成21年からの3か年計画といたしまして、第3次防犯活動計画を作成して、現在取り組んでいるところでありますが、とりわけ市民の皆さんと共働して行うということが大事だということで、その辺を重点に取組を進めさせていただいておりまして、おかげさまで、これによって平成22年の犯罪件数、これは平成21年から平成22年、3か年ですので、ちょうど中間点ですが、平成22年の犯罪件数では、過去6年のうちで最も少なくすることができたということでございまして、関係の方々のご努力、そのたまものと思って感謝しております。
しかしながら、本当に残念ですが、本市は自動車に関連する窃盗事件がとりわけ多いという特徴がございます。これがまず課題でございますので、これを減らさないと、どうしても全体の防犯の実績が上がらないということがございます。これにつきましては、警察と連携もしっかりして、取組を今、進めておりますが、何よりも市民の皆様のご協力が必要かと思っております。
さらなる対策を進め、抑止に努めていかなければいけないと、今、思っているところでございます。
それから、災害に関してですけれども、東日本大震災がございましたので、今、防災に関する意識が非常に高いときですので、この機会にさまざまな対策を改めて考え直して、手を打っていく必要があるし、それが非常に効果的な時期だと思います。
とりわけ、当市は過去水害による被害が多く発生をいたしました。今回の台風12号、それから、先般起きました台風も市内において、そんなに大きくはございませんでしたけれど、水害についての不安もありましたし、被害も発生しております。
そうしたことがありますので、水害に関する対策として、現在、安永川の内水排除ということで、大規模な事業ですが、取り組んでおりますが、逢妻女川や逢妻男川の改修を始めとして、河川の改修整備が必要だと思っております。ここのところが非常に重要でございます。これまで幾つかの対策を講じてまいりました。特に東海豪雨の経験を踏まえた対応を幾つかさせていただきましたが、さらにその辺はやっていかなきゃいけないし、地震に関する事柄につきましても、今回9月補正でお願いしておりますが、やっぱり民間の耐震の事業も含めて進めていかなければいけません。
なお、議員も指摘されましたけれども、これからの豊田市の防災計画の中で、公助という分野に加えて、市民の皆様のお力もいただく、企業の皆様のお力もいただくという中で、自助や共助というこの重要性について、再度皆さんでご議論をいただいて、あり方について見直しをしていく必要があるのではないかと、今はそういう気持ちでおります。
次に、交通死亡事故に関してでございますけれども、第8次豊田市交通安全計画では、20パーセントの削減を目標にいたしましたけれども、おかげさまで28パーセント減少させることができました。今後の計画も、これにつきましても同様に、交通安全市民会議を始めとする市民の皆さんとの共働する活動の展開が何よりも効果的でございます。あわせて、交差点の整備や、あるいは公共交通の充実、渋滞対策も必要ですので、こうした面につきましても相互に連携を深めながら、着実な推進を図っていく必要があると思っております。
雇用、中小企業についてお話をいただきました。
お話がありましたとおり、産業の立地誘導や雇用の拡大については、いわゆるスピード感、これが必要だというお話をいただきました。そのとおりだと思っております。企業のニーズに的確に対応できるように、私どもはさらなる情報収集への努力をしなければいけないと思いますし、それに対する迅速な対応が必要だと思っております。
企業立地マッチング事業なるものを立ち上げました。こういうものの取組が、さらにこれからは重要視されると思っております。また、今は、ご案内のとおり工場用地の造成も行っておりますし、下山地区の研究開発施設の立地にかかわる作業、これらを取り組んでおりますが、いずれもほぼ順調に進んでいるということを、この際申し上げておきたいと思います。
最後に7点目、定住の促進についてでございますけれども、市街化調整区域における地区計画について、私の見解を求められました。
平成20年度からこの制度を採用し、以後4地区が決定をされて、事業が進んでおります。今年度は、さらに2地区が決定される見込みとなっておりますが、良好な住環境をどう担保するかという点が一つの課題でございますが、そうした点を踏まえながら、今後も市街化調整区域も一部含むでありましょう、豊田市における宅地供給の拡大、あり方については検討をしていくべきだと思っているところでございます。
以上でございます。
○議長(河合芳弘) 庄司議員。
○36番(庄司 章) 次に、中項目2点目、本市を持続的に発展させるための考えについてお伺いします。
本市の将来に向けたまちづくりを考えるとき、市長の過去の施政方針で、ひときわ印象的な言葉を述べられました。それは、就任2期目の最終年度、平成19年度の施政方針で述べられた、本市が将来とも力強く自立したまちであり続けることを目指すために、まちづくりに関して三つの新機軸が必要であるとの言葉であります。
その三つの新機軸とは、一つ目に、まちづくりの担い手の新たな展開であります。
力強くまちが自立するためには、市民力や地域力がより強力になる必要があるとして、共働によるまちづくりを推進すると述べられています。
二つ目は、都市基盤整備の新たな展開であり、環境の視点も踏まえ、まちづくりと交通政策とを一体的にとらえて、道路や公共交通のネットワークづくりを進め、その中で中心市街地や地域核などの整備を進めていくという考えに転換していること。
三つ目は、経済基盤の新たな展開であり、ここにも環境の視点を加えて、下山地区の研究開発施設を歴史的事業と位置づけし、最大限の努力を約束されました。
現在、この三つの新機軸をもとに、さまざまな施策を展開していただいております。
一つ目の新機軸では、平成20年度に都市内分権とあわせて、共働を推進するための地域自治システムを構築し、平成21年度では地域予算提案事業を開始し、平成21年度には23事業、平成22年度には52事業が実施されました。
また、二つ目の新機軸においては、これからの公共交通は社会資本の考えのもと、利便性の高い公共交通ネットワークの形成により、基幹バスでは14路線、地域バスでは16地域で実施していただき、10月より基幹バスが1路線増える予定であります。また、鉄道の高架事業についても積極的に取り組んでいただいております。
環境に配慮した公共交通の整備については、公共交通ネットワークの構築や地域バスの利用促進策等について高く評価させていただいております。
最後の三つ目には、豊田・岡崎地区研究所施設用地造成事業は着実に推進されました。下山地区地元の皆様、地権者の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げると同時に、最後まで難航した用地取得に頑張っていただいた職員の皆様に、感謝とお礼を申し上げたいと思っております。
今後は、アクセス道路整備の促進を望むところであります。
また、これからの成長分野の主流である環境分野にいち早く着目し、環境モデル都市や次世代エネルギー
社会システム実証地域に選定されるなど、愛知県だけではなく、日本を代表する環境リーディング都市として名乗りを上げました。本市の基幹産業である自動車産業の環境への取組や、本市の特性である広大な森林など、名実ともに環境リーディング都市として、今後の取組が日本中で注目を浴び、日本の元気につながるものであると考えます。
このように、成長分野に対する先見性を発揮されたことは、私ども市民フォーラムとしても大いに評価させていただいております。
平成19年度の施政方針は、新たな企画、工夫を加え、これまでの取組から方向転換した大きなターニングポイントであったと理解しております。これら三つの新機軸のさらなる取組が将来にわたって必要だと考えますが、市長の見解をお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) この三つの新機軸につきましては、第7次豊田市総合計画によります施策が平成20年度からスタートするということを前提にいたしまして、平成19年に申し上げたものでございます。
したがって、現在もこの趣旨は継続をいたしておりまして、本市が自主・自立の道をたどる以上、当分は変わることのないテーマではないかと私は思っております。
三つの新機軸として述べられましたように、まず、その一つのうちの地域自治システムにつきましては、持続的な地域社会づくりということを観点にいたしまして、その地域づくり、あるいは、行政への市民参加というものをシステムとして制度化していこうということで、取組をしてきたわけでございます。
地域住民が主役となるまちづくりを進めるという基盤をなすものという、そういう考えの中で取組を進めてまいりまして、現在、地域課題を見つけて、これを解決するための道筋が見えてきたかなと私は評価をし、感謝しております。
その二つ目につきましての都市基盤づくりにおける公共交通システムにつきましては、議員も述べられましたけれども、バスシステムが中心でございますが、これについては社会資本として位置づけるという、これは施策の、実は大転換だったんです。従前は、公益的な事業でありますけれど、収支を一つの評価のもとに置くというか、視点に置いた事業としてとらえてきておりますので、それを社会資本ということに置きかえたことによって、収支バランスをどうするかという観点は少し棚上げさせていただいて、そのほかの幾つかの地域づくりへの利点を評価の対象にさせていただくということでやらせていただきました。そのおかげをもちまして、公共交通基本計画も策定をさせていただいて、今日取り組んでおりますことに、これも大変感謝いたしておりまして、このバスシステム、地域バス、基幹バス、いずれも豊田市の、私は広域豊田市の血管をなすような、そういう役目を果たしてくれることを期待したいと思っております。
それから、これからのまちづくりをしていくための三つ目のことでございますが、これは下山地区で進める大規模な研究開発施設、これの取組を始めとする問題でございますけれども、これにつきましては、説明がありましたけれど、アクセス道路の整備は、まだこれから。現在、地域の皆さんのご理解もいただいて、鋭意進んでおりますが、それを含めて環境の整備、つまり、その他のインフラを含めた、あの周辺地域の環境整備も含めて大変重要なことでございますので、現在、国、それから愛知県と当市においてしっかりと、今、取組を進めております。いずれ近いうちに、しっかりとした方向づけの中で事業は進んでいくと思っております。
また、環境分野についてご見解をいただきました。本市は、政府から環境モデル都市、スマートグリッド実証都市への選定を受けたことはご案内のとおりでございまして、現在、政府の支援と企業の方々の参画で取組が進んでおります。おおむね5年後には一定の成果が示せるものと、そんな状況であるということを申し上げ、私は確信をいたしておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○議長(河合芳弘) 庄司議員。
○36番(庄司 章) それでは、中項目最後に、豊田市のリーダー像についてお伺いします。
鈴木市長は、1期目の就任以来、公正公平な市政経営を常に念頭に置き、平成13年6月に、行政運営体から行政経営体に変えるための
行政経営システムを策定されました。また、これに関連した行動計画や行政戦略プランも実践してみえました。豊田市制60年の中でも、歴史に残る大きな功績であると、だれしもが評価するものであります。
平成20年の後半には、世界的金融危機から始まった経済不況、それに加えた円高等により、右肩上がりで来た本市の財政状況も依然厳しいものとなってきました。そのような状況にあっても、平成21年には緊急経済対策本部の設置、生活相談窓口や雇用創出事業、信用保証料補助事業など、企業、市民に対する施策を打っていただきました。また、市政経営にあたっては短期経営方針を定め、事務事業の見直しなど支出の適正化を進め、市の財務体質の強化を図っていただきました。
このように外部環境が急激に変化する時代に、鈴木市長に本市のリーダーとして市政経営をしていただいたことは本当によかったと考えております。先ほど、杉浦議員の質問に対し4選不出馬を表明されましたが、この12年間に豊田市発展のために、ご尽力いただいたことに、心より感謝と敬意をあらわしたいと思っています。
最後に質問として、私たちの豊田市を将来にわたって発展させていくために、そのリーダーにどのような資質を求めるかお伺いしたいと思います。
我々市民フォーラムとしては、1、中立的な立場が明確で、公正公平な人。2、市民目線で市政経営のできる人。3、鈴木市政を継承しつつ、将来の活力ある豊田市づくりに向け、革新的に取組ができる人と思っております。
市長の思い描くリーダー像についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) 大変重たいご質疑となりましたが、私は、市長は政治家としての側面と、市役所の組織を統率して、まちづくりを始めとする事務事業をマネジメントするマネジャーとしての役割、市の経済や市民生活の実情に常に留意しつつ、そうしたことに照らして必要な施策が講じられるか、そういうことに対して必要なリーダーシップ力、そういうものが求められると理解をしてまいりました。
最近、政治家としての側面を特に強調される人物が目立つように感じることもありますけれども、私は、ただいま申し上げました各要件のバランスが大事だと思っております。一党一派に偏ることなく、目線の先に常に市民の皆様を置いて、市の将来像に向かって着実に市政を進めることが、今の豊田市にとって最も重要なことと考えてまいりました。
このため、私は全職員に対しては、仕事の心得として、一つ、公正。二つ、市民。3、現場。この三つを大切にするように常に指示をしてまいりました。そして、その実行を促してきたものという思いが今もございます。そうした思いも先ほど言いましたことのあらわれだと、私は自分自身で解釈をしてまいりました。
したがって、市民フォーラムを代表して述べられました庄司議員のただいまのご見解は、私としては大変うれしい限り、全く同感でありますことを申し添えたいと思います。
以上です。
○議長(河合芳弘) 庄司議員。
○36番(庄司 章) 12年、長年にわたって豊田市のトップとして市政経営にご尽力いただいたことに再度改めて深く感謝を申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 以上で36番、庄司 章議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 暫時休憩します。再開は午後1時といたします。
休憩 午前11時54分
再開 午後1時00分
○議長(河合芳弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。
26番、杉浦 昇議員。
○26番(杉浦 昇) 議長にお許しをいただきましたので、さきに通告してあります大項目3点。一つ、財政安定化に向けて。二つ、豊田市の産業復興振興策について。三つ、小・中学校、こども園の夏の暑さ対策について質問していきます。
2008年のアメリカのリーマンショックに伴い、ギリシャのバブル崩壊に端を発した欧州ソブリン危機等もあり、世界経済は停滞しています。さきの2010年6月、カナダ、トロントで開かれた主要20カ国・地域首脳会議、いわゆるG20サミットですが、ここで、焦点の財政再建問題について、先進国は少なくとも2013年までに財政赤字を半減させる、このような目標を盛り込んだ首脳宣言を採択して、閉幕しました。
財政赤字を3年という短期間で半減させるためにはどうするか。ざくっと言えば、歳入を増やし、そして、歳出をカットするということです。これを主要20か国が足並みをそろえて取り組みましょうと確認し合ったのです。よほどの特殊要因が生まれない限り、世界経済の回復は当面厳しい環境が続くと予想されます。
EUは、共通通貨ユーロの導入国には、年間財政赤字をGDPの3パーセント以下、政府債務残高を同60パーセント以下とするよう求めることにしました。放漫財政に走る国が出ると、ユーロの信認が揺らぎ、他の国も迷惑を受けかねないためです。
例えば、フランス政府はことし5月、増税などによって、今後2年間で財政赤字を120億ユーロ、日本円に換算しますと約1兆3,000億円余り、これを削減する政策を打ち出しました。イタリアやスペインも厳しい財政緊縮策を打ち出していますが、例えば、スペインは失業率が約20パーセントで、失業手当だけで赤字が増える状況であります。
また、アメリカにおきましては、ことし5月に連邦政府の債務残高の上限問題でごたごたし、結果、円高ドル安に振れました。過日、アメリカ議会予算局は、8月24日に最新の経済・財政状況に関する見通しを発表し、2012年度の財政赤字が4年ぶりに1兆ドルを下回るとの予想を示す一方、失業率は当面高どまりをし、経済成長は今後も穏やかなものにとどまる見込みだと指摘しました。
このようなもとでは世界経済の情勢は回復の兆しは見えず、日本国内の景気は、円高も重なり、ますます厳しくなるものと予想されます。将来の豊田市の財政に向けて、大項目1点目、財政安定化に向けて伺っていきます。
私ども自民クラブ議員団は、かねてより豊田市という地方自治体が経営感覚を備えた運営はどうなさるべきか、そのためには、行政、財政をどのように改革すべきか、さまざまな視点から一般質問や提言をしてまいりました。その中で常に大前提ととらえるのが歳入の確保、それも市民税の増強であります。
豊田市は、計画的に土地区画整理事業、あるいは、市街化調整区域では地区計画などで住宅地供給を含む都市基盤整備を進めてきました。ただ、今般、県条例で都市計画法第34条第11号、第12号が制定されました。豊田市としては対応いかんで、将来の豊田市の姿に多大な影響を受けることも心配されます。対応をどうするか重要な時期でもあり、質問していきたいと思います。
まず、中項目1点目、今後の財政見通しについて伺います。
震災後、原発事故は収束せず、歴史的な円高で経済の環境は厳しい中、小項目1点目、豊田市の今後の財政見通しについて伺います。
○議長(河合芳弘) 太田総合企画部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 昨今の円高や東日本大震災を受けまして、本市の基幹産業であります自動車産業、これにおきまして、国内外における生産拠点や部品調達の動向などが不透明な中、本市の今後の市税歳入の予測が困難となっております。また、社会保障と税の一体改革や補助金の一括交付金化など、本市の財政に大きく影響を及ぼします国の動向も不透明でございます。
よって、今後の財政見通しは不確定要素が多く、非常に立てづらい状況にございます。今後は、後期実践計画の策定過程におきまして、社会経済情勢や税制改正など、最新の状況を注視しながら見きわめ、財政見通しを立てるという、困難な作業になると考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 豊田市の現状における見通し、なかなか困難であるということを伺いました。
中項目2点目、市民税確保について。市民税の構成要因から確保策を質問していきます。
市民税の中で、法人税が豊田市の予算編成に大きな影響を与えてきたのは、ここ数年の実績で明白であります。今後の歳入確保・安定化に向けた施策展開は、従来以上に重要な視点と考えます。
企業の収益次第で大きく市の税収に影響する、小項目1点目、法人市民税の構成の確認をしたいと思います。
法人市民税は均等割と法人税割で構成され、均等割は、企業の規模に応じて最高で300万円となっており、法人税割が大きく左右するわけです。例えば、複数の市町村にまたがるような企業の取扱いはどのようになるのかなど、構成と、その影響について伺います。
○議長(河合芳弘) 井上市民部長。
○市民部長(井上隆広) 市内にのみ事業所等を有する法人につきましては、国税である法人税額に税率12.3パーセントを乗じた額の全額を、法人市民税の法人税割額として納税していただくのに対して、複数の市町村に事務所を有する法人につきましては、同じく国税の法人税額に税率12.3パーセントを乗じた額を関係市町村ごとの事務所等に勤務する従業者数に応じて案分した後の額を、法人市民税の法人税割額として納税していただくことになっております。
したがいまして、複数の市町村に事務所等を有する法人につきましては、市内の事務所等に勤務する従業者数の数が増加し、相対的に本市の法人市民税の案分率が高くなれば、法人市民税の増加につながることになります。
また、従業者の多くが市内に居住していただければ、個人市民税も増えることになります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 法人市民税は、企業が利益を出しまして、その企業の1人でも多くの従業員が、この豊田市で働いていただければ、法人市民税は案分比率から増える構成であり、いかに豊田市内で働いてもらうかが重要な要素であるということを確認しました。
豊田市内の主力企業であるトヨタ自動車のホームページを見てみますと、公開されているものですけど、工場別の従業員数では、国内直営12工場4万4,086人に対しまして、市内7工場の従業員数は2万7,485人であり、その割合は62.34パーセントとなっています。これは従業員のみの割合で、本社、東京、名古屋、東富士研究所等の事務系・技術系の職員、ディーラー系は含まれていません。事務系等と合わせて、全従業員で豊田市の法人税割の案分割合は、きっと60パーセント強であろうかと勝手に推測します。
この案分割合を引き上げるには、市内で従事者の人口が増えれば税収も増加するという仕組みで、工場誘致も重要な理屈になるわけです。従事者を増やすには、そこに住んでもらうこと。それが歳入の根幹をなす個人市民税に直結することになり、定住対策も重要となるわけです。
小項目2点目、豊田市における最近の人口移動状況及び近隣自治体との間の転出入状況はどのようになっているのか伺います。
○議長(河合芳弘) 井上部長。
○市民部長(井上隆広) 本市の過去5年間における転入・転出状況を確認してみますと、平成18年から平成20年までの3年間では、転入者数が転出者数を上回り、平均で年1,900人程度の社会増となっております。しかし、平成21年度、平成22年度の2年間におきましては、逆に平均で年1,700人程度転出者数が上回り、社会減になっております。
また、平成22年度における本市から近隣自治体への転入・転出の状況につきましては、転出超過となっている自治体が多く、主な自治体としましては、岡崎市へ368人、みよし市へ273人、日進市へ234人、安城市へ119人、知立市へ112人、刈谷市へ16人の転出超過となっております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 伺ったように、ここ2年間、最近の近隣自治体への流出状況は顕著なものでありますが、安定した税収を確保するためには、何度も言うように、市内への定住者を増やすことが重要であります。また、本市の基幹産業である自動車産業のうち、本市従業員の割合はかなり高いものがあると思われますが、その比率を高めていくこと、すなわち、複数の市町村に事務所等を有する法人市民税の法人割額の増額を図るためには、市内事業所の従業員を増やしていくこと。さらに、従業員の方には、市外ではなく豊田市に住んでもらうことが重要であります。しかし、外的要因、すなわち企業サイドの経営方針で、市ではなかなか踏み込めない要因もあろうかと思います。ただ、この動向の把握は不可欠であると思います。
そこで、中項目3点目、トヨタ自動車の市内における生産体制の見直しの影響について伺っていきます。
76円台という歴史的な円高ドル安水準で推移しているこのごろですが、1円円高になると、トヨタ自動車は利益が300億円目減りすると言われています。このような状態が長引けば、海外シフトが進められるのではと懸念されます。
そこで、小項目1点目。今後のトヨタ自動車の動向予想について伺います。
○議長(河合芳弘) 鈴木産業部長。
○産業部長(鈴木辰吉) トヨタ自動車が3月に発表しましたグローバルビジョンの供給戦略によりますと、国内では、ハイブリッド車を始めとする先進技術・高付加価値商品を中心に生産し、欧米においては、既存工業を効率よく稼働させる一方、新興国では、能力増強の必要性を見きわめ、投資の時期と規模を検討するとしております。
また、7月には日本のものづくり強化に向け、中部・九州に次ぎ、東北をトヨタ第3の国内生産拠点とする国内生産体制の3極化が発表されました。
これらのことから、自動車産業に大きく特化した産業構造である本市にとって大きな影響が考えられます。今後もトヨタ自動車の動向を注視してまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 生産体制を市内で強化するというような新聞報道も一部あったわけでありますけど、小項目2点目、豊田市内の従業員予想というのは果たして増えるのか伺います。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) トヨタ自動車が公表しているトヨタの概況によりますと、市内の従業員数に、ここ数年大きな変動は見られません。震災による減産分の巻き返しに向け、愛知県内での工場で働く要員として3,000人から4,000人程度の期間従業員が募集されると聞いており、短期的には市内従業員の増加も考えられます。しかし、さきに発表された国内生産体制の見直しや円高に伴う生産の海外移転など先行き不透明な部分もあり、長期的な市内従業員数の予想は現在立てられない状況でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 市民増加のために、豊田市では本当に今まで多くの取組がなされてきました。去る6月の愛知県議会で都市計画法の一部が改正され、10月よりいよいよ施行されます。市街化調整区域内に、一定の要件のもと家が建設できるというものです。豊田市は、この条例に対し、どう対応していくのか。今後の豊田市に大きな影響を与えかねない案件であり、中項目4点目、住宅等供給環境の整備方針を、質問を通して、現時点での考え方を確認したいと思います。
小項目1点目、豊田市における住宅・宅地供給施策はどうなっているのか伺います。
○議長(河合芳弘) 加藤都市整備部長。
○都市整備部長(加藤 泰) 本市における住宅・宅地供給施策といたしましては、土地区画整理事業を中心としながら、附帯的に市街化調整区域内地区計画制度を運用しております。また、民間支援として、民間事業者による市街化区域の宅地整備に対しましても、定住促進住宅団地整備費補助制度などを実施しております。
一方、住宅施策といたしましては、市街地再開発事業や市営住宅などの建設を実施しております。また、民間支援として共同住宅建設費補助制度などを実施しております。
さらに、公有地の有効活用策として、住宅整備を行う民間事業者に未利用の公有地を売却し、良好な宅地整備を行うなど、民間活力を利用した施策にも積極的に取り組んでおります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 土地区画整理事業、そして、市街化調整区域内の地区計画、市街地再開発事業等、多くの事業から優良な住宅・宅地供給が進められてきたと、これは評価しております。
そんな中、去る6月に、都市計画法に基づく開発行為等の許可の基準に関する愛知県条例が制定されまして、条例施行が来たる10月1日となっております。
小項目2点目、都市計画法第34条第11号、条例指定区域について、どのようなものか伺います。
○議長(河合芳弘) 加藤部長。
○都市整備部長(加藤 泰) 都市計画法第34条第11号は、市街化区域に隣接し、または近接する市街化調整区域の既存集落において、区域と建築物の用途を条例で指定することにより、だれでも建築ができる制度でございます。
愛知県は、この法律に基づいて条例の制定をしております。
愛知県条例で定める要件といたしましては、50以上の建築物が敷地間距離50メートル以内で連担している区域で、宅地化率40パーセントを超え、下水道整備予定区域などとしております。また、建築ができる用途といたしましては、専用住宅、兼用住宅及び共同住宅などとなっております。
愛知県は、この条例を平成23年10月1日から施行する予定となっております。
以上でございます。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 条例の内容を確認しました。
豊田市は、さきの答弁でもありましたように、土地区画整理事業を中心に、そして、市街化調整区域内でも地区計画制度をもって一定の制限のもと住宅・宅地を供給し、人口も順調に増加してきました。そんな中での、急遽、市街化調整区域で一定の要件を満たし、条例制定をすれば、だれでも家が建てられるという本制度をどう扱うのか。
まず、小項目3点目、住宅供給としての都市計画法第34条第11号を導入した場合のメリット、デメリットについて伺います。
○議長(河合芳弘) 加藤部長。
○都市整備部長(加藤 泰) この制度の導入するメリットは、二つ挙げられます。
一つ、宅地供給に即効性があること。
二つ、民間の活力が期待できることなどでございます。
また、デメリットといたしましては、次の三つが考えられます。
一つ、市が進めている土地区画整理事業との整合性がとれないなど、計画的な市街地整備への影響が懸念されることです。
二つ、市街化区域と市街化調整区域の間における税制の不公平感が生じること。
三つ目、宅地整備だけが先行し、後追い的な道路、公園などの公共施設整備が発生する可能性があることなどでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 住宅地供給の即効性、調整区域での土地評価を勘案しても、メリットは理解できます。しかし、市が進めている土地区画整理事業などがどうなってしまうのか等、デメリットも非常に大きなものがあることも理解します。
心配なのは、近隣自治体がこの制度を運用することにより、人口増強策を仕掛けてこないかということです。先ほど確認したように、転入出状況からも住民を逃していますし、もう10年以上も前から、豊田市で家を建てたいが土地がない、地価が高いとの理由で住んでもらえなかったという事例を数多く聞いています。人口増加策をどの自治体も行うのは当然のことで、どのような動きをしてくるのか心配されます。戦略を立てる中でおのれを知り敵を知る、当然の兵法であります。
6月条例制定から3か月余りが経過しましたが、豊田市はどのようにリサーチをし、どこまで状況を把握してきているのか聞いていきたいと思います。
小項目4点目、近隣自治体、みよし市、岡崎市、安城市、長久手町などの動きを伺います。
○議長(河合芳弘) 加藤部長。
○都市整備部長(加藤 泰) 近隣自治体の動向につきましては、正確な状況は把握しておりませんが、愛知県の条例のもとで区域を指定するみよし市と知立市、日進市、長久手町は、現段階では指定することを考えていないと聞いております。
豊田市と同じく開発許可権限を持ち、独自で条例の制定が必要となる刈谷市は、現在検討中とのことです。また、岡崎市は、平成18年に合併した旧額田町において条例化し、指定区域の適用を検討中であると聞いております。
次に、安城市と瀬戸市は、現段階では条例を制定し、規制緩和を図る予定はないと聞いております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 伺ったことを踏まえまして、それでは、小項目5点目、豊田市の方向性について伺います。
市政運営の根幹である住民増強は、ある意味、近隣自治体間で奪い合いであります。他市の状況をいち早く把握することは、本当に経営のスタンスからも重要な要素であります。方向性について伺います。
○議長(河合芳弘) 加藤部長。
○都市整備部長(加藤 泰) 豊田市におきましては、既に市街化調整区域での住宅地供給施策として、愛知県下の他の自治体に先駆け、法第34条第10号の地区計画制度を、平成20年度から指針を作成し、運用しているところであります。
この制度の運用により、平成21年度、平成22年度の2か年で約170の良好な宅地が供給されております。したがいまして、本市におきましては、今後も当面の間は、現行の市街化調整区域における地区計画制度の運用を基本としてまいりたいと思います。
なお、法第34条第11号の条例指定区域の制度につきましては、近隣自治体の動向も注視しながら、引き続き勉強を進めてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 方向性を伺ったところ、現状をしっかりととらえながら、そして、近隣の市町も動向をしっかりととらえながらということであります。情報等を集めること、本当に大事なことかと思います。一層の努力をいただくとともに、豊田市の将来の姿を見据えて、唐突な事情に流されることなく慎重に検討して、対応していただくことを要望しておきます。
それでは、大項目2点目、豊田市の産業復興施策について伺っていきます。
低成長が続く我が国の経済に加え、世界金融危機に端を発したさきの世界同時不況は、本市に多大なる影響を及ぼしました。そして、十分な回復も見ない中で起きた東日本大震災により、産業界、とりわけ国内生産を取り巻く環境は一層厳しさを増し、企業はますます対応を求められております。
そこで、本市の産業振興策について確認をします。
中項目1点目、東日本大震災を踏まえた今後の産業展開について伺っていきます。
本市は、豊田市の産業に対する今後の方向性について、この3月、産・学・官の多彩なメンバーから構成される豊田市産業振興委員会から、「産業革新ビジョン2011」、副題として、「世界のものづくり創造拠点をめざして」として提言を受けられました。3月当初に提言を受けられて間もなくの同11日に、戦後最大規模のマグニチュード9の東日本大震災が起きたわけであります。この震災は、国民の日常生活はもとより、日本経済全体に大きなつめ跡を残し、さらには、地域内完結や拠点分散といったサプライチェーンの再構築、電力不足対応、再生エネルギーへの期待の高まり等、多くの課題を投げかけることになりました。
小項目1点目、震災後の産業界を取り巻く環境の変化を踏まえて、産業振興委員会からの提言における前提や課題等をいま一度検証する必要はないのかを確認します。
○議長(河合芳弘) 鈴木産業部長。
○産業部長(鈴木辰吉) ご紹介いただきました豊田市産業振興委員会から提言をいただいた産業革新ビジョン2011におきましては、本市の基幹産業である自動車産業について、当地域周辺に集約されている拠点機能の分散化や生産拠点の海外シフトの進展等を、本市産業の課題として明確にご指摘をいただいております。その上で、同ビジョンにおいては、生産拠点からものづくりの創造拠点を目指すことを基本理念としております。
去る7月25日に開催いたしました本年度第1回の産業振興委員会におきまして、東日本大震災による本市の産業への影響について改めて委員の皆様に意見を伺ったところ、震災において浮き彫りになったサプライチェーンの寸断やエネルギー問題等への関心の高まりにより、指摘した課題の進展に、より一層拍車がかかるということでございました。
行政としましても、危機感を持って産業施策を早期に実施していくことが必要であると認識しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 中項目2点目、産業振興策、産業革新ビジョン2011について伺っていきます。
小項目1点目、豊田市産業振興委員会からの提言を受けて、現時点で行政としては産業振興策の進行に向け、どのように取り組んでいるのか伺います。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 産業革新ビジョン2011の提言を踏まえまして、本市が取り組んでいる産業振興に関する各種事業の方向性を確認するとともに、新たな施策や事業の必要性の検討を行ってまいりました。
さきの7月25日、第1回産業振興委員会におきまして、本市としての産業振興施策展開の基本的な方向性と現時点で考えられる事業の概要をお示しし、意見をお聞きしたところでございます。
今後、各種事業に検討を加え、重点的な事業につきましては、第7次豊田市総合計画後期実践計画に位置づけてまいります。
また、近く議会にもご相談申し上げ、進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 小項目二つ目。提言の中では、1、自動車産業のさらなる強化。2、自立的中小企業の創出。3、次世代を担う産業分野の開拓の3点を基本戦略とされています。この戦略を具現化する上で、どのような事業を考えているのか伺います。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 産業革新ビジョン2011では、三つの基本戦略が提言されております。
一つ目の、自動車産業のさらなる強化につきましては、本市の最大のものづくり資源である自動車産業自体が今後大きく変化していく中で、本市に自動車産業の拠点を置くメリットを提供していかなければならないと認識しております。つきましては、既に参画しております次世代エネルギー社会システム実証実験や豊田・岡崎地区研究開発施設用地造成事業の着実な推進のほか、研究開発機能の集積に力を入れてまいります。
二つ目の、自立的中小企業の創出につきましては、市内中小企業がこれまで自動車産業で培ったそれぞれの強みに磨きをかけ、新たな市場を開拓していくことが重要と思われます。ついては、新たな展開に挑戦する中小企業の人材育成や、生産現場での技術・経営課題にワンストップで対応する体制を、豊田商工会議所、豊田工業高等専門学校等と連携の上、整備していきたいと考えています。
三つ目の、次世代を担う産業分野の開拓につきましては、今後、豊田市が注力すべき産業分野を絞り込み、ターゲットとする産業分野企業の進出に対する奨励金の増額をする方向で、現行の企業誘致推進条例の改正を考えております。
なお、ターゲットとする産業分野として、次世代自動車分野、環境・エネルギー分野のほか、次世代ロボット分野、食品製造分野が、現在、候補に挙がっております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 再質問させていただきます。
方向性については聞かせていただきましたけれども、何が何でもこの豊田市に引っ張ってくるという姿勢の中で、職員が営業マンとなって全国を行脚して、営業をかけるというような視点はないのか伺います。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 今年度、企業進出意向調査を行っておりますが、この結果を踏まえまして、注力すべき産業分野の企業を絞り込んだ上で、県内外を問わず、積極的に営業をかけてまいりたいと考えます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 条件整備の中で、現行の企業誘致推進条例を改正も考えているということであります。
新産業分野においては、特に、定住対策から山間部の働く場所の確保と、この視点から推進していただくのとあわせまして、先ほどの3点をバランスよく進めて、より安定的な収益確保のために、しっかりと提言を受けとめて進めていただきたいと思います。
それでは、大項目3点目、小・中学校、こども園の夏の暑さ対策について伺っていきます。
ことしも本当に暑い夏でした。全国各地で最高気温更新というニュースを毎年聞いているような気がします。豊田市は、低炭素社会の実現を目指す環境モデル都市であることを踏まえ、夏の暑さ対策を進めてきていると認識しております。しかし、昨年、ことしの猛暑、東日本大震災を契機とした節電の要請と、以前とは異なる状況が発生しております。
このような状況の変化の中で、環境モデル都市実現に向けて、また、節電への対応を行いながらも、一方で、この暑さの中で子どもたちの保育、学習環境の確保が求められており、これからのバランスをとりながらの暑さ対策は必要であると考えています。
まず、中項目1点目、夏の暑さ対策の状況について。昨年、ことしの猛暑の中で、教室や保育室の状況はどうであったのかを伺います。
小・中学校は夏休みがあるとはいうものの、夏休み期間以外でも暑い日があります。特に昨年の猛暑では、9月でも暑かったと記憶しており、教室も非常に暑い状況であったと考えます。
そこで、小項目1点目、小・中学校の暑さの状況について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋教育行政部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 豊田市の昨年夏の気温を調べましたところ、9月は最高気温35度以上、いわゆる猛暑日が7日ありました。それ以前の2005年から2009年までの間におきましては、9月に猛暑日が1日もなかったということからしますと、昨年の9月は猛烈な暑さであったということがうかがえます。
また、教室内の温度につきましては、昨年の9月に土橋小学校で測定を行いました。その結果は、室温35度となる日数は2日ありました。
また、ことしの豊田市の気温でございますが、6月下旬から7月の夏休み前までの間で、既に猛暑日は5日もありました。
なお、教室の温度測定は、この9月から各校で行っていく予定でございます。
また、関連しまして、長期間で見た豊田市の年間平均気温の推移を調べましたところ、この30年間におきまして、約2度の上昇をしていることもわかりました。
以上の状況から、学校の教室も徐々に暑くなっているということがわかります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 小・中学校と違いまして、多くのこども園は夏休みがないという状況からすると、夏の非常に厳しい暑さの中で、こども園の子どもたちは、さらに厳しい環境の中で生活していると考えられます。
小項目2点目、こども園の暑さの状況について伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村子ども部長。
○子ども部長(藤村信治) 園現場からの、この暑さ対策を何とかしてほしいという要望を受けまして、今年度、全園で保育室の室温と外気温の調査、6月20日から行いました。
市内こども園全園の午後2時の屋外の平均気温は、6月が32.5度で、室温が30.8度。7月の屋外が31.5度で、室内が31.0度。8月の屋外が33.3度で、室内の温度が32.2度でした。
保育室内の温度が33度以上あるこども園が、6月に7園、7月に6園、8月に20園ありました。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 今まで、子ども部、教育委員会とも、さまざまな夏の暑さ対策に取り組んできたと考えております。これまでの暑さ対策の取組として、中項目2点目、夏の暑さ対策の現状について、エアコン・扇風機の設置状況、その他の対策について、小・中学校、こども園それぞれの現状を伺っていきたいと思います。
夏の暑さ対策として思い浮かぶのは、エアコン・扇風機の設置であります。小・中学校では、エアコンは図書室や保健室などに設置されていると思うが、扇風機は設置されていたり、設置されていなかったりの状況と認識しています。
そこで、小項目1点目、小・中学校のエアコン・扇風機の設置状況について、PTAの寄附なども含め、その状況について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) エアコンにつきましては、平成元年度から図書室とコンピューター室、また、保健室、職員室、校長室、この5室に設置を進めてきております。既に中学校は27校全校で整備を完了しましたが、小学校では、山間地域の13校で合計18室の整備を残しておりますので、今後、これらの設置を進めていく予定でございます。
次に、扇風機につきましては、小・中学校全体で、現在約2,330台あります。このうち、PTAなどからの寄附によるものが約1,310台となっております。なお、これを扇風機の設置方式で分類しますと、天井への取りつけ式が約430台、壁かけ式が約690台、据え置き式約1,200台という内訳となっております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) こども園では、エアコンは乳児室や遊戯室などに、また、扇風機が保育室には設置されていると思います。
そこで小項目2点目、こども園のエアコン・扇風機の設置状況について伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 現在、こども園におきましては、夏の暑さ対策といたしまして、すべての園の職員室、乳児室、遊戯室にエアコンが完備しておりますが、保育室には未設置でございます。ただし、平成19年度以降に改築をいたしました宮口こども園、畝部こども園並びに合併当初からの中山こども園、足助もみじこども園の4園につきましては、全保育室に空調設備が整備されております。
ちなみに、近隣市の状況でございますけども、豊田市を除く西三河地区8市では、西尾市、高浜市、みよし市を除く5市で全保育室にエアコンが設置されております。また、扇風機の設置状況でございますが、乳児室を含む全保育室に、天井づけまたは一部壁かけ式の扇風機が設置されております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 小・中学校では、環境モデル都市であることを踏まえた暑さ対策として、緑のカーテンやエコ改修に取り組んでいると認識しています。エアコンや扇風機の設置以外の暑さ対策の状況はどうなのか。
小項目3点目、小・中学校のエアコン・扇風機設置以外の暑さ対策の現状について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 教育委員会におきましては、豊田市が環境モデル都市に選定されました平成20年度から、土橋小学校エコ改修のモデル事業、また、緑のカーテンなどに取り組んでまいりました。土橋小学校のエコ改修は、断熱や日射の遮へい、通風の促進などの暑さ対策を講じるため、現在、工事を進めているところでございます。
また、緑のカーテンにつきましては、学校独自で行っているものも含めますと、今年度は小・中学校102校中52校で実施しております。
また、そのほかのソフト事業としましては、中学校でのクールビズ。これは、生徒が半そで・半ズボンの体操服などで授業を受ける形ですが、今年度は13校で実施しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 続いて、こども園ですが、こども園では、よしずやすだれ、また、プールなどに寒冷紗が設置されているのを見かけます。エアコンや扇風機設置以外、これの暑さ対策の状況はどうなっているのか。
小項目4点目といたしまして、こども園のエアコン・扇風機の設置以外の暑さ対策の現状について伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 各こども園独自におきまして、保育室前やプール・砂場に寒冷紗、日よけでございますね、を設置したり、よしず・すだれですとか、テント・パラソルを設置するなど、複数の暑さ対策を組み合わせて実施しております。
また、給食・昼寝等を合同にいたしまして、冷房のある遊戯室で実施したり、アサガオ・ゴーヤ等を植えて緑のカーテンをつくったり、打ち水をしたり、子どもたちへの水分補給を適宜行うなど、ソフト面での対応も園ごとに複数組み合わせて実施しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) それでは、中項目3点目、夏の暑さ対策の課題についてですが、小・中学校の暑さ対策については、教育委員会が点検・評価を行っていると聞いていますが、その中で把握された課題を含め、小項目1点目、小・中学校での暑さ対策の課題について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 教育委員会としましては、一番重要な課題、これは、学習環境の改善とエネルギーやCO2の削減、これらのバランスを図りながら暑さ対策を行っていくことであると考えております。
また、今年度の点検・評価の中で、扇風機の設置につきましては、安全面の考慮やPTAからの寄附などで設置された扇風機の取扱い、さらには、涼しさの効果の立証なども課題として挙げられております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 小・中学校と違い、多くのこども園が夏休みはないという状況の中で、夏の非常に厳しい暑さの中で、こども園の子どもたちは、さらに厳しい環境の中で生活をしていると考えられます。
続いて、小項目2点目、こども園での暑さ対策の課題についてを伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 先ほどお話ししましたような、さまざまな暑さに対する対策を各園で実施しているわけでございますが、今年度行いました調査におきまして、暑さのために食欲が落ちる、いつもより給食が食べられない、急な発熱を訴える、鼻血・嘔吐などの体調不良、あせも・とびひ等の皮膚疾患になる子がいるなど、子どもたちの健康への影響が多数の園で発生していることがわかりました。このあたりをどのように対応するかが課題と認識しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 節電への対応など社会情勢を踏まえれば、さまざまな暑さ対策を組み合わせて実施していくことが本当に必要と考えます。今後の暑さ対策の検討の中では、各暑さ対策単体の効果だけではなく、さまざまな暑さ対策を複合していくことで、より効果的な暑さ対策としていくことが有効と思われます。
そこで、中項目4点目、小・中学校、こども園での夏の暑さ対策の今後の考え方を伺っていきます。
先ほど、小・中学校での暑さ対策の現状と課題を聞きましたが、教育委員会では現状と課題を踏まえ、今後どのような考え方により暑さ対策を進めていこうとしているのか。
小項目1点目、小・中学校の暑さ対策の今後の考え方について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 今年度の点検・評価で取り上げた暑さ対策につきましては、教育委員会としましては、ソフトとハードを組み合わせた総合的な夏の暑さ対策の検討を、現在、進めております。これは、室温や体感温度を下げるために、さまざまな対策を複合的に組み合わせることによりまして、その相乗効果で、できるだけエネルギーを使わずに学習環境の改善を図っていくことをねらいとしております。
なお、点検・評価の結論につきましては、9月下旬の評価委員会を経て決定していく予定でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 続いて、小項目2点目、こども園での暑さ対策の考え方についてを伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 基本的には小・中学校と同様に、できるだけエネルギーを使わずに資源を有効に活用するという視点に立ちまして、総合的な暑さ対策を実施していきたいと考えております。
しかしながら、こども園が小・中学校と大きく違うのは、1年で最も高温となる小・中学校の夏休み期間も、子どもたちが日中こども園で保育を受けているということでございます。
今年度実施しました温度調査の結果からも、子どもたちに現状の暑さ対策だけでは良好な保育環境を提供することが難しい状況にあるということも認識しておりまして、新たな対策が必要であると考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 総合的な夏の暑さ対策の考え方のもとで、子どもたちの保育・学習環境の改善に向けて、今後どのように実現していこうと考えているのか。
なお、現段階であれば、その具体的な検討事項として、中項目5点目、小・中学校、こども園の暑さ対策の今後の取組と、その期待する効果について伺っていきます。
今後の考え方の中で、総合的な夏の暑さ対策というものがありました。今後、何に取り組んでいき、その期待する効果はどのようなものなのか。
小項目1点目、小・中学校の暑さ対策の今後の取組と、その期待する効果について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 総合的な夏の暑さ対策としましては、扇風機の設置のほか、さきに述べました土橋小学校をモデルとするエコ改修事業や緑のカーテン、クールビズを今後取り組んでいきたいと考えております。
これらにより期待する効果でございますが、例えば、室温が35度、建物温度が37度、湿度が70パーセントという仮定の条件下におきまして、これらの対策を複合して実施した場合、体感温度では、室温が実際よりも5度低い30度と感じられる効果が期待できます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 総合的な暑さ対策の事業として、早急に学習環境の改善を図るために、例えば、来年の夏までに対策を行うとすると、その具体策、費用、スケジュールの見込みはどうか。
小項目2点目、小・中学校の暑さ対策の今後の具体的な取組について伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 点検・評価の結果、これを進めるべきとの結論となった場合、扇風機の設置につきましては、暑さ対策として教室内で満遍なく風を感じるためには、天井取りつけ式の扇風機、これを1教室当たり4台設置する必要があると考えております。この方式で全校すべての普通教室に扇風機を設置する場合、その台数は約5,600台となりまして、設置費用は約3億円、また、設置後の電気料金は年間約100万円と試算しております。
なお、設置を進めることにした場合、各学校の立地条件により、暑さとか室温の状況が異なりますので、全市一斉・一律設置ではなく、学校の判断も含めて条件を整理した上で設置校を決定し、来年の夏までに扇風機を設置していきたいと考えております。
そのほかの暑さ対策としましては、エコ改修の展開につきましては、土橋小学校の完成後に検証を行う予定でありますが、その実施費用は1校当たり約6,000万円必要と見込んでおりまして、今後は保全改修事業にあわせ、順次実施を検討していきたいと考えております。
また、緑のカーテンにつきましては、来年度は全校で実施できるようにしていきたいと考えておりまして、その費用は約1,000万円と試算しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 扇風機を全校設置した場合のCO2の排出量が一体どれぐらいになるのか。また、エアコンを設置した場合はどれぐらいになるのか。わかれば費用を含めて、扇風機との比較で再質問したいと思います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 全普通教室に扇風機を設置した場合のCO2排出量、これは年間約30トンでございまして、エアコン設置の場合は約400トンという試算をしております。
また、設置費用は、扇風機が約3億円に対し、エアコンは約50億円でございます。
また、電気料金は年間で扇風機約100万円に対し、エアコンは約1,600万円と試算しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) もう1点再質問させていただきます。
例えば、来年夏の6月までに扇風機を全校の普通教室へ設置を行った場合、ことし品薄と言われた大量の扇風機が確保できるのか。取りつけるための作業期間を含めると心配されますが、どうですか。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 全普通教室に設置をする場合、必要な扇風機台数、先ほど申し上げた約5,600台となりますが、その納入に要する期間でございますが、メーカーから受注後約4か月間かかることがあるという話も出ております。この扇風機の納入までの期間を考慮した場合、今後は補正予算での対応も視野に入れながら検討していく必要があると考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) もう1点、確認をします。
新たに普通教室へ天井取りつけ式の扇風機を設置するとすると、PTAから寄附を受けたものや、既存の壁かけだとか据え置きの扇風機は無駄にならないのか伺います。
○議長(河合芳弘) 倉橋部長。
○教育行政部長(倉橋 剛) 既存の扇風機は、教育委員会としましては、決して無駄にしないように利用していきたいと考えております。
具体的には、その既存の扇風機を生かした設置計画の検討とか、特別教室や個別指導室の利用、さらには、個々の教室の状況に応じた補助的な利用などで有効に活用していきたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 続いて、小項目3点目、こども園の暑さ対策の今後の取組と、その期待する効果について伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 現在のエアコンの設置状況につきましては、今後、建てかえを予定しているこども園について、全保育室にエアコンを整備していく予定をしております。
さらに、子どもたちへの健康の影響を考えますと、現況の暑さ対策では、良好な保育環境を提供するという面で難しい状況であることから、財政状況を考慮しつつ、今後、3歳児から5歳児の幼児保育室の空調設備を検討していきたいと考えております。
直接的には夏場の保育環境の向上を期待いたしますが、さまざまな現状の暑さ対策も複合的に組み合わせたり空調設備の運用の仕方を考えまして、エネルギー消費を最小限に抑えた環境モデル都市にふさわしい暑さ対策の実現を目指していきます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 1点、再質問させていただきます。
今後、改築をしていくこども園については全室に、また、その他については財政状況を考慮して、3歳児から5歳児の保育室を検討していくとありましたが、いつごろを見込んでいるのか伺います。
○議長(河合芳弘) 藤村部長。
○子ども部長(藤村信治) 時期でございますけども、ことしの調査結果、こども園の規模、地域等から順位づけをしまして、やはり財政状況を考慮した上で、できる限り早期に整備を進めていきたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 杉浦議員。
○26番(杉浦 昇) 改築するところは全室つけると。そして、あとは財政状況を見てということでありますけど、やはり公平ということも考えますと、できれば早い時期にこども園に取りつけていただく、クーラー等つけていただくということを進めていただければと思うところでもあります。
また、小・中学校におきましては、点検・評価の結果を見て進めるべきとなった場合はというようなことがありましたけど、ぜひとも、前向きに検討していただくということをお願いしたいと思います。
本当に年々暑さが厳しくなっている中、子どもたちは大人たちから与えられた環境の中で暑さと闘い、そして、学校生活、園生活を送っています。子どもたちは、子どもたちの意思では、なかなか環境というのが自分たちで決定できません。暑さ対策は喫緊の課題と受けとめ、早急な対応をお願いしまして、すべての質問を終わりたいと思います。
○議長(河合芳弘) 以上で26番、杉浦 昇議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 暫時休憩します。再開は午後2時といたします。
休憩 午後1時55分
再開 午後2時00分
○議長(河合芳弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。
25番、三江弘海議員。
○25番(三江弘海) 自民クラブ議員団、三江弘海です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次質問をさせていただきます。
4月に行われました市議選、合併町村に与えられていた特別区が廃止され、市内一円の大選挙区のもと行われました。私にとっては大変厳しい選挙であり、エネルギーを使い果たしてしまった感がありますが、9月を迎え、気持ちを新たにしているところであります。
その中でもうれしいことがありました。それは、今回の市議選で投票所ごとに投票率が出ていますが、一番高かったのは稲武地区大桑投票所であります。32名中31名の投票で、96.88パーセントだったということです。投票率は、その土地の方々の政治への関心、地域への関心を素直に示すものだと考えています。ちなみに、この大桑地区は、標高でも市内で一番高く、市役所から一番遠い集落です。本日も傍聴に来ていただいております。ありがたいことです。
一方、国政に目を転じますと、新しい総理大臣も内閣も決まりましたが、不安定な政権であることは変わりありません。解散はいつあってもおかしくない状況は相変わらずだと思います。解散があれば総選挙、合併して7年になりますが、今度も稲武地区は14区でしょう。何といっても、このねじれは地域を見詰めた選挙にならず、政治への無関心、投票率の低下につながってしまいます。地域を思う人がいても、その意見が反映されない仕組みのままでは、政治意識の低下は避けられません。この問題の解決には多くの皆さんのご支援をお願いするところであります。
さて、実りの秋を迎えています。秋は芸術の秋でもあります。市制60周年事業の一つ、「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」が8月28日に終了しました。私も、地理学者始め95作品に触れることができました。日本初公開の90点を含むこれらの作品群を豊田市で見る機会があったことに感謝したいと思います。
この絵画展は、目標の8万人を超える10万5,158人の入場者数で、大盛会のうちに終わりました。豊田市美術館の展示会としては、過去最高と伺いました。市外からも多くの方が訪れたと聞いています。このように、芸術をきっかけにして人が動くということが大切なことだと思っております。
そして、フェルメールをきっかけに、同時開催されていた松井紫朗展-亀がアキレスに言ったこと 新しい世界の測定法-や、地元作家の展示、創造の仲間たち展第5回を大変興味深く見ることができ、芸術を介した新たな価値創造の可能性をかいま見せられました。この芸術の力を、中山間地域のまちづくり、観光交流にもプラスに作用できないものかと思っております。
もう一つの市制60周年記念事業である農村舞台アートプロジェクトも開催されています。市内にある78の農村舞台のうち29箇所を使って、10月8日まで文化芸術満載であります。
中でも人形浄瑠璃は、3団体が3会場で公演します。稲武地区には市内唯一、人形浄瑠璃の歴史があります。伊勢神トンネルのふもとの小田木地区では、江戸時代、1750年代の宝暦年間から明治8年までは盛んに上演されていました。今回、中津川恵那文楽保存会の皆様に来ていただくわけですが、何と135年ぶりの稲武上演です。これを機に、復活ののろしが上がればと思っています。
芸術を介しての観光交流が地域に活力をもたらすことを期待しますが、観光交流といえば、稲武では何といってもどんぐりの湯のリニューアルです。オープンは10月1日です。ぜひ多くの皆様にお越しいただきたいと思います。
株式会社どんぐりの里いなぶは稲武の観光交流の窓口であり、大きな舞台となる1丁目1番地です。足助の株式会社三州足助公社にとっても、下山香恋の里にとっても、財団法人豊田市旭高原自然活用村協会にとっても、それぞれの地域で1丁目1番地だと思います。その4法人が、ことし、いえ、来年6月の経営統合に向けて準備が進められているとのことですが、関係機関、地域ともに十分なコンセンサスがとれてきたのか、少し疑問が残ります。
それでは、大項目1、社会部所管、4出資法人のホールディング化について、内容に入っていきます。
合併地区の4法人は来年6月に統合し、新たな経営形態に移行しようとしています。株式移転を行い、経営統合して体質強化を図るというもので、いわゆるホールディング化であります。第7次豊田市総合計画では、4地区はゾーニングの名のもとに、それぞれの持ち場にふさわしい地域づくりに取り組んでいるところであり、これら4法人は、その拠点中の拠点でもあります。今回の経営統合がそれぞれの地域に禍根を残さないよう、また、周知されるよう、現時点までを、検証の意味を込めて質問させていただきます。
中項目1、経緯と課題についてであります。
旧町村時代に地域活性化の願いを込めてつくられたそれぞれの観光施設は、これまで地域雇用の創出、直売所として、農家所得の向上、地域のメンテナンス等に関係した事業者の所得増と、さまざまな形で地域経済に大きく貢献してきたところであります。
しかし、将来を見越した場合、大きな不安を感じるのも確かであります。リーマンショック以降の経済の落ち込み、少し回復基調が見えてきたやさきの東日本大震災、そして、世界経済の立ち直りのおくれによる超円高、このような経済情勢の中で、個人消費の落ち込みや、少子化の中で進むであろう社会全体での消費の減少など、不安要素は大きなものがあります。
4法人は、旧町村時代にそれぞれの設置目的を持って、地域の命運をかけてと言ってもいい思いで設置されたものです。どのような形にしろ経営統合することは、各法人の独自性を崩壊することにつながらないかと心配するところであります。経営統合により地域性、独自性がどう担保されるかについて、また、将来について検証させていただきたいと思います。
最初に、経緯と課題についてお聞きしたいと思います。
小項目1、4法人の設立の経緯と意義、役割についてであります。まず、それぞれの設置目的と果たしてきた役割、実績についてお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 水野社会部長。
○社会部長(水野孝之) 社会部所管4出資法人は、いずれも地域活性化の拠点施設として設置された各施設の管理運営を行う法人として設立がされました。4法人は、中山間地域の観光施設の管理運営を行いながら、地域雇用の場の確保や地域経済の活性化に一定の成果を上げてまいりました。
例えば、4法人は臨時職員を含めて約250名の雇用の場を創出しております。また、観光交流施設での地域産品の直売や、原材料仕入れなどによる直接的な収益増加や、施設周辺商店などへの経済波及効果に貢献をしてまいりました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 次に、小項目2、現状と課題について伺います。
旧町村時代と比較して、地域における役割や位置づけなどに大きな変化は見られないと認識していますが、現状での経営状況、業績についてお聞かせください。
そして、そこからすけて見える4法人の喫緊の課題についてもお伺いいたします。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 各法人の経営は、観光交流施設の管理運営により成り立っているため、近年の観光交流施設への入り込み客の減少や近隣類似施設の競合の激化に伴い、徐々にではありますが、悪化をしております。4法人ともに単年度黒字を確保していますが、現状の体制で今後黒字が維持できるのかは不透明であります。
喫緊の課題は、経営理念に基づいた中長期的な経営方針や経営戦略など、安定的な経営基盤の構築に向けた経営体制の構築が必要であります。一方、4法人は行政が2分の1以上出資する第三セクターであり、地域活性化の核となる法人として、また、地域団体のパートナーとして、地域活性化への取組の充実を図ることが課題であると考えております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) それでは、中項目2、課題解決に向けた取組について伺っていきます。
各法人は市町村合併前につくられ、その名前も会社の個性も地域になじんでいます。また、現在、それぞれの法人は個性を生かしながら、地域や利用者から一定の支持をいただいています。しかし、経営統合となれば、いずれはその名前も個性も失われ、地域の人たちを落胆させるのみならず、コンビニのような個性のない店に変わっていくことが懸念されます。このような結果になれば、お客様の立場からすれば、わざわざそこまで行くだけの価値がなくなり、人気も失われてしまうことになりかねません。なぜホールディング会社という経営形態を選択したのか。その課題解決に向けた取組をお聞きします。
まず、小項目1、検討状況についてであります。
これまでも経営改善に向けた取組がされてきたと思います。その検討内容と、そこからの判断。また、経営統合に向けた検討はいつごろからしてきたのか。あわせてお願いいたします。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 平成18年の4法人の経営診断で、経営改善の必要性が報告されました。平成19年から、体制強化に向けた調査・検討を継続して行ってまいりました。
一方で、合併後、各社の経営改善は、販路の拡大や経費の節減、広告宣伝の拡充などに鋭意取り組んでまいりましたが、現状の経営体制では事業の推進が手いっぱいで、単体で経営改善することには限界があり、総合的な経営体制の見直しが必要であると判断をいたしました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) それでは、小項目2、課題解決の方策についてお聞きいたします。
経営体制の見直しが課題であるという中で、課題解決に向けて幅広く検討されてきたと思います。どのような方策が検討されたのか、また、それぞれの方策の特徴はどうなのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 新たな経営形態として、合併、株式移転、株式交換と現状継続を比較して検討してまいりました。
合併は、1社にすることの法律的なメリットはありますが、地域の思いがある会社の名前がなくなることへの地域理解が困難であります。
株式移転は、経営体制は一本化するが、現会社も存続することから、地域や従業員の理解が得られやすいこと。経営と事業の分離により、各社は事業に専念できるものです。
株式交換は、4法人のうち1社へ株式を集める方法で、吸収する側と吸収される側に分かれるおそれがあり、大きなしこりを残す可能性があります。
現状維持は、経営、財務、人事、営業面など、単独では解決できない問題も多く、課題解決はできないと評価いたしました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 小項目3、持ち株会社とする根拠と改善効果についてであります。
数ある方策の中で、なぜホールディングを選択したのかお答えください。また、ホールディング化のメリット、デメリットについて。
さらに、ホールディング化による改善効果の見込み、シミュレーション結果についてもお答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 地域や従業員の意向、各社の設立の目的の違いから緩やかな改革が望ましいため、各法人を残し、経営体を一つとする持ち株会社、ホールディング化を最良の方法として選択いたしました。
メリットは、ホールディング会社に経営を統合することにより、各法人へ必要な経営指導を総合的に行うなど、経営資源の集中ができること。また、総務・企画などの間接部門の経費節減、共同仕入れによる売上原価の抑制など、経営の効率化を図ることができることなどであります。
一方、デメリットは、新たな体制の構築のための一時的に資金が必要になることと、新会社の運営費が増加することであります。
また、経営シミュレーションの結果、ホールディング化5年後の平成28年時点の利益を現状の推移と比較いたしますと、ホールディング会社から各法人への経営指導により約2,000万円、仕入れ先変更や委託費の削減などの業務統合効果で約3,300万円、全体で約5,300万円の収益増加を見込んでおります。
一方、ホールディング会社の役員報酬などの経費が約2,300万円必要なため、差し引き3,000万円ほど利益が増加する見込みであります。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) では、小項目4として、ホールディング会社の組織体制について伺います。
組織のイメージを説明してください。
また、会社の本拠地はどこを想定しているのかお答えください。
そして、極めて重要なことですが、組織の将来を担う代表取締役の人物像です。組織管理や経営戦略にも明るいことはもちろんですが、それ以上に、それぞれの地域の特性をよく理解し、かつ、現場の実情・苦労を我が身のことと考えられる人でなくてはならないと考えます。具体的にどんな人物を想定しているのか。また、その募集、選考方法まで検討されているのかお伺いいたします。
さらに、経営統合となれば、4法人の間で人事交流など考えられますが、人事異動はどの程度を想定しているのか。給与体系の違いについてはどのように調整するのかお答えください。
また、地域の声を会社経営に届けるためだと思いますが、地域連携会議が設けられようとしています。その役割についてもお答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) まず、組織は代表取締役1名、取締役5名による取締役会と、代表取締役が兼務する社長執行役員、各社の社長が兼務する執行役員から成る執行役員会により運営を行ってまいります。
本拠地となる場所につきましては、4法人の地理的な条件を加味すると足助周辺が想定されますが、具体的な場所は決まっておりません。
また、代表取締役の人選は、経営に明るいことはもちろんでありますが、議員言われましたように、地域事情をよく理解できる人物であることを想定いたしております。
募集でありますとか選考の方法は、公募、経済団体からの推薦等が考えられますが、いずれも一長一短があり、今後、適切な人材が採用できる方法を、4法人の株主などとも相談をしながら検討してまいります。
人事交流は総務部門を想定していますが、いきなり法人間を異動するのではなく、ホールディング会社への出向を経て、必要に応じて法人間の異動を考えております。
また、原則、事業部門の専門職の人事交流は現在考えておりません。
給与体系は、給料表の統一化や諸手当の統一化など、給与の仕組みをある程度一元化したいと考えています。給与体系の見直しは労使協定も必要であり、今後、4法人の経営者や総務担当従業員も含めて議論をしてまいります。
また、地域連携会議は、各法人の指定管理施設の運営方法、地域が法人に求めることなどの意見収集、そして、地域活性化に向けて法人や地域の団体の役割を確認するなど、地域と連携をどのように図っていくのか協議をする場と考えております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 代表取締役の選任については検討しているとのことでしたが、新会社のスタートまであと10か月、早いリーダー、司令塔の選任を望むところであります。
続きまして、小項目5、問題点の把握についてお聞きしていきたいと思います。
4法人それぞれの施設の設置目的は、観光、農林、教育など微妙に異なっており、その性格や経営形態は画一的ではありません。経営統合して一つのくくりの中で、果たして本来の事業目的が果たせるのか心配しています。お考えをお伺いします。
また、例えばバーバラはうすとどんぐり横丁のパン、ZiZi工房と山遊里のハム・ソーセージなど、それぞれの施設で同類の商品を製造しているケースがありますが、経営効率を最優先すれば、1箇所で大量生産して複数の施設で売るほうが効率的であります。しかし、それをやってしまうと、それぞれが築いてきた個性が薄れてしまうことが懸念されます。
また、経営合理化の一環として原材料の共同仕入れなども想定されてきますが、一方で、地域経済の活性化という観点から、現状では、多少高くても地元の業者を使っているケースも当然であります。
経営統合に伴い、経営効率のみではない地域の活性化について、どのような道筋をつけるのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 経営統合は、各法人の個性を生かしながら、効率化できる部分は効率化し、経営を安定化させ、各拠点施設を継続して運営することにより、地域経済にさらなる活性化をもたらすことや、4法人の広域連携により、各法人の地域活性化の役割をさらに高めることを目指しております。
例に挙げられましたパン・ソーセージの競合は、各法人の一つの大きな役割として、地域雇用の場の確保、とりわけ足助のバーバラはうすやらZiZi工房では、地域の高齢者の生きがいづくりの場としての役割もあります。そのあたりを市も法人も十分認識して、施設運営にあたりたいと考えております。
また、単に価格を比較して、それだけで安価な仕入れ先を選択するなど、地域商業の空洞化を招くような合理化は考えておりません。
今回の取組は、各法人の個性を生かし、会社設立の本来の目的である地域経済の活性化や地域振興への取組をさらに高めるために、各法人の体制強化を図るものであります。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 現状では黒字となっている法人の再生が、それぞれの地域経済の中で図られていけなかったのかと少し残念な気もしますが、4法人の体制強化も図られなければなりません。ホールディング化を是としますが、体制整備に向けて準備を怠りなくしなければならないと思います。
そこで、中項目3、経営統合に向けた準備状況と、持続可能な体制整備についてであります。
経営統合まであと10か月、準備と地域の理解も急がれます。準備状況と持続可能な体制整備を伺っていきます。
小項目1、各地域・会社の合意形成についてお聞きいたします。
今回の経営統合に対する各社の反応と合意形成の手順について伺います。また、地域の合意は進んでいるのかお答えください。
各地域において4法人が管理運営する施設は、くどいようですが観光や地域振興の拠点であり、それぞれの役割に対する期待や地域の思いがあります。経営統合することで、その地域の思いを踏みにじるようなことにならないかお答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 経営統合につきましては、素案の段階から各社の役員などと随時協議を行ってまいりました。その中で、さまざまなご意見もいただきましたが、総じて反対意見は出ておらず、合意形成はできております。
地域の合意に関しましても、一部を除き、各地域会議や商工会など主要な団体への説明を行い、合意をいただきました。なお、一部の地域会議、区長会につきましても、今月、説明を行ってまいる予定でございます。
4法人が管理運営する施設は、法人のみならず、施設設置者の豊田市が地域の思いや役割を十分認識しながら、よりよい施設運営を地域とともに行っていきたいと考えております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) それでは、小項目2、ホールディング会社設立のスケジュールについて伺います。
まず、経営統合にあたり、今後クリアしなければならない検討事項についてお答えください。
また、必要な手続とその時期についてもお答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 今後、検討しなければならない事項は、経理・給与システムの統合、各社の就業規則・給与規程等の見直しなど従業員の処遇の検討、新体制での各社の役割分担、経営管理体制のあり方の検討があります。
なお、ホールディング会社設立に必要な手続は、各社の取締役会・株主総会での株式移転に関する特別議決、増資手続があり、いずれも平成24年5月までに行う予定をいたしております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 小項目3、この項最後の質問です。将来の展望について伺います。
今回の経営統合は、将来的にも持続可能な体制と言えるのでしょうか。
また、法人個々の主体性を尊重する体制を維持することができるのでしょうか。維持するのであれば、経営陣が変わっていく中で、どのようにそれが担保できるのか。これは大きなポイントであるとも考えます。
ホールディングから合併に進んでしまわないか。もしそうなれば、ますます独自性が失われることが懸念されます。お答えください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 今回の経営統合で、法人に一定の収益が確保され、安定的な経営基盤が構築できることにより、地域に対しましては一定の貢献ができると考えております。
法人個々の主体性を尊重する体制づくりは、たとえ経営陣が変わろうとも、大口出資者であります豊田市が、組織のトップに立つ人材の選考に一定の責任を果たすことで担保されると考えております。
また、ホールディングから合併への移行は、今回、合併も含めた検討の中でホールディングを選択しており、当分の間はこの体制で、課題解決に向け事業推進を行ってまいりたいと思います。
各地域が拠点施設を生かし、まちづくりを継続して進めるために各法人が果たす役割は大きいため、将来にわたり各法人の経営が安定し、施設運営を持続できる体制づくりに努めてまいります。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 全体像は見えてきました。今後はグループ全体の経営基盤を安定させ、地域の拠点施設を生かしながら、事業子会社各社が個性を失うことのないように経営されていくよう、また、結果的に利益追求のみの組織運営にならないように、これからも経営陣の人選も含め、市側の監督、関与をしっかりと続けていくことを要望して、大項目1の質問を終わります。
続きまして、大項目2、矢作川の新しい外来魚について伺っていきます。
20日ほど前、アメリカ西部やニュージーランドなどで深刻な外来生物問題を引き起こしているイネ科の植物、スパルティナ・アルテルニフロラが豊橋市で繁殖していることがわかり、環境省が愛知県と合同で実態把握を急いでいるとの報道がありました。この種は繁殖力が非常に強く、国内の生態系を乱すおそれがあると言われています。すぐ近くでこのようなことが起こっていて大変心配されるところであります。
さて、生物多様性の保全は本市の重要なテーマの一つであります。一昨年発刊された「豊田の生きものたち」では、第3章に「異郷の地でしたたかに~豊田の外来生物たち~」という項があります。この地にすみ着いた多くの外来生物が紹介されています。意外な生物が外来であることに驚きを持ちますが、生物多様性の保全は、それらを除外することにあります。人の営みにも深く入り込んできている外来種。その宝庫とも言われている矢作川で、また新たな外来生物がはびこり始めています。話題のドジョウではない、アメリカナマズであります。爆発的な増加も心配されていますが、その対策について伺っていきます。
中項目1、矢作川に巣くうアメリカナマズについてであります。
先日の新聞でも、矢作川のアメリカナマズのことが取り上げられていました。爆発的な増加が心配されているとのことで、発信器をつけて行動を探るバイオロキングなる調査が行われているとのことです。アメリカナマズは、河川生態系への悪影響がブラックバス以上だろうと恐れられている外来種。早くその生態系を解明してほしいと思います。
近年、このアメリカナマズが関東地方を中心に個体数が増加するとともに、分布域を拡大し、深刻な漁業被害をもたらしていると聞いています。事もあろうに、豊田市の母なる矢作川においても生息が確認され、さらに矢作川全域への広がりが心配されています。現在は、アユ釣りのおとりアユが襲われる程度でありますが、今後の漁業被害もどのように広がるのか。他の外来生物同様、在来の生物生息環境や生態系を、矢作川の自然をどのように破壊していくのか。調査とともに、駆除等早急な取組が必要と考えます。
それでは、小項目1、アメリカナマズの生態から伺います。
何せ体長は1メートル以上、体重は20キログラムを超える大型魚と聞いています。釣り人の中には、こんな大きな魚が釣れることを楽しむ方もいるかもしれませんが、ほかの外来魚と同様、日本の、豊田市の母なる矢作川をばっこされてはかないません。そもそも不自然です。このアメリカナマズ、英名をチャネルキャットフィッシュと言うそうですが、その生態について伺います。
○議長(河合芳弘) 山田建設部長。
○建設部長(山田正秋) アメリカナマズは、北米産のナマズの仲間の淡水魚です。1970年代初頭に食用目的で試験的に日本に導入され、現在、茨城県霞ヶ浦と岐阜県下小鳥湖で食用として養殖をされています。
その生態は、大きさが最大で130センチメートルにもなり、また、広範囲にわたって生息し、川や湖の底の動物や魚類を主なえさにしております。繁殖時には体重1キログラム当たり1万粒の卵を産み、オオクチバスやブルーギルと同じく、親が卵や子を保護します。
以上です。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) では、日本での現状について伺っていきます。
小項目2、まず、法的規制についてお聞きしたいと思います。
日本では、複雑化する外来生物に対応すべく、環境省による生態系等に関する被害の防止にかかわる法律、いわゆる外来生物法が2005年から施行されています。アメリカナマズも、この特定外来生物に指定されているのか。指定されている場合、どのような措置がされるのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 山田部長。
○建設部長(山田正秋) アメリカナマズは、生態系に与える影響が非常に大きいとの判断から、環境省の定める外来生物法により特定外来生物に指定されております。
この法律では、生態系等にかかわる被害が生じ、または生じるおそれがある場合には、主務大臣及び国の関係行政機関の長は防除を行うものとすると規定されており、特定外来生物を無断で移動、飼育した場合、個人、法人ともに罰金または懲役を課す厳しい罰則が設けられております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 小項目3、この外来生物法だけで拡散・拡大を防げるのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 山田部長。
○建設部長(山田正秋) この法律の規制に伴い、移動や拡散についてはある程度の対策、取り締まりがされつつありますが、現在も新たな場所での確認が報告されております。
市内の実例として、自然観察の森の中のため池において、4年ほど前にブラックバスの駆除を行いましたが、その後も確認されております。
したがいまして、この法的規制だけでは、拡散・拡大を防ぐことは困難であると考えております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 小項目4、生態系のところでも少し触れましたが、国内の分布域について伺います。
アメリカナマズは現在、関東地方、中部地方で広がりを見せているようですが、どのような広がりをしているのでしょうか。お答えください。
○議長(河合芳弘) 山田部長。
○建設部長(山田正秋) 現在までに確認されている都道府県は、福島県の阿武隈川水系、茨城県利根川水系、岐阜県揖斐川水系、愛知県庄内川水系、滋賀県淀川水系、島根県斐伊川水系などで、広域で確認をされております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 小項目5、それでは生態系への影響について伺います。
関東地方では、このアメリカナマズの被害が深刻化しており、一部では漁業が成立しない区域もあると聞いております。そこで、生態系への影響についてお答えください。
○議長(河合芳弘) 山田部長。
○建設部長(山田正秋) 霞ヶ浦では、漁獲される魚類の6割がアメリカナマズになり、生息する魚類の組成が大幅に変わってしまったと考えられております。
この事例のように大幅に増加した場合、えさや生息場所をめぐって他の魚と競合することで、在来魚の種類や量が大幅に変わるなど、生態系に影響を与えるおそれがあると考えられます。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) それでは、矢作川の現状についてお聞かせください。
小項目6、矢作川での実態について伺います。
矢作川流域への侵入経緯や、分布域と勢力拡大の可能性についてお答えください。
また、2005年以降、市民グループ矢作川水族館が、矢作川漁協や矢作川研究所の協力を得ながら最終調査を進めていると聞きます。現時点でどのような結果が出ているのでしょうか、お答えください。
○議長(河合芳弘) 山田部長。
○建設部長(山田正秋) 市民団体の矢作川水族館が、矢作川漁業協同組合や矢作川研究所の協力のもと、平成19年からアメリカナマズの調査を行っております。
その調査によりますと、矢作川への侵入の経緯は、今のところ不明です。大学機関の協力のもとで行った遺伝子解析の結果では、霞ヶ浦と矢作川とでアメリカナマズが遺伝的に異なっていることが判明しております。
矢作川での分布域につきましては、矢作ダム湖から明治用水頭首工下流地点で確認されており、支流の矢作古川や巴川でも確認をされております。したがって、矢作川ではほぼ全域にまで広がっている可能性が推測されております。
勢力の拡大につきましては、ダム直下のふちで特に密度が高く、幼魚が採捕できることから、繁殖しているのは間違いなく、霞ヶ浦や阿武隈川では、前ぶれもなく突如として個体数が激増したという事例もあるため、今後、矢作川でも増加する可能性があります。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 小項目7、最後の質問ですが、矢作川での課題と今後の取組について伺います。
さきの答弁が事実ならば、市民団体の自主的な調査以来、矢作川では、アメリカナマズが発見された2005年から現在までに、市として、その対策や詳細な現状把握が行われていないことになります。
これは大きな漁業被害など直接的な経済被害が確認できないから動かないということかもしれませんが、こういった外来種は、何らかの要因で突然に個体数が激増するかもしれません。矢作川の豊かな自然を守るために、待ったなしで今、しっかりとした対策をしなければならないのではないでしょうか。
これまで環境部は、貴重種の保護には大変熱心ですが、外来種の駆除には、どうも消極的なような気がします。いつから、どのような対応・対策をとっていくのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 岩田環境部長。
○環境部長(岩田信男) アメリカナマズを始めとする外来生物につきましては、地域の生態系へさまざまな悪影響を与えており、その対策は大きな課題であります。
現在、本市の生物多様性保全の指針とすべく、生物多様性地域戦略を2年かけて策定しております。この生物多様性地域戦略では、外来生物対策を重要な課題と位置づけ、その対策の方針を整理してまいります。
具体的には、外来生物につきまして、いまだ解明されていない部分が多いことから、その生態や有効な対策について、市民団体と協力しながら調査研究を実施してまいります。
さらに、こうした調査研究の結果を踏まえ、将来的には条例化も視野に入れ、外来生物の影響の低減に向け、実効性ある対策を目指してまいりたいと思います。
また、外来生物への対応は、地域をまたぐ大きな問題なので、矢作川を管理する国土交通省や愛知県、矢作川流域の漁協、その他市民団体、NPO等の各主体とも連携し、生態系の保全に努めてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 三江議員。
○25番(三江弘海) 特定外来生物法は規制が厳しく、生物多様性を保全するために有効に使えますが、環境省には荷が重いと言われております。今後、この法律の実効性を担保するためには、各自治体で外来種対策の条例を早急につくり、優先順位をつけて防除事業を進めていくべきだと思います。
このことは、豊田市環境政策課が平成21年に発行した本、「豊田の生きものたち~生物多様性を知る~」にも書かれています。矢作川のアメリカナマズに限らず、豊田市内では陸上の哺乳類、アライグマやヌートリアも確実に、急速に増えています。しかし、農作物の被害防止の観点からの取組しか行われていません。今後、多くの特定外来種の問題が顕在化してくるでしょう。環境都市豊田として、この外来種対策、一刻も早く取り組まなければなりません。
先ほどの答弁にもありましたが、生物多様性地域戦略を2年かけて策定しているうちにも、外来生物の問題は、さまざまな形で人間生活へ侵入してきています。被害や生態系への悪影響が目につくようになってからでは手おくれとも言われています。現時点でも既に手おくれかもしれない状況です。環境部、産業部、建設部などの各部署が連携して対策にあたりやすくするためにも、また、市民の意識を高めるため意味でも、将来的などと言わず、1日も早い市条例の制定を求め、提言とさせていただきます。
終わります。
○議長(河合芳弘) 以上で25番、三江弘海議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 次に、3番、板垣清志議員。
○3番(板垣清志) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告してあります犯罪のないまちづくりの推進についてと土砂災害対策の推進について、大項目二つの質問をいたします。
最初に、大項目一つ目の、犯罪のないまちづくりの推進について質問いたします。
安全に安心して暮らすことができる社会の実現はすべての市民の願いであり、安全・安心社会を実現させることは行政の最も基本的な役割であり、大きな使命であります。しかし、21世紀に入ると、市民生活を大きく脅かす災害や事故、犯罪が相次いで発生しています。
国の犯罪白書によると、我が国の刑法犯認知件数は平成8年から毎年戦後最高を更新し、平成14年には285万件を記録いたしました。その後、件数は毎年減少に転じていますが、平成22年の刑法犯認知件数は約159万件で、まだまだ相当に高い水準であります。
特に自動車関連窃盗の発生件数は、愛知県下ではワーストワンを続けており、住宅対象侵入盗でも県下で常に上位の位置にいます。また、豊田警察署の刑法犯認知件数は、全国警察署の中で最も多いと伺っています。今や、市民の安全・安心に対する不安感は高まり、行政には確実な犯罪防止策の実施と犯罪のないまちづくりの推進が求められています。
そこで、多発する犯罪を抑制する安全・安心のまちづくりの推進状況について、さきに通告してあります4点の中項目を質問いたします。
中項目の1番目は、犯罪抑止目標と犯罪発生状況についてであります。
悪化した国の治安状況と同様、愛知県でも平成8年まで10万件以下で推移していた刑法犯認知件数が、平成15年には、ついに20万件を突破し、戦後最高となる22万5,000件となるなど、治安情勢は悪化の状況でした。
このような状況から脱却するため、愛知県では、平成18年を治安回復元年と位置づけ、犯罪を半減する地域防犯県づくりを政策目標に掲げました。そして、短期集中的に、かつ強力に実行するため、あいち地域安全新3か年戦略を策定し、実効性の高い施策を展開しています。
本市では、平成22年度から平成24年度を計画期間とする第3次豊田市防犯活動行動計画を策定し、さらなる犯罪抑止に向け、諸施策を推進しています。
そこで、本計画の目標と進ちょく状況について、以下3点の小項目を質問いたします。
小項目の1点目は、第3次豊田市防犯活動行動計画の目標についてお尋ねいたします。
新・豊田市防犯活動行動計画では、指標に犯罪の抑止を掲げ、街頭犯罪発生件数の前年比10パーセントの抑制を目標として策定されました。そこで、本計画について重点的に取り組む課題・目標設定についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野社会部長。
○社会部長(水野孝之) この計画で重点的に取り組む課題としては、自主防犯活動の充実、犯罪弱者対策、防犯意識の高揚の三つの項目があります。
また、目標といたしましては、愛知県との整合性を図り、平成21年の重点罪種の発生件数を基準に、平成22年から平成24年の3か年で、1,300件以上削減することを設定いたしました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目の2点目は、平成22年度の犯罪発生状況についてお尋ねいたします。
ことしの5月9日に、大村愛知県知事が豊田警察署を視察しました。新聞の記事に、豊田警察署管内の治安は危機的な状況にある。ところが、庁舎が手狭で老朽化しているため、署員の増加ができない旨が掲載されていました。
豊田警察署の管内で発生した刑法犯認知件数は、全国の1,184警察署の中で、3年連続で最多であったようです。そこで、平成22年に本市で発生している街頭犯罪や侵入犯罪などの重点犯罪の発生状況についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 平成22年の重点罪種発生件数は3,578件で、平成21年に比べまして、818件の大幅な減少となりました。重点罪種の内訳を見ますと、車上ねらいが最も多く937件、次いで、部品ねらいが776件、自転車盗が702件、侵入盗が573件となっております。
なお、侵入盗のうち住宅対象侵入盗が311件で、その約3割92件が、凶悪犯罪につながるおそれのある忍び込みでありました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目の3点目として、本市犯罪の傾向と特徴についてお尋ねいたします。
本市では、ことしになって自動車の盗難が非常に増加していて、複数人数であっという間に持ち去る自動車窃盗団が暗躍していると聞いています。
そこで、本市で発生する犯罪の傾向や特徴について、どのように分析をしているのかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 重点罪種におきましては、平成21年に4,396件と、ここ5年で最悪の状況でありましたが、翌平成22年は3,578件と大幅に減少をいたしました。現在も減少傾向は続いております。
なお、犯罪の特徴といたしましては、自動車盗、部品ねらい、車上ねらいのいわゆる自動車関連窃盗の多発であります。特に車上ねらいが、県全体では22パーセント減少している中におきまして、本市では23パーセント増加。また、自動車関連窃盗の重点罪種に占める割合が、県全体が36パーセントであるのに対しまして、本市では53パーセントと17ポイントも上回っております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
次に、中項目の2番目は、今までの犯罪撲滅に向けた取組状況について質問いたします。
平成16年に愛知県の安全なまちづくり条例が施行された背景もあり、本市では、平成19年に犯罪のないまちづくり条例が施行されました。犯罪の抑止や治安に対する市民の不安感の解消を図ることで、安心して生活することのできる地域社会の実現を目指して、この本市条例は制定されました。そして、この条例に基づき犯罪のないまちづくりを推進していくために、豊田市防犯活動行動計画が策定されています。
そこで、第3次豊田市防犯活動行動計画により推進されてきたことについて、以下2点の小項目を質問いたします。
小項目の1点目は、地域予算提案事業の活用についてお尋ねいたします。
都市内分権を推進するための地域予算を活用して、防犯対策事業が幾つか実施をされたと聞きました。そこで、各地域会議で決定し、地域住民が主体となって行われた事業の概要についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 平成22年度は、すべての地域で52事業の地域予算提案事業が実施されました。うち、防犯対策事業といたしましては14地域12事業でありました。
そして、地域住民が主体となった具体的な事例といたしましては、防犯マップを作成するときに、地域内を住民自らが点検を行ったり、幅広い世代の住民が参加した防犯講習会や防犯啓発大会の開催、老人クラブ、PTA等で実施している防犯パトロールや登下校の見守り活動などがあります。
また、豊南地域会議の特色ある取組といたしましては、先進地の視察で発見いたしました110番ブザーを住民自らが作成することで、防犯に対する意識を高め、それを玄関先に掲げることによって、地域が一体となって犯罪者をこの地域に近づけさせないような取組を行っている地域もございます。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目の2点目は、市民の犯罪に対する意識調査についてお尋ねいたします。
本市は、防犯活動行動計画の推進に伴い、市民の犯罪に対する不安感がどの程度変化したかを継続的に検証・評価するため、毎年アンケート調査を実施しています。毎年のアンケートに係る調査結果と分析内容についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 平成22年に実施をいたしました調査の結果では、ふだんの生活の中で、どの程度犯罪に不安を感じているのかの質問に、不安と回答した人が62パーセントと、不安ではないと回答した24パーセントを大きく上回っております。
個別の犯罪に関して不安を感じているかとの質問では、空き巣被害が82パーセントと最も高く、次に、子ども、女性、高齢者などを狙った犯罪が80パーセントという結果で続いております。
内容の分析といたしましては、これまで全体的に、人を巻き込むおそれのある犯罪に対する不安のほうが、物をねらった犯罪に対する不安より高い傾向が続いておりましたが、昨年は、車上ねらい、自動車盗など多発している犯罪に対する不安が高くなるという結果が出ております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
次に、中項目の3番目は、防犯対策緊急プロジェクト2010について質問いたします。
本市では、多発する自動車盗、車上ねらいなどの自動車関連窃盗や空き巣などの住宅対象侵入盗に歯どめをかけるため、緊急対策として、平成22年度に防犯対策緊急プロジェクト2010の事業が実施されました。
そこで、このプロジェクトで推進されてきた施策について、以下2点の小項目を質問いたします。
小項目の1点目は、防犯対策緊急プロジェクトで推進されてきた新規施策についてお尋ねいたします。
昨年度の主要事業の概要によると、市民・地域・行政が連携をして防犯活動を推進し、予算は1億1,000万円余と記載されていました。その中で、この活動は幾つかの分野別事業で構成されていますが、犯罪多発地区の深夜巡回パトロールと防犯対象用品の配布の新規事業について、方向と概要をお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 方向といいましょうか、理由といたしましては、多発する自動車関連窃盗や住宅対象侵入盗に対しまして、地域の自主防犯活動では深夜の対応が困難であることから、犯罪多発地区を重点に深夜巡回を強化するとともに、個人でできる防犯対策を積極的に推進する必要があるからでありました。
新規事業の概要といたしましては、犯罪多発地区深夜巡回業務では、午後10時から翌朝4時に、住宅対象侵入盗、自動車関連窃盗が多発する市内22の小学校区を重点に、車両4台で青色防犯パトロールを実施いたしました。主に住宅街、集合住宅駐車場、月極駐車場を中心に巡回をいたしており、1小学校区当たりで、おおむね2日に1回程度実施をいたしております。
なお、重点罪種撲滅地域対策支援事業では、啓発活動用に防犯フィルムや自動車盗難警報装置等の4種類の防犯対策用品を支給いたしました。防犯対策用品は、希望のあった自主防犯活動団体など305の団体に対し支給をし、各種会議やイベントなどの参加者への啓発活動に活用をいただきました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目2点目は、防犯対策緊急プロジェクトの検証についてお尋ねいたします。
昨年度に実施された事業で、市民の安全・安心を推進するために実施された、このプロジェクトの効果について検証されているかと思いますが、どのような効果があったのかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 平成22年は重点罪種の発生件数が、前年に比べまして818件も減少していることから、防犯対策緊急プロジェクト2010で実施した事業の効果があったと考えております。
中でも、プロジェクトの新規事業を実施した対象地区である22の小学校区の平成22年度中の重点罪種発生件数は、前年に比べて23パーセント減少し、市内全体の減少率19パーセントを上回っているなどの効果が出ております。
また、重点罪種が減少した小学校区は19小学校区で、減少率が30パーセント以上の小学校区は7小学校区あり、最も高い小学校区では、何と51パーセントと大幅な減少となっております。
さらに、深夜に発生の傾向が高い自動車盗、部品ねらいで見ると、30パーセント以上減少した小学校区は11小学校区あり、最も高い小学校区では減少率が55パーセントであり、プロジェクトの新規事業は、犯罪の減少に大きな効果があったと考えております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
次に、中項目の4番目は、本年度の犯罪撲滅事業について質問いたします。
平成19年4月施行の犯罪のないまちづくり条例には、市の責務として、犯罪のないまちづくりに関する施策の策定や実施に努める旨が定められています。そのため、本市では第3次豊田市防犯活動行動計画を策定し、84の推進事業への取組を掲げています。
本年度の当初予算に係る主要事業の概要によれば、犯罪のないまちづくりの推進について、四つの取組が紹介されています。そこで、犯罪の撲滅に向けた本年度事業について、以下3点の小項目を質問いたします。
小項目の1点目は、犯罪のないまちづくり予算についてお尋ねいたします。
防犯活動を推進する同予算について、主要事業の概要によれば、平成22年度が9事業で1億1,400万円余、平成23年度が5事業で4,100万円余であります。対前年比で、今年度予算はおよそ7,000万円の減額になりますが、非常に残念な思いがいたします。予算減額の背景や理由についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 7,000万円の予算減額につきましては、重点罪種撲滅対策支援事業の2,800万円と犯罪多発地区深夜巡回業務の4,200万円の事業費であります。
数字的には減っておりますけども、中身で申し上げますと、重点罪種の撲滅対策支援事業は啓発活動用の防犯対策用品を支給したもので、支給物品の新たな購入はいたしませんが、今年度は昨年度支給した物品の活用を継続していくため、事業としては、実質的には中止したことではございません。
また、犯罪多発地区深夜巡回業務は他の緊急雇用創出事業を活用できることになりましたので、産業部のほうの労働費として執行しているため、実際は減額とはなっておりません。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
安全・安心は市民生活の根幹でありますので、犯罪撲滅を強力に推進するためにも、関係予算については十分に配慮されるよう申し添え、次の小項目に移ります。
小項目の2点目は、地域住民によるパトロール活動への支援についてお尋ねいたします。
地域住民の地域の安全は地域で守るという活動が広がりを見せ、その自主防犯活動の中から、地域住民による青色回転灯をつけた車両による防犯パトロールが生まれました。豊田市内でも、多くの地域で青色防犯パトロールが行われています。地域住民による青色防犯パトロール活動への支援について、どのような支援をされているのかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 青色防犯パトロール活動に対する支援策といたしましては、市では、自主防犯パトロールに使用する自動車に青色回転灯を装着する場合の警察署等への申請手続に関する相談から、必須事項であります青色防犯パトロール講習会の手配を行うほか、物品支援として、車両に装着する回転灯の貸し出しや、防犯活動中である旨の表示板を配布するなどの支援を行っております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
平成19年に、私ごとではありますけれども、自分の車を青パト車に申請し、不定期で、志を同じくする人たちとともに夜間パトロールを実施しております。市民生活の不安を解消するためにも、ぜひ、青色防犯パトロール活動を充実されるように願い、次の小項目に移ります。
小項目の3点目は、昨年度の取組との相違についてお尋ねいたします。
第3次防犯活動推進計画は、平成22年から平成24年の3か年であります。基本的には、この期間は取り組む課題などについて相違がないと思っていますが、各事業においても予算の増減があります。既存事業の精査や新規事業、あるいは、廃止した事業の関係かと思いますので、昨年度の取組事業との相違についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 昨年度との取組の違いは、新規の取組といたしまして、市民一人ひとりの防犯意識を高めるため、犯罪のないまちづくり推進強化地区などに職員が直接出向き、地域の自主防犯活動団体の協力を得ながら、防犯講話や防犯診断などを実施するようにしたことや、配布用の防犯発生マップは、類似の事業で振りかえることができたことから中止したことなどが具体的な事例でございます。
基本的には、警察との連携の中で犯罪発生状況を随時把握し、分析・検討した結果をもとに、平成22年に実施した事業の中で効果のあったものは継続して実施をし、効果がない、はっきりしない事業については、事業を廃止していく、そういったことを基本的には考えております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
私の地域では、東海環状自動車道の松平インターができて以来、周辺住民の不安の解消に向け、犯罪防止に向け、活動が活発な展開をしています。同時に、犯罪防止は市民一人ひとりの日ごろの心構えや対策が大切であると考え、私は昨年、同志を募り、地域で防犯啓発隊を立ち上げ、活動を進めています。
そこで、犯罪のないまちづくりの推進には、犯罪をさせない地域の環境づくりが重要です。市民主体が取り組む犯罪防止啓発活動への積極的な支援策をお願いし、次の項に移ります。
次に、大項目二つめの土砂災害対策の推進について質問いたします。
土砂災害は、毎年のように全国各地で発生し、我々の暮らしに大きな被害と不安を与えています。また、その一方で新たな住宅開発が進み、それに伴って、土砂災害の発生するおそれのある危険な箇所も年々増加し続けています。
このような背景を受けて、平成13年には土砂災害防止法が施行されました。法の趣旨は、土砂災害から国民の生命を守るため、土砂災害防止工事などのハード対策にあわせて、土砂災害のおそれのある危険区域を明らかにし、危険の周知、警戒避難体制の整備、住宅などの立地規制、既存宅地の安全確保などのソフト対策の充実を推進しようとするものです。
そして、この土砂災害に係る施策の展開により、我々の暮らし向きに規制がかかり、この法の施行から10年が経過をいたしました。言いかえると、山間部の住民の多くが生活に不便を感じ、暮らし向きには大きな負荷がかかっています。危険区域に住んでいる住民が、自力・自己責任で移転せざるを得ない制度がつくられたと、私はこのように考えています。
8年前に、私は地元において区長に指名されました。6年間務めた後、この4月末に市議にさせていただいてからと、区長時代をあわせて、この間、多くの地元住民から現行制度についての不満の声を聞いています。
そこで、土砂災害対策の推進について、さきに通告してあります2点の中項目を質問いたします。
中項目の1番目は、農山村と土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域であります。
土砂災害防止法の目的は、急傾斜地の崩壊、土石流、地すべり等から住民の生命を守るために、基礎調査を実施した上で、土砂災害が発生するおそれのある区域について、危険の周知、警戒避難体制の整備などの制限を伴う対策を推進することのようであります。
そこで、土砂災害防止法による土砂災害のおそれのある区域の指定について、以下2点の小項目を質問いたします。
小項目の1点目は、農山村が抱える今後の課題についてお尋ねいたします。
土砂災害警戒区域にあっては警戒避難体制の整備が進められ、その中の土砂災害特別警戒区域では、建築物の構造制限がかかっています。こういった区域に指定された場合、農山村地区は大きな影響を余儀なく受けてしまいますので、抱える課題をお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田総合企画部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 現在、農山村地域では、土砂災害警戒区域や特別警戒区域が多く指定されておりまして、今後も指定される区域が増加していくものと考えております。
そのため、この土砂災害防止法の制定目的、この目的は、土砂災害から国民の生命及び身体を保護するためとされておりますが、この制定目的を踏まえまして、農山村地域で安全・安心な暮らしが送れるように、住民の皆さんと共働して取組を進めていく必要があると、そのように考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目の2点目は、市の対応策についてお尋ねいたします。
抱える問題に対しての対応策について、本市の取組状況をお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 当面の対応策としましては、2点について取り組んでおります。
1点目は、まずは、制度の正確な情報を住民の皆さんに周知徹底していくことでございます。
2点目は、指定状況に応じた地域住民の避難誘導体制の整備を進めていくことでございます。
今後の対応ですが、1点、参考事例をご紹介させていただきます。小原地区におきましては、来年が昭和47年7月の豪雨災害から40年目の節目にあたります。この契機をとらえまして、現在、地域の住民の皆さんによりまして、防災行動マニュアルや防災点検マップの作成に取り組んでみえます。これは、土砂災害の発生が危ぐされる事態となったときや、現に災害が発生したときなどに、地区の住民の皆さんが自ら的確に行動し、人的被害の防止や被害の軽減を図ることができるよう、具体的で実効性のある防災行動マニュアルや防災点検マップを策定しているものでございます。
市としましては、こうした地域での取組が他の地域にも広がることを期待しておりますし、もちろん私どもとしましても、そうした取組に対して共働で取り組んでまいる考えでおりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
以上です。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
最後の中項目は、土砂災害を防止・軽減するための取組についてであります。
国土交通省が設置した土砂災害対策懇談会は、近年、土砂災害が多発している状況を踏まえ、死者ゼロの実現を目指して、平成20年3月31日に、中長期的な展望に立った土砂災害対策を河川局長へ提言いたしました。
提言の趣旨は、人命を守ることを最優先とした施設整備、災害発生前の確実な避難や安全な土地利用を促進するソフト対策の充実、行政と住民との連携強化などであります。
そこで、土砂災害を防止・軽減するための本市の取組状況について、以下3点の小項目を質問いたします。
小項目の1点目は、土砂災害警戒情報についてお尋ねいたします。
そもそも、この土砂災害警戒情報とはどういうものか。及び、本市において、過去、土砂災害警戒情報が発表されたことがあるのか。あれば、その状況についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 土砂災害警戒情報とは、大雨警報発令中で土砂災害の危険が高まったときに、市町村単位で発表がされます。市町村の警戒避難体制や住民の自主避難などの支援のため、平成19年度より愛知県名古屋気象台と愛知県砂防課の共同で発表され、防災気象情報として、関係市町村へは愛知県の防災無線により伝達がされております。また、マスコミにも公表され、テレビ、ラジオで、速報で放送がされております。
豊田市では、過去2回発表されております。平成20年8月29日、高岡地区高岡で時間最大96ミリメートルの降雨があり、豊田市西部・東部に土砂災害警戒情報が発表されました。
次に、平成22年8月19日に、稲武地区富永で時間最大86ミリメートルの降雨があり、豊田市東部に土砂災害警戒情報が発表されました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目の2点目は、土砂災害を想定した防災訓練についてお尋ねいたします。
国土交通省は、土砂災害の防止に対する国民の理解と関心を深めるため、毎年6月1日から6月30日までを土砂災害防止月間として定め、期間中に、国及び県は防災知識の普及の運動を実施しています。
そこで、本市における土砂災害を想定した災害訓練の実施状況についてお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 土砂災害を想定いたしました防災訓練は、市民総合防災演習として、地域の皆さんの選択により開催をいたしております。
昨年は8月に稲武中学校にて630名が参加して、情報伝達や避難訓練などを実施いたしました。
また、昨日、小原地区にて予定をいたしておりました土砂災害を想定した演習は、台風の影響で開催はできませんでしたが、今後も地域の選択により、土砂災害を想定した訓練を継続実施してまいります。
また、それ以外にも、昨年は6月の土砂災害防止月間に県と連携して、旭地区にて113名が参加し、土砂災害を想定した避難訓練を実施いたしました。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
小項目の3点目は、地域防災力のかなめである自主防災組織への支援についてお尋ねいたします。
災害はいつ発生するかわかりませんし、災害の規模によっては、行政の支援や救出が期待できないことがあります。このような事態が発生したときに、地域内の災害時要援護者となる高齢者や身体障がい者などに救援の手を差し伸べることができるのは、身近にいる地域の住民です。自主防災組織を結成し、災害発生時の役割分担などの体制を整えるとともに、災害時要援護者や避難経路の情報を共有化することで多くの生命を守ることができると考えます。
そこで、本市の自主防災組織へどのような支援を行っているのかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 水野部長。
○社会部長(水野孝之) 災害の防止・軽減には、市と自主防災組織が連携して地域防災力の向上を図ることが重要であります。人的支援と物的支援の二つをいたしております。
具体的には、人的支援といたしましては、地域の防災セミナーなどに講師を派遣するとともに、自主防災会リーダー養成講座や土砂災害を想定した市民総合演習を開催いたしております。
また、物的な支援といたしましては、防災施設、防災マップ、資機材整備などに対する補助制度を設けまして、自主防災活動を支援いたしております。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 板垣議員。
○3番(板垣清志) ありがとうございます。
最後に、市民が安全で安心して生活できるよう、自主防犯・防災組織のさらなる充実が図られることを強くお願いし、私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 以上で3番、板垣清志議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 暫時休憩します。再開は3時40分といたします。
休憩 午後3時27分
再開 午後3時40分
○議長(河合芳弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。
本日の会議は、議事の都合により午後7時まで延長します。
35番、大村義則議員。
○35番(大村義則) 私は、働く市民を代表して、通告に従い日本共産党豊田市議団としての質問をいたします。
大項目1、放射能汚染から子どもと市民の健康を守る対策について質問いたします。
東日本大震災に伴う福島原発の事故で、放射性物質が原発の外部に大量に放出されました。例えば高濃度の放射性セシウム137。これらの放射性物質が外部に放出されると、それに汚染された細かいちりが大量にできます。この放射性微粒子は、風に乗り、また、雨粒となり、広いエリアに拡散するわけであります。それに汚染された稲わらを与えられた牛の肉が、既に全国的に流通してしまいました。
そこで、小項目①としてお聞きをします。
放射能汚染された牛肉の市内への流通状況についてご説明いただきたい。そして、それに対して市はどのような対策をとられたのか、説明を求めます。
同時に、その結果として、現在は汚染牛肉の広がりはとめられているのかどうか。
また、食べてしまった消費者への対応。例えば健康調査など、どう対応されるのか。
以上、一括してお聞きをします。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 暫定許容値を超える放射性セシウムが検出された稲わらを給餌された可能性のある牛の肉で、市内への流通が判明したものは27個体でした。そのうち、他の自治体において検査をされた6個体中1個体が規制値を超過していました。残りの21個体については、すべての肉が既に消費されており、検査することができませんでした。
流通状況については、8月3日までは報道発表により、その後は、市のホームページにて公表しております。さらに今後、規制値を超えた牛の肉の流通が確認された場合には、随時、報道発表を行います。
また、残品を回収するために、飲食店への調査、報道による市民への呼びかけを行ったところ、市民の手元に1パックの残品が確認されました。それについては、販売店により回収がなされました。
また、保健所では、市民の皆様からの相談にも随時応じています。
人体への影響は、仮に放射性セシウムが規制値の2倍の1キログラム当たり1,000ベクレル含まれている牛肉を100グラム摂取した場合でおよそ0.0013ミリシーベルトであり、年間の基準の5ミリシーベルトと比較し非常に小さいため、今回該当する牛肉を食べたとしても、健康上の問題はないものと考えられます。したがって、健康調査については実施しておりません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 今、お答えにありましたように、牛肉への放射能汚染が現実のものとして、豊田市にも流通をしていた。そうしますと、一番心配になるのは、子どもたちの食事に放射能汚染した食材が入り込まないかということであります。
食事を通して放射性物質を体内に取り込むと、低線量による内部被曝を起こします。今、心配ないというお答えがありましたが、この内部被曝のメカニズムというのは、十分に政府によって確認をしてない。しかし、科学者の中では指摘をされているところであります。どういうメカニズムかというと、体内に取り込んだ放射性物質が、人体の細胞核の中にある染色体のDNAに内部から障がいを与えるものであります。したがって、すぐに急性症状では出ない。晩発的に出るということであります。特に細胞分裂が活発に行われる赤ちゃんから成長期までの子どもたちに、内部被曝が大きな影響を与える、こう指摘されるのはこのためであります。
そこで、②としてお聞きをします。
学校給食の食材の放射能汚染について検査する体制、つまり放射能汚染されていないか食材をチェックし、汚染されたものを排除できる体制、こういう体制はできているのかお聞きをします。
○議長(河合芳弘) 中島学校教育部長。
○学校教育部長(中島敬康) 給食の食材につきましては、これまでも地産地食を進めておりまして、優先的に市内産、あるいは県内産、近隣の県のものを使うという順に調達しているという、そういう状況であります。
なお、食材によっては近隣の県以外から調達する場合もございますが、出荷前に必要に応じて検査が実施されておりますので、市独自での放射性物質の検査は行っておりません。
以上であります。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 市独自の体制をとってないということでありますが、私は、これはぜひ必要だと、市独自に子どもの安全・安心を確保するために必要だということを、意見として申し上げておきたいと思います。
次に、③として同じ趣旨でお聞きをしますが、豊田市内で流通する食肉、農産物、海産物の放射線測定の体制はどうなっているのかお聞きをします。
そして、その測定データの公表を求めたいと思います。お答えください。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 今後、暫定許容値を超える放射性セシウムが検出された稲わらを給餌された可能性のある牛の肉について、他の自治体での検査が未実施の段階で、当市内で牛肉の残品が確認できた場合には、当市が愛知県衛生研究所、厚生労働省もしくは登録検査機関に依頼して、放射性物質の検査を実施します。また、その結果は公表いたします。
また、現在は、農畜水産物については、必要な場合には各生産地において検査計画を計画し、出荷前に定期的に検査を実施していますので、保健所では、市内に流通している食品の検査を実施する予定はありません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) お答えでありますけど、けさもニュースを見ておりますと、遠く離れた埼玉県の茶葉のセシウム汚染というのが報道されておりました。これは想定をしてなかったということですね。先ほど申し上げたように、放射性の微粒子が風に乗り、ほかのところに遠く離れていく、そういうことを、これまで政府は想定してない。だから、こういうことが突如出てくる。もし、それをきちっとチェックしようと思うと、自分の自治体のところでチェックする体制をとらないとできません。これも強く、そういう食品のチェックできる体制をつくるべきだということを意見として申し上げておきたいと思います。
④です。飲料水の放射能汚染についての検査体制はどうなってますか。現状の数値もお示しいただきたいと思います。
○議長(河合芳弘) 岡田上下水道局長。
○上下水道局長(岡田純明) 水道水の放射性物質につきましては、国の定める水質基準項目にないため、これまで検査は行っておりません。したがいまして、検査用の機器も整備されておりません。
本市の水道水の安全性につきましては、国のモニタリングのほか、愛知県が独自に行っております豊田浄水場を含む県施設の浄水場4箇所で実施されております放射性物質の測定結果により確認しております。
この測定結果によりますと、測定が開始されました本年3月18日以降、県内の水道水から放射性物質は検出されておりません。
なお、今後も同様に、愛知県などの測定結果を注視してまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 食品の場合、流通という形で遠隔地の汚染されたものが来る可能性がある。しかし、水道の場合は、水源は地元ですから、今回の原発事故によって、そこまで放射性微粒子が飛んでくるということは考えられない。しかし、次に何かあったときに、放射能の濃度が変わったかどうかということを考えるためにも、現状の数値をはかっておくことが大変重要だと思います。そうでないと、変化はわからない。その意味では、きちっと水道局でもはかる必要があるということを意見として、これも申し上げておきたいと思います。
⑤としてお聞きをします。
そもそも豊田市は、放射能汚染についての検査機器を持っているのかという点であります。検査機器の整備、検査技師の体制、この点について現状をお答えください。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 当市は、食品の放射性を測定する機器を配置していませんので、検査を担当する技師もいません。国の原子力災害対策本部が示した検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方の中で、検査を行う対象自治体が示されておりますが、愛知県は対象自治体ではありません。また、愛知県が行った県内の空間放射線量率の測定結果では、震災前のデータと比較して著しい増加は認められていません。
以上のことから、現時点では放射性物質を測定する機器を購入する予定はありません。
今後、万一検査が必要となった場合は、愛知県及び登録検査機関に依頼します。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 今、お答えがありましたように、体制ないということであります。私は、まず市として、最低限検査機器の整備、検査技師の体制を整えることが必要だということを意見として申し上げたい。
食用品の放射線測定器は、厚生労働省マニュアルの対応タイプでも1機100万円前後で購入できるわけであります。市民の皆さんが不安に思ったら、食品でも水でも市独自に検査できる体制をつくって、正確なデータを公表する。それが市民の安心を確保する第一にやらなければならないことだと思います。
そこで、⑥としてお聞きをします。
市として放射能に対する食の安全確保の施策を強化すべきだと考えますが、市としての見解をお聞きします。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 食の安全確保は重要だと考えます。
先ほども答弁したとおり、放射能に対する食の安全を確保するためには、生産地において、農畜水産物の安全が確保されるのが原則ですが、今後もしっかりと情報収集を行い、万一、汚染の可能性のある食品が市内に流通した場合には、市民の皆様への迅速な情報提供と対応に努めてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 次の中項目の2、沃素剤の備蓄について質問します。
安定沃素剤は体内被曝を防ぐ効果があります。国は原子力施設等の防災指針というものをつくっておりまして、原発から10キロメートル圏内の重点地域の自治体では、この沃素剤を備蓄することになっております。
しかし、福島原発の事故に際して、その備蓄が足りないということが起こったのはご存じのとおりであります。なぜか。10キロメートル圏外の外にも高濃度の汚染地域が出たからであります。しかも、錠剤タイプの沃素剤のメーカーは、国内で1社だけしかないと聞いております。いざというときに慌てても、すぐには手に入りません。だから、今、10キロメートル圏の外にある自治体でも、備蓄を決めた自治体が出てきています。
そこでお聞きをします。
沃素剤について、愛知県は備蓄しているのか。備蓄してないとしたら、豊田市として確保・備蓄し、緊急時に対応できるようにしておくことが必要だと考えるが、この点、市の見解をお聞きしたいと思います。
○議長(河合芳弘) 竹内保健所長。
○保健所長(竹内清美) 愛知県は、沃素剤の備蓄はしていないと聞いております。当市においても備蓄はしておりません。また、現段階では沃素剤を備蓄する予定はありません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) これもきちっと対応すべきだということを意見として申し上げます。
次に、中項目の3、震災被災地の瓦れきの受入れ問題について質問します。
報道によれば、愛知県知事は被災地を訪れ、瓦れきなどの災害廃棄物を15万トン余り受入れ、処理に協力する旨を発表したと伝えられております。しかし、県は独自の焼却施設を持っているわけではありませんので、もし受入れるとなると、県内の市町村の焼却施設で処分することになるわけであります。
そこで、小項目①として、震災被災地の瓦れき受入れ可能量について、県に対してどのように答えているのか、まずお答えください。
○議長(河合芳弘) 岩田環境部長。
○環境部長(岩田信男) 4月8日付の環境省災害廃棄物対策特別本部からの通知等により、愛知県から受入れ可能廃棄物の種類や年間最大受入れ量などについて調査依頼がありました。県に対しまして4月14日付で、瓦れきの中で焼却できる一般廃棄物を対象として、施設の余力として、渡刈クリーンセンターで年間3,000トン、藤岡プラントで500トンの、合わせて3,500トンを受入れ可能と回答しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 小項目②、原発事故による影響で、被災地の瓦れきの中には大量の放射性微粒子により汚染されている可能性があるものがあります。そのメカニズムは先ほどお話ししたとおりです。私は、放射能汚染された瓦れきを全国に拡散すべきではないと思います。仮に放射能汚染の心配がない瓦れきだとして焼却処分したとしても、その前と後で放射能濃度の変化がわかるようになっていないといけないと思います。
そこでお聞きをします。
市のごみ焼却施設について、現状の放射能濃度をお聞きします。焼却後の焼却灰、飛灰、そして空気、この放射能濃度の現状はどうなっているのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 岩田部長。
○環境部長(岩田信男) 放射性セシウム濃度の測定につきましては、平成23年6月28日に環境省により、一般廃棄物焼却施設における焼却灰の測定及び当面の取扱いについて、関係15都県に通知がされました。愛知県は対象に含まれていないため、現状を確認するための測定は行っておりません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 今、お聞きしたように、現状のデータはないということであります。それでは、わからないということになってしまいます。先ほど申し上げましたが、きちんと現状を測定していただきたい。
その上で、私は、瓦れきをもし受入れるということになるとすると、その基準というのはどうなるのかということをお聞きしたいと思います。私は、現状の放射能濃度を上回らないことを基準とする。つまり、放射能汚染がないことを基準とすべきだと考えますが、この点どうですか。
また、そういうデータを公表した上で、市民の納得と合意を条件としていただきたいと思いますが、以上、ご答弁をお願いします。
○議長(河合芳弘) 岩田部長。
○環境部長(岩田信男) 今後、受入れる場合でございますが、国の基準が今後示されると考えます。国、県の指導のもとで、周辺の自治体とも連携しながら、国の基準により安全の確認ができた後に、地元住民、市民、議会等の理解を得て、受入れをしてまいりたいと思います。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 国の基準というのが大変心配なんです。現状、全く放射能汚染がない、この豊田市の現状よりも、国の基準というのは高くなる可能性があります。これは既に被災地の地域で、地表の放射能濃度の基準がころころ変わると。こういうことを見ても、大変不信感を持ちます。そういう意味では、国が現状よりも高いけれども、つまり自然界にある状況よりも高いけれども、一定基準より以下ならばいいということを言ってくる可能性がある。私は、それではだめだと。それはやはり、さっき言った低線量被曝の可能性がある。こういうことを、きちっと市としては姿勢を持っていただきたい。このことを申し上げたいと思います。そういう基準を持っていただきたいということを、意見として申し上げたいと思います。
次に、④です。
したがって、もしそういうことが起きる場合がある。今言ったように、国が一定の水準を、自然界よりも高いけれども、一定以下ならいいという基準を設ける場合があると。私は、そういう場合でも、放射能汚染された瓦れきの受入れには反対でありますけれども、もしそうなった場合に、運搬したり、破砕したり、焼却、埋め立てで、周辺に放射性物質と放射線が漏れないようにする。こういうことが必要だと思います。あるいは、処理過程で住民と作業員の安全を確保することを、きちっと担保されないといけない。こういうことだと思います。
その点について、私は受入れに反対だけど、受入れる場合について、その辺の確認というのはどうするのかお聞きをします。
○議長(河合芳弘) 岩田部長。
○環境部長(岩田信男) もし仮に受入れる場合でございますが、国や県の指導のもと、処理過程、運搬、埋め立て時の対応につきまして、周辺環境に十分配慮し、より安全な方法で対応してまいります。
また、直営の職員、委託業者等の作業員につきましても、防護服などの着用により、安全性を確保して対応してまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) ぜひ、それは答弁をいただきましたので、そのとおり確認をしたいと思います。
次に、中項目の4、米生産への影響と減反の見直しについてお聞きをしたいと思います。
東日本大震災により、日本の主食の米をつくる水田が甚大な被害を受けました。さらに、福島第一原発の放射能被害で、作付できない地域も出ています。その関係から、2010年産米、つまり原発事故の前のお米について、大変価格が高騰している。米の卸業者間の取引価格が、もう値がつけられないほど高騰していると聞いています。2011年産米、ことしの新米への放射能の影響などの不安が高まれば、小売価格の値上がりにつながる可能性も否定できません。
そこでお聞きをします。
米不足による混乱は心配ないのか。全国的な生産量と価格の現状について確認をしたいと思います。ご答弁をお願いします。
○議長(河合芳弘) 鈴木産業部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 国は、地震・津波被害と原発事故による米の生産量の減少を14万トンと算出しております。対策として12万トンの増産調整を行っており、当初見込んだ米の生産目標数量795万トンに対して、2万トンの減少にとどまるとしております。
また、国は6月末時点で、国の備蓄米と民間在庫米が合わせて270万トンあり、主食用米の需要量は十分に確保できるとしております。
国の小売物価統計によりますと、震災前の平成23年2月のコシヒカリの小売価格、10キログラム当たり4,764円、震災後の6月でございますが、4,864円ということになっております。また、平成23年産の小売価格は、まだ統計として公表されておりません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 減反政策による来年度の市内の減産計画はどうなっているのか。確認をしたいと思います。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 平成24年産米の生産数量目標は、国が11月に公表するとしておりますので、現時点では未定でございますが、国が7月に示した全国の需要見通し速報値、昨年と同程度であったことから、豊田市の平成24年産米生産数量目標は本年並みと予測されます。本年は約1万4,000トンでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) こういう状況でも減反政策を続けると国は言い、市のほうも、それに従って減産を割り当てられてやっていくということに、このまま行くとなってしまいます。
私は、先ほど1でご答弁いただいた内容は知っています。それは、政府が国会で答弁している内容だからであります。しかし、その政府の見込みは極めて甘いと思えてなりません。なぜか。これは、民間在庫と備蓄米で生産の不足は賄えそうだというのが政府の考えの中心になっています。しかし、心配なのは来年以降の米の供給でありまして、被害を受けた水田の復旧が進まなかった場合、あるいは、今、お答えがあった減産の調整がさらに進むと言われた場合に、本当にこのままで米が大丈夫なのかという問題があります。
しかも、今、米の需給、流通の過程で言うと、かつての国がきちっと管理をする状況じゃなくて、市場原理に任される。先ほど申し上げたように、市場関係者の中では、米がない、それはなぜかと、買い占めがある心配があるわけです。こういうことが行われたときに、実際に価格が高騰するということが心配をされるわけであります。現に消費者団体や流通業者の中からは、その不安の声が現実に広がっているわけであります。
こういう状況でありますから、私は少なくとも来年度の作付については、減反政策による生産調整をやめるべきだと思いますけれども、この点いかがですか。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 米が不足をするということであれば、生産調整の水準は見直されるべきであると考えます。しかし、いろんな統計から現在十分確保できるということである以上は、価格維持のためにも必要な政策であると考えます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 次の大項目に移ります。
次に、大項目2の質問に移りたいと思います。
こども発達センターの施設の一つ、たんぽぽにかかわって質問いたします。
このたんぽぽは、手足や身体に運動障がいのあるゼロ歳から就学前のお子さんが対象で、定員総数が40名、1クラス15名、指導する先生クラス2人で、ホームページの説明では、お子さんたちが家族の方と一緒に毎日登園していただく通園施設ですとあります。つまり、お母さんたちは毎日子どもさんと一緒に通園し、クラスの中でも1日中、子どもさんを介助しながら一緒に過ごしていると、こういう施設になります。
質問は、ここで行われる単独療育というカリキュラムについてであります。
この単独療育は、一定の年齢になった子どもさんの場合、母子が離れて過ごす機会をつくるというカリキュラムでありました。例えば5歳児の場合、週に一度、お母さんでない他の人の介助を受けながら、クラスの中で活動する。同じ幼児期の子どもさんたちが、こども園で過ごしている姿を考えれば、母子が離れて活動することは、子どもさんの成長・発達にとって、当然必要な療育カリキュラムであると思います。同時にお母さんたちも、この1日が、子どもさんの手が離れ、気が休まる貴重な時間であります。
そこで、小項目①としてお聞きをします。
単独療育で、各幼児・児童の介助をしているのは、基本的にすべてボランティアの人たちだと伺っております。もちろんクラスの先生はいますけれども。それぞれの子どもさんの介助につくボランティア、その人数をお聞きします。
また、その内訳です。たんぽぽのOBのお母さん、あるいは学生、その他のボランティア。そういうボランティアの人数、内訳をお聞きします。
そして、その方たちのボランティア保険の負担はどうなっているのか。これもお聞きをします。
そして、その交通費の負担はどうなっているのか。自己負担なのか。この点もお聞きをします。
○議長(河合芳弘) 幸村福祉保健部長。
○福祉保健部長(幸村的美) 肢体不自由児通園施設のたんぽぽですが、議員ご指摘のように、母子通園を原則としておりますが、5歳児を対象に毎週1回、子どもが保護者と離れて過ごす単独療育を実施しております。その際には、保護者にかわってボランティアの方が、幼児1名に対して1名の割合で入っていただいておりますが、当然のことながら、保育師が職員も2名入っております。
ボランティアの登録者は現在29名でございまして、その内訳は、たんぽぽOBの保護者が12名、学生が1名、そのほかが16名となっております。
また、ボランティア保険や交通費につきましては自己負担となっております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) これは必要な療育カリキュラムですよね。私もそう思います。必要なもの。あったほうがいい、やったほうがいいということじゃない、必要なんですよね。とすると、それがボランティアを前提として動いている。これはもう少し考える必要があるのではないかと思うんです。
そういうことから、②としてお聞きをします。
市として、福祉事業団への財政支援を行い、職員体制の補強や、たんぽぽOBを始めとしたボランティアの方たちの負担軽減を図るべきだと考えますが、いかがですか。
○議長(河合芳弘) 幸村部長。
○福祉保健部長(幸村的美) 現状、ボランティアにつきましては、単独療育の対象となる5歳児12名に対して、登録者が29名お見えになりますので、過度の負担がかかることはないと判断しておりますし、職員もきちんと配置しておりまして、特に問題なく運営されております。したがいまして、職員体制は現状で足りていると考えております。
また、ボランティアの方々につきましては、あくまで自主的に活動に参加をしていただいておりますので、保険料や交通費の負担軽減については考えておりません。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員。
○35番(大村義則) 私は、お母さんたちの負担も大変だと思うんです。毎日、子どもさんと通園する。その意味では、単独療育の回数をもう少し増やしていただきたいなと思います。
同時に、そうすると、その際の子どもさんの介助につく方たちの体制もきちっとつくっていかなければならない。これが必要ではないかと思います。そういう体制をつくって、単独療育をきちっとした体制で、また広げていくようにしていただきたいということは、意見として申し上げておきたいと思います。
最後の質問になりますが、市の財政支援ともかかわるわけですが、障がい児施設への指定管理制度のあり方について質問します。
こども発達センターは、指定管理制度で運営する対象施設となっております。指定管理制度では、経済効率が必然的に追求されます。また、指定期間を設けるわけでありまして、発達センターの場合は5年であります。
そもそも、障がい児などの福祉施設の運営は、経済効率という考えはなじまないと私は思います。また、指定期間を設けることによって、運営の継続性から来る問題も出てくると思います。
そこでお聞きをします。
こども発達センターのような障がい児施設の運営のあり方について、指定管理による経済効率性や運営の継続性との関係を、市としてどう考えているのか、見解をお聞きします。
○議長(河合芳弘) 福嶋総務部長。
○総務部長(福嶋兼光) 公の施設の維持管理にあたりましては、直営または指定管理という区分にかかわらず一定の経済的効率性を求めるということは、これは最小の経費で最大の効果を求めるという地方自治の理念からしても避けることはできないと、まずは考えております。
そうした中で、指定管理者の選定におきましては、単に経済的効率性の視点だけではなく、施設の設置目的を最大限に実現する、あるいは、施設管理を安定的に継続ができる能力を有することを総合的に判断して、最も適切なサービス提供者を指定しているというのが現状でございます。
特に、障がい児の施設でありますこども発達センターにつきましては、経済的効率性という視点を持ちつつも、施設の設置目的の最大化を図ることに、より大きな視点を持っておりまして、その分野の専門性が高い豊田市福祉事業団を単独指名の形で選定しているというのが現状でございます。
期間の話でございますが、障がい児施設におきましては、施設利用者と指定管理者の信頼関係を維持するということも、そういう視点から施設運営の継続性を確保するということも指定管理者選定の重要な視点であるとは思いますので、そうしたことも十分踏まえる中で、今後の指定管理者の選定だとか、指定期間のあり方についての判断をしてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 大村議員の質問は、持ち時間の30分をすべて使用しましたので、以上で35番、大村義則議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 次に、16番、吉野博子議員。
○16番(吉野博子) 私からは、通告に従いまして、社会環境の変化と第7次豊田市総合計画について質問をさせていただきます。
この質問についてですが、午前中の質問と重複する部分がございますが、私ども市民フォーラムにとりまして重要でございます政策要望に大きくかかわるところでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
平成20年3月に第7次豊田市総合計画が策定され、ことしで4年目を迎えました。その間、世界的な経済不況や加速する環境政策、そして、本年3月の東日本大震災による本市への影響、加えまして、直近の超円高問題など、総合計画策定時とは豊田市を取り巻く環境は大きく変化しております。
例えば、豊田市の財政面におきましては、計画策定時の想定を大きく下回る市税の収入が続く状態となっております。このような状況の中、限られた財源の有効活用を図るため、事業の緊急度などを検討・整理し、選択と集中をもって効果的な事業推進に取り組まれていることは、これまでの市議会の議員の皆さんの質疑を始めとして、都度確認をされております。
しかしながら、さきに申し上げましたように環境変化が激しく、そして、この先も続くであろう先行きの不透明な社会経済環境の情勢などは、明らかに想定の範囲を超えておりまして、事業推進の基盤であります財政の見通しが立てづらい状況であります。このことが、豊田市にとって切実な問題ではないかと思います。
今回は、想定の範囲を超える社会環境の変化を、豊田市としてどうとらえ、第7次豊田市総合計画にどのように反映させていくのか。現状認識や中期経営方針との関連も踏まえ、質問をさせていただきます。
始めに、中項目1といたしまして、社会環境の変化をどうとらえるかについて質問をいたします。
第7次豊田市総合計画は、鈴木市長が市政運営の最高責任者として策定したものであります。言いかえれば、鈴木市長の思い描くまちの形そのものと言っていいと思います。
そして、この第7次豊田市総合計画の基本構想では、合併による都市構造の変化に加えて、少子高齢化の進行、人口減少社会の到来、経済を取り巻く環境変化、深刻化する環境問題など、社会経済のグローバル化、構造改革・地方分権の推進、情報化の進展、防災・防犯意識の高まりなど、本市を取り巻く社会環境の変化を踏まえ、目指すべき将来都市像といたしまして、「人が輝き、環境にやさしく躍進するまち・とよた」を掲げています。
この基本計画に基づいて、平成20年度から平成24年度の5年間を前期実践計画、平成25年度から平成29年度の5年間を後期実践計画として位置づけており、来年度は前期実践計画の最終年度でもあります。
中項目の1では、この第7次豊田市総合計画策定以降の環境の変化をどうとらえるのか。また、そうした環境変化をとらえた上で、後期実践計画に対する鈴木市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○議長(河合芳弘) 鈴木市長。
○市長(鈴木公平) 平成20年度からスタートいたしました前期実践計画ですけれども、これは議員もよくご承知のとおり、その直後、9月でしょうか、リーマンショックに始まる世界不況ということで、大変な影響を受けることになりました。豊田市の税収の減少というのは、私は予想を超える、言ってみれば未曾有の減少額になったと思っておりますし、平成21年度を合わせて200億円近い還付金が発生するというようなこともありましたから、この前期実践計画をどう担保していくかというのは本当に大変な作業というか、難しい作業でございました。
もちろん計画ですから、これを事業化していかなければいけません。したがって、それをどのようにして事業化させていくかということが、毎年度の大変困難な作業になったと思っておりますが、毎年度のローリング作業というのを行ったわけですけれども、その中で、私どもは選択・集中を視野に議論を重ねました。事業ごとに選択・集中の議論を重ねたということでございますが、そうしたことを重ねながら、一つひとつの事業について、さまざまな手だてを講じて予算編成につなげるという手法をとりました。これは従来になかったことでございます。
この経験につきましては、今後の施策の中で、私は生かせるのではないかと思っております。特に後期実践計画の策定にあたって、こうした作業は一定の、やはり事業化に向けての指針を示したと、具体に我々に示唆されたというか、そういうことを感じます。
つまり、事業の規模をどのようにするか。改めて事業一つひとつのあり方についての評価もしたと。ですから、縮小した事業もありますし、緊急度、難易度に応じて、若干時期を延ばすとか、期間を長くするとか、そういうことも含めてやりましたし、財源につきましても、一つひとつの事業についての財源のあり方について議論をして、できるだけうまくはめられるような工夫をしたということがございました。
ただ、その中でも、前期実践計画につきましては、どうしてもちゅうちょせざるを得ないという事業がございまして、象徴的には、ご承知のとおり中央保健センターの事業でございました。これはマスコミにも大きく取り上げられて、豊田市の経済情勢とか、あるいは、市の財政状況につきまして、情報発信のもとにもなったと思っておりますけれど、実はこれによって、私は庁内の危機意識が共有できたと思っております。ややもすると、比較的豊かな税収の中で、これまで予算編成、事業の組み立てを行ってきたという経験の中で、今回こういうことが起きたというのは、今申し上げたようなノウハウを積むことの分野で、反対に役立ったところもあると思っておりますので、そうしたことが、その後策定をいたしました戦略プランにも反映されることになったと存じます。
一方で、今、急激な円高の渦中にございます。これによって、本市の製造業界における営業損失の拡大は免れない状況でございます。また、東日本大震災は、新たな課題を多く提示いたしました。こうした背景のもとに、これから後期実践計画を進めていかなければいけないということで、現在、検討を重ねているという状況でございます。
私は、市の財政に貢献する都市基盤整備、それから産業政策、これらの拡充は、やっぱりしていかなきゃいけない。財源は厳しいですが、していかなきゃいけないと思っておりますことと、市の将来像とすべき環境モデル都市にかかわる施策、これらの重点化を図る必要があると存じます。あわせて、東日本大震災を教訓とする防災対策の位置づけ、これらがこれからの、個別に言うと重要な課題になるであろうと存じます。
今後の計画策定作業につきましては、事業化の担保を検討する上で、さらに難しく厳しい作業が求められると思いますけれども、英知を絞って議論を重ねて、いい後期実践計画ができるように努力されるべきだと思っております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) ありがとうございました。ただいま鈴木市長より、後期実践計画への思いをお聞かせいただきました。重点化、選択と集中、本当にいろいろなことを言っていただきまして、そのことを後期実践計画のほうに、ぜひとも反映していただきたいと思っております。
続きまして、中項目の2といたしまして、その後期実践計画と中期経営方針との関連につきまして、質問をさせていただきます。
平成24年度までの前期実践計画期間の社会経済環境の変化に対しましては、当面の財政運営や財務体質の強化に重点を置いた豊田市短期経営方針を平成21年9月に策定し、その方針に基づき市政運営に取り組まれてきました。そして、この短期経営方針に引き続き、本年3月、豊田市中期経営方針が策定をされております。
中項目2では、この中期経営方針の考えを確認するとともに、後期実践計画にどのように反映していくのか質問をさせていただきます。
始めに、小項目の1といたしまして、中期経営方針のねらいについてお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 太田総合企画部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 本年3月に策定いたしました中期経営方針は、おおむね方針の期間を、本年から平成29年度、後期実践計画期間の終了年度ぐらいを想定して方針を立てたものでございます。
その方針の目指すところは、豊田市
まちづくり基本条例の基本理念の中で、自立した地域社会の実現を目指すとしてございます。ですので、この中期経営方針につきましても、この自立した地域社会の実現を目指すということを想定して、取りまとめたものでございます。
方針の柱としましては、2点ございます。
1点は、本市の基礎を強化するということでございます。
社会経済情勢が不安定な中で、今後、自立した地域社会を実現していく。そのためには、何よりも自治体としての基礎を強化することが必要だという、そういう認識でございます。そのために、自治の基本であります共働の推進を掲げました。加えて、共働の推進をするためには、当事者としての行政の立場もございますので、行政の自立も促進する必要があるという意味で、職員力・組織力の向上をあわせて掲げております。
2点目の柱は、本年度から策定に着手します後期実践計画の基本的な考え方を明らかにするということでございました。
後期実践計画の基本的な考え方につきましては、一つは、施策の重点化を明らかにするということと、財政運営の基本的な考え方を明らかにする。この二つの項目を掲げております。
この2点の項目を取り上げましたのは、後期実践計画策定の着手に先立ちまして、計画の大方針をあらかじめ整理しておくことで、今年度からの円滑な策定作業を進める、そういったことをねらいとしておりました。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) ただいまお答えいただきました中期経営方針の2本目の柱、後期実践計画の基本的な考え方としております2項目について、順次質問させていただきたいと思います。
まず、施策の重点化についてですけれども、中期経営方針において、豊田市
まちづくり基本条例の基本理念と第7次豊田市総合計画の将来都市像の二つの視点から、施策の重点化を検討するとされております。
小項目の2といたしまして、この施策の重点化の考え方についてお答えいただきたいと思います。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 質問で触れていただきました豊田市
まちづくり基本条例と第7次豊田市総合計画ですが、これはいずれも多くの市民の皆様の参画を得て、また、市議会におきましても十分なご審議をいただいた上で制定、策定したものでございます。今後の豊田市の施策の重点化を検討する上で、こうした経緯は最大限尊重すべきだと判断しております。
施策の重点化は、豊田市
まちづくり基本条例の基本理念、そのキーワードが、自立と共働でございます。また、第7次豊田市総合計画の将来都市像は、「人が輝き、環境にやさしく躍進するまち」となっております。この二つの側面を重視しまして導き出したものが施策の重点化でございます。
その視点は六つございます。
一つ目は、地域自治システムの推進・深化。二つ目は、積極的な情報提供の取組と市民の市政参加の多様な仕組みの拡充。三つ目は、低炭素社会実現に向けた取組の推進。四つ目は、市内企業のイノベーション支援と新産業の創出。五つ目は、農山村振興の推進。六つ目は、定住促進のための環境整備。以上の六つの重点化の視点でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) そうしましたら、次に、小項目の3といたしまして、後期実践計画にかかわる項目でございます。
中期経営方針策定時の財政運営の基本的な考え方につきましてお聞きをいたします。
市税収入の見込みや地方税体系などの動向も踏まえ、健全財政を維持するための考え方についても、あわせてお答えいただきたいと思います。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 中期経営方針策定時もそうだったんですが、今日に至るまで、為替や景気の動向、あるいは、税制を始めとします制度改正の動向などについて不透明な状況が続いております。
このため、中期経営方針では市税歳入や予算規模等の見通しを実額で示すことは困難であると判断いたしました。結果として、今後の財政運営上のポイントとなります資金積立基金、普通建設事業費、市債、この3項目についての基本的な考え方を示すことといたしました。
その中で、市税歳入につきましては、引き続き厳しい状況が続くと想定されております。また、加えて急激な少子化や高齢化が進展いたしますし、また、将来的には、本市におきましても人口減少が想定されております。そうしたことを考えますと、健全財政を維持することは非常に重要なことだと考えております。
ただ一方で、本市の成長に向けての投資は必要でございます。今後、後期実践計画の策定を進めていく中で、中期経営方針で示しました基本的な考え方を踏まえて、健全財政の維持の視点を考慮しながら、財政の見通しを立てていくということになると考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) それでは、中期経営方針の中で、後期実践計画の基本的な考え方としております、ただいまお答えをいただいております施策の重点化、そして財政の見通し、これについて今までお答えをいただいております。
小項目の4といたしまして、この中期経営方針の考え方に基づいて、後期実践計画にどのように施策反映をしていくのか。具体的にお答えをいただきたいと思います。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 後期実践計画の策定につきましては、本市の強みを生かしながら、将来の成長につながる施策の重点化の六つの視点を踏まえまして、具体の事業を、体系化などを図りながら整理していくという考えでおります。
財政計画につきましては、資金積立基金の確保、普通建設事業費の適正額の確保、市債の借入れの三つの項目の基本的な考え方に基づきまして、後期実践計画策定の中で最新の状況を見きわめつつ、具体的な目標額を検討してまいります。
なお、財政運営上影響が大きい物件費の増大ですとか、あるいは、普通建設事業費の適正額の確保につきましては、中期経営方針の中で位置づけました公共建築物の最適化及び都市基盤整備のプロジェクト、二つのプロジェクトを立ち上げて、今、検討しておりますけれども、そのプロジェクトにおきまして、現在先行して検討を進め、その結果を後期実践計画の策定作業に反映していくという段取りになっております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) これまでの質問を通じまして、想定を超える環境変化に対する受けとめ、そして、それに対する中期経営方針と後期実践計画への反映について確認をさせていただきました。
しかしながら、昨今の環境変化のスケールの大きさとスピードの速さ、それを考えてみますと、後期実践計画だけではなく、そのベースとなります基本構想への反映も必要ではないか。そういう思いから、中項目の3点目を質問させていただきたいと思います。
まず、小項目の1から質問させていただきます。
長引く経済低迷に加え、昨今の急激な円高など、社会経済環境は大変厳しいものがあるということは周知のとおりでございます。加えまして、中期経営方針策定後の超円高問題は、本市の基幹産業である自動車産業にとって大変大きな痛手となり、ひいては本市の税収にも大きく影響するものでございます。
そこで、この先行き不透明な財政状況に対しまして、豊田市としてどのように対応していくのか。再度、確認も含め、質問させていただきます。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 若干答弁が重複いたしますが、お願いします。
東日本大震災の影響に加えまして、昨今の想定を超える円高が市内の企業活動に与える影響、そういったことを思いますと、本市の市税収入は、これまで以上に見込みが立てにくい状況となっております。
また、歳出におきましても、社会保障関連費などの経常的に必要な経費が引き続き増加するなど、厳しい状況が見込まれます。
こうした先行きが不透明な状況ではありますが、今後の財政運営におきましては、中期経営方針で示したとおり、資金積立基金の確保、普通建設事業費の適正額確保、市債の有効活用、あるいはプライマリーバランスの考え方の整理、そういったことを通しまして、具体的な方針を立てることになると考えております。その際、本市の成長戦略にかかわる施策の展開と健全財政の維持、この二つのバランスをどうとるかということにつきまして、今後の重要な論点になると考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) それでは、小項目の2、加速する環境施策について質問をさせていただきます。
平成21年の環境モデル都市、そして、平成22年の次世代エネルギー・
社会システム実証地域、この選定を始めとし、豊田市の環境に関する取組は今後の豊田市の強みであり、環境リーディング都市を目指す本市の発展のために必要な施策と考えます。
小項目の2といたしまして、豊田市として現在取り組んでいる環境施策をどのように進化させていくのか。本市の考えをお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 特に東日本大震災を契機といたしまして、再生可能エネルギーなどによる分散型電源やエネルギーの地産地消の必要性が改めて認識されております。このことが、豊田市におきます次世代エネルギー・社会システム実証の取組の重要性ですとか必要性、そうしたことが一段と高まったと感じております。
今後は、こうした環境エネルギー分野におけます先駆的な取組を生かしまして、スマートハウスや次世代自動車をいち早く市内へ展開するなど、実証成果を市内、市民の皆さんへ普及、浸透させる施策を展開してまいりたいと考えております。
また、既存技術の活用や新たな技術開発などの環境関連での産業振興施策の展開など、市民生活の向上や経済基盤の拡充につなげるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) それでは、小項目の3、市内の基幹産業の国内3極化について質問させていただきます。
7月13日、本市の基幹産業である自動車企業は、関連企業の完全子会社化によるグループ一体での経営効率化と、中部、九州に次ぎ東北をコンパクト車の開発、生産拠点とする国内3極体制を構築し、それぞれの役割を強化する方向を示しました。国内生産体制の3極化を強固にし、自立性を高めていくことで、日本でのものづくりを一層強化するとしていますが、豊田市として、今後どのようなことが想定されるのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 本市の基幹産業であります自動車企業と議員がご紹介されましたので、自動車企業は、国内3極体制の方針のほかに、本市を含む中部地区につきまして、生産拠点としての機能に加えて、新技術・新工法などのイノベーション技術の開発拠点としての位置づけも示されております。このことによりまして、本市が自動車産業の技術開発拠点であることの位置づけが、より一層明確になったと認識しております。
一方で、国内生産体制の3極化によりまして、本市の自動車及び自動車部品の生産活動に影響を及ぼすのは必至であると考えております。
本市としましては、自動車産業のさらなる強化や自立的中小企業の創出に向けまして、危機感やスピード感を持って産業施策を展開していくことが必要であると認識しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) それでは、小項目の4、10年後の数値目標を変える必要はないかというところについて質問させていただきます。
第7次豊田市総合計画では、その基本構想の中に、数値で見る10年後の姿として、六つの切り口で25項目の数値目標が設定されております。豊田市の将来都市像や目指すべき姿を実現するための具体的な目標値であり、私たち市民目線でのわかりやすい将来目標でもあります。総合計画策定時の特色の一つとしても取り上げられておりました。
豊田市として認識する社会環境の変化を受け、後期実践計画の施策反映を中項目の2でお伺いいたしましたが、そのことは、結果として10年後の数値目標にも影響を及ぼすことになるのではないか。そういった問題意識のもとに、この数値目標を変える必要性についてお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 議員もご紹介いただきましたけれども、基本構想の中の10年後の数値目標、これは、基本構想に掲げます将来都市像や目指すべき姿などにつきまして、その達成状況を客観的に評価する仕組みとして設定したものでございます。市民の皆さんと共有できるわかりやすい将来目標として、25の指標と目標値を設定しております。
ところが、この指標の多くが、市の施策や事業と指標の動きとの関連性の低いものが多いという状況になっております。これはわかりにくいですが、ちょっと言いかえますと、指標の動きに影響を及ぼしますのが、市の施策や事業以外に、社会情勢や経済情勢といったほかの要因もかかわってくるということでございます。
代表的な指標としましては、住みよさ満足度、つまり豊田市が住みよいまちだと思う市民の割合ですとか、あるいは、豊田市に長く住みたいと思う市民の割合といったような指標が代表例として挙げることができるかと思います。
そういう指標ですので、現段階では、10年後の数値目標を変えるのではなく、目標を踏まえながら、選択と集中による、より効果的な施策や事業を推進していくという考えでおります。
なお、実践計画で掲げる施策の成果指標及び目標値につきましては、これは市の施策や事業とも関連性が高い指標ですので、社会環境の変化等を踏まえまして、見直しを図っていくということでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) 少し確認をさせていただきたいんですけれども、この具体的な数値で25項目ある中で、そうはいっても、やっぱりそれは目標値として設定されているわけですよね。その中で、例えば、今の時点で順調にいってるものとか、全然進んでないものとか、そういった部分、今、おわかりになるところはありますでしょうか。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) この仕組みが始まってまだ3年ですので、その指標の動きについて的確な評価を下す段階ではまずないと思っております。その上でなんですが、一般的には指標は、指標を上向かせようという目標設定が大半なんですけれども、その中で、指標がむしろ下がってきている項目としましては、先ほど言いました住みよさ満足度、あるいは、住み続けたいという市民の皆さんのパーセンテージ、そういった指標については、ある意味、若干指標は下がりぎみでございます。
とはいいましても、例えば、豊田市が住みよいまちだと思う市民の割合は、基準値、基準年が平成17年の68.6パーセントでしたが、平成22年につきましては、これは平成21年数値ですが、67.6パーセントということで、これを下がっていると見るのか、私は横ばいだと思いますけれども、そういう状況でございます。
同じく、豊田市に長く住みたいと思う市民の割合につきましては、78.0パーセントが77.1パーセントということで、これも横ばいと判断していいのではないかというほどの数値の変化になっております。
いずれにしましても、まだ3年ですので、しばらくはこの全体の指標の数値の動向は見ていく必要があるのではないかと思っています。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) 再度、確認をさせていただきたいんですけれども、例えば後期実践計画を明示するときとか、要は10年前にここを目指しますよということで具体的に、例えば企業のアプローチ数なんかも書いてあったと思うのですけれども、そういうものについて、例えば後期実践計画の時点とかで、今どのようになっているかというような進ちょくについてまとめられる予定はないでしょうか。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 当然、後期実践計画を策定する段階で、この基本構想に掲載しました数値がどうなっているかという把握はいたします。そのことと構想自体を見直すかということについては、それはまた別だと判断しておりますので、よろしくお願いをいたします。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) 今、お答えいただいた中で、後期実践計画の修正だけではなくて、基本構想自身も見直すべきではないかという質問をさせていただく予定でございましたけれども、そういう予定はないと言われましたか。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) そういうご質問でしたので、そういうご答弁をいたしましたが、せっかくの機会ですので、ご答弁させていただきますが、基本構想自体は、まちづくりの目指す方向について、要はまちづくりの方向性につきまして、どういった方向を持つかということを、ある程度文章表現でさせていただいている内容ですので、短期的な視点で、どこをどう変えるかという議論には至らないと思っております。ですので、向こう10年間、大きな方向性を共有した上で具体的な行動をどう起こすかについては、前期・後期の実践計画の中で整理をしていくという、そういう2段構えになっておりますので、基本構想は変更しないという考えでおります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) 今、基本構想については変更しないというお答えをいただいたわけですけれども、これまで環境変化が厳しいこと、そういうことはいろいろ質問して、ご回答もいただいております。そういう中で、目標値とか目指す姿というところをあえて変更しないということでございますので、それは、並々ならない決意で今後進めていくということだと思うのですが、そうしますと、これまで以上に、より一層の選択と集中をもって事業に取り組む必要があるのではないかと思います。
現在取組中の前期実践計画では、施策評価やローリングということで事業見直しを実施され、優先順位づけをした事業推進を行っていただいております。しかし、残念ながら事業は延期まででして、廃止となったものはないと思います。先ほどから選択と集中という言葉をよく使っておりますけれども、言いかえれば、廃止も含めた事業改廃が、今、求められているのではないかと思いますが、豊田市としての見解をお示しいただきたいと思います。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 後期実践計画事業につきましては、単に前期実践計画に掲載した事業を継続するという考え方は持っておりません。施策評価や事業熟度、緊急度等による事業評価を行いまして、廃止の判断も含め、選択と集中による効果的な事業の選定を行ってまいります。
なお、先ほども申し上げましたけれども、公共建築物、あるいは都市基盤整備につきましては、関連する前期実践計画事業につきまして、先行的に後期実践計画に向けた取扱いの検討に着手している状況にございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 吉野議員。
○16番(吉野博子) ことしの6月6日に、先ほど申し上げました平成22年度の第7次豊田市総合計画の前期実践計画事業の進ちょく状況について報告がされております。
その中で、全242事業に対する方向性が示されておりまして、89の事業が見直しを行われているということでございます。89事業のうち、年度間調整となったものが36事業、1年以上の延期となったものが36事業、縮小となったものは17事業でございます。さきに申し上げましたように、廃止、報告書の中では中止という言葉になっていると思いますが、この中止となった事業はございませんでした。
市民サービスを提供するといった観点からは、なかなか事業の廃止とか中止という決断は難しいということは私たちも理解はできます。しかしながら、豊田市を取り巻く環境変化をかんがみれば、事業評価の内容を後期実践計画への延期とするだけなのか、後期実践計画期間中は実施しないとするだけでいいのか、一層の議論が必要ではないかと考えます。
延期という言葉では、いつかは必ず実現すると期待を持ち続けることになるということも否めません。例えば後期実践計画策定時には、前期実践計画での延期の事業については一度リセットして、事業の必要性、市民ニーズ、そして、事業統合による市民サービスの補完なども視野に入れて、再度事業検討してはいかがでしょうか。
一層の選択と集中をもちまして、第7次豊田市総合計画の将来都市像の実現に向けた事業検討をお願いし、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 以上で16番、吉野博子議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 暫時休憩します。再開は午後5時といたします。
休憩 午後4時50分
再開 午後5時00分
○議長(河合芳弘) 休憩前に引き続き会議を開きます。
39番、稲垣幸保議員。
○39番(稲垣幸保) それでは、さきに通告をいたしました大項目1点、新市建設計画の進ちょく状況と今後の見通しに関し、順次質問をいたします。
平成17年4月の市町村合併から既に6年が経過し、7年目も半ばを迎えています。これまでに、新市建設計画が目指します将来都市像やまちづくり基本理念の実現に向け、合併後における新市の建設のための事業を計画的に、そして、効果的に推進しているご努力に対し、まずもって感謝を申し上げます。
新市建設計画は10年間の計画であり、平成21年度で前半の5年間が経過をしました。この中間時点を区切りとして、本年5月に前半5年間の進ちょく状況が報告をされました。また、新市建設計画の期間は平成26年度までであり、平成24年度以降、残すところ3年間となり、計画の仕上げの時期となっています。
そして、合併協議を経て確認、決定された新市建設計画の内容は、合併時に市民に公表をされており、特に、合併町村にとっては根幹となるべき事業を定めたものであり、当然ながら計画事業の進ちょく状況については、市民の関心は高いものと思っております。
5月に説明をいただきました報告の内容は概略でありましたので、今回、もう少し詳細な内容について確認をし、残る3年間で新市建設計画が掲げます将来都市像やまちづくり基本理念の実現に向け、計画事業がさらに推進されることを期待し、以下、中項目3点について質問をいたします。
中項目1として、前半5年間での事業実績など新市建設計画の進ちょく状況と、実施した事業は、新市建設の基本理念を踏まえ、どう取り組んだかなどの視点から、7点お尋ねをいたします。
1点目。まず、市の事業として、5年間で実施した全体的な計画事業の進ちょく状況と、これまでに要した総事業費について説明ください。
○議長(河合芳弘) 太田総合企画部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 市の事業は、全部で252事業ありまして、その進ちょく状況につきましては、完了が96事業、着手済みが89事業、未着手が58事業、中止が9事業であり、着手割合は73.4パーセントとなっております。
また、5年間の総事業費は、約992億3,300万円でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) では、2点目、実施した総事業費の財源は、どのようになっているか。特に合併特例債や過疎債は、どのような方針で、どのような事業に活用したか説明ください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 5年間の事業費約992億3,300万円の財源内訳は、一般財源が約728億600万円、国県補助金が約162億3,300万円、合併特例債が約36億3,500万円、過疎債が約29億5,000万円、その他が約36億900万円となっております。
合併特例債や過疎債は、事業費への充当率や交付税措置率も他の地方債よりも高いことから、事業の推進に有効な財源として積極的に活用してまいりました。
主な活用事業としましては、防災行政無線の整備や山間地域ケーブルテレビ施設の整備、市道・林道などの整備でありまして、安全・安心に係る事業や生活環境の整備を進めることができたと評価しております。
合併特例債は延べ10事業、過疎債は延べ133事業に活用いたしました。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) では、3点目、新市建設計画には多くの県事業が掲載されております。県事業の進ちょく状況についても、市の事業と同様に説明ください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 県事業は、幹線道路整備や河川改修、砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業、治山事業など53事業となっております。
この53事業の進ちょく状況は、完了が20事業、着手済みが32事業、未着手は1事業であり、着手割合は98.1パーセントでございます。
これは、既に完了・着手している52事業のうち、66パーセントにあたります35事業が、実は合併以前より実施されております継続事業ですので、このことが着手割合の高さになっているものと評価しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 4点目、まちづくりの基本理念を踏まえ、5年間で取り組んだ主な事業、あるいは、特徴的な事業の実績を説明ください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 新市建設計画では、まちづくりの基本理念として、四つの視点を掲げております。
人、物、情報の多様な交流。人と自然、都市と農山村の共生。地域の自立。都市基盤の整備。
以上の4点でございます。
まず、人、物、情報の多様な交流につきましては、鞍ケ池公園や香嵐渓、どんぐりの里など、各地域の観光交流施設の観光交流基盤の整備や機能強化を始め、都市住民と農山村住民の活発な交流を促進するため、すげの里を整備いたしました。
また、地域の自立については、都市内分権による共働のまちづくりを進めるため、市民の市政への参加や、地域住民自らが地域課題を解決する仕組みである地域自治システムを構築し、地域予算提案事業やわくわく事業などに取り組んでまいりました。
都市基盤の整備につきましては、合併により広域化しました新市の一体性を確保するために、安全で快適な道路交通ネットワークの形成や、市民生活を支える交通ネットワークとして、基幹バスや地域バスの整備を行うとともに、山間地域におけるケーブルテレビ網の整備を行いまして、都市との情報格差の是正を図ったところでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 5点目、市町村合併における新市建設計画の取組については、合併後の市域の一体化を図る上から、地域バランスという配慮が大切ではないかと私は考えますが、この点、どのように取り組んだのかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 合併後の市域の一体化を促進する事業につきましては、該当する59事業のうち、98.3パーセントにあたります58事業が完了・着手済みでございます。
また、旧6町村に係る事業につきましては、観光交流基盤の整備や市道・林道の整備など生活環境の整備に関連する事業については、地域バランスを考慮しつつ、各事業の緊急度や熟度などを踏まえて取り組んでまいりました。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 6点目、新市建設の基本理念でありますまちづくりの基本理念の実現の観点から、5年間で取り組んだ計画事業の実績結果として、合併により市民の行動、あるいは、市民の意向・意識に変化が見られたか。また、5年間の取組をどのように総括しているかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) まず、人、物、情報の多様な交流、このことに関しましては、これまで都市住民と農山村住民の活発な交流を促進してまいりましたけれども、最近では、企業の労働組合による田植え・収穫体験などの交流も始まっております。
地域の自立に関しましては、地域自らが地域課題を効果的に解決するため、わくわく事業を実施しておりますけれども、その実施件数は、平成21年度末で1,168件に達しております。
都市基盤の整備に関しましては、新市の一体性を確保し、市民の生活の足を確保するため、平成21年度末には、都心・駅・支所などを相互に連絡します基幹バスを12路線、地域の実情に応じて地域が主体となって企画運営をする地域バスを17地域で運行しております。
これらの実績を見ましても、新市建設計画に掲載されました事業の推進によりまして、議員のご質問は市民の意向・意識ということでございましたけれども、むしろそれを超えまして、具体の行動に至っているのではないかと、そう評価をしております。
以上でございます。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 7点目。
私は以前、一般質問で、主要な計画については進ちょく管理を適切に行い、常に進ちょく状況を把握し、結果はタイムリーに市民に公表してほしい、このことが市政や施策の見える化のために必要だと申し上げました。
正直なところ、今回の報告は遅過ぎたと感じておりますが、今回の報告がこの時期になった理由と、この結果は市民に公表するのかをお尋ねします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 新市建設計画に掲載されております事業のうち、主要なものにつきましては、実践計画に位置づけられております。この実践計画につきましては、これまでも毎年度、実践計画のローリングによりまして、進ちょく状況を取りまとめまして、議会へも報告をしておりますし、市民の皆さんへもホームページ等を通じて公表しているところでございます。
今回の公表ですけれども、合併後5年が経過しました昨年度、庁内に農山村振興本部を設置したことですとか、あるいは、今年度から後期実践計画の策定に向けた取組を始める、こうした時期をとらえまして、新市建設計画全般について、一たん進ちょく状況を整理したものでございます。
市民の皆さんへの公表につきましては、既に豊田市のホームページに掲載してございます。
以上でございます。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 再確認をさせていただきますけども、それでは、この計画に関しましては、今後、市民への公表は、どのようなタイミングで、どう行うのかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 今回は、中間年であります5年を区切りの年として取りまとめましたので、次回は計画終了にあわせて取りまとめを行いまして、ホームページや広報とよたにて市民の皆さんへの公表をしていくという考えでおります。
なお、主要な事業につきましては、先ほども申し上げましたが、実践計画を整理する中で公表してまいりますので、そちらのほうもあわせてごらんをいただきたいと思います。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) では、次に、中項目2として、旧6町村に係る中止事業についてお聞きをしたいと思います。
先ほど、旧6町村に係る主要事業で、中止とした事業があるとの説明でございました。特に、合併町村にとっては地域の根幹となる計画事業ばかりでありまして、市民は事業の推進について大変期待していますし、関心が高いと先ほど申し上げました。この点から言いますと、中止となった事業があることは大変残念でありますが、以下3点についてお尋ねをしたいと思います。
1点目、中止とした具体的事業の内容と、その理由について説明ください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 九つの事業の中止につきましては、事業の熟度や合併後の事業を取り巻く環境の変化などを踏まえて判断したものでございます。
例えば、藤岡地区で予定されておりました土地区画整理事業につきましては、合併後に地元組織であるまちづくり協議会での協議の結果、土地区画整理事業については行わないことが決定されましたので、中止という整理をいたしました。
また、小原地区の滞在型農業宿泊施設整備事業につきましては、この事業はもともと定住促進を目標としておりまして、検討の結果、事業手法を変更しまして、宅地分譲地を整備することとされました。その結果、中止という判断になったものでございます。
また、稲武地区の精神障がい者小規模作業所通所訓練事業ですが、これは、既に平成16年度より、稲武福祉センター内で実施をされておりまして、改めてその必要性を判断した結果、当該施設内で必要な機能を充足しているという判断で、新たな施設設置を行わないという判断に至ったということでございまして、中止という表現は、きついはきついですけれども、それぞれ理由があって、そうした判断に至っておりますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 2点目、中止とした事業の手続と関係地域への対応。特に、地域への説明と理解はどのように行ったのか、お尋ねをいたします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 事業の規模や内容、市民の皆さんへの影響度などにより関係地域の対応も異なるわけですけれども、例えば、藤岡地域の藤岡飯野まちづくり事業のように事業規模が大きいものにつきましては、地元組織などへの説明や理解を得た上で、中止という整理をしております。
また、小原地区、あるいは稲武地区で先ほどご紹介した例につきましては、合併後に事業手法の見直しや必要性、利用見込みなどの検討により、当初に目的とした機能を確保したことから、関係地区の理解は得ているものと理解をしております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) それでは、3点目として、計画期間は残り3年間であります。残事業について、さらに中止とするような取扱いの可能性についてはどうか。この辺の考えをお尋ねいたします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) ここはぜひともご理解を賜りたいのですけれども、新市建設計画におきましては、10年間の財政見通しの中で、普通建設事業費を年平均400億円程度と見込んでおります。計画策定後の厳しい財政状況の中で、事業の選択と集中が必要と考えておりますので、よろしくご理解をいただきたいと思います。
なお、計画後半の5年間で着手前及び未着手の事業は82事業ございます。この事業のうち、約67パーセントにあたります56の事業が、市道・林道など日常生活環境の整備を目的とした事業でありますので、緊急度や地域ニーズなどを踏まえ、これらは計画的に推進をしてまいります。
それ以外の事業につきましては、こうした厳しい財政状況でございますので、選択と集中の考えのもと、事業の緊急性や熟度、あるいは代替性などを検討しまして、必要な事業を推進していくという考えでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) ありがとうございました。
それでは、中項目の3、後半5年間での事業の進ちょく見通しなどについてお聞きをしたいと思います。
新市建設計画の残期間は、再三申し上げていますように、残り3年間であります。特に、現在、本市の財政は大変厳しい状況であり、殊に主要な財源である法人市民税の増収見込みについては依然先行き不透明な状況であり、これを例にしましても、残事業の推進については大変困難であると予想しますが、以下、今後の取組方針や考えについて、6点お聞きをしたいと思います。
1点目、前半5年間での計画は順調に進ちょくしたと理解をいたしましたが、今申し上げたとおり、財政は大変厳しい状況にあり、後半での事業進ちょくへの影響を懸念しますが、その後の取組実績を含め、後半5年間での計画事業の進ちょく見通しといいますか、達成目標はどのように想定しているか。数字的な説明は難しいと思いますが、この辺の考えをお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) まず、その後の達成状況ということですが、平成22年度末現在の進ちょく状況は、新たに10事業に着手したことによりまして、これまでの継続事業と合わせて完了が104事業、着手済みが92事業、着手前が21事業、未着手が52事業、中止が9事業となりまして、着手前の事業を除く進ちょく率は76.2パーセント、昨年度より2.8ポイント上昇しております。
今後5年間につきましては、議員もおっしゃっていただいたとおり、達成目標を設定するのは困難ですけれども、厳しい財政状況を踏まえまして事業内容の精査を行うとともに、選択と集中の考えのもとで必要な事業を実施していくということでございます。
以上でございます。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) では、2点目、先ほど合併特例債や過疎債の活用実績の説明をいただきました。計画の推進には、これらの財源の活用は必要であり、有効であったと理解をいたしました。
特に、合併特例債については合併後10年間の制度と承知をしておりますが、この制度が延長されるとの報道がありました。計画は10年で終了しますが、この制度が延長される場合、この制度の運用はどうなるのかを含め、後半5年間での計画事業の財源対応はどのように考えているかお聞かせください。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 合併特例債につきましては、ご指摘のとおり、合併後10年が発行期限ですけれども、東日本大震災の被災地に限定して、発行期限を5年間延長する特例法が成立したところでございます。
また、発行期限の延長を被災地以外の合併市町村にも拡大することが検討されてはおりますが、現時点で詳細は判明しておりません。ですので、本市における影響は明らかではございませんので、引き続き情報収集に努めているところでございます。
後半5年間におきましては、厳しい財政状況も踏まえまして、合併特例債や過疎債、合併補助金、国庫支出金・県支出金などの財政支援措置を有効に活用することによりまして、最大限の財源の確保に努めてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) では、3点目、今回の質問で一番お聞きをしたい内容になりますが、着手前、未着手の事業について、後半5年間での取組方針を伺います。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 繰り返しになって恐縮ですけれども、厳しい財政状況ですので、後期実践計画の策定にあわせまして、事業の緊急性や熟度、代替性、事業内容、多面的な評価を行いながら、必要な事業については推進してまいりますので、よろしくお願いします。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) では、4点目、今、事業の取組方針はお聞きをいたしました。それでは、未着手、着手前のこの事業で、後半5年間で取り組む主な事業として、具体的にどのような事業があるのかお伺いします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 新市の一体化の速やかな確立を図るために必要な事業を始め、主要な事業は前期5年間に集中的に実施されまして、完了または着手済みとなっており、着手済みの事業については、今後も着実に推進していくというのは、まず基本的な考えでございます。
着手前及び未着手事業の約67パーセントにあたる市道・林道などの日常生活環境の整備に関連する事業につきましては、厳しい財政状況の中にはありますけれども、今後も優先順位づけを行うなどして、計画的に事業を実施してまいります。
その他の事業につきましては、これは繰り返しになって恐縮ですが、事業の熟度や地域のニーズ、必要性なども勘案しながら、今後も検討を進め、大規模事業などにつきましては、後期実践計画の策定にあわせて、掲載、非掲載含めて判断をしてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) それでは、5点目として、先ほど、県事業でも未着手の事業が一つあるという説明でございました。この内容と今後の見通しについてお尋ねします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) 未着手の県事業は、小原地区にあります丹波川第3支流の砂防堰堤の整備でございます。
この事業につきましては、現段階ではまだ用地買収ができておりませんので、事業着手の見通しは立っていないと聞いております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) 1点、要望をさせていただきたいと思います。
今、未着手の県事業は用地買収の関係、こういう説明でございますけれども、この質問からやや外れるかもしれませんが、このところ、砂防事業や治山事業の進ちょくがおくれていると感じております。
特に、本市の地域防災計画では、風水害対策として、市はこれらの県事業に対する積極的な予算確保のための活動を行うと述べられております。このことを踏まえた対応をしっかり行っていただくように強く要望し、最後に6点目、後半5年間での計画事業の取組については、これまでの答弁から財政状況や計画事業の熟度など、さまざまな要因を考えますと、当初計画どおりの事業完了は難しく、積み残しの事業が生じることはやむを得ないかなと理解できますが、このような場合、今後どのような取扱いをするのかお尋ねします。
○議長(河合芳弘) 太田部長。
○総合企画部長(太田稔彦) これも繰り返しになって恐縮ですが、新市建設計画策定時におきましては、普通建設事業費を年平均400億円程度と見込んでいたと先ほどもご答弁申し上げました。こうした状況は当分続くという見込みですので、この新市建設計画につきまして、当初の計画どおりの事業費を確保することは困難だと認識しております。
今後、後期実践計画の策定におきまして、改めて判断をしていく必要があるという認識でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 稲垣議員。
○39番(稲垣幸保) いろいろご答弁いただきまして、ありがとうございます。要はしっかりやっていただきたいということでございます。
今回は新市建設計画の進ちょく状況として、前半5年間の取組実績や後半5年間での取組方針など確認をさせていただきました。
この新市建設計画に対します私の思いは、合併協議の場で確認、決定された計画事業は、よほどの事情がない限り、先送りはあるにしても、最大限尊重され、実施されるものと理解をしておりました。
そして、何よりも市民から、合併はよかったとの評価を期待しており、このためにも計画事業の積極的な推進が大切であるとの立場から質問をさせていただきました。
したがいまして、この計画はもとより、各種の計画により、新市の建設を一層計画的、効果的に推進していただくことを期待し、また、お願いを申し上げながら質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(河合芳弘) 以上で39番、稲垣幸保議員の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 次に、15番、安藤康弘議員。
○15番(安藤康弘) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告しましたとおり、大項目、豊田市の産業振興策について質問いたします。
世界的な産業構造の転換期を迎え、国におきましては昨年6月に、経済産業省による産業構造ビジョン2010が示され、日本の産業の課題と世界の動きについて分析が行われました。そこで明らかになったのは、世界の企業や市場の新たな動きに取り残された日本の行き詰まりの現状であり、これを打開するために、現状分析に立脚した発想の転換を行うなど、産業構造そのものの変革の必要性が明確にされました。
また、愛知県におきましても、ことし6月に、~世界と闘える力強い愛知を目指して~「あいち産業労働ビジョン」が策定され、国や地域全体で新たな産業施策を展開する動きが見られます。
一方で、3月に発生しました東日本大震災は未曾有の被害をもたらし、サプライチェーンの寸断や電力供給不足の懸念、さらには、想定レートを上回る円高の進行など、産業界は大変厳しい状況にあります。
自動車産業に特化した産業構造である豊田市におきましては、大震災の直接的被害はなかったものの、産業界への影響は顕著であり、製造業各社が生産停止に追い込まれるなど、本市の産業におきましては、激震地的な影響を受けたものと認識しております。
また、雇用への影響も同様であり、やや回復基調にあった豊田管内の有効求人倍率も、5月には0.32と大きく低下し、全国の0.61と比較すれば、その影響は明らかであります。
震災から半年を迎え、産業界では業績の回復見通しも立ち始め、自動車部品などの標準化やサプライチェーンの再構築など、震災を教訓とした復興の動きが加速しております。
さて、本市には、ものづくりの文化や世界的企業の足元を支えてきた社会基盤に加えて、山林や河川、農地など豊富な資源を有しており、こうした強みを生かした新たな産業の創出が求められております。
ことし3月に豊田市産業振興委員会より提言を受けました、本市の新たな産業振興施策の原案となる第2次豊田市産業振興策、産業革新ビジョン2011は、サブタイトルに世界のものづくり創造拠点を目指してと記され、その内容において、主要な取組については第7次豊田市総合計画に位置づけていくこととされております。
そこで、本市の次世代に向けた産業振興策が、今後どのように展開されるのかを順次質問いたします。
始めに、中項目1では、本市における産業構造や業績内容を検証し、その現状と課題について確認をいたします。
中項目1としまして、本市の産業構造について、その内訳と自動車関連製造業の比率を具体的な数値でお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木産業部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 平成20年度の豊田市の市民所得の報告書によりますと、市内総生産約3.3兆円のうち、63.8パーセントが第2次産業によるもので、同様に、第1次産業の比率は0.2パーセント、第3次産業は36パーセントでございました。中でも、製造業は全産業の58.6パーセントであり、愛知県の28.6パーセントと比較すると、非常に大きな割合となっております。
また、自動車関連製造業の割合は、平成21年の豊田市の工業の調査結果によりますと、事業所数では全製造業の33.5パーセント、従業者数では85パーセント、製造品出荷額等では95.4パーセントを占めています。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 改めて自動車産業に大きく特化した産業構造であることが理解できました。
次に、本市における産業の業績について確認をいたします。
小項目2としまして、本市産業の製造品出荷額と付加価値額の経年推移、また、付加価値率の経年推移についてお示しください。
あわせて、全国や愛知県の数値と比較した場合、どのような状況であるのかお聞きします。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 平成21年の工業統計調査によりますと、収入額の合計にあたる製造品出荷額等は9兆1,073億円で、平成14年以降、全国第1位を維持しているものの、平成20年と比較すると約4兆円、比率にして30.2パーセントも減少しております。
また、生産活動により新たに付加された価値をあらわす付加価値額につきましても、前年度比36.6パーセント減の1兆7,230億円でございました。
付加価値額を製造品出荷額等で割った付加価値率につきましては、平成15年から徐々に上昇し、平成19年には28.6パーセントでございましたが、平成20年の金融危機、世界同時不況以降10パーセント近く落ち込み、平成21年では18.9パーセントとなっています。
本市の付加価値率18.9パーセントは、全国の30.3パーセント、愛知県の25.5パーセントと比較すると、極めて低い水準となっています。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 従来から自動車産業に特化した本市の産業構造は、外部環境の変化に対する脆弱性を指摘されておりましたが、昨今の業績低迷により、製造品出荷額や付加価値額は大幅に減少し、その懸念が現実のものとなったわけであります。
それでは、次に、本市の主要産業である自動車産業の動向について確認いたします。
近年、環境志向や低価格志向といった新たな市場の登場により、自動車に求められるニーズが多様化傾向にあります。
そこで、小項目3としまして、自動車産業の動向について、どのようにとらえているのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 自動車産業は、今まさに大きな変革期を迎えていると見ております。
新興国市場の急成長に伴う主要市場の変化に加え、ご指摘のように、環境志向や低価格志向といった自動車に求められるニーズの多様化など、自動車産業の競争環境は大きく変化をしております。
加えて、極端な円高や貿易自由化のおくれなど、いわゆる自動車産業の六重苦と言われる非常に厳しい事業環境にございます。
とりわけ、さきの震災において浮き彫りになったサプライチェーンの問題やエネルギー問題への関心の高まりは、自動車産業の変化に一層の拍車をかけるものと認識しております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) これまでの質問を通じて、豊田市の産業の現状について確認をさせていただきました。今後の自動車産業における変革は、本市の経済や雇用に大きな影響を及ぼすことが予想されます。
次に、小項目4として、本市産業の今後の課題について、産業構造の将来像を見据えた観点でお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 自動車産業の変化に対応するためには、三つの転換をしていくことが課題であると考えております。
第1は、生産拠点から技術創造拠点への転換であります。
生産拠点の海外シフトや分散、現地調達の強化などにより、自動車産業のサプライチェーンが世界規模で最適化される中で、本市の産業が担う領域を見定め、これまでの生産拠点から機能転換をしていくことが必要と考えております。
第2は、自動車産業特化型から複合型の産業構造への転換でございます。
今後の自動車産業の変化による経済や雇用への影響を軽減するとともに、外部環境の変化に強い産業構造を目指すために、新たな産業の創出を図り、複合型の産業構造に少しでもシフトすることが必要であると考えております。
第3は、ピラミッド型産業構造からの転換でございます。
現在の新たな展開が求められる状況においては、従来の大量少品種のビジネスモデルに適したピラミッド型の産業構造から、業種業態や産・学・官などの枠組みを超えて、それぞれの情報や知恵などのすり合わせができるネットワーク型の産業構造に転換することが必要と考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 経済環境や市場の変化に対応して、新たな領域を切り開いていくためには、専門的な技術やノウハウを持つ企業が、網の目のように結びつくネットワーク型の産業構造に移行することが、新たな付加価値を生み出すものであります。それぞれの得意わざを編み合わせ、国際競争を生き抜くとともに、息の長い雇用により、働き手の可能性を引き出すことこそが、豊田市の産業において重要なポイントであると考えます。
次に、中項目2としまして、豊田市産業振興委員会より提言を受けました産業革新ビジョン2011をどのようにとらえているのか。さらに、基本戦略の実現に向けた施策展開についてお伺いをいたします。
本委員会は、5名の学識経験者や経済団体、産業界など関係機関の方々16名で構成されており、4回にわたる活発な議論の末、本振興策の策定に至ったものであります。
策定の背景には、世界的な金融危機や同時不況、また、新興国市場の急成長により世界的な産業構造の転換が現実になるなど、社会経済環境の変化に伴い、次世代に向けた産業の方向性が必要となったことが挙げられます。
さらに、冒頭に述べましたように、国や県の新たな産業施策の方針が打ち出され、国や地域を挙げての産業振興の動きもあり、着実に施策を展開することが課題となっているわけでございます。
そこで、小項目1としまして、本市が目指す産業の姿をどのように考えているのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 産業革新ビジョン2011では、目指す姿の基本理念として、世界のものづくり創造拠点を目指してと提言をいただいております。
自動車産業の変化によって、本市における自動車及び自動車部品の生産量の減少は避けられないと見ております。このような状況の中では、付加価値を高めることが必要であり、本市の主要産業である自動車関連製造業そのものも変わっていかなければなりません。
クルマのまちとして発展してきた本市には、ものづくりの経験や技術、技能などを持つ企業や人材が集積しております。本市の目指す産業の姿は、こうしたものづくり資源を基盤にイノベーションを誘発させ、新たな技術、高度な技術を生み出す、世界に付加価値の高いものづくりを提供できる都市を目指していきたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 産業振興委員会からは、世界のものづくりの創造拠点を目指すという基本理念のもとに、三つの基本戦略が提言されております。
そこで、本市はこれらの基本戦略をどのようにとらえているのか。それを実現するための基本施策について、項目ごとに確認をさせていただきます。
基本戦略の一つ目に、自動車イノベーション戦略が提言されております。自動車産業は今後も成長が期待できる産業であり、本市はクルマのまちとして蓄積してきた資源を基盤に、今後の自動車産業の発展に対して高い付加価値や課題解決を提供し、自動車イノベーションを技術的に支える拠点都市を目指すことを念頭に置いた提言であると理解しております。
そこで、小項目2としまして、自動車産業のさらなる強化について、どのようにとらえているのか。また、施策展開についてお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 本市最大のものづくり資源である自動車産業自体が今後大きく変化していく中で、本市に自動車産業の拠点を置くメリットを提供していかなければならないと認識しております。
7月13日のトヨタ自動車の発表によりますと、中部は新技術・新工法などのイノベーション技術の開発拠点としての役割を強化するとしております。そういった点では、自動車産業の研究開発に資する環境整備が必要と考えております。
具体的には、既に参画しております次世代エネルギー・社会システム実証実験や、豊田・岡崎地区研究開発施設用地造成事業の推進のほか、研究開発機能の集積に力を入れてまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 次に、中小企業イノベーション戦略について質問いたします。
これは、長年培ってきたものづくりの技術に、さらに磨きをかけるとともに、特定のニーズを持つ規模の小さな市場、いわゆるニッチ市場を開拓し、トップになれる自立的な企業の創出や、将来的にはこうした企業が集積する世界の技術創造拠点を目指すというものでございます。
東京の杉並区に本社を持つ根本特殊化学株式会社は、夜光塗料をつくって時計の文字盤に塗る下請工場でありましたが、納入先の海外移転や塗料が出す放射線の問題などで、何度も企業の存続危機に立たされました。しかし、そのたびに知恵を絞り、10倍長もちして放射線を出さない夜光塗料を独自に開発し、現在では、世界の夜光塗料生産の8割を占めるまでに成長を遂げたとのことであります。まさに、ニッチ市場を開拓し、トップをきわめた成功事例であります。
それでは、小項目3としまして、自立的な中小企業の創出についての提言をどのようにとらえているのか。また、施策展開についてお聞きします。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 本市には、自動車産業で長年ものづくりに取り組んできた中小企業がたくさんございます。こうした中小企業が、それぞれの強みに磨きをかけ、強みを生かして新たな市場を開拓することは、ものづくり創造拠点を目指す上で重要な取組であると考えます。
施策といたしましては、新たな展開に挑戦する中小企業の人材育成や技術課題、経営課題にワンストップで対応する体制を、豊田商工会議所と豊田工業高等専門学校等と連携して整備をしてまいりたい、そのように考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 三つ目に、次世代を担う産業分野の開拓について確認をさせていただきます。
自動車産業の構造変化は、豊田市の産業に求められる機能の変化や需要の減少などにより、本市の経済や雇用に影響を及ぼすことが考えられます。こうしたことから、ものづくりの資源、本市の地理的要件や自然要件などを生かした企業誘致を行うことが重要であるとの提言を受けたわけであります。
そこで、小項目4としまして、次世代を担う新たな産業分野の開拓を図ることについて、どのようにとらえているのか。基本的な考え方と施策の方向性についてお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 自動車産業の変化による本市の経済や雇用への影響を少しでも軽減するためには、生産量の減少分を補う新たな産業分野の開拓が必要であると考えております。
新たな産業分野の開拓においては、起業家やベンチャー企業を支援し、ほとんどゼロの状態から産業を創出する方法と、外部から企業を誘致する方法と、二つの方法が考えられます。
特に企業誘致につきましては、国内投資が低調な現状では、かつてのように、待っていれば企業がやってくるといった状況にはございません。予算や人員、時間など経営資源が限られた中、ターゲットとする産業分野を絞り、計画的かつ戦略的な企業誘致活動を展開してまいります。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 今後、新たな産業の創出に向けて、成長分野の検討や戦略的な企業誘致が展開されるとのことであります。
次に、中項目3としまして、実効性のある企業誘致の推進により、新たな産業を創出するための戦略的な施策についてお伺いをいたします。
産業振興を進める上で最も重要となるかぎは、この地域に企業や優秀な人材を引きつけることであります。
企業ニーズへの対応としましては、豊田市に拠点を置くことが有利である、事業を行うなら、豊田市であるという状況をつくり出すことに重点を置くべきであると考えます。
さらに、豊田市が位置する中京大都市圏は、人口900万人に迫る国内3番目の巨大市場であることや、東名高速道路を始め、三つの高規格道路に付随する六つのインターチェンジを持つ広域物流の要衝であるなど、多くの産業基盤の強みを備えております。
そこで、小項目1としまして、こうした強みを生かし、今後、豊田市が注力すべき新たな産業分野について、どのように検討されているのかお聞きします。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 産業振興委員会から提言のあった可能性を検討すべき産業分野を中心に、産業基盤の強みを含む五つの視点から、注力すべき産業分野の検討を行っております。
五つの選定の視点とは、その産業分野自体の魅力、企業誘致・集積の実現可能性、本市の立地条件との整合性、まちづくりビジョンとの整合性、そして、リスク分散の五つでございます。
その結果、注力すべき産業分野としては、次世代自動車分野、環境・エネルギー分野、次世代ロボット分野、食品製造分野が候補に挙がっております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 産業施策を展開する上では、本市が今後どの分野に力を入れていくのかを明確にする必要があります。豊田市の強みを生かすとともに、今後、成長が期待される市場を中心に、豊田市の産業基盤の強みを見詰め直すことも視野に入れ、可能性を探ることが重要であると考えます。
それでは、中項目2としまして、成長分野の検討に向けた取組として、ターゲットを絞った企業誘致策について、どのように進めていくのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) ターゲットを絞った企業誘致を推進するために、企業誘致推進条例を改正し、現在検討を進めている注力すべき産業分野の立地に対して、奨励金の増額を図ることを考えております。
また、今年度実施中の企業進出意向調査の結果を踏まえ、注力すべき産業分野の企業に対して積極的にアプローチしていくことを考えております。その際には、改正後の企業誘致推進条例を、誘致における強力な武器として最大限に活用してまいる考えでございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 次に、戦略的な企業誘致に向けた企業ニーズへの対応という観点で質問いたします。
かつて多くの企業が豊田市に拠点を構えた時代には、広大で安価な産業用地や中核となる企業が存在するなど、本市に事業拠点を置く大きなメリットがありました。しかし、近年、東海環状自動車道の開通に伴い、市内企業の東濃地区への立地が見られ、今後もこの傾向に拍車がかかることが懸念されております。
我々市民フォーラムは、平成24年度に向けた政策提言の中で、産業用地においては、他市に負けない競争力のある価格設定による企業誘致の推進を掲げております。企業のニーズに対してタイムリーにこたえることは企業誘致に欠かすことのできないものであり、企業が経済合理性を見出せる産業用地の価格設定と採算性の評価は不可欠であると考えます。
そこで、小項目3としまして、産業用地の価格設定について、本市はどのように考えているのかお聞きいたします。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 産業用地の分譲価格につきましては、可能な限り安く設定するよう努めてまいりますが、周辺地価や事業費などを総合的に勘案して設定する予定でございます。
本市には、議員ご指摘のように、充実した交通インフラ、自動車産業を中心とした優良企業の集積など、他市にはない多くの魅力が存在するため、これらの魅力を企業誘致推進条例とセットでアピールをしながら、戦略的に企業誘致に臨みたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) めり張りのある企業誘致を推進するには、企業が立地したことで生み出される波及効果までを含めて、採算性を評価しながら検討すべきであると考えます。
改めて、他市に負けない競争力のある産業用地の価格設定を要望し、前向きにご検討いただくことを期待いたします。
次に、民間開発への支援策についてお伺いをいたします。
平成23年度重点目標には、産業部の使命としてものづくり基盤の強化が掲げられており、企業誘致の推進に向けた取組内容として、民間開発支援策の策定が明記されております。民間事業者の立地を促進するにあたりましては、事業者ニーズを踏まえた積極的な行政の支援体制が求められております。
それでは、小項目4としまして、企業誘致の促進に向けた民間開発への支援策をどのように進めていくのかお答えください。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 現在、企業立地の促進を目的に、民間開発に対する新たな支援策を検討しております。
具体的には、立地する用地を求めている企業と土地提供希望者とを仲介し、企業立地を促進する企業立地マッチング事業や、庁内関係課の連携により、許認可等の手続のスピードアップを図るワンストップサービス体制の確立などの仕組みづくりを検討しております。
今年度中には、これら支援策の詳細を定め、民間開発を積極的に支援していく予定でございます。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 最後に、企業誘致に向けた組織体制の整備について質問いたします。
企業誘致を推進するための組織体制を整備することは、その前提条件とも言うべき重要な手段であります。
企業誘致を積極的に進める徳島市では、平成20年に企業誘致推進プラン、ウエルカムTプランを策定し、市長自らが積極的に誘致活動に赴くトップセールスを始め、企業誘致に向けた体制づくりについて六つの項目を掲げ、活発に活動を推進しております。
また、北九州市では、産業経済局に産業誘致部誘致課を設置し、組織的な取組が展開されており、本市の企業に対しても積極的なアプローチを行っていると聞いております。
そこで、小項目5としまして、豊田市がターゲットを明確に定め、計画的かつ戦略的に企業誘致活動を推進していくための組織体制の整備に向けて、どのように取り組むのかお聞きします。
○議長(河合芳弘) 鈴木部長。
○産業部長(鈴木辰吉) 本市が進めております西広瀬工業団地の分譲が、平成25年に控えていることもあり、計画的かつ戦略的な企業誘致を展開するための組織体制の整備は、本市においても検討すべき課題と考えております。
つきましては、今年度実施中の企業進出意向調査の結果を踏まえまして、県内外を問わず、注力すべき産業分野の企業を積極的に訪問していく体制づくりに努めるとともに、市長のトップセールスも視野に入れた企業誘致活動を展開していきたいと考えております。
以上です。
○議長(河合芳弘) 安藤議員。
○15番(安藤康弘) 今回の質問を通じて、豊田市が自動車産業に大きく依存する産業構造であること。そして、今後の本市発展に向けて、新たな企業誘致を積極的に展開していく考えがあることを確認いたしました。
しかし、企業を取り巻く環境変化は、そのスケール、スピードともに、これまで経験したことのないものであり、その変化に対しては、一歩先んじた対策が求められております。
企業誘致が自治体の存続にかかわるとの強い思いから、専任者だけではなく専門組織を設置する自治体、また、どん欲なまでに企業に対してアプローチする自治体があることも事実であります。
付加価値重視の企業誘致は、この地で企業活動を行っていただく一つの大きな魅力であることは十分に理解できますが、今後は危機意識を持ち、本市に事業拠点を置くことのメリットを伝えるための積極的なアプローチを行っていただくことをお願いし、私の質問を終わります。
○議長(河合芳弘) 以上で15番、安藤康弘議員の質問を終わります。
◎散会宣告
○議長(河合芳弘) 以上で本日の議事日程はすべて終了しました。
本日はこれにて散会します。
なお、6日は午前10時から本会議を開きますので、定刻までにご参集ください。
散会 午後6時01分...