春日井市議会 > 2020-09-24 >
09月24日-03号

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  1. 春日井市議会 2020-09-24
    09月24日-03号


    取得元: 春日井市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-21
    令和 2年  9月 定例会(第5回)             令和2年第5回          春日井市議会定例会会議録第3日-----------------------------------                      令和2年9月24日(木曜日)◯出席議員(32名)            1番  堀尾国大君            2番  奥村博史君            3番  奥村昇次君            4番  安達保子君            5番  小林宣子君            6番  前田 学君            7番  石田裕信君            8番  梶田正直君            9番  金澤陽貴君           10番  石飛厚治君           11番  長谷和哉君           12番  鈴木秀尚君           13番  伊藤貴治君           14番  原田祐治君           15番  伊藤杏奈君           16番  田口佳子君           17番  末永 啓君           18番  加藤貴章君           19番  加納 満君           20番  鬼頭宏明君           21番  村上慎二郎君           22番  梶田高由君           23番  長谷川達也君           24番  小原 哉君           25番  熊野義樹君           26番  伊藤建治君           27番  長縄典夫君           28番  田中千幸君           29番  佐々木圭祐君           30番  林 克巳君           31番  宮地 隆君           32番  友松孝雄君-----------------------------------◯欠席議員(なし)-----------------------------------◯説明のため出席した者      市長        伊藤 太君      副市長       早川利久君      副市長       加藤達也君      教育長       水田博和君      監査委員      森 鋭一君      企画政策部長    加藤裕二君      総務部長      長谷川 透君      財政部長      加藤俊宏君      市民生活部長    冲中 浩君      文化スポーツ部長  上田 敦君      健康福祉部長    山口剛典君      青少年子ども部長  勝 伸博君      環境部長      大橋弘明君      産業部長      足立憲昭君      まちづくり推進部長 大島常生君      建設部長      石黒直樹君      市民病院事務局長  丹羽教修君      上下水道部長    小久保健二君      会計管理者     梶田岳宏君      消防長       高桑 博君      教育部長      松原眞一君      監査事務局長    小西史泰君-----------------------------------◯事務局職員出席者      事務局長      長谷川 晃君      議事課長      長縄友美君      議事課長補佐    梅村知弘君      議事担当主査    安田和志君      主事        鳥居翔太君-----------------------------------◯議事日程  令和2年第5回春日井市議会定例会(第3号)                       開議 9月24日 午前10時  日程第1 一般質問-----------------------------------◯本日の会議に付した事件  1 一般質問                    午前10時 開議 ○議長(友松孝雄君) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は,お手元に配付の議事日程のとおりであります。よろしく御協力のほどをお願いいたします。----------------------------------- ○議長(友松孝雄君) 日程第1 一般質問を行います。 通告者は15人であります。通告順に発言を許します。8番 梶田正直君。     〔8番 梶田正直君 登壇〕(拍手) ◆8番(梶田正直君) おはようございます。議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,朝宮公園陸上競技場について質問させていただきます。 その前に,新型コロナウイルス感染症の影響がいまだ続いている中,発生時より今日まで,春日井市に暮らす人々の命を守るため日々御尽力いただいている保健・医療機関の方々や感染症の拡大防止に御協力をいただいている市民の皆様,市内事業者の方々に心よりお礼申し上げます。 それでは,質問に移らせていただきます。 我が市にも,遂に,陸上競技場が朝宮公園に令和3年7月完成予定です。現在,明るい話題がなかなか出しにくい状況下ではありますが,その一方で,完成を心待ちにしている市民も多く,期待していただいていることも事実であります。 完成する陸上競技場は,待望の第3種公認陸上競技場であり,第3種公認以上の競技場としては,愛知県の公設として8番目の施設となります。東尾張地区,愛日地区としては初めての施設です。全国的に見ても,近年例がない新設の陸上競技場として注目度が大変高くなっております。春日井市の陸上競技場で測定された記録は,公認記録とし認定され,それは,日本のみならず,世界に通用する記録となります。 陸上競技はシンプルな競技であるということは言うまでもなく,誰が見ても分かりやすく,勝敗が明確です。それゆえ,競技者の数も多く,同じ種目を目指すものと競い合い,自分自身の限界に挑戦する自己記録への挑戦,目指す大会へ出場するために設けられた標準記録の突破など,多岐にわたる苦しさを乗り越える楽しさがあります。スポーツの基本である走る・投げる・跳ぶという,単純であり,かつ大変難しい競技で,全てのスポーツの基本動作でもあります。 また,この陸上競技場は,他の競技種目,ラグビーやサッカーなどにも対応したものとして設計されています。2026年,6年後ですが,愛知県と名古屋市の共催でアジア大会が開催されます。春日井では,ハンドボール,水球,近代5種の水泳,フェンシングの競技会場として予定されており,アジアの一流選手が我が市を訪れることと思います。直近,日本で開催されたアジア大会は1994年,広島で開催されました。26年前のそのときには110万人以上の観客が訪れている実績があり,愛知・名古屋での開催において,春日井にもその波が押し寄せてくることは間違いないと思います。 私は,陸上競技経験者として,その視点から朝宮公園陸上競技場について,競技場を取り巻く状況を,愛知県陸上競技協会の主な役員複数人から直接話を聞かせていただきました。名古屋市にありますパロマ瑞穂スタジアム瑞穂公園陸上競技場ですが,アジア大会開催のため,大改修工事に2021年度より取りかかり,完成は2025年の予定で進められます。その間,今まで行われていた数多くの大会や記録会を開催することができなくなります。大改修中は,県内にある第3種公認陸上競技場以上の競技場に振り分けなければならないと関係者は言っています。既存陸上競技場においては,年間行事がほぼ決まっているところも多くあり,大会や記録会,または他のスポーツの受け入れが困難な場合があります。そんな事情もあり,春日井市の新設陸上競技場は,関係者からも大変期待されているところでございます。 春日井市として,中学生を対象にした愛日大会の開催を視野に入れていると聞きます。大変すばらしいことと思います。しかし,愛日大会,または市民が利用するだけの施設では極めてもったいない。第3種陸上競技場として,さらに大きな大会の誘致を促し,陸上競技場としての価値を高めてほしい。価値の高い陸上競技場には人が集まりやすく,そうでない陸上競技場は荒んでしまいます。愛知県陸上競技協会はじめ,中体連や高体連など,関連する団体は,朝宮公園陸上競技場に期待しながらも,春日井市の様子をしっかりとうかがっているのも事実です。 春日井は名古屋地区に属しますが,名古屋地区の陸上競技場は,パロマ瑞穂スタジアムパロマ瑞穂スポーツパーク北陸上競技場知多陸上競技場半田陸上競技場の4つあり,春日井が完成すれば5つ目となります。朝宮公園陸上競技場は,立地的に見ても名古屋から大変近く,利用者にとっても魅力のある競技場の一つです。陸上競技場を造ったからには,フル活用していただき,春日井の新たな名所として県内隅々まで知っていただく必要があります。また,陸上関係者からは,愛知県代表・国体選手の合宿場の候補地として,中学校の県大会の会場として,また,様々な団体の大会や記録会など,大いなる期待を込めた利用を検討し始めています。愛知県陸上競技協会と協力し,よき陸上競技場にしてほしいと願います。第3種陸上競技場である以上,格式高く,しっかり管理し,誰もが利用したいと思うような競技場にしなければなりません。 それらを踏まえた上で,春日井において新たに登場する朝宮公園陸上競技場について,4つ質問させていただきます。 1つ目です。現在愛知県にある本市と同じ公設の第3種公認競技場と比較した場合,その主な特徴についてお伺いいたします。複数ある場合は,複数特徴をお尋ねします。 2つ目です。施設の安心・安全面についてお伺いいたします。大会開催時の雷雨など天候が心配されますが,その場合の避難場所は確保されているのか。また,防犯対策として,防犯カメラなどの対策はとっているのかお尋ねいたします。 3つ目です。夏季の暑さ対策についてお伺いします。トラック部分及びフィールド部分の利用時の暑さ対策としてどのような対策を考えているのかお尋ねします。 4つ目です。朝宮公園の駐車スペースについてお伺いいたします。朝宮公園整備後の駐車台数,大会開催時の駐車場の確保について現在どのように計画されているのかお尋ねいたします。以上,壇上から,私の質問とさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 文化スポーツ部長 上田 敦君。 ◎文化スポーツ部長(上田敦君) それでは,春日井市朝宮公園陸上競技場についての御質問にお答えいたします。 初めに,愛知県内に7施設ございます本市と同じ公設の第3種公認陸上競技場と比較した場合の本市の陸上競技場の主な特徴につきましては,4点ございます。 1点目は,フィールド部分の人工芝でございます。人工芝につきましては,県内では初めて投てき競技に対応できる人工芝を採用し,天然芝の場合に必要となる養生のための利用の休止をすることなく,投てき競技をはじめ,ラグビーやサッカー,グラウンドゴルフなどに利用することができます。 2点目は,トラック部分の舗装材でございます。舗装材につきましては,県内では3施設目となる全天候型フルウレタン舗装を採用し,青色で整備してまいります。この舗装材につきましては,県大会や東海大会などが開催されている第1種公認陸上競技場瑞穂公園陸上競技場と同じ素材であり,利用者は,上位大会と同様の環境で練習することができます。 3点目は,100メートル競技を行うための直走路でございます。直走路につきましては,メインスタンド前とバックスタンド前の2か所に整備し,県内では唯一,風向きに応じてよりよい条件の直走路を選択し,大会を運営することができます。 4点目は,ウォーミングアップをするための練習用走路でございます。練習用走路につきましては,県内では初めて,陸上競技場のトラック部分の外側に専用の走路を整備し,トラック部分において競技が行われていても,出場を待つ選手は場内においてウォーミングアップをすることができます。 次に,大会開催時の雷雨からの避難場所につきましては,スタンドの屋根の下や諸室,総合管理棟のテラス等の安全な場所を想定しています。 防犯対策につきましては,観覧席や建物内の通路等への防犯カメラの設置や職員による定期的な巡回を行うとともに,警察等の関係機関と連携を図ってまいります。また,大会主催者に対しましては,警備スタッフの配置をお願いするなど,安全に安心して御利用いただけるように努めてまいります。 次に,トラック部分及びフィールド部分における夏季利用時の暑さ対策といたしまして,利用者の休憩場所につきましては,スタンドの屋根の下をはじめ,必要に応じて,簡易テントや移動式ミストファンを活用してまいります。また,有料にはなりますが,空調設備を備えたメインスタンドの諸室を利用していただくこともできます。利用者に対しましては,小まめな水分補給や帽子の着用,冷却タオルの利用などの熱中症対策をとっていただくよう,受付時や場内放送で注意喚起をしてまいります。 次に,朝宮公園整備後の駐車台数につきましては,西側駐車場が260台,北東側駐車場が97台の357台となる予定です。大会開催時の駐車場につきましては,西側及び北東側駐車場に加え,陸上競技場の東側に整備する多目的広場を臨時的に約150台の駐車場として利用し,公園内に約500台分を確保してまいります。また,大会の規模など,必要に応じて,前高グラウンド等を臨時駐車場として利用してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 8番 梶田正直君。 ◆8番(梶田正直君) 御回答ありがとうございました。 まず,1つ目の質問,県内他市の陸上競技場と比較した場合の特徴について4点お答えいただきましたが,1点目の人工芝についてですが,競技者から見た場合,大変興味をそそるフィールドであると感じます。第3種公認陸上競技場として認められている人工芝は,全国的に見てもまだ数が少なく,県内では初となり,相当期待ができると思います。また,管理しやすく,まさに新設ならではの設備と感じました。 2点目のトラックに関して,青色で整備とのことですが,青色は競技選手の気持ちを落ち着かせる,記録のばらつきが少ないなどの効果があると言われています。記録が出やすい競技場は大変好まれます。また,観客からは,トラックを見た場合,オアシスの中にある青い池をイメージさせ,癒やし効果も期待できます。視覚にも訴えられる陸上競技場として大いに期待が持てるのではないでしょうか。 3点目の100メートル走路が2か所整備されることについてですけれども,競技によっては風の影響を受けやすい種目もあります。風は大変シビアなもので,記録を出すためには風を受けない状況下で走りたい,投げたい,跳びたいと思うものです。特に,向かい風の状況下では記録は出ません。それを解消する方法が逆走路という方法です。本来,スタート位置からゴールまでが一般的な走路に対し,ゴール位置をスタートとして,スタートをゴールとみなす,すなわち,逆に走るコースのことを逆走路といいます。100メートルで日本記録を打ち立てましたサニブラウン選手は,風の影響を受けない,まさに逆走路で9秒97の日本記録を出しました。 朝宮公園陸上競技場の場合は,逆走路ではありませんが,2本の風向きが違う走路が存在するということで,それは,逆走路とほぼ同等であると考えられます。記録を狙う,特に中学生には大変ありがたい競技場の形です。中学生が県大会や全国大会に出場するためには,各大会で設定された標準記録を公認記録で更新しなければ出場できません。よって,記録に対し貪欲な選手は最も気にする部分となります。この走路設計は大変すばらしいと思いますし,県内においてもまだなく,注目されることは間違いありません。 4つ目のウォーミングアップの場所の確保ですが,選手にとってはとても重要なものです。練習用の走路があることは大変すばらしいと思います。ですが,欲を言えば,それだけでは到底足りません。選手が100%練習成果を引き出すには,できるだけ広い場所でのウォーミングアップが必要になってきます。できれば,朝宮公園内にあります野球場の芝など,大きな大会が開催されるときは開放していただき,ウォーミングアップが速やかに行えるよう検討をお願いしたく思います。 2つ目の質問の安心・安全についてですが,特に雷雨時は,広いトラックやフィールド内に選手や関係者がいた場合,大半の方は怖く感じることと思います。速やかに避難する場所が複数あることは,利用者の安心も確保でき,大変助かります。また,防犯カメラも設置されていることから,置き引きなどの犯罪行為を抑制でき,競技者または観客ともに安心して競技に集中できる環境が整っていると言えます。 3つ目の夏季の使用についてですが,トラックやフィールド内は直射日光の影響をまともに受けることから,40度以上の高温になることが予想されます。特に,人工芝部分のフィールドは,大きく広いので,予想をはるかに超えた高温になると思われます。それらを考慮し,ミストファンをはじめ,様々な温度を下げる器具・道具を導入し,日陰をつくるという工夫をされていることは,とてもありがたいと感じました。また,これは他市の競技場との比較にもなる特徴ですけれども,バックスタンドの観覧席にも屋根が設置されております。この設備は県下のどこにもない設備で,春日井独自の優れた設備です。暑さ対策にも大いに利用できるだけでなく,競技者や関係者にはとてもありがたい施設として利用できます。しかし,設備が整ったとしても,直射日光下や熱帯夜など,夏の暑い中でのスポーツは命の危険が伴います。自己責任とはいえ,小学生以下のお子様や高齢者などの使用は控えるなどの対策は必要かと思います。 4つ目の駐車場の数についてですが,通常時と大会時,それぞれお示しいただきましたが,大会時には公園内に500台確保できるとのことですが,近隣の同じ第3種公認陸上競技場のある一宮市のいちい陸上競技場は駐車場台数450台ですので,朝宮公園の500台は大会などに対応できるものと考えられます。また,規模に応じて前高グラウンドも臨時駐車場として利用できるとのことなので,駐車場に関しては大いに検討し,考慮していただいた努力がうかがえます。 ただ,大会になりますと,公認記録の審判員や関係者の人数だけでも150人を超えることが多々あります。選手や観客を合わせると1,000人を超える大会は普通のことであるため,人の運搬などは,勝川駅を利用した乗合タクシーやピストンバスなどを手配する必要があると考えます。学生の利用を考えた場合,低予算で利用できる乗合タクシーサービスなど,新しいアイデアを出した交通網を考え,充実させることが必要になります。輸送手段を解決できたとき,まさに,使い勝手のよいすばらしい陸上競技場になると思います。総じて,朝宮公園陸上競技場は,県内でも優秀な陸上競技場になる可能性を秘めています。高く評価できる施設と言えるのではないでしょうか。そのためにも,さらに細かな部分をしっかり検証・検討し,計画的に進めていただきたく思います。 本年は,新型コロナウイルスの影響により,オリンピックの延期をはじめ,様々なスポーツ大会の開催を見合わせたり,時期をずらしたりと大きな影響を及ぼしております。選手も体調管理など大変だろうと思います。しかし,プロだけでなく,アマチュアにおいても深刻な状況になっています。小中学校においては,部活動の中止や大会への不参加など,運動する機会が奪われる中,体力の低下も顕著な状況であると言わざるを得ません。 教員の働き方改革を踏まえると,課外部活動など,指導者減少による小中学生の体力低下は危機的な状況であると言えます。競技場が完成し,市民に利用していただこうとしても,指導者がいなければ宝の持ち腐れになってしまうおそれもあります。児童生徒の半数以上は,勝ったとき,記録が伸びたとき,上手にできたとき,できなかったことができるようになったとき,運動やスポーツの楽しさを感じると答えています。その感覚を多くの児童生徒に味わっていただくことが大切で,それらを教員に全て押しつけることはできません。であるならば,子どもたちの体力向上を目的とした活動をしている民間団体などと協力することで,専門競技だけに特化するのではなく,全ての児童生徒の基礎体力底上げの機会を与える仕組みづくりをする必要があるのではないでしょうか。陸上競技場が出来上がるこのタイミングを利用し,官民一体となって取り組んでいくよき機会であると考えます。 春日井出身,現在高校2年生の高橋君は,2024年に開催されますパリオリンピックにおいて,400メートルハードルという種目で日本代表の有力候補選手とし現在…… ○議長(友松孝雄君) 梶田議員に申し上げます。 発言は簡明にお願いします。意見ですから。一般質問ですから。 よろしくお願いします。 ◆8番(梶田正直君) 分かりました。 高橋君は,2024年に開催されますパリオリンピックにおいて,400メートルハードルという種目で日本代表の有力候補選手として大変注目されております。彼も小学生から基礎体力を身につけ,まさに,今すばらしい結果を出すようになったわけです。基礎体力の向上を図ることは,将来,春日井の子どもたちにとって大きな財産となってまいります。必ずしも全員が一流選手を目指さなくてもよい。文化スポーツ都市宣言をしている我が市ですので,どこの市よりも早く,小中学生の基礎体力向上に向けた春日井モデルを完成させ,取組をしていくことが必要であると思います。最後に,小中学生の基礎体力の問題を提起させていただき,私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 11番 長谷和哉君。     〔11番 長谷和哉君 登壇〕(拍手) ◆11番(長谷和哉君) それでは,さきに通告いたしましたふれあい農業公園の活性化について順次質問いたします。 ふれあい農業公園,愛称あい農パーク春日井は,昨年,令和元年11月に西尾町に開園されました。全体面積3万1,556平米,うち農園面積は1万4,675平米で,貸し農園,農業体験農園収穫体験農園から構成され,市民が触れ合い,交流できるバーベキュースペース,喫茶コーナー,多目的室,芝生広場などを完備しているものです。総事業費は約14億円,その内訳は,用地取得費約5億4,800万円,物件移転補償費約1億600万円,基本計画や基本設計,実施設計費等が約9,800万円,土木・建築などの公園整備費が約5億8,800万円,また,備品購入費,消耗品購入費が約2,500万円,初年度は開園前準備の委託料と指定管理の委託料の合計が約3,300万円であり,2年目以降の指定管理料は約3,000万円と承知いたしております。 私は,開園前のふれあい農業公園構想に対して,一貫して反対の立場でありました。その理由としては3点。1点目は,この構想が市民のニーズから本当に持ち上がったものであるのか不明確であった点,第2点としては,西尾町の地元から,少数でも反対意見はなかったのか,第3点目は,用地取得の地主に市のOBや関係者が多いのではないかということでした。したがって,ふれあい農業公園開設に対しては,将来の姿が想像できず,消極的な姿勢でありましたが,議会において大方の賛成により議案が可決され,開園に至り,今日に至っております。 経緯はともかく,開園されたからには,この施設は市民の貴重な財産であります。そして,今後は,この施設の運営や市民の反応を見極め,当初からの趣旨に基づいて,より活性化させていくための方策等,前向きに見守るとともに,時にはチェックし,必要とあれば意見を述べることは,市民から負託を受けた議員としてあるべき姿勢と考えております。 私は,今回この一般質問のために,8月に碧南市のあおいパーク,みよし市の緑と花のセンター「さんさんの郷」,岐阜市の健康ふれあい農園を視察してまいりました。それぞれに運営の趣旨や方法に特徴がありますが,過去から現在まで,様々な工夫や試行錯誤を繰り返すことにより,今に至る具体的な課題の克服や苦労話などを伺ってまいりました。今回,当市ふれあい農業公園の活性化のため,前向きな姿勢で,項目に沿って順次質問をさせていただきます。 まず,再確認としてお伺いいたします。 1点目は,このふれあい農業公園整備の趣旨と,最終的に西尾町に整備することになった理由をお伺いいたします。 2点目の質問は,指定管理者のT・I・Tふれあい農園共同体についてお伺いいたします。委員会等でおおむねの説明はなされておりますが,この団体に決定した理由について,また,この団体の構成や過去の実績についての詳細な説明を求めます。 3点目の質問は,ふれあい農業公園開園後の状況についてお伺いします。来園者数,貸し農園の66区画の状況,農業体験農園375区画の状況,収穫体験農園の状況,バーベキューや喫茶コーナーの状況,貸切バス等による団体での来園状況などについてと新型コロナウイルス感染症対策についてお尋ねをいたします。 4点目の質問です。開園して半年後に新型コロナウイルス感染症の影響もあり,当初の目標との乖離など,御苦労されていることと思います。当初考えていたことと,開園して,来園者の動きなどからこれまでに改善したことなどがありましたらお伺いいたします。以上,壇上から1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,大項目1,ふれあい農業公園の活性化について,順次お答えさせていただきます。 初めに,小項目1,整備の趣旨及び西尾町に整備した理由でございます。 ふれあい農業公園整備の趣旨につきましては,近年,農に触れ合い,農に親しむ機会を求める声が高まっており,レクリエーションや健康の維持・増進など,多様化したニーズに応え,幅広い世代が楽しめる場として利用していただくことです。西尾町に整備することになった理由については,農体験の可能性が広がる,地域の活性化が期待できるなどの観点で選定しました。 次に,小項目2,指定管理者についてでございます。 T・I・Tふれあい農園共同体に決定した理由につきましては,収支計画の確実性が高く,指定管理料も低額であること,運営方法についても,幅広い世代を集客でき,利用者同士のコミュニティーの促進につながるものであったことなどであります。T・I・Tふれあい農園共同体の構成については,株式会社トヨタエンタプライズが代表団体を務め,岩間造園株式会社,株式会社TONZAKOデザインの3社の共同体です。過去の実績につきましては,代表団体である株式会社トヨタエンタプライズは,名古屋市の東山動植物園内のショップ,フードコーナーや長野県駒ヶ根市の駒ヶ根ふるさとの家などの運営を行っております。 次に,小項目3,開園後の利用状況と新型コロナウイルス対策についてでございます。 来園者数につきましては,11月2日のオープンから令和2年8月末までの10か月間で約3万2,000人,毎月約3,200人です。貸し農園の状況は,66区画全てが利用されております。農業体験農園の状況は,114区画が利用されており,それ以外の区画につきましては,子どもから高齢者までの幅広い年齢層に人気がある収穫体験農園として,毎月約280人の方に,気軽に農に親しめる場として御利用いただいております。また,バーベキュースペースは毎月約130人,喫茶コーナーは毎月約1,200人が利用しております。団体での来園につきましては,市内の幼稚園児が幼稚園のバスで農業体験農園を利用されております。新型コロナウイルス対策につきましては,今後も,小まめな換気や消毒液の設置,3密防止等の感染防止対策を徹底し,利用者の皆様が安心して御利用いただけるよう努めてまいります。 次に,小項目4,今後の方向性・活性化についてでございます。 開園してから改善した点としまして,利用者の利便性を考えて,屋外の農機具倉庫を農業体験農園の近くに追加しました。また,喫茶コーナーでは,農園で取れたての野菜をより味わっていただけるメニューにして,価格の引下げを実施しました。 ○議長(友松孝雄君) 11番 長谷和哉君。 ◆11番(長谷和哉君) それぞれお答えいただきました。 1問目の整備の趣旨及び西尾町選定理由についてお答えいただきました。農業に親しむ機会の提供や市民の地域間交流,そして,幅広い世代が楽しめる場としての整備であることなどの説明がありましたが,私も現地に何回も行って同じ思いを持ちました。 しかしながら,行く際に,国道からそれらしい施設は見えているんですけれども,どこから入っていったらいいのか大変迷いました。また,車のナビゲーションにどう設定すれば行けるのか,迷いに迷って,県道内津勝川線からやっとの思いでたどり着きました。 そこで,質問であります。地元の生活道路を走行しないような要請に基づき現在の形があることは想像できますが,分かりやすくするために,案内標識の高さ,場所の変更や案内看板の追加及びナビゲーションに設定する的確な表示案内修正等を今後検討すべきと思いますが,見解をお伺いいたします。 2番目の質問,指定管理者のT・I・Tふれあい農園共同体につきましては,私も何回も現地に行き,責任者や担当者とお話しをする機会がありました。しっかりした団体だと思いました。問題意識も高く,今後の運営上の提案などもできる能力もあり,信頼できる団体であると思います。この件については,以上で結構でございます。 次に,3番目の質問,ふれあい農業公園開園後の状況についてでありますが,やはり,当初考えていたことと実際の市民の反応は多少ずれがあったものと推察いたします。特に,貸し農園の66区画はともかく,農業体験農園の希望者数が少なく,空いた区画を収穫体験農園に利用するなどの方策を考えていると思いますが,スタッフだけで栽培していくにはかなりの労力が要ると想像いたします。 碧南市のあおいパークにおきましては,体験農園の運営を近隣の農家で構成された農業活性化組合に委託して,約1,300平米の農地でサツマイモ,落花生,イチゴ,キャベツ,スナップエンドウ,大根,里芋,ミニトマトなどの栽培をしております。また,体験農園作物収穫時期の一覧表を作成することで,市民が分かりやすく,人気を集めているようであります。いずれにしても,当市におけるポイントは,農業体験農園の活用であると思いました。 2回目の質問でありますが,秋コースの募集に際しても工夫されたことと思います。今後の対策として,農業体験農園区画の活用に関してはどのように考えているのかをお伺いいたします。 今回,私は3つの市民農園を見てまいりましたが,様々な形態があることが分かりました。その中で,碧南市のあおいパークは,全体面積が当市の約49.5%,農園面積は当市の約86%でありますが,開設以来20年を経過し,来園者数は平成30年度で102万8,964名。この中には4万8,757名の浴室利用者も含まれておりますが,それにしてもかなりの実績であります。人気のあおいパークもぎたて広場は,JAあいち中央,碧南市,安城市,刈谷市,知立市,高浜市をカバーする大きな組織でありますが,このJAあいち中央の協力により,年間売上高約3億円の実績を持っております。テレビ局及び雑誌の取材も年間で25本から30本,貸切バスは年間延べ120台から130台ということでありました。指定管理ではなく直営で運営され,年間経費は約1億円とのことでした。開園当初から試行錯誤しながら,産直市の物販面積は,当初50坪足らずだったものを,市民の反応と実績を考慮して100坪に拡大する変更をしながら現在に至っているという職員の話でありました。 そこで,質問でありますが,市は今後どのような方向性を持っておられるのか。また,活性化についてどのような方策を考えておられるのかお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1,3,4の2回目の御質問にお答えいたします。 初めに,小項目1についてでございます。 表示案内につきましては,開園後に,入り口を分かりやすくするため,入り口付近に案内看板やのぼりを設置するなどしました。今後も,利用者の声を聞きながら,引き続き調査・研究してまいります。 次に,小項目3についてでございます。 農業体験農園区画の活用につきましては,春コースをキャンセルした人や利用者のニーズを調査した結果,水やりや肥料の追加,害虫の駆除などをスタッフがフォローしてほしいとの要望が多かったため,スタッフがフォローするコースを追加したところ,秋コースには60組の応募がありました。今後も,利用動向に応じて,貸し農園等への変更を含め,有効に活用できるよう検討してまいります。 次に,小項目4についてでございます。 今後の方向性につきましては,みんなが楽しみ,みんなで育む農業公園として,幅広い世代に対して興味に応じた様々な農への触れ合い体験を提供し,農への関心や理解を深めていただけるよう,指定管理者とともに運営方法を検討してまいります。また,活性化に対する方策としましては,収穫体験農園バーベキュースペースを多く利用した方に対しての割引などのプラン導入を検討し,魅力向上に取り組むとともに,広報春日井やSNSなどの様々な媒体を通じてPRしてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 11番 長谷和哉君。 ◆11番(長谷和哉君) 当市のふれあい農業公園は,オープンして1年もたっていない中,3月からはコロナ禍に見舞われ,現場の皆さんは御苦労の多いことと思います。しかしながら,健康,自然,農に親しむ機運は近年高まっていると思います。他市の市民農園と規模を比較しても,また,周辺の人口からも,今後大きな可能性を感じるものであります。 活性化についての5つのポイントを私の意見として簡潔に申し上げます。 まず第1,名称はともかく,農産物の産直市などは集客において高い効果があり,近隣農家やJAなどの協力を要請し,仕組みをつくり,今後拡充が必要であること。 2点目,農業体験農園収穫体験農園を地道に広げて,協力者を工夫し,年間予定表を作り充実させる必要があること。 3点目,収穫された野菜や果物を使用した昼食,スイーツ,ジュースなど,話題づくりとなるオリジナルメニューに取り組む必要があること。 4点目,手作り料理教室,家庭菜園に役立つ種苗の提供やノウハウに関する教室を徐々に増やしていくこと。 5点目,春のフェスタ,夏まつり,収穫祭,クリスマス,農業まつり,フルーツまつりなどの食と,またコンサートなどの年間コラボイベントを企画することなどが必要ではないか。 これらのポイントを総合したふれあい農業公園の年間イベント計画をつくり,広報やマスコミに情報提供し,市民に来園を呼びかけることが今後必要と考えております。これらの土台が出来上がっていけば,保育園,幼稚園,小中学生への社会教育の場となり,高齢者・障がい者施設や町内会などのレクリエーションの場となり,ファミリーの遊び場,くつろぎの場として集客を促進することが可能であります。これには,市の各部署の協力やバックアップが必要となることは言うまでもありません。 最後に市長にお伺いいたしますが,当市のふれあい農業公園には,他市の例を見ても明らかなとおり,今後,集客及び活性化については大きな可能性があります。今具体的に申し上げた方策を現場で創意工夫していただき,実現していくためには,今後適切な予算措置が必要となってまいります。ふれあい農業公園が春日井市民のみならず,市外からも何十万人の人が訪れるシティプロモーションの柱となるために,現場から様々な提案が今後上がってくると思われますが,どのように向き合っていかれるおつもりなのか御所見を伺いまして私の一般質問を終わります。
    ○議長(友松孝雄君) 市長 伊藤 太君。 ◎市長(伊藤太君) ふれあい農業公園の趣旨につきましては,当初から御説明しておりましたし,今も部長が説明したとおりであります。そして,可能性につきましても,今質問にありましたようなことも含めて,可能性を求めてきていると思っております。そのような状況の中でオープンしてもうすぐ1年という状況の中でいろいろな課題も見えてきておりますし,あるいは,いろいろな御要望もいただいております。それは全て建設的な御要望だと理解しております。そうしたものをしっかり捉えて,当初の趣旨に沿った形に持っていきたいと思っております。 ○議長(友松孝雄君) 9番 金澤陽貴君。     〔9番 金澤陽貴君 登壇〕(拍手) ◆9番(金澤陽貴君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い災害時の要配慮者支援に関する一般質問をさせていただきます。 日本は災害の多い国であります。地震や水害など,日本に暮らす私たちは,常に災害に対する備えと対策が欠かせません。昨今では,中国を発生源とする新型コロナウイルス感染症拡大が日常生活のあらゆる面で影響を及ぼしており,感染症対策を加味した災害対策の必要性が増している状況と言えます。 近年,全国各地で集中豪雨が多発しています。最近では,9月上旬,大型で強い勢力の台風10号の影響で,九州地方を中心に甚大な被害が出ました。春日井市では,平成12年の東海豪雨や平成21年・23年の台風の接近に伴う集中豪雨が発生し,大きな被害に見舞われました。 通称ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な豪雨も頻発し,被害状況だけでなく,雨の降り方にも多くの関心が集まっています。気象庁の資料によると,全国での1時間降水量50ミリ以上の年間観測回数は年を経過するごとに増加しています。昭和51年から60年の間の年間観測回数は平均173.8回,昭和61年から平成7年では平均184回,平成8年から平成17年では平均223.1回,平成18年から25年では平均232.3回となっています。 春日井市を限定して見てみても,平成14年から19年の間の1時間降水量50ミリ以上の年間観測回数がたったの1回だったのが,平成20年から25年の間では8回,平成26年から令和元年の間では6回と増加しています。また,年々,市内の1時間当たりの最大降水量を見てみると,平成14年から19年の間に最大63ミリ,平成20年から25年の間では最大73ミリ,平成26年から令和元年の間では84.5ミリを観測しています。全国的に見ても,春日井市限定で見ても,いずれも集中豪雨やゲリラ豪雨が増加傾向にあると言えます。 異常気象とも言うべき集中豪雨が多発している背景には,地球温暖化による天候の変化が原因であると考えられています。また,地球温暖化だけでなく,近年の都市化によって,夏の冷房などによって建物から放出される熱や舗装された道路のアスファルトからの反射熱が上昇気流を生み,積乱雲を発生させることもあるようです。 豪雨災害に伴う洪水や浸水被害の原因として考えられるのは,想定を超える規模の大雨や集中豪雨の発生に加え,都市の開発,いわゆる都市化による弊害も原因とされています。山林や田畑に降った雨がゆっくり地中にしみ込み,河川に流れ出ていくという自然の摂理に反し,都市化による道路の舗装などで雨水が地中にしみ込まず,大量の雨水が一気に河川に流れ込むため氾濫が起こってしまうという何とも悲しい現実が見て取れます。人間生活の利便性向上のための都市化が,回り回って人間に害をもたらしてしまうという本末転倒の感は否めないのでありますが,それを憂いているだけでは話は前に進みません。自然との共生を考えつつ,総合的な治水対策や避難確保計画の在り方,都市計画の進め方を,様々な知見を用いて広い視野で行う必要があると感じます。 平成29年6月,水防法及び土砂災害防止法が改正されました。これは,社会福祉施設や学校,医療施設など,主として防災上の配慮を要する方々が利用する施設である要配慮者利用施設の避難体制の強化を図るため改正されたものです。浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の所有者または管理者は,洪水,土砂災害における防災対策や訓練の実施に関する事項を定めた避難確保計画の作成,避難訓練の実施が義務づけられました。また,その避難確保計画を作成及び変更した場合は,市に報告することも義務づけられています。 そんな中,本年7月,九州で発生した豪雨により,九州各地に甚大な被害が出ました。この豪雨の影響で死亡し,身元が判明した福岡・熊本・大分の3県の53名のうち,9割弱に当たる47名が65歳以上の高齢者であることが分かっています。熊本県の特別養護老人ホーム千寿園では14名が犠牲となり,高齢者を含めた災害弱者の避難支援の難しさが浮き彫りになりました。近年では,各地の災害で高齢者が命を落とすケースが繰り返されています。平成28年には,台風10号による川の氾濫で岩手県岩泉町の高齢者グループホーム入居者9名が死亡,平成30年の西日本豪雨では,岡山県倉敷市の真備町地区で51名が死亡し,約80%が70歳以上の高齢者でした。また,令和元年の台風19号による被害では,福島県など13都県で計80名超が死亡し,うち60%超を65歳以上の高齢者が占めています。このような状況を考えてみると,やはり,要支援者施設の避難確保計画がいかに重要か分かると思います。 しかし,本年7月11日の中日新聞によると,義務づけられている避難確保計画について,計画の進捗に自治体により差があるという記事がありました。春日井市内において水害が想定される区域内にある福祉施設や学校などの要配慮者利用施設は幾つあるのか,また,義務づけられた避難確保計画について春日井市はどこまで進んでいるでしょうか。進捗の現状と今後の計画の基本的な方針を質問の趣旨とし,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) それでは,大項目1,災害時の要配慮者支援についての御質問にお答えいたします。 小項目1,災害時の要配慮者支援に関する取り組みと今後の方針についてでございますが,避難確保計画の作成が義務づけられている要配慮者利用施設は,洪水浸水想定区域及び土砂災害警戒区域内に設置され,市の地域防災計画に記載されている施設が対象となりますが,当市には,現在,洪水浸水想定区域内に107施設,土砂災害警戒区域内に4施設,計111施設がございます。 そのうち避難確保計画を作成し,市に提出をいただいている施設は,令和2年8月末時点で94施設あり,作成率は約85%となっております。計画の作成につきましては,市ホームページから容易に作成することができる市独自のひな形を掲載し,作成率の向上につなげております。また,昨今全国各地で集中豪雨等により大きな被害が発生していることから,計画が未作成の施設に対し作成を促す文書を7月に送付したところでございます。今後におきましても,洪水浸水想定区域等の見直しにより新たに対象となる施設に対し,速やかな計画の作成がされるよう周知啓発するとともに,未作成の施設に対しましても,継続して作成支援を行ってまいります。 ○議長(友松孝雄君) 9番 金澤陽貴君。 ◆9番(金澤陽貴君) 御回答いただいた事柄に関連し,地域福祉の観点から1つ質問をさせていただきます。 国は,東日本大震災を教訓に,災害時に支援が必要な人の情報を集め,民生委員や自治会などと共有するため,避難行動要支援者名簿の作成を自治体に義務づけています。さらに,避難方法や支援者を決めておく個別計画の作成を求めています。災害発生時には基本的に,自分の命は自分で守る「自助」が一番大事にしないといけない認識であると思います。自助をして,初めて「共助」ができ,地域での助け合いの輪が広がります。しかし,独り暮らしの高齢者や障がいを持っている方々など,いわゆる災害弱者の住む世帯に対し,「公助」の観点から避難支援制度の確立が求められます。居住する区や町内会・自治会,民生委員などの協力により避難勧告などの情報提供を行うことや,個別計画を基に災害時要配慮者の避難支援を行うことが必要と考えます。 災害弱者は情報弱者であるとも言われています。情報の到達や理解が遅いために,避難が遅れたり,正しい避難行動ができない可能性が大きいと言えます。豪雨災害が後を絶たない中,災害弱者と言われる方々の命を守り,市民の「自助」を促す正しい情報発信の在り方を継続して求めていかなければと思います。 春日井市内には,町内会組織や消防団など,地域の取組として日頃から防災・減災の意識が高い地域とそうでない地域とがあります。地域ごとの格差や避難行動に対する意識の違いが,結果として被害の大小に結びつくようなことがあってはいけません。地域での組織づくりの難しさや取組の継続性など,様々な課題が浮き彫りになっています。要配慮者・要援護者への個別計画の作成をさらに進めていくと同時に,作成された個別計画の内容に関しても,例えば,一人一人の生活状況や家族構成,心身の状況,緊急連絡先等の情報を常に更新できるシステムの構築が求められるのではないでしょうか。 そこで,在宅で生活している要配慮者への個別計画についての本市の取組状況と今後の対応を伺います。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,個別計画につきましての御質問にお答えいたします。 災害時の要配慮者に対する避難支援につきましては,現在,支援を必要とする方に事前に登録をいただき,区・町内会・自治会などの協力による地域の助け合いで行うこととしております。要配慮者それぞれの個別計画におきましては,御本人や家族に災害時の避難支援に関する意向調査を行い,避難場所や避難方法,必要な医療機器などを把握するとともに,登録後は,毎年度,緊急連絡先や心身の状況,支援者等の情報を更新し,区・町内会や自治会,民生委員,支援者などと共有しながら支援する体制を構築しております。 今後も,災害時の避難の実効性をより高めていくため,要配慮者の個々の特性や心身の状況を日常的に把握している地域包括支援センターやケアマネジャー等の専門職とも連携を図り,また,介護タクシーの利用や福祉施設の受入れの必要性など,具体的な支援の方法も盛り込んだ個別計画の作成を進めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 9番 金澤陽貴君。 ◆9番(金澤陽貴君) ご回答ありがとうございます。本年令和2年は,庄内川支流の新川の堤防が決壊するなどし,約7万棟が浸水,また,東海4県,愛知,岐阜,三重,静岡で10人が亡くなるなど甚大な被害が出た東海豪雨から20年の節目の年であります。国土交通省は,今年7月,庄内川流域の新たな治水対策を検討する庄内川流域治水協議会を設立し,初会合をしました。今後,全国109の一級水系で流域治水協議会を設立していく方針の中において,庄内川の協議会は,全国に先駆けて,最も早く設立されました。東海豪雨の苦い経験を教訓に,素早く対応していただいているものと感じます。数十年に一度と言われる大雨が頻発している今日において,水害の激甚化が懸念されています。 また,治水の在り方においては,河川整備やダム建設,下水道整備などのハードの面の対策だけでは不十分であることが言われてきています。こうした状況を受け,国土交通省は,7月に防災・減災総合対策の中で,今後の水害対策の柱として流域治水の考えを打ち出しています。従来の河川,下水道などによる治水対策に加え,国・県・市,さらには企業や住民など,河川の流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う流域治水。遊水池の整備,田んぼやため池の利用,ダムの事前放流,危険な地域の土地利用規制や移転の促進,避難体制の強化など,被害の軽減,早期復旧・復興のために,ハード・ソフトが一体となった課題は山積みであります。 治水対策をさらに推し進めていくことはもちろんのことですが,体の不自由な方々の災害時における避難支援は,「自助」の促進があり,「共助」の仕組みが整っていることが大きな鍵を握ると感じます。災害弱者と言われる方々が安心して避難できるよう,ハード・ソフト両面の対策,流域治水の考え方,そして,災害弱者への丁寧で迅速な配慮,全てが必要であります。どこまでも災害弱者に寄り添う姿勢が今求められています。今後の春日井市のさらなる災害対策に大きな期待を申し上げ,私の一般質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。     〔17番 末永 啓君 登壇〕(拍手) ◆17番(末永啓君) それでは,通告のとおり順次質問を行います。 まず,大項目1,増税やコロナ騒動などによる企業業績や雇用情勢の悪化への対策についてです。 内閣府は,8月27日に発表した8月の月例経済報告の基調判断において,景気は新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるが,このところ持ち直しの動きが見られる。先行きについては,感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動のレベルを引き上げていく中で,各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きが続くことが期待されるが,感染症が内外経済に与える影響に十分注意する必要があるなどとしています。企業収益は,感染症の影響により大幅な減少が続いている。企業の業況判断は,厳しさは残るものの改善の動きが見られる。倒産件数は増加が見られるとし,雇用情勢は感染症の影響により弱い動きとなっているとしています。 一方,日銀は,9月17日の金融市場調整方針に関する公表文において,景気判断を,我が国の景気は内外における新型コロナウイルス感染症の影響から引き続き厳しい状態にあるが,経済活動が徐々に再開する下で持ち直しつつある。海外経済は大きく落ち込んだ状態から持ち直しつつある。そうした下で,輸出や鉱工業生産は持ち直しに転じている。一方,企業収益や業況感は悪化しており,設備投資は減少傾向にある。雇用所得環境を見ると,感染症の影響が続く中で弱い動きが見られるなどとしています。 また,先行きについては,経済活動が再開していく下で,ペントアップ需要(抑制されていた需要)の顕在化に加え,緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて改善基調をたどると見られる。もっとも,世界的に新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で,そのペースは緩やかなものにとどまると考えられる。その後,世界的に感染症の影響が収束すれば,海外経済が着実な成長経路に復していく下で,我が国経済はさらに改善を続けると予想されるなどとしていますが,リスク要因については,新型コロナウイルス感染症の帰趨や,それが内外経済に与える影響の大きさといった点について,極めて不確実性が大きい。さらに,感染症の影響が収束するまでの間,企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下せず,また,金融システムの安定性が維持される下で,金融仲介機能が円滑に発揮されるかについても注意が必要であるとしています。 ここで,実質GDPの推移についても見ていきたいと思います。昨年10月の消費増税前の2019年7~9月期は,前期比0.0(年率換算プラス0.2%)とかろうじてプラス成長であったところ,消費増税後の2019年10~12月期は,前期比マイナス1.8%(年率換算マイナス7%)と大幅ダウン,2019年10~12月期は,コロナの影響はありませんので,景気後退は消費税増税が大きな要因になっていると考えられます。その後,2020年に入ってからの2020年1~3月期は,前期比マイナス0.6%(年率換算マイナス2.3%),2020年4~6月期は,前期比マイナス7.9%(年率換算マイナス28.1%)で,何とリーマンショック直後の2009年1~3月期の落ち込み幅(前期比年率マイナス17.8%)を超える下落となっているのです。 このような状況の中,地元の愛知県や春日井市の状況について,先日9月1日に,愛知の有効求人倍率初めて全国を下回るという緊張が走る報道が流れました。有効求人倍率は求職者1人当たり何件の求人があるのかを示すものですが,愛知労働局が発表した7月の愛知県の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍で,昨年4月の1.99倍をピークに15か月連続で低下しており,1963年1月の統計開始以来,初めて全国を下回ったとのことです。この状況は,ものづくり中心の愛知県の産業構造に,より強くその影響が出ていると言えます。 さらに,当地域の数字は一段と悪く,春日井市と小牧市を管轄するハローワーク春日井の発表によれば,季節調整を行っていない原数値ですが,有効求人倍率は,6月0.95,7月0.94と1倍を割っており,我が市を取り巻く地域経済は,非常に厳しい企業業績,雇用情勢になっていることがうかがい知れます。経済の実態は見た目以上に厳しいと思われます。 本市の産業構造がどのようになっているのかといえば,産業大分類別付加価値額の割合で見ますと,1位製造業,2位小売業・卸売業です。1位製造業,2位小売業・卸売業というのは,愛知県も全国も同じ順位なのですが,特筆すべきは製造業の割合で,全国23.1,愛知県31.8に対して,本市は33.2%となっていることです。製造業が傾けば,連鎖的に地域経済や雇用に大きな影響を与える産業構造になっているということに注意を要します。 また,倒産や廃業までには至っていないものの,持続化給付金,雇用調整助成金,家賃支援給付金,公的融資などの資金繰り支援で何とか耐えている状態の事業者も多く,既に企業の債務は拡大しており,業績が上向かないと今後は融資も厳しく,運転資金が確保できないケースが出てくることも十分予想されます。こうした倒産の予備軍は多いと考えられ,倒産や廃業が増えていく可能性を懸念します。 また,有効求人倍率がここまで下がってくると,労働市場ではいわゆる買い手市場になっており,現場では,求職者が希望条件の仕事を見つけられない,企業側は人を選べますから,給与面等の交渉で強気になれます。これは,既に雇用されている方にも悪影響で,退職勧奨,派遣切り,雇い止めなど,人を切りやすくなりますし,昇給にも影響が出てきます。その一方で,社内の業務量は減りませんから,労働者側は,実質サービス残業で負担が増加してしまいます。休業・解雇など,それらに付随する労働トラブルも増加していることと思います。 いずれにしましても,我が国の経済は,国として新型コロナへの対応をどうしていくかに影響されます。自粛ムードや雇用・所得環境悪化によって個人消費の力強い回復は見込みにくい状況の中,企業倒産,設備投資の抑制,雇用環境の悪化はこれからさらに進み,経済がコロナ以前の水準を回復するのは2022年以降との見方もあります。回復への道のりはそう簡単ではありません。これほどの状況下にあるわけですから,国は,景気を腰折れさせている消費税は減税するべきですし,自治体としても,企業の資金繰り悪化や経営難が連鎖的に広がっていく事態を回避し,事業継続と雇用を守る観点から有効な経済対策が求められています。 そこで,(1)有効求人倍率について。 昨年12月以降の全国,県及びハローワーク春日井管内の推移と状況を市としてどのように把握しているのか伺います。 また,先ほど,昨年の消費税増税後の2019年10~12月期にGDPが大きく減少に転じていると述べましたが,ハローワーク春日井管内の有効求人倍率は1月に急降下しています。市はその要因をどのように考えるか,所見を伺います。 さらに,職業別の求人の動向はどのようになっているのかお尋ねします。 続いて,(2)リーマンショック時の比較と教訓についてです。 リーマンショックのときには,100年に一度の危機などと言われていましたが,昨今は,グローバル化や大規模な金融緩和など,様々な形で景気の変動リスクが増加している世の中になっているように感じます。100年に一度どころか,10年に一度ぐらい,何かしら経済的混乱が来ると考えておいたほうがいいのではないかとも感じます。そこで,リーマンショックのときを振り返ることで,当時の教訓として今回に生かせることもあると思いますので,リーマンショック時とコロナ危機とでどのような共通点や違いがあるのかと,企業倒産の状況についてもそれぞれ伺います。 続いて,(3)企業の実態についてです。 市として,企業の実態や施策ニーズをどのように把握しておられるか,また,その内容についてお尋ねいたします。 続いて,(4)労働者の実態についてです。 市の就労相談における相談者の声や,生活保護,住居確保給付金,一時生活支援事業,緊急小口資金,失業給付金の受給状況,雇用保険対象人数の動向と申請事由について把握状況を伺います。 また,市とハローワーク等の関係機関との間で労働者の声をどのように情報共有しているのかお尋ねいたします。 (5)業種ごとの状況についてです。 今回のコロナ危機は,外出自粛やインバウンド需要の喪失,人々の行動変容等が特徴的で,その影響により大打撃を受けている業種もあれば,逆に好業績を出している業態もあります。市として,好・不況の影響が大きい業種をどのように認識しているのかお尋ねします。 続いて,(6)労働移動についてです。 労働者の失業が起きないように,すなわち雇用を維持することが,市の経済対策を行う一つの大きな意義です。感染症の影響がはっきりと見通せないコロナ危機において,何とか雇用を維持しようと一時帰休等の対応で頑張ろうとしている企業にとっても,感染症の蔓延や景気が回復せず業績が上向かない場合,特定の業種や個別の企業だけで雇用を維持することは厳しいものと思われます。 他方,コロナ危機前は,日本社会は人手不足が構造的に問題になっていました。そんなさなかでコロナ危機が起き,雇用調整が発生しているので,他の業種や企業への出向や移籍などの労働移動が円滑になされれば,失業の抑止につながります。労働移動・労働マッチングは,企業側にも労働者側にも望まれているものであります。そこで,商工会議所などと連携して,出向や移籍といった労働移動・労働マッチングを図る仕組みを構築できないか,検討状況についてお尋ねいたします。 続いて,大項目2,空き家などの不動産活用を促進するための地価を指標としたまちづくりについてです。 この質問では地価について取り上げますが,地価には幾つか種類がありまして,国土交通省(土地鑑定委員会)所管の地価公示による公示地価,都道府県の地価調査による基準地価,相続税や贈与税の課税価格を算定するために国税庁が公表する路線価,そして,固定資産税や不動産取得税の算定に用いられ市町村が定める固定資産税評価額です。今回は,その中でも,地価として一般的な地価公示について見ていきたいと思います。 地価公示は,地価公示法という法律に基づいたもので,地価公示法の目的は,都市及びその周辺の地域等において標準値を選定し,その正常な価格を公示することにより一般の土地の取引価格に対して指標を与え及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し,もって適正な地価の形成に寄与することを目的とするとされております。 例年3月頃になると,「地価何年連続上昇」「住宅地・商業地の地価上昇・下落率ランキング」などといったトピックが話題になりますが,それがまさに地価公示に当たります。地価の動向が注目されるのは,個々の不動産価値や不動産取引,相続税,贈与税,固定資産税の課税価格にも影響するからですが,今回なぜ地価を市政の課題として取り上げるのかといえば,地価を政策的にどんどん上げていくべきだということではありません。地価は,端的に,そのまちの活力を表すバロメーターであり,まちづくりや都市経営を推進する上で,指標としてモニタリングしたり,活用すべき数値として非常に重要であると考えるからです。 まちづくりに魅力があれば,土地の需要が高まり,実需を伴いながら地価が上がっていくことは自然な姿です。また,その動向は,空き家問題やコンパクトシティー,駅周辺の再整備事業などの公的な施策・課題にも関連するものですし,さらに,家計や企業の担保価値の増減にも影響します。地価が下落することは,地域の金融機関の土地の担保価値の低下につながり,金融機関による貸し出し枠を抑制・縮小するリスクがあるということです。地域の金融機関が資金の貸し手として大きな役割を担っている地方経済において,地価の動向は消費や設備投資などの地域経済へ与える影響についても見ておかなくてはならないのです。 御承知のように,我が国は中長期的に人口減少に入っており,地価の下落圧力が強まることが予想され,また,都市部と地方の格差,交通の利便性や住環境の優れたエリアとそうでないエリアとの格差が拡大していくと言われています。したがって,市民の財産や不動産売買,地域経済,まちづくりに影響を与えている地価を重要な指標の一つとして認識した上で市政のかじ取りを行っていただきたく,質問をいたします。 まず,(1)地価公示についてです。 市として地価公示をどのように公にしているのかについて伺います。また,地価公示における本市の標準地の箇所数とその内訳,さらに,市内の区域ごとの地価の5年前からの推移,傾向はどのようになっているのか。さらに,近隣市と比較するとどのようになっているのかお尋ねいたします。 続いて,(2)地価の変動要因についてです。 地価に与える変動要因として,まちづくりの観点からどのようなものがあると認識しておられるのかお尋ねいたします。 続いて,(3)地価を指標として活用することについてです。 市は,総合計画や,まち・ひと・しごと創生総合戦略,都市計画マスタープラン,立地適正化計画,公共交通網形成計画,高蔵寺リ・ニュータウン計画などを策定する際に地価の推移を示すデータを活用しているのか,その実績についてお尋ねいたします。 続いて,(4)空き家所有者の意向についてです。 市民の皆様の不動産活用について,地価の動向はどのような影響を与えているのでしょうか。市民の皆様は,所有する不動産が空き家のような遊休状態である場合に,賃貸など何かしら活用を行うのか,相続するのかしないのか,売買をするのかどうかなどといった検討をされている方だけではありません。情報が少なく,どうしたらいいのか分からず手をこまねいている方も多いと思います。そんな中,現在,市では,空き家の流通を促進する観点から空き家所有者の方へ意向調査を行っております。市がこれまでに実施してきた空き家所有者の意向調査の内容とその結果についてお尋ねをして,壇上からの質問とします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,私からは,大項目1,増税やコロナ騒動などによる企業業績や雇用情勢の悪化への対策について順次答えさせていただきます。 初めに,小項目1,有効求人倍率についてでございます。 全国,県及びハローワーク春日井管内の有効求人倍率につきましては,全国が,昨年12月1.57,1月1.49で,以降徐々に低下し,今年7月は1.08です。県は,昨年12月1.82,1月1.69で,以降徐々に低下し,7月が1.07でした。ハローワーク春日井管内は,昨年12月1.75,1月1.54で,以降徐々に低下して,7月が0.94となっております。ハローワーク春日井に管内の有効求人倍率が1月に大きく下がっている要因を確認したところ,アメリカと中国の貿易関係が緊張する中で,将来的な減産を見据えて製造業を中心に雇用を控える動きが大きくなったことが考えられるとのことでした。また,管内の事業所数が少ないため,一部の事業所の動向が大きく数字に影響するとのことでした。 職業別の求人の動向につきましては,県の求人・求職バランスシートによれば,1月から4月にかけて警備等の保安関係の業務に係る求人の減少が大きく,4月以降は,主に,製造業における生産工程の求人が大きく減少しています。12月から7月を通じては,販売やサービスといった職業の求人が大きく減少しています。 次に,小項目2,リーマンショック時との比較と教訓についてでございます。 リーマンショックでは,金融業や製造業を中心に景気悪化が波及し,特に,製造業の業績悪化による大規模なリストラが行われ,派遣切りが社会問題になりました。今回のコロナ危機につきましては,サービス業から景気悪化が始まり,現在は製造業にも波及してきています。また,それぞれの全国での倒産の状況は,東京商工リサーチによる調査では,リーマンショック時には,2008年9月からの5か月間で約6,800件の倒産が発生し,今回のコロナ危機では,2020年1月から5月の5か月間で約3,200件となっています。 次に,小項目3,企業の実態についてでございます。 企業の実態調査につきましては,製造業を中心に,施策ニーズに係る企業ヒアリングを実施し,約7割の事業者が新型コロナウイルス感染症による経営への影響が生じていることを確認しました。また,商工会議所では,職員の企業巡回訪問の際に聞き取り調査を実施しており,約56%の事業者で,現在の事業活動に新型コロナウイルス感染症の影響がかなりあると報告を受けています。それぞれのヒアリングにおきまして,雇用調整助成金の期間延長に合わせた市の雇用安定支援補助金の対象期間の延長などの御要望を多くいただいております。 次に,小項目4,労働者の実態についてでございます。 市では,ハローワークとの一体的就労支援事業としてハローワーク窓口を市役所の2階に設置しており,生活困窮者等への就労に向けた支援として,就労相談のほか,仕事のあっせんを行っております。就労相談に来られる方の中には,新型コロナウイルス感染症の影響を受けて失業された方も見受けられます。 生活保護の決定件数は,例年並みの推移となっており,特に新型コロナウイルス感染症拡大の影響は見られません。 住居確保給付金の8月までの申請における申立ての理由としては,失職や離職によるものが61件,このうち25件が新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるもので,6月までと7月以降を比べると,その割合は減少しております。なお,収入の減少による申立ては74件ですが,これらは全て新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるものですが,6月をピークに件数は減少しております。 一時生活支援事業につきましては,7月の実施以降,実績はありません。 緊急小口資金につきましては,新型コロナウイルス感染症により収入が減少した方を対象として,3月25日から特例貸付の申請を受け付けております。4月から6月は月間で200件超,合計4,000万円以上の申請で推移していましたが,7月及び8月の件数は,月間200件を切り,申請金額も3,000万円台となっております。コロナによる特別貸付の8月末の累計は1,144件,2億1,302万円です。なお,生活保護費が支給されるまでのつなぎ資金としても利用されている通常貸付につきましては,同期間の累計で22件,51万5,000円です。 ハローワークによると,雇用保険対象人数については大きな変化は見られないものの,失業給付金受給人数につきましては5月以降の件数が大きく増えており,新型コロナウイルス感染症拡大の影響により失業された方が増加したと見られます。 労働者の声として,市の一体的就労支援事業では,例えば,相談者が子育て中で就労時間に希望がある,過去の就労の状況から就労のあっせん業種について配慮する必要があるなどの情報をハローワークへ提供し,就労支援を進めております。 次に,小項目5,業種ごとの状況についてでございます。 報道によれば,食品スーパー,テークアウトや宅配に対応した飲食店等の業績が伸びている一方で,観光業や飲食業等が大きく悪化していると認識しています。なお,市内におきましては,建設業や製造業でセーフティーネット保障の認定申請が増加しており,これらの業種にも影響が出てきていると予測されます。 次に,小項目6,労働移動についてでございます。 労働者マッチングは,ニーズとシーズを有するそれぞれの企業の状況をしっかりと把握し,橋渡しできる派遣会社のような役割が必要であると認識しております。市としましては,商工会議所との連携を密にとりつつ,ほかの自治体の事例を参考に,リーマンショック時の緊急雇用等を含めて調査・研究してまいります。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 私からは,大項目2,空き家などの不動産活用を促進するための地価を指標としたまちづくりについての御質問に順次お答えいたします。 初めに,本市の地価公示につきましては,地価公示法に基づき毎年公示がなされており,国土交通省のホームページで閲覧することができるほか,土地鑑定委員会より図書の送付を受けており,本市でも閲覧することができます。市内の公示箇所数は66か所で,その内訳は,住宅地49か所,商業地14か所,工業地3か所となっております。また,区域ごとの推移でございますが,全域的に上昇傾向にあり,下降傾向にあった高蔵寺ニュータウンの一部と坂下町も,近年は下げ止まっております。なお,近隣市との比較につきましては,地価公示の住宅地平均価格で平成27年と令和2年を比較すると,名古屋市守山区は約6%上昇,小牧市は約3%上昇,春日井市は約11%上昇となっております。 次に,地価の変動要因につきましては,国土交通省の定めた不動産鑑定評価基準によりますと,不動産の価格は,多数の要因の相互作用の結果として形成されるものであり,要因それ自体も常に変動する傾向を持っているとされております。その要因につきましても,人口,都市形成,商業施設や交通施設など100以上の変動要因が例示されており,様々な要因があると考えております。 次に,地価を指標として活用することにつきましては,総合計画など市全体の計画においては参考にしておりませんが,高蔵寺リ・ニュータウン計画では参考にしております。 次に,空き家所有者の意向調査につきましては,今後の空き家施策の参考とするため,市が把握している空き家所有者891人に対し空き家に対する意向を調査したもので,332人から回答がありました。結果は,「利活用の意向がある」が177人で,複数回答ではありますが,主なものは,「売却を検討したい」が102人,「解体を検討したい」が70人,「賃貸を検討したい」が19人となっています。一方,「利活用を検討しない」は103人で,その主な理由は,「将来住む可能性がある」が49人,「資産として持っておきたい」が30人となっております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) それぞれお答えいただきありがとうございました。 まず,大項目1の(1)の2回目に入りたいと思います。 国・県・春日井小牧の有効求人倍率の動向と足元の状況をお答えいただきました。ハローワーク春日井管内の最近の有効求人倍率の落ち込みは,全国や県と比べて顕著に大きいです。その理由についてはどう見るのかお尋ねいたします。 また,製造業をはじめ各業種の動向はどのようになっているのか詳細をお尋ねします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 ハローワーク春日井管内の有効求人倍率が全国・県に比べて落ち込みが大きい理由は,新型コロナウイルス感染症の影響により,本社一括採用をしている一部の事業所が採用を控えていることが考えられます。 業種別の新規求人の動向は,新型コロナウイルスの影響が雇用関係に出始めたと見られる4月の段階で,製造業が前年同月比でマイナス約66%と最も大きく,続いて,運輸業と卸・小売業がマイナス50%程度の落ち込みであるのに対し,飲食サービスはマイナス約4%と,それほど大きな落ち込みとはなっていません。また,最新の7月につきましては,製造業,運輸業,卸・小売業が前年同月比マイナス50%程度,飲食サービス業がマイナス約6%となっています。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (2)の2回目です。 1回目ではリーマンショック時の状況とコロナ危機の状況について認識をお尋ねしました。リーマンショックは金融危機からの景気悪化,しかし,今回のコロナ危機では,外出自粛ムードなどで実体経済が一気に悪化しており,影響が出てきた業種の順番などで異なる点もありますが,多くの企業倒産が発生していることなど共通点もあります。 雇用の受皿であったサービス業において,リストラ,解雇,雇い止めが起き,そして,影響は製造業に来ているという状況。派遣契約は3か月ごとに更新されるのが一般的ですが,リーマンショック時には,契約期間に中途解約といった派遣切りが社会問題になりました。しかし,中途解約でないにせよ,期間満了で雇い止めになり,求人も少ない状況では,路頭に迷う人も出てきてしまいます。 そこで,リーマンショック時には,春日井市はどのような経済対策を行っていたのか,また,そこから得られた教訓が今回どのように生かされているのかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 リーマンショック時には,補正予算において,離職を余儀なくされた非正規労働者や高年齢者などの失業者に対して緊急雇用創出事業基金事業を実施しました。本事業は,道路台帳・都市公園台帳のデータ化,自転車等駐輪場パトロールなど,市の直接雇用や委託先への雇用などの人件費に充当され,4年間での約450人の新規雇用を創出しております。派遣切りが問題となったこのときの対策としては,適切だったと考えております。 リーマンショック時の教訓としましては,必要な人に必要な支援ができるよう,企業の施策ニーズを積極的に収集し,施策に反映して迅速に実施しております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (2)の3回目です。 今,リーマンショック時の市の取組について振り返りをさせていただきました。そこで,3回目として,今回のコロナ危機における市の経済対策の特徴や雇用を守るための対策など,全体としてどのような政策パッケージになっているのかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目2の3回目の御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響が特に大きかった飲食業・小売・サービスを中心に支援を実施しており,今後,製造業などへの支援を実施していく予定です。具体的には,これまでに10万円の支援金,新規事業・業態転換支援,プレミアム付きクーポン券などの事業を実施し,今回の補正予算で設備投資特別促進事業助成金,感染症予防のための環境整備費補助等を提案しております。雇用を守るための対策としましては,国の制度の上乗せとして,市独自に雇用安定支援補助金を創設しております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (3)の2回目です。 1回目では企業の実態の把握状況についてお答えをいただきました。平常時においても市は企業訪問を行っていますが,新型コロナの蔓延状況によっては,対面の企業訪問をすることがはばかれる場面もあると思います。しかし,急激に景況感が悪化するときこそ,企業ニーズをより的確,スピーディーに把握することが求められています。これから,第2波,第3波があって対面の企業訪問が十分にできない状況があったとしても,ヒアリングする企業の業種や規模に隔たりがないように,メールなどで幅広くアンケートを行って,積極的に企業ニーズを把握できるよう努めていただきたいと思います。 そこで,2回目として,国の雇用調整助成金及び雇用調整助成金を受けた中小事業者に市独自で上乗せする雇用安定支援補助金について,申請状況の詳細をお伺いします。 また,市の雇用安定支援補助金は,もともと,4月の市議会臨時会で約1,600事業者を想定し,1億3,000万円の補正予算を計上しています。補助対象期間を9月30日までに期間延長したにも関わらず,今議会の補正予算で計上されていないことが気になりまして,申請の進み具合についての要因と,また,国は雇用調整助成金の特例をさらに12月まで延長するとしていますので,市の雇用安定支援補助金の今後の対応についても併せて伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 雇用調整助成金の愛知労働局管内実績は,公表されていないため不明ですが,全国の雇用調整助成金の9月11日時点での支給決定は,累計で105万8,578件,1兆3,445億円と公表されています。雇用安定支援補助金につきましては,9月15日時点で累計214件,4,470万円の申請にとどまっていますが,これは,雇用調整助成金の交付を受けてから申請を受け付けることになっているためであり,最近では申請件数も増えてきております。 雇用調整助成金の助成対象期間が12月末まで延長に伴い,市の補助金も同様に期間延長の手続を進めております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (3)の3回目です。 今,企業経営者の不安は,コロナの騒ぎがいつまで続くのか,第2波,第3波はどうなるのか,また,手元の資金と追加融資でどれだけ耐えられるのか,そして,経済・社会構造や人々の行動変容により,ポストコロナの経済は従来の経験則が当てはまらなくなる可能性もありますので,どうそれに対応していくのかといったところが企業経営者の不安の気持ちだと思います。 企業の設備投資などの方向性やポストコロナ・ウィズコロナの社会構造等の変化に合わせた支援の在り方を,市としても,企業と同じ目線に立って考えていく必要があります。市及び企業は,この先の景気動向,設備投資や雇用情勢,ポストコロナ・ウィズコロナを見据えた産業構造等の変化についてどのように見ているのかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目3の3回目の御質問にお答えいたします。 商工会議所が実施している聞き取り調査において,「既に影響が出ている」と回答した以外の企業においても,そのほとんどが「今後影響が出る可能性がある」と回答しており,経済への影響はまだ続くと考えております。具体的な影響は,受注・売上げ・客数の減少,資金繰りの悪化といったことからも,これらの支援は今後も重要だと考えております。 今後の経済活動につきましては,飲食サービスでは,店舗での外食のみならず,宅配・テークアウトのさらなる普及,製造業では,新しい生活様式の普及に伴う新製品の開発などに新たな需要の可能性があると考えております。このため,市としましても,新たな取組を行う事業者の支援を拡充することで社会構造の変化に対応してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (4)の2回目ですが,こちらは意見だけ申し上げたいと思います。 経済が回復しない中で企業業績の急回復は望めず,企業側で組織再編や人員整理,雇用調整はこれから進み,雇用・所得環境の悪化などの労働者への影響は今後出てくると考えられます。生活保護,住居確保給付金,緊急小口資金など,公的支援を受けに来ている方々は,経済的に苦しい状況にあります。そのような方々がどのような状況にあって,働く先でどのようなことが起きているのか,窓口や就労・労働の相談を受ける中でお聞きした声は,市の施策を考える上でぜひ生かしていただきたいと思います。 続いて,大項目2の(1)の2回目に入りたいと思います。 1回目では地価の動向についてお尋ねしましたが,市全体としては,近隣の守山区,小牧市よりも上昇傾向にあるとのことで,比較的,本市には土地需要が強いという評価ができると思います。しかし,その一方で,高蔵寺ニュータウンの一部や坂下町では下げ止まっているとのことです。区域ごとで差が出ていることについて,その要因をどのように分析しているのかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (1)の2回目の御質問にお答えいたします。 市内の各地で地価の変動に着目した要因分析は行っておりません。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (2)の2回目に入ります。 地価の変動要因には様々な要素があるとされているのは分かりました。傾向として,市の施策の重要指標である人口増減,人口密度,高齢化率,空き家率,あるいは公共交通空白地域などと関係があるように見受けられるのですが,地価の動向と人口増減などの関係についてどのように見ておられるのか伺います。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (2)の2回目の御質問にお答えいたします。 高蔵寺ニュータウンの一部と高蔵寺町において,人口や高齢者数と地価との関係性について調査したところ,因果関係は確認できませんでした。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (2)の3回目に入ります。 人口増減や人口密度,高齢化率,空き家率,公共交通空白地域などは,市の施策の重要指標であり,他の自治体では,コンパクトシティー化やエリアマネジメントなどにおいて,地価の動向を追いかけながらまちづくりを行っている自治体もあります。本市も進めているエリアマネジメントやエリア価値の向上の成果は,まさに,地価において数値として現れてくるものだと思います。逆に言えば,地価を見ずに中身のあるエリアマネジメントを行えるのかということです。本市においても,様々な施策を進める上での重要指標として地価の動向を見ていくことについて所見を伺います。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (2)の3回目の御質問にお答えいたします。 現時点で,地価の変動とその要因の因果関係に限った調査を予定はしてございませんが,様々な事業完了後の評価手法につきましては,必要に応じ,有効性を調査・研究してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(3)の2回目に入ります。 先ほど,地価の変動要因は様々な要因があるとの答弁でしたが,国土交通省の不動産鑑定基準を確認すると,不動産価格の形成要因として,人口の状態,都市形成及び公共施設の整備の状態,教育及び社会福祉の状態,交通体系の状態,土地利用に関する計画及び規制の状態などが列挙されております。まさに,市が様々な分野で取り組んでいる施策が結果的に地価にも影響を与えているということです。 リ・ニュータウン計画では地価について触れられており,これは評価したいと思います。該当箇所を引用したいと思います。「リ・ニュータウン計画の住宅・土地の流通状況の中で,国土交通省が発表している地価公示価格は高蔵寺ニュータウン内の全ての標準地で低下を続けている。平成26年の春日井市の宅地平均地価である平米当たり9万5,454円と比較すると,JR高蔵寺駅前を除き5万円から7万円と低価格である。不動産業者へのヒアリングによると,高蔵寺ニュータウン内の宅地は敷地面積が大きく,敷地全体の価格が高くなることから,相対的に平米単価が低くなる傾向があるという指摘がある。中古住宅についても,敷地面積が大きいことから価格帯が高く設定され,流通しにくい傾向にある」といった記述です。 まさに,このような評価や分析を行うことによって必要な施策を検討できますので,都市経営を行う上で非常に意義のあることだと思います。したがって,市が全体計画や個別計画などを策定する際には,地価を一つの重要指標として活用していく姿勢が求められると思いますが,所見をお伺いします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (3)の2回目の御質問にお答えいたします。 地価につきましては,先ほども申し上げましたとおり,その時々の様々な要因が複雑に影響し合って形成されるとともに,時の経過により常に変動するものであることから,将来の地価にどう影響するか予想することは困難でございます。このため,地価につきましては,個々の案件において必要があれば考えてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) 続いて,(4)の2回目に入ります。 先ほど,空き家所有者への意向調査で,売却を検討したいという方が102人いらっしゃったとのことですが,市はその方々にどのようなアプローチを行っているのかお尋ねします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (4)の2回目の御質問にお答えいたします。 空き家の流通促進を図る取組としましては,市が売却を検討している所有者から同意を得て,物件情報を連携協定先に提供し,協定先の専門家が所有者に売却や解体などを提案することで流通促進を図っているところでございます。これまでに意向調査で売却を検討したいと回答のあった方に市が流通等を勧めた結果,38件の同意が得られ,その他の窓口に来課され同意された方の4件と合わせますと,同意件数は本年8月末で計42件となっております。 ○議長(友松孝雄君) 17番 末永 啓君。 ◆17番(末永啓君) (4)の3回目です。 空き家や空き地が有効に活用されることはまちの活力につながるのですが,もちろん,個人資産でありますから,積極的理由で空き家にしてあるお宅については,行政がとやかく言うことはありません。しかし,意向調査の結果などを見る限り,空き家をどのようにしたらいいか分からず,手をこまねいている方々もいらっしゃるように見受けられます。空き家の流通を促進するということは,不動産取引を活発化させるということです。そのためには,空き家所有者に対して,不動産の活用に資する情報は積極的に提供していくことが有効だと考えます。 地価の動向も,当然,所有者にとっても購入者にとっても重要な材料の一つになろうかと思います。空き家意向調査の中で売却を検討したいとしている102人に対して,同意件数38件と差が出ているのは,所有者にとって売却のタイミングが分からないことも要因の一つと考えます。そうしたことからも,地価の動向は,所有者にとって売却や活用を判断する有益な情報になるでしょうし,市としても,今後の空き家対策計画改定や空き家対策協議会,空き家対策推進部会などで空き家対策を検討していくための参考指標になると考えますが,地価のデータを活用していくことについて所見をお伺いします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (4)の3回目の御質問にお答えいたします。 市では,これまでにファイナンシャルプランナーなどの専門家を講師や相談員として招き,空き家セミナーや空き家相談会を開催してきました。空き家相談会では,空き家の売却価格について相談された方もみえ,売却を判断するきっかけにもなっていると考えております。今後も,セミナーや相談会を通じて所有者の疑問に応えていくことで流通につなげていくとともに,市が実施する空き家施策につきましては,必要に応じ,様々なデータ等を参考にしながら,学識者等で構成する空き家等対策協議会の中で検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) この際暫時休憩いたします。                    午前11時52分 休憩-----------------------------------                    午後1時 再開 ○議長(友松孝雄君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。5番 小林宣子君。     〔5番 小林宣子君 登壇〕(拍手) ◆5番(小林宣子君) 議長にお許しをいただきましたので,通告に従い,外国人市民と共に暮らせる春日井市の構築について質問をさせていただきます。 先般,同僚議員が一般質問させていただきましたとおり,本市におきましては,昨年3月に第2次春日井市多文化共生プランを策定し,外国人市民を,共に地域に暮らす市民として認識し,誰もが暮らしやすい多文化共生の地域づくりを進めていただいているところです。しかし,市民の方より,外国人市民の方のごみの分別収集について問題があるとのお声をお聞きしましたことから,今回,外国人市民の方のごみ出しの問題について取り上げさせていただきました。 近年,全国の外国人人口は増加傾向にあり,2017年11月の技能実習制度の見直しや2019年の改正入管法の施行などにより,今後はさらなる増加と多国籍化が見込まれています。本市におきましても,令和元年度の外国人転入者数は2,336人,本年8月1日現在の外国人人口は7,872人,総人口の約2.5%となっており,2019年は約2.4%,2018年は約2.3%であったことから,やはり,全国同様増加傾向にあると言えます。 生活様式や文化の異なる外国人の方が本市において安心して暮らしていくためには,様々な生活情報が必要となります。本市においての情報提供の方法をお聞きしたところ,まず,住民登録をする際に,本市での暮らしのルールや緊急時の対応などを掲載した「春日井くらしのガイド」をお渡ししていただくとのこと。これは,日本語のほか6か国の言葉で書かれております。また,国際交流ルームや市役所2階の市民相談コーナー等で外国人市民の支援や情報提供も行っております。そして,希望者には生活オリエンテーションを行っていただき,生活ルールなどについて詳細な説明をしていただいております。 全国的には,このような外国人共生の取組に対し,まだ実施されていない自治体が多いという調査結果もある中,本市におきましては様々な対応をしていただいていることが分かりました。外国人市民の方々は,おのおのが必要な事柄に関して,必要なときに情報を得ながら,各地域の一員として生活をしていただいております。では,本市として伝えたい情報は,正確に,また確実に届いているのでしょうか。厚みのある冊子の中から御自分で読み取るのは,大変に難しいのではないでしょうか。 住民登録をされた外国人市民の方に,本市に居住したその日から御協力いただくこととして,ごみの分別収集があります。多くの方はきちんと分別の方法を御理解いただき,正しく行っていただいているものと思いますが,分別できていない,回収日とは違う曜日に出されて困っているといった内容の御相談が幾つか届いております。回収されないごみが鳥や動物に荒らされ周囲が汚れてしまうので,やむを得ず,収集前に分別し直してくださる方もいらっしゃいました。しかし,今回のコロナ禍でそれを行うのは大変でしたともお聞きいたしました。 このように,ごみの問題は生活したその日から発生し,即,地域にとって重要な問題となってしまいます。しかし,地域では外国人市民とコミュニケーションを図るどころか,町内に居住している方の把握も難しい状況となっており,解決の方法が分からず,御相談をいただくといった状況です。 そこで,本市の生活情報,特に,ごみの分別収集に関して外国人市民に対してどのように情報提供をしていますでしょうか。ごみ分別の周知・啓発について,本市の現状をお伺いします。 また,関連しまして,本市に対してこれまでに外国人市民の方のごみ出しに関する苦情や御相談がありましたでしょうか。もしありましたら,どのような内容のもので,どのように対応されましたでしょうか。以上お伺いし,私の壇上からの1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) それでは,外国人市民のゴミ出しの問題についてお答えいたします。 外国人市民に対する周知につきましては,市民課窓口で転入手続の際に,本市での生活ルールを取りまとめた6か国語対応の「春日井くらしのガイド」を配付しているほか,ごみ減量推進課におきましては,多言語に対応した環境カレンダーや「資源・ごみの出し方便利帳」を窓口で配付するとともに,ごみ分別アプリ「さんあ~る」のダウンロードを勧奨しております。また,町内会や近隣住民などから,ごみを出す日が違う,ごみの分別がされていないなど違反ごみに関する相談が寄せられた際には,職員によるごみステーションでの立ち番指導,多言語対応した周知看板の掲示や分別チラシの配布など,それぞれ地域の実情に合わせ,個別に対応しております。 ○議長(友松孝雄君) 5番 小林宣子君。 ◆5番(小林宣子君) 御答弁いただきました。 問題について,それぞれ個別対応していただいているとのこと。一つ一つ状況を確認し,それぞれに合った対応をしていただけるのは,問題を抱えている地域の方々にとってはとても心強いことと思います。大変に感謝申し上げます。 また,ごみ分別収集の方法は「春日井くらしのガイド」に掲載されており,ごみ減量推進課窓口において環境カレンダーなどを配布するとともに,ごみ減量アプリ「さんあ~る」の勧奨を行っているとのこと。理解いたしました。 ごみの問題は,外国人市民が日本の生活様式やごみ捨てに関する概念を理解していないことに起因するとも考えられます。また,国内の他地域から転入する場合,ごみの分別や収集の方法は各自治体によって異なることも原因になると考えられます。そして,地域として重要な問題ではありますが,外国人市民にとっては,言葉や文化の違いもあり,問題点が十分に伝わっていない可能性もあります。以上のことより,転入時にお渡しするチラシや資料を,ごみ捨てに関するより基本的な概念からお知らせすることが必要ではないでしょうか。また,救急・防災・教育などの情報と同様に,外国人市民自ら積極的にごみ捨てに関する情報を得てもらえるような工夫も必要かと思います。 北九州市や川崎市では,ホームページ上の暮らしの情報のページにおいて,外国人市民の方向けにごみ出しに関する情報を「やさしい日本語」で説明しています。また,佐賀市では,ホームページ上にごみの分別についての動画を載せ,外国人のためのごみ出しガイドを「やさしい日本語」版のほか,英語など5か国語で用意しています。その最後の2ページには,ごみ分別の基本概念や,外国人から見た日本のごみ出しに関する感想を載せています。基本概念は,「なぜ日本はごみを分別するの」といった質問に対し,日本は埋めるところがない,資源が少ない,3Rの考え,もったいないの心,ごみは大切な資源ですと,簡単な文章とイラストで書かれています。このように丁寧に伝えていくことが重要であると考えます。 また,これまで行っていただいているごみ講習に関しても,外国人市民が自ら要望した場合に提供されるものとなっているため,さらに積極的に周知し,行っていくことが必要だと考えます。以上に対する本市のお考えをお伺いし,2回目の質問とします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) それでは,2回目の御質問にお答えいたします。 外国人市民に向けたごみの分別方法の周知につきましては,ごみ分別アプリや「資源・ごみの出し方便利帳(外国語簡易版)」に,本年度,外国人登録人口の多いベトナム語版を追加するなど,多言語への対応を行ってまいります。 外国人市民を対象としたごみに関する講習会につきましては,外国人を受け入れている事業所,地域活動を支援しているボランティア団体や町内会などからの要望に応じ,積極的に出前講座として職員を派遣していくことや,ボランティア団体が主催する日本語教室で講習会を開催するなど,実施に向け検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 5番 小林宣子君。 ◆5番(小林宣子君) 御答弁いただきました。 「ごみの出し方便利帳」の改訂,また,ごみ分別アプリ等のベトナム語対応の予定とのこと。ごみに関する講習会につきましても,外国人を受け入れている事業所やボランティア団体,町内会へ出前講座を積極的に行うこと,さらに,日本語教室での開催を検討していただけるとのこと。大変に前向きな御答弁だと理解いたしました。 第2次春日井市多文化共生プランの基本概念として,お互いの国籍や民族,文化を認め合い,共に尊重し,支え合って,春日井市民として暮らせる社会の実現とあります。多文化共生とは,外国人市民が日本の文化や生活習慣を理解することのみではありません。お互いに認め合い,尊重し,支え合うことで成り立っていくものです。今後ますます増えていくであろう外国人市民の方々が,ごみ問題により初めて地域でその存在を認識されるなどということのないように,確実に,そして丁寧に情報を提供していただきますようお願いをし,私の一般質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 10番 石飛厚治君。     〔10番 石飛厚治君 登壇〕(拍手) ◆10番(石飛厚治君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,新しい生活様式に向けた諸施策の具体化について質問させていただきます。 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は,感染拡大を食い止めるために行動変容の重要性を訴えています。従来の生活では考慮しなかったような場においても感染予防を行うもので,飛沫感染や接触感染,さらには,近距離での会話への対策をこれまで以上に取り入れた新しい生活様式を具体的にイメージできるように,今後日常生活の中で取り入れてほしい実践例を提示しています。新しい生活様式の実践例は,一人一人の基本的感染対策,日常生活を営む上での基本的生活様式,日常生活の各場面別の生活様式,働き方の新しいスタイルの4つで構成されています。 一人一人の基本的感染対策は,具体的に,感染防止の3つの基本である身体的距離の確保,マスクの着用,手洗いとしています。日常生活を営む上での基本的生活様式では,密集・密接・密閉の3密の回避,せきエチケットの徹底,小まめに換気,毎朝の体温測定,健康チェック等が挙げられています。日常生活の各場面別の生活様式では,買い物,食事,公共交通機関の利用,娯楽・スポーツ等,冠婚葬祭などの親族行事の5つの生活場面別の実践例,働き方の新しいスタイルでは,テレワークやローテーション勤務,会議はオンラインなどといったことが提示されています。この新しい生活様式を築くため,地方移住を含めたビジネスや経済活動が動き出しています。今後は,新しい生活様式を定着させるための具体的な施策を本市においても推進し,決して後戻りをしない自律的な地域社会を構築していく必要があると考えます。 国も,新たな日常構築の原動力となるデジタル化への集中投資,社会実装とその環境整備を進めていくとしており,特に,デジタル・ガバメントは今後1年間が改革期間であると,いわゆる骨太の方針にも挙げられました。また,内閣府が示した地域未来構想20の中では,コロナ禍だからこそできる事業,ピンチをチャンスに変える施策が紹介されています。そこで,デジタル化の果実を本市に大胆に取り入れるとともに,オンライン,テレワーク,ワーケーション,働き方改革や移住,企業や学校の休日を見直し分散化を図ることによって,魅力あるまちづくりと質の高い地域社会を築いていくために具体的な施策の進捗や見通しについて3項目質問させていただきます。 1つ目に,教育分野における切れ目のない学習環境の提供についてです。 本市は,かすがいスタンダードを基に,児童生徒が日常的にICTを活用した授業を受ける環境を整備しつつあります。今後,1人1台の端末が整備されることに伴い,学びは一層充実すると考えます。文部科学省の資料には,双方向の授業できめ細かな指導ができるのはもとより,理解度に応じた個別学習も可能になることから,多様な子どもたちに個別最適化された教育を実現できるようになる。グループワークでは,一人一人が情報を収集し,周りと共有して議論するといった新学習指導要領で目指す主体的で対話的な深い学びが可能になるとあります。 政府は,コロナ禍の中,GIGAスクール構想を加速させ,2023年度までに実現としてきた当初の予定を大幅に前倒しして,2020年度中に小中学校での1人1台の端末実現を目指すことになりました。そこで,本市議会6月定例会では,小中学校の児童生徒へ1人1台端末を整備する補正予算が計上されましたが,どのような端末になるのか,そして,端末の整備はいつになるかをお伺いたします。また,GIGAスクール構想を加速させ,1人1台端末の整備が前倒しされたことで,その活用等に対する準備に問題が生じていないかをお伺いいたします。 2つ目に,公共交通におけるデジタル技術の活用についてです。 地域公共交通に求められる役割は,地域住民の移動手段の確保,そして,諸機能が集約した拠点同士,あるいは拠点と居住エリアを結ぶ交通手段の提供です。また,外出機会の増加によるまちのにぎわいの創出や歩いて暮らせるまちづくりによる健康増進や観光旅客等の来訪者の移動の利便性や回遊性の向上により人々の交流を活発化することが挙げられると思います。公共交通に関してはこれまで多くの質問がされてきましたが,改めて,コロナ禍だからこそ質問させていただきます。 さきにも述べましたが,地方移住を含めたビジネスや経済活動が動き出しています。ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向へ変化させるデジタルトランスフォーメーションによって地域の価値を高めていくことは,移住や企業誘致の促進につながると考えます。ICT化とは,既に確立された産業を前提に,あくまでも,その産業の効率化や価値の向上を実現するものであったのに対し,デジタルトランスフォーメーションは,それを手段として変革を進めるということです。そこで,本市の公共交通におけるデジタル技術の活用について,現在どのように取り組んでおられるのかをお伺いいたします。 3つ目に,コロナ禍における窓口業務の改善についてです。 窓口業務は,いち早くから感染防止対策として消毒液や飛沫防止のパーティションの設置,人と人との距離を確保するための目印や,待合スペースにある椅子の間隔を広げていただいており,感謝申し上げます。 このように対策をとっていただいていることはよいことですが,先日保険医療年金課を訪れた市民の方から,順番待ちをしていたが,呼ばれたことに気づかなかったので改善してほしいとの相談を受けました。つまり,順番待ちの椅子が窓口から離れたことにより,課の整理券発行機の呼び出し番号が見えづらく,案内音声が聞きづらくなっているということです。この方は,密をなるべく避けるため,一番後ろの席に座られていたとのこと。私も試しに座ってみましたが,見えづらく,聞き取りづらく感じました。そこで,整理券発行機の見やすい位置への増設や音量の変更など,見やすく,聞き取りやすくなるような改善はできないでしょうか。御所見をお伺いいたします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 私からは,小項目1,教育分野における切れ目のない学習環境の提供についての御質問にお答えいたします。 整備する1人1台端末のモデルは,クロームOS端末であり,整備時期につきましては,小学校5年生,6年生,中学1年生の3学年分として8,457台を令和3年2月に,その他の6学年分として1万6,966台を令和3年3月までとする予定です。 また,整備の前倒しにより学校現場での端末活用につきまして,本市では,平成26年度から出川小学校,平成28年度から藤山台小学校,2校の授業におけるタブレットパソコンの活用について研究を進めており,その取組を,毎年研修を通して他校に水平展開をしております。さらに,教職員で組織する情報教育部員が中心となって,整備される端末の初期設定などの基本的な使い方に関してオンライン研修の準備を進めているほか,クラウド使用を前提としていることから,全教職員並びに全児童生徒に1人1個のアカウントも取得済みの状況にあります。このように活用準備を逐次進めていることから,前倒し整備に伴う大きな問題は生じておりません。一方,現在のコロナ禍において,従来の研修が実施できない状況にあっては,オンラインでの研修実施など,新たな準備並びにその対応を進めているところでございます。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 私からは,小項目2,公共交通におけるデジタル技術の活用についての御質問にお答えいたします。 現在策定を進めております地域公共交通網形成計画は,現在パブリックコメントに付しているところでございますが,自動運転車両やAI技術の導入,標準フォーマットによるシティバス運行情報の提供,ICTを活用した様々な交通手段の統合など,各種の先進技術の活用を図っていくこととしております。 一方,昨年度,高蔵寺ニュータウンにおいては,高精度三次元地図などさらなる先進技術の活用により,自動運転ゴルフカートを合計約1か月にわたって運行し,地域にお住まいの皆様に御利用いただく実証実験や,AIによって最適な経路を運行する乗合タクシー実証実験などの取組を進めてきたところでございます。今年度は,これらを実際に地域に根づかせるため,地域組織の検討や運賃体系の整理などを行うとともに,これらの手段を検索・決済できるアプリの開発などに取り組んでまいります。 また,牛山・鷹来地域において間もなく運行を開始いたします予約型ワゴンバスの実証実験でも,AIを活用し,地域にふさわしい交通手段の導入に役立ててまいります。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) 私からは,小項目3,コロナ禍における窓口業務の改善についての御質問にお答えいたします。 保険医療年金課の窓口では,番号の表示と機械音声の呼び出しのみでは気づかない方もお見えになることから,職員自身による声がけも行い,窓口へ御案内をしております。しかしながら,議員の御指摘にもございましたとおり,柱が窓口の近くにあり番号表示が見えにくいということもございますので,より分かりやすい窓口案内方法について検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 10番 石飛厚治君。 ◆10番(石飛厚治君) それぞれ御答弁いただきました。 教育分野における切れ目のない学習環境の提供について,今年度中に端末の整備がされること,安心いたしました。また,様々な取組を理解いたしました。子供たちに求められる力は時代とともに変わっていきます。それに伴い,それを育む学習環境も変化が求められます。その変化に,1人1台端末の整備という施策を通じて対応できるのではないかと考えます。 今年の4月から,小学校では新しい学習指導要領での学校教育が始まりました。新しい学習指導要領では,育成することを目指す資質・能力を3つの柱で整理しています。それは,1,生きて働く知識・技能の習得,2,未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成,3,学びを人生や社会に生かそうとする学びに向う力,人間性の育成です。このような資質・能力を育むため,主体的・対話的で深い学びを行い,将来の予測が難しい社会の中でも未来をつくり出していくために必要な資質・能力を確実に育む教育,未知の社会を生き抜く力を育む教育が目指されています。 そこで,このような学習指導要領を踏まえ,1人1台端末の整備をどのように生かし,使われていくのか。また,1人1台端末の整備により,姉妹都市のケローナ市や男鹿市,由利本荘市との児童生徒同士の交流が,今までよりも気軽に,そしてより多くの児童生徒が体験することが可能になると考えますが,本市の見解をお伺いいたします。 次に,公共交通におけるデジタル技術の活用について,公共交通は,新型コロナウイルス感染症の流行によって大きな影響を受けたと言われています。大きく報道されているところでは,JR東海が,新型コロナウイルスの感染拡大に伴う出張の自粛などの影響で,4月,5月は東海道新幹線の利用者が前年同期に比べ90%減まで大きく落ち込み,8月でも,各自治体が県をまたぐ移動の自粛を求めたことなどで75%減と低調に推移しているとの発表がありました。そこで,市内の公共交通はどの程度の影響を受けたのかをお伺いいたします。 次に,コロナ禍における窓口業務の改善について,よりよい改善をよろしくお願いいたします。ただ,それも大切な取組ですが,コロナ禍においては,住民を待たせない,庁舎内に滞在させない,混雑時には来庁を控えてもらうなど,根本的に窓口受付で待つ住民を減らすための施策が必要だと考えます。政府は,社会全体のデジタル化の推進には,住民に身近な行政サービスを提供する地方公共団体に対する手続のオンライン化の加速をはじめ,地方公共団体のデジタル化が急務である,また,デジタル化に当たっては,サービスのフロント部分だけではなく,バックオフィスも含め,エンド・ツー・エンドでIT化,BPRを徹底し,住民の利便性向上と行政の効率化を図るとともに,地方創生をはじめとした地域の諸課題の解決に資するものとなることが期待されるとしています。 例えば,二次元バーコードを使いスマートフォンで読み込んでシステムにアクセスすれば,どこにいても自分の待ち状況が分かり,順番が近づくとお知らせが届く方式や,ウェブを通じて日時を指定した窓口予約ができる方式など,庁舎内にいなくても順番を待つことが可能になります。さらには,行政手続のオンライン化から各種データのオープンデータ化まで,役所に行かずに必要な行政サービスの申込みやデータの提供が受けられる環境を整えることができれば,職員の方も,住民の方も計画的に行動することができるようになり,新型コロナウイルス感染症のストレスからも少しでも解放されると考えます。以上,意見として,この質問は終わります。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の質問にお答えいたします。 本市が導入を予定している端末が1人1台整備された後には,生活ノートとしての活用や学習での活用を考えております。生活ノートとしては,児童生徒自身が今日の自分の気持ちを天気マークで表すことで,より個々の児童生徒の状況を丁寧に把握するようなことも可能になります。学習としては,授業での主に思考を深める場面での活用を考えています。これは,従来なら一人一人が黒板で発表していたようなことが,瞬時に端末上で個々の考えをクラス内で共有し,また,書き直しや編集も容易になり,他人の考えを参考にしながら自分の考えを再構築し,それを表現するといったことも可能になります。教員も,これまでは埋もれてしまっていたような意見に焦点を当てることが可能となり,さらに,個々の学習履歴を基に,個別最適化された宿題の設定なども可能になります。1人1台端末の整備により,全ての児童生徒が,教科書やノートに加え,端末を勉強道具として扱える力,さらに,情報活用能力を育成していきます。 また,男鹿,由利本荘市との小学生交流学習事業につきましては,参加者の感想文集より,ホームステイなどの現地児童との交流活動が,毎年,参加児童の心に一番強く残っている現状があります。実際に現地へ赴いた交流,ICTを活用したオンラインの交流,それぞれの特性を見極めながら,ケローナ市との交流活動も含め,今後の在り方について研究してまいります。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 私からは,小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 かすがいシティバスや路線バスといった市内の交通も,新型コロナウイルスによって大きな影響を受けました。緊急事態宣言下においても,市内の交通は,おおむね対前年比50%前後,6月以降はおおむね75%程度の利用があったところです。また,名古屋近郊における鉄道にあっても,JR東海や名鉄の利用者数は,一時期は約半数からそれ以下に落ち込んだものの,最近は70%から80%まで回復基調にあると聞いております。 ○議長(友松孝雄君) 10番 石飛厚治君。 ◆10番(石飛厚治君) それぞれ御答弁いただきました。 1人1台端末について,使い方を理解いたしました。春日井市のタブレットPCの授業での活用についての基本姿勢は,ICTの有効活用の一つとして捉え,タブレットPCを使うための授業を行うことのない,あると便利なツールとして活用を目指すことですと以前の同僚議員の質問に答弁をいただいております。一人一人の子どもたちに寄り添った多様性のある教育を実現するためにも,今後の教育に期待し,この質問は終わります。 次に,公共交通におけるデジタル技術の活用について,様々なICT技術の活用を計画に位置づけ,取組を進められたこと,また,東海道新幹線とは違い,皆さんの足となっている市内の公共交通は回復基調とのこと,理解いたしました。 新型コロナウイルス感染症の影響下にあっては,ますますこうしたデジタル技術の力を活用し,サービスの効率化や質の向上を図り,新たな暮らしのスタイルを確立していかなければならないと考えます。そこで,本市の見解をお伺いし,私の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 小項目2の3回目の御質問にお答えいたします。 新たな暮らしのスタイルの中でも必要な移動手段を引き続き確保するためには,利便性向上に加え,これまで以上の効率化が必要になると考えられることから,多様な交通手段が効果的に連携することにより,持続可能な公共交通ネットワークを確保していかなくてはなりません。その一つとして,複数の交通手段を乗り継ぎ目的地までに行くために,経路の検索,必要な手段の予約,運賃支払いを一つのサービスとして提供できる,いわゆるMaaSの導入などといった新しい技術を,高齢者をはじめとした市民の皆様が使うことができるよう整えていくことにより,市民の皆様がひとしく移動できる公共交通の仕組みづくりに取り組んでまいります。 ○議長(友松孝雄君) 28番 田中千幸君。     〔28番 田中千幸君 登壇〕(拍手) ◆28番(田中千幸君) 議長のお許しをいただきましたので,さきに通告してあります地域共生社会実現にむけての本市の展望についてお伺いいたします。 厚生労働省は,80代の親が50代の中高年のひきこもりの子どもを養う8050問題や,介護と子育てを同時に担うダブルケア問題等々,新たに表面化してきた課題について,従来の介護・障がい・子育てなど,制度や分野ごとでは対応が難しくなってきていることを打開しようと,重層的支援体制整備事業を打ち出したところです。それは,地域共生社会の実現,そして,全ての世代が安心できる全世代型社会保障を実現していこうとすることにつながっていきます。 これに先立って,2017年には,社会福祉法の改正によって,制度ごとではなく,課題を抱えている本人や家族を丸ごと包括的に支援する体制の整備が市区町村の努力義務とされました。この時点で,ほぼ考え方や大まかな原型ができているように思えますが,この法改正後の本市の現体制をまずお伺いいたします。 2021年4月からスタートする重層的支援体制整備事業には,3つの支援を一体的に実施することとされています。 この3つの支援の1つ目は,包括的な相談支援です。行政の福祉の窓口は,高齢者,障がい者,子どもといった分野別に分かれていますが,どんな相談も最初に訪れた窓口で丸ごと受け止めます。例えば,高齢者の窓口に介護の相談に来た母親が息子のひきこもりのことを相談してきたら,全て受け止めて必要な支援につなげていくという具合です。そして,住まいや雇用,医療,教育など,他の分野の所管部,支援機関と連携して,家族全体が抱える課題を解決していきます。相談を受けた時点では,ひきこもりがかなり長期化しているような場合もあり,具体的な課題がすぐには見えないために,即支援につなげられない場合もあるでしょう。そうした場合でも,伴走型で本人と同じ目線に立って,寄り添いながらつながりを持ち続け,課題を一つ一つ解きほぐし,粘り強く支援につなげていくことも期待されます。 2つ目は,地域につなぎ戻していくための参加の支援です。仕事をしたり,地域活動に参加したり,本人に合った場所を探して,そこで自身の役割を見いだせるよう支援します。例えば,障がい者手帳を持っていないひきこもりの方が働きたいという希望があっても,いきなり一般就労が難しいため,地域の就労支援施設で障がいのある方々と一緒に農作業をしたりするといった支援も想定されており,本人のニーズと地域資源をうまく利用して社会とのつながりを回復することが参加支援ということです。 そして,3つ目は,地域づくりに向けた支援です。子ども食堂や運動教室など,住民自らの意志で行う様々な活動や居場所を増やしていきます。そのために,地域づくりに関心を持つ住民やNPO,農業・観光のような福祉以外の分野の方々とも日常的に顔の見えるネットワークをつくっていくことが想定されています。 この3つの支援を一体的に行う重層的支援体制整備事業を実施することによって,制度の縦割りによる弊害を払拭するとともに,制度に人を合わせるような状態ではなく,困り事を抱えている御本人と御家族を中心とした支援へと福祉の大転換が期待されているわけで,誰も置き去りにしない社会を実現する基盤となる事業であると思います。 既に,250を超える自治体でモデル事業が行われ,来年度からこの事業を実施する市区町村に国が交付金を支給する制度が本格的にスタートしていく予定ですが,さきの8月28日を締切りとして,厚生労働省から実施の意向や事業費の見込みについてのアンケートが届いていることと思いますが,どのように回答されたのかをお伺いします。 また,今回のコロナ禍において改めて浮き彫りになったのが,人とのつながりの重要さであります。今まさに取り組むことが求められている事業であると考えます。 さて,重層的支援体制整備事業の先には,地域共生社会の実現という大きな目標があります。制度や分野ごとのいわゆる縦割りを超えて,また,支え手,受け手という関係を超えて,地域住民や地域の多種多様な主体となる人が我が事として参画し,人と人,人と資源が,世代や分野を超えて丸ごとつながることで,住民一人一人の生きがい,地域を共につくっていく社会,地域共生社会を構築する大目的につながっていきます。 しかし,当然のことながら,すぐにそういう社会になっていくわけではありません。未来を担う子どもたちが,今のうちから,障がいのあるなしを意識することなく,普通に差別のない社会の中で活躍できるようにしていくことが大事であると思います。 そんなことを実現していくために画期的な取組が7月の公明新聞に紹介されていました。福岡県志免町の小学校で,校内の空き教室に知的障がい者らが働く作業所,福祉創造塾ふれあいの部屋が設けられていて,小学校1年生の教室の隣にあって,通所者6人が働いているというのです。休み時間になると,元気いっぱいの児童が作業所に駆け込み,児童は,作業を手伝ったり,一緒に遊んだりして通所者と自由に交流をする。一方,通所者は,運動会や卒業式などの行事に学校の一員として参加するというのが,志免町立南小学校の日常風景となっているとのことです。 この作業所は,社会福祉法人柚の木福祉会が町の協力を得て同校の空き教室に設けたもので,設立目的は,障がいに対する概念を変えること,障がいを知らないことで生じる差別をなくすため通所者と児童らが隣り合って活動できる環境が整えられたというものです。設立当初は児童の保護者から不安視する声が上がりましたが,問題が起こるどころか,児童が自然と障がいを理解できる福祉教育の場になったということです。同作業所への理解は,次第に保護者や地域住民らに浸透していきました。2015年には,デザインが優れた物事に贈られるグッドデザイン賞で,無形の福祉事業としては全国初となるベスト100と未来づくりデザイン賞に選ばれており,柚の木福祉会の白谷事務長は,作業所を差別のない社会づくりの発信地にしていきたいと語っておられます。 そこで,本市でも,小学校の空き教室を活用して通所作業所を開設することについてのお考えを伺います。以上で,壇上からの1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 山口剛典君。 ◎健康福祉部長(山口剛典君) それでは,地域共生社会実現に向けての本市の展望についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,本市の現体制でございますが,介護と子育てのダブルケアや8050問題,ひきこもりなど,複雑化・複合化した課題を抱える個人や世帯に対して適切な支援を行っていくためには,各分野の相談支援機関が連携・協働しながら包括的に対応していくことが重要でございます。 本市では,これまで地域包括支援センターや障がい者生活支援センターに基幹型センターを整備し,総合的な相談業務や調整を行うとともに,本年4月からは,本市のセーフティーネットの役割を担う市社会福祉協議会に総合支援課を設置し,市民や地域からの様々な課題に対応していくための包括的な体制の構築を進めているところでございます。また,地域共生プランに基づき,市役所内においては,高齢・障がい・子ども・教育・困窮などの幅広い関係部署の連絡会議を開催し,分野横断的な相談支援や地域支援の在り方について検討を進めております。 次に,国のアンケート調査につきましてですが,回答は,重層的支援体制整備事業の実施に向けて現在検討中であるとしております。また,事業費等の見込みに対しまして,介護保険の地域包括支援センター運営事業,障がい者の相談支援事業,地域子育て支援拠点事業,生活困窮者自立支援事業など,全ての対象事業を合わせて約6億3,000万円と回答しております。 次に,小学校内に通所作業所を開設することについてでございますが,空き教室を知的障がいのある人が日々通所する作業所として活用し,児童が休み時間や学校行事などを通して障がいのある人と身近に過ごすことは,社会の中で共に生活することを子どもの頃から自然に受け入れ,理解の醸成にもつながっていく取組の一つであると考えております。 しかしながら,大勢の子どもたちの学びの場である小学校の空き教室を活用して通所作業所を設置することは,授業への影響や学校の管理面などにおいて,まずは保護者や学校関係者に理解と協力を得ることが重要であり,さらには,環境の変化によって障がいのある人自身に与える心身への影響についても考慮していく必要があると考えます。したがいまして,空き教室を通所作業所として活用することは難しいものと判断しておりますが,今後も,引き続き地域共生社会の実現に向け,様々な視点から調査・研究を進めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 28番 田中千幸君。 ◆28番(田中千幸君) 御答弁をいただきました。 現状では,新たに社会福祉協議会に総合支援課を設置され,包括的な体制整備が一歩進められたということでございます。厚労省が進めようとしている重層的支援体制整備事業,これにうたわれている内容にかかる費用は約6億3,000万円,これに対して国の支援がしっかり受けられることを期待しますし,地域と行政をつなぐのに大変重要となるコーディネーターの配置・整備については,金銭面の支援にとどまらず,人材の紹介など,様々な専門的なアドバイスがいただけるよう国に訴えかけていただきたいと思います。 さきの質疑で同僚議員から課題提起がありました外国人市民の方への対応も地域の中で増えてくるように思われますので,この点についても,重層的支援体制が解決に欠かせないものであることは明らかではないかと思います。 空き教室を活用しての作業所の設置につきましては,多くの懸念される事項があるため,確かに細やかな調査が必要であることは間違いないと思います。この福岡県志免町の取組を研究していく中で,キーポイントとなる考え方など見えてくるものがあるかもしれないと思いをめぐらせたりしております。今後の整備に期待をいたしまして,私の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 16番 田口佳子君。     〔16番 田口佳子君 登壇〕(拍手) ◆16番(田口佳子君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い質問させていただきます。 大項目1のグローバル社会における外国人技能実習生の市県民税についてお伺いいたします。 前回の一般質問で,本市の在留外国人は技能実習生の増加が顕著であることなど課題を取り上げさせていただきました。日本は,晩婚化,未婚率の上昇など,長年の低い出生率が影響して人口が減少し,特に,勤労世代の減少と高齢化が進んでいます。今後の労働力の確保が課題である中,外国人の労働力は期待されるところです。本市におきましても,出生率の低下により日本人は減少傾向にあり,外国人の増加によって市全体の人口は微増が維持されております。もはや,外国人との共生は必然であります。文化の違いを乗り越えて互いを尊重し合い,ひずみや分断,不満の温床ができないような取組が必要です。 身近な問題としては,最近,帰国後のベトナム人技能実習生の市県民税の取扱いについて,実際に事業所から相談を受けたことがあります。外国人技能実習生の多くは,3年間の実習期間を終えると帰国いたします。市県民税は1月1日現在の居住者に課税されることから,帰国する時期によっては次年度の市県民税の納税義務も生じることになります。しかし,既に出国して日本にいないことから,本人に納税の通知をすることができないケースもあるのではないかと思います。その場合,公示送達という方法をとられるようですが,公示送達を行っても,外国人技能実習生本人は市県民税の納税義務が生じていることを知らないので,結局納税はされず,滞納となってしまいます。このような問題については,総務省のホームページに掲載されている個人住民税検討会の中でも議論されております。 そこで,小項目1の質問といたしまして,本市における納税の状況について,令和元年度の外国人技能実習生と日本人の市県民税の納税義務者数,そして,その完納・滞納の人数とその割合,併せて,市県民税の滞納者のうち令和元年度の外国人技能実習生と日本人,それぞれの公示送達件数をお伺いいたします。 また,小項目2の質問といたしまして,外国人技能実習生の滞納を防ぐために現在本市が行っている対策について御所見をお伺いいたします。 次に,大項目2の土曜日,日曜日,祝休日の保育の拡充と一時預かりの利便性の向上についてお伺いいたします。 本年3月に第2次新かすがいっ子未来プランが発表されました。市長の御挨拶の中に,「女性の就業率の上昇により共働き家庭は増加し,核家族化はさらに進展するなど,社会情勢の変化に伴い,子育てを取り巻く環境や子育て世代のニーズも変化しており,これまでにも増して当事者に寄り添った支援が求められています。新たな課題に対応し,子育て支援をさらに充実させるために,第2次新かすがいっ子未来プランを策定しました。子どもや子育て家庭の元気な姿は,社会全体の活力になり,子どもたちやその家族が住み続けることは,まちのにぎわい,発展につながります。安心して子どもを産み育てることのできる環境を充実し,子どもたちの健やかな育ちを支えていくために,行政に加え,地域住民や子育て支援団体,事業者など,多くの皆様の協力が不可欠です。子どもや子育てを取り巻く環境が変化しても,人と人のつながりや人を思いやる心は,いつの時代においても変わらないものであると考えております。子はかすがい,子育ては春日井の基本理念の下,子も親も生き生きと暮らせるまちを目指してまいります」とあります。 本市の子育て環境の整備や課題解決は,丁寧に的確に進められ,限られた財政の中で最大の成果を発揮されていることに敬意を表します。先ほどの市長のお話の中にありましたが,「女性の就業率の上昇により共働き家庭は増加し,これまでにも増して当事者に寄り添った支援が求められています」とあります。本市は,現在公立保育園29園,私立保育園18園,認定こども園5園,小規模保育14園の計66園があります。私の下へ寄せられた相談に,自営業,接客業の共働きやひとり親家庭など,就労のために土日祝日も平日の時間帯同様に保育を受けたいが,土曜保育は7割が午後3時までとなっています。預ける先を毎週探すのに苦労しています。 小項目1の質問といたしまして,新かすがいっ子未来プランにも記載されていますが,土曜日の午後3時以降のほか,日曜日・祝休日にも平日同様の保育時間を希望しているニーズをどのように考察されているのかお伺いいたします。 次に,土曜保育の時間延長をしている園が18園ありますが,土曜日は平日通所している以外の保育園には預けられない決まりがあります。 小項目2の質問としまして,平日通所している保育園が土曜日午後3時以降の保育を行っていない場合は,土曜日のみ午後3時以降も保育を実施している園を利用できないでしょうか。また,土曜日の午後3時以降も保育を実施する保育園を拡充するお考えについて御所見をお伺いいたします。 現在,土日祝日保育をカバーしている施設に子育て子育ち総合支援館(かすがいげんきっ子センター)があります。この施設は,ゼロ歳から18歳未満の児童に遊びを中心とした幅広い活動の機会を提供し,子育てを総合的にサポートすることを目的としています。利用目的は,保護者のリフレッシュから冠婚葬祭の行事出席に至るまで,幅広い対応がされております。 一時預かりを利用するためには,希望日の前月初旬に直接出向き申込みをするか,電話で仮予約申込みをします。空きがない場合には,キャンセルがいつ出るのか分かりませんので,利用者は電話でその都度キャンセルが出ていないか確認をしなければなりません。もしもキャンセルが出ると,電話で仮申込みをし,預ける前日までに申込用紙の記入を行い,費用は利用日当日に支払います。前日キャンセルの場合は,当日受付を認めていないので,キャンセル待ちの人は利用ができません。土日祝日の利用は高く,毎月1日には定員が埋まる場合があります。就労のため保育園を利用する保護者も,土日祝日保育を利用する場合,この申込み方法に従います。げんきっ子センターを利用したい保護者世帯はスマホ世代です。 小項目3の質問といたしまして,子育て世帯の利便性向上の観点から,キャンセル待ちの受付及びインターネットを活用した利用申込み等を導入するお考えについて御所見をお伺いいたします。 最後に,大項目3,母子の家の活用について。 母子の家とは,母子生活支援施設として,昭和22年,児童福祉法第38条に制定されました。設立当初は母子寮と呼ばれ,平成10年に児童福祉法の改正により母子生活支援施設に名称が改称されました。配偶者のない女子,またはこれに準ずる事情のある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて,これらの者を保護するとともに,これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し,併せて,退所した者について相談,その他の援助を行うことを目的とする施設です。 愛知県には54市町村があり,母子の家は12施設あります。そのうちの1施設が本市にあります。誰一人取り残さない持続可能な社会を目指すに当たり,弱者を守り,支援する母子の家が本市にあることに,敬意と感謝を申し上げます。 施設の運営は,本市の子ども政策課が所管し,指定管理者として社会福祉協議会に実務を行っていただいております。具体的には,日常生活の支援として,家計簿のつけ方や家事に関すること,健康管理など安定した生活が送れるように支援をします。また,子どもの発達段階に応じた子育て支援や学習等の支援も行います。母子の自立を目指して,お母さんの能力に合わせた就労支援やメンタル相談も行います。母子の家を退所した後も,様々な相談に応じます。一過性の相談窓口とは違い,一定の期間,生活そのものを見守ることができる施設です。子ども目線で見ますと安全地帯であります。 先般,母子の家を訪ねました。空き地に簡単な畑を耕し,子どもと野菜に水をまいたり,ミニトマトをもぎったり,少しでも母子に楽しい体験をしてもらおうと取り組んでみえます。夏休みの宿題も一緒に考え,お母さんの手が回らないところをそっとサポートされています。入所当初は心を閉ざした方など,人間関係をつくるところから丁寧に関わられております。母子の家の職員お一人お一人が愛情を持って自立を促し,寄り添ってくださる行動に,ここから巣立つ母子に幸せな自立を願わずにはいられません。 私がいただいた相談の中に,実家や相手方からの支援が得られない,母親自身が精神的に追い込まれ判断能力が欠落してしまい育児に支障が出てしまうなど,離婚や離婚に至る過程で住居を必要とする相談を毎年数件いただきます。子どもは,なすすべがなく,困窮や育児放棄に巻き込まれていきます。母子の家の入居がベストだと思いますが,入居には至りません。 そこで,小項目1の質問といたしまして,母子の家の過去5年間の利用についてお伺いいたします。 母子の家は鉄筋コンクリート3階建てで,現在利用できる居室は18室あります。入居定員は9世帯と公表されております。高齢の単身女性から,貧困や同居家族からの暴言や人格否定などにより避難住居,生活支援が必要な方が存在します。 小項目2の質問といたしまして,母子の家の空き室を経済困窮による緊急避難場所として,生活保護の前段階として使えないでしょうか。 次に,母子の家は,建設されてから41年が経過,お風呂は共同風呂です。一家族入浴時間は30分,コンクリート造りで広過ぎるお風呂は,冬温まるのに時間がかかるかもしれません。母子の家に入居できる子どもは18歳までです。中学・高校世代の子どもが母親と一緒にお風呂に入るには抵抗があるのではないでしょうか。間取りは,和室6畳と3畳と流し,天井は低く,壁は土壁で室内は薄暗く,経年劣化は否めません。畳6畳と3畳の部屋に衣類を保管する入れ物や食事をするテーブル,勉強机などを置いたら,寝る場所はどこになるのでしょうか。本市の市営住宅と比べても,母子の家は狭く,室内の経年劣化は否めません。現在母子支援を必要とし,精神的に疲弊している母子が入居するには,切なくなる部屋です。 厚生労働省から出された母子家庭等自立支援対策大綱では,母子生活支援施設や住宅など,自立に向けた生活の場の整備が掲げられております。母子生活支援施設への社会的な期待が高まっております。また,全国母子生活支援協議会でまとめた報告書によりますと,母子生活支援施設に求められる機能について,1番目として,癒やしを得ることができる生活環境を掲げられております。 小項目3の質問といたしまして,現在予定されている修繕計画と春日井市公共施設個別施設計画には,母子の家は,第2期,2027年から2036年に大規模改修の対象となっております。部屋の広さは修繕計画では対応できないと思われます。早い時期に実態に合った部屋づくりを御検討いただけないか,御所見をお伺いいたします。以上で,壇上からの1回目の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 財政部長 加藤俊宏君。
    ◎財政部長(加藤俊宏君) それでは,私からは,大項目1,グローバル社会における外国人技能実習生の市県民税について,2点の御質問にお答えいたします。 初めに,令和元年度の外国人技能実習生と日本人の市民税・県民税の納税の状況についてですが,まず,外国人技能実習生は,納税義務者数が475人,そのうち完納している者は379人で,外国人技能実習生の納税義務者全体の79.8%,滞納している者は96人で20.2%,また,滞納者のうち公示送達を行った件数は83件となっております。次に,日本人は,納税義務者数が15万8,327人,そのうち完納している者は15万5,127人で,日本人の納税義務者全体の98.0%,滞納している者は3,200人で2.0%,また,滞納者のうち公示送達を行った件数は34件となっております。 次に,現在本市が行っている事務は,毎年5月に市民税・県民税の特別徴収義務者である事業所に対し,退職者が国外転出する場合は,最後に支払われる給与から当該年度の未徴収税額を一括徴収していただくことと納税管理人を定める必要があることを文書で案内しております。また,納税通知書を公示送達する前には,退職した事業所に対して個別に電話をかけ,連絡先の調査を行うとともに,今後のために,次回からは,退職者が国外転出する場合には,当該年度の未徴収税額を一括徴収していただくことの依頼と,納税管理人を定める必要があることについての制度の周知を行っております。 ○議長(友松孝雄君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 私からは,大項目2及び大項目3について順次お答えいたします。 初めに,大項目2,土曜日,日曜日,祝休日の保育の拡充と一時預かりの利便性向上についての小項目1,土曜日の午後3時以降と日曜日・祝休日の保育ニーズについてでございますが,土曜日の午後3時以降の保育園の利用については,現在,公私立の保育園を合わせて約3割の保育園が土曜日の保育時間を午後3時以降としており,全園児の1割未満が利用しております。また,日曜日・祝休日の休日保育事業の利用については,現在,私立の保育園及び認定子ども園の各1園,計2園において他の保育園在園児も利用できる共同保育にて実施しており,全園児数の1割未満が利用しております。 土曜日の午後3時以降及び日曜日・祝休日の保育ニーズについては,保育園利用に際して保護者から提出された就労証明書等によれば,それぞれ約2割及び1割未満でございます。こうした保育ニーズへの対応については,本年3月に策定した第2次新かすがいっ子未来プランにおいて土曜日も含めた延長保育の拡充を進めることとしており,また,休日保育事業については,今後の保育ニーズの動向を踏まえて実施園の拡充を検討してまいりたいと考えております。 次に,小項目2,他園での受け入れと土曜日の保育時間の延長についてでございますが,土曜日の保育については,保育園は,原則として土曜日を含む週6日間の開園が求められる施設であり,また,全地区において保育ニーズがあることから,保護者が希望する保育時間にかなう保育園をできる限り近隣において選択できるよう,保育士の確保を踏まえて保育時間を延長してまいりたいと考えております。 御指摘のありました他園の利用,他園における共同保育の実施につきましては,先ほど申し上げました週6日間の開園原則のほか,園児にとって通い慣れた保育園での保育が望ましいことから,現時点では実施することは考えておりません。 次に,小項目3,子育て子育ち総合支援館の一時預かりの利便性向上についてでございますが,子育て子育ち総合支援館における一時預かり事業の利用については,御指摘のありましたとおり,現在はキャンセル待ちの受付は行っておりませんが,従来のキャンセル発生の傾向を踏まえた予約受付を行っているところです。仮にキャンセル待ちの受付を行ったとしても,そのほとんどが利用可となるような御案内をできる状況ではございませんが,現在,リアルタイムに予約の空き状況をお知らせすることができていないことも踏まえまして,利用者の御負担を少しでも軽減できるように,現状で対応できることを検討してまいります。 また,インターネットを活用した利用申込み等の仕組みの導入については,他の子育て支援事業の利用申込み等の在り方も含め,利便性の向上及び事務の効率化の観点から調査・研究をしてまいりたいと考えております。 今後新たに設置予定のJR春日井駅南口一時保育室等も含め,一時預かり事業の拡充とともに,保育園における保育時間の拡充を進める中で,利用したいときに利用できる一時預かり事業を目指してまいります。 続きまして,大項目3,母子の家の活用についての小項目1,過去5年間の利用実態についてでございますが,過去5年間の入所世帯数につきましては,延べ世帯数となりますが,平成27年度が10世帯,平成28年度が7世帯,平成29年度が5世帯,平成30年度が7世帯,令和元年度が4世帯となっております。 次に,小項目2,経済困窮による単身女性の一時避難場所としての使用についてでございますが,母子の家については,質問議員の御説明のとおり,児童福祉法に基づき,配偶者のない女子,またはこれに準ずる事情にある女子であって,その者の監護すべき児童の福祉に欠けるところがある場合に保護するための母子生活支援施設でございます。母子世帯以外の高齢者の単身女性の経済困窮者の支援につきましては,生活困窮者自立支援及び生活保護の各制度による支援がございまして,また,配偶者からの暴力を受けたり,家庭関係の破綻等により正常な生活を営む上での困難な問題を有する場合には,県の婦人保護事業による婦人保護施設への入所等の支援制度があり,各支援制度に応じて専門職による支援が行われているところでございまして,現時点においては,母子の家への受入れは適切ではないと考えております。 次に,小項目3,修繕計画についてでございますが,母子の家につきましては,建築後41年が経過しており,市では,平成23年度以降,屋上防水や外壁塗装,給水設備改修などの大規模な修繕を実施してまいりましたが,その他,エアコンの設置やプライバシー保護のための目隠しフェンスの設置など,居住者の生活環境に配慮した修繕を計画的に実施してまいりました。また,内装につきましては,本年度は,2室について,塗り壁となっている内壁をビニールクロスに,床の畳をフローリングに改修することとしておりまして,今後も計画的に修繕及び改修を行ってまいります。 しかしながら,御指摘にありましたとおり,共同の風呂のほか,子どもの学習環境につきましては改善の余地はあるものと考えており,空き室を活用して子どもたちの共用の学習スペースを確保することなど,より快適に生活できるように検討してまいりたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 16番 田口佳子君。 ◆16番(田口佳子君) それぞれ御答弁いただきました。 大項目1のグローバル社会における外国人技能実習生の市県民税についてですが,小項目1の現状について,外国人技能実習生の納税義務者のうち,滞納割合は20%と,日本人の滞納割合の2%と比べ10倍にもなっている状況が分かりました。また,公示送達の件数も,外国人技能実習生は日本人と比べ2倍以上の数であることが分かりました。 外国人技能実習生は,日本における住民税の制度を理解できていないために滞納となっているのではないでしょうか。租税条約を締結している中国などは免税されるなど,税の制度が複雑であることや,日本に在住する期間が短いこと,自国に住民税の制度がないことなどの理由により,帰国後も住民税の納税義務が生じているということを知らないのではないでしょうか。母国に帰国した後に日本に納税するということには無理があるのではないかと私は考えます。しかし,日本で生活した期間における税の負担は当然であり,税の公平性から見ても納税していただく必要があります。そのためには,当局から納税の働きかけを行う必要があると考えます。 そこで,小項目2の2回目の質問といたしまして,外国人技能実習生の滞納を防ぐため,今後予定している対策があれば教えてください。 また,外国人技能実習生は,監理団体を経由して企業や会社に雇用されることから,外国人技能実習生のみならず,監理団体や企業に対する働きかけが有効であると考えますが,御所見をお伺いいたします。 次に,大項目2の土曜日,日曜日,祝休日の保育の拡充と一時預かりの利便性向上についてですが,保育ニーズを分析され,土曜日は2割の方から需要があることが分かりました。今後,実施園の拡充を検討していただけるとのこと。本市に住む保護者には,仕事も子育てもさらに充実できる環境が整います。 また,土曜日保育につきまして,保育園は週6日間の開園が原則であることや,他園の利用や共同保育より,園児にとって通いなれた保育園での延長保育に取り組むとのお考えをお伺いいたしました。保育士の確保を含め,大変御尽力をおかけいたしますが,保護者にも子どもにも最善な取組に感謝を申し上げます。 子育て子育ち総合支援館における一時預かりについては,申込み方法において利用者の負担が軽減され,一層のサービス向上に御期待を申し上げます。 大項目3,母子の家の活用についてでございますが,小項目1の過去5年間の母子支援施設,母子の家としての利用者数が分かりました。 小項目1の2回目といたしまして,母子の家を利用していないものの,母子支援が必要な世帯のうち,住居に関する相談件数,また,どのような支援をされていますでしょうか。御所見をお伺いいたします。 次に,小項目の2,母子の家に空き室があっても,経済困窮による単身女性の避難場所としての使用については,制度が違うので使えないことが分かりました。母子の家を利用できる対象者は子ども政策課の所管,女性の生活困窮者の場合は男女共同参画課または生活支援課,女性の年齢によっては地域福祉課かもしれません。母子の家は,安全・安心な生活と自立への準備ができたら退所する施設です。生活困窮の女性も,準備が整う間の一時的住まいが必要です。実態と制度のはざまで何か解決できることはないのか,私自身が調査・研究してまいりたいと思います。 次に,小項目3につきましては,これから母子の家を利用する方々にとって大変にうれしい回答をいただきました。現在は入所世帯が少ないようですが,今後,子どもの年齢の異なる世帯同士の共同生活もあり得ることから,学習スペースのほか,お風呂の環境につきましても,ぜひ,よりよい方向へ検討が進むことを,そして,母子の家全体が,居住空間としても癒やしの場所として充実することを御期待申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 財政部長 加藤俊宏君。 ◎財政部長(加藤俊宏君) それでは,大項目1,グローバル社会における外国人技能実習生の市県民税についての2回目の御質問にお答えいたします。 今後予定している対策ですが,さきの第4回定例会での議員の意見を踏まえ,事業所への制度の周知の準備を進めております。具体的には,毎年11月に約1万7,000事業所に対して次年度の給与支払報告書の提出依頼を郵送で案内しておりますが,新たに,このタイミングにおいても,退職者が国外転出する場合は当該年度の未徴収税額を一括徴収していただくことと納税管理人を定める必要があることについて制度案内の文書を同封し,制度の周知と依頼を行ってまいります。また,外国人技能実習生の市内監理団体10団体に対しましても,制度の周知を行うよう準備を進めております。 ○議長(友松孝雄君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 私からは,大項目3,小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 経済困窮により住居支援が必要な母子家庭の把握についてでございますが,市が実施している母子・父子自立相談においては,令和元年度に1,632件の相談があり,そのうち13件が住居に関するものでございました。相談内容としましては,住居確保給付金に関すること,住居の確保に関すること,配偶者の暴力からの避難に関することなどとなっております。相談者に対する支援についてでございますが,生活保護や住居確保給付金の申請窓口を案内したものが6件,そのうち4件が受給につながったほか,公営住宅の入居申込みを案内したものが3件,そのうち1件が入居につながるなど,相談者に寄り添いながら,相談内容に応じて関係部署との連携を図っております。 ○議長(友松孝雄君) 16番 田口佳子君。 ◆16番(田口佳子君) それぞれ御答弁をいただきました。 大項目1のグローバル社会における外国人技能実習生の市県民税について,丁寧に粘り強く周知を行っていただき,外国人技能実習生,また多様な市民との共生ができるよう,納税もサービスも分かりやすい,よりよい社会環境となることを願い,私も引き続き尽力してまいります。 大項目3,母子の家の活用について,母子の家を利用していないものの,母子支援が必要な世帯の把握状況や支援が分かりました。相談件数が1,632件,そのうち住居に関することは13件とのこと。寄り添った相談支援に感謝申し上げます。母子の困窮や住居を追われてしまう状態は表面化しにくいものです。支援を必要としている人が公共の窓口に行けない場合もあります。私が受けた相談も,本人からではなく,周りの人が見るに見かねてでした。どのような環境の子どもも,本市にはサポートできる取組があります。子はかすがい,子育ては春日井,母子の家の利用を必要としている母子に,新たな自立に向けての優しい癒やしの場所となる環境の整備を御期待申し上げ,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 29番 佐々木圭祐君。     〔29番 佐々木圭祐君 登壇〕(拍手) ◆29番(佐々木圭祐君) 議長のお許しをいただきましたので,通告どおり,学校トイレの環境整備について質問させていただきます。 日本全国で多くの学校施設が1970年代を中心に建設され,現在,その老朽化とともに衛生面が問題になっています。子どもたちが日々学び,生活する場所を守るためにも,この問題は放置できません。 中でも遅れているのはトイレの改善です。今から20年ほど前,学校トイレの5K,暗い・汚い・臭い・怖い・壊れているのが取り沙汰され,それ以来,明るく,きれいなトイレが普及しつつあります。しかし,校舎耐震化を進める中,トイレの改善は進まない学校もまだ多数あり,家庭のトイレや公共トイレが見違えるようにきれいになる中,学校トイレの整備が遅れている現状が見られます。自治体・学校事務職員の要望は,学校施設の中で改善してほしい場所第1位はトイレであり,子どもたちも,パソコンやタブレットを抜いてトイレと同じ思いです。 学校トイレの老朽化の問題で言えることは,まだ多くの学校で和式便所が残っていることです。このため,学校では児童生徒はトイレを我慢するといったケースがいまだに報告されています。和式に慣れない児童にとっては,粗相してしまうこともあり,悪臭の原因になったりもします。洋式化により家庭環境に近づいたトイレなら排せつを我慢することも減り,子どもたちの健康を守ることにもつながります。子どもたちが安心して学べる環境にするには,学校トイレの洋式化が急務であり,子どもたちの健康にも影響します。 1問目として,本市が進めています学校トイレの改修状況についてお伺いします。 次に,災害対策の拠点として,避難所に小学校が指定されています。もしも災害が起き,学校の避難所に行ったときに,トイレは,子どもからお年寄りまで安心して使用できる状況になっているのでしょうか。学校に通う児童や生徒だけでなく,地域住民のためにも学校トイレの改修は急務と言えます。 東日本大震災では,大きな被害を受けた石巻市,避難所となった市立湊小学校では,老朽化した校舎ながら,大震災の4年前に耐震化と同時にトイレが改修され,全洋式化したトイレが被災者の生活を大きく支えました。断水時にはプールの水をバケツリレーで運んで使用し,長く避難者の生活の場として,洋式化されたトイレが避難所での生活に貢献したそうです。また,十分なトイレ洋式改修が行われていなかった避難所では,汚物処理が満足に行えず,衛生状態が悪化した場所もあったと報告されています。避難者の方は,地震直後に避難所生活で不便に思ったことはトイレが一番で,避難所の常設トイレには和式便所が多かったことを挙げています。小学校が避難所になることで,和式便所にしゃがむのがつらい高齢者の方が,トイレになるべく行かないように水分を控え,健康障害を起こしたという報告も多く見られます。このことから,避難された高齢者がトイレを我慢するケースを考えると,バリアフリーの観点からも,洋式化への早急な対応が望まれます。自治体として,災害時避難所となる学校のトイレ改善が急務であります。 内閣府が公表した避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインでは,目標となるトイレの数にカウントできるのは洋式便所のみで,和式便所は含まれていないことから,自治体では,便器の洋式化や多機能トイレの設置が必要と考えます。 2問目として,避難所である学校体育館のトイレ洋式化の状況についてお伺いします。 本年は,新型コロナ感染症の世界的流行で,感染拡大が非常に気がかりになり,避難所である学校トイレでの感染も気になります。近年では,衛生面を考慮して,学校トイレの清掃方法を湿式清掃から乾式清掃へ転換する学校が増加しています。ぬれたままの状態では菌が繁殖・増殖しやすいことが分かってきたからです。常に衛生を保つためにはどのようなトイレづくりが適しているのでしょうか。ぬれたままのトイレ空間は菌や臭いの温床となりやすいと,トイレメーカーが小学校で調査し,報告しています。湿式清掃の床やぬれた蛇口など,感覚的衛生性では,実際の菌の数は全く異なることが研究により実証されています。感染経路を絶つためには,ぬれた蛇口に触れるとどうなるのか考えると,菌の温床はぬれたところであることが理解できます。では,細菌の付着したぬれた蛇口に触るとどうなるのでしょうか。メーカーの研究所で実験した結果,蛇口を閉めることで細菌が再付着した人数が20人中20人の結果が出ています。このことから,子どもたちが連続して使う学校の蛇口は,接触感染の要因となっていると言えるのではないでしょうか。 3問目として,感染を防ぐ上で,手を触れず水が出るセンサーつき蛇口やレバー式蛇口などの設置についてお伺いして,壇上からの最初の質問とさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 学校トイレの環境整備についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,小項目1,学校トイレの改修状況について。 市内の小中学校では,平成29年度から校舎トイレの洋式化を順次進め,令和2年3月末現在,80%の洋式化率を達成しております。 次に,小項目2,学校体育館のトイレ洋式化の状況について。 市民の皆さんにとって,小学校体育館は災害時の避難所であります。こうしたことから,本市では,令和元年度までに全ての小中学校体育館トイレ洋式化を完了いたしました。さらに,男女トイレの1か所は,シャワートイレ機能つきのバリアフリー化した個室トイレとして整備しております。 次に,小項目3,センサーつき蛇口やレバー式蛇口などの設置について。 学校の水道蛇口の多くはハンドル水栓ではありますが,新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため,児童生徒に手洗いは石けんでしっかり洗うこと,さらに,手洗いと同時にハンドル部分を洗い流すことを指導しており,日頃から感染防止対策に努めております。そうした中,センサーつき蛇口にあっては,両手がふさがっていても利用できる反面,使用中の水量を調整できないことや,故障により吐水並びに止水ができなくなるなど,災害時の際のリスクがハンドル式と比べて高いこと,レバー式蛇口については,ハンドル式との差異があまりないことなどに加え,全小中学校での蛇口交換には多額の費用がかかることから,現時点では改修の考えはございません。 ○議長(友松孝雄君) 29番 佐々木圭祐君。 ◆29番(佐々木圭祐君) 答弁いただきました。 学校での洋式トイレの進捗状況は理解できました。子どもたちが我慢しないよう,安心して利用できる洋式トイレが全ての学校に設置されますよう,今後もよろしくお願いします。 避難所として利用される体育館の洋式トイレについても,ほぼ1か所ずつということで改修が進んでいることに感謝いたします。災害はいつ起きるか分かりません。もし,この暑い時期に避難しなくてはならない状況が起きた場合,熱中症も含め,新型コロナ感染症や食中毒等,様々な感染症が心配されます。 感染経路を絶つ一つとして清掃方式が考えられます。湿式清掃と乾式清掃でトイレメーカーが調査し,それぞれ菌の数と臭いを測定したところ,湿式清掃では,一見きれいになったように見えても,床から実に乾式清掃の約460倍以上の菌が検出されたと報告されています。また,湿式清掃の床のタイル目地に染みついたアンモニアは臭いの原因となっています。また,洋式便所や洗浄ボタンは極めて少ないことも分かり,臭いの原因は湿式清掃と和式便所であり,さらに,菌の拡散の原因にもなっています。また,乾式のトイレから検出されなかった大腸菌が湿式の床から検出され,菌の量が断トツに多いのは,やはり和式便所の周りで,靴を介して廊下や教室まで持ち運ばれ,いずれ子どもたちの手や口に伝わる可能性も考えられます。 感染経路を絶つ2つ目として,手洗いから乾燥まで非接触を徹底することです。先ほど質問いたしましたセンサーつき蛇口やレバー式蛇口ですが,水石けんで手洗いを行い,次に,手で触れずに,センサー方式により,手を差し出すとさっと水が出て,手を遠ざけると水が止まり,ぬれた手で触らないので洗面周りが汚れにくく,水の止め忘れも防げ,衛生的で経済的です。レバー式も衛生的と言えます。ぜひ,設置をお願いします。 今回,いつ終息するか分からない感染症,新型コロナに対応する上で,学校における最善の対策は,子どもたちの衛生管理も含めて,学校トイレの乾式清掃が有効であると考えますが,学校トイレの乾式清掃についてのお考えをお伺いします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,2回目の質問にお答えいたします。 学校トイレの清掃方法につきましては,設置してあるトイレが乾式か湿式かにより,それぞれの方式に合った方法で実施しております。現在,各学校に最低1か所の乾式トイレを設置し,乾式清掃を実施しておりますが,その他のトイレについては湿式であります。 トイレの乾式化は,湿式に比べ,清掃では,臭いの原因となる菌の数が極めて少なく衛生的であり,湿式は,汚れを水で洗い流せる利便性もあります。それぞれの特徴はありますが,湿式から乾式への改修には多額の費用が必要になることから,現時点では改修の考えはありません。 ○議長(友松孝雄君) 29番 佐々木圭祐君。 ◆29番(佐々木圭祐君) 答弁いただきました。 従来,トイレの清掃は定期的に業者さんが行っていますが,ふだんは児童生徒がトイレ清掃を行っています。自分たちが使ったトイレを自分たちがきれいにするのは,教育上大切なことであり,乾式清掃を取り入れることで,清掃しやすく,きれいに使用する心も育つのではないでしょうか。 環境教育にトイレを題材にした学校があります。環境省のエコフロー事業に指定された豊田市立土橋小学校で,エコ改修と環境教育を連動させた学習プログラムが実施されました。事前学習でトイレをエコ視点から学び,理想のトイレを考え,子どもたちの意見がトイレづくりに反映され,実際にトイレが整備されました。トイレは,水も電気も使う場所,節水や節電,衛生環境についても学び,家でも学校でも毎日使う身近な生活空間で学んだことを家庭でも生かせるよい教材となり,児童の間にトイレへの愛着が生まれ,きれいに使う意識が芽生え,受け継がれているそうです。 今回,新型コロナウイルス感染症の広がりで,アメリカテキサス大の医療専門家は,新型コロナウイルスが排せつ物からも見つかったという調査の事例を挙げております。お尻の洗浄専用機器を使った方が,衛生上も,環境保全の観点からもはるかによいと推奨しています。また,トイレ研究会が実施した全国自治体を対象とした「感染症対策と学校トイレ」でコロナウイルス拡大前の2019年11月から12月にアンケート調査が実施され,感染症対策・予防に関わる重要な調査情報が得られました。改修時に学校で感染症対策として実施している項目は,便器の洋式化が88%で,清掃時では,乾式清掃の回答が多く挙げられており,学校トイレの手洗いでの蛇口の質問では,新築・大改修予定に対して74%の自治体が非接触の自動水栓を導入したいと回答しております。 学校は,子どもたちにとって教育の場であるとともに,生活の場でもあります。中でも,学校のトイレは,1日の大半を学校で過ごす子どもたちにとって,健康面・生活面からも早急な改善対応が急がれます。地域においても,災害時の避難場所や,生涯学習・地域交流の場としての改善が望まれます。平時・災害時を含めて,トイレの洋式化,乾式清掃への改善,レバー式蛇口の設置をまずは進めていただき,大規模改修時には,より環境改善を図る上で,センサーつき蛇口や洗浄専用機器の設置を進めていただくことを強く要望して,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 15番 伊藤杏奈君。     〔15番 伊藤杏奈君 登壇〕(拍手) ◆15番(伊藤杏奈君) 議長より発言の許可をいただきましたので,通告に従い,多胎児育児サポートについて質問いたします。 多胎児家庭への支援については令和元年第3回定例会で質問し,多胎児の出産状況,現状の取組,さらなる支援についてをお伺いいたしました。その際の回答は,多胎児の母親や家庭の不安・負担を軽減できるよう,多胎児も含めた全ての妊産婦とその家庭に対する母子保健の充実に向け,他の事業との連携も踏まえ,より効果的な支援について検討してまいりますとの御回答をいただきました。 あれから1年がたち,多胎児家庭への支援の重要さは多くのメディアでも伝えられ,多胎児家庭の実情が知れわたるにつれ,多くの自治体でも取組が広がってきております。これまで声を上げる時間すらなく,ただひたすら子どもが成長し手が離れるときを待つことしかできなかった多胎児家庭に一筋の光が差し始めました。そのあかしとして,厚生労働省は,本年度,産前産後のサポート事業の中に初めて多胎児妊産婦への支援を盛り込み,自治体が当事者の交流会や外出補助などの支援者を派遣する訪問型事業を行う場合,2分の1を補助する財政支援等が始まりました。マイノリティーの問題ではなく,社会問題として取り組んでいかなければならない問題であるということでもあります。多胎児家庭の大変さというのは前回の一般質問のときにお伝えしておりますので省略させていただき,質問に入らせていただきます。 小項目1の質問として,多胎児家庭への支援について,現状の取組,また,昨年の一般質問以降取り組まれたことについてお伺いをいたします。 小項目2,移動支援についてです。 多胎児育児中につらいと感じた場面をアンケート調査した結果,外出・移動が困難であると答えたのは89.1%で最も多い数字でした。双子であれば2人の乳児とその2人を乗せるベビーカー,そして,おむつや着がえ,哺乳瓶など,2人分の用意をかばんに詰め,そしてママの荷物となると,相当な量となり,重さとなります。子育て支援施設へ息抜きしに行きたい,誰かと話して相談したいと思っても,出かけることがまず大変であり,さらには,出かけるための移動がとても大変です。 たとえ自家用車を持っている御家庭でも,パートナーが通勤で使用していたり,アパートやマンションであれば,部屋から車までの移動を1人で行うのはとても重労働ですし,子どもから目を離さなければならない作業も出てしまいます。公共交通機関のバスを利用したい場合は,まず,バスに乗り込むためには2人の子どもを乗せたベビーカーを持ち上げなければならず,30キロ近くあるベビーカーを1人で持ち上げるのは容易ではありません。乗車用のステップを利用するとなれば,運転手さんに御協力をいただかなければならず,バスを停留所で長時間停車させなければならなくなり,乗車されているお客様やこの先の運行ダイヤのことを考えると,気軽に利用できるものではありません。 また,多胎児の妊娠は単胎児よりリスクが高く,切迫流・早産や妊娠糖尿病,妊娠高血圧症候群の確率も高くなります。妊娠経過によっては,28から30週ぐらいから管理入院を勧められることもあります。多胎の妊娠でも,初期のママのお腹の大きさは単胎妊娠とほぼ変わりません。しかし,妊娠6か月頃から急にお腹が多くなり出し,妊娠8か月頃には単胎妊娠の臨月と同じぐらいの大きさになります。ママの体重は13から15キロ程度増えることとなります。この大きなお腹では,妊婦健診に行くのも一苦労です。法律的に違反にはなりませんが,自家用車の運転は,足元が見えないことや,直立して座ることが困難な状況となるため,勧められるものではありません。 このような観点から,多胎児家庭は移動難民となってしまい,家にひきこもりになってしまい,鬱や虐待へとつながってしまう要因になると言われています。 そこで考えられる移動手段として,タクシーの利用です。タクシーであれば,家の前まで迎えに来てもらえ,家の前で降りることができますし,お願いをすれば少しの間子どもを見てもらったりと,お手伝いしてもらえる可能性があります。全ての日常生活をタクシー利用するというのは,費用面から考えると非常に高額になってしまうため推奨はできませんが,せめて,子どもの成長の確認をする乳幼児の健診のときや,育児の相談や休憩ができるさんさんルームの利用時など,子育てしていく中で絶対に利用してほしい機会にタクシーを利用して,少しでも負担を軽減してあげることが,今できる行政からの手助けだと考えます。 小項目2の質問として,多胎児家庭の移動支援としてタクシー利用の補助をする考えがないかお伺いいたします。 小項目3の訪問支援です。 多胎児家庭の特徴としては,とにかく休む暇がないというのが特徴です。同時に泣き,同時にミルクを欲しがり,やっと寝たかと思えばまた1人が起き,あやしているうちにもう1人も起き,このエンドレスの育児が続く中,食事,洗濯,掃除といった家事もこなさなければ生活ができません。 ですが,親となった以上,責任がありますので,母親は必死になって育児,家事をします。ですが,手が足りていないのは明らかな事実です。だからこそ,多胎家庭へ差し伸べる手として必要なのが家事支援です。おっぱいが出るのはママしか出ませんし,赤ちゃんはママの抱っこを必要としています。ですが,家事はママじゃなくてもできます。食事といっても,まず献立を考え,食材を購入し,調理し,片づけをし,使った食器をしまい,ごみを捨てるという作業が必要です。食べるだけでは終わらないのが食事です。ほかの家事もそうです。その行為だけと思われがちですが,実際は,その行為をするために,前も後も動いているのが家事です。やったことがない方には伝わりづらく,見過ごされていますが,家事は本当に重労働です。だからこそ,多胎児育児中の家庭には,週に1回でも,2週間に1回でも,御家庭を訪問する家事支援をしてあげるべきだと考えます。 また,訪問支援の一つとして,春日井市では,こんにちは赤ちゃん隊が生後1から3か月の御家庭に訪問してくれております。この訪問は,ママになったばかりで外出もしにくい時期のママには,唯一無二の歓迎したい訪問です。この訪問を期待している人は多くいます。しかしながら,先輩ママの訪問といえども,多胎児の先輩ママではないため,どうしても,多胎児ママにしか分からないつらさを相談しても共感することができません。子育てに限らず,私たちは,同じ悩み,つらさを共感し,同感することで心が休まっていくものです。だからこそ,このこんにちは赤ちゃん隊でも,多胎児家庭には多胎児の先輩ママに訪問していただきたいと考えます。 そこで,小項目3の質問として,多胎児育児経験者による相談支援事業,いわゆる多胎ピアサポート事業を行う考えがないか,また,家事支援をする考えがないかをお伺いし,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 大項目1,多胎児育児サポートについての小項目1,現状の取組についてでございますが,市が現在実施している多胎児育児のサポートについては,妊娠期において,母子健康手帳交付の際に多胎児育児に関する冊子を配付するとともに,妊娠期から利用できる多胎児サークルを紹介しております。出産前後につきましては,今年度から開始した妊婦訪問のほか,生後2か月までの新生児訪問を,原則全ての多胎児の妊産婦を対象に実施することとしております。また,子育て家庭訪問支援事業,ノックノックホームサポートでは,家庭訪問により保護者の悩みなどを傾聴するだけでなく,多胎児育児のサポートとして,市が実施する乳幼児健康診査のほか,各種教室,子育て支援施設の利用時に,自動車からの乗降の手助けや子どもの見守りなどの外出支援も行っております。また,保育園の入園審査に当たっては,今年度から,入園選考基準の指数について,多胎児の妊娠の場合及び多胎児世帯の場合には,加点する取扱いを開始しております。 次に,小項目2,移動支援について及び小項目3,訪問支援についてでございますが,多胎児を同伴する際のタクシー利用による移動支援及び家事の訪問支援につきましては,御指摘のとおり,多胎児育児の負担軽減につながるものと考えております。なお,産前産後期においては,社会福祉協議会の家事援助,にこにこヘルプサービスの利用が可能となっております。移動支援及び訪問支援の内容及び方法の検討にあたっては,民間の家事・育児支援サービスの動向も踏まえ,公共交通等の移動手段,各種福祉サービス等,他の施策との連携も踏まえ,総合的に検討してまいりたいと考えております。 また,多胎児育児の経験者によるピアサポートにつきましては,育児不安の軽減のために有効な手段であると考えておりますので,現在実施しているノックノックホームサポートにおいて,多胎児育児の経験者を訪問員として養成するなど,多胎児育児に寄り添った支援ができるように取り組んでまいります。 ○議長(友松孝雄君) 15番 伊藤杏奈君。 ◆15番(伊藤杏奈君) 御答弁いただきありがとうございました。 小項目1,現状の取組についてですが,多胎児育児に関する冊子の配付,多胎児サークルの紹介,妊婦訪問と,昨年より支援が進んでいることに感謝いたします。また,保育園入園審査では多胎児世帯は加点する取扱いを開始していただいていることは,経済的にも負担の大きい多胎児家庭にとってはとても喜ばしいことであると思います。様々な支援を考えていただいていることに改めて感謝申し上げます。 子育ては,多胎児家庭だけが大変なのではなく,年子の子を持つ多子家庭や子どもの数が多い多子家庭も同じように大変であるのには変わりません,全ての子育て家庭が子どもを育てやすい環境をつくっていくことが何よりも大切ではありますが,今の日本の既存制度が全て単胎児向けに設計されており,多胎児を育てるということに目が向いておりませんでした。その例として,よく見かけるのが,おむつやミルクの購入制限があるときに見かける「1家族お一つまで」といった案内です。 また,多胎妊婦の母子手帳は,子どもが2人ですので2冊となりますが,妊産婦健診の受診券は,母体が1人なので1冊の14枚しかありません。しかし,多胎児の妊娠は,先ほども申し上げたとおり,単胎児よりリスクが高いため,ほとんどの産婦人科で健診回数が単胎児より多くなります。そのため14枚の受診券では賄えず,自己負担で健診を行っているということです。また,健診にプラスしての診察などもあるため,妊娠期から単胎児妊娠より費用がかかってしまっております。多胎児ですので,どうしても一気にお金がかかってしまうということには変えられませんが,妊娠期の健診ですら単胎児より費用負担がかかってしまうというのは,平等ではないと感じます。 そこで,小項目1の2回目として,多胎児の妊婦健診について受診券を追加交付する考えがないかお伺いいたします。 小項目2と3は,併せての御回答をいただきました。移動支援,訪問支援については,民間の家事・育児支援サービスの動向も踏まえ,公共交通等の移動手段,各種福祉サービス等,他の施策と連携のほか,サービスの担い手,費用の負担の在り方も含めて総合的に検討していただけるとのことでした。 移動支援についてですが,先ほども申し上げたとおり,公共交通での移動が可能であればよいのですが,実際,今の社会状況では難しいのが現状です。今ある枠組みに無理に入れるのではなく,お互いが幸せでいられる別の方法を考えるということも必要だと思います。 2019年10月に,名古屋市営バスでベビーカーに双子を乗せた女性が乗車拒否をされたというSNSが発信されると,全国的に大きなニュースとなりました。多くのニュースでは,乗車拒否をしたバスの運転手を否定するものでした。公共交通機関ですので,誰もが利用する権利があるものです。ですが,乗車拒否との声だけを聞くとバスの運転手に対しての非難の声が上がりがちですが,バスの運転手には,ダイヤを厳守しなくてはならない使命感,他の乗客への配慮などもあります。もし,スロープを降ろし,乗客の手伝いをすると,10分近く停車した状態となりますし,何とか乗車ができたとしても,ほかの乗客から遅延したことについてや子連れの乗車について文句を言われかねない状況となります。気まずい雰囲気のままバスが出発し,道中で赤ちゃんが泣き出したりしたら,どちらも幸せではいられない状況となってしまいます。乗客が進んでベビーカーを運ぶ手助けをするなど,社会全体が子連れの方に優しいのが当たり前の状況であるなら話は違いますが,まだそういう社会状況ではありません。だから,今の枠組みに入れるのではなく,タクシーを利用するのがよい考えだと私は思います。 続いて,家事支援ですが,社会福祉協議会のにこにこヘルプサービスがあるのは承知しております。利用対象者が,出産等により一時的に家事援助を必要とする世帯が対象となっており,出産がいつまでを指しているのが明確ではないこと,介護者派遣事業として行っているため,主に,高齢者と障がい者が対象というイメージがありますので,なかなか利用しづらく感じます。そして,何より,出産した人が対象であることが周知されておりません。もし,本当にこの事業で対応していくのであれば,もっと広く周知が必要ですし,対象者を出産等とするのではなく,具体的に,多胎児家庭や産後1年など明確にし,もっと子育て中に利用できるものにしなければならないと思います。しかし,現実として,この事業は社会福祉協議会の事業でありますし,位置づけや担い手の問題等で難しいのではないかと思いますので,私は,民間の家事支援サービスを利用してもらい,その費用を補助するというほうがよいと考えます。また,ピアサポート事業については,ノックノックホームサポートにて取り組んでいただけるとの御回答でした。自分が経験したことや,多胎児ならではの会話ができるのは,間違いなく救われる言葉となると思います。御決断いただき,ありがとうございます。小項目2,3については以上です。 ○議長(友松孝雄君) 青少年子ども部長 勝 伸博君。 ◎青少年子ども部長(勝伸博君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 多胎児の妊婦健診についてでございますが,一部の医療機関において,単胎児の妊婦と比較して健診の間隔を短くし,受診回数を増加していることから,受診券の追加交付について検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 15番 伊藤杏奈君。 ◆15番(伊藤杏奈君) 御答弁ありがとうございました。受診券の追加交付について御検討していただけるとの御回答,ありがとうございます。 今回この一般質問をするにあたり,春日井市内の産婦人科さん,そして,市民病院に多胎児妊婦の健診についてお伺いいたしました。やはり,多胎児妊娠は単胎児よりリスクが高いことから,健診の回数を増やしているとのことでした。また,単胎児より早産になることが多いとのことでしたので,受診券が14枚でも足りるというケースもあるとのことです。 妊娠・出産は,教科書どおりにはいかず,その人その人で違っていますが,子どもを出産することには変わりません。その出産にあたり,単胎と多胎で違いがあってはならないと思いますので,多胎児だからという差がほかにもあるかもしれませんので,今後も注視していただきたいと思います。 今回,多胎児家庭への移動支援,家事支援,妊婦健診への補助とお願いを申し上げましたが,実際,タクシーへの補助をしていただいたとしても,受け手側のタクシー会社の問題や,家事支援も担い手の不足など,行政が手を差し伸ばしたとしても,望むサービスを受けてもらえない可能性が残っております。市内のタクシー会社さんでお話を伺ったところ,多胎児家庭へのタクシー支援についてどうすれば受け入れることができるのか真剣に考えていただくことができました。家事支援についても,春日井では高齢者や障がい者への介護目的の支援しかまだありませんが,他の自治体では,子育てのための家事支援サービスをやっているところも出てきております。そして,春日井市としても,部長の御答弁から,多胎児育児に寄り添った支援に取り組みたいというお言葉がございました。 それぞれがそれぞれの場所で支援について考えてくださっており,あと少し手を伸ばせば輪になる範囲まで近くなってきていると私は感じます。愛知県にもあいち多胎ネットさんが設立されましたので,こういった当事者の声を発信している方々と連携をしていただき,輪になれるようお願いを申し上げ,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) この際,暫時休憩いたします。                    午後2時54分 休憩-----------------------------------                    午後3時14分 再開 ○議長(友松孝雄君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。26番 伊藤建治君。     〔26番 伊藤建治君 登壇〕(拍手) ◆26番(伊藤建治君) 議長のお許しがございましたので,通告に従い一般質問を行います。 1つ目の質問事項は,太陽光発電所についてです。 私は,6月議会の一般質問で,高座町に今年新たに設置された大規模太陽光発電所についてお尋ねいたしました。このとき,砂防法,宅地造成等規制法に基づく工事が行われている最中で,6月30日に完了予定で,その後,許可内容に基づき検査をするとの答弁がございました。そのわずか1週間後の7月8日,早朝から降った雨で,早速この発電所ののり面の一部と資材搬入用の通路の一部が崩壊しました。土砂は隣接している中央窯業の敷地内にも入り,建物の一部が埋まりました。この日は,午前5時2分に大雨警報が発表され,高蔵寺出張所の記録によれば,7時から8時の間に約20ミリの雨が降りました。とはいえ,この程度の雨はたびたび市内でも降ります。この日も,市内の浸水被害は発生していません。昨今の都市設計では,雨水排水の能力は毎時63ミリを想定しており,そこにも全く当たらない。また,宅地造成等規制法では降雨強度にも定めがあり,この発電所には148ミリの雨に耐えられる調整池が設置されているとのことでした。想定の範囲を全く超えていない雨でなぜ早々に崩れるのか。 そこで,(1)この高座町の発電所の完了検査の結果,事故の詳細と市の対応をお尋ねいたします。 前回の質問で,違法に発電施設が整備された事例があるかお尋ねしたところ,宅地造成等規制法による必要な造成工事があるにも関わらず,申請がないまま整備された事例がある。許可申請書の提出,もしくは現況復旧にて対応するよう指導したとの答弁がございました。前回はその詳細をお聞きできませんでしたので,経緯と現況をお尋ねいたします。これが(2)です。 また,前回,宅地造成工事規制区域内の調査を定期的なパトロール等で行うとの答弁がございました。 (3)その実施状況をお尋ねいたします。 全国的に無秩序な太陽光パネルの設置は問題となっており,規制にまで踏み込む自治体も出てきています。神戸市は,豪雨による太陽光パネルの崩壊事故を受け,太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例を設けました。急傾斜地崩壊危険区域や土砂災害警戒区域,また緑地の保全区域などにおいては設置することができないとしています。春日井市においては,この4月から生活環境の保全に関する条例を改正し,太陽光発電の事業者に環境保全計画書の提出を求めることになりました。これは,地域の環境を守るために機能するもので,危険な地域への設置を防止するものではありません。設置そのもののガイドラインや指導要綱も整備すべきと考えますが,いかがでしょうか。これが(4)です。 続いての質問事項,高蔵寺町でのマンション建設についてです。 高蔵寺町5丁目に12階建てのマンションを建設する計画が持ち上がっています。建設予定地の周りには住民による建設反対の意思表示を示すのぼりや看板が立てられ,物々しい雰囲気になっています。時々こうしたマンション建設に関する御相談をいただきますが,定められた法律に基づき適切な建物が建てられる範囲においては,建設事業者と住民の方の話合いにて不安を解消するしか方法がなく,それについては,本市は,春日井市開発事業に係る紛争の予防及び調整に関する条例(以下紛争予防条例と述べます)を設けています。 しかし,今回一般質問で取り上げましたのは,当該地においては,亜炭鉱という特別に配慮すべき事案が含まれるからです。亜炭鉱についてはたびたび議会でも取り上げていますが,春日井市内には複数の亜炭鉱が存在し,その採掘跡の空洞が地下に残されたままになっており,時々陥没事故を引き起こしています。高蔵寺駅の南側一帯も亜炭鉱が眠る地域で,マンション建設予定地は,まさにこのど真ん中に位置しています。 マンション建設予定地のすぐ隣で2階建ての戸建て住宅を建設した際には,358平米,約100坪に対し8本のボーリング調査を実施し,うち5本が地下の空洞に当たりました。深さは10メートルから12メートルです。マンション事業者は,予定地内で計7本のボーリングを実施しています。こちらは,いずれも空洞には当たらなかったとのことですが,うち2本は,隣地で当たった空洞の深度までは掘られていません。また,ボーリング直径はせいぜい5センチ程度のもの。空洞率が10%の場所であっても,10本打って1本当たるかどうかであり,事業者のボーリング調査の結果で予定地には空洞は存在しないと結論づけられるものではありません。予定地の地下5メートルほどまではマンションの支持基盤として使えるN値を確保できている礫層とのことで,マンションの基礎は,3メートル掘り下げた直接基礎にするとのことです。空洞を想定して,念のために杭を打つという工法はとられません。 もし,この下に発見できなかった空洞があるとすると,12階建てのマンションの重量がかかることになります。また,すぐ隣の敷地の地下には空洞が確認されています。ここにもマンションの荷重がかかります。住民の方が行った簡易な計算では,木造2階建ての建物の地下10メートルにかかる荷重は,平米当たり約0.4トンであるのに対し,隣地にRC造のマンションが建った場合に,同じ場所にかかる荷重はおよそ32倍の13トンにもなるとのこと。これが周辺を巻き込んだ地下空洞の崩落を誘発するのではないか,それを住民の方が危惧されています。 そこで,(1)亜炭鉱の危険性について。 マンション建設が予定されている高蔵寺町5丁目の亜炭鉱の危険性を春日井市当局はどう認識されていますでしょうか。最近の陥没事故の発生状況と併せてお答え願います。 亜炭鉱が原因の陥没事故は,通常であれば特定鉱害として取り扱われ,それはあいち産業振興機構の特定鉱害復旧事業として復旧工事が行われます。事業費には国や県が出資している基金が充てられます。漏れ聞くところによると,マンション事業者は,仮に亜炭鉱が陥没しても特定鉱害復旧事業によって元に戻してもらえるから大丈夫だと説明をしているようです。しかし,亜炭鉱の空洞があることが想定される場所で,その対策をしていない人工物によってもたらされた事故が,果たして特定鉱害復旧事業の対象になるのかどうか。この点についての御所見と陥没が起きたときの市の対応をお伺いいたします。これが(2)です。 亜炭鉱の心配や,日照など生活環境への影響の懸念から,住民の方々はこの場所のマンション建設を望んでいません。紛争予防条例などに基づき,春日井市もしっかりと関与して,その調整に当たるべき案件ですが,現在の対応をお伺いします。これが(3)です。 当該地域の用途地域は,高いマンションも建てられる第一種中高層住居専用地域です。しかし,ここは亜炭鉱がある場所で,空洞の分布も詳細に把握できていません。いつどこで陥没事故が起きてもおかしくない場所ですので,今後は高層マンションが建てられない用途地域とすることが適当ではないかと思います。用途地域の変更についてのお考えをお尋ねいたします。これが(4)です。 続いての質問事項,リニア中央新幹線工事についてです。 春日井市内4か所にて実施されているリニア新幹線工事のうち,西尾非常口では基準値を超える自然由来の汚染物質が含まれる発生土が出ています。今年の3月議会では1月末までの状況を確認いたしました。トンネル工事は,黄鉄鉱やカドミウム,六価クロムなどを含む美濃帯に到達すると考えられるため,時々にその状況を確認しています。 そこで,(1)西尾非常口の前回確認した以降の汚染土壌の量,搬出先,汚染状態をお尋ねいたします。 坂下非常口においては,立て坑の工事が間もなく完了し,シールド工法によるトンネルの本工事の工程に移ります。去る8月22日と23日,上野公民館と坂下公民館で坂下非常口を起点とする坂下西工区におけるトンネル準備工事の説明会が開催されました。この場で住民の方から驚くべき発言がありました。昨年10月,工事ヤードで夜の10時頃にどかんと物すごい音がして,照明も消えて真っ暗になった。住民への説明は行われず,何が起きたのか知らされないまま工事が中断していた。情報開示をしてほしいというもの。実際,昨年10月から今年の3月までの約半年間,坂下非常口の工事は中断しています。 そこで,(2)坂下非常口でのトラブルについて,一体何があったのかお尋ねいたします。 その説明会では,近隣の住民の方から少なくない苦情が噴出いたしました。連日27時まで,つまり,早朝3時までとんかんとんかんという音に悩まされている。窓を開けて寝ることができない。時折,がらがらと物すごい音がする。黒い雲のような粉じんにも悩まされた。現場からは泥水が流出しているなど,どれも切実なものでした。これに対し,事業者は,特定建設騒音は85デシベルになっているなどと淡々と述べたのみでした。連日の深夜までの工事は,周辺にお住まいの方の大きな負担になっていることは明らかです。この軽減を図るよう,少なくとも,深夜にまで及ぶ工事はやめてほしいということを春日井市から事業者に申し入れる必要がありますが,御所見を伺います。これが(3)です。 続いての質問事項,下水道受益者負担金についてお尋ねいたします。 下水道受益者負担金については,2012年の一般質問で,当面の間下水道の利用が見込まれない生産緑地などの土地に対しては猶予の制度を設けるべきだと申し上げ,その後,条例改正により徴収猶予の制度をつくっていただきました。この徴収猶予を受けるには,毎年申請を出す必要がございますが,この書類を毎年用意するのが大変だという声が寄せられました。下水道に接続する場合には,猶予していた受益者負担金をお支払いいただくことになります。接続のときにチェックをすれば漏れなく徴収できるもので,毎年の申請は必ずしも必要ないのではないかと思います。毎年の申請が簡略化されれば,申請をする方の手間だけでなく,当局としても行政の効率化が図られるものです。 そこで,お尋ねいたします。現在徴収猶予を行っている件数とその内容,そして,下水道受益者負担金の徴収猶予の手続の更新期間の見直しを行うお考えはないか御所見をお伺いいたします。 続いての質問事項,学校運営についてです。 今年は,コロナ禍の影響で夏休みは大幅に短縮され,記録的とも言える猛暑の中を子どもたちが登下校することになりました。暑さ対策の一環として,一部の小学校では,通学時のかばんは,ランドセルではなく,通気性のよいリュックサックにしてもいいよという通知が出されました。そうした学校では,ほとんどの子どもたちがリュックサックでの登校に切り替えたとのことです。 私は,以前一般質問で,小学校の通学かばんはランドセルに限る必要はないのではないか,使い勝手に自由度があり,体への負担が少ないリュックサックでもよいのではという問題提起をしました。これを受けて,入学前に保護者に配られるガイダンス文書に,それまでは「通学かばんはランドセル」と記載されていたものを,「ランドセルなど背負えるかばん」と変更していただき,ランドセル以外での登校も認めていただきました。 ただ,全くそれが浸透せず,現在でもほとんどの小学生がランドセルで登校しているのが実態です。ですから,このコロナ禍での暑さ対策として,改めて,リュックでもいいよという呼びかけがなされたわけです。しかし,複数の学校の保護者に聞き取りを行ったところ,特にそういった呼びかけはなく,いつもどおりランドセルでの登校をしているという学校も数多くありました。こうした取組は全市的に取り組む必要があろうかと思います。 そこで,(1)小学校の登校時のかばんについて,本市のランドセルについての考え方と,暑さ対策についてどのような指示をしているのかお尋ねいたします。 (2)は,警報発表時の対応についてです。 太陽光発電所の質問のときもお話しした7月8日早朝の大雨は,子どもたちの登校時間帯と重なり,その対応が迫られる事態となりました。息もできないほどの雨で,道路側溝からは水があふれ出し,身の危険を感じるものでした。そのとき,とある小学校では,保護者に対し,メールと「ホーム&スクール」というアプリにて,「登校が危険だと思われる場合には登校を見合せ自宅で待機させてください」という内容の学校連絡が通知されました。つまり,登校するか自宅待機するかは自分で判断してくださいということです。これには多くの保護者が困ったことと思います。 小学校は集団登校をしています。個々の御家庭が登校するか自宅待機するかについて異なる判断をすると,どの子どもが登校するのか,あるいは自宅待機をするのかが分からないので,通学班は身動きがとれなくなります。通学班の班長さんは,自分が自宅待機をしたくても,ほかの子どもが来るかもしれないとなれば,集合場所に行くしかなくなる。この混乱が息もできないような雨が降り注ぐ中で起きることになります。こうした保護者からの指摘があり,その小学校は,15分後に,全員しばらく自宅待機をしてくださいという指示に変わりました。そして,その後,1時間遅れでの登校となりました。 この件も複数の学校の保護者に聞き取りを行ったところ,対応がまちまちで,登校を遅らせた学校と通常どおりの登校をした学校とがございました。これは,ただ判断に困るという単純な話ではありません。大雨警報下においては,子どもたちが安全に登校できる環境ではない可能性があるわけです。子どもたちの安全という観点での検証も必要です。現在は,暴風警報発表時には登校しない。それ以外は大雨警報でも洪水警報でも登校するというのが基本ルールです。子どもたちの安全を確保する上でも,現場での混乱を回避するためにも,各警報に対し全校共通の取扱い,少なくとも,学校単位での対応とするようにすべきではないかと思いますが,御所見を伺います。ここまでが(2)です。 (3)は,学校情報アプリ「ホーム&スクール」についてです。 本年度から,学校から保護者への連絡は「ホーム&スクール」というスマートフォンのアプリケーションにて行われるようになりました。学校からは,しばらくは以前登録していただいたメールも併用するが,いずれアプリに一本化する旨が通知されました。そして,今年入学の新1年生の御家庭には,アプリしか案内されていないということでございます。 このアプリが大変使いにくく,4月には,知り合いの保護者から何とかしてほしいという悲鳴に近い苦情が殺到しました。このアプリで行われているのは,学校からの連絡のみです。今までメールで送られてきた文書がアプリ内に届くようになっただけ。それ以外に特別な機能はございません。今までふだん使っているメールソフトの中で完結していたものが,学校からの連絡のみこのアプリを起動しなければならず,起動するたびログインのためのアクションが求められる。そして,届いた文書も,アプリ内の複数のフォルダーに勝手に分類されて格納されてしまうので,後で同じ文書を読もうと思っても,迷いながらあれこれ操作をして探さなければならない。そして,どういうわけか,そうした操作の最中にログイン画面に戻ってしまうこともしばしばあり,そのたびに,また最初から。4月の時点では,ログインのたびに一々パスワードを入力しなければならず,さすがに,これは教育委員会に改善を申し入れ,パスワードの端末保持ができるようになりましたが,ともかく使い勝手が悪いアプリです。 極めつけが,7月8日の大雨です。大雨の対応についての連絡がアプリで送信されましたが,アクセスが集中したためかアプリが起動しなくなってしまいました。メールと併用している学校はメールで伝達できたと思いますが,アプリのみの学校や新1年生には,一番大事なときに情報が届かなかったわけです。これでは情報ツールとして使うに値しません。 今までのメールとホームページでの情報発信で何も困っていませんでした。なぜ,わざわざこんな使いにくいアプリを運用するのか,導入に至る経緯,目的,経費がどうなっているのかお尋ねいたしまして,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 私からは,質問事項1,太陽光発電所についての(1)から(3),質問事項2,高蔵寺町でのマンション建設についての(3)と(4)及び質問事項3,リニア中央新幹線工事についての(2)の御質問に順次お答えいたします。 初めに,質問事項1,太陽光発電所について。 (1)高座町の発電施設の現場につきましては,6月30日が完了予定日でしたが,一部設計内容と現地の施工が異なっており,変更が生じたことから,工期を11月30日まで延伸しております。のり面につきましては,現地を確認したところ,設計内容と現地の施工が異なっており,集中豪雨が起因してのり面の一部が崩れたものと考えられます。これらは,造成主に対し直ちにのり面の補修を指示し,仮復旧したことを確認いたしました。 次に,(2)宅地造成等規制法に基づく許可申請がなされないまま整備した発電施設につきましては,平成29年12月に許可申請書が提出されました。その後,工事は岩の掘削などに時間を要し,過去3回の工期変更を行いました。進捗が遅れておりましたが,現在は,令和2年10月31日の工事完了に向け,申請内容のとおり工事が進められております。 次に,(3)パトロールの結果につきましては,宅地造成工事規制区域内のパトロールを月2回程度実施しており,現在のところ違法な発電施設を整備している現場はございません。 次に,質問事項2,高蔵寺町でのマンション建設について。 (3)住民の皆さんへの対応につきましては,現在,春日井市開発事業に係る紛争の予防及び調整に関する条例に基づき,関係住民と事業者で話合いがなされているところです。今後,当事者同士による話合いで解決に至らず,当事者からあっせんの申出があれば,市は双方の主張を確かめて,紛争が適正に解決されるように努めてまいります。 次に,(4)用途地域の変更につきましては,単なる局地的,相隣的な土地利用の調整の観点にとどまらず,都市全体にわたる都市機能の配置及び密度構成の観点から検討し,積極的に望ましい市街地の形成を誘導するため,都市計画法の規定に基づいて適切に手続を行うものでございます。 当該地域につきましては,その方針にのっとり昭和37年に当初の住居地域の指定以降,平成8年に現在の第一種中高層住居専用地域の用途地域に変更し,都市の健全な発展と秩序ある整備を図ってきたところでございます。そうした中,建築物が多数立地し,市街地が形成されている状況から,現在の用途地域が適切であると考えております。 次に,質問事項3,リニア中央新幹線工事について。 (2)坂下非常口でのトラブルにつきましては,JR東海からは,立て坑工事に用いる掘削土排出設備に不具合が生じたため,当該設備を用いる掘削作業については昼夜ともに見合わせたと聞いております。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) それでは,私からは,大項目1の小項目4と大項目3の小項目1と3の御質問に順次お答えいたします。 初めに,大項目1,太陽光発電所につきまして,一定規模以上の太陽光発電事業を実施する場合には,資源エネルギー庁が作成した事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)に遵守事項等が示されていること,また,本年4月からは,条例に基づく環境保全計画書の提出による事前協議や指導要綱に基づく雨水流出抑制施設に関する指導を行っていることから,太陽光発電設備の設置に関するガイドラインや指導要綱などを設置する考えはございません。 次に,大項目3,リニア中央新幹線工事について。 小項目1の西尾工区トンネル工事から発生した汚染土壌につきましては,搬出事業者からの報告によると,令和2年2月から8月の汚染土壌の発生量は4,030立方メートルで,公益財団法人愛知臨海環境整備センター,通称アセックに搬出しており,汚染状態については,土壌溶出量基準値に対し,最大でヒ素が6.5倍の0.065ミリグラムパーリットルです。 次に,小項目3の深夜工事につきましては,着工前の説明会において事業者が住民に説明した上で実施されているところでございますが,近隣住民から騒音等に関する苦情が寄せられた場合は,現地調査を実施するとともに,事業者に対しては,住民への配慮や丁寧な対応を求めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,私からは,大項目2,高蔵寺町でのマンション建設についての小項目1と小項目2について順次お答えさせていただきます。 初めに,小項目1,亜炭鉱の危険性についてでございます。 高蔵寺町では,昭和55年度と昭和56年度に亜炭鉱の採掘跡の充填工事を行っております。また,亜炭鉱の採掘跡に起因する陥没として,公益財団法人あいち産業振興機構により特定鉱害に認定された件数が,最近10年間では,宅地内と市道の歩道で計3件あることを認識しております。 次に,小項目2,亜炭鉱による事故が発生した場合についてでございます。 陥没被害が発生した場合は,あいち産業振興機構の特定鉱害復旧事業業務実施要綱に基づき,経済産業省・愛知県・あいち産業振興機構・市の4者で現地立会いを行います。その後,陥没の原因について,陥没被害が特定鉱害と確認された場合は,特定鉱害復旧事業等基金の補助を活用して市が復旧工事を行います。しかし,陥没の直接の原因が亜炭鉱の鉱区によるものでないと判断された場合には,特定鉱害復旧事業等基金の補助対象にはなりません。 ○議長(友松孝雄君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) 私からは,質問事項4,下水道事業受益者負担金についての御質問にお答えいたします。 初めに,徴収猶予の件数とその内容につきましては,経済的な理由により受益者負担金を納付することが困難とするものが1件,公道に接していないなどにより現時点で宅地化が困難,または公共下水道の利用が不可能と認められる土地に係るものが6件となっております。 次に,徴収猶予に係る更新期間についてですが,徴収猶予の事務において留意しなければならないことは,公平・公正な観点において猶予事案の管理をしっかり行うことと考えております。受益者の財産の状況や事情の変化は,受益者からの自発的な届出によるものでなければ把握することが困難であり,猶予事由が消滅したことをいち早く確認するためや,猶予期間中に売買などで受益者に変更があった場合の対応を速やかに行うために,定期的な状況確認は徴収漏れを防ぐために必要であると考えております。 また,期間につきましては,国税や地方税での徴収猶予の期限が1年以内としていることと同様の取扱いとしております。これらのことを踏まえ,制度を適正に運用するために,徴収猶予に係る更新期間について見直すことは考えておりません。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) それでは,私からは,質問事項5,学校運営についての御質問について順次お答えいたします。 初めに,小項目1,小学校の登校時のかばんについて。 本市の小学校のランドセル登校については,現在,登下校の安全を考え,荷物を背負う形状のものであれば,ランドセルに準じたものでもよいとしております。また,本年度は,市教委から各校に,熱中症対策の一環として市教委が保護者に配布した「今年度の熱中症対策について」で示した市内統一的な暑さ対策だけではなく,各校の実情に応じた暑さ対策は全て講ずるよう指示しているところであります。 次に,小項目2,警報発令時の対応について。 7月8日の大雨警報発表時における状況は,市内でも,登校が困難な地域もあれば,登校に支障がない地域もあるなど,地域によって様々な状況にありました。大雨警報は,多い年で年間10回以上発表されることもあり,全市一律に大雨・洪水警報時に休校とすることは,さきに申し上げた地域差もあることから,また,その後の児童の居場所も含めて慎重に考えなければならないことであると考えております。さらに,市全域より細かい,例えば地区別の局所的な雨量を予測することや,教員が学校にいない時間帯で学校判断を示すことも困難な状況にあります。 一方,御指摘のとおり,通学団に関する混乱を避ける必要もあります。そこで,登校時間帯に大雨警報が発表されているときは,例えば,全校自宅待機,もしくは保護者による送迎とするなど,今回の事案を踏まえた対応について早急に調査・研究してまいります。 次に,小項目3,学校情報アプリ「ホーム&スクール」について。 「ホーム&スクール」は,緊急メール,ホームページ,配布文書などの情報を一体管理・集約することを見据えて,今年度は研究段階としてモデル校で検証する予定でした。そのような中,コロナ禍における臨時休業が始まり,子どもたちの学びを保障するために,できることは迅速に,まずはやってみるという考えの下,授業動画配信に必要な家庭のネット環境緊急調査,休校中の学びを保障するための各種学習課題の配布など,「ホーム&スクール」の機能を有効に活用できると判断し,利用しました。一方,検証が不十分であったことから,使い勝手が悪いことについては否めず,現在もそのような声を反映したアプリのバージョンアップを進めているところであり,引き続き,操作性と利便性の向上に努めてまいります。 なお,費用につきましては,現在研究段階であるため発生しておりません。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) それぞれ御答弁をいただきました。一問一答で進めてまいります。 まず,太陽光発電所について,(1)の2回目でございます。 高座町に新設された発電所は,設計どおりでなく,工期を11月30日まで延長したとのことでございます。宅地造成等規制法は,崖崩れや土砂災害等が特に懸念される区域内での災害防止のために必要な規制を行うことを目的としています。工事が完了していない状態は,すなわち,災害防止の安全性が確保されていないということでございます。その期間の延長を認めることについての考え方をお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 質問事項1,(1)の2回目の御質問にお答えいたします。 宅地造成等規制法に基づく許可時に,条件として,工事中における宅地造成に伴う災害防止に万全を期す旨を附しており,安全対策につきましては,事業者にて対応されております。工期の変更につきましては,変更届にてその変更理由を確認し,認めております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 延長の申請を繰り返せば,ずっと適法していない状態のままで済んでしまうという観点も必要かと思います。それは法の趣旨には沿っておりません。延長した工期内にこの工事が終えられるのかどうか見解をお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (1)の3回目の御質問にお答えいたします。 最新の工事工程表の内容と現地の状況から,変更された工程どおりに施工が進められており,工期内に完了することを確認しております。なお,天候不良などにより工程どおりに作業が進まない場合は,工期の再延長も考えられます。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)に移ります。2回目です。 今度は,申請がないまま整備された発電施設についてでございます。こちらは,先ほどの施設よりも事は重大であります。経緯は,平成29年(2017年)の12月に許可申請が出されたということでございますけれども,施設自体はもっと前に設置されたものだと思います。いつ設置されたものかお尋ねいたします。そして,設置されてから現在に至るまで,ずっと安全が担保されていないという見方ができます。この発電施設がどこにあって,危険が及ぶ範囲に住宅等はないのか,詳細をお尋ねいたします。 そして,3度も工期変更がなされて,今年10月31日に工事完了とのことですが,本当に完了される見通しなのか,この御見解もお尋ねいたします。さらに,10月31日に完了しない場合は,これ以上の工期延長は認めず,現況復旧を命ずるべきと考えますが,そのお考えをお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (2)の2回目の御質問にお答えいたします。 発電施設は,平成25年度末頃に高座町地内に設置されており,発電施設の付近には住宅等が点在しております。また,工事完了につきましては,今年7月に変更された工事工程表の内容を,事業者と現地にて施工状況について立会いを行い,変更された工程どおりに施工が進められており,工期内に完了することを確認しております。なお,天候不良などにより工程どおりに作業が進まない場合は,工期の再延長も考えられます。市としましては,パトロール時において現地の状況を確認してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 平成25年度末ということですので,2014年には設置されていて,約3年間は違法状態のままであったと。その後行政指導が入って,2017年に申請されたのだと思いますけれども,今は2020年ですので,そこからさらに3年かかっても終わっていないというのは普通ではありません。工期の再延長も考えられるということでございますけれども,法の趣旨は災害防止であります。今の答弁では,周辺には住宅もあるということでございました。この先は,現況復旧を指導すべきだということは申し上げておきたいと思います。 (3)の内容に移ります。 こちらはパトロールの状況をお尋ねいたしました。きちんと実施していただいていることで,感謝を申し上げて(4)の内容に移ります。2回目でございます。 太陽光発電施設を設置できる条件を設けることについて,雨水流出抑制施設設置指導要綱に基づく指導を行うこととしたため,ガイドラインや指導要綱を設ける考えはないとのことでございました。これは,設置をする際のルールであります。冒頭御紹介いたしました神戸市などでは,危険区域など太陽光発電施設の設置を禁止する区域を条例で設定しています。春日井市においてもそうした条例を設定してもいいのではないかと思いますので,お考えをお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 大項目1,小項目4の2回目の御質問にお答えいたします。 大規模な太陽光発電設備などの構築物の設置を規制することにつきましては,森林伐採や土地の造成による土砂災害等を防止するなどの観点から,今後,先例市の取組について情報収集してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 4の3回目です。 太陽光発電所は,売電価格が低下してもパネルは低価格化が進み,また,直接契約による売電も増えることが予想されておりまして,今後も増える可能性があります。再生可能エネルギーの普及は必要ですけれども,そのうまみの部分だけを目的にした事業者が法の穴をくぐり抜けて設置した施設が自然を破壊し,生活環境や安全が脅かされることには対応が必要です。早期の条例化をすべきものと申し上げまして,この質問は終わります。 続いての質問事項,高蔵寺町でのマンション建設について,(1)の2回目です。 亜炭鉱の危険性は,春日井市としても,亜炭鉱が存在している可能性が高いと認識されているということでございました。最近の陥没事故についても答弁がございましたが,それ以外にも,2017年(平成29年)に,近くのアパートの駐車場で直径2メートル,深さ4メートルの陥没事故が起きています。これは,立て坑跡の陥没で,特定鉱害と認定されなかったので御答弁では述べられなかったものと思います。ともかく,この地域には亜炭鉱の空洞が間違いなく存在しており,将来にわたって注意を払わなければならないということを御確認いただきました。 それを踏まえて,(2)の2回目に移ります。 陥没が起きたらどうなるのか。今ほどの答弁は,亜炭鉱の陥没が生じた場合の手続の流れの説明で,実際にこのマンションの荷重で亜炭鉱の陥没事故が起きたらどうなるのかはよく分かりませんでした。まずはっきりさせたいのは,あいち産業振興機構の特定鉱害復旧事業の対象になるのか,ならないのか。私が聞き取りした範囲においては,必ずしも特定鉱害復旧事業の対象になるとは限らないとの見解を得ています。つまり,特定鉱害にならない,基金のお金が使えない場合があるとのことです。この見解で間違いないかどうか,明確にお答え願います。 そして,特定鉱害として認定されなかった場合に,責任の所在はどうなるのか,復旧の費用は誰が負担するのか,そこが目下の大問題であります。マンション建設事業者なのか,あるいは,このマンションは分譲マンションですので,所有者となるマンションを買った人に責任が生ずるのか,また,あるいは,陥没被害を受けた方がそれぞれ自分で復旧の費用を負担しなければならないのか。これについての法的な見解を教えていただきたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目(2)の2回目の御質問にお答えいたします。 必ずしも特定鉱害復旧事業の対象になるとは限らないかにつきましては,議員の見解のとおりであります。なお,陥没被害が特定鉱害と認められないときは,陥没が発生した要因により,その責任の所在は判断されるものであると考えております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 これは本当に深刻な問題だと思います。陥没事故が起きても,特定鉱害復旧事業の対象にはならず,基金で補償してもらえない場合もある。そして,その場合の責任の所在,費用を誰が負担することになるのかは起きてみないと分からないということだと思います。泣き寝入りということもあり得るわけです。これでは,住民としてはたまったものじゃないというのが率直な思いだと思います。とてもマンション建設を受け入れられるわけがない。 少なくとも,この部分の不安を取り除くことが必要不可欠です。特定鉱害として取り扱われる保証はないわけでございますから,マンション事業者が将来にわたって陥没事故が起きた場合の補償を行うことを約束する。また,建てられるマンションも,空洞がある前提で,少なくとも隣地には空洞が確認されておりますので,支持ぐいを打ち込んだ上に基礎を造るという工法をとる。こうした手だてがない限り,亜炭鉱に関する不安は取り除けないわけです。これを春日井市が事業者に対して指導する考えはないかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 私から,(2)の3回目の御質問にお答えいたします。 事業者の責任において安全な建物が建設されるものと認識しておりますが,市といたしましては,事業者に対し,住民の皆さんに丁寧な説明を行い,不安の解消に努めるよう指導してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (3)の内容に移ります。 住民の皆さんへの対応についてでございます。紛争予防条例に基づいて紛争が解決されるように努めるということでございました。解決すべき問題はこれまでのやりとりで明確になったと思いますので,それを踏まえて事に当たってほしいと思います。 (4)の内容に移ります。2回目です。 用途地域の変更については,難しいという答弁であったかと思います。どういうまちづくりをしていくのかという住民の意思を反映させる方法としては,地区計画という手法があります。住民の合意に基づいて,その地区の特性にふさわしいまちづくりを誘導するための計画で,春日井市内においても,幾つか地区計画を設定している地域がございます。例えば,この地域には高層のマンションは建てないという地区計画の策定も,今後同じ問題を生じさせないための方法だと思いますが,いかがでしょうか。御所見を伺います。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (4)の2回目の御質問にお答えいたします。 地区計画は,主として,当該地区内の住民等にとっての良好な市街地環境の形成または保持のための地区施設及び建築物の整備並びに土地利用に関する一体的,かつ総合的な計画として定めることができるものです。地区計画は住民や区域内の土地に権利を有する者及びその代理人が主体的に関与して定めることが望ましいとされており,地域住民から地区計画の提案があれば,都市計画法にのっとった手続を進めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (4)の3回目です。 今回のマンション建設計画は,地域の抱える問題と住民の思い,そしてマンション建設事業者の考え方や手法との間にかなりギャップがありまして,丁寧なすり合わせが必要です。しっかりと市が寄り添っていただきますことをお願いして,この質問は終わります。 続いて,リニア中央新幹線工事について,(1)の汚染土壌の状況,これは分かりました。美濃帯の重金属はまだ出ていないようですけれども,ここは心配な部分でありますので,引き続き注視をしてまいります。 (2)の2回目です。 坂下非常口でのトラブルについて,掘削土排出設備に不具合が生じたとのことですが,夜,轟音が発生して,その後工事が中断しているとの話ですから,何らかの事故があったと理解すべきものだと思います。その詳細をお尋ねいたします。そして,この件について住民に対する説明はどうなっているのかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) 質問事項3,(2)の2回目の御質問にお答えいたします。 8月22日に行われましたリニア説明会の中では,クレーン設備が不具合を起こして機器の一部が落下した音であるとJR東海が住民に対して説明を行っております。また,JR東海が作成している昨年12月の工事工程表の中でも不具合があったことを記載し,公衆の見やすい場所に掲示したと聞いております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の3回目です。 クレーン設備が不具合を起こして機器の一部が落下したとのことです。一般的に,それは事故と言います。事故があったのに,その報告は工程表に不具合があったと書いただけ,それも2か月後の12月です。住民への説明は,つい先日の説明会で,住民からの質問があったから答えただけです。事業者の説明責任を果たしているとは到底言えません。事故やトラブルが生じた際には,速やかに市や住民に対して説明や報告を行うことが事業者の務めではないかと思います。これは,市からも指導すべきだと思います。この点,お考えをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) まちづくり推進部長 大島常生君。 ◎まちづくり推進部長(大島常生君) (2)の3回目の御質問にお答えいたします。 JR東海からは,説明資料の中で工事に関する問合せがいつもできるよう連絡先を記載し,住民の方からの御意見に対応していると聞いております。市は,JR東海に対しこれまでも丁寧な説明と情報開示を求めておりますが,工事の状況など,近隣地域をはじめとした市民の皆様へ丁寧な説明を行うよう,JR東海に対し引き続き要請してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (3)に移ります。2回目です。 近隣住民の負担を軽減することについて,現状把握のための現地調査をするという積極的な答弁もございました。市の真摯な姿勢は評価したいと思います。 今後,神領非常口でも立て坑工事が本格化します。こちらも住宅地に隣接した場所での工事になります。工事説明会では,ここも,ニューマチックケーソンの工事は早朝3時までの工事時間と説明されています。坂下の状況を踏まえると,やはり,深夜までの工事はやめてほしいと思います。この点の市の受け止め方と,工事時間の短縮を事業者に申し入れる考えはないかお尋ねいたします。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 大橋弘明君。 ◎環境部長(大橋弘明君) 大項目3,小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 神領非常口工事におきましても,同様に,近隣住民から騒音等に関する苦情が寄せられた場合は,現地調査を実施するとともに,事業者に対しては住民への配慮や丁寧な対応を求めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) 次の質問事項に移ります。 下水道事業受益者負担金についての2回目です。 徴収猶予の期間の見直しは行わないとのことでございました。毎年申請をしている方からは,書類は全て手書きでの記入が必要で,申請に添付する書類を準備するのも大変だし,市に対してお願いをする文書も書いているとのお話をお聞きしました。制度の運用上,毎年の申請が必要だとしても,せめて,その書類の作成はもっと簡略化ができるのではないでしょうか。印鑑を押して必要書類を添付すれば済むようにできないものかと思いますが,御所見を伺います。 ○議長(友松孝雄君) 上下水道部長 小久保健二君。 ◎上下水道部長(小久保健二君) それでは,質問事項4の2回目の御質問にお答えいたします。 更新時には,事前に市から送付する下水道事業受益者負担金徴収猶予申請書に必要書類を添付の上,申請いただいております。現在,申請書には,負担金の総額,申請理由,当該土地の地番,面積などを申請者に記載していただいておりますが,来年度からは,市から申請書を送付する段階でこれらの事項をあらかじめ印字したものをお渡しすることで,申請者の負担を少しでも軽減できればと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) ありがとうございました。真摯なお答えだったかと思います。 質問事項,次に移ります。学校運営について,(1)の2回目です。 ランドセルでなくてもいいということについて,ほとんどの保護者,あるいは現場の先生方も御存じないのが実情でございます。これを機に,より積極的にこのことを周知すべきと考えますが,お考えをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 小学校のランドセル登校に関する周知につきましては,従来より入学説明会などを通し行っておりますが,今年度から,新入学児童に配布しております「小学校スタートブック」の大幅な見直しに合わせて,「入学Q&A」の欄へ具体的に,ランドセルの色や形にルールはないこと,登下校の安全を考え,荷物を背負う形状のものであればランドセルに準じたものでもよいとしていることを新たに記載し,周知の仕方の工夫に努めているところでございます。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (1)の3回目です。 今回は,暑さ対策としてランドセルでなくてもいいよという通知が学校からなされましたが,暑さが収まったらランドセルで来てねと学校が通知してしまうかなとも思っております。学校の先生方が,そもそも,ランドセルでなくてもいいということを知らないからであります。これは,暑さ対策に関係なく,引き続きランドセルでなくてもいいのだという対応をとっていただきたいと思いますが,この点のお考えをお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目1の3回目の御質問にお答えいたします。 小学校のランドセル登校については,現在,登下校の安全を考え,荷物を背負う形状のものであればランドセルに準じたものでもいいとしていることから,暑さ対策に関係なく,今後も運用してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) (2)の内容に移ります。 警報発表時の対応についてですけれども,子どもたちの安全確保と混乱回避の観点での議論が始まったものと受け止めました。昨今の気象現象は変化のスピードと激しさが増しておりますので,早期の対応をお願いして,この項目は終わります。 (3)の内容に移ります。2回目です。 アプリ「ホーム&スクール」について。 コロナ禍における臨時休業の中で,子どもたちの学びを保障するためにも挑戦をしたということでございました。心意気は分かりますけれども,完成されていないシステムを急いで導入した結果,かえって混乱しているということは,きちんと受け止めていただきたいと思います。 費用は研究段階だから発生していないということでございますが,実用段階になったら発生するということだとも思います。今までのメールとホームページでの運用で何の不足も不都合もなかったもの。よほど利便的で革新的なものでない限り,拙速にお金を出してまでこれを使うという判断はしないでほしいと思います。 そして,この研究段階の不完全なものが唯一の連絡手段になっているということについては対応が必要です。メールとアプリを併用していた学校も,2学期からはアプリのみになったというところもございます。そもそも,スマートフォンの普及率が高まっているとはいえ,旧来の携帯電話の御家庭もございます。連絡はアプリのみでという対応は適切ではありません。教員の負担を減らすためにも,一本化したいのであればメールにすべきです。アプリを使いたいのであれば,メールも併用して,保護者が都合のいいほうを選択できるようにすべきと考えますが,これについての御所見を伺います。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 松原眞一君。 ◎教育部長(松原眞一君) 小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 「ホーム&スクール」は,現在研究段階であることから,問題が解消され,運用ベースに達するまでの間は,緊急メール等との併用で運用してまいります。
    ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤建治君。 ◆26番(伊藤建治君) もう併用していない学校が既にありますので,ここは徹底していただきたいと思います。ともかく,このアプリは全然駄目なんです。一度アプリのユーザー評価を御覧いただきたいと思います。コロナ禍で,今までより学校と保護者の連絡を密にとることが求められている状況下で,使うに値しないレベルの低いアプリを運用していることについては,早々に改善すべきだということを申し上げまして,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。     〔21番 村上慎二郎君 登壇〕(拍手) ◆21番(村上慎二郎君) 議長のお許しを得ましたので,通告に従い質問させていただきます。 ホテルプラザ勝川は,過去,経営状況が著しく悪化したことを受け,平成14年度に,2階,4階,5階の一部を所有者である勝川開発株式会社から本市が購入し,市民のためのコンベンション機能を併せ持ったコミュニティー交流拠点として生まれ変わり,収益についても,大きな利益は見込めないものの,安定的な黒字を計上できるまでに改善いたしております。 それから18年が経過し,宿泊部門は常に高い稼働率を維持していることに加え,宴会部門におきましては,市内,あるいは市外のあらゆる団体が気軽に利用できる施設として市民生活に浸透し,今では,本市になくてはならないホテルとして,その存在意義が確立されるまでに至ったと評価しております。 ところが,去る8月17日に開催の文教経済委員会での報告において令和元年度の収支が報告されました。その中で,現時点で利益準備金がほとんど残っておらず,借入金を活用して手元資金の確保に努めているとの答弁がございました。言い換えますと,見方によっては,借入金によって何とか会社の存続をつないでいる状態で,極めて厳しい状況にあるとも受け止められます。平成14年度のときとは違い,主な原因としてコロナ禍における経済活動の停滞が根底にあることから,当ホテルのみではなく,同業界全体が同様な状況に陥っているだろうということは理解をいたしております。ですが,本市が一部を保有するホテルでもあり,市長が社長を務めておられる勝川開発株式会社とも人的・資金的・資本的にもつながりの深いこのホテルの危機的状況に対しては,本市が強く後押しして対応を進めていかなければならない問題だと考えます。 そこで,当ホテルの現状を正確に把握するとともに,今後の対応について順次お聞きいたします。 まず初めに,小項目1,収支状況についてです。 8月17日の文教経済委員会では,利益準備金がほとんど残っていない状況との説明がありました。令和2年4月から7月の収支状況について確定値を伺います。 続いて,小項目2,キャッシュフローについてです。 債務超過の状態にあっても,最終的には,キャッシュフローが回っていれば会社が倒産することはありません。収支が厳しいときに注視すべきはキャッシュフローであります。令和2年度の資金繰りの状況について伺います。 最後に,小項目3,今後の経営計画についてです。 冒頭申し上げましたとおり,現在,借入金を切り崩しながら日々の事業を続けている状態にあるとのことですが,いつまでもこの状態は続けられません。今後どのように対応していくのかお伺いし,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) それでは,大項目1,株式会社ホテルプラザ勝川の経営状況と今後の対応について順次お答えさせていただきます。 初めに,小項目1,収支状況についてでございます。 令和2年の収支状況につきましては,4月が収入1,865万円,支出が5,215万3,000円,経常損益マイナス3,350万3,000円,5月の収入が2,015万5,000円,支出が5,230万6,000円,経常損益がマイナス3,215万1,000円,6月の収入が3,473万1,000円,支出が5,747万4,000円,経常損益がマイナス2,274万3,000円,7月の収入が4,880万1,000円,支出が5,855万円,経常損益がマイナス974万9,000円,4月から7月までの累計は,収入が1億2,233万7,000円,支出が2億2,048万3,000円,経常損益がマイナス9,814万6,000円でございます。 次に,小項目2,キャッシュフローについてでございます。 今回の新型コロナウイルス感染症の影響による売上げ減少に対して,当面の現金確保のため,日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付1億円,愛知県の愛知県新型コロナウイルス感染症対応資金4,000万円と合計1億4,000万円を調達しております。これにより,7月末時点での現金及び預金は1億6,180万円を確保しております。 次に,小項目3,今後の経営計画についてでございます。 今後の対応についてですが,社内のプロジェクトとして,売上げ増加策としてテイクアウト等の営業の強化,経費削減策として仕入れ方法の再構築等を推進していくこととしております。また,引き続き,雇用調整助成金をはじめ各種支援施策を積極的に活用し,営業外収益の確保に努めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) それでは,一問一答に入らせていただきます。 まず,小項目1,収支状況についての2回目です。 7月末の経常損益が9,814万円の赤字ということです。文教経済委員会の報告では3月末時点での純資産額が6,051万円ですので,既に債務超過に陥っているということが分かりました。借入金を使いながら事業を継続している状態ですので,今年度の収支見込み次第では,今年度中に資金がショートする可能性があります。現在の手元資金がいつまでもつかを見込むには,資金繰りの元となる本年度の収支見込みが必要となります。今年度の収支をどう見込んでいるのかを伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の状況が不透明なことから,今年度の収支見込みは,現時点で9月までの上期分のみ予測しております。それによりますと,収入は1億9,244万6,000円,支出は3億3,833万4,000円で,経常損益はマイナス1億4,588万8,000円となっています。令和元年の上期の経常損益がマイナス2,836万8,000円ですので,昨年に比べて経常損益で1億1,752万円のマイナスとなっております。下期の収支につきましても予断を許さない状況ですので,最悪の場合には,上期と同程度の収支も想定しておかなければならないと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) 上期の予想では,経常損失が1億4,588万8,000円,最悪の場合は下期も同程度になることも想定しなければならないとの答弁でした。通期では約3億円の経常損失になり得ることも考えなければならないということです。収支予想を甘めに見込んだとしても,約2億円の経常損失は,現実的には覚悟しなければならないでしょう。ホテルが直面している経営状況は,私が認識してきた状況よりもさらに厳しいものだと理解いたしました。 続いて,小項目1,収支状況についての3回目です。 月別の損益を見てみますと,7月の経常損失は974万9,000円と大きく回復の兆しが見られております。売上高も回復しておりますが,6月と比べ約1,300万円の収支が改善しております。売上高の伸びに対して収支改善の幅が非常に大きいと思いますが,改善の理由について伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目1の3回目の御質問にお答えいたします。 7月には,国による持続化給付金200万円,4月・5月分の雇用調整助成金965万円,愛知県・春日井市新型コロナウイルス感染症対策協力金50万円が営業外収益として計上されております。ホテルとしましても,利用可能な制度の活用により,収入の確保に努めました。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) それでは,小項目2,キャッシュフローについて,2回目に移ります。 1回目の答弁では,手元資金として7月末で1億6,180万円あるとのことでした。当面の運転資金は確保されていることが分かりました。一方,そのうち1億4,000万円はコロナ対策の制度融資を活用したものということも理解いたしました。 それでは,今後の資金繰りについて,小項目1の収支見込みの答弁と併せて考えてみます。答弁では,最悪の想定では約3億円の赤字もあり得るということでした。この場合,7月末現在の経常損失が9,814万円でありますので,減価償却費が少額であることから,経常損失イコールキャッシュ減少分と仮定すると,8月以降約2億円の資金が減少いたします。7月末現在の資金残高が1億6,180万円ですので,今年度中にキャッシュが不足することから,事業を継続するためには再度借入れが必要になります。また,約2億円の経常損失で決算を迎えた場合は,約1億円の資金が減少するため,手元資金が数千万円レベルまで落ち込みます。この場合も,再度借入れが必要となるレベルだと考えます。いずれも,現在の収支見込みでは,事業継続のためには今年度中に再度借入れが必要になる可能性が高いということです。 そこで,2回目の質問です。制度融資を活用して借り入れた1億4,000万円の返済計画についてどうなっているのか伺います。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 返済計画としては,日本政策金融公庫の1億円の貸付けの据置期間が2年間のため,3年目から返済が始まります。また,県制度融資の4,000万円は据置期間3年間です。したがいまして,2つの借入れを合わせて,3年後から約1,250万円,4年後からは約1,820万円に借入利息を加えた分の返済が必要になります。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) 返済の据置期間を経て,4年後には約1,820万円の返済が始まるということです。コロナ禍の終息によって仮に収支が通常の状態に改善したとしても,これまでよくて数百万円の経常利益で推移してきたことを考えますと,借入金を返済する能力はもう既にないということになります。また,これまでの答弁から,事業継続のためにはさらなる借入れも必要になることも見込まなければなりません。その場合は,借入金の返済額もさらに積み上がります。このままでは,コロナ禍から元の状態に戻っても,既にキャッシュフローが回らない状態であるということが分かりました。 そこで,小項目3,今後の経営計画についての2回目の質問に移ります。 1回目の答弁では,コロナ対策の支援制度を活用するとともに,テークアウト等の営業強化や経費削減策を推進しているとのことです。ホテルが,自らできることを最大限に努力しているということは理解いたしました。7月単月の大幅な収支改善は,努力の成果だと評価いたします。 しかし,これまでの質問に対する答弁から,今後企業として継続していくためには,もはや,ホテルで働く関係者の努力で何とかなる状況にはなく,経営の課題として抜本的な事業の見直しが必要であることは明白であります。ホテル経営の素人の私から見ても,宿泊部門や宴会部門は利益を上げているように見えますが,地下1階,地上1階,3階は,もっと有効に活用できる余地があるように見えます。 そもそも,こうした詳細の数字が見えていないことが問題であると考えます。また,勝川開発とのやりくりで容易に収支を調整できる体制になっていることも,経営状況が見えにくくなっている要因でもあります。まずは,宿泊部門,料飲部門,婚礼部門,一般宴会部門,それぞれの部門別収支による詳細な分析が必要だと考えますが,当局の考えについて答弁を求めます。 また,借入金が返済できる状況へ持っていくには,テナント貸し,不採算事業の廃止,優良店舗の誘致,ホテル事業の専門家の登用,相続の問題を抱える所有者の整理など,勝川開発との関係も含めて抜本的な見直しによる大幅な収支改善が必要となります。まさに,今が抜本的な経営改善のタイミングだと思いますが,今後の方向性をどのように考えているのか,併せて答弁を求めます。 ○議長(友松孝雄君) 産業部長 足立憲昭君。 ◎産業部長(足立憲昭君) 小項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 ホテルの人員シフトの関係などから,宿泊・料飲といった形での部門別の算定は難しいというのが従来の判断でしたが,特に,こうした厳しい情勢の中では,さらなる詳細なホテル経営分析の必要性から,今後,部門別収支の算定等について,ホテルに対して検討を促してまいりたいと考えております。 ホテルプラザ勝川は,剣道大会などの全国大会や各種イベント時には,市外からの宿泊により,この地域に飲食やお土産といった宿泊に付随する需要をもたらし,地域経済に貢献しております。また,勝川駅前という利便性の高い場所で,大人数を収容可能な市内随一のコンベンション施設であることから,春日井市にとって必要不可欠な施設であります。このため,市としても,ホテルの利用方法,施設の有効利用,顧客の拡大策等,様々な角度からの対策を講じ,コロナ禍の下,新しい生活様式にマッチする地域に愛されるホテルを目指し,売上拡大,経費削減に向け,親会社である勝川開発とともに,様々な視点から検討してまいります。 ○議長(友松孝雄君) 21番 村上慎二郎君。 ◆21番(村上慎二郎君) それでは,3回目です。 前向きに御答弁いただいたと受け止めます。1点ですが,部門別収支につきましては,固定費の配分をどう考えるかだけなので,十分に可能だと思っております。難しいのではなくて,むしろ,これまで詳細な収支管理を必要としなかっただけのことだと受け止めております。 最後に,意見として申し上げます。 冒頭申し上げましたとおり,ホテルプラザ勝川は,市民になくてはならない施設として存在意義が確立されてきたと私自身は評価をしております。存続させなければならないという考えは一致しております。 しかし,このコロナ禍におきましては,ホテルプラザ勝川だけではなく,同じように極めて苦しい状況下で必死に事業を継続している企業がたくさんあると思われます。民間企業は,資金繰りに対して基本的に金融機関等の協力を得るしか方法がございません。こうした企業と同じ土俵に立って,あくまで自力で借入金の返済が可能な体制を構築することが最低限の経営責任であると考えます。この体制を構築するためであれば,必要に応じて,再度市が支援することも理解を得られるだろうと思います。危機的な状況にある今しかできない抜本的な経営改善を強力に進めていただくことを御期待申し上げ,質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。     〔7番 石田裕信君 登壇〕(拍手) ◆7番(石田裕信君) 議長のお許しを得ましたので,通告に従い一般質問を行います。 最初に,新型コロナの影響による国保税の減免についてです。 4月,新型コロナウイルス感染症の影響により,主たる生計維持者の収入が3割減少する見込みの世帯に対し,国の全額負担で国民健康保険の減免が実施されることが決まりました。コロナの影響が続く中,この制度を利用する方が増えています。 しかし,今回の減免制度は,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスだった場合,対象とならないという問題があります。この前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの中には,前年無職で収入がなかった方や年金生活の方も一部含まれますが,病気により休業せざるを得なく所得がなかった方や,経営上,前年度の所得が赤字になってしまった方も含まれています。 国民健康保険は,前年度所得が低ければ所得割の負担は減りますが,算定方式により違いがあるものの,均等割,平等割はひとしくかかるため,負担は決して軽いものではありません。そのため,多くの自治体では国民健康保険の減免を行っており,春日井市でも,災害や長期療養などで支払ができない方に対する減免や,前年度の所得が低い方に対する減免を行っています。前年度所得額が低い方は,2割・5割・7割の3区分の割合で減免され,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方は,前年度所得が33万円以下の方が対象となる7割減免に区分されます。 そして,今回国の出した新型コロナウイルス感染症に関する国民健康保険の減免制度では,新型コロナウイルス感染症によって主たる生計維持者が死亡または重篤な傷病を負ってしまった場合であれば,対象期間中の保険料の全額を免除し,そして,新型コロナの影響から主たる生計維持者の収入が前年度比で3割減少見込みとなった世帯で,所得合計が1,000万円を超えておらず,事業収入以外からの収入が400万円以上ない世帯であれば減免を受けることができます。そして,この減免にも区分があり,前年所得が300万円以下だった場合は減免割合が10割となり,全額免除となります。本来,この条件であれば,春日井市の減免制度と同じく,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方でも,前年度比で収入が3割減少見込みであれば300万円以下に含まれることになります。そのため,10割減免が受けられるはずです。 以上のことから,1回目の質問として,今回の新型コロナウイルス感染症に関する国民健康保険税の減免制度において,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの場合はなぜ減免対象にならないのかお聞きします。 続きまして,大項目の2,避難所におけるピトグラムの活用についてです。 以前,市民の方から,外国人の方との意思疎通についてのお話をお聞きしました。トラブルがあった際,いざ注意するにしても,言語が通じず,身ぶり手ぶりで意思を伝えるしかなかった。そのときは緊急事態ではなかったからいいが,災害時,避難所などではどうやって意思疎通するのかと心配されていました。 私の住むURでは外国人の方が多く,実際に,私もコミュニケーションをとる機会がありました。多少の挨拶程度の日本語はしゃべれるものの,細かい話になると,身ぶりや手ぶり,英語を交えながら話すことになってしまい,英語も伝わらず,きょとんとした顔をされるばかりだったので,話の詳細が伝わったかは分からないままです。 春日井市の外国人人口は現在約7,800人で,主には,韓国,中国,ベトナム,ブラジル,フィリピンの方など,多くの国の方が住んでいます。日本語を十分に習得している方も少なく,もし突然の災害があった際に,外国人住民が多い地域であれば,避難所での情報伝達は困難を極めることになってしまいます。この言葉の壁を解消するのは難しく,通訳できる方がいれば一番いいのですが,様々な国の方がいる中で,市内全ての避難所に通訳者を配備するわけにもいきません。 そのため,1回目の質問として,災害時に外国人の方が被災し,避難所に避難した際,春日井市では日本語が不慣れな外国人の方に対する情報伝達手段があるのかについてお聞きします。 次に,大項目の3,街路樹による歩道の根上がり対策についてです。 日頃より,市民の方から歩道のでこぼこに関しての話をお聞きします。この歩道のでこぼこの要因としては,経年劣化など様々ありますが,街路樹の根っこの力で歩道や縁石が盛り上がる根上がりというものがあります。根上がりは,車道側ではなく,主に歩道に発生します。車道側は,重い車両を通行させるために表面に50から70センチの舗装を敷いており,その下の土も非常に固く締められているため,街路樹の根はなかなか入り込めません。それに比べ,歩道の表面舗装は20センチ程度となっており,固くは締められているものの,車道に比べ根が侵入しやすく,空気や水を求めて街路樹の根がアスファルトの下の狭い砂の層に入り込み,舗装を持ち上げて根上がりを起こします。 そのため,根上がりに関しては,歩道を歩く方から,つまずいたり,転んだという声や,自転車に乗られている方からは,根上がりに乗り上げた拍子にかごの荷物が飛び出してしまった,バランスを崩して転んでしまったというお話をお聞きします。そのほかにも,シニアカーで根上がりを乗り越えることができなかったというケースもあるそうです。 1回目の質問として,令和元年度,根上がりで歩道が盛り上がったものの補修件数と,それに伴う事故の報告がありましたらお聞きいたします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) それでは,私からは,大項目1,新型コロナの影響による国保税の減免についての御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症の影響に係る国民健康保険税の減免につきましては,初めに,前年の世帯の所得に占める主たる生計維持者の減少することが見込まれる事業収入等に係る所得の割合に応じて,減免の対象となる保険税額を計算します。次に,その額に,主たる生計維持者の前年の合計所得金額や失業の状況に応じて決定される減免割合を乗じて算出いたします。主たる生計維持者の前年所得がゼロ,またはマイナスの場合,世帯の所得に占める割合がゼロとなるため,減免の対象となる保険税額がゼロとなり,減免額もゼロになります。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) 私からは,大項目2,避難所におけるピトグラムの活用についての御質問にお答えいたします。 小項目1,外国人被災者に対する情報伝達についてでございますが,日本語が不慣れな外国人への避難所における情報伝達手段といたしましては,平成30年度に聴覚障がいのある人を支援するためコミュニケーションボードを作成し,各避難所に配備したところですが,イラストに加え,日本語とともに英語も記載しておりますので,外国人にも本ボードを用いて情報をお伝えすることができるものとなっております。さらに,より分かりやすく避難所内の情報をお伝えするために,食べ物を配りますなど避難所における主なお知らせについて,イラストと日本語に加え3つの外国語表記を記載した大型表示板の作成を,現在障がい福祉課において進めているところでございます。 ○議長(友松孝雄君) 建設部長 石黒直樹君。 ◎建設部長(石黒直樹君) 私からは,大項目3,小項目1,歩道の根上がりについての御質問にお答えいたします。 街路樹の根上がりによる歩道の補修につきましては,令和元年度に25か所施工いたしました。なお,根上がりによる事故の報告はございませんでした。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) それぞれお答えいただきました。これからは一問一答で進めていきます。 大項目の1,新型コロナの影響による国保税の減免についての2回目です。 今回の新型コロナウイルス感染症に関する国民健康保険税の減免制度では,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方に関しては,今回の減免割合を出す計算方式だと減免額がゼロになるという理由から,対象になっていないとのことでした。 新型コロナウイルスの経済への影響は多くの事業者に出ており,前年度所得が低いからと影響がないわけはなく,春日井市の制度で同じように7割減免を受けている前年度所得が33万円以下から1円だった方は,減免は問題なく受けれています。前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方は,ただ計算できないという理由から対象より外されているんです。 全国商工団体連合会が厚生労働省に対し,病気休業や赤字経営などの理由で前年の所得がなかった場合なども今回の減免措置の対象となるのかと質問したところ,保険者の個別の判断により,被保険者の個々の事情に応じて保険税減免を行うことは可能である。ただし,保険者の個別の判断により保険税減免を行った場合は,財政支援の対象とならないという回答がありました。ここでいう保険者は自治体のこととなりますので,自治体が勝手に減免するのはいいけれど,国はお金をださないよという内容です。しかし,この回答により,自治体が独自でやるのであれば,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方に対して減免を行うことができることが分かりました。 2回目の質問として,今回の減免制度の対象となっていない前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方でも,前年度比3割減少見込みであれば,市独自で国民健康保険税の減免を行ってはどうかお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民生活部長 冲中 浩君。 ◎市民生活部長(冲中浩君) 大項目1の2回目の御質問にお答えいたします。 国民健康保険における新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る保険税の減免につきましては,国の財政支援を受け,国の基準に基づいて実施しているところですが,前年度所得がゼロの方につきましては,従来より7割の負担軽減が図られておりますので,さらに市独自に基準を設ける考えはございません。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) 3回目です。 今回の,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方が対象とならないのは,国の出した制度に不備があると言わざるを得ません。新型コロナの影響は大きく,国民健康保険税が7割軽減されていても大きな負担となります。国の財政支援がなかったとしても,新型コロナの影響から春日井市の事業者を守るべきではないでしょうか。市として,前年度所得がゼロ,もしくはマイナスの方も今回のコロナ減免の対象に加えるよう求めまして,大項目1の質問を終わります。 次に,避難所におけるピクトグラムの活用についての2回目です。 もう各避難所に聴覚障がいのある人用のコミュニケーションボードがあり,それで外国人の方とも意思疎通ができること。ほかにも,イラストや言語表記した大型表示板も作成中とのことで安心いたしました。 同じように外国人人口の多い豊橋市では,外国人の方との情報伝達にピクトグラムを活用しています。ピクトグラムとは,日本語でいうと案内用図記号で,言葉に頼らず,目で見るだけで情報を伝え,注意を促すことを目的に使用する記号の一つで,国際的にも利用されており,様々な国の駅や空港などでも目にすることができます。日本でもよく目にする非常口のマークや禁煙のマークもピクトグラムの一種です。日本では,2002年にJISでよく使うピクトグラムが取り決められ,多くの公共交通機関や公共施設などでも使用されており,国の文化ごとの違いも考慮し,内容は年々更新されています。 豊橋市では,以前まで,避難所での連絡手段として,手書きの掲示や拡声器による音声で連絡を行っていましたが,様々な言語の被災者がいる中で,日本語のみを使用した案内では不十分で,情報伝達に問題が生じるとして,救護室の位置や炊き出し,水の配給の際に間違いやすい飲料水か生活用水かの判断などの様々な表示に,視覚性が高く,ぱっと見て分かるピクトグラムを活用しているそうです。日本語の表記案内の多い公共施設等では,避難所として利用する際,日本語案内の上からピクトグラムを貼り付けたり,あらかじめ避難所の見取り図や案内板を大きく印刷しておき,ピクトグラムと組み合わせ外国人にも分かりやすい地図による案内も行っているそうです。 2回目の質問として,今ある情報伝達手段に加え,避難所内のお知らせや案内表示に国際的にも利用されているピクトグラムを活用するべきと考えますが,春日井市としても案内にピクトグラムを採用してはどうかお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 長谷川 透君。 ◎総務部長(長谷川透君) それでは,大項目2の2回目の御質問にお答えいたします。 先ほど申し上げましたコミュニケーションボードや大型表示板を設置することにより,日本語が不慣れな外国人に対する避難所での情報伝達の手段は確保できるものと考えておりますが,今後も,ピクトグラムの表示を含め,よりよい避難所の環境づくりを引き続き進めてまいります。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) 昨今,様々な地域での災害が相次いでいます。いざというときのために,日本語が不慣れな外国人の方も安心できるような避難所づくりを進めていただければと思います。大項目の2については以上です。 次に,大項目の3,街路樹による根上がり対策の2回目です。 元年度,補修を行ったのは25か所で,根上がりによる事故の報告はないとのことです。とはいえ,実際に転んでしまったという事例も聞いています。 そして,街路樹にも重要な役割があります。市街地の緑化による景観向上や,歩道と車道の区別や運転時の視線誘導,歩行者への日陰の提供やヒートアイランド化の抑制,排気ガスや騒音の緩和,火災時の延焼防止や地震時の家屋倒壊防止,そして,地球温暖化問題における二酸化炭素削減など様々です。街路樹の維持と安全な歩行環境の確保の両方が必要です。 2回目の質問として,春日井市の行っている根上がり箇所の補修方法をお聞きします。 ○議長(友松孝雄君) 建設部長 石黒直樹君。 ◎建設部長(石黒直樹君) 大項目3の2回目の御質問にお答えいたします。 街路樹の根上がりによる歩道の補修につきましては,段差の発生原因となりました街路樹の根を切断・撤去し,舗装の復旧を行っております。 ○議長(友松孝雄君) 7番 石田裕信君。 ◆7番(石田裕信君) この街路樹による根上がりの問題は,多くの自治体でも取り上げられており,様々な調査書が出ています。内容は様々ですが,根上がり箇所は,根を切り,補修を行っている自治体がほとんどです。その一方で,根を切ることに関しての問題点も指摘されています。街路樹の根を切っての補修では,再び根が伸びてきて繰り返し根上がりを起こしてしまうケースや,根を切ったことにより街路樹を弱らせ,最悪の場合は栄養や水分が足りず枯れてしまい倒れてしまうケース,根がなくなったことで木自体の踏ん張りがなくなり,突風により木が倒れやすくなってしまうケースもあるそうです。そのため,根上がりの補修工法に関しては,自治体だけでなく様々な企業からもアイデアが出されており,いかに街路樹を守り,根上がりを防ぐかが主な内容となっています。 横浜市では,2008年から街路樹を守る工法を実践しています。根上がりの補修対処時に街路樹の根が良好に生育することができる土壌の層を舗装の下に造り,舗装自体も浸水性を持ったものを使用して,根に栄養や水,空気が行きやすくなる工法を採用しています。そのため,街路樹への影響も少なく,根上がりの再発を防ぐこともできます。 3回目の質問として,工法は様々ありますが,春日井市も市民の安全のため,そして街路樹を守っていくために,横浜市のような工法を検討してはどうかお伺いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 建設部長 石黒直樹君。 ◎建設部長(石黒直樹君) 大項目3の3回目の御質問にお答えいたします。 根上がりの防止対策につきましては,御提案の事例など,様々な工法があることは承知しております。なお,本市におきましては,根上がりを防止するための事前の対策は実施していませんが,根上がりが発生した箇所につきましては,歩行空間の安全性や歩行者の利用頻度などを考慮し,適切な補修方法により修繕を実施しております。今後も,引き続き,補修箇所の早期発見,早期改修に努め,安全・安心な歩行空間を確保してまいります。 ○議長(友松孝雄君) お諮りいたします。本日の会議はこれにて散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(友松孝雄君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて散会いたします。                    午後4時48分 散会 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項 △(イメージ)一般質問事項...